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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第九号

平成二十四年六月十五日(金曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木 章浩君
副委員長淺野 克彦君
副委員長たぞえ民夫君
理事中山 信行君
理事西岡真一郎君
理事宇田川聡史君
加藤 雅之君
福士 敬子君
鈴木 勝博君
松下 玲子君
田中たけし君
鈴木 隆道君
大塚たかあき君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安藤 立美君
経理部長櫻井  務君
契約調整担当部長石井 正明君
主計部長武市  敬君
財産運用部長奥田 信之君
利活用調整担当部長岩瀬 和春君
建築保全部長末菅 辰雄君
技術管理担当部長室木 眞則君
庁舎運営担当部長藤森 教悦君
主税局局長新田 洋平君
総務部長目黒 克昭君
税制部長田倉 英明君
税制調査担当部長小山 明子君
調整担当部長安藤 敏朗君
課税部長木村 芳生君
資産税部長阿南 威彦君
徴収部長宗田 友子君
特別滞納整理担当部長西海 哲洋君
会計管理局局長松田 芳和君
管理部長安藤 弘志君
警察・消防出納部長丸山和喜夫君
会計制度担当部長副島  建君

本日の会議に付した事件
 会計管理局関係
報告事項(質疑)
・平成二十三年度資金管理実績(年間)について
・平成二十四年度資金管理計画の策定について
 主税局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十七号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
報告事項(質疑)
・宿泊税十年間の実績と今後のあり方について
 財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 東京都公債条例の一部を改正する条例
・第百四十七号議案 警視庁野方庁舎(仮称)(二十四)新築工事請負契約
・第百四十八号議案 都立保谷高等学校(二十四)改修工事請負契約
・第百四十九号議案 東京国際フォーラム(二十四)ホール棟改修工事請負契約
・第百五十号議案  東京国際フォーラム(二十四)電気設備改修工事請負契約
・第百五十一号議案 東京国際フォーラム(二十四)空調設備改修工事請負契約
・第百五十二号議案 擁壁築造工事(二十四四-放三十五)請負契約

○鈴木(章)委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、主税局及び財務局関係の付託議案の審査並びに会計管理局及び主税局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第百四十七号議案から第百五十二号議案までの契約議案につきましては、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 報告事項、平成二十三年度資金管理実績(年間)について外一件に対する質疑を行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○加藤委員 それでは、報告されました資金管理実績と資金管理計画について伺います。
 欧州政府債務問題や長期化する円高など、国内外の経済の先行き不透明感は依然としてぬぐい切れておりません。このような経済金融情勢の中でも、都が都民から預かっている公金については、安全かつ確実で効率的な運用が必要であり、絶対に毀損するようなことがあってはならないと、そのように考えております。
 そこで、本日は、昨年度の資金管理実績及び本年度の資金管理計画について、安全性、効率性の観点から幾つか伺いたいと思います。
 初めに、平成二十三年度の資金管理実績について伺います。資金残高、運用収入、利回りなどはどうなっているか、まず伺います。

○安藤管理部長 会計管理局におきましては、日々の支払いなどに備えた資金でございます歳計現金、それから、特定の目的のために財産を維持したり、資金を積み立てたり、また定額の資金を運用する基金及び準公営企業会計、例えば病院事業会計の資金について運用を行っております。
 平成二十三年度におけるこれらの資金の全体の状況でございますけれども、平均残高は約三兆七千億円、運用収入は約八十五億円でありまして、利回りは〇・二二七%でございました。
 前年の平成二十二年度の実績との比較におきましては、平均残高はほぼ横ばいですが、運用収入で約十三億円減少、利回りで約〇・〇三五ポイント低下となりました。

○加藤委員 今のお話を伺いますと、平成二十三年度の資金管理におきましては、資金残高はほぼ横ばいであるにもかかわらず、運用収入、利回りとも、前年度に比して減少しているようでありますが、このように運用収入や利回りが減少した要因、これについて伺います。

○安藤管理部長 平成二十二年に発生いたしました欧州政府債務危機という世界的な金融危機を受けまして、日本銀行は同年十月、〇・一%でございました政策金利をゼロから〇・一%へと実質ゼロ金利状態に引き下げまして、さらに、資産買い入れ等の基金を創設するなど、金融緩和を強力に推進したものでございます。
 平成二十三年度におきましても、日銀はゼロ金利政策を継続いたしまして、資産買い入れ等の基金を増額するなど、金融緩和を強化しております。
 これにより市中金利が低下いたしまして、実際の運用における利回りも低下する結果となりまして、運用収入が減少することになりました。
 このような状況に対しまして、会計管理局としても効率的な運用に努めたものの、やっぱり結果として、運用収入で約十三億円減少、利回りで約〇・〇三五ポイント低下となったものでございます。

○加藤委員 直近の金融情勢を見ましても、日銀は、平成二十二年十月に創設した資産買い入れ等の基金三十五兆円を、およそ一年半の間に倍の七十兆円に増額するなど、強力に金融緩和政策を推進しており、当面、金利の上昇を望める状態ではありません。
 また、欧州政府債務危機というリスクのある中で、円高や株価の低迷も長期化しており、経済環境が急激に悪化する懸念も残っております。
 低金利の続く状況にあって、都としては、少しでも効率性の高い運用という誘惑に駆られるかもしれませんが、リーマンショックにおいて自治体や機関投資家が多大な損失を出した仕組み債のような事例もあります。こうしたオプションやスワップという金融テクニックを流用した仕組み債、こういった事例がありますけれども、私は、このような経済金融情勢の中こそ、公金を毀損することがないよう、安全、確実な運用を行う必要があると思います。
 そこで、平成二十四年度資金管理計画においても、安全性に配慮した運用をするとのことでありますが、本年度の方針では、公金の安全性をどのように確保していくのか伺います。

○安藤管理部長 公金につきましては、地方自治法の規定によりまして、確実かつ効率的に運用しなければならないとされております。都では、資金管理方針におきまして、公金の保管、運用方法を定めているところでございます。
 これを受けて、資金管理計画では、定期性預金など金融機関が元本を保証する商品で公金を保管、運用することを基本といたしまして、債券などの有価証券につきましては、元本の償還及び利息の支払いが発行時点で確定しているものに限って、取得、保有することとしております。
 したがいまして、購入後の状況によって元本や利払いが変化する、いわゆる仕組み債は、資金管理計画上、購入できないこととなっております。
 また、預金先の金融機関や債券等の発行体の選定に当たりましては、財務情報や格付等の一定の基準で評価するとともに、金融、経済、法律の専門家から成る公金管理委員会の意見を聞くことで安全性を確保しております。
 さらに、株価等の情報で日々監視することによりまして、金融機関や発行体の安全性に関する情勢変化の早期把握に努めております。

○加藤委員 会計管理局の保管する資金は公金であり、資金が毀損するということは絶対に避けねばなりません。そのため、仕組み債などは購入の対象外であり、また、安全確実な金融商品の選択、預金先や債券発行体の選定に細心の注意を払い、その監視体制にも留意していることはわかりました。
 ただ、厳しい経済金融情勢の中、資金管理にとって厳しい状況に直面している中でも、今答弁にありましたが、地方自治法で確実かつ効率的に運用しなければならないと求められているように、資金管理には効率的な運用という側面も必要であるかと思います。このような厳しい金融情勢の中で、どのように効率的な運用を考えていくのか伺います。

