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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十二号

平成三十年十月二日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長まつば多美子君
副委員長小松 大祐君
副委員長石川 良一君
理事おじま紘平君
理事上田 令子君
理事曽根はじめ君
藤井あきら君
伊藤しょうこう君
うすい浩一君
清水やすこ君
増田 一郎君
宇田川聡史君
長橋 桂一君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長武市  敬君
経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
初宿 和夫君
契約調整担当部長五十嵐 律君
主計部長山田 忠輝君
財産運用部長山根 恭子君
利活用調整担当部長鈴木 光祐君
建築保全部長小野 幹雄君
技術管理担当部長飯泉  洋君
庁舎運営担当部長後藤 徹也君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君
収用委員会事務局局長佐藤  敦君

本日の会議に付した事件
収用委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十号議案 土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十八号議案 産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築工事請負契約
・第百七十九号議案 都立府中東高等学校(三十)校舎棟ほか改築工事請負契約
・第百八十号議案  東京消防庁本町待機宿舎(三十)改築工事請負契約
・第百八十一号議案 都営住宅三十H-一〇一東及び三十M-一〇三東(北区田端新町一丁目)工事請負契約
・第百八十二号議案 都営住宅三十H-一〇一西(世田谷区北烏山二丁目)工事請負契約
・第百八十三号議案 東京体育館(三十)改修工事その二請負契約
・第百八十四号議案 東京都立川福祉保健庁舎(三十)改築工事請負契約
・第百八十五号議案 東京消防庁大森消防署馬込出張所庁舎(仮称)(三十)改築工事請負契約
・第百八十六号議案 都立東大和療育センター(三十)改修工事請負契約
・第百八十七号議案 東京体育館(三十)改修電気設備工事請負契約
・第百八十八号議案 都立東大和療育センター(三十)改修空調設備工事請負契約
・第百八十九号議案 都立東大和療育センター(三十)改修電気設備工事請負契約
・第百九十号議案  都立東大和療育センター(三十)改修給水衛生設備工事請負契約
・第百九十一号議案 都立大島海洋国際高等学校実習船「大島丸」製造請負契約
・第百九十二号議案 城北中央公園調節池(一期)工事その二請負契約
・第百九十三号議案 境川金森調節池工事その二請負契約
・第百九十四号議案 中川護岸耐震補強工事(その四十五)請負契約
・第百九十五号議案 綾瀬川護岸耐震補強工事(その二十九)請負契約
報告事項(質疑)
・「平成二十九年度東京都年次財務報告書」について
・東京都工業用水道条例を廃止する等の条例について

○まつば委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び財務局関係の付託議案の審査並びに財務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第百七十八号議案から第百九十五号議案までの契約議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百七十号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤収用委員会事務局長 先般の委員会におきまして要求のございました収用委員会事務局関係の資料についてご説明申し上げます。
 お手元の要求資料第1号をごらん願います。防災街区整備事業に関する収用委員会に対する裁決申請の手数料に係る特例の他道府県における導入状況についてでございます。
 この表は、平成三十年九月現在における当該手数料の特例を導入済みの団体及び防災街区整備事業に関する裁決申請の実績をお示ししたものでございます。
 要求のございました資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○まつば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○曽根委員 本議案は、土地収用法による土地価格の裁決の申請手続に必要な手数料を都市計画法や再開発法、生産緑地法などにかかわる手数料の規定額の、半額にする特例を適用しておりますけれども、今回、これに密集市街地における防災街区整備のための促進事業が加えられたわけです。
 法改定そのものは既に二〇〇三年に行われておりますが、東京都では、恐らく、この規定の適用の例が出てこないということを見越して、条例の改正はずっと先送りになっていたものと思われますが、お話では、東京で具体例が出てきそうだということで、今回、条例化を行うというふうに聞いております。
 この法改定については、個人資産の強制収用ではなく、防災街区事業の権利変換に当たり個人がみずからの資産価額の公的な裁定を求めることができるという制度で、手続料を減額するものと聞いております。
 そこで、この条例の適用について少し詳しくお聞きしておきます。
 東京都が今回提案している条例の一部改正では、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に基づく土地の買い取り請求における価額の裁決申請及び権利変換計画における資産価額の裁決申請の手数料について特例を定める必要があるとのことですが、これらの申請をすることができるのはそれぞれ誰なのかを教えてください。

○佐藤収用委員会事務局長 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に基づく防災街区整備事業の施行に際しましては、防災上重要な道路、公園など防災都市計画施設の区域内の土地の所有者は、施行予定者に対し当該土地を時価で買い取るよう請求することができ、価額は双方で協議して定めることとなってございます。この協議が成立しないときは、土地所有者、施行予定者のいずれからも収用委員会に対し価額の裁決を申請することができることとされております。
 また、防災街区整備事業における宅地借地権、建築物等の権利者は、施行者の定める権利変換計画において提示された資産価額について異議がある場合、施行者に対し、より高い価額とすべき旨の意見書を提出することができることとなってございます。
 この意見書について、不採択の通知を受けた場合は、当該権利者は、収用委員会に対し価額の裁決を申請することができることとされてございます。

○曽根委員 そうしますと、事業地域内の地権者個人が資産の売却を希望する、つまり転出される場合には、事業者側、地権者側双方から申請ができるということですが、本人が事業地域内にとどまる場合については、地権者がみずからの資産の裁定を求める場合に、この条例の適用は限られるということになります。
 もう一点、念のためにお聞きしておきたいと思います。不採択の通知を受けた権利者が、収用委員会に資産価額の裁決申請をした場合、その裁決によって本人の意思に反して権利関係の変動が生じるような何らかの不利益をこうむることはないのかどうか、この点を確認しておきたいと思います。

○佐藤収用委員会事務局長 意見書について不採択の通知を受けた権利者が、収用委員会に資産価額の裁決審査をするかどうかは、本人の自由な意思によるものでございまして、今回の改正は、その申請手数料の負担軽減を図るものでございます。この申請に対する裁決において、収用委員会が判断を示すのは資産の価額のみでございます。
 この点で、都など起業者が、都市基盤整備に係る用地取得において任意の交渉が成立しないときなどに、収用委員会に申請する土地収用の裁決の場合とは異なるものでございます。
 また、収用委員会は、当事者の申し立ての範囲内で裁決を行うため、裁決で示す価額は施行者から提示された額を下回ることはございません。したがって、申請者がこの申請によって、理事のご懸念のような不利益をこうむることはございません。

○曽根委員 我が党は、防災目的であったとしても、個人の土地や建物の権利を制限したり強制的に共同化するのではなく、木造密集地域の解消は住民の合意に基づく修復型で行うべきとの立場から、この防災街区整備促進事業には賛成できない立場をとっております。
 これまで全国では、三件ほど条例改正を行ったものの、この条例改正の適用が行われた実績は実際はないということのようですが、今回、都内では西新宿の事業で規模も大きいことから、こうした裁定の申請が出てくる可能性があることから条例の改正を行うと聞きました。
 この地区での反対地権者の存在を私たちは知っておりませんが、基本的に防災街区事業には反対ではありますけれども、事業が行われてしまっている場合には、個人の権利を守る上で、この条例規定により一層不利になることはないということを確認させていただきました。この手数料は最高額で七十五万円程度ですが、個人にとっては一定の負担にもなりますので、不利益に働くことのないことを確認して、質疑を終わります。
 以上です。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○まつば委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七十八号議案から第百九十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先日の委員会におきまして要求のございました付託議案に関する資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。今回の付託議案に関して要求のございました資料は、要求資料第1号の一件でございます。
 一ページをお開き願います。要求資料第1号、平成三十年第三回都議会定例会契約案に係る入札参加条件及び辞退理由でございます。
 こちらは、本委員会に提出いたしました契約案の入札参加条件及び辞退理由をお示ししたもので、一ページから一七ページにわたり入札参加条件を、一八ページと一九ページに辞退理由を記載してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○まつば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○上田委員 まず、ちょっと、委員の皆様には資料を配らせていただきたいと思います。お配りしております資料は、平成三十年の八月三十一日から辞退届の仕様が変わりますという資料であります。
 私も財政委員となりましてから、大体、談合というのは高い札を入れて、そこが価格を調整して一番そこそこのところがとるというような、妥当なところで落ちるというようなことがいろいろ指摘されていましたが、私も財政委員になりまして、非常に辞退が多くて、一回、私も、急遽談合情報検討委員会が立ち上がった事案にも立ち会いまして、やっぱり一気に辞退をする事業者が多くてどこか一者が残るということで、若干の違和感を感じて、財政委員会におきましても、毎回毎回、辞退理由の資料もご提出をいただいているところでございます。
 こちらの資料では、要求資料第1号の方を共有させていただきたいと思います。
 今般からは、入札参加者数というのは左下の方に、どのぐらい本当は入札可能な業者さんがいるのかというところで、分母の方も入れさせていただき、これだけあるのに手を挙げてやっぱり辞退をしてしまうということで、こちらのページでは一八ページで、辞退理由一覧の中では辞退理由がないとか、予定していた技術者を配置することができないとか、健康不良というのも仕方がないんでしょうが、電工が確保できないとか、じゃあ何で入札、手を挙げるのだろうみたいなことを疑問に思いまして質問を重ねてきまして、たまたまタイミングが重なったのか、この辞退届の仕様を変えるということで、より理由を明確にしようというところは評価するところでございます。
 つきましては、この辞退届の仕様変更を行った理由についてお示しいただければと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 平成二十九年六月末に試行を開始いたしました入札契約制度改革では、より多くの事業者に入札に参加していただき、入札の競争性や透明性を高めることを大きな狙いの一つとしております。
 工事案件における今回の辞退届の仕様変更においても、こうした観点から、辞退があった場合には、その理由をより詳細に把握、分析することにより、不調の防止や応札者の増加など、今後の発注をより的確なものとすることを意図したものでございます。
 具体的には、これまで任意であった辞退理由の記載について、五つの選択肢を設けて回答を必須とすることで、辞退理由の傾向を統計的に把握することを可能とするものとしております。

○上田委員 より多くの事業者に入札に参加していただいて、入札の競争性、透明性を高めることは、都民にとって大変メリットがあることだとは思います。
 そこで、今回の辞退届の仕様変更により、理由を詳細に把握分析することで、不調の防止や応札者の増加などの意図があることについて確認させてください。理由の把握及び分析によって、不調の防止や応札者の増加に結びつける方策もあわせてお示しください。

○五十嵐契約調整担当部長 こうした傾向分析の結果の活用によりまして、例えば、同種の工事に関して、不調や入札参加者が少ない原因が予定価格によるものなのか、あるいは技術者不足によるものなのかなどが把握でき、その防止等のために予定価格や発注時期、工期などの設定の見直しなどをより適切に行うことが可能になるなど、都がこれまでも取り組んできている入札に参加しやすい環境の整備に資するものと考えております。

○上田委員 この辞退届の、環境の整備に資するものと認識されている仕様変更によりまして、入札に関してはどのようなメリットがあるかということをお聞きしたいと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 入札辞退届に五つの選択肢を設けて回答を必須とすることで、辞退理由を全て確認できることから、その傾向を統計的に把握し、原因等の分析が行いやすくなるものと考えております。
 今回の変更により、例えば、同種の工事に関して不調の防止や入札参加者をふやすために、発注条件の設定等において工夫できる余地がないかどうかを検討する際の材料の一つとして活用できるものと考えております。

