総務委員会速記録第七号

平成二十二年五月六日(木曜日)
第一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十五名
委員長小磯 善彦君
副委員長田中たけし君
副委員長伊藤まさき君
理事大松あきら君
理事山口  拓君
理事吉田 信夫君
小林 健二君
小山くにひこ君
淺野 克彦君
西崎 光子君
神野 吉弘君
鈴木 勝博君
吉原  修君
田島 和明君
川井しげお君

 欠席委員 なし

 出席説明員
青少年・治安対策本部本部長倉田  潤君
総合対策部長小濱 哲二君
治安対策担当部長伊東みどり君
参事浅川 英夫君

本日の会議に付した事件
 青少年・治安対策本部関係
報告事項(説明・質疑)
・「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例(案)」の都民等に対する説明について

○小磯委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る四月二十日付をもって、古館和憲議員が本委員会から警察・消防委員会に変更になり、新たに吉田信夫議員が警察・消防委員会から本委員会に所属変更になった旨通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の吉田信夫委員をご紹介いたします。

○吉田委員 吉田です。どうぞよろしくお願いいたします。

○小磯委員長 紹介は終わりました。

○小磯委員長 次に、古館和憲議員の所属変更に伴い、理事一名に欠員が生じましたので、これより理事一名の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○小山委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○小磯委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認めます。よって、理事には吉田信夫委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認めます。よって、理事には吉田信夫委員が当選されました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。

○小磯委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課担当書記の田村越子さんです。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○小磯委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、青少年・治安対策本部関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑終了まで行います。ご了承願います。
 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 初めに、青少年・治安対策本部長から、人事異動に伴い交代のありました幹部職員の紹介があります。

○倉田青少年・治安対策本部長 さきの人事異動に伴いまして就任いたしました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 治安対策担当部長の伊東みどりでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○小磯委員長 紹介は終わりました。

○小磯委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○浅川参事 それでは、お手元に配布いたしました資料につきましてご説明申し上げます。
 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例(案)の都民等に対する説明についてでございます。
 青少年・治安対策本部では、第一回都議会定例会の終了後、都民、図書関係団体、インターネット関係団体等に対し、条例改正案に対するご理解を求めるための説明を行ってまいりました。
 一ページをごらんください。初めに、1、都民への説明についてでございます。
 まず、(1)ですが、四月十六日に、特に問い合わせ等の多かった、青少年に対する強姦等を描く悪質な漫画等の青少年への販売規制に関して、東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案のポイント等を都のホームページに掲載いたしました。
 具体的には二ページをごらんください。この資料は、今回の条例改正のポイントが、子どもに対する強姦シーン等を描いた漫画を子どもに見せない、売らないための条例改正であることを明らかにするとともに、描いたり、出版したり、大人に売ることは規制されないということ、つまり、子どもへの販売規制であり、表現の自由を侵害するものではないということを都民に理解していただくために作成したものでございます。
 まず、現在の条例が、性的感情を刺激する図書類等を青少年に販売しないよう、出版社、販売者に対し、自主的な取り組みとしてそれらの図書類等を成人コーナーに区分陳列すること等を求めるとともに、自主規制から漏れ、一般の書棚で著しく性的感情を刺激するものが販売されているときは、東京都が不健全図書として指定し、その図書類等について、販売者に成人コーナーへの移動を義務づけることを模式図を使いながら明らかにしております。
 今回の改正案は、現行条例の、性的感情を刺激するもの等の基準に、青少年との性交等を不当に賛美、誇張する悪質な漫画等を追加するものであり、出版社、販売者の自主的な取り組みとして成人コーナーに区分陳列等を求めるとともに、自主規制から漏れ、一般の書棚で青少年に対する強姦等を賛美、誇張している著しく悪質な漫画等が販売されているときは、東京都が不健全図書として指定し、成人コーナーへの移動を販売者に義務づけるものでございます。
 三ページ目は、悪質な漫画等を子どもに見せない、売らない条例改正に関して都民からいただいた質問のうち、主なものとその回答となっており、こちらもホームページに掲載をしてございます。
 一ページに戻りまして、(2)ですが、東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案質問回答集を作成し、四月二十六日にプレス発表を行い、都のホームページに掲載いたしました。
 青少年に対する強姦等を描く悪質な漫画等の青少年への販売規制に関して、都民の方々のご理解をいただくためのものでございまして、総務委員会の委員の先生方にも当日配布してございますので、本日の資料からは割愛させていただきました。
 続きまして、四ページをごらんください。2、図書関係団体への説明についてでございます。
 まず、(1)ですが、四月八日に、図書の自主規制団体であります出版倫理協議会への説明を行いました。特に協議会が指摘する問題点と、それに対する都の説明は記載のとおりでございます。
 五ページをごらんください。(2)でございます。
 四月二十二日に、同じく図書の自主規制団体であります出版倫理懇話会への説明を行いました。同じく、主な確認事項とそれに対する都の回答は記載のとおりでございます。
 次に、六ページ、(3)でございます。
 四月二十三日に、条例改正案への反対や慎重審議を求める意見を表明した社団法人日本ペンクラブ、社団法人日本図書館協会、社団法人日本出版労働組合連合会に対し、条例改正案の趣旨の説明と条例改正への理解を求める文書をお送りいたしました。七ページから二二ページにかけまして、各団体にお送りした文書を添付してございます。
 広く関心を寄せられている漫画について、条例改正案の趣旨は、子どもに対する悪質な性行為を不当に賛美、誇張するように描いた漫画を成人コーナーに区分陳列して、子どもに見せない、売らないことであり、表現規制ではないことなどを説明したものとなっており、加えて、個々にご指摘いただいた事項について記載のとおり回答を行っております。
 最後に、3、インターネット関係団体等への説明についてでございます。二三ページをごらんください。
 まず、(1)ですが、四月九日に、国におけるフィルタリングに関する施策の担当部局であります総務省消費者行政課に対し、条例改正案の趣旨及び都議会における審議経過等を説明いたしました。
 また、(2)ですが、四月二十二日に、青少年の利用に配慮した携帯電話サイトの審査、認定及び運用監視業務等を行う第三者機関でございます一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構、略称EMAでございますが--への説明を行いました。
 EMAからは他の事業者等との連名による意見が提出されておりましたので、その中でご指摘いただいた事項について、条例改正の趣旨は、法施行後も非出会い系サイトを通じた青少年の福祉犯罪被害が増加していることなどを踏まえ、青少年がインターネットを利用して被害、加害に関与することを防ぐことであること。インターネット関連の規定はすべて法の枠組みを前提としており、公権力による恣意的な関与の排除や、民間の自主的、多様な取り組みの尊重、フィルタリングの基準に関する自治体の介入の忌避には十分配慮したものであることなどを説明し、ご理解を求めました。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小磯委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言願います。

○山口委員 それでは、青少年健全育成条例の改正案の都民等に対する説明について、お伺いしてまいりたいと思います。
 都民への説明の質問回答集17や日本ペンクラブへの回答にもありますが、そもそも、東京都内の現状にどのような問題点があるため、青少年健全育成条例の現行条文では対応できなくなり改める必要があるか、そもそも何を目的として行うものとお考えでいらっしゃるんでしょうか。見解を伺いたいと思います。

○浅川参事 まず最初に、この条例改正はそもそも何を目的として行うものかということでございます。
 青少年のインターネット利用をめぐる環境の整備関係につきましては、いわゆる青少年インターネット環境整備法の施行後も、都内において、インターネット、特にコミュニティサイトやプロフィールサイト、ゲームサイトなど、青少年が利用する機会の多い非出会い系サイトを通じて青少年が犯罪被害に遭う事例が増加しており、法の趣旨の定着や実効性がいまだ不十分であると考えております。
 そこで、青少年がインターネットを通じて被害者にも加害者にもならないようにするため、法の規定の趣旨を定着させ、その実効性を確保するために必要な規定を置くものでございます。具体的には、フィルタリングの解除手続の厳格化や携帯電話端末の推奨制度などでございます。
 児童ポルノに関しましては、児童ポルノの検挙件数や被害児童数が過去最高に達する中、児童ポルノがインターネット上で半永久的に流通し、被害者の苦しみを増幅させている現状があり、法に基づく取り締まりのみによっては、そのような状況が十分に改善されるには至らないものと考えております。
 そこで、少しでも児童ポルノを減らし、根絶させるため、条例において、都民を含む何人も自己の責務として児童ポルノは許さないと自覚するとともに、みだりに所持しないなどの自主的な取り組みを心がけていただくための規定を置くものでございます。
 子どもに対する悪質な性行為を描写した漫画等に関しましては、青少年の性的な判断能力をゆがめるおそれがあることから、青少年に対して見せない、売らないようにする必要があると考えております。
 しかし、そのような描写は、現在の、性的感情を刺激するという基準には必ずしも該当しないことから、新たな基準を設けようとするものでございます。

