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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十五号

平成十九年十一月十五日(木曜日)
第二委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木あきまさ君
副委員長高倉 良生君
副委員長柿沢 未途君
理事西岡真一郎君
理事秋田 一郎君
理事曽根はじめ君
伊沢けい子君
原田  大君
高木 けい君
宇田川聡史君
野上ゆきえ君
遠藤  衛君
東野 秀平君
桜井  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
主税局局長熊野 順祥君
総務部長加島 保路君
税制部長松田 曉史君
調整担当部長堀内 宣好君
参事宗田 友子君
課税部長安田 準一君
資産税部長吉田 裕計君
徴収部長宮下  茂君
特別滞納整理担当部長松原 恒美君
収用委員会事務局局長中田 清己君
審理担当部長太田雄二郎君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
 主税局関係
事務事業について(質疑)

○鈴木委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了解願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局及び主税局関係の事務事業に対する質疑を行いたいと思います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中田収用委員会事務局長 要求いただきました資料について、ご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます要求資料第1号をごらんいただきたいと思います。
 平成十二年以降に在任した収用委員会委員の一覧でございます。
 表の左から順に、委員の氏名、在任期間、就任時の職業を記載し、公務員の職歴を有する委員につきましては、職業欄に最終職歴を併記してございます。
 氏名をゴシックで表示したものは会長経験者をあらわしております。また、太線枠内の七名は、現在在任中の委員でございます。
 なお、委員の氏名の下の括弧書きは専門分野でございます。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○曽根委員 簡潔にお聞きしたいと思います。
 資料をいただきましたが、これまでの、大体過去十年ぐらいさかのぼって歴代の収用委員会の方々の職業、肩書きなどについての資料をいただきましたが、これを見渡しても、現職の方を除いては、東京都の公共事業、建設局や都市整備局にかかわる公共事業の責任者をやった経験のある方は、現職の方を除いてはいないようなんですが、もう少し前にさかのぼって見ても、いわゆる行政経験者の中で建設局長とか都市整備局長などをおやりになった方はいなかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○太田審理担当部長 歴代委員中、都市整備局、当時は都市計画局でございましたが、また、建設局などの局長経験者はお一人だけでございます。

○曽根委員 現在、収用委員会には圏央道の事業がかかっております。そこでは住民の皆さんと、事業者は、直接は国ですけれども、東京都もかなり深くこの事業にかかわっているということで、双方の主張が論議をされていると。そういうときに、現職の、委員長代理になるんでしょうか、の方が、この圏央道事業を国とともに進めてきた東京都の建設局長並びに都市整備局長を経験された方で、その局長時代にこの事業を進める責任者でもあったと。こういう方が、いわば住民の側、そして事業者の側の相互の利害が関係するこの収用委員会に委員として選任されるというのは、ほかにだれもいなければ別ですが、行政経験者、東京都はもちろんですが、他の自治体の方も含めれば、あまたふさわしい方はいる中で、より適切な任命というものがあり得たのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○太田審理担当部長 収用委員会委員の選任につきましては、土地収用法は、収用委員会の公正中立性を担保するため、厳格な任命の要件と手続を規定しております。
 なお、土地収用法はかなり専門的な法律でございますので、少々長くなりますが、これらの要件や手続を、確認の意味を含めましてご説明をさせていただきながら、お答えをしたいと思います。
 まず、収用委員会委員の中に都市整備局や建設局の局長経験者がいるとのご指摘でございますが、法は、法律、経済または行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、都道府県の議会の同意を得て、都道府県知事が任命すると規定しておりまして、局長経験者のように、都の行政に関してすぐれた識見を有する者を任命することは、法の要請するところでございます。
 また、知事による委員の任命に先立ち、住民代表でございます都議会のご同意をいただいていることからも、事務局としては、当該委員の任命につきましては何ら問題がないものと認識しております。
 次に、土地収用法は、公共事業を施行する起業者や、土地所有者及び関係人と身分または職務の上で現に特別な関係にある委員につきましては、一時的に裁決手続から排除する除斥という制度を定めております。
 この除斥につきましては、収用委員会においても検討いたしましたが、当該委員を除く委員の全員が一致して除斥事由には該当しないと判断しております。
 なお、理事にはご理解をいただいているところでございますが、再認識の意味で、収用委員会の役割について原則的な説明をさせていただきます。
 土地収用法では、事業が収用に足る公益性を有するか否かについては、別の行政庁が判断することになっておりまして、収用委員会は、その判断を前提として、既に収用を行う必要があると判断されたものにつきまして、主にその損失補償の内容を判断するものでございます。
 具体的には、収用する土地の区域と、それに対する正当な補償額などを判断するものでありまして、このような判断事項に照らしても、ご指摘のあった委員に問題はございません。
 今後とも、公正かつ中立な立場で審理、裁決を行うという収用委員会の役割を適切に果たしていくため、事務局といたしましても、委員の選任に当たりましては、法の定める厳格な任命の要件と手続を遵守していく必要があると考えております。

○曽根委員 決め事、ルールに従えば、これは別に違反ではないということかもしれませんが、私が申し上げたいのは、やはり、より適切な、もっといえば、都民的に理解の得られる選任が必要じゃないかということを申し上げたいわけです。
 極端な例をいえば、この収用委員会も、住民側の利益、そして事業者側の利益、双方の利益を争う、いわば裁判所的な役割も果たします。場合によっては、別の行政機関で選ばれて、既に収用すべきであるということが決まっているものだといっても、却下裁決というのもあり得るわけです。また、損失補償については、まさに住民の利益、事業者の利益が相反することは当然です。
 そういう点からいっても、いろいろおっしゃいましたけれども、公正中立ということが担保されなきゃならないことは、これは変わりないわけで、その点から、私は、過去にも例がないということとあわせて、現職の委員の中で中心的な役割を果たしておられる委員の中に、建設局長、都市整備局長を歴任され、しかも、今かかっている、大問題である圏央道の事業に深くかかわった責任者をおやりになった方を選任するのはふさわしくないということを改めて申し上げて、質問を終わります。
 以上です。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○鈴木委員長 これより主税局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○加島総務部長 先般の委員会におきまして要求のございました主税局関係の資料につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。要求資料第1号、個人都民税における主な税制改正の影響額についてでございます。
 この表は、平成十五年度から十八年度までの個人都民税における主な税制改正の内容と、都税収入への影響額をお示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額についてでございます。この表は、平成十五年度から十八年度までの上場株式等の配当及び譲渡益に対する軽減税率適用による個人都民税の影響額をお示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第3号、資本金区分別法人数及び法人事業税額についてでございます。この表は、平成十四年度から十八年度までの資本金区分別の法人数及び法人事業税額等をお示ししたものでございます。
 次に、四ページの要求資料第4号、法人二税の超過課税収入額の推移についてでございます。この表は、平成十四年度から十八年度までの法人二税の超過課税収入額等をお示ししたものでございます。
 次に、五ページの要求資料第5号、個人都民税軽減措置に係る検討経過についてでございます。この表は、個人都民税の軽減措置の検討経過をお示ししたものでございます。
 要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○桜井委員 この「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」というのをいただきまして、これに基づいて、法人二税の見直しについて質疑をさせていただきます。
 これに関連していることとしては、国の地方分権改革推進委員会に対しまして提言も知事本局が行っておりますので、それも含めて質疑をさせていただきます。
 この法人二税の見直しについての質疑は、前回の財政委員会のときにも、我が会派では高木委員が質疑されておられましたが、本当に極めて重要な課題だと思うものでございますので、再度触れさせていただきます。
 考えようによっては、この課題はオリンピックの誘致よりも重要じゃないかなと、こう思うんですね。オリンピックは来なくたって、東京都は財政再建団体に転落することはないんですが、この問題が解決--うっかりすると財政再建団体に転落する可能性があるという論議でありますので、そういった意味において非常に重要な課題であると、こういう認識を持っております。
 質疑に入る前に、たまたまきのう、きょうと新聞に出たんですけど、この課題についての全国知事会の様子ですね、新聞記事に出ておりましたけれども、これについて、部長、どのようにお感じになっているのか、ちょっとお話ししていただけますか。

○松田税制部長 全国知事会の様子というお尋ねでございますけれども、ずっとこの税財源の問題につきましては全国知事会の重要なテーマとして論議をされてきておりまして、直近では十三日に全国知事会で議論をして、一定の取りまとめを行いまして、昨日の政府主催の全国知事会議におきましては、会長を初め各知事からいろいろと国に対しても申し上げているというところでございます。
 その中で、お尋ねは、東京などの法人二税をめぐる問題についてだというふうに思いますけれども、まず、知事会の全体的な考え方としては、これからの地方分権を進め、そして権限と責任に見合った税財源を確保していく、そういった意味で税源移譲が必要である、それを求めていく、その中で、いわゆる格差是正についても一体的に解決をしていく、こういったところについては一致をしているところでございます。
 ただ、当面の問題といたしまして、非常に地方が、最近の財政状況が苦しくなっていると。その中に、東京のようなところと地方との税収の面での大きな差がある、これをどうするかというところの議論がございまして、この地方の窮状に対しては、この間、削減をされてきた交付税の復元、充実を求めていく、これも一致をしているところでございます。また、国の方で一部検討をされております、法人二税を配分し直そうと、また、後でご質問等があるかと思いますが、その法人二税の配分という議論については、これは受け入れられない議論である、こういうところまでは一致をしているわけでございますが、これもまた後でお話があると思いますが、法人二税と消費税との税源交換、税目交換、こういったものにつきましては、それぞれの大都市部と地方部、またその地方の中におきましてもさまざまな意見がありまして、知事会としては一致をしていない。ただ、大勢としましては、税源交換論を進めていくというのが中心的な意見でございまして、知事会長さんとしては、そういったことを、反対意見があることも踏まえながら柔軟に発言、対応していく、こういうふうなことで動いているところでございます。

