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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第五号

平成二十四年三月二十一日(水曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木 章浩君
副委員長たぞえ民夫君
副委員長馬場 裕子君
理事中山 信行君
理事西岡真一郎君
理事宇田川聡史君
加藤 雅之君
福士 敬子君
淺野 克彦君
鈴木 勝博君
田中たけし君
鈴木 隆道君
大塚たかあき君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
主税局局長新田 洋平君
総務部長目黒 克昭君
税制部長田倉 英明君
税制調査担当部長小山 明子君
調整担当部長須藤 充男君
課税部長木村 芳生君
資産税部長阿南 威彦君
徴収部長宗田 友子君
特別滞納整理担当部長西海 哲洋君
会計管理局局長松田 芳和君
管理部長安藤 弘志君
警察・消防出納部長丸山和喜夫君
会計制度担当部長佐藤  敦君

本日の会議に付した事件
 会計管理局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出 会計管理局所管分
 主税局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為 主税局所管分
・第三号議案 平成二十四年度東京都地方消費税清算会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第四十三号議案 東京都都税条例の一部を改正する条例
・第四十四号議案 東京都固定資産評価審査委員会の委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第四十五号議案 東京都固定資産評価員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について
報告事項(質疑)
・平成二十四年度地方税制の改正について
請願陳情の審査
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
(1)二三第一二号
(2)二三第一三号
(3)二三第一四号
(4)二三第一五号
(5)二三第一六号
(6)二三第一七号
(7)二三第一八号
(8)二三第一九号
(9)二三第二〇号
(10)二三第二一号
(11)二三第二二号
(12)二三第二三号
(13)二三第二四号
(14)二三第二五号
(15)二三第二六号
(16)二三第二七号
(17)二三第二八号
(18)二三第二九号
(19)二三第三〇号
(20)二三第三一号
(21)二三第三二号
(22)二三第三三号
(23)二三第三四号
固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情
(24)二三第六六号
(25)二三第六七号
(26)二三第六八号
(27)二三第六九号
(28)二三第七〇号
(29)二三第七一号
(30)二三第七二号
(31)二三第七三号
(32)二三第七四号
(33)二三第七五号
(34)二三第七六号
(35)二三第七七号
(36)二三第七八号
(37)二三第七九号
(38)二三第八〇号
(39)二三第八一号
(40)二三第八二号
(41)二三第八三号
(42)二三第八四号
(43)二三第八五号
(44)二三第八六号
(45)二三第八七号
(46)二三第八八号
(47)二三第八九号
(48)二三第九〇号
(49)二三第九一号
(50)二三第九二号

○鈴木(章)委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局関係の予算の調査並びに主税局関係の予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、会計管理局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 先般の平成二十三年第四回定例会の施政方針表明において、石原知事は、東京発の公会計制度改革の波及効果として、大阪府、町田市に続き、新潟県と愛知県が新しい公会計制度を本格導入することになったと述べています。
 国の取り組みが不十分な状況にある中でも、都は、全国に先駆けて新公会計制度を本格導入し、その改革の意義を全国の自治体に訴え、導入を支援してきましたが、その努力が実を結んだといえ、評価したいと思います。
 私は、先週の予算特別委員会総括質疑において、公会計制度について質問し、改めて確かめてまいりましたが、都は複式簿記・発生主義によって作成した財務諸表を活用して事業評価の精度を高め、これを毎年度の予算編成の中に組み込むことで、むだをあぶり出し、費用対効果の高い施策を生み出しており、新たな公会計制度は、財政全体を見渡すとともに、個別事業の見直しにも活用でき、行財政運営の効率化に大きく寄与するものであります。
 すなわち、自治体においては、限られた財源の中でより一層効果的に施策を実施していく観点などから、公会計制度改革を着実に進め、正確なコスト情報とストック情報を把握できるようにすることが大切であります。
 このため都は、制度改革の先駆者の責務として、他の自治体に対し十全な普及活動に努めていただきたいと思います。
 都はこれまで、大阪府や町田市などに対し導入支援を行いましたが、とりわけ都道府県に比べて規模の小さい区市町村においては、組織体制面などの制約からも一層手厚い支援が必要なのではないかと思っております。
 また、普及を行うに当たっては、全国に向けた活動を視野に入れることも重要ですが、先週の予算特別委員会でも私申し上げましたように、都民の福祉をさらに向上させる観点から、地元、区市町村に対する支援もより一層充実していただきたいと思います。
 そこでまず、都内区市町村における公会計制度改革の現状と課題についてお伺いをいたします。

○佐藤会計制度担当部長 都内区市町村におけます公会計制度改革の状況でございますが、平成二十一年度決算につきまして総務省が実施をしました財務書類の作成状況等に関する調査によりますと、都内六十二団体のすべてが何らかの財務諸表を作成しておりまして、その多くは官庁会計決算の数値を組みかえたものでございます。
 一方、都はこれまで、多くの都内区市町村に対しましても、視察の受け入れ、説明会の開催などの対応を行うとともに、町村部などに対し、過渡的な取り組みとしまして、都の財務諸表とほぼ同様の財務諸表を容易に作成できる東京都方式簡易版の作成を支援してまいりました。
 また、本格導入に向け準備を進めてきた町田市につきましては、制度構築に向けた助言など、都としてできる限りの支援を行ってまいりました。
 こうした活動を続けます中で、都は、多くの区市町村において、財務諸表作成の基礎であります固定資産台帳の整備や、作成しました財務諸表を自治体の行財政運営にどのように活用していくかの方法論など、公会計制度改革の取り組みを進める上で直面する実務的な課題の解決のために必要なノウハウが不足していることが大きな課題であると認識をしてございます。
 こうした状況を打開するためには、都と都内区市町村が協力をし、互いに知恵を出し合いながら、区市町村が一つ一つの課題を実地に検討するという実践的なステップを踏むことによりまして、みずから公会計制度改革に向けた推進力を高めていけるよう支援していくことが効果的であると考えております。

○田中委員 今のご答弁で、都と区市町村が協力して取り組むという話がございましたが、最近、都内区市町村が参加する研究会が立ち上げられたと伺っております。
 この研究会の活動を通じて、都内区市町村が制度改革に必要な実践的なノウハウを蓄積できるならば大変よいことであろうと思っておりますが、こうした取り組みを都内区市町村にとって本当に役立つものにするためには、これら団体の現状を十分に把握した上で進めることが大切だと思っております。
 そこで、この研究会の趣旨と発足後の具体的な活動状況についてお伺いをいたします。

○佐藤会計制度担当部長 都は、区市町村の実務的な課題の解決策などを都と区市町村が意見交換を行いながら共同で研究することを趣旨といたしまして、東京都会計制度改革研究会を立ち上げるべく、当初、意欲的な七団体と検討を始めました。その後、広く都内区市町村に参加を呼びかけましたところ、任意参加の研究会であるにもかかわらず、予想を超えて多くの団体の賛同を得られまして、現在、三十八区市町村にまで拡大してきております。
 この研究会は、昨年十二月に立ち上げまして、これまでに三回開催し、全国に先駆けて新公会計制度を本格導入した都や資産実務などで先行している自治体から、これまでの経験を踏まえた説明を行いますとともに、参加団体との意見交換などを行っております。
 その結果、区市町村では、正確な財務諸表の作成に必要な固定資産台帳の整備が余り進んでいない状況が浮き彫りになりました。
 この固定資産台帳は、正確に資産を洗い出し、評価を行い、その結果を取りまとめるという手順で作成してまいりますが、現状、この台帳整備の具体的な作業手順や資産の評価方法に関する情報が少ないことなどから、自治体が台帳整備になかなか踏み出せないという実態を確認できたところでございます。
 さらに、財務諸表の活用につきましては、区市町村側でそのノウハウが不足をしているため、現状、財務諸表を作成しても、単に数字の増減という事実関係を説明することにとどまるなど、行財政運営のマネジメントツールとして十分に機能しているとはいえない状況が確認できたところでございます。

○田中委員 今までのご答弁では、区市町村が制度改革を進める際に直面する大きな実務的課題は、固定資産税台帳の整備と財務諸表の活用ノウハウの二つであることが指摘されたと思います。
 昨年の決算特別委員会で私が質疑をして確かめたところでは、多くの自治体が改訂モデルを採用し、先ほどの答弁にあったように、いわゆる決算統計、すなわち官庁会計決算の数値を組みかえて財務諸表を作成しております。
 このため、資産については実物財産の積み上げに基づかない推定値となっており、固定資産の金額や減価償却額の金額も実態とかけ離れた状態になっております。
 したがいまして、固定資産税台帳の整備が進まないままでは、仮に歳入歳出予算の執行について複式簿記を導入したとしても、正確な財務諸表を作成する前提が備わっていないということになります。
 財務諸表の活用も、内容の正確性が保障されて初めて意味を持つものであり、都の課題認識は的確であると評価したいと思います。今後の研究会では、こうした課題に対し、十分な検討を進めていただきたいと思っております。
 実際に、これらの課題について、今後どのような手順で検討を進めていくのかお伺いいたします。

○佐藤会計制度担当部長 公会計制度改革の歩みを着実に前進させるためには、将来の複式簿記・発生主義会計による新公会計制度の導入を視野に入れつつ、当面は、区市町村が制度改革を推進するに当たって、準備作業の負担感などからハードルを高く考えさせております実務的な課題の解決から検討を進めていくことが、個々の団体に取り組みを促す観点からも有効であると考えてございます。
 ご指摘のとおり、固定資産台帳は正確な財務諸表の作成に必須の基礎でございます。財務諸表に計上する固定資産の金額につきまして、実物財産の積み上げに基づいた数値が使えないということは、一件一件の資産に価格情報が記録されておらず、したがって償却資産につきましても正確な減価償却額を算定できないということでございます。
 しかし、実際の台帳整備に当たりましては、膨大な数量の資産につきまして価格情報の精査を行うことが必要でございまして、資産の評価方法に関するノウハウの不足や財産管理の担当部署と財務諸表を作成する部署が分かれていることなども、実務上の負荷となってございます。
 このため、研究会では、まず、精度の高い財務諸表の作成に不可欠であり、改革推進の出発点としてすべての区市町村で取り組む必要がございますが、その作業負担が重いとされております固定資産台帳の整備に関する課題から検討を始めてまいります。

○田中委員 自治体が保有する固定資産については、資産台帳が整備されることにより初めてその正確性が確保され、財務諸表に適正な資産情報が反映できるようになります。このため、まずは、区市町村が固定資産台帳を円滑につくれるよう支援していくことは大変重要であろうと思います。
 その際、基礎的自治体である区市町村においては、資産台帳の整備のような新規事業に対する対応力が限られるという制約があることを踏まえ、きめの細かい支援策となるよう留意することが必要だと思います。
 そこで、区市町村の固定資産の台帳整備が円滑に進むようにするため、研究会での検討は具体的にどのように進めていくのか、ご見解をお伺いいたします。

○佐藤会計制度担当部長 この研究会では、実務対応を行う組織が限られ、経験の少ない区市町村におきましても固定資産台帳の整備に円滑に取り組めるよう支援する観点から、研究を進めてまいります。
 具体的には、例えば固定資産台帳の整備の際の業務フローや評価方法など、区市町村が台帳整備の実務を進める際に役立つ事柄につきまして、負担感や抵抗感の軽減に役立てていくことを目指して検討を行ってまいります。
 また、こうした検討に当たりましては、区市町村の現状を踏まえた実感のこもったものといたしますため、台帳整備に前向きな区市町村と共同でワーキンググループをつくり、これらの団体で検討内容の有効性を確かめながら進めるなど、取り組みにも工夫を凝らしてまいります。

○田中委員 ただいまのご答弁から、財務諸表の信頼性を左右する固定資産の台帳整備を推進するため、都は区市町村とともに台帳整備の手法を検討するといった実効性の高い取り組みを行っていくことを確認させていただきました。
 また、固定資産台帳に関する検討に一定のめどがついたら、財務諸表の活用方法などの課題についても、都のこれまでの経験を十分に活用しながら検討を進めていただきたいと思います。
 最後に、都内区市町村に向けた新公会計制度の普及活動の推進について、二十四年度の取り組みに対する局長のご決意をお伺いいたします。

○松田会計管理局長 ただいま委員からのご指摘のとおり、都は、平成十八年度にいち早く新公会計制度を導入いたしまして、得られた成果を行財政運営に生かしてまいりました。この間の都の実績が示しますように、新公会計制度の導入は自治体運営の基盤を担う大切な取り組みであると考えております。
 このたび、都が呼びかけました研究会に都内三十八団体もの参加がございました。このことは、都内の区市町村におきましても、現状の会計制度に決して満足しているわけではなく、公会計制度の改革について高い問題意識を持っていることのあらわれだろうと考えております。
 こういった状況を踏まえまして、研究会では、組織体制やノウハウなどが十分でない区市町村におきましても円滑に公会計制度の改革を進められるよう、先ほどの質疑もございましたように、実務的な課題の解決策などを検討してまいりたいと思っております。その際には、ワーキンググループをつくり、都と区市町村が共同して解決策などの有効性を実地に検証するなど、参加団体の実情を踏まえたきめの細かい対応を行ってまいります。
 今後とも、都内区市町村の公会計制度改革に向けた取り組みが一層進み、新公会計制度の円滑な導入が図れるよう、本格導入に向けて最終段階にございます町田市の実例も十分に参考にしながら、実務的な課題の解決を積極的に支援するなど、都内区市町村への普及活動に全力を尽くしてまいります。

○田中委員 今後、都内区市町村が公会計制度改革を着実に進め、町田市に続き、将来的には都と同様の複式簿記・発生主義会計による新公会計制度を円滑に導入できるよう、都は、研究会、東京都会計制度改革研究会の運営にも一層の工夫を加えながら、全力で普及活動に当たっていただきたいと改めて強く要望して、私の質問を終わります。

○加藤委員 都の平成二十四年度予算案は、石原知事が今回の施政方針の中で危機感を表明したように、都税収入が五年連続で減収するという厳しい財政状況を踏まえて編成されております。
 都は、財政の見通しが大変厳しい中でも、複式簿記・発生主義の視点も駆使した事業評価によって約二百二十億円の財源を生み出し、さらに事業費の精査によっておよそ一千百六十億円の財源を確保するなどの先進的な取り組みによって強固な財政基盤を堅持しつつ、東京のあすを支え、さらなる発展に向けて着実に歩みを進める予算案を実現しております。
 都は、我が党が推進する公会計制度改革の取り組みを全国に先駆けて実践し、新公会計制度の運用に磨きをかけてきたからこそ、このような成果を導くことが可能になったと思います。
 そして、都のような複式簿記・発生主義会計による新公会計制度の特徴の一つは、今までにも何回か述べてきたことではありますけれども、毎日の予算執行の段階から一件一件データを蓄積していくため、正確な財務諸表が迅速に作成でき、会計別といった包括的な単位から細かな事業単位まで、多様なくくりで財務諸表を作成できることです。都は、まさにこれを事務事業の評価に結びつけることができております。
 すなわち、こうした制度の導入により、自治体は、官庁会計決算の数値を組みかえて簡易的に財務諸表を作成する方法では得られなかった精度の高い詳細な財務情報を手にすることができるということにほかなりません。
 また、こうした情報は、実際、自治体の行財政運営のマネジメント力を強化する際の有力なツールとなるものであります。
 このため、国の制度改革が遅々として進まない中にあっても、都は、公会計制度改革の先駆者として、他の自治体に対し揺るぎない普及活動を推進していくべきだと思います。
 そこでまず、新公会計制度については、大阪府、町田市に続き、新たに新潟県及び愛知県が本格導入を表明したと聞いておりますけれども、これら四団体の取り組み状況について確認しておきたいと思います。

○佐藤会計制度担当部長 都は、意欲ある団体が新公会計制度を円滑に導入できるよう積極的に他団体の支援に努めておりまして、大阪府や町田市とは支援に係る協定を締結して助言や技術上の情報提供などを行いますとともに、新潟県からの個別相談にも応じてまいりました。また、昨年十二月になりますが、愛知県とも大阪府などと同様の協定を締結し支援体制を強化するなど、できる限りの支援を行ってまいりました。
 これらの各団体の取り組み状況についてでございますが、まず、大阪府は、今年度から新公会計制度を導入し、平成二十四年度には平成二十三年度決算の財務諸表を公表する予定でありまして、町田市では、平成二十四年四月から新公会計制度を導入すると聞いてございます。
 さらに、新たに導入を表明した団体におきましては、新潟県も今年度から新公会計制度を導入し、平成二十四年度に平成二十三年度決算の財務諸表を公表する予定、愛知県は、平成二十四年度に制度の策定やシステム開発を行いまして、平成二十五年度には導入の予定と聞いております。

○加藤委員 今の答弁から、大阪府や新潟県では本格運用が始まっており、この四月には町田市が本格運用を開始と。愛知県においては具体的な制度策定に取りかかっているなど、これら四府県市が意欲的に取り組んでいることがわかりました。
 都は、平成十八年度に全国自治体に先駆けて複式簿記・発生主義会計による画期的な新公会計制度を本格導入するとともに、積極的に普及活動を展開し、個別の支援も行ってきましたが、こうした都の取り組みが、これらの団体が検討を進める上でも大変参考になったのではないかと思っており、改めて評価したいと思います。
 しかしながら、この仕組みを他の自治体にさらに普及させるためには、新公会計制度の本格導入を進めている先行自治体に協力を求め、全国に向けて普及拡大を推進する体制を整備するべきであります。
 こうした我が党の指摘に対しまして、平成二十三年第四回定例会の代表質問で、知事から、本格導入の先行四団体と普及のための協議機関を設置するとの答弁をいただきましたが、その後の取り組み状況を伺います。

○佐藤会計制度担当部長 東京都、大阪府、町田市に続きまして、新たに新潟県、愛知県が複式簿記・発生主義会計による新公会計制度の本格導入を表明したことを契機といたしまして、都がこの四団体に呼びかけまして、昨年十二月に新公会計制度普及促進連絡会議を共同で設置いたしました。
 この連絡会議では、構成団体における新公会計制度導入の目的やプロセスなどについて情報交換いたしますとともに、全国自治体におきまして新公会計制度の導入が一層進むよう、普及に向け連携した取り組みを協議することとしております。

○加藤委員 都は、我が党の指摘を踏まえ、みずから音頭をとり、新公会計制度導入の先行四団体とともに迅速に連絡会議を立ち上げていただきました。これは、都、そして構成四団体が、他の自治体への制度の普及の必要性に対し高い意識を持っていることのあらわれである、そのように思っております。こうした団体と連携を図る連絡会議では、全国自治体に向け、先行団体としての説得力ある発言を行っていただけるものと期待をしております。
 昨年十二月に連絡会議を立ち上げたということですが、それでは、第一回会議の主な内容と成果について伺います。

○佐藤会計制度担当部長 お話の第一回会議でございますが、都以外の四団体も、財政危機への対応や住民への説明責任の充実の必要性などの背景のもと、効率的な行財政運営のツールとしまして、都と同様な複式簿記・発生主義会計による新公会計制度の導入が不可欠との認識に基づきまして導入を決意したと、こういう経過が明らかにされまして、この制度が自治体経営にとりまして非常に有効なツールである、こういう認識を五団体で共有いたしました。
 また、新公会計制度の導入に当たって、各団体がたどった検討経過や培ったノウハウなどにつきまして情報を共有いたしますとともに、今後は、こうした会議の場だけではなく、構成団体相互で必要に応じて自由に情報交換をすることとしまして、それぞれが普及活動に生かすことといたしました。
 こうした協議を通じまして、自治体にとって行財政改革を推進することは喫緊の課題であるとの認識のもと、導入の先駆けであります連絡会議の構成団体が協力して導入効果をアピールし、具体的な参考となる発信を行うことにより、制度改革が他の自治体に波及することを期待できますことから、連携をして他の自治体への普及に取り組んでいくことで意見が一致いたしました。

