本文へ移動

ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

総務委員会速記録第十九号

平成十四年十二月十二日(木曜日)
第五委員会室
   午後一時六分開議
 出席委員 十五名
委員長名取 憲彦君
副委員長倉林 辰雄君
副委員長大西由紀子君
理事山下 太郎君
理事藤井  一君
理事松本 文明君
矢島 千秋君
長橋 桂一君
酒井 大史君
古館 和憲君
野田 和男君
橋本辰二郎君
鈴木 一光君
山崎 孝明君
木村 陽治君

 欠席委員 なし

 出席説明員
総務局局長赤星 經昭君
理事石山 伸彦君
総務部長高橋 和志君
行政改革推進室長島田 健一君
IT推進室情報企画担当部長木谷 正道君
IT推進室電子都庁推進担当部長遠藤 秀和君
人事部長山内 隆夫君
主席監察員古河 誠二君
行政部長反町 信夫君
島しょ・小笠原振興担当部長高橋 敏夫君
災害対策部長徳毛  宰君
参事八木 憲彦君
勤労部長大塚 孝一君
法務部長中村 次良君
統計部長早川  智君
人権部長関  正子君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 請願陳情の取り下げについて
 総務局関係
  付託議案の審査(質疑)
  ・第二百二十号議案  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
  ・第二百二十一号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
  ・第二百二十二号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例
  ・第二百二十三号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例
  ・第二百四十五号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
  ・第二百四十六号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
  ・第二百四十七号議案 職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
  ・第二百四十八号議案 職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例
  請願の審査
  (1)一四第五二号 通称「ながら条例」の準備行為の撤廃に関する請願
  報告事項(説明・質疑)
  ・伊豆大島の座礁船事故対策について
  ・検事調書の取り扱いについて

○名取委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、ご紹介いたします。
 議案調査課担当書記の藤原照夫君です。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○名取委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書六件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○名取委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○名取委員長 次に、請願及び陳情の取り下げについて申し上げます。
 請願一四第六二号の一につきましては十一月二十七日付をもって、また、請願一四第六四号、請願一四第六七号の一、請願一四第七一号、陳情一四第六六号及び陳情一四第六七号につきましては、十一月二十八日付をもってそれぞれ議長より取り下げを許可した旨通知がありました。ご了承願います。

○名取委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案及び請願の審査並びに報告事項の聴取を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 これより付託議案及び請願の審査を行います。
 第二百二十号議案から第二百二十三号議案まで、及び第二百四十五号議案から第二百四十八号議案まで、並びに請願一四第五二号を一括して議題といたします。
 付託議案につきましては、既に説明を聴取しております。
 請願一四第五二号に対しまして理事者の説明を求めます。

○大塚勤労部長 請願一四第五二号についてご説明いたします。
 恐れ入りますが、お手元の資料、請願陳情審査説明表の一番下のページをごらんいただきたいと思います。
 一四第五二号、通称「ながら条例」の準備行為の撤廃に関する請願は、国立市在住の太田政男氏から出されたものであり、平成十四年九月十九日に受理されております。
 請願の要旨は、学校が子ども、保護者、地域からの信頼を回復するため、ながら条例の準備行為撤廃の条例改正をしていただきたいというものでございます。
 この請願内容に関する現在の状況でございますが、本年六月以降、時間内組合活動の見直しにつきまして、東京都庁職員労働組合(都庁職)との間で五カ月間にわたって労使協議を行ってまいりましたが、十一月十五日、〔1〕、職員が勤務時間中に給与を受けながら行うことができる職員団体のための活動は適法な交渉のみとすること、〔2〕、職員団体の機関運営のうち、交渉と一体とみなし得る必要最小限度の機関運営を含めて適法な交渉とすることで、労使合意をいたしました。
 そこで、給与を受けながら、職員団体のためその業務を行い、または活動できる範囲として、適法な交渉及びその準備を認めている現行の職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例、いわゆるながら条例の第二条第一号について、「及びその準備」の六文字を削除し、適法な交渉のみに限定することとし、同条例の一部を改正する条例案を本定例会に提案いたしております。
 以上、簡単ではございますが、説明とさせていただきます。よろしくご審査をお願いいたします。

○名取委員長 説明は終わりました。
 これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○長橋委員 それでは、私の方からは、今回上程をされております任期付採用の条例案についてお尋ねをしたいと思います。
 最近の社会の変化、スピードというのは大変激しく早くなっているわけでございまして、人材の確保というのは、育てていくというだけではもうついていけない、こういう時代になっているんではないかと思います。そして専門性が分化して深くなってきている、そういう中で多様な人材の確保が求められている東京都におきまして、行政のニーズに応じて人材を柔軟にそしてスピーディーに確保していくことは、非常に大事なことであると思います。既に終身雇用制が崩れているわけでございまして、そういう社会の状況で公務員のみが定年制までというのは、人材の確保、特に、時に合った、ニーズに合った専門的な分野での人材についてはおくれてしまうんではないか、こういうふうに思うわけでございまして、今回提案されています専門性等の一定の条件のもとで、任期つきで東京都の職員を採用するということは、一定の評価をするところでございます。
 そこで、まず、今回上程された任期付採用の条例案、法律の制定後、導入の必要性など、どのような検討を重ねてきたのか、お尋ねをいたします。

○山内人事部長 行政ニーズがますます複雑化、多様化する中で、自治体の業務も高度化、専門化が進んでおり、自治体内部の職員だけでは適時適切な対応が困難な場合も生じております。
 このような事態に対処するため、自治体内部では得られにくい専門性を有する民間の人材を活用することができるよう、任期つきで職員を採用できるとする法律が制定されました。また、本年の人事委員会勧告におきましても、任期付採用制度の導入について速やかに検討を行うべきであるとの意見をいただいております。
 これらの状況を踏まえ、都においても、各局の任期付職員のニーズを調査しまして、その導入効果などについても検討した上で、この議会で条例案として提案させていただいているところでございます。

○長橋委員 根拠法が国でもできているし、また人事委員会の方からも勧告が出て、今回導入の提案だと思いますけれども、研究員については平成十二年に既に制定をされております。他の道府県ではもう運用をしているというふうにも聞いております。また、研究以外の任期付職員についても、ことしの五月に法律が制定をされています。各県のホームページでもそういう制度導入について説明しているところがありますけれども、そこで、他の道府県における制度の導入状況と、それに基づく採用の実績についてお尋ねをいたします。

○山内人事部長 まず、任期付研究員についてでございますが、平成十四年十二月一日現在、二十六の道府県が条例を制定いたしまして、そのうち十五道県において任期付研究員の採用を行っております。採用の内訳は、招聘型が六名、若手型が二十四名でございます。
 また、任期付職員の方でございますが、十二月一日現在、十一の府県で条例を制定しているものの、まだ法律が施行されたばかり、また条例そのものも成立したばかりということがございまして、どの自治体においても採用実績はございません。

○長橋委員 ご答弁いただきましたけれども、研究員では招聘型が六名、若手型二十四名で三十名、こういうふうに制度が導入されて実際に採用している、また、職員の方では、条例は制定されたけれどもまだ実績がない、こういうわけでございますけれども、今回ともに一緒に条例で出すわけですけれども、条例が実際に可決した場合、制度が導入された場合には、任期つきで採用する職員を実際どのようなポジションに配置をするのか、お尋ねをいたします。

○山内人事部長 任期つきの研究員は、都の試験研究機関において、任期を限った研究業務に従事していただくことになります。また、任期付職員の活用でございますけれども、例えば、公金を安全かつ効率的に管理運用していくためには、金融機関の経営分析を行い、それに基づく運用をしていく必要がございます。その際には、企業会計などに精通いたしまして、最新の経営分析能力を活用する必要がありまして、都職員だけでは必ずしも十分な対応ができない、そういう分野もございます。このような場合に、金融や債券のスペシャリストを任期つきで採用することを考えております。

○長橋委員 金融や債券のスペシャリスト、こういうのを想定しているということでございますけれども、そこで問題なのは、そういったスペシャリスト、いわゆる一般的には公認会計士などが想定されるわけですけれども、そういう人材が本当に来てくれるのかどうか、これが問題ではないかと思います。特に高度の専門性を有する特定任期付職員に該当するんではないかと思いますけれども、条例案を見ますと、そこで設定されている特定任期付職員の給与、これは一般の相場といいますか、期待する能力の成果に対しては必ずしも高いとはいえないんではないかと思うわけでございます。一般的に、優秀な公認会計士というとかなり収入が高い、こういうイメージがありますし、本当にそういった人たちが今の職場を退職して都に来てくれるのか、こういう不安もあるわけであります。必ずしも報酬額の多寡だけでその人は考えるんではないと思いますけれども、社会一般の相場がある中で、実際問題として、任期付職員に対して質の高い人材をどうやって確保していくのか、こういった問題があると思いますけれども、その辺、お伺いをいたします。

○山内人事部長 条例案に定めている給与については、国家公務員における特定任期付職員の給与等を勘案いたしまして今回の人事委員会勧告を受けた額であります。この意味で客観性あるいは妥当性はあるものと考えております。
 また、ご指摘のように、必ずしも報酬額の多い、少ないということのみで人材確保を図るものじゃなくて、従事する業務自体の魅力、それからその社会的意義なども含めまして、まさに都政に貢献していきたいという意欲を持った人材の確保に努めていきたいというふうに考えております。

○長橋委員 大事なのは、まさに都政に貢献していきたい、こういう意欲のある人に来ていただく、採用する、こういうことが大事だと思います。そういう方が民間の中から東京都に来て、本当に東京都の中で働いてもらいたいと思うわけでございますけれども、せっかく東京都に来ていただいても、都の職員になって一生懸命働いていただけるかどうか。東京都のために業務に取り組んでもらわなければいけないわけであります。
 そのときに必要になってくるのが、任期中、最高五年ですけれども、常に高い使命感と意欲を持ち続けられるようなインセンティブをどうやってつくっていくのか、聞かせてもらいたいと思います。その点で、この任期付採用制度ではインセンティブを与えるためのどのような工夫がされているのか、お伺いをいたします。

○山内人事部長 制度上、特定任期付職員につきましては、採用当初に期待された以上の特に顕著な成績を、業績を上げたと認められる場合には、月額の一月分を支給する特定任期付職員業務手当の支給が予定されております。
 業務遂行に対するインセンティブという意味では、こうした給与上の処遇のみならず、例えば、円滑な業務遂行に資する環境づくりなども含め十分配慮していきたいというふうに考えております。