○山口委員 それを前提として、幾つか確認をした上で質問にも入っていきたいところなんですが、平成十七年に追加改正をした、青少年を取り巻くインターネット利用環境の整備において、都や業界としてどのように取り組んできたのか、お伺いをしたいと思います。

○浅川参事 平成十七年の条例改正では、インターネットの有害情報への対応として、インターネット接続事業者に対し、フィルタリングの勧奨と提供に係る努力義務などを置きました。また、保護者に対しては、フィルタリングの利用により青少年がインターネットを適正に利用できるように努める義務を課しました。これらを踏まえ、都としては、携帯電話販売事業者等に対してはフィルタリング告知の徹底を、プロバイダーに対しましてはフィルタリングの開発提供を呼びかけてまいりました。
 また、インターネットや携帯電話に関する家庭のルールづくりを支援する、保護者のためのファミリeルール講座や講演会を、都内の小中学校を中心に開催してきております。携帯電話販売事業者も、店頭での販売マニュアルを作成してフィルタリングの徹底を図る取り組みを行うとともに、携帯電話に関する安全教室を小中学校で開催するなどの取り組みを行ってきております。

○山口委員 今ご説明にあったように、課題に真摯に取り組んできた結果においても、現行の条例や、その他情報モラル、リテラシー教育や、ファミリeルール講座、学校の非公式サイト等の監視など総合的な取り組みでは対応できない、し切れない、青少年の健全育成に影響を及ぼす事態が発生をしてしまっているということでよろしいんでしょうか。見解を伺います。

○浅川参事 先ほど述べましたとおり、行政や事業者等が一体となってさまざまな取り組みを展開しているものの、青少年の間で携帯電話を通じたインターネットへの接続が常態化する中で、青少年がインターネットを介して被害者や加害者になったりトラブルに巻き込まれることを、十分に防ぎ切れていない状況にございます。
 昨年四月に、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律、いわゆる青少年インターネット環境整備法が施行され、青少年が使用する携帯電話へのフィルタリングの原則義務化等が実施されましたが、法施行後も、インターネットサイトに関係した福祉犯罪事件の被害児童数は増加しております。
 東京都が行っている、青少年のインターネットや携帯電話に関する総合的な相談窓口である東京こどもネット・ケータイヘルプデスクにも、毎日のように、ネット・携帯に係る青少年のトラブルや悩みが寄せられている状態にございます。

○山口委員 それは、平成二十年に成立、二十一年四月から施行された青少年インターネット環境整備法によって、原則、国内の青少年が利用する携帯電話はフィルタリングの提供が義務づけられた対応でも、足りないということなんでしょうか。見解を伺いたいと思います。

○浅川参事 都の調査によりますと、都内小中学生の約三割がフィルタリングに加入していない状況にあり、また、フィルタリングを利用していても、アクセス可能な非出会い系サイトにおいて性被害やトラブルに巻き込まれる青少年が増加している状況にございます。
 昨年の都内におけるインターネットに関係した福祉犯罪被害児童数は百八十四人で、前年比プラス五十四人、率にいたしますと四二%の増加ということでございまして、うち約八割が非出会い系サイトで占めてございます。
 都といたしましては、現に法施行後も被害が増加している状況を看過するわけにはいかないものと考えております。

○山口委員 では、最後に確認ですが、四月二十二日、東京都が説明を行ったモバイルコンテンツ審査・運用監視機構は、第二十八期青少年問題協議会において意見聴取を行ったとあるわけなんですが、当時どのような意見が述べられたんでしょうか。お伺いしたいと思います。

○浅川参事 まず携帯電話事業者でございますが、フィルタリングについて、各社とも、インターネット環境整備法を踏まえ年齢確認を徹底するなどして実効性を確保しておりますが、子どもを信用しているからとの理由で解除する保護者が多いということ、そのため、保護者に対するインターネットの危険性の周知等も行っていくとの意見も見られました。
 また、各社とも、コミュニティサイトを原因とした犯罪の発生状況については認識しており、そのようなサイトについては不適切利用による犯罪誘発の危険性がある等の理由からフィルタリングの対象としておりますが、モバイルコンテンツ審査機構が認定したコミュニティサイトについては、健全性が維持されているものとしてフィルタリングの対象から除外しているという回答でございました。
 次に、モバイルコンテンツ審査機構、EMAでございますが、同機構におけるコミュニティサイトの認定制度については、フィルタリングの改善を行うための一環であること、第三者機関として悪質な事業者を認定することがないよう責任を持って対応していること、悪質な利用者が犯罪に利用している場合には管理体制の中で排除していくことなどの説明がございました。
 また、認定サイトをフィルタリングの対象から外すことに係る第三者機関としての責任については、実際の犯罪自体はインターネットの中ではなく現実の社会で起きているため、第三者機関としては、インターネットの中の管理体制を整備するほか、家庭、学校、地域と連携しながら一定の利用規制と教育を実施していくことにより、青少年の被害を減少させることに対して最大限の努力をしていくという回答でございました。

○山口委員 インターネット関係団体等への説明がさまざまされてきているところで、その中で幾つか伺っていきたいのが、まず、都は携帯電話事業者とも累次にわたる意見交換を行ってきたと聞いているわけでありますが、どのような意見だったんでしょうか。懸念をした意見はあったのでしょうか。お伺いをしたいと思います。

○浅川参事 携帯電話端末の推奨制度につきましては、都の推奨が受けられれば宣伝効果は高く、利用者も関心を持つのではないかと、各社ともおおむね好意的な意見でございました。
 フィルタリング解除理由の書面提出につきましては、技術的側面からの要望が行われました。
 一つは、兵庫県の同種条例では書面の様式まで定められているが、都が条例でこれと異なる書面の様式を決めた場合に対応できないとの意見が出たため、書面の様式については、条例では規定しないこととしてございます。
 また、保護者から提出された書面の保存に関しては、大量の書面そのものを保存しておくことは困難であるとの意見が出たため、電磁的方法による記録及び保存を可能にするなど、事業者との意見交換を最大限反映した条例案の内容としておるところでございます。

○山口委員 去る三月十二日、条例改正案が審議をされている中で、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構は、他の事業者、有識者の方々と連名で、都条例案に対する意見を提出されました。
 この動きは、都の協議会が審査・運用監視機構から意見を聴取したとはいえ、これらの団体は、条例改正案の内容に対して最低限守られるべき事項を公表し、改正案に反対するとされたわけであります。これについて都の見解を伺いたいと思います。

○浅川参事 モバイルコンテンツ審査機構、その他の団体等が条例改正案について反対する意見を提出されたことについては、真摯に受けとめております。
 しかし、意見の中には、条例改正案の趣旨等についての誤解に基づくご懸念も含まれていたため、趣旨等についてのご説明を重ねることにより、可能な限り、このような誤解やご懸念を払拭できるように努めてまいりたいと考えております。

○山口委員 四月二十二日、都はモバイルコンテンツ審査・運用監視機構に条例改正案の説明を行い、理解を求めたとされているわけでありますが、その対応と先方の反応、意見についてはどのようなものだったんでしょうか。伺いたいと思います。

○浅川参事 提出された意見書におきましては、資料二三ページ記載のとおり、都を初めとする公権力による恣意的な関与がなされないこと、憲法や青少年インターネット環境整備法等の法律の範囲内での条例改正とすべきことなどが指摘されていたものでございます。
 これを踏まえ、都からモバイルコンテンツ審査機構に対し、条例改正の趣旨は、法施行後も非出会い系サイトを通じた青少年の福祉犯罪被害は増加していることなどを踏まえて、法の規定の実効性の向上を図ることにより、青少年がインターネットを利用して被害、加害に関与することを防ぐことであること。条例の規定は、すべて法の枠組みを前提とした上でその実効性を向上させるために置いたものであり、公権力による恣意的な関与の排除や、民間の自主的、多様な取り組みの尊重、フィルタリングの基準に関する自治体の介入の忌避には十分配慮したものであることなどとともに、条例の各規定の趣旨を詳細に説明し、誤解やご懸念の払拭に努めたものでございます。
 これに対するモバイルコンテンツ審査機構の反応や意見につきましては、この委員会報告に当たり、都から言及しないことがモバイルコンテンツ審査機構側との合意事項となっておるため、言及することは差し控えますが、青少年の加害、被害を減少させるための多様な取り組みが必要であることなどについては、モバイルコンテンツ審査機構と都が認識を共有するものであることについて確認をいたしたところでございます。

