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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第二号

平成二十五年三月四日(月曜日)
第二委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長吉住 健一君
副委員長神野 吉弘君
副委員長たぞえ民夫君
理事高倉 良生君
理事高木 けい君
理事増子 博樹君
近藤  充君
福士 敬子君
菅  東一君
鈴木 隆道君
興津 秀憲君
長橋 桂一君
今村 るか君
和田 宗春君

欠席委員 なし

出席説明員
財務局局長中井 敬三君
経理部長櫻井  務君
契約調整担当部長石井 正明君
主計部長武市  敬君
財産運用部長奥田 信之君
利活用調整担当部長岩瀬 和春君
建築保全部長末菅 辰雄君
技術管理担当部長室木 眞則君
庁舎運営担当部長間庭  修君
主税局局長新田 洋平君
総務部長田倉 英明君
税制部長宗田 友子君
税制調査担当部長小山 明子君
調整担当部長安藤 敏朗君
課税部長木村 芳生君
資産税部長阿南 威彦君
徴収部長西海 哲洋君
特別滞納整理担当部長藤井  朗君
会計管理局局長松田 芳和君
管理部長土渕  裕君
警察・消防出納部長丸山和喜夫君
会計制度担当部長副島  建君
収用委員会事務局局長醍醐 勇司君

本日の会議に付した事件
主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳入、歳出、繰越明許費 主税局所管分
収用委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 収用委員会事務局所管分
会計管理局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 会計管理局所管分
財務局関係
付託議案の審査(説明・質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入-財務局所管分、歳出-議会局・財務局所管分、都債
・第百四十二号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、予算総則、歳入
・第百十八号議案 都営住宅二十四H-一一四東(江戸川区船堀一丁目第二)工事請負契約
・第百十九号議案 都営住宅二十四H-一一〇東(北区神谷二丁目)工事請負契約
・第百二十号議案 都立足立高等学校(二十四)改修及び改築工事請負契約
・第百二十一号議案 都立荏原看護専門学校(二十四)改築工事請負契約
・第百二十二号議案 都立日比谷高等学校(二十四)校舎棟改修工事請負契約
・第百二十三号議案 東京消防庁八王子消防署庁舎(二十四)新築工事請負契約
・第百二十四号議案 平成二十四年度十号地その二多目的内貿岸壁(-(マイナス)八・五m)桟橋整備工事請負契約
・第百二十五号議案 環二勝どき高架橋(仮称)鋼けた及び鋼製橋脚製作・架設工事(二十四 一-環二築地)請負契約

○吉住委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、主税局、収用委員会事務局、会計管理局及び財務局関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。
 なお、付託議案中、第百十八号議案から第百二十五号議案までの契約議案につきましては、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより主税局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳入、歳出、繰越明許費、主税局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○吉住委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○吉住委員長 これより会計管理局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○吉住委員長 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、財務局所管分、歳出、議会局、財務局所管分、都債、第百四十二号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、予算総則、歳入及び第百十八号議案から第百二十五号議案までを一括して議題といたします。
 初めに、追加提出されました第百四十二号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、予算総則、歳入について理事者の説明を求めます。

