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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十号

平成二十六年九月二十六日(金曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長山崎 一輝君
副委員長斉藤やすひろ君
副委員長鈴木 隆道君
理事近藤  充君
理事曽根はじめ君
理事酒井 大史君
大津ひろ子君
ほっち易隆君
清水 孝治君
西崎 光子君
橘  正剛君
鈴木あきまさ君
植木こうじ君
高木 けい君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長中井 敬三君
経理部長奥田 信之君
契約調整担当部長松永 哲郎君
主計部長潮田  勉君
財産運用部長岩瀬 和春君
利活用調整担当部長菊地 俊夫君
建築保全部長室木 眞則君
技術管理担当部長妹尾 高行君
庁舎運営担当部長井上  充君
オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長小野寺弘樹君
主税局税制部長加藤  隆君

本日の会議に付した事件
意見書について
財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十一号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入
・第百七十四号議案 警視庁王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
・第百七十五号議案 警視庁八王子警察署庁舎(二十六)改築工事請負契約
・第百七十六号議案 都立新島高等学校(二十六)改築工事請負契約
・第百七十七号議案 東京国際フォーラム(二十六)ホール棟改修工事請負契約
・第百七十八号議案 東京国際フォーラム(二十六)ガラス棟改修工事請負契約
・第百七十九号議案 東京国際フォーラム(二十六)電気設備改修工事請負契約
・第百八十号議案  東京国際フォーラム(二十六)空調設備改修工事請負契約
・第百八十一号議案 東京国際展示場(二十六)拡声設備改修工事請負契約
報告事項(質疑)
・「平成二十五年度東京都年次財務報告書」について
・「地方法人課税を巡る動向と東京都の主張」について

○山崎委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○山崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第百七十四号議案から第百八十一号議案までの契約議案につきましては、議長から事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十一号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、予算総則、歳入及び第百七十四号議案から第百八十一号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○奥田経理部長 それでは、先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元に配布してございます要求資料第1号をごらんください。
 こちらは、工事の入札における不調発生率について、区分別に年度ごとの推移をお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山崎委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、私からは、今回の補正予算につきまして、東京都の考え方を何点かお伺いをさせていただき、理解を深めていきたい、このように思っている次第でございます。
 一昨日の代表質問でも、我が党の村上英子幹事長が補正予算について取り上げたところでございますが、東京都は、七月三十一日に、都内の待機児童数が前年に比べて五百五十五人増加してしまい、過去最高となります八千六百七十二人となったことを公表されました。そして、このたび、第三回定例会におきまして、保育サービスの拡充等に関する補正予算案を提出いただいたというわけでございます。
 この補正予算案は、我が党が七月三十一日に提出をさせていただきました保育サービスの拡充に関する緊急要望に呼応した形をとっていただきまして、まずは、その迅速な対応に敬意を表したいと思うわけでございます。
 しかしながら、この待機児童の解消問題というのは、なかなか悩ましい問題でございます。さまざまな自治体で苦労をされているかと思うわけでございます。実は、私の地元であります立川市でも、さまざまな保育サービスの拡充をした結果、一旦、平成二十四年には七十七人まで下がったこの数字が、その後、平成二十五年は八十八人、そして平成二十六年は九十五人と増加してしまっている状態になっております。
 我が党は、日本の将来を担う子育て世代に優しい東京をつくるため、これまで認証保育制度の創設ですとか、あるいは保育事業者、そして保育の実施主体でございます区市町村への支援の拡充など、東京都とともに保育サービスの拡充に努めてまいりました。
 にもかかわらず、結果的に、待機児童数が過去最高になってしまったこと。このことは、施策の拡充とニーズ刺激の関係というのがよくあるそうでございますが、そういったことなのかもしれませんけど、しかしながら、私どもは研究者ではございません。したがって、常に結果が求められるような立場を担っているわけでございます。
 あくまで、待機児童ゼロを目指して努力をしていかなければならない、このことは論をまたないわけでございます。
 そこで、まずお伺いしたいんですが、確認の意味で、今回、補正予算の編成に至った経緯とその概要につきまして、まずはお伺いしたいと思います。

○潮田主計部長 委員お話しのとおり、都はこれまでも、大都市の実情に応じた保育サービスを実現させるために、認証保育所制度や小規模保育制度の創設など、新たな施策の推進に積極的に取り組んでまいりました。
 しかしながら、保育サービスを利用したいという潜在ニーズが顕在化したことなどによりまして、都内の待機児童数が過去最高の八千六百七十二人となったことが明らかになりました。
 そのため、今回、保育サービスのさらなる拡充を図るべく、新たな施策を速やかに実施することとし、ご提案を踏まえ、補正予算を編成したものであります。
 具体的には、福祉インフラ整備のための新たな補助制度の創設や、区市町村におけます保育所整備を加速させる取り組みを推進していくため、合計三十二億円を計上いたしました。あわせて、東京オリンピック・パラリンピックにおいて、メーンプレスセンターとなります東京国際展示場の増築に着手するために、約七千万円を計上してございます。

○清水委員 ありがとうございました。今回の補正予算案の編成に至る経緯と概要につきましては、ただいまご答弁いただきまして、改めて理解をさせていただいたわけでございます。
 それでは、今回の補正予算の具体的な中身につきましては、所管の委員の皆さんにお任せするといたしまして、財政委員会でございますので、私は、東京都財政におけます補正予算の活用のあり方について総括的に伺いたい、このように思っているわけでございます。
 国では、今月の五日に、麻生財務大臣から、経済対策といたしまして補正予算の編成も一つの選択肢というような発言があるなど、最近では、景気対策を目的とした補正予算の編成が適宜行われていることだと思うわけでございます。
 地方自治体で考えた場合でも、地方自治法第二百十八条の一項には、このように書かれております。予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加等を加える必要が生じたときは、補正予算を調製し、議会に提出することができると規定されております。実際、他の道府県では、定例会ごとに補正予算を編成している自治体もよく見られているわけでございます。
 私の地元立川市でも、議会開催ごとに補正予算が組まれておりまして、いわば補正が常態化しているようなことが現状じゃないかなと思うわけでございます。
 そこで、東京都における補正予算の編成の考え方につきまして、他の道府県との違いも含めまして、お伺いしたいと思います。

○潮田主計部長 まず、都では、当初予算を年間総合予算として編成することを基本としておりまして、一年間の歳入を全て見積もるとともに、その年度に必要な施策全般を当初予算に計上しております。これは、都民や議会の皆様に年間を通じた予算をお示しすることで、施策について総合的な議論を行っていただくとともに、全体像を明らかにすることで、施策を計画的かつ有効に遂行することができると考えているためでございます。
 ただ、これまでも、当初予算編成後に新たな事由が発生し、特に、緊急性や必要性などが高いと認められる場合には、適切に補正予算を編成しております。
 これに対しまして、他の道府県、とりわけ地方交付税の依存度が高い自治体におかれましては、当初予算編成の段階で、年間の歳入を確定的に見込むことが困難であることなどから、年度途中で複数回交付されます地方交付税を財源として、その都度、補正予算を編成するといった状況にあるものと認識しております。

○清水委員 ありがとうございました。ただいま部長の答弁にあったように、補正予算の編成につきましては、東京都と他の道府県では、地方交付税を受けているかどうかによりまして状況が異なってくるのかなというふうなことでございます。
 東京都は、当初予算を年間総合予算とすることを基本に据え、補正予算も必要を見きわめた上で編成していることだということでございます。他方、予算にはいわゆる財政民主主義に基づきます超過支出禁止の原則がございます。基本的には、議会の承認を得た当初予算の範囲で支出するものだと思うわけであります。
 しかし、最近は、地方が担う役割も大分ふえてまいりました。自治体を取り巻く課題も少子高齢化や防災対策、産業振興、社会資本ストックの維持更新など多岐にわたってきておりまして、臨機応変な対応を全く許さないような考え方では時代の変化に対応できないことは、理解ができるわけでございます。
 そこでお伺いしたいと思います。これまで実際にどういった内容の補正予算が東京都では組まれてきたのか、近年の都の補正予算の具体的な内容についてお伺いしたいと思います。

○潮田主計部長 都において近年編成されました補正予算の事由を大きく四つに分けて整理をいたしますと、まず第一に、都として緊急に対応すべき課題の解決を図るものがございます。
 平成二十三年度の六月補正のときには、東日本大震災の発生を受けて策定しました東京緊急対策二〇一一に基づきまして、被災者、被災地の支援や、震災の影響を受けた都内産業を支援する取り組みなど、都独自の必要性に応じた補正予算を編成しております。
 第二に、国の施策や補正予算に連動するものでございます。平成二十五年度六月補正では、国の緊急経済対策に時期を逸することなく呼応するため、国基金の事業化や国が補正予算で創設をした交付金を活用し、公共事業の前倒しを行ったものであります。
 第三といたしまして、特定事件等への対応を図るものがございます。平成十九年度九月補正での際には、大気汚染訴訟の和解に伴います拠出金の一部を受け入れるために補正予算を編成いたしました。
 第四に、義務的な予算措置であります。平成二十五年度一月補正では、専決処分を行った都知事選挙に係る費用を計上いたしました。
 このように、補正予算は当初予算編成後に生じた新たな事由に対しまして、その緊急性や必要性に応じて編成をしております。

○清水委員 ありがとうございました。つまり、今回の補正予算は、ただいま部長からご説明がありました第一番目に該当するような、緊急課題に対応するようなものであるかと思うわけでございます。また、数ある緊急性が高い課題の中から、今回の保育サービスの拡充ということに補正を充てたことは、舛添知事の政策的な思いが全面に込められているんじゃないかと、私たち議会にも伝わってくるわけでございます。
 これまでも、東京都は、都政が直面している状況をしっかりと捉え、緊急性のある課題や義務を果たすべき事項に対しましては、適宜適切に補正予算を編成されてきたのかなと思うわけでございます。
 私ども都議会自民党は、責任政党といたしまして、これまでも、必要なときには知事に政策提言や緊急要望を行わせていただきまして、政策の実現を訴えて、また、実現をしてまいりました。今回の保育サービスの拡充につきましても、そうでございます。
 また、去る七月七日には、昨年の十二月に発表させていただきました私どもの政策提言につきまして、これまでの取り組み内容や議論を踏まえて一層ブラッシュアップを図り、発表させていただいたわけでございます。
 これからも都民の負託に応えて、世界で一番の都市東京を実現するためには、都の予算をまとめる財務局が議会の提言を真摯に受けとめていただきまして、必要なときには、都民本位の予算編成を今後もしっかりと行っていくことが重要だと思うわけでございます。
 そこで、最後になりますが、今後の補正予算に関する基本的なスタンスにつきまして、財務局長の見解を頂戴したいと思います。

○中井財務局長 社会情勢の変化が著しい現代においては、社会のニーズを見きわめ、緊急的な対応が必要な課題に対しては、実効性の高い施策を速やかに実施していくことが求められております。
 今回の補正予算も待機児童数の増加などの緊急課題に対してスピーディーに対応するという基本認識のもとに編成したものであり、今後も、こうした視点を持って予算編成を行っていくことが重要であると考えております。
 しかしながら、改めてこの場で申し上げたいことは、補正予算を編成する上でも、まずその前提として、年間総合予算である当初予算をしっかりとつくり上げることが大事であるということでございます。
 当初予算の編成において、各局と十分に議論を重ね内容を精査した上で、都議会において十分にご審議をいただき、都民が必要とする施策を十全に当初予算に盛り込む、こうしたプロセスをしっかりと行うことによって、施策の計画的かつ着実な実施が確保され、都民サービスの向上へと結実していくものと考えております。こうした当初予算があって初めて、その後の状況変化等に対応する補正予算が生きてくるということだと考えております。
 また、当初予算、補正予算のいずれにおいても、その予算編成とあわせて、基金残高の確保など財政対応力を培い、強固な財政基盤を堅持することが、私ども財政を所管する者に課せられた使命であると認識をしております。
 財政対応力のあるしっかりした財政基盤がなければ、社会状況に迅速、柔軟に対応する予算編成はできないわけでございます。
 今後も、都議会の皆様のご助言を賜りながら、社会のニーズに適応した施策の迅速な実施と健全な財政運営という両面に目配りをしつつ、世界一の都市東京の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

○橘委員 私の方からも、今定例会に提案されております補正予算について質問いたします。
 七月三十一日に、本年四月一日現在の都内の保育所待機児童数が発表されました。それによりますと、対前年比で五百五十五人増の八千六百七十二人でありました。
 都が平成二十九年度末までに待機児童を解消するとの目標を明確にいたしまして取り組みを始めたさなかだけに、我が党は強い危機感を覚えました。そして、発表された七月三十一日、その日でございますけれども、我が党も、直ちに知事宛てに待機児童解消に向けた緊急要望を行ったわけであります。
 また、今月一日には、私が座長を務めております我が会派の少子社会対策プロジェクトチームが、安心して産み育てられる東京にと題する政策提言をまとめまして、待機児童解消など、子育て支援策を中心に、総合的に切れ目なく子育てを支援する体制の構築を申し入れました。
 現在、都内の各自治体では、待機児童の解消に向けた取り組みを続けておりますけれども、多くの自治体で、依然として待機児童は解消されておりません。したがって、都は、自治体や民間事業者が実施しております待機児童解消に向けた取り組みをもう一段踏み込んで、総合的に支援していく必要があろうかと私は思います。
 こうした状況の中で、我が会派の強い要望もございまして、都が今定例会に三千人規模の保育サービスの拡充に関する補正予算案を提出したことは、迅速かつ的確な対応であり、大いに評価するものであります。
 ところで、都においては、最終補正や第四回定例会での景気対策などは、これまでも幾度となく行われてまいりました。今、清水委員の質疑の中でも、いろんな補正が組まれてきたことは答弁にございましたけれども、第三回定例会で補正予算が提案されることはまれではないかと思います。
 そこで、この時期に補正予算を編成する意義を確認したいと思いますが、まず、第三回定例会において提案された補正予算は、直近では、いつ、どのような状況のもとで行われたか、確認しておきたいと思います。

○潮田主計部長 第三回定例会におきまして補正予算を編成した直近の実績は平成二十年度でございまして、今回の補正予算編成は、第三回定例会ということで申しますと六年ぶりとなります。
 二十年度の補正予算は、都民が抱える不安に対し、緊急かつ積極的に応えることを目的としまして、年度の途中ではございましたが、あえて編成をしたものでございます。
 具体的に申しますと、アメリカを中心とする金融不安や、原油、原材料価格の高騰などに端を発します国内景気、雇用状況の悪化への対応、また、大流行の危険性が懸念されました新型インフルエンザへの対応などについて、施策を厳選しつつ編成したものでございます。

○橘委員 第三回定例会での補正予算は、平成二十年度以来六年ぶりということでございますけども、これは都の財政運営の姿勢を示した大きな意義があろうと私は見ております。
 説明がありましたけれども、平成二十年度は、リーマンショックの影響により、景気が急激に悪化いたしました。そして、その年の第三回定例会の補正予算は、景気や雇用を中心とした、いわば緊急対策の第一弾と位置づけられたわけであります。そしてその後、第四回定例会で、東京緊急対策Ⅱというふうにつながっていくわけであります。
 そうした意味で、今回の補正予算の対象である待機児童の解消対策、それから、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた準備が、今の都政にとって緊急を要する重要課題であるということを裏づけているものと思います。
 一方、都がこうした課題に対して時期を逸することなく対応していくためには、柔軟に活用できる基金のような財源を日ごろからしっかりと蓄えておくことが重要であると認識しております。
 なぜならば、国の景気対策に呼応するものであれば、財源として国庫補助や国の基金があるでしょうし、最終補正であれば、都税の増収や経費精査などを財源に編成することは可能でありますけれども、この時期の補正予算では、なかなかそうした財源を確保することはできないのではないかと思うからであります。
 そこで、今回の補正予算の財源となっている二つの基金について伺いますけれども、補正予算に関する資料によりますと、安心こども基金から十八億円、財政調整基金から十四億円を取り崩して財源にするとしております。
 まず、今回の補正予算の財源としている二つの基金に関して、それぞれの目的と今回の補正予算によって取り崩した後の残高状況について伺います。

○潮田主計部長 安心こども基金は、国から交付されました子育て支援対策臨時特例交付金を財源として、保育所の計画的な整備等を実施し、待機児童の解消など、子供を安心して育てることができる体制を整備するために設置されました特定目的基金でございます。
 今回の補正予算においては、保育所緊急整備事業等の財源として十八億円を取り崩しました結果、平成二十六年度末の残高見込みは約百億円となっております。
 財政調整基金につきましては、経済事情の著しい変動等によりまして財源が著しく不足する場合などに取り崩すことで、年度間の財源調整を図り、長期的視点から、財政の健全な運営を図ることを目的として設置された基金でございます。
 今回の補正予算では、まず、特定目的基金でございます安心こども基金を活用しまして、その上で、財政調整基金の取り崩しは最小限に抑えておりまして、財政調整基金の平成二十六年度末の残高見込みは、約五千五百億円となっております。

