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Tokyo Metropolitan Assembly

総務委員会速記録第十五号

平成十七年十二月九日(金曜日)
第一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十五名
委員長山下 太郎君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長増子 博樹君
理事吉倉 正美君
理事吉原  修君
理事古館 和憲君
宇田川聡史君
後藤 雄一君
高木 けい君
橘  正剛君
倉林 辰雄君
桜井良之助君
比留間敏夫君
柿沢 未途君
田中  良君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本局局長山口 一久君
儀典長伊藤  誠君
次長熊野 順祥君
企画調整部長松田 二郎君
秘書部長野澤 直明君
政策部長宮川  昭君
参事升 貴三男君
参事小林  清君
横田基地共用化推進担当部長河島  均君
調整担当部長上田 洋平君
参事平林 宣広君
参事金丸 陽子君
国政広域連携担当部長首都調査担当部長兼務八木沼今朝蔵君
自治制度改革推進担当部長秋山 俊行君
参事長谷川 均君
東京オリンピック招致準備担当部長小宮 三夫君
総務局局長高橋  功君
危機管理監島田 健一君
理事石川 俊一君
理事人事部長事務取扱大原 正行君
総務部長荒川  満君
行政改革推進室長関  敏樹君
IT推進室長永田  元君
首都大学支援部長影山 竹夫君
主席監察員相上 孝司君
行政部長前田 信弘君
多摩島しょ振興担当部長清宮眞知子君
都区制度改革担当部長島  博文君
特命担当部長松崎  茂君
総合防災部長中村 晶晴君
情報統括担当部長高橋 尚之君
局務担当部長高橋 興一君
勤労部長渋井 信和君
法務部長中村 次良君
統計部長須々木亘平君
人権部長田村 初恵君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について
 総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十七号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十八号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十九号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十号議案  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十一号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十二号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十三号議案 東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百三十六号議案 公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について
・第二百三十七号議案 東京都人権プラザの指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・東京都新興感染症対策会議の報告について
 知事本局関係
報告事項(質疑)
・行財政改革の新たな指針について

○山下委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書五件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山下委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案の審査、並びに総務局及び知事本局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百八十七号議案から第百九十三号議案まで、第二百三十六号議案及び第二百三十七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 私は、第二百三十六号議案、公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可について質問をさせていただきます。
 かねてから開設の準備を進めておりました産業技術大学院大学の設置認可が今週、文部科学大臣からあったということを聞きましたが、大変喜ばしいことだと思っております。東京都では、東京の産業を活性化するため、高度専門技術者の育成が急務であるとして、産業技術大学院大学の設置を今年度の重点事業にも掲げているところであります。また、今定例会の知事の所信表明でも、東京の産業力を維持、発展させるためには、中小企業のすぐれた技術力をさらに伸ばしていく必要があるという発言もありました。私も、ものづくりや情報産業の高度化は、我が国の経済、社会発展の基盤であり、今後とも我が国経済が健全に発展していくためには、産業界のニーズにこたえることのできる高度技術者の育成と技術開発力の確保、これが不可欠であり、行政においても重要課題の一つであると考えております。
 そこで、このたび設置認可をされまして、来年、平成十八年四月に開学する産業技術大学院大学について、何点か質問させていただきます。
 まず最初に、産業技術大学院大学の設置目的は、高度専門技術者の育成ということになっておりますが、どのような人材育成を目指しているのか、また、具体的な受け入れ対象者をどのように想定しているのか、この点を伺います。

○影山首都大学支援部長 公立大学法人首都大学東京が設置いたします産業技術大学院大学では、高度情報系の専門技術者の人材不足が深刻なことから、来年四月、まず情報アーキテクチャー専攻を開設いたします。ここでは、高度な専門知識とノウハウを持ち、最適な情報システムを設計し、全体のプロセスを管理できるハイレベルな技術者である情報アーキテクトの育成を目指していきます。
 受け入れ対象でございますが、中小企業等で活躍するIT技術者あるいはIT分野で起業を目指す社会人を初め、大学の新卒者及び工業高専の専攻科修了者などを予定しております。さらに、平成二十年度には、企業などが有する先端的な技術やアイデアを分析、応用し、商品開発に結びつける産業を創出することのできる技術者の育成を目指して、仮称でございますが、創造技術専攻の開設を予定しているところでございます。

○鈴木委員 そこで、今回の条例案にかかわることなんですが、産業技術大学院大学では、入学料及び授業料をどのように設定しているのか、料金の上限の設定についてどうなるのか、お伺いいたします。

○影山首都大学支援部長 産業技術大学院大学の入学料及び授業料でございますが、その上限は都が認可し、その範囲内において、公立大学法人が定めることになっております。具体的な徴収額といたしましては、入学料でございますが、都民が十四万一千円、都民以外の者は二十八万二千円、授業料は年額で五十二万八百円とする予定でございます。これらの料金の上限については、首都大学東京の現在ある大学院と同額を予定しておりますから、都の認可は要しないものでございます。
 なお、この料金は、私立大学はもとより、他の国立大学の専門職大学院に比べても低廉なものとなっております。

○鈴木委員 この入学料なんですが、都民が十四万一千円ということで、都民以外の方の半分になっているということで、これは非常にいいと思います。私立大学の今の現状を比べましても、今ご報告のとおり、低く設定していただいているので、その点、評価をさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、今回の議案となっているオープンインスティテュートについてもお尋ねしてまいりたいと思います。
 これは、産業技術大学院大学に併設される公開講座のようなものだということを先般聞いたんですが、その設置目的と具体的な内容についてお伺いいたします。

○影山首都大学支援部長 産業技術大学院大学に併設するオープンインスティテュートでございますが、これは大学院大学における研究成果ですとか教育内容の社会還元等、中小企業などの技術者の人材育成を目的とした教育拠点であります。平成十八年六月の開設を予定しております。
 オープンインスティテュートでは、学位にとらわれず、IT分野の技術者やものづくり技術者が参加する場として、産業界のニーズや技術革新に的確に対応した公開講座を継続的に実施してまいります。具体的な講座名や内容は現在検討中でございますが、中小企業における人材育成や国際競争力の向上を図るため、例えば組み込み技術コース、これは家電製品などに組み込まれて、それを制御するコンピューターシステムのことでございますが、そういう組み込み技術コースやITエントリーコース、ITの入門コースを想定しておりますが、そのような実践的なカリキュラムにより、コースごとに二、三カ月程度の開講を予定しているものでございます。

○鈴木委員 今のご説明で実践的なカリキュラムになるということをお伺いしましたが、公開講座、期待をしておりますので、内容には十分これから工夫してつくっていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
 さて、このオープンインスティテュートの開設の目的からいたしますと、できるだけ多くの中小企業の技術者などの参加が望まれるわけですけれども、そのためには良質で低廉な講座を提供することが必要と私は考えますが、オープンインスティテュートの入会料及び受講料はどの程度を予定しているのか、お答えください。

○影山首都大学支援部長 今定例会でご審議いただくオープンインスティテュートの受講料の上限は、議案のとおり、一・五時間当たり五千円を予定しております。これは、既に首都大学東京が実施しておりますオープンユニバーシティー、社会人向けの公開講座でございますが、それと上限は同額でございます。実際に徴収する受講料はその範囲内で法人が具体的に定めることになりますが、開校するコースの内容や使用する器材、期間、その他総合的に勘案しまして、多くの方が参加しやすい、受講しやすい受講料を設定する予定でございます。
 なお、入会料は徴収せず、受講のしやすさに配慮するものといたします。

○鈴木委員 入会料をとらないということで、受講しやすいように配慮しましたよということだと思います。産業技術大学院大学では、開学後、このオープンインスティテュートを含めて産業界のニーズや要請にこたえるために、どのように運営していくのか、その点もお伺いしたいと思います。

○影山首都大学支援部長 産業技術大学院大学では、学識経験者や産業界の代表などから成る運営諮問会議を設置いたしまして、産業界のニーズや要望を的確に把握し、迅速かつ柔軟に教育内容に反映させ、効果的な教育研究を実践してまいります。さらに、産学公連携の教育研究機能を充実させ、企業や各種試験研究機関との共同研究や共同事業を通じて、技術開発や製品開発などに積極的に貢献し、ひいては東京の中小企業や産業の活性化に寄与していきたいと思っております。

○鈴木委員 昨日も私は、基盤技術産業、サポーティングインダストリーを担う中小企業の人材の育成、技術・技能をどう次の世代に伝えていくか一般質問させていただいたところですが、団塊の世代が一斉に退職して、これまでの技術・技能やノウハウをどのように継承していくかというような、いわゆる二〇〇七年問題についても指摘をさせていただいたところであります。
 この問題については、ものづくりを支えてきた団塊の世代から若年層に対して、すぐれた技術・技能を今後とも的確に継承、発展させていくことが必要であり、企業の取り組みとともに、ものづくり人材の育成、確保については、行政についての支援も極めて重要だと考えております。特に東京においては、最先端技術産業から、それを支える基盤技術産業など、多様なものづくり産業が集積して、それぞれに専門技術者の人材の育成確保が喫緊の課題となっております。そのため、適切な教育、訓練機会の提供もまさに必要とされているところであります。こうした中で、産業技術大学院大学の開学は専門技術者の育成という時宜を得たものであり、私も実践的な専門技術者の育成やものづくり教育に大いに期待をしているところであります。
 最後ですが、開学までもう時間もないと思いますので、学生の募集や入学試験など開学準備で大変な時期だと思いますが、来年の四月、無事、優秀な学生を迎えることができますよう、過日、大学院大学の開学に向けてのパンフレットも見せていただきましたけれども、中小企業を専門企業へと脱皮させるエンジニアへ、IT技術で顧客業務を改革できる真の高度技術者へ、また、ベンチャービジネスに挑む起業者へ、こういった将来のすばらしい人材が産業技術大学院大学を巣立っていくことができますように、関係の皆様のなお一層のご尽力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○山下委員長 次に、報告事項、東京都新興感染症対策会議の報告についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○橘委員 新型インフルエンザ対策についてお聞きいたします。
 東京都の新興感染症対策会議の報告、そして、国の対策行動計画、これをもとにして現在、東京都では行動計画、いわばマニュアルといったものだと思いますけれども、策定作業が進められております。同時に、各県でも行動計画の策定は求められておりまして、これができることによって、そろった段階で全国の共通性といいますか、そういうものが整うことになろうかと思います。
 ただ、東京の場合は人口密度が高いということ、そしてまた、日常的に人の移動が近県も含めて非常に激しいということ、そういったことも考えますと、いざ新型インフルエンザ発生の危機が出た、もしくは発生した、そういった段階においては大変な混乱も起こる可能性もありますし、また、一気に感染が広がるという、そういった危険性もございます。このため、単独で対策を詰めておくということも大事かと思いますけれども、首都圏レベルでの取り組みも大事な要素になってくるなと私は考えております。
 そこで、先般、新型インフルエンザ対策について、首都圏レベルでの連絡会というものが開かれたとお聞きしておりますけれども、どういった内容がここで話し合われたのか、検討されたのか、その辺について説明をお願いいたします。

○高橋情報統括担当部長 国は十一月十四日に行動計画を発表いたしまして、十一月末に都道府県に対して正式に行動計画の策定依頼がありました。現在は各都県市におきまして行動計画を策定してございます。
 こうしたことを背景にいたしまして、都は八都県市に呼びかけを行いまして、新型インフルエンザ対策連絡会を去る十二月一日に開催いたしました。この連絡会におきましては、新型インフルエンザについての各都県市の取り組み状況、また、計画策定上の問題点、課題について情報交換を行うとともに、行動計画における被害予測や発生段階の考え方等について意見交換を行いました。

○橘委員 今の説明で大体内容的には理解できましたけれども、ただ、情報交換といいますか、意見交換といいますか、その段階にまだとどまっている状況だと思います。今回初めての連絡会でございますので、これはいたし方がないかなとは思いますけれども、今、私が最初に申し上げたように、広域的な対応というのが非常に大事になっていきますので、ここの連絡会をさらに充実強化するような形で、内容を強化する形で、広域対応のための連絡会という、そういった内容にしていっていただきたいと思いますし、今後その方向でやっていくのはどうか、連絡会の今後の進め方について、お話を伺いたいと思います。

○高橋情報統括担当部長 十二月一日に開催いたしました連絡会におきまして、今後、八都県市の連絡会を継続して開催することで合意してございます。都といたしましては、この連絡会で新型インフルエンザ対策について、共通する施策や相互応援が可能な事項を整理いたしまして、今後の八都県市の取り組みについて協議していきたいというふうに考えてございます。

○橘委員 この連絡会の内容、せっかくですから、これをさらに充実した形にしていっていただきたいと思います。
 次に、情報提供という観点から質問させていただきます。
 インフルエンザの発生の危機が現実味を帯びてきた、また、発生した新型インフルエンザですけれども、そういう段階においては、かなり情報的にはパニック状態に陥る可能性もなきにしもあらずだと思います。そこで、新型インフルエンザ、これは内容的には福祉保健局の担当になるかと思いますけれども、危機管理という観点から何点か質問させていただきます。
 まず、現在の状況ですけれども、現在は国内でも、また国外でも発生したという情報は入っておりませんので、まだ安心できる段階かと思いますけれども、この前段階として、通常のインフルエンザ、毎年非常に流行するわけですけども、従来のインフルエンザ予防などについて、広報体制はどうなっているのか、この点、まず最初にお聞きしたいと思います。

○高橋情報統括担当部長 これまでインフルエンザの流行の季節には、うがい、手洗い、休養等のインフルエンザの標準予防策について、福祉保健局が中心となって広報してございます。広報手段といたしましては、ホームページのほかにポスターやパンフレットなどを用いて行ってございます。また、「広報東京都」におきましても、毎年インフルエンザの予防方法を掲載いたしまして、都民に注意喚起を行ってございます。なお、ことしは十二月一日号で掲載しております。このほか、区市町村におきましても、それぞれの媒体を持っておりますので、これらを用いて広報を行ってございます。
 さらに、インフルエンザが発生したときには、感染症発生動向調査に基づきまして、ウイルスの型、予防方法等の情報を保健所、医師会、区市町村等の関係機関に送付するとともに、ホームページやメディア等を通じまして都民にもお知らせしてございます。

○橘委員 いざ新型インフルエンザが発生する危険性が高まったとか、また出現したとか、そういった場合にはパニックを起こすおそれが非常に高いと思います。そこで大事なのは、精度の高い情報を提供するということが大事であろうと思います。これは当然、新聞、テレビ等でマスコミが報道すると思いますけれども、断片的な報道である場合もありますし、それによって混乱する場合も多々あるかと思います。
 そこで、正しい情報を提供するために、東京都としても何らかの媒体を通じて、今あったような媒体以外でも正確な情報を伝える。特に近年は高齢社会でもございますので、家の中でずっとテレビを見ている、また、ラジオのみと、そういった方も大勢いらっしゃいます。町会の連絡等もペーパーで回ってきますけれども、それもなかなか字が細かくて見えないとか、そういったこともありまして、やはり一番の情報源というのはテレビもしくはラジオだと思いますけれども、この辺の対策について、情報提供の体制について、どのように考えているか、お聞きしたいと思います。

○高橋情報統括担当部長 新型インフルエンザは現段階ではまだ発生してございませんけれども、いざ海外で発生するなど危険性が高まった段階から、都民に対して正確な情報を迅速に提供していくことが重要であると考えてございます。国内発生や都内流行あるいは大規模流行の各段階に応じまして、新型インフルエンザの状況のほかに、各人が行う感染予防策や相談窓口の情報を都民にお知らせするとともに、不要不急の外出の自粛などの対応策などを都民に呼びかけていくことも必要であると考えてございます。
 先ほどのテレビ、ラジオの関係でございますけれども、提供方法といたしましては、ホームページのほかに「東京インフォメーション」や「都民ニュース」などの東京都提供の告知番組、テレビやラジオの番組を活用してまいる考えでございます。ただ、とりわけ都民の周知徹底を図るためには、メディアによる広報が効果的であると考えてございます。したがいまして、報道機関の協力を得まして、メディアを通じて都民にお知らせしていく考えでございます。

○橘委員 今、説明でテレビ、ラジオ等を通じてというふうなお話がございましたけれども、一つ、例えば東京都提供のテレビの番組ございますけれども、新型インフルエンザの危険性が高まった段階で、東京都提供の番組で説明があったりなかったりするということよりも、定期的に何時何分にチャンネルをここに回せば、一分ないし二分でもいいですから、必ず新型インフルエンザに関する情報がそこで得られると、そういった体制も必要かと思います。ただ、これは局の関係で、生活文化局の担当になろうかとは思うんですけれども、したがって答弁を求めることはできませんけれども、こういった工夫も危機管理の観点から検討していただければと思います。
 同時に、細かな配慮として、こういう情報提供を行う場合には、日本語のわからない外国人も東京都内にはたくさんいらっしゃいますし、また、目や耳の不自由な障害者の方もたくさんいらっしゃいます。こういった方々に対する情報提供についても細かな配慮が必要かと思いますけれども、この点についてはどうお考えでしょうか。

○高橋情報統括担当部長 外国人や障害者に対しても、新型インフルエンザの情報について、きめ細かく提供していくことが重要であると考えてございます。外国人に対しましては、英語版のホームページやラジオの英語放送「TOKYOシティインフォメーション」により情報提供していく考えでございます。また、東京都保健医療情報センターでも五カ国語の医療相談を行っておりまして、この中で行っていく方針でございます。障害者に対しましては、音声対応のホームページや文字放送による広報のほか、区市町村の協力を得まして、点字やテープによる広報などを活用していく考えでございます。
 これらの行政の媒体のほかに、周知徹底を図るためには、民間事業者やNPO、ボランティアが行っている広報活動も重要であります。したがいまして、これらのメディアに加えまして、NPO等の団体の協力も求めてまいりたいというふうに考えてございます。

○橘委員 冒頭に首都圏での取り組みが大事だということを私、申し上げましたけれども、情報提供、広報についても首都圏全体での取り組みが必要ではないかと思います。といいますのは、例えば近隣の県ではこういった情報提供があったけれども、東京都はなかったとか、東京ではこういう情報発信があったけれども、他の県ではそれがなかったとか、そういった誤差というのが一番大きな不安を起こすと思いますので、そういった面で首都圏全体で足並みをそろえた情報提供体制も必要ではないかと考えますが、この点、いかがでございましょうか。