○桜井委員 もう一点ちょっと伺うんですが、この反論するという中の一番最後の方に出てくる東京都の対抗策として消費税に触れてきているわけですよ。一七ページの3に載っておりますけれども、これを委員会で正式に質疑するとか討論するとかということは今回が初めてなんじゃないかなというふうに思うわけでございますが、それはそれでいいんですけど、きょうの新聞に、消費増税を来年度に見送りするというふうに書いてありますと、国の方は、消費税については依然として論議はしないと、まだ。そうすると、さらに東京都が先頭を切ってというか、最もトップで議論をするという形になるのかなと、こう思うんですが、ここらあたりいかがですか。

○松田税制部長 消費税の論議でございますが、政府の方におきまして、消費税を、この一、二年あるいは二、三年はまだ引き上げる段階ではないというふうなことを首相がいわれたというふうに報道等で見ておるところでございます。
 一方、東京都でございますけれども、今、国でいろいろな議論をされている中で、非常に小手先の議論が多い。これに対しまして、将来を考えれば、こういった消費税を含めた抜本的な検討に入ることが必要であると、検討ということで提起をしたものでございます。また、先般の知事会等におきましても、ほかの県でも、消費税についてやはり検討をしていく必要があるというふうな意見も出ているところでございまして、特に東京都が先頭を切っているというわけではないというふうに考えております。

○桜井委員 じゃ、質疑に入らせていただきますが、東京の法人二税を、さっきお話ございましたけど、他の地方に配分するべきであるという議論が今されているわけですが、法人二税はほかの税に比べて偏在性が高いとか、景気にも影響されやすいとよくいわれておりますし、それから、地方税体系全体の見直しといった、そういった大きな議論の中で、これは地方税に適しているかどうかと、そういった議論をするならまだわかるわけなんですけれども、国、地方を通じました抜本的な税制改革を議論する中で、こうした検討が行われればいいんでございますが、今行われているのは、財政的に疲弊した地方に対して、東京のような大都市が、入ってくる法人二税を再配分というんですかね、配分することで問題を解決しようということは、抜本的な税制改革を議論するということじゃなくて、小手先の議論で問題の解決を図ろうとしているんじゃないかと、こういうふうに東京都は主張しているわけでありますが、その点について、まず一点お聞きしますけれども、地方税の偏在性が拡大しているということはしきりにいわれますけれども、実際に偏在性が拡大しているということの実態、その実態の最近の状況を数字で示していただきたいと思います。

○松田税制部長 偏在性につきまして、都道府県ごとの人口一人当たりの都道府県税収額で比較をいたしますと、平成十八年度決算におきましては、最大の東京都は最小の沖縄県の三・一倍となっておりまして、前年の三・二倍に比べて減少しております。また、平成元年度の数値は四・九倍でございまして、長期的に見ても地方税の偏在性は縮小しております。
 なお、地方交付税などを含めました人口一人当たりの一般財源で見ますと、平成十七年度決算では、全国平均額が十九万一千円のところ、東京都は二十二万一千円でございまして、全国平均を若干上回る程度でございます。また、全国の順位としては二十三位でございます。

○桜井委員 これまで国によって行われた法人事業税の分割基準のいわゆる不当な見直しの影響もありますし、また、法人二税や地方税全体の偏在性は、今お答えがありましたけれども、縮小しておりますし、さらにまた、今のお答えにもありましたけれども、交付税などを含めた一般財源では必ずしも東京が、一般にいわれているほど突出しているというわけではないんだというふうに解釈しているわけであります。
 にもかかわらず、地方間の格差がいわれているのは、その理由は、これは多くの方々が指摘していることでございますけれども、いわゆる三位一体の改革の結果として、交付税が総額で五・一兆円削減されましたよね。それで地方の財源が減ったからであると。それが格差の最も基本的な原因なんだと。そのツケを東京のような大都市の自治体に持ってくるというのは極めて筋違いじゃないかと、こういうふうに思うんでありますが、この点についてはいかがでございますか。

○松田税制部長 委員ご指摘のとおり、今、地方の方で非常に苦しい状況にあるのは、まさに地方交付税がこの間削減をされてきた、その結果でございます。一方で、東京都あるいは愛知県等が、この間の企業業績の回復によりまして税収が伸びている。この二つをいわば混同して、ふえているところと減っているところとを単純に比較をして今の議論がなされているというふうに考えております。

○桜井委員 もう一度繰り返しになりますが、現在国で検討されている法人二税の見直しということは、具体的にいいますとどういうものなのか、なるべくわかりやすく答えてください。

○松田税制部長 新聞報道などによりますと、おおむね二つの案が検討されているところでございます。
 一つは、法人二税を国が一括徴収して地方に配分するというふうな案でございますが、これについては、まだ正式に発表されたものはございません。新聞報道等に基づいてご説明いたしますが、この案は、現在は各法人が事務所、事業所の所在する都道府県に申告納付をしております法人二税を、国が一括して徴収し、それを人口あるいは事業所数、従業者数などの一定の指標を用いて地方自治体に配分をするというものでございます。この案によりますと、税収が課税権とは無関係に配分されることとなりまして、実質的には譲与税と変わらないような形になります。
 次に、もう一つの案でございますが、法人二税と消費税を、税目を交換するという案でございまして、こちらの案は、増田総務大臣が十一月八日の経済財政諮問会議に提案をしております。現在、消費税は、国税の消費税が四%、それから地方消費税が一%でございますが、そのうちの国税の一%分を地方消費税に移しますと、金額的には約二・六兆円となります。そのかわりに、同額の法人二税を国税の法人税の方に税源移譲をする、これが総務大臣の案でございます。この案によりますと、国税の消費税が三%となり、地方消費税が二%となりますことから、消費税については、地方の税収がふえ、国の税収が減ります。その一方で、同額の法人二税が減りまして、国税である法人税がふえるということになります。この結果、国税、地方税それぞれの税収全体のパイは変わらないわけでございますが、法人二税と消費税とでは各都道府県の全国シェアが異なりますことから、個々の団体で見ますと増減収が生じまして、都にとってはマイナスになるというものでございます。

○桜井委員 税の話というのはますますわかりにくくなっていくという感じがいつもしているんでありますけれども、今、簡潔に聞きますと二案、二つの案というんですか、二案あるという話でありますけれども、受益と負担という地方税の原則にこの二つの案というのは全く反するものでありまして、容認できないというふうに解釈いたします。
 国による一括徴収などといった法人二税の分配案は、これはよくいわれますけれども、地方の課税権を完全に否定することになりますし、地方法人課税の存在意義を奪うことにもなるわけであります。そもそも地方の自主性を高めるという地方分権の流れにも逆行するものでありますし、いずれの見直し案も、結局は小手先の数字合わせにすぎないというふうに考えます。
 こういうふうに主張しても、こうした案がもし実施された場合の東京都への影響額はどのくらいになるんですか。

○松田税制部長 例えば先ほどの一つ目の案でございますが、法人二税を国が一括徴収をし、事業所数で二分の一、従業者数で二分の一、こういう割合で地方自治体に配分をした場合で試算をいたしますと、東京都で一兆円を超えるような減収となる見込みでございます。
 また、二つ目の、税目交換の案の場合におきましても、消費税は一%分の交換とした場合におきまして、三千億円を超える減収となる見込みでございます。

○桜井委員 例えば国が一括徴収して、事業所数二分の一、従業者数二分の一で自治体に配分するということですけれども、それでなぜ東京都が減収になるのか、そこのところをわかりやすく、わかりやすくですよ、説明してください。

○松田税制部長 現在の法人二税は、法人の事務所、事業所の所在する都道府県に納付されることとされておりまして、複数の地方自治体にまたがって事業活動を行う企業につきましては、課税標準を従業者数等の分割基準を用いて事業所等の所在する団体に分割をして税額を計算し、納付をすることとされております。そこで、企業の事業活動が活発に行われ、利益を上げている大企業も多い東京などの大都市につきましては、おのずから多額の法人二税が納付をされるということになります。
 これに対しまして、今回の見直し案では、企業の規模や収益の状況に関係なく、すべての企業の事業所数あるいは従業者数、こういったもので全国の自治体に配分をすることとなりますので、企業が事業活動を行っていないような自治体にも税収が配分されることとなるわけでございます。
 その結果、東京などの大都市の税収が減少し、その減少分がそれ以外の地方の自治体に配分をされる、こういうことになります。

○桜井委員 東京は三環状道路とか羽田空港の整備とか都市インフラの更新、特に都市インフラの更新はこれから重要でありますが、大都市特有の財政需要があるわけであります。もし万が一このような法人二税の見直しが行われれば、東京はもちろんでありますが、日本全体の衰退にもつながっていくというふうに考えられます。
 東京都はこれまでも非常な努力をしてきております。人員削減とか、職員の給与カットとか、予算の見直しとか、ほかにはないような改革の努力を行ってきております。それによってようやく、本当にようやくですよね、ようやく黒字になったにもかかわらず、このような理不尽ともいっていいような見直しをされてはたまらないわけでありますので、こうした動きに対しまして断固反論していかなければならない。
 かつて、首都機能移転ということがあったとき、知事はポスターまでつくって絶対反対だとやって、今ようやくあれはおさまったみたいですけれども、この問題についても断固反対していかなきゃならないと思われますが、今後、こうした国の動きに対しまして、どういうような反論をしていくんですかね。

