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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十八号

平成二十年十二月十一日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長きたしろ勝彦君
副委員長西岡真一郎君
副委員長ともとし春久君
理事秋田 一郎君
理事遠藤  衛君
理事曽根はじめ君
伊沢けい子君
原田  大君
菅  東一君
高木 けい君
上野 和彦君
桜井  武君
酒井 大史君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長村山 寛司君
経理部長塚本 直之君
契約調整担当部長竹本 節子君
主計部長真田 正義君
財産運用部長松本 泰之君
建築保全部長金子 敏夫君
技術管理担当部長山本 康友君
参事山藤 敏明君
主税局局長熊野 順祥君
総務部長宮下  茂君
税制部長目黒 克昭君
税制調査担当部長宗田 友子君
調整担当部長木村 芳生君
課税部長長谷川 均君
資産税部長堀内 宣好君
徴収部長名倉  衡君
特別滞納整理担当部長松原 恒美君
会計管理局局長三枝 修一君
管理部長山本  隆君
警察・消防出納部長堀切喜久男君
参事土渕  裕君

本日の会議に付した事件
 決議について
 会計管理局関係
報告事項(質疑)
・平成二十年度資金管理実績(上半期)について
 財務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百四号議案   平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出-財務局所管分、都債
・第二百三十六号議案 都立産業技術研究センター(仮称)(二十)新築工事(その二)請負契約
・第二百三十七号議案 都立武蔵村山高等学校(二十)改修工事請負契約
・第二百三十八号議案 中央環状品川線五反田換気所下部工事請負契約
・第二百三十九号議案 街路築造工事に伴う道路構造物設置工事(二十北南-西東京三・二・六東伏見)請負契約
・第二百四十号議案  街路築造工事に伴う道路構造物設置工事(二十北南-西東京三・二・六富士町)請負契約
・第二百四十一号議案 永田橋上部製作・架設工事請負契約
・第二百四十三号議案 当せん金付証票の発売について
 主税局関係
報告事項(質疑)
・平成二十年度東京都税制調査会答申について

○きたしろ委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○きたしろ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、財務局関係の付託議案の審査並びに会計管理局及び主税局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 なお、付託議案中、第二百三十六号議案から第二百四十一号議案までの契約議案については、議長から、事業所管の常任委員会に調査依頼を行っているとのことでございます。ご了承願います。
 これより会計管理局関係に入ります。
 報告事項、平成二十年度資金管理実績(上半期)についてに対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言をお願いします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。

○きたしろ委員長 これより財務局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第二百四号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、予算総則、歳入、歳出、財務局所管分、都債及び第二百三十六号議案から第二百四十一号議案まで並びに第二百四十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料について理事者の説明を求めます。

○塚本経理部長 先日の委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 今回要求のございました資料は一件でございます。
 要求資料第1号、補正予算編成の状況(一般会計)をごらんください。
 平成十年度から二十年度までにおける一般会計補正予算の編成の状況について、予算年度、補正時期、補正規模、財源及び主な内容をお示ししたものでございます。
 なお、金額は億単位でお示ししてございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○きたしろ委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 ご発言をお願いいたします。

○遠藤委員 都が発表しました東京緊急対策Ⅱと補正予算についてお伺いいたします。
 第三回定例会で九月補正予算を審議して以降、さらにもう一段と急速な景気の悪化のあおりを受け、中小企業や都民の皆さんが大変厳しい条件に直面いたしております。我々も都民の皆さんから深刻な相談を受けているところでございます。景気の悪化というものを肌で感じている一人でございます。
 そこで、我が都議会自民党では、都民や中小企業の不安を取り除き、不況にあえぐ都民生活に手を差し伸べるために、せんだって公共事業の追加及び受注の機会の増加対策や中小企業の資金繰り支援策、福祉施策の安心対策、さらに周産期医療対策などについて緊急要望を行いました。
 都も、我が党の要請を受け、迅速に行動して緊急対策Ⅱを作成し、その後、補正予算を編成したところであります。その的確な対応には評価をしているところでございます。
 今回の緊急対策Ⅱは、その名が示すとおり、九月以来実施している対策に続く第二弾の対策であることを意味していると思います。
 また、二十年度、二十一年度の二年間で継続的に取り組む対策となっており、今回の対策の考え方は、現在編成中の二十一年度予算にも引き継がれることになります。
 そこで、九月補正予算から続く一連の流れの中で、今回の緊急対策はどのような位置づけになるのか、考え方をお伺いいたします。

○真田主計部長 都は九月に補正予算を編成いたしまして、それ以来、中小零細企業向け支援・雇用対策、地球温暖化対策、新型インフルエンザ対策、震災対策から成る四つの緊急対策に取り組みまして、都民が抱える不安解消に向け、当時において必要と考えられる対策はすべて講じたところでございます。
 しかし、ただいま先生からもお話ございましたとおり、その後の金融危機の影響が想像を上回る速さで実体経済にも波及しておりまして、景気は急速に悪化しております。
 このため、中小零細企業におきます資金繰りの悪化などによりまして、十月までの都内中小零細企業の倒産件数は前年度比一三%増加したほか、二十五歳から三十四歳までの若年層の完全失業率は五%を超えるなど、都民生活は大変厳しい状況に直面していると認識しております。
 こうした状況を踏まえまして、先般、都議会自民党さんからもいただきました緊急要望なども勘案いたしまして、現在の深刻な危機を乗り越えるための具体的な手だてを一刻も早く示すとともに、九月補正予算を初めとする前回の対策と、それから、平成二十一年度予算をつなぐものとしまして、今回、東京緊急対策Ⅱを作成いたしまして、その中でも、とりわけ早期の対応が必要な施策につきまして、今回、補正予算という形で提案させていただいたところでございます。
 これによりまして、先般ご議決いただきました九月補正予算、それから、今回提案いたしております十月の補正予算、それから、現在編成中の平成二十一年度予算、これらを一体のものとして、対策を切れ目なく実施いたしまして、都民、中小企業の危機克服に向けた懸命な努力を支えていきたいと考えております。

○遠藤委員 九月の補正からスタートした一連の緊急対策が、二十一年度予算も含めて有機的に結合し、一体となって、都民がこの危機的状況を克服するための支援であるということがよく理解できます。
 この位置づけを明らかにした上で、今回提案されている補正予算と、そのもととなっている緊急対策Ⅱの内容に関する質問に移らせていただきます。
 まず、今回作成された緊急対策Ⅱのポイントは何か、お伺いいたします。

○真田主計部長 今回策定いたしました緊急対策の柱は三つございます。
 一つ目は、中小企業支援・雇用確保対策でございまして、中小企業の資金繰りへの緊急支援、倒産防止、悪化する雇用環境への対応を行うものでございます。
 それから、二つ目は、都民の不安にこたえる生活者支援といたしまして、生活困難者への緊急自立支援、福祉施設におきます安心・安全対策、それから、周産期医療緊急対策を行うものでございます。
 それから、三つ目は、中小企業活用によります都市インフラの整備でございまして、公共工事の年度内発注量の増大を図るものでございます。
 今回の対策は、これらの柱に基づきまして、現場に根差した実効性のある施策を実施いたしまして、現に厳しい経済環境のしわ寄せを受けております都民の皆様、それから、今後の影響の拡大に対しまして、適切な措置を講ずることによりまして、みずから危機克服に向けた第一歩を踏み出そうとされております都民の方々を支えていくものでございます。

○遠藤委員 都民の皆さんや中小企業などに対する不安を解消し、迅速に対応すべき施策を実施するものであることは理解できました。
 この補正予算と九月の補正予算とを比較すると、安全・安心対策と中小企業・雇用対策の二つは補正予算の柱として共通しておりますが、今回、新しく中小企業活用による都市インフラの整備という項目が入っています。インフラ整備といえば、従来から景気対策の定番のようなものでありましたけれども、このたびの補正予算は景気後退に伴う不安や悪影響から都民と中小企業を守ることに主眼を置いた緊急対策だと聞いており、このインフラ整備の取り組みについても、これまでとは異なる意図があるものと思います。
 そこで、中小企業活用による都市インフラ整備について、この対策の特徴と取り組む意図は何なのか、お伺いいたします。

○真田主計部長 東京のインフラ整備の一翼を担っておられます中小企業は、現下の非常に厳しい経済環境の中で懸命に努力し、東京のまちづくりを支えていただいております。
 今回の中小企業活用による都市インフラ整備は、そういった中小企業の持つノウハウをできるだけ活用いたしまして、例えば、路面補修、あるいは、道路、橋梁の維持工事などを実施いたしまして、社会インフラの本来機能を回復させることを目的としております。
 また、その実施に当たりましては、発注方法の工夫による工事の前倒し、あるいは、もともと来年度予定されておりました工事の追加発注などによりまして、年度内発注量の増加を図ってまいります。
 これによりまして、従来は年度末から年度初めにかけて減少しておりました公共工事の発注量が平準化されまして、受注機会が拡大しまして、苦しい経営環境にある中小企業の経営を下支えするといったことも可能になるというふうに考えております。

○遠藤委員 大変幅広い視野から考えられていることが理解できます。
 このたびの景気後退は全国に広がりを見せており、東京だけではなく、他の多くの道府県でも補正予算による対応が行われているというふうに聞いております。
 そんな中で、金額的に東京都がどのくらいの割合を占めているのか、お示ししてください。

○真田主計部長 直近の十一月及び十二月の補正予算に関する他の道府県の状況でございますけれども、直近のデータでございます十二月八日現在のデータが今、私どもの手元にございますけれども、それによりますと、都を含め四十四団体が補正予算を編成しております。
 一般会計補正予算規模は、今申し上げました四十四団体の合計で、約一千三百七十億円となっておりますが、このうち、今回東京都が提案しております補正予算額は四百九十六億円でございますので、全体のおよそ四割を東京都が占めているという状況でございます。

○遠藤委員 ほとんどの都道府県が十一月、もしくは十二月補正予算を編成しておりますが、そのうち、都はかなり大きなシェアを占めていることがわかるわけであります。それだけに大きな規模の補正予算を編成していることになると思います。
 質的な面で見ても、今回の補正予算は、単に国の補正予算の下請的な発想ではなく、あくまでも都民の目線に立って、都独自の考えに基づいた緊急対策としての補正予算を編成しているわけであります。都のように、国の補正連動が中心ではなく、独自の補正予算を編成している団体は東京都以外には秋田県や長崎県など、幾つかしかないようでありますけれども、これに対して、東京は金持ちだからというようなうがった見方も聞いております。東京富裕論にはね返ることを危惧しているところでございます。
 今回の補正予算が東京富裕論を再燃させる可能性について、お伺いいたします。

○真田主計部長 今回の補正予算は、全国の大体四割ぐらいを占めているということでございますし、また、その財源は大半が都債、あるいは財政調整基金でございますが、十二月というこの時期に、このような財源対策を講じることによりまして、都民のための緊急対策の補正予算を編成できたのは、まさに景気変動の影響を受けやすい都の財政構造を前提に、これまで基金の積み立て、あるいは都債残高の圧縮に努め、財政の対応力をしっかりと蓄えてきたからにほかならない、そういったこれまでの努力のたまものであるというふうに考えております。
 したがいまして、東京富裕論に対抗していくためには、こうした都財政が持つ税収変動リスク、あるいは、都の財政再建努力をきちんと主張していくことが大事だというふうに考えております。
 来年度は、景気、企業業績の悪化によります都税収入が大幅に落ち込むと予想されておりますし、また、法人事業税の暫定措置による減収もこれに加わりますので、都財政は大変厳しい状況に直面することとなります。
 こうした中にありましても、都財政には現下の都民生活が直面いたします諸課題に適切に対応することはもちろん、将来の東京をつくっていくための歩みも着実に進めていくことが求められておりまして、そういったことを考えますと、とても富裕などといえるような状況にはないというふうに考えておりますし、そういった実態をまた正確に主張してまいりたいというふうに考えております。