○加藤委員 ただいま答弁ありましたように、一つでも多くの自治体に新公会計制度の本格導入を促すために、先行五団体がスクラムを組んで効果的に実施していくことが重要であると、そのように思います。
 具体的な内容はこれから検討されることになると思いますが、その際、連絡会議では、全国の自治体が公会計制度改革に円滑に取り組めるよう、自治体の現状を十分に踏まえ、効果的に普及活動を進めていくことが重要と考えますが、都の認識を伺います。

○佐藤会計制度担当部長 多くの自治体では、これまで新公会計制度の導入という業務に取り組んだ経験がなく、制度の有効性を認識している場合でございましても、導入の検討に必要な実務的ノウハウや導入後の活用に対する理解が不足しているという現状がございます。
 こうした自治体の取り組みを後押しするためには、新公会計制度の本格導入に向け自治体がどのような課題に取り組まなければならないのかといった制度導入の工程や、制度の導入が自治体の行財政運営にどのように役立つのかといった効果などにつきまして、説得力のある発信を行っていくことがとりわけ有効であると考えてございます。
 このため、連絡会議の五団体が連携をし、蓄積された多様な先行事例から得られますノウハウ等を極力効果的に活用しながら、固定資産台帳の整備やシステム構築など制度の導入に当たって必要となる事項に対する具体的な手順や作成する財務諸表の活用方法など、自治体が直面する実務的な課題の解決に役立つ実践的な情報を全国に向け発信してまいります。

○加藤委員 今、答弁ありましたとおり、新公会計制度の導入は多くの自治体にとって初めての業務であり、ノウハウが不足しているのは当然のことと思います。
 都としては、こうした現状をしっかりと認識し、導入を進めるに当たっての手法や制度導入により得られる財務情報の活用などの情報を発信していくとのことでありました。
 こうした情報は、自治体のそれぞれが導入について判断する際、当然に必要となるものでありまして、連絡会議としての積極的な取り組みに大いに期待をしております。
 さらに、全国の自治体の取り組みを促す観点から、連絡会議として継続的な発信を行っていくことが必要と考えますが、見解を伺います。

○佐藤会計制度担当部長 委員ご指摘のとおり、連絡会議では、実務的な課題の検討に資する事柄につきまして、それぞれの団体に蓄積されました多様な実例を極力活用し、新公会計制度導入の道しるべとなるように、全国の自治体に向けて継続的な発信に努めていくことが必要であろうと考えてございます。
 このため都としましては、例えば、五団体の新公会計制度の特徴や財務諸表の活用の考え方などを紹介するホームページを作成いたしますとともに、構成団体が連携をして全国自治体の実務担当者に呼びかけ、導入時の実務的な課題の解決を検討する機会を設けるなどの取り組みによりまして、多様な発信を続けてまいりたいと考えてございます。

○加藤委員 こうした取り組みは、新公会計制度の導入に対する全国自治体のハードルを少しでも下げられるよう、例えば一昨年は公会計制度改革シンポジウムを開催いたしましたけれども、自治体の実務担当者向けに何らかの企画を検討するなど、十分に工夫を凝らし進めていただきたいと思います。
 とりわけ都は、新公会計制度導入のパイオニアとして、みずからの新公会計制度の構築や運用、制度導入で得られた情報の予算編成等への活用、本格導入を表明した大阪府や町田市などへの支援など、さまざまな局面を通じて積み上げてきた経験を生かし、連絡会議の取り組みを指導してほしいと思います。
 それでは、最後に、全国自治体に向けた今後の普及活動のさらなる推進について、局長の決意をお伺いいたします。

○松田会計管理局長 都はこれまで、先駆者といたしましての使命感と実績を持って、全国の自治体に向けて新公会計制度の普及活動を積極的に行ってまいりました。
 その結果、都に続いて、大阪、新潟、愛知県といったそれぞれの地域の中核となり得る府県や、住民に身近な基礎的自治体でございます町田市が続々と本格導入を表明するに至りました。普及活動は新たなステージに立ったと認識しておりまして、今後、この新公会計制度の普及をさらに進めていく上では、先行する都を含めた五団体が連携して普及活動に取り組むことによりまして、全国の自治体に対し大きなアピール効果が期待できると考えております。
 連絡会議では、自治体が新公会計制度の円滑な導入を図る際に参考となる具体的な道筋などにつきまして、構成団体それぞれの経験と英知を結集いたしまして、規模や置かれた状況が異なるさまざまな自治体に対して、実感のこもった効果的な発信を行ってまいりたいと考えています。
 今後とも、都は、連絡会議の構成団体と一層の協議を進め、実態を踏まえて効果的な取り組みを企画、実施するなどいたしまして、普及促進に全力で取り組み、地方からさらに力強く公会計制度改革を牽引してまいります。

○加藤委員 公会計制度は自治体経営の重要な基礎であり、いまだ国の制度改革の道筋が見えない以上、都が先駆者として全国自治体に向けた新公会計制度の普及活動に取り組んでいくことは極めて重要であると思います。
 このため、この連絡会議において、構成団体と緊密に連携し、全国の自治体への普及促進に向け効果ある充実した取り組みを継続的に行うなど、都として普及活動を一層充実していただくよう要望し、質問を終わります。

○鈴木(章)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○鈴木(章)委員長 これより主税局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願陳情の審査を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、債務負担行為、主税局所管分、第三号議案、第四十三号議案から第四十五号議案まで、地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について及び報告事項、平成二十四年度地方税制の改正について、並びに請願・陳情審査件名表に記載の整理番号(1)から(23)までの請願二三第一二号外二十二件の同内容の請願及び整理番号(24)から(50)までの陳情二三第六六号外二十六件の同内容の陳情を一括して議題といたします。
 請願陳情について理事者の説明を求めます。

○田倉税制部長 今般、財政委員会に付託されました主税局所管の請願陳情についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、財政委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 初めに、請願二三第一二号から三四号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する請願についてご説明申し上げます。
 この請願の趣旨は、小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置を平成二十四年度以後も継続すること及び小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を二割減免する減免措置を平成二十四年度以後も継続すること、並びに商業地等における固定資産税及び都市計画税について負担水準の上限を六五%に引き下げる減額措置を平成二十四年度以後も継続することを求めるものでございます。
 小規模住宅用地に対する都市計画税を二分の一とする軽減措置は、住民の定住確保、地価高騰に伴う負担緩和の見地から、昭和六十三年度から実施してきたものでございます。
 小規模非住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を二割減免する減免措置は、過重となっている二十三区の非住宅用地の税負担を緩和するとともに、極めて厳しい経済状況下における中小企業への支援を行うため、平成十四年度から実施してきたものでございます。
 商業地等における固定資産税及び都市計画税について、負担水準の上限を六五%に引き下げる減額措置は、負担の不均衡を是正するとともに、全国に比べ過重となっている二十三区商業地等の負担の緩和を図るため、負担水準が六五%を超える場合に、条例により六五%の水準まで税額を減額するものであり、平成十七年度から実施してきたものでございます。
 これら三つの措置の平成二十四年度の取り扱いにつきましては、納税者に対し、いまだ税負担増を求める時期ではないこと等から、引き続き軽減措置を講ずることといたしまして、所要の条例改正をお願いしているところでございます。
 なお、商業地等の負担水準の上限引き下げにつきましては、地方税法の適用が平成二十三年度までとされており、現在、本措置の継続が盛り込まれた地方税法改正案が国会において審議中でありますので、同法案の成立後、速やかに所要の条例改正を行うこととしております。
 次に、五ページをお開きいただきまして、陳情二三第六六号から九二号までの各号、固定資産税及び都市計画税の軽減措置の継続に関する陳情でございます。
 この陳情の趣旨は、さきの請願と同じでございますので、改めての説明は省略させていただきます。
 本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木(章)委員長 説明は終わりました。
 予算案、付託議案及び報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○田倉税制部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料について、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第2号、財政委員会要求資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 要求資料第1号、資本金区分別法人数及び法人都民税・事業税額についてでございます。
 この表は、資本金一億円以下または一億円超の区分別に、法人都民税額と法人事業税額の五年間の推移をお示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、繰入地方消費税の収入額についてでございます。
 この表は、繰入地方消費税の収入額の五年間の推移をお示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第3号、消費税率引き上げに伴う影響額についてでございます。
 この表は、消費税率を八%及び一〇%に引き上げた場合の繰入地方消費税の影響額をお示ししたものでございます。
 次に、四ページの要求資料第4号、個人都民税、均等割のみに係る納税義務者数についてでございます。
 この表は、個人都民税の均等割のみを納める納税義務者数の五年間の推移をお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木(章)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○西岡委員 東日本大震災と税制からの被災者支援について伺います。
 甚大な被害が及んだ大震災以後、被災者や事業者を守るためのさまざまな税制上の支援策が講じられております。税制面からの支援は極めて重要であり、被災者、被災地には欠かせない有効な支援策でもあります。
 国税では二度にわたる法改正が行われ、所得税、法人税、相続税、贈与税、自動車重量税、揮発油税などが支援対象となっております。地方税では、これまでに三度にわたる法改正が行われ、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、個人住民税などが支援対象となっております。
 東京都主税局では、これらの国による改正を受けた対応と、また、東京都としての被災地支援策を高めるための都独自の取り組みをこの間行ってきております。
 そこで、まず最初に、平成二十三年度中の東日本大震災に係る被災者の支援策について、東京都主税局における取り組みの実績について伺わせていただきます。

○田倉税制部長 主税局におきましては、いわゆる震災特例法に基づき、三次にわたる地方税法上の対応のほか、納期限等の延長や手数料減免など、被災地や被災者の状況に応じた都独自の税制上の措置を行ってまいりました。
 これらの独自措置等につきまして、昨年十二月末現在の実績で申し上げますと、申告納期限の延長が法人二税など都税全体で約千五百件、納税通知書の発送延期が固定資産税や自動車税など都税全体で約三万四百件、納税証明書等の手数料減免が約四十件、代替自動車に係る自動車税、自動車取得税の非課税が約三十件、震災を理由とした徴収猶予が約五十件、都税の減免が約二百四十件となっております。

○西岡委員 今ご答弁にありましたように、国による改正のみならず、東京都としてもさまざまな支援策を打ち出して、多くの対応が行われているということがわかりました。納税通知書の発送延期は、固定資産税や自動車税など、都税全体で三万四百件ということであります。また、都税の減免などは、都内も被災をしたところがございましたので、液状化などによる都内の被災者への支援策も相当数含まれているものと理解をいたしております。
 さて、とりわけ福島第一原発の事故によってさまざまな地域で避難をしている被災者の方々は、これから自分たちの生活がどうなるのか、いまだ明確な見通しが立たない極めて厳しい状況の中を生き抜いております。これらの被災者の方々の避難生活は長期化することも予測されており、税制面からもまさに息の長い支援が求められていると考えます。東京にも多くの方々が避難をしてきております。
 そこで、福島第一原発に係る避難などの指示が解除されていない今日においても警戒区域内の方々への対応について、税制改正における平成二十四年度の対応や都独自の対応について、これを含めて伺わせていただきたいと思います。

○田倉税制部長 福島第一原子力発電所事故に係る税制上の措置につきましては、昨年の第三回定例会の都税条例の改正において、原子力災害に係る警戒区域内の家屋またはその敷地の所有者等が都内に代替不動産を取得した場合に、従前の面積相当分については不動産取得税を課さない特例を設けました。
 また、本定例会においては、警戒区域内に所在する農地の所有者等が都内に代替農地を取得した場合に、被災農地の面積相当分については不動産取得税を課さない特例を提案しているところでございます。
 この警戒区域については、いまだ避難等の指示が解除されておらず、都独自の措置である納期限等の延長においては、法人二税及び個人都民税について継続しているところであり、今後も、国の動向を注視しつつ、適切に対応してまいります。

○西岡委員 ありがとうございました。被災地の方々が都内に代替不動産を求める場合には不動産取得税を課さないということが、既に特例として設けられております。また、今定例会では農地についても同様の措置が提案されておりまして、当然、このことは必要な支援だと思っております。
 この福島の地域の方々は、大変な状況にある方々でありますので、今後とも特段の支援、適切な支援を改めて要望させていただきたいと思います。
 さて、被災者を支援するさまざまな税制上の支援策のうち、被災の度合いに応じて地域を分けて、平成二十三年度において既に解除されている支援もありますが、いまだ継続している地域もあります。
 一方、支援対象になってはいるんですけれども、まだまだ周知が足りていないという側面もあると考えます。
 そこで、平成二十四年度以降においても継続される東日本大震災の税制からの被災者支援策と、東京都の取り組みを伺わせていただきたいと思います。

○田倉税制部長 先ほどの答弁で申し上げましたが、自動車税や自動車取得税の特例につきましては平成二十五年度末までの措置でありまして、また不動産取得税の特例については平成三十二年度末までの措置でありますことから、引き続き対応してまいります。
 あわせて、都で実施している徴収猶予や減免などにつきましても、適切な周知に努めるとともに、被災者個々の状況に応じて的確に対応してまいります。

○西岡委員 今後の取り組みを要望させていただきます。
 さて、被災者の支援の側面からの税制について幾つか伺ってまいりましたけれども、政府の試算によれば、甚大な被害が及んだ被害総額は十九兆円ともいわれております。十年間の復旧復興対策の規模は、二十三兆円ともいわれる巨額の財源が必要となります。そこで、国会では既に財源確保法案が可決をされております。
 財源確保法案は、東日本大震災からの復興を図るための集中復興期間、これは五年間、二〇一一年度から一五年度までの期間において実施する施策に必要な財源を確保するため、税外収入に係る措置及び復興特別税の創設のほか、復興債の発行に関する措置などを定められたものであります。
 当初の法案から、復興特別所得税の課税対象期間及び税率の変更並びに復興債などの償還期間の変更、たばこ税の増税を除外するとともに、附則に決算剰余金の償還費用の財源の活用及び復興に係る特別会計の設置の規定を追加するなどの修正案が、民主、自民、公明三党により提出され、可決をしております。これらによって、十五・五兆円を捻出するとしております。
 無論、これだけの被害が出ている以上、我々国民も、全国民も、被災地の復興を何としてもなし遂げるために、一定の年代まで負担をすることは当然のことと受けとめております。
 また、全国の自治体が防災対策を進めるための財源を確保するための法案もあわせて可決されておりまして、東京都の増収分は、これは既に質疑されておりましたので、平年度ベースでは四十五億円程度、五年間で二百二十五億円、十年間で四百五十億円と見込まれていると聞いております。
 全国的に自治体財政が大変厳しい折、防災対策を税制からもしっかりと取り組み、財源を確保することは必要であると考えます。
 今回の改正は、平成二十三年度から平成二十七年度までに全国的に実施する防災関係施策の財源を確保するため、個人住民税の臨時増税を行うことにより、防災対策の取り組みを財源上も担保して、この災害列島である日本全国の防災力を高めることで日本を再生していく意義のある税制改正と認識をいたしております。
 さて、災害対策のうち、建物の耐震化は、阪神大震災でも示されましたように、首都である東京の最も重要な対策であります。耐震強度を高めることがさまざまな効果を生み出し、人命を守るかなめとなる取り組みであることは明らかであります。
 そこで都は、緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化を促進することなど、さまざまな取り組みを行っております。耐震化を促進するため、平成二十年度からは税制面からも政策減税が実施をされております。
 その制度内容は、建てかえと、そして耐震改修を行った家屋に対し、それぞれの基準に基づき固定資産税と都市計画税を減免するものであります。建てかえについては、都独自の措置であります。耐震改修については、国の減額制度に上乗せをする措置が行われておりまして、大変積極的な取り組みと評価をさせていただきたいと思います。
 そこで、この制度が創設された平成二十年度からのこの政策減税の実績と減免の評価について伺わせていただきます。

○田倉税制部長 都は、防災都市づくりという観点から、平成二十年度に耐震化促進税制を創設いたしました。
 具体的には、二十三区において、旧耐震基準で建築された住宅について平成二十七年までに建てかえた場合、また耐震改修を施した場合に、固定資産税及び都市計画税を一定期間減免するものであります。
 実績についてでありますが、平成二十三年度定期課税分の建てかえの減免件数が約七千三百件、耐震改修の減免件数が約二千六百件、減免税額は固定資産税と都市計画税を合わせて約十一億七千万円となっております。また、平成二十一年度から平成二十三年度の定期課税分の累計は、約十六億五千万円となっております。
 この措置の評価については、税を減免することにより、耐震化促進へのインセンティブとなるとともに、助成事業などとの相乗効果、アナウンスメント効果によって、住宅の耐震化率の向上に寄与するものと認識をしております。

○西岡委員 累計で十六億五千万円、二十三年度だけを見ても十一億七千万円の都税の減免で約一万件が耐震化されたということですから、これは大変大きな成果であろうと思います。
 一方、東日本大震災では、マンションの被害がありました。旧耐震基準マンションの損傷割合が、大変大きくなっているということが明らかになりました。まさしく東京においても、耐震化が、集合住宅の耐震化が大変課題であります。
 本日も、都議会民主党都市政策調査会において、老朽化したマンションの建てかえの促進策について活発な議論を交わしたところであります。
 耐震化を進める上で、とりわけマンションなどの集合住宅の耐震化が進んでいないことが大きな課題であることは、皆様もご承知のことと思います。
 主税局として、この集合住宅の耐震化促進に向けたさらなる対策を講じていくべきと考えますが、ご所見を伺わせていただきます。

○田倉税制部長 都内には、二十万戸を超える旧耐震基準で建築されました分譲マンションがございまして、その耐震化は喫緊の課題とされております。
 このため、東京都耐震化促進計画を所管する都市整備局におきまして、マンション耐震化への取り組みを拡大し、平成二十七年度までに住宅の耐震化率を九〇%、三十二年度までに九五%とすることを目標に耐震化を進めております。
 しかし、マンションの建てかえや改修に当たりましては、多数の居住者の合意形成が課題とされており、所管局におきましては、円滑な建てかえや改修に向け、法制度の改正や国費負担の上乗せなどを国へ提案要求しております。
 主税局においては、所管局とも連携し、集合住宅を含む居住用住宅の耐震化促進を図るため、「広報東京都」などの都の広報媒体の活用を初め、防災展におけるPRブースの設置、運営、関係事業でのチラシの配布など、減免制度の周知に努めてまいりました。
 耐震化の促進は、法制上の整備や助成制度などの拡充に加えまして、税制上の優遇措置や広報などによりまして、より高い効果を発揮すると考えられることから、主税局としても、今後とも、所管局と一層連携を密にしまして積極的に取り組んでまいります。

