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Tokyo Metropolitan Assembly

総務委員会速記録第二十号

平成十四年十二月十三日(金曜日)
第五委員会室
   午後一時七分開議
 出席委員 十五名
委員長名取 憲彦君
副委員長倉林 辰雄君
副委員長大西由紀子君
理事山下 太郎君
理事藤井  一君
理事松本 文明君
矢島 千秋君
長橋 桂一君
酒井 大史君
古館 和憲君
野田 和男君
橋本辰二郎君
鈴木 一光君
山崎 孝明君
木村 陽治君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本部本部長前川 燿男君
外務長田邊 隆一君
次長森澤 正範君
技監石河 信一君
企画調整部長渡辺日佐夫君
秘書部長今里伸一郎君
政策部長村山 寛司君
政策担当部長石井 恒利君
企画調整担当部長中田 清己君
特命担当部長高島 茂樹君
危機管理調査担当部長金子正一郎君
国政広域連携担当部長熊野 順祥君
首都調査担当部長関口 栄一君
自治制度改革担当部長幡本  裕君
国際共同事業担当部長高橋 道晴君

本日の会議に付した事件
 知事本部関係
  報告事項(質疑)
  ・重要施策及び平成十五年度重点事業の策定について
  ・平成十四年度行政評価結果について

○名取委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、知事本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより知事本部関係に入ります。
 これより報告事項、重要施策及び平成十五年度重点事業の策定について外一件に対する質疑を行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際、資料の要求はいたしておりませんので、直ちに質疑に入ります。
 発言を願います。

○矢島委員 行政評価について、若干お伺いいたします。
 状況の変化の激しい中では、常に施策の見直しが重大な課題でありますし、また、しばらくは財政の逼迫が続いてくることになるでありましょうし、この基礎をなす行政評価というのは、極めて重要な位置を占めると私は認識しています。
 今回の行政評価も、所管局一次評価、積極的推進二十一が、知事本部二次評価では三、同様に着実実施が、二十が二十一、見直し七が十七に、抜本的見直し、休止、廃止、合計ゼロが七と。主管局が必要であるから予算を要求し、そして、それが認められて予算編成がなされた事業だけに、行政評価の存在意義を示しておるように思います。特に、限られたスタッフでよく切り込んでいたんではないかと評価をいたします。
 まず最初に、行政評価制度設計の中で、監査との性格の違い、また予算査定などの評価との違い、そしてその意義がどのように考えられ、実施に至ったかをお伺いいたします。

○高島特命担当部長 まず、監査業務との違い、それから予算査定との違いという点でございます。
 監査業務につきましては、もう既に先生方ご案内のように、地方自治法に基づきまして、知事から独立しました立場の監査委員の方々が、都が行っておる事業につきまして、効率的、効果的、経済的に運営されているかどうか、また特に、コンプライアンスといいますか、財務会計事務を中心とした法令遵守が行われておるかどうかを検証するものであろうというふうに理解しております。
 一方、これも既にご案内のことでございますが、行政評価制度につきましては、東京都の行政評価規則に基づきまして実施するものでございまして、都政における政策立案、事業執行、検証・評価、見直し、こういうプラン・ドゥー・チェック・アクションサイクルをもう一度見直し、成果重視の都政を実現していくためのツールであろうということを考えております。
 両制度、基本的に趣旨が異なっておりますが、ただ最近は、監査業務の方も政策的な判断といいますか、そういうものに広がってきております。そういう意味では、両制度お互いに補完しつつ機能することにより、より効果的な都政の運営が確保できるんではなかろうかなと思っております。
 具体的な今年度の例で申し上げますと、地方卸売市場に対する助成事業につきましては、過去監査の方でご指摘いただいた内容が実はございまして、その監査結果を踏まえてさらに見直ししたというようなこともございまして、そういう相互の連携を今後とも図ってまいりたい、かように考えております。
 それから、予算査定との関係でございますが、先生方もご案内のように、予算査定につきましては、おのずから新規事業を中心に、マンパワーといいますか、政策判断がなされているというのが実情でございまして、継続事業につきまして、その事業の効果、事業の対応等々につきまして、改めて予算編成中において検証するというのは、これは物理的にも時間の関係でなかなか難しゅうございます。
 そういう意味では、行政評価の事務事業の見直しにおきまして、事後評価という形で、既に予算がつき、そして実施が行われている事業について、改めてもう一度見直す、そして、その事業の必要性、効果、多岐にわたる点について検証を行い、今後のその事務のあり方について検証するという形で、行政評価制度が予算査定を補う形で機能していく、また機能させていかなくちゃいけないんじゃなかろうかなというふうに思っております。
 それから、その観点の中におきまして、この行政評価制度、特に予算の執行と違いまして成果重視ということで、具体的にどういう成果が生まれてきたかということに力点を置いて考えていく必要があるんだろうというふうに思っております。そういう意味では、この行政評価制度におきまして、予算査定、監査委員の監査等と連携を図りつつ、今後の都政の事務事業のあり方、方向性を示していきたい、かように考えております。

○矢島委員 地方自治体が法令の時代といわれて久しいわけでありますし、また、かつての高度成長のころの右肩上がりの時代から、決算の時代に入ってきたというふうにいわれている中では、非常に重要な位置を占めている内容だろうというように思います。今まで欠落していたところを十分補ってきている部分と思います。
 行政評価は、今申し上げたように、限られたスタッフで同じ都の職員が行う、予算査定や監査と同じ課題を抱えてのことでありますけれども、行政施策のPDCAのサイクルの中で、常に見直しを続けるところに意義がある、一回やって終わりのものではなくて、そこに大変重要な意義があると思います。
 現在の行政評価のボリュームは、この評価書の報告書を見ますと、年間五十件。仮に一億円以上の事業であっても、あるいは一千万円以上の事業であっても、それをカウントすると、全体を網羅するのに何年でできることになるんでしょうか、これをお伺いいたします。

○高島特命担当部長 事業の数え方というのは、正直なかなか難しゅうございます。例えば、具体的なことでお話し申し上げますと、昨年度の行政評価では、主に監視業務ということで、監視業務という視点での事務のくくりをしておりました。今年度は補助金の見直しということで、補助金自体の事務事業ということでその事業経費をくくっております。そのように、ご理解いただけると思いますが、切り口によりまして、事務事業の幅、大きさというのは変わってまいります。
 そういう意味では、どのような切り方をするかによりまして、都政全体の事務事業の数え方も変わってまいりますので、なかなか難しいと思いますが、ただ、常識的に我々が一つの事務事業の単位と考えるもの、予算編成上使われておるような事務事業でいきますと、恐らく数千項目に上るんではなかろうかなというふうに思っております。
 そういう意味では、先生のご質問に対して的確なお答えになりませんが、できるだけ多くの事業の中で、都民のニーズに合った、そして必要な、行政に求められているもの、住民の方々が関心を持っているもの、そういうものを中心に選考し、この行政評価制度を運用してまいりたい、かように考えております。

○矢島委員 行政評価の位置づけが、今の人の削減、予算の減少の中でやるとすれば、それほど大きなボリュームに持っていきにくいのは当然のことでありますから、そうなると、現在の限られたスタッフの中で、限られた内容でやっていくのも仕方ないかというふうに思わないこともありませんが、ただ、行政評価自身の意義を考えてきたときに、違う答えが出てくるように私は思います。
 とりあえず次の質問に移りますが、執行評価である行政評価制度の信頼性は、やはり知事がいつもいわれるように、東京都が持っている現場をどのように評価をしていくかということになろうと思います。現在の担当スタッフの規模、行政評価の具体的評価方法、インカム評価とかいろんな評価の仕方がありますけれども、具体的指標についてまず伺います。
 また、行政評価は、それを進める限り、事業組織のあり方、仕事の進め方の評価も当然ながら対象になってくると思います。つまり生産性ということになろうと思いますが、この点の評価はどうなっているんでしょうか。

○高島特命担当部長 まず、現在の担当スタッフの規模でございますが、今年度におきましては、課長一名を含みます職員九名の体制で、産業政策というテーマにつきましての政策評価と、補助金行政を中心としました四十八の事務事業評価を実施したところでございます。
 それから次に、具体的な実施方法でございますが、これにつきましては、一次評価としまして、まず事務事業の所管局の方で評価していただきまして、それを踏まえまして、私どもの方、知事本部におきまして、行政評価主管局として第二次評価をあわせて実施しまして、その内容を充実しているところでございます。
 それから、具体的な進め方でございますけれども、第二次評価につきましては、先ほど先生お話しの現場主義ということもございますので、担当部局からのヒアリングのみならず、私どもの担当職員が実際の現場を視察いたしまして、直接の評価対象に限らず周辺情報も含めて幅広く情報収集し、また、いろいろな方々からご意見を伺い、その中で事務事業の概況、事業費、達成度等の報告等も受け、その内容、事業の実績、必要性、効率性、そういう多々な観点から精査し、評価を実施しているところでございます。
 それから、次のご質問としまして、生産性ということでございます。これは、直接、評価の中で生産性をはかる方法もございませんが、ご指摘いただいていますのは、恐らく、事業運営するに当たりまして、組織体制が必要ということで、いわゆるマンパワー、人件費、この問題についてどう考えているかということでございますが、これにつきましては、人件費を含めました総経費を出しまして、その総経費で評価の判断材料とさせていただきまして、いわゆるインプット、投入している費用を人件費を込みで判断し、その実績との対比で、費用対効果、費用対便益分析、そのようなものを行うような形で判断させていただいています。

○矢島委員 評価の方法については、民間も含めまして、学ぶところが大変多いと思います。ですから、今の出てきた中でも、常に発明をしていただきながら、よいところを取り入れていただきながら、目的は、政策自身が果たして都民の皆さん、そして、現実のニーズにしっかり対応しているかというところにあろうかと思いますので、その点の評価の基準をしっかり明示をしながら、わかりやすくぜひ進めていただきたいと思います。
 現在、評価結果は、毎年十一月ごろ、今回も同じように公表されて、行政評価結果を踏まえた見直し要求が翌年五月に報告をされています。しかし、公表という情報の提供だけでは、行政の縦割りのメニューにすぎない。ですから、数千あるという項目のうちのわずか五十、六十しかできない中では、やらないよりいいということになるでしょうけれども、やはりメニューの一つにすぎないことになりますし、現実にその対象も、テーマを絞って行う、全体から見ればごくごく一部の行政評価ということに当然ながらなります。
 問題は、どれだけ広く行われて、そして、その行政評価を生かすためには、行政のサイクルにどれだけルーチン化されているかということになろうと思います。具体的に現在、どのような流れの中でこの行政評価は活用され、また、このルーチンについてはどのように考えるか、伺います。
 もう一つは、もうスタッフ部門は、目に見える利益を生まないだけに、民間会社でもそうですが、縮減の対象になっていく、そういうことになろうかと思います。しかし、行政評価制度自身は、予測と対応の基であります政策のスクラップ・アンド・ビルドの基礎をなすものですから、その効果は、寄与効果数値をカウントできるんではないか、私はこのように思います。
 今回の報告の行政評価は、果たして数値化するとどの程度の行政効果と考えられるか。非常に大ざっぱな話ですし、見方、考え方によって数字も違ってくるところで、質問自身ちょっと無理があろうかと思いますが、やはり、スタッフ部門が存在感を示すには、この効果をこういう形で示していかないと、なかなか広く理解していただけない、私はそういう面があると思いますので、あえてお聞きいたします。

○高島特命担当部長 ただいま委員より貴重なご指摘を賜りました。いわゆる、単に行政評価を評価しているだけじゃなくて、その評価を行政の中に内在化させていくことが必要じゃないかという貴重なご指摘を受けましたが、まことにそのとおりだと思います。
 この行政評価制度の目的につきましては、業績重視の結果重視といいますか、成果重視の行政を展開させていく、それから、より効率性の確保された行政をつくっていく、それから、住民に対して情報公開し、説明責任を果たしていく、多々あると思いますが、行政に内在化させるという意味で一番大事な点は、やはり職員なり組織の意識改革を図っていくことではなかろうかと思っております。
 この行政評価制度という一つの手法を使いまして、我々職員一人一人が、また組織全体として、漫然と事務事業を執行するんじゃなく、絶えず問題意識を持って、そういう意味では、絶えず日ごろのルーチンの作業の中でこの行政評価という視点を持ちながら業務をし、そして、本来であれば、こういう行政評価と改まったことをしなくても、通常の業務の中で改善がなされていく、それが理想的な形態だろうというふうに思っております。
 そういう意味では、試行を含めましてもう四年ほどになりますが、この行政評価制度の都庁内における実施におきまして、職員の意識改革も、完全とはいいませんが、かなり進んできているんではなかろうかなというふうに思っております。
 具体的にそういうものを担保する観点から、評価をしっ放しということではなく、評価をしたものにつきましては、翌年度そのフォローアップということで、各部局にさらに事務事業の見直し状況調査をしております。そういう意味では、また各部局において、その段階で評価を踏まえて現行の業務について考えていただく機会を提供しております。また、それを都民に公表するということを行っておりますので、そういう意味では、また各部局において都民に対する説明責任を果たしていただく機会に使わさせていただいております。
 いずれにしましても、この行政評価、また、評価自身が評価を自己目的化するわけではなく、行政の改革につなげていけるよう努力していく必要があることはご指摘のとおりだというふうに思っております。今後とも努力してまいりたい、かように考えております。
 それから、これはなかなか難しいご質問でございますが、今回の行政評価におきまして、どの程度の数値的な、財政的な寄与効果を中心としたそういうものが考えられるのかというお尋ねでございますが、これは、見直しの内容が必ずしも定量的な見直し内容を求めているものではなく、やはり定性的に今後の方向性を示しているものでもございますので、今後、それぞれの事業部局において、見直し内容を具体化することによって具体的な事業費が出てまいるということもあろうかと思います。
 そういう意味では、直ちにこの場で今年度の行政評価の私どもが指摘したこの事務事業の見直しの項目に対応した数値を申し上げられませんが、ちなみに、フォローアップの際には、実はそういう数値をとらさせていただいております。
 これを一つご報告させていただきますが、昨年度フォローアップを実施いたしまして、ことしの五月公表いたしました平成十一年度、十二年度の評価結果を踏まえました見直し状況では、十事業ほど廃止、休止等になった事業がございますが、この対象になった事業の予算現額を比較しますと、約三億四千万円ほど減額になっておるという形で、フォローアップの際に具体的なそういう数値を出し、それを我々自身が確認するというようなことも行ってまいります。
 引き続き、こういう定性的な視点のみならず、定量的に、先生が今ご指摘になられましたような点につきまして、今後とも留意してまいりたい、かように考えております。

○矢島委員 行政評価の部門は、企画セクションである知事本部に置かれておりますが、企画策定をやる知事本部自身の性格が、行政評価をてことして活用することによって、政策、施策の企画力がより強化されてくるんではないか、私はそういうふうに思います。各局の事業は自己申告であるわけですから、自己評価は当然でありますし、それだけに、各局が行う一次評価は全事業に義務化して、ある水準以上の事業は二次評価を行うべきだ、私は、本来の目的からいけば、そうあるべきだと考えます。
 情報の集積と処理は、電子自治体の得意わざで当然ながらありますし、人の問題は、外部専門組織の手をかりる方法も当然ながらあります。また、評価の情報は、議会審議の貴重な材料にもなる、このようにも思います。お考えを伺います。