○遠藤委員 今後、財政環境の悪化が見込まれる中にあって、これまでの財政再建の成果である基金や都債を財源にして予算を編成しており、苦心した補正予算であったことがよくわかります。
 しかし、せっかく予算をつけても事業にうまく生かされなければ、意味がありません。緊急対策の中にある制度融資の拡大についても、現在、融資の受け付けを行う区市町村の窓口がパンク状態でしたが、我が党が緊急要望を出して、企業診断士さん等のご協力をいただきまして一定の改善は見られつつありますが、そうしたら、今度は信用保証協会が渋滞を発生しているというふうに聞いております。運転資金を借りようと思っている中小企業は決済日と一刻を争っている状況であります。さすが保証協会もこの厳しさを理解して、日曜、土曜を返上して仕事を始めたということも聞いております。
 施策効果を十分発揮するためには、視野を広く持って、実際にどう使われるのかまで考えて、施策を構築する必要があります。事務事業評価を所管し、予算を統括する財務局にも最後までしっかりと見守っていただきたいと思っております。
 厳しい状況にあるときこそ、都民や中小企業を守る施策を確実に実施するとともに、財政の健全化を進めるにも、財政の役割が一層重要になります。今こそ財務局の腕の見せどころであります。英知を結集して、都民や中小企業の声にこたえていく最も大事なときであります。
 そこで、厳しい財政環境に立ち向かい、これまで以上に英知を絞り、財政運営を行わなければならない財務局のトップ、財務局長に、二十一年度予算編成に向けた決意をお伺いいたします。

○村山財務局長 今回の経済危機、大きさ、深さもかつてないわけですけれども、同時に変化のスピードが非常に速いという点でも、かつて経験したことのないわけでございまして、そうした中で、この間、私ども緊急対策、取り組みの中で最も重視してきておりましたのは、そういう状況の急速な変化に対する対応のスピードという点と、それから、その取り組みを継続させていくという二つの点でございます。
 そうした観点から、この間、一刻も早く都民や中小企業の不安解消に向けて、具体的な対策を実施しなければいけないということで、今回の東京緊急対策Ⅱを策定いたしまして、同時に、今回出させていただいた対策というのは、これが一発でおしまいというものではなくて、現在編成中の来年度予算にも引き継がれていかなきゃいけないというふうに考えておりまして、そうした一連の流れの中で、都民の不安解消に向けた取り組みを支えていきたいというふうに思っております。
 厳しい状況に直面している都民や中小企業が抱えている課題に迅速に対応していきたいと。そして、同時に、将来に向けた布石にもちゃんとしかるべき手だてを講じるというスタンスに立って、二十一年度は予算編成にこれから取り組んでいきたいというふうに思っております。
 そうした中で、都財政もまたそういう経済危機の影響を受けておりまして、今後、厳しい局面というものも想定されるわけでございます。
 したがいまして、来年度予算編成の実務に当たりましては、施策の目的を最も効果的に達成できるように、事業の実施の結果を改めてもう一回ちゃんとつぶさに点検いたしまして、現場で起きている具体的な問題、今、先生からご指摘いただきましたような施策がどういうふうに実際に実行されているのかという点についても、ちゃんと目を配りながら、そういうところに具体的な解決方法を見出すような具体的な努力をする中で、幅広い視点から物を見ながら、どういうふうにすれば、実効性の高い事業ができるのかというようなことをしっかりと考えながら、厳しい財政環境の中にあっても、あるいは、中にあるからこそ、これから本当に都民のために役立つ都政を継続的に実施できるように、それを支える財務局としては頑張っていきたいと決意しております。

○遠藤委員 今、局長の決意を聞いて、本当にこれならというような安心をしております。
 きょうの質疑を聞いていまして、最後に一言申し上げたいと思います。
 先日、我が党の代表質問において、石原知事が答弁しているように、都財政が財政再建で培った対応力を十分発揮できたのは、税収の伸びがあったからといって、それを直ちに施策に回すのではなく、基金に積み立ててきたからであります。だからこそ、今日のような、百年に一度といわれるような不況で税収が伸び悩んでも、施策に優先順位をつけて、安易に基金を取り崩したりせず、債券の増発も極力抑える堅実な財政運営を今後も引き続いて行っていただきたいというふうに思っています。
 以上で、私の質問を終わります。

○西岡委員 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)に関連して伺います。
 遠藤理事とかぶらないようになるべく工夫をしながら、質問をしていきたいと思います。
 東京都から、九月補正予算に続き、今回五百八億円規模の、中小企業、あるいは都民生活や医療、雇用対策など、幅広い分野を盛り込んだ東京緊急対策Ⅱが上程されました。厳しい景気動向に対して、国では、第二次補正などの本格的景気対策が年明け以降になっているという状況の中、東京都は率先して、逼迫する都民生活を守るために、都独自に積極的に取り組んでいこうという姿勢は、我が会派としても大いに評価できるものだと考えております。
 九月補正の場合は、その六割が新銀行東京の損失処理だったため、我が会派は、せめて年内がめどといわれている新銀行東京の旧経営陣の責任問題が明確にされるまでの間は、深刻な景気対策のためにも五百四十億円分は当面、財政調整基金に積み立てておいた方がよいとの判断から組み替え動議を提出した経緯があります。
 まずは、東京都の補正予算の基本的考え方について伺います。
 補正予算編成の状況という資料もございますが、東京都独自の経済対策としては、青島都政以来十年ぶりぐらいではないかというふうにもいわれておりますけれども、今回の十二月補正は、これまでにない相当厳しい経済状況の中での緊急的対応ということで、私どもももちろん理解しておりますが、東京都としての補正予算に対する基本的なスタンスと、今回も連続して補正対応を行ってきたという考え方について、基本的なことについてまず伺いたいと思います。

○真田主計部長 都はかねてから、当初予算を年間総合予算というふうな形で編成しておりまして、その年度に必要な施策については、基本的にすべて当初予算でしかるべく財源措置をしてきております。
 しかしながら、当初予算編成後に生じた事由に基づきまして、例えば、今回の緊急対策のように特段の必要性が発生した場合、あるいは、過誤納還付への対応など、個別の事案処理が必要になった場合には、これまでも必要に応じて適時適切に補正予算の編成を行ってまいりました。
 今回の補正予算は、先ほどもお答えしましたとおり、九月補正予算編成後、米国発の金融危機の影響が想像を上回る速さで実体経済に波及いたしまして、都民生活が非常に厳しい状況に直面するに至ったということを踏まえまして、緊急に対応する必要があるというふうに判断いたしまして編成したものでございます。

○西岡委員 ご答弁ありがとうございました。
 非常に厳しい実体経済に波及している景気ということですが、東京商工リサーチがつい先日発表した十一月の倒産件数は千二百七十七件、六カ月連続で前年を上回っております。負債総額も五千七百六十億円に達したとされています。このうち、赤字累積、販売不振、売り掛け回収難によるものが九百七十六件で、七六・四%を占めているとのことです。
 最近では、ソニーの大規模なリストラを初めとしまして、派遣社員、期間工、契約社員の契約打ち切り、内定取り消しなどなど、本当になりふり構わぬ人員削減も進んでおりますが、都内の有効求人倍率も九カ月連続で悪化をたどっております。米国発の金融危機がまさに大津波となって、日本経済にも大きな影響を及ぼしていると思います。
 そこで、都は、市場が混乱した時期と同時期、この十月末に都民生活の危機的状況をかんがみて、もう一段の対策を講じるとした東京緊急対策Ⅱを作成しました。
 今定例会では五百八億円規模の二次補正予算を提出していますが、補正の予算編成を行う上での財源の確保についての基本的な考え方を伺ってまいりたいと思います。
 また、あわせて、この補正予算への対応のために、平成十九年度の繰越金は今回の対策への手当てによって、そのすべてを充当したことになるというふうに考えておりますが、ご見解を伺いたいと思います。

○真田主計部長 まず、財源の選択に当たりましては、当然その対象となる事業、あるいはその財源の性格、さらには、その時々の財政状況、あるいは財源の状況、さらには、今後の財政収支の見通し、そういったものを総合的に勘案して判断しております。
 そうした観点から、今回の一般会計補正予算、四百九十六億円でございますけれども、その財源の内訳としましては、まずは前年度からの繰越金を六十三億円、それから、都債を百五億円充当させていただきました上で、なおかつ不足する三百二十七億円につきましては、財政調整基金からの繰入金で充当させていただくこととしたところでございます。
 また、お尋ねにございました前年度からの繰越金でございますけれども、三定補正と、それから今回の補正予算によりまして、全額充当したことになります。

○西岡委員 ご答弁ありがとうございました。
 一次補正予算における緊急対策や新銀行東京の損失処理などで、十九年度決算剰余金は全額がもう充当されているということであります。
 このような中、今回の二次補正予算である緊急対策Ⅱ策定での財政調整基金の役割というものは大変重要だと思っております。ここ数年にわたり、東京都は施策を展開しながらも、財政調整基金も積み立ててきたわけですが、今年度は、新銀行東京の追加出資四百億円にも使いました。現在の残高は五千四百四十四億円となっており、今後の減収局面における財政調整基金の役割について、その見解を伺いたいと思います。
 また、今後の財政運営の指針の中では、中期財政フレームを作成する時点で想定していなかった都税の減収が生じた場合には、基金の積極的な活用を行うとしていますけれども、今回の財源確保はその事例に当たると考えてよいのか、ご見解を伺いたいと思います。

○真田主計部長 財政調整基金の役割でございますけれども、ご案内のとおり、税収増があったような場合などには積み立てまして、経済事情の著しい変動等によって財源が著しく不足する場合などには、それを取り崩すことによりまして、いわゆる年度間の財源を調整し、長期的視点から財政の健全な運営を図ることにございます。
 財政調整基金の取り崩しの事由としましては、そういった観点から、条例におきまして、例えば経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合において、不足額を埋めるための財源に充てるとき、あるいは緊急に実施することが必要となった大規模な建設事業の経費、その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるときなどと定められております。
 今回の取り崩しは、この中の必要やむを得ない理由によりまして生じた経費に該当するものでございまして、まさに財政調整基金というのは、そういう非常事態に対する備えという側面もございまして、こういうときにこそ使うものであるというふうに考えております。
 一方、今後の財政運営の指針におきましては、フレーム作成時に想定し得なかった都税の著しい減少が生じた場合などに基金を活用することとしておりますけれども、ただいま申し上げましたとおり、今回の財調の活用はそれとは異なる考え方で対応したものでございます。

○西岡委員 考え方はわかりました。
 それでは、今回、都債の発行も組み入れられております。補正予算の財源確保を行った理由とその規模の考え方についてご見解を伺いたいと思います。

○真田主計部長 都債につきましても、ご案内のとおり、これは借金でございますが、世代間の負担の公平、あるいは財政収入の年度間調整を図る機能がございまして、計画的な財政運営を確保する上で重要な役割を担うものでございます。
 今回の補正予算におきまして、将来にわたり都民の重要な財産となる街路、あるいは公園などのインフラ整備に要する財源としまして、この都債を充当することとしておりまして、先ほども申し上げましたとおり、百五億円を都債で充てさせていただいたところでございます。
 都はこの間、財政再建の過程の中で都債の発行余力を蓄えてまいりましたけれども、今回、このような形で都債を充当することが可能となりましたのも、これまでのそういった財政再建における努力があったからだというふうに考えております。

○西岡委員 東京緊急対策Ⅱは、今年度から平成二十一年度にまたがるものであり、事業規模では約二千百四十億円で、予算規模では総額一千三百億円規模となっております。既に来年度の予算編成概要では、知事と福田前総理が妥協した法人事業税の国税化によって二千八百億円の減収が予定をされています。
 政府・与党の税財源改革への取り組み状況や、消費税の増税は三年後以降との見通しの方針が示されるなど、暫定であるはずの地方法人特別税が恒久的位置づけとなっていくということが大変懸念をされておりまして、早期に本来の姿に戻していかなければならない状況だと思っております。
 そういった中で、来年度予算編成過程では、各局からの要求段階では、都の財源不足額は三千百七十億円になるとのことでありました。そこに一連の企業の減収減益によって一千億円規模とも見込まれる都税の減収の見込みや、またこの緊急対策Ⅱの来年度予算措置分の約八百億円を上乗せすると、来年度の予算編成においては財源不足が五千億円程度になるものと予測をされます。したがって、来年度の予算編成は大変に厳しい作業にもなるのかなと考えております。
 今年度以降の東京都の財政は、規模ははっきりと確定していませんが、税収減が懸念をされております。
 そこで、財源確保は大変重要な観点であります。都民の生活を守るために積極的な施策を展開する一方、過去の経験、そして財政規律や財政再建の視点も重んじて、財源不足を乗り越えていかねばなりません。
 二十一年度予算も含めて、今後の財政、財源確保に向けた当局のご見解を伺います。

