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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十七号

平成十六年十月二十六日(火曜日)
第二委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十二名
委員長倉林 辰雄君
副委員長秋田 一郎君
副委員長森田 安孝君
理事酒井 大史君
理事鈴木 一光君
理事松村 友昭君
東村 邦浩君
鳩山 太郎君
山下 太郎君
執印真智子君
新藤 義彦君
桜井  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
財務局局長松澤 敏夫君
経理部長臼井  勇君
契約調整担当部長山本 憲一君
主計部長熊野 順祥君
財産運用部長宮川 雄司君
調整担当部長平田  章君
参事三津山喜久雄君
建築保全部長福島 七郎君
コスト・調整担当部長松村 光庸君
参事南部 敏一君
収用委員会事務局局長嶋津 隆文君
審理担当部長井戸 秀寿君

本日の会議に付した事件
収用委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
財務局関係
事務事業について(質疑)
報告事項(質疑)
・「財務局リーフレット」について

○倉林委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、収用委員会事務局関係の事務事業に対する質疑並びに財務局関係の事務事業及び報告事項に対する質疑を行っていきます。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 私は従来より、都における行政委員会や各種諮問委員会など、いわゆる識者によって構成される委員会に対して、総じてその役割や必要につきまして幾つかの疑問を持っております。これは行政委員会全般にいえることだと思うのですけれども、その事業内容や役割は外部から非常に見えにくくて、ともすれば形骸化することもあるのではなかろうかといった思いを感じています。
 そこで、当財政委員会に属する収用委員会の役割や必要性について、まずお尋ねします。

○井戸審理担当部長 最初に、収用委員会の役割でございますけれども、公共事業の施行に伴います用地取得につきましては、通常、道路ですとか、あるいは河川等の公共事業を施行する土地収用法でいいます起業者と、それから土地所有者、権利者との間で任意協議により行うこととされております。しかしながら、事業への反対ですとか、あるいは補償金の不満などの理由から、任意協議が不調となるような場合もございます。このような場合に、収用委員会が裁決を行うことによりまして、事業者は事業用地を取得することができ、また権利者には正当な補償金が支払われるということでございます。
 収用委員会としましては、公共の利益と私有財産の調整を図るという役割を担ってございます。
 また、収用手続の流れでございますけれども、まずは、起業者からの土地の所有権を取得するための裁決申請並びに建物等を移転させて土地の明け渡しを求めます申し立ての受理がございます。その後、二週間の公告縦覧の期間を経まして、権利者を固定するために手続の開始決定を行います。それから、当事者双方から意見をお聞きしまして、審理等を行いまして、裁決書という文書によりまして裁決をいたします。
 以上でございます。

○秋田委員 ただいま、収用制度の意義とその主な流れというものについてご説明いただいたところですが、それでは、この手続を行うに当たって、先ほど冒頭に私がちょっと疑問を呈しました、委員会及び委員というのはどのような活動を具体的にするのか、お教えください。

○井戸審理担当部長 事件処理に当たっての委員会活動についてでございますけれども、委員会は、法律、経済等の専門分野から成ります七人の委員で構成されております。
 委員会活動を大別いたしますと、七名全員の合議体で行うような場合と、委員会の委任を受けまして指名委員により行う場合がございます。
 合議体での主な活動といたしましては、事件の受理及び開始決定等の手続を行いますとともに、個々の具体的な事件に即しまして処理方針を決定いたしまして、土地や明け渡しに関する損失の補償額等を裁決いたします。
 また、指名委員につきましては、委員会の委任を受けまして、迅速かつ効率的な事件処理を図るため、審理や現地の調査などを専門的に行っております。

○秋田委員 今の二つの質問で、いわゆる制度の枠組みをお尋ねしたんですが、それでは次に、収用委員会の実績について教えてもらおうと思うんです。
 まず、平成十年度から十五年度までの取扱事件数の推移とその背景についてお尋ねします。

○井戸審理担当部長 取扱事件数の推移でございますけれども、平成十年度につきましては六十八件でございました。十一年度が七十一件、十二年度が百六件、十三年度百七件、十四年度百四十三件、十五年度百九件と推移してございます。十二年度以降は、年百件を超す取扱件数になってございまして、高い水準で推移いたしてございます。
 また、この取扱件数の増加の背景でございますけれども、平成十三年度の土地収用法の改正に伴いまして、手続の迅速化、効率化が図られたこと、また、制度自体がそれによって活用しやすくなったことがございます。
 また、多摩地区の二ツ塚の廃棄物処分場事件ですとか、あるいは首都圏中央連絡自動車道路、いわゆる圏央道等の大規模事件がございました。さらに、多数の権利者が居住するマンション事件の出現などが、その背景として考えられております。

○秋田委員 今のご説明ですと、平成十二年度以降は毎年百件を超す事件数、こういうことでございますが、これらの手続を処理するため、十五年度における委員会の開催日数と、主な手続の付議件数の実績はどうなっているかという点が一点。それから、指名委員の活動実績について、これを二点目として、二つの質問、お願いします。

○井戸審理担当部長 一点目の平成十五年度におきます委員会の開催日数でございますけれども、これにつきましては、延べ開催日数につきまして五十三日でございます。また、その内容でございますけれども、事件処理に要した、受理ですとか開始決定ですとか審理、処理方針等ございますけれども、そういった付議件数は全体で千二百八十三件でございました。
 また、二点目の指名委員の活動状況でございますけれども、延べ活動日数は八十四日、指名委員が処理した審理ですとか現地調査等の手続の総数は四百九十九件でございました。

○秋田委員 今までの質疑で、事務局から手続の流れ及び実績について説明をいただいて、ある程度、収用委員会の役割あるいは収用制度について改めて認識したところではございますけれども、まだやっぱり疑問符が残るなと。収用制度が公共事業の推進に十分貢献しているかどうかという点について、幾つかお尋ねさせていただきたいと思います。
 そこで、収用手続をとることが事業を推進する上でどういったメリットがあるのかといった点を具体的にお願いします。

○井戸審理担当部長 お尋ねの収用手続をとることのメリットでございますけれども、現在、事業計画ですとか、あるいは、事業の実施に反対するためトラスト運動等を展開しているケースなどがございます。そうした場合には、任意で協議が調うことは極めて困難でございます。収用手続を活用することによりまして事業を推進することが効果的であるというふうに考えてございます。
 このような事件につきましては、既に、さきに述べました二ツ塚廃棄物処分場ですとか、いわゆる圏央道事件におきまして実績を得ております。
 また、一般の事件でございますけれども、これにつきましても、例えば一つの箇所で起業者と権利者の交渉が難航いたしまして、十年から二十年かけても道路の開通ができないというような事件がございました。これにつきましても、収用手続を経ることによりまして、半年から一年で開通に至った例というのがございます。収用手続を適用することによって事業が進捗するケースは多いというふうに考えてございます。

○秋田委員 今のご説明を聞きますと、裁決手続によって問題が解決して、事業用地を確保することも可能になる、こういうことだったんですが、裁決や和解が行われると、その後、事業がどのように進捗したのかを確認する意味を込めて、十五年度における裁決及び和解の件数と、その後の明け渡しの実績について教えてください。

○井戸審理担当部長 お尋ねの十五年度における裁決、和解件数とその後の実績でございますけれども、平成十五年度に当委員会が行いました裁決及び和解の件数は、総数六十六件でございました。内訳といたしましては、裁決四十六件、和解等二十件でございます。
 その後の事業の進捗状況でございますけれども、このうち、裁決等を踏まえまして既に土地の明け渡し等が完了したものは六十五件でございまして、まだ一件、明け渡しの期限が到来していない部分がございますけれども、それを除きましてすべて用地取得がなされまして、公共事業の進展に少なからず貢献できたものと思っております。