○高島特命担当部長 行政評価につきましては、先ほど委員の方からご指摘ありましたように、行政にルーチンとして内在化させて、職員の意識改革を通じて、常日ごろこういう改革的な物の見方をしていくことを植えつけていく必要があるんじゃなかろうかということだろうと思います。そういう意味では、今お話がありましたように、一部の事務事業のみならず、各部局で行われているすべての事務事業について、自己検証、自己改革をしていただくことは大事だろうというふうに思っております。
 そういう意味では、今、一次評価を各部局で行いまして、二次評価を私ども行っておりますが、究極的な理想の姿としましては、これも委員ご指摘のように、各部局において、通常の業務処理の中において、この行政評価の視点で不断の見直しを日常的に行える状況をつくっていくということが最終的な理想の姿であろうというふうに思っております。
 ただ、ひとつご理解いただかなくてはいけないのは、先ほど申しましたように、事務事業のくくり方と申しましても、切り口によっていろいろございます。昨年は監視業務、ことしは補助金行政、そういう一つの業務でも多面な視点がございまして、なかなかそういう意味では、事務事業の体をどうとらまえるか、そして、各部局においてどういう問題意識でそれを自己改革として評価していくか、そういう点について今、実は内部で検討しているところでございます。
 そういう意味では、委員のご指摘も踏まえまして、できるだけ評価自身を行政過程におけるシステムにおいて内在化させ、そして、本当に日常的に自己改革がなされる形に持っていきたいと私どもも思っております。
 そういう意味では、全部局において、全事務事業について、何らかの形で毎年度行政評価を行えないかということでございますが、これはひとつ検討課題とさせていただきまして、引き続き勉強させていただきまして、ただ、究極的な理想の姿としては、委員ご指摘のとおりでございますので、私どもも、この行政評価についての今後の拡充について格段の努力をしてまいりたい、かように考えております。
〔「部長、ルーチンというのを、ちょっと説明してくださいよ」と呼ぶ者あり〕

○矢島委員 質問、ルーチンを説明してください。

○高島特命担当部長 済みません、先生のご質問にあったものですから、私もそのまま--結局、日常業務といいますか、通常の業務の中でということで、ルーチンという言葉を使わせていただきました。(「日常業務をルーチンと呼ぶの」と呼ぶ者あり)はい、そういう形を使わせていただきます。ですから--そういうご趣旨でございます。よろしくお願いいたします。

○矢島委員 必要なことは、やはり行政のあり方というか、企画部門がどういうふうに考えるかということになろうという面でお話をしておりますけれども、一番重要なことは、やはり各事業局の方で企画力を持っていかなきゃいけない、ここの重要なところもあろうかと思います。
 そのためには、自分で申告するだけで終わりではなくて、ここで予算要求するだけではなくて、終わった後の自己評価がやはり一番重要なことになろう、それが自分自身の力を高めることになりますから、全体としてやはりやっていくことが、結果としては自分に戻ってくるということになるわけでしょうから、こういう観点からの取り組みはぜひ強化をし--研究と努力はやらないとどこかの本にも書いてありましたけれども、そういうことのないように、ぜひよろしくお願いいたします。
 それから、行政の縦割りは、非常に厚い壁があります。ですから、行政の担当部局がわずか九人でやっている中では、非常に健闘していると私は評価をいたしますが、ただ、それが全体的に広がっていくには、それは知事本部の仕事だよ、担当部署の仕事じゃないといわれかねないところが当然ながらあろうと思います。必要性を認識しても、全庁的な行政評価の実施というのはいろんな意味で困難なところがあろうかなと思わないこともありませんが、やはりこれは、必要性を認める限りにおいては、最後は決意と努力と方法ということになろうと思いますので、この辺の決意を本部長の方からお聞きをさせていただきたいと思います。

○前川知事本部長 ちょっと私からは視点を変えてお答えしたいと思いますが、評価と一口にいいましても、私の考えでは、いわば技術的な評価と政策的な評価、価値判断と両方あると思います。しかもこれは絡み合っている。その場合に、実際に、我々行政ですから、全体の利益を代表しながら具体的な評価をし、判断を下し、また実践をしていく。それは、ある意味では行政の全体の活動そのものであり、また、私ども知事本部については、特に知事本部の活動そのものであろうというふうに考えております。
 しかも、その場合に、最終的に判断を下すのは都民の方々であるのは当然ですが、そしてまた、都民の審判を受けた議会の議員の皆様であろう。議員の皆様は、日常の住民との接触でいろんな形の情報を集められ、切実な要望に接せられ、そういう意味では、一番いわば行政の評価、政策の評価をするお力があるわけでありますから、そういう議会での議論、討論を通して最終的に決めていくのがまさに行政評価であろうというふうに考えております。今議論をいただいた行政評価は狭い意味の行政評価であって、私どもが、仕事の中で行政的な合理性という視点から、あくまで政策の有効性とか効率性とかを判断をしていく、それについては、一つの材料として議会なり都民に提出させていただいて、そこで議論をいただき、そして決めていくということであろうと思います。
 ですから、全体の評価という意味では、先ほど冒頭に申し上げましたように、私の実感でいっても、日々、仕事を通じて各局を調整し、また議会と議論をし、またある意味ではマスコミとの議論をする、そういう中で、全体についてはやらせていただく。そしてまた、今申し上げた狭い意味での行政評価については、これはできるだけ合理的、合目的的に努力をして、都民、議会の皆様の判断の材料として活用していただきたい、こう考えております。

○矢島委員 今回の質問は、あえて第三者評価の問題とか、都民の情報公開とか、そういうことを避けさせていただいて、行政の中でのあり方のお話をさせていただきました。ですから、知事本部長のいわれることは、よく私も認識をしております。ですから、あくまで行政組織の中の効率性と妥当性、そして、その意義について申し上げましたので、これは誤解のないように一言申し上げさせていただいて、認識は同じだということを確認をして、質問を終わります。ありがとうございました。

○長橋委員 私の方からも、まず初めに、行政評価についてお伺いをしたいと思います。
 平成十一年から、試行期間二年を含めて、本年本格実施二年目でございまして、都合四回の評価を重ねてきたわけでありますけれども、都民への説明責任、こういうのを果たしていくということが大きな使命でありますし、そしてなおかつ、都民にわかりやすく、また実効性のある制度にしていく、これを知事本部としても積み重ねてこられたと思いますけれども、そこで、まず最初に、この行政評価制度につきまして、都民の声を踏まえて、この四年間、どのような改善を行ってきたか、お伺いをいたします。

○高島特命担当部長 この四年間における改善の内容というお尋ねでございます。
 平成十一年度の試行開始以来、都民にとってわかりやすい評価となりますよう、寄せられた意見を踏まえまして、評価票の様式でございますとか、結果の公表方法の改善を行ってきたところでございます。
 試行結果に対するご意見としましては、政策評価票がわかりづらいというご意見がございましたので、平成十三年度の本格実施に際しましては、図やグラフを活用しまして、わかりやすい現状分析、評価となるよう、全面的に改定を行ったところでございます。
 それからまた、評価結果の公表につきましては、地元区などの図書館で冊子を読めるようにしてほしいというご意見に基づきまして、平成十三年度から区市町村の図書館にこの結果を送付させていただいております。
 それから、インターネット上での結果公表や意見募集につきましても、試行当初から行っておりますが、これにつきましても、見にくいというようなご意見もございまして、平成十三年度に全面的な改定を行いまして、見やすくいたしました。
 それから、今年度は特にアンケートの様式を変更いたしまして、今後行政評価で取り上げてほしい分野を尋ねるなど、そういうより幅広くかつ具体的な意見を取り入れるよう改善を行ったところでございます。

○長橋委員 今年度から図書館でも見れるようになったということで、改善を図ってきたというのはわかるわけですけれども、もっともっとわかりやすい、また、本当に目につくような形で都民に示していただければ、ますます改善が必要なところは、まだ考えればいろいろあると思います。
 テーマの選定でございますけれども、これもやはり都民の視点に立ったテーマ、この選定が大事であると思いますし、今回の政策評価は、産業政策ということで、昨年の道路交通の円滑化とか、ヒートアイランド現象の緩和と違って、かなり大きなテーマであります。
 そこで、今回の政策評価のテーマ、どのように選定を行ったのか、また、その選定に対しては、都民の声をどのように取り入れたのか、お伺いをいたします。

○高島特命担当部長 政策評価のテーマの選定についてのお尋ねでございます。
 政策評価の実施対象、テーマにつきましては、都政が取り組んでおります主要な課題で、新たな方向へ動き出した後、検証が必要な政策、またはその方向性の展開の見直しが求められている施策等々の中から、緊急性、必要性に応じて選定しているところでございます。
 今年度の選定に当たりましては、ご案内のとおり、世界的な市場間競争の激化、長期低迷が続きます我が国日本経済のもと、厳しい状況にあります東京の産業、これを活性化するために、産業政策の充実、見直しが求められている状況等を考慮いたしまして、産業政策を評価実施対象といたしたものでございます。
 それから、選定に当たりましては、都民生活に関する世論調査、例えば暮らし向きが昨年より苦しくなった等々の意見、そういうこと、それから、問題提起型の評価を行ってほしいといった都民の声、そういうものを参考にしながら今回のテーマを選定させていただいたところでございます。

○長橋委員 選定に当たっては、都民の意見では、暮らしが本当に苦しくなってきている、こういう視点がもうどこも渦巻いているのではないかと思いますし、苦しい経済、社会情勢の中で、産業の活性化、これは本当に大事なことであると思いますし、産業の活性化は、今に始まったことではなくて、従来より東京の産業の活性化がさまざまな部局で図られてきたわけでありますけれども、そういった枠を超えて取り組んでいかねばならない、こういうことだと思います。
 そこで、テーマの選定に当たって、だれのための評価なのか、また、都民のための評価という視点でやはりテーマの選定をしていくということが大事だと思いますので、ぜひ都民の声をより生かしたような選定を今後お願いをしたいと思います。
 次に、今回の政策評価、この特色または特長というのはどんなものなのか、お伺いをいたします。

○高島特命担当部長 今回の政策評価の特色というお尋ねでございます。
 今回の政策評価におきましては、いわゆる産業政策といいますと、私どもの産労局が中心になってやっておりますが、そういう局を超えまして、都庁全体、都政全体として、東京の産業を活性化する上で重要な要素を含むと思われる施策、これを幅広く取り上げております。ディーゼル車対策、認証保育所制度、今まで中心的には産業政策というとらえ方はされておりませんが、こういう施策を含めまして、都政全般から幅広く見直し、そして、これらの可能性、今後の施策の展開、そういうものについて評価したところがポイントであろうというふうに思っております。
 評価に当たりましては、三点、市場創造、国際的な都市間競争力の強化、現場主義という三つの着眼点を設定し、よく評価を行ったところでございます。
 市場創造につきましては、今までですと、いわゆる新規企業の創出ですとか、中小企業金融ですとか、企業育成等の供給サイドの産業政策が中心でございましたが、これに加えまして、東京都が都民ニーズを市場を介して産業に結びつける、都が持っておりますいろいろな規制改革の手段ですとか、それから民間ポテンシャルをうまく引き出します誘導措置とか、そういうものによりまして、新しい市場を都が創造していくことが可能ではなかろうか、これが一点目。
 それから、ご案内のとおり、国際間競争が今、非常に厳しくなっております。中国ですとかインドがこれから、今後のグローバルマーケットにおける中心的な地位を占めていくんじゃなかろうかというようなことも危惧されておりますので、日本の中の東京という視点のみならず、国際的な都市間競争での東京のありよう、東京の産業政策という観点から、社会基盤の整備ですとか、新産業育成での世界的な競争の勝ち抜き、そういうものに対する手段、そういうものを評価しております。
 それから、これは従前から行っておりますが、先ほどもご指摘がありましたが、現場主義、現場のニーズに立脚しました政策を立案し施行する。こういう今申し上げました三つの着眼点を設定いたしまして、これまでの取り組みを分析、検証いたしておるところでございます。

○長橋委員 現場主義、これが従来からいわれてきているわけですけれども、これを着眼点の一つに入れたということは、本当に大事なことだと思います。
 次に、今回の政策評価、政策指標の扱い方もこれまでと違いますし、産業政策というと、政策指標というまずいろんな観点がありますので、多岐にわたるかと思いますけれども、この東京構想二〇〇〇に掲げられた政策指標の達成度をもとに評価を行っていたものが、今回は異なる扱いをされている、こういうふうに思うわけですけれども、今回の政策指標、どのように扱ったのか、お伺いをいたします。

○高島特命担当部長 政策指標の取り扱いについてのお尋ねでございます。
 政策指標につきましては、今まで、ある特定のトピック的な指標をとらまえまして、それを中心に議論を進めておりましたが、今回は、ご案内のとおり、産業政策というある意味では幅広い分野をとらまえまして政策対象にした。それから、先ほど申しましたように、各部局を超えて都政全体として産業の育成となるような施策を拾い出し、分析、検証したということもございまして、今回は、特定の指標の達成度のみでこの全体の達成状況を十分に図ることは困難でなかろうかというふうに思いまして、さまざまないろいろな指標を盛り込んでおります。
 ただ、基本的には、シンボリックな政策指標としましては、都内の事業所開設率ということで、新しい事業所がどれだけ開設されているかということを使いまして、東京の産業の現状を明らかにすることに努めておるところでございます。

○長橋委員 昨年のこの同じような時期で、総務委員会で、我が党の織田委員が、東京構想二〇〇〇の政策指標のみならず、それに連動するようなメルクマールとかデータ、そういったものを使用して達成度や効果について都民に伝えていく、これが大事である、こういうふうに指摘したわけですけれども、その点を酌み取って、知事本部としてもさまざまなデータを用いて、東京の産業がますます厳しい、こういうデータを並べたわけでございますけれども、それをどう取り組めば変えていけるのか、具体的に示していくことが大事であろうかなと思います。
 そこで、今回の政策評価の結果が、今後都政にどのように反映をされていくのか、お伺いをいたします。

○高島特命担当部長 政策評価の結果の、今後の都政への反映のお尋ねでございます。
 昨年度行いましたのは、ヒートアイランド対策と渋滞対策、これを評価いたしたものでございますが、これにつきましては、ご案内のとおり、来年度の重要施策に盛り込まれております。今回のこの政策評価では、先ほど申しましたように、市場創造、国際的な都市間競争力の強化、現場主義という三つの着眼点によりまして、今までの産業政策という観点で見られないような施策も含めまして評価を行い、各局横断的な形で、その産業の活性化という可能性、都庁の内在的な力を引き出すという可能性を浮き彫りにしております。
 今後、各部局におかれます個々の政策にこの考え方が当然反映されていくもの、また反映していただきたいというふうに考えておりますが、私どもも、今後、この評価に基づきまして、産業政策をめぐる幅広い政策議論にこれを活用していただけるよう努力してまいりたい、かように考えております。

○長橋委員 ぜひ幅広く政策論議を広げる、全庁挙げて広く巻き起こる、なおかつそれが都民の間でも議論が高まる、これが必要であると思います。
 最初に聞きましたけれども、知事本部においても、評価結果の公表方法の改善、こういうことに努めていくということでございますけれども、都民の間でも広く議論が行われるようになるには、知事本部としてもまだまださまざまな改善点というのはあるかと思いますけれども、その点どう考えているのか、お伺いをいたします。

○高島特命担当部長 今後の私ども知事本部の姿勢ということについてのお尋ねでございます。
 先ほどお答えしましたように、過去四年の間、さまざまな改善を重ねてまいりました。しかし、ご案内のとおり、本格施行いたしましてからまだ二年度目という若い制度でございますので、ご指摘のとおり改善すべき点は多々残っているんではなかろうかというように思っております。
 そういう意味では、今後、都民の間で、都の政策、事務事業のあり方について関心を高めていただいて、もちろん住民参加のもと、幅広く議論が行われるようにこの行政評価のPRに努め、またそのPRの手段の多様化等々にも努力し、そして、評価結果の公表方法の改善等々の点についても努力してまいりたい、かように考えております。よろしくお願いいたします。

