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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十五号

令和三年十一月十八日(木曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長山加 朱美君
副委員長森口つかさ君
副委員長池川 友一君
理事伊藤しょうこう君
理事大松あきら君
理事米倉 春奈君
吉住はるお君
たかく則男君
米川大二郎君
五十嵐えり君
三宅 正彦君
長橋 桂一君
石川 良一君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
主税局局長砥出 欣典君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務川上 秀一君
税制部長丹羽恵玲奈君
税制調査担当部長三浦  仁君
調整担当部長原島 幸男君
課税部長櫻井 幸枝君
資産税部長辻谷 久雄君
徴収部長菊澤 道生君
特別滞納整理担当部長蓮沼 正史君
会計管理局局長堤  雅史君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務副島  建君
警察・消防出納部長磯貝  宏君
会計企画担当部長筒井 宏守君

本日の会議に付した事件
会計管理局関係
事務事業について(質疑)
主税局関係
報告事項(説明・質疑)
・令和三年度東京都税制調査会答申について
事務事業について(質疑)

○山加委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局及び主税局関係の事務事業に対する質疑並びに主税局関係の報告事項の聴取を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○吉住委員 私は、契約、支出関連事務のデジタル化について伺います。
 国においては、九月にデジタル庁が発足し、都においても、未来の東京戦略やシン・トセイ都政の構造改革QOSアップグレード戦略を策定し、大胆なDXを進めることとしています。
 デジタル化は、都庁自身の業務の効率化はもちろん、都民に提供するサービス水準の向上という観点からも重要な取組です。
 こうした中、契約、支出関連事務などの内部管理事務においては、依然として紙書類が前提となっている業務が見受けられますが、今後はデジタル化を加速していく必要があると考えます。
 契約、支出関連事務のデジタル化は、シン・トセイ戦略におけるコアプロジェクトとして内部管理事務抜本見直しプロジェクトに位置づけられていますが、これまでの取組と今後の予定について伺います。

○筒井会計企画担当部長 現行の業務運営におきましては、決裁や書類への押印等のために、都民、事業者、都庁職員共に出勤や来庁の必要があり、また、紙前提でデータ活用も不十分なため業務効率が上がらず、マンパワーの有効活用に支障があるという課題がございます。
 そのため、契約、支出関連事務について、起案から契約、支出に至る手続を一連でデジタル化すべく、文書や契約、会計事務の制度所管局などで構成する検討会を開催して取組を進めております。
 本年八月には、デジタルを前提とした事務の在り方を踏まえ、必要となるシステムの全体像、機能配置とともに、実現に向けた課題や解決の方向性などを内容とする基本計画を策定いたしました。
 現在、業務フローの見直しに加え、関係システムの連携や再構築などに向け、システムの要件定義を実施しております。
 来年度以降、システムの新機能の設計に着手いたしまして、令和六年度を目途に、事業者と都の間でデジタルベースでの書類のやり取りを開始、令和八年度を目途に、内部事務を含めた一連の業務プロセスについてデータ連携することを目指し、取組を進めております。

○吉住委員 契約、支出関連事務について、現在、別々に運営されているシステム間の連携や新規システムの構築など、難しい作業になると思われますが、将来、システムの不具合などが発生することがないよう、システムの要件定義などを確実に進めていただきたいと思います。
 契約、支出関連事務のデジタル化については関係局と連携して推進しているということですが、その中で、会計事務を所管する局として、これまで行ってきた取組と今後の予定について伺います。

○筒井会計企画担当部長 契約、支出事務のデジタル化につきましては、廃止できるか、削減できるか、改善できるかといった視点から、一連の事務についてBPRを徹底し、それを踏まえたデジタル化を行う方針としております。
 そのため、会計管理局では昨年度、デジタル化に向けて、誰が、どのタイミングで、どのような手続を行っているのか、支出審査において、どの書類の、どんな情報を、どのように突合させ確認しているのかなど、現行の支出事務の見える化をする取組を行いました。
 今年度は、この見える化を基に、局内の関係部署から成るプロジェクトチームにおいて、デジタルベースの事務フローや求められるシステム機能などを検討し、関係局が横断的に検討しているシステムの要件定義に反映させております。
 今後は、会計事務の制度所管局として、引き続き、デジタル化を前提とするBPRを進めるとともに、他システムとのデータ連携に向けた財務会計システムの改修など、一連のデジタル化に必要な取組を着実に進めてまいります。

○吉住委員 システムを開発する上で、実際の事務がどのようになされているか、しっかり把握し、事務を見える化することはとても大切な取組です。今後も、要件定義への反映など、着実に進めていただきたいと思います。
 契約、支出関連事務のデジタル化は、契約の相手方である都民や事業者にとって、書類のやり取りによる外出や郵送手続が不要となることなど、スピーディーに仕事を進めることができ、大変メリットがあります。
 都庁職員にとっても、出勤が不要となるなど同様のメリットがあり、契約、支出関連事務のデジタル化は、民間、都庁、双方にとって業務を最大限効率化するために推進していかなければならない重要な取組であると考えています。
 そこで、最後に、今後の会計事務のデジタル化に向けた局長の決意を伺います。

○堤会計管理局長 新型コロナウイルス感染症の拡大は、行政のDXの遅れなど、都のみならず、行政全体が抱える構造的な課題を浮き彫りといたしました。
 現在、国を挙げてデジタル化や書面押印、対面主義からの脱却を進めてございます。
 都におきましても、都政の構造改革として、都のあらゆる施策をデジタルファーストの視点で見詰め直し、都政のDXの推進をてことすることで、都政のQOSを飛躍的に向上させ、都民の期待を上回る価値の提供を目指しておりまして、全庁があまねく取り組む必要があるというふうに考えてございます。
 特に会計事務につきましては、各局が取り組む事業の円滑な遂行を支える都政のインフラというべき重要な業務でございますが、現状は、紙や判こが前提となっている業務が多く、デジタル化によりまして、都民、事業者の方々とともに、広く庁内にもその効果が及ぶものでございます。
 デジタルサービス局をはじめ、契約、支出事務に関係いたします各局と緊密に連携を図りまして、個人や事業者の情報の保護ですとか、災害等非常時対応などにも留意をしながら、データ連携による都の行政運営の効率化、そして、手続のための負担軽減など、都民、事業者の皆様の利便性の向上、これらを着実に実現してまいります。

○吉住委員 コロナ禍という大変な状況を、アナログ世界からデジタル化への新たな変革への機会と捉え、適正な会計事務を担保しつつ、さらなる生産性の向上につながるデジタル化を大いに期待して、質問を終わります。

○中村委員 それでは、会計管理局の事務事業について、最初に、公金管理について伺います。
 新型コロナウイルス感染症に関して、支出が増加し、一方では、税収の減少が懸念されます。また、不要不急の外出や、接触を避けるためにキャッシュレス化が進むなど、時代が大きく変わりました。公金管理について、安全を最重要視し、適切に行わなければなりません。
 そこで、新型コロナウイルス感染症に係る影響と対策について幾つか質問していきたいと思います。
 まずは、地方自治体の歳入歳出に属する現金である歳計現金等の保管についてです。
 コロナで基金が減少し、税収も減少しました。通常でも税収がない五月は資金不足になりますが、支払いを遅らせるわけにはいきません。
 そこで、歳計現金等残高の令和三年度の状況について伺います。あわせて、直近三年間の平均残高の変化についても伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 歳計現金等残高の令和三年度の状況でございますが、年度当初は新型コロナウイルス感染症対策に係る経費等がかさんだことから、五月には歳計現金等の資金不足が生じたところでございます。
 その後、国庫支出金収入等によりまして、五月末までにかけて残高不足は解消いたしましたが、これから年度末にかけましても、収入及び支出に係る計上時期のずれの影響が残るものと見込まれております。
 また、過去三年の歳計現金等の平均残高でございますが、平成三十年度が一兆四千三百九十二億円、令和元年度は一兆三千六百七十九億円で推移いたしました。令和二年度につきましては、対前年度比で四千八百八十四億円減の八千七百九十五億円と大幅に減少しております。

○中村委員 都は、安定した税収があるので、企業のように資金不足による黒字倒産ということはないとはいえ、歳計現金等の平均残高が例年に比べて五千億円も減少したのは異常な事態であり、公金を管理する会計管理局としても、例年とは違った対応も必要であったと推測されます。
 毎年度当初の資金不足についてどのように資金繰りを行っているのでしょうか。また、例年にも増して厳しい状況にあった今年度についてはどのように対応したのか伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 歳計現金等に一時的な不足が生じる場合には、基金、準公営企業会計資金などの内部資金からの一時繰替え借りや、市中金融機関からの一時借入れにより資金を調達しまして、その不足を賄うこととなります。
 都におきましては、内部資金からの調達が可能であることから、基金からの一時的な借入れである一時繰替え借りを行いまして、支払いに支障を来さないようにしておるところでございます。
 例年でございますと、五月末を挟む短期間、一時繰替え借りを行い対応しているところでございますが、今年度につきましては、年度当初から資金不足が見込まれたため、四月十二日から五月三十一日までの四十九日間にわたり一時繰替え借りを行ったところでございます。

○中村委員 税収が入る前は基金を活用して、税収が入れば戻すことにはなります。その際に、金額的には大変大きな金額が見えないところで動くことになります。
 そこで、基金からの一時繰替え借りについては、誰が決裁を行い、その内容は議会などに諮られているのか伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 内部資金の移動であります基金からの一時繰替え借りの決裁権限は会計管理局の管理部長にございまして、金額につきましては、支払いに支障を生じさせない規模としております。
 なお、一時繰替え借りに係る利子につきましては、一般会計から基金等へ利子を支出することとなりますので、議会の議決を受け、予算化されているところでございます。

○中村委員 内部資金の移動ではあり、適法な手続を経ることは当然ではありますが、それにしても見えないところで大きな金額が動くことになります。
 基金からの一時繰替え借りの額とその利子に関して、直近三年の実績について伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一時繰替え借りの額につきまして、直近三年の実績でございますが、平成三十年度一千億円、令和元年度三千億円、令和二年度五千億円となっております。
 今年度につきましては、先ほども申し上げましたが、年度当初から資金不足が見込まれましたため、四月中旬から五月末まで一時繰替え借りを実施し、最大八千億円を調達いたしました。
 また、直近三年の一時繰替え借りに係る利子の実績額でございますが、平成三十年度二万七千三百九十七円、令和元年度五十七万五千三百四十二円、令和二年度三十八万三千五百六十一円となっております。
 なお、一時繰替え借りに際し適用する利率でございますが、市中金融機関におけます定期性預金の預入利率を参考にいたしまして、基金として不利益とならない水準としているところでございます。

○中村委員 一時的な繰替え借りとはいえ、八千億円は相当な金額であり、それだけに適切な取扱いが重要となります。低金利時代とはいえ、どう扱うかで利回りも変わってきます。
 困難な資金繰りを余儀なくされる中で、流動性預金での保管が増加し、例年より利回りが低くなっているのではないでしょうか。その件について伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 金融緩和局面の継続が想定されることに加えまして、コロナ禍における運用可能資金の減少や運用期間の短縮が見込まれることから、今後につきましても、歳計現金等の利回りは低下する可能性がございます。
 こうした環境下におきましても、各局と情報連携を密に取り、突発的な支払いにも対応できるよう、必要な流動性を確保した上で運用可能資金の最大化を図り、利回りを確保しているところでございます。

○中村委員 公金の管理において利回りも重要なので、引き続き、資金繰りを行う中でも最適な運用を求めます。
 続いて、令和三年度の公金管理の計画及び実績について質問していきます。
 毎年、年度当初にその年の公金管理計画が策定されます。その中で運用方法のポートフォリオが示されますが、今回、令和二年度の実績見込みとして、都市銀行が六〇%であったのが三年度想定で四五%に下がり、外国銀行が一八%から二五%に上がっています。ほかの数値を見てもそれほど大きく変わっていない中、気になるところであります。
 令和三年度公金管理計画において、基金の金融機関種別ポートフォリオで、都市銀行の割合が減少し外国銀行の割合が増加しているのはなぜでしょうか。また、安全性の観点から問題ないのか伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和三年度につきましては、都市銀行での預金を中心に運用を行っております財政調整基金の残高が大幅に減少する見込みであったため、預金総額に占める都市銀行の割合が減少しております。
 このことから、相対的に外国銀行や信託銀行等の割合が増加したものでございます。
 また、安全性の観点につきましては、預入先金融機関に関しまして、多角的な視点からのリスク管理を徹底しておりまして、預金の安全性の確保に万全を期しているところでございます。

○中村委員 財政調整基金が急速に取り崩される中で、結果として割合が変わったとのことでした。
 必ずしも外国銀行だから安全ではないとはいえませんが、公金管理に当たり、安全性の確保は最も重要ですので、状況が変わろうとも細心の注意が必要です。とはいえ、実際には、まだ計画のとおりにはなってはいません。
 令和三年度第一・四半期の実績では、都市銀行の割合が下がっていないのはなぜでしょうか。また、年間を通じて比率が変わっていくのか伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年度末の計画策定時におきましては、財政調整基金の取崩しによる残高減に伴い都市銀行の割合の減少を見込んでおりましたが、同基金の取崩し額が見込みよりも圧縮されましたため、第一・四半期における都市銀行の割合は下がっておりません。
 今後につきましても、基金残高の推移が見込みとは異なることも想定されますため、都市銀行の割合は計画値ほどには下がらない可能性がございます。

○中村委員 国庫による支えもあり、財政調整基金の取崩しが予想よりも少なくて済みそうです。
 コロナについては、まだ油断のならない状況なので、状況がいかに変化しても適切な対応をしていただきたいと思います。
 さて、公金の種類によって運用方法が違うとはいえ、利回りにおいても違いが出てくるとのことです。
 令和二年度の利回りについて、準公営企業会計資金では横ばいとなっているのに対して、歳計現金等及び基金で低下しているのは何でなのか伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 歳計現金等につきましては、コロナ禍における突発的な支払いに備え、流動性を確保する観点から、定期性預金の構成比が減少したため利回りは低下しております。
 基金につきましては、過去に組み入れました比較的利回りの高い債券が順次償還を迎えていることが主因となりまして、利回りが低下したものでございます。
 なお、準公営企業会計資金は預金のみで運用を行っておりますため、利回りは横ばいとなっております。

○中村委員 公金管理は利回りも大事ですが、何より安全が重要です。超低金利時代ではありますが、元が税金である以上はリスクを取るわけにはいきません。以前、公金で株式投資をという人もいましたが、すべきではないと思います。
 安全な運用と利回りについてどう考えるのか伺います。また、株式投資については現在も行わないという理解でよいのか、確認のため伺います。

○副島管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公金を管理するに当たりましては、取り巻く環境が変化いたしましても資金元本を毀損することのない確実な保管、運用をすべく、安全性の確保を最重要視しております。
 その上で、預金に関しましては、預入機関を工夫するなど、きめ細やかな対応に努め、なるべく利回りの有利な金融機関で預金を設定しているところでございます。
 また、債券につきましては、比較的利回りが見込める地方債や財投機関債での運用に重点を移すなど、ポートフォリオの適時適切な見直しを行っているところでございます。
 こうした取組によりまして、安全性と効率性の両立を図っているところでございます。
 なお、株式による運用につきましては、現状、法令上の解釈において行うことができないものとされております。

○中村委員 引き続き、安全性の確保を最優先した上での運用を求めたいと思います。
 最後に、会計事務について伺います。
 都は、物品の購入、公共工事の発注、補助金の交付など、多くの相手に対して支払いを行っています。いうまでもなく、その元は全て税金であり、その相手先の選定は公平でなければなりません。その公平性を担保するには、議会での議論が重要ですが、全部の案件のチェックは当然できません。
 公平性を担保するには透明性を高めるのが重要であり、情報公開が必要になります。都も公開を進めてはきたのですが、さらなる公開が必要と考えます。
 公金支出情報の公開については、支出先の公開など、より積極的に行うべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○筒井会計企画担当部長 都は、平成二十九年九月から、公金支出情報として、件名、支払日、支出部署、支出科目、支払額などの情報をホームページで一括公開しております。
 支払先等の情報公開につきましては、支出の妥当性の検証、確保等に活用し得るものであると考えております。
 一方、支払案件によっては、個人情報のほか、法人についても、正当な権利利益の保護のため、情報公開条例に基づく非開示情報に該当する場合等がございまして、全ての案件を一律に公開することは適切でないというふうに考えてございます。
 なお、現行の事務処理システムの下では、こうした情報の該当、非該当を線引きすることが困難であり、その判断には、各局において多大な時間と労力を要し、また、膨大な件数の中で非開示情報が誤って公開され、都民生活や事業活動に多大な影響を及ぼすリスクもございます。
 支払先の公開につきましては、メリットとリスク、コストを比較しつつ、代替手段や他の公開情報も踏まえながら、公開可能な情報の範囲について、引き続き、各局と調整しながら検討してまいります。