○秋田委員 今までの六問の質疑を通して、収用委員会が果たす役割、意義あるいはその重要性について理解できたんですが、しかしながら現実問題として、首都圏の三環状を初めとして、東京のインフラ整備というのはまだまだおくれているわけでございます。今後、東京がさらに国際競争力をつけていって、東京が都市として再生していくためには、公共事業が着実に推進されていくことがすごく重要だと思っております。
 そういった意味で収用委員会の果たす役割は今後もますます高くなるんだろうな、そう思っておりますが、きょう、せっかく第一回目の委員会ということなので、最後に、収用委員会が公正であることは当然として、東京のまちづくりに向けて積極的に取り組んでいくために、局長としてのこの一年間の決意をお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○嶋津収用委員会事務局長 収用委員会は、独立した行政委員会の一つでございまして、その点で、手続の公正性を確保することは極めて重要な責務だと考えてございます。
 また、収用委員会が、大規模化したり複雑化したりする事件を速やかに処理していくことは、公共事業を円滑に推進するという社会的な要請にも合致するものであるというぐあいに認識してございます。
 このような状況を踏まえまして、そしてまた秋田委員のご指摘を踏まえまして、今後、事務局といたしましても、迅速かつ適正な収用裁決手続を確保いたすとともに、収用制度の活用につきましてもさらに積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。

○倉林委員長 ほかにございませんね。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○倉林委員長 これより財務局関係に入ります。
 事務事業及び報告事項、財務局リーフレットに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○臼井経理部長 それでは私の方から、先日の委員会でご要求いただきました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 お手元にございます要求資料第1号、一般会計決算事業繰越額及び支払い繰延額でございます。これは、一般会計決算における事業繰越額と支払い繰延額及びその内訳につきまして、平成六年度から十五年度までの十年間分を集計したものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○倉林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○秋田委員 本日は、先日財務局が発表しました「景気の回復は、都財政・体力回復のチャンス!」というこのリーフレットについて議論させていただきたいと思います。
 内容に関しての質疑に入る前に、まず、今回なぜ、わざわざこの時期にこのようなリーフレットを出したのか、その目的を説明してください。

○熊野主計部長 本リーフレットの発行の目的についてでございますが、現在、景気は回復基調にあるとされまして、都財政を取り巻く環境に好転の兆しが出てございます。
 ただ、しかしながら、そうした中で都財政がどうなっているかということを考えてみますと、リーフレットの表紙にもお示ししてございますように、まず一つは、都税収入が極めて不安定な形で増減を繰り返しているということ。二つ目に、都税収入から税連動経費を除いた、いわば都の可処分所得となるものは、見かけよりも非常に少ないということ。三つ目に、一兆円を超える隠れ借金があること。四つ目に、基金残高が底をつきかけているということ。
 こういった問題を抱えてございまして、仮に、当面、景気が回復基調を続けるとしても、都といたしましては財政再建の手を緩めるわけにはいかないというふうに考えてございます。むしろこういう景気回復期にこそ、都財政の体力を回復させる必要があると思っております。
 そこで、我々はこうした問題意識を持っておりますけれども、第三回定例会の本委員会などにおきまして、財務局は都財政の現状や課題を常に広く都民の皆さんに情報提供すべきであるというふうなご指摘もあったことから、来年度の予算編成作業を始めたこの時期をとらえて、今後の都財政運営について都民及び関係者各位のご理解とご協力を得られるように、本リーフレットを作成、発行したものでございます。

○秋田委員 私は九月の委員会におきましても、都民に対する情報提供の重要性というものを強く訴えさせていただいたところでございますので、今回このようなリーフレットを、広く都民に知らせるというのは大変重要なことだと思って、評価をしております。
 それでは、早速内容について質問させていただきたいと思うんですが、この一ページ目は、いわゆる現状認識だと思うんですが、これによりますと、実際にマスコミ等によりますと、景気は回復基調にあり、都財政を取り巻く環境というのは好転しつつあるのかなと、そう考えているわけですが、一方で、原油価格がご存じのとおり際限なく高騰を続けて、このことが日本経済だけでなく世界経済にも著しい影響を与えるのではないかという懸念もしているわけでございます。
 そこで、財政運営にとって景気動向というのは非常にかかわりが深いものだと思うんですが、都の財政というのは、景気によって税収が左右されるという、大変不安定なものだと思うんですが、財務当局としては今後の景気動向をどう見ているのかを、まず最初にお尋ねさせていただきます。

○熊野主計部長 副委員長ご指摘のとおり、政府が発表している各種の経済指標によれば、我が国経済は景気の回復基調を示す指標が多くなってございます。
 例えば、四月から六月期の法人企業統計によりますと、企業の設備投資は前年同期に比べて一〇・七%の増となっております。また、企業収益も前年同期に比べて三四・三%増の高い伸びを示してございます。さらに、個人消費も緩やかに増加してございまして、これらの状況から、月例経済報告では、景気の現状について、景気は堅調に回復しているという判断を示してございます。
 ただ一方で、不安材料も数多くございまして、今ご指摘のございました原油価格、ニューヨークの市場では一バレル当たり五十ドルを上回る値がつけられておりまして、過去最高を更新してございます。これが景気回復基調の足を引っ張るのではないかという懸念が、ここに来て非常に強まっております。
 また、これまで好調であったアメリカ経済にも、GDPの成長率が鈍化するなどの状況が見られておりまして、先般発表されました雇用統計は明らかに景気の減速を示してございますし、さらに、日本の輸出の牽引力でございました中国でも引き締めに転じたというふうな見方もございます。
 一方、国内に目を転じてみますと、一部の勝ち組企業が日本経済を牽引しているのが現状でございまして、中小企業を初めとする産業全体が景気回復を実感できる状況にはいまだないというふうに考えてございますし、また都区部の消費者物価指数は、五年連続して前年同期水準を下回るといった状況でございまして、デフレは依然として継続してございます。
 このように、好材料、不安材料相半ばする状況でございまして、我々としては、ここ数カ月といった短期的な動向はともかくといたしまして、半年あるいは一年以上先の動向については決して楽観できるものではないと認識してございます。

○秋田委員 財政運営を含めて何か問題があったら、まず何が問題かといった現状を把握して、その後、今後何をすべきかといった方向性を決めて、方向性を一たん決めたら、なかなか、何があってもある意味で動かないという強い意志が必要だと思うのですが、今回のリーフレットは、そういった意味で財務当局の強い意志を大変感じるものでございます。
 そこで、今度は、この見開きの中について質問させていただきたいと思うんですが、このリーフレットの左下に、税連動経費というものがございます。私が最も驚いたのはこの部分なんですが、このグラフによりますと、税連動交付金は年々ふえ続けて、現時点では二五%ということですから、都税収入の実に四分の一が区市町村に交付されており、実質的な都税収入というのは見かけよりも大分少ないんだなということが、このグラフから明らかになっております。
 そこで、改めて質問させていただくんですが、税連動経費とは何なのか、その内容を説明してください。

○熊野主計部長 税連動経費でございますけれども、具体的には、特別区財政調整交付金、それから地方消費税交付金、利子割交付金などでございますが、我々としては、このグラフでご理解いただきたい点が二つございます。
 一つは、この税連動経費は、法令に基づいて都税の一定割合を区市町村に交付することが定められている義務的な経費であるということでございます。しかも、その規模が半端ではなくて、十五年度決算では都税収入四兆円の約四分の一、実に一兆円が税連動経費となってございます。
 これを単純に申し上げれば、仮に税収増となっても、その四分の一程度は区市町村の増収となるということで、逆に税が減った場合にも、その四分の一程度は区市町村の減収となる。このように都税収入と区市町村の歳入が密接な関係にあるということをご理解いただきたいということ。
 それからもう一つは、税収に占める税連動経費の割合が年々高まっているということでございます。近年、六十三年度の利子割交付金の創設、あるいは平成九年度の地方消費税交付金の創設、あるいは平成十二年度の特別区財政調整交付金の都区間の財源配分割合変更など、相次ぐ制度変更によりまして、都税収入に占める税連動経費の割合は増加を続けております。その結果、都の手元に残る実質的な都税収入が減少傾向にあります。
 今回のリーフレットでは、こうした点を都の可処分所得といういい方で表現しておりますけれども、見かけよりもかなり少ないのが実態、これをご理解いただきたいということでございます。