○橘委員 財政調整基金の取り崩しを最小限に抑えつつ必要な施策を迅速に実施していることは、重要な視点かと思います。今回のような喫緊の課題に対応するために財政調整基金を活用することは、必要な処置ではありますし、中長期的な財政運営を考えた場合、年度間の財源調整機能を持ったこの基金は、いざというときの備えとして欠かすことのできないものであると思います。
 先ほどのさまざまな答弁から、平成二十六年度末には、財政調整基金の残高が約五千五百億円になる見込みとのことでありますが、一方では、都財政の持つ不安定な歳入構造や、都の財政規模などを正しく認識することなく、ただ財政調整基金の残高の多寡のみを捉えて、東京の財政には余裕があるといった東京富裕論を喧伝するような声が聞こえてくるのも事実であります。
 そこで、現在の財政調整基金の残高についてどのように評価しているか、見解を伺います。

○潮田主計部長 景気変動の影響を受けやすい歳入構造にあり、かつ、地方交付税の不交付団体であります東京都におきましては、財政調整基金は、貴重な虎の子でございまして、安定的かつ継続的に行政サービスを行っていく上で大変重要な財源でございます。
 リーマンショックの影響によりまして、わずか一年で約一兆円もの巨額な税収減に見舞われました事実が示しますように、都財政は、国内の経済環境のみならず、世界経済の動向や金融政策など、さまざまな要因に大きく影響されますため、将来の見通しを立てることは困難でございます。
 こうした過去の経験や予測困難な景気動向、さらには、今後ますます増大する財政需要などを踏まえますと、現在の財政調整基金の残高は、決して余裕がある水準にあるとまではいえないと、かように考えております。

○橘委員 一年で一兆円もの都税収入の減収があった過去もありました。少子高齢化の急激な進行といった今後の社会構造の変化を踏まえた場合、現在の財政調整基金の残高が、将来に向けた安定的な政策展開を確実に担保するほどの水準にあるとは私は思えません。
 これからますます財政需要が拡大していく可能性がある中で、財政調整基金のような柔軟性を持つ財政的な備えを決しておろそかにしてはならないと思います。
 今後も、都民ニーズをしっかりと把握し、緊急的な対策が必要な課題に対しては迅速に対応できるように、強固な財政基盤の維持に努めていただきたいと思います。
 最後に、今後の財政運営において、緊急、喫緊の課題に対する柔軟な対応の必要性も踏まえまして、安定した財源を確保しておくことの重要性について、局長の見解を伺います。

○中井財務局長 社会情勢が日々刻々と変化する現代において、社会のニーズを敏感に受けとめ、都政に課された使命を安定的、継続的に果たしていくためには、委員ご指摘のとおり、柔軟に活用できる基金のような財源をしっかりと蓄えておくことが重要であると考えております。
 また、景気の荒波にさらされてきた都財政の歴史を鑑みると、基金や都債を初めとする財政対応力を堅持することが、私ども財政を所管するものとしての使命であり、仮にこれまで都税の増収局面において、来るべき税収減への備えを怠っていたとすれば、都民施策へ重大な影響も生じかねない状況があったと認識をしております。
 今後も、直面する喫緊の課題に対する積極的な施策展開と、将来への備えを両立させる強固で弾力的な財政基盤を確保していくよう全力で努めてまいります。

○橘委員 政策を着実に実行していくためには、財源を安定的に確保することが不可欠であります。我が党は、今後も都民生活の安全と安心を実現し、都民の暮らしを守り抜くという観点から対応してまいりたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○植木委員 私は、契約案件にかかわって幾つかお聞きしたいと思います。
 契約の不調や不落などが社会問題になってきています。そこには契約制度における公平性、透明性、公正性の確保の問題だとか、中小企業への支援、あるいは技術者、技能労働者などの確保、育成の問題、そして公共事業のあり方の問題などが、課題があるというふうに思います。
 今回、要求した資料を出していただきましたが、私が昨年、入札不調について質問したのが十二月でしたが、その時点から比べても、不調の発生率がさらに増加していることが示されています。
 特に建築分野が不調発生率が高いと思うんですけれども、二十五年度で、既に二四・二%と、四件に一件の割合になっています。それが今年度では、既に六月末で二〇・二%という勢いになっていますが、昨年の同時期と比べてどうなっているでしょうか、現状をお示しください。

○松永契約調整担当部長 建築工事の不調発生率は、平成二十五年度の第一・四半期で一五・六%となっております。平成二十六年度の第一・四半期は、平成二十五年度と比べて四・六ポイント高い二〇・二%となっております。

○植木委員 今示されたように、第一・四半期だけでも四・六%も増加していると。このままの推移だと、今後さらに上昇する傾向が続くのではないかと。こうした現状についてどのように認識しているでしょうか。

○松永契約調整担当部長 要求資料第1号でお示ししたとおり、平成二十五年度全体の不調発生率は、前年度の七・二%から一三・一%に上昇しており、今年度の第一・四半期の一一・八%という不調発生率の状況を含めますと、都の公共工事を取り巻く現状は、依然として厳しい状況にあると認識しております。
 また、十月以降の年度後半に発注が集中すること及び不調の大きな原因の一つとして、技術者等の不足が背景にあることを考え合わせますと、今後も厳しい状況が続くものと考えております。

○植木委員 今後も、依然として厳しい状況になるというお話でしたけれども、不調の推移については、今お話がありました。
 工事の規模別、つまり予定価格の規模で見た場合の平成二十四年度と二十五年度の比較では、どのような傾向になっているでしょうか。

○松永契約調整担当部長 平成二十五年度と平成二十四年度の実績を比較いたしますと、一億円未満の規模では五・八ポイントの増、一億円以上四億円未満では五・一ポイントの増、四億円以上の工事では一〇・一ポイントの増となっており、いずれの規模でも上昇しております。

○植木委員 いずれの規模でも上昇しているというお話ですけれども、中でも、他のランクから比べて上昇率が大きいのが、いわゆる四億円以上のJV対象工事関係が非常に大きい、一〇・一ポイント増加しているということが示されました。倍率にしますと、実に三・五倍に急上昇していると。実際は、四億円以上の中でも、私は、巨額な工事での不調が増加してきているのではないかと。この間、何度か、契約問題の質問を通じてそのように思っているんです。
 とりわけ、具体的な事例でいいますと、豊洲新市場建設工事の三件で入札辞退者が出て不調になった。三件の合計では予定価格が六百二十八億円だった。再入札で、何と一千三十四億円と四百六億円の増額になりました。一・六五倍ということで、ようやく落札したということで大変驚きました。予定価格を公表して、それ以降、資材などの単価改定の条件などが幾ら違ったといっても、余りにも違いがあり過ぎるんじゃないかと、予定価格が本当に適切だったのか、こういう疑問も出てきています。
 予定価格と実勢価格の乖離がこんなにあるのかが、私は非常に不思議に思っているんでけれども、直近の単価を反映したら一・六倍、こういうことは異常と思いますけれども、いかがでしょうか。

○松永契約調整担当部長 工事の規模にかかわらず、不調発生の背景には、昨今の資材価格や労務費の上昇、技術者等の不足があると考えられます。
 特に、大規模工事につきましては、公表期間や事業者の見積もり期間を確保する必要があることから、小規模工事と比べまして、契約手続期間が長期にわたるため、予定価格の積算から入札までの期間の物価変動の影響を受けやすくて、予定価格と実勢価格に差が生じやすいという事情がございます。

○植木委員 確かに、最初の入札から一定の期間がかかっている、単価の設定から比べればさらにかかっている、半年間ぐらいかかったという、前に報告があったと思うんですけれども、それにしても、業界紙だけじゃなくて一般のマスコミも、これほどの上昇をしなければ契約できないのか、今後行われる公共事業は、どんどん契約単価が上がっていくんじゃないかと、こういう危惧の報道が当時たくさん出ました。
 もう一つの問題ですけれども、今回、提出をされている案件については八件ありますけれども、実際の入札は一者しか参加してないというケースが六件になっています。
 今回、議案になっております都立新島高等学校では、一回目は全部参加者が辞退をした。再入札で一者で九九・九九%で落札。八王子の警察署庁舎は、四者札を入れながら三者が辞退、九九・七三%。こういうふうに、一者で、結局最後は契約すると、こういう傾向が増加してきている。
 このことについて、やはり多くの方々から、こんな高率で、確かに予定価格出しているけれども、実態はどうなんだと、内実はどうなんだという疑問の声が出ていると思うんですけれども、こうした傾向についてどのように見ているでしょうか。

○松永契約調整担当部長 都の公共工事については、入札不調の増加とともに、入札に参加する事業者自体も減少傾向にございます。これは、先ほど申しましたように、昨今の建設需要の増大を受けまして技術者等が不足するとともに、資材価格や労務費の上昇により、予定価格と実勢価格とに乖離が生じやすいことによるものと認識しております。
 このため、現在、多くの事業者が入札に参加しやすい環境の整備に向けて取り組んでいるところでございます。

○植木委員 人件費や材料費とかいろんな事情があるというのは、もちろんわかっていますけれども、それにしても、こういう傾向を契約制度の面から見て、本当にこういうのでいいのかっていうのは、やっぱり疑問が残りますよね。豊洲市場の例でも非常に異常な引き上げ率。今回の事態は一者応札、九九・九九%と、もう事実上随意契約のようなものじゃないですか。こういう事例がどんどん増加している。
 私は、入札制度というのはどんな事態になっても、東京都がこれまで強調してきた公平性、公正性、透明性、競争性、ここは絶対崩してはならない、信頼を確保する責任が皆さんにあると思うんですね。
 そういう意味では、確かに、業界の実態、全体経済の実態から出てくることは間違いないんですけども、さらなる改善という方向性が必要じゃないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

○松永契約調整担当部長 工事の規模にかかわらず入札辞退者が発生するという背景には、先ほど来申し上げていますとおり、資材価格や労務費などの実勢価格の上昇や技術者等の不足があるというふうに考えております。さらに、このような厳しい状況の中で民間工事も増加しておりまして、事業者は受注する工事の選別を強めている傾向がございます。
 都としては、事業者の公共工事への参加意欲をさらに高める取り組みが必要であるというふうに考えております。これまでも都は、都民に必要なインフラを整備していくために、透明性、競争性及び品質確保という社会的要請を踏まえて、入札契約制度の構築に取り組んでまいりました。
 今後とも、より多くの事業者が入札に参加しやすい環境の整備に向けて、入札契約制度改革を着実に推進してまいります。

○植木委員 本当にこういう傾向が、去年から、さらにことしにかけて出てきている状況というのは、建設関係はもちろんのこと、メディアでも非常に危惧の念を報道しています。
 先ほど来、技術者不足は、不調の大きな要因の一つだということを繰り返しいっておりましたけれども、技能労働者が高齢化であったり、若年労働者は、この間ずっと低賃金が続いて、ほかの産業から、もう本当に賃金が安い、さらに新しく確保しても育成には時間がかかると、こういう深刻な事態があるわけですけれども、私は、こういう状況の中で、今、大型事業がどんどんめじろ押しに出てきている。そうすると、全体としても公共事業のパイがふえてきている。そうすると、それがどういうところに影響するのかということを私は非常に心配しているんです。
 大企業ですら、技術者や技能労働者の確保をして、施工能力を維持するということは大変なわけですけれども、それにまして中小企業は、人材確保、仕事確保はもっと大変だと思うんですよ。そういう点についてどのように見ているでしょうか。

○松永契約調整担当部長 中小企業は、大企業と比べまして経営基盤が弱いことから、技術者や技能労働者の確保において不利な面がございます。
 このため、技術者や技能労働者の不足によって、中小企業が都の入札に参加することを断念するケースもあることは、私どもも認識しております。

○植木委員 入札参加を辞退する、断念するケースもあるという、こういう状況がずっと広がっていくと、さらに深刻なことになると思うんですよ。
 私は、生活に密着した事業について、いろんなところで強調してきましたけれども、都営住宅だとか福祉施設、あるいは教育施設、こういうところは、中小企業の参入しやすいものとして、比較的中小企業が多いわけです。そういう意味で、中小企業の受注機会の確保を進めるということは、やはり契約の面においても、私はかなめになるんだろうと思うんです。
 中小企業の入札参加の機会を確保する上で、改善策の一つに、発注の平準化の問題に取り組むと、こういうお話がありましたけれども、現状でどのように進んでいるでしょうか。上半期に集中したり、あるいは年度末に集中したりということがあると不安定になると思うんですね。
 そういう意味で、中小企業の受注機会を確保する上での平準化の対策の現状、それから発注の予定情報についての詳細な提供が有効だと思うんですけれどもいかがでしょうか。

○松永契約調整担当部長 中小企業が入札に参加しやすい環境を整備するために、年度後半に集中する工事の発注時期を年間を通して平準化することや、事業者が将来を見通して受注計画を立てやすい環境を整え、整備することが重要であると考えております。こうしたことから、引き続き発注件数の平準化に向けて、年度を挟んだ工期設定が可能となるよう、工期が十二カ月未満の工事につきましても、債務負担行為を効果的に活用するなど、具体的に取り組んでまいります。
 また、事業者が計画的に入札に参加しやすくなるよう、発注時期や工事概要などの発注情報をより詳細に公表するなど、今後も、情報提供の充実を図ってまいります。

○植木委員 平準化についての説明がありましたけれども、実際はまだ余り進んでないんじゃないかと思うんですよね。今回、四分の一半期だけでも、建築関係では二〇%の不調が出たりしているというのは、そこだけに集中している可能性があるんだと思うんですね。そういう意味では、平準化の取り組みは、まだまだ初歩的な段階だろうと思うんです。これを大胆に進めていくことを私は強く求めていきたいと思っています。
 それから、予定情報の詳細な提供については、今簡単にしかお話なかったんですけども、私が供給公社のホームページを見ましたら、都営住宅などの計画がずっと載っていて、結構長い期間、スパンで載っている。ある業界紙で見ましたら、発注計画の事前提示は、応札する建設企業にとって、受注戦略の判断材料になると、こういうふうに評価して、彼らも独自に計算して、不調の率が減ったと、こういう表現がされていました。私、事実はわかりませんけれども。
 そういう意味で、一つは、発注の平準化が進むことによって、情報提供について、さらなる詳細な--出せる範囲というのはもちろん限られてはいますけども、可能な限り出していくこと。それからもう一つは、平準化が進むことによって、計画的な受注が可能になり、技能労働者の確保などが大変だという先ほどの中小企業のお話もありましたけれども、担い手確保につながるというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。

○松永契約調整担当部長 公共工事を取り巻く状況が大きく変化する中にあって、事業者が計画的に受注できる環境を整備することにより、中小企業が地域のインフラ整備や維持管理の担い手として、人材を育成、確保することにつながるものと考えております。
 こうしたことから、引き続き発注の平準化や発注情報の詳細化を進めてまいります。

○植木委員 中小企業の数というのは非常に多いし、働く人も非常に多い、裾野の広い分野だと思うんですね、小さい企業から中堅の企業まで。そういう意味では、そこに焦点を当てた改善を引き続きお願いしたいというふうに思うんです。
 入札不調について、マスコミでも全国的に四倍化しただとか、公共事業の積み残しが急増などという報道をたくさん最近目にします。このことは、私は、いわゆる入札制度と都としての政策的な判断、こういうものが相絡まってくる問題につながるんではないかというふうに思うんです。
 オリンピックの施設整備などは、これから始まってくる。それから先日報告された年次報告書では、維持更新が毎年一定の規模で上がっていく、中には、国際展示場だとか、江戸東京博物館、国際フォーラム、こうした大型事業が続いている。それから、知事が打ち出した長期ビジョンの中間のまとめでも、大型道路建設や拠点開発など続々出てきます。
 結局、建設現場で技術者や技能労働者が不足して、本当に企業の方ではあっぷあっぷしているところに、こうした大型施設、巨額な公共事業が次々とつぎ込まれていく。不調の増加とその影響は、そう簡単には解決していかないと思うんです。
 もちろんいろいろ努力をして、取り組んでいくわけですけども、公共事業が大型化し、そして、量的にも急速な勢いで今ふえている。こういう中で都営住宅や福祉施設、教育施設などに入札不調などの影響が出る状況では、私はいけないと思うんです。
 そういう意味で、生活関連に影響が出るようなことではいけないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○松永契約調整担当部長 資材価格や労務費の上昇、技術者等の不足が工事の規模にかかわらず公共工事全般に大きな影響を与えております。
 こうした中にあっても、事業所管局が必要な事業として契約締結請求したものについては、適切に入札契約手続を実施し、事業効果が計画どおり発現できるよう努めてまいります。規模の大小にかかわらず、どのような規模の工事であっても、より多くの事業者が入札に参加しやすい環境の整備に向けて積極的に取り組んでまいります。

