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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十四号

平成二十一年十月二十九日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長中屋 文孝君
副委員長原田  大君
副委員長たぞえ民夫君
理事鈴木 隆道君
理事上野 和彦君
理事西岡真一郎君
福士 敬子君
西沢けいた君
関口 太一君
斉藤やすひろ君
中谷 祐二君
菅  東一君
吉野 利明君
石毛しげる君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長村山 寛司君
経理部長藤原 正久君
契約調整担当部長奥田 信之君
主計部長長谷川 明君
参事関  雅広君
財産運用部長松本 泰之君
建築保全部長金子 敏夫君
技術管理担当部長山本 康友君
参事山藤 敏明君
会計管理局局長新田 洋平君
管理部長山本  隆君
警察・消防出納部長稲田 正純君
会計制度担当部長土渕  裕君

本日の会議に付した事件
 会計管理局関係
事務事業について(質疑)
 財務局関係
報告事項(説明・質疑)
・公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針の策定について
事務事業について(質疑)

○中屋委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、会計管理局及び財務局関係の事務事業に対する質疑並びに財務局関係の報告事項の聴取を行います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○石毛委員 新会計制度についてお伺いいたします。
 東京都は、平成十八年度に新公会計制度を導入し、今回で三回目の決算を公表いたしました。全国の取り組みを見てみますと、総務省は、基準モデルと総務省方式改訂モデルの二つの公会計モデルを提案し、全国の自治体に対し、今年度中に財務諸表を作成、公表するよう要請しております。東京都は、全国に先駆けて複式簿記・発生主義会計を導入し、独自の会計基準を設けておりますが、他の自治体は、どのような取り組みをされているのかお伺いいたします。
 まず、全国の自治体の財務諸表の作成状況について、お伺いいたします。

○土渕会計制度担当部長 現時点におきまして、各自治体においては、まだ決算作業を行っている自治体もあり、財務諸表の作成の全体状況は明らかになっておりませんが、総務省が、本年三月末時点において、全国の自治体に対し、平成二十年度決算における財務諸表作成の見込みについて調査を行っております。
 その調査によりますと、平成二十年度決算につきましては、九割以上の団体が何らかの財務諸表の作成を予定しております。また、財務諸表を作成予定の団体のうち、八割以上の団体が総務省方式改訂モデルにより作成を予定しており、約七%の団体が基準モデルを採用する予定となっております。

○石毛委員 わかりました。全体で八割以上の自治体が総務省方式改訂モデルということで、総務省方式をつくる予定のこうした状況を見てみますと、大体の流れがわかるわけですが、じゃあ、なぜ、全国の自治体の多くが、総務省方式改訂モデルによる財務諸表を作成する予定になったのか。都の会計基準、総務省の提示している二つの会計モデルと、それぞれの特徴があると思うんですが、比較考量の結果、多くの自治体が総務省改訂モデルによる財務諸表を選んでいるということであります。
 そこで、東京都の会計基準と、総務省の提示した二つのモデルの特徴と、多くの自治体が総務省方式改訂モデルを採用した理由をお伺いしたいと思います。

○土渕会計制度担当部長 まず、それぞれの特徴でございますが、総務省方式改訂モデルは、官庁会計決算を手作業で再計算して組みかえるもので、日々仕訳方式による本格的な複式簿記とはいいがたいものであります。また、総務省のもう一つの方式である基準モデルは、国際公会計基準とも大きく異なる非常に独特な考え方に基づいており、難解で実務的にも対応が難しいものとなっております。東京都会計基準は、諸外国で順次採用が進んでいる国際公会計基準の考え方を取り入れております。
 次に、多くの自治体が総務省方式改訂モデルを採用した理由でございますが、基準モデルは、財産をすべて評価し、財務会計システムを再構築して財務諸表を作成する方式であるのに対しまして、総務省方式改訂モデルは、基本的には現在の仕組みのまま、官庁会計決算を組みかえて財務諸表を作成するものであります。そのため、まずは総務省方式改訂モデルに取り組むという方針ではないかと推察しているところでございます。

○石毛委員 伺った限りでは、システムの再構築などが不要で、現在の仕組みのまま対応できるため、総務省方式改訂モデルの採用をする自治体が多いということですね。現在の仕組みのまま対応できるからと、こういう消極的な理由で採用するということは、全国の標準となる会計基準が整備されない中で、各自治体が、とりあえず簡便なものを選択するということが、主な理由ではないかと考えられます。
 また、答弁にあったように、総務省のモデルは、国際公会計基準からかけ離れたものとなっていることでありますが、今や民間の企業会計の動向についても、国際基準に合わせていくということが一つの流れとなっております。国際的にも通用する全国の標準となる会計基準があり、それに基づき各自治体が財務諸表を作成するということが、本来あるべき姿ではないでしょうか。
 都が会計基準を策定するに当たっては、さまざまな検討がなされたと思いますが、国際公会計基準の考え方を取り入れた新公会計制度を導入したことは、私は大変評価をしております。全国に先駆け新公会計制度を導入した都は、会計基準の標準化に向けて、これまで、さまざまな取り組みを行ってきたと思いますが、そこで、会計基準の標準化に向けて、これまでどのような取り組みを行ってきたのかお伺いいたします。

○土渕会計制度担当部長 これまで国に対し、全国標準たり得る会計基準の整備に着手することにつきまして、継続的に提案要求を行ってまいりました。
 また、全国で初めて、複式簿記・発生主義会計による財務諸表を作成した実績を踏まえ、全国知事会における公会計制度ワーキンググループで座長を務め、今後の地方公会計制度のあり方に関する検討に対し、先導的な役割を担ってきたところでございます。

○石毛委員 これまで、国への提案要求や全国の知事会などの活動をされてきたところでありますが、全国基準となる会計基準の整備が進んでいるとはいえません。自治体の財務諸表を比較して見るためには、全国標準となる物差し、つまり会計基準が不可欠であります。
 先ほども申し上げましたけれども、民間の企業会計においても国際基準への流れが進んでいる中、都の新会計制度は国際公会計基準に沿ったものであります。全国の標準となる会計基準は、都の考え方を十分取り入れられたものにはなっていないと考えます。会計基準の標準化に向けて、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○土渕会計制度担当部長 委員ご指摘のとおり、自治体間の財務諸表を比較し、自治体経営に資するものにするためには、全国標準たり得る会計基準の整備が不可欠であります。今年度中には、全国の自治体が何らかの財務諸表を作成することとなっており、会計基準の標準化は、早期に着手すべき課題であります。東京都の新公会計制度は、国際公会計基準の考え方を取り入れたものであり、全国標準となる会計基準を整備する際には、東京都の考え方が十分取り入れられるべきものと考えております。
 国への提案要求や知事会での議論など、これまでも行ってきた取り組みを継続して実施するとともに、さまざまな機会をとらえて、全国標準たり得る会計基準の整備に向け取り組んでまいります。

○石毛委員 大分前になりますけども、テレビの録画でベータ、あれ、ソニーだったですかね。それからVHSが、それ以外の。二本立てで録画のが進んでいた。これは、国内の消費者あるいは海外の消費者についても、その利便性が大変不便だと、そんな場面がございました。ある意味では、早期に一元化されて、こうしたところの、世界的な基準を含めたところに位置づけを持ってきていただきたい。ある意味では粘り強く、そして、財務諸表に当たっても、しっかりとその要望を、自信を持ってやっていただきたいというふうに思います。早期に、そうした着手をお願いをいたしまして終わりにさせていただきます。

○鈴木委員 私からも、今の石毛委員に続いて、公会計制度に対しての質問を行いたいと思います。重複する点が多々あるかもしれませんが、聞き方を変えて質問をさせていただきます。
 都は、平成十八年四月に、国や全国自治体に先駆け、従来の官庁会計に複式簿記・発生主義会計の考え方を取り入れた新たな公会計制度を導入いたしました。現在、平成二十年度決算として三度目の財務諸表が議会に提出されましたが、新たな制度に基づいて作成された本格的な財務諸表は、施策内容の検証に活用され、また、予算編成に反映させるなど、都財政の運営にとって重要なツールとなっているというふうに感じます。
 さて、東京都のように先進的に取り組む自治体がある一方で、全国を見れば、公会計制度は十分なものとはいえないというのは、今、質問をした石毛先生のおっしゃるとおりでありますが、その財務諸表を自治体間で比較するなどして、経営改善に活用するためには、質問があるとおり、全国的な、標準的な会計基準が整備されなければならないというのは、答弁にもあるとおりでもあります。
 しかし総務省は、すべての自治体に、今年度中に財務諸表を作成するよう要請しておりますが、作成の基本となる全国標準の会計基準の整備には着手をしていません。また、総務省は、研究会で作成した基準モデルと総務省方式改訂モデルという二つの公会計モデルを推奨しておりますが、そのモデルの作成過程では自治体の参加もなく、さらに、二つのモデル間でさえも内容が大きく異なっているというのが現状であります。
 このような対応により、全国の自治体が困惑するような事態になっている、また、困惑を招いているといってもよろしいのかと思いますが、こういう状況において、都は、これまで養ったノウハウや実績を生かし、新たな公会計制度の導入を検討している自治体に対して、実務的、技術的な面でのコンサルティング活動を実施しております。また、そのことは非常に評価もされていると思いますが、そういうような、さまざまな普及、支援活動に取り組んでいるという実態があり、その成果の一つとして、私は、この四月から大阪府が都の支援を受けて新公会計制度の導入を表明をしたというふうに理解をしています。
 まず、大阪府が、都の支援を受けて、新公会計制度を導入することになった経緯についてを、お伺いをいたしたいと思います。

○土渕会計制度担当部長 大阪府では、これまで官庁会計の決算統計のデータを活用し、これを組みかえる、いわゆる決算組みかえ方式により貸借対照表と行政コスト計算書を作成し公表してきました。
 今般、財務情報の精度向上を図るため、決算組みかえ方式による財務諸表の作成ではなく、新たにシステムを構築し、民間企業のように、日々の会計処理の際に複式簿記の仕訳を行う新公会計制度を導入することといたしました。また、導入に当たりましては、現在、総務省が示している二つの公会計モデルではなく、諸外国の政府、自治体や、国際機関で順次導入されている国際公会計基準の考え方を採用する東京都方式を基本に、制度の構築を行うことといたしました。
 こうした考え方のもとに、本年四月に、大阪府の橋下知事から石原知事に対しまして、新制度の導入に際して東京都の支援を受けたいとの依頼があったところでございます。これを受けまして、都といたしましては、大阪府のような大都市が新公会計制度導入を進めていくことは、公会計制度改革の推進を図る上でも重要であると認識し、最大限の支援を行うこととしたものでございます。

○鈴木委員 大阪府が、東京都に続いて、本格的な複式簿記・発生主義会計を導入することを決断したことは、都が行ってきた公会計制度改革の推進に向けた全国の自治体への普及、支援活動の成果であるというふうにいえると思います。また、二つの公会計モデルを提示するなどの総務省の対応に、多くの自治体が困惑をし、公会計制度改革が進まない中で、大阪府が、みずからの判断で導入を決めたことは、非常に評価できることであるというふうに私は考えます。
 ただ、今の答弁にもあったように、都が大阪府に対し、最大限の支援を行うとしたことは妥当だと考えております。大阪府に対する都の支援の内容について、詳しく伺います。

○土渕会計制度担当部長 都の支援として主なものは、都の持つノウハウを実践的な形で、支援、助言するため、都と大阪府との間で、職員の相互派遣を行っていることでございます。
 具体的には、本年六月から約二カ月間、大阪府から職員一名を当局に受け入れ、都の平成二十年度決算作業を実際に担当する中で、財務諸表の作成の実務を身につけていただきました。また、同じく本年六月から約半年の間、都から大阪府に職員一名を派遣し、大阪府が制度導入のために設置したプロジェクトチームに参画し、会計基準の策定など、新公会計制度構築に向けた作業に従事しているところでございます。

○鈴木委員 ただいま答弁があったとおり、個別の行政課題のために職員を相互に派遣するということは、地方自治体がお互いに協力をし、みずから本質的な改革に取り組むという姿勢という観点からも、実は画期的なことであるというふうに考えます。
 さて、六月から職員を派遣して、本格的な支援を行っているとのことでありますが、この間、四カ月が経過して、大阪府の検討も進んでいることと思います。大阪府における現在までの検討状況について伺います。

○土渕会計制度担当部長 大阪府の新公会計制度の導入スケジュールといたしまして、今年度と来年度で会計基準の整備、システムの開発、資産調査等を行い、二十三年度には、システムの試験運用、実務職員への研修などを実施し、二十四年度に、システムを稼働させて、制度を本格導入する予定と聞いております。
 そのために、現在、課題の整理、会計基準の検討、職員への説明会など、本年六月に設置したプロジェクトチームにおいて進めている段階にあります。また、専門家の意見を聞くため、公認会計士から成るアドバイザリー会議を設置しております。さらに、システムの基本設計に係る補正予算を九月議会に提出し、過日、議決が得られたことから、今年度中にも設計に着手する予定と聞いております。

○鈴木委員 都の支援を受け、大阪府が着実に新公会計制度の導入を進めている一方で、全国の自治体においては、取り組みが進んでいないのが現状でもあります。
 冒頭でも述べましたが、都は、これまで他自治体へのコンサルティング活動など、さまざまな普及活動には取り組んでいるわけであります。このように、都として普及活動を進めているにもかかわらず、なぜ、これは石毛委員もお聞きになったんですが、なぜ全国の自治体において、複式簿記・発生主義会計に基づく公会計制度の導入が進まないのかということを、どのように考えているのか、改めて、もう一度、伺いたいと思います。

○土渕会計制度担当部長 本来であれば、まずは国が全国標準となる会計基準を整備し、それに基づいて、新公会計制度の導入を推進していくべきでありますが、現在では、全国標準たる会計基準がないことから、多くの自治体は、とりあえず決算組みかえ方式による財務諸表を作成しているというのが実情でございます。
 こうした状況の中では、新公会計制度導入のインセンティブが働かず、財産の評価や財務会計システムの再構築など、導入に伴う労力やコスト負担に見合った効果が十分に実感できないことなどが、導入の進まない理由だと考えております。

○鈴木委員 現状では、労力やコストの面で負担感が大きい、負担に見合った効果が実感できないというようなことから、ちゅうちょをしているというようなことで、今いったような答弁でありますが、じゃあ、都は、今後どのように、そういう点に関して取り組んでいくのかを伺います。

○土渕会計制度担当部長 労力やコストの負担軽減という点につきましては、東京都では、新公会計制度の導入の決定からシステムの本格稼働まで約四年かかったのに対し、今回の大阪府の場合、先ほど導入のスケジュールで述べましたけれども、都のノウハウや実績を提供することによりまして、約三年で稼働する予定でございます。このように、これまで培ってきた都のノウハウを提供することにより、導入する自治体の負担軽減につながることから、今後も、支援活動を積極的に行ってまいります。
 また、負担に見合った効果という点につきましては、財務局で行っている施策内容の検証や予算編成への活用を初め、さまざまな導入メリットについて、関係各局と連携し、全国に発信をしてまいります。

○鈴木委員 公会計制度を進める上で、全国に先駆けて新公会計制度を導入した都の取り組みは注目をされていて、今後の一層の取り組みは、期待をしたいというふうに思うんです。
 それで、この公会計制度というのは、自治体経営そのものをやっぱり変えていく、しかも、分権をしていく中で、非常に大きな意味を持っている。しかも、今いったように、これは民主党さんが政府でいっていますが、むだをなくそうといっているわけですが、具体的に、そういうような試算ができていって、しかも、民間と同じ感覚で、実は瞬時に対応できるようなこともあり得るわけです。
 そのかわり、もう一方で、これは東京都という大きな職員のいらっしゃる中で、相当今までの、それぞれ単年度方式でやってきたものを変えて、多年度にまでわたることも考えられるし、長期にわたるものができるでしょうし、また、ある面では、みんなの意識改革を相当しなければ、やはりできない点もあるし、それから、東京都がやっていく場合には、今いったように民間企業のように営利を目的としているわけじゃないですから、実際には、こういうこというとちょっと誤解を受けないでほしいんですが、むだであるということも、あえて、または失敗もおそれないで政策をやっていくとか、そういうような面のことも実はできるのが、こういう会計制度によって可能になっていく。しかも、その結果も、ある程度の時期で見えてくるというようなことの効果とか、いっぱいあるわけです。
 恐らく、私がいう以上に皆さんも、そういうことお感じになっているというふうに思いますので、そういう中で、やはりこの会計制度というのは、今回、非常に重要であるし、ですから余計僕は、都が、今までやってきて、大阪と、こういうふうにやってきたものを、具体的に、こうだったと。両方で話して、こういうふうに進んできたんだということを、PRとかで発表したらいいと思うんです、全国に。で、よさ、また、これが本当にいい方向に向かっていると、分権に向っていくんだということをはっきりと、東京と大阪府で知事同士、話してでもいいですから、その過程を公表して、全国の知事会でもそうですし、政令都市の関係者でもそうでしょう。そういうところに、こうですよということを出して、それで、お互いにもっと、今いった地方分権改革を進め、またより透明な、そういう試算も見れるようなものにしていきましょうということを、具体的に訴えていくようなことがあっていいのかなという思いがありますので、そのことだけは、申し添えさせていただきたいと思います。
 公会計制度改革は、単に、今申し上げましたが、会計帳簿の様式を変更するということではなく、自治体経営そのもののあり方を大きく変えるということであります。すなわち、民間企業と同様の複式簿記・発生主義会計を導入することにより、資産や負債といったストック情報、減価償却などを含む真のコストを把握することが可能となり、これからの行政運営に関しても、経営の視点を一層確立していく、今、私が申しましたが、確立していくどころではなくして、非常に透明性を持ってやっていくようになっていくというふうに思います。
 いうまでもなく、行政とは、民間企業と異なり、ただ営利を目的とするものでもないということもあり、また、住民の福祉の向上、また、そういうものも使命として担っているわけでありますので、都は、そのような行政の特質を踏まえつつ、複式簿記・発生主義会計を導入することにより、一層効率的な行政運営を行うとともに、住民福祉の向上を実現していこうとするということが、この中に含まれていると思います。
 このような取り組みを、国や全国の自治体に先駆けて実施していることにより、都の職員は大いに誇りを持って、私は、いっていただきたい。大変な思いもすると思いますが、やはりこれをやっていくというのが、今いった地方分権改革に非常に資するということになっていきますので、私は、都の職員の方々には、本当に誇りを持って、このことを推進していただきたいということも、お願いをしたいというふうに思います。
 今後も、自治体の都はリーダーとして、我が国の公会計制度を牽引をしていくべきだというふうに考えます。
 最後に、公会計制度に向けた局長の決意を伺って終わります。

○新田会計管理局長 ただいま理事ご指摘いただきましたとおり、公会計制度改革は、自治体経営のあり方そのものを変える極めて重要な取り組みであると認識しております。そうした意味におきまして、地方自治が大きな転換点に差しかかっている現在、自治体が住民の期待にこたえて、行財政全般にわたる改革を進めていく上で、また、地方分権改革を進めていく上にあっても、新たな公会計制度の導入につきましては、避けて通れない問題であるというぐあいに考えております。
 このため、都といたしましては、公会計制度改革の推進に向け、全国に先駆けて制度を導入した実績を踏まえまして、他の自治体に、都の新公会計制度の導入を推奨し、導入に前向きな団体に対し、その要望に応じて、実務的、技術的な助言を行ってまいりました。また、取り組みの進んでいない団体に対しましては、都の考え方に準じて財務諸表を容易に作成できる東京都方式簡易版の提案や、個別のコンサルティング活動など、多角的なアプローチを行ってまいりました。
 一方、総務省におきましては、お話にもありましたとおり、全国の自治体に対し今年度中に財務諸表を作成するよう要請し、二つのモデルを提示しているわけでございますが、これら二つのモデルは、民間の企業会計や国際公会計基準とも考え方を異にしているといったことなどから、到底、全国標準の会計基準とはなり得ないと。したがいまして、本質的な改革にはつながらないと考えております。
 この点に関しましては、日本公認会計士協会も、昨年発表いたしました地方公共団体の会計に関する提言において、総務省の二つのモデルに対し、否定的な見解を示しているところでございます。
 こうした状況の中で、今回、大阪府が都に続きまして、複式簿記・発生主義会計の考え方を導入し、これに基づく本格的な財務諸表の作成に取り組むことを決断するに至ったことは、我が国の公会計制度改革の推進に寄与するものと考えております。
 また、理事からは、都の職員は、もっと誇りを持つべきと激励をちょうだいいたしました。都は、パイオニアとしての責任と自覚を持って、今後とも、大阪府を初め新公会計制度導入に積極的な団体と連携、協力し、ますます積極的に発信を行い、全国知事会などの場を通じまして、全国の自治体に働きかけてまいりたいと思っております。
 また、行政のみならず、日本公認会計士協会など、民間団体とも議論を深め、公会計制度改革の促進に貢献していく所存でございます。

○原田委員 私からは、この財務諸表の精度向上と業務改善という点について、質問をさせていただきたいと思います。
 先ほどより出ておりますけれども、東京都、この新公会計制度、平成十八年度から導入いたしまして、ちょうど三年がたったわけでございます。そこで出されてくる財務諸表でございますけれども、この監査報告書、ことしも出ましたけれども、この定例監査の対象にもなっているわけでございます。
 この中で、平成二十一年度の中では、監査の対象とした財務諸表については、東京都会計基準におおむね準拠して作成しているものと認められるというふうに、一応、おおむね大丈夫という評価はなされているわけでございますけれども、一方で、会計管理局及び財務局は、今後とも、新公会計制度の定着に向けて各局に対して適正な指導をするとともに、各局においては、財務諸表に係る計数の精度向上に向けて必要な取り組みを継続する必要があるというふうにされているわけでございます。計数の精度向上に向けて取り組みをする必要があるということは、計数の精度が、課題があるといったことの裏返しであると思います。
 そこで、会計管理局として、この財務諸表の精度について、どのような認識を持っていらっしゃるのかお伺いいたします。

○土渕会計制度担当部長 平成十八年度に最初の財務諸表を作成する際には、財務諸表の精度を確保するため、特に財産に関しては、財産情報システムで管理する資産に関する膨大なデータと、財務会計システムとのデータの照合を繰り返し行うなど、多大な労力を要しました。そのため、照合用帳票に載せる項目の充実や、異なるシステム間のひもつけ情報を充実させることにより、各局の照合作業の効率化を図りました。また、各種マニュアルの充実や自己検査制度の実施など、職員のスキルを向上させることにより正確な会計処理の確保に努めてきたところでございます。
 その結果、平成二十年度決算における過年度損益修正は、平成十八年度決算に比べ約三分の一に大きく減少したことにもあらわれているように、財務諸表の精度は年々向上しております。今後とも、さらなる精度向上に向け、継続的な取り組みが必要であると認識しているところでございます。

○原田委員 これまでさまざまな取り組みをされておりますけれども、さらなる精度向上の取り組みが必要だということでございます。
 ところで、この都の会計処理、財務会計システムによって行われているわけでございますけれども、今ご答弁ありましたように、個別の財産だとか、債権だとか、さまざまなシステムといったものが別にありまして、データのやりとりを行っておりまして、総合的にシステムとして成り立っているということであります。
 そうしますと、各局からのシステムからデータが正しく来ないと財務諸表が的確に作成できないということにもなるわけでございます。こうした点に関しまして、今回の監査報告書でも、債権等の台帳を管理している各局独自の電算システムの課題といったものも何点か列挙されておりました。例えば一部の電算システムについては、個々の債権等の残高を速やかに合算する機能が欠けているでありますとか、あるいは、収入未済残高について、出納整理期間における前年度と当年度の収入を識別する年度調整機能が欠けているでありますとか、こういった問題が指摘されていたわけでございます。こうした事項がありますと、業務の効率性という点でも、これは課題としてとらえられるでしょうし、また、こうした課題の結果、財務諸表に重大な誤りが起こるというようなことがもしあれば、これは本当に大きなことになってしまいますので、重大な課題として認識しなければならないと思っております。
 もちろん、こうした取り組み、早急に改善を進めていただきたいわけでございますけれども、監査報告書の方でも、解決に時間を要する問題も多く、全庁的な見直しに至るまでには、一定の時間を要するものと考えられるというふうにも書いてあるわけでございます。
 そこで、もし、こうした早急な見直しができないということであれば、どこに、そういった課題があるのか、理由についてお伺いいたします。

○土渕会計制度担当部長 なぜ速やかに改善できないのかというご質問にお答えいたします。
 例えばシステムの構築年月が古く、さまざまな機能に対応できていないもので、事業規模に比してシステム改修に多額の費用を要するもの、また、貸付金などのシステムに関するもので、その制度自体が廃止され、新規に貸し付けはないものの、現存する債権だけを管理し、事業が終息に向かっていることから、積極的にシステム改善を行ってないものなどがあると聞いております。
 ただし、このようなシステムによりデータを管理する場合におきましても、各局担当者が複数回にわたって入念に点検作業を行うなど、計数に誤りがないよう十分に精査を行っております。
 今後、各局におきまして、当該システムの置かれている状況や費用対効果などを勘案し、所要の措置をとっていくものと考えております。

○原田委員 各局が所管する個別のシステムについては、システムを所管するそれぞれの局が、当然、その改善に向けて取り組んでいくことになるのだと思いますけれども、それを超えて、監査の意見の中でも述べられておりますけれども、全庁的に考えれば、これは内部統制上の問題でありまして、全庁一丸となって取り組んでいかなくてはならない課題であります。
 例えば社会保険庁などでも、こうしたシステム上の盲点をついて不正を働くといったような事件もありましたけれども、こうしたシステム上の穴というのが、よからぬ行為を誘発するといったようなことも、そうしたことは基本的にはないと信じておりますけれども、場合によっては、そういう可能性も考えられるわけでありまして、そうした可能性のないシステムというものをきちっと、業務の流れの上からも、コンピューターシステム上でも、つくっていくということは大変重要なことであると思います。
 後でまた財務局の方にも、この辺の課題については質問していきたいと思っておりますけれども、この財務諸表の作成あるいは財務会計システムは、会計管理局所管ということになってございますので、会計管理局も一定の役割を担っているものと考えております。
 そこで、お伺いしたいと思いますけれども、今後、会計管理局として、この業務プロセスやシステムの見直しについて、どのように取り組まれるお考えなのかお伺いいたします。

○土渕会計制度担当部長 財務諸表の作成を所管するという立場から申し上げますと、財務諸表の精度向上のためには、各局が所管するシステムが適切に運用され、正確な計数を把握することが必要であり、内部統制の観点からも重要なことだと考えております。
 会計管理局といたしましては、これまでも、正確な計数の把握という点につきまして、財務会計システムの計数と、財産や債権などの各システムとの計数を一致させるための照合作業に重点を置いて行ってまいりました。
 また、運用面からは、作業マニュアルの改善や、運用をする職員への研修などを実施してまいりました。
 今後は、各局と連携、協力し、必要なシステムの改善を行っていくとともに、課題の多い部署には、こちらから直接出向く訪問指導を充実させるなど、業務プロセスに係る改善につきましても、さまざまな取り組みを進めてまいります。

○原田委員 もう申し上げるまでもないことでございますけれども、こうした財務諸表というのは、都政のあらゆる経営判断の基礎資料となるものでございますので、引き続き、この精度向上に努めていただきたいと思います。
 あわせて、今、実際に新たな制度を導入して、そうした産みの苦しみ的なところもあるかもわかりませんけれども、具体的な日常業務の中で積み重ねられてきた知見というものもあると思います。そうしたものこそ、他の自治体で二の足を踏んでいるところがあるとすれば、具体的な課題についてきちっとまとめて、具体的な課題にこのように対応していったんだといったことを伝えていくということも、普及に向けた大変重要な観点であると考えております。
 これらを踏まえまして、今後とも、より一層、より的確な財務諸表の作成、そしてまた、活用に努めていただければと要望いたしまして、質問を終わります。