○安藤管理部長 歳計現金につきましては、支払い準備金でありますことから、資金不足を生じないように細心の注意を払う必要がございます。それを前提に置きまして、日々の収入、支出を事業局との綿密な連絡によりまして把握することに努めております。その上で、余裕資金を的確に把握いたしまして、流動性預金よりも有利な定期性預金で運用しております。
 また、ある程度まとまった資金残高がある基金につきましては、積み立て、取り崩しの時期に留意しながら、可能な限り長く運用期間を設定しております。
 預金につきましては、複数の金融機関による引き合いを実施いたしまして、高いレートを提示した金融機関に預金を行うことにより競争性を高めて、また、債券は、国債利回りを基準に相対的に利回りが高いものを随時選択することで、運用金利の向上を図るといった取り組みを行っております。
 厳しい金融情勢が続く中ではございますが、今後とも、安全性、流動性を確保しつつ、効率的な運用を行っていくように努めてまいります。

○加藤委員 ペイオフ解禁以降、リーマンショック、東日本大震災、欧州政府債務危機など、経済金融情勢を揺るがす厳しい状況の中で、会計管理局がさまざまな工夫で、公金の保管、運用を行ってきたことがわかりました。
 不透明、不確実な経済金融情勢が今後も続くと思われますが、会計管理局においては、公金の安全性に最大限配慮しつつ、効率的な運用を行っていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。

○鈴木(章)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○鈴木(章)委員長 これより主税局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百三十七号議案及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○鈴木(章)委員長 次に、報告事項、宿泊税十年間の実績と今後のあり方についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木(勝)委員 国際都市東京の観光産業のさらなる成長と充実という、その観点から宿泊税について何点かお伺いをいたしてまいります。
 まず最初に、平成十四年度に都が宿泊税を導入した経緯と、この税を法定外目的税としました意義についてお伺いをいたします。

○田倉税制部長 宿泊税創設時、都におきましては、観光産業の重要性を踏まえ、観光施策を振興するための財源を安定的に確保し、おくれをとっている観光施策に取り組む必要がございました。
 こうした背景のもと、平成十二年に、東京都税制調査会から提言を受けた新税構想の一つであるホテル税について実施を検討し、そこで得られた税収を、東京を訪れる旅行者等の利益につながる観光振興施策に充てる法定外目的税として宿泊税を導入いたしました。
 また、法定外目的税とは、平成十二年度に地方分権一括法による改正で創設されたものでございまして、地方団体が課税自主権に基づいて独自に税目を起こして、特定の財政需要を賄うために課税するものでございます。
 なお、法定外税を新設する際には、あらかじめ総務大臣に協議し、その同意を得なければならないとされております。

○鈴木(勝)委員 都の産業政策として観光を考え、宿泊税を導入した当初の経緯、あるいは意義というものを理解させていただきました。
 導入から十年が経過をし、申告納入する宿泊施設として登録をされていますホテル、旅館の数、今や四百五十一施設になっていると聞いております。随分と、この十年間でふえておりますけれども、このホテル、旅館を特別徴収義務者として登録する手続は、どのように、これまで進めてきたのか。また、その際どのように、旅館、ホテル等に対して、理解、協力を求めてきたのかをお伺いいたします。

○木村課税部長 宿泊税の課税対象施設は、飲食の対価や、消費税、入湯税等の租税を除いた、いわば正味の宿泊にかかる料金が一人一泊一万円以上のホテル等とされ、その施設の経営者は特別徴収義務者としての登録の申請が義務づけられているところでございます。
 一方、都は、新規開業施設を中心に、インターネット、業界紙等から情報を収集するとともに、保健所における営業許可状況を定期的に確認し、登録の慫慂を行っているところでございます。
 登録申請をいただいた施設に対しましては、ホテル、旅館の経営者の皆様へとする宿泊税の手引を配布、活用いたしまして、課税の目的、使い道、税の仕組みや特別徴収の流れ等を説明し、ご理解とご協力をいただくよう努めているところでございます。
 また、特別徴収義務者の負担を軽減するという観点から、申告納入は通常毎月していただくというものでございますが、年間納入金額が一定額以下となるような場合、これを三カ月ごとにするという特例制度についても、あわせてご案内申し上げているところでございます。

○鈴木(勝)委員 一部の最高級ホテルというんですか、非常にいいホテルによって、実は、大半の宿泊税が納入されていることを考えますと、この四百五十一施設の中で、年間数千円という特別徴収義務者もいるんではないかというふうに思われます。特別徴収義務者の負担軽減をできるだけ考えなければならないと思いますので、その申告納入方法や申告期間については、さらに、これから考慮をしていただく必要があると思いますので、ぜひ改善の方をお願いしたいと思います。
 ところで、宿泊税は、五年ごとに検討を加えることとしております。今回の検討では、東日本大震災によって、東京の観光の回復を目指す特別提言という、こういったものを策定するなど、やむを得ない事情があったのかと思いますが、今のところ、新たな観光産業振興プランというのが作成されておりません。
 当然、今回、宿泊税のあり方を検討する際には、次の観光振興をどのようにしていくのか、そのプランがしっかりと示されなければ、検討するにしても検討材料がないというのに等しいと、私自身は考えております。
 次回の見直しでは、観光産業施策の展開を、あるいは展望を明らかにした上で、検討ができるよう配慮していただかなければならないと思っておりますので、ぜひとも、これは、産業労働局に対して、厳しく主税局の方からご指摘をいただきたいというふうに思っております。
 さて、主税局が今回の検討に当たり、この五年間に、制度上あるいは課税上の問題は生じなかったのかどうか、その点についてお伺いをいたします。

○田倉税制部長 前回のご報告をさせていただきました平成十九年度以降も、新規登録をする特別徴収義務者に目的や手続について説明するなどの継続した取り組みにより、宿泊税は、宿泊者やホテル、旅館等の関係者のご理解とご協力を得て、円滑に課税、徴収されております。
 その結果、宿泊税は都税として十分に浸透し、制度面でも、課税面でも、広く定着しているものと認識をしております。

○鈴木(勝)委員 国内では東京だけが導入されている宿泊税であると聞いておりまして、導入当初に何点か指摘された問題があると聞いております。
 まず、都外から東京に来られたら宿泊税を課されるのに、東京の人が他県を訪れても宿泊税を課されないのは不公平ではないかと、そういう指摘があったと思っております。
 この不公平感を払拭するためには、東京を訪れる旅行者などから徴収した宿泊税は、納めた税金以上に、しっかりと還元をして、他県の方に受益を実感してもらわなければならないと、当然、考えられると思います。
 そこで、これまで宿泊税は、観光の振興策にどのように活用されてきたのかを具体的にお伺いいたします。

○田倉税制部長 都では、産業労働局を中心に、観光振興施策を実施をしております。
 産業労働局では、平成二十四年度の観光振興施策の主な事業といたしまして、都内美術館などの割引入場券つきウエルカムカードの作成や、都内三カ所の東京観光情報センターの運営、歩行者用観光案内標識の設置などを実施していると聞いております。
 宿泊税は、これらを初めとする観光振興施策に全額を充当しておりまして、東京を訪れる旅行者に十分メリットが還元できていると認識をしております。

