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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第五号

平成二十八年三月十六日(水曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長鈴木 錦治君
副委員長堀  宏道君
副委員長遠藤  守君
理事崎山 知尚君
理事松村 友昭君
理事酒井 大史君
大津ひろ子君
山内れい子君
神野 次郎君
桜井 浩之君
ともとし春久君
宇田川聡史君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
主税局局長小林  清君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務西海 哲洋君
税制部長加藤  隆君
税制調査担当部長池田 美英君
調整担当部長笹本  勉君
課税部長山内 和久君
資産税部長大久保哲也君
徴収部長安藤 敏朗君
特別滞納整理担当部長藤井  朗君
会計管理局局長塚本 直之君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務片山  謙君
警察・消防出納部長吉野 孝行君
資金活用担当部長久原 京子君
会計制度担当部長米今 俊信君

本日の会議に付した事件
会計管理局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出 会計管理局所管分
主税局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為 主税局所管分
・第三号議案 平成二十八年度東京都地方消費税清算会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第四十一号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・平成二十八年度地方税制の改正について
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
(1)二七第一七号
(2)二七第一八号
(3)二七第一九号
(4)二七第二〇号
(5)二七第二一号
(6)二七第二二号
(7)二七第二三号
(8)二七第二四号
(9)二七第二五号
(10)二七第二六号
(11)二七第二七号
(12)二七第二八号
(13)二七第二九号
(14)二七第三〇号
(15)二七第三一号
(16)二七第三二号
(17)二七第三三号
(18)二七第三四号
(19)二七第三五号
(20)二七第三六号
(21)二七第三七号
(22)二七第三八号
(23)二七第三九号
(24)二七第四〇号
(25)二七第四一号
(26)二七第四二号
(27)二七第四三号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
(28)二七第六九号
(29)二七第七〇号
(30)二七第七一号
(31)二七第七二号
(32)二七第七三号
(33)二七第七四号
(34)二七第七五号
(35)二七第七六号
(36)二七第七七号
(37)二七第七八号
(38)二七第七九号
(39)二七第八〇号
(40)二七第八一号
(41)二七第八二号
(42)二七第八三号
(43)二七第八四号
(44)二七第八五号
(45)二七第八六号
(46)二七第八七号
(47)二七第八八号
(48)二七第八九号
(49)二七第九〇号
(50)二七第九一号

○鈴木委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局及び主税局関係の予算の調査並びに主税局関係の付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大山委員 私は、官民連携福祉インフラファンドについて質疑します。
 官民インフラファンドは、十一月の事務事業質疑でも質問したわけですけれども、そのとき明らかになったのは、それぞれのプロジェクトに幾ら出したのかも都民にはいえない、幾ら回収するのかも都民にはいえない、このファンドというやり方の基本的な問題として、都民の税金が入っているのに、都のプロジェクトに幾ら投資し、どのように回収するのか、投資先も明らかにしないということです。税金の使い方として、こんなことでいいわけはありません。しかし、始まってしまっているわけですから、少しでも矛盾を少なくするという立場で質問します。
 十一月の事務事業質疑のときには、特養ホームは賃貸物件では設置できないので、特養ホームは最初から福祉インフラファンドの整備内容からは外れていました。しかし、その後、特養ホームの整備について、賃貸物件でも可能とする方向が出されています。福祉インフラファンドに特養ホームを入れることを求めることが必要ではないのでしょうか。

○久原資金活用担当部長 福祉貢献インフラファンドは、建物を整備し、施設運営事業者に賃貸することを想定しております。これまでは、社会福祉法人が特別養護老人ホームを運営する際には、施設、建物の自己所有が必要とされていたことから、本ファンドによる特別養護老人ホームの整備は困難と考えておりました。
 しかしながら、特別養護老人ホームにおいて、賃貸物件での整備を認める要件緩和が実現する運びとなったと聞いております。ただし、規制緩和に係る条件等が国から明らかにされていないため、現時点で、特別養護老人ホームが本ファンドの対象となるかどうかについて、明言はできない状況でございます。

○大山委員 方向性は明らかだけれども、政省令ができていないのでということですけれども、ぜひ有料老人ホームだとか、介護つき高齢者住宅などだけではなくて、特別養護老人ホームについても検討するべきだと思います。
 保育の施設を入れるというのが最低条件だということになっていますけれども、保育の新制度になって、保護者は、認可保育園だけでなくて、認定こども園や小規模保育も区市町村に申し込むことになりました。
 ことし四月入園の第一次募集で、第一希望に選んでいる人が一番多いのは、ゼロ歳から就学前までの保育を実施している認可保育園と認定こども園であるということが調査で明らかになっています。
 子育て支援施設を入れることが最低条件になっていますけれども、保護者は、どこにでも入れればいいというわけではありません。希望が多い認可保育園で、都民の税金も投入されているのですから、企業のもうけ優先ではなくて、園庭を敷地内に設置することなどを条件とするべきですけれども、どうですか。

○久原資金活用担当部長 本ファンドにおきましては、特別に高い水準の施設を想定するのではなく、地域のニーズに対応した子育て支援施設を含む建物の整備促進を図ることが重要と考えております。待機児童解消に少しでも貢献できるよう、認可保育所、認証保育所を問わず整備されることを想定しております。

○大山委員 特別に高い水準なんていっていますけれども、園庭を敷地内に設ける、これ東京都の児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例です。この東京都の条例で定められている保育園の最低基準ですよ、園庭を敷地内に設ける。この条例の四十一条に、保育所は、次に掲げる基準を満たさなければならないとなっていて、満二歳以上の幼児一人につき、屋外遊戯場の面積にあっては三・三平米以上とすること、こうなっているんですよね。園庭を敷地内に設置することは特別に高い水準などではなくて、最低基準であるということをちょっと確認してください。

○久原資金活用担当部長 本ファンドにおきましては、待機児童解消に少しでも貢献できるよう、認可保育所、認証保育所を問わず整備されることを想定しております。保育所に園庭を設けるかどうかについてお答えする立場にはございません。

○大山委員 最低基準で定められているんです。最低基準は最高基準ではありません。同時に、この児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では、第四条で、児童福祉施設は、最低基準を超えて、常にその設備及び運営を向上させなければならない、こうなっているんですよ。最低基準が最低ではいけませんと。最高ではいけませんということですよ。
 最低基準は、最高基準ではありませんね。ですから、認証保育所は東京都がつくってしまった制度で、保育士は六割いればいいというものです。東京都がつくっている最低基準よりも低いわけですね。だから、国でさえも認可施設とはしていないわけです。しかも、さっき地域のニーズに対応した子育て支援施設といいますけれども、保護者のニーズはどうなっているかっていったら、先ほど紹介した調査でも、第一希望として申し込んでいるのは、ゼロ歳から就学前まで一貫して保育を行う認可保育園と認定こども園に人気が集中しているんです。保護者の要望は明らかではないでしょうか。
 待機児解消は切実です。しかし、官民連携インフラファンドには、都民の税金が投入されているんです。待機児解消を口実にして、とにかく子育て施設の質を落としてでもつくればいいって、そういうものではないということです。
 福祉インフラファンドで、スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社は、平成二十八年二月八日付で、ファンドマネジャー選定を辞退しました。理由は何でしょうか。

○久原資金活用担当部長 ファンドの組成及び運営に係る参画企業間の調整を整えることができず、選定時に提案したスキームの構築が困難となったためと聞いております。

○大山委員 結局、企業はもうからないと思えば撤退するということなんじゃないんでしょうか。企業は、もうけるために存在していますから、それは当然のことといえます。したがって、福祉施設の整備をインフラファンドなどに頼るのではなくて、都が責任を持って整備することを、より進めていくことを求めて終わります。

○山内委員 昨年十一月の財政委員会におきまして、私は、都の公金管理の基本原則とこの原則のもと膨大な公金をどのように運用していくのかについて質問をいたしました。
 都は、安全性と流動性を確保した上で、主に預金や債券等で運用を行うとともに、新たに外国銀行を預金入札に加えたとご答弁がありました。日銀の異次元緩和が続く中、金利は低迷を続け、さらにはことし二月、日銀はマイナス金利つき量的、質的金融緩和を導入いたしました。この政策により、金利は長期、短期とも下がり、当初、都民にとっては、住宅ローンの金利が下がるなどプラス面があると予想されておりましたけれども、資材や人件費など建設コストの急騰で住宅価格も高騰しているため、マイナス金利の恩恵は限定的との見方も広がってきております。
 都は、歳計現金等約一兆円と基金約三兆円、合わせて四兆円を超える公金の管理を行っております。会計管理局にとって非常に難しい状況になっているんだと思います。
 そこで、日銀の緩和政策について、まず、二〇一三年四月の異次元緩和と二〇一四年十月の追加の緩和政策において、都の公金管理はどのような影響を受けたのかお伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十五年当時、世界的な超低金利状況などにより、既に金利は低迷をしておりましたが、緩和政策の導入後は、さらに日銀の狙いどおり、市場金利は一層低下をしております。こうした金融環境の変化を受け、都の運用利回り及び運用収入も年々低下をしているところでございます。
 平成二十四年度から二十六年度までの実績を見ますと、平成二十四年度は、運用利回りが〇・一八四%で、運用収入は約七十一億円でございましたが、平成二十五年度には、同〇・一四一%の約五十八億円、さらに平成二十六年度に、同〇・一一九%の約五十一億円と減少をしております。

○山内委員 都は、この減少を受けて、今年度どういった対策を講じてきたのでしょうか。また、先月二月、超低金利への対策として、新たに百億円を、米ドル建ての為替予約つき外貨預金を入札方式で国内の地方銀行に決めたとの新聞報道がありました。その内容についても、あわせてお伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 市場金利の低下など国内外の金融環境の変化に応じて、平成二十七年三月、公金管理の原則と管理方法を定めた公金管理ポリシーとこれに基づく公金管理計画を策定いたしました。この中で、公金運用の多様化の観点、視点から安全性を確保した上で、元利保証型金銭信託など新たな取り組みを計画して実施をしております。
 お話の為替予約つき外貨預金は、あらかじめ為替予約をすることで為替変動のリスクを回避し、かつ円預金と同等の安全性を持つ預金であり、さらなる運用手法の多様化の一環として開始をしたものでございます。

○山内委員 一月二十一日、日銀の黒田総裁は、参議院決算委員会でマイナス金利導入は考えていないと明言していました。しかし、その後二十九日には、日本で初めてマイナス金利政策を導入すると発表、二月十六日にマイナス金利政策が開始され、さらに金利が下がりました。今回のマイナス金利政策では、都の公金管理はどのような影響を受けたのでしょうか、お伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回のマイナス金利政策では、預金や国債などの市場金利は過去最低水準までさらに低下し、初めて十年国債の利回りまでマイナスを記録いたしました。都が行う日々の預金入札では、現時点で金融機関の提示金利が大幅に低下しているだけでなく、入札への参加そのものを辞退する金融機関の数もふえてございます。このため、今後の運用利回りは大変厳しいものとなると思われます。