○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○中屋委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○奥田契約調整担当部長 十月二十三日に入札契約制度研究会から提出されました報告書を踏まえまして、東京都の公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針を策定いたしましたので、ご報告させていただきます。
 お手元の資料第1号、入札契約制度改革についての概要版をごらんください。A3の紙でございます。
 この実施方針は、研究会の報告書で示されました東京都への十の提言を踏まえまして、公共調達の基本的要請である透明性、競争性、品質確保を備えた入札契約制度改革を着実に進めていくためのものでございます。
 右側の枠のところで、方針が書かれているところでございます。
 方針1は、総合評価方式の適用拡大ですが、具体的には、総合評価方式適用入札の局別実施目標を設定し、適用工事の拡大を図るとともに、技術力評価型の活用などに取り組んでいくこととしております。技術力評価型の評価項目の有意性について検証を進め、工事の規模や種類に応じて見直しを進めてまいります。
 総合評価方式の適用拡大及び技術力評価型活用につきましては平成二十二年四月から、技術力評価型の評価項目の見直しにつきましては平成二十二年度中に実施してまいります。
 方針2は、一般競争入札の適用拡大です。
 一般競争入札における透明性の向上と品質確保のため、工事成績不良が少ない大規模JV工事と技術力を確認する総合評価方式適用の工事を対象に、適用範囲を拡大してまいります。
 また、過大受注による工事品質の低下を抑制するため、受注状況等による参加資格要件を付し、制限つき一般競争入札として実施してまいります。
 当面の間、予定価格五億円以上の大規模JV工事と財務局において契約する総合評価方式適用工事を対象とし、平成二十二年四月より試行を実施し、順次拡大してまいります。
 方針3、低入札価格調査の強化でございます。
 一定水準を下回る低入札につきましては、特別重点調査を導入いたしまして、資材単価や労務単価は実績による検証を行うなど、受注者の説明責任を明確にするとともに、継続的な企業活動に必要な間接経費が一般管理費として適正に計上されているかなど、調査内容を強化するものでございまして、今月から既に実施しております。
 また、対象工事につきましては、調査時に確認した内容と異なる施工があった場合にマイナス評価をするなど、工事成績への反映の厳格化につきまして、平成二十二年度中の実施を予定しております。
 方針4、最低制限価格制度の適正化でございます。
 最低制限価格等の算定式は、最新のコスト調査に基づき再改正されたものを、いわゆる公契連モデルと呼ばれておりますが、採用いたしまして、市場実態に即した水準に改善するとともに、事業者の適正な積算による入札を促すため、最低制限価格の設定範囲の上限を撤廃し、試行実施してまいります。
 二十二年一月実施を予定しております。
 方針5、予定価格の公表時期でございます。
 予定価格の事前公表は、入札契約手続の透明性を確保するため継続してまいります。あわせて、総合評価方式の適用拡大や、低入札価格調査制度の強化などにより、価格だけでなく事業者の技術力が適切に評価される競争環境を整備してまいります。
 方針6、工事成績評定制度の信頼性の一層の向上です。
 成績評定制度の内容周知、事業者への成績内容説明の徹底などを行い、より一層、制度の信頼性を高めてまいります。
 二十二年四月実施を予定しております。
 方針7、工事関係業務委託に関する入札契約手続の改善でございます。
 設計業務委託の品質確保を図るため、プロポーザル方式の活用や技術的要件設定を進めます。
 平成二十二年一月から当面の間、一定金額以上の財務局契約を対象に試行実施し、段階的に拡大してまいります。
 また、現在、試行中の工事関係業務委託の成績評定制度を本格的に実施するとともに、成績評定制度の定着にあわせ、設計業務委託に関して総合評価方式の導入を進めてまいります。
 成績評定制度の本格実施は二十二年度中を、総合評価方式の導入は二十二年度以降実施を予定しております。
 方針8、受注者の不服、不満への対応でございます。
 不服等の申し立て制度の仕組みや手続、各種相談の担当窓口の一覧などを電子調達システムに常時掲示し、事業者への周知徹底を図ってまいります。
 また、公共契約に詳しい弁護士などの専門家を財務局に配置し、各局からの法律的な相談に応じ、契約トラブルに関する迅速かつ的確な処理を行っていく予定でございまして、二十二年四月を予定しております。
 方針9、業界団体との意見交換の場の設置でございます。
 契約制度や工事技術に関し定期的に意見交換を行う場といたしまして、業界団体の代表者、学識経験者及び都職員から成る連絡会を設置してまいります。
 二十二年四月以降実施を予定しております。
 方針10、政策目的実現への寄与でございます。
 入札契約制度における政策目標につきましては、評価目的に対し、客観的かつ検証可能な基準により設定してまいります。
 なお、具体的な内容は、今後、政策を所管する各局と財務局との間で調整してまいります。
 実施時期は二十二年度中実施を予定しております。
 最後に、下段の中長期的に取り組んでいく課題への対応でございまして、発注者の技術力向上への取り組み、コンプライアンス・スキルを備えた人材の確保、養成への取り組み、予定価格の上限拘束性に関する問題について、国への法令改正の要望に向けての取り組みを記載しているところでございます。
 なお、資料第2号に実施方針の全文を、また、参考資料といたしまして、入札契約制度改革研究会報告書及びその概要をお手元に配布してございます。後ほどごらんいただければと思います。
 報告は以上でございます。

○中屋委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○藤原経理部長 それでは、先日の委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料をごらんください。
 最初に、表紙をおめくりください。
 今回要求のございました資料は、目次に記載してございますとおり三件でございます。
 一枚おめくりいただきまして、要求資料第1号、都有地売り払い実績(平成十六年度から平成二十年度)をごらんください。
 平成十六年度から二十年度までの五年間における財務局所管普通財産の売り払いの件数、面積及び金額をお示ししたものでございます。
 次のページをお開き願います。
 要求資料第2号、都庁舎における主な改修の実績等(平成十七年度から平成二十一年度)でございます。
 都庁舎における主な改修の実績等といたしまして、平成十七年度から二十年度の四年間は契約金額、平成二十一年度は予算額をお示ししたものでございます。
 次のページをお開き願います。
 要求資料第3号、東京都議会議事堂の維持管理に係る委託契約一覧(財務局所管分)、平成十七年度から平成二十一年度でございます。
 平成十七年度から二十一年度までの五年間における都議会議事堂の維持管理に係る委託契約につきまして、件名、契約者名、契約金額をお示ししたものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中屋委員長 説明は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、事務事業及び報告事項、公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針の策定についてに対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○原田委員 私からは、大きく三点。まず入札契約制度研究会の、ただいまご報告いただきました報告書につきまして、それから電子調達につきまして、それから財産管理と債権管理について質問をさせていただきます。
 まず、入札契約制度研究会の報告書についてであります。
 この報告書の中では、指名競争入札から一般競争入札への転換に伴って重要となるのが、総合評価方式であるというふうに指摘をされているところでございます。価格競争から品質競争への転換を図っていくためには、やはりこの総合評価の拡大というものが、大変重要になってくるのではないかと思うわけでございます。
 しかし、現状を見てみますと、平成二十年度では、技術提案型ゼロ件、技術力評価型二十三件、施工能力審査型二百五十七件の計二百八十件となっておりまして、東京都が競争入札により発注する工事に占める割合は、約五%とのことであります。累計で見ましても、平成二十年度末で見ますと、技術提案型二十件、技術力評価型二十九件、施工能力審査型六百七十五件にとどまっているわけでございます。
 特に課題として上げられると思いますのが、企業が企業努力で創意工夫を凝らすことができる工事というのは、基本的に、大きな工事の方が工夫を凝らす余地は大きいと思うんでありますけれども、こうした余地のある技術提案型、技術力評価型といった大規模、中規模案件が、ほとんどないといったことでございます。
 先ほども、この東京都の制度改革に向けた実施方針の方針1のところで、総合評価方式の適用拡大ということはあったんですけれども、確認のためにお伺いいたしますけれども、今後、この総合評価方式の拡大にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。なかんずく、この技術提案型、技術力評価型の拡大にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

○奥田契約調整担当部長 総合評価方式につきましては、局別の実施目標を設定し、適用拡大を図るとともに、事務作業の効率性の面などから、対象は、発注件数が多い業種及びくじ引きが発注件数の一定割合を超える業種としていくこととしております。
 また、都においては、工事の規模や技術的難易度に応じまして、三つの類型を整備しており、技術力評価型と施工能力審査型とが重複する適用価格帯におきましては、技術力評価型の方が、つまり技術力を重視する評価型を活用していくような考えでおります。
 技術力評価型につきましては、評価項目の有意性について検証を進めまして、工事の規模や種類に応じて見直しを進めていく所存です。
 さらに、技術提案型につきましては、これは一番技術力が要る型でございますが、高度な技術提案を受ける必要がある場合に適用するものということで、適切に適用を考えているところでございます。

○原田委員 今後の適用拡大に、ぜひ努めていただきたいと思います。
 しかし、その一方で、この報告書の中でも、評価のウエートが適切でないと、価格以外の要素の評価点が低い企業は、極端な低額で入札することで挽回しようとし、かえって低額入札を助長することになりかねない、これは報告書の一三ページに書いてございますけれども、こういった指摘もあわせてなされているところでございます。
 しかし、これは考えようによって、制度をそうならないように設計すればいいだけの話のような気がしますけれども、創意工夫を働かせられる領域というのは、案件によっても異なってくることが想像されるわけでございます。したがって、より案件に即した発注を行おうと思えば、価格点と技術点の配分を、ある程度柔軟に変更できるようにするということも必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。

○奥田契約調整担当部長 総合評価方式は、価格と価格以外の要素、つまり工事品質の確保に大きく関係する技術的な要素とを総合的に評価いたしまして、評価の最も高い者を落札者とする方式でございます。高度な技術提案を受ける必要がある案件につきましては、案件固有の創意工夫を評価する必要がありまして、技術提案型の適用が適切でございます。
 技術提案型につきましては、案件ごとに求める提案内容や技術点と価格点のバランス等を十分に検討し、落札者決定基準を定めております。
 一方、総合評価方式の適用拡大に当たりましては、工事の規模や技術的難易度に応じ、できるだけ容易に事業者が申し込め、また、簡易に評価ができることが望ましいとも考えているところでございます。
 したがいまして、現在、技術提案型以外にも、工事の規模や技術的難易度を考慮いたしまして、評価項目や評価点を設定した技術力評価型と施工能力審査型の二つの類型をメニュー化いたしまして、適用拡大に努めているところでございます。
 今後も、必要に応じまして、適切な評価項目の設定等に努めてまいりたいと思っています。

○原田委員 もちろん、きちっと実情を受け入れるといった部分と、あるいは簡便な手続をつくっていくと、両方大事でございますけれども、この技術提案型のところ、平成二十年度でもゼロ件といったようなことでございますので、今後とも引き続き、そういった実情も踏まえて、取り組みを進めていただければと思っております。
 この技術点の評価の中に、過去の工事成績評定などが評価点として取り上げられることがございます。この過去の実績を問うといったことは、一般的にいいますと、新規参入を難しくする方向に働くのではないかということが考えられるわけであります。
 一方、一般競争入札では新規参入は容易でありますけれども、不良不適格業者の排除が難しく、ダンピング等の問題が発生するとの指摘がありまして、こうした研究会が立ち上がるきっかけにも、そうしたことがあったのではないかと思います。
 競争を確保しながら、ひいては技術の向上、業界の発展を促していくためには、新規参入を容易にして、新陳代謝を促し、市場を活性化するということは、忘れてはならない重要な点だと考えています。
 そこで、このダンピングや品質低下等が問題となっているのであれば、価格のみではなく技術を評価できる総合評価方式においてこそ、新規参入しやすい環境を整えるべきなのではないかと思うところであります。そこでお伺いしたいと思いますけれども、この総合評価方式のもとにおいて、新規参入と競争を確保する仕組みづくりについて、どのように考えていらっしゃるのか、または、今後どう取り組まれるのか伺います。

○奥田契約調整担当部長 一部繰り返しになりますが、総合評価方式は技術力を有する事業者を評価いたしまして落札者を決定する仕組みでございまして、適正な価格で高品質な工事施工を確保できる優良な事業者が受注することが望ましいというのが、原則だと考えております。
 したがって、総合評価方式につきましては、工事品質の確保を担保するものとして、工事実績が重要な要素でございまして、これを評価する必要がございます。しかしながら、もちろん、総合評価方式は新規参入事業者を排除するものではございません。総合評価方式の適用拡大を進めているところでございますが、今、先生も発言ありましたとおり、現実には、総合評価方式が適用されていない案件も、まだ多数ございまして、新規参入事業者は、総合評価方式の適用されていない案件で十分受注実績を積むことが、現在、可能だと考えております。
 今後、さらに、総合評価方式の適用拡大が進んでいくことが見込まれる中、新規参入事業者に対する技術力の評価方法につきましては、状況に応じて検討してまいります。

○原田委員 まだ、これからのところというのもございますので、今後とも引き続き、その辺のところも踏まえて、制度の運営と、さらなる検討を進めていただければと思っております。
 この総合評価方式以上に提案の中身を重視する方法として、プロポーザル方式といったものがあります。契約のあり方としては、プロポーザルの後、随意契約ということになるんでしょうけれども、実際、報告書でも設計等の業務委託については、工事設計業務に関しては、業務委託の規模や内容に応じてプロポーザル方式をこれまで以上に積極的に活用していくべきであろうというふうに、一七ページで指摘されているところでございます。
 このプロポーザル方式を適切に審査していくためには、総合評価方式以上に審査する側の専門性も問われることでありましょうし、また、恣意的な募集のあり方とか、あるいは、恣意的な審査にならないようにするための仕組みづくりが重要であると考えます。そこでお伺いしますが、このプロポーザル方式の拡大と公平性の確保について、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。

○奥田契約調整担当部長 プロポーザル方式につきましては、価格のみならず事業者の知識や経験、構想力などの技術的な能力を評価いたしまして事業者を決定する仕組みでございまして、高度な事業者の技術力を求められる工事設計案件に関する事業者決定においては、有効な手段として考えております。
 このため、プロポーザル方式の適用拡大につきましては、当面、一定金額以上の財務局発注案件を対象に段階的に進めていくと考えております。
 これまでも、審査におきましては、起工部署以外の職員も審査に加えるほか、応募者の特定ができないようにして審査するなど、審査における公平性の確保に努めているところでございます。また、評価の基準等をあらかじめ公表するなど、審査の透明性にも配慮しております。
 今後も実績を重ねながら、より公平性が確保されるよう努めてまいります。

○原田委員 この辺の競争性を確保しながら公平性を高めていくということ、本当に難しいところだとは思いますけれども、重要なポイントだと思いますので、引き続き取り組みをお願いしたいと思います。
 今、低入札でありますとか、そのための品質確保等問題になっているわけでございますけれども、大ざっぱにいいますと、東京都が発注する工事の中にあって、一般競争入札によって価格競争を重視すべき分野と、総合評価等によって品質を重視する分野とに分けて考えるということも、あるいは必要なのではないかと思います。この品質といった際には、後年度のメンテナンス費でありますとか、あるいは次の更新時期までの長さ、もちろんいい建物であれば長く残るということでございますので、こうしたことなども考えて、ライフサイクル全体での費用を考えるといったことも重要な視点であります。
 その上で、一般競争入札に関していえば、もちろん一定のレベルを確保するということは重要でございますけれども、純粋に価格競争にしていくと、逆に、価格以外について考慮すべき事項があるものについては、むしろ一般競争入札ではなく総合評価等について取り組みを進める、あるいはさらなる改善を進めていくといったことの方が、よりわかりやすいのではないかと思います。
 今回示されたこの財務局の実施方針の中でも、当面できるところから、できる分量だけ取り組んでいくといったようなことなのかなと思いますけれども、より長期的な目で見た場合には、東京都で行われている工事が実際にどんなようなものがどれだけあって、最終的には、これこれはこういう入札で、これこれはこういう調達の仕方でといった、そうした全体像を、最終的にあるべき姿というものをきちっと描いた上で進んでいくということが、大変重要なことなのではないかなと思っております。
 そこで、ちょっと大きくなりますが、お伺いしますが、こうしたことについて将来のビジョンについてどのように描いていらっしゃるのか、お伺いいたします。

○奥田契約調整担当部長 ご指摘のとおり、価格競争性を重視する分野と工事品質の確保を重視する分野で分けて考えること、あるいは品質の確保に関して施設の維持管理費を含めたライフサイクルコストをしっかり考慮することは、大切な視点であると考えております。
 入札契約制度には、公共調達が納税者の負担のもとで行われるということから、透明性、競争性、品質確保の三つの社会的要請のバランスが求められておりまして、価格競争、企画競争、総合評価方式などの競争手法は、こうした要請を踏まえて契約内容に応じて適切に選択されねばならないものと考えておりますし、そういうものを目指していきたいと思っております。
 今後、公共工事の契約につきましては、そうしたさまざまな手法を活用いたしまして、適正な価格と良好な品質の両立という、将来のあるべき姿を追求していきたいと思っております。

○原田委員 今日に至りましては、環境保護の視点からいいましても、あるいは、経済的な視点からいいましても、都市生活の質の観点からいっても、長もちする質の高い建築物の要請というものが高まっているんだと思います。
 廃棄物の中でも、建築廃材というのが非常に多いということもあって、一般の家でも百年もつ家をつくろうといったような動きも出ておりますけれども、こうした民間よりも先駆けて、まずはこうした公共建築の分野でしっかりと長もちするものをつくると。これは、もちろん環境の点からもいいわけでございますし、あるいは今、東京都においても、戦後あるいは高度経済成長期に建てられた建物の更新ということについて、きちっと向き合っていかなければならないという現実を突きつけられているわけでございますけれども、こうした建物の更新という経済的な視点からいっても、あるいは当然質のいい建物であれば、そこに暮らす人の生活の質もよくなってくるということでございましょうから、都市の生活の質の観点からいっても、きちっと価格以外にも品質を保証するような仕組みというものを実現していかなければならないんだと思っております。それを実現していくためには、より質の高い仕事をしようと考える業者が、きちっと評価される仕組みをつくることは大変重要なことだと考えております。
 先ほど施設の更新といいましたけれども、都市の機能を維持していくためには、さまざまな施設の更新というものは、この都市の更新というものは、常に行わなくてはならないわけでございまして、そうした需要が常にあるわけでございます。
 こうした需要を賄うためには、優良な事業者の育成が重要なわけでございますけれども、こうした育成という観点からしても、ただ単に保護すればいいということではなくて、先ほども競争性といったお答えはありましたけれども、競争を確保し新陳代謝を確保していくといったような仕組みをあわせて取り入れていくということも、大変重要なことであると思います。
 先ほどもちらっと申し上げましたけれども、そもそもこの一般競争入札という制度がダンピング等の問題を引き起こしているといった点が、今回の研究会設立の経緯にあったことからしても、この制度によって、さまざまな事業者の行動というものが変わってくるといったことは確かにあるんだろうと思っております。そういった点におきましては、今後この具体的な制度づくりに当たっては、今の制度をミクロ的に小手先で手直しするといったようなことにとどまらず、より大きな視野に立った対応をしていただければと思います。そのことを申し上げまして、次に移りたいと思います。
 次に、電子調達についてお伺いしたいと思います。
 先ほどの入札契約制度研究会の報告につきましては、この工事部門における制度のありようについてでございました。しかし、東京都が行っている契約は工事関係だけではもちろんございませんで、委託物品関係の契約もありまして、件数で見れば、むしろこちらの方が圧倒的に多いわけでございます。実際に財務局でも契約締結部門は二つに分かれておりまして、工事関係は契約第一課、物品関係は契約第二課ということで組織も分離されているところでございます。
 この入札契約制度は、工事関係のみではなく委託物品関係の入札契約制度も、必要があればきちっと改善を進めていくといったことも大切であると考えておりまして、今回の事務事業質疑におきまして、この委託関係、特に今回、情報処理関係部門の委託契約を例として取り上げることで、これについてお伺いしていきたいと思います。
 まず、この情報処理部門の委託契約についてでございますけれども、ここにはいわゆるITゼネコンといわれるような内外の大手企業が、情報処理関係の契約を独占していると。建設業界同様に、そこから元請、下請、孫請といったような関係ができておりまして、多重構造が存在しているといったような指摘がなされているところでございます。実際に委託の中でもこういうことでございますので、工事の契約について考えるのみならず、こうした委託の契約についても考えていくということは重要なことじゃないかと思っております。
 先ほどの工事の話、建設業界でいいますと建物の建築工事は建築会社に発注をされます。設備関係は設備の専門会社へと、あるいは施設の運営は施設の運営会社へと、別々に発注されていくわけでございますけれども、そして契約もまた別々に行われておりますけれども、情報処理部門においては、これまでのものを見てみますと、システムの設計から運用、保守までが、いわゆる一握りのITゼネコンといわれるところに発注されまして、契約が締結されている状況にあるわけでございます。中でも、こういうケースもあったわけでございますけれども、一年目に安値で落札をすると、そして、翌年度以降から特命随意契約によって、これが複数年にわたって繰り返されまして、特命随意契約の中で必要以上に多額の請求がなされ、この一年目の安値の分も回収がされると。そしてまた企業の利益といったものも、そこに場合によっては必要以上に上乗せされるといったようなケースも見受けられるわけでございます。
 そこで本日は、この財務局の所管でありまして、現在システムの再構築を進めております東京都の電子調達システムの開発について取り上げることによりまして、情報処理部門の委託契約について財務局の考え方をお伺いするとともに、議論を進めてまいりたいと考えております。
 まず、最初にお尋ねしますけれども、この再構築する東京都電子調達システムの開発スケジュールと内容についてお伺いをいたします。

○奥田契約調整担当部長 東京都電子調達システムは、都民サービスの向上、セキュリティー面の強化、事務の効率化を目標に、平成二十四年度を目途といたしまして、システムの再構築を進めているところでございます。
 システム開発のスケジュールですが、現在、基本構想策定中で、平成二十二年度から二十四年度にかけて、システムの設計、開発、テスト等を実施する予定です。本格稼働は現在のところ二十四年の十月に予定している入札参加資格審査申請からになる見込みでございます。
 再構築するシステムの内容でございますが、第一に、現行、知事部局、水道局、下水道局の三つに分かれておりますシステムの統合を図ること。次に、国土交通省の電子入札をベースに開発された全国標準パッケージモデルでございます電子入札コアシステムを導入すること。第三に、総合評価競争入札機能を導入すること。第四に、少額随意契約案件のシステム化を実施することによりまして、全契約案件のシステム化を図るということなどでございます。
 それらの実施によりまして、システム開発費の総合トータル的な削減を図りまして、システム統合による運用保守経費やヘルプデスク等の維持管理経費も削減し、入札情報の一元的な提供による事業者の利便性の向上を実施し、全庁における調達業務の標準化と情報の共有化を実施したいと考えております。

○原田委員 今、東京都の電子調達システムの再構築についてのスケジュール、お示しいただきました。この中でも公営企業部局も含めたシステム統合でありますとか、さまざまな新しい取り組みついてもお示しいただいたわけでございます。
 スケジュールの話に戻りますけれども、それによりますと、現在基本計画を策定中、その後入札手続に入り、来年度からシステム開発に入ると、そして平成二十四年度の秋ごろにはシステムの本格稼働を予定しているといったことでございます。これ以外にまた開発後の運用だとかサポート、メンテナンスといったことを考えますと、このシステム全体の寿命、あるいはこのシステムにかかわる諸契約が発生する期間というものは、平成二十四年度を超えて、またより長期にわたるのではないかと思います。
 そこで、次にお伺いしたいと思いますけれども、まず、このシステムの調達のところそのものの話でございますが、東京都電子調達システム開発に当たりまして、実質的に複数年度にわたるものについては、例えば債務負担行為等、今年度の負担を考えた契約のあり方などについても考える必要があるんではないかと思いますけれども、お伺いいたします。

○奥田契約調整担当部長 東京都の業務は多岐にわたっておりまして、その業務により契約の締結の仕方も異なると考えております。それぞれの年度におきまして契約を締結する方が、事業の進捗を図ることが円滑にできるものにつきましては単年度の契約を、また、長期的視点に立ち契約を締結した方が事業の効率化、合理化が図れるものにつきましては、それに合った複数年度契約を締結することが重要であると考えます。
 東京都電子調達システムの開発委託業務につきましては、そのような視点に立ちまして複数年度契約も検討してまいります。

○原田委員 より適切な契約のあり方というものを考えていただきますようにお願いいたします。
 先日、実際にどういうふうにシステム開発の入札を行うかということについて、システム関係、直接は総務局の方が担当になるかと思いますので、総務局に問い合わせをいたしました。
 そうしたところ、現行では、学識経験者等を含めたシステム導入技術審査委員会において仕様書及び落札者決定基準等を決定していると。それから、総務局におきまして、標準的な仕様書でありますシステム開発委託落札者決定基準を示しているということでございます。
 現行の電子調達システムにつきましても、これらに基づいて入札が行われているんだと思いますけれども、平成十三年度に概要設計を実施している現行の東京都電子調達システムの導入に際しましては、その開発業者の決定に当たってはどのような方式で行われたのでしょうか。また、その後の契約はどのように行われたのでしょうか。

○奥田契約調整担当部長 現行の東京都電子調達システムの開発事業者の決定に当たりましては、都として初めて総合評価方式を採用いたしまして、学識経験者二名を特別委員として東京都電子調達システム導入審査技術委員会を設置いたしまして、仕様書及び落札決定基準等を定めました。そして、そのシステム導入技術審査委員会におきまして、落札者決定基準に基づき、応札者からの提案書及びプレゼンテーションをもとに技術点を算定し、その技術点に入札価格の価格点を合算した点数を総合評価として算出し、総合評価点の一番高い者をシステム開発事業者として決定し、その者と平成十三年度のシステム開発委託契約を締結いたしました。
 十四年度からは、当初の受託者が特命随意契約によりまして、その後のシステム開発委託契約を受託し、現行の東京都電子調達システムを完成させました。なお、特命随意契約に当たりましては、委託等随意契約業者選定委員会を設置し的確に判断したところでございます。

○原田委員 今、初年度の契約は技術点と価格点を算出して、システム導入技術審査委員会を設けて、総合評価一般競争入札により、ということでございますけれども、こうして受託事業者を決定するという現行制度は、現実問題としては今、一番現行の中ではいい方法なのかもわかりませんけれども、契約の透明性の確保、競争性の確保という視点からすると、もっといい方法もあるのではないかと思うのであります。
 例えば、今回も平成十四年度からは、当初の受託者が特命随意契約でやったといったようなお答えもありましたけれども、複数年にわたるシステム開発の場合には、二年目以降に、この開発が本格的に動き出してからの価格の方が圧倒的に金額的に多いといったようなケースも実際にあるわけでございます。この総合評価の中で、後年度の経費負担についても考慮されている部分があったとしても、最初の価格点の比重というのは非常に大きいですので、この初年度の価格が過大に評価されるといったような問題点がここで残っているんではないかと思うのであります。
 さらに、技術点の算定の中に、後年度の経費負担が考慮されてはいるんでしょうけれども、これは後年度の経費の提案というところが、最初の開発事業者の決定のみに使用されておりまして、後々の契約に拘束性を持たないといったところも問題として上げられるのではないのかなと思うわけでございます。
 そこでお伺いいたしますけれども、再構築する東京都電子調達システムの開発につきましては、初年度の価格が過大に評価される現状を改善し、さらには後年度負担のあり方についても、より適切に評価される仕組みをつくり、競争性、透明性が確保された方式で行うべきではないかと思いますけれども、お考えをお伺いいたします。

○奥田契約調整担当部長 システム開発の当初に将来の負担すべてを拘束した契約を締結することもまた、状況変化への対応方法等、そういったものに対して、本当に将来すべて負担を拘束し得るかどうかという問題は、今後そういったいろいろなさまざまな課題を持っておりまして、そういったものは今後解決しなければいけないものであると考えておりまして、そういったさまざま課題解決を含めまして、最も効率的な契約の方法につきまして、より研究をしていかなければならないと考えております。再構築を予定しております東京都電子調達システムの開発におけるシステム開発事業者の決定に当たっては、総合評価一般競争入札によりまして契約の相手方を決定する予定でございまして、学識経験者等の外部の委員を入れました東京都電子調達システム導入技術審査委員会におきまして、仕様書及び落札者決定基準を定める予定でございます。
 そうした総合評価一般競争入札におきましては、当該年度の開発に係る価格のみならず、システムに対する理解度、提案内容の具体性、実現性等の技術点から開発事業者を決定する予定でございます。
 技術点は後年度の開発費、開発体制に加えまして、新たに維持管理経費を含めて算定することとしておりまして、私どもとしては技術性、透明性が確保された方式でシステム開発を実施していくものだというふうに考えております。