○鈴木(勝)委員 宿泊税額をすべて観光振興施策に充当していることは理解をしておりますが、東京を訪れた方々にとって本当によいサービスが提供できているのか。そういったことを事業評価や、あるいは観光客へのヒアリングなどを通して、常に改善を心がけていただくよう、事務局にぜひ働きかけをいただきたいと思います。
 次に、できるだけ多くの観光客を東京に迎えるのなら、当然税金を課すべきではないという、そういう反対意見も当初あったと思いますが、宿泊税は、東京への観光客を拒む面もあるという意見もあったと思っております。
 この十年間、東京への観光客数はどれぐらい増加をしているのか。また、その生産波及効果はどのようになっているのかお伺いをいたします。

○田倉税制部長 東京を訪れる外国人旅行者について申し上げますと、その数は、宿泊税導入以前である平成十二年の年間二百七十七万人から、平成二十二年には年間五百九十四万人と、ほぼ十年間で倍増をしております。
 また、平成二十二年東京都観光客数等実態調査によれば、都を訪れた外国人旅行者による生産波及効果は、平成二十二年には一兆円を超えているとされております。

○鈴木(勝)委員 今お話をいただいたように、この十年間、大変な伸び率で海外からの来訪者がふえているという状況でございます。とりわけ、アジアは、今や世界経済を牽引する大変な経済成長圏に育っているという状況でもあります。これからが本格的な、中国を含め、海外旅行ブームになると思っておりますので、東京への観光客数はまだまだ伸びることが容易に予想ができますし、今後も大きな成長産業として期待をするところでもございます。ぜひ有効に、この税を使っていただきたいと思います。
 今回のことで、実は私も幾つかのホテルや、あるいは旅館の支配人の方々にお会いして、話をしてまいりました。残念なことですが、国の例えばビジット・ジャパン、こういったことは知っていても、都が観光産業に力を入れていることや、ましてや宿泊税の使途などは、ほとんどの方が実は理解をされておりませんでした。
 そこで、宿泊税の意義や観光振興策などを、ホテル、旅館業者などを初めとする関係者にしっかりと、これはPRをしていかなければならないと思っておりますが、都の見解をお伺いします。

○木村課税部長 宿泊税のPRについてでございますが、宿泊者には、税の目的、使い道等をお知らせするリーフレットを作成いたしまして、これを都の観光情報センターに置くほか、ホテルのフロントや客室等に備えつけをしていただいているところでございます。
 また、新たに特別徴収義務者となるホテル、旅館の経営者には、先ほどちょっと触れさせていただきましたが、宿泊税の手引を配布いたしまして、税の仕組みや徴収の流れとあわせて、税の目的、使途の周知を図っているところでございます。
 今年度は税の導入から十年を経過するということから、改めて税の意義の周知を図ってまいります。
 宿泊税の充てられる都の観光事業を紹介するチラシを作成し、特別徴収義務者であるすべてのホテル等にPRを行う予定でございます。チラシの活用によりまして、宿泊者への働きかけにもつながるというふうに考えております。
 これらの取り組みによりまして、納税意識を高めていただき、適正な課税に引き続きご尽力いただくよう努めてまいります。

○鈴木(勝)委員 ホテルや観光業界の方々は、都の観光施策にできるだけ協力をしたいと、皆さん口をそろえてお話をされておりました。ぜひ官民挙げて宿泊税が有効活用できるような具体的な協力をお願いするといいなと、改めて思っております。
 それがまた当事者意識となって、有効なPRにもつながっていくのではないかと思っておりますので、ぜひいろいろな形でご協力をお願いしていただきたいと思います。
 現在の社会経済情勢下は、よくいわれておりますけれども、二十年間の失われた時代が続きまして、デフレ下の日本にとって、私自身は観光産業は内需拡大が見込める非常に付加価値が高い、そして、先ほど来ありましたけれども、生産波及効果の高い産業であると思っております。観光戦略は、国や都を挙げて取り組むべき重要な成長戦略であると思います。
 今回の検討に当たりまして、これまでの主な観光振興施策の説明はありましたけれども、私は、必ずしも、東京を訪れる旅行者が負担に見合った行政サービスを実感できているとは思いませんでした。年間十億円程度の宿泊税の税収に頼った広く浅い観光振興施策では、これからオリンピック招致の可能性が、大変高くなっております時期だからこそ、一般財源もできれば集中的にこの観光には注いでいただいて、旅行者の目線に立ったより効果的な施策を講じて、東京の成長戦略のぜひ柱としていただきたいと思います。
 小笠原を初めとした東京の新たな観光資源を発掘、開発するとともに、国内外の旅行者のだれもが安心して楽しめる都市づくりなど、積極的に取り組むべき課題も都は多いと思っております。一度東京を訪れた旅行者が、リピートとなって、アジアの多くの方々が何度も東京に訪れてみたくなるような、魅力あふれる国際都市東京を構築すること、これをぜひお願いしたいと思っております。
 歳入所管局である主税局の範囲を超えた部分、お話もさせていただきましたが、一層の観光産業の振興を図り東京の発展につながるよう、ぜひ都庁組織を超えて積極的に取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

○田中委員 私からも、導入後、間もなく十年を迎えます宿泊税に関しましてお伺いをいたします。
 宿泊税は、観光の振興を図る施策に要する費用に充てる法定外目的税として都が独自に定め、平成十四年十月一日に導入したものであります。今回報告されました宿泊税十年間の実績と今後のあり方については、五年ごとに検討を加えるとの東京都宿泊税条例の規定を踏まえ、主税局において取りまとめられたと伺っております。
 そこで、初めに、確認の意味も込めまして、宿泊税を導入した当時の理由についてお伺いをいたします。

○田倉税制部長 宿泊税は、国際都市東京の魅力を高めるとともに、観光産業の重要性を踏まえ、観光の振興を図る施策に必要な財源を安定的に確保するために、都が課税自主権を行使し創設し、平成十四年十月一日に施行したものでございます。
 地方主権を確立するために不可欠な地方自治体の自主財源を、みずから確保する取り組みとして意義あるものと認識をしております。