○中村委員 課題は様々あり、すぐにはできないようですが、これまでの私たち会派の主張を受けて検討はしていただいているとのことです。
 また、公営企業会計の情報公開については、各公営企業局が担当することは承知はしていますが、都庁全体で公開に向かって足並みをそろえるのが望ましいと思います。
 権限的には各局が持っているにせよ、どこかが旗を振らなければ進みません。さらなる情報公開について検討されていますが、さらに進める際には、公営企業局にも会計管理局が呼びかける必要があると思っています。ぜひ、積極的な情報公開を全庁挙げて進めてもらうことを求めて、質問を終わります。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○山加委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○三浦税制調査担当部長 先般、東京都税制調査会において取りまとめられた答申につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、令和三年度東京都税制調査会答申の概要をご覧いただきたいと存じます。
 初めに、Ⅰ、税制改革の視点でございます。
 今回の答申は、1、基本的視点といたしまして、(1)、少子高齢・人口減少社会、(2)、地方分権改革の推進、(3)、財政の持続可能性の確保、(4)、地方税体系のあり方といった各視点から、次に、2、時代の変化に対応した視点といたしましては、(1)、新型コロナウイルス感染症による経済・社会への影響、(2)、所得格差に対応した税制、(3)、税制のグリーン化、(4)、国際課税をめぐる協議の進展、(5)、税務行政のデジタル化といった、以上、各視点から提言をいただいております。
 次に、Ⅱの税制改革の方向性でございます。
 1、真の地方自治の確立に向けた税財政制度のあり方といたしましては、地方法人課税におきまして、偏在是正措置では、国が偏在是正の名の下に講じてきた国税化措置は、地方の自主財源を縮小させるもの。また、受益と負担の対応性を重視する地方税の原則に反するとしております。
 また、分割基準では、法人の事業活動規模を的確に表すとともに、納税者の便宜なども考慮し、簡便で明確な指標であるべきである。
 さらに、外形標準課税では、その適用基準について、中小法人の負担に十分に配慮しつつ、近年の法人の事業活動形態の変化も踏まえ、資本金以外の指標も組み合わせることなどを検討すべきと、このようにしております。
 次に、消費課税につきましては、地方消費税では、地方自治体の基幹税として多様な行政需要を賄う観点から、引き続き一般財源とすることが適当である。
 また、清算基準では、この制度趣旨は、最終消費地と税収の最終的な帰属地を一致させることであり、清算基準の精緻化に向けまして、統計で把握できる範囲と統計の比率を合わせて高めていくべきと、このように指摘されております。
 続いて、個人所得課税につきまして、個人住民税の現年課税化では、納税者の負担感の軽減及び適正、公平な税負担の観点から、早期実現に向け検討すべきである。
 次に、給付付税額控除では、将来の災害等の発生も見据え、平時からのセーフティーネットとして導入に向けた検討を始めるべきである、このように指摘されております。
 続いて、金融所得課税では、分離課税の税率は、主要先進諸国の税率を参考にして引き上げること及び国、地方間の配分について検討すべきである。
 また、ふるさと納税では、地方税の受益と負担との関係をゆがめる制度であるため、寄附金税制の本来の趣旨に沿った制度に改めるべきとされております。
 次に、個人事業税では、課税対象事業の限定列挙方式は、ビジネスや働き方の多様化を踏まえ、早急に時代に即した見直しが図られるべきと、このようにされております。
 それでは、恐れ入りますが、ページを一枚おめくりいただきまして、二ページ目をご覧いただきたく存じます。
 都の重要施策を支える税制の役割についてでございます。
 政策目的実現のための税制では、特定の政策目的を実現するために税制を活用する場合においては、その施策の必要性に加え、合理性、有効性、相当性の観点から慎重に検討すべきとしております。
 次に、地方財政調整制度について、地方交付税制度では、交付税原資となる国税の充実、地方交付税の法定率引上げなどとともに、地方の実態に見合った財源需要を地方財政計画に反映すべきとしております。
 続きまして、2、時代の変化に対応した税制度の構築といたしまして、コロナ禍に対応するための税制についてでございますが、感染症対策のための将来の税制の構築では、グローバルな経済活動から得られる利益や、環境負荷への行為に対して課税することが考えられる。また、所得課税の累進構造や課税ベースの適正化、法人課税の租税特別措置の適切な見直しなどを検討すべきとされております。
 また、税務行政のデジタル化の推進では、所得情報等を正確かつリアルタイムに把握し、生活困窮者への迅速かつきめ細やかな支援の実現につなげること、また、税務手続の簡素化、迅速化、統一化の取組が必要としております。
 次に、環境関連税制についてでございます。
 地球温暖化対策のための税、いわゆる温対税では、人々の行動、投資を脱炭素に向けたオプションに転換させるため、税率引上げの早期実現に向けた取組を加速すべきである。
 次に、住宅の脱炭素化促進のための税制では、家庭部門の温室効果ガス排出量を削減するため、例えば、固定資産税の新築住宅減額の対象を環境性能が優れた住宅に重点化するなど、住宅の脱炭素化に向けた施策の推進が重要としております。
 次に、自動車関連税制についてでございます。
 CO2排出量基準の早期導入では、地球温暖化などの環境問題を解決し持続可能な社会を実現するためには、車体課税について、CO2排出量の要素(基準)を取り入れるなど、より積極的に環境税制として位置づけていくことが極めて重要であり、速やかに導入を検討すべきである。
 また、車体重量基準と走行距離課税におきましては、電気、燃料電池自動車などには、普及を阻害しないよう税率などを工夫しつつ車体重量基準の課税体系を早期に構築すべき。
 また、中長期的な方向性としては、例えば、課税標準を車体重量または走行距離に、あるいはCO2排出量基準との組合せとする方法を検討すべきとしております。
 次に、新たな国際課税ルールでは、二〇二三年からの新たな国際課税の実施を見据え、税収の適切な地方への配分に向けて議論を重ねていく必要があるというふうにしております。
 令和三年度東京都税制調査会答申についての説明は以上でございます。
 なお、お手元に、資料第2号として答申の本文をお配りしておりますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 以上、よろしくお願い申し上げます。

○山加委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑と併せて行いますので、ご了承願います。
 なお、事務事業については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る九月二十二日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元資料第3号、財政委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をご覧願います。
 今回要求のございました資料は三件でございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 それでは、一ページをお開き願います。要求資料第1号、資本金区分別法人数及び法人都民税・事業税額の推移でございます。
 この表は、資本金一億円未満、一億円以上十億円未満及び十億円以上の区分別に、法人数及び法人都民税額、法人事業税額の五年間の推移をお示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、都税の滞納整理における差押件数でございます。
 この表は、都税の滞納整理における差押件数を五年度分お示ししたものでございます。
 次に、三ページ及び四ページの要求資料第3号、東京都における超過課税及び主な軽減措置でございます。
 この表は、現在、都で実施している超過課税及び主な軽減措置について影響額等をお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○山加委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 私からは、まず、税務事務のデジタル化について伺います。
 東京をより暮らしやすくするためには、情報技術の力を徹底的に活用することが重要です。すなわち、都も積極的にデジタル化を推進し、簡単でスムーズな各種手続を実現する必要があります。そして、税務行政においても、納税者に利便性の向上を実感してもらえるよう、デジタル化を進めていくことが求められています。
 この点、主税局では、将来像を描いた主税局ビジョン二〇三〇を策定しており、二本柱として、納税者の利便性向上と税務行政の構造改革の実現を目指しています。そのために、税務基幹システムを再構築するとしています。
 さて、スマートフォンの普及やAIの進展など、近年の技術革新は目をみはるものがあり、税務行政においても、これらの技術を着実に生かして、都民サービスを向上させるとともに、あわせて、デジタル弱者に対してもしっかりと向き合う姿勢が求められています。
 そこでまず、こうした主税局のデジタルトランスフォーメーションの推進に向けて、再構築の対象となる税務基幹システムの概要と税務事務における役割について伺います。

○原島調整担当部長 現在、主税局が保有しております税務基幹システムは、平成十七年七月に全面稼働した税務総合支援システム、通称TACSSでございます。
 TACSSは、都税について、課税から納税、滞納整理までの業務を網羅的、集中的に管理しております。
 このシステムの各種支援機能を活用することで、迅速で正確な税務実務や厳格な情報管理が可能となっておりまして、適正、公平な賦課徴収に欠かせない重要な役割を果たしております。
 また、TACSSでは、納付書や証明書などの即時発行が可能でございまして、納税者の利便性にも直結しております。

○伊藤委員 都の税務基幹システム、すなわちTACSSが、税務事務を執行する上で欠かせないシステムであることを確認しました。
 さて、都庁各局も効率的な事務執行のため様々なシステムを運用しています。そして、TACSSは稼働開始が平成十七年とのことですので、稼働当時には想定できず、解決し切れないシステム上の問題もあるのではないでしょうか。
 そこで、TACSSが抱える現在の課題はどのようなことなのか伺います。

○原島調整担当部長 TACSSの課題としましては、大きく二点挙げられます。
 一点目は、毎年の税制改正に対応するためにプログラム改修を積み重ねることで、システムの大規模化、複雑化が進み、改修時の影響調査の拡大などにより、改修費用を含むシステム維持管理経費が年々増大していることでございます。
 二点目は、現在のシステムは、税務情報の保護のためセキュリティを最重要視し、外部との接続を遮断した閉鎖的なクローズド型システムであることから、主税局以外の外部機関とデータ連携を行う環境としましては十分ではない点でございます。

○伊藤委員 課題としては、プログラム改修の積み重ねによる維持管理経費の増大や、外部機関とのデータ連携の不十分さとのことでした。
 さて、現在のTACSSの構築に要した費用は約百六十八億円で、運用費用は、令和二年度の決算ベースでも約六十四億円と聞きました。稼働から十六年が経過していますので、この間の技術革新や社会状況の変化を考慮しますと、今の時代に合ったシステムを新たに構築する必要性は理解できます。
 その一方で、年間五兆円の都税収入と約三千人の職員の業務を支えるシステムであることをしんしゃくしても、多額の費用をかけて再構築を進めるならば、都民にとっても有益であることが絶対条件になると考えます。
 そこで、税務基幹システムの再構築で現在の課題をどのように解決するのか、また、都民にとってどのようなメリットがあるのかも伺います。

○原島調整担当部長 税務基幹システムの再構築では、プログラム言語などを最適化しましてシステムを改修しやすくするとともに、膨れ上がった既存のプログラムコードをスリム化することで、システム維持管理経費の低減を図ることとしています。
 また、外部の行政機関等とデータ連携できるネットワーク基盤を構築することで、セキュリティを確保しながらオープン型のシステムに転換することとしております。
 行政機関等との情報連絡が実現すれば、例えば、これまで行政手続などにおいて求められていました各種証明書などの添付書類の省略が可能になるなど、納税者の利便性向上が期待できるものと考えています。
 システムの再構築に合わせて業務フローを見直し、また、AIなど新たな技術の導入を図ることで、システムで可能な業務はシステムに任せ、限られた人材を専門性の高い業務に重点配置することで、より納税者に寄り添った対応を実現してまいります。

○伊藤委員 主税局ビジョン二〇三〇にも示されていますが、システムの再構築により、例えば、都民は、一つの手続のために様々な役所を回るような手間がなくなります。また、税務職員は、作業負担の軽減により、納税者へのよりきめ細かな対応も可能になると考えます。よって、主税局は、税務基幹システムの再構築により、より効率的な税務事務や納税者サービスの充実を図ることができるよう、しっかりと開発を進めていただくよう求めます。
 さて、デジタル化を進めることは、その一方で、デジタルに不慣れな方にとっては決して喜ばれない状況を生み出すのではないかという懸念もあります。デジタル化の波を否定するつもりはありませんが、こうした格差、いわゆるデジタルデバイドを解消するための対応も必要と考えます。
 そこで、税務事務のデジタル化を進めることで生じるデジタルデバイドに対してどのように取り組むのかについても伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 デジタル化が進んだ税務行政では、税の手続や相談が、電子申告、電子納税やAIチャットボットなどを利用することにより、自宅やオフィスにいながら完結し、利便性が大きく向上することとなります。
 デジタル化を進めるに当たっては、全ての納税者の方がその効果を実感できる環境の整備が重要でございます。
 そのため、デジタル機器の操作に不慣れな方にとっても分かりやすい用語や表現を使用し、煩雑な操作を要しないシンプルな設計とするなどのシステム構築に努めるとともに、操作方法の問合せ等にも丁寧にサポートしてまいります。
 また、現在の都税事務所等の窓口での手続、相談を希望される方に対しては、引き続き、きめの細かい対応をしてまいります。

○伊藤委員 納税者の利便性向上のためにデジタル化はしっかりと進める一方で、不慣れな方にも引き続き丁寧に対応していただき、誰もが利便性の向上を実感できるよう取り組んでいただくことを求めます。
 続きまして、令和三年度東京都税制調査会答申について伺います。
 都税調は、設置以来二十年が経過しましたが、宿泊税など東京都独自の制度導入のみならず、国の偏在是正措置には反論を行うなど、これまで様々な提言を行ってきました。そして、多くの住民サービスを実践する自治体が、より納税者に近い目線で税制に関する提言を行うことは極めて重要と考えます。
 さて、今回は、平成三十年から今年にかけての第七期の答申ということになります。
 それでは、今回の答申の位置づけや特色はどのようなものなのか、まず伺います。

○三浦税制調査担当部長 東京都税制調査会の令和三年度の答申は、第七期に当たる平成三十年度以降の四年間の議論を総括したものと、位置づけとなっております。通常三年を一期としておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響等により、期間を一年延長しております。
 今回の第七期では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が医療体制及び経済活動に打撃を与え、人々の生活様式や健康などに大きな影響を及ぼすとともに、デジタル経済化の動きを加速させたことや、感染症対策が巨額の歳出と特例国債発行を伴い、政府債務の急膨張を招いていることなどの動向を整理いたしまして、コロナ禍に対応する税制の在り方について提言をしております。
 このように、コロナ禍を超えて持続可能な社会を目指す税制の実現に向けた提言であるところが、今回の答申の特色となっております。

○伊藤委員 今回の答申の位置づけや特色について確認をしました。
 さて、都税調は、真の地方自治を確立する観点から、国、地方を通じた税制全体の在り方、その他これらに関する諸制度について提言を求めるために知事が諮問した機関です。また、地方分権に関しても、公共サービスによる受益と税負担のバランスを取った地方税制の充実を目指す原則を、税制改革の基本的な視点として一貫して掲げてきたと聞いています。
 それでは、今年度の答申はどのような観点から議論されたのか伺います。

○三浦税制調査担当部長 令和三年度の一つ目の柱としまして、地方自治体の自主、自立的な行財政運営のための必要な地方税財源の拡充と安定的な地方税体系など、真の地方自治の確立に向けた税財政制度の在り方について議論を行ったところでございます。
 また、二つ目の柱として、気候危機、経済のグローバル化、デジタル化、新型コロナウイルス感染症など、直面する様々な課題により顕在化しました税制上の諸課題を克服することを目的とする、時代の変化に対応した税制度の構築につきまして議論が行われたところでございます。

○伊藤委員 今年度の答申の観点を確認しました。
 こうした観点からまとめられた答申は、税制改革の方向性として、真の地方自治の確立に向けた税財政制度の在り方と時代の変化に対応した税制度の構築の二つの柱で、それぞれ具体的な税目ごとに提言がなされています。
 そこで、個人所得課税について伺います。
 先ほどの答弁にもありましたが、新型コロナ感染症の拡大は、医療体制や経済活動に甚大な打撃を与え、人々の働き方などにも大きな影響を及ぼすとともに、デジタル経済化の動きも加速化させました。具体的には、外出自粛の要請に伴うテレワークの促進や電子決済など、非接触型といわれる電子サービスも一気に拡大しました。
 コロナ禍において、こうしたビジネスや働き方の多様化が進展する中、個人事業税についての議論がなされましたが、具体的にどのような提言を行ったのか伺います。

○三浦税制調査担当部長 まず、答申では、コロナ禍でビジネスや働き方の多様化が進み、ギグワーカーなど既存の枠にとらわれない仕事の請け負い方や働き方に従事する人が増加することで、事業性について、法と実態との乖離が拡大することを懸念し、現行法では課税されない業種があるということを指摘しております。
 こうした議論から、答申では、地方税法及び同法施行令に定めます個人事業税の課税対象事業の限定列挙方式につきまして、早急に時代に即した見直しが図られるべきであると、このような提言を行っております。

○伊藤委員 提言の内容についてご答弁いただきましたが、この個人事業税の課税対象事業の限定列挙方式の見直しが実現された場合、都税調としてどのような効果があると想定しているのかも伺います。

○三浦税制調査担当部長 個人事業税の課税対象事業の限定列挙方式の見直しにつきましては、例えば、既存の七十業種への新規業種の追加、あるいは事業所得または不動産所得を有する全ての事業を課税対象にするなどが考えられます。
 その場合、事業性があるにもかかわらず課税されない状況が生じていた個人事業者も対象となることになりまして、現行の課税対象事業を営む者との課税の公平性が確保されることが期待されるものでございます。

○伊藤委員 課税対象事業の限定列挙方式の見直しにより、課税の大原則である公平性が確保されると確認しました。
 それでは、次に、環境関連税制についても伺います。
 先月末から今月十三日まで、イギリスにてCOP26が開催されました。COP26は、年々上昇する地球の温度と、それに伴い激しさを増す自然災害などによって、地球と生物の生存を脅かしている状態を前に、国際社会が対策を話し合うための会議です。地域温暖化の原因である二酸化炭素など温室効果ガスの排出量をどれだけ減らせるかが鍵となっており、今回は、世界の平均気温の上昇を一・五度以内に抑えることを強調し、石炭火力の段階的削減やCO2削減量の取引ルールを制定したとのことです。
 こうして、世界中で脱炭素化に向けた動きが加速する中、今回の答申では、税制の一つの基軸に環境を据えることが必要との認識を示されていますが、どのような議論がなされたのか伺います。

○三浦税制調査担当部長 答申では、温室効果ガス排出量削減に向けては、海外における気候変動対策などをめぐる動きも捉え、税制の一つの基軸に環境を据え、税制のグリーン化を推進していくことが不可欠と、このように指摘しております。
 また、地球温暖化対策のための税、いわゆる温対税の税率水準が諸外国と比べて著しく低いことも指摘しておりまして、人々の行動、投資を脱炭素化に向けたオプションに転換させるため、税率引上げの早期実現に向けた取組を加速すべきとしております。
 なお、温対税の税率引上げに当たりましては、国際競争力、炭素リーケージへの懸念、家計への負担増加などを考慮した適切な措置を講じる必要があると指摘してございます。

○伊藤委員 地球温暖化対策には、もちろん税制面だけでなく、産業や環境政策など幅広い対策が必要ですが、今後取組をさらに進めていかねばなりません。
 それでは、今後、都税調として、温対税を含めた環境関連税制についてどのように議論を深めていくのかについても伺います。

○三浦税制調査担当部長 世界中で脱炭素化に向けた動きが加速する中で、環境重視の社会経済を構築していくためには、税制だけではなく、人々の意識変革、技術開発、規制、排出量取引など、多様な政策手段を組み合わせることで、環境施策を積極的に展開していく必要がございます。
 こうしたことも念頭に、引き続き、東京都税制調査会において、温対税をはじめとした環境関連税制につきまして、より具体的な課税の在り方などを検討していくことが重要であると考えてございます。

○伊藤委員 さて、東京都税制調査会は、平成十二年に、当時の石原知事の東京から国を変えるという意思を受け設置されたものであります。
 そして、所管事項として、地方税制度の改善や国と地方の税源配分、また、その他、租税制度の改善について検討し提言することになっています。
 税制に詳しい学識経験者などの有識者や市区町村長など、地方自治の現場から税制に関する提言を行う貴重な答申です。
 その一方で、税制そのものは、大部分を国の法制度で決められているものが多いので、この答申をどのように国に提言し、実行を求めていくのかも大切です。
 今年度の答申は、平成三十年度からの四年間の議論を積み重ねてきた第七期の最終答申でありますので、今後、都はどのように対応するのか、最後に、主税局長に伺います。

○砥出主税局長 東京都税制調査会は、地方分権の時代にふさわしい地方税制及び国、地方を通じた税制全体の在り方等に関する事項を検討するため、平成十二年に設置されました。
 これまでの二十年以上にわたる歴史の中で、税源移譲等の地方税財政改革、法定外税、外形標準課税を含む地方法人課税の在り方、温暖化対策を中心とした環境関連税制等、幅広いテーマについて、時代を先取りした提言がなされてまいりました。
 これらの提言に基づき、宿泊税の創設や、全国ベースの外形標準課税の実施など、政策として実現した例もございます。
 このたびの答申も、第七期を総括した答申として、多くの貴重な提言をいただきました。
 この答申につきましては、主税局では、総務省をはじめとする国や関係機関へも速やかに周知を図ったところでございます。
 これまで、都議会の先生方には、国等への働きかけが円滑に行われるよう様々なご支援をいただいておりますが、今後とも、都税調答申の趣旨を踏まえ、国等に対して、主張するべきところは主張するとともに、提言の内容を政策につなげるなど、都議会の先生方のご協力をいただきながら、地方分権に資する税制度の確立や地方税財源の拡充に取り組んでまいります。