○山口委員 同じ報告書の二三ページの中にもありますが、四月九日、東京都は総務省消費者行政課に、条例改正案の趣旨や都議会での審議経過について説明をしに行ったということでありますが、これは一体なぜなんでしょうか。また、総務省の反応、意見について、出たのであればお伺いをしたいと思います。

○浅川参事 総務省は、青少年インターネット環境整備法の所管官庁の一つであり、フィルタリングに関して、携帯電話事業者やモバイルコンテンツ審査機構等とも連携を密にとっている官庁でございます。総務省は、青少年問題協議会の答申や条例改正案に関心を有しており、内容に関する問い合わせ等を踏まえ意見交換を実施したこともあったことから、条例改正案が継続審議となるに当たり、改めて条例改正案の趣旨や都議会における審議の経過等について説明を行うこととしたものでございます。
 都の説明に対する総務省の反応や意見につきましては、この委員会報告に当たり、都から言及しないことが総務省との合意事項となっているため、言及することは差し控えますが、総務省とは、条例に関しては最終的には都の判断であることを確認してございます。

○山口委員 当たり前なんですが、その内容について東京都としても大変興味があるところですし、私たちもその内容については関心を持っているところであります。
 説明を行ったインターネット関係団体のほかにも、条例改正案に懸念、反対を表明しておられる団体というのがあるわけであります。さらに、条例の改正が行われた場合、対応を迫られる携帯電話事業者やコミュニティサイト運営事業者などには、今回説明には行かれていないようでありますが、これらの団体への今後の対応はどのように行っていかれるのでしょうか。お伺いしたいと思います。

○浅川参事 都として直接、説明を行うに当たっては、今回の条例改正により直接の影響のある業界団体等を優先したいと考えております。これ以外の団体や一般都民のご懸念に対しては、ホームページに質問回答集を掲載するなどして、その払拭に努めていくということを考えてございます。
 なお、携帯電話事業者各社や社団法人電気通信事業者協会につきましては、条例改正案策定中から随時意見交換を行い、フィルタリング解除の理由を記載した書類の保存に係る負担等についてのご意見をいただき、その軽減に配慮した規定としているものでございます。
 また、コミュニティサイト事業者につきましては、これまで楽天、ミクシィ、ヤフーとの意見交換を行ってきております。
 今後とも、関係業者からの要望があれば、必要に応じて意見交換や説明を実施していくという考えでございます。

○山口委員 次に、昭和三十九年の条例制定時から、青少年の健全育成を阻害するおそれがある漫画等の図書類について、青少年の目に触れさせないようにするため、条例で規定を設けてきたわけであります。そして、平成十六年に一部改正した、不健全な図書類の指定や販売業界の自主規制、制限などで、都や業界はどのようなことに取り組んできたんでしょうか。お伺いをしたいと思います。

○浅川参事 青少年の健全な育成を阻害するおそれのある漫画等の図書類につきましては、昭和三十九年の条例制定以来、出版業者や販売業者などの自主規制を基本として、青少年に販売等をしない取り組みを行ってまいりました。
 平成十六年の条例改正におきましては、書店等の販売業者において自主規制の対象となっているか否かの判断がつかず、都が行っている立入調査の結果においても区分陳列が徹底されていない状況であったことから、出版業者に対し、自主規制団体またはみずからが不健全図書指定基準に照らして青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認めた図書類について、その旨の表示及び包装をすることとともに、販売業者に対し、区分陳列を行うよう努力義務を課すことといたしました。
 これらの改正を踏まえ、関係業界においては、表示図書に関する取り組みを行っていただいているということでございます。

○山口委員 今ご説明をいただいたように、さまざまな取り組みをしてきた結果においても、課題に真摯に向き合って取り組んできた、その結果においても、現行条例などでは対応し切れない、青少年の健全育成に影響を及ぼす事態が発生してしまっているのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○浅川参事 これまでの不健全図書指定基準でございます「性的感情を著しく刺激する」につきましては、単に全裸や性交シーンがある程度では該当せず、その判断は、性交シーンにおける性器の描写の明確さや、性交に伴って生じる音などの擬音や、体液の描写の多さなどによることとしております。このような現在の指定基準の解釈は、昭和三十九年以来の条例の運用の中で、出版業界との間で共通了解の形成に努めてきたものであり、子どもとの悪質な性交場面の描写があるだけでは該当いたしません。このため現状では、子どもへの強姦など著しく悪質な性行為について、あたかも楽しいこと、許されることのように描く漫画などであっても、容易に青少年の手に取れるような場所で販売されている状況にあるということでございます。
 このような図書類につきましては、これを読んだ子どもの性的判断能力をゆがめるおそれがあることから、新たに指定基準に追加しようとするものでございます。
 なお、青少年に販売しないための制度や仕組み自体は、何ら変更するものではございません。

○山口委員 同じく四月八日、都が説明を行った出版倫理協議会は、第二十八期青少年問題協議会においても意見聴取が行われたとあるわけでありますが、当時はどのような意見が述べられていたのでしょうか。お伺いしたいと思います。

○浅川参事 出版倫理協議会議長からは、自主規制団体みずからが持つ出版倫理綱領と東京都の条例を遵守するという認識であること、毎月の指定図書の冊数も随分減少するなど、成果が見られていると感じていること、性表現についてある程度の制限があるのは仕方がないというのが出版倫理協議会の立場であることなどの意見が述べられました。また、都が包括指定制度ではなく個別指定制度をとり、自主規制の促進とあわせて着実に条例を施行していることを評価するという意見も述べられました。
 なお、実際には、悪質な漫画等やジュニアアイドル誌等は、出版倫理協議会に入っていない出版社が発行していることが多く、それらについて出版倫理協議会がコントロールすることは難しいとのことでございました。

○山口委員 また、東京都は、その後も出版関係事業者と累次にわたる意見交換を行ってきたと伺っているわけでありますが、どのような意見だったのでしょうか。懸念した意見はあったんでしょうか。お伺いをしておきたいと思います。

○浅川参事 青少年問題協議会の答申に関する出版倫理協議会との意見交換では、漫画の中にも文学作品と認められているものもあり、ストーリーの流れの中で性を描いているものもある、青少年の性衝動は成長していく過程で必要なものであり、これらを封じ込めるべきではないとの指摘があり、都からは、裸が描かれているから、即、青少年への販売規制の対象とすべきということではない、低年齢向けのコミックの中にも性描写がふえているのは事実である旨を回答しております。
 また、出版社側の自浄作用を最大限生かし、規制をしないでほしい、公権力の介入は最小限にとどめてもらいたいとのご意見があり、都からは、これまでどおり出版社側の自主努力を尊重し、今まで築き上げてきた信頼関係を継続していく旨を回答してございます。

○山口委員 大変反響も大きかったわけでありますが、この三月十五日、作家の先生方や出版社、有識者の方々が連名で、東京都青少年健全育成条例改正案に疑義、反対を表明する漫画作家有志及び出版社を名乗り、各意見書を発表されたわけであります。また、三月十七日には、続けて、出版倫理協議会は東京都青少年健全育成条例改正案に対する緊急反対声明を公表されました。協議会は出版業界すべてを代表する団体であり、出版全体が反対の声を上げたということになります。
 出版倫理協議会は、都が不健全図書とした漫画を協議会内で審議し、出版社に回収や表示などの勧告を行うなど、都の施策に協力している団体でありますが、今回も、都協議会に意見を述べたとはいえこの条例改正案の内容に対し反対の姿勢をとられたものであります。この一連のことについて、東京都の見解を伺っておきたいと思います。