○田中委員 私もこの宿泊税につきましては、大きく二つの意味合いがあるんだろうと思っております。
 一つ、今お話にもございましたけれども、都が課税自主権を行使し地方主権を確立するためということでございまして、当時ちょうど石原知事が平成十一年に初当選されて、石原都政のスタートを切ったような時期で、石原色をいかに出していくかという、そういった導入のスタートの時期だったんだろうと思います。
 そういう中で、石原知事が東京都の独自性、また石原色をいかにして出していくか、そういったものを打ち出す一つの視点として、いわゆる地方主権、地方自治体としての東京都としての独自性を発揮していく、そのための裏づけとなる課税自主権をしっかりと行使をしていくんだと。そんな石原知事のその後の都政に向けての意欲が、ここにあらわれたんではないかなというふうに私は思っております。
 そして、また具体的に、この宿泊税は観光施策の支援、推進といった意味合いがあるんだろうと思っておりますが、ただいまのご答弁で、観光産業の重要性を踏まえ、その振興を図るための財源を確保するんだということでありましたが、平成十九年三月に作成されております観光産業振興プラン、これを新たに作成をしなきゃいけないということで、その作成に向けまして、本年四月に中間報告がされた東京都観光事業審議会の答申骨子案でもいろいろ示されておりまして、すそ野が広い観光産業の振興による経済波及効果は大きく、観光振興は東京の経済の活性化や雇用の確保、拡大を図る上でも有効な手段であり、また宿泊税の財源については、今後も観光施策の推進に資するよう効果的に活用していくべきであるとされております。
 十年たった今日においても、観光産業の振興の重要性は変わりはなく、むしろ今後発展の見込まれる観光産業振興は、東京だけではなくて、我が国の経済発展にも大いに役立つものだと思っております。
 このことは、主税局の皆さんにいうべきことではありませんけれども、今申し上げました観光産業振興プラン、これは第二期のものが、計画期間として平成十九年から二十三年の五カ年計画、五カ年のプランであるということで策定されたものですが、その後、新たな観光産業振興プランが策定されていないというような状況にあります。
 これは、昨年の東日本大震災の影響もあり、やむを得ないとは思いますが、次回の見直しの際は、観光産業施策の展開が明らかになるようなご配慮もしていただきたいなと思っているところであります。
 ところで、今でこそ市民権を得た感のある宿泊税ではありますが、創設当時には先例もないということもあって、先ほど鈴木委員のご質疑にもありましたが、ホテルや旅館等の関係者、利用者の理解を得ることも大変だったんだろうと思っております。
 先ほどの質疑で、導入の経過等々のご報告がありましたけれども、宿泊税の導入に当たりまして、ホテルや旅館等の関係者、利用者の理解を得るためにご苦労があったんだろうと思いますが、どのような取り組みを行ったのかお伺いをいたします。

○田倉税制部長 議員ご指摘のとおり、宿泊税を円滑に導入するためには、利用者の方々や、とりわけ特別徴収義務者であるホテル、旅館等の関係業界のご理解とご協力を得ることが不可欠でありました。
 このため、宿泊税創設に当たって業界関係者に繰り返し説明会を行い、ご理解を求めるとともに、各種チラシやパンフレットなどを用いて、国内だけでなく海外からの旅行者等に対しても周知を図ったほか、マスコミなどの各種広報媒体も活用して、広くPRに努めたところでございます。

○田中委員 ただいまの答弁を伺いますと、導入に当たっては、主税局職員の皆様を初めとする大変なご尽力があったんだと、改めて認識をし、敬意を表したいと思いますが、そうしたご尽力によりまして導入され、定着してきた宿泊税は、都の観光振興施策を財政面から支えてきたことは周知のとおりであります。
 報告書においても、宿泊税はこれまで安定的な税収を確保し、都の積極的かつ確実な観光振興施策の実施に大きく貢献してきたものと記載されておりますが、昨年の東日本大震災で外国人旅行者が大きく減少をしております。
 そこで、宿泊税の税収の推移について、改めて確認をさせていただきたいと思います。

○田倉税制部長 宿泊税は、平成十四年度の途中から導入されましたため、初年度は五億円程度にとどまりましたが、その後は十億円を超える水準で安定的に推移をしてまいりました。
 ただし、昨年三月十一日に発生いたしました東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故等によりまして、昨年度前半は、外国人旅行者の急激な減少や自粛ムードによる国内旅行者の減少など、観光を取り巻く環境は大きく変化しまして、平成二十三年度は八億円程度まで落ち込む見込みでございます。しかしながら、平成二十三年度までの十年間の総額で百九億円程度の税収を確保しております。

○田中委員 昨年度は、東日本大震災の影響等によりまして、東京の観光は大きな打撃を受けたとのことであります。最近になり、ようやく海外からの旅行者数も戻りつつあると伺っておりますので、今後、都は、観光振興施策の充実に努め、国際都市東京の魅力をさらに高めていくことが重要となります。
 そもそも東京には、江戸のいきと先端文明との共存や融合がありますし、ファッションや芸術、和食を初めとする食などの多彩な文化もあります。都市と自然のコントラストといったさまざまな魅力にあふれる、世界に類を見ない都市であり、極めて高いポテンシャルを有しております。
 加えて、宿泊税創設後の十年間だけを見ましても、六本木ヒルズや東京ミッドタウンなどに代表される近代的な複合商業施設、ビルの開業のほか、国内外から、今、最も注目を集めるアイドルやアニメ文化をはぐくむ秋葉原、さらには、昨年の小笠原諸島の世界自然遺産の登録や先月開業した東京スカイツリーなど、都内には新たな観光資源が数多く生み出されております。
 また、年々参加希望者数が増加する一方の東京マラソンや、平成二十五年度に予定されているスポーツ祭東京二〇一三などのスポーツイベントも、他の自治体にはない東京の持つ大きな観光資源となっております。
 私はこうした観光資源を生かし、海外はもとより、国内の旅行者を積極的に誘致することにより、東日本大震災からの再生を目指す我が国の中でも、とりわけ国際都市東京の活性化を図る必要があると考えております。
 そのためには、引き続き宿泊税を観光振興施策のための安定財源として維持していくことが不可欠であり、宿泊税には、今後そうした役割が一層期待されているのだと思っております。
 そこで、宿泊税の今日的意義と今後のあり方について、主税局長のご見解をお伺いいたします。

○新田主税局長 今日、産業の空洞化が指摘されております社会経済状況のもとにございますが、こうした中にありまして観光振興施策は、我が国の再生や東京の持続的発展を図る上で大変重要な施策となっております。まさに今後の我が国、そして東京の成長戦略のかぎを握っているといっても過言ではないと思っております。
 宿泊税は、平成十四年度の導入以来、東京の魅力を発信し、東京の観光産業の振興を支える安定的な財源を確保してきており、今日においてその意義は一層重要性を増しているものと認識しております。今日なお、全国的に見ましても実施例が少ない法定外目的税でございますが、そうした中、都の宿泊税は、極めて独自性の高い特別な地位を占めております。
 委員のお話にもございましたが、地方分権推進の大きな柱である課税自主権の確立にとっても、特別重要な意義を有しているものと認識しております。
 また、宿泊税は、都税として十分に浸透し、利用者の理解はもとより、ホテル、旅館等関係者の理解と協力のもと円滑に実施されている状況にございます。今後も現行の制度を維持してまいりたいと考えております。
 歳入所管局でございます主税局といたしましては、宿泊税の次回の見直し時期に向け、刻々と変化する観光をめぐる状況を初め、社会経済状況の動向を引き続き注視してまいりますとともに、宿泊税を初め、都税の着実な収入確保に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