○伊藤委員 自治体の現場からの貴重な答申ですので、国へ積極的に提言をするとともに、できるだけ施策にも生かしていただくことを求めまして、私の質問を終わります。

○米川委員 まず初めに、二十三の特別区全てに都税事務所が設置されている理由について伺っていきます。
 都税事務所ごとに、所管する面積、人口、事業者数や都税の収入状況は一律ではありません。例えば、総職員数は、最大の新宿都税百七十七人に対し、最少の墨田都税は五十四名と三・二七倍の差があります。
 また、事業所ごとの都税収入額は、最大の千代田都税七千三百八十九億五千四百万円に対し、最少の墨田都税は四百五十一億一千二百万円と十六・三倍の差があります。
 なぜ、二十三の特別区全てに都税事務所が設置されているのでしょうか。また、これまで、統合再編は行われてこなかったのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都税事務所等の設置については、地方自治法第百五十六条第一項の規定に基づき、東京都都税事務所設置条例において定めてございます。
 主税局の組織では、都税の賦課徴収を行う都税事務所などの出先機関が納税者の皆様の直接の窓口となっており、二十三区内では、固定資産税や都市計画税などの市町村税の一部も、地方税法による都の特例として所管してございます。
 都税事務所の統合再編につきましては、二十三区内の法人や個人の事業税などでは、受付窓口は各所に設置しつつ、業務の効率的な運営を図るために、申告書の処理や調査業務について、幾つかの都税事務所等に集約化を行っているところでございます。
 一方、固定資産税は、課税する側が現地調査等を行い税額を決定することとなっておりますが、その調査件数及び課税対象は非常に多いこと、さらに、納税者の利便性の観点からも、現在の一区一都税事務所による執行体制が必要であると認識をしてございます。

○米川委員 次に、主税局ビジョン二〇三〇で、都税事務所がどう変わるのかを伺います。
 主税局ビジョン二〇三〇で、デジタル化の目的は、キャッシュレス納税の推進やワンスオンリーの実現など、納税者の利便性を抜本的に向上させることとしています。
 また、全ての納税者が、自宅やオフィスでスマートフォンなどを活用して、あらゆる税務手続を完結できる、また、来庁不要のバーチャル都税事務所という記載もありますが、このバーチャル都税事務所とはどのようなものなのか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本年七月に公表いたしました主税局ビジョン二〇三〇更新版では、税務手続のデジタル化を実現し、納税者へのQOS向上を目指してございます。
 具体的には、納税者が、都税事務所に来庁することなく、自宅やオフィスから、パソコンやスマートフォンなどを活用して税務手続が行えることを目指しており、これをバーチャル都税事務所と呼んでおります。
 一方で、デジタル機器に不慣れな、いわゆるデジタルデバイドや窓口での相談を希望する納税者の方については、引き続き、二十三の都税事務所の窓口できめ細かな対応を行ってまいります。

○米川委員 バーチャル都税事務所化によって利用者の利便性は向上すると考えますが、同時に、コストの削減も進むものと考えております。
 職員数、維持管理費など、どのような分野で、どのくらいのコスト削減を想定しているのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 税務行政のデジタル化によりまして、システムで可能な業務はシステムに任せ、職員は、複雑困難化する税務事務に重点配置いたします。
 税務基幹システムの維持管理費等については、基幹システムのスリム化によって経費の抑制を図ってまいります。

○米川委員 例えば、地方税法第七百三十四条で、固定資産税について、都は、その特別区の存する区域において、都を市とみなしてとの記載や、第七百三十七条で、固定資産税に関する規定の都に対する準用及び適用については、特別区は一の市の区域とみなしとの扱いとなっていることから、各区に一か所ずつある都税事務所の設置も見直すことが必要、可能と考えております。
 主税局ビジョン二〇三〇を推進していくに当たりまして、二十三ある特別区内の都税事務所の再編も行われることになると思いますが、どのように考えているのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 各都税事務所には、地域に密着して現地調査等が必要な固定資産税などの賦課税目がございまして、窓口に直接来られる納税者も多く、地域の拠点としての役割の変更はないとの認識をしてございます。

○米川委員 地域に密着して調査が必要な固定資産税があるとしていますが、地域に密着とはどのようなことなのかを伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 固定資産税は、申告税目と異なりまして、課税に当たり、税務職員が所管地域内にある家屋や土地の現地調査を行った上で、地方公共団体が納めるべき税額を計算し、納税者に通知するという賦課税目となってございます。
 また、固定資産税には、縦覧や閲覧という制度もあることから、他税目と比較いたしまして、滞納整理業務とともに、納税者が都税事務所への来庁等により相談や問合せ等を行う頻度が高い業務となってございます。
 こうしたことから、固定資産税は、地域密着性が高い税目であると認識をしているところでございます。

○米川委員 主税局ビジョン二〇三〇で、全ての納税者が、自宅やオフィスでスマートフォンなどを活用して、あらゆる税務手続を完結できるようにしても、すぐにデジタル化に対応できない一部の方のため、窓口は最小限の機能を残すことは理解しております。
 しかし、窓口に直接来られる納税者も多いとして、主税局ビジョン二〇三〇が進んでも、今と変わらずに、納税者の多くは窓口に行かなければならないのかを伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 主税局では、デジタルでの手続を希望される方に対し、自宅やオフィスのパソコン、スマートフォンから税務手続が完結するデジタルシフトの実現を目指してございます。
 一方で、デジタル機器に不慣れな方で対面を希望される方に対しては、引き続き都税事務所の窓口できめ細かな対応を行ってまいりますが、あわせて、デジタルでの手続の案内やサポートも行い、来庁せずに手続が完結するデジタルへのシフトを促してまいります。
 今後とも、デジタルでの手続、対面での手続とも、納税者の方がどちらを選択しても満足するサービスを提供してまいります。

○米川委員 納税者の方がどちらを選択しても満足するサービスを提供していくとの答弁がありましたが、デジタルシフトを目指すならば、まず第一に、デジタルに不慣れな方も利用しやすいものをつくり、その上で、答弁にありましたが、デジタルでの手続の案内やサポートも行い、来庁せずに手続が完結するデジタルへのシフトを促していくことについて、今後しっかり取り組むよう、お願いいたします。
 次に、業務改革や組織改革については、新システムの開発と併せて、本ビジョンを改定し、公表していくことを予定していますが、まず、都税事務所の再編や職員数の在り方を示すべきと考えております。
 改めまして、現在の事務所設置状況や職員配置を踏まえ、サービスの向上とともに、どのような分野をどのように見直し、コストを削減していくのか、また、二十三ある特別区内の都税事務所の再編について考えを伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 税務行政のデジタル化の目的は、キャッシュレス納税の推進やバックオフィス連携によるワンスオンリーの実現など、納税者の利便性を向上させることでございます。
 あわせて、税務行政を取り巻く環境が変化していく中においても、主税局がその専門性を発揮し、適正、公平な課税徴収を実現することで、都税に対する納税者の信頼を確保していかなければなりません。
 税務行政のデジタル化を推進することで、職員は、職員にしかできない業務に重点配置いたします。税務基幹システムの維持管理費等につきましては、基幹システムのスリム化によって経費の抑制を図ってまいります。
 そのため、システムで可能な業務はシステムに任せ、限られた人材を、複雑化、困難化する税務調査や税務相談に重点配置するなど、社会構造の変化に対応した執行体制を構築していく必要がございますが、都税事務所については、引き続き、地域の拠点として重要な役割を果たしていく必要があると認識してございます。

○米川委員 引き続き地域の拠点という答弁がありましたが、地方税法第七百三十七条で、固定資産税に関する規定の都に対する準用及び適用については、また、特別区は一の市の区域とみなしとの扱いともなっております。一つの区ごとに事務所を設置する必要はないことや、業務の規模などから、都税事務所について、今後のデジタル化を進めるに合わせ、現状の配置状況を見直すことを求めてまいります。
 次に、主要施設十か年維持更新計画に基づく都税事務所の改築について伺います。
 主要施設十か年維持更新計画に掲載された葛飾都税事務所は、立石駅前再開発ビルへ移転するとしていますが、まず、その理由を伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 葛飾区役所につきましては、京成押上線京成立石駅前に、立石駅北口地区第一種市街地再開発事業により建築される再開発ビルへ移転する予定でございまして、葛飾区からも、都民の利便性の観点などから、都税事務所についても同再開発ビルへの移転を打診されているところでございます。
 主税局といたしましても、京成立石駅からのアクセスのよさに加えまして、現状と同様に、区役所と一体となったサービスの提供が可能となるなどのことから、候補地として検討しております。

○米川委員 主税局としても、駅からのアクセスのよさや区役所と一体となったサービスの提供が可能となることから、候補地として検討との答弁が今ありました。
 この答弁を踏まえまして伺いますが、都税事務所の設置形態、国施設などとの合同庁舎、区総合庁舎などや、それから、駅からのアクセスの状況、これはどのようになっているのか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和三年十一月現在でございますが、二十三区内にある都税事務所のうち、国施設等との合同庁舎は八所、区役所との合同庁舎は四所、単独庁舎は十一か所が設置されてございます。
 駅からのアクセス状況につきましては、都税事務所の大半が最寄り駅から十分以内となっているところでございます。

○米川委員 二十三区内にあります都税事務所二十三のうち四か所しか区総合庁舎内に設置されておりません。
 ほとんどの都税事務所は区役所と一体となったサービスの提供をしていませんが、区民サービスに支障を来しているのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 庁舎の改築に当たりましては、庁内関係部署をはじめ、国や他自治体とも連携を密にいたしまして、他の公共施設と合築などにより利用者の利便性向上に努めているところでございます。
 単独庁舎につきましても、都民サービスに直接支障を来していることはないと考えておりますが、合同庁舎など区役所等と一体となったサービスを行うことにより、よりきめの細かい行政サービスを提供することが期待できると考えてございます。

○米川委員 二十三ある特別区内の都税事務所のうち、最寄り駅から徒歩五分から九分の事務所は十一か所、十分以上が二か所と、半数以上は駅前の設置ではありません。
 駅前の設置でない場合、都民サービスに支障を来しているのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 駅前の設置でない場合、都民サービスに直接支障を来しているとは考えておりませんが、都税事務所は多くの都民が利用する施設であり、できるだけアクセスがよく、可能な範囲で都民の利便性の高い場所に設置することが望ましいと考えてございます。

○米川委員 アクセスがよく利便性の高い場所に設置することが望ましいとの答弁でしたが、現在の葛飾都税事務所の場所も、最寄り駅から徒歩七分、特急も停車する駅からでも徒歩十分と、十分条件を満たしていると考えております。
 最近整備されました渋谷都税事務所は、以前は渋谷区総合庁舎に入居していましたが、区役所と一体となったサービスの提供ができなくなるにもかかわらず、なぜ、どのような経緯、理由、比較考慮した結果、渋谷区総合庁舎への入居ではなく、別の都有地に整備することになったのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 渋谷区役所の新庁舎に入居する際には、入所する条件として、区との賃貸借契約を結ぶことが示されたところでございます。
 都として検討した結果、費用対効果の高い区内の都有地を有効活用し、移転改築することといたしました。

○米川委員 賃貸借契約とのお話がありましたが、渋谷都税の場合はコスト面で折り合いがつかなかったのかとも考えております。
 この渋谷都税事務所は、水道局渋谷営業所との合築で整備されましたが、整備費用の総額と主税局と水道局の負担割合、金額の内訳はどのようになっているのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 渋谷合同庁舎の整備費用の総額は、令和二年度までの決算額と令和三年度計画額を合わせまして約三十八億円であり、主税局の負担割合及び負担金額は約七〇%の負担で約二十七億円の見込みでございます。
 水道局の負担割合及び負担金額は約三〇%の負担で約十一億円の見込みでございます。

○米川委員 都税で使用する床面積は約四千平方メートルとのことですので、平米当たりの単価は約六十七万円となりますが、仮庁舎代として、七年五か月の賃料として約二十四億円かかっております。様々な交渉の結果、仮移転が必要になったのでしょうが、もし、整備された施設へ直接移転することができれば、この費用は減額できたのかもしれません。
 次に、葛飾都税事務所の改築について、具体的に伺ってまいります。
 十月十九日に行われました財務局に対する事務事業質疑で、第二次主要施設十か年維持更新計画の対象施設については、毎年度、各局に事業着手に向けた進捗状況などを確認していること、また、葛飾都税事務所については、主税局が現在調整を行っていると聞いているとの答弁がありました。
 そこで、主税局と葛飾区のこれまでの調整状況について伺ってまいります。
 まず、葛飾都税事務所が入居する葛飾区の総合庁舎ですが、この敷地約一万八千三百七十平方メートルのうち、約三〇%に当たる約五千五百四十平方メートル及び本館の建物の一部約三千二百九十六平方メートルを東京都が所有しています。
 事務所の改築に当たり、事務所の移転や現地建て替えなどの調整を、葛飾区とは、いつ、どのように行ってきたのでしょうか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 葛飾都税事務所の改築については、葛飾都税事務所のある葛飾区総合庁舎の改築計画スケジュールを踏まえつつ検討を進めてまいりました。
 また、葛飾区とは、葛飾区役所の移転候補地である立石駅北口地区再開発事業の進捗状況等について、情報共有を行ってきたところでございます。
 令和二年に、葛飾区総合庁舎整備計画の進捗状況に合わせ、立石駅北口地区再開発ビルへの葛飾都税事務所の移転検討の依頼があったことから、候補地として検討しているところでございます。

○米川委員 今の答弁では、区総合庁舎の改築スケジュールを踏まえたり、立石駅北口地区再開発事業の進捗状況などについて情報共有や、令和二年に移転検討の依頼があってから立石駅北口地区再開発ビルを候補地として検討とのことでしたので、主税局が主体的に事務所の移転整備や現地建て替えなどについての検討はされていないことが分かりました。
 また、数年前に、区庁舎敷地の近隣にありました葛飾赤十字産院が区有敷地に移転しております。
 葛飾区は、二〇一四年に立石駅北口地区を総合庁舎の最優先候補地として選定し、現在、立石駅北口再開発ビルに庁舎の一部を移転するとしています。現地建て替えについては、整備期間が六年程度と長くなることや、現区庁舎の敷地外に仮庁舎を整備できないことなどが、これまで課題となっておりました。
 しかし、当初想定していた二〇一四年度からおおむね十年後の整備という目標から既に大幅に遅れております。近隣にありました葛飾赤十字産院、これが移転整備されるようになりまして、今後、この敷地を仮庁舎用地として一時的に活用することも可能となり、状況は変わったと考えております。
 このような状況の変化を踏まえまして、主税局は、現地建て替えについて、再調整や再確認などを、葛飾区とは、いつどのように行ったのか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 葛飾区とは、再開発事業の進捗状況、総合庁舎に向けた準備状況等について情報共有を図ってまいりました。
 なお、ご指摘の葛飾赤十字産院の件につきましては、区から特段のお話は聞いていないところでございます。

○米川委員 主税局は、検討段階にもかかわらず、再開発ビルへの移転ありきで、自ら現地の状況などの情報収集、検討を行っていないのではないかと思います。
 次に、葛飾都税事務所が区役所と一緒に再開発ビルへ移転した場合、保留床の取得だけで二十七億円、平米単価九十・七万円かかるとされております。また、移転費用などのほかに、毎年、維持管理費三・七億円や修繕積立金〇・八億円のうち持分割合に応じての負担もかかるとされておりますが、再開発ビルへ移転した場合、どのような経費、費用が必要になるのか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 葛飾都税事務所が再開発ビルへ移転する場合、保留床の取得、移転費用等のほかに、維持管理費や修繕積立金を持分割合に応じて負担する必要がございます。
 詳細につきましては、今後、立石駅北口地区市街地再開発組合と協議をしてまいります。

○米川委員 費用の詳細については、現在まだ分からないということがよく分かりました。
 葛飾区役所が立石駅北口再開発ビルへ移転した後、都の持分であります約五千五百四十平方メートルを敷地分割し、分割した敷地で葛飾都税事務所を改築する案についての検討も行われたと思いますが、いつ行い、その費用、内容等はどのようになっているのでしょうか。
 また、葛飾区は、新館を今後令和四十年度頃まで活用するとしています。現地敷地で改築する場合の仮庁舎として区から借りることができれば、費用を大幅に抑えることができると考えますが、伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 葛飾区役所が立石駅北口地区再開発ビルへ移転した後、都の持分である約五千五百四十平米を敷地分割いたしまして、分割した敷地で葛飾都税事務所を改築する案につきましては、葛飾区との共有財産であることから、区との協議が必要でございます。
 本館の約七〇%の所有権を持つ葛飾区からは、立石駅北口再開発ビルに同時移転するように求められており、現地改築については具体的な検討はしておりません。
 なお、葛飾区の意向といたしまして、現庁舎新館は築四十年以上を経過していることから、大規模改修を実施し長寿命化を図り、区として活用方針を示しており、課題が多いと考えてございます。

○米川委員 そのほかの案としまして、葛飾都税事務所が再開発ビルへ移転しない場合、移転を予定していたフロアへ現庁舎が新館に入る予定だった葛飾区のほかの部署が再開発ビルへ代わりに入居すると考えております。
 このことで、現庁舎新館の空いたフロアへ葛飾都税事務所が移転することも可能ではないでしょうか。その場合、費用を大幅に抑えることになるのに加え、今後、例えば、葛飾税務署の改築が行われる際、都持分を分割した現地敷地に合築することも可能と考えております。
 また、今、手狭となっている四つ木療育園との合築整備を行えば、総合的には都民サービスの向上にもなると考えております。
 当然、現庁舎新館の空いたフロアへ葛飾都税事務所が移転することも検討は行われていると思いますが、その内容について伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 葛飾区は、現庁舎新館の活用の方向性として、大規模改修を実施し長寿命化を図り、引き続き区の施設として活用をしていくこととしております。
 このことから、新館を利用した場合の検討は行ってございません。

○米川委員 主税局は、全ての納税者が、自宅やオフィスでスマートフォンなどを活用して、あらゆる税務手続を完結できる、また、来庁不要のバーチャル都税事務所化を進めようとしておりますが、このことだけでも、都税事務所の設置の在り方を根本から見直す必要があると考えております。
 質疑で、駅からのアクセスのよさや区役所と一体となったサービスの提供が可能となるから駅前移転の候補地として検討しているとの答弁もありましたが、都税事務所が区総合庁舎に設置されているのは少数であること。駅前、駅から徒歩三、四分に設置されているのも少数ですが、いずれも都民サービスに支障は来していません。
 現在、葛飾都税事務所のある場所は、最寄り駅からも徒歩七分、特急の停車する駅からも徒歩十分、決してアクセスは悪くありません。再開発ビルへの移転ありきで、様々な整備手法や現地の状況変化についても自ら調査検討していないのではないかという、この答弁を通じて思いました。
 整備費は、渋谷都税事務所の平米単価六十七万円よりも高い約九十・七万円になるとされております。葛飾区と同一の庁舎ということに縛られず、情報収集を行い、様々な選択肢を検討していれば、区庁舎の供用開始予定とされている二〇二八年ではなく、もっと早く、早期に施設を整備することも可能だったのではないでしょうか。再び都財政が厳しくなったときに、都民から税を徴収、いただく部署が、都民の貴重な税金を投入して行う事業になります。だからこそ、再開発ビルへの移転ありきではなく、一度立ち止まり、あらゆる検討を行った上で、改めて方針を決めるべきと考えております。
 そこで、改めて、葛飾都税事務所を立石駅再開発ビルへ移転するとしておりますが、その必要性、理由を局長に伺います。