○真田主計部長 ご案内のとおり、都財政は景気動向の影響を受けやすい極めて不安定な財政構造でございまして、そういったことを前提としながら、都はこれまで基金の積み立てや、あるいは都債残高の圧縮に努めまして、必要な都民サービスを安定的、継続的に実施できるよう、堅実な財政運営に努めてきたところでございます。
 今後、都財政は非常に厳しい状況に立ち至ることが見込まれておりますけれども、こうした中にありましても、今回、都民が直面する課題に迅速な対応をとることができましたのも、先ほど来申し上げているとおり、この間の財政運営の適正さが改めて証明されたものというふうに考えております。
 今後とも、都民サービスを安定的、継続的に提供していかなければなりませんけれども、こういったことに対応するためには、まずは歳入面におきまして、これまで培ってきました基金、あるいは都債の発行余力といった財政の対応力を適時適切に活用することはもちろんでございますが、そのほかあらゆる歳入確保努力を行っていく必要があるというふうに考えております。
 同時に、歳出面におきましても、財政規律の確保に努める一方、徹底的にむだを省くことによりまして、一つ一つの施策の実効性を高めていかなければならないというふうにも考えております。
 このように、歳入歳出両面の努力を行うことによりまして財源を確保しまして、現下の都民生活が直面する課題への的確な対応、あるいは将来に向けた東京の都市づくりへの着実な推進、そういった点に財政面からしっかり対応していきたいというふうに考えております。

○西岡委員 幅広くご答弁いただきましてありがとうございました。
 今後も景気後退の状況は、全治三年ともいわれております。長期化するともいわれております。都政は、今回の緊急対策など都民生活に必要不可欠な各種施策を行うため、財政対応能力を駆使し、財源を確保しながら、都民の生活を守っていかなければなりません。
 一方で、弾力的な財政基盤の確立に向けた取り組みも引き続き行っていくことを求めて、質問を終わりたいと思います。

○上野委員 私からは、補正予算について何点か質問していきたいと思います。
 遠藤理事、西岡副委員長と重なる部分については、角度を変えて質問していきたいと思います。
 アメリカ発の金融危機が世界規模の大不況へと拡大する中、今やこの影響は都民の暮らしにも及んでおり、このままでは立ち直りのきっかけさえ見出せない状況にございます。
 都は既に、我が党の要望を受け、九月に補正予算を編成し、中小零細企業向け支援・雇用対策、地球温暖化対策、新型インフルエンザ対策、震災対策の四つの分野で緊急対策を強力に推進するため、その時点においてでき得る限りの早期の取り組みを行ってきたところであります。
 しかし、その後も世界的な金融危機はますます深刻化しております。実体経済に大きな影響が及ぶ事態となっております。中小零細企業における資金繰りは悪化し、倒産件数も増加したほか、将来を担う若者たちの失業率は上昇するなど、都民生活はさらなる悪化の一途をたどっているところでございます。
 その後、原油価格の異常な高騰はおさまったものの、円高の進行などにより中小企業の経営は困難をきわめるなど、都民生活は九月補正のときから想像を超えるような深刻な事態に直面しております。
 今、最も大事なことは、非常時の経済対策を思い切って打ち出し、現在の危機から国民の生活を守り、中小企業の経営を守ることであります。
 そこで、都議会公明党は、東京の実情に即した対策を一刻も早く打ち出していくことが急務であると認識いたしまして、過日、中小企業の資金繰り支援、雇用創出対策、失業者など生活が困難となった方への緊急融資や社会福祉施設等の耐震化対策、また、さらなる周産期医療体制の強化などに早期に取り組むよう、緊急要望を行ったところであります。
 都は、九月補正を中心とする緊急対策に引き続き、十月末に東京緊急対策Ⅱを打ち出しました。この新しい緊急対策は、我が党の要望がしっかりと反映されたものであり、評価するものでございます。
 今後、現在の危機的状況を打開するためには、都民が抱えている不安をしっかりと受けとめ、今回の緊急対策に盛り込まれたような都民の不安解消に向けた、実効性のある施策を迅速に実施していくことが重要であると考えております。
 そこでまず、今回の緊急対策Ⅱの事業選定の考え方についてお伺いいたします。

○真田主計部長 東京緊急対策Ⅱは、厳しい経済環境のしわ寄せを現に受けております都民の方々と、それから、さらに今後の影響の拡大に対しまして、具体的な手だてを迅速に講ずることを目的としたものでございます。
 こうした観点から、今回の対策には、危機を乗り越えようと自立に向けて懸命に努力されております都民の方々、あるいは中小企業の方々をしっかりと支えまして、後押しするための実効性の高い施策を盛り込んでおります。
 具体的には、先般、先生方からもいただきましたご要望も踏まえまして、中小企業の資金繰りの支援、あるいは雇用確保対策、あるいは離職者などへの生活者支援、さらには中小企業活用による都市インフラの整備などを実施することとしておりまして、このうち予算措置を必要とし、とりわけ早期に取り組むべき対策につきましては、今回、補正予算という形で提案させていただいております。

○上野委員 お話のように、今回の補正予算のポイントは、支援策を通じて、最終的に都民や中小企業の自立を促す取り組みであるということであります。現下の厳しい状況の中、自立のための仕組みをあわせて講じながら、真に困っている人に対するセーフティーネットをしっかりと広げていくことが必要であります。
 今回の緊急対策Ⅱの事業内容を見ますと、ばらまきでないことを意識した箇所が見受けられます。
 そこで、財務局として特にお考えがあると思いますけれども、具体的な事例を挙げて、このことについてご説明いただきたいと思います。

○真田主計部長 今回の緊急対策の一つの特徴は、今、先生からもお話ございましたけれども、危機を克服しようとする都民、あるいは中小企業の方々を緊急的に支えることはもとより、その後の都民、中小企業の自立を促す仕組みをあわせて組み入れたことでございます。
 例えば生活者支援におきまして、対象者を離職者としておりますけれども、単に金銭給付を行うだけでなく、その貸し付けに合わせまして、例えば産業労働局が所管しております、しごとセンターと連携をとりながら、再就職支援を行うものとしております。
 また、福祉施設の経営改善のための融資の新設に当たりましては、あわせて銀行OBなど中小企業経営にノウハウを持つ専門家によります経営改善計画の策定支援を実施することとしております。
 さらには、今回、一連の対策が恒久的な措置ではなく、基本的に時限であるという点も、こういった自立を促す仕掛けの一つであるというふうに考えております。

○上野委員 これからしばらくは、このような景気低迷が見込まれておりますので、限りある財源を有効に活用することが大切であります。今後の都政運営に当たっては、一層のめり張りをつけた施策展開が求められるところであります。
 こうした中、補正予算の編成に当たっては、財源の選択にも苦慮されたと思います。九月補正では、十九年度の決算剰余金を財源に編成することができましたが、税収が減少傾向と見込まれる中で、財源をどうするかというのは大きな課題であります。
 そこで、今回の補正予算編成の財源の基本的考え方について伺います。

○真田主計部長 都は、これまで財政再建の取り組みを通じまして、基金の積み立てや都債残高の圧縮など、いざというときに備えた財政の対応力の強化に努めてまいりました。今回の補正予算は、まさにその成果である財政の対応力を活用することによって編成することができたものであるというふうに考えております。
 とはいいましても、今後、財政環境が一段と厳しくなると見込まれている中にありましては、財政調整基金など、基金の残高をできる限り維持していくことも重要であるというふうに考えておるところでございまして、また財源の選択に当たりましては、できる限り都民サービスへの影響も最小限に食いとめていかなきゃならない、こういったことも必要だというふうに考えております。
 そういったことをいろいろ踏まえまして、今回の財源でございますけれども、先ほどもお答えしましたように、まずは九月補正でも活用させていただきました昨年度の繰越金の残額を全額活用させていただくことにしました。
 それから、インフラ整備に関しましては、その効用が将来世代にも及びますので、世代間負担のバランスにも配慮いたしまして、都債を充当させていただきました。その上で、なお不足する財源につきましては、いざというときのための基金であります財政調整基金の取り崩しで対応したものでございます。
 その結果、今回の一般会計におけます補正予算の財源は、前年度からの繰越金六十三億、都債が百五億、それから財政調整基金からの繰入金が三百二十七億という形にさせていただいたところでございます。

○上野委員 今回の補正予算の財源が、これまでの財政再建により生み出された、いわば都財政の力によるものであることが確認できたわけでありますが、これまでの苦しい財政再建の取り組みは、まさにこうした事態に備えて行ってきたものであります。今こそ蓄えた力を十分に発揮し、その成果を都民に還元するときであります。
 しかし一方で、蓄えた力は有限であることにも留意しなければなりません。バブル崩壊後には基金残高が底をついたことがあったと聞いております。税収が減っても、国に頼ることができない都としては、一定水準の基金残高の維持にも配慮していく必要があると考えます。
 そこで、今回の基金の取り崩しで、財政調整基金はバブル期と比べてどのようになっているかを含め、現在の残高についてどのように評価されているのか伺います。

○真田主計部長 今回の補正予算の財源といたしまして、先ほど申し上げましたとおり、財政調整基金を約三百二十七億円取り崩させていただきました結果、今年度末の財調基金の残高は約五千百三十億円になると見込んでおります。
 過去には、お話ございましたとおり、バブル期の平成元年度には最高で三千五百二十二億円ありました財政調整基金の残高が、バブル経済崩壊後の税収減への対応で一気に底をつきまして、平成九年度には約十億円まで減少したという経験もしてございます。
 基金の取り崩しによりまして、何とか都民サービスを維持してきたという過去の苦い経験を踏まえますと、今後一層厳しい財政環境が到来することが見込まれている中にありましては、現在の水準でも決して十分とはいえないのかなというふうに認識しているところでございます。
 いずれにしましても、景気変動の影響を受けやすい不安定な歳入構造にあります都財政にとりまして、財政調整基金というのは非常に貴重なとらの子でございまして、長期的な景気の波を吸収しながら、必要な行政サービスの水準を確保していく上で大変貴重な財源でございます。
 こうしたことから、財政調整基金につきましては、必要な都民サービスを維持する上で、適時適切に活用していくことはもとよりでございますけれども、引き続き基金残高の一定水準の維持にも留意していく必要があると、先生のご指摘のとおりだというふうに考えております。

○上野委員 これまでの堅実な財政運営により基金積み立てを行っていたことから、今回の緊急対策は可能となったわけであります。第一回定例会の財政委員会におきまして、我が党の高倉議員がアリとキリギリスを引き合いに出して指摘したとおりでございます。ごく一部、基金積み立てを非常に否定的にとらえて、批判されてきた会派もございますが、現在、こうした状況をどのように評価されているのでありましょうか。まさか想定外のことといわれることはないと思いますけれども、もし仮に税収がふえた分だけ使ってしまっていたとしたら、今日のような緊急事態に迅速に対応することは困難であったと考えます。
 今回の補正が組めたのも、先見性を持ち、税収が好調なときには蓄え、都民にとって必要なときには取り崩すという堅実で長期的な視点を持った財政運営のたまものであることを理解すべきであるといいたいわけでございます。
 ところで、税収環境は一段と厳しくなることが予想される中、今後は都民生活を守る視点で施策を積極的に展開する必要があります。
 そこで、そうした施策を継続的に支える財政運営が求められますが、最後に財務局長の所見を伺い、質問を終わります。

○村山財務局長 ただいま部長から答弁申し上げましたとおり、都財政は景気の変動の荒波の中で、それがダイレクトに税収変動にはね返り、それが収入の増減にはね返るという特徴的な財政構造をいわば宿命といたしておりまして、そのことを前提に財政運営に当たらなければならないというふうに従来から考えてきております。
 したがって、これまでも税収増が生じてくる局面においても、ありていにいえば浮かれて安易に歳出の拡大という形の対応ではなくて、そういうときにも財政環境の変動に対応し得る基金の充実とか、あるいは都債残高の圧縮というふうなことに継続的に取り組んできたつもりでございまして、そのことが今回の状況への対応において役に立ったかなというふうに思っている次第でございます。
 今後のことでございますけれども、都財政を取り巻く環境は、先ほど申し上げたとおり、今後一層厳しさを増してまいります。これまでの経験に照らしてみても、相当のレベルの厳しさといいましょうか、になるであろうということを私どもとしても覚悟せざるを得ないような状況にございます。
 そうした中にありましても、都民生活が直面する課題への対応、それから、それだけではなくて、東京の将来を見据えた施策の着実な推進をちゃんとやるというのが私どもに課せられた役割だというふうに思っておりまして、そのためにこそ、これまで蓄えた財政の力というものを適切、的確に活用していこうというふうに思っておりますけれども、同時に、そういう取り組みを継続的に進めていくためには、今まで培ってきた財政の弾力性といいましょうか、対応力を厳しい財政環境下の中でもどう維持していくかということがこれからの大きな課題になろうかというふうに思っております。
 そのために、公会計制度の活用による事業の不断の見直し、あるいは同じ事業の効果でも、なるべく最少の経費でその効果が得られるような施策の実効性の向上努力といったようなことを含めまして、改めて気を引き締めて、みずからを厳しく律しながら、今後の財政運営に当たっていきたいと、かように決意しております。

