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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十六号

平成二十八年十一月二十二日(火曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長栗山 欽行君
副委員長松田やすまさ君
副委員長吉倉 正美君
理事小松 大祐君
理事とくとめ道信君
理事大西さとる君
山森 寛之君
大津ひろ子君
斉藤やすひろ君
山内れい子君
北久保眞道君
鈴木 隆道君
秋田 一郎君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
主税局局長目黒 克昭君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務加藤  隆君
税制部長小山 明子君
税制調査担当部長川上 秀一君
調整担当部長笹本  勉君
課税部長副島  建君
資産税部長大久保哲也君
徴収部長安藤 敏朗君
特別滞納整理担当部長譲原 秀晃君
収用委員会事務局局長砥出 欣典君

本日の会議に付した事件
収用委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
主税局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十八年度東京都税制調査会答申について
事務事業について(質疑)

○栗山委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び主税局関係の事務事業に対する質疑並びに主税局関係の報告事項の聴取を行います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○松田委員 私は、東京外かく環状道路の早期開通に向けて、収用委員会での取り扱いとその状況についてお伺いをさせていただきます。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会まであと四年を切りました。我が党が、東京を世界で一番の都市にするための政策の実現に全力で取り組む中、人と物の流れがスムーズに行き交う首都圏をつくるためには、三環状道路を初めとした道路ネットワークの重点整備は欠かすことができません。
 三環状道路のうち、中央環状品川線の開通によって、新宿から羽田空港までのアクセス時間は約半分になりました。一方で、私の地元板橋区または北区、荒川区からこの新宿に来ようとすると、今までの倍以上時間がかかってしまっている現状があります。以前は、私、家を出てから都庁に来るまで二十分ぐらいだったんですが、今、時によっては一時間以上かかる場合もあります。
 また、圏央道も、開通によって多摩地域から東名道、東北道へのアクセスが非常によくなった一方で、朝の時間帯の八王子付近の渋滞は非常に激しいものがあるというふうに伺っております。
 やはりこの環状道路というのは、同時並行でスピーディーに整備をしていくことが重要でありまして、そういった意味で、外環道というのは整備が非常に重要なものだと思っております。これによって、都心の渋滞緩和や環境改善が期待でき、私の地元からも、中央道、東名道へのアクセスが改善されることによって、人と物の流れの大きな変化を期待することができます。
 二〇二〇年の開通を目指して、国やNEXCOによって用地買収や工事が進められていると聞いておりますが、任意での買収が困難な場合には収用委員会の出番もあるとうかがいます。事務事業の説明において、国、NEXCOらの申請があると聞きましたが、初めに、取扱件数のうち、外環道に関する案件がどのぐらいあるのかを伺います。

○砥出収用委員会事務局長 東京外かく環状道路は、東名高速から関越道までを地下トンネル方式でつなぐ約十六キロの部分であり、平成二十六年三月二十八日に事業承認及び認可がされ、現在整備が行われているところでございます。
 本件に関する申請は、平成二十八年十月末までに四十三件ございまして、うち三十五件が処理され、現在八件が継続中でございます。処理の内訳でございますが、裁決十二件のほか、和解が四件、取り下げが六件、協議の確認が十三件となっております。承認、認可からまだ二年半でございますが、このように短期間に多量の申請が行われているところでございます。

○松田委員 ただいまご答弁いただきましたように、四十三件の申請、三十五件と非常に多くの申請、そして処理がされているということがわかりました。また、現在進められている外環道の整備に当たっては、地下トンネルによる方式に変更されたことで、長らく動かなかった事業が動き出しておりますが、地下トンネル方式によって行われる上での収用事件の特徴はどういったものか、お伺いいたします。

○砥出収用委員会事務局長 東京外かく環状道路の大部分は大深度地下に整備されるもので、その部分について補償は基本的には発生しません。一方で、インターチェンジやジャンクション部分の開削部は用地買収が必要となりまして、大深度地下に至るまでのトンネル部分については、区分地上権の設定を行う必要がございます。
 区分地上権の設定が必要な部分で任意での交渉が成立しない場合、土地収用法による使用についての申請が行われることになりますが、本年十月六日に、使用手続に関する初めての申請が収用委員会宛てに行われたところでございます。

○松田委員 大深度地下方式は、基本的に補償は要らないということですが、区分地上権の設定が必要な部分においては、任意での設定ができない場合には使用申請という形で、東京都収用委員会に申請されることがわかりました。
 使用の場合、通常の収用手続とは異なるでありましょうし、また事務事業説明では、ほかにも大都市ならではの課題を抱えているということでありましたが、そういった複雑困難な収用事件を迅速かつ適正に処理するためには、委員会を支える事務局の職員にも、適時的確な土地収用法を初めとした関係法令の幅広い知識が求められているというふうに考えられます。
 この点、職員の育成について、事務局としてどのように考えていらっしゃるのかをお伺いいたします。

○砥出収用委員会事務局長 先生お話しのように、収用事件の早期解決に向けては、収用委員会を補佐する事務局職員の育成によって事件処理能力の向上を図り、事務局の体制を整備することが必要でございます。
 そのため、転入者、未経験者を対象とした局内研修の実施、ペア制度を活用したOJT、収用事件に係る体系的な会議体の活用による処理精度の向上など、さまざまな手法を持ちまして職員の育成を図っているところでございます。

○松田委員 さまざまな知識を職員に対して学習をさせる、また、経験の浅い人に対しては二人一組ペアになってやるというようなOJTの方式を今活用されているということでしたが、やはりこういったことは知識を非常に重要とする仕事でありますので、継続性が非常に重要なことだというふうに思っております。
 先般の第三回定例会、我が党の小宮議員の一般質問でも、オリンピック・パラリンピックに関しては、やはり期間を区切ってしっかりと専門性を持ってやっていく、こういったご答弁を局の方からいただきましたが、収用委員会に関しても、継続性を持った職員配置、こういったことを東京都としてはこれからも考えていかなければならないんじゃないかなというふうに私は考えております。
 それと同時に、職員の意識として、豊洲問題、築地問題でもありましたが、横の連携、縦の連携、こういった職員の意識をしっかりとつくっていくことが、事務局長としてもこれから求められていることであるというふうに私は考えております。
 今後、外環道を中心として、道路ネットワークの重点整備を進める中で、収用制度の活用もどんどんどんどんふえていくことと思いますが、最後に、収用委員会事務局長、砥出事務局長に、職員の意識、改革マインドも含めて決意をお伺いして、質問を終わります。

○砥出収用委員会事務局長 収用委員会は、取扱件数の約九割が道路事業でございまして、道路ネットワークの整備において重要な役割を果たしているものと考えております。
 この収用制度のさらなる活用に向け、制度のPRや起業者、権利者への支援、事務局機能の充実などの課題があると認識しておりまして、現在、プロジェクトチームによるホームページの改修、区市町村に対する研修、手引の内容の充実など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
 今後とも、制度周知や人材育成、特に先生今おっしゃられているようなネットワークづくりなども含めて、事務局一丸となってしっかりと委員会を支えて、迅速かつ公正な事件処理を行い、都のインフラ整備に貢献してまいります。

○栗山委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○栗山委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○川上税制調査担当部長 先般、東京都税制調査会において取りまとめられた答申について、その概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、平成二十八年度東京都税制調査会答申の概要をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、Ⅰ、税制改革の視点でございます。
 次世代を含めた国民が安心して希望を持って暮らせる社会経済システムの構築に向け、将来を見据えた中長期的な視点からの税制改革が必要であるとしており、1、地方自治を支える分権改革、2、財政の持続可能性の確保、3、時代の変化に対応した税制の実現、4、税に対する理解を深める取組の重要性、5、活力ある社会経済の実現といった視点から提言をいただいております。
 次に、Ⅱ、税制改革の方向性でございます。
 1、地方税体系のあり方では、地方自治体の役割の大きさを踏まえれば、自主財源の充実強化が不可欠であり、特に地方税の充実を図るべきとしております。また、課税自主権の活用により自主財源を拡充し、自立的な行財政運営を行うよう努めるべきとしております。
 次に、2、地方消費税では、地方消費税は、世代間の負担の公平を確保でき、地域間の偏在が小さく、税収が安定的で、地方自治体の自主財源としてふさわしい税であるとしております。また、消費税率一〇%引き上げまでの間、国は地方自治体に対して必要な財政措置を確実に講ずるべきとしております。さらに、地方消費税の清算基準は、税収を最終消費地に帰属させるための指標であり、都道府県間の財政調整のために用いるべきではないとしております。
 次に、3、地方法人課税では、分割基準の見直しに当たり、これを財政調整の手段として用いることは、行政サービスの受益と法人の事業活動との対応関係をゆがめ、基準そのものに対する信頼を失わせることになるため、断じて許されないとしております。また、法人住民税法人税割について、地域間の偏在是正という目的のために、地方自治体の重要な基幹税を国税化することに合理性はないとしております。さらに、企業版ふるさと納税は、受益に対する負担という地方税の原則に反するもので、抜本的に見直すべきとしております。
 恐れ入りますが、一枚おめくりいただき、二ページをごらんいただきたいと存じます。
 4、個人所得課税では、税負担のみならず社会保険料負担も一体として捉えた上で、持続可能な社会の発展に資する個人所得課税の抜本改革が望まれるとしております。また、現行の所得控除を再編し、税額控除を積極的に導入するべきであり、給付つき税額控除の導入も一つの方策であるとしております。
 次に、5、車体課税等の自動車関連税では、持続可能な社会を実現するため、車体課税を積極的に環境関連税制として位置づけることが極めて効果的であり、保有段階における環境性能割の導入を積極的に検討することが望ましいとしております。また、エコカー減税等が低燃費、低公害車の普及に寄与する反面、大幅な減収が生じ、地方自治体は今後自動車関連税を充実確保することが重要な課題であるとしております。
 次に、6、環境税制では、地球温暖化対策のための税は、税率水準が著しく低く、排出抑制のインセンティブは余り機能していないとしております。また、化石燃料に対してCO2排出量に応じた税負担を求めていくための現実的な課税方法は、地球温暖化対策のための税のさらなる税率の上乗せが妥当であるとしております。
 次に、Ⅲ、東京における税をめぐる諸課題でございます。
 1、東京における財政需要では、首都機能をも担う東京には、大都市特有の膨大な財政需要が存在することから、総体としての地方税財源を拡充する方向がとられるべきとしております。
 次に、2、税に対する理解の促進では、租税教育は、納税についての理解と共感の醸成に焦点を当てるべきであり、特に高校生や大学生への充実が必要であるとしております。
 次に、3、都の重要施策を支える税制の役割では、特定の政策目的に基づく税制活用は、施策の必要性、合理性、有効性、相当性の観点等から慎重に検討する必要があるとしております。
 平成二十八年度東京都税制調査会答申についての説明は以上でございます。
 なお、お手元に資料第2号として、答申本文を配布させていただいておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。