○浅川参事 出版倫理協議会が条例改正案について反対する意見を提出されたことについては、真摯に受けとめております。
 しかし、ご意見の中には、条例改正案の趣旨等についての誤解に基づくご懸念も含まれていたため、趣旨等についてのご説明を重ねることにより、可能な限りこのような誤解やご懸念を払拭できるよう努めていきたいと考えております。

○山口委員 というのであれば、四月八日、東京都は出版倫理協議会に条例改正案の説明を行われて、理解を求めたとされているわけでありますが、その対応と先方の反応についてお伺いしたいと思います。

○浅川参事 出版倫理協議会から提出された意見書におきましては、資料四ページに記載のとおり、十八歳未満と判断される架空の人物の性を描いたコミック等を規制しようとしていることにより、当局の恣意的な判断により著作者や発行者への検閲や弾圧につながるおそれがあることなどについて特に問題とした上で、反対の立場が示されていたものでございます。
 これを踏まえ、都から出版倫理協議会に対し、登場人物が十八歳未満として設定されていることについては、年齢等についての明示的かつ客観的な描写により判断し、見た目が幼くても十八歳以上と明記してあった場合などには対象としないこと。また、創作自体を規制するものではないため著作者等への検閲や弾圧は起こり得ないこと。児童ポルノの被害者が一生、二次被害にさらされていることを考えれば、処罰とは別に、現存する児童ポルノを自主的努力により少しでも減らしていくべきであることなどを説明するとともに、条例の改正案の趣旨を詳細に説明し、誤解やご懸念の払拭に努めたものでございます。
 これに対する出版倫理協議会側の反応や意見につきましては、この委員会報告に当たり、都から言及しないことが出版倫理協議会側との合意事項となっているため、言及することは差し控えさせていただきます。

○山口委員 大変残念なことに、この委員会において都からは言及をされないと。我々はその内容を知り得ることができないわけでありますから、なかなか判断の材料にはしづらいところでありますが、それはいずれかの後に知り得ることができるだろうと信じているところであります。
 また、改めて四月二十二日、都は、成人向け図書を中心に発行する出版社でつくる出版倫理懇話会に条例改正案の趣旨を説明したとしているわけでありますが、書店や流通、制作者側からの問い合わせが多かったとのことであります。
 条例改正案に関する都の説明不足があったのではないでしょうか。都の見解をお伺いしたいと思います。

○浅川参事 出版倫理懇話会への説明におきましては、資料五ページに記載のとおり、いわゆる悪質なジュニアアイドル誌の規制に関し、十八歳未満の水着姿の写真がすべて規制されるとの誤解に基づく問い合わせが多いとの意見が出ました。
 条文上、対象を青少年のうち十三歳未満の者と明記していることから、このような誤解が、都の説明不足により生じたものとは考えてございません。
 しかし、このような誤解を払拭するため、書店への通知や都のホームページへの質問回答集の掲載などにより、早急に広く関係規定の趣旨を周知するとともに、条例施行までの間に、具体的にどのようなものが対象となるかについて、出版社、書店側との合意形成に努めてまいります。

○山口委員 恐らく、条文をよく読んでいただければという思いも含まれた今の答弁かなというふうには思いますが、そこも含めて、改正するに当たっては周知徹底を図っていくこと、これも東京都の務めであると指摘をしておきたいと思います。
 さて、四月二十三日には、条例改正案が表現全体に影響を及ぼすと反対を表明された、猪瀬副知事も会員であられる社団法人日本ペンクラブに対して理解を求める文書を送付したとのことでありますが、先方の反応はあったんでしょうか。理解をいただけたんでしょうか。お伺いしたいと思います。

○浅川参事 社団法人日本ペンクラブにつきましては、三月十八日付で、東京都青少年条例改定による表現規制強化に反対する声明が公表されていたため、その声明文の内容を踏まえ、資料七ページから一一ページにかけてございますように、条例改正案の趣旨の説明及び個々にご指摘いただいた事項について回答し、条例改正についてご理解をいただけるよう文書をお送りしたところでございます。
 現時点で、先方からは特段の反応はいただいておりません。

○山口委員 提案をされている東京都の副知事が所属されている団体から反対の声明が出されて、今、まだ反応がないということですからその後はわかりませんが、いずれにしても、そういった説明不足、これまでの対応の甘さというものが、やっぱりこの反応にも大きくつながっていると思います。
 猪瀬副知事のブログ、今、手元にあるんですが、三月二十二日、言論の表現の自由とは別物と、ご本人がブログの中で書かれています。副知事みずからが自分の所属されている団体にぐらいきちっと説明されてその合意が得られなければ、どの団体にどう説明していっても、合意や形成を得られることはないんじゃないんですか。
 これは当たり前のことなので別に質問はしませんが、こういったことに一例があらわれているということで、この質問で紹介させていただいたわけであります。副知事が、少なくともブログで書かれるぐらいであれば、みずからが先頭に立ってご説明をされるぐらい、せめて自分が所属されている団体には説明されるぐらいのことがあってもいいのかなと私は思います。
 同日、条例改正案が児童ポルノ規制法に重ねる過剰規制とならないかと危惧し、国会などで国民的議論を注視する時期にあること、また、青少年を性的対象として扱う図書類を新たに定義づけることへの懸念などから反対を表明しました日本図書館協会に対しても、理解を求める文書を送付したとのことでありますが、先方の反応はあったんでしょうか。ご理解はいただけたんでしょうか。お伺いしたいと思います。

○浅川参事 社団法人日本図書館協会につきましては、三月十七日付で、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例についての知事あての要請があったため、その要請文の内容を踏まえ、資料一二ページから一六ページにかけてございますように、条例改正案の趣旨の説明及び個々にご指摘いただいた事項について回答し、条例改正についてご理解をいただけるよう文書をお送りいたしました。
 現時点で、先方からは特段の反応はいただいておりません。

○山口委員 また、東京都は、経済産業省などに、条例改正案の趣旨や都議会での審議経過を説明しに行かないのでしょうか。経過を伺いたいと思います。

○浅川参事 経済産業省につきましては、内閣府、総務省と並ぶ青少年インターネット環境整備法の所管官庁の一つでございますが、これまで条例改正案について問い合わせ等をいただいていないため、現時点では趣旨説明を行う予定はございません。

○山口委員 説明を行った図書関係団体のほかにも、そのほか団体があるわけであります。
 雑誌や漫画などを販売するコンビニエンスストアなどが加盟する日本フランチャイズチェーン協会への対応というのは、どのように行われていくのでしょうか。お伺いをしたいと思います。

○浅川参事 日本フランチャイズチェーン協会におかれましては、図書類の区分陳列等に関し、日ごろから非常に高いレベルの自主的努力をしていただいております。
 条例改正案により新たに区分陳列の対象となる図書類につきましても、施行までの期間に、十分に周知に努めてまいりたいと考えております。

○山口委員 また、条例の改正が行われた場合、対応を迫られるゲーム事業者、団体などには、今回、全く説明には行っていないようでありますが、これらの団体などへの今後の対応はどのように行っていくのでしょうか。お伺いしたいと思います。

○浅川参事 パソコン用のゲームソフトを対象とした自主規制団体でございますコンピュータソフトウェア倫理機構に対しましては、三月五日に双方の取り組みに関して情報交換を行った際に、条例改正案についても説明を行いました。
 家庭用ゲームソフトに関する自主規制団体としては、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構、社団法人コンピュータエンターテインメント協会がございます。いずれも条例改正案について特段の反対のご意見を承っていないため、これまで直接、条例改正案について説明を行っておりませんが、今後、施行までの期間に、十分にその趣旨や対象についてご理解が得られるよう周知に努めてまいりたいと考えております。