○原田委員 いろいろとお考えのようでございますので、今後ともこの東京都電子調達システムのシステム開発には注目していきたいと思っております。
 次に、より後ろの方でございますけれども、情報処理部門の委託契約につきましては、システム開発費のみではなく保守や運用といった、この委託契約全体に対する対策が必要であろうと考えるところであります。現在ではシステム開発事業者が引き続きシステムの運用を担っているということが東京都のケースでも多いわけでございまして、委託契約につきましても、システム開発期間のみではなく、システム運用期間が終了するまでの長期間にわたりまして、結局はこのシステム開発事業者が受託し続けるということになるわけでございます。
 先ほど、二年目、三年目の開発費用という話もありましたけれども、かつていわゆる一円入札が横行したときに、開発時に後々自分の会社でしか対応できないような仕様を盛り込むことで、後の運用だとか保守だとかの部分で、その開発業者でないと事実上請け負えないといったようなことにしてしまいまして、高額な運用保守費用を請求することで、開発費用も含めた費用を回収してもうけを出すといったようなビジネスモデルもあったわけでございます。
 こうした不適切な契約を排除していくためには、運用、保守の時点になってから、やれどういう契約がいいと、あるいは契約のあり方どうなんだといったことを考えるのではなくて、一連の契約サイクルの当初から、後々の影響を考えた契約をしていく必要があるのではないかと思うのであります。
 そこでお伺いしますけれども、この契約の適切性を審査する上では、単体の契約のみではなく、こうした一連の契約サイクル全体を審査する仕組みを整えることも必要と考えますけれども、いかがでしょうか。

○奥田契約調整担当部長 現時点におきまして、将来の負担も含めた契約を締結することについては、いろいろ解決しなければならない問題はございますけれども、合理的、効率的な方法で、長期的視点に立った仕組みを、契約締結上の仕組みを整えることは重要であると考えております。
 システム開発事業者の決定に当たりましては、総合評価一般競争入札によりましてシステム導入技術審査委員会を設けて、価格点、技術点からの開発事業者を決定しておりまして、技術点の算定の中に後年度の維持管理経費を含めて算定する予定としております。
 システムの開発仕様及び落札者決定基準は、先ほどお話があったように、総務局の方でモデルを示しておりますが、総務局とも協力いたしまして、システムの開発におきまして今後の事業の状況等も踏まえながら、それぞれの業務にあった契約方法について研究してまいりたいと思っております。

○原田委員 一番困るのは、具体的な問題なので、財務局の方ではこれは総務局の問題だといい、あるいは総務局の方では、これは契約全体にかかわる問題なので財務局の問題だといい、宙ぶらりんになってしまうといったようなことだけはぜひないようにしていただきたいと思いますので、そうした点におきまして、当然今も連携して仕事を進められていることかと思いますけれども、より一層緊密な連携をとって、オール東京として進めていただければというふうに思っております。
 現行方式の変更には、特許やトラブル発生時の対応等で、確かに難しい課題があるといったことも想定されるわけでございます。しかし、このシステム開発が終了した時点で仕様書等を公開すると、そして、このシステム運用事業者の選定方法については、競争性、公平性、先ほどから出てきておりますけれども、この観点から分割発注を含めて対応をするといったこともあろうかと思いますので、ご対応をぜひいただきたいと思います。
 国のケースでいいますと、四、五年前の話でございますけれども、業者へ契約の見直しを進めようとしましたと。ところが、企業側があらゆる製作物に知的所有権を主張するがために、あるいは契約に関して解約条項がないといったことで、その企業を別の企業に変えるといったようなことの見直しが難航したといったような事例も実際にあったわけでございます。複数年にわたるものの契約については、東京都全体としても契約のリスク管理という点からも、これらの課題に取り組む必要があるのではないかと思っております。
 このIT調達関係については、今お話がありましたように、総務局の行政改革推進部において具体的な検討が進められているようでございますけれども、こうした検討の成果を全庁的に利用することができれば、より広範かつ長期的な視点に立った都庁改革といったものが進められるわけでございます。
 そこでお伺いいたしますけれども、知的財産権の取り扱いや解約時の条件等といったリスク管理のあり方、あるいは、さきに質問したさまざま契約のあり方につきまして、実際の担当と責任の分担、所在を明確にして、都庁全体としてよりよい契約制度改革を行うべきだと考えておりますけれども、所見をお伺いします。

○奥田契約調整担当部長 確かに総務局、IT調達に関する知的財産権やリスクのあり方について所管しているということでございまして、さらに、そういったところが標準仕様書や総合評価方式の落札決定基準などをつくっているところでございますけれども、当財務局も当然契約制度の責任を負っている局でございまして、当面、まず、契約制度の一般の観点から当然助言、協力をいたしますけれども、それとともに我が財務局が都庁全体として契約の立場から、よりよいIT調達のあり方について、当然なことながら率先して検討し、またそうなるように努力していきたいという思いでおります。

○原田委員 契約としても率先して取り組むと、力強く述べていただいたところでございます。ぜひ、そうした立場で進めていただけるように期待をしているところでございます。
 最後に一つ、この質問を最後に申し上げておきますけれども、再構築する東京都の電子調達システムでございますけれども、最初にちょっと申し上げましたように、公営企業部局も含めたこのシステム統合を実施するということでございます。このシステム統合というのは、金融機関の例でもありましたけれども、トラブルが発生するというような事例もございます。金融機関の合併の際の基幹システムの統合時にトラブルが発生して、預金の引き出しができなくなって、都民というか、国民生活が大混乱したといったような事例もございました。
 都においては本格的なシステム統合の実績というのは、今までないのではないかと思いますけれども、今回の電子調達システムの統合が、この本格的なシステム統合の最初の試みになるのではないかと思います。現在の電子調達システム、これはほぼすべての入札案件において毎日利用されておりまして、数秒のシステム停止でも多くの利用者に多大な迷惑が実際にかかるということにもなるでしょうし、あるいはそれにとどまらず、東京都の契約全般への信頼を失うことにもなりかねないわけでございます。
 こうしたトラブルのない再構築システムができるようにすることはいうまでもないことでございますけれども、東京都のしっかりとした取り組みに期待をするところでございます。
 今回、工事の契約に続きまして、委託の契約、特にIT調達ということで取り上げさせていただいたわけでございますけれども、こうした分野は新しい分野であるがゆえに、新たな取り組みをこれから開始して、さまざまな知見を蓄積して、より適切な契約方法をつくり上げていかなくてはならない分野なのではないかなと思っております。
 その際の検討においては、今回の入札契約制度の報告書にも対象にされたような、工事契約といった、いわゆる伝統的な契約の分野を参考にするということもあれば、あるいは今回のようなIT調達について、新たな検討を行うことによって得られた知見がほかの契約にも一般化されて、ほかの分野にもよい影響を与えるといったようなことと、どちらもあるのだと思っております。
 こうしたことがございますので、今後も、もちろん金額的には工事契約が多いと、あるいは直近の経済状況の中でこの問題が大きく取り上げられてきたという点は重々承知しておりましたけれども、そこにとどまらず、今後この委託契約などにつきましても、よりよい契約のあり方を研究されまして、改善がなされることを期待いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、財産管理と債権管理についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど、会計管理局のときにも少し触れさせていただいたんですけれども、平成二十一年度の各会計定例監査報告書といったものが、この九月九日に出されました。この中には、資産に係る計数の向上に努め、平成十九年度及び平成二十年度において過年度損益修正を計上していること。あるいはその中で局によって取り組み状況に差があったり、あるいは固定資産の計上において、組織的な連携が不十分だといったことが記載されているわけでございます。
 この財務諸表、いうまでもないことでございますけれども、都政のあらゆる経営判断の基礎となりますものでありますことから、正確性の向上に不断に取り組むことが求められるところだと思います。
 実際にそうした形で資料をつくるということ、出てきた結果ということだけではなくて、この財務諸表の作成過程というものを、逆にきちんとたどれるという仕組みがあるということは、逆にいえば、きちんとした仕事がなされているということを確認できるということであると思いますので、内部統制にも資するものであるというふうに考えるところであります。この財産管理に関する全庁的な仕組みをつくることは、財務局の重要な役割と考えるところでございます。
 その中でお伺いしたいと思いますけれども、指摘も実際にありましたが、特にこの固定資産のより適切な管理と、それを行うための財産管理のシステムの活用について、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。また、財務諸表の活用を進めるという観点から、財務諸表を正確に作成する上で生ずる課題にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

○松本財産運用部長 財務局では平成十八年度の公会計制度導入に合わせまして、固定資産である土地、建物のより一層の適正管理を進めるため、従来、紙でつくられておりました財産台帳の電子化を実施し、全庁的な財産情報システムを構築いたしました。
 システムの稼働当初におきましては、紙台帳からの転記ミスなどの課題も生じておりましたが、システム稼働後の十八年度内に改めて台帳の再検証を行い、誤記訂正等の徹底を図ったところでございます。
 十九年度からは、各局におきまして財産管理担当者が、システムと実態等を検証する財産の自己点検制度を導入するとともに、財務局による財産の実地調査を新たに導入し、さらなる財産の適正管理の徹底と記載内容の精度向上に努めてきたところでございます。
 お話にございました今年度の定例監査では、複式仕訳の計上方法に各局でばらつきがあるとの報告がございました。具体的には、建物の修繕において、資産として計上するか費用として計上するかという点でございます。仕訳の原則は、資産価値を上げる場合には資産に計上いたします。また、維持修繕は費用として計上するものでございますが、複式仕訳にふなれな職員には判断が難しい場合があることが新たな課題となってございます。
 財務局といたしましては、今後とも各局財産管理担当者への研修を充実するとともに、自己点検制度や実地調査の活用などにより現場レベルの意識向上を図り、財務会計システムなど、他のシステムとも連携いたしまして、財務諸表のより一層の精度向上に向けた取り組みを進めてまいります。

○原田委員 先ほど、電子調達システムの話もしましたけれども、実際に財産を取得するといった局面においては、当然、財産を調達するということと、そこから先、保有するといったことで表裏一体のものでもございますので、そうした意味では、こうした電子調達システムとどのように関連性をつくることによって適切な財産管理を行っていくのかでありますとか、財務局の中でできることでもあるかと思いますし、また、あるいは財務局が主導的な立場に立って、全庁的に取り組んでいくことといったものもあるかと思いますので、こうしたものに引き続き取り組んでいただければなというふうに思うところでございます。
 さきの第三回定例会におきましても、債権放棄が報告されたわけでございます。こうした債権放棄を認める前提には、債権管理が適切に行われるということがなくてはならないわけでございます。この定例監査報告書の中では、各局独自の電算システムと財務会計システムとのずれが発生していると、結果として決算時に調整していると、あるいは電算システム上の問題で期限の管理、年齢管理が適切になされていないといった、債権管理が適切に行われていない旨が指摘されているところでございます。
 この債権を適切に管理していくためには、全庁的な管理レベルの基準を示すといったことも重要でございましょうし、またあるいは、先ほどからシステム、システムとありますけれども、自然と業務の中で適切な管理レベル基準に達するようなシステムを構築するといったような対応も必要かと思っております。
 そこでお伺いしますけれども、このシステム構築を含めまして、より適切な債権管理にどう取り組むのかお伺いをいたします。

○長谷川主計部長 昨年の債権管理条例の制定に合わせまして、財務局が主税局の協力のもと、標準的な債権管理の手続を示すとともに、台帳の標準様式なども定めまして、各局に対して指導を行い、そのもとで各局の債権管理者が中心となって適正な債権管理に努めているところでございます。
 こうした中での今回の監査の指摘に関しましては、債権管理を所管する財務局といたしましても、今後の各局への指導において、十分に配慮する必要があるものと認識しております。
 ただ、都の保有する債権につきましては、その内容が多種多様でございまして、それぞれの債権の特性に応じた形での適正な管理が必要と考えます。それは、債権管理のシステムの面についても同様でございまして、基本的には各局においてそれぞれの債権の内容に照らして、実態を踏まえた改善を適切に行っていくべきと考えます。
 したがいまして、財務会計システムとの連携も含めた債権管理システムの再構築についても、それぞれの債権の特性によって、その対応方法は異なるものでございまして、例えば管理する件数が余り多くないものなどにつきましては、しっかりとした台帳管理をしておくということもございますし、こうしたことも含め、一律の対応ではなくて、日々の債権管理を確実に進めながら、費用対効果の高い対策を適切に講じていくということが肝要であると考えております。
 また、システムを改善するに際しましても、システムの更新期などのタイミングをとらえ、適切な時期での実施を検討すべきであるというふうに認識しております。
 一方、今回の監査の指摘は、システムの問題のみにとどまらず、内部統制の面からも重要な指摘と考えます。例えば、債権管理のシステムと財務会計システムの残高のずれなどについては、両システムの照合作業を定期的に行うなど、チェック体制を一層強化するということが、適正な債権管理を進める上で重要というふうに考えます。財務局といたしましては、こうした課題に関し、これまで以上に各局をしっかりと指導するべく、既に債権管理の実態やシステムの現況などについての調査を六月に行っておりまして、こうしたことを踏まえて、来月には、各局の債権管理者などを対象とした研修を実施する予定でございます。
 この機会をとらえ、二つのシステム間の定期的な照合作業を確実に実施するよう指導するなど、今後とも債権管理の適正化に努めてまいります。

○原田委員 こうした必要な情報が適切に整備されるということは、都政の経営判断の上で、これは大変重要なことだと思います。
 先ほども少し述べましたけれども、こうした必要な情報が適切に整備されているということは、現場レベルで見ましても、必要事項がきちんと把握されておりまして、業務が適切に行われているということの証明にもなるのではないかなと思っております。そういう意味でいえば、新たにこの情報という面のみならず、業務の適正化を進めるといった上で、現場にも役に立つものではないかなと思っております。さまざまな取り組みを今後も続けていかれるということでございますけれども、財政状況の把握と、この都庁の業務改善に積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 以上、大きく三点、この入札契約制度研究会報告書について、そして電子調達について、この財産管理と債権管理についてお伺いしてまいりました。
 いずれも都民からお預かりした、この貴重な税金をいかに扱っていくかといった点において非常に大きな問題でありまして、また、財務局にとって非常に大きな役割を担っている分野であると思います。今後とも、この不断の取り組みを進められることを期待いたしまして、質問を終わります。

○鈴木委員 それでは、私からは、引き続き低価格入札関係で質問をさせていただきたいと思います。
 我が党は入札契約制度PTを設置して、都の入札契約制度の改善に向けて、さまざまな提案を行ってきたところであります。先ほど報告のあった実施方針の中にも、我が党の提案が相当反映をされていると私は理解をしています。
 きょうは、第三回定例会の財政委員会に引き続き、厳しい経済状況の中で頻発している低価格入札に関して、実施方針の内容を何点か確認をいたしたいというふうに思います。
 本来競争入札は、事業者が公示価格を適正に積算をし、みずからの技術、工夫によって工事品質を維持し、どれだけ経費を削減できるかというものを競うものであったはずであります。ところが昨今の公共工事の契約状況を見てみますと、幾ら事業者間の競争が激化をしているとはいえ、とにかく受注をしたいために、最低制限価格を目指して入札をし、くじ引きで落札をされる工事案件が多発をしている現状でもあります。とても正常な競争が行われているとは考えられないような状況にあるわけであります。
 建設業界団体では、こうした現状を招いた原因の一つとして、予定価格の事前公表を上げており、予定価格が事前にわかっているから、積算もしないで不良不適格業者や最低制限価格を目指した入札がふえているというような指摘をしているやに聞いております。
 一点目として、こうした指摘があることを踏まえて、都は事前公表の見直しをどのように考えているのか。また、なぜ見直しを行わないのか、その理由を伺いたいと思います。

○奥田契約調整担当部長 予定価格の事前公表につきましては、研究会におきまして多くの時間をかけ、入札関係の統計データを踏まえて、さまざまな角度から検討したところでございます。その検討の中で、予定価格の事後公表を行っている国におきましても、入札結果は都と同様に予定価格の八五%周辺に集中しておりまして、公表時期と低価格入札との関連性は薄いという報告を研究会の方から受けております。
 一方、国や地方公共団体の平均落札率は、公共工事の投資額の減少とともに下がり続けております。また同時期に、一般競争入札の適用範囲が急速に拡大したことから、低価格入札に拍車をかけたものと考えられます。
 こうしたことから、事前公表を見直しても低価格入札の抑制には効果が期待できないと考えられるため、総合評価方式の拡充や低入札価格調査の徹底を図ることとし、事前公表は、入札契約制度の透明性や不正防止による都民の信頼を確保するため継続することといたしました。

○鈴木委員 過度な低価格入札を、事前公表の見直しをしないで本当に抑制できるのであれば、私は公表の時期にこだわるつもりはありませんが、この厳しい経済状況の中で、過度な低価格入札の抑制対策は待ったなしの課題でもあり、早急な対策が必要とされている現状にあるということは申し上げたいと思います。
 先日の財政委員会では、大規模工事に関する著しい低価格入札に対する対策についても、都の考え方を支持するとともに、早急な対応を求めたところでもございます。都は低価格入札が、発注した工事の品質だけでなく、工事現場での労働安全対策や下請契約は適正か、また工事に係る間接的経費が適正に計上されているかなどを、これまで以上に厳しく確認し、速やかに対応していくことといたしました。今回の実施方針でも同様の対策が示されているというふうに認識はしております。
 三定の議会案件では、提案された全契約案件が低入札価格調査の対象となっており、中には五〇%台、六〇%台で落札された案件もあり、新たな方針に基づく低価格入札の抑制対策の実施は待ったなしの課題でもあります。方針に示された大規模工事に対する低価格入札への調査の強化について、都の取り組みの状況を伺います。

○奥田契約調整担当部長 低入札価格調査の強化策につきましては、企業の挙証責任を重視した調査方法の採用、労働安全関係経費や下請関係経費などについての詳細な調査、調査内容の事後検証など、一定水準を下回る極端な低価格入札に対して、特別重点調査を図ることといたしました。そして、現在実施しているところでございます。
 低入札価格調査対象となる工事案件が増加している現状を踏まえまして、今回の策定した実施方針に先立ちまして、第四回定例会の議決対象案件及び十月五日以降の公表案件から既に導入しているところでございます。
 特別重点調査では、品質確保体制や安全衛生管理体制などが十分でない場合には、失格とすることも含め、厳格に調査を実施してまいります。

○鈴木委員 都が低価格入札に対して、我が党の問題意識をしっかりと受けとめ早急に対応したことについては、評価をいたしたいと思います。既に開札された数件の工事案件が、低価格入札で調査中とのことであります。しっかりと調査をしていただいて、都民から預かった税金を有効に活用するため、工事の品質や下請企業などに悪影響を及ぼすダンピング入札は徹底的に排除をし、目に見える効果を上げていただきたいというふうに思います。
 次に、中小規模の工事を対象としている最低制限価格制度について伺います。
 先日の財政委員会において、中小規模の工事は受注者が経営体力に余裕のない中小企業であることから、大規模工事にも増して低価格入札への対策が必要であり、最低制限価格を市場実態に即した適正な水準とすることが、工事品質の確保に当たって重要なことであるということを申し上げました。今回の実施方針で、最低制限価格の算定式を変更し、価格水準を改善するとともに、設定範囲の上限撤廃を行うとしております。最低制限価格制度の目的と設定水準の改善内容についてお伺いをいたします。

○奥田契約調整担当部長 最低制限価格制度は、中小規模の工事を対象といたしておりまして、低価格入札が品質確保に悪影響を及ぼすおそれがあるため、一定水準を下回った場合は失格とする制度でございます。
 ご指摘のとおり、中小規模の工事は、大規模工事に比べまして経費節減の余地が少ないことから、工事品質を確保するためには、最低制限価格の水準は、市場における公共工事のコスト構造をより適正に反映させていく必要がございます。国におきまして、公共工事に関する最新のコスト調査結果に基づきまして、最低制限価格等の算定モデルが改正され、価格水準が引き上げられているところでございます。
 都におきましても、最低制限価格の適正化を図るため、国モデルを参考として最低制限価格制度の改正を行い、その設定水準を引き上げることといたしましたところでございます。

○鈴木委員 経済状況が厳しく低価格競争が厳しさを増す中で、事業者に品質のすぐれた適正な工事を施工してもらうためには、市場実態に即して最低制限価格を引き上げることは、時宜にかなった措置であるというふうに思います。
 今回の改正では、最低制限価格の設定水準とともに、設定範囲についてもあわせて見直すこととしています。国モデルでは、最低制限価格の設定上限を、予定価格の十分の八・五から十分の九に引き上げていますが、都は上限を十分の九とするのではなく、上限自体を撤廃をし、算定式で計算された価格にするとしています。このような最低制限価格の上限撤廃についてどのような効果があるか、改めて伺います。

○奥田契約調整担当部長 現行制度では、最低制限価格の設定上限を八五%としておりまして、それ以上には設定しておりません。しかし、実際に最低制限価格を算定する際、その算定結果は八五%でも頭打ちとなる場合も多く、現在の設定上限が実態に比べて低目に設定されることがあるという問題がございました。
 また、昨今の激しい価格競争の中で、技術や工夫などに基づく経費節減ではなく、最低制限価格を下回る入札で失格とならないよう、制度上の設定上限である八五%を目安にしていると思われる入札が増加しておりまして、これがくじ引きによる落札決定の多発につながっているというふうに考えております。
 今回の改正で、設定上限を撤廃することによりまして、最低制限価格の頭打ちがなくなりますので、算定式に基づき、より適正な最低制限価格の設定が可能となるとともに、入札価格のそういった単なる上限の目安みたいなものがなくなることによりまして、事業者の適正な積算に基づく入札を促す効果を見込んでいるところでございます。

○鈴木委員 そうしますと、今回の改正で予定している最低制限価格の設定上限を撤廃することにより、算定式の改正による価格水準の引き上げが、直接最低制限価格に反映されることになること、また積算努力を怠り、くじ引きをねらって単純に予定価格に設定上限の八五%を掛けて入札するような、いわゆる不良不適格事業者の落札を困難にする効果があるということで理解してよろしいかと思います。今回の改正により、くじ引きの抑制とともに、競争入札の正常化が図れることを大いに期待をしたいと思います。
 これまで伺ってきた低入札価格調査や最低制限価格制度は、ともすると粗雑工事の原因となる過度な低価格入札を価格面で直接防止する仕組みであり、工事品質を確保するための有効な手段ではあり得るわけでありますが、それだけではまだ十分とはいえない部分があります。受注者に十分な工事施工能力がなければ、幾ら高い金額で契約しても、品質の高い工事は望むべくもありません。重要なのは、競争入札の中で工事施工能力などにすぐれた事業者を選定し、不良不適格業者を排除していくということであります。都は優良な事業者を選定し、工事品質を確保するため、総合評価方式を適用する工事件数を拡大していくということにしておりますが、具体的にどのように進めていくのかを伺います。

○奥田契約調整担当部長 ご指摘のとおり、過度の低価格競争から脱却し、工事品質の確保を図っていくためには、優良な事業者を選定することが重要でございまして、そのためには、工事成績など事業者の技術力に対するインセンティブを強化し、優良事業者の受注機会を高めていく必要がございます。工事成績などによって事業者の技術力を評価する総合評価方式は、そのための有効な対策の一つでございまして、局別に適用工事の目標を定め、拡大に向けて計画的に取り組んでいくことにいたしました。
 大規模工事は、今後、一般競争入札の適用拡大を進めていくこととしておりますが、過度な低価格競争や技術力のない事業者の参入を阻止する必要があるため、できる限り総合評価方式を適用するよう努めてまいります。
 また、中小規模の工事のうち、最低制限価格周辺に入札が集中することによりまして、くじ引きが多発し、技術的裏づけに基づく価格競争が働きにくくなっている一部の工事というものは現在ございますが、そういった入札価格が同一のものでも、くじではなく、工事施工能力などの技術評価で事業者が選定されるよう、中小規模工事につきましてもできる限り総合評価方式の適用を進めていく所存でございます。

○鈴木委員 今後も国の公共工事予算が大きく削減されていく中で、受注産業である建築事業者間の競争というのは、ますます激しくなっていくであろうということが予想されるわけであります。ですから、技術力のある優良な事業者が適正な価格で公共事業を受注できる仕組みを今整備していかないと、ダンピング競争の果てに、数年後に、技術力の伴わない不良不適格業者だけが残ったということにもなりかねないような現状があると認識すべきだと私は思います。都はダンピング対策に全力を挙げて取り組む必要があるということを強く、これは申し上げておきたいというふうに思います。
 都は、我が国における最大級の公共事業、または公営事業の発注者でもあります。その入札契約制度の改革が建設業界に与える影響というのは、他の自治体と比べ物にならないほど大きいというのは実情であろうかと思います。そうした意味で、今回都が作成した公共事業の品質確保と低価格入札の抑制を中心としたこの実施方針は、速やかに、また、着実に実施をしていかなければならないと考えます。
 最後に、今回の実施方針による改革に向けて、局長の強い決意を伺って終わります。

○村山財務局長 今回の報告をいただいて、それに基づいて実施方針を決めた、この入札制度改革研究会でございますけれども、昨年の六月に設置をいたしました。その設置をするときのバックグラウンドでございますけれども、その少し前に全国知事会なんかで、知事の汚職事件などもいわば機会といたしまして、一般競争入札至上主義といいましょうか、それが非常に大きな流れとなっておりまして、どんどんどんどん他県では一般競争入札の価格を、何億円だったものを一千万円以上は全部一般競争入札にすると、極端なところは二百五十万以上全部一般競争入札にするというふうな流れが出てきたわけでございます。
 そうした中で東京都は、その前から希望制の指名競争入札というふうな独自のやり方をやりながら、一般競争入札のラインというのは九億円というふうなラインで一つ設定をしてきているわけでございますけれども、その辺のところも含めて、相当全国的に広まるそういう一般競争入札至上主義の中で、東京都としてどういう制度でやることが私どもが目指す透明性、競争性、そして公共工事の品質の確保と、この三つの目的のバランスをとりながら適正な入札制度をやっていけるだろうかということで、研究会を発足させ、それ以来、相当本質的なご議論をいただいて今回の報告書ということになりまして、それに基づいて、私どもといたしましては、当面のすぐやらなければいけないことと、今後少し時間をかけながらやらなければいけないことと少し分けつつも、実践的な実施方針を定めまして、今回、きょうの委員会で報告をさせていただいたということでございます。
 今るるご指摘がございましたように、今の公共調達指導におきましては、さまざまな問題が起きてきておりまして、特に過度の低価格競争による品質確保の低下への懸念というものも含めて、あるいは、将来にわたるその業界の適正な発展といいましょうか、そういうようなことについての懸念というものも含めまして、同時に私どもといたしましては、お預かりしている都民の税金をしっかりと効率的に使わなければいけないと、これらの課題の中で、この問題を非常に重要なものだというふうに思っております。
 今回の実施方針というのは、それに対する私どもの一つの結論ということでございますけれども、しかし、今後、今もそうでございますけども、社会経済状況が刻一刻と変化をいたしているわけでございまして、この変化の中で、しかるべき先ほどの三つの要素をバランスよく組み合わせた契約というものをつくっていかなければならないということでございますので、これが最後の結論ということではなくて、これをやった結果を、またよく検証をしていきながら、また、都議会の議員の皆様からの、その検証に基づくご議論をいただきながら、私どもとしては、今後とも改革を、社会経済情勢と都民の利益、両方の観点をしっかり持ちながら着実に今後とも進めていきたいと、かように決意いたしております。