○武市主計部長 追加提案をいたしました補正予算案につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号をごらん願います。平成二十四年度最終補正予算案(追加分)についてでございます。
 まず初めに、補正予算案の考え方でございますが、このたび、国の補正予算によりまして、国庫支出金が追加で交付されることとなりましたことから、その全額を基金に積み立てるものでございます。
 一ペ-ジ目、下段の2の財政規模でございます。
 このたびの追加補正予算の財政規模でございますが、財政規模の表の右から二番目のところでございます。太枠内、追加分二百四十四億円が、今回の追加の予算規模でございます。
 これまでの分と合わせまして、二十四年度予算額といたしましては、一番右端の欄、合計の欄でございますが、六兆千七百二億円となっております。
 その財源が、一番下、財源内訳でございます。今回の補正予算案の財源は、すべて、二百四十四億円全額、国庫支出金でございます。
 続きまして、二ペ-ジ目をごらん願います。こちらが、補正予算の内訳となっております。
 ここの囲みの中にございます合計八つの既存の基金に、それぞれ記載の額を積み増すものでございまして、そのト-タルで合わせまして、八基金、二百四十四億円となっております。
 続きまして、三ペ-ジをごらん願います。こちらは、局別総括表を載せてございます。
 その後ろには、財務局分の議案を添付しております。それぞれ、ご参照をお願いいたします。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉住委員長 説明は終わりました。
 そのほかの議案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○菅委員 それでは、私の方から、平成二十四年度一般会計補正予算(第四号)について質問いたします。
 報道各社が行った世論調査によれば、安倍内閣は、支持率が七〇%を超えるなど、国民から非常に高い支持を得ております。支持される理由はさまざまだと思いますが、安倍内閣が最優先課題として取り組んでいる積極果敢な経済対策が、国民に評価されたことが最も大きな要因ではないかと、こう思います。
 こうした取り組みの第一弾として、日本経済再生に向けた緊急経済対策に伴う十兆円を超える規模の補正予算が編成され、去る二月二十六日に成立いたしました。経済対策の効果を十分に発揮させていくためには、国と地方が歩調を合わせて取り組んでいくことが重要と考えますが、先ほど主計部長の説明では、今回の国の補正予算による国庫支出金の受け入れが、二百四十四億円ということであります。
 緊急経済対策の趣旨にかんがみれば、投資効果の高い東京にもっと配分があってもよいのではないかと、そう思いますが、国の補正規模と都の補正規模との関係についてご説明を願います。

○武市主計部長 ただいまお話のございました国の補正予算は、本年一月に閣議決定されました、日本経済再生に向けた緊急経済対策の実施などに必要な経費を追加で行うものでございまして、具体的には三つの柱で構成されておりまして、一つが、復興、防災対策、もう一つが、成長による富の創出、さらに三つ目が、暮らしの安心、地域の活性化でございまして、総額では約十兆円が計上されてございます。
 この中で、東京で今回拡充される八つの基金の予算額は、国の方では十兆円の補正予算のうち、全国ベ-スでも三千五百億円分でございまして、それらを今年度中に自治体の方でも予算上の対応をとることが必要であるとされてございます。そのために、東京都といたしましては、三千五百億円の国の予算のうち、東京都に配分される予定の二百四十四億円につきまして、補正予算を追加提案したものでございます。
 なお、今回積み立てを行う基金につきましては、速やかに事業計画を策定し、平成二十五年度以降、事業化を図ってまいります。

○菅委員 国の補正規模と都の補正規模の関係については、理解をいたしました。今回積み立てた基金については、今後、事業化を図っていくということでありますが、多くの都民が、この緊急経済対策の効果を早く享受できるよう、可能な限り速やかに実施していただきたい、こう思います。
 財務局からも、事業を所管する各局に対して、そのように指導していただくよう要望しておきます。
 さて、今回の国の補正予算のメニュ-は多岐にわたっておりますが、中でも目を引くのが、今回限りの特別の措置として創設された地域の元気臨時交付金であります。
 そこでまず、この臨時交付金が創設された経緯及びその概要についてお尋ねをします。

○武市主計部長 地域の元気臨時交付金につきましては、緊急経済対策で追加される公共投資の地方負担が大規模であること、また、国の平成二十五年度予算の年度内成立が厳しい状況の中で、地方の資金調達に配慮し、この経済対策の迅速かつ円滑な実施が必要であること、そういったことから、国が平成二十四年度補正予算において創設したものでございます。
 その予算額は一兆三千九百八十億円で、公共事業等の追加に伴う地方負担総額の八割に相当するとされております。実際に地方に配分される際の交付額は、追加をして行う公共事業の地方負担額などを基礎といたしまして、財政力の弱い自治体に配慮して、財政力指数などによる調整を加えた上で算定されるとの説明を聞いております。