○山口委員 今回は、この条例改正案の都民等に対する説明についてということで質疑をさせていただいているわけでありますが、問い合わせをされてきている方々もしくは関心を持たれている方々は、ユーザーの皆さん、実際に手に取られる方々と、それを扱われている事業者の方であったり制作者の方であったり、それを取りまとめる団体であったりと、さまざまあるわけでありますが、大きく分かれると思います。その説明の仕方についても、私は大きく分けていかなければいけないと思います。
 自分が何を手にすることができるのか、何を手にしてはいけないのかという懸念で質問されている方々。そして提供される方々、どういったものを扱っていいのか、どういったものをつくり出していっていいのか。こういったさまざまな場面、要するに質問される方にしてみれば、全く違う立場で、違う趣旨で質問されているわけでありますから、その一つ一つの対応またはその答え方というものも大きく変わってくるわけであります。
 また、それだけに、丁寧に対応していただかなければいけないと思いますし、団体の方々にしてみても、私たちもそうですが、興味、関心や、自分たちが何をしなければいけないのかという責任に駆られて質問されてきている方もいれば、問い合わせをしてもなお反応もないような事業者もあります。関心を持たずして、このことについて質問もしてこない、そういった団体--団体はないかもしれませんが、そういった事業者も実際には存在をされているわけであります。
 先ほど答弁の中にもありました、実際には、悪質な漫画等やジュニアアイドル誌等は出版倫理協議会に入っていない出版社が発行していることが多いといわれていたわけでありますが、そういった方々にこそしっかりこの条例の趣旨を理解していただいて、そういったものが流通をしないように、それはどこでストップをするのか、歯どめをかけていくのかということも含めて、しっかりとこの段階から話をしていかなければ、この話は進まないんだろうと私は思っているわけでありますから、説明ということについては、より深く東京都が認識を持って進めていただくべきと私は考えているわけであります。
 さて、この条例改正案が審議をされていた三月、都へ寄せられた提言、意見などは全部で三千百九十六件ございました。その三分の一、一千百五十三件が、この条例改正案に対するものでありました。
 内容を読んでみますと、条例改正案に対するさまざまな意見があり、注目度の高さがうかがわれるとともに、内容が認識されていないものも多々あり、都の対応の稚拙さがうかがわれるものとなってしまいました。
 その後、予算議会が終了した後の四月十六日以降、都は、条例改正案に関する都民への説明として、都のホームページに条例改正案や質問を掲載し始めました。都がこうした対応を行うのは異例と考えるわけでありますが、そもそも、なぜこのような説明を行ったのでしょうか。理由を伺いたいと思います。

○浅川参事 三月に寄せられた都民意見におきましては、性交に係る描写を含まない著名な漫画までもが規制の対象になるなど、インターネット上における条例改正案についての誤った記述が流布しており、それに基づいた誤解や危惧が多数含まれていたものと承知してございます。条例改正案の規定上、青少年への販売等、規制の対象となる図書類は、性交または性交類似行為の描写のあるもののうちでもごく一部に限っていることから、このような誤解が生ずることは予想してございませんでした。
 しかし、現実にそのような誤解や危惧を抱いている方がおられ、第一回定例会におきましても、都民の理解を深め、誤解を払拭していく必要がある旨のご指摘を受けたことから、条例改正案の趣旨や規制の範囲を正確にご理解いただき、そのような誤解や危惧を払拭するため、ホームページへの質問回答集の掲載等を行ったものでございます。

○山口委員 この東京都の対応に対して、都民からの反応、意見は変化をしてきたのでしょうか。見解を伺いたいと思います。

○浅川参事 四月二十六日に、東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案質問回答集を都のホームページに掲載して以降、都に対する電話等において、明らかな誤解に基づくご質問等は減少してきております。
 一方、メールにより都に寄せられた意見におきましては、本当に質問回答集の内容どおりに運用されるのか信用できないなどの反応が見られるところでございます。

○山口委員 先ほども申し上げましたが、それぞれの団体への説明もしくは事業者の方々への協力や、その誤解を払拭するのと同時に、都民の皆様、ユーザーの皆様にどのように理解をしていただくかという点においては、まだまだ納得をいただけていない、誤解が払拭できていない、説明が尽くせていない、こういったあらわれなのかなと思うところでもあるわけであります。
 いずれにいたしましても、この条例改正案を議会に提出された後、都がこのように、またこれからも関係団体などに広範に説明に回らなければならないのは、これは順序が全くもって逆であって、条例改正案を提示することに十分な準備が整っていない証拠であったのではないかと考えているわけであります。
 この条例改正案については、東京都には説明を尽くす責任というものがあると私は考えています。これをどのように東京都として示していくのか、これは私たちがこれからも注目していくところであり、先ほども再三、さまざまな団体への質問の反応を事細かに伺ってきたわけでありますが、その回答や反応について、まだいただけていないものがたくさんあるということが一つの現実であろうと私は思っています。こういった答えが、またそれぞれの業界団体の皆さんのご懸念や疑問というものが払拭できたのであれば、慎重に議論をし、そしてこの改正案に対してのあり方というものが議論されていくんだろうと思います。少なくとも一つ一つのこういった説明というものを東京都がどのようにしたのか、尽くしたのか。こういったものをしっかりと、東京都がどのように議論をしていくのか、そして一つ一つをどのように議論を尽くしていくのかということが重要だということをいっているんです。
 それぞれの反応を見ずして、待たずしての議論というものはあり得ないと思いますし、説明を求められて、必要と感じたけれども、その回答がない団体の回答はしっかりと待たなければいけないと私たちは思っています。この一つ一つを慎重に審議されること。そして都議会としても、審議機関としての責務を十分に果たすために、業界団体や作家の皆さん、そして関連分野の専門家などの皆様からも直接、現状や意見を聞いていくべきであることをしっかりと表明をして、今回の質問を終わらせていただきたいと思います。

○田中委員 本日の委員会質疑は、先ほどご報告をいただいた報告事項への質疑であると認識をしておりますが、ただいま、民主党山口理事からの質疑は、報告事項に関する質疑ももちろん含まれておりましたが、既に提案された第一回定例会の総務委員会での条例案そのものに対する質疑も大変多かった。本日の委員会の趣旨からすると若干の違和感を覚えたところではありますが、逆にそのおかげで、この条例が東京都の青少年を有害な環境から守るためにいかに重要なものであるかということが、改めて多くの都民の皆様にご理解いただけたものと前向きに受けとめているところであります。
 さて、先ほどの報告のとおり、これまでの間の青少年・治安対策本部の都民、関係団体などへの丁寧な説明によりまして、改正案の主要な論点であります悪質な漫画、アニメの青少年に対する販売規制、これは表現の自由を何ら規制するものでもなく、ましてや著作者や発行者への検閲や弾圧につながるおそれなど全くないということも、改めて明確になったものと思っております。
 今回の改正は、まさにこの条例による、これまでの五十年近い蓄積の上に立った青少年の健全育成の取り組みの延長線上にあるものであり、今日の新たな社会状況への当然の対応であるものと認識をしております。青少年の健全育成を行う環境を整備していくのは我々大人の務めである中で、次代を担う子どものことよりも、どのようなものでも売れればいいと、自分たちの利益を優先して反対の行動に走るようなことがあっては決してならないものと思っております。これらも踏まえまして、何点か、冒頭申し上げましたように報告事項に関しましての質問をさせていただきます。
 この資料には、都民向けの質問回答集や、改正案について意見を発表した団体などへの説明が記載されております。こうした方策は、これまで私ども議会が主張してきたことも踏まえてのことであると思っておりますが、行政の皆様のこれまでのご努力に対しては、高く評価をしていきたいと思っております。
 それで、当然のことながら石原知事に説明した上でのことであると思っておりますが、その際、知事から何か指示等があったのか、お伺いしたいと思います。

○浅川参事 知事からは、わかりやすい言葉での質問回答集の作成や、意見を表明した団体等に対して条例の趣旨を説明した書簡を送付して理解を求めることについての指示がなされました。また、議会におきましても都民等の理解を求めることの重要性についての指摘がなされました。これらを踏まえて、質問回答集の作成及び都のホームページへの掲載や、団体への文書の送付を行ったものでございます。

○田中委員 ご案内のとおり、石原知事は芥川賞を受賞された大変著名な作家でもあります。小説や漫画などの、いわゆる創作活動をする方々の最大の理解者であると私は思っております。
 その知事の強い配慮があっての指示であったものと、私は、今回の指示を受けとめており、また、そのもとでの、これまでの青少年・治安対策本部の皆さんの行動につながったものと理解をしております。
 次に、今後のことについてお伺いをしたいと思います。
 漫画、アニメに関しては、第一回定例会での質疑や今回の資料で、誤解、曲解も含めて論点がほぼ明らかになったものと受けとめておりますが、世の中に対しまして大きな誤解を与えるきっかけとなった著名な漫画家の方々への説明が、掲載されていないようであります。
 この間、いわゆる著名な漫画家の皆様に対する説明などは行ってこなかったのかどうか。また、今後どのような対応を考えていらっしゃるのか、お伺いをいたします。

