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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十五号

平成二十年十月二十八日(火曜日)
第二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長きたしろ勝彦君
副委員長西岡真一郎君
副委員長ともとし春久君
理事秋田 一郎君
理事遠藤  衛君
理事曽根はじめ君
伊沢けい子君
原田  大君
菅  東一君
高木 けい君
上野 和彦君
桜井  武君
酒井 大史君

 欠席委員 なし

 出席説明員
会計管理局局長三枝 修一君
管理部長山本  隆君
警察・消防出納部長堀切喜久男君
参事土渕  裕君
収用委員会事務局局長野口  孝君
審理担当部長太田雄二郎君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
 会計管理局関係
事務事業について(質疑)

○きたしろ委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び会計管理局関係の事務事業に対する質疑を行いたいと思います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○上野委員 私は、日ごろから安全・安心まちづくりの重要性を強く訴えてきましたが、災害に強く、そして快適で利便性の高い東京を実現していくためには、道路、公園などのインフラの整備がまだまだ必要でありますし、こうした必要なインフラ整備を今後とも積極的に推進し、「十年後の東京」に描かれているような、さらに機能的で魅力的な都市へと発展させていかなければならない、このように思っている次第でございます。
 こうしたインフラを整備するに当たりましては、必ず用地買収というのが伴うことになります。そうした中で、任意の用地買収が困難な場合には、最終的には土地収用の手続をとられることになるわけでございます。
 私の地元の江戸川区平井でも、多くの住民の方々の協力を得て、江戸川区と墨田区を結ぶ重要な地域道路で、また防災避難道路の役割も担っている補助第一二〇号線の整備が進んでいるところでありますが、最終的に用地買収に応じず、土地を明け渡さない方が残ってしまったために、いまだ開通に至っておりませんでした。
 私も、この道路の早期開通を強く要望してきたところでありますが、この件についても、都収用委員会で土地収用を認める裁決が行われまして、今月、都による代執行が着手されまして、平井北地区の区間は開通のめどが立ったと聞いているところであります。
 このように、都収用委員会におきまして公正かつ迅速な事件処理が行われることは、東京のまちづくりの推進に重要な役割を果たすものと考えております。
 事業概要の最近の収用事件の傾向を見ますと、都収用委員会では大都市東京の特徴を反映した多様な収用事件を処理されていることが説明されていますけれども、最近、収用事件の傾向に変化が見受けられるようになったと伺っております。
 そこで、事務事業の質疑でもありますので、都収用委員会が取り扱っている事件の最近の状況について、改めてご説明願います。

○太田審理担当部長 まず、取り扱っている事件数でございますが、平成十一年度までは毎年度七十件程度でありましたが、平成十二年度に百件の大台を突破し、これ以降、毎年度百件を超える件数で推移しております。
 次に、取扱事件の傾向でございますが、都内では東京の最大の弱点でございます交通渋滞の解消に向けて大規模なインフラ整備が進められております。これに関連いたしまして、平成十九年度に裁決が行われました圏央道高尾山事件のほか、首都高速中央環状新宿品川線やマッカーサー道路といわれます虎ノ門・汐留間の環状二号線に係る事件など三環状道路や幹線道路の整備に伴うもの、さらには鉄道連続立体交差事業に伴う事件などが増加しております。
 また、都内にはマンションなどの集合住宅が多いことから、マンション敷地の収用など多くの権利者が関与する事件も増加しております。こうした事件は当事者が多数なため、意見の確認などにかなりの時間を要することがございます。
 さらに、市街地再開発事業で土地を高度利用する際に土地所有者などの資産価値をどのように評価するかといった、他の道府県の収用委員会ではほとんど取り扱うことのない処理の難しい事件なども増加傾向にあります。
 これらに加えまして、平成十六年度には収用制度活用プランを策定し、収用制度を利用しようとする区市への支援の働きかけを強化したことなどによりまして、平成十七、十八年度におきましては区市からの裁決申請数が大きく増加しております。

○上野委員 例えば、今お話のあった圏央道高尾山事件は、事業に反対する大規模なトラスト運動が発生し、裁決までに大変な苦労があったと伺っております。圏央道を含む三環状道路の整備は、東京の都市づくりにおける最重要課題であります。こうしたトラスト事件などは、収用制度なしには解決できなかったもので、今回、公正中立な立場から迅速な裁決を行ったことを評価したいと思っております。
 取り扱っている事件の状況の説明をお伺いすると、事件数そのものが増加するとともに、事件の中身もますます大規模なものや、そして難しいものがふえているように感じます。
 そこで、取扱事件数の増加などの状況を踏まえ、事件の迅速な処理を進めるために、都収用委員会ではどのような工夫を行っているのか、お伺いいたします。

○太田審理担当部長 先日の委員会でもご説明いたしましたように、収用事件の処理は、受理した申請書等の書類を地元区市町村で二週間縦覧することを初め、権利者からの意見書の提出、裁決手続開始の決定と登記、起業者と権利者の意見を聴取する審理の開催、裁決など、土地収用法の定める手続を適正に行うことが求められており、そうした手続にどうしても一定の期間を要するものでございます。
 また同時に、土地収用法は事件の迅速な処理を求めております。このため、収用委員会は七名の委員の合議制の機関でありますが、都収用委員会では、平成十二年度以降の取扱事件数の増加などを踏まえ、平成十三年度から審理と調査に係る手続の処理を特定の委員に委任できる指名委員制度を積極的に導入し、委員会運営の効率化に努めております。
 また、事務局におきましても、平成十六年度に収用制度活用プランを策定し、蓄積された事例を分析した事務処理マニュアルの整備や職員の専門能力の向上など、事件処理の適正化、効率化に向けたさまざまな取り組みを行うとともに、収用事件を扱った経験の少ない区市に対しましては、申請手続を円滑に進められるように必要な支援の取り組みを推進しているところでございます。

