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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第四号

令和三年三月十六日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長加藤 雅之君
副委員長清水 孝治君
副委員長山内  晃君
理事伊藤しょうこう君
理事池川 友一君
理事入江のぶこ君
西郷あゆ美君
小林 健二君
大松あきら君
本橋ひろたか君
清水ひで子君
成清梨沙子君
森村 隆行君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
主税局局長砥出 欣典君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務川上 秀一君
税制部長丹羽恵玲奈君
税制調査担当部長長田  稔君
調整担当部長辻谷 久雄君
課税部長萱場 明子君
資産税部長池田 美英君
徴収部長菊澤 道生君
特別滞納整理担当部長蓮沼 正史君
会計管理局局長佐藤  敦君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務副島  建君
警察・消防出納部長磯貝  宏君
会計制度担当部長筒井 宏守君

本日の会議に付した事件
会計管理局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中、歳出 会計管理局所管分
主税局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為 主税局所管分
・第三号議案 令和三年度東京都地方消費税清算会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第三十六号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・令和三年度地方税制の改正について
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
(1)二第一一号
(2)二第一二号
(3)二第一三号
(4)二第一四号
(5)二第一五号
(6)二第一六号
(7)二第一七号
(8)二第一八号
(9)二第一九号
(10)二第二〇号
(11)二第二一号
(12)二第二二号
(13)二第二三号
(14)二第二四号
(15)二第二五号
(16)二第二六号
(17)二第二七号
(18)二第二八号
(19)二第二九号
(20)二第三〇号
(21)二第三一号
(22)二第三二号
(23)二第三三号
(24)二第三四号
(25)二第三五号
(26)二第三六号
(27)二第三七号
(28)二第三八号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
(29)二第九七号
(30)二第九八号
(31)二第九九号
(32)二第一〇〇号
(33)二第一〇一号
(34)二第一〇二号
(35)二第一〇三号
(36)二第一〇四号
(37)二第一〇五号
(38)二第一〇六号
(39)二第一〇七号
(40)二第一〇八号
(41)二第一〇九号
(42)二第一一〇号
(43)二第一一一号
(44)二第一一二号
(45)二第一一三号
(46)二第一一四号
(47)二第一一五号
(48)二第一一七号
(49)二第一一八号

○加藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 令和三年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
     
令和三年三月十二日
東京都議会議長 石川 良一
財政委員長 加藤 雅之殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十二日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十八日(木)午後五時
     
(別紙1)
財政委員会
 第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中
        予算総則歳入
        歳出
        債務負担行為
        都債 財政委員会所管分
 第三号議案 令和三年度東京都地方消費税清算会計予算
 第十五号議案 令和三年度東京都用地会計予算
 第十六号議案 令和三年度東京都公債費会計予算
 第百一号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
         予算総則
         歳入
         歳出−財政委員会所管分
     
(別紙2省略)

○加藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局及び主税局関係の予算の調査並びに主税局関係の付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○清水(孝)委員 それでは、よろしくお願いしたいと思います。
 私からは、新公会計制度について何点か伺いたいと思います。
 本議会は予算の議会でございますが、長引くコロナ禍ゆえ、やはり東京都のみならず、都内の自治体の予算編成及び財政状況は非常に厳しいんじゃないかと、これは容易に推察できるわけでございます。
 一方、この新公会計は、資産、債務管理や予算編成、行政評価に有効活用することでマネジメントが強化されるんだと、その結果、財政の効率化や適正化につながるんだとされております。
 私は思うんですけど、今、再び東京都が始めましたこの新公会計制度にスポットが当てられる日が来ているのではないかと思うわけでございまして、東京都は、今からさかのぼるところ十五年前の平成十八年に、この新公会計制度を創設いたしまして、これ我が国で初めての複式簿記、そして、発生主義会計を導入したということでございます。私も当時、市議会から都議会に移りまして、初めて所属した委員会が当委員会でございまして、その初めての質問が、たしかこの新公会計制度についてだったと記憶しているわけでございます。
 そこでお伺いしたいんですが、その質問した当時、平成二十六年、平成二十五年度なんですが、東京都方式を採用している都内自治体は、町田市と江戸川区の二つでございましたが、現在、この都方式を導入している都内自治体は、どの程度ふえたのかお伺いしたいと思います。
 また、その後、総務省により整備されました、統一的な基準の新公会計制度が導入されているわけでございますが、その導入状況についてもあわせてお伺いしたいと思います。

○筒井会計制度担当部長 現時点におきまして、都内全ての自治体が、都方式または総務省による統一的な基準のいずれかによりまして新公会計制度を導入済みでございます。
 内訳を申し上げますと、都方式が十団体、統一的な基準が五十二団体でございまして、都方式を採用している自治体は、中央区、品川区、世田谷区、渋谷区、荒川区、板橋区、江戸川区、八王子市、町田市、福生市でございます。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。都内六十二団体全てが新公会計制度を導入されたというふうなことでございます。
 しかしながら、この都方式、当時から比べると、八団体ふえて十団体になったということでございますが、統一的な基準、つまり総務省方式の方がかなり優勢なのかなというふうな感じがしておりますと同時に、私の地元の立川市も、これはしっかりせにゃいかぬなというふうに思っている次第でございます。
 と申しますのは、私は以前から、総務省方式よりもこの都方式の方がすぐれているんじゃないかと。特にどの部分かといいますと、この税収を仕入れとみなして取り扱って、行政コスト計算書に計上することによって、年度単位の収支を把握することができる、そのことによって、この自治体間の財政状況の比較検討ができるんだということで、私は、これは都方式を都内自治体に普及すべきとこれまで主張してきたわけでございます。
 しかしながら、現状は、ただいまのご答弁のとおりでございまして、この件を会計学の著名な専門家の論文の言葉をかりますと、都方式はそれほどの広がりは見せなかったと表現されちゃっているんですね。
 じくじたるものでございますが、そこで、何でこの都方式、伸びていかなかったのか、この原因は何なのか、都はどう認識されているのかお伺いしたいと思います。

○筒井会計制度担当部長 東京都が新公会計制度の導入を発表したのは、平成十八年度でございました。
 その後、平成二十七年の一月に総務省が、統一的な基準により財務諸表の作成公表を平成二十九年度末までに行うように、全自治体に要請をしたところでございます。その中で、日々仕訳を前提として、企業会計により近く、活用しやすい都方式について、趣旨に賛同した団体が先行的に採用いただいた一方、比較的多くの自治体は、日々仕訳を義務とはせずに、組みかえも許容するなど、より簡便な方法をとる統一的な基準を採用したものではないかと推測しております。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。ご丁寧に説明していただいたのかなと思います。
 振り返りますと、先行する東京都方式が整備されたのは平成十八年と申し上げましたが、当時はこれ、国の財政制度等審議会においても、システムの整備に当たっては東京都の事例を参考にすべきとの指摘がされていたほど、やはり東京都方式は優位であったというふうなことなんです。
 しかしながら、今ご答弁ありましたように、より簡便な方法を採用するんだというふうなことによって、統一的な基準に多くの自治体の採用が傾いてしまったことは、私は、新公会計制度の意義を再考いたしますと、釈然としない気持ちを持つものでございます。
 このように、当初は、都方式と、総務省方式も二つあったわけですが、都方式と二つの総務省方式が存在し、覇権をある意味、争っていたわけでございます。その後、国は、統一的基準を公表して、そして、地方自治体に統一的な基準に基づく財務諸表類の公表を要請いたしまして、今日に至ったわけでございます。
 現在、国との間で、この件につきましてどのような協議がなされているのか、新公会計制度における協議の状況についてお伺いしたいと思います。

○筒井会計制度担当部長 都は、総務省が主催する地方公会計の推進に関する研究会に構成員として参加するなどして協議を実施しております。
 こうした場において、東京都は、制度の活用を進めるべく、具体的な活用方法等を他参加自治体とともに協議するほか、先行導入のノウハウをもとに、統一的な基準の制度の改善に向けた提案を実施しているところでございます。

○清水(孝)委員 ありがとうございます。
 現在は、この新公会計制度の活用を進めていっていただいているというふうなことで、これ、あれですよね、部長、都方式も、あるいは、その総務省方式も関係なくというふうなことで、共通した認識で活用を支援していただいているんだというふうなことだと思うわけでございますが、確かに、繰り返しになりますけど、都方式が導入されてからもう十五年たつわけでございまして、これはもう、もはやこの新公会計制度につきましては、国と都の方式の違いを超えて新たなステージに入ってきているんじゃないかなと、何となく私も感じていたわけでございます。
 そこでなんですが、これまで新公会計制度では、総務省方式よりも都方式の普及、導入の一点張りで私も主張してきたわけですが、ここで新公会計制度の目的を考えますと、統一的な基準と共存共栄路線も模索していくべきではないかと、今、思っているわけでございますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。

○筒井会計制度担当部長 新公会計制度の導入の目的は、企業会計の視点を取り入れることにより、自治体の効果的、効率的な財政運営に資することと考えております。
 統一的な基準につきましては、税収を純資産として計上するため、行政コスト計算書上で収支の見え方に違いがあるなど、都方式とは一定の違いはあるものの、固定資産台帳を備え、複式簿記発生主義を採用することなど、都が新公会計制度により実現を図った制度の基本的な要素については整備されたものと考えてございます。
 こうしたことを踏まえまして、都としては、新公会計制度の財政運営への活用を推進するよう、都方式を採用する団体と連携しつつ、また、都内において統一的な基準を採用する団体とも情報提供や自治体間比較等に向けた共同研究を行い、事務スキルの向上や制度の推進を図ってまいりたいと考えております。