○松田税制部長 現在国で行われております議論は、先ほど来お話もございますように、単に税収格差という一面だけをとらえまして、東京などの大都市の税収を地方へと移転させる、そういう小手先のものでございまして、地方が財政的に苦しんでいる問題の解決には何らつながらないものというふうに考えております。
 今回、「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」という冊子を取りまとめておりますが、この中でも、東京都からの提案といたしまして、地方分権改革を先延ばしすることなく早急に実施すること、地方が真に財政的に自立できるよう消費税の税率引き上げ、国と地方の配分についての抜本的検討に直ちに入ること、緊急的措置として、三位一体の改革の名のもとで削減をした五・一兆円の地方交付税を国の責任と財源で復元することなどを国に対して強く求めていくと述べております。
 今後、こういったものも活用いたしまして、また、都議会や都選出の国会議員の皆様のご協力もいただき、大都市自治体とも連携をして、法人二税の配分見直しのような小手先の対応でなく、地方が真に財政的に自立できるような抜本的検討を行うことなどを国に対して強く求めてまいります。

○桜井委員 先月、関東地方知事会議、石原知事はその会議で、消費税の税率の引き上げを含めた議論に直ちに入るべきだと、こういう提言をされたそうであります。これも考えようによっては、東京から日本を変えるという姿勢の一つのあらわれなのかなというふうにも思われまして、その趣旨は理解できます。
 しかし、消費税の税率の問題については、都民の税負担に直結する問題であること、それからまた、地方消費税など地方税財政にも非常に大きな影響があることなどから、今後、都議会でも十分に議論した上で結論を得るべきだと考えますけれども、この点についてはいかがでございますか。

○熊野主税局長 近年、そして将来にわたります高齢化社会の進展によりまして、国、地方を通じて、年金、医療、福祉、そういった社会保障関係費が増大することは先生もご案内のとおりでございます。
 今後、その負担をどのように国民に求めていくか、これを真剣に議論していかなければいけない時期にかかっているというふうに考えておりますが、基本的には、税のあり方として、生産、分配、消費、それぞれの段階でバランスをとっていくとか、そういった税体系全体の問題として検討を行うべきであると考えますし、また、その上で国と地方の財源配分を考えていかなければいけないだろう。そうした中では、やはり消費税の問題は避けて通れないのではないかと考えております。
 こうした中で、今回、今ご議論いただきました、国と地方の配分について抜本的な検討に、直ちに消費税の引き上げも含めて検討すべきだというふうに都が提案いたしましたのは、今回の総務省、財務省の議論にもありますように、地方の格差是正の名のもとに、小手先の議論で事をおさめようとする、終始しようという国の姿勢に一石を投じたいと、そういう思いから、私どもが知事を先頭に提案をしたものでございます。
 消費税につきましては、非常に安定的で、また地域格差も少ない、あるいは世代間の負担が公平であるという、そういった性格もございますけれども、先生今ご指摘のとおり、消費税率を上げるということは、都民負担が増加するということは事実でございますし、そうした際に、低所得者層の方々への配慮をどうするかといった問題も当然あると考えております。
 こうしたさまざまな消費税に関する諸問題につきましては、今後、都議会のご意見も伺いながら、東京都の税制調査会を活用して、幅広く検討してまいりたいと考えております。

○高倉委員 コンピューターやインターネット等々、情報通信技術の発展は大変目覚ましいものが今あると思います。そうした技術を活用した電子行政サービスの一つに電子申告・納税がございます。国税においては電子申告・納税システム、いわゆるe-Taxがあるわけであります。盛んに宣伝もされております。一方、地方税でも、地方税電子化協議会が運営をする地方税ポータルシステム、いわゆるeLTAXによりまして電子申告が可能となっております。この地方税電子化協議会が運営するeLTAXというものはどういうものであるのか、まずこのことについてお伺いしたいと思います。

○堀内調整担当部長 まず、eLTAXを運営する地方税電子化協議会でございますけれども、平成十五年八月に、地方税の電子化を推進し、納税者の利便性の向上を図るとともに、地方税務行政の高度化及び効率化に寄与することを目的に設立され、平成十八年四月に社団法人化したものでございます。現在、参加団体は、四十七都道府県、十七の政令市と二つの市の六十六団体でございます。
 eLTAXにつきましては、地方税の申告等の手続を、インターネットを利用して電子的に行うシステムであり、地方税電子化協議会に参加する地方自治体が共同で開発、運用しているものでございます。現在、利用可能な手続は、法人住民税、法人事業税の申告及び固定資産税の償却資産の申告となっております。

○高倉委員 当然ながら、情報通信技術を活用していく大変大きなメリットがあると思いますけれども、このeLTAXの特徴、それから納税者等へのメリットですね、このことについて、簡潔で結構ですので、具体的にお教えいただきたいと思います。

○堀内調整担当部長 eLTAXの特徴といたしましては、地方自治体共通の地方税に関する電子的な総合窓口として、システムを標準化し、使い方の統一を図った全国共通のシステムとして整備されているものでございます。
 納税者等へのメリットといたしましては、まず、地方税の場合、支店や工場、営業所等が複数の自治体にある企業では、それぞれの地方自治体に申告書を提出する必要がございます。eLTAXを利用すれば、自動的にそれぞれの団体へ振り分けるため、一カ所への送信で済むこと、また、企業のオフィスや税理士の事務所、自宅からインターネットを利用して申告を行えるほか、eLTAXが無償で提供いたしますソフトウエアによりまして、住所、氏名の自動入力や税額の自動計算などの申告書作成サポートや、市販の税務・会計ソフトウエアにも対応していることなどがございます。

○高倉委員 今、種々ご答弁をいただきましたが、このeLTAXは、納税者等々にとって、一元化された受付窓口で統一をされた手続によって、時間と場所を選ばず、自宅やオフィスで申告を行うことが可能でありまして、利便性の高いシステムであると思います。一方、地方自治体にとっては、共同運用によるコスト削減効果、こういったものが期待できる大変画期的なシステムであると思います。とりわけ、一カ所への送信で済むということは、多数の課税団体が併存する地方税の世界では、導入メリットが大変に高いものでありまして、大いに活用すべきものであると思います。
 そこで、お伺いしたいと思いますが、eLTAXの都におけるこれまでの利用状況がどういうふうになっているのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○堀内調整担当部長 eLTAXの利用状況でございますけれども、平成十七年八月に電子申告の受け付けを開始した法人二税におきましては、平成十七年度、十八年度の利用率は一%に満たないような状況でございました。
 しかし、今年度につきましては、利用者から要望の多かった、税理士等が申告書を作成、送信する場合、納税者本人の電子署名を省略することができるという手続の簡素化を実施いたしまして、また、利用者へのPRにも努めてまいってきたところでございます。その効果もありまして、法人二税の電子申告による受け付け件数は十月末現在で約二万件、利用率では四・四%まで上昇しているという状況となってございます。

○高倉委員 今ご答弁で、一%も満たない状況であったところ、ことし十月までに二万件、利用率で四・四%まで上昇していると、こういうお話がありました。さらに、手続の簡素化あるいはこのPR、そういったものもさまざまな努力もされているというお話がございましたけれども、全国の地方自治体共通の地方税のためのインフラとして整備をされたシステムであるにもかかわらず、まだまだ利用率においては低いというような状況があると思っておりますけれども、その原因についてどのようにお考えになっているのか、ご所見を伺いたいと思います。

○堀内調整担当部長 利用率が低い原因でございますけれども、地方税の地方自治体共通のインフラとして整備されたeLTAXでございますけれども、利用可能な手続が、法人住民税、法人事業税の申告及び固定資産税の償却資産の申告に機能が限られていること、また、参加している地方自治体は、都道府県単位では全団体が参加しているのに対しまして、市町村単位では、政令市を中心に十九団体と非常に少ないことなどが挙げられると考えているところでございます。

○高倉委員 確かにeLTAXの機能というのが限られている上に、全団体が参加をしているという都道府県に比べて余りにも参加が少ない区市町村数、こういったことでは、せっかくのシステムが十分に生かされることがなく、利用率も上がらないというふうに思います。
 今後、こうした現状をどのように変えていかれるおつもりなのか、このことについてのお考えをお伺いしたいと思います。

○堀内調整担当部長 今後の対応でございますけれども、現在、地方税電子化協議会におきましては、eLTAXの機能を拡充するため、システムの二次開発を進めているところでございます。
 この開発によりまして、申告手続では、区市町村にとってメリットの大きい住民税の給与支払い報告書などの特別徴収関係の手続、また、事業所税の申告が可能となります。また、申請、届け出関係におきましては、法人二税の法人設立届と異動届あるいは事業所税の事業所等新設・廃止申告手続などが可能となります。さらに、納税手続では、eLTAXで申告したすべての税、具体的には、法人住民税、法人事業税、事業所税、それと特別徴収に係る個人住民税で電子納税が可能となるものでございます。
 これによりまして、eLTAXの利便性は大きく向上し、また、特別徴収に係る住民税のシステムが開発されることなどによりまして、区市町村の積極的な参加も期待できると考えております。

○高倉委員 今ご答弁で、このシステムの二次開発が進められていて、大変な機能の拡充が図られる、こういったご答弁がございました。本当に今ご説明をお伺いして、大幅な機能の充実でありまして、eLTAXの利便性というのが大いに向上するということが理解できましたけれども、都としてこれをいつごろから実施されようとしているのか、そしてまた、それによる効果はどういうふうになっていくのか、このことについてお考えをお聞きしたいと思います。

○堀内調整担当部長 実施時期でございますけれども、都の、先ほど申し上げました、申告、申請、届け出、納税の手続につきましては、平成二十年八月実施を目途に準備を進めてまいります。
 今回、eLTAXでシステム開発中の機能は、利用者の要望に沿ったものでございまして、利便性の向上が図られ、また、住民税のシステム化により区市町村の参加をも促すものでございます。
 これを契機に、地方税電子化協議会とも連携しまして、eLTAXの積極的なPRに努めてまいります。こうしたことによりまして、利用率は大幅に向上していくものと期待しているところでございます。