○菅委員 この交付金に関しては、地方交付税の不交付団体にも交付されるようでありますが、各団体の財政力に応じた調整を行う、こういうことであります。毎度のことでありますが、都にとって不利な取り扱いが予想されます。本来であれば、日本の心臓部である東京に重点的に投資を行い、東京の活力を高めることが日本再生への近道となるはずであります。
 こうした考えの方のもと、我が党は一月の終わりに、関係省庁に対して緊急要望を行い、この交付金についても、首都東京のインフラ需要を踏まえ、必要な財源を措置するよう、しっかりと要請をしてまいりました。
 今後とも、都としてもこの交付金が確実に措置されるよう、国へ積極的に働きかけをしていただきたいと思います。
 ところで、今回の補正予算(第四号)には、この地域の元気臨時交付金が計上されておりません。そこで、その理由をお尋ねいたします。

○武市主計部長 国の補正予算は、既に二月の二十六日に成立をしておりますが、地域の元気臨時交付金につきましては、国の方で交付手続に時間を要しておりまして、年度内の交付決定が見込めない、そういう状況にございますので、東京都が今回追加で提案をいたしました補正予算の中には、計上していないというものでございます。
 ただ、しかしながら、緊急経済対策の迅速かつ円滑な実施という交付金創設の趣旨を踏まえまして、交付金対象事業が明らかになった場合には、まずは既定予算を活用することで、速やかに事業に着手していきたいと考えております。

○菅委員 今回、国は十五カ月予算を編成し、切れ間なく財政出動を行うことで、経済再生、景気浮揚に全力を尽くすことといたしております。交付手続に一定の時間を要し、現時点で年度内の交付決定は見込めないということは理解いたしましたが、経済対策の効果を早期に発揮するためにも、都も十五カ月予算的な考え方に立って、この交付金を有効に活用し、東京の活力を高めていただきたい、こう思います。
 知事は、東京は日本の心臓である、こういっておられます。都としても、景気回復の動きをより確かなものとするべく、引き続き国と歩を一にして取り組んでいくべきと考えますが、この点について局長の所見を伺って、質問を終わります。

○中井財務局長 政府の先月の月例経済報告で、景気の基調判断が二カ月連続で上方修正されるなど、我が国経済には、ようやく明るい兆しが見え始めてきております。こうした改善の兆しを本格的な景気回復につなげ、我が国を覆う閉塞感を払拭していくために、都が果たすべき役割は非常に大きいと考えております。
 こうしたことから、今回、追加で提案した補正予算では、国の経済対策に連動し、現時点で必要な予算上の措置を速やかに講じることといたしました。
 また、お話の地域の元気臨時交付金は、災害に強い都市づくりや国際競争力の強化に資する都市インフラ整備のための貴重な財源であります。
 都議会の皆様のご協力をいただき、国庫の確保に努めてまいるとともに、平成二十五年度の事業執行のできるだけ早い時期から、有効に活用できるよう取り組んでまいります。
 ただいまご議論をいただいたこの平成二十四年度補正予算並びにこれからご審議をいただく平成二十五年度当初予算を着実に執行し、東京の活力を高めていくとともに、引き続き国の動きを注視しつつ、都として行うべき必要な措置を迅速かつ効果的に講じてまいる所存でございます。
 こうした取り組みにより、東京、そして我が国の経済の回復をしっかりと支えてまいります。

○高木委員 私からは、契約案件に関連をして質疑を行いたいと思います。
 今回の契約議案の中にも建築工事が含まれているんですが、一時期の低価格入札と比較して、落札率が最近上昇しつつあるように感じているわけであります。震災復興の本格化に伴って、このところの工事における労務単価等の上昇が著しいというふうに聞いているんですが、それが工事費全体に影響を与えているというふうに思うわけであります。
 平成二十年に、鋼材類あるいは燃料油等の価格の急騰の際に、工事費の上昇に対する都の対応について、この財政委員会でもかなり深く議論をしたという経験があるんですけれども、今回の単価の上昇にも、そういう意味で、非常に強い関心を私は持っているわけであります。
 今回の労務単価の上昇というのは、国が、これまで投資的経費を減少させてきた結果、建設業に従事する職人さんの数が減り続けてきたという背景の中にあって、そこに来て、震災復興が本格化してきたと。作業員とか、あるいは工事用の資機材が復興に集中して、その影響を受ける形で、東京でも労務費等が著しく上昇をしていると考えられているわけであります。
 今後、公共工事を進めていくためには、このような単価の上昇等による工事費の増加を、受注者に負担を負わせるのではなくて、都が適切に対処していくということが、私は必要だというふうに思っています。
 特に建築の型枠工事などについては、単価の上昇が著しいというふうに聞いております。こうした問題について、都はどのように対応するのか、まず、お伺いします。