○斉藤委員 公明党の斉藤やすひろでございます。
 私は、本日ご報告をいただきました公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針について質問をさせていただきます。
 さきの第三回定例会の財政委員会に引き続きまして、総合評価方式を中心に実施方針の内容を踏まえて何点かお伺いしたいと思います。
 先ほども他の委員から質疑がございましたが、現在のような厳しい経済状況の中では、公共工事に関する入札契約制度をそのままにしてほうっておけば、低価格競争が激しくなっていくことは火を見るより明らかでございます。工事品質の確保ができて、かつ競争の結果、可能な限り低価格で整備することが基本的な都民の要請でございまして、下請企業への不当なしわ寄せもないというのであれば、問題はないわけでありますけれども、残念ながら実態は、そうなっているわけではございません。
 今回都が発表しました実施方針では、品質確保を中心として著しい低価格入札の抑制や、不良不適格業者の排除に向けて、さまざまな対策を講じることとしております。中でも、方針4にございます最低制限価格制度の適正化では、価格水準の引き上げとともに、上限の撤廃が示されているところでございます。
 最低制限価格制度に関しましては、先ほどご答弁もございましたところでございますが、重要なことでもございますので、確認のため再度お伺いしたいと思います。
 最低制限価格の設定上限の撤廃によりどのような効果が期待されるのでしょうか、まず最初にお伺いいたします。

○奥田契約調整担当部長 この最低制限価格は、工夫の余地が余りに少ない中小規模の工事に適用しているものでございます。
 その上限を撤廃するということでございますけれども、一億円の工事の場合、八五%で八千五百万円、この上限の設定の仕方につきましては、その一つの予定価格でやったものではなくて、直接工事費や間接工事費--失礼しました、橋梁の架設費といった、大きく四つの部類の項目にそれぞれ異なったパーセントを掛けますので、基本的に結果として八千四百なら八千四百万のままなのですが、八千六百になるとしたときに、今までは八千五百で切っていたということでございました。その設定上限を撤廃することによりまして、そういった頭打ちがなくなるため、算定式をストレートに反映して、より適正な最低制限価格の設定が可能となります。
 また、先ほども申し上げましたが、今までは八五で切っていたことによって、中には勘違いされている方がいまして、当然八五%であれば安全圏なわけなんです。そうすると、予定価格の事前公表をしている場合に、一億円の工事がぼんと公表されたときに、だだだっと電卓をたたくと、八千五百万円で入れておけばまず失格はしないということを、そういったもののことでくじ引きが起こされているのではないかというような現象が多々起きてきたということもございます。
 そういったこともございまして、入札価格の目安がなくなることによりまして、上限撤廃によりまして、結果として八五%でのくじ引きが解消されるとともに、事業者の適正な積算に基づく入札が促せるという効果を、私どもは見込んでいるところでございます。

○斉藤委員 さまざまな計算式の中でのお話ですが、最低制限価格につきましては、積算努力をしている事業者でなくては計算できなくなるわけでございます。結果として、その八五%でのくじ引きが解消される、その効果が見込めるというふうに今伺ったところでございます。
 これは、技術力がありながらも不良不適格業者との低価格競争により、厳しい経営を余儀なくされている健全な中小企業の業者にとって、大変に重要な対策であると思います。今回の制度改正が、優良な事業者の応援になることを期待しているわけでございます。
 続きまして、方針1にある総合評価方式の適用拡大についてお伺いをします。
 前回の第三回定例会の財政委員会で私は、総合評価方式の適用拡大に当たって、受注者、発注者ともに資料作成や評価の事務負担などが過大になっていることから、限られた人員体制の中で効率的、効果的に総合評価方式を適用する工事をふやしていくために、対象工事を絞り込んで、重点的に適用していくことを提案いたしました。
 今回の実施方針では、適用対象を年間発注工事の多い工事と、くじ引きの発生が一定割合を超える工事に絞り込んで、重点的に取り組んでいくこととしているようでございます。こうした工事を総合評価方式の適用対象として選んだお考えをお伺いしたいと思います。

○奥田契約調整担当部長 ご指摘のとおり、総合評価方式の拡大は事務負担が伴うことから、限られた人員体制の中で事務作業の効率性を踏まえながら対象を絞ることといたしました。技術力評価型と施工能力審査型の総合評価方式を拡大していく予定でございますが、いずれの型も、事業者の工事成績評定を評価対象としております。そのため、発注工事件数が多く、工事成績評定を受けた事業者が多い業種を対象とすることとしたものでございます。
 対象とする業種でございますが、全体工事件数約五千件の約六割、約三千件を占める主要十業種、これは土木、一般土木、道路舗装、橋梁、建築、電気などでございますが、対象といたしまして、そのうちの一定割合を今後目標として設定する方針でございます。
 また、くじ引きが多発している業種につきましては、工事品質を確保する観点から、たとえ入札価格が同一となった場合でも、運に左右されるくじ引きではなくて、工事施工能力などで事業者が選定されるよう、総合評価方式を適用していくこととしたものでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 対象とする工事の種類の考え方はよくわかりました。総合評価方式は、工事成績で評価するウエートが高いために、発注件数の少ない業種では、過去に工事評定を受けた事業者が優位になってしまうおそれがあると伺っております。
 また、くじ引きの抑制につきましては、最低制限価格制度の設定上限の撤廃と総合評価方式の適用、この二つの、この二重の対策を講じることになるわけですが、いずれにしましても、工事品質を確保する上で適切な対策であると大変期待をしております。
 続きまして、方針2の一般競争入札の適用拡大でございますが、この適用拡大では五億円以上の大規模工事への適用拡大を図っていくことが示されています。研究会の報告書では、一般競争入札の単純な拡大は、低価格入札や不良不適格業者の問題が生じやすいために、品質確保対策を十分に講じた上で実施していく必要があると指摘しているところでございます。
 こうしたことから、都が新たに一般競争入札の対象としようとしている大規模工事に対しましては、技術力評価型の総合評価方式の適用をできる限り進めていくべきであると考えています。しかし、何度も繰り返しになりますけれども、さきの三定での財政委員会で伺ったところでは、評価に係る事務負担が大きく、時間もかかることから、適用件数がふえていかないとの説明もございました。どんなによい制度であっても、十分に活用されていない、活用しにくいというのでは意味がございません。活用しにくい原因の一つに、実際の工事内容と、制度で想定している評価内容が合っていない、いわゆるミスマッチがあるのではないかと思います。
 こうした状況を改善するために、技術力評価型は、事務負担が大きな評価項目について、工事の種類や内容によっては簡素化などの見直しを図り、大規模工事への適用を容易にしていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。

○奥田契約調整担当部長 総合評価方式による工事品質確保の実効性を上げるためには、工事規模や種類などに応じて評価項目を適切に設定することが重要と考えております。
 今後、評価項目につきましては、その有意性について、工事成績との検証を行うなど、見直しを進めてまいります。あわせて、事務負担の軽減につきましても、適切な品質確保が可能な範囲で、十分に配慮してまいります。

○斉藤委員 工事内容によって簡素化を検討していくというふうに伺いました。
 当然のことながら、簡素化すべきではない場合もございますので、そこはよく見きわめていただき、使い分けができるような仕組みをつくっていくべきであると考えます。
 いずれにしましても、事業者の技術力が、低価格競争の抑制や不良不適格業者の排除のためには、総合評価方式の適用拡大は喫緊の課題です。関係局と連携しながら、適用拡大にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、方針10にあります契約制度の政策目的実現への寄与についてお伺いしたいと思います。
 この問題も先日の財政委員会で質疑を行ったところですが、私たち公明党は、契約制度の中で事業者の社会貢献や地域貢献などの活動、例えば、障害者雇用などの福祉政策やCO2削減などの環境施策などについても、品質確保に支障を来たさない範囲で適正に評価していくことを従来から主張してきたところでございます。今回、研究会から提出された報告書、都が策定した実施方針では、我が党が提案するこうした政策目的実現の取り組みについて、どのように取り組んでいこうとしたのか、お伺いしたいと思います。

○奥田契約調整担当部長 地方公共団体が進める政策を実現するために、事業者の協力が不可欠の分野におきまして、入札契約制度を通じて事業者の自発的な取り組みを誘導していくことは、政策実現のための手法の一つとして有効であると認識しております。
 また、事業者の社会貢献活動を納税者の負担で行われる公共工事の受注者選定の要素として評価することは、社会的責任を果たす優良な事業者の育成にもつながると思っています。
 こうしたことから、今回の実施方針では、社会貢献活動につきましては、工事品質の確保に大きな影響を与えない範囲で評価項目として設定し、拡大を図っていくことといたしました。
 総合評価方式の適用拡大を進める中で、工事成績などの検証を通じて評価項目の見直しを進めるということを申し上げましたけれども、社会的貢献活動の評価項目の設定につきましても、その中で、あわせて見直しの検討をしてまいります。
 具体的な項目につきましては、ご指摘の福祉分野、環境分野も含めまして、今後、政策を所管する各局との間で十分調整の上、進めてまいります。

○斉藤委員 ご答弁ありがとうございました。
 事業者の社会的貢献の評価につきまして、我が党の問題意識を受けとめていただき、実施に向けた方針を打ち出していただきましたこと、高く評価したいと思います。
 具体的な項目につきましては、福祉分野、環境分野、ライフワークバランスへの取り組みなども対象に含めまして、今後検討をしていくこととなると思いますが、財務局がリーダーシップをとっていただき、各局としっかり調整を図り、よりよい制度を構築していただきたいと思います。
 最後になりますが、総合評価方式の拡充に当たって、全庁的なリーダーシップをとって、入札契約制度改革を進めていく立場にございます財務局長のご決意を伺いまして、私の質問を終えたいと思います。

○村山財務局長 総合評価方式は、お話にもございましたけれども、非常にその品質確保にとって有効である一方、受注者にとりましても、そしてまた発注者にとりましても、相当程度大きな事務負担といいましょうか、事務だけではなくて、やっぱりいろいろ技術的な面も含めて、求められるものが大きくなるような手法でもございます。それだけに、総合評価方式を拡大、定着させていく上では、よくターゲットを明確にした上で、定着させていく上で、適切なやり方というものをちゃんとしていかないといけないなというふうに改めて、私どもとしては認識をいたしております。
 また、ご指摘いただいた政策目標、障害者福祉施策であるとか環境対策のような、そういう社会的な要請とのかかわりでの企業の自主的な努力を、どういうふうに入札契約制度の中で取り込んでいけるのかということにつきましては、手法的なさまざまな課題もございますけれども、これについては関係局とよく連携をとりながら、ぜひ進捗させていきたいというふうに思っております。
 この政策目標の契約における取り込みの問題、それに、総合評価方式の拡大における実務上の負担、いずれの場合でも、東京都の中でも当該事業を所管している局の契約部門あるいは施工部門での努力、協力が欠かせない分野でございますので、その辺、私ども財務局がリーダーシップをとりまして、よくその辺のご理解をいただきながら、全庁的にこの両方の課題について前進をさせていきたいと、かように考えております。

○中屋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十一分休憩

   午後三時三十一分開議

○中屋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○たぞえ委員 私からは、都の施設の維持管理について伺います。
 都庁や地域の高校、都営住宅、出先の機関など、都が保有している施設は、都民の税金でつくった施設で、都民から負託を受けた貴重な財産です。そして、これらの施設は都民生活に直結するさまざまなサービスを提供するための拠点であります。そのためにも、都有施設は効率的、効果的に活用され、その価値が最大限発揮される状態でなければならないと思います。
 都内の都市施設では耐震化や老朽化などの要因から、今後施設の維持と更新が必要ですけれども、その基本的な考え方と施設の改築、改修に当たっての対象施設の選定について、まず伺います。

○金子建築保全部長 都では、ことしの二月に主要施設十カ年維持更新計画というのをまとめております。その基本的な考え方でございますけれども、都市施設は昭和四十年代、及び平成一けたの時期にその多くが整備されてきておりまして、現在その前者については、施設そのものの経年劣化が進行しております。また、後者につきましては、設備を中心とした更新時期を迎えているといった状況でございます。今後とも、より質の高い都民サービスを提供していくために、各施設の劣化状況や行政需要などを総合的に精査いたしまして、計画的に施設の維持更新を進めてまいります。
 また、施設の改築、改修に当たりましては、安全・安心の確保と環境負荷の低減、将来コストの縮減と利便性の確保、都有財産の効率的、効果的な活用、そういった三つの観点から、都民生活に直結する多様なサービスを提供するための拠点として整備してまいります。
 次に、対象施設の選定についてでございますけれども、大規模施設等の改築・改修に関する実施方針に基づきまして、おおむね築三十五年を経過している延べ床面積三千平方メートル以上の施設、おおむね築十年を経過している延べ床面積一万平方メートル以上の施設、それから、耐震化整備プログラムにおける対象施設、その他、維持更新が特に必要な施設につきまして、施設の劣化状況などの観点から精査を行いまして、対象施設を選定したものでございます。

○たぞえ委員 財務局の所管ではないんですけども、例えば、都営住宅をかつて建設したときに、浴槽を設置する必要なスペースがないために、入居以来ずっとおふろなしで暮らしている都民が今もおられます。そのため順次、浴槽スペースをあわせた建物を、既設の建物に増築しても、その数年後には建てかえ事業で、せっかく増設した建物も含めて全面廃止というケースが、私の地元世田谷でも最近ありました。居住者の皆さんからは、せっかく増築したばかりなのに、すぐ壊すことになって税金のむだ遣いだと、こういう声が上がったわけです。このような改修や改築のあり方は問題ではないかと、私は常々思っております。
 そこで聞きますのは、今回の計画でどのようにして効率的かつ効果的に維持更新を進めていくのか、考えを伺いたいと思います。

○金子建築保全部長 都はこれまでも、行政課題に適切に対応するように精査の上、必要な改築、改修を行うなど、適切に施設整備に取り組んできております。ところで、本計画におきましても、適切に施設の維持更新を行っていくため、計画対象施設の劣化状況ですとか、建物の特性などを踏まえまして、施設の行政ニーズに対する満足度、建物の長寿命化、環境負荷の低減、そういった整備効果を比較考量いたしまして、総合的な見地から、改築、改修など、最も適切な整備手法を選択してまいります。
 また、本計画の経過期間は十カ年と長期にわたりますことから、おおむね三年ごとに見直しを行うこととしておりまして、これとともに環境負荷コスト及び品質管理の観点も含めまして、各年度ごとに予算化をする段階で改めて精査をいたしまして、効率的かつ効果的な施設の維持更新を進めてまいります。

○たぞえ委員 ことし二十一年二月に、東京都は都庁舎の設備更新等に関する方針をつくりましたけれども、どのようなことを示したのでしょうか。

○山藤参事 ご案内のとおり、都庁舎は平成三年の開庁から既に十八年が経過しております。これまでもメンテナンスを適切に行いまして、設備管理には万全を期しておりますが、空調機を初めとしまして、その運転状況や耐用年数から本格的な更新時期を迎えようとしているところでございます。
 庁舎機能の維持や安全確保のためには、計画的に設備更新を進めていくことが必要になっております。また、設備の更新に際しましては、執務室の閉鎖であるとか、移転を伴う工事を長期間にわたって行うことが予想されますことから、行政活動や議会活動など都民サービスへの影響を最小限にとどめる工夫が必要でございます。
 さらに、設備更新に当たりましては、単なる機能維持にとどまらずに、都民の安全・安心や地球環境対策など、都政の重要課題への取り組みも重要なことでございます。これらのことから、都庁舎の設備更新を効率的、合理的に進めることを目的にしまして、その基本となる視点などを内容としまして方針を策定し、公表したものでございます。
 具体的には、この方針では東京の防災拠点としての機能をさらに高める安全・安心の視点、CO2排出量の削減により低炭素型都市の実現を先導する環境負荷低減の視点、そして、だれもが安全で快適に利用できる機能を向上させるための、来庁者等の利便性の向上の視点など、設備更新に当たっての基本的な視点を明らかにしまして、都庁舎が将来にわたってその機能を維持し、時代の変化や社会の要請に十分にこたえていくことができるよう、計画的に推進していくこととしてございます。

○たぞえ委員 今いわれましたように、都庁舎が平成三年にこの西新宿に開庁して以来、十八年経過をいたしました。委員会資料にも書かれておるように、光熱水費を除いて、この直近の五年間だけでも、都庁舎の主な改修費は、電力や照明、機械の管理、施設などの設備改修に二十八億円、五年間ですべて合わせてでも八十四億二千八百万円と、多額の税金が投入されてまいりました。したがって今後も、この状況ですと、改修や修繕費がきわめて膨大な経費が見込まれていくわけです。
 一方、倒産やリストラなど家計が急変して家を失った人々や、職を奪われ、雇用の機会をなくす生活をする人々、例えば福祉保健局が、最近の八月の調査でも東京の路上生活者は二千五百人に及んでいると、こういう結果も発表しました。わずかな年金で自宅の修繕もできず途方に暮れている高齢者の方々もいます。そのような都民から見れば、修繕に必要な経費がちゃんと税金が使われる都の施設にびっくりしている、これが実感ではないでしょうか。都の施設は本格的な更新時期を迎えているわけでありますが、暮らしの実態からも、経費を節約して効率的に進めるのはごく当然だと思います。
 ことし六月、施設の設備更新を進めるために、都庁舎の設備更新等推進会議が立ち上がって協議が行われてきました。その都議会議事堂ですけども、最近では、下水排水の故障による漏水や空調がきかない、ブラインドが上下に動かない、室内の窓が曇る、温度調整ができない、乾燥している、こういう声が、この議会棟を使っている方からもよく声が寄せられています。
 そのたびにさまざまな改修工事が行われておりますが、最近でも、例えば、二十六日、今週の月曜日に開かれたオリンピック招致特別委員会ですね、私、その準備のために土日、この議会にいたのですが、南側の排水工事でトイレは使えないと。新宿の都庁舎を建設する際に、こんなにも短期間に次々さまざまな修繕をしなければならないことが想定されていたのか、改めて検証をしなければならないと思います。
 議事堂の姿は立派でも、室内では設備の更新を日常している。こういうことを都民のだれが一体想像したでしょうか。こうしたトラブルの発生に対応して、どのように議会棟の設備更新の改修を今後行っていくのか、伺います。

○山藤参事 今回の設備更新では、議場、委員会室を初めとしまして、議員控室など建物全般にわたりまして空調設備を中心に改修を行っていくこととしてございます。
 今、議員からご指摘ございましたように、改修がいろいろ行われていると。大体、建物、躯体というのですが、外側の方はなかなか頑丈につくられておりますけれども、設備機器については、これはどこの建物を見てもおおむね二十年あたりから改修が行われております。それは内部を見ないとなかなかわからないものでございまして、いろいろご不便はかけてございますけれども、これはどの建物でもおおむね共通した内容かと思います。
 そういうことで、この建物、先ほど申し上げましたように、築後間もなく二十年になると、そうしますと、そういう設備機器につきましても耐用年数の二十年を迎えようとしているところでございます。中でも空調機につきましては、累計の運転時間更新の目安となる六万時間を超えているものも多くございまして、最近では、指摘のとおり、修繕回数だとか、それから、故障の回数もふえてございます。
 また、先ほども、ご迷惑をかけているということですが、法令によりまして、執務室につきましては室内の温度だとか、または二酸化炭素濃度など基準を設けておりますが、この空調設備が故障いたしました場合は、この室内の環境を維持することが非常に困難となります。そうしますと業務に多大な支障を来すことが現実にもあるわけなので、これがもっと拡大しては困りますので、これらのことから、今回の更新の対象としまして空調設備等を選定しているところでございます。
 また、空調設備の更新を行う際には、天井を撤去する必要がございます。このため、照明器具やスプリンクラーなども、空調設備と同時に更新した方が、より効率的で合理的でございますので、これらも更新の対象といたす予定でございます。
 これらの全体の経費についてでございますけれども、第一本庁舎、第二本庁舎及び都議会議事堂の三棟合わせまして、現在は設計の段階でございますけれども、概算で、これは十カ年かけまして、毎年三十億から百億ぐらいになりますが、七百八十億円を見込んでございます。
 以上でございます。

○たぞえ委員 大変な大規模改修に、この議事堂がなるということであります。
 しかも、二十三年度までに基本設計、実施設計、そして契約準備を経て二十四年度から踏み出していくと。まさに直近にこういう大改修が行われるわけであります。
 今のお話を聞いていて一体どうなるのかなと思ったのは、例えば委員会室ですね、この委員会室等、それから、各会派の控室を順次閉鎖して、しかも現在の執務室を移転して行う、こういうことになりますと、ここで働く職員の皆さんにとっても、議会活動を行う我々議員にとっても多少の影響は避けられない事態になろうと思います。
 お話を聞きましたら、一階の二つのレストランも順次閉鎖していくということでありますので、世紀の大改修ということになります。こうした大規模改修に当たって、財務局としては、議会局としてはどういう調整をこれから図っていくのでしょうか。

○山藤参事 この都庁舎の設備更新を円滑に進めていくためには、全庁的に連携した設備更新を推進していくために、都庁舎の設備更新等推進会議というものを立ち上げまして、各局と連携して、情報を密にしながら円滑に進めていく予定でございまして、この推進会議については、下部組織としましてそれぞれの建物ごとに作業部会を設置しております。都議会議事堂につきましても作業部会を開催したところでございます。

○たぞえ委員 それでは、もう少し詳しく伺いますが、現在の都議会議事堂の維持管理ですけれども、二十一年度の委託契約が幾つあって、どのような業務を仕分けしているのか、また、それに伴う委託契約金はどういう推移になっているのでしょうか。

○山藤参事 都議会議事堂につきましては、改めて申し上げるまでもなく、議場を初め委員会室、図書館など、議会活動を支える重要な施設や機能を有しているところでございます。このため、建物の安全を初めとしまして、各設備の機能保持とともに衛生的なシステム環境を維持するために、建物の総合施設設備管理業務委託を初めとしまして、二十一年度については十一件の建物維持管理に係る契約を締結してございます。この二十一年度における契約金額の総計につきましては、二億一千七百七十八万余円でございます。

○たぞえ委員 エレベーターや空調施設管理業務、それから、小さいかもしれませんが、議員の登庁ランプなど、一つの建物の維持に大変なお金を使わなければならない。これが、この資料に出てきますように、五年間で十億円を超えるとなると、まさにこれから一つ一つを精査して、効果的な経費に努力していくことは避けられないと思います。
 そこで、議事堂の清掃委託ですけれども、十七年度はどのような契約者で、契約金額はどうだったのでしょうか。

○山藤参事 平成十七年度の都議会議事堂の建物清掃委託契約の相手方につきましては、東京ビルシステム株式会社でございまして、その契約金額は四千六十三万五千円となってございます。

○たぞえ委員 では、二十一年度での契約者と契約金額はどういう実績でしょうか。

○山藤参事 平成二十一年度の都議会議事堂の建物清掃委託契約の相手方は株式会社ワールドクリンアップでございます。その契約金額は二千八百六十六万五千円となってございます。

○たぞえ委員 契約に当たって、日常清掃や閉庁日の清掃、または定期清掃、照明器具の清掃など、いろいろな内容の委託が行われています。清掃委託の業務範囲、作業内容を定めた仕様書で清掃の事項が相手側に示されるのが契約の基本だというふうに聞いておりますが、十七年度と二十一年度では仕様書の内容に違いがあったんでしょうか。

○山藤参事 都議会議事堂の建物清掃の委託につきましては、大変細かな内容で申しわけございませんが、例えば平成十八年度から十八カ所のくず入れのごみ処理が、平成十九年度からはトイレに洗浄便座を設置してありますことから、この洗浄ノズルの清掃などが増加しておりますが、基本的に平成十七年度の仕様と平成二十一年度との仕様を比べまして、その内容に大きな変化はございません。

○たぞえ委員 今いわれたように、十七年度以降、現在まで清掃の委託内容に違いはないと。十七年度に比べても一千万円も金額が下がったということは、企業にとっては一番に調整弁というのは、やはり私は人件費しか考えられないと思います。財務局として、十八年度の契約に当たっての予定価格はどう示しているのでしょうか。

○山藤参事 庁舎の清掃委託の契約の積算に当たりましては、都庁舎の清掃において採用している賃金労務単価、国から出される労務単価を初めとした、さまざまな積算単価に基づき都の維持保全業務積算単価表、それから、基本的にはその中の清掃費の単価、そして、そのような中--清掃費の単価だとか、またはランク別に従事している作業員の割合等を勘案いたしまして、労務単価を算定をいたしまして、それらを総合的に積算の単価に歩掛かりを乗ずることによって契約目的を算出してございます。

○たぞえ委員 予定価格は幾らだか、今いわなかったわけですね。
 じゃあ落札率はどうだったですか。

○山藤参事 委託契約につきましては、予定価格、それからその後の落札率も公表はしてございません。

○たぞえ委員 じゃあせめて答えてほしいのですけれども、十八年度の第一回の入札金額の上位五位はどういう金額で示してきたのでしょうか。

○山藤参事 都議会議事堂建物清掃委託につきましては、平成十八年三月十五日に開札されておりまして、その入札結果調書によりますと、入札の第一回でございまして、その上位五社の入札金額でございますが、一番札は二千八百五十一万二千円、二番札は三千三百三十万円、三番札は四千四百七十八万円、四番札は四千六百五十万円、五番札は四千八百万円となってございます。

○たぞえ委員 今いわれた一位と二位の額の差は四百七十九万円で、実に二五%の差がついている。一位と三位の差は千六百二十七万円で、六三%も一位の会社より高い額を出しているわけです。
 こんなにも入札者の間で落札金額に差が出れば、落札者は、仕様書どおりに業務が遂行できるのかどうか、一般の都民から疑問が出ても仕方がないんじゃないでしょうか。
 私、事前にお話を聞いて大変びっくりしておりますが、この議事堂の清掃の入札に十社落札希望があったようでありますが、十番目の企業ですと八千二百万円なんです。決まったのが二千八百万です。これだけ大きい額を出してくるということは、それほど、今、清掃事業の業務が非常に獲得するのが大変だと、それにしても八千二百万円の札を出してくるということ自身、大変な疑問を持つ次第です。
 したがって、提示された委託契約の数値が大きく下回っているということについて、品質を確保する面から契約の執行が適切にされたのかどうか、仕様書に基づきどうそれを考えていらっしゃるのでしょうか。

○山藤参事 都では、清掃委託業務が契約に定める仕様どおり適切に施行されることを確保するために、受託者が日々提出します日報等を点検するほか、職員が適宜巡回するなど、仕様に定められた作業が確実に行われるよう指導、確認をしてございます。
 一方、受託側におきましても、契約に定められた仕様に従って誠実な履行に努めてございまして、委託業務における品質の確保が図られていると考えてございます。

○たぞえ委員 何でも安ければよいというわけではないわけですが、施設の品質がきちんと維持され、もちろん働く人々の労働環境も維持していく、その推進が、私は都政の役割だと感じています。
 きょうも委員会の前に清掃している方にちょっとお話聞いたら、いい環境で働かせてもらっているというようにおっしゃっておりまして、私たちの身近な場所での清掃に、本当に感謝を申し上げたいと思うのですね。
 しかし、そういう人々が生活できる労賃、また、労働環境等、こういうものをぜひその仕様書には反映されるように努めていただきたいと思っています。
 幾つか聞いてきましたが、私は都庁舎など貴重な施設を維持しながら保全していくことは非常に大事だと思うんですが、その上で都の所有している建物には、不動産登記がされているものとされていないものがあると聞きますけれども、なぜこのような扱いになっているのでしょうか。

○松本財産運用部長 官公署の建物につきましては、旧不動産登記法の昭和三十五年改正附則第五条第一項の規定により、表示に関する登記の申請義務が当分の間は適用しないこととされ、この措置は平成十六年に全面改正された現行の不動産登記法の附則第九条でも承継されております。
 このため都といたしましては、都の建物の多くが登記をされている都の土地の上に立地していることもあり、建物につきましては原則として登記をしてございません。一方、都と区がおのおの区分所有する総合庁舎や借地権の建物等について、権利保全の必要がある場合には登記をしてございます。
 こうしたことから、都の建物について、登記しているものと、していないものがあるということでございます。
 なお、例外的に建物を登記する場合には、当該財産を所管する局において職員が直接登記申請を行っております。