○田中委員 観光振興施策が、国のみならず東京の持続的発展を図る上で重要であり、宿泊税の今日的意義はますます重要となっているという、今、主税局長からご答弁いただきましたが、私も同感でございます。
 また、観光振興施策をより安定的に推進していくためには、税源の拡充を検討することも非常に重要だろうと私は思っております。
 先ほどの観光産業振興プランが策定された際の外国からの観光客二百七十七万人を、五年後には六百万人にする。あるいは、「十年後の東京」では七百万人にし、そして「二〇二〇年の東京」では千五百万人まで、外国人を誘致していくんだという、そういう大きな目標を掲げております。
 その背景には、国際コンベンション機能を持った施設をお台場に、アジアヘッドクオーター構想のもと国際コンベンションセンターを誘致し、多くの外国観光客だけではなくて、企業も誘致をしていこうという方向性があります。
 そういったことも踏まえますと、ますますこの観光産業施策を遂行する上での税源拡充というものも、必要になってくるのではないかという思いをしております。
 現在の宿泊税は、一人当たりの料金が一万円未満にはかかっておりませんで、一万円から一万五千円未満には百円、そして一万五千円以上の料金には二百円が課税をされております。
 例えばですが、外資系ホテルにも見られるように、一泊五万円などの高額な宿泊に対しては、より高い税率区分を新設するということも一つ考えていってもいいのではないかというふうに思っております。
 東京の観光振興施策に占める宿泊税の割合を増大していく、ぜひご検討していただけたらという思いをしております。私の要望をお伝えをさせていただいて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○加藤委員 それでは、私からも、宿泊税の理解をさらに深めるために、主に税制度的な観点から何点か伺いたいと思います。
 宿泊税は、法定外目的税として、現在、東京都だけが課税していると聞いております。他の地方自治体での法定外目的税の導入例と、宿泊税について、他の地方自治体が導入に至らない理由がわかれば伺いたいと思います。

○田倉税制部長 平成二十三年四月現在、他の地方自治体で導入をしております法定外目的税は三十四件でございますが、そのほとんどは三重県を初め、二十八団体が導入している産業廃棄物税等でございます。それ以外は六件でございます。
 宿泊税を他の地方自治体が導入に至らない理由でございますけれども、一部の地方自治体では、宿泊税を導入するとした場合、都市規模の違いにより税収額がわずかであること、集客力の弱い地方都市では、地域間競争において悪影響が懸念されること、観光業界からの賛成が得られないおそれがあることなどの消極的な理由から、現在まで導入に至っていないと聞いております。

○加藤委員 この宿泊税を創設する際の議論では、海外でも類似の制度が導入されていることも導入の理由の一つとされていたように思います。旅行客は、日本だけではなく、さまざまな国にも赴くため、海外の事例を参考とすることは意味があることであります。
 五年ごとの見直しの検討の際にも、その時点での海外の状況を調査し、よりよい税制であれば参考にすべきと考えます。
 イタリアで新たにホテル税が創設されました。二〇一一年から各都市ごとに実施時期、課税対象、年齢や対象泊数などの諸条件が違うようですが、子どもは非課税にしているようであります。これについての都の認識を伺います。

○田倉税制部長 イタリアの各都市では、一つ星以上のホテルを対象といたしまして、ホテルのランクに応じた税率の区分を設けて滞在税を課税しております。
 おおむね十歳から十五歳以下の年少者は非課税とされておりますが、一つ星などの低ランクのホテルは、日本円に換算いたしまして一泊一万円を超えることはほとんどないとされておりまして、イタリアの滞在税は、低価格の宿泊も対象とするものとなっております。
 一方、東京の宿泊税は、担税力を考慮し、大衆課税とはしないとの方針のもと、一泊一万以上の宿泊のみを課税対象としておりまして、イタリアのように年齢による非課税区分を設ける必要はないと考えております。

○加藤委員 宿泊税導入に当たって、担税力を考慮し制度設計されたものであるというふうに理解をいたしました。
 次に、かつて料理飲食等消費税、特別地方消費税という税目があり、一人一泊幾らか以上に課税されていたかと思いますが、宿泊税との違いは何でしょうか。

○田倉税制部長 平成元年度の消費税導入に伴い、特別地方消費税に改められました料理飲食等消費税は、飲食や宿泊などの消費行為に着目して課税されていたもので、その税収は一般経費に充てる法定普通税であります。
 これに対しまして宿泊税は、東京を訪れる旅行客等に対し、宿泊に伴い受ける行政サービスに応分の負担を求め、その税収を観光振興施策に充てる法定外目的税であります。
 また、料理飲食等消費税は、利用料金に対し一定の率で課税されている定率課税であるのに対しまして、宿泊税は一人一泊につき定額で課税する仕組みとなっております。
 このように、宿泊税と料理飲食等消費税は、その目的や仕組みなどに違いがございます。

○加藤委員 次に、徴収方法について伺いますが、宿泊税は、特別徴収義務者が申告納入する徴収方法をとっております。大変失礼ないい方になりますけれども、宿泊税を取って申告しないということが可能なのか、どのように適正な申告が担保されているのか伺います。

○木村課税部長 宿泊税につきましては、特別徴収義務者による適正な申告が重要であるということから、都は積極的に特別徴収義務者に対し、申告指導及び調査を実施しているところでございます。
 特別徴収義務者の登録申請時には、宿泊税の手引を活用いたしまして、税の仕組みや特別徴収の事務の流れ、帳簿の保存等につきまして説明させていただきまして、ご理解をいただいているところでございます。
 また、登録初年度には悉皆で現地調査を行いまして、帳簿や売り上げ伝票等により、本税の算定、徴収が適正に行われているかどうかを確認しております。
 登録次年度以降につきましても、適宜フォローすることとしておりますが、特に大口特別徴収義務者等につきましては、定期的に調査を実施いたしているところでございます。

○加藤委員 ありがとうございます。宿泊税が適正に課税されていることはわかりました。
 そして、次に、最後になりますけれども、社会保障・税一体改革関連法案で消費税の税率の引き上げが審議をされておりまして、国会は山場を迎えておりますけれども、消費税が増税された場合、宿泊税はどうするのか、見解を伺います。

○田倉税制部長 先ほど述べましたとおり、宿泊税は、観光振興施策に充てられる定額課税であるのに対しまして、消費税を引き上げる際の増税分は、社会保障費用に充てられる定率課税でございます。
 このように、目的と仕組みが異なる税でありますので、消費税の税率引き上げがなされたといたしましても、宿泊税につきましては、課税を継続していくことが適当であると考えております。

○加藤委員 消費税の議論にかかわらず、宿泊税を継続する意向はわかりました。
 ただ、仮に消費税率一〇%になりますと、納税者にとっての重税感が増すことは間違いありません。外国人観光客にとっても、日本の物価高ということも考え合わせますと、かなりそういったことも考えなければいけないと。そのためにも、税の使い道にはこれまで以上に気を配って、税を負担した納税者の理解を得られるための努力は欠かせないものと考えます。
 私の地元の墨田区で先月開業したスカイツリーは、既に都内でも最大の観光施設となっておりますが、その一方で、ごみの放置、渋滞、騒音などによって地元住民は大変困っているという状況であります。
 観光施策という意味を広くとらえ、旅行者等への対策費として、宿泊税を活用することも検討すべきではないかと考えます。
 また、宝くじ基金のように、ガイドブックや案内板等に、作成に当たっては、宿泊税が充当されているということをわかりやすく記載し、旅行者等に受益を実感してもらうことが大切です。
 確かに、今、東京を紹介したハンディーガイドには、そのことが記載されておりますけれども、案内板などもっともっと多く宣伝していく方がいいというふうに思います。
 今後も、より効果的な宿泊税の活用方法を見出すため、税を徴収する主税局と観光振興施策を所管する産業労働局とが連携を深め、例えば会議体をつくって意見交換等を行うことも、今後検討していただくことを要望しまして、質問を終わります。