○山内委員 金融機関が提示する預金金利が低下するだけではなく、預金入札への参加そのものを見合わせる金融機関が数多く出ているとのことです。どこに公金を置けば安全か見きわめるのは、さらに難しくなると思われます。
 そこで、今後の公金の管理、運用について、どのように考えているのか所見をお伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在の債券市場では、国債での運用は困難であり、今後は当面、預金中心の運用にならざるを得ません。
 しかしながら、入札辞退者の増加により、いずれ預金の入札そのものが成立しない事態も想定される状況にございます。このように、金融環境は極めて不透明な状況であり、資金管理・活用アドバイザリーボードでの専門家のご意見も十分に聞きながら、金融機関の預金ニーズなど情報収集を密に行い、運用先の分散を図ってまいります。
 さらに、預金先金融機関の経営状況を注視するなど、リスク管理に努め、公金の安全性、流動性の確保に最大限留意して、運用手法を見きわめながら、管理、運用に取り組んでまいります。

○山内委員 今後、さらにマイナス金利政策の影響は表面化してくると思われます。公金を損失させないことが最優先です。公金をどこに保管するのか、リスク管理体制をしっかり整え、安全性の確保を最重要視する基本原則のもと、慎重に取り組んでいただきたいと思います。
 また、百億円を外貨預金で運用したことは新聞報道で知りました。財政委員会に報告もありません。貴重な都民のお金がどのように管理されているのか、情報を開示する基準をつくって、都民にも都議会にもしっかりと情報公開をすることが必要であるとご指摘いたしまして、質問を終わります。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○鈴木委員長 これより主税局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為、主税局所管分、第三号議案、第四十一号議案及び報告事項、平成二十八年度地方税制の改正について並びに請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(27)までの請願二七第一七号外二十六件の同内容の請願及び整理番号(28)から(50)までの陳情二七第六九号外二十二件の同内容の陳情を一括して議題といたします。
 請願陳情について理事者の説明を求めます。

○加藤税制部長 今般、財政委員会に付託されました主税局所管の請願陳情についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、財政委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 初めに、請願二七第一七号から第四三号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願についてでございます。
 この請願の趣旨は、小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置を平成二十八年度以後も継続すること、小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を二割減額する減免措置を平成二十八年度以後も継続すること及び商業地等における固定資産税及び都市計画税について、負担水準の上限を六五%に引き下げる減額措置を平成二十八年度以後も継続することを求めるものでございます。
 小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置は、過重となっている住宅用地の税負担を緩和するため、昭和六十三年度から実施してきたものでございます。
 小規模非住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税を二割減免する措置は、過重となっている二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、厳しい経済状況下における中小企業への支援を行うため、平成十四年度から実施してきたものでございます。
 商業地等における固定資産税及び都市計画税の税額を負担水準六五%の水準まで減額する措置は、負担水準の不均衡を是正するとともに、全国に比べ過重となっている二十三区商業地等の負担の緩和を図るため、平成十七年度から実施してきたものでございます。
 これらの軽減措置につきましては、都民の税負担感に配慮する必要から、平成二十八年度においても引き続き実施することとし、本定例会において所要の改正を行う条例を提案しているところでございます。
 次に、五ページをお開きください。陳情二七第六九号から第九一号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情についてでございます。
 この陳情の趣旨は、さきの請願と同じでございますので、改めての説明は省略させていただきます。
 本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 予算案、付託議案及び報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○加藤税制部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第2号、財政委員会要求資料の一ページをお開きください。
 要求資料第1号、平成二十八年度税制改正における法人税改革による影響額でございます。
 この表は、平成二十八年度税制改正における法人税改革による法人都民税及び法人事業税の影響額の試算をお示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、法人事業税の税率の推移でございます。
 この表は、平成十六年度から平成二十七年度までの法人事業税の税率の推移をお示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第3号、法人都民税の税率の推移でございます。
 この表は、平成十六年度から平成二十六年度までの法人都民税の税率の推移をお示ししたものでございます。
 次に、四ページの要求資料第4号、法人二税の超過課税収入額でございます。
 この表は、平成十七年度から平成二十六年度までの法人都民税及び法人事業税の超過課税分の収入額をお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 本日の主税局関係の質疑は、法人実効税率の引き下げの狙いや影響、そしてまた、国の法人税の分割基準の見直しの動向等についてお伺いをさせていただきます。
 第三次安倍内閣発足後、我が国は、一億総活躍社会の実現を目標に掲げ、徐々にではありますけれども、確かな歩みを着実に進めています。少子高齢化に当たって、働く世代を初め、高齢者も若者も、女性も男性も、活力ある日本の将来的発展に向け、みずからの能力を最大限に発揮していく必要があります。我が国の経済成長に向けた取り組みは、まさに今が正念場であり、次の世代に負担を先送りすることがあってはなりません。
 さて、さまざまな施策を着実に実施していくためには、一にも二にも財源が必要であり、景気を回復させ、税収を拡大していくことは、我々に課せられた大きな課題であります。そこで、まず初めに、税制改正の大きな目玉である法人実効税率の引き下げについて質疑をさせていただきます。
 二十年前には約五〇%であった法人実効税率は、国において、順次引き下げられてきています。この問題は、単に法人の税負担をどうするかという問題ではなく、日本の経済をいかに成長させるか、いかに国民の生活を豊かにするかという問題と私は捉えています。
 法人実効税率の引き下げは、我が国の経済成長につながる施策の一つであると認識していますが、税率を下げることによって、どのような効果を期待し、また何を目指しているのか、お伺いをいたします。

○加藤税制部長 平成二十八年度税制改正では、経済の好循環を確実なものにするため、成長志向の法人税改革をさらに大胆に推進することとし、法人実効税率は二〇%台まで引き下げることとされました。
 法人の実効税率は、平成二十六年六月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一四、いわゆる骨太の方針において、日本の立地競争力を強化するとともに、我が国企業の競争力を高める一環として、国際的に遜色ない水準に引き下げることを目指し、着手されたものでございます。
 これに加えまして、平成二十八年度与党税制改正大綱では、稼ぐ力のある企業、利益を生み出す企業の税負担を軽減することにより、企業には収益を拡大させるインセンティブが働く、また、企業の努力により収益が拡大すれば、それが設備投資の拡大や賃上げにつながっていく、そして、設備投資の拡大に伴う事業活動のさらなる活性化、個人所得の増大による消費拡大が期待され、こうして経済の好循環が生まれ、日本経済の持続的成長につながっていくとされております。

○崎山委員 ただいまのご答弁で、一つ目には、法人実効税率の引き下げは我が国の国際競争力の強化、そして二番目には、収益増による経済成長を目指して行われているということがわかりました。
 そこでまずは、国際競争力の強化の観点から、主要な諸外国の実効税率はどうなっているのか、お伺いをいたします。

○加藤税制部長 ヨーロッパ諸国における法人実効税率は、例えばイギリスにおきましては、一九九五年に三三・〇%であったものが、二〇一二年では二四・〇%となっており、この間九%引き下げられております。
 このほか、同じ期間におきまして、ドイツでは、五五・一%から三〇・二%まで、二四・九%引き下げが行われております。
 また、アジアに目を向けますと、韓国では、二〇〇〇年、若干年度が異なりますが二〇〇〇年が三〇・八%であったものが、二〇一二年には二四・二%であり、この間六・六%引き下げられております。
 また、シンガポールでは、二〇〇四年に二二%であったものが、二〇一二年では一七%となっており、この間五%引き下げられております。

○崎山委員 今の答弁で、法人実効税率の引き下げは、国際的な潮流に沿うものであるということはわかりました。
 確かに、グローバル化の進展に伴い、国際的に事業活動を展開する企業がふえており、本拠地における税負担がどうなるかという点は、企業も関心が高く、また経営判断に与える影響も大きいと思います。
 一方で、実効税率を引き下げることによって、国際競争力が高まるのはいいんですけれども、減税によって税収が減るようでは本末転倒な結果となってしまいます。
 先ほど、答弁であったような主要な諸外国において、法人実効税率を下げることによって税収はどうなったのか、お伺いをいたします。

○加藤税制部長 経済財政諮問会議に提出された資料によりますと、主要な諸外国につきまして、先ほど答弁した法人実効税率の引き下げ前後における法人税収への影響を税率、制度改正、経済成長等の要因別に分析しております。
 それによりますと、イギリスについては、法人税収が四・八%の増加、そのうち経済成長要因が四・五%、ドイツについては、法人税収が五・六%の増加となっておりますが、そのうち経済成長要因が二・二%、韓国につきましては、法人税収の増加が八・四%であるのに対し、そのうち経済成長要因が六・五%となっております。
 なお、シンガポールにつきましては、この資料には掲載はございませんが、私どもが独自に調べたところによりますと、同じ期間におきまして、法人税収が一一〇・三%ということで二倍以上になっております。
 これは、GDPの増が桁違いでございますので、単純な比較にはならないかと思いますが、いずれの国におきましても増加しているところがあるということでございます。

○崎山委員 今もご答弁にありましたように、例に挙げられた諸外国において、法人実効税率を引き下げたことによって、その効果によって税収がふえているということが明らかになりました。
 そこで、我が国においては、先ほども答弁にありましたけれども、二十年前の五〇%から軽減されているわけでありますけれども、最近の法人実効税率の引き下げにより、法人税収やGDPがどのように変化してきているのか、お伺いをいたします。

○加藤税制部長 我が国の法人実効税率は、長い間、四九・九八%という高い税率でございましたが、平成二十四年度に三九・五四%から三四・六二%へ、二十七年度に三二・一一%へ、順次、引き下げられてきております。
 そこで、平成二十四年度と直近の実績数値である平成二十六年度とを比較いたしますと、法人税収は九・八兆円から十一兆円に、一二・二%増加しております。
 また、名目GDPにおきましては、実額ベースで四百七十四・四兆円から四百八十九・六兆円ということで、十五・二兆円、三・二%増加しております。
 その内訳を見てみますと、家計の消費支出が約五兆円の増、企業の設備投資などが約四兆円の増となっておりまして、これらを合わせると九兆円になります。

○崎山委員 法人実効税率を下げただけ、このことだけで、法人税収やGDPの実績が伸びるというつもりはありません。
 しかし、安倍内閣が実施してきたさまざまな財政金融政策に加え、法人実効税率引き下げによる効果が相まって、日本経済がデフレ脱却に向けて確実に回復してきていることは明らかだというふうに考えています。
 都に目を向けても、平成二十八年度当初予算の都税収入が五年連続増の見込みとなり、こうした経済効果が波及しているといってもよいのではないでしょうか。
 そこで、平成二十八年度当初予算における都税収入の増収要因と今後の見通しについてお伺いをいたします。

○加藤税制部長 平成二十八年度当初予算の都税収入は、五兆二千八十三億円を見込んでおり、二十七年度当初予算に対しまして約一千九百億円、三・七%の増となっております。
 主な要因といたしましては、法人二税が、景気回復により企業収益が堅調に推移していることにより、二十七年度当初予算から約一千五百億円の増になると見込んでおります。都税全体の増収額の約八割を占めております。
 今後の税収見通しにつきましては、引き続き景気回復基調による税収の増が見込まれる一方、法人事業税の暫定措置の廃止等に伴う法人住民税の一部国税化の拡大などが平成二十九年度から実施されることから、こうした税制改正による影響もあらわれてくるものと思われます。
 このほか、二十八年度与党税制改正大綱には、二十七年度に引き続き、地方法人課税の分割基準のあり方を検討することが明記されておりまして、都から財源を奪う不合理な見直しにつながることも懸念されます。