○清水(孝)委員 明快なご答弁をいただいたと思うわけでございます。
 今ご答弁の中で、固定資産台帳の件が触れられておりました。これは新公会計制度を導入する過程で、これはある意味副産物といたしまして、固定資産台帳の整備がされることが挙げられているわけでございます。
 しかしながら、この作成負担が当初自治体に大変重たくのしかかりまして、公表までに時間かかるというのが実務上の問題であったそうでございます。それに加えまして、実際にこの建物の耐用年数と合わない財務省令によって、償却の年数などが合わないとかいう、そういった制度上の課題もあったやに聞いているわけでございます。
 そういった幾つかの課題がある中で、全国で一番大きくて複雑な財政を抱えているこの東京都が、率先垂範、まさにやってみせたことが、他の自治体のこの新公会計制度導入に当たり、勇気を与えたものだと私は思っているわけでありまして、制度の違いはあれど、統一的な基準を導入している自治体に対しても、ぜひ都がリーダーシップを発揮していただきまして、そして、支援してもらいまして、都内の自治体の健全な財政運営に寄与していただきたいなというふうな思いがしているわけでございます。
 これまで、新公会計制度の導入状況について質問をしてまいりましたが、振り返れば、都は、平成十一年−−十八年に創設、導入でございましたが、もう十一年に検討されているんですね。平成十一年に機能するバランスシートと題しまして、当時の石原都知事の方針として、公会計制度の改革を進めてきたと聞いております。
 制度が導入されても、前述のタイトルのとおり、機能することが重要でございまして、しなければ、まさに画餅に帰することになってしまうというふうなことであります。
 まして、我が国で進められてきました公会計改革は、ニューパブリックマネジメント改革の一環として、欧米の動きに追従してきた側面があるそうでございまして、したがって、国も地方も便宜的で中途半端な状態で進められてきたなんていう専門家の指摘もあるそうでございます。
 そこで、改めてお伺いしたいと思うんですが、新公会計制度の導入の意義を大別すれば、これは、一つは住民に対する説明責任と、そして、あわせて財務状況から成る職員の意識改革から成るものだと思います。都庁の現場で真に活用できる新公会計制度にするため、会計管理局は、どのような取り組みを行っているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○筒井会計制度担当部長 会計管理局では、各局が財務諸表により得られる行政コストやストックの情報を分析し、事業運営に活用できるよう、事業別の財務諸表の作成とそれを活用した事務事業の検証等に対する支援を行っております。
 職員個々に対しましては、各種研修や説明会、日ごろの情報発信を通じまして、財務諸表の作成に必要な知識、技能の習得を支えております。
 また、財務会計システムの改修によりまして、事業別財務諸表作成の効率化を図り、作成、分析が容易にできるようにも取り組んでおります。
 加えて、他自治体の先進活用事例の紹介などを通じ、分析の視点であるとか、手法であるとか、そういったものの参考になるように情報発信を行っているところでございます。
 今後とも、制度導入の趣旨が発揮されるように取り組んでまいりたいと思っております。

○清水(孝)委員 ありがとうございました。ぜひ新公会計制度の活用効果につながるよう、各局の、特にそれぞれ経理部門を持っていらっしゃると思いますので、そこに対する支援を引き続きお願いしたいと思います。
 さて、今回の質問に当たりまして、改めて会計管理局の成果物の一つであります毎年発行されている東京都の財務諸表概要版というのをちょっと調べてみました。非常に取ってつけたようないい方で申しわけないんですが、大変わかりやすく非常に参考になったわけでございまして、特に都民一人当たりの資産等の状況という項目と都民一人当たりの収入と費用の状況というのが非常にわかりやすかったです。参考までに申し上げますと、これは、令和元年度の財務諸表におきましての都民一人当たりの資産、どのくらいあるかといいますと、都民一人当たり二百五十二万円あるそうなんですね。その内訳は、負債が四十七万円で、正味財産が二百五万円というふうなことなんだそうです。あわせまして、行政コスト計算書からわかる都民一人当たりの収入と費用の状況なんですが、都民一人当たりの収入は六十五万円だそうです。かかる費用が六十万円、当期の収支の差額は五万円というふうなことでございます。
 私、思ったんですね。今いった二つの指標、これが、職員のみならず、都民の皆様にご理解いただければ、都政に対する向き合い方も大分変わってくるんじゃないかと、そういうふうに思ったわけでございます。それだけわかりやすい資料だなと思いました。
 しかしながら、その一方で、これ、貸借対照表に記されているんですが、行政財産の内訳というのがあるんですね。建物等をどのくらい保有しているかというものですよ。
 例えば、今回のこの令和元年度でいいますと、固定資産が三十三兆二千億円ある中で八兆円あるそうなんですが、参考までに、とある局に内訳を聞いてみたんですね。どういう内訳になっているのか、あるいは、その令和元年度、増加分はどのくらいで、償却分はどのくらいなのかと尋ねたんですが、これ、ちょっと残念ながら、にわかに回答が出てこなかったわけでございます。
 繰り返しになりますが、都で新公会計制度が導入されて、もう十五年もたったわけでございます。しかしながら、この機能するバランスシートという当初の目的におきましては、正直、まだ、その道半ばの状態なのかなと思いました。
 一層の努力が必要なんだろうと思うと同時に、会計管理局のこの新公会計制度の担当職員を尋ねましたら、たったの五名というふうなことでございました。率直な感想といたしまして、このオール都庁に制度の定着活用をするには、担当職員の増員が必要じゃないかと思いましたので、そのことを申し添えまして、質問を終えたいと思います。ありがとうございました。

○加藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○加藤委員長 これより主税局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 第一号議案、令和三年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為、主税局所管分、第三号議案、第三十六号議案及び報告事項、令和三年度地方税制の改正について並びに請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(28)までの請願二第一一号外二十七件の同内容の請願及び整理番号(29)から(49)までの陳情二第九七号外二十件の同内容の陳情を一括して議題といたします。
 請願陳情について理事者の説明を求めます。

○丹羽税制部長 今般、財政委員会に付託されました主税局所管の請願陳情についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、財政委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 初めに、請願二第一一号から第三八号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願についてご説明申し上げます。
 この請願の趣旨は、小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置を令和三年度以後も継続すること、小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を二割減額する減免措置を令和三年度以後も継続すること及び商業地等における固定資産税及び都市計画税について負担水準の上限を六五%に引き下げる減額措置を令和三年度以後も継続することを求めるものでございます。
 この請願に係る現在の状況でございますが、小規模住宅用地に係る都市計画税を二分の一とする軽減措置は、昭和六十三年度に創設し、過重となっている住宅用地の税負担を緩和するため実施しているものでございます。
 小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税を二割減免する措置は、平成十四年度に創設し、過重となっている二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、厳しい経済状況下における中小企業への支援を行うために実施しているものでございます。
 商業地等に係る固定資産税及び都市計画税の税額を負担水準六五%の水準まで減額する措置は、平成十七年度に導入し、全国に比べ過重となっている二十三区商業地等の負担の緩和を図るため実施しているものでございます。
 これらの軽減措置につきましては、都民の税負担感に配慮する必要から、令和三年度においても引き続き実施することとし、本定例会において所要の改正を行う条例を提案しているところでございます。
 なお、商業地等に係る税額を負担水準六五%の水準まで減額する措置につきましては、地方税法の適用が令和二年度までとされており、現在、本措置の継続が盛り込まれた地方税法改正案が国会において審議中であることから、同法案の公布後、速やかに所要の条例改正を行うことといたします。
 次に、五ページをお開きください。陳情二第九七号から外別記までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情についてでございます。
 この陳情の趣旨は、さきの請願と同じでございますので、改めての説明は省略させていただきます。
 本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○加藤委員長 説明は終わりました。
 予算案、付託議案及び報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る二月十二日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、財政委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をごらん願います。今回要求のございました資料は二件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。要求資料第1号、滞納整理に係る都内区市町村への都職員の派遣及び実務研修生の受入についてでございます。
 まず、一ページの表でございますが、滞納整理に係る都内区市町村への都職員の派遣状況をお示ししたものでございます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりいただきたく存じます。
 次に、二ページの表でございますが、都内区市町村からの実務研修生の受け入れ状況をお示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第2号、都税収入実績及び税目別構成比の推移でございます。この表は、平成十六年度からの都税収入実績及び税目別構成比の推移をお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○加藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○入江委員 お願いいたします。私からは、令和三年度税制改正とコロナ対応の税制措置について伺います。
 令和三年度税制改正では、デジタルトランスフォーメーションやカーボンニュートラルに対する投資を促進させる税制の創設など、都の重要施策の推進にも資する改正がなされたところです。
 中でも注目したいのは、先日の予算特別委員会でも言及いたしましたが、ベビーシッター等の子育て助成にかかわる税制上の措置です。都は、待機児童の一環として、ベビーシッター利用者に対して手厚い支援策を講じておりますが、正規料金との差額分が雑所得とされ、助成を受けた後に、予期せず所得税や住民税の負担が生じてしまうことがございました。こうした税の取り扱いについては、私ども都民ファーストの会にも、使い勝手の向上が必要だとの声が多く届きました。
 そこで、都として、国に対し、強力に制度改正を求めるべきと主張してきたところでございます。
 今回の税制改正では、ベビーシッターの助成にかかわる税負担について改善が図られたと承知しておりますが、その内容について伺います。

○丹羽税制部長 都は、待機児童の保護者が認可外のベビーシッターを利用する場合、利用料の一部を助成しておりますが、この助成は、現行法令上、雑所得として課税対象となっております。
 これまで都は、子育て家庭の費用負担を軽減し、仕事と家庭の両立をしやすくするため、子育て支援に係る助成について、税制上の必要な措置を講じるよう国に提案要求を行ってきたところでございます。
 こうした動きも受け、令和三年度税制改正では、子育て支援の観点から、地方自治体が行うベビーシッターの利用料に対する助成等について非課税とする措置が講じられることとなっております。

○入江委員 都の試算によりますと、翌年の納税額が数十万円に上がるケースもあると聞きました。非課税措置となり、こうした問題が解消されることで、経済的に利用しやすい制度となりました。今回の税制改正を契機として、ベビーシッター利用支援事業がさらに普及することを期待いたします。
 私自身も働きながら二人の子供を育てましたので、ベビーシッターの皆さんには大変お世話になりました。働く女性にとっての子育て支援については、大変有効な制度でございます。
 都は、引き続き、保育の質の向上など、都民ニーズに合った子育て支援策を推進していただきたいと思います。
 次に、自動車関係の税制改正について伺います。
 今回の税制改正では、自動車税環境性能割の税率などの基準として用いられる燃費基準について、二〇二〇年度基準から、より厳しい二〇三〇年度基準への切りかえが行われました。しかし、減税の適用となる自動車の範囲はほぼ変わっていないと聞いております。コロナ禍にあって、減税対象を狭めないという趣旨は理解できるものの、気候変動対策としては課題も残っております。
 こうした自動車に関する気候変動対策において、都は、国に先行した取り組みを行っています。令和元年十二月に公表されましたゼロエミッション東京戦略では、二〇三〇年までに都内の乗用車新車販売台数の半数をゼロエミッション車、ZEVとし、二〇五〇年には、都内を走る自動車を全てZEV化するという意欲的な目標を掲げました。
 さらに、小池都知事は、昨年の第四回定例会における私ども都民ファーストの会の代表質問に対し、都内で新車販売される乗用車を二〇三〇年までに、二輪車を二〇三五年までに、それぞれ一〇〇%非ガソリン化することを目指すと表明されました。
 こうした目標の達成に向けて、本定例会では、都民ファーストの会からの要望も踏まえ、ZEVに対する減税措置を延長する条例改正が提案されています。さらに、この措置の名称について、次世代自動車導入促進税制からZEV導入促進税制に変更するとのことです。
 そこで、本税制措置の延長と名称の変更について、その趣旨と目的を伺います。

