総務委員会速記録第十一号

平成二十二年六月十一日(金曜日)
第一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十五名
委員長小磯 善彦君
副委員長田中たけし君
副委員長伊藤まさき君
理事大松あきら君
理事山口  拓君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
小山くにひこ君
淺野 克彦君
西崎 光子君
神野 吉弘君
鈴木 勝博君
吉原  修君
田島 和明君
川井しげお君

 欠席委員 なし

 出席説明員
青少年・治安対策本部本部長倉田  潤君
総合対策部長小濱 哲二君
治安対策担当部長伊東みどり君
参事浅川 英夫君

本日の会議に付した事件
 青少年・治安対策本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第三十号議案 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例(継続分)
請願陳情の審査(質疑)
(1)二二第一〇号 東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正案の廃案を求めることに関する請願
(2)二二第二八号 東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正に関する陳情
(3)二二第二九号 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例に関する陳情
(4)二二第三二号 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案に関する陳情
(5)二二第三七号 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例に関する陳情

○小磯委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小磯委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、青少年・治安対策本部関係の付託議案及び請願陳情の審査を行います。
 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 付託議案及び請願陳情の審査を行います。
 第三十号議案並びに請願二二第一〇号、陳情二二第二八号、陳情二二第二九号、陳情二二第三二号及び陳情二二第三七号を一括して議題といたします。
 付託議案については、既に説明を聴取しております。
 請願陳情について理事者の説明を求めます。

○浅川参事 お手元の資料、請願・陳情審査説明表に基づき、ご説明いたします。
 整理番号1の請願二二第一〇号から整理番号5の陳情二二第三七号までの五件は、いずれも東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案に関する請願及び陳情ですので、一括してご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。初めに、整理番号1、請願二二第一〇号でございます。
 本件は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正案の廃案を求めることに関する請願で、府中市の、「有害」コミック問題を考える会二〇一〇、笹倉尚子さんから提出されたものでございます。
 請願の要旨は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正案は、表現の自由を侵害し、公権力の家庭への介入を招くおそれがあり、改正案を廃案にしていただきたいというものでございます。
 一枚おめくりください。整理番号2、陳情二二第二八号は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正に関する陳情で、三重県四日市市の稲垣寿紀さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、現在、都議会で審議されている青少年の健全な育成に関する条例の改正について、議決の延長、再考をしていただきたいというものでございます。
 整理番号3、陳情二二第二九号は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例に関する陳情で、大阪府和泉市の八木健太郎さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例を成立させないでいただきたいというものでございます。
 また一枚おめくりください。整理番号4、陳情二二第三二号は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案に関する陳情で、埼玉県さいたま市の新井智さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案を廃案にしていただきたいというものでございます。
 一枚おめくりください。整理番号5、陳情二二第三七号は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例に関する陳情で、江戸川区の福尾明美さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において現在審議されている東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例を、廃案もしくは表現の自由を阻害しない形にしていただきたいというものでございます。
 これらの請願及び陳情につきましての現在の状況でございます。メディア社会が広がる中で、近年、インターネットや携帯電話による有害情報をめぐり、青少年が犯罪やトラブルに巻き込まれるだけでなく、誹謗中傷やいじめにより他人を傷つける事件も頻発しています。また、インターネットを中心に児童ポルノが蔓延しているほか、子どもとの性行為を描いた悪質な漫画等が一般書店等で子どもが自由に手に取れる状態で販売等をされています。
 これらの課題に対処するため知事は平成二十年十二月、青少年問題協議会に、メディア社会が広がる中での青少年の健全育成について諮問し、協議会は約一年の協議を経て答申素案をまとめ、都民意見を募集、反映させた上で、平成二十二年一月、知事に答申を行いました。
 都はこの答申を踏まえ、平成二十二年第一回定例会に、青少年のインターネット利用に関する環境の整備及び児童ポルノを初めとする青少年をみだりに性の対象として扱う図書類等について、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例を提案いたしました。
 その主な内容は、第一に、ネット・携帯について、フィルタリングの実効性の確保やフィルタリングの解除手続の厳格化を図る。第二に、児童ポルノの根絶に向け、何人も児童ポルノをみだりに所持しない責務を定める。第三に、青少年をみだりに性的対象として肯定的に描写している漫画等を青少年に販売、閲覧等をしないよう、事業者に対し自主的な取り組みを求めるとともに、そうした漫画等のうち青少年に対する強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写している著しく悪質な漫画等を不健全図書類の指定対象に追加する、などでございます。
 なお、都では、昭和三十九年に条例を制定した当初から、漫画等を含めた図書類のうち、性的感情を刺激するものなどについて、青少年への販売、閲覧等をさせないような制度を設けています。このような制度は、長野県を除くすべての都道府県の条例に規定されており、最高裁判例においても合憲とされております。
 第一回定例会で条例改正案の審議が行われましたが、関係規定について十分かつ慎重に議論し、都民の理解と支持を得られるものとする必要があるなどの意見が出され、継続審査となりました。
 その後、都は、都民の理解を得るため、改正案のポイントや、特に問い合わせの多かった事項について質問回答集をホームページに掲載するとともに、関係団体等に対しては個別に説明を行っており、その状況について五月六日の総務委員会で報告を行いました。また、五月十八日には、総務委員会において四名の参考人から意見聴取が行われたところでございます。
 以上で説明を終わります。ご審査のほどよろしくお願いいたします。

○小磯委員長 説明は終わりました。
 これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○吉田委員 それでは、三十号議案、青少年健全育成条例の一部を改正する条例案、及びこれに関連する請願陳情について質疑をさせていただきます。
 初めに、通常の会議順序を変えて、一番目で質問させていただく配慮をしてくださったことに対して、委員の皆さんに対して心からお礼を申し上げたいというふうに思います。
 これまでも、この条例改定案についての質疑がされてまいりました。しかし、第一回定例会以降、反対の声はさらに広がるという事態がありますし、また五月十八日の参考人質疑では、法曹界、あるいは学者、当事者の方々から極めて有益な意見が出され、質疑をすることができました。そうした一定後の事態や参考人質疑で出された意見などをもとに、若干、質疑をさせていただきます。
 第一回定例会以降も、漫画家連盟、劇作家協会、さらに法曹界でも、東京の二つの弁護士会だけではなく、日本弁護士連合会、いわば法曹界からも反対の声が上がるというかつてない事態が広がっております。私はやはり、東京都としてこうした事態を真摯に受けとめて再検討することが、今、求められているというふうに思います。
 こうした点で、我が党の本会議での代表質問に対して、ペンクラブへ文書を送付したとの答弁がありました。また、もちろん他の団体にも文書送付が行われていることは承知をしておりますけれども、こうした反対声明を発した団体などに対して文書送付、説明を行ったことに対して、当該の団体がどのような返事なり対応をとられているのか、まずそのことからお伺いいたします。

○浅川参事 さまざまなご意見をいただいたことは、真摯に受けとめております。しかし、ご意見の中には、条例改正案について明らかに誤解に基づくものも含まれていたため、ご指摘に対する都の考え方をお示しするとともに、条例改正案の趣旨をご説明した文書を既に日本漫画家協会や東京弁護士会など、その他団体にも送付しているところでございます。
 現時点での反応でございますが、先方からは特段の反応はいただいておりません。

○吉田委員 私はペンクラブにメールで問い合わせいたしましたけれども、東京都から文書が送られてきたけれども委員会に諮った結果それを受けて特段、発した声明を変えることはないということを確認したという旨のお話を、一例ではありますけれども聞いております。
 いずれにしても、都が文書その他の手段で見解を表明した後も、当該の団体の方々は、じゃあ誤解だったからということで訂正するということにはなっていないのが現実だと思います。
 この点で、参考人質疑のときに前田参考人が、かく側からのマイナスの点に関して至らなかった、ずれを生じた大きなポイントだという旨を発言し、現場の意見をよく理解することが大事だということを反省として述べられたということは、答申の作成の中心的な役割を果たされた方の発言として非常に重く受けとめるべきだと思いますし、その方が、このような事態が想定できず、十分な意見交換ができなかったといわれているわけですから、都の条例案を絶対的なものとして、ただ誤解であるということで説明を行うのではなくて、改めて真摯に協議をするというのが本来の東京都の現時点での態度だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○浅川参事 前田参考人の発言は、青少年問題協議会での検討を行っている際に、もっと現場の声、意見を聞いておくべきであったとの発言と承知しております。
 都におきましては、都議会第一回定例会に議案を提出する前に、出版業界や電気通信事業者など関係団体と、条例の趣旨の説明や意見交換を行ってまいりました。また、五月六日の総務委員会で、ご説明の機会が得られていない、三月十五日に反対表明を行った漫画家の方々に対しましてもご説明の機会を調整していると答弁いたしましたが、その後、日本漫画家協会の著作権部の方々との話し合いの機会を持つこととなり、五月十三日に意見交換を行ったところでございます。

○吉田委員 五月六日の質疑のときにも私は申し上げましたけれども、東京都の見解を説明するだけではなく、積極的にやはり出版、創作に携わって懸念を表明されている方々の意見をくみ上げるということが、私は、経過から見ても、今、求められているというふうに思います。
 それで、条例改定案をめぐって一番問題点として指摘をされ、疑問が集中しているいわゆる七条二号の点についてですけれども、みだりに、あるいは肯定的という表現が極めてあいまいで、恣意的な解釈の危険があるということが、第一回定例会以降出された各団体の文書でも共通して指摘をされているところであり、また参考人質疑でも、そうしたことが二人の先生から指摘されましたけれども、改めて現時点でこの指摘をどのように認識しているんでしょうか。

○浅川参事 質問回答集で明らかにしているとおり、みだりにとは、正当な理由がなくということであり、正当な理由とは、例えばレイプ事件の裁判員裁判において裁判員の方に被害状況を説明するため、再現写真のかわりにその被害場面をイラストにかきあらわす場合などを指します。
 また、肯定的にとは、不当に賛美または誇張してということであり、不当に賛美とは、例えば小学生が大人との性交を喜んで受け入れている、大人に対し性交を誘っている場面などの表現を指し、不当に誇張とは、性行為のシーンがストーリー上不必要なほど強調されたもの、延々と描写されたものや繰り返し描写されたものを指します。
 条例の具体的な適用に当たりましては、条例の条文や規則、議会での答弁、あるいは解説書、質問回答集など、公に明らかにされた文書などをもとにして運用を行っていくという考えでございます。
 また、不健全図書の指定を行う場合は、東京都青少年健全育成審議会の場において、出版等の業界に関係を有する代表の方、保護者の代表の方、学識経験を有する方など複数名による公平、公正な視点での慎重な審議を経て指定する仕組みとなっておりますので、恣意的解釈の余地はないものと考えております。

○吉田委員 そうはおっしゃいますけれども、参考人質疑のときに、この点について私は前田参考人にお伺いいたしました。
 明確ではないのではないかというときに、前田参考人からは、法的に不明確だとはいえないというご答弁がありました。それでしたら、みだりに肯定的とはどういう概念なのか説明していただきたいという旨をさらに質問したところ、具体的な事例が出たところで判断していく、それを言葉できれいに書き分けろというのは無理という旨のご答弁を、答申に携わった前田先生がそう述べたわけですよね。
 それがやはり現実だというふうに思いますし、今、答弁その他も判断の基準になるという旨のご発言がありましたけれども、この参考人質疑では、宮台教授からは、質問回答集の答弁、解釈は基本的に条例解釈として拘束されない、法律は条文がすべてというあの発言があったことも、私たちは専門家の発言として重く受けとめていく必要があると思います。
 さらに、参考人質疑の際に、田中弁護士参考人の発言で、非常に私は重要だと思ったんですけれども、明確な規定ができないのは、その言葉が適切か否かということではないんだと。そもそもこれまでの図書規制は、犯罪や自殺誘発など具体的な危険への対策だったと。ところが今回は健全な判断能力の形成にとって適否かということを基準にするから、どんなに言葉を選んでも解釈できないという旨の発言があったということは、非常に私にとって参考になる発言でしたけれども、この点どのように受けとめていらっしゃるでしょうか。

