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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第四号

平成二十四年三月十九日(月曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木 章浩君
副委員長たぞえ民夫君
副委員長馬場 裕子君
理事中山 信行君
理事西岡真一郎君
理事宇田川聡史君
加藤 雅之君
福士 敬子君
淺野 克彦君
鈴木 勝博君
田中たけし君
鈴木 隆道君
大塚たかあき君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長安藤 立美君
経理部長櫻井  務君
契約調整担当部長石井 正明君
主計部長武市  敬君
財産運用部長奥田 信之君
利活用調整担当部長岩瀬 和春君
建築保全部長末菅 辰雄君
技術管理担当部長室木 眞則君
庁舎運営担当部長藤森 教悦君
収用委員会事務局局長細野 友希君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出 収用委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十六号議案 東京都収用委員会委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 財務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入-財務局所管分、歳出-議会局・財務局所管分、債務負担行為-財務局所管分、都債
・第十四号議案 平成二十四年度東京都用地会計予算
・第十五号議案 平成二十四年度東京都公債費会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第四十二号議案 東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十五号議案 全国自治宝くじ事務協議会への熊本市の加入及び全国自治宝くじ事務協議会規約の一部の変更について
・第百二十六号議案 土地の信託の変更について

○鈴木(章)委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成二十四年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十四年三月十五日
東京都議会議長 中村 明彦
財政委員長 鈴木 章浩殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十二日(木)午後五時

(別紙1)
財政委員会
第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中
予算総則
歳入
歳出
債務負担行為 財政委員会所管分
都債
第三号議案 平成二十四年度東京都地方消費税清算会計予算
第十四号議案 平成二十四年度東京都用地会計予算
第十五号議案 平成二十四年度東京都公債費会計予算

(別紙2省略)

○鈴木(章)委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び財務局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、収用委員会事務局所管分及び第四十六号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○鈴木(章)委員長 これより財務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、予算総則、歳入、債務負担行為、財務局所管分、歳出、議会局・財務局所管分、都債、第十四号議案、第十五号議案、第四十二号議案、第百二十五号議案及び第百二十六号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○櫻井経理部長 それでは、先日の委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 最初に、表紙をおめくりください。今回要求のございました資料は、目次に記載をしてございますとおり四件でございます。
 一枚おめくりをいただきまして、要求資料第1号、両国シティコア平成二十三年度事業計画についてをごらんください。
 これは、土地信託両国シティコアの平成二十三年度の事業計画につきまして、その概要及び収支計画を表にまとめたものでございます。
 一枚おめくりいただきまして、要求資料第2号、社会資本等整備基金の推移をごらんください。
 こちらは、社会資本等整備基金につきまして、直近五年間の推移をお示ししたものでございます。
 また一枚おめくりをいただきまして、要求資料第3号、土地の売却実績をごらんください。
 これは、平成十八年度から平成二十二年度までの各年度ごとに、財務局が売却をいたしました都有地の件数、面積及び金額を表にまとめたものでございます。
 さらに一枚おめくりをいただきまして、要求資料第4号でございます。主要施設十カ年維持更新計画における平成二十四年度新規工事着手案件一覧をごらんください。
 これは、主要施設十カ年維持更新計画により、平成二十四年度に新規工事着手する施設につきまして、整備手法と予算額を表にまとめたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木(章)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○淺野委員 私からは、本委員会に付託されました議案の中で、幾つかご確認をさせていただきたいと思います。
 まず、都税収入が都税史上五年連続減となりました。これは、経済状況を加味して、いたし方ないというか、いろいろ努力はされているんでしょうけども、しようがないかなという気もいたしますけれども、特に平成二十一年度以降、税収が一兆円以上の減収となったままで、しかも依然として回復の兆しが見えておりません。
 今回、こうした中で、限られた財源の中での徹底的にむだをなくしていこうとする努力、あるいは税外収入を確保しようとする努力、こういったことは当然重要となってくるものと考えます。
 そこで、私自身もさきの事務事業質疑でも伺ったことも含めまして、事業評価と財産の利活用について、まず伺いたいと思います。
 おととしの決算特別委員会におきまして、あるいは昨年の事務事業の質疑の際にも伺っているかと思いますけれども、私自身、成果指標の導入ということが非常に必要だと思っております。これは、別に事務事業評価がだめだというつもりではなくて、やはり一番見えづらいのは、行政の施策というのは、やった結果がどうなったのかというところだと思うんですね。いろんなことをやっているのは、重々、さまざまな資料から見ることができるんですけれども、その結果、本当に都政あるいは都民の暮らし、さまざまなところがどのように変わっていったのか、どのように好転していったのかということが非常に重要だと思っているものですから、成果指標というものが必要になってくるだろうというふうに思っております。
 二十四年度予算におきましては、この事業評価というものによって約二百二十億円の財源を生み出しております。限られた財源の中で、先ほど申し上げたとおりの、徹底してむだを排するという努力を行って、この事業評価というものが重要なツールとして根づいているんだろうということについて、この努力について本当に評価はいたしたいと思います。
 ただ、やはり最初の目標、つまり事業の目標や成果ということをきちっとわかる形で明らかにする、そしてそれを公表していくということが、本当の意味で、先ほど申し上げた事業の効果というものを明確にして、そして、後々、検証を可能にしていくということには非常に重要だと思います。
 ですので、まずこの事業評価において、二十四年度予算編成に当たって実施されておりますけれども、どのように成果指標というのを活用したのか。これは前回の質問でもさせていただいておりますので、そのときのを踏まえて、どのようにこの成果指標を活用して、そして都民に対してわかりやすく説明する工夫を行ったのかということについて、具体的にお伺いをしたいと思います。

○武市主計部長 東京都はこれまでも、事業評価の取り組みを含めまして、予算編成過程において決算を分析する際には、成果とコストの両面から一つ一つの事業を精査するとともに、その内容につきましても、評価結果の公表や主要施策の成果などの中で、できる限りわかりやすく伝えるように努めてまいりました。
 お話の成果指標につきましては、おのおのの事業との因果関係を分析するのが難しいという課題もございますが、非常にわかりやすいというものでございますので、その事業の検証を徹底して、都民にわかりやすく説明するという視点に立ちまして、今年度の事業評価におきましても、事業の内容に応じて極力数値化して実績を示すように工夫を凝らしたつもりでございます。
 一例を挙げますと、東京消防庁の救急相談センター事業でございますが、こちらの事業は、年々急増しております救急車の適正利用を図るために、一一九番通報の補完機能といたしまして、シャープの七一一九番という電話の相談業務を平成十九年度に開設したものでございますが、その事業の評価に当たりましては、この救急相談センターを開設したことによりまして、救急搬送人員に占めます軽症患者の割合が減少したこと、また、この相談件数も大きく増加しているということが数値で確認できまして、成果を着実に上げているという私どもは評価をいたしまして、二十四年度予算の中では、相談看護師の増員などその充実強化を図ることとして、その内容を予算発表資料の中で公表してございます。
 いずれにいたしましても、施策の効率性あるいは実効性などを高めるためにも、成果指標の考え方を含みます、より多角的な視点から事業の検証を徹底いたしまして、しっかりと説明責任を果たしていかなければならないと考えております。

○淺野委員 今の事例というのは非常にわかりやすかったと思いますし、また、数値化できるところを随時数値化して評価をしていくという工夫をしてきていただいているということについては、率直に評価をさせていただきたいとは思っております。
 ただ、最も大切なことは、一つ一つの施策、今の答弁の中にもございましたけれども、いろんな角度から分析して、それが蓄積をされているということだと思うんですね。つまり、後で検証しようと思ったとき、これはどうしてこういうふうになったのかとか、あるいは、今、都の状況がこうなってきている、都民生活の状況がこうなってきているんだけども、これは何が起因しているんだろうということを考えるときに、そのときに考えられるものを調べるというよりも、常日ごろからさまざまな角度のデータを蓄積しておけば、後々、検証する際には非常にそれは役立ってくるということがあると思うんですね。
 大変手間のかかることですし、なかなか難しいという部分もあるかと思いますが、その部分についてはぜひとも、事業の検証をするという意味、特に長い時間がたった後でもわかるようにするためには、そういった数値化をできるだけしようとする努力は最大限、そして毎日の仕事の中で常に努めていっていただければというふうに思っております。
 そして、こういった事業評価の取り組み、まさに予算を決める際には、財務局が各局のさまざまな出てきたものに対していろんな評価をしてというのをやるんでしょうけれども、特に、所管している財務局自身にも事業というのがあるわけですから、そういったところでぜひ率先してやっていく。少なくとも財務局がやっている事業については、わかりやすく数値化されているんだというところが見えるようになれば、ほかの局も、局によっていろいろバランスはあるでしょうけれども、数値化をするということが非常に取り組みやすくなるというか、取り組まなければいけないという状況に追い込んでいくことが必要だと思いますので、ぜひそれをお願いするということ、これは以前にも申し上げてありますが、改めて申し上げておきたいと思います。
 次に、この財政委員会の中でもたびたび取り上げられてきたことでございますけれども、都有財産のことについてちょっと伺いたいと思います。
 この歳入の大部分を占めるというか、非常に重要な部分であります都税収入というところですけれども、これは先ほども申し上げたとおり減収となっておりますし、そして、この先行きが全く見通せない厳しい状況にあるということは、これまでの議論をまつまでもなく、衆目の一致するところだと思うんですね。
 ただ、このような状況の中で、都民の安心や安全を確保したりとか、都政を前に進めていくとか、そういったところは本当に必要なことですから、特にこれから、防災対策だとか、あるいはエネルギー対策だとか、新しい課題にまさにかなりスピード感を持って対峙していかなければいけないというのが今の都の置かれた状況ですから、そういうときには、やはり公有財産についても、むだなく、そして戦略的に有効に使われていかなければならないと思います。
 そういう税外収入を確保するという視点で見ますと、例えば庁舎内で壁面広告の貸し付けを行うというのが、もはや多くの自治体で取り組んでいることでありますし、これは極端な例なんですけれども、山形県では県庁舎のトイレ内に企業の広告枠というのを設置するというぐらい、非常に涙ぐましいというか、つめに火をともすような努力をされているわけなんですね。
 私、昨年の事務事業質疑の中で、都庁舎の利活用策の一つとして、広告事業の展開ということについてやりとりをさせていただいておりました。財産運用部長から、当時、他団体の事例や民間企業などに対する需要の調査を行っている最中であって、都庁舎で広告事業を進めるべく、掲載する場所や料金などを含め、貸し付けに当たっての条件や課題の整理を今年度中に、つまり二十三年度中に行う予定であるという前向きな答弁をもらったと思っております。
 そこでまず、この事務事業質疑での広告事業のやりとりを受けまして、これまでの調査結果の概要と、都庁舎で広告事業を進めるための条件や課題というのをどのように整理されたのか、財産運用部長に伺いたいと思います。

○奥田財産運用部長 都有施設への広告掲載につきましては、歳入確保のメリットがございます一方、財産の公共的性格による制約もございますことから、それらを踏まえて慎重に行うべきものであると認識しております。
 今回の調査でございますが、自治体や広告代理店等に対し、実施状況や需要についての調査、ヒアリングを行い、この結果、広告設置場所の設定や料金設定方法など事業スキームの整理、それから広告審査基準の作成など公平、公正性の確保、さらに、事務手続を迅速化するなど事業主のニーズの反映などの課題があることが明らかになりました。
 広告掲載の実施に当たりましては、これらの課題があることに十分留意する必要があるというふうに認識しております。

○淺野委員 今ご答弁の中で、さまざまな課題というのを伺いました。条件や課題の整理をどのようにしたのかという質問ですから、当然そういった答えが出てきたんだと思いますが、まず申し上げたいのは、全国の自治体の中で取り組んでいる自治体が結構たくさんあるということであれば、当然のことながら、そういう調査データの中に、課題だけではなくて、メリット、さまざまないい部分というのも当然あったわけだと思うんですね。
 そういった部分を当然都としても十分受けとめて、今、答弁の中には、慎重に行っていかなきゃいけないものだというふうに認識しているとおっしゃっておりましたけれども、少なくとも、こういった調査を行って、前回の答弁等も踏まえますれば、財産運用部として、この広告事業、やる気がないというわけではないと思うんですよ。少なくとも、やろうとは思っているというふうに考えております。でしたら、そういった先ほど申し上げたような前向きな調査データ、そういった結果も十分活用して、都有財産を本当に真の意味で最大限に有効活用していくべきだと思います。
 この場合の最大限というのは、今ある状況の中で使える範囲という意味ではありません。都が持っているポテンシャル、都有財産のポテンシャルを最大限に有効活用するというのが都有財産を最大限に活用するということだと思いますから、そこをぜひわかっていただいて、都有財産というものの総合調整権というのを財産運用部に持っていらっしゃると思いますので、本当にこの調査結果をどのように受けとめて、そして広告事業をどうやって展開していくのかと、まさに、年度中にといってまだこの状況で、ずっといろいろなことをやっていらっしゃるところだと思いますが、いつまでも検討検討と、検討ばかりしているんじゃなくて、方針をしっかりと持っていただきたいというのが、まずお願いしたいことだと思います。
 そして、都庁舎だけじゃなくて、都が所有している建物全般にわたって、どういった施設だったら広告事業が可能なのか、そして、どういった手法であれば広告事業を展開していけるのか、これは各局に任せて、自分たちが持っている局のところで、やれるようならやってみてよというような各局任せではなくて、財務局みずからが、早急に明確な方針だとか考え方を示していただくことが必要だと思っております。
 そうやっていかないと、今回のこの調査、三百万弱のお金をかけて調査をしているわけですけれども、結局これがむだに終わってしまって、いつまでたっても検討しているだけで前に進んでいかないよという状況が生まれかねないということは、申し上げておきたいと思います。
 ところで、この調査というのが一応の結果が出てきているわけですけれども、来年度において、二十四年度、都庁舎というところで具体的にどのように広告事業を進めていく予定なのか、今度は建築保全部に伺いたいと思います。

○藤森庁舎運営担当部長 都庁舎内の広告事業につきましては、多くの都民が利用するなど、庁舎の公共的性格を踏まえ、慎重な判断が必要でございます。
 また、都庁舎では、現在本格的な庁舎改修工事に取り組んでおり、広告事業実施のためには、庁内レイアウトやサイン表示等の改修計画との整合性、実施時期や実施場所などを見据えた幅広い検討が必要であると考えております。
 こうしたことから、現時点では、今回の提案内容等を精査し、現在実施しております展望室内の広告掲示への活用を検討してまいります。

○淺野委員 結局、今のお話ですと、現在実施している展望室内でさらに活用しましょうというような話だったわけですけれども、私がいいたいのは、ほかにできるところはないのかということなんですね。
 いろいろとこれまで伺ってきますと、結局、都庁舎というのは非常にさまざまな制限が多い場所だということは伺いました。確かに制限は多い場所なんだろうとは思いますけれども、結局、その制限を決めているのはだれかというと、これは都自身なわけですよね。
 そういった自分たちで課している条件を自分たちでクリアできないようでは、全く物事というのは前に進んでいかないんだと思うんです。
 要は、本気で取り組む気があるのであれば、当然そういったところにも、どうやったらできるのかということを考える。現状がだめだからだめではなくて、どうやったらできるのかを考えていくという姿勢を示していかなければならないと思うんですね。
 そのためには、先ほど答弁をいただいた財産運用部と建築保全部がしっかりと連携をしていただいて、知恵を出して積極的に進めていただきたいと思います。
 よくお話が出てきます。東京都は物すごいお金持ちだ、法人二税の関係でもいわれることがありますけれども、これはもちろん、いわれのない虚像であるということについては我々は認識しておりますが、少なくとも、多くの自治体だとか、あるいは国においては、この虚像が真実味を持って流布しているわけです。それは、いまだに東京というのはもうかっているなという印象を持たれてしまっている。
 それを打破する姿勢というのは、東京都が示していかなきゃいけないわけですね。現状を細かく説明することは確かにできます。税収の状況、支出の多さ、やらなきゃいけないことがたくさんある。そういった状況はもちろん説明はできるでしょう。しかし、印象をぬぐい去るには、印象をこちらも出していかなきゃいけない。
 それは、例えば税外収入の確保についても、必死にやっているんだという姿勢が都側から見えてこなければ、やっぱり何か余裕あるなというところは、いつまでたってもぬぐえないんだと思うんですね。その覚悟はぜひとも皆さんに持っていただきたい。
 もう一度申し上げておきます。今は広告事業ということを一面でいわせていただきましたけれども、確かに一見、地味な取り組みですし、しかも、実際に恐らく得られる収入というのも、財政規模全体からすれば、東京都にとっては微々たるものになるかもしれないと思いますけれども、ぜひとも、象徴的なものだという取り組みも含めて、真剣に前向きに取り組んでいただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。
 次に、今回出されております両国シティコアの件についてご質問させていただきたいと思います。
 今回、両国シティコア、信託の契約の延長を行います。そもそもこの土地信託事業は、都有地を三つの信託銀行に信託して、三銀行が金融機関から資金を調達しながら建物を建設したものであります。テナントからの賃料収入からこの借入金を返済して、信託銀行は報酬を受け取り、都は配当を受け取るという仕組みになっております。
 しかし、資材の高騰、建設資金が膨らんだということで、しかもバブルがその直後崩壊するという、そして家賃収入が当初の見込みよりも減少していく、そういった状況の中で、都に入ったこれまでの配当は、この両国シティコアにおいては六億円だということで、予想されておりました八十三億円を大きく下回り、しかも三十億円の借入金が残ってしまうという結果になりました。
 ここで一つだけいっておきたいのは、少なくとも、あのバブルの時代に二十年後この状況を完全に見通せた人間など一人もいなかったわけですし、私は、当時の判断をただいたずらに批判するのは全くお門違いだろうというふうには思います。
 しかしながら、今後、私たちがさまざまな事業を展開しようと、特に新しい事業をやろうと思ったときには、こういったときの、ある意味失敗してしまったこういった土地信託のような状況もちゃんと検証しておいて、分析して蓄積をしていくことで、次なる似たような失敗を必ず防がなきゃいけないという思いが私にはあるわけであります。
 どちらにせよ、都としては、今あるこの信託契約のものについて、それなりの出口戦略というのを練っていかなければならなくて、この両国シティコアにつきましては、その出口戦略の結果が信託契約を五年間の延長ということになったわけでありますが、さまざまな選択肢がある中で、こういう結論にどうしてなっていったのかということについて、その根拠についても含めて、幾つか質問をさせていただきます。
 まず、この両国シティコアの信託事業の総括として、施設の状況、賃料の設定水準とオフィスの稼働率、借入金の金利、信託報酬の水準について、どういった結果であり、そして、それを都としてどのように評価しているのかについて伺いたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 これまで、必要に応じて適宜修繕やメンテナンスを実施いたしまして、耐震化を含め、建物、設備は適切に管理されてきております。
 また、賃料及び入居率も、これまで地域相場を維持して推移しております。
 次に、借入金の金利につきましては、これまでに二度にわたる見直しを行い、現在は、優遇金利である長期プライムレートよりさらにマイナス〇・三%という、都にとって有利な金利設定になってございます。
 最後に、信託報酬でございますが、住宅部分を除くテナント賃料の二%としておりまして、業務の内容に照らし合わせても妥当な水準である、このように考えてございます。