○高倉委員 eLTAXは、地方自治体が相互に協力して開発、運営をされているものであります。地方税の実情に即した効果的、効率的な運営が期待できる、地方税独自のシステムであると私も考えております。現在、納税者サービスの向上にとって、IT化、またインターネットの利用というものが不可欠であるというふうに思います。地方税の電子的な総合窓口を目指して、さらに積極的なPRも必要であると思います。一層の利便性の向上、普及拡大というのを期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○曽根委員 私からは、最初に、徴税のマニュアルの問題について何点かお聞きしておきたいと思います。
 最近、私は、主税局がつくった徴税のマニュアル、平成十八年度業務体験基礎研修資料、想定問答研修資料(タイプ別ああいえばこういおう問答集)というものを手に入れまして、読んでみたんですが、非常にリアルで具体的な、悪質滞納者に対する徴税の担当者が行うべきやりとりや対応について法的根拠も含めて書かれたものです。なかなかよくできています。悪質滞納者を、根拠追求型、それから甘え型、居直り型、たられば型、無責任身勝手型、高圧型などに分類して、例えば根拠追求型でいうと、東京都のお世話になったことなどないといういい分に対してはどう答えるか、こういう単純なものから、甘え型では、前の担当者は優しかった、あなたは鬼だというようなことをいわれたときには、例えばその回答は、その優しい対応で納付されなかったから今もなお滞納となっているのではないですか、厳しいといわれようと、早期に解決することが延滞金の負担も減り、あなたのためだと信じています。極めて的確だと思います、これは。
 しかし、この中に、例えば子どもの教育費がかかって納税まで手が回らないというああいえばに対して、納税は日本国憲法で定められています、ご納付いただきたいという答えなど、相手が悪質滞納者であれば極めて正当、しかし、その人が、払いたいんだけれども払えない人かどうか、この見きわめが前提になければならないという対応も幾つかあるように見受けました。
 ただ、研修資料ですので、東京都の職員はもちろんですが、最近、東京都の徴税のこうした緻密さですね、これを学んで、かなりほかの自治体からも研修の方が来られているというふうに聞いています。主税局としてどのぐらいの他の自治体からの研修者を受け入れているんでしょうか。

○松原特別滞納整理担当部長 主税局では、従前からの職員の受け入れに加えて、平成十五年度以降、個人住民税の徴収支援のため、都内の各区市町村から滞納整理に関する実務研修生を積極的に受け入れています。
 お尋ねの研修生の状況ですが、平成十八年度につきましては、九区、四市、十三自治体から十四名を受け入れたところでございます。

○曽根委員 前、議会局におられた松原部長のお世話にならないように私も気をつけたいと思うんですけれども、そういう他県もしくは都内の各区市町村からの研修者に対して、私、このマニュアルの中で一番最初に書いてある、ちょこっと書いてあるんですけれども、納税交渉の基本(聞き上手は話し上手)、相手の話をきちんと聞いてあげる、払わない人か払えない人かを見きわめると、冒頭に三行あるんですね。以下、タイプ別で対応が詳しく書いてあるんですが、この三行が極めて重要であり、以前もこの委員会でお聞きしましたが、払えない人に対するきめ細やかな対応という点でも、東京都の対応はレベルが高いというふうなことも聞かせていただきました。
 したがって、研修を受けた人の場合、地元の自治体に帰ってから、こうしたやり方を、いわばこの三行に書いてある前提抜きに、私の小耳に挟んだところでは、例えば国保料の滞納者に対して使う、区民税の滞納者に対して使う、そうした場合、その中にはかなり払いたくても払えない人もいるというふうなことが明らかな場合にも使われているんじゃないかと、こうした対応が。ああいえばこういうが。というふうなことをちょっと心配になったものですから、研修の方に対してきちんとした対応をしていると思いますが、この点での東京都の取り組みについてお聞かせいただきたい。

○松原特別滞納整理担当部長 主税局は、インターネット公売、タイヤロックなど新たに開発した手法に加え、納税交渉や財産調査手法など滞納整理のノウハウを、都の実務研修や区市町村の職員に対する研修を通じて提供しています。
 お話しの、滞納者に応じてきめ細やかに対応するということを基本に、ただ、その中で、納税する資力が十分ありながら納税に誠意が見られない悪質な滞納者に対しては、税務行政の公正公平性の確保の観点から、法令に基づく捜索、預金等の差し押さえ、公売による換価など、強力な滞納整理を推進することとしています。

○曽根委員 くれぐれも、今のお話にあるとおり、この都の徴税の基本的な姿勢、理念を、研修を受ける他の自治体の方にも伝えていただきたいと思います。
 次に、この春に知事が約束した都民減税についての公約違反問題について質問します。
 知事は、知事選であれだけ都民に対してはっきりと公約した個人都民税の減税公約を前定例会直前にあっさりと撤回し、公約の進化だといっております。しかし、三月の記者会見で、ゆがんだ税制に一石を投じると述べて、税制のゆがみを正すという役割を表明した事実は消せません。また、生活保護程度の暮らしの都民にまで課税されていることを税制のゆがみとして問題にしておりました。この是正を約束した、この約束をほごにした罪は重いと思います。
 そこで、三月の知事の公約発表の際、知事が表明した税制のゆがみというのは、どういうものをゆがみとして見ていたんでしょうか。

○松田税制部長 三月に個人都民税軽減措置の実施方針を発表した時点では、都において生活保護受給者や非正規の雇用が全国平均を大幅に上回って増加をしている、こういうふうな状況を踏まえまして、低所得者の方々に対する一定の配慮、支援が必要という認識を持ってこれを発表したわけでございます。
 しかしながら、その後、総合的な検討を行った結果、歳出によりきめ細かで的確な施策を重点的に講ずる方が、より公平で効果的と判断をしたところでございまして、現在、その方策について、所管の局において検討中でございます。

○曽根委員 低所得者対策として、今お話のあった個別の施策はもちろん重要でありまして、例えば失業者への生活支援手当などは、我が党は以前から繰り返し求めてきたところです。しかし、この間、低所得者に、より重い形で、各年代、世代にわたってかけられた庶民増税、この負担増で暮らしが追い詰められている実態から見れば、少しでも増税の痛みを和らげるために、減税の必要性もまた明らかだと思うんです。両方ないと、やはり低所得者対策としては不十分だというふうに思います。
 そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、最初に、減税規模が、たしか春の段階では五十億円といっていましたが、撤回する直前には、答弁の中で七十億円というふうにいわれました。ふえたのは、私が思うに、この間、〇五年度から〇六年度にかけて庶民増税が行われたために、高齢者や、それまで非課税だった方にも新たな増税が来た、課税が来たということが、減税しなければならない額がふえたということに反映しているんじゃないでしょうか。いかがですか。

○松田税制部長 個人都民税の軽減措置の影響額が変わったということについてのお尋ねでございますが、この変わった理由は、試算のベースが動いたことと、それから軽減措置の対象とする基準が異なることによったものでございます。
 今お話しの点は試算のベースの方にかかわるものでございまして、当初、平成十七年度の課税状況をベースに試算をしたわけでございますが、その後、平成十八年度の課税状況をベースに試算をしたということによって影響額がふえております。
 このふえた原因でございますけれども、十八年度におきましては、十六年度の税制改正における公的年金等控除の見直し、あるいは老年者控除の廃止、また十七年度税制改正における六十五歳以上の者に対する特別な非課税措置の廃止の適用などがありまして、課税ベースの拡大が行われております。こういったことからこの課税の対象となる方々がふえたということが一つの原因だろうというふうに考えられます。
 しかしながら、資料の制約がございまして、確たることは申し上げられないところでございます。

○曽根委員 十七年度、〇五年度から十八年度、二〇〇六年度にかけて、高齢者を中心に、いわゆる庶民増税分が大きくふえたと。で、六月の区民税などの通知に対して、北区でも何千人もの人が電話や、また訪問で区役所に詰めかけるというようなこともありましたが、これによって課税ベースが拡大し、救わなければならない課税の規模がふえたと。ここが、私たちがいう増税の重みであり、痛みなんですよ。ですから、春の段階での試算のときよりも、秋で中止しようというときにはもう減税の必要性がますます大きくなったということを数字の上でもこれは証明していると思います。
 知事も予算議会で、国税である所得税とかかわりなく、地方団体における基幹税目である個人住民税のあるべき姿を実現するものだということで、都民減税案について紹介しております。
 つまり、明らかに、国が行っている税制の改正によって低所得者に税が重くなってきているときに、基幹税目である地方税の個人都民税のあり方として、低所得者に減税することの意義を明確に答弁でも述べているわけで、この知事の認識は、私は極めて正しいと思うんですが、この知事の認識は間違いだということになるんでしょうか。

○松田税制部長 先ほど申し上げました、この間の、特に高齢者に対します改正は、少子高齢化が進展する中で、現役世代の活力を維持し、また世代間の公平を確保するというような観点から行われたものでございます。そのほか、三位一体の改革によりまして住民税のフラット化も行われたわけでございます。
 そういった中で、低所得者に対する措置というものは、税制で行うか、あるいは歳出で行うかというふうな選択の余地があるわけでございますが、三月の時点では、税をもって低所得者の方々を支援していこう、こういうことで、またそのための、現況の中で生活保護を受けている方がふえている、あるいは非正規雇用がふえている、そういった状況からも一定の配慮が必要である、そういったことで知事がその認識を述べられたものであるというふうに理解をしております。

○曽根委員 当時の知事の理解、認識を素直に施策にあらわせば、減税をやるのが当然なんです。
 今回既に、公約の進化だといっていますけれども、個別の施策が発表されていますが、そこで出された施策、例えば失業者対策やフリーター、ネットカフェ難民といわれるような若年者の対策の対象の多くは非課税者です。しかし、最初の話は、課税されている、しかし生活保護並みだと。ここに対する減税だったわけで、非課税者は対象じゃなかったわけです。
 そういう点でも、減税の対象として考えてきた対象と、今回の個別施策の対象は明らかにずれがある。例えば、減税対象となるべきだった多くの部分を占める高齢者、母子世帯、就学援助を受けなければならないような子育て世代などは、今出されている施策の中ではカバーし切れないと思いますが、やはり減税が必要なんじゃないでしょうか。