○曽根委員 私からも緊急対策Ⅱに基づく補正予算について何点か質問させていただきます。
 今回の補正予算についての基本的な考え方は何人かの方がお聞きしましたので省略をいたしますが、今ちょっとため込みの話で、私どもと思われるんですけれども、否定的であるというようなお話があったので、誤解を招かないように、そのことも含めてちょっとはっきりさせておきたいと思うんですが。
 私ども日本共産党は、基金積み立てについて一概に否定をしていないのは前からいっているとおりで、特に財調基金などは、使い道についてはかなり幅広く使える財源ということで、基本的には大事な基金だというふうに思っているわけです。
 問題は、財調基金以外にも三千億円に上りますオリンピック準備基金、それから二千億円を超える今回の特別対策基金、また社会資本整備基金も四千億円を超えていると思うんですね。合計で一兆六千億円。これだけの基金があるわけですから、計画的に活用すれば、都民のためにいろんな仕事ができますよということを繰り返し申し上げているということをまず申し上げておきます。
 それで、今回の補正の基本的な考え方は、先ほどお話ありましたが、ずばりお聞きしますけれども、前回九月の補正のときも、例えば都民の不安にこたえるとか、景気後退にも対処していかなきゃならないというようなことはいわれていたわけです。にもかかわらず、そのときには九百三十億円余りの財源の半分以上、五百四十億円は新銀行の処理に使われました。
 これについても、知事みずから、これは前倒しであると。年度末処理すればよいものを、必要なときに早く処理をしておきたいということを所信表明でもおっしゃって、優先的に新銀行の処理の基金積み立てを行ったと。残り四百億円弱で、都民施策については、さっきいったような趣旨であっても十分であるというようなことは、前回の財政委員会で私の質問に主計部長がお答えになっています。
 それが決定されてからわずか一カ月半、たしか十月二十四日の定例記者会見で知事は、国も第二次の補正を考えているようだし、東京も憂慮すべき状況なので、積極的に検討しなきゃならぬということをおっしゃったと。
 率直にいえば、前回五百四十億円の新銀行積み立ては年度末で間に合うわけですから、優先的に都民の景気対策に使っていれば、少なくとも今回の金額、財源的な規模は賄えることができたわけで、率直にいえば、都民の景気対策よりも新銀行が優先していたという考え方があったということについては、事実、経過として明らかだと思うんですが、いかがでしょうか。

○真田主計部長 九月補正予算をご審議いただいたときにもお話し申し上げたかと思いますけれども、私どもは九月補正予算を提出いたした時期におきまして、都が対応しなければならない課題については速やかに対応--想定されます都民が抱えている不安の早期解消に向けて、当時必要なものについてはすべて対応させていただいたというふうに考えておりますし、また、その中で新銀行のお話がございましたけれども、それにつきましても義務的経費でございますし、早期に対応することが財政的にもメリットもあることから、九月補正に同時に出させていただいたところでございますし、それにつきましては都議会のご審議でご了解もいただいておりますし、そういう意味では都民の方の理解もいただいているところだというふうに思います。
 それから、その後、わずか一カ月というようなお話ございましたけれども、そのわずか一カ月の間にこれほどドラスチックに社会経済状況が大きく変わるというのは、例えば百年に一度の未曾有のというようなお話もございますけれども、まさにこの一カ月間において非常に大きな社会経済状況の変化がございまして、そういった変化を踏まえまして、都民の方々はさらにいろんな厳しい局面を今、迎えているという状況になっておりまして、そういったことに対しても、都民生活の安全を守る東京都としては、やっぱり迅速な対応をここでしなきゃならぬということで、今回のさらなる対策をお願いしたものでございまして、九月の時点においては九月の時点において考えられる対応を速やかに講じたものでございますし、それから、その後の余りにも大きな財政経済環境の変化を踏まえた、また、今時点において求められている施策につきましても迅速な対応を講じたものでございまして、そういった危機に対する対応につきましては、この間の都議会でもそういったさまざまな議論がなされておりますけれども、そういった審議状況なんかを踏まえましても、大方の都民の方のご理解はいただけるというふうに考えております。

○曽根委員 しかし、私たちは三定の都議会のときにも、少なくとも都民だとか、それから中小企業対策の融資の拡充などについては、これでは不十分だということは申し上げたと思うんですね。
 実際に今回、枠が広がっているわけですよ。緊急保証制度ですか、いわゆるセーフティーネットの融資ですね。前回、千五百億円にしたと。これを千九百五十億円ですか、今回、枠を広げたと。しかし、広げたけれども、年末を越せるかどうかという点で、私たちのところにもたくさん来ていますが、窓口が間に合わないということで、融資の実行そのものが渋滞しているという話が来ています。
 会社の方はもう大変危険な状態で、年末ぎりぎりということになるぐらいだったら、なぜ九月にできなかったのかという声はあるわけですよ。確かに、百数十業種から六百業種に広がったというのが十月末でしたっけ、国の方で。そういう問題もあるでしょうけれども、あのときに思い切って枠を広げておけばよかったじゃないかという声があるということはぜひ知っておいていただきたいわけです。
 こういった声にきちっとこたえるという点では、当時の判断がすべてこたえたとさっきおっしゃいましたが、すべてということはないわけですよ、何事もね。一〇〇%というのはあり得ないわけですよね。ですから、やっぱり判断としては、もう少し拡大しておくべきだったという考えはないですか。

○真田主計部長 先ほども申し上げましたとおり、九月の補正予算をご提案申し上げた時点におきましては、そのときの状況を踏まえまして、私どもとして可能な限り必要な施策ということで考えてお出ししたものでございますし、それにつきましては、都議会のご了解もいただいて成立したものでございます。
 その後、さまざまな意味で大きな変化がございまして、さらなる都民、中小企業の方の不安にこたえるためには、もう一段のそういった対応が必要になりまして、それはそういう状況の変化がございましたからこそ、そういうことが出てきたわけでございまして、それにつきましては、九月の時点でそれを見込んでどうだこうだという議論は、今からいう結果論にすぎませず、ためにする議論じゃないかと。その時々の状況を踏まえた正しい対応は、私どもはしてきたというふうに考えております。

○曽根委員 ためにする議論というのは何事ですか。あのときに私たちははっきり指摘していたはずですよ。
 それに、中小企業が苦しくなったのは、何もことしの秋からじゃないんですよ。もうここ数年ずっと厳しいわけですよ。それに対応した保証制度が昨年秋に後退してしまったと。部分保証になったということから、非常に制度融資が苦しくなったわけでしょう。そこで、しようがないんで、部分的に、原油高騰で影響を受けているところにセーフティーネット融資を入れたと。しかし、これは限られているということで、ずっと苦しんできているんですよ。
 ですから、そのときに東京都が国に先導すると繰り返しいっているわけですから、広げるべきだったんじゃないかと。それで十分やったなんていえるんですかと、この都民や中小企業の現状を見てですよ。そういう点の姿勢を私は問題にしているわけなんです。改めて猛省を促したいと思います、そういう姿勢は。
 しかも、今回出された提案は、私たちが評価できるものももちろんあります。例えば、直接雇用が出ました。しかし、こういうものが全部、例えば定例会ごとでいえば、前回の定例会、もしくはその前に対応しておけばよかったものというふうにずれているんだと思うんですよ。
 例えば、今回の直接雇用は、一日でいえば二千人弱ですよね。年間、一年以上の期間にわたるんでしょうか、全体で五十万人ですけれども。つまり、もうこの夏ぐらいまでに問題になってきたネットカフェ難民が都内に二千人いるとか、ホームレスもそれ以上いるとか、そういう数にせいぜい対応するぐらいのもので、今、失業者も三十万人近くいるわけですよね。しかも、その後、失業者は続々とふえているという状況に、今出てきている政策が間に合っていないと。そのうち、次の対策をまた打たなきゃならなくなるというのが後手後手になっていくということを私はいいたいと思うんです。
 私は、対症療法も必要ですから、そういう緊急対策は大いにやるべきだと思いますが、やっぱりその時点で最大限の手を打つという立場で、もう少し枠を広げるべきだということは申し上げておきたいと。
 それから、今回の補正予算で、やっぱり大きく不十分さがあるなと思われるのは、都民やその家計を直接温める政策がほとんどないということなんです。私たち、条例提案もしていますけれども、例えば、都立高校の授業料の思い切った値下げとか、教育費全体をいかに下げていくかということも、東京都の政策次第でいろんなことができるわけです。奨学費制度も前回の定例会で条例提案しました。ほかの政令都市でも実現しているものです。それから、高齢者の医療費負担を下げていくという提案もしていますが。
 特に、この不況の中で、また、増税や社会保障の負担増で苦しめられている都民の中でもそういう階層の人たちにそれぞれ必要な手だてを打つということは、先ほども指摘しましたように基金の積立状況や、それから、本会議代表質問で私たちは指摘しましたが、もう既に六千九百億円に及ぶ首都高などへの貸付金が、十年たったものが首都高など貸し付けが戻ってきていますから、毎年数百億ずつ戻ってきているんで、こういった財源も活用すれば、何も全部すぐに使うというものではなくて、計画的に活用すれば、都民の家計を直接温める政策もできるんじゃないかと。こういう方向に踏み出していく必要があるということの認識はありませんか。

○村山財務局長 今、具体的にご質問いただいた点については、主計部長からお答えさせていただきます。
 今回の補正予算についてご評価をいただいているようでございますので、あえてここでいろいろ申し上げたくはないんですけれども、遅過ぎたとか不十分であるとかというふうにご批判をいただくと、一言申し上げざるを得ないということでございますけれども。
 もしかして、例えば同じ施策であっても、やっぱり思想が違うというところもございまして、例えば直接雇用の問題について、先生は従来からそういう事業が必要だというふうにご主張いただいているわけですけれども、私どもは、通常の状態の中で公による直接雇用という施策が有効であり、かつ必要であるというふうには一般的には考えておりません。したがって、九月のときにも、当然あのときの状況においては、そういう形での施策はご提案を申し上げないと。
 しかしながら、その後の急激な状況の中で、それこそ非正規雇用者が解雇されるとか、そういう事態が広範に出てくる中にあっては、非常に緊急的な、時限的な措置として直接雇用という手法も有効であると。しかし、これはずっと恒常的に続くというようなものではなくて、集中的にある一定時期においてなすべき施策としてやろうとしているわけでございます。
 したがいまして、私どもは、そのときの状況の中で、公の施策として、都民からの税金を使う施策として最も正当なやり方、あるいは、目的はどこにあるのかということを一つ一つ判断しながら、そのときの状況に即した適切な施策を講じるということに意を用いているつもりでございまして、そういう意味では、九月のときに出させていただいた施策は、私どもとしてそのときに最も正しい施策としてご提案させていただいて、幸いにご議決をいただいて、今、実行に移させていただいていますし、今回の施策についても、現時点において最も適切な施策としてご提案させていただいているものでございまして、そういう意味では、ご批判は全く当たらないし、事実、私どもの今回の緊急対策Ⅱについては多くの都民の方から歓迎もされ、期待もされているというふうに確信いたしております。

○曽根委員 私たちも中身については、今まで絶対に東京都が首を縦に振らなかった失対事業に近い、それとは違うでしょうけれども、かつての国の雇用創出事業というのがありましたが、それ以降やろうとしなかった事業にも、公的雇用の創出にも手をつけるということについては評価していますし、だから、問題は、そのスピードや規模について、さらに対策が必要になってくるんじゃないかというふうにここは問題提起をしておきたいと思います。
 さらに、直接都民の暮らしを温める政策についても、これはまた改めて予算議会も含めて、例えば住宅政策なんかも、失業と同時に住宅も失うという事態があって、今回の補正の中にはそういったものの本格的な対策がないわけですね。これは恐らくまた緊急に必要になってくると思うし、政府部内でもそういう失業者への住宅手当てを何とかしなきゃならぬということは首相もおっしゃっているようなので、恐らく早晩必要になると思います。
 最後に、これはぜひ聞いておきたいんですが、来年の予算の中で執行する予定のものについて、状況に対応してできるだけ早くスピードをアップして実施していくために、例えば、都立病院のお医者さんの確保については、来年度予算の中身ですけれども、既に募集にかけたという話が伝わってきていますが、こういったように、来年度になって予算が決定されてから募集したのではさらに後に回ってしまうと。しかし、緊急に今、もう予算成立することを見越して手を打とうというようなことがあっていい時期だと思うんですよ、そういうものは。どの会派も反対していないんですから。
 そういうものが、例えば、融資問題にしても本当にもうあすをも知れないという中小零細企業対策など、幾つかあると思うんですね。これは全部が全部とはいいませんよ。そういうものに限ってあると思うんで、そういう姿勢をぜひ持っていただきたいんですが、いかがでしょうか。