○上田委員 今、ご回答いただきましたが、発注条件の設定等において、工夫できる余地が重要なところだとは思っておりますが、想定できる発注条件の設定などはどのような工夫をお考えでしょうか、お示し願いたいと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 発注条件の設定に当たっての工夫といたしましては、例えば、業種や発注時期により入札参加者が少ないと想定される場合には、都内地元中小企業への配慮をしつつも、地域要件等を緩和することや、施工の難易度や工期の問題等により入札への参加が敬遠されていると考えられる場合には、発注等級の拡大や該当の一部を切り分けて発注すること、さらには、事業者が技術者を確保しやすいよう同種の工事を同時期に発注するのではなく、時期をずらして発注するといった発注時期の分散を図ること、こういったことなどの工夫が考えられるところでございます。

○上田委員 さまざまな工夫を分析したり、そのために発注時期の分散を図るなど、いろいろ想定をされているということですが、八月三十一日に始めているものですが、五つの選択肢から理由を記載するシステムで、この選択肢の中で、例えば、今のようなことは十分に把握や分析等できるのでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 今回の仕様変更で設定した五つの選択肢でございますが、具体的に申し上げますと、一つ目は、配置予定技術者の配置が困難になったため、二つ目は、見積金額が当初見込みより過大となったため、三つ目は、発注図書に不明確な部分があったため、四つ目が、技術的に履行が困難な案件のため、五つ目は、その他としておりまして、このうち、その他以外の選択肢につきましては、これまで任意に理由を記載していただいていた際に、辞退理由として実際に記載が多かった項目でございます。
 また、これらの選択肢に加えて、自由に記載できる欄を設けておりまして、その他という項目を選択した場合だけでなく、その他以外を選択した場合についても、この自由欄を活用して、より詳細に理由を記載できるようにしているところでございます。
 まずは、今回設定した過去の代表的な理由に基づく選択肢により辞退理由の傾向を分析することとしておりますが、選択肢の設定については、分析結果を踏まえ、必要があれば対応してまいります。

○上田委員 ここでちょっと注目した、発注図書に不明確な部分があったためも選択肢の一つとなっておりまして、これは過去の代表的な事例であるとも考えております。この理由は、発注者側に何らかの原因があると思われますが、発注者側に原因があると思われる理由が代表的な事例として示されていることに、若干、ちょっと私も驚いた次第でございます。このような理由は、あってはならない理由と思われますが、ご所見をお伺いしたいと思います。
 また、技術的に履行が困難な案件のためも選択肢の一つとなっており、これも代表的な事例であると推察しております。技術的な内容は仕様書などの入札図書類に明確に表示されていない、示されていないのでしょうか。そうなりますと、それはそれで発注者側に大いに問題があるのではないかと思料するところでございますが、これについてもご所見をお願いいたします。

○五十嵐契約調整担当部長 発注図書に不明確な部分があったためという選択肢についてでございますが、事業者の積算に必要な事項は図面や仕様書などの発注図書に記載しておりますが、工事によっては、工事内容や施工方法など文書だけではどうしてもわかりづらい部分もあるため、入札参加希望後に、事業者から都に対して一定期間、質問ができる仕組みとしておりまして、できる限り情報を提供した上で入札に付すよう努めているところでございます。それでもなお、入札に参加する事業者によっては発注図書がわかりづらいと判断される場合もあると想定されることから、こうした選択肢を用意しているところでございます。
 また、技術的に履行が困難な案件という選択肢についてでございますが、技術的な内容は、当然、発注図書に明確に示した上で発注しているところでございます。この選択肢は、事業者が入札への参加を希望した後に、応札に向けて発注図書をよく読んだ上で現場を確認したところ、施工環境が想定よりも悪く、自社のこれまでの施工経験では技術的に履行が難しい案件と判断される場合を想定いたしまして設定したものでございます。

○上田委員 このまま読むと、発注者側が不明確であったのかなというふうには思うんですが、現場が不明確というふうに読み取ればいいのかなと、ご答弁の中では、今のところは解釈させていただきたいと思います。
 かねがね私は辞退談合というものを懸念しているところでございますが、例えば、実証はできていないんですけれども、この五つの選択肢の中で、私が懸念するような辞退談合と思われるような事案というものは防ぎ得ることができるんでしょうか、確認させてください。

○五十嵐契約調整担当部長 今回の仕様変更につきましては、談合防止ではなく、入札参加者をふやすことを目的としておりまして、入札参加者が辞退した場合に、その理由を把握し、統計的に分析していくことを意図して導入したものでございます。
 ただいま先生から辞退談合というお話ございましたけれども、都としては、入札の辞退そのものは競争入札制度で認められている行為であり、直接、談合につながるものというふうには考えていないところでございます。

○上田委員 チャンスを広げるということではありますが、冒頭申し上げましたように、一般的な談合事件の場合は、落札予定者より高い価格を入札するという手法でありますが、落札予定者以外の入札参加者が全て辞退するという談合も新たな談合手法となり得る可能性があり、これが常態化した場合、大きな社会問題となるのではないかということを、私は先見的に指摘をさせていただいているわけでございます。
 そのような可能性も事前に防止していくことこそが地方公共団体の--本当に今回の入札の改革については、非常に、知事初め当局の皆さんも苦労はしておりますが、いろいろな可能性を加味しながら一進一退を繰り返し、最善の入札制度のあり方というものを模索していく中で、事前に防止していくことは地方公共団体の責務の一つと思われますが、ご所見をお伺いいたします。

○五十嵐契約調整担当部長 談合は、悪意により入札の競争性、透明性、公正性を意図的に阻害する違法な行為でありまして、談合が明らかになった場合につきましては、指名停止や違約金など厳正に対処しているところでございます。
 談合の防止については、悪意のある入札者同士が相談できないよう、多くの入札者が参加し、誰が参加しているのかがわからない、そういった入札環境を整えることが最も重要というふうに認識しております。
 都では、入札参加者が、自分以外に誰が入札に参加しているかわからない状況とするため、電子入札により競争入札を行うとともに、工事発注の平準化や年間発注予定表の充実など、より多くの事業者が入札に参加できるようにするなど、談合を行いにくい環境の整備に取り組んでいるところでございます。

○上田委員 それでは、入札参加者、事業者側の立場から、辞退届の仕様変更を検討する際に、業界に対してヒアリングやアンケート調査は行われましたでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 この間、業界団体が主催いたします入札契約制度改革に係る事業者向け説明会などの機会を捉えまして、不調の防止や入札参加者をふやす取り組みの一環として、辞退届の仕様変更を行うこと、また、事業者の皆様に辞退理由の記載についてご協力いただきたいことを説明し、周知を図ってまいりました。

○上田委員 るる事業者様からは、特に中小企業の皆様から、入札契約制度改革については、事前価格を公表しない等々、大変な波乱を呼んだところでございますが、説明を受けた事業者さんから、この辞退届に関する質問はなかったのでしょうか、あった場合は、どのような質疑かお示しいただければと思います。

○五十嵐契約調整担当部長 今回の事業者向けの説明会におきましては、特段、事業者から辞退届についての質問はございませんでした。

○上田委員 アンケート調査を行っていなかった場合、入札辞退案件を可能な限り減少させる方策というのはどのように検討したのでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 先生ご指摘のとおり、入札の辞退者をできる限り減らし、入札への参加者をふやすことは、競争性や透明性を向上させるために重要なことと考えております。
 参加者をふやす取り組みといたしまして、今回の辞退届の仕様の変更に加えまして、工事発注の平準化、年間発注予定表の充実、施工内容等を踏まえた入札参加資格の設定、適正な予定価格、工期の設定など、既にさまざまな角度から入札に参加しやすい環境の整備に努めておるところでございまして、今後も引き続き取り組んでまいります。

○上田委員 事業者側ではなくて、入札監視委員会で活発な議論がされました。学識経験者の方もおいでになりました。これらからの意見を聞きましたか。また、今後、こういった学識経験者等に聞く予定等はございますのでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 入札監視委員会が平成三十年三月にまとめました入札契約制度に係る検証結果報告におきまして、今後の検討課題として、入札参加者の少ない案件についての事後検証の仕組みについて触れられておりまして、入札参加者が少なかった案件については、参加辞退者等に対して辞退理由を確認することの重要性について提言をいただいているところでございます。
 今回の辞退届の仕様変更につきましては、こうした提言にも即した内容であり、これにより辞退理由の傾向を統計的に把握分析することが可能になると考えております。辞退理由の傾向につきましては、今後、本格実施後の応札の状況などとともに入札監視委員会に報告していくこととしております。

○上田委員 相関していることは確認いたしました。
 平成二十一年三月に、文部科学省が入札辞退に関するアンケート調査結果を発表しておりますが、そこには、その他を含めまして十三項目の理由があったとのことであります。また、地方公共団体によっては、相当数の理由事例を示しているのも見受けられます。
 そこで、今回の、その他を含めて五つの選択肢のみによって、辞退理由の傾向を統計的に把握分析し、不調の防止や応札者の増加など今後の発注をより的確なものとすることは可能なのでしょうか、所見をお伺いします。

○五十嵐契約調整担当部長 今回、設定いたしました選択肢は、これまでの辞退理由として実際に記載が多かった項目をもとに設定しておりますが、より詳細に理由が記載できるよう、自由記入欄を設けるなど、辞退理由の把握に資する項目を設定しているところでございます。
 まずは、今回設定した過去の代表的な理由に基づく選択肢により、辞退理由の傾向を分析することとしておりますが、その分析結果を踏まえ、選択肢等の設定については、必要があれば対応をしてまいります。

○上田委員 今回の資料の一八ページではないですが、配置予定技術者の配置が困難になった等の理由が多く見受けられ、入札監視委員会においても指摘をされており、疑問の残るような議事録とはなっていますが、この理由については、入札発注条件の設定において排除することは不可能なのでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 発注者と入札参加者が対等な立場で行う入札契約手続におきましては、競争性や透明性を向上させるため、入札参加者を広く募集し、できるだけ多くの事業者に入札に参加していただくことが重要と考えております。
 お話の配置予定技術者につきましては、建設業法により、所定の実務経験を有し、資格試験に合格した者と定められており、その技術者の数には限りがある上に、工事案件ごとに専任で配置することが求められております。こうした中、確実に落札者になることが決まっていない競争入札の性質上、入札参加希望者が都の案件の入札締め切り前に他の団体が発注する公共工事や民間工事を受注することなどによって、都の工事に当初配置を予定した技術者を配置できずに、結果として都の入札を辞退するという事態が生ずることは十分に想定されるところでございます。
 入札発注条件により入札辞退を禁止することは、他の公共工事や民間工事の受注活動を事実上、制限することとなり、事業者、特に人的資源が限られる中小企業の経営に大きな影響を及ぼすとともに、入札参加の門戸を狭め、かえって入札参加者を減らし、入札の競争性、透明性を損なうおそれがあるものと考えているところでございます。

○上田委員 入札参加の門戸を狭めたくないということは理解しましたが、例えば、入札発注条件の設定として、配置予定技術者の配置が困難になったとの理由の場合、今、部長がおっしゃったような、重複したほかの工事案件を辞退届に明記することとの発注条件を設定しておくことで、当該理由の乱用を防止することにつながること並びにその理由をより詳細に把握分析することができることにつながると思われますが、そのような内容を入札発注条件に設定することについて所見をお伺いします。

○五十嵐契約調整担当部長 競争入札における入札の辞退は、発注者が入札条件を任意に定める一方で、入札参加者にとっては、受注が確実とはいえないことから、より多くの事業者に入札参加の機会を設けるため、都を含め国や多くの自治体で、入札締め切り前であれば、理由を問わず、いつでも入札を辞退することを認めているところでございます。
 今回の辞退届の仕様変更の目的は、談合防止ではなく、都の発注工事の内容や設定条件の見直しの参考とすることでございまして、お話の重複した他の工事案件を辞退届に明記することを入札の発注条件に設定することは、都の発注工事の内容や条件の見直しに直接影響を与えるものではないことから、まずは、今回の選択肢による分析を行っていくこととしております。

