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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第五号

平成二十五年三月十九日(火曜日)
第二委員会室
午後一時二分開議
出席委員 十四名
委員長吉住 健一君
副委員長神野 吉弘君
副委員長たぞえ民夫君
理事高倉 良生君
理事高木 けい君
理事増子 博樹君
近藤  充君
福士 敬子君
菅  東一君
鈴木 隆道君
興津 秀憲君
長橋 桂一君
今村 るか君
和田 宗春君

欠席委員 なし

出席説明員
主税局局長新田 洋平君
総務部長田倉 英明君
税制部長宗田 友子君
税制調査担当部長小山 明子君
調整担当部長安藤 敏朗君
課税部長木村 芳生君
資産税部長阿南 威彦君
徴収部長西海 哲洋君
特別滞納整理担当部長藤井  朗君
会計管理局局長松田 芳和君
管理部長土渕  裕君
警察・消防出納部長丸山和喜夫君
会計制度担当部長副島  建君

本日の会議に付した事件
会計管理局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出 会計管理局所管分
主税局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為 主税局所管分
・第三号議案 平成二十五年度東京都地方消費税清算会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第五十一号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第五十二号議案 東京都固定資産評価審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十三号議案 東京都固定資産評価員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・平成二十四年度東京都税制調査会中間報告について
・平成二十五年度地方税制の改正について
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
(1)二四第九号
(2)二四第一〇号
(3)二四第一一号
(4)二四第一二号
(5)二四第一三号
(6)二四第一四号
(7)二四第一五号
(8)二四第一六号
(9)二四第一七号
(10)二四第一八号
(11)二四第一九号
(12)二四第二〇号
(13)二四第二一号
(14)二四第二二号
(15)二四第二三号
(16)二四第二四号
(17)二四第二五号
(18)二四第二六号
(19)二四第二七号
(20)二四第二八号
(21)二四第二九号
(22)二四第三〇号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
(23)二四第六八号
(24)二四第六九号
(25)二四第七〇号
(26)二四第七一号
(27)二四第七二号
(28)二四第七三号
(29)二四第七四号
(30)二四第七五号
(31)二四第七六号
(32)二四第七七号
(33)二四第七八号
(34)二四第七九号
(35)二四第八〇号
(36)二四第八一号
(37)二四第八二号
(38)二四第八三号
(39)二四第八四号
(40)二四第八五号
(41)二四第八六号
(42)二四第八七号
(43)二四第八八号
(44)二四第八九号
(45)二四第九〇号
(46)二四第九一号
(47)二四第九二号
(48)二四第九三号
(49)二四第九四号
(50)二四第九五号

○吉住委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局関係の予算の調査並びに主税局関係の予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○近藤委員 それでは、私から、都内の区市町村への新公会計制度の普及につきましてお尋ねをしたいと思います。
 東京都は、平成十八年、全国に先駆けまして、複式簿記・発生主義会計によります新公会計制度を導入いたしました。都の新公会計制度は、正確かつ迅速に財務諸表を作成でき、事業ごとの財務諸表も作成可能であるなど、効率的な行政運営推進の上で有力なツールであるというふうに認識をしております。今後、この制度をほかの自治体におきましても着実に普及させていくことが大切であるというふうに思っています。
 都内では、町田市に続き江戸川区が、東京都と同様の複式簿記・発生主義会計による新公会計制度の導入を決めたと聞いております。そこで、制度導入に向けました江戸川区の準備の状況と課題についてお尋ねをしたいと思います。そして、東京都が、江戸川区が円滑に制度導入を図れるよう、どのように今後支援していくのかも、あわせて伺いたいと思います。

○副島会計制度担当部長 江戸川区の準備の状況でございますが、平成二十七年度の本格導入に向けまして、本年二月に、区長出席のもと、新公会計制度導入検討委員会を立ち上げ、検討を行っております。
 制度導入に向けての課題といたしましては、会計基準の策定、固定資産台帳の整備、システムの構築及び職員の研修などがございます。
 また、都は、江戸川区が円滑な制度導入を図れるよう、本年二月、導入支援に係る協定を締結いたしまして、区の導入検討委員会に都の職員二名がアドバイザーとして加わり、助言を行うこととしております。
 今後とも職員を派遣し、会計基準の策定、固定資産台帳の整備、システム構築等を支援してまいりますとともに、江戸川区から当局に研修生を受け入れることなどを通じまして、導入や活用のノウハウを伝えていくなど、きめの細かい支援を実施してまいります。

○近藤委員 制度の導入に向けてのご支援のお話でございますけれども、制度の導入に向けましては、まだ今後も、さまざまな課題があるというふうに思います。江戸川区が、これらの課題に取り組むのは、むろん初めてでありますけれども、かつ導入までの準備期間が約二年間しかないことから、この制度に関しましては、ノウハウを持つ東京都が物心両面にわたり支援をしていくことが、私は不可欠であるというふうに思っています。
 江戸川区におきましても、固定資産台帳の整備が導入する際の課題の一つとなっているというふうに聞いております。保有する固定資産を把握し、固定資産台帳を整備しておくことは、精度の高い財務諸表を作成する上で不可欠でありますし、本来、すべての自治体が取り組む必要性はあるというふうに思います。しかしながら、江戸川区だけではなく、他の区市町村におきましても、固定資産台帳の整備はほとんど進んでおらず、新公会計制度を導入するに当たっても、実務上の最大のネックであると聞いています。
 固定資産台帳の整備につきましては、我が党の吉住議員が、平成二十四年第三回の定例会一般質問で、取り組みがおくれていることを指摘しました。これに対し東京都は、簡易かつ円滑に資産評価を行える手法を固定資産台帳整備の基本手順として、秋に公表する予定であると答弁をいただきました。
 そこで、お尋ねいたしますけれども、基本手順の進捗状況を伺う前に、まず、台帳整備が進まない理由、これを確認させていただきたいと思います。そして、基本手順の進捗状況はどのようになっているのか、あわせて、都内区市町村への基本手順の普及をどのように今後進めていくのかお尋ねをしたいと思います。

○副島会計制度担当部長 まず、台帳整備が進まない理由でございますけれども、これまで、道路などのインフラ資産や公園等につきましては、管理のための台帳に、規模、数量等は記載されていましたが、価格情報はほとんど記載されていませんでした。
 例えば、固定資産に関する台帳の代表的なものといたしまして、法定台帳である道路台帳というものがございますが、この道路台帳には、道路の面積や延長などの情報は記録されているものの、価格情報の記載は求められておりません。
 また、道路につきましては、かなり昔に取得したものがほとんどでありますので、そうしたものにつきましては、価格情報がわかる文書が残っていることはまれでございます。
 このため、こうした資産につきまして台帳整備いたしますには、推計により評価を行い、取得価格を算定することとなりますが、これにつきましては、標準となります資産の評価方法がございません。
 さらに、対象となる資産の件数も膨大であり、事務負担が重いこともありまして、以上の理由で、台帳整備は現在進んでおりません。
 続きまして、基本手順の進捗状況でございますが、道路と公園につきまして、簡易かつ円滑に適切な資産評価を行える手順を整理いたしました固定資産台帳整備の基本手順案を作成いたしまして、昨年十一月に開催いたしましたセミナーにおいて発表したところでございます。
 現在、基本手順を一層役立つものとするため、多くの自治体において資産として計上する範囲や種目の分類に関する定めがなく台帳整備が進んでいない工作物を追加いたしまして、その上で、専門家や都外の自治体から意見を聞くなどにより、内容の充実を図っておりまして、本年五月に公表する予定となっております。
 また、区市町村への普及についてでございますが、五月に公表後、都内区市町村向けの説明会を開催するほか、導入に前向きな区市町村には個別に説明会を実施いたしますとともに、そうした団体に都の職員を派遣することも検討してまいります。
 いずれにいたしましても、台帳整備に当たりましては、他の自治体との比較をより正確にしていくため、同じ基準で資産評価が行われることが望ましいことでございますので、都は、都内区市町村に固定資産台帳整備の基本手順の採用を積極的に働きかけてまいります。

○近藤委員 ご説明いただいたように、固定資産台帳の整備が大きなハードルになっているということはわかりました。ここをやっぱりクリアをしないと、今後の東京都が進めていきたい新公会計制度というものに、なかなか時間がかかってしまうんだ、移行に対して時間がかかってしまうんだということです。
 ぜひ、資産の取得価格を、こういった算定をするためにも、標準となりますルールを東京都がつくって提示をしていくことは非常に重要であるというふうに思いますし、その手法を示すのが基本手順であるというふうに認識をしています。
 新公会計制度の都内自治体への普及につきまして、我が党は、かねてから要望してまいりました。これに対し、都が普及活動に積極的に取り組んできたことは一定の評価をしたいとは思います。特に、固定資産台帳の整備に向けた普及活動は、ぜひ進めてほしいと思います。その際には、区市町村と意見交換する機会を多く設け、効果的に行うことを要望しておきたいと思います。
 最後に、都内の区市町村への新公会計制度の普及に向けた局長の決意をお伺いして、質問を終わります。

○松田会計管理局長 現在、都内区市町村の多くは、決算数値の組み替えによりまして、精度に難点があるといわざるを得ない財務諸表を作成することにとどまっておりますけれども、都民への説明責任の充実や行財政運営のマネジメントの強化を図るためには、都と同様の複式簿記・発生主義会計による新公会計制度の導入が極めて重要だと考えております。
 都内では、町田市に続きまして江戸川区が制度の導入準備を開始いたしましたけれども、引き続きこれらの団体に対しまして、十全に支援を行いまして、その経験を他の区市町村への普及に生かしてまいりたいと思います。
 さらに、今後とも、都と都内五十の区市町村で構成する東京都会計制度改革研究会なども活用いたしまして、区市町村と意見交換を十分に行いながら、基本手順をブラッシュアップいたしまして、すべての自治体が共通の基準で資産評価に取り組むようになることを目指しまして、固定資産台帳の整備を後押ししてまいります。
 今後とも、新公会計制度の普及活動に全力で取り組んでまいります。

○高倉委員 東日本大震災の発生から二年の月日が経過をいたしました。この間、東京都におきましては地域防災計画を修正するなど、総合的な防災対策を推進してきております。災害発生時には、各局は、それぞれの役割に応じた対応を迅速的確に実行する必要がございます。その際、会計管理局は、経費を円滑に支払い、各局の災害対応活動を支えることが責務であり、その役割は極めて重要でございます。そこで本日は、災害時の支払い事務における取り組みの内容や、都庁の会計事務の基盤であります財務会計システムの防災対策について、具体的にお尋ねをしたいと思います。
 都における会計事務処理は、財務会計システムが必要不可欠な形となっておりまして、災害が発生した際にも財務会計システムが正常に機能するように、防災対策を十分に行うことが大事であります。
 そこでまず、財務会計システムにおいて、システムダウンの防止や早期回復のために講じている対策についてお伺いをいたします。

○副島会計制度担当部長 会計管理局といたしましては、災害が発生した際に財務会計システムが停止し、経費の支払いが滞ることにより、各局の災害対応活動に支障を来すといったことがないようにすることが重要であると認識しております。
 このため、サーバーを都庁舎とは別の場所に位置いたします民間のデータセンターに設置いたしまして、自家発電装置などにより停電の影響を受けないようにしておりますほか、都庁舎とデータセンターとの通信回線を二重化するといった対策を行っております。
 さらに、万が一、ハードウエア等に障害が発生した際の早期回復を図るため、予備のサーバー等を常時待機させておりますほか、データにつきまして、定期的にバックアップを行い、一定期間保管するなどの安全対策を講じているところでございます。

○高倉委員 システムダウンの防止や早期回復のため、サーバーを都庁舎外にある民間のデータセンターに設置するといった措置がとられているということでありますけれども、局の二十五年度予算には、そのデータセンターの更新経費が含まれております。
 今回の更新は東日本大震災後初めて行うものでありまして、都の会計事務の基盤である財務会計システムを災害から守り、必要な経費を円滑に支払うためにも、災害時の安定稼働という側面は特に重視する必要があると考えます。
 最近稼働したデータセンターでは、堅牢な地盤の地域を選んで建設をし、かつ、従来の耐震構造よりもさらに揺れに強い免震構造の建物を採用していると聞いております。
 そこで、今回のデータセンター更新において、災害時における安定稼働という視点からの対策についてお伺いをいたします。

○副島会計制度担当部長 今回のデータセンター更新に合わせた災害時の安定稼働対策でございますが、東日本大震災の際の教訓を踏まえまして、データセンターの仕様といたしまして、地震の揺れによる機器や設備などの損壊を防止するため、現在の耐震構造の建物から基礎免震構造の建物とすることといたしておりまして、また、それに加えまして、津波による浸水被害を防止するため、データセンターの立地条件に海岸線からの距離を追加する予定となっております。
 さらに、災害発生を想定いたしました、システムの運用受託業者との共同訓練を今後とも継続していくこととしております。
 会計管理局といたしましては、引き続き財務会計システムの安定稼働に向けた対策に取り組んでまいります。

○高倉委員 今回のデータセンター更新を契機としまして、建物の免震化や津波対策を行うとともに、システムの運用を受託業者とも協力をして、今後ともしっかりと安定稼働対策を講じていただきたいと思います。
 一方、対策を尽くしても、災害が発生した際には、システムが停止をしてしまうといった可能性も否定できないと思います。
 そこで、災害発生時において、財務会計システムが正常に機能しない場合に、円滑な支払い事務を確保するための方策についてお伺いをしたいと思います。