○真田主計部長 ただいまお話あったドクターの話につきましては、個別の事業に係ることでございますので、私からコメントする立場にございませんけれども、一般論として、例えば、予算の編成作業中でございますけれども、九月のというか、七月の末に依命通達を出して、各局からは九月、十月に要求をいただいて、それから、さらにその状況が大きく今変化しておりますので、そういう状況の変化を踏まえて、各局とはまさに今、調整をしている最中でございまして、その九月時点、要求をいただいた時点の内容から一歩も踏み出さないような予算編成なんていうものは、当然するつもりもございませんし、それは世の中の変化に適合するような、できるだけ都民のためになるような予算を、タイムリーな内容に伴う予算をいかに編成できるかという観点から、各局と今、鋭意調整しているところでございます。
 その中で、予算対応が必要なものについてはそういう対応になりますし、それから、年度内の実施対応で対応できるものにつきましては、当然予算の趣旨を逸脱しない範囲でございますけれども、予算の執行の範囲内において対応が可能なものについては、私どもと各局と調整した上で年度内にやること、これもやぶさかではございません。
 ただ、個別のあれについていい悪いというのは、ちょっとこの場では申し上げるあれにはなりませんけれども、いずれにしても、そういうタイムリー、都民の方が求められている予算を二十一年度予算にしたいと思っていますし、今回の補正予算もまさにそういう趣旨でご提案したものでございますので、ぜひご賛成いただきたいと思います。

○曽根委員 終わります。

○伊沢委員 私は、補正予算の中の周産期医療についてお尋ねしたいと思います。
 その前提としまして、今の経済状況ですけれども、アメリカを中心としましたグローバリゼーションというのが破綻いたしまして、投機を中心とした経済というものが崩壊し、それが今、実体経済にはね返ってきて、失業者を次々と生み出しているという状況だと思います。それで、世界的にも、あるいは国内でも二極化というのが本当に広がっており、大変な経済状況に今陥っているということがいえると思います。
 今、こういう状況の中で、国及び東京都、特に東京都に絞りますけれども、東京都はこの十年ぐらいでしょうか、国際競争力に勝つためということにおいて、例えば、オリンピックをてこにした三環状線の整備ですとか、そういうことをアジアを追い越せということでやってきました。
 しかし、競争相手とされてきたアジアも今大変な状況に陥っているわけで、このグローバリゼーションそのものの考え方、この経済のあり方そのものが崩壊し、その中にあって、国及び東京都というのは本当に今、抜本的な大きな転換を政策的に迫られているというふうに私は思います。その中で、補正予算、そして来年度の予算というものが組まれなければならないというふうに思うわけです。
 一つ、本当に象徴的であり、そして、大変起きてはならない事件というのが十月二十二日に都内で起こりました。妊産婦のたらい回しにより妊婦が死亡するというあってはならない事件が起きたわけです。
 その中で、東京都も、墨東病院、そしてER、この周産期医療というのは看板ともしてきていた事業なわけですけれども、それが実質上、崩壊していると。あの日には医師は一人しかいなかったというようなことが浮き彫りになり、事実上の看板倒れであり、それが崩壊しているということが明らかになったのだと私は思います。
 その中で、今回の周産期医療に関する対策というものが組まれておりますけれども、この事業はどのような目標を立てて、この医療対策というものを打ち出したのかということをお尋ねしたいと思います。

○真田主計部長 今回、私どもが緊急対策Ⅱということで出させていただきましたけれども、その考え方につきましては、これまでご説明しましたとおり、本来経済対策については国が責任を負いますけれども、なかなか実効ある取り組みが実現されない中、都は、都民や中小企業の置かれた厳しい状況をこのまま放置すると深刻な事態も想定されるという中で、やっぱり都民の生活を守るのが東京都の役割でございますので、そういう中で、実効ある対策について緊急に取り組みが必要なものについてまとめたものでございます。
 その中で、周産期医療につきましても、今、非常に厳しい状況にございますし、都民生活にかかわる重要な問題であり、緊急な対応が必要だということで、この緊急対策の中に含めて、今回、対策を講じることとしたものでございます。

○伊沢委員 緊急対策は出したわけですけれども、私は、やっぱり補正予算を組んで、来年の三月までに、少なくとも本予算が組まれるまでの間に、二度とこういうようなことが起きてはならないというふうに思うわけですが、周産期医療対策、この政策を組んだことによって、来年の三月まで、この補正予算によって、そういう事件を二度と起こさないということは保障できますでしょうか。

○真田主計部長 私どもは、現在の周産期医療が置かれている状況において、当面、緊急な対策として講じることが可能であって、しかも、ある程度の効果が見込まれるものということで局からご要求いただいていますし、それはそれとして、私どもも正しいというふうに認識しましたので、今回、緊急対策Ⅱ、あるいは補正予算ということでご提案申し上げたわけでございますが、それの中身について本当に大丈夫かどうかということの議論は所管の委員会でやっていただきたいと思います。

○伊沢委員 現状が大変厳しいということは一致しているようですけれども、本当に厳しいんですね。墨東病院だけを見ましても、今、定員が半分以下。平成十五年には定員が九人のところに八人いて、それが十六年、十七年と順番に七人、五人、そして現在は四人にまで。つまり、九人の定員のうち半分以下しか常勤の産科医師がいないというような状況にありますというふうに聞いています。それから……

○きたしろ委員長 速記とめてくれる。
   〔速記中止〕

○きたしろ委員長 では、速記を始めてください。

○伊沢委員 ですから、今、四人にまで減っているというような状況なわけです。常勤の医師が四人しかいないというような状況の中で、さらに聞きますと、当面の十二月一日から一月四日までは何とか二人体制を組みましたというんですけれども、これも一カ月単位でしか組めないような状況にあるということで、まさに自転車操業ですねというふうに病院会計の方に聞きましたら、はい、そうですというふうに私は説明で聞きました。まさに一カ月単位でしか、二人体制ということすら組めないような大変危なっかしい条件にあるわけです。
 そういう中で、補正予算を今組もうとしているわけですけれども、その内容を見ますと、私には、この内容ではとても今のこういう危機的な状況に、民間病院も非常に深刻な状態にある中で、都立病院が果たすべき、あるいは、都立病院に対して都民が期待していることとはやっぱり随分違う、生ぬるいといいますか、対策になっていないんじゃないかということを思うわけです。
 例えば、さっき曽根理事もおっしゃいましたけれども、中心的なことは、周産期医療の場合、やはり医師の確保ということがなされない限りもうどうにもならないわけですけれども、そこのところに関しての対応というものがないわけですね。そこは非常勤で民間から埋め合わせる、あるいは周辺の設備である保育室、あるいは事務員を雇うというようなことまでは書かれていますけれども、その核心的な部分についてはこの補正予算の中でも組まれていないわけです。そういう意味では、今回の補正予算というのは私は不十分であるというふうに思うわけです。
 さらに、では二十一年度予算で、現段階で、さっき、ちょっと重複しますけれども、医師をそろえるということに関して予算が組まれているかと聞けば、それはまだであると。ただ、まだ今は流動的な時期であるから--これは本当に必要であるというふうに思うんですけれども、こういう医師の確保というようなことこそが、本来、真っ先に組まれていくべきであるというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○真田主計部長 ご提案申し上げました補正予算の個別の事業の妥当性につきましては、所管の委員会でご議論いただきたいと思いますし、それから、当初予算に要求している内容の当否につきましても、同様の考え方で所管の委員会でやるべきものだと考えております。

○伊沢委員 この件については都民の関心も非常に高いわけですし、やはりすごく期待をされて、何とか都の側としては本当に一刻も早くこうした状況を立て直さなければならないという状況にありますので、ここでは、これからの、二十一年度予算はまだ組まれていませんので、ぜひとも常勤の医師をきちんと確保していくということをやっていくということをやっぱり中に入れていただきたいということを私は要望したいと思います。
 そのことによって、やはり東京の医療が再生されるということへつながっていくというふうにあるべきだと私は思います。その辺はいかがでしょうか。

○真田主計部長 先生のご意見はご意見としてお伺いしましたけれども、あくまでも、ここの委員会で議論すべき内容ではないと考えます。

○菅委員 第二次の補正予算について、我が党の遠藤理事や委員の皆様方にいろいろと、私も大変勉強になりましたし、改めて実体経済が大変だなということをしみじみと感じ入ったところです。
 ただ一つ、私どもの高島幹事長を中心にした執行部が、最初、保証対象業務が百八十、これでは大変だというんで、国会の方に行ったり、あるいはまた中小企業庁の方に行ったり、大変な運動をされて六百八十業種まで拡大された。その結果、相当、保証の申請が、窓口が物すごく込んでいるという状況でありますし、結果的には中小企業の皆様方の資金繰りの援助になったのかな、そういう感じがいたしました。本当に各区役所の、あるいは市役所の窓口、あるいは信用保証協会も大変だという話でありますけれども、改めて東京の中小企業の皆様方の経営の実態って厳しいんだなと。また、部長さんからもお話がありましたように、十五カ月予算と、ずっと切れ目なくやるというお話を聞きましたし、大変心強く思ったところであります。
 補正予算につきましては、各委員の方からいろいろお話がございましたので、私の方は、宝くじの発売限度額を決めるという議案も出されておりますので、何点か質問させていただきたいというふうに思います。
 今回提案されています議案を見ますと、来年度の宝くじの発売限度額は二千億円、こういうふうになっております。これは都内で販売できる宝くじの上限を決めるものでありますけれども、二千億円近い売り上げを上げる宝くじ、これはすごい商品だなと改めて感じ入っております。
 現在、年末の風物詩である年末ジャンボが発売されております。発売初日には長蛇の列ができた、こういうふうに報道されていましたし、都内の各ターミナル駅の宝くじ売り場でも多くの購入者をよく見かけております。このような状況を見ますと、宝くじは不況に強いといわれているのは本当かなと思っておりましたら、新聞やテレビの報道を見ますと、宝くじの売り上げは落ちているということだそうであります。
 年末ジャンボはまだ発売中で、来週十九日まで発売だそうでありますけれども、まだ発売期間が九日間もあるので、これからまだまだ売れていくんでしょうけれども、現時点での年末ジャンボの売り上げはどういうふうになっているのか、お尋ねしておきたい。

○真田主計部長 年末ジャンボ宝くじにつきましては、先生お話しのとおり、先月の二十五日から今月の十九日までの発売となっております。
 直近の売上状況について申し上げますと、十二月九日現在、発売から十五日目の集計が今手元にございますけれども、売上額は総額で百六十九億円でございまして、前年度の同期間で比較しますと、一四・四%のマイナスというふうになっておりまして、非常に厳しい状況にあることは事実でございます。
 宝くじの売り上げが、特にジャンボ宝くじの売り上げがここ数年落ちておりまして、それは何とかせにゃならぬということで、ことしはジャンボ宝くじ三十周年記念ということでございまして、ジャンボ宝くじごとに、さまざまなキャンペーンを実施しております。
 今回の年末ジャンボ宝くじにつきましては、三十枚購入された方につきましては、各都道府県の特産品が当たる応募はがきを差し上げております。ちなみに、東京都の特産品としては、ちゃんこ鍋セットが当たりますので、よろしくお願いします。
 また、賞金としまして、一等二億円は変わりませんけれども、ジャンボ三十周年の感謝賞といたしまして、百万円を七千本、設定しております。
 宝くじの売り上げの約二割を占めます年末ジャンボ宝くじが今年度の売り上げを大きく左右すると思います。きょうを含めて、あと九日間、厳しい状況ではございますけれども、最終日にかけて広告宣伝を強化するなど、売上増に努めてまいりますので、ぜひ先生方にもご購入方、よろしくお願いします。