○淺野委員 今ご答弁いただきました。私も伺いましたところ、この土地信託を管理する信託銀行側のこの部分に関する人件費や何かも、この二%の報酬の中から出していかなければいけないということで、これはそれなりに厳しい水準であるということはよくわかるところでございます。
 次に、今回の出口戦略、この両国シティコアのどうしていくかということを検討する前提として、昔の失敗といういい方はいいのかどうかわかりませんが、少なくとも不動産の市況、つまり今後に向けたことを考えたときには、不動産市況をどのように見通して、そして、それをもとにどのような考え方に基づいて検討を進めてきたのかということについて確認をしたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 現在の不動産市況は依然として低迷しておりまして、両国シティコアを取り巻く環境は今後も厳しい状況であると、このように考えてございます。
 そうした中で、信託財産は、都民の負託を受けた貴重な都有財産であることから売却処分はせず、現在の資産価値を最大限発揮し収益を確保することにより、税金を投入することなく債務の早期解消を目指すとともに、住宅居住者の居住の安定と継続を図っていくことを基本的な方針として検討を進めてまいりました。

○淺野委員 今、信託財産の話の中で、都有財産は貴重であるから、基本的には売却処分はしないと。これは常日ごろから、都も確かにおっしゃっていることではございます。もちろん売却をしないという方針があるのだとは思いますが、今回の場合は、少なくとも借入金が残っちゃっているという状況なわけですね。つまり、それをもとに活用しようと思って土地信託というものをやってみたら、決まった期限が過ぎたら、残念ながら建てたお金が残っていて、これ、どないしようかという状況に陥っていたわけですから、少なくとも売却という選択肢がちらつくというか、これを処分することによって借入金を返済しなきゃいけないんじゃないかということが出てくるんじゃないかと思うんですね。
 そこで、この両国シティコアの資産価値、時価でいくと九十二億円だというふうに伺っております。そうしたら、この九十二億円というのはかなり大きな金額ですから、残金が三十億円ということであれば十分返せる金額なわけですから、この土地と建物を売却してしまって借入金を解消するという、これももちろん税金を投入しないでできることだと思うんですけれども、こういうことは考えなかったのか。結局五年の延長ということに決めた、その判断をした理由とあわせて伺いたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 お話のように、売却することにより借入金を解消することは可能でございますが、本件は貴重な都有財産でございまして、引き続き都が所有し、将来に向けた利活用策を検討していくことが最も有効な選択肢であると判断いたしました。

○淺野委員 貴重だから残すんだという話、わからなくもないんですね。わからなくないことではあるんですけれども、ただ、いろんな選択肢の中で、当然売却するということは検討されたと。でも、それよりも先に進めた方が有効だという判断をしたということでありました。
 そしたら、今回その延長をしたということで、その中身について伺いたいと思うんですけれども、住宅棟を切り離して延長をしているわけですよね。オフィス棟のみ信託契約を延長したということですけど、この住宅、オフィス、何で一体でやらなかったのかという疑問は当然生まれるわけですし、うがった見方をする人の中には、いわゆる住宅棟の部分は不採算部門ですから、いわゆる不採算部門だけを都が引き取ったのではないかという疑念も持たれてしまうことになると思うんですけども、ぜひその疑念も払拭するために、この理由についても伺いたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 借入金債務は早期に解消しなければならないと考えておりますが、信託の延長につきまして、住宅部分を含めた収支試算も行ったところ、三十億円の借入金返済までに十年以上の長期にわたる見込みとなりました。そこで、受託銀行とは、借入金債務を早期解消する観点から、五年間の信託延長を前提として協議をしてまいりました。
 結論といたしまして、住宅部分につきましては、第一に入居者の居住の安定と継続を考慮し、現行契約のとおり土地信託契約を終了して、引き続き公共住宅として都が管理していくこととしたものでございます。

○淺野委員 今ご説明をいただきました。私は、正直、もう一つのことがあるんだろうと思っております。
 要は、これは裁判にもなっているとおり、この土地信託契約というもの自体が、土地の価格が上がっていて、景気も非常に右肩上がりだった時代で考えられている制度であるがために、こういったことが起こることはほとんどないだろうとみんなが勝手に思っていた時期のものでしたので、借入金が残った場合、結局、信託を受けた側は、やりませんというと、そのまま離れていってしまう。
 正直申し上げて、都としては、交渉するとしては非常につらかったろうと思います。相手がやりませんといってしまえばそれまでで、都が何とかしなきゃいけないという状況だったわけですから。
 そういった状況の中で、いい方が適切かどうかわかりませんが、どうにか銀行をつなぎとめておくというか、責任をしっかりと果たすまでは逃がさぬぞという中でやるために、恐らく十年というものではなかなか難しかったんだろうということを推察はしております。
 どちらにせよ、この住宅部分は、これまでも住宅供給公社が全棟借り上げで都民住宅という形でやっているということも伺っておりますし、そういった意味では、この判断というのも妥当なところかなというところは、私自身は思うところであります。
 そこで、今度、この住宅棟をどのように処分というか、引き取るに当たってどういうスキームで行うかということですけれども、都営住宅事業会計というところで有償で取得をして所管をするということになっているみたいです。この結果、一般会計は十三億五千万円を手に入れて、そして債務を清算する財源を得たということになっております。
 また一方、住宅棟を買い取った特別会計の方は、十三億五千万円の買い物に見合う収入が今後得られるという、そういう確たる試算をしているのかと。具体的な今後の収支の試算について、その根拠も含めた上で伺いたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 都市整備局が有償所管がえにより取得する価格十三億五千万円につきましては、鑑定評価を行った結果の適正な時価評価額であると考えております。
 この金額は、住宅部分の賃料収入、修繕費等から試算し、耐用年数の範囲内で負担可能であると聞いております。

○淺野委員 資産の価値というのが見合っていると。そして、耐用年数の範囲内で負担可能であるということでございますから、今後こちらの方も、毀損しないというか、十三億五千万円で取得したものを、運営していく中で結局赤字になってしまったというようなことがないように、しっかりとやっていただきたい。これは財務局ではなくて都市整備局の話だと思っております。
 そこで、やっと今度、本体、オフィスビルの方ですけれども、この住宅棟を都が引き離し買い取るということによって、借入金も三十億円あったものが十七億円に減ったわけですが、同じことを二度やってくれるなよという思いが絶対あるわけですね。
 そこで、今後この五年間で、十七億円という、まだ残っている借入金が本当に確実に返済されるのかどうかということが心配になってきます。このときの、どういう収支のシミュレーションを試算しているのか、その根拠についても伺いたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 両国エリアにおけるオフィスの賃貸事例や競争環境と不動産市況を踏まえまして、現在のテナントの入居状況、賃料水準をベースに賃料収入を見積もるとともに、想定される修繕工事を精査し、また管理費のさらなる縮減を図るなど、今後の収支を確実に見積もりました。

○淺野委員 この管理費というのが、恐らく信託側がかなり努力をしなきゃいけない部分だと思いますけれども、間違っても、五年後にやっぱり無理でしたということがないように、都としても逐次きっちりと情報交換と監視というか、管理をしていっていただきたいと思います。
 さて、先ほどもちらっと申し上げましたが、この両国シティコアのように多額の借入金が残った土地信託について、兵庫県が受託銀行と責任を争った訴訟で負けちゃったということがあったわけですよね。これは最終的に、最高裁で兵庫県全面敗訴という判決が出されております。
 私自身、相手側と争って、結局、都が全部背負ってしまうような状況、あるいは引き取って全部都が借入金を払うというようなことを考えれば、今回の延長措置というのが、最悪の事態を回避している、ある意味やむを得ない対応であるということは受けとめられると思います。
 しかし、そもそもこの土地信託というのが、信託銀行と自治体との間の責任関係が不明確だったという本質的な問題があったわけですね、あくまで結果論でございますけれども。
 今回の延長によったときに、借入金の確実な返済ということに対して、信託銀行との間でどういう合意をしているのか。つまり、二十年以上前に行いました土地信託契約のときと同じ轍を踏まないように、責任を明確にしておかなきゃいけないというふうに私は考えるわけですけれども、今後五年間で銀行が行う協力内容について、できれば、これまでとは何が違うのかも含めて具体的に伺いたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 オフィスにつきましては、銀行側の努力によりましてテナント誘致や賃料交渉を進め、引き続き、地域相場に応じた稼働率や賃料水準にて安定した賃料収入の確保に努めてもらうことになります。
 一方、支出面につきましては、管理費等について創意工夫を重ねながら、さらなるコスト縮減を図っていくことを求め、そうしたことを前提に信託銀行とも合意の上、五年間の信託継続を行うこととしております。

○淺野委員 前段にありました稼働率、賃料水準、こういったところは、賃料収入の確保といったところは、当然経済の影響を受ける部分でございますから、ここの責任問題というのは難しいのかもしれませんが、少なくとも支出面の管理費への創意工夫、その圧縮ということについては、これは銀行側として当然いろんな余地があることだと思いますので、ぜひともここの部分、銀行側にも頑張っていただきたい、信託側にも頑張っていただきたいというふうに思っております。
 最後の質問となりますが、昨年度土地信託が終了しましたモノリス、そして、今回、両国シティコアが信託契約が終了するわけですけれども、この後、ハイジア、そしてコスモス青山、勝どきサンスクエアと、残る三つの信託事業も四年以内に満了を迎えるわけであります。
 当然のことながら、この三つのものについても、今のうちから現状をしっかりと把握して、時間のない中で、今やっている信託銀行とさまざまな交渉をするというのは非常に難しいことだと私は思いますので、今のうちから現状を把握した上で、出口戦略、それぞれについてどのようにしていくのかということを検討した上で、できるだけ都民のだれもが納得できる選択というのをしていかなければならないと思います。
 この残る三つの信託事業について、借入金の状況とあわせまして、今後どのような方針とスケジュールでこの出口戦略の検討を進めていくのかということについて確認したいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 平成二十二年度末の借入金残高は、各信託の経営状況報告によりますと、コスモス青山は約四十五億八千万円、東京都健康プラザ、ハイジアは約四十二億八千万円、勝どきサンスクエアは既に完済しております。
 信託期間満了後の取り扱いにつきましては、信託としての債権債務のほか、建物の資産評価等も含め、専門家の意見も聞きながら、信託財産の評価、検証を正確に行い、把握する必要がございます。
 その上で、信託物件の事業特性や地域性が異なることから、それぞれについて総括、検証を行い、個別に信託満了の時期を見据えながら検討を進めてまいります。

○淺野委員 今、幾つか聞かせていただきましたこの両国シティコアの件、正直申し上げまして、ベストだという状況ではないにせよ、ベターな選択をされたのかなというふうに私は思っております。
 ただ、この後、借入金が残っているほかの残り三つ、そして五年後には借入金が完全返済されるということになっているこの両国シティコア、借入金がなくなったとすれば、今、返している、つまり毎月なり毎年なり返しているこの借入金の分がそのまま浮くわけです。そうなれば、当然、配当金として都も受け取ることが可能でしょうし、あるいは、またほかの考え方も出てくるでしょうから、ぜひとも有効活用という観点でさまざまな角度の検討を進めながら、そして、この土地信託というものが、なかなか難しい状況で、今、満了を迎えなきゃいけないと思いますけれども、よりベターな、そして最終的にはベストな選択となるように努力をされることを求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

○田中委員 私からは、今定例会に付託されている議案のうち、ただいまも質疑がありました土地信託事業について、それと、歳入からは法人事業税の暫定措置につきましてお伺いをしてまいります。
 まず初めに、土地信託事業についてであります。
 昭和六十一年の地方自治法の改正により、自治体が行う土地信託の手法が制度化されました。当時は、バブル経済の中、不動産価格が激しく高騰し、都として地価高騰への対策が最優先課題となっていました。
 これに対して、地価高騰の要因とならない都有地の有効活用策として、この土地信託手法が用いられました。都有地を信託銀行に信託し、それに建物を建てさせ、管理運用させるというやり方でございます。
 こうした動きは、東京都だけではなくて、全国の自治体にも広がっていきました。公有地を手放すことなく有効に活用し、また、民間の資金を導入できる事業手法として積極的に活用されてまいりました。
 当時、私も大学を卒業し、民間のコンピューターメーカーに勤めておりまして、一時、信託銀行を担当しておりました。
 当時の信託銀行は、勘定系、情報系のシステムの機能拡張と同時に、土地信託、投資信託等々の信託業務のシステム化や、あるいはその拡張といったものに、各信託銀行がこぞってシステム開発に臨んでいたということで、私自身も土地信託に対する期待の強さを実感していたものでございます。
 ところが、バブルが崩壊し、地価が急速に下落していく中で、多くの公有地信託事業は厳しい運営を迫られることとなりました。中には、全く配当も出ずに破綻するケースも出てまいりました。
 こうした流れの中で、昨年十一月に大変重要な判例が出されました。先ほども質疑で触れられておりましたが、兵庫県の実施する土地信託事業に関するもので、最高裁の判例として確定したものであります。
 兵庫県の土地信託事業に関する最高裁判例について、都は、今も触れられておりましたので、当然承知されていると存じますが、その概要についてご説明をいただきたいと存じます。

○岩瀬利活用調整担当部長 お話の公有地信託事業は、兵庫県にあります、ゴルフ場を中心としたスポーツ施設である青野運動公苑に関するものであると承知しております。
 当該訴訟は、公有地を信託して事業展開したものの、損失が出た場合、これは最終的には信託の債務として残っていくものでございますが、これを自治体と信託銀行のどちらが負担するかが争われたものでございまして、最高裁において自治体側が負担すべきとの判断が示されたものでございます。

○田中委員 そもそも土地信託事業は、契約期間が終了すると、土地、建物が委託者である県に返還され、その際、借入金債務が残存する場合は、その債務も一緒に承継される仕組みとなっております。土地信託事業の制度を最高裁判例は追認したものであるといえます。
 さて、それでは、この判例を踏まえて、両国シティコアのケースはどういうことになるのでしょうか。
 残念ながら借入金債務が三十億円残ってしまうことが明らかになった現状で、このまま契約終了を迎えることになると、その債務は都にそのまま承継されることとなります。仮に銀行側に何がしかの負担を求めたとしても、今回の最高裁判例に照らせば、銀行側が応じることは期待できません。
 ここで、兵庫県の例でもう一点確認いたしますが、今回の判例で兵庫県が負担すべき支払い額は幾らで、どういう内容になっているのでしょうか、お伺いいたします。

○岩瀬利活用調整担当部長 兵庫県の支払い総額は約百五億四千万円、そのうち信託としての借入金が約七十八億八千万円、五年間にわたる遅延損害金として約二十六億六千万円であると聞いてございます。