○長橋委員 次に、条例案を見ますと、この任期付職員の採用というのは、選考によって任命することができるとなっていますが、いわゆる一本釣りのように、対象となる人材に的を絞って採用の手続を進めると、どうしても民間との癒着、情実が絡んでくるんではないかな、そういう任用が行われないかなというような危惧が私にはあります。
 中立公正な人事行政を確保するということは公務員制度の大原則でありますので、この制度化に当たって、採用における公平性はどのように担保されているのか、お伺いをいたします。

○山内人事部長 本制度により任期つきで採用する場合も、地方公務員法の第十五条というのがございますが、この十五条に定める成績主義の原則に従って採用しなければならないものであります。
 また、実際の採用に当たっても、人事委員会の承認を要するということがありまして、第三者機関である人事委員会の関与は法律上求められております。これらによって、制度上、公平性の担保が図られているものと考えておりますが、実際の運用に当たっても、ご指摘のようなことがないよう厳格に対応していきたいというふうに考えております。

○長橋委員 非常に専門性の高度な人を要求するわけで、成績主義ということですけれども、十分に厳格に対応していただきたいと思うわけであります。今いったように、専門的な知識、経験が備わっているかということで十分検証しなければならないと思うわけで、ぜひその辺を採用に当たって十分に配慮していただきたいと思います。
 しかし、例えば二年なら二年の任期中に、都のいろいろな秘密事項に携わることもあるかと思います。公金管理なんかはまさにそういう部分では大きな秘密事項がたくさんあるわけでございますけれども、それをまた、二年の任期、五年なら五年、もとに戻って民間の会社に持ち返ってしまう、こういうおそれもあるんではないかなと思いますけれども、この辺の防止策というのはどういうふうに考えているんでしょうか。

○山内人事部長 任期付職員に対しても、一般職員と同様に、守秘義務それから営利企業への従事制限といった服務規定の適用を受けることになります。特に、地方公務員法第三十四条第一項の守秘義務につきましては、退職後まで及び、その違反に対しては罰則も設けられております。これらによって任期付職員に対しても秘密の保持は担保されるものと考えております。

○長橋委員 今までの答弁で、制度として任期つきの採用の仕組みであるとか、今いった問題点、守秘義務であるとか、そういったものの問題点の防止策というのは一定程度理解をしますけれども、大事なのは、この任期つきの採用の制度をどのように今後都政に役立てていくのか、そういったことについて、最後、その抱負を聞いて終わりたいと思います。

○山内人事部長 高度な専門的な知識、経験を有する業務で適任の人材を確保できない場合や、職員の育成が間に合わない場合、あるいは最新の知識、技術を要する分野など、都で育成すること自体が効率的でない、そういう場合に外部の人材を活用していきたいというふうに考えております。
 これによりまして、都政における喫緊の課題に対応するとともに、外部の人材の持つ専門性の発揮によりまして、内部職員の育成にも寄与するものと期待しております。

○古館委員 それでは、私の方も、任期付採用制度について幾つかお尋ねしたいと思います。
 最初に、任期付採用は、ちょっと先ほどの質問とダブるところがありますけれども、現行の地方公務員法に定める採用の特例という位置づけになっておりますけれども、具体的にいえば何をもって特例という位置づけをしているのでしょうか。

○山内人事部長 地方公務員の採用は、労働基準法第十四条の適用を受けることになっておりますし、また、地方公務員法に特に期間を限る規定がないことから、任期の定めのない採用、すなわち定年まで雇用することが想定されております。任期付採用に関する法律においては、専門性など一定の条件を満たす場合に、任期を限った採用ができるということでございまして、この意味で、通常の一般の地方公務員の採用に対する特例というふうに位置づけられているものでございます。

○古館委員 いわゆる終身雇用が公務員は原則である、このことを押さえた上で任期付採用という提案になっていると、そういう答弁でありますし、事実そうだと思います。
 そこでお伺いしますけれども、この任期付採用は、終身雇用原則の特例、すなわち、職員の定数内というふうになっておりますよね。それで、今回の提案は、定数のうちの何%とか、こういう決まりはあるんでしょうか。

○山内人事部長 任期付採用による職員は、高度な専門性を活用したり、特定の研究成果を期待して採用するものでございます。したがいまして、採用に当たって、総定数の何%といった数値の設定にはなじまないものであり、枠の設定というようなことは考えておりません。

○古館委員 私は、これからお話ししていきますけれども、終身雇用が原則という中で、今回の、この若手型は三年間、それから招聘型は五年間、これについて再任はあるんでしょうか。

○山内人事部長 先生今おっしゃられました再任ということでございますが、再任とは法律上、かつて当該地方公共団体の職員として任期を定めた採用をされたことがある者を再度採用するということで考えた場合でございますが、若手型研究員については法律上再任が禁止されております。また招聘型研究員については、若手型研究員のような再任を禁ずる規定は、今回の法律にはございません。

○古館委員 今の答弁ですと、若手型には再任はない、招聘型はその後あり得るかなという答弁だと思いますけれども、先ほどもお尋ねがあったんですけれども、公務員には守秘義務というのがありますよね。例えば、研究員の場合を考えてみますと、任期つき期間中に研究成果というのが積み重ねの中であるわけですね。みずから研究していくと、そういうノウハウというのもあるわけですよね。任期終了後に何らかの形で自身の研究に活用する場合も想定されるんではないかと思うんですよ。
 このような中で、任期付研究員の守秘義務といった場合に、その範囲や内容はどのように考えればいいのでしょうか。

○山内人事部長 任期付研究員も一般の職員と同様でございまして、地方公務員法第三十四条に定める守秘義務を負うことになります。この同条の秘密とは、一般に了知されてない事実であって、これを一般に了知せしめることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられたものをいうというふうに解釈されております。こうした秘密に該当するか否かは、個々具体的に判断すべきものでございますが、研究の過程でこのような秘密を知り得た場合には、守秘義務の対象となります。
 なお、この守秘義務は、先ほども答弁させていただきましたけれども、退職後まで及び、その違反に対しては罰則も設けられるということでございます。

○古館委員 今の答弁ですと、公務員の守秘義務--当然公務員には守秘義務がありますよね。そういう中で特にこの若手型の研究員の場合は三年間だけですね。延長したって底知れてまして、あと再び採用することはない。今、私が質問したのは、守秘義務はこの方たちも当然公務員としてずうっとあるんだという話ですよね。そうすると、今の答弁の中でも、研究の中で得られた知識とかそういうものについては、守秘義務の対象となるということですよね。
 これはちょっと私のそれこそ聞きたい話なんだけれども、何が守秘義務かということになりますと、この人たちはさまざまな形で研究に携わりたい、それで三年間で自分で得た、集団でもプロジェクトで得た、そういう知識は守秘義務。改めて聞きます、そういう見解でいいんでしょうか、もう一回聞きます。

○山内人事部長 先ほど申しましたが、秘密に具体的に該当するか否かというのは、個々それぞれのケースによって判断する必要があると思います。そのことによってそれが守秘義務の対象になるかどうか、具体的なそのケースによって検討してみないと、一般論としてはなかなかいえないということでございます。

○古館委員 さっき、研究の中で知り得たものは対象になるというふうにお答えになったんですよね。そうすると、三年間だけ採用されていた、その人がどうしても将来的に自分の職を探そうとなると、実は私はこういう研究をノウハウとして得ているというようなものについて、例えば他の企業に行ってそれを反映したり話をしたりすると、それは守秘義務違反というふうになるわけですか。それはどうなんですか。つまり、ここの問題については、このこと自体、任期つきを導入してきた中の拙速さの一つの大きなポイントだと思っているんですけれども、それはいかがでしょうか。

○山内人事部長 ですから、具体的にその研究の中身、研究の成果がどういう形であらわれているか、それが都にとってどれだけ重大なものなのか、重要なものなのか、そういったことを総合的に勘案した上で、守秘義務の対象になるかどうかということを検討する必要がある、考えることが必要だというふうに思っております。

○古館委員 これは、仮に採用されたとすると、その人にとってはすごいノイローゼになりますね。何が守秘義務なのか。だってその後の段階で判断することだということになると、何が一体守秘義務の範囲なのかということ自体が、この任期つきの研究員の場合だとか一般職だとかについては、はっきりとしたものはないんでしょう。あるんですか、そういう基準というのは。

○山内人事部長 ですから、具体的に個々、ケースケースにおいて判断する必要があるということでございます。

○古館委員 これはやりとりしていても、これは本当にその問題について、任期付研究員を採る場合の私は一つの大きな課題であるというふうに思って、次に行きますが、任期付採用にかかわる選考方法に関連して聞きますが、現行の一般職員の場合、それから招聘型研究員の場合、若手型研究員の場合の三区分に場合分けをして、一つ、それぞれの採用方法はどうなっているのか、もう一つは、それぞれに対する人事委員会の関与、これについて具体的にいってほしいと思います。

○山内人事部長 まず、それぞれの採用方法についてでございます。
 一般の職員につきましては、不特定の人材を対象に競争試験を行うことを基本としておりまして、これによって実証された成績に基づいて採用を行っております。招聘型と若手型の研究員につきましては、このような競争試験を行うのではなく、選考によって特定の人材が特定の業務に従事する適格性を確認した上で、実証された成績に基づいて採用を行うということになります。
 次に、それぞれに対する人事委員会の関与についてでございます。
 一般の職員につきましては、試験の実施、それから合否の判定、採用候補者名簿の作成まで人事委員会が行っております。任命権者はそれに基づいて採用を行うことになっております。招聘型研究員は、任命権者が選考を行った上で人事委員会の承認を得なければ採用することができない仕組みになっております。また、若手型研究員につきましては、任命権者は、人事委員会と協議して策定する採用計画に基づきまして採用することが求められております。
 なお、現在、人事委員会においては、若手型研究員の採用後に、採用に関する報告を任命権者から人事委員会に行う仕組みを検討しているというふうに聞いております。

○古館委員 結局、一般の職員の場合は、人事委員会が最後まで責任を持つわけですよ。ところが、招聘型研究員の場合は、任命権者が選考を行った上で人事委員会の承認を得る。もっと悪いのは若手型研究員なんですよね。今のご答弁にもありますけれども、任命権者は、人事委員会とまず協議して策定する採用計画なんですよね、協議するのは。それに基づいて採用することになるわけですよね。したがって、ここでは、はっきりいって、人事委員会が承認するとかなんとかということではないのですよね。こういうふうになりますと、今のご答弁でもわかりますけれども、明らかに採用の仕方が違う。人事委員会の関与が極めて薄まっていて、若手型の場合だったら、人事委員会の最終的な承認というのは不要なんですね。これでは、若手研究員については採用について担当局の裁量権が働く仕組みになるんじゃないでしょうか。いかがですか。