○菅委員 年末ジャンボの売り上げは、現時点で、昨年に比べて一四・四%減という厳しい状況にあるというご答弁をいただきました。
 ことしの年末ジャンボは特産品のプレゼント、あるいは賞金条件を見直すなど、販売促進に努力をしているということであります。それでも売り上げが伸びないのは大変心配であります。
 今後、広告宣伝の強化などを行うということでありますが、年末ジャンボ宝くじ、売り上げの二割を占めているということなので、あと九日間の発売となりますが、ぜひ頑張って売り上げを伸ばしていただきたいというふうに思います。
 年末ジャンボだけではなくて、都の宝くじの収益金は、公園整備や高齢者福祉施設の整備などの公共事業の貴重な財源であります。昨年度は宝くじの売り上げが落ちており、都の宝くじ収益金は十八年度に比べ三十五億円も下回り、六百五十億円ということであるそうであります。
 年末ジャンボの話を聞くと、今年度の収益金も心配になりますけれども、さきの財政委員会では、売り上げを伸ばすために、宝くじファンから要望があった中間賞金に特化した新しい宝くじを発売したり、発売時間を一時間延長して宝くじ購入者の利便性を高めたり等、さまざまな施策を行っているということでありました。こうしたことが今後の宝くじの売り上げにあらわれることを期待しております。
 さて、現在の我が国の経済状況では、法人税などの都税収入の伸びが期待できない中で、今後ますます宝くじの収入は貴重な財源となってまいります。景気に左右されない安定的な財源の確保をという観点からお尋ねしますが、この先、宝くじの売り上げはどうなっていくのでしょうか。その見通しについてお伺いいたします。

○真田主計部長 今後の宝くじの売上状況についてでございますけれども、我が国の急速な人口減少、とりわけ宝くじの主要購買層でございます十五歳から六十四歳の生産年齢人口の減少が予想されております。
 一人当たりの購入単価が仮に変わらないといたしましても、こうした購買層の人口の減によりまして、十年後の平成二十九年度は、十九年度に比べまして、全国の宝くじの売り上げを合わせた額が約一千億円減少するのではないかという試算もございます。
 また、単価の点でございますけれども、食料品を初めとする日用品の物価上昇、あるいは年金問題等による将来不安など、消費意欲を減退させる要因が購入単価を減少させる原因でございましたし、今後もそういう状況が続きますと、さらに購入単価の減少が効いてくるのかなというふうに懸念しているところでございます。
 さきの委員会でもご答弁申し上げましたが、三十枚、これまで買っていただいた方が、ここのところ、十枚、二十枚に減ったというようなことで、この間の事務事業の段階では申し上げましたけれども、さらに最近では、それがまた一層厳しくなりまして、三枚とか五枚単位で買っていただくお客さんがふえたというような状況にもなっているようでございます。
 いずれにしましても、人口減少による宝くじ購買者層の減少、さらには将来不安による購入単価の減少など、宝くじを取り巻く環境は、残念ながら非常に厳しい状況にあるというふうに考えております。

○菅委員 不況で宝くじ購入者の購入枚数が減っているということでございます。宝くじは、買わなきゃもちろん当たらないわけなんですけれども、十枚は買えないけれども、三枚なら買えるということでしょうか。
 さらに、宝くじの主要購買層である生産人口が減少してしまう。このような状況では、景気に左右されない宝くじというわけにはなかなかいえないということで、宝くじにとっては、非常に厳しい状況を迎えているということだろうと思います。
 新商品を出したり、売り場の発売時間を延長したりするのも当面の対応としてはいいと思いますけれども、今後、長期的な視点で見た場合、これで売り上げは安心といっていられるような状況じゃないというふうに思います。
 今後、売り上げを伸ばすため、このような厳しい状況ではむしろ減らさないためといってもいいかもしれませんけれども、どのようなことを考えておられるのか、この点についてもお尋ねします。

○真田主計部長 今後、宝くじの売り上げを伸ばすための新たな施策についてでございますけれども、現在、関係する総務省、あるいは受託銀行などとの関係諸団体と検討を進めているところでございます。
 まず、短期的な施策といたしまして、来年度発売いたしますスクラッチくじの新商品の投入、あるいは不振が続いているジャンボ宝くじのてこ入れ策について、現在検討しているところでございます。
 また、東京都の施策のPRを兼ねて、来年度は子育て宝くじというのをミニシリーズとして発売する予定でございます。関係局と連携し、宝くじの収益金が子育て施策に役立っているんだということをアピールしながら、売上増にもつなげていきたいというふうに考えております。
 さらに、収益金を安定的に確保するための中長期的な目標でございますけれども、やはり新たな購買層を取り込まなければならないということで、それに向けた新商品の開発、あるいは購入者がいつでも、どこでも購入できるような販売方法の工夫、そういったものも検討していきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、今後も宝くじが都民に愛され、親しまれていく商品であり続けるために、商品開発、あるいは販売方法の充実等に努めていきたいというふうに考えております。

○菅委員 まずは、来年度の売り上げを伸ばすための短期的な方策、そして安定的に宝くじの収益金を確保するための方策等もいろいろ考えておるということでありますので、少しは安心いたしました。
 この議案にも、宝くじの発売目的は公園整備等の費用の財源に充当するためと書かれております。宝くじの収益金は貴重な財源であるのはもちろんでありますが、都民の皆様方にとっても、夢を買っていただき、楽しんでもらうということも大きな目的の一つであろうかと思います。
 ファンあっての宝くじだと思いますが、ファンのニーズを把握して、都民の方々が宝くじを買いたくなるような魅力ある商品の開発をお願い申し上げて質問を終わります。よろしくお願いします。

○きたしろ委員長 ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕

○きたしろ委員長 速記、どうぞ。
 ほかに発言ありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時四十分休憩

   午後二時五十三分開議

○きたしろ委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより主税局関係に入ります。
 報告事項、平成二十年度東京都税制調査会答申についてに対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言をお願いいたします。

○高木委員 私からは、税制調査会の答申について、その内容の中身の一部なんですけれども、消費税のことについてお伺いしたいと思っております。
 今年度の東京都税制調査会の答申で、消費税率の引き上げを積極的に検討すべきという一文がございまして、今までよりも、かなり一歩踏み込んだ内容だなと感じました。
 そこで、消費税率の問題について幾つかお伺いしたいと思っておりますが、消費税率というのは、地方消費税も含めてでございますけれども、現在五%。平均的な世帯は年間、どのぐらいの消費税の負担を今されているんでしょうか。

○宗田税制調査担当部長 平成十六年全国消費実態調査を用いて試算したところ、全世帯の平均で、年間の消費税負担額は約十二万三千円でございます。

○高木委員 平均的な世帯で、現在、消費税の負担は年間十二万三千円。この答申には消費税のアップということも書かれているんですが、例えば税率が三%アップいたしますと、単純に計算すると約七万四千円の負担がふえるということになるんだと思います。
 今、我が国の経済は、先ほど財政委員会でも、るる質疑がありましたけれども、アメリカに端を発した金融危機と、それに続く世界経済の減速に伴って、極めて厳しい状況にあると思います。
 その厳しい状況の中で、今、国も東京都も景気対策を進めているわけでありますが、そういう中では、消費税率の引き上げというのは論じるような状況でないと私は思っているんですね。都税調が消費税の税率を引き上げた場合の経済への影響や現在の景気状況について、どう認識しているのか、まず伺いたいと思います。

○宗田税制調査担当部長 内閣府の試算では、税率を二%引き上げ、増収額をすべて国債の償還に充当した場合、五年間にわたってGDPを年平均〇・四五%押し下げるとされております。都税調の答申は、消費税率の引き上げが経済に及ぼす影響は決して小さくないとしております。
 また、我が国の景気については、アメリカの金融危機に端を発した世界経済の急激な減速の影響を避けられず、極めて厳しい局面に入っているとしてございます。

○高木委員 今の答弁で、〇・四五%、年間のGDPを引き下げる影響がありそうだということがありました。
 かつて消費税が三%から五%に引き上げられたときに、当時よくいわれていたのが、橋本内閣だったと私記憶しているんですが、景気が上昇し始めたときに、それに冷や水を浴びせるような行為だということはいわれたように記憶いたしております。
 ですから、景気と税制、特に消費税の問題というのは、極めて密接にリンクしているんだと思うんですね。そういう認識に立ちながら、都税調があえてこの時期に消費税率の引き上げを積極的に検討すべきと答申した真意を伺いたいと思うんです。
 私はこれまで、福祉を含めて、全体の国民負担率ということになるんだと思いますが、増大する行政サービスの経費を賄うために、国民にどのような負担を求めていくかという議論が必要であるということをずっといい続けてきましたし、税制というのは、まさに国の形の象徴だというふうに思っていますので、そういう議論なしに、税金の部分だけを、特に消費税を上げるべきだとか、下げるべきだとかということをいうべきじゃないというふうに思っているんですね。
 今回、配られた資料の第1号というのが、税制調査会の答申の本編というか、本編が資料の第2号で、抜粋の概要の方は第1号になっているんですが、第1号の方には、かなりダイレクトに書いてあるわけです。
 地方の基幹税のあり方の地方消費税の中で、〔2〕として、税率引き上げを積極的に検討すべきという記述になっているんですよ。ところが、本編の方は実はそうではなくて、〔2〕のところに税率のあり方という形に書かれているんですね。税率のあり方については積極的に検討すべきなんだという記述になっているんですよ。私は、概要をつくるときにぜひ気をつけていただきたいと思っているんですけれども、ニュアンスがちょっと違うんじゃないかと思っているんですね。
 確かに、中身を読んでくると、消費税の税率については、今後のことも含めて考えれば上げていった方がいいんじゃないかという一つの都税調の見識が示されていることですから、私たちはこのことについて議論していくべきだというふうには思っていますけれども、概要版の方にダイレクトに上げるべきだとぽんと出すというのはいかがなものかなというふうに私は思っておりますので、今後、おつくりになられるときは、ぜひその辺はニュアンスも含めて、お気をつけいただきたいと思っています。
 都民、国民の立場に立って、どうしたら少ない負担で行政サービスを提供することができるのかという議論は、実は消費税の問題と極めて密接にリンクしていると思います。この点について、都税調の認識をぜひお伺いしたいと思います。

○宗田税制調査担当部長 ただいまの概要版のご指摘につきましては、今後十分留意していきたいと存じます。
 都税調が負担と、どういうふうなことを考えているかということでございますが、我が国の財政は、国、地方合わせて、歳出に対する税収の割合は約六割でございまして、膨大な借金を抱えるなど、極めて厳しい状況にございます。
 一方、安心を支える社会保障については、少子高齢化に伴い予測される社会保障費の増大など、持続可能性に対する国民の不満が高まっております。
 そうした中で、OECD諸国の国民負担率と経済成長率の関係を見ますと、例えば、セーフティーネットが整備され、国民負担率が七割を超えるスウェーデンが近年高い経済成長を達成してきた、このような例もございまして、中長期的には国民の安心のための財源確保が経済社会の活性化につながるとの考え方もございます。
 受益と負担のあり方は、最終的には国民の選択の問題と考えておりますが、答申は分権の推進を含め、我が国の将来ビジョンと、国、地方を通じた財源の問題について、真正面から議論することが不可欠であるとの視点に立ち、景気状況への配慮や行政のむだ遣いの見直しは当然の前提としつつ、安定的な財源である消費税の税率引き上げと、地方への配分拡大を積極的に検討すべきとしたものでございます。

○高木委員 都税調の見識として、これは本編の方の二三ページにそういうことが書かれておりますが、これは私は非常に重要な指摘だなと思っているんです。
 私自身の考え方はちょっと違う部分もあるんですが、一つの見識として、安定的な財源確保こそが経済社会の活性化につながるという視点がスウェーデンの最近の高い経済成長率にあらわれているというのは、具体的な、実証的な例ですから、これはこれで今後、私は研究すべきことだというふうに思っているんですよ。
 ですから、そういう理論的な根拠の中で消費税の問題についてもきちんと議論していくべきだと、取り扱っていくべきだというのは、都税調、さすがに神野先生を中心に、極めてよく税制の問題に取り組まれているなという印象を持っております。
 私たちは、これから国民的な選択にゆだねられるであろう将来の国の形というものが、いわゆる福祉を考える上でよくいわれることは、高負担高福祉の社会がいいのか、中負担中福祉がいいのか、低負担低福祉がいいのかという議論に集約されていくんですが、少なくとも低負担高福祉の社会というのは、基本的には実現することは不可能だというふうに思っていますから、その部分においては国民的な合意というのは、だんだんとできつつあるんだろうというふうに思っているんですね。
 しかも、今までの社会保障のモデルというのが、人口がふえていく、そして経済も少しずつでも拡大していく、そういうモデルの中でつくられてきた社会保障制度ですから、そのことが今、人口減少社会に入ろうとしていて、経済の規模もこれだけ大きくなれば、成長というのはなかなか難しいわけですから、そういうモデル自体が既にもう難しくなってきているよと。その中で、じゃ、私たちの国の形はどうしていくんですかということと、実は消費税の議論というのは結びつけて考えなきゃいけないんだろうと思うんですよ。
 ですから、そういうことも含めて、都税調の方でこの答申を出していただいているんだと私たちは理解していますので、そういう議論をこれから主税局を中心に、東京都政の中で深めていくことが必要なんだろうなと私は思うわけでございます。
 そういう前提に立って、今回出された都税調の答申というのは、極めて、ある意味ではよくできているというふうに私は思っております。
 今回の都税調の答申は、もう一つ、消費税の問題とともに、分権と環境ということを柱にされているように感じました。地球温暖化などの環境問題が喫緊の課題であること、税制がそのための有効なツールの一つであることを考えると、これは極めて時宜を得たものだと感じるわけであります。
 先ほども申し上げたとおり、我が国の経済は、今、極めて厳しい状況にありまして、税制の活用に当たっては、当面、政策減税によるインセンティブを付与していくことが私は望ましいと思っております。
 さきの本会議において、我が党は、努力している事業者の取り組みを促進する省エネ促進税制について、局長から前向きな答弁をいただきました。こうした施策は、できるところから速やかに実施することが肝要であると思いますので、最後に改めて、現在の検討状況と来年度実施に向けた局長の決意をお願いしたいと思います。