○西岡委員 所管局のみならず、主税局としても積極的に取り組んでいきたいとの決意が示されました。ぜひよろしくお願いいたします。
 マンションなどの集合住宅の分野は、震災対策のかなめの一つであります。複合的な取り組みの中で大変重要な位置を占める税制面からの集合住宅の耐震化を促進する、この取り組みをぜひ積極的に進めていただきたいと考えます。
 また、この耐震化の減免制度は二十三区に限られた制度であります。市町村は、固定資産税や都市計画税は市町村が徴収するということになっておりますから、これは都の政策が及ばない範囲であることは重々承知をいたしておりますが、しかし、耐震減免の取り組みには、多摩地域の中ではまだまだばらつきがありまして、より一層多摩地域の税制面からの取り組みを促していくことは大事だと私は考えております。東京都の成果を広く周知していく取り組みなどを行って、耐震化が都内全域でより一層進むよう、主税局の今後の取り組みを要望させていただきたいと思います。
 続きまして、東日本大震災と税制からの支援、震災対策を促進する政策減税について、最後の質問を伺わせていただきたいと思いますが、震災対策は都の最重要課題であります。
 今後、住宅の耐震改修促進税制、さらには木造住宅密集地域対策、木密不燃化十年プロジェクトなどの取り組みも含め、あらゆる方策を用いて都民の生命と財産を守り、首都東京を災害から守っていくことが求められております。
 特に、建物の耐震化、そして不燃化は重要な課題であります。地震では、倒れない、燃えない建物を構築していくことが防災対策の重要な柱であります。
 都民の生命と財産を守る取り組み、すなわち東京の防災力を高める取り組みのために、耐震化を含めて、さらなる減免措置を用いた政策減税によって、より一層取り組んでいくべきと考えますけれども、ご見解を伺わせていただきます。

○田倉税制部長 東日本大震災の発生や首都直下型地震の切迫性を踏まえますと、都民の生命と東京の都市機能を守る震災対策は、都の喫緊の課題であります。
 特に、東京の最大の弱点とされる木造住宅密集地域の改善を加速させるための整備促進策が必要とされております。
 平成二十三年度東京都税制調査会におきましても、税制面から不燃化の促進を図ることについての議論が行われたところでございます。
 震災対策のためのさらなる税制の活用については、政策効果と公平性とのバランスや税収への影響等を十分に勘案する必要がございますが、今後、関係局とも連携を図りながら検討してまいります。

○西岡委員 不燃化を促進する政策減税が、税制調査会でも今年度議論されているということであります。不燃化を促進する減免制度、こちらについてもぜひ実現をしていただきますよう検討を進めていただきたいと、強く要望させていただきたいと思います。
 続きまして、主税局の緊急時における事業継続、BCPについて伺います。
 大震災は、さまざまな教訓を示しました。被災した自治体においては、余りに甚大な被害が及び、行政運営に多大な影響を及ぼしている例もあります。
 都では、大震災発生以降、現地に東京事務所を開設するとともに、主税局も多大な貢献をする中で都庁職員の現地派遣も行われてまいりました。震災時において、行政が震災後においても想定しておかなければならないさまざまな事例や、今回明らかになった多くの教訓を把握していることと考えます。
 首都直下型の災害に直面した場合に、極めて重要な情報である税務情報の消失などにより、税務行政が継続できないことが懸念をされます。
 そこで、大規模災害発生時の事業継続に際し、主税局におけるBCP対策をどのように講じているのか伺わせていただきます。

○目黒総務部長 主税局のBCP対策でございますけれども、あくまでも大規模災害発生時にはオール都庁として行うべき人命救助や災害復旧業務を優先することとし、緊急を要しない税務業務は一時的に中断することもやむを得ないとの基本的認識に立った上で、可能な限り税務業務の継続を担保するための手だてを講じているところでございます。
 例えば、主税局が保有いたします課税資料等の大部分は電子データ化され、主税局電子計算センターで一元的に管理、運用しているところでございますが、この電子データ化された税務情報は、都政にとりましても、また都民生活を維持していく上でも必要不可欠な貴重な財産であることにかんがみ、当該電子計算センターとは別に、バックアップセンターを設けて保存しているところでございます。
 このバックアップセンターは、電子計算センターからは相当程度距離のある場所に設置され、また耐震性にすぐれた強固な建物構造となっていることから、万が一大規模災害により主税局電子計算センターや都税事務所が甚大な被害を受けた場合でも、バックアップされた電子データまでが同時に消失するリスクは著しく減殺され、このデータをもとに都税を賦課徴収するために必要な資料の復元を図り、税務業務を継続していくことが可能であると考えております。

○西岡委員 ありがとうございました。主税局のBCP対策は十分講じられているというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 次に、最後の質問であります。
 大震災発生時、東京においては三百五十万人もの帰宅困難者が発生し、その際は、都税事務所、全部で都内に二十九カ所ありますけれども、その中で、十一カ所の都税事務所が震災当日、対策に取り組みました。
 当日の午後四時、第六報の都庁からの記者プレス発表を見ますと、その中にもいち早く帰宅困難者を都税事務所で受け入れるんだという方針が示されておりました。
 そこで、今回の大震災では、震災当日はターミナル駅に滞留する帰宅困難者の滞在場所として都税事務所が活用されましたけれども、そこで得た教訓は何であったのか。また、この教訓を今後どう生かしていくのか伺わせていただきます。

○目黒総務部長 震災当日は、ターミナル駅付近に所在する都税事務所を中心といたしまして、約四百名もの帰宅困難者の受け入れを行ったところでございますが、都税事務所が大規模災害時における都民の受け入れ施設として極めて重要な役割を果たす存在であることを再認識したところでございます。
 今般の震災では、その発生時刻がたまたま開庁時間内でありましたことから、職員の臨機の状況判断のもとで、不十分ながらも何とか対応できた面がございます。
 しかし、職員が不在の閉庁時間帯での災害発生の可能性も含め、職員間、あるいは職員と民間事業者を含めた関係者間の役割分担や連絡方法などの手順をあらかじめ定めておき、平時から周知させておくことの重要性を痛感したところでございます。
 また、従来、都税事務所が災害時における都民の受け入れ施設として位置づけられていなかったこともございまして、受け入れを行いました帰宅困難者へ提供できる物資に限りがありまして、特に毛布やタオル類が不足していたという実態が明らかとなりました。
 主税局としては、こうした教訓を踏まえ、いざというときに役に立つ実効性ある災害対応マニュアルの整備を進めるとともに、職員のみならず、帰宅困難者の受け入れを前提とした物資、この中には例えば、食料はもちろんでありますが、毛布、タオル、そして懐炉や簡易トイレといったようなものまでが含まれるものでありますけれども、そういったものを計画的に備えるよう各都税事務所に指示したところでございます。
 今後とも、関係各局との連携を密にするなど、全庁的な課題であります帰宅困難者対策に積極的に対応してまいりたいと考えております。

○西岡委員 ぜひ、得られた教訓を今後の主税局としての局全体の防災対策に反映していただいて、取り組みを前に前に進めていただきたいと思います。
 被災者支援と東京の防災力を高めるという、双方の取り組みの継続が重要であります。
 特に、震災からの教訓を踏まえ、風水害や地震、火災などで甚大な被害を受けた場合に速やかに都税を減免する制度を構築しておくことも、またその周知も重要であります。また、防災力を高めるさらなる減免制度の取り組み、特に不燃化への政策減税については、ぜひ検討をお願いしたいと思っております。
 今後の主税局による防災と関連した施策の推進を要望いたしまして、私の質問を終えさせていただきます。

○鈴木(隆)委員 私からは、防災力の向上に関連した税財政制度、また固定資産税等の軽減措置についてお伺いをしたいと思います。
 昨年は、東日本大震災や福島原子力発電所事故による未曾有の大災害に加え、経済面では大震災に伴う生産活動の停滞や欧州の政府債務危機、さらには歴史的な円高による景気後退など、被災者や被災地にとって、そして日本経済にとっても非常に深刻な状況があり、また深いつめ跡を残すような一年となりました。
 加えて、現在、我が国では、少子高齢化や巨大な財政赤字、崩壊寸前の社会保障制度、さらには原子力発電所の休止等に伴う電力不足など幾つもの重要な課題があり、将来を左右するような局面を迎えているのも事実であります。
 しかし、こうした困難で危険的な状況のある中、政府・民主党の動きは極めて緩慢といわざるを得ません。東日本大震災からの復旧復興に向けた方策はおろか、そのほかの重大な問題についても、結論を先送りするように見られます。方向性を示すことさえできていないようにも感じます。
 私は、たびたび現地に入りましたが、地元の市町村や地域のリーダーたちは、被災地域のために、みずからも被災者でありながら、みずからの意思と責任においてボランティアで物資を運ぶなどの支援を迅速に行っていました。それに対して国や県の動きは余りにも遅過ぎたといわざるを得ません。
 三つほど申し上げますが、一つは、三月十一日の翌日、気仙沼の大火災があった中に、東京消防庁決死の覚悟で入っていただきました。気仙沼の市長の菅原さん以下--目黒は気仙沼市とのおつき合いが大変あるものですから、サンマの関係で。その方々から、そのときの状況を非常に聞かされました。大変に東京消防庁に対して感謝をしています。東京都にはいずれあいさつに来たいといって、先日、猪瀬副知事の方にはお見えになったみたいですが、そのことはもう既に東京都に伝えておりますが、その火災の鎮火に向けて決死の覚悟で入っていただいたことに感謝をしているということをおっしゃっておられました。
 また、石原知事が宮城県知事との話し合いの中で、要するに、亡くなった方々の受け入れ、遺体の受け入れをして、だびに付すということを行いました。
 実は、これ官民合わせてやったわけでございまして、民間の施設でも五月中に五百九十五体を、きちっとトラックに一体一体お乗せをして、そしてこちらでだびに付し、それをまた一つ一つお名前を張って宮城に送ったということをやり、東京都からはその団体の方々にお礼状も出したということでありますが、これに関しては、家内の実家の菩提寺のお上人からも、または宮城の仏教界の方々からも、大変感謝をしていますと、あれがあったおかげで、それぞれの供養ができましたということで、私も行ったときにご住職からかなりのお礼をいわれて、それも伝えてありますが、そういうような状況にあります。
 それから、三月の被災を受けた後すぐでありますが、先ほどもいいましたが、被災を受けていながら、農協の青年部の人とか町会の人たちが、それぞれが非常に連携をとって、物資を布団から何からトラックに積んでどんどん回りましたよ、それぞれのところを。ああいう姿を見させていただいて、やはりスピード感、我々がやることには本当にスピード感が必要で、口先よりも行動に移すということの大切さというのを非常に知って、私は--余りいうと怒られちゃうんだよな。向こうの方から都会では何ができるんだと怒られましたが、現地には、向こうの方々も必死な覚悟で、友人、知人の方と協力してそういう体制をとった。恐らくここにいらっしゃる方の中でも、宮城県に親戚の方がいたり、友人、知人の方がいたり、また福島にいらっしゃると思いますから、そういうことを聞いていると思いますが、あえてそういうようなことがあったということだけは、ここでいわせていただきたいと思っています。
 復興は、すべて国が責任を持って進めるべきものであります。復興庁は、発足まで十一カ月もかかりました。瓦れき処理に至っては、震災後一年たった今でも、最終処分されたのはわずか五%、野田総理も世論が上向いてきたのを見てようやく腰を上げたようにしか私たちには見えません。たとえ最初は批判を受けたとしても、被災者、そして国民のために、先頭に立って、正しいと思う施策を責任を持って実行するのが政府・与党の仕事ではないかと思います。
 一方、都内に目を向ければ、さきの大震災において、死傷者の発生や建物の損壊などさまざまな被害が生じました。加えて、三百万人を超える大量の帰宅困難者の発生やその後の福島原発に起因する夏場の電力供給制限など、災害時における首都東京の新たな課題が明らかになってまいりました。
 そうした中、我が都議会自由民主党においても、いち早く東日本大震災復旧復興対策推進本部を立ち上げまして、被災者支援や被災地の復旧復興に向けた積極的な取り組みを現在も行っているところであります。
 今回提案されている条例改正案については、防災対策に充てる費用を確保することを目的として、昨年十一月に成立いたしましたいわゆる復興財源確保法、これとセットで成立した平成二十三年度税制改正に伴う改正であることの説明を受けております。この改正による都の影響額は約四十五億円ということも聞いております。
 自治体みずからが復興財源を確保することは意義あることと考えますが、被災地の市長さん、村長さん、町長さん、国から手当てされるべき財源を持っているが、条件が厳しく、思うように復興財源が進まない。大変怒っている現状があるというふうに聞いています。復興財源の地方自治体への配分は、運用上も被災地に配慮をして、しっかりと、スピード感を持ってスピーディーに進めることが一番大切なことであります。
 国、地方を通じた復興財源確保のスキームはどのようになっているのかを改めて伺います。

○田倉税制部長 政府の東日本大震災に係る復興基本方針によれば、集中復興期間と位置づけられた当初五年間の事業規模を十九兆円程度と見込んでおり、このうち歳出削減や税外収入等による財源の裏づけがない十・五兆円について、時限的な税制措置により確保することとされました。
 税制措置の具体的な内容につきましては、国税において、復興特別税として所得税額の二・一%の付加税を二十五年間、法人税額の一〇%の付加税を三年間課税し、総額九・七兆円を確保することとされております。
 また、地方税では、全国防災事業等の地方負担分〇・八兆円に充てるため、個人住民税の均等割を十年間、都道府県、区市町村がそれぞれ年間五百円ずつ合計で千円引き上げるとともに、平成二十三年度税制改正事項である個人住民税の退職所得一〇%の税額控除の廃止による増収分を十年間復興財源に充てることとされております。

○鈴木(隆)委員 次に、都における平成二十四年度の税収見通しと過去の税収の推移をあわせて伺います。

○田倉税制部長 都税収入は、平成二十年度以降、世界的な景気後退で企業収益が悪化し、厳しい経済状況が継続していることや法人事業税の暫定措置の影響によりまして、法人二税が大幅な減収となり、連続で減少しております。
 その推移は、平成十九年度の五・五兆円をピークに、二十年度は五・三兆円、二十一年度は過去最大となる約一兆円の減収で四・三兆円、二十二年度は四・一兆円となっております。また、二十三年度は補正後予算ベースで前年度決算額より百五十六億円減となる四兆一千三百二十九億円と見込んでおります。
 次に、平成二十四年度の税収見通しについてでございますが、政府が二月に発表いたしました月例経済報告によれば、景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、緩やかに持ち直しているとされておりますが、先行きについては、欧州の政府債務危機による海外景気の下振れ、電力供給の制約や原子力災害の影響、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念等が指摘されております。
 このような情勢から、企業収益の回復のおくれなどにより、法人二税の税収の好転は期待できず、また、固定資産税、都市計画税が基準年度の評価替えにより減収となることなどから、都税の収入は当面厳しい状況が続くと認識をしております。
 したがいまして、平成二十四年度の都税収入は、前年度当初予算に対しまして一千十億円、二・四%の減となる四兆一千百九十五億円を見込んでおるところでございます。

○鈴木(隆)委員 答弁にありましたように、現下の大変厳しい経済状況や雇用環境が継続して、都税収入が一千億円以上も減少するとのことであります。
 首都機能を有し、我が国の産業を牽引する東京の防災力の向上は極めて重要であります。厳しい財政環境の中にあっても、平成二十四年度当初予算において、緊急輸送道路の機能確保や木造住宅密集地域の不燃化、耐震化など首都東京の防災力強化に千四百億円を計上、限られた財源が重点的に配分されることを高く評価をしたいと思います。
 ところで、我が党は、産業振興を図り、殊に、ものづくり産業を中心とする中小企業や商店街振興による地域に根づいた産業活力を新時代に引き継いでいくための活力東京プログラムの提案をし、その実施を強く求めているところであります。
 昨年来、東京都は、外国企業を誘致するアジアヘッドクオーター構想を推進しています。
 このたび、国の国家戦略総合特区として地域指定を受け、今後、外国企業を積極的に誘致し、さらに高い付加価値を創出すべく、外国のすぐれた経営資源と都内中小企業が持つ高い技術力を結びつけていくと確信をしています。
 空前の円高の影響により、中小企業は依然として厳しい状況に直面をしています。国は、これはいいたくないんですが、無為無策のままで、手をこまねいていることになるといわれても、これはしようがない状況があると思います。
 都は、東京の産業の空洞化を防ぐために、中小企業の支援に全力で取り組む必要があります。
 特に、現状の把握をして、民間の意見をしっかり聞くということが必要で、しかもそれぞれの企業、業種によって、特に海外との取引のある会社、企業、うちもそうですが、そういう中小企業にとってみると、総合的な判断、それから知事がよくいう重層的な方策を考えてもらう、それは金融面、資金面も含めて。そういうような知恵をまさに今出さないと、中小企業の中で、とりわけ厳しい状況にある企業は、倒産に追い込まれる可能性というのは非常に高い、または企業縮小、転廃業をせざるを得ないというような状況があるということを、あえて私はいっておきたいと思います。
 もう一つは、後継者問題です。その企業が、自分の子どもとか親戚でやってくれる人はまだいいんですが、自分の事業を継承してくれる、そういう人たちが、本来例えば各種学校との連携とか、そういう中でそれぞれの事業継承、そういうことに対してもっと若い人たちとか、意識を持って、志を持ってそういうものづくりに進みたいという人たちとのそういう関係がつくれていると、もっと違った方向のものづくり、または新しいベンチャーとか、そういうところにも目が向いていくのかなという気がしていますから、もし考えていただけるならば、きょうは主税ですから、本当は産業労働局の方なのかもしれないけれども、そんな話があったことを伝えていただければ大変ありがたいと思います。
 既に主税局においては、中小企業を支援する観点から、固定資産税及び都市計画税の軽減措置を実施しております。
 東京都は、固定資産税の三つの軽減措置について、平成二十四年度においても引き続き実施すると既に発表しております。これらの措置がこれまで果たしてきた役割について、改めて伺います。

○田倉税制部長 都において昭和六十年代のバブル経済期における地価高騰は、都心部の人口空洞化に拍車をかけ、コミュニティの崩壊を招くなど、居住空間と業務機能の調和のとれたまちづくりの実現に影響を与えかねない状況にありました。
 また、バブル崩壊後は、一転して地価が急落したにもかかわらず、一部の土地では税負担が増加し、さらには同じ評価額の土地であっても税額が異なる負担水準の不均衡など、税制度のゆがみが顕在化いたしました。
 こうした状況を踏まえまして、固定資産税等の三つの軽減は措置したものでございます。
 都が独自に実施しております三つの軽減措置は、固定資産税等の過重な負担を緩和し、あわせて負担の公平を図り、中小零細事業者等を支援することにより、固定資産税に対する納税者の信頼と東京の活力の再生に寄与しているものと考えております。

○鈴木(隆)委員 三軽減の中でも、小規模非住宅用地の二割減免は、都内の中小零細商工業者に対する緊急かつ特別の支援を訴えた我が党を初めとする都議会の意向を踏まえて、平成十四年に知事が英断をされたものであります。
 しかし、中小企業を取り巻く状況は、十年前と比べても全く好転はしておりません。請願陳情の趣旨に大いに賛同するものであります。
 主税局においては、今後も都の唯一の歳入局としての役割を果たし、都が推進しなければならない防災対策、産業の空洞化対策、子育て支援など、幅広い分野での施策を支援すべく、機動的に対応していくことが肝要であると感じます。
 今後も、都税収入をしっかり確保するとともに、政策税制を的確に組み合わせて実施していくことが求められていますが、都税収入が五年連続減という都政史上初めてともいえるこの難局を乗り切っていく主税局長の決意を伺い、終わります。