○浅川参事 法令や条例につきまして立案者としての解釈を公式に議会で答弁することは、その後の法令、条例の解釈の基礎となっていくものでございます。だからこそ、議会審議は極めて重要であると考え、このように繰り返し答弁しているものでございます。
 また、質問回答集は、立案者としての解釈を都民の皆様にお示しし、そのように解釈、運用することをお約束したものでございます。
 また、田中弁護士のご指摘の件でございますが、今、理事の方では、性的感情を著しく刺激するという、今現在、性に関する問題という部分についての例示を挙げていられなかったんですが、性的感情を著しく刺激するとの現行指定基準は、具体的な危険性を要求していないと考えております。現行基準と比較しましても、今回の改正案はより具体的であり、明確な基準であると考えております。

○吉田委員 さらに、岐阜県条例の判決についてをもって表現規制、表現の自由を侵すものではないということがこれまでもいわれ、我が党の代表質問でも答弁をされました。
 この判決の対象事項と今回の七条二号というのは、そもそも対象的に違うことではないでしょうか。機械的にこれを当てはめることは適切ではないと思います。
 また、この岐阜県条例の判決の補足意見でも、基準の明確化ということが指摘されているのではないでしょうか。どうでしょうか。

○浅川参事 都と岐阜県、ともに青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書類について、青少年への販売を制限する仕組みをとっており、この制度の合憲性を明らかにしたのが、岐阜県における同種の条例に関する最高裁判例でございます。
 岐阜県につきましては東京都と異なり包括指定制度をとっているところでございますが、伊藤正己裁判官の補足意見における基準の明確性についてを見ますと、対象となっている図書類の規制について、特に包括指定の場合は、そこで有害図書指定されるものが個別的に明らかにされないままに、その販売や自動販売機への収納は直ちに罰則の適用を受けるものであるから、罪刑法定主義の要請も働き、一層その判断基準が明確でなければならないと指摘しております。
 また、青少年の保護を目的とした、青少年を受け手とする場合に限っての規制であることから見て、一般の表現の自由の規制と同じに考えることは適当でなく、明確性の要求についても、通常の表現の自由の制約に比して多少緩められることも指摘してございます。

○吉田委員 この点は参考人質疑でも田中弁護士からお話がありましたし、私も改めて、この岐阜県条例に対する判決文を読みましたけれども、この判決の対象は図書規制一般ということではなくて、具体的に著しく性的感情を刺激、残忍性を助長するということをもって規制することについてどうかというのが対象事項だと思うんですよね。これは既に東京都が実施をしていることです。
 具体的に今回、先ほど述べた第七条二号などの都の新たな拡大的な規制ということの適否について、岐阜県条例での最高裁判決が下ったものではありません。したがって、これを機械的に、岐阜県条例の判決をもって問題なしとすることは、厳密にいえばやはり不適切だということをいわざるを得ないと思いますし、岐阜県の場合には包括指定であり、それに対する明確化だというご答弁がありましたけれども、だからといって個別指定の場合には明確化の必要はないんだということは、私はいい得ないと思いますし、補足意見は、規制範囲が漠然としているために、いわゆる萎縮的効果を広く及ぼし、不当に表現行為を抑制することになるということを指摘していることは、今回の問題で多くの作家から出されている意見からしても、まさに当然だというふうに思います。
 次に、関連して、出版の自由などが保たれているということが繰り返しいわれておりますけれども、第九条で新たに、個別の本だけではなく、事業者への措置が加わりました。この場合の必要な措置とはそもそもどのような措置を意味するのか。明らかに、その図書ではなくて業者そのものに制裁的なことを科すということになれば、出版の自由に対して影響をもたらすことは明らかだと思うんですが、いかがでしょうか。

○浅川参事 条例改正案第九条の三第二項に定める必要な措置とは、青少年に販売等をしないための措置のことであり、現行条例第七条の青少年の健全な成長を阻害するおそれがある図書類等を青少年に販売等をしないように努めなければならないとする事業者による自主規制の規定を前提としたものでございます。
 具体的な取り組み例を挙げるとすれば、現行条例第九条の二により、事業者には、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるとみずからが認める内容の図書類を発行する場合には、青少年が閲覧することが適当でない旨の表示をする努力義務がかかっているため、表紙にそのような表示を付して発行することなどでございます。したがって出版の制限を求めたりすることは一切なく、出版の自由を制限するものではございません。
 また、改正案第九条の三による勧告及び公表に係る規定は、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある図書類を青少年に対し販売等をしないようにするための措置を求めるとともに、その履行を担保するためのものであり、創作行為や出版、成人への販売を制限するものではないことから、出版の自由に反するとの指摘は当たらないものと考えております。

○吉田委員 いろいろいわれましたけれども、いずれにしても、出版業者そのものに対する一定の新しい抑制的な行為をこの条例改定案が行おうとしているということは、明確な事実だというふうに思います。
 次に、インターネット・携帯電話等の問題にかかわって何点か質問いたしますけれども、改定案のインターネット・携帯電話の規定に関して、国の青少年インターネット環境整備法の定着や実効性の向上というために規定を設けたんだという説明ですよね。
 しかし、国の法は、例えば青少年が主体的に判断する能力を取得する点や、また民間における自主的かつ主体的取り組みを地方公共団体は尊重するという規定、さらに保護者についても青少年の利用状況を適切に把握するということにとどまっています。
 そうしたことから見たら、明らかに今度の東京都の改定案は、定着といいながら、国の法律の範囲をさらに超える新たな一歩を踏み出すというものだと受けとめざるを得ませんけれども、いかがでしょうか。

○浅川参事 改正案の規定は、平成二十一年四月の青少年インターネット環境整備法施行後も、都内においてインターネット上のコミュニティサイトやプロフィールサイトなどの非出会い系サイトなどを通じ児童買春などの福祉犯罪の被害に遭う子どもがふえるなど、インターネットに関し子どもが被害者にも加害者にもなるさまざまな問題が発生していることを受けまして、青少年インターネット環境整備における事業者や保護者の努力義務規定などを踏まえつつ、その実効性を向上させるための規定を置いたものでございます。
 例えば、改正案第十八条の七は民間事業者の自主的な取り組みによりフィルタリングの実効性の向上を求める規定であり、このように条例改正案は、法の規定や趣旨を十分に踏まえた上で、その範囲の中で定めた規定となっており、法の逸脱には当たらないというふうに考えております。

○吉田委員 範囲内といいますけれども、法が定めたものを明らかに超えた新たな規制を求めているということは否定できないと思います。私はとりわけ十八条の八、保護者等の責務の五項で、知事は保護者に説明、資料提出、そして必要な調査をすることができると。この点について、法曹界からも、公権力による家庭への介入ではないかということが指摘され、さらに日本弁護士連合会は、そもそも条例制定権の限界から見ても問題があると。
 例えば児童虐待などの場合にはそうしたことが許されると思いますけれども、明らかにそれを超えるものではないかということが指摘されております。たとえ任意だというふうにいっても容認できないと思いますが、改めてこの点どうでしょうか。

○浅川参事 改正案第十八条の八第四項では、保護者に対する指導助言規定を置いておりますが、これは青少年インターネット環境整備法第六条の保護者の責務規定を踏まえ、保護者に、子どものインターネット利用の適切な把握、管理を求めるものでございます。
 しかし、それにもかかわらず、子どもがインターネットを通じ、いじめなど実際の被害を生じさせたことが確認された場合に、その再発を防止するための適切な監督が保護者により行えるようにするため、都として必要な指導助言を行うものでございます。
 また、同条第五項は、その指導助言の内容を適切なものとするために必要な事項を確認する目的で、説明、資料提出、調査の規定を置いているものでございまして、応諾義務を課したり強制処分を定めたりするものではなく、あくまで関係者の同意のもと、任意による聞き取りを行うものでございます。
 したがって、家庭教育への介入には当たらないものと考えております。

○吉田委員 先ほども述べましたけれども、こうした家庭に対する調査、資料提出等々ということを定めているものは、私の知っている限りでは、児童福祉法で児童虐待等、まさにその子どもの命を守るという場合のみであって、他の場合でさまざまな社会問題があったとしても、家庭に対して都知事が直接、資料、説明を求める、調査を求めるということは、一切ないわけですよね。そういう意味でいえば、たとえ任意であったとしても極めて重大な問題だというふうに指摘をせざるを得ないと思います。
 さらに、十八条の六の四で、児童ポルノ根絶、そして性的視覚描写物の蔓延抑止に関連した都民等の責務に関してですけれども、都が実施する施策に協力するよう努めるものとすると。一般的に「努める」ではなく、都の施策に協力することを求めるということが明記をされております。当然、都民の中にはこうした都の対応も含めてさまざまな意見がある中で、一律に都の施策への協力を求めるということは、多様な意見がある中で、そうした都民の思想信条を侵害することにもなりかねないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○浅川参事 児童ポルノの根絶に関して都の施策へ協力することが思想及び良心の自由を侵害するのではないかとのご懸念についてのご質問でございますが、改正案第十八条の六の三及び第十八条の六の四については、児童ポルノの根絶に向け、児童ポルノは悪であり許さないという、事業者及び都民の意識を醸成することを目的とし、自発的な取り組みとして、根絶に向けた都の施策に対する協力を求めるものでございます。
 したがって、何ら強制を伴うものではなく、思想及び良心の自由を侵害するものではございません。
 なお、児童ポルノを根絶すべきとの理念については、児童ポルノが、被写体となっている子どもへの性的虐待であることにかんがみれば、社会一般の理解を得られるものと考えております。

○吉田委員 この条文では、児童ポルノ根絶という一般論ではないんですよ、都の施策に協力を求めると。そして今度の改定案に対しても、都民の中からさまざまな意見が出されているのが現実なんですよね。私どもも、児童ポルノは根絶すべきだということは繰り返し述べておりますけれども、にもかかわらず、たとえ強制力がないにしても、都の施策に協力ということを縛るということは、やはり私は都の行うやり方としてやるべきではないという意見を、改めて表明させていただきます。
 そもそも参考人質疑で田中弁護士が強調したように、淫行処罰をすべきだ、その他さまざまな意見があった中でも、十七期青少協答申はあくまでも青少年自身の自己決定能力の育成ということを基本にすべきだという結論に達しました。それは今日でも、私は大事な視点だというふうに思います。
 もちろん、規制はすべて許さないというわけではありません。一定の規制は当然あり得るものですけれども、それは基本的に最小限にし、やっぱり青少年の健全育成をいかに支援するのかということに力点が置かれるべきだと思います。
 また、出版関係者からも、そうした自分たちの責任を自覚した声が、今、上がっているということは、改めて大いに敬意を表すべきだと思います。例えば、社団法人日本漫画家協会は次のように結論を述べています。
 我々は創作活動の健全なる自由さを享受するだけでなく、今後も引き続き倫理観を持ち、社会的責任を自覚した創作活動を進めていく決意を新たにするということを述べているんです。おれたちは自由だから好き勝手だなんていうことは決していっていないんですよ。
 やはり、そういう自覚を促し、合意のもとに行われていくというのが本来の姿だというふうに思います。
 さらに、最後に紹介させていただきますけれども、日本PTA全国協議会による、経年的に行われていますけれども、子どもとメディアに関する意識調査が、最近発表されました。
 漫画、コミックに対してどうすべきかということの第一位は、出版業界の自主規制、四七・六%でした。自治体による規制要望は、わずかそれの半分近い二四・九%です。さらに、有害図書の範囲を現状より拡大すべきだという声は一一・三%にとどまっていました。これが、日本PTA全国協議会が行ってきた最新の結果ではないでしょうか。私は、今度の改定案は、そうした父母の皆さんの願いに沿うものではないということを指摘しておきたいと思います。
 いずれにしても、改定案は極めて重大な影響を持つものです。しかも国の法律の枠を超えた、新たな規制を求めるという内容です。それだけに、出版、創作関係者あるいは日本弁護士連合会を初めとする法曹界から、字句の部分的な問題ではなく根幹について反対意見が出されているということを、私たちは議会も含めて重く受けとめるべきだと思いますし、部分的な字句の訂正ではなくて、そもそも条例を撤回する、そして改めて一から議論し直すことが求められているということを述べまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○小山委員 私からは、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例に関しまして、お伺いをさせていただきます。
 さきの第一回定例会で本改正案が継続となりました後に、本総務委員会としては参考人招致を行い、そして都議会民主党としては、都内におけます現場視察や多くの関係諸団体から意見交換など、現状把握に努めてまいりました。また、業界に対しても要望を行っております。
 それら継続後の対応を踏まえて、以下、質疑を行います。
 先月、五月十八日に行われました総務委員会の参考人招致の質疑、意見から、幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、首都大学東京教授の宮台真司参考人の質疑の中で、宮台参考人は、表現規制よりもむしろメディアの受容環境の制御、整備こそ最善策であるとおっしゃられておりました。さらに、この最善策の努力を放棄して次善策に飛びつくのは、単なる行政的な怠慢であるというふうにいわざるを得ませんと指摘をされております。
 そこで、メディアの受容環境の制御、整備について、東京都の見解をお伺いいたします。