○秋田委員 都と区市町村との関係については、以前の委員会でもお尋ねしたので、繰り返し申し上げませんが、今の部長のお話を聞いても、税連動経費は都と区市町村との関係の深さをすごく物語っているんだなというのがよくわかりました。
 いずれにせよ、景気回復によって都税収入が増加しても、この税連動経費があることによって、区市町村の財政も増収ということで豊かになる、増加するということがよくわかります。
 逆にいうと、都の実質的な収入は、先ほど来の話じゃないですが、見かけよりも随分少なくて、都税収入がふえても、その増加分の四分の三しか都の取り分にならない、可処分所得は四分の三しかないということがよくわかるんですが、このことがすごく重要なんだろうなと思っております。税連動経費というものの存在と仕組みを理解しておかなければ、今後の財政運営の正確な判断をできないということがよくわかりました。こうした点を都民に知らしめるということは本当に重要だなと思っております。
 そこで、今度はリーフレットの右側についてお尋ねさせていただきたいと思うんですが、こちら側もかなりショッキングというか、重要なことが書いてあることがよくわかります。それは、巨額な隠れ借金の存在と、基金残高が底をついているという事実でございます。
 まず議論をさせていただきたいのは、隠れ借金についてでございます。隠れ借金というのは、いろいろな要素によって借金の額が増大していると思うんですが、その中でも、こちらにも示されておりますが、一兆一千億円のうち約六千億円が減債基金の積立不足ということでございます。
 そこで、減債基金というのは今後の都債の償還に充てられるんですが、減債基金の設立目的の一つである都債の信用力という点でも、現在の財政状況では非常に厳しいんじゃないかというおそれをすごく抱いている次第でございます。
 そこで、なぜこのような事態にまで、深刻な事態にまで陥ってしまったのか、その理由と、これまでどのような積み立てを行ってきたのか、過去の部分をちょっとお教えください。

○熊野主計部長 減債基金は、昭和六十年度に財政調整基金から分離して設置したものでございます。その後、民間資金の資金調達の償還方式を、平成三年三月から縁故債について、それから平成四年の四月から公募債について、従来の定時償還方式から満期一括方式に変更をいたしました。従来の定時償還方式は、三年据え置きの四年目から、六%ずつを、抽せんで当たった人については償還するという仕組みでございましたが、これを満期一括、十年目に全部まとめて償還するという方式に変えましたので、本来であれば償還に当てるべき四年目からの六%相当分を積み立てて、十年目の償還に備えるという趣旨で設置したものでございますので、将来の償還財源を確保して公債費負担の平準化を図るという観点から、貴重な重要な意味を持つ基金となってございます。
 これにつきましては、平成九年から、財源不足の財源対策の一環といたしまして、その一部、半分であったり、現在は四分の一でございますが、その積み立てを先送りして、そうして浮かした財源によって都民サービスの水準を維持してきたという経緯がございます。
 それで、具体的に申し上げますと、平成九年から、そういった積み立ての先送りを始めまして、現在に至って、積立不足額が、そこのグラフにございますように、五千九百十六億円になっているという状況になっております。

○秋田委員 税収が落ち込んで、都財政の財源不足の中、なかなかやむにやまれぬ手段であったということは、ある程度理解はできるんですけれども、それにしても現在の状況は大丈夫なのかなと。こういう状態がいつまでも許されるわけではないんだと思います。
 そこで、減債基金の積立不足については、今後その取り扱いをどうするのか、教えてください。

○熊野主計部長 今後どうするかということで、非常に頭が痛い問題ではございますが、現在、さらなる積み立ての先送りができない状況になってございまして、積み立ての不足が累積した結果、十七年度の取り崩し予定額が三千五百七十一億円に対しまして、基金残高見込みが三千四百六十六億円、差っ引き百五億円の取り崩し不足額が見込まれております。また、十八年度においてもさらに多くの不足額が生じることが見込まれております。将来の償還財源を安定的かつ計画的に確保するためには、取り崩し額の不足については、できる限り速やかに解消することが求められております。減債基金は、償還におきます各年度の財政負担を平準化する重要な機能を有しておりますので、財政再建を進める中で、積立不足の解消に向けて最大限の努力を図ってまいりたいと思っております。

○秋田委員 起債の発行が各自治体の裁量に任せられるようになって、起債の発行条件についても自治体の信用力によって左右されるというのは、地方分権という観点からはすごく望ましいことだとは思うんですが、一方で現状のような状態というのは、信用力という意味で、都の立場を不利にしかねないんじゃないか、そういうおそれを抱いております。信用力の向上というのは、何といっても東京都自体の信用力ですから、一層向上を図るために、減債基金を計画的に積み立てることが必要なんだと思います。
 そのためにも、今、部長がご発言なさったとおり、減債基金の積立不足を早急に解消して正常な状態に戻すことが重要だということが、このリーフレットからもよくわかりました。
 そこで次に、減債基金と並んでリーフレットに取り上げられている、財政調整基金の重要性について質問しようと思ったんですが、これについては、過去の委員会で私が何度も質問させていただいておりますので、ここで改めて質問をすることは避けさせていただきますけれども、財調基金というのは、いわば家計にとっては、とらの子の財産みたいなものですから、これをしっかりと積み立てていただいて、何かあったときに困らない状態にしていただくように、改めてお願いをさせていただきたいと思います。
 最後に、リーフレットの最終ページに移らせていただきたいと思うんですが、ここには財政当局のいわばまとめというか、願いというか、そういったことが書かれている箇所だと思うんですけれども、先ほど冒頭にもいいましたとおり、現状のように景気が回復している、回復しそうといった方がいいんですかね、景気が回復の兆しを見せているといった方がいいんでしょうか、そういう中で最優先に取り組むべきは、やっぱり何といっても都財政の体力を回復させることが、私は何よりも必要なんだと思います。体力を回復させることが、最終的には、我々の世代や我々の次の世代に禍根を残さないことなんだと思います。そういった意味で、このリーフレットの役割を今回改めて認識しましたけれども、最後に、局長の今後の財政運営に対する決意を伺って、質問を終わらせていただきたいと思います。

○松澤財務局長 ただいま副委員長の方から、今般発行しましたリーフレットに関しまして、多岐にわたるご意見、ご質問をいただいたわけでございますけれど、財政運営の最大の課題でございます都財政の再建につきまして申し上げますと、これまで、十一年度から財政再建推進プラン、またそれに続く第二次の財政再建推進プランに基づきまして全力で取り組んできた結果、都財政は、病気に例えれば瀕死の状態を脱しはしまして、回復の方向に向かっている、こういうことではないかと思っております。しかしながら、病院での集中治療室の方は出たんですけれど、一般病棟に移ってまだ治療しているような、そういう段階でありまして、依然として無理がきかない、厳しい状態にあるところでございます。
 また、その間、長引く不況で都税収入が低迷する中にあっても、必要な行政サービスを提供するために、特別な財源対策としてさまざまなやりくりを重ねてきたことから、今回のリーフレットにもお示ししているように、都財政の基礎体力の方も著しく低下してきているところでございます。
 したがいまして、引き続き内部努力や施策の見直しなど、財政構造改革を進めていく一方で、ただいま副委員長の方からもご指摘ございましたように、隠れ借金の解消や基金残高を回復させることが、景気が今、回復の方向に向かっておりますが、何よりもまず重要なことではないかと、このように考えております。
 同時に、東京の活力を高め発展させるためには、厳しい財政状況にありましても、財源を重点的、効率的に配分しまして、積極的に施策を展開していくこともあわせて大切である、このように認識しております。
 今後とも、財政運営に当たりましては、都議会のご理解、ご協力をいただきながら、都民サービスのさらなる充実を図りつつ、強固で弾力的な財政基盤を確立することを目指しまして、中長期的な視点に立って積極的に取り組んでいく決意でございます。