○栗山委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○加藤総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る十月二十七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第3号、財政委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をごらん願います。
 今回要求のございました資料は四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。
 要求資料第1号、資本金区分別法人数及び法人都民税・事業税額でございます。
 この表は、資本金一億円以下及び一億円超の区分別に、法人数及び法人都民税額、法人事業税額の推移を五年度分お示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、都税の滞納整理における差押件数でございます。
 この表は、都税の滞納整理における差し押さえ件数を五年度分お示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第3号、東京都における超過課税及び主な軽減措置でございます。
 この表は、現在、都で実施している超過課税と主な軽減措置について、概要と影響額をお示ししたものでございます。
 次に、四ページの要求資料第4号、タイヤロック及びミラーズロックについてでございます。
 この資料は、タイヤロック及びミラーズロックの概要と装着台数を五年度分お示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○栗山委員長 説明は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○松田委員 主税局は、歳入所管局として税制にかかわる検討を含め、都税の課税から徴収に至るまで創意工夫を凝らした取り組みを進めていらっしゃいます。中でも、納税者の利便性向上のための納税方法の多様化、先駆的な取り組みや個々の滞納の状況に配慮をしたきめ細やかな対応によって、徴収率は年々上昇し、平成二十七年度の都税徴収率は九八・五%と過去最高の実績を上げられました。現場で苦労されている主税局職員の皆様方に心より感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 私からは、今ご説明いただきました都税調や環境税制、自動車関連税などについて、何点か質問させていただきます。
 まずは、税制調査会についてお伺いをいたします。
 税制調査会は、平成十二年に発足して以来、ことしで十七年目となります。これまで所得税から個人住民税への税源移譲や東京都独自の新税の導入、環境に配慮した税制などを提言し、具体化されてまいりました。
 地方自治体として税制調査会を設置したのは東京都が初めてであり、国、地方を通じて税財政制度のあり方について、学識経験者、議員が一体となって提言を行う都税調答申の影響力は非常に大きいものと考えております。
 そこで、改めて東京都税制調査会の意義と、答申を受けての都の今後の対応をお伺いいたします。

○川上税制調査担当部長 東京都税制調査会は、地方分権の時代にふさわしい地方税制のあり方、国、地方を通じた税制全体のあり方等について、都のみならず地方全体の立場から検討することを目的として設置された知事の諮問機関でございます。
 これまで、総体としての地方税財源の拡充を目指し、さまざまな角度から議論がなされ、制度面だけでなく税務行政における具体的な政策提言も行っております。都税調の提言は、都の主張の理論的裏づけとなるものであり、主税局では極めて重要なものだと認識しております。
 今後も、都税調答申の趣旨を踏まえ、国等に対して主張すべきことは主張するとともに、提言いただいた内容を政策につなげるなど、地方分権に資する税制度の確立や地方税財源の拡充に取り組んでまいります。

○松田委員 これからも、しっかり国などについて意見をいっていくということで、ぜひともよろしくお願いを申し上げます。これまでも都税調が果たしてきた役割は大きく、さまざまな場面において税制に影響を与えてきたことがわかりました。
 平成二十八年度税制改正において、地方法人課税の不合理な偏在是正措置に係る改正の方向性が固まりましたが、昨年度の都税調においては、この問題への対応に焦点を当てて議論を行ったと聞いております。
 我が党としても、東京都選出の国会議員や区市町村、区市町村議会などと連携をして、受益と負担という地方税の原則に反し地方分権に逆行する不合理な措置について、一貫して異を唱え、撤廃に向け最大限の努力を尽くしてまいりました。八年にわたって続いてきた法人事業税の暫定措置を廃止し地方税として復元されることになったことや、都財政への影響額について全体の規模が当初想定された規模より圧縮されたことは、我が東京都議会自由民主党の主張を国が受けとめた結果であるというふうに認識をしております。
 ところで、我が国の人口減少は、二〇一一年に始まったとされております。答申でも指摘をされておりますが、この状況をより深刻にしているのは、人口規模の縮小と少子高齢化が同時に進行しているということであります。このような中、社会保障費の増大など、国民、都民の将来の不安は高まっております。
 加えて、都は、来るべき東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に万全の備えをする必要がある上、首都として治安の確保、都市インフラの整備、少子高齢化への対応など、膨大な財政需要を抱えております。
 このように、人口構造や社会経済の変化に耐え得る税制度が求められる中、税制改革の方向性についての答申の基本的な考え方を伺います。

○川上税制調査担当部長 答申では、次世代を含めた国民が、安心して希望を持って暮らせる社会経済システムを築くためには、将来を見据え、中長期的な視点から税制改革を行うことが必要だとしております。その上で、地方自治体の役割の大きさを踏まえれば、地方の自主財源の充実強化が不可欠であり、特に地方税の充実強化を図ることにより、地方自治体の自主性、自立性を高めていくべきであるとしております。
 また、国と地方の税源配分については、税源が全国に普遍的に存在し、税収規模の大きい基幹税については、国と地方が果たすそれぞれの役割に応じて、国税と地方税で分かち合うことが適当であり、また、地方自治体が住民に不可欠なサービスを継続的に提供するためには、地域間の偏在が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築することが重要であると提言しております。

○松田委員 今後、地方が果たすべき役割は、増大の一途をたどるということが予想をされます。そのような中、地方自治体が自主的で自立的な行財政運営を行えるようにするためには、提言のとおり地方税財源の充実が重要であります。中でも、地方消費税は、税収が安定的で偏在が小さく、地方税としてふさわしい基幹税の一つであるといえます。
 消費税率の引き上げの再延期に伴う地方の歳入への影響額は、軽減税率等を考慮しない簡易な試算によれば、一年当たり全国ベースで約一・七兆円、東京都におきましては一千九百億円に上るものと見込まれております。国、地方を通じた厳しい財政状況や急速に進む高齢化という現状に鑑みれば、税率一〇%への引き上げはやむないと考えております。
 地方消費税についてでありますが、来年度の税制改正の議論の中で、都道府県間の配分の仕組みである清算基準についての見直しが行われるのではないかという報道もあります。
 そこで、地方消費税の清算の仕組みと、都税調答申ではこの問題についてどのように認識されているのかをお伺いいたします。

○川上税制調査担当部長 地方消費税は、税収を最終消費地に帰属させるため、消費に関連した基準により都道府県間で清算する仕組みになっております。具体的には、税収の八分の六については、商業統計に基づく小売年間販売額及び経済センサス活動調査に基づくサービス業対個人事業収入額の指標が、残り八分の二については、人口及び従業者数が基準として用いられております。
 答申では、平成二十七年度の税制改正において、従業者数の比率を下げ、人口の比率を高めるという見直しがされたことを受け、どのような算定基準に基づき妥当と判断されたかは明らかではないと指摘した上で、地方消費税の清算基準のあり方については、目的に沿ったより的確な基準、消費という課税ベースに応じた基準という原則にのっとった観点から、十分に分析し議論していくことが不可欠であるとしております。
 また、人口の割合をさらに高める方向で見直すべきとの主張がなされていることに対しては、清算基準はあくまでも税収を最終消費地に帰属させるための指標であり、都道府県間の財政調整のために用いるべきではないとしております。

○松田委員 都税調の提言のとおり、地方消費税の清算基準はあくまでも税収を最終消費地に帰属させるものという趣旨を踏まえ、慎重な検討がされることを望んでおります。東京の財源が地方に取られる、こういったことがないよう、皆様方とともにこれからも歩んでいきたいというふうに思っております。
 続いて、環境に関連した質問をさせていただきます。
 ことしの十一月四日に、地球温暖化対策の新たな国際ルールであるパリ協定が発効し、二酸化炭素など温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指して、世界各国は協力して問題解決に取り組む仕組みがスタートをいたしました。
 地球温暖化は、地球規模の気候変動を引き起こすと考えられておりますが、自動車は、我が国のCO2排出量のおよそ一五%を占める大きな排出セクターとなっております。環境に配慮した税制という観点からは、車体課税についても、より積極的に環境関連税制として位置づけていくべきであると思います。
 答申におきましては、車体課税については、環境重視の考え方を税制に組み込むべきとされておりますが、具体的にどのようなことを提言しているのかをお伺いいたします。

○川上税制調査担当部長 答申では、今後の車体課税改革においては、我が国でも欧州諸国と同様に課税標準をCO2排出量ベースに切りかえた課税へと変革していくことが考えられるとしております。
 また、平成二十八年度税制改正により導入が決定された自動車税及び軽自動車税の環境性能割は、自動車の取得段階におけるインセンティブ付与に効果があるものの、保有段階の課税には手がつけられていないことから、環境重視の考え方の定着化を図るためには、保有段階における環境性能割の導入を積極的に検討することが望ましいとしております。

○松田委員 環境重視という考え方を定着させる、これは非常にすばらしいことだと思います。
 一方で、多くの自治体にとっては重要な財源である車体課税が、減税の影響によって減収の一途を今たどっているのが現状であります。こうした課題にも配慮をしながら、税負担水準の適正化について検討されるべきであると考えます。
 答申では、欧州、ヨーロッパでは、CO2排出量、燃費に応じた課税へと変更する動きが顕著であるというお話がありました。ヨーロッパにおきましては、環境に優しいといわれるディーゼル車が乗用車などにも広く普及をし、利用されていると聞き及んでおります。
 一方、我が国では、ディーゼル車は大型車両に多く採用され、かつては黒煙を排出するというイメージがありました。東京都では、全国に先駆けて環境確保に取り組み、不正軽油撲滅作戦を展開し、大気環境改善に努力をしてきたところであります。
 ところが、このディーゼル車の燃料である軽油を不正に製造し、五億円もの税を逃れた石油販売業者を兵庫県の税務当局などが摘発したという報道を目にいたしました。報道にあったような品質の悪い不正軽油が東京都に流入し、環境に悪影響を与えないかを危惧するところであります。
 不正軽油の流通を防止するため、東京都は非常に取り組みをやって、今までもやっていただいておりますが、都と県の枠を超えた対応が必要であると考えられます。不正軽油撲滅作戦を主導してきた主税局として、これまでどのような対策を講じているのかを伺います。

○副島課税部長 ただいま副委員長ご指摘のとおり、不正軽油は、都県境を越えて流通するため、広域的な対応が重要になります。そのため、主税局では、都県境に近い八カ所のサービスエリアやパーキングエリアで、他県と合同して抜き取り調査を実施するなど、各県と連携した取り組みを行っております。
 また、東京都では、昨年度、五千百四件の抜き取り調査を実施いたしました。分析の結果、不正が疑われるものが十七件ございましたが、そのうち車両ナンバーが他県であった十件につきまして、関係県に通報を行いました。
 さらに近年、複数の都県にまたがる不正軽油の製造、販売、使用が疑われる事案が、年に二件程度発生しております。このような事案につきましては、関係各県が連携、協力いたしまして、一斉調査や合同調査を速やかに実施するなど、緊密な連携体制を維持しております。
 今後とも、各県との連携体制を一層強化し、不正軽油の流通防止に努めてまいります。

○松田委員 各県との連携は非常に大切であります。また、東京都主税局におかれましては、各県への技術的指導も含めて行っているというふうに伺っております。これからも連携をして、東京都のみならず東京都主税局が主体となって、この我が国の大気改善、環境改善に努めていただきたいというふうに思っております。
 最後に、この都税調答申の基本的な考えの一つとなっている環境に配慮をした税制に関する今後の取り組みについて、局長の見解を伺い、私の質問を終わります。

○目黒主税局長 都税調は、平成十二年の発足以来、我が国が持続可能な発展を実現していく上で必要な、環境に関する提言を幅広く行ってまいりました。東京都が実施している中小企業者向け省エネ促進税制や次世代自動車導入促進税制などは、都税調の提言を受けて導入されたものでございます。
 今年度の答申におきましても、環境重視の社会経済を構築していくに当たり、公平の観点から環境負荷に応じて負担を求める、環境負荷をコスト化しその抑制を図るなど、税制の一つの基軸に環境を据えることが必要であるとしてございます。
 現在、東京都は、東京二〇二〇大会を持続可能な都市の実現に向けた環境対策を推進する上での好機として捉え、燃料電池自動車や電気自動車の普及を初めとしたスマートエネルギー都市の実現に取り組んでおります。
 主税局といたしましても、今後とも、環境を重視した地方税制を構築していくという観点から、東京都税制調査会を活用するとともに、関係各局とも連携を図りつつ、税制面からの支援について検討を行ってまいります。