○浅川参事 漫画家であり、京都精華大学マンガ学部長でもございます竹宮惠子教授に対しまして、同教授名及び同学部教授会一同名による東京都青少年健全育成条例改正案に対する意見書が三月十三日に提出されていたことから、四月二十日にお伺いし、条例改正案の趣旨などにつきましてご説明したところでございます。
 このほかに、記者会見等において条例改正案への反対を表明された漫画家の方に対しましては、条例改正案の趣旨などについてご説明すべく、その機会を調整しているところでございます。

○田中委員 今ご答弁いただきました、竹宮惠子教授に対しましての説明がなされたということでありますが、その内容についてはご説明がございませんでした。しかし、これは相手のあることですし、それぞれの考えを尊重するということも一方で大切なことであると我々は理解をしております。話の内容、中身をオープンにすることはなかなか難しいものだと思っております。しかし、こうした努力をしていただいていることは率直に評価をさせていただきたいと思います。
 これからも、東京都の考え方、立場を機会あるごとに説明して、理解していただくような努力を続けていただきたいと思っております。
 最後に、都民向けの問答集についてお伺いをいたします。
 今回の質問回答集は、議論が集中した漫画、アニメに関するものだけとなっておりますが、実はネット・携帯の問題も、青少年の健全育成にとって大変大きな問題であります。特に、親御さんに対する啓発活動が重要であると認識をしておりますが、ぜひとも第二弾としてネット・携帯についての質問回答集を追加していただきたいと思っておりますが、ご見解をお伺いいたします。

○浅川参事 インターネット、携帯電話関連規定につきましても、速やかに質問回答集を作成し、ホームページに掲載していく考えでございます。

○田中委員 ぜひ、早急なご対応をお願いしたいと思います。
 この条例改正案が提案されましてから、当初、さまざまな議論がなされ、表現の自由への規制につながるのではないかとか、あるいは行政のいわゆる恣意的な規制が強化されるのではないかというような間違った前提での議論がなされてまいりましたが、第一回定例会そしてまた本日の質疑を通じまして、そんなことはないんだということを我々は理解させていただきましたし、多くの都民の方もご理解いただいたものと確信しております。
 青少年を健全育成していく環境整備は、繰り返しになりますが、まさに我々大人の務めであると認識をしております。そしてまた、ここにいる我々議員は、知事部局から提案されました議案に対しましては、その定例会の中でしっかり深く審議、議論をし、そして定例会の中でしっかりとした責任ある結論を導いていくことが務めだと強く認識をしております。
 今回の条例改正案につきましては、そういう中において、まだまだ都民の理解が得られていないということからの継続審議となっておりますが、ぜひ我々は、議員の務めとしても、また子どもたちの健全育成の環境を整備する大人の立場からも、何としてでもこの第二回定例会でしっかりとした責任ある結論を出していくことが務めである、そのような認識を持って、これからも委員会質疑に臨んでいきたいと思っております。
 私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。

○吉田委員 それでは私からも、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例(案)の都民等に対する説明について、質問をさせていただきます。
 まず初めに、説明等の前提問題であり基本姿勢について、確認をさせていただきたいと思います。
 それは、青少年の健全育成に関する条例の本来の趣旨から見ても、また、今回の改定が出版関係者等に非常に大きな影響を及ぼすということから見ても、条例改定に当たっては、関係者の理解と合意、協力を得るということが特別に重視されなければならないことだと思いますけれども、この点での基本認識、姿勢について、まずお伺いいたします。

○浅川参事 青少年問題協議会の答申の取りまとめの段階より、自主規制団体等との意見交換等を重ねてまいりましたほか、第一回定例会終了後は、資料に記載のとおり、団体等に対し条例改正案の説明を行うなどして理解を求めてきたところでございます。
 直接、条例の対象となる事業者等に対しましては、施行までの間に、引き続き詳細な打ち合わせをしていきたいと考えております。また、関係業界団体等からご要望があった場合には必要に応じて説明を行うなど、可能な限り、条例改正案の趣旨に関するご説明を行っていきたいと考えております。

○吉田委員 努力はされているというご趣旨かもしれませんけれども、しかし条例案を確定し、また議会に上程した後になって説明し理解を求めるという姿勢では、私はやはり関係者の理解と協力は得られないと思います。
 実際に意見交換を重ねてきたというふうにいいますけれども、日本ペンクラブや日本図書館協会、さらに自主規制の当事者ともいえる出版倫理協議会までが条例案に反対を表明すると。そして、先ほど話がありましたけれども、著名な作家を含む多くの個人からも反対の声がわき起こっているという結果となってしまいました。こうした事態は、やはりこの条例案に対して、出版関係者等少なくない方々や団体から合意が得られていないということが、改めて現時点で浮き彫りになってきていると思います。
 都は、手続は踏んできたというふうにいいますけれども、例えば日本ペンクラブの反対理由の一つは、表現にかかわる規制強化という重大さに比して、拙速に事が運ばれている印象はぬぐえないということを指摘しています。
 しかし、今回出された資料で、ペンクラブへの都の回答は、こうした拙速な印象ということについて全く否定し、反省するという姿勢も示していません。すなわち、専門家や事業者などから意見聴取をしてきました、学識経験者から成る専門部会においても検討いたしました、都民意見についても十分反映いたしましたという回答となっています。
 これは、今後の対応にかかわる基本認識なのでただしておきたいわけですけれども、日本ペンクラブや図書館協会を初め多くの関係団体、個人から反対や疑問の声が上がるという、この事態をどのように認識しているんですか。その現実に照らしても、拙速ではないなどというふうにいい切れるものではないと思いますが、現状についての認識を聞かせてください。

○浅川参事 条例改正案の提案は、青少年問題協議会が平成二十年十二月に知事から諮問を受け、議論、検討の上、平成二十二年一月に行った答申の内容を踏まえてのものでございます。
 また、答申の素案につきましては、作成された段階で都民向けに公表するとともに都民意見の募集を行いました。寄せられた意見につきましては青少年問題協議会で再度検討し、これに基づき答申素案を修正しており、答申は都民意見を十分に反映したものとなっていると考えております。
 青少年問題協議会において一年余りの協議をいただいた答申に基づき条例改正案を提案しており、十分な議論を踏まえた上での上程であると考えております。

○吉田委員 手続は踏んできたんだというご答弁ですけれども、先ほどからも議論になった団体からこれだけ反対が表明されているという現実を直視して、やはり改めて都の対応のあり方が検討されなければならないと思います。また、パブリックコメント等で出された意見は反映されているんだということがご答弁でありましたけれども、パブリックコメントの全容を明らかに確認できておりませんけれども、多くが、こうした方向に反対の声が多かったんじゃないでしょうか。積極的賛成というのは少なかったんではないでしょうか。にもかかわらず、拙速ではないという認識に立って事を進めるということは、私は行政の対応としてもそれこそ適切ではないと思います。
 しかも先ほど、ペンクラブにかかわって猪瀬副知事が会員であるというお話がありましたけれども、私がペンクラブのホームページを見た限りでは、知事自身もペンクラブの会員ですよね。猪瀬副知事は、たしか、ホームページではペンクラブの理事です。その団体が反対を表明している条例をそのまま進めるということは、多くの都民の皆さんも含めて、一体どうなっているのかというふうに疑問に思うのは当然ではないでしょうか。
 拙速ではないと。拙速であるということは一切、肯定しようとしませんでした。しかし、三月十九日の知事の記者会見で知事自身がこのようにいっています。これ、私もちょっとまだ精読してないというか、詳細に考えてないんですがと。
 提案者の知事自身が精読せず、詳細を理解しないまま上程したということを、この発言では受けとめざるを得ないわけです。その一つをとってみても、これがまさに拙速中の拙速ではないかというふうに思いますし、また、その記者会見の中で知事自身、余り拙速にすることはないということまでいっています。
 まさにこういう知事の発言から見ても、この間のやり方というのは拙速だというふうにいわざるを得ないんじゃないんですか。知事の発言をどのように認識しているんですか。

○浅川参事 知事の記者会見でのご発言でございますが、知事が精読していないと申し上げたのは、条例案文そのものについてであろうかと思います。
 知事が条例案文そのものを逐一、一語一語チェックするということよりは、我々は知事に対しては、我々が条例でもって行おうとしていることについて的確に知事にお伝えし、知事のご判断をいただいて、今回、条例改正案を提案しているというものでございます。