○上田委員 とすると、談合防止のみならず、なぜ辞退するのかという詳細の理由を把握していただきたいという思いだったんですが、この理由がまた今後も数多く散見される場合、何らかの対応をとる予定はあるのでしょうか。

○五十嵐契約調整担当部長 繰り返しになりますけれども、都以外の公共工事や民間工事の受注などで配置予定技術者の配置が困難になったという理由により入札を辞退することは、当然に想定されるものでございまして、発注者と対等の立場である事業者が都以外の公共工事や民間工事の受注に当たって、どの工事案件を選択するかについての経営判断を発注者が入札辞退を禁止することによって制限することは、一方的な措置であり、入札の競争性、透明性、公正性を高める上で、発注者、受注者双方にとって利益があるものとは考えておりません。
 都としては、入札辞退を制限によって減少させるのではなく、今回の仕様変更で把握できるようになる入札辞退の理由をもとに、その原因を分析し、これまでよりも多くの入札参加者に応札していただける環境の整備を進めていくため、これまでも取り組んできた工事発注の平準化、年間発注予定表の充実、施工内容等を踏まえた入札参加資格の設定、適正な予定価格や工期の設定などの取り組みの強化を引き続き図ってまいります。

○上田委員 最後になりますけれども、都としては、入札辞退を制限によって減少するのではないと。今回、辞退届の仕様を変更し、把握できるようになる入札辞退理由をもとに、その原因を分析して、これまでも取り組んできた工事発注の平準化、発注予定表の充実、施工内容等を踏まえた入札参加資格の設定、適正な予定価格や工期の設定など、取り組みの強化を図っていくことで、より多くの入札参加者に応札していただける環境の整備を推進というご説明をいただきました。
 そこで、前段における質問と重複いたしますが、おっしゃるとおり、そうであればこそ、辞退理由を五つに絞らず、より多くの選択肢を設定して詳細把握をするべきでないかと考えます。
 また、前問でも指摘させていただきました配置予定技術者の配置が困難になったとの理由の場合、重複したほかの工事案件を辞退届に明記することとの発注条件を設定しておくことは大変重要と思われるんですけれども、最後に改めて所見をお伺いいたします。

○五十嵐契約調整担当部長 多くの選択肢の設定につきましては、かえって統計的な特徴を分散させてしまうことから、今回、設定した選択肢につきましては、これまでの辞退理由として実際に記載が多かった項目をもとに設定しておりますが、選択肢以外の辞退理由もきちんと記載できるよう自由記入欄を設けるなど、辞退理由を詳細に把握分析できるようにしているところでございます。
 また、繰り返しになりますが、お話の重複した他の工事案件を辞退届に明記することを入札の発注条件に設定することにつきましては、都の発注工事の内容や条件の見直しに直接すぐに影響を与えるものではないことから、まずは、今回の選択肢により分析を行ってまいりたいと考えております。いずれにしましても、今回設定した選択肢により辞退理由の傾向分析を行い、その分析結果を踏まえた上で、選択肢等の設定については必要があれば対応してまいります。

○上田委員 多くの選択肢の設定は、かえって統計的な特徴を分散させる、統計学ってそういうものじゃないと思うんですね。やっぱり数々の統計の数値がたくさんあることで全容が見えてくるのではないかと考えます。
 もちろん、私が懸念するような辞退談合なんてあってはならないことではありますけれども、やはり辞退が多過ぎない入札というものを--今まで軽々しく入札して辞退しちゃえばいいやというような文化もあったのかもしれませんけれども、不調が続く中で、確実な事業者をしっかりと、分母がこれだけもう出てきておりますから、受注していただくようなご努力を引き続き続けていただきたいということで、一応、辞退届の仕様が変わったこと自体は評価をさせていただきまして、また引き続きまして、今後の入札とその辞退の状況についても定点観測をさせていただきたいと思います。
 ご答弁ありがとうございました。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○まつば委員長 次に、報告事項、平成二十九年度東京都年次財務報告書について外一件に対する質疑を行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先日の委員会におきまして要求のございました報告事項に関する資料についてご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。今回、報告事項に関して要求のございました資料は、要求資料第2号から第6号までの五件でございます。
 なお、東京都工業用水道条例を廃止する等の条例についてに関する要求資料につきましては、先般の公営企業委員会・財政委員会連合審査会に提出させていただいております。
 恐れ入りますが、二〇ページをお開き願います。要求資料第2号、財政需要の推計方法の比較でございます。
 こちらは、二〇ページから二二ページにかけて、社会保障関係経費、社会資本ストックの維持更新経費、防災に係る経費、東京二〇二〇大会の開催経費等について、財政需要の推計方法をお示ししたものです。
 続きまして、二三ページをお開き願います。要求資料第3号、東京都方式と総務省「統一的な基準」との比較でございます。
 こちらは、東京都と総務省の方式との違いについて、二三ページに全体イメージを、二四ページから二五ページにかけて項目ごとにお示ししたものでございます。
 続きまして、二六ページをお開き願います。要求資料第4号、経常収支比率における性質別歳出区分の前年度対比でございます。
 こちらは、経常収支比率における性質別歳出区分ごとの前年度差引額、寄与度及び寄与率についてお示ししたものでございます。
 続きまして、二七ページをお開き願います。要求資料第5号、義務的経費の構成比(平成二十九年度)でございます。
 こちらは、義務的経費の構成について、人件費、扶助費、公債費ごとに金額をお示ししたものでございます。
 続きまして、二八ページをお開き願います。要求資料第6号、行政活動キャッシュ・フロー収支差額及び形式収支の推移でございます。
 こちらは、行政活動キャッシュ・フロー収支差額及び形式収支について、年度ごとにお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○まつば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○増田委員 そうしましたら、私の方からは、報告事項の中の東京都年次財務報告書について、幾つか質問をさせていただきます。
 年次財務報告書につきましては、毎年、分析のテーマを変えて、その時々のさまざまな角度から東京都の財政状況を資本市場の参加者に対してわかりやすい形で分析を試みていまして、有用な分析ツールになっているところではないかなというふうに思うところなんですけれども、今回は、その中でもプライマリーバランスについて、そのトレンドを国と東京都のそれぞれを比較分析しているところがございます。
 国の財政については、いろいろと報道されているとおりでありまして、一般会計の要求総額も五年連続で百兆円を超える一方、歳出増の圧力は非常に強まるばかりで、財政再建の道のりは非常に厳しい状況が続いていると認識しているところなんですけれども、また、ことし六月に決定されましたいわゆる骨太の方針、この中では、プライマリーバランスの黒字化達成の目標を二〇二〇年度から二〇二五年度に先送りをしたということで、非常に、そういった意味からも厳しい状況が続いていると認識しているんですが、今回のこのプライマリーバランスにおける国と東京都の比較の分析なんですが、まず初めに、このプライマリーバランスが示すその意味と、国との比較から見えてくることについて、伺いたいと思います。

○山田主計部長 国の財政健全化目標の指標の一つでありますプライマリーバランスは、全体の収支から公債発行に係る収支を除いたもので、当該年度に必要とされる政策的経費をその年度の収入でどれだけ賄えているかを示す指標でございます。この指標を見る際には、単年度の状況はもとより、中長期的な傾向や赤字要因などを総合的に分析することが重要であります。
 国のプライマリーバランスは恒常的にマイナスとなっておりますが、これは毎年度の政策的経費を国債の発行なくして賄うことができない状況であり、いわば借金に頼った財政運営を続けていることを意味しております。
 一方、都のプライマリーバランスは、バブル経済崩壊の影響により平成四年度から十一年度まで赤字でありましたが、十二年度以降は、リーマンショックによる大幅な減収局面があった際でも基金の活用などにより黒字を維持しており、健全な財政運営を行っていることを示しております。

○増田委員 今のご説明で、プライマリーバランス、やはり単年度の収支差だけを見るのではなくて、中長期的な視点でそのトレンドを見ることが重要なのかなということと、国との比較において、いかに東京都の財政が健全性を維持しているかということがわかったかと思います。
 過去を振り返りますと、東京都もプライマリーバランスが、バブル経済の崩壊後に赤字になったり、そのときに都債の残高がピークになっておったりということで、東京都も過去において一定の厳しい状況を経験してきているということもわかるかと思います。そういうような状況の中から、いかに都の財政が立て直されてきたのか、そして今の健全性が築かれてきたのかということも、今後、また難しい局面に対峙することも考えられる中で、そのような過去をきちんと振り返って整理しておくということも非常に重要かと思います。
 そこで、その財政再建の過程から現在に至るまでの具体的な、どのような取り組みを行われてきたのかについて伺いたいと思います。

○山田主計部長 都財政は、平成十年度決算におきまして一千億円を超える実質収支の赤字を計上し、財政再建団体への転落が現実視される危機的な状況に陥ったため、二次にわたる財政再建推進プランを実行し、財政再建の取り組みを進めてまいりました。
 具体的には、全庁的な事務事業の見直しにより職員定数の削減を行うとともに、当時としては全国で最も厳しい職員給与費の四%削減を実施するなど、内部努力を徹底いたしました。また、監理団体の抜本的な見直しを行い、統廃合を進めるとともに、大規模施設の新規建設の停止や規模の縮小など、経常経費、投資的経費を問わず施策の見直し、再構築を進めました。
 平成十七年度に財政再建を達成した後も、こうした施策の見直し努力を継続していくために、事業評価の仕組みを導入し、絶えず歳出の精査に努めているところでございます。
 また、歳入面では、バブル経済崩壊後、税収が大きく減少する中、施策の実施に必要な財源を確保するために最大限に都債を発行した結果、平成十二年度には都債残高が約七・七兆円まで増大をいたしました。
 この経験を踏まえまして、平成二十年度からのリーマンショックの影響による減収局面におきましては、歳出を見直すとともに基金を活用することにより、都債の発行額を抑制いたしました。その結果、平成二十九年度末時点におきます都債の残高は、ピーク時から約四割減となる約四・三兆円まで圧縮しております。
 このことによりまして、将来に向けた発行余力を培うことができ、歳入面におきましても財政対応力の強化を図っているところでございます。

○増田委員 今の説明で、財政再建について、過去においてかなり地道なというか、身を切るような努力を続けられてきた、そういう不断の見直しをされてきたということで、現在の堅実な財政基盤の強化に努めてこられたということがわかったと思います。
 また、リーマンショックによる大幅な税の減収局面においては、それまでに積み重ねてきた成果としての基金であるとか、それから都債の弾力的あるいは機動的な発行を活用することで、その危機を乗り越えてこられたのかなというところも理解したところでございます。
 今後、超高齢化社会の進行を背景として、社会保障費の増加というのは、これはもう必ず起こることでありまして、それに対してしっかりと守りを固めていくということは、これは最低限、行政としての重要な責務だと考えるところです。
 また一方で、今後、社会構造も急速に変わっていくと思いますし、東京は国際間の都市競争、これも勝ち抜いていかなければならない。そのために、やはり張るところには張るといいましょうか、投資すべきところには投資していくという、そういうめり張りのきいた姿勢も大変重要になってくると思います。
 つまり、東京と日本全体の持続的成長の実現に向けて、守るところは守る、また、攻めの姿勢で新たな分野に投資に打って出ていくところもまた必要と考えますけれども、その点についてのお考えを伺います。

○山田主計部長 今後も、日本が世界経済の中で存在感を発揮し続けるためには、東京が激化する世界の都市間競争を勝ち抜き、世界から金と人を呼び込むことで日本経済を牽引し、国全体のパイを拡充させていく必要があると考えております。
 外部調査機関によりますと、国際競争力の向上に向けまして、投資効果の高い取り組みの例といたしましては、羽田空港の年間発着枠の拡大、鉄道六路線の整備によるネットワークの強化、外かく環状道路の整備などが挙げられております。
 国際情勢が刻一刻と変化していく中で、東京、日本の持続的成長を実現するために、このような東京の魅力、活力の底上げにつながる施策を積極果敢に展開していくことが必要と認識しており、財政当局といたしましては、その施策展開を支える財政対応力の堅持に努めていかなければならないと考えているところでございます。