○丹羽税制部長 次世代自動車導入促進税制は、環境負荷の小さい自動車である電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車の取得を税制面から支援するため、自動車税種別割を六年度分免除する措置でございます。
 これらの自動車は、走行時にCO2等の排出ガスを出さないことから、ゼロエミッションビークル、ZEVと呼ばれており、都は強力にその普及を進めているところでございます。
 しかしながら、都内の乗用車新車販売台数に占めるZEVの割合は、平成三十年度において一・六%にとどまっております。こうした状況を踏まえ、ZEVのさらなる普及を税制面から後押しする必要があることから、適用期限を令和七年度末まで五年延長する条例改正を提案しております。
 あわせて、名称について、免除の対象となる自動車を明確にするとともに、ゼロエミッション東京戦略と軌を一にする観点から、ZEV導入促進税制に変更することとしております。

○入江委員 ZEV導入促進税制というわかりやすい名称になったことは大変よかったと思っております。
 さて、気候変動対策は待ったなしです。小池知事は、一月のダボス・アジェンダにて、二〇三〇年までに都内の温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で五〇%削減する目標、カーボンハーフを世界に表明しました。また、アメリカでは、バイデン大統領の就任に伴い、気候変動対策が政策の中心的課題に据えられ、世界の環境政策は大きく変容しつつあります。今こそ東京都は、率先して日本、世界をリードしていくべきです。
 とりわけ自動車のゼロエミッション化は取得のための負担軽減に加え、充電設備などのインフラ整備や普及啓発など、総合的に取り組みが必要です。あらゆる手法を活用し、ゼロエミッション社会の実現に向け、取り組みを一層進めていただきたいと思います。
 続いて、固定資産税の税制改正に関連して伺います。
 令和三年度の土地の固定資産税は、三年に一度の評価がえにより、税負担が大幅に増加するおそれがございました。コロナ禍にあって税負担が増加することになれば、厳しい経営状況に置かれている事業者が一層苦しい状況に陥ることは避けられなかった中、今回の改正で、税額が増加する全ての土地の税負担を特例的に据え置くとしたことを評価しております。
 また、都が独自に実施している土地にかかわる固定資産税の軽減措置について、私も紹介議員となっておりますが、青色申告会から、継続に係る請願陳情がなされているほか、多くの都民事業者からも強い要望がありまして、都議会としても、第四回定例会において継続を求める決議を行ったところでございます。私の地元港区の事業者の方からも大変喜んでいただきました。
 これを受けて、都は一月に、これらの措置を継続すると表明した上で、本定例会に関連の条例改正を提案しています。国の税制改正とあわせ、特に土地を所有しながら事業を営んでいる方にとっては大きな助けとなるものです。
 コロナ禍は、その影響が飲食業など特定の業種に集中していますが、とりわけ中小企業の経営を圧迫するなど、実体経済に極めて大きな影響を与えています。コロナの終息状況にもよりますが、今後、経済活動がコロナ前まで回復するまでには、相当な時間がかかると考えられます。そうした観点からは、さらに先の令和四年度の固定資産税の税負担がどうなるのかが大変懸念されるところです。
 そこで、令和三年度の税額が据え置かれましたが、令和四年度で税負担が急増することがないのか、その点を伺います。

○丹羽税制部長 土地に係る令和三年度の固定資産税、都市計画税は、評価額の上昇等により税額が増加する全ての土地について、前年度の税額に据え置く特別な措置が講じられることとなっております。
 令和四年度の税額についてでございますが、地価が下落した土地に対しては、固定資産税等の評価額も下落修正した上で算出いたします。また、仮に税額が令和三年度と比べて増加する場合であっても、二十三区内においては、都独自の措置に基づき、前年度の税額の一・一倍までに抑制することとしております。

○入江委員 地価の下落も令和四年度の固定資産税の計算には反映されるということ、そして、税額がふえる場合でも、都の措置により、二十三区内においては前年度の一・一倍を超えることがないということが確認できました。
 そのほかの都独自の負担軽減措置についても、その時々の都民、事業者の経済状況、税負担感をしっかりと踏まえた上で対応することを要望いたします。
 続いて、コロナ対策の税制措置について伺います。
 昨年四月に国が策定した新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置では、令和三年度の事業用家屋と償却資産の固定資産税について、売り上げが一定程度減少した事業者に対する軽減措置が講じられています。この措置を受けるためには、税理士などの確認を経た上で、ことしの二月一日までに都税事務所に申告することが要件となっていました。適用を受けようとする方が確実に申告できるようにするためには、事業者への周知が極めて重要であったと思います。
 そこで、主税局では、具体的にどのような周知を行ってきたのか伺います。

○池田資産税部長 お話の令和三年度における事業用家屋と償却資産の固定資産税等の軽減措置につきましては、対象となる中小事業者へ確実な周知を図るため、法人会や税理士会、青色申告会等の納税協力団体、商工会議所や中小企業振興公社等の中小企業関連団体を通じた広報を行うとともに、償却資産の申告書を納税者に送付する際に、制度を周知する資料を同封いたしました。
 また、各団体に所属されていない事業者や償却資産をお持ちでない事業者へも広くお知らせするため、主税局ホームページやツイッター、「広報東京都」等を活用したほか、新聞主要六紙への広告の掲載、新宿駅西口ビジョンや渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンへのデジタルサイネージ広告、ヤフージャパンディスプレー広告等を実施するなど、積極的に周知を行ってきたところでございます。
 加えて、令和二年十二月一日から令和三年二月一日まで、東京二十三区固定資産税コロナコールセンターを開設し、納税者からのご相談、お問い合わせに対し、迅速、丁寧に対応してまいりました。

○入江委員 ご答弁いただいたように、周知に当たっては、主税局の取り組みも大変熱心にされたということで、これまで約五万四千件の申請があったと聞いています。要件に該当する事業者の多くは、期限内に申告をしたものと思われますが、ことしの二月一日というのはまさに緊急事態宣言の期間中であり、ご本人や担当者、税理士などが感染したなどコロナの影響により申告ができなかったケースもあったかと思います。
 こうしたコロナの影響により申告がおくれた事業者に対しては、期限後の申請であっても軽減の適用を行うなど柔軟に対応すべきと考えます。どのように対応しているのか伺います。

○池田資産税部長 本軽減措置につきましては、地方税法の規定により、令和三年二月一日までに申告する必要がございますが、当該期限内に申告できなかったことについて、やむを得ない理由があると認められる場合には、申告期限後の申告をもって軽減措置を適用できることとされております。
 これに基づき、都では、納税者からの個別の延長申請を受け付け、やむを得ない理由に該当するかを判断しております。
 具体的には、納税者や税務代理等を行う税理士等が、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合や緊急事態宣言など感染拡大防止の取り組みが行われ、納税者が外出自粛の要請を受けた場合など、納税者自身の責めに帰すことのできない事由が対象となります。
 この申告期限の延長につきましては、主税局ホームページ及び「広報東京都」等で周知するとともに、都税事務所に寄せられた相談には丁寧にお答えしております。
 今後も、各納税者の置かれた状況に十分配慮し、柔軟に対応してまいります。

○入江委員 コロナ禍では、とりわけ飲食業の皆様が大変厳しい状況に置かれました。飲食店が出ていらっしゃるビルのオーナーに、やはり家賃を待っていただきたい、少し免除していただきたいという交渉があちこちでなされたと聞いております。オーナーの方も家賃を軽減、猶予するということは大変収入が減るということで、お苦しい状態でございます。
 今回のこの軽減措置は、こうしたビルオーナーが行う家賃の軽減猶予の場合も要件に該当すれば適用されるものであり、大変大きな意義がございます。今後、期限後の申請について相談があった場合でも、納税者の実情を踏まえ、柔軟に取り扱っていただくよう改めてお願いいたします。
 次に、コロナ対策として、徴収猶予の運用状況について伺います。
 この制度は、コロナの影響により収入が一定程度減少した方に対して、延滞金なし担保不要で一年間、納税を猶予できるものであります。コロナ禍にあって、収入が大幅に減少した方や資金繰りに苦しむ事業者などを支援する制度となっています。
 そこで、改めて、今年度の徴収猶予制度の運用状況と適用実績、特に都税収入全体と比較した規模感について伺います。

○菊澤徴収部長 都では、昨年四月の地方税法改正で設けられた徴収猶予の特例制度のほか、地方税法第十五条に基づく徴収猶予、特例制度と同等の条件で適用するなどの柔軟な対応により、コロナ禍に苦しむ都民、事業者への積極的な支援を行ってきたところでございます。
 今年度の適用実績についてでございますが、一月末までの許可件数は、両制度を合わせて一万四千七百五十四件、猶予金額は、一月末現在で約五百三十億円で、年度途中での数字ではございますが、今年度最終補正後の都税収入予算額五兆二千五百二十五億円と比較いたしますと、約一%となっております。

○入江委員 徴収猶予の適用実績は、都税収入全体の約一%とのことを確認いたしました。このうち地方税法の改正で設けられた徴収猶予の特例制度の対象は、ことしの二月一日までに納税期限が到来するものまでです。今回の税制改正では、その適用期限は延長されなかったと聞いております。
 また、徴収猶予は免除ではなく、あくまでも猶予であることから、徴収猶予を受けた納税者にとっては、これからが猶予期限までに納税資金をどう工面するかということや新年度に課税される税と合わせて納税負担が重くなるということなどについて不安をお持ちでいらっしゃいます。
 コロナの先行きが不透明である現状を踏まえると、今しばらくは困難な状況が続く納税者が多いのではないかと心配しております。
 今後、徴収猶予の特例制度終了後もなお経済的に厳しい状況にある納税者に具体的にどう対応するのか伺います。