○土渕管理部長 大規模災害などが発生した場合には、避難所に受け入れた被災者に配布する食料、日用品などの支援物資や、救助作業に要する燃料、医薬品などを調達するために、多額の現金支払いの必要性が見込まれるため、財務会計システムが停止しても、支払い事務を継続できる体制を確保することが重要でございます。
 このため、システムが停止した場合には、各局職員が支出命令書などの会計書類を手書きで作成して、会計管理局へ持参します。書類の内容を会計管理局で確認の上、指定金融機関であるみずほ銀行に支払いを指示することになっております。

○高倉委員 災害の発生時には、財務会計システムに頼らない支払い事務の流れが確保されているということであります。
 しかしながら、非常時に被災者の救助、被災地の支援策を滞りなく行い、関係者が動揺することなく支払い事務を円滑に遂行するためには、定期的な訓練などが必要だというふうに思います。災害時の支払い対応について、日ごろから行っている取り組みについてお伺いしたいと思います。

○土渕管理部長 日常から、災害発生時における支払い事務を円滑に進めるため、経費の支出方法を局の災害対策の手引等に記載し、局内に配布するとともに、各局の防災担当者にも抜粋版を配布しております。
 さらに、手書きの会計書類につきまして、各局の防災担当者、経理担当者を対象にした作成訓練や、会計管理局の、平常時には支払い事務に従事していない職員を含む全職員を対象にした支払い事務対応訓練を実施しております。
 こうした訓練を繰り返すことで、当局及び各局担当者の災害発生時の会計事務に対する意識や、対応力の維持向上を図っているところでございます。

○高倉委員 今ご答弁いただきましたけれども、支払い方法の周知とともに、訓練も繰り返し行っていくということであります。こうした地道な取り組みが大変肝要であります。ぜひ、しっかりと対応力向上につなげていっていただきたいと思います。
 東日本大震災が発生をしました平成二十三年三月十一日の深夜には、東京消防庁のハイパーレスキューが、福島県などの被災地に緊急出動することに伴いまして、燃料代が必要となりました。会計管理局が指定金融機関のみずほ銀行と連携をして、必要資金を確保したというふうに聞いております。
 今後、首都直下型地震などの災害が発生した際にも、局は、今の話のように、迅速かつ臨機応変に対応する必要があると思います。会計管理局としては、災害時の支払い体制について、都庁内の関係部署のみならず、みずほ銀行とも適切に連携をすることで、いつ災害が発生したとしても円滑な経費の支払いができるように、日ごろから準備をしておく必要があると思います。
 災害の発生時における都の支払い事務に関する指定金融機関であるみずほ銀行との連携についてお尋ねをいたします。

○土渕管理部長 支払いの実務を行うみずほ銀行との非常時における連絡体制につきましては、昨年度来、災害の発生により公衆回線がふくそうし、使用できない場合を想定して、専用回線を使用しているみずほ銀行の内線電話を会計管理局職員が利用することを可能にするなど、見直しを重ねてまいりました。
 今年度は、この内線電話を実際に利用した、みずほ銀行との非常時連絡訓練を実施いたしました。この訓練を通じて、非常時連絡体制の実効性を確認し、災害発生時におきましても、みずほ銀行との緊密な連携が確実に図れるよう備えております。
 会計管理局といたしましては、財務会計システムの安定稼働に向けた取り組みと並行して、局の災害対策の手引等の見直し、災害時支払い対応訓練の継続的な実施などにより、あらゆる局面において適切な会計事務が行えるよう、今後とも万全の対応を図ってまいります。

○高倉委員 みずほ銀行との間においても対策はとられているということを、今、確認をさせていただきました。会計管理局が行う支払い事務は、災害時に都庁の各局が都民の生命を守るために行う活動を下支えするものでありまして、迅速な災害対応に必要不可欠であるというふうに思います。
 今回は、財務会計システムというハード面と、それから、支払い事務を担う職員、金融機関というソフト面からの局の対応を確認させていただきましたけれども、会計管理局には、今後とも、使命感を持って取り組みを継続するように強く要望いたしまして、質問を終わります。

○吉住委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○吉住委員長 これより主税局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 第一号議案、平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為、主税局所管分、第三号議案、第五十一号議案から第五十三号議案まで及び報告事項、平成二十四年度東京都税制調査会中間報告について外一件、並びに請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(22)までの請願二四第九号外二十一件の同内容の請願及び整理番号(23)から(50)までの陳情二四第六八号外二十七件の同内容の陳情を一括して議題といたします。
 請願陳情について理事者の説明を求めます。

○宗田税制部長 今般、財政委員会に付託されました主税局所管の請願陳情についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、財政委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 初めに、請願二四第九号から第三〇号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願についてご説明申し上げます。
 この請願の趣旨は、小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置を平成二十五年度以後も継続すること及び小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を二割減免する減免措置を平成二十五年度以後も継続すること、並びに商業地等における固定資産税及び都市計画税について負担水準の上限を六五%に引き下げる減額措置を平成二十五年度以後も継続することを求めるものでございます。
 小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置は、住民の定住確保、地価高騰に伴う負担緩和の見地から、昭和六十三年度より実施してきたものでございます。
 小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を二割減免する減免措置は、過重となっている二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、極めて厳しい経済状況下における中小企業への支援を行うため、平成十四年度から実施してきたものでございます。
 商業地等における固定資産税及び都市計画税について負担水準の上限を六五%に引き下げる減額措置は、負担の不均衡を是正するとともに、全国に比べ過重となっている二十三区商業地等の負担の緩和を図るため、負担水準が六五%を超える場合に、条例により六五%の水準まで税額を減額するものであり、平成十七年度から実施してきたものでございます。
 これら三つの措置の平成二十五年度の取り扱いにつきましては、納税者に対し、いまだ税負担増を求める時期ではないこと等から、引き続き軽減措置を講ずることといたしまして、所要の条例改正をお願いしているところでございます。
 次に、五ページをお開きいただきまして、陳情二四第六八号から第九五号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情でございます。
 この陳情の趣旨は、さきの請願と同じでございますので、改めての説明は省略させていただきます。
 本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉住委員長 説明は終わりました。
 予算案、付託議案及び報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○宗田税制部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第2号、財政委員会要求資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 要求資料第1号、資本金区分別法人数及び法人都民税・事業税額についてでございます。
 この表は、資本金一億円以下及び一億円超の区分別に、法人都民税額と法人事業税額の五年間の推移をお示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、消費税率引き上げに伴う影響額、試算についてでございます。
 この表は、消費税率を八%及び一〇%に引き上げた場合の繰入地方消費税の影響について、その試算額をお示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第3号、法人事業税の暫定措置に係る法律等の経緯についてでございます。
 この表は、法人事業税の暫定措置に係る法律等の経緯をお示ししたものでございます。
 次に、五ページの要求資料第4号、個人都民税、均等割のみに係る納税義務者数についてでございます。
 この表は、個人都民税の均等割のみを納める納税義務者数の五年間の推移をお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉住委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神野委員 私からは、平成二十四年度東京都税制調査会中間報告について伺います。
 この報告の中でかなりのページを割いて記載をされておりますのが、地方法人特別税、同譲与税についてです。平成二十年度税制改正で税収の地域間格差の是正を図るとして、法人事業税の一部を国税化し、全国都道府県に人口等で案分して譲与するこの措置が導入をされました。
 これまでも、この措置に関しては、再三、憲法の定める地方自治を国みずからが侵害をする行為であることを訴え、都議会一体となって、その撤廃を強く主張してきたわけでありますけれども、きょうは、事業税の本質を改めて考えることで、事業税の一部を国税とするこの措置の不条理さを確かめていきたいと思います。
 まずは、地方法人課税のうち、この法人事業税というのは一体何なのかということについてお答えください。

○宗田税制部長 法人事業税は、法人がその事業活動を行うに当たり、地方自治体からさまざまな行政サービスの提供を受けていることから、これに必要な経費を分担すべきであるという、いわゆる応益課税の考え方に基づいて課税されるものでございます。
 また、法人事業税は、戦後一貫して、都道府県の基幹税として重要な役割を果たしてきたものでございます。

○神野委員 法人が事業活動を行うに当たって、各地方公共団体から受けるいわゆる行政サービスへの負担を求める応益課税という、これが法人事業税の根底に流れる思想で、事業税課税の根拠となっているわけであります。だから、この法人事業税の課税標準は、法人の事業活動の規模をあらわすものが望ましいとされ、電気供給業ですとかガス供給業並びに保険業を行う法人は収入金額、その他の法人は所得金額とされてまいりました。
 ただ、所得課税では、赤字の法人では事業税を負担しないことになってしまいます。当然、赤字法人だって行政サービスを受けているわけでありますから、一部の黒字法人しか事業税を負担しないのは、今いった応益課税の原則に相ふさわしくないとの指摘から、平成十五年度の税制改正で、赤字でも事業税を納めるようにするため、いわゆる外形標準課税が議論の末、導入をされております。つまり、法人事業税にあっては、この応益課税の原則というものが貫かれて今日まで存在をしていたんです。
 ただ一方、企業においても、複数の都道府県に事務所、事業所を設けて事業を行う法人についても、各都道府県から、それぞれの事務所が、それぞれ行政サービスを受けているわけでありますから、この課税標準額というものを案分していかなければいけない。そこで、法人事業税特有の分割基準というものが出てきております。
 そこで伺いますけれども、この分割基準とは一体どのようなものか伺います。

○木村課税部長 法人事業税の分割基準は、法人が複数の都道府県に事務所等を設けて事業活動を行っている場合に、当該法人の課税標準である所得等を関係都道府県間で配分するための基準でございます。
 具体的には、非製造業においては、事務所等の所在する都道府県における事務所数及び従業員数、鉄道事業におきましては、軌道の延長キロメートル、ガス供給業や倉庫業におきましては、事務所等の固定資産の価額など、業種ごとに基準が定められているものでございます。

○神野委員 分割基準についてご説明をいただいたわけなんですが、さらに突っ込んで、その意義と、その考え方についても伺いたいと思います。

○木村課税部長 分割基準は、税収を法人の事業活動が行われている都道府県に帰属させることを目的としたものでございます。
 基準の設定に当たりましては、応益課税としての事業税の性格から、各都道府県内における当該法人の事業の規模、活動量等を的確にあらわすものであること、また、税務実務上できるだけ単純かつ明確であることを考慮し、先ほど申し上げましたとおり、業種ごとに異なる基準が定められているところでございます。
 なお、法人事業税の分割基準につきましては、事業規模の大小を反映しない事業所数が分割基準に追加されるなど、これまでに幾度も、大都市にとって不利益な改正が行われてきたところでございます。

○神野委員 今もお話にありましたけれども、本来は、その事業規模の大小をあらわすのは従業員数なんです。ただ、これまでも、この事業所の数が分割基準に追加をされてきた。本来、今お話をしておりました応益課税という観点から考えると、税収を各都道府県に正しく帰属をさせなければならないわけであります。
 ただ、これまでの分割基準の議論を見ていても、昭和四十五年には、いわゆる本社管理部門の従業者を数えるに当たって、その数を二分の一に割り落として考えたり、また、平成元年に行った改正では、工場の従業者数は、これを五割増しにしたり、本来、正確にその事業規模を割り振るための分割基準が、いろいろ動かされてきました。つまり、大都市の税収を地方へ配分しようとする財政調整機能として、この分割基準がこれまでも利用されてきたわけであります。結果として、東京の税収が大きく減額をされ、その分、地方が増収となっているわけです。
 都も、理論上説明のつかない財政調整機能としての分割基準の見直しについては、これまでも、そのたびごとに異議を唱えてこられた歴史があるわけなんですが、私は、まだ今回のこの暫定措置--分割基準の見直しで処理をするというならば、財政調整機能を果たすという意味ではわかるんですけれども、なぜならば、分割基準というものを明確に考えた上での議論ならば、本来の法人事業税の応益課税としての立場をわきまえているからです。でも、今回の暫定措置は、全くそれが無視をされた暴挙であるわけです。
 そこで伺いますが、法人事業税の暫定措置である地方法人特別税は、応益の原則から見て何が問題か、改めて伺います。

○宗田税制部長 法人事業税の暫定措置は、地方税である法人事業税の一部を国税化して、法人の事業活動とは関連のない各都道府県の人口及び従業者数により、地方へ再配分するものでございます。
 課税権との対応関係が崩れていることから、お話のとおり、受益と負担という地方税の応益原則に反するものでございます。

○神野委員 この地方法人特別税の収入額を人口及び従業者数を基準として都道府県に譲与するという地方法人特別譲与税、こういうことをやると、法人の存在しない都道府県にも配分をすることになっちゃうんです。そうすると、法人事業税のもともとの課税の根拠である応益負担という原則が、根底から覆されてしまいます。
 これまでの分割基準の問題でも、先ほどいったように、受益と負担の関係というものが全く無視をされて議論というものが行われてきませんでした。本社の従業者数を半分にしたり、地方の工場の従業者数を五割増しにするなんていうのは、本来、応益の原則からいうと当たらないんですけれども、ただそれが、この分割基準をもとにしての議論であったから、応益と受益と負担の関係というものが一応根底にあったんです。ですから、そう考えてくると、地方税のあり方の根本の議論もなしに、財政調整のためだけに創設されたこの暫定措置というのは、これまさに暴挙なんです。
 主税局においても、主管局である財務局と連携をされて、一層強力に、この問題にこれから取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。