○たぞえ委員 私からも、宿泊税十年間の実績と今後のあり方について質問します。
 二〇〇一年の第四回定例会に宿泊税条例案が都議会に提案されたとき、私たち日本共産党は、税収として見込まれる十五億円程度は、国直轄事業負担金や浪費を見直せば確保することは可能であり、財源が不足するからといって、そのたびに新たな財源を求めることを安易に認めることになれば、次々に新税を導入することになるという、このような見解を明らかにして、条例案には反対をいたしました。
 今日も、この法定外目的税については、あり方について幾つかの問題があるという立場から反対をしています。その立場で、きょうは何点か、今後のあり方について伺っていきたいと思います。
 宿泊税は、社会経済情勢の推移などを勘案して五年ごとに検討することになっています。
 この五年間で見ると、東京での経済情勢は一段と厳しく、加えて東日本大震災の影響もあって、かつてない厳しい状況に置かれているというふうに思います。
 そこで、局として、現在の経済情勢をどう把握をし、現在の経済をどう認識をされているのか、見解を伺いたいと思います。

○田倉税制部長 現在の経済情勢の認識でございますけれども、本年五月に政府が発表いたしました月例経済報告によれば、景気は依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として緩やかに回復しつつあるとされており、また個人消費については緩やかに増加しているとされております。
 宿泊税の状況に限定して申し上げますと、消費の動向をあらわす課税宿泊件数は、東日本大震災後に大きく落ち込みましたものの、平成二十四年一月には震災前の水準にまで回復し、平成二十四年度当初予算では、これまでの平均的な水準である十億円程度の税収になると見込んでいるところでございます。
 こうした経済情勢等の認識に加えまして、宿泊税は、創設以降、東京の観光振興施策を支える財源として貢献し、今後もその役割が期待されております。
 また、宿泊者及びホテル、旅館等の関係者に対する積極的なPRによりまして、都税として定着し、理解を得られていることを踏まえまして、現行の制度を維持することとしたものでございます。

○たぞえ委員 緩やかに回復しているというのは、政府や日銀の見解ですよね。都が発表した都民経済計算年報というのがありますが、これによりますと、この三年間で、都内の総生産、製造業で約四割、建設業で約三割、小売業でも約二割減ったという結果が示されています。
 一方、都民一人当たりの平均的な所得についても、この年報では示していまして、この十年間で四百四十四万円から三百八十四万円、約六十万円減ったと、このように述べられているわけです。
 働き方でも記載がされておりまして、注意深く読んでみますと、パートタイムなど非正規で働く東京の労働者は十年前に比べて五十八万人ふえて、現在、非正規労働者は東京には二百万人いらっしゃると。三人に一人が非正規で、こういう身分に置かれている状況にあるわけです。
 経済を支える土台が揺らいでいるもとで、とても、今答弁でいわれた回復しているとか、個人消費は増加しているという見解とは、距離があるんじゃないかなと私は思います。
 宿泊件数についても、今、以前の水準を回復したと、このように述べられましたが、十九年度の課税人員、この報告書によりますと、十九年度は九百九十二万人が、二十二年度には七百四十一万人に大きく減少しているということは、この数字を見ても事実です。
 いわれた、以前の水準に回復をしたといっても、最高レベルを突破した十九年度の課税人員九百九十二万人、調定額十四億円の水準ではなく、急激に下がった二十一年度の課税人員七百二十八万人、調定額十億円、震災前の数値なんですね。十九年度水準に回復したという状況には、決してないというように思います。
 報告書の一〇ページで、宿泊税創設時に制度設計の前提となった状況に著しい変化はないと、このように書いていますが、果たしてこの認識でいいのかというふうに私は思います。
 その制度設計というのは、実は課税方式を指していまして、十年間の経済情勢は大きく変動しているにもかかわらず、この課税方式は著しく変化していない。経済は変わっているのに、一万円以上百円、一万五千円以上二百円、これは全然変わってないわけです。
 そういう点で考えてみますと、この見直しといいますか、検討は五年置きになっていますけれども、他の行政施策は大体三年ごとに見直しがされています。この「二〇二〇年の東京」への実行プログラム、これも三年の時間で基本計画を定めているわけです。
 著しい変化がないとはいっても、周期が五年ですから、なかなかそれを総括する距離が長過ぎちゃって、宿泊人員も調定額もスパンが長い。もっとこれを短くした距離で私は検討する必要があるというふうに思います。
 この「二〇二〇年の東京」の観光の部分を見てみますと、三年後の到達目標というページがあります。二つあるんですが、一つは、東日本大震災による落ち込みから力強く回復し、訪都外国人旅行者数が震災前の水準を超えて着実に増加している、これが三年後の姿なんです。と、考えられているわけです。
 ですから、決して今、震災前の状況に回復をしているとかというレベルにはない。この点でも、東日本大震災による落ち込みからどう立て直すかということが、この二〇二〇年計画でも課題になるというように認識をしているわけですから、私はその点で、この東京を取り巻く経済や震災の影響、雇用の影響など、こういうものを前提にしてどうなのかというふうに検討しなきゃいけないと思うわけです。
 その意味でも、現行の五年ごとの検討を加えるというスパンを、ぜひ今後は、三年のスパンに直すなどの検討を要望したいと思いますし、また、東京都観光事業審議会は、東京の観光の回復を目指す特別提言を行い、この夏に向けて、答申の準備をしているそうですが、観光客と国民所得の減少は、これは一体的に考えられなきゃいけない。そのこともぜひ答申に反映をしていただきたいと思います。
 そこで、二つ目に聞きますのは、宿泊税の非課税範囲は一泊一万円未満です。一泊一万円以上は課税になっているという制度です。国民所得が下降傾向にあることは、だれもが今認めていることです。
 同時に、十年間の実績と今後のあり方では、宿泊料金の水準は大きな変化がないと、そのようにいっていますけれども、所得と料金の関係では乖離があるわけですから、非課税範囲を一万円以上に引き上げるべきだと私は考えますが、見解を伺いたいと思います。

○田倉税制部長 一人一泊一万円未満の宿泊に対する課税免除につきましては、担税力を考慮いたしまして、低廉な宿泊施設の宿泊客を課税対象とせず、また、ビジネス客が専ら利用するような施設の宿泊客への大衆課税とならないよう設けたものでございます。
 業界団体の統計によりますれば、宿泊税創設以降の宿泊料金の水準に大きな変化はなく、見直しを行う状況にはないというふうに認識をしております。