○吉田委員 国の法改正などに伴って、連動したさまざまな字句上の変更などの条例提案の場合には、今の発言は認められるかもしれませんけれども、極めて影響が重大で、しかも表現の自由にかかわるという問題であるにもかかわらず、知事が精読もしないで提案をして、それでよしということは、都民的には納得できないでしょうね。私だって、改めて今の答弁を聞いてびっくりしました。そういうこと自身、まさに拙速で提案されたものだというふうにいわざるを得ないというふうに思います。
 また、出された質問回答集の12番で、これも先ほどから議論がありましたけれども、指定基準を、今までのものをそのまま拡大で利用すればいいじゃないかという質問に対して、これまでの業界との共通了解を勝手に都が変更し、解釈を拡大することは、それこそが行政の恣意的な運用となるから条例を改定するんだという説明をしています。すなわち、自主規制の団体との協議や合意なしで一方的に条例改定するということは、行政の恣意的なことになりかねないということに通ずる主張なわけですよ。
 それだったら当然、事前に、自主規制団体、その代表的な団体が出版倫理協議会だと思いますけれども、こういう団体と、条例を出す前に条例案について合意をする、理解を得られる努力をすべきだったんじゃないですか。あるいは現時点でもそうではありませんか。

○浅川参事 出版倫理協議会に対しましては、青少年問題協議会の答申の取りまとめ時に、答申素案の内容について説明し意見交換を行ったほか、条例改正案の策定時においてもその内容を説明しております。
 また、先ほどご説明したとおり、第一回定例会終了後につきましても、出版倫理協議会につきましてはご説明をしておるという状況でございます。

○吉田委員 結局、説明をしています、説明をしていますということを繰り返し述べられましたけれども、肝心の、実際にこれを運用する当事者団体なわけですよね。そことは、勝手なことを行うわけにいかないという旨のことをわざわざ回答書でいっていながら、合意を得られないで条例案を出し、現時点でもあくまでも説明ということにとどまっているということは、この条例の性格上からいっても極めて重大な問題だということを指摘しておきたいと思います。
 こうした今回の条例改定の上程に至る経過についての反省、あるいはペンクラブや関係団体からも厳しく反対の声が上がるという事態への反省がないことが、私は、きょう文書も含めて説明された、都民への説明等の中の重大な不十分さとしてあらわれているというふうに指摘せざるを得ません。
 それは、報告の限りでは、専ら反対を表明した団体等の主張や--要は、不理解なんだということで説明するという態度なんですよね。説明をするということとあわせて条例案への意見や要望を聞くと、そういう努力が見られないというのが全体を通しての私の印象です。説明だけではなくて、条例案のこの文言はおかしいよとか、ここは変えるべきだよとか、削除すべきだよとか、そういう相手の意見というものも聞かせてほしいというスタンスに立つのが、東京都としての現段階でのとるべき態度ではありませんか。いかがですか。

○浅川参事 各団体に対する説明につきましては、この資料に掲載してございますとおり、都としては誠意を持って条例の趣旨についてご説明し、個々の指摘事項についても誠意を持った回答をしておるということでございます。
 創作者や出版社等につきましては、それぞれの立場からのご意見はあるものと考えますが、現に青少年を悪質な性行為の対象として描写する図書類が存在すること、及び青少年の健全な成長を阻害するおそれがある図書類について青少年に販売等をしないよう区分陳列を行うことの必要性につきましては、青少年の健全な育成を図るという観点から大きなそごはないものと考えております。
 出版事業者、携帯電話事業者ともに、今後とも可能な限り説明を行い、理解を得るよう努めるとともに、施行までの間も十分な周知及び合意形成に努めていく考えでございます。

○吉田委員 あくまでも説明だけで、意見、要望を聞くという姿勢はとらないということが今の答弁で浮き彫りになりました。
 この点でも、三月十九日の記者会見で記者から、規制の基準があいまいだということが、皆さん、危惧を抱いているところだと思うんですけれども、そういったところをもう一遍詰め直すというような考え方ですかというふうに質問されて、知事自身、そうですね、それは好ましいと思いますというふうに答弁をされました。
 この知事答弁は、知事の文言の限りでは、現在の条例案文を絶対化、固定化するものではないというふうに理解されますけれども、どのような認識でしょうか。

○浅川参事 都民からの意見につきましては、インターネット上における条例改正案についての誤った記述が流布しており、それに基づいた誤解や危惧が多数含まれていたと認識しております。
 これに対し、現在、都民等に条例改正案の趣旨や規制の範囲を正確にご理解いただき、そのような誤解や危惧を払拭するための取り組みを鋭意行っており、誤解を払拭するための努力は今後とも続けていく考えでございます。また、出版事業者や携帯電話事業者など、直接、条例の対象となる事業者等に対しましては、施行までの間に、引き続き詳細な打ち合わせをしていく考えでございます。
 このように、現在提案中の条例改正案について、その趣旨や規制の範囲等、正確にご理解いただくことが重要であると考えております。

○吉田委員 提案者である知事自身が、もう一遍詰め直すということかと聞かれて、それは好ましいと思いますというふうに答えているんです。にもかかわらず、提案されている条例は、もう、変えるものではなくて、ただひたすら説明で理解を求めるのみという姿勢は、こういう知事の記者会見での発言からも反しているものだというふうに思います。
 私は、やっぱり条例案は一度撤回して、改めて関係団体の意見を求めるという努力をするのが本来の筋ではないかというふうに思います。
 さらに、部分的にはこの間の質疑でも出ておりましたけれども、改めて今後の対応について伺っておきたいと思いますけれども、資料で出されている説明を行った団体は、政府関係などを除けば五団体ということになっておりますが、今後、どのような団体に対してどのような形で対応されていくのか、改めてご答弁をお願いいたします。

○浅川参事 一般都民の方々に対しましては、ホームページ等における条例改正案に関する質問回答集を追加していくことなど、引き続き、条例改正案に関する正確な情報の提供に努めてまいります。
 条例改正案に懸念を示された漫画家の方々に対しましては、条例改正案の趣旨についてご説明すべく、その機会を調整しているところでございます。
 出版事業者や携帯電話事業者など、直接、条例の対象となる事業者等に対しましては、施行までの間に、引き続き詳細な打ち合わせを行っていく考えでございます。
 これ以外にも、関係業界団体等からご要望があった場合には必要に応じて説明を行うなど、可能な限り、条例改正案の趣旨に関するご説明を行っていく考えでございます。

○吉田委員 説明だけではなくて、例えば、開かれたような場で、希望する関係者などとフリーに意見を討論し合う、意見交換をし合うということが、このような現状からすれば求められていると私は思うんですが、そうした広く関係者と意見交換を行う場を持つということを提案したいと思うんですけれど、いかがですか。

○浅川参事 今後の取り組みにつきましては、先ほどご説明したような取り組みを行っていく考えでございますので、一堂に会したようなそういう説明会というようなものは考えてございません。

○吉田委員 次に、条例案の内容上の問題については、もちろん今後の委員会等で質疑をさせていただきますけれども、団体への説明や都民に対する質問回答集の文言にかかわって、何点か限って、きょうこの場で質問させていただきます。
 特に、回答でさまざまに説明していますけれども、率直にいって、条例のどの文言によって回答集の説明が成り立っているのか。逆にいうと、なぜそのような説明が条文上成り立つのかという説明が、非常に不明確だというふうに私は思います。
 例えば、ペンクラブ等への回答では、要は、十八歳未満をもって規制するのではなくて、悪質な性行為を不当に賛美、強調するもの等というふうに書かれています。また、回答集の6番でも、十八歳未満をすべて規制するのかの問いに、不当に賛美したり強調したりしたものに限定をするんだと書かれていたり、また、エロ漫画のうち、子どもの性行為の描写がメーンになっているものというふうに回答され、さらに4番の回答では、性交を示唆するにとどまる描写は該当しないというふうな回答が書かれております。
 そこで伺いますけれども、例えば第七条の自主規制の対象に追加をする項目の文言で見れば、みだりに性的対象として肯定的に描写することというのが条例上の文言です。この、みだりに肯定的という文言が、回答の説明でいっている、不当に賛美あるいは強調という言葉だとか、性行為の描写がメーンになっているものなどという解釈に結びつくのか。
 また、別なことでいえば、正当な理由という言葉も見受けられますけれども、一体何をもって正当な理由という基準をこの条文から読み取ることができるのかということは、極めてあいまいだというふうにいわざるを得ないんですが、いかがでしょうか。