○高橋情報統括担当部長 政治経済が集積しまして、人、物が活発に行き交う首都圏におきましては、新型インフルエンザ対策を近隣自治体と連携、協力して実施していくことが効果的であると考えてございます。特に首都圏の住民が共通の認識を持っていただくためには、広報関係はもとより、住民相談に対応する共通マニュアルの作成、あるいは先ほどいいました広報関係ですが、特に予防に向けた広報、さらに流行期における社会活動及び事業活動の自粛要請の実施などが必要であると考えてございます。
 今後は、これらを足並みそろえて実施していくことについて、各県市に働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。

○橘委員 この新型インフルエンザ対策については、発生前の対応が一番大事かと思います。したがいまして、危機管理という観点から、予防も含めて、また、八都県市の連携も深めながら情報提供、そして効果的な広報体制、こういったことを充実させていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

○古館委員 それでは、私も新型インフルエンザ対策に関して質問します。
 実は、新型インフルエンザというのは、私、よく承知していなくて、鳥インフルエンザなんていっていたら、それが人に転移して、その人がほかの人にうつすというような、人から人への感染が新型インフルエンザなんだというふうに担当者から聞きまして、ああ、そうですかとちょっと赤面したんですよね。それで、そうかといって、周りの人に聞いたら、鳥インフルエンザがイコール新型インフルエンザと思っている、といったら、うん、というんですよね。つまり、新型インフルエンザというのは何なのかということ自体がなかなかわからないという状況に今あると。今、橘委員がお話されましたけれども、罹患してから、さあということになったら、余計にパニックが起こっていくと。だから私は、新型インフルエンザはどういうものなんだということを事前に系統的にいかに知らせていくのかということが、予防においても、それから、いざそういう場合が不幸にして起こった場合においても、極めて有効なんじゃないかなというふうに思うんですね。
 したがって、事前の新型インフルエンザに対する啓蒙活動ということについて、こっちに大いに力を発揮していく必要が今あるのではないかと、私はこの一問だけなんですけど、あとは橘委員が大分聞いていましたから、この問題について見解をちょっと披瀝していただきたいと思いますが。

○高橋情報統括担当部長 現時点では新型インフルエンザについてまだ解明されていないという段階でありますけれども、過日、福祉保健局が中心となりまして、報道機関、特にいわゆる都庁記者クラブに新型インフルエンザあるいは鳥インフルエンザについて理解を深めていただくという観点から、特に医学的な視点からの勉強会を実施してございます。また、現在、まだ発生していない段階におきましては、新型インフルエンザにも共通いたしますうがい、手洗い、休養等の標準予防策について、先ほど申し上げましたように、福祉保健局が中心となって広報を行ってございます。手段といたしましては、ホームページ、ポスター、パンフレット、あるいは「広報東京都」を活用いたしまして、都民の方に注意喚起を行ってございます。

○古館委員 ぜひそういうことを精力的にやってもらいたいなと思っています。あとは要望になりますけれども、実は抗ウイルスの薬ですね。備蓄目標などを読んでいますと、千五十万人分都道府県が用意するというふうにあるんですけれど、これはもともと国の責任において行うというのが当たり前のことなので、こうしたことも含めて、今いいましたけど、事前の新型インフルエンザについての啓蒙、予防、こうしたことに大いに力を尽くしてほしいと、このことだけ強く要望して、質問を終わりたいと思います。
 以上です。

○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○山下委員長 これより知事本局関係に入ります。
 報告事項、行財政改革の新たな指針についてに対する質疑を行います。
 なお、本件は、知事本局のほかに総務局所管分がありますので、本日は総務局の理事者にもご出席をいただいております。ご了承願います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松田企画調整部長 去る十一月二十九日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます資料第1号をごらんいただきたいと存じます。欧米の自治制度の概要及び我が国の自治制度の変遷でございます。
 欧米の自治制度として、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスにおける地方自治の位置づけと制度の概要について、また、我が国の自治制度の変遷として、地方自治制度に関する主な動きについて記載してございます。
 次に、資料第2号をごらんいただきたいと存じます。都区制度の沿革でございます。
 昭和十八年の東京都制施行以降、平成十二年の都区制度改革に至るまで、地方自治法の改正内容を中心に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山下委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○倉林委員 行財政改革の新たな指針について、行財政システムの改革を中心に何点か質問をさせていただきたいと思います。
 ご案内のように、我が国の今年度末までの国、地方を合わせた長期債務は八百兆円にも達しよう、こういう状況のようであります。その意味では、まさに行財政改革こそ近々の重要な課題である、まずこう認識をいたしております。
 そういう中で、現在、国でも公務員の総人件費の削減や政府系金融機関統廃合の達成などを織り込んだ改革に向けた議論がようやく出てきているようであります。これらの議論については、来年の三月を目途に行政改革関連法案として国会に提出すると、こういう見込みになっているようでありますけれども、一方、東京都においては、大変厳しい財政状況あるいは社会状況の変化に対応するために、国に先んじて今日まで行財政改革に取り組んできたわけであります。評価いたします。
 ただ、そこで、石原都政になって、行財政改革の主な実績について先にお伺いしておきます。

○関総務局行政改革推進室長 石原都政は、これまで二次にわたり、都庁改革アクションプラン、財政再建推進プランを策定し、行財政改革を積極的に推進してまいりました。主な実績でございますが、平成十二年度から十七年度まで職員定数を九千五百四十二人削減し、管理職ポストを四百二削減したほか、監理団体については、統廃合などにより二十一団体を減らすとともに、監理団体に対する都からの財政支出も一千四百三十六億円削減いたしました。
 また、PFIやネーミングライツの導入、東村山地区などにおける民間と協働した先行まちづくりプロジェクトの実施、地方独立行政法人である首都大学東京の設立、局統合を初めとする組織再編など徹底した行政改革に取り組むとともに、内部努力と施策の見直しによる財政再建を進め、簡素で効率的な都政の実現に努めてきたところでございます。

○倉林委員 都はこれまでにも、東京から日本を変えると、こういう石原知事の姿勢のもとで今日まで取り組んできたわけであります。今ご報告のありましたように、財政再建推進プランあるいは都庁改革アクションプラン等を掲げまして、効率的な都政の実現に向けて着実に成果を上げてきたと、こういうことであります。一二ページにも、そのほかもろもろ、ディーゼル車の排ガスその他含めて記載もされているようでありますけれども、そのような実績を残しながら、今回さらに、行財政改革の新たな指針をもって取り組もうと、こう提言いたしたわけでありますけれども、そこで、近年、行政運営を取り巻く環境にどのような変化が起きてきたのか、あるいはまた、なぜここで改革を急がなければならないのか、ご答弁いただけますか。

○小林参事 近年、指定管理者制度や地方独立行政法人など新たな経営改革手法の制度化や導入が急速に進んでおります。また、都におきましては、複式簿記・発生主義会計を原則とする新たな公会計制度が、国に先駆けまして平成十八年度から本格導入される予定でございます。これら民間企業経営の視点を取り入れました経営改革手法は、従来の行政の効率化にとどまることなく、公共サービスの提供主体のあり方を初め、独立性や自立性が一層厳しく問われる公営企業や監理団体の改革も含めまして、行政運営全体の抜本的な見直しを促すものでございます。
 こうした都政をめぐる新たな展開に的確に対応するためには、さらなる行財政改革に取り組むことが急務となっているところでございます。

○倉林委員 都政をめぐる新たな展開に的確に対応するために、さらにこれからも行財政改革に取り組んでいくんだと、急務となってきたと、こういうお話であります。そうした新たな経営改革手法も踏まえて、今回の指針では公イコール官ではない、すなわち公共的な仕事は役所だけが担うのではないという考え方が示されているわけであります。今後、かつて経験したことのない人口減少社会を迎え、あるいは、これまでのような経済成長が期待できない中では、行政サービスの費用対効果やサービスの質の向上といった観点からも、公共分野の仕事をだれが担っていくのかという課題を真剣に検討すべき時期に来ているだろうと思います。私も全くそのとおりだというふうに痛感いたします。
 我が国では、昔から共助の思想が根づいておりまして、例えば防火活動、あるいは治安の維持、それから、町並みの美化など公共的な活動を地域で担ってきていただいた面も十分あるわけであります。
 そこで、お伺いいたしたいのは、公共分野の担い手をどうしていくかという観点、そういう意味から今後の行財政改革の基本的な考え方もお伺いしておきたいと思います。

○小林参事 今後の人口減少社会におきましても、社会や経済の活力を維持していくためには、公的部門の効率性を高めることが不可欠でありまして、これまでのように公共的な仕事を行政だけが担う仕組みはもはや限界に来ているというふうに考えております。
 一方、近年、民間企業が、福祉や環境など従来は主に行政が担ってきた分野に進出いたしますとともに、NPOの成長、さらには自治会や町会を中心とする活動が地域力として注目されるなど、責任を持って公共分野の仕事を担う民間主体が成長してきております。もとより公は私に対置する言葉でありまして、統治のあり方を示す官とは異なる概念と考えております。また、ただいまお話のように、日常的な公共活動を地域社会で担うという仕組みも存在しているところでございます。
 これからは官が公のすべてを担うのではなく、行政は公の担い手の一つにすぎないという原点に立ち返って、民間を初め多様な主体が公の役割を分担し合い、その中で都が担う守備範囲を明らかにしていくということが必要だと考えております。

○倉林委員 民間企業やNPOあるいは自治会、それらを含めて地域力が大変成長してきている、こういう時の流れだからこそ、これからは官が公のすべてを担うのではなく、行政は公の担い手の一つにすぎない、こういう原点に立って公の役割を分担し合って、都が担う守備範囲を明らかにしていくことが必要だと、こういうお話のようであります。
 先ほど申し上げましたけれども、人口減少社会における活力の維持はまさに国家的な課題となっております。官には従来以上に効果的な行政運営を行うことが当然求められているわけであります。官業の民間開放によって、例えばJRや郵政公社のようにサービスの向上につながるという当然の効果もあるわけであります。我が党の主張も踏まえまして、都はこれまでもさまざまな分野で民間委託や民間開放を進めてきたわけであります。
 今回も多様な主体で公を担う仕組みづくりの一環として公共分野の民間開放を進めているということでありますけれども、そこでお伺いしておきますが、今回の新たな指針での民間開放を進めるに当たって、どのような考え方で取り組んでいこうとしているのか、お聞かせください。

○関総務局行政改革推進室長 今回の指針では、社会資源の最適配分の観点から、官民の役割分担を原点から見直し、行政の担う範囲を再構築することにより積極的な民間開放を進めていくこととしております。民間開放に当たりましては、都民の安全・安心を確保しつつ、民間でできることは民間にゆだねるとの原則のもと、従来行政が担うべきと考えられてきた事業についても、多様な民間開放手法を適切に活用していくと考えております。行政分野の民間開放を進めることで、都民サービスの向上と効率的な都政運営を実現していくとともに、さらには、こうしたことが新たなビジネスチャンスを創出し、民間市場の活性化にもつながると考えております。

○倉林委員 行政分野の民間開放については、基本的には私もこれからも進めるべきだと、こう考えております。ただ、民だけではなかなかうまくいかないということも最近あるわけであります。行政の存在意識があるとともに、またそれもいえるのではないかと、こう思うわけであります。民間開放がどんなに進んだとしても、行政が責任を持って取り組んでいかなければならない事業については、これからも適切な執行が必要であると、こう思います。
 現在、大きな社会問題となっております耐震強度偽装事件については、国において、関係者の資格取り消しあるいは監督強化などがいろいろと検討がなされているようでありますけれども、事故が起きた後の事後的な制裁だけでなくて、行政による的確なチェックが必要だと当然いわざるを得ないわけでありますけれども、このような民間も絶対的でないという以上、都民の安全・安心を確保していく仕組みをしっかりと整備していくことが大変重要だと思います。都民の安全・安心を確保するための仕組みの整備についてはどうお考えなのか、教えてください。

○関総務局行政改革推進室長 治安や防災など都民の安全・安心に直結する業務につきましては、引き続き行政が責任を持って直接実施していくこととしております。また、民間開放する事業であっても、ご指摘のように直営と同様の適切な執行の確保やサービス水準について、適宜適切にチェックする必要があると認識しております。具体的には指定管理者などについては、制度上は評価の仕組みが明示されておりませんが、それぞれの民間開放手法に応じて、各局が指導監督していくことを前提といたしまして、行政のチェック機能を一層強化するため、サービス水準や安全管理面などにつきまして、都独自の評価の仕組みを構築し、継続的な改善を図っていくというふうに考えております。

○倉林委員 先ほど申し上げましたけれども、行政分野での民間開放、ぜひとも都民の安全・安心という視点を忘れずに進めていただきたい、取り組んでいただきたい、こう思うわけであります。
 そこで、今回の指針では、民間開放の一つの手法として東京都版市場化テストのモデル事業を実施する、こういうことが記載されております。指針の四二ページにも記載されているわけでありますけれども、そこで、今回導入する市場化テストとはどのようなものなのか、また、モデル事業として実施する理由というのは何なのか、教えてください。

○関総務局行政改革推進室長 市場化テストとは、公共サービスの提供につきまして、官民競争入札を実施し、価格と質の面でよりすぐれた主体が落札し、当該サービスを提供していく制度でございます。行政分野に競争原理を導入し、サービスの質と効率性の向上を図るものでございます。
 国は今年度、モデル実施をいたしましたが、単に民間に事業をゆだねるのみで、官民競争の仕組みがなく、市場化テスト本来の機能が十分発揮されておりません。都は国の本格実施を待つことなく、十八年度中に官民の競い合いを基本とする東京都版市場化テストのモデル事業を選定し、早期に実施することで、行政の体質改善を図る新たな経営改革手法として確立していきたいと考えております。

○倉林委員 行政分野の民間開放を初めとしたさまざまな改革は、この指針にもあるとおり、我が国が今まで経験したことのない少子高齢化や人口減少に対応するためにも、早期にかつ着実に実施するということが必要であると、こう思うわけであります。そのためにも、今後指針に基づいて具体的な取り組みを早期に実施していくということが必要なわけですけれども、行財政改革全般の今後の進め方について、お伺いしておきたいと思います。

○小林参事 ご指摘のとおり、今後はこの指針を早期に具体化し、スピード感をもって実施していくことが必要だと考えております。行財政システムの改革につきましては、今後、まず少数精鋭の体制づくりを目指した人材育成基本方針を年度内を目途に策定するとともに、今後の財政運営の指針を来年七月を目途に策定してまいります。そして、これらを含めまして、今後三カ年の行財政システム改革全般の具体的内容を明らかにした行財政改革実行プログラムを来年七月を目途に策定いたしまして、都庁全体で迅速に取り組みを展開してまいります。

○倉林委員 ぜひとも早期に改革を進めてほしいと、こう思っております。
 ところで、今回の指針の特徴は、自治制度と行財政システムの改革を一体的にとらえていることかなというふうに思います。急速な少子高齢化や人口減少社会を迎える中で、我が国の経済や社会の活力を維持するには、従来の行政の効率化にとどまらない、行政や国のあり方まで踏み込んだ改革がまさに喫緊の課題であると、こう思うわけであります。このことは我が党の代表質問でも述べております。石原知事も二十一世紀にふさわしい行政システムを構築していくと明言しております。
 そこで、最後にお伺いいたしますが、自治制度と行財政改革を一体的に取り組んでいく上での考え方、また、今後の行財政改革の推進に向けた決意を山口知事本局長、お願いいたします。

○山口知事本局長 まず、社会的認識でございますけれども、右肩上がりの時代が終わりになりまして、これまでの全国一律の画一的な価値観や規制に縛られた中央集権・官治システムが歴史的な使命を終えまして、新たな行財政システムの構築が迫られております。また、これからの社会を考えますと、地方の自主・自立を基本に据えた分権改革と官から民への流れの両面からの改革が強く求められております。このため、今回の指針では、東京発自治論を展開するとともに、東京から分権改革を進めていくためにも、都みずからさらなる行財政改革が必要であり、これらを一体的に取り組むという考え方で今回の指針を出しました。
 行財政改革につきましては、公的部門の効率が厳しく問われていることから、官民の役割を原点に立ち返って見直し、先ほどご答弁しましたように、公を多様な主体で担う仕組みづくり、あるいは新たな都庁マネジメントの構築といった新しい考え方を打ち出しております。今回の指針を踏まえまして、行財政システム全般にわたる改革を早期に具体化しまして、スリムで仕事ができる効率的な都庁の実現に向けまして全力で取り組んでまいります。

○増子委員 それでは、私からは、指針の中の第2と第3のところで幾つかお聞かせいただきたいと思っています。
 初めに、第2の自治制度改革についてお聞かせいただきたいと思っています。
 まず、基礎的自治体のあり方についてなんですけれども、指針のちょうど巻末の方に自治制度懇談会の議論のまとめということで、基礎的自治体に関する記述があるわけですけれども、本文中にはあり方そのものについてはほとんど触れられていないといったような状態だと思うんですけれども、都として基礎的自治体のあるべき姿というのをどのように考えていらっしゃるのかというところをお伺いいたしたいと思います。

○秋山自治制度改革推進担当部長 東京自治制度懇談会におきましては、基礎的な自治体が自治制度の出発点であり、地域社会の課題を自立して解決していく役割を担うという提言をいただいたところでございます。こうした提言を受けまして、都といたしましても、基礎的自治体につきましては、住民に身近なサービスを提供する主体であるというふうに考えておりまして、広域的自治体から基礎的自治体への権限移譲を積極的に推進するということなどを前提に、今後、自治制度の検討を進めていくことを指針の中でも明らかにしております。

○増子委員 地方自治ということを論じるときに、身近な仕事はより身近な自治体が処理していくということが基本だと。基礎自治体が優先するという、いわゆる補完性の原理というものが本来、自治制度の根幹的な部分だというふうに私は思っているんですが、自治論ということであれば、当然、都の立場ということだけでなくて、今後、区市町村のあるべき姿も一緒に議論していくということが必要だというふうに思っておりますので、そこのところはぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、地方自治制度というものについて二層制が前提だというふうにされているわけですけれども、いわば簡素あるいは効率化という観点で見ますと、一層制ということの議論も、議論としては当然あり得るんだろうと思いますし、あるいは三層制を初めとして、世界にあるいは日本も含めてさまざまな制度があるという中で、あらゆる制度の調査検討をされたのかどうかというのは、この指針の中だけではつかみとれないので、ぜひご説明いただきたいと思います。

○秋山自治制度改革推進担当部長 自治体の行政運営につきましては、いうまでもなく、効率的、効果的であることが求められているということでございますけれども、今後の人口減少や国際競争の激化ということなどに対応していくためには、これまで以上に行政機構の簡素化、効率化が必要になってまいります。
 したがいまして、指針におきましては、地方自治における階層をいたずらに重ねることは是認できないという基本的認識に立っております。また一方で、基礎的自治体を基本に据えた上で、八都県市における取り組みなどを踏まえまして、今後ますます増大する広域的な行政課題を解決するためには、広域的自治体も必要であるというふうに考えておりまして、このような観点から、二層制が前提であるという結論に至ったものでございます。
 なお、東京自治制度懇談会からも、行政の効率化や行政機構の簡素化が改革の前提条件であるというご提言をちょうだいしているところでございます。