○増田委員 今、ご説明にありましたように、やはり東京は、世界から人、物、金、これを呼び込んでいかなければならない。そのために、そういったインフラ的な部分ですとか、投資を積極的にしていかなければならないところというのは、私も大いに賛同するところでございます。そして、そのための財源というのはしっかりと確保しておかなければならないと思うわけです。
 一方、そのような中で、現在、国によりまして地方法人課税の新たな偏在是正措置に関する検討が進められるなど、東京都の貴重な財源に対してさらに収奪を進めていこうと、こういう動きがあるわけですけれども、これではやはり、日本の首都たる東京が日本を牽引していくための大事な体力を奪われて、ひいては日本全体が衰退してしまうのではないかというようなところも懸念されるわけであります。
 最後に、昨今の国の動きに対しまして、都としてどう考え、どう対応していくのか、改めて、大事なところでございますので、局長のお考えを伺いたいと思います。

○武市財務局長 日本全体の活力を底上げいたしまして、先ほどお話にもございましたように、我が国を持続的成長に導いていくためには、東京が我が国経済の牽引役といたしまして役割を果たすとともに、同時に、各地方もみずからの権限と財源をもって、個性や強みを生かして地域を活性化させていくこと、すなわち東京と地方の共存共栄を図っていくこと、これが非常に重要であるというふうに考えております。
 にもかかわらず、国は、地方同士で財源調整を行えばよいというような構図を意図的につくり出しているように思えます。地方税の本旨をゆがめまして、都市の財源、とりわけ東京の財源を地方に再配分する不合理な税制度の見直しを、近年、繰り返し行っているところでございます。
 こうした小手先の手段に訴えるばかりでは、地方が抱える巨額の財源不足の本質的な解決にはつながらず、真の地方分権の実現にもつながらない、そうしたことは火を見るよりも明らかであると思います。地方の自主的、自立的な行財政運営を可能とする財政自主権の確立を見据えまして地方税財源を充実することこそが、これが国が本来目指すべき方向性であると考えます。
 平成三十一年度税制改正に向けまして、こうした本筋に沿った議論を積み重ねた上で、オール東京で一丸となりまして、他の自治体ともしっかり連携しながら、あらゆる機会を捉えまして都の主張を強力かつ戦略的に展開してまいります。

○増田委員 ありがとうございました。今、表明していただきましたけれども、財源の収奪の問題につきましては、引き続き東京都が一丸になりまして、我々の立場というのをきちんと主張し続けていくことが重要だと思います。
 また、最後に、財政全般のことですけれども、今現在は特に、幸いというか、税収が大きく落ち込むような経済環境ではないと承知しております。運用面で、金利が著しく低いということで、そこの難しさはあると思いますけれども、今、そういった意味では、税収が減る局面ではないと。
 そういう問題のないときにこそ、悪くなるときに備えてしっかりとできるべきことをやっておくということが重要かと思いますので、引き続き、長期的かつ大局的な視点に立って、また、慎重な上にも柔軟な発想を持った財政運営をお願いできればと思います。
 そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

○うすい委員 私の方からも、平成二十九年度の東京都年次財務報告書について何点かお伺いをしたいと思います。
 都の平成二十九年度普通会計決算を見てみますと、昨年度に引き続きまして、実質収支は千二百億円台の黒字となっており、経常収支比率は八〇%台前半と、都道府県の平均値が一〇〇%を超える中、都財政は引き続き弾力性が高く健全な状態を維持しているといえます。
 こうした財政指標だけを見てみますと、都財政は余裕があるように受け取れますし、また、税収格差という一側面だけを捉えた、いわゆる税収の偏在是正が正当化されかねないと思うわけでございます。
 しかしながら、現在、都財政が健全なのは、先ほども質疑のやりとりがございましたけれども、過去のさまざまな困難を一つ一つ乗り越えてきた結果であると思います。
 過去にバブル経済が崩壊した際には、三年間で一兆円もの税収が減少し、一千億円を超える都政史上最大の赤字を抱える中で、基金が底をつく寸前まで追い詰められた過去の実態がございます。また、リーマンショックの際には、一年間で一兆円もの税収が減少した現実もございました。このように、都財政の歴史は、税収変動の波にある意味で翻弄されてきた歴史であるといってもいい過ぎではないと思います。
 平成二十九年度東京都年次財務報告書においては、こうした過去の歴史をたどった上で、健全な財政運営に向けた、これまでの都の努力してきたことや、今後、都が直面する膨大な財政需要などについて分析をされ、報告をされているわけでございますけれども、今後、避けて通れない財政需要への対応を含めて、都として中長期的にどのような財政運営を行っていく必要があるのか、年次財務報告書の内容をひもといた上で検証をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、今回の平成二十九年度決算について、全体を通して、都としてどう総括をされているのかお伺いをしたいと思います。

○山田主計部長 今回の平成二十九年度決算におきましては、歳入の約七割を占めます都税収入は五兆二千八百九十二億円となっております。
 一方、歳出面におきましては、これまで計画的に積み立ててきました基金を活用することなどによりまして、東京二〇二〇大会の競技施設関連整備の進捗に伴う経費の増加にしっかりと対応することはもとより、保育士等キャリアアップ補助や待機児童解消区市町村支援事業の拡充など、都が直面する喫緊の課題への対応に積極的に取り組んだところでございます。
 また、自己改革の取り組みなどにより生み出されました平成二十八年度決算の剰余金などを活用いたしまして、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金に一千五百八十八億円の積み立てを行うことで、東京二〇二〇大会の開催に伴い都が負担する大会経費の財源確保に努めるなど、将来の財政需要を見据えた対応を図ったところでございます。
 さらに、都債発行額を低水準に抑えたことなどによりまして、都債残高は前年度比七・五%減となります四兆三千五十億円となりました。
 このように、平成二十九年度決算は、施策の積極的な展開と財政の健全性の確保という二つの目標を両立できた決算であると考えております。

○うすい委員 私からも総括をさせていただきますと、これまで計画的に積み立ててきた基金などを活用して喫緊の課題に対応しているとともに、中長期的な視点を踏まえての財政基盤の強化にもしっかりと取り組んでいることがうかがえる決算ではないかと思います。
 幸いにして、現在の都の財政運営は健全といえる状況にありますが、かつては、先ほど申し上げたとおり実質収支で一千億円を超える赤字を経験したこともあるわけであります。都がこうした強固で弾力的な財政基盤を築くことができた背景について押さえておくことは、今後の財政運営を展望する上でも大変に重要なことだと思います。
 今回の年次財務報告書では、平成四年度の国と都の財政規模を一〇〇とした場合、平成二十九年度の国の財政規模が一三九まで拡大しているのに対して、都の財政規模は九八と、一定水準に保っているという国と都の比較を行っています。
 都は、どのような努力によって財政規模を一定水準に保ってきたのか、平成四年度と平成二十九年度における国と都の歳出の増減の内訳を比較しながら説明をしていただきたいと思います。

○山田主計部長 平成四年度と平成二十九年度におけます国と都の歳出を比較いたしますと、まず、国におきましては、社会保障関係費が約二十兆円、国債費は約八兆円、歳出全体で約二十八兆円の増加となっております。
 一方、都におきましては、国と同様、社会保障関係費が大幅に増加しているものの、土木費を約一兆円、職員給与費を約二千億円縮減するなど、歳出全体では二%、約一千億円の減としておりまして、歳出規模の抑制を図っているところでございます。
 この背景といたしましては、都は、バブル経済の崩壊後、都税収入が急激に減少する中、国に先駆けて歳出抑制にかじを切り、職員定数の削減などの内部努力や施策の見直しを徹底したこと、さらには、財政再建達成後もそれまでに集中的に実施しました見直し努力を事業評価の取り組みとして再構築し、継続的に実施していることなどが挙げられます。
 また、平成二十九年度予算編成からは、原則として全ての事業に終期を設定し、終期が到来したものにつきましては事業評価を行い、見直し、拡充、継続等を判断するシステムを導入することで、施策のPDCAサイクルをさらに強化するなど、健全な財政運営に向けた不断の努力を行っているところでございます。

○うすい委員 財政再建期に集中的に取り組んだ歳出削減の取り組みを、財政再建達成後も、事業評価として再構築をして継続しているとのことでありました。こうした努力の積み重ねこそが今日の健全な都財政運営に大きく貢献しているものと考えます。
 平成二十九年度には、終期設定という新たな取り組みを開始したとのことでありますが、今回の年次財務報告書には、平成三十一年度予算編成に向けた新たな評価手法として、コストベネフィットの視点を踏まえた評価を新たに実施するとの記載がございました。
 そこで、コストベネフィットの視点を踏まえた評価とは具体的にどのような評価手法なのか、見解を伺います。

○山田主計部長 コストベネフィットの視点を踏まえた評価とは、事業を実施するために投入するコストと、事業実施により期待できる社会的、経済的便益とを比較検証する評価手法でございます。
 例えば、予防医療を目的といたしました普及啓発事業の場合、事業実施によりまして検診受診率が上昇し、その結果、抑制できる医療費を社会的、経済的便益とみなし、本事業実施に要するコストと比較しまして検証し、事業の妥当性を判断するものでございます。
 平成三十一年度予算編成では、このコストベネフィットの視点を踏まえた評価を含め、より一層創意工夫を凝らして事業評価に取り組み、予算の質の向上や効果検証の徹底へとつなげていきたいと考えております。

○うすい委員 このように、常に取り組みを進化させながら努力を積み重ねていくことは非常に重要でございます。
 今日の健全な都財政は、まさに過去からの創意工夫の積み重ねによるものであり、諸先輩の皆様の懸命な努力に対しまして敬意を表するとともに、こうした努力を今後も怠ってはならないと思います。
 一方、将来に目を向けてみますと、都には避けることができない膨大な財政需要がございまして、我が党の代表質問でも触れましたが、人命尊重を最優先とした大規模災害対策は喫緊の課題であります。
 この夏発生した西日本を中心とした集中豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震など大規模災害による甚大な被害によりとうとい命が亡くなり、また、住民の生活にも多大な支障を来しております。
 この首都東京でも首都直下地震が懸念されており、また、私の地元である足立区を含めた江東五区は、多くの地域が海抜ゼロメートル地帯に属していることから、巨大台風や、今までにないような激しい豪雨などにより、洪水や高潮による大規模水害が生じるおそれがリアルにあるわけでございます。
 年次財務報告書では、こうした財政需要は、今後二十五年間の累計で、現行水準から約十五・二兆円も増加すると試算をしております。
 加えて、景気動向の影響を受けやすい都の歳入構造に鑑みれば、基金残高の確保と計画的な活用の重要性はどう考えても疑う余地はございません。必要不可欠でございます。
 そこで、今後の財政運営における基金活用の考え方について、これまでの残高の推移とあわせて東京都の見解を伺います。

○山田主計部長 まず、年度間の財源調整機能を有します財政調整基金の残高の推移は、バブル経済崩壊により都税収入が急激に落ち込む中、平成九年度末には十億円とほぼ枯渇をいたしました。
 その後の財政再建の取り組みによりまして、平成十九年度末には五千八百七億円まで回復させましたが、その後、リーマンショックの影響から一時減少に転じ、その後、平成二十九年度末には七千百六十五億円を確保しているというような状況でございます。
 また、委員からご指摘のありました耐震化や不燃化、豪雨対策など、東京の防災力向上を計画的に進めるための防災街づくり基金は三千一億円、子育て家庭への支援や超高齢化の対応などに活用する福祉先進都市実現基金は二千二百二十六億円など、新しい東京の未来を切り開くための三つのシティー実現に向けた基金につきまして、平成二十九年度末時点で、合計一兆八千百十七億円を確保しているところでございます。
 基金は、都の税収が景気変動の影響を受けやすい不安定な構造である中にあっても、都民の生命、財産を守る災害への備えなど喫緊の課題に着実に対応するため、また、東京のさらなる成長創出に向けた施策を展開していくための財源として重要な役割を果たしており、引き続き、計画的、戦略的に活用していきたいと考えております。