○山内人事部長 若手型の研究員につきましても、任命権者は、人事委員会と協議して策定する採用計画に基づいて採用することが求められておるということから、一定の縛りが入るわけでございます。
 このように、若手型研究員については招聘型の研究員と違うという形で設けた趣旨でございますが、一つは、若手型研究員を任期つきで採用する趣旨が、広く若手研究者に研究の機会を与えるという点にあることから、公募に対応できるよう採用計画に基づくこととしたということはございます。

○古館委員 先ほどから冒頭でもいいましたけれども、これは定数内だということなんですよね。だから、一般の都の職員の方とその定数の中にはまっているんですよ。ところが、若手研究員とかになると、人事委員会の関与というのは、その計画の段階で、ただこういうふうな計画がありますよということをいって、後は人事委員会は関与の仕組みがない。こういう点でいうと、人事委員会という仕事そのものに対する、職員の採用問題でも、本当に形骸化していくということにならざるを得ないと思うんですね。
 それで、聞きますけれども、道府県における任期付研究員の採用状況は先ほどご質問がありました。答弁では、今までやっている道府県で二十六っていいましたね、さっき。それで、研究員として招聘型で六人、注目するのは若手型が二十四人と四倍多いわけですね。つまり、本来的に、これからお話ししますけれども、若手型が招聘型の四倍の二十四人、恐らく国の方も若手型を主流として採用を視野に入れていたというふうに思うんですね。三年の採用期間で再採用はない。任用が終了したら仕事先があるかどうかも定かじゃない。この研究員は、どうしても即効性が出る研究部署で研究をしたいというのは、私はある意味で自然の思いじゃないかなと思うんですね。三年間しか研究のあれがない。その後は全然仕事先もないと考えたら、何とかここで自分なりに研究の成果を上げたいというふうに思うのは、私は人情だと思います。
 しかし、さっきいったように、じゃ何が守秘義務かというのもはっきりしていない。そこで、研究というので一番欠かせないのは基礎研究だと思うんですね。実は、ことしの三月十九日の都市・環境委員会で、東京都環境科学研究所の予算、人員、研究テーマなどについて、我が党のかち佳代子議員が質問をしております。
 この中で、どういう質問をしているかというと、基礎的な研究がどんどん後退をしている。予算もそうですが、人員配置もそうなんですけれども、そういう質問をしております。例えば、東京湾におけるダイオキシンの調査研究で、魚類などのダイオキシン濃度が全国平均から比べてかなり高い。これは東京都環境科学研究所の基礎調査の中での結果なんですね。これらの調査が八五年からずうっと続いてきたんですけれども、十四年度でこの調査は廃止されました。人員はどうかというふうに見ましたら、この人員もどんどん減らされておりまして、去年、十三年度の定数が六十一人だったんですね。ところが、ことしはその定数が四十八人、何と十三人も大幅に削減をされているんですよ。研究テーマはどうかというと、これも昨年、十三年度、二十九テーマあったんですね。今回、十四年度は十八テーマということで、十一テーマもおっこちているんですね。予算はどうかというと、十年前はこの東京環境研究所で一億二千九百万、ところが今年度の予算は七千四百三十二万円、半分近くにまでおっこっているんですね。
 私も資料をいただいたんですけれども、研究テーマで最も多い年度は、平成八年度で基礎研究が二十一テーマ、応用研究が十九テーマ、その他一テーマで、四十一テーマあったんですね。ところが平成十四年度、ことし、基礎研究が六テーマで、何と十五テーマ削減されているんです。減らされているんです。応用テーマも減らされているんですけれども、八ということで、十三年度、十四年度で初めて基礎研究よりも応用とかそっちの方が多くなってきたという逆転現象が、この二年間の中であらわれてきました。
 研究担当職員数も、平成五年から大体四十五人前後で推移してきたんですけれども、平成十四年度が三十三人ということで十二人減らされ、先ほどのこの研究テーマ別の人員配置も、平成五年から十二年まで基礎研究部が最も多かったんですね。ところが、十三、十四で、先ほどいいましたが、二年連続で基礎研究部が研究テーマの中で最も少ない配置になっております。最高時、基礎研究に二十四人配置されていました。それが平成十四年度、ことしは八人です。何と十六人も基礎研究から減らされているというのが実態なんですね。
 こうした中で、任期付研究員、とりわけ若手型は三年間のみで、次の職につくには、それなりの見るべき研究成果が桎梏となって、研究そのものが即効性のあるものに偏らざるを得なくなって、ますます基礎研究がおろそかにされていくのではないか。しかも今の予算の大幅減少、人員の減などを考慮すると、近い将来、任期付研究員が主流となっていくとならざるを得ないのではないか、このように考えますが、いかがですか。

○山内人事部長 先ほどもお答えいたしましたように、若手型研究員も一定期間における特定の研究成果を期待して採用するものでございまして、この制度の趣旨からすれば、今後大量に採用していくということは想定しておりません。

○古館委員 今そういう答弁なんですが、実は、任期付研究員、とりわけ若手型の採用がなぜ具体化されることになったのかというもう一つの動機といいますか、契機ですね。
 これは、平成十一年度、四月二十七日に出されました地方公務員制度調査研究会報告というものであります。この報告では、行政と民間との新たな関係というタイトルがありまして、民間との人事交流というのも一つタイトルに出まして、ここではこう述べているんですよ。民間の経営感覚を身につけた社員を公務に取り入れることによって、新しい発想で政策の企画立案を行ったり、職員との日常の交流により組織の活性化が図られるという効果が期待される。さらに、ここでは、国においては、国と民間企業との本格的な人事交流を促進する制度の整備について、平成九年三月に人事院から意見の申し出があった。そのための法律改正の準備がやられたわけですね。
 続けて、一五ページでは、国でやったから、だから地方公務員制度上本格的な人事交流に対応するものは地方公務員制度では想定されていない。したがって、地方公共団体と民間の間において、相互の人材を積極的に活用し、公民協働のシステムを実現できるような人事交流の基本的な枠組みをできるだけ早期に整備する必要がある。
 さらに続いて、民間企業社員の公務への受け入れの仕組みについては、中途採用の一環として、外部人材を任期つきで任用する仕組みとの関係についても整理すべきである、このように述べております。
 結局、そういうことを受けて、ここでは外部人材を任期つきで任用する仕組みを提言して、それで東京都の人事委員会はどうしたかというと、ついこの間、制度導入に向けて速やかに検討を行うべきだというふうに勧告を--それを受けて、地方でもやりなさいよといったら、今度は東京都の人事委員会がこういうのをつくるべきだと。つまりここでは、あけすけに、民と公の協働システムということになるんですね。その際、あわせて民間との兼業規則の緩和だとか、ここまでいっているんですね。民間との兼業規則の緩和、それから特許など研究成果の研究者への帰属など、業務に対するインセンティブを高める諸方策についても検討する云々、つまり、こうなりますと、民間企業の若手を都の費用で採用して、一定期間都の研究機関で研究させて、その果実はその企業などに帰属するということまでこの研究報告書では視野に入っているといわざるを得ないんですね。この点についてはどのようなご見解をお持ちでしょうか。

○山内人事部長 招聘型それから若手型研究員につきましては、東京都の中で対応できない研究課題に対して対応しようというものでございますので、我々としては十分その導入の意義はあるというふうに認識しておりますので、今回このように条例を提案させていただいているところでございます。

○古館委員 今くしくも部長が、対応できないと。私、ずっとこの間、公務員制度のいわゆる改革と称するものを読んでいるんですけれども、そこから全体像でにじみ出てくるのは、公務員というものが、本当に職員の英知を結集できるような、そういう人材をどうしたら育てることができるのか、その本道が全然積極的に解明されないで、だから今のように、こういうふうに任期つきの採用をしようだとか、私は、本当に都民に奉仕する自治体になろうとするならば、今の職員を本当に信頼して、どのような人材の育成を図っていくのかということが本道だと思っております。
 そういう点で、さっき紹介したこの調査研究会はどなたが入っているかというと、日経連の労政部長という人も入っている。ですから、日経連とか経団連とか、財界がこういう任期つき若手を特に東京都で採用してくれよ、その場合に、もし特許だとかいろんな形で研究成果があったら、その人や企業に帰属させましょうということまでこの報告書でいっているんですね。
 したがって、私は、本来の公務員の持っている能力、最大限に発揮するためにどうしたらいいかということをまず徹底して明らかにしながら、みんなで英知を結集してそういう方向に踏み出すことを強く求めて、私の質問を終わります。

○大西委員 私は、付託議案の、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例について、ちょっとお聞きいたします。
 今回の条例改正に当たっては、主管局である健康局との連絡調整はどのように図られたんでしょうか。また、市町村との協議の過程及び事業の移譲に関して、合意した内容はどのようなものだったんでしょうか。

○反町行政部長 今回の移譲事務につきましては、平成十四年四月の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正によりまして、市町村へ移譲された事務に関連、付随するものでございまして、総務局といたしましては、できるだけ市町村において一元的な施策展開が可能となるよう、事務のあり方について検討する必要がある、そういう観点から調整を行ってまいりました。
 具体的には、健康局と市町村とで十二年の八月以降検討が行われておりまして、その状況等について逐次報告を受けるなどいたしまして、緊密な連絡調整を行った結果、本年の四月の市企画財政担当部長会に対しまして、それから五月には、町村地方分権等調査部会に対しまして、本事務処理特例制度による移譲について正式な協議提案を行ったものでございます。
 以降、市町村と協議を重ねまして、十月の市長会の全体会、それから町村会の総会において移譲を了承するとの決定がなされまして、精神障害者及びその家族等からの相談指導のうち、いわゆる一般相談に係る事務について、平成十五年四月から市町村へ移譲することとなったものでございます。

○大西委員 来年度から障害当事者とその家族への相談、指導等の対人事業を市区町村に移譲するわけですけれども、現在、都職員として市町村部に配置されている保健師の数と、そしてさらに、市町村では事業の実施主体として来年度の体制を今整備していると思うんですけれども、都として、今回の条例改正に伴う財政支援はどのようなものなのか、お聞きしたいと思います。

○反町行政部長 健康局によりますと、十四年の五月一日現在、市町村部の保健所に配置されております保健師の数は百九十人となっております。
 それから、今回の移譲事務に伴いまして、事務処理特例交付金として、健康局において約二億円の予算要求を行っているというふうに聞いております。