○上野委員 都収用委員会として、事件処理の推進に向けたさまざまな工夫を行ってきたことは理解できましたので、引き続き積極的な取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
 さて、東京は二〇一六年のオリンピック・パラリンピック招致を契機に、三環状道路を初めとする道路ネットワークの整備などを進め、さらに機能的で魅力的な都市へと生まれ変わるよう、全庁挙げて取り組んでいるところでございます。
 圏央道関連の事件処理は終わりましたが、都が早期の事業化を国に強く求めている外環の整備、区部環状道路の整備、そして鉄道の連続立体交差事業、また中央環状品川線の整備などにおいて土地収用の手続が必要になった場合など、今後の東京のまちづくりを推進していく上で、都収用委員会の公正かつ迅速な事件処理という役割がさらに重要になってくると、このように考えております。
 そこで、最後に事務局長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

○野口収用委員会事務局長 公正な事件処理は、収用委員会の重要な責務でございます。一方、迅速な事件処理も、公共事業の円滑な推進という社会的要請にこたえるもので、そうした意味から都収用委員会が東京のまちづくりに果たす役割は非常に大きいものと認識しております。
 さきに審理担当部長から答弁いたしましたとおり、毎年度百件を超える取扱事件や大規模なインフラ整備に伴う事件、マンション事件など、これまでに比べて複雑かつ困難な事件が増加しております。都収用委員会を取り巻く状況は一段と厳しくなっているところでございます。
 このような状況ではございますが、事務局といたしましても、ご指摘のありました東京のまちづくりに果たす役割を認識いたしまして、都収用委員会の運営をしっかりと支え、今後とも公正かつ迅速な事件処理に向けて万全を期して取り組んでまいります。
 よろしくお願いいたします。

○きたしろ委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○きたしろ委員長 これより会計管理局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言をお願いいたします。

○高木委員 私からは、東京都における公金管理について何点か伺いたいと思います。
 リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけとしてアメリカで発生した金融危機は、日本にも及び始めており、既に生命保険会社が破綻するとともに、地域の金融機関を中心に経営の健全性が懸念されております。
 また、本日、日経平均株価が二十六年ぶりに一時七千円を割り込むとともに、一ドル九十円台前半の円高が続いております。このままでは、実体経済も深刻な打撃を受け、それがさらに金融機関の経営悪化を加速をさせるといった悪循環に陥る可能性があると考えております。
 ところで、歴史をひもとけば、昭和二年の金融恐慌は、国会における答弁が発端となって、つまり、大蔵大臣が具体的な銀行の名称を挙げて答弁したことが引き金になったと聞いております。この教訓を踏まえれば、我々都議会は、この金融危機の中で、都の預金先金融機関の名称や、その預金の状況あるいは個別の銀行の評価などを問いただして、いたずらに不安をかき立て、風評を招くといったことは絶対に避けなければならないことではないかと思うわけであります。
 また、会計管理局においても、これらの情報が漏えいすることがないように、ぜひ厳重に情報を管理していただきたいと思うわけであります。
 しかし、その一方で、本年度、東京都の基金の平均残高は優に二兆円を超える見込みでありまして、その約六割は預金によって運用されているわけであります。したがって、都の預金の安全性を確保することは喫緊の課題であると思います。
 以上から、我々は万が一にも個別の銀行について風評を招くことがないように十分配慮しながらも、冷静かつ客観的に都の預金が安全に管理されているか否かを確認しなければならないと考えております。
 そこで、まずお伺いをしたいんですが、会計管理局では預金先金融機関をどのように選定して、その経営状況が悪化した場合、いかなる対応をとることにしているのか、お伺いをいたします。

○山本管理部長 預金先金融機関の選定方法や、その経営状況が悪化した場合の対応につきましては、東京都資金管理方針に定められております。
 その内容をご説明をいたしますと、まず、預金を行うに当たっては、格付、自己資本比率、預金量などの指標や、その他の定性的な評価によりまして一定の水準を上回ると判断した金融機関について、金融分野の専門家により構成する東京都公金管理委員会の意見を聞いた上、預金先として選定しております。
 それから、選定した預金先金融機関が、この指標や定性的な評価におきまして一定のレベルを下回るに至った場合には、当該金融機関への預け入れ期間や預金額などの制限、新規預金の停止といった措置をとることとしております。
 また、さらに経営状況が悪化した際は、当該金融機関から経営の実態を聞いた後に、必要と認めた場合は、預金の中途解約という措置も定められております。
 なお、これら一連の措置をとる場合には、公金管理委員会から意見を聞くことにしております。

○高木委員 ただいま説明のあった格付や自己資本比率などは、確かに銀行の経営状況をはかる指標として有効であり、こうした指標を活用しながら専門家の意見を聞いて預金先金融機関を監視するという対応は、一般的には合理的なものだというふうに私も思っております。
 しかしながら、自己資本比率などは、半年ごとに発表される決算の中で初めてその変化が明らかになるものであって、今回のように金融環境が急激に変化、悪化しているような特殊な場合には、危機管理として通常とは異なる対応が必要なのではないかというふうに思うわけであります。
 そこで、この点についてはどのように対応していらっしゃるのか、お伺いいたします。

○山本管理部長 ご指摘のとおり、金融環境が急激に悪化している場合には、決算発表の有無にかかわらず、迅速に対応することが重要であると考えております。
 そこで、リーマン・ブラザーズが破綻いたしました九月中旬以降、まず私どもは情報収集の強化をしております。具体的には、日々、預金先金融機関の株価や取引先の動向を把握するのみならず、金融の専門家から金融情勢に係る最新の情報を入手するよう努めております。
 さらに、公金管理委員会についても、通常は半年ごとの決算が発表された後に開催いたしまして預金先金融機関の経営状況について助言をいただいておりますけれども、現在は決算発表を待たずに随時開催できる体制を整えております。