○菊澤徴収部長 国の特例制度は、二月一日までに納期限を迎えるものを対象としておりますが、都は、地方税法第十五条に基づく徴収猶予を柔軟に活用して、状況に応じて延滞金の免除や担保を不要として適用しているところでございます。
 納税者からの相談などにつきましては、電話や来所に対して丁寧に対応するとともに、ホームページ上でも、AIチャットボットサービスにより、徴収猶予に関する情報が容易に得られるようにしております。
 また、徴収猶予の申請に当たりましては、納税者の利便性と感染拡大防止を考慮し、郵送や電子申請による非対面での手続を中心にご案内しております。
 なお、申請期限後であっても、事情を伺った上で、柔軟に対応することとしております。
 令和三年度もこうした運用を継続するとともに、納税者の状況把握に努め、引き続き納税困難な場合には、資力に応じた計画的な納税につながるよう、きめ細やかな対応に努めてまいります。

○入江委員 コロナ禍の未曽有の危機に対し、社会全体でさらなる取り組みが求められております。主税局が現行制度を柔軟に運用し、納税者に寄り添った対応をしていることは大変評価いたします。多忙をきわめる都税事務所を初めとした現場職員の皆様には感謝を申し上げます。引き続き、納税者への丁寧な対応をしていただくことをお願い申し上げます。
 続いて、都民ファーストの会が一貫して追い続けてまいりました税務基幹システムの再構築について伺います。
 都民ファーストの会は、一昨年の第三回定例会において、税務行政のデジタル化を強力に進めるべきと質問し、知事からは積極的な答弁をいただきました。
 これを受け、令和二年度から主税局は、税務基幹システムの再構築に着手し、令和三年度予算においても約十五億円の予算が計上されています。
 まず、税務基幹システムの再構築の進捗について伺います。

○辻谷調整担当部長 税務基幹システムの再構築は、主税局ビジョン二〇三〇で示された税務のデジタル化を実現するため、令和元年度に検討を開始し、令和八年度の稼働を目指して局を挙げて取り組んでおります。
 令和二年度は、各税目の担当者で構成する業務見直しプロジェクトチームにおいて、二〇三〇年の税務行政のあり方を踏まえた新業務フローの作成とシステム化の範囲の検討を行ってまいりました。また、システム化に必要な要件を明らかにする要件定義を実施しております。
 令和三年度は、引き続き要件定義を行い、要件確定後、システム開発のための仕様書の策定を行う予定でございます。

○入江委員 今回再構築する税務基幹システムは、都税約二十税目、約五兆円を一手に処理する庁内でも最大規模のシステムです。システム再構築に長い時間を要するということで、このプロジェクトのプロセスを適切に管理していくことが重要となります。そのことは、これまでも都民ファーストの会がたびたび指摘をしてまいりました。このような巨大システムを構築することができる業者、つまりベンダーは限られていまして、要件定義の段階で特定の業者ではないと対応ができないというようなこともございます。
 このいわゆるベンダーロックインになってしまうおそれについて、どのように対応していくのか、改めて伺います。

○辻谷調整担当部長 システムの調達に向けてシステムの仕様を策定する際に、専門的な知識を有する要件定義支援事業者に支援を受けることになりますが、当該事業者が特定の事業者にしか対応できない仕様書を作成することのないよう、さまざまな取り組みを行っております。
 具体的には、要件定義支援事業者とは関連のないITコンサルタント企業から、要件定義に関する専門的なアドバイスを受けております。
 また、要件定義支援事業者以外の複数の事業者から、業務委託、入札、調達などに必要な情報収集を行うことで、仕様書の作成段階から適正化に向けたチェックを行っております。
 さらに、契約等の節目において、適宜、戦略政策情報推進本部に報告し、セカンドオピニオンをもらっています。
 こうしたふくそう的なチェック体制を講じることにより、特定の業者によるベンダーロックインを回避し、適切なシステム開発を担保しているところでございます。

○入江委員 ここのところ、メガバンク、みずほ銀行ですけれども、システム障害を繰り返して、ATMが使えないといったことが大変大きな問題となっております。たくさんの銀行が合併してきたことにより、システムもIT界のサグラダ・ファミリアとやゆされるほど大変複雑怪奇なシステムになってしまい、それがブラックボックス化していたということだそうです。
 都の税務基幹システムにおいても、多くの税目にわたるシステムであり、それぞれの業務やタスクの標準化、統一化といった点で、さまざまな困難があると想像いたします。開発後に、なぜこうなってしまったのかというありがちな現象を防ぐためにも、開発初期段階でシステムにどのような機能を求めるのか、どのようなサービスを提供していくのか、こうしたことを明確にしておくことが必要です。要件定義の過程で、業務フローの整理を確実にしなければなりません。
 そういう意味で、私は、昨年公表された主税局ビジョン二〇三〇は大変重要だと考えております。昨年、都民ファーストの会の質問に対して、システムの再構築に伴う新業務のフローの整備を行っており、主税局ビジョン二〇三〇を年度内に更新して、ビジョンに描く税務行政の将来像への具体的な道筋を明らかにすると答弁がございました。
 その後、主税局ビジョン二〇三〇の更新に関する進捗状況について伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 主税局では、昨年度、主税局ビジョン二〇三〇を公表した後、十年後のデジタル化された税務行政の姿を念頭に、約千三百ある全業務フローをゼロベースで見直し、新業務フローを作成したところでございます。
 この新業務フローをもとに、現在、納税者へのQOS向上と税務事務の構造改革の具体的なイメージを盛り込んだ主税局ビジョン二〇三〇の更新作業を行っているところでございます。
 三月末には素案を公表し、都民や現場を担う都税事務所職員から広く意見を募集いたします。いただいた意見もビジョンに反映し、主税局ビジョン二〇三〇更新版として公表してまいります。

○入江委員 システムの再構築に向け、納税者である都民や主なユーザーである都税事務所の現場の意見を吸い上げることは、システムの適正化に大変重要です。システムの再構築とそれに合わせた業務フローの構築、さらには組織のあり方までを抜本的に見直していくことが真のデジタルトランスフォーメーションだと考えます。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により、行政のデジタル化のおくれが浮き彫りになりました。DXの確実な推進が求められております。
 一部の報道で、都の緊急事態措置期間における営業時間の短縮にかかわる感染拡大防止協力金の支給のおくれが指摘されております。そのような状況は、一刻も早く打破しなければなりません。
 また、コロナの影響は事業規模によって異なっておりますので、協力金の一律給付については、有効性の面で改善の余地があると思っております。
 先日の予算特別委員会代表で、都民ファーストの会から、デジタルの力を活用した協力金支給の迅速化を求めまして、都からは、マイナンバーや法人番号といった全国共通のIDを軸としたデータシステム連携基盤の整備が必要だとの答弁がありました。
 さらに、税のシステムもまさに共通基盤の一つとして活用していくべきです。
 感染症、大規模災害などに伴う給付金だけではなく、今後、給付つき税額控除などを活用したセーフティーネットの活用可能性を模索していく中にあっても、税務情報の活用は大変重要になってくると考えております。そういった観点からも、税務行政のデジタル化を核とする主税局ビジョン二〇三〇には期待をしております。着実に取り組みを進めていただくことを要望いたします。
 最後に、税務基幹システムの再構築とそれに伴うデジタルトランスフォーメーションについて、局長の決意を伺います。

○砥出主税局長 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により、諸外国に比べ、行政のデジタル化のおくれが浮き彫りになり、都においても、デジタルトランスフォーメーションの推進をてこに、都政の構造改革を進めているところでございます。
 税務行政のデジタルトランスフォーメーションの目的は、大きく分けて二つございます。
 一つ目は、キャッシュレス納税の推進や関係機関とのデータ連携により、住所変更届などの手続が一度で済む、いわゆるワンスオンリーの実現など納税者の利便性を向上させることでございます。
 二つ目は、システムで可能な業務はシステムに任せ、限られた人材を複雑困難化する税務調査や税務相談に重点配置するなど、社会構造の変化に対応した執行体制を構築していくことでございます。
 こうした取り組みを確実に進めることで、主税局がその専門性を発揮し、適正、公平な賦課徴収を実現することが可能となり、ひいては、税務行政に対する納税者の信頼を確保できると確信しております。
 今後、税務行政のデジタルトランスフォーメーションを推進するために、納税者や現場を担う職員の意見を幅広く聞きながら、新たに設置される予定のデジタルサービス局とも連携し、主税局一丸となって取り組んでまいります。

○入江委員 ありがとうございます。ご答弁にもありましたとおり、専門性の高い主税局と都庁内のDXを推進する、今後できるデジタルサービス局としっかり連携をしていただきたいと改めてお願い申し上げます。
 主税局におかれましては、先ほど申し上げたコロナ対策の税制措置の対応に加え、一時宿泊療養施設の運営や感染拡大防止協力金の支給のための職員派遣など、多くの人材を感染拡大防止対策に動員していると聞いております。大変お疲れさまでございます。
 まず、都民の命を守るということを第一に、限られた体制の中で、令和三年度の都税収入予定五兆四百五十億円の確保に全力を尽くすことを改めてお願いしまして、質問を終わります。

○伊藤委員 税務行政のデジタル化の取り組みについて伺います。
 先日、都は、令和七年度を目途にデジタルガバメント都庁の基盤を構築するための具体策を提示しましたシン・トセイを策定しました。国も行政のデジタル化を強力に進める方針ですので、期待をしています。
 デジタル化による税務行政の目指す姿は、キャッシュレス納税の推進やバックオフィスの連携による行政手続における添付書類の撤廃の実現を目指すワンスオンリーなど、全ての納税者に利便性の向上を実感してもらうことであります。
 税務行政はこれまで、納税者の膨大な手間と紙による申請書類を前提にしており、デジタル化による効率化や利便性の向上に向けて、大いに改善の余地があると思います。
 今回、シン・トセイには、スマート都税プロジェクトと称して幾つかの取り組みが掲げられていますが、その概要について、まず伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都では、各局の構造改革を推進するため、各局リーディングプロジェクトを選定し、スピード感を持って取り組むこととしてございます。
 主税局では、税務行政のDXを推進し、都税事務所への来庁負担を軽減するとともに、内部事務の効率化を進めてまいります。具体的には、納税者のQOS向上の取り組みとして、各種証明申請の電子化、AIチャットボットやキャッシュレス化、防災などの観点から、固定資産GISの活用を挙げているところでございます。