○砥出主税局長 まず、税務行政のデジタル化についてでございますが、主税局ビジョン二〇三〇では、納税者へのQOS、クオリティー・オブ・サービスの向上と税務行政の構造改革を二つの柱としておりまして、システムで可能な業務はシステムに任せ、限られた人材を、税務調査など複雑化、困難化する業務に重点配置することで、より専門性の高い組織を実現することを目指しております。
 このビジョンでは、納税者が、自宅やオフィスから、あらゆる税務手続を完結できるようにするなど、来庁不要のサービスを充実させることを目指しており、これをバーチャル都税事務所と呼んでおりますが、一方で、デジタル機器に不慣れな高齢者など、来庁を余儀なくされる方々への対応も、これまで以上に充実させていかなければならないと考えております。
 次に、都税事務所の移転についてでございますが、移転を検討するに当たりましては、整備費用などコストの比較衡量、これはもちろん重要な視点でございます。加えて、都民サービスの維持向上、これを基本軸に据え、防災面など安全・安心の確保、環境負荷の低減、将来コストの縮減、利便性の確保などの観点も重要であり、こうしたことに十分配慮して進めていく必要があります。
 お話の葛飾都税事務所につきましては、立石駅北口地区再開発ビルへの移転について区から打診されているところでございます。
 主税局としても、京成立石駅からのアクセスのよさに加え、バリアフリー機能、防災機能が充実した施設であり、現状と同様に、区役所と一体となったサービスの提供が可能となることなどから、移転の候補地として検討しているところでございます。

○米川委員 質疑で、特別区内の都税事務所は一つの区に一か所必ず設置する必要がないことが明らかになっております。また、デジタル化で都税事務所の在り方も大きく変わることも分かりました。だからこそ、今進めている施設の改築について、これまでの考えを基に進めるのではなく、デジタル化が進んだ十年、二十年先を見据え、取り組むことが必要と考えております。
 設計などが進んだものは仕方ありませんが、まだ検討段階のものは、一度立ち止まり、あるべき姿を明確にしてから取り組むことを求めまして、質問を終わります。

○大松委員 まず、東京都税制調査会の答申について質問します。
 都税調では、地方分権の時代にふさわしい地方税制とともに、国と地方の税制全体の在り方を検討することを目的とし、学識経験者や都議会議員が一体となって議論を行っております。そして、都が現在直面する課題、また、将来世代の利益も視野に入れた中長期的な課題に対し、これまで提言を行ってこられているところであります。
 都税調は、その発信力が大きいことから、地方自治体の代表として、国に対しても積極的に提言を繰り返し、これまでも、税制改革面から、東京から日本を変える取組をリードしてきました。
 今年度の答申は、副題を、コロナ禍を超えて持続可能な社会を目指す税制として、感染症対策とともに、少子高齢、人口減少などへの対応について提言をしています。また、平成三十年度からの四年間にわたる議論全体を取りまとめた最終答申となっております。
 そこで、この四年間、都税調が行ってきた提言の内容について、所見を求めます。

○三浦税制調査担当部長 今期、第七期の初年度である平成三十年度につきましては、地方法人課税のあるべき姿や、地球温暖化などの環境問題を踏まえた税制のグリーン化などにつきまして提言を行っております。
 また、令和元年度につきましては、国境を越えて活動する企業に対するデジタル課税の議論を地方の立場から初めて問題提起するなど、時代の変化に対応した税制について提言を行っております。
 さらに、令和二年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を様々な視点から指摘しますとともに、テレワークを推進するための税制措置や、税務行政のデジタル化などについて提言を行っております。
 そして、今期最終年度となります令和三年度につきましては、過去三か年にわたる議論をさらに深めますとともに、真の地方自治の確立に向けた税財政制度の在り方、そして、コロナ危機や気候危機など、直面する様々な課題に対応する税制度の構築について提言を行っているところでございます。

○大松委員 都税調に求められる基本的な視点は地方分権改革です。
 地方分権とは、国が持っている権限、決定権や財源を地方公共団体に移し、地方の課題は地方で対処する、そういう体制を構築することであります。いい換えれば、その地域に住む住民のニーズを酌み取り、住民や地域に寄り添った行政サービスを実現することであると思います。
 例えば、私の地元北区では、東京北医療センターが休日接種を開始し、接種会場までの移動が困難な高齢者や障害者にはタクシーでの無料送迎を行うなど、住民に寄り添った行政サービスが展開をされているところであります。現在、日本の国内の新規感染者数は減少傾向にありますが、こうした各自治体の地道な取組があってこその成果であると考えます。
 税制改革につきましても、こうした地方重視、現場重視の視点から進めていっていただきたいと要望をしておきたいと思います。
 一方、世界に目を転じますと、ロシアでは、新型コロナの感染が再び拡大をいたしまして、首都モスクワでは、生活必需品を扱う商店などを除いて部分的なロックダウンが実施をされました。
 新型コロナのパンデミックは地球規模の課題であり、日本は、今後も対策の手を緩めるわけにはまいりません。常にパンデミックに備え、感染拡大を防止し、社会経済活動への影響を最小限にするために、必要な対策とその財源確保について、あらかじめ十分に検討しておく必要があることは申し上げるまでもございません。
 そこで、今回の答申における感染症対策のための財源、将来の備えの内容につきまして、都の見解を求めます。

○三浦税制調査担当部長 都税調の答申では、感染症対策は、感染拡大時のアドホックな対応で終わるべきではなく、中長期的な視点から、平時から地域の体制を整備しておくことが必要と指摘しております。
 また、各国とも新型コロナウイルス感染症対策に巨額の財政出動を行っておりまして、財源確保は世界共通の課題であるとし、EUが導入を表明しました炭素国境調整措置など、グローバルな経済活動から得られる利益や環境に負荷をかける行為に対して課税すること、また、地球温暖化対策のための税、いわゆる温対税に感染症対策分の税率を上乗せすることも考えられる、こういった指摘を行っております。
 さらに、これらの課税を行った場合の税収につきましては、新型コロナウイルス感染症及び新興感染症対策費用として収支を明確にしますとともに、特例国債を早期に償還して、感染症への備えを強化するため、継続的に地方に交付金を配分することなどの検討が必要と、このような提言を行っているところでございます。

○大松委員 内閣府が本年七月に示した中長期経済財政試算によると、昨年度末の国と地方を合わせた債務残高は一千百二十一兆六千億円に上り、その規模は、GDPの二倍を超えています。
 今回の答申では、特例国債を早期に償還して、感染症への備えを強化するため、継続的に地方に交付金を配分することと明記されております。未曽有の財政危機を乗り越えるために、四年間議論を積み上げてきた今回の都税調の答申が、国を動かす起爆剤となることを期待いたします。
 続きまして、税務行政のデジタル化について質問いたします。
 今回のコロナ禍で、日本では行政のデジタル化が思うほど進んでいなかったことが明らかになりました。この現状を打ち破り、都民、国民の視点に立って、デジタル環境の構築を急いでいかなければなりません。
 都議会公明党は、かねてから税務行政においてもデジタル化を進め、正確で公平な課税、徴収事務を実現するよう、また、都民がその利便性を実感できるようにと訴えてまいりました。
 その中で、主税局は昨年一月、十年後の税務行政のあるべき姿を示した主税局ビジョン二〇三〇を公表、納税者へのQOS向上を目指して、税務行政のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
 そこで、主税局が、今後、デジタル化によって、よりよいサービスを提供し、使い勝手のよいシステムを構築していくためには、都民の声や現場で実際に働く職員の意見を吸い上げ、それらを施策に反映していく取組が重要であると考えます。
 主税局では、ビジョンの更新版を出すに当たりまして、パブリックコメントを実施するとともに、様々な関係部署から意見を聞いたと伺っております。その具体的な取組について、所見を求めます。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本年七月に公表いたしました主税局ビジョン二〇三〇更新版では、十年後の税務行政のあるべき姿を実現するため、納税者の利便性向上の、より具体的なイメージを示したところでございます。
 ビジョン更新版の作成に当たりましては、三月に素案を公表後、一か月間、パブリックコメントを実施いたしました。さらに、東京税理士会や東京司法書士会などの関係団体から意見を聴くとともに、全都税事務所職員と二十五回の意見交換会を行いました。その結果、全部で百九十六件の意見があったところでございます。
 主な意見といたしましては、デジタル機器に不慣れな方への対応を丁寧に行うべき、バックオフィス連携に積極的に取り組んでほしい、情報セキュリティ対策に万全を期すべきといった意見が寄せられまして、七月に公表したビジョン二〇三〇更新版にもその内容を反映したところでございます。

○大松委員 都民や職員の意見をしっかり反映させて、都民にとりまして利便性の高い税務行政サービスを提供できるよう、取組を進めていっていただきたいと思います。
 また、税務行政のデジタル化を推進するためには、何よりそれを担う職員が重要であります。先ほどの答弁では、職員につきましては二十五回の意見交換会を実施したとのことでありますけれども、こうした取組などを通して、職員の意識改革を進めるとともに、スキルアップする機会を増やしていくことが重要であります。
 デジタル化を推進するに当たりまして、主税局の職員の人材育成の取組につきまして、都の見解を求めます。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 税務行政のDXを推進していくためには、税務事務のデジタル化はもとより、デジタル人材の育成も重要な課題と認識してございます。
 主税局では、ICT基礎力向上のため、ITパスポート取得に向けた研修を実施しており、毎年百名以上が受講してございます。
 また、今年度は、最新のDXの動向や最新のデジタルツール等を広く職員に周知するため、十月に、主税局DXウェビナーと称しまして、オンラインでのセミナーを実施いたしました。
 ウェビナーは、オープンデータやスタートアップの取組など、デジタルのトレンドを学ぶ内容となってございまして、七百名以上の職員が参加し、DXへの意識高揚につながったと考えてございます。
 さらに、IT企業から講師を招き、最新のICT技術の動向を学ぶ講座も定期的に開催してございます。
 今後も、デジタル人材の育成について、主税局として積極的に取り組み、税務行政のDXの推進を担う人材を養成してまいります。

○大松委員 セミナーには七百名以上の職員の方が参加されたということで、その機運が高まってきているものと思います。
 そして、このデジタル人材の育成とともに、実務を行っている現場のデジタル環境も充実をさせていかなければなりません。
 今年度、未来型オフィス実現プロジェクトとして都税事務所のデジタル化を推進するとされていますが、その取組について、所見を求めます。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本年三月に都が策定いたしましたシン・トセイ戦略では、都民サービスの最前線である事業所にデジタルツールを導入し、都民サービスの向上と職員の生産性の向上を図り、都政のQOS向上を実現していくとしてございます。
 主税局では、シン・トセイ戦略の未来型オフィス実現プロジェクトの取組といたしまして、都税事務所にタブレット端末や職員用Wi-Fi、大型ディスプレーを導入し、オンライン租税教室やペーパーレス会議など、納税者の利便性向上と内部事務の効率化を図ってございます。
 特にタブレット端末につきましては、窓口での納税者説明用として、タブレット端末の画面に説明資料を映し、視覚的に分かりやすく説明を行うなど、窓口機能の向上に役立ててございます。
 さらに、本年十二月には、来庁者用フリーWi-Fiを都税事務所に導入する予定であり、引き続き、来庁者サービスの向上に努めてまいります。

○大松委員 税務行政のデジタル化につきましては、都議会公明党は、コロナ禍で行政のデジタル化がクローズアップされるようになる以前から、その必要性を訴えてまいりました。
 都が、国や全国の自治体に先駆けて、納税者の皆様方の利便性、そして、職員の、この都庁の税務行政の生産性向上にもつながるデジタルトランスフォーメーションの実現を成し遂げることが重要であります。
 そこで、今後、税務行政のデジタルトランスフォーメーションの実現を目指す主税局長の決意を伺いまして、私の質問を終わります。

○砥出主税局長 今回の新型コロナウイルス感染症への対応で、行政のデジタル化の遅れにより、各種給付金の申請のための提出書類が複雑で多岐にわたり、そのため、給付に時間を要するなどの課題が浮き彫りになりました。
 主税局においても、紙の納税証明書の交付に当たり都税事務所の窓口が例年以上に混雑するなど、改めて税務行政のデジタル化が喫緊の課題であると認識いたしました。
 こうした認識の下、主税局では、本年七月に主税局ビジョン二〇三〇の更新版を公表し、デジタル化を核とする税務行政の将来像を示したところでございます。
 このビジョンで描いた税務行政のデジタルトランスフォーメーションを着実に推進し、自宅やオフィスのパソコン、スマートフォンで、問合せ、申請、交付、納税等の手続を可能とすることで、納税者側の手続から都の内部処理に至るまで一貫して電子的に完結するデジタルシフトの実現を目指してまいります。
 また、デジタルトランスフォーメーションで納税者の利便性向上と業務の効率化を図る一方、限られた人材を、ますます複雑困難化する税務調査や納税相談等に重点配置するとともに、デジタルデバイドの方々にも、より丁寧で寄り添った対応が可能となる体制を構築してまいります。
 税務行政のデジタルトランスフォーメーションの実現のために、国や他自治体、関係団体とも連携し、納税者誰もがデジタル化で利便性向上を実感できるよう、より質の高い税務行政の実現のために、主税局一丸となって取組を進めてまいります。

○池川委員 私からも質問させていただきたいと思います。
 今回は、気候危機の打開と貧困と格差をなくすという視点から、主税局に対して質問していきたいと思います。
 初めに、主税局における気候危機への対応、省エネ、再エネについて伺いたいと思います。
 気候危機は待ったなしの課題であり、IPCCは、今年八月、新たな報告書を発表し、人間の影響が温暖化させてきたことはもはや疑う余地はないとしています。
 この喫緊の課題に、住民と共に実践の先頭に立つよう都が責任を持った取組を加速していくことが必要です。都庁全体での取組とともに、各局が具体的に進めていくことが求められており、主税局においても思い切った取組が必要だというふうに考えます。
 そこでまず、都税事務所での省エネ、再エネを進めることが重要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ゼロエミッション東京戦略にもあるように、二〇五〇年のCO2排出実績ゼロの実現に向けましては、二〇三〇年までの今後の十年間の行動が極めて重要でございます。都自身が、自らの事業に伴う温室効果ガス削減などの取組を一層強化し、都民の事業者の取組を牽引していく必要がございます。
 都有施設の改築、改修に当たりましては、省エネ・再エネ東京仕様に基づき、環境に配慮した施設の省エネルギー化と再生エネルギーの導入を推進してございます。
 都税事務所の改築等におきましても、この方針に基づき、建築物の熱負荷の低減、最新の省エネ設備、多様な再エネ設備の導入等により、エネルギー使用の合理化を図ることが重要だと認識をしてございます。

○池川委員 二〇三〇年まで今後の十年間の行動が極めて重要だという認識、さらには、都民、事業者の取組を牽引していくことが都庁として必要だと。主税局としてもそれに基づいて具体的に自分たちのところで取組をやっていくという答弁でした。
 やっぱりこの今の答弁にふさわしい取組にしていくこと、また、なっているか、これについて今日は伺っていきたいというふうに思います。
 これは、二〇一九年の第一回定例会でも、主税局において、省エネ、再エネの取組を聞いたところ、当時、全庁的な動向を注視しつつ対策を検討するというふうに答弁があったわけですが、その後、どのような取組を具体的にされてきたのか、確認したいと思います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都税事務所の改築、改修に当たりましては、二〇二〇年に改正されました省エネ・再エネ東京仕様に基づきまして庁舎整備を進めており、令和三年度に竣工予定の渋谷合同庁舎におきましても、この仕様を満たすよう整備をしてまいりました。
 また、都税事務所における使用電力につきましては、再生可能エネルギー化の導入を進めてございます。

○池川委員 省エネ・再エネ東京仕様を満たすようには整備してきたということで、これは財務局が枠を決めて、新しく改築する建物などについては、この仕様を基本的には適用するよう求めている、ある意味、都庁の最低基準をきちんと満たして取り組んできたということだというふうに思います。
 それでは、都税事務所において、この省エネ・再エネ東京仕様の適用状況、これがどうなっているのかについて確認をしたいと思います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 省エネ・再エネ東京仕様におきましては、都有建築物の改築等の際に、建築物の熱負荷の低減、最新の省エネ設備、多様な再エネ設備の導入等によりまして、エネルギー使用の合理化を図っているところでございます。
 主税局ではこれまで、足立都税事務所、立川合同庁舎、墨田合同庁舎及び渋谷合同庁舎の改築におきまして、LED照明や自然換気システムの導入、太陽光発電設備の設置などを進めてきたところでございます。
 今後も、省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入による環境に配慮した庁舎整備を図ってまいります。

○池川委員 今後も、省エネ、再エネの環境に配慮した庁舎整備に取り組んでいくという答弁だったと思います。
 以前、質問で伺ったときに、再生可能エネルギー普及のモデルとされた足立都税事務所では、実際の全体の電力消費のうち二〇%程度を自分のところで再生可能エネルギーとしてつくり出しているという話がありました。あれはモデルケースだから、ちょっと特別なんだという話もあったんですけど、やはりきちんと自分たちのところで省エネ、再エネを徹底する、それをやっぱり進めていくことが重要だというふうに思います。そういう意味で、現状の省エネ、再エネの水準からさらに引き上げて、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 現状について、次、確認をしていきたいと思います。
 都税事務所におけるCO2の排出量については、現在と十年前を比較してどのように変化しているでしょうか。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都税事務所のCO2排出量でございますが、最新の二〇一九年の排出量は約四千トンでございまして、十年前と比較して約三〇%以上削減をしてございます。

○池川委員 ゼロエミッション都庁行動計画では、二〇〇〇年度比で温室効果ガスの排出量を二〇二四年度までに四〇%削減することを目標としています。二〇〇〇年度と比較してどうなのかとは事前にやり取りさせてもらったんです。そうしたら、なかなか比較が難しいという話でありました。今、十年前との比較を聞いたわけですが、十年前との関係では、都庁行動計画との関係で、じゃあ二〇〇〇年度比でどの程度、今削減されているか、ちょっとよく分からないというのが実態だというふうに思います。
 これは、環境局が所管をする、この都庁行動計画なわけですが、実際に、主税局として進捗がどの程度なのかについては、これは環境局と連携しながら、やはり明らかにしていく必要があるというふうに思います。そういう意味で、起点である二〇〇〇年度比、やっぱり分からなければ、なかなか進捗管理というのもできないのかなというふうに思いますので、この点については、様々これからも努力をして、どうやったら分かるのか、ぜひ改善をしていただきたいというふうに思います。
 次に、省エネの状況について聞きたいと思います。
 ゼロエミッション東京の実現に向けて、都庁行動計画では、エネルギー消費量を、これも二〇〇〇年度比で二〇二四年度は三〇%削減ということが目標として示されていると。
 しかし、これも、事前にやり取りした中では二〇〇〇年度と比較することは難しいということでしたので、この点についても、都税事務所のエネルギー消費量は十年前と比較をして現在どうなっているのかについて伺いたいと思います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ゼロエミッション都庁行動計画では、知事部局等のエネルギー消費量を二〇二四年度までに二〇〇〇年度比で三〇%削減を目標としてございます。
 都税事務所の二〇一九年のエネルギー消費量は、十年前と比較して約四〇%削減をしてございます。

○池川委員 これは十年間で四〇%削減ということですので、ちょっと起点の二〇〇〇年が分からないので確証を持っていえないですけど、少なくとも既に超過達成している可能性が高いというふうに思われます。
 そういう意味では、今後、省エネを徹底していくことによって、この都庁全体の計画を今既に上回っていることが見込めるわけですから、ぜひ、このエネルギー消費量を減らしていくトップランナーとして主税局の皆さんに取組を牽引していただきたいということを求めたいですし、どのような取組をしたら減るのかと、改築とか、様々な要因もあると思いますし、局内での様々な努力というのもあると思うので、ぜひそういうものを都庁の中でも広げていただくような取組もやっていただきたいというふうに思います。
 省エネの徹底と再エネの拡大、これが気候危機への対応では極めて重要です。
 都庁舎では、都庁舎版RE一〇〇の取組を開始するなど取組が始まっていて、再生可能エネルギーを、これは都税事務所でつくり出す、すなわち太陽光パネルの設置などを行ってつくり出すと。足立都税が、先進例ではあるわけですが、さらに、利用する電力を再生可能エネルギーに由来するものにシフトしていくということが必要になります。
 そこで伺いたいと思うんですけど、都税事務所における再エネ電気の利用割合は現状どうなっているでしょうか。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 主税局が建物管理する全ての都税事務所では、再生可能エネルギーを利用した電気を利用してございます。
 具体的には、環境局の定めたグリーン購入ガイドに基づき、水準一、都内全電源平均CO2排出係数未満かつ水準二、再生可能エネルギー利用率二〇%以上を満たす事業者を入札参加条件といたしまして、電気の需給契約を行っているところでございます。