○高木委員 会計管理局が金融危機に的確に対応しようとしている、その努力はよくわかりました。
 しかし、今回の金融危機は、百年に一度といわれるほど、我が国の経済に対しても深刻な影響を及ぼすおそれがあることから、会計管理局においては細心の注意を払って都民の財産である公金の安全を確保していただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。
 ところで、他の道府県において、国の補助金に関連した不正経理が新聞紙上をにぎわしております。このことについて、ちょっとお伺いしたいと思っております。
 会計検査院が無作為に十二道府県を調査した結果、すべての団体で不正な経理が見つかりました。その額は、約五億五千万円にも上っていると報道されております。このうち半数の自治体で取引業者に架空発注をする裏金づくりが判明いたしております。
 いうまでもなく、国庫補助金は国民の貴重な税金で賄われているわけでありまして、そうした公金が不正に処理されるということは、これはあってはならない話だというふうに思うわけであります。
 そこで、他の道府県の状況を見て、会計管理局として東京都はどのように対応するのか。これは、大変重要な問題でもございますので、ぜひ局長のお考えをお伺いをさせていただきたいと思います。

○三枝会計管理局長 東京都では、経理事務が適正に執行されているかどうか、こういったことにつきましては、会計管理局による定例、随時の検査、各事業局における自己検査、さらには監査委員による監査などによりまして確認をしているところでございます。そうした中では、新聞報道にあるような不正経理の事実については確認されていないところでございます。
 しかしながら、今回の問題に関して申し上げますと、補助金の不正処理、こういったものは決してあってはならないものであると認識しております。そのため私どもといたしましては、先週月曜日だったかと思いますが、報道がされました直後から情報の収集、分析などを行い、事態の把握に努めてきたところでございます。
 このたび、知事の指示を受けまして、全庁的に点検を行うことといたしました。現在、その手法、内容等について詰めを急いでいるところでございまして、準備が整い次第、速やかに自主点検を実施し、遺漏のないように進めてまいります。

○高木委員 ただいま局長から、全庁的な自主点検を実施をするとの答弁がございましたが、今回の問題の背景には、余った補助金を翌年度に繰り越せないということでありますとか、返還するには国との間で大変な労力がかかるといった、いわゆる単年度制の予算の予算制度全体の問題点もあるんじゃないかなというふうに思っています。
 今後、補助金制度のあり方、これは私、補助金だけではないんだと思っておりまして、例えば国庫負担金というような問題も恐らくあるんだろうと思いますし、東京都が独自に徴収をし、独自に予算を組んでいく財源とは別にそういう国の制度などがあるわけですから、そういうことについて国と地方の関係の見直しといった本質的な問題点についても、実はこれ、いいきっかけですから、議論を深めていくべきなんではないかなというふうに思っております。
 今までも東京都から国に対していろいろなことを、問題提起をしたり、申し上げてきたということも私たちわかっておりますが、ぜひこの補助金の不正経理の問題をきっかけにして、予算制度全体の問題でありますとか、それから今まで申し上げたような補助金の制度はもちろんですけれども、そういうことに対して、よく東京都なりの考え方をまとめていただいて、国に対しても物を申していっていただきたいなと、こう申し上げまして私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○原田委員 私からは、東京都の公会計制度につきまして、特に普及という点から幾つか質問させていただきたいと思います。
 これまで、平成十八年の四月に新たな公会計制度が導入されて以来、東京都ではその活用についての取り組みも進め、またさまざまなセミナー等を通じた普及の取り組みもされていることかとは思います。
 ただ、この間、定例会の中で東京都を初めとする自治体の意見を地方公会計制度の改革の中でしっかり取り入れるようにといったような意見書を議会としても提出いただくような状況になるなど、議論がさまざまな方向で錯綜しているといったような状況もございます。
 実際に、この平成十八年四月、似たようなタイミングで、国の方でも新地方公会計制度研究会が設置されまして、基準モデル、総務省方式改訂モデルと二つの公会計モデルが提案されているわけでございます。
 そうした中で、東京都はもう既に独自の方式を導入しましたけれども、ほかの自治体においては、どのようにすればいいかといったようなことで、今検討が恐らく進められているところではないかと考えております。
 そのときに一つ考えておかなくてはいけないのは、もちろん今回の財務諸表は縦軸で、去年、東京都における経年変化というものを見るという点で活用はもう既にされているわけでございますけれども、今後のことを考えると、横軸での、つまりほかの団体との比較での活用というものがこれからまた重要になってくる。
 そのときに、じゃ、どういった軸で比較ができるのかといったことを考えたときに、やはり各団体が比較可能な制度を導入しているということが一つ重要なことになってまいります。共通の仕組みを入れなければ、使えるものも使えないといったようなケースというのは間々あるわけでございまして、我々の生活に身近なところでは、例えばビデオでVHSとベータが基準の争いをし、そして最終的にVHSの方が優勢になったというようなこともございますけれども、その中身については言及はしませんけれども、とにかく優勢を握った方が広まっていくといったようなことがございます。
 東京都におきましても、例えば情報通信の分野、ネットワークの分野で、以前都庁プロトコルという独自のプロトコルを、通信ネットワークの規格を導入しました。その後、いわゆるTCP/IPという国際標準の、今のインターネットでも使われている通信規格というものが広まったことによって、この間、都庁プロトコルの開発に毎年数百億円の投資を東京都もしてきたわけでございますけれども、これが本当に水泡に帰すといったような状況になってきた経験を東京都も持っているわけでございます。
 もちろん、その背景には、国と東京都の間での競合関係、あるいは諸外国も含めたさまざまな関係というのがあったことは承知しておりますけれども、今回のこの公会計制度改革、せっかくいいものができたと私も思っておりますので、これが本当に以前の都庁プロトコルの導入のときのように、国内での混乱をもたらし、またむだな投資を招く、特に我々東京都ですから、東京都にとってこれまでの投資がむだになってしまうということがないように努めていかなければならないと考えております。
 そうした意味にあっても、東京都の方式というものをきちんとこれから普及していくという観点が、また大事なことになっていくのではないかなと思っております。
 そこで、まず最初にお伺いしますけれども、東京都としても、当然その過程においては他の自治体の動向というものをきちんと把握しておかないといけないと思います。それについて、ことしの三月には総務省の方が地方自治体に対し、財務諸表の作成状況等に対する調査を行ったと聞いております。
 この結果について、東京都としてどのように把握をしていらっしゃるのか、お伺いします。