○森田委員 私の方からは、公共工事の入札・契約に関連して少しお伺いしたいと思っております。
 平成十三年にいわゆる入札契約適正化法が施行され、以来、全国でさまざまな制度改善が取り組まれていると思います。私たちも、ことしも多くの団体からいろいろ意見を聞きました。その中に、やはり入札・契約制度に対する意見が随分出されてまいりました。まあ、パイが小さくなっているので、なかなか業者の皆さんにとっても厳しい契約状況なんですけれども、その中でも何とか自分たちが生き残っていくために、悲鳴に近いような訴えも中にはありました。
 そんなんで、この入札制度の改善策についてきょうは伺いたいと思うんですが、まず最初に、昨今の都における入札・契約制度の改善において、どのような取り組みを行ってこられたのか、基本的な考えとあわせて、主要な取り組みについてお伺いしたいと思います。

○山本契約調整担当部長 都は、入札・契約制度の適正化を図るため、公平性、透明性、競争性の確保、適正な履行の確保及び不良不適格企業の排除の三つを基本的な考え方として、さまざまな改善策に取り組んでまいりました。
 まず第一に、公平性、透明性、競争性の確保を図るため、平成十四年度から、一般競争入札の実施範囲を、予定価格二十五億円以上から九億円以上へ拡大するとともに、予定価格の事前公表についても、七億円以上から二百五十万円を超える工事まで拡大いたしました。
 第二に、適正な履行の確保ということでは、良質な履行を目指して、総合評価方式、VE方式などの民間技術力を活用した制度を順次導入してきたほか、平成十五年度におきましては、下請企業へのいわゆる丸投げを防止するため、特定建設業許可の入札参加条件化などを実施しました。
 第三に、不良不適格企業を排除するため、平成十五年度から、工事成績評定制度を積極的に活用いたしまして、成績不良企業への指名停止措置の強化、成績優良企業への優先指名のインセンティブ付与などの取り組みを実施してきております。
 さらに、こうした三つの考え方に基づく取り組みを支援するため、電子調達システムの導入を計画的に推進しておりまして、現在、電子入札システムの本格実施に向けて取り組んでいるところでございます。

○森田委員 この入札・契約制度については、先日の決算委員会でもちょっと取り上げられておりました。そこで取り上げられたのは、最近、同額入札が大変に多い。で、最終的にくじで決まってしまう。したがって、最近、会社では、社員を採用するのに、くじ運の強い人を採用したいというような動向もあるように聞いているというような質問がありましたけれども、そういうことも含めて、制度改善について都が現在取りかかっている課題、また、改善された内容でどのような効果があり、どのような目的を持ってやっているのか、その辺をお伺いします。

○山本契約調整担当部長 都のこれまでの改善の取り組みによる効果につきましては、制度改善に取り組んでから日が浅いということもございまして、なかなか詳細に分析して申し上げられない面もございますけれども、数字的には、工事の落札率が平成十三年度において九四・一%になっておりましたけれども、それが平成十四年度は八九・七%、平成十五年度は八九・六%に下がっております。
 また、工事成績評定制度の活用によりまして、平成十五年度では成績不良企業が八十三者、成績優良企業が百三十八者となっております。
 これらのことから、総じていいますと、制度改善に向けたさまざまな取り組みによりまして、コスト縮減の効果や不良不適格企業の排除、優良施工の促進に寄与できたものと推察しております。
 また、電子調達システムの導入につきましては、先ほどもご答弁いたしましたとおり、ただいま推進を図っておりますけれども、入札参加者が集まらないで済むことから、談合の防止であるとか、あるいは競争性の向上などにいい効果が期待できると考えております。
 お話のございました、くじの多発という点については、ただいま、価格だけでなく技術力等もあわせて評価をする、そうしたような評価方法について検討する中で、そういったくじ対策としても有効な手だてを講じていきたいというふうに考えております。

○森田委員 まだ検討の初めで、それほどたっていないので、はっきりしたことはいえないというふうにおっしゃっていますけれども、私も電子入札に絡んでかつて伺ったこともあるし、入札制度については随分今まで取り上げられているので、これはやっぱり早急に改善すべきは改善しなくてはならないのではないかなというふうに思うんです。
 いろいろ取り組んではきているけど、なかなか難しい課題が多いことはよくわかりますけれども、最初におっしゃったように、公平性とか公開性、透明性、そういうようなさまざまな改善を含めて、どうしたらいいのか。これは財務の皆さんが真剣に考えていらっしゃるでしょうけど、さまざまなご意見を伺って、そして改善を早急にやるべきだなというふうに思います。
 一つ具体的にお伺いしますが、いわゆるペーパーカンパニーのようなものがあるやに聞いています。事務所はあるけれども、電話一本で、社員もいない、そういうところも入札に応札して落札するというようなこともあるようですが、そういうペーパーカンパニーのチェックなんかは具体的にどのように進めているのでしょうか。

○山本契約調整担当部長 都の発注工事において適正な履行を確保するためには、受注企業の適正かつ十分な施工体制が確保されていることが必要でございます。建設業法におきましても、受注工事の施工管理を行う監理技術者を、受注企業が直接的かつ恒常的に雇用していることが義務づけられております。
 お話にもございました、いわゆるペーパーカンパニーには、常時雇用している職員がいないケースがございまして、東京都は、この直接的かつ恒常的雇用関係の確認を入札参加者に対し行ってきております。本年十月からは、この恒常的期間の取り扱いを、工事希望申込日の三カ月以上前から雇用関係にある者といたしまして、より厳格に確認作業を行うこととしたところでございます。

○森田委員 そのような不良不適格企業などのチェックはさらに厳しくやっていかないと、まじめにやっている人たちが損をする、こんなような形はやっぱりまずいんで、ぜひその辺はしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 引き続き制度改善についてしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、今取り組むべき課題及び今後どのような方向で取り組んでいかれるのか、その辺についてお伺いします。

○山本契約調整担当部長 工事契約は、長年にわたり利用する公共施設を整備することから、良質なものをできるだけ低コストで調達するということが本来的な目的と認識いたしております。したがいまして、今後とも、不良不適格企業を排除し、コスト縮減とあわせて品質の確保を図っていくことが、引き続き大きな課題であると考えております。
 そのため、不良不適格企業の排除につきましては、工事成績評定制度をさらに活用いたしまして、成績不良などの不良不適格企業の情報を集約した、企業情報センターとも呼ぶべきデータバンクを構築するとともに、施工不良を繰り返す企業に対しましては指名停止措置の強化を検討するなど、対策の強化を図っていく考えであります。
 また、くじ引き対策ということでも申し上げましたけれども、価格だけでなく企業の技術力などをあわせて評価する総合的評価の手法を用いた簡易な制度につきましても、ただいま鋭意検討を進めているところでございます。

○森田委員 今のご答弁の中に出てきたデータバンク、これがないと、なかなか企業の評価というのはできないわけです。当然、今も財務局はデータを持っていらっしゃると思うんですが、改めてデータバンクをつくる、これからデータをそろえてデータバンクをつくるのか、今あるデータを電子化して、そしてそれをデータバンクにするのか、そのデータバンクの作成方法というのは何か考えていらっしゃいますか。

○山本契約調整担当部長 データの集約ということでございますけれども、これまでは、各局が個々にそういった工事成績等のデータを集約してございました。今現在、私どもとしては各局に対しまして、そうした情報を提供していただきまして、財務局といたしましてオール都庁のそうした工事成績について、これを整理していこうということで、ただいま各局からのデータについて入手しております。今後それを電子化いたしまして、その上で、そういった指名等の契約手続に活用していきたいというふうに考えております。

○森田委員 データバンクの使い方については今後検討されていくんでしょうけれども、データだけ集めても、そのデータをいかに有効に使うかということが非常に大事なんで、業者の中からまた不満や不平や、あるいは不透明なことが出ないように、ぜひしっかりデータバンクを活用していただきたいなというふうに思っております。
 それともう一つ、総合的評価の手法を用いるというふうにいわれておりますけれども、私かつて、電子システム、コンピューターのシステムに関しての入札で、物すごい低額入札、そして、一回取ると、そのあるメーカーが継続してサービスを継続する、そこで安く入札したやつを取り戻すというようなことがあるということで、取り上げた結果、そういう電子システムについては、現在、都庁は総合評価制度を用いて、単なる金額の競争だけではなくて、技術力とかさまざまなことで評価して入札業者を決めているというふうになったと聞いています。これは非常にいい方法ではないか。単なる金額だけの競争ではない。ここでおっしゃっている総合評価の手法というのはそういうことだと思うのですが、これについてもう少し詳しくお話を伺えればというふうに思いますが、どうでしょう。