○近藤委員 それでは、私から、冒頭、固定資産税等の三軽減についてご意見を申し上げたいと思います。
 初めに、今回の定例会には、小規模住宅用地など、都独自の固定資産税、都市計画税の軽減措置の延長を盛り込んだ条例案が提案されております。いずれも、地価の高い二十三区の税負担を軽減するため、都が課税自主権を行使して講じている措置と聞いております。都内中小企業の経営や都民生活を安定させ、安全・安心な生活を送れるようにする点から考えても、必要な措置であったと判断できます。都が、都議会の決議を踏まえ、来年度も延長するとしたことを改めて評価をしたいと思います。
 それでは、以下、消費税、地方消費税についてお尋ねをしたいと思います。今回の定例会には、地方消費税率引き上げ等を盛り込んだ都税条例改正案が提案されております。これに関連いたしまして、何点か伺いたいと思います。
 初めに、地方消費税を含む消費税率が、来年、平成二十六年四月から八%に、再来年、二十七年十月からは一〇%に引き上げられるとされておりますけれども、東京都は、今回の消費税率引き上げの意義をどのように考えていらっしゃるのか、改めて伺うものであります。
 また、消費税率引き上げ分五%のうち、地方消費税率分が一・二%とされておりますが、どのような理由に基づくものか、あわせて伺いたいと思います。
 引き上げ分の国と地方の税率は、社会保障給付における役割を踏まえて決定をしたということでありますが、消費税、地方消費税は、具体的にはどのような経費に今後充てられていくのか、お尋ねをしたいと思います。

○宗田税制部長 少子高齢化の急速な進展により、社会保障に要する費用は年々増大しており、持続可能な社会保障制度の構築を図るためにも、安定的な財源の確保が求められております。
 一方、国、地方の財政状況は、平成二十四年度末の長期債務残高が、対GDP比で約二〇〇%に達する見込みとなるなど、極めて厳しい状況にございます。
 こうした状況の中、税収が安定的で世代間の公平が確保できるとされる消費税、地方消費税の税率を引き上げることにより、社会保障財源の拡充を図ることは不可避であると認識しております。
 また、税率引き上げ五%のうち、地方消費税は一・二%とされましたが、これは社会保障給付における現行の国と地方の役割分担等を踏まえたものとされております。
 それから、消費税、地方消費税の使途についてのご質問もございましたが、税制抜本改革法により、消費税は、年金、医療、介護に係る社会保障給付及び少子化対策に要する経費のいわゆる社会保障四経費に充てることとされております。
 また、地方消費税は、税率引き上げ分については、地方自治体が負担する社会保障四経費に加え、障害者サービスなどの社会福祉、予防接種や健康診断などの保健衛生に要する経費に充てることとされております。
 なお、地方消費税の現行分については、引き続き使途が限定されない一般財源でございます。

○近藤委員 引き上げ分の内容についてご答弁をいただきました。続いて、引き上げに伴う対応策につきましてお尋ねをしたいと思います。
 少子高齢化が進む中、持続可能な社会保障制度維持のために安定的な財源を確保することは、我が国の喫緊の課題であるというふうに認識をしています。ご説明のとおりであります。
 また、引き上げに当たりましては、社会保障給付における国と地方の役割を踏まえ、地方税財源も確保されております。
 しかし、都民の立場からいたしますと、ようやく上向いてきた景気に水を差さないか、中小企業は消費税を転嫁できるのかなど、いろいろ懸念されるところでありまして、実際、私のところにも、そういった声が多数寄せられております。
 そこで、次に、確認の意味で、そうした懸念に対する対応策につきまして、幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず、税制抜本改革法では景気条項が設けられておりますけれども、判断の時期を含め、その内容を伺うものであります。
 中小企業にとりましては、消費税増税分を円滑に価格に転嫁できるかは死活問題であります。この点につきまして、国は今後どのような対策を進めていくのか伺いたいと思います。

○宗田税制部長 消費税、地方消費税の税率引き上げは、経済状況の好転を条件として実施することとされております。
 税率引き上げに当たっては、名目及び実質の経済成長率、物価動向などさまざまな経済指標を確認しながら、経済状況を総合的に勘案することとされており、その判断は、税率引き上げのおおむね半年前に行うこととされております。
 なお、政府におきましては、長引く円高、デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指すとして、日本経済再生に向けた緊急経済対策を策定し、先ごろ成立した大型補正予算と平成二十五年度予算を合わせ、切れ目のない経済対策を実行することとしております。
 また、転嫁対策についてのお尋ねがございましたが、中小企業者にとって、税率引き上げ分を取引価格に転嫁しやすい環境を整備していくことは極めて重要な課題となっております。このため政府は、過去の転嫁対策を拡充して実施することとしております。
 具体的には、相談窓口の設置のほか、立場の強い大企業等による下請業者等の納入価格への転嫁拒否行為に対し、監視や取り締まり体制を強化すること、小売業者から要望の多い外税表示も特例的に認めること、中小納入業者保護のための消費税還元セールの禁止などが検討されております。

○近藤委員 それでは、次に、軽減税率についてお尋ねをしたいと思います。
 低所得者対策も不可欠であるというふうに思います。与党税制改正大綱では、軽減税率の導入も検討されるというふうに聞いてはおりますけれども、その内容と現在の検討状況について伺うものであります。
 ヨーロッパ、イギリスでは、消費税二〇%でありますけれども、低所得者対策としても、食品には課税をしないというような方法もとられているようでありますから、こういったいいお手本も、しっかりと日本は今後見習うべきだというふうに思います。
 少子高齢化の進展、国、地方の厳しい財政状況を踏まえれば、消費税率の引き上げは不可避であることは理解できますが、今後は、この税の使途を含め、税率引き上げの意義を納税者にわかりやすく示すことなどによりまして、その理解を得ていくことや、中小企業の転嫁対策や低所得者対策を着実に行っていくこと、そして適切な景気判断を行うことが重要だというふうに考えています。安倍政権には、しっかりとしたかじ取りをしていただけるものと、私たちは期待しております。
 ところで、平成二十五年度税制改正では、消費税率引き上げにあわせ、相続税の課税強化が行われることとされておりますが、どのような内容か伺いたいと思います。
 また、相続税につきまして、大都市部に配慮し、特例の拡充が行われると聞きましたけれども、あわせて伺いたいと思います。

○宗田税制部長 初めに、消費税の低所得者対策でございますが、消費税、地方消費税は、所得の少ない家計ほど所得に対する消費税の負担割合が高くなるという、いわゆる逆進性の問題が指摘されております。
 このため、税制抜本改革法においては、低所得者に配慮する観点から、給付つき税額控除や軽減税率について、総合的に検討することとされております。
 また、与党税制改正大綱においては、低所得者対策として、一〇%引き上げ時に軽減税率の導入を目指すこととされておりますが、導入に当たっては、対象品目の合理的な線引きや減収分に対する財源の確保、中小事業者の事務負担の増加などの課題もございます。
 今後、これらの課題について与党税制協議会で協議し、平成二十六年度税制改正決定時までに、関係者の理解を得た上で結論を得ることとされており、先月、協議会の初会合が開かれたところでございます。
 次に、相続税についてでございますが、平成二十五年度税制改正では、相続税について、最近の地価の下落傾向が反映されておらず、富の再配分機能が低下してきていることを踏まえ、平成二十七年から、基礎控除を引き下げるとともに、最高税率を五五%に引き上げるなど、税率構造を見直すことで、富裕層への課税を強化することとされております。
 一方、地価の高い東京では、相続税の課税対象となる割合が高水準で推移しており、今回の課税強化の影響が懸念されておりました。このため、大都市部に配慮し、居住や事業を継続する場合に、土地の評価額を二割とする小規模宅地等の特例措置について、居住用宅地の対象面積を三百三十平方メートルに広げるとともに、事業用宅地と合わせた対象面積を最大七百三十平方メートルまで拡充することとされております。
 また、事業承継税制について、適用要件の緩和や手続の簡素化を行い、利用しやすい制度へと見直すこととされております。

○近藤委員 ただいま伺いました相続税の特例の拡充につきましては、相続税の課税強化が地価の高い大都市部の納税者の皆さんに大きな負担になることを踏まえて、我が党を初め、税財政議連の都議の皆さんが一緒になって国などに働きかけた結果、急遽、改正に盛り込まれたものと認識をしております。
 先ほど、中小企業の転嫁対策など、消費税率引き上げに伴う諸課題につきましては、安倍政権のかじ取りに期待している旨を申し上げましたけれども、国の対応状況に、なお不十分な点があれば、都議会自民党として、しっかりと政権に進言していく所存であることを申し上げておきたいと思います。
 最後に、これまでの質疑を踏まえ、都の考えといたしまして、都内中小企業の経営や都民生活を安定させるという観点から、局長の決意を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

○新田主税局長 改めて申し上げるまでもなく、主税局の最大の使命は、歳入所管局といたしまして、都税収入を確保し、都の財政基盤を支えることでございます。
 主税局といたしましては、引き続き局職員三千名が一丸となって汗をかき、創意工夫を凝らしながら、この使命を着実に果たすことにより、各局のさまざまな施策の円滑かつ確実な執行、ひいては都民生活や中小企業経営の維持発展に寄与していく所存でございます。
 一方、これまで全国一律の地方税法のもとで、都民の負担が過重になっておりました固定資産税、都市計画税につきましては、国に対して、都民や現場の視点に立った税制の改善や是正を求めてまいりました。
 例えば、商業地等に係る負担水準の上限引き下げ措置の創設、あるいは税額が一・一倍を超える住宅用地等に対する条例減額制度の創設、こうした国におきます制度改正につきましては、都の要望活動により地方税法の改正に反映されたものというぐあいに認識しております。
 このように、時代の変化や都民の実情に応じた現場感覚を的確に反映した税制を実現していくことも、私ども主税局の重要な役割の一つと認識しております。
 今後とも、都民の信頼にこたえられますよう、都議会の皆様のご協力をいただきながら、都税収入を確保するとともに、時代の要請に即した適正、公平な税制度の構築に向けて全力で取り組んでまいります。

○高倉委員 最初に、昨年十一月に取りまとめられました都税調の中間報告について質問をいたします。
 東京都税制調査会は、今年度、新しい期をスタートさせておりまして、今回の取りまとめは、平成二十六年度の最終答申に向けた最初の中間報告でございます。
 今年度は、国政における社会保障と税の一体改革の議論が、まさに現在進行形の中での大変苦労の多い取りまとめだったのではないかと思います。こうした状況において、東京、そして、地方の立場から、国に対して物を申していくために、都税調は、国、地方を通じた財政制度や行政組織のあり方、社会保障における公的負担についてまで、幅広く積極的に検討されたということがよくわかります。
 今年度の中間報告について、強い関心を持って読ませていただきましたけれども、きょうは、幾つかの点について質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、公平な徴収を担保する仕組みについてでありますけれども、中間報告では、アメリカにおける滞納整理事務の一部民間委託の事例が紹介をされておりました。都においては、これまで、税負担の公平性、納税秩序の維持を念頭にしまして、都税収入の確保に向けたスピード感ある取り組みを推進してこられたと思います。
 改めて、効率的、効果的な滞納整理を進めるための都税の徴収事務の委託にかかわる経緯、また、その現状について説明をいただきたいと思います。

○西海徴収部長 徴収事務のうち、捜索とか差し押えといった自力執行権が与えられている事務につきましては、これは委託する性質のものではございません。それ以外のものについてお答えしてまいりたいと思います。
 平成十八年七月に策定されました行財政改革実行プログラムにおきまして、従来、委託になじまないとされてきた公権力の行使に関連する補助的な業務についても、民間委託を積極的に導入すべきという方針が示されました。
 これを受けまして、主税局では、徴収事務の内容を一つ一つ精査しまして、このうち、公権力の行使に該当しない業務につきましては委託が可能と判断いたしまして、平成二十年度から、徴収事務の一部につきまして民間委託を実施いたしまして、効率的、効果的な滞納整理を進めているところでございます。

○高倉委員 今、答弁で、公権力の行使に該当しない業務について、徴収事務の一部を民間委託を実施していると、こういうお話でありました。この民間委託した徴収事務の具体的な内容について、説明をいただきたいと思います。

○西海徴収部長 まず、業務委託の対象でございますが、徴収部納税推進課が所管いたします滞納の発生からおよそ二カ月間、金額が五十万円未満の固定資産税、都市計画税を中心といたしました大量かつ比較的少額の滞納都税でございます。
 業務の内容でございますが、東京都が委託業者に執務スペースを提供いたしまして、そこで税務システムの端末や電話などを使用いたしまして、自主的な納付などのお願いをする事務でございます。年間、およそ二十五万件に及ぶ電話による納税確認や自主的な納付のお願いを行うほか、年間およそ十万件に上る文書による催告を行っております。

○高倉委員 年間二十五万件以上の電話による確認、あるいはお願い、また、年間十万件以上に上る文書の催告ということでありました。
 この徴収事務を委託化したことによる効果ということについて、明らかにしていただきたいと思います。

○西海徴収部長 電話や文書による自主的納付のお願いなど、初動業務を民間委託することで、都税事務所の職員は、滞納処分などに係る業務に集中的に従事することが可能になりました。
 差し押さえの件数でいいますと、業務委託前の平成十九年度が約二万二千件であったのに対しまして、直近の平成二十三年度にはおよそ二万六千件と、四千件以上も伸びております。
 また、職員が個々の滞納者の事情を綿密に把握することも可能となりまして、多様で、きめ細やかな滞納整理の実現に寄与しているというふうに考えております。

○高倉委員 民間事業者の活用に当たりましては、納税者情報の厳正な取り扱いが確保されるように留意すべきであるというふうに思います。今後、この徴収事務の委託ということについて、どういった姿勢で取り組んでいくのか、このことについて見解をいただきたいと思います。

