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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十五号

平成二十七年十一月五日(木曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長鈴木 錦治君
副委員長堀  宏道君
副委員長遠藤  守君
理事崎山 知尚君
理事松村 友昭君
理事酒井 大史君
大津ひろ子君
山内れい子君
神野 次郎君
桜井 浩之君
ともとし春久君
宇田川聡史君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長長谷川 明君
経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務十河 慎一君
契約調整担当部長松永 哲郎君
主計部長岩瀬 和春君
財産運用部長中村 倫治君
利活用調整担当部長山根 恭子君
建築保全部長久保田浩二君
技術管理担当部長中山  衛君
庁舎運営担当部長井上  充君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長草野 智文君
会計管理局局長塚本 直之君
管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務片山  謙君
警察・消防出納部長植松 淳一君
資金活用担当部長久原 京子君
会計制度担当部長米今 俊信君

本日の会議に付した事件
会計管理局関係
事務事業について(質疑)
財務局関係
事務事業について(質疑)

○鈴木委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局及び財務局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、局長から幹部職員の紹介があります。

○塚本会計管理局長 去る十月二十三日付の人事異動により、兼務発令がございました幹部職員をご紹介申し上げます。
 管理部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします片山謙でございます。総務課長でオリンピック・パラリンピック調整担当課長を兼務いたします井村琢でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○鈴木委員長 紹介は終わりました。

○鈴木委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○神野委員 都が今年度設立を予定している官民連携福祉貢献インフラファンドについて質問します。
 このファンドについては、さきの第一定例会の一般質問において、なぜファンドという手法を用いて事業を推進するのか、そして、ファンドにより整備された福祉関連施設が長期にわたり安定運用されるよう、どのような取り組みを考えているのかという点について、都の見解を伺い、出資金の毀損リスクをできるだけ軽減するよう要望いたしました。
 本日は、ファンドの設立に係るその後の状況や、今後ファンドが整備する建物について、幾つか確認をしたいと思います。
 初めに、官民連携福祉貢献インフラファンド設立に向けた現状について確認いたします。

○久原資金活用担当部長 去る五月二十六日に、ファンドマネジャーの募集を開始いたしまして、七月二十七日までの募集期間中、四者が応募いたしました。専門家の意見を聴取しつつ審査を行い、十月二十三日に、AIPヘルスケアジャパン合同会社、スターツアセットマネジメント株式会社、スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社の三者をファンドマネジャーとして選定いたしました。
 都の出資額は、実現可能性のあるプロジェクトの事業規模を勘案し、AIPヘルスケアジャパン合同会社のファンドに二十五億円、スターツアセットマネジメント株式会社及びスパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社のファンドに対し各十二億五千万円でございます。
 今後、来年二月十二日までに、ファンド契約を締結し、契約締結後速やかに都からの出資を実行いたします。ファンド設立後、各社は投融資を開始いたします。

○神野委員 ファンドマネジャーを選定され、設立に向けた動きが進んでいることは理解しました。ただ、ファンドマネジャーとして選定された三者については、社名だけをいわれても、どのような会社なのかわからないことが多いのではないかと思います。そこで、今回ファンドマネジャーとして選定した三者のプロフィールについて伺います。

○久原資金活用担当部長 選定した三者のプロフィールでございますが、AIPヘルスケアジャパン合同会社は、アメリカに本拠を有する投資会社の日本拠点でございます。これまで、高齢者向け施設への投資を行ってきており、日本のヘルスケアリート上場第一号投資法人に関与するなど、豊富なノウハウを保有しております。
 スターツアセットマネジメント株式会社は、グループで不動産開発などを行うスターツコーポレーションの子会社でございまして、不動産開発、賃貸から福祉施設運営まで幅広く事業展開を行っており、案件発掘力に期待ができます。
 スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社は、金融グループであるスパークスグループの一員でございます。グループ企業が、過去に組成されたエネルギー分野の官民連携ファンドの運営を担当しております。今回は、福祉施設運営事業者や不動産事業者などと協力して事業を実施するとのことです。

○神野委員 ただいまの答弁で、三者がそれぞれ違った強みを持っている印象を受けました。
 都は、三つのファンドに、それぞれ二十五億、十二億五千万、十二億五千万という金額の出資を行う予定ですが、それぞれのファンドにおいて、都の出資比率はどのぐらいになるのかを伺います。

○久原資金活用担当部長 ファンドマネジャー募集時には、都の出資額五十億円、ファンド規模約百億円、ファンドにおける都の出資比率は五〇%を想定しておりました。今回、ファンドマネジャーを三者選定し、五十億円を三者に分割して出資することになりましたが、三つのファンドに対する都の出資比率については、ファンドマネジャー募集時と同じく五〇%を想定しております。

○神野委員 いずれのファンドも都の出資比率は五〇%ということですが、そうすると、各ファンドの規模は五十億円、二十五億円、二十五億円ということになります。
 私は、ファンドの組成を手がけたことがあるんですが、この金額は、ファンドとしてはかなり小ぶりといった印象を受けます。ファンドの運営には、一定の固定コストというものがかかってきますので、金額の小さいファンドは、どうしてもコストの比率が高くなってしまうという欠点があります。
 そこで、今回、なぜ都が五十億円の出資額を分割して、小金額のファンドを三つつくることにしたのか、その理由について伺います。

○久原資金活用担当部長 官民連携福祉貢献インフラファンドは、ファンドという手法を通じて、子育て支援施設や高齢者向け施設の整備を推進するための全庁的なノウハウ蓄積に向けたパイロット事業として実施するものでございまして、都の出資額を五十億円という規模に設定いたしました。
 また、福祉貢献型建物の速やかな整備の促進及び都の投資リスクの分散を図る観点から、適格性を有する三者をファンドマネジャーとして選定いたしました。
 各社への出資額については、実現可能性のあるプロジェクトの事業規模を勘案し、先ほどご答弁申し上げましたとおり、一者のファンドに二十五億円、残る二者のファンドに各十二億五千万円を出資いたします。
 都としては、三者が都の出資金を呼び水に民間の資金とノウハウを活用し、ファンドを通じた福祉貢献型建物の整備を進めることを期待しております。

○神野委員 三者のファンドに分けて出資する理由は、本ファンドを、ファンドを通した福祉貢献インフラの整備を図るためのパイロット事業として位置づけているからといった答弁でしたが、コストの比率を下げることを目的として、いきなり大きな金額を出資するよりも、今回のように、小額の投資から開始するというスタンスは妥当であると考えます。また、特色のある三者に分けて出資をするということで、三つのファンドの間で、運営を競う意識が醸成されることも期待できると思います。
 また、ただいまの答弁では、プロジェクトの事業規模を勘案して、出資金額を決定したということでした。今回のファンドと類似していると思われる不動産投資ファンドにおいては、通常は融資を活用して、場合によっては、出資金の四、五倍といった事業規模の不動産プロジェクトを行うことがあります。
 今回は、三つのファンドでは融資を活用する予定かどうか、そして、活用するのであれば、出資額に対してどの程度の規模を予定しているのかを伺います。

○久原資金活用担当部長 三つのファンドに対する都の出資額は合計五十億円、各ファンドに対する民間投資家の出資も合計約五十億円と見込み、三つのファンドを合わせた規模は約百億円を想定しております。
 各ファンドは、それぞれ民間金融機関から融資を受けてプロジェクトを推進します。各ファンドの借入比率は、融資額と出資額が同額の五〇%、三ファンド合わせた事業費の合計は約二百億円を想定しております。

○神野委員 各ファンドにおける融資額は、出資額と同額を予定しているとの答弁でした。五〇%の借入比率というのは、不動産投資としてはかなり控え目なものであり、収益の最大化よりも出資金の保全に重きを置いているといった印象を受けました。
 出資金の保全に関しては、第一定例会で私の一般質問への答弁で、都は出資金の毀損リスク抑制のため、優先劣後構造の活用により、出資金の毀損リスクを抑える仕組みの導入も検討していくとのことでしたが、今回選定した三者のファンドに対し、都はどのような形態で出資を行うことを予定しているのかを伺います。

○久原資金活用担当部長 ファンド契約については、今後、詳細について検討を加えた上で、来年二月までに締結する予定でございます。
 都は、有限責任の形で出資いたします。優先劣後構造の導入については、二者から提案を受けており、今後その詳細について調整してまいります。残りの一者についても、優先劣後構造導入の検討を含め、出資金毀損リスクを最小限に抑えるよう契約内容の調整を行ってまいります。

○神野委員 都が優先出資を行うのであれば、出資金の毀損リスクは相当低いものになると考えます。優先劣後構造の導入を決めていない一者を含め、都からファンドへの出資に当たっては、出資金の毀損リスクを最小限に抑えるよう、契約内容の調整を進めることを望みます。
 これまで、借入比率や優先劣後構造といった資本構造についての質疑を行ってまいりましたが、本件において、資本構造よりもはるかに重要なのは、整備される福祉貢献インフラの質とその収益であるといえます。本プロジェクトによって整備される福祉貢献インフラのよしあしは、ファンドマネジャーの手腕によって大きく影響すると考えられます。
 官民連携ファンドは、民間のファンドマネジャーのノウハウを活用するものですが、ファンドマネジャーへの報酬の支払いが発生します。報酬を支払っただけ都への配当は減るということになる反面、優秀なファンドマネジャーは報酬が高くなるといった傾向もあると思います。
 そこで、都は、今回のファンドにおけるファンドマネジャーの報酬水準について、どのように考えているのかを伺います。

○久原資金活用担当部長 ファンドマネジャーの報酬は、ファンドごとに個別に決められるものであり、特定の基準があるわけではございません。ただし、ファンドマネジャーが過大な報酬を得るような仕組みのファンドを設立しても、配当額が低くなることを懸念する投資家が投資を避けることから、市場規律にのっとった水準に落ちつくことになります。
 また、今回のファンドマネジャーの選定に当たっては、ファンド全体の運営コストがマーケット水準を踏まえた合理的な水準に抑制されているかどうかという点も踏まえた審査を、専門家の意見を聴取しつつ行い、ファンドマネジャーを決定いたしました。このため、本ファンドにおけるファンドマネジャーの報酬は、市場規律にのっとった合理的な水準と判断しております。

○神野委員 本ファンドにおけるファンドマネジャーの報酬水準が、市場規律にのっとった合理的水準で設定されているとの答弁でしたが、ファンドマネジャーに適切なファンド運営を行ってもらうためには、適切な報酬を支払うことは当然と考えます。
 今回のファンドは、規模も小さく、ファンドマネジャーに支払う報酬の絶対額は大きくないとは思いますが、より多くの金額を投資する場合には、報酬水準が合理的な水準で設定されるよう、十分に留意していただきたいと思います。
 次に、このファンドにより、どのような福祉貢献型建物が整備されるかについて確認させていただきます。
 都は、今回のファンドマネジャー募集要項の中で、子育て支援施設を含む福祉貢献型建物の整備に対し、ファンドが投融資を行うものとし、子育て支援施設や高齢者向け施設に加え、商業施設や医療モール、賃貸住宅等が一つの建物に入った東京都版CCRCが整備されることが望ましいとしています。
 先ほど、各社への出資額については、実現可能性のあるプロジェクトの事業規模を勘案して配分を行ったとの答弁がありました。まだ投資が行われていない状況にあることから、案件の詳細について明らかにするのは難しいとは思いますが、都としては、今回のファンドで、どのような内容の福祉貢献型建物が整備されると考えているのか、できる限り可能な範囲での答弁をお願いします。

○久原資金活用担当部長 投資予定案件の詳細については、ビジネスのノウハウに関する話になりますため、明らかにすることは困難でございますが、子育て支援施設と高齢者向け施設を含む建物、子育て支援施設と他の施設が含まれている建物などを投資候補案件として想定しております。各社ともファンドマネジャーとして選定されたことで、福祉貢献型建物の整備に向けた動きを加速させるものと考えます。
 都としては、東京都版CCRCともいえる建物を含め、一つでも多くの福祉貢献型建物が整備されることを期待しております。

○神野委員 東京都版CCRCともいえる建物を初め、一つでも多くの福祉貢献型建物がこのファンドにより整備されれば、その実績に刺激された民間事業者もみずから福祉貢献型建物の整備に取り組むようになることが期待できると思います。
 都としても、ファンドの運営が確実に行われるよう、適切な監視を行っていくことを要望いたします。
 また、ファンドにより整備された建物に入っている子育て支援施設や高齢者向け施設が、長期にわたり運営されていくことも必要です。第一定例会において、この点について尋ねた際、都は、施設が短期間で転用されることがないよう、地域のニーズも踏まえ、必要な期間、福祉関係施設が運営されるよう求めると答弁していますが、今回選定された三者は、福祉関連施設が短期間で他の用途に転用されないようにするため、どのような考えを示しているのかを伺います。

○久原資金活用担当部長 建物処分後も含めた必要な期間、福祉関連施設が運営されることについては、各社から福祉関連施設を必要な期間継続保有する意思のある先に売却することを確認しております。
 都としては、今後、福祉貢献型建物の整備に係る投融資が行われる際に、質問権を行使し、整備された福祉関連施設が適切な期間運営されるよう取り組んでまいります。

○神野委員 ファンドにより整備された福祉関連施設が、ファンドが建物を処分した途端に用途が変わっては、その施設を利用している都民にとって迷惑な話になります。ファンドにより整備された福祉関連施設が必要な期間運営されるよう、都は、ファンドに出資した後も尽力してほしいと思います。
 待機児童対策や高齢者向け施設の整備について、さまざまな取り組みが求められる中、民間の資金とノウハウを活用して施設の整備を図る今回のファンドの取り組みは、民間事業者に対し、福祉貢献施設の整備に係る意識づけを求める意味でも価値のあるものといえます。
 都においては、ファンドへの出資金の原資が公金であることを常に意識し、ファンドの運営を適切に監視しつつ、都が理想形に掲げている東京都版CCRCの整備を含め、ファンドによる子育て支援施設や高齢者向け施設が、一つでも多く整備ができるように努力してほしいと考えます。
 最後に、官民連携福祉貢献インフラファンドの推進に係る会計管理局長の決意を聞いて、私の質問を終えます。

○塚本会計管理局長 民間事業者の資金、ノウハウを活用した公共事業の推進は、これからの時代の要請だと考えております。
 今回は、福祉分野でファンドを設立し、子育て支援施設や高齢者向け施設の整備を行ってまいります。これによりまして、従来の整備手法を補い、少しでも多くの施設を整備できればと考えているところでございます。
 また、ファンドを進めるに当たりましては、常に専門家の意見を聞きながら、都の有限責任の中で最大限の監視体制を維持し、安全性を確保しつつ福祉貢献型建物の整備を推進してまいります。
 今回の都の動きに共感し、福祉貢献型建物の建設や運営等の面で、都とともに事業を進めようという民間事業者が多く出てくることを期待しているところでございます。

○遠藤委員 それでは、私からも、今、神野委員から質問がありました官民連携インフラファンド、これが一つ、そして、公会計制度について、この大きく二点について質問をさせていただきたいと思います。
 神野委員は、今お話ありましたとおり、ファンドを実際に運営したこともあるという玄人、専門家でありますけれども、私は、この分野は全く素人でありますので、財政委員会も初めての所属であります。今後一年間所属しますので、基本的なことから、おさらいにもなると思いますが、質問させていただきたいと思います。
 まず、この官民連携インフラファンド、これは、今議論にありました福祉分野に先んじて、エネルギー分野で官民連携インフラファンド、そして官民連携再生可能エネルギーファンドという二つのインフラを立ち上げて、その運営をしているわけであります。
 振り返ってみるに、この官民連携インフラファンド事業は、東京が国際金融センターに成り行くというこの構想の手段の一つとしてファンドを立ち上げると、こういったことだったと思います。国際金融センターというと、さっと浮かぶのが、香港だとかシンガポールとか、ああいうイメージだと思いますけれども、改めて、この東京国際金融センターというものは一体何を目指して、そこで官民連携ファンドを推進することがこの国際金融センターの推進にどうつながっていくのかということを、まずわかりやすく説明してもらいたいと思います。

○久原資金活用担当部長 東京国際金融センターとは、世界中から資金と人材と情報を呼び込み、必要な分野に資金を供給する拠点のことでございます。これを実現するためには、国内外から資金を呼び込むための投資機会の創出が課題の一つでございます。
 都が先導役となり、またその資金を呼び水としてファンドに携わっていくことにより、国内ファンド事業への投資が活発化し、資金循環が活性化するという効果が期待されます。これはまさに、資金を呼び込み、経済の活性化につながるもので、国際金融センター実現に向けた一要素となります。

○遠藤委員 いろいろその意味について答弁がありました。しかし、都がファンドへ出資するという資金は、リスクマネーということでありますので、事業の推進に当たっては、先ほど来ありますとおり、細心の注意が求められると思うわけであります。
 現在、この会計管理局が官民連携ファンドの事業を所管していると、こういうことでありますけれども、これまでは、安全性、流動性、効率性等々の側面から、特定目的のために資金をプールする、積み立てている、いわゆる基金の運用という形でその任を行ってきた会計管理局が、改めてになりますけど、なぜリスクマネーを取り扱う官民連携ファンド事業もあわせて手がけることになるのか、なかなか私も含めて一般の都民にはわかりにくいんだと思います。
 そこで、会計管理局がこの官民連携ファンド事業を担うことになった理由について、お答えいただきたいと思います。

○久原資金活用担当部長 昨年七月に発表されました東京国際金融センター構想に向けた取組の中にございます都の施策に資する官民連携ファンドの推進におきまして、今後の施策検討のため、会計管理局に新組織を設置することがうたわれておりまして、会計管理局に資金活用担当が設置されたものでございます。
 会計管理局に資金活用担当が設置された理由でございますが、ファンドに関する事業は新たな取り組みであることから、全庁的なノウハウ蓄積に向けたパイロット事業と位置づけられまして、会計管理局には金融知識を有する人材がそろうとともに、資金管理・活用アドバイザリーボードなど、専門家の助言を受ける体制も確立しております。
 また、ファンド事業を行うに当たり、公金管理に関するノウハウも利用可能であることから、当面の間、関係局と連携しつつ、会計管理局が事業局として予算要求等を実施するものでございます。

○遠藤委員 今の答弁では、金融知識を持っている職員が、会計管理局はそろっているという、体制が整っているという、こういうことだったと思います。
 将来的には、各事業を所管している局が、それぞれのファンドを活用した事業運営を行うということが理想になるんだと思います。そこに向けて、会計管理局、始まったばかりの取り組みですけれども、しっかりとそのノウハウを全庁に反映できるように尽力していただきたいと思います。
 それで、この官民連携ファンドの推進がもたらす効果についてでありますけれども、先ほど来ありますとおり、経済の活性化、金融効果と、こういうことだと思いますけれども、今後、東京が地方との共生をいかに進めていくのか、いわば地域経済の活性化という点が非常に重要になってくるんだと思います。
 そこで、この官民連携インフラファンド及び官民連携再生可能エネルギーファンド、この二つのファンドでありますけれども、これが地域経済の活性化にどうつながっていくのかということについて、ちょっと質問を移らせていただきたいと思います。
 改めて、インフラファンド及びエネルギーファンド、二つのファンドが設立された趣旨、さらに、このファンドの投資対象地域、事業についてお答えいただきたいと思います。

○久原資金活用担当部長 都では、平成二十四年度に、喫緊の課題である電力の安定供給及び社会資本整備における長期的かつ安定的な資金循環システムの構築のため、官民連携インフラファンドを組成し、平成二十六年度には、再生可能エネルギー分野における新たな資金循環システムの構築及び再生可能エネルギーの広域的な普及拡大と都内での導入の促進のため、官民連携再生可能エネルギーファンドを組成いたしました。
 各ファンドの投資対象地域、事業でございますが、官民連携インフラファンドについては、電力の安定供給が目的であることから、日本各地の再生可能エネルギーを含む発電事業に投資いたします。
 一方、官民連携再生可能エネルギーファンドについては、東日本大震災の被災地を含み、再生可能エネルギーのポテンシャルが高く、電力系統間の連系容量が比較的大きい東北電力と東京電力管内の再生可能エネルギー事業に投資いたします。

○遠藤委員 官民連携インフラファンドは、日本全体を視野に入れて、そして、電力の安定供給という、こういうオールジャパンと電力の安定供給という大きい目的、そして、一方の官民連携再生可能エネルギーファンドは、大震災を受けてということになると思いますけれども、東日本大震災の被災地を含む東北地方や都内における再生可能エネルギーの普及拡大という、それぞれ特色がありますと、こういう答弁だったと思います。
 そこで、この官民連携インフラファンド及び官民連携再生可能エネルギーファンドの投融資案件の現状について、東北電力管内、日本全体ではなくて、東北電力管内へのこの案件の広がりについての現状を、答弁を求めたいと思います。

○久原資金活用担当部長 二つのファンドがこれまでに投融資した発電所及び発電出力の合計は十九件で約三十四万キロワット、うち再生可能エネルギーは十六件で約十二万二千キロワットでございます。
 東北電力管内の再生可能エネルギー事業につきましては、官民連携インフラファンドにおいて、秋田県、宮城県並びに福島県の太陽光発電、官民連携再生可能エネルギーファンドにおいて、青森県の風力発電と新潟県の木質バイオマス発電に投融資いたしまして、発電出力の合計は約四万五千キロワットでございます。このうち、秋田県及び福島県の発電所については、既に運転を開始しております。その他の発電所においては、今後、平成三十年にかけて、運転開始の予定でございます。

○遠藤委員 それでは、次に、今答弁のありました各ファンドによる発電所の建設、これが具体に地域経済の活性化にどう貢献しているのか、また、しようとしているかについて確認をしたいと思います。
 ただし、地域経済の活性化といっても、その言葉の意味する範囲というのは非常に広いわけでありますので、内容等々が漠然としていてわかりにくい。そこで、この都のファンドにより、地方の再生可能エネルギーの発電所が建設をされた場合、地域経済の活性化にどうつながっていくのか、イメージが湧くように説明してもらいたいと思います。

○久原資金活用担当部長 再生可能エネルギーは、自然エネルギーを電気に変えるものであり、地方の自然の力に経済的価値を生み出す新たな仕組みでございます。
 その内容としては、未利用地を活用して、発電設備を設置することによる土地所有者に対する土地賃借料の支払いや、自治体に対する固定資産税の納付、発電所が電力供給を行うことに伴う発電所の運営などに係る雇用の発生といったことが挙げられます。これらを通じ、地域経済の活性化に貢献するものでございます。

○遠藤委員 さらに、今の答弁をちょっと深掘りしたいと思いますけれども、都が八月に公表しました新潟県の三条市において、天候に左右されない安定的な再生可能エネルギーであり、かつ今後広く普及が期待をされている木質バイオマス発電所建設、ここへの投資を例に今部長が答弁されたものを、より具体的に確認をさせていただきたいと思います。前提として、この三条市の、建設予定の木質バイオマス発電所、これがどういう規模で、どういうものなのか、概要についてお答えいただきたいと思います。

○久原資金活用担当部長 三条市の案件は、官民連携再生可能エネルギーファンド初の木質バイオマス発電でございます。発電出力は、約六千三百キロワット、約一万世帯分の年間電力消費量に相当する電気を生み出すことを想定しております。運転開始は平成二十九年度を予定しております。

○遠藤委員 事前にお知らせしていただいたデータですと、この三条市の世帯数は約三万五千世帯ということであります。今答弁がありました一万世帯の年間電力消費量に相当する電力を生み出すと、こういうことでありました。この三分の一の世帯数、何も三条市だけで消費するということではないと思いますけれども、今この話、数字を聞いただけでかなりの規模、そして、地域に大きな効果をもたらすんだろうということが容易に推察をされます。
 そこで、地域経済には、具体にどんな効果をもたらすのか、さらに答弁を求めたいと思います。

○久原資金活用担当部長 発電所の主な燃料は、三条市の半径五十キロ圏内から調達する間伐材等の未利用材でございます。未利用材を燃料として有効活用することにより、森林の保全がなされ、地域の林業振興、里山保全に貢献いたします。
 また、発電所の運転や燃料となる未利用材の集積、発電所への運搬で、新たな雇用が創出いたします。計画では、平成三十一年度までに七十五人の雇用が生まれる予定でございます。その他発電設備に係る固定資産税の納税等を通じ、地域経済に貢献いたします。

○遠藤委員 ただいまの答弁で、このバイオマス発電所の建設によって、林業の振興や里山の保全、さらに、雇用の創出等々さまざまな形で地域経済の活性化につながっていると、つながっていくであろうと、こういう答弁だったと思います。ぜひ新たな試みでありますので成功させていただきたいと、このように思います。
 この項の最後に、先ほど、神野先生との質疑にもありました官民連携の福祉貢献インフラファンドであります。これまではエネルギー分野であったものが、今後はこの福祉の部門に新たな仕掛けをしていくと、こういうことであります。
 繰り返しのお話になって恐縮ではありますけれども、リスクマネーである以上、出資金の毀損リスクというのは、どんな状況でも生まれるおそれがあるわけであります。先ほど来あります会計管理局は金融の専門家、そしてそのバックにも専門家の先生方もつかれているということで、都民は、一定程度安心をしているんだと思います。しかし、この金融部門に行政、なかんずく都がかかわることについては、以前の新銀行東京へのかかわりについてもさまざまな議論というものがありました。
 規模は、今回のファンドというのはそれほど大きいものではないという先ほど来質疑でありました。私はなかなかその辺の感覚が皮膚感覚ではわからないんですけれども、ただこれを失敗したときのリスクというか影響は、金額の問題ではないと思います。東京都がかかわっているということで、さらに、知事の目玉政策であります東京国際金融センターにするという、その芽出しの事業だと思いますので、ぜひしっかりと管理をしていただきたいということをお願い申し上げまして、この項の質問を終わります。
 次いで、公会計制度であります。
 都の公会計制度は、総務省がこのほど示した統一的な基準との比較や、日々仕訳方式の推進など、この観点から、きょうは何点か質問をさせていただきたいと思います。
 この東京都の公会計制度は、改めていうまでもなく、それまで決算統計の組みかえによって製作されてきた機能するバランスシートから大きく前進をさせ、日々の会計処理の都度仕訳を行う、いわゆる日々仕訳方式による本格的な複式簿記・発生主義会計によるものであります。私も、この質疑に当たって、改めてこれまでのこの東京都の公会計制度が生まれた歴史、または先人の方々がどうこれをつくり上げてきたというものも読ませていただきましたが、恥ずかしながら、なかなか専門家ではないので理解がおぼつかなかったわけであります。
 先ほど申し上げましたとおり、総務省は、昨年の四月に、地方公会計における統一的な基準、これを示して、ことしの一月には、その作成マニュアルを取りまとめた上で、全国の自治体に対して、この統一的な基準による財務諸表を、平成二十九年度までに作成するように要請した、このように聞いております。この総務省の要請があったことで、全国の多くの自治体は、公会計制度導入やシステム改修等についての検討を既に始めておるようでございまして、都の日々仕訳による本格的な複式簿記・発生主義会計についても情報を収集する、したいという動きもあるようでございます。
 そこで、きょうの質疑の前提となるこの総務省の統一的な基準、これについて簡潔にわかりやすく答弁をいただきたいと思います。