○伊藤委員 昨秋の事務事業質疑においても、これまでの行政手続や行政相談などの都民サービスが、デジタル化によってどのように利便性向上につながるのか、都民目線で進めていってほしいと要望いたしました。今回掲げられた取り組みが、真の納税者サービスの向上につながることを期待しています。
 さて、主税局は、現在、税務行政のデジタル化の基盤としての税務基幹システムの再構築に着手しており、令和八年度の稼働に向けて、新年度予算には、調査委託費用として約十五億円計上されています。
 それでは、システムの再構築により、どのように納税者サービスの向上が実現するのか伺います。

○辻谷調整担当部長 現行税務基幹システムは、税務情報の秘匿性の高さを踏まえ、外部と遮断された安全性に配慮したシステムでございます。しかし、稼働から十六年が経過していることもあり、今後求められる外部とのデータ連携やマイナポータルを初めとした認証制度への対応、納税通知書等の電子化を可能とする仕組みとして十分な機能を有しているとはいえません。
 令和八年度の稼働を目指して再構築を進めている新しいシステムでは、こうした課題の解消につながるほか、パソコン、スマートフォン等で税務の各種手続がこれまで以上に可能となります。加えて、国や地方自治体、民間企業等とのバックオフィス連携により、例えば、住所変更等の手続をするために複数の窓口に申請を行う負担を軽減するなどワンスオンリーを実現し、納税者サービスの向上を図ってまいります。

○伊藤委員 今後、本格的なシステムの設計や開発には多額の経費がかかります。税務のデジタルトランスフォーメーションを進めるならば、納税者が実感できる利便性の抜本的な向上にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 さて、昨秋の事務事業質疑において、高齢者やデジタル弱者への対応についてお伺いした際には、主税局からは、税務に係る手続や相談を窓口に出向くことなく完了できる環境を整えることがバリアフリーにつながるといった答弁がありました。
 一方で、このコロナ禍で外出自粛が要請される中でさえ、相変わらず都税事務所に出向かなければ納税証明書を取得できないという声があることも事実です。納税環境のバリアフリーを目指すならば、本来、納税通知書や証明書そのものの電子化が必要です。
 コロナ禍での納税者の来庁者負担軽減のために、窓口に行かなくても証明書を取得できるようにすべきですが、都の取り組みについて伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 コロナ禍において、都税事務所の窓口では、通常の固定資産評価証明書などの発行に加え、国や市区町村の緊急融資の確認書類等で納税証明書が必要となることもあり、例年以上に来所者が多く、窓口の混雑が生じることになったところでございます。
 主税局では、郵送など来庁せずに可能な手続について都税証明郵送受付センターをご案内するなど、ホームページによる周知や、東京税理士会、法人会などの関係団体への依頼など、積極的にPRを行っているところでございます。
 あわせて、令和三年中には証明書の電子申請を導入するほか、eLTAXの活用やキャッシュレス納税比率を向上させるなど、来庁不要な納税環境を整備することにより、さらなる納税者の来庁負担の軽減を図ってまいります。

○伊藤委員 システムの再構築までの当面の間の取り組みとして、郵送証明や証明書の電子申請など非接触型のサービスもさらに拡充していただきたいと思います。
 次に、非接触型の取り組みとして、AIチャットボットの機能拡充についても伺います。
 チャットボットは、二十四時間三百六十五日いつでもわかりやすい納税相談をというコンセプトで昨年四月に導入され、ことし一月までに約三万二千件の相談実績があったそうです。その一方で、約六百万通にも上る納税通知書の発送数と比較すると、もっと税務相談があってもいいのではという気がいたします。
 そこで、今後、さらなる利用率の向上に向けて、サービスの内容の充実への取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 AIチャットボット導入以来、利用者からは、時間外に問い合わせができて便利だ、スムーズに回答にたどり着けたといった声をいただくなど、一定の評価が得られたものと認識しております。
 さらに多くの都民に利用してもらうため、ホームページやSNSを初めとしたさまざまな広報媒体による周知を進めていくとともに、取得した会話ログを分析することで、より的確な回答を導き出せるようブラッシュアップを図っているところでございます。
 また、証明書の電子申請書類をAIチャットボットから作成できるアシスト機能を追加するなど、都民のニーズに合わせた機能の拡張を図ってまいります。

○伊藤委員 都民の満足度やニーズをしっかり検証した上で、より質の高いサービスの実現を要望いたします。
 最後に、固定資産GISについて伺います。
 前回の質疑で、固定資産GISの導入により、紙で保管していた地図や台帳がデータ化され、二十三区における固定資産税の事務が大幅に効率化されると伺いました。
 固定資産税は、多摩地区の市町村にとっても基幹税であり、固定資産税の正確な課税は、都と同様に重要です。今後、市町村が固定資産GISの導入や改善を検討する場合には、その技術やノウハウについても積極的に相談に応じてもらいたいと思います。
 さて、固定資産GISで使用される地図データは、災害対策の面での活用も可能であるそうです。さきの東日本大震災の復興がおくれた原因の一つとして、紙図面で所有していた地積測量図や課税台帳などが津波などで消失してしまい、土地の区画や所有関係がわからなくなり、その確定に時間がかかったということを聞いています。地積に関する図面などが残っている場所とそうでない場所で復興のスタートラインが違ってきます。
 こうした過去の災害を教訓に、固定資産GISを大規模災害の復旧、復興において活用できるよう検討を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○池田資産税部長 固定資産GISは、土地に関する紙の図面類をデータ化することによって、土地の区画や所有関係の情報を一元管理するシステムであり、土地評価事務の効率化に資するものでございます。情報のデータ化により、例えば、津波の発生や建物の倒壊のために不明となった土地の境界や形状等を確認することも可能であるなど、迅速かつ効率的にデータを活用できることから、防災のまちづくりや震災復興にも有用です。
 今後、発生が想定される大規模災害を見据え、防災対策や震災復興時の基礎資料として役立てるため、庁内各局におけるデータ活用について検討を進めてまいります。
 また、固定資産GISの導入や改善について、他の市町村から相談を受けた場合には、積極的に対応してまいります。

○伊藤委員 防災は、都全体で取り組むべき重要な課題であり、首都直下型地震等の備えとして、デジタル化の推進による防災対策も必要です。
 先日、固定資産GISの地図データを拝見させていただきました。地積測量図の座標を活用しており、例えば、建物や境界ぐいなどが全部流されても位置を再現できるため、震災復興においても有意義ということですので、積極的な活用をお願いしたいと思います。
 また、税務行政のデジタル化を進めることは重要ですが、高齢者やデジタル弱者が取り残されることのないよう、十分な、配慮した取り組みを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○小林委員 私からは、コロナ禍における納税者への対応と都税収入についてお伺いをいたします。
 コロナの影響は、雇用や中小企業の経営にも大きな影を落としております。飲食店を初め、コロナの影響を受けた事業者は、都が講じてきた感染拡大防止協力金や緊急融資などを活用していらっしゃいますけれども、いまだ厳しい状況下で、知恵を絞り、工夫を凝らしながら日々懸命に困難を乗り越えるべく、コロナと闘っておられます。
 また、コロナの状況を見ますと、新規感染者数は下げどまっており、今後のリバウンドも懸念されるところであります。加えて、コロナ禍を克服すべく、期待されているワクチンの供給状況もまだ不透明さが残っている現状でございます。
 こうした状況を踏まえれば、都民の生活や経済活動がもとどおりになるまでに相当の時間を要することを前提にして、都としての対応を講じていく必要があると考えます。
 そこで、引き続きコロナとの闘いが続く中にあって、令和三年度における納税者の負担軽減にかかわる取り組みについてお伺いをいたします。

○丹羽税制部長 昨年四月に国が策定した新型コロナウイルス感染症緊急経済対策では、売り上げが一定程度減少した中小事業者等に対し、令和三年度の事業用家屋と償却資産の固定資産税、都市計画税を軽減する措置が講じられました。
 また、令和三年度税制改正では、住宅地を含む全ての土地に係る固定資産税等が増加しないよう、税額を据え置く措置が講じられることとなっております。
 都独自の取り組みといたしましては、現下の経済状況などを踏まえ、令和三年度も小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置などの固定資産税等の負担軽減措置を継続することとし、本定例会に所要の条例改正を提案しております。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方に対しては、地方税法第十五条に基づく従来の徴収猶予を柔軟に活用し、状況に応じて延滞金の免除や担保を不要として適用するなど、きめ細やかな対応に努めてまいります。

○小林委員 コロナによる事業者への影響はさまざまでありますし、また、コロナの状況も日々さまざま変化をしておりますので、それぞれの納税者の実情をしっかりと踏まえた上で、今後とも、さらにきめ細かな対応をされることを要望したいと思います。
 次に、令和三年度地方税制の改正におけるベビーシッター利用支援事業に対する助成金の税制措置についてお伺いをいたします。
 ベビーシッター利用支援事業の対象者は、これまで待機児童の保護者などに限られておりましたけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、臨時休園となった児童などの保護者についても対象が拡大されたところであります。
 当初、コロナ禍におけるベビーシッターの助成については、従前の助成と同様、課税対象となるところでありましたが、都議会公明党は、財務省に対して、国の企業主導型ベビーシッター利用支援事業の特例措置では、助成金を非課税所得としていることに言及をいたしまして、要請活動を行ったことによりまして、都事業についても非課税が実現をしたところでございます。
 コロナ禍におけるベビーシッターの助成については、非課税措置がなされたところでありますが、既存の助成については課税対象となったままでございます。今回の税制改正では、コロナ禍における利用に限らず、ベビーシッターの助成に係る非課税措置がなされることとなりますが、その概要について、改めて確認をさせていただきます。

○丹羽税制部長 都におけるベビーシッター利用支援事業に係る助成金のうち、新型コロナウイルス感染症の影響により臨時休園となった児童等の保護者に対するものについては、昨年五月に国から非課税対象となることが明示されたところでございます。
 一方、その他の助成金は課税対象となっておりましたが、令和三年度税制改正において、国や地方自治体が行うベビーシッターの利用料に対する助成等について、令和三年一月以降、非課税所得とする措置が講じられることとなっております。