○松田税制部長 低所得者に対します支援の施策を税制で行うか、あるいは歳出面の施策で行うかによりまして、当然、施策を受けられる方の対象が異なってくるわけでございますが、税制による対応で行いますと、低所得層の方の中にも、例えば世帯主以外の方にも収入がある方あるいは所得は少ないけれども、多額の預貯金を保有している方などもございまして、そういった点では、真に困窮している方に対しての施策という意味でいろいろな限界もあるところでございまして、そういったことで、歳出面の施策の方で講じた方がより公平で効果的というふうに判断をされたものでございます。

○曽根委員 効果的といっても、実際には減税でカバーすべき対象をカバーし切れていないという実態があるわけです。高額のため込みをしている人がいるとかいうこともあくまで推測の範囲であって、そういう人も含めて今増税になってきているんですから、その増税分を軽減するという、税制におけるゆがみを正すという知事の姿勢を代替することはできないわけです。まさに、増税の負担軽減を期待したという多くの都民の期待を欺くものだといわざるを得ません。
 私は、ここで重要なことは、国が高齢者や非課税ラインぎりぎりの階層を、私からいわせればねらい撃ちのように増税攻撃が今かかっているわけで、それに対して石原知事は、これを正面から、先ほどいったように、五十億が七十億になるぐらい、国がやっている増税の対象をまさに東京都が減税で救うという、国の施策に対して税制のゆがみを正すということで、防波堤ともいうべき役割を表明したと。だからこそ、私は--都民から見ればですよ。個別の減税額は大したことないですよ。一人当たり年間八千円かそこらですよね。しかし、まさに都民利益のために国と正面から政策的にも争うという姿を見たからこそ、私は期待したんだと思います。
 それを選挙後はいとも簡単に投げ捨てて、個別施策にすりかえて公約の進化だという姿勢は、私は自治体としての根本的な使命への冒?だと思います。同額だから個別施策で構わないということには絶対になりません。引き続き我が党は、個別施策とともに減税の実施を求めていきたいと思います。
 それとあわせて、先ほどもちょっとお話ありましたが、知事が三月の記者会見で、地方税のフラット化についても、税制のゆがみとして異論を唱える根拠としていた発言がありました。これは、都民減税とどう結びつくのかは別としても、我が党としては、地方税のフラット化が、いわば所得の低い階層の都民に対して税制のゆがみとなっているという認識は当然だと考えますが、主税局の見解を伺います。

○松田税制部長 個人住民税のフラット化についての認識ということかと思いますが、住民税は、地域における行政サービスの経費を地域住民がその能力と受益に応じて共同して負担をするものでございまして、地方自治体の基幹的な税でございます。このような住民税の性格を踏まえまして、三位一体の改革による税源移譲により、一律一〇%のフラット化が導入されたものでございます。
 なお、この改正によりまして、所得税と住民税を合わせた税負担は変わらないようになっております。
 知事のご発言の趣旨でございますけれども、こういった意味で税負担は変わらないわけでございますが、住民税だけを見た場合に、所得の低い層において負担がふえている、そういった状況のもとで、また一方において、先ほども申し上げましたように、近年、生活保護受給者がふえている、あるいは非正規雇用者が全国平均を大幅に上回って増加している、こういった状況の中で、困っている方々に対する支援が必要である、そういったことの認識ということでいわれたものというふうに理解をしております。

○曽根委員 今回、地方税のフラット化自身は、国の所得税によって相殺されたという措置がとられましたが、しかし、知事が春の段階で答弁で述べたように、国の税金がどうあろうとも、地方税の、しかも基幹税目である個人都民税のあり方として、例えば何十億もの高額所得者と課税ラインぎりぎりの低所得者が同じ一〇%の税率という税金のフラット化というのは、その所得のほとんどを消費せざるを得ない都民にとっては負担が重過ぎるという認識を示したことは、私は極めて正当だったと思います。しかし、その認識も、都民減税の公約とともに今投げ捨てられているという実態だと思うんです。
 石原知事は、先ほどもお話のあったとおり、究極のフラット税制である消費税の増税論の先頭に立っています。余りの豹変ぶりに唖然とするばかりなのは、私ばかりではなく、多くの都民の思いだということを申し上げておきたいと思います。
 次に、一方で、大企業、資産家への優遇税制が拡大しております。資産家、特に株の取引の課税が、また減税措置が延長された問題は前の定例会で質疑いたしましたが、資料でいただいている、九九年度、平成十一年度からの企業減税による昨年度の法人二税の減収は幾らになるんでしょうか。

○松田税制部長 平成十一年度の恒久的な減税に係る十八年度の影響額のお尋ねというふうに思いますが、当初予算ベースで算定をいたしました、平成十八年度法人二税の恒久的な減税に係る減収影響額は、法人都民税が千百八十六億円、法人事業税が千六百億円、二税合計で二千七百八十六億円でございます。

○曽根委員 失礼しました。これは資料になかったので数字をお聞きしたんですが、国民や都民への定率減税は既に廃止されましたが、この法人減税はいつまで続くんでしょうか。

○松田税制部長 恒久的な減税の中にもそれぞれの趣旨がございまして、法人の場合には、その時点でございますが、将来の税制についての、いわば先取りというような形で行われたというふうに理解をしております。現在のところ、これについて昔に戻すというふうな議論は行われていないというふうに理解をしています。

○曽根委員 昔に戻す議論がないだけではなく、これは減税措置じゃなく本税になってしまったんじゃないですか。

○松田税制部長 法人税が、現在、基本的な税率が三〇%でございますが、これは本則的な税率として規定をされております。

○曽根委員 すると、これからは、減税の影響額ということを公式には、資料をお願いしても、いや、減税はありませんと、これは本税なんですということになるわけで、こんなひどい話はありません。
 資料でいただいているのは、都は、かねてから大企業に対する超過課税を行ってきました。資料を見ると、法人二税のうち都民税が千五百五十一億円に対して、事業税の超過課税分は六百二十億円と少ないわけですが、それぞれ課税標準に対しどういう割合で超過課税をしているのか、また限度課税率は幾らなのか、お聞かせください。

○松田税制部長 法人事業税の方でございますが、現在、標準税率の一・〇五倍で実施をしています。個々にはいろいろな税率がございますので、省略をさせていただきます。制限税率は一・二倍までは課税ができるというふうになっております。
 また、法人住民税の方でございますけれども、これは現在、制限税率いっぱいで課税をしております。都道府県税の部分が標準税率五%に対しまして六%、市町村民税相当部分が標準税率一二・三%に対して一四・七%、これはほぼ一・二倍という数字でございます。

○曽根委員 すると、法人に対する住民税は限度いっぱいかけていると。しかし、事業税の方は、五%増しですから、あと一五%分、約千八百億円ほどが課税の余地があります。
 国の方で国民に対する定率減税を廃止しながら、法人減税の方は恒久減税を本税化してしまっているわけですから、せめて東京都が行っているこの超過課税、大企業に絞って課税しているもので、これを課税限度額千八百億円、あとできる分課税を強化して、大企業は担税能力があるわけですから、課税すべきだと思いますが、いかがですか。

○松田税制部長 法人事業税の超過課税の引き上げをしたらどうかということでございますが、東京都は、昭和五十年に標準税率の一・一倍の制限税率が設けられて以来、制限税率で課税をしてまいりましたが、昭和六十三年に、他の自治体に与える影響等に配慮いたしまして、現行のような一・〇五倍の超過課税に引き下げております。
 こうした経緯もあり、また現在、国際競争力維持の観点から法人の実効税率について議論が行われていること、あるいはいろいろな今の格差問題がいわれているというような状況もありまして、超過課税の税率を引き上げることは考えておりません。

○曽根委員 その、他の自治体への影響というのは、この超過課税を強化すると、それが企業の側では損金になって、その分国税にはね返って、それがまた地方の交付税といった形で間接的に何割かずつ影響が出るんですが、ここで課税税率を強化して東京都が得られる財源に比べれば、ほかの自治体に対する影響は微々たるものです。
 しかも、この東京都の財源と地方の財源の話、先ほどもちょっとありましたが、私は率直にいって国の責任は重いという都のいい分は共感するところがありますし、東京都が本来、地方の財源不足があればそこを手当てする役割を持っていると同時に、やはり大都市需要を考えても、東京都の税収の大きさから見れば、自治体間の財政調整は、今議論が始まっていますが、私はやはり国の介入を許さない形で自主的に行っていく、検討していく必要があるという立場で--大企業が払えるんですから、取れるものはきちんと東京都で取って、その上で公平を期するような自治体間の協議を進めていく、こういうことがあっていいと思いますし、東京の法人税が重過ぎるから地方に本社を移すという企業がいるのなら、一極集中の分散にもなりますから、私は、そういう意味でも、きちんと、国が大企業を優遇している分、東京都は適切な課税を強化すべきことを申し上げて、質問を終わります。

○熊野主税局長 税制というのは社会のシステムの中の一つでございまして、あらゆる制度と有機的に結びついているものということはもちろんご理解いただいていると思うんですが、冒頭の住民税の軽減措置の話にいたしましても、あらゆる制度は、一千二百万都民に適用しようとすると必ずやはり矛盾とかひずみ、そういったものは生じる、これは税制に限らずあらゆる制度についていえると思います。その際に、税制の中のひずみを税制でセーフティーネットを設けなければいけないかというと、必ずしもそうではなくて、先ほど申しましたように税制も社会的なシステムの一つでございますので、そういった適用に際して生じる矛盾とか、そういうものをほかの制度でセーフティーネットを設けていく、今回の場合で申し上げれば、歳出できめ細かく効率的に対応していく、こういったセーフティーネットを設けていくというのは当然の考え方だろうと思います。
 それからもう一つ、法人二税の超過課税につきましても、これを取れば住民税の軽減措置とかほかの方へ回せるじゃないかというふうなお話がございますが、これも、法人二税の超過課税という税制はやはり有機的にほかの社会的システムと結びついているわけで、当然のことながら、今、部長が答弁しましたように、他団体への影響であるとか東京都の財政状況だけではなくて、社会全体の経済、それから社会に与える影響等々を幅広く検討しなければ結論が出ない問題でございますので、そういった点をぜひご理解いただきたいと思います。