○米今会計制度担当部長 統一的な基準は、固定資産台帳の整備が必須となり、決算統計からの組みかえが認められず複式簿記の仕訳が必要となるなど、これまでの総務省モデルに比べまして大きく都方式に近づいております。
 しかし、統一的な基準は、日々仕訳が望ましいとしながらも、決算期末に一括して仕訳する方式を許容しており、この方式では財務書類の作成に時間がかかり、事業別財務諸表を作成して事業ごとにマネジメントに使うことは難しいものでございます。
 また、統一的な基準は、税収を行政コスト計算書に計上しないため、収支の状況もわかりにくくなっております。

○遠藤委員 一言でいえば、東京都に大分近づいてきたけれども、まだまだ課題が総務省方式だとありますと、こういうことなんだと思います。
 この総務省方式、統一的な基準、これを普及させるために、総務省はいろいろなことを考えられておると思います。新たにソフトウエアを各自治体に配布をして、その自治体の総務省方式の導入への支援をしていくという動きがあるようでありますけれども、この総務省が各自治体に配布をするソフトウエアというのは、一体どういう性格のものなのでしょうか。

○米今会計制度担当部長 総務省は、統一的な基準による地方公会計の整備促進のため、標準的なソフトウエアを開発し、自治体に提供することとしています。機能ごとに提供時期が異なっており、固定資産台帳機能は、ことし九月に提供され、今後十二月に財務書類作成機能、来年三月に活用機能が提供される予定となっております。
 収入や支出の手続を行う自治体の会計システムとは独立したソフトウエアとなっているため、決算期末に歳入や歳出などのデータをまとめて取り込んで、複式簿記の仕訳を発生させることを基本としていまして、主に期末一括仕訳に対応するものとなっております。

○遠藤委員 統一的な基準でも、日々仕訳--東京都がやっているものでありますけれども、これが望ましいと、こう考えているようでありますけれども、一方、配布するソフトにおいては、主に期末一括仕訳に対応しているということで、いわれていることと現実とはいささか乖離しているんではないかと、こういう答弁だったと思います。
 ところで、この東京都の公会計を全国に普及するために、都では、新公会計制度普及促進連絡会議というものを立ち上げました。この機会を活用して、引き続き、都として日々仕訳のメリットというものを大きく訴えていく必要があるんだろうと思います。
 この連絡会議の構成団体が協力をして、日々仕訳により作成した財務諸表の活用事例や運用におけるノウハウ、成果、そして価値ある情報、こういったものを積極的に発信をすることによって、自治体経営に最も有利な公会計制度を選択できるように、いわゆる都のこれが可視的であるということを全国に発信をして、その自治体の実施というか、それをより積極的に促して、支援していくべきだと思います。
 そこで、現在までのこの新公会計制度普及促進連絡会議の取り組みについて、最新の動向等答弁を求めたいと思います。

○米今会計制度担当部長 まず、ことし七月に開催されました第六回新公会計制度普及促進連絡会議におきまして、統一的な基準への対応や今後の活動等を協議し、事業別財務諸表における指標分析について共同で研究することなどを決定いたしました。
 今月、来週十三日には、全国の自治体職員を主な対象とした公会計セミナーを開催し、財務諸表の活用方策について、公認会計士により講演を行う予定となっております。
 また、既に制度導入済みの町田市、江戸川区、福島県郡山市と東京都から最新の活用事例や運用ノウハウを発表いたします。
 さらに、七月の連絡会議で決定し、連絡会議構成団体が共同して研究した指標分析ガイドについてもセミナーの中で発表いたします。日々仕訳により作成した多様な事業別財務諸表について、効果的に分析する手法をわかりやすく説明したガイドブックでございまして、今後の活用に役立つものと考えており、今まさに新公会計制度の導入を検討する多くの自治体に、ぜひ参考にしていただくことを期待しております。

○遠藤委員 この連絡会議の活動によって、全国の自治体に着実に広がっていると、こういうことであります。都内でも町田、江戸川と、また福島の郡山、こうしたところがもう既に導入済みだということであります。セミナーが十三日に開かれるようであります。私も申し込んでありますので、しっかり勉強させていただきたいと思います。
 都と同様の日々仕訳による先進的な公会計制度の普及を後押ししてきたこの連絡会議でありますけれども、年々構成団体が、答弁ありましたとおり増加をして、ノウハウの積み重ねによって発信力も増してきているんだろうと思います。これからもこの連絡会議を中心として、先進自治体が連携した取り組みによって、都と同様な日々仕訳などによる公会計制度の普及推進に努めていただきたいと思います。
 最後に、局長から、この日々仕訳方式による公会計制度--都の公会計制度の普及拡大に向けた思い、決意等々聞かせていただければと思います。

○塚本会計管理局長 今、遠藤副委員長からお話ありました新公会計制度普及促進連絡会議は、発足当初の平成二十三年当時は五団体でございましたが、その後、着実に増加しておりまして、現在は十二団体が加盟しております。
 また、連絡会議にはまだ加入はしていないものの、今年度には、新たに中央区、板橋区、渋谷区の都内三団体が、都と同様の公会計制度導入を表明しております。
 構成団体の増加とともに連絡会議の取り組みも充実いたしまして、公会計セミナーの開催や事業別財務諸表における指標分析ガイドの作成は、大きな成果であると認識しております。日々仕訳によります公会計制度の推進に大きく貢献してきたところでございます。
 昨年度開催いたしましたセミナーにおきましては、四百名近い参加者がございまして、大変盛況でございました。ことしも多くの参加者が来られると思いますので、期待しているところでございます。
 これまでの普及に向けた取り組みは着実に実を結んできており、今後も、先行自治体と連携しまして、全国の自治体に対して、行財政マネジメントに大いに活用できる日々仕訳の有効性を訴えていくことで、先進的な公会計制度の導入を推進してまいります。

○遠藤委員 これまで加盟している団体、新たに加盟しようとしている自治体の中に、私の地元がないのが非常に残念でありますけれども、ぜひそこに加わっていただけるように、いろいろとアプローチをしていきたいと思っております。
 いずれにしても、きょうは、ファンドの話、そして公会計制度の話、二つ質問させていただきました。いずれも、なかなか素人には難しいテーマでありますけれども、大変重要な仕事をされていると思います。ぜひ、皆さん健康に留意していただいて、大いに頑張っていただいて、都民の生活向上に寄与していただきたい、このように思います。終わります。

○大山委員 私も、官民連携インフラファンドについて質疑します。
 東京都は、二〇一二年度に官民連携インフラファンド、二〇一四年度に官民連携再生可能エネルギーファンドをつくり、今年度は、官民連携福祉貢献インフラファンドをつくりました。
 東京都の出資は、官民連携インフラファンドが三十億円、再生可能エネルギーファンドが十二億円、福祉インフラファンドが五十億円です。四年間の間に、三つもインフラファンドをつくってきたということですね。
 最初につくった官民連携インフラファンドは、東日本大震災による電力の安定供給が目的であるにもかかわらず、投資先が海外のものがあって問題にもなりました。しかし、その案件は二件で約六億円で、二百億円のファンド規模の約三%だから問題ないと答弁されていますね。知事も記者会見で聞かれて同じように答えています。
 しかし、都民の税金が入っているものであるにもかかわらず、目的以外のものに投資してしまうこと自体問題です。しかも、そのときにたくさん開示請求しましたけれども、これはその一部です。ほとんどが黒塗り。これは、官民連携インフラファンドの業務執行状況調査報告書というんですけど、ほとんど黒塗りという状況です。
 そして、これいただきましたけれども、どこにどういうものができたのかと、どこに投資したのかということですけれども、官民連携エネルギーファンド融資案件こういう資料ですね。日本国内の投融資先は書いてありますけれども、海外に投融資したものについては、この資料にも出てきません。これらのインフラファンドの目的は、資金循環システムの構築となっています。東京都は、官民連携インフラファンド及び官民連携再生可能エネルギーファンドについて、元本プラスアルファの資金回収を想定しているといっていますけれども、その具体的な根拠というのはどうなっていますか。

○久原資金活用担当部長 ファンドは、プロジェクトに投資する前に事業計画を策定いたします。都は、質問権を行使し、専門家による検証を受けつつ事業計画の内容を検討し、必要に応じてファンドに意見を述べます。両ファンドの投融資案件について現状問題ないとの認識でございます。

○大山委員 私は、具体的に根拠を示してくださいって申し上げたんですけれども、現状問題ないんだと、認識していますと。伺いますけれども、それぞれのプロジェクトに幾ら投資して、幾ら回収しているんでしょうか。それぞれのプロジェクトにです。

○久原資金活用担当部長 各ファンドが、個別のプロジェクトに幾ら投融資したかということにつきましては、ファンド契約上の守秘義務の関係から、全てを明らかにすることは困難でございます。個別のプロジェクトからの回収額についても、明らかにすることは同様に困難でございます。

○大山委員 それぞれのプロジェクトに幾ら出したのかも都民にはいえない、幾ら回収するかも都民にはいえない。このファンドというやり方の基本的な問題として都民の税金が入っているのに、どのプロジェクトに幾ら投資し、どのように回収するのか、投資先も明らかにしない。税金の使い方として、こんなことでいいのかということなんですよ。
 具体的に、今年度つくった福祉連携インフラファンドについて質疑していきます。
 官民連携福祉インフラファンドに係るファンドマネジャーの募集要項、これですね、これを見ますと、福祉関連施設を含む建物及び東京都版CCRCの整備促進、これ目的なんだと書いてあります。選定基準の中、こう見ますと、米国版CCRCの概念及び事例の把握などと書いてあるわけですね。このファンドで整備を目指すという東京都版CCRCとは、具体的にどのようなことを想定しているんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 東京都版CCRCは、地価が高く広い土地を取得しにくい東京において、一つの建物に高齢者向け施設のみならず、医療施設、商店、住宅等の施設を含み、さらに子育て支援施設を加えることで、多世代がともに暮らし、家族で長く住み続けることができる建物を想定しております。

○大山委員 土地の確保が大変な東京だから、ビルの中で完結するということですね。多世代が暮らせるようにするんだということを想定していますということですが、今、地域包括ケアシステムで、地域で住み続けることができるようにということで、十月には検討会議の中間まとめも出ています。東京都版CCRCと、この地域包括ケアシステムとの関係はどう考えればいいんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 東京都版CCRCは、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けられることを目指すものである点で、地域包括ケアの理念と共通するものですが、子育て支援施設等の整備を含み、多世代がともに暮らすことを目指す点、複合型建物として、立体的展開を図る点などにおいて異なっております。

○大山委員 もちろん地域包括ケアシステムが順調にいっているかといえば、これもなかなか困難が多いわけですけれども、地域には子育て世帯も住んでいるし、保育園や子育て支援施設もあるわけですね。それをCCRCで、東京都版だといって、一つの建物で、ビルの中で完結しようということですね。
 高齢者が、介護が必要になってもその地域で暮らし続けることができる、それ重要だと思うんですよね。その場合に、特別養護老人ホーム、これ重要な施設です。小規模特別養護老人ホームだったら、その地域の高齢者向けですから、その地域で住み続けられるわけですね。福祉インフラファンドというくらいですから、東京都が目標としている特別養護老人ホームを、十年間で一万八千人分増設するという目標を実現するための役割も果たすつもりですよね。

○久原資金活用担当部長 本ファンドによる特別養護老人ホームの整備は、国の制度運用上困難と考えられますが、施策を総動員して子育て支援施設や高齢者向け施設の整備を図る中、その一環としてファンドという手法を活用するものでございます。

○大山委員 そうしますと、特養ホームは福祉インフラファンドではつくらない、これが前提になっているということでいいんですか。

○久原資金活用担当部長 本ファンドは、建物を整備し、施設運営事業者に賃貸することを想定しているところでございますが、国の制度運用により、社会福祉法人が特別養護老人ホームを運営する際には、施設、建物の自己所有が必要とされているためでございます。

○大山委員 福祉インフラファンドといいながら、そして、特養ホームを十年後までに六万人分整備しようという東京都の目標はあるけれども、その福祉インフラファンド自体、特養ホームはもう眼中にないんだと、つくらないことが前提だということですね。特養ホームは整備しないということだったら、高齢者施設はどのようなものを想定しているんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 高齢者向け施設としては、サービスつき高齢者住宅、介護つき有料老人ホームなどを想定しております。

○大山委員 サービスつき高齢者住宅だとか、有料老人ホームを想定しているんだということなんですけれども、これらの施設は、とても利用料が高いので手が出ないという高齢者が多いんですね。国民年金のみの高齢者の平均受給月額は五万円にもならないということだとか、日本の高齢者の相対的貧困率は二〇%近くに上るということもご存じだとは思います。
 介護施設を探すサイトを見ますと、サービスつき高齢者住宅の敷金、礼金の目安は、ゼロから数百万円、月額利用料が十万円から三十万円ぐらいなんだと。デメリットというのが書いてあるわけですけれども、重度の介護が必要になると退去しなければならない場合があるとか、常時介護を受けられるわけではないと、こうなっているわけですね。有料老人ホームは、安いところでも、月額十五、六万円から三十万円、百万円以上などというところもあります。二〇一四年度の、杏林大学のCCRC研究所というのがありまして、そこの論文では、米国でも、CCRCは、いわゆる富裕層を対象にしたサービスだといわれているように、経済的にCCRCにはアクセスできない可能性が相当程度存在していると、こう述べています。
 東京ではどうでしょうか。元気なうちに転居してきて、いよいよ介護が必要になって介護保険を利用しようと思えば、介護保険毎年改悪されて、とうとう介護利用料に二割負担が導入されました。医療費も、七十歳から七十四歳は二割負担になってしまいました。この間の有料老人ホームやサービスつき高齢者住宅がそうであるように、東京でのCCRCができたとしても、そのようなことを想定しているのであれば、経済的な問題で利用できる人は限られてしまうのではないでしょうか。それとも、東京都版CCRCは、東京都が出資しているファンドがつくるんだから居住者の経済的な心配は要らない、そういうことがあるんですか。

○久原資金活用担当部長 本ファンドは、幅広いニーズに対応するものであり、多様なメニューを持った高齢者向け施設を含む建物が整備されることを想定しております。一概にいうことは困難でございます。

○大山委員 日本でも、最近は誰でも貧困に陥る可能性があるということが指摘されているわけです。それは、年金下げられて、介護保険料、国民健康保険料が上がり、介護の利用料も上がる、医療費の窓口負担も大きくなる。厚生年金受給者でも、夫婦で二人とも元気なときは心配ないけれど、一旦病気になったり介護が必要になったら、一気に経済的に困難になります。入院などすれば、せっかくためておいた貯金もあっという間に底をつくという状況になります。だからこそ、東京都がやるべきことは、都民の誰もが安心して暮らせる東京をつくることにこそ重点を置くべきです。
 ことしの第一回定例会のときの財政委員会では、議事録を見せていただきましたら、福祉インフラファンドについて、ファンドの関連の金融専門家を含む民間事業者からのヒアリングを通じまして、本ファンドの投資スキームは成立可能と判断しましたと、こう答弁していますけれども、誰からヒアリングしたんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 法律、会計、投資分野の専門家、福祉関連施設運営事業者等からヒアリングを実施いたしました。

○大山委員 法律や会計や投資分野の専門家から話を聞き、福祉関連施設の運営事業者からヒアリングをしたんだとおっしゃいましたけれども、福祉関連事業者から聞いたということですと、社会福祉法人からも聞いたんでしょうか、どういう事業者から聞いたんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 社会福祉法人から直接聞いてはおりませんが、株式会社等へのヒアリングで全体的な状況を把握いたしました。ファンドスキームの実現可能性の可否の判断のために、十分なヒアリングを実施いたしました。

○大山委員 ファンドの運営ためのヒアリングということですね。官民連携福祉貢献インフラファンドのファンドマネジャー募集要項には、民間の資金とノウハウを導入し、とありますけれども、福祉分野で一番ノウハウがある民間といえば、社会福祉法人なんじゃないんでしょうか。どうして社会福祉法人には聞かなかったのかというのは、さっき答弁したとおり、十分だと判断したんだということですよね。結局、福祉インフラファンドなどといっても、市場原理でもうけが出るところをつくるためのファンドなんだということなんじゃないんでしょうか。
 この東京都版CCRCが具体化するのはいつぐらいを目標にして、各ファンドマネジャーはどのような提案をしているんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 まだ、ファンドマネジャーを決定したばかりでございます。今後、二年先、三年先になるかもしれませんが、ファンドマネジャーが今後の手続をとってまいることになります。

○大山委員 なかなか長期的なことだということですね。目標はCCRC東京都版をつくるんだ、それを目標にするんだということが書いてありますけれども、この福祉インフラファンドを受ける場合の最低条件はどうなっていますか。

○久原資金活用担当部長 認可保育所、東京都認証保育所及び公的補助の対象となる学童保育施設を含む施設であることが必須でございます。

○大山委員 認可保育園か認証保育所か学童保育があればよいということなんですけれども、この保育園、もしくは学童保育は、総面積の、例えば何割を占めなきゃいけないとか、そういうことは定められているんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 建物全体に占める福祉関連施設の床面積比率などを重視し過ぎる余り施設整備が進まないような事態が起きることは避けることが必要でございます。また、立地等の前提条件が個々の案件でかなり違うため、一概にいうことも困難でございます。
 福祉関連施設の設置については、地元区市町村の指導監督等を受けるものでございます。地域のニーズに対応した福祉関連施設を含む建物の整備を進めていくということでございます。

○大山委員 特に定めていないということですよね。とにかく、認可保育園か認証保育所か学童保育が入っていればいいということですね。結局、東京都版CCRCの整備促進が目的といっていますけれども、それは必須ではないと。保育園か学童保育が併設されていればよい。しかも、認証保育所でも認可保育所でもいいし、どんなわずかな部分でもいいということですよね。少しでも併設していればよいということなんです。それなら、四年間で四万人分の保育園の整備目標には、どれぐらい貢献しようとしているんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 待機児童解消に対しまして、このファンドは、その手法の一つということでございます。施策を総動員する中の手法の一つということでございます。

○大山委員 施策を総動員する、その中の一つなんだと。東京都自身が、これ全体の目標ですよね。四年間で保育園の待機児ゼロを目指して、四年間で四万人分の整備をするという目標があるのに、このインフラファンドでは、その目標にどれぐらい貢献しようとか、どれぐらい整備しようという目標も持たないということなんですね。
 伺いますけれども、東京国際金融センター構想に向けた取り組みといいますけれども、この福祉インフラファンドと東京国際金融センター構想とどう関連しているんでしょうか。

○久原資金活用担当部長 都は、福祉関連分野における新たな資金循環システムの構築と、都内における子育て支援施設や高齢者向け施設を含む福祉貢献型建物の整備促進を目的に、官民連携福祉貢献インフラファンドを設立する予定でございます。
 ファンドが設立される結果、民間事業者に投資機会を提供することになりますので、福祉貢献型建物の整備に対する投資が活発化するという効果が期待できます。これは、資金を呼び込み、経済の活性化につながるもので、国際金融センター構想実現に貢献するものでございます。

○大山委員 資金を呼び込んで経済活性化につながるものだから、国際金融センター実現に向けた一つなんだと。別に福祉でなくてもいいということなんじゃないんでしょうか。福祉とした必然性、これは何なんですか。

○久原資金活用担当部長 長期ビジョンに示されておりますとおり、子育て支援施設、高齢者向け施設の整備は喫緊の課題でございます。
 このため、今回、都の資金を呼び水として、民間の資金、ノウハウを導入する官民連携ファンドの仕組みを用いることで、福祉関連施設を含む建物の整備を促進していくものでございます。

○大山委員 福祉関連施設を含む建物の整備を促進なんだとおっしゃいますけれども、福祉関連施設は、保育園か学童保育が少しでもついていればいいわけですよね。それを口実に、もうけが上がる建物整備を促進するというわけじゃないんですか。
 例えば、今回、福祉インフラファンドに東京都が出資する五十億円を、純粋に、福祉施設の整備に使えばどれぐらい使えるかということを計算しました、ちょっと。認可保育園で百名定員だったら、整備費の補助基準額は、大ざっぱにいいますと一億八千五百万円です。そのうち三分の二は国が負担しますから、地元自治体と事業者、東京都。東京都、基本的には八分の一です。自治体と事業者と東京都が出す分を合わせても、一カ所六千万円程度です。五十億円あったら、百人規模の認可保育園が、建物だけだったら八十カ所以上できるんですね。結局、もうけの少ない福祉施設の部分は最低限にして利益を生み出すオフィスなどのビルをつくることに都民の税金を使う、企業をもうけさせるために福祉を口実にして都民の税金を投入するということじゃないんでしょうか。
 先ほど、局長さんは、時代の要請などといって答弁されておりましたけれども、地方自治体のあり方の道をそれているんじゃないんでしょうか、ということを指摘して終わりにします。

○山内委員 まず、私からは、公金管理関係についてお伺いしたいと思います。
 公金管理の基本原則としている安全性、流動性、効率性の確保とはどのようなものかお伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は公金管理の基本原則とその管理手法等を公金管理ポリシーとして定めておりまして、その基本原則は、優先度の高い順に、安全性、流動性、効率性の確保としております。元本の安全性の確保を最重要視し、資金元本が損なわれることを避けるために、安全な金融商品により、保管及び運用を行うとともに、預金については、金融機関の経営の健全性に十分留意をしております。
 また、支払い等に支障を来さないよう、必要となる資金を確保するとともに、想定外の資金ニーズに備え、資金の流動性を常に確保しているところでございます。
 これら安全性及び流動性を十分確保した上で運用収益の最大化を図り、また、効率的な資金調達に努めているところでございます。

○山内委員 流動性について、今ご答弁がございましたが、想定外のニーズとはどのようなもので、これまでにどのようなことがあったのか、お伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまでの事例といたしましては、東日本大震災の発生直後の深夜、被災地の支援に向かうため、数百万円程度の緊急資金を確保したケースがございましたが、資金の流動性の確保に直結するような想定外のニーズといたしましては、例えば、首都直下型地震など、都内で相当大規模な災害が発生した場合に緊急に支払いが必要となる場合等が考えられます。
 資金管理では、日々の支払いに必要な額のほかに、これら想定外のニーズを見込んで資金を確保しているところでございます。

○山内委員 会計管理局が管理する資金は、二〇一五年度の公金管理計画によりますと、歳計現金等で九千七百億円程度、基金で三兆円程度、そして準公営企業会計の資金で五千億円程度とありますが、この膨大な資金を、三原則のもとでどのような運用を行っているのかお伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 歳計現金につきましては、支払準備金としての性格を持つことから、必要なときにすぐに現金化できるよう、流動性の確保を重視して預金中心の運用を行っております。
 基金につきましては、年度を超えて長期にわたっての運用が可能なため、預金のほか、安全性と効率性を配慮した国債、政府保証債--これは政府関係機関が発行する債券のうち、政府が元利金の支払いについて保証しているものでございますが、こういった債券などでも運用を行っております。
 準公営企業会計の資金につきましては、所管局との調整により、預金中心の運用を行っているところでございます。

○山内委員 運用基金について、同じく二〇一五年度公金管理計画によりますと、新たに、外国銀行を預金入札に加えるとありますけれども、どのような経緯で外国銀行を入札対象とするに至ったのかお伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまで邦銀中心に預金を行ってまいりましたが、近年、金融機関の統廃合により銀行数が減少したことに伴い、預金入札における競争性が低下をしております。また、日銀の大規模な金融緩和政策以降、市場金利の低下により、銀行が提示する預金金利も低下をしてきております。このような状況を踏まえ、預金入札の競争性を強化するため、新たに外国銀行を加えたものでございます。

○山内委員 都は、約三兆円の基金のポートフォリオについて、預金七五%としており、このうち外国銀行は、金融機関別ポートフォリオを見ると五%、金額にすると一千百二十五億円ほどは外国銀行向けになることが示されておりますが、どのような考え方でこの比率に至ったのか。そして、現在までの進捗状況はどのようになっているのか。また、外国銀行は、公金管理の先ほどの原則のうち、最も重要視している安全性の面で怠ることはないのかお伺いいたします。

○片山管理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 外国銀行の資金調達ニーズなどについて、事前に調査、ヒアリングを行った結果、金融機関別ポートフォリオにおいて五%程度との想定値を設けたところでございます。
 基金において預金運用している中で、外国銀行の占める比率は、二十七年度第一・四半期の期末残高で四・〇%でございます。
 預金入札に参加させる銀行につきましては、銀行自体の経営の健全性のほか、本国の社会経済状況など総合的に勘案し、選定をしているところでございます。
 さらに、資金管理・活用アドバイザリーボードの専門家の意見をその都度聞いた上で、安全性の高い金融機関に限定して決定をしております。

○山内委員 外国銀行につきましては、銀行自体の経営の健全性、本国の社会経済状況などを総合的に調査しているということですけれども、相対的にリスクは大きいと考えます。長期的に見ると、都の職員の皆さんが定期的に部署が変わるという状況もありますし、きちんとチェックし続ける体制が必要と考えております。
 次に、官民連携インフラファンドについて、私からも質問させていただきたいと思います。
 官民連携福祉貢献インフラファンドの設立目的と、ファンドにより整備される建物の具体的なイメージをお伺いいたします。