○斉藤委員 私からは、先ほど報告ございましたが、東京都の税制調査会答申に関してお伺いをしたいと思います。その前に徴税ですが、確かにその数字的には過去の徴税率、なかなか超えることができなかった最高の徴税率を達成されまして、本当にとても重要なお仕事だと思います。心から敬意を表しますし、また、これからもさらに徴税率のアップに向けて、地元目黒も挙げて応援をしていきたいと思っております。
 それでは質問に入ります。
 少子高齢化の進行に伴いまして、全国の社会保障関係費は、増加の一途をたどっているわけであります。特に、東京都におきましては、都税調の答申によりますと、今後の社会保障関係費は、毎年平均で約三百億円のペースで増加するとの試算もあります。
 そもそも地方自治とは、地方自治体がみずからの責任において、自主、自立的に行財政運営を行うことによりまして初めて実現できるものであります。都民生活に不可欠な行政サービスに必要な財源を安定的に確保する上では、適正な受益と負担を図りつつも、自治体がその役割に応じて柔軟に使える財源を確保することが求められるわけであります。
 このような中、国は企業版ふるさと納税、こういったものを、平成二十八年度税制改正において創設しているわけであります。企業版ふるさと納税は、地方創生を推進するという趣旨のもと創設されたものでありますけれども、地方自治体が行う一定の事業のうち、内閣府が認定した事業に対する法人の寄附について、法人事業税、法人住民税及び法人税の税額控除の優遇措置を行う仕組みになっております。
 この制度は、地方交付税の不交付団体であって、三大都市圏に所在する地方自治体と企業の本社が立地する地方自治体への寄附は対象外となっていますことから、実質的に都市、特に大都市から地方へ税収を移転させるのと同様の効果を持ちまして、自治体間の財源調整の手段の一つとして用いられているといわざるを得ません。
 私は、地方交付税の見直しによる財源不足を、地方自治体同士の都市と地方の間で税収を移転させること、これは、地方の課税権を侵害し、日本の税制をゆがめる政策であると認識をしております。
 そこで初めに、企業版ふるさと納税につきまして、当該答申における認識及び提言についてお伺いしたいと思います。

○川上税制調査担当部長 地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税について、答申では、企業が立地していない地域への税収移転は、受益に対する負担という地方税の原則に反するとした上で、国の認定によって、実質的に地方税の納付先が変わるという制度は、地方の課税権の侵害につながるものであり、さらには、法人税は交付税原資でもあることから、交付税財源に影響を及ぼすなど、多くの問題をはらんでいるとしております。
 こうした認識をもとに、答申では、企業版ふるさと納税は、税制の本質をゆがめる場当たり的な措置であり、抜本的に見直すべきであると提言しております。

○斉藤委員 今の答弁を伺いまして、税調答申の認識と私の認識が一致しているということを確認させていただきました。
 次に、個人の寄附金控除制度であります、いわゆるふるさと納税についてちょっと質問を移したいと思いますが、このふるさと納税は、平成二十七年度の税制改正において、特例控除分の上限が所得割額の一割から二割に引き上げられるとともに、確定申告が不要となるワンストップ特例制度、こういったものが創設されるなど、利用拡大を目的とした制度改正が行われております。
 この改正が、全国的にふるさと納税の利用が増加した一因というか、なっていると聞いておりますが、少し細かく伺いますけれども、このふるさと納税につきまして、東京都と都内の区市町村を合計した控除額はどのようになっているでしょうか。また、前年からどの程度増加しているのか。さらには、受け入れの合計額についてお伺いします。加えて、四点目ですが、税額控除額と受け入れ額それぞれの全国に占める割合について。
 以上四点、お伺いしたいと思います。

○川上税制調査担当部長 平成二十八年度個人住民税の課税における東京都と都内区市町村を合計した控除額は、平成二十八年六月一日の時点で約二百六十二億円となっており、前年度の五倍を超えて増加しております。また、受け入れ額は、平成二十七年度の実績で約十二億円となっております。控除額と受け入れ額の全国に占める割合については、控除額が約二六・二%であるのに対し、受け入れ額は約〇・八%でございます。

○斉藤委員 今の数字を伺うだけでもその影響額の大きさに驚いているわけでありますけれども、しかも利用者が年々ふえている状況を考えますと、今後とも控除額がふえ続けることが予想されるわけであります。
 また、受け入れ額より控除額が圧倒的に多くなっておりますので、本来であれば都民のために使われるべき税収が、差し引き約二百五十億円も減収となっていると見ることもできます。この状況を黙って見過ごすわけにはいかないわけです。
 このふるさと納税について、都税調の議論のポイント、主な内容について伺いたいと思います。また、最終的に当該答申へどのようにその議論が反映されているのかを伺います。

○川上税制調査担当部長 都税調における議論では、いわゆるふるさと納税により、東京都二十三区内は百二十九億円のマイナスの影響を受けているとの報告がなされております。また、地域の施策に充当していくための財源をしっかりと確保していく観点から、税の受益と負担の原則に反するふるさと納税は抜本的に見直すべきとの意見がございました。
 こうした議論から、答申では、個人住民税は、地域社会の費用を住民が広く負担する税であり、居住地でない地方自治体への寄附により、居住地である地方自治体から税額控除を受けるふるさと納税は、受益と負担との関係をゆがめる制度であるとしております。

○斉藤委員 地方自治体が行う行政サービスは、地域住民の生活や法人の事業活動を支えるものでありまして、その受益者に応分の負担を求める必要があると思います。また、ふるさと納税については、近年、報道などにもよりますと、地方自治体の返礼品競争、これが加熱しておりまして、無償の寄附という、制度の趣旨とかけ離れた運用実態が問題視されておりまして、過日、総務大臣から是正の通知も出ていると承知しているところであります。
 私は、このふるさと納税及び企業版ふるさと納税は、受益と負担の関係をゆがめるばかりでなく、ほかにも多くの問題を含んでおりまして、抜本的に見直す必要があると考えます。答申にもそのように記載されております。
 特に、この企業版ふるさと納税につきましては強い問題意識を持っております。平成二十八年度税制改正で、ようやく法人事業税の暫定措置という不合理な措置が廃止することとされたものの、法人住民税の国税化の拡大とともに、この企業版ふるさと納税が新たに創設されています。さきに述べましたとおり、企業版ふるさと納税は、自治体間の財政調整の手段の一つとして用いられておりまして、また都の課税自主権を侵害するもので、決して容認できるものではないわけです。
 そこで、この日本の税制をゆがめる企業版ふるさと納税につきましては、廃止するように国に要望すべきでありますが、見解を伺います。

○小山税制部長 企業版ふるさと納税につきましては、受益と負担という地方税の原則を損なう点や企業への便宜供与につながるおそれがある点など問題が多いことを、これまで都は指摘してまいりました。
 委員ご指摘のとおり、この制度は、国において地方創生を推進するという趣旨で導入したとされておりますが、東京都や特別区などを対象外とするなど、実質的には地方自治体の財源調整の手段として用いられているものといわざるを得ません。
 都としては、引き続き国に問題点を指摘してまいります。

○斉藤委員 私一人が怒ってもしようがないわけでありますけれども、この企業版ふるさと納税については特に、私は問題が多いと、このように認識しております。闘う税調というか、全国の地方自治体のためにも、これは東京都のみならず、税の本質をゆがめる、そういったものが色濃くある税制でございますので、設計が悪いと、このように強く声を上げていきたいですし、また、ともに小池知事--国に対して物をいえる知事だというふうに認識をしておりますので、先頭に断固とした態度で臨んでいきたいと、そのように要望もしておきたいと思います。
 続きまして、税の理解を深める取り組みについて質問したいと思います。
 今年度、新たなテーマといたしまして、税に対する理解の促進が都税調の提言に加わっております。消費税引き上げに関する議論の広がりや選挙権年齢の引き下げ、いわゆる十八歳選挙権に伴う有権者の拡大を背景といたしまして、住民の税に対する関心が高まっている今日、時宜にかなったテーマであると評価をしたいと思います。
 今月一日に公表されました平成二十八年度第三回インターネット都政モニター、税に対する都民の意識、この調査結果によりますと、九割以上の都民が税金に関心があると、このように答えております。都民の税に対する関心の高さがうかがえます。
 その一方、税金に対する印象についての問いに対しては、約六割の方が負担感というイメージをしています。そして約四割の方が強制的なもの、このように回答しています。
 税は本来、生活に欠かせない行政サービスの経費を分かち合うものでございますが、これだけ多くの方が負担感を感じている現状を真摯に受けとめまして、これまで以上に丁寧に税の意義や役割を伝えていく努力が求められると思います。
 私は、この質問をするに当たりまして、過去勉強した高校の教科書を、ちょっと参考書を開いてみますと、懐かしいのですが、バージニア権利章典の第六条に、代表なくして課税なしと--これは独立戦争とかさまざまな歴史に名を残している、税と代表の関係でありますけれども、そういった言葉も読み返してまいりました。
 この原則は、日本においては、今の日本国憲法の第八十四条に明記されています租税法律主義にその精神が通じていると思いますけれども、国民主権国家である日本におきまして、納税の義務、憲法第三十条の意義などを、税への理解を深めることは、いわゆる選挙権を持たれる主権者の教育の観点からも非常に意義深いものであると考えるわけです。
 そこで、税への理解を深める取り組みに関して、都税調でどういう提言をしているか、そのポイントを伺いたいと思います。

○川上税制調査担当部長 税についての理解の深まりは、税を身近に感じ、税を通じた社会とのつながりや主権者意識、つまり自分たちがこの東京を支えているという実感につながるものでございます。
 答申では、税に対する理解を深める上では、税負担がどのような行政サービスとして生活に返ってきているのかという点も含め、都民が共感できる取り組みを考えていく必要があり、税について都民が利用できる制度の情報をわかりやすく単純化して発信することも有効であるとしております。
 また、現実の社会問題に対して、税がどのように役立っているかを都民に見える化することが重要であり、例えば、待機児童問題の解消に向けた保育所等の整備は、都民に税の使途が見えるだけでなく、企業にとっても、子育て世代を安心して雇用できることから、納税の実感を得られる取り組みであるとしております。

○斉藤委員 よく若い方とお話すると、何か要望ありますかと聞いても、すぐに出てこないと、急にいわれてもという感じなんですけれども、そういう若い方々も、特に未成年であっても、物を買うときにお金を払えば消費税はかかっているわけですし、本当に政治との一番イメージできる接点というのは、税との自分のかかわりだというふうに私は思います。
 税の分野は、そもそも専門用語も多くてなかなか仕組みが複雑であることから、専門家以外の方になかなか理解しにくいとの印象があります。特に、税率の算出には算式がありまして、なかなか数学的な素養も必要だと。私自身がそうなんですけれども、見ただけで難しいと敬遠しがちです。都税調での議論にもございましたように、税情報につきましては、大胆に単純化して発信するなど、一層の工夫が必要であると思います。
 また、税の場合、固定資産税で約三百万通、自動車税で約二百万通の納税通知書が、納税者お一人お一人に届いていると伺っております。この最大の通知ツールを十分に活用しまして、税の使われ方などを納税者に積極的に情報発信することも、税の理解を深める上で重要であるというふうに思います。
 続きまして、租税教育についてですが、伺いたいと思います。
 現在、学校教育の現場では、租税教室の実施は小中学校が中心となって行われているようです。一方、実際に納税者となるのは、これは主なことになると思いますけれども、社会人になってからです。社会人に対する租税教育の充実も重要であると考えます。
 特に、我が国におきましては、給与所得者は、いわゆる源泉徴収が基本となっていますので、徴税しやすい反面、納税者としての自覚、意識が生まれにくいということは、もう昔から指摘されているところであります。
 そこで、答申では、社会人や社会に出る前の高校生に対する租税教育の充実に向けて、どのような提言をしているのかを伺いたいと思います。