○増子委員 今ご答弁いただきましたけれども、例えばイギリスなんかでも、サッチャー政権のときに広域自治体をもう廃止しちゃおうということで、地方自治一層制を目指したわけですよね。その理由としては、二層制というのは責任の所在を明確にすることがなかなか難しいという面がある、あるいは今、簡素、効率というお話をされましたけれども、非効率的であるということが主な理由として出されたと。
 現実的にはいわゆるディストリクトという基礎自治体間の調整が必要になってきたという現実もあって、イングランド地方などでは広域自治体であるカウンティが三十幾つか残ったというようなこともあって、イギリスでは結局、地方によってかなり制度が違うというようなことになっていったというふうな事実もあるようですけれども、何層であれ、基本的にはまず自治体それぞれの役割分担を明確にしていって、それを市民に示していくということが最終的には非常に重要だというふうに私は思っていまして、この指針だけだと、自治体の階層というものについて、どの程度詳細な議論を経てきたかというところがなかなか見えないので、今後、ぜひとも都として、都民や、もちろん区市町村に対しても、二層制であることの詳細な議論経過をきちんと示していく必要があるというふうに思っていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思っています。
 それでは、次ですけれども、大都市経営ということがうたわれていて、ここでいう大都市とはまず何なのかということと、どこのことを指すのかというようなことについてお聞かせいただければありがたいと思います。

○秋山自治制度改革推進担当部長 大都市とは何か、どこを指すのかということと、大都市経営についてというご質問だということでございまして、指針におきましては、人口や産業が高度に集積した区域であって、経済力が国を牽引する活発な程度に行われているという都市を大都市として主に定義づけているという形になってございます。
 また、大都市経営につきましては、大都市の活力を維持向上させる観点から、人口増大や機能集積に伴う大都市特有の行政課題を総合的、一体的に解決することだというふうに考えてございます。
 具体的にどこだということでございますけれども、指針では、特段具体的な検討はまだ行っていないと。今後の検討ということになろうかと存じますけれども、大都市の経済活動が国の命運を左右するという前提でいけば、例えば国税の六割を三大都市圏で担っているというような状況もございますので、最低限、三大都市圏における大都市というようなものはこういったものに入ってこようかと思いますが、その点につきましても今後検討することというふうにいたしております。

○増子委員 今、例えば人口や産業が高度に集積した区域が大都市であろうかというようなお話がありまして、特にエリアとしてはどこということは今後のことだというふうにありますけれども、今後、大都市の区域というものもきちんと確定していかざるを得ないんじゃないかというふうに思っています。今ご答弁のとおりなので、私も今後、果たして大都市というのは一般的にいう二十三区のエリアなのか、あるいは経済エリアということでいえば、さらに広いエリアなのか、あるいは逆に、都市の中のもっと中核的なエリアなのかということを地方自治の立場からもきちんと議論していくという、そして、その中できちんと確定していく必要があるんだろうというふうに思っております。
 多分その議論をするときに、東京の首都性というようなこともテーマになっていくのかもしれません。普通に都というときの東京と首都というときの東京というのは、果たして本当に同じところなのかということも含めて、ぜひ今後の検討の議論の中で明らかにしていっていただきたいというふうに思っております。
 次に、いわゆる大都市の区域に基礎的自治体を複数認めると、その中間に自治体経営の主体が必要になるんだというふうにこの中にはあるわけですけれども、具体的になぜかという理由をお聞かせいただきたいと思います。

○秋山自治制度改革推進担当部長 今回出しました指針におきましては、大都市経営の主体につきまして、幾つかの類型を示して、類型とともに課題を提示しているということでございますが、その一つとして、大都市の区域が複数の基礎的自治体で構成されているという場合も想定して掲載してございます。この場合、大都市全域にわたる行政課題を単一の基礎的自治体が解決するのは困難であるという認識から、大都市の区域を総合的、一体的に経営する基礎的自治体と広域的自治体の間に一定の主体が必要になってくる場合があろうかということで、今、先生がご指摘したような事例を類型の一つとして想定いたしました。

○増子委員 複数の基礎的自治体が共同で大都市の総合的あるいは一体的経営を担いたいともしいった場合に、広域的なあるいは一体的な事務を処理する組織が必要だという面もわかります。しかし、今いっている基礎的自治体だけで運営するんだということも、研究の選択肢としては残しておく必要があるんじゃないかなというふうに私は思っています。
 次に、現在の二十三特別区が大都市経営を行っていないかのような書かれ方をしているわけですけれども、この辺は都としてはどのような認識をしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○島総務局都区制度改革担当部長 現実の都区制度の中における都と区の関係ということになると思いますが、特別区の区域では、基礎的な自治体であります特別区と広域的な自治体であります都が大都市における行政を分担して行っております。十二年に移管されました清掃事業など住民に身近な行政サービスについては、特別区が連携して一体的に取り組んでいるものもあり、この点では区も大都市経営の一端を担っていると考えております。しかし、東京における幹線道路でありますとか港湾といったような基幹的な都市インフラの整備でありますとか、ディーゼル車対策等の広域的あるいは総合的な環境施策など、総合的、一体的に行う施策というものは、大都市ゆえに多くは都が行っておりまして、こうした観点から見ますと、東京の大都市経営という役割の多くの部分は現在、都が担っているものと考えております。

○増子委員 大都市経営の範囲の確定ということも非常に難しくて、そこも課題だというふうに先ほどからあるんですけれども、今、特別区もまた、大都市経営の一端を担っているんだというようなお話でございまして、大都市経営の役割分担ということも含めて、今後、基礎的自治体たる区市町村、特に区と認識の一致をするように、ともに議論していただくということをぜひお願いしておきたいというふうに僕は思っています。
 それと、地域協議会ということについて記述があるわけですけれども、地域協議会というものの存在というのは、別に本来あっても不思議はないだろうとは思うんですが、具体的にここに出てきたということで、特にどのような視点で地域協議会というものについて検討されたかというところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○秋山自治制度改革推進担当部長 指針では、大都市経営の主体について、先ほど申しましたとおり、さまざまな類型を検討してございまして、その中の類型の一つといたしまして、大都市区域を単一の、一つの基礎的自治体が運営するケースも想定してございます。この場合、大都市経営の一体性、総合性は非常に確保しやすいというメリットはあるわけでございますが、反面、膨大な人口を有する一つの基礎的自治体になってしまうというようなこと、それから、もともと大都市そのものが相当大きな、膨大な人口を抱えているということから、いわゆる住民自治の確保がなかなか難しくなってくる、課題になってくるだろうということが一つの問題点として挙げられようかと思います。
 そこで、大都市内部から自治を支える仕組みといたしまして、地域自治区における地域協議会を初めといたしまして、町会や学校単位のコミュニティで構成する地域の自治組織、こういったものの活用につきまして、今後具体的に検討する必要があるというふうに考えております。
 なお、この点につきましては、先ほど来の東京自治制度懇談会からも、大都市における住民自治を確保するため、コミュニティを支える地域自治の仕組みが必要であるという提言をちょうだいしております。

○増子委員 地域協議会というものは、今、説明をいただきましたけれども、なかなかぱっと、こんなものかなというのは実は思い浮かびにくいんだというふうに思うんですよね。例えば地域でも今でも町会の連合会みたいな組織があったりとか、あるいは学校やその他の青少年団体のようなものでもコミュニティを形成しているようなものがあるんですが、例えば区市町村ともっと小さな町会の間ぐらいの組織の大きさなのかとか、その辺がよくわからないので、この先議論にはいけないんですけれども、コミュニティというのは、官製というか、官側が無理にこのエリアってつくろうと思っても、なかなか難かしろうと思うので、この辺は特に、本当に住民の皆さんの声を反映させていって検討するということが非常に重要なんじゃないかなというふうに思っています。
 それと、都区制度改革の抜本改革というところについてお伺いいたしたいと思うんですけれども、この指針の中で社会実態と特別区の区域が乖離しているというふうに書かれているんですけれども、具体的にはどういうことなのかというのをお聞かせいただきたいと思います。

○島総務局都区制度改革担当部長 社会実態の関係だと思いますが、先ほど委員さんからもお話ありました、例えば経済エリアが拡大していくといったような企業の経済活動、あるいは住民の生活活動というものは、交通通信手段の発達、あるいはいわゆる大都市圏といわれている形で都市化が進展していくことによって非常に拡大しておりますので、特別区の区域においても、そこに住んでいらっしゃる方の生活圏あるいは企業等、それから就業者等の経済圏の広域化が著しいものと考えております。例えばその点で一つの例として、通勤通学という点で見ますと、二十三区の中でも周辺区から都心区への動きがうかがえるなど、人々の活動範囲というものは各区の区域を超えて広がっているものと思っております。また、特別区全体を見ましても、ほかの都市圏に比べて昼間流入人口が毎日三百万人を超えておりますし、このうち通勤者が九割を占めるなど、こういったような実態面でも生活圏、経済圏というものは特別区の区域よりも拡大しているというふうに分析をしております。
 このようなことをとらえまして、社会実態と特別区の区域が乖離しているというふうに述べたものでございます。

○増子委員 その実態というのは、そこの状態というのはよくわかるんですよね。皆さん、そう思っていると思うんですけれども。ですけれども、そのことをもって都区制度改革の抜本改革なのかということになると、今始まったことでもないわけで、今までもそれでやってきたという面もあるわけですね。そういう意味では、都区制度だけにとらわれるのではなくて、首都圏全体の自治の提言もしていく必要が出てくるのではないかというふうに思っていますので、ぜひ広域的議論の展開も期待したいというふうに思っています。
 それと、この中で都区財政調整制度に問題があるというような指摘があるんですけれども、機能していないというような都側の認識があるのかどうか、そこをお伺いいたしたいと思います。

○島総務局都区制度改革担当部長 都区財政調整制度の関係でございますが、特別区の区域は税源の著しい偏在がありまして、そうした中で基礎的団体であります特別区が等しく行うべき事務を遂行することができるように、偏在しています財源の均衡を図り、均衡を図ることによって、特別区全体の発展に寄与したものと考えております。現在の都区制度におきましても、都区間並びに特別区相互間の財源の均衡化を図る機能は十分果たしていると認識しております。今後、都区制度の抜本的見直しを図る議論に際しましては、こうした都区財政調整制度を含む税財政制度についても対象にしていきたいというふうに考えております。
 したがいまして、指針におきましては、まず問題というよりも課題として、現在都区制度に随伴する財政調整制度には、受益と負担の関係あるいは強い調整による財源保障によりまして、特別区の財政の自主性が希薄になっているのではないかという課題が存在しているのではないかということを定義し、あるいは当然のことながら、これは財務上の特例でございますので、それに付随します事務配分の問題でありますとか、今、議論になりました区域、規模の見直し等を行った場合、当然、都区財政調整制度も見直すことになるかと思いますし、そうした上では、新たな財政調整を含めた税財政、行政制度を検討する必要があるのではないかという意味で、課題として論点提起を行ったものでございます。
 今後、この議論につきましては、東京自治制度懇談会の場において十分議論を深めていく必要があると考えております。

○増子委員 機能はしているということですから、そこは安心しましたが、ただ、これは双方の問題なものですから、ぜひ都区一緒にできれば問題点を洗い出して、それぞれの立場でそれぞれの考え方がありましょうから、こここそまさに共通認識を持って今後ぜひ議論していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 この項の最後に、行財政改革の新たな指針、この時期に出した意味についてお聞かせください。

○秋山自治制度改革推進担当部長 指針をこの時期に出したという経緯でございますけれども、一つには、七年の長きにわたりまして、都議会におきましては自治制度のあり方など、行財政改革基本問題特別委員会でご議論をちょうだいしまして、昨年、報告をいただいたところでございます。その中には大変貴重な意見をちょうだいしているわけでございますが、また、行財政改革から自治制度のあり方全般にわたる改革の方向性なるものを執行機関でつくれというご提言もちょうだいいたしました。
 それから、行財政改革特別委員会の七年間の審議期間には、我々の方も参加させていただきましてご議論させていただくとともに、先ほどご指摘のありました海外の大都市の制度などを研究するとともに、現行の地方自治制度の問題点の論点整理というような研究なども逐次進めてきたという経過にございます。
 これに加えまして、国の地方制度調査会におきまして、道州制の議論が今、進んでおりまして、十一月に予定されておりました中間のまとめが今月になろうかというふうに聞いておりますが、来年二月には答申が出るという予定になっております。
 道州制が出ますと、広域的自治体である都だけではなくて、そこで大都市制度を展開している都区制度の抜本見直しが必要になってくるということになろうかと思っておりまして、これに対しまして、都としての考え方を示していく必要があるということから、我々内部の検討だけではなくて、都議会からも幅広いご意見をちょうだいするということも踏まえて、この時期に指針を打ち出したものでございます。

○増子委員 確かに国の地制調の議論がかなり大詰めを迎えているということも事実だというふうに思っています。そうであればこそ、地方自治体としての自治論というものを都のみならず、区あるいは市町村、とりわけ区と市が中心なのかもしれませんが、一緒に議論していく必要があるのではないか。二月の答申が出た以降は特にそうだというふうに思っております。地方自治体の中で意見が割れていきますと、結局最後は、国の介入といっていいのかわかりませんが、分権に反する中央集権的な結果になってしまうというおそれもあるのではないかと。そういう意味では、自立した地方の姿というものをきちんと見せるために、東京発の自治論というものを確たるものにしていく東京全体の議論展開というものをぜひ望んでおきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、第3の行財政システムの改革の中から市場化テストについて幾つかお伺いいたしたいと思います。
 市場化テストを本格導入するに当たって、対象事業の洗い出しはどのように行っていくのかということ、そして、基本的にはいわゆる公権力の行使に関する業務を選定対象から外していくんだというふうに思うんですけれども、このような業務についてどのように考えているのか、お聞かせください。

○関総務局行政改革推進室長 市場ではモデル事業と並行して十八年度中に市場化テスト対象事業の洗い出しを行うこととしておりまして、具体的な洗い出し方法については、今後検討してまいります。
 市場化テストは、公共サービスの提供について、官民競争入札を実施することでサービスの向上とコスト削減を一層進める手法でございます。税の徴収や許認可などの行政が都民、国民に命令、強制をする行為であります公権力の行使に関する業務につきましては、積極的に市場化テストの対象とするべきとは考えておりませんが、関連する補助的な業務の一部につきましては、民間を活用していく可能性はあることから、その取り扱いについては今後研究をさせていただきます。

○増子委員 公権力とも思えるような、例えば駐車違反の取り締まり業務などについても今、民間委託がなされていて、例えば民間人に公務員並みの守秘義務を課すとか、あるいは公正な執行を義務づけていくといったような工夫をして対応していると。そういう意味では、業務の切り出しについては、かなり幅広い検討ができるんじゃないかなというふうに思っています。
 また、市場化テストというのは、独占的な状況にある官業を民間との競争的な市場にさらすということで事業の効率性を向上させることができるというふうに思っています。だからこそ、民間の創意工夫をどうやって生かしていくかというのが官の知恵の出しどころだというふうに思いますので、業務の選定に当たっては、民間事業者の提案というものを最大限活用していくということが非常に重要になってくるんだというふうに思っています。
 今、税のお話もちょっと出ましたけれども、既に民間においては、税だとか保険料の徴収などについても、一定の問題がクリアされれば、それも可能なのではないかというような提案も出されているやに聞いていますので、ぜひ初めからノーといわずにご検討いただければというふうには思っています。
 次に、実施に当たって、幾つかの問題について伺いたいと思います。
 実施に当たりまして、官民の公正な競争を確保するために、情報開示だとか入札の公平性の確保、あるいは第三者機関による監視などということが必要になってくるのかなというふうに思っているんですけれども、また、公正な競争をするための前提として、事業費だとか、あるいは人件費を含む行政のコスト、フルコストというのかどうかわかりませんが、これをきちんと把握していく必要があるんだろうなというふうに思っているんですけれども、事業のコスト計算だとか、あるいは公正な官民競争の確保ということについて、どのように考えていらっしゃるのか、お聞かせください。

○関総務局行政改革推進室長 コスト計算など選定に当たっての条件設定につきましては、中立性、公平性を担保することを基本といたしまして、国の動向などを注視しながら、今後具体的に検討してまいりたいと思っております。

○増子委員 競争ということですから、当然公正なルールが必要だというふうに思います。ないとは思いますけれども、官の側が、同じ仲間といっていいのかどうかわかりませんが、官が入札参加するために有利な扱いをするということは当然あってはならないというふうに思いますし、その意味では第三者機関の設置ということが大変重要だなというふうに思っています。
 情報開示については、公正なルールを担保するということだけでなくて、民の側が良質なビジネスプランをつくっていくためにも重要だというふうに思います。コストだけじゃなくて、事業全体を分析していくことができるような情報を開示していく必要があるんだろうというふうに思っています。その前段階として、先ほどいった行政側の人件費を含めた事業のフルコストを、最近の手法がいろいろあるみたいで、活動基準原価計算などという方法によってきちんと出していくという必要があると思っております。
 最後の質問です。
 次に、最後に、いわゆる官民競争入札の結果、官側が引き続きその業務を落札できれば、そのまま継続するということなので、それはそれでよいと思うんですけれども、民間事業者がサービスの提供主体に決定した場合に、当該業務を担当していた職員、公務員の処遇をどうしていくのかということがあります。それと、事業が終わった後の評価システムということについて、どのように考えているのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

○関総務局行政改革推進室長 仮定のお話ではございますけれども、入札の結果、民間事業者に決定した場合には、当該事業に従事していた職員につきましては、配置転換を含めて適切に対応していくことになると考えております。また、民間に開放した事業につきましては、各局が事業者に対して事業の執行状況を踏まえ、必要な指導監督を行うことが基本となりますけれども、サービスの質の維持向上や安全管理などにつきましては、評価の仕組みを構築いたしまして、継続的な運営の改善を図っていく予定でございます。