○山本契約調整担当部長 総合的評価の手法を用いた簡易な制度でございますけれども、現在、関係部署を含めてプロジェクトを形成いたしまして、内容等について検討を進めているところでございます。年度内には検討結果を取りまとめまして、案件を抽出して試行を行いたいというふうに考えておりまして、それに向けて、ただいま関係者と鋭意議論を続けております。

○森田委員 総合的評価制度を、年度内に行うというふうにとらえてよろしいですか。

○山本契約調整担当部長 総合評価制度というのはもともと契約の制度の中であるわけですけれども、それ自体につきましては、非常に手間暇かかって、なかなか時間もかかるというようなことがございまして、私どもではさらに、より簡易な方向で、価格だけでなくて技術力等も考慮した中で契約を、手続を進めていきたいということで検討しておりまして、今そういったような中で検討を進めているところでございます。
 ただいまございました、今年度内にというお話でございますが、年度内にそういった総合評価の内容、簡易な総合評価の手法についてのやり方をどうするのか、あるいはその評価をどうするのかといったようなものを詰めまして、その上で、具体的な案件を幾つか選定をした中で、試行的に取り上げた中でやっていきたいということでございます。

○森田委員 もう終わりますけれども、契約の制度というのは、東京都という大きな自治体の中におけるこの契約制度の改革というのは、非常に大事なことですし、業者の皆さんも非常に気にしているわけです。したがって、本当に公平性、透明性が持たれるような改革を早急にやった上で--パイが小さくなっている中での競争が非常に厳しくなっている、あるいはシビアになっている、こういう中でのことですので、ぜひ早急に取り組んでいただきたいし、皆さんが納得できるような入札のあり方を早急に検討して、実現していただきたい、このことを要望して、質問を終わります。

○酒井委員 私の方からも、東京都における入札・契約制度及び電子調達、電子入札を含めた制度について数点お伺いさせていただきたいと思います。
 まず初めに、東京都では今年度より本格的に電子調達、入札といったものを実施しておりますけれども、その評価についてはどのようにとらえているのか、お答えいただきたいと思います。今、森田副委員長の方からも質問がございましたけれども、もう少し詳しくご答弁いただければと思います。

○山本契約調整担当部長 電子調達への評価でございますけれども、インターネットを利用したことによりまして、都の窓口に出向かずとも情報収集や申請、入札ができるようになりました。また、経営事項審査結果や工事実績情報サービスなどの外部データベースを利用することにより、提出書類が大幅に削減されたことなどから、事業者の負担が大幅に削減できたと評価しております。
 電子入札につきましては、まだ導入から日が浅く、件数が少ない状況にありますけれども、導入により入札参加者同士が集まらずに済むことから、談合の防止や競争性の向上、透明性の向上に資するものと考えております。

○酒井委員 今のご答弁によりますと、どちらかというと、行政側というよりも業者の側に一定の導入の効果が、現在のところ認められているのかなと思うわけですけれども、この電子調達といったものを今後これから拡大していく上で、例えば、現状における--私も電子調達のホームページを見せていただきましたけれども、日によってはなかなか画面が表示されないといったことであるとか、また、国においては、電子証明書の記録媒体といったものにICカードを使っているわけですけれども、東京都においては、データが消失しやすいといわれておりますフロッピーディスクを使っている、そういった点など、何点かの検討課題もあると思います。
 東京都としてどのような検討課題があるとお考えになっているのか、また、それに対して、今後どのように対応していくお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○山本契約調整担当部長 電子調達システムでは、ただいまご指摘にあったとおり、ページの表示が遅くなったり、電子証明書が破損したりすることがございます。ページの表示のおくれの原因といたしましては、インターネット経由の経路の混雑度、サーバーへのアクセスの集中など、さまざまな要因が考えられます。
 その対策といたしまして、システムの安定稼働に努めるほか、集中化対策として、システムの運用時間を延長することも検討していく考えでございます。
 また、お話にありました電子証明書の記録媒体、東京都はフロッピーディスクをやっておるわけです。ICカードに比べて事業者の初期負担が格段に小さいということで採用した経過がございますけれども、壊れやすいという弱点がございますので、破損対策として電子証明書のバックアップを認めたところでございます。
 さらに、システムの課題といたしましては、電子証明書の規格の統一という問題がございます。十二月から運用が始まる東京電子自治体共同運営のシステムでは、東京都と共通の電子証明書を使用できますけれども、国や自治体によりましては電子証明書の規格が異なるため、操作方法も違ってまいります。このため、事業者がシステムの違いを意識しないで済むインターフェースの統一化と、そのための電子証明書の規格統一に向け、ただいま国などが多く採用している電子入札システム、通常コアシステムと呼んでおりますけれども、その開発を行っている財団法人日本建設情報総合センターと協議を行っております。

○酒井委員 ただいまご答弁をいただきまして、東京都としての検討課題、また、それに対しての対応の状況等についてはわかりました。
 今後、この電子調達といったことや、また入札といったものを拡大していく上で大切なことの一つは、やはり入札業者が安心して入札に参加できるような基準を公表していくことでもあると思います。
 現在、電子入札のページの中には、運用基準や入札参加者心得といったものがダウンロードできるようになっておりますけれども、これらの基準の中には、入札の到達主義といったものが明記され、また、通信障害による特例として、紙入札への切りかえ等については記されておりますけれども、例えば、入札締め切り間近での通信障害時における責任負担については明記されておらず、また、国においては表示されております、ウイルス等にかかわる取り扱いにおける言及もないなど、まだまだ将来に向けての課題があると思います。
 そこで、都における基準全般の公表ということについての取り組みをお伺いしたいと思います。

○山本契約調整担当部長 運用基準や入札心得では、指定の時刻までに入札書が都のサーバーに到達しなければならないとしております。そのため、インターネットのトラブルによる時間切れを避けるため、事業者には早目の送信を奨励しているところでございます。
 ウイルス対策につきましては、現段階の電子入札では、入札書のみを暗号化して送信する仕組みのため、ウイルスが混入するおそれがありません。このため事業者には特段のアナウンスは行っておりません。今後、積算内訳書等のファイルを入札書に添付することを予定しておりますけれども、この場合にはウイルスが混入する可能性が出てまいりますので、その段階で、ウイルス混入ファイルの取り扱いについて注意を喚起したいと考えております。
 今後とも、電子入札の拡大を進める中で、運用基準や入札参加者心得で追加する必要性のあるものにつきましては、順次整備いたしまして、直ちに公表していきたいというふうに考えております。

○酒井委員 ただいまご答弁いただきましたが、ぜひとも業者の方々が安心して入札に参加できるような、その基準の公表といったものを今後ともさらに進めていっていただきたいと思います。
 次に、この電子入札になじめないIT弱者ともいうべき業者に対する、現在及び今後の対応についてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。

○山本契約調整担当部長 電子調達の導入に当たりましては、申請等は事業者みずからの責任で行うことを主眼といたしまして、過去データの活用による入力の簡略化、経営事項審査結果や工事実績情報サービスなどの外部データの活用による提出書類の削減などによりまして、事業者の負担軽減を図っております。
 また、システムの操作への支援といたしまして、操作説明会を開催しているほか、操作問い合わせ専用窓口を用意して、事業者からの問い合わせに対応しております。
 今後とも、事業者への適切なサポートに努める考えでございます。