○植木委員 契約担当者としては、事業の中身についてどうこうというふうには、ここではなかなかいいづらいだろうと思うんですけども、契約制度についてももちろん改善を図り、先ほど来強調しておりましたように、中小企業の参入しやすい環境づくり、そして担い手の確保、育成、そして企業の受注する機会の確保、そして予定価格の見直し等々、改善を引き続きしていただきたいというふうに思うんですけれども、国の方でも、品確法などで、担い手を確保、育成、労務単価の引き上げなど、大胆に打ち出しつつ、今、全国的な意見を集約して、次へのステップが出される案も出て、マスコミではもう報道されていますけども、そういうところに来ていると思うんです。
 いずれにいたしましても、今の企業の現状、技術者や技能労働者の不足のところに、大型事業や公共事業は増加一途で、急激な状況の中では、依然として不調や積み残しが出てくる。そういうことは、今の段階では避けられないというふうに思うんですね。
 そういう意味で、私は、都としても、契約に係る分野ではありますけれども、そうした視点を常に持ってやっていただきたい。そして、入札制度のさらなる改善を求め、それから公共事業についても、大型公共事業中心から、やはり都民生活関連事業をしっかりと支えていく、そのことを改めて求めまして、私の質問を終わりにします。

○酒井委員 それでは、私からも契約案件について、二、三質問をさせていただきたいと思います。
 今回の契約案件を見たとき、ただいま話題に上がっておりました入札不調の問題や、あるいは低入札の問題だけではなく、競争性という面でも問題を生じているのではないかというふうに危惧をいたしております。
 都はこれまで、公共調達や工事における入札に関して、透明性や競争性を向上させていくために、いち早く電子入札を導入するなど、先進的な取り組みを行ってまいりました。しかし、結果としてではありますけれども、今回提案をされている契約案件八件のうち、複数の入札があったのは二件のみであり、他の六件については、当初から一つのJVだけ、または、途中辞退のため結果として一JVしか入札がなく、競争性が担保されていないともいわれかねない状況であろうかと思います。
 そこで、財務局としては、このような結果になってしまったことについて、どのように認識をしているのか、まずお伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 民間工事の増加や技術者等の不足など、公共工事を取り巻く状況は依然として厳しく、事業者が受注する工事の選別を強めております。
 都の入札におきましては、工事契約の場合、公表から開札まで電子調達システムを活用することで、参加希望者から他の者の状況についての情報を一切遮断した上で、参加者ごとに独自の積算に基づき応札するシステムを採用しております。つまり、それぞれの入札参加者は、参加者の数や他の参加者の名前などは一切わからない状態でシステムを通して入札に参加することになります。
 今定例会提出の契約案件につきましては、このような状況のもとで、結果として、希望し、応札した者が一者、あるいは希望後に入札を辞退するなどにより応札した者が一者となっているものでございまして、入札者は少なくなっておりますが、競争性は確保されているというふうに認識しております。
 今後とも、より多くの事業者が入札に参加しやすい環境の整備に向けて、入札制度改革を着実に推進してまいります。

○酒井委員 ただいま、電子入札の仕組み等についても交えながらご答弁をいただきましたけれども、確かに、電子入札では、競争相手がわからないことから、競争性が担保されているという主張はわかるわけですけれども、それは制度として競争性が担保されているということであって、結果としては、競争が行われたとはいえない状況ではないかなというふうに思っております。
 外形的にも、多くの企業が参加をし、活発な競争が行われている入札の方が、都民への説明責任を果たしていくという上では、よりよい入札といえるのではないかと考えております。
 民間企業が旺盛なときには、公共工事等に魅力がなくなるという声も聞かれるわけですけれども、それは、事業者が民間工事と公共工事のどちらを受注するか比較したときに、公共工事が選ばれないということで、なぜ、公共工事が負けてしまうのかということを改めて認識をし、対応策について、この質疑で明らかにしたいというふうに考えております。
 そこでまず、予定価格についてお伺いをいたします。
 資材価格や労務費が高騰しているというふうにいわれておりますけれども、都としても、これらを反映して、従来に比べ予定価格を増加していると思いますけれども、一般論として、このところの資材価格や労務費は、どの程度上昇しているのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 資材価格と労務費に関する東京都エリアの変動状況について、まず、資材価格でございますが、平成二十四年八月から本年八月までの二年間で約五・九%の上昇となっております。
 次に、労務費につきましては、平成二十四年四月時点と本年四月時点で比較いたしますと、職種ごとの変動率の平均で約二七・二%の上昇となっております。なお、予定価格は、これらの動向を反映した積算に基づき設定しております。

○酒井委員 ただいまのご答弁ですと、資材価格等については約五・九%、また労務費については二七%ぐらいの上昇となっているということで、これは大体一・〇五倍とか一・二七倍とかという価格になっていて、この労務費等の単価の上昇に合わせて予定価格は上昇しているという、そういったご答弁であったわけです。
 このように、予定価格は上昇しているものの、それでも、公共工事の入札に参加してもらえていないということは、価格以外にも、公共工事に参加する上での障壁があると考えられるわけですけれども、財務局はこの点についてどのように捉えているのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 昨今の建設需要の増大を受けまして、建設工事における技術者が不足しており、特に、都の工事は、多くが高密度な市街地で施工されるため、発注工事における主任技術者の選任要件を厳しく適用していたことが入札参加を減らす一因だったと考えております。
 このため、都では、事業者がその保有する技術者を有効に活用できるよう、主任技術者の選任を一部緩和する取り組みを本年四月から試行しております。
 具体的には、工事間の一体性、連続性が認められる工事や、施工に当たり相互調整を要する工事などを対象といたしまして、元請人の主任技術者を他の工事現場の主任技術者として兼務できることといたしております。
 今後は、この試行の結果を検証した上で、可能な取り組みを検討してまいります。

○酒井委員 ただいまのご答弁の中で、予定価格以外にも課題があることがわかりました。この課題をどのように解決をしていくのかが問われているものと考えます。
 主任技術者の選任要件の緩和については、今後、試行の状況をしっかりと検証していただきたいと考えております。
 また、入札参加者の意見を把握するとともに、緩和したために工事現場の安全性が低下し、労働者の労働環境に悪影響があってはならないわけですし、工事の質が落ちて、公共インフラとしての機能を満足できなくなることがないように実施をしていただきたいというふうに思っております。
 数年前にあったような過度の競争による低入札によって、公共工事の質の低下や、労働者の雇用環境が悪化をすることがないように取り組んでいただくことは当然のことであるわけですけれども、その上で、適正な価格帯の中で複数の会社による入札が行われることが本来あるべき姿であり、選任要件の緩和など、民間の工事で可能な取り組みについては、ぜひ公共工事にも積極的に活用していくべきであると考えます。少なくとも、公共工事が民間工事と同等の魅力を持ち、事業者にとって入札に参加をしやすい環境整備が必要なのではないかと考えております。
 そこで、財務局としては、先ほどの課題を解決し、事業者が公共工事に積極的に参加をしてもらうためにどのような方策を考えているのか、お伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 例えば、主任技術者の選任配置の一部緩和に加えまして、限られた技術者を有効に現場に配置できるよう、年度後半に偏っていた工事発注時期の平準化の取り組みを進めているところです。さらに、意欲と能力のある事業者が単独で入札に参加できる工事を拡大するために、JV基準の見直しを行うなど、都の公共工事への参加意欲を高める取り組みも進めております。
 資材価格や労務費の上昇、技術者の不足など、公共工事を取り巻く状況が大きく変化する中にあっても、都民に必要なインフラを整備していくためには、公平性や透明性、競争性の観点に加えまして、品質が確保される入札契約制度の構築が必要であるというふうに考えております。
 今後とも、入札に参加しやすい環境の整備に向けまして、取り組みを積極的に進めてまいります。

○酒井委員 ただいま改善の取り組みに関して、主任技術者の要件の緩和であるとか、また平準化の問題、さらにはJV基準と発注等級の見直しを行うことによって、より多くの事業者が入札に参加しやすい環境を進めていくという、そういった改善策が示されましたので、ぜひ、公共工事や公共調達の公平性、公正性、そして、より多くの競争が行われるような競争性が担保された入札改革をさらに進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 以上です。

○高木委員 今定例会には、工事八件の契約案件が提案されています。これらに関連をして、以下、伺いたいと思います。
 本年六月に成立をいたしました改正品確法なんですが、この改正品確法、将来にわたるインフラの品質確保と、その担い手の確保というものが主な目的とされておりまして、そのための発注者の責務が法改正によって、より明確になったといわれているわけであります。
 これを受けて、国は、今月末に、基本方針を閣議決定する予定というふうに聞いております。そして年末には、国、地方を通じた発注者共通の指針を策定するなど、今後都においても、発注者として法改正を踏まえた対応が求められてくるというふうに思うわけであります。
 我が党は、平成十九年以来、党内のプロジェクトチームを設置いたしまして、公共工事の品質を確保するとともに、地域の建設産業の振興、それは、ひいては地域の防災力の向上という観点から、都の入札契約制度に関してさまざまな提言を行ってまいりました。そしてその結果、都は品確法の改正の趣旨に合致するような取り組みをこれまでも進めてきたというふうに、私たちは評価を、実はいたしているわけであります。
 そこで、国の策定する運用指針によって、地方自治体独自の取り組みが妨げられるようなことがあってはならないと考えているんですが、指針策定に対する財務局の所見を、まずお伺いをさせていただきます。

○松永契約調整担当部長 今回の法改正では、公共工事の品質確保に向けて、発注者の責務として、予定価格の適正な設定や最低制限価格制度の導入、計画的な発注や適切な設計変更などが新たに位置づけられました。こうした責務を踏まえ、国が発注者共通の運用指針を策定しようとする背景には、自治体の一部に予定価格を切り下げる、いわゆる歩切りを実施したり、最低制限価格を導入できていない団体が存在することがございます。
 都においては、従前より、その時々の状況に応じまして、総合評価方式の拡大や低入札価格調査制度の強化など、品質の確保に向けた取り組みを着実に実施するとともに、中小企業の活躍を促すための独自の取り組みも行ってまいりました。
 これは、二元代表制のもと、都議会を初め関係者との議論を積み重ねてきた成果でもあり、こうした観点からも、都は、改正品確法の趣旨を実現することは重要であるが、その実現のためには、国が画一的なルールで強制するのではなく、各自治体の状況を踏まえた独自の入札契約制度が尊重されるべきであることを国に対して表明してまいりました。
 このような考えに基づき、今後とも、現在、都が進めている入札に参加しやすい環境の整備に向けての取り組みを通して、改正品確法の趣旨を実現すべく、発注者として積極的に取り組んでまいります。

○高木委員 それぞれの地域には、それぞれの事情というのがあると思います。ですから、画一的なものではなくて、やはり東京都は東京都なりに、しっかりと法の趣旨を受けとめていただきたいというふうに思います。
 また、今の答弁の中で大変重要なことをおっしゃられていると思いますが、歩切りなど、いわゆるこういうことはやめなければいけないですね。ですから、東京都はないというふうに思いますが、こういう、いわゆる何というんですか、恣意的に予定価格を調整していくようなことというのは、やはり戒められなければいけないというふうに思います。
 資材単価、あるいは労務費の急騰、そして技術者不足など、公共工事を取り巻く状況が大きく変化をする中にありまして、事業者に都の仕事を積極的に引き受けてもらうためにも、今後都として、法改正の趣旨をしっかりと受けとめていただいて、都独自の取り組みを国に先んじてやっていただくことは、私は重要だと思います。
 その品確法では、予定価格の適正な設定というものが求められておりますが、そもそも予定価格というのは、積算上の標準価格であるわけでありまして、それはわかりやすくいえば、私は以前からいっておりますが、予定価格が適正価格であるべきだというふうに思いますし、少なくとも上限額というのは、理論的にやっぱりおかしいんだろうというふうに思っています。
 これは、法制度の中で、当然、これを超えて落札というのはできないわけでありますけれども、制度上はその上限額としてこの予定価格は取り扱われているというのは、これは事実であります。
 このことからも、発注者側ではこれまで以上に、市場の取引価格や施行の実態等をしっかり反映した積算を徹底することが、入札に参加しやすい環境の整備に不可欠だというふうに思うわけであります。こうした取り組みを積算段階で徹底することはいうまでもないことでありますが、事業者に安心して入札に参加してもらうためには、発注者として入札実施の直前まで、予定価格を最新の市場価格に近づける努力が必要と私は考えております。今後の都の取り組みについてお伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 現在、都は、積算標準単価につきまして、年四回の定期改定に加え、毎月の価格動向調査において、資材等の価格変動が大きい場合には臨時の改正を行うことで、積算段階における実勢価格を予定価格へ反映することに努めております。
 一方、予定価格の設定から入札までの期間が比較的長い大規模案件においては、設定した予定価格と入札時点での実勢価格との間に乖離が生じやすい状況にもあると思います。
 こうした状況を踏まえまして、都は、案件公表から入札参加資格確認結果通知書を事業者に送付する前までの間に単価改定等があった場合で、変動した単価を予定価格に反映する必要があると都が判断した案件につきましては、予定価格そのものを修正して、ことしの第四回定例会に付議する案件から試行として実施していくことにいたしました。
 この取り組みによりまして、市場動向を、より適正な価格としての予定価格で入札を実施することが可能となり、契約前における物価変動による受発注者間のリスク分担の適正化を図れるものと考えております。

○高木委員 大変いい取り組みだと思います。予定価格そのものを修正して、できるだけ実態に近い価格によって入札をしていく、これはとても、今までやれそうでやれなかったんですけども、これは財務局の努力を私は高く評価したいと思いますが、こういうことをしながら、ぜひ業界を含めて、信頼を獲得していただきたいというふうに思っています。
 今回の取り組みの意味するところは、積算段階で一旦決めた予定価格を、状況に応じて契約手続段階で変更できるとした点でありまして、初めての取り組みなんですね。ですから、これは大変高い評価を私はしていいんだろうというふうに思っています。
 しかし、そもそも契約手続に時間がかかることが、予定価格と実勢価格の乖離が生じるリスクの一因になっているわけでありまして、こうしたリスクを減らすためにも、これまでにないやり方で、できる限り契約手続の迅速化を図っていく必要があると思います。
 予定価格の適正な設定のためにも、案件公表後から入札までの契約手続期間を短縮することを目指していくべきと考えますけれども、今後の都の取り組みについてお伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 議会付議予定案件は、各局から財務局への契約締結請求から案件公表を経て入札実施までにおおむね七十日間かかるなど、その間、予定価格と入札時点での実勢価格との間に乖離が生じやすい状況となっております。こうした乖離が生じる原因である長期にわたる契約手続期間について短縮を図るために、現行のルールの範囲内で、実務を担当する職員が事務改善や業務を見直してまいりました。
 具体的には、従来、東京都公報に登載していた入札公告を、WTO案件以外は電子調達システム上の入札情報サービスへの掲載に切りかえることにより、手続期間を六日間程度短縮するとともに、同じく電子調達システムを改修いたしまして、図面などの見積もり関係資料を案件公表時に前倒しして登載し、事業者の見積もり開始が可能となる時期を十四日間程度早めることといたしました。このことによりまして、事業者にとって必要な見積もり期間を確保しながら、契約手続について、最大二十日間の短縮を図ることを可能といたしました。
 一方で、この取り組みによりまして、施設内の配置予定図など閲覧可能な事業者が拡大するため、治安の維持など、都民の安全・安心の確保の観点から、セキュリティーに影響を及ぼすおそれがないと事業所管局で判断した場合を今回の対象といたしまして、第四回定例会に付議する案件から試行していくことといたしております。

○高木委員 第四回定例会に付議する案件からということで、大変期待をいたしております。
 最大二十日間の短縮を図ることを可能とするというのは、非常に明快な答弁だなというふうに思います。予定価格の適正化に向けて、こうしたさまざまな取り組みを複合的に組み合わせていくことが最終的に品質の確保にもつながりますし、それは都民の利益になるものと考えています。
 これまでの質疑で、契約前までの事業者側のリスクについては、ある程度手だてを講じてきていることは理解はできたんですが、それでは、契約後のリスクにどのように向き合うのか、これも発注者に問われている一つの問題であります。
 改正品確法でも、適切な設計変更というのが発注者の責務として掲げられているわけでありまして、柔軟な設計変更やスライド条項の適用などによる市場動向への迅速な対応と適切な契約事務のあり方についてお伺いをいたします。