○大西委員 分権には財源の移譲が伴うべきですけれども、それがなかなか進まない中で、このような体制づくりが着々と行われているということでは、当事者である方たちというのは非常に不安に陥っていると思っております。もちろん実質的には、担当局と市町村の事務方の作業が進んでいくわけですけれども、ぜひ十分な協議が--やった結果ということはありますけれども、ぜひ当事者とか住民の声という要望、そういうものもしっかり受けとめながら進めていただきたいということを要望したいと思います。
 次に、二百四十五号議案の、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例についてお聞きしたいと思います。
 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正についてなんですけれども、この休暇の根拠となっているものと、それから現在の妊娠初期休暇から妊娠障害休暇に改める基本的な理由と提案までの経過について、お聞きしたいと思います。

○大塚勤労部長 現在の妊娠初期休暇でございますが、妊娠四カ月未満の妊娠初期の女性職員が、妊娠に起因するつわりなどの障害のために勤務することが困難な場合における休養として与える休暇でございます。しかしながら、妊娠に起因するつわりなどの障害は個人差がかなり大きく、妊娠初期のみならず、妊娠中期あるいは後期においても、貧血や妊娠中毒症などのさまざまな障害があらわれます。このため、女性職員の母体保護の一層の促進を図る上から、妊娠初期だけでなく、妊娠全期間にわたって取得できる休暇として、妊娠障害休暇に改めようとするものでございます。

○大西委員 もう一つ。この根拠となっている法といいますか、そういうものは何ですか。

○大塚勤労部長 根拠は、ただいま申し上げました職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例でございます。

○大西委員 これまでの妊娠初期十六週未満にとどまっていた休暇を妊娠中全般にわたって取得できるということで、非常に働く女性にとっては歓迎できるわけで、私も評価しているわけなんです。連続して十日間までという、実態としてどのような病気とか疾病とかでどの程度の方たちがこの休暇を利用しているのか、その状況を教えてください。

○大塚勤労部長 平成十三年におきましては、歴年ですが、東京都全体で二百九十一名、知事部局等では七十五名の女性職員が妊娠初期休暇を取得しておりまして、平均承認日数は七・五日でございます。
 休暇の取得理由につきましては、つわり、妊娠悪阻あるいは軽い妊娠中毒症等の場合が多くを占めると考えております。

○大西委員 大変多くの方が多分利用していらっしゃるんだと、今の答えで推測できるわけですが、妊娠障害休暇というこの呼び名なんですけれども、医療、労務関係者等では使用されているとしても、一般化されているとはいいがたい状況にあるんではないかと思っております。
 今回の改正に当たって、私どもの感覚からいえば、この妊娠障害休暇というよりも、もっとセーフティーネット的な意味の妊娠安心休暇とかカンガルー休暇とか、そのような文言に訂正した方が何だかすっきりわかりやすいと思うし、また、そういう言葉が行政になじまないというんであれば、法の中にあります妊娠中の症状等に対応する休暇というような名前にしたまま出した方が、よっぽど合うんじゃないかと考えるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○大塚勤労部長 職員に対する休暇などの名称につきましては、これまでも民間企業とか国、他団体などで広く使用されてきた名称を用いてきております。妊娠障害の呼称が一般的ではないというお話でございますけれども、私どもとしては相当程度一般化していると考えております。
 幾つか具体例を申し上げますと、例えば、この妊娠障害休暇でございますが、都道府県レベルでは妊娠障害休暇という名称あるいはこれに類する休暇として、障害を理由として既に導入している自治体は実は三十五団体ございます。また、厚生労働省では、妊娠障害休暇という呼び名を使用しまして、民間企業を対象として女性雇用管理基本調査を行って、民間企業への普及拡大に努めております。あるいは日弁連では、定期総会において、男女雇用機会均等法などの見直しに関する決議の中で、均等法が努力義務としている妊娠障害休暇制度を強行規定にすべきだといういい方をして、妊娠障害休暇制度という言葉を用いて普及拡大の運動を行っております。
 さらに、毎年、全国では約百五十万人妊娠している女性がいらっしゃいますが、このすべての女性に区市町村から配布されている母子健康手帳にも妊娠後半期に起こりやすい障害として、貧血あるいは妊娠中毒症を例に挙げて障害と表現しております。また、インターネットのウェブ検索で妊娠障害を検索いたしますと、実に五百十七件がヒットしまして、その多くが妊娠している女性を対象とする相談あるいはQアンドAのサイトでございますが、このホームページの中で妊娠障害休暇という用語を用いて制度活用を啓蒙しております。
 今回、名称を決めるに当たっても、休暇の対象を誤解なく正確に伝達できる用語であり、あわせて厚生労働省や民間企業、他団体などで広く普及して成熟した用語でもございます妊娠障害休暇を用いることが適当と考えたものでございまして、ご理解願いたいと思います。

○大西委員 大変丁寧な答弁ありがとうございました。
 じゃあお聞きしますが、妊娠は病気でしょうか。

○大塚勤労部長 ご案内のように、妊娠そのものは医療保険が適用になりませんので、健康な妊娠といいますか、妊娠一般は病気ではないと思います。しかしながら、妊娠に伴いまして、今申し上げたような、例えば、医療上は妊娠異常という用語を使っておりますが、逆子あるいは子宮外妊娠等々につきましては、病気といって差し支えないと思います。

○大西委員 妊娠に伴う体調の変化というのは、本当に人によって、そして時によってさまざまに違いますし、同じ女性が第一子、第二子を産むにしても、その子どもによっても症状がいろいろ違うということで、非常に微妙なものでありますし、健康な妊娠とおっしゃいましたけれども、初期のつわり等、それから妊娠中毒症、そういうものを経験しても、結果的には健康な出産に結びつくということで、非常に微妙な問題だと思っております。
 そういう中で、やはり私は、このことは、休暇自体は非常に評価するんですけれども、その名前にちょっとこだわってみて、女性の方たちに、こういう名称なのよということをいったときに、すべての人がえっというような、そんな名前がついているのという驚きの答えが返ってきたわけですね。やはりこの学会においても、こういう行政においても、ほとんどが男性の中で進められてきた結果、このような名称がついているんだろうなと思っております。
 今回提案されておりますけれども、ぜひそういう制度改革とかの中に、こういう女性の--この休暇はとりもなおさず当事者である女性がとる休暇ですよね。にもかかわらず、何となく違和感を感じながらとっているというような状況が、多分気づかない中にもあったと思うんですが、ぜひ次の改正とかでそういう名称を変えるというような、もっと前向きなことに変えていくということは考えてもいいんじゃないかと思います。特に、機会均等法の施行時にいわれておりました、国の方ではこれ妊娠障害と呼んでなくて、同様の休暇を妊娠中の症状等に対応する休暇となっているはずなんで、そこから引いてきても何ら差し支えないと思いますので、ぜひそのようなことを検討するということはいかがでしょうか。今回でなくても結構ですが……。

○赤星総務局長 ただいま妊娠障害休暇につきましては、勤労部長がるる申し上げまして、私どもも、労働組合の要求も妊娠障害休暇ということがございまして、社会的な状況もお話ししたところでございますけれども、この名称につきましては、今後の社会状況を見ながら、必要性が生じた場合には名称の変更について改めて検討してまいります。

○大西委員 ぜひ前向きに考えていただきたいと思うんです。これは多分、先ほどおっしゃいましたけれども、こういう症状を含めて健康な出産に結びついているわけですので、考えてください。

○藤井委員 私は、ながら条例について伺います。
 今定例会に提案されましたこのながら条例、正式には、職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例という大変長ったらしい名前ですけれども、いわゆるこのながら条例は昭和四十一年に制定をされまして、今回が初めての見直しということであります。この間三十六年経過をしているわけですけれども、東京都を取り巻く社会経済環境、情勢というのは大きく変化をしております。例えば、インターネットや電子メール、こういったものが発達をしまして、情報収集や伝達、こういった手段が大変進歩をしておりますし、東京都に勤務する職員の労働条件も、この条例制定当時と比較いたしまして大変充実したものになっているというふうに考えます。そうした意味で今回この条例が改正をされたわけですけれども、時代に合った労使関係の構築という部分に対して、大変この条例が期待をされておるわけでございます。
 こういった中で、東京都は、先ほども報告がありましたけれども、ことしの六月に、勤務時間中の職員団体活動について準備行為は認めない、適法な交渉に限定するということで、職員団体と六月から精力的に協議を行ってまいりまして、十一月の十五日に労使合意に至ったという報告をいただきました。この間の関係者の皆さんのご努力、いろいろとご苦労があったと思いますけれども、敬意を表したいと思います。今回のこの改正については、時間内組合活動を適法な交渉に限定するという点においては、労使関係の構築に向けて大きな一歩となるものと思います。
 そこで、適法な交渉の範囲について伺いたいと思いますけれども、ご説明では、職員団体の機関運営のうち、交渉と一体とみなし得る必要最小限の機関運営を含めて適法な交渉とするということでございますけれども、まずその基本的な考え方について伺いたいと思います。

○大塚勤労部長 今回の条例改正に当たりましては、ただいまお話がございましたように、条例制定後三十六年にわたり有給職免として認めてきた勤務時間中の職員団体活動の全体をまず改めて精査しました上で、交渉と一体とみなし得る必要最小限の機関運営を含めて適法な交渉と位置づけましたが、そのほか、これまで認めてきました、例えば、分会の機関運営などの準備行為は、勤務時間内には認めないことといたしました。
 適法な交渉の目的は、職員の勤務条件に関する交渉事項につきまして、労使の協議を通じて合意を得ることにあります。適法な交渉の範囲を精査するに当たりましては、こうした交渉の目的を実現するための手続、手段を含めて整理することといたしました。具体的には、東京都のような四万人規模の職員団体におきましては、交渉方針の策定、下部組織との意見調整、交渉事項に関する最終的な態度決定のための機関運営を経まして、初めて労使協議の到達点である妥結に至るという特性がありますので、これを踏まえまして、交渉と一体とみなし得る必要最小限の機関運営を含めて、適法な交渉の範囲としたものでございます。