○久原資金活用担当部長 官民連携福祉貢献インフラファンドは、福祉関連分野における新たな資金循環システムの構築と、地価の高い東京における福祉関連施設を含む建物の整備促進を目的に今年度設立予定でございます。
 本ファンドへの都の出資は五十億円、民間投資家の出資と合わせて、ファンド規模は約百億円、金融機関からの借り入れを含むファンドが投融資を行うプロジェクトの総事業費は約二百億円、五、六棟の福祉貢献型建物の整備を想定しております。
 ファンドにより整備する建物については、ファンドマネジャー選定に際し、事業者からさまざまな投資予定案件の提案がございました。詳細については、ビジネス上のノウハウに関するため、明らかにすることは困難でございますが、子育て支援施設と高齢者向け施設を含む建物、子育て支援施設と他の施設が含まれている建物などを投資候補案件として想定しております。都としては、一つでも多くの福祉貢献型建物が整備されることを期待しております。

○山内委員 官民連携インフラファンド及び官民連携再生可能エネルギーファンドについて、現在までの状況を都はどのように評価をしているのかお伺いいたします。

○久原資金活用担当部長 都では、平成二十四年度に、喫緊の課題である電力の安定供給及び社会資本整備における安定的な資金循環システムの構築のために官民連携インフラファンドを、平成二十六年度には、再生可能エネルギー分野における新たな資金循環システムの構築及び再生可能エネルギーの広域的な普及拡大と都内での導入の促進のために、官民連携再生可能エネルギーファンドを組成いたしました。
 電力の安定供給や再生可能エネルギーの広域的な普及拡大の状況でございますが、二つのファンドが投融資した発電所及び発電出力の合計は十九件、約三十四万キロワット、うち再生可能エネルギーは十六件、約十二万二千キロワットでございます。
 なお、都内では、武蔵村山市で出力約四百二十キロワットの太陽光発電所へ投融資いたしました。
 また、資金循環システムの構築の状況については、官民連携インフラファンドにおいて、昨年度までに約二億二百万円の資金を回収いたしました。なお、官民連携再生可能エネルギーファンドについては、まだ発電所の建設を進めている段階であり、資金回収は実現しておりません。
 都としては、両ファンドともファンドの設立目的に沿って、順調に運営されていると認識しております。

○山内委員 都のファンドへの出資は、有限責任によるものとはいえ、出資金が毀損するリスクはあります。都として、どのように出資金の毀損リスクを抑制しようとしているのか、お伺いいたします。

○久原資金活用担当部長 都は、投資、会計、法律分野等の専門家による検証と確認を受けつつ、運営事業者が個別案件の投融資に係る意思決定を行う機関にオブザーバーとして参加して適時適切に意見をいうとともに、決算書類等を受領しております。さらに、ファンドに対する質問権、検査権を活用し、都が外部委託する監査法人や他の出資者とともにファンドの運営を監視しております。

○山内委員 私は、まだ、ファンドを公がやるということがちょっとよく理解できていないんですけれども、今まで、エネルギー分野、福祉分野と、これから進めようとしている官民連携ファンド事業について、今後どのように展開していこうとしているのか、お伺いしたいと思います。

○久原資金活用担当部長 都の資金を呼び水に、民間の資金とノウハウを活用して政策目的の達成を図る官民連携ファンドの手法は、重要な政策手段の一つでございます。ただし、この手法につきましては、まだ開始して三年しか経過していない事業であり、これまでに組成したエネルギー分野のファンドに加え、今年度組成する官民連携福祉貢献インフラファンドにおいて、今後着実な実績を上げていくことが大事であると考えております。
 今後の官民連携ファンド事業の展開については、これらのファンドの設立、運営監視に加え、どのような政策課題の解決に官民連携の手法が適するのか研究を進めてまいります。

○山内委員 官民連携福祉貢献インフラファンドは、まだ本当に残念ながらイメージが湧かなくて、公的目的と事業性、それが福祉にどう関係していくのか、まだ私ちょっと複雑な思いでおります。
 ご説明から推測しますと、建物の一部に福祉施設を確保するということで、その建物の賃貸料で出資金を回収するということになるのかと思いますが、福祉に関しては、子供や子育て世代、高齢者、障害者も含めて、ともに暮らす、過ごすインクルーシブな環境整備、質の充実、公平性が重要だと考えているんですね。
 都は、運営事業者が意思決定を行う機関へのオブザーバー参加ということですけれども、その施設を誰がどう運営するのか、望ましいサービスを提供できるのかどうか、きちっとチェックしていく体制にしなくてはならないと思っております。モニタリングをして、できるだけ情報公開をしていただくように要望いたしまして、私の質問を終わります。

○大津委員 中長期的な東京の都市づくりや都市更新について、官民ファンドの活用の視点から伺います。
 初めに、都が官民連携ファンドを通じて事業推進を図る意義について確認します。

○久原資金活用担当部長 行政需要の高度化、複雑化に伴い、行政だけでは解決できない課題が増加する一方、民間の努力だけでは事業化できない分野も存在いたします。官民が協力し、お互いの強みを生かし、新たな需要に応えていく必要がございます。
 また、インフラ整備に係る資金についても、都債に依存するのみならず、民間資金が循環する仕組みが必要でございます。加えて、将来の財政負担軽減や、今後、需要拡大が見込まれるインフラ更新等に備えるため、新たな行政ツールを確立することも重要でございます。こうした状況を踏まえ、民間資金を活用したインフラ整備のモデルとして、官民連携インフラファンド事業を立ち上げたものでございます。

○大津委員 この四年で三本打ってまいりました官民連携ファンドのこれまでの進捗状況と具体的成果について伺います。

○久原資金活用担当部長 平成二十四年度に、官民連携インフラファンド、平成二十六年度に官民連携再生可能エネルギーファンドを組成し、本年度に、官民連携福祉貢献インフラファンドを組成予定でございます。
 官民連携インフラファンドが投融資した発電所及び発電出力の合計は十四件、約三十万キロワット、そのうち再生可能エネルギーは、福島県の太陽光発電所など十一件で、発電出力の合計は約八万二千キロワットでございます。官民連携再生可能エネルギーファンドは、東京電力及び東北電力管内を投融資対象地域とし、これまで投融資した再生可能エネルギーの発電所は、武蔵村山市や埼玉県行田市における太陽光発電所など五件で、発電出力の合計は約四万キロワットでございます。
 官民連携福祉貢献インフラファンドについては、本年五月のファンドマネジャー募集開始後、専門家の意見を聴取しつつ審査を行い、去る十月二十三日に、AIPヘルスケアジャパン合同会社を初めとする三者をファンドマネジャーとして選定いたしました。今後、来年二月十二日までに各者とファンド契約を締結し、ファンド組成後、福祉貢献型建物の整備に係る投融資を開始いたします。

○大津委員 私は、これまで長年にわたり、さまざまな環境問題を通して首都東京のあり方について意見を述べてまいりました。そうした中で、今、喫緊の課題となっている大規模災害の発生に備えた東京の抵抗力や強靱さを高める必要があると考えています。
 首都直下地震や南海トラフ地震では、膨大な量の災害廃棄物が発生すると推計されています。いうまでもなく、都市の復旧、復興には迅速な災害廃棄物の処理が重要であり、そのためには防災計画全体の中でしっかり位置づけ、十分な処理体制を整えることが必要です。
 それと同時に、災害廃棄物そのものの発生を減らしていくような都市づくりが大切であると考えています。よく廃棄物の減量には川下から川上への視点、これが大切といわれています。つまり、廃棄物の側から、ものづくりの側にさかのぼって製品そのものの軽量化や再生のしやすさを考えることです。こうした考え方を都市の建築物や建材、部材などに広げ、都市のストック、蓄積の減量を図っていくことも必要と思います。
 私は、太陽光発電を始める際にも、役目を終えた設備が廃棄物となるとき、ただの膨大な廃棄物となるよりも、廃棄しやすい、リサイクルしやすい、出口を考えた生産段階からの製造を、ものづくりとして取り組むべきことを委員会でも述べてまいりました。ものづくりも都市づくりも同様であります。官民連携ファンドの運用に当たっては、社会総体として環境負荷を低減させることに配慮すべきであると考えますが、見解を伺います。

○久原資金活用担当部長 東京は、エネルギーの大消費地であり、その責任として、再生可能エネルギーの利用割合を二〇二四年までに約二割にまで引き上げる政策目標を掲げております。二本のエネルギーファンドのうち、昨年度組成した官民連携再生可能エネルギーファンドについては、投資対象を、より環境に配慮した再生可能エネルギー発電事業に限定しております。
 また、官民連携再生可能エネルギーファンドが投資対象とする再生可能エネルギーについては、再生可能エネルギーの多様化という視点から、既に普及が進んでいる太陽光発電ではなく、地域の未利用材を燃料とし、資源循環や地域の林業振興、里山保全にも貢献する木質バイオマス発電所への投融資を八月に公表いたしました。今後とも、官民連携再生可能エネルギーファンドを通じ、再生可能エネルギーの一層の普及拡大を推進してまいります。

○大津委員 地方活性の目的も意義あることですが、東京直結である多摩地区にもあります多摩産材によるバイオマス発電、また、多摩地区にもあります里山保全、こうしたことも今後は対象に入れていってほしいと思います。
 今、住民一人当たりの公債残高を比較しますと、都債は一人当たり五十万円、そして、国に至ってはその十二倍であります一人六百十四万円の負担となっています。さらに、人口減少時代における都民負担の問題と社会インフラの維持から将来の管理負担の軽減、社会総体の環境負荷の低減を促す方向でのファンドの運用にも配慮すべきと考えます。こうした視点を都市づくりそのものに組み込んでいくことが大切です。中長期的な東京の都市づくり、都市更新について官民ファンドの活用をする、そうした点から、ぜひ東京が率先して取り組み、世界の都市づくりをリードしていってもらいたいと考えます。
 以上です。

○桜井委員 先ほどもご議論がありましたが、私の方からも、新公会計制度に関して質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、都内自治体への普及促進について質問をさせていただきます。
 昨年度の事務事業質疑においても、新公会計制度の普及に関して質問させていただきました。総務省から統一的な基準が示されたものの、都の公会計制度の方が先進的で、行財政運営に活用しやすく、わかりやすいことを確認し、都は、これからも都方式の導入拡大に努めていく意向であるということがわかっております。
 その後、ことし一月には、総務省が統一的な基準による財務書類の作成を要請し、全ての自治体が公会計制度の導入を迫られているところでありますが、都は、これまで以上に都方式の有効性を訴え、自治体マネジメントに活用できる制度を導入するよう促していただきたいと思います。
 とりわけ都内の自治体には、自治体間の比較が可能となるよう、できる限り多くの団体に都方式を採用してほしいと思います。これまで培ってきた制度導入の経験や運営ノウハウについて積極的に情報を発信し、全国の自治体への普及の後押しにもなるよう、まず都内の普及に努めていくことが都としての役割であるというふうに考えます。そこで、これまで以上に都内への普及を拡大していく上で、都内自治体の対応状況を、まず確認したいというふうに思います。
 そこで、都内自治体の公会計制度導入に向けた現在の状況について、最初にお伺いいたします。

○米今会計制度担当部長 昨年四月に、総務省の研究会において統一的な基準が示され、ことし一月には、総務省から統一的な基準による財務書類を平成二十九年度までに作成するよう要請がございました。大半の都内自治体は、その要請を受け、財務書類を作成予定であり、現在は、庁内横断的な検討組織を設置し、固定資産台帳の整備や財務書類の作成方法などについて検討している団体が多いものと認識しております。
 各自治体の検討においては、会計処理の都度仕訳を行う日々仕訳により、マネジメントに活用できる都の方式から財務諸表を作成するのか、それとも、期末に一括して仕訳を行うことで簡易に作成できる統一的な基準による財務書類のみ作成するのかという点について、判断に迷っている自治体も多い状況でございます。

○桜井委員 総務省からの要請もありまして、各自治体が公会計制度の導入に真剣に取り組んでいることが、今のお話でわかりました。しかし、総務省の統一的な基準は、今の答弁にもありましたように、期末一括仕訳による財務書類の作成を容認しているため、作成に時間がかかり、事業分析に使うことも難しいと思います。
 また、税収を行政コスト計算書に計上せず、固定資産の変動の内訳を純資産変動計算書に記載するなど、独特の考え方をとっており、民間の企業会計や国際公会計基準から大きくかけ離れたものになってしまっております。
 一方、さきにも述べましたが、都方式は日々の仕訳により、管理会計として行財政運営に活用することができ、企業会計や国際公会計基準に準じたわかりやすい財務諸表となっております。
 このように、都方式の公会計制度が明らかにすぐれているにもかかわらず迷っている自治体が多いのはなぜなのか、お伺いをいたします。

○米今会計制度担当部長 日々仕訳では、会計処理一件ごとに仕訳を行うため、支出や収入の処理を行う財務会計システムの改修が必要となります。また、これまでの官庁会計システムの機能にはない複式仕訳を行う機能の追加や公有財産を管理するシステムとの連携などが新たに発生いたします。そのため、財務会計システム改修にかかるコスト負担やシステム更新時期の兼ね合い、長期の改修期間が必要などの懸念があり、なかなか都方式の導入に踏み切れないとの声を聞いているところでございます。

○桜井委員 ただいまの答弁にありましたように、都方式の新公会計制度の導入に当たっては、多くの自治体が財務会計システムの改修などについて不安を抱え、なかなか判断がつかない現状にあるということです。
 しかし、自治体の運営はこれからも続いていくものであり、一時的なコスト負担や改修の手間がかかっても、自治体経営に大いに活用できる都方式の公会計制度は、これを上回るメリットがあるはずであります。ぜひ、都内の自治体にはそういった長期的な視点を考えてほしいと思っております。
 我が会派からは、都内自治体に対し、積極的に普及活動すべきと常々申し上げておりますが、昨年の質問では、これまでの取り組みに加え、都として新たなアクションを起こし、公会計制度の制度改革の重要性や都方式の有効性を、より直接的に訴えることが重要と提言したところであります。
 そこで、これまでの都内自治体への普及に向けた取り組みと成果をお伺いいたします。

○米今会計制度担当部長 まず、各自治体の不安を取り除くため、システムのノウハウの提供や検討会等へ職員を派遣するなど、きめ細かな支援を実施していることや、日々仕訳によるメリットをさまざまな場面で説明いたしております。また、特別区長会や東京都市長会と連携し、研究会や研修の場で各自治体が足並みをそろえた取り組みができるよう訴えてきております。あわせて、制度導入の検討を進められるよう、情報提供を行うなどの支援を行っております。さらに、各自治体を訪問し、都方式の特徴や今後の検討課題、財務諸表活用の可能性などについて説明を行い、首長にも直接面会して、自治体マネジメントに活用できることを強調するなど、都方式の導入を積極的に促してきたところでございます。
 これらの取り組みによりまして、平成二十二年度に決定した町田市を皮切りに、二十四年度に江戸川区、二十六年度に荒川区、福生市、八王子市、二十七年度には中央区、板橋区、渋谷区が都と同様の公会計制度の導入を決定いたしております。

○桜井委員 都のこれまでの取り組みによって長期的に自治体運営に役立つ方式を見きわめ、都方式を導入する自治体が着実にふえていることがわかりました。ただ、いまだに都方式のメリットを十分に認識できておらず、導入に消極的な自治体も見受けられるところです。このような団体にも、都方式が今後の自治体マネジメントに活用できることをしっかりと伝え、前向きに検討するよう積極的に支援すべきものであると思います。そのためには、これまで以上に区市町村にとって有益な情報を、それぞれの実績に応じた形で普及活動を進めるべきと考えます。
 そこで、最後に、今後の都内自治体への普及促進に向けた局長の決意をお伺いし、質問を終わります。

○塚本会計管理局長 総務省の要請を契機に、多くの自治体が公会計制度の導入を真剣に検討している現在、都方式の普及を推進する好機と捉えております。これまでも、都方式を採用しても財務諸表から統一的な基準による財務書類への組みかえは比較的容易であり、せっかく新たな制度を導入するのであれば、行財政運営にも活用できる都方式の採用をお勧めしてきましたし、そのメリットを理解して導入を決めていただいた団体もございます。
 昨年度は、私も、各自治体の首長さんをご訪問しまして、都方式のメリットについて、るるご説明してきたところでございます。今後につきましても、既に導入している江戸川区や町田市とも連携しまして、これまで着実に積み重ねました活用事例や運用ノウハウを都内各自治体に幅広く一層周知していくことで、導入を検討する自治体を後押しし、さらなる普及拡大を図ってまいります。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩

   午後三時開議

○鈴木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより財務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、局長から幹部職員の紹介があります。

○長谷川財務局長 十月二十三日付の人事異動により、兼務発令のございました財務局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 経理部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします十河慎一でございます。
 よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○鈴木委員長 紹介は終わりました。

○鈴木委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○十河経理部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 それでは、先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
 最初に表紙をおめくりください。今回要求のございました資料は、目次に記載してありますとおり四件でございます。
 一枚おめくりいただきまして、要求資料第1号、各種基金の年度別推移(決算)をごらんください。
 こちらは、平成十七年度から二十六年度までの各種基金の推移を一ページから二ページにかけましてお示ししたものでございます。
 続いて三ページをお開き願います。要求資料第2号、都庁舎の清掃委託契約一覧(平成二十三年度から平成二十七年度)でございます。
 こちらは、平成二十三年度から二十七年度までの五年間における都庁舎の清掃委託契約に係る実績をお示ししたものでございます。
 続いて四ページをお開き願います。要求資料第3号、財務局所管普通財産として引き継がれた土地の件数及び面積でございます。
 こちらは、平成二十二年度から二十六年度までの五年間における財務局所管の普通財産として引き継がれた土地の件数及び面積をお示ししたものでございます。
 続いて五ページをお開き願います。要求資料第4号、財務局所管普通財産(土地)の活用実績(一般会計)でございます。
 こちらは、財務局所管の普通財産のうち土地について、平成十七年度から二十六年度までの活用実績を活用方法別にお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 まず初めに、入札契約制度についてお伺いをいたします。
 地方自治体の入札契約の原則は、最低価格自動落札方式となっています。最低価格自動落札であるため、いわゆる一円入札でも制度的には契約せざるを得ない状況にあります。単純に一番札を入れた業者、つまり支出の原因となる契約については、原則、最低の価格を入札した者が落札者となります。地方公共団体にとって最も有利な価格で申し込みをした者を契約の相手方とする方式であります。
 しかし一方で、地方自治法には、最低制限価格制度の規定があり、請負工事などに適用されています。
 改めて、なぜこの最低制限価格制度が導入されたのか、その意義などについて見解をお伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 地方公共団体の契約は、地方自治法により、経済性の原理を旨として競争入札を原則とし、その場合には、予定価格の制限の範囲内で最低価格で入札した者を自動的に落札者としております。しかし、落札となるべき入札価格が不当に低価格であるときは、契約の履行が不確実になることもあり、地方公共団体が不測の損害をこうむるおそれや工事品質の低下が懸念されます。
 そこで、契約の内容に適合した履行を確保するため、いわゆる最低価格自動落札方式の例外として、あらかじめ最低制限価格を設け、その価格未満で入札した者を排除できる制度を設けております。
 都では現在、予定価格二百五十万円以上からWTO対象となる二十億二千万円未満の競争入札による工事契約において、この最低制限価格制度を適用することで工事品質の低下を防ぎ、さらに中長期的な担い手の育成確保、品質の確保に取り組んでおります。

○崎山委員 地方自治法で認められた規定によって、技術上、常識では考えられないような低価格の落札を防止するために、ほとんどの自治体が公共工事において最低制限価格制度を採用しています。
 今もご答弁にあったように、予定価格の制限の範囲内で入札した者を落札者とすることによって公共工事が適正に履行され、なおかつ社会通念上、不正常な取引防止をするため、また、行き過ぎたたたき合いを防ぐ、ローワーリミットを設けることになっています。そして、担い手の育成や品質確保のために、最低制限価格制度を工事に適用していると、公共工事に適用しているとの説明がありました。
 これらの課題を未然に防ぐ目的で、平成十四年の法改正で、公共工事だけでなく、コンピューターのソフトウエアの開発などを含めて多くの業務に拡大され、最低制限価格を設けることができるようになりました。この最低制限価格制度を、現在採用していない請け負いや委託業務にまで採用するということは、課題もあるということは私も承知をしています。それは、入札契約をする場合には、あらかじめ予定価格を定め、その上で最低制限価格を定めなければならず、画一的に決めれば競争性は担保できなくなるという問題もあります。また、公共工事とは違い、委託契約などは、何を基準にして予定価格を定めるか、業種ごとにも違いがありますので、公正、公平な基準づくりに研究を重ねていただきたいというふうに思います。
 あわせて、最低価格自動落札方式の例外の一つである総合評価方式についてお伺いをいたします。
 都では、工事以外の業務委託サービスは、例えば、清掃や警備などでは総合評価方式の導入拡大を進めていることは承知していますが、しかし、現在もその大部分は、最低価格自動落札方式、無条件に一番札を入れた業者が落札者となっています。しかし、品質の確保という点では、印刷などの請け負いや業務委託サービスも同じように品質やサービスの向上が必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

○松永契約調整担当部長 理事ご指摘のとおり、印刷などの請け負いや業務委託についても、品質、サービスの確保は重要であるというふうに認識しております。
 都では、業務委託の品質確保のためには、総合評価制度の一層の改善が必要と考え、本年四月より技術点の評価をより重視する観点から、価格点と技術点の得点配分を、原則一対一から一対二に見直すとともに、低価格入札を防止するため、価格点に上限を設定いたしました。これにより品質を確保するとともに適正な価格での受注が促進されるものと考えております。
 一方、公共工事に関しては、昨年改正された、いわゆる品確法におきまして、現在及び将来の担い手の中長期的な育成、確保の推進が新たに目的として追加され、発注者及び受注者双方の取り組みが明確化されました。
 品確法そのものは公共工事を対象としておりますが、法の理念である品質の確保と担い手の育成、確保は、印刷などの請け負いや業務委託においても変わらず重要でございます。
 今後、改正品確法の趣旨の実現に向け、契約の適正な履行やサービスの質の確保を図るため、総合評価制度の改善のみならず、業種や営業種目ごとの業務の特性や品質確保に必要な経費の精査、都民サービスにかかわる効果などを検証した上で、最低制限価格制度などについても具体的に検討してまいります。

○崎山委員 ぜひ研究を重ねて進めていただきたいというふうに思っています。
 公園の管理や病院の案内、庁舎の清掃や警備などの都民サービス、行政サービスの多くが、都の契約、監理団体の契約を通して提供されています。そして、そのサービスの対価として、税を原資として都や監理団体は契約代金を支払い、事業者はその中から従業員の給与などの企業活動に必要な経費を賄い、利益を上げ、それがまた税として都に還元してきます。この循環過程の中で中小企業が成長し、技術者は能力を上げていくことが期待できます。
 そのサービスのあり方を決定するのに重要な鍵を握るのが入札契約制度であるというのが我々の認識であり、これまでの不当なダンピング競争によって、安かろう悪かろうでは誰も満足しないことははっきりしています。また、このことは、業界全体の地盤沈下を招く結果にもなりかねません。加えて、受注者の中長期的な人材育成はもちろんですけれども、新しい性能、機能、技術を評価する側、発注者となる都の担当者のスキルアップも総合評価する制度では期待ができます。
 きょうは、最低制限価格と総合評価制度の認識と考え方を問うことで、これまでの到達点の確認と今後の議論の基礎を提起することにとどめ、契約関係を終わらせていただきます。
 次に、地方法人課税の不合理な偏在是正措置について伺います。
 私は、ことし三月の予算特別委員会の締めくくり総括質疑の場でこの問題を取り上げ、今後の都の政策展開に大きな影響を及ぼしかねない問題という認識を示し、質疑をさせていただきました。あれから半年以上経過し、年末の税制改正が迫る中、不合理な措置拡大の動きが既に一部の新聞で報道されています。国からマスコミへのリークによって、徐々に没収しようとする額が明らかになってきました。
 東京への厳しい風が依然として吹き荒れている状況であります。こうした状況を少しでも打開するためには、この措置がいかに都の実情を無視したものか、あるいは都民にとっていかにデメリットが多いかという点ももっと主張しなければいけないと考えます。きょうは、こうした観点から質問をさせていただきます。
 今任期初めての事務事業質疑ですので、おさらいも含めて、まず東京から財源を奪うこの不合理な偏在是正措置について、導入の経緯を確認の意味で伺います。

○岩瀬主計部長 かつて国は、財政再建路線のもと、三位一体の改革の名において地方交付税を大幅に削減したことによりまして、地方財政の困窮を招きました。その結果、東京ひとり勝ち論が強まり、地方の財源不足という問題は都市と地方の財源争いという問題に矮小化され、地方法人課税の不合理な偏在是正措置導入へとつながってまいりました。
 こうした背景によりまして、国は、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置という条件で、平成二十年度に地方法人特別税を導入いたしました。
 本来であれば、平成二十六年度に消費税率が八%に引き上げられた段階で当然に廃止されるべきものでございますが、依然として存続しております。加えて、平成二十六年度からは、地方消費税率の引き上げにより、地方交付税の不交付団体には、社会保障需要を上回る増収が生じるとの論から新たに地方法人税が導入されました。
 都は、こうした二つの不合理な偏在是正措置により、平成二十年度から七年間、累計で既に一兆円を超える膨大な財源を国に奪われております。

○崎山委員 地方財政の困窮は、ある意味、国が招いたものであり、国がなすべきは地方間の財源の奪い合いである水平調整ではなく、地方全体の税財源の拡充にあります。しかし現状は、暫定措置として導入された地方法人特別税がいまだに廃止されていません。消費税引き上げという税制の抜本的改革が実施されたにもかかわらず廃止されていないのは約束違反であり、国の財源不足を都に求めることは理不尽で不合理といわざるを得ません。
 答弁にあったように、平成二十六年度には、新たに地方法人税が導入されました。住民の立場に立てば、制度的な矛盾もさることながら、この措置により、都民にとって具体的にどういったマイナスの影響があるのかという点がより重要です。とはいっても、地方法人税によって自分たちが損をしているということを知っている一般の都民はほとんど皆無といってもいいというふうに思っております。
 自省も込めて申し上げます。つい十日ほど前ですが、地元での私の四十人ほどの座談会で、こんな質問を投げかけました。地方法人税の不合理な偏在是正措置という言葉を知っている方、手を挙げてくださいというふうに問いかけたら、残念ながら手を挙げた方はゼロでした。その仕組みを話して、やっと同席した方は納得していただいたところでもあります。
 そこで、地方法人税は、税の原則に反するという問題点もさることながら、都民にとっても大変問題のある制度であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○岩瀬主計部長 そもそも今回の消費税の増税は、社会保障の充実と安定化を目的として行われたものでございます。ところが、平成二十七年度の税収規模を前提に試算いたしますと、都におきましては、消費増税による増収額が不合理な偏在是正措置である地方法人税の導入によって相殺されておりまして、社会保障の充実などに充てるための財源に穴があいている状況でございます。
 具体的には、消費税率を八%に引き上げた際の地方消費税の増収額が一千二百六十億円であるのに対しまして、地方法人税による減収額が一千二百八十億円となってございまして、都は、社会保障の充実等に必要な財源を実質的に他の財源から捻出しなくてはならない状況となってございます。
 都の社会保障関係経費は、今後、毎年平均約三百億円ずつ増加するという第三者推計もございまして、その他の財源による補填額がさらに拡大する可能性もございます。
 理事ご指摘のとおり、地方法人税は、税の原則に反するばかりか、納税者である都民の納得を到底得られるものではなく、拡大阻止はもとより、直ちに撤廃して地方税に復元すべき、このように考えてございます。