○池川委員 グリーン購入ガイドライン、これも環境局が定めているものですが、そこに定められている中で、再生可能エネルギー利用率が二〇%以上の事業者から電力購入しているという話だと思いますが、率直にいって、二〇%以上、どの程度の割合なんですかということはまだクリアじゃないというふうに思うわけです。これは、全ての都税事務所含めて、使っているエネルギーのうち、どの程度再生可能エネルギー由来で対応できているかということは、率直に現状分からないというのが到達点だと思います。
 これはゼロエミッション都庁行動計画にもありますが、知事部局等で再生可能エネルギー電力利用割合は、現状ですけど、一九年度で三%、二〇年度で七%となっていて、率直にいって取組はまだ遅れているのが現状で、その各局でどの程度自分のところで再生可能エネルギーに由来する電力を使っているかというのは、まだそこまで分からないというのが今の実態になっていると。
 そういう意味では、この点をきちんとクリアにしていくことが必要ですし、その割合を大きく高めていくことが必要だと。この点でも、ぜひ主税局には取組を加速していただきたいというふうに思います。
 都庁行動計画では、再エネ電力利用割合は、二〇三〇年に都有施設では一〇〇%を掲げており、二〇二四年までには四割程度の使用電力を再エネ一〇〇%電力にするということを決めています。
 都税事務所では、どの程度を目指しているでしょう。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 主税局では、ゼロエミッション東京の実現に向けまして、二〇二四年には、とちょう電力プランを活用し、都税事務所の使用電力の四割を再生可能エネルギーとしてまいります。
 また、二〇三〇年までには、再生可能エネルギー一〇〇%への転換を目指してまいります。

○池川委員 都庁行動計画の目標に沿って取り組むという答弁です。
 二〇二四年までに一〇〇%再生可能エネルギー、都税事務所にすると十事務所ぐらいになるんだと思うんですけど、それを、割合を拡大していくためには、取組をさらに今から加速させていく必要があるというふうに思います。
 再エネの割合を拡大する。つまり、買う電気を拡大するとともに、既存の施設への太陽光設備の設置をさらに進めていくことが不可欠だというふうに思います。
 知事は、今後既存施設への設置も加速していくため、設置する施設の選定、設置方法等に関する指針を新たに発表すると表明しました。
 改築による対応を行うとともに、主税局としては、既存の都税事務所への太陽光発電設備の設置について、どうやって取り組んでいくのか、また、とちょう電力プランを活用して、再エネ電気を買うことと併せて再エネ電力をつくるということも一体的に取り組むことが必要だと思います。
 その点について、どういうふうに取り組むのか伺いたいと思います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 既存の庁舎につきましては、屋根等の耐荷重などの構造上の問題や設置スペースの点から、屋上への太陽光発電設備の取付けはなかなか困難であるかなというふうに考えておるところでございます。
 令和三年度竣工予定の渋谷都税事務所につきましては、太陽光発電設備の設置を進めているところでございます。
 主税局では、老朽化した庁舎の改築を順次進めておりまして、今後も、それに合わせて太陽光発電設備等の再生可能エネルギー導入を進めてまいります。

○池川委員 これは、既存施設への設置を加速していかなければ、電力利用割合の中で再生可能エネルギーの比率を高めていくのはかなり難しいというふうに思うわけです。その意味では、各局よりも様々取組として進んだものが主税局にあるわけですから、様々な知恵を発揮して取り組んでいただきたいというふうに思います。
 例えば、来年度、これは直接主税局ではないですけど、予算要求の中で、消防庁はとても積極的で、既存庁舎への太陽光発電設備設置を九年間で全部やるというふうにいっていて、来年度予算では設計四十六施設、工事二十三施設の予算を局要求の段階ですけど、盛り込んでいると。さらに、再生可能エネルギーの電力導入も四十七施設で来年度やると。施設や様々違いはありますけど、こういう、まだ指針が示されていない下でも積極的に取組をやっている局もあるということですので、合同庁舎の場合もあって、なかなかそういう難しさがあるというのはよく分かりますけど、ぜひ主税局としても、追加で予算要望を行うことも含めて取組を加速していただきたいということを求めておきます。
 次に、都税調の答申について伺いたいと思います。
 特に気候危機への税制面からの対応と、貧困と格差についてを正すということについて伺いたいと思います。
 都税事務所におけるゼロエミの取組、先ほど聞きましたが、その流れで、まず、都税調における気候危機の税制面の対応について質問します。
 国連気候変動枠組条約第二十六回締約国会議、いわゆるCOP26でも、日本が化石賞を受賞するなど、世界の中でも極めて遅れた状況にあるということが指摘をされていると。国連は、石炭火力から計画的な撤退を強く要請し、グテーレス事務総長は、日本など最も豊かな国々に同発電の二〇三〇年までの段階的な廃止を求めていますが、日本政府は、国内で新たに九件の大規模な石炭火力建設を進め、輸出まで考えている、そういう重大な問題がある。
 これら、どうやって気候危機に対応した税制をつくっていくのかということについて都税調でも活発な議論が行われています。
 配られた答申の参考資料には、主な炭素税導入国の比較が示されています。これは、見ると大変驚くわけですが、一トンのCO2に対して、フィンランドでは九千六百二十五円、スウェーデンでは一万四千四百円、カナダでは三千二百八十円。ところが、日本では二百八十九円、桁違いの状況になっている。答申でも、諸外国と比べ著しく低いため、実質的には排出抑制の効果は小さく、事実上、財源調達機能しか果たしていないと。これは厳しい指摘がされているわけです。
 地球温暖化対策のための税が、実質的には排出抑制の効果は小さいという指摘について、都はどう受け止めているのか、また、改善が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○丹羽税制部長 我が国においては、石油石炭税に税率を上乗せする地球温暖化対策のための税が国税において導入されております。
 炭素税や排出量取引などを含むカーボンプライシングの在り方につきましては、現在、国において議論が進められているところでございまして、地球温暖化対策のための税の政策効果や税率水準の在り方につきましても、その中で議論されるものと認識しております。
 都としては、引き続き国の動向を注視してまいります。

○池川委員 これは諸外国と比べて著しく低いため、実質的には排出抑制の効果は小さく、事実上、財源調達機能しか果たしていないという都税調の答申の指摘は、現状の対策では、税制面からは温室効果ガスの削減にはなっていないんじゃないかという、これでいいのかが問われているというふうに思います。
 この点では、国も地方も実質的に温室効果ガスを削減していくことにつながる取組に踏み込んでいくことができるか、ここが極めて重要だと思います。
 同時に、都税調の答申の中では、税制のグリーン化の推進について、税制の一つの基軸に環境を据えることが必要だというふうに提言をしていますが、都としてはどう受け止め、具体化していくのでしょうか。

○丹羽税制部長 都はこれまで、東京版環境減税として、中小企業向け省エネ促進税制及びZEV導入促進税制を創設し、地球温暖化対策を税制面から支援してまいりました。
 特定の政策を推進するための税制の活用に当たりましては、政策効果と、公平性のバランスや税収への影響など、様々な観点から慎重に検討する必要があるものと認識しております。

○池川委員 都として、環境減税をやってきたというのは大変重要な側面だと思いますが、最初、この気候危機にどう対応するのかという質問をした中で、二〇三〇年までの今後の十年間の行動が極めて重要であると、こういう立場に立つのであれば、環境という側面から一歩踏み込んだ対応が必要だというふうに思います。
 炭素税というのは恒久的なものではなく、脱炭素が完了するまでの一時的な財源だというふうに思います。脱炭素に必要な公的な事業や支援策の財源としても検討が求められているし、そういうところにも活用していくことができる。一時的な税であり、緊急かつ集中的な取組が求められている中で、東京都としても、イニシアチブを発揮して取り組むことが必要ではないかと思います。
 都としても、気候危機に対応した、緊急的に対応した都独自の炭素税を含めた検討を行うこと、これを強く求めておきたいと思います。
 現在、環境基本計画の改定が行われていますが、こうした検討の中でも、炭素税を含めた都としての様々な課税の在り方について、ぜひ議論を行っていただきたいというふうに思います。
 炭素税を検討する際には、低所得者などに対する負担を軽減する取組が一体的に行われることが必要だというふうに指摘もされているところです。
 炭素税、地球温暖化対策のための税、現状、この税ですが、引上げも含めて実効ある対策にすることが必要だと。家計の負担の緩和も重要だと考えていますが、答申ではカナダの例を引いております。カナダではどのような対策をしているのか、お示しいただきたいと思います。

○三浦税制調査担当部長 答申におきましては、代表的な事例としまして、カナダのアルバータ州について論じておりますが、アルバータ州では、二〇一七年に炭素税を導入し、その後、逐次税率の引上げが行われてございます。
 また、その一方で、家計への支援措置としまして、炭素税の導入による世帯当たりの影響額を試算し、低炭素機器を購入することが難しい中低所得者層を対象に一定額を給付するなど、歳出による対応を行っていることが分かっております。よろしくお願いします。

○池川委員 カナダでは、低所得者対策と一体に、この炭素税、逐次引き上げているということです。炭素税などのカーボンプライシングは、化石燃料の使用を抑制するという、まさにそこに目的があるし、効果があるということです。
 都税調の答申でも、温対税の税率引上げに伴う増収分については、一般財源として幅広い使途に柔軟に活用できる仕組みにすべきであるというふうに提言されています。つまり、当面の財源確保策としても活用することができるというふうにしているわけです。
 脱炭素に必要な公的事業、支援策の財源としても活用することが必要だと考えます。
 ゼロエミッション東京戦略には、気候危機という地球規模の課題解決は、もはや各国政府だけに委ねられているものではありません。世界の人口の半数以上が都市に居住する時代において、都市こそがリーダーシップを取り、力を合わせて共に行動する、東京は、環境先進都市として、その先頭に立っていきますというふうに高らかに宣言しているわけです。ここまでいうわけですから、この言葉にふさわしい取組を税制の面からも行うことが必要だということを求めておきたいと思います。
 次に、貧困と格差を正すという視点から質問します。
 世界でも、日本でも、コロナ禍で多くの人々が不況に陥る一方で、一部の大企業、富裕層は空前の利益を上げ、経済格差はますます広がっているという現状があります。
 こうした中で、格差是正のために、大企業や富裕層にもっと税負担をという世論が、これは国内でも、国際的にも大きくなっているという現状があります。
 答申では、所得格差の拡大は社会経済の活力と安定を阻害しかねない問題であり、解決に向けて、社会保障、教育、労働政策等の総合的な取組が必要、これらの取組に必要な歳出面の充実と併せ、税制においても所得再配分機能を適切に発揮することが求められるとしています。
 所得格差が拡大している要因について、都はどのように認識をされているでしょうか。

○丹羽税制部長 所得格差については、様々な要因があり、確たることは申し上げられませんが、令和三年度東京都税制調査会答申にあるとおり、所得格差の拡大は社会の活力と安定を阻害しかねない問題であると認識しております。

○池川委員 要因については、確たることは申し上げられないという話がありましたが、所得格差の拡大については、様々な問題があるという都税調の答申と同じ認識だという話でした。
 所得格差が拡大しているのは、自然現象ではありません。ここを正すことこそ、政治の役割であり、地方自治体の役割であるとも考えます。
 所得格差の拡大をなくしていくために、税制はどのような役割を発揮する必要があると考えているでしょうか。

○丹羽税制部長 今年度の東京都税制調査会答申では、所得格差の拡大の解決に向けて、税制においても所得再分配機能を適切に発揮することが求められるとしております。
 所得再分配機能は累進課税となっており、応能的な性格を有している所得税において発揮されるべきものと認識しております。

○池川委員 所得再分配機能は累進課税の所得税において発揮すべきものだという答弁だったと思います。
 しかし、この間、実際には一九九〇年代の所得税などの最高税率は、所得税五〇%、住民税一五%で、合わせて六五%だったものが、九九年には所得税三七%、住民税一三%に引き下げられ、地方への税源移譲後は所得税四〇%、住民税一〇%となっています。その後、所得税は二〇一五年に四五%に引き上げられていますが、結果として、所得の再配分、この機能が事実上後退していると考えます。
 一方で、低所得者ほど負担の重い、累進課税には逆行する逆進性の強い消費税が導入され、ついに今年度、国の税収トップが消費税になるという事態になっていると。本来、税を再配分しなきゃいけないにもかかわらず、実際にこの間に進められてきた税制は、それとは逆行しているんじゃないかというふうに思います。答申でも、消費税の課題については、低所得者ほど税負担が重くなる逆進性が高まると記述をされています。消費税は所得格差の拡大を広げることにつながっていると思います。
 こうしたことを十分念頭に置いて、都税についても在り方をぜひ検討していくことが必要だと思います。
 一方で、富裕層への税制の優遇も見過ごすわけにはいかないと思います。その代表格が所得一億円の壁ともいわれる金融所得課税の問題です。答申では、四一ページにグラフも作成して分かりやすい折れ線グラフが示されていますが、所得一億円が所得税負担率二八・五%で最も高く、百億円超では一七・一%まで下がる。累進課税とは率直にいって名ばかりとなっており、所得の再配分どころか、富裕層になればなるほど税制優遇を受けているというのが、この表からも明らかだというふうに思います。
 これは、資料じゃなくて本編にこのことが記載されたというのは極めて重要で、都税調の大事な取組だというふうに考えます。
 アメリカの雑誌フォーブスが集計をしている世界のビリオネア、十億ドル以上の資産を持つ大富豪のリストに掲載された日本の大富豪の資産は、二〇一二年には六・一兆円だったものが直近では二十四兆円と、九年間で四倍にも膨れ上がっている。この多くが金融所得なわけです。
 金融所得課税については、答申では、高所得者層ほど所得に占める金融所得の割合が高く、高所得者層の税負担が低くなっているとしていますが、この現状について、都はどのように認識をされているでしょうか。

○丹羽税制部長 今年度の都税調答申にありますとおり、所得税負担率については、高所得者ほど所得に占める金融所得の割合が高く、金融所得の多くは分離課税の対象として、総合課税制度よりも相対的に低い税率が適用されていること等により、高所得者層の税負担が低くなっているものと認識しております。

○池川委員 日本の株式配当や株式譲渡所得への課税は、欧米諸国に比べても富裕層優遇の制度になっています。株式配当への税率は、一部の大口株式を除けば、所得税一五%、住民税五%となっている。一方で、欧米富裕層への最高税率、アメリカ、これはニューヨーク市の場合ですけど三二・一%、イギリスは三一・八%、ドイツは二六%超、フランスは三〇%と日本よりも高く、株式譲渡所得への最高税率も、アメリカやドイツ、フランスは配当と同じとなっていると。アメリカ、バイデン政権は、さらに五%引き上げる提案をしていると。日本との差は開く一方になっているわけです。だから、富める者がより富むということが今起こっていて、これはやっぱりいいはずはないというふうに思います。
 私たちは、例えばですけど、株式配当は、少額の配当や低所得者の場合を除き、勤労所得などと合わせた総合課税にしっかりと義務づけていくこと、富裕層の高額の配当には、所得税、住民税の最高税率が適用されるようにすべきだというふうに考えます。
 また、この分離課税がずっと続いてきている下で、この分離課税が続いている下でも、少なくとも、都税調の答申でもいわれているように、欧米水準に合わせた課税が必要だというふうに考えます。
 この高所得者層ほど税負担が低くなっていることについて、答申を受けて、都としてはどのように対応していくのか、また、富裕層への課税についてどう考えているのか伺います。

○丹羽税制部長 高所得者層ほど所得に占める金融所得の割合が高いことや、金融所得の多くは分離課税の対象となっていること等により、高所得者層で所得税の負担率は低下しているものと認識しております。
 金融所得に対する課税の在り方につきましては、令和三年度与党税制改正大綱におきまして、所得階層別の所得税負担率の状況も踏まえ、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、関連する各種制度の在り方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ総合的に検討するとしており、都としては、引き続き国の動向を注視してまいります。

○池川委員 資産を急増させている富裕層への課税を行うことは必要だというふうに思います。例えば、富裕層の資産に対して、定率で毎年課税をする新たな税として富裕税をつくることは具体的に求められていると思います。
 純資産が五兆円を超える場合、その超過部分に対して〇・五から三%程度で累進的な税率を課税していくなど、様々仕組みは検討できると思います。課税対象資産額の算定に当たっては、相続税の課税標準額に準じた方式で、自宅用の不動産の評価の軽減や自営業者などの事業資産への特例措置、営農地用農地の宅地並み基準を適用しないなど、様々、そうした措置を講じる、そして、そのことによって、低所得者や中間層に負担が行かないように配慮することも併せて具体的に検討する必要があるんじゃないかと思います。
 これらの仕組みを進めると、富裕層に課税していくことについては一千人に一人程度となって、私たちの試算では、一兆円程度の税収が見込めるというふうに思っています。富裕層に対する課税を、都としても、国に求めていただきたいということを併せて申し上げます。
 気候危機と貧困と格差の問題については、質問してきましたが、気候危機に本気で対応していくことは、地球を守ることにつながると同時に、省エネ、再エネでも新しい雇用を生み出し、GDPを押し上げる効果もあると思います。所得再配分機能が発揮され、能力に応じて負担をするという民主的税制に切り替えることが貧困と格差を正す力になると考えます。
 これらは別々の課題ではなく、一体的に進めていくことができるものだと思います。社会情勢の変化に対応して独自の地方税を創設することを含め、果敢に都民のためになる取組を求めて、質問を終わりたいと思います。

○山加委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十二分休憩

   午後三時四十五分開議

○山加委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○中村委員 それでは、主税局の事務事業について質問します。
 都税は、都民サービスを行うための財源として重要ですが、さらに、その賦課の方式によって所得の再分配という大切な役割もあります。コロナ禍において厳しい経済環境に置かれた人も多くいますが、そのことは、コロナだけのせいではなく、それ以前から格差や貧困をつくってきた新自由主義的な政治が問題であり、それがコロナで助長されてきました。
 十月二十二日に東京都税制調査会から出された答申においても、所得格差に対応した税制として、税制においても所得再分配機能を適切に発揮することが求められるとしています。私もそのとおりだと思います。
 国税と地方税の違いがあり、また、都税とはいっても、国で大枠を決めてしまう中では、都税によって所得の再分配を発揮するのは困難ではあるようではあります。それでも、可能な範囲で機能を発揮することが求められます。
 そこでまず、都として、税率や税目について都独自で決められるのはどのようなものなのか伺います。

○丹羽税制部長 自治体は、地方税法に定める範囲で、地方税の税目や税率設定などについて自主的に決定することができるとされております。
 税目については、地方税法に定める税目以外に、条例により税目を新設することができる法定外税と、自治体が課税するか否かを判断できる法定任意税がございます。
 税率については、例えば、標準税率とされている税目について、それと異なる税率を条例によって設定することができる超過課税等がございます。
 そのほか、一定の事由に該当した場合、条例により納税者の税負担を軽減できる課税免除、不均一課税、減免などがございます。