○長橋委員 都政広報番組の活用も考えてPRしていく、より広く広報として都民にわかりやすく説明していく、図書館にもこれが置いてあるそうですけれども、これを全部読むというのはなかなか大変なことだと思います。ぜひわかりやすくお願いをしたいと思います。
 次に、重要施策について、若干お伺いをしたいと思います。
 重要施策が十一月の十五日に発表されまして、我が党もいち早く談話を出しまして、都民サービスの一層の向上を目指す、こういうことから、政策を戦略的に組み立てて、総合的、複合的にこの展開を図るべきである、今回の重要施策はこうした要請にこたえたものであるということで、一定の評価をしたことを表明いたしました。
 また、策定されましたこの七つの戦略的取り組み、これについては、福祉、環境、中小企業、教育、まちづくりなど、いずれも都民生活にとって重要なテーマであると認識しております。今回、基本的にそのような立場に立ちながらも、重要施策がこれから都政の運営に大きな方向づけを示していく、こういうことで、改めて何点か質問をさせていただきます。
 今回の重要施策では、制度疲労という言葉が使われております。特に、ライン化された仕事の仕組みと職員の意識、現場感覚に根差した実践的な視点の必要性、こういうことが都政の政策課題の解決を妨げている、そしてそれが、組織体質上の問題が四点に整理をされているわけであります。そして、制度疲労が顕著にあらわれている七つの分野について戦略的取り組みを行い、課題と取り組みの方向を示す、こうなっておるわけでございますけれども、四つの制度疲労を見ますと、国の一律規制から脱却し切れないとか、首都圏全体で取り組む視点の弱さなどとあわせて、職員の意識や現場感覚に根差した実践的視点の必要性、いわゆる職員の体質や職員の資質、これを取り上げてあるわけでございますけれども、最近は民間人の登用なども、今後、大いに議論されている中でありまして、重要施策について、職員のことを取り上げることが大変大事であるかと思います。
 そこで、この二つの制度疲労、政策の面でどのように課題をもたらしているのか、具体的に七つの戦略的取り組みの中から、例を示してお示しいただきたいと思います。

○中田企画調整担当部長 制度疲労による政策面での課題、ご指摘の二点、ライン化された仕事の仕組みと職員の意識、現場感覚に根差した実践的な視点の必要性、この二点に即しまして申し上げますと、まちづくりを重要施策におきましては戦略的取り組みの第一番目に考えておりますが、このまちづくりについて見ますと、これまでのまちづくりは用途地域や容積率などに基づく姿勢が中心でございまして、地域の実情を踏まえたまちづくりに都として積極的に取り組むという視点が必ずしも十分ではなかった、また、まちづくりに活用可能な公有地スペース、これなども、各局が保有する資源が各局独自の視点で取り組まれることが多く、全庁的な視点で活用されていない、こういった課題がございました。
 また、もう一つの戦略的取り組みの一つでございます多様な危機から都民を守る新たな仕組みづくりにあります食の安心、安全でございますが、これらの取り組みにつきましても、消費者行政と食品衛生行政が分かれているために、例えば食品表示に関します統一的な監視ができていない。あるいは、ご案内かと思いますが、冷凍ホウレンソウ事件、これにつきまして、現場で起こっている情報を適切に集約する仕組みがない、こういった都民の不安を払拭する体制ができていない、こういったことが課題としてございます。
 こうした課題を克服いたしまして、実効性ある施策を推進するために、執行体制や現場実態を踏まえた体制の整備など、仕事の仕方や仕組みを改革するということに重要施策では取り組んでいきます。

○長橋委員 重要施策では、課題に対して戦略的に取り組むということで、二十二の重点事業を実施しているわけですけれども、仕事の仕方や仕組み自体を変えていく、改革に取り組んでいくということでございますけれども、七つの戦略的取り組みを支える、最後にありますけれども、都みずからの改革、こういうことを支える仕組みとして位置づけておりますけれども、その内容は、組織、人事、予算、税制、規制など全制度全般に及んでいる。このように、政策と一体的に制度改革を目指した点がこれまでの計画とは違うところであると思いますけれども、そこで、組織、人事、行財政など、都みずからの改革を重要施策に盛り込んだことによって、都政の構造をどのように改革をしていくのか、お伺いをいたします。

○中田企画調整担当部長 都政が直面しています課題を解決するに当たりまして、政策分野ごとの施策を推進するだけではなく、先ほども申し上げました、制度疲労が生じています都政の仕事の仕方そのものの改革が必要でございます。そのため、組織横断的な課題に対応するための組織再編あるいは改革を担う人材を育てる人事制度改革、事業の効率的な執行を図るための行財政改革など、庁内の諸制度の改革を行う必要がございます。さらに、福祉改革やディーゼル車対策、大都市の特性を無視した国の画一的な制度の枠組みに対します改革の提案でございますとか、あるいは都独自の先進的な取り組み、広域的な課題に対する首都圏全体での推進体制の整備、こういったものに取り組むこととしております。
 今回の重要施策は、このように個別政策課題にとどまらず、人事、予算、税制、規制緩和、こういったものにつきまして、都政の仕組み全体の改革を含むものでございまして、政策と執行体制をあわせた総合的な戦略によりまして、都庁の仕事をトータルに改革していく、そういったものでございます。

○長橋委員 都政改革の取り組み、これはもう都政が始まって以来ともにあったといっても過言ではないわけであります。職員の皆さんも、時代時代の要請にこたえて、内部努力に、また改革に取り組んできたことは承知しておりますけれども、しかし、いつの時代にあっても、行政というのは危機意識が足りない、こういうふうにいわれ続けているわけで、特に今、景気が低迷する中ではその声が高まっているわけであります。都政の構造改革への取り組みの中に、職員の意識改革、そしてまた、行政運営全般の改革を位置づけた、これは大変意義があることだと思います。政策と執行体制をあわせた総合的戦略による都政の構造改革は、着実に、また積極的に実行していただきたいと思います。
 それでは、具体的な戦略的取り組みの一つである産業力の強化、行政評価の方でも産業力について触れられていましたので、今回の重要施策には、我が党が要望してきました制度融資、融資目標が一兆七千五百億円など、取り上げられておりまして、この点は非常に評価をしたいと思います。これに加えて、中長期的な視点から策定された重要施策では、より構造的な側面から東京の産業の強化に取り組むとして、将来に通じる施策を打ち出していくべきであります。
 そこで、これまで活力を支えてきた製造業を中心に、事業所の減少が続いているわけでありますけれども、重要施策では、これまでの産業施策のどこに課題があって、今後はどのように産業の活性化を図っていくのか、取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○中田企画調整担当部長 ご案内のように、東京の産業は、高度成長期におきまして、日本の経済を牽引する大きな役割を果たしてきました。しかし、高度成長の終えん、日本経済の地盤沈下、こういった大きな環境の変化に対しまして、都はこれに対応した適切な産業施策を十分に講じてこなかったという経緯がございます。このことは、大学や企業、歴史や伝統、こういった多様な社会資源の活用、あるいは地域の特色、現場のニーズ、こういったものを反映した施策が展開ができなかった、不十分であったということにあらわれているかと思います。そのため、今回の重要施策におきましては、地域の特性や資源を生かし、まちづくりなどにも連携いたしました戦略的支援策を行うとしております。
 もう少し具体的にいいますと、大学や企業などの資源を生かした産学公連携の仕組みづくり、東京の持つ地域特性を生かし、付加価値の高い製品を生み出す産業の育成、こういった東京独自の産業育成に取り組むこととしております。
 さらに、現場主義という視点に立ちまして、区市町村や地域、こういった方面からの具体的な施策の提案を踏まえまして、現場や地域と一体となった実践的な取り組みを推進していくとしております。

○長橋委員 現場に行きますと、さまざまな技能や才能を持っている人がいるわけでございまして、いろんな方にお会いして、こういう才能があるということを感銘を受けるわけでありますけれども、このような方々や地域の持つ特色、歴史、伝統などを、ぜひ産業振興に生かして、東京の活性化を図っていただきたいと思います。
 そういう中で、重点事業が幾つか挙げられておりますけれども、今回新たに実施します中小企業ニューマーケット開拓支援事業、この中にこれがありますけれども、どういう事業なのか、お答え願います。

○中田企画調整担当部長 中小企業ニューマーケット開拓支援事業についてのご説明でございますが、ふたをあけてみますと、東京には、地域特性の一つといたしまして、今、現状では非常に厳しい経済環境がございますので、景気の落ちているものはございますが、ものづくり産業を育ててきました優秀な技術を持つ中小企業が多いというのが一点ございます。さらに、東京には割と大企業の集積がございまして、そのため、例えば既に定年などで一線を退きました方がいますが、そういった方には、技術開発や営業、こういった方面につきまして非常に高い能力を持つ方が非常に多く存在しております。
 今回の中小企業ニューマーケット開拓支援事業では、こういったことに着目いたしまして、従来の行政という枠組みを超えまして、市場動向に詳しい、ただいま申し上げました大企業のOB、そういった方を、民間人を積極的に活用いたしまして、優秀な技術や製品を求める大企業と、潜在的な技術力を持つ中小企業、こういったニーズを結びつけまして、製品開発の指導から新たな販路開拓、これを一貫して行うという事業でございます。
 さらに、この事業を着実に実現していくということで、新たな仕組みといたしまして、競争原理を働かせる成功報酬方式、それと、また行政は、どちらかというと今まで待ちの姿勢が多いというのが否めなかったと思うんですけれども、この中小企業ニューマーケット開拓支援事業では、現場に出向きまして企業を発掘する、こういったシステムを取り入れております。商談成立の数の目標を立てまして、そういった目標管理を通しまして事業成果の向上を図っていきたい、そのように考えております。

○長橋委員 今までの都の行政と違って、現場に出向いて発掘をしていく、なおかつ目標管理また成功報酬方式などを取り入れていく、今後のこの成果というのは大変期待するわけでありますけれども、この重要施策において、都政の構造改革、こういうふうに銘打っているわけでありますけれども、改革への取り組みが、都政の改革を進めていく中にあってどのように成果を反映させていくのか、そして、都民サービスの向上や、首都東京の再生に大きく寄与していかなければならない、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、都民がこういった重点事業の施策の効果をできるだけ実感できるような取り組みを、ぜひお願いをしたいと思います。
 最後に、行政評価を含めて、重要施策などの都政運営の基本的な方向づけに対して大変重要な分野を担う知事本部におきまして、今後この役割をどのように果たしていくのか、本部長にお伺いいたします。

○前川知事本部長 都庁というのは大変巨大な組織でありまして、大体現在でも十八万ほどの職員を抱えておるわけでありますが、この組織全体をいわば総合的な観点からきちんと運営をし、またその持っている潜在的な力を十分に発揮させる、これは正直申し上げてなかなか容易なことではないわけであります。ともすればライン化しがちでありますし、あるいはまた現場から遊離してデスクワーカーをするとか、あるいはまた国の画一的な規制をなかなか突破できないとかいろんな問題があるわけでありますが、これを何とか解決--解決とまでいわなくても、何とか問題点を減少させて、都庁の力を十分に発揮させる、そのために我々知事本部というのは、舞台の上でいえば黒子ないしはわき役として、ちゃんとやれというのが私どもに与えられた課題であろうというふうに考えております。
 そういう意味で、今回の重要施策は、種々ご批判はあろうと思いますが、策定のプロセスから若干肩に力も入りましたが、各局との横断的、総合的な調整については、かなり力を入れてきたつもりであります。そしてまた、今後、より重要なのは、重要施策の実践はもちろんでありますけれども、それも含めて、都政の直面する重要課題の解決に向けて、総合的なこういった調整機能を知事本部が十分に発揮する。その場合、政策内容の調整だけではなくて、議会、国、住民あるいはプレス等を含めたいろんな社会的な関係の中での実現プロセスもできるだけ調整をしていく、この両面にわたって努力をすべきであろうというふうに考えております。
 今後とも、こうした視点から全力を挙げていきたいと考えております。

○山下委員 私は昨年、総務委員会におきまして委員として初めて質問をさせていただいた行政評価制度について、私、個人的にも大変思い入れが強いわけで、ことしも焦点を絞って質問をさせていただこうと考えています。
 この行政評価制度について、事業の達成度をはかり、次年度につなげるための判断をしたり、その事業が大規模事業の場合、事前から評価をしていくなど、行っていること自体は、行っていないところが多い中ですばらしいことと考えています。しかしながら、私が残念でならないのは、昨年質問してわかったことが多くあるんですが、東京都が現在行っている行政評価には、都民の声を生かすという一番大切な視点が欠けていると私は考えているところでございます。昨年の私の質問に対するお答えの中にもございましたし、あるいは、他の委員の先生方からの質問に対するお答えにもよくある、真に都民のために、都民のニーズに合ったというようなご答弁、私には、大変失礼ながら、本気で都民の声を聞こうとしておっしゃっているとは到底思えないのであります。
 昨年のお答えから、このような感想を持ったわけでございますが、ことしはすばらしいご答弁がいただけると信じて質問をさせていただきます。
 先ほどの長橋委員と重複するところもございますが、また伺わせていただきますが、まず、昨年からことしにかけて、この行政評価制度はどこがどのように変わったのでしょうか。

○高島特命担当部長 昨年からことしにかけまして、行政評価制度の変更点というお尋ねでございます。
 今年度は、一つは、政策評価におきまして、先ほどもお話ししましたが、政策指標以外にも国内外のさまざまな統計データ等を用いまして、東京の産業の現状を明らかにする多面的なそういう工夫も行っております。そのほか、ホームページ上のアンケートの様式の変更等、それから今後行政評価で取り上げてほしい分野を尋ねるなど、より幅広くかつ具体的に意見を募るよう改善を行うよう努力したつもりでございます。

○山下委員 アンケートの様式を変更し、より幅広くかつ具体的に意見を募るように改善をされた、これはもちろんすばらしいことだと私も考えますけれども、じゃ、どういう目的で--改善をするということはよくしようとお考えなんでしょうが、どういうふうによくしようというお考えのもとにこういう改善をされたんでしょうか。

○高島特命担当部長 先ほどから山下理事からご指摘いただいていますが、やはり住民の目線、視点というのは大事じゃなかろうかという問題意識を私ども持っております。行政評価制度におきましては、できるだけ都民にとってわかりやすい制度とすることが重要だというふうに考えております。一般の都民の方にとりまして、なじみが薄くわかりづらいと考えられますこの事務事業評価におきましては、個々の事業に応じたできるだけわかりやすい生活指標を用いまして、その事業の達成状況が明らかとなるよう努めたところでございます。
 それから、政策指標におきましても、先ほど申しましたように、今年度は一つの指標以外にさまざまなデータを用いまして、できるだけ現状をわかりやすく分析するなどの工夫を行ったところでございます。

○山下委員 今お答えいただいたのは、また次に伺おうと思っていた部分なんですが、まず、先ほど冒頭にご答弁いただいた都民の目線を大切にするというようなお答えだと思うんですが、私流にいえば、都民の意見を生かすためにこのような形で改善を行っている、努力されているという認識でよろしいでしょうか。

○高島特命担当部長 私どもの基本的な目線、視点は、先ほど申しましたように、住民という視点に立って、実際行政サービスを受けられる方々の立場に立って、現在の行政サービスのありようはいかがなものかというものを評価するというのが行政評価制度であろうと思いますので、そういう意味では、そういう住民の方にとっても、できるだけわかりやすくこの結果について公表し、内容をお知らせし、そしてまた意見をお聞きし、この制度を改善していくということが大事であろうというように考えております。

○山下委員 ただいまのご答弁、私には、私と今の部長との認識は一緒であるというふうにとらえさせていただこう、そんなふうに思っております。
 ご答弁を先にいただいてしまったんですが、いわゆる昭和四十年代、これは美濃部都政の時代のことなんでございますけれども、シビルミニマムという概念を導入されました。その際、行政内部の目によってはかられた技術的、専門的な指標が多く、必ずしも都民になじみやすいものではなかったという反省のもとに、先ほどご答弁いただいた、都民にとってわかりやすい制度とすることが重要だと--その後いろいろご答弁いただきました。当然、シビルミニマムのころよりは格段によくなっているというのは、私にも理解はできます。
 ですから、私がここで伺いたいのは、行政内部の目によってというところなんです。そこからどう、脱却は、行政がされるわけですから、できないのかもしれませんが、その点については、わかりやすくなったのはわかる、都民にとってなじみやすいものにはなったという反省点は生かされているけれども、行政内部の目によってという点についてはどのようにお考えでしょう。