○松永契約調整担当部長 建設資材価格や技術者等の不足に伴う労務費の上昇は、受注者にとって工事契約後の価格変動リスクであり、これを適正化することによって、公共工事への入札参加の意欲が大きく変わってくるものと考えております。
 その点、都としては、工事契約後の受発注者間のリスク分担について見直しをしていく必要があるというふうに従前から考えておりました。また、都では、公共工事にかかわるさまざまな事業者団体との意見交換を通じまして、事業者の意見を把握することに努めております。その中には、現在のスライド条項における受注者側の負担が過大であるという意見や、当初は想定していない施工条件の変更に対して、発注者側が十分に応じてくれていないという意見がございます。
 そこでまず、スライド条項につきましては、制度自体においては、目的を再度検証し直すとともに、都の工事の受注実態を反映し、受注者に過大であった価格の変動リスクを適正化するよう見直しを現在進めております。
 また、当初想定されてない施工条件の変更につきましては、発注者が応分のリスクを負担することが改正品確法でも明確化されており、こうした発注者責務の趣旨を工事所管部署と広く共有し、適正な設計変更を行うよう、運用の改善を強く働きかけてまいります。
 今後とも、制度の実効性や持続性とともに、市場の動向や変化に速やかに応えていく適切な入札契約の制度改革や運用改善を推進してまいります。

○高木委員 今までも、他の委員からもいろいろと質疑が出されておりまして、結局入札不調になっている原因というのは、かなり多岐にわたっていると思うんです。
 それで、過去の事例では、不調というのは最低制限価格であるとか、あるいは調査価格を下回ってしまったというようなケースがように思うんですが、最近は、それ以上に、予定価額を、事前に公表されたものを積算にかけてみると、予定価額自体を上回ってしまうというような、つまりそれは、現時点での価格の問題、さらにいうと工事期間が長ければ長いほど、将来にわたる価格の先高感を見込めないというような、このことがやっぱり一番の問題になっていると思うんです。
 ですから、今回の質疑の中で明らかになったことは、入札をして契約をするということの前の対策と、そして後の対策について、東京都財務局としてどういう対応があるのか。入札契約をするその前の対策については、しっかりと期間を短縮するということとともに、直前まで価格を精査していく、そして後の問題については、設計変更あるいはスライド、そういうことで、物価上昇を含めて、価格が合わなくなった部分については、協議をしていきますよということだと思うんです。
 ですから、入札をして契約をするというところを一つの基準にして、前の対策、後の対策というものに、今後もしっかりと、ぜひ取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 そして、最終的には、予定価格の適正化というものがやっぱり基本になると思いますから、こうしたさまざまな取り組みを複合的に組み合わせていただいて、最終的に品質の確保につながって、都民の利益になるような工事をぜひ進めていただきたい、公共事業を進めていただきたい。金額面や工期面も含めて、しっかりと対応をすることが必要だというふうに思いますので、都の真摯な対応を今後とも求めていきたいというふうに思うわけであります。
 さて、その品質の確保に関しては、今回の改正品確法で、公共工事の完成後の維持管理に関する項目が新たに規定をされました。全体として、建築物のメンテナンスを適切に実施することが、現在だけでなく将来にわたって公共工事の品質を確保するために重要であるとの考え方がベースにあるんだろうと思います。
 こうした品確法の趣旨を十分実現するためにも、建築物の維持管理の分野において、多様な入札契約手法が選択されるべきであると思いますが、今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 公共工事の品質確保に向けた取り組みについては、施設などの建築物を整備する段階だけでなく、維持管理段階においても適切に実施される必要があるというふうに考えております。そのための有効な手法として、価格以外の要素を評価する総合評価を建物維持管理の分野においても導入し、拡大していくことが重要であると考えております。
 こうした考えから、財務局では、契約実務の担当者向けに、委託契約の総合評価の手引を作成するなど、建築物の維持管理を担う各局において総合評価を積極的に導入するための支援を強化してまいりました。
 今後、建築物の維持管理の品質を確保する観点から、価格点と技術点の得点配分の見直しなど、事業者の提案内容の評価をより重視した制度構築の検討を進めてまいります。

○高木委員 財務局が各局の取り組みを支援するだけではなくて、財務局自身が、各局が総合評価を導入しやすい環境を整えることが必要であると考えています。そのためにさらなる制度の運用や改善を求めていきたいと思います。
 次に、支払いの迅速化についてお伺いいたします。
 改正品確法の基本理念では、下請業者を含めた工事の請負契約の当事者は、その請負代金をできるだけ早く速やかに支払うように配慮されなければならないとされているわけであります。
 経営基盤が決して強固ではない中小企業にとって、日々の資金繰りは何よりも重要であり、発注者から代金がいつ支払われるのかが、元請、下請を問わず経営上大きな問題であることは間違いありません。
 しかしながら、都の一部の公共工事では、支払い期限の四十日間ぎりぎりで代金が支払われるというケースがあると聞いておりまして、先般の第二回定例会一般質問でも、工事代金の支払いの迅速化について、我が党の舟坂議員がこの点をただしたところであります。
 受注者が安心して工事を請け負う環境を整えるためにも、約款の規定にかかわらず、これはできる限り短い期間で代金を支払うべきと考えますけれども、都の取り組みについて改めてお伺いしたいと思います。

○松永契約調整担当部長 中小企業の資金調達の円滑化を図るためには、工事完了後、受注者に代金をより迅速に支払うことが必要でございます。そのため、本年七月に、産業労働局と連名で、各局に対しまして、受発注者間の認識のそごにより必要書類の不備や手続が滞る事例を挙げながら、事務改善のポイントを提示するとともに、契約書の規定の請求後四十日間という期限にかかわらず、工事代金を迅速に支払うよう要請いたしました。
 また毎年、産業労働局との連名で各局に通知しております官公需についての中小企業、小規模事業者の受注機会の確保等について、いわゆる官公需通知といわれているものですが、その中におきましても、新たに内容を追加いたしまして、工事、物品を問わず、中小企業等への代金の迅速な支払いを依頼したところでございます。
 今後とも、機会を捉えまして、各局に対して、支払いの迅速化の趣旨を周知徹底するとともに、前払い金や竣工代金の支払いに必要な手続や事務処理について、十分相手方に説明し、理解を得ていくなど、各局の事務改善を促すことにより、中小企業等の資金調達の円滑化を図ってまいります。

○高木委員 中小企業の資金調達の円滑化を図る意味でも、発注者の支払いの迅速化は不可欠というふうに思います。こうした取り組みが元請だけでなく、最終的には下請を含めて、建設現場の担い手の労働条件などの改善につながるものと考えます。
 そうした中で、今回の品確法の改正では、現場の担い手の確保の観点から、請負契約の当事者全てに、公共工事従事者の労働条件や労働環境への配慮義務が新たに追加をされているわけであります。
 また、本年八月から国土交通省は、発注者の取り組みとして、社会保険等未加入業者を入札から排除する措置を講じるなど、未加入対策を強化しているわけであります。
 社会保険等の加入は、労働者を雇用する事業者の法令上の義務でありまして、未加入は決して許されるものではないと思うんですが、排除した際の影響も踏まえていただいて、まずは、入札から排除をするということの前に、公共工事の発注者として、加入の必要性をしっかり指導したり、周知をしたりするということが大切なのではないかなというふうに思います。
 また、都の積算上、社会保険料の事業主負担分などの法定福利費が含まれていることは理解をしているんですけれども、こうした法定福利費を含んだ金額が、元請から下請にしっかり支払われているのかどうかといった疑問の声が、我々にも時々寄せられていることは事実であります。
 これらの点を踏まえて、建設業者の社会保険未加入問題に関して、今後、発注者としてどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 国は、本年八月から、国土交通省発注の直轄工事の入札で、社会保険等未加入の元請及び一次下請業者を排除する措置を講じております。
 一方、都の発注工事は、国の直轄工事と比べまして、中小企業が受注する小規模工事の割合が大きいことから、国と同様に、直ちに、未加入業者を入札から排除した場合、やむなく廃業する業者が生じる可能性があるなど、技術を持ったベテランの担い手を逆に失うことにもつながりかねない状況がございます。
 こうした状況を踏まえますと、未加入建設業者の解消に向けましては、入札から排除までに一定の期間を設けた上で、その間に未加入業者の加入促進を図ることが必要であるというふうに考えております。
 このため、今後、加入促進用の周知チラシを作成するなど、契約窓口での受注者に対する啓発や案内を強化していくとともに、低入札での工事案件を対象といたしまして、社会保険加入状況等の労働条件がどのような実態にあるのか、社会保険労務士と連携しながらモデル調査を実施してまいります。
 また、国及び都道府県が許可する建設業者の加入率一〇〇%達成の目標時期を平成二十九年度としていることを踏まえまして、都といたしましても、二年後の資格審査時を目途に、法令遵守や公平性の観点から、社会保険等の加入を必須条件とする方向で具体的な対応を検討してまいります。

○高木委員 二年後の資格審査時を目途にということで、それまでの間に、できるだけ周知徹底をして、この社会保険未加入問題をクリアしていただきたいと思います。
 労働条件に対する審査の問題ですが、その筋の士業ですから、資格としてのプロフェッショナルであります社会保険労務士の皆さんとよく連携をしていただいて、私どもも社会保険労務士の先生方とお話をした際に、公共工事に対して労働条件審査をかけていくというのは、今まで余り事例がなくて、どういうモデルでやっていくのかということが、お互いの知見の中で、まだ、なかなか固まっていないというふうに思うわけであります。
 ですから、私どもとしては、しっかりと賃金が支払われているのかということを含めて、この法定福利費を含んだ金額が--都が積算をして、工事請負業者に支払われているわけですから、それが下請までしっかり行っているのかどうかと、そこのところはぜひチェック項目として、これは必須の項目として、労働条件審査をかけていただきたいというふうに思います。それで初めて、私たちが目指している社会保険未加入問題に対して、東京都が応分の責任を果たしているというふうに私はいえるんだろうと思うんです。
 ですから、お金は払った、だけれど、行ってるかどうかわからないという状態で、社会保険未加入問題を進めろ進めろといっても、これはなかなか事業者にご理解をいただけないと思いますので、そうした都の責任を果たしていく中で、この法令を遵守していくという方向性を、二年後の資格審査を目指して、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思うわけであります。
 これまでの質疑を通じまして、品確法改正に対応する都の取り組みの一部が明らかになりました。法律の基礎にあるのは、地域のインフラ整備や維持管理の担い手として、地元中小企業が果たす役割を重視しているということだと思います。
 我が党は、昨今の入札不調の増加に対しても、単なる不調対策という観点にとどまらず、官と民の対等な契約の枠組みの中で、地域のインフラを支える担い手である中小建設業者が、その仕事に、あるいは果たしている役割に誇りを持って活躍ができる環境をどのように構築していくべきなのか、理事者側と協議を進めてきたわけであります。
 品質確保の観点から、下請業者を含めて、公共工事の重要な担い手である都内の中小建設業者が、安心して、そして積極的に受注できる環境を整備していくことが、発注者としてより重要であると考えますけれども、所見をお伺いいたします。

○松永契約調整担当部長 公共工事を取り巻く状況が大きく変化している中にあっても、地域インフラの品質を将来にわたって確保していくことは、重要なことだと考えております。
 そのためには、公正性や透明性、競争性の観点を踏まえつつ、担い手を育成、確保する観点から、地域の中小建設業者がそれぞれの能力を十分発揮できる制度の構築が重要でございます。
 こうした点を踏まえ、都は、地域精通度を取り入れた総合評価制度の構築に向けた検討や工事契約後においても、受発注者間のリスク分担を適正化する観点から、スライド条項の見直しについて検討を進めているところでございます。
 今後とも、改正品確法の趣旨の実現に向けて、都内の産業や雇用の重要な担い手である地域の中小企業が入札に参加しやすい環境を整備するため、入札契約制度を積極的に推進してまいります。

○高木委員 これまでの質疑を通じまして、都として品確法における発注者の責務をどのように果たしていくのかが明らかになったと思います。なぜこうした当然の責務を法律に規定しなければならなかったのか。これはやっぱり、私は発注者側はしっかり受けとめていく必要があろうと思います。
 今後の資材価格や労務費の上昇、あるいは技術者不足など、公共工事を取り巻く環境は厳しさを増す中にあって、オリンピック施設の整備やインフラの維持更新需要が増加をしていくわけであります。こうした状況を踏まえて、入札契約制度改革を今後どのように進めていくつもりなのか、局長の決意をお伺いします。

○中井財務局長 都は、これまでも都議会のご意見をいただきながら、その時々の状況変化に応じて、品質確保の観点から、低入札価格調査制度に特別重点調査を追加するなど、入札契約制度改革に取り組んでまいりました。
 資材価格や労務費の上昇、技術者等の不足など、公共工事を取り巻く状況が大きく変化する中にあっても、都民生活に必要なインフラを整備し、適切に維持管理していくためには、公正性や透明性、競争性の観点に加えて、品質がしっかり確保される契約制度の構築が必要であると考えております。
 また、今後、オリンピック準備やインフラの維持更新需要の増大など、都政の課題に的確に対処していくためには、発注者として、市場の変化にしっかり向き合い、これらに機動的に対応していくことで、都の公共工事に対する事業者の信頼感を高めていくことも重要であると考えます。
 こうしたことから、不調が増大しているから改善するという一時しのぎの対策ではなく、中小企業を含めた事業者にとって、入札に参加しやすい環境をいかに整備していくかという点が、発注者の責任として、まさに問われているものと考えております。
 これまでの質疑でご指摘を受けた点を肝に銘じながら、品確法の趣旨も踏まえつつ、いかなる状況においても、都として迅速かつ的確に対応できる入札契約制度の構築に向け、今後とも積極的に取り組みを進めてまいります。

○高木委員 きょうは、改正品確法について、大分掘り下げて議論をさせていただきました。
 国がこういう法律をつくったわけで、今後都はどう対応していくのか、このことについては、また別途協議をさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、今、局長の決意が表明されたとおり、私たちとしては、しっかりと法改正を受けとめて、今後のよりよい入札契約制度に対して、ともに努力をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時三十六分休憩

   午後二時五十五分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 報告事項、平成二十五年度東京都年次財務報告書について及び地方法人課税をめぐる動向と東京都の主張についてに対する質疑を一括して行います。
 なお、報告事項中、地方法人課税をめぐる動向と東京都の主張については、関係する主税局の理事者にもご出席をいただいております。ご了承願います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木(あ)委員 それでは、私からは、地方法人課税をめぐる動向と東京都の主張に関して何点かお伺いをさせていただきます。
 昨今の地方法人課税をめぐる動きは、これまでの法人事業税の暫定措置のほか、法人住民税の一部国税化や法人実効税率の引き下げの問題などが浮上して、複雑化をしてきております。
 国は、法人実効税率の引き下げについて、六月に決定した骨太の方針の中で、数年で二〇%台という目標を掲げておりまして、今後、さらに議論が活発化していくことが見込まれております。
 安倍首相や閣僚の発言などによって、現在は五年を基軸として、ドイツ並みの二九%台を目指すという相場感が形成されつつあります。先日、経団連からは、平成二十九年度に二〇%台という具体的な発言があったところであります。
 法人実効税率の引き下げは、日本経済の競争力を向上させ、再生を加速させていくために有効な政策であることは論をまちませんが、反面、この引き下げによって、地方財政に多大な影響が出る可能性があるのであれば、この場でしっかりとした議論をしていく必要があると考えております。
 そうした中、先般報告された地方法人課税をめぐる動向と東京都の主張では、法人実効税率を一%引き下げた場合の東京都の影響額が、国税による一%引き下げで最大マイナス二百五十億円、地方税による一%引き下げで最大マイナス二千億円と記載されておりました。
 そこでまず、確認の意味を含めまして、法人実効税率の内容と、今回示された都の影響額の算出根拠についてお伺いをいたします。

○加藤主税局税制部長 法人の実効税率といいますのは、法人の所得に対して課されます国税と地方税とを合計した税負担、これの割合を税率に換算したものでございます。
 また、法人の事業税というのは、法人の所得計算上、損金算入されますので、このあたりも調整しております。東京都は、超過課税を実施しておりますので、都における実効税率三五・六四%となっております。
 この実効税率を一%引き下げた場合の影響でございますけれども、仮に地方税を全くいじらず、国税である法人税の税率を引き下げて減税を行った場合にありましても、実は、法人の住民税というのは、法人税に対して税率を掛ける、法人税を課税標準としております関係上、自動的に法人住民税も減少することになります。この影響が、都税収入、最大で約二百五十億円というふうに見込まれております。
 また仮に、国税である法人税を全くいじらず、地方税だけで対応した場合、地方税の場合、法人住民税と法人事業税がございまして、これをどうやって組み合わせるかによって影響は異なるわけでございますけれども、仮に法人の事業税で引き下げた場合、損金に算入されます関係で、法人事業税が動きますと法人の所得がまた動いてという、大変ややこしい関係になります。
 そのあたりを考慮いたしますと、損金算入の関係で課税所得がふえるということから、法人税収等増額させますので、必要な税率の引き下げ幅が一%相当ではなくもっと大きくしなきゃいけないということになります。この場合で、都税に換算いたしますと最大で約二千億円の減収が見込まれるということでございます。