○土渕参事 委員お話のように、総務省は本年三月に全国の自治体に対し調査を実施し、平成十九年度末における財務諸表の作成状況等を取りまとめました。
 それによりますと、まず、これまでの財務諸表の作成状況につきましては、全国の一千八百六十三自治体のうち、約七割の団体が何らかの方式により作成に取り組んでいるのに対し、約三割の団体は全く作成したことがないという結果になっております。
 また、今後の取り組み状況につきましては、約一割の団体が基準モデルを、約四分の三の団体が総務省方式改訂モデルによる作成を検討しており、残りの約一五%が独自方式を検討する、または未定となっております。

○原田委員 東京都は、この独自方式という部分に入るんだと思いますけれども、全体の割合で見ると約四分の三が総務省方式改訂モデル検討ということでございます。つまり、東京都の今やっている方式とは違う方式を選択すると回答を総務省に対してしているわけでございますけれども、この改訂モデルを検討している自治体が多い、その理由について東京都としてはどのようにお考えなのか伺います。

○土渕参事 基準モデルが財産をすべて評価し、財務会計システムを再構築して財務諸表を作成する方式であるのに対しまして、改訂モデルは基本的に現在の仕組みのまま、官庁会計決算を組み替えて財務諸表を作成する方式であります。
 基準モデルと比較しますと、簡単に財務諸表を作成できるため、まずは改訂モデルに取り組むという方針ではないかと推察をしております。

○原田委員 まずは改訂モデルにというふうに考えているということでございましたけれども、本格的に複式簿記・発生主義会計を導入していくということになりますと、中長期的には東京都が今やっている新しい公会計制度と同様に、システムをきちんと整備し、そして複式簿記による記帳というものを日々行っていく、仕訳をきちんと行っていくといったことによって、その財務諸表をつくっていくということが必要になってくるかと思います。
 そうした意味で、これまで都が積み重ねてきた数々の知見、これをきちんと伝えていくということ。これは、ほかの自治体にとっても、これから取り組む自治体に対して大いに有益になることと思います。そうした点で、これまでもさまざまな取り組みをされてきたかと思いますけれども、まず、公会計制度が導入されてから、東京都はどのような普及活動をしてきたのか伺っておきます。

○土渕参事 新公会計制度を導入した平成十八年度は、この制度の概要や意義等につきまして国や全国の自治体に広く情報提供するため、七月と十二月の二回にわたり大規模な説明会を実施いたしました。
 平成十九年度は、この制度の概要等が各自治体に浸透してきたとともに、各自治体におきましても検討が始まったことから、きめ細かい対応をした方が効果的であると判断いたしまして、一回当たりの参加団体を絞るかわりに開催回数を十三回までふやし、十一月から二月にかけまして財務諸表に関する説明及び個別相談会を開催いたしました。そのほか、全国の自治体等からの説明依頼に応じ、これまで延べ千三百を超える団体に説明を行っております。
 さらに、都の新公会計制度の導入を積極的に検討している自治体に対しまして、団体の希望に応じて実務的、技術的助言等を行うコンサルティング活動を実施しているところでございます。

○原田委員 延べ千三百を超える団体にアプローチをしているということで、数だけ聞くと本当にすごいアプローチをされていることかと思いますが、結果を見てみますと、まだ東京都と同じような公会計制度を導入しているというところに至っている自治体はないようであります。
 これまで、例えばコンサルティング活動等についての言及もございましたけれども、こうした形で、いわゆる調査という形、アンケートという形だけではなく、日々相談に乗るという形で自治体に接してこられた担当の立場として、各自治体にとってどういうことがこの新公会計制度の導入をためらう理由になっているとお感じになられているのか伺います。

○土渕参事 新公会計制度は、従来の官庁会計に加えて複式簿記・発生主義会計の処理を行うため、できるだけ負担軽減に努めたとしても作業負担が増加します。財産評価や財務会計システムの再構築等に伴う労力やコストも含めると、新公会計制度の導入にはそれなりの負担が生じることになります。
 各自治体にとりましては、この負担に見合った効果がまだ十分に実感し切れないということが導入に踏み切れない理由の一つだと考えております。