○熊野主税局長 お話しいただきましたように、税制の活用は、地球温暖化など環境施策を進める上で、非常に有効な手段の一つであると考えております。
 また、我が国経済は極めて厳しい状況にございますけれども、対策にブレーキをかけるのではなくて、すぐれた環境技術の開発や普及を促進して、低炭素型社会への転換を図っていくことで、今後の経済発展を導くという視点も非常に重要であると考えています。
 東京都の環境施策を促進するための省エネ促進税制につきましては、こうした観点から、環境局と連携いたしまして、鋭意検討を進めているところでございまして、現在、具体的な仕組みについて最終的な詰めを行っております。
 例えば、大規模事業所におけますCO2排出量削減は、義務化することによりまして一定の成果が期待できるところでございますけれども、義務化の対象となっていない中小の事業所、とりわけ資金力が弱い中小企業を税制面から支援して、一層の省エネを促進するということも非常に重要だと考えています。
 いずれにしましても、環境施策の推進は、人類にとりまして待ったなしの重要課題でございますので、ご指摘のように、可能なものにつきましては来年度から実施してまいりたいと考えております。

○高木委員 ぜひその方向で--最近、知事がごあいさつをされるときによくおっしゃられるのが、あと五年以内に相当ドラスチックな環境に対する政策を実現して改革していかないと、私たちはもう取り返しのつかないところまで来ているんではないかというようなお話をされているわけであります。
 どうか、そういう意味で、主税局が税制面で環境政策をリードしていく。そして、環境局と連携しながら、東京のよりよい環境をつくっていくためのリーダーとして、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○曽根委員 都税調の先日の答申について、私も都税調の特別委員の一人なので、その範囲の中で、今回の答申の特徴について、幾つか確認させていただきながら、意見も述べたいと思います。
 先ほど、ちょっとお話があったんですが、消費税の地方消費税への移譲と同時に、税率の引き上げについて、今回、踏み込んだ答申になったということについては、私どもも、これについては異論を申し上げまして、今回、答申の末尾に付記事項として、消費税、地方消費税の税率引き上げについては、都民、中小企業への影響や、昨今の厳しい景気状況の中で、都民、国民の理解が得られないことから、言及することは適当ではないということと、もう一つ、地方財源のあり方についての意見を述べさせていただきました。その上で、にもかかわらず、今回の答申の中には、私たちにとっては注目すべき幾つかの変化があるというふうに感じております。
 そのうちの二点、ちょっと確認しておきたいんですが、答申の六ページに、ほどよい政府という言葉が出てきます。これまでは、東京都も含めて、小さい政府論というのが主流であったろうと思います。しかし、一方で高福祉を求める声が高いと。そうすると、高負担になりますよということで、高福祉高負担か、低福祉低負担かという議論の中で、政府は小さい政府論でいくというような流れだったわけで、ここに来て、この答申の中で、どちらでもない道を探るべきであると。
 日本は今、国民負担という形で企業と個人が一緒になっていますけれども、負担率は決して高くないということを欧米との比較で論じながら、じゃ、このまま低福祉でいくのかというわけにはいかないという現実がもう目の前にあって、したがって、ほどよい政府というものが出てきたんだと思います。これについての都税調としての合意は、どういう点に認識があるのかということが一つ。
 それから、あわせてお聞きしたいんですが、後の方に個人所得税の再配分機能の強化が必要であるということが出てきます。これは、消費税のいわば税率引き上げを前提にしているような議論ではありますけれども、所得税について、やっぱり所得再配分機能を強化するのは必要である。その方法として、金融所得課税についてのあり方について論じられております。
 この点について二つ、都税調の今回の答申でのいわば基本となる認識についてお聞きしたいと思います。

○宗田税制調査担当部長 初めに、ほどよい政府でございますが、答申は、我が国の国民負担率は四〇・一%でございますが、アメリカの三四・五%よりは高いものの、フランス六二・二%、ドイツ五一・七%と比べて低い水準にございまして、数値で見る限り、我が国は小さな政府であるとしております。
 一方、近年の歳出抑制が社会保障にも及び、国民の将来に対する不安感を増幅させていることなどにも留意する必要があるとしてございます。先ほど高木委員のお話もございましたが、このまま高福祉低負担のままいくわけにはいかないだろうということもございまして、我が国が目指すべきは、受益と負担がそれぞれ大き過ぎず、小さ過ぎない、ほどよい政府がよいと答申されたところでございます。
 それから、金融所得課税についてでございますが、答申は、金融所得課税については分離課税が基本とされており、金融資産を多く保有している高所得層ほど有利であるとする意見もあるとしてございます。
 一方、金融資産所得については、適正執行の確保や海外への資金シフト等の問題もあることから、現時点では方向性を示すに至らず、さらに議論を深める必要があるとしているところでございます。

○曽根委員 高福祉低負担でいくわけにはいかないということもいわれますけれども、一方で、私たち年来主張しておりますが、国民負担率というと大体四割前後で、ずっと変わらないように見えるんですけれども、その四割の負担の中はどうかというと、この間、企業と個人でいいますと、法人税の減税が固定化されて、恒久減税が本税となって、一方で国民の定率減税はもとに戻っちゃったということもありまして、個人と法人との間では、負担率が逆転現象を起こしつつあるということがありますので、私はやっぱり単純に高福祉高負担とか、低福祉低負担というふうな分け方は、機械的な論議ができないときであろうというふうに思っております。
 それから、金融課税については、これも政府が出している第二次補正の中で出ているように、来年には確実にもとに戻ると思われていた金融所得、それから配当に対する課税の暫定減税がまた延長されそうだということで、そうすると、また東京都がその分の税収の影響を受け続けることになりかねないわけで、これについてもやはり所得課税として総合課税を基本とすべきであると。今、分離して定率になっていますが、そういうことも申し上げておきたいと思います。
 その上で、私もちょっと消費税については今回踏み込んだ答申があったものですから、この点については異論を差し挟んだわけですが、一方で今回は軽減税率についての論議も答申の中に出てきました。具体的に、食料品などの軽減税率について試算も行ったということは、こちらの方はある意味では、ちょっと踏み込んだ議論もしているなというふうに思うんですが、これの中身について、ちょっとお知らせいただきたい。

○宗田税制調査担当部長 軽減税率の導入は、消費税率を引き上げる際、低所得層への負担の配慮、その一つの方法であると考えております。そういう観点から、都税調も試算を行ったわけでございますが、都税調の行った試算は、平成十六年全国消費実態調査を用いて推計したものでございます。軽減税率を広く採用しているヨーロッパ諸国において標準税率が二けたであること等を踏まえまして、消費税率を一〇%、食料品については現行税率を据え置いたと仮定して試算いたしました。
 その結果でございますが、五段階の収入分位で最も収入の少ない第一分位の世帯では、軽減税率を導入した場合、軽減税率を導入しなかった場合に比べて、負担が一万八千円軽減され、軽減割合は一四・一%でございました。最も収入の多い第五分位の世帯では、軽減額は四・八万円、軽減割合は一二・二%でございました。
 答申は、軽減税率による負担軽減の効果は高所得層にも及ぶものの、軽減割合は低所得層の方が高いことから、逆進性の緩和に一定の効果があるとしているところでございます。
 なお、答申にあわせて、軽減税率については、適用範囲の合理的な設定が困難であることなどの課題もあるとしているところでございます。

○曽根委員 今回、都税調は軽減税率、一〇%の標準税率を前提に、食料品について現行どおりということですか、五%に残した場合ということで試算しましたが、欧米では、例えばイギリスなど、軽減というより税率ゼロと。ゼロ税率で食料品について扱っているところもあるわけですが、こういった方式にした場合の問題点、今回、都税調はそういう方法については採用しなかった点はいかがでしょうか。

○宗田税制調査担当部長 ゼロ税率につきましては、課税ベースが大幅に侵食されることから、一定の税収を確保するためには標準税率の引き上げが必要になります。また、恒常的に還付を受ける事業者がふえ、事業者間の不公平感が生じかねないなどの問題も指摘されておりまして、政府税制調査会においても認めがたいものとしているところでございます。
 このため、制度としてゼロ税率は想定できないことから、今回試算を行わなかったところでございます。

○曽根委員 要は、ゼロ税率というのは、税収の規模がどうしても極端に小さくなるということが最大の理由だと思うんですね。これは税を取る側にしてみれば大きな理由でしょう。
 ただ、国民的な受けとめからいうと、一〇%の税率で五%に下がる場合よりも、完全にゼロ税率にするということの効果は、単にそれが半分になったということではなくて、高額所得者と一般庶民といいますか、低所得者を含めた階層との、いわゆる逆累進を緩和するという点では大きな効果があるということは私も聞いております。
 そういう点では、我が党はもちろん税率アップについては反対しているわけですが、同時に、今緊急にでも五%の税率から食料品を落とす、非課税というのは難しいそうなんですが、ゼロ税率というのは、手続上は諸外国の例もあるわけですので、こういった手だてを打つぐらいの経済状況になっているということは申し上げておいて、答申全体についてはここの末尾にも含めて私たちの意見を申し上げましたが、今後、消費税の増税についてはやはり厳しく戒めていくべきだと。知事の発言も含めて、増税をいわば促進するような議論を東京都から行うべきでないということは強く申し上げておきたいと思います。
 というのは、先日、経済財政諮問会議で経団連などの代表を含む民間議員四人から、社会保障目的の消費税増税により所得再配分は強化されるという、ちょっとわけのわからないような議論がされたんですが、要は、消費税を増税するかわりに、社会保障目的に限定すると、増税による負担は、もちろん所得の低い人ほど重くなってしまうけれども、それを上回る社会保障の恩恵があるんだと。だから、総体的に相殺すれば、社会保障による恩恵が少しだけ庶民の方が上回るから逆累進が緩和されるという議論なんですね。
 これは最初から増税をすることを前提にして、社会保障をそれに充てることによって、その増税の悪影響が緩和されるという議論にすぎないわけで、もともと消費税をそうやって増税していくことによる害悪を除くことはできないわけです。
 こういった議論まで政府部内では出てきているということを見れば、地方自治体の側から、より住民に近い側から増税の論議を絶対に起こすべきじゃないということは強く申し上げて、質問を終わります。

○桜井委員 都税調の答申に関連しまして、特に地方法人特別税の問題を中心に何点か質問させていただきます。
 地方法人特別税は、去年十二月でしたか、知事の一種の決断、政治的決断というんですか、急転直下のような形で決着を見たわけでありますが、いろんな状況を考えますと、やむを得なかったかなと思うわけであります。
 しかしながら、それはそれとして、法人事業税の一部を国税化してしまって、東京から税源を取る、奪うというような改正そのものは、だれが見ても理不尽でありますし、分権にも逆行するというものであります。
 このことは、今までこの委員会で繰り返し繰り返し取り上げてまいりましたけれども、まず、この問題について、今回の答申、三年に一回の答申に都税調はどう考えているのか、答弁を願います。

○宗田税制調査担当部長 地方法人特別税は、法人事業税の一部を国税化した上で、その全額を地方法人特別譲与税として、人口及び従業者数を基準に全国都道府県に配分するものでございます。
 答申は、こうした改正は受益と負担の関係を断ち切るものであり、分権改革に逆行するものであるとしてございます。
 また、この措置は、税体系の抜本的改革が行われるまでの暫定措置とされていることから、改革を先送りすることなく実施し、法人事業税を一刻も早く復元することが不可欠であるとしてございます。