○石井契約調整担当部長 理事ご指摘のとおり、型枠工事や鉄筋工事の単価が著しく上昇していると認識しております。
 賃金または工事資材等物価変動に基づく契約金額の変更につきましては、工事請負契約書第二十四条第一項から第四項に、いわゆる全体スライドの規定がございます。これは、受注者と協議の上、基準とする日以降の残工事について、賃金または物価等の変動による工事金額の増減のうち、残工事金額の一・五%を超える額について、契約金額の変更を行うものでございます。
 今般の単価の上昇により、受注者から契約金額の増額が請求された場合におきましては、この規定を適用し、適切に対応してまいります。

○高木委員 この規定というのは、公共工事の標準請負契約約款というものだと思いますが、その第二十五条に、いわゆるスライド条項というものがあるわけであります。このスライド条項については、三種類のスライド条項があって、二十五条の一から四まで、ここが全体スライド、二十五条の五項が単品スライド、二十五条の六項がインフレスライドということになっているわけであります。
 国のガイドラインは、この三つのスライドの条項はあるんですが、国交省は、東日本大震災の被災三県の工事に限って、昨年の二月から、インフレスライドの適用を認め始めたわけでありますが、今の部長のご答弁は、この中で、どの項目を適用するということになるお答えだったのか、もう一回ちょっと確認させてください。

○石井契約調整担当部長 今般の単価等の上昇につきましては、全体スライドを適用するということを考えてございます。

○高木委員 この請負契約約款の規定というのは、中央建設業審議会が作成をしたものでありまして、これは法律でもなく、あるいは省令、政令というものでもないんですけれども、仮に全体スライドを請負の業者さんが請求をするということになったときには、この全体スライドを適用すると。
 逆にいうと、この第六項のインフレスライドを適用してほしいというふうに申し入れた場合には、これはどうなるのかなということが一つあります。その部分については、また、ちょっと別途、これかなりいろいろな議論のあるところなので、ちょっと別の機会にそれはやりたいと思うんですが、仮に全体スライドを適用するにしても、単価が急激に上昇している局面では、適切な単価設定をしない限り負担軽減にはならないわけです。都は市場調査などによって、市場価格の動向を-最新の単価とさせる、その努力というものを怠ってはならないというふうに思っています。
 全体スライドの適用に当たって、変動後の単価をどのように考えていくのか。変動が著しい状況を踏まえて、できるだけ最新の単価を適用して受注者の負担を減らしていくべきだというふうに私は思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○石井契約調整担当部長 全体スライドにおけるスライド額の算出に当たりましては、基準時点の都の最新の積算単価を適用いたします。
 なお、建築請負工事におきます主要な資材等につきましては、市場調査等をもとに、価格動向を随時把握することとしており、急激な価格変動があった場合には、適時適切に単価改定を行い対応することとしております。

○高木委員 適切な単価設定というのは、この問題は古くて新しいというか、新しくて古い課題なんですけど、これは全体スライドの適用に当たってだけではないというふうに思っているんです。そもそも工事発注に当たっての積算について、市場価格との乖離を埋める努力というものが常に必要になるんだろうなというふうに思っています。
 そこで、全体スライドの運用ということに限ってちょっと申し上げますけれども、最新の積算単価を用いるとのことなんですが、それ以降で新たに設計をする場合についても、可能な限り新しい単価で設計をすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○石井契約調整担当部長 全体スライドの額の算出に当たって用いる都の積算単価につきましては、その時点で最新の都の積算単価でございまして、以降の工事の積算に当たりましても、この単価を用いてまいります。