○うすい委員 一部、基金残高の増加を捉えて都に財政的な余裕があるとの意見もありますが、今後の財政需要への対応という観点からも、都民の生命と財産を守るためにも、基金残高の確保は極めて重要であります。事業評価の取り組みの進化などにより、一層無駄の排除を徹底するとともに、基金や都債を戦略的に活用し、今後の財政需要にも的確に対応していくことを強く求めるものでございます。
 一方で、国は人口一人当たり税収額の比較のみをもって格差を殊さらに強調し、都の長年の努力の積み重ねを無にするような地方法人課税の不合理な偏在是正措置を拡大しようとしております。
 こうした動きは、大都市ならではの財政需要、例えば、都市部における豪雨から都民の命を守る地下調節池の建設や、突出して多い待機児童の解消といった東京特有の事情を全く無視したものであると思うわけでございます。
 地方法人課税の見直しに関しては、今定例会の開会日に、我が党も賛成の上、都議会全会一致で意見書が可決されたところであり、都においても、これまで以上にしっかりとあるべき主張を展開していく必要があると考えます。
 そこで最後に、避けることのできない財政需要や国の税制改正の動向など、都財政をめぐる状況を踏まえて、今後の財政運営に向けた財務局長の決意を伺います。

○武市財務局長 現下の都政におきましては、少子高齢、人口減少社会の到来でございますとか、大規模災害への備えなど、喫緊の課題への対応、東京ひいては日本全体の持続的成長に向けた施策の積極的な展開などが求められておりまして、将来にわたり膨大な財政需要が発生する見込みでございます。
 他方、都財政は景気の荒波に翻弄されやすい、そういう構造的な宿命を抱えておりまして、東京都は地方交付税の不交付団体でもあることから、他の自治体以上に自立的な財政運営を行っていく必要がございます。
 このため、いかなる状況におきましても必要な施策を着実に実施できるよう、財政面における備えをしっかりと講じるべく、強固な財政基盤の構築にこれまで全力を傾けてきたところでございます。
 しかしながら、国はこうした実情に目を向けることもなく、基金残高などの金額の多寡のみをもって東京都には財政上の余裕があるとし、新たな偏在是正措置を講じるべく検討を加速させているところでございまして、これにつきましては、到底看過できるものではございません。
 都議会の皆様とも連携をとらせていただきながら、東京都としての主張をしっかりと展開していく所存でございます。その上で、一つ一つの施策の効率性や実効性を向上させるとともに、中長期的な視点に立ち、将来にわたり安定的な財政対応力を堅持いたしまして、都政に課せられた使命を確実に果たしてまいります。

○うすい委員 今、局長から、今後の財政運営に向けた力強い決意をいただいたところでございますけれども、これまで以上に盤石な財政運営を行っていくことを強く求めまして、質問を終わります。

○小松委員 私の方からも、年次財務報告書に関して質問をいたします。
 内容に入る前に、まず、雑感を申し上げたいなと思うんですが、今、お二人からもありましたとおり、財政状況の堅調さというのは再確認できたものと思います。
 もう一つやはり感想として持つのは、都はこれまで不断の努力を重ねて大きな成果が出ていると。一方で、国は相変わらずだと。少々乱暴にいうと、そんな印象をこの報告書を読む中で感じるわけであります。
 もちろん、先人の方々のさまざまな努力、それによって生み出された成果を否定するものでありませんけれども、一方で、我が会派の代表質問でも取り上げさせていただきましたが、来年度の税制改正を控えまして、報道によれば、都は新たに三千億ともいわれる拠出を新たに強いられるのではないかなどとの懸念も含めますと、殊さら国と東京都を対比して、そのようないたずらにですね、国の側から見たときに苦い思いだけで東京都を見詰めるような報告書であったり、また知事の発言というのは、いかがなものかなというふうな印象を持っているわけであります。
 さて、内容に入らせていただきます。
 予算も決算も、どちらかといえば歳出の分野に着目をされて語られることが多いわけでありますが、財政とは、入るをはかりて出るを制すともいわれるわけでありまして、歳入状況、また歳入構造を確認することも重要だと考えます。
 こうした観点から、今回は歳入にスポットライトを当てて質疑をいたしたいと思います。
 まず、今回の報告書を読み解きますと、歳出規模が過去最大であった平成五年度と比較して、現在の歳入構造には大きな変化があるとしています。
 そこで、歳出規模がピークであった平成五年度と直近の二十九年度の歳入構造を比較した場合、どのような違いや、また特徴があるのか伺います。

○山田主計部長 平成五年度と平成二十九年度の決算を比較いたしますと、歳入規模は、ほぼ同水準であるものの歳入構造は大きく変化をしております。
 具体的には、平成二十九年度の都税収入は、五年度と比較しまして歳入に占める割合が一五ポイント増の七二・四%、金額にいたしまして一・二兆円増の五・三兆円となる一方、都債は、率で一五ポイント減の一・九%、金額にいたしまして約一・一兆円減の〇・一兆円となっており、都税収入が相対的に大きな割合を占めるようになっております。
 この理由といたしまして、平成五年度当時は、バブル経済崩壊の影響により都税が大幅に減収となる中、公共投資を中心とする景気対策に必要な財源を確保するために都債を最大限に発行しておりました。一方、平成二十九年度におきましては、足元の都税収入が堅調に推移していることから、都債については、将来負担を見据え発行の抑制を図ったことなどが挙げられます。
 このように、平成五年度と二十九年度の歳入構造には、都税収入と都債を中心に大きな違いがあらわれていると考えております。

○小松委員 ただいまの主計部長のご答弁で、都の歳入構造の変化について確認することができました。ただそれは、あくまでも一面的な評価でしか、できないわけであります。
 そのためかもしれませんけれども、今回の報告書のコラム欄の中には、国と都におけるこれまでの財政運営についての比較分析をされている欄があります。
 国と比較して論じること、このことによって東京都の状況というのが一つ見えてくる、これも重要な視点だなというふうには思うんですが、役割や機能、また課税権や徴税権など、さまざまな機能が異なる国との財政状況や、一方で自衛隊を抱える国との職員数がどう推移したかなどの比較をして、殊さらに東京都のこれまでの財政運営の正当性、また、国の放漫財政をあおる対立型に陥らないように留意すること、これが必要だということを改めて強調しておきたいというふうに思います。
 都は、国ではなく、法令上の役割から見れば地方の一つであり、同じ役割を果たす他の道府県と比較をしながら財政運営を考えることも重要だと思います。
 そこで、他の道府県と比較した場合、都の歳入構造についてどのような違いや特徴があるのか、確認の意味を含めて伺いたいと思います。

○山田主計部長 平成二十九年度決算におけます歳入構造を都と他の道府県で比較いたしますと、歳入に占める地方税の割合は、都が七二・四%であるのに対しまして、他の道府県は三五・〇%となっております。加えまして、都が地方交付税の不交付団体であるのに対しまして、他の道府県では歳入全体の一九・九%を地方交付税が占めており、その構造には大きな違いがございます。
 また、税収のうち景気変動の影響を受けやすい法人二税の占める割合が三五・一%と、他の道府県の一四・一%に比べて高く、リーマンショック時には一年で約一兆円の税収減を経験するなど極めて不安定な構造を有していることに加えまして、都は税収が減少した場合でも、地方交付税による補填がないことから、税収の減少が歳入の減少に直結するという面がございます。
 このような財政構造を前提とした上で、必要な都民サービスを中長期的にわたり安定的かつ着実に提供できるよう、より自立した財政運営を行うことが必要であると考えております。

○小松委員 これまでも繰り返し述べられてきたことでありますが、都財政は、他の道府県と比べて景気変動に極めて大きな影響を受ける不安定な構造にあり、その分、安定的な施策展開を図るための自主財源がより重要なことを改めて確認することができました。
 こうした観点から、ことしの第一回定例会の財政委員会の質疑の中でも少し触れました都債について、引き続き、地方全体の状況とも比べながら確認を続けたいと思います。
 そこでまず、過去に発行し、今後償還を要する都債残高の状況について、地方全体の推移とあわせて伺いたいと思います。

○山田主計部長 都債残高につきましては、バブル経済崩壊後、税収の低迷が続く中、国の経済対策に呼応した公共投資などに対応するための財源として都債を最大限活用してきたことから、平成四年度以降、その残高が急増し、ピークとなる十二年度には約七・七兆円まで膨らみました。その後、財政再建の取り組みなどを通じまして歳出抑制に努めるとともに、計画的な活用を図ってきた結果、平成二十九年度決算時点の残高は、十二年度と比べまして、約四割減の約四・三兆円となっております。
 一方、他の道府県の地方債残高は、平成十二年度以降もほぼ一貫して増加傾向にあり、二十九年度末では、十二年度と比べまして約四割増の八十三・七兆円となっているところでございます。

○小松委員 都財政が最悪の状況にあった平成十年代の初期以降、この都債残高を着実に減らしているということを具体的な数値をもって確認することができました。
 都債残高が減ることはもちろん喜ばしいことだと思います。しかしながら、さきの財政委員会でも指摘をしましたが、都債には、年度間調整だけではなく世代間負担の公平性という重要な役割を担う、こうした機能も大切だと思います。
 平成二十九年度決算の都債の発行額は、先ほどのご答弁で〇・一兆円とありました。歳入全体に占める起債依存度に至っては、これも先ほどの答弁にありましたが、わずか一・九%、一方で、地方全体の起債依存度を確認したところ一二%程度だということでありました。
 幸いなことに、都政は、近年、堅調な税収が続いており、地方とも財政構造や財政事情が異なる部分もありますが、余りにもこの世代間負担の公平性という観点がないがしろにされていないか、少し危惧をするところであります。
 そこで、都は、現在の起債依存度について、どのように認識をされているのか、また、本来の望ましい水準、こうしたものはあるのか、お考えを伺います。

○山田主計部長 平成二十九年度決算におけます起債依存度は、今後の人口構造の変化や社会資本ストックの維持更新需要などを見据えつつ、将来世代の負担を考慮して都債の発行額を抑制した結果でございます。
 起債依存度は、社会情勢や経済動向の変化に伴う歳入構造の変動に大きく影響を受ける指標でございます。よって、普遍的な適正水準を設定するということは困難でありますけれども、現在の起債依存度につきましては、都債を適切に活用した結果、低い水準にあると認識しております。国や地方との比較におきましても、低い水準が継続しているところでございます。
 今後とも、こうした指標に留意しながら、年度間の財源調整や世代間の負担の公平性を考慮しつつ、都債を適切かつ計画的に活用していきたいと考えております。