○浅川参事 宮台教授のご指摘は、メディアの影響力に関する限定効果説、すなわちメディアは、素因があるものについて、その素因の発現を促す効果を及ぼすという説に立たれた上で、その効果は、一人で見るのか、ほかの人と見るのか、だれと見るのか等により異なるものであり、緊密な対人ネットワークの中で見ることでメディアの効果が中和されるという趣旨であったものと理解しております。この意味で、メディアに接触する際の環境が重要であるという宮台教授のご指摘には同意するものでございます。
 都においては、インターネットや携帯電話、ゲームの利用について、保護者と子どもが一緒になって家庭内でのルールづくりを行うことを促進するためのファミリeルール講座を実施しており、この取り組みも、受容環境の制御のための施策とも位置づけ得るものと考えております。
 そもそも、子どもの健全な育成のための環境整備において、その成長段階に応じた親や友人とのコミュニケーションや、地域全体での見守り、学校における教育などが不可欠であることは論をまたないところでございます。しかし、図書類につきましては、子どもが一人でも買うことができる書店の一般コーナーにある図書類の中に、子どもに対する悪質な性行為を描いた漫画等が売られているのが現状でございます。また、このような漫画の多くは、表紙はかわいい子どもや制服の少女など、一般の漫画と変わらない印象を与えるものも多く、親がそのすべての中身を把握することは困難でございます。
 このような現状の改善を、親や地域、学校のみに求めることには限界があることから、著しく悪質で明らかに子どもが見ることはふさわしくない図書類については、制度として子どもに見せないようにすることも必要であり、このような制度は、受容環境の制御の一環としても重要な役割を持つものと考えております。

○小山委員 今お答えをいただいた中で、展開としては、これらの受容環境として、東京都としては、今こういったファミリeルール講座などを実施しており、こういったことも取り組みの一つだというふうにとらえていらっしゃると。そしてそれ以上に、そもそも論として、やはり子どもの成長段階に応じた親や友人とのコミュニケーション、地域全体での見守り、あるいは学校における教育などが不可欠である、こういうことは論をまたないと今おっしゃっていただきました。
 その中で、こういう図書類のお話があったわけですけれども、今は、東京都としては、既にこういうさまざまな地域や社会での取り組みがもはや限界であるという認識をされているということです。しかし私どもは、果たして限界なんでしょうかと。まだ、これら地域や、あるいは社会、親、そういったところでの取り組みというのが、まさしく東京都はこういうファミリeルール講座を実施されていらっしゃるわけですから、こういった取り組みの施策推進というのがもっと十分に図られてしかるべきなのではないでしょうか。私は、宮台参考人が受容環境の整備、制御こそ最善といわれていたのはもっともなことだと思いますし、東京都としては、今までのこの施策があるわけですから、そういった施策をさらに充実、発展させることの方が、より本質的な改善につながるのではないかというふうに思います。
 そこで、同じく宮台参考人から、この指定図書がどんどん減ってきているというようなご発言もありました。こういったご発言に対して、近年の指定図書の推移についてお伺いをさせていただきたいと思います。

○浅川参事 ご答弁させていただく前に、今のお話の中で、限界があるということについてのご疑問を呈されておりました。教育など、そういうような面でしっかり取り組むべきではないかというふうに、今、私は理解したんですが、有害な情報からみずからを守る、性に関する判断能力というのは、子どもの成長過程の中で年齢に応じて段階的に積み上げていくというものでございます。それにもかかわらず、子どもが性的対象として描写された悪質な漫画などが、子どもの年齢を問わずに、だれもが読むことができる書棚に置かれ、それを目にした当該の子どもの性に関する判断能力を超える場合は幾らでもあり得るものでございまして、それらを目にした子どもへの悪影響を考えると、条例改正により子どもの目に触れないよう区分陳列を行う環境整備が必要であるというふうに考えております。
 したがいまして、現時点におきましては、性に関する判断力の育成、教育というようなものとあわせて、青少年の健全な環境整備を行っていくことがやはり必要であるというふうに考えております。
 それから、年間の平均不健全図書指定数についてでございますが、昭和四十年から十年ごとに申し上げますと、昭和四十年から四十九年は五十七・六冊、昭和五十年から五十九年が百二十・九冊、昭和六十年から平成六年が百五・一冊、平成七年から平成十六年が百一・四冊、平成十七年から平成二十一年の五年間は三十三・六冊でございます。
 近年の減少につきましては、平成十三年の条例改正において、自主規制の一環としての区分陳列制度が規定され、さらに平成十六年の条例改正によって、区分陳列を行う図書類について表示及び包装が義務づけられたことにより、自主的に表示図書として区分陳列される図書類が増加したことが背景にあるものと考えております。
 ただし、これはあくまで現行指定基準に該当する図書類に関する数値であり、また、平成十六年の条例改正は、自主的な取り組みによっては十分に区分陳列が徹底されていなかったことに伴う措置でありまして、条例に規定することにより自主規制が促進されたものであると考えております。

○小山委員 冒頭に指定図書の数をお伺いしたわけですが、先にそのご答弁の中で、あえてその限界のお話がありましたが、私どもは、確かに両方ともこれは必要であるということは十分承知をしております。しかし、本来やるべきことは、宮台参考人がいわれていたように、受容環境を整備、制御することの方が、実際の現実社会でそういった問題が起こったときに、より子どもたちの健全な育成を図るためにおいては重要なのではないかというご指摘なわけです。
 ですから、そういった行政的な努力をまずもってすることの中で、その中から、次の次善の策というものがあり得るんじゃないかと。これは恐らく、それぞれ見解の相違もあろうかと思いますので、こちらに関しては述べさせていただくということにしたいと思います。
 そして、その指定図書の数に関してでありますけれども、指定図書の数は昭和四十年代からお答えをいただきました。この数に関しては、平均冊数でお答えをいただきましたが、徐々に少なくなっていると。もちろん、少なくなっている要因としては、さまざまな区分陳列制度の規定だとか、あるいは平成十六年度の条例改正等々、こういったものも必ず一つの背景にあるんだということのお答えをいただきました。
 確かにそういうお答えではありますけれども、こういった取り組みというのは、実は業界と非常に積み重ねの努力をされた上で、こういった一つの数字が出てきていると。減少しているということは紛れもない事実だというふうに思います。
 そこで、平成十六年度の条例改正ということもお答えをいただきましたので、その後の数値、平成十七年以降の数値で全部お答えいただいてもいいんですが、直近のこの一年で結構ですので、月別の冊数をお答えをいただきたいと思います。

○浅川参事 では、平成二十一年度でお答えさせていただきます。四月に三冊、五月に四冊、六月に三冊、七月に三冊、八月に二冊、九月に三冊、十月に三冊、十一月に四冊、十二月に一冊、一月に一冊、二月が二冊、三月が三冊でございます。

○小山委員 それぞれご答弁ありがとうございます。月の冊数でいえば二、三冊というのが、この二十一年の数値であると。これは、こういった数値にあるということだけを、とにかく確認をさせていただきたいと思います。
 そして、もう一点は、この参考人招致の質疑の中で、青少年問題協議会の専門部会長として本条例改正につながる答申をまとめられました、首都大学東京法科大学院教授の前田雅英参考人の質疑の中からお伺いをさせていただきたいと思います。
 この質疑の中で、条例改正ができなかったということから伴う、青少年を守っていく環境に対して大きなダメージにつながってしまうのではないかとの質問に対し、前田参考人は、改正案ができなかったから急に大きなダメージが生じるというのはちょっと違うかなという感じがしますとのお答えをいただいております。この発言に対する東京都の見解をお伺いしておきたいと思います。

○浅川参事 今回の条例改正案は、青少年に対する悪質な性行為を描いた漫画等が青少年の健全な性的判断能力の形成を阻害するおそれがあることを踏まえたものでございます。前田教授のご発言は、性的判断能力は一朝一夕に形成されるものではなく、青少年を取り巻く環境の中で青少年の成長過程に応じて徐々に形成されていくものであることを考えれば、このような漫画による影響も徐々に蓄積していくものであると考えられるものであり、そうしたことから、条例改正案の成否により直ちに大きな影響が出るというものではないという趣旨であったと理解しております。
 しかし、そのような漫画等を青少年が容易に閲覧等をすることができる状況が今後も放置され、継続されれば、性的判断能力のゆがみが蓄積していくおそれがあることに変わりがないことから、早期に区分陳列のための取り組みを開始することには大きな意義があるものと考えます。
 前田教授も、区分陳列をするということについて都民の大方のご賛同が得られると考えており、形式的な言葉のやりとりで大事な施策がとまってしまうことによって生ずるデメリットが大きいとも述べており、本条例改正案の成立がおくれることについて懸念を示されたものと理解しております。

○小山委員 今、東京都のご見解を示していただいたわけでありますけれども、この前田教授のご発言の趣旨の理解という中で、性的判断能力は一朝一夕に形成されるものではない、そして、青少年を取り巻く環境の中で青少年の成長過程に応じて徐々に形成されていく、こういうことだと。その中には、先ほども申し上げましたけれども、もちろん一方的にこの条例によってすぐにこの問題が解決するというわけではないと。その受容--環境の改善ということが非常に大きな意味を持つということは、多分一致できると思います。その環境の改善がそれぞれの面から、東京都側のお考え、そして私どもの考えと、そこに先ほども申し上げたちょっと見解の違いがあるんだということを改めて申し上げさせていただきますが、前田参考人がここの中で発言をされた意味というのは、大変私は、正直大きいと思っています。
 先ほど来の質疑の中でも、やはり実際の条例改正案につながった答申をまとめられた前田参考人の発言でありますので、こういうことに対しては私どもも重く受けとめていかなければならないと、このように考えております。
 それでは続きまして、私ども都議会民主党が現場視察や多くの関係諸団体との意見交換をしました中から、幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、青少年のインターネットの適正な利用に関してお伺いをいたします。
 私たち都議会民主党は五月上旬に、渋谷駅前にありますソフトバンクモバイル渋谷店を視察いたしました。携帯電話事業者による現状のフィルタリングサービス加入強化の取り組みを確認するためであります。
 携帯電話事業者の説明によりますと、約一年前より、未成年者が携帯電話を申し込む場合にはフィルタリングを原則加入とする、そういったシステムで申し込みが行われているということでした。そして、東京都内全域では、この申し込みシステムに基づく契約となっており、新規契約の約九五%がこのシステムを介した申し込みとなっているということであります。そして、残りの五%の申し込みも、ソフトバンクの受付センターでフィルタリング加入の確認をしているとの説明を受けました。
 また、その説明の中から、私どもから、直営店以外で契約する場合は大丈夫なのかという質問をしたところ、大手の量販店などにもスタッフを派遣して対応していたりと、こういったことが現実に行われているとのことでありました。
 また、このような取り組みの結果ともいえると思いますが、日本PTA全国協議会によります平成二十一年度マスメディアに関するアンケート調査、子どもとメディアに関する意識調査によりますと、保護者に、子どもが所有する携帯電話、PHSにフィルタリングサービスを導入しているかどうかを聞いたところ、導入しているというのが六九・八%、そして導入をしたが解約をしたというのが四%、そして導入をしていないが二三・八%となっております。
 ここで我々が見なければならないのは、この結果、平成二十年度に比べ、導入しているという回答が一二・七%ふえているということであります。このように、この結果からも一つわかりますが、フィルタリングサービスの啓発は徐々に浸透していることがうかがえると思います。
 この現場視察や調査結果などから、未成年者の携帯電話利用について着実にフィルタリングサービスが導入をされているという現状がわかりますが、この現状に対する都の見解をお伺いいたします。