○鈴木(あ)委員 法人実効税率の内容と一%引き下げた場合の影響については、ただいま答弁をいただいたとおり、我が東京都にも大変な影響があるということがよくわかりました。
 いずれにしても、数年で二〇%台まで引き下げられるとなると、東京都の法人実効税率である三五・六四%から逆算して、最終的には六%引き下げなければ、国の目標は達成できないということになるわけであります。六%引き下げた場合の影響額については、いろいろな組み合わせや要素が混在していますので、現時点で具体的な数値を算出することは困難だと思いますが、一%の引き下げでこれだけ大きな額の影響が出るわけですから、六%の引き下げとなると、都の税収に与える影響は甚大であることは間違いありません。
 今後、実際にどのような方法での引き下げが行われるのか、引き続き注視していかなければなりません。
 こうした状況のため、今回の都の主張にもありますように、法人実効税率の引き下げに際しては、確実な代替財源が確保されることが不可欠であり、それなくしては、都の抱える膨大な財政需要に対応していくことは事実上不可能であります。
 法人実効税率の引き下げに伴う代替財源については、骨太の方針二〇一四の中で、恒久財源を確保することとし、年末に向けて議論を進め具体案を得る旨の記載があり、これから年末の税制改正にかけて議論が本格化してくるはずであります。
 そこで、法人実効税率の引き下げに伴う代替財源について、国、地方を合わせて必要となる財源規模と、現在、議論されている主な内容についてお伺いをいたします。

○潮田主計部長 政府税制調査会の資料によりますと、法人実効税率を一%引き下げた場合、これは二十六年度予算ベースでございますが、地方税の連動減も合わせての影響額は、約四千七百億円とされておりまして、仮に六%の引き下げであれば、約二兆八千億円という莫大な額の代替財源が必要となってまいります。
 この代替財源としまして、政府税調等では、租税特別措置あるいは欠損金の繰越控除制度、受取配当等の益金不算入制度、あるいは減価償却制度の見直しなどが俎上に上がっております。また、地方法人課税の見直しの議論の中で、外形標準課税の見直しについても言及をされてございます。
 一方で、経済団体などからは、アベノミクスによる構造的な税収拡大を、法人実効税率の引き下げに還元すべきだという声も出ているところでございます。
 いずれにいたしましても、法人実効税率の引き下げに当たりましては、地方交付税の不交付団体を含めました全ての地方自治体の歳入に影響を与えないことが大前提でありまして、国の責任において確実な代替財源の確保をするよう、都としては強く求めてまいります。

○鈴木(あ)委員 今、答弁がありましたとおり、仮に六%の引き下げであれば約二兆八千億円という、膨大な額の代替財源が必要なわけです。この件は、今後の都の政策展開に大きく影響する極めて重要な問題なので、しっかり対応していかなければならないと思います。
 法人実効税率の引き下げに関連し、地方税では、法人事業税の外形標準課税の拡大が紙面をにぎわせており、法人実効税率の引き下げとともに、法人課税のあり方という視点を含めた議論がなされております。
 外形標準課税の拡大には二つの論点があり、一つは、外形標準課税の割合の拡大であります。一部の報道では、総務省から外形の割合を、現在の四分の一から二分の一までふやし、その分、所得割の割合を減らすという案が示されたという情報があります。
 都のこの発表資料でも、外形標準課税の拡大は、応益課税である税の性格を明確にするとともに、税収の安定化に寄与し、成果を上げた企業にとっては、所得に対する税負担が軽減され、経済活性化への期待につながるものと書かれてあり、現在の対象である大企業への拡大については、おおむね理解できる方向であると私も考えております。
 二つ目の論点は、現在、資本金一億円超の企業に限定されている対象法人の拡大であります。政府の税制調査会が六月にまとめた法人税改革の提言では、対象を中小企業にまで広げる案が示されております。
 私の地元である大田区では、かつて、一万二千事業所、こういうふうにいわれていたんですけれども、現在は五千を割ったともいわれてはおりますけれども、中小企業が多数ございます。これらの企業群が地域経済の重要な担い手となっているのが事実でございます。こうした状況を目の当たりにすると、私は、中小企業への拡大については、慎重であるべきと考えております。
 そこで、都内の外形標準課税の対象企業数及びその割合と、仮に、外形標準課税の外形割合を四分の一から二分の一にふやした場合の税収と法人実効税率に与える影響について、お伺いをいたします。

○加藤主税局税制部長 都内の法人の事業税を申告している法人は、平成二十四年度実績で約五十五万社でございます。そのうち、外形標準課税の対象となります資本金が一億円を超える法人は約一万七千社で、全体の三%程度でございます。
 税収の影響についてでございますけれども、平成十六年度に初めてこの外形標準課税が導入されたときにおきましては、この外形標準課税の導入に伴う税収の増減が発生しないように税率が設定されております。
 今回、仮に見直されるとした場合でございますけれども、この場合にも、基本的には、所得課税からの振りかえということになりますので、税収中立ということで、増減なしというふうに政府の方において検討されているものと認識しております。
 また、外形標準課税による事業税につきましては、これは所得に対する課税ではないということで、法人の実効税率の算定に当たっては参入されません。
 このため、ご質問のケースでは、法人の実効税率は一・五%下がることになります。

○鈴木(あ)委員 今の議論で、外形標準課税の拡大に関する主な論点については、少し整理ができたように思います。中小企業に対する外形標準課税の拡大に関しては、国には、さまざまな観点から慎重な検討を行いながら対応を求めていきたいと思っております。
 さて、法人実効税率の引き下げに関連して、現在、都が実施している超過課税に話題を移していきたいと思います。
 法人実効税率二〇%台という約束の達成に向け、昨今、実効税率の引き下げ幅に関して超過課税を行っている都の三五・六四%を基準に六%引き下げるか、標準税率である三四・六二%を基準に五%引き下げるかという議論が浮上しております。
 一部の報道では、この超過課税は、憲法で保障された地方の課税自主権であるにもかかわらず、地方が自主的に超過課税を引き下げるべきだという論調も出てきております。しかし、そもそも超過課税は、地方の課税自主権を拡大することを目的として始まった制度であり、国は、その拡大を推進してきたはずであります。
 これまで都は、大都市特有の財政需要に対応するため、法人の事業税について昭和四十九年から、法人の都民税について昭和五十年から超過課税を実施してきていると記憶をいたしております。
 また、今回の都の主張によれば、各自治体の超過課税の状況は、都が三五・六四%で、全国道府県庁所在地の平均は三五・三%となっておりまして、三五%を切っているところは、静岡県と岐阜県と沖縄県のわずか三県のみなのであります。
 こうした事実を認識せずに、報道では、都の超過課税の議論だけが取り上げられており、私は、あたかも東京都だけが超過課税を実施しているかのような誤解を招きかねないのではないかというふうに危惧しております。
 そこで、現在の全国の自治体における超過課税の実施状況と、都が超過課税を廃止したときの減収額についてお伺いをいたします。

○加藤主税局税制部長 平成二十五年度現在の全国の都道府県におけます超過課税の状況を申し上げます。
 法人住民税法人税割は、静岡県を除く四十六都道府県、法人の事業税は、大阪府、愛知県、静岡県、そして東京都など八都府県で実施をしております。結果として、全ての都道府県で、いずれかの超過課税が実施されております。
 また、市町村に目を向けますと、全国の市町村におきましては、全体の約六割に当たります九百九十七団体で超過課税が実施されております。
 平成二十五年度におきます都の法人二税の超過課税による税収は約一千八百億円となっておりまして、廃止した場合、この額が減収となることになります。

○鈴木(あ)委員 ただいま答弁をいただきましたように、超過課税を廃止した場合の税収減の大きさや超過課税は、都道府県では全ての自治体で実施しており、市町村でも多くの自治体で実施されているわけであります。
 仮に都だけが超過課税を廃止しても、五%の引き下げでは、多くの自治体の法人実効税率は目標の二〇%台には到達いたしません。こうした問題も、正しい事実をきちんと認識した上で議論をすべきであり、都においても、引き続き正確な情報をしっかりと発信していくことを望みたいと思います。
 さて、こうした法人課税をめぐる動きは、法人実効税率に限らず、法人事業税の暫定措置や法人住民税の国税化などもあり、都財政を取り巻く環境は予断を許さない状況であります。これらの措置は、地方分権の推進に逆行するものであり、地方税の拡充につながらないばかりか、地方の自立そのものを妨げるものであることは、これまで都議会自由民主党として強く訴えてきたところであります。
 そこで、平成二十年度に導入された法人事業税の暫定措置についてでありますが、国は、平成二十六年度税制改正において、暫定措置の三分の一ほどを復元したものの、三分の二は継続し、完全には復元いたしておりません。
 また、消費税率一〇%の段階では、暫定措置を廃止するとしたものの、地方税への復元に言及しないばかりか、これにかわる他の偏在是正措置の導入を検討するとしております。
 こうした動きは、不合理きわまりないものでありますが、私が思うに、これらの議論の前提には、この措置を廃止すると、また都市部と地方圏との税収の偏在が拡大してしまうのではないかとの危惧から来ているものではないかと思っております。
 そこで、消費税率が一〇%に引き上げられた場合の税収の偏在度と、それに関する都の見解について、確認の意味を含めてお伺いをさせていただきます。

○潮田主計部長 委員お話しのように、偏在度に対する危惧というのが近年ますます高まっているように私どもとしても感じております。
 そうした中で、税収の偏在度について議論する際に、まず、申し上げなければいけないというふうに感じておりますのが、そもそも大企業などが集積し、従業者も集中する首都東京におきましては、経済機能も集中しておりまして、税収は一定程度集中する必然性があるということでありまして、こうした違いを踏まえずに、単純に人口一人当たりの税収の比較を行うことは、決して大きな意味を持つものではないということであると考えております。
 一方で、さはさりとて、それらの議論がさまざまなところで行われている中にあっては、私どもとしても、それにしっかりと反論をしていかなければいけないということだと考えております。
 その上で申しますと、法人事業税の暫定措置について、導入が判断されました平成十九年度当時でございますが、税収の偏在度を示す指標の一つでございます人口一人当たりの都道府県税収の格差、こちらにつきましては、そのときの直近の決算が平成十七年度決算でございましたが、こちらで見ますと、最大の東京都と最小の沖縄県で三・一六倍でございました。これが暫定措置の導入によりまして、平成二十四年度決算では二・五一倍と縮小されてございます。
 この偏在度につきましては、暫定措置を撤廃し、地方税へ復元をしましても、同時に偏在性の小さい地方消費税が拡充されますことから二・五二倍となりまして、暫定措置を実施しているときとほぼ同水準となります。このことから、暫定措置導入の根拠となった格差は、もはや解消しているものといえるのではないかというふうに考えております。
 また、地域間の税収格差による財源の不均衡に対しましては、ご案内のとおり、地方交付税がその調整機能を発揮しておりまして、地方交付税による財政調整後の東京都の人口一人当たりの一般財源ベースでは、既に全国平均を東京都は下回っているところでございます。
 これらのことから、都としては、法人事業税の暫定措置にかわる他の偏在是正措置を検討する合理的な理由はないと、かように考えております。

○鈴木(あ)委員 暫定措置が導入された根拠となった格差は、もはや解消されていると、今そういう答弁があったわけでございます。税源の偏在是正については、こうした内容を関係者の皆様に十分理解をしてもらうことが大変重要であります。
 続いて、平成二十六年度税制改正で新たに導入された地方法人税、いわゆる法人住民税法人税割の一部国税化についてお伺いをいたします。
 都の発表資料によりますと、この措置の導入により法人住民税率の標準税率が、都道府県分については五・〇%から三・二%へと一・八%ほど引き下げられ、市町村分については一二・三%から九・七%へと二・六%ほど引き下げられました。
 この結果、平成二十六年度当初予算ベースでは、都の実質的な影響額は一千二百二十五億円の減収、特別区は全体で五百七十八億円の減収、多摩・島しょの市町村民税は全体で六十五億円の減収が見込まれておりまして、東京都のみならず都内区市町村の財政へも影響を与えております。
 また、国は、消費税率一〇%段階では、地方の貴重な自主財源である法人住民税の国税化をさらに進めるとしています。
 そこで、このような不合理な措置である法人住民税の国税化が導入された背景と問題点について、見解をお伺いいたします。

○潮田主計部長 国は、地方消費税の税率を引き上げたとしても、地方交付税の交付団体では、その増収分が地方交付税の減となって相殺される。その一方で、不交付団体では、その財源がそのまま収入としてふえることで、交付税算定上のいわゆる財源超過額が増加するという考え方から、不交付団体と交付団体の間の財政力格差がさらに拡大をするというふうに主張し、その格差是正を目的としまして、偏在性が小さな地方消費税を拡充する一方で、総体的に偏在性が大きいといわれている法人住民税の国税化を断行したところであります。
 しかしながら、国が主張します不交付団体の財源超過額とは、そもそも交付税の配分技術上の数字にすぎませんで、大都市の財政需要を適切に反映されていないなど、都の実態をあらわすものではないと、かように考えております。
 しかも、議論の発端となっております地方消費税の増収分、これにつきましては、全額社会保障に充てることとされておりますけれども、都におけます福祉関係予算は、十年間で一・五倍、年平均で三百三十億円のペースで増加をしておりまして、さらに、今後も高齢者人口の増加などに伴う膨大な社会保障需要が存在することは明らかでありまして、こうした点でも、都には需要を上回る税収があるという国の主張は、決して都の実態をあらわしたものではございません。
 さらにいえば、地方税の交付税原資化というこの措置は、先ほどもお話ございましたが、地方交付税の依存度を高めることにつながりかねず、地方税の充実を図るという本来あるべき地方分権の理念にも大きく逆行いたします。
 この措置の影響は、先ほど委員ご指摘のとおり甚大なものでございまして、今後、この国税化がさらに拡大されることになれば、今にも増して、都財政のみならず、都内区市町村の財政にも重大な影響を及ぼすことになります。

○鈴木(あ)委員 これまでの議論を整理すると、法人実効税率の引き下げ、超過課税、法人住民税の国税化の拡大など、地方法人課税の見直しは、都財政のみならず、区市町村の財政にも甚大な影響を与えることが改めて理解されることとなったと思います。
 振り返れば、これまで都は、こうした不合理な偏在是正措置により、累計で一兆円もの金額が国に奪われてきたわけであります。この一兆円という数字は余りにも大きいため、現実としてなかなかイメージしにくい額ですが、身近な例でいいますと、私の大田区の平成二十六年度一般会計当初予算は約二千四百二十億円でありますから、一兆円という額は実に大田区の予算の四年分を超える金額になるわけであります。
 こうした国の措置は、日本の成長エンジンである東京を初めとした大都市の活力をそぐこととなり、まさに葉を欠いて根を断つことになりかねません。二〇二〇年にオリンピック・パラリンピックを控える今、都には世界から注目が集まっております。都が、都議会自由民主党が掲げる東京を世界で一番の都市にするため、そして、東京が日本経済の持続的成長を牽引していくためには、これ以上、都から財源を奪う動きは許されません。
 そこで最後に、こうした法人実効税率の引き下げや不合理な地方法人課税の偏在是正措置に対して、今後どのように取り組んでいくのか、局長の決意をお伺いいたします。

○中井財務局長 地方の自立と主体的な地域の課題解決に向けては、地方自治体がみずからの権限と財源に基づいて行財政運営を行う真の地方自治の実現が不可欠でございます。
 しかし、近年の地方財政をめぐって、国は、地方が抱える巨額の財源不足をどう解消するかという本質的な問題を棚上げし、都市の財源を狙い撃ちした不合理な偏在是正措置を繰り返してまいりました。
 その結果、都はこれまで、ただいま委員の方からもお話ございましたとおり、累計で一兆円に上る財源を失ってきており、さらに、このままでは今後も年間三千億円を超える財源が毎年奪われるような状況となっております。
 また、法人二税に大きく依存する都財政において、代替財源なき法人実効税率の引き下げの影響は、先ほど委員からもご指摘のあったように、膨大なものがあると想定されるわけでございます。
 申すまでもなく、都には、オリンピック・パラリンピックの開催準備や世界一の都市東京の実現に向け取り組むべき課題が山積しており、法人実効税率の引き下げに伴う確実な代替財源の確保と不合理な偏在是正措置の即時撤廃は、都として、どうしても譲れない一線であるわけでございます。
 国政では、地方創生が大きな政治的テーマになり、都にとっては、従来にも増して逆風であるとの見方もあるようでございますが、であればこそ、いかに東京の財政需要が大きいのか、また、それが将来に向かって増大していこうとしているのか、こういった東京の実情をしっかりと国に強く主張するとともに、これまでの一連の国の措置が、地方自治などの観点から、いかに不合理なものであるかということを強く強く訴えていかなければならないと考えております。
 このようなスタンスで、今後、正念場に入る税制改正議論に対し、東京都内の全自治体や志を同じくする都外の自治体と連携するとともに、何よりも都議会の先生方のお力をいただきながら、最後の最後まで闘い抜いていく覚悟でございます。引き続きのご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