○高木委員 最新の積算単価として採用した単価については、以後、活用していくということだと思いますが、実は、最新の積算単価というものであっても、採用した時点では既に古いというジレンマは常に抱えているんです。
 つまり、積算単価を決めるというのは、過去の事例に基づいて積算単価を決めていくんです。いろんな市場の調査があったり、あるいは、それは前の日かもしれないし、一カ月前かもしれないし、三カ月前の資料かもしれない。それが、きょうの時点で決まっていくということでありますから、あした以降のことについて、要するに次の設計についてということであれば、常にそれは古くなってくるというジレンマを抱えているんですね、これは。
 先日、二月二十七日に、産経新聞の十一面に公共工事の記事が載りました。見出しとしては、柱の公共事業不調、入札、人手不足、資材も高騰、こういう記事なんです。
 これは、要は、今の時点で、現在のように先に行って価格が上がるだろうという、いわゆる先高感がある情勢において、発注者側の最新とはいっても常に古い単価設定であれば、受注者が入札に参加しづらいというのは、これは事実だと思うんです。先になると、どうも上がりそうだと。だからこそ、スライドという制度もあったりとか、いろいろな救済措置があるんだろうけれども、実際は、やっぱりそれでは入札に参加するのは非常に怖いというのも、これも事実だと思います。
 したがって、単価設定には、柔軟性とか社会経済情勢を勘案した一定の見込みも必要なのではないかというふうに私は思っています。この問題も、また後日取り上げてみたいと思っています。
 実はスライドの問題というのは、逆スライドもあるということは、理論的にこれはいわれていることで、常にそういうことは、私たちも知っているし、みんな知っていることです。だから、そういうことも含めて、適正な価格というのは、どうやって決めていくのかということは、やっぱり研究をしていく必要があろうなというふうに思っています。
 先ほど申し上げましたけれども、現在の工事請負契約書におけるスライド条項というのは、中央建設業審議会が作成した公共工事標準請負契約約款、これに基づく形で書かれている、これは勧告という形になっているんです。都が、これを参考にして、よりよい制度をつくることを妨げるものではないというふうに私は理解をしております。
 現に単品スライドにおいては、平成二十年にさんざん議論をした結果なんですけれども、受注者負担率を中央建設業審議会が指定をしている一%、全体工事の一%ということから、東京都は〇・五%に落としたという事実があります。これも、その当時、いろいろの議論の中で受注者負担率を下げていこうということで、一%という国の勧告を、中央建設業審議会の勧告を〇・五%に下げたという事実があるわけであります。
 そこで、先ほどちょっと申し上げましたけれども、このインフレスライドの問題もそうなんですが、やっぱり東京都はこういうことを一つ一つ、日本の首都の自治体として考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 つまり、先ほどのインフレスライドの話は、被災三県に限って国はこれを認めたということですけれども、今の東京の現状から見れば、被災三県の工事の影響を受けて、東京の資材や東京の労務単価、そういうものが、どんどんどんどん上がっていって、新聞記事にあったように、先高感が出ているということは、否定できない事実だと思うんです。
 ですから、インフレかデフレかというものを自治体で判断するのはなかなか難しいと思うんですが、しかしながら、工事業者、請負業者の皆さんに負担を負わせるのではなくて、どうやったらきちんとした救済措置ができるのかということに対して、この三つのスライド条項があるということは、それをやっぱり適切に運用してほしいということだと私は思っています。
 全体スライドがいいのか、あるいは単品なのか、インフレなのか、それぞれの時期、あるいはそれぞれの項目、そういうものをしっかりととらえた上で、それを適切に運用していくということが私は必要だと思います。
 こうした取り組みは、都が必要なリスクを適切に負担することで、技術力のある企業が安心して工事を受注し、力を発揮できる環境を整備するものだというふうに思います。