○たぞえ委員 直ちに見直しを行う状況にはないという答えでありますけれども、五年間という検証期間でなくて、都内の宿泊施設の料金が一体どうなっているのかということは、まさに毎年検証していただきたいというふうに思うんですね。
 先ほど加藤委員からもお話があったように、東京スカイツリーのオープンで地方からの見学者が大変多くなっているそうです。
 そこで、私、都内のホテルや旅館が一体幾らなのかということを調べてみました。都内には、三つ星というんでしょうか、ランクがあって、三つ星以上のホテルの宿泊室が八万あります。それらの宿泊料金は、これは二〇〇八年時点ですけれども、上限金額は、平均して、例えば五つ星シングルに泊まった場合に、料金が一万五千六百円から五万三千九百円です。四つ星のシングルに泊まると七千三百円から三万二千円。三つ星のシングルだと六千九百円から二万三百円。この三つの料金体系が、大体宿泊税の対象に当たる施設ということになると思います。
 十年間の実績と今後のあり方によりますと、登録施設数は十四年度が三百二十四施設でしたが、二十二年度は四百五十と四割増加をしています。課税対象になる施設がふえたということだと思うんですね。
 ところが、課税人員の、百円、二百円払う人たちの人員の推移を見ますと、一泊百円、二百円合わせて、年間七百四十一万七千人、平年ベースから見ると二百万人程度減っています。ということは、観光客は宿泊税にかかわらない施設を選択する側面もあるんではないかということが考えられます。
 しかも、特定の曜日の場合には平日より高い料金になる。たまたま宿泊した曜日の違いで、課税の対象になった日に当たってしまったり、ならなかった場合だったり、不安定な要素も宿泊料金というのは兼ね備えているわけです。
 主税局が行っております現行のゴルフ場利用税、国の地方税法では、七十歳以上は非課税の措置を講じています。都の都税条例でも、六十五歳以上七十歳未満の人は二分の一とする軽減措置が講じられているわけです。
 また、このゴルフについては、十八歳未満の方が利用した場合や学生などが学校の授業として使った場合は課税をしないということになっています。これは、高齢者や若者がゴルフというスポーツを通して健康にぜひ役立ててほしいという、政策判断から喜ばれている措置であります。
 この点から検討しても、宿泊税については、ゴルフ税同様に、六十五歳以上の方が宿泊した場合には、私は軽減措置を設けることが適切ではないかと思います。
 また、東京都には、毎年地方から多くの修学旅行生や受験生が一年を通して訪れています。特に受験期には、複数の学校を受験するために何泊もする受験生もいるわけです。しかも、受験時期が集中して、低価格のホテルがとれなかった場合、やむなく宿泊税を払う施設を使わざるを得ない、こういう場合も想定されるわけです。
 未成年者の宿泊税の軽減を私は検討するべきだと、このように思いますが、いかがですか。

○田倉税制部長 ゴルフ場利用税につきましては、スポーツによる高齢者福祉の増進という公益性の観点から、非課税または税率を二分の一とする軽減措置が設けられております。
 一方、宿泊税についてでございますけれども、これまで申し上げましたように、担税力を考慮いたしまして、宿泊料金が一万円未満の場合は課税を免除しており、課税する場合であっても、宿泊者の過度の負担とならないような税率が設定されておるところでございます。
 また、この宿泊料金は、飲食等の対価や租税を除いた正味の宿泊にかかる金額でありますことから、一万円以上の宿泊者には一定の担税力があるというふうに認識をしております。
 したがって、課税対象となる施設の宿泊については、年齢による非課税区分の設定や軽減措置を講ずる必要はないものと考えております。

○たぞえ委員 結局、いかに財源を確保するかということなんですよね。
 産労局の二十四年度の予算書を見てみますと、観光のための施策に宿泊税が一般財源として入っていることは数字で見えるんです。大体同じような数字が入ってはいるんですよ。
 しかし、担税能力の小さい高齢者や未成年ですね、子どもを含めて。例えばきのうのテレビでいっていましたね。中学生が学校に進学したので家族でお祝いをしようと、東京のホテルで、みんなでお祝い会をやってあげたというんですよ、お父さんとお母さんが。とにかく時期が悪くて、年度末なので、一万円を超えちゃったと。しかし、お父さん、お母さんにとってみたら、うちの息子がやっと中学生になったんだからそれぐらいの出費はしようがないといって払ったというわけですよ。できるだけ高いところを抑えて、あんまり小さいところも何だからというんで、そうなっちゃったというんですよ。それはありますよ、家庭の努力が。
 しかし、子を抱える人たちや七十、八十の高齢者の方が、その払う能力が小さい、こういうときに、やっぱり行政というのは、そこに滞在する人たちを保全するというのが地方自治法の目的ですから、こういう点では、確かに今答弁で、検討はしません、免除する必要はありませんといわれますけれども、将来的には高齢者や未成年者に対する対応策をぜひ検討していただきたいし、五年周期というスパンをできるだけ短くして、その時々の国や東京の置かれている経済状況や人々の暮らしの実態から出発するという、そういう税制に、ぜひ目を向けてほしいなというふうに思っています。
 壁は厚いが、いうことはいわなきゃいけないということで、終わります。

○鈴木(章)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。

○鈴木(章)委員長 これより財務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案及び第百四十七号議案から第百五十二号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○宇田川委員 本定例会におきまして付託されている第百三十六号議案、公債条例の一部改正についてお伺いをさせていただきます。
 今回の条例改正は、法律の名称変更に伴う改正のほか、地方財政法施行令の一部改正による引用先の条ずれ対応を行うものであります。
 後者の政令改正は、地方債発行における届け出制度の導入に伴う関連規定の整備とのことでありまして、根底にあるのは規制緩和の流れということだと思います。
 地方債発行の手続につきましては、これまでも、許可制度から協議制度への移行が行われるなど、地方の自主的、自立的な財政運営を可能とする方向で制度改正が行われてきたところでございます。
 今回の政令の改正も、この流れをさらに推し進め、協議から届け出という、自治体にとっては、より柔軟な発想での財政運営が可能になるようなものではないかと考えております。
 東京都においても、こうした改正の趣旨を踏まえて、強固で健全な財政基盤を維持していくため、これまで以上に自主性を発揮した取り組みが求められると考えます。
 そこでまず、地方債届け出制度の具体的な内容はどのようになっているのか。また、東京都は届け出制度の対象になるのかを確認させていただきたいと思います。

○武市主計部長 まず、地方債届け出制度の内容についてでございますが、地方債を発行する場合には、原則といたしまして国との協議が必要と、これまでなっておりましたが、地方自治体の自主性、自立性を高める観点から地方債制度の見直しが図られまして、平成二十四年度、今年度から協議制に加えまして、新たに届け出制が導入されることとなりました。
 従来の協議制では、国に協議を行いまして、同意を得てから地方債を発行するというのが一般的な流れ、手続でございましたが、届け出制では、国に同意を得る必要がなくなりまして、一定の要件を満たしている場合には、事前に国へ届け出さえすれば地方債を発行できるというようになりまして、ご指摘のとおり自由度が高まってございます。
 その届け出制の対象となる基準要件でございますけれども、これは大きく三点ございます。
 まず第一に、実質公債費比率など幾つかの財政の健全化に関する指標が一定の範囲内であるということ、いわゆる健全な財政であること、これが一点目でございます。
 第二に、起債額が政令で定める基準額の範囲内であることということで、そんなに多額な発行をしていないということでございます。
 第三に、市場公募等による民間資金で地方債を発行することでございまして、これは公的資金に頼らず自分で資金を確保できると。
 この三つの基準を満たす場合に、届け出制が適用されることになってまいります。
 東京都におきましては、健全化などに関します第一、第二、いずれの基準も満たしておりまして、届け出制の適用団体となっております。
 また、東京都の資金調達の区分でございますが、民間資金によるものが全体の約九割を占めておりまして、したがいまして、都債の大部分が届け出制度対象の地方債となってございます。