○曽根委員 主税局長の出番をつくらなかった私も申しわけなかったんですけれども、今お話のあったとおり、確かに私たちは、税制のゆがみを税制だけで解決できるというふうにいっているわけじゃないんです。個別施策も当然必要ですし、税制がゆがんでいるから個別の施策が必要になる場合もありますよ、それは。
 しかし、今回行われている五百万の規模の都民に対する増税に対して、個別の施策で突出して困っている人たちに対する施策はあったとしても、これだけ幅広く増税がかかっているときに、これに対する負担軽減というのは、やはり税制の軽減ですね、税の軽減という方法を考えるのは当然ではないかと。ここをまた逆に、全く考えないという方がちょっとおかしいじゃないかということは意見としていわせていただきたいと。
 それから最後に、超過課税の問題についていえば、これは、かねて東京都は、その当時の限度いっぱい、今の二倍ぐらいでしょうかね、割合でいうと、かけていた経緯があるわけですので、少なくとも今の超過税率でおさめなければ大変だということにはならないということもあわせて申し上げておきます。
 以上で質問を終わります。

○高木委員 まず最初に、東京の税源をめぐる動きについて一言申し上げておきたいと思います。
 現在、国では、平成二十年度税制改正に向けて、地方間の税収偏在の是正を目的に法人二税を人口等によって配分すべきといった議論が連日のように行われております。しかしながら、こうした動きは、税収の偏在を殊さらに強調し、東京の抱える大都市特有の膨大な財政需要や、日本の牽引車たる首都東京の役割を無視した非常に不合理な議論であり、断じてこれを容認することはできないと私たちは考えています。
 このような東京を初めとした大都市の財源をねらい撃ちをする不合理な見直しが具体化することがないよう、国に強く働きかけていかねばならないと思っています。
 前回の財政委員会のときにも申し上げましたが、都議会自民党としても全力を挙げて、都選出の国会議員も含めて戦っていく決意であるということは、ぜひきょうも申し上げておきたいと思っています。
 関連をして、先ほど桜井委員がこの税源問題について大変詳しく質疑をされましたけれども、これは前回の財政委員会でも申し上げましたけど、今の時期に、これは共産党とは全く別の次元で考えていただきたいんですが、消費税の問題について踏み込んでいくということが、果たして問題提起をすることが必要なのかどうかということは、やっぱりこれはもう少し議論をしていく必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 先ほど税制部長からもご答弁がありましたし、また最後、局長からもご答弁がありましたけれども、今後増大する、福祉を含めて行政サービスに対してどのように都民、国民に負担を求めていくのかというのは、これは大変重要な議論だと思うし、重要な視点だと思うんですが、片や一方で、負担を求めていく議論をするとすれば、やっぱり行政側として、あるいは私たち議会もそうですけれども、どうしたら少ない負担で済ませることができるのかということを考えていかなきゃいけないと思うんですよ。
 ですから、局長の答弁の中にちょっとそこの部分が抜けていたような気がしたんで、あえてご指摘を申し上げるんですが、私もそうですし、東京都の職員の主税局の皆さんもそうですが、職場を離れれば一国民なわけですよ。一都民なわけですね。そうすると、主税局としては、仕事として当然税制をつくり、都民や東京都で活動する法人に対して課税をして、そして一〇〇%の徴収を目指して仕事をしていく、それは当然だと思うから、どのように負担を求めていくのかという視点は、主税局としては、私は当然だと思う。思うんだけれども、一歩もう一つ引いていただいて考えてみていただければ、例えば消費税が上がりました、そうしたら私たちは、都民や国民としてはそれを負担しなきゃいけないという、そういう責務があるわけじゃないですか。ですから、当然、主税局としてやるべきことはやるべきこととしてやっていただきたいけれども、もう一方では、もう少し幅広い視点でそういう部分を見ていただくことが必要じゃないかなというふうに申し上げておきたいと思います。

○熊野主税局長 先生のご指摘はそのとおりでございまして、財政の原則は、まず行政がやるべきことがあって、それの財源をどう調達するか、そこに税制があるということでございますので、まず行政サービスの範囲、金額を固めていかなければいけない。そのときに、やはりそれはできるだけ効率的な行政をやるという観点で少なく抑える、これは大前提でございますので、そういった点にも留意して検討を進めてまいりたいと思います。

○高木委員 ぜひそういう考え方で、気持ちとして、姿勢として常にそういう部分を持っていただいてお願いをしたいと思います。
 それでは、質問に入りたいと思いますが、不正軽油をめぐる最近の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 東京都では平成十二年から不正軽油撲滅作戦に取り組み、以来七年が経過をいたしております。この間、作戦開始当初は一四%もあったわけですね、不正軽油が。それの軽油抜き取り調査の混和率が、平成十二年度以降は一%台で推移してまいりまして、その効果は着実にあらわれてきていると思っております。これもひとえに、不正軽油というのは、軽油引取税の脱税であると同時に、環境にも大変悪影響のあるものだという認識のもとで、主税局を初めとして関係者の皆さんが、不正軽油は絶対許さないんだという強い決意で臨んでいただいた、特に都庁全体で知事も含めて一致協力して取り組んでいただいた成果であるというふうに高く評価をしたいと思っているんです。
 一方で、最近、石油製品の値上がりというのは物すごいものがございまして、軽油についても、昨年十月では一リットル当たり百二十円前後だったものが、先月は百二十五円前後と、一年で五円も上昇しているわけであります。また、運送業界の価格競争も激しくなっておりまして、ディスカウントされた運賃は、運転手の給料や燃料代の負担にも影響を与えているといわれております。
 このように、不正軽油を取り巻く状況は日々刻々と変化をしておりますが、最近の不正軽油をめぐる状況についてお伺いをするわけであります。
 まず、ことし五月、セルフ給油式のガソリンスタンドにおいて灯油を直接トラックに給油をしているところを東京都主税局職員が撮影をして、これがテレビのニュースで全国にも放映され、話題となりました。これはどんな事例だったのか、もう少し詳しくご説明いただきたいと思います。

○安田課税部長 本年の四月でございますが、東京都が設置しております不正軽油一一〇番に、足立区内のセルフ式スタンドにおきまして繰り返し灯油を直接トラックに給油して、軽油引取税を脱税している、そういった通報がございまして、調査いたしましたところ、その事実を確認いたしました。そこで、当局職員がビデオ撮影等を行いまして、その行為を記録したものでございます。
 また、このトラックが長野県ナンバーであったため、長野県と合同で車両の追跡など検税調査を実施し、その後の処理につきましては、都が収集した資料等とともに長野県に引き継いでございます。

○高木委員 私は、不勉強ながら、灯油でトラックが走るというのを知らなかったんですよ。ガソリンスタンドの方に聞いてみましたら、結構昔からこういう話はあることはあるんだと。灯油も、日本の灯油はいいということもあるんでしょうし、それからディーゼルのエンジンもいいんで、結構走ることは走るんだよという話がございました。
 走ることは走るんでしょうけれども、環境だとかさまざまなところで負荷を与えているのは間違いないし、当然これは脱税行為でありますから、こんなことはやっぱり許しちゃいけないと思うんですね。
 業界団体の調べでは、ことし三月末で都内には二百三十二カ所のセルフ式スタンドがございまして、全国でも六千百カ所余りを数えております。年千カ所以上のペースでセルフ式スタンドというのがふえているわけで、セルフ式スタンドは有人スタンドと比べて価格が、若干だと思いますけれども、安くて、今後もふえていくことが予想されると思っています。
 灯油を直接トラックに給油するような事例が今後もふえることが、これだけ石油製品が値上がりをしているわけですから非常に懸念されるんですけれども、主税局としてはこのことに対してどのように今後対応していくのか、お伺いしたいと思います。

○安田課税部長 今回の事件を受けまして、東京都では、去る五月二十九日に、石油元売業界の団体でございます石油連盟及びガソリンスタンドの業界団体でございます東京都石油商業組合それぞれに対しまして、セルフ式スタンドにおいて灯油を直接トラック等に給油する、こういったことがないよう、従業員の方々への注意喚起と、そして万が一そういった行為を発見した場合の調査への協力といったことで緊急要請を行ったところでございます。
 あわせて、「車に灯油はダメ!」と、こう記しましたステッカーを作成いたしまして、セルフ式スタンドへ配布するなど、ユーザーへの啓発にも努めているところでございます。

○高木委員 ステッカーはこれですね。(実物を示す)いただきまして、車に灯油はだめって、当たり前だと思うんですけど、こういうのをつくらなきゃいけないという事例があること自体が実は驚きでございました。欲をいえばもう少し大きくしてもらった方がいいのかなという感じがするんですけれども、大変ご努力をされているということがよくわかりました。
 車に灯油はだめというのは当たり前ですから、ぜひこういうのをいろんなところで宣伝をしていただければと思っています。
 トラックやダンプカーというのは、都内だけでなくて全国各地で給油する可能性がありますから、幾ら東京都だけが頑張って都内のセルフ式スタンドにおける灯油の給油をやめさせたとしても、他のところ、他県で入れたのでは元も子もないわけですから、東京都のこうした取り組みが全国で行われなければその効果が半減をすると思います。
 セルフ式スタンドにおける灯油の給油行為に対して、全国的にはどのような取り組みが行われているのか、お伺いしたいと思います。