○藤井委員 今、適法な交渉の範囲についてはわかりましたけれども、しかし、今まで行われてまいりましたこの勤務時間中の職員団体活動、いわゆる組合活動が、今回条例ができたとしても、そのまんままた同じような維持、現場では変わらず組合活動が行われることでは、今回改正されたとしても、到底東京都民の理解は得られない、このように思うわけでございます。今回改正で勤務時間中の職員団体活動がどの程度縮減されるのかが大変重要だと思います。
 そこで、現在、都庁ではどの程度職務義務免除を承認をしているのか、それから、それを金額に換算した場合、金額は幾らになるのか、お伺いしたいと思います。

○大塚勤労部長 平成十三年の職免時間数でございますが、おおむね知事部局を対象とする東京都庁職員労働組合に加入する職員の場合で合計いたしますと、約二十五万七千時間、金額に換算した場合、約六億七千万円になります。

○藤井委員 二十五万七千時間、六億七千万の、いわゆるもとをただせば都民の税金でございます。こういった税金が組合活動に使われていたという実態が今報告ありましたけれども、それが今回このながら条例が改正されますと、どの程度縮減されるのか、この点について伺いたいと思います。

○大塚勤労部長 今回の制度改正によりまして、勤務時間中の職員団体活動を適法な交渉に限定しましたことで、従来、勤務時間中に有給職免として認めてきました職員団体の機関運営は、おおむね三分の二以上縮減するものと考えております。したがいまして、平成十三年の職免時間数二十五万七千時間が、制度改正後は八万一千時間となり、約十七万六千時間の縮減となります。また、金額に換算した場合、平成十三年でいえば、先ほどの六億七千万円が、制度改正によりまして二億一千万円となり、約四億六千万円の縮減となると見込まれます。

○藤井委員 四億六千万の縮減ということで、ある意味では大幅な改革だと思います。しかしながら、条例改正を実効あるものとしなければならないというふうに思います。後ほど申し上げますけれども、まだまだ現場では、このながら条例が本当にでたらめに運用されてきたという実態が一部あるわけですけれども、そういう意味では、今回の改正によって、いわゆる現場事務所、末端の現場に至るまでこの条例改正の趣旨を厳格に運用して、そして管理する仕組みをつくらなければ、絵にかいたもちになるというふうに懸念をするわけでございます。とりわけ、職員の服務管理を行います現場の管理職の方の厳格な対応が不可欠でありますし、またその責任は重大だというふうに思うわけでございます。
 ことしの十一月に我が党の国立市議会議員、太田政男市議会議員が行った住民監査請求の監査結果によりますと、国立市の学校職員が、勤務時間中に職員団体活動を行うための手続に極めて不適切な実態があることが明らかになったわけであります。すなわち、職務専念義務の免除を受ける手続が必要にもかかわらず、この手続をしないで時間内の組合活動を行っていたということであります。
 今回この請願にも、太田政男氏が出しておりますけれども、その中にも述べられておりますように、国立市の教育現場では、労働組合の組合員が学校の教室を不法に占拠していた、それも長く占拠していた、あるいはまた、手続が不備なのにかかわらず給与の不正支払いに伴う給与返還、それから、学校現場に組合活動が大変大きな影響をもたらしていたという実態が明らかになっております。
 また、特にこのながら条例でいいますと、国立市では、事務職員が年間百七十一時間にも及ぶ時間内での組合活動に参加しながら、なおかつこの組合員が五十三時間分の超過勤務手当を受けていたというような実態が明らかになったわけでございます。片っ方で労働組合をやりながら、片っ方で時間外、超過勤務、残業手当を受けて、そして大事なこういった、大切な税金を使っていたという、まさに驚くべき実態が明らかになりました。
 本当に今、都民の方は、こういう大変厳しい財政状況の中で、リストラやあるいはまた給与の削減を受けながら必死に働いて、そして血税を払っているわけでございますが、その血税の中からこのような、まさに働くことなく、組合活動をしていた時間に給与が支払われるということに対して、都民は到底納得するものではない、このように思うわけでございます。
 そこで、職務専念義務を免除するに当たりましては、今申しましたように、定められた手続を厳正に行わなければならないわけでございますが、そのためには、職員団体活動を行うための職務専念義務の免除によって、片や都民サービスが低下してはならない、このように思うわけでございます。幾ら正当に認められた組合活動であったとしても、例えば先ほどの教育現場において、学校の先生がしょっちゅういなくて、子どもたちが教育がおくれてしまったりとか、あるいは都庁職の中においても、やはり大事な公務である都民サービスをないがしろにして組合活動というのは認められないのではないかと私は思います。そこで、現場の管理職が職務専念義務を免除する際、どういう原則があるのか、この原則についてお伺いしたいと思います。

○大塚勤労部長 職員団体活動のために職務専念義務を免除した結果、都民サービスが低下することはあってはならないことでありまして、職免を承認する際には判断すべき大前提だと考えております。
 今後、今回の制度改正の内容を現場の管理職に周知することはもとより、職務専念義務の免除は、職務に支障がない場合に限って例外的に認められるものであることについても、改めて徹底してまいります。あわせて、承認手続の適切な履行の確保など、服務の管理に万全を期していきます。

○藤井委員 今回の制度改正は昭和四十一年以来ということで、抜本的な改正となるわけですが、勤務時間中に行うことができる職員団体の活動、これも大幅に制限をされることになるわけでございます。こういった新たな制度に移行していくためには、また混乱なく移行していくためには、重要なことは、先ほど申しましたように、現場の管理職がこの制度を正確に内容を理解いたしまして、そして実際の服務管理を的確に行うことが重要であるというふうに考えます。
 先ほど、国立市の学校職員が手続を欠いたまま組合活動をしているということを述べましたけれども、もう一つ例を挙げますと、東京の狛江市の小中学校でも、職員団体に加入している教職員が、必要な手続を怠って職員団体活動に従事していたという実態が明らかになりました。これも我が党の国立市議の太田市議が住民監査請求を行った結果、判明したものでございます。
 内容を申しますと、狛江市の小中学校、公立の小中学校で、組合に所属する教職員の、何と半数以上です、半数以上が、必要な手続を怠って勤務時間中に組合活動をしていたと。すなわち、ながら条例に基づいて勤務時間中に有給の組合活動が認められるためには、管理職の仮承認、まず組合活動に参加する前に仮承認を受けなければならない。そして組合活動を行った後、後日には本承認を得る手続が必要であります。しかし、狛江市の教職員は、この仮承認や本承認の手続をなしに組合活動を行っておりました。それに費やした時間は、平成十一年度でいいますと五百二十四時間であります。また、平成十二年度分でも合計五百十時間にも及んでおりまして、これらの活動は明らかに不正に行われたものであり、驚くべき実態が明らかになりました。
 しかも狛江市は、組合活動に関する教育庁の調査に対して--教育庁が調査をしたわけです、我が党の議員の監査請求に対して。平成十一年度と十二年度については、狛江市は、問題なく適正である、こういう回答をしております。なおかつ、これらの不正実態を把握した後も東京都に報告をしておりませんでした。まさに市長の責任が問われるわけでございます。国立、そして狛江にしても、まさに市長の責任が問われなければならない、私どもはこのように思うわけでございます。ゆゆしき問題であります。
 いずれもこれは教育庁所管のケースでございまして、特に教育庁の管轄であるといっても、こういった事例を通しまして今回のながら条例の大きな問題が浮き彫りになっているわけでございまして、学校だけではなく、東京都の組織全体にわたってこのようなことが二度と起こらないように、現場の管理職に対する指導をぜひ徹底していただきたいというふうに思うわけでございます。幾ら組合員からいわれても、やはり現場の管理職がしっかりしていなければ、このながら条例ができたとしても再び同じようなことになってしまう、これでは東京都民に対する背信行為になるというふうに私は思うわけでございます。
 そこで、最後に、これらの国立や狛江市の事例についての感想、どういう感想を持たれるのか、そして、今申しましたように、現場の管理職に対する指導徹底に向けた局長のご決意、時間内組合活動制度を所管する総務局長にお伺いをしたいと思います。

○赤星総務局長 ただいま藤井先生からいろいろご指摘を受けましたが、ご指摘のように、職員が不適正な手続によりまして勤務時間中に職員団体活動に従事することは、あってはならないものでございます。今後このようなことが二度と起こらないように、都全体の問題として取り組んでいかなければならないと考えております。
 このため、今回の制度改正の内容はもとより、職務専念義務免除に係ります原則や適正な手続等についてまとめた手引書を作成いたしました上で、管理職に対します指導を徹底するために、研修の充実を図ってまいります。あわせまして、各局に今回の制度改正の内容を周知徹底いたしまして、制度の適正な運用が行われるよう、全庁挙げて取り組んでまいります。

○藤井委員 よろしくお願いします。
 以上です。

○名取委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○名取委員長 異議なしと認め、付託議案及び請願に対する質疑は終了いたしました。