○鈴木(あ)委員 ただいま財務局長から、都の貴重な財源を奪う動きに対して、あらゆる方策を講じて全力で対抗していく旨、力強い決意を伺ったわけですけれども、ある政府関係者によれば、誰もが納得する偏在是正なんかないんだと、結局は東京の法人事業税と法人住民税を地方に再配分するしか手段がないなんていうふうに公言をしている、とんでもないことだというふうに私は考えております。
 いずれにしても、税制改正に向けて議論が動くのは、これからの年末であります。我が都議会自由民主党も、都政における極めて重要な問題に対し、都や志を一にする方々とともに全力で闘い抜くことを表明いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○斉藤委員 私の方からは、年次財務報告書の件につきまして、何点か質問をしたいと思います。今のご議論と関連する部分は十分ございます。
 ことしの年次財務報告書を拝見させていただきますと、資料のある方、二二ページからずっと書いてありますけれども、まさしく今、局長からお話がありましたように、都に内在する財政需要がいかに大きいかということ、これはとても重要でございまして、都は今の国の状況を見て、場当たり的に反論するんじゃなくて、経年的に長い財政再建の中で、いかに東京都の財政が難しいかということを身にしみて感じている実態でございますので、国に対して強く、そういうことも含めて申し上げなければいけないと思っております。その上で、今回の都政に関する財政運営のあり方を考える上でも、非常に重要な分析がちりばめられていると思います。
 例えば、東京の人口は、二〇二〇年オリンピック開催の年をピークといたしまして減少に転ずる一方で、大事な問題は高齢者人口でございますが、人数が非常に多くなってくると。二〇三五年、平成四十七年ごろには、都内人口のおよそ三分の一に当たる約三百七十万人の方々が高齢者人口になるというふうに予測されております。人口推計は、比較的数字にぶれがございませんので、確実にそういう超高齢社会に突入していくわけでございます。
 また、都が抱える社会資本ストックという点を見ますと、今後、その多くが老朽化していく、大規模改修や更新の時期を迎えることとなります。この社会資本ストックの老朽化は、大災害、地震などを待つまでもなく、都民の命にかかわる問題でございまして、防災、減災の観点からも中長期的な視点を持って計画的に取り組んでいかなきゃならない課題であると思います。
 現在は、景気は緩やかな回復基調にあるというふうにいわれておりますけれども、その一方で、今、鈴木委員からありましたけれども、法人の実効税率の引き下げの問題や不合理な地方法人課税のさらなる見直し、こういったことが国で検討されるなど、都財政の見通しは依然として厳しい状況にあるといわざるを得ません。
 そうした中にありまして、今後、財政需要の増大が見込まれることを踏まえまして、中長期的にどのような財政運営を行っていく必要があるかを、年次財務報告書の内容をひもときながら検証していきたいと思います。
 まず初めに、二十五年度の決算を全体としてどのように評価しているかをお伺いします。

○潮田主計部長 平成二十五年度の決算は、歳入面では、景気回復の動きが広がる中で企業収益が改善したことなどによりまして、法人二税が増加するなど、都税収入が二年連続の増収となりました。
 一方、歳出面におきましては、人件費の削減などに取り組むとともに、子育て支援などの喫緊の課題はもとより、都市インフラの整備などの中長期的な課題にも着実に対応いたしました。
 こうした中、実質収支はほぼ均衡となりましたが、これは都税収入の増収等を活用し、基金の取り崩しを抑制したことや、後年度の財政負担等を勘案して、都債を適切に活用したことなどによるものでありまして、将来を見据え、基金残高の確保や都債の発行余力を一層培うことができたものと考えております。
 このように、平成二十五年度決算は、施策の着実な展開と財政の健全性の確保という二つの目標を一定程度両立できた決算ではないかと考えております。

○斉藤委員 今のお話で、平成二十五年度の決算の概要について大筋をつかむことができましたが、確かに景気の回復によって都税収入が増加していること、これは歳入分の努力もございますけれども、そういったことがありまして、財政基盤の安定さが増したように見えるわけでございます。
 しかし、そこをさらにもう少し深く掘り下げて決算の分析をする手法を東京都は持っておりますので、少し細かく見ていきたいと思いますが、この財政状況をより客観的に把握するために、主な財政指標からどのようなことがいえるのかをお伺いしたいと思います。

○潮田主計部長 財政指標には、分析の視点により、さまざまなものがございますが、主なものとしまして、財政構造の弾力性を示します経常収支比率や、いわゆる財政健全化法に定められております実質公債費比率、将来負担比率が挙げられます。
 まず、経常収支比率でございますが、これは、税収などの経常的な収入に対しまして、義務的な経費あるいは経常的な経費の割合を示すものでございまして、率が低いほど弾力性が高いというものでございますが、これは八六・二%と、昨年度の九二・七%から六・五ポイント低下をしておりまして、五年ぶりに八〇%台となりました。
 今回改善した要因は、職員給の減少、あるいは都税収入の増加などによるものであります。この経常収支比率から判断をいたしますと、都の財政構造の弾力性は向上したものといえるというふうに思っております。
 次に、実質公債費比率でございますが、こちら地方債の償還額等の負担の大きさを指標化したものでございまして、都債の元利償還金が減少したことなどから、昨年度に比べまして〇・四ポイント改善をして〇・六%となりました。
 また、将来負担比率は、都債や債務負担行為に基づく支出などといった将来負担の大きさを指標化したものでございますが、都債の現在高の減少、あるいは退職手当の制度見直し、こういったものによりまして、昨年度より一二・二ポイント改善をして七三・二%となっております。
 今回、経常収支比率が改善したことや、実質公債費比率、あるいは将来負担比率、いずれも財政健全化法に定めます早期健全化基準、こういったものを大きく下回っていることを踏まえますと、都財政は健全性を維持しているというふうにいえると思っております。

○斉藤委員 今のご答弁によりまして、さまざまな指標によって数字的にも健全化というものが裏づけられているような内容になっております。
 この経常収支比率につきましては、都税収入の増収によるところも大きいと思いますけれども、今お話ありましたように、人件費の削減など多分な内部努力、そういった地道で継続的な努力がかかわりまして全体的に改善してきていることを忘れてはならない。私は、そこの行革の部分も非常に評価をするところでございます。
 また、実質公債費比率、それから将来負担比率、こういった指標につきましても、数字的に改善傾向にあるということが今のお話で明らかになりました。都財政の健全性は維持されているということが確認できたわけでございます。
 これは、この報告書の冒頭にも書いてありますけれども、総務省の定める基準をもって数字にあらわしますと、このような健全性が明らかになっているということでありますが、しかし、東京都の場合、さらに、決算の内容全体をより深く分析する手法として、新しい公会計制度、こういった手法を完成させているわけでございます。そして、それを運用しております。
 この決算内容全体をより深く理解するために、資産や負債などのストック情報や、あるいは行政コスト等のフロー情報を含めた多面的な状況をしっかり見ていくこと、いわゆる財政の見える化ということを徹して重ねていくことが非常に重要であると考えるわけでございます。
 この点、我が党が推進して、平成十八年度に導入された新たな公会計制度により作成されるようになりました財務諸表、きょうの報告書の後半の部分にありますけれども、こういったことにつきまして幾つか質問いたします。
 まず、年次財務報告書では、結論として、都財政の健全性は、今のご答弁のように維持されているとありますけれども、そのことは、ストック情報である貸借対照表や正味財産変動計算書のどのような観点から読み取ることができるかということをお伺いしたいと思います。

○潮田主計部長 貸借対照表によりますと、資産残高は、前年度末に比べまして二千二百三十一億円増加しまして三十二兆八千二百八十二億円となっております。これは、現金預金の増加や、例えば、環状二号線を初めとしました骨格幹線道路の整備といった社会資本整備が進展したことなどによるものであります。
 一方で、負債残高、こちらにつきましては、負債の大宗を占めます都債の償還が進んだこと、あるいは後年度の財政負担を勘案して都債を適切に活用したことなどにより、前年度に比べまして三千七百四十億円減少し、八兆一千七十八億円となっております。これにより資産に対する負債の割合は、前年度末に比べて一・三ポイント減少し二四・七%となっております。
 その結果、正味財産変動計算書では、正味財産残高は、前年度末と比べて五千九百七十二億円増加しまして二十四兆七千二百三億円となりました。これは、投資効果が高い社会資本の整備を進める一方で、負債を圧縮するとともに、事業評価の取り組み、あるいは歳出の徹底した精査、これらによりまして収支差額の黒字確保に努めてきたことなどが財務諸表にあらわれているものと認識をしております。
 これらのことから、都財政の健全性は維持されていると考えてよろしいかと思っています。

○斉藤委員 ただいま貸借対照表などをもとにしたストック情報の分析によりまして、必要な社会資本整備を着実に推進している、そうしながら、資産に対する負債の割合を低い水準に抑えている、健全な財政状態を保っていることがわかっているわけでございます。大体、一一ページから、今の部分は数字が書いてございます。
 続いて、フロー情報の分析に移りたいと思います。
 行政コスト計算書、キャッシュ・フロー計算書からは、どのようなことがいえるかをお伺いしたいと思います。

○潮田主計部長 行政コスト計算書によりますと、行政収入が地方税の増収などにより増加をした一方で、主要な行政費用の一つであります給与関係費の減などにより、一年間の行政サービスの収支をあらわします当期収支差額は、前年度に比べて三千三十億円増加しまして四千七百三十三億円の黒字となりました。
 これは、当年度に提供されましたサービスに必要な費用が、税収などの当年度の収入によって賄われたことを示しておりまして、この収入超過額が貸借対照表の正味財産の増加に反映されることで、財務体質の改善につながっていることがわかります。
 また、キャッシュ・フロー計算書によりますと、経常的な行政サービスや社会資本の形成などに伴います現金収支の差額を示す行政活動キャッシュ・フロー収支差額は、都税収入等の増加によりまして、前年度に比べて千六百五十三億円増加して二千六百十一億円の収入超過となりました。
 その一方で、都債の発行や償還などの動きが反映される財務活動の収支差額は、千九百九十四億円の支出超過となっております。これは都債の償還額が発行額を上回り、都債残高が着実に減少していることを示すものであります。

○斉藤委員 今回、財務諸表を活用してストック情報とフロー情報の両面から都の財務状況を検証することで、従来の官庁会計の収支状況から見えてこない内容も確認することができていると思います。
 平成二十五年度末の時点では、財政の健全性を維持していることが、今のご答弁でわかったわけでございます。ただし、都税収入は、先ほどのご議論のとおりですが、景気動向に大きく左右されることから、足元の財務状況が改善したからといって決して楽観視してはならない、これは過去の事実からも、そのようなことがいえるということをあわせて申し述べておきたいと思います。
 さて、これより平成二十五年度の決算分析からちょっと話題、視点を変えまして、まさしく重要な、今後の都財政を考えていく上で重要な視点について幾つか質問したいと思います。
 都財政は、バブル経済が崩壊した後、平成十二年度あたりまでは、行政活動支出が都税収入の動きと連動するかのごとく上下動を繰り返しております。二一ページに図表がございますけれども、非常に上下動を繰り返してきました。行政サービスの水準が景気動向にかなり影響されたといえると思います。
 しかし、その後、二度にわたる財政再建の取り組みや新たな公会計制度の導入、平成十八年からだと思いますが、より精緻な財務状況の把握が可能となったことなどによりまして、都税収入が大きく変動する中にありましても、安定した行政サービスを提供できる財政構造に変化してきていると思います。
 都におきましては、税収が変動することは避けられないわけですけれども、税収が変動することを前提として、だからこそ財政運営をしっかり考えていくことが重要であるという視点であります。そのため、行政活動支出と都税収入のギャップを、どうやって財源を用いて効率かつ効果的に埋めていくか、そういったことが大きな課題となるわけであります。その役割を担っているのが都債であり、基金であると考えるわけであります。
 そこでまず、都債について考えたいと思うんですが、近年、都債の発行を抑制しまして、償還を進め、都債残高を減らしてきたことは、計画的な財政運営による成果であるというふうに評価したいと思います。
 しかし、将来に目を向ければ、今後の社会構造の変化に伴いまして、新たな財政需要の増加が見込まれているわけであります。こうした状況を踏まえまして、これからも強固な財政基盤を堅持していくために、都債を今まで以上に適切に活用していく必要があると考えるものです。
 そこで改めて、これまでの都債残高の推移と都債活用の考え方についてお伺いをしたいと思います。

○潮田主計部長 一般会計におけます都債残高の推移について見ますと、バブル経済崩壊後の平成四年度以降、都税収入の減と国の経済対策に対応した投資的経費の増額などによる財源不足を都債の活用により賄った結果、その残高は年々累増いたしました。
 一方で、二次にわたる財政再建推進プランの取り組みを進め、財政再建の成果が徐々にあらわれまして、都債残高は、十三年度の七兆六千三百八十四億円をピークに、二十年度には六兆二千五百六十九億円にまで減少させることができました。
 しかし、二十一年度以降は、リーマンショックの影響などによりまして都税収入が再び大きく落ち込む中で、これまでの都債の発行抑制により培われた発行余力を活用しまして必要な財源を確保したことから、都債残高は再び増加に転じました。
 しかしながら、二十五年度は、都税収入が再び増収となる中、都債を適切に活用しまして、残高は二十年度と同水準にまで回復をしたところであります。
 都債は、年度間の財源の調整とともに、社会資本ストックの適切な形成、更新を着実に進めていくに当たり、世代間の負担の均衡を図る観点から、重要な役割を果たしているというふうに認識しておりまして、今後とも税収動向や将来の財政需要などを勘案しつつ、中長期的な視点に立って、計画的かつ戦略的に活用してまいります。

○斉藤委員 今のご答弁にございましたけれども、都債には純粋な財源としての機能とともに、世代間の負担の均衡を図るという、そういった役割をあわせ持っているわけでございまして、こうした観点を十分に考えながら、財政の健全性を保ちつつ、今後、都債をより計画的に活用していくことを強く望んでおきたいと思います。
 また、都のような地方交付税の不交付団体では、他力本願的な、そういった財政運営を行うことができないわけです。今後の膨大な財政需要への対応や緊急時における適切な対処という観点からも、都債と同様に、あわせて基金の残高の確保というものも重要な課題であると考えます。
 そこで、これまでの活用可能な基金残高の推移と今後の財政運営におけます基金の位置づけについて、あわせてお伺いしておきたいと思います。

○潮田主計部長 財政調整基金を初めとしました財源として活用可能な基金の残高は、バブル経済の崩壊以降、税収減への対応などのために取り崩しを行ったことで、平成十一年度末には一千億円を切るまでに減少いたしました。
 その後、財政再建の取り組みを通じ、歳入歳出を徹底的に見直すとともに、都税収入が好調であった平成十八年度からは、将来の財政需要に備えて積極的に基金の積み立てを行い、二十年度末には一兆五千億円台にまで回復をいたしました。
 しかしながら、これも先ほどの都債と同様に、二十一年度以降、リーマンショックなどの影響によりまして都税収入が急激に落ち込む中、行政サービスを安定的に提供するために、これまで蓄えてきた基金を取り崩さざるを得ませんでした。ただ、その際にも、執行段階での徹底した経費削減努力や不用額の精査などにより、基金の取り崩しを極力縮減することに努めてきました結果、平成二十六年度末見込みで約九千億円を確保しております。
 過去一年間に一兆円もの減収に見舞われるなど、都財政は景気変動に--先ほど委員からお話がございましたが、景気変動に左右されやすい構造にあることに加えまして、社会保障関係費の増加、あるいは社会資本ストックの維持更新などへの対応等、これからの膨大な財政需要を踏まえた場合、今後の財政運営における基金の位置づけは極めて重要であると考えております。

○斉藤委員 私は、平成二十一年の当選の議員でございますので、実はリーマンショックの前の血のにじみ出るような財政再建を知らずに、その場にいずに当選をさせていただいた、その世代であります。今の東京都議会議員の構成を見ますと、若い当選の方もふえておりますので、この十数年間にわたる財政再建の道のりについては、きちんと、まずしっかり学んでおく必要がある。そして、先輩たちが理事者の方々ともに東京都の財政再建をしてきたことを踏まえた上で、国に対して物を申していく、そういった議会であらねばならないと、このように考えているわけでございます。
 リーマンショックという全く予想がつかない世界レベルの大きな変動の中で、都民の暮らし、そして、命、こういったものを守ることができたのは、それまでに行ってきたスピーディーな改革、そして、地道な財政再建へのたまものがあって今があるということを忘れてはならないというふうに思っておるわけであります。
 これからも、都債や基金を計画的に、かつ戦略的に活用しながら、これから挑んでいきます超高齢社会、少子高齢化の進展によりまして増大をしてくる社会保障関係費、さらには、首都直下の地震などを含めまして、災害対策など、さまざまなインフラ、社会資本のストック整備、維持更新経費など、さまざまな形で将来非常に大きな財政需要が考えられるわけでございますので、しっかりとこれに対応していかねばならないと思っているわけでございます。
 最後になりましたけれども、膨大な財政需要に適切に対応していくためには、財政の健全性を中長期的に維持していくことが都財政にとって非常に重要であると考えますけれども、今後の財政運営につきまして局長のご見解を伺いたいと思います。