○安田課税部長 テレビ放映、大変反響を呼びまして、各県におきましても、今回の東京都の取り組みを契機といたしまして、都の場合と同様に、業界団体等を通じまして、スタンド従業員あるいはユーザーに対しまして、灯油を自動車に給油する行為、こちらをやめさせるよう働きかけをしているところでございます。
 また、東京都は、各都道府県の軽油引取税担当者が参加しております軽油引取税全国協議会、こういったものがございますが、こちらにおきまして改めてその取り組みの必要性について訴えまして、参加各道府県の賛同を得たところでございます。

○高木委員 セルフ式スタンドの出現によって、だれも見ていないからばれないだろうと灯油を直接給油するという新たな不正軽油の事例が発生をしたわけですね。東京都主税局としては、これまでどおり、こういうことに対してはやっぱり毅然とした態度で臨むことをぜひ希望しておきたいと思っています。
 一方、不正に混和して使用されている軽油なんですが、軽油抜き取り調査における混和率が下がったとはいえ、全くなくなったわけではないわけであります。重油や灯油等をまぜて脱色及び識別剤であるクマリンを除去した、いわゆる密造軽油も以前東京都が摘発して話題になりましたけれども、完全になくなったわけではないと聞いています。しかも、わずかながら発見される不正軽油は、製造者や原料供給者、販売者及び使用者が幾つもの自治体にまたがっているケースが非常に多くなっておりまして、実際にも他県ナンバーのトラック等から不正軽油と疑われるものが検出される例がふえていると聞いております。
 新たな不正軽油のケースへの対応策とともに、他県とも連携した取り組みが、先ほどからいっておりますように必要だということだと思うんです。このような不正軽油の現況に対して、トータルとして今後主税局はどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。

○安田課税部長 委員ご指摘のとおり、東京都を初めとする各自治体の毅然とした取り組みによりまして、大規模な不正軽油の製造基地等はほぼ姿を消したというふうにいわれているところでございます。しかしながら、その一方で、海上コンテナの中に製造施設を隠し、各地を転々と移動して摘発を逃れる、こういった、より複雑、巧妙な事例も現在あらわれているところでございます。
 東京都は、今後とも、先ほどもお話しいたしました軽油引取税全国協議会、こういった組織を活用した情報の収集あるいは提供、そればかりではなく、他県との個別協力あるいは相互支援など、連携の強化に取り組んでまいります。
 また、セルフ式スタンドの増加や原油価格の高騰、こちらを背景といたしまして、安易に灯油等を自動車燃料として使用する、そういったケースもふえつつございます。今後は、トラック等の所有者や運転手などに対しましても、調査等あらゆる機会をとらえまして、不正軽油を使用させないための指導を徹底するなど、ユーザーの皆さんへの対応策を講じていく必要がある、かように考えているところでございます。
 あわせまして、今回のセルフ式スタンドにおける灯油の直接給油事件、こちらが、不正軽油一一〇番のPRを強化した効果として、不正軽油に関する通報件数がふえ、その結果として新たな課税等に結びついているということもございますので、引き続き不正軽油一一〇番、こういったもののPRを強化してまいる所存でございます。

○高木委員 質疑の中で明らかになったと思いますけれども、東京都を初めとして関係者の取り組みによって、今まで不正軽油というのはかなり少なくなってきたわけですが、しかしながら、燃料代の高騰ですとか、石油原価の高騰ですとか、運賃の価格競争などによって、運送業界を取り巻く厳しい現在の状況下では、不正軽油はその取り締まりの手を一たん緩めてしまうと、またもとの状態に戻ってしまうおそれがあると考えられます。部長が先ほどお答えになられたように、海上コンテナとか、大変、捕まえにくくなっているというか、不正が見破りにくくなっているというようなことも事例としてあるわけですので、ぜひこの点は、厳しくするのはもちろんですけれども、巧妙化する犯罪行為に対してきちんと対処していただきたいという目を常に持っていただきたいと思うんです。
 ですから、引き続き東京都主税局には、不正軽油を使わせない取り組みとあわせて、先ほどお話がございました不正軽油一一〇番のPR、これはぜひPRしていただきたいと思います。私たちも、どこへ電話したらいいのかとかというのがわからない部分もありますので、ぜひPRも含めて他県との連携協力、支援を深めることによって不正軽油の流通を阻止する、その一層の取り組みをしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。特に、これから十年後の東京に向けて環境の部分も含めて不正軽油問題というのはやっぱり大事だと思いますから、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 次の質問に移ります。駅ナカ等の課税問題についてお伺いをいたします。
 先月、合計で約二十二億円の追加課税を行う通知を鉄道事業者等に送付したという報道がございました。
 そもそも、この鉄軌道用地の評価の見直しというのは、どういう背景、理由から取り組んできたものなのか、これは復習になりますけれども、もう一回お願いしたいと思います。

○吉田資産税部長 近年、一部の駅で大規模な商業施設が併設され、また、高架式の線路の下も店舗や駐車場に利用されるなど、鉄軌道用地の複合的利用が進んでおります。
 鉄軌道用地につきましては、用途の転換が困難であるなどの理由から、固定資産の評価において、付近の土地の三分の一の価格とすることとされております。このため、同様に商業等の用に供する駅周辺の土地との間で固定資産税の負担に著しい不均衡が生じておりました。
 都といたしましては、こうした複合利用の状況にある鉄軌道用地につきまして、税負担の公平性を確保する観点から、固定資産評価の見直しに取り組んできたものでございます。

○高木委員 その評価の見直しを行うに当たって、どういう手続が必要だったのか。例えば法改正のような制度的な整備が必要だったのかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。

○吉田資産税部長 固定資産税の基礎となる価格につきましては、地方税法により、総務大臣が定める固定資産評価基準によって算定することとされております。鉄軌道用地の評価方法もこの評価基準に定められていますが、今日のような利用状況の変化は想定されていなかったため、現況に見合った評価を行う上での明確な規定がございませんでした。
 こうした状況の変化は、東京だけでなく全国的な課題であったため、都が問題提起したことを受けて、国において調査検討が行われまして、本年三月に評価基準が改正されたところでございます。

○高木委員 国の定める基準がことしの三月に改正されたわけですね。私も昨年、財政委員会に所属をしておりましたから、品川駅の視察等も含めて、この問題を推進していくために議員としての活動も一生懸命やらせていただいたんですが、そこで東京都が果たした役割というのはどういうものだったのか、もう一回教えてください。

○吉田資産税部長 今回の改正に際し、総務省は、鉄軌道用地の現況を把握し、これに見合う適正な評価方法について意見を聞くため、学識経験者、鉄道事業者及び自治体職員で構成する研究会を設置しました。
 都もこの研究会に委員として参加し、さきに申し上げましたような固定資産評価における不均衡について具体的に状況を説明するとともに、評価方法等について提案するなど、検討過程におきましても積極的に参加してきたところでございます。

○高木委員 国が行う基準改正の検討に積極的に参画をしてきたということであると思いますが、この問題は、先ほどもご答弁ありましたように、全国的な課題であったと思うんですね。ですから、全国的な課題であったとすれば、他の自治体との協力とか協働による働きかけだとか、そういう面ではどうだったんでしょうか。

○吉田資産税部長 今回の評価基準改正により、全国一斉に新しい方法で評価を行う中、見直しに携わってきた都に対しては多数の自治体から問い合わせや相談がございました。
 都といたしましても、都内各市を初め近隣の自治体や全国の政令指定都市などと積極的に連絡をとり合い、経緯の説明や基本的な情報の交換に努めてきたところでございます。

○高木委員 まさに全国的に関心が高まっているこの時期だからこそ、私は、この駅ナカという問題を社会的な意義のあるテーマにすべき絶好の機会だというふうに思っているんですよ。
 というのは、商業の立地条件ですね、駅ナカに課税をしようというふうに考えた発端というのは、駅の中で囲っちゃって商業をやっている、だから、ここはやっぱりきちっと固定資産税評価しなきゃいけないだろう、そういう発想だったと思うんですけれども、商業の立地条件という点で、駅ナカという場所は、私は極めて高い優位性を持っているんだと思うんです。そういう有利な土地で鉄道事業者が商業を営むわけですから、鉄道事業じゃないわけですよ、ある意味ではね。鉄道事業じゃないことをその用地の中で営んでいるわけですから、やっぱり企業の社会的責任として一定の還元を社会にしなきゃいけないだろう、これが私はこの駅ナカの課税の評価基準を見直す上での根本的なバックボーンだというふうに思っているんですよ。
 私は従前からいっていますけれども、固定資産税という面からいえば、駅前というのはやっぱり一等地とよくいわれますけれども、駅前が一等地だったら駅ナカって特等地ですよ。だから、もっと評価基準を厳しくしていいと思っているんです。それで社会に還元させたらいいんですよ。だれもそれは文句いいませんよ。鉄道事業者は文句いうでしょうけれども。だけど、社会的責任を果たさな過ぎるんです、鉄道事業者は。駅前の放置自転車の問題にしたって、これは自転車法という法律があるにもかかわらず、罰則規定がないことによって何にもやらないわけですよ。地方自治体に全部押しつけているんですよ、これを。こういうことをやっているからだめなんですね。
 ですから、駅前が一等地だったら駅ナカは特等地なんだということをぜひ、今度例えば国の基準が改定されるときは東京都からそういうことをきちっというべきだと思いますし、それでこそ初めて東京都主税局が都民の側に立ったというふうにいわれるんだと私は思いますから、ぜひその点を努力をしていただきたいと思うんですが、さらに課税を強化すべきだという私の私見に対して部長はどのように思われますか。