○崎山委員 地方法人税がこのまま続く限り、都民には消費税の負担をお願いしてもその還元がない、そればかりか、今後はそれを穴埋めする財源がさらに必要になることは必定です。ぜひ、最後までしっかり主張していくことを要望いたします。
 さて、先般の九月二十九日に行われた第三回定例会の代表質問では、我が党の宇田川幹事長がこの問題を取り上げ、知事には、将来に禍根を残すことのないよう、みずからの問題として強い覚悟を持って、この難局に向き合っていただきたい、まさに知事の政治姿勢が問われていると強く訴えました。
 そして、十月二日の財政委員会では、我が党の高木理事の質問に対し、財務局長から、知事を先頭に一丸となって全力でこの問題に当たる、この問題は都政の最重要課題であると明確に答弁がなされました。
 いうまでもなく、この問題の解決には制度論での矛盾を訴えるだけでなく、やはり政治的なアプローチが極めて重要になってきます。だからこそ、我が党は、政治の課題として、国の不合理な動きには物を申していく覚悟で、これまでも重ねて意見書を議決し、区市町村議会とも連携し、偏在是正措置の撤廃に向けて取り組んできました。知事にも、みずから汗をかくと議会の場で約束したことをしっかりと実行し、政治家として行動してもらいたいと思います。
 制度改正大綱の決着は、例年十二月上旬となっているようです。実質的には、十一月には大枠が決まる可能性もあると聞いています。残された時間は一カ月、この一カ月で勝負が決します。財務局や主税局だけでなく、他の局も含めて都庁全体が一丸となって、都民の利益を守る観点から、この問題にしっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 最後に、佳境を迎える来年度税制改正に向けて、不合理な偏在是正措置の問題に対する財務局長の所見をお伺いいたします。

○長谷川財務局長 都は、地方法人課税の不合理な偏在是正措置が、地方税の応益性の原則に反するのみならず、大都市としての膨大な東京都の財政需要を軽んじた不合理なものであることを繰り返し主張してまいりました。しかしながら、東京から財源を奪う国の動きはますます厳しくなってきておりまして、この措置が拡大されれば、都民から負託を受けた貴重な税金を年間五千八百億円という膨大な規模で失いかねないものでございまして、社会保障の充実など都民サービスにも影響を及ぼしかねないことから、大変な危機感を抱いております。
 ただいま理事にご指摘いただきましたとおりに、この問題が都と国との関係におきまして重要な政治課題であるということを踏まえまして、理論面、制度面で不合理な措置の問題点をしっかりと主張していくことはもとより、都政の最重要課題として全庁一丸となって取り組んでいくことが重要でございます。
 年末に向け、残された時間は限られておりますが、都議会の先生方や都選出の国会議員の皆様方のご協力をいただきながら、都内区市町村や他の自治体との連携も一層強化して、不合理な偏在是正措置の撤廃、新たな措置の導入阻止に向け、最後まで力を尽くしてまいります。

○崎山委員 これで最後にしますけれども、東京都へのさらなる偏在是正措置の導入阻止に当たっては、最後は政治決着しかないと私は考えています。あえてこの場で申し上げさせていただきますが、知事は、先月安倍総理とお会いになって、経済成長戦略を検討する協議機関を立ち上げることを合意したことが報道されていました。このことを否定するつもりはありません。ましてや、アリバイづくりの会談とは思いたくもありませんが、目前に迫った税制改正大綱策定まで議論するいとまはありません。そして、交渉事は、平場だけではなく、ありとあらゆる手段と人脈を使って水面下でかけ合うことが肝要です。結果として、都民にどんな見返りがあるかということも含めて、知事の政治センスに期待をして質問を終わります。

○ともとし委員 私の方からは、今、問題になっております基礎ぐいの工事についてです。工事担当者が電流計やセメントのデータを転用した、そういう事実に基づいて、今や国あるいは四十七都道府県、あるいはまた区市町村を挙げて、この問題で大変な状況になっているわけですが、たった一人の人がこういうような状況をやってしまったと。しかし、そのことによって、国を挙げて大変な、それこそ調査をしなければならないという出来事になっていると。何でそれを事前の段階できちっとやっていくことができなかったのかと。
 その原因と再発防止、その辺のことが今後我々に課せられた大事な問題になるんではないかというふうに思うんですが、例えば東京都の場合、まず基本的に、各局から財務局に対して一つの依頼があります。それに基づいて、どういう工程をもって、最後の検査終了しての引き取りというか、そこまでに至るのか、その過程をちょっと教えていただけますか。

○久保田建築保全部長 建築物の建設に際して、施工者は基礎工事から躯体、仕上げ工事等に至る工程管理や品質管理を行う一方で、設計者は、工事監理者として、設計意図の伝達や技術的確認を実施し、工事が設計図書に適合していることを確認しております。また、建築基準行政の立場で、建築主事等が現場での中間検査や完了検査を実施し、これらに合格した後に建築物を使用することとなります。
 都有施設を建設する場合には、これらの体制に加えまして、技術職員を監督員として任命をし、発注者として施工者及び工事監理者に対する監督業務を行ってございます。さらに、工事契約の履行状況を確認する都の専門検査員による検査の実施など、多重のチェック体制をとることにより、都有施設の品質管理を確実にしてございます。

○ともとし委員 具体的にいうと、この基礎ぐいについての検査等々は、どういうような状況になっていますか。

○久保田建築保全部長 例えば、コンクリート既製ぐいの場合、径などが同種の一群のくいの施工を開始する際には、都の監督員や工事監理者が現地立ち会いを行い、掘削長さの測定、機械の電流値の値や掘削で採取した土などにより、強固な地盤である支持層への到達状況について確認をしております。
 また、全てのくいを対象に、施工者や工事監理者が基準に基づいた施工管理を行っており、監督員は必要に応じ、中間時の立ち会いを行うとともに、これらの施工状況を記録した報告書や写真などに基づき、適正に施工されていることの確認を行ってございます。

○ともとし委員 だったら何でこの三つの問題が出てくるような状況になってしまったんですか。

○久保田建築保全部長 今回、改めてくい工事が全て完了した後に、施工者から提出される施工結果報告書をもとに、掘削が支持層に到達していることを示す複数の電流計データ相互での照合を行った結果、財務局が施工した大学と高校の二施設三件のくい工事でのデータの転用が発見されました。
 このことにつきましては、施工結果報告書の提出時には取りまとめられた多数のデータを確認いたしますが、相互に照合するものでないために、欠落したデータを取り繕うなどのために行う意図的な転用は見抜けなかったものと考えております。
 工事監理者は現場において、日々施工されるくい工事の立ち会いや、施工記録の確認などを行い、監督員につきましては、現場に赴いた際に、施工者から順次提出をされます施工状況報告書により、掘削時の電流計のデータの変化から、くいが支持層に到達していることを確認しております。

○ともとし委員 要するに、この三件も含めて、今後もあり得る、そういう内容の状況は、今のやり方であれば何ら変わらないという、そういうように聞こえますが、いかがですか。

○久保田建築保全部長 現在、国において、今回の事案の全容解明を図るとともに、再発防止対策の検討を進めているというふうに聞いてございます。
 都としては、今後、同様の事案が発生しないように、施工者に対しては、下請が行う工事を常に点検をいたしまして、工事の確実な実施や適正な施工記録の作成を指導し、工事監理者に対しましても、施工の立ち会いや施工記録の確認を一層徹底させることにつきまして注意喚起を行ってまいります。
 また、施工者や工事監理者に対しては、必要な場合に、まず、都の監督員に相談することなどにつきまして周知を徹底するとともに、みずからもこれまで以上に注意深く適正に監督業務を行ってまいります。

○ともとし委員 理屈的には、どういうようにでもいえるんではないかというふうに思うんですね。大事なのは、少なくても、それに携わる専門家、技術者というか、そういう人たちが、その問題に対して熟知している、何というか、みずからを技術的に向上させていく、そういうものが、やっぱりきちっとしていなきゃいけない。今の東京都の場合、技術屋さんが余りいないんですから、特に建築関係は。そこのところを充実させるということは、今後の都のそういういろんな建物等も含めた、あるいは土木も含めた形の中で、非常に大事な部分になってくるんではないかというふうに思っております。
 戻りますけれど、この基礎ぐいの現場監督というか、監理責任者というのは、例えば、構造物であれば一級建築士がいるとか二級建築士がいるとか、土木についても同様なものがあったりなんかするんですが、この基礎ぐいについてはどういう位置づけの人がそういう監理に当たっているんですか。

○久保田建築保全部長 東京都の発注する建設工事におけるくい工事につきましては、東京都建築工事標準仕様書に基づき、現場の責任者である施工管理技術者の指導のもとで施工をしてございます。施工管理技術者は、くいの施工等に係る指導及び品質管理を行う能力のある者となっており、くい施工中現場に常駐することとしております。また、その資格についてでございますが、例えば、既製コンクリートぐいにつきましては、既製ぐい施工管理技士、または同等の資格を有する者、場所打ちぐい、コンクリートぐいにつきましては、基礎施工士または同等の資格を有する者としておりまして、これらの資格については業界団体の認定によるものでございます。

○ともとし委員 そうすると、この財務局が管理するところの三つの案件については、いずれも業界で指定したその方が監理をしてたということでしょうか。

○久保田建築保全部長 ただいまお話にございましたように、例えば、既製コンクリートぐいについては、既製ぐい施工管理技術士というような方が施工をされているということを都の方で確認をしてございます。

○ともとし委員 だから業界団体が、少なくても認定したところのそういう監理者が、今回のこのような不祥事を起こしたということになってくると、業界団体全体の責任でもあるというふうに解釈ができるんですが、これは都としてはどう解釈してますか。

○久保田建築保全部長 現在、国におきまして、今回の事案の全容解明を図るとともに、再発防止対策の検討を進めていると聞いてございます。
 全体の全容解明がまだなされてございませんので、その業界団体における責任等につきましては、私どもとしては、まだはっきりとわかっていないというような状況でございます。

○ともとし委員 私がいっているのは、今この時間においても、東京都の至るところで、東京都が発注しているところの、財務局が管理しているところのそういう建築物が多数あるんじゃないですか。国が何かやってるから、団体が何かやってるから、都はその結果だけを待ちますと、これじゃどうにもなんないじゃないですか、どうなんですか。

○久保田建築保全部長 先ほどご答弁申しましたけれども、都といたしましては、このような事案が発生しないように、施工者に対しまして、下請が行う工事を常に点検して、工事の確実な実施などを指導いたします。また工事監理者に対しましても、施工時の立ち会い、施工記録の確認を一層徹底させることについて注意喚起を行ってまいります。
 また、さらに、現在施工中の現場での緊急点検を実施いたしまして、現場での記録の作成や工事の立ち会い検査が適正に実施されているかなどにつきまして確認をいたします。
 今後とも、工事監理の一層の適正化に努めてまいります。

○ともとし委員 今回の案件見てますと、販売会社だとか、あるいはまた要するに実質的に基礎ぐいをやったそういう会社だとかというのは、結構表に出てくるんですけれど、例えば、東京都というか、財務局が発注する、入札するその相手は、ほとんど元請業者じゃないんですか。もし仮に、この三つの案件もそうでしょうけれど、これからのこともそうですけれど、元請業者がしっかりさせなきゃいけないというふうに私は思うんです。この辺についてはいかがなんですか。

○久保田建築保全部長 元請会社は、工事請負契約に基づきまして、受注した建築工事全体の工程や品質の管理を適正に行わなければなりません。このため、旭化成建材株式会社によるくい工事を監理する立場にある元請会社にも、今回のように下請から提出された施工記録の作成や点検も含め、一定の管理責任があるものと認識をしてございます。
 くい工事における電流計データの転用が判明した工事につきましては、既に旭化成建材株式会社だけではなく、元請会社に対しましても、データ転用の経緯について説明を求めるとともに、安全性の検証や必要な対策を行うよう要請してございます。

○ともとし委員 言葉尻をつかまえて云々というわけじゃないんだけど、元請会社というのは、全般的に責任があるんでしょう、一定じゃないでしょう。その現場全ての、東京都から受注したところの、財務局から受注したところの現場の全てに対して管理監督というか、きちっとした一つのものにして、財務局にお渡しするという、そういう一部の部分じゃなくて、全般の部分についていうのが元請じゃないんですか。

○久保田建築保全部長 先ほどのご答弁にありましたように、下請から提出された施工記録の作成や点検、こういったことの責任につきましては十分ございますが、もちろんその工程全般の品質管理を適正に行わなければならないということでございますので、まだ全貌がはっきりしてございませんので、現段階では一定の管理責任があるというふうなことで、この旭化成建材の件につきましては、そういう答弁をさせていただきました。

○ともとし委員 全貌がわからないと、元請業者の責任なのか、そこの実際くい工事をやったところの責任なのかわからないというわけ。少なくても元請業者から基礎ぐいの会社の方に支払いはされているんじゃないんですか、東京都からくいの業者にじかに支払っているんですか。

○久保田建築保全部長 契約上は、東京都から元請会社への支払いになるということでございます。

○ともとし委員 契約上もへったくれもないですよ。都からそういうふうに支払いをするというふうになっているんだから、支払いをしているそこの会社の責任なんでしょう。間接的にはあるかもしれないけれど、直接的なものは全部元請業者なんです、違いますか。

○久保田建築保全部長 工事全般につきましては、元請会社との契約で管理を適正に行わなければならないということでの責任は十分ございます。
 今回の旭化成建材そのものが、まだ十分な私どもとの話し合い等々が行われてない段階で、全ての責任が元請会社にあるかどうかということについては、なかなか答弁できないということで、先ほどの答弁のとおりでございます。

○ともとし委員 いっている内容が、どうも役所というのはよくわからないんだけど、局長、どうなんですか、こういうのは。

○長谷川財務局長 やはり元請が全体の施工管理全てに対して責任を有しているということは、まさに先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、この事象をきちんと解明をして、今後の再発防止などにつなげるという意味合いも含めて、今建築保全部長が申し上げたような考えを持っているということでございます。

○ともとし委員 今局長がご答弁されたことよくわかるんですけれど、要するに、東京都から直接物事をいっていくのはやっぱり元請会社なんですよ。その元請会社が、現場で、東京都の役人が行って、このくいの打ち方はどうなんだろうかとか、いろんなことを指摘したことを、さらに現場でも注意するかもしれないけど、元請がまたそれこそそういう会社に対して厳重注意もしたり何かするわけですよ。これいいですよと、東京都からじかに、じゃ、その下請会社の方に物事をいいますからと、元請会社は責任とらなくてもいいですよと、そういうニュアンスの発言したら、元請会社も責任なんてとらないですよ。どんどんどんどん直接的に、下請のそういう業者に対して、積極的に都がかかわり合いを持ってください、そうなってしまいますよ。
 そういう心配もあるから元請会社に対してもきちっというべきことはいっていく、注意すべきことは注意していく、それに基づいて、元請会社が各下請会社に対して、それなりのことをきちっと、いろいろな現場の中で注意を喚起していくという、そういう環境がつくられてくるんじゃないかというふうに思うんですよね。
 東京都も、二十三区を初め、各市町村も抱えております。そういったところでも今回の問題は同じようになってきているわけですけれど、そういったところとの連携はどうなってますか。

○久保田建築保全部長 財務局では、今回の一連の事案につきまして、関係局や区市等とで構成をいたします東京都建築協議会などを通じて、都の調査を依頼した各局だけではなく、区市等に対しまして都の調査の実施、それから、具体的なくいの施工状況の確認方法などにつきまして情報提供を行ってまいりました。
 今後は、再発防止に向けて、同様に各局や区市等に対しまして、施工者や工事監理者の施工管理の徹底や施工中の現場における緊急点検などの実施につきましても情報提供してまいります。
 また、国による再発防止対策の検討状況を注視いたしながら、建築協議会などを活用しまして、再発防止対策を検討し、公共施設全体での信頼維持に向けて取り組んでまいります。

○ともとし委員 余り時間、長くやるとまずいでしょうから、最後にしたいとは思っておりますが。東京都は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを控えて、今相当数の大規模な工事を発注していくようになっております。そのときに、こういうような、もし基礎の段階からおかしなそういう状況になってくれば、場所は、今度は競技場ですから、数万人というそういう人たちがいる、そういう場所ではないか、競技場ではないかというふうに思います。
 日本ではそんなことはありませんけれど、世界の中には、競技をやっている最中に観客席が潰れていくという、そういう姿もありました。多数の死傷者が出る、そんなこともあるわけです。ですから、このオリンピック・パラリンピックのそういう競技場を含めた、あるいはまた関連施設をも含めた、あるいは都民が使うところのそういう施設全てに対して、東京都を初め区市町村のそういう自治体における、そういったところにまで注意喚起をして、もう一回信頼を回復するような、そういう方向性にすべきだということを要望して終わります。

○大山委員 私からは、今の、横浜のマンション傾斜問題をめぐって、東京都の公共工事のより安全な対策をということと、そしてもう一つは、都有地の活用、二つの点で質疑したいと思います。
 まず、くいの問題ですけれども、今も質疑ありましたが、横浜のマンションが傾いて、くい打ち工事でデータの不正があったことをきっかけに、日本の建築の安全性、信頼性が根底から問われるという事態になっています。
 とりわけ、くいという土台であり基礎ですから、一番大事な部分です。この事態を重く受けとめて、どうしたら再発を防ぐことができるのか考えていかなければならないと実感しています。
 横浜のマンションのくい打ち工事でデータの不正があり、その後、北海道の道営住宅のくい打ち工事のデータも不正があったことがわかりました。都有施設の調査は財務局が行っていますけれども、既に首都大学東京、都立狛江高校で施工時の電流計のデータ転用があったと報告がありました。
 現在、どのような調査をどのような予定で行っているんでしょうか。また、その結果は明らかにするべきですけれども、どうですか。

○久保田建築保全部長 財務局では、各局と連携をしながら、都有施設三十一件の工事につきまして、設計図書やくい工事の施工記録を技術職員によって詳細に点検し、旭化成建材株式会社へのヒアリングとあわせて、明らかなデータの転用の有無や、くいの確実な施工などについて確認をしてございます。
 具体的には、支持層の状況、くいの種類や長さ、本数のほか、支持層へ到達したことを示す電流計の値、セメントの量や強度、施工状況写真などを点検するとともに、現地において建物の傾斜や外壁のひび割れなどのないことも確認をしてございます。
 財務局の調査では、先ほどお話がございました首都大学東京及び都立狛江高等学校の二施設三件の工事におきまして、電流計データの一部転用が行われていることが判明しましたが、当該くいにつきましては正しく施工され、支持層に到達し、建物傾斜等もないことから、建物を継続して使用することは問題ないと判断したところでございます。
 既に、データの転用が明らかになったものにつきましては公表してございますが、引き続き各局の調査が終了次第、財務局が取りまとめを行いまして、施設ごとの利用形態や周辺住民など、関係者への影響を考慮の上、速やかに施設名とともに公表してまいります。

○大山委員 現在、都有施設三十一件について確認中ということですね。都営住宅でも二棟で十九本のくいのセメント注入のデータの転用があったことが確認されたことが、十一月二日、報告されました。くいが支持層まで入ったかどうかの電流計のデータの転用だけではないということですね。一定額以上の東京都の契約は、財務局が契約して、契約書や仕様書どおりに履行されていることを財務局は確認することが重要な仕事なわけです。とりわけ、くい打ちなどは、基本的な部分で非常に大事な部分であるとともに、建ててしまえば見えなくなってしまうだけに工事中にチェックすることが重要です。
 財務局の技術職が、現場の監督員として現場に行っているとのことですけれども、一つの現場に監督員として毎日行く体制というのがあるんでしょうか。

○久保田建築保全部長 例えば、コンクリート既製ぐいの施工に当たりまして、施工者は全てのくいを対象に工事監理者の立ち会いのもとで基準に基づいた施工管理を行ってございます。
 都の監督員は、径などが同種の一群のくい工事を開始する際に、現場立ち会いを行いまして、掘削機械の電流計の値や掘削で採取した土などにより、強固な地盤である支持層への到達状況について確認をしております。
 さらに監督員は、必要に応じて、くい工事の中間時に立ち会うとともに、順次提出がございます施工状況の報告書などに基づき、適正に施工されていることを確認しております。
 このように、施工者と工事監理者、監督員がそれぞれの役割分担で適正な工事の品質管理を行ってございます。

○大山委員 施工者であるゼネコンに対して、施工のチェックをする立場の人としては、都が委託する工事監理者、そして東京都の財務局の技術職である監督員がいると。工事監理者は毎日現場に行ってチェックしているから、東京都の監督員は毎日行けないけれど大丈夫なんですと、こういうわけですね。しかし、大丈夫ではなかったと。せめて、くい打ちに関しては、くい打ちを全て終わってからとかではなくて、その日のうちにくい打ちした分は、その日のうちにチェックすることが求められていますけれども、どうですか。

○久保田建築保全部長 都有施設におけるくい工事につきましては、先ほどお答えしたとおり、全てのくいを対象に、施工者、工事監理者及び監督員が、監督基準を含め都の定めるさまざまな技術基準に基づきまして、施工管理や品質管理を行ってございます。
 工事監理者は、現場において日々施工されるくい工事の立ち会いや施工記録の確認などを行い、必要に応じて監督員へ速やかな報告を行うこととしてございます。都の監督員は、同種のくいの施工を開始する際のほかに、工事規模などに応じた頻度で立ち会うほか、必要に応じて現場に赴き、施工状況報告書や工事写真などに基づき、適正にくい工事が施工されていること確認してございます。
 都といたしましては、施工者に対しては、下請が行う工事を常に点検をいたしまして、工事の確実な実施や適正な施工記録の作成を指導いたしまして、工事監理者に対しても、施工の立ち会いや施工記録の確認を一層徹底させることにつきまして注意喚起を行ってまいります。

○大山委員 そんなことおっしゃいますけれども、大丈夫なんだっていいますけれども、今回、旭化成建材株式会社からのデータ提供によって調査したら、十一月二日現在で、新たに首都大学東京と狛江高校で施工時の電流計のデータに転用が確認されたことが報告されました。都営住宅でも、さっき申し上げましたけれども、くいのセメント注入のデータの転用が明らかになっているわけです。
 全てのくいを対象に、施工者、工事監理者及び監督員が、監督基準を含めさまざまな技術的基準に基づき施工管理や品質管理を行っているんだとおっしゃるわけですね。工事監理者は、現場において、日々施工されるくい工事の立ち会いや施工記録の確認等を行い、必要に応じて監督員へ速やかな報告を行うこととしていると、こうおっしゃるわけですね。都の監督員は、同種のくいの施工を開始する際のほかに、工事写真等に基づき、適正にくい工事が施工されることを確認している、だから大丈夫なんですというわけですけれども、それなら、施工したときにわからなかったのはなぜなんでしょうか。

○久保田建築保全部長 今回改めて、くい工事が全て完了した後に、施工者から提出される施工結果報告書をもとに、掘削が支持層に到達していることを示す複数の電流計データ相互での照合を行った結果、首都大学と高校の二施設三件のくい工事でデータの転用が発見されました。このことにつきましては、施工結果報告書の提出時には、取りまとめられました多数のデータを確認いたしますけれども、相互に照合するというものでないことから、欠落したデータを取り繕うなどのために行う意図的な転用が見抜けなかったものと考えてございます。
 先ほど申しましたように、工事監理者は、現場において、日々施工されるくい工事の立ち会いや施工記録の確認などを行いますし、監督員につきましても、現場に赴いた際に、施工者から順次提出をされます施工状況報告書により、掘削時の電流計データの変化からくいが支持層に到達していることを確認しているところでございます。

○大山委員 確認している、大丈夫なんだといっても、事実としては明らかになっているんですよね。施工結果報告書は、結果の報告ですから多くのデータがあると今おっしゃいましたが、施工状況報告書は、その日の施工状況がわかるわけですね。今答弁されたように、施工結果報告書の提出時には、多数のデータが取りまとめられることを確認する、だから大変ですよね。私がいいたいのは、くいという建物の基礎になるものだから、一本一本を管理することが基本なんじゃないんですかということなんです。
 専門家にも伺いました。くいは、一本一本、データがくいを打ち終わると同時に出されるから、それを直ちにチェックすることで、今回のような事故は防げると、その方はおっしゃっていました。そうすれば、さっき答弁された欠落したデータを取り繕うなどのために行う意図的な転用などはできないんじゃないんでしょうか。きちんと一本ずつ出てきたものを確認する、出てきたものを確認するということをすれば取り繕うことなどはできないわけですよ。後から、今やってるように、十年間もさかのぼって確認照合するなんてことは、一本一本やっておけば、データ出たたびにやっておけばやらなくて済むんじゃないんでしょうか。ずっと効率的なんじゃないんでしょうかと思うわけですから、ぜひ検討していただきたいと思います。
 ところで、マンションなどの建設だと、建物が建つ前から販売しているので、工期がおくれたりすると大変だからと、プレッシャーがあるなどともいわれていますが、東京都の公共工事のくい打ちで支持層まで達しないということがわかったら、設計変更もして、くいを十分なところまで入れなければならないわけですね。くいの追加だとか、加えることもしなければならないわけですが、新たにかかる費用は、ちゃんと補償されているんでしょうか。工期がおくれることについては、どう対応しているんでしょうか。