○小松委員 ただいまのご答弁で、都債と起債依存度に対する現状の都の考え方を確認することができました。
 ご答弁の中に、都債を適切に活用した結果、低い水準にあるというふうなご答弁もありました。確かに、いわゆる借金に当たるこの都債というのは低いにこしたことはないと思うんですが、やはり現状だけでこの財政分析をするのではなくて、十年先、二十年先ということを見据えていくことというのは大変重要であります。
 そうした意味で、例えば、先日の連合審査会でもありましたけれども、工業用水のところも、参考人の方からも、もっと先を見据えて先に手を打つ必要があったのではないか、都の怠慢なのではないかという厳しい指摘もありましたので、現時点で都債依存度が低いということに満足することなく、そうした投資についてもしっかりと見据えて、必要な使い方を含めて、そこまで含めて適切に活用ということがいえるのかなというふうなことをつけ加えたいと思います。
 戻りますが、先ほどの答弁にもありましたけれども、都は、不交付団体でもあることから、より自立した財政運営を心がけることが必要だというご答弁いただきました。都債も重要な、また貴重な自主財源の一つであります。そうした意味で、いわゆる都債の発行余力を残すため、税収が堅調な今、抑制すること、このことも重要だというふうには思います。
 引き続き、世代間の公平性についても留意しながら計画的な発行に努めていただきたいということを望んで発言したいと思います。
 今回は、都債に関連して質疑をしたわけですが、都債の残高も、発行額も、ピーク時と比べて現状はかなり低い水準にあります。近年の堅調な税収動向の恩恵も一部にはあろうと思いますが、こうした現在の健全な財政基盤というのは一朝一夕に構築することはできません。
 冒頭でも触れましたが、これは、これまで都政に携わってきた全ての先人、先輩たちが、今だけではなく真剣に将来を考えた、血のにじむ財政再建の努力のたまものである、これが今の財政基盤の土台になっている、このことは評価をしたいと思います。
 今回の報告書において、国と比較した都の財政運営の努力や成果がさまざまに語られてありますが、このように、しっかりと都の財政基盤、強固な基盤をアピールすること、このことを否定するものではありませんが、あくまでもそれは、わずかこの数年で生み出されたものではなくて、非常に厳しかった時代に、石原知事を初めとする当時の都議会が協力し合いながら一丸となって取り組みを続けてきた、この歴史による結果であるということは紛れもない事実であるということを申し添えて、質疑を終了いたします。

○曽根委員 私からは、今回提案されております工業用水道事業の廃止条例について、我が党の意見を表明させていただきます。
 この間、需要の減少と施設の老朽化という状況を抱えていた工業用水道事業について、連合審査や、その中での参考人質疑も含めて質疑が重ねられてきましたが、その中で、実は、東京都は十四年前の包括外部監査の指摘を受けた当時から、事実上、廃止ありきともいうべき検討を進め、事業存続のための抜本的な対策がなされてこなかったことも明らかになりました。
 とりわけ、三桁を擁していた当該職員数を一桁にまで削減をしてきたことは、工業用水道事業のノウハウや技術をスリム化の名目で全面的に放棄し、事業継続の道をみずから閉ざしてきたに等しいといわざるを得ません。
 また、揚水規制をかけたままの事業の廃止ということで、利用者への影響は大きく、今回の事業廃止に対する都の責任は極めて重いことは明らかです。事業者の方々からは、据置期間、激変緩和期間が終わる二十年後のことが心配だという声が出ています。
 都の案の中にも、長期的な観点から事業廃止後も支援の内容や対象について検証を重ねていくということが示されていますが、議会としても、それらを確実に後押ししていくため、私たちは、公営企業委員会に対して事業の廃止による企業及び個人の利用者への負担を極力抑えるとともに、今後長期にわたり利用者の事業経営や暮らし維持のための支援に努めるという趣旨の付帯決議案を提案しております。
 さらに我が党は、この間の調査や質疑を通じて、中小零細企業への支援を検討していくことがさらに必要だと改めて考えるものです。利用者は、いずれ上水道料金を払うことになりますが、そのときに有効な支援策となるのが、上下水道料金の減免制度です。水道局では、メッキ業と皮革関連企業などに水道料金の減免制度を設けていますが、その対象は大口利用者に限られ、小規模事業所は受けられず、対象業種も限定的です。
 中小企業や地場産業を支える支援策として、水道及び下水道料金の減免をより多くの産業を支える支援策として充実させるよう、これも付帯決議案として提案をしております。
 個人ユーザーについても、今後の支援策の検証を通じて、利用者の要望に耳を傾け、より一層の充実に努めるよう求めておくものです。
 以上です。

○上田委員 私の方からは、公会計と年次財務報告書につきまして、決算を前に端的に四問、質問したいと思います。
 要求資料の3をごらんください。公会計制度に当たりましては、先ほど同僚委員もございましたように、殊に石原都政下で、総務省、国に先駆けて民間に近い公会計の導入ということのご努力を続けてまいりました。
 平成三十年、ことしからですか、いよいよ統一的な基準をせざるを得ない状況になりまして、税収や国庫補助金の取り扱いについては、東京都方式は収入として行政コスト計算書に計上しておりますが、総務省方式は行政コスト計算書の収入に計上せず純資産変動計算書に計上しているというような状況です。資料3をごらんいただければわかると思います。
 国際公会計基準の考え方からすれば、東京都方式が、論理的整合性や民間との互換性が高いと考えられます。
 都は大分、総務省方式との間でご努力をされてきましたけれども、現行の東京都方式と比べて、総務省の統一的な基準での行政コスト計算書による財務諸表の活用が効果的にできているのか、ご所見をお伺いしたいと思います。

○山田主計部長 ただいま理事がご指摘をしてくださったところもございますけれども、総務省の統一的な基準は、自治体の主要な財源である税収を行政コスト計算書の歳入として計上せず、収支の状況がわかりにくいなどの課題があると思っております。
 他方、都方式の財務諸表は、企業会計や国際公会計基準に近くわかりやすいこと、日々仕訳方式によりまして事業別財務諸表を作成でき、マネジメントの活用にも有効であることから、都としましては、引き続き、都方式の財務諸表を基本に都議会への報告や都民に対しての公表を行っていきたいと考えております。
 総務省方式につきましては、自治体間の比較を行うことができるということでは一定の意義がございますことから、都方式の平成二十九年度財務諸表を組みかえまして、公営企業や監理団体などを含めた連結ベースでの財務諸表を作成し活用していきたいと考えております。

○上田委員 都方式の財務諸表を基本にして、私どもや都民等にわかりやすく公表をしていただいているということを確認させていただきました。年々、本当に見やすくなっていると思います。引き続きのご努力をお願いしたいと思います。
 各財務データについてです。資料4の経常収支比率についてです。
 経常収支比率は一般的に七〇%から八〇%が適正基準といわれておりまして、これを超えますと地方公共団体は弾力性を失いつつあると考えるとされております。
 平成二十九年度東京都年次財務報告書の経常収支比率の推移においても、平成十八年度から二十九年度を見ても、八〇%を下回っているのは平成二十八年度のみです。平成二十八年度は七九・六%に対して、二十九年度は八二・二%と二・六ポイント上がっております。資料要求したデータを見ましても、公債費が八百四十五億四千三百万円増加したことが大きいのではないでしょうか。
 しかしながら、平成二十三年度の九五・二%をピークに減少傾向にあった経常収支比率が、なぜここで、二・六ポイントですけれども、上がってしまったのか、具体的な原因についてご説明ください。

○山田主計部長 経常収支比率は、人件費、扶助費、公債費など容易に削減することが困難な経常的経費に地方税を中心とする経常的な収入がどの程度充当されているかを示す指標でございます。比率が低いほど財政の弾力性が高いことをあらわしております。
 平成二十九年度の経常収支比率は、前年度から二・六ポイント上昇し、八二・二%となりましたけれども、これは、公債費の元金償還金が増加する一方で、都税収入が若干ではございますが減収となったことなどによるものでございます。
 都の経常収支比率は、前年度と比べて上昇したものの、絶対的な数値としては十分に低いものであると考えております。都道府県全体の経常収支比率が、近年一〇〇%を超える水準にあることと比較しますと、都財政は引き続き高い弾力性を確保している状況にあると考えております。

○上田委員 今、容易に削減することが困難だとご指摘されました義務的経費についても、ちょっと確認いたしますけれども、年次報告書の義務的経費及び歳出に占める割合の推移におきまして、構成比、資料5の方、取り寄せさせていただきました。
 ほかの道府県の割合は、近年約四五%程度で推移しておりまして、都はそれに比較して財政の弾力性が高いという分析のようではありますけれども、二十九年度における義務的経費は、前年比四・一%、八百六十五億増の二兆一千九百二億円です。確かに、ほかの道府県と比較をすれば義務的経費比率は低く、ほかの道府県と比較すれば財政の弾力性が高いのかもしれませんが、やはりこれも前年度と比較すれば四・一%分は弾力性が失われたという解釈もできます。
 この原因が公債費の増加が大きいと都は解釈していらっしゃるようですけれども、なぜ公債費が増加するようなことになったのかご説明ください。

○山田主計部長 平成二十九年度決算におけます公債費は五千五百七十一億円で、前年度比一七・〇%、八百十一億円の増となっております。これは、将来負担の軽減を図るために、都税収入などを活用いたしまして、過去に発行した都債の借りかえを抑制することで、元金償還を着実に進めた結果でございます。
 地方債は、財源として計画的に活用することに加えまして、戦略的に償還を進めていくことで、年度間の財源調整や将来世代の負担を見据えた中長期的な財政負担の平準化を図ることができるものと考えております。
 今後とも、都債を適切に活用いたしまして、都財政の弾力性の維持に努めていきたいと思っております。

○上田委員 将来負担の軽減を図るため、元金償還を着実に進めた結果であるということ、確認をさせていただきました。
 続きまして、行政活動キャッシュ・フロー収支差額及び形式収支についてです。資料の6号になります。
 平成十八年から二十九年度まで、行政活動キャッシュ・フロー収支差額及び形式収支の推移についての資料でございますが、この間の形式収支は、一度もマイナスになったことはなく、平成二十九年度の四千七百六十八億円がピークとなっております。形式収支はプラスになれば翌年度に繰り越されて活用するものとされております。
 しかし、収支均衡の原則論からするならば、都が抱えている事業を、廃止や縮小もしくは基礎自治体へ移譲するなど、さらに行財政改革への可能性を見出すことはできないのでしょうか。収支均衡の原則論と行財政改革との関係性について、都のご所見をお伺いいたします。

○山田主計部長 まず、予算編成につきまして、収支均衡を図りながら行うものでありますけれども、決算の状況につきましては、そのときの経済状況や行政運営の状況等により変動し、必ずしも均衡しない仕組みであります。だからこそ、赤字決算とならないように適切に財政運営を行う必要があるものでございます。
 お尋ねの形式収支は、出納閉鎖期日におけます当該年度中に収入された現金と支出された現金の差額、すなわち現金ベースでの単純な差引収支を示すものでございまして、平成二十九年度決算は四千七百六十八億円の黒字となっております。
 一方、現実の財政運営を判断する上では、発生主義の立場を加味し、現金ベースの収支としてあらわれない、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支を用いることが適当であると考えております。
 平成二十九年度決算におけます実質収支は一千二百五十三億円の黒字となりました。これは、将来を見据えて無駄の排除を一層徹底するなど、不断の改革を進めたことによるものでございます。
 ワイズスペンディングの視点によりまして自律的な都政改革を不断に推し進め、健全な財政基盤を堅持していきたいと思っております。

○上田委員 全般を通しての黒字ということで評価はするところではございますけれども、実質収支が千二百五十三億円の黒字となり、弾力性が失われたのは借金を早く返したということであります。この報告書の方の一一ページの都債残高及び発行額の推移、この資料も可視化してお見せいただくようになりまして大変ありがたいことだと思います。
 私、平成二十五年に当選をさせていただきまして、この都債残高を早く返すようにということをずっとずっとお伝えし続けておりますが、皆々様の不断のご努力にもよりまして、非常にここがぐっと減っていることは大きく評価したいと思います。
 ただ、二十八年度に小池都政になりまして、一年目は、六年ぶりでしたか、ちょっと数字忘れましたけれども、前年度よりも予算を圧縮したんですね。しかしながら今回は、その翌年は十三兆円というふうな予算がふえてしまったということであります。
 今回、まだ堅調な財政運営をしているところではございますけれども、三十一年度に、次年度予算におきましては、引き続きましての前年度よりも減らす努力をしていただきたいということをしていかないといけないのかなというふうに私の感想を述べさせていただきまして、質疑を終わらせていただきたいと思います。