○川上税制調査担当部長 答申では、子供から社会人に至るまで、段階に応じた継続的な租税教育の実現が求められるが、とりわけ、社会に出る一歩手前の高校生や大学生に対する租税教育の充実が重要であり、これからの租税教育では、税及び行政サービスに関する基本的な知識とともに、主権者としての納税意識の醸成という視点も含めた内容にすることが望ましいとしております。
 社会人を対象とした租税教育については、特に源泉徴収や年末調整を基本とする給与所得者については、納税者としての自覚を持ちにくい状況にあることから、納税の主体であることの意識の醸成が不可欠であるとしております。
 このことから、例えば、新社会人を対象としたセミナーの開催やライフステージの各場面に応じた租税学習の実施など、従来の租税教育の形にとらわれない柔軟な発想が求められるとしております。

○斉藤委員 引き続き、適正、公平な賦課徴収によりまして都民の信頼確保に努めていただきまして、さまざまなツールを使いながら、わかりやすい税情報の発信やライフステージの各場面でのそれに応じた租税学習の実施など、都民の視点に立った情報提供を行うように要望しておきたいと思います。
 最後の質問になりますけれども、政策支援税制について伺いたいと思います。
 今回の答申では、都の重要施策を支える税制の役割について提言がなされています。税制を活用するに当たっては、公平性とのバランスやインセンティブ効果、補助金や規制と税制との役割分担に留意することが重要です。複雑な税制というのは、納税者に対してマイナスですので、税は簡素であることが重要でありますし、税の本筋というものがありますので、税を活用しての政策展開というのは、これは全体のバランスというものが非常に重要だというふうに考えております。
 一方で、東京二〇二〇大会、五輪の成功やその先を見据えた福祉まちづくりの各分野における重要施策を推進するに当たっては、税制面からの支援も、そうはいいましても有効な方策の一つであると考えているわけであります。
 そこで、政策支援税制に関する主税局の考え方を、この際、伺いたいと思います。都の他の部局の事務事業にもかかわる質問でもございますので、この点、主税局長にお伺いをしたいと思います。

○目黒主税局長 人口構造や社会経済状況が大きく変化する中、地方自治体には、時代に応じた新たな政策課題に取り組んでいくことが求められております。都税収入を確保し、都の事務事業を支えていくことが主税局の基本的な使命でございますが、一方で、都の施策を効果的に推進するために、税制面から支援していくことも重要な役割であると認識しております。
 これまでも災害に強い東京を実現するため、耐震化促進税制や不燃化特区支援税制を創設し、固定資産税等を減免する措置を講じております。また、認証保育所に対する不動産取得税や固定資産税等の減免、電気自動車等の自動車税、自動車取得税の課税免除など、都の重要課題の解決に向けて規制や補助金等を補うものとして税制を活用してまいりました。特定の政策目的を実現するための税制の活用につきましては、税の公平性や政策効果、税収への影響などを勘案しつつ、東京都税制調査会を活用し、研究を深めてまいります。

○斉藤委員 先ほど企業版のふるさと納税について、私も強い異議を申し立てたわけですけれども、税は本来、自分たちで使うべきものについて充てていくと、国に召し上げられるために地方税が活用されることはおかしいと、そういうことと相通ずるものでございますが、この政策支援税制につきましても、いたずらに税の本来の本質的なことをゆがめてはならないわけですけれども、例えば、今問題になっているこの保育待機児の解消に向けても、既に認証保育所に対する不動産取得税や固定資産税等の減免など、活用されている事実もあります。
 多くの方に税のあり方を理解していただくと同時に、政策に大いに関心を持っていただいて、税に関心を持っていただいて、支えているのは自分たちだというそういった学びが、まさしく租税教育で必要だと、このように関係していると私は思っております。
 政策支援税制について議論することは、こういったことを糸口として都民に広く税について知っていただくという点においても意義深いものであると思います。学識経験者の視点からの議論、それに加えて特別委員として都議会議員も参加しております、いわゆる現場に近い議員の意見が入っている都税調ですから、大いにこの政策支援税制についても議論を深めていただくことが私は重要であろうと、このように考えているわけであります。
 今回の当該答申の提言にありますように、税制の活用は、都政の重要施策を推進する上で有効な方策の一つであると、このような認識を共有していると思います。来年度、都税調は最終答申の年に入りますけれども、この政策支援税制の議論が一層進むことを期待しまして、私の質問を終わりたいと思います。

○とくとめ委員 都民にとって、多面的な価値を持つ都市農業の振興と農地の保全は、貴重な公共財といえる存在です。そこで、これに密接に関連する税制上の問題にかかわって質問いたします。
 昨年の都政モニターアンケートでは、都市農業について、東京に農業、農地を残したいと回答した人は八五・五%で期待が高まっています。多数の都民は、都市農業を高く評価しています。その中で、農地の保全、維持は、都市農業の振興にとって基本的な土台だと思います。ところが、東京でも全国でも、都市農業は農地の劇的減少によって消滅するかもしれないという危機的な状況にあるといわれています。
 東京全体では、平成十六年からの十年間で約一千百ヘクタール、減少率でいいますと、一三・一%の農地が失われています。二十三区内の面積に例えると、千代田区、中央区、文京区、台東区、荒川区などの一つの区の面積に当たる農地が失われたのに匹敵する状況となっています。
 こうした多面的な価値のある都市農業の危機的な事態を打開しようと、昨年四月に、超党派の議員立法で都市農業振興基本法が制定されて、その具体化として、ことしの五月には、都市農業振興基本計画が閣議決定されました。そこでは、これを受けて全国の自治体にも都市農業振興基本計画を策定するように提起がされております。
 この都市農業振興基本法の第九条に基づく都市農業振興基本計画の中では、都市農業の振興と農地保全に関する国の基本的な考え方が示されるなど、都市農業が安定的に継続できる環境整備が求められて、都市農業は大きな転機を迎えているとされています。
 今後、都としての都市農業振興基本計画に当たる現在の都市農業振興プランの改定を進めることになっていると聞いております。こうした都市農業の振興基本法と振興基本計画では、都市農業の振興、農地の保全にとって、都市農地は売却をして手放す対象から残すのが当たり前の対象、守るべき対象としての抜本的な転換を求めて、税制上の改善、改正が必要だと正面から提起されています。そういう検討が求められています。この見地から、税制上の問題の改善について幾つか質問を行います。
 まず、都市農業の振興と農地の保全に関する税制上の問題の質問の前提として確認の意味で、都市農業に関連する団体や関係者などから、都市農業の振興、農地保全に係る税制上の問題について、都への要望はどういうものが寄せられているのかについて伺います。

○小山税制部長 都に寄せられております農業に係る税制関係の主な要望といたしましては、都市農業における税制上の措置として、農業生産に付随した農業用施設用地や構築物等の保有コスト低減につながる仕組みを要望するものがございます。また、相続税の納税猶予制度について、貸借される生産緑地への適用を認めることなど、国への働きかけを求める要望も寄せられております。

○とくとめ委員 答弁では、税制に係る要望が多面的に寄せられているということでした。
 私は、数年前に、都市農業の振興について農業関係者の要望と実態を聞きたいと、勉強したいというふうに思いまして、一年間かけて都内全域の二十四区市町村の自治体、JA東京や東京都農業会議の役員など約三百人近い農業団体、農業者を直接訪問して、この都市農業の実態をつぶさに伺ってまいりました。
 そこでは、例えば、宅地並み課税でどこまで都市農業を潰す気なのか、住宅は建つかもしれないけど、住環境は悪くなるばかりではないかとか、あるいは地産地消で都市住民に新鮮で安全な農産物を提供する都市農業を守っていきたい、また先祖代々の農地はそう簡単には手放せないんだ、農業を守りたいなど、新鮮な農産物によって都民の胃袋を守り、そして緑の環境を守るために、いわばどっこい東京の農業は生きているなと、そういう頑張っている姿に本当に感動をいたしました。同時に、大変深刻な矛盾の中で苦労を抱えていることも痛感をいたしました。
 そこで、都として、十年間で一千百ヘクタール以上も東京の都市農業の農地が急激に減少している要因について、税制上の問題とのかかわりから見て、この実態をどのように認識され、国に対してどのような要望を行っているのかを伺いたいと思います。

○小山税制部長 都市農地は、相続時の高額な税負担や高齢化による担い手不足などにより年々減少し続けており、都市農業の存続に深刻な影響を及ぼしていることから、生産緑地指定の面積要件を引き下げることや相続税の納税猶予制度に係る適用を拡大することなどを事業所管局から国に対して提案要求しております。

○とくとめ委員 先ほど紹介しましたように、私の体験からも、少なくない都市農家の皆さんは、巨大な農地と屋敷を持っておられます。経済的には安定しているんだろうと見る向きもありますけれども、実際の話を伺うと、都市農業の振興、農地の保全にとって、後継者の問題もありますけれども、相続税、固定資産税などは本当に重いものになっています。
 私の聞いた三百年も前から続く大農家の地主さんからは、このままでは都市農業は崩壊しかねない、相続税の猶予制度があっても、農地を切り売りしないと相続税や固定資産税は払えないと、真剣に胸のうちを語っていました。
 都としての来年度予算にかかわる国への要望を見ますと、こうした農業関係者の声と要望に応えようとする要望の内容になっていると思います。そこには、生産緑地や相続税の制度改善を行うことという見出しで明記されて、例えば、農地の貸借に伴う相続税猶予制度の対象を生産緑地に拡大と。さらには、市民農園のため自治体等へ貸し付けた場合も納税猶予制度を適用、三つ目には、生産緑地の指定面積要件の引き下げ、四つ目には、農業用施設用地や屋敷林等について猶予制度の適用拡大、こういう要求項目となっています。農業関係者の気持ち、そのとおり要求項目は国に要望されています。問題は、要望にとどまらず、都として関係者と協力して国に働きかけることとともに、都独自にも、本気になって実現するために力を尽くしてほしいと思います。
 次に、都市農業振興基本法の八条や東京都農林・漁業振興対策審議会等などでも、都市農業の農地にかかわる税制上の問題など、多面的で本格的な検討が提起をされております。この問題を進めるためにも、都として、局横断的な体制が必要ではないかと思いますけれども、どういう体制で、どのように検討されているんでしょうか。

○小山税制部長 都では、関係局を初め区市や生産者団体等と検討会を立ち上げ、効果的な農地保全策を検討しております。

○とくとめ委員 関係局と農業関係者の検討会を立ち上げて効果的に検討しているということですが、国会での省庁横断的な取り組みも始まっていると聞いております。しかし、都市農業の振興と農地の保全は、もう時間の猶予がないほど深刻になっています。都の農林・漁業振興対策審議会答申の言葉をかりれば、今、都市農業の保全に一歩踏み出さなければ、農業、農地を生かしたまちづくりの機会は、永遠に失われてしまう、そういうふうに書かれています。
 私の地元の板橋では、農業委員会の役員の方の話を聞くと、毎年の農地の減り方を見ていると、あと十年もたないのではないかと危機感を持っておられました。だからこそ、超党派の議員立法で都市農業振興基本法が成立して、基本計画が閣議決定され、自治体にも具体化を求めているのだと思います。
 例えば、都市農業振興基本法の八条では、政府は、都市農業の振興に関する施策を実現するために必要な法制上、財政上、税制上または金融上の措置、その他を講じなければならないとしております。そして、この都市農業振興基本法十条では、地方計画として、地方公共団体は、閣議決定された基本計画を基本にして、当該地方公共団体における都市農業の振興に関する計画を定めなければならないというふうになっております。これらを真剣に受けとめて、税制分野を担当する部門として検討会で具体化を図っていただきたいと強く要望しておきます。
 そこで、次に、都市農業の土台である農地の維持、保全にとって、現在大きな負担、障害になっているものの一つが、市街化区域内の農地への固定資産税の宅地並み課税だといわれていますけれども、なぜ重い宅地並みの課税が続いているのか、現在でも重い負担の合理性はあるのかどうか、伺いたいと思います。