○桜井委員 全くそのとおりですね。地方法人特別税というものは、いってみれば、いっとき国に預けているだけのものといっても極論じゃないのでありまして、早急に税制の抜本的な改革を行ってもらいまして、返してもらわなきゃならない極めて重要なものであります。
 しかし、そうは思うんですけれども、状況はそう簡単ではないようでありまして、法人の税負担引き下げ、これは財界が求めているんですか、それから、財務省の方は税源遍在を理由にして地方税よりも国税を優先しようとしていますし、等々、地方法人課税をめぐっては、むしろ逆向きのベクトルが強まっているように心配しているんですけれども、この点はどうでしょうか。

○宗田税制調査担当部長 ご指摘のとおり、法人の税負担については、我が国の実効税率は諸外国に比べて高いとし、国際競争力等の観点から、これを引き下げるべきとする意見が経済界等を中心にございます。
 また、法人二税については、財務省等を中心に、税収が不安定であり、税源が偏在することから、地方税として適当ではないとする意見や、地方法人特別税の導入に当たり、都道府県間の人口一人当たり法人二税の税収格差が縮小したとして、こうした仕組みは格差是正のための有力な方策であるとする意見がございます。
 今後、税制の抜本改革の論議においては、こうした意見が強まることも懸念されるところでございます。

○桜井委員 申すまでもありませんけれども、政府税調があるから東京都も税調をつくろうということで都税調はつくられたわけでありますけれども、今のことに関連しますけれども、地方消費税の充実が図られまして、安定的な税収が確保できれば、地方の法人課税は縮小してもやむを得ないんじゃないかというような意見があるというふうに一部、私は聞いているんですけれども、都税調は、この点についてどんなふうに考えていますか。

○宗田税制調査担当部長 答申は、今後の分権社会において、地方自治体が増大する役割を十分に果たしていくためには、税収規模の大きい基幹税を国と地方で分け合うことが必要であるとしております。
 また、地方税は、安定性などとともに、税体系全体として、経済の伸びに応じて増加する伸長性も必要であり、バランスのとれた地方税体系という観点からも、法人二税は引き続き地方の基幹税として維持すべきであるとしております。

○桜井委員 次の点は特に力点を置いていいたいところなんですけれども、国はこれまで地方税の充実を図るとしながら、国の財政再建を優先させまして、私たちにいわせれば、小手先の税制改正を行ってきたといっても過言じゃないと思うんです。
 例えば、三位一体の改革では三兆円の税源移譲をしたといっていますけれども、それを大幅に上回る地方交付税、あるいは国庫補助金の削減が片一方では行われまして、地方自治体の財政状況を大きく圧迫しております。
 また、それに続く地方法人特別税等の改正も、今申し上げたように、分権に逆行する理不尽なものでありました。
 政府・与党は今月中にも税制改革中期プログラムを策定するとしていますけれども、来るべき税制改革において、これまでの過ちを繰り返させないためにも、東京からあるべき地方税制の形を発信していくという都税調の、つくった都税調の役割は非常に大きいと思うのであります。
 先ほど申しましたけれども、三年に一度の答申を行いまして、一区切りがついたわけですけれども、今後どのような検討を行っていく予定なのか、ご答弁を願います。

○宗田税制調査担当部長 東京都税制調査会は、地方分権時代にふさわしい地方税制度を地方の立場から検討し、提言していくことを目的に創設されたものでございます。
 今年度は、三位一体改革が終了した平成十八年度から三年度間の検討の成果を答申として取りまとめていただきましたが、委員ご指摘のとおり、三位一体改革や、それに続く地方法人特別税等の創設は真の改革にほど遠いものでございました。
 都税調の来年度以降の検討テーマは、知事の諮問を受けて決定されますが、引き続き、地方分権を進める観点から、地方法人課税を含め、税制改革の制度設計などについてご検討いただくことになるものと考えております。

○桜井委員 最後に、申し上げるまでもありませんけれども、東京都のための財源確保ということじゃなくて、広く都民、国民のために、どのような地方税制が望ましいのかという視点に立って、積極的な検討を行っていただきたいと、当然ですけれども、このように思います。
 私が思いますに、抜本的税制改革、抜本的な税制改革という言葉は同じなんでございますけれども、国と地方では、どうもその立場は変わっているようでありまして、国の方は抜本的税制改革といいましても、どちらかというと消費税の引き上げの方に力点を置いているようでありますし、地方は国と地方の税源配分の変更を考えるというふうに、互いに立場が大きく異なっているように思われます。
 こうした認識に立った上で改革に取り組んでいく必要があるわけでありますが、最後に局長さんに、自主自立の地方税財政制度の確立に向けてのお考えを伺って、質問を終わります。

○熊野主税局長 近い将来に期待される抜本的な国と地方を通じた税制改革は、都民、国民が安心して暮らせる社会の実現に向けた財源の確保をどうするかということが大きな一つの目的であることはいうまでもありませんけれども、決してクローズアップされている消費税をどう見直すかということだけではなくて、やはりこの間の社会経済状況の変化を踏まえた税体系全体の見直しでなければならないというふうに考えてございます。
 その際に、基本的に考慮されなければならないのは、高木委員からもご指摘があった、国民の立場を考えるというか、国民の納得をいただける、理解をいただけるような税体系を構築するということでございますが、一方で、税の立場からいえば、やはり基本的には公平性が保たれているかとか、あるいは生産、分配、それから消費の各段階におけるバランスがどうであるかとか、あるいは直間比率がどうであるか、それから国際化した社会の中でグローバル的な視点からどうかと。こういったもろもろの観点から判断されるべきであり、特に私どもの立場からいえば、地方財源を充実して、真の地方分権を確立していく、こういう観点からどうかということから、税制を構築していかなければならないというふうに考えています。
 残念ながら、先生もご指摘のとおり、道半ばでございまして、これからが正念場だというふうに考えてございますが、世界同時不況という経済状況に陥ったことから、この抜本的な税制改革が先送りされかねない懸念もございますけれども、これまでのように、単に国の赤字というか、負担の地方への押しつけであるとか、あるいは地方法人特別税のような小手先だけの対応に終始するというふうなことの轍を踏まないように、我々としては、都税調を引き続き活用するとともに、先生方、都議会のご協力もいただきながら、真の改革の実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと思っています。

○秋田委員 私は、今回の都税調答申の一つの柱である環境税制を中心に何点か伺いたいと思いますが、質問の前に、ピグー税という考え方について、図をかきながら説明をさせていただきたいと存じます。
 ピグーというのはイギリスの大経済学者でございまして、ピグー税、ピグー補助金、ピグー効果、ピグー的政策といった形で、経済学の中では大変一般的な大経済学者であると思うんですが、私も久しぶりに昔の経済学の本を、当時大分はやった経済学の本なんですが、これを引っ張り出して、もう一度勉強をさせていただいた次第なんですが、先ほど消費税についての話の中で、高木委員から、税のあり方というのは、まさに国のあり方を示すものだというお話がございました。私はこれからの税制、特に環境税制という観点からは、このピグー税的考え方というのが国のあり方の一つの方向性を示すんじゃないか、そんな思いから簡単にモデル分析をさせていただきたいと思います。
 (図を示す)ささっとかいたんですけれども、これはいわゆる需要供給曲線です。縦軸に価格、横軸に生産量をとっております。こっちが需要曲線、こっちが供給曲線でございますが、需要というのは、ご存じのとおり、価格が下がれば下がるほど需要がふえる。逆に供給曲線というのは、価格が上がれば上がるほど生産量をふやしますから、こういった形、需要と供給がこういった曲線になります。
 この需要と供給が一致するところで、ご存じのとおり、世の中の経済というのは生産量が決まり、価格が決まるわけでございますが、その均衡点がこの赤丸のところであって、横にぴっと引っ張ったところで価格が決まって、下にぴっと引っ張ったところで生産量が決まるわけでございます。
 これが一番シンプルなモデルであるわけでございますが、これで済めばいいわけでございますが、実際は、例えば、ある産業が川上にあって、工業用の排水をする。その排水をした結果、川下の産業が損失を受ける、損害を受ける。極端な例、公害を生む。その場合どうするかとなると、そこで行政なりが登場して、じゃ、税金を課したらどうだ。一個生産するごとに、税金を十円でも百円でも千円でも結構でございますが、税金を課すと、こういった赤の線みたいになるわけですね。ここの幅の部分がその一円なり十円なり百円なりの、いわゆるピグー税といわれるものでございます。
 その結果、わかるとおり、税金をかけた分だけ価格の方は上昇するわけですよね。生産量は逆に減るわけですよね。その分だけ税収というものが出てくるわけですが、その税収でもって、損失なり、あるいは公害なりを解決していこうという考え方がピグー税の考え方であるわけです。
 ヨーロッパの方では比較的一般的に使われている考え方なのかなと思っておりまして、その考え方をもとに、これからちょっと質問をさせていただきたいと存じます。
 この答申では、環境税制改革という言葉が使われております。そこで、都税調が提言している環境税制改革とは何か、基本的な考え方を伺います。

○宗田税制調査担当部長 環境税制改革の基本的な考え方でございますが、答申は、貴重な資源を消費し、環境に損傷を与える行為に対し、環境負荷に応じた負担を求めることが公平であるという考え方を税制に取り入れることが必要であるとしてございます。
 こうした考え方に基づき、環境負荷の大きいものに対して課税を強化する一方、環境に望ましいものに対する税の軽減を検討すべきとしているところでございます。

○秋田委員 それでは、答申は、ただいま伺った環境税制改革の考え方に基づき、具体的に税制をどうしていくべきかと提言しているのか簡単に説明してください。

○宗田税制調査担当部長 具体的な提言についてでございますが、現行のエネルギー関係諸税は、例えば、揮発油税の税率は一リットル当たり五十三円八十銭であるのに対して、軽油引取税は三十二円十銭であるなど、税負担に大きな差異がございます。これを将来的には、CO2排出量に見合った税負担となるよう油種間の負担の均衡や課税対象の拡大を図るなど、環境税として再構築すべきとしております。
 また、自動車税や自動車重量税などの自動車関連税については、燃費など、環境負荷の基準を課税標準として併用するなど、環境配慮の視点を拡大すべきとしております。

○秋田委員 今おっしゃったように、環境の観点からすれば、エネルギー関係諸税も環境税の再構築や自動車関係諸税の見直しは望ましい方向だと思いますけれども、産業界の理解を得るとなると、実現へのハードルは実際かなり高いんだろうと思います。
 一方、ヨーロッパ諸国では、北欧だけでなく、ドイツ、イギリスなど、近年相次いで環境税が導入されております。そこで、あえて伺いますが、環境税制改革実現の妙案は何でしょう。

○宗田税制調査担当部長 理事お話しのとおり、ヨーロッパ諸国では相次いで環境税が導入されておりますが、例えばドイツでは、環境税の導入に際し、法人の社会保険料負担を引き下げ、経済全体で負担の中立を図ってございます。
 また、イギリスでは、気候変動税の導入に際し、CO2削減に関し、政府と協定を締結したエネルギー集約型産業は、目標達成を条件に税負担が軽減される仕組みを採用しております。
 答申は、これらの例も参考にしながら、我が国の実情に即した改革を目指すべきであるとしてございます。

○秋田委員 税の目的というのは、いうまでもなく行政サービスの経費を賄うための財源確保だと思います。しかしながら、税は一方で社会経済を一定の方向に誘導していくための強力なツールでもあるのだと思います。
 環境にとって望ましくないものについては負担を求め、環境にとって望ましいものについては負担を軽減するという今回の答申の考え方は、そうした視点に立ったものであり、先ほど私が説明をさせていただきました広義のピグー税的なものだと思います。
 申し上げるまでもなく、ピグー税というのは社会に負荷を与えているにもかかわらず、市場ではその費用が適切に支払われず、外部不経済を及ぼしている場合に、税を課すことにより、社会に負荷を与えている行為を抑制しようとするものであり、市場の失敗を税制という手段を用いて是正しようとするものでございます。ただいま伺った環境税がその典型例だと思いますけれども、ロンドンなどで行われている混雑緩和のための課金なども、税ではございませんが、広義のピグー税だとされております。
 私は社会経済が広域化、複雑化している今だからこそ、環境に限らず、政策実現の手段として経済的手法、とりわけ税のピグー税的な側面が重要になっていると思います。
 先ほど局長から環境減税について力強い答弁がございました。地方分権を支える安定的な地方税体系の確立や歳入の確保はもちろんでありますが、主税局には政策官庁としての視点に立ち、政策を誘導するための税制についても引き続き積極的に検討し、全国に発信していただきたいと思い、このことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。

○きたしろ委員長 ほかに発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十五分散会

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