○崎山委員 都税収入の増加は、景気回復による企業収益の拡大等を背景とした、法人二税の伸びが要因として大きいことを改めて確認させていただきました。
 しかし、都は、こうした状況を手放しに喜んでいるわけにはいきません。そもそも法人二税は景気変動による影響を受けやすく、かつてリーマンショックで約一兆円の減収に見舞われたように、景気の落ち込みによって税収が大幅に減少しないとも限りません。
 また、現在のように都税収入が好調な状況が続くと、地方や国から東京富裕論が再燃し、東京の財源をいろんな形で、さらに地方に配分する財源調整に向けた動きが出てくるおそれも否定できません。
 我々都議会議員が都とともに求め続けてきた法人事業税の暫定措置が、二十九年度には廃止することとされ、一定の決着を見たところですが、国は、分割基準--これは複数の自治体で事業活動を行っている法人が、それぞれの自治体に納めるべき税額を計算する際の基準となっていますが、これを使って、さらなる財源調整を考えているのではないかとも聞いています。今後も、国の動向等を注視し、都の地方法人課税を狙う不穏な動きに対しては、早目早目に手を打っていかなければならないと考えます。
 この先、都は、史上最高のオリンピック・パラリンピック大会を成功させなければなりません。また、急速に進む少子高齢化の対応、成長の土台となる都市機能の向上など、世界で一番の都市東京の実現に向け、長期ビジョンの掲げるさまざまな施策の積極果敢な取り組みが求められています。
 こうした状況を踏まえれば、主税局が果たすべき責任は一層大きなものになると考えます。都税収入の確保、都の財源を奪おうとする不合理な動きに対する備えなど、その重要な役割について、主税局長の認識をお伺いいたします。いかがでしょうか。

○小林主税局長 国におきましても、地方におきましても、税収の充実、確保に向けましては、法人税や所得税、あるいは消費税などの課税ベースの広い基幹税が重要でありまして、この地方の基幹税に国が手をつけ、財源調整として用いることが、決して繰り返されてはならないというふうに思っております。
 地方の基幹税であります地方法人課税の分割基準は、昭和三十七年度から、経済情勢の変化等を名目としつつ、国は自治体間の財源調整の手段として用いてきた、いわば財源調整の起源、ここから始まったといえるものでございますが、二十七年度に引き続き、二十八年度与党税制改正大綱におきましても、見直しを検討することが明記をされておりまして、都としては、二度と財政調整の手段として用いられることのないよう、国に強くこれを求めてまいります。
 また、そもそも、こうした自治体間の財源調整が行われる根本的な問題は、地方の税収総体が不足をしているということが挙げられるわけでございます。
 地方税の充実、確保のためには、地方法人課税のみならず、安定的な地方税体系の構築が求められるわけではありますが、その際には、地方税の応益原則というものを踏まえつつ、所得循環の生産、分配、支出というこの三つの局面におきまして、バランスよく課税していくことが重要だというふうに思います。
 こうした点を踏まえまして、今後とも、歳入所管局として、税収確保に向けたたゆまぬ努力を重ね、都の重要施策を財政面からしっかりと支えていくことはもちろんのこと、地方分権時代にふさわしい地方税制の実現に向けて、東京都税制調査会を活用して議論を深めますとともに、不合理な偏在是正の動きに対しましては、都議会議員の皆様のお力添えをいただきながら、国に強く働きかけてまいります。

○崎山委員 最後に、一言申し上げさせていただきます。
 今もご答弁にありましたように、昭和三十年代に偏在是正措置の名のもとに、法人税の分割基準の見直しが行われました。以降、国は、一方的に問答無用の措置を繰り返し行っていますが、それに対抗するため、総力戦で私たちもこうしていますけれども、隔靴掻痒、無力感は否めないものがあります。
 この先もていよく没収される、そんな動きをとめる決定打は今のところありません。
 ぜひ、私も含めてですけれども、戦法をかえて、都民、国民に、これまでの不合理な措置を周知する対抗策を考えるべきだというふうに思っております。
 以上、ご提案を申し上げまして、ご答弁はないですよね。--では、局長に最後の答弁をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○小林主税局長 ただいま、崎山理事からお話ありましたように、都民の皆様からお預かりした税によってさまざまな公共サービスを提供することによって、それが暮らしの充実につながるということを踏まえますと、この不合理な税制改正によって、都の財源が奪われて都民のために使われていないという実態を丁寧に周知していくということが、我々が果たすべき責務じゃないかというふうに認識をいたします。
 昨年度の都税調の議論の中にも、ある委員の先生から、この消費税率の引き上げによる都の社会保障財源が法人住民税の一部国税化によって失われるということは、この先生の言葉をかりれば、都民から東京で老いる権利を奪っているんじゃないかと、東京に生まれ住んで、そこで老いていくという権利を都は奪われると、そういうことに等しいんではないかというようなお話がございました。非常にわかりやすいお話でございます。
 こうしたことを都民の皆さんにご理解をしていただくというためには、奪われた財源によって実現できない財政需要の規模、例えば、都にある建物建築費や、あるいは医療、介護費で何人分に相当するのかであるとか、そういった形であらわすなど、例示は思い切った、ある意味単純化というものも試みて、都民の皆さんの目線に立って、わかりやすく丁寧に説明していくということも、私どもだけではなくて財政当局とも連携をして進めなければいけないと思いますが、そういったことに努めていくということも重要ではないかというふうに考えております。

○遠藤委員 それでは、私から、予算案について質問をさせていただきます。
 来年度の主税局の歳出予算を見まして、先ほど来、発言がありました歳入所管局である主税局の新規事業の中に二つの事業が計上されました。
 一つは、税に対する理解の促進、そしてもう一つは、税務の達人であります。
 繰り返しになりますけれども、歳入当局である主税局が、このように歳出の予算を伴う新規事業を一気に出すということであります。新しい課題への挑戦であると同時に、問題意識の発露であると認識をいたしております。
 初めに、税に対する理解の促進についてお伺いをしたいと思います。
 今、崎山理事とのやりとりの中でも議論になっておりましたが、昨年の地方法人課税の偏在是正措置の議論、さまざまあったわけでありますけれども、数千億円規模にわたるこの都の財源が失われている、この事の重要性、重大性というものが、都民に伝え切れていないのではないか、こういう指摘を昨年の財政委員会の場で私もさせていただきました。
 税制は、非常に複雑怪奇で説明が難しいということもあると思いますけれども、一方で、東京都の反論の書--これは財務局が主になってつくったものですけれども、六年間にわたって国に奪われた税源一兆三千億円について、大江戸線の一本分の建設費に匹敵するという、こういうわかりやすい表現がありました。
 先ほど、局長からご紹介いただいた国の措置というのは、東京で老いる権利を奪われるようなものだと、こういうことを指摘した委員もいらっしゃったといいましたけれども、大江戸線一本分の建設費とか、または東京で老いる権利を奪われるという、こういう表現ぶりというのは、非常に具体的で、都民の心や気持ち、または頭に入る表現だと思います。
 当然のことながら、税を納めるのは、我々の、国民、都民の義務でありますけれども、その一方で、都民が納得をして納税できるような説明を尽くすことが、行政にとって、とりわけ歳入官庁であります主税局の大きな役割であると、このように思っております。
 偏在是正措置の議論の中で行われた、こうしたさまざまな比喩、例え、こうした例を参考に、税のことをより詳しく都民の皆さんに伝えていくというのは極めて重要な取り組みであると同時に、このことに今回改めて主税局が目を向けて、新規事業として取り組まれたのだと思います。
 そこで、まず初めに、税に対する理解の促進、この課題に対して、小林局長がどんな認識を持って、そして今回取り組もうとしているのかについてお伺いしたいと思います。

○小林主税局長 主税局は、これまで歳入所管局といたしまして、税収確保はその使命でございますから、それに邁進してきました結果、二十六年の決算では徴収率が九八・一%という高い水準に達したところでございます。
 法人二税の変動性でありますとか、あるいは先ほど来話にあります税制改正ということを考えますと、この税収確保に向けた手綱を緩めるということは決してできないわけですけれども、同時に、今後は、いかに納得して納めていただくかということも非常に大切でありまして、税の仕組みや税と都民生活のかかわりについてわかりやすくお伝えし、税に対する都民の理解を深めていくということが極めて重要だというふうに考えております。
 また、今般、選挙権の年齢が十八歳に引き下げられるということもございまして、新たに全国で二百四十万人、東京都で二十四万人の選挙権を得る若い人たちがいらっしゃるわけです。高校生、大学生といった若者が選挙を通じて社会参加をするということから考えますと、こうした世代の方々にも税の関心を高めていただくということも重要なことだというふうに思います。
 都民の皆様に税に対する理解を深めていただくためには、複雑な税の仕組みそのものをわかりやすく変えていくという努力、これも必要なんですけれども、これまで、ともすれば行政側のお知らせになりがちだった伝え方、これをやはり納税者の視点に立って、都民が身近に感じてもらえるように伝えていくということも必要だと思っております。
 このため、来年度の取り組みでは、例えば、都民が住宅を取得するときには、意識する税としては不動産取得税や固定資産税というものを意識すると思うわけですけれども、都民の皆さんのライフステージのさまざまな場面にどういった税が必要になってくるか、意識をするかというような場面を活用しまして、わかりやすく利用される情報を提供していくこと、あるいは高校生、大学生といった若者の方々に対しましては、SNSというもの、かなり盛んに行われていますので、そうした生活スタイルを意識した広報媒体の活用を図ることによって、税に対する関心を高め、理解を深めていきたいと思っております。
 そして、こうした取り組みに当たりましては、都民の皆様からのご意見ももちろんいただきながら、複雑な内容を正確に--どうしても行政は正確に伝えるということをやりがちなんですけれども、正確に伝えるというよりも、先ほどの大江戸線の例がございましたが、思い切って単純化をしていくと、あるいは、社会でさまざまな活躍をしている方々を通じて発信していくといったような発想の転換も図りまして、創意工夫を凝らして、この取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