○小山税制部長 市街化区域内の農地のうち生産緑地の指定を受けた農地につきましては、固定資産税において宅地並み課税の対象とはならず、一般農地として農地評価、農地課税が適用されます。
 一方、生産緑地農地以外の市街化区域農地につきましては、宅地として売買することが可能であるなど資産価値としては宅地と同等であるため、課税の公平、適正化の観点から、宅地並みに評価することとされております。ただし、この場合でも、評価額を算出する際は、宅地の価格を基準として求めた価格から一定の造成費相当額が控除されております。

○とくとめ委員 後で宅地並み課税と農地並み課税がいかに驚くべき差があるかということはお答えいただきますけれども、宅地並み課税の重い負担に合理性があるのかという質問には、特に答弁がありませんでした。
 でも、今回の都市農業基本法とその具体化で閣議決定された基本計画、さらには都の審議会答申では、都市農業と農地の税のあり方について、その位置づけ、認識の転換を求めている内容になっていると思います。
 そこで、急速な人口減少社会の変化が広がり、都民にとっても都市農業、農地の多面的な価値について、都民的な理解と共感が広がっています。先ほども紹介しましたように、昨年度都政モニターアンケートによると、東京に農業、農地を残してほしいと回答した人は八五・五%でした。六年前に実施したときには八四・六%で、上回っております。
 また、東京の農業、農地に期待する役割としては、新鮮で安全な農畜産物の供給が六二・九%、緑や環境の保全が五二・四四%、そして、農作業体験や食育などの教育機能が三五・四%、さらに、災害時の避難場所などの防災機能については、これは、東日本大震災の後ということもありますが、七年前の一三%から二〇%以上に増加するなど、都民の東京農業に対する期待は大変高まっています。
 そうした中で、市街化区域内の農地への宅地並み課税などの重い負担によって農地を放棄することなく農業に意欲的に取り組めるよう、何らかの負担軽減が必要ではないかと思います。農業関係者もそのことを強く要望しております。
 何らかの検討を行うべきではないかと思いますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○小山税制部長 本年五月に閣議決定された都市農業振興基本計画では、政府が講ずべき税制上の措置として、都市農業のための利用が継続される土地に関し、税制措置が適切に講じられることが重要であるとされております。その際、税の公平性を維持する観点等を踏まえまして、都市農業振興上の位置づけが与えられた生産緑地農地以外の市街化区域農地について、一定期間の農業経営の継続と農地としての管理、保全が担保されることが明確なものに限り、その保有に係る税負担のあり方を検討することとされております。

○とくとめ委員 いずれも政府が講ずべきもの、政府が検討すべきものということでした。しかし、都市農業の振興基本法も振興基本計画も東京都の審議会答申も、他人任せではなくてそれぞれの独自の分野で責任ある取り組みが求められています。政府とも共同して、あるいは農業者とも共同して、真剣な検討を求めている、それが一連の法律や計画の中身ではないかと思います。そうでないと手おくれになるほど都市農業が危機的な状況にあって、打開のために真剣な取り組みを強く要望しておきたいと思います。
 次に、市街化区域内の農地を生産緑地として指定する場合には、どういう条件、基準が必要となるのか。その場合、宅地並みの課税から農地並み課税になると、どのような負担に変わっていくのかについて伺います。

○大久保資産税部長 区市町村が生産緑地として地区指定する要件でございますけれども、市街化区域内にある農地等で、都市環境の保全や公共施設等に適した土地であり、一団の面積が五百平方メートル以上の区域であることなどとされております。
 また、生産緑地地区指定を受けていない特別区内の市街化区域農地と生産緑地地区指定を受けた場合の税額でございますけれども、仮に面積が五百平方メートルの土地を想定いたしまして、それぞれ平成二十七年度の平均課税標準額をもとに試算をいたしますと、固定資産税及び都市計画税を合わせまして、市街化区域農地は約五十三万一千円、生産緑地農地は約二千円となります。

○とくとめ委員 市街化区域内の農地への宅地並みの課税が、農地並みの課税に対して二百六十倍にもなるということが答弁で明確にされました。一体、農業収入でこんな負担が払えるのかと。払えないからこそ土地を売ったり切り売りしたりしてどんどんどんどん土地が減少していっていると。これが税の公平原則のあり方といえるのか問われていると思います。
 もともとは、以前は、農地並み課税が当たり前だったのが、高度成長期に農地を宅地のために吐き出せということで、今でいえば二百六十倍の宅地並み課税になっていると、それが歴史だと思います。
 農業者からは、都民にとって都市農業と農地の多面的な価値を無視して、罰金みたいだといわれた重い課税を押しつけて、この間、貴重な都市農地の放棄を求められてまいりました。これまでの政策の破綻が、もうはっきりしてきているというふうに思います。都市農業の振興基本法や基本計画、都の審議会答申などに基づいて、国、地方自治体が一体になって都市農地の税制のあり方の抜本的な転換が不可欠だと痛感をいたします。
 次に、都市農業振興基本法や都市農業振興基本計画において必要な税制上の措置を検討するとされていますけれども、都市農業にとって不可欠な農作業用施設や緑の環境維持にとって重要な屋敷周辺の屋敷林などへの宅地並み課税の軽減を求める要望が大変強いです。都独自に軽減を図ることを検討すべきだと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○小山税制部長 特定の対象について都独自に税を軽減することにつきましては、公平、中立、簡素という租税原則の例外となることから、政策目的や効果、軽減を受けないほかの納税者との公平性など幅広い観点から慎重に検討していく必要があると考えております。

○とくとめ委員 農作業用施設や緑の環境維持にとって大事な屋敷林などへの宅地並みの課税については、税の公平、中立、簡素の租税原則から慎重に検討していくということでした。
 しかし、このことが続く限りは土地は守れません。相続税などは何億円というお金が取られるんです。それぐらいの巨大な屋敷林だとか施設を持って農業をやっていらっしゃるわけですね。
 私が前にも紹介したように、各地域回ったときに、葛飾区の大農家で農業委員の方ですけれども、葛飾では誰でも知っている方ですけれども、こういっていました。ここの畑は、いざ災害が起きたときの避難地になっており、自前の井戸をつくっていると、農地は農家だけのものではない、これだけの公園を整備したら、どれだけのお金がかかるかわからないといって、都市農地の多面的な役割、価値に誇りを持って語っておられました。
 都市農地の税制度、軽減措置などを検討する際の重要な指摘だと思います。しかも、都の審議会答申では、こうした都市農地、都市農業に係る税のあり方について何といっているのか。
 相続税納税猶予制度の適用拡大など相続税の負担軽減措置という項目で、生産緑地は、相続税納税猶予制度の対象となる一方で、農業経営上不可欠な集出荷施設や農機具倉庫、畜舎等の農業用施設用地、防風や堆肥確保のための屋敷林や平地林は相続税納税猶予制度の対象外であると。そのため、都市部では相続税が高額となり、農地を手放さざるを得ないなど農地経営承継の障害となっていると。都市農業の経営承継を円滑にするためには、農地の定義を耕すための土地だけではなくて、もう少し広い範囲の活動も対象として、例えば、直売所や市民農園に附属する倉庫や休憩所、トイレなどについても、広義の解釈として農地の定義に含めることを検討すべきである。
 これは、JA東京の須藤会長も入っています。元副知事の青山さんも、東京都農業会議の会長として、この審議会の中にはずっと入っておられました。農業者にとって、保有する農地の相続による税負担も農地放棄の大きな契機になっていると聞いております。
 そこで、相続税負担や相続税猶予の制度はどういうものになっているのか、今後、改善の検討がなされているのか、伺いたいと思います。

○小山税制部長 農地に係る相続税の納税猶予制度は、農業を継続したくても、相続税を支払うため農地の売却を余儀なくされる事態が生じていた昭和五十年当時の状況に鑑み、みずから農業を継続する相続人を税制面から支援するために講じられたものでございます。
 制度の概要といたしましては、相続または遺贈により取得された農地が引き続き農業の用に供される場合には、本来の相続税額のうち農業投資価格を超える部分について、一定の要件のもとに納税が猶予され、相続人が死亡した場合等に猶予税額が免除されるものでございます。
 現在、国におきまして、都市農業振興基本計画に基づき、貸借される生産緑地等に係る相続税の納税猶予のあり方などについて検討が行われているところでございまして、こうした国の動向を注視してまいります。

○とくとめ委員 相続税の納税猶予のあり方などについて検討が行われているということでありました。こうした国の動向を注視すると。ぜひ、注視するだけじゃなくて、みずから主体的に、ぜひ動いていただきたいと思います。
 十一月四日の報道によると、既に国は、都市農業を促進、平成二十九年度税制改正で生産緑地の要件緩和へ動き始めています。その中で政府は、平成二十九年度税制改正で、市街化区域内の農地で税制優遇を受けられる生産緑地について、長い間、農業者の願いであった現行の面積五百平米以上の指定要件を三百平方メートル以上に引き下げる方針を決めたと報道されています。小規模でも生産緑地に認定することで、都市農業の減少を食いとめる狙いがあるといわれています。また、生産緑地内にレストランや販売所を設置できるように法制度の改正も進め、都市農業の発展を促したいと考えたと紹介されています。
 農林水産省などの統計によりますと、二〇一四年の全国の市街化区域内の農地面積は、宅地並みの重い税負担などが響いて二十年前に比較すると半減している一方で、二〇一四年の市街化区域内の農地に占める生産緑地の面積は一七・七%、二十年以上前に比べて、一〇・五%でしたから、倍近く増加をしていることも紹介されています。少子高齢化で農地の宅地への転用の動きが鈍化する一方で、税制優遇される生産緑地を利用する例がふえていると指摘をされています。
 さらに、この記事の中では、政府の関係者から、生産緑地の指定要件を緩和すれば、東京二十三区内の市街化区域内の農地のうち約七割から八割が生産緑地の対象になると。まさに農地並みの課税に二百六十分の一ぐらい税負担が軽くなる可能性を報じています。
 改めて、昨年の四月に、超党派で成立をした都市農業振興基本法一条で明記された、都市農業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進して、もって都市農業の安定的な継続を図るとともに、都市農業の有する機能の適切かつ十分な発揮を通じて良好な都市環境の形成に資すると、この目的を紹介して、来年度予算でも、ぜひ可能な限り政府とも協力をして、真剣な具体化を図っていただきたい、このことを要望して質問を終わります。

○大西委員 私からは、滞納整理に関する取り組みについて幾つか質問させていただきます。
 私は、五年前のこの財政委員会でも滞納整理について伺ったことがございます。その際に、滞納繰越額が五百一億円、人員では十一万九千人であり、この数字は、局を挙げて圧縮に取り組んだ結果、ピーク時から約五分の一に圧縮された実績だという答弁でございました。
 しかし、大幅に圧縮されたとはいえ、滞納繰越額は年度内に徴収されないまま翌年に繰り越されていく滞納ということで、このような年度を超えた滞納が将来的に納税に結びつけられるのか心配するところであり、私も注視していたところでございます。
 今回の事業概要を見ると、七〇ページに滞納繰越額の推移が載っております。平成二十七年度は百三十三億円ということで、前回私が伺ったときからさらに圧縮されているということではございます。
 そこで、平成二十七年度の滞納繰越人員は現在どうなっているのか、また、前回伺ったときからどの程度圧縮されているのか、伺います。