○原田委員 負担がそれなりに大きいと。その大きな負担に見合った効果が十分にまだ実感できていない。ということは、東京都においても、まだまだこれからその公会計制度というものを都庁全体に広げていくという中でも、同じような問題も考えつつ、しかしながら、例えばこの財政委員会の中でも別の財務局のところでございますけれども、都が持っている固定資産の内容についての把握が進んだりといったようなことで、財務諸表の活用というものが着々と進んではいるかと思います。
 そうした点においては、実際に活用していくという中においては、都庁の中においては財務局の方になってくるかと思いますので、そちらの方で具体的にどのように活用していくのか、そしてまた、それをどのように広めていくのかといったことについて検討されていくことが重要かと思いますけれども、それも踏まえた上でしっかりと会計管理局と財務局とが連携をとりながら、ほかの自治体に対してもアプローチをしていかなければいけないと思っております。
 そこで、これまでいろいろなセミナーですとか個別のコンサルティングですとか、やってこられたかと思うんですけれども、自治体全部を対象にしているものがほとんどだったかと思います。そうしたものも当然これからも続けていただきたいと思うんですけれども、別の切り口のアプローチの仕方というのもこれからあるのではないかなと思っております。
 それは、例えば東京都が広域的に連携しながら事業を進めていくといったようなものの場合に、その連携先の自治体に対しても、その事業の中だけでも都の方式を取り入れてもらうというようなことも考えられるのではないかなと思っております。究極的には、事業ごとに連結しながら財務諸表をつくっていくというようなことも考えられるのではないかなというふうに思っております。
 そこで、その前提としてお伺いしますけれども、事業別の特に連結も踏まえた財務諸表を作成するために一般的にどのような要件が必要になってくるのかについて伺います。

○土渕参事 事業別の連結財務諸表を作成するためには、一般的に、まず、どの範囲で連結を行うのかを特定することが必要であります。
 次に、その範囲に係る事業を実施している団体が採用する会計基準が一致していることが必要となります。
 さらに、各団体で、システムにより事業別財務諸表を作成することが可能になっていることが必要だと考えております。

○原田委員 こうしたその事業別の連結財務諸表は、自治体間の広域連携を図る上で、共通のプラットフォームともなる、まさに基盤の部分であります。現状では、各自治体がそれぞれの方式でやっているために、これをきちんと全体を俯瞰して見渡すというようなことが整っているわけではございませんけれども、多少時間がかかりましても、そうしたことができれば、もちろんこれは事業を運営する側にとっても自治体の職員の側にとっても有益なものでありますし、またそれを見る住民にとっても、もちろんこれは有益なものだと思います。
 例えば、東京都で具体的な事例として、これからではございますけれども、東京港、川崎港、横浜港と、この三港の広域的な連携強化について先日基本合意書を締結して、これから取り組みを進めていくようでございます。こうした部分でも、港湾経営の実績というのを踏まえつつ国際競争力、まさに企業と似たような観点からこの取り組みが進められているわけでございまして、こうした部分についても、どのような取り組みができるのかといったことについて考えてみるのも一つだと思っております。
 また、ほかの面では、これは全く先の議論にはなってきますけれども、道州制の議論というものも進んでおります。あるいは、それに伴って基礎自治体の広域連携といったようなもの、こうした自治体間のさまざまな連携の形というのが今議論されているわけでございますけれども、こうした連携が進めば進むほど、自治体間で共通のプラットフォームを持っているということの重要性が増してくるのではないかと思っております。
 その際に、本当に一番いいプラットフォームというのが整備されるように、東京都としても努力していかなければいけないわけでありまして、あの都庁プロトコルのときのような混乱というのを、二の舞にならないようにしっかりとした取り組みが、特にこの普及という点についての取り組みがなお一層必要になってくるのではないかと考えております。
 あの都庁プロトコルのときには、あれによって日本の情報化が五年、十年おくれたというようなこともいわれました。今回のこの公会計制度改革がどのように進んでいくか、これからの取り組み、まさに努力していかなければいけないところでございますけれども、取り組みの内容によって、この公会計制度改革が五年、十年おくれたといわれないように、都としても積極的にできる限りのことをやっていかなければいけないと考えております。
 そうしたことを改めて指摘させていただきまして、また会計管理局のさらなる取り組みを期待いたしまして、私からの質問を終わります。

○上野委員 私からは、公会計制度について幾つか伺ってまいりたいと思います。
 都は、我が党の東村議員の提案を受けまして、石原知事の決断により、新たな公会計制度を全国に先駆けて導入いたしました。
 公会計制度改革につきましては、石原知事就任以来足かけ八年という歳月を経て、昨年初めての本格的な財務諸表を作成、公表し、予算編成にもその成果を反映することができたわけでございます。今後、地方行政における公会計制度改革を進め、自治体間や類似事業間の財務諸表を比較しながら経営状況をより高度に分析していくためには、全国標準的な会計基準が必要不可欠でございます。
 しかしながら、国が示している二つの公会計モデルは、全国標準としての位置づけもなく、さらに今後の方向性も明確に示されていないことから、多くの自治体が困惑している、こういう現状でございます。
 そこで、この会計基準の標準化について、順次質問してまいります。
 まず第一に、総務省が提示している二つのモデルの問題点について、改めてお伺いします。

○土渕参事 まず、総務省方式改訂モデルは、官庁会計決算を手作業で再計算して組みかえるものであり、日々仕訳方式による本格的な複式簿記の導入とはいいがたいものであります。そのため、財務諸表の正確性が不十分で、事業別の財務諸表の作成も困難であります。
 一方、もう一つの基準モデルは、国際公会計基準とも大きく異なる非常に独特な考え方に基づいており、難解で実務的にも対応が困難なものとなっております。
 加えて、二つの公会計モデルとも地方自治体の意見を反映したものではありません。そのため、両者とも今後、全国標準たる会計基準にはなり得ないものと考えております。

○上野委員 民間企業における複式簿記・発生主義会計の処理につきましては、企業会計原則など、どの企業であっても統一的な処理をする会計基準があるにもかかわらず、この地方公会計においては国が示しているモデルが全国標準たり得ないと、これはまさに憂えるべきことでございます。
 都議会の意見を踏まえ、国は早急に会計基準の標準化に取り組むべきである、このように考えるわけでございますけれども、そうした中、先日、日本公認会計士協会から、地方公共団体の会計に関する提言が発表されました。そこで、この日本公認会計士協会の提言の概要についてお伺いいたします。