○久保田建築保全部長 都有施設の建設に際しては、設計に着手する前に、強固な地盤である支持層などを確認するボーリング調査を実施し、この調査結果に基づき設計を行っているため、通常は、設計で設定した深さで支持層に到達しております。仮に、実際の地層の状況により、一部のくいにおいて支持層が当初の設定よりも深かった場合など、設計時に想定できなかった状況が発生した場合には、設計変更につきまして、施工者や工事監理者と協議を行い、工事金額の増加や工事期間の延伸につきましては、都の定める基準にのっとり変更を行うこととしてございます。

○大山委員 東京都が定める基準があるから、きちんとそれに基づいて対応するんですと、だから大丈夫ですということですね。それにしても、調査が進むにつれて、この問題が、単に特定の企業、特定のマンションにかかわる問題ではないということも指摘されています。当面は、旭化成建材株式会社が施工したところを優先して調査するんでしょうけれども、ほかの都有施設についても調査する必要があるんじゃないんでしょうか。

○久保田建築保全部長 現在、国におきまして、今回の事案の全容解明を図るとともに、再発防止対策の検討を進めていると聞いてございます。
 都におきましても、旭化成建材株式会社が関与した工事についての安全性の検証等を進めているところでございまして、調査対象の拡大については、国の動向などを注視し、適切に対応してまいります。

○大山委員 適切にということですけれども、建物は、安全であるということが当たり前と思っていたことが覆されるという状況になっています。
 東京都の公共施設の安全は、丸ごと都の責任ですから、監督する責任は大きいわけですね。建築保全部の監督官となる土木、建築、機械、それから電気の職種別の定員と現員の十年間の人員の推移の資料をいただきましたが、総定数抑制の方針からでしょうか、平成二十五年度まではほとんど定数はふえていないという状況です。二十六年度に、オリ・パラの都有施設を整備するということで技術職定数が少しふえていますけれども、これで足りるのかということもわからないわけですね。安全な建築物にするためにも、必要なところにはきちんと人をつけるということも要望して、この件はおしまいにします。
 もう一つは、都有地活用についてです。
 この間、都有地活用については、代表質問や予算特別委員会でも、何度も取り上げてまいりました。昨年七月、福祉インフラに積極的に提供することが全庁的に確認され、貸与の額も平米単価三十四万円まではこれまでどおり半額ですけれども、それを超えた額は九割減額となったことも私たちは評価しています。東京都が、保育園や特養ホームや障害者の施設をつくることを応援しますという大きなメッセージになっています。認可保育園が昨年度百六十五カ所整備されたということは、東京都が本気ですという姿勢を示したことが大きな力になっていると思います。
 きょうは、さらに積極的に進める立場で質疑したいと思います。
 一つは、区市町村への情報提供です。都有地活用についての情報提供は、例えば、建物が建っているところだと、その局が除却して更地になってから財務局に移されて、普通財産となってから庁内各局が使いたいかどうかの照会が始まります。庁内で使うところがなければ、その後、福祉インフラでも、区市町村に照会するという手順ですね。これは時間がもったいないわけです。原局が普通財産とする意思を持った時点で動き始めるべきではないんでしょうか。

○中村財産運用部長 施設の用途を廃止し、土地を活用するためには、建物の解体工事の実施や、場合によっては、土壌汚染対策などが必要となり、それらの見通しがない中では、いつから土地を使えるようになるか確定できません。その段階で各局へ照会いたしましても、事業を着実に実施することができずに混乱を招くおそれがあり、土地の利用可能時期が明らかになった時点で照会を行うこととしております。
 一方、事業所管局から区市町村への情報提供は、昨年七月に公表した福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの検討結果を踏まえまして、今年度から区市町村の予算編成に間に合うよう早期に行われております。その際、個別の土地の状況や貸付時期の目安を示すなど、区市町村が都有地の活用をしやすいよう改善もなされております。
 なお、施設の用途を廃止する前でありましても、さまざまな地域の都有地の状況につきましては、区市町村と日常的に情報交換を行っております。

○大山委員 確かに、解体するときにアスベストが発見されたり、土壌汚染などもわかったりする場合もあるので、いつから使えるといっていても、変更せざるを得なくなったりということも、ないとはいえません。しかし、地元の自治体も、土地を借りるとかというのはかなり大きな財政的な負担もあるわけですから、さまざまな検討が必要ですし、一年後には使えるという見通しがあれば、基本設計などもその間にできるということですから、更地であけておく時間がなるべく短くなるよう、情報交換をしていただきたいと思っています。施設の用途廃止の前でも、区市町村と、さっきも日常的に情報交換しているとおっしゃいましたけれども、具体的にはどういう情報交換をしていらっしゃるんでしょうか。

○中村財産運用部長 区市町村のさまざまな部署から、各局や財務局へ日常的に都有地の状況についての照会はございます。財務局におきましても、照会があれば、可能な範囲でその土地の状況やその後の利用計画等について情報提供を行っているところでございます。

○大山委員 区市町村が、この土地どうなっていますかと聞けば答えるということですよね。なるべく具体的に、丁寧に情報提供をしていただきたいと思います。
 財務局所管普通財産の活用実績ということで一覧表をいただきました。この資料4というところですね。有償貸付の件数が、昨年度は百七十九件、二十五年度は百九十七件、その前は百九十五件などと、件数としては多いんですけれども、これらはどのような有償貸付で、福祉インフラなどに活用することは可能なのでしょうか、可能なところなんでしょうか。

○中村財産運用部長 有償貸付の中には、地元からの要望や、都における将来の土地利用計画を踏まえました定期借地による貸し付けや、公共工事の資材置き場、駐車場等の用途での短期間の貸し付けなど、さまざまなものがございます。
 そのような土地の中で、貸付契約の終了時期が明らかになっているものにつきましては、その後の利用計画を含めまして調査、把握しつつ、福祉インフラ整備に活用可能な土地につきましては、情報提供を行っているところでございます。

○大山委員 一時貸付だったら、一年間が貸付期間で更新一回ということもあるわけですね。貸付期間が終了すれば、使える可能性があるということですね。積極的に区市町村に情報提供していただきたいと思います。
 普通財産の、さっきの資料4のところで、この平成二十三年度のところを見ていただきますと、所管がえの件数が二十五件、そのうち福祉インフラで使ったのは十件ということですね。これ、ほかの年から比べても、断然多くなっているわけですけれども、二十二年度が、福祉インフラでの都有地活用の情報提供を積極的にやり始めた年度なんですね。ですから、やはり、いかに情報提供が重要なのかということではないでしょうか。
 都有地活用で重要なもう一つは、貸付料なんです。平米単価三十四万円までは半額で、それ以上が九割引としたことは重要な前進です。しかし、まだまだ大きな負担で、公示地価は二年連続で上がっていますから、負担はさらに大きくなっています。減額の制度をさらに拡充することが必要ですけれども、どうでしょうか。

○中村財産運用部長 都には、地価が他県に比べて著しく高い地域がございまして、これらの地域では、福祉施設の整備が進めにくい状況であるため、昨年七月に公表いたしました福祉インフラ整備のための土地活用方策の取りまとめにおきまして、都有地の貸付料について、それまで行っていた五割減額に加えまして、地価が高い地域ではさらに減額率を高めることで、近隣三県の平均地価を下回る水準になるよう見直しを図ったところでございます。これをもとに、事業所管局において、昨年度実施要綱を改正し、着実な実施を図っていると聞いております。

○大山委員 もちろん、減額したことは重要なんです。具体的に、借地料がどれぐらいになるかということなんですけれども、東京都行政財産使用料条例の第二条の一には、土地の適正な価格に千分の二・五を乗じて得た額となっていて、これは月額ですから、年額だと三%だと。この条例を準用してみますと、大ざっぱに平米単価百万円だと年間一平米借りるのに七千二百円です。
 公示地価の一覧表を見て、私の地元新宿区でも、どれぐらいかというと、住宅の中ででも、例えば、市谷砂土原町というのは、住宅の中なんですけど、平米単価百十二万円ですよ。それから神楽坂三の一というのも、路地の方に面しているんですけれども、これも百万円です。ですから、住宅地の中でも平米単価が百万円を超す土地というのは結構あるわけなんですね。
 平米単価の、一平米当たりの借地料七千二百円ということは、例えば、千平米借りようと、認可保育園をつくるのに千平米だったら園庭もあるし、それで、借りようと思ったら、年間の借地料は七百二十万円ということなんですね。東京の子供たち、高齢者、障害者のために使うわけですから、最大限、東京は頑張るというところを示していただきたいわけです。
 私たちだけがいってるわけじゃないんですね。区長会の来年度予算要望では、保育施設や高齢者、障害者施設などの福祉施設、また災害時の備蓄場所などに活用を希望する場合は、無償貸付を行うなど積極的な提供を求めています。待機児解消、特養ホームの待機者解消を進める上でも、この要望に応えることが重要ですけれども、どうですか。

○中村財産運用部長 都有地は、都民からの負託を受けた貴重な共有財産でございますから、その貸し付けに当たりましては、適正な対価を受けることが原則であります。
 区市町村は、福祉や防災を初めとして、地域行政の中心となる責任と役割を担っており、都は、区市町村との役割分担のもと、適切にその支援を行っております。
 なお、特に不足しております福祉施設整備に当たりましては、その緊急性や重要性に鑑みまして、区市町村のみならず、民間事業者が整備する場合であっても貸付料を減額し、その負担軽減を図っているところでございます。

○大山委員 適正な対価を受けることが原則なんだといいますけれども、原則なんですよね。必要なときには無償にすることができるとなっています。保育園の待機児を四年間でゼロにする、特養ホームを十年後には六万人にするという目標を実現するために--また、障害者のグループホームも圧倒的に足りません。重症心身障害者を含めて、どこで暮らすのか、急がれている課題です。
 財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例では、特に必要と認められるときは無償にできるのですから、政策的に無償にすることは可能です。都有地のある自治体とない自治体があるじゃないか、不公平じゃないかなどともいわれますけれども、だからこそ、その都有地活用だけじゃなくて、定期借地の一時金の補助だとか、借地料の補助を出すことにしたわけですよね。都有地の減額、国有地、民有地を借地するときの補助等も、どちらもさらに拡充することを求めて終わります。

○酒井委員 それでは、私からは、大きく分けて二点について質問させていただきます。
 まず、契約について質問をさせていただきます。具体的には、印刷物製作等の請負並びに業務委託契約についてお伺いをいたします。
 これらの契約については、私自身、過去この財政委員会でも何度となく質問をさせていただき、また本日も他の委員からも質問が行われておりました。特に、印刷物に関しては、物品の購入扱いであったものが請負契約と位置づけられ、デザイン等により、そのできばえが大きく異なる印刷物の実態に合った契約に変わったことは、大いに評価ができるものであると思います。
 しかしながら、請負契約とされたにもかかわらず、ビルメンテナンスなど業務委託契約と同じく、この印刷物等に関しては、一部八千円未満の案件に関しては最低制限価格制度の導入には至っていない状況にあり、既製品の購入などと変わりなく、過剰なダンピングを許す制度が温存をされていると思います。
 現実問題として、一部八千円以上の印刷物の発注はほとんどない状況において、最低制限価格制度はもとより低入札価格調査制度もない状況の中では、中小企業が多い印刷産業において、ビルメンテナンス同様に経営への圧迫や、そこで働く労働者へのしわ寄せなどが懸念されると思います。
 そこでまず、印刷の請負契約などにおいて最低制限価格制度を導入していないことによる懸念に対し、現状をどのように認識をしているのか、また、今後どのように入札契約制度を改善していくお考えなのか、確認をさせていただきます。

○松永契約調整担当部長 公共工事に関し、昨年改正された品確法において、現在及び将来の担い手の中長期的な育成、確保が新たな目的として明確化されました。品質の確保や労働環境の改善などを通じた担い手の育成、確保は、工事に限らず印刷などの請負契約においても変わらず重要であると考えております。
 今後、改正品確法の趣旨の実現に向け、契約の適正な履行やサービスの質の確保を図るため、総合評価制度の改善を初めまして、業種や営業種目ごとの業務の特性や品質確保に必要な経費の精査、都民サービスにかかわる効果などを検証した上で、最低制限価格制度などについても具体的な検討をしてまいります。

○酒井委員 ただいまのご答弁によりますと、先ほども答えられておりましたけれども、これらの請負契約に関して、最低制限価格制度などの導入についても具体的に検討をしていただけるということですので、その導入に向けた大きな一歩が踏み出されるのではないかというふうに期待をしております。ぜひともこの点については、具体的な検討を早急にしていただいて、実現に向けてぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 次に、都は現在、総合評価方式といったものを試行しておりますけれども、その実績と取り組み状況、そして今後の方針についてお伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 都における業務委託等の総合評価方式は、平成二十一年度以降、試行として段階的に導入してきておりまして、財務局契約におきましては、平成二十七年四月一日時点で二十一件の導入実績がございます。導入した案件の主な業種は、建物の設備保守、警備受付、病院給食、印刷などでございます。
 現在、例えば、大規模な建物の管理など、価格に加え安全対策などの技術面の評価を行うことで、安全・安心な都民サービスにつながることが期待できる案件につきましては、積極的に総合評価方式を導入するよう職員向けの手引を作成し、各局に周知などを行っております。
 今後も引き続き、業務委託等の品質向上を図るため、総合評価方式の活用を各局に促してまいります。

○酒井委員 ただいまのご答弁によりますと、ことしの四月一日時点で二十一件の導入実績ということで、多いんだか少ないんだか、よく評価が分かれるところであろうかと思いますけれども、今後の方針としては、この総合評価方式の活用を各局に促していっていただけるということですので、これが拡大をしていくものと捉えさせていただきますが、この総合評価方式においては、都の政策目的に沿った取り組みや技術革新などを進める企業努力を評価ポイントとして取り入れていくことが重要であります。
 印刷関係においては、平成二十五年三月策定の環境省プレミアム基準策定ガイドラインの設定において考慮すべき事項に挙げられているグリーンプリンティング認定をことしの四月より取り入れておりますけれども、このほかにも、労働環境の整備や環境対策など、企業努力に報いる対応もさらに求められると考えるところです。
 そこで、評価項目の追加を含め、今後どのように評価を行っていくのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 総合評価方式においては、基本的評価項目といたしまして、個々の業務の履行に必要な従事者の資格、経験、執行体制、研修体制を評価項目として設定するとともに、公共調達のプロセスにおいて都の政策目的をサポートすることも重要であるとの考えから、政策的評価項目といたしまして、環境負荷の低減、障害者雇用、女性の活躍推進などにかかわる取り組みを評価項目として設定しております。
 今後も、各局の施策の普及促進につながる事業者の取り組みなどを政策的評価項目として積極的に取り入れてまいります。

○酒井委員 ただいまご答弁をいただいたように、今後、各局の政策の普及促進につながる事業者の取り組みを、政策項目として積極的に取り入れていっていただけるということで、私どもはかねてから、最終的には公契約のあり方についてお考えをいただきたいと思っているわけですけれども、その前段としては、いかに雇用者、労働者の権利を守り、あるいは環境、施策等々についても、その事業者といったもののサポートを東京都としてしていけるのかというところについて、ぜひ意を用いていただきたいというふうに思っております。
 とりあえず、過渡的なこととしても、この総合評価方式といったものを積極的に活用されて、環境そして障害者雇用、女性、あるいは労働者の労働条件等々に、しっかりとそれが守られるような対策を講じていけるように、今後とも、ぜひとも取り組みを進めていきたいというふうにお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、都有施設における建築工事の品質確保についてお伺いをいたします。
 先ほど来、同様の質問が出ておりまして、みんな考えることは同じなんだというふうな思いがありますので、大分、多分答弁的には重なってしまうと思いますけれども、確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。
 都有施設における建築工事の品質確認、品質確保については、現在、旭化成建材が施工したくい工事の改ざん、ふぐあいなどが問題になっております。都も、都内の物件について速やかな対応を促すとともに、都有施設においても、同社が施工した施設が三十一件もあるということが先ほど来、話の中に出ておりますけれども、その確認に当たっているとのことでございます。
 旭化成建材の施工物件については、速やかな対応を求めるものでありますけれども、今回の事例は一企業の問題にとどまるのか、都有施設における他の建設会社の建設工事においても同様な事例がないのか、これは当然、不安が広がるものと思います。
 そこで、何点か確認をさせていただきますが、現在の都有施設の建設工事における品質管理において、くい工事のみならず、いわゆる手抜き工事が行われていないか検査をする仕組みといったものは整っているのか、検査体制について改めてご確認をさせていただきたいと思います。

○久保田建築保全部長 建築物の建設に際して、施工者が基礎工事から躯体、仕上げ工事等に至る工程管理や品質管理を行う一方で、設計者は、工事監理者として、設計意図の伝達や技術的確認を実施し、工事が設計図書に適合していることを確認しているところでございます。また、建築基準行政の立場で、建築主事等が現場での中間検査や完了検査を実施し、これらに合格した後、建築物を使用することになります。
 都有施設を建設する場合には、これらの体制に加えて、発注者として都の監督員が現場へ赴き、監督業務を行い、特にくいの支持層への確認や鉄筋の組み立て、コンクリートの打設など工程上重要な部分の施工におきまして、みずから検査や立ち会いなどを実施することとしてございます。さらに、工事契約の履行状況を確認する都の専門検査員による中間時や完了時の検査など、多重のチェック体制をとることによりまして、都有施設の品質管理を確実にしているところでございます。

○酒井委員 ただいまのご答弁によりますと、都においては、定期的に現場における他のセクションの担当者による検査も、多重チェックという体制で検査をしているということで、一般的にはかなり厳しいチェック体制を構築しているんだろうというふうなことは理解をいたしました。
 しかしながら、善意によるミスは、こういった検査で防げる可能性は高いものの、このたびの旭化成建材株式会社による案件のように、悪意を持ってデータの改ざんや、あるいは流用、転用といったことが行われた場合には、都の検査体制によっても見逃してしまう可能性があるのではないかと思います。現に見過ごしてしまったということでもありますので、それゆえ、今回もこの再確認を強いられていることになっているわけです。
 そこで、今回の旭化成建材のかかわる案件も含めて、問題が発生したときの確認は、どういった手順、方法によって行われるのか、確認のためお伺いをさせていただきます。

○久保田建築保全部長 通常、設計図書や問題箇所の施工記録を点検するとともに、工事関係者へのヒアリングなどを行います。今回の案件につきましては、財務局では、各局と連携をいたしまして、都有施設三十一件の工事につきまして、設計図書やくい工事の施工記録を技術職員が詳細に点検をし、旭化成建材株式会社へのヒアリングとあわせて明らかなデータの転用の有無やくいの確実な施工などについて確認をしておるところでございます。
 具体的には、支持層の状況、くいの種類や長さ、本数のほか、支持層へ到達したことを示す電流計の値、セメントの量や強度、施工状況写真などを点検するとともに、現地において建物の傾斜や外壁のひび割れなどのないことも確認しているところでございます。

○酒井委員 ただいま、その確認の仕方についてお伺いをしたわけですけれども、今回、この財務局の調査によって、財務局施工分で二施設三件の工事でくいデータの転用が発見をされたということでございます。
 こういった事態が発生をすると、過去の姉歯事件のように、当面、新規の建築工事に関しては、業者もかなり注意をして施工するようになると思いますけれども、しかし、チェックをする側の都の検査体制も、当然、今後、見直していく必要が生じるのではないかと思います。
 今回のこのデータ転用の理由といったもの、これはもともと支持層に到達をしていないものを取り繕うというのであれば、理由は何となくわかるわけですけれども、なぜ転用をしたのかというその理由自体は、これは当人に聞いてみないとなかなかわからないことだと思います。都としてはこういった転用が起こってしまったことに関してどう推察をして、今後、転用等を防ぐため、どのような方策を現時点では考えているのか、お伺いをいたします。

○久保田建築保全部長 都といたしましては、今後同様の事案が発生しないように、施工者に対しては下請が行う工事を常に点検し、工事の確実な実施や適正な施工記録の作成を指導いたしますし、工事監理者に対しましても、施工の立ち会いや施工記録の確認を一層徹底させることについて注意喚起を行ってまいります。また、施工者、工事監理者に対して、必要な場合には、まず都の監督員に相談することなどについて周知を徹底するとともに、みずからもこれまで以上に注意深く適正に監督業務を行ってまいります。

○酒井委員 ただいまの答弁によりますと、このデータの転用の対策については、当然、今後チェック体制等々を厳しくしていくということがあるわけですけれども、また、その一方で、不測の事態が発生をしたときには、都に相談をしやすい、そういった対応を促していくということでもあろうかと思います。
 今回のこのくい工事の件については、当然のことですけれども工期の遵守が求められていたということとあわせて、追加工事が発生をした場合においては、その負担を下請業者等に押しつけられる傾向があるというようなことが報道をされております。
 都の工事においては、現在、物価スライド条項といったものも導入をされておりますけれども、追加工事等が発生をした場合もこういった条項によって対応できるのではないかと考えますが、都として、当初、設計段階には想定ができなかった状況が発生をしたときに、工事費の追加など柔軟な対応をしているのか改めて確認をさせていただきます。

○久保田建築保全部長 工事の施工段階におきまして、例えば、地中障害物など設計当初に想定できなかった状況が発生した場合には、適切に施工できますよう監督員と施工者、工事監理者が協議をし、設計内容の変更を行うこととしております。その際に必要となります工事金額の増加や工事期間の延伸などにつきましては、都の定める基準にのっとり変更を行っております。また、工事契約後に人件費や工事資材の高騰などが生じた場合には、インフレスライド条項を適用し、工事金額の変更を行うこととしております。

○酒井委員 ただいまご答弁をいただきましたけれども、こういった下請の業者が隠蔽、あるいはこういった転用といったことをしないようなシステムを構築していく上では、当然、厳しいチェック体制といったものを都側でも構築をしていくのと同時に、状況の変化に対応するための柔軟性をあわせ持つ必要もあると考えます。
 当然、青天井で幾らでも予算を追加するというわけにはいきませんけれども、元請あるいは下請とともに、都施設の建設に当たっては、将来への不安といったものを残さない施工をしていく観点からも、相談や、あるいは申し出といったものがしやすい環境にも、ぜひとも腐心をしていただきたいというふうに思っております。
 今回のこのくい工事の案件に関しては、先ほど来、元請の業者の問題、下請の業者の問題等出ておりますけれども、この東京都の立場といったものを今回の工事で当てはめてみると、特定の企業名を出して恐縮ではございますけれども、三井不動産であったり、三井不動産レジデンシャルというところが東京都の立場なんですね。東京都が発注をして--これは、都民の皆さんが利用する施設を東京都が発注をして、それを提供していると。そのお金は都民の皆さんの税金から充てているということですから、報道等では、当然、この販売者側もいろいろと非難をされているわけですけれども、東京都としては、都民の皆さんが安心をして都有施設を利用ができるように、今起こってしまっている事件への対応は当然のことですけれども、今後同じような事件が発生をしないようなチェック体制といったもの、また制度といったものをぜひとも構築をしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 以上です。

○山内委員 私からは、まず、都財政運営についてお伺いしたいと思います。
 今回の年次財務報告書においては、これまでの都財政の歴史をひもときながら景気変動の影響を受けやすい都財政の構造的特性や安定的な財政運営において、基金が果たす役割の重要性が説かれております。社会保障や保育サービスを初め、今後、財政需要がふえてくることが確実になる中、都財政を支える都税収入は不安定に増減を繰り返しております。そのような中、将来の備えである基金について質疑をしていきたいと思います。
 まず、二〇一四年度決算の基金全体の状況についてお伺いいたします。

○岩瀬主計部長 基金の状況についてでございますが、平成二十六年度末時点の基金残高は、前年度末と比べて七・六%、二千二百二十三億円増の三兆一千三百八十三億円となりました。そのうち、年度間の財源調整の役割を持つ財政調整基金や社会資本ストックの整備等に対応するための社会資本等整備基金など、いわゆる財源として活用可能な基金の残高は一兆八百七十九億円を確保してございます。
 このほか、使途が限定されている基金として、都債償還等の財源確保を目的とした減債基金の残高が一兆三千三百三十二億円、そのほか、オリンピック・パラリンピック開催準備基金や国からの交付金を受け入れてつくった基金などを合わせた残高が七千百七十二億円となってございます。

○山内委員 年次財務報告書でも触れられているとおり、都財政は、景気動向の影響で、過去には一年で一兆円もの税収減に見舞われたこともあります。また、子供や高齢者の暮らしを守る社会保障や老朽化した施設を維持更新するインフラ整備が今後必要となり、そのための財源が必要となります。そもそも景気変動の影響がどうであれ、都政が果たす役割は変わりません。安定的な行政サービスを着実に都民に提供していくためには、特に財源として活用可能な基金の残高が重要だと考えます。
 そこで、財源として活用可能な基金のかなめである財政調整基金の積み立てにかかわる考え方についてお伺いいたします。

○岩瀬主計部長 地方財政法は、義務的経費の伸びを著しく上回る一般財源の伸びがある場合や決算剰余金が生じた場合などに、一定額を財政調整基金へ積み立てることを義務づけてございます。
 しかしながら、都におきましては、過去の財政危機におきまして十分な財政調整基金の残高を確保できているとはいいがたい状況にあったことを受けまして、昭和五十五年に条例を改正し、税収増が見込まれる場合には、増収額の一部をその伸び率に応じて積み立てることといたしました。また、バブル経済崩壊後の長引く景気低迷の中で、都税収入の伸びが低水準で推移する中にあっても確実に基金積み立てを実施するため、平成九年度には、義務的積み立ての対象範囲を拡大する改正を行いました。
 このように過去の財政再建時の教訓を踏まえ、条例による独自の制度を設けることにより、都は確実に財政調整基金の積み立てを行う仕組みを確立し、財政基盤の強化を図っております。

○山内委員 財源として活用可能な基金の残高の水準をどう評価しているのか、お伺いいたします。

○岩瀬主計部長 景気変動の影響を受けやすく、また地方交付税の不交付団体である都が、安定的かつ継続的に行政サービスを行っていくためには、年度間の財源調整機能を担う基金をいかに適切に活用していくかが極めて重要でございます。
 こうした考え方に基づきまして、都税の増収を活用し、積み立てを行いますとともに、予算執行段階での徹底した経費削減努力や不用額の精査などによりまして、基金の取り崩しを極力縮減することに努めた結果、財源として活用可能な基金は、平成二十六年度末で一兆円を超える残高を確保しておりまして、一定の備えはできていると考えております。
 しかしながら、委員もご指摘のとおり、都財政におきましては、過去において一年で一兆円もの税収減に見舞われたことがあることから、今後も財政基盤の強化に努めていく必要があると認識してございます。