○小林委員 課税がネックとなっておりまして、このベビーシッターの利用をためらう子育て世帯がいる現状などが問題視をされておりまして、私たち公明党にもさまざまなご意見が寄せられました。
 都議会公明党は、国とのネットワークを生かして、解決に取り組んでまいったところでございます。今回の改正により、平時におけるベビーシッターの助成についても非課税措置が導入されたことは高く評価をしたいと思っております。
 次に、コロナ禍における来庁者への取り組みについてお伺いをいたします。
 都税事務所の窓口は、都民サービスの最前線であり、今回のコロナ禍にあっても、納税猶予の申請や納税相談の方々で混雑するなど、経済的なインフラとして欠かせないものがございます。コロナ禍にあって、できれば少しでも外出を控えたいとの思いがありつつも、相談、また手続など、必要性に迫られ、都税事務所に赴かなければならない状況がある中、感染に対する不安の声も私もさまざまお聞きをしております。
 新型コロナ感染の減少者数が下げどまる中、感染力の高い変異株の影響も危惧される状況下で、デジタルの力も活用して、納税者が安心して来庁できる環境を整える必要があると考えます。
 そこで、新型コロナウイルスに配慮した来庁者に対する主税局の取り組みについて、改めてお伺いをいたします。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都税事務所においては、来庁者の新型コロナウイルス感染症の拡大防止として、窓口や相談コーナーに消毒液やアクリル板の設置を行いました。さらに、現在、庁舎出入り口に自動検温装置を設置するほか、窓口の混雑状況が把握できる窓口受付サービスを導入するなど、庁舎内の環境整備を行っているところでございます。
 今後は、窓口にタブレットを配置し、来庁者がクレジット納付などの非接触型のサービスが受けられるよう、デジタル環境を整備してまいります。
 なお、納税者が来庁することなく申告や納税ができるよう、eLTAXやスマートフォン決済アプリによる納税の積極的な利用促進を図るとともに、各種証明書の電子申請の導入に向けた準備も進めてまいります。

○小林委員 先日、都から発表されましたシン・トセイでは、都税事務所などの事業所で最新のデジタルツールを導入するとともに、事業所の感染症対策を徹底していく未来型オフィス実現プロジェクトが掲げられておりました。
 都税事務所は、その先駆的取り組みとして、今後、その成果を全庁で共有することとされております。現在の取り組みをさらに進めていかれることを要望いたしたいと思います。
 次に、デジタル化に関連して、都税のキャッシュレス納税に係る都民の利便性向上についてお伺いをいたします。
 コロナ禍の苦しい状況下においても、大変なご努力をいただきながら、多くの納税者が納期内に納税していただいているとお聞きをしております。それだけに、納税手続については、極力手間がかからず、簡単に済むよう、納税者にとって利便性の高い納付方法を提供する必要があると考えます。
 都議会公明党ではこれまでも、納税者を第一に考え、納付方法について利便性を向上させるよう求めてまいりました。今後は、スマートフォンなどの通信端末を経由して、税務手続を可能な限り非対面、非接触で行えるよう、税務のデジタル化を進める視点が重要であると思います。
 こうした観点からも、キャッシュレス納付は大変重要な取り組みであり、都議会公明党としても強力に推進をしているところでございます。
 そこで、これまでの納税のキャッシュレス化の取り組み状況と、新年度における新たな取り組みについてお伺いをいたします。

○菊澤徴収部長 都税の納付に係るキャッシュレス化のこれまでの主な取り組みといたしましては、平成十八年度にインターネットバンキング等による納税を開始しましたほか、平成二十一年度にはeLTAXによる電子納税の導入、平成二十三年度にはクレジットカードによる納税を実現いたしました。
 また、最近では、昨年六月にスマートフォン決済アプリによる納税につきまして、LINEペイ、ペイペイの二つのアプリでサービスを開始し、一月末までに約二十万件、六十二億円分のご利用をいただくなど、広く好評を得ております。
 新年度に向けましては、五月の自動車税種別割の定期課税に間に合いますよう、スマートフォン決済に利用可能なアプリを追加し、さらに多くの納税者がキャッシュレス納税をご利用いただけるよう準備を進めているところでございます。

○小林委員 キャッシュレス納税は、税務手続のデジタル化の取り組みの第一歩であり、キャッシュレス納税比率を向上させるという目標はもとより、それ以外にも、申告や納税相談がオンラインでいつでもどこでも誰にでも可能にしていくことが重要であると思います。
 私も毎年の確定申告はe−Taxを活用しておりますけれども、導入までの準備は若干手間を要しましたが、実際に利用すると、その手軽さや利便性などデジタル化の恩恵を受けている一人でもあります。
 今後も、こうした恩恵を一人でも多くの方々が享受できるよう、改革を進めていっていただきたいと思います。
 最後に、都税収入についてお伺いをいたします。
 先ほど、コロナ禍の苦しい状況の中にあっても、多くの納税者の方々に納税していただいている状況に触れましたけれども、コロナ禍で、特に飲食店を初めとするサービス業の方々が直面する困難は極めて厳しいものがございます。
 令和三年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実を含め、当初予算として実質的に過去最高となる七兆五千六百億円の大型予算となっております。これらの施策の展開を財政面から支えるのが都税収入でありますが、令和三年度都税収入は、令和二年度当初予算から四千億円程度減となっております。
 私は、先月、幾度となく地域の皆様にオンラインによる都政報告会を行ってまいりましたが、コロナ対策において多くの予算支出が伴った中で、財政は大丈夫か、税収は今後どうなるのかなど、心配をされる声を多く頂戴いたしました。令和三年度は、約四千億円の都税収入が減る見込みであることをお話しすると、皆様一様に驚かれた様子でございました。
 そこで、この令和三年度都税収入をどのように試算しているのか、また、主な減収要因についてお伺いをいたします。

○丹羽税制部長 都税収入の見込みに当たりましては、令和二年度の都税収入の実績や、新型コロナウイルス感染症の影響を受け厳しい状況にある景気動向等、さまざまな経済指標を踏まえて算定しております。
 令和三年度都税収入総額は五兆四百五十億円で、令和二年度当初予算対比で三千九百九十六億円、七・三%減の見込みでございます。このうち法人二税につきましては、企業収益の悪化及び地方法人課税における税制度の見直しによる影響から三千六百八億円、二〇・一%減の見込みでございます。また、個人都民税につきましては、雇用、所得環境の悪化により課税所得が減少することから二百四十八億円、二・六%減の見込みでございます。

○小林委員 ありがとうございます。
 新型コロナウイルスは、ワクチンなどの普及で爆発的な感染と重症化をコントロールできる状態になるまで、まだまだ時間を要すると思われます。また、二回目の緊急事態宣言の影響、世界的規模での感染拡大による外需の下振れリスク、金融資本市場の変動など、さまざまなリスク要因を注視しておく必要があると思います。
 引き続き、都税収入の動向を注視していくとともに、唯一の都税歳入所管局の主税局として、あくまで納税者のご苦労に寄り添うことを第一としながら、最大限、都税収入の確保に努めていくことも大切であると考えます。
 難しいかじ取りとなる新年度になりますが、そのリーダーたる局長の見解をお伺いします。

○砥出主税局長 新型コロナウイルス感染症の終息を見通すことができない中、都政に課せられた使命は、都民の命を守ることを最優先としながら東京の経済を支え、その先の未来を見据えて施策を推進していくことであります。
 主税局では、今回のコロナ禍の中、全庁的な特別体制のもと、感染症の拡大防止と都民の生活を守るために、保健所の業務支援、一時宿泊療養施設の運営支援や営業時間短縮協力金業務に三百名を超える職員を従事させております。
 こうした限られた体制にあっても、当初予算に計上された都税収入を唯一の歳入所管局として確実に確保していく必要がございます。
 また、高い専門性に基づいた的確な税務相談を行うなど都民に寄り添った対応を徹底することが、将来にわたる税務行政への信頼、ひいては都税収入を確保することにつながっていくと確信しております。
 コロナ禍に際して、主税局に課せられた、こうした使命と責任を全うすべく、職員一丸となって邁進してまいります。

○小林委員 ありがとうございます。
 今ご答弁にもありました都民に寄り添った対応を徹底することが、ひいては都税収入を確保することにつながる。これは非常に大事な視点であると私も思います。納税者の方あっての都の財政でございます。また、都民のための都政でもありますので、納税者のご苦労、心情を酌み取り、最大限の配慮をしながら、都政の基盤を強固にしていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。

○池川委員 私からは、まず、新型コロナの影響を受けている都民、事業者に対して税制面からの支援を行うことについて質問いたします。
 都民も事業者も、新型コロナの影響に加え、消費税一〇%増税の影響など、大変深刻な状況だと思います。国とも連携しながら暮らしを守ること、また廃業させないという立場で、補償や具体的な支援とともに税制面からも支援していくことが求められております。
 新型コロナで厳しい環境となっている都民、事業者に対して、都として、税制からどのような支援を行っているのか、また、今後どう行っていくのかについてお伺いをいたします。

○丹羽税制部長 昨年四月に国が策定した新型コロナウイルス感染症緊急経済対策では、売り上げが一定程度減少した中小事業者等に対し、令和三年度の事業用家屋と償却資産の固定資産税等を軽減する措置が講じられました。
 また、令和三年度税制改正では、令和三年度に限り、全ての土地に係る固定資産税等が増加しないよう、税額を据え置く措置が講じられることとなっております。
 都といたしましては、現下の経済状況などを踏まえ、令和三年度も小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置などの固定資産税等の負担軽減措置を継続することとし、本定例会に所要の条例改正を提案しております。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方に対しては、地方税法第十五条に基づく従来の徴収猶予を柔軟に活用し、状況に応じて延滞金の免除や担保を不要として適用するなど、きめ細やかな対応に努めてまいります。

○池川委員 総務省が全国の状況について、新型コロナの地方税の徴収猶予の特例の適用状況について十二月分までまとめております。二〇二〇年四月から十二月までで、全国では二十五万二千八百二十六件、税額としては三千六百四十七億四千百万円だというふうになっており、その内訳は、地方法人二税が金額としては全体の半分を超える五一・三%、また、固定資産税及び都市計画税が三八・三%と、これは全国的な調査としてそうなっているということです。
 都としても、先ほどの答弁にあったとおり徴収猶予等を行っているというふうに思いますが、実績がどうなっているのか、また、寄せられた相談等については、どのように対応しているのか確認をさせてください。