○土渕参事 十月十五日に、日本公認会計士協会が発表しました地方公共団体の会計に関する提言は、会計専門家の理解促進のため、地方公会計の整備に係る検討状況などを解説し、あわせて将来の統一的な地方公会計基準を整備するに当たっての協会の考え方を取りまとめたものであります。
 主な提言といたしましては、税収を行政サービスの提供に要した費用に対する財源として、行政コスト計算書に計上するのが適当であること、資産評価は原則として取得原価主義を採用することなどが挙げられます。
 また、地方自治体や地方独立行政法人などに適用される統一的な公会計基準が必要であり、国に対し早急な取り組みを求めているものでございます。

○上野委員 日本公認会計士協会の提言によりまして、会計の専門家としての立場から、統一的な地方公会計基準についての検討成果が示されたということでありますが、それでは、東京都の新公会計制度と、日本公認会計士協会の提言はどのような点が同じで、また、どのような点が異なるのかお伺いいたします。

○土渕参事 ただいまご答弁申し上げました税収の取り扱いや資産評価の考え方は都と一致しており、さらに、資産、負債の区分や純資産変動計算書の構成など、勘定科目体系の考え方もほぼ同じとなっているなど、多くの点で都の新公会計制度と協会の提言は一致しております。
 ただ、出納整理期間の取り扱いにつきましては、都の新公会計制度が出納整理期間中の計数を財務諸表に反映しているのに対しまして、協会の提言では、出納整理期間中の計数につきまして別途、表を作成し、財務諸表とともに公表した方が望ましいとしております。

○上野委員 ご答弁にありましたように、出納整理期間の取り扱いについては差異があるようでございますが、その他の基本的な方法においては相違がないということのようであります。
 そういった点も踏まえまして、この提言を都としてはどのように受けとめているのか、その点についてお伺いいたします。

○土渕参事 協会の提言の特徴を簡潔に挙げますと、一つは、基本的に国際公会計基準と同じ内容であること、二つ目は、総務省の二つのモデルに対しては否定的な見解となっていることであります。
 国際公会計基準は、世界約百二十カ国の会計士協会が加盟している国際会計士連盟において策定された基準で、諸外国で広く採用されているものであり、都の新公会計制度も基本的に同じ考え方を採用しております。
 都の新公会計制度が準拠している国際公会計基準の考え方を協会の提言が重要視していることは、都のこれまでの取り組みの正しさが専門家の協会からも裏づけられたものと受けとめているところでございます。

○上野委員 答弁にありましたように、都が全国に先駆けて策定したこの東京都会計基準が、提言と基本的な考えを同じくしているということであります。
 都は、公会計制度改革の先駆者として、みずから改革に取り組む、それだけではなくて、他の自治体ともしっかり連携して、地方公会計基準の標準化について取り組んでいく必要があると、このように考えます。これまでの幾つかの質疑の内容を踏まえた上で、地方公会計制度の標準化に向けましての今後の取り組みにつきまして、局長の見解をお伺いいたします。

○三枝会計管理局長 これまで私どもは、国への提案要求におきまして、総務省に対し全国標準たり得る会計基準の整備に着手することを要求してまいりました。
 また、全国で初めて複式簿記・発生主義会計を導入し本格的な財務諸表を作成した実績をもとにいたしまして、全国知事会公会計制度ワーキンググループの座長といたしまして、今後の地方公会計制度のあり方に関する検討に対し、先導的な役割を果たしてきたところであります。
 現在、その上部組織であります作業部会においてさらに検討を重ねているところでございますけれども、かなりの部分において、私どもの考え方が反映されたものとなるよう最終的な調整を行っている段階でございます。
 今後は、このたびの日本公認会計士協会の提言の内容をも踏まえながら、さらに知事会の議論を先導するとともに、全国標準たり得る会計基準の整備につきまして、国や他団体への働きかけを強めてまいる所存でございます。

○曽根委員 私からも、少しダブるかもしれませんが、東京都の資金管理の安全確保について何点かお聞きしたいと思うんですが、できるだけ重複を避けたいと思います。
 先ほど別の委員の方から、預金先の金融機関において危険というふうに思われる場合に、その対応について質問がありました。そのときに、一定の水準を設けて格付その他がそれを下回るような場合、いろんな情報を都として集めて、それに対応して場合によっては預金停止ということもあるというようなお話がありました。
 その点は、質問が重複しますので避けますけれども、ちょっとその点に関連して、その一定の基準というものは、私はあくまで総体的なものだろうと思うんですが、一貫して何らかの定まったものがあるのかどうかということと、それから、今起こっている金融破綻というのが、アメリカなどを見ても、ほとんどの金融機関が、サブプライムローンその他、この破綻の原因となった金融のやり方に入っておりますので、安全な金融機関というのは余りもうないんじゃないかというぐらい、国じゅうに破綻が広がっていると。
 これは、日本の場合、総体的にはまだ大丈夫といわれていますが、しかし、これがどこまで広がるかわからない状況ですので、今かなりの数の金融機関に都の資金が預けられていますが、それがもう本当に数えるぐらいしか残っていないというような事態が起きかねないんじゃないかと。そういった場合に、通常では考えられない預金先の集中とか入れかえということはあり得ると、まあ、あってほしくないんですけれども、そういった場合は想定はしていないと思うんですが、その点についてだけちょっと確認をしておきたいと思います。