○中井財務局長 都の歳入の根幹をなす都税収入は、副委員長ご指摘のとおり、景気変動に大きく影響を受ける法人二税の占める割合が高いわけでございます。
 また、都は、都道府県で唯一、地方交付税の交付を受けていないということからも、他の自治体に比べ、より自立的な財政運営を行う必要があると認識をしております。
 また、今年度は、法人実効税率の引き下げ、そして、地方法人課税のさらなる不合理な見直しなど、都財政にとって極めて重大かつ予断を許さない、そういった状況も一方にございます。
 さらに、副委員長からもご指摘があったとおり、高齢化社会がますます進む、あるいはインフラ更新が大きくなってくるという中で、東京都の財政需要は、今でも非常に大きなものがあるわけでございますが、それが将来に向かってさらに大きくなることは確実視されているという状況でございます。
 こうした中で、今後とも都がなすべき役割を、将来にわたり継続的、安定的に果たしていくためには、事業評価など、自己改革の取り組みをたゆまなく行うことにより財源の確保に努めるとともに、都債や基金を計画的かつ戦略的に活用し、オリンピック・パラリンピックの開催準備や世界一の都市東京の実現に向けた取り組みを支える安定的な財政対応力を引き続き堅持することが、何よりも必要であると考えております。
 このことを、財政を所管する者として常に肝に銘じ、引き続き全力で職務に当たってまいります。

○斉藤委員 世界一の都市東京、まさしく財政運営、これこそ世界一の都市東京であって、基本であるというふうに考えるわけでございます。今策定中の長期ビジョンにつきましても、そういった長期ビジョンが策定できる、その前提として、安定した強固な財政基盤、そして、賢明な果敢なる財政運営、こういったことが東京の宝でございます。
 ただいま局長から、都財政をめぐるさまざまな情勢が厳しさを増すというお話がございました。山積する行政課題、たくさんあります。こういった解決に向けて、全力で財政基盤の強化に取り組むとの決意のご表明がございましたけれども、理事者の皆さんとともに議会もタッグを組んで、この難局を乗り越え、これまで以上に盤石な財政運営を行うことを求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

○曽根委員 私からは、今もお話のありました平成二十五年度の年次財務報告書について、それから、地方法人課税のあり方の問題について、それぞれについて若干質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、年次財務報告書については、私も注目しましたのは、本文の二二ページからの都に内在する財政需要ということです。
 先ほど、主計部長もおっしゃったように、今後、東京都がどれだけのサービス需要を抱えており、そこに財源がどれぐらいかかるのかということを、政府に対してはもちろん、全国の自治体に対しても、正確なところを知らせていくことは大変重要だと思います。
 例えば二三ページには、社会保障関係経費の将来推計というのが第三者推計という新しい形で今年度から載っております。これから社会保障予算が毎年三百億円程度ずつずっと伸びていくであろうと。そうすると、二十年間で、増額分だけの累積で約六・六兆円に及んでいくわけです。その財源を新たに確保していかなきゃならないということになります。
 しかも、これは現在の福祉制度や福祉水準をそのままずっと続けていくことが前提になっていると思いますので、したがって、グレードアップさせようと思ったら、さらなる財源が必要になるだろうということや、それから、今のいろんな分野ありますね。特に高齢者の分野は人口の伸びが大きいということで、分野別に推計をしなければ、こういう正確な将来推計はできないと思いますが、その辺の試算、推計の内容について知らせていただきたいと思います。

○潮田主計部長 社会保障関係経費の推計に当たりましては、現行の制度下で既存の事業が継続するという前提で、まず、高齢者分野や子供家庭分野など、各分野の事業ごとの決算額をもとにいたしまして、それぞれに影響を及ぼします人口推計などの変数を乗じた上で、さらに物価上昇を反映するなどして試算をしております。
 具体的に申しますと、例えば、高齢者分野の特別養護老人ホームに係る経費につきましては、六十五歳以上の人口推計を用いて試算をしまして、また、子供家庭分野の児童手当に係る試算につきましては、ゼロ歳から十五歳までの人口推計を用いております。

○曽根委員 この推計が一定の根拠を持つだろうと思ったのは、ちょうど、後で質問します地方法人課税をめぐる問題での資料集の中にも、この十年間の東京都の福祉関係予算の推移というのが出ていまして、ここでは、この十年間で福祉関係予算が約一・五倍、毎年三百三十億円ペースでずっと上昇してきていると。これは予算の計算ですので、決算ではどうだったかというのは、もう少し正確に見ないとわからないと思いますが、ほぼ同じペースで今後も伸びていくというのには一定の根拠があると思います。
 同時に、今まで三百三十億円ずつふえてきたのが、今後、三百億円で済むのかというと、それはちょっとあり得ないだろうと。高齢者人口の伸び方が急速に伸びてきていることなども含めると、これは、さらに大きな財源が必要となってくるということを考えざるを得ないと思います。
 そこで、社会資本ストックの方は、また別の試算のやり方があると思うんですが、この表が二四ページに載っておりますが、この試算についてはどのような方法をとったんでしょうか。

○潮田主計部長 社会資本ストックの維持更新経費の推計に当たりましては、現在保有しております社会資本を引き続き維持するという前提のもとで、法定耐用年数が到来した時点で更新すると仮定しまして、取得価格に建設工事費デフレーターや物価上昇率を乗じるなどして試算をしております。

○曽根委員 この表も、そういう意味ではかなり細かい試算をして出したものだと思いますが、この表は、またちょっと、前の社会保障関係費に比べると伸び方が、でこぼこがあると。特に平成四十一年、西暦でいえば二〇二九年度以降に大きく伸びているということは、恐らく法定耐用年数、コンクリートの建物の法定耐用年数で一斉更新ということを考えて推定したせいだと思います。これは恐らく実態からすると、もう少し前に、前倒しで費用がかかってくるというのが今までの流れからすればあるだろうと。
 こちらも、私も計算してみましたが、二十年間で約二・三兆円の増額分だけでも費用がかかってくるということになります。そして、後半になればなるほど、これは社会資本ストックですので、必要財源が大きくなってくるという特徴があると。この両方が出されていて、二つの分野でこれが出たということは大変重要だと思いますが、この二つの分野での将来推計を出した目的についてお聞きしておきます。

○潮田主計部長 持続可能な財政運営を行っていくためには、今後、確実に増加することが見込まれます財政需要について、正しく認識をしておく必要がございます。
 そこで、少子高齢化など、社会情勢の変化によって増加が見込まれます社会保障関係費と、今後、大量に更新時期を迎えます社会資本ストックの維持更新経費について試算をしたものでございます。

○曽根委員 これは当然ながら、後から申し上げます地方法人課税の是正、国の一方的な是正措置、その背景にある東京富裕論に対する反論の材料にもなっていくと思いますから、より一層正確なものにしていく必要があると思います。
 その上で、一つ気になるのは、二三ページの社会保障関係経費の下にある二つ目の丸のところに、今後、これらの経費の増加が見込まれることを踏まえて、重要課題に対しては戦略性を持って重点的な取り組みを積極果敢に進めるというようなことが書かれています。
 そうすると、特定の福祉の分野について、重点化の反面で、いわば切り下げが行われる危険というのもちょっと感じるんですが、その点はいかがですか。

○潮田主計部長 都はこれまでも、都民にとって必要な施策に対しましては、的確に財源を振り向けております。福祉施策につきましても、社会ニーズに応えるべく、必要な施策には財源をしっかりと配分をしてきております。
 今後とも、財政の健全性に十分留意しながら、都民生活の向上に着実に取り組んでまいります。

○曽根委員 ぜひ、都民のニーズには的確に応えていただきたいと思います。
 先ほども、この十数年来のいわば財政再建、各分野での改革の話があって、血のにじむような財政の健全化をやってきたという話がありました。
 私は、この財政の健全化の中で、はっきりいえば人口の増加、特に高齢者、障害者だと思いますが、この分野での人口増加に直接影響を受けるような制度をできるだけ切ってきたと。シルバーパスだとか、高齢者人口がそのまま出てくるマル福とか、これらは、もうもろに都の予算にかかわってきますので、そういうものを極力切ってきた結果が、今ようやく年増加額が三百三十億で済んでいるということだと思います。そういう中で都民の方々が、血がにじむどころか、涙と血を流してきた姿を私たちも見てきておりますので、そういったことの繰り返しがあっては絶対ならないということは申し上げておきたいと思います。
 それで、今後のことを考えて、もう一つ重要な問題は、社会資本ストックが、今後、維持更新のために莫大な費用がかかる、そのことに加えて、今後、新たな施設建設、都市基盤建設がさらに将来の負担をふやしていくという問題で、前々から私たち、外環道を初めとして新たな大型の都市基盤整備については極力抑えるべきだと、維持更新だけでも大変な額がかかるんだから、新しいものをふやすというのは、もう極力抑えるべきだといってきました。
 私たちが明らかに過大だなと思うものだけ挙げるだけでも、今の外環道では--ちょうどきょうのこの資料集の終わりの方に、外環道十六キロで一・三兆円の費用と、そのうち国の四分の一は都に負担が来るということが書かれていますように、しかも都は、今、地上道路もつくっていますので、そちらも一千億円から二千億円規模は間違いなくかかってくるでしょうから、都の負担は四千億円ぐらいになるでしょうか。
 このほかに、今始めている二十八路線の特定整備路線が、私たちの計算ですけれども、五千億円を上回る事業費になるだろうと。基本的に都道ですから、半分としても二千五百億円規模。港湾の方では大型コンテナバース、これから六つ、少なくとも計画されてきていて、臨港道路の南北道路も加えると、こちらも、たしか二千億円ぐらいの規模になっていくと。それだけ合計しても一兆円近い規模になります。
 こうしたものを、全てオーケーというわけにはいかないだろうと。きちんとメスも入れて、私たちから見ても都民から見ても、浪費と思われるものについては、やはり見直しをしていかざるを得ないと思いますが、社会保障や社会資本の適切な都民ニーズに応えた維持更新と充実とあわせて、無駄遣いをなくしていくという点ではいかがでしょうか。

○潮田主計部長 都市インフラの整備は、道路の渋滞対策や港湾機能の充実の必要性といった東京が抱えます大きな課題を克服するなど、都民の利便性や、物流機能の向上につながるだけではなく、国際競争力の向上にも大きく寄与するものでありまして、東京の活力を維持させる上で重要かつ不可欠な取り組みでございまして、今後とも着実に進めていく必要がございます。
 また、都民の安全・安心を守り、都市機能の維持向上に資する都市インフラの更新についても、当然のことながら、計画的にかつ着実に進めていかなければならないものと考えております。
 都はこれまでも、都市インフラの整備や更新はもとより、福祉や医療、教育、防災あるいは中小企業対策など、都民にとって必要な施策には、的確に財源を振り向けてまいりました。
 今後とも、強固な財政基盤の堅持に努めつつ、社会のニーズに応じて施策を展開してまいります。

○曽根委員 今お話しされたことがそのまま、何というんですか、今までの流れをあらわしているのであればいいことなんですが、残念ながらこれまでの十数年の都の財政運営の重点は、やはり都民の直接のサービスよりは、都心中心の基盤整備、開発に充てられてきた面は否めないと思います。そういう点では大きな流れの見直しが必要だということを申し上げておきたい。
 それから、高齢者の人口増になるべく直接対応しないようにやってきたことが、この間、矛盾を起こして介護保険制度の破綻や国保料の滞納が極端にふえていることなど、矛盾をもう既に噴き出しているということから、東京都も含めて全国の都道府県知事会が国保の広域化に対して、もうこれ以上、公的財源、国が財源を出さないんだったら難しいですよという意見も出さざるを得なかったり、介護保険についても、既に都内でも、ひとり暮らしの高齢者が四割、孤立世帯になってきているということで、結局は、年金財源、年金収入で賄い切れない介護保険料の負担に、公的に援助せざるを得なくなってきているというようなことも含めると、このままの国の仕組みでは、自治体が、国の政治のやり方の犠牲も含めて、大きな負担を負わなきゃならないということになりますので、この点の見直しもあわせて申し上げておきたいと思います。
 次に、都の収入の方で、この中心である都税収入の問題で、先ほど来、議論されております地方法人課税をめぐる問題について質疑をしたいと思います。
 最初に、この間の地方法人課税の問題は、特に、今、焦点が当たっている法人実効税率をいかに引き下げるかという議論が前提になっているわけです。既にその前にも、東京都は、法人二税を中心に、国税にかなり持っていかれて、このままいけば--今は、年間二千億円ぐらいですよね、国税化されているものは。しかし、今決まっている制度だけでも、再来年度ぐらいから、年間三千億円を超える国税化がされてしまうわけで、一千億円財源がまた落ちるわけですね、収入財源が。そういう点があるにもかかわらず、さらに、法人実効税率を引き下げれば、地方税に影響が出るという、もうダブルパンチ、トリプルパンチの話になってくるわけです。
 したがって、私は、法人実効税率を今下げる必要が本当にあるのかという議論を、改めてやらなければならないと。今まで東京都は、法人実効税率の引き下げは、いわば、都内にもたくさんある大企業が国際競争力を伸ばし、それが結局は、東京を含めた経済の浮揚につながるということから、これを容認する姿勢をとってきました。ただ、地方には影響を与えないでほしいと、こういう形でした。
 しかし、法人税の減税は、この間繰り返し行われてきましたが、都民にも中小企業にも恩恵がなかったという厳然たる事実があるわけです。その上で、東京都が今回も、法人減税を容認するのかどうか。もしするとすれば、その景気効果といいますか、経済効果をどのように評価しているのでしょうか。

○加藤主税局税制部長 都税収入につきましては、その時々の経済状況に大きな影響を受けていることは事実でございます。また、景気変動といいますのは、海外経済の動向などを含めた複合的な要因がございまして、例えば、法人税の減税といったような特定の減税効果で、その動向が決まるものではないというふうに認識しております。
 また、過去に、さまざまな理由で法人税率の引き下げが行われてきたわけでございますけれども、税率の引き下げ自体は、一時的な都税の減収要因になる場合がありますが、その後の都税収入というのは、他の経済動向等の影響を受けまして増減さまざまとなっております。
 今回、議論されております法人実効税率の引き下げは、企業の国際競争力や、国の立地競争力の強化に資することを目指して行われているものと認識しております。

○曽根委員 結局は、企業の国際競争力をつけてやるんだと。そうすれば、行く行くは、都民や、それから中小企業にも恩恵があるだろうという、我々、これをおこぼれ経済論といっていますが、そういうことなんですね。
 しかし、既に、法人、特に大規模な企業、資本の大きい企業に対しては、実効税率そのものが極端に下がっているというのは、私たちも、政府からの資料でとっておりますが、一番新しい二〇一二年度の資料でも、一番法人税がかかっているのは、資本金が一億円から五億円の範囲で二七・〇%ですが、これに対して百億円を超える資本金の企業には一九・六%と。さらには連結法人で納税している、いわゆる企業グループには、一三・三%しかかかっていないというのが政府の資料でも出ているわけで、これだけ税金まけてやっているんですから、これ以上どこ下げるんだというぐらいの減税がされているわけです。
 しかも、多くの方が指摘しているように、確かにお金を、税金まけてやれば企業に力はつきますよ、金があるんですから。しかし、そのお金がどこに行くかということで、例えば、今期待されている法人税率引き下げによって、設備投資はふえるとは考えられないというのは、これはよくいわれますが、例えば、早稲田大学の野口悠紀雄さんなどの経済学者からも指摘があるわけですね。日本の国内では、設備投資を行う魅力的な投資の機会がもうなくなってきていると。まけてやったお金は、全部国外の方に行ってしまうんだということが指摘されております。
 最近、私も驚いたんですけど、東京新聞で、三百社の主な企業にアンケートをとってみたら、もし、法人税を下げてくれれば、どこに使うかというので一番多いのは、新技術の研究開発で三二・三、財務体質の強化、これはお金をためるということですかね、二六・三、海外展開の拡充、二四・三で、国内での投資というのは一九・七と四番目なわけです。ましてや従業員の賃金増加などは四%です。本当に働く国民にはなかなか還元してくれる気はないんですよ。
 ですから、法人税減税そのものを、是非をやはりここで、私たちは問わなきゃならない事態になっているだろうということを申し上げておきたい。
 その上で、じゃ今のままでいいかというと、私はむしろ、私たち東京都の方でかけている法人税については、まだまだ適切な課税強化ができる分野があるというふうに思っているわけです。そういう角度から見てみると、今度法人減税をやったことに対する代替財源の確保ということで、外形標準課税の拡大ということが出てきているわけです。
 先ほど、ご答弁があったので繰り返しませんけれども、実効税率で一・三%引き下げの効果があると。しかし、収入は変わらないと。これは制度のいわばからくりなんですけれども、そういう意味では、外形標準課税の拡大、これはもちろんのことですね、中小企業に分野を広げるのではなく、資本金一億円超の大企業にもちろん限ってのことなんですけれども、ここの課税ということが今後あり得ると思いますが、いかがでしょうか。