○新田主税局長 改めて申し上げるまでもございませんが、主税局は、庁内唯一の歳入所管局といたしまして、都政の事務事業を支える都税収入を着実に確保することが最大の使命でございます。
 都税収入は、お話のとおり、不安定な経済環境を反映して極めて厳しい状況が続いているわけでございますが、高度防災都市づくりや産業の活性化など、都政が直面する多岐にわたる課題を解決していくためには、その裏づけとなる財政基盤を盤石なものにしていくことが不可欠であることは言をまちません。
 そして、その任に当たる主税局の役割はますます重くなってきており、そのかじ取りも複雑化、困難化してきているものと考えております。
 このため、主税局は、ピーク時の五〇%以下となる職員定数の削減、組織のスリム化を行いながらも、不断の業務改善により、納税者サービスの向上と税収確保に努めてきたところでございますが、今後も、適正、公平を旨として、さらに汗をかき、創意工夫と職員意識の改革に取り組んでまいる所存でございます。
 一方、都の推進している政策を着実に実現していくためには、関係各局との連携をこれまで以上に強化して、施策を税制面から支援していくことも主税局の重要な役割であり、近年、こうした税制の果たす機能に対し、期待が高まってきているものと認識しております。
 政策税制は、公平、中立、簡素という税の基本原則の例外であることにかんがみ、税収確保を旨とする主税局といたしましては、その政策効果や経済状況などを緊張感を持って見きわめながら、機動的、積極的にその活用を検討していかなければならないと考えております。
 今後とも、都議会の先生方のご指導、ご支援をいただきながら、主税局の使命の達成に向け局一丸となって取り組んでまいる決意でございます。

○加藤委員 それでは、私からは、平成二十四年度は固定資産税の評価替えの年でありますので、固定資産税について、基本的なことを、都民がふだん疑問に思っていることを改めて伺いたいと思います。
 まず、固定資産税が減収になるとの報道がありましたが、どれくらいになるのか伺います。

○田倉税制部長 平成二十四年度当初予算での固定資産税、都市計画税は、基準年度の評価替えの影響を受けて、前年度当初予算対比で三百三十六億円、二・五%の減収となる見込みでございます。
 その主な要因は、家屋について、建築後の経過年数に応じた減価と建築資材の価格下落、さらに景気低迷による新築建物の減少によるものであります。

○加藤委員 主に、家屋についての建築資材の下落、新築の減少があって減収ということでありますが、では次に、地価が下がっているのに固定資産税が下がらない、そういう土地がありますけれども、これはなぜか伺います。

○田倉税制部長 土地に対する固定資産税については、例えば評価額が同じ一千万円の土地が二つあったといたしまして、一つの土地の前年度の課税標準額が七百万円だとすると、これを負担水準七〇%と申します。また、同じ評価額のもう一つの土地の前年度の課税標準額が五百万円であれば、こちらの土地の負担水準は五〇%になりますが、過去の地価の動向の違いによりまして、このような負担水準の不均衡が一部で生じております。
 現行の地方税法では、税負担の公平性の観点から、この負担水準の不均衡を是正するための負担調整措置が設けられております。この措置によりまして、商業地等の場合であれば、負担水準が六〇%に達しない土地では、直近の地価が下がったといたしましても、六〇%に達するまでは税負担を緩やかに引き上げるというふうにされております。

○加藤委員 負担調整措置が働いて下がらない場合も出てくるわけですが、少しわかりにくい面がございます。
 この、わかりやすい評価、課税の仕組みを検討すべきではないかと思うんですが、所見を伺います。

○田倉税制部長 土地に係る固定資産税制は、過去の地価の急騰急落等を背景に、評価方法の見直しや負担調整措置等が行われてきた結果、地価と税負担の関係が納税者にとってわかりにくい制度となっております。
 固定資産税に対する信頼を高めるためにも、納税者にとって理解しやすい制度へと見直していくことが求められており、都は、固定資産税制を抜本的に見直し、地価と税負担の関係がより明確となるようにすることを国に現在提案要求をしております。

○加藤委員 次に、固定資産評価は、なぜ三年ごとに見直すのか。毎年の地価の変動を反映できる仕組みにできないのか、お伺いをいたします。

○田倉税制部長 固定資産税の評価を三年に一度としておりますのは、評価を正確に行うことと徴収費用を最少にするという、この二つの要請に同時にこたえるためであるとされております。
 しかし、地価が下落している場合には、毎年の評価額を簡易な方法によりまして下落修正できる特例措置が、平成九年度から実施されております。平成二十四年度税制改正におきましても、この措置を継続するものとされております。

○加藤委員 三年に一度ということなんですが、今ご答弁あったように、簡易な方法で下落修正できる特例措置、こういうこともあるということなんですが、私もこれを知らなかったんですが、こういったこともあると。
 それで、もう一つは、固定資産税の納税通知書に同封されている説明書、(資料を示す)これは二十三年度の、皆様もよく見られていると思いますが、びっしり書いてあって、本当に私もよく見てもわからない部分もあるんですけれども、こういった納税通知書に同封されている説明書をもう少しわかりやすくした方がいいんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○阿南資産税部長 これまでの税制改正による特例措置の導入などによりまして、そもそも固定資産税制は複雑になっております。
 加えまして、都におきましては、納税者の税負担の軽減を図るため、小規模非住宅用地に対する減免ですとか、独自の措置を設けているところでございます。
 このため、お客様にお送りしております説明用のパンフレットにつきましては、毎年必要な改善を行ってまいりましたものの、記載内容が多岐にわたっており、ご指摘のとおり今なおわかりにくいとの意見も寄せられているところでございます。
 税金のパンフレットということでございますので、内容がある程度かたくなることは避けられません。ですが、引き続き、都税事務所に寄せられたお客様の声に私どもも真摯に耳を傾けまして、さらにわかりやすいものへ改善するよう工夫を重ねてまいる所存でございます。

○加藤委員 工夫を重ねていくということですので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、納税者が自分の所有する固定資産の評価に納得できない場合、どのような対応をしているのか伺います。

○阿南資産税部長 固定資産課税台帳に登録されました価格の算定の基礎でございます評価の内容につきましては、納税者からご質問があった場合には、評価資料を提示しながら親切丁寧な説明に努めておるというところでございます。
 その上で、まだご理解がいただけないといった場合につきましては、地方税法に定められました不服申し立ての制度としての評価の審査の申し出があることもご説明しておるところでございます。
 今後とも、お客様のご理解が得られますように、より一層親切で丁寧な説明に努めてまいる所存でございます。

○加藤委員 昔と違って右肩下がりの時代にありまして、この貴重なお金をどういうふうに集めて、どういうふうに使っていくか、ますます大事になっております。国の債務増大の問題や消費税の導入をどうするかなど、将来を担う子どもや若者もしっかり学んでいく必要があると思います。
 そこで、固定資産税に限らず、税について学校で教えるなど、租税教育に努めるべきではないかと思いますが、所見を伺います。

○目黒総務部長 租税教育でございますが、次代を担う児童生徒に対し租税の意義や役割を理解させ、将来の納税者としての自覚を持った国民に育てるという目的から、教育関係者や税務関係者の協力をいただきながら、全国的に広く実施されているところでございます。
 都におきましては、都の教育長が会長を務め、都内の教育関係者や東京国税局、東京都主税局等の税務関係者らで構成される東京都租税教育推進協議会が平成四年に設置をされ、同協議会が推進母体となることによりまして、都内小中学校の授業等で活用される副教材の作成などさまざまな租税教育活動が展開されているところでございます。
 主税局の各都税事務所におきましても、管内の税務署や税理士会等の納税協力団体、地元小中学校などと連携、協力することにより、都税事務所の職員が管内の小中学校に直接出向き、税に関する出前授業を行う、いわゆる租税教室を積極的に開催するなど、幅広い取り組みを進めているところでございます。
 今後とも、同協議会を通じた租税教育の充実強化を図ることはもちろんのこと、局独自の取り組みにつきましても、より一層の工夫を凝らすことにより、税に関する普及啓発活動をより積極的に、より強力に進めてまいりたいと考えております。

○加藤委員 局としても、一層工夫を凝らして、強力に進めていただけるということですので、頑張っていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

○たぞえ委員 私からは、予算案、都税条例改正、報告事項、請願と陳情について一括して質問します。
 二十四年度の都税の歳入状況は、今年度比で二・四%減の四兆一千百九十五億円としています。法人二税やその他の税でも今年度に比べて減収だとしていますが、それぞれの額の推移と原因をどう見ているのか、まず伺います。

○田倉税制部長 平成二十四年度の都税収入が前年度当初予算に対しまして二・四%の減となっている主な原因は、東日本大震災の影響により落ち込んだ企業収益の回復のおくれなどで、法人二税が約六百十八億円減収となっていることによるものであります。
 また、その他の税では、固定資産税、都市計画税が基準年度の評価替えによる家屋の下落により約三百三十六億円の減、個人都民税が雇用所得環境の回復のおくれにより約百二十億円の減などとなっております。

○たぞえ委員 今いわれましたように、都税収入では、法人二税が六百十八億円、固定資産税や都市計画税で三百三十六億円、個人都民税では百二十億円が減収ということであります。
 いわば勤労者所得の減少、世界経済の衰退による円高と日本経済の長期にわたる低迷と後退、さらに大震災の影響など、国民の暮らしが一層深刻化した結果、税収不足を招いていると。これは五年来続いている事態であります。
 このように、地方財政も、国民の暮らしも極めて大変だというときに、民主党政権は、社会保障と税の一体改革と称して、消費税を二〇一四年に八%、二〇一五年に一〇%に増税する法案を今会期中にも国会で通すと伺っています。
 これに対して、多くの国民から強い不満と批判の声が起こっています。
 例えば、朝日新聞社が三月十三日と十四日に行った全国緊急電話世論調査によると、消費税増税の政府案について、賛成は三四%、反対の五七%を大きく下回りました。毎日新聞社の世論調査で、賛成三八%、反対五四%、時事通信社が九日から十二日まで実施した世論調査によると、賛成三七・一%、反対五六・一%の数値を発表しています。
 この中で、賛成と答えた人でも、消費税が社会保障制度を安定させると思う人は三一%にとどまっていることは、私は大変興味深い点だというふうに思っています。財源がないなら将来はやむを得ないと考える人を含めて、増税計画への不安が多くの人のものになっている、そのことを示しているのではないでしょうか。
 マスコミ等の世論調査で示された税率の引き上げの国民や都民の動向は、明らかに増税反対が多数です。都民の多数の立場に立つならば、東京都としてこの消費税増税に反対をするべきだと考えますが、まず見解を伺います。

○田倉税制部長 消費税は税収が安定的であり、広く消費に負担を求め、世代間の負担の公平を確保できる税であるとされております。
 地方の財政は、少子高齢化のさらなる進展などにより、財政需要の大幅な増加が避けられない状況にある一方で、国の財政も我が国のGDPの二倍にも上る債務残高を抱えるなど、危機に瀕した状態となっております。
 こうした状況を踏まえ、税制の抜本改革において、消費税及び地方消費税の税率引き上げなど税源の拡充を図ることが不可欠であると考えております。

○たぞえ委員 今、答弁で税収が安定的だといいましたが、果たしてそうなのかという問題です。
 今の答弁を聞きますと、一九九七年の橋本内閣のもとで強行された消費税の五%の増税を私は思い出します。
 あのとき橋本首相は、高齢化社会を支える安定財源を確保するといって増税を進めました。しかし、その後財源は確保されたでしょうか。
 当時、景気は回復の途上にあって、世帯の収入から税や社会保険料を差し引いた平均的勤労者の可処分所得は、九〇年の五百二十九万円から九七年時点では五百九十六万円に伸び続けていました。消費支出はジグザクでありましたけれども、伸びていたわけです。
 当時、都税の総額は、九七年の所得を反映して九八年には四兆二千五百六十三億円でした。ところが、五%に引き上げた九八年度所得をベースにしている九九年度には、五・四%落ち込んで四兆二百五十九億円へと二千三百四億円減りました。内訳で見ると、法人二税が一四・二%も落ちたわけです。東京の経済の六割を占める家計消費が冷え込み激減して悪化した。こういう事態は、今日、今なお続いているわけです。
 先ほど鈴木委員からもその話を聞いて、なるほどなというふうに思いました。
 東京の経済の六割を占める、こういう事態が深刻化した、そのために税収の落ち込みに対応した景気対策のための国と都の地方の長期債務は、わずか四年間で二百兆円ふえる結果となったわけです。
 要するに、消費税を増税しないと財政が危なくなるのではなくて、増税したら財政が安定するどころか危なくなるということが当時から指摘がされているわけです。
 先ほど税制部長が答弁で、世代間の負担の公平を確保できるといいましたが、それも、部長、ごまかしなんですよ。所得の低い人は、生活のために収入のほとんどを使ってしまいますから、収入に対する消費税の負担率が高いわけです。一方、お金持ちは、収入の一部しか使いませんから、残りは貯蓄をしたりして、収入に対する消費税の負担割合は低くなります。
 この点で、消費税は低所得者ほど負担割合の重い、不公平で負担の公平は確保できないと私は思います。
 今回の増税計画について、全国三万団体が加入している全国中小企業団体中央会、日本チェーンストア協会、日本百貨店協会、全国商店街振興組合連合会など幅広い分野で、消費が冷え込むということを懸念して、増税中止の意見書を出していることは周知の事実であります。
 二十二年度の都内の中小企業の七五%は赤字です。法人二税が課税されてない大企業の割合はどういう状況でしょうか。

○田倉税制部長 平成二十二年度の資本金一億円超の大企業のうち、法人二税が課されていない割合は約五三%となっております。

○たぞえ委員 半分を超える大企業は、法人二税すら払う体力がないわけです。その上、企業、業者にとって消費税の一番の苦しみは価格に転嫁できないことです。
 昨年、中小企業四団体である日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全国商工会連合会、全国商店街振興組合連合会、これらが消費税転嫁についての実態調査を行いました。この中で、五割から七割の中小企業が、消費税を販売価格に転嫁できないという回答が出されています。
 具体的に、売上額ごとに見てみますと、年間売上額が一千万円から一千五百万円の層で七一%が、一億円から二億円の売上高の企業で五割です。中小企業側には、仕入れ価格に容赦なく消費税が上乗せされてきますけれども、販売の際、価格に転嫁すれば値が上がって売れない。そのため五%を転嫁せずに販売すれば、売上利益の中から消費税を負担せざるを得ない。これは導入以来二十三年続いている事態です。
 先ほど説明のありました委員会の資料で、二十一年度と二十二年度の利益法人と欠損法人の割合、法人都民税の推移はどういう状況でしょうか。

○田倉税制部長 二十一年度の利益法人の割合は二七・二%、欠損法人の割合は七二・八%であり、二十二年度はそれぞれ二五・八%、七四・二%となっております。
 法人都民税の税額につきましては、申告年税額ベースで二十一年度が六千五百二十五億円、二十二年度が六千八億円となっております。

○たぞえ委員 法人都民税や法人事業税の実態は、円高と不況がいかに深刻かを物語っていると思います。
 繰入地方消費税は、二十一年度三千五百十七億円、二十二年度三千五百十一億円ですが、消費税率が八%に引き上げられた場合の地方消費税のプラス分、税率を一〇%に引き上げた場合のプラス分について、都の税収はどういう税額になると予測しているんでしょうか。

○田倉税制部長 平成二十六年四月に消費税率が八%に引き上げられた場合、地方消費税率は現行の一%から一・七%に、平成二十七年十月に消費税率が一〇%に引き上げられた場合、地方消費税率は二・二%へ引き上げられることとされております。
 この場合、都における平年度ベースの影響額は、税率一・七%で二千五百三十四億円、税率二・二%で四千三百四十四億円の増収となります。

○たぞえ委員 税率がアップすると、答弁のあった額が加算されて、八%になれば東京都に入ってくる税金は六千四十五億円、一〇%になれば七千八百五十五億円、この額は消費税全体額の中の東京都に入る額です。それ以上に、八%で国の分が六・三%あっちにいくわけですね。一〇%で国の分が七・八%いく、残りの今いわれたパーセントが東京都に入ってくるわけです。
 こういうことについて、大田区のあるまち工場の社長さんですが、社長と、従業員一人、息子、パート、この四人で働いている工場です。昨年百六十万円の赤字で、結局預金を崩して消費税を九十一万円払ったと語っておられました。
 文京区で創業百年を迎える豆腐製造店ですけども、両親と二人の従業員で働いて、働いて、昨年百万円の赤字でした。しかし、消費税の納税額は四十一万円、家族の保険を解約しなければならなかったと訴えていました。
 今、こうして増税されれば、このデフレのもとで販売価格に上乗せすることはできない。収支が赤字でも、法人税や所得税は納めなくても済みますけれども、赤字でも消費税は納めなきゃいけない。こうなるといよいよ利益が出なくなる。これでは商売が成り立たなくて廃業に追い込まれてしまうところが多くこれからも出ることになります。
 このような消費税増税は、他の国で見ても、デフレのもとでやっている国はないわけですが、八%、一〇%になれば、日本経済を支える中小企業はたちまちお払い箱になりかねない、持ちこたえることができなくなると思います。
 こうした消費税を価格に転嫁できない中小企業の実態は深刻だと思いますが、これについてはどのように認識されているのでしょうか。

○田倉税制部長 消費税の納税義務者は事業者でありますが、その負担は価格に転嫁され、最終的には消費者が負うことが予定されているため、仕入れ価格に係る消費税額を価格に転嫁するということは当然予定されているものであります。
 なお、先般閣議決定された社会保障・税一体改革大綱では、消費税の価格への転嫁について、円滑かつ適正な転嫁に支障が生ずることのないよう、事業者の実態を十分に把握し、より徹底した対策を講じていくこととされております。

○たぞえ委員 今の答弁では、低所得者への配慮とか、給付つき税額控除制度の導入とかいうだけで具体策は何もないじゃないですか。
 しかも、消費者が負うから価格への転嫁は当然といいますけれども、先ほどいいましたように、転嫁できないのが実態なんです。しかも、円滑に適正に転嫁に支障がないように対策をとる、これは政府の答弁と一緒です。そのままの答弁は、先ほど私がいいましたように転嫁できないという都内の業者の実態、余りにもつかんでないといわざるを得ません。
 東京都は、そういう商工会議所や商店組合が行った実態調査を踏まえているんでしょうか。そんなことを詳細に踏まえず、転嫁するのは当然という姿勢は、東京都内の中小業者の経営者の実態に全く即していない。このことを厳しく指摘をしておきたいと思います。
 東京都はこの定例会に都税条例の改正案を提案していますが、復興を理由に住民税の均等割が一律引き上げられ、都民税で五百円、区市町村税で五百円、一人合わせて千円の増税です。この引き上げは、いつからいつまで何年間行うんですか。

○田倉税制部長 個人都民税の均等割の引き上げにつきましては、平成二十六年度から十年間でございます。都道府県、区市町村がそれぞれ年間五百円、合計で千円引き上げるものでございます。

○たぞえ委員 増税期間は十年間、平成三十五年まで、西暦二〇二三年まで続くという答えでありました。
 石原知事は、昨年の第二回定例会の答弁で、二〇二〇年オリンピック東京招致について、大震災から復興した姿を世界に披露するならば、世界じゅうから寄せられた友情や励ましへの何よりの返礼になると述べられました。二〇二〇年には復興は終わっているという認識です。
 そこで聞きますが、都税条例改正は、二〇二三年までの十年間、復興を理由として都民に負担を求めるわけですね。二〇二〇年までに復興が終わっているという知事の見解なのに、なぜ二〇二〇年以降の二三年まで三年間、復興のための均等割徴収を毎月毎月三年間都民は東京都に払わなくてはならないんでしょうか。