○たぞえ委員 今の答えを私なりに考えてみますと、この都庁舎を含めて、都の施設の土地は登記がされている、しかし不動産は登記されていない、端的にいえばそういうことだと思うのです。
 都の施設である都営住宅の建てかえに当たって取り壊す場合でも、初めから不動産登記がないわけですから、また新設する場合でも、都有地につくるものであれば登記はしない、こういうことになるわけですね。
 固定資産税の課税の対象にならない都の施設では、法律で定められているから登記は必要でない、これはなかなか都民感覚からいくと、はいと答えが出てこないことなのです。各都民の自宅は土地も建物も登記される、しかし、課税されない都有地に建つ建物には登記はされてなくていい、どう考えても、これは納得がすぐにできるものではありません。仮に、課税されなくても、資産として、私は登記するのが普通ではないかというふうに考えています。
 先日、会計検査院が、全国の農林水産省の地方農政局が借地に新築した庁舎などの建物の不動産登記をしていなかったことについて、国有財産の管理が適切でないということで改善を求めました。私も改めて教育庁に、都立高校の建物登記が行われているかどうか確認しましたら、されてないということですね、都有地の上は。ただし、民地の上に建っているグラウンドですとか、地下の配水管だとか、この民地の部分は、これは登記対象になるけれども、建物がなければ、これはしなくてもいい、そういう点でも非常に複雑な制度である一方、課税がないということの根拠から不動産登記がされていないということがありますので、これについても今後、そういう登記がされていないようなことがないように対応をしっかりしていただきたいというように思います。
 以上です。

○福士委員 それでは、私からは、随意契約の運用についてお伺いをいたします。
 余り一般的な話だとわかりにくいということもありますし、一つの会社をもとに、今問題になっている会社をもとに話を進めさせていただきたいと思います。
 決算特別委員会の第一分科会でしたか、五輪関係の電通に偏った随意契約が問題になっていました。一般競争入札と随意契約については、私は行政側の身勝手な自己主張と保身のために契約形態を使い分けることがあってはならないというふうに考えています。
 今回、公共工事に関する入札の話もございましたが、税の支出先という意味での公平性の観点とともに、人々の生活側からの観点に立って、現場で働く人々、それから都に税金を払う人々の生活を考えて契約制度も行うべきであると思って質問をいたします。
 「都政新報」でも報道されておりましたけれども、私の住む杉並区役所の業務委託において、株式会社東宝クリーンサービスという会社、ここから賃金未払いという事態が発生をいたしました。区議の方々の調査とかあるいは九月区議会の質問等において全容が徐々に明らかになりまして、全国では千名以上の方々の賃金未払いと、その総額は二億円以上に上るといわれる大きな事件であることがわかりました。この会社自体の問題点については後で述べます。
 きょうは、まず最初に指摘したいのは、倒産に伴う随意契約の措置と、それから年度途中に突然に実施された入札のあり方というものについてお伺いしておきたいと思います。
 都外の企業を含む協同組合形式で受注していた清瀬の小児病院へ行ってまいりました。清掃、電話交換、設備など複数の職場において数カ月の賃金未払いという驚くべき事態が判明しました。そして倒産に伴い数カ月の賃金遅配、未払いが発生したということです。
 こうした事態にあってもなお誠実に東京都の仕事を行い、また、行政運営の一環を支えてきた従業者の不安を都が知りませんでしたといっておしまいにするわけにはいかないと私は思います。このようなことがないように手を打つ必要があると思っております。
 そこで私が伺った限り、清瀬小児病院も、事業者としてというよりも、清瀬小児病院側も突然のことに大変驚いて、次の仕事なりを、清掃事業や電話交換にしても、あるいは設備の点検などにしても、一日も休むわけにいかないわけですから、大変ご苦労されたようですが、平成二十一年度の清瀬小児病院の建物管理委託の契約状況についてお伺いをいたします。

○藤原経理部長 平成二十一年度の清瀬小児病院における建物管理委託の契約状況についてでございますが、財務局におきまして希望制指名競争入札を実施いたしまして、協同組合エフ・エム・コープと平成二十一年四月一日に契約を締結したところでございます。その後、平成二十一年八月二十五日付で、協同組合エフ・エム・コープから、経営状態悪化を理由に契約解除願が提出され、同日付で契約解除を行ったところでございます。このため、直ちに事業者決定に向け事務手続に入り、十月七日入札、十一月一日履行開始と決定をいたしました。
 なお、建物管理委託は、日々の履行業務でございますので、建物管理に空白期間を設けないために、緊急対応として、十月末日までの期間、前年度の実績者である全協ビル管理連合協同組合と随意契約を締結したところでございます。その後十月七日、財務局におきまして、希望制指名競争入札を実施して、東京ビルメンテナンス協同組合が落札し、十一月一日から平成二十二年二月二十八日まで履行期間として契約を締結いたしました。

○福士委員 清瀬小児病院の契約変更については、財務局のご指導があったようですが、十月に二度目の入札を行った財務局の根拠というのは、どういうものによるのでしょうか。

○藤原経理部長 入札を行った根拠でございますが、地方自治法第二百三十四条によりまして、契約は競争入札が原則でございます。建物管理委託につきましては、毎年度競争入札によって委託業者を決定してございます。こうしたことから、年度途中に事業者を変更する場合におきましても、原則に基づいて入札を行ったものでございます。

○福士委員 これは、あと四カ月しかないと見るのか、まだ四カ月もあるから入札でいいよと見るのか、そこの辺にも違いが出てくるのかと思うんですけれども、こういう場合、随意契約ではどのような問題が生じるのでしょうか、そこを伺っておきたいと思います。
 例えば、八月に特命随意契約をしていた業者に、そのまま引き続き二月二十八日まで担わせるということで、何か大きな問題となることがあるというふうに判断をされたのかどうか。

○藤原経理部長 今回の清瀬小児病院における随意契約は、地方自治施行令百六十七の二第一項第五号の緊急の必要性により競争入札に付することができないというものに該当して、全協ビル管理連合協同組合と正規の手続によって、新たな事業者と契約締結できるまでの期間、随意契約を締結したものでございます。
 先ほどもご説明いたしましたように、新たな事業者を決定するために、契約辞退のあったまず八月の段階で、十月の七日の入札が決まっていたという状況でございますので、必要期間以上、特定の相手方と随意契約を継続することは困難であるというものでございます。

○福士委員 八月の二十六日の東宝クリーンサービスからの申し出も、非常に急激な契約打ち切りということになりますよね、現場の苦労とか下請業者の皆さんの不安はどうお考えになったのか、それも含めてお伺いしたいと思いますが、このように細切れにして入札を行って、年度途中に前の会社の従業員の仕事を奪う形というのは、いわゆるワーキングプアを生み出す、こういうことは、行政が進めていいのかなというのが私の大きな疑問です。
 特に、これからも延々とまた引き継ぐような会社であればともかくとして、二月の二十八日で、この小児病院は、私たちが望むと望まないに限らずおしまいになっていきます。それまでも引き継ぐことができないというほど入札というのと随意契約の違いというのは、はっきりしているものなのでしょうか。一定というのは、例えば次の入札をするまでの準備期間というふうに考えるだけでしかないのか、あるいは、もうすぐおしまいになる事業であるから、その二月の末日まで、本来だったらそこまで働くべき人々が、途中で仕事がなくなることのないように、そこまでは引き継ぎましょうよということはできないのかどうか、その辺のところもお伺いしておきます。

○藤原経理部長 先ほど来申し上げましたが、十月に入って入札を行ったわけでございますが、建物管理委託契約というのは、基本的に競争入札が原則でございます。また、加えまして、無期の委託契約というのはございません。必ず委託契約というのは有期間、期間を定めた契約でございます。
 先ほど申し上げましたように、今回の随意契約というのは、本当に次の事業者が決まるまでに、緊急の対応として、清掃管理、建物管理に空白期間を生じさせないために随意契約を行ったものだということをご理解をいただきたいと思います。なお、委託事業者と労働者の雇用につきましては、あくまでも労使間で決めるものでございまして、発注者が関与できるものではございません。

○福士委員 そうなんですよね、形式上は。というか考え方としてはおっしゃる意味はわかります。でも先ほど公共事業工事に関する入札契約制度改革でも、継続性が求められるものは複数年の契約をするということで考えられている、というご報告がございました。これはもう業務委託と違ってもっと大きな工事の話になりますから、そういう技術力とかそういうものもあるんだろうとは思いますが、ただし、清掃事業であれ機械の設備の点検であれ、やはり業務委託であっても、技術の継続性というのは、私はあるんだろうというふうに思っております。そしてその経験が生きるようにするために、この程度の延長というのがどれだけ問題になるのかなっていうのが、お話伺ってもちょっとよくわからないところであります。
 多分これは伺っても同じお答えが返ってくるのでしょうから、何回もは申しませんけれども、入札制度だったらいいよねという話は、必ずしもそれだけでは当てはまらない。冒頭申し上げましたように、オリンピックに関してだったら何十億というものを随意契約でやったりするわけですよ。そうしたら、こういうときには随意契約でもできるんじゃないのかなと。これが財務局マターではなくなって指定管理者さんの方だと、首都大東京なんかは、残りの部分とその次の一年、それは業者側の問題も含めてそんな半端な事業じゃ受けられないということもあったようですが、続けてずっとやっていらっしゃったりするんですよね。財務局だけが非常に細かく細かくきちんとその入札制度にこだわらなきゃいけない理由というのが、私は今でもよくわかりません。
 それはさておいて、お答えは同じだと思いますので、次の質問に入りますけれども、その東宝クリーンサービスの問題点について少し伺っていきたいと思います。
 実質的に協同組合方式の一業者で、倒産に至った株式会社東宝クリーンサービスとの契約について、過去五年間にさかのぼって、どのくらいの実績で行われていたのか伺います。

○藤原経理部長 契約の実績でございますが、平成十七年度に、財務局契約で、東京都児童館五階図書のひろば運営委託で、契約金額が一千百四十四万五千円でございました。また平成二十年度に、交通局契約で品川自動車営業所外二十カ所の清掃業務委託、これが三千九百九十万円でございました。また、平成二十一年度に、交通局契約で、品川自動車営業所外二十カ所の清掃業務委託三千九百八十四万七千五百円で契約を締結いたしましたが、清瀬小児病院とほぼ同時期に経営状態悪化を理由に契約解除願が提出されたために契約を解除してございます。

○福士委員 この株式会社東宝クリーンサービスは、東京都の入札や契約で、過去に何らかの問題を起こしたことはなかったのかどうか。それから、起こしたとしたらどのような措置をとられたのか、いかなるペナルティーが科せられたのか、あるいは指名停止期間とか、入札に参加できない方法とか、その辺のところもちょっと教えていただきたいと思います。

○藤原経理部長 過去にあった問題とそれに伴う措置についてでございますが、平成十二年度に警備業法違反で十九日間の営業停止によりまして、東京都競争入札参加有資格者指名停止等措置要綱別表四の三に該当いたしまして一カ月の指名停止の措置を講じております。
 また平成十九年度には、中央卸売市場発注の案件におきまして、落札後、警備員の確保困難を理由に契約辞退をしたために、東京都競争入札参加有資格者指名停止等取扱要綱別表七の不誠実な行為に該当し、六カ月の指名停止の措置を講じてございます。
 また、先ほどお話ししました平成二十一年度の交通局契約におきましては、地方自治施行令第百六十七条の四第二項第五号の正当な理由がなくて履行しなかったものとして、二年間の入札参加禁止の措置を講じております。

○福士委員 結構何度か問題を起こされているわけですね。私が確認した限りでは、中央卸売市場でも、十八年度の三月三十一日に辞退を突然申し出られて四月一日からじゃどうすると、やらなきゃいけないようなことがありまして、これも警備ですから、業務がそのまま滞るわけにもいかない、非常にあたふたされたというふうに伺いました。
 その他にも、先ほど申し上げたように、首都大東京でも同じような問題が起きて、やはりそれぞれ解決をされているわけですが、こうやって次々いろいろな問題点が起こるたびに、都として、ほかの自治体、例えば先ほど申し上げたように、あちこちの区で同じことが起きているわけです。そういうところに情報提供などの発信をすることができないのかどうか。そういうものはどういうふうにあるべきだというふうにお考えになっておられるのかお伺いしたいと思います。

○藤原経理部長 入札契約制度におきましては、必要な情報を、適切かつ的確に公表していくべきものであるというふうに考えてございます。
 こうしたことから官公署による起訴や行政処分などによる指名停止の情報につきましては、ホームページで速やかに公表をしているところでございます。
 なお、契約不履行による契約解除につきましては、こうしたものとは異なりまして、個々の契約における発注者と受託者間の問題でございまして、個々の契約ごとに契約不履行についてもさまざまな原因が考えられまして、ある契約の履行が困難となった場合であっても、他の契約については履行の可能な場合もございます。そうした場合、契約を解除する必要性がない場合もございますので、こうしたことから公表を行ってございません。

○福士委員 確かに、何でもかんでも公表すればいいというわけにはいかないことはあろうと思います。とりあえずとしては、大きな問題についてはホームページで公表しているというお話でございましたので、でもそれだけでいいのかなというふうに思うんですけれどもね。
 例えば、十八年度末で落札辞退をされた中央卸売市場のような問題、そして十九年度の始めに、もうあたふたあたふたしながら、たった一日でまた契約を変えなければいけない。こういうことはすごい大変だったと思いますよ。新規にもまた契約する際の確認というのをするためにも、内部情報ということも、それはやれば問題になるんでしょうか、大きくホームページでやるということは、もう本当にこういう問題がありましたというか、こういう契約違反がありました、それからこの問題がありましたっていうことがはっきりしているものに関してそうですが、身近な形で、同じ東京都内の中でもあちこちで問題が起きるっていうのは、それは防げないもんでしょうかね。
 それと、続けてお伺いしますけれども、今回の契約不履行の後もまだ契約を続けている案件というのはあるのかどうかだけ重ねてお伺いしておきます。

○藤原経理部長 当該企業との現在の契約状況でございますが、調べたところ、現在、都と契約を継続しているものはございません。

○福士委員 私の調査ではまだ二十三区は契約が残っているようです。この会社というのは、非常に、国も都も、それから区市町村というようなところにたくさんの契約をとっておられるようですが、ですから被害があるときにはあちこちあちこちに飛んじゃっているんですよね。日本全国に飛んでしまっている。こうした中で、九月末に会社は倒産申請に入って、九月三十日で全従業員の方々を解雇いたしました。私の調べたところでは、九月三十日以降契約を急遽変更のやむなきに至ったところがほとんどでした。
 今回問題となった会社は、資本金も五千万円だったと思います。結構大きな会社なんですよね。そういう中で、数十億の年間売り上げを上げていながら、区や、それから都のさまざまな職場で賃金未払いを起こして、九月末に倒産っていう形をとってしまって、従業員の皆さんは二、三カ月の賃金をもらえないまま年末を迎えることになっています。こういう状況に至ったことに対して、各区の模範となるべき東京都が全く責任はないよといっていいのかなと、そこのところは私は疑問に思っております。
 各区の模範となるべき東京都ですから、従業員の方々の問題も考えながら、入札あるいはさまざまな契約を行っていくんだろうというふうに私は考えておりましたので、そこは、何となく釈然としない気持ちでおります。
 従業員の方々のお声もお聞きしましたけれども、何とか暮れまでには支払いを行ってほしいというせつないお声が上がっておりました。
 早い階段で、他の自治体や都の内部に何らかの情報提供あるいは問い合わせをしていれば、情報提供というまでもなく、あるいは問い合わせだけでもしていれば、この事例のような契約変更によって賃金不払いに陥った人の姿はもっと減ったのかもしれないなというふうに思うのですけれども、全国で千名を超す不払いには至らなかっただろうと、こういう、人々を泣かせる事態を防げたかもしれないというふうなのが一番私のひっかかるところです。こういう臨機応変な対応こそ、知事のいわれる危機管理体制ということにもつながるんじゃないかというふうに、私は思っているんですけれども、そこの辺はどうお考えになりますでしょうかね。

○藤原経理部長 臨機応変な危機管理対策というお話をいただきました。今回の清瀬小児病院の件について見てみますと、また契約の分野から見てみますと、最も重要なことは適正な履行を確保していく、履行の確保が困難な事態が生じた場合、そうした場合にも、都民の皆さんや利用者の皆さんに不便がかからないように、適正な契約手続を踏まえて素早く対応をとっていくということが、第一義的に契約のレベルで問われている危機管理対応だというふうに考えているところでございます。
 また、雇用者の皆さんのお話を再三されていますけれども、こうした問題については、基本的に、契約担当者として見た場合、受託者と労働者との関係については、容易に対応できるものではないということはご理解をいただきたいと思います。

○福士委員 民間委託は安くていいよっていう話で、これは美しい話なのかどうなのか私もよくわかりませんが、競争入札というのはどっちみち、先ほど来も出ておりましたが、安い賃金が通っていくわけで、どんなに負債を抱えていても、破産寸前でも、行政の中でより安く落札ができてしまうと、こういうことを都が行ってもいいのかなというのが非常に不思議だと思うのです。
 これによって泣くのは、官製ワーキングプアといわれる下請労働者の方たちで、一方で産業労働局では非正規労働者の雇用環境整備を推進しています。局が違えば下請労働者を泣かせる低価格の契約を行うということが、こういう矛盾が東京都という一つの組織の中で行われることがあっていいのかなと思うんですが、そこら辺はどうなんですかね。

○奥田契約調整担当部長 労働者が安心して働くことができる雇用環境や労働条件が適正に保障されることというのは、どのセクションの職員も重要なことと考えているのは当然でございます。しかしそれはあくまでも、法令上労働関係法令のもとで、労働関係施策の中で実現されるべきものとぜひご理解いただきたいと思っております。
 最低賃金法、労働基準法等違反していない限り、契約上の問題ということにはならないという現行法令上の制約がございます。望ましい労働条件の実現は、労働関係施策で解決すべき問題でございまして、現行法令の中では、そういった中で対応する何の矛盾するものでもございません。

○福士委員 確かに、法令上の矛盾はないと私も思います。しかし一方で、既にご存じと思いますけれども、野田市では公契約条例が制定されたということが、これもまた「都政新報」で--じゃなかったですかね、別のところで私この条例案をいただいたのかもしれません。条例が制定されました。
 また、今回の事件の後で、二十三区の中でも何カ所か契約している中の板橋区では、契約のあり方の変更をみずから行うというふうに議会でも答弁されていて、これは議事録を私は拝見いたしました。残念ながら、私の住んでいる杉並区の答弁は、民民のことだからといわれる、今おっしゃったのと多分同じような意味だというふうに思うんですが、それでも担当者の方に直接伺ったところでも、中間チェックの体制をとるというようなことを考えていこうとされているようです。まだ決まったわけでありませんから、そういうことも考えていこうと。何とかそういう、問題を解決しようというふうに努力をしていらっしゃる、そういうことがあるようです。
 都も区と同様に、現在の契約方式を改めるお考え、あるいは条例まで改正しなくても、何らかの対応をすれば何とかなるのかもしれないという部分も含めてですけれども、お考えがないのかどうかお伺いをしておきたいと思います。

○奥田契約調整担当部長 繰り返して恐縮でございますけれども、労働者の方が働きやすい雇用環境が整備され、個々の労働者の方に労働条件が適切に確保されていることは、大変重要なことと認識を持っているところでございます。
 しかしながら、労働者の労働条件は、繰り返して恐縮ですが、労働関係法令上、労使間で決定することになっておることでございまして、例えば契約において、労働条件をもとに業者を選定するということは適切ではございません。また、職業安定法という法律では、請負契約において、労働者の賃金水準や作業人数など、発注者が指定することは明確に禁止されてございます。
 なお、我が東京都の契約制度の中でも、労働関係法令上の違反が監督官公署の処分等により明確になった場合には、その内容に応じまして、指名停止や契約解除も含めたきちんとした対応をとることが可能でございます。

○福士委員 労働条件のもとに業者を選定することは不適切であるというようなお話でございましたけども、契約に関しては、現段階でも直ちに是正できることがあると思うんですね。賃金が支払われているかのチェック体制とか、あるいは契約した業者が労働法を含めて法を遵守しているかのチェックとか、あるいは雇用保険等にきちんと入っているかのチェックと、まず手始めにやれるんじゃないかなというふうに思いますが、その受注者の業務遂行能力を含めて、こうした法令遵守の徹底を図るべきではないかというふうに私は、もっともっとちゃんとやるべきだというふうに思うんですが、そのための細かな制度も必要だとは思いますけれども、区がやろうとしていることと、東京都はできないっていうことの落差みたいなのをちょっと感じるんですけれども。
 十月九日付の「都政新報」では、板橋区が、指定管理者に対するものですけれども、人件費を区側が提示して、業者側の財務状況や労働者の労働条件なども含めて点検するようにしたというふうな話が出ておりました。実際にどうなるのか私も見たわけでもありませんし、まだこれはできているわけでもなかったようでございますけれども、その記事の中では、さらに、評価ではその結果を公表するという記事になっておりました。この辺のところはどういうふうにとらえておいででしょうか。

○奥田契約調整担当部長 指定管理というふうになりますと、ちょっと私どもの契約の範疇外でございまして、お答えすることがかないません。申しわけありません。

○福士委員 業務形態とか契約形態が違ってくるので、指定管理者の方は非常に、もうちょっと自由だというところがあるんだろうというふうに思いますけれども、そのあり方について研究をしながら、財務局としても何らかの契約のあり方というのを考えてもいいんじゃないかなというふうに思います。
 今回の東宝クリーンサービスの事件で、東京都及び各区が行ってきた各現場での対処方法は、ほかの区市にも何にも発信することがなくて、多くの現場で混乱を生み出したというふうに私はとらえております。
 都は、この反省を踏まえる--反省なのか反省じゃないのかもわかりませんけれども、二度と、たった一日ぐらいで、本当にあたふたと契約を随意契約に変えたり、あるいは必死になって契約者を探したりというようなことをされておられるような状況がありますので、これはこれで都の方も、それなりの問題を突きつけられた形になっているわけですが、こういう事態が起きないように、根本的な契約の見直しを、やはりやるべきではないかというふうに私は思っております。少なくとも、業務の不透明さ、あるいは行政そのものがワーキングプアを生み続ける、労働条件の問題にまで踏み込むべきものではないというふうにお答え先ほどからありましたけれども、その原因を根本から変えなければ、いつでもこういう状況は、不況の時代になればなるほど起きてくるんじゃないのかなというふうに思いますけれども。
 二十三区のあちこちで何とか対策をとろうと考えられているのですから、東京都の職員の方々の力量をもってすれば、何らかの知恵は発揮できるのではないかなというふうに私は思っております。
 行政によるワーキングプア問題は、今、この都庁の中でも、非常勤の職員の方、あるいは臨時の職員の方、本当に大変な状況もいっぱい起きておりますけれども、ワーキングプア問題は、これから人口減少、そして高齢社会の中でますます社会問題として大変になってくるというふうに思いますので、ぜひしっかりお考えいただいて、未払い賃金に泣く人々、それは民民のことというふうに切って捨てることのないよう、申し入れておきたいと思います。
 少なくとも、公共事業に関する入札契約制度の改革では、さまざまなことをお考えになって、他局との連携もとりながら改正しようとしていらっしゃるわけですから、業務委託の面でも、発想は同じだろうというふうに私は思うんですけれども、不況の時代というのはいつまで続くのかわかりませんけれども、少なくとも行政関係の仕事で、賃金未払いなどというようなことは起きることのないように、これはお答えは結構ですので、要望をしておきたいというふうに思います。
 大分私早口でいっていますので、さっさと進んでいるようですが。東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金について続けてお伺いいたします。
 各会計決算の特別委員会の分科会の中でも、オリンピック・パラリンピック開催準備基金の取り扱いについて質問が出ておりましたね。今後どうするのか、短期目的基金の役割というのは、その目的がなくなった場合、その時点で終了するものかと思っていたんですが、それはどういうふうになるんでしょうか。

○長谷川主計部長 東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金の目的ということでございますけれども、オリンピック・パラリンピックに関連して実施される事業のうち、競技会場や選手村及びその周辺整備、また、オリンピック・パラリンピックにあわせて必要となるインフラ整備など、社会資本などの整備に要する資金に充当することを想定していたところでございます。これにつきましては、今の時点においても同様の考え方を持っております。

○福士委員 とりあえず、二〇一六年の五輪開催はなくなりました。この基金を設定するときに、たしか期限というものはついてなかったですよね。そういうことで、まだ次に手を挙げるかどうかのことも含めてペンディングというふうに考えていいんでしょうか。そしてまた現時点における基金の充当の考え方ですけれども、それはどういうふうになっていくんでしょうかね。

○長谷川主計部長 オリンピック・パラリンピックにつきましては、今後再度の立候補なども含めまして、さまざまな観点から論議が行われていくということになると考えます。これらを見定めつつ、都財政にとって貴重な財源であるこの基金の取り扱いについて、東京の将来や都民のために生かされるよう、適切に対応してまいります。現時点での目的につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、当初の目的と変わるところではございません。

○福士委員 期限はついておりませんでしたけれども、第二条には基金として積み立てる額は予算で定めるというふうになっていたと思います。そうしますと、二十二年度の予算はどんなような方針で臨むのか、二〇一六年の開催は不可能になった今、予算をゼロにする、あるいは基金条例を改正するという考えはおかしくなるんでしょうかね。それとも、今後手を挙げるか挙げないかが決まったらきちんとしますよという意味というふうにとらえてよろしいんでしょうか。

○長谷川主計部長 先ほど答弁したとおりということになってしまうのですけれども、オリンピック・パラリンピックにつきましては、今後再度の立候補なども含めまして、さまざまな観点から論議が行われていくことになると考えます。
 繰り返しになりますけれども、これらを見定めつつ、都財政にとって貴重な財源であるこの基金の取り扱いにつきまして、東京の将来や都民のために生かされるよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

○福士委員 もう一度確認させてもらいます。今アバウトないい方をしましたので、済みません。
 いつ決まるのかわかりませんけれども、それがわかるまでは、ずっと基金も積み立てていくという形になるのかどうかということも含めて、ご答弁いただきたかったわけです。

○長谷川主計部長 失礼いたしました。この基金につきましては、先ほどご答弁いたしましたような目的に照らしまして、四千億という形で積み上げてきておりまして、現時点でさらに積み増しをするという考え方はございません。ただその基金のあり方そのものにつきましては、先ほどご答弁したとおりでございます。

○福士委員 基金そのものは、私は余り、オリンピックという目的が余り好きではありませんけれども、それがなければ基金そのものを積んでおくというのは、お金があるときに積んでおくということは必要かなというふうに考えてはおります。
 ただ、オリンピックのお金は、ひっかかるのはオリンピックと名前がつけば幾らでもお金が出ていく感じがするんですね。
 先日、十月二十五日付の朝日新聞で報道されていたのは、二〇一六年東京開催失敗後に招致費で五輪行事という記事が出ておりました。二十四日に東京都の武蔵村山市で、五輪関連イベントとして七百万円を費やして行ったという事業のことであります。
 この費用はすべて都が負担して、招致の成否に関係なく、五輪のすばらしさを広めるためっていうふうに、今までもおっしゃっていたと思うんですけれどもね。市民感情から見ても、一六年がなくなったのに、一六年の日程期限を過ぎてもお金を出していくということはいかがなものかなというふうに思いましたし、各地域でイベントをやるというのは、一千万円が上限だというふうになっておりました。しかし、江東区ではたしか二千万円というふうにお金が使われていたというふうに私のいただいた資料ではなっておりました。
 それはほかの地域で使っていない分がまだあったのでということもあるとは思いますが、オリンピック・パラリンピックに関しては、割と裁量が広い。何というのですかね、普通はこの枠の中でというのがあるにもかかわらず、期限についてもそうですし、それから金額についてもそうですし、割と裁量が広いということ。それから地域に関していえば、逆にいうと普通のスポーツ振興でお金をいただきたいと思っても、企業名がついているものはだめだったりとかいろんな問題が、制約があって結構使いにくい問題もあるみたいなんですね。オリンピック・パラリンピックという名前さえつければ、そしてそれに見合ったイベントだったら、何でもお金が出るよっていうのもいかがなものかなというふうに思ってまいりました。
 このことについては、今後もこういう形でお金が出ていくのかどうか、決まるまでは幾らでもお金が出ていくのかどうか、どこがこの裁量権を持っているのかっていうことは、招致本部というふうに考えてよろしいんでしょうか。