○浅川参事 昨年四月に施行されました青少年インターネット環境整備法におきまして、青少年に使用させるための携帯電話の契約を行おうとする保護者は、その旨を事業者に申し出ることが義務づけられたこと。また、原則として青少年の使用する携帯電話にはフィルタリングを提供することが事業者に義務づけられたこと。そして、フィルタリングを解除する場合には保護者の申し出が必要であるとされていること。そうしたことから、ご指摘の状況は、この法的義務の履行に向けた取り組みが実施されている、法を遵守しているということの結果であると考えております。
 また、日本PTA全国協議会の全国調査の数値を今ご紹介がございましたが、都が本年一月から二月にかけて都内の携帯電話を利用している小中学生三百人の保護者を対象に行った調査においては、フィルタリングへの加入率は、インターネットが使えない機種、設定になっている場合も含めて、六八・三%にとどまっております。また、携帯電話事業者により構成される社団法人電気通信事業者協会による調査においても、平成二十二年三月末時点での十二歳以上十五歳未満の契約者のフィルタリング加入率は六八・九%であり、都の調査とほぼ同様の結果となっております。
 一方で、法施行後も、インターネットを介した青少年の福祉犯罪被害数が増加するなど、インターネット上の有害情報をめぐる青少年の被害やトラブルが頻発している状況にございます。都といたしましては、青少年をインターネット上の有害情報から守り、被害者にも加害者にもしないための手段として、フィルタリングの普及を進めているものでございまして、現に青少年の被害状況が法施行後も増加している現状においては、引き続きフィルタリングのより一層の普及のため、できる限りの取り組みを図る必要があるものと考えております。

○小山委員 今お答えいただきましたように、フィルタリングの原則加入というのが、法施行後、実際に行われて着実に伸びていると。そして、先ほどの東京都のお答え、今のご答弁の中にも、フィルタリングのより一層の普及を図る必要があると。これは、現に法施行後、このように着実に上がってきている。二十年から二十一年で一二・七%ふえているわけです。これが、翌年新規分に関しては、先ほどの、本申し込みシステムも変わっているわけですから、どんどんふえていく。恐らく数値が上昇していくということが見込まれる段階にあるわけです。
 これは、インターネット環境整備法の中でも、業界の自主的な、また主体的な取り組みということを規定しているとおり、このように実際に携帯電話事業者が自主的な取り組み、また主体的な取り組みをされて、こういう結果が出てきているということも、現状把握としてしっかりとらえなければならないというふうに思います。
 そこで、あわせて解除の方も申し上げますけれども、このフィルタリングサービスの解除は、やはり同じように、約九カ月前から直営店のみで受け付けており、親権者の来店と同意書の解除理由欄の記入と署名が必要であること。また、携帯電話を安全に使うためのケータイあんしんBOOKによって、親権者並びに利用者である未成年者に説明をして、理解してもらっているとのことでありました。このフィルタリングサービスの解除についても、この数カ月で業界の大変な取り組みがなされておりますが、このような現状に対して都の見解をお伺いいたします。

○浅川参事 保護者のフィルタリング解除申し出時における業者による自主的取り組みの進展は、評価すべきでございます。
 しかしながら、都が本年一月から二月にかけて都内の携帯電話を利用している小中学生三百人の保護者を対象に行った調査においては、契約時にフィルタリングに加入せず、その後も加入していないが二六・七%、フィルタリングに加入していたが、その後解除したが五%であり、契約時やその後にフィルタリングを利用しない旨の申し出を行った保護者が三割を超えるという現状がございます。
 また、日本PTA全国協議会が昨年十一月から十二月にかけて小中学生四千八百人及びその保護者四千八百人に対して行った全国調査におきましても、フィルタリング導入状況は、導入が六九・八%、解約が四%、未契約が二三・八%であり、やはり三割近くがフィルタリングを利用していないということです。
 さらに、内閣府が昨年十一月に、満十歳から満十七歳までの青少年二千人及びその保護者二千人に対して行った同様の調査においては、携帯電話のフィルタリング利用率、これはインターネットが使えない機種、設定になっているものも含めますが、その利用率は、小学生で六一・七%、中学生で五四・七%、高校生で三八・七%になっており、また、二十一年度に購入した携帯電話に限ったフィルタリングの利用率は五四・九%にとどまり、二十年度に購入した携帯電話は五八・九%であるのに比べて、むしろ低下しているという状況がございます。
 先ほど述べたとおり、青少年のインターネットを介した福祉犯罪被害数が増加しているという現状に照らせば、フィルタリングの利用の普及や解除の防止に向け、事業者による取り組みに加えて、保護者への効果的な働きかけを行う必要がある、そういう現状にあるというふうに考えております。

○小山委員 今お答えの中で、最後に、保護者への効果的な働きかけというところがありました。これは今回、先ほども申し上げましたように、各業界、携帯電話事業者が、皆さんが対面で一つ一つこのケータイあんしんBOOKを使ったりして、フィルタリングの意義を説明をされたりしているわけです。
 こういったところから、今は確かにこの数値かもしれない、しかし先ほど申し上げましたように、改善の数値が出ているわけですから、その推移をもう少ししっかり見ていく必要があるのではないでしょうかということなのであります。保護者がこういうことをしっかり理解をした上で行うことが、本当の意味で本質的な改善につながるのではないでしょうか。
 そういったときには、やはり環境整備法のもともとの趣旨に基づいた条例整備である必要があると、このように私どもは考えます。
 そしてもう一点、次に漫画、コミック、そして雑誌における性表現についてお伺いをさせていただきます。
 私ども、過日、神保町の書店も視察をさせていただきました。そうした視察の中で、自主規制の取り組み、これはひもどめであるとか、あるいはシールどめ、ラップ包装等、さまざまな手だてが講じられておりました。こういった取り組みが、実際、私どもが現場を見る中で、子どもの手の届かないように置かれているようなことも当然ながら行われているわけですけれども、とにかく表紙が読めない、そして先ほどご答弁の中にありましたけれども、子どもも、中はとにかく読めないけれども表紙がそういったものになっているということでありましたけれども、表紙だけでなく、中が読めないという状況にもきちっとされております。子どもが簡単に読めるという指摘は、私はこの状況からすると当たらないのではないかと思います。
 さらに、書店は、現行基準よりもはるかに広い範囲のものを、このような措置対象としているとお聞きをいたしました。
 このように、書店における自主的な取り組みが非常に進んできている中で、この取り組みに対する都の見解をお伺いしておきたいと思います。

○浅川参事 視察された書店におきまして、現行の基準に沿った区分陳列や包装等に関する自主的努力が徹底されていたということは喜ばしいことでございます。ただし、立ち読み防止のために、通常のコミック本などにつきましても、ただ単にラップで包装しているほとんどのコミック本がそういう状況にございまして、ただ、そういうようなラップに包装しているにとどまるということ、また適切な区分陳列がなされていないというような場合には、青少年が手に取り、実際に購入した上で閲覧することができるということになるため、必ずしも十分な措置とはいえない場合があるということには留意しておく必要があると考えております。
 一方、都におきまして、都が委嘱している青少年健全育成協力員により、書店における区分陳列等の状況調査を年間を通じて行っております。昨年度のコンビニエンスストアを含めた書店の調査店舗数九千十四店のうち、不健全指定図書類の包装なしが二店、区分陳列なしが六店、表示図書の包装なしが九十四店、表示図書の区分陳列なしが百四十三店、シールどめを含む成年向けと思われる図書類の区分陳列なしが三百六十五店、青少年の制限掲示がないものが四百六十六店となっております。
 なお、これらを合計した不適切な区分陳列等の店舗数というのは、一つの店舗で複数の項目に該当しているものもありますので、延べ数としてとらえていただければと思います。
 このように、表示図書の取り扱い、成年向けと思われる図書類及び青少年制限掲示については、残念ながら、いまだ少なからぬ店舗において徹底がなされていないという現状でございまして、これらも含めて、不適切な区分陳列等の状況にある店舗については、職員による立入調査を行い、改善に努めているところでございます。
 なお、これらにおいて包装や区分陳列の対象とされている図書類は、現行の性的感情を著しく刺激するというような基準に基づくものに限られるということにも留意すべきであります。
 また、都議会民主党及び都議会生活者ネットワーク・みらいが出版倫理協議会に対して行った自主規制の徹底の要請に対する同協議会の回答の趣旨を確認したところ、今後の取り組みとしての区分陳列の徹底というものについては、やはり現行基準に沿った図書類を対象としている、現行の基準だけのものを行うという回答を受けております。
 いずれにせよ、条例は自主規制を最大限に優先する規定となっておりまして、自主的な取り組みが進展することは望ましいものと考えております。

○小山委員 今、調査の店舗数等々、あるいは状況をお答えいただきました。九千十四店ということで、これは恐らくコンビニをも含むということだと思います。
 その九千十四店舗のうちの、実際の不健全指定図書類の包装なしが二店、区分陳列なしが六店、表示図書の包装なしが九十四店と、それぞれ数値をすべてお答えいただきました。こういったところこそ、まず改善を図らなきゃいけないんじゃないでしょうか。
 そもそもこういったところの部分がおかれて、そのままになっているままで条例の改正案というよりも、まずこうした部分がしっかり改善をされた上でさらなる施策ということであればまだしも、こういった状況がいまだ残っている中で新たな改正案というのは果たして--私どもとしては、まずこちらの方に力を入れるべきではないかというふうに考えます。ましてや、青少年の制限掲示なしなんていうのが四百六十六店もあるわけですから、こういったところにはぜひ協力を求めていくと。そして、こういった協力を求める中で、しっかり理解をしてもらうことが必要だというふうに考えます。
 さらに、この後の日本全国PTA協議会からの、先ほど幾つか引用させていただきましたけれども、東京都も含めましたアンケートであるわけでありますけれども、この中で、親たちが見せたくない漫画、コミック、雑誌に対してということで回答がなされております。先ほど吉田理事の方からも幾つか引用されておりましたけれども、あえてここで私は都の見解をお伺いをしておきたいんですが、出版業界に対して有害図書などの販売自主規制や積極的な対象年齢の表示を要望するというのが四七・六%で、自主規制を望む声が親御さんの中での一番の要望であったと。そしてこれが平成十八年度以降、四年連続でトップという結果になっております。そして、二番目が区分陳列をすること。そして三番目が、子どもの目に触れる情報に関して保護者へのさらなる啓発を行ってほしい、行うことが必要だということが続きます。さらに、その次には、子どもみずからが情報の選択をして、活用、発信する能力を高めること。こういった、情報リテラシー教育ともいうべき内容が並んでいるわけであります。
 こういった教育の充実の要望が続いた後に、ようやく、先ほどもありましたように、自治体の有害図書指定などの規制を要望するというのが続くわけであります。そして、さらにその次の次として、有害図書などの範囲を現状よりも拡大するというのが一一・三%という結果となっておりますが、これらの調査結果を受けまして、親たちは、有害図書等の漫画、コミック、雑誌に懸念は抱いてはいるが、それは条例等による自治体の規制や有害図書の範囲の拡大を望んでいるわけではなくて、関係者の良識ある自主規制に期待しているとの評価を行っております。これらの結果、改正案の議論に対して大きく影響を与えると思いますが、見解をお伺いいたします。