○田倉税制部長 先ほどご答弁でも申し上げましたけれども、今回の均等割の引き上げによる増収分は、平成二十三年度から平成二十七年度までの五年間の集中復興期間において緊急に地方団体が実施する防災のための施策に充てることとされておりまして、この五年間の集中復興期間に要する財源の確保については、平成二十六年度から三十五年度までの十年間で行うというふうにされておるものでございます。

○たぞえ委員 復興は、私たちも一日も早くこれが完結することを望んでいます。仮にこれが三年、四年、五年かかったとしても、一刻も早く立ち直ってもらいたい、そう思っているわけです。その復興した時点で、この税制というのは、私は同時に停止をするべきだと思います。
 先ほど事前にお話を聞いておりましたら、これだけの復興財源を確保するためにどんと国がお金を入れると。しかし、それを使ったお金の残高が残っているために、これをずっと続けていくんだということを聞いた覚えがあるんですけれども、しかし、それは実際に復興のために貢献しただろうけれども、その財源を手当てできない人たちもいるということを私は見てほしいというふうに思うんです。
 例えば、十八年度の個人都民税の均等割のみの納税義務者数は二十四万六千人でした。二十一年度が二十六万人、二十二年度が二十七万一千人と、きょうの委員会資料にも出ているとおり急増しています。所得がないか低いという人が毎年ふえている。その期間中に、先ほど前半でお聞きしたように消費税の増税を仮に行ったら、二つの増税ということにこの人々はなるわけです。
 こうした均等割世帯の二つの影響をどのようにお考えなんでしょうか。

○田倉税制部長 消費税は所得に対して逆進的であるとの意見もあるため、今後、消費税率の引き上げに当たっては、低所得者に何らかの配慮をすることが必要であるというふうに考えます。
 なお、社会保障・税一体改革大綱におきましては、相対的に低所得者に有利な制度である給付つき税額控除制度を導入し、それまでの暫定的、臨時的な措置として簡素な給付措置を実施するとされておるところでございます。

○たぞえ委員 何らかの配慮というふうにおっしゃいました。均等割が免除される方は、今回、障害者の方や未成年者、生活保護世帯、所得の合計が百二十五万円以下の方々です。
 先ほど私が述べた二十七万一千人は、免除されるんでしょうか。

○田倉税制部長 均等割を負担していただく低所得者二十七万人ということでございますけれども、二十七万人のうち、たぞえ先生がおっしゃいましたその方々が非課税、税金がかからないという状況でございまして、残りの方につきましては、均等割を、地域の会費的性格のものでございますので、ご負担をいただくということになります。

○たぞえ委員 その一部が免除されるということですけれども、今の均等割で都民税は年間千円、区市町村税は三千円がそれぞれ五百円加算されます。したがって、都民税だと千円が千五百円に一・五倍になるわけです。
 一・五倍といっても、金額が千円から千五百円だから大したことないじゃないかというわけにいかないんですね、所得のない人たちにとってみたら。こういう低い所得やない方々への十分な配慮は、どのようにされるんでしょうか。

○田倉税制部長 個人都民税につきましては、所得割、均等割とも非課税の方ということで、生活保護法に定める生活扶助を受けている方、あるいは障害者、未成年者、また寡婦等の方々で前年の所得が百二十五万円以下の方、年収で給与所得でありますれば二百四万四千円未満の方にはかからないということになって、配慮がされてございます。

○たぞえ委員 もう一回聞きますけれども、この二十七万一千人には、今度の都税条例改正による課税が行われるんですか、されないんでしょうか。もう一度、そこ、はっきりお答えください。

○田倉税制部長 失礼いたしました。二十七万人は、資料にありますとおり課税される人数でございます。

○たぞえ委員 主税局の見解は、都民税千円が千五百円に均等割が上がるのは、二十七万一千人には課税されるという認識でいいわけですね。そうですね。--はい。はいって別に私了解をしたわけじゃないですよ。
 次に、東京都は、ヘッドクオーター構想で世界の金融機関を呼び込んで、税の軽減を行うといっています。この「二〇二〇年の東京」、いただいていますが、ここでもこの政策展開を述べています。
 読みますと、大胆な規制緩和や税制支援措置が適用可能な総合特区制度と国際競争力を資する民間開発を誘導する特定都市再生緊急整備地域を一体的に活用して、外国の業務総括拠点、研究開発拠点を平成二十八年度末までに五十社、その他の外国企業を五百社東京に誘致するという活字が躍っています。
 そこで聞きますが、東京都は、現在、固定資産税を払う都民に対してどのような軽減策をとっているんでしょうか。

○田倉税制部長 現在、都におきましては、小規模非住宅用地の二割減免等の、いわゆる三つの軽減措置のほか、耐震化のための建てかえまたは改修を行った住宅に対する減免措置などを実施しております。

○たぞえ委員 軽減している理由は何でしょうか。

○田倉税制部長 固定資産税を軽減している理由でございますけれども、いわゆる三つの軽減措置につきましては、二十三区の納税者の過重な税負担の緩和、負担水準の不均衡是正及び中小企業の支援を目的としております。
 耐震化のための建てかえまたは改修を行った住宅に対する減免措置は、住宅の耐震化促進を税制面から支援し、災害に強い東京を実現するということを目的にしております。

○たぞえ委員 先ほどいいましたアジアヘッドクオーター構想では、外国企業誘致のために都は独自の税制優遇を行うとしています。
 どのような具体的な優遇が行われるんでしょうか。

○田倉税制部長 アジアヘッドクオータープロジェクトは、誘致外国企業と都内、国内中小企業のコラボレーションを促進し、東京のみならず、日本全体へ経済効果を波及させることを目的として行うものでございます。
 ご質問にあります都独自の優遇措置につきましては、法人事業税の全額減免、全額免除により、法人税の所得控除と合わせまして、法人実効税率を二〇%台半ばに引き下げるほか、不動産取得税、固定資産税等の免除を予定しております。

○たぞえ委員 驚くべきメニューだと思います。外国企業には至れり尽くせりの大減税で、都がみずからその旗振りを果たすというわけですね。
 具体的にどういう減税になるのか試算をしてみました。例えば敷地面積一万平方メートルの都心区に鉄筋、鉄骨、地上三十八階、床面積で二十万平方メートルの建物を外国企業が新規で建設した場合、家屋の不動産取得税額は十二億から十四億円、固定資産税では五億円から六億円、都市計画税で一億円、土地関係では固定資産税が一億円から十一億円、都市計画税は三千万円から二億円、合わせて、最低でも二十億円程度、最高三十六億円程度が丸々非課税になるわけです。
 こんなビルが都内にどんどん建てられたり、買い取られたり、賃貸で流通したら、都にとっては数百億円もの減収になるんじゃないですか、どうですか。

○田倉税制部長 総合特区、アジアヘッドクオーター地区につきましては、すべてそのような建物が建築される、あるいは事業が導入されるとは想定しておりませんけれども、アジアヘッドクオータープロジェクトは、外国企業、都内あるいは国内の中小企業とコラボレーションを促進し、東京のみならず、日本全体の経済効果を波及させるということを目的としておるということは、先ほどの答弁でも申し上げております。
 また、このプロジェクトは、長期にわたる経済停滞を乗り切るため、対日投資を促進して東京をアジアのヘッドクオーターに進化させ、日本全体の再生を牽引するというふうに考えております。

○たぞえ委員 大変高い立場でお答えになられましたが、都税収入が落ち込むことははっきりしているわけです。
 今度の予算議会で、例えば江戸川区の瑞江の葬儀場、火葬料値上げになります。お一人亡くなると何万円も高くなる。看護学校の授業料は値上げをすると、こういう予算案が提案されていますが、日本に進出、東京に事業活動を行う企業については、税金は多目にまけてあげようと。そんなこと、私、通用するのかなと、このご時世の中で思うんですけれども、局長、いかがなんでしょうか。

○新田主税局長 政策そのものにつきましては、主税局としましては、なかなか言及できる立場にはないかとは考えておりますが、ただ、現在の我が国の経済状況を考えますと、ご案内のとおり、これは歴史的な円高が続いていること等々の中で、生産拠点の海外移転が進んでしまっている。
 そういった中で、今、問題になっておりますのが、特に新興国、アジアの新興国との間における都市間競争、そういった中で東京が勝ち抜いていくという大きな中で、海外からも企業を誘致することで東京の経済を活性化していこうと、こういった大きな都としての政策に沿ったものだろうと考えております。
 その政策そのものの中身について、我々、言及する立場にございませんが、都全体の施策の推進には、税制としてできることにつきまして、関係局と我々が連携をとりながら進んでいくと、そういう立場でございます。

○たぞえ委員 外国企業の東京での活動については、先ほどから伺っており、今、局長からも都のスタンスは伺いました。
 それでは、都が進めている外国企業でない都市再生、これにはどのような税制上の優遇が措置されているんでしょうか。

○田倉税制部長 都市再生につきまして、都市再生に対する税制上の優遇措置についてでございます。都市再生緊急整備地域において、国土交通大臣の認定を受けて都市開発事業を行う民間事業者に対しまして、法人税や不動産取得税等の特例措置が設けられております。
 具体的には、都市再生事業に基づき建築物を新築した場合等について、法人税では五年間割り増し償却が認められ、不動産取得税では二割が軽減されるなどでございます。
 また、当該地域が国際競争力の強化を図るべき地域として、さらに特定都市再生緊急整備地域に指定されました場合には、税制優遇措置が上乗せされることとされております。

○たぞえ委員 都市再生だけでも法人税や不動産取得税などが税制優遇が施されている。さらに加えて、ヘッドクオーター構想で外国企業にもこうした税制優遇が行われる。こんなことが繰り広げられていたら、都市側の財政の負担は、雪だるま式に私はふえるばかりだというふうに思います。
 よく都民の皆さんからご相談受けますが、都税を期限内に納めることができなくてご相談に見える方がたくさんいらっしゃいます。こうした方に対して、期限内に納めることができないということで滞納金までつけて督促状が発行されたり、臨戸という自宅への突然訪問、滞納整理だといって預金や不動産などの財産調査、さらには車のタイヤロック、そういう差し押さえ処分などが行われるわけでありますが、その税金額が一億円であっても千円であっても、とにかく納期限までに納められなければ厳しく取り立てが行われているもとで、こうした優遇措置が大手企業にはされると。私は、税制のあり方として非常に不公平だなということを実感しています。
 先ほど固定資産税の議論がありまして、かつて私も固定資産税を払っていた身分の時代がありました。今、資産がないので東京都に納めておりませんけれども、しかし、五月の納期限が来る時期を迎えると、懐ぐあいを、ちょっときょうは新宿で引っかからないで真っすぐ帰ろうとか考えていたものですが、やっぱり税金を納める、これから自動車税の時期などを考えますと、都民というのは、これから先どうしていこうか、消費税を納めなきゃならない時期も来る、確定申告で新たな所得税も納めなきゃいけない時期が毎月のようにこれから来ることで、都民というのは税に敏感だけども、お金は、捨てるほどあるわけじゃないですから、どうこれを運用していくかというのは、毎日悩む種なんですね。
 こういうときに東京都が、ヘッドクオーターですとか都市再生で減免してあげましょう。しかし、都民の皆さん、あなた方は都市再生じゃないんだから、ちゃんと納期限までに払ってくださいと。これって、私、都民の心を励ましていることにはならないと思いますよ。
 納税できないなりの理由があるわけですから、そういう点では丁寧にぜひこれから対応していただきたいということを申し上げて、終わります。

○鈴木(章)委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時二十四分開議

○鈴木(章)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○福士委員 それでは、まだまだ長丁場のようですので、私からは、淡々と伺わせていただきます。国の税制改正について、まず、復興増税についてお伺いいたします。
 国の税制の動きに、東京都の税収もさまざまに影響を受けます。先ほど来、庶民の増税についても、さまざまなお話が出ておりましたけれども、私は、低負担のみがいいとは思っておりません。必要な支出であれば、粘り強く都民に説明をして増税することも必要かと思います。その中身が重要です。
 復興増税に関する国の資料では、緊急防災、減災事業の地方負担については、地方税において、復旧復興のための臨時的な税制上の措置を講じることで、地方団体みずからの財源を確保するとあります。
 その内容としては、平成二十六年度から三十五年度までの十年間、先ほどもお話出ておりましたけれども、個人都民税の均等割の税率を五百円引き上げる、退職所得の一〇%税額控除を廃止した上で、平成二十五年一月から十年間、復興財源に充てるという説明がされております。今定例会においては、条例改正が提案されています。
 そこでまず、今回改正の対象となっている個人住民税の均等割の税率を引き上げること、それから退職所得の一〇%税額控除の廃止について、それぞれの改正内容をお聞きいたします。もし私が勘違いしているといけないので、説明をお願いいたします。

○田倉税制部長 最初に、個人住民税の均等割の引き上げについてですが、これは東日本大震災の復旧復興に係る財源といたしまして、昨年十二月に施行されたいわゆる復興財源確保法に基づき、平成二十六年度から十年間に限り、都道府県、区市町村がそれぞれ年間五百円、合計千円引き上げるものでございます。
 この均等割は、全国民が幅広く薄く負担することができ、低所得者にも配慮した仕組みとなっており、その引き上げは、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うと、こうした政府の復興基本方針にも合致するものであるとされております。
 また、退職所得の一〇%税額控除の廃止ですが、これは平成二十三年度税制改正事項といたしまして、昨年十二月に改正されたもので、平成二十五年一月以降に受け取る退職所得から適用され、その増収分について、十年間、復興財源に充てるとされております。
 本来、個人住民税は、所得が生じた翌年に課税する仕組みとなっておりますが、この一〇%税額控除は、退職所得を現年課税方式に変更することにより、失われる運用益に対しまして、当時の金利水準等を考慮して、昭和四十二年から導入された措置でありまして、最近の金利情勢等を踏まえまして、廃止となったものでございます。

○福士委員 形式的な形はわかりましたが、次に、それぞれの改正について、都税への具体的な影響を、再度お聞きいたします。

○田倉税制部長 復興財源確保のための個人都民税改正による都税収入への影響でございますが、平年度ベースで均等割五百円の引き上げが約三十三億円、退職所得の一〇%税額控除の廃止が約十二億円、合わせて約四十五億円の増収と見込んでおります。

○福士委員 国の税制改正の二つ目としては、扶養控除廃止や特定扶養控除の縮減について、またもう一つの税制改正として、児童手当の財源としての扶養控除廃止、それから縮減が挙げられています。
 この改正は、平成二十二年度の改正であり、国の所得税では既に昨年から増税が施行されています。手当の方は名称をめぐって迷走を繰り返し、先日ようやく合意に至りましたけれども、所得制限世帯への現金給付を暫定措置とすることや、年少扶養控除の復活が検討事項とされるなど、課題を残した中での合意となっています。
 さて、このような混乱の中で、控除から手当への方向として個人住民税においても、ことしからの年少扶養控除廃止と、それから特定扶養控除の縮減は決定しています。そこで改めて、年少扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮減について、どのような改正なのか、お伺いしておきます。

○田倉税制部長 年少扶養控除の廃止と、特定扶養控除の縮減は、平成二十二年度税制改正におきまして、所得再分配機能の回復や、所得控除から手当へとの考え方から、見直しがされたものでございます。
 改正前の取り扱いにつきましては、十六歳未満の年少扶養控除として、所得税では三十八万円、個人住民税では三十三万円が所得から控除されておりました。また十六歳以上十九歳未満の特定扶養控除といたしまして、上乗せ部分を含めて、所得税では六十三万円が、個人住民税では四十五万円が所得から控除されておりました。
 平成二十二年度改正におきまして、子ども手当の創設に伴い、年少扶養控除が廃止となり、また特定扶養控除につきましては、高校の無償化により上乗せ部分が廃止され、所得税が三十八万円に、個人住民税は三十三万円に、それぞれ扶養控除の額が縮減されたところでございます。

○福士委員 次に、今の年少扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮減によって都税への具体的な影響についてもお聞きしておきたいと思います。

○田倉税制部長 年少扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮減は、平成二十三年分の所得から対象となるため、平成二十四年度分以後の個人都民税から適用がなされます。
 都税収入への影響につきましては、平年度ベースで年少扶養控除の廃止が約百五十三億円、特定扶養控除の上乗せ廃止が約十四億円の増収と見込んでおります。

○福士委員 さきにお伺いした復興財源に伴う改正も、今お伺いした扶養控除等の廃止、縮減も、いずれもが個人都民税にかかわる改正になっています。
 個人住民税は、区市町村が都分もまとめて賦課徴収しており、主税局で賦課徴収していないことは承知しておりますけれども、東京都としても都民に説明し、理解を求めるべきだというふうに考えます。
 これらについての、先ほどもちょっと、どなたかおっしゃっていましたけれども、都民の理解をふやすための広報というのは、どのようにできているのか、再度ご説明いただきたいと思います。

○目黒総務部長 個人住民税に係る制度改正は、多くの都民、国民が高い関心を寄せる重要な事項でありますことから、その広報におきましても、都はこれまでも、できる限りの対応を行ってきたところでございます。例えば、制度改正の内容を周知するためのポスターは、全国地方税務協議会という団体が作成し、それを全国の自治体が使用するものでございますが、都は、ポスターの企画段階から参画するとともに、同協議会と、都内区市町村との窓口となって、当該ポスターが都内区市町村へ円滑かつ着実に配布されるように努めるなどの協力を行ってきたところでございます。
 また、都独自の取り組みといたしまして、主税局のホームページにおきましても、個人住民税に係る制度改正については、これまでも積極的なPRを行ってきておりまして、特に先ほどお話のございました個人住民税の扶養控除の見直しのように、都民の関心が極めて高いと思われるものにつきましては、都民の目に触れやすいように、また検索しやすいようにという配慮から、当該事項をホームページのトップページ上段に掲載するなど、きめ細かい対応を行ってまいりました。
 今後も、都民の目線に立った広報に努めるとともに、個人都民税を直接賦課徴収している都内区市町村との連携を一層深めながら、適時適切な手法を駆使した効果的な広報を展開してまいります。

○福士委員 私も最初、探してなかなかわかりにくいのかなと思っていたら、あの大きなかわいいカットのついた広報ができていたりして、柏市なんかの方がよっぽどよくできていると思っておりましたら、ちゃんと同じようなことが書いてあったんで、これは全国的な形で頑張っていらっしゃるのかなとは思いました。
 ただ、復興財源についてですが、この財源は方向性っていうのはありますけれど、使途が厳密に決められた目的税にはなっておりませんね。東京都のような豊かな自治体は、防災、減災事業は自前の財源で行って、増収分の四十五億円ベース、これは平年ベースでいえばですけれども、東日本の震災支援関連の財源に使うべきではないかということを、これはお返事は要りませんけれども、申し上げておきたいと思います。
 また、扶養控除廃止、特定扶養控除の縮減については、市民にきちんと理解をしていただいて、その増収分が国の政争の犠牲にならないように、真に子どもたちや子育て世代の親たちのために使われることを、東京都からぜひ国に対して申し入れていくべきだと申し上げておきたいと思います。
 税金については、私も常々、この年のものはこの分だけというような形だけではなくて、先ほど一番最初に、都民の負担は必要だと申し上げたのは、年々後年度負担というのを、子ども、孫の代まで押しつけていきながら、私たちの時代がうまくいけばいいよねというような話にならないように、その意味で、私は低負担を必ずしも否定はしないというふうに思っております。
 増税する場合には、その増税分がどういうふうに使われるかということが市民全員に納得というのは、これはもうあり得ないことだと思いますが、ある程度の人々の納得を得られるように、きちんと説明がされていくことが非常に重要です。後から何か、取られるだけ取られてしまったけれども、どういうふうに使われているのかわからないというようなことは、たくさん今までも見てまいりました。そういうことのないように、これは都の問題だけではなくて国も含めてそうですが、きちんと国の方にも申し入れていただきたいというふうに思います。いろんなところでかぶさって質問も出ておりますので、これを私の意見として質問を終わります。