○山内委員 財政調整基金を初め、使途を限定せずに活用することが可能な基金を確保することは、人口減少社会の到来に伴い、将来の税収も先細りが懸念される中、都が直面するさまざまな財政需要の対応をしていくのは容易なことではありません。長期的な視点に立ち、少子高齢社会に向け、都が安定的な行政サービスを提供し、将来にわたって都民が安心して暮らしていけるよう、先を見据えた政策のために備えを充実させておくことは肝要と考えております。
 一方、特定分野の施策を進めることを目的とした特定目的基金が、東京都には三十五あります。その中で、昨年度の最終補正予算と二〇一五年度当初予算で、特定目的基金が新たに七基金創設されました。総額で二千五百八十億円の積み立てです。そのうち五基金は二〇二〇年に向けた集中的、重点的な取り組みを図る基金で二千百億円を占めます。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催準備基金四千億円を合わせると、総額六千百億円が二〇二〇年までに使われることになると思います。特定目的基金の一つであるオリンピック・パラリンピック開催準備基金の目的及び現在の状況について、お伺いいたします。

○岩瀬主計部長 東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金は、条例に定められていますとおり、オリンピック・パラリンピック開催に関連する社会資本等の整備に要する資金に充てる目的で積み立てたものでございます。
 当該基金の状況についてでございますが、平成二十六年度末残高は、四千八十八億円でございまして、平成二十七年度の取り崩し額は、二百二十八億円の見込みでございます。

○山内委員 オリンピック・パラリンピック開催準備基金については、ハードを基本として取り崩しが始まっています。現在、施設整備の調査、設計委託が進められているところです。都が建設する新設恒久施設のうち、現在、オリンピックアクアティクスセンター、有明アリーナ、海の森水上競技場の三施設の基本設計が完了し、十月に設計施工一括方式、デザインビルド方式での発注が公表されました。このうち財務局が執行委任を受けて整備を進めることになるオリンピックアクアティクスセンターと有明アリーナの二施設について質問したいと思います。
 そもそも、大会開催基本計画では、会場インフラ整備の方針をユニバーサルデザインやアクセシビリティー、持続可能性など、多様性との調和を取り入れた会場をデザインするとしております。国連障害者権利条約の理念を踏まえて、他者との平等を基本とし、障害のある人もない人もひとしく観戦を楽しめる競技施設とすることが重要です。
 そこで、この基本設計にどのようなユニバーサルデザインの視点が盛り込まれているのか、お伺いいたします。

○草野オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長 東京都では、障害の有無だけでなく、年齢、国籍、個人の能力などによる区別なく、誰でも施設を利用できるよう、都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドラインを策定しており、基本設計に当たりましては、この内容を踏まえ設計を行っております。また、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律や東京都福祉のまちづくり条例等の関係法令にのっとった設計内容としております。

○山内委員 東京版アクセシビリティーガイドラインは、協議会で、ハード面の暫定基準について取りまとめを行い、現在、IPCに申請をして審査を受けているところだと聞いております。設計、施工が進められる中で、それがきちんと反映されるのか危惧しております。そこで違ってくると追加工事になるわけですし、本来なら基本設計にきちんとアクセシビリティーガイドラインが反映されて、その上で障害当事者の意見を聞く、そういうような形が本当はなされるべきではないかと思っています。それでなくても、さまざまな障害の方々からは、東京のバリアフリー、ユニバーサルデザインは、海外に比べておくれているとの指摘があります。海外の先進事例を含め、今後の規範となるようなユニバーサルデザインとなるよう、IPCガイドラインを包括する基準を先進的に行うべきと考えております。
 そこで、二施設は、既に設計施工一括方式、先ほども申しましたデザインビルド方式で整備が進められつつありますが、IPCの承認を得たアクセシビリティーガイドラインをどのように施設整備に反映していくのか、お伺いいたします。

○草野オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長 基本設計時点では、アクセシビリティーガイドラインの内容が明確になっていなかったため、委員ご指摘のIPCアクセシビリティーガイドというのがございますけれども、これを参考に、車椅子席数の割合やエレベーターの大きさなど、施設の規模等に影響する内容を想定し、設計に盛り込んでおります。
 今後、オリンピック・パラリンピック準備局や関係機関等との調整を行い、アクセシビリティーガイドラインの内容を実施設計に反映していく考えでございます。

○山内委員 東日本大震災では、障害のある人の死亡率は、住民全体の約二倍であったという衝撃的な報告もあります。行動上に制約のある人の避難は、これまでの想定以上に困難なものと考えられます。
 そこで、この基本設計が高齢者や障害者などを含めた全ての人が安全に避難できるような緊急避難を想定した内容になっているのか、お伺いいたします。

○草野オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長 災害時における避難については、建築基準法や消防法等の基準に適合する施設とした上で、避難安全検証等のシミュレーションを行い、観客避難の安全性を確認しております。また、車椅子利用者等の避難困難者に対しましては、混乱なく安全に避難誘導できるよう、延焼による被害が極力避けられる専用の一時滞留エリアを設置することも想定しております。
 今後、実施設計の中で取りまとめられた施設内容に基づき、改めて避難安全検証を実施するとともに、具体的な避難誘導について、運営面での検討と連携し、安全性の確保に努めてまいります。

○山内委員 都財政の運営について、基金を中心にお伺いしてまいりました。新たに創設された基金は、ほとんどが二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けたものですが、インクルーシブな豊かな社会、共生社会を実現するために、長期的な視点に立って基金を活用していただきたいと思います。
 次に、私からも、旭化成建材にかかわることでお伺いしたいと思います。簡潔にしたいと思いますが、十月二十二日、旭化成建材が、横浜のマンションにおいて、くいの施工記録について、データの転用の発表があり、十月二十六日には、同社から都内のくい工事施工リストが示されました。これらの三百五十六施設の中に含まれる都有施設三十一件について、財務局はどのような調査を行い、今後どのように対処していくのか、お伺いいたします。

○久保田建築保全部長 財務局では、各局と連携をいたしまして、都有施設三十一件の工事につきまして、設計図書やくい工事の施工記録を技術職員が詳細に点検をし、旭化成建材株式会社へのヒアリングとあわせて明らかなデータの転用の有無や、くいの確実な施工などについて確認をしているところでございます。
 具体的には、支持層の状況、くいの種類や長さ、本数のほか、支持層へ到達したことを示す電流計の値、セメントの量や強度、施工状況写真などを点検するとともに、現地において建物の傾斜や外壁のひび割れなどのないことも確認をしているところでございます。
 財務局の調査では、首都大学東京及び都立狛江高等学校の二施設三件の工事において電流計データの一部転用が行われていることが判明いたしましたが、当該くいにつきましては正しく施工され、支持層に到達し、建物傾斜等もないことから、建物を継続して使用することに問題はないと判断したところでございます。
 既にデータの転用が明らかになったものにつきましては公表してございますが、引き続き各局の調査が終了次第財務局が取りまとめを行い、施設ごとの利用形態や周辺住民など関係者への影響を考慮の上、速やかに施設名とともに公表してまいります。

○山内委員 今のご答弁によると、過去の施工記録などで確認したということですが、これまで建設した都有建築物についての図面や施工の記録などは都が持っていることでよろしいでしょうか、お伺いいたします。

○久保田建築保全部長 財務局が、各局から工事の施行を委任された場合、竣工図書のほか、施工結果報告や工事写真などの施工記録は、工事完成後、委任局へ引き渡され、竣工した施設で保管がなされてございます。

○山内委員 竣工図書や施工記録は、保管されているということを確認させていただきました。ことし、都営住宅でアスベストが不適切に解体され、処理されたことが判明いたしました。非常に残念に思っております。この都営住宅というのは都市整備局が所管ではございますけれども、都有建築物は老朽化等によって改修、解体が進んでおりますが、財務局においては、どのような手順でアスベスト対応をしているのか、お伺いいたします。

○久保田建築保全部長 各局では、所管をいたします既存施設におけるアスベスト含有建材の調査を実施しております。財務局につきましては、各局から改築、改修工事等の施行を委任された場合には、この調査結果及び施設に保管をされております施工記録によりアスベスト含有建材の確認を行っています。また、施工記録がない場合は、施設の建設、改修年次とアスベスト含有建材の製造時期などがわかる国や関係業界団体のデータベース等を照合し、アスベスト含有の有無を確認しております。
 その際、アスベストの含有が疑わしい材料につきましては、現地で試料の採取を行い、専門機関による分析を実施し、アスベスト含有の有無を確認してございます。また、施行に際しては、建物の隠蔽部や足場を要する部分など、設計段階で調査ができなかった部分につきましても同様に試料の分析により確認を行っております。
 こうした手順により、各局及び財務局が連携をいたしまして、建物の管理、設計、工事の各段階においてアスベスト含有建材を漏れなく把握するように万全を期しているところでございます。

○山内委員 アスベストが適切に除去、処分されていたのか、これまでどのようにチェックしてきたのか、報告や確認をどのようにしてきたのか、お伺いいたします。

○久保田建築保全部長 財務局では、石綿処理に係る工事仕様書に基づき、アスベスト含有建材を使用する建築物の解体、または改修工事を施行する場合、アスベストを適正に除去、処分することとしてございます。
 具体的には、除去の着手に当たりまして、監督員は、施工者から事前に提出された施工計画書により、アスベスト含有建材に係る事前調査、除去方法、処分方法などについて確認、承諾を行います。除去完了時には、施工者から工事写真など施工記録の報告を求め、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などの関係基準に基づき適正に除去されたか確認をいたします。また、最終処分につきましては、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストにより、適正に行われていることを確認しております。

○山内委員 旭化成建材がくい工事の施工データを偽装、また転用した問題については、住民や自治体から申し出があった場合には、不安に応えるよう長期的に対応していただきたいと思います。
 今回、これを機に、改めて竣工図書の重要性を認識いたしました。先ほどのご答弁で、竣工図書等は、工事完成後、委任局へ引き渡され、竣工した施設で保管されてると伺いましたが、保管期限があるようにも聞いております。改修、増築等の際には必要な資料となるので、今後も、委任局を含め各局へ保管するよう説得していくことは必要だと思います。
 また、アスベストについては、都営住宅については、竣工図書もあったにもかかわらず、適切に処分されなかったということでショックを受けております。都有施設でありながら、こうした事態が起きたことを重く受けとめなければならないと思っております。
 今ある多くの都有施設には、吹きつけアスベストなどが使用されており、今後、解体がピークを迎えます。施工記録がない場合にも適切に対応していくということでございましたけれども、近隣住民や利用者への周知もしっかりと実施しながら、今後とも徹底して取り組んでいただくよう要望いたします。
 最後に、障害者の優先調達についてお伺いしたいと思います。
 障害者優先調達推進法が二〇一三年四月に施行されましたが、都において優先調達のために入札契約制度をどのように活用してるのか、お伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 都では、法に基づき、平成二十五年度から毎年度、障害者就労施設等からの物品等の調達方針を策定しております。この調達方針により、障害者優先調達を進めるに当たりましては、施設等の受注能力に合わせ可能な限り分離分割発注を行うこと、履行期間や発注量、納品方法などについても適切に設定すること、法令上の随意契約を積極的に活用することなど、これらの点が入札契約制度やその運用上、重要なポイントとなります。
 このため、財務局では、随意契約にかかわる事務取扱の策定や法定雇用率を上回る障害者雇用を総合評価方式における加点項目として設定するなど、障害者優先調達にかかわる入札契約制度を整備しております。また、福祉保健局、産業労働局と合同で開催しております担当者説明会においては、例えば、印刷物の発送代行におきまして、これまで通常の入札で実施してきたものを政策目的随意契約に切りかえた案件など、具体的な発注事例を紹介し、優先調達の積極的な活用を促しております。

○山内委員 二〇一三年度における都の調達実績、推移についてお伺いしたいと思います。

○松永契約調整担当部長 平成二十五年度は、障害者の就労が比較的多い印刷等のサービスを中心に八百四十四件、契約金額にいたしまして約五億八千四百万円の実績がございました。また、平成二十六年度はアルファ化米など、災害用品の購入時期に重なったこともあり、件数は八百四十三件でございましたが、契約金額は約七億六千五百万円と前年実績を上回りました。

○山内委員 障害者優先調達推進法の施行三年目を迎えた二〇一五年度における調達方針の主な特色について、お伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 法施行の年度である二十五年度は、優先調達の対象となる物品、施設等や推進方法などの基本事項を定め、全庁での取り組み体制を整備いたしました。
 二十六年度は、調達金額の数値目標を定め、各局において発注者としての具体的な取り組みを進めてまいりました。
 三年目となる二十七年度、本年度は、施設等で働く障害者がつくる製品のPRやトライアルショップの開設準備などを通しまして販売機会を確保するなど、発注者としても受注者となる施設等を支援していくこととしております。
 また、総合評価方式の加点項目に、新たに施設等からの調達実績を追加し、都の公共調達はもとより、広く民間事業者へも障害者優先調達が広がるような仕組みを盛り込んでおります。

○山内委員 二〇二〇年には、東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。この節目の時期に、法の理念である障害者の自立促進に向けて、都は、発注者としてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 障害者が就労によって経済的な基盤を確立し、自立した生活を送ることができるよう、都は、障害者就労施設等からの調達を推進していかなければなりません。このため、都においては、調達方針に基づくさまざまな取り組みに加え、民間事業者においてもインセンティブとなる優先指名制度の効果的な活用を図っていく必要がございます。また、都の監理団体に対しても、都の入札契約制度を参考にした積極的な調達への協力要請を行っていく必要もございます。
 このような認識に立って、今後とも、長期ビジョンで掲げた障害者の自立した生活という都の政策目標の実現に向け、関係局と連携して取り組んでまいります。

○山内委員 福祉保健局では、昨年度から、共同受注マッチングモデル事業を実施しています。福祉施設は小規模が多いため、共同受注体制をつくることも重要です。障害のある方が当たり前に自立した生活ができるよう、障害の特性等を理解し、仕事を生み出していくために、福祉保健局や産業労働局等関係局と連携をして進めていただきたいと思います。
 また、他局では、障害者優先調達がなかなか進まない現状があります。全庁挙げて進めていくよう要望して、私の質問を終わります。

○大津委員 過去の姉歯事件、そして、この数年前からの牛肉の産地の偽り事件、そして、今回は旭化成のくい打ちによる土木の偽装、これら、本来でしたら日本人は正直で、真面目で、勤勉だったこの国民性の低下による、ものづくりでは誇る技術立国日本としてのこの誇りに、別の意味で非常に危機感を覚えています。
 今後四十年後に、アスベスト除去工事のピークを迎えます。自己申告制による工事です。日常からの土木、建築工事、そしてアスベスト工事を全て含め、卓上での施工業者から出てくる提出資料の照合による検査には限界がありますので、都の総力で、各局とも連携をして、直接抜き打ち検査や直接立入検査や、またGメン、そういった制度もありましたので、直接しっかりと監視体制をしていける機会を設けて、万全の備えを私からは要望をしておきます。
 さて、都財政の役割に関しまして、きょうは、特に宝くじについてお伺いをします。
 都財政は、一国の財政規模にも匹敵する規模を持ち、東京都財政の一つ一つのあり方が、日本の社会経済にも大きな影響力を持っています。未曽有の人口減少や少子高齢化など、都政をめぐる社会経済情勢が目まぐるしく変化する中で、東京都は、財政の力で東京を動かし、日本を変えるという気概で、この難局にも取り組んでいく必要があります。
 東京都の財政の力で、都民の生活の質、都民サービスの向上、都民の幸せのために、都政の政策を実現していく、この財政の力をサポートするさまざまな仕組みもあります。補助金事業や減免措置や債権や、きょう、前の局でもいろいろと質問がありました民活ファンドもその一つでしょうし、また物品税、そして、東京都が独自にやってきたホテル税、また緑の募金、さまざまな財政の力があります。その一つとしての宝くじは、非常に有益な財政確保に役立っておりますし、地方自治体の、例えば公園や川の整備や子育て支援などの行政活動を支える財源にもなっておりますし、社会貢献意識をつくる役割も果たしてまいりました。
 宝くじの歴史は、昭和二十年の終戦直後、初めて政府第一回宝くじとして発売をされ、七十年経てまいりました。そこで初めに、宝くじのこの間の売り上げの推移とその要因について確認をさせていただきます。

○岩瀬主計部長 宝くじの全国ベースの売り上げの推移につきましては、平成十七年度に一兆一千四十七億円と過去最大を記録した後、年度ごとに増減の波はございますが、概して売り上げの低減傾向が続いてございます。直近の平成二十六年度におきましては、スクラッチくじなどは、前年度より売り上げを伸ばしたものの、ジャンボ宝くじの一部や数字選択式宝くじのロト6やロト7の売り上げが伸びず、九千七億円の売り上げとなり、ピーク時の約八割の水準となってございます。
 その要因につきましては、購入者個々の経済事情によるものと、娯楽が多様化する中でその一つである宝くじの存在感の低下傾向が原因の一つとしてあると考えてございます。

○大津委員 宝くじの売り上げは、ピーク時から二割程度落ち込んでいるとのことで、都が歳入する収益金もそれだけ減少しているとのことでありました。
 これまでも、その宝くじがどれだけ宝くじを通して社会貢献をしてるかについて、この収益金がどういったものに使われているか周知してきたとは思いますけれども、まだまだ具体的な社会貢献の内容が浸透してないような実感を受けております。
 かねてから、宝くじの発売意義を効果的に伝えていくために、販売に当たっては、その使い道をはっきりと伝えることが有効ではないでしょうか。これまで宝くじについて、収益金の使い道について明らかに示して発売した、そういった宝くじがあったのかどうか、その内容についてお伺いをします。

○岩瀬主計部長 お話の収益金の使途を特定のものと明示しまして発売した宝くじでございますが、まず、大型のイベントなどに際しまして発売した宝くじといたしまして、長野オリンピック協賛くじやワールドカップサッカー大会協賛くじ及び愛知万博協賛くじがございます。また、震災に対する復興くじとして、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災の例がございます。このように、国家的な大型イベントの開催時や大規模災害時には、その名称を付した宝くじを発売し、収益金を関連事業に活用した実績がございます。

○大津委員 ただいまの国家的な大イベントの開催や東日本大震災のような大災害に関しては、その使途を明確に特定した宝くじを販売した実績がありました。
 ところで、いわゆるジャンボ宝くじから、はたまたロト7のような数字選択方式の宝くじ、そして削っていくスクラッチくじと、年間を通じてさまざまな種類のくじが発売をされています。それぞれ宝くじにはどのような特質があり、その販売にはどのようなプロセスが必要か、伺います。

○岩瀬主計部長 宝くじは全国で発売されてございますが、大きく分けまして、全国自治宝くじとブロック宝くじがございます。全国自治宝くじは、四十七の都道府県と二十の指定都市の六十七団体が共同で発売しているものでございまして、お話のジャンボ宝くじや数字選択式宝くじであるナンバーズやロト7などがこれに該当いたします。
 ブロック宝くじは、全国を四つの地域に区分し、地域ごとに発売しているものでございまして、東京都は、都単独で一つのブロック宝くじを発売してございます。
 平成二十六年度の都における宝くじ収益金約五百三十六億円は、全国宝くじ分が約四百九十五億円、東京都宝くじ分が約四十一億円と、全国くじが収益金の大宗を占めてございます。この収益金のうち、サマージャンボやオータムジャンボは、その全額を区市町村振興に、グリーンジャンボは、一部を緑化事業や国土保全事業に充当するなど、あらかじめ使途を明らかにして発売しているものもございます。
 また、宝くじの発売に当たりましては、各発売団体の議会におきまして、発売限度額の議決をいただき、総務大臣の許可を得る手続が必要でございまして、かつ全国自治宝くじの発売には、まず全六十七の発売団体で構成する全国自治宝くじ事務協議会におきまして協議を行い、合意を得ることが必要となってございます。

○大津委員 宝くじの収益金の使い道と、また中身の精査については、さらにわかりやすく進めていく必要があると思います。例えば、ジャンボ宝くじも、夏と秋のジャンボ宝くじは区市町村の振興のために--区市町村が行う災害対策事業や高齢化、少子化対策等の財源になっているのですが、なかなかそれがわかりにくいですし、グリーンジャンボは名前のとおり、道路の街路樹整備や中小河川整備の財源に充てられています。
 それでは、まさにこれから発売される年末ジャンボについては、特定には決められていなくて一般歳入に入っていくはずで、そういう中から、結果的に、都立公園整備の財源や子育て支援のための財源や、東京都でいえば認証保育所事業に充てられているわけであります。この年末ジャンボと同じ扱いが、普通の全国くじのロトやナンバーズやスクラッチや通常くじ、東京都の地道な百円のくじやスクラッチであるわけであります。
 東京都は、こうしたさまざまなくじを通して、年間五百億円の収入を得ているわけであります。例えば、一枚の宝くじからすれば、一割が印刷費や販売人件費などの手数料、そして、法律で半分ぐらいまでが当せん金と決められているので、ほぼ半分が当せん金ですので四割の収入という、合計が五百億になりますし、当せんする中でも、一年間取りに来なかった人、大体平均五%いるというふうに聞いていまして、その取りに来なかった方々の当せん金分も歳入として入っていくわけであります。
 全国については、四十七都道府県と二十指定都市の全部の合意で発売が決定をされますけれども、東京都が単独でできる東京都宝くじという点では、オリンピック・パラリンピックのまさに開催都市でもありますし、さまざまな社会的貢献のために、東京都の単独で、もちろん議会決裁で総枠をふやす必要がありますけれども、もっともっと東京都単独宝くじをタイムリーに、財政の力として打っていくことも有効ではないかと思っています。
 そのためには、もっともっとわかりやすい使われ方のお知らせ、そして外れた中でも、九月の二日には宝くじの日といって、何か五つの品物--敗者復活戦ですけれども、五つの品物から物品を選んでいただけるという制度もなかなかわかりにくいですし、忘れている方も多いと思います。
 そして、この宝くじは、たばこ税とやや似ているところがありまして、買った所在地に税収として入ります。この東京で買う全国宝くじの中で、平成二十五年の年末ジャンボで統計を伺うと、全国で、東京で一八%の比率で購入をしている。一億三千万の国民で、都民が千三百万とした場合は、通常でしたら一〇%ですけれども、やはり東京都民以外の方々も相当東京の所在地で宝くじを買ってくれているということを考えれば、都民からいただく都税以外に、全国的に他府県の住民の方からもいただける税収になるわけですので、やはりこの宝くじという財政の力も今後ますます考えてもらいたいと思います。
 さて、四年後は、ワールド・オブ・ラグビーが招致を決定しています。アジアで、しかも伝統国以外で初めての開催となります。ことし五郎丸選手を初めラグビーが国民的にも非常に人気と評価を呼び、そういった意味では四年後のこのワールド・オブ・ラグビー、この東京で開催--日本で開催、各地区十二カ所ありますけれども、開催をされるということでは非常に大きな実績をつくってくれたと思います。また、ラグビーで燃え尽きることなく、五年後には、オリンピック・パラリンピック大会が開催をされるわけですので、ますます機運が高まっていくと考えます。
 二割減少してきた宝くじも、こうした好機を捉え、ますます右肩上がりに、そしてわかりやすく使途を説明し、ますますいいことのために、スポーツの精神向上、また世界の平和、そうしたことに使っていっていただきたいと思います。
 オリンピック・パラリンピックやラグビー・ワールド・オブ・カップを支援する目的での販売を初め、さまざまな趣旨に賛同の上、都民、国民の皆様に購入をしていただくことから、使い道については、目的に沿って有効に活用していくことで、そしてまた、たくさんの方々に夢を買っていただくことを通じて財源を確保すること、そして両大会そのものの国民的盛り上がりこそも必要であります。
 都民、国民のスポーツへの理解、世界の平和、体力、健康増進、さまざまな都政の施策推進のために重要であると考えます。こうした観点からも収益金の使い道についてわかりやすく説明をすることも必要であり、都民の理解を得る工夫が大切だと思います。
 最後に、局長の所感を伺います。

○長谷川財務局長 宝くじ、今、夢を買うというお話もございましたけれども、購入者の方々にとって楽しみであると同時に、地方公共団体にとっては税以外の貴重な財源であります。そういう点で、売り上げの確保に向けて、お話のように社会に貢献するというような宝くじの発売意義を発信してくことも非常に重要だというふうに考えております。こうしたことから、国家的な大イベントや震災復興の際には、収益金の使途を明示した宝くじを発行してまいりました。
 また、東京都くじにおきましても、オリンピック・パラリンピック招致に際しまして、東京都宝くじの券面に招致ロゴを入れて発売したこともございます。さらには、収益金の使途について、公式サイトや「広報東京都」などを通じて幅広く広報を行っております。
 今後とも、多くの方に宝くじの意義を感じていただけるよう、関連の団体と協力をいたしまして、魅力的な商品づくりに努めますとともに、使途なども含めた宝くじに関する情報を積極的に発信し、貴重な財源である宝くじの収益を大切に確保してまいりたいと思っております。

○鈴木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時十三分休憩

   午後五時三十分開議

○鈴木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○堀委員 平成二十七年度予算における投資的経費は、十七年ぶりに一兆円の大台にのせました。この予算を着実に執行し、オリンピック・パラリンピックの施設整備はもとより、施設周辺のまちづくり、バリアフリー化、電線類の地中化等のインフラ機能の強化を通じて、東京の魅力を一層高めていく必要がございます。また、二〇二〇年は、あくまで通過点であり、老朽化が進む建築物や首都高も含む主要道路などの大規模建設物も更新が迫ってくることから、大会以降もインフラ整備は確実に進めることとなります。
 このように、公共調達に切れ目が生じず、事業量が確保されている今の状況は、事業者にとって、持続的、安定的に事業を展開する基盤が整いつつあるといえます。この事業活動の好転を都の公共工事の中心的な担い手であります中小事業者の育成につなげていかなければならないと思いますが、中小企業育成というものについて、都は入札契約制度の中でどのように捉えているのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 都では、入札に参加しやすい環境の整備を進める上で、公共工事の受注者の多くが中小企業である実態を踏まえ、東京都独自の視点である中小企業の振興、育成の観点から制度改革に取り組んでまいりました。
 工事の発注においては、原則として、中小企業が地域社会の活力や雇用の創出など、都民生活の向上に果たす役割を踏まえ、分離分割発注によって中小企業の受注機会の確保を図ることとしております。また、新たな取り組みといたしまして、平成二十七年四月から、JV基準及び発注等級を見直したのは、意欲と能力のある中小企業が単独で、より規模の大きい工事の入札に参加できる枠を拡大することを目的としたものでございます。
 さらに、全体スライド条項については、国とは異なり受注者の多くが中小企業である都の実態に合わせ、適用条件の短縮と受益者負担率の引き下げによって、物価変動に関する受発注者間のリスク分担の適正化を図っております。こうした国にはない中小企業振興育成という独自の視点で進めてきた都の入札に参加しやすい環境の整備に向けての一連の制度改革は、意欲と能力のある中小企業の育成につながるものと認識しております。