○名取委員長 次に、理事者から伊豆大島の座礁船事故対策について報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○徳毛災害対策部長 伊豆大島大型貨物船座礁・火災事故の対策についてご説明いたします。
 1の座礁事故の経過及び対応でございます。
 平成十四年十月一日十九時ごろ、台風二十一号が伊豆大島付近を通過していたころでありますが、その台風の影響により、バハマ船籍の自動車運搬船「ファル・ヨーロッパ号」が伊豆大島の波浮港龍王崎付近に座礁し、船底が欠損したことから、燃料である重油が流出いたしました。
 都は、座礁事故発生の第一報を受け、直ちに総務局災害対策部、大島支庁、海上保安庁とで連絡体制をとり、対応に当たりました。
 海上保安庁は、翌二日早朝より乗組員二十四名の救助を開始し、十四時三十分過ぎに全員の救助を完了いたしました。また、油防除対策のため、建設局、港湾局、大島支庁が、オイルフェンスやオイル吸着マット等の油防除機材を用意し、いつでも使用できる体制を確保いたしました。
 十月二日に大島町は、油防除や船体処理などの対策を進めるため、座礁船油流出事故対策会議を設置いたしました。会議は、大島町のほか、東京都の大島支庁、船主、船主保険会社、海上保安庁、波浮港漁業協同組合などの関係機関が参加し、毎日開催して対策の協議を行ってまいりました。
 十月三日以降、水産試験場大島分場は、海岸線や海底、イセエビなどの水産資源について、油被害の調査を継続して実施しております。
 十月四日には、大島町が助役を本部長とする大型貨物船座礁事故対策本部を設置いたしました。これは大島町のほか、東京都の大島支庁と水産試験場大島分場、波浮港漁協で構成しております。
 油防除作業につきましては、船主側が海上災害防止センターやサルベージ会社、波浮地区漁業者と契約し、座礁船内に残っている油の抜き取り作業、オイルフェンスやオイル吸着マットなどの油防除機材の設置作業、漁船の航走による海上の流出油の拡散作業や海岸に付着した油の清掃作業等の油防除作業を実施してまいりました。
 当初、船主側は、船を大型曳航船により洋上に引き戻すことを考えておりましたが、船内調査の結果、船底の欠損状況と現場の状況などから、曳航は無理であり、現場での解体による撤去とすることとし、撤去作業契約の準備を進めておりました。
 また、火災発生前までの油回収につきましては、船体から直接回収した油が約百六十キロリットル、波浮港で回収した流出油が約三キロリットルであり、船内に残っている油の残量は推定約四十四キロリットルという状況でございました。
 続いて、2、火災事故の経過及び対応でございます。
 このような準備を進めていたところ、十一月二十六日午前五時半ごろ、座礁船の火災が発生いたしました。火災発生当日の十四時三十分に消火艇による消火活動を開始し、翌二十七日には、黒煙がなくなるなど鎮火傾向となりました。その後も消火活動を継続し、十一月二十九日十時五分、鎮火宣言が出されました。
 二ページをお開きください。
 次に、火災発生以降の対応についてご説明いたします。
 火災により増加した流出油の対応として、波浮漁協、海上保安庁、水産試験場の船舶による航走拡散を実施いたしました。波浮地区では黒煙が住宅地に流れてきたこともあり、大島町が二十六日に避難所を開設いたしました。翌二十七日の午前八時前には全員が帰宅しております。
 続きまして、都の対応でございますが、十一月二十六日に関係八局による東京都大島町座礁船事故連絡会議を設置し、関係局の連携を強化いたしました。各局の活動内容につきましては、資料の表のとおりとなっておりますので、ご参照願います。
 最後に、3、今後の対応でございます。
 都といたしましては、引き続き、大島町、東京都大島町座礁船事故連絡会議等により関係局との連携を密にし、環境調査等の必要な調査の実施をするとともに、大島町、漁協を支援してまいります。また、産業労働局は、漁協や漁業者に対する融資を実施するといたしております。
 油の防除等につきましては、船主側の日雇いによる漁業者が、海上の流出油の航走拡散や海岸の清掃作業を実施することとしています。
 船体撤去につきましては、船体及び海底の残骸等の撤去契約について、来年一月中に入札を行い、撤去を実施する予定でございます。
 最後に、漁業者の漁業被害や大島町等の人件費、資材費等に係る損害賠償については、「ファル・ヨーロッパ号」関係者及び保険会社等との交渉になりますが、都は全面的に支援してまいります。
 以上、簡単ではございますが、伊豆大島大型貨物船座礁・火災事故の対策につきまして報告させていただきました。

○名取委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○松本委員 済みません、写真一番、映してください。(OHP映写)十月一日に座礁したんです。座礁した直後は、こういうふうに火災も何もない。台風一過の後、晴天のときに、夕方か朝方か、非常にきれいな風景の中で撮られております。
 座礁船が日本国内各地に何カ所かある、こう聞いているんですが、大体何カ所ぐらいに座礁船という船の放置実態があるのか、教えてください。

○徳毛災害対策部長 つい最近の北朝鮮の茨城県の日立港沖を入れまして、全部で十一カ所でございます。

○松本委員 全国で座礁船が座礁したままで放置をされているという、十一カ所もあるということなんでありますが、これはそれぞれの海、海岸線を管理する地方自治体が、例えば観光目的等々でそこに置いておいてくれと、こういう結果としてそこにあるんでしょうか。そこら辺の事情がどうなっているのか、教えてください。

○徳毛災害対策部長 実は今回の大島の座礁船につきましては、かなり大きな会社で、また保険会社に入っておりますが、今、座礁の放置されたほとんどの船はそういう保険に入ってなくて、撤去ができないという状況でございます。

○松本委員 ここに座礁している写真の船は、五万六千八百三十五トン、日本の海難史上でも一、二を争う大型船であります。この大型船が、我が東京都が管理をする海域に座礁した、十月一日に。ところが、東京都に座礁船事故連絡会議というのが持たれたのは、十一月二十六日、火災発生後なんですね。この空白の一カ月と二十日間というのかな、東京都は、船の方に任せておけば、大島の方に任せておけば何とかなる、こういう判断だったんでしょうか。

○徳毛災害対策部長 先ほど経過報告でもご説明いたしましたが、大島町で事故発生直後、大型貨物船座礁事故対策本部を立ち上げまして、大島支庁、水産試験場大島分場、地元漁協も構成員となって対策を講じてきました。
 都は、十月一日の自動車運搬船座礁の第一報を受けまして、大島支庁、水産試験場大島分場と緊密な連絡をとりまして正確な情報を収集するとともに、大島町が設置いたしました座礁船油流出事故対策会議の経過報告を受けまして、現場視察、被害状況の調査などを行ってきました。その結果、事故内容や人命、財産に現在以上の被害の拡大のおそれがないと判断いたしました。
 今回の火災発生時には、先ほど先生がおっしゃいましたように、都は直ちに関係六局と警視庁、消防庁による座礁船事故連絡会議を総務局のもとに立ち上げまして、情報を共有化するとともに、対策、対応策を検討してまいりました。

○松本委員 我が国が経験をしたことのないほど大きな船が座礁したわけであります。この座礁船をきちっと撤去するに至るまで大変な費用と日数がかかる。大島町の町の年間予算等々のレベルと比べたって、とてもじゃないけれども、大島町が最後まで責任を持てるというほどの簡単な事故じゃないわけですよね。したがって、こういう大きな事故があった場合には、即、東京都の中に対策本部を設けるべきだと思う。ところが、いまだに対策本部ができていない。局長、すぐ対策本部長に就任しますといってください、ここで。

○赤星総務局長 ただいま災害対策部長が申し上げましたところでございますけれども、連絡会議そのものが、私どもとしては、この座礁船事故に対する対策本部と認識しております。私ども、直ちに、先生がおっしゃったように、十月一日に座礁したわけでございますが、その際、関係局とも十分連絡をとりながら、総務局の災害対策部が都庁全体の災害対策の窓口になっておりますので、そこで受け皿として動き出し、大島町、漁協等ともいろんな形で連絡をとりながら進めてまいりました。
 今回新たな事態が発生して、火災が発生したということで、本来以上の大きな被害が出るということがまた新たに予想されましたので、東京都で連絡会議という名前を設けました。連絡会議自体は、私どもとしては、東京都における事故に対する対策本部と位置づけております。

○松本委員 それじゃ伺いますけれども、写真の二番目と三番目をちょっと映してください。これは二次災害。もう一つ、三番目--これがもとの船ですよね。火災が起こって、今の現状が右側の図面なんですよ。火災が起こってこうなっちゃったんだけれども、一カ月間事故現場を管理する管理責任、これは当然船会社にある、こういうことなんだろうけれども、しかし、船会社といったって、船長さんがどこか、逮捕されちゃったんだか、国に帰っているんだかわからぬよと。船会社の船員が十人か二十人くらいしかいなくて、そしてこの座礁現場をどういう形で、きちっと火災なんかが起こらないように、二次災害が起こらないようにというのは、局長がいわれる対策本部でどういう対策を立てて何を実施していたのか、答えてください。

○徳毛災害対策部長 先ほどもご答弁しましたけれども、油流出事故対策会議におきまして、大島支庁、また大島町、それから保険会社などを初め、毎日対策を行っておりました。それでたまたま、あの事故が起こる直前まで、中で油の抜き取り作業を行っておりました。直前に台風が来まして、あそこは外洋なものですから、今度はなかなか近寄れなくなりました。確かに、火災が起きる二日ぐらい前から船の中にはちょっと入れないという状況がありました。そういう中で火災が起こったということで、ただ、今、海上保安庁で火災の原因を調べておりますが、一般的には自然発火だろうといわれていますが、今のところまだ原因は不明でございます。

○松本委員 できたらこういう場合は、二次災害が起こるということが想定できるわけですから、二次災害を防止できなかったのかという疑問は残るわけでして、もうちょっとしっかりしてもらっていれば、もしかしたら二次災害は防げたのかなという、そんな感じもするわけでありますから、将来これを記憶にとどめていただきたい、こう思うわけであります。
 そこで、この会社が、船主がノルウェー、オスロの会社、船長がフィリピンの人でと、こういうふうにいろいろあるんだけれども、これは法律関係でいって、国内法、刑事罰、刑法が行われる、民法によって補償が行われる、こういうことになるんですが、刑事罰の方は今どこら辺まで推移をしていますか。

○徳毛災害対策部長 今回の事故の法律関係につきましては、先生ご指摘のように、国内法が適用されます。刑事罰につきましては、刑法百二十九条二項の業務上過失往来罪というのが適用されまして、船長は、略式命令により、十月七日に二十万円の罰金刑となっております。

○松本委員 これは二十万円の罰金刑で、あと本人はフィリピンに帰っておしまいですか。

○徳毛災害対策部長 実は法律関係でいきますと、もう一つ、海難審判法というのがありまして、今度そちらの方で、十一月一日に横浜地方海難審判庁におきまして、船長を関係人として海難審判の開始の申し立ての手続が行われましたので、今後船長が--この事故につきまして、どのような経緯で事故が起きたかということを詳しくそこで審査するということになっております。

○松本委員 船長の身柄というのは、今どこかに確保されているんですか。本人は自由に、母国にお帰りになっているんでしょうか。

○徳毛災害対策部長 一応船主の責任で、船長の方は日本にとどまるようにということになっていると聞いておりますが。

○松本委員 大島の漁民の皆さんが毎日毎日苦労しているというのに、事故を起こした本人は何か暖かい国に行って静養しているというんじゃ、二十万払っちゃって後は知らないよというんじゃ、どうも日本人の琴線に触れてくるものとしては、大変許せないという感情があるんだね。自分の船があそこで座礁しているんだったら、やっぱりあそこで毎日海に行って、石の油をこすりながら洗っているぐらいのことがなきゃだめだと思うんだけれども、部長、それぐらいの要求はしてくださいよ。そうでないとぐあいが悪い、こう思う。
 その次に、補償関係について伺うんですけれども、これは船会社がかかっている保険と、それから荷主さんがかかっている保険と二つあると思うんだけれども、多分、荷主さんがかけている保険というのは、東京都民にはおおよそ関係のない保険内容になるんだろうと思う。船会社が入っている保険は、東京の海を、自然をもとに戻すために無制限にお金を使ってもいいという保険なのか、一千万までしか出ませんよという保険内容なのか、契約内容を教えてください。