○長谷川主計部長 これ各局の事業の予算にかかわるご質問になるかと思いますので、この場で具体的にご答弁申し上げるのは適切ではないというふうに考えますけれども、各局の予算は、その局の事業目的に沿って計上されておりまして、その目的に沿って適切に執行されているというふうに考えておりますし、今後もそのようにされていくというふうに考えております。

○中谷委員 私からは、事務事業評価と複数年度予算についてお伺いをいたします。
 世界的な経済不況は、都政にも大きく影響を及ぼし、〇九年度の都税収入は前年度比で七千五百億円の減収となっております。この先を見ても、税収の伸びを期待するには、現時点では大変厳しい経済状況にあります。
 都財政においては、比較的余裕のある時期に基金を積み、年度末の不用額の組みかえなどでやりくりをしてきたとはいえ、この財政状況下であれば、今まではできた事業でも、今後は見直すべきものが相当数あるものと思われます。税金のむだ遣いをなくすための手法の一つとして、使い切り予算の見直しとともに、あらゆる事務事業の優先順位の見直しが必要であると認識をしておりますが、必要な行政サービスを確実に実施し、東京がこれからも継続的に発展するために、効率的でむだがなく実効性の高い施策の構築が望まれるところであります。
 事務事業評価は、平成十九年度は三十四事業にとどまっておりましたが、平成二十年度の事務事業評価の結果によると、公表対象は百二十六事業となりました。公表対象の事業数がふえたことを評価するだけではなく、評価をした事業の中身が重要であると考えますが、そもそもこの公表対象に当たっての基準はどこにあるのかをお伺いをいたします。

○長谷川主計部長 事務事業評価の結果の公表についてでございますけれども、この公表はそれぞれの事業について、決算の分析を含めた事後検証をしっかりと行った上で、その結果を次の予算に的確に反映させるというマネジメントサイクルの一環でございまして、またそれを都民にわかりやすく説明することからも重要と考えております。
 そうした視点から、東京都では、事務事業評価における各局の評価及び財務局による最終的な評価につきまして、予算案の概要の冊子でありますとか、あるいはホームページで公表しているところでございます。
 何を公表事業とするかということでございますけれども、行政需要の高まりなどを受けて事業の拡大充実をするもの、あるいは類似事業を集約したり民間の手法を採用するなど事業の見直し再構築を図るもの、公会計の手法を活用するなど新たな分析を加えたものなど、評価に当たっての考え方や分析手法などを具体的に明らかにすることで、分析手法等の共有化が図られ、各局の問題意識が高まり、効果的な事業実施に向けた取り組みの一層の推進に資するような事業を中心に、財務局と各局との間で調整し具体的な公表事業を定めているところでございます。

○中谷委員 類似の事業の集約は、間違いなくむだ遣いの削減につながると考えます。ただし、今の公表事業だけでは、類似事業の集約がまだまだ不十分であります。
 公表対象をふやすことは、それだけで説明責任を果たすことにつながり、また評価結果は次の予算編成にしっかりと反映されていると思いますが、以前は知事本局が行政評価をしておりましたけれども、どのような理由で、現在の形、平成十八年以降でありますけれども、つまりは、評価をする側と予算措置をする側が同じ財務局になったのかをご説明をいただきたいと思います。

○長谷川主計部長 事務事業評価でございますけれども、各局と財務局が連携して実施してございます。初めに事業を所管する各局がみずから評価を行いまして、その上で、財務局が全庁的な視点から評価を行っております。
 こうした取り組みによりまして、それぞれの事業についてきめ細かい事後検証を行って、その評価結果を次の予算に的確に反映させるというマネジメントサイクルをしっかりと確立するよう努めているところでございます。
 財務局が、お話があったように、評価制度を所管することになりましたのは、事務事業評価を予算編成と一体的に実施するということで、過年度の決算分析を一層充実させ、それを課題の整理へとつなげて、そしてその結果を翌年度予算へ確実に反映することを可能とするためのものでございまして、マネジメントサイクルがこれまで以上に効果的に機能することを目指したものでございます。

○中谷委員 過年度の決算分析を充実させるということであれば、例えばですが、港湾局の港湾費というものを、過去五年間、予算の執行率を追ってみましたときに、実は八〇%で五年間の執行率が続いておりました。これも一年、二年ではなくて数年間、五年ぐらいを目安に推移を見て、当然低い執行率が続く事業については、予算額の見直しを検討すべきだと考えます。時節柄、低入札による落札差金であるとか、国の補助金がつかない事業未執行だったケースなどは考慮しながら、事後検証を丁寧に行う必要があると思います。
 東京都全体で取り扱う事務事業は膨大であります。複数の局を横断してというか、またがって扱う関連する事務事業もいろいろと存在するはずでありますが、各局の取り組みがそれぞれに必要なことはわかりますけれども、効率的、効果的な事業を行うために、局の枠を超えて幅広い視点で、検証や見直しを進めることも一方で不可欠であると思います。
 しかし、まだまだ現状では十分でないと思われる事例があります。例えば、建設局で扱う河川のしゅんせつ事業と、環境局で扱うバイオマス事業などは、互いに連携のとれる事業であると推察しますし、都市整備局と建設局でも、探せばまだまだほかにマッチングする事業があることと思います。
 本来であれば、各局がこうした意識をしっかり持ち、局相互で議論することが必要でありますが、現状ではなかなかそれを促す仕組みがありません。そこで、予算を取りまとめる財務局として、予算の編成や事務事業評価のプロセスにおいて、局の枠を超えた事業の検証という点においては、どのように考えているかをお伺いをいたします。

○長谷川主計部長 予算編成や事務事業評価に当たりまして、事業のあり方やその実施体制について、専門性を有する所管局がきちんと検証を行うということが基本でございますけれども、より一層効率的で実効性の高い施策を構築するという上で、より幅の広い局の枠を超えた視点から検証するということも重要と考えます。
 このため、まずは事業を所管する各局が、局間の連携なども視野に入れるなど、問題意識を持って取り組むこととしておりまして、あわせて、必要に応じて、例えば、カーボンマイナス十年プロジェクトでありますとか、あるいは緑の十年プロジェクトといったような、局間で連携することによって、幅広くさらに効果的な事業が実施できるというものにつきましては、複数局による施策の検討などを弾力的に行っているというところでございます。
 その上で、予算編成や事務事業評価の過程で財務局が全庁的な視点のもとで、さまざまな角度からさらに分析を加え、しっかりと検証を行うこととしておりまして、今後とも、こうした視点も含めた幅広い観点から、より効率的で効果的な事業の実施が可能となるよう努めてまいります。

○中谷委員 財務局としての取り組みはわかりました。今の都の事務事業数からすると、各局の意識を高めるという、それだけでは私は限界があると思います。新たな仕組みをつくる必要があると思います。そのためには、各局の情報の共有化を推進するための具体的な提案といいますか、私の持論でありますけれども、事務事業評価の取り組みを進め、公表内容を充実させることは、各局連携を強化するためにも当然必要であると思います。
 しかしながら、そもそも公表対象事業数は、都全体の事業数から見ればまだまだ少なく、それだけでは限界があります。むしろ今各局の事業の、その内容と目的、予算額などを説明する資料を、同一の規格で作成をし、公表するとともに、他局へ関連すると思われる事業については、その旨を記入する。つまりは、例えばA4判の紙で、場所はどこか特定をして、連携する局の名前を具体的に書く、その記入したシートをスキャニングすることによってサーバーにため込んで、それをマッチングすることが、実はこれもう物理的に可能になっておりまして、民間ではやっている会社がございます。つまりはすべての事務事業をスキャニングして、ため込んで、いわゆる事務事業の図書館みたいなものをつくると。その図書館の中で、各局同士が連携のとれる事業については、人の作業ではなくて、そのスキャニングを通して重複する事業を発見していくということが、機械的にはもう十分可能になっておりますので、ぜひご一考していただければと要望して、次の質問に移ります。
 国においては、民主党による政権交代がなされました。今まさに現在進行形の数々の改革の中でも特に注目されるものの一つは、実質的な複数年度予算の導入の検討であります。
 先日、国家戦略室がまとめた資料によれば、国が平成二十三年度から導入を検討している複数年度予算とは、複数年度、これはおおむね三年間の計画、すなわち中期財政フレームを策定し、この中で、三年間の歳入の見込み、各分野の歳出の骨格、歳出削減策を明らかにするものであります。
 各年度予算編成は、このフレームと各年の歳入の見積もりに従って行われるため、現行憲法ともすり合わせができており、単年度予算原則の枠組みの中で導入できる仕組みであります。またあわせて、現行の予算の繰越制度の見直しなども検討項目に含まれております。
 この見直しの目的は、中長期的な視野に立った規律ある財政運営を行うこと。そして、単年度予算の限界ともいえる年度末予算の使い切りを排除することでありますが、そこで、むだな予算執行の温床や予算の弾力的な執行にも、まだまだ制約がある単年度予算原則が抱える問題を緩和するための制度や都の取り組みについてはいかがでしょうか、お伺いをいたします。

○長谷川主計部長 地方自治体における単年度予算の原則につきましては、地方自治法に定められておりまして、予算は一会計年度内における収入支出の計画であってその年度内に執行すべきものとされているところでございますけれども、こうした原則を例外的に緩和する制度といたしましては、繰越明許費や事故繰越、債務負担行為などが設けられてございます。
 繰越明許費や事故繰越は、事業の性質上または事故などのやむを得ない事情で執行がおくれ、事業の完了を翌年度に延期しなければならない場合に対応するための制度でございまして、都においても、例えば、道路や橋梁の整備などについて、予算を有効に用いて、翌会計年度においてもできる限り早期に事業効果を発現するという観点から必要に応じて有効に活用しております。
 また、債務負担行為は、翌年度以降に行うことができる債務負担の限度額をあらかじめ期間を限って定めておく制度でございまして、これによって複数年度における契約が可能となるなど、必ずしも単年度の予算のみでは完了しない事業について適切に、的確に執行することが可能となります。
 東京都におきましては、こうした制度を活用することで、単年度予算では対応が困難な事業を効率的に実施するように努めておりますほか、ただいまお話がありました単年度予算の影響といわれるそのむだな予算執行というようなお話もございましたけれども、予算の執行段階におきましても、制度や事務事業の根本に立ち返りまして、例えば、印刷物の配布先、あるいは発行部数の精査など、あらゆる創意工夫によって常に経費の節減を図り、効率的な執行に努めているところでございます。
 一例として、昨年度は、年度後半からの景気後退の影響で、法人二税を初めとした都税の大幅な減収に見舞われたところでございますけれども、歳入歳出の両面にわたり可能な限りの精査を行いまして、補正予算において行政水準を維持するための財源を確保したというところでございます。

○中谷委員 単年度予算という仕組みである以上、絶えず現場レベルでは、その危険性をはらんでおります。引き続き、予算の執行においても、計上された事業を確実に実施するのは当然のことでありますが、その過程でも最大限の工夫により、むだの排除を徹底して行い、効率的な予算執行を図ることが必要であると思います。そのために、財務局によるチェック機能を高める仕組みを構築し、事務事業の見きわめの強化が求められております。
 今のご答弁の中で、例えば、本日配布された資料であるとか、日常のさまざまな配布物の中でも、まだまだ印刷物、配布先、発行部数の精査とありましたが、もっともっとペーパーレス化を図れるものがあると思いますので、細かいことでありますけれども、大事な取り組みであり、常に経費の節減の意識を持つように努めていただきたいと思います。
 次に、複数年度を視野に入れた予算編成でありますが、単年度予算のもとでは、毎年毎年の予算編成に頭を痛め、どうしても単年度の収支や、帳じり合わせを目的化しやすいと思います。そのために、税収がふえれば歳出もふやし、また税収減になれば、安易にとはいいませんが、借金に頼ったりするなど、本質的な財政規律という面では弱い仕組みでございます。
 国が検討している複数年度予算の視点は、都の財政運営においても参考にするところがあると思いますが、都もこれまで中長期的な視点を踏まえ、予算の編成を行ってきたと思いますが、具体的な取り組みについてお伺いをいたします。

○長谷川主計部長 複数年度を視野に入れた予算編成ということでございますけれども、都におきましては、施策の面では「十年後の東京」の計画を策定いたしまして、これを着実に実施するために、目標と年次計画及び事業費を示しました三カ年の実行プログラムを策定いたしまして、中長期的な施策の方向性と今後の取り組みを具体的に明らかにしております。
 また各局においても、局の重要な施策について、中長期的な視点を踏まえた計画などを独自に策定いたしまして実施しているところでございます。これらに基づきまして、各年度において、それぞれ事業を実施しているわけでございますけれども、それとあわせまして、各年度の予算編成においては、その時々の社会経済情勢や事業の執行状況などを踏まえて、都民にとって真に必要な事業について必要額を適切に予算計上するということとしております。
 一方で、財政運営の面から申し上げますと、都税収入が不安定な中にありまして、より安定的に行政サービスを提供していくというために、新たな公会計制度による財務諸表なども活用しながら、例えば、社会資本ストックの更新などを将来の財政需要への備えとして、都税の増収などを利用して基金の充実を進め、必要に応じて活用を図るというほか、将来の財政負担を考慮しながら発行余力の範囲内で都債を活用するなど、より中長期的な都財政の状況の見通しを踏まえた財政運営を行っているところでございます。

○中谷委員 財政の運営において、最終的に目指すべきは、経済状況の変化にかかわらず、都民のために必要な施策をしっかりと行うことであると思います。そのためには経済も含め、中長期的な見通しをしっかり踏まえ、むだな事業は徹底して排除をし、必要な事業を着実に実施する税金の使い道を改めて検証することが必要であると考えます。
 今後の都財政の状況は、依然として厳しいものがあると思いますけれども、こういうときこそ、中長期的な視点のもと、財政規律をしっかり持った、一層効率的な予算を実現すべきであると思いますが、見解をお伺いをして、私の質問を終えさせていただきます。

○長谷川主計部長 景気の低迷が長引くことも想定されるなど、都財政を取り巻く厳しい環境は、当面大きく好転することは期待できない状況にあるというふうに認識しております。
 しかしながら、こうした厳しい環境にあっても、都民生活が直面する喫緊の課題や、東京の将来をつくるために必要な取り組みを着実に実施していく必要がございます。
 そのためには、今後とも、基金残高の確保や都債残高の圧縮による発行余力などの財政の対応能力を培い、これを計画的に活用しながら、同時に、事務事業評価の取り組みによりまして、事業のむだを省き、施策の実効性を高めるための取り組みを一層進めるなど、中長期的に施策を支える財政基盤の確保に十分に目を配りながら、より効率的な予算の実現に努めてまいります。

○中屋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後五時一分休憩

   午後五時十三分開議

○中屋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上野委員 私からは、初めに、経営事項審査の改正と資格審査における格付について質問してまいりたいと思います。
 私は、昨年の事務事業質疑におきましても、この経営事項審査の改正と、都の資格審査における格付の影響につきまして質問したところでございますが、経営事項審査は、建設業法によって、公共工事を請け負おうとする建設業者に義務づけられている制度であり、経営に関する客観的事項について審査するものでございます。
 平成二十年に改正された経営事項審査の改正のポイントについて、国は、次のように説明しております。
 第一に、完成工事高、利益、自己資本のバランスを加味した評価としたこと。第二に、企業実態を的確に把握し、反映した経営状況評価としたこと。第三に、より的確な技術力評価をしたこと。第四に、社会的責任の果たし方によって差のつく評価としたことであるということでございますが、具体的には、完成工事高のウエートを引き下げたり、ペーパーカンパニーが実力に見合わない高得点をとることを防止するなど、企業実態を適正に反映するべく改正したとしております。そこでまず初めに、経営事項審査改正の効果について、都の認識をお尋ねいたします。

○藤原経理部長 建設作業におきましては、経営事項審査における完成工事高のウエートが高いとか、この完成工事高の偏重については、採算を度外視した受注競争の一因となっているというような指摘がございました。また、お話にございましたようなペーパーカンパニーにつきましても、固定資産が少なく高い点数が出るといった指摘もあったところでございます。
 こうした指摘にこたえて、今回の経営事項審査の改正によりまして、事業者が無理な受注競争に走ることなく、技術と経営をしっかりと考える優良な企業が適正に評価されることは、良好な公共工事の実現を目指す東京都といたしましても望ましいものだというふうに考えてございます。
 改正により、経営事項審査という公共工事の評価の物差しが変わることになり、時間がかかりますが、事業者においても、経営の質を高める方向へ向かっていくものと考えているところでございます。

○上野委員 私も、こうした経営事項審査改正の趣旨につきましては、大いに賛同するものでございます。
 しかし一方、昨年も述べましたが、中小零細企業にとって、この新経審は、厳しい評価項目となっていることも事実であります。元請、完工高、自己資本額や利益剰余金、そして技術職員数、研究開発の状況など、ウエートが高くなっております。どちらかというと、大手企業に優位になり、技術者を多く雇えない中小企業にとりましては点数が下がる傾向にあるんではないかと。
 経営事項審査の総合評定値が下がれば、結果として、都の入札参加資格の審査における格付が下がってしまうんではないかという、こういう不安、こういったものが事業者あるいは中小零細事業者の方から私の方に来ているわけでございまして、そこで二十一、二十二年度の格付におきまして、経営事項審査改正の影響はどうだったのか、その結果についてお聞かせください。

○藤原経理部長 百億円単位の工事から百万円単位の工事までの、多種多様な工事がある東京都におきましては、等級ごとの発注件数と事業者数のバランスをとっていくことが重要でございまして、こうした中で格付の役割は、発注金額に応じて企業をグルーピングすることにございます。
 平成二十一年、二十二年度の格付におきましては、一般土木工事と建築工事について見ますと、Aランクの割合が、前回に比較しまして一般土木で〇・一ポイント、建設工事で二・七ポイントの増となってございます。またCランクの割合はそれぞれ一・五ポイント減となっており、最も増減幅の大きいEランクの割合は五ポイント程度の増となってございますが、経営事項審査が改正されましたが、都の新旧の格付に伴う等級ごとの事業者の割合には、大きな変動は生じていないものと認識してございます。

○上野委員 中小の事業者の中には、都営住宅の改築、改修工事や河川の護岸工事など、東京都発注の工事を中心に据えて会社を運営している事業者が多いわけであります。まじめに努力し、都のインフラ整備に貢献しようとする優良な事業者が、経営事項審査の改正によって、一方的に都の格付が下がってしまうようなことになれば、まさにこれは死活問題となるわけでありまして、こういうことがあってはならないのであります。
 そうした観点から、都が、経審改正前に実施しましたシミュレーションと経審改正後の実際の格付は合致していたのか、あるいは相違していたのか、そしてまたシミュレーションと実施結果との評価認識、これはどうなのかということをお尋ねさせていただきます。

○藤原経理部長 東京都の格付は、経営事項審査の評定値によります客観等級と、それから過去の工事実績による主観等級が一致した場合は、その一致した等級として、相違した場合はいずれか低い方の等級としてございます。
 東京都の調査によりますと、格付そのものは経営事項審査の評定値である客観等級よりも主観等級によって決まっている場合が多く、十九年、二十年度の格付では、建築工事、土木工事ともに客観等級の影響によりランクが下位になったものは一割程度しかない状況にございます。
 東京都は、こうした格付の実態や公共工事の発注件数が減っている状況を踏まえまして、激変緩和を図るため、これまで主観等級における過去の最高工事実績を五年分まで見ていたものを、二年分追加いたしまして、過去七年分まで見ることといたしました。
 こうした激変緩和措置を加味したシミュレーションと実際の格付結果は大きく相違してはございませんが、強いていうならば、Eランクの業者割合がシミュレーションよりもふえた結果となってございます。

○上野委員 ご答弁にありましたように、Eランクの業者割合がシミュレーションよりもふえたということでございます。前回のシミュレーションの格付結果というものも、私の方に手元にございます。そしてまた今回の格付、経審後の格付、二十一年、二十二年度の結果というのも資料としていただいたわけでございますけれども。
 こうやって見ていきますと、例えば、シミュレーションでは、A、Bランクが土木、建築ともにふえているわけですね。先ほど、Aは二・九%増、土木工事。そして建築工事のAは四・八%増というふうになっていたと。C、Dランクは減っておりました。最下位のEランクはほぼ横ばい、これが土木、建築とも若干ふえているところもありましたけれども、そういう状況だったと。
 このことは、C、Dランクの業者が、A、Bに上がっていっているようにも見えますし、また、Eランクは、ほぼ横ばいですからそれほどいっていないというふうな、こういうふうな、シミュレーションから見ると判断していたわけですけれども、実際に経審の改正後の結果を見てみますと、土木では、実はAはシミュレーションは二・九増となっていましたけれども〇・一%増と、ほぼ横ばいであった。そして、B、C、Dはすべてマイナスということで、そちらの業者はどこかにいっているわけです。Eは、五・一%増だと、シミュレーションでは〇・五%の増と、ほぼ横ばいですよと、こういっていたわけですけれども、Eの方がふえている。これは土木の場合。
 建築では、Aは、シミュレーションは四・八%ぐらいいきますよと、ところが実際は二・七%ぐらいになっている。B、C、Dは土木と同様にすべてマイナスなのです。Eランクは、シミュレーションは一・七ぐらいですよといったけれども、実際は四・五%格付でふえていると。B、C、Dランクの事業者がEランクへと格付が下がったのではないかなというふうに、このデータからいくと見るわけですね。
 部長がいわれましたように、主観級のものはですね、主観格の方が二年暫定的に延ばしましょうということだけれども、これによる影響というのは、今回は出てこないでしょうというふうなこともいわれていましたですね。客観的なものでの影響は、そうすると出てきているんじゃないかなと。すなわち経審によるこの計算の結果、客観的な点数というのが下がってきているのじゃないか、こういったことが、実は、ちょっと裏づけられてくるのじゃないかなと、こういうふうに考えて、見た段階では思いまして、このいわゆる低ランクの格付の割合がふえた要因、私はそのあたりについて、都の考えをまずはお尋ねしたいと思います。

○藤原経理部長 今、理事からお話がございましたように、主観点数につきましては、激変緩和措置をとってございましたので、主観点数については、各事業者とも前回の定期受け付けの点数を確保してございます。総体として、ランクが下がっている、あるいは下位の割合がふえたというのは、客観点数が下がったことに起因しているものと考えられます。
 客観点数でございます経営事項審査の評定値が下がる要因もいろいろ考えられますが、特に昨年から始まった景気の減速による民間部門も含めた建設投資額の減少が、とりわけ下位ランクが多く下がったのは、下位ランクの中小零細企業の事業者に影響を与えたものが相当程度あるんではないかというふうに推測しているところでございます。

○上野委員 ご答弁のように、経審の改正の有無にかかわらず、厳しい経済環境によって企業経営が影響を受けた、それで格付が下がったという趣旨のようでございますけれども、私はそういうふうになかなか思えない。下位ランクがふえたこと、これは経審の改正が影響しているのであると、このように以前から、昨年もこれは傾向性としてそうなるのではないですかと、これはしっかりと見ていかないかぬですよということを、私の方で忠告したわけでございますけれども、どうもそういう傾向に出ているなと。
 当然いろいろなことが考えられるわけですけれども、評価項目及び基準の改正という当然ご存じのところでの、このそれぞれのウエートですけれども、完成工事高関係については、先ほども話がありましたウエートが〇・三五から〇・二五へと変わっていった、低くなったわけです。これによる影響というのは少なくなってきている。そうした中で、実はこのZという部分のウエートなのですけれども、これは技術職員数のところが非常に影響ある、昨年もここは心配ですよと、〇・二のウエートが〇・二五という形になっている。いわゆる技術者を多く抱えているところはぐっと高くなっている。だけれども、技術者をなかなか抱えられない、しかし、何とか一生懸命工事はやっていきましょうと、工事高はうまくやっている、頑張っている、主観点数は上がっているけれども、実際の客観点数はこれによって下がってきているということが、私は懸念していたわけですけれども、どうもそういうふうな影響は出てくるのじゃないかということを、非常に今回のデータから思っているわけでございます。
 前回話したときにも、若干お話ししましたけれども、実際に行政書士の方が、幾つかの業者の方の新経審で試算したときどう変わるかなということをやった、そのデータもらいました。これは驚きました。同じ業者の方ですけれども、その新経審で試算していったら、七業者全部下がっている。その中で驚いたのは、この土木工事の事業者の方なのです。七百九十二点だった、いわゆるBランクの方だったのが、何と六百四十八点に、この経審でやっていくと百四十四点も、工事そのものは全く同じなのですよ、この経審の点数が変わっただけでDランクに下がっているわけです。このことを非常に心配している。この事業者はツーランクも格付が下がっているわけです。
 ちなみに、経審改正後、客観格ツーランク以上格付が下がった業者がいるんではないかなということで、調べていただきました。持ってきていただいたわけですけれども、ツーランク以上下がった方が、一般土木工事は二十五社あった、そして建築工事は十六社、四十一業者の方はこの経審改正後客観格がツーランク以上も下がっているということでありまして、先ほどの主観格のところで、ほぼ引っ張られているから大丈夫ですよという話だったけれども、それ以上に客観格の方が下がってきていると、先ほど話があったように低い方のランクに引っ張られますよというところで、どうもこういう傾向性があるんじゃないかということを懸念したのがちょっとあらわれているのじゃないかなと私は思っています。都は、今後ともしっかりその原因を検証していただきたいことを、きょうは要望しておきます。
 ともあれ、まじめに頑張る中小建設事業者の多くは、昨今の厳しい状況から将来に不安を抱いております。そうした中で、今回の経審の改正に当たって、都は、激変緩和措置として主観等級の対象期間を二年間延長するとともに、シミュレーションを実施の上、格付に大きな変動が生じないことを確認した上で、新格付の受け付けに踏み切ったことを私は一定の評価をしたいと思っております。このように、常に環境の変化に目配りをすることは何よりも大切だと、このように思っております。
 都が先を見据えて、必要な調査を行い、的確な手を打つことによって、中小事業者は安心して仕事に取り組めるわけでございます。今後とも優良な都内中小企業の育成とともに、いい仕事をした事業者が報われ、その実績や努力が都の格付に適切に反映されるよう、公共工事をめぐる状況を把握して、中小企業者の置かれた環境の変化に的確に対応していくべきと考えますが、いかがでございましょうか。

○藤原経理部長 格付制度の設計に当たりましては、建設事業者の経営力や技術力といった履行能力を見きわめ、適切に評価する制度とすることが重要だと考えてございます。
 また、東京都は、中小企業を育成する観点から、都内に本店を有する中小企業者には、主観点数において二〇%の加算を行ってございます。さらに、環境に配慮した事業者の取り組みを支援する観点から、環境関連の認証取得者にも加算するなど、さまざまな点から企業の努力を評価する制度としてございます。
 理事からご指摘がございましたように、今後とも公共工事を取り巻く環境の変更を把握いたしまして、経営力と技術力の評価と検証を的確に行うとともに、よい仕事をした企業が報われる格付制度の構築に努めてまいりたいと考えております。