○山本管理部長 まず、預金先の水準につきましてでございますけれども、先ほどご答弁申し上げましたが、格付、自己資本比率、預金量などの指標、その他の定性的な評価というふうに申し上げました。そういったことで、一貫してそういったものが定まっているのかというお尋ねではございましたけれども、必要に応じまして公金管理委員会の委員の意見等も聞いておりますので、的確に判断していきたいというふうに思っております。
 それから、現在の預金先の安全性等の問題でございますけれども、現在の金融危機の状況というのは、確かにご指摘のとおり大変深刻な状況であるというふうに認識はしてございます。
 そういった中で、個別の金融機関の経営状態の認識につきましては、明らかにするということは差し控えなければならないと考えておりますけれども、その安全性を確認しつつ金融の専門家からも最新の情報を入手するなどして的確に対応してまいたりたいというふうに考えております。

○曽根委員 そうすると、最初の基準という点では、やっぱり定性的なものであり、総合的な判断というのは、その時点時点で考えていくということになると思うんですね。それだけに正確な情報が必要であるというふうに思うんです。
 それから、本当にアメリカのような事態が日本にまで広がってきた場合に、預金先が集中せざるを得ないと。戦前の場合でも、もう既にそういう経験、日本の場合もしているようですから、私も詳しくは知りませんが、大体五つぐらいの銀行に全部預金が集まっちゃったと。中小が全部つぶれていったというような事態もあったようですから、そういった場合になりかねないということも含めて、何らかの想定はしておく必要があるだろうということを指摘したいと思うんです、アメリカはそこまで近づいておりますので。
 それともう一つ、公金管理委員会、このメンバーの方が八名おられると思うんですが、金融や経済の専門の方々が参加しているということですけれども、その権限や、どういう機能を持っており、できれば具体的にどういう頻度で会議を、本年度の中ではどういうようにやっているのかということについても教えていただきたい。

○山本管理部長 東京都公金管理委員会でございますが、金融分野の専門家等の経験、それから識見といったものを活用いたしまして、金融情勢等に応じた的確な判断、対応を行うことなどを目的として、会計管理局長が定める要綱に基づきまして設置しているものでございます。
 委員は、金融のアナリスト、公認会計士、弁護士等の八名でございまして、任期二年で構成しております。任期ごとに会計管理局長が委嘱しているものでございます。
 その役割は、公金管理の基本方針あるいは預金先金融機関の選定などにつきまして、会計管理局長に意見を述べるというものでございます。
 開催につきましては、先ほど申し上げましたように、各銀行の決算時期に合わせて開くということが基本になってございますが、現在のような情勢におきましては、随時開催ができる体制を整えているというものでございます。

○曽根委員 東京都の資金管理方針の末尾には、資金管理に従事する者の義務という第五節の第二項に規定がありまして、そこに、資金管理に従事する者は、扱う資金が都民から預かった公の財産であることを踏まえ、すべての資金管理に関する事項を判断、決定、実行するに当たり、都民の利益を第一目的とするということが書かれていますよね。そういう点からして、今考えられるさまざまな今後の不安に対して、基本的な対応策をやはり検討していく、改めて検討し直すべきところもあろうかと思います。
 八名の方はすべて民間人のようですので、私は、自治体であっても国であっても、公的なお金を国民、都民から預かっている、その公的な資金を最大限守らなければならないという点では同じだと思うんですが、やっぱり自治体と国を比べると、はるかに持っている条件が違うと思うんですよ。国には日銀がありますし、金融庁を持っていますよね。ですから金融機関にいつ何どきでも調査ができる。どの金融機関がどういう状態かということを調べられるし、知っているわけですよね。日常的につかめる。
 しかし、東京都は直接いつでも情報をいただけるわけじゃないわけで、ここまで来ると、本当に都民の財産を公的に管理していく上で、民間のいろんな情報を集める努力はされていると思いますが、私は、金融庁の関係者も場合によってはこの委員会に入ってもらうとか、日常的なパイプを持つとかして、本当に迅速に金融機関の状況について、国が持っているノウハウも含めて都がやはり握っておく必要も出てくるんじゃないかと。
 そういう点で、大きな制度変更にもなるからこれは質問しませんけれども、要望としては、資金管理にどんなことがあっても危険なことがないように万全の体制と、そして必要ならば国への要望もしていくことをお願いしまして、終わります。

○秋田委員 私からも公会計制度改革について質問したいと思います。
 東京都は、平成十八年度に新たな公会計制度を導入して、本年度は二回目の決算を迎えました。前年度の決算データとの比較が初めて可能となり、財務諸表を活用した施策内容の検証が深まるものと期待しております。
 先ほど来お話がございましたとおり、総務省も全国の自治体に対して新公会計制度により財務諸表を作成するよう要請しておりますが、その取り組み状況はさまざまです。私自身も会計管理局が出納長室のころからこの公会計制度については随分と質問させていただきましたが、今回改めて公会計を整備するに当たっての東京の自治体に対する東京都の支援などについて、他の委員と若干かぶる部分もございますが、質問したいと思います。
 まず、公会計の整備に関して、総務省は地方自治体に対しどのようなことを要請しているのかを伺います。

○土渕参事 平成十八年八月に、総務省は地方自治体に対し総務事務次官名の通知を出し、都道府県や人口三万人以上の都市は平成二十一年度までに、町村や人口三万人未満の都市は平成二十三年度までに、財務諸表の整備または財務諸表作成に必要な情報の開示に取り組むことを要請いたしました。
 その約一年後の昨年十月に、総務省は新たな文書を通知し、資産・債務改革や地方財政健全化法の施行も踏まえ、町村や人口三万人未満の都市も含めたすべての自治体に対しまして、平成二十一年度に財務諸表を作成し公表することを要請しております。