○田中委員 銀行と訴訟で争った結果、借入金の元金だけでなく遅延損害金まで取られてしまう結果になったということであります。
 我が党の桜井浩之議員は、一般質問におきまして、今回の両国シティコアの対応策に関して、その基本的方針について都の考え方を確認しております。その折、財務局長は、現在の資産価値を最大限発揮し収益を確保することにより、税金を投入することなく債務の早期解消を目指すと答弁されました。
 早期解消を目指すということは、最高裁の判例を踏まえれば妥当な判断であると考えます。しかし、だからといって銀行側の努力を求めないでよいかというと、そうではないと私は思っております。むしろ銀行側にも可能な限り協力してもらい、債務の軽減を図っていくことが重要であると考えます。
 今回の大きな課題は、借入金の処理ということにあるわけですが、この借入金の処理について質問いたします。
 まず、借入金の使途及び総額で幾ら借りたのか、また当初の借入条件についてお伺いいたします。

○岩瀬利活用調整担当部長 建物の建設資金として借り入れたものでございまして、その金額は約百四十七億円でございます。
 当初の借入条件は、固定金利で五%でございます。

○田中委員 最終的に三十億円の借入金が残ってしまったわけですが、この間、都としても何もしていなかったわけではないと思っております。
 都として、これまで銀行に対してどのような努力を求め、また実施をしてきたのか、具体的にお伺いをいたします。

○岩瀬利活用調整担当部長 収入源であるテナントの賃料収入の確保に当たりましては、これまで、信託銀行が保有する知識、経験を最大限活用し、テナントの誘致や賃料交渉に鋭意努めてきております。
 都といたしましては、地価の下落など厳しい環境の中ではございますが、これまで二度にわたる借入金金利の引き下げを求め、その結果、現在、優遇金利である長期プライムレートよりさらにマイナス〇・三%という、都にとって大変有利な金利設定となっております。
 さらに、空き室の解消、適切な賃料設定など適宜報告を求めるとともに、維持管理コストの縮減など銀行側の努力を求め、実施してまいりました。

○田中委員 今回、対応策としてオフィス棟を五年間延長するに当たり、借入金の残高もまだ残っているので、銀行側の努力として提示されている有利な金利設定は継続してしかるべきだと考えます。
 そこで、確認をいたしますが、信託を延長後、適用される金利も含めて、どういう経営努力を銀行側に求めていくのでしょうか、お伺いいたします。

○岩瀬利活用調整担当部長 まず、適用される金利につきましては、信託延長後におきましても、現在と同様に長期プライムレートマイナス〇・三%と設定いたしまして、引き続き銀行の努力を求めてまいります。
 また、オフィス運営につきましては、銀行側の努力によりテナント誘致や賃料交渉を進め、引き続き地域相場に応じた稼働率や賃料水準にて安定した賃料収入の確保に努めてもらいます。
 支出面につきましても、管理費等について創意工夫を重ねながら、さらなるコスト縮減の努力を求めてまいります。
 都といたしましても、銀行から適宜、事業実績などの報告を受けまして、経営状況を詳細に把握し、五年間で借入金債務の解消が着実に達成できるよう適切に対応してまいります。

○田中委員 約定に従い、借入金に対して利子を支払うのは当然のことでありますが、今、答弁のあったとおり、銀行側に協力を求めたことは評価したいと思いますし、今後もこの姿勢を貫いていただきたいと思います。そして、借入金の早期解消を確実に進めていただきたいと思っております。
 これも一般質問での局長答弁にありましたが、都として税金を投入しない方法を目指すことも重要なポイントであります。
 昨年の事務事業質疑において、私は都民の血税を充てるわけにはいかないとの指摘をしておりますが、これを受けた形で今回の対応策をまとめられたものと受けとめております。
 また、今回の処理スキームによれば、貴重な都有地を手放すことなく三十億円の債務を解消することができます。両国シティコアの厳しい経営状況の中で工夫を凝らし、銀行に相応の協力を求め、血税を使わず、貴重な土地を手放さないなど、さまざまなハードルをクリアした今回の対応策を評価したいと思います。あとは、これを着実に実施するのみであります。可能な限り早期に着実に債務を解消していっていただきたいと思います。借金をなくしたきれいな形にして、貴重な都の財産を次の利活用に引き継いでいただきたいと思います。
 都有財産の活用は、その価値を最大限に活用し、時代時代のニーズに即した形で、都政の重要課題を解決していくためにさまざまな形で有効活用していくことが重要であります。
 特に喫緊の課題である防災対策や福祉インフラの整備などの施策の展開には、都有財産の利活用でバックアップしていくことが不可欠であります。
 どうぞ財務局としては、そうしたスタンスに基づきまして各局事業を支援していただくように強く要望いたします。
 続きまして、法人事業税の暫定措置に関連してお伺いをいたします。
 東日本大震災から一年が過ぎましたが、この一年間は、都民にとっても、我々都政に携わる者にとっても、かつて経験したことのない厳しい状況に直面した一年でございました。財政を預かる財務局にとっても、ひときわ厳しい選択を強いられた年でなかったかと思います。
 二十一年度決算で一兆円もの税収減を経験し、その後も減収が続くという厳しい財政環境の中で、エネルギー対策など、大震災を受けて明らかになった新たな課題に取り組むことはもとより、福祉や教育、雇用対策など、なすべき課題は山積しております。
 こうした課題に対応すべく、都は、これまで培ってきた都債の発行余力や基金といった財政対応力を活用するとともに、事業評価を初めとする自己改革努力による施策の効率性や実効性を向上させる取り組みによって、厳しい中にあっても必要な施策には的確に財源を振り向けた予算を編成されました。
 先日の予算特別委員会で知事からご答弁があったように、まさに血のにじむような努力を重ねることによって、必要な施策展開と財政の健全性の維持を両立させてきているにもかかわらず、一方で、都の体力を消耗させているのが法人事業税の暫定措置であります。ボクシングに例えれば、ボディーブローのように徐々に、そして確実に都財政にダメージを及ぼしています。
 先般、社会保障・税一体改革大綱が閣議決定され、暫定措置については、一体改革とあわせて抜本的に見直すこととされましたが、いずれにしても二十四年度は制度が存続する見込みであります。
 そこでまず、暫定措置が導入されたことによって、導入時から二十四年度までの影響額は総額で一体幾らになっているのか、確認のため、お伺いいたします。

○武市主計部長 この暫定措置の影響額でございますけれども、これは、国に払い込んだ地方法人特別税と、それを原資に国から配分されて戻ってまいります地方法人特別譲与税との差額のことでありまして、東京の場合は、四千億円近い多額な払い込みを行っている一方で、戻ってくるのは非常に額が小さい。これは、そもそもそのように制度設計をされておりますので、当然といえば当然なんですが、その戻ってくる額が小さいために大きなマイナスの影響額となっておりますが、他の道府県は、それとは逆に、多くのところがプラスとなっているという状況がございます。
 それで、その暫定措置によります具体的な都の減収額は、導入初年度となります平成二十年度が二億円、二十一年度は千三百四十九億円、二十二年度は千八百五十三億円、二十三年度は千六百三十一億円、二十四年度は一千三十九億円となっておりまして、総額では五千八百七十四億円となってございます。

○田中委員 五年間で五千八百七十四億円ということで、総額で六千億円に迫るとのご答弁でございました。
 平成二十四年度末の活用可能な基金の残高見込みが八千三百億円余りであることを踏まえると、六千億円という、これだけの額が都の内部に留保されていればと思わずにはいられません。仮定の話になりますが、これが全額基金に残されていれば、金利を考えずに単純に足しても一兆四千億円を上回る水準となり、ほとんどピーク時と変わらないぐらいの残高を確保できていたということになります。
 ところで、ただいまの答弁で、二十三年度の影響額が千六百三十一億円であるのに対して、二十四年度の影響額は千三十九億円とのことでありました。一千億円という額は決して小さいものではありませんが、前年度に比べて随分縮小しております。この原因については、東京都予算案の概要の一五ページに記載されておりますが、地方譲与税の額に特例加算がなされていることによるものと思われます。
 そこで、この特例加算というのがどういう仕組みのものなのか、わかりやすくご説明をしていただきたいと思います。

○武市主計部長 この特例加算とは、地方交付税の不交付団体に対しまして、一定の条件のもとで暫定措置による影響を軽減するための特例措置でございまして、法律上定められている仕組みとなっております。
 具体的には、暫定措置による減収額が地方交付税算定上のいわゆる財源超過額の二分の一を超えた場合には、先ほど申し上げました地方法人特別譲与税が特別に加算されて国から配分されるということになっておりまして、平たく申し上げますと、あくまでも国の指標でございますけれども、財政状況が余りよろしくないという指標があらわれてくれば払い戻しの額をふやすと、そういうような規定でございまして、今回、都は国のその基準に合致をしたものでございます。
 この二十四年度予算で申し上げますと、都の減収額は、特例加算を行う前には一千九百十三億円でございましたが、八百七十四億円の特例加算がなされたことで、減収額は先ほど申し上げました一千三十九億円へと圧縮されまして、前年度に比べて大きく減少をいたしました。
 この暫定措置導入当時の財務省の解説によりますと、この仕組みが設けられた目的というのは、減収額が過大とならないように抑制するということでありまして、地方交付税の不交付団体である東京都と愛知県を見た場合、相対的に愛知県の負担が大きくなってしまうことから、負担調整を行うんだというコメントをしてございます。

○田中委員 ご説明ありがとうございました。暫定措置には不交付団体に対する特例加算という制度があり、その適用は地方交付税算定上の財源超過額が基準になるとのことであります。
 そもそも地方交付税の算定方法というのは、昼間の流入人口が十分に反映していないなど、東京の実態をあらわしていない机上の空論の数値でありまして、かねて都議会の場でも多くの問題点が指摘をされていたところであります。
 そうした机上の数値が暫定措置導入時の平成十九年度では、都においては一兆六千億円の財源が超過しているとされていたものが、二十三年度には一兆四千億円減の二千億円超過まで減少しております。机上の計算の世界ですら、東京の財政環境の厳しさを明確にあらわす結果になっているのであります。
 国が予想だにしていなかったであろう都の財源超過額の減少により、特例加算が適用されたとのことでありますが、そもそも、これまでに他の自治体に対して適用された例があるのかどうかお伺いいたします。

○武市主計部長 先ほども少し触れたところでございますが、暫定措置導入の時点で、特例加算の対象となり得る地方交付税の不交付団体は東京都と愛知県のみでございました。その愛知県でございますが、平成二十一年度以降は不交付団体から交付団体に転じておりまして、したがいまして、愛知県にこの特例加算が適用されたことはない、そのような状況となってございます。

○田中委員 今ご答弁いただいたように、これまで適用例はないとのことでありますが、東京の貴重な財源を収奪することを目的として導入された暫定措置において、その東京が特例加算に救われたというのは、何とも皮肉な感がしてなりません。
 特例加算が適用され、都の減収額が減ったことにより、他の自治体にどのような影響があるのか。また、この状況を都としてどのように受けとめているのかお伺いいたします。

○武市主計部長 五年連続で都税収入が減少するなど、非常に厳しい財政環境が続く中でありまして、この暫定措置の影響額が減って助かったというのは、正直、率直な気持ちとしてはございますが、しかしながら、地方法人特別税と地方法人特別譲与税は、東京都を初め、地方の限られた税収を自治体の間で水平的に調整をする仕組みであるために、特例加算により東京都の減収額が小さくなりますと、その分、他の道府県はマイナスの影響が生じることとなってまいります。これは制度としては非常に不確実で不安定な制度であるというふうにいえるかと思います。
 この事実は、そういたしますと、一部の大都市から不合理に財源を奪いまして、それをほかの地方に配分するという小手先の手法では、地方の財源不足を解消するツールにはなり得ないという暫定措置の不合理さ、未熟さというものを、いみじくも露呈してしまったのであろうというふうに私は思います。
 抜本的な対策として、地方税財源の拡充という本質的な問題に早期に取り組む必要があることを改めて証明したものだと受けとめております。

○田中委員 都に対して譲与税の特例加算がなされた結果、その分、地方への配分額が減る仕組みとのことでありました。
 そういたしますと、この特例措置という制度に対して、なぜこんな制度があるのかと考え、特例措置の廃止を求める自治体も出てくる可能性もございます。
 しかし、そのような考えは全くナンセンスだと思っておりまして、真に廃止すべきは暫定措置の制度そのものでありまして、特例措置のみを廃止して、その不合理な制度のほころびを繕おうとするのは、まさに何の大義もなく都をねらい撃ちするもので、決して容認できるものではありません。
 民主党のマニフェストにも、地域のことは地域が決める、地域主権を確立し、第一歩として地方の自主財源を大幅にふやすと記述されておりますので、そのようなことはないと願っております。
 仮に、暫定措置を残し、特例措置のみを廃止するような動きがあれば、都議会としても断固反対していかなければなりません。
 現在議論されております社会保障と税の一体改革の大綱に暫定措置の見直しが明記されたことは当然ですが、引き続き、都と都議会が一体となって、国に対して確実な撤廃を強く迫っていかなければならないと思っております。
 最後に、制度自体に大きな矛盾をはらみ、都から不合理に財源を奪っていく暫定措置の、当初の約束どおりの撤廃に向けて、改めて局長のご決意をお伺いし、私の質問を終わりたいと思います。

○安藤財務局長 私も、田中委員と同じ思いを持ってございます。この暫定措置は、そもそも受益と負担という税の原則に反しておりますので、地方自治を侵害するものであるというふうに思っております。
 また、今、主計部長から話をさせていただきましたが、明らかに当時と違う状況が生まれておりまして、やはりそれは、財源超過額が減ったということは、端的にいえば、収入である税が減ったということで、あの当時、東京都の税が五兆円を超えて集中しているという議論が、これもまた誤った議論だと思うんですが、それを根拠にああいうものが出てきましたが、あれから五年たってそういう状況にはないということ、こういった現実も踏まえますれば、この暫定措置というのは、まことにおかしな制度だというのが明らかになったというふうに思っております。
 加えまして、今回の大震災によりまして、東京には、防災力の強化のために、建築物の耐震化でありますとか木造密集住宅地域の改善など、さまざまにやることがございますので、ぜひとも財源を確保して、当然の財源を当然のように確保いたしまして、この仕事を進めていかなければいけないという立場にあるわけでございまして、暫定措置の撤廃はまことに不可欠でございます。
 先般、閣議決定されました大綱におきまして、さまざまなご協力をいただきまして撤廃に向けた方針が明記されましたが、今、それが最終的に法案化がどうなるかということで、私ども大変心配しておりますけれども、やはり道理のあることでございますので、ぜひとも実現しなけりゃいけないし、ましてや、委員からお話がありましたように、この特例加算措置だけが廃止されるなどというのはまことに論外だと思いますし、理屈の上でも全く合わないことだというふうに考えております。
 暫定措置につきましては、これまでどおり、先生方のご協力をいただきながら、確実に撤廃されますように、私どもも全力を尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○中山委員 先ほど来、質疑がございました土地信託の問題につきましては、我が会派からは地元の加藤委員が後ほどさせていただきたいと思います。
 私の方は、震災後の都有施設の防災力の強化、環境、エネルギー対策についてお伺いしたいと思います。
 昨年三月十一日の東日本大震災は、未曾有の災害で、地震そのものによる被害に加え、津波による被害、東京電力福島第一原子力発電所による放射能被害、各地の原発停止による電力不足など、かけがえのない人命損失のほか、現在まで、いや今後も含め、企業活動、市民生活に対する制限を課しておりまして、社会全体に大きく影響を与えております。
 このように、昨年の震災は日本全体に大きなつめ跡を残しましたが、これを教訓にし、今後の対応に生かしていく必要があると考えます。
 そこで、地震発生から一年のこの時期に、エネルギー対策や防災力の強化について改めて考えたいと思います。
 本日は、都庁舎を初めとした都有施設に関するエネルギー対策や防災力の強化についてお伺いいたします。
 まず、都庁舎におけるエネルギー対策であります。
 私は、昨年十一月の本委員会におきまして、都庁舎においては、昨年の夏のピーク電力において、制限令の基準を上回る二五%の削減を達成したことを確認させていただきました。来庁者や職員などの理解、協力を得ながら、大変な努力をして目標達成したとのことであり、これは大いに評価しているところでございます。
 しかし、一部メニューにつきましては、少々無理のある内容もあったのではないかと考えております。
 電力事情の逼迫が想定される中、東京都が都民、企業に節電を呼びかけるため、みずから厳しい目標を設定したことは理解いたしますが、昨年の委員会でも申し上げましたとおり、施設利用者に対する配慮も十分に行うことは忘れずにいただきたいと思います。
 JRとかそういうところでは、エスカレーターとかをとめちゃったりして、高齢者の方や障害者の方が大変苦労されていらっしゃいました。これはちょっと本末転倒じゃないかなという気がいたします。
 さて、夏以降、全国的な原子力発電所の活動停止もあり、電力事情の好転が見込めないばかりか、かえって悪化している感もあります。幸い、夏の時期ほど冬場は電力を使用しないことから、法的な規制をかける段階までは至っておりませんが、厳しい状況には変わりがなく、節電については継続する必要があったと考えます。
 そこで、都庁舎におきます昨年夏以降の節電対策の取り組みについてお伺いいたします。