○安藤徴収部長 平成二十七年度の滞納繰越人員は約七万四千人となっております。理事ご指摘の五百一億円、十一万九千人とは、平成二十一年度の決算数値でございますが、それから平成二十七年度まで、金額ベースで申し上げますと約七割の減、人員ベースで申し上げますと約四割の減となっております。

○大西委員 滞納繰越額はこの数年で約七割も減っているということで、都の努力がうかがえると思います。平成二十一年度当時を思うと、リーマンショックの影響もあり、国内の景気も悪く、それが都税収入にも影響を与えていた時期かとも思います。
 現在は、経済状況については一定程度持ち直してきているという感もございますが、これが滞納繰越額にもある程度影響しているのではないかとも考えます。
 そこで、リーマンショック時期以降の滞納繰越額の減少について、どのような原因があるのか、伺います。

○安藤徴収部長 平成二十年秋のリーマンショック直後には、一億円を超えるような高額滞納事案が相次ぐなど、一時的に新規の滞納発生が増加する傾向にございました。しかし、その後は景気の緩やかな回復基調を受けまして、新規の滞納発生は減少傾向となっております。
 また、都におきましても、従来から納税者の利便性向上を図るため、納税環境の整備に尽力してございます。平成十六年度にはコンビニ納税、十八年度にはインターネットやATMを利用した納税を始めたほか、二十三年度にはクレジットカード納税の導入、二十七年度にはクレジットカード納税の対象税目を拡大するなど、納税機会を拡充し、滞納を発生させない環境づくりに努めております。このような景気等の要因や納期内納税促進の取り組みにより、新規の滞納が減少したことに加えまして、これまで同様の着実な滞納整理に取り組んできた結果、滞納繰越額が減少したものと考えております。

○大西委員 景気の影響でなく、都のさまざまな取り組みによって滞納の発生自体が減少しているという、今ご答弁でもございました。その中でも、間近では、平成二十七年度にクレジットカードでの納税について対象税目を拡大したということでございました。今回の事業概要を見ると、一〇三ページに平成二十七年度の収納利用状況が載っており、収納件数は三十九万六千件とのことでございます。
 そこで、この間近のクレジットカード納税の利用状況は、平成二十三年度の導入当初から現在までどの程度増加しているのか、伺います。

○安藤徴収部長 クレジットカード納税の利用件数につきましては、平成二十三年度は約八万七千件、二十四年度は約八万八千件、二十五年度は約十三万三千件、二十六年度で約十六万六千件、二十七年度は約三十九万六千件となっておりまして、平成二十三年度から平成二十七年度まで、四・六倍に増加してございます。

○大西委員 利用件数が大幅に増加しているということで、都民の利便性向上につながってきているのかなという印象もございます。他の納税手段、例えば、金融機関の窓口やコンビニの店頭で納付する場合などと、都民から見た目線でどのような違いがあるのか、改めて理解を深めたいと思います。
 そこで、クレジットカード納税の特徴について伺います。

○安藤徴収部長 クレジットカード納税は、パソコン、スマートフォンからインターネットの専門サイトにアクセスし、情報を入力するだけで都税の納税が可能となっております。また、ポイントサービス等の利益還元や、手元に現金がなくても後払いで納税できるという特徴がございます。
 他の納税手段との公平性の観点から、税額に応じた一定の手数料を納税者負担としておりますが、総じて、場所を選ばず、時間を選ばず、多額の現金を持ち歩かずに納付が可能という便利さから、納税手段の一つとして定着しつつあると考えております。
 今後も、納税者の利便性向上に向けた環境整備について積極的に取り組んでまいります。

○大西委員 カードで納めるとポイントもつくということでございますから、なかなかいいなと思いますけど(「手数料もかかる」と呼ぶ者あり)手数料もかかるみたいですね。
 税金は、期限内に納めていただくということが大原則ではございますが、納めていただくための環境を整備することは、納税者サービスの点からも非常に重要であると感じます。しかし、このように、環境を整備して着実に滞納整理を行っている状況であっても、先ほど伺ったとおり、滞納繰越は、額ベースでは約七割減ではあるにもかかわらず、人員は四割減ということでございます。つまり滞納額については大幅に少なくなっておりますが、滞納する人は依然としているわけで、このような滞納者には、今後も滞納整理を続けていく必要がございます。
 そこで、現在、都がどのように滞納整理を進めているのか、具体的な取り組みについて伺います。

○安藤徴収部長 都では、滞納整理を進めるに当たりまして、収入や資産の保有状況に関する徹底した調査等を行い、資力の把握に努めております。財産があるにもかかわらず自主納付がない場合には、納税に誠意がないものと判断し、法の規定に基づき、財産の差し押さえ、公売、取り立てという手順によって滞納を解消しております。
 昨今では、相対的に滞納金額の小さい滞納者の割合がふえている傾向にございまして、これまで以上に滞納者一人一人に対して丁寧な滞納整理を行っているところでございます。また、滞納整理に関する独自の取り組みとして、インターネット公売による差し押さえ財産の換価、タイヤロック、ミラーズロックの導入など、さまざまな創意工夫を凝らした取り組みを行っております。

○大西委員 私も前回、質問を五年前にしたときも、高級な車に乗りながら税金を払わない、そういう人に対してどうするのかというところを聞いて、タイヤロックの話が出たようにも思っております。調査や差し押さえといった滞納整理の基本的な方針は変わらないと思いますが、以前より一人当たりの滞納額が少なくなっているという現状もしっかり踏まえた滞納整理を行っておられます。その上で、都独自の新しい取り組みにチャレンジしているという内容でもございます。
 以前には、今申し上げました工夫を凝らした取り組みとしてタイヤロックについて伺っておりますが、新たにミラーズロックというものも導入されているというところでございますので、改めて、このミラーズロックについてどのようなものか、伺います。

○安藤徴収部長 ミラーズロックというのは、自動車を差し押さえた場合にその使用を禁ずるため、自動車の運転席側のミラーに公示書を取りつけ、運行を禁止する旨を記載したマグネットシートをドアに張りつける装置でございます。
 以前から使用しているタイヤロックは、車輪に車どめを装着し、物理的に運行をとめるものでございますが、ミラーズロックは、タイヤロックよりも軽量かつ装着が簡単で、タイヤロックの装着が困難な立体駐車場や、車高やタイヤの幅などの車体の状況で車どめができない自動車でも装着が可能という利点がございます。

○大西委員 今回の要求資料で、4号のところにそのミラーズロックの写真が出て、非常にわかりやすくなっております。山内委員もわかっていただいたかと思うんですが、都内では、マンションでも立体駐車場が多く、車どめを置く形のタイヤロックでは対応できないということの問題もございました。また、物理的にこのタイヤロックの車どめがつけられないような自動車もあるということで、新たにこのミラーズロックを取り入れたということです。
 こうした工夫とともに、実際にタイヤロックを行ってきた現場だからこそできるものであり、こういう創意工夫をたゆまず続けている姿勢については、私は大変評価をさせていただきたいと思います。
 こうしたミラーズロックや従来から行っているタイヤロックには、具体的にどのような効果があるのか、改めて伺います。

○安藤徴収部長 通常、自動車の差し押さえは、運輸支局等の登録差し押さえと、これに伴い滞納者へ差し押さえ書を送達することで行っております。
 しかし、書面のみの差し押さえでは、滞納者は自動車を変わらず運行できるということになります。そこで、タイヤロック等を行い運行できなくすることで、差し押さえ財産の保全につながるという効果がございます。
 また、タイヤロック後すぐに自動車の引き揚げ、公売となるわけではございません。このため、この間に納税交渉などで自主納付につながり、早期に事案が解決するケースも多くございます。

○大西委員 差し押さえというと、自宅に都の方が来て財産を取り上げていくというイメージかなと思いましたが、実際にはそうでなく、車の場合であれば書面での差し押さえがあるという説明でもございました。確かに差し押さえがあってもその車が運行され続けてしまえば、差し押さえとしての効果は薄いとも思います。
 今回、このタイヤロック等の装着実績について、要求資料として提出していただいておりますが、先ほどもお伝えしましたように、実際の写真が出ているので非常にわかりやすいと思っております。この資料を見ると、装着台数は年々減少傾向にありますが、現状についてどのように考えているのか、どのような基準でタイヤロック等の対象になる案件を選んでいるのか、お伺いいたします。

○安藤徴収部長 タイヤロック等の実績は、年々減少傾向となっておりますが、これは滞納発生自体が減少傾向にあることが大きな理由でございます。都では、個々の事案それぞれに応じて滞納の整理を進めております。今後も必要と思われる事案につきましては、積極的にタイヤロックを活用してまいります。
 なお、タイヤロック等の対象になるのは、納税交渉に応じない、あるいは繰り返し催告書等を送付しても自主納付や納税相談がない、やむを得ない事案に限られております。

○大西委員 自動車という財産を持っているにもかかわらず、滞納を続けているのであれば、今いわれた、全く納税相談にも応じない、自主納付もしない、そういう人に対しては、こういうタイヤロックを含めて積極的に、ぜひとも滞納整理を強く行っていただきたいという気持ちはあります。
 しかし一方で、失業や病気などで突発的に生活の状況が変わったり、企業であれば経営が急に苦しくなったなど、何らかの事情をお持ちで、納税の意思はありながらも現実的に納税するのが難しいという方もいるのではないかとも思います。
 このような事情を抱えた納税者には、納税者の話をよく聞き、その実情の把握に努めるなど、適切な対応も必要だと思いますが、どのように考えているのか、伺います。

○安藤徴収部長 ご指摘のとおり、失業や病気、災害など、個別の事情で納期内納税が難しい納税者もいると認識しております。このような方々に対しましては、随時、納税相談を行うほか、収入や資産の保有状況等、納税者の正確な資力を把握するよう努めております。
 その結果、納税に誠意がありながらも、一度に納付することが困難であると判断した場合には、猶予や執行停止などの徴収緩和制度を活用し、個々の事情に応じたきめ細かな滞納整理を行ってまいります。

○大西委員 都が納税者の事情に応じたきめ細やかな対応をとることはとてもいいことであります。あんまり追い詰めると大変なことになってもいけませんからね。これからも不誠実な滞納者には毅然とした滞納整理を進めつつも、納税者の状況に寄り添った丁寧な対応をお願いして、私の質問を終わります。

○山内委員 私からは、平成二十八年度東京都税制調査会答申について、質問をしていきたいと思います。
 本日は、この中で環境税制についてお伺いいたします。
 答申では、環境重視の社会経済を構築していくためには、税制の一つの基軸に環境を据える必要があるとしておりますが、日本では、現在、ヨーロッパ諸国に見られるような炭素税や二酸化炭素税などの税目が存在しているわけではありません。
 そこで、まずお伺いいたしますが、そもそも環境税とはどういうものをいうのでしょうか。

○川上税制調査担当部長 環境税とは、一般的には、環境改善をその主目的とし、環境負荷を与える物質に課税標準を設定することで、CO2などの汚染物質の排出を抑制しようとする動機づけを与える効果を有する税をいうものでございます。
 ヨーロッパ諸国で導入されている炭素税や、我が国でも現在二十八の地方自治体が課税自主権を活用し、法定外目的税として導入している産業廃棄物税などがこれに該当いたします。
 また、答申では、森林環境や水源環境の保全のための森林環境税のように、財源調達を目的に、その税収を環境保全事業に充てることで、環境面の効果を高めるような税についても、環境税に含めて考えることとしております。