○淺野委員 私の方からは、報告事項にありました、この専決処分した固定資産税等の過徴収に係る損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告、そしてその承認に関して幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、先ほどから税負担の話も出ておりますけれども、この東京税務レポート、これは二〇一二年一月、つまりことしの新年号ですけれども、この中に、昨年度、中学生が税に関する作文というのを書いておりまして、その中で、都知事賞を受賞した作品一点、それから、主税局長賞を受賞した作品三点が載っているわけであります。
 その中で、非常に皆さんすばらしいことを記入をされているんですけれども、例えば、大田区の中学生は、夢が学校の先生になることだと、学校の先生になるような夢を持てたのは九年間の義務教育があったからだと、学校で学ぶことができ、自分の夢もつくれたのは税金があったからだ、本当にありがとうございます、立派な大人になり必ず恩を返しますと、明るくよりよい未来をつくって、ということを述べているわけですね。
 また、これは主税局長賞を受賞している世田谷区の中学生ですけども、「架け橋」というタイトルでつくっておりまして、文章がありまして、税金は国民の生活の歯車である、そして、気づかないところで私たちの生活面だけでなく心の支えになっていると思うと。そして最後に、復興税の話が当時出ていたということで、それをぜひ導入してほしいという言葉から、この震災を知らない将来の子どもたちも税金という形で支援し、日本の記憶にとどめておくことができると思うんだと、そしてニュートンの言葉を引用して、こういいます。人との間には壁よりもかけ橋をかけろと、日本が一丸となれば東北は必ず復興する、そう強く信じ、そしてその第一歩として、この税が、人と人、心と心、時間を超えてかけ橋になってほしい。中学生はこのようにいっているんですね。本当にすばらしい言葉だと思います。
 そして、この言葉を実際に考えていったときに、私たちが忘れてはならないのは、今のこのかけ橋、つまり壁をつくるなよということは、本当に信頼関係を、納めていただく納税者と、そして我々受ける側、常にその壁をつくらないとする努力をし続けなきゃいけないということを忘れてならないんだと思うんですね。
 今回のこの報告事項は、係争中の案件でありますから、余り触れない方がいいだろうという向きもあるかもしれないんですけども、私は、実はこの問題が出たということは、どうしてこういうことが起きてしまったのか、この問題が発生した原因ですね。これをしっかりと究明して、もし中に、制度としての問題点があるのであれば、改善しなきゃいけないと思いますから、そういった改善しようという観点から、質疑を行いたいと思います。
 まず、この損害賠償になった固定資産税、これはもちろんのことご存じだと思いますが、賦課税です。納税者の方々は、都からいわれたとおり、あなたの納税額は幾らです、いわれたとおりの金額を納めるしかないわけですね。したがって、逆にいうと、課税評価を行う東京都、都には、正確な評価、そして課税を行う責任が発生します。本来だったら、こういう、今回報告事項にありましたような問題というのが起きちゃいけない。つまり、この本件が起きた原因となる過徴収というのは、あってはならないことなんですね、そういった意味でいけば。
 ただ、私は、人間は完璧であり得るはずがないと思っておりますから、当然のことながら、ミスを犯す生き物です。間違いもあると思います。であるなら、ミスをできるだけ未然に防いで、そして、万が一、そういったミスが発生してしまった場合には、しかるべき救済というのを図っていかなければならない。それが、評価庁としての都の責任であるし、役目なんだと考えております。
 そして、今回の問題になっている国家賠償法というのも、その趣旨にのっとって定められていると私は考えております。そのほかにも、例えば、第三者による評価審査委員会、それから不服申し立て、こういったものも、納税者の権利、利益を保護するために存在しているんだと思うんですね。そして、一番忘れていけないのは、こういったものがどうしてあるかというと、納税者と評価庁である都の間には、非常に大きな情報格差があるんだということです。これは忘れてはならないことですね。そして都は、納税者がそういう弱い立場にあるということを十二分に自覚して、常日ごろから、親切で丁寧な説明というのを心がけなければなりません。
 私は、今回の訴訟から、今、現状置かれている固定資産税の固定資産評価のあり方、そして、その問題点というものをしっかりと考えていきたいと思います。
 そこでまず、この本件訴訟の中身について確認をさせていただきます。
 今回の冷凍倉庫に係る訴訟について、原告と、そして都の具体的な主張を伺います。そしてまた、その具体的な今回の控訴理由についてもご説明いただきたいと思います。

○阿南資産税部長 第一審におきます双方の具体的な主張でございますが、原告は、平成十八年度の還付及び建築時の倉庫明細書等の内容からすれば、倉庫業法の冷蔵倉庫は、すべて建築時から冷凍倉庫として評価すべきであるというふうに主張しております。
 一方、都でございますが、冷凍することがない冷蔵倉庫は、一般倉庫として評価すべきものであり、本件各倉庫が冷凍倉庫として使用されていた実態は示されていないと反論いたしたところでございます。
 次に、控訴理由でございますが、都は、平成十八年度に実施いたしました調査におきまして、本件各倉庫が冷凍倉庫用のものとして使用され、管理されていたことが判明をいたしましたところから、地方税法が許容する最大限の五年分について還付を行ったところでございます。原審は、これをもって、本件各倉庫のすべてを建築当初から冷凍倉庫として使用、管理していたと判断しております。
 都といたしましては、控訴審におきまして、再度、個々の倉庫の使用、管理の状況につきまして、個別具体的に審理を求めるものであります。

○淺野委員 今ご説明の中にありました、倉庫業法の冷蔵倉庫の話ですけれども、これは中で細かく分かれておりまして、冷蔵倉庫といっても、いわゆるC3級といわれるもの、つまりマイナス二度を超えて十度以下で保存するという枠に入っているもの、これは、冷凍倉庫には、この固定資産評価においては冷凍倉庫には含まないよということは、これは今回の地裁の判決にも書いてある話でございます。
 私は、今の説明を聞いて、簡単にいいますと、要は、今本件の原告になっている倉庫というのが、どの時期から冷凍倉庫として評価するのが妥当だったのかということを争う裁判であると考えているわけですね。
 今のご説明だと、いかにも倉庫業法の冷蔵倉庫を、冷凍倉庫に含めることが原告の主張であるというような印象を受けますけれども、実際はそういうような主張もないわけじゃないんですが、実際、本当のメーンの主張というのは、都が今回評価をし直した、平成十八年に評価をし直した冷凍倉庫という評価をしたわけですけれども、当事者側からすれば、これは、建築当初からそういう状態であったんだから、法的に遡及できる最大限ですね、つまり、地方税法だけではなくて、最大限は国家賠償法で適用して二十年分しっかりと戻してほしいというものであったように私は思っております。
 ところで、東京都は、この使用実態に即して評価、課税をするというふうに私は伺っております。であるならば、今回の裁判においても、そこのところ、つまり使用実態がどうであったのかということが、どういうふうに評価するかというのが問われてきたと思います。そこで、今回、東京地裁は、原告に対して、冷凍倉庫として使用されていた旨を立証するための運転記録簿などの証拠書類の提出を求めていたのか伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 国家賠償法における違法性を積極的に根拠づける事実につきましては、立証責任は原告にあるという法の原則にもかかわらず、東京地方裁判所は、原告に対しまして、運転記録簿等の提出を求めることもなく、本件倉庫を冷凍倉庫と判断したものでございます。

○淺野委員 地裁としてみれば、運転記録簿を出すまでもなく、冷凍倉庫だったといいたいのだということなんだと思うんですが、私もそれ詳しく読んでみました。この判決におきましては、東京地裁は、各倉庫の冷凍倉庫機能を有する部分、この面積が大部分である。実際に何%と書いてありますけれども、大体その倉庫によって七〇%台だったり、五〇%を超えるもの、あるいは四〇%台のものもあったと思いますが、少なくともそれは大部分であるということを根拠として、冷凍倉庫であったというふうにみなしているわけですね。
 これは後でまた伺いますけれども、東京都も実は、これ平成十八年の基準年度からは、用途認定に対して、その主たる用途というのが決まった上で、複数の用途があった場合には、最大面積のものを採用するというふうに用いている基準があるわけであります。
 実際この判決の中、確かに、例えば昭和二十七年に建築された倉庫とかというのもありまして、建築当初から冷凍倉庫であったというふうに認定しているわけですけれども、実際、評価基準で、一般と冷凍倉庫の区別がつけられたのは、その建築当初よりずっと後の話になるわけで、それ以外の倉庫については、確かに、その冷凍倉庫という認定があらわれてから建築をされているものなんですけれども、昭和二十七年に建築されたものにとっては、実は、冷凍倉庫という概念、つまり固定資産評価上ですけれども、固定資産評価上では冷凍倉庫という概念はそもそもない中で実地のものを受けているわけであります。
 いろんな事情があるにせよ、少なくとも面積をこうやって基準に判断しているという状況は、現在の都が定めている基準とは、またそれは合致していると思うわけですね。ただ、この面積を用いた基準というのが、平成十八年、先ほど申し上げた平成十八年の基準でありますから、では、それより前は、具体的な基準があったのかどうかというのは、当然疑問として浮かんでくるわけであります。
 先ほど私も伺いましたし、都としても主張しておりました運転記録簿などの確認というのも、実際この平成十八年以前はしていなかったんじゃないかと私は思います。地裁が判断のよりどころとしているのが、面積であったり、あるいは、例えば運転記録簿であったとしても、これ本来でしたら、評価庁であるこの東京都が、客観的で明確な基準を持っていれば、こんな争いにならなかったということなんですね。より客観的で、そして明確な基準であればあるほど、判断の幅というのが狭くなっていきますから、解釈というものの入る余地が少なくなっているんですから、それを本当はやっていくべきだと思うんですけれども、これを都に聞いたところによると、これまでは総合的に判断してきたというような話を伺っております。はっきりいってこの総合的という言葉の中には、率直に申し上げますと、客観的で明確な基準とはいいがたい、そのように思うわけです。
 そこで、平成二十一年に、ようやく冷凍倉庫用のものの適用に係る評価基準というものが改正されたわけなんですけれども、改正される前には、どのような方法で、使用実態を把握して課税をしていたのか、伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 建築時には、倉庫業者等と連絡をとり合いながら、その立ち会いのもと、ともに内部の実態、使用実態を確認いたしまして、評価基準の趣旨にのっとって、適正に評価したというふうに考えてございます。

○淺野委員 今、適正に評価をしましたというようなお話がございました。先ほどもちらっと申し上げましたが、例えば、昭和二十七年に建築された倉庫は、そのときは、評価しに行った人というのは、冷凍倉庫という感覚がないわけですよね、倉庫かどうか多分確認しには行っていると思うんですけれども。そういった中で、冷凍なのかどうなのかということを判断したとは、とてもちょっと二十七年に関しては思えないと私は個人的に思いますし、その他のものについても、いろいろな判断基準はあるんでしょうけども、ここで一番重要なことというのは、実は現地確認を行ったと都はおっしゃっていますけども、都が聞きたいこと、つまり評価担当職員の方が聞きたいこと、確認したいことというのは、立ち会っていただいた中で、相手からちゃんと直接聞いているんだと思います。ただ、そうした後の結果、つまり評価がどうであったのかということについては、相手、納税義務者側には伝わっていたのかどうかということは非常に考えなければいけないと思うんですね。
 本件の場合は、冷凍倉庫として使用しているのかどうかというのを相手から聞き取って、そして構造はもちろんチェックするでしょう。温度計などの設備を確認する、そういったところまでは当然その義務者側というか、相手、所有者側あるいはその代理人の方が立ち会っていると思います。
 しかし、評価課税の結果、つまり、そのデータをもって、最終的に、ここは一般倉庫だというように決めて、その一般倉庫としての経年減点補正率を適用していたということは、実は東京都は積極的に知らせていないわけですよね。もちろんこういうことをいうと、縦覧の制度というのがあるので、その縦覧の制度を利用して、自分で見てもらえば、納税者側も、自分が何をもって評価されているのかわかるというふうにおっしゃるんですけれども、これははっきりいって余りに不親切だといわざるを得ないと思います。
 確かに立ち会っている、自分の倉庫が、一般倉庫なのか、それとも冷凍倉庫なのか、固定資産の評価の中で、一般倉庫か冷凍倉庫かということが、自分自身でわかる人というのは、例えば、全く同じような規模で、同じような倉庫を、自分自身、納税者自身が保有していて、しかもその倉庫間で課税額が大きく異なっている。そういった場合には、当然疑問が浮かびます。ですから、そういう人たちは確認しに行くでしょう。しかしそうじゃない人は、通知が来て、ほかのものも大体一緒であれば、そのままその通知を受けて、その課税額がそういうものだなと。もしかしたら自分は勝手に冷凍倉庫だと思っているかもしれません。でも冷凍倉庫だと思って払っていて、ずっと払い続けて何十年もたって、ふとしたことに確認したら、実は一般倉庫で評価されていたと気づく場合もあると思うんですよね。つまりそのぐらいたっていないと気づけないんです。なぜかというと、通知、つまり納税額を通知するときが、もともと金額のみだったからなんです。納税額幾らですという通知しか来なかったから、納税者側はそれが把握できなかったんですね。
 過去においては、立ち会いにおいて意見はずっということはできました。しかし、自分の倉庫の評価が、どのようなカテゴリーの中に入っているかというのは、その人自身が積極的にみずから動いて調べてみないとわからないという仕組みになっていたんだということなんです。これは、聞き取る側の担当職員、評価担当職員は、そういう実態があるんだということを、本当は肝に銘じて、聞くときに、しっかりと聞き取って、そして、その後、しっかりとそれを記録に残していくという姿勢が非常に大切だと私は思います。そうしないと、さかのぼって、こういったケース、今回のようなケースのときに検証が必要、何でこのときにこういう評価をしたんだろうということを確認をしなきゃいけないときに、そういった記録が残っているかどうかというのが非常に重要なんですね。
 ですからそこで、ちょっと今ここで確認をさせてもらいますが、この当該倉庫、今回の本件事案の倉庫について、建築時の内部確認で、冷凍倉庫ではなかったという記録があるのかどうか。また、この複合用途の場合、こういう場合の、この用途、すべて把握できていたのかどうかということについて伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 当該倉庫につきましては、建築時の調査票は残っておりますが、それ以外の計算書等、詳細な記録は、保存年限により存在してございません。
 平成九年度以降作成分の家屋の計算書につきましては、家屋の滅失後七年間保存しております。また、平成十九年度末に資料として保管していた平成八年度以前作成分の家屋計算書につきましても、同様の取り扱いとしたところでございます。
 倉庫部分、事務所、荷さばき場等が併置されております複数用途の建物の場合、現地調査を踏まえまして、確認できる範囲で確認をいたし、適切に認定をしたというふうに考えてございます。

○淺野委員 今の平成九年度以降作成分については、その実際の建物がなくなった後七年間は保存するように全部なっていると。また、十九年度末に残っていた分、つまり平成八年度作成分以前のものについても、そのとき残っていたものについては同様に保管をしていますという答弁でございます。
 これはですね、我が党の酒井議員の指摘によって、保存するようにと、当時答弁を受けて、それをしっかりと実行しているということについては非常に評価はいたしますけれども、ただ、本来だったら、先ほど申し上げたように、納税者側というのがなかなか知ることができないという状況であるということをかんがみれば、本来だったら指摘をされる前から記録を残しておくという姿勢があれば、実はこういうような、今回のような本件、このような状況でも、重要な証拠になったんですね。
 それは都側にとって有利か不利かわかりません。でも少なくとも現実を知る証拠には必ずなったと思うんです。そういう姿勢があれば、先ほど答弁いただいた適切に認定を行ったと、この適切という言葉が生きてくるんだと私は思います。そういう姿勢が今までなかったということが、実は本当に大きな問題なんだということを、ぜひ認識をしていただきたい、そのように思います。
 そもそもこの固定資産の評価というのは、新築のときに、かなりきっちりと立ち会いを行って、内部調査を行って、評価を決めるということになっています。この新築のときの固定資産の評価というのが、その後に非常に大きな影響を残すシステムになっているわけですよね。ただ、ここで都が、使用実態というものを重要視するのであれば、その経過、つまり最初に新築で確認した後どういうふうに変わっていったのかというのを確認する必要が出てきてしまうわけです。用途が新築時に確認したもののままでいるのか、それとも変わっていっているのか、これを確認しなければならないという状況に陥りますし、そもそも地方税法四百八条では、毎年一回、実地調査をしなさいよということを定めている、求めているわけです。
 そこで、過去、この本件に上がっています冷凍倉庫が、どのような使用方法で使われていたかということを、すべて把握できていて、その都度、少なくとも評価基準年度ごとの使用実態に応じて評価をして、課税していたのかということについて、重ねて伺いたいと思います。
 また、ほかの倉庫や、あるいは他の複数用途の家屋についても、その使用実態をすべて把握して評価課税をしているのか、伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 建築当初の調査によりまして把握した後につきましては、その後の現況の変更についても、所有者の申し出、登記事項の変更、増改築の確認等によりまして、その時々の体制のもとで、できる限りの正確な把握に努めてきたところでございます。

○淺野委員 今の答弁の中にございました所有者の申し出というのが、これ前提として、今の現状を納税義務者、評価庁とも、同等に認識していて成り立つものだと思うんですよね。所有者が申し出るためには、先ほども申し上げましたけども、自分がどのカテゴリーに属しているかと認識していないと、申し出も何もないわけですよ。用途が変わりましたといおうと思っても、自分がそもそもどの用途で評価されているかということがわかっていなければ、変わりましたもへったくれもないんですね。なので、そういった意味でいくと、この現状が正しく伝わっていないという状況こそが、実はこういった問題が起きる元凶なんじゃないかと私は思います。
 さきにも申し上げましたけれども、過去においては、新築時の調査の後、来るのは、課税額を記した納付書のみということだったわけですよね。自分の倉庫が一般か冷凍か認識できて納税者が申し出る、これはもう全く不可能な話です。
 ただ、確かに平成二十年度からは、明細書に識別記号が載っているというふうには伺いました。これも記号なんです。見て、冷凍なのか一般なのかわかるようにはなっていないんです。聞かれて、実は、ここにこういう記号が書いていまして、この記号は冷凍という意味です。この記号は一般という意味ですと、これ不親切だと思うじゃないですか。自分たちがもしその立場になったらと考えたら、これ確実に不親切なわけですよ。それなら別に、そんなに費用が変わる話だと思いませんので、冷凍倉庫なら冷凍だと書いてあればいいんです。相手の明細書、来る明細書に、これは、あなた冷凍倉庫と認識されていますよ、あるいは一般倉庫と認識されていますよということが、はっきりわかるように、これは先ほど加藤委員の質疑でも、工夫するというお話がありましたので、ぜひここは検討して、記入するように求めたいと思います。
 それから、その後にありました登記事項の変更、それから増改築の確認、これは常に行っているという話でありました。確かに登記は、変更があれば、自動的に連絡が来るようなシステムになっているというふうに聞いていますし、増改築についても、航空写真、そういったものを活用して、東京にある、その無数にある建築物というのを一応確認をしているんだと、ぱあっと外身から見て大きく変化してないかな、建物そのものがなくなったりしていないかなと、ちゃんと確認しているんだということは伺っております。
 これについても、正直、確かに現状の中で、今ある職員数や東京都が置かれている状況の中では最大限の努力をしているといえるかもしれませんけれども、こういう、このやり方によってですね、現実的にすべてを把握しているというには、私は無理があると思います。
 使用実態というのは、常に変化するものでありましょうし、ましてや、昨今の複雑に高度化された社会システムの中で、その把握というのを厳密にするというのは事実上不可能だと私は思うわけなんです。それでも東京都が、使用実態が重要なんだと主張するなら、これはもう厳密に調査をしなきゃいけないと思いますし、それが体制上どうしても無理だというなら、これは不公平にならないように外形で判断する必要があるんじゃないかな。また、これ賦課税ですから、固定資産税は賦課税である以上、賦課する側、つまり評価する側の都が、その責任において把握しなければいけませんし、年次のずれが生じる、基準の年度が変わったりして基準が変わったときに、把握するのにちょっとおくれが生じたりした場合なら、これは不利益処分というのはできないと思いますけども、還付については少なくとも、最初にわかった人、後でわかった人の中に差が出ないように、五年に限るべきではないのではないかと思いますが、見解を伺います。