○酒井委員 今のご答弁によりますと、この電子調達システムといったものは、より多くの方々が自分の責任で参加しやすい制度にしていくということが基本であると思うわけですけれども、実際の問題として、現実に電子入札になじめない業者の方々がとり得る対応の一つとして、行政書士等の代理人といったものを活用することも考えられるわけです。現在、都のシステムにおいては、ホームページ上で見る限りにおいて、代理人についての規定であるとかシステムについては整備されていないようですけれども、その点についての見解をお伺いいたします。

○山本契約調整担当部長 電子調達システムの開発に当たりましては、先ほどお答えいたしましたとおり、申請は事業者みずからの責任で行うことを主眼といたしまして、入力の簡略化、提出書類の大幅削減など、事業者負担の軽減を図ってきております。このため、特別の代理申請用のシステムは用意しておりません。
 しかしながら、競争入札の参加資格申請に際しまして、何らかの事情で申請書の作成に補助が必要な場合には、事業者がダウンロードした資格申請プログラムを行政書士が預かり、申請書の作成を代行することは可能でございます。国や他の自治体のシステムでも、東京都と同様の取り扱いとなっておりまして、今後、ただいまお話のありました、行政書士等の代理人の取り扱いにつきましては、国などの動向にも注目してまいります。

○酒井委員 今、代理人の件に関しましては、現状の運用の中でダウンロードをして、いわゆる代行という形で行政書士等による作成も認めているということと、今後、国や他の団体等の動向を注視していくといったご答弁があったわけですけれども、この問題については、一回一回の入札といったことはともかくとしまして、今、ご答弁の中にもあったように、入札参加資格の審査申請等については、これまでの紙による申請時においても、その作成の代行等が多く行われている。現実においても、この作成代行等については東京都も容認しているということですので、ぜひとも今後、この電子調達システム全般における利便性といったものを向上させるために、代理人等の取り扱いについても、国、他の団体等の動向も注視しながら、東京都としてぜひとも検討していただきたいということをご要望申し上げます。
 次に、この電子入札等についての利用者の利便性の観点から、東京都の外郭団体である東京都住宅供給公社等、そういった団体についての電子入札においても仕様を統一するべきであると考えますけれども、都として対応や指導をしているのか、お伺いいたします。

○山本契約調整担当部長 外郭団体が電子調達システムを開発する際には、東京都のシステムの仕様を公開しておりまして、仕様の統一化に努めております。
 しかしながら、お話もございました東京都住宅供給公社のそのシステム化に当たりましては、契約事務の規模、仕組みが都と大きく異なり、都のシステムをカスタマイズすると、新規開発に比べて時間と経費が非常に大きくかかるということで、独自のシステムが開発されております。こうした個々の事情がございますけれども、今後とも、外郭団体との仕様の統一につきましては、利用者の利便性を高める観点から取り組んでまいります。

○酒井委員 なかなか根本的なシステムといったものを統一することは難しいことはわかりましたけれども、利用者の立場から見て、電子証明書の問題であるとか、またインターフェースの統一の問題など、ぜひとも利用者が参加しやすい電子調達にしていただきたいと思います。
 次に、電子調達については最後の質問になるわけですけれども、物品の調達に関して、リバースオークションといったものの導入について考えられないか、お伺いしたいと思います。
 このリバースオークションという言葉、まだなかなか耳になじんでいないことであると思いますけれども、通常のオークションですと、こういった出品物、例えば手帳、出品されたものに対して、どんどん競りをして値段を上げていくわけですけれども、逆に、東京都がこういうものが欲しいんだといったときに、逆に競って値段を下げていってもらうという意味で、リバースオークションということが民間の企業では既にやられているわけですけれども、東京都としてこういったものを電子調達の制度の一環として行い得ないのかどうか、お伺いしたいと思います。

○山本契約調整担当部長 リバースオークションの提案でございますけれども、現行の地方自治法において、地方自治体が競争により契約できる手法が、一般競争入札、指名競争入札など、制限列挙されており、リバースオークションをこれらの競争入札と同列に位置づけるということはなかなか困難かなというふうに考えております。
 また、リーバースオークションを、最低価格を提示したものと随意契約することととらえることができますけれども、地方自治法施行令に定められている随意契約が可能な場合には該当しませんので、これについても困難かと考えております。

○酒井委員 今の答弁ですと、現状の法令の中ではなかなか難しいという話であったわけですけれども、電子調達ということに関しても、十年前にはその言葉もなかなか聞いたことがなかったといったような状況もあるわけですし、現行の制度のこういった枠内だけではなく、こういった新しい手法もあるということを、ぜひ頭にとどめていただきたいと思います。そして将来、国等において制度改正があったときに、東京都としてもそういった対応がとれるように準備を進めていただきたいということもありますし、ぜひとも東京から国を変えていくという観点からも、新たな取り組みをしていただきたいと思います。
 以上、今まで電子調達についてお伺いしてまいりましたけれども、この公共調達においては、都民の税金を執行するという観点から、透明性、公平性そして競争性といったものが求められることが原則であると思います。しかし一方、受注業者の採算を度外視した落札により、そこで働く労働者や、また下請業者の最低限の生活を脅かすようなことがあってはならないと考えます。その観点から、何度となくいわれていることではありますけれども、現状の入札・契約制度における問題点について何点か見解をお伺いしたいと思います。
 現在、物品の納入また役務の提供については最低制限価格が設けられておりません。そのため、ただ単に完成品を右から左へと移転するというだけではない、印刷業者などの業種については、労働者の賃金にも影響が出るような事態になっております。また、ビルのメンテナンス業など人的労働に頼っている業者についても、最低価格での落札がそのまま労働者の賃金に影響を与えてしまう。このような業種に対して、東京都として労働者の生活を守るという観点から、最低制限価格を設定することができないものなのか、お伺いしたいと思います。

○山本契約調整担当部長 自治体の契約は、経済性の原則に基づき、競争入札により、予定価格の範囲内で最低の札を入れた者と契約するのが原則となっております。しかしながら、落札となる入札価格が不当に低い場合、契約の履行が十分に行われず、品質の確保ができないなど、不測の損害が発生するおそれがございます。
 そこで、あくまでも例外的措置として、原状回復が難しい工事などの請負契約に限りまして、あらかじめ最低制限価格を設定し、それよりも低い金額で入札した者を排除することにしております。
 お話がございました印刷あるいはビルメンテナンスにつきましては、仕様書に基づく必要な指示を行うことで履行を確保することができるというふうに考えておりまして、そういった観点から導入していないものでございます。

○酒井委員 次に、工事案件についても、大手建設会社から仕事を回される下請また孫請といった中小企業においては、労働者の賃金を確保できないような場合もございます。いい方は悪いわけですけれども、末端の労働者の最低賃金が保障されるような公契約制度の見直しといったものも行われるべきと考えますが、ご見解をお伺いします。
 さらに、中小企業の参入機会を確保するために、分離分割発注についてもさらに推進をしていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。

○山本契約調整担当部長 公契約は、公的業務に従事する労働者の賃金確保などを発注者に求めるものでございます。現在、日本では、この公契約を批准するILO九十四号条約について批准はしておりません。したがいまして、労働者の労働条件につきましては、労働基準法や最低賃金法などの労働関係法規がその役割を果たしております。最低賃金額は、これらの法制度に基づき決定されるものでございまして、発注者として関与することではないというふうに考えております。
 分離分割発注につきましては、東京都はこれまでも、工事等が適切に施工できる範囲で、可能な限り契約案件を分離分割して発注しており、今後も、中小企業の受注機会の確保に努めていく考えでございます。