○上野委員 それでは、次に、入札契約制度改革の実施方針について質問をいたします。
 建設事業者の受注競争は、急激な景気後退の中で、公共投資の減少に加えまして、民間建設需要が冷え込むなどの影響を受け激しさを増しております。さらに、補正予算の凍結が追い打ちをかけておりまして、今後、公共工事をめぐる環境は極めて厳しい状況になることが予測されます。
 例えば、先日の第三回定例会に付議された契約議案でございますけれども、六件すべてが予定価格の八五%を下回っている。うち二件は、落札率が五〇%台と著しい低価格入札が発生しております。
 このことは、低価格入札の対策が、これまでどおり単に発注工事の品質だけを確保すればよいというレベルではなく、建設事業の機能不全によって生じる工事現場での労働安全対策の切り下げや、下請企業へのしわ寄せなどについても、入札契約制度の中で解決していかなければならないレベルになったことを示しているといえるわけであります。
 こうした状況を受けまして、今回都が策定した実施方針では、過度の低価格入札への対策として、低入札価格調査の強化と最低制限価格制度の適正化が示されております。低価格入札を抑制する目的は、工事施工に必要な経費を確保し、そして、工事品質を確保することであります。
 しかし、単純に最低制限価格や調査基準価格を引き上げるだけでは、積算能力のない事業者による低価格入札を排除できず、単に入札価格が上昇するだけの結果に終わってしまいかねません。
 そこで、工事品質を確保していくためには、技術力のある優良な事業者が受注でき、技術力向上のために努力する事業者が報われる仕組みとしていくことが重要となるわけであります。
 方針4の最低制限価格制度の改正で予定していく設定上限の撤廃は、いろいろとご回答ありましたけれども、価格水準の目安をなくすことで、積算努力をしない事業者は入札に当たって不利となる一方、まじめに積算を行う優良な事業者には有利となるわけであります。
 また、方針1では、総合評価方式の適用拡大によりまして、工事施工能力にすぐれた事業者の受注機会を積極的に拡大していくこととしております。
 都が策定した実施方針は、こうした複数の対策を組み合わせることによりまして、総合的な対策を構築しております。実施方針の着実な実行によりまして、低価格入札の抑制や、不良不適格業者の排除に大きな成果を上げることを期待しているものでございます。
 今回の入札契約制度改革に向けました実施方針の中では、総合評価方式の適用拡大を大きな取り組みの一つとして取り上げております。また、設計業務等の委託におきましては、プロポーザル方式の活用や、同種同類の設計の経験などを技術的要件として入札参加資格に求めるなど、建設事業者、設計者に一定以上の高い技術力を求めているといえます。これらの取り組みは、工事や設計の品質確保の面では有効な方法であり、歓迎すべきことでありますけれども、建設事業者、設計者の技術力を判断するのは、あくまでも東京都の職員の皆様であることを忘れてはなりません。
 総合評価方式に大きくかかわる工事成績の評定を行うのは都の職員でありますし、プロポーザルなどの技術審査を行うのも都の職員であるということです。その意味で、今回の入札契約制度改革に向けた実施方針の中で、中長期的課題としている発注者の技術力向上の取り組みについて、私は極めてこのことは重要な課題であると、このように考えているわけであります。このことについて、財務局の認識をお尋ねいたします。

○金子建築保全部長 公共工事の品質を確保する上では、仕様書や図面を初めといたしました設計の品質、それから施工や検査を通じた工事の品質を高めていくということが重要でございます。このことから、受注者側に技術力を求めることと同時に、これらの業務に携わる発注者側の技術力を確保していくことは、入札契約制度改革の根幹をなす重要な要素でございまして、喫緊の課題であるというふうに認識しております。
 とりわけ、財務局が各局に対しまして、技術面での調整役ともなっておりますことから、率先して、技術力の維持向上に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。

○上野委員 今回の入札契約制度改革を機に、もう一度技術職場の組織を足固めし、そして職員の技術力アップを図っていかなければ、やがては総合評価方式を初めとした契約制度が十分にその機能を発揮できずに終わってしまう、それとともに、優良な事業者の育成はもとより、工事品質の低下という結果を招きかねません。このことから、技術職員を抱える各局には、発注者としての技術力向上に、さらに積極的に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 特に財務局には、ただいまのご答弁にもありましたとおり、各局に先立って、技術力確保のリーダーシップを発揮していただきたいのであります。そこで、今回の入札契約制度改革に向けました実施方針を踏まえ、財務局の今後の取り組み方針についてお尋ねいたします。

○金子建築保全部長 技術職員につきましては、既に大量退職が始まっている中、ベテランの職員が持つ技術力の継承ですとか、これを引き継ぐ若手中堅職員の育成への取り組みを強化いたしまして、発注者としての技術力維持に努めているところでございます。また工事監督、設計審査、工事成績評定などの業務に支障を来さないように、なお一層業務の効率化を図るとともに、計画的な研修やOJTの実施、自己啓発に対する支援など、職員一人一人の技術力の向上にも積極的に取り組んでまいります。
 さらに財務局では、各局間で、技術情報の交換を行うことを目的として設けられました工事関係基準協議会を所管しておりますので、そうした場などを活用いたしまして、全庁的な技術力の維持向上に努めてまいります。

○上野委員 建築保全部長の力強いご答弁をお聞きしまして、大変頼もしく感じた次第でございます。
 しかしながら、私は、職員の皆さんが技術力の向上に一生懸命努力されていても、第一線の現場では、かなり物理的に困難な状況にあるのではないかと、このように大変懸念しております。
 幾つかずっと見ておりますけれども、どうもやはりそういったところがあるんではないか。それは、さきの行財政改革実行プログラムに基づきます職員の定数が大幅に削減されているし、またこれからも削減しようとされているわけでありますけれども、この行財政改革は、反対しているわけではありません、これは私も評価しております。定数削減のところだけを今ちょっとお話をさせていただいているわけでございまして、この職員定数削減というところをやっていいのかどうか。
 これはやはりすごい努力されていますよ。さかのぼれば美濃部都政時代に職員が約二十二万人ですよね。それが今どのぐらいですか、約十六万人ですよ。六万人も削減されているんです。これはもうすごいですよ。東京都の予算というのはカナダの一国の予算と匹敵するぐらいの大きなところで、六万人も削減したところはどこもないじゃないですか。
 以前、財務局に、職員一人当たりどのぐらいお金かかるのですかと、これは退職金も含めての話ですけれども、一年間で約一千万円かかるというわけです。六万人掛ける一千万円ですよ、六千億円、美濃部都政時代から今は、毎年六千億円を削減していると同じような、こういう人件費を削減しているような状況にある、これだけでも私はすごいなと思っているわけでございまして、もうかなり職員についてはスリム化されています。
 効率的行政運営、これはかなり進んでいるというふうに私は思っているわけでございまして、実際に、以前は、係長、これはもう全体の係の総括です。全体を見回して、本当にうまく事業が進むように見ていらっしゃいました。そして次席がおりました。技術者というのは設計をやっておりますけれども、次席の方はそれぞれの設計者が一生懸命やったことについてちゃんとチェックをしました。細かいチェックをして、これはおかしいぞとか、そしてまた、積算の読み方、解釈の仕方を、やはり間違っている職員にきちんとその経験上から指導をして直していった。
 ところが今は、私も驚きましたけれども、係長までが設計をやっている。どんどん定数が削減され、定数は低く、削減されているけれども、事業の業務量はふえていると。(「かわいそうに」と呼ぶ者あり)これはもう本当にかわいそうだけでは済まない。一人当たりの業務量、これがますます増大している、そこにさらにまた頑張れと、削減しろと、こういうふうにいわれているわけですけれども、これは大事な問題があります。監査事務局にいた時代もありましたけれども、チェック機能がなかなか、やはり頑張っていらっしゃるけれども時間がないわけです。そうすると、どうしてもミスが出てくる。そうすると予定価格そのものに、実は適正な価格じゃない金額が入る可能性があるわけでありまして、ここにも影響が出てくる。こうした非常に--定数削減がだめだといっているわけではないのですけれども、もうここまでやればいいのじゃないですかと、かなりのスリム化ですよと、このことをいっているわけでございまして、この積算基準の解釈も間違いのないようにしていく、そういったことでの一人一人が実はデスクワークに追われて、係長までが設計をやっているというこの姿を見たときに、私はもう本当に涙ぐましい思いをしたわけでございまして、そういった技術力を養うために不可欠な現場に接する時間ですね、こういった本庁の職員だって現場になかなか行けない、そして、職員が少数化していることから、過去の事例を十分に学ぶことや、先輩またはベテラン職員から日々の助言、指導を受けるという機会が減ってきていると。
 例えば、公共工事の入札契約制度で見ますと、これ適正化法というのがあるのです。これはいろいろな業務の上に、さらに業務関連法令とか、さまざま社会経済情勢の変化に伴って、やらなきゃいかぬことがふえてきているわけです。この適正化法というのは、ご存じのとおり、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律でございますけれども、平成十三年度から施行されまして、工事の適正化、点検を強化しろと、点検にも行かなきゃならない。
 さらに、品確法というのができましたね、平成十七年度。公共工事の品質確保の促進に関する法律、これによりまして、工事中及び完成時の施工状況の確認及び評価等を適切に実施すること、こういったことで、ますますその仕事をやっていかなきゃならないということで、技術の能力、スキルアップをやりましょうよ、こういっていて、やりたいという思いは皆さんあるわけです、技術者。
 ところが、技術研修に行きたいけれども、人数が少ない中で、自分がそこに参加すると同僚に迷惑をかけるんじゃないかみたいに、なかなか参加しづらいという状況もある。きょうは職員に成りかわってちょっとお話をさせていただいておるわけでございますけれども、そういった状況もあるということを、私たちはやっぱり認識しなきゃならない。
 もはや技術職員は、目の前の業務に追われて、とても技術能力のアップに時間をとることができないような、そういう状況になっている、限界状態に来ているように思えてならないのでございます。
 こうした中で、本当に頭の下がる思いがいたしますが、各局ともに、技術職員も、また事務職員の方も、業務の効率化のさまざまな工夫によりまして、この定数削減に伴う困難な状況を乗り越えていらっしゃる、本当に頭の下がる思いでございます。
 そうした中で、建設局では、技術者マイスター制度というのを本年から実施されました。これは「都政新報」にも出たわけでございますけれども、ご存じの方と、知らない方のためにちょっとお話をさせてもらいますけれども、ことし建設局特定のすぐれた技術を持つ職員を指導技術者として認定するという、建設技術マイスター制度を創設して、いわゆる団塊世代の大量退職に伴い、ベテラン職員の持つ技術やノウハウの継承、それから若手の育成が喫緊の課題となる中、OJTを横断的に行う環境づくりを目指すもの、初回の指導技術者として、ことしは六月二十九日に五十四人が認定されたということでございます。
 ちょっと気になったのは、この指導技術者になりますと、局内から寄せられる技術的相談の助言とか研修講師とか、そういったいろんなことで協力を行われるわけでございますけども、この認定を受けても、給与や職務上のインセンティブはないということを聞きました。この胸につけるしんちゅう性の名前のプレートが進呈されるということでありまして、それだけだそうですけれども、いわゆる職員の本人の使命感とか奉仕、この精神に頼るところがあるようでございますので、ぜひともこのあたりの処遇改善としまして、職員のモラールアップを図ることも大事じゃないかと。
 また、こうした制度をオール都庁に導入して進めるべきではないかということを、意見を述べさせていただきたいと思います。
 ともあれ、技術職員につきましては、今回の入札契約制度を通しまして、工事や設計の品質確保の観点から、施工者、設計者と同等の技術力と、しっかりとした体制を確保していくことが必要であります。
 その意味で、財務局には答弁にあった取り組みをぜひ進めていただくとともに、人事当局には技術職員の継続的な確保を実施していただくことを改めて要望しておくところでございます。
 最後になりますけども、今回の入札契約制度改革への取り組みなど局長の決意を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。

○村山財務局長 お答えいたします。
 財務局長というのは二つ顔を持っておりまして、一方では、ある面では削減、縮減するのが使命であると。一方では、きょう主な話題になっております契約制度も、あるいは建築事業も含めて、仕事、実業をちゃんとやるという、そういう面も持っておりまして、この二つの顔をどういうふうに両立させるかというのが、一つの私の課題でございまして、まさにその痛いところを今ご指摘をるるいただきまして、改めてこれからの課題の大きさについて認識をいたしているところでございます。
 今いろいろご指摘いただいたように、技術系の職員の状況についてはおっしゃるとおりでございまして、ようやくここに来て、率直に申し上げれば相当遅いわけですけれども、技術職員についての量と質についての世代交代をめぐる危機感というのが全庁的なものとようやくなりつつございまして、そういう中で、今ご指摘いただいたいろいろな改善策とか、あるいは数の面でも技術系職員の採用数を増加に転じておりますし、そういう意味では、一つ、状況認識については都庁全体としての共有化が図られて、遅いとはいえ、スタートが切れたところにいるんだろうというのが偽らざるところでございますけれども、まだ十分ではございません。
 しかしながら、その不十分さに甘えているわけにもいかないというのも現実でございまして、きょうご指摘いただきました実施方針の過度の低価格競争の抑制、あるいは不良不適格業者の排除というのは、まさに品質確保のための技術的な視点をちゃんと契約の中にビルトインしていくということでございまして、それは、本当に技術の分野における力がなければできないと。
 契約制度というのは、一方的に何か受注者側にこれをやってくれ、あれをやってくれというふうに発注者側がお願いをするというものではなくて、お互いのボールのやりとりといいましょうか、キャッチボールの中で有効性を高めていくというのが、契約制度の本来のあり方だろうというふうに思っております。
 もちろん発注者側と受注者側ですと、何となく発注者側の方がやはり強っぽい感じはするんですけども、ただ、そこのところではちゃんとキャッチボールがないと、本当の意味での契約制度というのは、基本的には民民の論理でございますので、発展はないと。
 例えば、今回の場合でも、入札参加資格における技術者資格の設定など、受注者側に相当負担をお願いしている部分もございます。他方、総合評価方式においては、発注者の求める技術要求を受注者が受けとめるということがあって、その受注者から、今度うちはこういうことをやりますよというふうに書いてきたものを、しっかり発注者側がそれを正確に評価して、どの業者が一番頑張っているのかということを評価する能力が求められているということにもなるわけでございまして、そういう意味では、発注者、受注者の技術者レベルにおける対等なそういうやりとりがあってこそ、よい品質確保ができるんだろうというふうに思っております。
 そういう意味においては、いろんな人的な発注者側の問題もご指摘のようにいろいろあるわけでございまして、それの対応も後手踏んでいるというところが率直なところではございますけれども、それだけをいっていられないので、私どもとしても頑張らなければいけないというふうに改めて思っております。
 そういう意味では、後ろにも技術系の職員がたくさんきょう来ておりますけれども、総合評価方式におけるその評価における技術的な水準を上げる努力であるとか、あるいは起工そのものについての妥当性というのが、今回の措置の中でより厳しく問われるということにもなろうかと思っておりますので、今回の実施方針の実現に向けて、私ども財務局における技術系職員の一層の努力も求められていると思いますし、また各局におけるそういう技術陣との連携というものも量、質ともに一層高めていかなければならないということが、この実施方針の実現に向けてとても重要であるというふうに改めて認識をいたしているところでございます。

○関口委員 私からは、本日の質疑におきまして、入札及び補助金、事務事業評価について、大きく二点についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 きょう、るると入札制度改革のことについて議論がなされております。まず第一にお尋ねをしてまいりたいのが低入札のことでありますが、昨今、公共事業の世界の中で、低入札、低入札ということがよくいわれます。原因として考えられるのが、建設投資の減少である、あるいは競争入札の拡大、これが原因としていわれているわけでありますが、現状の東京都の公共事業において、この低入札というのがどういう状況か、これをまずお尋ねしたいと思います。

○奥田契約調整担当部長 現状でございまして、低入札価格調査を例に、先ほどからいっている大規模な工事を例にいたしますが、調査基準価格を下回り財務局で調査を実施した件数でございますが、十七年度までは年間三十件前後、十八年度が四十四件と上がりました。しかしながら、十九年度は三十三件と落ちつくかと思ったんですが、二十年度は四十件でございまして、この二十年度の発生率は二〇%と、対象工事に対して。しかしながら、二十一年度におきましては、八月末時点で、検査二十三件なんですが、発生率が約六〇%と増加しております。

○関口委員 昨今、市況の変化が、いわゆるこの低入札価格調査を実施した件数の増加、これにあらわれていると思います。一方、その低入札価格調査をした結果、入札不調になった、調査した結果、この業者不適格だから工事を請け負わすことはできないと判断された件数は幾らになるのか、お尋ねします。

○奥田契約調整担当部長 調査結果、失格となった件数は、過去五年間で三件でございます。

○関口委員 五年間で三件、いわゆる入札不調になったのが三件ということでございます。極めて少ない数字でありまして、こうした数字だけを見てみますと、東京都の公共事業においては、現状の入札制度によって、いわゆる不良不適格業者が排除されており、一方で、安いコストで、かつ品質が担保された公共工事が実現できているのでは、こうもいえるわけであります。
 この五年間で三件という数字を見ると、現状の東京都の入札制度はしっかりと機能しているというふうにも考えられるわけでありますが、今回、これまで委員の方々がるる議論されておりますように、局は、入札制度改革に踏み切ろうと、踏み切るわけでありますが、この五年間で三件という数値から見た、今私が述べた現状の入札制度の認識と、あるいはこれから東京都が、それでもなお入札制度を改善していかなくちゃいけない、こう若干感覚、認識ずれがあるわけでありますが、現状の入札制度のどこに、東京都は、局は問題があるとお考えなのか、お尋ねします。

○奥田契約調整担当部長 誤解があるといけないので改めて申し上げますが、低入札の調査につきましては、落とす調査ではございませんで、大規模工事であるだけに工夫ができる。しかしながら、一定基準の場合やはりきちっと、例えば現場監視、見ているのかとか、監視して見ているかというのを調査して、履行確認をしてやっていくというものでございます。
 しかしながら、現状は、低価格による入札案件件数の大幅な増加が、先ほど申し上げました六割とならず、これまでに見られなかったような、非常に異常な数値が出てまいりまして、第三回定例会、先ほどご意見ありましたが、五〇%台という著しい低価格の入札も生じている状況でございます。
 確かに、その工事案件だけを見れば、履行確認もできるのでございますが、こうした状況が続けば、発注する工事自体の品質確保はもちろんそうなんですけども、それが当たり前になりますと、工事現場における労働安全対策の切り下げだとか、下請企業への不当なしわ寄せを生じさせるおそれが非常に高く、世の中全体もそれが非常に高くなる。
 また、中長期的に優良な事業者の減少だとか技術力の低下を招くなど、今後の公共工事の品質確保に非常に悪影響が生じるということが懸念されるというふうに判断いたしまして、そういった報告も研究会が受けていることもありまして、早急な対策が必要と考えました。
 都といたしましては、繰り返しになりますが、十月五日以降の公表分から、一定水準を下回る極端な低価格入札に対しては、特別重点調査を導入いたしまして、挙証の制限を転換し、品質確保体制や労働安全管理体制などが十分でない場合には、これは失格とする場合も含めて厳格に調査を実施したということは、そういうことから来ているところでございます。

○関口委員 今回の局の新たな取り組みのねらい、目的として、今の低入札状態が続き、これをこのまま放置をしておくと工事品質を確保できなくなる。将来的に工事品質を確保できなくなる。それをおそれられて、いわゆる先に手を打つ、予防的に制度を改善していこうという理由が今述べられたと思います。
 私も、もちろん工事品質を確保するため、大きな大きな命題でありますから、そうした改善に取り組むことについては大賛成でありまして、一方で、この低入札への対応策、これが今この委員会でもいろいろと議論になっているわけでありますが、低入札の対応策として、一つ、予定入札価格調査制度の、重点的により掘り下げて失格まで視野に入れて厳しくやっていくんだという方策と、もう一つ、最低制限価格制度というものがあります。
 これも先ほど来議論になっておりますが、改めて私の方からも違う角度でお尋ねしていきたいと思っておりますが、この最低制限価格というのは、予定価格からおよそ八五%の価格帯を設定し、この価格を下回る入札は即失格にするというものであります。中規模、小規模工事を対象にしているということでもありますが、この最低制限価格、現状では、価格競争が激しくなり、八五%という価格ラインを目がけて入札する業者がふえ、いわゆるくじ引きで落札者を決定するといった異常な事態が起こっているというのが現状であると聞いております。
 こういう状況を改善するために、実施方針の中に、最低制限価格の適正化を図るとされているわけですが、改めてお尋ねします。
 これによって最低制限の価格がどう変わっていくのか、どう変わるのか、お尋ねしたいと思います。

○奥田契約調整担当部長 今回、最低制限価格、二つございまして、一点目は、いわゆる公契約モデルと国がいっておりますモデルに合わせて、計算式を変更して、より適切な最低制限価格にしていくのと、もう一点は、先ほど来いっております設定上限額を撤廃するということでございます。この設定上限額の撤廃によりまして、いわゆる電卓で計算して八五というところでやれば何とか入れるということの、いわゆる見積もりもしないような競争を排除できるのではないかと期待して、そういったものを導入したものでございます。

○関口委員 今回の最低制限価格のいわゆる改善の大きな柱として、上限の設定価格を撤廃するというようなことがいわれておりまして、恐らくそれによって目がけ入札がなくなり、見積もりもしないような業者が少しずつ排除されていく、こういう効果は必ず出てくるんだろうと思うわけでありますが、一方で、私が危惧をしておりますのが、都が使ういわゆる算定式が、公開といいますが、業者さんにもわかるような仕組みになっていることや、あるいはこれからずっとその落札結果のデータが蓄積をされていけば、大体こういうラインがいわゆる最低制限価格の上限じゃないか、新たな上限じゃないかという価格ラインがだんだんそこに集約されていくことによって、業者がそこにまたまた目がけ入札などをしてくるんじゃないのか。まさにもとのもくあみにならないか、こういうことを心配するわけであります。
 では、どうすればいいのか。先ほど委員の方もいわれておりましたが、私は、一般的にいわれているのは、価格が類推できない状況をつくっていく。つまりは、大もとの予定価格の事前公開をやめることで解決できるんじゃないか、こういう意見があるわけです。もちろんこれによって、価格は見えないわけですから、目安入札であったり、あるいはそれに付随するくじ引き落札といった弊害が改善できるんではないか、こういう意見があるわけです。
 そこで、改めてお尋ねしますが、局として、この予定価格の事前公表について、そもそも予定価格というものの設置の歴史的背景は、いわゆる癒着、談合、こうしたものを防ぐために予定価格をオープンしよう、事前にオープンしよう、こういう目的で予定価格というものが過去設けられたという経緯があるわけでありますが、そうした当初の目的がある種達成されたという認識を持ちつつ、局として予定価格の事前公表というものをどうお考えなのか、見解をお尋ねします。

○奥田契約調整担当部長 この事前公表につきましては、研究会でもさまざまな議論が出ておりましたが、事前公表が低価格競争やくじ引きの多発を招いているという指摘があるのは十分承知してございますが、私どもの研究会からの報告等を見ますと、あるいは私ども自身の分析にもよりますが、予定価格の事後公表を行っている国のデータ等を分析いたしましても、事前公表の都と同様ないわゆる分布率、入札価格が実は予定価格の八五%周辺に集中しているというデータがございまして、研究会もそういう報告を出していただいているんですが、公表時期と低価格入札の関連性は薄いんだろうというふうに思っています。
 というのは、要するに、見せようが見せまいが、低いところに集中してくる可能性が今ある。こうしたことから、事前公表を見直しても低価格入札の抑制には効果が現時点では期待できないと考えられておりまして、それではなくて、繰り返し何度も申し上げさせていただきますけども、総合評価方式の拡充だとか、ただいま申し上げました低入札価格調査徹底、最低制限の上限撤廃といった工夫で、そういったいわゆる低い価格への対応を図っていった方が、結局は適正な入札制度が維持できるんではないかという判断に立っているものでございまして、事前公表はむしろ透明性の確保といったものの都民への信頼を確保するために継続することとして判断したものでございます。

○関口委員 この予定価格のことを含めた、いわゆる入札制度の最もすばらしいあり方については、時代の状況であったり、刻々と周りの変化によって入札制度もその都度その都度変化をしていかなくちゃいけないのかもしれません。その意味で、今回、局が取り組まれている入札制度改革、これはある種効果を、その後どういう効果になっていくのか、私どももしっかりと見定めたいと思っております。
 一方で、我々民主党会派としましても、今後、入札のあり方については、会派内でPT等々立ち上げて議論を進めてまいりたいと思っておりますから、引き続きこの大事な大事な問題であります入札制度のあり方については、局の皆さんとも意見交換をさらに深めていきたい、このように思っております。
 さて、この入札の質疑の最後でありますが、そもそも入札とは、その原点といいますか、そもそも入札とは何ぞやという点で議論をさせていただきたいわけでありますが、入札とは、あくまでも公共調達をする、公共事業をするために行われるものであります。
 そして、公共調達、あるいは公共事業の原則というものは、地方自治法にうたわれておりますように、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないという点、さらには、先ほども出ました公共工事の品質確保法、いわゆる品確法においてうたわれておる公共工事の品質確保、つまり最少のコストと品質、この二点が大きな原則であろうと私は考えるわけであります。
 つまりは、入札というものは、コストが最少であって、しかも品質も確保されている、そうした公共調達、公共事業を調達するために、入札というものは存在するんだというのが私の認識でありますが、今回、局が入札制度改革を目指されているわけでありますが、財務局としての、そもそも入札というものに対する根本的なとらえ方、考え方をお尋ねしたいと思います。

○奥田契約調整担当部長 適正な価格で良質な公共工事を実現するという、そういった夢を追求していくのが入札契約制度だと思っております。これは刻々変化する環境に敏感に対応していく、そういった必要性をつくづく担当として感じておりますし、契約制度は実務が非常に大事でございます。担当している職員も、日夜いろんな手続、それから問い合わせ、苦情に的確に対応し、それが各局のいわば契約を引っ張っているという自負でやっているところでございます。
 いろんな社会状況の変化に適応しながら、公共調達の基本である透明性といったものをもちろん基本に置きつつ、公共工事の品質の確保に向けて全力で取り組む、その一つのいわば到達点とした入札契約制度の抜本的改革を目指すということ、それを我が財務局としては追求していく必要があるというふうに認識しております。

○関口委員 今、部長さんの方から、大きな理念、つまり夢というキーワードを出されて、それぐらいの気概を持って、誇りを持って入札制度改革に進んでいらっしゃるということは、私も非常にうれしく思いますし、そうした動きには、私どもも大いに大いに後押しをしてまいりたいと思っております。
 最後に、その入札において、私の考え方を意見として述べさせていただきたいと思っておりますが、これはいろいろ議論があると思います。
 ただ、私はこう考えるんです。入札においては、時折、業界保護の側面が強調される嫌いがあります。そういう風潮に世の中感じてしまいます。しかし、私思うに、業界保護は、あくまでも産業政策であって、つまりほかの政策で手当てしていくべきものであります。入札制度をいじくっていくことで解決するべきものではありません。
 結果として、品質とコストを追求することで、品質確保のためには、社会的公正を遵守する、いわゆる優良企業が永続的に事業ができる、結果としてそれが、いわゆるそういう意味での業界保護につながるということは大いにあってしかるべきでありますが、そもそもは、先ほども申し上げましたように、最少のコストと品質確保、この二つを徹底的に追求するために、まさに先ほどご答弁になりましたが、そうした夢を追求するために入札制度改革はやっていかなくちゃいけないんだという、私はそう強く認識をしておりますが、そのことを忘れてはならないんだという点を強調させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、補助金と事務事業評価、この二つについてお尋ねをしたいと思います。
 補助金については、ここに補助金一覧というものがございますが、これはよくまとめられていると思います。
 これを見ておりますと、一番目に引くのが、例えば三十年以上も継続して支給され続けている補助金の存在です。この中には三百五十七件、全補助金の数のうち四分の一を占める割合となっているわけであります。三十年です。こうした数字を見てみますと、どうしても補助金が既得権化しているんじゃないのか、あるいは本当に定期的に見直し作業が行われているのかと疑うわけであります。
 つまりは、三十年前にはその補助金事業が都民のためになっていたかもしれません。しかし、これほど社会状況が変わる中で、三十年たったらニーズも違うし、都民の求めている政策も違うわけだから、補助金のそもそもの役割は終わっているんじゃないのか、こういう認識を持つわけでありますが、そこでお尋ねしたいのは、今、局として補助金をどのように見直しをされているのか、まずお伺いしたいと思います。