○藤森庁舎運営担当部長 昨年の夏におきましては、電気使用制限令に基づく一五%減に加えまして、都庁舎では、率先して前年ピーク時比二五%減を目標に使用電力の削減に努め、その達成を実現いたしました。
 その後、十月以降におきましても、電力事情の好転が見込めない状況から、引き続き、夏の経験を踏まえまして、無理のない実効性のある節電対策を継続しているところでございます。
 主な節電対策といたしまして、照明につきましては、必要な照度を確保できる執務室での二分の一消灯や、植栽内、街路下等、一部照明の消灯は継続しつつ、廊下等につきましては震災前の状態に戻すとともに、昇降機につきましては、エスカレーターを震災前の状態に戻し、エレベーターにつきましては、稼働台数を二分の一から四分の三に増加させたところでございます。また空調につきましては、ロビー等、一部区域の停止などを継続するとともに、室温管理に注視しながら、きめ細かな空調機の運転を行っているところでございます。
 これらの対策を講じた結果、月ごとの電力使用量は、昨年十月から本年二月までに前年比一二から一八%程度の減となっており、また、ピーク電力につきましても、昨夏の削減目標値を下回る状態を継続しております。

○中山委員 昨年の夏の節電対策を踏まえ、秋以降、都が無理のない範囲で節電対策を継続してきたこと、また昨年の夏以降の取り組みにおいては、施設利用者への影響を考慮して実施されていることがわかり、安心いたしました。引き続き節電への取り組みが実施されているとのことでございますが、今後についても原子力発電所の再稼働が不透明な状況であることを考えますと、さらに、電力使用が増大するこの夏においても節電の取り組みが必要ではないかと考えます。
 そこで、都庁舎におきますこの夏に向けた対応の考え方についてお伺いをいたします。

○藤森庁舎運営担当部長 今後とも、都庁舎におきましては、必要な機能等を維持しつつ、引き続き照明やエレベーターなどを対象に無理のない実効性のある節電対策を継続してまいります。
 また、今夏につきましては、夏の電力供給見込み等を踏まえまして、関係局とも連携し、具体的な対策メニューを検討してまいります。その際、昨年夏の経験を踏まえまして、来庁者や職員に対する負担を極力軽減するよう配慮してまいります。

○中山委員 ぜひ利用者への配慮、節電効果のバランスのよい取り組みの具体策を検討していただきたいと思います。
 次に、昨年の震災を踏まえ、節電とあわせ、重要な課題であることが明らかになりました電力の安定供給についてお伺いしたいと思います。
 昨年の震災直後、電力事情が急激に悪化し、計画停電が行われたことは非常にショッキングな出来事でございました。東京都内におきましても、多摩地域や、私の地元足立区、この委員会では鈴木委員のところもそうですけれども、計画停電の対象地域となりまして、通り一本隔てて、同じようなお店が、お客が入っているところと、向かい側が全然入っていないという状況があったりとか、あるいは、停止時間だけ営業を休めばいいというわけじゃなくて、メッキ工業とかそういうところは一日休まなきゃいけない。あるいは、実際に停電はなくても、あるんじゃないかということだけで、もう初めからその日は休まなきゃいけなかったり、さらには、停電実施を機に、いろいろな注文が入ってこなくなっちゃったりとか、そうした影響が生じたわけでございます。
 幸い、都庁舎につきましては計画停電の対象地域から外れましたが、安定的な電力供給の必要性については、東京都全体として強く認識されたものと思います。停電時の非常電源の確保や電力供給の多元化などに取り組むべき方向性は幾つか明らかになりました。
 都庁舎は、行政の中枢であるのみならず、災害時の防災拠点でもある重要な施設であります。これらの機能を十分発揮できますよう、早急な対策を講ずる必要があります。
 そこで、震災後の都庁舎での安定的な電力供給への取り組みについての現状をお伺いいたします。

○藤森庁舎運営担当部長 現在、第一本庁舎におきまして、停電時の電力確保をより確実なものとするために、非常用発電設備の発電能力増強工事を行っており、夏前の完了を目指しております。これにより、災害時等に最優先となる消防設備や防災設備への電力供給に加えまして、各局のBCPに必要な電力をより確実に供給できるものと考えております。
 また、都庁舎における電力確保に関するリスク分散のため、電力供給の多元化を進めているところでございます。これは、現在の商用電力に加えまして、都庁舎が現在、空調用の冷水や蒸気といった熱源の供給を受けている地域冷暖房センターから電力の供給を受けようとするものでございます。
 電気事業法等に関する条件整理ができ、現在、受電設備等に関する実施設計を行っており、あわせて、供給事業者と電気料金や設備改修に要する経費負担などの条件を協議しているところでございます。来年度に受電設備の改修工事を実施し、年内の受電開始を予定してございます。

○中山委員 継続工事であります非常用発電設備の増強につきましては、引き続き着実な進捗をお願いしたいと思います。
 また、新たな取り組みであります電力供給の多元化につきましては、リスク回避の点におきまして非常に有効な取り組みと考えますが、これまでは余り事例がなかった分野であると思われますし、安定した電力供給という重要な課題をクリアしなければなりません。拙速なことではなくて、かえって損失や混乱を招くことがないよう、関係機関との十分な協議を重ねて、確実な実現に努めていただきたいと思います。
 次に、都庁舎におきます防災力の強化についてお伺いいたします。
 先ほども申し上げましたように、都庁舎は、災害時の防災拠点となる重要な施設であります。この施設を災害時にも確実に機能させていくことが重要な使命と考えます。都庁舎につきましては、長期的、計画的に設備更新を予定してきていることは承知しておりますが、昨年の震災を受け、従前からの設備更新の計画に加えて、防災力の強化に資する内容も組み入れていく必要がございます。事実、昨年五月に、長周期地震動対策を設備更新にあわせて実施していく旨が明らかにされました。
 そこで、先ほど伺いました電力の安定供給策などの新たな取り組みもそれぞれ効果があるものと考えますが、震災を受けて、これまで進めてきた設備更新においても防災力の強化に資する取り組みが行われれば、より一層心強いと思います。設備更新におきます防災力強化の取り組みがあればお伺いしたいと思います。

○藤森庁舎運営担当部長 都庁舎におきましては、エレベーターは建物内の移動になくてはならないものでございまして、現在行っているエレベーターの改修工事におきまして、ロープの絡まり防止装置の設置などの耐震対策を講ずることといたしております。
 エレベーターは、震災時におきまして一定以上の揺れを感知した場合、安全面から地震管制装置が作動いたしまして、最寄り階に停止することになっております。その後、安全を確認し、再稼働させますが、ロープの絡まりがあった場合には復旧がおくれるなど、その後の業務等に支障を来すおそれがございます。このロープ絡まり対策と、都庁舎の設備更新工事にあわせて行います長周期地震動対策による建物の耐震性能の向上と相まちまして、エレベーターのより一層の安全運行と早期復旧が期待できるものと考えております。

○中山委員 今ご答弁がありましたように、エレベーターは、建物、特に都庁舎のような超高層の建物の場合は、上下方向の移動に欠くことのできない設備でございます。通常の場合はもとより、特に非常時においては、防災拠点としての機能を発揮するための都庁舎においては重要な役割を担っております。
 エレベーターの耐震性の向上は、建物そのものの耐震性を増強する長周期地震動対策の実施とあわせることにより、より一層、都庁舎の機能向上に資するものと考えます。ぜひともしっかりと履行していただきたいと思います。
 震災以降、管理職の方の中には、毎日十数階を階段を上りおりしているという、いつ地震が起きても構わないようにと頑張っている方もいらっしゃることはお伺いしておりますが、これは本当に大事な課題だと思います。
 この東日本大震災では、震源地から遠く離れたここ東京でも、地震により最大震度五強の揺れが生じ、都庁舎を初めとする超高層建築物においては、近年話題となっていた長周期地震動による揺れが現実のものとなり、特にエレベーターの運行に支障が出たところでございます。この長周期地震動については大阪でも被害が発生しておりまして、対策が急がれる課題であります。
 近年、建造物の基本躯体そのものはかなり堅牢になっておりますが、問題は、エレベーターや天井物の落下であります。特に、地震発生時に緊急停止するエレベーターの早期復旧が、都庁舎などの機能回復のかぎとなります。
 先ほどのロープ絡まり対策の実施は、P波感知による直近階での停止とあわせ、早急なエレベーター機能の回復を事前に可能とする最善の策の一つであります。できる限り早目の工事完了をお願いしたいと思います。
 都庁舎がエレベーター防災に力を入れて取り組むことが大きく報道されていけば、他の高層オフィスビル、高層マンションにも波及して対策に拍車がかかり、結果的に、震災直後の滞留者対策に貢献するだけでなく、高層ビルから避難所に流れ込む避難者を抑制し、避難所の混雑、混乱軽減に役立つものと考えます。
 さて、都庁舎におきますエネルギー対策の防災力の強化につきましては、十分、対応準備がなされていることが理解できました。他の都有施設においても、その施設が防災上重要な拠点である場合が多いことに加え、都有施設は、都内最大の電力需要家であることも忘れてはなりません。
 先ほど答弁にございました都庁舎での取り組みを、このような他の都有施設の防災力の強化や環境、エネルギー対策にも生かしていくことが重要と考えます。
 都は、平成二十一年二月に主要施設十カ年維持更新計画を策定し、計画的な改築、改修等を進めることにより、都民サービスの維持向上を図るとともに、建物の耐震化や環境負荷の低減などに取り組んでいると伺っております。防災上重要な都有施設の耐震化につきましては、現在、耐震化率が九六%で、平成二十七年度末の完了を目標とし、積極的に取り組んでいるとのことでございます。また、建物の環境負荷の低減につきましては、昨年七月には、都有施設の省エネ性能をより向上させるため、最新の環境技術を取り入れた新しい省エネ仕様が発表されました。
 そこで、都有施設の維持更新におきます節電効果に寄与する省エネ化の取り組みについてお伺いをいたします。

○室木技術管理担当部長 平成二十一年二月に策定いたしました主要施設十カ年維持更新計画に基づきます施設の改築や改修におきまして、これまで、省エネ東京仕様二〇〇七を全面的に適用し、計画的な施設整備にあわせまして環境負荷低減に取り組んでまいりました。
 一方、都有施設の省エネ性能をさらに向上させるとともに、東日本大震災に伴う電力危機にも対応するため、従来の仕様に高効率な省エネ設備や多様な再生可能エネルギー設備を盛り込んだ省エネ・再エネ東京仕様を昨年七月に策定したところでございます。
 今後は、この新しい仕様に基づきまして、主要施設十カ年維持更新計画による施設整備を行うことといたしまして、平成二十四年度以降、設計に着手するものから全面的に適用してまいります。
 また、施設の省エネ化を加速させるため、新たに仕様へ追加した、室内外の温度差を利用するものや、自動制御で開口部が動作するものなどの自然換気システムにつきましては、現在、設計中の案件で適用可能性のある施設への先行導入を図っております。
 こうした都有施設の先進的な省エネ化の取り組みを、他の自治体や民間の建築物の整備にも拡大させることは意義深いことであることから、これまで、自治体や民間事業者向け説明会、あるいは新聞や雑誌などさまざまな広報媒体を通じまして、都の新しい仕様の普及に努めているところでございます。

○中山委員 今までのご答弁の中で、昨年の東日本大震災を契機に、公共、民間建築物を問わず、施設の防災力の強化と環境、エネルギー対策の重要性と課題が改めて浮き彫りになったと思います。
 本日の質疑の中で、都が節電、省エネ、電力供給の多重化、長周期地震動対策、耐震化と、幅広で多岐にわたり、迅速的確に対応していることがよくわかり、この取り組みに対しては大いに評価するものであります。
 私は常々、民間への普及啓発の重要性について訴えてまいりましたが、東京都という団体が実施すること自体が、普及啓発の最も大きな発信力になるものと考えます。答弁にありました都庁舎を初め都有施設での取り組みは、民間建築物においても大いに参考となるべきものであります。
 都は、先進的な節電、省エネ対策や防災力の強化に向けた取り組みを着実に進めるとともに、その成果を広めることで、東京の高度防災都市づくりと、低炭素で高効率なエネルギー社会の創出に取り組んでいくことを期待したいと思います。
 最後に、局長にお伺いしたいと思います。
 本日、質疑をしてまいりました省エネ対策や防災力の強化に向けて、都庁を初めとする都施設において、先進的な技術を導入したり、万全の対策を講じたりすることは大変費用のかかることであります。そもそも、単なる学術上の取り組みや可能性の問題であれば、費用を度外視しても、幾らでも先進的技術の導入や万全な対策の準備は可能であります。
 しかし、日常の施設機能を中断することなく、しかも費用的制約の中で、他の自治体や大規模事業者に先駆け、先進技術の導入を現実の上で実現してきたし、これからも取り組んでいこうとされる都の財務局の技術管理部門の努力は、私は、どれほど評価しても、し過ぎることはないと思っております。
 ある面では大変メンテナンスのしにくい、申し上げるのは恐縮ですけれども、現都庁舎の意匠、デザイン上のハンディキャップを克服する歴史的な取り組みになるかもしれません。ただ、今後は震度七も想定に入れた新しいステージで、都は、そうした費用のかかる対策を、税収減が続く中で果たさなければなりません。かといって、効果的な対応の準備に対して、その必要性を十分に認識していながら怠ったり、いざというときに、災害時、都施設の大切な機能が果たせなくなったり、機能回復に長時間を要するようなことになってしまうことは、防災に関する都民意識の向上の様相を考えても許されることではありませんし、今回の東日本大震災の被害の甚大さを踏まえますと、首都防災での手抜かりは、日本経済に与える影響の大きさを考えても断じて避けなければなりません。それは大変難しいかじ取りになると思いますが、他面、近く二〇%の値上げを予定されているという東電の電力供給の問題を考えましても、節電の取り組みは、都施設の機能維持という課題にこたえるだけでなく、都財政への負担軽減にも大いに役立つ取り組みだと思います。
 そこで、こうした難局に立ち向かうにふさわしい安藤局長のご登場ということになるわけでございますが、局長のご決意を、これまでの取り組みへの考えを含め伺って、質問を終わりたいと思います。

○安藤財務局長 評価をちょうだいしたことにつきましては御礼申し上げますが、それは、これから先、さらにしっかりやれという大変厳しい激励かなというふうに思います。
 先ほど部長から答弁申し上げましたが、省エネ東京仕様二〇〇七を全面的に適用する、あるいは、相当先を見て主要施設十カ年維持更新計画をつくるということで計画的にやってきたというふうに思いますが、この一年間経験したことは、そういう努力をさらに求めるようなものであったんじゃないかなと思います。
 お話がありました長周期地震動などは、国に先駆けて東京都で検討を進め、その方向性が出ましたが、これまでの取り組みというのは、やはり民間の方々を先導するものになるような取り組みと成果を残さなければいけないかなというふうに思っておりますし、この一年間さまざまな、省エネもそうでございますが、都庁の、とりわけこの都庁舎のあり方というのがしばしば話題になり、私どもも、そういうものにこたえるべく努力をしてきたつもりでございますが、この夏の気温次第では、あるいは現在の電力状況によっては、これまで以上のものが求められると思いますし、四月一日以降、電力が値上げということになるならば、お話がありましたように、財政運営上からも、さらなる工夫が求められるかなというふうに思っております。
 そういう意味で、この一年間の経験を踏まえて、改めて私どもは、我々が担っている責務というものを十分に自覚した上で取り組んでいきたいというのが何よりの決意でございますが、実は、この議会棟も含めてでございますけれども、都庁舎におきましては、省エネ対策を初めといたしまして、設備の適切な管理というものは行ってきたつもりでございますが、そのほかの都有施設におきましても、耐震化でありますとか、先進的な環境技術を導入いたしました省エネ対策など、鋭意実施してきているつもりでございます。
 こういう中で、都市の防災力とエネルギー対策が最大の課題となってまいりました。したがいまして、その象徴ともいわれております都庁舎におきましては、節電対策を初めといたしまして、電力供給の多元化、今年中には隣の街区からいただくということで、今、工事の準備をしておりますけれども、これを着実に進めていくこと。加えまして、更新に合わせた長周期地震動対策などは、その防災拠点としての機能強化の上でも欠くべからざるものだと思っておりまして、しっかりやっていかなければいけないと思います。
 また、都有施設におきましては、施設の耐震化に加えまして、地球環境問題や電力危機への対応のために、費用対効果の高い最新の省エネ技術を取り入れるなど、都庁を挙げまして、電力とCO2の削減に一層配慮いたしまして、維持更新に全力で取り組んでまいる所存でございます。