○酒井委員 最後に、工事におけるもう一つの問題点として、工事現場における交通誘導員の問題があります。現状の契約制度の中では、工事に付随するものとして、工事単価の中に交通誘導員の費用も組み込まれております。本来、交通誘導員といった方々は、工事現場における安全性の確保と円滑な交通の確保のために必要不可欠な存在であると思います。しかし、現在の契約制度の中では、工事に付随するものとして、都から直接発注されるのではなく、元請の工事会社から発注されるため、どうしても主従の関係が生まれ、現場では、交通誘導員が本来の仕事ではない資材の運搬といったものを手伝わされたり、また、入札における見積金額より安価で発注されることが多く、警備会社の中には、この交通誘導員の健康保険も掛けることができない状況にあると聞いております。このことは、労働者としての最低限の保障もされていないということのみならず、いいかえれば、発注者としての都は、現実よりも高い公共事業費を払わされていることにもつながるのではないでしょうか。
 こういった状況を変えていくために、交通誘導員については直接発注するなど、分離分割していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○山本契約調整担当部長 交通誘導員の業務は、工事現場及びその周囲での事故を未然に防止するため、工事請負企業が施工管理の一環として直接責任を負うべき重要な安全管理業務でございます。東京都が行う工事監督業務におきましても、安全管理体制を確認しておりまして、交通誘導員業務につきましては専属で従事することが要件とされ、今後とも、その徹底が図られるよう指導することとしております。
 このような業務の性格から、工事請負契約と別に分離分割発注する業務としては適切でないものと考え、これまでも一体業務として発注してきております。

○酒井委員 ただいま最後に質問いたしました、最低制限価格設定以後の質問に対する答弁については、発注者側といいますか、また、納税者という観点からは理解ができる、そういった答弁であるとも思いますけれども、実際に仕事をする業者であるとか、そこに働く労働者の生活権まで脅かすような競争が行われる制度では、中小企業や労働者、都民の生活の向上は望めないと思います。
 調達を業務としております財務局の担当者の方に、政策誘導に調達制度といったものを絡めることを求めることにも多少無理があるかとも思いますけれども、東京都として、都内業者や都民労働者の最低限の生活を守った上での公平性、透明性そして競争性のある調達制度を推進されることを、局長に強く要望をいたしまして、今回は質問を終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○松村委員 この財務局リーフレットについて、私の方からも最初にお伺いし、あと、中小企業支援、契約についても伺わせていただきたいと思います。
 まず、私も、この財務局リーフレット「景気の回復は、都財政・体力回復のチャンス!」、この発行をした意図を伺いたいと思っているんですけれども、先ほど答弁がありました。ただ、なぜこの時期にということについては明確な答弁がなかったような気がするんですけれども、なぜ今の時期なのか。もう少し都税収入の見込み、例えば十一月末の法人の決算とかがはっきりすれば、これはもう主税局もはっきり来年度の都税収入が出てくるわけですが、そういう時期を待たずに、なぜこの時期なんでしょう。

○熊野主計部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、本委員会から、財政状況について都民に情報を提供すべきだというふうなご意見があったことを踏まえたこと、それから、現在、都税収入の見込みについてはまだ不透明でございますが、いずれにしろ、もう既に来年度の予算編成作業は始まっておりますので、そうした時期をとらえて、都民の皆さんと関係者のご理解をいただきたいというのが趣旨でございます。

○松村委員 景気回復は堅調だと、先ほどもるる答弁がありましたので、改めて聞きませんけれども、この数年はそういう形でまだ不安定要因もあるとしても、とりあえず来年度の都税収入の見込みあたりは、例えば現時点でどのぐらい伸びるのか。
 この二ページ目でグラフを出しておりますけれども、都税収入のこの間の二十年ぐらいの推移を見ますと、やはり確かにおっしゃるように、景気の波によってこういう波形を描いておりますよね、こんなに極端じゃないような気がしますけれども。しかし、ちょっと上向けば、年間四千億ぐらいの増になったり減になったりということですから、例えば来年度の都税収入の見込み、どのぐらいだというふうに財務局としては推定または試算などをしているんでしょうか。
 そして、やはりそういう点を的確に踏まえながら、これからの財政運営の方針をどうするのか、特に今、来年度の予算編成時期だというんですから。やはり予算というのは単年度ですよね。単年度、その都度の収入、それに見合ってどう支出するのか。単年度収支が大原則ですから、そういう点は今後の--特に来年度の財政運営方針というものを立てて予算に反映するというのだったら、そこは的確に見きわめながら、きちっと出すというのが本来なんでしょう。まだ不確定要因があるといいながら、一方においては、予算の時期だから、都民要求を押さえ込む、私たちの言業でいわせてもらえば、そういう役割を、意図的にというか、そういうのを意図したものなのかなと。今までも、財政が厳しいから都民も痛みを我慢をと、さんざん我慢させてきたわけですよね。そういう点ではやはりチャンスだから、今まで我慢してもらったものを、せめて本当に切実な、命にかかわる問題だったら、やっぱりそれは少しはこういう形で回復しようとか、都民にそういう希望ある方向を示してもいいんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、それは違うんだというような色彩が強いですよね。そういう点についてはいかがなんでしょうか。

○熊野主計部長 来年度の税収見込みでございますけれども、私ども、主税局から聞いている範囲では、十一月末に申告される三月決算法人の予定中間申告の状況などを見きわめる必要があり、現時点では確たることを申し上げる状況にはないが、最近の企業収益等の状況を勘案すると、堅調に推移するものと考えている、というふうに聞いております。
 したがいまして、具体的な額を今申し上げることはできませんけれども、私ども財政当局といたしましても、税収増は期待するところであります。
 しかしながら、やはり財政運営というのは、これも本会議で知事から答弁申し上げておりますが、来年度の税収がどうなるこうなるということに一喜一憂することなく、中長期的な視点に立って行うべきものであって、したがって我々としては、財政構造改革、将来の都民サービスを安定的に供給できる体質をつくるんだということで引き続き取り組んでまいりたいと思っておりますし、一方、その都民サービスについて申し上げれば、今、都民が真に必要とする繁急かつ重大な課題については重点的に財源を配分していくということは、依命通達でも方針を申し上げております。

○松村委員 ここでは所管局じゃないから繰り返しませんけれども、例えば今までの第一次財政再建、今度は第二次の初年度というか、始まっていますけれども、結論的には後で述べたいんですが、財政再建団体に転落するんだ、そうすれば、国のナショナルミニマムですか、そういう数字に合わせて、今まで積み上げてきた都の独自の、本当に都民に喜ばれる施策も、全部やっぱり国基準に合わせるんだ、そんなことよりも、やはり都独自の福祉の再構築だと。
 しかし、そういいながら、今までの例えば福祉の十事業などでも、切る方は切って、一方、充実させますといった施策などは、四割も達成していないですね。それも、一定の財政が厳しいからだというんで抑え込まれている。やっぱりそういうのを、きちっと約束どおり、来年度こそはしっかりやるとか、そういう方向こそがやはり--正しい財政運営方針を都民に知らせる、広く都民に知らせることが大事だというんだったら、そういうことこそが、今、財務局としてもやらなきゃならないことだったんじゃないかというふうに私は思っております。
 それでもう、総論的には、最後に意見等は述べますので、この中身に入っていきたいと思うんです。
 この二ページ目の税連動経費、先ほども質問がございましたけれども、税連動経費がふえて都の可処分所得が減っているといいますけれども、この間、都の仕事も区市町村に移しているわけですよね。仕事が減っているのだから、その分、都の使えるお金が減っても不思議ではないというふうに私は思います。むしろ区市町村のいい分といいますか、区市町村がいっている、おろした仕事に見合った財源を都はよこしていない、というのが実態なのではないでしょうか。いかがですか。

○熊野主計部長 この間、税連動経費も、利子割交付金の創設であるとか、あるいは地方消費税交付金の創設であるとか、そういった制度改正がありましたので、区市町村に交付する額が、割合が増加するということは、まあ、いたし方ないことではございます。
 ただ、私どもがここで一番申し上げたいことは、税連動経費が増加していることもさることながら、都税収入の四分の一は区市町村への交付金として交付されるわけでございまして、我々、例えば仮に一千億増収があっても、そのうちの四分の一は区市町村に交付されて、我々が実際使える税は七百五十億しか残らない。いわゆる可処分所得は、皆さんが思っているほどないんですよということを、都民の皆さんにご理解いただきたいための表でございます。