○増子委員 いわゆる市場化テスト先進国といわれているようなところにおきましても、民が落札した場合に公務職員をどうしていくかというのが最大の問題の一つだったようで、我が国でも官民間異動みたいなこともどうも検討しているようですけれども、果たして現実的なことなのかどうか、私もよくわかりません。そういう意味では、独自の検討もまた必要なのかなというふうにも思っています。
 それと、事業終了後の評価システムについてですけれども、通常、行政の事業であれば行政評価の対象になるということですから、当然同様の仕組みがシステムの中でも必要になるというふうに思っていますし、安全面などで当然懸念があれば、現在の耐震偽装などが二度と起きないためにも、事業の進行中であってもチェックしていくという必要が出てくる場面もあるのかもしれないというふうに思います。
 いずれにしろ、市場化テストというのは、究極の官業の民間開放だというふうに思いますし、行財政改革でもあろうというふうに思っております。もちろん効率化ということだけじゃなくて、官内部の質的向上にも大きく寄与する可能性がある制度だというふうに思いますので、成功させるように、十分かつ積極的な対応を求めて、私の質問を終わります。

○橘委員 私からは、都の監理団体改革に絞って質問させていただきます。
 官から民へ、民でできるものは民でという大きな流れの中で、行政の役割が改めて問われておりますが、このことは都の監理団体においても同様であります。公の施設の管理委託など、従来は外郭団体でなければできなかった事業についても、指定管理者制度の導入という規制緩和によって、民間事業者の参入が可能となりました。こうした時代の急速な流れの中にあって、今回、都が行財政改革の新しい指針を示したことは時宜を得たものと思います。
 私自身の理解を深めるという意味を込めまして、指針の監理団体部分について何点か質問させていただきたいと思います。
 まず指針のところに、冒頭の部分ですけれども、「団体のあり方や事業について、ゼロベースで見直す」というふうにあります。このゼロベースということですけれども、多分団体の存在意義であるとか、それから、これまでの実績であるとか、そういったものをニュートラルな視点からもう一回見直そうということだと思いますけれども、ゼロベースで見直すということの意義は何か、それから、二点目にどのような視点で見直すのか。見直すからには基準がなければならないと思いますので、どのような視点から見直すのか、そして見直しのスケジュールはどうなっているのか、この三点についてお伺いします。

○関総務局行政改革推進室長 指定管理者制度の導入や公益法人制度改革など、ご指摘のように監理団体を取り巻く環境は大きく変化しており、改めて団体の役割と都との関係を整理していく状況でございます。団体の設立の経緯、事業分野やこれまでの活動内容などにとらわれることなく、現時点における社会的存在意義や機能を精査し、原点から団体のあり方を見直してまいります。
 団体ありきの視点ではなく、現在であればこの団体を設立するのかといった観点も含め、総合的に点検し、必要性が薄れた団体の廃止、類似の事業を行っている団体の統合、公の施設の管理など民間事業者との競合関係にある団体事業の整理などを行ってまいります。その具体的内容につきましては、今回の指針に基づきまして、十八年七月を目途に策定いたします行財政改革実行プログラムの中で定めさせていただく予定でございます。

○橘委員 今の答弁で、強い意思で取り組んでいくという、そういったものが伝わってきたと思います。
 そこで、一つ確認なんですけれども、ゼロベースで見直すという対象ですけれども、この団体はどうしても残さなければならないんだとか、そういったものがあろうかと思いますけれども、ある程度選別した団体を見直しの対象とするのか、それとも例外なくすべての団体を見直しの対象にするのか、これをちょっと確認させていただきたいと思います。

○関総務局行政改革推進室長 監理団体を取り巻く環境は非常に厳しいということでございますので、それはすべての団体において同じでございます。今回の見直しにつきましては、特定の団体ということではなくて、すべての団体を見直してまいりたいと思っております。

○橘委員 わかりました。
 それから、監理団体改革の文面の中にこういったことがあります。公社などの監理団体について、民営化を含めてそのあり方を検討するという文言があります。民営化ということですけれども、民営化するからにはそれなりの基準を持って見直しをしなきゃならない、検討しなきゃならないということになりますけれども、民営化を検討する基準、視点、それからもう一点は、これは出しにくいかと思いますけれども、具体的にどの団体とは、今の段階ではこれから検討を始めるわけですから出ませんけれども、今の時代の趨勢の中で、流れの中でどのような分野の団体が中心的な対象となっているのか、この二点についてお聞かせ願いたいと思います。

○関総務局行政改革推進室長 公社など監理団体の民営化につきましては、株式会社形態とすることで機動的な経営を可能とするとともに、企業会計により経営実態が明確になることなどから、効率的な経営を実現するための有効な手法の一つであると考えております。具体的な団体につきましては、さまざまな角度から検討中でございますが、民間同業態が存在している団体や社会経済状況の変化に対応するためには、現行形態では事業活動に限界がある公社などにつきまして、民営化も含む最も適切な経営形態を検討してまいりたいと考えております。

○橘委員 民営化ということも対象に見直しをする場合、私は都の内部だけで見直しを行っていくということは、同じ都庁内でやっていくわけですから、どうしても残したいというか、私情というのも若干あるかとは思いますけれども、その点、少し外部の意見というものも取り入れた方がいいかなというふうに思います。これは今後検討していただきたいと思いますので、要望だけさせていただきますけれども、そういった観点も必要かなと思います。
 それから、今までの答弁にもありましたけれども、見直しの結果、現状のままで存続させるという団体も出てくるわけですけれども、ただ単に現状是認という、そういった観点ではなくて、民間企業並みの経営努力を求めていくとか、それから、さらなる効率的な経営を求めていくとか、そういった都民サービスという観点、効率的という観点から推進していくことが大事であろうと思いますので、その点は重々念頭に置いてやっていただきたいと思います。
 それに関連してでありますけれども、監理団体改革の文面の中にこういったものが入っております。「団体経営の戦略的展開を促進するために」とございますけれども、戦略的展開というのは少しわかりにくいように思います。これは具体的に経営をどのように戦略的に誘導していくのか、そしてまた、都として指導していくのか、具体的な内容についてお願いいたします。

○関総務局行政改革推進室長 従来は、監理団体の多くが単年度の事業計画に基づいた経営にとどまっており、中長期的な視点での取り組みが不十分でございました。また、経営評価制度におきましても、財務指標などに反映されにくい内部改革の取り組みなどが十分に評価されていない状況にございました。そこで、今回は、民間企業においては一般的に行われている、おおむね三カ年程度の中期経営計画を策定させるとともに、経営評価制度についても定性的な取り組みも総合的に評価できるよう見直しを行い、団体みずからの経営改革を促進させてまいります。
 また、団体の戦略的経営の基盤となります人事考課制度につきましても、都制度に準拠しない独自の人事給与制度の導入など、積極的な見直しを図るよう指導してまいりたいと思っております。

○橘委員 今、おおむね三カ年程度というふうにありましたけれども、団体に求めていく具体的な計画の内容ですけれど、中期の経営計画というのは具体的にどんな内容になるんでしょうか。

○関総務局行政改革推進室長 戦略的経営を促進していくためには、中期経営計画の策定を全団体に対して求めてまいりますけれども、その主な内容でございますけれども、まず現下の社会経済状況を踏まえて、公共性、公益性をどのように発揮させるかなどの団体の存在意義を明確にさせます。次に、その団体のミッションを達成するために、おおむね五年後を想定した団体の目指すべき将来像としてのビジョンを数値目標などで設定させます。さらに、ビジョン達成への具体的な経営戦略でございまして、三カ年程度の事業計画を策定し、各年度ごとの取り組みを明らかにさせるということでございます。
 なお、近年、経営環境の変化のスピードが著しいことから、計画は毎年度ローリングしてまいりたいと思っております。

○橘委員 現在、ほとんどの民間企業は中期経営計画というのを策定しておりまして、こうした民間企業の経営改革手法というのは、これをまた参考に活用していくということは極めて有効であると思います。ただ、中期経営計画というのは、策定しただけでは経営改革というのは進まないと思います。計画の進捗状況をちゃんと把握し、そして分析し、検討結果をさらに検証していく、こうした作業がなければ、本当の効果というのは出ないかと思います。
 そこで、中期経営計画の実効性を高めるために、どのような仕組みを今考えているのか、お答えいただきたいと思います。

○関総務局行政改革推進室長 中期経営計画の実効性を担保するために、民間企業における最新の経営管理手法を取り入れた新たな経営評価制度によって進行管理を行っていく予定でございます。
 具体的には、評価項目につきまして、中期経営計画とリンクさせ、利用者、財務管理、内部管理の三つの視点から設定するとともに、必要に応じてトップヒアリングを実施するなど、指標及びその水準の適正化を図ってまいります。
 また、PDCAサイクルを有効に機能させるため、事業の結果の分析やその改善の方針を明確にするPDCAサイクルシートを導入いたしまして、評価結果を次年度以降の計画に厳密にローリングさせ、反映させていく予定でございます。
 さらには、単年度の事業だけでなく、複数年の取り組みが必要な事項など、経営計画のプロセスを評価いたしまして、一層の経営改革を促進していくなどを考えております。
 さらには、経営改革を進めるには役員のリーダーシップが欠かせないことから、役員業績評価制度につきましても、経営計画の取り組みを的確に評価できるよう、所要の見直しを行う方針でございます。

○橘委員 よくわかりました。
 そして、最後でございますけれども、依然として東京都の財政が厳しい状況にあるということは多くの都民が認識していらっしゃると思いますけれども、それだけに、監理団体を見る都民の目というのは一段と厳しいものになってくると思います。事業形態であるとか、経営主体であるとか、そういったことを問わずに、私は、効率的な経営を行うとともに、公的団体としての公共性をしっかり発揮していけば、監理団体というのはまさに都民にとって有益であると思います。
 そこで、最後に、その視点からでありますけれども、今後の監理団体改革を進めていくに当たって、局長の決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○高橋総務局長 ご案内のように、石原都政になりましてから、東京都はさまざまな分野で行政改革を積極的に進めてきております。こういう中で監理団体改革も行財政改革の大きな柱の一つとして積極的に取り組んでおりまして、団体数の削減、それから、職員数の削減、また、財政支出の削減等、成果を上げてきているものと考えております。
 しかしながら、ご指摘のように、監理団体を見る都民の目は依然として厳しいものがございます。また、指定管理者制度、独立行政法人、市場化テスト等、民間事業者との競争がこれからますます激しくなってくるということもございまして、監理団体を取り巻く環境も急激に変化しております。監理団体そのものの存在が今大きく問われているというふうに基本的に認識しております。
 こうした状況を踏まえまして、改めて監理団体に求められている役割、機能、こうしたものを原点から見直しまして、団体の統廃合や民営化などを進めるとともに、引き続き活用していく団体につきましても、民間企業並みの効率的な経営を実現して、さらなる経営改革を促していくということが必要だというふうに考えています。効率的な経営のもとに、公共性を発揮して、都民に一層貢献していけるとともに、また、都民の皆さんから評価をされる団体としていけるように、監理団体改革に全力を尽くしていきたいと考えております。

○山下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時四十九分休憩

   午後三時十一分開議

○山下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○古館委員 それでは、質問させていただきます。
 行財政改革の新たな指針ということですけれども、最初に、指針というのはどんな位置づけになっているのか、お答えいただきたいと思います。

○小林参事 今回の指針は、都議会の行財政改革基本問題特別委員会の報告を踏まえまして、東京発の改革をさらに推進していくため、自治制度から行財政システム全般にわたる一体的な改革の方向性を都として明らかにしたものでございます。今後、この指針に基づきまして改革の内容を具体化し、都庁全体で早期に実行してまいります。

○古館委員 非常に重要な答弁だと思うんですね。指針というのは、今後の都庁の方向性を示していくと。これに基づいて、各局がそれぞれどのようにしていくのかという具体化されていくという意味での指針なんだということですよね。都としての問題意識の第一は、この文章を読んでおりますと、中央集権・官治の統治システムを変えると、最初のくだりでかなり強調されているんですね。その内容は何かといいますと、大都市圏を中心に生み出された富を全国に再配分していたやり方を変えると。いいかえれば、地方に回っているお金を大きく減らして、東京などの大都市圏により多くの税金が来るようにまずしていきたいと。その中に中央集権・官治の統治システムというのをくくっているわけなんですけれども、そこでお尋ねしますけれども、税の再配分につきましては、私は今でも評価すべきものだと考えています。これからもそうでなければならないと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○小林参事 税の再配分についてでございますが、税の再配分機能を持ちます地方交付税は、全国的に一定水準の行政サービスを確保するために、地方自治体が自由に使える財源として国税の一部を配分する制度でございまして、戦後の日本の発展に大きく寄与したものというふうに考えております。しかしながら、今日、首都圏では人口一人当たりの納税額に対しまして、実質的な配分率が大きく逆転するなど、国の過剰な再配分が大都市における投資を阻害し、活力を低下させているというふうに認識しております。
 今後の人口減少社会におきましても、我が国全体の発展を実現していくためには、日本を牽引する大都市本来の力を最大限発揮させることが不可欠でございます。こうしたことから、税の再配分そのものを否定するものではございませんが、いわゆる右肩上がりの時代の終焉によって、自動的に富が増大することを前提とした再配分による統治のシステムはもはや有効性を失っており、今後は大都市が先頭に立って我が国の発展を促進することができるよう、抜本的な見直しが必要であるというふうに考えております。

○古館委員 中央集権・官治の統治システムということについて、これを変えるというのは私は賛成なんですね。そのことと大都市圏を中心に生み出されている富を全国に配分していくやり方ということは、私は、今後ともきちっと保障していかなければならないと、そのように考えています。
 代表質問でも私どもの党が指摘をいたしましたけれども、石原都政の施策展開は、お金がないというのではないんですね。最大の問題点は、使い方が大型公共工事偏重になっているということなんです。二〇〇〇年以降、来年度までの期間、財源不足というのが毎年のように強調されてきたわけでありますけれども、実際の都税収入は二次にわたるプランの見込み額よりも何と二兆円も多いんですよね。それでも依然としてお金がないと。なぜなのかというところにきちんとしたメスを入れていくということが本来の東京都としての役割だというふうに思いますね。
 こうしたことが実際にあらわれているのは、例えば首都東京ならではのことでありまして、二兆円も予定よりも多いと、これは全国に例はないですね。ですから、そういう点からいいましても、税の再配分という問題を強引に統治システムというふうにイコールで結びつけていくというところに、私は極めて大きな飛躍があると、こういうふうに思っています。
 そのことを指摘した上で、指針の文書では、全国の再配分を中央集権・官治の統治システムの関連の中でとらえて、なぜかそれが歴史的使命を終えたかのようにいっているんですけれども、私は、歴史的使命が終わったのは、文字どおり、それこそ先ほどからおっしゃっている中央集権とか官治の統治システム、こういうものであって、財源の再配分そのものではないということをまず最初に強調しておきたいと思います。
 結局ここで何をいいたいのかということなんですけれども、その後の文章の中に、経済がグローバル化してきていて、グローバル化の中でこれからの新たな行政システムのあり方は、地方にではなくて、大都市の活力が我が国の命運を左右するんだと。つまり経済がグローバル化してきているから、地方じゃなくて大都市、とりわけ東京圏に活力を与えるというのが命運を左右するんだと。しかもその担い手は何かというと、民間だと。これはいうまでもありませんけれども、自治体や住民ではありませんで、主として民間企業ですね。それも多国籍企業です。しかもこれをスピード感をもって実行しようというのが今回の指針の宣言だというふうに私は思っています。
 そこでお聞きしますけれども、都民のための行政をいかにするかという視点が全くなくて、財界にとって都合のよい、より利益が上がる国づくり、自治体づくりをすると。いわば大企業、多国籍企業のねらっていることをここでは表明している、このように指摘できますけれども、いかがでしょうか。

○小林参事 企業が投資効果のある国や地域を選択する時代となるなど、経済のグローバル化によりまして、大都市圏に諸機能が集中し、そのメリットが国全体の発展をリードするという状況が生じていると考えております。現在、我が国は、東アジアの発展などによりまして、熾烈な国際競争に巻き込まれておりますが、そうした中で大都市は、国際競争の最前線で勝ち抜くことで日本を牽引していく役割を担っているというふうに考えております。大都市の潜在的な活力を十二分に発揮させていくということが、地方も含めました日本全体の発展に資するということは明白でありまして、大都市の活力が国の命運を左右するという認識は大企業や多国籍企業の論理であるという指摘は当たらないものと考えております。

○古館委員 今、多国籍企業の論理は当たらないというふうにいいましたけれども、実はここにあるのが、ことしの一月からの、毎年のもありますけれども、日本経団連が各種の政策提言とか調査報告をかなり出しているんですね。ことしの一月から十月末までの現在でどれぐらい政策提言を出しているかというと、五十七ですね。物すごい出しています。そういう中にどういうのがあるかというと、国民が納得して支える医療制度の実現、これは医療費負担をどう強めるかと、こういうのを提言しているし、それから、二〇〇五年の政策評価はどういうふうに評価するかということも、わざわざこういうことについてはだめですよとかいうことが評価の基準になって出されると。さらに、九月には十八年度税制改正に関する提言ということで、定率減税の縮小、廃止や消費税の増税ということを政府や自治体に求めてくると。これは一部ですね。さらに、ことしの七月十九日は首都圏三環状道路の早期整備を望むという文書まで出てくると。それから、二〇〇五年度日本経団連規制改革要望ということで、規制改革、民間開放、一層の推進による経済活性化を求めると、こういうのがずっと続いてきて、例えばこういうのもあるんですね。さらなる行政改革の推進に向けてというので、国家公務員制度改革を中心にと。実はこれが今、人事院でも人事委員会でも出てきている、その骨格をなしているのがこの提言なんですよね。つまり当たらないというふうにいったんだけれども、そんなことなくて、五十七の提言がどんどんどんどん送られてくる。そういうものに対して--東京構想二〇〇〇そのものも実はひな形はこれではないのかなと、私自身はひそかに思っているところです。
 どうしてかといいますと、日本経団連がまだ当時、経済団体連合会であった九八年の四月二十一日に報告書がありまして、新東京圏の創造という報告書です。この新東京圏の創造というところで何がいわれているかといいますと、例えばスーパー環状道路を早くつくれとか、環状二号線新橋・虎ノ門区域の整備を早くしろとか、(「全然関係ない話だ」と呼ぶ者あり)そんなことないです。都心部の超高層住宅であるとか--関係なくなくて、今そのまま進んでいるじゃありませんか、都政の施策の中で。つまりそういうような……(「議題と関係ない」と呼ぶ者あり)いや、関係あるからいっているんですよ。
 そういうような状況がずっと出てきて、石原知事の東京構想二〇〇〇の冒頭でどういうことがいわれているかというと、東京の危機は日本の危機だと。このフレーズがとっても似ているところがあるんですね。新東京圏の創造というのが出てきたときに、なぜ出てきたかといいますと、いわゆる首都圏の移転問題があった。これに財界は物すごいあせりを感じて、何とかしなきゃいけないということで、今いったように新東京圏の創造というのを出してきたんですね。その中で実は、東京圏が繁栄しなければ日本の繁栄はない。石原知事は、東京の危機は日本の危機だと。フレーズとしては一緒なんですね。つまり東京圏を中心として、いかに日本を繁栄させていくのかというのは、東京構想二〇〇〇と財界の戦略とは全く同じなんですね。このことをまずちょっと指摘しておきたいと思っております。
 こういう中で、しかも、都民のための行政をいかにするかという視点が全くないと。私はさっきそのようにいったわけですけれども、このことを本当に裏づけているというふうに思うんですね。
 六ページで二番目に、都民・国民が直面する時代変革の潮流ということが銘打たれておりまして、そこでは、急速な少子高齢化など社会経済環境の構造的変化が一層進行していると。実はこれも、先ほどいった新東京圏の創造の中でも同じようなフレーズで急速な少子高齢化ということも指摘されておりまして、少子高齢化が来ても財政が厳しいから、我々は、余り自治体はやれませんよと。したがって、何をいわんとしているかというと、国や自治体などがやらないで民間企業にやってもらおうと、こういうことじゃありませんか。いかがですか。