○宇田川委員 先週の金曜日に連合審査会を行ったわけですが、残念ながら時間切れになってしまいましたので、その続きについて、質疑のやりとりをさせていただきたいと思います。ぜひ、私の申し上げることをしっかりと受けとめていただいて、責任のあるご答弁を賜りますようによろしくお願いをしたいと思います。
 施設の老朽化対策、設備更新、また、工業用水道事業継続のための取り組みを、先日、お尋ねをいたしました。いろんなことを、苦しいいいわけも含めておっしゃっていたんですが、結局のところ、水道局は、自分たちはできる限りの努力はしてきたんだと、そういう答弁でありました。加えて、東京独自の諸事情があり継続できなかったことを理解してほしいと、こんな水道局長答弁もあったわけであります。大変私は残念な答弁だと受け取りました。
 その上で、継続がままならない、廃業やむを得ずとの考えがあったのであれば、施設撤去費用等をなぜ内部留保してこなかったのか、留保の努力もなく無策のままほったらかしたのか、こういう問いかけもいたしました。それに対しては、余裕がなかった、その中で、ユーザーアンケートや有識者委員会の提言を受け、支援策をいかにすべきか、この方向にかじを切り検討してきた、こういう答弁でありました。
 私から見れば、責任感がなく、いいわけにもなっていない、そんな受けとめをさせていただいたところであります。
 ある意味、一部局の失策を補うために、しかも特別会計ですけれどもね、これ、一般会計から全てを補填することに私は大変な違和感を感じております。財務局はこのことをどう受けとめているか、初めに伺います。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工業用水道の料金でございますが、平成二十七年三月まで、国の基準料金を超える値上げはできませんでした。都の工業用水道事業は、地下水揚水規制の代替施策のため、工業用団地とは異なりまして、利用者一件当たりの料金収入額は他県と比べまして少額でございます。また、広範なエリアに利用者が点在いたしておりまして、配水管などの延長も他県と比べて長い特徴がございます。
 水道局におきましても、これまで職員の削減や雑用水の供給など努力してまいりましたが、このような構造的要因によりまして、施設更新のための内部留保は困難な状況と認識しております。
 財務局といたしましては、今後も水道局と連携しながら、撤去費用のさらなる圧縮や資産の売却など、可能な限り廃止コストの縮減に努めてまいりたいと考えております。

○宇田川委員 今、答弁の最後だけ、財務局としては水道局と連携しながらなんていう話がありましたけれども、財務局は今の今までですよ、局長、無策失策の尻拭いのためにこんなことをしてきた、私は考えられないと思っているんです。ましてや特別会計、公営企業会計ですよ。そして一千億なんです、これ。今回の件に限らず一般論も含めて、ぜひ局長、どうお考えか、お答えをください。

○武市財務局長 公営企業会計は、独立採算を原則としてございます。そうした中で、一定の需要に基づき一般会計からの繰り入れというものも、約束されたルールの中で行っている場合がございます。また一方で、残念ながら、会計で十分賄い切れない部分につきまして、赤字補填をしているというような状況もございます。
 現在、議論させていただいております工業用水道会計につきましては、先ほど財政企画担当部長の方からもお話しさせていただきましたが、なかなか東京の工業用水道が抱える構造的な状況というんでしょうか、広範囲にわたりながら少数のユーザーが多数点在しているというような、そういった状況の中で、水道局としては、相当の経営努力もしたというふうに私ども理解しておりますが、なかなか十分、本来の独立採算の趣旨を発揮するというんでしょうか、その独立採算を完全に達成できなかったことについては、水道局とともに私ども、じくじたる思いでございますが、現状の中で、私ども、やむを得ない判断といたしまして、工業用水道を廃止せざるを得ないというふうに考えているところでございます。

○宇田川委員 今、局長の話、一部理解はします。足りなくなった部分を補填するというのも、今までやってきたことも存じ上げておりますが、しかし、度を超えて一千億円という話を、私はよく財務局がそんな穏やかな理解を示して認めているのかなという気がしています。一千億円に及ぶ税金の投入、これ大方の都民の皆さんも、はい、そうですかと簡単に納得する話ではないと思っています。
 かつて、新銀行東京が大きく問題視をされたときがありました。四百億円を投入し、あのときは新銀行東京は存続しました。今回は、一千億円を投入して廃止です。新銀行のときには、議会においても特別委員会を設置し、時間をかけた議論をしてまいりました。我々もしてまいりました。工業用水道事業についても、ぜひ私は、特別委員会の設置など、なお一層きちんと議論をしておくべきだと意見をいっておきます。
 都は、都民のこういった理解を得るために、どう取り組まれてきたんですか。また、今後どのように取り組まれるおつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいま都民の理解をどう得ていくのかというご質問ございました。
 まず基本的に、私ども、これまで東京都の工業用水道事業、これはかねてご議論いただいておりますように、地盤沈下防止対策として供給を開始した、その所期の事業目的は達成し、地域の産業振興において重要な役割を果たしてきた、こういった認識をしております。
 一方で、工場の都外移転などが進みまして、ピーク時の三分の一まで供給件数が落ち込んでいる、そして都として経営改善に取り組んできたものの、今後も需要の増加は見込めない厳しい経営状況が続くと、こういう見通しを持ってございます。
 また、都の工業用水道事業でございますが、事業開始から既に五十年以上経過してございますことから、施設の老朽化への対応は、もはや待ったなしの状況という認識をしてございます。
 このような厳しい状況の中で、課題が顕在化してまいりましたことから、長年の懸案とされてまいりました都の工業用水道事業については、利用者の皆様の声を丁寧にお伺いしながら、取りまとめました支援計画案の策定とあわせて廃止することといたした次第でございます。

○宇田川委員 今、私の問いに、答弁になっていないと思います。ユーザーの方じゃなくて都民全体に対してどうなんだと。
 時間がないんで、ちょっと急がせていただきますが、仮に廃止が可決、決定をした場合の後始末について伺ってまいりたいと思います。
 平成三十五年の三月末まで工業用水道事業会計は続くと先日お示しがありました。平成三十五年四月以降は、一体どういう会計になっていくんでしょうか。公営企業会計の清算というのは、残念ながら勉強不足で私の記憶にはないんですけれども、どう処分していくのか教えてください。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工業用水道事業でございますが、上水道への切りかえが完了いたします平成三十五年三月三十一日までの間、供給を継続するために、会計についても同日まで継続いたします。切りかえ期間中に供給休止となります配水管を順次撤去するとともに、処分可能な資産は、有償所管がえや売却など必要な整理を着実に実施してまいります。
 会計廃止に当たりましては、これまでの都の公営企業会計の廃止、統合等の事例、そして工業用水道事業の廃止、一般会計に移管しました茨城県日立市の先例などを参考に、今後、水道局と連携しながら、特別会計の設置なども含めまして具体的に検討してまいりたいと考えております。

○宇田川委員 今、最後に、今後具体的な検討をするというご答弁がありました。裏を返せば、現在まで検討はされていないというふうに受け取らせていただきます。
 今、答弁の中で、日立市の事例という話があったんですが、東京都と日立市、事業の予算規模等、果たして比較対象となるものなのか、参考になるのか、ちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 日立市の例でございますが、今、手元の資料によりますと、日立市で廃止いたしました日立市工業用水道事業、これは平成二十七年四月一日に廃止してございます。一つ比較となる指標でございますが、利用者数、こちら十一件でございます。この規模が参考になるかと思っております。
 以上でございます。

○宇田川委員 ちょっと比較にはならないだろうなと。予算規模を聞いたら、多分、数千万とか一億なのかそんなことで、こっちは一千億ですから。三十五年四月までにやればということじゃないんで、きちっと会計処理については検討を進めていただいて、早急に結論を出すようにお願いをしたいと思っています。
 次に、既設配水管の有効活用についてお尋ねをさせていただきます。
 先週の審査会におきましては、有効活用して無駄を排除していく、こういった答弁がございました。具体的にどういう活用をするのか、お示しをいただきたいと思います。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 具体的には、三園浄水場の土地建物、設備など、上水道と工業用水道が共有して使用する資産、これは水道事業会計への有償所管がえを基本に考えてございます。配水管につきましても、水道事業で有効活用が可能なものは水道事業会計に移管し、残る資産につきましても、他用途への活用方法など幅広く検討してまいりたいと考えております。

○宇田川委員 私、今、有効活用の具体策を示してくださいという話をしたんです。具体策を示してください。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工業用水道事業でございますが、上水道へ切りかえが終了する平成三十五年三月三十一日まで工業用水が継続するため、会計も継続する、この切りかえ期間中に、供給休止となる配水管を順次撤去するとともに、処分できる資産は売却するなど必要な整理は行っていくというものでございます。具体的な例といたしましては先ほどご説明したとおりでございます。

○宇田川委員 具体的な話にはなっていないと私は思います。最大限活用といっている割には、具体策がないというのはいかがなものでございましょうか。
 小池知事のことですから、無電柱化の事業の活用をするべきだなんていう話は、私、出ているんじゃないかと思いますよ。こういうことに全く触れられていないのは何ででしょうかね。活用策というものが実際検討されていないんじゃないか、そう疑わざるを得ません。質問しても、もう一度質問しようかと思いましたが、答えが出てこないので次に行きます。
 次に、売却益を充当するといった答弁がございました。何を売却するんでしょうか。配水管ですか、浄水施設なんですか。配水管はもとよりですが、浄水施設を購入する先があるとは私には到底思えません。いかがですか、お答えください。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 具体的な売却でございますけれども、三園浄水場の土地建物、設備などを考えてございます。

○宇田川委員 一般企業であろうが何だろうが、浄水場を買う人いませんよ。しかも古くなったものを。ちょっと、さっき申し上げましたが、ちゃんと誠意のある、責任ある答弁をしてください。もう一度伺います。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 三園浄水場の土地建物、設備など上水道と工業用水道が共有して使用する資産については、水道事業会計の有償所管がえを基本に検討してございます。

○宇田川委員 水道事業会計の有償所管がえという言葉が出ました。これすなわち水道局内で、数字を右から左に移すって、そういうふうに聞こえます。いろいろご検討されていると答弁ではいうんですよ。さっきの配水管の有効活用をどうするんですか、財産処分はどうするんですか、こう聞いても具体策が全く出てこないというのはなぜなんですかね。やっておられないとしか、私は受けとめることができません。
 それでは、次に、支援策の内容について伺ってまいります。
 先週の連合審査会において、地下水は現在不明確であって、将来にわたって規制は現行どおりだと、こういう答弁がありました。当然のことだと思います。このことを、はっきりとユーザーに示されてきているんでしょうか。
 私がユーザーに聞いた話では、地下水揚水についてユーザーがお尋ねになったとき、将来的にはわからないと、まるで、時が進めば緩和されていく可能性があるみたいな話に聞こえたと、こういう話がございます。
 揚水規制、またその緩和は支援策の大前提になる話であります。向こう先二十年ですからね。
 工業用水道事業に関する庁内検討会における各局の役割分担では、ユーザー対応は水道局となっておりますので、確認できた範囲で結構ですからお答えをいただきたいと思います。揚水は現行どおり、これ以上の揚水はできないと、ユーザーにはっきりとお示しになったのかどうか、簡単で結構ですからお答えください。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ユーザーへの説明でございますが、今回の支援計画案、こちらを持参しまして、地下水は、現行規制を継続しながら時間をかけて丁寧な検証を進めていると説明していると聞いております。