○高島特命担当部長 この手法のとらまえ方ということでございますけれども、できるだけわかりやすくするように心がける。どういう方向かといいますと、やはりどうしてもこの指標につきましては、問題意識を持たず我々が通常の行政で指標を設定するときは、いわゆる住民サイドに立った生活指標というよりも、我々自身がいわゆる予算執行をする過程において、執行率は何%であるとか、そういういわゆる執行指標といいますか、成果ではなく、例えば具体的な例で申し上げますと、今年度は道路の拡幅改良、これを十件やろうというのを目標にするというのが、恐らく今までありがちな指標の設定の仕方だと思うんです。しかし今は、先生ご案内のように、住民サイドに立った視点の指標ということでございますので、じゃ、具体的に今年度、この道路事業によってどれだけ渋滞時間が解消される、そして時間短縮効果がある、そういうことを目標に事業を行っていくということだろうと思います。
 そういう意味では、もう少し言葉をかえていいますと、供給者サイドといいますか、行政側、事業をするサイドの視点ではなく、住民の、いわゆる消費者、生活者といいますか、そういうレベルの指標を設定しまして、できるだけ皆さん方の生活の改善が実感できるような、そういう指標をつくっていくということが大事なんだろうという問題意識で思っております。

○山下委員 この問題でまたいろいろ飛躍すると、ちょっと流れが変わって--どちらにせよ私の考えをまた後で述べさせていただきますので、次に移らせていただこうと思います。
 私は、この行政評価制度というのは--済みません、申しわけございませんが、一番と二番をお出しいただけますか。(OHP映写)ちょっとイメージと違うんで申しわけなかったんですが、続けさせていただきます。
 私は、この行政評価制度、左側の画面に書いてあるんですけれども、都がどのようなことをやっているか、都民に関心を持ってもらえる、わかりづらいといわれる都民と都政の距離を縮めるすばらしいツールだと考えております。そのツールをさらに生かすために都民の声をもっと聞き、それらを活用することが大変重要になってくる、そんなふうに確信をいたしております。
 そこで伺います。都としても、評価結果は、都民の声を聞きながら、政策立案、施策の見直しに活用するとしておりますが、具体的に過去、どのような都民の意見があって、それらによって政策の立案、施策の見直しにつながった例を教えてください。

○高島特命担当部長 具体的な見直しにつながった例でございますけれども、一つは評価結果の冊子、お手元にお配りしましたオレンジ色の冊子でございますけれども、これが区市町村の図書館で読めるようにしてほしいというお話がございました。それから、ホームページがわかりづらいというご意見もございました。
 そういうところにつきましては、それぞれの地元の区市町村の図書館に冊子を送付させていただきまして、地元の方が近くの図書館で見れるような形の努力も行いました。それから、ホームページにつきましては、できるだけ見やすく改定を行いました。
 それから、これらに関連しまして、個別の事業の評価に対しましていろいろ意見を寄せていただいておりますが、この意見につきましては、私どもの今後の評価の視点の構築に当たりまして参考にさせていただきますとともに、各事業部局にそれぞれ送付させていただいております。ただし、残念ながら具体的に直接政策立案、また施策見直しにつながるようなご意見は、今まではございません。

○山下委員 ただいまのご答弁の中に、残念ながらこれまでには直接政策の立案、施策の見直しにつながるような意見はいただいていない--これは何ででしょう。当たり前なんです、この後また質問を通じて明らかにさせていただきますが、あるわけがないんです、そんなもの。
 そこで、伺います。評価票の一ページなんですが、評価結果を公表することにより、都の施策や事務事業に対する都民の関心を高めるとありますが、都民の皆様に一体どれだけこの行政評価制度というものは知られているんでしょうか。ホームページだけではないと思いますが、一つの例として、ホームページのアクセス件数やアンケート回答の件数はどれぐらいありましたか、教えてください。

○高島特命担当部長 ホームページのアクセス件数等のお尋ねでございます。
 平成十三年度の評価結果を公表いたしました昨年十月からことし十一月、平成十四年度の評価結果を公表するまでの約一年間のアクセス件数は、三万九百七十三件、同じ期間に寄せられたアンケート回答は十五件でございます。ちなみに、昨年のアクセス数は、一万四千七百二十一件、アンケート回答は二十七件でございました。

○山下委員 済みません、三番を出してください。--これも読めないですね、じゃ、口でご説明申し上げます。
 実は、右側の画面に映っているのは、行政評価のホームページに対するヒット数と、それのアンケート回答数をわざわざこうやって丁寧に図をつくっていただいたものがあるわけですが、口頭でご説明申し上げますと、平成十二年の十一月から十三年の十一月までのホームページに対するヒット数、行政評価の部分ですが、一万四千七百二十一件。そして、つい最近までですね、平成十三年の十一月から平成十四年度の十一月までのヒット件数、その画面を少なくとも見たという人の数は、三万九百七十三件なんです。
 そして、その中に、先ほどご答弁の中にもありましたが、都政のどういう部分を評価してほしいですかといったようなものをアンケートで調査をしているわけですが、それに対するアンケート回答数というのがございます。平成十二年の十一月から平成十三年の十一月まで、昨年は二十七件なんです。一万四千七百二十一分の二十七です。これ、パーセンテージにすると本当に悲しくなるんですが、〇・〇〇一%です。そしてことし、平成十三年度の十一月から平成十四年度の十一月まで、アクセス件数は先ほど申し上げたように三万九百七十三件、これは倍増しているわけですよね、一年前に比べますと。ということは、当然二十七件からは少なくとも上がってなきゃおかしいわけです、おかしいかどうかは別にして、私の目から見たらそう見える。
 じゃ、ことしは何件だったかというと、十五件。マイナス十二件です。倍の数の人、三万を超えるヒットがあって、これ、パーセンテージ、悲しいんですが、たったの〇・〇〇〇四八%なんです。これだけの意見しか上がってこなければ、当然のごとく、先ほど伺った、残念ながらこれまで直接政策の立案、施策の見直しにつながるような意見はいただいていない、これは当たり前のことだと私は思うわけです。
 そこで、伺います。こういったことに対して、私が先ほど来申し上げているのは、おかしいんじゃないか、なぜ三万件にふえて、アンケートの回答数がマイナス十二件、十五件に減っちゃったのか。そもそも何でこんな少ない数字なのか。そういった部分をお答えいただければと思います。

○高島特命担当部長 ホームページのアクセス件数、アンケート回答数の増減についてのお尋ねでございます。
 ホームページにつきましては、これも先ほど申しましたが、平成十三年七月に都民の方からホームページが大変見づらいというご意見があり、全面的な改定を行いました。そういう意味では、アクセス件数の増加は、ホームページを見やすくした、このことも一因ではなかろうかなというふうに思っております。
 それから、アンケート回答数が減った理由でございますけれども、これは毎年度対象テーマも異なりますし、また、その時々の住民の方の関心の度合いの違い、そういったことを反映したものではないかというように推測いたしております。

○山下委員 ただいまのご答弁の中に、二つ理由があったように私には思えます。アクセス件数の増加に関しては、ホームページを見やすくしたことも寄与していると思うとか、あるいは対象テーマの違いによる関心の度合いの違いといったところを推測しているというふうになっています。では、本当にホームページを見やすくしただけで三万件になったんですか。一万四千件だったヒットが三万件になったのは、ホームページを見やすくしただけでしょうか。私は、それだけじゃないと思います。
 さらに申し上げれば、昨年の対象テーマというのは、先ほどお話もあったように、渋滞対策です。そして今年のテーマというのは、産業、いわゆる経済に対しての政策ですよね、渋滞と経済はもちろんてんびんにかける問題じゃありませんが、これが理由でアンケート件数が二十七件から十五件に減ったというふうには、私には到底考えられないわけです。
 そう考えると、私がここで申し上げたいのは、まずこの問題について、なぜ二十七件が十五件になったのか、そもそもなぜ十五件なのか。三万件になったのはすばらしいと思う。こういった部分を、問題だと、なぜこういうふうなことになっているのかということをしっかり分析をしていただいて、もう一度アンケート件数、これ、もうちょっと意見を取り寄せようとこちらから努力するような形でお考えいただきたいんですが、まず、分析の部分に関しては、どうでしょうか、もうちょっと真剣に分析していただけないでしょうか。

○高島特命担当部長 ご指摘のアクセス件数の増減でございますけれども、もともとアクセス件数が三万件前後に対してアンケートが十件から二十件程度ということでございますので、その増減について、これを統計的に重みを持って判断するかどうかという一つ問題があろうと思います。それからまた、技術的に見ましても、二十七件と十五件の増減の話を分析するというのもなかなか難しいんであろうと思います。
 ただ、先生のご指摘は、そういうことに絶えず気を配りながら、要するに住民にとってわかりやすい情報公開、情報提供をすべきであろうというご指摘であろうと思いますので、そういう点につきましては今後とも努めてまいりたい、かように考えております。

○山下委員 私が申し上げているのは、数が多いとか少ないの問題じゃないとか、あるいは、今のご答弁にもあったように、見やすくすれば、わかりやすくすればいいんじゃないかというようなことではなくて、私は、なぜ、どう考えても、三万以上のヒットがあって二十七件というのは、何かしら問題があるんじゃないかということをここで提起申し上げたかったわけでございます。
 ここで話を長く長くやってもしようがないと思いますので、次の質問に入りたいと思いますが、一千二百万都民の中で十五件という件数は、もちろん先ほど来申し上げているように、大変少な過ぎると私は考えています。都民にこの制度自体を知っていただく必要があると考えますが、今後は、インターネット、広報誌などのほかに、どんなPR方法をお考えでしょうか。

○高島特命担当部長 評価結果につきましてのPR方法の媒体のありようだと思いますが、お尋ねでございます。
 現在でも、今ご指摘ございましたように、インターネット、「広報東京都」、そのほか都民情報ルームでの閲覧、販売、都や区市町村の図書館での先ほど来申しました閲覧、それなどを行いまして、幅広く広報に努めているところでございます。
 このほか、都が持っております広報媒体としましては、テレビ、ラジオ、こういう都政広報番組がございますので、今後、別の媒体でこの評価結果を公表するということが考えられないかどうか、考えてまいりたいというふうに思っております。

○山下委員 ということは、今までテレビ、ラジオといったものは利用されてこなかったんでしょうか。さらに申し上げれば、今のご答弁から推測すると、今後は積極的にPRしていくという私なりの理解でよろしいでしょうか。

○高島特命担当部長 都政広報番組、ラジオ、テレビなど今まで利用していなかった、これは事実でございます。
 今後、どうしていくかということでございますが、媒体ごとにやはりその特長、持ち味、限界があろうと思います。やはり文字データで適切に伝わるもの、むしろ画面なり音声で伝えた方がいいもの、いろんなそれぞれ媒体によってメリット、デメリットがあろうと思います。
 そういう意味では、今、直ちに、行政評価の今回の結果のご報告につきまして、テレビ、ラジオの媒体について、もし使うならばどうやっていくのが一番適切か、そういうことを考えていく必要があるんだろうと思います。同じような形で、この冊子がありますという形では、テレビ、ラジオではPRの効果はないんだろうと思います。そういう意味では、その辺の工夫があってこそ、テレビ、ラジオをもし使うんであれば、そういうことも生きてくるんだろうと思っております。
 ただ、先ほど来申しましたように、都政が持っております好媒体でございますので、この行政評価の結果公表に使わないという手は多分ないんだろうと思います。そういう意味では、このテレビ、ラジオを使うならば、どのような形でこの行政評価の結果を広報していくのが適切か、その辺の技術的な点もよく検討しまして、ご指摘の点については、都民に対する情報提供という観点で十分考えてまいりたい、こういうふうに考えております。

○山下委員 何だかやるんだか、やらないんだか、ちょっとよくわからないお答えでしたが、実は私、こういう質問を続けさせていただいているのには理由があるんですね。昨年の私の質問の中に、評価結果に対する事務事業の見直し状況について、公表する際には都民からの意見がどのようものだったかわかる工夫をしていくという答弁をいただいたんです。こちらに、私の手元にございます、十四年五月、ことし五月に出された行政評価結果を踏まえた事務事業の見直し状況、こういう冊子出されていますよね。ということは、このご答弁であるということは、工夫をしていくということは、この中に都民の意見が載っているんですか、お答えください。

○高島特命担当部長 都民からの意見の公表につきましてでございますが、これにつきましては、本年五月に、いわゆる事務事業評価のフォローアップ、十一年度、十二年度の事務事業評価を踏まえました事務事業の見直し状況結果、これを公表した際に、非常に不備ではあると思いますが、その中で都民からの意見の概要をあわせて発表させていただいたところでございます。

○山下委員 このご説明いただいているというのは、発表はされたわけですよね。それで、これは恐らくこのことだと思うんですが、プレス発表になっている行政評価結果を踏まえた事務事業の状況について、これ、概要版でも何でもありません。その中に、都民からのご意見というのは、確かにこちらには載っています。それで、この意見というのは、一体だれに、どこに向けて発信した発表なんですか。実際、一般市民の中で、こんな意見がありましたよ--私は何も、これの中に載せろという話をしているわけじゃないわけですよ。要は、都民の人が、何か意見をいったときに、こういう意見をほかの人は持っているんだな、あるいは、自分の意見がこういうふうな形で東京都に吸い込まれているじゃないかというのがわかる形にするのが理想だと私、個人的には思っておるわけです。
 一つの手段として今、伺っているわけですが、少なくとも、そもそも昨年ご答弁いただいた中に、もう一回いいますけれども、評価結果に対する事務事業の見直し状況について--いわゆるこの冊子ですよね、この冊子に公表する際には、都民からの意見がどのようなものであったかわかる工夫をすると。どう考えても、私の少ない語学力をもってしてもこの中に載っているとしか読めないんですが、どうでしょうか。伺います。
 それと、先ほどの、前段に申し上げた一般市民が発表されたとおっしゃっていますけれども、これ、だれか知っているんですか。ホームページか何かに載っているんですか。ちょっと伺います。

○高島特命担当部長 昨年山下理事のご質問に、私どもの方で、公表していく、工夫していくという答弁を申し上げたのは事実でございます。これにつきましては、プレス発表資料に載せさせていただいておりますが、プレス発表資料自体は、実はホームページで公表されております。ただ、理事がご指摘なのは、非常にわかりにくい、また内容が非常に不備であるというご指摘であろうと思います。まことにごもっともなご指摘であろうと思っております。
 そういう意味では、この寄せられた都民の声につきましては、これは公表するという前提で都民の声を集めておりますので、名前を出さなければ特に支障はないと思いますので、今ご指摘いただいた点につきましては、できるだけ詳細にホームページで公表できるようできるだけ速やかに対応してまいりたい、かように考えております。

○山下委員 つけ加える形になってしまうんですが、私が申し上げたいことは、発表したといっても、もちろんプレスの資料に載せただけではこれは十分じゃない。
 それで、都民の意見がどう反映されたかということも問題ですが、都民の声が東京都にどう届いたのか、そういうこともわからなくては意味がないというふうな観点から申し上げたまででございます。それに対して、寄せられた都民の声をホームページ上で紹介するということはすぐ行いたいというご答弁なので、本当にそれはありがたいと思いますので、小さな一歩ですが、ぜひ行っていただきたい。
 そこで伺います。都民が実際アンケートに答えようとする--二十七件じゃなくて、本当は百件、二百件、千件ぐらい来てほしいんですが、答えようとホームページ上でする際に、過去にこういう意見があったと都民が見てわかりやすいものであるというふうな形で認識してよろしいんでしょうか。ホームページ上に載せる、都民の声を紹介するということですから、どのような形でお考えなのか、伺います。

○高島特命担当部長 都民の声のホームページ上の登載の仕方ですが、今ちょっと技術的に十分まだ詰めておりませんが、できるだけ山下理事ご指摘のように、幅広く住民の方のご意見がほかの住民の方に見ていただけるような形で工夫してまいりたいというふうに考えております。
 詳細につきましては、今後詰めてまいりたい、かように考えております。

○山下委員 都としては、都民の意見を政策の立案、見直しに活用する、もちろんそういうような観点に立っていらっしゃるわけですから、本来であれば、アメリカのオレゴン州で行われているような三千人規模の市民公聴会を開くとか、あるいは第三者機関を設置すべきだと私は考えますが、どのようにお考えでしょうか。