○菊澤徴収部長 新型コロナウイルス感染症の影響による徴収猶予の適用実績についてでございますが、昨年四月に地方税法改正で設けられた特例制度と地方税法第十五条に基づく徴収猶予とを合わせました一月末までの許可件数は、約一万四千七百五十四件、猶予金額は、一月末現在で約五百三十億円です。
 電話や来所を通じまして徴収猶予に関する相談がございました場合は、納税者の状況把握に努め、丁寧かつきめ細やかに対応しているところでございます。

○池川委員 徴収猶予となっている方々に対して、すぐ状況が変わらないこともあります。また、一人一人の事情について、ぜひ、その状況、事情をしっかりと踏まえた丁寧な対応を改めて求めておきます。また、地方税法十五条を活用して積極的な、徴収猶予を含めて、状況に応じて対応することも重ねて求めておきたいと思います。
 また、都税事務所での対応はもとより、都内の自治体においても、こうした積極的な徴収猶予、また、十五条を適用した対応についても指導助言等、ぜひ自治体にアドバイスも含めて積極的な対応を求めておきたいと思います。
 固定資産税と都市計画税の軽減についても確認をいたします。
 新型コロナの影響による固定資産税、都市計画税の軽減措置の制度の概要、趣旨はどういうものであるのか、また、現状どの程度の申請があるのかについてお伺いをいたします。

○池田資産税部長 本軽減措置は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための措置に起因して厳しい経営環境に直面している中小事業者等に対して、売上高の減少割合に応じて償却資産及び事業用家屋に係る令和三年度分の固定資産税及び都市計画税を軽減するものでございます。
 具体的には、令和二年二月から同年十月までの任意の三カ月間の売上高が、前年同期と比べ五〇%以上減少している場合は全額、三〇%以上五〇%未満減少した場合は二分の一が軽減されます。
 この軽減措置の申告件数につきましては、令和三年三月一日現在、約五万四千件でございます。

○池川委員 軽減対象となっているのは、現時点で五万四千件だということです。
 先ほど入江理事からもお話ありましたが、コロナの影響等で申告できなかった場合については、さかのぼって適用することも含めて対応していただいているということでありますが、先日伺った事業者さんからは、この制度についてもなかなか熟知できていなかったという話もありますので、この点については、本当に必要な人たちがきちんと適用できるように対応していただきたいということを私からも重ねて申し上げたいというふうに思います。
 次に、都税事務所等の窓口と郵送受付センターの問題について質問をいたします。
 都税事務所のあり方、特に窓口、郵送受付センターのあり方については、本委員会で何度も議論を重ねてきたところであります。
 これは、出発点となったのは、二〇一七年の都政改革本部の見える化改革、主税局の税務行政についての中で、税務行政においても最少の経費で最大の効果を発揮する行動規範が求められるため、人的コストをいかに抑えるかという視点から、委託化の検討について分析を行うとしたことが出発点となっております。これは、当時の特別顧問らが主導してつくったというふうにも仄聞をしているところです。
 それに基づいて、二〇一九年度に、板橋都税事務所の窓口業務と、郵送受付センター、これは文京都税事務所内に設置をされたわけですが、これについて一括でパソナに委託をされております。総合評価方式で入札をいたしましたが、その入札の手法についても、大手人材派遣会社が有利な内容になるのではないかということをその当時も指摘しております。
 また、委託仕様書の中では、履行期間当初より、都民や業務の混乱を招かず、スムーズかつ安定的に業務を実施するというふうにしておりましたが、窓口は、証明発行交付時間が直営時の二倍程度まで長時間化したと、これは主税局の分析でもなっており、最大では二時間以上待ったケースというのも散見されているということであります。
 さらに、委託仕様書では、四開庁日以内に郵送では返すとなっていたものが、千六百五十件、最大時は滞留をしていたということも報告をされています。
 さらに、窓口では、非常勤二名のところに負担が集中したため、結果として、委託業者に発行権限がない、そのためのエスカレーション、このチェック機能が必要であり、そのチェック機能を果たすために時間を要したということでありますが、それによって、所内の応援業務の増が発生をしたり、さまざま、休務日が減るなどの対応があったり、当初想定していなかった管理職による閉庁後の待機なども発生したということは、これも局の分析の中で明らかにされているところです。
 そして、受付センターの方については、最大十七名の主税局職員が直接応援に入るという事態にもなったということでありました。仕様書に定めた業務量に対して、板橋都税事務所では当初の七割、郵送受付センターでは当初の五割程度しか業務量がなかったにもかかわらず業務に支障が出たということも、これはこの間の議論で明らかになっているところであります。
 こうした事態を受けた中でも、当時、二〇二五年度までに二十五の都税事務所全て窓口委託化していくんだという基本方針を策定されました。しかし、二〇二〇年度、郵送受付センター、板橋都税事務所に加え、台東、練馬、墨田の三つの都税事務所を加えた全部で五つについて委託化を検討し、入札をしましたが、それは不調となるという事態になります。
 二〇二〇年度は、結果として会計年度任用職員によって窓口等郵送受付センターの業務を実施することとなりました。郵送受付センターは、コロナ対応などもあって、その前年比と比較をして一・四倍の業務量になったにもかかわらず、直営体制で業務がしっかりできたと、混乱なく対応できたということも、先日、委員会でご報告がありました。
 これらも通じて、十一月の事務事業質疑の中では、来年度、つまり二〇二一年度は、会計年度任用職員を活用して対応するという方向が示されたと。これはこの間の経過であります。
 私自身は、都税事務所の窓口、また郵送業務の委託化については、やめるべきだというふうに一貫して求めてきました。主税局として、これらをどのように総括したのか、また、これらの経過を考えれば民間委託については断念をすべきだと考えますが、来年度以降どういう対応をとられるか確認させてください。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都税事務所窓口と郵送業務の民間委託につきましては、労働市場における人件費の高騰や会計年度任用職員制度の導入など、状況の変化を踏まえた判断が必要であると総括してございます。
 来年度以降の運営につきましては、当面の間、会計年度任用職員を活用することとしてございます。

○池川委員 今のご答弁は、つまり基本方針に掲げた二〇二五年度までに二十五、全ての都税事務所の委託化方針は事実上撤回をされ、そして、都税事務所の窓口、また郵送受付センターについては直営を、当面の間というのはありましたが維持していくということだと思います。
 私は、今回の一連の事態を主税局としてはしっかりと胸に刻んでいただいて、今後とも窓口業務等については直営を堅持し続けるということを重ねて強く求めておきたいと思います。
 次に、都税事務所の電算処理の関係について質問をいたします。
 都政全体でもデジタル化の推進が大きく掲げられておりますが、デジタルは人の生活の質を向上する、これを図るものである一方で、個人情報の取り扱いを初め、セキュリティーについては課題が生じているのも事実だと思います。現時点で、TACSS、税務総合支援システムの再構築等、今年度から主税局が検討している新システム、新しいシステムの再構築について質問していきたいと思います。
 システムの再構築を行うに当たり、現在のシステムについて、どう課題を認識し、どのような改善を行っていくのか、現時点でその課題についてどのように整理をされているのか、まずお伺いをいたします。

○辻谷調整担当部長 現行のシステムは、税務情報の秘匿性の高さを踏まえ、安全性に配慮したシステムでございます。しかし、稼働から十六年が経過していることもあり、今後求められる外部とのデータ連携への対応、納税通知書等の電子化に対応する仕組みとして十分な機能を有しているとはいえません。
 このため、新しいシステムでは、バックオフィス連携等を実現することにより、例えば、住所変更等の手続をするために複数の窓口に申請を行う負担を軽減するなどワンスオンリーを実現し、納税者サービスの向上を図ってまいります。

○池川委員 外部との連携や納税通知等の電子化などで課題があるということで、新しいシステムに移行する中では、こうしたものを改善していくという話でありました。
 それでは、システムの再構築に向けた今年度、二〇二〇年度の予算の執行内容についてはどのようになっているか確認をさせてください。

○辻谷調整担当部長 税務基幹システムの再構築に向け、令和二年度は業務フローの見直しを行い、システム開発の基礎となる仕様書の策定を行っております。なお、この業務は、令和三年度も引き続き実施してまいります。

○池川委員 システムの再構築に向けた支援委託に係る予算は、今年度十五億七千六百万円、来年度十五億六千百万円となっております。つまり二年間、予算上では三十一億三千七百万円となるわけでありますが、二〇二六年度に稼働開始というふうに現時点ではなっていますが、総額としてはどの程度予算を見込んでいるのか伺います。

○辻谷調整担当部長 令和二年度から令和三年度にかけ、システム開発の基礎となる仕様書の策定を行う予定としております。この中で開発に必要な予算額の算定を行っていくことになります。

○池川委員 今の答弁では、現在、仕様書の策定に向けて、さまざま作業しているところなので、開発に必要な予算というのは、これから査定を行い、必要経費を見出していくということだったと思います。
 それでは確認していきたいと思うんですけど、現在のシステム、再構築する前に、今の現在のシステムについては何年間かけて導入をしたのか、また完成まで総額はどの程度だったのかについて伺います。

○辻谷調整担当部長 現行システムを構築する際は、平成十二年度よりシステム構築の調査、検討を開始、平成十三年度に基本構想を策定いたしました。平成十四年度から開発を開始し、約百六十八億円の経費をかけ、平成十七年七月に全面稼働いたしました。

○池川委員 二〇〇〇年度から検討を開始して、二〇〇五年度に全面稼働になったということでありました。経費は総額で約百六十八億円だったという答弁です。
 具体的に聞いていきたいと思うんですけど、現在のシステム、維持管理は年間どのぐらいかかっているのか、また、来年度予算には二十億三千五百万円の更改の経費が含まれておりますが、稼働から大きなシステム変更は何度あり、その総額が幾らになるのかについても確認させてください。

○辻谷調整担当部長 現行システムの運用関係経費やプログラムの維持管理経費等として、年間約七十億円を計上しております。また、サーバーやネットワーク機器、端末等を更新する、いわゆる基盤更改は、おおむね五年ごとに実施しておりますが、現行システムでは、これまで平成二十年、二十五年、三十年の三回実施しており、その経費は合計で約百二十億円でございます。

○池川委員 システムを稼働させてから三回更新を行って、その総額百二十億円だというご答弁でした。それに加えて、来年度二十億円かけて更改をしていくということであります。また、年間の維持経費については七十億円ということでありました。
 これは、一つ一つのやっぱり更新自体が大がかりなものなんだなということを改めて認識するわけですが、それでは、システム更改や再構築の予算についての予算の算出根拠というのはどうなっているのかお伺いをいたします。