 都が受注する企業を大切にしているという姿勢を示すことは、受発注者間の信頼関係の醸成に、まずつながります。そして、長い目で見て、公共事業の品質確保にもつながるものというふうに私は思っています。
 そこで、この全体スライドの問題について、最後に意見を申し上げておきますので、ぜひ、検討してもらいたいなと思っていることがあります。インフレスライドも単品スライドも、実は全体スライドと一緒に併用してかけることができることになっています。全体スライドは、工事の発注から十二月を過ぎないと請求をすることができない。しかしながら、インフレも単品も、工事が発注をされたその後に価格の上昇が認められるときには、請求をすることができる。そしてル-ルとしては、全体スライドとインフレや単品が両方併用されてかけることができる中で、両方がかかったときには、受注者負担率はどうなるかという問題なんです。
 今、東京都でいえば、単品スライドは〇・五%なんです、受注者負担は。ところが、全体スライドでかけて併用した場合には、一・五%という受注者負担率がかかってくるということなんです。ここの乖離をどう埋めるんですかということなんです。そのことをやっぱり私は考えていくべきだと思います。
 単品のものは、資材です。基本的には、資材を単品スライドで見る。全体スライドは、資材も含めて労務費単価も含めて、全体で工事費を見ていく。それを一緒にかけたときには受注者負担率が上がるっていうのは、やっぱりこれはちょっと違うんじゃないかなという感じがしていますので、この単品の〇・五%の受注者負担率と、全体スライドの一・五%という乖離を埋める努力を私はしていただきたいというふうに思っています。
 中央建設業審議会が出している契約約款が一つの基準になって、これがあるからできませんよという話じゃないんです。これは独自に決めることができる。現に東京都は、受注者負担率、単品スライドについては〇・五%まで落としたわけです。ですから、それは努力でできますから、そのことをぜひ、きょうは答えを求めませんので、よく検討をしていただきたいと思います。
 さて、入札契約制度の改革というのは、実は国内の課題だけではないわけでありまして、今後は、国際的な視点がますます重要になってくると思います。
 そこで、例えばTPPの問題についてなんですけれども、TPPの議論は、ともすると農業の分野に偏りがちでありまして、実は本当の中身は、金融とか保険、あるいは医療、労働市場、そして今いった入札関係の政府調達、こうしたものを含めて二十四分野が対象であるわけであります。
 TPPには、多くの課題があることが既にわかっているわけであります。例えば、知財条項の問題、あるいは紛争解決のためのISD条項の問題。
 知財条項には-これは国会でも議論になりましたけれども、医療における手術の手法の特許を認めるかどうかという問題がありました。これはどういうことかというと、一つの病院で、あるいは一人のお医者さんが、何かの病気に対して、こういう手術の手法を、新しい手法を例えば開発をした、研究をした結果そうなった、それに特許を認めるっていうのがアメリカの制度なんです。日本は、そうしたものは社会全般に還元をすべきだという考え方で、特許を認めていないんです。ですから、この部分に乖離があるんじゃないかということが、先般、国会でも問題になった知財条項の一つの問題点であります。
 それから、ISD条項については、仲裁機関というのがありまして、不利益をこうむった外国の企業が、その不利益を訴える機関がIMFの傘下にあるものですから、アメリカに圧倒的に有利であるというふうにもいわれているわけであります。こうしたことが、いろいろ懸念されておりまして、指摘をされている点であります。
 公共調達についても同様でありまして、これは多角的な検証が必要だろうなというふうに思っています。そこで、TPPへの参加の議論を国の方もしていますし、政党も、それぞれの党で多分されているんだと思いますが、そういう時期に当たって、現在においても-国際的な参入障壁を撤廃することを目的とした、政府調達に関する協定の適用を受ける契約、いわゆる特定調達契約、WTOですね、WTO契約の概要について、まず、工事を例にして、今の現状というものをお伺いさせていただきたいと思います。