○西海徴収部長 東京都は、現在の業務委託契約の中で、守秘義務の遵守といったことを明文化しております。
 これを担保するため、具体的には、まず、プライバシー保護の重要性を認識させるための研修を実施し、その実施状況について東京都に報告すること、それから、従業員に携帯電話などの情報機器類を業務履行場所に持ち込ませないこと、そして、システムなどの端末利用につきましては、東京都職員と同様に、ユーザーIDやパスワードの適切な管理など、システムの管理要綱に沿った使用を行わせること、以上を受託者に求めているところでございます。
 今後とも、徴収事務の民間委託に当たりましては、日ごろから受託者との連絡を密にすることはもとより、最新の情報セキュリティー動向にも日々留意しながら、盤石な危機管理体制の構築を図り、納税者情報の保護を徹底してまいります。

○高倉委員 それでは、次に、中間報告の中のこれからの固定資産税制ということについてお伺いをしたいと思います。
 この中間報告の中では、少子高齢社会における固定資産税制という項目を掲げているわけであります。固定資産税は、資産を持っている限り必ず毎年かかってまいりますけれども、特に高齢者は家と土地を持っていても、例えば所得の少ないケースといったものもありまして、固定資産税の納税に苦労をしている人も多いのではないかというふうに考えられます。今後、ますます少子高齢化が進む中で、都税調の中間報告が指摘をしているとおり、これは大きな課題になっていくだろうというふうに私も思います。
 中間報告の中では、方策の一つの具体例として、リバースモーゲージの議論があったというふうに、そのことが挙げられておりますけれども、都税調での検討においてはどういった議論があったのか。また、今後、この問題にどう取り組んでいかれようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。

○小山税制調査担当部長 都税調の議論の中では、少子高齢化の進行によりまして固定資産税の負担に耐えられない高齢の納税者が増加することが予想され、今後、そのような高齢者への対応が求められるという点について意見が一致いたしました。
 委員からは、対応策の一例であるリバースモーゲージについて、既に導入した自治体において、相続人の反対等により利用件数が伸びていないと聞いているといった報告のほか、資産価値が下がっているときはうまくいかないのではないかといった意見もございました。
 一方、生活資金融資として民間金融機関が行っている例もありますが、自治体がリバースモーゲージの制度を充実させるべきではないかとの意見もございました。
 都としても、都税調において、引き続き少子高齢社会における固定資産税制について議論を深めていただきたいと考えております。

○高倉委員 大きな課題であるだけに、いろんな議論をこれからも重ねていかなきゃならないということだと思いますので、ぜひとも、この議論を深めていただくようにお願いをしたいと思います。
 それから、この中間報告について、もう一点だけ、質問をさせていただきます。
 かつて、東京都が排出ガス及び燃費性能のすぐれた環境負荷の小さい自動車については自動車税を軽減する一方、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車に対しては税率を重くするという自動車税のグリーン化を先駆的に導入しまして、それが地方税法の改正に結びついた例があります。東京都や都税調の動きは、全国に大きな影響を与えるものだというふうに思います。
 東日本大震災後、一口に環境問題というふうにいっても、地球温暖化対策だけではなく、持続可能な社会経済の構築のために、電力の確保、再生可能エネルギー、自家発電の普及といった電力需給構造の転換が今必要になってきているわけであります。
 こうした中で、例えば東京都では、スマート都市東京の実現を目指して、太陽光の屋根貸しビジネスの促進や、ソーラーローンの活用などに取り組むといったことを挙げております。
 都税調はこれまで、重要な課題に対応するための税制について、積極的に提言を行ってきておりまして、都は、これを受けて独自の取り組みを行ってきていると思います。特に、環境分野における都の政策税制は評価できるものでありますけれども、今後も、こうした課題に対応していくために、都税調の議論に期待をするところが大変大きいわけでありますが、この点についての所見をお伺いしたいと思います。

○小山税制調査担当部長 これまで都は、環境重視という視点からの都税調の提言を踏まえまして、都独自の中小企業向け省エネ促進税制、次世代自動車の導入促進税制の導入などに取り組んでまいりました。
 これは、税制の役割は、第一義的には行政サービスを提供するための財源調達でございますが、特に重要な政策課題については、政策税制は税の基本原則の例外であることに留意し、効果と公平性のバランス、税収への影響等を十分に勘案しつつ、規制や経済的支援などの施策との適切な役割分担の上で、税制も求められる役割を果たす必要があるとの考えに基づいております。
 今後とも、都税調には、環境問題に限らず、国、地方を通じた税制全体も見据え、中長期的な視点から幅広く政策税制についてご議論いただき、都を初め、全国に向けて発信していただきたいと考えております。

○高倉委員 中間報告についての質問は以上といたしたいと思います。
 次に、二点ほど質問をさせていただきたいと思いますが、一つは、個人都民税の徴収についてであります。
 個人都民税につきましては、平成十九年の国税である所得税から地方税である住民税への税源移譲後、都税に占める割合が増加をいたしまして、平成二十五年度当初予算では一七・九%といった重要な基幹税目となっております。そうした点から、都税収入の確保については、個人都民税の対策が大変重要であるというふうに思います。
 また、収入の状況を見ますと、平成二十年度の約八千百六十一億円以降、三年連続で低下しておりますけれども、平成二十五年度予算を見た場合に約七千六百五十二億円と、前年度当初予算と比べ約百八十二億円の増、補正予算対比でも約五十六億円の増となっております。
 こうした収入状況の中で、個人都民税の徴収率の推移、これがどうなっているのかについて説明をいただきたいと思います。

○藤井特別滞納整理担当部長 個人都民税の徴収率につきましては、平成二十五年度当初予算では九二・〇%を見込んでおります。
 また、過去五年間の決算数値を見ますと、平成十九年度は九四・七%でしたが、平成二十年秋のリーマンショック以降の世界的な景気後退の影響を受け、平成二十年度は九三・六%、平成二十一年度は九二・八%、平成二十二年度は九一・九%、平成二十三年度は九一・八%となっております。
 なお、平成二十四年度の補正後予算では、九一・九%と見込んでいるところでございます。

○高倉委員 今の答弁によりますと、特に平成二十年秋のリーマンショック以降、徴収率が下がり続けてきたということの中で、数字が下げどまりの兆しが見られるんではないかと、こういったような答弁だったと思います。
 個人住民税は、個人都民税と個人区市町村民税から成っておりますけれども、そのうち個人都民税は、区市町村が個人区市町村民税とあわせて賦課徴収をしているわけであります。そうしたことから、区市町村との連携がかぎとなってくるというふうに思いますけれども、これについての都の取り組みについてお尋ねをしたいと思います。

○藤井特別滞納整理担当部長 個人都民税が、都税において約一八%を占める基幹税目となっている中、これをいかに引き上げていくかが重要な課題であると認識しております。
 ご質問のとおり、個人都民税は、都が直接賦課徴収している税ではなく区市町村が賦課徴収していることから、区市町村の徴収力の向上が大切だと認識しており、都としましても積極的に取り組んでいるところでございます。
 これまで都では、平成十六年度に個人都民税対策室を設置し、区市町村からの困難事案の引き受けや、実務研修生の受け入れ、都職員の派遣など積極的に行ってまいりましたが、こうした区市町村との関係をさらにステップアップさせるため、昨年五月に、区市町村を参加団体とした個人住民税徴収対策会議を立ち上げました。
 会議では、十二月をオール東京滞納STOP強化月間と位置づけ、都及び都内全六十二区市町村が、催告文書の送付や口座振替の推進といった幅広い徴収対策を試行として実施いたしました。
 今年二月の会議では、オール東京滞納STOP宣言、滞納はさせない、放置しない、逃がさないを今後の目指すべき方向性として取りまとめ、納期内納税の促進、早期着手の推進、徴収対策の強化について、今後も都と区市町村が連携して、徴収対策に取り組んでいくことを確認いたしました。
 都では、こうした区市町村との緊密で良好な関係を通して、平成二十五年度も、個人住民税徴収対策会議での課題の検討やオール東京滞納STOP強化月間の本格実施など、区市町村との連携を進め、個人都民税の徴収率向上に努めてまいります。

○高倉委員 今、答弁で徴収対策会議のお話がずっとありました。こうした、昨年の五月に、この会議を立ち上げたということでありますけれども、ぜひ、この場を十分に生かしながら、徴収率の向上に努めていただきたいと思います。
 それでは、最後に、都税の納付方法について質問いたします。
 都は、平成二十三年度から、自動車税のクレジットカード収納を開始いたしました。曜日や時間を問わないこと、また、納付場所に制約がないといったことによります納付方法を拡大して、納税者の利便性向上に貢献をしていると思います。
 改めて、このクレジットカード収納の実績、そして効果について、明らかにしていただきたいと思います。

○西海徴収部長 平成二十三年度は、およそ八万七千件、金額にいたしまして、およそ三十九億円のクレジットカード収納の利用がございまして、今、理事おっしゃられたとおり、納税者の利便性向上に大きく寄与できたというふうに考えております。
 これによりまして、自動車税の納期内納付率、これは五月三十一日までにご納付いただいた割合でございますけれども、こちらの数字が平成二十二年度の七五・一%から平成二十三年度は七七・七%へと、二・六ポイント上昇いたしました。その結果といたしまして、自動車税の徴収率も過去最高の九八・三%となったところでございます。
 さらに、一例で申し上げますと、督促状の発付件数が、それまでの二十六万七千件から二十三万六千件へと、三万件以上も圧縮するなど、徴収コストの削減にもつながっていると考えております。

○高倉委員 今のご答弁から、やはりいろんな効果が出てきているというふうに思います。これまで、いろんな決済手段が、今、世の中が多様化してきている中で、都税の納付についてもクレジットカードも使えるようにということで、これまで何度も取り上げてきてまいりましたけれども、ぜひ、今答弁がありましたように、効果もあるわけでありますので、このクレジットカード収納を今後継続するに当たりまして、その認識といいますか、さらに、今後の具体的な対応について、見解をお伺いしたいと思います。

○西海徴収部長 平成二十三年ですが、クレジットカードショッピングの日本全国の利用額は、およそ四十九兆六千億円でありまして、前年から五・八%伸びております。こういったことから、クレジットカード収納の利用割合も今後とも伸びていく可能性があると認識しております。
 こういった状況を踏まえまして、東京都といたしましては、クレジットカードが納税に利用できることを広く都民の皆様方にお知らせするために、今後とも効果的な広報に努めてまいります。
 一方、クレジットカード収納の使い勝手をよりよくするために、これまでに納税者の皆様からお寄せいただいたご意見を参考にいたしまして、平成二十五年度の納税通知書に同封するチラシの改良をいたします。
 また、今年度は、VISA、JCB、マスター、ダイナースの四つのブランドが取り扱い可能でございましたけれども、こちらにつきましても、さらに拡充してまいりたいと考えております。

○高倉委員 この都税のクレジットカード納付につきましては、都は、まず、自動車税の納付ということで導入をしたわけでありますけれども、今ご答弁にありましたけれども、都民に対する情報提供をより一層努めていただきたいと思いますし、今後、ほかの都税の納付に活用を図っていくことができないかどうか、こうした点についても検討を進めていただくように要望しまして、質問を終わりたいと思います。

○たぞえ委員 きょうは、都税条例改正を中心に質問します。
 この条例改正は、消費税増税実施に伴う地方消費税率を都条例で明記をするものです。政府は、暮らしの不安に一つ一つ対応すると、こういっていますが、国民の最大の不安の一つである消費税の増税実施について、この議論をできるだけ避けて、この夏までは、やり過ごそうとしています。
 消費税の税率引き上げの理由は何なのか、増税による税収の使途は何なのか、改めて、この増税についての入り口の議論について伺います。

○宗田税制部長 社会保障・税一体改革による消費税率の引き上げは、社会保障の安定財源の確保と、財政健全化の同時達成を目指す観点から実施されるものでございます。
 今回の税率引き上げによる税収は、全額、社会保障財源化され、最終的に、国民に還元されることとされております。

○たぞえ委員 社会保障の安定財源の確保や財政健全化が目的だと、今、そのように述べられましたが、事実はそうなのか、そのことが問われています。
 社会保障のためという口実は、最近でも、国会での議論を見ていますと、生活保護の大幅削減を突破口にして、介護や医療、年金、保育など、すべての分野で給付削減と負担増が計画をされていることからも、既に、その論は崩れ去ったと私は思います。
 財政再建のためという理由も、大都市の環状道路や国際コンテナ戦略港湾など、巨大な公共事業が次々と復活するもとで、もはや通用するものではないと思います。
 去年の八月二十二日の官報を見てみますと、これは消費税の増税が決まったときの日付の官報ですが、こういっています。この消費税の増税分の財源、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分すると、こういうふうに十八条で書いていますけれども、今、部長が答弁された社会保障や財政健全化というと聞こえは大変すばらしい言葉でありますが、事実は、公共事業などにも重点的に使うということをここで書いているわけです。
 このような消費税の増税、引き上げの実施は、いつ政府は判断をしようとしているんでしょうか。

○宗田税制部長 消費税率引き上げの実施については、名目及び実質の経済成長率、物価動向などさまざまな経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案して判断することとされており、その時期は税率引き上げのおおむね半年前とされております。