○浅川参事 みだりにとは、正当な理由もなくという意味でございまして、正当な理由とは、裁判官が裁判で状況を説明するために描写する、警察官が犯罪を捜査するために描写する、そういうようなものでございます。
 肯定的にとは、本来、子どもは性行為などの性的対象として描かれるべきものではないにもかかわらず、子どもを性的対象として取り上げ、子どもが大人との性交を喜んでいる、子どもが大人に対して性交を誘っているなどのシーンを肯定的に描く、例えば、ストーリー上、不必要なほど強調しまたは繰り返し描写するなどするもの、そういうものを、すなわち不当に賛美または誇張して描写したものということで、質問回答集においても説明をしたところでございます。
 なお条例案で、肯定的にという文言を使っておりますが、条例第八条にも、肯定的にという文言が出てまいりまして、規則案において、肯定的にということは、不当に賛美または誇張してという文言で表現して、規定する予定でございます。

○吉田委員 みだりにといっても、肯定的にといっても、その解釈というのはその文言から見れば非常に幅が生じてしまうわけです。幾ら皆さん方が回答集でこうだというふうにいっても、当事者からすれば引き続き不安を感じざるを得ないというのが現状ではないでしょうか。
 また、回答集10番では、そもそもあいまいではないかというもっともな指摘がありますけれども、その回答自身も私からすれば極めてあいまいです。例えば、いわゆるエロ漫画と呼ばれるものというふうにいっても、私はわかりません。
 さらに、回答の中で、ストーリー性が低いか否かということまで判断基準の対象にしていますけれども、ストーリー性が高いか低いかということは、かなりの主観に属する判断にならざるを得ないというふうに思います。そもそもこれまでの実際の運用等で、ストーリー性の有無だとか、ストーリー性が高いとか低いとかということをもって判断してきたという事例はあるんでしょうか。すなわち、ストーリー性の有無とか、高さ、低さで判断はできるんでしょうか、現実問題として。

○浅川参事 現在、条例第八条第一項第一号の不健全図書類等の指定基準として、その図書類等の内容が著しく性的感情を刺激する、甚だしく残虐性を助長する、著しく自殺もしくは犯罪を誘発するという三つの基準がございます。
 例えば、著しく性的感情を刺激する内容の図書類について例として取り上げて申し上げますと、その判断に当たりましては、まず描写の程度、例えば性交シーンにおける性器描写の明確さ、擬音や体液の描写の多さなどに加え、該当箇所の分量、全体に占める割合、当該シーンを描いている目的など総合的に勘案して、具体的な図書類個々に、総合的に、個別具体的に判断をしているということでございます。

○吉田委員 極めて抽象的で、今後の運用ということ、もしこれが現実のものになったときには、当事者の方からすればさまざまな、どう理解していいのかということにならざるを得ないというふうに、私はやっぱり思います。
 さらに、表現規制ではないんだということが回答の中では強調されています。日本ペンクラブ等への回答で、表現規制ではないという理由として、要は、成人コーナーだったら自由が認められているじゃないか、大人に売ることまで規制しないんだから表現の自由は何ら規制されていませんよという説明です。
 しかし、作家から見れば、例えば高校生のセックスを描いた漫画がこれまでどおり一般に販売できるのか、それとも一般の販売コーナーから除かれて成人コーナーに移されてしまうのかということは、極めて重大な心理的影響を受けることは明らかではありませんか。しかも、その解釈が実にあいまいなだけに、ストーリーにも影響を及ぼしかねない、少なくともそういう影響を与えるということは、どのように認識しておりますか。

○浅川参事 質問回答集でも説明しておりますが、今回の条例改正案は、青少年を性行為の対象とする悪質な漫画やアニメなどを子どもが買うことのないように、書店などのいわゆる成人コーナーに置いてもらおうとするものでございます。
 あくまでも青少年への販売を行わないということにとどまりまして、このような漫画などを描くこと、つくること、出版すること、十八歳以上の方が買ったり見たりすることは、これまでどおり自由でございます。したがいまして、憲法第二十一条の表現の自由を侵害するものではございません。

○吉田委員 私は、やっぱり心理的な影響を与え得る、与えかねないということを指摘したいと思うんです。
 私どもに寄せられた具体的な声を紹介いたします。一般の漫画週刊誌に連載をしている作家からの声です。
 中学生の男女の成長を描いた漫画を連載していますが、クライマックスとして、力合わせて性交することが構想段階から予定されています、しかし、条例案を見て、この物語を描き切る仕事が果たせなくなるのではないかと大変な危機感を感じました、そして、私は自著で青少年をみだりに性的対象として扱っているつもりは断固としてありません、むしろ、正しい彼らの姿を描くことでしか成長過程の不安定な時期を過ごしている少年少女への手助けになることはできないと思いながら、日々作品を描いております、というふうに手紙で書かれておりました。
 ある中学生の男女の成長過程の中で、クライマックスは二人の性交で完結をするということが、彼女のスタート時からの構想なわけです。そのクライマックスを描くことができるのかできないのか、それがこの条例によってどのような規制対象となるのかということで、現実にこの作家から不安の声が寄せられています。
 こうしたことから見ても、心理的な圧迫が現実に作家に及んでいるということを、東京都は直視すべきだというふうに私は思います。大人のコーナーに行けばいいじゃないか、それでいいじゃないかということであってはならないと思いますし、説明するなら、そうしたことも含めて作家の琴線に触れるような説明でない限り、絶対、納得を得られるものではないと思います。
 最後に、拙速と指摘せざるを得ない問題の一つとして、我が党の古館委員が本委員会で質問した、漫画、アニメ等における青少年の性的描写が、それを見た青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するという学問的知見について、どのようなものがあるのかというふうに質問したことに対して、参事は、現在、見出せない状況と答弁をされました。
 参事は、証明というものがなくても、実際に子どもを守る観点から、やはり必要なことはやっていかなきゃいけないというふうに発言していますけれども、ただ単に子どもを守るという言葉だけを使うのではなく、学問的知見も確認せずに新たな規制に踏み出すということは、やはり拙速以外の何物でもないと思います。
 改めて、この見出せない状況から、その後、現時点で学問的知見というものは確認されたのかどうかということをお伺いいたします。

○浅川参事 先ほどの漫画家の方のご意見につきましてですが、今回、この質問回答集の10番というところで、今の漫画家の方がご懸念していたようなことにつきまして、例えば、性的対象として、というところで、ストーリー性が低く性行為のシーンばかりが頻繁に出てくる、一話、一冊の大部分が性行為のシーンばかりの作品のように、性行為のシーンを売りにしていることを指すということでございますので、その方の描いている漫画がそういうものに当たるかどうかというようなこと。また、性行為のシーンがストーリー上、不必要なほど強調されたもの、延々と描写されたものや繰り返し描写されたものというようなものを想定しております。その判断に当たりましては、青少年健全育成審議会でもって第三者の意見も踏まえながら、指定を行うときには具体的に指定するというような慎重な手続も経て行うものでございます。
 それから、学問的知見についてのお話でございますが、現在、諸説ある中で、確立した学問的知見は承知しておりませんが、学問的解決がなされるまで、例えば小学生が大人との性交を喜んでいるような、子どもを悪質な性行為の対象とする漫画などを子どもに自由に販売し続けてよいということにはならない。未熟な青少年を守っていく大人の責務として、そのような漫画を子どもに見せない、売らないということは必要であるというふうに考えております。

○吉田委員 改めて、今のご答弁に対しては今後の委員会の中で質疑をさせていただきたいと思いますけれども、関係団体の多くから反対の声が上がり、学問的知見も不明確なまま、部分的な説明だけで提案を続けるべきではないと思います。
 しかも、提案者である知事自身が精読をしていなかったということが改めてきょうの答弁でも確認をされましたけれども、そもそもそのままで提案をするということ自体、許されないことだと思います。
 よって、条例案は撤回すべきだということを改めて述べて、質問を終わります。

○小磯委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○小磯委員長 この際、理事会の協議結果について申し上げます。
 第一回定例会において継続審査となりました第三十号議案、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例の審査のため、本委員会に参考人を招致することを申し合わせました。
 お諮りいたします。
 本件は、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、参考人招致の詳細につきましては、理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十二分散会


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