○小林参事 ただいまお話がありましたように、急速な少子高齢化や人口減少の時代を迎えるに当たって、今後とも社会や経済の活力を維持していくためには、公的部門の効率性を高めるということが不可欠でありまして、これまでのように公共的な仕事を行政だけが担うという仕組みはもはや限界に来ているというふうに考えております。
 先ほども申し上げましたが、一方、近年、民間企業の公的分野の進出あるいはNPOの成長、地域社会の活動など、責任を持って公共分野の仕事を担っていく民間主体が成長してきております。こうしたことから、今回の指針では、公イコール官ではなく、行政は公の担い手の一つにすぎないという原点に立ち返り、公共サービスの提供や公共的な課題の解決に多様な主体がかかわる仕組みをつくっていくという考え方を打ち出したものでございます。こうしたことは、公共分野を決して小さくしようということではございませんで、あたかも行政がその役割や責任を放棄したかのようなご指摘は当たらないものと考えております。

○古館委員 私も公共分野がもっとちゃんとした責任を果たすという立場から今質問しているわけですけれども、国と地方をあわせた長期債務残高というのが〇五年度末で七百七十四兆円というのもここに書いているんですね。このまま累積が続けば財政破綻の危機に陥ると、こういうことが中に書かれています。しかし、このほとんどは大型公共事業を初めとする借金であることは余りにも明瞭なんですね。大型公共事業とか、投資的経費だから借金ができるのであって、そういうことの仕組みというのがずっとこの間、国も東京都も、自治体大体がそういう形でやられてきて、それが現在七百七十四兆円に達しているわけですよね。この責任を棚に上げて子どもや高齢者を犠牲にすると。我々は子どものことなんかも余りできないよと、だから民間にと、こういうことというのは、やはり私は、自治体としての責任逃れだといわれても仕方がないと思うんですね。
 そこで、質問しますけれども、地方自治法の第一条の二では、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として」と明記しています。自治体の基本は福祉や暮らし、営業、教育など住民に密着した仕事にこそ、その役割があるのではありませんか。私はこの文書をずっと見ていて、都民とか住民ということがほとんど出てきていないところに違和感を感じているんですが、いかがでしょうか。

○小林参事 地方自治法には、お話の住民の福祉の増進のほかに、最少の経費で最大の成果を上げるようにしなければならないという効率性の規定も明記されているところでございます。
 行政がどれだけのコストをかけてどの程度の効果を生み出すかが厳しく問われている今日、公的部門には効率性の確保は強く求められているものと考えております。こうしたことから、先ほど来申し上げておりますように、公共分野の仕事に多様な主体がかかわる仕組みをつくるという考え方は、公共分野を小さくするのではございませんで、いわば豊かな公を築いていくというふうに考えておりまして、このことは何ら問題はないというふうに考えております。

○古館委員 そういう中で、さきの三定でも私、事務事業質疑で道州制の問題で質疑をさせていただきました。道州制というのは昔からかなり財界を初めとして追求されてきたものであります。道州制は、現行の四十七都道府県制にかわって、もっと少なくすると。現行の四十七から、日本経団連なんかにいわせると五ぐらいでいいんじゃないかとか、多くても十二ぐらいかなとか、既にそういうふうに財界では描いているわけですね。そういう道州制があって、より広域的な地方制度をつくろうとする構想の機軸に座っているのが道州制であります。
 国の地方制度調査会とともに、先ほどいいましたが、日本経団連や経済同友会は先頭に立って提唱していますし、中央と道州、そして現行の市町村より広域的な自治体の三つの政治行政組織が所掌分野の仕事をすると。中央政府はその中で何をやるかというと、これは日本経団連なんかに書いてあるんですけど、外交、防衛、国際協力、通貨、マクロ経済、こういう政策は中央政府がやると。日本経団連は、先ほどいいましたけれども、全国で数少ない道州というのを考えている。その先駆けになっているのが今の市町村の合併なんですね。
 そこで伺いますけれども、三二ページで、道州制に関する国の議論は、国と地方の役割分担を国の地方支分部局に矮小化しているといわざるを得ない、このように批判的見解を出しておりますけれども、これはどういうことですか。少しわかるように説明していただきたいと思います。

○秋山自治制度改革推進担当部長 国の地方制度調査会の道州制に関するこれまでの議論についてのご質問でございますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、答申が二月予定ということでございますので、きょう現在は、これまでの議論の経過に対する評価になるということをお断わりした上でご答弁させていただきます。
 道州制の役割分担の議論、地方制度調査会では、国の役割を限定し、できる限り企画から執行まで道州に権限を移譲するという役割分担の基本原則は示してございますが、実質的な議論を見ますと、国の各省の出先機関である地方支分部局の権限を中心に移譲を考えているというような議論の経過にもございます。現状では道州の権限に国の影響力が残される可能性がありますことから、問題があるというふうに考えております。

○古館委員 いわゆる道州制というのは、今の状況の中でも我々がうんと慎重に、それこそより活発に、この問題について検証しながら議論を進めていかなければならない問題だというふうに思っております。
 私は、第三回定例会の質疑で、改選される前の都議会の行財政特別委員会というのがありましたが、そこの最後の結論部分なんですけれども、ここで都議会のいわゆる委員長報告は何といっているかといいますと、首都圏においても一都三県での合併や道州制への移行を求める意見もあるが、しかし、三千三百万人の人口を擁する巨大な自治体が、民意を的確に反映しながら、個々の広域的課題への機動的な対応を図れるかについては大いに疑問がある、時期尚早の議論といわざるを得ない。この部分で委員長報告は私どもは全く同感であります。この都議会での意思表示は極めて重いものがあり、私はしっかりと肝に銘じた対応を当局にも求めておきたいと思います。
 しかも、経済のグローバル化だとか物流だとか、三環状道路、空港、港湾、こういう社会資本整備の促進などなど、指針のねらっているものが、文字どおり財界がグローバル化の中でそれこそ生き残れる、闘える、こういうようなものにするために、東京都の財力をどのように使っていくのかという指針なんだということをいわざるを得ないわけですね。
 そこで、質問しますけれども、地方自治を都市経営という言葉に置きかえて、効率性ばかりを論じて、地方自治の本旨、そして住民が全く視野に入っていないなど、文字どおり財界のための指針との性格を色濃くしたものであって、私は都民を中心に据えた指針へと転換すべきだと思いますけど、いかがでしょうか。

○秋山自治制度改革推進担当部長 地方自治が真に住民が求めるサービスを効率的、効果的に提供すべきということは、地方自治の普遍の原則であるというふうに考えております。
 またさらに、我が国が本格的な人口減少時代を迎えようとしておりまして、今後、生産年齢人口の減少による社会、経済、活力の低下などが懸念されるということなど、今後の社会経済情勢を考えれば、これまで以上に行政機関の簡素効率化が求められることは自明でございまして、効率化の視点から自治制度を改革していくことは住民の利益につながるものというふうに考えております。
 また、大都市における住民自治の確保は重要であるという認識のもと、指針におきましても、大都市内部から自治を支える仕組みといたしまして、地域自治区における地域協議会などの活用を掲げているところでございまして、したがって、住民が全く視野に入っていないとか、財界のためのものといったご指摘は当たらないものと考えております。

○古館委員 いずれにしても、地方自治の本旨に根差した自治制度の真の改革を強く求めておきたいと思います。
 次いで、第3の行財政システムの改革につきましてですが、1で、原点に立ち返り官民の役割分担を見直すとしておりますが、この原点に立ち返りというのはどういう意味でしょうか。

○関総務局行政改革推進室長 急速な少子高齢化など、社会経済状況の構造的な変化が進行する中で、今後とも東京の活力を維持していくためには、人材を含め、限られた資源を最大限効率的に活用する必要があります。このような社会資源の最適配分の観点から、行政は公の担い手の一つにすぎないという原点に立ち、民間でできることは民間にゆだねるとの原則のもと、行政の担う範囲を再構築してまいりたいということでございます。

○古館委員 私は、原点というのは、先ほどもいいましたけれど、住民への奉仕をいかにするかということだと思うんですよね。官か民か公かと、そういう問題ではなくて、住民への奉仕をするためには何が一番有効な機能を果たすのかと、こういうことが機軸になきゃならないと思うんですね。それで、よって立つのはやっぱり地方自治法なんですよね。そう思いませんか。いかがですか。

○関総務局行政改革推進室長 先ほどの答弁にもございましたが、地方自治法において効率性の規定が明記されております。指針では、社会全体の資源最適配分の観点から、官民の役割分担を見直し、スリムで仕事のできる効率的な行政を目指しており、地方自治法の趣旨にのっとっているというふうに認識しております。

○古館委員 地方自治法にのっとっているということであれば、ここの問題について、きちっと叙述をしてもらいたいと。つまり、これからの新たな指針としてどういうふうにしていくかということになっていけば、そこに座らなきゃならないのは都民であるし、住民であるし、それが一本、柱として座っていくのは地方自治法でなければならないと。
 そこで、聞きますけれども、民間でできるものは民間でと、民間でできるものという尺度は何なんでしょうか。

○関総務局行政改革推進室長 都民の安全・安心に直結する事業については、行政が責任を持って直営で実施すべきと考えますが、経済分野など民間企業が対象とする事業だけではなく、NPOなどさまざまな公共分野を担う主体が存在する事業につきましては、民間ができるものとの認識を持っております。

○古館委員 今の話は聞いても違うんですけどね。そこで聞きますけれども、耐震強度の偽装事件というのがありますけれども、これは行政の責任が全うできていないということを象徴的に示した事件だと思いますが、いかがですか。

○関総務局行政改革推進室長 民間が実施することでサービスの向上やコスト削減が図られる場合には、行政の指導監督のもと、適正な業務執行を確保しつつ、民間開放の対象としてまいります。事業の民間開放とその指導監督などのチェックを同一に論じることは適当でないと考えており、例えば自動車の車検などのように民間開放や規制緩和した多くの事業は適切に運営されており、大きな社会的効果を生んでおります。今回のケースは、自治体が関与できない仕組みとなっている中で、国の指導監督が不十分であったものであると認識しております。

○古館委員 私は、国であるとか都であるとかということをいっているんじゃないんです。つまり民間にそれをゆだねましょうというところの、それが出てきた問題点として今、私いっているんですよ。ですから、そういう問題がなぜ出てきたのか。これは国のことだから、地方自治体はいえませんということを私は聞いているのではなくて、こういうことをどのように受けとめて、今後東京としてはどのようにしようとしているんですか。こういうことは事実として今起こってきたわけだから、そのことについて、再度質問させていただきます。

○関総務局行政改革推進室長 事業の民間開放とそれをチェックするということについて同一に論じ、その意義を検討するということではなくて、民間が実施することでサービスの向上やコスト削減が図られ、都民総体の利益につながることが最も重要でございまして、行政の指導監督のもと、適正な業務執行体制を確保して民間開放をしっかり続けていきたいと考えております。

○古館委員 これ以上、また同じ答弁が帰ってくるのであれなんだけど、我が党は、この問題が国会で出てきたときに、こういう事件が起こるということを想定して反対しました。そういうふうなことというのは、民間開放になっていけば、後から調査するかしないかとかという問題ではなくて、こういう問題が長い間放置されてきていて、今出てきたということの関係からいえば、耐震強度偽装事件の問題というのは、今後の東京都の行政の中に生かしていく必要があるんじゃないですか。その点について、もう一回お尋ねします。

○高橋総務局長 いろいろご指摘をいただいていますけれども、お話は、大きな木は見ていると思うんですが、森を見ていないんじゃないかなという印象を今感じております。建築確認をめぐる今回の一連の事件は、国の責任において徹底した事実関係の解明と、これに基づく抜本的な制度の見直しが必要だというふうに考えております。また、この件に関しましては、既に司法の場でも捜査の開始がされているということで、ただ、今回のこの事件をもちまして民間開放が行政の責任を全うできないというふうなご指摘は当たらないのではないかというふうに考えております。
 社会経済の状況の変化、また、民間主体のさまざまな分野での成長、発展、これにあわせて、絶えず官民の役割分担、また、民間との協働のシステム、この仕組みを新しい視点で見直していくということで、これは行政にとっては当然ではないかというふうに考えております。民間の力で公の責任をきちっと果たしている事例は、先ほど部長も答弁しましたが、たくさんあるものと思います。
 また、忘れてはならないのは、こうした民間に開放されたさまざまな分野におきまして、それぞれの業務に従事して立派に社会的な責任を果たしている、こういう方々もたくさんいるということを忘れてはいけないというふうに考えています。また、そうした新たな業務分野で新しいビジネスチャンスも生まれているということもきちっと認識する必要があるのではないかと考えております。
 適切な指導監督、そして有効なチェックの体制のもとに、パートナーとして民間の主体に任せていくということは十分可能であるというふうに考えております。公がすべてを抱え込むことなく、指針に示してある考えのもとに積極的に検討していく必要があると、このように考えております。

○古館委員 私は、民間は絶対だめだなんていうふうには思ってもいないし、いってもいません。
 それで、次の質問に入りますけど、食品と衣料品などの試験検査業務とか、税の徴収補助業務なども例示されていますけれども、公権力の行使に関連する補助的な業務と書いていますけれども、これらは全工程にわたって公権力の行使そのものじゃないですか。いかがですか。

○関総務局行政改革推進室長 公権力の行使に関する業務であっても、機械的で簡易な業務や購買など私的な契約手続などについては、都民、国民に命令、強制する公権力行使の中核的部分ではなく、関連する補助的な業務であることから、業務の適正な執行を確保しつつ、民間開放をさらに拡大していきたいと考えております。公権力の行使に関連するすべての業務を行政が直接実施すべきとは考えておりません。

○古館委員 私は、今いわれた全体系から見て、答弁を聞くと、そういう選択は違うと思いますね。なぜかといったら、機械的なことでやりますよといったって、そこには知られたくないプライバシーだとかいろんなことというのがあるわけですよ。ですから、そういうような状況の中で、いつプライバシーを見ようかと思うとすれば、できる話ですよ。そういうようなことですから、簡易だとか、簡易じゃないとかという問題じゃないんです。だから公権力がやるわけですよ。そこの部分については、こういうような考え方というのは私は改める必要があると。やっぱりこういう業務はこういう業務としてしっかり、それこそ公、行政が担っていくということを強く求めておきたいと。
 それで、公営企業についてですけれども、まず、ここでは都立病院は対象外として位置づけている、このように理解してよろしいんでしょうか。

○関総務局行政改革推進室長 指針におきましては、公営企業改革の部分について、交通局、水道局、下水道局の公営企業三局について論じておりますけれども、都立病院についても、他の項目として都立病院改革マスタープランによる改革の実施状況に加え、制度改革の動向なども踏まえて、都立病院の経営のあり方を検討するとしているところでございまして、これらすべてを指針における改革の対象としているところでございます。

○古館委員 公営企業については独立採算を原則とするということをここでうたっているんですよね。それで聞きたいんですが、例えば水道、下水道、交通局でも震災対策とか雨水対策とか、環境対策、福祉にかかわる施策など、こういうこともやっているんですが、こういうことができなくなるということもあり得るんじゃないですか、今ここで書いてあることをそのとおりやったら。いかがですか。

○関総務局行政改革推進室長 公営企業は、社会経済状況の変化に適切に対応し、今後とも安定したサービスを提供していくためには、民間並みの効率性を発揮するよう、コスト構造を見直し、長期的な経営見通しに立脚した抜本的な経営改革に取り組んでいく必要があると認識しております。
 なお、先生のおっしゃっている公営企業に対する雨水対策などの一般会計出資金につきましては、予算審議を経た上でそれぞれの行政目的に基づいて支出されており、今後とも適切な行政判断のもとで支出されていくものと考えております。

○古館委員 そういう答弁はしっかり踏まえていただきたいと思っています。なぜかというと、例えば水道局の場合は、消火栓の管理だとか、料金の特別措置補てん金、これはいわゆる料金がなかなか払えない人に対しても一定程度水道料金を低くしようと。それから、震災対策の繰入金だとかってあるんですよ。私はこういう問題で見直すのだったら、一番先に見直してもらいたいのは、八ッ場ダムの一般会計からの繰入金が一番多いんですから、こういうものこそ私は見直すべきだと、このことをいっておきます。
 最後に、監理団体は存在意義を検証した上でゼロベースで見直すとありますけれども、見直すなら臨海関連団体のようなもの、こういうものは直ちに見直すのが当然だと思いますし、しかし、監理団体の中には福祉だとか医療関連だとか、いわゆる都民の命や財産にかかわるものも含めて、これも一緒にゼロベースで見直すということは、私は住民福祉の向上という観点からもおかしいし、これについては見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。最後に質問させていただきます。

○関総務局行政改革推進室長 今回の指針における見直しは、指定管理者制度の導入や公益法人制度改革など、監理団体を取り巻く社会経済状況の大きな変化を踏まえて、各団体の現時点での社会的な存在意義を精査するものでございまして、当然のことながら、特定の団体に限る必要性はなく、すべての団体を対象に検討してまいります。

○古館委員 最後になりますけれども、今のような問題じゃなくて、それぞれ監理団体だっていろいろあるんですよ、株式会社もあれば。ですから、ゼロベースということ、一律にするということ自体が、私はいかがなものかと思います。ですから、この問題も慎重に、都議会の中でも議論があるということも含めて、私は検討し直してもらいたいと思います。
 最後に、職員定数の推移の問題です。これは意見です。質問しません。もう既に今まで第一次、第二次プランが、職員削減の計画がありましたけれども、それをはるかに上回った職員定数の削減をしていますが、こうした問題について、きちっと住民奉仕の立場で頑張っている職員の立場も含めて、働きやすい、それから、健康が守られる、そういうことも含めて、何でもかんでも職員を減らせばいいという立場ではなくて、本当の公の奉仕をしているんだということも含めた職員配置にしていくことを強く求めて、私の質問を終わります。
 以上です。