○宇田川委員 今お話のあった支援計画案の最後のところに、二行だけこのことが書いてあるんですよ、ちらっと。それをきちっと説明されているかどうかというと、私が聞いた話では、さっき申し上げたとおり、丁寧な説明は受けていないということであります。
 検討いかんでは可能と聞き取られるような、誤解を与えているのか、もしくはそうとられてもいい余地を残しているのか、それがよくわからないんですね。きちんと説明を果たしてきたとはとても思えないんです。だからこそ、だからこそですよ、今もって地下水利用の要望が出されているんじゃないですか。間違いなく、はっきりとこれ以上の地下水揚水の規制緩和はありませんといっていれば、こんなに多くの方々から要望が出てくるとは私は思えません。
 現行、示されている支援計画案では、工業用水道の代替水は、上水道というたった一つの選択肢しか示されておりません。複数のユーザーが希望している、今申し上げた地下水揚水については、これ以上は不可という答えが出ております。だとすれば、ほかの選択肢はないんでしょうか。この議論はきちっとされてきたんでしょうか。
 現在、地域によっては、ここの新宿都庁もそうですよ、トイレ用水や修景用水などに利用されている、いわゆる再生水の供給はございます。これについて供給を進める検討はなされてきたんでしょうか。地域によっては、私は可能性は大いにある話だと思います。見解をお聞きいたします。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 六月の知事の廃止方針表明以降、支援策について検討を重ねてまいりました工業用水道事業に関する庁内検討会では、具体的な報告や議論は行っておりません。

○宇田川委員 ユーザーに丁寧に説明をし、また、彼らの要望を聞いて支援策をつくっていくという話でこの話ずっと来ているはずなんですよ。しかし、私のできの悪い頭でも考えられるようなことを、なぜ優秀な都庁マンの皆さんは検討すらさせなかったのか。
 選択肢の一つになり得るのではないかと思います。今後も含めて検討されますか。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今後の支援策に関しましては、私ども、今後設置予定であります庁内横断的な検討会、こういった中で、さまざまな検討を重ねてまいりたいと考えております。

○宇田川委員 ぜひ、さっきからいっているように、丁寧にユーザーに対応するのですから、きちっとやっていただくように要望させていただきます。
 もう一点、同様の確認をさせていただきます。
 これは、工業用水ユーザーの、ある企業からも要望が出ている話だと思いますが、川の水、河川水の利用についてはいかがでしょうか、検討されましたか、お伺いいたします。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 河川水につきましてですが、六月の知事の廃止方針表明以降、支援策の検討を重ねた工業用水道事業に関する庁内検討会では、具体的な報告や検討は行っておりません。

○宇田川委員 工業用水道のユーザーに、利用する云々は別にして、例えば、国とか関係省庁、関係局等々の調整が必要だと思っています、河川水を使用するには。私、ちらっと建設局に伺ったら、使うこと自体にそんな大きなハードルはないということを確認してきました。
 財務局に聞く話じゃないかもしれませんが、河川水の利用について、東京都は、今いった関係の団体と調整をしてきたいきさつというのはあるんですか。わからなければわからないで結構です。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 河川水の利用に関して、関係団体との協議ということでございましたら、ございます。

○宇田川委員 今ございますという答弁でありました。調整が必要なのはわかっておられるということです。私と同じ認識だと認識共有をさせていただきました。でも、工業用水道の切りかえの代替水の選択肢には入っていないというのは、その件についてだけいえば、調整する気もなかったと、私はそう捉えさせていただきます。
 先週の連合審査会における私の質問に対して、水道局長は、支援の充実のための検討を行ってきたと、こう答弁をされましたが、どこが丁寧な検討をしてきたのか、不思議でなりません。なぜ検討すらされなかったのか。もう答弁は結構です。
 次の質問に移りたいと思っております。
 工業用水道事業、この事業廃止に際しては、ユーザーの皆さんの同意は全く必要ないのでしょうか、見解を伺います。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工業用水の廃止に当たりまして、自治体が廃止をする場合には、国への届け出により廃止することが可能です。

○宇田川委員 済みません、もう一度伺います。ユーザーの同意は必要か、必要でないか。お願いいたします。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ユーザーの同意は必要ございません。

○宇田川委員 不要だと明確なご答弁をいただいたんですが、現在示されている切りかえの選択肢というのはたった一つなんです、先ほど来お話ししているとおり。これは何かといえば、上水道への切りかえのみなんですね。
 上水道へ切りかえをする際は、判こをつくんですよ。契約の締結が不可欠であるということなんです。このことは、事実上のユーザーの同意を要すると私は考えますが、ご見解を伺います。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいま委員がおっしゃったとおり、その切りかえに当たっての同意書に押印というのは、これはそのとおりだと考えております。先ほど私が申し上げましたのは、国への届け出で廃止ができるということでのご答弁とさせていただいた次第です。

○宇田川委員 今、部長の答弁と私のいっていることは一緒だと思っています。私は今、事実上、同意が必要なのではないかなという見解を示したことで、それは同じ考え方だと思っています。
 私は、この第三回定例会の前に、なぜこんなにも急いで、駆け込みで、この廃止条例を提出するのかお尋ねをいたしました。長谷川副知事、中嶋水道局長にお尋ねをいたしました。このお二方は、廃止に至る検討は十分に、十分に積み上げを行ってきたんですと、だから、一日でも早く結論を出したいからこそ第三回定例会に提出をしたいんだ、こう私にご説明をされました。
 今、先週からのやりとり、きょうもいろんなことをお伺いしてまいりましたが、とてもとても、積み上げた結果がここに示されているとは思えません。
 財務局長、長谷川副知事、中嶋水道局長は、十分に積み上げを行ってきた結果、提出されたと、こうおっしゃっていますが、局長も同じお考えですか、お尋ねいたします。

○武市財務局長 この間、私どもの中で、いろんな機会を捉えて議論、工業用水道に関して、存続すべきなのか廃止なのかという点で、議論を、長年にわたりしてきたという状況ございます。今回、特に最後、こういう形で廃止条例の提案という重い決断をするに当たりまして、庁内でもさらに議論を重ね、提案したところでございます。
 また、今回、第二回定例会の知事の所信表明の中で検討するという表明をいたしまして、次の第三回定例会で廃止という中でのそういう期間についてのところも含めてのご質問かなというふうに思っておりますが、私ども、ここで廃止にするに際しましては、ユーザーの方々を全戸訪問し、面会できた方、八割以上だと思いますが、直接お話、ご説明をし、ご意見を賜る、そういう機会も設けることもできました。そういう中で、必要な時間というのはとったのかなというふうに考えております。
 また、今後、廃止条例を可決いただきますと、廃止を前提とした準備も必要になってまいります。三十一年度予算に必要なものを計上するという手続もございますので、そうした中で、第三回定例会での提案をさせていただいているところでございます。

○宇田川委員 ユーザーを訪問されたという話もありました。八割のところに何回行ったのかわかりません。夜討ち朝駆け、膝詰めなんていう言葉がありますが、私も水道局にそういうお願いの話もさせていただきました。
 以前どこかで、私、この議論は、市場の移転と非常に似ているよという話もしたことがあります。市場は長年かけて多くの皆さんにご理解をいただいて、いまだに反対されている、残念ながらそういう方もいらっしゃいますが、ようやく何十年もかかって議論をしてきた、まさに積み上げた上で、事業者の皆さんのご理解もいただいた上で、そういう結論がボトムアップでできた話なんですよ。
 今回の話はボトムアップじゃないですよ、トップダウン。それは知事なのか副知事なのかわかりませんけれども、明らかにそういう拙速な議論の上に、この条例案提出がなされていると私は思います。今の局長の答弁をどう考え込んでも私には理解ができません。
 委員会提言、先生にもわざわざ参考人としてお見えいただきましたが、この提言には、廃止すべきである、こう結論が書いてあります。ただし、ただしですよ、行政施策として開始されたいきさつを踏まえ、廃止に当たっては十分な支援策を講じるべきである、こう明記をされています。当然のことだと思います。武市局長も、先週の連合審査会において、条例案と支援計画は密接不可分、両者は表裏一体、こうご答弁をされています。局長、先週、お話のあったこのことに間違いはございませんね。お答えをいただきたいと思います。

○武市財務局長 間違いございません。そのとおりでございます。

○宇田川委員 だとすればですよ、我々ずっと主張していますけれども、何でこの廃止だけ取り上げて、まず最初に廃止を決めて、そして支援計画というのは後にずらすんですか。全く理解ができない。ただ先送りにしているわけですよ。
 きょうも幾つか話を聞いてきました。会計の処理どうするんですか、いや、今後具体的な検討を行います。代替水どうするんですかといったら、いや、検討していませんと。既設配水管は有効活用どうされるんですか、具体案は示されない。売却はどうしていくんですか、これも納得できるような答えが全くないわけですね。
 もう一度聞きますけれども、これ何で廃止条例と支援計画を切り離して、三定で廃止条例だけ先行してやられるんでしょうか。これは私には本当に理解ができないんです。もう一度お答えください。

○初宿経理部長財政企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 廃止条例をご審議していただきますに当たりましては、支援計画案、これのご提示も必要であろうと、一緒にご審議していただくのが適切であろうということで、今回、上程にあわせて報告事項としてお示ししたものでございます。

○宇田川委員 あのですね、まず廃止を決定したときに、誰がこのことを重く受けとめてプレッシャーがかかるかといったら、ユーザーの皆さんなんですよ。もう廃止決められちゃったよ、都側からいえば、もう廃止は議会も承諾して決めたことなんですから変わりませんよ、こういうふうに聞こえるんですよ。私は、そういう考え方で進むことに決して賛意を示すことはできません。
 なぜ支援策と切り離してこの議論がこうした上程のされ方をしたのか。支援計画は、委員会提言の最後に示されました行政としてきめ細やかな支援策を構築すべしとはとても思えません。財政的な裏づけも現時点では全くありません。会計処理も含めた先の見通しも不明だということが、きょうは明らかになりました。財産処分や施設の有効活用も同様で、具体的な施策、今後の具体的な取り組みについては今、何が何だかわからない状態でいます。こんな状態で十分な積み上げがなされたと、理事者はよくもいえたものだと私は、あきれ返るばかりであります。
 私は、十数年前から、工業用水道事業の先行きについて課題として認識をしてきたつもりであります。その当初から、限界を迎えつつある施設、廃止に向かわざるを得ない状況、このことも理解していました。廃止そのものの議論に反対をしているわけじゃないんです。ほったらかしで、放置しておくわけにはいきませんし、早期に結論を導くべきだという考えは同じです。
 だからこそ、平成二十年の一般質問の場においては、第一回目のアンケート調査実施を受けて、事業者の意向をしっかりと把握し、その上で、きめ細やかな対応が必要であり、全庁横断的に検討を重ね、対策すべきは都の責務、こう私は一般質問の場で提言をいたしました。
 また、平成二十五年においては、最初の意向調査、今いった第一回目のアンケート調査から既に六年もの歳月が経過しても進捗がないため、改めて実態調査、意向調査を行い、検討を進めていくべき、こうした質疑もしてまいりました。
 ようやく廃止に向けた議論が行われることになったわけでございますが、余りにもずさんで拙速であること、先ほど来申し上げている財政的裏づけもない支援計画、廃止に向けて全く見通しが立っていない後処理、このままでは責任ある議決はとてもではございませんができません。
 局長からの答弁にもありましたように、予算審議も含めて、責任ある対応、確たる支援計画とセットで決定すべきことは当然のことではないでしょうか。我が党は、今後も審査、審議を継続し、都民の皆さんにも、ユーザーの皆さんにも理解を得られる、責任ある、間違いのない決定をすべきことを申し上げ、質疑を終わります。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十分散会

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