○浅川参事 先ほど、現行基準を先にやって、新たな基準はまだやるのが早いというようなお話がございましたが、現行基準についてきちっと適切な区分陳列等を行ってもらうというような取り組みは、それはそれでしっかりと我々は進めていくというふうに考えてございまして、今回、新たな条例提案をいたしましたのは、その現行基準が守られていないからとかそういうことではなくて、子どもを強姦するようなそういう漫画を見た子どもが、性的判断能力がゆがんでいくんじゃないか、そういうような心配から、新たな基準をきちっとつくって、自主的な取り組みをまず行っていただき、不健全図書指定制度というものにも乗せていくと。従前の制度の、仕組みとしては延長線上でございますが、今現在の子どもを守るために必要な取り組みだということで提案しておりますので、その現行基準が十分でないからやらなくていいというようなことにはならないというふうに、我々は考えております。
 それから、日本PTA全国協議会の調査でございますが、日本PTAとして何に取り組むべきかという設問について複数回答による調査が行われたものと承知しておりまして、自主規制のみによることが最も望ましいという趣旨ではないというふうに理解しております。また、この調査におきましては、有害図書類に対して自治体による有害図書指定等の規制を要望するが二四・九%、有害図書等の範囲を現状よりも拡大するが一一・三%であり、長野を除く全都道府県において、区分陳列されるべき有害図書や不健全図書の範囲が条例により規定されたことをかんがみれば、合わせて三六・二%の人が自治体の関与を望んでいると解することができまして、これは出版社による自主規制を望む四七・六%に次ぐ数値でございます。
 いずれにいたしましても、条例の制度は自主規制をベースとしておりまして、そこから漏れたものを都が指定するという制度であります。まさにこの調査結果に沿うような制度であるというふうに考えております。
 なお、東京都は、全国で唯一、個別指定制度のみをとっておりまして、他県に比べて慎重かつ限定的な指定手続をとっていることにも留意していただきたいと考えております。

○小山委員 私どもは、やらなくていいといっているわけではなくて、やり方が違うんじゃないでしょうかということを、再三再四申し上げているんです。そもそものやり方論で、今回も出版の業界の皆さんとの合意形成もできていないわけですよね。これまで東京都というのは、指定図書に対しては非常に長い年月の歴史的な積み重ねをされてきて、相互の信頼関係の中で一つ一つの基準をつくり上げてきた。それが今回はなされてもいないし、やり方としても、本来あるべきやり方とは違うのではないでしょうかと、私どもは指摘をしているんです。
 これまで、私ども、るる質疑をしてまいりましたけれども、本条例の趣旨であるところの青少年の健全育成を図るためには、参考人の皆様からもそれぞれありましたように、教育の重要性というものを改めて認識をさせていただきましたし、情報モラル教育や情報リテラシー教育、性教育など、青少年の育成においてはまず教育こそが第一ということであります。この教育が道半ばの現状において、本質的な改善につながらないことは、参考人の皆様の発言からも明白であります。
 また、保護者や地域を初めとした社会全体の受容環境についても、都の見解にもありましたように、コミュニケーションや教育が不可欠であることはいうまでもありません。その中で、そういった環境整備として、この間の携帯電話事業者によるフィルタリング原則加入や、あるいは出版業界、書店の自主的な取り組みによる前進は十分に理解していかなければならないと考えます。
 さらに、不健全指定図書については、先ほども申し上げましたように、これまで東京都は長年にわたって、業界との相互の信頼関係に基づき、指定図書減にも見られるような成果を上げてまいりました。その点からいって、業界との十分な合意形成を見ていない現状は、これまでの都と業界の積み重ねを否定することにもなりかねません。
 これまでの歴史を踏まえた、教育を基本とする受容環境を整備し、そして性的虐待を受けた子どもたちへの心身の回復などの支援にも重きを置いた総合的な取り組みこそ、今日の青少年の健全育成に求められているのだと、都議会民主党として表明させていただき、質疑を終わらせていただきます。

○田中委員 私からも、この青少年健全育成条例改正案に対しましての質疑を行いたいと存じます。
 改めて確認ではありますが、東京都青少年健全育成条例は昭和三十九年に制定され、約四十数年間、運用されてきているものであります。さまざまな規定はありますけれども、今回、主にテーマになっているポイントでいえば、性的感情を著しく刺激をする図書類がその対象となっておりまして、この対応につきましては、自主規制団体の意見を聞きながら、また東京都青少年健全育成審議会の諮問を経て、いわゆる図書の指定が行われ、そして区分陳列がなされてきているということで、これまでも民主的に、また公平、公正にこの条例が運用されてきたものと認識をしております。
 ただ、残念なことに、時代の流れの変化もありまして、いわゆる当初からの対象となっている、性的感情を著しく刺激するものではないけれども、青少年をみだりに性的対象として肯定的に描写をしている漫画類が大変あふれてきていて、その対応をしっかりしていくこと、子どもさんたちの健全育成につながる対応をしなくてはならないんだ、そういった視点から、今回の改正案が出てきたものと認識をしております。
 今までの対象ではないものを新たに条例で規定をすることによって、いわゆるそこには恣意的な判断が加えられず、公平で客観的な、民主的な手続を経て、その上で子どもさんたちの健全育成に資する環境づくりをしていこうと。これが今回の改正案の趣旨だろうと、我々は認識をしているものであります。
 そのような前提に立ちまして、本条例改正案については、繰り返しになりますが、子どもの健全な育成を願う多くの親御さんたちが署名や要望書で成立を求める一方で、インターネット上ではさまざまな反対意見も飛び交っております。一口に反対といってもその論点はさまざまでありまして、また誤解に基づくものも多く、意図しているのかどうかわかりませんが、反対をあおるような趣旨のものもあるやに見受けられております。たとえ誤解に基づくものであったとしても、インターネット上で掲載されてしまいますと長期間その記事は残ってしまい、不特定多数の方々がそれを読んだりコピーをすることによって誤解が定着し、誤解を払拭することは並大抵のことではありません。
 また、誤解に基づき反対している方々を含む、いわゆる顔の見えない方々同士のファクスですとかメール送信による反対活動が、インターネット上の呼びかけによって、ある意味、組織化されたとも思えるような行われ方もあるのが現実だと思っております。
 そのような中におきまして、行政側ではそれらの誤解を払拭するさまざまなご努力をしていただいておりますが、五月六日の総務委員会では、条例改正に関する質問回答集の作成そして東京都のホームページへの掲載、反対意見を表明した図書関係、インターネット関係の団体への文書の送付などを行うなどして、条例改正に関して理解を求めているということが報告されました。
 総務委員会の席上でも、我々自民党は行政側に対しまして、引き続き都の考え方や立場を機会あるごとに説明をして、理解していただくための努力を続けていただきたい旨を申し上げましたが、その後今までに、条例改正案への誤解等を解き、都民にその趣旨を周知するためにどのような取り組みを行ってこられたのか、改めてお伺いをいたします。

○浅川参事 まず、関係者との意見交換についてでございますが、五月十一日にジュニアアイドル誌出版社と、五月十三日に日本漫画家協会著作権部会と、六月四日に電気通信事業者協会と、それぞれ意見交換を行いました。
 次に、漫画作家有志及びコミック十社会構成出版社、東京弁護士会の反対声明に対しまして六月二日に条例改正の趣旨と理解を求める文書を送付し、翌三日、都のホームページに公開をいたしました。
 第二東京弁護士会、日本漫画家協会、日本弁護士連合会会長の反対声明に対しましては、六月九日に条例改正の趣旨と理解を求める文書を送付し、翌十日にホームページに公開いたしました。
 また、広く都民に理解を求めるため、四月に質問回答集を作成し、都のホームページに掲載しておりますが、この先行して作成された漫画関係の事項に加え、さらに漫画関係の充実を図るとともに、児童ポルノ関係、ジュニアアイドル誌関係に関する事項を追加し、六月三日にホームページで公開いたしましたほか、インターネット、携帯電話関係につきましても六月十日に追加して、ホームページで公開しておるところでございます。

○田中委員 総務委員会で我が党が求めましたけれども、さらなる関係者への説明を行い、また、今もご答弁ありましたインターネット等に関しても、質問回答集を追加して、ホームページへ掲載をしていただいたということでございます。行政側は、大変短い期間ではありましたが、都民等への誤解を払拭し、条例改正に対する正しい理解を得るために、さまざまな対応をされてきているものと認識をしております。
 今、ご答弁がありましたけれども、五月六日の総務委員会での報告以降、さまざまな多くの団体の方々への働きかけ、説明に行かれているということでございますが、一方、幾つかの団体からも反対声明が出されております。中でも、少し首をかしげたくなるような主張も何点か目についておりますので、その点についてちょっと確認をさせていただきたいと存じます。
 反対意見の一つに日弁連会長の声明がございますが、この声明では、条例改正案第十八条の六の五が、子どもに児童ポルノを閲覧させた親への指導規定であると批判する部分が含まれておりますけれども、条例改正案ではどのような規定になっているのか、お伺いいたします。

○浅川参事 条例改正案第十八条の六の五第一項は、悪質なジュニアアイドル誌の対象に子どもがならないように、保護者が教育、保護監督するよう努める規定でございます。そもそも児童ポルノ閲覧について全く定めはございませんし、児童ポルノを閲覧させた親に対する指導規定などは存在しておりません。

○田中委員 今、ご答弁いただきました、児童ポルノの閲覧については全く定めがなく、児童ポルノを閲覧させた親に対する指導規定は存在しないということでございました。法律の専門家であります日弁連の会長さんがそのような反対声明を行うということは、一体、今回の条例改正案のどの部分をごらんになって今回のような反対につながったのか、若干疑問を感じるところであります。
 次に、同じく反対声明を出されております第二東京弁護士会の方々からは、非実在青少年の法文上の定義は一読しただけでは理解困難であり、非実在青少年に該当するか否かの判断は規制側にゆだねられている上、規制の対象となる行為に関しても極めてあいまいな規定となっており、表現の自由を著しく萎縮させるとともに、警察等の公権力からの不当介入を招くというご批判がされておりますが、非実在青少年に関しての条例改正案、どのような規定になっているのか、改めてお伺いをいたします。

○浅川参事 非実在青少年の定義につきましては、明らかに十八歳未満の青少年であると設定されているキャラクターのことでございます。作品の中で、そのキャラクターの年齢や学年が絵やせりふであらわされていたり、小学校や中学校の校舎で授業を受けているシーンがあるなど、客観的に明らかに十八歳未満であると認識できる場合や、ナレーションでキャラクター名を十八歳未満の年齢、学年で紹介している場合が、非実在青少年に該当いたします。例えば、見た目が子どものように見える、声優の声が十八歳未満のように聞こえるだけのようなあいまいなものは該当せず、客観的な表現がない限り、事業者は青少年への販売等の自主的な規制対象にする必要はございません。
 また、本条例及び条例改正案には、事業者の行う青少年への販売等の自主的取り組みに対し、警察が関与するような規定は全くございません。

○田中委員 ただいまご答弁いただきましたように、本条例及び条例改正案には、事業者の行う青少年への販売等の自主的取り組みに対し、警察が関与するような規定は全くないというお話でございました。第二東京弁護士会の方々、当然法律の専門家でいらっしゃいますが、警察等の公権力の不当介入ということについて、この条文から全く読むことができない、見つからない中において、このような主張、ご批判されるということは、またちょっと理解のしがたいところであります。
 続いて、東京都は出版業界の反対を受けまして、出版倫理協議会、出版倫理懇話会に対しご説明をされておりますが、日本雑誌協会では、児童ポルノに関する規定は冤罪、別件逮捕を招くとの意見広告を、週刊誌や漫画、雑誌などに掲載しております。
 一般に広く流通している出版物を使って、条例改正案は冤罪を招くものなどという全く根拠のない主張で都民の不安をあおっているように、我々は受けとめておりますが、改めて確認をさせていただきます。児童ポルノについては、条例改正案ではどのように規定をされているのでしょうか。

○浅川参事 児童ポルノに関する条例改正案の規定は、都民に児童ポルノを所持しない自主的な取り組みを求めるにとどまり、罰則規定は一切ないのでありますから、冤罪や別件逮捕などは起こり得ません。この旨は、第一回定例会での質疑や質問回答集などで何度も明らかにしているところでございます。