○後藤委員 私からは、今回示されました行財政改革の新たな指針に書かれていることは、私たちが今までいってきたことと同じことが大部分書かれているので、これに関しては、できたらば、このまま思いっきりやっていただきたいと思うんですけれども、ただ、一点だけちょっと気になったことだけいわせていただきます。
 監理団体のところなんですけど、監理団体を一番効率的にやろうと思ったらば、民間に完全にかわってもらったとしたらば--監理団体、外郭団体というふうな感じではなくて、例えば民間になるのが一番いいだろうと思います。ここのところで落ちているというふうに今、私が考えているのは、例えば天下り、これに関しては、皆さん、天下りという言葉は嫌いだろうとは思いますけど、大体は役人の方が監理団体のトップになっていると思うんですけれども、ここの天下りのところが、これを読んでいますと何も書いてなくて、確かに監理団体の改革のところでいろいろ書いてあります。ここに書いてあることはもちろん当たり前だと思うんですけれども、これをもし本格的に直そうと思ったらば、トップの方が本当に民間の感覚を持った方、ここで民間の感覚を持った方ということは、民間の方なら一番いいわけですよ。トップの方たちの天下りについて何で書かれていないのか、ちょっと教えていただけますか。

○関総務局行政改革推進室長 各監理団体につきましては、業務や能力を重視した役員業績評価制度の改正など、適切な人事管理を行っていくというふうに考えております。これまでの監理団体においては、公的な役割とともに、効率的な経営を一層推進していく必要があることから、既に行政等で経験を積んだ職員も含め、適材を配置していくことが必要だというふうに認識しております。

○後藤委員 ここのところでは、ゼロベースで見直すと書いてあるんです。ここに書いてあるゼロベースというのがどういう意味なのかは、できたら教えていただけますか。ここのゼロベースの中には、例えばトップの天下りだとかいうことは含まれていないんでしょうか。

○関総務局行政改革推進室長 今回の見直しでございますけれども、団体の設立の経緯や事業分野、これまでの活動内容にとらわれることなく、現時点における社会的な存在意義や機能を精査し、原点から団体のあり方を見直すということでございます。

○後藤委員 これはあくまでも指針ですから、部長が今おっしゃったような答弁しかないと思うんですけれども、ここではあくまでもゼロベースというふうにうたっているわけですから、できたらば役員の選任というんですか、都の方で人事権まで持っているわけですから、ここにゼロベースと書いてあって、ここにはこれだけ、格好いいといってもいいと思うんですけれども、民間の方たちが考えているようなことを本当にうたってあるわけですから、仮にここまでうたっているのだとしたら、監理団体のトップまで大きく考え方を変えていただくということまで検討していただきたいと思います。
 これに関連しまして、民間委託なんですけれども、こちらを読んでいますと、どう見ても、これは私たちの見方がおかしいのかもわかりませんけれども、どうしても一段下に見ているような感じがしてならないんですけれども、これに関しては局長の方でパートナーシップというふうなお言葉もいただいているので、あくまでもパートナーとして考えるのか、民間でもやれるものだからやらせてやっているのか、この辺の考え方。

○関総務局行政改革推進室長 民間開放に当たりましては、効率性にすぐれた民間の力を活用することによって、適切な役割分担と適切な指導監督のもと、行政と民間が協働して行政目的を達成しようとするものでございまして、民間企業などをパートナーとして認識しているところでございます。

○後藤委員 今ご答弁いただいたように、これは民間委託というふうに書いてあるよりも、民間の方たちが税金を払っているんですから、本当にパートナー--ここではパートナーというよりも、この日本、日本というよりも東京のことを考えている方たちと一緒になって働くというふうな感じでこれからも考えていただいて、ここに書いてあることを本当に実行していただきたいと思います。

○高木委員 行財政改革の新たな指針についての報告がございましたので、まず五三ページの入札・契約制度の見直しのことについてお伺いしたいと思います。
 指針の中で、入札・契約制度の見直し、大体半ページぐらいなんですけども、ここに書かれております。公正な競争の確保を図る、あるいはまた、電子入札の進展を踏まえた一層の競争性の確保、で、入札・契約制度の改善を図っていくと、こういう大項目で、以下三点にわたって入札制度の改革の方向性というのが出されているわけであります。
 私は、入札制度の問題というのは極めて幅広い課題ではないかと思っていますし、また、三項目の指針だけで済む話では当然ないというふうに思っておりますので、指針をこういう形でおまとめになられた背景といいますか、どういう認識で入札制度の改革のプランになったのか、そのことをまずお伺いさせていただきたいと思います。

○関総務局行政改革推進室長 契約制度におきましては、良質なものをできるだけ低コストで調達することが本来的な目的でございます。一般競争入札の場合は、参加条件を満たす者はだれでも参加できますが、指名競争入札の場合には、参加希望者が多い場合には一定数に絞って指名しております。そうした中、電子入札の進展などにより多くの企業が入札に参加できる条件が整いつつあります。このことから、指名競争入札において指名数をふやすことを検討するとともに、単に競争性の確保をするだけではなく、品質確保についても、価格以外の技術力を評価する取り組みなどを進め、より一層適切な契約制度としていくとの認識のもと、見直しの方針を定めたものでございます。

○高木委員 今のご答弁をお伺いしておりますと、一般的なことをいわれているのは非常によくわかるんですね。例えば指名競争入札において指名数をふやすことを検討する。じゃあ、もう一方で品質の確保というのは、指名数をふやすことによって、ある意味で競争性を高める。そのことによって品質の確保が図られるのかというと、必ずしもそうではないというふうに思うんですね。ですから、先ほど来いろいろな質問と答弁の中で、行政機関というのは最少の費用で最大の効果を発揮するというところが一つの基本でありますから、そのことにおいて競争性を発揮させて、低コストで、建築にしろ、土木にしろ、いろいろな事業があると思いますが、そういう事業をやっていただくということは理解するんですけれども、しかしながら、そのことによって品質が担保されるというふうには私は思わないんですね。ですから、品質の内容が担保されるためには、どういう契約制度、入札制度というのが必要なのかというところが実はポイントなんだろうというふうに思っているんです。
 そこで、お伺いしたいんですが、入札のときに当然予定価格というのがあるわけですね。この予定価格というのは、実際は適正価格なのかどうか、予定価格イコール適正価格なのかどうかというところはどういう認識をされているでしょうか。

○関総務局行政改革推進室長 予定価格につきましては、事業の、先生おっしゃる品質の確保等適切な執行を確保するという前提のもとに、最も価格として妥当なものを設定しているわけでございますけれども、この価格より低いことがすなわち品質の低下を招くという認識は持っておりません。

○高木委員 そうすると、公共工事における適正価格というものをどこに持っていくのか、どういう考え方で基準をつくっていくのかというのは非常に大事なことだと私は思っています。
 かつて国の方の会計検査院なんかでも、入札の問題で過大積算を指摘するということがかなりの数があったように私は記憶しているんですが、しかしながら、もう一方では、過小積算に対する指摘というのが全くなかったような気がします。東京都の監査委員の中でも、私はこの七月に初めて都議会議員になりましたので知りませんが、過小積算だったと。入札というのは、当然予定価格があって、その価格が適正だという前提でやっているんですけれども、そういう指摘というのは今まであったですかね。監査委員がこの入札価格は過小だと、過小見積もりだというのはあったでしょうか。

○関総務局行政改革推進室長 その関係につきましては、現在データを入手しておりませんので、明確なお答えはできないということでございます。

○高木委員 済みません。データがない質問をしてしまいました、失礼しました。
 私は何をいいたいかというと、過小積算で指摘されたことというのは基本的にはないと思っているんですけども、つまりそうなると、予定価格自体がどんどん低く見積もられていくという傾向にならざるを得ないというふうに思うんですね。そういう中で、今の入札業務の実態を見てまいりますと、競争性の確保というところだけが前面に出てきて、実は品質の確保、品質の向上というところがどうもおざなりにされているのではないかなという気がしてならないんです。つまり官の方から、国にしろ東京都にしろ、事業を発注して、業者がその仕事を請け負う。受注産業である建設業や土木や、あるいは電気設備やいろんな業界がありますけれども、そういうところに価格競争だけをやらせてしまうということが、実は企業経営の圧迫にもなってくるという部分も一面ではあると私は思っていまして、その点で、指針の策定がこういう形で文字になっているわけですから、拝見すると、どうも競争の強化ばかりという気がしてならないんです。
 都民の税金を使っていろんな事業をやっていくわけですから、そのことをどう担保していくのかということを指針の中に、これから政策化していくときに、品質の確保のために東京都はどういう努力をしていくのかというところをぜひ私は考えていただきたいというふうに思っているんです。その点、いかがでしょう。

○関総務局行政改革推進室長 契約の競争入札の問題でございますけれども、品質等を比較的重視しない場合については、価格で競争する一般競争入札、そういうのがございます。それに対しまして、品質の確保の観点から特定の業者の方々を指名していくのが指名競争入札でございます。指名競争入札につきましても、基本的には、さらなる新たな参加者が参入できるように拡大していくべきものと思っておりますけれども、指針の策定に当たっては、競争性だけではなくて、品質の確保、公正性の確保などについても検討を行ってきたところでございますけれども、今後の実行プログラムにおいて、さらにその点を詰めてまいりたいと考えております。

○高木委員 最後に、入札制度のところでもう一つだけ聞いておきたいと思うんですが、談合などの不正行為に厳正に対処するということが最初に書かれています。談合という問題は、先日も橋梁談合事件、かなり大きな事件がありましたけれども、橋梁談合事件は当然摘発され、大きなニュースになりましたが、摘発された根拠になる罰則というか法律というのは、独占禁止法で摘発されているんですね。ところが、一方では、刑法の九十六条には談合罪という罪があるわけですけれども、談合事件をここ数年ずっと見ていますと、談合罪で摘発された談合というのはないんですよね、基本的には。ところが、独禁法で談合事件というのはほとんど摘発されている。今ここに書いてある談合というのは、どういうことを指して談合といっているのかというところが私は非常に大きな問題になっていると思います。
 つまり公共工事をやるに当たって、談合というのは当然悪いわけですけども、なぜ談合罪という罪があるのに談合事件というのは今までも独禁法でしか対処できないのかというところに、実は建設業界や、あるいは土木の業界や、いわゆる請け負いをやる受注産業の問題点というのがあるんだということをぜひ認識していただきたいというふうに思います。これは質問しませんので、その点はぜひ考慮しながら入札制度の見直しに取りかかっていただきたいと思っております。
 続きまして、行財政改革の新たな指針の中で、都区制度改革にかかわる部分についての質問をさせていただきます。
 先ほど来、都区制度改革、東京都と二十三区の姿について幾つかの質疑がありましたが、私は指針を拝見させていただいて、また今までの質疑も聞いておりますと、東京都と二十三区の関係をどうしていくのかということを--この指針で今、議論している五項目あるいは主要五課題の課題というのがさらに棚上げにされてしまうのではないかという危機感を非常に強く持ちます。なぜならば、将来的に東京都と二十三区の関係が、道州制の問題も含めて、ここにも幾つかの案というか、試案なんでしょうけれども、そういうものがなされている中で、指針の部分を議論していくと、今議論している都区制度改革の主要五課題、五項目の問題というのは、将来的に変わるんだからもういいじゃないかと、やらなくてもいいじゃないかという雰囲気になりそうな気がするんです。ですから、私は、今議論している都区制度改革の問題が妥結して初めて、指針の中の将来にわたる東京都と二十三区の関係というものを考えていくべきだというふうに思うんですよ。その点、いかがでございますか。

○島総務局都区制度改革担当部長 今のご質問の趣旨は、五課題のうち、課題になっております都区制度の根幹にかかわります大都市事務にかかわる点をご指摘なさっているかと思うんですが、制度改革そのものについて、単に棚上げするのではなく、これから新しい都区の関係のあり方というような大きな議論の中できちっと整理をつけていくものということで、引き続き協議していくことが必要だというふうに考えております。
 折しも、これは区の方針ではまだなっていないんですが、区長会のもとに置かれました特別区制度調査会の報告書が出ましたが、その中でも、都区制度についてはシステムの転換というような形で改革の必要性を書かれておりますので、そういう意味では、広く大きな制度改革というようなことも含みながら、単に棚上げするのではなく、建設的、さらに先に進んだ議論で引き続き協議をしていきたいというふうに考えております。

○高木委員 大きな議論の中で検討していく、あるいはこの指針も含めて五項目の課題も検討していくという解釈でよろしいんでしょうかね。つまり問題が拡大をしたというふうに私はとります。今の答弁だと、問題が拡大した中で主要五課題の課題もこれから検討していきますよという解釈でよろしいんですか。

○島総務局都区制度改革担当部長 どうも言葉足らずで申しわけありませんでしたが、大の課題の大都市事務ということで、そういうのについては引き続きしますが、清掃経費等の具体的な課題については、きちっと協議をしていくという考え方で、そのまま五課題をという意味ではございません。

○高木委員 ですから、先ほども質疑の中でありましたけれども、今この指針を出されて、ほかのところはともかくとして、都区の関係にかかわる部分をこの指針の中に盛り込みながら、今の時期にこの指針を出されて、都区制度改革の中の五課題が解決しない。そしてまた、この十二月あるいは一月までに、十八年度予算にもかかわってくるから、その部分で解決しなければならないタイムリミットがあるという前提の中で、そのことまでを含めた指針を出されてきたという意味はどこにあるのかってさっきも質問がありましたけども、私はそういう意味では、五課題を解決した後に、さらに次のステップに進むべきだというのが本来的には論理的な考え方じゃないかなというふうに思っているんですよ。ですから、前にも大都市行政のあり方、東京都と二十三区の制度のあり方については、まず五課題を解決して、その後にきちんと議論すべきだという、ステップ・バイ・ステップでいくべきだということをいったつもりなんですけども、その点について担当部長としてはどういう見解を持たれていますか。

○島総務局都区制度改革担当部長 五課題の中で、先ほど申しました根幹にかかわります大都市事務というものについては、二年間余にわたる協議の中でも、なかなか都区の間での意見については隔たりがあって、残念なところ、異なっていると。単に事務をどうするかという議論ではなく、制度にかかわる問題も含めまして、引き続き議論していくことが必要だろうというふうに認識しておりますので、その点では引き続き議論していく部分と、それから、事業にかかわります具体的な課題については早急にめどをつけないとなりませんので、そういう点については、限られた時間ということも先生ご指摘のようにありますので、その中で十分議論して、合意形成に向けて努力していきたいというふうに考えております。

○高木委員 ですから、私は、今申し上げたように、新たな指針の中に書かれている今後の都区制度のあり方ということは、ともかく五項目の課題がある一定の結論が出た時点で--東京都としての案はよくわかりますよ、こういう考え方を持っているとかということはわかりますが、その後に議論すべきだと。いずれにしたって、あと二カ月とか三カ月の話ですから、そういうところで本来的にはもう一度きちんと時間をとって議論すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 したがって、私は、その議論をする前提として、この時期にぜひ聞いておきたいことが都区制度改革の部分ではあります。ですから、きょうはその問題についてご質問させていただきたいと思います。
 主要五課題の問題で、十月の総務委員会で、私がある一定の時間をとってこの問題の質疑をさせていただきました。そのときに幾つか答弁をいただいておりまして、それから約一カ月半ぐらいたって、主要五課題の東京都と二十三区の協議事項はどの程度進んだのかなというふうに思います。
 実は、大都市事務の問題は、先ほどご答弁されたように、これはまとまっていないというのはよくわかっています。いろんなところからも聞いていますし、部長からも今答弁があった。そのことはいいです。ほかの項目について、この一カ月とか一カ月半の間に進展した項目はありますか。

○島総務局都区制度改革担当部長 今お話がありました十月の時点では、まだ協議が終了していなかったんですが、五項目の課題については、区の助役と都の部長級で構成しています都区財政調整協議会、これは通年行っています協議会とは別に、期間を設けまして、集中的に六回にわたりまして協議を行いまして、ちょうど議会の後の十月末に取りまとめが行われました。先ほどもご答弁しましたが、大都市事務の役割分担については、都区の考え方が異なりまして、その場でも整理に至りませんでしたが、先ほど申しました具体的な課題であります清掃関連経費、小中学校の改築経費及び都市計画交付金の具体的な課題については、都区で一定の整理はなされました。それを受けまして、今月の二日から始まりました十八年度の都区財政調整に関する協議におきましては、一定に整理されたことも含めまして、検討結果を踏まえて、具体的な課題であります清掃関連経費、小中学校改築経費などについて、十八年度に向けた協議を開始しておりまして、既にその協議に入っているところでございます。

○高木委員 わかりました。清掃関連経費、小中学校の改築経費、そして都市計画交付金の問題は既に協議に入っているということですね。
 十八年の予算編成をするに当たって、東京都もそうでしょうけれども、一月の半ばから下旬にかけてぐらいというのがタイムリミットだと思うんですね。十八年度予算に向けて、都区協議、いつまでに合意をする予定になっているのか、スケジュールをまずちょっと聞かせてください。

○島総務局都区制度改革担当部長 今後に向けたスケジュールでございますが、今申し上げました清掃関連経費等の具体的な課題につきましては、例年どおり、来月に予定されています予算案の発表前に協議を終えまして、通年、この協議は議会前に、法定されています都区協議会というのがありますので、それが二月ごろ開催する予定ですので、その場で最終的な都区合意を図っていきたいというふうに考えております。したがいまして、一定程度協議を終えるのは来月に予定しております。

○高木委員 来月に一定程度の成果を見るということであれば、十二月から一月の初旬にかけてが恐らく一番重要なところになるんだろうなというふうに思います。したがいまして、我が党の中にも都区制度改革推進議員連盟がございますから、この場でももちろん議論して、今後どうしていくのか。今、いわれた清掃、小中学校改築経費、都市計画交付金、この三項目については、よく議論しながら、私たちなりの意見をぜひ申し上げていきたいと思います。
 そういう中で、これは前回の質疑の中でも何度となく私は部長に、この問題は明らかにしてほしいということを申し上げましたが、改めて聞きたいんですけども、清掃関連経費の七百四十五億円を起債の償還が終わった時点で東京都はどうしていくのか。この部分は、七百四十五億円は、私は質問を多分三回ぐらいしたと思いますけれども、あのときの答弁は、七百四十五億円の使途はまだ見つかっていないというか、どうしていくのかということが明らかになっていないと私は認識をしている。
 ですから、もう一回聞きますけど、起債償還が終わって、そして七百四十五億円はどういうふうにしていくんですか、東京都は。