○石井契約調整担当部長 工事につきましては、平成二十三年度総務省告示によりまして、予定価格二十三億円以上のものが特定調達契約の対象とされておりまして、財務局契約分について見ると、二十三年度は十件が対象となっておりました。
 特定調達契約の場合、入札の四十日前までの公告が義務づけられていることや、公告の一部については英語で行わなければならないことなど、手続の面でも通常の案件とは異なっております。
 また、参加要件の設定に当たっては、Aランク、Bランクといった、競争入札参加資格の等級区分が適用できないなど、参入障壁となる可能性がある要件を付さないよう配慮が求められているところでございます。

○高木委員 それでは、既にTPP協定が発効している、いわゆるP4といわれる国々、シンガポ-ル、ニュ-ジ-ランド、チリ、ブルネイ、この四カ国のP4基準が都の工事に適用された場合には、影響はどの程度あるんですか。

○石井契約調整担当部長 先ほどご答弁したとおり、平成二十三年度の財務局契約では、特定調達契約対象案件は十件でしたが、仮にTPP加盟四カ国による協定、いわゆるP4協定の基準を適用した場合、特定調達契約の対象金額である二十三億円以上から七億六千五百万円以上に引き下げとなり、特定調達契約案件と同様の手続を踏まなければならない案件数は五十八件となると見込まれます。

○高木委員 かなりふえるというふうに考えた方がいいのかなというふうに思います。ふえることに対して、いろいろな意見があると思いますが、一つ明らかなのは、発注をする方の事務が大変だろうなという感じがしてなりません。ですから、これは件数がふえることと同時に、日本語でやっていたものを英文で出すとか、そういうことがかなりふえてくるのかなということで、非常に大変だなという気持ちがしております。
 財務局さん、頑張っていただきたいなと思いますが(「かわいそうに」と呼ぶ者あり)かわいそうにといえばかわいそうでありますが、TPPのような、いわゆるグロ-バリゼ-ションといわれるものは、実は今始まったことではないと思っています。
 我が国においては、それぞれの時代に、量と質の差はあっても-これは有史以来の話ですけれども、常に近隣諸国を中心に世界じゅうとの接点がありまして、人、物、金、文化、文明、思想、宗教、そうしたものにおいて、私たちの国はグロ-バリゼ-ションの中にあったといっていいと思います。
 しかし、私たちの国の先人たちは、新しいものに触れたときに、それを我が国のスタイルにつくりかえるということに非常に大きな知恵を絞ってきたんだと思います。例えば大陸から漢字の影響を受けたときには、平仮名と片仮名を発明して、そして、それを漢字と組み合わせることで、より豊かな言語体系をつくり上げてきた。こうした一例ですけれども、こういう努力を先人たちはしてきたんだと私は思います。
 したがって、有史以来のグロ-バリゼ-ションの中にあって、我が国の先人たちが築き上げてきたということは、新しいものを取り入れていこうと、進取の気風だと。あるいは取り入れた上で、それを自分たちのものにしていこう、いわゆる和魂洋才のような、日本人としての私は矜持だったというふうに思っています。
 今後、我が国がTPPに参加しようとしまいと、我が国を取り巻く政治、経済、社会などの環境は確実に変化をしていくと思います。東京都の諸制度、殊に入札契約制度には少なからぬ影響が予測されるわけでありますけれども、そうした時代の荒波を乗り切っていくためにも、私は、今後とも、よりよい制度づくりに向けた不断の研究をしていただきたいと思いますし、そして、その研究の成果を、適切な運用をしていただくことによって、実現をしていただきたい、こう思っているわけでありますが、最後に、そうしたことを踏まえて、財務局長の所見を伺いたいと思います。

○中井財務局長 公共調達における入札契約制度については、透明性、競争性、品質確保の三つの社会的要請にこたえることが求められており、都はこうした観点から、制度の改革に取り組んできたところでございます。
 高木理事ご指摘のとおり、現在の公共工事をめぐる状況は、資材価格の急騰に伴う工事費の上昇など、さまざまな課題が生じておりますが、こうした状況であればこそ、受発注者間の意見交換等により信頼関係を築きながら、適切に対応していくことが重要と考えてございます。
 また、同様に、お話のございましたTPPの件につきましても、理事ご指摘のとおり、都の入札契約制度にも大きな影響を与えかねないものと認識してございます。TPPの今後の動向をしっかりと把握しながら、適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
 今後とも、適正な価格と良好な品質の確保という契約制度のあるべき姿を基本軸に据え、国際的な視点も含めた広範囲な社会経済情勢を十分踏まえつつ、入札契約制度の改革にたゆみなく取り組んでまいります。

○高木委員 局長の力強い答弁、大変ありがとうございました。私ども都議会自民党は、これからも、この入札契約制度の改革に向けて、既にプロジェクトチ-ムは、たしか五年前だと思いますけれども、六年前かな、発足をしておりますので、精力的に努力をしながら、また、財務局とも打ち合わせをしながら、よりよい制度の構築に向けて、私たちも私たちなりに、これからも頑張っていきたいと、こういうふうに思っております。
 以上であります。

○吉住委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉住委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十五分散会

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