○高島特命担当部長 アメリカのオレゴン州で、いわゆるベンチマーク、ベンチマークというとまた怒られますが、物差しでしょうか、行政評価ではベンチマークといいますが、物差しということで、成果指標を中心とした行政評価を導入いたしまして、アメリカのみならず、各国で非常に紹介されまして、かなり有名になったことでございます。その中で、多分、ご指摘いただいていますのは、指標設定に当たりまして、市民公聴会を開くとか、そういう民主的な手続が行われているということだろうと思います。
 住民参加、これは大変大事なことだろうと思うんですが、ただ一点ご理解いただきたいのは、アメリカの場合、特に地方政府の場合は、従前から住民投票等々の直接参加の手法をかなりメーンに入れております。四年に一遍の議会議員の選挙、首長の選挙の際に、あわせて増税等の案につきまして、住民投票で決をとるというようなことも行われております。
 それに対しまして、日本の場合は基本的に、先生方こうやってご議論いただいていますように、間接民主制ということで、住民の方々の意向を踏まえて、それぞれ代表者たる議員の先生方にこの都議会でご議論いただいて、それを都政に反映させる、そういう民主的な形態をとっているということもございます。
 そういう意味では、時代の流れで今はちょうど変わり目なんだと思いますが、行政評価の情報公開、パブリックコメント、PIとか、いろんな住民参加の、もしくは情報提供の手法がとられておりますが、現行の日本の制度の中では、議会制民主主義の中で、恐らく先生方ご当選されるに当たりまして、何万人という有権者のご支持、ご理解を得て、この場に出てこられています。そういう意味では、先生方のご意見が、ある意味では住民の方々のご意見を代弁している面もあるのではなかろうか、むしろ代弁しているんだろう、そう受けとめさせていただきまして、常日ごろの私どもの行政に反映させていただいているわけでございますので、そういう議会制民主主義を中心とした制度でやっているということをご理解いただきたいと思っております。
 そういうことで、ただ、先ほど申しましたように、時代の流れでございますそういう住民の意向を十分反映する、それからもう一つは、第三者機関の設置ということで、外部の方の意見を聞く、これも昨今では、監査などにつきまして第三者監査ということで自治法の改正なんかが行われています。そういうことに適切に対応していく必要があるんだろうというふうに思っております。
 私どものこの行政評価の中では、先ほど申しましたように、いろいろなパブリックコメント等を通じまして、住民の意見を聞くというようなことも行っておりますし、それぞれの政策評価におきましては、専門家の方のご意見を聴取するということで、第三者のご意見も拝聴するというような工夫も行っております。引き続きそういうところを充実し、努力してまいりたい、かように考えております。

○山下委員 今のご説明の考え方と私が持っている考え方、やはり多少開きがあるんだな、ここでがんがんやっても本当にあれだと思いますので、最後の質問をさせていただこうと思います。
 今の現状だと無理だということであれば、市民公聴会、第三者機関が無理だと、だったら、お金もかけずにやれる方法が何かあるんじゃないか。せめて他局で行われている世論調査を使って、例えば、要望項目のトップファイブ、これ、毎年順位変わっていますね。それを評価対象として、都民が都政に望むことをタイムリーに評価をするとか、これも他局で、平成十一年までですか、行っていた、都政出前講座のようなものを行う、そういったような努力をして、都民の声を反映させていくべきだと考えますが、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

○高島特命担当部長 住民の参加、住民の行政に対する声の反映ということでございます。これにつきましては、先ほど来から申し上げておりますように、評価対象の選定に当たりましては、世論調査の結果など、今後とも十分に参考にしてまいりたいと考えております。
 また、先ほどお話ししました評価結果のPR手段の多様化、媒体の拡大、こんなことについても検討してまいりたいと思っております。そういう意味では、評価結果の公表方法の改善を図りつつ、山下理事ご指摘の、住民の方々に、都民の方々に都の政策、事務事業のあり方について関心を高めていただき、幅広くご議論いただけるよう環境整備に努力してまいりたい、かように考えております。

○山下委員 この一連の流れで私がいいたかったことの大きな一つの部分として申し上げたいのは、せっかくそういうご答弁をいただいても、去年の例を見ると、全く変わってないんですよ。例えば、私、去年伺っているんです。市民参加、第三者機関、これは先ほど申し上げたように、どうですかというお話を聞いているわけです。去年も同じことを聞いているわけです。そちらのお答えですが、「これらは、都民からの貴重なご意見として受けとめまして、行政評価制度の実施の中で、必要に応じて外部専門家の意見を聴取し、その内容を生かしていくとともに」ここまではやられています。「インターネットなど多様な手段を活用する」、今のご答弁にもあった、評価結果のPR手段の多様化などといっているわけです。活用するなど、都民に広く公表してご意見をいただく工夫をするとおっしゃっていただいています。
 これは去年の十月末に聞いた話ですから、ことしはどうなっているのとさっき聞いたら、インターネット以外やってない。それで初めて、先ほどの長橋委員のご指摘もございました、私からも指摘させていただいた、PR方法どうするんだ、ことしも全く同じことを聞いているわけですよ。ことしはやっとテレビとか考えますとおっしゃっていただいた。そして、去年と全く同じご答弁の部分はあるんですが、関心が高まり、広くご議論が行われるよう努めたいとあるわけです。関心を高めるためには、徹底したPR等の努力と、都民の意見がこう反映されたというわかりやすいものを都民に提供する必要があるわけです。ということで、先ほどお答えいただいた、ホームページ上に紹介していく、これからやっていきます、そのご答弁は今もらったわけです。
 こういう質問をしなければ、去年も、多少いい回しは違いますが、同じことを聞いているにもかかわらず、そしてこういうお答えをいただいているにもかかわらず、何も変わってないわけですよ。そういうことを考えると、今のご答弁、正直に受けとめたいんですが、信用してよろしいでしょうか。

○高島特命担当部長 昨年ご答弁申し上げました住民意見の公表でございますけれども、これは決して何か私ども悪意があったわけじゃございません。ただ、確かに結果として、広報の仕方が不備であったことは間違いないと思います。そういう意味では、できるだけ速やかに改善いたしまして、先ほど申しましたように、インターネットに住民の方々の意見がそのままできるような方向で、詳細について検討してまいりたいと思っております。
 それから、媒体につきましては、先ほど申しましたように、一工夫必要だろうというふうに思っております。基本的に今の行政評価結果報告は、文字情報でございますので、この文字情報をそのままテレビ、ラジオに登載させるのは難しゅうございます。そういう意味では、ワンクッション、ツークッション考えていかなくちゃいけないんだろうというふうに思っております。そういう意味では、これにつきましては、ちょっとお時間をいただきまして、ただ、都政が持っております広報媒体手段、これについて多方面に活用していくというのは当然のことでございますので、このことについて、さらに一層研究を進め、充実していきたいというふうに思っております。

○山下委員 いろいろ申し上げましたが、最後のお言葉を私なりに理解をさせていただいて、この質問を--とにかく、この行政評価というのはいろんな諸先輩方お考えをお持ちでしょうが、磨けば光るすばらしいツールだと思うわけです。繰り返しになりますが、いかんせん都政というのが、住民にとって本当に遠いんですよね。国政のことは、国会議員全部は出ないですけれども、ちゃんとテレビに映るわけです。市政や区政のことは身近なことなので、知っていらっしゃる方も多いと思う。都政というのはやはり一番距離があると思うんです。この都政をもっと住民にわかりやすく、先ほどのご答弁にもあるように、ニーズに合った、そういったものを本当につくっていただきたい。この一念でございますので、どうかそういった方向で前向きにご検討いただくよう強く要望いたしまして質問を終わります。ありがとうございました。

○古館委員 それでは、私も行政評価に関連して質問したいと思います。
 先ほど、都民という視点に立って行政評価をした、こういうお答えがありましたけれども、事業の所管局が積極的推進、このように評価した事業で、それが二次評価で、知事本部が廃止と、このようにした事業、今回は一つあります。一昨年は廃止事業が二事業でした。昨年が廃止事業が三事業。これを合わせますと、計六事業の廃止ということになりますが、今日までのは東京都の高尾自然科学博物館とか、近代文学博物館、青少年センター、環境学習センター、都生涯学習センター、こういう形で、いわゆる石原都政の改革のねらいどころというのがここではっきり見えてきているということがいえるかと思うんです。
 今回は事業名のナンバー36の優良建築物整備事業であります。この優良建築物等の整備事業ですけれども--これは板橋区が出しているパンフなんです。板橋区でもちゃんとこういうパンフを出して、この中でどういうことを推進するかというのが書かれてあります。これは例えば、木賃住宅の密集地、こういうのを共同化タイプにして、空地だとか、歩道の拡幅、そういうようなことをやる。それから、市街地の環境形成という形で、いわゆる地域のそういうところの環境改善、それから、マンションの建てかえということについても対象事業になっている。
 私は、この廃止事業に対して、私の出身は板橋ですので、板橋区の所管部とお話しする機会を持たせていただきました。板橋では既に三カ所事業化しました。私の知っている一つのところは、前は木賃の、はっきりいえば、ごちゃごちゃと固まっていたところが、マンションに変わることで、車道も歩道も広くなって、子どもたちの遊ぶ公園も生まれた、こういう状況があるんです、この事業、補助事業ですけれども。これは本当に必要なんだ、これをとられたら、本当に困ってしまうというのが板橋区の担当部の切な私に対してのお答えでありました。
 それで、お聞きしますけれども、事業局が積極的推進と評価をした理由をまず述べていただきたいと思います。

○高島特命担当部長 事業局の一次評価でございますが、これは評価票の第一次評価でございますが、それを読みますと、今後老朽化マンションの建てかえや耐震改修のニーズが増大することが見込まれるため、事業を積極的に推進していくというふうに評価しております。

○古館委員 今事業局としては、今後のニーズが非常に大きなものだと、例えば、板橋の場合でもそういうところがありまして、木賃の密集住宅を何とか改善したいということもあります。この行政評価の中でも、都民、関係団体等からも、最近は権利者調整の難しいマンション建てかえと、耐震改修についても、この積極的な行政の支援を求める相談がふえていると、このような意見が寄せられているということが書かれております。つまり、今はマンションの老朽化の対策だけじゃなくて、耐震補強だとか、そういう耐震型ということに対しても、これは補助をしてきています。こうした意見が上がっていることを認識されておりますでしょうか。

○高島特命担当部長 区市町村の声が届いているかということでございますが、私どもの評価を公表いたしましたのが最近でございます。各区市町村の方にもこの評価結果についてはお配りしておりますが、まだ具体的にそのお話、聞いておりません。ただ、いずれにしましても、この内容及び評価結果について、何かご意見がありましたら、拝聴いたしますし、また私どもの考え方を十分ご理解いただけるよう努めてまいりたいというふうに思っております。

○古館委員 これは板橋区に限らないんですけれども、昭和三十年代のマンションは今本当に老朽化の問題があります。こういう老朽化が進む中で、建てかえのときの補助は優良建築物等整備事業、これが最も地域的になじむんだというんですね。これしかないんだ、このようにいわれているんですが、マンションの改修に対してはこの事業しかないでしょうか。どうですか。

○高島特命担当部長 マンションの建てかえに係ります補助制度がほかにあるかというお尋ねでございます。これは政策目的が異なりますが、類似事業といたしまして、都心共同住宅供給事業というのがございまして、この中でマンション建てかえに対する補助制度がございます。

○古館委員 だから、都心居住なんですよね。そこはあるんだけれども、これ自体も要件が非常にきついんですよ。(発言する者あり)板橋なんかは、今、くしくも板橋は都心かという声が上がりましたけれども、周辺区なんですよね。残念ながら、センター・コア・エリアという中に入ってないんですよ。そういうような形で、このいわゆる優良建築物等の整備事業というのは、本当に周辺区や市町村はなくてはならない補助事業であるということは、今の話の中でもはっきりしていると思うんですね。しかも、これは国が三分の一、都が六分の一、区が六分の一という、国が主導的にやりながら、同時に都も区も六分の一ずつ出しているという補助事業であります。
 先ほどいいましたが、国はメニューをマンションも含めて、今度は耐震型も追加する。つまり、国自体が充実をしてきている事業なんですね。メニューに加わった耐震型について、都はやっているのかと思ったら都だけやってないんですね。私は、こういうものこそ行政評価の中で補助対象にすべきだと思いますけれども、どうですか。

○高島特命担当部長 この制度でございますけれども、ただいま委員の方からご紹介ございましたが、基本的にこの制度は都道府県の負担を前提とした制度ではございません。国の制度といたしましては、あくまで国三分の一、市町村三分の一、事業者三分の一という制度でございます。東京都の場合は、過去この市町村三分の一の部分の半分、ですから六分の一でございますけれども、この三分の一を二分の一助成するという形で市町村を応援してきたという経緯がございます。そういう意味では、あくまで国が制度設計しているものは、都道府県負担が想定されてないということは、まずご理解いただきたいというふうに思っております。
 それから、耐震型でございますけれども、ご案内のとおり、数年前にメニューとして追加されましたが、これにつきましては、今回の廃止の提言、指摘と同じような考え方に立ちまして、極めて小規模な点的な事業であり、広域的な都道府県、東京都としてこの事業について助成するのはどうであろうかと。むしろ区市町村の主体的な取り組みに期待するという形で整理しまして、この耐震部分につきましては、従前から都の補助は出ておりません。

○古館委員 今耐震型のことについては、東京都は、もともとこの耐震型というのは非常にきついんですよ。この間も災害対策に対する条例の大幅改定がありましたけれども、自分で全部そういう災害は防げと、そういう中でもって耐震問題についてはほとんど撤退をしていくという形があります。私は改めて、耐震型についても補助を創設してもらいたい、このように思っております。
 先ほど、もともと都の事業じゃないというふうにいいましたけれども、今まではずっと区市町村に対して六分の一を東京都が負担してきたわけですから、よいことは今までどおりやればいいんですよ。そういう意味で、積極的推進というふうに事業局が挙げた理由の中に、今後は老朽化マンションの建てかえや耐震改修等のニーズが増大することが見込まれるというふうに事業局がいっているんですね。実は、建って三十年、おおむね昭和三十六年から昭和四十年代にかけて、どれくらい老朽化マンションがあるかというと、東京都内で二十一万戸といわれております。アンケート調査によりますと、そのうちの大体三割ほどが建てかえを検討したい。ですから、これは非常に大きなニーズでありまして、しかもそういうことについて、周辺であってもどこであっても、東京都の中でサービスを公平にするというのは、私は、本来の東京都の施策として、あり方としては、そういう施策が必要であるというふうに思っています。
 これに対して知事本部は、廃止の理由として三つ挙げているんですね。今お答えもありましたけれども、その第一が、区市町村が主体的に行うべきである、こういうものなんですね。この事業はもともと区市町村が主体で行っているんですよ。だから、パンフも出している。それに対して東京都も六分の一を補助しているわけですね。だから、主体的に行うというのは、今までも主体的に区市町村がやっているわけであって、補助事業はこれからもきちんと継続すべきだ、改めて聞きますけれども、いかがでしょうか。

○高島特命担当部長 この優良建築物の補助金を続けるべきじゃないかというご指摘でございますが、私どもの考え方は、評価結果にお示しいたしましたとおり、基本的には広域的効果ではなく、非常に点的な整備の事業としてこの事業が使われているということ、それから、あくまで事業主体は区市町村でございまして、区市町村がみずからのまちづくりに必要となるものについて、文字どおり自己決定、自己責任でこの施策を選択されていること等々、特段の別途の政策目的がないものである以上、この問題につきまして、従前から補助金を出しているから、これからも補助金を出すということはなかなか難しいんじゃなかろうかと思っております。
 特に、国と都、それから都と区市町村との関係が、分権時代に入りまして、それぞれ、文字どおり、自己決定、自己責任でやっていく時代になっております。そういう意味では、それぞれの財政的な秩序をはっきりした上でこういう事業の展開を図ることが今後とも望ましいんじゃなかろうかというふうに思っております。そういう意味では、廃止すべきであるというふうに考えております。