○島総務局都区制度改革担当部長 清掃四関連経費のことでございますが、十二年度の合意の時点で財調外、すなわち東京都に配分された大都市財源によりまして都がその経費については負担しております。このうち、平成十八年度から特別区に移管される予定の退職手当を除きまして、三つの経費の中で大きなものは、今お話ありました十一年度以前に都が整備した清掃工場にかかわります都債の償還費でございまして、先ほどの七百四十五億というものについては平均の値でございまして、現実の十七年度は七百七十億円ほどであります。これらの経費については、ご案内のように償還費ですので、お話のように将来は減少していくということでございますが、その後は十二年度のときに合意いたしました財調外との整理に従いまして、引き続き東京都の大都市事務の財源として適切に活用していくべきものと考えております。この点は東京都の大都市事務の財源ですので、個々のどういう事業にというような形での、事業と財源がパラレルの関係にはありませんので、東京都が行います大都市需要に関連します事業に適切に活用していくということでお答えを申し上げておきます。
 なお、これからの清掃工場の建てかえ、十二年度以降になろうかと思います。それから、特別区の方に事業が移りましたので、それに必要な経費については、今後とも都区の協議の中で、財調において適切に算定していきたいというふうに考えております。

○高木委員 七百四十五億円、実際は十七年度は七百七十億円ということですが、今のご答弁の中で、今後東京都の大都市事務の財源として活用していくというお答えでしたけれども、都区協議の中で大都市事務についてはまだ合意を見ていないわけですよね。ですから、合意を見ていない中で大都市事務の財源として活用していくというのはどういうものなのかなと私は思いますね。論理的に、つまり都区協議の中で、財調財源というのは調整三税といわれている税項目があって、調整三税をどう振り分けていくか、事務的にどうしていくのか、事務の多寡によって、どちらがどれだけ財源を必要とするのかという協議が調わない中で、七百四十五億円をこれから大都市事務の財源として東京都が活用していくんですよというのは、どう考えたって、特別区側は承服しないと思うんですよ。これは論理的に矛盾していると思いませんか。

○島総務局都区制度改革担当部長 活用先の点だろうと思うんですけども、現に二十七年までは償還費が残りますから、当然償還費の中に充当していくというのが、償還費との関係ではそういうご説明になるかと思うんですが、確かに事業自体をどちらの事務に分けるかということについては協議が調っていないんですが、実際に財源を使いまして事業が行われているわけで、事業と切り離した財源だけがあるというわけではないので、そういう意味では、都区のどちらでやるというような整理はできていませんが、事業そのものは都民あるいは区民に対して現に行っている事業ですので、事業と一緒に財源も考えるべきでありまして、確かに都と区の財源についての取り扱いは違っていますけども、事業そのものと一緒に考えていくべきだというふうに考えております。

○高木委員 時間がありませんので、もうこの程度にしますが、平成二十七年で七百四十五億円、都が留保した金額というのは、基本的には起債償還費がなくなるわけですから、事務と一体となっているという指摘は私はよく理解できません。つまり現在は起債償還費で、七百四十五億円の中から充当していますから、それでいいんですけども、その後のことというのは、結局七百四十五億円を東京都がどうするかというのは、まだ何も明らかにされていない。つまり東京都側からすれば、二十三区に対して具体的な需要算定をしなさいと。具体的な需要がないと、この問題については協議しませんよみたいな話になっていますけれども、むしろ東京都側が起債償還が終わった後はどうするのかというのは、私もこの間から疑問に思っているので、もう一回聞いたんですけど、まだ疑問が解消しないんです。ご答弁がありますか。

○前田総務局行政部長 清掃関連の七百四十五億円のお話でございますが、最初に担当部長からご答弁申し上げましたように、十二年の整理で、この経費は財調外、つまり特別区に配分される五二%ではなく、東京都側の四八%の中で対応するものと整理されてございます。区もそうですが、東京都も財調の議論をするに当たりまして、五二%、四八%という大きな議論が今課題になっていると思いますが、その中の七百四十五億円を取り出して、それが将来にわたって固定して、これが右へ行くか、左へ行くのかという議論は必ずしもふさわしくないと思っております。
 東京都は都債の償還費を今払い続けておりまして、あと十年ぐらいはかかります。その十年のときにどのような財政需要が東京都側の大都市事務にあるかということについて、現時点でこれだというふうにいうことがむしろ難しいと思っております。これまでの財調協議における特別区のご主張は、東京都の七百四十五億円は将来減っていくんだから、減っていくならこっちによこせというような議論であったかというふうに私どもは受けとめております。これにつきましては、そういう議論ではなくて、確かに東京都の清掃工場の償還費はなくなっていき、これからは特別区が清掃工場の建てかえ等を行いますので、特別区の需要につきましては、これからふえていくでありましょうから、それはきちんと財調において算定していく。つまりそれぞれ別の次元できちんと整理をしていきたいと考えておりまして、中身の議論になると、七百四十五億が減るから、それをこちらに移せという議論には東京都としては乗っていないということでございます。

○高木委員 まあ、平行線をたどるんでしょうね、今の答弁だと。財調外だから、七百四十五億円がそっくり特別区の方に行くわけじゃないよと、必ずしもそういう議論はふさわしくないよという答弁がありましたけれども、もともと実質五%ですよというふさわしくない話をしたのは東京都側ですよ、もともとね。ふさわしくない発言をしたのは、東京都の総務局長が平成十二年の都区協議の場で実質五%になりますよという答弁をしたところから始まっている、これは。ふさわしくないという表現をされるのだったら、ふさわしくないのは東京都ですよというのがもう一方の対立側の論拠だというふうに思いますよ。
 ですから、これは平行線になりますから、この程度にしておきますが、先ほど示されたスケジュールにのっとって、ほかにも都市計画交付金の問題とかいろいろあるわけですよ。都市計画交付金も今、六項目のことが決められていますけれども、それも項目をふやしてほしいとか、あるいは項目の中の弾力的な運用をしてほしいとか、いろいろなことがあって、実際、都市計画税は本来どちらの税金なんだという議論から始まって、なぜ東京二十三区に対して交付率も含めた都市計画交付金の額が少ないのかということはこれから議論されるというふうに先ほどもご答弁がありましたから、ぜひいろいろな角度から、前提にとらわれず次のステップに、指針の方に進ませていただくためにも、五項目の課題をぜひ早急に解決をすべく努力をしていただきたいと思います。
 少なくとも五項目の課題が解決されないのに、さらに広げた議論で二十三区と東京都が交渉し、次のステップに進むということは、私はあり得ないというふうに思っていますから、五項目の解決というのが一つの試金石だというふうに認識をしていただいて、この問題に取り組んでいただきたい。ぜひ応援しておりますので、頑張っていただきたいと思います。
 以上です。

○柿沢委員 私の方からは、行財政改革の新たな指針の中で、新たな都庁マネジメントを構築すると、ここの部分について少しお話をしたい。その後、ごく簡単に都区制度の話をしたいというふうに思っております。
 行財政改革の新たな指針そのものは、今、地方行革の現場でも行われております、例えばニュー・パブリック・マネジメントだとか、PPPといわれるパブリック・プライベート・パートナーシップですか、これは都議会民主党の代表質問でも先般取り上げさせていただきましたけれども、そうした流れに沿うものであって、私どももそういう意味では、官民お互いの持てる力を生かして新たな公をつくり出していくという理念を都議会議員選挙のマニフェストでも掲げさせていただきましたので、そうした考え方を都においてさらに進化させるものだというふうに考えておりますし、その点においては理念として評価しているつもりでございます。
 先ほど来ご答弁にもありますが、行政は公の担い手の一つにすぎない、あるいは基本認識のところに書かれておりますけども、公を行政だけが担うシステムは原点に立ち返った見直しを強く求められている、これは本当に私たちもそういうふうに思っておりますし、その流れをぜひこのまま進めていきたいという立場に立っていることを改めてこの場所で申し上げたいと思います。
 ここまでの質疑の中で、市場化テストの話であるとか、あるいは官業をどのように民間開放していくかという話が主だったというふうに思うんですけれども、私は個人的に、官の仕事を単に民に出していくと、これはこれで重要な視点だというふうに思いますけれども、その一方で、巨大都庁に民間から入ってくる、こっちの流れの考え方も、視点もぜひ持っていただきたいというふうに思っています。まさに東京都の行政運営は、皆さんのような方々が幹部職員として行っているわけですけれども、しかし、この時代、民の力を引き出すという観点でいうと、意思決定にかかわるような行政の部門にも民間の人間が入ってくる、そんなイメージをぜひこの指針の具体化の作業の中で持っていただきたいなと、そんな観点で幾つか質問させていただきたいというふうに思っております。
 私自身、記者として前の仕事をしていたときに、行政にかかわるさまざまな提言や市民運動をやっている人たちともお話をする機会がありましたけれども、そういう意味で、取材活動を通じても、例えば行政に新たな視点を持ち込む。また、例えば専門的な見地で--行政の部課長の方々、二年単位ぐらいで異動してしまう中で、なかなか専門性という意味で深められないデメリットもあるかと思いますけれども、一方で民間の専門家の立場で、皆さんでは踏まえられない現場のことも踏まえて判断を行うとか、そうしたメリットが民間人を登用することによってもたらされるというふうにも思います。
 こうしたことで先駆的といいますか、随分先を行っている試みをやっているのが、まさに私が記者をやっていた長野県でありまして、田中康夫さんという非常に変わった人が知事をやっておりますが、この方が、去年の初めから任期つき職員を部課長として登用するということで、全国で公募いたしまして、今まで民間の企業社会などで活躍していた人材が部課長級の職員として二十四人採用されております。中には、長野県の東部町というところでひまわり病院という町立の病院の院長だった澤田さんという方がいらっしゃって、この人は衛生部長で登用されてから、今、副知事になっています。この方も任期つき職員の一人ですね。それ以外にも、例えばベルギーのチョコレート会社のゴディバのマーケティングのマネジャーをやっていた人だとか、イベントのプロデューサーをやっていた人とか、あるいは銀行の、金融機関の執行役員だった人とか、そういう人たちが、長野県の田中知事が責任あるポジションに民間人を登用したいということで募集をかけたところ、八百人も集まって、結果として今まで二十四人が採用されているというふうに聞いております。
 しかし、これもよくよく内実を見てみると、私も知っているんですが、採用したはいいものの、半年でやめちゃったりとか、あるいは、ちょっと変わった知事さんですから、二十五歳の大学院生をいきなり課長級で登用して、障害者福祉の分野を全部任せて、挙げ句の果てに部長にしちゃって、その人が自分ではこなし切れない仕事だといってやめちゃったりとか、そういう意味で、必ずしもうまくいっているものではありませんけれども、逆に長野県でうまくワークしなかったからといって、ほかの自治体でこうした登用を行った場合にうまくいかないということもいえないわけでありまして、ある意味では専門知識を持って、ある種のクリエイティビティ、企画力、実行力、こうしたものを民間の社会で実施されている人材をこの都庁の中に積極的に入れていって、実際に判断できるポジションにつけるということは、私は意義があることなんだというふうに思っています。
 その観点からお伺いいたしますが、都では民間企業等から登用の一形態として、経験者採用というのを実施しております。このほかに民間企業等から特定のポストへ登用しているケースというのはどのぐらいあるのか、現時点での状況をお聞かせください。
   〔委員長退席、鈴木副委員長着席〕

○大原総務局理事 平成十七年十二月一日現在でございますけれども、民間から登用している職員の数は管理職が六名、その他十一名、合計十七名でございます。

○柿沢委員 ちょっと事前の通告には入れてませんけれども、具体的な例というのを少し教えてもらえませんか。

○大原総務局理事 個人の氏名等が特定されるようなことはこういう場ではなかなか申し上げにくいわけですけれども、法律の関係ですとか、研究、あるいは児童の福祉関係、そういったことのポストに民間から来ていただいております。現実にそれにふさわしい資格、学歴等をお持ちの方でございます。

○柿沢委員 それでは、民間企業から例えば任期つき職員として特定のポストに専門能力を持つ人を職員として登用することによるメリット、デメリット、両方あると思うんですけれども、効果と課題について、お伺いいたしたいと思います。

○大原総務局理事 まず効果でございますけれども、これは登用した職員が特定の分野におきまして、即戦力として高度な専門的能力を発揮し、複雑多様化する行政需要に適時的確に対応することができる、これが効果であろうと思います。
 それから、民間企業等から職員を迎えた場合の課題でございますけれども、公務の中立性や公平性が確保できるかということ、あるいは公務の安定性、継続性が確保できるかということ、それから、そもそも人材が安定的に供給されるのか、確保できるのか、そういった課題はこれからもあろうかと思います。
   〔鈴木副委員長退席、委員長着席〕

○柿沢委員 今、効果として、即戦力として高度な専門的な能力を発揮して、複雑多様化する行政需要に対応することができると。また、一方で課題としては、公務の中立性あるいは安定性や継続性、先ほどの長野県の例を見ると、そこの部分は非常に大事かなというふうに思いますし、人材を安定的に供給することができるか。これは特定のポストに必ず民間人を供給しなければいけないということでもないので、別な問題なんじゃないかなと思いますが、いずれにしても、メリットと同時にデメリットがあることは理解いたします。
 この指針の中でも、都が必要とする専門知識や職能を持った人材を労働市場から適時に確保するため、新規学卒者に偏らず、多様な採用チャネルを確保するとか、経験者採用を、即戦力として活用できる専門的能力を持った人材の確保策等を新たに位置づける、民間でのキャリアや業績を重視して採用し、能力が発揮できる職層に直接任用すると、こんなことが書いてありますけれども、どちらかというと、人材の採用の仕方のチャネルの多様化ということにとどまっている表現のような感じがいたしまして、先ほどいったように、ある意味では、行政の意思決定システムに新風を吹き込むという意味で、責任あるポジションに民間の専門家を登用するという、採用していくということが私は必要になってきているんじゃないかなというふうに思います。
 一方で、電子都庁の中でCIOという言葉があります。五四ページですけど、情報化統括責任者、要するに行政のシステム化、IT化に当たって、チーフインフォメーションオフィサーという、COとか、CFOとかいうのと同じように、情報部門を統括する、そうした専門家の存在が必要であるということが他の自治体などでもいわれていまして、専門的な能力を持つ存在がCIOとしていることで、例えばシステムをつくるに当たって、大手のシステム屋というか、ベンダーと呼ばれるコンピューター会社のある意味では自由にやられてしまうというようなことを防ぐ効果もあるというようなことがいわれています。
 こうした分野で人材を登用していくとすれば、民間から探してくるしか僕はないんじゃないかというふうに思っていまして、そういう意味で、CIOを初めとして、今後責任ある立場で管理職への民間企業等からの職員の登用をさらに都として拡大していくべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○大原総務局理事 初めに、ちょっと数字をご紹介させていただきたいと思いますが、私どもで、先ほど先生がおっしゃいました経験者採用、これは平成五年からやっておりまして、平成五年から平成十六年までの間で一万九千八百八十一人の人が受験しております。採用したのが二百九十人、六〇・八倍という大変高い倍率でございますけれども、こういった民間で働いていて--これは民間経験が五年以上ある人たちでございます。こういった人たちが採用されて、公務の中で経験を積んで、先生が今おっしゃったような責任あるポジションに上がっていくと、こういうルートも現実に動いているわけでございます。
 その上ででございますけれども、地方公務員法上は、人事委員会を置く地方公共団体におきましては、職員の採用は厳格な能力の実証が必要であるということで、競争試験でやるというのが原則になっております。したがって、選考による民間企業等からの登用について、これを無限に拡大していくということについては、法制度上は限界が現実にございます。そこで、公務部門では、なかなか人材が得られにくいなどの一定の場合につきましては任期つき職員制度を活用して、民間企業等から職員を登用してきております。
 今後とも、地方公務員制度の趣旨を踏まえつつ、特定の分野において高度の専門的能力を必要とする管理職ポストにつきましては、民間の方も含めて、その職に一番ふさわしい人を登用するということを検討してまいりたいと思います。

○柿沢委員 今、経験者採用のお話がありましたが、考えてみると、紀宮様とご結婚された黒田さんもたしか経験者採用になるんですかね。民間の企業にお勤めになられてから入都されたというキャリアの持ち主だったというふうに思います。だからどうということではないですけれども、しかし、最初に申し上げたように、行財政改革あるいはNPMやPPPというと、どうしても公が担うことで非効率になっている部門を民間にやってもらうという、事業を民間に投げるという観点が非常に強いような気がしておりまして、私は先ほども申し上げましたが、西新宿のこの建物に民間の英知を持った、また、実社会での現場体験を持った人間がどんどん入ってくるというイメージをぜひあわせ持っていただきたいというふうに思っております。そして、そうした人材をまさに生かせるのがこの東京都であり、都庁だというふうに期待いたしておりますので、その点、これから実行プログラムをつくられるというふうに聞いておりますけれども、具体化に当たって、ぜひお取り組みをいただきたいとお願いさせていただきます。
 あわせて、都区制度のことについて少しだけお話をさせていただきます。
 先ほど来、増子さんからも、あるいは高木さんからもお話がありましたけれども、この中で東京発自治論という名のもとに、都区制度について相当程度の言及がございます。一方で、ほぼ同時期に、この間の事務事業でもお話をさせていただきましたが、特別区制度調査会、特別区協議会の中での検討機関の報告として、「東京における新たな自治制度を目指して-都区制度の転換-」という報告書がまとめられています。この中身は皆さんご承知だと思いますけれども、今の二十三の特別区が基礎的自治体というか、一般市としてほぼ自立した上で連合機構というものをつくっていくとか、あるいは逆に広域連合的な共同維持機構というものをつくっていくだとか、あるいはそれぞればらばらに二十三市になって、基礎的自治体としてそれぞれの地域の行政運営を行っていくとか、基本的には三通りのシナリオがこの中で描かれているわけですけれども、くしくもといいますか、くしくもじゃないと私は思いますが、特別区側と東京都側と、都区制度のあり方について基本的な考え方が報告ないしは指針としてまとまったわけでありますけれども、一方の特別区制度調査会の報告について、都としてはこの内容をどのように評価しているか、伺わせていただきたいと思います。