○遠藤委員 小林局長の丁寧かつわかりやすい明快な答弁であったと思います。こういうようにやっていただくと、都民もよくわかるんだと思います。我々もいろんなところで話しますけれども、難しい話を難しくするのは誰でもできるんですけれども、よくいわれるのは、難しい話をおばあちゃんでも聞いてわかるようにと我々もこんな声を聞きます。ぜひ、わかりやすさ、そのためには言葉遣い、さらには単純明快にして、要は何なのかということをしっかりと、論点をずらすことなく伝える努力をしていただきたいと思います。
 もう一つ、今回、新規事業で挙げられております税務の達人プロジェクトであります。
 これは、何も東京都のためだけではなくて、国が目指す地方創生を支える、そういった意味では、国ともしっかり連携をしながら行うプロジェクトであります。
 来年度から、東京と地方が共存共栄を目指して、全国の自治体の税務職員に主税局が行っておりますさまざまな税務の現場を体験してもらって、生きた実務のスキルを地方の、全国の自治体の職員の皆さんと共有をしていこうではないかと、こういうプロジェクトであります。
 そこで、質疑の前提となりますこのプロジェクト、二十八年度予算案では二千三百万円が計上されておりますけれども、このプロジェクトの内容について、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○西海総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お尋ねいただきました地方創生を支える税務の達人の育成につきまして、その取り組みの内容でございますが、三つの柱で構成しております。
 一つ目は、全国自治体の税務職員に、六カ月から一年程度おいでいただき、さまざまな現場を持つ東京で、都の職員とともに実務を経験しながら税務ノウハウを習得していただく実務体験でございます。
 二つ目は、豊富な経験を積んだ東京都の専門職員が、全国の自治体などで開催される税務セミナーなどの講師としてお伺いする出張セミナーの拡大でございます。
 三つ目は、ICTを活用した税務実務ネットワークを構築し、全国の自治体と互いの税務ノウハウを共有する取り組みでございます。

○遠藤委員 今、三本柱あるということで、そのうちに出張セミナーを拡大するという話がありました。
 この三本柱の中が、全てが新規ということではないようでありますけれども、出張セミナーは、都が都内で行う実務体験に地方からの職員を派遣することが難しい、さまざまな時間的にも、またお金の制約があって東京に来ることが難しいと、こういう自治体ともしっかりと連携して、地方全体の税収確保に都も一部貢献をさせていただきたいという趣旨であったと思います。
 この出張セミナーについては、そういった意味では、なかなか都内に出てくることが厳しいという実情があるわけでありますので、そうした多くの自治体の要望に応えて、配慮をして、全国に展開をしていく必要があると思いますけれども、その辺のところ、ちょっと今後について見解を伺いたいと思います。

○西海総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 出張セミナーにつきましては、これまでも主税局が行ってきた取り組みでございますけれども、来年度は、今年度の講師派遣実績の約一・五倍に当たります百五十人に、その規模を拡大してまいります。
 出張セミナーでは、研修の開催だけではなく、その場で、地方の皆さんが実際に仕事を進めていく中で生じた疑問点などの個別の相談に応じるなど、各自治体のご要望にきめ細かく対応してまいります。
 この取り組みを全国自治体に周知していく中で、東京からは遠隔地だけれども出張してもらえるのだろうか、あるいは少人数の受講者でもセミナーの開催が可能かといった問い合わせをいただいているところでございます。
 都では、これらの要望にお応えするため、長年税務実務に携わってきた経験豊富な主税局職員を派遣するとともに、精通したOBが講師として登録されております公益財団法人東京税務協会も活用しながら、出張セミナーを拡大してまいります。
 具体的に、現在決まっているものといたしましては、新たに長野、新潟、北陸地区の税務職員を対象としたセミナーをこの四月に長野県で開催することとしております。

○遠藤委員 今、答弁ありましたような幅広い取り組み、重層的な取り組みができるのは、主税局はもちろんでありますけれども、今、答弁ありました東京の税務協会等々含めて、こうした豊富な人材というか、層の厚みがあるからこそできることであって、さらに、それらを活用した長年の全国自治体への研修講師の派遣という実績があるからこそ、こういう幅広の展開ができるのであろうと、このように思います。
 今回、この取り組みは、大きく三つの柱があるということであります。一つは、法人課税をしっかりと見ていくということ、そしてもう一つは、資産評価を見るということ、そして三つ目は、滞納整理部門。この法人課税の勉強をするということと、資産評価を勉強するということと研修するということと、あと滞納整理部門、大きく分けてこの三つの部門について、地方の職員の方と相互交流しながら、もって全国の税務行政の質を高めていくということであると思います。
 このうち、これまでも主税局、今申し上げた三つの柱、それぞれされてきたんだと思いますけれども、特にこの滞納整理部門において全国の自治体へ講師を派遣してきましたけれども、中でも、藤井特別滞納整理担当部長、この役割は非常に大きかったということで聞いております。
 私も、財政委員会に籍を置いてまだ短いもので、皆さんといろいろコミュニケーションする機会はないんですけれども、主税局の皆さんといろいろと話をするときに、とりわけ被災地のいろんな絡みがあるんで、どういう活動を主税局の皆さんは行っているのかと、こういう議論をする中で、必ずといっていいほどお名前が出るのが藤井部長なんですね。ですから、今回、この取り組みをするに当たって、藤井部長を初めとする、こうした職員の方々の役割というのは本当に大きいんだと思います。
 そこで、被災地を含めました全国の自治体で、研修講師として現場で活動してきた藤井部長に、あえて、全国の自治体の状況や、また都への要望なんかも、いろんなもの出ていると思うんですけれども、ぜひ、率直な思いとか感想とか、そういうのを聞かせていただければと思います。

○藤井特別滞納整理担当部長 平成七年、足立都税事務所に配属されて以来、約二十年滞納整理に従事してまいりました。
 その間、納税秩序の維持、公平性の確保という使命感をモチベーションにして、東京都で経験してきた滞納整理の進め方を、これまで全国の自治体へ行き、講師として話をしてきました。
 実際、各地の自治体ではさまざまな取り組みをしております。しかし、人事異動のサイクルが短く、滞納整理の経験がない管理監督者が多いため、滞納整理をどのように進めていけばいいかわからないという声を本音で聞いてきました。
 具体的には、年間を通した進行管理の方法やトラブル事案に対する組織的対応など、都から学びたいという要望は数多くあると認識しております。
 震災の翌年、ある被災地に行ったとき、税務の職員から震災から経常業務が進んでいない状況であることを聞きました。それを聞いて私は、税の課税、徴収ができないということは、地方自治の根幹を揺るがす事態であり、同じ税務行政に携わる者として強いショックを受けたとともに、税務行政のノウハウが途絶えてしまうのではないかと危惧したところです。
 そのような中、平成二十四年六月に、被災自治体である八戸市に講師として招かれ、滞納整理について講義をしてまいりました。その後、平成二十五年度から、八戸市の職員を都に研修生として受け入れました。また、その職員が八戸市に戻り、都での経験を生かして、これまで取り組むことが難しかった困難事案に対する捜索を実施したと聞き、自治体の滞納整理に少しは貢献できたのではないかとうれしく思っている次第です。
 このように、講師として各地の自治体へ行くと、そこで人と人とのつながりが生まれます。いわゆる人的ネットワークというものであります。これが東京都と依頼先の自治体双方に貴重な財産となって、人的交流が拡大されていくことを実感しております。

○遠藤委員 今、長らく取り組んできた、取り組んでいる活動について、いろいろと教えていただきました。
 ご本人は、今答弁で、少なからず地方の税務行政、滞納整理に貢献できたと、少なからずと、こう控えめにおっしゃられておりますけれども、ちょっと事前にいただいた資料、これ、具体的な都市名は書いていないですけれども、答弁の中にあるからわかると思いますけれども、二十四年度に藤井部長が入られてさまざまな講義をされたり、行き来をして、または、藤井部長以外にも職員の方、行っていただいたんだと思います。向こうからも来たんだと思いますけれども、二十四年度から二十六年度というか、三年間で徴収率は一・二%、額にして四億円アップをされたという、こういうことであります。
 この四億円という、当該市にとって市場の年間予算に匹敵するような、相当するようなお金を、都の行政マンが培ったノウハウを伝授することによって徴収できたという、こういうケースもあったということであります。
 いずれにしても、先週の金曜日、三月十一日、未曾有の大震災と大津波、原発災害をもたらした大震災から五年を迎えたわけであります。ニュースでも繰り返し報道されておりましたけれども、いまだ十七万四千人を超える方々が避難生活を余儀なくされているということであります。
 私も、被災地には繰り返し訪れるたびに、そこで、現地に派遣をされている職員の皆さんの活動というものを現地の方がどう見ておられるか、評価されているのかということをお聞きすると、もう直ちに返ってくる回答は、本当に東京都の職員の方はノウハウもあり、また心もあってすばらしいというお話が返ってきます。私も、都政に身を置く一人として、これは大変に誇りであると思って帰ってくるわけであります。
 この税務の達人プロジェクト、何も被災地のみならず、全国にという、こういうメッセージでありますけれども、とりわけ、被災地に対する都が行う支援という観点でも、非常に重要な役割であると思います。
 最後になりますけれども、この税務の達人プロジェクト、被災地に対してどんな思いを持ちながら主税局長として指揮をとられるのか、これについて答弁をいただきたいと思います。

○小林主税局長 先ほど、特別滞納整理担当部長からご答弁申し上げましたように、今回の税務の達人プロジェクトは、職員が今まで全国の自治体といろんな交流をして、そういう現場の実態を把握してきているというところが、このプロジェクトのベースになっているものだというふうに考えております。
 お尋ねの被災地に対する支援でございますけれども、主税局では、これまでも宮城県や岩手県などの被災地に多くの職員を派遣してきてございます。
 今年度は九名、来年度は十二名の職員を派遣して復興支援に取り組んでいるところでございますが、平成二十六年度からは、毎年三名の職員を税務実務の現場に派遣をしておりまして、宅地造成が進み、住宅の新築が増加をしていくという、こういう中でございますけれども、引き続き、被災地の一日も早い復興を目指し、手厚く支援していくことはとても重要であるというふうに考えております。
 この税務の達人プロジェクトにおきましても、被災地と強いつながりを持っていきたいと考えておりまして、ただいま申し上げましたような被災地に派遣している職員を通じて、現地の状況を把握する中で、住宅や店舗の新築がふえている岩手県からは、資産評価についての研修講師派遣を希望するというような話もいただいておりまして、来年度、これは実施する予定でございます。
 主税局では、このように被災地自治体の税務部門からの要望を聞き取ることに加えまして、出張セミナーの機会に受講生から現場の声を伺うなど、被災地自治体の真のニーズを把握してまいります。その上で、各自治体との関係を継続的な人的ネットワークに発展させていくため、出張セミナー終了後も必要に応じて再び現地に伺うなど、丁寧なフォローに努めてまいります。
 これらを通じまして、都の評価技術を初めとする税務ノウハウを提供し、復興に必要な自主財源となる地方税収の確保を後押ししてまいりたいというふうに考えております。

○遠藤委員 私たちも、違う角度からでありますけれども、また被災地にも足を運ぶつもりであります。そこでさまざまな意見、聞いてくると思いますので、そうした意見も皆さんに伝えながら、お互い協力して被災地の復興を加速させていただきたい、この誓いをもって、表明して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○松村委員 耐震住宅の軽減措置について、昨年十一月の事務事業質疑で取り上げましたが、国の措置も都が上乗せしている措置も昨年末で期限が切れるということで、都独自でも対策をとるべきことを求めました。
 その後、それぞれどのように改正されるのかをお聞きいたします。