○徳毛災害対策部長 漁業補償に係る保険につきましては……(松本委員「漁業じゃないんだよ」と呼ぶ)失礼しました。
 保険につきましては、まず三種類ございます。一つは、船舶の物的損害などを補償する保険である船舶保険、それから、海上輸送される貨物を対象とする保険である積み荷保険、それから、船舶の運航による事故等で負う責任及び費用をカバーする保険である船主責任保険。特に今回は、一番被害が大きい漁業の関係の該当する保険が船主責任保険でございまして、ただ、上限は幾らというのはちょっとわかりませんけれども、無制限ということはないと思います。ただ、漁業被害が今どのくらいかというのを算定中でございまして、過去五年ぐらいの生産高からどの程度の被害かということで今、積算中でございますので、ただ、被害額がちょっとまだ算定できないので、お答えできないんですが……。

○松本委員 被害額が算定できないといったって、例えば東京都が、この事故がなきゃ組まなくてもよかった特別融資制度をつくって利子補給をするわけだ。都民税でやるわけだ。この利子補給というのは、明らかなこの事故にかかわる、賠償を求めなきゃならぬ金額でしょう。そうでしょう。また、ここに消防庁のヘリで派遣に行ったとか、警視庁のヘリでどうこうしたとか、これらにかかる経費。あるいは皆さんがこの現場で働いたときに、危険手当が出るのか、いろんな手当が出る。これだって、この事故にかかわる、弁償してもらわなきゃならぬ金額でしょう。そして、大島の漁民の皆さん方が連絡会議を持って、十月だから、もう二カ月以上経過している。二カ月経過した中で、一カ月当たり、去年の水揚げ量等々を換算すると、おおよそ総額で最低これぐらいはかかるだろうという金額は出せないはずがない。そうでしょう。海の底に自動車の残骸が、焼け焦げた残骸がおっこったまま放置しているというわけにいかないでしょう。それを引き揚げるのに、ここに、船をどかすのに契約をするのを、来年の一月に契約をすると、こういっているけれども、契約をするんだったら、大体どの程度かかるんですかとか、あるでしょう。
 そうすると、少なくとも自動車保険だったら、僕の入っている保険は物損五百万だか一千万くらい、そして人身、無制限に入っている。この船の保険がどの程度の保険に入っているのかというぐらいのことは確認しなきゃしようがないじゃない。局長、これぐらいのこともできなくて対策本部なの。答えてよ。

○赤星総務局長 お答え申し上げます。
 実は私も、大島の隣の小さな島の利島という、利島村の助役を二年ほどやっておりまして、当時、昭和五十九年だったと思いますけれども、下田沖で船が座礁しまして、油が流れ着きました。その当時もやっぱり賠償請求、私が助役でございましたので、私が中心になって賠償請求をいたしまして、当時のお金で二千万円とった覚えがございます。
 このときはやはりすぐに、今回もやりましたけれども、現場の写真を撮るということ、現場の証拠をとっておくということが大事だと思います。私どもも、今回はそのために写真を撮ったり、資料を直ちにとりました。当時から申し上げますと、その資料がなかったならば、いきなり海上保安庁の船に乗ってまいりました保険会社の代理人が、ここでは異常なしと帰ろうとしたんです。私は強制的にその場で一泊泊めまして、村内をくまなく案内して、同時に証拠写真、ビデオと油を見せて、それでやっと相手が損害を認めたということがございます。
 今回は、その経験と、前回、これも私がたまたま災害対策にいたときに起こりました、「ダイヤモンド・グレース号」というのが東京湾でございましたけれども、これらの経験を生かして、何とかあらゆる損害賠償をとらなければいけないということで、今、先生の、保険に幾ら入っているかは別にしまして、保険に入っていようが入っていまいが、とらなければいけないと。今回、ファル・ヨーロッパというのは、非常に大きな会社でございますので、今申し上げました船の船体引き揚げにどれだけかかるか、私どもわかりませんが、それをどけさせるということと、それから中に落ちている自動車等もどけさせる。今、先生がおっしゃった損害賠償でございますが、漁業補償は、油がどれぐらいの期間残るかということで、これは本当はじっくり時間をかけてやりませんと額が少なくなったりしますので、単年度だけで請求できないものですから、それらを十分調査させたいと思っております。
 それといま一つ、ちょっとお時間をいただきたいと思いますのは、大島のあの地区は、西風が吹いている時期は船がなかなか近寄れません。ただでさえ寄ると、その船自体が座礁してしまうというようなことがございますので、若干時間がかかるかもしれませんけれども、我々としては、全面的に、先生がおっしゃったような形で損害賠償を請求していきたい。東京都のかかった経費、消防庁等のかかった経費も、あわせて請求してまいります。

○松本委員 僕は意地悪で質問をするわけではなくて、今、全国に十一カ所、まともな保険に入ってなかったとか、それから、さっき局長がいわれたように、損害が発生してないじゃないかというような相手方の認識だとか、いろんな状況の中で、結果として十一カ所もこういう放置船があるということ。こういった事故というのが将来にわたって起こったときには、それぞれの--それぞれのといったらおかしいんだけれども、これだけ大きいと、やっぱりきちっと都道府県が責任を持って事に当たらなくちゃいけないんじゃないかと。そして、これは仮に、立派な会社だか保険会社だかわからぬけれども、やってくれないよといったときには、最後はほっぽっておいていいかというわけにいかないから、最後は税金で何とかしなくちゃならぬというような事態になりかねない。
 ところが、出してもらった資料でいろいろ見てみると、漁業法にかかわる漁業補償もあれば、油で海が汚れた、それをもとに復するためにかかる経費もあれば、そして自治体が税金でそこにいる人たちに融資制度までやらなくちゃいかぬ、こういったことに対する補償もあれば、それもまた海上保安庁が調査をしたり、海上保安庁だって、いろんなところから、油膜を取るための薬品だとか、いろんなものを使っているんだな、それは国税から出されているか、都税から出されているか、町民税から出されているかわからぬけれども、膨大なお金がかかっている。そういうものを地元の漁業補償だけで逃げられちゃうというんじゃ僕はかなわぬと思うんだな。だから、事故を起こした会社に対して、きちっと対応するんだよと、それができるまでは、この国の貨物船、この会社の貨物船は、少なくとも東京が管轄をする海には入港拒否をしますよぐらいの、やっぱり時と場合によっては強い姿勢で臨まなくちゃいかぬと思う。
 もう二カ月経過しようとしているわけだから、大体向こうの保険会社にも、東京都の責任であって、総額どれくらいは最低限かかりますよ、ここぐらいのところまでは全部補償してもらいますけどいいですねぐらいな念押しをしなくちゃいけない。油がどれだけ流れたらこの分だけふえますよ、もとに戻るのに何年かかるかわからない、わからないけれども、わかるまでは毎年請求しますよというようなことをね。
 漁業組合は漁業組合で勝手にやってくれ、海上保安庁の分については保安庁でやってくれ、東京都は東京都で勝手にやりますよ、それも融資関係の局は融資関係だけでやりますよというようなことでは全然話にならぬと思う。それを一括して、まとめて対応するのが東京都の対策本部でなきゃならぬと思う。連絡会議が対策本部だというのであれば、連絡会議の議長を総務局長がやられるわけだから。そうですよね。ですから、総務局長としてこの問題の解決まですべての責任をしょい込んでやりますということの決意表明を求めて、私の質問を終わります。

○赤星総務局長 この事故は、今先生がおっしゃったように、例を見ないほど大きな事故でございました。五万六千八百トンというのは、恐らく東京に来る船の中で、東京湾の中に入る船で最も大きな船の一つだろうと思いますが、これが、台風をよけるためとはいえ、座礁事故を起こして、その後炎上したということでございまして、まだまだ被害は残っているわけでございますので、今おっしゃった損害賠償につきましては、もちろん当事者である町、そして漁協、私どもも含めまして、一緒に協力してやっていかなければならない。解決のために私どもも全力を挙げて、町と漁協と連絡をとり合いながら最善の策をとっていきたい、努力していきます。もちろん、先生がおっしゃったように、都庁内部が個別に賠償請求するようなということはいたしませんし、我々は全力を尽くしてやっていきたいと思っております。

○名取委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○名取委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○名取委員長 次に、検事調書の取り扱いについて、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中村法務部長 理事会から要請のありました検事調書の取り扱い等についてご説明申し上げます。
 まず、検事調書は、検察官が刑事訴追をする過程で、被疑者の供述や被疑者以外の者の供述をその面前で録取したものであります。この検事調書は、犯罪を裏づける基礎的証拠となるものであります。
 その検事調書の入手の手続でございますが、弁護士については、刑事訴訟法第四十条の規定により、裁判所から入手できることになっております。また、犯罪の被害者等につきましては、これは最近できた法律でございますが、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三条第一項の規定により、裁判所から入手できることになっております。一般人につきましては、被告事件の終結後、検事調書を閲覧のみすることはできますが、それを入手することはできないことになっております。
 なお、昨日、本会議で取り上げられた事件そのものにつきましては、まだ終結しておりません。
 以上でございます。

○名取委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山崎委員 今、検事調書というものについてのご説明をいただきまして、基本的なことを我々議員も知らなくてはいけないと思いますし、昨日の本会議の質問で、我々は質問を聞いていて大変驚いたわけですが、そこで、議会というより議員としても、こうした姿が果たしていいのか悪いのか、いい悪いということよりも、今後こういうことがまたあっていいものかどうか、あらゆることをきのうから考え続けてまいりました。
 伺いたいことは、検事調書に書かれていることは、まず真実であるのかどうか、その点についてはどう考えたらいいんでしょうか。

○中村法務部長 検事調書につきましては、検事が、被疑者あるいは第三者から直接、面前で聴取するものでありまして、それに対して、またそれを裁判所へ提出して、被告人の方でも争うことができるわけなので、それが真実かどうかというのは、確実にそこの段階では固まっているわけではございません。

○山崎委員 では、その検事調書はだれが持っているというか、どこに保管されているんですか。

○中村法務部長 公判中の事件であれば、裁判所に提出されておりますので、裁判所にあることになっております。

○山崎委員 ここに、刑事訴訟法の総則の中に開示法制の基礎としていろいろ書かれておりまして、公訴提起前から、それから公訴提起後、そして被告事件終結後、こう分かれておりまして、開示される者について、検察官とか弁護人、被告人、被疑者、補佐人、これは提訴前から閲覧権というのが全部認められております。検察官と弁護人は、公訴提起後には謄写権、コピーする権限を持っています。そうすると、裁判所以外では検察官と弁護人しか持ち得ないものだと思うんですが、それでよろしいですか。