○山内委員 昨年パリで開催されましたCOP21では、世界全体の温室効果ガス排出量削減のための方針や長期目標が新たに設定されるなど、地球規模で環境保全に対する意識が高まっています。一九九〇年代初頭から炭素税等を導入している北欧諸国と比較すると、日本における環境保全に対する意識は低いのではないかと感じられております。
 そこで、都民や国民の環境問題への関心を高めていくために、税制で何ができるのかをお伺いいたします。

○川上税制調査担当部長 環境問題の解決に向けては、各種の規制や歳出による対応のほか、これを補うものとして税によるインセンティブ機能も重視すべきでございます。
 答申でも、環境重視の考え方を税制の中に組み込み、税制のグリーン化を推進していくことが不可欠であると提言しておりまして、税制も環境問題への関心を高めていくための重要な役割を担っていると考えられます。
 現実に、自動車取得税及び自動車重量税におけるエコカー減税や、自動車税及び軽自動車税におけるグリーン化特例等の措置が、低燃費、低公害車の普及につながっており、自動車取得者に対して環境インセンティブ効果を及ぼしております。

○山内委員 確かに、近年の低燃費、低公害車の普及には税制が寄与している面が大きく、またCO2排出抑制を誘導する政策手段としても、税制が有効に機能していると考えます。
 それでは、実際に、主税局では、環境保全に向けてどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いいたします。

○川上税制調査担当部長 主税局では、全国に先駆けて自動車税のグリーン化に取り組み、排出ガス性能のすぐれた自動車を軽課する一方、登録から一定年数を経過した自動車を重課する措置を講じておりました。
 また、都独自に、東京版環境減税を打ち出し、中小企業者の省エネ設備等の取得を税制面から支援する目的で事業税を減免する措置、環境負荷の小さい次世代自動車の取得を税制面から支援する目的で自動車税等を課税免除する措置などの取り組みを行っております。

○山内委員 今のご答弁にございました東京版環境減税の直近の実績とこれまでの傾向について、教えていただけますでしょうか。

○川上税制調査担当部長 東京版環境減税は、平成二十一年度に創設し、うち中小企業者向け省エネ促進税制は、資本金一億円以下の法人に対する法人事業税及び個人事業者等に対する個人事業税を減免するものでございます。平成二十七年度の影響額は約二億一千万円であり、この数年は二億円から三億円の間で推移しております。
 また、次世代自動車導入促進税制は、電気自動車やプラグインハイブリッド車に対する自動車取得税の全額、新規登録時及び翌年度から五年度分の自動車税の全額を課税免除するものでございます。平成二十七年度の影響額は約二億五千万円であり、制度創設時から直近まで一貫して増加傾向にございます。

○山内委員 中小企業者向け省エネ促進税制は、都の温暖化対策等を税制面から中小企業者の自主的な省エネの取り組みを推進するものです。今後も、関係機関等と連携して継続するよう要望いたします。
 答申では、二〇一二年度に創設された地球温暖化対策のための税に関する諸課題を取り上げ、その税収の使途の問題についても言及しております。その中で、地球温暖化対策のための税が事実上の目的税に近いものとなっており、必ずしも使い勝手がよいとはいえないとしておりますが、具体的にはどういうことなのか、お伺いいたします。

○川上税制調査担当部長 地球温暖化対策のための税収は、一旦、国のエネルギー対策特別会計に繰り入れられ、ここからエネルギー起源CO2排出抑制対策などの国庫補助対象事業に限定して補助金が交付される仕組みとなっております。
 そこで答申は、現行の仕組みでは、地方自治体の自主性を発揮することは困難であるとし、その使途は地方自治体の裁量に委ねることを検討するべきであるとしております。

○山内委員 地球温暖化対策のための税については、産業界が使途の拡大に対して反対しているために国ではなかなか踏み切れないと聞いております。しかし、ある程度は、地方自治体の自主性に任せ、地域により環境が違うために、各地域の環境施策の状況に応じた使い方ができるようにする必要があると考えます。
 また、最初のご答弁にもありましたけれども、答申の環境税制の箇所では、森林環境税についても言及しております。国が検討するとした森林環境税が実際にどのような制度となるのかはまだまだ明らかではございませんが、答申が示すように、住民に対して新たに追加的な税負担を課すものの、森林保全に対する住民の関心を高め、森林保全事業の重要性に対する認識を広める効果も期待できるとも考えております。
 現在、多くの地方自治体が課税自主権を活用して、森林環境、水源環境の保全を目的とした超過課税を実施していると聞いております。
 そこで、森林環境、水源環境の保全を目的とした超過課税の現在の実施団体数、対象税目、全国合計の税収規模について、それぞれお伺いいたします。

○川上税制調査担当部長 平成十五年度に高知県が最初に導入し、現在では三十七府県と一市が実施しております。なお、東京都では実施してございません。
 超過課税を実施する全ての自治体が、個人住民税均等割に年額三百円から千二百円までの間で上乗せしており、さらに個人住民税所得割や法人住民税均等割に上乗せしている自治体もございます。平成二十六年度決算額による全国合計の税収規模は約三百十五億円となっております。

○山内委員 市民にとっては税が重くなるので、丁寧な議論と合意形成が重要で、議論の過程がわかるようにすることが必要です。日本全体で水源林を守っていくことは大事であり、森林保全の重要性は東京も例外ではありません。東京の森の周知、放置されている民有林の間伐など、都民が森林保全の重要性を認識することは大切です。地方で課税するとなれば、例えば、都市の緑を守るために公有地化することも考えられます。東京にとって必要な森林環境税のあり方を考える必要があるのではないかと申し上げて、私からの質問を終わります。

○大津委員 先ほど報告がありました、平成二十八年度東京都税制調査会答申について伺います。
 都税調は、諮問事項にも記載されているように、地方分権の時代にふさわしい地方税制のあり方、国、地方を通じた税制全体のあり方等について、地方全体の立場から検討することを目的とした諮問機関であります。
 特に、近年、毎年のように地方税制をめぐる大きな動きがありましたので、的確に対応するため、今期から毎年度答申を取りまとめると聞いています。今年度は、新たな運営とした二年目に当たり、昨年度に引き続き答申の形で取りまとめを行っています。
 昨年度は、地方法人課税をめぐる喫緊の課題への対応に焦点を当てた答申でしたが、平成二十八年度都税調答申の特徴について伺います。

○川上税制調査担当部長 今年度の答申は、将来を見据えたあるべき税制の姿を示すことを主眼とし、人口構造や社会経済の変化に耐え得る税制度について、幅広くかつ中長期的な視点から提言を行っております。
 また、総体としての地方税財源の拡充の必要性を訴えるとともに、将来世代の利益をも考慮して、税制の基軸の一つに環境を据えることを提言したことなどが、今年度の答申の特徴でございます。分野別には、車体課税等の自動車関連税や環境税制について、新たに提言を行っております。

○大津委員 今の答弁に、人口構造や社会経済の変化に耐え得る税制度との発言がありましたが、私はこれまでも、急速な少子高齢化の進展やそれに伴う人口構造の大きな変化により、税や社会保障負担が現役世代に偏っていることに目を向けてまいりました。
 また、子育て支援策の充実など、女性が働きやすい環境を整備し、我が国の将来に希望が持てるよう、社会経済の活力を維持させていくことが極めて重要であると、繰り返し主張してきたところでもあります。
 そこで、社会経済の活力維持に向け、答申ではどのような提言をしているのか、伺います。

○川上税制調査担当部長 答申では、個人所得課税の箇所において、若年層と高齢者層との世代間格差、高齢者層の世代内格差が顕著であり、こうした格差拡大を放置すれば、社会経済の活力を維持することは著しく困難となるとしております。
 また、特に低所得の若年層や子育て世帯などの現役世代に対する支援の必要性が高いとし、誰もが安心して子供を産み育てられる環境を創出するためには、生活保護や児童手当などの現金給付や医療や教育などの現物給付に加え、税制上の取り扱いについても検討する必要があるとしております。

○大津委員 これまで私が主張してきたことが、今年度の答申に盛り込まれている点を評価したいと思います。この提言をしっかりと国に主張し、今後の税制改正に結びつけていくことを強く望んでいます。
 また、債務がふえている国の財政運営を見ますと、未来に希望を持てる健全な社会を築いていくためには、将来世代に負担を先送りしないことこそが重要でもあります。最初の答弁にもありました今年度の答申は、環境という視点がテーマの一つとなっており、将来世代に負担を先送りしないとの観点は、環境保全の取り組みにおいても同様のことがいえましょう。
 そこで、お伺いします。昨年度の答申にはなかった環境税制に関して、今年度の都税調でどのような議論があり、どのようにそれが答申に反映をされているのでしょうか。

○川上税制調査担当部長 今年度の都税調では、地球温暖化対策の議論に関する主な意見として、地球温暖化対策のための税は税率が非常に低く、化石燃料の排出抑制インセンティブ機能は、ほとんどないとの意見がございました。これを受け、答申では、化石燃料に対してCO2排出量に応じた税負担を求めていくため、地球温暖化対策のための税のさらなる税率の上乗せが妥当であると提言しております。
 同様に、課税行為によって地球温暖化を防止する効果があれば使途は問わないとの見解を受け、答申では、地球温暖化対策のための税のさらなる税率の上乗せを行う場合には、地方自治体の役割に見合った財源確保のあり方を検討する必要があるといたしまして、税収の使途は地方自治体の裁量に委ねることを検討するべきであると提言しております。

○大津委員 同じく、昨年度の答申にはなく、環境重視の視点が重要となる車体課税に関して、今年度の都税調でどのような議論があり、それがどのように答申に反映をされているのでしょうか。

○川上税制調査担当部長 平成二十八年度税制改正により導入が決定した、自動車税及び軽自動車税における環境性能割の議論に関する主な意見として、廃止が決定した自動車取得税を環境税的に転換し、自動車税の環境性能割へ組み直したのは取得段階における改善であるが、保有段階の課税である自動車税本体にはまだ手がつけられておらず、CO2排出量ベースに切りかえた課税へと改善していくべきとの見解がございました。
 車体課税においては、環境重視の視点が重要であることから、答申では、こうした見解を受け、地球温暖化等の環境問題を解決し持続可能な社会の発展を実現するため、車体課税をより積極的に環境関連税制として位置づけることが極めて効果的であるといたしまして、環境重視の考え方の定着化を図るためには、自動車の保有段階における環境性能割の導入を積極的に検討することが望ましいと提言しております。

○大津委員 これまでの都税調答申による提言が、主税局の税務行政にさまざまな形で生かされていると思われます。やはり税金というのは、課税の段階で、そのかけ方、ハンドルの回し方、切り方でさまざまに変わってくると思います。
 例えば、CO2の観点から、環境にいい車には税金を少し下げましょうとか、こうした生きた、生かされた課税の仕方、これを根本から考えていく必要があると思います。
 けさも地震がありましたけれども、特に災害に強い都市づくり、低炭素型都市の実現、中小企業者等への税負担軽減策など、都が独自に講じてもきた政策支援税制は、税制面から東京のまちづくりや都民の生活を支えてもいます。また、昨年度は、過去最高の徴収実績を上げましたが、主税局の取り組みは、都の強固な財政基盤の構築にも寄与しているところでもあります。
 最後に、目黒主税局長にお伺いします。主税局において、今年度新たに重点課題として取り組んでいることは何かを伺い、私の質問を終わります。