○たぞえ委員 初めに、二十四年度予算案について伺います。
 二十四年度予算案は、外かく環状道路を初めとする巨大な道路や港湾施設、八ッ場ダムの建設など大型開発は相変わらず進める一方で、都民生活を守るための福祉や暮らし、中小企業支援など、都民の安全・安心を守るための施策は、いまだ不十分といわざるを得ません。特に、都民の放射能への不安の高まりへの対応、また、いつ起きてもおかしくない首都直下地震に備えた東京の防災力の強化のために、積極的に予算を振り向けていくべきです。
 東京都予算案の概要によると、東日本大震災を踏まえた予算は、全会計で二千二百八十一億円とのことですが、二十三年度と比べてどうなっているのか。また、一般会計ではどうか、まずご説明いただきたいと思います。

○武市主計部長 首都東京の防災力強化、環境、エネルギー対策、放射能対策など、東日本大震災を踏まえた対応といたしまして、平成二十四年度予算では、全会計で二千二百八十一億円を計上しておりまして、二十三年度予算と比べますと、六百四億円、三六%の増加となってございます。
 そのうち一般会計分といたしましては、二十四年度は一千二百四十億円でありまして、二十三年度と比べますと、四百四十三億円、五五・六%の増加となっております。

○たぞえ委員 防災予算はふやしているということでありますが、大きく増額しているのは、緊急輸送道路確保のための沿道耐震化や、木造密集地域内の主要な都市計画道路を十年間で完成させる事業などで、こうした事業は、幹線道路の整備という大型開発事業を、防災という衣で覆ったといわれても仕方ないような内容も含まれています。
 一方で、木造住宅の耐震改修助成については、対象地域や助成額の拡充ではなく、また放射能の測定機器の増設も盛り込まれていません。こうした都民により身近な対策の充実がなされていないことに加えて、福祉や暮らし、教育など、やるべきことは山積みしているはずです。さらに都は、総額抑制、重点配分予算といいますけれども、開発予算の財政運営は変わっていません。投資的経費は八年連続増加になっていることからも明らかであります。
 財政環境が厳しい今こそ、予算の使い方を見直して、都民の身近な施策に財源を振り向けていくべきだと思いますが、どうですか。

○武市主計部長 まず初めにご理解をいただきたい点は、そもそも、福祉や医療、教育、さらには雇用環境や中小企業に関する施策など都民にとって必要な施策には、財源を的確に振り向けております。二十四年度予算におきましても、ハード、ソフト両面にわたりまして、めり張りをつけながら必要な施策に予算を配分しており、さらに申し上げますと、防災対策におきましても、先生がおっしゃるところの大型開発ではなく、帰宅困難者対策でございますとか、津波、高潮対策など、都民の関心の高い防災力強化策に着実に取り組んでおります。
 加えて、都市インフラの整備は、道路の混雑や港湾機能の脆弱性といった東京が抱える大きな弱点を克服するなど、都民の利便性や都民生活を支える物流機能の向上につながるだけでなく、東京の潜在力を引き出して国際競争力を高め、また東京の活力を維持する上で不可欠な取り組みでありまして、積極的に進めていく必要があるものと考えております。
 引き続き、財政の健全性に十分留意しながら、山積する都政の諸課題にしっかりと取り組んでまいります。

○たぞえ委員 今ほど、生活密着型の都市インフラ整備は、ますます緊急性を要しているというふうに思います。また、福祉の拡充や防災対策を進めるためには、重点的な財政投資を行う財政力の確保が何よりも欠かせません。
 今後、東京が人口減少や超高齢社会が到来しつつある中で、都がやるべき課題は非常に山積みしているというふうに考えるならば、まず、右肩上がりの経済成長を前提とした投資を抑制する、こうした財政運営の見直しが緊急に必要だと考えるものです。
 来年度予算につきましては、我が党の主張を取り入れたところもありますけれども、もう一度、私どもは、むだと浪費にもメスを入れて都民の暮らしを守る予算にしていくことが必要である、このことを申し上げておきたいと思います。
 次に、都の土地信託事業、両国シティコアの契約期間延長について伺います。
 都はこれまで、五つの土地信託事業を実施してきました。土地信託は、貴重な都民の財産である都有地を民間銀行に信託し、建物の建設や資金調達、賃料収入をゆだねるかわりに、収益の一部を都に還元するという仕組みです。つまり、都有地でもうけることを目的としています。そして、契約満了の二十年後には、土地と建物を無償で返還させるという約束でした。
 そもそも貴重な都有地は、銀行に信託などを行わず、直接都民サービスを提供するために活用するべきものです。土地信託事業は、その点からして既に問題があるわけですが、東京都の五つの信託事業は、いずれも当初予定していた信託配当を実現できずに、これまで来てしまいました。さらに問題なのは、今回、二十年間の契約期間満了を迎える両国シティコアは、予定どおり配当が出ないだけではなく、三十億円もの借入残高を残してしまうということであります。
 これまで我が党は、土地信託事業の問題点を指摘するとともに、この両国シティコアの借入金が契約期間内に返済できないおそれのあることを、たびたび指摘してきました。しかし、抜本的な改善がなされないまま今日に至り、結局、東京都がその一部を穴埋めするための予算案が今回提案されるという事態になってしまっています。まさにとんでもないことです。
 都が十分な配当を受けない一方で、これまで銀行には、さんざんもうけさせてきた経過があります。
 そこで、まず確認しますが、これまで銀行が受け取っていた信託報酬は、合計で幾らになるのか。あわせて、銀行が受け取った利息、利払いは合計で幾らになるのか、お答えください。

○岩瀬利活用調整担当部長 これまでの合計で、報酬は四億四千七百万円、利払いは五十四億六千三百万円でございます。

○たぞえ委員 つまり、信託報酬と利払いの合計で、銀行は五十九億円も受け取っている。それに対して都が受け取った信託配当はわずか六億円で、銀行の取り分の一割にすぎません。今回、提案された対応策では、さらに十三億円を東京都が費用負担するということが明らかになっています。
 本来、土地信託事業は土地の信託による配当がある仕組みだといっておきながら、都が負担をするというのは一体どういうことなのか。既に銀行は、答弁がさっきあったように、これまで信託報酬と利払いで合計五十九億円も受け取っている。さらに、今回、信託を一部延長するために、東京都が負債の一部を肩がわりしていくというものであります。破綻処理というべきこうした対応は、到底、都民の理解を得られるものではありません。
 前回の事務事業質疑で、私は、両国シティコアの対応策については、銀行のいいなりにならずに都民本位の解決策となるよう要望しました。しかし、現実には、またもや銀行のいいなりの対応策になってしまっているといわざるを得ません。
 まず、今回の対応策の中で、東京都が十三億円を負担することとしていますが、どのような理由によるものなのでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 地価の下落や建設資材の物価騰貴等によりまして、予想と実態とが大きく乖離し、三十億円の借入金債務が残ってしまうことになりました。このまま信託契約が終了いたしますと、その負債はすべて都が負うことになります。
 そこで、賃貸用業務施設ビルにつきましては、今後も安定した賃料収入が可能なことから、五年間信託を延長し、十七億円は銀行側の努力で返済していくことといたしました。十三億円につきましては都が負担し、債務の三十億円を早期に解消することを目指したものでございます。

○たぞえ委員 簡単に十三億円を負担する、このようにいいますけれども、本来、土地信託というのは、東京都が信託配当を受け取れるということから始めたことじゃありませんか。これまで受けた配当は、たかだか六億円です。予定の配当も受けられないばかりか、逆に配当実績の倍以上の費用負担をするという主客逆転というか、本末転倒であり、あり得ない話ではないでしょうか。都にとっても余り、不利な条件をみずから選択しようとしているといわなければなりません。
 借入金残高の三十億円全額を銀行に負担させることが筋だと思いますが、都として銀行に負担を求めなかったのでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 信託事業は、契約が終了いたしますと、土地、建物がテナントつきで都に返還され、残った債務も全額が都に承継される、そういう仕組みになってございます。

○たぞえ委員 私は仕組みのことを聞いているのではなくて、何度もいいますが、銀行側は、信託報酬と利払いで五十九億円も受け取っているのですから、銀行に負担させてもおかしくないでしょう。そういう交渉を都としてしてこなかったのかということを聞いているんです。どうですか。

○岩瀬利活用調整担当部長 信託報酬は、信託契約に基づき、テナント募集、賃貸借契約の締結、収入管理、建物、設備管理、さらには苦情トラブル処理など、信託財産を効率的に運用していくための対価として支払っております。一方で、利払いは、信託事業としての借入金について、約定に基づき支払っているものでございます。
 受託銀行は、善管注意義務の履行を前提として契約責任を果たしている以上、今回の対応に当たりまして、これまでの信託報酬等の支払い額の多寡をもって銀行に対する負担を求める根拠にはなり得ないと考えております。

○たぞえ委員 もしそんなことで銀行が逃げ切るのであれば、それは余りにも不公平なことではありませんか。配当は六億円しか受け取っていない東京都が、十三億円も費用負担をしなければならない。一方で、銀行は五十九億円も稼いでいたなど、受託銀行としての責任は重いものがあるといわざるを得ません。銀行が本当に責任を十分に果たしてきたといえるでしょうか。バラ色の計画を見せて、稼ぐだけ稼いで逃げているんじゃないですか。
 先ほどの答弁の中で、銀行が善管注意義務を果たしているとの認識を述べられましたが、到底納得できるものではありません。都は、どういう理由をもって銀行が善管注意義務を果たしていると認識しているのでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 これまで、専門家の手もかりながら、両国シティコアの資産運営につきまして総括、検証を行ってまいりました。
 この建物は、耐震化も含め、建物、設備等、適切に保全されてきておりまして、空室率や賃料設定につきましても、常に地域相場を維持してきております。そうしたことを踏まえまして、信託契約に基づく受託銀行の役割を、銀行側がきちんと果たしているものと認識しているものでございます。

○たぞえ委員 やや開き直りの答弁に聞こえます。
 では、その上で、今後のことについて幾つか聞きたいと思います。
 今回の対応策として、オフィス棟については、五年間、信託契約を継続することとしています。この間に十七億円稼いで、借入金と利息を返済するということですが、本当に返済できるかどうか疑っているのは私だけでしょうか。また思うように収入が上がらず、再びおかしなことになりはしないか、五年間で十七億円返済すると聞かされても、私には、にわかに信用することができません。
 銀行が今後五年間で十七億円を返済するとした根拠を説明してください。

○岩瀬利活用調整担当部長 両国エリアにおけるオフィスの賃貸事例や競争環境などの不動産市況を踏まえ、現在のテナントの入居状況や賃料水準をベースとして、今後の賃料収入を適切に見積もるとともに、今後想定される修繕工事を精査し、また管理経費のさらなる縮減を図るなど、今後の収支を確実に見積もった結果として算出したものでございます。

○たぞえ委員 その際、銀行側が受け取る信託報酬はどういう契約になっているのでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 現在の信託報酬は、住宅棟を除く賃料収入の二%となってございます。
 今後五年間の契約も、引き続きオフィスの賃料収入の二%としておりまして、都にとって有利な水準を維持していると認識しております。

○たぞえ委員 有利な水準と胸を張りますけれども、これまでと同様の信託報酬を払い続けるということなわけですね。引き続き、銀行はこれまで同様の信託報酬を確実に受け取ることができるということです。
 それでは、五年間で銀行が受け取れる報酬額の見込みは幾らになるでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 五年間の合計で約七千万円と試算してございます。

○たぞえ委員 信託の延長により、銀行側が受け取る利払いは、総額で幾らになる見込みですか。

○岩瀬利活用調整担当部長 都が費用請求され支払う十三億円を返済に充てまして、借入金の残高を約十七億円とした場合、長期プライムレートを現状の水準である一・三五%と仮定いたしまして計算いたしますと、総額で約四千八十万円となります。

○たぞえ委員 そうすると、合計で、銀行は今後五年間で一億一千万円余りを受け取ることになるわけです。銀行は確実にもうかる仕組みになっている構図は変わりません。
 一方で、東京都は受け取る分はどうでしょうか。信託を五年間延長して得られる配当の見込みについて示してください。

○岩瀬利活用調整担当部長 信託配当は、テナント賃料や共益費などの収入から、管理費、修繕費、光熱水費、公租公課などの必要経費のほか、借入金返済額を差し引いた余剰金でございます。
 もとより、信託契約に基づいて支払う信託報酬や、借入金の約定に基づいて支払う利払いと同列に論じるべきものではないと考えますけれども、ご質問ですので、お答えいたしますと、信託配当は五年間で約二千五百万円を想定しております。

○たぞえ委員 今答弁があったとおり、都の受け取り分は、配当として五年間でたった二千五百万円です。銀行はこの先、五年間で受け取る額が一億一千万余円ですから、その額と比べたらスズメの涙ほどの金額です。
 もし三十億円残っている借入金の返済が五年間で完了しないということになった場合、リスクはだれがとるのでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 今回の対応策によりまして、借入金の返済は五年以内に確実に行っていけるものと考えております。
 なお、現在の契約条項では、借入金債務が残存する場合は、受託銀行と協議の上、処理することとなっておりまして、延長後も同様の取り扱いとなります。

○たぞえ委員 結局、東京都がかぶるということになるんじゃないでしょうか。銀行は確実に稼ぎ、東京都はリスクを負うという、やはり余りにも不公平な構図です。都民は納得することはできません。
 今回の対応策では、住宅部分については、契約に従い東京都に返還したものの、信託業務としての抜本的な改善は一切されず、相変わらず銀行にもうけさせる構図のものになってしまっています。改めていいますが、三十億円の借入金の返済は、これまで五十九億円ももうけた銀行側が負担するべきであり、都が負担するべきではありません。
 都有地は、東京都が直接都民サービスを提供するために使うことが大原則です。この両国シティコアだけでなく、他の土地信託事業について共通していえることですが、配当がきちんと出ないにもかかわらず、むやみに貴重な都有地を銀行にただ同然で貸し付けるのではなく、都民本位の土地利用に改めていかなければなりません。
 したがって、今回の契約のための議案並びに十三億円の費用負担を東京都が行う予算については、我が党は明確に反対をするものです。我が党として、土地信託事業の問題については、引き続き厳しく調査し、検証していくことを申し上げて、質問を終わります。

○鈴木(章)委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時十六分開議

○鈴木(章)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○福士委員 それでは、まず一括交付金制度についてお伺いをいたします。
 平成二十三年度の地方と国との大きなトピックとして、一括交付金、地域自主戦略交付金が挙げられていました。個別の事業で補助金として採択されるかどうかが国で検討され、採択されなければ補助金が来ないという、ひもつきの補助金方式から、一括交付金化の対象となる事業の範囲で、各府省の枠にとらわれず自由に事業を選択と説明されています。いわゆる地域主権戦略の一環であり、地方分権、市民主権の立場から、この文言どおりであれば、一定評価できるかと思います。
 私は、市民自治がすべての原点であり、市民から負託を受けた政府が実行するのであれば、市民により近い存在が物事を決定することとなり、それが望ましいと考えています。
 二十三年度では、まず、沖縄を除いた数字として都道府県に四千七百七十二億円、そして二十四年度から段階的に市町村分という予定でしたが、政令市にとどまり実施、そして、都道府県枠も拡大して五千五百十五億円ということです。今後その動きに注目したいと思います。
 しかしながら、東京都への影響として幾つかの懸念もあります。幾つか確認をいたします。
 まず、一括交付金にされたことによる国への手続についてです。
 従来の補助金であれば、各局が所管省庁に直接要望等を行ってきたと思いますが、一括交付金化された事業についてはどのような流れになっていますでしょうか、お伺いをいたします。

○武市主計部長 地域自主戦略交付金、いわゆる一括交付金の交付の流れは、主に三つございます。
 まず第一は、内閣府への事業実施計画の提出でございまして、一括交付金の対象となる事業を所管する都庁内それぞれの各局が事業ごとの実施計画を策定いたしまして、それを財務局が都の計画として一つに取りまとめ、内閣府に提出をいたします。
 第二が内閣府から各省庁への予算の移しかえでございまして、各都道府県から提出されました計画を踏まえ、国は、内閣府に計上されております交付金の予算を、それぞれの事業を所管する省庁に移しかえまして、各省庁が予算を執行するという仕組みになってございます。
 それで、最後の第三番目が、実際の交付を受けるための手続でございまして、事業を所管する各省庁に予算が移しかえられたことを受けまして、都庁の各局は、従前の補助金と同様、改めて事業を所管する省庁に対しまして、交付金の申請を行うこととなっております。

○福士委員 一括交付金の導入時には、事務の簡略化もうたわれていたと思いますけれども、実際には内閣府への申請手続がふえているということになりますでしょうか。これでは、まるで国の第三次補正で導入された復興交付金と全く同じ構図です。
 被災地が自由に使えるというふれ込みで設けられましたが、事務手続は普通の国庫補助金と同様の申請が必要で、結局、人手が少ないにもかかわらず、膨大な資料を要求されており、被災地も困惑しているという報道もされています。地方の自主性を高めるといいつつ、本音のところでは、国は地方のことを信用していないのではないかなというふうに思われるぐらいです。事務手続についても、内閣府にワンストップで済むよう、抜本的な見直しが行われるべきです。
 事務手続のほか、配分方法についても留意点が残ります。二十三年度は、継続事業の事業量に基づく配分が九割、客観的指標に基づく配分が一割であったとのことですが、二十四年度については、伺ったところによると、いまだ具体的な配分方法は国から示されていないということです。
 今後、継続事業の事業量が減ってくれば、客観的指標に基づく配分の割合が増加してくると思われますが、そうすると、この指標が自治体の事業量を真に客観的に示すものであることが重要となってきます。
 また、そもそも国庫補助負担金改革は、本来は税源移譲が先であり、この一括交付金が、国の一方的な財源捻出の手段などになってはならないと考えます。
 この一括交付金制度について、都として懸念している点があればお伺いをいたします。