○吉田資産税部長 先生の名句、駅前が一等地であれば駅ナカは特等地であるという名句は、私も、国が主催する研究部会の委員として入っておりまして、その場の中でも、学識経験者等を前にいたしましてさんざん使わせていただきました。その結果、今回の基準改正に至った運びでございますが、先生ご指摘の中身でございますが、東京は、多くの場合、駅を中心に市街地が形成され、駅に近いほど地価が高い傾向がございます。土地の評価は、専門機関による調査を活用して、こうした各種の価格形成要因を分析し、先生ご指摘のような駅特有の要素も考慮した上で行っているところでございます。
 今後とも、鉄軌道用地につきましては、現況の変化を的確に把握しながら、さらに適正かつ公平な評価、課税に努めてまいります。

○高木委員 ぜひ、適正かつ公正な評価、課税、これを実現していただきたいと思います。
 先日、私は大井町の駅に行ったときに、駅ナカ商店街とはいえないのかもしれないけれども、かなりの多くの商店がある駅があります。これは基準がありますから、課税の対象になるかどうかということはあるんでしょうけれども、これからますますそういう駅がふえてくると思うんですよ。先日、テレビでもやっていましたけど、東京駅もまたこういう形になりましたし、まさに駅の改札口の中で囲ってしまって、お客さんをそこで滞留をさせて、電車にも乗ってもらうけれども、買い物もしてもらうと。これができるのは鉄道事業者しかないわけですよ。ある意味でこれは、私は独占禁止法の優越的地位の乱用にすら当たるんじゃないかと思うぐらい、これはやっぱり優越的地位なんですよ、そこの部分というのは。だって、改札口の中に入っちゃたら出られないんですから、次の駅とかほかのところまで行くまで。出て、ちょっと買い物してという話じゃなくて、そこにみんな、駅を利用しながら買い物にまでいってしまうというようなことは、鉄道事業者の本来の業務ではないと思うんです。だからこそ、こういうことをきちっとやってもらいたいというふうに思っております。
 主税局は、財源の確保というのが最終的な目的だと思いますけれども、やっぱり首都東京の役割として、全国の自治体をリードすることが期待をされておりますし、先ほどいった不正軽油の撲滅運動ですとか、あるいはネット公売など、さまざまな取り組みでその期待にこたえてきた、全国をリードしてきたというふうに思っています。
 ですから、駅ナカの取り組みも、まさに都が国を動かして、先ほど来答弁があったように、新しいビジネスに対応した公平な税の仕組みを実現したものと私は受けとめております。
 改めて局長から、今回の取り組みの成果と、これを踏まえた今後の決意をぜひ、力強い決意をひとつよろしくお願いしたいと思います。

○熊野主税局長 主税局は、これまでも、他の個々の自治体では解決が困難であった課題に突破口を開き、税収の確保と適正、公正な税務行政の確立に貢献してまいりました。
 今回の駅ナカの取り組みでは、都の働きかけによりまして固定資産の評価方法が改正され、いわゆる駅ナカと近隣商業施設との関係で公平な税負担の仕組みが構築されたと思っております。また、その結果として、都財政にも幾ばくかの寄与を果たせたものと考えております。
 今後とも、国への提案あるいは他の自治体との連携などを積極的に行いながら、税の命である適正、公正な税務行政の推進を行うとともに、首都東京の歳入所管局としての使命、そして全国の税務行政のリーダーとしての役割を全力を挙げて遂行していくつもりでございます。

○高木委員 ありがとうございました。ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 駅ナカあるいは不正軽油の問題とは全く別のことで一つだけ意見を申し上げておきたいんですけれども、固定資産税に関連をして、都市計画道路の計画線の中にある更地に対する課税というのをもう少し何か考えていただくことはできないだろうかというふうに常々思っています。
 つまり、事業認可はまだされていなかったとしても、例えばもう測量に入りますよとか、事前の準備に入っているところで、計画線の中で更地になったところは、そのまま例えば置いておいていただければ事業もやりやすいと思うんですね。
 ところが、今の制度だと、更地でそのままずっと置いておくと、いろんな意味で地権者にマイナスになってくるということがありますので、事業認可をとるかとらないかということは大事だとは思いますが、しかし、将来展望の中でここは確実に、例えば道路用地あるいは再開発、区画整理、そういうことも含めて、そういう事業が行われる予定になっているというところが、地権者が先を見て、ここはそういう事業にかかっているんだから、やりやすいように置いておいた方がいいんじゃないかという、そういう賛成の方の何か、優遇とはいわないけれども、制度というものはできないものなのかなと私は常々思っています。
 どうぞこれは、検討ではなくて研究で結構ですから、研究課題としてひとつ頭の中に入れておいていただければありがたいと思っています。
 以上で終わります。

○宇田川委員 私からは、個人都民税の徴収率向上といった観点で幾つかお尋ねをしたいと思います。
 個人都民税というのは、都税の中でも歳入規模の大変大きな税目の一つでありまして、主に都民の日常生活のため、大変身近な行政サービスに供する必要な経費として充当されているものでございます。この税は、都が直接課税徴収するものではなくて、区市町村において区市町村民税とあわせて課税徴収されているわけでございまして、その区市町村も、徴収に当たっては大変な努力をしていただいていると推察するところでございます。
 しかし、他の都税と比較すると、非常に残念なことではあるんですが、徴収率は余り高い水準ではない、そうした数字で推移している、これは事実であると思います。
 都は、都税を徴収してもらっているという立場でありますから、徴収率の向上のためにも、直接的あるいは間接的にさまざまな支援を区市町村に対して行っていくべきであると考えております。これまで東京都はどのような支援を行ってきたのか、まずお尋ねをいたします。

○松原特別滞納整理担当部長 徴収支援のための組織として、平成十六年度に個人都民税対策室を発足させ、各種支援を行ってまいりました。平成十六年度からの三年間で、主税局の職員を延べ三十六団体に派遣し、滞納整理に当たらせるとともに、五十団体から約一千百件、六十一億円分の個人住民税の滞納案件を都が引き継ぎ、直接整理してまいりました。
 また、区市町村職員に対する各種研修や相談を実施するなど、支援を行ってまいりました。

○宇田川委員 ただいまのご答弁にありましたとおり、さまざまな、種々の支援を行ってきて、いわばその徴収支援が功を奏した形で、また、もちろん区市町村のたゆまぬ努力、こういうものが結実した、こういうものがあったからこそ徐々に徴収率が向上しているんだと思いますし、そういった報道があったことも記憶をしております。
 他の道府県と比較をすることによって、よりわかりやすい結果が見えてくると思いますので、比較した徴収率、その推移などをあわせて教えていただきたいと思います。

○松原特別滞納整理担当部長 支援組織であります個人都民税対策室を設置する直前の平成十五年度、個人都民税の徴収率は九〇・一%で、四十七都道府県中三十五位でありました。その後、各種徴収支援策を実施しながら区市町村と連携、協力して徴収に取り組んでまいりました結果、徴収率は年々向上し、平成十八年度決算では九三・七%に達し、全国順位で申し上げますと第十位にまで上昇することができたところでございます。

○宇田川委員 対策室を設置した三年間で三・六ポイント上昇して、順位も十位にまでなってきた、こういうお話でありまして、あくまでも率が一〇〇%に近づくというのが目標でありまして、順位にこだわることは余り意味はないと思うんですが、ほかの道府県を見ますと、今おっしゃった三年間で徴収率トップはずっと京都府でありまして、まだまだ上には上がいると。東京に比べても二ポイントぐらい上にありますので、ぜひ上を目指していただいて、お力添えを進めていただければなと思います。
 さて、今年度より所得税から住民税へ税源移譲が始まりまして、一層の地方分権改革が進んできたところであります。
 しかし、この税源移譲とともに、個人住民税に対する定率減税の廃止など、この辺が相まって、住民税の徴収に際して、今年度、今まで以上の困難が生じてきているのではないかなと思います。
 徴収率の現在の状況、それに、先ほども全国と比較するとというお話をしましたが、全国の徴収率もあわせて教えていただきたいと思います。

○松原特別滞納整理担当部長 個人都民税の九月末時点の徴収率は三一・八%でございます。昨年同時期に比べ二・五ポイント下回っております。
 その内容を区市町村別に見ても、一部を除いてほとんどの区市町村で前年を下回っている状況であります。
 また、都道府県全体の九月末時点の平均徴収率は三四・九%で、昨年同時期に比べ二・七ポイントのマイナスとなっており、全都道府県が昨年実績を下回っている状況でございます。

○宇田川委員 部長のお話があって、予想したとおりというか、予想以上というか、九月末時点で昨年比二・五%、全国平均も二・七%マイナスということで、大変に厳しい状況だなと私も感じております。
 しかし、厳しいからといって手をこまねいているばかりでは好転するはずもないわけでございまして、歳入を確保するためにはなお一層の徴収努力を重ねていただくしかないと思っております。都も以前に増して区市町村との連携を深めていただいて、支援体制を強化というか、充実させていくことも求められることだと思います。
 今申し上げたとおり、大変厳しい状況だということは重々承知しておりますが、収入確保に向けてさらに力を入れて努めていかなければならない、そう考えているところですが、今後どのような取り組みを行っていくのかをお尋ねいたします。

○松原特別滞納整理担当部長 引き続き区市町村の実情を正確に把握し、おのおのの実態あるいは要望を踏まえ、主税局として納税キャンペーンなどを活用した広報、あるいは直接、間接的な支援策を継続して実施してまいります。
 また、状況に応じて、徴収のための特別研修あるいは都が滞納案件を追加して引き継ぎ、直接処理するなど、支援策を新たに実施してまいります。
 今後とも区市町村との連携を一層強め、区市町村と協力して個人都民税の収入確保に全力を尽くしてまいります。

○宇田川委員 私、冒頭で申し上げたんですが、都民の一番身近なる行政サービスのために供される税収であるわけでございまして、主税局の皆さん方、そして区市町村に対しても大いに敬意を表しているところではございますけれども、今、部長のお話があったとおり、今後まさに全力を尽くしていただく、このことをぜひお願いをすると同時に、期待をさせていただいておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 以上です。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時六分散会

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