○中村委員 都独自でも一定の範囲では決められるようですが、抜本的に変えるには、やはり国の判断が必要でもあります。
 今回、都税調の答申でも所得格差の問題への懸念が記載されていますので、都としても、これを踏まえて、国に対して、税制含めて格差是正に取り組むよう求めていただきたいと思います。
 さて、長引くコロナ禍において、都の財政も、財政調整基金を大幅に取り崩し厳しい状況になります。とはいえ、大企業の本社が集まり、都税収入は堅調との見通しもあります。
 九月末現在の都税収入は昨年度より堅調ですが、コロナ禍で厳しい状況にある法人もあります。
 そこで、法人二税の税収について、昨年と比較して大きく落ち込んでいる企業規模や業種について伺います。

○丹羽税制部長 法人二税の税収について企業規模別に見た場合、大企業、中堅企業、中小企業のいずれも税収は伸びております。
 次に、業種別で見た場合、減収となっているのは、鉄道や航空などの運輸業や飲食店などでございます。

○中村委員 大企業だけではなく、中堅、中小からの税収も伸びているとのことです。
 肌感覚とは違うなという感じはしますが、企業の収益が上がっても給与に反映されていないからなのか、それとも、コロナ禍における現状や将来への不安なのか、非正規雇用の方が増えたりしたからか、様々理由があるんだろうと思います。
 そうした中で、飲食や観光産業は、その業界の責任では決してなくても厳しい状況にあります。今は多少コロナが収まってはいても、第六波への心配もあり、消費がまだまだという感じです。
 そうした状況では、将来に大きな負債を残すわけにいかず、財政規律はもちろん重要ですが、今、危機に瀕した人たちを支えるには、積極的に財政出動をすべき時期でもあり、一方では、税の減免や徴収の猶予も必要でもあります。その点について見解を伺います。

○丹羽税制部長 令和二年四月に国が策定した新型コロナウイルス感染症緊急経済対策においては、売上げが一定程度減少した中小事業者等に対し、事業用家屋と償却資産の固定資産税等を軽減する措置や、徴収猶予の特例措置などが講じられました。
 また、令和三年度税制改正では、評価額の上昇等により固定資産税等の税額が増加する全ての土地について、前年度の税額に据え置く特別な措置などが講じられました。
 このほか、都独自の措置といたしまして、令和三年度も、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置などの固定資産税等の負担軽減措置を継続するとともに、地方税法第十五条第一項の徴収猶予を柔軟に活用することで、納税者の状況に応じ、きめ細やかに対応しております。

○中村委員 厳しい状況にあり、納税が困難な方には柔軟な対応が必要です。コロナへの感染もそうですし、コロナの影響による厳しい経営環境は、その人や会社の責任だけではありません。とりわけ業種による明暗がはっきりしていることもあり、行政が支えることが重要です。税の徴収についても、コロナで厳しい状況にある方々に対して丁寧に対応するよう求めます。
 さて、中小企業にとって厳しいのは、コロナで企業活動ができなくても、仕入れは減らせても、固定費である人件費や家賃は減らせません。そこで、テナントの救済として不動産の所有者の協力が必要です。既にこれまでも支援策は講じられていますが、コロナの状況によっては施策の継続も必要です。
 コロナで影響を受けた中小企業者に対する家賃減額や、支払い猶予に応じた事業者への固定資産税の軽減を令和四年度も実施すべきと考えますが、見解を伺います。

○丹羽税制部長 令和三年度の固定資産税等については、売上高の減少率に応じて中小事業者等が所有する事業用家屋等の課税標準を最大でゼロとする軽減措置が講じられており、不動産貸付業を営む中小事業者等が家賃減額等に応じ売上高が一定以上減少した場合にも適用されます。
 本税制措置の令和四年度以降の取扱いにつきましては、新型コロナウイルス感染症の状況などを踏まえ、国において検討が行われるものと認識しております。

○中村委員 令和四年度以降について国で検討されるものとのことですが、都としても、現場からの声を国に届けていただきたいと思います。
 さて、厳しい状況にある中で、これまでも問題視されてきたのが、収入と個人住民税の支払いの時期のずれです。所得税と違い、個人住民税は翌年賦課されるため、前年度の収入がよくても今年が悪くなると非常に税負担が重く感じられます。
 また、行政が行う多くの施策が、その適用の基準として住民税が非課税の場合になることが多いため、まさに今困っていても、前年度よかったからとしてサービスが受けられないこともあります。いわゆる個人住民税の現年課税化が重要だと考えます。
 都税調の答申でも、納税の負担感の軽減及び適正、公正な税負担の観点から、個人住民税を現年課税化することが望ましいとしています。
 改めて、個人住民税の現年課税化を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○丹羽税制部長 個人住民税の翌年度課税は、退職等により前年に比べて収入が減った場合には納税者の負担感が大きくなることや、賦課期日前に海外転居等をすることにより、前年所得がありながら課税ができない等の課題があるものと認識しております。
 しかしながら、現年課税化に向けては、とりわけ特別徴収義務者において、所得税と個人住民税の二重の年末調整等の事務負担が生じる可能性について強い懸念が示されております。
 また、納税義務者においては申告の手続、市町村においては還付事務などの負担が増大するといった課題もございます。

○中村委員 導入に当たっての課題があるのは承知はしていますが、現状のままでは問題も大きいということを指摘しています。都税調の答申もありますので、都から、国に対して見直しを求めていただきたいと思います。
 さて、大企業だけではなく、中堅、中小からの税収は堅調とのことでしたが、とはいえ、大企業とは違い、やはり中小企業の経営環境は楽観視できず、大企業同様の課税をとはいきません。
 確かに、大企業で多くの従業員を抱え地域の行政サービスを利用していても、利益が出ないと法人税が非課税というときもあります。その不公平を是正する一つとして外形標準課税がありますが、今度は中小企業の負担が重くなってしまいます。
 中小企業に対しては外形標準課税を拡大すべきでないと考えますが、見解を伺います。

○丹羽税制部長 法人事業税における外形標準課税は、法人の事業規模に応じた薄く広い課税により、公平性を確保できるとともに、景気変動に左右されにくく、税収の安定化に寄与しているものと認識しております。
 資本金一億円超の法人となっている適用対象の拡大につきましては、中小企業への影響など課題が多いことから、都としては、慎重に検討することを国に対し要望しております。

○中村委員 慎重な検討を国に要望しているとのことで、妥当な対応だと思います。もちろん、昨今の動向で、減資により大規模な企業でも法的には中小企業となる場合もあり、資本金が必ずしも企業規模を反映していないなど、新たな課題もあります。そうした中で、本当の意味での中小企業の税負担が重くなり過ぎることのないようにしていただきたいと思います。
 さて、厳しい経済状況のため、都民税の減税という意見もありますが、都民税は税率が一律のため、高額所得者ほどその恩恵を受けることになります。もとより、低所得者で非課税の方には何の恩恵もありません。所得が低く控除し切れない分、給付をするもので、消費税の議論をする際にも実現はしませんでしたが、案として示されました。
 都税調の答申でも、給付付税額控除の導入に向けた検討を始めるべきとしています。
 改めて、この給付付税額控除を導入すべきと考えますが、見解を伺います。

○丹羽税制部長 給付付税額控除は、課税最低限を下回る所得層の方にも税額控除の効果が給付として及ぶことから、税制の観点から考えられるセーフティーネットの一つの方策と認識しております。
 一方で、既存の社会保障制度との役割分担の明確化、所得情報の正確な捕捉と管理、不正受給の防止等、実現に向けた課題も少なくないものと認識しております。

○中村委員 課題は少なくないとのことですが、ぜひ検討するよう国に強く求めていただきたいと思います。
 次に、金融所得課税について伺います。
 かねてからいわれていますが、合計所得額が一億円を超える高所得者層において、所得税負担率が低下していることが不公平な税制として批判されてきました。そのため、岸田総理が自民党の総裁選挙で金融所得税制の見直しに触れましたが、その後、急速にしぼんでしまい、あまりにも早い方針転換に失望の声が多く出されました。
 都税調の答申でも、金融所得への課税に関して、高所得者層の税負担が低くなっていると問題を指摘もしています。さらには、中低所得者の資産形成に与える影響への配慮を述べつつも、引き上げることを提案しています。
 そこで、金融所得課税を強化していくべきと考えますが、見解を伺います。

○丹羽税制部長 今年度の東京都税制調査会答申にあるとおり、所得税の負担率は、高所得者ほど所得に占める金融所得の割合が高く、金融所得の多くは分離課税の対象として総合課税制度よりも相対的に低い税率が適用されていること等により、高所得者層の税負担が低くなっているものと認識しております。
 金融所得に対する課税の在り方につきましては、令和三年度与党税制改正大綱において、所得階層別の所得税負担率の状況も踏まえ、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、関連する各種制度の在り方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ総合的に検討するとしており、都としては、引き続き国の動向を注視してまいります。

○中村委員 税についての不公平感は納税意欲の低下につながりかねません。課題はあるとはいえ、都としても、国の動向を注視するだけではなく、国に対して積極的に見直しを求めていただきたいと思います。
 さて、コロナ禍において迅速な支援が必要な場合として、昨年、全国民に十万円の定額給付金が出されました。迅速性という点では必要な政策ではありましたが、所得制限がなかったので、不公平ではと賛否両論出されました。今回、国が非課税扱いしたためであり、課税扱いにしていれば、一定程度以上の所得がある方からは税で回収することになります。迅速性が求められる場合には有効な手段ではあります。
 都税調の答申では、コロナの定額給付について、一律に給付した後で所得に応じて税で調整する仕組みを検討すべきとありますが、その際の課題について伺います。

○丹羽税制部長 新型コロナウイルス感染症に対応する緊急経済対策として支給された一人につき十万円の特別定額給付金は、個人所得課税において非課税の取扱いとされております。
 こうした個人を対象とした給付金について、仮に課税所得の取扱いとし、事後的に税で調整する仕組みとする場合、確定申告や年末調整が必要になるため、納税義務者や雇用主、税務当局の事務負担が増大する等の課題が考えられます。

○中村委員 今後、ICT化がより進むと、こうした問題はなくなるのかもしれませんが、少なくとも現在、コロナ禍で厳しい状況にある場合、景気対策としても迅速な給付が求められるため、迅速性と公平性が両立するため、課題についてはその解消に取り組み、導入を検討していただきたいと思います。
 以上、いろいろと都税調に関連して質問もさせていただきました。今、コロナ禍において、いろいろと厳しい状況にあったりとか、もともとあった格差、貧困の問題などいろいろあるわけですが、都税調の中にもいろいろヒントはあります。これ答申としてだけではなくて、もちろん、いろいろと皆さんの動きがあると思いますが、都としても受け止めていただきまして、改善すべきこと、課題はあると思いますが、ぜひ、しっかりとやっていただければと思います。
 以上で質問を終わります。

○吉住委員 私からは、まず、個人都民税について伺いたいと思います。
 住民が地域社会の費用を広く負担する個人都民税は、都の税収のおよそ二割を占めており、都財政においても重要な役割を果たしています。
 このように、個人都民税は、法人二税、固定資産税と並び、基幹税目の一つといえるものですが、その課税や徴収については、各区市町村が、それぞれの区市町村民税と併せて行っています。その費用として、都は、区市町村に対し徴収取扱費を支払っているとのことです。
 そこでまず、この徴収取扱費の仕組みについて伺います。

○櫻井課税部長 個人都民税の徴収取扱費は、区市町村が個人都民税の賦課徴収に関する事務を行うために要する費用を補償するため、地方税法の規定に基づいて都が交付しているものでございます。
 交付額については、地方税法及び同法施行令の規定により、各区市町村における当該年度の納税義務者数に応じた金額とされております。

○吉住委員 個人都民税の賦課徴収に関する事務を行う費用の補償として、個人都民税徴収取扱費が都から区市町村に支出されていることを確認いたしました。
 改めて申し上げるまでもなく、これは、区市町村の現場での賦課徴収を支える重要な制度であると思います。個人都民税は、法律に基づき、区市町村が区市町村民税と併せて徴収していることから、都と区市町村がしっかりと連携して滞納整理に当たることが必要です。
 区市町村が滞納整理を着実に進め、都の財源を安定的に確保するためには、こうした制度に加え、都が、区市町村に対して、滞納整理ノウハウの提供などの支援を行うことが不可欠だと考えます。
 そこで、個人都民税の徴収率向上のため、区市町村に対し、具体的にどのような取組を行っているのか伺います。

○蓮沼特別滞納整理担当部長 個人都民税の徴収率向上のためには、都と区市町村の連携が非常に重要であり、組織の垣根を越えた人材交流や様々な事業を通じて協力関係をより一層強化していかなければならないと認識しております。
 このため、都は、区市町村に対し、徴収困難な事案の引受けや都職員の派遣、実務研修生の都の受入れなど様々な取組を実施し、支援を行っているところでございます。
 令和二年度においては、島しょ地域を含む都内四十四自治体から四百六十四事案を引き受け、また、人的交流として、四自治体に都職員を派遣したほか、十六自治体から十七名の実務研修生を受け入れております。
 また、都がこれまで蓄積してきた滞納整理ノウハウを生かした各種研修会などを実施してまいりました。
 今後とも、個人都民税の徴収率向上のため、区市町村への支援を積極的に行ってまいります。

○吉住委員 都が、困難事案の引受けや人材育成など様々な取組を行い、区市町村を支援していることは理解できました。
 一方、コロナ禍の影響により、東京都の外国人人口は一時減少に転じていますが、例年、一月一日時点の登録人口を比較したところ、令和三年は十年前と比べ約三〇%増加しています。
 私の地元新宿区でも、外国人の人口が区内人口の一割を占めており、税務の現場では、言葉の問題などもあって、外国人の滞納者への対応に苦慮していると聞いています。
 こうした区市町村が直面している課題に対しても、様々な滞納整理ノウハウを持つ主税局がしっかりと支援を行う、そういう姿勢が大事なのではないかと考えています。
 そこで、今後は、個人住民税の外国人の滞納者への対応についても積極的に取り組んでいくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○蓮沼特別滞納整理担当部長 在住外国人の増加に伴い、税を滞納する外国人への対応は、都、区市町村にとって重要度を増しつつあり、都としても、個人住民税の滞納整理支援について積極的に取り組む必要があると認識しております。
 このため、滞納については未然防止が重要との考え方から、外国人従業員等を雇用する事業主が、従業員に代わり毎月給与から個人住民税を差し引き、区市町村に納税する特別徴収を区市町村と連携して推進してまいりました。
 今後は、都税事務所や区市町村が、税に関する理解を深めてもらうために作成している外国人向け印刷物等の取りまとめを行い、全体で共有していくことや、都と区市町村の税務担当職員が集まる徴収研究会や実務担当者会議などの場を活用し、区市町村の取組や課題などについて情報交換を進めてまいります。
 こうした区市町村からの要望に対し的確に対応していくことで、連携を強化してまいります。

○吉住委員 主税局が持っている滞納整理ノウハウを区市町村に展開することに加え、都が旗振り役となって広域的な連携を進めていくことが、今後の個人都民税のさらなる徴収率の向上につながるものと確信しています。
 都内の外国人人口が、今後、再び増加に転じることが見込まれるところから、引き続き、外国人の滞納者に対する取組にも一層力を入れていくことをお願いし、次の質問に移ります。
 次に、徴収猶予について伺います。
 先ほども少しご発言がほかの方から出ていましたが、昨年一月十六日に国内初の感染者が確認されて以来、新型コロナウイルス感染症は都民の事業や生活を脅かしてきました。ワクチン接種の効果もあり、足元での感染状況は今のところ落ち着いてはいますが、諸外国の状況を踏まえると、第六波への警戒を解ける状況にはありません。
 こうした中、主税局は、徴収猶予制度を柔軟に運用して、コロナ禍で経済的な打撃を受けた都民や事業者を支援してきました。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症に係る徴収猶予制度の適用件数について伺います。

○菊澤徴収部長 都では、昨年四月に政府の緊急経済対策における税制措置として設けられました徴収猶予の特例制度と併せて、従来からある地方税法第十五条第一項に基づく徴収猶予も柔軟に活用し、コロナ禍の下で適切な対応に努めてまいりました。
 両制度を合わせた令和二年度の新型コロナ感染症の影響に係る徴収猶予の適用件数は、一万七千九百三十三件でございます。

○吉住委員 緊急事態措置による様々な感染防止策の実施により、飲食、観光業をはじめとした幅広い業種で営業自粛を余儀なくされるなどの大きな制約を受ける中、都税の納期限の迫っている事業者にとって、この徴収猶予は即効性のある対策であったと思います。
 徴収猶予の特例制度と併せ、従来からある徴収猶予も柔軟に活用してきたとのことですが、この徴収猶予制度の具体的な内容について伺います。

○菊澤徴収部長 徴収猶予の特例制度は、令和二年二月一日から令和三年二月一日までに納期限を迎える都税を対象に、事業等に係る収入が前年同期に比べましておおむね二〇%以上減少して納税が困難となった納税者につきまして、申請により一年間納税を猶予できる制度でございます。その間の延滞金は全額免除、担保の提供は不要の取扱いとなっております。
 この徴収猶予の特例制度は本年二月で終了いたしましたが、都は、都内の感染状況や経済情勢が依然厳しい状態であったことを踏まえまして、地方税法第十五条第一項による徴収猶予を特例制度と同等の条件で適用するなど柔軟に活用し、納税者へのきめ細かい対応に努めております。

○吉住委員 今年度に入ってから第四波、第五波が発生したことを振り返ると、特例制度終了後も同等の制度運用を継続してきた都の姿勢は評価しています。
 その一方で、徴収猶予は、あくまでも一時的に納税を先送りする措置であり、納税の義務がなくなるわけではありません。
 都の施策を財政面から支える主税局には、今後も、苦しい状況にある納税者に寄り添った対応を引き続きお願いするとともに、経済状況の回復した納税者には、確実に納税してもらうための出口戦略も考えながら取り組むよう要望して、質問を終わります。

○森口委員 東京都税制調査会の答申について伺います。
 東京都税制調査会は、平成十二年の創設以来、国内の有力な学識経験者を中心とするメンバーを有し、都の行財政運営を理論面から支える強力なブレーンとして大きな役割を果たしてきました。
 平成三十年度から始まったこの第七期では、小池知事から、地方分権の時代にふさわしい地方税制、国、地方を通じた税制全体の在り方、そのほかこれらに関連する諸制度について意見を求めるとの諮問を受け、四年間にわたり、密度の濃い議論がなされたと伺っております。
 そして、第七期の取りまとめとなる今年度の答申では、まず、地方税における受益と負担の関係を脅かしている地方法人課税の偏在是正措置や、ふるさと納税制度について、その見直しを強く迫る提言を行っております。また、時代の変化にも着目をし、環境関連税制のさらなる推進や自動車関連税制の見直しなどについて、貴重な提言をもたらしているものであります。
 まずは、創設以来、都税調がどのような提言を行い、都政等にどのような影響を与えてきたのか伺います。

○三浦税制調査担当部長 東京都税制調査会は、平成十二年の創設以来、地方分権の時代にふさわしい地方税制及び国、地方を通じた税制全体の在り方について検討し、提言を行ってまいりました。
 例えば、地方消費税の充実の必要性、法人事業税の外形標準課税などについて、全国に先駆けて提言し、その実現に貢献してまいりました。
 また、都が現在実施しております宿泊税、中小企業者向け省エネ促進税制、ゼロエミッションビークル導入促進税制なども、都税調の提言を受けて導入したものとなってございます。