○堀委員 都独自の視点で、中小企業への配慮をしていることが確認できましたけれども、中小企業が事業を拡大していくためには、技術者の育成も不可欠であります。
 本年四月から本格的に運用を開始いたしました改正品確法にも、新たな理念として、担い手の中長期的な育成、確保が追加されるなど、受注者である事業者はもちろんのこと、発注者である東京都も、それぞれの取り組みを進めていかなければなりません。特に、賃金を初めとした労働環境全体の改善は、技術者の確保、育成、定着にとって大きな要素であり、事業環境が好転に向かっている今こそこれらを改善するチャンスであります。
 そこで、今後の技術者の育成というものについて、発注者である都はどのような認識を持っているのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 都民生活に必要なインフラの着実かつ継続的な整備に向けて、公共工事の担い手の中長期的な確保を図ることが不可欠でございます。このため、都は、本年四月から三年間の臨時的措置といたしまして、最低制限価格制度を積極的に活用することとし、その適用工事をWTO対象基準額未満まで拡大し、事業者の持続可能な事業運営を担保することにより、現場の担い手の中長期的な育成、確保を図る環境づくりを実施しております。
 また、現場技術者の賃金水準を初めとした労働環境の改善や社会保険への加入は、一義的には受注者の責務でございますが、都は発注者の責務といたしまして、これらの取り組み状況を把握するため、社会保険労務士を活用した特別調査を実施するなど、労働環境の改善に向けた取り組みを推進しております。

○堀委員 今、答弁の中にもございましたけれども、次に、労働環境改善の中で特に重要であります社会保険等の未加入問題についてお伺いをいたします。
 社会保険等未加入対策の目的は、労働者の処遇向上、産業の持続的な発展に必要な人材の確保、さらに、関係法令を遵守して法定福利費を適正に負担する企業ほど競争上不利になるという矛盾を解消するといったことであり、重要な取り組みと考えております。
 公共工事の発注に関しては、国土交通省が昨年八月から、建設業における元請、一次下請の社会保険等未加入業者を直轄工事から排除するなど、発注者の取り組みとして具体的な未加入対策を実施しております。
 また、都の方向性については、昨年九月の当財政委員会における我が党の高木委員に対する答弁があり、都の発注工事は、国の発注工事と比べ、中小企業が発注する小規模工事の割合が大きいことから、国と同様、直ちに未加入業者を入札から排除した場合、技術を持ったベテランの担い手を逆に失いかねないということがございました。そして、工事関係の今後の取り扱いとして、二年後の資格審査時を目途に社会保険等への加入を入札参加の必須条件とする方向で具体的方法を検討することが示されました。このように、都では、中小企業に配慮し、未加入事業者が加入するために必要な期間をとった上で、この未加入対策を進めていくものと理解しております。
 その一方で、物品、委託関係は、国の方でも、都の方でも、社会保険の未加入対策をどのように実施しているのか、これまで余り耳にしたことがございません。察するに、物品、委託関係の事業者の経営母体は、個人経営も含め大小さまざまであり、さらにいろいろな業種に分かれていることから、工事関係のように統一的なルールがなかなかないと思いますが、何よりも、労働者の健全な労働環境の構築といった点では、工事関係と何ら変わりがないと思っております。そこでまず、都に物品、委託関係で登録のある事業者の社会保険未加入状況についてお伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 都では、昨年の入札参加資格審査時において、事業者から雇用保険、健康保険及び厚生年金保険の三保険について、加入状況の自己申告を求めました。この自己申告のデータによれば、平成二十七年十月一日現在の物品、委託関係の登録事業者一万二十四者のうち、三保険のいずれかに未加入である事業者は五百六十五者であり、全体の五・六%となっております。未加入事業者五百六十五者のうち九九%に当たる五百六十一者が中小企業でございます。

○堀委員 今のような未加入状況について、都はどのように認識をしておられるのかお伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 加入事業者数の割合及び二十七年度準備契約の受託者に対するサンプル調査結果から分析すると、多くの事業者が適正に保険加入していると認識しております。
 一方、一部の事業者が未加入となっておりますが、業界団体との意見交換や関係機関への聞き取り内容等から、適用除外となる事業者のほかは、保険の適用対象であることを知らない、あるいは加入手続がわからないということが未加入の主な理由と考えられます。
 都は、発注者として都民サービスを継続的かつ安定的に提供できるよう、都の事業の担い手となる事業者の健全な育成を図る必要がございます。社会保険への加入は、働く人にとって将来的にも安心できる労働環境を提供することになり、若年入職者の増加、定着、ひいては担い手の確保につながることから、都として、未加入事業者の加入促進を図っていくことは重要であると認識しております。

○堀委員 さきの答弁にありました未加入事業者の五百六十五者のうち、九九%に当たる五百六十一者が中小事業者ということでございましたが、未加入事業者が中小企業、特に小規模事業者であることを考えると、一律に排除するわけにはいかないと思いますが、都として、未加入状況に対して、今後どのような方向性で臨んでいくおつもりなのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 都の契約の八五%以上は中小企業が受注しており、これら中小企業が提供する物品やサービスは、都の事業を進める上で重要な役割を担っております。都は、発注者として、事業者が中長期的に担い手の育成、確保ができる環境を整備していく必要もございます。
 このような中で、中小企業が九九%を占める未加入事業者を直ちに排除することは、都の事業の担い手を失うことにもなりかねず、都民サービスの低下をもたらす可能性がございます。このため、中小企業への影響を考慮し、社会保険に関する基礎的な情報や具体的な相談窓口について十分に周知を行った上で段階的に加入を促進してまいります。

○堀委員 段階的に加入を促進していくという方向性について答弁がございましたけれども、都の取り組みは、他の自治体に波及する可能性があり、また何より中小企業を対象とするということであれば、よりきめ細かい対策を進めていく必要があると思っております。
 そこで、未加入事業者に対する加入促進として、今後、都は、具体的にどのような取り組みを行っていくのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 まず、都は、発注者として、平成二十八年度から、人件費割合の多い業務委託の経費の積算において、社会保険料の事業主負担分を含む法定福利費を別枠計上し、予定価格を設定してまいります。
 次に、社会保険の基本的な情報や加入手続に関する問い合わせ先などを記載したチラシを作成し、電子調達システム上に掲示して、全事業者に周知をいたしてまいります。
 特に、契約相手方となった事業者に対しましては、チラシを窓口等で直接渡すことにより、確実な周知につなげてまいります。こうした取り組みを重ねた上で、平成二十九年四月から、財務局発注の案件については、加入事業者のみによる入札を先行して実施してまいります。

○堀委員 もともと社会保険に加入するということは、労働者を雇用する事業者の法令上の義務であり、未加入ということは決して許されるものではないと思いますが、だからといって未加入事業者を直ちに排除するということはいかがなものかと思っております。まずは、入札から排除するということの前に、発注者として、保険加入の必要性を事業者が認識するよう積極的に周知をしていくことが重要だと考えております。
 都は、社会保険未加入の取り組みを通じて、決して排除するのではなく、加入の促進という心がけでしっかりと取り組んでいってほしいと思います。事業者自身による健全な競争環境や就業環境の構築に向けて、発注者としての努力にも期待し、私からの質問を終わらせていただきます。

○遠藤委員 それでは、私からも質問をさせていただきます。
 財政委員会、私は初めての所属でございます。この委員会で取り扱う分野というのは、私にとってとりわけ難易度が高い分野であります。きょうは、今後の議論の、私自身の今後の議論、勉強、研究等に資する、そんな点から何点か質問させていただきたいと思います。
 初めに、基金のこと、その後に事業評価のこと、オリ・パラの施設整備のこと、総合評価方式のこと、四点であります。ただ、大分議論もありましたので、ダブったところは大胆に割愛していきたいと、このように思っております。
 初めに、基金であります。先ほど来ございますとおり、平成二十六年度の最終補正予算と二十七年度当初予算において、集中的、重点的な政策展開を図る等のために新たな七つの基金をつくって、総額で二千五百八十億円の積み立てを行うと、こういうことであります。このうち私が特に関心があるのが、福祉先進都市実現基金でございます。といいますのも、私が前に所属していたのは厚生委員会でございました。当時は、その委員長を務めておりましたので、いろいろと考えがありましたけれども質問ができませんでした。
 この基金でありますけれども、条例上は、その目的は非常に抽象的であります。さらに、具体的な対象事業も限定されていないわけであります。あわせて、先ほど議論のあった時限ということではなくて、この福祉先進都市実現基金は、いわば期限が決まっていないという、こういう基金であります。
 意地悪な人は、三拍子そろえば無原則に使われるのではないか、このような指摘をする人もいるかもしれません。
 そこで、この七つの基金、とりわけ福祉先進都市実現基金を創設した意義と背景について、改めてお伺いしたいと思います。

○岩瀬主計部長 都は、世界一の都市東京の実現に向け、オリンピック・パラリンピック開催にふさわしいまちづくりを初め、急速に進む少子高齢化など、山積する課題の解決に向けて、積極的かつ着実に施策を展開していかなければなりません。
 一方で、その施策の実現を支える都税収入は、景気変動などによる減収リスクに常にさらされており、こうした財政環境の中にあっても、着実に施策を推進するためには、基金を積極的に活用することが重要でございます。
 副委員長お尋ねの福祉先進都市実現基金は、子育て家庭への支援や超高齢化への対応を初めとする福祉先進都市実現に向けた施策を推進し、誰もが安心して暮らすことができる社会を構築することを財政面から支えるものでございます。

○遠藤委員 福祉先進都市実現基金、目的ということで、子育て家庭への支援、そして超高齢化社会への対応等、これがいわば目的だと、このような答弁であったと思います。
 しかしながら、現時点では、どのような基準で活用しようとしているのか、これが明らかではないんだと思います。また、そういう趣旨のものだと思いますけれども、いずれにしても、基金充当の考え方が未整理な状態で基金を取り崩していくということは、一般的に財政規律の観点からも問題があるんであろうと思います。
 そこで、財政当局として、この福祉先進都市実現基金を初め、これら基金の使い道を予算編成の中でしっかりと吟味をする、いいかえるのであれば、この目的を達成するための基準なり方針なりというものを、より一段深く、一定程度絞っていくべきではないのかと思いますけれども、どうでしょうか。

○岩瀬主計部長 福祉先進都市実現基金を初め、平成二十六年度最終補正予算及び平成二十七年度当初予算において創設した基金につきましては、それぞれの目的に対し、集中的、重点的に財源を投入し、効果的に活用していかなければならないと考えております。こうした観点を踏まえまして、長期ビジョンの着実な推進はもとより、長期ビジョン策定後の新たな財政需要への的確な対応に向けて、対象事業など後年度も含めた基金の充当方針を整理しておくことが重要でございます。
 今後、平成二十八年度予算におきましては、それぞれの基金設置の趣旨を十分踏まえながら予算編成作業に取り組んでまいります。

○遠藤委員 今、部長から、それぞれの基金について充当方針をしっかりと整理、あらかじめしておくことが重要だと、こう答弁がありました。この充当方針、四文字熟語ですけれども、これがどういうものなのかというのはなかなかわからないわけであります。
 いわゆる基金の使い方というのは、先ほど来ありますとおり、都の収入の不安定さ、または、さまざまな財政的な需要があるということで、将来の備えという側面があるんだと思います。それはそれで確かにそのとおりなんですけれども、やはりこの財政規律という部分を長期的に重視をするのか、それとも、先ほど来繰り返し出ております集中的、重点的な政策展開に期するということですので、財政規律を重視するのか、機動的に集中的、重点的に政策を展開するのかという、いわばこの二つの目的というのは、トレードオフの関係にあるんだろうと思います。
 よく我々も、他の事業局の方々といろいろ意見するときに必ず出てくるのは、やろうと思っているんだけれども財務がと、こういういい方を必ずするんですね。ですから、それはそれでお互いのそれぞれの役割の中でしているんだと思いますけれども、私は、特にこの福祉先進都市実現基金--いずれの基金も重要でありますけれども、少子高齢化という待ったなしの課題であります。知事も、これは非常に重要だということで、いわば肝いりでこの基金を立ち上げたんだと、このように思います。
 そういった意味では、高齢者が亡くなってから、この基金の意味がわかっても意味がないし、少子化がある程度過ぎさってから、このお金を幾ら財政規律云々といっても使っても、やはり余り意味がないんだと思います。その辺のバランスとスピード感、こういうものをよく勘案していただいて、決して足して二で割って結果的にこの基金の目的等々が薄れたということで回顧的に、事後的にそのような批判を受けないように、ぜひ、先ほど申し上げた、答弁にありました基金の充当方針というものをしっかりと整理をしていただきたいと、このように思います。
 次いで、事業評価の質問に移ります。平成十年代に、ニュー・パブリック・マネジメント、いわゆるNPMということで、さまざまな大きな流れがあったわけであります。都においても、平成十二年度から知事本局において、行政評価という仕組みで実施をしてまいりました。
 一方、これは恐らく都も含めてということになると思いますけれども、多くの自治体で、この行政評価の取り組みそのもの自体が評価のための評価になっているのではないか、こういう指摘もあったわけであります。
 そうした中、都においては、平成十八年度から、知事本局から当財務局に、こうした評価についてセクションを移しておりまして、引き続き事業評価、行政評価から事業評価という形で、評価のあり方を変えたわけであります。
 そこで、現在行われている、行っている事業評価の取り組みと従来の行政評価、何がどう違うのか、これを答弁いただきたいと思います。

○岩瀬主計部長 都における事業評価の最大の特徴は、予算編成の一環として実施していることにございます。この取り組みは、かつての財政再建推進プランにおけます施策の見直し努力を、財政再建達成後も継続していくために再構築したものでございます。
 評価に当たりましては、まず、事業所管局みずからが、決算分析はもちろんのこと、事業の成果、コストについて幅広く分析を行った上で、財務局が全庁的な視点から最終的な評価を行い、その結果を翌年度予算の編成に反映しております。このことは、評価自体が目的となってしまいがちだといわれる一般的な行政評価と比べ、一歩進んだ取り組みであると認識しております。
 また、都では現在、全ての事業を評価対象としており、そのうち事業評価の有効性や分析手法の共有に資するものを中心に、約五百件を超える事例を公表するなど、従来に比べて、より実効性のあるマネジメントサイクルとして都庁全体に定着させているところでございます。

○遠藤委員 事前のやりとりでは、予算の分類で、都は約二千六百の事業を行っていると、こんな話も聞きました。今の答弁で、この全ての事業をしっかりと、まず、事業所管局がチェックをして決算の分析を行うと、事業の成果、またコスト、幅広い分析を行った上で、それが財務局に上がってきて、全庁的な視点から最終のチェックを行って翌年度の予算編成に反映すると、こういう、いわばPDCAという形になるんだと思いますけれども、そういうようになっているという答弁だと思います。
 他の自治体の例を見ると、外部の評価を取り入れているという自治体もあるようでありますけれども、一方、都は、都庁内部での評価にとどめているわけであります。
 そこで、評価の客観性ですとか、専門性の確保、これはどんな工夫を行っているのか、答弁を求めたいと思います。

○岩瀬主計部長 事業評価の実施に当たりましては、決算状況の分析や事業成果の検証を徹底するとともに、新たな公会計手法を活用するなど、客観的指標を用いながら多面的な分析を行うことで評価の客観性を確保してございます。また、施設整備や情報システムといった専門的な視点から検証が必要な事業につきましては、財務局建築保全部や総務局行政改革推進部など、知識やノウハウを有する庁内関係部署と連携しながら評価を行うことで専門性を確保してございます。さらには、事業評価の結果やそれに至る考え方につきまして、毎年度の東京都予算案の概要などにおきまして、都民の皆様に公表しているところでございます。

○遠藤委員 特段の外部の評価というものは入れていないけれども、公会計手法、我が党が主導したこの公会計手法がここでも生きていると、こういうことなんだろうと思います。その上で、東京都にやっぱり人材がたくさんいるので、専門的な観点から、その知識、ノウハウを有する庁内関係者と連携をして専門性を確保していると、こういうことでありました。先ほど来の質疑で、専門性を確保した知識やノウハウを持っている人間が都庁にいるという答弁でありましたけれども、しかしながら、それがうまくワークしなくて、今いわれている事案に結びついたという、こういう議論も先ほど来ありました。ぜひ、この辺はしっかりとその知識、ノウハウというものの磨きをかけていっていただきたいと、このように思います。
 ところで、財務局が行っている今種々ありました事業評価の取り組みは、始めて十年ということで、庁内にも事業評価の取り組みというのが浸透してきているんだと思います。その一方で、都民のニーズですとか、さらに社会状況というのは、日々刻々と動いてきているわけであります。そういった意味では、こうした都民のニーズ、社会経済情勢の変化にしっかりと即応していくということも重要だと思いますけれども、この辺の対応は今後どうしていきますでしょうか。

○岩瀬主計部長 これまでも都は、事後検証による評価や自律的経費評価に加えまして、監理団体を通じて実施する事業や特別会計で行っている事業、監査結果に基づき見直しを図る事業など、事業評価の対象の拡充を図ってまいりました。
 今後も、人口減少社会の到来など目まぐるしく変わる社会経済情勢に対し的確に対応するため、直営での事業実施と官民連携手法での事業実施のメリット、デメリットを比較するなど、時代に即した手法を検討するとともに、都の保有する資産についても幅広く検証を行っていくなど、事業評価のさらなる強化に取り組んでまいります。

○遠藤委員 しっかりやっていただきたいと思います。
 三点目、オリンピック・パラリンピックの施設の整備についてであります。先ほど質疑ありましたけれども、先般、都が整備する競技施設のうち三つの施設について、設計施工一括方式による発注が発表されました。その三つのうちオリンピックアクアティクスセンターと有明アリーナの二施設については、オリンピック・パラリンピック準備局からの執行委任を受けて財務局が整備を行うということも、先ほど来話がありました。
 新国立競技場の建設に向けた、いわば迷走がありました。大事なのは、この競技施設の整備に向けて、IOC初め、大会組織委員会や競技団体などからさまざまな要望を受けるわけでありますけれども、それをしっかりと整理して、適宜施設内容に反映していくこと、これが重要なんだと思います。
 それはもちろんそうなんですが、その上で、大会後も都民にとって、後利用ですけれども、有益な施設として多くの都民に利用してもらえるように十分に検討して、そして整備される必要が同時にあるんだろうと思います。
 そこで、これまでこの二つの競技場の建設に向けて、関係機関とどう連携、調整を図ってきたのか、お答えいただきたいと思います。

○草野オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長 競技施設の整備に当たっては、オリンピック・パラリンピック準備局がIOCの窓口である大会組織委員会や国内外の競技団体と調整の上、施設規模や仕様等にかかわる条件を精査し、基本的な計画を策定しております。
 財務局は、施設建設の委任を受けて、この計画に基づき基本設計を進めるとともに、これら関係機関とプールや観客席の配置について確認を行うなど、オリンピック・パラリンピック準備局とともに調整を図りながら、基本設計の内容を取りまとめ、先般、オリンピックアクアティクスセンター及び有明アリーナについて入札公告を行ったところでございます。
 また、大会後の施設利用については、オリンピック・パラリンピック準備局において、アドバイザリー会議等を活用し、民間事業者や競技団体、地元自治体の意見等も参考に、後利用の方向性が取りまとめられており、その内容を適宜、基本設計に盛り込んでおります。

○遠藤委員 先ほど障害者のための施設という、こういう質疑もありました。そうしたさまざま出てくるご意見等々を適宜、基本設計の中に順次盛り込んでいて、これまでのところ、関係者間の意見の調整等々は順調にきていると、こういう認識でいいんだと思います。
 そこで、今後こうした関係機関等による具体的な検討が進む中で、やはり設計内容の変更など多くの要請や希望、そうしたものが出てくることも想定されるわけでありますけれども、この辺は柔軟に、柔軟なところは柔軟に、守るべきところは守るというような形で、その辺はどう今後対応していこうとしているのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

○草野オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長 大会成功のため、よりよい競技施設を整備することは開催都市の責務でございます。財務局としましては、整備の状況、進捗に応じ、節目節目でオリンピック・パラリンピック準備局と連携し、整備内容について関係機関の確認を行いながら、実施設計や工事を進めてまいります。
 また、動線や間仕切りなど整備内容に関する変更要請については、迅速に関係者間の調整を行い、整備内容に反映するなど、必要な対応を講じてまいります。
 さらに、大会後においても、末永く都民に親しまれる施設となるよう、現在、オリンピック・パラリンピック準備局で検討を進めております都民利用等施設運営に係る後利用計画とも調整を行いながら、長寿命化や環境負荷の低減、将来コストの縮減なども考慮して施設整備に当たってまいります。

○遠藤委員 今の一連の答弁をお聞きする限り、都の発注の都施設ですから、新国立のようなことは、そもそもスキームが違うからないんだと思いますけれども、ぜひ、いいものをつくっていただきたいと、このように思います。
 先ほども質疑ありましたけれども、今回の三つの施設、有明のアリーナ、オリンピックアクアティクスセンター、そして海の森水上競技場の発注に当たり、特徴的なことは、デザインビルド方式を適用するということであります。都の工事の発注においては、分離分割発注方式が大原則であるということは論をまたないわけでありますけれども、このデザインビルドの方式は、設計と施工を同じ請負者が行うだけでなく、施工業種も全て同じ企業体となる、いわゆる異業種JVを結成することになり、分離分割発注の原則に反するようにも見えるわけであります。そこで改めて、今回このデザインビルド方式を採用した理由とその効果、そして確認でありますけれども、三施設以外の発注はどのように行われるのか、答弁を求めたいと思います。

○松永契約調整担当部長 都の工事発注は、発注者である都が設計を発注し、基本設計や実施設計を完成させ、これら設計の成果品をもとに工事発注資料を作成した後、建築、電気、空調、給排水衛生など異なる業種ごとに工事を発注する分離分割発注を原則としております。これに対し、今回、実施するデザインビルド方式は、先行して発注した基本設計が完了した後、異なる業種を含んだ事業全体の実施設計と工事を一括で発注するものでございます。
 今回、デザインビルド方式を適用した理由といたしましては、完了までの時間的猶予も少ない中、施工の難易度の高い特殊な大規模施設で、都が求める最終的な工事目的物の品質を確保しつつ工期内の確実な履行完了を図る必要があるためでございます。
 効果としては、まず、設計段階から資材や人員調達の準備を行うことで、効率的な設計、施工が可能となること、そして、現場条件を踏まえた施工上の工夫、技術について、工程管理及び品質管理計画を視野に入れつつ設計に反映することで、その後の円滑な工事が可能となること、この二点が期待できるところでございます。
 デザインビルド方式は、有明アリーナ、オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場の三つの競技施設に限定的に適用するものであり、都の工事発注は分離分割発注が原則でございます。

○遠藤委員 限られた時間の中で、この事業全体の実施計画と工事を一括で発注すると、こういう対応の答弁だったと思います。
 ある方にお話聞いてみると、いわゆるこのデザインビルドと一般的な分離発注方式、仮に今回の都の発注に当てはめた場合、どれぐらいこの期間が変わるものなんですかということを一般論として聞いたところ、おおむね半年ぐらいじゃないかというような回答をする方もいらっしゃいました。ぜひ、この半年という期間を生かしていい施設をつくっていただきたいと思います。あわせて、先ほど来とまた重ねての要望になりますけれども、発注者としてしっかりと工程の管理、そして品質の管理を行っていただいて、確実な履行完了を図っていただきたい、このように思います。
 最後は、入札契約制度のうちの総合評価方式であります。これについては、既に何人の委員からもご質問がありましたので、意見だけいわせていただきます。
 この総合評価方式、工事契約から、今、業務委託契約の方にその裾野が拡大をしていると、こういったことでありました。ぜひ、この総合評価方式、全般でありますけれども、工事契約にしても、または業務委託についても、都民の生命また安心を守る観点、または防災、減災等に寄与する、こういうものについてよく精査をしていただいて、総合評価方式というものをしっかりと導入すべきところは導入をしていただきたいと、このように思います。
 そういった意味では、この評価をするということは、やはり職員の皆さんの目ききというのが非常に重要なことになってくるんだと思います。幾ら総合評価の高い点をとろうということで、技術的なノウハウをいろいろ民間が持ってたとしても、それを評価する側の都の職員の皆さんがその評価をし切れないということであれば、それは本末転倒になってくるんではないのかと、このように思います。この総合評価方式を拡大するその原動力になるのは、いろんな要素あると思いますけれども、都の職員の皆さんの目きき能力の向上であると思いますので、ぜひ、これらの分野については精力的に取り組んでいただきたい、このことを最後に要望いたしまして質問を終わります。
 ありがとうございました。

○松村委員 初めに、東京グローバル都債について伺います。まず、昨年度の第一回東京グローバル都債の発行をどのように総括していますか。

○岩瀬主計部長 都債を安定的に発行していくためには、投資家の裾野を広げ、投資家層を多様化することが重要でございまして、市場環境などを踏まえて、都債の魅力の向上を図ることが必要と考えております。
 第一回東京グローバル都債につきましては、新たに都債を購入された方も多く、年齢層の広がりも見られたことから、都債の投資家層を多様化する上で効果があったと考えております。