○たぞえ委員 半年前といいますと、ことしの秋、九月ごろですよね。今ご紹介したこの法律の同じ十八条を読んでみますと、大変ちっちゃな字で書いてありますので、じっくりと見ますと、こういうふうにきっちりと書いてあるんです。
 この法律の公布後、消費税率の引き上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに--ちょっと飛ばしますけど、経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、その施行の停止を含め所要の措置を講ずると。ですから、もう決まったから上がるとはいってないわけです。
 この秋ごろ、増税についての停止も含めた検討を行うと、これが法律改正によって書かれているわけです。今三月ですから、三、四、五、六、七、八、九と、半年後です、ちょうど。この経済状況は、TPP問題もあるし、それから、来月から諸物価一斉の値上げです。特に小麦が大変だっていうふうにいわれていますが、山積みしていると。
 そこで聞きますけれども、今回の議会で都税条例を改正しておいても、今述べました半年後の九月秋に、政府が経済動向の状況から、来年四月の実施を停止すると、こういうふうに、もしなった場合、都として、どうしようということを考えているんでしょうか。

○宗田税制部長 消費税率引き上げを延期する場合には、税率引き上げの施行日を定めた法律の改正が必要になります。
 その場合、都においても、国の法改正に合わせて、所要の条例改正を提案することになります。
   〔発言する者あり〕

○たぞえ委員 今回の条例改正は、八%引き上げの半年前に東京都が独自の政治判断で改正すると。今の答弁で、皆さん、ええっというようなお話もありましたが、その半年前に自分の条例を変えるわけですが、私は、これは拙速だというふうに思うんです。
 例えば九七年の五%への増税のときは、当時、四年間でサラリーマンの年収が、平均年収ですけれども二十一万円ふえていた。しかし、その後は、大変な不況が加速をして、暮らしも大変になってしまった。
 今はどうかといえば、働く人の所得が減って、今、賃上げをしなきゃいけないというふうに、財界もいわざるを得ない状況にある。九七年を上回る総額十三・五兆円の増税を行えば、この賃上げもどうなるのかというのは、もう見えてくると思います。
 特に急激な円安によってガソリン価格は高騰して、中小企業は燃料費の上昇分すら価格に上乗せできないという状況もあります。そして、さっきいいましたように、来月から、電気、ガスの料金、そして大豆などの食料品、それから、今後、冷凍食品、ワイン、こういう輸入価格も大幅に上がる可能性があると指摘されています。
 こういう四月からの経済状況が目前に迫っているときに、東京都が消費税率の引き上げ実施の旗を自治体として振ってしまう。都民生活の実態から見れば、本当は、私は、政府に東京都が、都民の暮らしからいっても増税実施は見送るべきだといってほしいんですけれども、せめて固定資産税や都市計画税の軽減を含めている条例改正でありますが、この増税部分については、私は条例改正を見送るべきだということを要望しておきたいと思います。
 そこで、きょう、皆さんがご苦労されてつくられた委員会資料の第2号の影響額について、まず、次に伺いたいと思います。
 この表は、消費税を八%に、また、一〇%に引き上げた場合、そのうち、地方消費税率も同時に上がるものでありますが、現行の五%では一%東京都に入ってくる、こういう仕組みです。その一%というのは、どういう額なのか。八%、一〇%に増税した場合、地方消費税は何%になり、増税率の分の額とベースになっている税額は合わせて、どのような金額になるのか示していただきたいと思います。

○宗田税制部長 現行の地方消費税率一%に当たる都税収は、平成二十五年度当初予算ベースで約三千三百四十七億円でございます。
 消費税率が八%へ引き上げられた場合の地方消費税率は一・七%となり、税率引き上げによる増収額を機械的に試算すると約二千三百四十三億円となります。これを現行税率一%分の税収と合計すると約五千六百九十億円となります。
 また、消費税率が一〇%へ引き上げられた場合の地方消費税率は二・二%となり、同様に増収額を試算いたしますと約四千十七億円となります。これを現行税率一%分の税収と合計すると約七千三百六十四億円となります。
 なお、これらの試算では軽減税率等による影響は考慮しておりません。

○たぞえ委員 八%への増税の実施で、地方消費税の増収だけで二千三百四十三億円、現行の五%の地方税と合わせれば五千六百九十億円が入ってくる。これは決して自然現象でふえるんじゃなくて、庶民の財布から、それが執行されるわけであります。
 増税一年前だというのに、今いわれたように軽減税率は何もない、それでも四月から増税だっていうわけですから、丸々東京都には、その地方消費税分が入ってくる。都民にとっては、まさに暮らしが大変なことになりかねないというふうに思います。
 日本の物価水準は世界一といわれていますが、同時に所得の低い層も大勢います。急増する生活保護世帯は東京で二十二万世帯、失業者は依然として四%であります。税制抜本改革法では、増税に際して低所得者対策を検討するとしていますが、都税調の中間報告では、どのような見解を示しているのでしょうか。

○小山税制調査担当部長 都税調中間報告におきましては、消費税率を引き上げる際には、低所得者層に何らかの配慮をすることが必要であるとし、そのための方法として、食料品など生活必需品に対する軽減税率の設定と給付つき税額控除とを、それぞれの問題点とあわせて挙げております。

○たぞえ委員 消費税の軽減税率や給付つき税額控除などの低所得者対策は、引き上げ決定予定のことし九月ごろ、秋ごろ示す方針なのか、どういう時期に、この軽減策は政府が示してくるのでしょうか。

○宗田税制部長 税制抜本改革法では、低所得者に配慮する観点から、軽減税率及び給付つき税額控除の導入について、さまざまな角度から総合的に検討することとされております。
 そのうち、軽減税率については、与党税制改正大綱において、消費税率一〇%引き上げ時に導入を目指すとされ、対象品目などについて協議し、平成二十六年度税制改正決定時までに、関係者の理解を得た上で結論を得ることとされております。

○たぞえ委員 都税調の議論にも、さまざまな角度からの発言もあり、私も、問題もあるかなと思いますが、少なくとも低所得者対策について、政府の対応とは大きな差があるというふうにいわざるを得ません。
 現在、政府与党で検討している軽減税率、例えば自動車取得税のように、その分だけ自治体が税収を減らすことになるために、国は補てんの財源を補うさらなる増税を招くおそれがあると指摘されています。
 そのような低所得者対策について、昨年の暮れの総選挙では、低所得者対策は実施することになったと、このようにも盛んにいわれましたが、しかし、それから数カ月たって、都税条例改正の提案が出されても、この低所得者対策は、内容はさっぱりありません。
 今、国民が一番心配しているのは、一〇%になれば、政府の試算でも、年収五百万円のサラリーマン四人世帯で年間十一・五万円の負担増、そればかりか、年収二百五十万円未満でも年十二万円の負担増との試算もある中で、財務省が発表している国民所得でも、一九九七年のピーク時が三百八十二・三兆円、これが、二〇一二年には三百四十九・四兆円で、一〇%も国民所得が減っているもとで、軽減税率は検討するという言葉だけで、この実施が満たされないということは到底許されるものではないと思います。
 次に、価格への転嫁の問題です。
 日本商工会議所や全国商店街振興組合連合会の調査では、現在でも、売上高一千万円から千五百万円の事業者の約六割以上が、消費税を転嫁できないという実態が発表されました。中小零細業者等への転嫁対策は、どうなっているのでしょうか。

○宗田税制部長 中小企業者が消費税を取引価格に転嫁しやすい環境を整備することは、極めて重要な課題でございます。
 今回の消費税率引き上げに当たって、政府は事業者への相談窓口を設置するほか、転嫁拒否行為に対する法制上の措置を検討するなど、過去の転嫁対策を拡充して取り組むこととしております。

○たぞえ委員 消費税の転嫁状況は、完全に転嫁できている割合というのは昨年でも全国平均で二六%も占めて、全く転嫁できてない、これは二八%にも上ります。帝国データバンクの意識調査ですら、転嫁できないというのが約四割にも上っているわけなんです。このことは、私が、さきの委員会でも指摘したとおりですが、その理由は、大手企業の買いたたきや価格破壊の影響で、価格転嫁ができていないということからであります。
 消費税法というこの法律の第五条には、事業者は消費税を納める義務があるというふうに定めていますが、まさに、納税義務者は事業者そのものです。売り上げに消費税を上乗せできない場合でも、課税売上高が一千万円を超える事業者は消費税を納税しなければならず、価格に転嫁していれば自己負担は発生しませんけれども、物の価格は市場によって決定されるため、市場での競争に勝ち抜こうとすれば価格を抑えざるを得ない、そのために、自腹で税負担が襲ってくる。この点でも、増税は弱者に大きな負担となっていくことは私は明らかだと思います。
 ところで、社会保障・税一体改革の成立に伴い、検討になった事項は、平成二十五年度税制改正がありましたが、どのような改正や方向性が打ち出されたんでしょうか。

○宗田税制部長 税制抜本改革法では、今後の検討課題として、低所得者対策や転嫁対策のほか、住宅取得に係る税制措置、所得税や相続税の再配分機能の回復、法人事業税の暫定措置の抜本的な見直しなどが挙げられております。
 このうち、平成二十五年度税制改正では、住宅ローン減税の延長、拡充、所得税の最高税率の引き上げ、相続税の課税ベース拡大及び税率構造見直しが行われることとされておりまして、現在、国会において法案が審議されているところでございます。

○たぞえ委員 二十五年度の税制改正では、消費税増税が前提になったものが大きなベースでありますが、肝心の法人事業税の一部国税化はどう扱われたのでしょうか。

○宗田税制部長 税制抜本改革法第七条では、法人事業税の暫定措置について、税制の抜本的な改革にあわせて、抜本的に見直しを行うこととされ、地方消費税率の引き上げ時期を目途として実施することとされたところであり、平成二十五年度税制改正においては、改正の対象となってございません。

○たぞえ委員 今いわれましたように、来年度は、この法人事業税の一部国税化の廃止は何も打ち出されていない、動きもない。私も、地方税財政の改善を目指す議連のメンバーですけれども、先日、その集まりがあったときにも、部長から、ありませんと、こういうふうに明言されました。
 二十五年度は法人事業税問題が一切ない、しかし、来年四月からは消費税は自動的に上がっていくと。そうなりますと、庶民の負担は大きくなるが、東京都に入ってくるお金は、引き続き二十五年度は現行どおりだと、二十六年度も、八%の消費税引き上げだから、これは実施はないんですと。こうなりますと、一体、政府は何を考えているのか、このことを強く思います。
 私は、そういう点で、二十六年度--一〇%消費税引き上げのときに、この国税化が廃止になるんではないかと今いわれましたから、八%になっても、結局、この論というのが出てこないということは、非常に遺憾だと思いますが、どういうふうにお考えなんでしょうか。

○宗田税制部長 税制抜本改革法では、第七条において、抜本的に見直しを行うことが明記されたところでございます。
 暫定措置の廃止に当たっては、根拠法である地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止が必要でございまして、この措置を確実に撤廃し、地方税として復元するよう、引き続き国に対し強く働きかけてまいります。

○たぞえ委員 ぜひ、この廃止については強く求めていただきたいというふうに思います。これは答弁いただきたいと思ったんだけど、今いわれたから、ちょっと省略いたしますけれども、しかし、私も以前、財政委員会で取り上げましたので、あえてまた、いわなきゃならないことを一言いいたいと思います。
 東京の法人が納めた税金が公平に都政運営には使われない、このことはやっぱり大問題でありますから、この問題について、主税局などを先頭にリーダーシップを発揮して、例えば都税事務所で、この撤廃のために東京都は闘っていますとポスターをちゃんと自分たちでつくって張るとか、それから、都営交通の車内広告等に、こういう問題があるんだよ、東京都も頑張っていますと、この程度は、子どもたちの納税のポスター、いろいろなクレヨンでかいて募集していますけど、ぜひ、そういう子どもだましじゃなくて、ちゃんと業者に委託してつくってほしいと。
 それから、これから来年度に送る固定資産税や都市計画税の納税の通知書には書けませんので、せめて郵便の袋ぐらいに、そういう事態になっていると事実を教えていただきたい。
 それから、今、都民広場に、定例会が行われていますという横断幕が張ってありますが、三月の末には、これ取り払われちゃうわけです。ぜひ、その後に、主税局が、ちょっとポケットマネーをどっかから流用して、一部国税化撤廃だと、これをぜひ高らかに……(「流用してね」と呼ぶ者あり)流用ですからね、やっていただきたいと、別に局長に払えなんていうことはいいません。そういう意味で、皆さんは、この補正予算でも局の事業費を満遍なく見て何十億円というお金を減らすわけですから、そういう努力はされている、力を発揮できれば、すぐにでも財源を生み出されるというふうに思います。
 増税は、都民にとっては死活問題です。一部国税化も、都民にとっては、都政にとっても死活問題です。二つの死活という事態に直面して、単なる財源確保というお金集めの視点ではなくて、千二百万都民の暮らしと自治体の魂を政府から取り戻す、こういう点でも、大きな視点で対応をしていただきたいと思います。
 ちょっと、きょうは、私、声がちゃんと出ておりませんのは、別にここで原因を--あえて一言申しますと、ちょっと暮れに、私は食道がんで食道をとってしまいました。それで体が、今完璧ではない、本来は寝ていなきゃいけないんですけれども、都民の予算審議ということで、ちょっと声も出なくて失礼いたしましたけれども、ぜひ、納税者の都民の暮らし応援の都政に前進をしていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○福士委員 それでは、私から、平成二十四年度東京都税制調査会中間報告について質問をいたします。
 中間報告では、主に、地方消費税のアップをとらえて、地方消費税の充実は評価と書いてあります。私自身は、将来の消費税という仕組み自体は否定してまいりませんでした。これからの社会保障の伸びに対して、高いサービスには高い税負担も必要と考えるからです。ただし、むだの削減、所得税や法人税、相続税の税率見直しを十分行うことが先行されるべきでしたし、益税や弱者への負担増など、現行の消費税制度の問題点も改正すべきでした。
 さらに、今回の消費税増税については、これらに加えて、増税のみ決め、使途は明らかにせず、先送りの議論となっているという点で異議を申し上げておきたいと思います。
 ましてや、先ほども出ておりましたが、政権再交代による国土強靱化法などという防災減災を理由にした公共建設事業の増大が行われ、消費税増税分が、その分野に使われる可能性もあり、さらに不信が募ります。
 消費税については、以上のような、他の税とのバランス、むだの削減、制度の見直し、増収部分の使途といった視点の議論がもっと必要ではないかと思っております。
 ほかにも、昨年度の答申に盛り込まれておりました電力のピーク時課税や温暖化対策税、そのほか、NPOへの寄附税制など、魅力的な分野の議論が今回は欠落していて残念に思っております。
 これらを踏まえて、二十六年度の答申に向けた、二十五、二十六年度の方向性について、まず伺っておきます。