○森口委員 都税調が、都政への多大なる貢献とともに、日本全体の地方税制に大きな影響を与えてきたことがよく分かりました。
 これまで我が党が進めてきた東京大改革の大原則の一つは、都民ファーストと賢い支出と並んで情報公開であり、これまで議会の場でも一貫して主張を続けてきました。
 数々の貴重な提言を行ってきた都税調について、これまでどのような答申が行われてきたのか、その過程でどのような議論が行われてきたのか、これらを広く公開し、開かれた都政とすることは大切であります。納税者である都民の皆さんが、地方税財政の置かれている状況や、あるべき税財政制度について理解を深めることができ、都政運営にとっても大変重要な意義を持つと考えます。
 そのため、都税調については、都民に向けて広く情報公開を進めていくべきでありますが、どのような取組を行っているか伺います。

○三浦税制調査担当部長 現在、東京都税制調査会の会議は、原則として公開としてございます。また、従来から、会議の議事録、配布資料及び答申本文につきましても、主税局ホームページで公開をしております。
 さらに、今年度、新たな取組といたしまして、第二回及び第三回総会の開催予告動画を作成し、新宿駅西口広場、あるいは都庁までの地下道の柱にありますデジタルサイネージシステムのディスプレーに配信するなど、都民に広くアピールをいたしました。
 加えまして、総会当日は、オンラインによるリアルタイム配信を行いますとともに、総会終了後には、都の公式動画チャンネルである東京動画にも掲載し、公開をしております。
 今後も、より一層開かれた都税調を目指し、情報公開を推進してまいります。

○森口委員 都税調においては、その議論の様子だけでなく、そこで使用した資料についても広く公開されていることが分かりました。
 さらに、新しくデジタルサイネージシステムを活用して予告をしたり、会議の様子をオンラインで配信し、都民からのアクセスのしやすさを飛躍的に向上したことは、大変よい試みであると評価をいたします。引き続き、都民ファーストの観点で、情報公開の推進に努めていただきたいと思います。
 次に、今年度の答申の内容について確認をいたします。
 まず、地方法人課税における偏在是正措置についてです。
 地方法人課税は、地方自治体にとって重要な基幹税であり、特に都の歳入においては大きな位置を占めております。今年の第一回定例会で可決された令和三年度当初予算における歳入合計額七兆四千二百五十億円のうち、五兆四百五十億円が都税収入ですが、さらに、そのうちの三割弱である一兆四千三百八十八億円が法人事業税と法人住民税の収入となります。
 このように、都財政にとって歳入の柱であるこれらの二税でありますが、過去から続く国による不合理な措置により、多くの財源が都から失われています。特に、平成二十年度から始まった一連の偏在是正措置は影響が大きいわけであります。
 そこで、都税調として、地方税の存在意義そのものを揺るがし、地方自治の根幹を脅かすこのような偏在是正措置について、この第七期においてどのような議論がなされ、答申でどのような提言がなされているのか伺います。

○三浦税制調査担当部長 東京都税制調査会では、いわゆる偏在是正措置につきまして、どの程度偏在性を是正できたか国から示されておらず、効果は不明である、また、どこまで是正されれば妥当かという判断基準やロジックがなく、恣意的なものになっているなど、様々な指摘が各委員から上がっております。
 今回の答申では、国が偏在是正の名の下に講じてきた地方法人課税における国税化措置は、地方自治体の自主財源である地方税を縮小するもの、また、法人が受けた行政サービスに応じて地方自治体が課税、徴収する地方税を縮小し、これを財政調整の手段として応益関係のない他自治体に配分することは、受益と負担の対応性を重視する地方税の原則に反する、こうした手法は、地方税の存在意義そのものを揺るがし、地方自治の根幹を脅かす行為にほかならず、そのような偏在是正措置を行うべきではないと、このように提言されております。

○森口委員 都税調からも、このようにはっきりと提言をしていただいたことは大変心強いものであります。引き続き、偏在是正措置の見直しに向け、都を強力にバックアップしていただきたいと思います。
 さきの第三回定例会における我が会派の代表質問に対し、小池知事は、地方の役割に見合った財源の確保と地方税財政制度のあるべき姿の実現に向け、国への提案要求や九都県市首脳会議などを通じ、国に対して主張していくと答弁されております。これを受け、都においては、引き続き、強く国に対して働きかけを行うことを要請いたします。
 次に、税制のデジタル化について伺います。
 都では、国のデジタル庁に先駆け、本年四月にデジタルサービス局という専門部署を立ち上げるなど、行政のデジタル化を強力に推進しています。
 一方、今般のコロナ禍の中、紙や押印、対面で行う手続のため、都民の方が緊急事態宣言下でも移動を余儀なくされるなど、行政手続等のデジタル化をより一層進めていく必要があることが課題として明らかとなりました。
 これは、都税事務所等の窓口で、日々都民の方に接している都主税局の税務行政においても同じであると思われます。
 そこで、税務事務のデジタル化につき、都としてどのように取り組むのかお伺いします。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回の新型コロナウイルス感染症対応の多くの場面で、行政のデジタル化の遅れが浮き彫りとなりました。
 都税事務所においても、給付金の受給や緊急融資等を受ける際に必要となる納税証明書の申請をされる納税者の方で、窓口が例年以上に混雑したところでございます。
 主税局においては、税務行政の十年後のあるべき姿として、デジタル化を核とした主税局ビジョン二〇三〇を公表いたしまして、税務事務のデジタル化を積極的に推進しております。
 例えば、バックオフィス連携によるワンスオンリーの実現により、各種証明申請時における添付書類の省略が可能となり、納税者が、自宅やオフィスのパソコン、スマートフォンから税務手続が完結するなどの納税者へのQOS向上が期待できるところでございます。
 今後、税務事務のデジタル化推進に当たっては、デジタルサービス局とも連携し、取組を進めてまいります。

○森口委員 都が、税務行政において、強力かつ積極的にデジタル化を進めていることが分かりました。
 一方、都税調では常々、東京だけではなく、地方税全体の観点から議論がなされ、地方自治体を代表して提言が行われているものが多いと伺っており、デジタル化についても、地方との連携などを視野にしているのだと思われます。
 そこで、今回の答申では、地方税全体の観点を含め、税務行政のデジタル化についてどのような提言が行われたのか伺います。

○三浦税制調査担当部長 本答申では、税務行政のデジタル化に当たりまして、地方税全体について見ると、地方自治体間における税務手続、システムのばらつきが生じ、納税者などからも、その統一化、標準化が求められているなどの課題があるとした上で、税務手続においては、さらなる簡素化、迅速化、統一化の取組が必要としております。
 また、自治体の情報システムや、様式、帳票の統一化、標準化等に当たりましては、業務プロセスの抜本的な見直しを進めますとともに、必要に応じて既存の法令等も見直し、税制の簡素化や行政におけるデータの効率的な活用などを検討し、納税者はもとより、自治体職員にとっても利便性や効率性の高い仕組みの構築を目指すべきと、このように提言されております。

○森口委員 デジタル化は、一朝一夕になし遂げられるものではなく、息の長い継続的な取組が必要であります。引き続き、都においては、不断の努力により、業務の見直しやシステムの改善などが行われることを要望いたします。
 次に、環境関連税制について伺います。
 世界中で脱炭素化の機運が急速に高まっている中、主要な温室効果ガス排出部門である運輸部門における取組は重要であり、そのため、自動車の脱炭素化をどのように進めていくかが課題となります。
 都においては、令和二年第四回定例会における我が会派の代表質問に対し、小池知事が、二〇三〇年までに、都内乗用車新車販売の一〇〇%非ガソリン化を表明するなど、取組を強化しているところであります。
 そこで、都税調では、この第七期において環境関連税制について議論が行われてきたと伺っていますが、自動車の脱炭素化について、税制の観点から何が提言されたのかお伺いします。

○三浦税制調査担当部長 本答申では、環境配慮へのインセンティブを一層強化し、環境負荷の小さい自動車への転換を促進するため、地球温暖化等の環境問題を解決し、持続可能な社会を実現するためには、車体課税について、CO2排出量の要素、基準を取り入れるなど、より積極的に環境税制として位置づけていくことが極めて重要であり、速やかに導入を検討すべきと、このようにいわれております。

○森口委員 新型コロナを乗り越え、持続可能な生活を実現するサステーナブルリカバリーに当たり、気候危機の克服は不可欠であり、そのためにも、温室効果ガスの主要な排出源である自動車の脱炭素化は大変重要であります。
 今回の都税調の提言は、税制の観点から、気候危機への対処法を示すものとして大きな意義があると考えます。
 また、運輸部門と並んで、家庭部門の温室効果ガス排出量の削減も重要です。第三回定例会では、小池知事が、一定の新築建築物に太陽光発電設備の設置を義務づける都独自の制度の導入に向けた検討を開始することを所信表明しております。
 こうした再生可能エネルギーを推進する取組に加え、断熱性能に優れた省エネ住宅の普及も求められており、これらを推進する施策を補完するものとして、税も重要な一つの手段であると考えます。
 今後も、都税調において、脱炭素化推進の観点からも継続的に議論をしていただくとともに、また、都に対しても、国に対する税制改正の要求等必要な対策を講ずるよう要望いたします。
 それでは、最後に、今後、都として都税調をどのように活用していくのか、局長の所見を伺います。

○砥出主税局長 これまで都は、東京都税制調査会の各分野の専門家である委員から、地方税財政に関する様々な理論面からの支援や、具体的な政策の実現に向けた提言をいただいてまいりました。
 また、特別委員である都議会の先生方からも貴重なご意見をいただいております。
 こうした都税調の提言は、都の立場にとどまらず、地方全体の視点から提言されており、グリーン化税制や外形標準課税の導入など、これらは国を動かす契機となり、また、都の政策にも具体化されてきたところでございます。
 今後とも、都税調での各委員の議論及び答申の提言等を活用しながら、アフターコロナにおいて直面する諸課題を敏感に捉え、我が国の将来像を踏まえた税制の在り方について検討を進めるとともに、真の地方分権改革の実現に向け、都議会の先生方のご協力をいただきながら、国等への働きかけを積極的に行ってまいります。

○森口委員 都税調は、都の行財政運営を理論面から支える強力なブレーンであります。
 今後も、都税調から発信された先進的な提言が、国や都の税制度に反映され、都民の皆様に十分還元されるよう、都民ファーストの観点から都が適切に取り組むことを要望し、私の質問を終わります。

○たかく委員 百年に一度という未曽有のコロナ感染症はようやく感染者数も減少してきておりますが、まだまだ安心できる状況には至っておらず、日本社会の足元を大きく揺るがすコロナ禍の終息はなかなか見通せない状況にあります。
 かつて経験したことのないコロナ禍による広範な社会経済活動の停滞は、個人や事業者の収入の減少、失業などを招き、多くの方々が影響を受けております。
 このような状況の中で、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難になった納税者に対する徴収猶予を東京都では行っているとのことであります。
 新型コロナウイルス感染症に対応した徴収猶予制度の概要については、先ほど、他会派からも説明がありましたが、この制度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、納税が困難になった納税者に対応した徴収猶予制度として昨年四月に国が施行した特例制度では、令和二年二月一日から令和三年二月一日までに納期限を迎える都税を対象に、事業等に関わる収入が前年同期に比べて約二〇%以上減少して納税が困難となった納税者について、申請により一年間納税を猶予できる制度であります。その期間の延滞金は全額免除、また、担保の提供は不要となっております。
 この特例制度は本年二月で終了しましたが、都は、都内の感染状況や経済情勢が依然厳しい状態であることを踏まえて、地方税法第十五条第一項による徴収猶予を特例制度と同等の条件で適用するなど柔軟に活用し、納税者へきめ細かく対応しているとのことであります。
 主税局からいただいた決算資料では、令和二年度の徴収猶予額は四百九十八億円で、前年度の十七億円から大幅に増加しており、コロナの影響は極めて深刻な状況にあることがはっきりとしております。
 そこで、新型コロナウイルス感染症に係る徴収猶予制度の令和二年度と令和元年度との適用件数について、それぞれ伺います。

○菊澤徴収部長 新型コロナウイルス感染症に係る徴収猶予の令和二年度の適用件数は一万七千九百三十三件、これに対しまして、令和元年度の適用件数は二百八十八件でございまして、大幅に増加しております。

○たかく委員 二百八十八件から一万七千九百三十三件と、大幅な増加とのことであります。
 現時点でも、このコロナの影響を受けている事業者、また、個人の方もたくさんいらっしゃるわけであります。
 そういった意味から、徴収猶予の期間が終了する際には、きめ細やかな対応が必要と考えますが、どのように対応しているのか伺います。

○菊澤徴収部長 徴収猶予期間終了のおおむね一か月前までには、文書等で期限をお知らせいたしますとともに、納税が困難な場合には、都税事務所にご相談いただくよう案内をしております。
 多くの場合で猶予期間終了までに納税されていますが、事業の状況が改善しないなどの理由で納税についてのご相談があった場合には、分割による計画的な納税や、場合によっては、徴収猶予の延長など、状況に応じた様々な対応について助言をしております。

○たかく委員 私の下にも、やはり納税者の方から本当に切実なお声もいただいております。
 納税者の置かれた状況は千差万別であり、分割納税であるとか、また、徴収猶予の延長などを含めて状況を把握した上でのきめ細かい対応を求めたいと思います。
 次に、不燃化特区支援税制について伺います。
 この政策税制は、公平、中立、簡素という税の基本原則の例外として設けられるものであります。不燃化特区支援税制もその例外となります。
 東京都の地震被害を増大させる火種となっている木造住宅密集地域、いわゆる木密地域では、今も都内に約八千六百ヘクタール残っており、東京都の防災面でも長年の課題となっております。
 東京都では、二〇一二年から、地元区の申請に応じて、東京都が指定した範囲で老朽木造住宅への除却、建て替え費用助成や、税制優遇などを実施する不燃化特区制度をスタートしました。二〇二〇年までに不燃領域率を全五十三地区で七〇%に引き上げる目標を掲げて進めてきましたが、ほとんどの地区が未達成で、今年度から五年間の延長に入りました。
 まず、不燃化特区支援税制の創設目的、また、その概要についてお伺いいたします。

○丹羽税制部長 不燃化特区支援税制は、木造住宅密集地域のうち、特に重点的、集中的に改善を図るべき地域の不燃化を税制面から支援するため、平成二十五年度に創設したものでございます。
 概要についてでございますが、不燃化特区内において建て替えを行った住宅について、固定資産税及び都市計画税を五年度分全額減免するものでございます。
 また、不燃化特区内において、老朽住宅を除却し、その跡地が適正に管理されていると区が証明した土地について、固定資産税及び都市計画税を五年度分、税額の八割を減免するものでございます。
 本制度は昨年度に延長し、適用期限は令和八年三月末までとなっております。

○たかく委員 私の地元世田谷区でも、多くの木密地域、不燃化特区地域があります。区役所周辺地区であるとか、三宿・太子堂地区、北沢三、四丁目地区など、多くの地区がこの不燃化特区に指定されておりまして、ここでは、専門家の派遣による建て替えや除却の個別相談など細かく行っております。
 その結果、今、三宿・太子堂地区では不燃領域率が七〇%を超えておりますが、ほかの地域では、まだまだ目標達成ができないまま、今年この延長を迎えることになった次第です。
 ここで、不燃化特区支援税制のこれまでの実績及び政策効果について伺います。

○丹羽税制部長 不燃化特区支援税制の制度創設から令和二年度までの累計の実績は、決算ベースで、建て替えにつきましては、延べ八千六百五十三件、約十億円を減免、老朽住宅の除却につきましては、延べ五百九十件、約一億円を減免しております。
 不燃化特区支援税制は、税を減免することにより、不燃化に向けた取組へのインセンティブとなるとともに、助成事業などとの相乗効果、アナウンスメント効果によって、不燃化の促進に寄与しており、一定の役割を果たしてきたものと認識しております。

○たかく委員 私も、事前にいただいた資料を分析してみますと、減免の件数や金額は若干増加傾向にもあるようです。しかし、まだまだ目標には未達成であり、さらなる取組が必要と考えます。
 そこで、不燃化特区支援税制の周知について、今後の主税局としての取組についての見解を伺います。

○辻谷資産税部長 木造住宅密集地域の不燃化を推進するためには、不燃化特区支援税制を、より広く、分かりやすく周知していくことが重要であると認識しております。
 このため、主税局では、ホームページや「あなたと都税」など都の広報媒体を活用するとともに、減免制度についてのチラシを作成し、区の事業所管課の窓口や個別相談会で配布していただくなど、対象となる方に必要な情報が届けられるよう、今後とも、区と連携してきめ細かい周知に努めてまいります。

○たかく委員 期限となる令和八年三月末まで、地域の不燃化が進むように関係部署と連携して進めていただきたいことを求めて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、固定資産課税台帳を活用した情報提供制度について伺います。
 近年、全国的な人口減少、また、既存の住宅、建物の老朽化、社会的ニーズの変化等に伴い、居住や使用のなされていない状態の空き家等が増加しております。そのような空き家等の中には、適切な管理がなされていないことから、防災、衛生、景観等の地域の生活環境に深刻な影響を及ぼしているものもあり、社会的な問題にもなっております。
 私の地元世田谷区でも、空き家になっている住宅が老朽化となって危険な状況となるものの、所有者との連絡がなかなか取れず、地域の安全確保のために困っている等、相談もいただいたことがあります。
 そういったことを受けて、平成二十六年に議員立法により空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家法が成立いたしました。
 この空き家対策における固定資産税情報の活用については、この特別措置法では、氏名その他の空き家等の所有者等に関するものは、地方税法第二十二条の守秘義務に抵触することなく、内部利用可能になったものであります。
 登記簿上の所有者が死亡している場合や引っ越し等により現住所が登記簿に登録されている住所と異なる場合、空き家対策を進める特別区においては、都税事務所が把握している固定資産税の納税通知書の送付先等の情報提供は非常に有効なものと考えます。
 そこでお聞きします。
 都税事務所では、このような場合、どのように情報を把握しているのか、また、その情報は特別区に提供されているのかどうか伺います。

○辻谷資産税部長 地方税法では、固定資産税は賦課期日である一月一日現在、登記簿上に登記されている者を納税義務者として課税するが、その所有者が死亡している場合は、相続人等の現に所有する者に課税すると規定されております。
 都税事務所において、固定資産の所有者の死亡の事実を把握した際には、この規定に基づき、戸籍謄本や住民票の調査を行い、相続人等を特定して、固定資産課税台帳に納税義務者として登録し、納税通知書を送付しております。
 また、納税義務者が転居したことなどにより、納税通知書を送付しても送達されず、都税事務所に返戻された場合には、住民票調査や現地調査などにより所在を確認し、送付し直しております。
 空家等対策の推進に関する特別措置法によれば、こうした納税義務者として登録されている相続人等や転居後の送付先の情報も、法の施行のために必要な限度において、都知事から特別区の区長に情報提供するものとされており、特別区からの要請に基づき、速やかに情報提供を行っております。

○たかく委員 法の施行のために必要な限度において、特別区からの依頼に基づき、情報提供が行われているとのことであります。
 空家法施行後、特別区への情報提供は、それでは、どの程度行われてきたのか、実績を伺います。