○目黒主税局長 主税局では、都民サービスの向上を目指して、税務人材の育成を初め、既存の税の仕組みの見直し、あるいは税の仕組みそのものをわかりやすく伝えていくということに重点を置いて取り組んでおります。
 具体的には、まず、地方創生を支える税務の達人プロジェクトの実施がございます。これは、東京が有する税務ノウハウの高いポテンシャルを生かしつつ、東京と地方の共存共栄を目指す観点から、全国自治体と連携して税務ノウハウや生きた実務スキルの向上を図ることを目的とするものでございます。
 この取り組みは、法人調査、資産評価、滞納整理の各部門における全国自治体の税務職員の実務体験、出張セミナーの強化、そして税務実務ネットワークの構築の三つを柱としてございます。
 また、既存税制の見直しという点におきましては、グローバル都市東京にふさわしい新たな固定資産評価制度の確立に向けた取り組みがございます。東京に多数立地する大規模事業用建築物の評価につきましては、仕組みが複雑で納税者にわかりにくく評価に長い時間を要するなどの課題がございます。そこで、新たに設置した法律や建築分野等の専門家から成る検討会での検討結果を踏まえ、国とも連携しながら、簡素で迅速な評価制度の構築を進めてまいります。
 さらに、今年度の都税調の答申でも提言されております税に対する理解の促進に向け、税を身近に感じてもらえるような取り組みを重点的に進めております。例えば、都民のライフステージに応じた取り組みの一つであります住宅展示場における住まいと税を考えるキャンペーンの実施や、コンビニエンスストアにおいてPOSレジ画面を活用した広告など、納税者の視点を意識した積極的かつ効果的な情報発信に努めております。
 今後も、全国の地方自治体とも連携をしながら、納税者の視点に立った税務行政の一層の推進に努めてまいります。

○大山委員 それでは、私からも、今年度の東京都税制調査会の答申について質疑をしたいと思います。
 答申で、積極的に支持できることの一つは、地方法人税の問題です。地方法人税の創設及び拡大は、都道府県及び市町村の基幹税である事実を無視すること、その基幹税を国税化することに合理性がないことを指摘して、地方法人税を地方税である法人住民税に復元するとともに、総体としての地方財源を拡充する方向がとられるべきであると主張しているということは支持できます。
 同時に、Ⅲの1、東京における財政需要として、答申が、今後の東京都の財政需要は、福祉関連の財政需要が大きくなること、また、社会資本ストックの維持更新と災害に強い都市づくりのための財政需要が大きくなることを位置づけたことは、自治体の本旨であります住民の福祉の増進という観点からも重要です。
 同時に、地方法人税の創設及び拡大が矛盾することなのかということを裏づける重要な要素だといえます。全体として、開発のための財源確保を強調するような表現が控えられたことも評価したいと思っています。
 しかし、指摘しなければならないのは地方消費税についてです。答申が、地方消費税について、税収が安定的で、地方自治体の運営を支える自主財源としてふさわしい税、地方自治体の自主財源として地方消費税を一段と充実していくよう、国へ強く求めていく必要、こう述べていることです。
 消費税の税収は確かに安定的です。収入を確保するには都合がいい税制です。しかし、都民の福祉の増進が東京都の地方自治体としての本来の役割なのですから、都民にとって消費税はどういうものなのか、都民にとってどういう影響があるのか、そういうこと抜きに議論するということはおかしいと私は思っています。
 伺いますけれども、東京都税制調査会の小委員会で、消費税のことは具体的にはどのような意見が出されたのでしょうか。

○川上税制調査担当部長 都税調では、社会保障の充実や財政収支の改善に向け、地方消費税の果たす役割が大きいこと、地方税収に占める地方消費税の割合を高めていくべきことなどの意見が出されております。
 こうした意見を踏まえ、答申では、地方消費税は、世代間の負担の公平を確保でき、地域間の偏在が小さく、税収が安定的で、地方自治体の運営を支える自主財源としてふさわしい税であるとしております。

○大山委員 今、ご答弁された社会保障の充実や財政収支の改善に向け、地方消費税の果たすべき役割が大きいこと、こういいますけれども、社会保障に使うといっているわけですけれども、結局この議論というのは、社会保障を拡充するんだったら消費税を上げなければなりません、消費税を上げたくなかったら社会保障はそこそこ、そういうことになってしまうということです。
 地方消費税が議論になった小委員会は、第二回と第四回です。議事録を読みますと、第二回小委員会では、消費税に関して、主には地方消費税と国による財源調整の不合理に関することなどが議論されていました。
 第四回小委員会では、答申案についての議論で、消費税について議論されているのは議事録にして二ページ程度、そのうち一ページちょっとはインボイス制度を導入することになったら、小規模事業者の負担が大きいことへの心配です。これはこれで重要な議論だと思っています。
 それにしても、さっき答弁された地方税収に占める地方消費税の割合を高めていくべきであることなどという発言は、一生懸命探しましたが見当たりません。議事録では、その間のやりとりは、小委員長から、地方自治体の自主財源として地方消費税の割合を一段と高めていく、この表現は何なのか、事務局としてはもともとどの意味だったのか、こう主税局に質問があったりして、会長がやりとりをしながら、地方消費税の充実くらいにしておいた方がいいかなと思ったというようなやりとりが議事録上ではわかるわけです。第二回も第四回も、都民の暮らしと消費税の関係などは全く話になっていません。
 消費税は、食料品を初め、原則として全ての物にもサービスにも課税されます。年金収入や低賃金の非正規労働者でも、収入のほとんど全てが生活を維持するための消費になってしまう方々も、そしてどんなに高額所得者とも同じ税率で払うわけです。つまり消費税は、生計費非課税の原則に反すると私は思うのですけれども、東京都はどういう認識をしていますか。

○小山税制部長 個人所得課税におきまして、最低限度の生活を維持するために必要となる部分を課税の対象外とする趣旨から、基礎控除を初めとした人的控除が設けられております。

○大山委員 今答弁されたように、所得税は、最低限度の生活を維持するために必要な部分を課税の対象としていないわけですね、つまり生計費は非課税ということです。
 しかし、消費税はどうでしょうか。都税調の答申でも述べているように、消費税は、低所得者ほど負担の重い税金です。震災や津波で家や職を失った被災者にも、収入がなくてなけなしの貯金を取り崩しながら不安定な生活を送っている人にも、それからダブルワーク、トリプルワークで必死に家計を支えているシングルマザーにも、生活のために消費している限り消費税の負担がのしかかります。
 立正大学法学部の客員教授で税理士の浦野広明氏は、税制において日本国憲法の精神を生かすことが最も大切だと考えていますと、こう述べています。十三条、幸福追求権、十四条、法のもとの平等、二十五条、生存権の保障、二十九条、財産権などからは、生活必需品には課税しないという生計費非課税の原則や応能負担の原則が導かれますと、こう述べています。私もそのとおりだと思います。それだけに、消費税増税は、景気を悪化させるだけでなく格差と貧困の拡大に追い打ちをかけることになると考えていますけれども、どう認識されていますか。

○小山税制部長 経済がグローバル化し、世界情勢がめまぐるしく変化する今日において、景気変動は、さまざまな要因が複合的に重なって起こるものでございまして、消費増税のみを取り出して景気に与える影響を判断することはできないものと考えてございます。
 また、消費税には逆進性があるとの指摘もございますが、少子高齢化が急速に進行する我が国において、持続可能な社会保障制度の構築を図ることは喫緊の課題でございまして、広く消費に負担を求め、世代間の公平を確保することができる消費税率の引き上げにより、社会保障財源の拡充を図ることは避けては通れないものと思われます。

○大山委員 景気変動は、さまざまな要因が複雑に重なって起きるから、消費税増税だけで判断することはできないとおっしゃいますけれども、実際はどうだったでしょうか。政府も、消費税増税の影響は一時的なものだといっていました。
 しかし、現実には、増税から二年たっても消費は落ち込んだままです。GDPの六割を占める個人消費は、実質値で見ても、一四年度、一五年度と連続して前年比マイナスとなりました。
 一方、国際情勢もおっしゃいましたけれども、安倍首相が、ことし五月の伊勢志摩サミットで、突然、世界経済はリーマンショックに似てきたといい出して、国内の失政を世界経済に責任転嫁するものだとひんしゅくを買い、参加した首脳たちからも認識が違うと指摘されたのは記憶に新しいことではありませんか。
 世代間の公平を確保するといいますけれども、高齢者間の所得格差が大きいことは、もう明らかです。二〇一五年の国民生活調査でも、平均所得金額以下の割合が高齢者世帯では九一・五%ですから、圧倒的多数の高齢者は低所得であり、五分位の中の一番下の、百九十九万円以下が四割を超えています。
 アベノミクスが始まって四年になりますけれども、その行き詰まりと破綻はもう明瞭です。日銀の異次元金融緩和や、三年間で四兆円もの企業減税によって、大企業は三年連続で史上最高益を更新して、大株主など富裕層にも巨額の富がもたらされました。
 しかしその一方で、労働者の実質賃金は、三年間のうちに年額で十七万五千円も減り、家計消費は実質十三カ月連続で対前年比マイナスになっています。そんな中で、一九九七年をピークに、年収二千万円以上のごく一部の高額所得者と年収五百万円以下の低所得層が増加しました。しかし、年収五百万円から一千万円の層は減少しています。つまり、非正規労働者の増大で低賃金労働者がふえ、中間層が衰退しているということなんです。
 答申でも、相対的貧困率が上昇傾向にあることを憂慮しているように、一六・一%という日本の相対的貧困率は、OECD三十四カ国の中でワースト六位という、先進国の中でも貧困大国となってしまいました。つまり、超富裕層がますます富み、国民全体の所得が低下する中で、中間層が疲弊し貧困層が増大する深刻な事態になっていることを重く受けとめなければなりません。
 主税局ができる最大の貢献は、能力に応じて負担する公平公正な税制を貫くことであり、国にもきちんと物をいうことです。専ら大企業が利用する優遇税制の結果、大企業の実質法人負担税率は、二〇一四年度では一二%でしかなく、中小企業の一九%に比べても低くなっています。
 優遇税制を改め、せめて中小企業並みの負担を求めるよう、東京都からも国に求めるべきではないでしょうか。

○小山税制部長 数字の読み方には、さまざまなご見解があるかと思いますが、一般的に、法人税の課税所得には、利子等に対する所得や国外事業で発生する所得も含まれておりまして、それらの所得に対しては、既に所得税や外国において法人税に相当する税が課せられているため、二重課税を排除する観点から、法人税額から税額控除されております。
 委員ご指摘の大企業の税負担につきましては、国外の事業所得などの割合が高い法人も多く、結果として所得に対する法人税の割合が低く見えることがございます。また、法人税における研究開発税制や所得拡大促進税制等の減税措置につきましては、国の経済政策の一環として行われているものであり、国の判断において存続や見直しが行われるものと認識しております。
 なお、これらの減税措置につきましては、地方法人課税においては、地域経済に大きな役割を果たしていることなどを理由に中小企業者のみに適用されております。

○大山委員 数字の読み方には、いろいろ見解があるんだということですけれども、事実はどういうことだといえば、例えば、多額の研究費を使う企業の法人税を減税する研究開発減税は、年間減税額、二〇一四年度は六千七百億円です。中小企業分を除いても六千五百億円もあります。つまり大企業には六千五百億円減税されていると。研究開発減税を含む租税特別措置による減税額は、一四年度には二兆円を超え、過去最高になっています。
 他の国内企業から受け取った配当の全部または一部を非課税とする受取配当益金不算入制度や、海外にある子会社からの配当を非課税とする海外子会社配当益金不算入制度の対象額も年々増加しています。こうした大企業優遇税制を廃止または大幅に縮減することこそやらなければならないことです。
 国の判断だといいますけれども、国に対して都民の立場で、消費税に頼るのではなくて都民の立場で物をいうことこそ東京都に求められていることだということを厳しく求めて、質問を終わります。

○栗山委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗山委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会します。
   午後三時十五分散会

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