○小山税制調査担当部長 東京都税制調査会は、知事の諮問に基づきまして、その時々の重要課題を検討事項といたしまして、中長期的な視点からの答申を三年ごとに取りまとめております。
 お話の温暖化対策税などの項目につきましては、前期において、分権と環境の視点から税制のあり方について審議を求めるとの諮問を受けまして、三年間の検討を経て、平成二十三年度に最終答申をまとめていただき、一区切りついたものと考えております。
 環境重視の考え方の重要性は今も変わりはありませんが、今期におきましては、社会保障・税一体改革と、これにかかわる税財政制度全体のあり方が最大の課題となっているなどの背景から、今年度当初、地方主権の時代にふさわしい地方税制、国、地方を通じた税制全体のあり方等について意見を求めるとの諮問を受けておりまして、第一回都税調総会で委員のご審議をいただき、検討事項を決定いたしました。
 平成二十五年度、二十六年度につきましても、今期の諮問に基づき、国の動向等を踏まえながら、総会で検討事項を決定し、最終答申の取りまとめに向け、ご議論いただくこととしております。

○福士委員 同じテーマを繰り返すだけでは先に進めなくなってしまいますので、私も、それはそれで仕方がないとは思いますけれども、例えば原発による放射能汚染など、最大の環境破壊のもととなる原発そのものをどう考えるのかも基本に入れた上で、税制が考えられるべきだと思います。
 原発事故で手をつけられないほどの環境破壊をしたにもかかわらず、それが、単に震災、防災の問題として答申の中ではとらえられています。その中で、電力需給の転換にも触れていますけれども、最終答申へどう反映されるかも、これからは注目していきたいと思います。
 また、国の動向は無視することはできませんけれども、市民に近い都として、国に先駆け、市民の求める社会保障・税の一体改革を国へ提言するぐらいの意気込みを持っていただくように望み、次に、租税教育について伺います。
 今回の税制調査会中間報告では、租税教育が項目として新設されました。特に、課税側の論理だけではなく、納税者の視点を取り入れた租税教育ということで、租税の所得再配分機能や社会参加、受益と負担の関係に触れているのは評価いたします。税に対する理解を深めてもらうということは大変重要であり、納税者側の視点を取り入れた租税教育を行っていくべきであるとの提言も、興味深く読ませていただきました。そこで、納税者の視点に立つという点から伺います。
 まず、実際に私が相談を受けたお話から、ちょっと質問させていただきたいと思っております。ご自身が所有する固定資産税の評価方法について、都税事務所に問い合わせた方がいます。説明をいただいたところ、評価内容が複雑な上に、駅勢圏という専門用語で説明があり、さらに、その説明をお願いしなくてはならなくなったということでした。
 駅勢圏は、単に駅からの距離ではなく、遠い駅が指定されることもあります。それで、なかなかご理解できなかったというようなお話でございました。最寄り駅周辺のにぎわい状況が、最初に決定したところから変化している状況が、固定資産税にどのように反映しているのかについての説明とか、あるいは作業手順についての説明がわかりにくかったようでした。
 しかし、この広大な投資の目まぐるしい変化に的確に対応するというのも大変なことだろうと思いますし、先ほど来、幾つか会計監査についても、あわせてご質問もされておりましたけれども、単に放置されているわけではないこともわかっております。しかしながら、固定資産税については、従来から、評価、課税の仕組みが複雑であるといわれており、今回の中間報告でも、そのあり方について検討が必要とされています。
 事実、固定資産税に係る土地の評価は、固定資産評価基準に沿って大量の確認作業を行う中で、かなり専門的で細かい作業が求められていると聞いております。それには膨大な時間を必要とするかもしれませんし、中間報告に書かれたから、すぐに解決するという問題とも思えません。
 しかし、このように複雑な制度であるからこそ、都民が不信感を抱かないよう、現状や改正の見通しも含めて、説明を向上し、納税者の立場に立ったわかりやすい説明を工夫することが必要だと考えます。
 先ほどのご相談というのは一例ですけれども、固定資産税にかかわらず、税について納税者からの理解を得られるよう、職員の説明力を向上させるために、どのような取り組みを行っているかお伺いしていきます。

○田倉総務部長 税務行政を円滑に進めていくためには、納税者の理解と協力を得ることが不可欠でございます。そのため、納税者の立場に立った親切丁寧な対応が必要でございまして、職員の説明力を向上させることは重要でございます。
 また、複雑な税制度をわかりやすく説明するためには、個々の職員の専門知識を深めることも必要であります。このため、主税局では、職員の専門知識と説明力向上のため、さまざまな研修やOJTを実施しておるところでございます。
 一例を申し上げますと、各税目の専門知識に係る研修のほか、納税者との窓口や電話でのやりとりを想定いたしました講義、ロールプレーイング等を実施しております。
 さらに、各職場におきましては、ベテラン職員による経常業務を通じた後輩職員の指導、育成や、必要に応じて納税者にわかりやすく説明するための資料を独自に作成するなど、工夫を凝らしまして、親切丁寧な対応につながるよう努めております。
 今後とも、納税者からの理解と協力が得られますよう、職員の職務能力向上に努め、信頼される納税者サービスの提供を行ってまいります。

○福士委員 大変いろんなことをやってらっしゃるようで、それはそれで結構ですが、今ご説明の中にもOJTを実施しているといわれて、OJTって何だろうねっていうふうな感じがあります。オン・ザ・ジョブ・トレーニングというんだと思うんですが、そういう言葉一つをとっても、何か皆さんが使いなれていらっしゃる言葉なので、多分するっと普通の方にもいってしまわれるということがあるんだと思うんです。
 普通の人たちが聞いて、さっきの駅勢圏というのは、どういう言葉でいっても駅勢圏なのかもしれませんが、駅勢圏という言葉を使わないで、駅と駅の距離の--その方の土地は、ちょうど二つの駅の真ん中ぐらいにあったんですが、その駅勢圏が、自分の最寄りの駅で、ふだん使っている駅とは違うところだったんで、何かどうなんだろうみたいなこともおありになったみたいで、やっぱり特定用語を使わなくても、もうちょっと丁寧に、意味がわかるような説明の仕方っていうのがどれだけできるかっていうことが問われているんだと思うんです。
 ここは委員会の中ですから、行政用語をお使いになって結構だと思いますけれども、しかし、議事録を読んで、普通の方だったら多分わかりにくいかなというふうに思いますので、職員の説明力と同時に、それから、やっぱりこれからの社会は、将来、もっといろんな言葉が次々と、造語も含めて出てくるんだろうと思いますけど、普通の言葉に置きかえられるものは、なるべく置きかえながらやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 これからの社会ですけれども、将来の納税者である若い世代が、税に興味を持ち、税がどのように使われているかに関心が向くような教育が必要だと思いますが、どのような租税教育が行われているのか、これは、中間答申に書かれておりましたので、単純にお伺いいたします。

○田倉総務部長 東京都の租税教育は、次代を担う児童生徒に対し、租税の意義の理解と、将来の納税者としての自覚を促すことを目的として、教育関係者や税務関係者で構成する東京都租税教育推進協議会が推進母体となり実施をしております。
 具体的には、税に関する副教材の配布、各都税事務所等の職員が小中学校に直接出向いて税に関する出前授業を行う租税教室の実施や、国税庁と納税協力団体が主催する中学生の税についての作文の募集や表彰に対する協力など、幅広い取り組みを進めております。
 これらの実施に当たりまして、小中学校で活用される税に関する副教材では、小中学校で一人当たり幾ら税金が使われているのかを示したり、税の使い道を図や絵を用いてわかりやすく伝えるなどの工夫をしております。租税教室におきましては、クイズの出題やビデオを活用して、生徒や児童でも税金をわかりやすく学べるよう努めております。
 また、税についての作文は、生徒みずからが社会を築くため、進んで納税し、社会に興味を持つことの大切さに気づくなど、税に対する理解を深めるための大きなきっかけづくりとなっております。
 今後とも、将来の納税者である若い世代が税への関心を持てるよう、引き続き租税教育の推進に努めてまいります。

○福士委員 クイズですとか、ビデオですとか、子どもにわかりやすいようなやり方というのは大変結構なことだと思いますし、副教材の配布なんですけど、これは出前授業とセットで行うなどの工夫がなければ、配りっ放しということになると思いますが、今回は始まったばかりですので、どれだけ使われているかと伺っても、ちょっと大変でしょうから、今回、伺いませんけれども、ぜひ、せっかくの資料が眠りっ放しにならないよう、努力をしてくださることを要望しておきます。
 諸外国では、政治や税制が授業の中にしっかり取り入れられていて、日本の学校の中では政治の話はしてはいけないような形になっていますが、よその国では選挙のシーズンになると、子どもたちが、ちゃんとチラシをもらって歩きながら、どこの政党が何を考えているか、それをディスカッションしてレポートするというようなこともあるということを、私はあっちこっちでいっているんですけれども、同じようにスウェーデンの中学校の教科書「あなた自身の社会」というのがありまして、それを見ると、増税か、減税か、利用料金か、それ以外、どちらが一番いいんだろうということを、生徒同士で議論をし合うようにつくられています。単なる知識の押しつけだけではなく、自分で考え、話し合うことを徹底しています。これは税だけではなくて、さまざまな分野で通じる教育全体のありようが、そうなっているということです。
 引き続き工夫を凝らした租税教育と、これを主税局だけではなくて教育庁とも連携をして、ぜひ行うことをしていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○和田委員 まず、初めに、延滞金の引き下げに関連してお伺いをいたしたいと思います。
 平成二十五年度の国の税制改正を受けて、当然、国税とあわせて地方税の延滞金の割合を引き下げるということになります。
 初めに、この延滞金の持っている意義、意味についてお伺いいたします。

○宗田税制部長 延滞金は、納期内に納めた納税者との負担の公平や、納期内納税の促進等を図る観点から設けられているものでございます。
 現在の割合は、年一四・六%、納期限から一月以内は、日銀の基準割引率に四%を加算した年四・三%とされております。
 納期限から一月以内の延滞金が軽減されているのは、督促による納付慫慂の効果を高め、この期間における納付を促すためであるとされております。

○和田委員 ポイントは二つあって、負担の公平、それから、期限内納税ですね。これが貫徹できるような形で、延滞金の存在意義があるというふうだろうと思います。
 税務六団体とよくいわれます。青色申告会とか納税貯蓄組合とか、税務署にかかわる民間団体があります。税務署に協力する団体と見ていいと思うんですが、その方々、納税貯蓄組合なんかは、自分たちで納税に先立って貯蓄をしておいて期限内に納税しようよということで、極めてタックスペイヤーとしても理想な形を実現している団体が、各区に、各町にあります。こういう納税に協力する団体があって、徴収率も含め、一定の率を保つことができているということなのであります。
 一方で、この延滞金は、今申し上げたとおり、負担の公平と、それから、期限内納税を図るために、ある意味ではペナルティー的な意味も持って、延滞金をかけさせていただいているということになると思うんです。
 それでは、その延滞金の持っている意義を承知した上で、国も、地方も、財政は大変厳しい、厳しいながら、この延滞金の率を下げようということが今回決定を見ました。これはなぜなんだろうか。一方で、まじめに納税している団体がある。一方で、申しわけないけど、延滞するほどに、ある意味では、いろいろ事情があって、そのルールを守らない人がいる。守らない人の方の延滞金の率を下げるということを国がいっているわけです。
 そうすると、まじめに納税している人たちの心情や感情はどうなるのでしょう。少なくとも、これについて、延滞金の割合、それから、どういうような形で推移があったのかということを時系列的にお答えください。

○宗田税制部長 今回の税制改正では、現在の低金利の状況に合わせ、事業者等の負担を軽減する観点から、延滞金、年一四・六%の割合を、市場金利である特例基準割合に七・三%を加算した率とし、納期限後一月の割合を特例基準割合に一%を加算した率にすることとされております。
 これにより、現在の金利のもとでは延滞金の割合は年一四・六%から九・三%に、納期限後一月は年四・三%から三・〇%に引き下げられることになります。
 また、延滞金の割合の推移でございますが、昭和三十八年度の改正において、国税通則法の制定に合わせ、制度の簡素化と負担の軽減を図るため、従来の延滞金と延滞加算金を一本化するとともに、割合の引き下げが行われ、年一四・六%、一月以内、年七・三%とされました。
 その後、平成十一年度の改正において、当時の低金利の状況を勘案し、納期限後一月以内七・三%の割合を、日銀の基準割引率に連動させることとされ、現在に至っております。
 ちなみに、日銀の基準割引率、いわゆる公定歩合でございますが、これは現在の〇・三%に対し、昭和三十八年度は五・八四%、平成十一年度は〇・五%でございました。