○長谷川主計部長 東京都におきましては、財政再建を達成した以降におきましても、もちろん補助金だけにとどまらず、東京都の行うすべての施策及び実施体制につきまして事後検証を強化し、制度や事務事業の根本に立ち返り、絶えず必要性などを吟味して、必要な見直し再構築を進めてございます。
 補助金につきましては、具体的な見直しの視点を、毎年の予算の見積もりに関する依命通達で明示しておりまして、例えば時代状況の変化により制度創設時の必要性が薄れていないか、区市町村や民間との役割分担が適切か、また現行の補助率が適正か、事業効果が上がっているかなどの視点から、個々の事業ごとに精査、検証を行い、積極的に見直しを図っているところでございます。

○関口委員 今のご答弁は、補助金というのも、もちろん予算要望の中に含まれているわけであって、予算査定の段階で、あるいはシーリングを求める段階で、しっかりと考え方を各局に通達をしている、そこでチェックをしているというお話であったかと思います。
 そうした取り組みが行われているにもかかわらず、この三十年以上、私すべて細かくチェックしたわけではありませんから、ただ、三十年というのは本当に大丈夫なのかという認識を持つわけであります。その書かれているこの補助金の一覧、ここにも各補助金の項目が出ているわけであります。先ほど申し上げましたように、よくまとまったものだと思うわけでありますが、この補助金の一覧というものを、何かもっと、補助金の見直し作業にうまく活用しているのかな、あるいはどう考えられてこの補助金の一覧をつくられているのかなと。そのつくられている目的や、あるいはどう補助金見直しにこれを活用されているのか、これをつくった効果、ねらいはどこにあるのか、その点をお尋ねしたいと思います。

○長谷川主計部長 先ほどご答弁いたしました依命通達に明示というのは、特に補助金について毎年度きちんと見直しをし、その必要性を吟味するという観点から、そういった形でやっているということでございます。
 今お話のあった補助金の一覧につきましては、補助金関係事業の執行体制を改善するために、平成十四年六月に東京都が設置いたしました補助金関係事務適正化委員会の報告書を受けまして、東京都の補助金の全体を把握し透明性を確保するとともに、その整理合理化を進め、行政の簡素効率化を目指すために毎年度作成しているものでございます。
 先ほどもお答えいたしましたとおり、補助金につきましては、具体的な見直しの視点を、予算の見積もりに関する依命通達で明示しているわけでございますけれども、この視点の中には、補助金一覧における分類、ただいまお話のあった長期継続の補助でありますとか、こういったような視点も含まれておりまして、個々の事業ごとに精査、検証を行って、積極的な見直しを図ることに活用してございます。

○関口委員 予算査定の中でしっかりとこれも活用しながらチェックをしているということであったかと思いますが、補助金という言葉を聞くと、特に三十年以上というような文言が出てきますと、どうしてもそういうふうに私は感じてしまうわけで、例えばこの補助金の一覧なんかの有効活用策として、私も区議時代に視察に行って議会提案したんですけども、千葉県の我孫子市なんかは、補助金を見直すために第三者の委員会なんかをつくって、そこで全部平場で議論して、補助金を一つ一つ精査をしてもらったというような例など、各自治体には、恐らく補助金というキーワードでいろんな例が出てくると思います。
 そうした例も引き合いに出しながら、この一覧をさらなる有効活用の手だてとして使っていただき、補助金の見直しをより深く深くやっていただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
 先ほども申し上げましたが、この補助金につきましても、予算要望の段階でチェックをしているということであります。その予算項目も、事業項目も一つ一つ検証されるわけでありますが、そのことを、東京都、局としては事務事業評価と呼ばれておって、それを現実に実施をされていると聞いております。
 まず、この事務事業評価について、先ほど中谷委員からもご質問がありましたが、その目的、事務事業評価をなぜ行っているのか、その目的とねらいを改めて確認をさせてください。

○長谷川主計部長 事務事業評価は、事業ごとに過年度の決算分析を踏まえて、その成果や課題などをきめ細かく事後検証した上で評価を行い、その結果を翌年度の予算に的確に反映させるというマネジメントサイクルを徹底するものでございまして、これらを通じて、経費のむだを可能な限り少なくし、より実効性の高い施策を構築することを目的に、予算編成の一環として実施しているものでございます。

○関口委員 マネジメントサイクルという言葉が出てきました。むだを省いていくというような意味合いがあろうかと思いますが、現在、この事務事業評価を行われて、公開をしているのが、先ほどの質疑でもありましたように百二十六事業ということであったかと思います。その事務事業評価票というのを私いただいて、これを見てきたわけでありますが、細かくチェックをされて来年度予算の減額をしているものもあるし、いや、これは適切だからもっとやれやれとふやしているものもあります。こういうことを仕事、業務として形に残していくということの効果というもの、有効性というのを私は感じるわけでありますが、現状百二十六事業、ことしは百二十六事業ということであります。
 では、一体東京都の総事業はどれぐらいか、つまり事務事業評価をされている総事業数は幾つになるのか、お尋ねしたいと思います。

○長谷川主計部長 事務事業の単位につきましては、これは決まった定義がないということがございまして、自治体によってとらえ方などが異なるものでございます。また、事業の単位の分けようによって大きく変動するものと思われますけれども、それを前提で申し上げれば、東京都においては、大体五千程度の事務事業を実施しております。
 事務事業評価の方は、これはまたいろいろと事業の関連性等々でくくりをしておりますので、それはイコール事務事業評価のもとの事業数ということには必ずしもなりませんけれども、東京都の予算上の事務事業ということでいえば、五千程度ということでございます。
 それらの事業のうち、平成二十年度についていえば、事務事業評価の結果として、事業の拡大充実を図ったり、見直し再構築を図ったものなど、合計百二十六事業を、平成二十一年度の予算案の発表とあわせて、予算案の概要の冊子はホームページに公表しております。

○関口委員 五千事業のうち百二十六事業という、公開対象になっているのはそうだということであります。
 先ほどの質疑の中でも、公開をするものと公開しないものの差は何かということで、いろいろ評価に当たっての考え方や分析手法などを具体的に明らかにする目的であったり、全庁的にPRするものを各局と財務局との間で調整しながら選定をして入れて、その結果として百二十六事業なんだということでありました。
 ただ、私思うのは、まずは第一義的には、事務事業評価を行うのは各局、現場の各局であると、そういう認識が先ほども述べられていたと思うんですけれども、各局との話し合いで決める、あるいは第一義的に主体は各局だということでいけば、うがった見方をすれば、現場からすると、余り公開されたくない、目に触れられたくない事業というものは、なかなかこういう形にしようというような動機にならないのではないか。つまりは、埋もれてしまっているむだというものをいかに発見していくのかが、財務局としての大きな大きな私は使命だと思っているわけであります。
 その埋もれているむだを発見していくためには、私は、この事務事業評価、やられている評価を全事業公開するというようなことも、一つ効果的な手法だと考えるわけであります。つまりは、やっている事業がいずれ公開されるんだと。一年に五千件やれとはいいません。三年、五年かけて順繰り順繰り回していって、一周一回りするまで三年ぐらいかかる。でも、三年以内には今やっている事業が表に出て都民の目にさらされるんだ、議会に見られるんだという緊張感が、いわゆる各局の自発的なむだを排していく、事務事業を効率化していくという動機づけにつながるのではないかと私は考えるわけであります。
 だからこそ、完全公開という一つのキーワードが、各局の意識改革には必要なんじゃないかというふうに考えるわけであります。
 ある意味、財務局というところは厳しく予算を査定するところでありますから、私は、各局から嫌われるような状況もあってしかるべきだと思いますし、財務局の立場として、性悪説ではありませんが、いわゆる放置しておくと、事業をほったらかしにしておくとむだが生まれてくるんだと、各局としては隠してしまうんだという、そういう前提に立って税金の流れを監視していく必要があるんじゃないのかなと思うわけであります。
 そのためには仕組みづくりが大切でありまして、つまり私がいいたいのは、自動的にむだがあぶり出されていく仕組みをつくるということです。それは、一定期間を経過した事業はすべて公開されるんだという仕組みをつくっておけば、おのずとむだが発見されるんじゃないか、課題が発見されるんじゃないかというふうに考えるわけであります。よって、この事務事業評価、これはすばらしいです。この評価票を、五千事業一年間で全部やれという話ではありませんけども、一定程度期間が経過をしたものはすべて公開対象にするんだという一つのルールづくり、こういうことも必要じゃないのかなと、こう私は考えるわけでありますが、財務局としての見解をお尋ねします。

○長谷川主計部長 今のご質問に対する答弁の前に、一つ、もし誤解あるとあれだと思うんですけれども、私ども、毎年度の予算の査定におきましては、先ほど五千というふうに申し上げた事業、これをすべて洗い出しをしまして、必ず全部査定にかけております。そういう意味では、見えない中でこれがむだの温床になるというようなことはないと思いますし、そのように努めております。
 ただいまのお尋ねでございますけれども、平成十一年度から七年間の財政再建推進プランの取り組みにおきましては、巨額の財源不足の解消という大きな課題がございましたので、原則シーリングをマイナスに設定し、予算要求の段階から経費の削減を図るなど、財務局が方針を示して、全庁を強力にリードするといったような形で歳出規模の圧縮に努めてまいりました。
 その上で、財政再建達成後の今現在でございますけれども、一層むだを排して事業の効果を高めていくという観点から、施策の見直し再構築を行っていくというこの全庁的な方針のもとで、まずは事業を所管する各局が、時代状況の変化などを正しく認識した上で主体的に進めるということが必要だというふうに考えております。
 定期的にすべての事業を対象に評価を行うべきというご意見でございますけれども、予算編成の過程の中で、毎年度すべての事業について事務事業評価そのものを実施しているということでございまして、特に、または新規事業を立ち上げる場合などには、原則として期限を設定することにしたいとか、あるいは既存事業についても可能な限り終期を明らかにするということで、それによって厳しい事後検証を課するといったようなことも加えてやってございます。
 その上で、その事業評価をすべて公表すべきというご意見でございますけれども、先ほどの答弁の中でも申し上げましたことではございますが、事業を拡大充実するとか、あるいは類似事業の集約や民間の手法を採用するとか、そういったようなことで事業の見直し再構築を図る、あるいは公会計の手法の活用などで新たな分析を加えたというようなものなどについて、その評価に当たっての考え方あるいは手法などを明らかにすることによって、この手法の共有化などが図れ、あるいは各局の問題意識が高まって、さらに効果的な事業実施に資するというようなものを公表しているという考え方でございます。
 いずれにせよ、事務事業評価などによるマネジメントサイクルが都庁全体にしっかりと根づくように、その取り組みを一層強化していくということが引き続き必要であるというふうに考えております。

○関口委員 今ご答弁で、実際、予算査定の中で全事業はチェックしているんだというお話でありますが、そうだと思うんですね。やられているのであればなおさら、例えば先ほど中谷委員からも提案がありましたけれども、いわゆるチェックのフォーマットを同じにして、より共有が図れるような手段とか工夫とか、あるいは共有化が図られるということは、それがデータベース化されて、重複している事業とか、連携が図られるべき事業だとかが、よりあぶり出すことができるんじゃないのかなと、そう考えるわけであります。
 現在、五千事業全事業すべて評価をしているんだということであればなおさら、そのやっている仕事をより効果的にするために、いろんな一工夫、二工夫、三工夫があってしかるべきだと思います。
 そのことを引き続き検討していただくことを要望いたしまして、私の質問といたします。
 以上です。

○西沢委員 私の方からは、東京都の財政についての考え、方針などについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨年末から始まっておりますこうした経済危機、財政の環境が悪化している中で、今後も都民の皆様にとって不安が続いていく、そういった状況があると思います。本日の議論の中でも、なかなか厳しい状況にある、今後好転が期待できないというような話が幾つも出てきているように、今の経済の状況、いいものではないというのは、間違いのないところではないかと思います。
 そうした中ではございますが、同じように厳しい状況であったバブル崩壊後の経済の厳しい時期に、東京都では、財政再建団体に転落の回避をするということを目標に、平成十一年、財政再建推進プランを策定したわけでございます。さらに、そのプラン、平成十一年から始めた後にも、まだまだ足りない、道半ばということで、第二次財政再建推進プランを平成十五年にも策定して、財政再建を進めてきたと聞いているところでございます。
 これについてかなり効果があったという話もございましたが、その時期、財政再建推進プランを作成した平成十一年と十五年の決算と、昨年、平成二十年度の決算、最近の時期と比較しての現在の財政状況についてお伺いをいたします。

○長谷川主計部長 決算の比較に当たりまして、まず経常収支比率という点から見ますと、都財政が危機に直面し、財政再建推進プランが策定された十一年度におきましては、経常収支比率が一〇四・一%、いまだ財政再建の道半ばで、第二次の財政再建推進プランが策定された十五年度では九七・九%でございまして、いずれも非常に硬直的といえる水準にございましたけれども、二十年度では八四・一%となっており、全国平均の九三・九%を大きく下回る水準にまで改善しております。
 また、活用可能な基金の残高につきましては、十一年度末に八百六十九億円、十五年度末には一千四百六十八億円にすぎなかったわけでございますが、二十年度末には一兆五千八百十四億円にまで充実してございます。
 都債残高も、普通会計決算で十一年度末、十五年度末ともに七兆六千億円台でございましたが、二十年度末には五兆八千億円台というところまで大きく減少いたしまして、後年度の都民の負担を減らすとともに、都債の発行余力を十分に確保しているという状況でございます。
 このように、十一年度、十五年度と比較すると、現在におきましては、財政の健全性が回復するとともに、中長期的に施策を支える財政基盤が確保されるに至っているというふうにいえると思います。
 これは、他団体に先駆けて財政再建に着手いたしまして、それを達成した以後においても、引き続き強固で弾力的な財政基盤の構築に向けてしっかりと取り組んできた一つの成果であるというふうに認識しております。

○西沢委員 ありがとうございます。かなり、財政再建推進プラン策定時期に比べて、平成二十年度は状況が回復しているというようなご答弁ではございました。
 それでは、この財政再建推進プランを作成した一次、二次、平成十一年、十五年とやってきたわけですが、平成十八年に今後の財政運営の指針というものを発行されております、財務局さんの方で。今後の財政運営の指針、新たなステージに移る都財政というものが発行されております。これを策定した理由や背景についてお伺いいたします。

○長谷川主計部長 まさに十八年度に今後の財政運営の指針を策定したということには、その理由や背景がございます。
 二次にわたる財政再建推進プランに基づく取り組みによりまして、都財政は平成十七年度決算で黒字となるなど、財政再建に区切りをつけるということができました。しかしながら、財源不足の問題は解消いたしましたけれども、社会状況が大きく変化する中において、新たな財政需要に積極的に対応できる強固で弾力的な財政基盤を確立するという目的に照らせば、十八年度当時は、まだ通過点にすぎないという状況でございました。
 そうした認識のもと、都財政が将来にわたって健全性を維持するため、その質的な転換を図るということを目指して、中長期を見据えた新たな財政運営の基本的な考え方を示すものとして策定したものでございます。

○西沢委員 ありがとうございます。財政再建に一つの区切りをつけたのが平成十八年七月で、そのときに策定したのがこれと。今後の財政運営の指針、新たなステージに移る都財政という認識でございます。
 そうした中で、もちろん財源不足というのは解消したんですけども、しっかりとやりましょうということでありますが、この財政再建推進プランが策定された当時、これは全庁的に財政をよくしようということで、各局全庁的に取り組まれていたというような認識でございます。
 その当時からもそうなんですけども、各局が予算を見積もるときですけれども、そのときも削減をしていましたけれども、各局が予算を見積もるとき--これは質問です。その見積もるに当たっての方針というもの、これをどのように示しているのか、確認させてください。

○長谷川主計部長 予算の見積もりに関する依命通達というものを出しておりますが、これは、各局が翌年度の予算要求を行うのに先立ちまして、予算編成の方向性や考え方などを定め、庁内の意思統一を図るために、例年七月末ぐらいに翌年度の予算の見積もり方針として発しているものでございます。
 本年に関しましては、昨年夏から始まった経済危機による景気の落ち込みが大きく、都財政を取り巻く環境は、当面大きく好転することは期待できない状況にあるということでございまして、こうした中、七月三十日に、二十二年度予算の見積もりに関して、副知事名による依命通達を発したところでございます。
 今回の予算見積もりの依命通達の中では、二十二年度予算を、厳しい財政環境が想定される中にあっても、事業の効果や将来の影響を見据え、都がなすべき役割はしっかりと果たす予算として位置づけまして、その編成に当たっての基本方針として、第一に、東京の将来をつくるために必要な中長期的な取り組みを着実に実施するとともに、都政が直面する諸課題に的確に対応すること、第二に、これらを確実に達成するため、都民の税金を最大限効果的にむだなく活用するという認識のもと、事業の執行体制や将来の影響も含めて厳しく事業の有効性を検証した上で、一層効率的でより実効性の高い施策を構築することの二点を示しております。
 また、こういった基本方針とあわせまして、事務事業評価の取り組みの強化やゼロシーリングの継続、あるいは先ほどの補助金の見直しといったようなことも含めた具体的な指針なども示しておりまして、これに基づいて各局は予算を見積もることとなっております。

○西沢委員 ありがとうございます。この依命通達、手元にございます。先ほど関口委員が質問されておりました補助金などについても、各種補助金についてはこういうふうにしなさいというようなものなどが書かれていますね。職員定数についてはこうしなさいといったものが書かれている。
 こうしたものに基づいて、各局が予算を見積もっていくというような形で予算がつくられていくわけでございますけれども、当然、この再建プラン、先ほどからありました財政計画でございますが、平成十一年のときの財政再建推進プラン、それから平成十五年のときの第二次財政再建推進プランと、そしてそこに一区切りついた平成十八年七月の今後の財政運営の指針、こうしたものにも当然基づいて、こうした依命通達がつくられて、各局でこういう取り組みをしていくというような形になろうかと思います。
 ところが、そうした中で、最後の十八年七月に作成された今後の財政運営の指針でございますが、こちらに平成十九年度から、この終わりのページにあるんですけれども、中期財政フレームを示した平成十九年度から平成二十一年度までの今後三年間は、本文で示した方針を確実に実行しなければならないというようなことが書いてございます。
 つまりこれは、これに附属している概要版ですけれども、今後三年間の財政運営の基本方針ということが書いてあるわけなんですね。つまり十八年七月ですから、平成二十一年までの方針というものが基本的にここに書かれているというようなことでございます。
 当然、財政再建推進が終わった後、これをもとに財政の方針、財政を運営されているということで、この中にも当然数値目標などが書かれているわけではなく、財政再建一区切りしたけども今後のっとっていきましょうという意味ですから、今後もこういったものが指針になっていくんだと思います。
 ただ、平成二十二年以降、こうした例えば数値目標などをつけて財政の策定をするべきではないのかというような気持ちがあるわけなのでございますけれども、そこで、今後こういった数値目標を含んだ財政計画を策定するおつもりがあるのかどうか、お伺いをいたします。

○長谷川主計部長 先ほど平成十八年度の今後の財政運営の指針というものの策定には、その理由や背景があるという話を申し上げましたけれども、数値目標を含んだ財政計画を策定するかどうかを判断するということに当たりましては、第一には、策定しなければならない時期なのかどうか、第二には、収支の見通しを的確に予見できる状況なのかどうかといったような点について、見きわめる必要があると考えております。
 財政再建推進プランを策定した際の背景には、三年ないし四年先まで巨額の財源不足が見込まれるという中にございまして、その計画的な解消が財政運営における最大の課題でございました。そのため、プランの中では、数値目標として財源確保額を明確に掲げておりました。また、十八年度の今後の財政運営の指針については、先ほど申しましたとおり質的な転換を図るといったようなことを目指しておりました。
 先ほど答弁で申し上げたように、現在の都財政の状況につきましては、プランを策定したり、あるいはその指針を策定したりといった当時と比べれば、健全な状態を維持していると考えております。
 一方で、この先を見通したときに、景気の動向一つを見ても、一部で改善の兆しこそ見られるものの、依然として多くの下振れリスクも存在するなど、先行きは全く不透明でございます。
 さらに、法人事業税の国税化の暫定措置の問題など、地方税制のあり方や、あるいは子ども手当を初めとした政策変更による地方の負担など、今後の国の動向に伴う影響も不確定要素が多く、こうしたことについては、都議会の皆様方のご協力も得ながら、マイナスの影響に対して、国に対していくということも課題となってこようというふうに思っております。
 こうした中で、三、四年先を見据えた的確な収支の見通しを明らかにして、数値目標を掲げて計画的に財政運営を行うということは困難でございまして、仮にこうした計画を策定したとしても、その時々の状況変化に応じた弾力的な対応が逆に困難になるというようなこともあり得るというふうに考えます。
 当然ながら、今後も、中長期的な観点から、事務事業評価による施策の見直しや財政基盤の強化などの取り組みを進める必要がございますけれども、以上二つの点から、現時点で、財源不足の解消などの数値目標を含めた財政計画を策定する予定はございません。

○西沢委員 ありがとうございます。いろいろとこの先見たときは厳しいかもしれないけども、健全な状態を維持しているので、財政再建推進プランを策定した当時に比べれば健全な状態を維持しているので、そういったものをつくる予定はないというようなご答弁であったと思います。
 確かに、比較すれば、当時に比べれば健全であるとは思いますけども、当然、都民の立場に立って、今、現状で経済危機だといわれている中で、来年以降安心できるような方はいらっしゃらないと思うわけでございます。
 そうした中で、財務局が財政再建推進プランを推進した時期では、リーダーシップをまさに発揮して、音頭を取って、財政再建に努めてこられたわけでございます。そうした効果があったわけですけども、ここはそれが、その冊子というものが、十年前に策定した一次のプラン、二次プラン、そして今後の財政運営の指針と財政計画を出してきた、それが、十年前につくってみて、ここに来てそれがなくなったわけでございますよね。なくなるというようなことになると思います。ですから、これは都民の立場からすればちょっと不安かなというところがございます。
 特に、十年間そういった冊子をつくって進めてきたのを、逆にここでなくすというのは、各局に任せるとなれば、逆にそれが悪化に向かうきっかけになる可能性もあるのではないかと思いますから、そういった経済危機といわれている中、厳しい状況をぜひとも認識した上で政策をつくられていくことを望みたいと思います。
 そうした中で、先ほど来、中谷委員、関口委員からお話もありました、事務事業評価などを強化して財政をよくすると、しっかりとチェックしていくというようなお話がございましたが、こうした事務事業評価についてはもちろんしっかり取り組むべきであると考えます。
 私の方からは、一つお伺いしたいのが、国でも今導入を進めている事業仕分けについてでございます。
 行政刷新会議、国の中でも、この事業仕分けというものを取り入れて、税金のむだ遣い、これをなくしていく、洗い出していく、そういった取り組みがなされております。そして、この事業仕分け、これは構想日本という団体が提唱している一つの行政の洗い出しの手法でございますけども、国だけではなくて、多くの自治体でそれが取り入れられて、一割以上の歳出の削減に成功しているという自治体もたくさんございます。もちろん一割というのはどの自治体にもあるわけではありませんけれども、例えば東京都で特別会計も入れて十三兆円の予算で一割となれば一兆三千億円、それだけ大きなお金があるわけでございます。
 それがそのまますぐというわけではございませんが、一つこの事業仕分けというものを考えていく必要性があるのではないかと考えますが、構想日本が提唱する事業仕分けについて、どのような課題があるかということについてお伺いをいたします。

○長谷川主計部長 ご答弁の前に、先ほどこういった財政計画がなくなるということで、こういった経済状況の中で都民に不安を与えるのではないかといったようなお話もございました。
 我々、この間の取り組みの中で、中長期的に安定した財政基盤を確立して、基金や都債の余力をつくっていくというのは、まさにこういったときのためにやってきたものでありまして、またその努力も現在も継続している、指針の期間が終わってもそれは継続していくということになるんだと思います。
 そういう意味で、先ほどお話の中で予算の依命通達の話もございましたけれども、その中では、平成二十二年度の予算を、厳しい財政環境が想定されるという中にあっても、事業の効果や将来の影響を見据えて、都がなすべき役割をしっかり果たす予算として位置づけたというお話を申し上げましたけれども、その中できちんと課題にしっかりと対応する、なすべき役割を果たすと。そのために、むだを省いて、きちんとその事業の有効性などを検証した上で施策を構築していくという基本的な姿勢を示しておりますので、私どもとして、そういった姿勢で今後とも取り組んでいくつもりでございますし、ぜひとも先ほどの国におけるいろんな政策変更の影響でありますとか、あるいはむだの排除などなどにおきまして、今後とも、財源のいわば確保などにつきまして、私どもも努力いたしますけれども、またいろいろとご助力願えればというふうに思います。
 それで、事業仕分けについてでございますけれども、お話の事業仕分けにつきましては、要約すれば、外部評価者や住民の代表の方が、個々の事業の必要性や事業主体などにつきまして、公開の場において短時間の議論を行いまして、最後は多数決で評価するものというふうに承知をしております。
 個別の事業を根本から議論するということ自体は、これは有意義であるというふうに考えておりますけれども、事業の見直しという点においては、東京都では既に、財政再建推進プランの策定以降、すべての事業を対象として点検を行っておりまして、見直し再構築を進めております。これを初めとする財政再建の取り組みによりまして、八千億円以上の財源を確保したということをまず最初に申し上げさせていただきたいと思います。
 お尋ねの事業仕分けの課題ということでございますけれども、そもそもこの事業仕分けにおきましては、それぞれの事業について必要か不要かなどの仕分けは行われておりますけれども、政策の優先順位までは決められないのではないかという限界があろうかというふうに考えます。
 また、非常に多面的で複合的な視点で評価されるべき行政サービスを、五名程度の極めて少ない人数の第三者が、しかも三十分程度の短時間の議論で客観的に評価するということが一体できるのかと。さらには、そもそも住民の意思を代表してその意思を行政に反映するのは、長や議会の役割ではないのかといったような点も挙げられるのではないかというふうに思います。
 このほか、これはいろいろな見方、意見が分かれる部分もあると思いますけれども、実際に私ども職員が他団体の事業仕分けの現場を見て、そこで感じたところなどを少し挙げさせていただきますと、例えば事業そのものの有効性だとか必要性ではなくて、説明する方だとか、あるいは事業の性質によって評価が影響されてしまう可能性が結構あるんじゃないかと。これは具体的にいうと、説明者の理解不足だとか説明力不足によりまして、なかなかその必要性の理解が得られなくなってしまうというようなことが見られるかと思います。
 また、なかなか短期間で事業の効果が発現しにくいといったものが適正な判断が受けられないといったような可能性もあるかと思います。
 次に、事業仕分けをする、いわゆる仕分け人についてでありますけれども、市民以外の外部評価者の構成比が高いということで、私どもの見聞きした事例では、意見の多くもそれらの外部評価者によるものが多くて、全体の議論がそれに影響されるという傾向もございます。住民自治の観点からはどうなのかと。あるいは市民評価者として参加する方についても、非常に少人数であるがゆえに、たまたま選出された評価者の考え方によって意見が大きく左右される可能性というのがあろうかと思います。
 また、運営の仕方でありますとか判断の問題ですけれども、行政ニーズが複雑化するという中で、目的が多岐にわたるという事業がございます。その中の目的の一つのみに焦点を当てて議論された場合に一体どうなのか、あるいはそもそも運営の仕方として、市民を代表していない方による多数決ということがどういう意味を持つかといったような懸念もございます。
 最後に、結果のフィードバックとして、ここでその見直しなどの結果を出したとして、最終的に予算へ反映させるかどうかはまた別の判断とならざるを得ないという問題が一つの限界としてあろうかと思います。
 現時点で、私ども、この課題についてはこのように認識、あるいは見聞きしているところでございます。

○西沢委員 ありがとうございます。先日、知事も、こういった事業仕分けについてどうかというようなことで、記者会見の中でですけども、都は国に先駆けて財政再建をやってきたんだというような話もありました。ですから、これだけ、一つのツールとして、私は研究していく、考えていくことに値するのではないかと思うわけでございます。
 その課題、おっしゃるとおりの課題があるわけでございますけれども、もともとチェックするのは議会の役割なんだという話もございましたが、その議会が判断するための参考になる、私はそういうふうにも考えるわけでございますから、今後、そういったことも考えていっていただきたいということを要望させていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○中屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中屋委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時五十四分散会

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