○宇田川委員 今のお話で、財政が健全化である、それと揺るぎない財政基盤を持っているというのは、当然のことだと思います、条件になっているのは。東京はそれに認められるんだと、こういうことでありますが、今まで東京都が着実に取り組んできた堅実な財政運営のことを考えれば、今回の東京都の適用というのは至極当然のことだと思います。
 いずれにしても、今後は、より自由に、戦略的に起債を行えるようになったということで、都にとっては有意義な改正なのかなといえると思います。
 資金調達は、自治体の財政運営にとって極めて重要な事項でありまして、市場の信頼を得ながら、円滑に、かつ低コストで調達をできるよう運営していくことが必要です。そのためには、市場の動向や環境などを常に分析をして、適切な時期に発行していくことが求められることとなります。
 また、手続簡素化ということでありますから、それだけ、先ほどお話が出た自由度が高まるということであり、さまざまな創意工夫にもつながることではないかと考えます。
 この届け出制度の対象となったことで、東京都にどのような影響、メリットというんですかね、あるのか、どうしたことが可能になるのか、具体的にお答えをお願いしたいと思います。

○武市主計部長 届け出制の導入によります実務上の最大のメリットは、発行までに要する期間の短縮が可能になったということでございます。
 従来の協議制のもとでは、総務省が告示等で協議スケジュールというのを示しまして、そのスケジュールにのっとって手続を進めていくことになっておりましたので、国の同意が得られるのが早くても九月中というような状況にございました。
 それが、今般の届け出制の導入によりまして、国への各種手続が簡素化され、発行までに要する期間というのが大幅に短縮されることになりました。
 具体的には、これまで半年程度必要だった期間というものが、今般の改正によりまして、届け出を行ってから最短では半月で発行できるというようになりまして、市場の動向に合わせて機動的に都債を発行できるというようになってございます。
 現在、具体的な取り組みといたしましては、償還期間が長くてこれまで通常では年度の前半には発行できなかった長期の三十年債につきまして、本年の七月に新規発行できるように準備を進めているところでございます。
 今後とも、市場の信頼性の確保に十分留意をしながら、届け出制のメリットを最大限活用できるように、より機動的、戦略的に起債運営を行ってまいります。

○宇田川委員 今、最後に機動的、戦略的というお話がありましたが、これをやるには皆さんが機敏に動くことも絶対に必要なことでありますので、ぜひご努力をしていただきたいと思っております。
 都財政を取り巻く環境は依然として厳しい状況であって、都債や基金という財政の対応力を堅持していくことは、極めて重要なことです。
 最近の景気動向を見ますと、さっきお話ありましたけど、月例経済報告では足元の景気は緩やかな回復傾向にあると、こう判断をされています。
 しかし、欧州債務危機の再燃とか、原油高などの懸念材料も指摘されておりまして、特に中小零細企業においては、リーマンショック以降、今なお、もがき苦しんでいらっしゃるという方は、後を絶たない状況だと思います。そのため、今後の都税収入の動向は、予断を許さないということに変わりはないと思います。
 その一方で、今後、東京の活力を高め、高度な防災力を備えた都市としていくためには、都市基盤整備をさらに進めるとともに、老朽化した社会資本ストックを更新していくことが必要だと思います。新規と、今までの更新をバランスよくやることが私は大事だと思っています。これには当然膨大な財政需要が必要となってくるわけですから、その財源としての都債とか基金とか、こうしたものは重要な役割を担っているわけでございます。
 こうした防災とか都市基盤整備のほかにも、都政の中には多岐にわたる課題があります。教育であったり、医療、福祉であったり、産業振興、環境、いろんなテーマがあるわけですが、財政環境の先行きは困難な状況であっても、しっかりと都民の皆さんの負託にこたえるためには、全力を尽くして取り組まなければならないと思います。
 そのさまざまな取り組みを行うに当たって、ベースともなる財政運営についてですが、都財政健全化、また、財政の基盤強化にお力を尽くしていただいてきている、安藤局長の取り組みにかけてきた思いをお聞かせいただきたいと思います。

○安藤財務局長 ただいまのお話の中に、都の財政運営の要諦が示されているんじゃないかなというふうに思いますけれども、都財政は、やはり景気の影響を受けやすく、年度間の税収変動が厳しいという状況にあります。
 そういう中にありまして、都政が直面する課題に対しまして、いかに継続的かつ安定的に対応するかというのが、都の財政運営の勘どころであるというふうに考えております。
 経済の状況を見ますと、お話のように、景気の下振れリスクもありますし、スペインの国債は七%を超えるというようなそういう欧州の事情もあります。それやこれや税収の先行きを見通すということは非常に困難が伴うわけであります。
 そうした中にありましても、やはり首都の防災力の強化、あるいは、これまで進めてきました少子高齢化対策、教育、産業などいろんな課題がありますので、これらについても、新たな課題については、新たなステージの対応、既に進めてきた対応については、さらにそれを推進していくということが必要だというように思っております。
 他方、東京都の特徴といたしまして、他の道府県とは異なりまして、地方交付税の不交付団体であるという、これはもう、そういう事実がございますので、私どもとしては、より自立的な財政運営が必要であるというふうに思っております。
 そのためには、例えば一つは、事業評価の取り組みなど一生懸命やってまいりましたけれども、一つ一つの施策の効率性あるいは効果の検証などを叱咤するという自己改革努力を、やはり都の宿命として行っていかなければならないというふうに思います。
 そして、第二は、ただいまご議論いただいております都債とか基金を、ご指摘も踏まえまして、戦略的かつ計画的に活用していくということが、とりわけ重要だというふうに思っております。
 あわせて、ここでぜひともお力添えをいただいて実現したいと思っておりますけれども、法人事業税の暫定措置については、これは約束どおり国において廃止をすべきだと、こう思っております。
 お話のように、都政が使命を果たすためには、将来にわたって施策の展開が可能になりますような、持続可能性といいましょうか、そういったものを持ち続けていくことが都財政の役割だというふうに思っておりますので、引き続き強固な財政基盤を堅持していかなければならないというふうに思っております。
 今後とも、これまで一貫して進めてまいりました堅実な財政運営という原点に立って、改めて、山積する都政の課題に確実に対処し、都民の負託にこたえてまいりたいというふうに思っております。

○宇田川委員 大変重みのあるご答弁をいただいたと受けとめさせていただいております。
 財政運営以外にも、我々がずっと続けてきました入札契約制度改革についても、局長には大変ご理解をいただいて、少しずつ一歩ずつではありますが、いい制度へと改革が進んできたと認識をしております。
 これも、局長のいろんなご尽力のたまものだと思います。一歩一歩これからも着実に我々も進めてまいりたいと思いますし、今までの局長のご尽力に、改めて敬意を表させていただいて質問を終わります。

○鈴木(章)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十五分散会

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