○加藤税制部長 国の耐震改修減額措置は、適用期限が昨年十二月三十一日まででございました。
 今回の二十八年度税制改正におきまして、平成三十年三月三十一日まで二年三カ月延長されることとされ、現在、国会で地方税法改正案が審議中でございます。
 また、都独自の減免制度につきましても、国の減額措置の延長などを踏まえ、同じく平成三十年三月三十一日まで延長することとし、今年度中に要綱の改正を行う予定でございます。

○松村委員 延長されると。その改正の中身について、これまでと同様なのかどうか、実績を伺う前にちょっと伺っておきます。

○加藤税制部長 今回は適用期限を延長しただけでございまして、内容についての改正はございません。

○松村委員 これまで、昨年十二月三十一日で終わった減免制度は、新たに建てかえの場合、課税されるのが、国と都合わせて三年度分の全額減免、そうなっております。それから、耐震改修は、最初の一年度目が翌年から三年度分、それから、改修の翌年度、さらに平成二十二年度からは二年分、そして、最後の三年分は一年度分だというふうに耐震改修はなっておりましたけれども、これについてはどうなるのかお聞きいたします。

○加藤税制部長 国の法律におきましても、現時点におきましては、建てかえにつきましては三年度分、これは変更ございません。それから、耐震改修につきましては、二十五年一月以降の耐震改修につきましては、軽減されるのは一年度分となっております。今回も、それに変更はございません。

○松村委員 建てかえはこれまでと同様ですけれども、耐震改修が今まで三年または二年受けられたのが、ことしの一月一日以降、一年度分になるということで、後退というか。私は、だからそれを上乗せするような形で、都独自のやはり具体化が、首都直下型地震などが切迫する中で、阪神・淡路大震災の痛苦の教訓からも今、住宅の耐震化が、本当に急がれているということからも、独自の都の上乗せや拡充を求めてきましたけれども、これが引き続き、国、都も延長されて、耐震のそういう減免措置がとられるということは評価したいと思いますけれども、さらにこの点では検討を願いたいというふうに要望しておきます。
 そこで、昨年の三十一日で終わりましたけれども、この間の、やってきた実績についてご答弁お願いいたします。

○大久保資産税部長 まず、耐震住宅促進減免の平成二十七年度の直近の実績でございますけれども、二月末現在で、建てかえ減免は一万四千八百五十七件、約十七億三千七百万円、耐震改修減免につきましては千百八十二件、約三千五百万円でございます。
 住宅の耐震化が、まさに防災対策上喫緊の課題となっておりますことから、この耐震改修の減免期間は、早く改修するほど長く軽減されると、こういう仕組みにしてございまして、平成二十一年までの改修につきましては三年度分、平成二十二年から平成二十四年までの改修は二年度分、平成二十五年以降の改修については一年度分、ただし、特定緊急輸送道路沿道の建築物に該当する場合は二年度分となっているものでございます。
 次に、耐震改修減免のこれまでの実績でございますけれども、各年度とも六月時点で、平成二十一年度が五百十六件で千八百万円、平成二十二年度が千二百五十九件で四千万円、平成二十三年度が二千六百四十三件で一億円、平成二十四年度が二千八百二十七件で九千三百万円、平成二十五年度が二千四百三件で六千四百万円、平成二十六年度が二千七百十二件で七千二百万円となっているところでございます。

○松村委員 今ご答弁いただきましたけれども、建てかえ減免は一万四千八百五十七件、この五年間。それから、耐震改修減免は千百八十二件と。これ件数ですから、やはり年度にわたっておりますから、各戸--一軒の家ですね、一戸という勘定からすれば、さらにそれを下回るんではないかというふうに判断されます。
 東京都の耐震改修計画が改定、出されましたけれども、この五年間でどのぐらい都内の住宅の耐震化が進んだのかというと、ちょうどこの制度が始まるのと大体同じ時期なんですけれども、八一・二%が都内の住宅の耐震化率でした。それが、今度改定になったときに現状はどうなっているのか。これは平成二十七年三月末ですけれども、八三・八%、つまり、この五年間で二・六%耐震化率が上がったにすぎないという言葉を使ってもいいと思います。
 新たな目標としては、これから十年間で九五%にすると。今、いろいろマスコミ報道でも、この住宅の耐震化が、全国的にもというか、おくれていると、切迫する大地震にとってやはり重大な問題だという、そういう報道も繰り返し行われておりますけれども、この五年間での伸びが二・六%なのに、今後十年間で一一・二%も引き上げることができるのかという、私は疑問というか、思います。
 さまざまな要因や原因があると思いますけれども、今、主税局でやっているこの住宅の耐震住宅の減免というのは、非常にやはり重要だというふうに思います。そこで、これをさらにもっとアピールすることは必要ですけれども、一番は、やはりこの耐震改修の方をもっと伸ばす必要があるというふうに思うんです。
 先ほど、これまでの制度は、早くやった方が三年度分も、耐震改修も減免期間が長いんだと、そういう誘導する施策をとっていたけれども、残念ながら、今度延長されて一年度分になったということでは、そういう意味があると思うのなら、やっぱり思い切って東京都独自の拡充もやって、都内の耐震化を促進させるということが必要だと思うんです。
 というのは、住宅の建てかえ、これはやはりもう高齢化している夫婦だとか一人の老人世帯などが、これから建てかえやろうというようなことはできないと思うんですね。その場合、耐震の改修でやれば、本当に命が守れると。阪神・淡路でも、建物の倒壊による圧死が九割という、そういう死者を本当になくすためにも、ぜひ耐震改修に東京都独自--国はやはり全国的な耐震化率を上げるという制度ですけれども、都内の、今いった、こうしたなかなか進まない、しかも高齢者が都内で本当に安心して住み続け、先ほどもお話がありました東京で生涯を終わらせたいというような方々がまさに求めているのは、耐震改修などが、そういう応援というか、これも税だけじゃなくて、東京都が直接区市町村と力を合わせて制度をつくればいいと思いますけれども、主税局もこういう事業を抱えているんですから、まず、みずからできることに目を向けて、今後、ぜひその検討を進めていただきたいということを強く要望して終わります。

○酒井委員 それでは、私からは、毎度おなじみで恐縮ではございますが、固定資産税に関する件と税に対する理解の促進についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 この固定資産税に関しては、昨年の事務事業質疑を初め、予算の審議に当たってもたびたびご見解をお伺いしてまいりました。平成二十八年度予算案においても、法人二税に次ぐ税収を見積もり、その額は、今年度比二百十億円余の増収を見込む一兆一千七百八十九億円と膨大な額になっております。それゆえ、他の税目も同様ではございますけれども、賦課税としての固定資産税の課税に当たっては、公平性、公正性がより求められるものと考えております。来年度は、評価替えの基準年度ではないため、大きな変化はないと考えるわけですけれども、昨年の事務事業質疑で、今後の推移を見守る、あるいは別の機会にとした案件について、確認の意味で何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず初めに、東京都が申し立てをしている、あるいは提起をされている訴訟について。一つ、平成二十七年九月二十四日、東京高裁にて都が一部敗訴した東京都固定資産評価審査委員会の審査の決定に対する取り消し訴訟の上告の受理の申し立てについて。二つ目、平成二十五年三月十九日、東京地裁に提起をされた損害賠償請求訴訟。三つ目、平成二十四年度に提起をされた複合構造家屋に関する審査の申し出で棄却をされ、平成二十七年八月二十一日にこの棄却決定の取り消しを求めた訴訟。以上三件について、現在における状況について教えていただきたいと思います。

○大久保資産税部長 複合構造家屋は、鉄骨づくりと鉄骨鉄筋コンクリートづくりなどの複数の構造を有する家屋でございますが、これに関連する三件の訴訟のうち、まず、都が上告受理申し立てを行いました東京都固定資産評価審査委員会の審査の決定に対する取り消し訴訟につきましては、現在も上告受理申し立て中でございます。
 また、平成二十五年三月十九日に提起された損害賠償請求訴訟及び平成二十七年八月二十一日に提起された東京都固定資産評価審査委員会の審査の決定に対する取り消し訴訟は、いずれも、現在、東京地裁において係属中でございます。

○酒井委員 ただいまのご答弁によると、この三件の訴訟については現在も係属中ということでございますので、この点については、引き続き、また見守っていきたいというふうに考えております。
 次に、平成十八基準年度から、都は、既存家屋についても、一棟全体での評価を構造別に評価をするようになっているにもかかわらず、単一の構造として評価していたがゆえ、審査の申し出、いわゆる不服申し立てを受けたけれども、東京都固定資産評価審査委員会がその請求を棄却した件について。複合構造家屋は構造別に評価をするものとしていたのにもかかわらず、複合構造家屋について構造別に評価すべきと、まさに東京都の基準に合わせてほしいと申し出があったにもかかわらず、なぜ評価をし直さなかったとの問いに、登記を基本として、複合構造になっているにもかかわらず、単一構造として評価している家屋に見直しの対象を絞り構造別に評価をしたと。当該案件は、見直し対象に該当しなかったために、構造別に評価を行わなかったもので、審査委員会において、評価庁の、これは主税局です、主張が認められ、棄却の決定がなされたと、答弁を事務事業質疑でされておりました。
 その上でるる質問をいたしましたが、全体的には、登記情報において抽出対象にならなかった場合、後に登記情報が実態と異なっていた場合でも実態に合わせなくてもよいという、ダブルスタンダードを肯定するようなご主張でした。
 そこで、平成十八基準年度における複合構造の抽出の際に、登記上、複合構造家屋になっていたものの、実態は単一構造であった事例があったのかというふうにお伺いをしましたが、当時、大久保部長からは、今ちょっと手元では確認ができていないとの答弁でございました。
 この質問は、一般的には、都が税収という面で不利になることが想定をされる場合でも実態よりも登記を優先していたのかということを確認するため、また、もしそのような登記との不一致の事例があった場合は、対象者へ情報提供をしてあげた方が親切なのではないかと考えたからでございます。
 過去、この財政委員会で、私の質問に対するご答弁をひもときますと、複合構造家屋である可能性がある一定規模以上で地下階のある家屋をまず抽出をしたところ、約一万九千棟の家屋があり、登記情報が複合構造となっていたものが約二千棟あり、さらに関係書類や必要に応じて現地調査を行った上で、最終的に評価方法を変更したものが千二百七十九棟であったということでした。
 この数字からすると、登記上、複合構造となっていた二千棟から千二百七十九棟を引いた約七百棟が単一構造であったと考えられると思いますけれども、改めて、平成十八基準年度における複合構造の抽出の際に、登記上、複合構造家屋になっていたものの、実態は単一構造であった事例があったのか。その存否と七百棟の捉え方、さらに、なぜこの七百棟については処理をしなかったのか、見解をお伺いいたします。