○阿南資産税部長 本件で問題となっております冷凍倉庫で申し上げますと、固定資産評価における耐用年数は二十六年、これに比しまして、一般倉庫でございますが、四十五年となってございます。これによりまして、冷凍倉庫として使用するか、しないかによって、減耗の程度に違いがあります。この結果として、使用実態により経年減点補正率の適用が異なることになります。これは固定資産評価における基本原則でございまして、可能な限り使用実態を正確に把握するよう努めてまいったところでございます。
 また還付についてでございますが、原則として、地方税法の許容する範囲内で適正に処理しているというところでございます。

○淺野委員 今の話でいくと、一応述べておきたいと思いますが、固定資産評価基準というものの中には、常にという意味の限定の言葉はついてないんですね。つまり常に冷凍倉庫でなきゃいけないとは、どこにも書いてないんですよ。そして冷凍倉庫として使用しているかどうかという点についても、今回の判決では、都の解釈を採用しないというような旨が述べられております。ただ、一方で、冷凍機能、冷凍できる機能を持っていながら、その機能を使わなかった場合のことを考えると、確かに都のいい分も一定の理解ができるものではあります。
 そもそもこの立法の精神、地方税法の精神にのっとれば、冷凍機能を使用していれば、減耗の程度が使用しない場合と比べて激しいというわけだから、そのために耐用年数を短くしているというわけだから、使用実態を確認したくなる、その都のいい分にもわかる点はあります。こういったことを考えると、本質的な問題というのは、実は固定資産評価基準が、その中に、冷凍倉庫用のものとしか定めていない点にあって、東京都が、この法律と、そして現実との間でいろいろと苦慮してきたことについては、私も一定の理解は示したいと思います。
 とはいえ、賦課税であるということ。これ非常に重要なんですね。東京都が全部決められるんだよという状況を考えたら、課税であろうが、あるいは還付であろうが、これは決して不公平が生じないように最大限の配慮はしなければいけない、その責任が東京都にあるんです。
 今の答弁に、伺ったところによると、五年還付ということについても、原則として適用ということですから、これは当然、ケース・バイ・ケース、いろいろなケースをちゃんと考えられるということでしょうから、それぞれのケースを厳密に評価して、行政側が認識するタイミング、つまり、今回のことでいえば、ある倉庫は、平成十八年に冷凍倉庫だとわかった。ある倉庫は平成二十年に冷凍倉庫だとわかった。基準が変わっただけで、ただ評価が変わっただけだとすれば、そうしたら十八年にわかった方は、そこから五年戻ってそれ以降も新しい基準になっている。平成二十年にわかっちゃった方は、五年戻るけれども、その前二年分は、平成十八年との不公平が出てきてしまうわけですね。そういう、不公平が絶対出ない、行政が認識するタイミングで差が出ないように対処することは、できるはずなんです。
 今後の取り組みの中で、都として、地方税法の許容する範囲内というものにこだわり過ぎないで、今まさに部長がおっしゃった適正という言葉、この適正という言葉に恥じない処理をしていただくように強く求めたいと思います。
 一方で、ここで今回の原告以外、この訴えてきた方以外がどうなっているのかということについても、確認をしておかなければなりません。本件原告以外の倉庫においても、同様の修正を行っているのか、そして修正漏れはないのか、伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 当時の調査で判明をいたしました倉庫につきましては、同様に修正をしてございます。仮に今後、冷凍倉庫と判明するものが出てきた場合につきましては、適正に対応していく所存でございます。

○淺野委員 今の都の職員数等の状況を考えれば、その当時行った調査も、一棟の漏れもなく、すべて調査したということはいえないはずなんですね。例えば、複合構造家屋の場合、これも我が党の酒井議員が指摘して、その後に、やはり修正漏れがあったことがわかったりしたケースがあるわけです。
 今回の件についても、これは後になればなるほど、加算金、出さなきゃいけないお金というのが増加していくわけです。そしてその加算金の原資は何か、これは都民が納めた税金なんです。そこを認識を間違えないでいただきたいと思うんです。間違っちゃったから払えばいいではないんですね。
 ですから、これ一々確認することが現実的に不可能であるというのは、私もはっきりいって容易に想像ができます。全部を確認するというのも、東京都には建物、物すごい数ありますから、それをできるというのは、なかなか難しいと思いますから、だったら、この制度というのを抜本的に見直す、そういう契機に、これはしていかなきゃいけないんじゃないかなと、私は思うわけであります。
 いわゆる倉庫業法でいう冷蔵倉庫というものと一般倉庫というのは、倉庫業法上というのは、本当に細かく規定をして、厳密に温度で分けているんです。ただ、固定資産評価というのは、倉庫業法とは別の基準でやっているので、なおさら、納税者側も理解が難しくなりますし、我々見ている側も難しいと思わざるを得なくなっているわけですね。これは国の範疇ですから、あえて質問しないんですけれども、こういう法制度が、現実に複雑化して、複合化した家屋に対応し切れなくなっているんじゃないかなと私は思います。
 そして私たちも、これはその部分について、国に対して働きかけは、これからしていかなきゃならないという自覚も持っております。ただ、ここでこの倉庫業法とは違う基準で固定資産評価というのをやっているということを述べましたけれども、今回の件に関しますと、当該倉庫を冷凍というものではなくて、一般倉庫として認定してきた、これが問題の一番最初の発端なわけですよね。では、なぜこれ一般倉庫として認定したのか。その根拠を伺いたいと思います。そのときその倉庫を用途ごとに分けていれば、このようなことにならなかったと思うんですけれども、その見解も伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 建築時の調査におきまして、本来の機能を発揮せずに、冷蔵の温度帯で使用されていたこと、冷凍で使用されていた部分の割合が余り多くなかったことなど、一棟の施設の評価におきまして、用途ごとに分けて評価するのではなく、一棟全体をある一定の特定の用途として評価する一棟評価の原則から、個々の建物を総合的に判断いたしまして、一般倉庫と評価したものでございます。

○淺野委員 またもや出ました総合的という言葉ですけれども、この言葉が非常に客観性を見えなくするというか、明確になかなかならなくなってくるんですが、要するに、冷蔵庫だったから、冷蔵倉庫だったから、一般倉庫として認定したという部分があったということですよね。確かにこれ平成二十四年の基準年度、今年度ですね。今年度からは、冷蔵倉庫というのが、冷凍倉庫に含まれるというように改正が適用されます。これまでは、冷蔵倉庫、要するに、プラスでも低い方の温度というのですか、倉庫業法でいうと、C3級のマイナス二度以上、二度を超えて十度以下にする機能を持つ倉庫ですね。これは、今までは一般倉庫として評価されていたんですが、ここからは、冷凍倉庫になるということだということです。
 倉庫業法でいえば、倉庫業法における施行規則等運用方針ですね、その中によれば、いわゆるここでいう冷蔵倉庫というのがC3級というのがあって、それ以外にC2、C1で、F1からF4までと、ずっと温度によって細かく分かれていますが、そういったものは全部マイナス、氷点下で保存する設備でございますので、すべてここでいう冷凍倉庫にはなると思うんですね。
 ただ、こういった冷凍機能を持っているんだけど、使用実態がそのとき、たまたま冷蔵の温度帯であったという、今の答弁にあったように、冷蔵の温度帯で使用されていたとしても、これ外観上は何も変わらずに、中のスイッチ一つで、冷凍の温度帯にすることができるわけです。つまりプラスの、例えば五度でずっと使っていますと、だからこれ冷蔵庫だねといわれて、そのとき一般倉庫で使用されていたものも、あるときからこれ冷凍のものをおさめなきゃいけないから、冷凍倉庫として使おうと思ったら、別に何ら工事する必要もなく、スイッチ一つ変えればマイナス二十度だろうが三十度だろうが、できるようになっているというものがあるわけですね。
 そうすると、先ほどの答弁や、あるいはこういった判決文の中に見られる都の主張というのは、冷蔵か冷凍かの判断を、一番最初新築時は、内部調査をかけて現地を確認してやっていると。その後、特に変更する、登記であるとか、所有者の申し出であるとか、そういった変更する要件がなければ外形から判断していますというのは、使用実態を把握するという目的からするとちょっと無理があるんだということ。これをいわざるを得ないです。ここでも、固定資産評価基準というのが、実は現実には全然合っていないということがわかるわけです。
 ここから、平成二十四年基準年度から変更されて、冷蔵の温度帯だと冷凍の倉庫に含まれるようにはなりますけれども、この後、実際東京都として、これまでのやってきたこととやっぱりちゃんと検証しておく必要があると思うんですね。そういった使用実態の把握って本当に無理がなかったのかどうかというのは、ぜひ中でしっかりと検証していかなければならないと思います。
 ただ、この評価基準が、今これ変わったという話をしましたが、実はこれ以外にも、この倉庫の使用実態について、現実に合わせて基準を改めたというか、追加をしたことがありますね。東京都は、平成十八年の基準年度から、新たに、この複合用途家屋の用途認定に際しては、最も大きな床面積を占める用途によると定めたというふうにありますけれども、用途に関して、このように定めた理由について伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 国の評価基準におきましては、複数用途家屋の用途認定に関する規定がございませんことから、都といたしましては、より適切に対応するため、平成十八年度に新たに基準を定めたところでございます。

○淺野委員 一棟以上のところについても、国に基準がないまま、現実と乖離する状況を漫然と先送りにされていたことというのは確かに問題であると思います。そして、そういう状況に対して、都が、国より先に、さまざまな基準というか考え方を導入しているというのは、認めていいことだと思います。
 ただ、とはいっても、平成十八年基準年度に、やっと初めて最大面積という考え方が出てきたわけですね。このとき採用した面積という考え方は、確かに非常に客観的ですし、後になっても設計図や構造などから容易に検証できる指標でもあると思います。これはもっと早く導入しておけばよかったのになと私は思うわけであります。
 この平成十八年には、確かにこの面積という基準、設けられましたけれども、平成十八年以前については、どのような基準に基づいて判断して、評価課税していたのか、伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 繰り返しになりますが、複数用途の家屋の取り扱いにつきましては、現在も国の評価基準に明確な基準がない中で、都といたしましては、平成十八年度に新たに基準を明確化したものでございます。
 平成十八年以前も以降も、一棟評価が原則であるということには変わりはありません。ただし、一棟をある特定の一つの用途として認定する際の特定用途の決め方が、平成十八年以降は最大用途をもって当てることとしたのに対しまして、平成十八年以前は、実際に使われている複数の用途と、その床面割合を、総合的に勘案いたしまして、平均的な用途を当てていたものでございます。こうした取り扱いは、一棟評価の方法といたしまして、一般的に認められておるところでございまして、妥当なものであったというふうに考えてございます。

○淺野委員 ここでも総合的という言葉が出てきましたね。本当にこれがわかりづらく伝わりづらい元凶なんだなというふうに私は思います。
 ただ、もちろん国に明確な基準がない、また、方針がない、そういった中で、東京都が試行錯誤しながら取り組んできたということについては否定はしません。
 そして、今答弁にございました、これまでの取り扱いというのが、一般的に認められているということについても理解はいたします。ただ、この場合の一般的というのは、評価庁同士での話なんですね。納税者側は、専門的知識を有する税理士を除けば、だれも、どのように評価され、決定しているかというのは知らなかったと思うんです。
 これも、さきに述べましたけれども、評価の結果を知るすべが、縦覧の制度だけであったということが、なおさら一般納税者の理解を妨げることになっていたんだと思うんですね。
 今回の件について、地裁は、過去の物件に対しても、この面積の基準を用いて判断をしました。用途がどうであったかということではなくて、機能を有する面積の最大値をもって一棟評価としたんですね。少なくとも、このやり方は非常に合理的だと思います。もちろんこれは争点になるところでしょうし、過去に対する判断は、これは司法に任せるといたしまして、私たちは、少なくともこれから先の評価の仕組みを考えていったときに、将来に向かって制度を現実に合わせるのでしたら、この考え方非常に正しいのじゃないかと私は思うわけですね。一つの機能を持ったもので、最大の面積を持つ、これだれが見ても客観的にはっきりとした数値で示すことができます。当然、中にはグレーゾーンというか、なかなか、ほぼ均等だったり、一般用の倉庫と冷凍用の倉庫が、ぴったり半分ずつしかないものとか、それはどうするんだと、そういうところは出てくるでしょうけれども、少なくとも今よりは、グレーゾーンを狭める、恣意的な判断というか、わかりづらい判断が入り込む余地を狭めることができるやり方だと私は思います。
 これで、固定資産評価の仕組みの中で、用途を認定するというのは、何度もいいますが、できる限り客観的で、後々検証可能で、そしてだれが見ても明確な基準に基づいて行えるように、今この裁判が起きていろいろあったこのときが、実は見直すいい機会なんだということを、私はここで述べておきたいと思います。
 ところで、この基準だとか考え方というのが、二十三区内の全複数用途家屋について、過去から現在に至るまで、本当に同じような扱いをしているのか、漏れなんかはないのかということについても伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 複数用途家屋につきましては、現地調査を踏まえまして、確認できる範囲内で把握した上で、さきに述べましたように、一棟評価の考え方に基づきまして、適切に認定してきております。今後も適切に認定を行っていくというふうに考えてございます。

○淺野委員 先ほども申し上げました、適切にという言葉に恥じない処理をしていただきたいということを申し上げましたけれども、これ基準が変わったときは、時間のずれというのが、どうしても発生する可能性があるわけですね。この時間のずれが、納税者の不利益には絶対にならないようにしていただきたいと思います。
 そして、例えば、仮に漏れがあったとしても、それは基準の変更だったり、漏れというのはですね、納税者からすると自分の責任じゃないわけなんです。自分の責任じゃないことで不利益をこうむれば、当然これ納税者から不信感を買うことになるのです。信頼を損なうことになるんです。ですから、必ずそういったところを意識した取り組みをしていっていただきたいと思います。
 ところで、先ほど、加算金についても原資の話をしましたけれども、本件、この裁判について、その裁判の前に、実際に還付をしているわけですが、その本件に関して、原告に還付した加算金というのが幾らだったのか。そして、今回、その他にも発覚した同様の事例で還付した案件についての加算金についても伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 平成十八年の調査によりまして、その時点における使用実態が、冷凍倉庫であったと確認できたものにつきましては、冷凍倉庫と認定いたしまして、地方税法の規定する五年の還付を行ったところでございます。こうした還付を行った物件のうち、原告らに係る還付加算金は約一千百万円、原告ら以外への還付加算金は約一千万円でございます。

○淺野委員 今、還付加算金の話を伺いましたけれども、その中で、地方税法の規定を根拠として五年間の還付を行っているわけなんですね。これは逆にいうと、東京都として、使用実態を把握できていないということを、都が認めていることになってしまうんだと思うんです。つまり自分たちで何年というのがわかっていて、五年以上だということがわかっていたからというのであれば、まだいいんですけれども、実際には、五年以内かどうかという確認が多分とれないんだと思うんですね。だからこそ十八年でわかった時点で規定している五年、限度額いっぱいまで返しますというふうになったのではないかと。
 そして、こういったことをやることによって、さらにおくれていくというようなことが発生した場合には、過徴収分だけ、つまり実際に多くもらっちゃった分を返すだけじゃなくて、さらに加算金を乗せなきゃいけないということも忘れてはならないことだと思います。そこで、この行政の判断ミス、これによって貴重な税金を、還付加算金として、つまり実際に多く受け取ったものにプラスアルファして支払わなければならなくなるわけですが、その点についてはどう考えているのか伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 平成十八年の時点におきまして、当時の使用実態が冷凍倉庫であるということが判明したことから、価格を修正したものでございます。
 当時の認定におきまして、行政の判断ミスがあったとは考えてございません。引き続き、できる限り的確な現状把握に努め、適切な評価、課税に取り組んでまいる所存でございます。

○淺野委員 平成十八年時点で判明したものに五年の還付をしたという根拠は、先ほどもいいましたが、地方税法の規定なんですね。つまり、これ使用実態を把握し続けることというのは、事実上これは不可能なんですよ。都は多分公式には認めないかもしれませんけれども、認識していると思うんですね。これ、もともとこういう無理のある制度設計になっているから、どうにかしていろいろな根拠を探してきて、法の根拠だったり、さまざまなよりどころを見つけてきて、このようにしなければならないというふうになるんだと思うんです。
 今おっしゃった、判断ミスかどうかということについて、ここで議論するつもりないんですけれども、少なくとも、今の制度には無理がある。そのことだけは明らかだと私は思います。
 そして、東京都だけで、すべてを把握しようとすること、このこと自体が実はもう不可能なんだということに気づかなければならないんです。だからこそ私は再三申し上げているとおり、評価の結果などを、ちゃんと納税者側にも情報提供して、すべてがわかるように渡してあげた上で、その上で納税者からも、報告や申し出、先ほどありました、所有者がこういうふうに変わりましたよということを申し出れば、実際にそこを調査しに行くだけでいいわけですから、報告や申し出ということで、用途の変更というものを把握する。そういう努力をしていった方が、現実には私は合ってくるんじゃないか、そのように思うわけであります。
 今回の裁判において、国家賠償法というので、向こうは損害賠償を求めてきているという状況にあります。原告側がですね。そこで確認をしますが、国家賠償法についての争いはないのかということは確認をさせていただきます。また、過徴収があったときの遡及に関して、これ課税にミスがあった場合、信義として、当初にさかのぼる。少なくとも五年にこだわらないということも考えているのかどうかについて伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 国の評価基準に規定がない中で、都といたしましては、個々の倉庫の使用、管理の状況につきまして、個別具体的に調査、確認を行い、評価、課税を行ってまいりました。
 したがいまして、国家賠償法上の過失はないというふうに、基本的に考えてございます。万一、国家賠償法上の過失があったと認定された場合につきましては、当然に国家賠償法の規定に従い、対応していくことになるというふうに考えております。