○和田委員 この延滞金の制度は、一番新しい制度を考えると昭和三十八年、今からちょうど五十年ぐらい前に、新しい一四・六%、それから、四・三%という形で率が決められて、公定歩合の変動は置いておいても、一四・六はずっと固定してきました。それで、平成十一年に、要するに〇・三%のいわゆる公定歩合という形を導入しましたものですから、一四・六のほかの部分については軽減をされました、平成十一年。だけど、基本的な一四・六%は、ここのところは幹、基本なのだからというので、手直しをせずにずっと今日まで来ているんです。
 ところが、先ほどおっしゃったように、今回これを手直しするわけです。ここは、大もとを手直しするということになってくると、微調整じゃなくて、本格的な延滞金の改変ということになる、ということになってくると、地方の財政とか、そういう点から、どういうふうになっていくんだろうか。
 まして、私が強くいいたいのは、健全な納税意識を持っている方々と、それから、滞納をせざるを得ないかどうかは別にしても、滞納している人の意識のバランスの中で、まじめにやっている人はそのままで、延滞して滞納しちゃっている人は、そこのところで率が下がる、楽になってしまうというふうになるわけです。
 それは、政策的意味があるにしても、少なくとも、先ほど申し上げてある税務六団体などは、税をしっかり納めようよという運動を地道にやってきている人たちにとっては、この種の延滞金の率も含め、下げるというようなことについては、私は驚きだろうと思ってはいるんです。
 そこで、もしも今回、この延滞金の率が下がった場合、具体的に東京都にどれだけの影響額が生ずるかお答えください。

○宗田税制部長 平成二十五年度当初予算をもとに、平年度ベースの影響額を試算いたしますと約二十二億円の減収となります。

○和田委員 先ほど来、税制調査会の中間答申がありました。その中で、さきにも触れられましたけれども、今回のレポートの中で一番大きく私どもが取り上げているのは租税教育です。納税者教育といってもいいかもしれません。それが、徴税する側ではなくて、納税する側の人にも、めぐりめぐって納税される方に、特典、恩恵がありますよという、そういう報告の仕方がありました。
 私は、小中高の教科書を見ました。高校などは三ページぐらいにわたって、税のこと、税の仕組みを書いてあるところもあります。納税、あるいは税の仕組みというようなことで、国民的な一つの教育課題になってきて、自分が積極的に税を納め、そのかわり税に関する要望や、あるいは批判もしますよという、そういう納税者の意識を高めていく、奪われるだけではなくて、払うかわりに、きちっと物もいわせてもらいますよという、合理的な、そういう風潮に変わってきている、また、変えようとしているというふうに思っているんです。
 そういう中で、繰り返しますけど、今回のこの措置というのは、少しく、別に滞納者が得をするとはいいません。しかしながら、まじめにやっている人には、少なくとも納税意識に落胆されるようなところがあるのではないのかなというふうな気がしているわけです。
 問題は、悪貨が良貨を駆逐するなんていう言葉がありますけれども、まじめにやっていらっしゃる方が、今回の滞納税率の引き下げというようなことになってきたときに、それこそ納税意欲というか、意識というか、そういうことにマイナスの働きが出てくるということを恐れているんです。
 この結果は、どちらかというと、納税しなくてもいいんじゃないのかというふうに後ろ向きな風潮をつくったり、あるいは当局は税に関して多少甘くなったなというような見解をとられると、さきに主税が、自動車なんかの税についてきちんとやる、手続をとるというようなことをおっしゃりながら、国の方のこの種の滞納税率の引き下げなどによって、後ろに引かれてしまうような、後退せざるを得ないような雰囲気に、実際は納税者がなりはしないかなということを危惧するんです。
 その意味で、滞納がふえるとは思いたくないけれども、そういうおそれがある場合と今受けとめたときに、当局はどういうふうな意識、意欲で、新しい年度に向かって納税者に働きかけをするというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。

○西海徴収部長 高い率の延滞金の負担が、滞納の抑止効果を果たしてきた側面があるといわれておりまして、これは否定するものではございませんけれども、都税の滞納額が圧縮されたのは、大変僣越ではございますけれども、都税事務所の第一線での徴収努力の結果もあるのではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、滞納を増加させないためには、まず、未然防止の取り組みが重要であると考えております。
 東京都は、これまでも、コンビニ納税やインターネットバンキングなど、納税方法の拡大を図ってきましたけれども、今後も、納税環境の整備に取り組み、納税者の利便性向上に努めていくとともに、納期内納税を呼びかけてまいります。
 また、万が一ですけれども、滞納が生じた場合ということの対策でございますが、今まで以上にスピード感を持って滞納整理に取り組んでまいります。速やかに財産調査や納税交渉に着手し、資産があるのにもかかわらず、納税に誠意のない滞納者に対しましては、法の規定に基づきまして、差し押さえなどの滞納処分を行わせていただきます。
 その一方で、いろんな事情から一どきに納付することが難しいといった方には、その実情に応じまして、きめ細やかに対応してまいります。
 こういった取り組みを通じまして、今後とも、税負担の公平性の確保と納税秩序の維持を図ってまいります。

○和田委員 徴税努力もあるということですが、徴税努力は、これは皆さんの仕事なんで当たり前なんで、余りそれを大声でいうことではないと思うんですが、要はボランティアで自分たち自身が、たびたび出す納税貯蓄組合などという人は、それこそ一円ももらわずに、自分たちで商店街のポールに、ここは期限内納税をするまちですよ、なんていうことを宣言しながら、自分たちもそうだけど皆さんもそうしましょうよというふうに、根強い運動をずっとやってきているわけです。
 皆さん方、当然、仕事だからやっていただくわけですけれども、そういう人は余分な仕事を、自分の家業のほかに納税のボランティア活動をやっていらっしゃる方がいて、納税意識が保たれて、そして、納税の結果が出てきているというふうに私どもは考えたいんです。
 ですから、そういう方々の気持ちが、あらゆる施策を打たれたときにどういうふうに影響あるのかなということを考えてみたときに、今回の問題は、私に限っていえば、少しくまじめにやってきた人たちに、どういう思いが横切っているのかなということが気になったんで、今、質問申し上げたわけで、皆様方の徴税努力を認めないわけでありません。ただ納税の諸団体の努力も、しっかり当局は認めてもらわなければならないということを、決めつけるようでありますけれども、ここで強く申し上げておきたいというふうに思うんです。
 次に、都税収入の見積もりについてお伺いをいたします。
 最近の経済状況を見ますと、きのうあたり株に関していえば大変な暴落だ、きょうは何か上がったなんていうようなニュースをちらっと聞きますけれども、株式の上昇などは、やっぱり金融面での改善傾向、ペーパーの上でのお金の行ったり来たりであって、私は物をつくったり、あるいは物を流通させたりしているという一般的な経済行為の中での景気感ではないように思います。
 まちを歩いて、いろんな場面でお聞きすると、都民の生活実感、生活感覚というのは大変冷え込んでいて、冗談ではないよと、株があんなふうになったって、我々は買っているわけじゃないし、全然実感はないねという声を私どもは聞いています。まだまだ景気回復を実感できるところまで、ちまたは来ていないという認識が私は正しいだろうと思うんです。
 こういう状況の中で、平成二十五年度の都税収入の予算額を見ますと、四兆二千八百億円余です。これは、予算書を見まして、今年度当初予算比で見ると三・九%の増という形になっています。
 とりわけ法人二税については、一四%という高い、大幅な増を見込んでいる。これは、どういう根拠なのかなというふうに私は思うわけです。もとより、今の株価の問題とか、安倍政権によるいろんな景気浮揚の印象のようなものとは違う、それ以前に見積もった数字だと思いますけれども、この見積もりの積み上げてきた方法、どういう形で積み上げてきたかということの実態についてお答えください。

○宗田税制部長 都税収入の見込みに当たりましては、各税目の収入実績をもとに、投資や所得など、税収と密接な関連のある各種経済指標や税制改正の動向等を踏まえて算出しております。
 さらに、都税収入の約三割を占め、景気変動の影響を受けやすい法人二税については、算出の精度を高めるため、企業の業種や規模別の収益予測等も勘案し、税収を見込んでおります。
 平成二十五年度の法人二税収入については、復興需要等で持ち直した企業収益が、海外経済減速の影響等はあるものの、非製造業を中心に内需に支えられ、堅調に推移する見通しであることから、今年度当初予算対比で千七百三十億円の増となり、都税総額では千六百九億円増の四兆二千八百四億円を見込んだものでございます。

○和田委員 東京都の主税も、ある意味では民間のシンクタンクと同じように、いろいろな情報を集めて、そして、翌年度の数字をはじき出して、これに従って各局も協力してくださいとか、そういう形の司令塔の役割を果たしているんだろうと思うんです。その意味では、今、報告いただいたような各種のデータを積み上げて、東京都なりの一定の税収の方向づけをされたと思います。
 しかし、私がざっと見た限りでは、その見通しが、予算、決算で対比した場合に、それほど大きく食い違わないというときもありますけれども、がくんと予算のときと決算のときで一〇%近く、予算、決算で差異が出てきているケースがないわけではありません。あるといった方がいいでしょう、数度、何回もあるといっていいでしょう。
 これなどは、今、私どもが危惧している、いわゆるバブルとか何かのときに経験した、予算と決算の差というものを生かしていって堅実な形で予算を積み上げていって、予算をつくり、そしてまた、その結果、決算を仰ぐというようなことが、私は健全な財政運営の一つの方向だろうと思っているんです。
 最近私どもは、数度にわたって決算、予算の乖離がある事例を東京都でも経験していますけれども、それについて、どのような把握をされているのか、数字的にお示しをいただきたいと思います。

○宗田税制部長 都税収入は、景気変動の影響を受けて大きく増減いたします。特に当初予算策定後に景気の状況等が各種経済予測を超えて変化すると、決算額は予算額と大幅に乖離することになります。
 決算額が当初予算額から一〇%前後と大きく下回ったのは、平成四年度で五千七百九十七億円、率にして一一・七%の減、平成二十一年度で四千七百十億円、率にして九・九%の減でございます。
 一方で、大幅に上回ったのは、平成十二年度で三千六百五億円、率にして九・二%の増、平成十八年度で四千二百八億円、率にして九・三%の増でございます。
 平成四年度は、ご案内のとおり、バブル経済崩壊による大型の景気後退、平成二十一年度は、リーマンショック後の世界的な景気後退により、税収が下振れしたものでございます。
 逆に上回った平成十二年度でございますが、IT景気の大幅な伸び、十八年度は、長期的ないざなみ景気が、結果として後退せず予測を超えて拡大し、税収が上振れしたものでございます。
 なお、近年は、決算額が当初予算額とほぼ同水準で、平成二十二年度は二十九億円、率にして〇・一%の減、二十三年度は七百四十億円、率にして一・八%の減となっております。

○和田委員 奇しくも大きく谷に落ちたのが二回、また、大きく予想外に山に登ったのが二回という数字が出されましたが、いずれにしても一〇%の数字が予算、決算で差が出てきているというのは、これは大変なことだろうと思うんです。
 したがって、それまで予見、予測できないというのも、そのときそのときの大きな経済、財政のうねりだからしようがないとはいいながらも、やはりそこのところの差を、できるだけ予算、決算の差が出ないような形で見込むということが大事だろうというふうに思いますし、そのことが、また、東京都の財政の仕組みの信頼性にもつながってくるというふうに思うものですから、過剰に少なかった場合、過剰に多かった両方の四回の教訓を、もちろん生かしていらっしゃると思いますけれども、今回の私が申し上げた法人二税の一四%という見積もり、これは相当に頑張った数字なのかなというふうに私は思います。
 したがって、バブルを含め大きく、その後に落ち込んでしまったようなことのわだちの跡、踏まなければいいかなという危惧を多少は申し上げておきたいというふうに思っています。
 私は、東京都が主たる原因をつくるということはできないわけでありますから、時の政権なり時の国際的なそういう情勢が、そういうことをもたらしたと思うんですが、とりわけ平成四年度に約五千八百億円も予算、決算で見込み違いが出てしまったというようなことを、今の説明ではバブル崩壊によるものだというふうに一刀両断されておりましたけれども、これについて、当時の政府も含め、どういうふうなコメントなりエクスキューズを出してきたのかというふうなことを含め、当時の経済動向などについての見解をお伺いいたしたいと思います。

○宗田税制部長 当時の経済状況でございますが、平成五年度の経済白書では、我が国の経済成長率が平成三年度までプラス成長で継続していたが、平成四年度に入り、戦後初となる三期連続マイナス成長となって、景気の後退が次第に明瞭に認識されていった時期としております。
 なお、税収見込みに当たりましては、政府の示す経済成長率のほか、民間シンクタンク等による業種別、規模別の企業収益予測など、税収と密接な関連のある指標を勘案しておりまして、常に見積もりの精度を高めるよう努めております。