○大久保資産税部長 複合構造家屋につきましては、一棟全体で構造判断をして評価をしているものと、構造ごとに分けて評価をしているものとの価格の均衡を図るため、平成十八年度の評価替えにおきまして、一棟全体で構造判断しているものを構造ごとに分けて評価を行うという処理を行ったところでございます。
 この際、完成後の建物の構造について、どの部分がどの構造となっているかを判断することはそもそも困難がございますため、家屋調査票や関係資料等を総合的に考慮をいたしまして、登記を基本として、複合構造となっているにもかかわらず単一構造として評価している家屋、正確に申しますと二千三十九棟について、構造ごとに分けて評価すべきか否かの判断を行ったものでございます。
 この際、登記が複合構造となっているにもかかわらず、実態が単一であったものがあるかというお尋ねにつきましては、今申しましたとおり、完成後の建物の構造について判断するところが困難な中で、登記が複合構造となっている家屋を家屋調査票等の資料に基づいて判断を行ったところでございまして、実態が完全な単一構造のものと判断することは困難であったと考えております。
 この判断の結果、七百六十棟については、構造ごとに分けた評価をしなかったわけでございますけれども、その主な理由といたしましては、例えば鉄骨造の部分がひさしや外階段にある家屋につきましては、構造ごとに床面積を分けて評価することができないものとなります。また、時の経過に応じた減価率を掛けてまいりますけれども、それが既に年数がたって最下限である二割に達していたものにつきましても、構造別に分けて評価する必要がなかったものでございます。そういったことで、構造ごとに分けて評価をしなかったというところでございます。

○酒井委員 ただいま部長にご答弁をいただいた事例は、登記も実態も複合構造であったけれども、経年減点補正の対象にならない、あるいは構造別に経年減点補正する実質的な意味がないというもので、登記と実態とは合っているという、そういったお話であろうかと思います。
 ちらっとご答弁の中でも触れられていたと思いますけれども、こういった登記と実態が合っているもの以外に、例えば、今お示しをいただいた外階段等もなくて、実態自体が単一構造で、登記と相違をしているものといったものはあったのか。今なかったというような趣旨のご答弁があったかと思いますけれども、確認をさせていただきたいと思います。

○大久保資産税部長 先ほどご答弁申しましたとおり、完成後の建物の構造について、どの部分がどの構造かを判断するというところに困難がございまして、この登記が複合構造となっている家屋について、実態は完全な単一構造のものと判断すること自体も困難であるというふうに考えております。

○酒井委員 ちょっと私の聞き方が悪かったんですかね。実態はといっているのは、当然、今、部長もご答弁をされたとおり、建物が建ってしまったら、この都庁も同じですけれども、壁の中がどういう構造なのかといったことを、これはなかなか剥がしてみることもできないわけで、東京都はもともと--これは新築の場合においても同じことですよね、経年しているものでも新築の場合でも、建ってしまった後、外形からその構造の中身を判断することができないわけですから、それについては、新築のときの評価に当たっても、その建築の、例えば設計図面等々から判断をして、複合であったのか複合でなかったのかということを判断しているのだと思います。
 私が聞いているのは、その実態というのは、都税事務所が把握をしている、保管をしている、そういった課税の根拠書類に基づいて判断をしたところ、要は、実態として単一構造であったものがあるのか、ないのかということをお聞きしているんですけれども、もう一度お答えいただけますか。

○大久保資産税部長 委員お話しのとおり、既に完成後の建物の構造を見るというところの困難さの中で、この平成十八年の処理におきましては、先ほどもご答弁申しましたとおり、都税事務所に保管してございます家屋調査票等の関係資料に基づきまして、構造ごとに分けて評価すべき対象になるか否かの判断を行ったところでございまして、そういう中で、委員のお話のような、実態として完全な単一構造と判断できるかといったところについては、なかなか難しいものがあったというふうに考えてございます。

○酒井委員 それでは、完全な単一構造と判断できるものはなかったということでございますけれども、この七百棟について、今回は対象外ということで、平成十八基準年度のときには見直しの対象にしなかったということであるわけですけれども、この対象全て、対象外の処理のままで問題がないのかどうか、実際には、構造別に評価をすべきものはなかったのかどうか、お伺いをいたします。

○大久保資産税部長 平成十八年度の評価替えにおきまして、対象家屋二千三十九棟について、先ほどもご答弁申しましたが、家屋調査票や関係書類等を総合的に考慮いたしまして、また必要に応じて現地調査を行って、最終的に千二百七十九棟の家屋について、構造ごとに分けて評価を行ったものでございまして、当時は適切に判断をしたものと考えてございます。
 この七百六十棟につきましては、先ほども申したとおり、鉄骨づくりの部分がひさしや外階段にある家屋で、構造ごとに床面積を分けて評価することができないものですとか、または時の経過に応じた減価率が既に最下限である二割に達していたため、構造別に分けて評価をする必要がなかったものなどの理由から、構造別に分けて評価を行わなかったものでございますけれども、改めて状況を確認しまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

○酒井委員 今、改めて確認をしていただけるというお話ですので、ぜひ正確な確認作業を行っていただきたいと思いますけれども、納税者からもいろんな問い合わせや今回のような申し出、あるいは訴訟などがあった場合に、主税局としてしっかりと抗弁をしていくためには、やはりその処理の過程や、またどういった判断を当時どういった基準に基づいて行ったのかということを、しっかりと記録をしておくべきと考えますけれども、所見をお伺いしたいと思います。

○大久保資産税部長 固定資産税への納税者の関心が高まるにつれまして、評価内容の詳細について納税者から説明を求められる機会がふえておりまして、これまでも、例えば家屋調査票や家屋所在図等の書類を活用して、納税者への丁寧な説明に努めているところでございます。
 今後も、ご指摘の書類も含めまして適切に保存してまいります。

○酒井委員 今のご答弁の中では、処理経過の記録に努めてきたという話でございますけれども、ちょっと一点だけ確認をさせていただきたいと思いますが、今回、改めて状況を確認していただけると、先ほど申していただきました案件については、これら記録や、また評価を行った際に使った根拠書類はしっかりと保管をしてあるのでしょうか。

○大久保資産税部長 七百六十棟に関連する家屋調査票等の関係書類でございますけれども、保存年限に従って適切に保存してございます。

○酒井委員 いずれにいたしましても、今回、改めて確認をしていただけるということですので、この根拠書類の保存状況--保存年限に従ってというふうに今おっしゃいましたけれども、過去は、この根拠書類といったものを、一定年次が来たときには破棄をしてしまっている案件が当時あって、この書類等については、訴訟や、あるいは申し出を受けたときに、東京都としてしっかりとその部分について説明ができるようにということで、これについては、その建物が滅失するまではしっかりと保存をしておいてほしいという形で、当時、何年か前に保存をしますという話があったと思いますので、保存年限に基づいてというのは、滅失をするまでということで、これは保存をしてあるものと思いますけれども、その保存状況とともに、しっかりと対応をしていただきたいと思います。
 そして、確認の結果、見直しの対象が仮にあった場合には、納税者の不利益にならないような対応をしていただきたいということも申し添えておきます。
 さらに、この確認作業についても速やかに、せいぜい長くても半年ぐらいを目途に、結果をぜひご報告をいただきますようお願いを申し上げます。
 次に、平成二十七年度に複合構造家屋に関する審査の申し出があった一件について、前回の質問から四カ月を経過いたしておりますけれども、審査は終了をしているのでしょうか。

○笹本調整担当部長 ご質問の案件につきましては、現在、東京都固定資産評価審査委員会において、審査が継続しているところでございます。

○酒井委員 この東京都固定資産評価審査委員会は、そもそもどのようなペースで開催をされているのか、お伺いをいたします。

○笹本調整担当部長 東京都固定資産評価審査委員会は、不動産鑑定士、弁護士、一級建築士等の九名の学識経験者で構成されておりまして、三つの審査会に分かれて審査を行っております。
 この審査会の開催状況でございますが、今年度は、審査の申し出期限でございます八月以降、この年度末までに、延べ四十六回開催される予定でございまして、一審査会につき、一月当たり二回程度の開催となります。

○酒井委員 ただいまのご答弁で、頻繁に委員会は開催をされているということがわかりました。
 しかしながら、この審査にかなりの日数がかかっていると思うわけですけれども、その理由といったものはどういったところにあるのでしょうか。申し出人の意向で、主張を尽くす権利を守っているのか、それとも委員の審理自体に時間がかかっているのか、お伺いをいたします。

○笹本調整担当部長 固定資産評価審査委員会の設置目的は、知事から独立した委員会の審査を通じまして、納税者の権利を保護するとともに、固定資産税の適正な賦課を期することでございます。
 このため、地方税法におきましては、審査を申し出た納税者と評価をした行政庁の双方に、弁明や反論の機会を付与いたしまして、希望する者には口頭意見陳述の機会を設けるほか、必要に応じて委員会が実地調査を行うことなど、準司法的な審査手続が定められております。
 委員会が公正な判断を行うためには、このような審査手続のもと、慎重に審査を進める必要がございます。そのため、審査に日数がかかることがございますが、納税者の権利を保護する上でも、不可欠であると考えております。

○酒井委員 ただいまのご答弁によると、当事者の意見陳述の機会を確保しているということで、その権利を守っているということですので、その部分について慎重にしっかりとやっていただくということについては異議がありませんけれども、一方で、これまで再三申し上げているとおり、このような、仮に、その審理の結果、課税に誤りがあった場合においては無駄な還付加算金といったものをつけてしまう、どんどんどんどんこれが膨らんでしまうということもございますので、その審理といったそれぞれの意見陳述といったものを尽くした後には、この委員による審査は、ぜひスピーディーに行っていただきたいということを要望させていただき、次の質問に移ります。
 最後に、税に対する促進について、二点ほどお伺いをいたします。
 来年度予算に、税に対する理解の促進として六千万円を計上し、広報を拡充すると聞いておりますけれども、この内容については、今年度実施した都税広報に対するアンケート結果等々についても、その内容も生かされて行っていくのかどうか、その目的、内容についてお伺いをいたします。

○西海総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 主税局では、これまでも、納期限や納付方法、申告手続など都民の皆様にお知らせすべき内容につきまして、効果的な広報に努めてまいりました。
 今、お話がありましたけれども、主税局が今年度実施いたしました都税広報に関するアンケートでは、税の軽減制度など役立つ情報をもっと知らせてほしい、税額がどのように計算されているのかわかりやすく教えてほしいなどのご意見も寄せられたところでございます。
 こうした点につきましては、これまでの広報の中でも取り組んできたところではございますけれども、都民の皆様方からのご意見を踏まえますと、これまで以上にわかりやすく効果的に伝える必要があると感じているところでございます。
 このために、税の仕組みや税と都民生活とのかかわりについてわかりやすくお伝えし、税に対する都民の皆様方の理解を深める観点から、来年度の広報を拡充することとしたものでございます。

○酒井委員 ただいま、目的、内容についてはわかりました。その上で、今回の取り組みについては、主にどのような税目について行うのか、お伺いをしたいと思います。私的には、先ほど議論をさせていただいたとてもわかりにくい固定資産税等の問題についても、ぜひ取り上げていただきたいと思いますけれども、税目について、見解をお伺いいたします。

○西海総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 税に対する理解の促進につきましては、地方税のみならず、国税も含めた税全般が対象になると考えておりますけれども、中でも、固定資産税、都市計画税や自動車税など、納税いただく方の数も多く、都民生活になじみの深い税につきましては、特に理解しやすい言葉遣いやイラストを用いるなど工夫を凝らして、都民の皆様方が必要とする情報をよりわかりやすく伝えてまいります。