○田中委員 何度もお伺いをしてまことに恐縮でございますが、都民に児童ポルノを所持しない自主的な取り組みを求めるにとどまり、罰則規定は一切ないということであり、冤罪や別件逮捕などは起こり得ないというお話でございました。条文を読めば、このような雑誌協会の指摘、まさにどこにも書いていないことは明らかであります。雑誌協会の主張は、条例の趣旨を、恣意的なのか意図的なのかわかりませんが、間違った解釈をされているのかなと思っております。
 この質疑で明らかになりましたように、法律の専門家であっても、明らかに条例改正案に含まれていないことを理由に反対をしている方々もいらっしゃいます。出版界や法曹界からの批判があることを理由に条例撤回を求める会派もあるようでございますが、その前提条件が間違った、誤解から招いた反対論であるということをぜひ踏まえていただいて、再考を願いたい、そのような思いをしているところであります。
 そしてまた石原知事からも、皆様の言語能力に期待するという発言もありました。まさに我々議会側もそこが問われているのではないか、そんな認識をしているところでございます。
 先日、私学の幼稚園、初等、中学、高等学校の父母の会の方々など、都内の保護者の方々が、改正案の早期成立を求める四万五千件に近い署名を議長に提出されました。我が自民党にもご要望に来られて、直接お話を伺いました。実際に近所のコンビニで子どもが容易に手に取ることができるようなところに子どものどぎつい性描写のある漫画などが置かれている現状を、親として憂え、子どもの健全育成のために一刻も早くその現状を改善したいという思いを語っておられました。
 一方、一部会派の中には、そういう保護者の署名や要望について、その切実な思いを軽視するような発言をする議員もいるやに伺っております。ある議員のツイッターを見させていただきましたところ、東京都小学校PTA協議会から出された青少年健全育成条例改正推進の四万五千名分の署名がどのような方法で集められたのか調べています、半強制的だったといううわさも聞きましたが、確かな情報をご存じの方がおられましたらお知らせくださいといった記事も、そのツイッターには載っておりました。そもそも、若干事実誤認がありまして、署名を提出したのは、今申し上げた私学の幼稚園、初等、中学、高等学校の父母の会の方々と、子どもの環境を考える方々でありまして、東京都小学校PTA協会の方々は要望書を提出された団体でございます。
 ですので、その辺もちょっと事実誤認があるのと、それ以上に、そういった事実を知らずに、自分たちの主張に反対する団体の署名を半強制的と一方的に決めつけて、署名した方々の本意を全く無視したとらえ方をしている、私はちょっとこのような行為は残念な行為だなと。そして、先ほども申し上げましたように、一度インターネット上に載ってしまいますと、それがご本人が削除をするまでは永遠に残ってしまいまして、それがあたかも事実であるかのような形で流布されてしまう、そういったこともありますので、このような主張は主張として、もちろん、我々の議員としての立場から主張はいいんでしょうが、事実とは違う、また提出者の本意を全く無視した中での表現というのは、私は慎んでいくべきものだと思っているところでございます。
 第一回定例会の中におきましても、今回の改正案については、趣旨に賛同する、しかし審議がまだ足りない、でも趣旨は賛同するんだというご主張がなされましたので、その言葉を私は信じて、ぜひ賢明なるご判断をいただけるものと認識をしているところであります。
 さて、民主党と生活者ネットの方々が、出版倫理協議会に対しまして、条例改正案に関する要請書を送り、青少年に見せたくないコミックなどに対する自主規制の徹底や、児童ポルノによる被害者の救済策について、今後の取り組みについての回答を求めていらっしゃいました。このことに関しましては、さきの第二回定例会代表質問におきまして、民主党の山下太郎議員の代表質問の中で、性表現が過激なコミックが他のコミックとまざった状態で販売されている現状を認識し、より一層の自主規制を徹底していくなどの回答をもらったとのご発言もございました。
 先ほど、小山委員へのご答弁もありましたけれども、改めてもう一度お伺いいたしますが、今回の、都が現行の自主規制に加えて提案をしております、十八歳未満の青少年の性交または性交類似行為にかかわる姿態をみだりに性的対象として肯定的に描写するものについては、今の出版業界の自主規制の対象となっているのかどうか。出版倫理協議会の方々はどのように認識をされているのか、お伺いしたいと思います。

○浅川参事 回答された取り組みについて確認をいたしました。その内容は、今後の出版業界の自主規制の対象についてでございますが、出版倫理協議会等の自主規制団体により構成される出版ゾーニング委員会において、著しく性的、暴力的ないし残虐な表現があり、青少年に不適当であるとされ、かつ自後も同様の内容が続くと判断される雑誌類と判断し、出版ゾーニングマークを表示するように要請したものについて、毎月数冊程度、区分陳列されていない場合が生じているため、区分陳列の漏れがないように取り組みを徹底していくという趣旨だと聞いております。

○田中委員 ただいまのご答弁をお伺いいたしますと、出版倫理協議会の方々のご回答の中で、今後の自主規制については、あくまで現行基準に基づき、漏れのないように取り組みを徹底するという趣旨のご回答があったということでありました。その中では、条例改正案に盛り込まれた、現行の性的感情を刺激するという基準には該当しないけれども、青少年への悪質な性行為を描いたものへの取り組みは、明確にはなっていないということだと思います。
 条例は公平で公正なものでなくてはならない。そこに恣意的な判断、意図的な判断がその解釈に加わっては、当然ならないものと思っております。
 冒頭も申し上げましたけれども、幾つかの反対の意見は事実と異なる視点からの主張もありましたし、また、時代の要請として、青少年を性的対象として肯定的に描写している図書類は当然これから規制の対象にしなくてはならない状況の中において、現行の条例では対象にはなっていないだろうと、逆にいうとこの反対意見の中には、現行でも、青少年を性的対象にした図書類を規制してもいいんじゃないかという、そういう意見もあるやに伺っておりますが、私はむしろ逆だと思っております。
 改正ではなくて現行の条例で、その青少年の図書類を規制の対象にするということこそ、その中に意図的な判断とか恣意的な判断が加わってしまうのではないか、そういう思いをしております。公平で、そして公正に、また客観的な視点から対応していくためには、今回のような改正案を成立させて、その対象に明確に含めていくことこそ、この出版界の方々のご懸念である恣意的運用、意図的な運用が排除されて、明快な対応がなされ、本来の目的である青少年の健全な育成につながるものというふうに感じているところであります。
 それで、今、申し上げましたけれども、先ほどの民主党の方々や生活者ネットの方々の要請に対しまして、その自主規制が漏れがないような対応をしていくということもありましたけれども、これもまた間違ったといいますか、誤解を招くようなことにつながるのではないかという思いをしております。我々もある意味、議会という立場から、ある一つの公的な権力の場にいるものだろうと思っております。その公的な権力が、仮に要請に伴って介入をされたという形にとらえられてしまうようなことがあったとするならば、これもまた出版界の方々の本意に反するような行為を行ったのではないか。そんな、若干矛盾を感じるような行為だったのではないかという認識をしているところであります。(「違うよ」と呼ぶ者あり)いや、そういう視点からも、たとえ議会であろうとどこであろうと、恣意的な判断がそこに加わらないようにするためにも、明確に、今までの条例では性的な刺激を過度に与えるような図書類に対しての規制しか対象になっていなかったものに対しまして、そういう公的な介入をさせないためにも、今回の条例を改正することによって、民主的な公平、公正な運営がなされる、そういう土壌づくりをしていくことが、私は必要だろうというふうに思っているところでございます。
 その上で、本条例改正案の審議については、執行機関側から提案されて議会側が受けとめ、そしてこの総務委員会に付託をされております。当然、議会が責任を持って議論をしていくべきであり、仮に問題点があるならば修正して結論を出すのが当然の筋道だろうと思います。第一回定例会で議論を尽くしていないとして継続審議にした以上、今定例会で議論し、結論を出すのが議会の責務であり、議会人の役割であると認識をしております。
 知事の発言に飛びついて改正案の撤回を要求するのは、ある意味、私は責任の放棄だろうと思っております。我々自民党そして公明党は、原案に賛成する立場の中で、問題を提起する方々が修正案を出すべきだということも申し入れをしてまいりましたが、最後まで修正案を出されておりません。
 そこで、改正条例案の一部の文言がわかりづらいといった意見を踏まえ、我々自民党、公明党は、議会としての責任を果たすため、改正案の趣旨を尊重し、その趣旨を変えることなく、わかりやすい表現に修正する案を提案することにいたしました。条例成立を願う四万五千人近い署名や、東京都小学校PTA協議会などの要望書に込められた、子どもを守りたいという親御さんたちの思いを真摯に受けとめて、対応していきたいと思っております。
 我々大人は、自分たちの権利や利益を主張することができます。しかし、子どもたちはその権利や利益を主張することはできません。子どもたちの権利や利益を守ることは、大人たち、私たちの責任だと思っております。そのような視点から、大人の一方的な権利あるいは利益を主張するのではなく、まさにこのPTAの方々そしてさまざま親御さんたちの四万五千人の方々の思い、子どもを守りたいという思いを実現していくためにも、今定例会での条例改正案の成立に向けて努力をしていきたい。そのような思いを申し上げさせていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。

○小磯委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後二時四十五分休憩

   午後二時五十六分開議

○小磯委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大松委員 質問に入る前に、私は当然ながら漫画嫌いではございません。小学校のころは「少年ジャンプ」月二回だけ発行という時代から読んでおりまして、人気漫画「ハレンチ学園」も読んでおり、人気キャラクターのヒゲゴジラバッジも持っていたわけでございますが、それがなくなりまして、学校にまでつけていっておりましたので、それを気に病んだ母親が内緒で捨ててしまったかどうかわからないんですけれども、大変寂しい思いをしたことがございます。
 その上で、きょう、この改正案につきまして質問をさせていただきます。
 現在、継続審議中の青少年健全育成条例改正案につきまして、さきの第一回定例会でも申し上げましたとおり、目的、趣旨ともによく理解ができまして、私どもは賛成の意を表明しております。
 ただ、第一回定例会では過半数の賛同が得られない状況でありましたので、第二回定例会までにより多くの会派の皆様方の賛同をいただけるようにと継続審議にさせていただいたわけでございます。
 また、継続審議の趣旨を受け、条例案の内容を周知徹底するために東京都青少年・治安対策本部の皆様方が大変なご努力をされ、これまでさまざまな取り組みを行ってこられたことも高く評価するものでございます。
 その上で、数は少なくなりましたけれども、私どものところにも、現在まだ条例改正案に対する懸念を表明されるメールやお手紙が寄せられておりますので、第一回定例会で審議された点も含めまして、改めて何点か確認をしたいと思います。
 まず、手紙やメールの中で多いのが、表現の自由を保障する憲法二十一条に違反するのではないか、このような意見がございます。しかし、この条例改正案は、子どもに対する強姦など悪質な性行為を不当に賛美、誇張するように描いた漫画を指定図書として成人コーナーに区分陳列するなど、子どもに見せない、売らないという販売規制でございます。創作することも、出版することも、また大人に販売することも自由であります。条例改正案が憲法二十一条に違反するのかどうか、改めて見解を求めます。

○浅川参事 創作物を含め、青少年の健全な成長を阻害するおそれのある図書類について青少年の閲覧等を制限する制度は、昭和三十九年の青少年健全育成条例制定時から存在しており、長野県を除くすべての都道府県の同種条例で制度化されております。
 また、このような制度は、岐阜県の同種条例に係る最高裁判例において、表現の自由を保障する憲法二十一条に違反するものではなく、合憲であると判示されております。改正案によっても、従来と同様、漫画等を創作すること、出版すること、十八歳以上の者に販売することは一切自由でございまして、違憲には当たらないものと考えております。