○島総務局都区制度改革担当部長 特別区制度調査会の報告は、今お話ありました、都区制度のシステム転換が必要であるということを基本に、都を府県機能に純化させるということで、従来のあれでいけば東京府という形になると思うんですが、それに純化させた上で、大都市事務については、現在のすべての二十三区が行うということで、新たな将来像を示しております。その意味で、都区制度について、抜本的な見直しをするということでは非常に評価できると思うんですが、報告の内容につきましては、まず膨大で、これだけの大東京都というような、産業集積、あるいは人口が集中している首都東京の行政需要に対して、一般の府県と市というような関係を持った仕組みで対応できるのかどうかという点については、明らかにされていない点が残念かなというふうに思っております。
 また、今お話ありました新たなイメージとしまして、大きく間に入ります組織を設けるか否かで、パターンとしては三つなんですけども、二つのシナリオがありまして、その意味では、一体性を一定程度重視するということになりますと、今お話ありました、東京都とは別に新たな機構を設けるということになると地方が三層制になるということで、その意味では行政組織の簡素効率化の点でどうかなということになりますし、また、一体性がある程度必要でないということになりますと、二十三区がそれぞれ独立するようなシナリオになりますから、大都市の一体性の確保という点でどうかなということとあわせまして、財政調整の仕方について、今後の検討にゆだねている点についての言及はこれからの課題というふうに考えております。

○柿沢委員 都議会民主党の代表質問でも言及させていただきましたけれども、この指針に書かれた自治論については、まさに大都市というものの重要性、そして、それを一体として経営していくべきだという観点が非常に強く、色濃く出されたものになっています。そういう意味では、こちらは全く正反対の視点に立った報告書ですから、今のようなご答弁になるのは、まあまあ、都としての立場はそうなんだろうなというふうには思います。
 しかし、都区制度を抜本的に見直していかなければいけないということがここにも書いてある中で、ある意味では基本的な考え方として、見方によっては、特別区側の考え方と真っ向から反対するものをこういう形で都として独自にお出しになるということが、今後の都区制度の議論にどういう影響を与えるのかというと、私はいささか心配です。私自身は固有の政策として、特別区の、二十三区の再編というようなことも前々からいっていますし、こうした議論が起こることは別に反対じゃない、どちらかというと歓迎している立場ですけれども、しかし、このやり方で都と区の間の都区制度の見直しの議論が実質的に、本当に生産的に、建設的に進んでいくのかというと、このやり方でいいのかなという疑問があります。
 例えばこの指針の中で、自治制度懇談会の議論のまとめと称して、指針とは直接関係がありませんよというような装いをしながら、一方で都区財政調整制度はなくす方向で考えるべきであるとか、十二年度の都区制度改革において残された課題について議論を行っているが、そのすべてを解決するという過程を経ずに、特別区を普通の基礎自治体にしていくべきという議論もあり得るとか、確かに委員の先生がいったことかもしれないけれども、わざわざ一緒の冊子にして議論のまとめと称してあわせて発表すると、これが何らかの意図を持ったものであるというふうに特別区側から受けとめられても仕方がないやり方なんじゃないかと、こういうことになるんじゃないかということを危惧して、知事本の事務事業質疑のときにこの話をさせていただきましたけれども、本当にこのやり方で都区制度の抜本的な見直しが建設的な方向性で進んでいくのか、本当に気になるところであります。
 その意味で伺いますけれども、指針で述べられた都区制度の見直しをどのように都としては具体化していくつもりなのか、区側とも今後十分な協議が必要と考えられますけれども、都としてはどう考えているのか、伺います。

○島総務局都区制度改革担当部長 東京都といたしましては、都区制度の抜本的な見直しを含めます自治制度のあり方については、答弁にもございましたように、道州制の議論など国の動向を踏まえながら、東京自治制度懇談会において、十八年中を目途に検討を進めていくことになると思います。今お話のように、現実に制度を見直すということになれば、当然、一方の当事者である特別区と協議を図っていくことは必要であるというふうに考えております。特別区側も今は、先ほどご質問にありました特別区調査会という形ではありますが、都区制度の転換という考え方を今申し上げました内容で打ち出しておりますので、今後とも特別区とは幅広い議論を十分していきたいというふうに考えております。

○柿沢委員 幅広い議論、結構だと思いますし、私は先ほど申し上げたように、この種の議論が行われるべきだと思っている立場ではありますけれども、それだけに、双方のいいっ放しで、結果として意見が対立して前に進まなくて今までどおりということになってしまっては意味がないわけです。そういう意味で、十分な合意を得ながら、それぞれの意見を交換し、その上で新たな東京における自治制度の構築ということに邁進していっていただきたい。これは期待を申し上げて、私の質疑終わらせていただきます。

○田中委員 長時間お疲れさまでございます。私が最後の質問者となりましたので、もうしばらくおつき合いをいただければと思います。
 国会には三人の銅像と二人の胸像があります。三人の銅像というのは、憲法制定と国会開設に功労のあった伊藤博文、それから、我が国で初めての政党中心内閣をつくった大隈重信と板垣退助であります。二人の胸像というのは、憲政の神様と今も語り継がれている尾崎行雄、そして私の師、議会の子といわれている三木武夫であります。とりわけこの五人の近代我が国の政治の中で功労のあった人の中でも、東京都の関係ということでいうならば、最も関係のあるのは尾崎行雄といえるかもしれません。
 ちょうど今から百年前、日露戦争の勝利に沸いたころでありますが、多分私の記憶が正しければ、その当時の東京の市長というのはたしか尾崎行雄でなかったかと思います。尾崎行雄といえば、数々の名演説を残しました。今でも有名なその一節は、第一次護憲運動のときに、当時の桂太郎内閣に対する弾劾演説、その一節をご紹介申し上げるといたしますが、玉座をもって胸壁となし、詔勅を弾丸にかえて敵を倒さんとするものだ。玉座というのは、天皇陛下のことであります。胸壁というのは、天皇の威をかりて自己保身を図り、天皇の意思を敵を倒す鉄砲の玉にかえて利用する、そういう政治手法はけしからぬということを弾劾した有名な演説の一節であります。つい先ごろのどこぞの自治体の状況と重なり合うものが連想されるのは、私だけではないかもしれません。
 さて、その尾崎行雄は、実は東京市長を務めていた時期がありましたけれども、明治二十三年、我が国で初めて衆議院の総選挙が行われましたけれども、それ以来、一貫して六十数年、たしか私の記憶が正しければ、昭和二十七、八年の総選挙で落選するまで連続当選を続けていた現職代議士でありました。選挙区は、一貫して三重県の選挙区で闘ってきた。その尾崎行雄が東京市長を務めていたというのは、戦前の制度をまさに象徴していることではなかろうかというふうに思います。
 この指針の中の最初の冒頭三ページ、指針策定の基本認識ということで、まさに「明治に入り、『欧米に追いつき追い越せ』を国家目標に、近代化を目指す過程で、国家を中心とする中央集権・官治の統治システムが確立した」とありますが、戦前の我が国の地方制度というのは、自治という概念よりも、むしろ近代化を進めていく統治システムということであったんだろうと思います。
 六十年前、我が国がさきの大戦に破れて、新しい今の憲法が制定され、同時に現在の地方自治法が制定された。その中で初めて我が国に地方自治の理念というものが市民権を得たというふうにも理解できるのではないかと思います。まさに戦後の自治制度の象徴は、首長が公選で選ばれることになったということだろうというふうに思います。
 さて、そういう制度改革を経たわけではありますけれども、指針の冒頭、次に書いてあるように、「戦後においても事情は変わらない。むしろ、こうしたプロセスがさらに強力に繰り返され、右肩上がりの拡大型経済社会の下、公共の秩序維持や安全の確保から、福祉をはじめとする各種サービスの供給に至るまで、行政が広範な役割を担ってきた」と。そして、そのシステムの中心になってきたのは、やはり制度は変わったけれども、中央集権・官治の統治システムであったんだと、こういうことであろうかと思います。
 さて、今般、社会問題として大きく世間を騒がせている、あの偽造設計の問題であります。あの問題を私も詳しくすべてを承知しているわけではありませんけれども、建築確認の事務は自治事務であると、こういわれているわけであります。都知事は記者会見あるいは本会議の答弁の中でも、再三、国の責任追及という立場で言及されております。その主張は主張として、私たちがそこできちんと確かめて進めていかなければならないのは、国がお金を払うべきだ、国に責任があるんだ、第一義的には国なんだといった場合に、その法理論は一体どうなっているのか。どういう法理論のもとでそれが第一義的に国だということを東京都がいっているのかということであります。
 自治事務という言葉をそのまま受け取る一般の国民、都民の印象というのは、その事務に対する第一義的な責任がその自治体にある、あるいはその事務についての権限については、基本的にその自治体が持っているんだと、自治事務という言葉が連想させる言葉のイメージというのは、まさにその事務の、自治体の独立性とか自立性というものをその言葉があらわしているというように一般には受けとめられるのではないかというふうに思います。ところが、国の法律で事細かくその実務について決められている場合は、自治事務といっても、実際に自治体の裁量権というものが一体どこまであるのかということは、さまざま都政の中でも議論がなされているところだろうというふうに私は思います。
 さて、偽造問題について、一体どういう法理論で、どういう考え方、解釈でもって、第一義的に責任は国にあり、あるいは東京都はその中でどういう立場にあり、どういう責任で、あるいはこういう設計会社にはどういう責任がある、こういう施工業者にはどういう責任がある、こういうことをきちっとこれから解明して説明を我々は受けなければならないとともに、また新たな問題が次から次にと起こってくる。今度は検査機関が民間でなくて、実は検査をしたのは自治体であったということの問題点が明らかになったときに、最初に示した法理論の中で、今度はそれに照らしたら、それでも国に第一義的な責任があるのか、その場合は自治体に責任があるのか、一体それはどれくらいの割合のものなんだろうかということをこれからきちっと解明していかなければならないということだろうと思います。
 ここは総務委員会なので、そのことの研究については、別のところにお譲りさせていただくといたしまして、私が今申し上げた自治事務というのは、実際に一体今どういう状況に置かれているのか。もし仮に、自治事務なんだけれども、全部国に責任があるんだとすれば、かつて信用組合の破綻に際してさまざまな議論が行われた経過の後、分権の議論の中で、その金融機関に対する指導監督という権限は国に返したという経過がありますけれども、もし何にも自治体に裁量がないのに自治事務ならば、将来ともこれが自治事務として、東京都の事務としてあることがいいのかいけないのか。あるいは自治事務というふうにいうからには、その事務の内容について、自治体がしっかりと責任を持てる法体系というものをきちっとつくってくれなければ、自治事務といったって自治事務でないということが、私は、新たな次から次の問題が発生してくる、影響してくるんじゃないかというふうに思うんです。
 さて、今、我が国の政治はいろんな問題を抱えておりますけれども、これから中長期の我が国のあり方を見据えて、最も重要な問題の一つになるであろうと思われるのは憲法の問題であろうというふうに思います。さて、憲法の議論というのは、常に憲法九条、自衛隊の問題、海外派兵の問題ということに議論が集中しがちでありますけれども、我々自治体の議会に籍を置く者として、また、自治体の政治の一端に責任を持つ者として、憲法の議論の中で一体分権というものをどのようにして位置づけていくかということは大変関心を持つ内容であります。
 そこで、私はこのように考えているわけでありますが、今日、平成十二年に四百七十数本の関係法令、地方分権一括法が制定され、地方自治体の長を国の下部機関として扱い、事務を所管する国の省庁に包括的な指導監督権を認める機関委任事務を廃止して、地方公共団体の処理する事務を自治事務と法定受託事務に区分することとなったというのは皆さんご承知のとおりでありますが、これにあわせて、国の地方自治体に対する関与は法令によらなければならないと規定するとともに、個別法に定める関与についても一部廃止、縮減が行われました。しかし、先ほどから申し上げているように、いまだに設置基準等の政省令や個別法の定める国の関与というものが多く残されているために、地方公共団体の自由度というのは極めて制約されている。自治事務という言葉が持つ独立や自立といったイメージとは大きくかけ離れているというのが現状であります。
 加えて、国が地方の意向を全く無視して法律を成立した場合の対抗手段というものを自治体の側が全く持っていないということは、致命的な分権への大きな障害になっているんじゃないかというふうに私は思います。
 日本の国会は二院制であります。二院制の片方が例えば地方代表で構成されているという院であったと仮にするならば、国会で通る法律というのは、ある意味で地方の合意を得たものとして立法されるということになるでしょうが、しかしながら、今の二院制は、参議院は衆議院のチェック機関だというふうにいわれていますけれども、実際に参議院の役割というものは、そういう役割が本当に果たされているのかというのは常々いわれていることです。政党の中でも参議院の候補者を衆議院が選んでいる限り、チェックするなんていったって限界があるだろうと私も思いますけれども、これも一つ、憲法改正の中での重要な議論になっているというふうに思います。
 いずれにしても、分権をいかに拡充していくか、一つの切り口として地方の仕事を自治事務と法定受託事務に分けたなら、自治事務に関する国の立法について、地方からきちんと物をいえる、あるいは歯どめをかけることができるような制度改革というものを大きな国の議論の中で起こしていくということが必要なんじゃないか。例えば二院制の中で一院を地方代表という形にするのか、これは将来の道州制構想の中でも関連してくるかもしれません。あるいは国会で通った法律の中でも、知事会やあるいは市長会や、そういった地方の代表者の機関が了解をしなければ、少なくとも自治事務についてはそれを施行できないというような仕組みができれば、これは地方分権にとって大きな前進になるだろうというふうに私は思っています。
 そういう観点から、憲法改正の論議が盛んに行われている現在、地方自治体の代表である東京都の主導で地方の自治権を拡充する仕組みを最高法規である憲法に盛り込むように問題提起し、また、全国知事会には憲法問題に対応する機関も、研究会も設置されたというようなことも聞いておりますけれども、そういった取り組みを始めていってはいかがかなということを本会議の場で聞いた方がいいのかもわからないけれども、しかし、実務を担っていらっしゃる皆さん方に一度お尋ねしてみたいと思いまして、大変貴重なお時間でありますが、数時間待たせていただきましたので、ご答弁いただければありがたいと思います。
 以上です。

○秋山自治制度改革推進担当部長 ただいま田中委員の方から種々ご提案いただきましたけれども、地方自治権の拡充についてということでお答えしたいというふうに思っております。
 委員ご指摘のとおり、地方分権一括法で機関委任事務が廃止されたということでございまして、自治事務ができましたけれども、実際には政省令による規制、それから、自治事務といいながら、国庫補助金、さらには国の義務的経費である国庫負担金まで自治事務に対して支出されるという、全く役割分担や区分が不明確なままでございました。そういったことから、例えば地方では補助負担金を廃止して自治権を拡充しようという三位一体などの動きも起こってきたということになってございます。
 東京都といたしましては、国の関与の廃止、縮小が進まないというのは、国と地方の本質的な役割分担が不明確なままであるということが極めて大きな原因だということで常々ご主張させていただいております。そのため、国の果たすべき役割を真に国家存立の事務に限定した上で、地方が実施する事務につきましては、条例にその根拠をゆだねることで自治権の拡充が図られるのではないかというふうに考えております。また、数多く残されている設置基準等の政省令、個別法による国の関与の撤廃もあわせて行うことが重要と認識しております。
 また、全国知事会におけます憲法問題小委員会のお話が今出ましたけれども、東京都としても必要な時期に検討して、知事会の中で必要な意見は適宜発言していきたいというふうに考えております。

○田中委員 きょうは問題提起をさせていただいて、このことについては、またこれからの議論にゆだねていきたいと思いますが、最後に、きょう私もいろいろな議論を聞かせていただきましたが、一つ私がちょっと気づいた点がございましたので、意見として申し上げて終わりたいと思います。
 行政改革の一つの柱として、民間活力の導入ということがあり、それも一つの理屈だと思います。それも一つの改革だというふうに思います。人事についてもそうかもしれません。しかし、日本の歴史をひもといたとき、今、受験戦争などということがよくいわれます。そのもとになったのは何かといえば、例えば公務員試験、国家公務員の上級試験であったり、あるいは、さっきのうちの政調会長も東大ですけど、東大閥なんていう、要するに東大に入ることを目指して、子どもが受験競争をやるようになったと。これをそもそもひもときますと、何でこういうことが起こってきたかというと、近代化を進めていこうと思って明治維新を起こした。明治維新を起こして、みんな夢を描いて新しい国づくりに取り組んでいったところが、新しく誕生していった明治政府というものが薩摩と長州という人脈に全部牛耳られていったという不満が非常に強かった。初代総理大臣伊藤博文、長州でしょう。二代目黒田清隆、薩摩です。三代目山縣有朋、長州、四代目松方正義、薩摩、五代目伊藤博文、長州、六代目松方正義、薩摩、七代目伊藤博文、長州、八代目になってようやく大隈重信ですよ。佐賀の人でしょう。九代目が山縣有朋かな。十代目が伊藤博文、桂太郎、長州、それから西園寺公望、桂太郎、西園寺公望、桂太郎と桂園時代というふうにつながってきますが、たしか明治期において十四人の内閣総理大臣のうち、八人ぐらいが長州出身じゃなかったかと思いますよ。
 というような状況であって、これを何とか改革しなきゃならないということがあって、陸奥宗光だとか原敬という人たちが、農商務省の新しいお役人を登用するときには、例えば帝国大学卒の成績優秀順番に採用しろとか、それから、外交官の試験をちゃんとやって、親がどこの出身だとか金持ちだとか貧乏だとか、そういうことではなくて、成績優秀順にすべての平等な公平な人事を試験制度でやるべきだということが公務員制度の始まりなんですよ。
 だからこれは非常に、日本が近代化していく上で試験制度というのは重要な役割を果たしたと私は思います。しかし、世の中に完璧な制度というものはそうあるものではない。長時間、何年も、百年もやっておれば、やがてそれは、例えば画一的な、硬直的な組織や人ということになるかもしれない。そういうことをいかにどうやって工夫をして、所期の目的だった活力をまたそこで注ぎ込んでいくかということが私は行政改革だというふうに思います。
 だから、民間の人を登用するのも一つの刺激策としていいでしょう。しかし、政調会長が先ほど申し上げたように、そうすればするだけ失敗例も数多く出てくると私は思う。ということは、逆にいい試験制度を追求して、そこで登用していった公務員がいかに民間の感覚をきちんと吸収して、その時代時代に合ったような仕事ぶりができるように環境整備をしていくかということが、公務員制度を考えたときに、それが本筋だろうというふうに、私は私の考えですが、思います。
 ですから、私の考え、意見を申し上げて、どうかこれからの行政改革の意見があったということでひとつご留意いただければというふうに思います。また別の機会で大いに議論したいと思います。
 どうもご清聴ありがとうございました。

○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で知事本局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時二十五分散会

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