○中村法務部長 公判中はそのとおりでございます。

○山崎委員 そうしますと、検察官か裁判所か弁護人が持っているものを、検察官、弁護人は複写することができるが、そのものを第三者に渡すということは許されているんでしょうか。

○中村法務部長 第三者にそれを正当な理由なく渡すことはできないことになっております。

○山崎委員 そうしますと、その正当な理由というのはどういうことでしょうか。

○中村法務部長 いろいろな場合があると思うんですが、ちょっと今すぐに、どういう場合がそれに当たるかどうか、あれなんですが、自己の何かを守るためとか、いろいろ、自己の権利を守るためとか、そういう場合、あるいはその他何か正当な理由があった場合というぐあいに考えておりますが。

○山崎委員 きのうの本会議での質問者の発言の中には、行革一一〇番は、判決の中で証拠採用されている検察調書のコピーとされるものを三枚、目黒区議が区役所で行った記者会見を通じて入手しましたと、こう発言をされたわけですが、きのうの本会議の発言者は、直接自分が弁護士なりなんなりから受け取ったのではなくて、そういう記者会見の場で入手したと。そうすると、その記者会見で、記者の皆さんとかそこにいる方々、関係者にはすべて配られていると私は思うんですね。それをそこから入手したということになる。そうすると、目黒区議がどのようなルートでそれを入手したかということが私は問題になろうと思うんですね。そういったルートで、どこから入手したかということについて--入手したもの、見せてもらったかどうか知りませんが、それをコピーしたと。そうした場合に、コピーした場合、これは謄写してはいけないとなっているのに、それをコピーしたということになると、それは法律に抵触するんでしょうか。

○中村法務部長 一般論で申しわけないんですが、コピーしただけでは、コピーした人自身は、犯罪に当たるかどうか、ちょっとそれは、多分当たらないのではないかというぐあいに考えているんですが。(「配布は。記者団に配るのは構わないの」と呼ぶ者あり)配布した場合に、これもまた一般論でございますが、それによって一般に伝播性がある、第三者に配られるということであれば、それが例えば刑法の名誉毀損に当たるような事実が書いてあれば、それに当たる場合もあろうと思います。

○山崎委員 そうしますと、ここでは目黒区議がということになっているんですが、目黒の区議会議員さんが入手した相手ですね、例えば、仮定した場合に、弁護士から入手したと考えたときには、その弁護士は法律に違反したことになりますか。

○中村法務部長 これもあくまでも一般論でございますが、犯罪そのものよりも、弁護士法に多分抵触するのではないかと。信用失墜行為に当たるんじゃないかと思っております。
 犯罪に当たるかどうかにつきましては、先ほど申し上げたとおり、一般論でいきますと、それが第三者にどんどん渡っていくという状況を認識しながら、仮に名誉を毀損するような事実が書いてあるということであれば、それは名誉毀損になるというぐあいに考えております。

○山崎委員 そうすると、弁護士でないとすると、あとは検察官ということになりますね。新聞記事によると、十一日の本会議の前日に、さいたま地検が都議会議員のところに来て、訴訟関係書類は第三者に写しを交付することは許されておらず、速やかに裁判所か検察庁に返還してほしいとする要請書を送ったと、こう記事に書かれております。私は何かちょっと変な感じがするんですがね。さいたま地検が返せよと、こう来るということは、じゃ、渡しちゃったのかなと、検察官が、検察庁が。これだけ見るとそんな感じがするんですね。それについてはどんな感じを持ちますか。

○中村法務部長 検察官がそういう調書を渡すということはまずあり得ないと思います。

○山崎委員 そうしますと、弁護士ということになるのかなと。検察官は渡すはずがないということであれば、あとは弁護士が渡したということになる。弁護士法に抵触するとなると、その弁護士は、例えば資格を剥奪されるとか、注意だけで終わるとか、いろんな罰則があると思うんですが、その程度だとどういうことになりますか、罰則というのがあるんでしょうが、細かいことまではいいけれども、抵触すると何らかの罰は受けますね。

○中村法務部長 弁護士法で一番重いのは、資格を剥奪されてしまうものでございます。
 ほかの犯罪に当たるかどうか、これは先ほど申し上げたとおりでございます。

○山崎委員 書類の開示をめぐることに関しては、書類を無定限に開示することとすれば、捜査や裁判に対し不当な影響をもたらすおそれがあり、二として、被告人、被害者など個人の名誉その他の利益または公序良俗などの社会的利益を損なうおそれがあり、関連事件の捜査や裁判に対し不当な影響をもたらすおそれがある、こういう考え方に立って、開示、閲覧権あるいは謄写権というものを規定して、先ほど私がいったとおりの状況になっているわけですが、我々は、こうしたことが果たして許されるかどうか、そしてそれによって、真実は裁判が決めるわけですから、そうでないにもかかわらず、個人名を出して、さも、聞いていると、役所の幹部がおかしなことをしたというようなことまで、真実でないにもかかわらず断定されるような、あるいはまた聞いている我々にも、また広くマスコミ、都民にも思わせるような発言がなされることは、あっていいはずはないと私は思うんです。そうなった場合に、この事件は、神藤さんは控訴しなかった、ほかの方々が控訴したと、そうなると、この事件は結審しているのか、事件が終結しているのかいないのかということになると、これはどちらですか。

○中村法務部長 終結しておりません。

○山崎委員 となれば、なおさらのこと、先ほど、検事調書を閲覧することはかなり制約が厳しくなっているわけですね。なおかつ、それがコピーされて世間に流れ出ているということについては、これはゆゆしき問題でありますので、ぜひ、我々もいろいろ調査をしなければならないと考えておりますが、行政の立場で総務局として、この件について、入手先その他、名誉毀損とかにもかかわるかもしれませんが、そういった点について徹底した調査を私は望みたいと思うのですが、局長、いかがでしょうか。

○赤星総務局長 特別養護老人ホームの補助金にかかわる事件の検事調書の問題でございますが、昨日も私の方からもあの場で都議にも申し入れましたが、検事調書というものが、今るる法務部長が申し上げましたけれども、本来的には外に出るべきものではない時期でございます、まだ結審しておりませんので。私どもとしても、正式にそういうものを入手できない状況でございます。
 私どもとしても、昨日申し上げましたけれども、さいたま地方裁判所の判決、本年十月三十日に、私どもの職員に関する分については決定が出ましたので、本件事件に関係する調査を私ども開始しているところでございます。検事調書がなぜそこへ出てきているのか、我々も非常に疑問でございました。しかもそれが本物であるのかどうなのかというのは、私どもは本物を入手しておりませんので、確認のしようがございません。そういう時期にそのようなものをもとに、外へ出てはいけないもので個人名を出すことについては、私どもも非常な疑義を感じておりますので、私どもとしても調査をさせていただきたいと思います。

○名取委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○名取委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○名取委員長 この際、松本理事から発言を求められておりますので、これを許します。

○松本委員 この間、日本外交協会を通じて東京都が寄附をいたしましたアルファ化米だとか、そういう食糧が四十万食、北朝鮮に渡った。これについて大変遺憾であるという、東京都あるいは議会の声は大変大きなものがあるわけでありまして、東京都は今後こういうことはしない、こういう答弁もあったわけでございますが、これはこれで一応いいのかなと、こう思います。しかし、事は北朝鮮だけではなくて、東京都を通じて、人道支援ということで毛布を送ったり食糧を送ったり、世界のあらゆるところに、あるいは国内の被災者に対していろんな寄附行為というのを東京都はやっていると思うんですね。
 この機会にぜひ--聞いてみると、条件は全くなしで、中に入れる団体を信用して無条件で、アルファ化米、これを人道援助に役立ててくださいと渡しちゃう。渡した先、どこへ行っちゃうのかわからない。地方によってはそれは権力者にしか渡らなくて、本当に困った人には渡らぬというような事態も、北朝鮮だけではなくて、あらゆる地域で考えられるんだろうと思うんですね。
 聞くところによると、東京都がそういった支援を講ずる際に、基準も原則も全く決めていない、何にもないというのが今までの現状だと聞いているんですが、そうでしょうか。

○大塚勤労部長 これまで総務局としましては、保証期限の切れる災害対策用食糧を機械的に処分することなく、慈善事業とか防災訓練などへの有効活用を図るため、寄附についての要請に応じて受け入れ先を個別に判断してきておりまして、例えば財団法人東京善意協会など、慣行として、いわゆる公益的団体への寄附を行ってきております。

○松本委員 日本外交協会というのも一応公益団体なんじゃないんですか。教えてください。

○大塚勤労部長 日本外交協会は、社団法人でございまして、公益的団体だと考えております。

○松本委員 したがって、公益団体であれば、ほとんど無条件でその要請にこたえてきたという実態があるんだろうと思うんですよ。ぜひこの機会に、総務局だけではなくて、窓口が福祉局になっていたり、全庁的にこうした善意の要請に対して善意をもってこたえたいというのは東京都のいいところですから、それは全くそのとおりではあるんですけれども、しかし、こういう外交協会みたいに、知事のいいぐさじゃないけれども、友人がいたから、友人の要請にこたえて、ぽんとくれちゃったみたいな、片方で北朝鮮と拉致事件でわあわあもめているときに、こういう非常識なことが、外交協会という公益団体においては行われていたわけだ。だから、余り厳しくてもいけないけれども、少なくとも東京都、アルファ化米を渡しますよと、それはきちっと食糧に困っている人に渡すということが担保できるんだったらお渡しをしますよとか、あるいはこういう、問題を抱えている地域には渡せないとか、何らかの原理原則みたいなものを都庁全体でこの機会に検討してまとめてもらいたい、こう思うんですが、局長の答弁をいただいて、終わります。

○赤星総務局長 ただいまのご質問にお答えしたいと思いますが、外交協会につきましては、私たちも、これは国の外郭団体であり、しかもそうそうたるメンバーが理事に名前を連ねておられましたので、私どもとしても信用して、総務局分は十一年度と十二年度、それから福祉局分は十三年度まで、これを外交協会に寄附してまいりましたけれども、今後は、今回の経緯を踏まえまして、保証期限の切れる災害対策用食糧の寄附先につきましては、公共性の高い団体であって、なおかつこれからは提供先について条件を付すなど、関係局とも協議した上で具体的な方針について定めてまいります。

○名取委員長 発言は終わりました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会します。
   午後三時二十四分散会

ページ先頭に戻る