○山内委員 住宅に関する固定資産税の軽減措置についてお伺いしてまいりたいと思います。昨年の事務事業質疑の際に、耐震住宅促進減免の適用期限が十二月末のために、今後の取り扱いがどうなるのかお伺いしたところ、国の税制改正の動向を注視して判断していくとのことでしたけれども、その後の状況はどうなっているのでしょうか。
 また、耐震住宅に対する軽減措置以外にも、新築住宅、バリアフリー改修、省エネ改修に対する国の軽減措置が今年度末で適用期限を迎えているようですが、これらの措置がどのようになったか、あわせてお伺いいたします。

○加藤税制部長 耐震住宅促進減免は、地方税法で定めております耐震改修減額措置や新築住宅減額措置を適用した後の税額について、都が独自に軽減しているものでございます。
 今回の税制改正におきまして、耐震改修減額措置が平成三十年三月三十一日まで二年三カ月延長されることを踏まえまして、都といたしましても、引き続き住宅の耐震化を税制面から支援するため、減免制度を二年三カ月延長することといたしました。
 また、お尋ねの新築住宅、バリアフリー改修及び省エネ改修に対する地方税法上の減額措置につきましても、適用期限を同じく平成三十年三月三十一日まで二年間延長することとされておりまして、現在、地方税法改正案が国会において審議中でございます。

○山内委員 今後三十年以内に七〇%の確率で発生するといわれております首都直下地震に加えて、現行の耐震基準を満たさない住宅の耐震化を進めていくことが急務であり、補助金に加えて、これらの税による支援は有効だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、空き家対策との関連についてお伺いしたいと思います。
 使える空き家を有効活用していくには、耐震改修が必要な場合も想定されます。
 そこで、空き家を耐震改修する場合、耐震改修減免が適用されるのか、お伺いいたします。

○大久保資産税部長 住宅の耐震改修減免は、昭和五十七年一月一日以前から所在する旧耐震基準に基づき建築された住宅を現行の耐震基準に適合させるよう、一定の耐震改修工事を施工した場合に、改修工事完了後の翌年度一年度分、また、特定緊急輸送道路沿道の建築物に該当する場合は二年度分に限り、住宅の床面積百二十平方メートルまでの部分について、固定資産税及び都市計画税の全額を減免するものでございます。
 この減免は、耐震改修後の住宅の居住部分の割合が二分の一以上であることや耐震改修に要した費用が五十万円を超えていることなどの要件を満たせば、空き家の改修にも適用されるところでございます。

○山内委員 昨年施行しました空家対策特別措置法に基づいて、それぞれの自治体で、空き家活用の取り組みが本格化していくものと期待しております。
 固定資産税及び都市計画税については二十三区が対象ですので、区と連携しながら、税の面からも空き家対策にしっかりと取り組んでいただきたいとお願いしておきます。  以上です。

○大津委員 初めに、都税収入についてお伺いします。
 平成二十八年度の都税収入は、五兆二千八十三億円で、今年度より約千九百億円、三・七%もの増加が見込まれています。
 このような増収は、平成二十七年度から平成二十八年度に限ったことなのか、そうでないのか。
 そこで、都税収入の過去十年間の推移について、どのようになってきたのか伺います。

○加藤税制部長 都税収入の過去十年間の推移でございますが、平成十九年度は、いわゆるイザナミ景気のもと、堅調な企業収益と所得税から個人住民税への税源移譲によりまして、都税収入は五兆円を超えました。
 しかしながら、平成二十年秋のリーマンショックを契機に、都税収入は減収に転じ、平成二十一年度は法人事業税の暫定措置--これは地方法人特別税の創設でございますが、暫定措置の影響もあり、前年度より約一兆円の減収となっております。
 その後、さらに、平成二十二年度、二十三年度と減収が続き、四兆一千五百億円ほどまで落ち込んでおりました。平成二十四年度以降は緩やかな景気回復基調が続いていることに加えまして、平成二十六年度から消費税率引き上げの影響もあったことから、毎年度、二千億円前後の増収となっておりまして、特に平成二十七年度、二十八年度は、再び五兆円を超える規模となっております。

○大津委員 都税収入は、そもそも景気変動に左右されやすい不安定な構造である上、所得税から個人住民税への税源移譲や法人事業税の暫定措置など、税制改正による影響も受けます。
 一方で、将来に目を向けると、例えば、都の人口は二〇二〇年をピークに減少に転じていくという試算もありますが、生産年齢人口が減少すれば、日本経済、ひいては都税収入にも影響すると思います。そういう意味でも、都政のかじ取りを支える意味で、こうした動向も含めて常に先々の都税収入がどうなるのかしっかりとつかんでいくことが重要でありますが、見解を伺います。

○加藤税制部長 お話のように、生産年齢人口と経済成長には一定の関係があると思われます。都税収入の方を見ますと、経済の短期的な動きである景気変動や税制改正によって大きく増減する構造となっております。
 とはいえ、東京都の歳入の七割を占めます都税は、都財政の基盤をなすものでございまして、円滑な都政運営のためには的確な見込みをすることが重要でございます。
 そのため、主税局におきましては、税目ごとに税収と密接に関連する最新の経済指標等の動向を勘案するとともに、毎年度実施されます国による税制改正の動向などを慎重に見きわめながら、税収を見積もっているところでございます。
 今後とも、的確な税収の把握に努めてまいります。

○大津委員 確かに、国の税制改正や景気の動向など不確定な要素は多く、中長期的な税収を見積もるのは難しい点もございます。しかしながら、少子高齢化対策、老朽化するインフラの更新、首都直下型地震への対応など、行政需要は増加をしていくと思われます。東京の持続可能な発展を支える健全な財政運営を行っていくためにも、先々を見据えて的確に税収を見積もっていっていただきたいと存じます。
 さて、今回の歳入予算では、法人二税を初めとして多くの税目が、前年度に比べて増加すると見込まれています。その中でも、小さいけれども大きく伸びている宿泊税というのは大変おもしろいと思います。石原知事の時代に始めたこの宿泊税ですけれども、四〇%近く伸びていることが目を引きます。この宿泊税については、東京都の導入例を参考に、観光客の受け入れ環境を整備するため、大阪府も平成二十九年一月からの導入に向けて条例案を議会に提出したと聞いています。
 このオリンピック招致決定以来、確かにこの東京も外国人旅行者と見られる団体が大変多くなり、来訪者の観光客数も最高を迎えたところでもあります。地元渋谷でも、たくさんの外国人の観光客が、毎日楽しそうにこの東京を楽しんでいただいておりますが、爆買いなどでもいろいろと話題になっていますが、渋谷でも某デパート、某ストリート、それぞれの商店街、売り上げの三分の一が外国人客の方、収益に今なっています。
 身近なところでは、展望室にも訪れる外国人の観光客が非常にふえて、前はアジア大陸を中心とした方たちでしたけれども、最近では、ヨーロッパやアメリカや定年で引退したご夫妻の観光客の方たちの姿も多くなってまいりました。  こうしたさまざまな観光の背景が大きな伸びに影響していると推測しますが、平成二十八年度予算における宿泊税の増収要因と今後の見込みについて伺います。

○加藤税制部長 平成二十八年度当初予算における宿泊税収入は、国内におきます旅行需要が好調なほか、円安基調やビザの発給要件の緩和などによりまして、訪日外国人客数の増加が見込まれますことから、五年連続増となる約二十五億円を見込んでおります。これは平成二十七年度当初予算に対して七億円、三九・八%の増となっておりまして、宿泊税創設以来、過去最高額となる見込みでございます。
 今後の宿泊税収の見通しについてでございますが、訪日外国人客数、それから宿泊施設については一定の増が今後も見込まれることなどから、現在のような状況が続けば、当分の間は二十億円台で推移するのではないかと考えております。

○大津委員 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、都も観光振興を画策している中、その財源である宿泊税の確保にこれからも取り組むとともに、こうした使い道のわかりやすい、小さいけれどもこうやって大きく伸びていく独自の税収というのも、大変重要なものであると思います。
 宿泊税は、都税収入に占める割合は大きくないものの、目的税として全額が都の観光振興費に充てられ、例えば、都庁の中にある観光情報センターを初め都内の各センターの充実、交通機関等における案内サインの多言語化、観光ボランティアの育成、活用等に使われています。このように、納税する側にとっては、納めた税金の行く末が何に使われているのか大変理解しやすい税金の一つであります。
 一方で、個人都民税や固定資産税など、都民にとって、毎年納めているにもかかわらず、どのように税金が使われているのかわかりにくい税金もあります。また、宝くじ等は、こうした事業に使われていますと明記されていますけれども、たとえ一億円が外れてもこういうことに使われているんだなと、宝くじを買ったかいがあるな、間接的に貢献しているなと思われるような、その事業の中身を具体的に、宝くじの紙の部分の印字として、一行でも二行でも書いていく、こういうのも大切なわかりやすい使い道だと思います。
 都の財政運営に当たっては、納税者の視点を持ち、都民に税の生かされ方が実感できる、わかりやすい丁寧な説明義務が求められています。そうした視点から、これまで私も、本委員会で税の広報について繰り返し質疑を行ってまいりました。
 生活文化局が、昨年十一月に発表した都民生活に関する世論調査の結果を見ると、調査をした都民の八三・七%の方が、税金について関心があると答えています。その中の七〇・七%もの方が税金の使われ方に関心を持ち、五五%の方が自分の納める税額に関心があると答えています。こうした声を広報の取り組みに反映させることも必要であると考えます。
 そこで、今回新規事業として掲げている税に対する理解の促進について、その狙い、具体的な取り組み、内容等をお伺いします。

○西海総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいま、都民生活に関する世論調査につきましてご紹介いただきましたけれども、私どもといたしましても、多くの都民の方々が税に関心を持ち、とりわけ税金の使われ方や自分の納める税額などについての関心が高い傾向にあると認識しているところでございます。
 こうしたことからも、税について、都民の皆様にわかりやすく伝え、理解を深めていくことは大変重要であると考えております。主税局では、これまでも広報誌やポスター、デジタルサイネージなどさまざまな広報媒体の活用による効果的な税務広報に努めてまいりました。
 ご質問の税に対する理解の促進でございますけれども、納めていただいた税が暮らしの中でどのように役立っているかなど、税の仕組みについて、これまで以上にわかりやすく都民の皆様方に伝えるため、広報の取り組みをさらに拡充するものでございます。
 この取り組みの実施に当たりましては、都民の方々のご意見もいただきながら、就職、結婚、住宅や車の購入など、都民の皆様方の暮らしのさまざまな場面を意識して情報発信を行ってまいります。またさらに、例えば、都民の方々が利用する機会の多いコンビニエンスストアを使った広報など、効果的な広報媒体の活用も検討してまいります。