○辻谷資産税部長 空家等対策の推進に関する特別措置法が施行された平成二十七年二月二十六日から令和二年度末までに、特別区からの依頼に基づき、約一万五千件の情報提供を行っております。

○たかく委員 総務省によります住宅・土地統計調査によりますと、空き家の総数はこの二十年間で一・五倍に増えているとのことであります。
 適切な管理が行われていない空き家等は、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしております。地域住民の生命、身体、財産の保護、そして、生活環境の保全、空き家等の活用のために対応が必要として、平成二十六年にこの特別措置法が成立いたしました。
 引き続き、東京都、また、特別区での情報を共有していただき、空き家対策を進めていただくことを求めて、質問を終わらせていただきます。

○五十嵐委員 毎年年末になると、ふるさと納税のCMが増えたりとか、また、十二月末が締切りということから、ふるさと納税の利用者が毎年年末になると増えます。
 そこで、令和二年度のふるさと納税の全国の受入額は約六千七百二十五億円で、前年度比一・四倍です。受入件数は約三千四百八十九万件で、前年度比一・五倍の件数となっております。
 令和三年度は、コロナ禍ということもあって、人々が自宅で過ごす時間が増えて、インターネット通販と同じように、オンラインなどでふるさと納税を申し込むことができるなどのことから、令和三年度についても、受入額や受入れ件数は最大となるものといわれております。
 そこで、私は、ふるさと納税と東京都の課題についてお伺いします。
 ふるさと納税は、平成二十年度税制改正により創設をされています。ふるさと納税とは、二千円を超える部分について、一定の上限内を原則として所得税と個人住民税から全額が控除される仕組みです。
 ふるさと納税の趣旨ですけれども、総務省によりますと、ふるさとやお世話になった地方団体に感謝し、もしくは応援する気持ちを伝え、または税の使い道を自らの意思で決めることを可能とすることとなっております。
 しかし、寄附をするそのふるさとやお世話になった地方団体については明確な基準がないことから、自治体間での返礼品の競争が激化をしております。
 実際に、高知県の奈半利町というところでは、ふるさと納税で、その前は三億円の寄附金収入しかなかったものが、ふるさと納税を利用して三十九億円にまで増えたというところもあります。ただ、その奈半利町では、返礼品の業者に職員が賄賂をもらって、贈収賄などをしていたということで、その後、逮捕、起訴されたという事件もございます。
 平成三十一年度の税制改革により、ふるさと納税制度が見直されて、総務省が、ふるさと納税の対象として指定するという新たな制度が創設されています。例えば、返礼品の割合を三割以下にするとか、地場産品に返礼品を限るとか、そういうような基準ができています。
 平成三十一年度から始まった新しいこの指定制度は、地方自治体のそれぞれの自主的な申出により行われています。
 しかし、東京都は、この新しい制度が始まって以降、一度も総務省に対する指定を受けるための申出を行っておりません。令和元年度と令和二年度、令和三年度も一度も申出を行っておりません。
 全国では、自主的に申出を行っていない自治体は、東京都と、先ほど高知県で問題となった奈半利町の二つだけということになっております。
 そこでまず、東京都がふるさと納税制度への参加の申出を行わなかった理由について伺います。

○丹羽税制部長 ふるさと納税は、個人がふるさとやお世話になった地方自治体を応援する仕組みとして創設された制度でございますが、より多くの寄附金を集めるための返礼品競争が続いており、寄附本来の趣旨を促す制度となっていないものと受け止めております。
 また、居住地ではない地方自治体への寄附により、自らが居住する地方自治体の住民税から控除を受ける仕組みとなっているため、受益と負担という地方税の原則に照らしても適当ではないと考えております。
 加えて、所得に応じて控除額の上限も高くなる仕組みとなっているため、返礼品と相まって、高所得者ほどふるさと納税を事実上の節税対策として活用することが可能であり、公平性の観点からも問題があると考えております。
 こうした理由から、都は、ふるさと納税について、寄附本来の趣旨等を踏まえた見直しを行うよう国に要求しているほか、令和元年六月に導入されたふるさと納税の対象となる自治体を指定する制度にも当初から申出を行っておりません。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 そもそも、もともと東京都自体に対する寄附金の額は少なかったということで、東京都自体が寄附の対象となるよう申出を行っていなくても、そのこと自体による影響はあまりなかったようですけれども、結局、都内の全部の市区町村全て、ふるさと納税の対象の自治体団体となっていることから、東京都への都民税を含む税収に関する影響はとても大きくなっております。
 令和二年度の東京都でのふるさと納税の住民税の控除額は約八百五十九億円になっています。ふるさと納税を利用したことによる都内に対する寄附の受入額は四十六億円ですけれども、その差額は八百十二億円の控除というか、減収ということになっております。
 そこで、東京都及び都内市区町村における令和三年度のふるさと納税による市民税の控除額の見込みを伺います。

○丹羽税制部長 総務省の調査によりますと、ふるさと納税に係る寄附金税額控除額は、令和三年度において、東京都分が約四百三十二億円、都内区市町村分が約六百四十七億円、合わせて約一千七十九億円となっております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。令和二年度は約八百五十九億円から、令和三年度には都内だけで千七十九億円の住民税の控除額見込みとのことでございます。
 都内だけで見ると、令和二年度は、一旦は控除額分は減っているものの、都内全体で見れば、その控除額は年々増えているといえます。
 国は、ふるさと納税による減収について地方交付税交付金として七五%を補填する仕組みを導入しています。しかし、二十三区と不交付団体には交付をされておりません。東京都内でいえば、二十三区と六つの市が不交付団体となっております。
 それにより、都内において、一部の地方交付税交付団体は減収分の七五%を補填されていますけれども、その多くが補填されていないということから、東京都に対する税収の控除額の影響というものはとても大きくなっております。
 私の選挙区である武蔵野市も交付金の不交付団体であり、控除額丸々の住民税が流出しているといえます。
 武蔵野市も、ふるさと納税が導入された当初は、返礼品競争をあおるということで批判をして、ふるさと納税の制度には参入していなかったんですけれども、二〇一九年十月から、方針を転換して導入することとなっております。
 武蔵野市だけでいいますと、令和二年度は、ふるさと納税による寄附の受入額が約一億八百五十八万円あるんですけれども、出ていってしまう控除の額が七億五千六百三十七万円あり、差額の六億四千七百七十八万円の住民税が武蔵野以外に出ていっているということになります。
 しかも、総務省の現況調査を見ますと、寄附で入った受入額のうち四五・一%が返礼品の調達費用や送付の費用や広報や決済の手続費用だったり事務費用などで使われているということです。武蔵野市でも、市の職員だけでふるさと納税事務を行うことは難しいため、一部を民間の業者に委託をしていますので、受入額の一部について民間業者に支払っているという状況です。
 確かに、ふるさと納税を利用したメリットを受ける自治体もあるとのことです。地方においては多くの団体が、税収が増えているところもありますし、都市部の地方への関心を集めてお金の移動もありますし、返礼品の提供を巡って自治体や事業者の創意工夫があるところもあります。実際に、東日本大震災や熊本地震の災害時では、ふるさと納税を利用して多くの寄附が集まったと聞いております。
 ただ、都内の多くは住民税の控除額がとても大きくて、億を超える減収が都内で発生しているということです。
 ふるさと納税については、平成二十七年から控除額の上限が一割から二割に引き上げられるとともに、確定申告をしない給与所得者を対象とするワンストップ特例制度も導入されております。そのワンストップ特例制度の導入によって、さらに自治体の負担が大きくなっていると聞いております。
 東京都に伺います。
 ワンストップ特例制度の、まず、仕組みと、平成二十七年度のワンストップ特例制度の導入により、国と地方、財源の負担はどのように変わったのかについて伺います。

○丹羽税制部長 ふるさと納税ワンストップ特例制度は、ふるさと納税先団体数が五団体以下の場合等に限り、寄附先の団体に申請することによって、確定申告することなく寄附金控除を受けられる特例的な仕組みでございます。
 本特例を活用した寄附については、国税である所得税から控除されていた税額が、居住地の地方自治体の住民税から控除されることになりました。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 ワンストップ特例制度を使わなければ、本来は所得税から控除されるべき分が、ワンストップ特例制度を使うことによって、その自治体の住民税より控除されているとのことでございました。その額は都内で約六十四億円でございます。
 この規模なんですけれども、例えば、今年の八月十七日の補正予算では、百三十床の酸素ステーションを都民の城につくるときに四十億円の予算を計上していますので、小さくない予算がワンストップ特例制度を利用することによってなくなっているということが分かります。
 個人住民税というのは、地域社会の費用の負担を住民が分かち合う地域社会の会費的な性格を有するもので、地域の住民サービスを支える基幹税としての役割を果たしているものでございます。
 東京都内の人口を考慮しましても、昨年は一時的にコロナ禍ということもあって減ったということもあるようですけれども、やっぱりコロナが収まってくれば、都内に入ってくる人口はますます増える。ただ、その一方で、ふるさと納税を利用する人が増えれば、どんどんその住民税などの控除額が増えていくということで、東京都にとってはますます負担が大きくなるものと思います。
 先ほどご説明ございました令和三年十月二十二日、東京都の税制調査会の答申でも、ふるさと納税について抜本的な見直しが必要だと求められております。
 ふるさと納税については、高額納税者であれば何百か所でも寄附が可能であるため、高額所得者ほど多くの返礼品を受け取ることができて、高額所得者ほど事実上の節税対策が大きいともいわれております。例えば、独身または共働きの年収五百万の世帯がふるさと納税を受けようとしますと、控除の上限が六万一千円でございますけれども、同じような家庭で、年収二千万の、四倍の年収を稼いでいる場合には、その控除の上限額は五十六万四千円となり、年収が高い方が約九倍もの控除が、たくさん受けられるということになっております。この点についても問題があると考えております。
 東京都は、先ほどふるさと納税制度について問題があるというふうにおっしゃっていましたけれども、いつからそのような問題があると認識をして、国に対して、どのような要望を行ってきたのかについて伺います。

○丹羽税制部長 東京都は、ふるさと納税制度が創設された平成二十年度当時から、当時の石原東京都知事が税の原則に反している点などを繰り返し訴えるほか、全国知事会における地方税制の議論の場においても、行政サービスとの受益関係で課税されている住民税の性格上、問題があること等を主張してまいりました。
 また、平成二十七年度からは、ふるさと納税ワンストップ特例制度に伴う地方自治体の税収減に対する財源措置について、令和元年度からは、ふるさと納税制度の見直しについて、国に要求しております。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 税制調査会による答申も出ているところでございますけれども、やはり抜本的な見直しということで、引き続き、適正なふるさと納税の制度の実施を求めていってほしいと思います。
 ちなみになんですけど、ふるさと納税の見直しについては、東京都としては、例えばどのような制度があると考えられているか伺います。

○丹羽税制部長 ふるさと納税制度の見直しには様々な手法が考えられますが、一例を申し上げますと、現行、所得割額の二割とされている控除限度額を引き下げるといった方法や、現行二千円となっている控除対象外となる適用下限額を引き上げるといった方法、現行三割以下とされている寄附額に対する返礼割合を引き下げるといった方法などが考えられます。

○五十嵐委員 ありがとうございます。
 先ほど、東京都は、ふるさと納税制度について問題があるという認識から、ふるさと納税の対象となる自治体への申込みというか、申請はしていないというお話があったんですけれども、都内の市区町村においても、先ほど、武蔵野市が当初反対していたけれども、やはり乗らざるを得なくなって二〇一九年から始めたというお話をさせていただいたように、都内でも、本当は反対をしているんだけれども、ほかの自治体とかも、制度としてある以上、やらざるを得ないということがあるようです。
 区長会の会長からも見直すよう声明が出されていますし、例えば、中野区のホームページを見てみましたところ、ホームページのふるさと納税を紹介するページのところで、ふるさと納税は中野区へというふうに広報する一方で、区民に対して、そのふるさと納税、もう少し考えてみませんかということで、誘いながら利用を抑制することを呼びかけるといったような、ちょっと矛盾するような状態が起きてしまっていることも問題だと思います。
 東京都自体が指定団体ではないものの、住民税の控除額の適用状況は、先ほどもご答弁いただきましたけれども、令和三年の課税で千七十九億円でございます。これは全国でも一位なんですけれども、二位は神奈川県で四百五十三億円でございますので、東京都は二位の神奈川県の二倍もの住民税の控除額の状態が発生しているということでございます。
 令和三年度課税における市区町村別の控除額の多い団体というのが二十位、総務省より発表されているんですけれども、そのうちの八つが東京都の市区町村となっており、やはり東京都内の市区町村での住民税の控除というものがとても大きくて、それによる東京都の税収への影響が非常に大きいとなっております。
 こうした、東京都が国に対して先頭に立って、引き続きふるさと納税を見直してもらえるように求めまして、私の質問を終わります。

○三宅委員 私からは、個人住民税、そして事業所税についてお伺いしたいと思います。
 まず、個人住民税についてですが、その歴史をひもとくと、戦後の昭和二十五年、シャウプ勧告を経て制定された地方税法に直接の起源があります。さらに遡れば、明治十一年に制定された地方税規則で創設された戸数割にたどり着くなど、極めて長い歴史を持つ税となっています。
 税収面から見ましても、全国の地方税の約三割、都税収の約二割を占めているなど、地方税の中で代表的な税であるといえると思います。
 そこでまず、確認の意味も込めまして、個人住民税の概要と課税の趣旨についてお伺いいたします。

○丹羽税制部長 個人住民税は、一月一日に住所を有する個人に対し、当該住所地の地方公共団体が課する税であり、地方自治体の住民が地域社会の経費を分担し合うべきという負担分任の考え方に基づき課税しております。
 個人住民税には、非課税限度額を上回るものに定額の負担を求める均等割、納税義務者の所得金額に応じて負担を求める所得割のほか、金融所得である利子、配当、株式等の譲渡所得に対して課する利子割、配当割、株式等譲渡所得割がございます。

○三宅委員 一口に個人住民税といいましても、定額で課される均等割、所得に応じて課される所得割、利子や配当、株式等の譲渡益に課されるいわゆる金融所得課税により構成されているということですが、その中でも、とりわけ都民に最もなじみ深く、同時に負担感があるのが所得割ではないかと思います。
 所得割は、所得に応じて課される点で国税である所得税と混同されることも多く、所得税との具体的な違いまではあまり知られていないものと思います。
 そこで、税額算出における個人住民税の所得割と所得税の主な違いをお伺いいたします。

○丹羽税制部長 税額算出過程における個人住民税の所得割と所得税の主な違いは、所得控除の額と税率でございます。
 所得控除の額につきましては、扶養控除などの人的控除の金額が、地域社会の会費という個人住民税の基本的性格から、所得税よりも低く設定されております。
 税率については、個人住民税の所得割が、負担分任の性格を明確にするなどの観点から、都道府県分と区市町村分を合わせて一律一〇%の比例税率となっているのに対し、所得税は、所得の大きさに応じた負担を求める観点から、五%から四五%の累進税率となっております。

○三宅委員 個人住民税の所得割は、控除の額が所得税よりも低く設定されているとのことです。このことは、所得税が課されない方でも個人住民税が課される方がいるということであり、個人住民税の方が所得税よりも多くの方に負担していただいているということになります。
 さらに、税率が一律一〇%である点も踏まえると、個人住民税は、広く薄く負担を求める構造になっているということが分かります。
 そこで、都税である個人都民税については、納税義務者の数と、都の人口全体に対する割合がどのようになっているのかお伺いいたします。

○丹羽税制部長 令和二年度市町村税課税状況等の調によりますと、令和二年度の個人都民税の納税義務者の数は約七百六十万人でございます。
 また、住民基本台帳によりますと、令和二年一月一日現在における都の人口は約一千三百八十万人であり、都の人口全体に占める個人都民税の納税義務者の割合は約五五%でございます。

○三宅委員 先ほど、個人住民税が、広く薄く負担を求める税であると申し上げましたが、個人都民税が課される方は都民全体の五五%とのことであり、少ないように思われるかもしれません。
 しかしながら、課税されていない方の中には、児童や生徒などのほか、扶養されている配偶者や高齢者なども含まれています。
 こうした点を踏まえれば、個人住民税は、五五%という数字以上に多くの都民が関わりを持っているということを改めて確認することができたと思います。
 続いて、事業所税について伺います。
 事業所税は、先ほどの個人住民税と異なり、昭和五十年の創設であり、税の世界では極めて新しい税といえると思います。
 そこで、事業所税についても、確認の意味を込めまして、その概要及び課税の趣旨についてお伺いいたします。

○丹羽税制部長 事業所税は、人口三十万人以上の都市等が都市環境整備等に必要な財源を確保するため、事業所等において事業を行う者に対して課する目的税でございます。
 事業所税は市町村税ですけれども、特別区内におきましては、都税として都が賦課徴収を行っており、事業所等の床面積に応じて課する資産割と、従業者数に応じて課する従業者割がございます。

○三宅委員 事業所税が創設された当時は、大都市に人口や企業が著しく集中し、交通の混雑や居住環境の悪化、地価の高騰などが社会問題となっており、都市環境の整備のための財源が求められていたという背景があります。
 しかしながら、経済団体などからは、事業所税は、新規開業や事業所の立地などを阻害し、賃上げを抑制するとして、廃止すべきとの声も根強いものがあります。こうした声が大きいことは、それだけ事業所税の負担が大きいことの裏返しであると、そのように思います。
 企業にとって、所得にかかわらず課される事業所税は、いわば固定費であり、所得に応じて課される法人税などと比べても負担感が大きいものと思います。
 そこで、事業所税を負担する事業者となる具体的な基準についてお伺いいたします。

○丹羽税制部長 事業所税の資産割は、二十三区内全域の事業所等の床面積の合計が一千平方メートルを超える規模で事業を行う法人または個人に対して課税するものでございます。
 また、従業者割は、二十三区内全域の事業所等の従業者数の合計が百人を超える規模で事業を行う法人または個人に対して課税するものでございます。

○三宅委員 事業所税の課税対象になる基準は、床面積であれば、二十三区の床面積の合計一千平方メートル超とのことであり、必ずしも資金力が豊富な大企業だけが課されているわけではございません。
 また、ボウリング場や複数店舗を展開する飲食店など、コロナ禍で大きく影響を被った事業所も対象となるなど、幅広く課されています。
 足元の感染状況は、ワクチン接種をはじめとした対策により落ち着きを見せているものの、これまでの新型コロナウイルス感染症は、企業経営に甚大な影響を及ぼすとともに、多くの都民が所得の減少や雇用環境の悪化に苦しんできたものと思います。
 我々都議会自民党は、こうした都民の生活や企業経営を支援する観点から、都民負担を広く軽減できる個人都民税の減税と、企業にとって負担感が大きい事業所税の減税を提案してまいりました。
 現在、感染症はいわば小康状態にあり、感染防止対策を講じた上で経済をしっかりと回し、確実に今後の成長につなげていくことが重要であると思います。
 一方で、欧州では感染が再拡大する傾向が見られており、我が国におきましても、今後の再拡大、いわゆる第六波に向け、医療提供体制の整備など確実な備えをしていかなければならないと思います。仮に、感染が今年の夏のように再拡大した場合、都民生活や経済活動に及ぼす影響は甚大なものになると思います。
 都においては、そうした事態になった場合でも、都民の方々が安心した生活を継続できるよう、平時ともいえる現在のうちから、減税を含むあらゆる手段を活用した対応策を検討するよう要望しまして、質問を終わります。

○山加委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山加委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後五時十二分散会

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