○秋田委員 今の参事のご答弁によると、平成十八年度の総務省の事務次官通知により中小の自治体、特に町村においては、財務諸表の公表が求められるのは平成二十三年度からであるという認識があるようですが、その後の総務省の方針転換によって平成二十一年度からの作成、公表が求められているということですよね。東京の自治体の状況が大変気にかかるところです。
 先ほど、どなたかの委員とのやりとりで、全国の自治体のうち七割の自治体が今は何らかの財務諸表をつくっているということでございますが、東京においては、各自治体の財務諸表作成の現状についてはどうなっているでしょう。

○土渕参事 東京の多くの自治体が何らかの方式により財務諸表を作成していますが、島しょの町村につきましては、これまで財務諸表を全く作成していないというのが現状でございます。

○秋田委員 東京の自治体の中にも、財務諸表を全く作成していない自治体があることがわかりました。
 では、そうした状況の中で、各自治体に対し都はどのような支援策を考えているのか伺います。

○土渕参事 これまで都は、東京の各自治体を初めとした他の自治体に対し、都の新公会計制度の導入を推奨してきました。
 都の新公会計制度の導入に前向きな団体に対しましては、その要望に応じて実務的、技術的な助言を行ってまいります。
 ノウハウを持たない小規模な団体に対しましては、平成二十一年度からすべての自治体で財務諸表を作成、公表するという総務省の要請を踏まえ、東京都方式簡易版を提案することといたしました。これは、決算組み替え方式によりつつも、都の財務諸表とほぼ同様の勘定科目体系を有する財務諸表を短時間で作成できる方法でございます。
 島しょの町村を初めとした東京の各自治体に対しまして、順次、紹介、推奨してまいります。

○秋田委員 東京都方式簡易版というのは、決算組み替え方式によって財務諸表を作成する方法とのことですが、これまで都は、総務省方式改訂モデルは官庁会計決算を組み替える方式で、本格的な複式簿記の導入とはいいがたいと、こう批判されてきました。私もそのとおりだと思います。
 この総務省方式改訂モデルに対する批判と、今回の東京都方式簡易版の提案は、一見矛盾するように映るわけですが、そこで、東京都方式簡易版の位置づけについて伺います。

○土渕参事 この東京都方式簡易版による財務諸表作成は、あくまで過渡的な取り組みと位置づけ、最終的には都の新公会計制度の導入を促してまいります。そのため、導入の前提となる資産台帳の整備や財務会計システムの再構築の検討もあわせて進めてもらうようにお願いしてまいります。
 また、都の新公会計制度の導入を検討している自治体にとりましては、導入までの間は簡易版の財務諸表を作成することによりまして、導入後も同じ勘定科目体系の財務諸表を作成することになり、それだけ長い期間にわたる財務状況の動向把握が可能となると考えております。

○秋田委員 東京の各自治体にとって過渡的な取り組みとはいえ、東京都の新公会計制度の導入に向けての選択肢がふえるということは、普及活動の一環としては評価できるものだと考えています。今後も、地方自治体のリーダーとして、他の自治体の公会計制度改革をサポートする取り組みを進めていただきたいと思います。
 私ども都議会におきましても、さきの第二回定例会において、地方公会計制度改革を推進させるべく意見書を採択しました。都など先行して取り組んでいる自治体の事例を参考にして、地方自治体の広範な参画のもとに、全国標準となり得る公会計基準の作成を国に要請したところです。私も、理屈の上では東京都方式が国際会計基準にもマッチして、総務省方式よりも真っ当だと信じております。多くの方の認識は薄いようですけれども、公会計制度の導入というのは静かなる革命だとさえ思っています。
 しかしながら、今まで行政においては現金主義、そして単式簿記で従来やってきたわけですよね。それを発生主義・複式簿記に移行するとなると、例えば発生主義の観点からいえば、恐らく行政マンの中でも年配の方は貸倒引当金という概念はなかなか生まれにくいものだと思いますし、複式簿記においては、借方と貸方で仕訳をしていくという概念は非常に、なかなか生まれにくいんだろうと思います。行政マンの中にも、そうした意味では、意識改革をしていただく必要があるのかな、そんなふうに思っております。
 最後に、地方自治体の公会計制度改革に向けた局長の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

○三枝会計管理局長 ただいま、静かなる革命というようなお言葉もいただきましたけれども、我が国の現状を見ますと、地方行財政全般にわたる改革を進めていく上で、新たな公会計制度の導入は避けて通れないものであると考えております。
 しかしながら、総務省の二つの公会計モデルは、その名前が示すとおり、モデルにすぎないものであるばかりではなく、先ほど来、答弁申し上げているとおり、国際公会計基準からもかけ離れているなど、全国標準にはなり得ない極めて不十分なものでございます。
 そればかりではなく、これによって公会計改革が進むということは期待できず、また、もう少し明快にいわせていただきますと、地方行財政改革全体をおくらせる要因にもなりかねないものであるというふうに私は認識しております。
 そうした中で、ご尽力いただきました都議会の意見書を初めといたしまして、標準化を求める地方の声がいろいろと大きく広がってきております。こうしたことを受けまして、これまで大変かたくなでございました総務省の姿勢にも若干変化の兆しが見え始めたところでございます。
 都といたしましては、全国初の本格的な財務諸表を作成し、その活用実績を積み重ねていくということとともに、支援コンサル活動などさまざまな普及活動を積極的に展開していくことがこれまで以上に重要である、かように認識しております。
 その一環として、このたび取り組みの進んでいない団体を主な対象として、新たに東京都方式簡易版を提案することといたしましたが、今後とも、相手自治体の状況あるいは希望に応じまして、都の知見とノウハウを積極的に提供していく。それと同時に、庁内に対しても意識改革をさらに進めることによって、地方自治体の公会計制度改革の促進に貢献したいと、かように考えております。

○きたしろ委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○きたしろ委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で会計管理局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時八分散会

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