○大松委員 東京都のこの不健全図書の制度は都民の理解を得ながら定着をいたしまして、日本のほとんどの地域で同様の制度もあり、最高裁で合憲と判断がされています。今回の改正案もこの制度の中で行われるものでありまして、憲法二十一条に違反するものでないと私どもは考えております。
 この最高裁判決は、自動販売機への指定図書の収納を禁止する規制をめぐる事件の判決でありますけれども、書店における区分陳列よりも厳しい規制に関することでございますので、ちょっと引用をさせていただきます。
 有害図書の自動販売機への収納の禁止は、青少年に対する関係において、憲法二十一条一項に違反しないことはもとより、成人に対する関係においても、有害図書の流通を幾分制約することにはなるものの、青少年の健全な育成を阻害する有害環境を浄化するための規制に伴う必要やむをえない制約であるから、憲法二十一条一項に違反するものではないということでございます。当然、憲法二十一条、表現の自由は最も大切でございますけれども、それと同様にこの青少年健全育成も重要であると、このように、二十一条と青少年の健全育成との関係がよくわかるわけでございます。
 そして、先ほど共産党の吉田委員の方から、この判例にあります裁判官の補足意見が引用をされました。その中で、この規制のあり方につきまして、厳しい明確性が必要になるというところを引用をされておりましたけれども、この補足意見の趣旨はその後に続くものでありますので、私の方で改めてその後のところを引用させていただきます。
 ある表現が受け手として青少年に向けられる場合には、成人に対する表現の規制の場合のように、その制約の憲法適合性について厳格な基準が適用されないものと解するのが相当である。規制を受ける表現の範囲が明確でなければならないという違憲判断の基準についても成人の場合とは異なり、多少とも緩和した形で適用されると考えられるというふうにあるわけでございます。
 今回の条例改正案、私は非常に明確な基準であるというふうに評価をしているわけでございますけれども、いずれにしても、この判例は、憲法二十一条、これも当然ながら大事、それと同時に青少年健全育成についても力を入れていかなければならないというのがその趣旨であるというふうに考えております。
 また、よく、不健全図書と健全育成のことについての因果関係、科学的根拠についての議論もありますけれども、この点につきましてもこの補足意見の中で言及がなされております。
 有害図書が青少年の非行を誘発したり、その他の害悪を生ずることの厳密な科学的証明を欠くからといって、その制約が直ちに知る自由への制限として違憲なものとなるとすることは相当でない、このように補足意見で述べられているわけでございます。
 今回のこの条例改正案の議論が、青少年の健全育成は必要であるけれども、この憲法二十一条の議論の中で、適正で必要な規制もできないというような方向に行っていることについて、私は大変残念に思っているわけでございます。憲法二十一条が保障する表現の自由が尊重されるのは当然であって、その上で、青少年健全育成のために必要な規制は、よく内容を議論して適正な形にして行っていく努力をしていかなければならないわけであります。
 そこで、今の東京都の不健全図書の制度につきまして、この現行制度はうまくいっているから、今回規制しようとしている子どもに対する悪質な性行為等を描いた漫画をこの現行制度の中で規制していけばいいのではないかという意見があります。
 十八歳未満のキャラクターの強姦等、著しく社会規範に反する行為をみだりに性的対象として肯定的に描いたものを指定基準に追加をするというのが今回の条例改正案でございますけれども、こうした漫画も現行の基準、性的感情を著しく刺激するというこの基準に該当させるという意見ということになりますけれども、これにつきまして都の見解を伺います。

○浅川参事 現行の、性的感情を著しく刺激するものという不健全図書指定基準につきましては、単に全裸や性交シーンがあるだけでは該当するものではなく、その判断は、性交シーンにおける性器の描写の明確さ、擬音や体液の描写の多さなどによることとされております。この解釈は、昭和三十九年以来の条例の運用の中で、出版業界との間で共通了解の形成に努めてきたものでございます。
 このため、子どもへの強姦など著しく悪質な性行為について、あたかも楽しいこと、許されることのように描く漫画などでありましても、現行の基準の程度に達しない限りは該当しないというものでございます。
 条文自体を変更することなく、青少年の性交の描写については、その性器の描写の明確さなどにかかわらず、性的感情を著しく刺激するという現行基準に当たることとして、これまでの業界との共通了解を都が勝手に変更し解釈をお答えすることは行政の恣意的な運用であり、規定の乱用になるものと考えております。

○大松委員 先ほど田中先生からもご指摘をいただきましたけれども、この現行条例のまま指定対象を広げれば、今回の条例改正に反対されていらっしゃる方たちが最も心配されていらっしゃいます、行政による恣意的な運用になってしまうということであります。
 したがいまして、やはりこの規制の範囲を限定的にいたしまして、また恣意的な指定基準の運用を排除するためにも、新しい基準を加える条例改正が私どもは必要だということを訴えさせていただいております。
 その上で、次の質問に移ります。
 小学生等に対する強姦等が肯定的に描かれている漫画、私も見させていただきましたけれども、本当にこうした漫画が、今、東京都の条例では指定されないということでございます。
 今回、いろいろメールをいただくわけでございますけれども、東京都が全国でも突出して、新たに厳しい規制を行うことになるのではないかというお手紙、メールがあるわけでございます。
 私は、都が今回新たに規制しようというこの漫画が、既に他県の条例では規制対象とされているものが東京都では規制対象になっていないというのが実態であるというふうに理解をしております。
 東京都が公表した質問回答集では、他の道府県においては、現在でも条例改正案の対象と考えられているような漫画も指定の対象になり得るものであり、東京都のみが、これまで他の道府県では規制されていなかった青少年の性行為が描かれた漫画等を規制するわけではないとあります。この点につきまして改めて詳しく説明を求めます。

○浅川参事 東京都以外の大部分の道府県は、個別指定制度のほか包括指定制度--これは、全裸、半裸での卑わいな姿態、または性交もしくは性交類似行為の描写の分量により幅広く規制する制度、つまりページ数や一冊に占める割合を基準として子どもへの販売制限の対象を決める制度でございますが、この包括指定制度を併用しております。
 この包括指定制度は、大部分の道府県で、全裸、半裸での卑わいな姿態、または性交もしくは性交類似行為のそれぞれの分量によって指定を行うものでございまして、その性交または性交類似行為については性的刺激の程度とは関係ないことが多く、描かれている性行為の姿態が青少年か否かも問わないものでございます。このため、他の道府県では現在でも、青少年の性行為が一定の分量以上描かれた漫画などは指定の対象となり得るというものでございます。
 一方、東京都は、個別指定制度のみを採用することで特に慎重な手続をとってまいりました。この個別指定制度とは、販売されている本の中から個別に本の内容を確認し、その性的刺激の程度を踏まえて、第三者機関である青少年健全育成審議会に諮った上でいわゆる十八禁図書として指定し、指定後に子どもへの販売などを制限する制度でございます。その性的刺激の程度は、先ほども申し上げたとおり、性器の描写の明確さ、擬音や体液の描写の多さなどを個々の図書ごとに確認した上で判断するものであり、性行為の描写があれば該当するというものではございません。

○大松委員 東京都だけが突出した規制を行うどころか、他県に比べても、都は規制に慎重で厳格に制度を運用してこられたということでございます。したがいまして、今回の条例の改正が必要であるというふうに考えるものでございます。
 また、寄せられるメールやお手紙の中で、青少年に対する悪質な性行為を描いた漫画を不健全図書の指定対象にすることで、結果的に児童ポルノ法において、創作物を児童ポルノに含めることにつながるのではないかという不安を訴える意見も少なくありません。子どもへの性的虐待という犯罪を扱う児童ポルノ法と、青少年の健全育成を図る本条例とは全く違う制度でありますけれども、こうした誤解が広がっているのも事実であります。この点につきまして都の見解を伺います。

○浅川参事 繰り返しとなる部分がございますが、創作物を含め、青少年の健全な成長を阻害するおそれのある図書類について青少年の閲覧等を制限する制度は、昭和三十九年の青少年健全育成条例制定時から存在しており、長野県を除くすべての都道府県に存在するものでございます。
 その目的は、閲覧する青少年の性的判断能力の阻害の防止でありまして、その手段は、あくまで青少年が閲覧等をできないよう区分陳列を求めるにとどまるものでございます。成人が読んで刺激を受け、子どもに対する性犯罪などの権利侵害を起こすかもしれないという理由で規制するものではございません。このため、参考人招致で宮台教授がおっしゃっていたような性犯罪発生件数等との相関の議論は当たらないものと考えております。漫画等を創作すること、出版すること、十八歳以上の者に販売すること、そして十八歳以上の者がこれを読むことは一切自由でございます。
 一方、児童ポルノ法は、児童ポルノの製造や、大人を含めたすべての者に対する販売を禁止し、違反した者には刑罰が科せられるものでございまして、その目的は、児童に対する性的搾取及び性的虐待による児童の権利侵害の防止でございます。
 このように、条例と法律は、その目的、効力ともに全く異なる制度でございまして、今回の条例改正が児童ポルノ法に影響することはないものと考えております。

○大松委員 それで、家庭の教育か指定制度かというような議論も行われておりまして、教育が大切ということは私もこれについては全くの同感でございます。
 先日の参考人招致におきましても、性教育と親子のコミュニケーションが大切だという指摘もありました。もちろん、子どもに自立的な抵抗力をつける教育は不可欠ですし、親子のコミュニケーションも必要であります。私も中学三年生の娘がおりますけれども、折々、機を逃さずいろいろな話をするように努めているわけでございますが、その上で、やはり不健全図書制度というのは、これはこれでしっかり、区分陳列すべきものは区分陳列をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
 参考人でいらっしゃいました赤枝先生も、家庭や学校における性教育には限界があると語られておりましたし、また、どういう漫画を読んでいるかなど、すべて親に話す子どももそんなに多くはないというお話もございました。家庭の教育だけでいいとか、不健全図書の制度だけでいいとかということではなくて、家庭の教育と適度な制度的規制の両方が相まって進んでいくということが必要であるというふうに考えるものでございます。
 また、先ほど引用させていただきました最高裁の補足意見の中でも、この点について言及されております。もとよりこの保護を行うのは、第一次的には親権者その他青少年の保護に当たる者の任務であるが、それが十分に機能しない場合も少なくないから、公的な立場からその保護のために関与が行われることも認めなければならないと思われると、法律論の上からもこのような考えが述べられているところでございます。
 ところで、この条例改正案では、漫画に関連することが大変注目を大きく集めたわけでございますけれども、やはりこの児童ポルノ撲滅という点など、さまざまな重要な規定が含まれております。
 第一回定例会の質疑でも指摘をさせていただきましたけれども、この児童ポルノは子どもへの性的虐待の記録でありまして、犯罪の記録であります。この事件や被害者の数が全国的にも、今、増加をしているわけでございます。さらに、この事件に親がかかわるなど悪質な事案もふえているわけでありまして、児童ポルノ根絶に向けた日本の取り組みは待ったなしの状況になっているわけでございまして、公明党も、この単純所持を処罰化する児童買春、児童ポルノ禁止法改正案を国会に提出をしているところでありますけれども、なかなか審議が進んでいないわけでございます。
 先日、ユニセフ協会が全国知事会を初めとする六十もの団体の賛同を得まして、法務大臣や国家公安委員長に児童ポルノ対策の強化を求めた際に、中井国家公安委員長は、法務大臣との間では単純所持を禁ずることで了解していると述べたことが報道をされているわけでございます。処罰化には言及はされていらっしゃいませんけれども、単純所持を法律で禁止するということまではこれまで消極的でありました民主党政権も、認めざるを得ないということになっているのではないかというふうに期待をしているわけでございます。
 今回の条例改正案における、何人も児童ポルノをみだりに所持しない責務を有するという規定は、先ほどもございましたが罰則規定ではございません。都民に児童ポルノの根絶に向けた自主的な取り組みを求めるものでありまして、当然、冤罪という問題はないということは先ほども確認がされたわけでございます。
 私がこの点につきまして特に強調したいのは、児童ポルノの恐ろしさは、犯人が検挙をされても、この画像がインターネットなど地球上のどこかで残っている限り、被害者に対する被害は半永久的に継続をしていくということでございます。だれかが見ているのではないか、インターネットで自分の写真がばらまかれているのではないかと、被害女性が取りつかれたように毎日インターネットの中を探し続けてしまうという、この悲痛な叫びにぜひ耳を傾けていかなければならないというふうに思っております。
 児童ポルノの被害者の救済で最も必要なことは、すべての人に単純所持をさせないことでございます。民主党の皆様方も、犯罪被害者の救済策に力を入れられておりますけれども、児童ポルノの被害者にも関心をぜひ持っていただきたいと思っているわけでございます。
 ところで、この児童ポルノの関係の批判の中に、被害児童の救済が先であるという議論がありますけれども、この点について所見を求めます。

○浅川参事 児童ポルノの被写体となることは、青少年の心身に有害な影響を与えるものでございまして、まさに最も青少年の健全な成長を阻害する行為でございます。そのため条例改正案におきましては、第十八条の六の二第三項におきまして、児童ポルノはもちろんのこと悪質なジュニアアイドル誌の対象となった青少年に対してその回復に必要な支援を行う規定を置いております。具体的には、インターネット上の児童ポルノ画像の削除要請手続の代行や方法の教示、心のケアなどを行うことを想定しているものでございます。