○武市主計部長 先生がお話しのとおり、そもそも国庫補助負担金改革は、地方の自由裁量を拡大するため、地方の自主財源であります地方税として税源移譲することが基本となるはずでございます。そのためには、まず、国と地方の役割を見直した上で、国の関与の必要性のない事務に係る国庫補助負担金は原則として廃止をし、権限の移譲とあわせて、必要な財源が確実に措置されなければならないものでございます。
 しかし、そのような本質的な議論を経ることなく、この一括交付金制度、国の方は二十三年度に導入をしてございます。そのため、この制度が国のさらなる財源捻出の手段となったり、あるいは、本来、地方交付税が担うべき自治体間の財政調整機能が存続強化されてしまうのではないか、そういった懸念が残っているところでございます。
 東京都には、投資効果の高いインフラ需要が存在をしておりまして、我が国の成長を牽引していくためにも、このような需要に応じた財源を確保していくことが必要でございまして、この制度が都にとって不合理なものとならないよう、引き続き国に強く求めてまいります。

○福士委員 当初の予定では、追って市町村にも一括交付金制度が普及していく予定になっていました。難しい問題が多くて実施が困難なようですけれども、もし仮に区市町村レベルに実施された場合は、窓口の設定方法など、東京都のノウハウの提供が重要ではないかと思われます。それで、いずれにしても、本来の地方分権のあり方に近づけるために、東京都の役割は大きいと考えます。この制度の改善すべき点、そして、この制度を超えた本来目指すべき地方分権の方向性について積極的に国に申し入れなどを行うことを、これは提言として申し上げておきたいと思います。
 続きまして、今回の、いろんな方からも出ておりました土地信託についてお伺いをいたします。
 この土地信託、両国シティコアについてです。
 先日の一般質問やこれまでのやりとりでも答えられているように、両国シティコアの土地信託については、オフィス部門と住宅部門を切り分け、オフィス部門は五年間の信託事業を継続し十七億円を返済、そして、住宅部門は都の特別会計が引き取るという方針が示されています。
 まず、総論からお聞きしますが、一般質問への答弁では、マイナスの面も出ているが、五つの土地信託事業総体では、所期の目的は達成してきているとのことでした。新宿モノリスのような特別な立地条件で成功ともいえる信託を両国シティコアと一緒にした総括は、極めて乱暴かと思っております。
 まず、信託契約終了時に約三十億円もの負債が残った両国シティコアの土地信託の評価について伺います。
 そして、両国シティコアにはシアターXという劇場があり、私も何度か足を運ばせていただきました。なかなか文化的ないい感じの小屋になっておりますが、局からは、年間三百回を超える公演を行っており、年間約四万人の方が訪れ、それなりに、にぎわいの創出にも寄与しているというふうに聞いております。
 特に前回の質問では、私からも、行政施策の視点や地域貢献の視点など、経済的以外の面からも評価すべきではないかということを申し上げておきました。東京都では、経済的以外の面についてどのような評価をしておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 両国シティコアにつきましては、オフィスやスポーツ施設が入居する商業ビルとして業務機能の役割を果たしてきたほか、当時の行政ニーズを踏まえ、都民住宅を六十戸整備し、これまで安定供給に努めてまいりました。また、お話のシアターXや地域集会施設など、小規模ながら都民の利用できる施設の提供も行い、両国の地域におけるシンボルとしてその役割を果たしてきたと考えております。

○福士委員 ただいま答弁のありましたように、そういう都民対応へのプラス面、それから、配当が予想どおりでなかったことや三十億円もの債務が残ってしまったというマイナス面と、両国シティコアには両面があったのだということをきちんと明らかにしておくことが必要ではないかと思われます。
 先ほども、住宅の切り離しは不採算部門だからではないかというお話もありました。目的の違いの認識は重要かというふうに私は思っております。
 次に、オフィス部門の今後五年間における十七億円の返済可能性についてお聞きします。
 今までも何人かの方が質問されておりましたけれども、再度確認させていただく意味でお伺いをいたします。
 平成十四年の約九二%という入居率から、平成十六年から今に至るまで約九八%以上と、高い入居率で推移していることは喜ばしいのですが、一方では、賃貸収入を見ると、平成十六年は約十二億円、平成十二年の約十四億円という水準には到底達しておりません。
 平成二十二年度に、六年ぶりに九八%を割り込む九七%の入居率であったことも含め、今後の収入見通しに暗雲が立ち込めているのではないかと心配しておりますけれども、今後五年間の収入の見通しについて、どのような考え方に基づいて信託銀行と検討を進めてきたのでしょうか、お伺いをいたします。

○岩瀬利活用調整担当部長 両国エリアにおけるオフィスの賃貸事例や競争環境等、不動産市況を踏まえまして、現在のテナントの入居状況、賃料水準をベースに賃料収入を見積もるとともに、想定される修繕工事を精査し、また管理費のさらなる縮減を図るなど、今後の収支を確実に見積もり、検討を行ってまいりました。

○福士委員 収入に引き続き、支出の方もお聞きをしておきたいと思います。
 私も、過去十年分の決算書を分析してみましたが、平成二十三年度には十億円の借入金返済予算、それから、平成二十二年度には四億円の借入金返済と四億円の積み立てを組むなど、借入金圧縮や敷金に対応する積立金の増額に努めている姿が見えました。光熱費、管理費の支出圧縮などとも含め、それは私は評価しておきたいなというふうに思っております。
 ただ一方で、修繕費に充てていたと思われる資本的支出予算が、二十一年度の一億九千万円を頂点に、二十二年度一億三千五百万円、二十三年度はわずか七千万円余りと、大幅な抑制をされています。日ごろのメンテナンスを怠ると、中長期的に悪影響が起きると考えられます。
 借入金の返済は第一の目標として、修繕費を抑制し過ぎると、両国シティコアを利用される方々の安全・安心はもとより、ビル全体の寿命をも短くしてしまうのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 これまで必要に応じて適宜修繕やメンテナンスを実施いたしまして、耐震化を含め、建物、設備は適切に管理されております。
 修繕費につきましては、信託期間延長後の収支試算におきましても、中長期的な修繕計画を踏まえまして、引き続き建物の維持保全に支障を来すことのないよう適切に見積もりを行っております。

○福士委員 先行きはちょっと混沌として心配ですが、収入面、それから支出面とも、さらなる努力を求めておきます。
 また、五年間に十七億円を返済できない場合は、再度、銀行との協議をしていくと、たびたびご答弁いただいておりますが、都の貴重な財源を投入することのないよう、また、早目早目に情報をきちんと都民に伝えることを求めておきたいと思います。
 さて、特に当時は法律上困難だった事業用定期借地権という長期貸し出しの制度が現在は整備されています。もし東京都の土地を有効活用する場合、今回のように多額の負債が残ってしまうなど、土地信託という手法は余りにも危険過ぎるのではないでしょうか。これはほかの会派の方もおっしゃっておられました。今後に向けてのお考えがあれば、お伺いをしておきたいと思います。

○岩瀬利活用調整担当部長 都有財産は、都民の負託を受けた貴重な財産でございまして、財産価値を最大限に発揮させる必要がございます。
 今後新たに土地信託を活用するに当たりましては、土地信託のメリットを踏まえるとともに、社会経済状況の見通しや費用対効果の検証、お話の事業用定期借地など、他の土地活用の手法とも比較し、さまざまな観点から課題を検討し、その上で、都にとって最も有利な利活用方策を選択してまいります。

○福士委員 今回の審議に当たり、毎年第二回定例都議会で報告されている経営状況をいろいろと確認させていただきました。賃貸収入とその他の収益金の区分や、予算と決算も項目の違いなどがありまして、なかなか比較しにくくなっています。今後、都民にわかりやすい報告をしていくためにも、表記している区分の見直しなど、ぜひ工夫をしていただくことを最後に強く要望させていただき、土地信託関係の質問を終わります。よろしくお願いいたします。
 続きまして、PPSや特定供給の活用についてお伺いをいたします。
 昨年九月の一般質問、それから財政委員会の質問や予算要望で、以前より、価格面と安定供給の立場から、東京電力だけにとどまらない電力供給先の開拓をと提言してまいりました。
 東電以外の電力会社、いわゆるPPSの活用については、一方で、多くの自治体が検討や実施を行うことで、PPS側の供給量を大幅に超えるような事態となり、入札を実施しても、PPS側が参加せず、不調に終わる自治体も出てきました。特に、価格面での低下が以前ほど期待できない状況にあります。
 とはいえ、東京電力が大口需要家に向けて一七%の値上げを発表しています。マスコミ報道によれば、東京都庁だけで一億円の負担増とのことです。原発に依存する東電に頼らず、価格で安定した電気供給を自前で調達するためにも、さまざまな工夫が必要ではないでしょうか。再びPPSの活用、あわせて、最近発表された東京ガス関連の地域冷暖房センターからの電力供給についてお伺いをいたします。
 九月に発表された東京ガスの地域冷暖房センターからの都庁への電力供給は、敷地の境を越えて、他のビル等に電力供給する初めての事例となりました。特定供給という制度を活用し、いわば自家発電の延長として電力供給を受けるという画期的な先進事例といえます。
 そこで、地域冷暖房センターからの電力供給の現状はいかがでしょうか。また、予算額もあわせてお伺いをしておきたいと思います。

○藤森庁舎運営担当部長 お話の地域冷暖房センターからの電力供給につきましては、同センターに設置をされています発電設備を、専ら都庁舎専用の発電設備として使用する特定供給制度を適用して行うものでございます。
 現在、都庁舎の受電設備等の改修に関する実施設計を行うとともに、供給事業者側と料金等の条件について協議を行っております。来年度受電設備の工事を行い、年内の受電開始を予定してございます。
 また、来年度予算に改修工事費などで二億九千九百万円を計上してございます。

○福士委員 ドイツなどでは、自治体レベルで公営電気とか熱事業を持つ自治体もあります。東京都も自前の施設への供給だけでも賄えるような公営あるいは関連電気事業体を持つべきということを提案して、次の質問に移ります。
 中部電力をPPSとして扱い、東電域以外からの調達を実施することは、残念ながら、先方との合意がとれずに終わりました。中部電力に依頼予定の八千キロワットという大規模な事業者は、東京都でもトップクラスでしょう。その需要を背景にした安価で安定した電力調達は、この夏を見ても大きな課題です。
 PPS、いわゆる新電力の育成も含めて、東京都の電力調達を考えるべきではないかと思っておりますが、そうした観点に立って、平成二十四年度の環境、エネルギー対策の予算はどれくらい組まれているのか、どのように組まれているのか伺っておきます。

○武市主計部長 平成二十四年度の大都市における環境、エネルギー対策に関する予算は、都庁舎への電力供給の多元化を三億円計上したほか、官民連携インフラファンドの創設に三十億円、百万キロワット級天然ガス発電所の新設に一億円、高度防災都市づくりのための自立分散型電源導入支援に五億円、医療施設及び社会福祉施設自家発電設備整備に十二億円など、合計で九十四億円を計上しております。

○福士委員 予算では、質問でも取り上げた都庁舎への電力供給の多元化を含め、四つのリーディングプロジェクトが予定されています。大規模複合開発等でのコージェネレーションシステムの導入など、先進的な政策を積み重ねて民間に刺激を与えつつ、都の関連施設でも、積極的に今回のような地域冷暖房センターの発電を導入すべきと考えます。
 私たち無所属議員の運動でも、各地域でPPS、新電力の導入を呼びかけ、導入検討の自治体の広がりが起きました。多摩の方とか、市、町まで頑張ってやっているところですが、その導入拡大もあわせて、残念ながら皮肉にも、現在、需要と供給のバランスが崩れかけているところです。PPS、新電力の育成、導入拡大もあわせて、大幅値上げや原発再稼働をねらう東京電力一者に頼らない電力調達に引き続き努力していただくことをお願いしておきたいと思います。
 続きまして、オリンピック招致の関連団体への都庁舎使用許可についてお伺いをいたします。
 以前の東京オリンピック招致委員会に続き、国際スポーツ東京委員会とオリンピック招致の関連団体が設立されています。その団体そのものの是非は今回は触れませんけれども、オリンピック招致関連団体に都庁舎の使用を許可するということの法的な意味や運用についてお伺いをいたします。
 地方自治法二百三十八条の四の第七項には、行政財産は、その用途または目的を妨げない限度において、その使用を許可することができるとあります。それを受けて、東京都の公有財産規則の第二十九条の二、各号、これは八つあるわけですけれども、それにおいて該当する場合は許可することができるとあります。
 さて、オリンピック関連団体でもある国際スポーツ東京委員会は、この規則のどの号に当たるのでしょうか。条文もあわせてお答えください。

○藤森庁舎運営担当部長 国際スポーツ東京委員会につきましては、東京都公有財産規則第二十九条の二第八号に基づき、都庁舎内に使用を許可したものでございます。

○福士委員 それでは、あわせて使用料についてもお聞きします。
 貸し出すに当たって減免することができますが、当該団体は減免措置を受けているでしょうか。それからまた、その場合の、同じく行政財産使用料条例第五条に列記している四つの号のうち、どの号に当たるのでしょうか。条文もあわせてお答えください。

○藤森庁舎運営担当部長 国際スポーツ東京委員会の使用料の減免措置につきましては、東京都行政財産使用料条例第五条第四号に基づき減額してございます。

○福士委員 行政財産の使用許可にしても、使用料の減免にしても、例えば、他の項目は職員のための食堂経営であったり、それから、その他の公共団体、例えば自治体、土地改良区や事業団などというふうに、各号で厳密に決められています。いずれも合理的で都民に説明がつきます。
 使用許可の八号にしても、減免の四号にしても、例えば、災害のときに、急遽、知事が使用を認める場合のような、想定できない緊急時を想定していると思われるのですけれども、なぜこのような例外規定を使って、わざわざ認めようとするのでしょうか。

○藤森庁舎運営担当部長 国際スポーツ東京委員会は、都政の重要課題でございますスポーツの振興、国際スポーツ都市東京の実現のための国際スポーツ大会や会議の招致等の諸活動を都と緊密に連携して行う組織でございまして、事業の円滑かつ効率的な推進のためには、都庁舎内に事務所を設置する必要性が認められることから、東京都公有財産規則第二十九条の二第八号に基づき使用許可したものでございます。
 また、使用料につきましては、スポーツムーブメントの推進など実質的に都の事務事業を補佐、代行し、その事務事業の用に供することから、東京都行政財産使用料条例第五条第四号に基づき減額を認めたものでございます。
 このように、法令、条例、規則に従い使用を許可したものであり、例外的に認めたわけではございません。

○福士委員 ちなみに、昭和三十九年四月一日の財務局の依命通達によれば、前各号のほか特に必要があると認められるときというのと、それから、そのことについては、その処理に当たっては慎重な配慮を要するものであることというふうになっています。さらに、昭和四十一年には再度通達を行い、行政財産を本来の用途または目的以外に使用させることは、あくまでも例外的な措置であるので、規則第二十九条の二の適用は必要最小限度にとどめるものとすることとしています。
 決裁や判断において、特に定めるときと、それ以外の各号の手続に違いがあるのでしょうか、お伺いをします。

○藤森庁舎運営担当部長 行政財産の使用許可は例外的な措置であり、許可に当たっては慎重に判断する必要があると承知をしております。そのため、行政財産の使用許可の根拠となる東京都公有財産規則第二十九条の二各号の適用に当たりましては、個々の申請に基づきまして、使用者の範囲及び適性、使用の目的及び方法、都の事務事業との関係等を具体的に審査し、判断しており、お話の規則各号の決裁や判断の手続において、違えて適用することはございません。
 国際スポーツ東京委員会につきましても、このような手続や審査を経て使用許可いたしました。

○福士委員 そういう手続を経ているので、安易ではないというふうな意味かと思われますけれども、安易な許可ではないかと思われる運用例を二つ挙げます。
 申請書では、東京都と緊密に行う事業執行のためと、あいまいな表現にされています。これではあらゆる団体が当てはまることになるのではないでしょうか。
 次に、使用料の減免についても、減免申請は、寄付に頼る団体で財政基盤が貧弱なためとしています。これも理由が違うというふうに思われますけれども、ちなみに、二十二年度の五十平米で年間九十万円という使用料は、周辺の相場からすれば四分の一程度の料金じゃないかと思われますが、財政基盤が貧弱というのであれば、多くの団体が当てはまります。なぜこの団体だけが例外と見えるような形になっているのでしょうか。
 法律に基づく厳密な処理をするはずの規則や通達の意図は、知事がトップの関連の団体ということでゆがめられ、安易に使用許可を出したということはないのでしょうか。再度確認をさせていただきます。