○淺野委員 もちろん係争中の案件ですから、ここで国家賠償法の過失があったなんていうことは口が裂けてもいえないという話だと思いますし、そもそも国家賠償法上の過失があったかどうかということについては、私も、これは司法の判断ですべきことですので、司法の判断にゆだねたいと思います。
 しかし、これ何度も何度もいって申しわけないのですけれども、無効であった、事前にいろいろ伺ったところによると、その課税したこと自体が無効であった場合というのは、どこまででもさかのぼって返しますというお話でありましたが、こういった無効であった場合だけじゃなくて、修正であっても、確認が可能であるならば、先ほどいった資料もちゃんと全部とっておいてくださいということもお話ししていますから、資料も全部確認して、確認がとれるところがあれば、そこまで戻るべきだと思うんですね。地方税法の規定ばかりにこだわらないで、資料として持っていて、かつ、いろんな状況から、これは五年じゃなくてもっと前だなということが確認できたことについては、これは納税者の不利益というものを救済するという姿勢を持って、そこは五年以上さかのぼる必要があるということも、私はここで述べておきたいと思います。
 この裁判の関係で、今ここ議会に対して、承認というものを求められているわけですが、確認をさせていただきます。控訴理由書については、既に高裁に提出されているのかどうか伺います。

○阿南資産税部長 これまでのところ、裁判所から提出期限の指示はございませんが、一般的には、三月二十七日ごろだろうというふうに思われます。他の裁判においても同様でございますが、時間の許す限り、調査、確認等を進めまして、丁寧に書面の作成を現在も行っているところでございます。

○淺野委員 では、今回これ承認を求められているわけですが、これはそもそも控訴に当たって同意を得るという作業なんですけれども、この同意を得るのに控訴理由書を示していないこと自体問題じゃないのかと思うんですけれども、見解を伺いたいと思います。

○阿南資産税部長 控訴理由書の趣旨につきましては、冒頭、先ほど説明を申し上げたところでございます。そのとおりでございますが、本件各倉庫を一律にすべて建築当初から冷凍倉庫であったとする原審の事実認定には承服できません。
 個々の倉庫の使用、管理の状況につきまして、再度、控訴審におきまして、個別具体的に審理を求めるとするものでございまして、何とぞ、ご理解を賜りたいというふうに存じております。
 今後、この主張が、東京高等裁判所におきましても受け入れられますように、内容を十分精査した上で、控訴理由書を提出すべく、現在、最大限の努力をしておるところでございます。

○淺野委員 これは制度的な難しさ、あるいは時間的な制約もあるかもしれませんが、専決処分の同意を求める以上、本来なら、すべての理由、控訴の理由が明らかになった状態で、本当は議会に諮るべきなんですね。司法制度と議会制度ということでの相違もあるでしょうし、控訴に際して、説明としては不十分になるおそれというのも持っているわけです。
 例えば、仮にですね、同意しましたといった後に、全く議会の我々が聞いていない情報が、控訴理由書の中、出てきたときという問題も内在しているということを、ぜひ忘れないでいただきたい、そのことを十分認識した上で控訴理由書は作成いただきますようにお願いしたいと思います。
 これまで、さまざまなことを、問題点いろいろ挙げてきましたけれども、要は、納税者との信頼関係というのが最も重要なわけです。この固定資産税制というのを、これまで以上に、より納税者にとって公平、公正にしていくために、都としてどのように対応していくのか。また今回、控訴をもししなかった場合ということが、どのような影響を与えるのかということも含めて、局長の見解を伺いたいと思います。

○新田主税局長 固定資産税は、住民にとって大変身近で関心の高い税でございます。また、地方税の中で最大のウエートを占める税目であり、近年では、都においても、税収の三割近くを占める最大の税目となっておりまして、財政運営上、極めて重要な税であると認識しております。
 都は、二十三区内の固定資産につきまして、評価、課税、徴収といった税務事務を担っており、土地で申し上げますと、約百二十万人分、家屋では約二百四十万人分もの膨大な案件を抱えているわけでございますが、昭和四十年代のピーク時の半分以下の職員数という限られた現有体制の中にありましても、職員は強い使命感を持って足をすり減らし、汗をかきながら、日々業務に励んでおります。
 また、そうした業務の遂行に当たりましては、苦しい中にあっても、納税義務を果たしていただいている都民の皆様の立場に立って、親切で丁寧、きめ細やかな対応をとるよう、意識改革を進めており、局として一層の徹底を図っていく所存でございます。
 お話にありましたように、納税者との間に壁をつくらないよう、一層努力を重ねてまいりたいと思っております。
 しかし、一方におきまして、固定資産税の制度や仕組みは、これまで抜本的な改革が先送りされ、その時々の状況に合わせながら、頻繁に修正が加えられてきた結果、複雑化し、都民の皆様にとってわかりにくいものになっているとの指摘があることも事実であります。これは、過去の経緯を引きずりながら、乱高下する地価や建築資材価格の状況等に対応しなければならないという、やむを得ない事情もあったわけでございますが、住民に直接接する都といたしましては、住民視点から、より簡素でわかりやすい固定資産税制の構築を、国に対し提案要求してきたところでございますが、さらに今後一層、都議会のご協力をいただきながら、国に対し強く働きかけていく考えでございます。
 こうした現行制度の枠組みの中で、その制度と現実の間に折り合いをつけながら、公平、公正の実現を悪戦苦闘しつつ追求しているのが、税の実務の現場であります。今回の冷凍倉庫に係る案件は、まさにそうした固定資産税実務の困難性が反映したものであり、固定資産評価の基本に係る重要な論点が含まれているわけでございますが、地裁においては、この点について必ずしも十分な審議が尽くされているとはいいがたく、事実認定の誤りもあると受けとめております。
 このため、このたびの判決を受け入れた場合、都の税務実務に大きな混乱を招くおそれがあるのみならず、全国自治体にも多大な影響を与えかねないことから、控訴の判断を行ったものでございます。
 控訴審におきましては、現実の評価実務を踏まえた審理がなされ、都の主張に対する理解が得られるよう最大限の努力をしていく所存でございますので、何とぞご理解を賜りたいと思っております。
 主税局といたしましては、今後、都議会のご協力をいただきながら、よりよい資産税制を目指して取り組みを進める一方、都民の皆様のご理解が得られるよう、説明責任を果たしていくとともに、公平、公正な税務実務を担い得る、専門性と人間性とを兼ね備えた人材育成に努めてまいりますので、一層のご指導をお願い申し上げます。

○淺野委員 最後に一言だけ申し上げておきます。
 税金というのは、確かに納税ということで憲法に定められた、たった三つしかない義務のうちの一つなんですね。ですから、これは確かに、国民にはその義務が生じているのは間違いありません。ただ、評価する、あるいは徴収する側の都として、これが義務なんだということに甘んじてはいけないんだと思います。
 そもそも信頼というのが、双方の努力があって実るものです。当然、都民に対しては、税金を納める、先ほどの中学生の言葉がありましたけれども、税を納めるということに対する認識をしっかりと持っていただく。ある中学生は、損と思わず税金を支払わなければいけないと思ったということを率直に書いているわけですから、そういう認識を持っていただく必要がありますけれども、一方で、都としては、納税者に対して、その不信感を買わない努力を常にやっていかなければいけないと思います。
 法的安定性と権利利益の保護とのバランスというのがある論文に載っていますけれども、これは新宿都税事務所、係長の論文ですか--まさにそのとおりで、法的な安定性だけを追求するのではなくて、納税者側の権利、利益の保護ということも常に念頭に置いてやっていただきたいと思います。
 最後に、例えば、東京消防庁であれば、消防総監に至るまでが一度現場に出た経験を持つ人たちなんですね。もちろん主税局にそうであれとはいいませんけれども、現場の人たちは実際のお客さんたち、顧客の方々と接しながら、その不平不満も聞きながら頑張っているということ。行政の皆さん、こちらにいらっしゃる皆さんについては、そういった立場の人たちがいることを自覚して、常日ごろ、税というものを納めていただくことに感謝しながら職務を全うしていただくように、心からのお願いをいたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。

○中山委員 私は、本日最後の質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 課税自主権についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 これまで主税局は、徴収努力を重ねるなど、さまざまな努力を重ねてこられました。しかし来年度も都税は減収となり、財政状況は厳しいものと考えております。
 そうした中で、課税自主権を検討していくことが大変重要であります。
 平成二十四年度、税制改正におきましては、地域決定型地方税制特例措置を導入するとのことでございますが、この内容と趣旨をお伺いいたします。

○田倉税制部長 平成二十四年度税制改正におきまして、税制を通じて、住民自治を確立し、地域主権改革を推進するため、自主的な判断と執行の責任の拡大の観点から、地域決定型地方税制特例措置、通称わがまち特例を導入することとしております。この措置は、地方税法で定める特例措置について、国が一律に定めていた内容を、地方自治体が自主的に判断し、条例で決定できるようにする仕組みでございます。

○中山委員 課税自主権を、今後拡大していく必要があると考えますけれども、現状、そう簡単にはいかない課題もあるかと思います。所見をお伺いしたいと思います。

○田倉税制部長 首都東京には、大都市特有のさまざまな行政課題がございます。それに的確に対応していくため、課税自主権の確立は重要であると考えております。
 しかし現状では、税目や税率等が、地方税法等で細かく定められておりまして、地方の裁量は極めて小さく、課税自主権の範囲は大変狭められておるというところが現状でございます。
 今後は、地方がその実情に応じまして、それぞれの判断と裁量により幅広く課税自主権を行使できるようにしていくことが重要であると認識をしております。

○中山委員 そうなんですね。今、ご答弁ありましたように、課税自主権という言葉はありますけれども、実際に行使できる範囲というのが狭いと、そのことを地方自治体、少なくとも東京都とか、こういう大きな単位で行使できていけるような環境をどう整えていくか、これが非常に大事な視点だと思います。
 都は、国に対して、先鞭をつけ、自動車税のグリーン化など、課税自主権の活用を提案、実施してまいりましたが、そういう具体的な取り組みが重要であったと思います。課題も多いということでございますので、例えば、諸外国の地方税制度などを調査して参考にしていくということは、大変意義があるのではないかと思っております。
 東京都には、東京都税制調査会がありますが、都税調では、税制を考えていく際に、海外の税制度を調査したのか、そういう実績があるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○小山税制調査担当部長 東京都税制調査会では、時々の検討課題に応じまして、諸外国の税制を調査しております。直近の例では、今年度、社会保障・税一体改革が議論される中、給付つき税額控除制度につきまして、先行事例であるアメリカ、オランダ、カナダ、スウェーデンの四カ国を対象として調査したところでございます。
 こうした調査の結果も踏まえつつ、平成二十三年度、都税調答申は、消費税率引き上げの際の低所得者に対する配慮の方策として、また所得再分配機能の回復の方策として、給付つき税額控除の導入を選択肢として掲げております。

○中山委員 今、お話のあった給付つき税額控除の制度というのは、今回、国の中で、たまたま思いつきで出されてきたことではなくて、実際に、各外国で先行事例があるという話ですよね。そうした事柄がもう少し見えてくれば、消費税論議というのも、きちっと全体像をとらえられてくるんだけれども、それが何か、せっかく制度がありながら、この言葉だけしか日本の場合はまだ全然出てこない。そこら辺が大きな課題なんじゃないかと思います。
 都税調の調査も重要ですが、職員を海外に派遣して、税制について調査、研究させていくということも、私は重要であると思います。主税局では、職員を海外に派遣して調査をさせた実績があるのかどうか、お伺いしたいと思います。

○目黒総務部長 局独自で職員の海外派遣を行っているわけではございませんが、都の中央研修として、国際関係業務を担い得る職員の育成と、都政運営への成果還元を目的とした海外研修、政策課題プログラムが、平成二十年度より実施されておりまして、平成二十三年度に、主税局職員一名が税務に関するテーマでこの研修に参加したところでございます。
 この海外研修に参加した当局の職員は、諸外国における固定資産評価制度の実態と、先進的な取り組みを調査するため、イギリスのロンドン市及びカナダのバンクーバー市等を対象に、約三カ月間にわたり、情報収集や現地視察を行っております。
 本研修の成果として、例えば、バンクーバー市があるカナダのブリティッシュコロンビア州におきましては、固定資産評価権限を、州政府から州営公社に移管することにより、当該公社が評価業務を専門的に行うといった事例がございまして、こうした興味深い取り組みについて知見を深めることができたことなど、主税局が今後の税務行政のあるべき姿を検討していくに当たりまして、非常に参考となる情報が得られたところでございます。
 このように、職員の海外派遣は、本人の知識、ノウハウに磨きをかけるだけでなく、局事業のさらなる発展に資する意義もありますことから、今後とも積極的に研修機会の確保を図ってまいります。

○中山委員 私は、先ほど職員の数がピーク時と比較して、主税局五〇%以下ですか、大変なことだなと思いました。そうやって努力をして、徴収していく、賦課し徴収していくということなわけですから、せっかく努力したわけだからいい制度でやりたいというのは当然の思いだと思うのですよ。
 今後、財政状況も厳しく、職員数も減少していく中で、社会保障を初め、増大する財政需要を支える主税局の人材育成というのは必須の課題であります。ぜひ海外に職員を派遣し、地方税制度や実務の参考にするとともに、幅広い視野を持つ人材を育成することも検討していただきたいと思います。
 これは、先ほど来の質疑もありましたけれど、現状の税制の範囲に、中で課税自主権を考えるのじゃなくて、より幅広く考えていっていただきたいと思うんですね。例えば、先ほどの話もございましたけれども、イギリスだったかどうか正確に覚えていませんが、固定資産税も、評価額じゃなくて、そこから得られる利益、利潤というものをもとにして考えていくというところもあるらしいですね。また先ほどの話では、州単位というようなところで、固定資産税の評価の仕方というものも、権限移譲されたりしていると。
 これから、やはり日本は、狭い国土ですけれども、明らかに地域による偏りというのはいろいろある。現状では、例えば、福島原発の問題も、沖縄の基地の問題も、それぞれ地域の方々にとってみると、地域の負担というのを中央政府から押しつけられているような印象というのがあって、これはそれらの問題だけじゃなくていろいろなところにあるんだろうと思います。そうした面からいけば、やはり中央政府が単に決めていく、狭い国土だから中央政府が決めていけばいいんだということだけじゃなくて、むしろその地域単位というもので考えていける、決定していけるものをふやしていかないといけない。そうやってその地域の人たちと制度というものが、心情的にも一体化していって、スムーズに、変更もできるし、そういうものにしていかないと、国としても、もたないんじゃないかなという気がいたしております。
 昔は、議会にしても何にしても、王権が定めた課税権というものを、どうやって、そこに口を差し挟んでいくかということのために、血みどろといってはおかしいですけれども、そういう歴史の果てに、参政権というのを獲得していったわけですよね、欧米では。そういう面からいけば、この税の問題というのは、非常に大事な問題でありますし、ぜひ、東京都が、これからの税制のあり方、特に地方から見た課税自主権という点で、いろいろな提案を具体的にしていく、そういうことをやっていただきたいと思いますし、それが実るためには、大きく国会も動かなきゃいけないと思いますけれども、そのときになって初めて、地方にとってどういう制度がいいのか、そこから考え出すというのじゃなくて、そのときには、満を持したように、ぶつけていけるようにしていただきたいというふうに思うんです。
 主税局には、さらに工夫を重ねて、着実な税収確保など、果たすべき役割を果たしていただきたいというふうに思っております。地方分権にふさわしい、地方税制の実現に向け、都から積極的に、あるべき姿を発信し、議論をリードしていくべきと考えますが、局長のご見解をお伺いいたします。

○新田主税局長 地方分権の目的は、住民に身近で、より的確かつ効果的な行政サービスを提供し得る地方自治体が、みずからの財源と責任において、自立的な行財政運営を実現していくことであると認識しております。
 かつて三割自治といわれた国と地方における事務配分と財源配分の著しい不均衡は、近年徐々に改善が図られてはまいりましたが、依然としてあるべき姿からはほど遠い状況にあり、まだまだ道半ばでございます。
 また、質的な面におきましても、地方税法等の国の縛りがある中で、地域の実情に即した地方の自立的、自主的な決定が行え得るようにはなっていないのが現状であります。
 今後、社会保障を初め、地方が果たす役割がますます高まっていくことは、時代の趨勢であり、自立した地方自治体が地域の課題に自主的に取り組んでいけるような地方税体系を構築していくことが重要であることは自明のことと考えております。
 このため、東京都はこれまで、課税自主権を活用し、お話にもありましたとおり、国に先駆けた自動車税のグリーン化を初め、全国自治体の先頭に立って、先進的な役割を果たしてまいりました。また、他の自治体とも連携しながら、国に対し、具体的な提案要求も行ってきたところでございます。
 しかしながら、現在は、真の地方分権に進むか否かの分水嶺に差しかかっているという大きな歴史認識に立つならば、地方行財政において、全国自治体のリーダーである都といたしましては、これまで以上の影響力を発揮しなければならないと認識しております。
 また、そのベースとして、これもご指摘、いろいろいただきました人材育成は不可欠の前提であり、全国的、全世界的視野を持った税務のオーソリティー足り得る専門家集団となることを目指して、主税局のレベルアップを図っていくことが強く求められていると考えております。
 先ほど総務部長から答弁させていただきました、今年度の中央研修でございますが、海外研修政策課題プログラム、これに参加した当局若手職員でございますが、これ大変な研修でございまして、実は調査訪問先のアポイントから、すべて独力で、自分一人でやるということで、カナダで四州五都市、イギリスはロンドン市でございますが、全部その関係機関、アポイントをとっていきました。それで現地のスタッフと、一人でちょうちょうはっしやり合って、実態を把握したというものでございます。
 この研修の成果、総務部長からもありましたが、文献では知り得ない実態が把握できる。そのことに加えまして、このような厳しいやりとりをやることで、現地の関係機関等の皆さんとの人的ネットワークが形成される。さらに、こうしたアポイントからとらなければいけない、一定レベルの語学を持たないといけない、そして、そもそも我が国の税制の問題点ですとか、そういったことについても強く問題意識を持たないといけない、職員の人間力といいますか、総合的な面での人間力アップにつながるということで非常に効果が高いものであったというふうに認識しております。
 そういった意味で、今後、これは予算もかかる問題でございますし、主税局単独では決められないことでございますが、今後、この職員がつくりました人的ネットワーク、これをむだにするのも非常にもったいないということで、何とか継続的にできないかなというようなことも含めまして、いろいろ局として検討し、予算当局等とも相談していければと考えております。
 今後とも、都税調の活用も図りながら、調査、研究を含め、時代の変化を先取りした、より幅広い視点から、地方分権時代にふさわしい税制のあり方を、国に対し積極的に発信してまいる覚悟でございます。よろしくお願い申し上げます。

○中山委員 今、局長のご答弁を聞いて、本当にそういうご努力をされて、海外へ行かれた職員の方々のご努力を評価したいと思います。
 私ども議会も、積極的に海外に行けばいいんですけれども、なかなか行きづらい点もあったりするものですし、専門的なことはなかなか行ってもわからないものですから、ぜひその分を含めて、思いをぶつけて、一生懸命予算を獲得させていただきますので、ぜひ将来のために、東京都の職員が行っていただきたいと思います。
 先ほど、最大の税目なんですか、固定資産税は。その評価の仕方すらも自分たちで決められないなんて、これは本当に情けない話です。そういう面では、国はいろいろ課題が多過ぎて、にっちもさっちもいかないようですから、できる限り国でしかできない防衛だとか外交だとかに専念していただいて、社会保障も含めて課税自主権も地方でしっかりやらせていただきたいと。そういう時代をつくっていきたいと思いますので、局長、ご答弁ありがとうございました。これで終わります。

○鈴木(章)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案、報告事項及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。
  以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十四分散会

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