○辻谷調整担当部長 基盤更改に要する経費につきましては、現行システムの規模を踏まえ、ハードウエアやデータセンター等、システムの稼働に必要な環境費、設計構築及びプログラムやデータ等の移行に係る人件費等をもとに算出しております。
 再構築につきましては、令和二年度及び令和三年度に策定する仕様書をもとにシステム規模を想定し、国等の同規模のシステムの開発事例を参考に、プログラム開発等に係る人件費、稼働に必要な環境費等をもとに算出してまいります。

○池川委員 予算の算出根拠について、今ご答弁をいただきました。
 建築工事、土木工事など、長年蓄積のある中での積算に比べて、こうしたシステム開発、これは主税局のみならずですけど、今、デジタルがさまざまな場面で進められていますが、これらの予算の見積もり、またその精緻化については、さまざまこれから努力が必要なのではないかという問題意識を持っております。重要なのは、やはり、そのことが算出される予算額が妥当なのかをどう判断していくのかということではないかと思うわけです。
 そこで伺いますが、システムの更改、再構築に係る予算が過大とならないために、どういうことに取り組んでいるのか、そのチェック体制についてお伺いをいたします。

○辻谷調整担当部長 予算の算出に当たりましては、適正額を積算するため、戦略政策情報推進本部によるシステムアセスメントによる評価に加え、専門家による内容の検証や履行監視などを行っております。
 こうした第三者的評価を実施する体制を構築することにより、必要な機能と経費の妥当性を見きわめてまいります。

○池川委員 現在の戦略政策情報推進本部のアセスを受けたり、また専門家による検証、履行監視などがあるということでありました。
 チェック機能を働かせるということが極めて大事だというふうに思います。予算査定を行う場合に、これは他の事業もそうでありますが、きちんと中立的、独立的なチェック体制がなければ、やはり精緻化された見積もり、出てこないというふうに思います。
 先ほど、ベンダーロックインの話もありましたが、特定の事業者のみが参加できるような状態にすることは絶対あってはならないわけで、そうしたことを踏まえて、さまざまな角度から検証する、これは主税局単独というわけではなく、都庁の中でこうした機能をきちんと高めていくことが必要ではないかということを申し上げておきます。
 特に、都庁は、日常的にシステム開発を行っているというわけではありませんので、企業とは違って、特に今回主税局の場合でいうと、十数年に一度の大規模な、大きなシステムの入れかえということで、そのノウハウを持たれていた当時の幹部職員の皆さんを含めて、どんどん世代交代していくわけですから、そうしたノウハウを都庁としてどうやって蓄積をしていくのかについても、改めて丁寧に対応していただきたいなというふうに思って、都庁の総力を挙げて、こういうことに取り組んでいただきたいということは申し上げておきたいと思います。
 さらに伺いたいと思います。
 利便性の向上とともに、やはり一方で、セキュリティーの向上も求められていると思いますが、どのように対応するのでしょうか。

○辻谷調整担当部長 税務情報は、厳格な管理が必要になります。
 システムの再構築に当たりましては、納税者の利便性の向上を図りつつも、国等の動向も踏まえ、本人確認の厳格化や最新技術の活用などにより十分なセキュリティーを確保してまいります。

○池川委員 これは、官民問わず情報漏えいは枚挙にいとまがないわけでありまして、本当に税務行政にとってセキュリティー、これは本当に信用に係る一丁目一番地なわけです。このセキュリティーについては、どこまでそれを確保するのかと、いわゆるオーバースペックになるんじゃないかということもありますが、これがどこが妥当であるのかについても、先ほどのさまざまなチェック体制の中にもそうですし、主税局自身も、都庁の中でぜひ検討していただいて、きちんとしたセキュリティーを確保していただきたいということを求めておきたいと思います。
 また、これは、マイナンバーとの連動を初め、個人情報の取り扱いについて過度に集積化し、連動させることは慎むことが必要だということもあわせて申し上げておきます。これは主税局に限らずですが、個人情報の取り扱いについては、改めて極めて慎重にすべきだということを求めておきます。
 先ほどの答弁の中で、納税者の利便性の向上を図りつつという答弁がありましたが、その納税者の利便性を図ろうと思ったときには、やはり直接納税者に聞くことが必要だというふうに思います。システム更改や今後の再構築の中で、都民の意見についてはどのように聞いていくのか確認をさせてください。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 税務基幹システムの再構築を含めました税務行政の将来像などを示した主税局ビジョン二〇三〇の更新版の素案を今後都民にも公表し、いただいた意見を参考にさせていただいた上で、ビジョン更新版として策定していくこととしてございます。

○池川委員 今後、意見を聞いていくということでありました。
 これはさまざまな計画、そうなんですけれども、都民の意見、広く聞くと同時に、必要な意見をきちんと反映していく、その最後のプロセスまで、ぜひ丁寧にやっていただきたいということを求めておきます。
 同時に、納税者の利便性を向上しようと思えば、やはり都税事務所で働く職員の皆さんの現時点で困っていること、改善してほしいことについて、しっかりと取り組むことが必要だと思います。その点が、やっぱり働きやすく、主税局の中で働きやすくしていく環境を整備していくことにつながると考えます。
 都税事務所の職員の皆さんには、どのように意見を聞き、反映をしていくのか、また、システムを改めていくこと自体が都税事務所の職員の働き方改革を改善することにつながっていくという必要があると考えますが、どう取り組むのか伺います。

○川上総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 システム再構築の検討に当たりまして、都税事務所職員の声を反映させるため、全ての都税事務所を訪問して、現行システムの課題や新システムに期待することなど、意見や要望を幅広く聴取したところでございます。
 今後、主税局ビジョン二〇三〇更新版の素案を現場の都税事務所職員にも説明し、意見や要望を聴取した上で、ビジョン更新版を策定してまいります。

○池川委員 システムが動き出すまでには、まだしばらくあるわけで、やり方や方法についてはさまざまあると思いますが、ぜひ、随時聞きながら対応していっていただきたいと思います。やっぱり、改善のためには現場で働く皆さんの知恵が不可欠だというふうに思います。
 税務行政のプラットフォームに当たるシステムを更新していくことは重要だと思います。セキュリティーを高め、納税者の利便性を向上し、職員の人たちにとっても、使いやすく、働きやすくなる取り組みを行うことが、税務行政の信頼につながると考えます。
 同時に、都民の税金を使って行う事業であり、予算の規模については、先ほども指摘をさせていただきましたが、さまざまな角度から精査を行っていただきたいということを重ねて申し上げて、質問を終わります。

○西郷委員 私からは、電子納税につき、簡潔に質問させていただきます。
 都税収入が減少している中、簡便な手法、とりわけスマホ一つで納税できる環境整備は極めて重要です。窓口に一度も行かずに、電子マネーのアカウント情報やクレジットカードを入力するだけで支払いができるようになる環境をより一層整える必要があり、都も積極的に取り組んでいることを承知しております。
 調べたところ、国税における口座振替を除いた電子納付割合は八・九%と、先進国に比べても非常に低いものでした。
 そこでまず、都税の納付について、口座振替による納付を除いたキャッシュレス納付率の割合の現状について伺います。

○菊澤徴収部長 令和三年一月末現在の口座振替による都税の納付を除いたキャッシュレス納税比率は、約一四・一%でございます。

○西郷委員 国に比べて、口座振替以外での電子納付も進んでいるということがわかりました。
 この点、国税庁は、銀行の振替手続、すなわち口座振替も含めてキャッシュレス納付、電子納付と定義しています。口座振替での納付も一見キャッシュレスのように思えますが、銀行によっては、一度窓口に行く必要があります。
 また、経済産業省は、二〇二五年度まで、キャッシュレス決済比率四〇%を目標にしているところ、これは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーでの支払い額の比率で算出しており、銀行の振替手続は含まれておりません。
 私は、経済産業省の定義でいうキャッシュレス決済の割合をふやし、都民にキャッシュレスの便利さをより一層実感してもらうためには、毎年必ずある納税手続についても、口座振替以外でのキャッシュレス納付をふやしていくことも重要と考えます。
 口座振替を除いた電子納付の割合もより一層ふやしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○菊澤徴収部長 都は、現在四〇%程度のキャッシュレス納税比率を二〇三〇年までに七〇%に引き上げる目標を掲げております。目標の実現のためには、さまざまな納付方法の選択肢を用意し、納税者の利便性を向上させる取り組みが重要でございまして、納税環境の整備に努めております。
 なお、都では、口座振替につきましても、現金を窓口に持参する必要がなく、納期内納税が促進されることなどのメリットがありますことから、キャッシュレス納税と位置づけて利用を推進してきたところでございます。その申し込みにつきましても、現在は、パソコンやスマートフォンを使用して、インターネット上で手続ができる環境となっております。

○西郷委員 口座振替を含め、キャッシュレスの納税比率をふやしていくというご答弁でした。
 確かに、口座振替も便利なものですから、それを含めたキャッシュレス納税比率の七〇%目標は、達成に向けて鋭意努力していただきたいと思います。
 一方で、キャッシュレスの支払いに抵抗を感じている方も多くいらっしゃいます。法律の縛りもあり、なかなか難しい点もあるかと思いますが、キャッシュレス納税普及のため、ペイペイなど、電子マネーでの支払いに対して軽減制度を設けること、あるいは特典を設けることも一案と考えますが、見解を伺います。

○菊澤徴収部長 いわゆる電子マネーによる納付を行ったことを理由といたしまして税の軽減を行うことは、法制上も運用上も課題が多いため、現時点では困難であると考えております。
 キャッシュレス納税の普及のため、都はこれまでも、クレジットカードによる納税、eLTAXによる電子納税や昨年六月に導入したスマートフォン決済アプリによる納税など、多様な納付方法を提供してまいりました。
 今後も、こうした取り組みを進めますとともに、納税者への積極的な広報活動などを通じまして、キャッシュレス納税の普及に努めてまいります。

○西郷委員 軽減制度は確かに難しいかもしれませんが、ご答弁にありましたように、積極的な広報活動を高齢者の方に対しても進めていただくとともに、納付方法について、今後もより一層メニューを充実させていただきたいと思います。
 国の方では、中央銀行デジタル通貨の開発も進めるといわれております。都として、デジタル通貨による支払いの実証実験を行うなど、最先端の技術に合わせた取り組みを一層促進していただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わりにいたします。

○加藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時散会

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