○和田委員 見積もり精度を高めていただいて、我々が予算、決算を審議させていただくときに、一つの事例として、大きな谷があって、大きな山がありましたけれども、税収が多ければ多いほどいいというものではなくて、その見積もりの差異というもの、そごというものは、やはり多過ぎても少な過ぎても行政的には問題があるといわざるを得ません。
 やっぱり行政は、安定性がまず第一でありますから、税収の見込みについても、そんなに大きく下振れ、上振れしないような形で押さえていくということ、そういうことの基本がなければ、多ければよかったね、少なければ議会からおしかりを受けるというのではなくて、多くても少なくても、見積もり、見込みに何らかの欠陥があったからというふうに理解をしていただくようなことが大事だろうというふうに思っております。
 今まで申し上げてきたことは、政府の指標なり、そういうことに余り依拠せずに、ご自分たちの過去の経験、先ほど申し上げた四回の見込み違いのようなものの経験を、先輩の責任者の方から聞いて覚えておくとか、あるいは、それをお仲間に伝えておくとか、実際に積み上げていく作業をされている方々は、評論家と違って、ひしひしとその辺のところを日常的にわかっていると思うものですから、そういう経験を大切に同僚やあるいは後輩の方々に伝えていくということも、私は主税局にとっては大事な一つの教訓を生かすという意味での姿勢だろうというふうに思うんです。
 過去二十年間で、ご報告いただいたとおり、四回も一〇%の差異が出てきてしまったというようなことを含めまして、今回の法人二税の問題も含めまして、堅実にやることが行政の一番の宝であり、かなめだということを強くご認識いただきたいということで、私は、この質問を取り上げた次第です。
 最後になりますが、固定資産税などの軽減措置の継続、不均一課税の問題です。
 今回、五十一号議案として東京都都税条例の一部改正という形で条例改正が提案をされております。これは、この軽減措置が取り入れられて、ずうっと今日まで、毎年毎年、議会が決議をし、議会が議決をするということを繰り返してきました。
 私は、毎年毎年繰り返してきたこの種の議決というのは、過去、昭和六十三年から、この仕組みになっておりますから、もう二十五年ぐらい、毎年毎年、決議、議決、決議、議決が繰り返されてきている、内容は全く変わってないということです。内容が変わらずに、議会が決議をし、翌年、議決をして、その間、青色申告会などの要望もあったりして、その陳情を採択して、一年また先に伸ばすという形で、今回も、十五条の二は、平成二十五年度の分の固定資産税に限って続けますよというふうになっており、ほかの条文を割愛しますけれども、そうなっている。
 私は、毎年毎年、これを一年ごとにやるというのではなくて、例えば議員が選挙に出るというような、四年に一回のある節目のところで一回議決をし、その間、大きな変動があれば、それを途中で直すと、補助率とか、そういうものを直すというようなことをひっくるめて、あってもいいのではないか。
 要するに、一年一年、形式的といってはあれですが、真剣に我々は議論をしますけれども、二十五年間、全く同じことの繰り返しをやってきているということから考えますと、これは、ある判断を下して、三年に一度か四年に一度かはともかくとして、一定の期間、この制度のもたらしている、東京に所在しているということから逃れられない東京独自の都市問題として考えるならば、議決権は担保しながらも、毎年毎年、これを議会に議決をお願いできませんかというふうに当局の方がしてくることもいかがなものかなと。
 二十五年、一回も変化ないわけですから、また、二十六年にあるといえばそうかもしれないですけど、少なからず、この間、先ほどお答えいただいたように、四回ほど大きな山、谷があって、税収に見込み違いがあったくらいに景気変動はあった。あってもここにいじらずに二十五年間ずっと、昭和六十三年からこの制度を、不均一課税を保ってきているというゆえんのものを考えれば、私は複数年を、当局も考えるべきだし、我々議会の方も考える時期に来ているんではないかなというふうに思うものですが、どのようにお考えになりますか。

○宗田税制部長 固定資産税等の軽減措置は、地価が高い二十三区の過重な税負担の緩和を図る等の観点から、公平、中立などの税の原則の例外として導入されたものでございまして、不断の見直しが必要でございます。
 このため、これまでも景気動向、都民の税負担の状況、さらには、都の財政状況等を勘案し、一年ごとに見直しを行ってまいりました。
 今後とも、一年ごとに継続の可否を判断していただくことが適当ではないかと考えております。

○和田委員 と、お答えになることが二十五年続いてきました。私は、地方自治権とか地方財政自治権も含めて、あるところ、いろいろ長短、欠点、長所あるかもしれないけれども、やはりここまで、決議、条例改正というようなことを続けて二十五年も来ているということは、ひとつ何らかの教訓なり、先ほどからいっている知恵として編み出していく時期ではないのかなというふうに思うんです。
 もとより議決権は大事であります。大事でありますが、同じような作業を、そちらの方も二十五回繰り返してきている。今回もまた同じような形になるわけですけれども、私は、もうそろそろ、いい知恵を出してもいいのではないかなということで、一つの事例として、複数年にしてもいいのではないかということを申し上げた次第です。
 これは、そちら様の方も、当局も検討いただくように、我々の方も、存在意義というか、青色申告会の皆さんが相当頑張って、仕事の合間に我々に要望書のようなもの、はがきを、お金をかけて送ってくるような事例もありますから、そういうことから考えたときに、二十五年、二十六年、それ以上続けていいのかなというような気もあったものですから、あえて部長に問いただした次第です。
 以上で質問を終わります。

○高木委員 私は、都税全体の課題の中で、今回は駅ナカ課税についての問題を取り上げたいと思います。
 この間、主税局は平成十八年度から、この駅ナカ課税について税の公平の観点から取り組んでいる、これは大変重要な課題だと思っています。都議会でも、平成十八年から、この間資料を調べていただいたら、今まで九回ですか、いろいろな形で駅ナカ課税について各議員から質疑をさせていただいているわけであります。二度の現地視察も行ってまいりまして、私は二度とも行っているんですが、一回目は、初回、品川駅に伺った記憶がありまして、二回目は、上野駅に伺った記憶がございます。
 そこで、確認のために伺うんですけれども、これまでの駅ナカ課税の取り組みの経緯というのをもう一度復習したいので、どうなっていたか教えていただきたいと思います。

○阿南資産税部長 近年、一部の駅で大規模な商業施設が設置されるなど、いわゆる駅ナカビジネスといわれる店舗等が併設された鉄道駅の敷地と周辺の商業地等との間で、固定資産税負担に不均衡が生じておりました。都といたしましては、こうした状況をとらえまして、駅ナカ課税の強化に向けた検討を重ね、鉄道事業者に対する働きかけを行ってきたところでございます。
 こうした中、平成十八年五月には、商工関係五団体からも、知事あてに、不公平是正の要望書が提出されております。こうした動きを受けて、同年六月、鉄軌道用地評価部会が財団法人資産評価システム研究センターに設けられまして、国におきましても検討が始まり、その結果、翌平成十九年三月でございますが、固定資産評価基準の改正が行われたところでございます。
 このことによりまして、税負担の均衡が確保され、現状の利用実態に見合った適切な評価を行うことが可能になったというものでございます。

○高木委員 今の経緯の中で、平成十九年に固定資産評価基準が改正されたというご答弁でございましたけれども、その改正の内容というのは、どういうものだったのですか。

○阿南資産税部長 平成十九年度の固定資産評価基準の改正の内容でございますが、改正前は、駅舎を含む鉄道施設用の土地につきましては、帯状に細長い形状でありまして、付近の土地と比べて利用価値が低いこと、ほかの用途への変更が困難で、周辺の土地に比べ強い制約を受けることなどから、沿接する土地の三分の一の価格とすることとされておりました。
 平成十九年度の固定資産評価基準の改正によりまして、新たに複合利用鉄軌道用地の評価方法が新設されました。その内容は、鉄道用地の地積を、鉄道施設と商業施設の床面積等の割合で案分いたしまして、鉄道施設部分については、沿接する土地の三分の一の価格、商業施設部分につきましては、付近の土地の価格に比準した価格で、それぞれの評価額を算出し、合算する方式でございます。

○高木委員 十九年の改正は、現実的な評価基準を、新たな評価基準を入れていただいたということで、私は非常にこれを評価をしているわけであります。まさに東京都から、いろいろな形で発信をしていく中で、こういう形になったということだと思います。
 駅ナカについては、時代の変化に対応しながら、今や拡大成長をしてきているというふうに思っています。駅付近の商店街などと共存共栄といったらいいんでしょうか、そういうことについても、いろいろな見方はあると思いますけれども、さまざまな問題があるのではないかというふうにも感じているわけであります。
 駅ナカ施設の変化を、主税局としてはどのように掌握をしているんでしょうか。

○阿南資産税部長 駅舎等の利用状況の変更につきましては、毎年度、都税条例施行規則に基づきまして、鉄道事業者から鉄軌道用地申告書等を提出させまして状況を把握するとともに、主税局といたしましても、計画的に現地調査を行うなど、現状把握に努めております。
 なお、現地調査の結果、鉄道事業者からの申告内容に漏れがあることなどが判明した場合につきましては、適切に申告指導を行っております。

○高木委員 変化に応じて見直しているということなんですが、駅ナカ施設の見直しの実績というのは、今までどうなっているんでしょうか。

○阿南資産税部長 固定資産評価基準の改正を見越しまして、前年の平成十八年から十九年にかけまして、東京二十三区内全駅を調査いたしまして、現況の把握を行いました。その上で、評価基準改正の影響を受ける八十二駅について、評価の見直しを行い、新基準による駅ナカ課税の適正化を実現いたしました。
 その後におきましても、状況変化の的確な把握に努め、評価、課税の見直しを図ってきたところでございまして、平成二十四年度までの五年間で、状況変化のあった延べ二百六十六の駅舎等の見直しを実施してまいりました。

○高木委員 駅の施設は、今後も変化し続けると思われます。今お話があったように、平成二十四年度までの五年間で、延べ二百六十六の駅舎等の見直しを実施してきたということですから、このトレンドというか、方向性というのは多分変わらないと思うんです。変化に対応した適切な課税を実施していただいて、適正、公平な税負担を、これからも継続をしてほしいというふうに思っています。
 例えばJRは、鉄道事業以外の売り上げっていうんですか、事業の比率を高めていく方向に今ありまして、もうこれは公表されているんですが、全体を十とすると四割は鉄道事業以外で収益を上げていこうと、こういう方向なんです。
 これは、いろいろな鉄道事業者によって、持っている資産も違いますし大きさも違いますから、一概にはいえないんですけれども、しかし、駅というものがまちの中心にあって、まちというものが駅を中心にして広がっているということを考えれば、この駅ナカに商業施設を設けて物販をする、あるいは、さまざまなサービス業を営む、そういう方向性は、恐らくこれからもっと進んでいくんだろうなと思います。
 いろんな見方がありますから、一概にいえないんですけれども、駅にそうした施設ができるということが、そのまちの価値を高めていくということも、もちろんありますし、駅がきれいになれば、いい駅だなというんで、その駅の近くに住んでみたいと思う方もたくさんいらっしゃる。
 一方で、商業あるいはサービス業では、ある意味での競合施設になってくるということでありますから、税を一つの切り口にしたときに、その税の公平性というものはやっぱり担保されなければならないということが、この駅ナカ課税の発想の多分根本だったと私は思っているんです。
 ですから、適正、公平な税負担というものがしっかりとあるということで、都民の皆さんにもご理解をいただけるんだろうし、そのことで、一つの自由社会の中での競争性というものが担保されていかなきゃいけないだろうというふうに思っているわけであります。
 私は常々、この駅ナカの問題をいろいろな形で指摘をしておりますが、社会的にも、だんだんと認知をされてきたというか、この駅ナカ問題というのが大切なんだという認識が多分広がってきたんだろうと思うんですけれども、生活衛生同業組合の指導センターが、今度、勉強会をやられるというようなお話も聞いておりまして、これは第二回目になるようですけれども、なぜ、生活衛生指導センターが勉強会をやるかということなんですが、それは、物販とか、物を売るということだけじゃなくて、サービスの提供をすると、そのときに、その中に、例えば床屋さんのようなものが入っているというところから問題意識が始まっているんです。
 しかも、駅の中の施設ですから、上下水道も、それほどしっかりと完備をされているわけじゃないということで、いわゆる千円床屋さんというんですか、安い床屋さんが入っていて、そこで髪を切って、それで、そのまま電車に乗っていくわけです。こういう状況でいいんでしょうかという、そういう問題意識も一方にはある。
 ですから、駅の施設というものが、今、どんどんどんどん形態が変化をしていて、かつては、例えば売店のような小さなものが駅のホームに一つある、あるいは駅の近く、改札口の近くに一つあるという時代から、今度は、飲食店の立ち食いそば屋さんのようなものができたり、今までは多分そうだったと思うんです。
 ところが、今やステーションルネサンスといっているような時代ですから、駅を今度まちにつくりかえていこうというようなことがありまして、さまざまな業種、さまざまな問題がここに生じ始めているんではないかなというふうに思います。
 ですから、これは、もちろん東京都政の中では主税局だけの問題ではないんですが、一つの税制ということだけを考えれば、この駅ナカ課税というものがあるわけですので、ぜひ公平、適正にやっていただきたいと思っています。
 前々から私はいっていますけれども、駅前というのは一等地と、駅前が一等地なら駅ナカは特等地ということですから、それは、だれが考えたって、私はそうだと思います。まちというのは、駅中心なんだから、その駅の中に物売りの店舗を構えたら、それはやっぱり特等地です。
 しかも、そこでチケット買わせて、中で買わせて、また、電車に乗せて次の駅まで行かせるわけですから、それは駅前が一等地なら駅ナカは特等地なんだよ。だからそういう意識で、いろいろと考え方はあるでしょうけれども、一つの考え方として、私は、その公平性の担保ということを考えたときに、主税局として、ぜひ公平公正な課税の体系あるいは課税の考え方、そういうものをしっかりと持っていただきたいということで、私の質問を終わらせたいと思います。

○吉住委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十六分散会

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