○藤森庁舎運営担当部長 使用許可の審査に当たりましては、申請書の記載内容のみをもって判断するのではなく、申請内容を裏づける資料、例えば申請者が法人の場合、法人の設置目的、事業活動等がわかる定款等の提出を求め、確認をしてございます。
 また、当該使用許可にかかわる所管局から、都の事務事業との関係等について説明を求め、確認をするなど、慎重に判断をしてございます。
 国際スポーツ東京委員会についても同様に審査し、使用許可の対象と判断したのであり、お話のあらゆる団体が当てはまるわけではなく、また安易に使用許可したものでもございません。
 次に、使用料につきましても、使用目的、地方公共団体としての都の立場、都の事務事業に及ぼす影響等について同様な方法で確認し、当該団体の財政基盤が不安定な状況の中で積極的に事業を推進するためには一定の配慮が必要と認められることから減額したのであり、当該団体を例外として認めたわけではなく、また、お話の財政基盤が貧弱というのみで減免の対象にはなりません。
 また、使用料につきましては、東京都行政財産使用料条例に基づきまして適正に評価、算出してございます。

○福士委員 そんなにつつかれるようなことをおやりなるわけはないとは思いますけれども、このような点については公有財産管理運用委員会で議論にならなかったのでしょうか。
 特に国際スポーツ東京委員会は、一カ月ごとに申請書を出していますね。公有財産管理運用委員会をそのたびに開催しているとは思えませんけれども、実態はどうなっておりますでしょうか。

○藤森庁舎運営担当部長 国際スポーツ東京委員会は、旧東京オリンピック・パラリンピック招致委員会を継承した団体で、旧招致委員会の使用許可に当たって東京都公有財産管理運用委員会の議を経ており、その際、申請に基づく審査結果等を審議し、承認を得てございます。
 また、東京都公有財産管理運用委員会への付議についてでございますけれども、東京都公有財産規則第四十六条ただし書きに基づきまして、知事が指定するものについては省略できるとしております。
 具体的には、公有財産関係の条例及び規則の施行通達に基づきまして、百平米未満の建物等を使用させるとき、また、東京都公有財産管理運用委員会の議を経て使用許可したものを許可更新する場合等については省略できるとされております。
 国際スポーツ東京委員会からは、使用許可期間を一カ月とした申請がなされておりますが、こうした省略要件に該当するため、現在のところ、東京都公有財産管理運用委員会の付議を省略してございます。
 なお、当該団体の使用許可に当たりましては、申請の都度、法令、条例、規則に従って審査し、許可をしております。

○福士委員 でも、省略が随分多くて、うらやましいなというふうに思いますけれども、最後に申し上げておきます。
 そもそも、知事がトップのNPO法人という奇妙な位置づけで民間と公とを使い分けるオリンピック招致委員会のあり方が、使用許可一つをとっても法的な問題を生じさせるんじゃないかなというふうに思います。民間であれば、他の分野で熱心に活動する団体と同様に、都庁舎外に事務所を設け、連携をすべきではないでしょうかね。
 また、仮に都庁舎を貸し出すにしても、法律や条例の趣旨、以前の通達と矛盾のない運用をすべきではないかと思いますが、いつまでも例外条項に頼るような運用を毎年繰り返すのはおかしいとは思われませんでしょうか。それだけ伺っておきたいと思います。

○藤森庁舎運営担当部長 先ほども答弁いたしましたが、国際スポーツ東京委員会は、都政の重要課題でありますスポーツの振興、国際スポーツの振興等の、招致等の諸活動を都と緊密に連携して行う組織でございます。事業の円滑かつ効率的な推進のためには、都庁舎内に事務所を設置する必要性が認められることから、東京都公有財産規則第二十九条の二第八号に基づき使用許可したものでございます。

○鈴木(勝)委員 二十四年度予算に関連しまして、私からは、事業評価、そして外債発行、この二点についてお伺いをいたします。
 まず、都財政を語る上で、今や欠かすことができなくなりました事業評価についてでございますが、基本的な認識をお伺いしながら、都財政の健全性維持に向けて今どういうことが必要とされているか、求められているのか、そういったことを確認してまいりたいと思います。
 東日本大震災の影響や円高、海外経済情勢の悪化によりまして、日本経済は、先行きの見通しが非常に厳しい状況にありますのは皆さんもご存じのとおりでございます。こういう中にありまして、持続可能な東京都政の施策、これを展開をしっかりしていくために、真に必要な施策に絞り込んで施策の実効性や効率性を確保することで健全財政を維持していかなければならないことは、これは、今まで再三再四にわたりまして議論が尽くされ、財政運営上も選択と集中がいかに重要かということは、都側にしましても、都議会にしましても共通した認識となっている感はございます。
 都は、施策の効率性、実効性を高める取り組みとしまして、事業評価を活用することによりまして、来年度、二十四年に関しましても、予算編成において約二百二十億円の財源を確保したというところでございます。
 そこで、改めて事業評価導入の経緯とその目的を確認させていただきたいと思います。

○武市主計部長 事業評価は、石原知事就任後の二次にわたります財政再建推進プランに基づき集中して実施をしてまいりました事務事業見直しの成果を踏まえまして、その成果とそこに至るプロセスを財政再建達成後も継続していくための制度として立ち上げたものでございまして、事業の検証を通じて、みずからを改革する力を組織に内在化させる取り組みでございます。
 具体的には、予算編成の一環として、事業を所管する各局と財務局が連携して事業の成果や決算状況を厳しく検証いたしまして、見直し、再構築でございますとか、拡大、拡充などの評価を行い、その結果を公表し、効率性や実効性の高い施策へと向上させる取り組みでございます。

○鈴木(勝)委員 今、ご答弁をいただきましたとおり、事業評価は、財政再建を達成しながら安定期に入った都財政運営におきまして、財政再建期における集中的な施策の点検、検証の成果を、都庁の組織の中にしっかりとビルトインする取り組みであるということの認識はいたしたところでございます。
 ただ、この取り組みが行政内部の自主的な取り組みであるがゆえに、ややもしますと、内部のお手盛りといってはなんですが、お手盛りや自己満足となってしまうのではないかという点も折に触れて懸念されたところでもございます。
 私も、今回公表をされておりました事業評価、三百七十七件については、すべて目を通させて点検させていただきました。五千を超えるといわれております都の事業を、すべて事業評価することは困難であると理解するところではございますが、まだまだ対象を広げる余地があるのではないか、あるいは事業評価された案件の額とか事業の内容を見ましても、細部にわたる検証を加えたということは理解できますけれども、その反面、どのような観点で事業が選ばれてきたのか、もっと財源確保につなげられるのか、そういった点については非常に関心を持った次第でもございます。
 そこで、事業評価をする事業そのものを、毎年どのように各局、各団体は決めているのか、また、その選択に財務局はどのような対応をしてこられたのか、見解をお伺いいたします。

○武市主計部長 予算編成には、多くの職員がさまざまな形で関与をしておりまして、それぞれがそれぞれのポジションで、毎年度すべての事業を厳しく検証しております。そうした中で、事業評価につきましては、翌年度予算の見積もり方針を示す際に、財務局から各局に対しまして、対象事業の選定に当たっての考え方でございますとか分析手法などを明らかにしております。
 具体的には、行政需要の高まりなどを受けて事業の拡大、充実をするもの、類似事業を集約したり、民間の手法を採用するなど事業の見直し、再構築を図るもの、新たに公会計手法を活用し、分析を加えたものなどについて選ぶようにしておりまして、これにより、分析手法などの共有化が図られ、各局の問題意識が高まった中で事業が選定されているものと考えております。
 その事業評価の成果につきましては、当座の財源確保にとどまることなく、新たな公会計手法も活用しながら、例えば、一時的には現金支出がふえたとしても、中長期的に見ればトータルコストが縮減されているような見直しもございます。あるいは、予算額自体は変わらなくても、制度や仕組みを変えたり、やり方を工夫することで施策の効果を高めるというものもございます。
 また、事業評価は一過性のものではなく、その成果は累積して残ってまいりますので、この五年間の取り組みによりまして、都庁全体でも相当程度ノウハウが蓄積されているものと考えております。

○鈴木(勝)委員 この取り組みが十分に機能するためには、各局、各部だけではなくて、すべての事業所、ひいては皆さんお一人お一人の職員の方々が、真に費用対効果の高い施策の構築、そして、その施策実施に当たる必要があると思います。そのために、この事業評価の仕組みも、より高い成果を上げるものへと、ますます進化させていただきたいと思っております。
 そこで、事業評価を都の組織全体に根づかせるべく、どのような工夫を行ってこられたのかお伺いをいたします。

○武市主計部長 先生がお話しのとおり、事業評価を都の組織全体に根づかせるということは非常に重要でございまして、事業のむだをなくし、その効果を高めていくためには、事業を実施する各局が主体的に一つ一つの施策を検証し、評価していくことが不可欠でございます。そうした取り組みを浸透させるため、財務局といたしましては、具体的な評価や分析に当たってのポイントを各局に示すとともに、みずからも現場に赴きまして、そこでの状況を見聞きしながら、事業所管局と連携して課題の洗い出しを進めるなど、各局の問題意識を高め、効果的な事業の実施につながるよう、できる限り努めてまいりました。
 加えて、新たな公会計手法を活用するとともに、情報システムや財産利活用、建築コストなど、より専門的な視点でのコストチェックを関係部局と連携して行うなど、評価手法を充実してまいりました。
 また評価の対象につきましても、この間、特別会計、歳入に加えまして、監理団体でございますとか報告団体を通じて実施する事業にまで拡大をするとともに、「十年後の東京」への実行プログラム事業を評価の重点対象に設定することなどによりまして、公表件数の増加に努め、見直しや評価の視点の共有を積極的に図ってまいってきたところでございます。

○鈴木(勝)委員 この間、都税収入が五年間にわたりまして減収となる中でも、都は、基金残高八千三百億円、起債依存度もわずか八%という健全性を維持する成果を上げておりまして、国内でもその財政健全性は極めて高いものとなっています。また、厳しい財政環境の中でも、削減一辺倒ではなくて、真に必要な施策には充実、拡大という評価を与えていらっしゃるのもよく存じております。めり張りのある予算編成を可能にしてきたことについては、一定の評価はできる仕組みといえますけれども、制度の実効性は、ますますこれから高まっていかなければいけないと思っております。
 都は、過去二回にわたる財政再建プランによりまして、マイナスシーリングやそれに続く事業評価などで、他の自治体や国以上にスリム化を進めてこられました。しかしこのことは、一面から見れば、明らかなむだがないということでもありますが、このことがややもすると、組織を現状に安住させて、自己改革へのインセンティブを失うようなことにつながりかねないと思っております。今後、税収の伸びも期待できず、まだまだ厳しい財政環境が続くと見込まれている中にありまして、施策の見直しや歳出の削減を行う中にあっては、今まで以上の努力が必要であると思っております。
 そもそも選択と集中というのは、むだを排することはもちろんでございますけれども、効率性を高め、できるだけ少ない予算で大きな成果をどう生み出したか、そこには創意工夫がどうあったのか、そういう視点が大変重要ではないかと思っております。また各局の事業の中でも、中核となる事業においても見直すべきものは見直すことが、事業評価として今後視野にしっかりと入れていくべきであると、そう思っております。
 社会経済情勢の目まぐるしい変化の中で、都民が都政に求めるものもますます多様化していく中で、時期を逸することなく思い切ったスクラップ・アンド・ビルドを継続的に行っていただいて、各局が事業の新陳代謝として選択と集中をしていくことが、実は健全な事業執行になるのではないかと思っているところです。
 都庁の自己改革というものを、都庁組織のDNAとして定着させながら、今後の都財政の健全性を堅持する上でのかぎとなってまいりますので、今後も事業評価の手綱を緩めることなく、より一層の取り組みの強化と、都職員の皆様方一人一人の危機感と緊張感をぜひ高めていただくことを求めて、次の質問に移ります。
 次に、外債についてお伺いをいたします。
 都債については、これまで国内債については本委員会で議論を行い、現在のところ安定的な発行ができているということではございました。必要な資金調達という点では、国内債で非常にうまくいっているということだと思いますが、一方で、東京都は、過去に外債も発行してきた実績があります。
 二〇二〇年のオリンピック招致活動が本格化する中、先日は、ローマが財政的な理由で候補を取りやめるということが起こりました。オリンピック招致は、立候補都市やその国の経済状況に大きく影響を受けることになっております。
 東京の財政上の国際的な信用力を対外的にアピールすることも、招致活動においては、私は非常に重要になってくるというふうに思っております。こうした中、この外債の発行というのは、資金調達の手法であることはもちろんですけれども、それに加えて、東京の高い財政力を国際的にしっかりアピールできる重要なツールともなると思います。
 そういう中で、まず東京都のこれまでの外債発行実績、これがどうなっているのかお伺いいたします。

○武市主計部長 東京都は、戦後、政令により限定列挙されました事業を対象に、国が債務を保証いたします政府保証外債、これを昭和三十九年度と四十年度にはドル建てで発行いたしまして、その後、昭和五十七年度から平成十二年度にかけましては、毎年この政府保証外債を発行してまいりました。平成十三年度以降は、地下鉄建設など政府保証の対象となります事業が縮小したことなどによりまして、政府保証のついた外債は発行はしてございません。
 一方、平成十六年度になりまして、日本経済の回復基調をベースといたしまして、日本に対する海外投資家の再評価や、日系優良銘柄に対する投資家ニーズが大きくなったことから、これまでの外債発行実績により培われました知名度でございますとか信用力を生かしまして、東京都としては初めて政府保証のつかない外債を発行いたしました。平成十九年度には、投資家層の拡大などを目指しまして、ムーディーズからトリプルAの格付を取得いたしまして、その信用力をベースにユーロ建て債も発行してございます。
 その後は、いわゆるリーマンショックや欧州債務超過問題などの影響で発行環境が悪化し、外債の発行を見送らざるを得ない状況でございましたが、本年一月に、比較的安定した市場環境をとらえて、四年ぶりにドル建て債の発行を行ったところでございます。

○鈴木(勝)委員 東京都の外債発行実績は、今お伺いしましたとおり、非常に長い歴史があるということがわかりました。最近、発行できていなかったものの、今年度は再び発行できたということでございます。これは東京に大変メリットのある話であって、東京都の信用力が海外においても非常に高く評価されているということだと認識をいたしました。
 発行までの三年間のブランクについては、いわば市場の動向をうかがいながら、これまで準備を進めてきました期間ととらえることができると思いますが、国内債の発行が順調に行われる際には、むしろ無理に外債を発行しなくともよいのではないかという見方も一方であるのではないかと思いますが、もう一度確認のために聞いておきたいのですが、外債を発行することの意義、メリットについて、都はどのようにお考えになっているのかお伺いいたします。

○武市主計部長 外債発行の意義、メリットといたしましては、まずは継続的に国債資本市場におきまして外債を発行することにより、海外の多様な投資家の参入を可能とし、資金調達先を多様化するということでリスク分散ができる、このように考えております。
 また、外債発行の活動を通じまして、国に依存しない東京の財政力をアピールするとともに、都のさまざまな施策についてシティーセールスをすることで、国際的な信用力、知名度を向上することができると考えておりまして、これはお話にもございました二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック招致活動の一助にもなっているものと考えております。
 さらには、国内債よりも安価な販売手数料でございますとか、調達した外貨を円へ通貨交換する際の国内外の金利差などから生じる余剰が生まれまして、低コストでの資金調達が可能となる場合がある、そういったメリットもございます。

○鈴木(勝)委員 今お話しいただいた外債の発行は、当然、外貨建ての発行となりますから、非常に手間も時間も国内債に比べるとかかると思われております。今答弁いただいたように、海外に対する東京の信用力をアピールする上で大変重要なものではあろうと思っております。特に今後は、オリンピック招致活動を本格化させなくてはならないときでもございます。国の財務体質に世界が疑問を感じ始めている今だからこそ、世界の都市の中でも東京が財政力も豊かであり、国よりもはるかに健全な財政運営を行っていること、また、その結果、起債の償還能力も極めて高く、多くの海外投資家の信頼を得て起債ができる団体であることを訴えていくべきであります。
 ところで、日本の国債や他の自治体の債券発行において、外債の発行実績はあるのかないのか、お伺いをいたします。

○武市主計部長 まず、日本国債におきましては、近年、外債の発行は行ってございません。また、他の地方自治体でございますけれども、戦後、これまで大阪府、大阪市、神戸市、横浜市の四団体におきまして政府保証がついた外債発行の実績はございますが、横浜市が平成十一年十月に発行して以降、外債の発行実績は他の自治体ではございません。
 したがいまして、今回の東京都のように、政府保証のない外債を戦後発行した地方自治体というのはほかにはない、そういう状況でございます。