○大松委員 被害児童の救済に取り組むとともに、児童ポルノの画像をなくし、根絶に向けての自主的な取り組みも促していく、この双方をきちっと並行して行っていかなければならないわけでございます。
 続きまして、フィルタリングの解除手続の厳格化についてでありますけれども、既に兵庫県や石川県で制度化され、東京都の条例改正と連携して進めてきた埼玉県では、さきの議会において全会一致で可決、成立しています。また、神奈川県も同様の条例改正を公表しています。しかも、携帯電話事業者もこれに応じた取り組みを進めております。
 さらに、条例改正案で提案している携帯電話推奨制度につきましても、九都県市で共通の取り組みとしたいという動きもあり、東京都の先導的役割が期待されているところであります。
 仮に、今回、改正案が否決をされれば、こうした自治体間の広域連携の動きから東京都は取り残されてしまうことになります。それでも反対をされるという方は、どのように考えていらっしゃるのかと考えるわけでございます。広域的な取り組みが効果的であることはいうまでもなく、議会はこうした目配りをしながら適切に判断しなければなりません。良識ある議会が木を見て森を見ないようなことがあってはならないわけでございます。
 最後に、東京都のPTAの皆様方が大変なご尽力をいただきまして、条例改正を求める四万五千人の署名を議長に提出されましたことに心から敬意と感謝を申し上げるものでございます。子どもを持つ親を初め、都民の切なる願いを議会として受けとめて、今回の改正をぜひとも実現すべきであることを訴えるものでございます。
 こうした中にありまして、知事の発言をめぐり、一部の会派の方が知事に提出議案を取り下げるように要請をしているところでございますけれども、手続に瑕疵がなく一たん議会に議案として提出された以上、議会として審議を行い結論を出していく、必要ならば修正も行っていく、これが良識ある議会の責任であるわけでございます。殊さら知事の発言などを取り上げて、また問題点だけを指摘して、修正をする努力もないようでは、知事の発言を利用して議会の責任を放棄しているのと同じであるというふうに訴えさせていただくものでございます。
 ぜひ成案を得られますように各会派のご努力をお願いいたしまして、質問を終わります。

○西崎委員 私も、これまで継続審議になっています東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例について質問したいと思います。
 これまで総務委員会でも二度、参考人、四人の方をお招きして意見聴取、さらにきょうは各会派の方も意見を述べて、あるいは質問をしておりますので、重なる部分は省いて意見にとどめさせていただきますが、二、三、確認の意味で伺っていきたいと思います。不健全図書に絞りましてお聞きいたします。
 不健全図書をなくしていくために、これまで地域や出版業界と協力して東京都が進めてきたことがあると思います。
 まず一点目に、地域では、不健全図書を調べるために、都から委嘱されました協力員がコンビニや本屋などの展示状況を調べまして東京都に報告していると聞いています。その報告状況はどのようになっているのか伺います。

○浅川参事 平成二十一年度では、東京都青少年健全育成協力員八百六十三名を委嘱し、延べ千五百二十五人が九千十四店舗に対して調査を行いました。調査結果の報告は、指定図書類の販売状況につきましては、問題ありが八店舗、問題なしが八千九百七十四店舗。表示図書類の販売状況につきましては、問題ありが二百三十七店舗、問題なしが六千八百九十三店舗。青年向けと思われる図書類の販売状況につきましては、問題ありが三百六十五店舗、問題なしが二千九百十一店舗。青少年制限掲示につきましては、問題ありが四百六十六店舗、問題なしが八千五百四十八店舗となっております。この報告に基づきまして、職員が問題のある店舗、延べ千七十六店舗に対する立入調査を行い、必要な指導を実施しております。

○西崎委員 業界との協力関係についてお聞きしたいんですが、これまで、都と出版倫理協議会や関係する団体と月に一回の会議を持ち、不健全図書についての話し合いをしてきていると聞いていますけれども、その会議のメンバー、構成、あるいは会議の位置づけなど、中身についてお知らせください。

○浅川参事 条例では、不健全図書を指定しようとするときは東京都青少年健全育成審議会の意見を聞かなければならないと規定されており、この審議会の意見を聞くときは、自主規制を行っている団体から必要に応じ意見を聞かなければならないと規定されております。
 自主規制を行っている団体の構成は、出版倫理協議会を構成する社団法人日本書籍出版協会、社団法人日本雑誌協会、社団法人日本出版取次協会、東京都書店商業組合であります。そして、さらに出版倫理懇話会、首都圏新聞即売懇談会、東京都古書籍商業協同組合、東京都貸本組合連合会、社団法人日本フランチャイズチェーン協会でございます。
 現在、男性二十二名、女性一名の計二十三名の方で構成されており、指定しようとする図書類について意見を聴取しております。そして、聴取した意見を文書に取りまとめ、指定しようとする図書類とともに青少年健全育成審議会に諮り、その答申に基づいて都は不健全図書の指定を行っているというものでございます。

○西崎委員 いろいろな団体とも月一回話し合いをしているというお話を伺いました。その構成メンバーが大変男性が多くて女性が一人しかいないということは、私も女性の立場で大変気になるところですけれども、ぜひ女性をふやしてほしいと思いますけれども、出版倫理協議会などから聞いた話では、著しく性的な暴力ないしは残虐的な表現があり、青少年に不適切であると--現在、規制されていることに対しては、表紙に出版ゾーニングマークを百五十誌が表示、それから平成十六年度以降は雑誌の上と下の部分の二箇所にブルーのシールどめをして、二百二十誌、二千二百万冊をシールどめしているということでした。
 そのことについては先ほど小山委員の方からお話がありましたので、あえて私からは質問いたしませんけれども、私も余り見る機会がないので、本屋に行って、こういった陳列されている状況とか、お話を伺ったところです。
 これまで、地域で活動している協力員やPTAの人たちから、雑誌などの不健全図書に関して、子どもの目に触れないようにしてほしいとか、出版している団体に自主規制を求める声も上がっておりました。それは、先ほど幾つかのアンケート調査で紹介されていたと思いますけれども、それがあるのが現実だと思います。
 しかし、それを条例で縛って規制してほしいという声に対しては--私どもは、たくさんいるというふうには認識していません。悪いものを排除してこの問題を解決していくのではなく、読み手となる青少年の保護の方が大切であることは、先日の参考人招致で意見を伺ったときに宮台真司教授もおっしゃっていたと思います。
 これまで、今委員会で、生活者ネットワーク・みらいと都議会民主党の皆さんとともに出版倫理協議会の鈴木議長さんあてに要望書を出したことはご紹介いただきましたけれども、確かに、現在やっていることに対する規制強化もお願いいたしましたが、私どもが問題にしているのは、単に業界が今やっているからいいではないかということではなく、今後、ともに市民と業界と一緒にできることはないのか、そのことをぜひ考えていただきたいということを要望しております。
 したがって、青少年健全育成に対する新たな取り組みと、児童ポルノによる青少年の被害者の救済策について取り組むことを要望しました。もう既に業界でもこういったことは取り組んでおり、話し合いも行われているというふうに聞いておりますし、都議会議員である私どもがそういった要望を出すことは決して権力の介入ではない、先ほどの指摘は当てはまらないということを申し上げておきたいと思います。
 その中で、雑誌協会では、警視庁の少年育成課の要請で、ヤング・テレホン・コーナーの雑誌掲載を、青少年向けに、コミックや雑誌を中心に会員誌約三十誌で無料告知しているそうです。これは、夏休みの期間に青少年の悩みや困ったことに対して相談を受け、自殺防止やトラブル解決を目的としていますけれども、雑誌で告知された場合、掲載された次の日には、大変、相談が倍増すると聞いておりますけれども、このことについて青少年・治安対策本部は報告を受けているのかどうかお尋ねします。

○浅川参事 平成十七年から、これは今から六年前に相当いたしますが、警視庁の少年相談窓口でもございますヤング・テレホン・コーナーの広告を、無料で雑誌に掲載してもらっているということは確認しております。掲載の前と後とで相談件数が平均で約一割ふえているということも聞いております。
 また、この広告欄に、警視庁が昨年十一月に開設したSTOP児童ポルノ・情報ホットラインの通報先電話番号の掲載を本年申し入れ、日本雑誌協会がそれを了承したことについても確認しておるところでございます。

○西崎委員 先日、参考人招致でおいでになりました首都大学の前田先生が、今回の条例改正に当たっての議論では、子どもを守りたいという思いがあっても、子どもの視点に立った、被害に遭った子どもの救済ついては議論が及んでいなかった、反省しているという答弁がございました。青少年健全育成条例の中では、大変その視点が欠けているのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

○浅川参事 委員お話しのとおり、青少年を健全に育成するためには、子どもを見守る大人としての視点と、被害等に遭った子どもの視点に立った取り組みが不可欠でございます。青少年問題協議会の答申におきましても、児童ポルノに係る被害者の支援に関する都の責務を条例などにおいて明らかにするべきだと、子どもを守るための提言がなされております。
 この答申を受けまして、都が今回提案しております条例改正案には、子どもがインターネットを介して被害に遭わないようにフィルタリング利用の徹底や実効性の確保に向けた取り組みについて、また児童ポルノやいわゆるジュニアアイドル誌など、子どもが性的対象として扱われないよう、都、事業者そして保護者の責務を、子どもを見守る大人の責務として規定しております。
 そして、もし子どもがみだりに性的対象として扱われることにより心身に有害な影響を受けた場合に、その回復のために都が支援することや、子どもがインターネットなどで再被害に遭わないために必要な措置をとるよう保護者に指導助言することなども規定しております。
 したがって、条例案が子どもを守るという視点に欠けているということはないと考えております。

○西崎委員 そうでしょうか。今回の条例改正案の説明では、当局側から受けた内容では、悪いものを排除していこうという部分が非常に強く打ち出されていて、先ほども申し上げましたが、読み手である子どもの救済についてという点については何の説明も受けていません。大変、弱いのではないかと私どもは考えております。
 今回の条例改正案を審議するに当たりましては、先ほども申し上げましたが、総務委員会でも四人の参考人の方から意見聴取を行い、さらに私は、携帯会社、フィルタリング技術開発の業者、出版、雑誌関係のさまざまな団体からも現状について伺いました。また、地域で活動している親御さんからも意見や要望を聞いています。子どもの性的搾取や性的虐待が起きている現状や、子どもが有害情報にさらされている現状を放置できないというのは否定するものではありません。しかし、この現状を解決するために安易に条例で規制を行うことに対しては賛成できません。
 これまで、さまざまな方から生活者ネット・みらいに多くの意見が寄せられました。また、マスコミでもこのところ、きょうも新聞に取り上げられていますけれども、大変多くの意見や記事が載せられています。単に表現の規制、取り締まりをするだけではなく、子ども自身、何が俗悪な表現であるかを理解できるように教育し、行政にすべての判断をゆだねるのではなく、保護者、出版業界が一丸となって、子どもたちのために何ができるかを考えるのが市民社会のあるべき姿と考えます。
 そのために、東京弁護士会からも提起されているように、行政が率先して議論を起こし、子どもの権利保障が最優先事項であることを訴え、参考人招致でお見えになった産婦人科医の赤枝先生がおっしゃっていたように学校での性教育に取り組み、またメディアの性情報を批判的に読み取れるリテラシー教育を取り入れること、出版業界、書店を初めとする業界が子どもの権利侵害を引き起こすような商品の製造、販売を中止すること、消費者が購入を控えること、このような社会の実現こそが必要ではないでしょうか。
 先ほど田中副委員長が子どもの権利についてお話をされていました。大人は権利が主張できるけれども、声を出せない子どももいる、子どもの権利について重要だというお話がありましたけれども、私も大変同感するところです。子どもの権利侵害がどのようなことなのか、それをきちんと議論するべきだと思います。私どもは、東京都に、子どもの権利保障を理念とする条例を策定し、社会の意識変革を目指すことを求めます。
 以上で質問と意見を終わります。

○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、付託議案及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十一分散会


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