○古館委員 先ほどもずっといっているんですよね。小規模な点的整備にとどまっているから廃止なんだと。広域的というのは、東京都が今出している都市再生みたいなのが広域なんですね。だけども、例えば板橋仲宿という木賃住宅が密集しているところがあります。消防自動車も入らないかというところ。そういうところに対しても、今はそれは小規模な点的だよと--何が点的って、漢字で書くと点的と書くんですが、そういうものだって、実は一つやると町全体が安全性が高まっていく部分というのはあるんですよね。これはイニシアルキックとして、そういうところが進めば、一つの町としての安全性から安心感なり、それから緑とか公園とかというのが生まれていくという点では、私は極めて大きな使命を持った事業であると思っております。
 実は、昨年の十二月十三日の総務委員会で、木村委員が、この行政評価について質問をした中で、一次評価の方がずっと具体的で現実的だと。私もこれを読んでいて、全くそういうふうに同感なんですね。ところが、結果は、二次評価、これを押しつけるという形になっているのが行政評価の特徴なんですよ。
 実はこの中で、何でこういう行政評価がやられるのかということで、このときは生涯学習センターとか、東京都のそういう、青少年センターとかということに関連して、木村委員が質問したんですね。そしたら、こういう答弁なんですね。今回は都はそういうものから撤退してより身軽になる。つまり、身軽になるためにこういう行政評価を行ったんだというふうにいうわけですね。これは本来的に、身軽になるということで行政評価って、行政評価になじむんですか。いかがですか。

○高島特命担当部長 行政評価は、決して何か制度を廃止する、財源対策として金額を捻出する、そういう手段ではございません。これはあくまで、何度も申し上げておりますように、客観的な指標に基づきまして、現行の政策手段の当否を分析し、そしてその事務事業のありようについて、今後の方向を示すものであるというふうに理解いたしております。
 その証左といたしまして、ただいま委員の方から木造密集地域の話が出ましたが、この木造密集地域につきましては、実はほかの補助制度がございます。それはもう多々ございまして、ご紹介させていただきますと、木造住宅密集地域整備促進事業、それから緊急木造住宅密集地域防災対策事業、都市防災不燃化事業、防災生活圏促進事業、このような形で政策目的といたしましての密集市街地対策については、格段の配慮をしているところでございます。
 ちなみに、今年度の、平成十四年度行政評価結果におきましても、その事業の一部を評価いたしております。それは、お手元に資料がありませんが、都市防災不燃化促進事業ということで、木造密集地対策の事業を評価いたしております。これについて、じゃ、どういう結果を私ども二次評価でしているかということを申し上げますならば、結論だけいいますと、着実実施でございますが、不燃化促進事業は、都市の防災性を高めるとともに、住民の避難地、避難路を確保するために必要な事業であり、今後も着実に進めていく必要があるというのを知事本部の方で評価させていただいております。
 私どもも、個々の政策目的、政策手段に照らしまして、必要なものは伸ばし、そして不必要なものは切るような形で行政評価の結果を出しておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

○古館委員 今私が例えばの話で、木造密集のことをいうと、木造密集で来るんですけれども、先ほどの質問でも、マンションの老朽化対策だとか、そういうものがまだまだ事業としてあるんですよ。ところが、そのマンションに適切な、周辺区に対してそういうことに対する補助というのはないんですよ。だから、そういう部分でいえば、これは改めて聞きますけれども、じゃ、事業局が積極推進だ、知事本部が廃止だ、私はこの評価というのは両方とも対等のものだというふうに思うんですね。ところが、結局二次評価が、これは廃止ですよといったら、廃止を押しつけることになるんですか。いかがなんですか、これは。

○高島特命担当部長 この一次評価と二次評価、ある意味ではちょっとベクトルの違う方向が、こうやって公の文書として都民の皆様に公表させていただくということは、今までの行政のありようからいえば、非常に例がなかったことじゃなかろうかと思っています。そういう意味では、政策決定過程の透明性を高め、どういう判断でこういう判断に至っているかを示すという意味では、ある意味では非常にわかりやすい論点提示じゃなかろうかと思っております。
 二次評価につきましては、決して押しつけるわけじゃなく、二次評価する際に対しましては、担当事業部局と十分議論を踏まえ、そして事業当局の理解を得て、こういう結論に至っております。そういう意味では、この二次評価につきましては、ほかの事業もそうでございますが、私ども全事業部局と十分議論を重ね、今後の都政のありようからいって、この事業について現段階でどう評価するのが適当か、そういうことを十分議論し、結果を出したものでございますので、この結果につきましては、各事業部局でも尊重していただけるものというふうに考えております。

○古館委員 実は先ほどの木村委員の質問は平成十三年の十二月十三日の日に行ったんですね。当時、南雲特命担当部長ですけれども、木村委員が今の私と同じ質問をしたんですよ。そしたら、この特命担当部長、何て答えたかというと、「双方相反する場合には、二次評価の内容を踏まえて見直しの検討を行うようお願いしているものでございまして、廃止という評価を押しつけているわけではございません」。そういう担当部長の答弁に対して、木村委員が、「ということは、事業局の頑張りいかんでは、廃止となっても廃止しないで、二次評価の内容を踏まえて、さまざまな見直しは当然行われるでしょうけれども、事業局の頑張りと情勢の変化によっては、二次評価どおりの決着といいますか、結果にならなくてもいいということなんですね」といったら、この特命担当部長は、「理論的にはそういうことになろうかと思います」。いかがですか。今の答弁に対して、もう一回追認できますか。

○高島特命担当部長 南雲部長の答弁については、私も十分承知しておりますが、必ずしも先生がご理解されている趣旨での内容ではなかろうかと思います。私どもがこの評価で行っておりますのは、この評価自体が自己改革ということが基本でございますので、まず一次的には担当事業部局でやっていただく。そして、私どもが二次評価として、担当事業部局と文字どおり相談しながら、そしていろいろな多角的な視点を入れながら、新しい視点でまた議論させていただく。そして、最終的な都政の方向づけとしてこの二次評価を生み出しているということでございます。
 ですから、この二次評価につきましては、知事本部の評価になっておりますが、その形成過程におきまして十分事業当局の意見も踏まえた上で、作成させていただいたということでございます。そういう意味ではこれを押しつけるとか、そういうものではなくて、あくまでこれは、一つの都政における政策判断の議論の過程の材料を幅広く住民の方にわかりやすくご議論していただくために提供しているものでございまして、この私どもの二次評価の結果につきましては、事業部局の方でも十分尊重していただきまして、そういう方向で見直しをしていただけるものというふうに考えております。

○古館委員 私は、これはそういう意味では、先ほど、アクセスしてそういう意見が寄せられてきたのがなぜ少ないかというと、今いったように、知事本部が出せば、何でもそれが決まっちゃうということになると、アクセスして、意見出したって同じなんですよ。だから、そういう部分について、区も市も、必要だよというようなことをいっているわけですから、これは私は、去年の木村委員の答弁に立ち返って、そういうことをぜひとも事業局との間で十分なすり合わせをしてもらいたいと強く求めておきたいと思います。
 私は、そういう中で、これは本来は行政評価というよりも、この十四年の七月に、財政再建の取り組み状況と平成十五年度予算編成という東京都の財務局が出しているのがありますね、ここで、高どまりを続ける経常的な経費、これを乗り越えていかなきゃならないハードルだというふうにいって、削減対象にしているんですね。その中の一つが、区市町村に対する補助金なんですよ。こういうような部分を、つまり行政評価とは別の財源の問題としてとらえるというのは、私は本当にいかがなものかというふうに思っております。しかも、都心じゃなくて、いわゆる周辺の町で、マンションの問題にしろ何にしろ、そういうことをやろうかな、環境改善をしようかなと思っている部分を、東京都が補助を打ち切るということについては、やっぱり都市再生先にありきだと、こういうふうに断ぜざるを得ないなというふうに思っています。
 そういう点では、この行政評価については、もう一回事業局ときちんとすり合わせをして、区市町村の話もよく聞いていただきたいと思います。これだけ質問させていただきたいと思います。

○高島特命担当部長 この行政評価結果の今後の取り扱いでございますけれども、先ほど来から申し上げておりますように、各事業部局とは十分議論し、また、個々の論点ごとに意見交換し、今後の都政のありようとして、また現状における社会経済情勢を踏まえて、どういう方法が適切かを十分議論した上でこの結果を出しておるということをまずご理解いただきたいと思います。
 それから、住民からのパブリックコメント、今後区市町村から意見が出てまいりました場合の意見聴取、こういうものについては誠実に対応させていただきたいというふうに思っております。よろしくお願い申し上げたいと思います。

○古館委員 そういうことで、先ほどからいいましたように、これは十分に、廃止という事業として出しましたけれども、その中にある重要な、今後ともニーズが高まる、そういうものも多分に含まれておりますから、この点については事業局とよくすり合わせをしながら、それから区市町村も強く継続を切望しておりますので、これを続けていく、このようにぜひ英断を下していただくことを強く求めて私の質問を終わります。以上です。

○名取委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時八分休憩

   午後三時二十二分開議

○名取委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 発言を願います。

○大西委員 まず、重要施策について二、三お聞きしたいと思います。
 このたびの重要施策の発表では、今年度の重要施策とは根本的に方針が異なるように思うんですが、従来の計画ではなく、戦略との位置づけとの違いは何なんでしょうか。

○中田企画調整担当部長 これまで都は、直面します危機を克服し、東京を再生し、豊かで安全な都民生活を実現するため、さまざまな分野で国に先駆けました先進的な取り組みを進めてきました。今後はこうした取り組みをさらに発展させまして、都政全体で取り組む体制をつくっていく必要があると考えております。
 そのためには、これまでの網羅的に事業メニューを示した計画ではなく、政策から執行体制まで含めました戦略が必要であると考えております。重要施策はこうした考えに基づきまして、総合的、横断的に都政の構造改革を推進する戦略指針として策定したものでございます。

○大西委員 改革の視点で示されております局の横断的な取り組みとか、現場感覚に根差した実践的な取り組み、都独自の先進的な取り組み、首都圏全体からの広域的な取り組みという四点は、いずれも重要な視点であると思っておりますが、ここから戦術として選定された重点事業は、今回二十二事業にとどまっているんですが、どのような基準に基づいて選定されたのか。
 また、今年度の百二十五事業との継続性という意味ではどのように考えていらっしゃるのか、教えてください。

○中田企画調整担当部長 今回の重要施策は、先ほど申し上げましたように、都政の構造改革を総合的に推進する戦略指針として策定したものでございます。重点事業は、この重要施策を推進するものでございますが、複合的、重層的な視点で、改革の先鞭をつける事業に絞りまして選定したものでございます。
 昨年度選定されました百二十五事業の大半は、経常化して着実に実施しているところでございます。また、事業の考え方を都政の構造改革に生かしていく必要のあるものにつきましては、今回の重要施策の中で具体的に七つの戦略的取り組みに生かしております。

○大西委員 金額も全体的に少額であるわけで、どうしてもそういう意味では近視眼的なものになるのは仕方がないといたしましても、やはり長期的な視点を持った重要施策も必要と思います。そういう意味で、この中にヒートアイランド対策においては、単に道路をつくり、CO2を減らすことのみが示されているようですけれども、やはり運河とか、水路の復活とか緑の道、自動車中心でない道路のあり方とか、そういうものの複合的な政策の視点も必要であるんじゃないかなと思っております。
 そして、そういう目で見たときに、例えば九ページから一三ページのまちづくりにおきましては、相変わらずプロジェクト主義で、地域のNPO等との連携したボトムアップのまちづくりの視点がないなど、気になるところがあります。
 さらに、一三ページの人と物の流れの実現というところでは、やはり陸と空と海のそういうものは書かれているわけですけれども、そういうところを充実したときには、どうしてもそことの関係、例えば飛行場を整備すれば、今でさえも浜松町のホームは人があふれていたり、そういう部分がいっぱいあるわけですね。そういうものの総合的な整備というものを長期的にこの重要施策に、やはりビジョンとして掲げたりする視点が必要じゃないかなと思います。
 特に、公共交通ということが、東京の交通問題では欠かせないわけですから、特に陸というところでは道路だけしか書いてないわけですけれども、道路をつくったにしても、結果として車の総量削減につながるような施策でなければならないわけですし、そういうものも複合的に考えていただきたい。特に今、立川におきましても、浜松町におきましても、町が充実することによって、ある意味、ホームの危険性といいますか、乗りかえ駅の部分とか駅周辺のまちづくり、駅の空地をどうつくっていくのとか、そういうことの視点も、ぜひ入れていただきたかったなと思っております。
 重要施策はそれで終わらせていただきたいと思います。
 行政評価にいきます。行政評価の対象とする事務事業は、どこがどのような理由で決定するのか、改めてお聞きしたいと思います。

○高島特命担当部長 対象となります事務事業の選定でございますが、行政評価の実施対象につきましては、知事本部長が効果的、効率的な都政運営を行うために必要と判断したものを選定し、知事の承認を受けて決定いたしているものでございます。

○大西委員 必要と判断したものを選定しというふうにお答えあったんですけれども、その選定する作業部隊というのは何人ぐらいで、どのくらいの期間をかけて、そしてその選定の判断基準というのはどういうものがあるんでしょうか。

○高島特命担当部長 具体的な対象の事務事業の選定方法でございますが、これにつきましては、一つは、知事本部の中で、現在都政が抱えている課題の中で行政評価の対象としてふさわしい項目はないか。また先ほど来から申し上げたように、住民からのパブリックコメント等々でどういうものが出てきているか。それから、各事業部局での問題意識、そういうものを幅広く総合的観点にしまして、具体的に最終的に事務事業を選定するに当たりましては、各事業部局と調整した上で知事本部の方でこの対象を取りまとめております。
 具体的な選定の期間としましては、今年度の例でいいますと、二カ月から三カ月ほどかけて多角的な視点で、この選定の作業に当たっているという実情にございます。

○大西委員 何人ぐらいでやっているんですか。

○高島特命担当部長 具体的な作業の--私どもの知事本部でこの問題を担当しておりますスタッフは、先ほど申しましたように、九人でございますけれども、各部局の企画担当部門、また、実際の事業所管部門の職員も参加しますので、そういう意味では大勢の職員が参加し、この対象事業を選定しているというふうに申し上げたいと思います。

○大西委員 平均どれくらいですか。

○高島特命担当部長 平均といわれますと、なかなか難しゅうございますが、基本的には組織的な合意を得てこの選定を行っておりまして、特定の何か一部の人間だけで事業を選定しているというわけではございませんので、幅広く都政の中での意見を集約し、民主的な形で決定しているというふうにご理解いただければよろしいんじゃなかろうかというふうに思っております。

○大西委員 都の行政評価は試行実施を含めて今回で四年目となるわけですけれども、これまで評価された事務事業について、行政評価結果を受けて着実な実施や内容の見直しがされているかどうか、どのように点検しているんでしょうか。

○高島特命担当部長 いわゆるフォローアップの関係のお尋ねでございます。知事本部におきましては、各部局がそれぞれ私どもの二次評価の指摘を受けまして行いました事務事業の見直しにつきまして、翌年度、各局に対しましてその実施状況の調査を行っております。これにつきましては、内容につきまして、再度改めて評価し直しているという面もあると思いますが、その見直しの状況が十分でないと判断したものについては、さらに二カ年間継続して調査を実施するということに相なっております。
 なお、この見直し状況調査の結果につきましては、知事に報告の上、都民に対して公表しているところでございます。

○大西委員 当然ながら、行政評価の目的は、評価ではないわけです。評価対象となった事務事業についても、必要に応じて反復して評価を実施することが大切であると考えるわけですが、今後の行政評価のあり方をちょっと具体的にお願いしたいと思います。

○高島特命担当部長 ご指摘のとおり、行政評価は評価そのものが自己目的化してはいけないと思っております。評価結果を実際の施策や事務事業の見直しに結びつけていくものだろうというふうに思っております。
 そのため、先ほど申しましたように、知事本部の方におきましては、評価を実施した項目につきまして、翌年度またそれ以降、フォローアップ、事務事業の見直し状況調査を実施しております。これにつきましては、先ほど申しましたように、不十分なものについては適切に対応するよう求めていくということでございます。
 また、この見直しの状況の結果いかんによっては、改めて社会経済情勢変化を踏まえて評価し直すことが必要であるというような事態に至れば、また再評価し直すということもあるんだろうというふうに考えております。
 いずれにしましても、この行政評価の結果につきましては、毎年度の予算編成ですとか、各部局の事務事業のありようの中で十分反映できるよう私どもも各部局にお願いし、また努力しているところでございます。