○鈴木(勝)委員 今のご答弁で、東京都という自治体の債券市場における地位が大変高いことがよくわかるお話でございました。国も発行できていない中で、東京都だけが、日本の自治体の中で海外の投資家向けに債券発行ができているということは、対外的に大きな売りになるポイントであろう、広くアピールしていってもいいのではないかなと、こうした取り組みをぜひ継続していってもらいたいと思っております。
 現在では、海外においても広く投資を行う活発な投資家が世界じゅうに存在しておりまして、こうした投資家が東京をどのような目で見ているのか、よく理解した上で、東京のよさをわかっていただく活動が、オリンピック招致の、実は後押しにも必ずなるのではないかなと思います。
 また、外債発行で重要なことは、投資家にわかりやすい客観的に判断する指標として格付の取得ですけれども、現在、都は、スタンダード・アンド・プアーズ社から格付を取得していると聞いております。世界の都市と比較しまして、東京の格付は今どうなっているのか。また、海外の投資家層に向けて、東京を理解していただくためにどのような工夫を今なさっているのか、お伺いをいたします。

○武市主計部長 東京都は、今お話しいただきましたようにスタンダード・アンド・プアーズから格付を取得してございますが、日本国債を上限とするという格付の方針があるために、国債に引きずられる形で、東京都の場合、ダブルAマイナスのネガティブという評価になってございます。これ、他の都市と比較いたしますと、ロンドンあるいはパリといったものはダブルAでございまして、そこよりは一段低いという状況でございます。海外で申し上げますと、香港が東京都と同じ格付となってございます。
 それからあと、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック招致の申請都市という点で比較を申し上げますと、まず、マドリードはシングルAでございまして、東京都よりも一段低いという状況があり、イスタンブールにつきましてはダブルBマイナスということで、東京よりも相当低いという状況がございます。あと、ほかの申請都市、バクーとドーハに至りましては格付を取得していないという状況でございます。
 東京都の格付につきまして、その格付取得に加えて、それ以外のPR活動といたしましては、海外を含む投資家に対しまして、投資判断に必要な財務情報を適宜提供するIR活動というのを積極的に行ってございます。特に、平成十九年度から海外の都市を訪問いたしまして、直接投資家に都財政や都債などにつきまして説明を行います海外IR活動を毎年実施しておりまして、今年度は、昨年の十月に香港及び北京の大手投資家を訪問いたしまして、都財政でございますとか震災の影響などについて幅広く意見交換を行ってまいりました。
 加えまして、東京都のホームページでは、英語による財政情報も常に公開しております。また、インターネット回線を通じて、一定期間、音声による都財政の説明を行いまして、多くの投資家にも閲覧をいただきました。
 こうした取り組みによりまして多くの投資家から信頼を得ることができ、本年度の外債発行につながったものと考えております。

○鈴木(勝)委員 今、お話しいただいたように、格付の取得だけではなくて、いろいろな工夫を行って、きめ細かい説明により、今回の起債においては多様な海外の投資家が都債を購入したのではないかと思われますが、こうした地道な取り組みが東京の国際的なプレゼンスを高める上でも大変重要な機になると、そのように思っております。
 オリンピック招致に関しても、先ほどあったように、東京の格付が非常に高いということでもございますので、そういったことをぜひうまく海外のIRで使っていただければなと思います。
 その一方、格付については、国債の格付に左右される実態がありまして、国の動向が不透明な中で、万が一、国債の格付が下がってしまえば、東京も大変大きな影響を受ける可能性は否定できないと思います。格付の低下は、外債の発行においても非常に不利になることは間違いないと考えておりますが、どのような事態になっても、東京という銘柄に対する信頼感を、ぜひ世界じゅうの投資家層に持っていただくよう、継続して取り組みを行っていただきたいと思います。
 そのためには、外債を発行しながら、東京都の名前を債券市場で、いわば常連としてきちんと認識してもらうことが必要です。国際的な舞台で東京都の信用力をアピールすることは、オリンピック招致活動においても役立つものであると、そのように思っております。
 これまで外債について質疑を行ってきましたが、都財政は、資金調達一つを取り上げても、海外の経済や、そして債券市場の目というものをしっかり意識しつつ、かじ取りを行わなければならないということも明らかでございます。
 この一年間に限っても、東日本大震災の影響や、欧州の政府債務危機問題など、都債を含む債券市場の状況は大変大きく変動をしております。そのような不安定要素が常にリスクを伴うことから、債券市場での都債の発行は極めて、これも慎重に熟慮しながら進める必要があります。
 国際的な金融規制の強化の動きや、海外の金融問題の収束にめどが立たないことから、発行団体にとって良好な環境にある現在の地方債市場も、いつどのように変化に見舞われるか予断を許さないというのも現状の認識でございます。
 そのため、将来的な安定調達や、金融環境の変化に強い資金調達のためにも、外債を継続的に発行するなどリスク分散を図っていくことが重要であると思いますが、見解をお伺いします。

○武市主計部長 都債の元利償還は、基本的には税などの一般財源が当たることから、将来的な資金調達コストをしっかりと見据えて都債を発行し、安定的な資金調達を行うことが重要であると考えております。
 まずは、これまで一貫して進めてまいりました堅実な財政運営を今後も行っていくことについて、市場に対して日ごろからアピールをいたしまして、投資家の信頼を得た上で、国内で円滑な消化を続けていくということが重要であるかと思います。加えまして、都債の発行年限の多様化に取り組み、中期債から超長期債までバランスのとれた起債を行うことによりまして、金利変動リスクを回避し、金利変動が都財政に与える影響をできるだけ抑えて、将来の利払い負担の安定化を図ることも重要であろうと考えております。
 外債の発行につきましては、資金調達手段の多様化を実現し、リスクの分散を図る方策の一つとなりますので、毎年発行を計画し、市場の動向を踏まえながら、最も適した時期にタイムリーに起債を行っていきたいと考えております。
 今後とも、このような多様な取り組みによりまして、リスク分散を図りながら安定的な都債運営を行っていくつもりでございます。

○鈴木(勝)委員 これまでいろいろお話をお伺いしましたが、都債の発行にとどまらず、都税収入が、リーマンショック以降、そして歴史的な円高の影響もありまして五年連続の減収となるなど、とりわけ都財政は、今お話しいただいたように、世界経済の荒波の影響を大変大きく受けるものであると思っております。
 このように、国際都市東京の財政をめぐる環境は、国内経済だけではなくて、世界経済の動向とは切っても切れない状況にあると認識をいたしております。都財政の運営に当たっては、国の財政金融政策はもとより、海外の経済、市場の動向に至るまで、しっかり目を配りながら、先を見通した手だてを講じていく必要があると思いますけれども、最後に局長の思いをお伺いしまして、私の質問を終わります。

○安藤財務局長 お話がありましたように、金融経済のグローバル化の流れの中で、私ども都財政は、国の財政金融政策や世界経済の動向と密接に関係しているというふうに思っております。
 国債の格付を見ますと、平成二十一年五月、そして二十三年一月と、国の財政状況の悪化によりまして相次いで引き下げられて、それが都債の格付にも影響しておりまして、加えて最近では、貿易収支が赤字であるといったことによりまして、今後の経常収支の動向、さらに、それが金利の動向に与える影響についても強く懸念をされているところであります。
 今後の財政運営に当たりましては、こうした国内外の環境変化の影響を大きく受けるということを十分に想定しつつも、基本としては、やはり強固な財政基盤の堅持に努めるという、そういうベースに立ち返ることだというふうに思っております。歳入歳出両面での見直しを不断に行うこと、そして財政の対応力などをしっかり確保しなければいけないということだというふうに思っております。
 また、安定的な資金調達という観点からは、今は都債についてご議論いただきましたけれども、財政の健全性を保っているということを投資家の皆さん方にわかりやすく発信をし、都財政に関する正しい認識を持っていただくということが必要だと思いますし、あわせて、都債についての魅力などを高めていくという努力も十分必要かなと思っております。
 こうした努力を地道に重ねまして、外部環境が大きく変動する中にありましても、それを受けとめることのできる財政基盤によって、都政にとって必要な施策をしっかり支えていかなければならない、こう考えているところでございます。

○加藤委員 私からも両国シティコアについて伺います。
 ことし七月に契約満了を迎える両国シティコアは、オフィスのほか、都民住宅を併設した複合ビルということもあり、我が会派は、信託契約満了後の対応策は、単なる不動産の運用という視点だけではなく、そこに入居し、生活する居住者の視点を尊重することが大変重要であると主張をしてまいりました。
 そして、昨年の財政委員会における事務事業質疑で、私は、契約満了後も、居住の安定やまちづくりの視点から、都が引き続き所有して対応策をとるよう強く求めました。これに対しまして、今回提案された対応案は、これにきちんと対応を、こたえたものとなっていると考えます。
 仮に民間に売却されるようなことがあれば、居住世帯にも影響が及ぶおそれがありますが、そうしたことがないよう配慮し、対応策をまとめた点で一定の評価ができるものと考えます。
 しかし、難しい案件だけに、その対応策の内容も、都民の目線で見ると少々わかりづらいものになっている気がいたします。そこで、私からは、今回、都が取りまとめた対応策と、その仕組みなどについて具体的にお聞きしていきたいと思います。
 まず、信託事業の中の負債全般について伺いますが、今年度末で借入金三十億円の負債が残ってしまうことが明らかになっていますが、負債全般で見ると、この借入金のほかに大きなものとして、テナントからの預かり金であるいわゆる敷金が負債として存在していると思います。この敷金は、賃貸中であれば、すぐに返さなければならない性格のものではありませんが、テナントが退去をいたしますと、速やかに返さなければならないお金であります。
 そこで伺いますけれども、敷金としての負債は大体どれぐらい残っているのでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 平成二十二年度末時点における敷金の残高は約十二億円でございます。

○加藤委員 先ほど申し上げましたとおり、すぐに返すべきものではありませんが、いずれは返さなければならないものであり、今回の借入金三十億円の負債の処理に当たっては、この同じ負債である敷金についても留意しておく必要があると思います。
 今年度末で借入金が三十億円となることが明らかにされていますが、その際の敷金への備えはどういう考え方で整理されているのか伺います。

○岩瀬利活用調整担当部長 お話のとおり、敷金はテナントの退去に伴い返還するものでございますので、一般的には、お預かりした敷金総額の五〇%程度を手元現金として備えておくべきものといわれております。
 両国シティコアにつきましては、今回の借入金残高三十億円への対応を検討するに当たりまして、敷金を負債として整理すべきことから、今年度末までにその全額を積立金として担保してまいります。
 したがいまして、実質的な負債といたしましては、借入金残高三十億円のみを考慮していけばよいものと考えております。

○加藤委員 敷金分については、きちんと積み立てる考えであることがわかりました。その点については心配しなくてよいということですので、まさに借入金残高三十億円をどうするかということに絞って議論を進めたいと思います。
 先ほど淺野委員からも質問がありましたが、両国シティコアの土地、建物の評価、これはどうなっているでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 鑑定評価によれば、土地、建物で約九十二億円でございます。

○加藤委員 土地、建物で九十二億円、一方で借入金残高が三十億円。当然債務超過ではありませんし、破綻しているわけでもありません。もし仮に売却処分をすれば、都としては、借入金をすべて清算した上で、約六十億円を手にすることができるわけです。負債の金額と資産価値だけに着目すれば、売却という選択肢もなくはありませんが、しかし、一たん売ってしまえば、その土地を都として利活用することはできなくなるわけですし、そこに居住している方たちへも影響が及んでしまいます。そこで、売却によらない対応策が必要となります。
 今回は、オフィスについては信託契約を五年間延長し、住宅棟については都に戻すことといたしました。住宅棟は信託契約を満了させるということですが、それだけで居住の安定を図れるということにはなりません。
 都としては、住宅棟を戻して公共住宅として管理するとのことですが、そこのところを詳しく説明をお願いします。

○岩瀬利活用調整担当部長 住宅棟は都民住宅として運営されておりまして、現在居住されている方が引き続き住んでいただけるようにきちんと管理していくことが必要でございます。
 一方、都では、都市整備局におきまして、約二十六万戸の都営住宅並びに約三千六百戸の都施行型都民住宅などを特別会計である都営住宅等事業会計の中で管理していることから、両国シティコアの住宅棟につきましては、都への返還と同時に都市整備局に移管いたしまして、特別会計内で他の公共住宅と一体的に適切に管理することとしたものでございます。

○加藤委員 都として住宅部門を所管する都市整備局に移管することで、都が責任を持って管理するということがわかりました。居住されている方々も安心して住み続けられることになるわけです。
 さて、今回の対応案では、三十億円の借入金残高に対して、オフィス部分は五年間の信託延長で十七億円を銀行側が稼いで、十三億円は都が費用負担をして、合わせて三十億円を捻出するとされております。その際、費用として支払う十三億円については、税を充てないで処理するとのことで、ここが、ややわかりづらいものとなっていると思います。十三億円の支払いは税を充てるのではなく、信託の終了により住宅棟の返還を受けた一般会計が、所管がえにより住宅棟を移管された都営住宅等事業会計が支払う代金を財源とすると聞いております。何か都の中でぐるぐる回しているように見えなくもありません。
 まず、この会計間の財産のやりとりの仕組み、これについて詳しく説明をお願いいたします。

○岩瀬利活用調整担当部長 特別会計は、その経理を明確に区分するために設けられているため、財産を会計間で移動させる場合、有償による所管がえを原則のルールとしてございます。
 今回は、住宅棟の土地、建物を、信託事業を所管する一般会計から特別会計である都営住宅等事業会計が取得する形となることから、その対価として、十三億五千万円を都営住宅等事業会計が一般会計に対して支払うものでございます。これを財源といたしまして一般会計は十三億円を支払い、信託の負債を一部清算するものでございます。

○加藤委員 会計間で財産をやりとりする場合に、それに伴い対価を支払う仕組みであるということはわかりました。そこでもう一つ疑問があるわけですけれども、その対価としての額はどのように決められるのでしょうか。
 今回の対応策で都が支払う十三億円の財源を捻出するために、特別会計に不要な負担をさせているとの疑念を招かないようにすることが必要だと思います。
 では、先ほどもやりとりがありましたけれども、この所管がえのための対価である十三億五千万円はどのように決められたのか、お伺いいたします。

○岩瀬利活用調整担当部長 住宅棟に係る土地、建物について、改めて鑑定評価を行いました結果、時価として十三億五千万円と算出されました。

○加藤委員 きちんと鑑定評価をして時価で決められた金額でやりとりをするということですね。
 一方で、特別会計は十三億五千万円を負担することになります。特別会計のサイドでは、その財源を何に求めるのでしょうか。

○岩瀬利活用調整担当部長 住宅棟につきましては、耐震化も含め、建物、設備とも、これまで適切に保全されてきております。都営住宅等事業会計はこの住宅棟を引き継ぎ、今後、管理運用することで得る家賃収入をその財源に充ててまいります。なお、必要があれば、制度的には起債を充当することも可能でございます。
 いずれにいたしましても、公共住宅を建設管理するという本来の都営住宅等事業会計の事業目的に即した形での対応となると理解しております。

○加藤委員 つまり、この特別会計に信託の負債をつけかえるというようなものではなくて、都営住宅等事業会計が住宅を建設管理するという本来の役割の中で住宅棟を取得し、十三億五千万円を捻出するということがわかりました。
 今回の対応案は、一つ、この三十億円の負債に対して税金を充てないこと、二つ目には、都が土地を手放さないこと、三つ目には、居住者が住み続けられるよう居住の安定を図ることなどなど、数々の課題をさまざまな工夫により一遍に解決している、そのように思います。いろいろと知恵を絞って考えていただいた結果と思います。
 先ほど、一部に銀行丸もうけとの主張もありましたけれども、企業としては当然ですし、今後収益の見通しがなければ契約の延長もできないわけで、ほかに現実的な案があればお示しいただければ幸いだったと思います。
 さて、私の地元である墨田区は、今、大きく変貌しようとしております。あと二カ月後には、五月二十二日、いよいよスカイツリーが開業いたします。展望台への入場とセットの旅行プランが大人気になるなど、開業を控えて、日に日に注目度が上がっております。スカイツリーの開業を契機に、震災の影響で減少した観光客を取り戻し、さらなる観光振興を図っていくことが必要です。
 一方で、木造住宅密集地域の不燃化、耐震化は急務であります。延焼を遮断する道路の整備や木造住宅の耐震化など、災害に強いまちづくりの動きがこれから活発化してまいります。
 いずれにしても、こうした行政課題への対応は、地元区などと連携して、都が主体性を持ってしっかり進めていくことが重要です。
 両国シティコアについても、この考え方は同じであると私は思います。居住の安定やまちづくりの視点から都が引き続き所有し、貴重な都有財産の有効な利活用に向けて、主体性を持って対応していくことが必要です。その点で、今回、都でまとめられた対応策は評価できるものであります。不動産市況など厳しい状況とは思いますが、債務の早期解消に向け、関係者と力をあわせて頑張っていただきたいとエールを送りまして、質問を終わらせていただきます。

○鈴木(章)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木(章)委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十六分散会

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