○松村委員 ところで、第二回外貨建て債が昨年度の五十億円相当から百億円相当に増額されていますが、なぜでしょうか。

○岩瀬主計部長 昨年度の第一回債は、従前の個人向け都債と比べても順調な販売でございまして、特に豪ドルの外貨建て債では、都としても投資家層を多様化する効果があったと考えております。こうした中、第二回債におきましても、投資家の需要を踏まえて、安定的に都債を発行していく観点から、外貨建てと円貨建てを同規模で発行することといたしました。なお、円貨、外貨を合わせた東京グローバル都債全体の発行額は約二百億円であり、従前と同様の規模となっております。

○松村委員 確かに、円貨建ては、金利が昨年は〇・一%、それから外貨建てのオーストラリア・ドルは三%と聞きました。今回、第二回の金利はまだ十一月に決定予定ということで知らされておりませんけれども、やはり利率が、金利が高い外貨建ての方がニーズが高いということで、総額二百億の中でも外貨建てをふやしていると、こういうことになると思います。
 そこで、今回の発行の目的は何でしょうか。

○岩瀬主計部長 都債は、世代間の負担の公平や年度間の財源調整を図るという観点から発行しております。一方で、最近の国内市場は、金融政策等の影響によりまして金利が低い水準で推移しておりまして、こうした中であっても安定的かつ確実な都債の発行を図るため、投資家需要などを踏まえて発行内容を工夫していくことも必要と考えておりまして、今回、外貨建て債を継続して発行することといたしました。

○松村委員 この今の発行により集められる資金を、東京都長期ビジョンに掲げる都市防災力の強化や国際都市東京にふさわしい東京インフラの整備などに役立てるというふうに、その目的といいますか、充てる資金を、この第二回発行については書いてあります。
 私、ちょっと地方財政法を調べましたけれども、地方財政法五条は、地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもってその財源を充てなければならないと、地方債の発行を原則禁止しています。例外的に発行を認める主なものは、一つは、文教施設、厚生福祉施設、公園などの公共施設や庁舎などの公用施設建設事業、二つが、料金収入により元利償還の財源が確保される上下水道、病院などの公営企業施設、三つ目が、突発的に発生した災害復旧などの事業、四つ目が、地方公共団体の行政目的に沿う公共性の高い法人等に対する出資金、貸付金だと定められております。
 起債は充当額も決まっていますし、先ほどの漠然とした、防災のためとか、都市のインフラ整備のためというような使途では、私は発行は許されないのではないかという認識を持っていますけれども、どうなんでしょうか。

○岩瀬主計部長 今お話しのように、東京グローバル都債で調達した資金は、地方財政法に基づきまして、東京都長期ビジョンに掲げられる都市防災力の強化や国際都市東京にふさわしい都市インフラの整備などに関する事業に充当する予定でございます。
 具体的には、例えば都市防災力の強化ということであれば、橋梁の整備ですとか、高潮防御施設の整備ですとか、防災公園の整備等、それから都市インフラの整備ということでは、例えば道路のバリアフリー化など、こういった事業に具体的に充てられるものでございます。
 したがいまして、この充当は予算に定められた起債の目的及び起債限度額の範囲で行われるもので、関係法令に基づき行われるものでございまして、適切なものと考えております。

○松村委員 例えば、都営住宅とか、そういう年度間にまたがる施設、特に施設建設などについては都債を充てると、これは従来のやり方だというふうに私も認識してますけれども、もう少しやっぱり使途を限定するような、一旦、じゃ、資金二百億円集めたものを基金などに積むんですか、それとも、例えば、来年度予算とか今年度予算で既にこの外貨建てだとかグローバル都債の二百億円をこのように割り当てるというような、予算というか示された上での発行なんでしょうかということが私が聞きたかったことなんですけれども、いかがでしょう。
 漠然としてそういう使途のために使うんだといっても、やはりはっきりとした目的をもう少し定めるのが、私は一般的だというふうに認識しておりますけれども、その点はいかがなんでしょうか。

○岩瀬主計部長 先ほど、例として申し上げました事業につきまして、これは単純な例ではなくて、実際に二十七年度予算で予定されている事業でございます。そうしたものに具体的にこの起債の資金というのは充当することになっておりますので、先生のお話のように、例えば基金に積んでしまうとかそういうことはございません。

○松村委員 当然、地方債の元本や利息の返済は、基本的には税収によって賄われます。その角度からいえば、福祉予算の削減などを招くものではないかと思いますけれども、いかがですか。

○岩瀬主計部長 外債の発行時には、都では、利払い並びに償還額を円ベースで固定しておりまして、その際の都の外債というのは、国内債と比して、都にとって将来負担の抑制につながる有利な資金調達をもともと行っております。
 今、お話の福祉予算の削減を招くのではないかというご懸念についてですけれども、これは、都債のそもそもの世代間の負担の公平ですとか、そういった役割に基づいて発行しているものでございまして、具体的に、例えば都債の充当事業としては、特別支援学校の改築ですとか高等学校の改築などにも充たりますし、障害者の施設の整備費の助成にも充たると、こういう事業にも充ててございます。したがいまして、都債の発行で福祉予算の削減を招くというようなご指摘は当たらないというふうに考えております。

○松村委員 私が指摘しているのは、利率、利子が、例えば外貨建てだと三%とかそれ以上ということで、五年後の満期一括償還で百億資金を調達しても、当然五年後には利子をつけて返さなければならないと。それは当然税金で賄われると。確かに、だからいろんな施設だとかいうことに対して、長期にわたった世代間の公正とかいう場合は、単年度の税金収入で全てを賄うということは無理というか、そういう財政的な運営ではないやり方で、だからこそ借金というか起債発行については、ある意味では、今まで許可制とかいろいろ厳しい使途がはっきりし、しかもその利子というか利率が、先ほども例えば、いろんな公共事業だと料金収入によって、借りた借金をその公共料金の収入によって充てることができるとか、そういうやっぱり金利に対する満期のときの支払いもはっきりさせなければならないと。
 そういう意味では、例えば福祉予算を--やっぱり一般財源から利子を払うということになると思うんですよ。それが、だから福祉予算の低下を招くと、そういう指摘は当たると思うんですよ。なるたけそういう借金とかはしないでというか、やはり財源というのは単年度の税金でもって福祉施策の拡充を行っていくという、それが減るという意味での指摘をやはりきちっと受けとめるべきだというふうに、私は主張したいというふうに思っております。
 次に、外貨建て債券は、外国通貨ベースで募集している債券でありますから、外貨建て債券のリスクは、通常の円建て債券とは違い、通常の債券リスクではなく為替リスクが加わるのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。

○岩瀬主計部長 都では、外債発行時におきまして、利払い並びに償還額を金利スワップなど、金融のさまざまな手法を活用いたしまして、円ベースで固定をしておりまして、為替変動リスクは負ってございません。

○松村委員 発行者の都は、今、主計部長がお答えになったような、固定されているというんですけど、私が聞いているのは投資家です。投資家が為替変動により、やはりリスクを負うんではないかと。そういうことは、だから東京都が、円建てじゃなく、特に利率の高い為替リスクなど負う、そういうことをやることがいかがなものかと、そのことを聞いているんですけれども、当然そのリスクはありますよね、投資家にとっては。

○岩瀬主計部長 投資家の方が、例えば、豪ドルと円を償還時に交換するという場合などは、為替変動によりまして、為替損益が発生する可能性はお話のとおりございます。
 都は、発行体といたしまして、売出人である各証券会社に、販売に当たり投資家への説明資料に留意事項をしっかりと記載することに加えまして、リスクを含めて丁寧な説明を行うよう要請しております。投資家は、市場環境を総合的に勘案した上で投資を判断しているものと考えております。

○松村委員 日本国債の場合は、金利の支払いや満期時の償還は円で行われるので、満期保有のリスクは信用リスクだけだと思います。ところが、外貨建て債券の場合は、金利や満期時の償還もそれぞれ外国通貨で行われるため、為替レートの状態によっては、発行体の信用リスク以外に為替の差損、差益ですけれども、これが生じるリスクがあります。投資家が現実的に特定の為替レートを予想することは不可能であると私は思います。
 金融商品取引法の四十条には適合性の原則がうたわれています。金融商品取引業者が外貨建て債券、投資信託等の金融商品を勧誘する場合には、顧客の知識、経験、財産の状況等、顧客の属性を総合的に考慮して、それぞれの顧客に見合った勧誘をする必要があるとされています。また、取引契約を締結する場合には、あらかじめ顧客の投資判断に必要な情報を記載した書面を交付し、顧客に理解されるために必要な方法、程度による説明をしなければならないとされています。
 しかし、地方債契約は、契約内容が一方当事者によって事前に作成されています。そのため、地方債購入者は、その契約内容で契約するかどうかのみを選択することしかできなく、交渉の余地が全くない付合契約となっていると専門家は指摘しています。このような付合契約の現状を考えると、自己責任論を適用するのは適切ではありません。
 投資家が証券投資でもうけるのは、安く買った株の株価が上がって売却したときです。その一方には、高く買った株を安く売って損をした投資家が存在します。証券市場を動かすことができるのは、巨大な銀行資本と巨大な企業がかたく結びついた金融資本です。証券投資におけるもうけの大半は金融資本に吸い寄せられます。さらに、東京グローバル都債、仲介するこの五社です。野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券、みずほ証券など各証券会社は、仲介したときに人々から受けるその手数料で大きな収入を得ると考えられます。東京グローバル都債を仲介するこの五社の手数料は幾らですか。

○岩瀬主計部長 手数料につきまして申し上げますと、手数料につきまして、今後、都に有利な水準で契約できなくなるおそれがございますことから、詳細はお示しできないこととなってございます。
 なお、外債の発行時には、金利だけでなく手数料を含めた発行コストにつきまして、国内債と比して都にとって有利な資金調達となっております。

○松村委員 証券会社は、日本が長い間ゼロ金利政策などを通じて歴史的な低金利が続いていることから、諸外国の金利の高い通貨建ての債券の売り出しに躍起となっています。地方自治体の基本的な役割は、住民の福祉の増進を図ることであります。東京都は、住民のよりよき生活を奪うリスクのある外貨建て債券を扱う過ちを犯すべきじゃないと強く主張して次に移ります。

○岩瀬主計部長 先生のお話にもありましたとおり、都債の発行に当たりましては、なるべくその利払い額を低くして、東京都の負担をなるべく少なくしていくということが大事なことであると思っています。そうした中で、外貨建て債の発行というのは、先ほど申し上げましたとおり、東京都にとって最終的には有利な資金調達になるように出しているものでございまして、その点におきましては、先生がお話しの、なるべく金利を圧縮していくというお考えに沿ったものというふうに考えております。
 そして、結果的に都債の発行というのは、これは世代間の負担の公平ですとか、そういったことを踏まえて公共事業に使うわけでございまして、そうした資金調達ができることが、東京都にとっては、やはり交付税の不交付団体でありますし、また税収につきましては大きな変動がございますので、そういった中では、大変重要な資金調達の手段でございますので、これはきちんとやっていかなきゃいけない、このように考えているところでございます。

○松村委員 今の部長の主張というか、投資家は当然リスクを伴って自己責任だといっても、東京都みずからが、そういう為替差損だとかいろんな変動でそういう状況があるわけですよ。東京都は、資金を手に入れられればそれでいいという問題ではないと、東京都がやるべき仕事ではないということを私ははっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 また、今の東京都の財政状況から見ても、当然そういうことがいえますし、ましてや今、先ほどいった一部大手の証券会社も含めた、そういう利益といいますか、都民がそういうことを納得できるような資料開示といいますか、はっきりさせてからいってほしいというふうに思います。
 いずれにしたって、これまだ満期が来ていませんし、第一回もまだ一年ですから、三年後、五年後はっきりしてくると思いますので、そういう論議を、こういう主張を私たちはしておきたいというふうに思います。
 次に、地方財政について伺います。国は、これまでの不当な措置に加え、法人住民税の税収まで二〇一七年度から一兆円規模で吸い上げることの検討に入ったと聞きます。とんでもない暴挙です。我が党としても、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税を速やかに撤廃し、地方税として復元することと、新たな住民税の一部国税化を断じて行わぬように強く求めるものです。
 そこで、東京都財務局主計部財政課は、この九月に、地方税財政に関する東京都の主張、共存共栄による日本全体の発展を目指しての冊子を発行しました。この中で、都には大都市としての膨大な財政需要があるとして、東京外かく環状道路整備なども含めての主張があります。これには賛成できませんが、共存共栄による日本全体の発展を目指すというならば、都の立場や役割を主張することもさることながら、地方とも力を合わせ、現在、税収が、国と地方で六対四となっております。これを少なくとも、四対六に逆転させることに全力を挙げるべきです。
 そこで、都は、この冊子でも、総体として地方税財源を拡充することこそ目指すべき方向性としていますが、具体的にどう進めていくのか伺います。

○岩瀬主計部長 都は、これまでも真の地方自治を実現するため、地方法人課税の不合理な偏在是正措置の撤廃はもとより、国から地方への税源移譲など地方自治体の役割に見合う形で地方税財源を拡充すべきである旨、国に対し強く求めてまいりました。
 こうした地方税財政制度の見直しに当たりましては、国の法改正が必要であり、都だけではなく、より多くの自治体と歩調を合わせ、国に対し、しっかり主張していくことが重要でございます。
 引き続き、都の主張に対する他自治体の幅広い理解を得るべく努力するとともに、総体としての地方税財源の拡充に向け、地方自治体が一丸となって国に訴えてまいります。

○松村委員 憲法に明記されているように、税の応能負担の原則に基づいてきちっとやれば、国も地方も十分財源は賄えるというふうに私は考えています。ところが、二〇一五年度の税制改正大綱を見ても、その主な内容は、消費税の固定化、つまり、そのときの経済状況によってという、その条項をなくしました。それから二つ目には、大企業の法人実効税率の引き下げをやっております。三番目には、富裕層向けの贈与税負担軽減というもので、さらに十六年度も法人実効税率を引き下げることで検討に入ったと報じられています。
 こうした税の応能負担の原則に反し、不公平税制を一層拡充してきた結果、税収がどうなったかを私も調べてみました。一九九〇年度と二〇一五年の税収を比較すると、九〇年の税収は所得税が二十六兆円、法人税が十八兆四千億円、合わせて四十四兆四千億円でした。ところが、一五年度における概算税収ですけど、まだ決算出ていませんから、所得税が十六兆四千四百二十億円、法人税が十兆九千九百億円、合わせて二十七兆四千三百二十億円です。所得税と法人税の一五年度収入、一九九〇年より約十七兆円の減収になっています。その主な原因が、大企業に対する法人優遇税制、それから富裕層に対する所得税の優遇、それから消費税による一層の不況の深刻化。しかも、一五年度の税収のトップが、この消費税の十七兆一千百二十億と、ついに所得税だとかそれよりも逆転してるんです。今のこういういびつな構造、そこをやっぱり根本的に正すように国にやはり求めていくことが私は重要だと思います。
 不公平税制、これを正すことによって、国と地方の税収をふやすことができます。これこそが本当だと私は思います。このようなやり方を実現させ、不当な地方税収の吸い上げをやめさせるとともに、国と地方の税収の比率を六対四から四対六に逆転させるべきことを求めます。
 次に、国の不当な攻撃に対しすきのない反撃をするためにも、やはり都民の支持を本当に集めて、これでもって迫っていく必要があるというふうに思います。年次財務報告書では、社会保障関係費について、毎年三百億円の増加が見込まれるとのことですが、この推計はどのようになされたのでしょうか。

○岩瀬主計部長 年次財務報告書に掲載している社会保障関係費の推計につきましては、現行の制度下で既存の事業を継続するという前提で、第三者が推計したものでございます。
 具体的には、高齢者分野や子供家庭分野など、各分野における事業ごとの決算をもとに、それぞれに影響を及ぼす人口推計などの変数を乗じた上で、物価上昇を反映するなどして試算してございます。

○松村委員 毎年三百億円ずつふえるという、この第三者委員会の評価というものを私たちはうのみにすることはできないと思います。もう少し、やはりはっきり資料をもって精査しなければならないという立場ですが、それにしても、増額分の十年間の累計がこれによって一兆五千億円にもなるという、しかも、これは現在の福祉レベルを前提としています。保育や医療、介護などの充実を図ることを考えれば、さらに必要財源は膨らみます。ただでさえ低い水準のサービスをこれ以上下げるわけにはいきません。
 また、社会資本ストックの維持更新経費の増加も、今後二十年間の増加分の累計で約二兆三千億円になるとしています。これも現在の社会資本のレベルを前提としています。河川護岸や海岸施設などは、首都直下地震に備え総額三千八百億円をかけて耐震性強化と高潮、津波対策のための改修、改築に取り組むと表明されており、集中豪雨対策や再生可能エネルギーの拡充などにかかわる財源も膨らみます。これにより、今後十年間トータルで少なくとも二兆円以上の新たな財源確保が求められます。このように、年次財務報告書では、社会保障費や社会資本ストックの不足が今後増大する試算をしていますが、この増大に対してどのような財政運営を行っていくのでしょうか。

○岩瀬主計部長 都はこれまでも、無駄をなくすという視点から、歳出の精査を徹底し、施策の一層の重点化、効率化を図りながら、福祉や医療の充実、社会資本ストックの維持更新はもとより、防災対策や雇用、中小企業対策など、必要な施策に的確に財源を振り向けてございます。
 引き続き、都民生活の向上に向けて必要な施策を積極的に展開するとともに、都債や基金を計画的かつ戦略的に活用し、施策展開の礎となる財政基盤の強化を図ることで、将来を見据えた財政運営を行ってまいります。

○松村委員 本年度の予算の投資的経費は十七年ぶりに一兆円を超えました。今後、オリンピック開催などを踏まえると、さらに投資的経費が増加していくことが見込まれます。
 そこで、社会保障費や社会資本ストックの維持更新経費が増加していくと見込まれる中で、大型開発重視の姿勢を改めるべきだと、財政当局もやはりしっかりとした立場を貫いて全庁的な財政運営を図っていくべきではないかと思いますけれどもいかがでしょうか。

○岩瀬主計部長 今後、増大していくことが見込まれます社会保障需要や社会資本ストックの老朽化対策など、将来にわたって避けることのできない財政需要に対し、的確に対応していかなければならないことは当然でございます。
 一方で、羽田空港や環状道路を初めとする都市インフラの整備は、都民の利便性や東京の国際競争力を向上させるだけでなく、その効果が全国に波及することから、日本全体の発展を目指す上でも必要不可欠な取り組みであり、着実に進めていく必要がございます。
 今後とも、財政の健全性に留意しながら、ハード、ソフト両面にわたり山積する都政の諸課題にしっかり取り組んでまいります。

○松村委員 東京の持続的な発展を実現するためにも、やはり投資的経費については、不要不急の都市インフラの新規整備を最大限に抑えることが求められています。
 都市計画道路についていえば、年間約二十五キロメートルのペースで建設されており、都の道路計画への投資額は三千億円、区市町村の都市計画道路の整備費は四百億円程度で推移しています。これも代表質問で我が党は指摘しましたけれども、未整備の都市計画道路は約千二百十キロメートルありますから、このままでいくと、今後約十五兆円もの巨額の財源を投入することになります。都は、未着手の都市計画道路の必要性を検証するとしていますが、しかし、前回の見直しで廃止したのは一部路線、それも振りかえて、実際には実施しているんですね。今回の検証でも一日当たり六千台の車が見込まれれば必要とか、あらゆる都市計画道路をやっている。そんなところは全国を見て本当に異常といえるような事態です。全国的にも財政が厳しいから、やっぱり長年着工ができないとか、そういうような、大胆に見直しをしていることから考えれば、ぜひやはり東京都としても、財政面からも財務当局が厳しくこの点を正していきたいと、今後大幅な税収増が見込めないことに加え、社会保障費がさらに大幅に増大することが明らかであり、都市計画道路への大幅な投資額の伸びは見込めない状況ですと、これもだから認めてるんです、今回の第四次計画の中間のまとめでも。ですから、やはりそういうことをきちっと財務当局としても正していただきたい。
 また、知事自身も車中心のモータリゼーション社会からの転換という大方針、必要だといっています。少なくとも住民の反対が強いなどの問題がある道路計画、こういうものは思い切って見直すように財政の立場からも求めることを強く要求し、質問を終わります。

○神野委員 私からも、旭化成建材が施工したくいデータ転用に関して質問をします。本件に関しては、既に多くの質疑が行われていますので、なるべく重複がないようにしたいと思います。
 旭化成建材のくいデータ転用ですが、当初、問題になった担当者だけではなく、都有の物件を含め、複数の担当者が多数の工事で不正な資料の作成を行っていたことが判明し、同社では、くいのデータ転用が常態化していたと疑わざるを得ない状況となっています。ただし、横浜市のマンション以外では、幸いにも実際のくいが強固な地盤に届いていないといった重大な施工不良は判明していません。
 同社の工事記録の不正行為は厳しく批判されなければならず、全容の解明が待たれるところでありますが、工事記録の不正行為が、実際のくいの施工不良とはイコールではないということから、今回の件に関しては、事実関係を適切に判断した上で冷静に対応していくことも必要と考えます。
 旭化成建材が関与した都有施設三十一件の中には、学校施設が十一件あります。これらは財務局みずからが施行委任を受け工事を行ったものであり、生徒やそのご家族など関係する方々に早く安心してもらうことが必要だと思います。
 そこで、財務局では、旭化成建材がくいを施工した学校施設などについて、どのような調査を行い、くいの施工状況や建物の安全性を判断したのか、伺います。

○久保田建築保全部長 財務局では、この間、設計図書やくい工事の施工記録、旭化成建材株式会社へのヒアリングなどをもとに、技術職員が支持層の状況や明らかなデータの転用の有無、掘削の長さ、くい本体の長さ、注入したセメントの量や強度、施工状況写真などを詳細に点検をし、明らかなデータの転用があった場合には、当該くいに隣接するくいの施工記録とも比較、照合を行いました。あわせて、現地におきまして、建物の傾斜や構造の不良に起因する外壁のひび割れなどの有無についても確認をいたしました。
 この結果、首都大学東京及び都立狛江高等学校の二施設三件の工事におきまして、くい工事の一部電流データの転用が判明いたしました。いずれも、建設工事に際しまして、当該敷地のボーリング調査を実施しており、強固な地盤である支持層は、おおむね一様の深さにあり、この調査結果に基づき設計を行っていることも確認をいたしました。
 実際に使用したくいにつきましては、一部に電流計データの転用があったものの、くい工事全体の施工記録を精査した結果、おおむね一様の深さで全て地中に埋め込まれ、かつセメント量や強度が適正であることを確認いたしました。
 くい施工時には、都の監督員や工事監理者が立ち会い確認を行っており、確実に支持層に到達しているといえます。さらに、現地調査も行いまして、建物の傾斜等も見られないことから、建物を継続して使用することに問題はないというふうに判断をしたところでございます。また、三施設以外の八件の学校施設工事につきましては、現時点で、データの転用等、施工記録上も問題は発見されておらず、くいが適切に施工されていることを確認したところでございます。

○神野委員 データ転用のあった首都大学東京と都立狛江高校の二校三件については、横浜のマンションのように地盤に大きな傾斜がなく、強固な地盤が一様であることを事前調査で確認した上で設計がされており、施工記録の詳細な点検や現地調査により、建物の安全性が確認されたということがわかりました。
 また、ほかの八件の学校施設の工事についても、財務局の調査では、全て問題なく施工されているとのことでした。また、本委員会の所管ではありませんが、くいのデータ転用があった都営住宅二棟についても、同様に建物の安全性に問題ないことが公表されており、安心いたしました。
 都においては、データ転用があったという事実は深く受けとめ、都民の安全を守る都有施設の工事において、今後、データの転用等の不正が行われないよう工事関係者の対策を打たなければなりません。
 先ほど、ともとし委員からも指摘がありましたが、元請業者に対して工事の確実な実施と適正な記録の作成を改めて強く指導し、都の監督員も今まで以上に注意深く業務を行っていく必要があると考えます。また、既に建設されている都有施設の安全性に対する都民の関心が強いことから、調査対象の都有施設三十一件について、調査結果を早期に公表するべきと考えますが、都の見解を伺います。

○久保田建築保全部長 旭化成建材株式会社が関与いたしました都有施設三十一件について、関係各局と連携して行った調査は、おおむね終了をいたしまして、現時点で調査が終了した施設におきましては、データ転用が判明した施設を含めまして、くい工事が適正に施工されていることを確認いたしました。調査結果につきましては、施設ごとの利用形態や周辺住民など関係者への影響も考慮の上、近日中に施設名とともにその内容を公表する予定でございます。その後、都の調査結果と旭化成建材株式会社が行っております調査結果と照合し、安全性を再確認した上で最終経過を公表してまいります。

○神野委員 都の調査結果が近く公表されるとの答弁でした。各局と連携して取りまとめを行い、都民が安心できるようにしていただきたいと思います。
 今後は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、多くの大型工事の建設が本格化します。あわせて、都民が日々利用する都有施設の整備も休むことなく進めていく必要があります。
 そこで、都有施設の確実な品質確保に向けた局長の決意を伺います。

○長谷川財務局長 横浜市のマンションから始まりました一連の案件は、建物を支えるくいの施工記録の転用など、建物の品質確保の信頼を損なうものと認識しておりまして、発覚後速やかに都有施設を対象に調査を開始し、関係各局とも連携をして施工記録の確認や現地調査などを実施してまいりました。
 その結果、現時点におきましては、調査対象の都有施設のくい工事が適正に施行されたことをおおむね確認ができましたけれども、今回の事件を教訓といたしまして、都有施設の品質確保の取り組みをさらに確実なものとし、都民の信頼に応え、施設の整備を進めていく必要があると考えております。
 東京都におきましては、専門能力のある技術職員がこれまでもしっかりとした仕組み、体制をつくってきたものというふうに考えておりますけれども、局内はもとより関係各局とも連携をいたしまして、確実な施工管理、品質管理の体制を再点検いたしますとともに、これから整備する重要な教育施設や福祉施設、あるいは二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会の主要会場となる施設など全ての都有施設の建設工事を万全な品質管理のもとに確実に進めてまいる覚悟でございます。

○神野委員 局長の答弁を聞き、今後の建設工事についてもしっかり品質管理に取り組んでいくことがわかりました。都有施設の工事に際しては、答弁いただいた内容をしっかりと実行していただき、都民のみならず都有施設を利用する全ての人々が安心して利用できる施設づくりを行ってもらうことを要望して私の質問を終わります。

○鈴木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時五十二分散会

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