○大西委員 先ほど、都民参加につきましては、いろいろと他の委員からもお尋ねがありましたので、結果的にそれを総合していくと、行政評価というのが、また行政評価は都民参加にならなければならないというのは皆さんの一致するところであると思っております。行政評価の結果に対しての都民の声というものは、今インターネットで受けたり、問題点、先ほどから出てきましたけれども、これをどういうふうに広げていくかということが、本当の意味での行政評価が成功するかどうかのかぎになると思っております。そのときに、議会があるじゃないか、インターネットでの意見を聴取しているといっていらっしゃいましたけれども、私は一つは、アクセスが少ないのも、都民が満足しているのか、それともあきらめているのか、どちらですかと聞きたいところですけれども、やめますが、それはこちらが管理していかなければならないわけで、そのためには、そういう媒体ではなくて、やはりフェース・ツー・フェースでそういう場をつくっていくことはとても大事だと考えています。
 長野とか千葉の知事も、みずからが出向いて市民の中に行き、そして市民の声を聞くというようなことをしているわけですので、石原さんにそれを求めるかどうかは、いろいろ疑問もありますけれども、少なくとも都の職員というのは、やはり、先ほどから指摘がありましたように、どうしても現場と遠いと思っています。そういう意味では、嫌がらずに、実際そういう場を持つということは、手間がかかります、でも、これからはそのことが必要だと思います。なぜならば、都みずからが、これからの行政は市民と行政のパートナーシップが重要だといっていらっしゃるわけですので、そういう意味では市民参加というのはいろんなところで、もう現場ではあちこち起きています。今そこではどういう声が上がっているかというと、行政参加が欲しいということをいっています。このことをぜひ受けとめて、そういう意味では、都庁も時代おくれにならないように、そういう職員の意識改革を進めていただきたいなと思います。
 行政評価はそれで終わりますが、先ほどの重要施策で一つ忘れていましたので、もう一度お尋ねしたいと思います。
 戦略を進める上で、都政の制度疲労を克服するという改革については、都職員自身の理解と協力が前提となると考えるが、改革の意味するところをどのように周知し、合意を図るのか、また方針を掲げた知事本部として、各局との連携体制をどのように準備しているのか、お聞かせください。

○中田企画調整担当部長 ライン化された仕事の仕組みや現場感覚に根差した取り組みの欠如、こういったものを都政の制度疲労と位置づけているわけですけれども、この都政の制度疲労を克服するためには、都政を担う職員が改革の必要性を理解し、実践することが不可欠でございます。そのためには、職員自身の自己変革が必要であり、人事面におきましても、改革意識の高い職員が育つような形で改めていく必要があると考えております。
 また、重要施策の実現に当たりましては、知事本部は各局と十分に議論をしながら、都庁の仕事を総合的、横断的に調整し、取り組み、改革の実現を目指す、そういうふうに考えております。

○大西委員 そこで、先ほどの私の市民参加、行政参加が今求められているということにも関係するんですけれども、人事面において改革意識の高い職員が育つような形でというふうに書いてありますが、具体的にどのようにすれば育つのか、どういうことを考えていらっしゃるのか。

○中田企画調整担当部長 今後の基本的な人事制度につきましては、重要施策の方に書いてございますが、人事制度白書のⅢ、東京都における人事制度の現状と今後の方向Ⅲというのがございまして、この中で具体化されていくわけですけれども、現実の人事制度の今申し上げました職員の意識改革というのは、ある意味で職員一人一人が仕事を通じてその中で培養され、また身につくものと考えております。
 そういう意味では、今回の重要施策につきましても、策定の過程から、知事本部を含めまして議論を積み重ねまして、フィードバックしながらつくり上げた経緯がございます。また、今後の重要施策の実現に当たりましても、同じような意味で、あるいはそれ以上にそういったことを繰り返しながら、その中で職員の意識改革を図り、その職員がまた他の職員の意識啓発をする、そういった形で実際の意識改革がなされていく場面もあるんじゃないかと考えております。そういう意味では、人事制度の制度の改革とともに、実践の場を通じまして職員の意識改革を図っていく、そういったことが求められるのではないかと考えております。

○大西委員 どのように変わってくるのか、今のやり方がいいのか。聞いていて明るく見えないんですけれども、都庁内だけで仕事を通じてやっていても、非常に難しいんじゃないかなと思っております。やはり、行政評価の作業についても、本当に限られた人数で決めていくような体制じゃなくて、やはりそこに、市民参加と先ほどいいましたけれども、改めて、市民が今いっているように、行政参加というのが都民の中に非常に求められている。その中でしっかり職員としての意識改革も磨いていただき、昔ながらのあれに縛られずに、いいものはどんどん変えていくというような姿勢を持っていただきたいということを要望して終わらせていただきます。

○木村委員 私も、去る十一月十五日発表されました重要施策及び平成十五年度重点事業、これは構造改革を推進するための戦略指針という大層なサブタイトルがついていますが、これについてお尋ねをしたいと思います。
 読ませていただきましたが、一番最初にちょっと気になったのは、制度疲労という言葉が非常に頻繁に使われているという印象でした。五〇ページの冊子でありますけれども、制度疲労が出てきたのが十七回。目次を入れると十八回ということなんです。しかし、制度疲労とは一体何かということは説明はされていないんですね。制度疲労しているから、こうやらなきゃならないというふうにのっけから論が進んでいるということなので、まず、ここでいっている制度疲労とは何なのか、定義を教えていただきたい。

○中田企画調整担当部長 重要施策におきます制度疲労の概念というお尋ねでございますが、都はこれまでさまざまな制度改革を進めてきたわけでございます。しかし、都政が取り組むべき課題は、これまで以上に複雑、高度化する中で、今の都政には目前の課題解決を妨げている組織体質上の問題が残念ながら少なからず残っております。それを私どもこの重要施策におきましては制度疲労といっているわけですけれども、具体的に申し上げますと、課題の複雑化に対応できないライン化の硬直性、これが一点でございます。現場の実態を踏まえた問題意識に乏しい職員の体質、これが二点目でございます。国の制度による制約に安住する体質、これが三点目でございます。首都圏全体への課題の広域化という視点の弱さ、これが四点目でございます。これを制度疲労と定義いたしまして、こうした制度疲労を克服し、都の全組織を挙げて構造改革に取り組む、これが直面する重要課題の解決のためには不可欠である、そのように考えております。

○木村委員 それは都政に内在している制度疲労の一例といいますか、概念というご説明ですよね。一ページから日本の危機を生み出している制度疲労という形で制度疲労が使われているんです。それは過度の規制、中央集権による地方自治の抑制、行き過ぎた平等主義、年功序列制というようなことが例示されていて、これが日本の停滞を生んでいるというふうに制度疲労が続いていますね。そうしますと、今部長がいわれたようなこととは違って、国全体の社会の仕組み、その社会の仕組みから生まれるさまざまな矛盾や問題点も制度疲労であるというふうになっていますね。いうなれば、制度疲労という言葉は非常に幅広くこの冊子では使われています。
 もう一度お尋ねしますけれども、都政の中におけるライン化の硬直化とか、安住する職員の体質とかというのは、それはそれで都政の中に内在している制度疲労のご説明だと思いますが、ここで使っている制度疲労というものの全体をもう一度定義づけていただきたい。

○中田企画調整担当部長 私が先ほどお答えしましたのは、都政の制度疲労というべきものでありまして、今木村委員からご指摘のあった一ページにありますような制度疲労、これは国全体を覆う制度疲労という形で例示させていただいているわけです。一般的な意味での制度疲労という定義は、いろいろな定義があろうかと思いますけれども、ある一つの制度が、時代が進み、社会経済環境の変容といいますか、変化、そういったものに適切に対応し切れなくなりまして、制度発足のときの機能を必ずしも十全に発揮していない。むしろ場合によっては弊害が多い、こういったものが一般的には制度疲労と定義されるかと思います。
 そういう意味では、今回の重要施策におきます制度疲労というのは、ページ、ページによりまして、一般的な定義から、その限界といいますか、定義づけによりまして、おのおの解釈すべきと思いますが、先ほどいいました今回のこの重要施策の大きなテーマとしての都政の制度疲労という形で、先ほど申し上げた制度疲労を私答弁させていただきました。

○木村委員 言葉じりをとらえてけちをつけるつもりはないんですよ。だけど、構造改革を推進するための都政の戦略指針ということになれば、やっぱり言葉の使い方はもう少し厳密で正確なものとして、行政方針としてもつくっていただきたい。制度疲労、制度疲労といいますけれども、今の言葉でいえば、制度発足してから現実に合わなくなっている制度、これはいわゆる制度、健康保険制度とか年金制度とかいう意味での制度のことをいわれたと思うんですけれども、全体の文脈でいうと、例えば都政の中でいえば、職員の体質まで制度疲労の制度の中に入るわけですね。だから、辞書を引いて、制度と引くと、人為的にこういう仕組みですというふうになりますけれども、ここで使われている制度というのは、そういう何々制度というものもいっているだろうし、何かの体質も、制度疲労の制度に入るだろうし、もっと漠然と世の中に行われている慣習とか仕組みとかいうのもみんな制度というふうに使っているというふうに私は読めるんです。そういう言葉の使い方で行政の方針をつくっていいのかというのが、まず一つあるんです。
 どうにでも、この制度疲労はこの部分です、この制度疲労はこういう大きな部分ですというようなことをやれば、一つは国民、都民が直面しているさまざまな問題があるのに、それは行政が取り組むべき課題とは違う、制度疲労の問題じゃありませんということもいえるし、それから、さらに解決すべき立場に立って、国民を苦しめている本当の核、本体というものを免罪する。いうなら、政治が悪い、大企業は横暴だというのは、制度疲労とは違う次元だということになって、免罪するということにもなるし、つまり、そういう意味で、私はまず一つ苦言を呈したいというふうに思うんです。
 そういう意味で見ますと、今本当に東京都が重要施策として戦略的に位置づけていくものというのは、果たしてここに盛られていることだけかということがあるんですよ。七つの分野で整理はされていますけれども、やはり制度疲労という言葉によって都合よく論を運ぶために、本当に今必要な都民にとっての重要施策というものが抜け落ちていないか。例えば、空前の失業率、リストラのあらし、これをどうするのか。都政は関係はないのかということになりますね。企業倒産、不良債権処理の加速、こういう流れに対して、自治体として何か戦略を持つ必要はないのかという問題については、ここには一切触れられていない。そういう意味での本来持つべき、都政が今重要施策と打ち出すならば、避けて通れない問題がこの重要施策には欠落している、まずそのことを申し上げたい。
 空前の失業率という話をしました。この重要施策、七つの戦略的取り組みの中に、雇用問題がありませんけれども、これはどのような考えでそうなったんでしょうか。

○中田企画調整担当部長 重要施策におきます雇用の取り扱いのお尋ねでございます。雇用そのものにつきますものは、国の施策による部分が非常に多いかと思いますが、雇用を創出するということに通じます施策につきましては、都としても行っていくということで、今回の重要施策では、緊急中小企業対策といたしまして、多様化する受講ニーズに合った職業訓練機会の拡大、これを図るために夜間職業訓練の駅前ナイトスクールの新設などを行うということで、記述してございます。
 また、最終的には雇用の創出につながります東京の産業力の強化、これにつきましては、産業振興を通して雇用を喚起するためのさまざまな活性化策を盛り込んでいるところでございます。

○木村委員 確かに関連するといえば、駅前ナイトスクールとか、あるいは高校改革のデュアルシステムとか、雇用をつくり出していくという点で、関連するものが幾つか入っているんですよ。しかし、七つの戦略の中の一つ、つまり今都民が一番苦しんで不安に思っていることについては、そのものとして、戦略としては位置づけられていないということは明らかだと思うんです。
 東京構想二〇〇〇には位置づけられているんですね。働く意欲のある人が就業しやすい社会を実現するということで、数ページ費やしていて、これからの取り組みは再就職や転職が円滑にできる社会を構築するということが、書かれている。戦略三十には雇用が流動化する社会を生き抜く労働者をサポートする。これは職業訓練のことが触れていますよというかもしれない。東京構想二〇〇〇から見ても、例えばこの分野でいえば、この重要施策では明らかに後退しているといいますか、軽く扱われているということはいわざるを得ないと思うんです。
 さて、もう一つ、例えば東京都政の構造改革を推進するための戦略ということになれば、東京都の財政問題、これは避けて通れない。どうするのか。年々借金がふえるという体質をどうするのか。これも第3章には税制改革等々、国に物をいいますということは出ていますが、都政プロパーとしてどうするのか。今財政再建推進プランは、来年度は最終年度というときに、中長期の視点で、次はどうするのかというのは私は避けられないと思うんです。
 石原知事も、四年前の選挙のときには、選挙広報に、はっきりイエス、はっきりノーという公約を掲げて、その第一番が、借金づけの財政にノーというものです。第一の公約。そして、この三年間見ますと、平成十一年都債残高が七兆一千億。平成十四年度、これは都営住宅等の事業会計の移行分を足せば、つまり従来どおりのあれになれば、七兆九千億。借金はふえている。しかも、それは減るという見込みは今立たない。我々が、都市再生その他をやればどんどんふえるばかりだよということをしょっちゅういっていますけれども。そうすると、この点についても、明らかに、戦略指針とはいうものの、都政の直面する最大、重要な問題については避けているというふうにいわざるを得ないと思いますが、その点はいかがでしょうか。

○中田企画調整担当部長 財政再建についての重要施策での取り扱いでございますが、具体的に七つの戦略的取り組みということで、環境であるとか、まちづくりであるとか、そういった都民の密着する分野につきまして、取り組みを行っているところでございますが、今回の重要施策につきましては、さらにもう一章設けまして、都みずからの改革というものがございます。そこのところで財政再建について触れておりまして、現在実施中の財政再建プランの達成に向けて全力を挙げて取り組んでいくということを重要施策におきましても位置づけているところでございます。

○木村委員 それは私もいったんですよ。一行書いてあります。財政再建についても、財政再建推進プランの達成に向けて全力を挙げるとともに、積極的に取り組むと書いてありますが、じゃ、どうするんだということになると、つまり、現実に借金はどんどんふえているというのをどう転換するのかということについては、挙げて今の財政再建推進プランにお任せということで、わかりやすい複式簿記とか、そういうふうに話が流れているということを私は指摘せざるを得ないんです。要するに、都民の暮らしが直面している重要な問題についての位置づけが弱い、同時に、都政が直面している最大の問題についても、真っ正面から戦略指針として掲げるという点では弱いということをまず第一にご指摘したいと思う。
 じゃ、一体何が書かれているのかということなんですが、それじゃ、今の石原都政が本当に目指している本音の部分、これは七つの戦略的な課題については、取り組みの方向というのがわざわざ必ず項目が上がっていて、しかも、改革推進に向けた取り組みというので、重点事業が並べられる。構成としては非常に親切で丁寧といえば丁寧。だけど、ここを読んで本当に今やりたいと思っていることが正直に書かれているのかというと、私は必ずしもそうでないというふうにいわざるを得ないんです。
 例えば、福祉につきまして、これまでの先進的取り組みで認証保育所の導入が挙げられました。これからの取り組みについて、TOKYO福祉改革ステップ2の着実な推進ということも書かれています。前川本部長が携わっていた分野ですから、重々ご承知だと思いますが、こういうことで、例えば認証保育が先進的取り組みです、その方向でさらに着実に推進します、競い合いを通じたサービスの量と質の向上を図るということが書いてありますが、認証保育所は営利企業が参入して、そして保育事業に対する参入する主体を多様化して競い合いをするということで、社会福祉法人に対する補助金、B経費などを廃止するという方針が七月の初めに出て、大きな問題になって、今それは都政が直面しているいわば懸案の問題の一つですね。そういうことはこの中にはそんなに詳しくは書かれてない。
 しかし、第3章の方にいって、これから進めていく都政みずからの改革の中の一つに、都の福祉改革から国をリードする。つまり、都がまずやってみせるんだ。そして、国に提言するんだという中には、認可保育所の設置基準の要件緩和というのも入っている。これが本音なんですよ。本音なんだけど、第2章の取り組みの方向には、そこまでは書いてない。よく見ると、後ろの方に一行入っているということなんですね。
 私、そういう意味ではこの重要施策というのは、よろいを着ているんだけど、そのよろいはちらっとすそだけ見えて、あと、このよろいを隠す衣の役割というのが本当じゃないかと思うんですけれども、この点はどうでしょうか。