○加藤主税局税制部長 今回、外形標準課税ということが話題になっておりますけれども、これは一つには、地方税のあり方として、事業税は外形標準課税が望ましいというふうに、これまでも国において検討してまいりましたし、地方自治体もそのように考えているところでございます。
 また一方で、理事からご指摘ございましたが、今回の法人実効税率の引き下げに当たって、実効税率を引き下げる単純な減税ではなく、代替財源を探さなければいけないと。こういった観点から、少なくとも地方税については、所得課税である事業税の所得割を外形課税に振りかえることによって、税収は変わらずに実効税率を下げることができると、こういった観点から出てきているというふうに認識をしております。

○曽根委員 先ほどから質問が幾つか出されているので、予定した質問は省きますけれども、今回の法人実効税率引き下げということの代替財源を、地方税である法人事業税の外形標準課税で代替財源をということになると、減税の対象を地方税を狙っているということの裏返しになってくると思うんですよ。国税でやるんだったら、当然ながら財務省は、国税での代替財源を考えなきゃならないと。
 しかし、先ほど話の出たように、分野として、減税をされている分野だとか、研究開発費の減税だとか、こういうものは多くは大企業ですので、この分野で代替財源を取るのはなかなか経済界がうるさいのでできにくいと。しかし、地方税では、こうした外形標準課税の拡大はできるんじゃないかと。そのかわり地方税の法人二税での実効税率の引き下げを狙ってくると。こういったことが、危険が大変強まっていると思うので、この点に対して、東京都と議会が協力しての対抗策を打っていく必要があると思います。
 それからもう一つ、最後に申し上げておきたいのは、他の道府県との関係で、国からだけではなく、東京富裕論というのは、間違いなく他の道府県からも出ているわけです。これに対して、今回出されました東京都の主張、それからその資料、私も読ませてもらったんですけれども、二つの点で大変わかりにくいということは申し上げておきたいんです。
 一つは、東京都の、これからの地方自治の精神に即した財政調整のあり方はどうあるべきかということについては、さまざまな面での東京富裕論での反論はあるんですけれども、こうすべきだという提案が、きちんとまとまった形でなされているとは思えないんですね。地方交付税の法定率を上げるというようなことは書かれていますけれども。
 それから、ほかの自治体と連携を強めて、国に対していかなければ、もう国保問題、先ほど申し上げましたように、財源をどんどん地方から吸い上げていってしまうということに対して、他の自治体と協力、連携できるための提案、提言、そういうようなものも、もっともっと出していかなければならないということだと思います。
 いずれにしても、これから、この法人税減税をめぐって、また、東京都が最も影響を受ける法人二税の国税化の新たな是正措置の押しつけという問題をめぐって、両方で、国と本当に闘っていかなければならないと思いますので、その点について、改めて決意をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○潮田主計部長 まず、今、理事の方からわかりにくいというふうにご指摘があった点でございますが、理事からもお話がございましたとおり、この冊子の中の二ページのところでは、そもそものお話としまして、二つ目のところでは、国と地方の歳出比率、これが現在四対六となっておりますけれども、実際に国民が負担します租税収入の配分におけます国と地方の比率というのが逆転をしてございます。
 そうした意味で、あるべき方向というのは、やはり、まずは国と地方の税収比率を歳出比率に見合うものにしていくべきだということが大前提でありまして、そのために、地方消費税の拡充を初めとします地方税の充実強化、これがまず第一点だというふうに考えております。
 その上で、ただ、それだけですとどうしても税収が少ない地方自治体もございますので、地方交付税制度の持つ財源保障機能、あるいは財源調整機能、これを適切に発揮させていくということも重要だということで、理事からもお話ございましたが法定率の引き上げ、こういったものを地方の実態に見合った、あるいは地方の実態に見合った財政需要を地方財政計画に的確に反映をしていく、こういったことも大事だというふうに考えておりまして、これらを本来のあるべき姿、昔は全国知事会の中でも、闘う知事会といわれていた時代には、財務省に対しまして、かなり、そうした方向で意見をいっていた時代がございます。本来、やはりそうした観点から、各自治体一致して、そうした働きかけをしていくべきだというふうに、かように考えております。
 また、他の自治体との連携というところで申しますと、これまでも、大阪府あるいは神奈川県、愛知県、こういったところと、都市部と連携して、これまでも国に対していろいろと意見を申しておりました。
 今後とも、そうした観点から、志を一にする自治体と連携をしまして、あるいは都内の各区市町村とも一緒になって、国に対して、都議会の皆様方のお力添えをいただきながら主張をしていきたいと、かように考えております。

○曽根委員 今後、東京都として、全国の知事会に、志を今一致しているというのは大都市中心になってしまいますが、全国どの府県の知事さんとも一緒にやれるような、やはりきちんとした理念を確立しなきゃならないと思います。
 その上で、例えば、地方消費税がふえたから、その部分が、今までよりは格差が小さいので一定の是正がされて、法人事業税の国税化による影響が緩和されたというような、今の現状での格差の小さくなったという原因にはなっているかもしれませんが、私にいわせると、今後、地方が本当に人口がなくなっていく、地方自治体の村や町がどんどんなくなっていくということは、政府部内でも危険視されているわけですから、消費税の格差でさえどんどん開いていくという時代がこのままではやってきてしまうということから、こういう形ではなく、地方が、本当に財源が豊かになっていくような地方交付税のあり方の抜本的な見直しを含めた方向がどうしても必要になってくると。それを地方主導でどうやって切り開いていくか、このことをぜひ考えていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○大津委員 続いて、東京都年次財務報告書について伺います。
 二十五年度普通会計決算では、経常収支比率が八〇%台に回復するなど、健全な財政を確保しているとしています。私が、リーマンの前になりますけれども、都議をいたしてから十年余り、この間、都財政は決して安泰であったという記憶はしておりません。
 そこで、家計に例えますと、年間の給与収入に対するローンの返済額や食費、光熱費など、生活費の割合を占めるともいえます経常収支比率、これについて、過去どのような指数を示してきたのか伺います。

○潮田主計部長 近年の経常収支比率の推移を見ますと、平成十一年度には、平成以降のピークとなります一〇四・一%にまで悪化いたしました。その後、平成十六年までは九○%台、平成十七年度から二十年度までは八〇%台に改善をしたものの、平成二十一年度以降は再び九〇%台で推移をしておりました。今回、平成二十五年度の経常収支比率は八六・二%と、五年ぶりに八〇%台に回復したところであります。

○大津委員 この経年変化で経常収支比率で見ますと、都財政は、アップダウン、変動を繰り返してまいりました。
 そこで、経常収支比率が、これほどまでに変動する要因についてどう分析されているのか伺います。

○潮田主計部長 経常収支比率は、平成十一年度決算で一〇〇%、先ほど申しましたが超えてございましたが、二次にわたる財政再建推進プランに基づきまして、施策の徹底した見直し、再構築を行ったことなどによりまして、十七年度決算には九〇%を下回る水準にまで改善をいたしました。
 こうして財政再建に一つの区切りをつけた後も、引き続き施策のスクラップ・アンド・ビルドを進める中、都税収入の増加にも支えられて、平成二十年度までは八〇%台で推移をいたしました。
 しかしながら、二十年九月に発生しましたリーマンショックの影響で、都税収入が一年間で約一兆円もの減収に見舞われたことなどによりまして、二十一年度から二十四年度までは、再び、先ほど申しました九〇%台に上昇して悪化したというところでございます。
 二十五年度は、施策の見直しを継続するとともに、景気回復の動きが広がり、都税収入が増加したことなどもございまして、八〇%台まで改善いたしました。こうしたことからも、経常収支比率は、歳出の削減に加えまして、都税収入の動向にも大きく影響されるものといえます。

○大津委員 経常収支比率が示す都財政の健全度は、行革努力もさることながら、企業が集中する東京が受ける影響は大きく、都税収入の動向によって大きく変動するものであることも見えてまいります。このことは言葉をかえていえば、都財政の健全性というものが、いつ反転するかわからない不安定なものであるということもいえます。
 昨年、私の質問した事務事業質疑の答弁によりますと、都民一人当たりの借金といえる都債残高は、財政再建の取り組みを始めた当時六十四万円であったのに対し、二十五年度では、五十万円と二割縮減をしていましたものの、今度国民一人当たりの国債の残高は二百六十二万円に対して、五百八十九万円と大幅増加しており、将来世代への負担は大きく膨れ上がっているとのことでした。
 私は、以前から、将来世代に負の遺産を残さないことが大切であると訴えてきましたけれども、国債を含めた都民の借金は、まさに天文学的な数字となってきました。
 都における将来世代への負担を広く捉える指標として、将来負担比率というのがあります。家計に例えていいますと、年間の給与収入の何年分の借金があるのかというイメージでもありましょうか、国が定めた指標があると理解しています。この指標は、いわゆる夕張ショック、二〇〇七年、初の自治体財政破綻でもありました、これを機に、地方自治体の財政状況を示す指標の一つとして法律によって定められたものでありますが、今回この指標が、前年度から約一二ポイントも改善し、七三・二%となっています。
 そこで、平成二十五年度における将来負担比率について、どのように分析をしているのか、お伺いします。

○潮田主計部長 今、委員よりお話ございましたとおり、平成二十五年度の将来負担比率は、前年度と比較しまして、一二・二ポイント改善して、七三・二%となっております。これは、都債現在高の減少などによりまして、算定上の分子に当たります将来負担額が減少したこと、これに加えまして、分母に当たります標準財政規模、これが都税収入の増加などにより拡大したことが要因でございます。この七三・二%という数字は、国が早期健全化の判断基準としております四〇〇%と比べますと、かなりの低水準にあるといえると思います。
 ただし、この指標は、将来の大きな負担要因となります、先ほど来議論もございましたが社会資本ストック、こういったものの更新需要などが含まれていないといった問題がございますので、都財政全体の実態を必ずしもあらわすものではないものと考えております。

○大津委員 国の定めている将来負担比率に、将来的には膨大な負担となることが明らかな社会資本ストック、これの更新需要が含まれていないということは、まさに驚きでもあります。
 少子高齢化や人口減少社会を迎えるとき、社会資本ストックを今後どのように更新し、適正化していくかは、今後の東京のあり方、日本のありようを議論するために重要な視点と考えます。
 これらを踏まえ、今回の年次財務報告書を見ますと、例年にはないことでもありますが、第三者による社会資本ストックの維持更新経費や、社会保障関係経費の将来推計を示しています。今回、財務報告書に、財政需要の将来推計を示した意図を伺います。

○潮田主計部長 平成二十五年度の決算を見る限りは、都財政の健全性は確保されているものと認識をしております。しかしながら、都財政は、歳入の根幹をなします都税収入が景気動向に左右されやすいなど、元来、不安定な構造にございまして、財政の先行きを明確に見通すことは困難でございます。
 こうした中で、持続可能な財政運営を行っていくためには、都財政にとって避けることができない課題でございます。今後の膨大な財政需要について正しく認識をしておく必要がございます。
 そこで今回は、東京において、将来の財政需要が先鋭的にあらわれる事例としまして、第三者による社会保障関係経費と社会資本ストックの維持更新経費の試算を掲載いたしました。

○大津委員 社会資本ストックの維持更新経費が二十年間で約六兆円、社会保障に関係する経費が同じく二十年間で約六兆六千億円という具体的な将来推計を示し、東京都の財政のありようを示そうという--示しませんと都民はわかりませんし、予防や対策を考えたら、事実を早目に示していくという姿勢は大切で評価しています。
 現在、極端な少子高齢化という、まさに亡国の事態が首都東京においても色濃く顕在化しつつあり、東京では、二十年後におよそ三人に一人が六十五歳以上の高齢者、この委員会室の中でも、私も含めほとんど全員、そうした社会をつくっていく超高齢社会をも超える社会が到来すると予測されています。
 また、同じく都総務局による人口の将来推計によれば、東京の生産人口、働く人口、十五歳から六十四歳という区切りの生産年齢人口は、既に減少を始めており、平成二十五年度で八百八十一万人であるものが、平成四十七年度には八百三万人と約一〇%も減少すると予測されています。これは、入りが減っていくのに歳出、出がずっと同じということを考えますと、この推計は働き手が少なくなることにより、将来世代への負担がますます大きくなるということを示してもいます。この状況下で、都民の担税力も将来的には縮小し、伴い都税収入も縮小していくと危惧をしています。
 また、この超高齢社会の到来が目前となる中、まちのあり方なども見直していくことも重要です。例えば、私の地元の渋谷区笹塚駅前の甲州街道には、横断歩道と歩道橋と両方ございますが、やはり高齢化によりまして、昭和三十九年オリンピックの後にたくさん建ちました歩道橋、高齢化により上ることが困難になっています。加えて、歩道は歩くのですけれども、四十秒の信号のために、甲州街道を歩き切れなくて、中央分離帯でつかまって次の緑までずっととどまらざるを得ない状況が多々発生をしています。
 また、ちょっとお年寄りとお目にかからないと、つえをつき始めたり、また、ちょっと歩いていますと、お一人で亡くなる方も多く、警察が現場に入り車で運ばれていく、そういう姿も、日々私たちは経験をしているまちでもあります。
 今回、示されているこの社会資本ストック、これは、道路だとか下水、上水、保健所や区民施設や学校等、そうしたものの社会資本ストック、これらの維持更新経費の推計は、現在ある社会資本だけを対象としたものであり、施設の耐震化や機能強化といったものが経費としては含まれていません。つまり、道路の維持整備費は入っていますけれども、街路樹の剪定ですとか、さまざまな街路樹費用はこういったところには入っていないことにもなります。
 数年前に、渋谷の道玄坂で台風のときに街路樹が倒れまして、タクシーに直撃するということがありました。これは、根腐れが原因になっていまして、木のいろいろな樹林診断なども含めますと、街路樹のメンテ費用も増大していくと考えています。
 例えば、道路維持費は二十四年度決算で百六十四億円でしたけれども、これらの街路樹の維持費というのは、その約四分の一、二四%に当たる部分が街路樹の剪定等の費用になります。このような状況を踏まえますと、今後、社会資本の拡大一辺倒でなく、将来を見据えて公共施設やインフラ施設の更新や適正化を行うことが重要であります。
 また、新しく物をつくるときには、これらを踏まえた、最初からつくり込みも必要でありまして、まちのあり方を見直しながら、ふさわしいあり方を模索をしていく必要があります。
 東京都は、社会情勢の変化を正確に捉えながら、その役割を果たしていくべきだと考えています。中でも、財務局は、東京を取り巻くさまざまな課題を、いわば財政の火の見やぐらとして見渡し、また、先も見、警鐘も鳴らす役割を担い得るものと考えています。
 都民の質の高い幸せを実現すべく、人がいて、国家があって、お金があってと、そういった意味で、財政の力を通じて早目早目に人口減少や超高齢社会といった時代の変化に対応したかじ取りをお願いしたいと思います。
 そこで、この財政委員会一年間の締めくくりでもあります最後に、こうした将来にわたり避けることのできない財政需要を抱えつつ、今後どのように財政運営を行っていくのか、中井局長にお伺いします。

○中井財務局長 ただいまご質疑をいただきましたとおり、都財政は、景気変動に左右されやすい構造にあって、これまでも不安定な形で歳入が増減を繰り返してきたというのは、都財政の歴史が明確に示しているところでございます。
 また、将来に向かっては、ご指摘のとおり、超高齢化社会がいずれ訪れるという中で、福祉関係費の財政需要は、今後も増大をしていくことになりましょうし、また、社会資本ストックの更新も増大傾向にあるということでございます。
 委員ご指摘のとおり、我々財政を所管する者としては、そういった社会の状況、将来の形がどうなっていくかということについては、常にアンテナを高くし、しっかりと想定をしていくということが肝要であるというふうに考えるわけでございます。また同時に、この膨大な財政需要をしっかりと財政の裏打ちをもって行っていくためには、施策の不断の見直しということを行う中で、事業の効率性や実効性というものを常に向上させていくという努力が不可欠でございます。
 また、財政運営の面におきましては、都債や基金を計画的、戦略的に活用するということなどを通じて、新たな施策の展開にもしっかりと対応できる、そういう財政力を維持していくことが重要であるというふうに考えております。
 こうした認識のもと、引き続き、都財政の健全性を将来にわたって堅持し、私どもの職務をしっかりと全うできるよう頑張ってまいります。

○大津委員 これら財政哲学や理念なども、年末の長期ビジョンなどにも入れながら、今後とも柔軟で堅実な財政運営を行っていくことを強く要望して、質問を終わりにいたします。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十八分散会

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