○大津委員 以前、デンマーク在住の、向こうで結婚をした日本人女性から聞いた話でありますけど、なぜデンマークの方たちは高い税金をこれだけ払えるんですかと聞いたことがありました。即答で、私たちは国家を、また政治家も信頼しているからですよと答えが返ってきたことを思い出します。こうした中には、納税教育が行き渡っていることも背景にあると思います。
 また、デンマークの駅では改札口がありませんでした。改札機もありませんでした。駅の中央に切符を印字することのできる印字機みたいなものがありまして、自主的に一人一人が乗った切符をそこで印字、押すわけであります、きせるをしないんでしょうかと聞きました。やはり即答で、私たちはそういうことはしません、するのはごく二%で、それは麻薬の患者、または外国人観光客しかすることはしませんよと。なぜなら、しつけが行き届いている、道徳教育が行き届いているということで、幼少のころから家庭の中で、地域の中で、社会の中で、そういう意味での教育が徹底をされているんですということでもありました。
 こうした税金もお金のやりとりも、やはり大切なのは信頼と教育があるように思います。重要なのは、都民の信頼を得られるように、税金の重みを感じ、一円の無駄なく使うことと、そうした姿勢やわかりやすい税の使い道をしっかりと報告、伝えていくことでもあると思います。都政の推進力である都税収入を確保し、都民、都政が税を通して、少しでも納得した上で、納税を通じてその信頼を培い、またその環境づくりのバックボーンとして、こうした教育が重要であると考えています。
 最後ですが、平成二十八年度を迎えるに当たり、新規事業も含めてどのように局の運営に取り組んでいくのか局長の見解を伺い、質問を終わります。

○小林主税局長 主税局は歳入所管局でありますことから、まずは、都のさまざまな施策展開を財政面から支える都税収入の安定的な確保を図ると、これは第一でございます。しかしながら、同時に、新たな課題に対して対応していくことも重要でございまして、来年度は新たに二つの新規事業を実施することとしております。
 一つは、委員ご指摘のとおり、都民が納得をして納税できる環境づくりであります。このため、複雑な税の仕組みや税と都民生活のかかわりなどにつきまして、わかりやすくお伝えをし、都民の皆様に税への理解を深めていただくことが重要でありまして、これまでの行政目線ではない外部の人の知恵もかりながら、思い切って発想の転換を行い、創意工夫を図って、これを実施していきたいというふうに思っております。
 もう一つは、税務実務の面でも、東京と地方の共存共栄をどう図っていくかという課題でございます。地方税は、制度設計は国ですけれども、現場実務は自治体が担っているということでございますので、法人調査、あるいは家屋評価、滞納整理など、主税局の培ってきたノウハウを生かして、全国の自治体からの税務職員の受け入れなどにも取り組み、地方全体の税収確保を後押ししてまいりたいと思っております。
 今後とも、歳入所管局としての使命をしっかりと果たしながら、時代の変化に応じた新たな課題にも積極的に取り組み、全力で局の運営を行ってまいります。

○桜井委員 先般、二月の二十五日の第一回東京都議会定例会の本会議一般質問におきまして、大規模建築物の固定資産の評価について質問をさせていただいたところであります。一般質問の質疑では、現行の固定資産評価の方法は、昭和三十八年度に国が定めたものであり、特に東京のように大規模な建築物が数多く建築されている場合には、評価が難しく、多くの課題があるというふうに伺いました。その際に、都が将来の都市機能の更新や建築技術の進歩を見据えた新たな評価制度を積極的に提言していくとの答弁があったところであります。
 税の制度は、簡素で納税者にわかりやすい制度であることが大切であり、加えて、迅速に評価できるよう制度を見直す必要があるということは、私も同感であります。そこで、改めて本委員会で、固定資産の評価、特に大規模事業用建築物における課題や都の考え方について確認をしたいと思います。
 初めに、一口に建物といっても、戸建て住宅から超高層ビルまでいろいろありますが、都はどのように評価しているのか。また、そこにどのような課題があるのか、最初にお伺いいたします。

○大久保資産税部長 我が国では、国が定める固定資産評価基準に基づきまして、再建築価格方式によって、全ての建物を全国一律に評価することとされております。
 この再建築価格方式の中で、さらに大きく二つの手法がございまして、一つは、標準となる建物をあらかじめ選定して評価額を求めまして、この標準的な建物との相違を考慮して評価する比準評価と、もう一つは、屋根、外壁など、各部分ごとに資材等の価格を積算する部分別評価の方法によることとされております。
 都では、評価対象の約九〇%を占める床面積一千平方メートル以下の建物及び鉄筋コンクリートづくりの二千平方メートル以下の住宅アパート用建物につきましては、比較的簡素な方法でございます比準評価の方法で評価をいたしております。
 一方、それを超える建物は、間取りや壁、天井の仕上げが一棟ごとに異なるなどのことから、比準評価は適用できず、部分別評価の方法で評価することとなります。部分別評価は、一棟ごとに個別具体的に評価できるメリットがございますが、十万平方メートルを超えるような特に大規模な事業用建築物を評価する場合には、評価に時間がかかることや困難で複雑な判断を伴う作業が必要になるなどの課題がございます。

○桜井委員 都内では、最近、十万平米を超えるような特に規模が大きく個性的な建物が数多く建築されているところでありますけれども、例えば虎ノ門ヒルズは、環状二号線が地下を貫通するなど、敷地を有効活用した五十二階建て二十四万平米のビルで、オフィス、そして国際会議場やホテルなどが入っているところであります。また、品川シーズンテラスは、都の芝浦水再生センターの上部空間を利用して建設された三十二階建て二十万平米のビルで、多様な飲食店やオフィスなどが入っております。
 そこで、このような用途が複合的で大規模な建物を評価する場合には、具体的には、どのようなことに時間がかかり、どのようなところに難しさがあるのか、お伺いをいたします。

○大久保資産税部長 大規模事業用建築物を部分別評価の方法で評価する場合でございますけれども、事業者から竣工図や見積書などを借用いたしまして、建物に使用された資材の種類や量などを把握しまして評価額を求めます。
 まず、評価に時間がかかった例としまして、先ほどお話にあった用途が複合的で大規模な建物についていいますと、まず、建設中の設計変更が数多く生じたために、建物が完成した後、事業者が竣工図を完成させるまでに半年近くかかっておりました。その後、事業者から、段ボール箱十箱分にも上る竣工図や見積書などを借り受けまして、その中から約五万点の使用された資材を拾い出し、これらを約五百項目の評価基準の項目に当てはめて評価するのに、資料の借用をしてから一年近くかかっておりました。
 また、評価の難しさの例といたしましては、直径一メートルの鋼管の内部にコンクリートを詰めた柱など、鉄骨でも、鉄筋コンクリートでもない新たな資材が開発された場合がございまして、耐震、耐火性能などを調査しました上で、既存の評価項目にある鉄骨鉄筋コンクリートに準じて評価したことがございました。

○桜井委員 用途が複合的で大規模な建物を評価する場合は、内容が複雑なため、課税する側も評価に時間がかかり、納税者にもわかりにくいなど課題が多いと思います。一方で、固定資産評価基準は国が決定し、大規模な建物から小規模な建物まで、皆、同じ方法で評価するように国が定めており、このため、本来なら国がこのような課題を受けとめ、見直しを検討すべきだと思います。
 国では、これまでに大規模な建物の評価方法の見直しについてどのような検討がされてきたのか、お伺いをいたします。

○大久保資産税部長 国では、平成十六年度から二カ年にわたりまして、総務省の外郭団体でございます資産評価システム研究センターを活用して、事業用建物の評価について、新たな評価方法の検討が行われたことがございます。
 しかし、この検討は、建物の規模にかかわらず全般的な事業用建物の評価方法について検討したものでございまして、東京が直面している大規模な事業用建物についての評価方法を見直すための議論は深まっていない状況にございます。

○桜井委員 国は全国を視野にしているので、特に東京で建設される大規模な建物の評価の課題について、国に検討を任せていても議論は進まないと考えます。都みずからが東京の状況をよく分析し、制度を決定する、国に対して発信していくことが重要であると考えます。
 この点、さきの一般質問では、都が新たに検討会を立ち上げるとの答弁がありました。評価方法の見直しを検討するためには、固定資産税の仕組みは複雑で難しいので、専門家による検討が中心となると思いますが、さらに、納税者の声にも耳を傾けていくことが大事だと思います。
 そこで、今後、大規模事業用建築物の評価方法の見直しについて、検討会はどのように議論を進めていくのか、お伺いをいたします。

○大久保資産税部長 大規模事業用建築物の評価方法について見直しを検討するため、法律、建築、不動産鑑定などの専門家六名で構成する検討会を本年四月に設置いたします。
 この検討会では、まず、現行の再建築価格方式の問題点を整理するとともに、海外諸都市で採用されている、例えば、建物の取得価格をもとに評価額を求める取得価格方式などの評価方法の調査、分析を行ってまいります。
 これらを踏まえまして、例えば、新築の建物と既存の建物の評価のあり方、年数に応じた価格の減価のあり方、現行の方式での評価との均衡など、さまざまな角度からのシミュレーションを行いながら、新たな評価方法を検討いたします。その中で、委員ご指摘のように、納税者の声に耳を傾けることが大切でありますことから、実際に大規模建築物を建築している事業者などからヒアリングを行いまして、議論に反映させていきたいと考えております。
 また、実際に評価方法を決定する国からも、検討段階から会議への参加を得まして、専門家とともに議論を深めてまいります。

○桜井委員 今後は、検討会でよく議論してもらい、国へもしっかり要望をしてもらいたいというふうに思います。
 また、こうした見直しについては、さきの一般質問でも指摘いたしましたが、国際的視点も重要だというふうに思います。世界一ビジネスのしやすい都市を目指す都としては、アジアのビジネスの中心としての、かつての地位を取り戻す必要があります。そして、外国企業にとっての魅力を高め、世界に開かれた国際経済都市の実現を図るためにも、都は、大規模事業用建築物の評価について、グローバルな視点を持って見直しを進めてもらいたいと思います。
 そこで最後に、都として、大規模事業用建築物について、固定資産の評価方法の見直しを進めていく上での国際的な視点も含めて、局長の基本的な考えを伺い、質問を終わります。

○小林主税局長 現行の大規模建築物の評価制度は、先ほど部長から答弁申し上げていましたように複雑な仕組みとなっているために、納税者にとってわかりにくい上、評価を行う側にとっても非効率となっておりまして、納税をする側、課税をする側、双方にとって多くの課題がございます。
 今回、これを見直すということになれば、これは昭和三十八年度に再建築価格方式が導入されて以来の抜本的な見直しとなるというものでございます。
 一方、委員ご指摘のように、東京は世界一のビジネス都市を目指し、かつてのアジアの拠点としての地位を取り戻すべく都市機能の更新を図り、高機能のビルの立地が海外企業の誘致に不可欠なものとなっております。
 こうした国際経済都市東京が目指す東京の現状と将来を分析し、建築技術の進歩も踏まえまして、また旺盛な取引が行われている市場性にも着目し、グローバル都市にふさわしい新たな固定資産の評価方法を検討し、国に提言していくことが重要と考えております。
 四月に設置する検討会におきましては、専門的な見地からの検討はもちろんでございますが、海外の大都市の事例の分析、納税者からの意見などさまざまな観点から検討を行いまして、簡素、迅速で納税者にわかりやすく、大都市東京にふさわしい新たな評価方法を国とも連携しながら見直しをしてまいりたいと考えております。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十五分散会

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