○前川知事本部長 根本的なことですので、私の方から一言お話し申し上げます。議会でご質問を受けて、時々なるほどそういう見方もあるのか、ちょっと我々は思いつかないなと感じるときがあるわけでありますが、大変僣越ですが、今の木村先生のご質問にもそういう感を持ったわけであります。
 何か壮大な陰謀があって、サービスを削減するとか、あるいはコストを削減するとか、そういう都政の壮大な陰謀があって、それを実現するために、建前を一方で示して、本音は隠しておいて、徐々にやっていくとか、そういうことができるほど、我々能力もありませんし、それほどの時間もないわけでありまして、我々がこれをやろうとしたのは、今の政治状況の中で、今の時点で示せる都政の中長期的な戦略を示しておきたいと。例えば、ここに挙げているまちづくりについてもそうでありますし、産業についてそうであるし、福祉についても、医療についてもそうですが、我々実感でおかしいと思うところが都政についてたくさんあるわけです。例えば、まちづくりであれば、これまでの都市計画というのは抽象的なきれいなビジョンはある、しかし、現場の実践というのはほとんど区市町村任せじゃないか、これはおかしいんじゃないか。もっと都政が力を入れるべきじゃないか。あるいは福祉についてもそうであります。今の水準のままサービスを放置しておいていいはずがない。サービスの水準を上げなくちゃいけない。しかし、現実には今までは国の制度の枠内で、いわばお仕着せでしかやってないじゃないか。
 そういった都政が持っている根本的な欠陥、それを今の時点で示せるだけを示して、中長期的な視点で取り組んでいきたい。ご指摘があった、例えば財政については、ここにもはっきり書いてありますが、今この重要施策では示してなくても、これはきちんと東京都としてしかるべきときに明らかにしていきたいと思っておりますし、その方針は示しているつもりであります。
 私ども、いろんな制約の中で何とか都民のサービスを向上させるために全力を挙げてやりたい。そのためにいろんな工夫をしたい、そういう努力をしていることはぜひお認めいただきたいと思います。

○木村委員 せっかくのご答弁でありますので、私もいわせていただきたいというふうに思います。
 衣のすそからよろいが見える、そういうたぐいのことではないかというのは、物の例えなわけですが、根拠があります。それは、さきの代表質問で我が党も触れましたけれども、この八月に福祉局の部長会議が行われましたが、そのときに配られました資料の中に認証保育所の今後のあり方という文書がありました。そして、その文書には、認証保育所をてこにして、認可保育所の世界を崩していくということが書かれている。あるいは国の新たな保育所システムが認証保育所モデルへと転換していくことを目指すということも記されている。認証保育所が認可保育所と対等な条件で競い合える条件を整備するために、保育料の値上げを誘導していくという文言もある。これは別に東京都の方針としてオーソライズされたんじゃなくて、行政内部の会議の資料にすぎないということはお断りしておきますけれども、そういうことが現に検討され、考えられているということは事実。
 そういう事実から翻って、この重要施策を見ますと、やはりこれから国に物をいっていく上で、認可保育所の設置基準をさらに要件を緩和させていくんだということの中身が類推できる。そういうものとして、肝心のことも書いてないけれども、本音のところもよく読まないとわからぬぞという性格のものじゃないか。
 まちづくりの話が出ましたから、申し上げたいというふうに思います。この重要施策の中にはもちろん、緊急開発整備地域、これが位置づけられております。都市再生緊急整備地域は先進的取り組みで、もう既に石原都政の実績としても挙げられて、これからの取り組みの方向でも、規制緩和の集中実施等々の中でさらにこれを進めていくということが書かれている。これはそのとおりだと思うんです。しかし、私はこれだけじゃあるまいと思うんです。というのは、都市再生特別措置法についての財界やゼネコンなどの不満は、そういう地域指定をやるにしても、公的な資金援助がその計画の中の公共インフラに対する無利子貸付というだけだと。それじゃ非常に不十分だというのがいろいろなところから出ている。
 例えば、日本プロジェクト産業協議会、かの有名ないわゆるJAPICです。ここがことしの六月に、臨海部再生特区の提案というものを発表しました。その中の要望の柱は、公共支援を強めろということで、中核的民間事業に対する財政、用地の土壌汚染浄化、企画段階における専門家の人件費負担、税制、投資促進税制、土地関連流通税制の見直し、地方税減収補てん等々ですね。政府系金融機関による低利子、無利子融資の優遇措置の導入ということが要求されている。これだけだったら、財界がそう要求しているということになりますが、東京都はどうかといえば、これを受けて、東京湾地域における経済特区というものを既に提案をしている、もう取り入れているんですね。特区にしていく。提案内容、税制面の優遇措置、法規制の緩和、融資制度の充実、拡充。つまり、これは陰謀でも何でもなく、現実の方が既に進んでいるわけです。しかも、それは公共支援、公共の税財政支援を特区に、まちづくりの中にもっと投入しろということを要求し、それを東京都は受けて既に国にも要望しているということなんですよ。
 現にもう既に始まっていることについて、重要施策に何らか触れられているかといったら、触れられてないんです。結局、いい方がどぎつくて申しわけないけれども、やっぱりよろいを隠す衣じゃないの、これは。(「別に悪いことじゃないじゃない」と呼ぶ者あり)いやいや。そうやって、私たちは--一番先に東京都の借金がふえていくということをどう転換するかということが、真っ正面から触れられてない、今のような都市再生の路線で、さらに公共支援を強めていくということになれば、さらに財政的にも大きな負担になるということは明らかなわけです。それが例えばまちづくりの中でそういう方向で現に進みつつあるのに、触れられてないということになれば、本当の本音も、この重要施策の中には触れられてないというふうにいわざるを得ないのではないか。これは質問です。

○前川知事本部長 大変恐縮でありますが、行間を読むという言葉がありますけれども、行間を読み込み過ぎではないかと、大変僣越ですが、申しわけないと思うのでありますが。前半の例えば保育の問題は、私どもの考えは明快でありまして、日本の福祉システムというのは、例えば私若いころヨーロッパの制度を見て回ったことがありますけれども、そのとき、例えば英国に行きますと、施設での保育なんてほとんどやってないわけです。ベビーシッターか、あるいは大変印象的だったのは、若いお母さん方が集まってガレージみたいな本当に環境の悪いところでお子さん方を交代で面倒を見ている、そういうプレグループ運動というのがありまして、それが全国的に何万かの子どもたちを見ている。それに比べれば、日本の福祉行政というのは、公的責任が貫徹をしているなという強い印象を受けました。
 これは私どもは維持をしていきたい。ただ、その公的責任は維持しながらも、今、市場と行政の関係でいえば、やや行政に振れ過ぎだろう。つまり、サービス向上のために、努力をしてもしなくても、極端にいえば同じ補助金が受けられる。これはおかしい。これを変えていきたい。やはりそのためには競争をしてもらう必要がある。それが認証保育所を導入した目的でありますし、それについては決して隠してもおりませんし、常に明示をして語っているわけであります。同じ発想を福祉全般についても導入していきたいと思っております。
 後半の木村先生がご指摘になった点については、これも私どもは常に堂々としゃべっておりますけれども、東京の再生、東京の特に地域の再開発は積極的にやる必要がある。その場合には当然ながら、道路等のインフラについては、公共が、行政が責任を持ってやるけれども、そのあとの上物等の開発については、これは当然ながら民間が主体となって頑張っていただく。市場経済であれば当たり前のことでありまして、それについて東京都は何か大層な行財政投入をするとか、そういったことは一切考えておりません。
 ですから、そういう意味で、ご批判をいただくのは大変ありがたいわけでありますが、内容については、申しわけありませんが、私どもとは考えが違うと申し上げざるを得ないわけであります。

○木村委員 考えが違うことはわかりました。その考えをもっと、わざわざ取り組みの方向、改革の取り組み等に項目を上げてつくられているわけですから、だれも行間を読み込み過ぎなくても素直に読めばわかるようにいたしていただきたいというふうに思うんです。私は、幻を見て物をいっているんじゃなくて、現実に進んでいることについて、そういうことの触れ方が非常に足らぬのじゃないかということを指摘したんです。
 というのは、もう一ついわせてもらいますと、前川本部長の考えている方向というのは、今説明を受けてわかりましたけれども、それがこの重要施策、しかも中長期の視点に立った戦略指針というところにずばりと出てないというのは、一つは、そういう方向が現に進んでいるけれども、まだ東京都政、石原都政の戦略として安定しているということになってないからではなかろうかと思うんです。
 例えば、まちづくり、都市再生にしても、それから羽田あるいは三環状にしても、東京都が今やろうとしていること、それとの都政の財政などのかかわり方等についても、このまま進めば大変なことになるよと我々は口を酸っぱくしていっているつもりですけれども、例えば羽田空港の問題なんかについても、国が、関係自治体も金出せということになって、すったもんだしていますよね。
 石原氏自身はどうかいえば、ついこの間まで、これは産経新聞の七十周年記念の講演ですけれども、こういってますよ。「まず、羽田空港の沖合展開に決めた。国の財政が逼迫しているのはわかるが、大蔵省は『石原が生意気に言い出したことだから、東京にも金を出させろ』と言っている。出しますよ。出すだけではなく、国が首を縦に振るのであれば、東京、埼玉、千葉、神奈川の知事会議で引き受け、債券にして会社をつくる。そうすれば、右から左に売れてしまう」というようなことを十月の五日か六日の講演でいっているわけですね。
 その後の展開はご承知のとおりですよ。そういう方向でいきながら、この間の所信表明で方向転換をして、その後の記者会見では、担当の副知事をかえるとかいうようなことが今話題になっています。つまり、取り組みの方向として、どういうやり方で進めるのかということについては、安定してないじゃないですか。だから、私はそういう意味では、今の路線を進めば、東京都が財政負担しなきゃならない方向にはまり込んでいきますよということをいつもいっていますけれども、そういう方向に現になりそうになったり、転換したりしながら今進んでいる。中長期的な方向、特に財政的な問題などについては、石原都政の路線として安定しているということになってないから、いわばこのような書き方で終わっているんじゃないかというふうに思うんですね。これはごく最近のエピソードの問題でもありますから、そういうふうに考えられますけれども、いかがでしょうか。

○前川知事本部長 何か、私との議論みたいで大変恐縮でございますが、今お話があった羽田の問題は、これは明快でありまして、当初から東京都としては方針は一貫をしております。もちろん、知事がその時々にいろんなレトリックで、その場に応じていろんなことをおっしゃったのは事実でありますが、東京都としては当初から、今までのルールを急に変更して、地方負担を同時にすること自体がそもそもおかしい。それは一貫しているつもりであります。
 都市再生全般につきましても、例えば国による貸付金制度の創設であるとか、そういった形の取り組みは国には求め、また現に実現をしておりますが、ただ、それとは別に、何か都の特別な財政負担が生じるとか、そういったことは一切いたしておりませんし、現実にも生じておりません。ですから、全体に、交通インフラ、特に道路とか空港等について、公共が責任を持って整備をしろと、特に国が責任を持って整備をしろ。その場合については、当然ながら、財源負担については、一義的には国が責任を持ってやるという、その原則は一貫しておりますし、対外的にもそういう形で、知事を初めとして我々発言し、働きかけをしたつもりであります。
 ですから、これは、木村先生、いろんな意味で情報がまだ十分に、我々も今やっている最中で行き渡っておりませんので、誤解をされたのは、大変申しわけないと思いますけれども、我々の方針としては今申し上げたとおりで、重要施策においてもそこまで細かくは書いておりませんけれども、考え方は毛頭変わっておりません。

○木村委員 私が指摘したことについて否定したつもりで、知事のレトリックなどもいわれたのかもしれませんけれども、羽田の展開の問題の都の財政負担についても、現に今でも都庁内のきしみとか、いろんなことはいわれているということは事実である。結局、今決める重要施策とは何だろうかと改めて思うんですよ。
 一つは、昨年とは違うというのはさっき中田部長のご答弁にありました。しかし、ことし七月に知事本部が重要施策についての基本方針というのを出しましたね。これは重要施策というものを説明して、重要施策とは中長期の視点に立って翌年度における効果も見据えつつ、都政の課題に取り組むべき方向を明らかにした施策である云々。国をリードするこれまでの取り組みの成果を踏まえて制度疲労とかいろいろ書いてありまして、東京が抱える問題を直視して、今後進むべき方向を重要施策として明らかにしていくんだというふうに書かれています。私、そのつもりでこれを読んでそのつもりで議論しているわけなんです。だから、もっと先のこっちの方が本音じゃないかというふうに読まざるを得ないということなんです。
 ところが、終わりの方を読んでみますと、読んで、あっというふうに思ったんですが、重要施策の最後の方に、「都政は、こうした状況に正面から対峙し、東京を再生し、豊かで安全な都民生活を実現する責務を負っている。しかし、これまでのような、中長期的な事業のあり方のみを示すプランや、抽象的な政策のあり方を示すビジョン、あるいは網羅的に事業メニューを示す中長期計画といった、従来型の計画手法に依拠することによっては、この危機の本質に迫ることは困難である」ということになって、今回の重要施策は「都政の制度疲労が先鋭的に表れている施策分野に着目し、平成十四年度から概ね平成十六年度までを展望して、都政改革の戦略を指針として示すものである。その意味で、重要施策は、都政の次の発展に向けた『跳躍台』と位置づけられる」。十六年度までだというんですよね。十六年度までというと、これは中長期とはちょっといえない。長期はもちろんいえないだろうけれども、中期もいえるかどうかということですよ。これは七月に提示した基本方針と現実にできた果実とは、やっぱり乖離があるというふうに思われますが、いかがでしょうか。

○中田企画調整担当部長 先ほど基本方針、木村委員において、中長期的視点に立ってということと、今回発表いたしました重要施策で、おおむね平成十四年度から十六年度までを展望してということなんですが、具体的に申し上げますと、施策を考えるに際しましては、中長期的視点といいますのは、必ずしも十六年度に限った形ではございません。ただ、具体的な一つの目安として、効果を出すものとしまして、おおむねという言葉がございますが、十六年度までと記述したものでございます。
 個々の戦略的取り組みを見ていただけばわかりますように、場合によりましては、あるいは十六年度を超えた計画的なものもございますし、一つ一つ見ますと、必ずしも十六年にこだわった数値ではございません。そういう意味では、策定方針にありました中長期的な視点というのは、全く損なわれていないというふうに考えております。

○木村委員 十六年度までも中長期的な視点の戦略だと、いおうと思えばいえるかもしれないけれども、果たして世間的な常識で、その程度の戦略しかないのかなというふうにいわざるを得ないと思うんです。
 アクションプラン、ビジョンⅢも先送りされました。ビジョンⅢなんていうのは、まさに中長期の視点に立たざるを得ない典型的なものだと思いますが、これも先送り。現実に施策というと、十六年度までという戦略。これははしなくも、石原都政が今ここへ来て実質的に中長期的な視点を示すことができないということをあらわしたものだと、私はそういわざるを得ない。
 これは多分、本部長に聞いても、見解の違いになるだろうと思うから--選挙を前にしてのものとして私は見ますが、一つは、都民の直面している重要な問題について、戦略がないというのが一つ。二つは、東京都が本当に考えている本音の部分は、行間を読み過ぎるといいますけれども、ちらりとしか見えない。そして、三つは、中長期というけれども、平成十六年度までだということでは、これは構造改革を推進するための戦略指針だという表紙が泣くと、こういわざるを得ないということを申し上げて、私は終わります。

○名取委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○名取委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で知事本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十六分散会

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