○松村委員 まあ、説明を聞けば、そういういい方もあるかなということですが、いかにもこれ、区市町村分がふえて、都の所得というか収入というか、それは減る一方なんだということですけれども、私が今ちょっと質問したのは、例えば清掃事業なども区移管しましたよね。それに伴って当然、財調の取り分、区が五二%ですか、配分割合を変えているから。これは、仕事に伴って、やはり区などがやる財源がふえているというのは当然なんですよ。その分だけ東京都が使える金が減ったといったって、東京都の仕事自体が減っているではないかということ、これはもちろん事実ですよね。
 それと、この平成十五年度での四分の一といいますけれども、この不況の中で、東京都の法人二税などのそういう都税収入が減っていますよね。しかし、今、景気がよくなりつつあると。じゃ、それが回復すれば、その法人二税などが同じ割合で区市町村に四分の一配分されて、この比率割合は変わらないというんですか。そうじゃないでしょう。例えば財調基金などでね--それはだから調整三税がありますよ。でも、どちらかといったら、区市町村の分は、区市町村というのは、大体税の配分の仕方も、より固定的というか、義務的なものが多い。やはりそれだけ安定的な財源を、今の国の、不十分であっても、税財源制度では保障しているんですよ、広域行政の都道府県よりも。だから、都道府県の場合にはそういう法人税などによっていますけれども、区市町村は固定資産税だとか都市計画税だとか、より安定的な、消費税もその安定的というかね、入ると思いますよ。
 今、東京都に入る所得、法人二税だのを中心として落ち込んでいるんですけれども、しかし、逆にこれが回復して、ふえれば、引き続きそれが自動的に区市町村の方で、相変わらず東京都は四分の一なんだ、可処分所得が少ない、そんなことにはならないんですよ。そういう性格なものを、もっときちっと都民に知らせる、区市町村にも理解してもらうというんだったら、そういうことを出すベきじゃないですか。
 だから、この表についても、区市町村側からも抗議というか、こういうことを一方的に、何か区市町村の財源はふえて、東京都は減っているんだと--元来やるべき仕事の割には財源をおろさないという、そういう批判につながってきているんだというふうに思います。

○熊野主計部長 それは先生のおっしゃるとおりで、法人二税がふえれば、四分の一は減るかもしれませんが、逆に、法人二税が減れば、もっとふえるかもしれません。ただ、現状で四分の一というのは事実でございますので、それをご理解いただきたいということでございます。
 それと、区市町村との関係で申し上げますと、確かに今、都区の間で五二%をどうするということで議論しておりますので、余り立ち入ったことは申し上げられませんけれども、いずれにしましても、仕事の量に見合った財源配分になっているかどうかということは、我々としてはこれから議論していきたいというふうに切に願っておりまして、そのために、先般発行した「今後の地方財政を考える」でも、特に都と区市町村の関係を取り上げて、都から区市町村に対する支出金も含めて実態をお知らせして、今後の議論の素材としたところでございますので、ぜひとも今後議論していきたいと思っております。

○松村委員 話を進めて、この〈参考〉都財政の健康度チェックというのもありますので、これについても伺いたいと思うんです。
 経常収支此率が九七・九%、だからバッテンで、健康度チェックは悪いんだということをいいたいんでしょうけれども、これは、九七・九%ということは、平成十五年度ですね。十四年度、その数字はどうだったんでしょうか。それから、公債費の経常収支比率では、十四、十五でどうなっているでしょうか。

○熊野主計部長 十四年度の普通会計決算の経常収支比率は九六・九%でございました。十五年度九七・九%となりましたので、一ポイント悪化したということでございます。
 そのうち公債費の経常収支比率を申し上げますと、十四年度一八・五であったものが、十五年度一八・八というふうになっております。

○松村委員 十四年度の普通会計決算の資料で、これはちょっと私の理解不足でしょうか、事前に説明をよく受けなかったんですけれども、この経常収支比率は、これは普通会計だと思うんですが、九四・六という数字があるんです。これは十四年度。今、九六・九といいましたね。九四・六ではないんですか。私のこれ、(資料を示す)十四年度の決算、財務局のこの……。

○熊野主計部長 経常収支比率を計算する場合に、いわゆる減税補てん債を経常一般財源に加えるか加えないかという考え方の相違がございまして、先生がおっしゃっているのは、その減税補てん債を一般財源に加えた場合の数字でございまして、十四年度九四・六、十五年度九三・六ということでございます。ちなみに、そのときの公債費の経常収支比率を申し上げますと、十四年、十五年とも一八・〇、同率でございます。

○松村委員 私もそれほど財政の専門家じゃありませんけれども、使う数字によって、何が正しいのか。経常収支比率が非常に大事な指標だと、それによって今の財政の健康度のバロメーターだというんで、東京都の決算状況の資料を見ても、今私がいったその数字が大体載っているわけですよ。今、財務局はまた、それを入れない数字というんで、その意味合いは何なんですか。この数字を一たん出しているけど、それは、健康度というか、財政の今の健康度の指標にはならないんでしょうか。ならないものを全国統一で普通会計決算としてね。意味のないものだったら、わざわざ載せる必要はないというふうに思うんです。
 何か、そうなってくると、財務局は、都合のいい数字じゃないけど、より厳しいというか、大変だということを強調する余り、こっちの数字をとってみたり、どうもそういうことになるんじゃないかと我々素人が受けとめるのは、違うんですか。

○熊野主計部長 先生ご案内のとおり、減税補てん債は国の恒久減税等にかかわる起債でございますので、本来、税でやるという考え方からすれば、経常一般財源に含めるべきであるし、本来やっぱり起債なんだから一般財源ではないというふうに解釈すれば、これは分母の経常一般財源からは除かれるべきであると。
 で、私どもは後者をとって、九七・九という数字をお示ししてございますが、これは、本来であれば加えれば九三・六であるのに、高く示そうというふうな意図は全くございませんで、私どもとしては、九三・六であろうが九七・九であろうが、経常収支比率が高くて、今、その硬直性が高まっているんだということについては、全く同じでございます。
 経常収支此率が何%が適切であるかにはいろいろ説があって、定説はございませんけれども、一般的にいわれているのは、やはり八〇%程度、これを下回らないと健康体ではないというふうにいわれておりますので、ここで先生がご指摘の点は、言葉はちょっと悪いかもしれませんが、瑣末な数字の違いではないかと思います。
   〔「意味がないそうです」と呼ぶ者あり〕

○松村委員 そんなことないでしょう。だって、ここへだって、目標は九〇%以下というようなことを、一方ではそういう目標まで揚げながら……。我々だってそういう立場から、じや、どういう財政を組んだらいいかとか、予算なのかというのを必死になって取り組んでいるのに、瑣末だとかそんな、それこそ、その言葉をお返ししておきますよ。
 それで、逆に、今、公債費の収支比率も聞きましたけれども、一八%を超えていますよね。公債費は今、一般財源も本当に多額になっていますし、相当財政に対して、それこそ硬直化というか、実際、経常収支比率の中に占める、例えばこの九七%とか、こちらの数字で出せば九三・六%の中で、一八%を占めている。ですから、その公債費の比率を半分にすれば、この目標で掲げる合格点というか、足りると。
 だから、やはりこれを引き上げているのが、例えば、よく皆さん方がいろいろ論議がある職員費だとか人件費、その他補助費だとかいうのが含まれていますけれども、やはりこれで見ても、東京都の場合には公債費のここのところが、経常収支比率を大きく引き上げている。やはり、がんになっているというか、要因なんですよ。私、今度、機会があれば全国比較もやってみたいと思います、人件費だとかね。やはりここの決算から見ても、今いかに--これはもちろん過去の、膨大な起債をした都債の、そういうしわ寄せというか負担が今きているという結果ではあるにしても、やはりそこに問題があるんだと。だから反省すベきは、補助費がもう硬直して根雪のようになっているとか、人件費が云々とか、盛んにそういう論議をされますけれども、やはり東京都のこういう財政危機をつくり出した主要な要因は、過去の、バブル期の、バブル期が終わって税収が完全に落ち込みながらも、大きな開発事業に膨大な都債を発行して、借金してまでやってきた結果だと。やはり今、都財政のこういう経常収支比率を見たりした場合の問題点だというんだったら、そこにこそ、財務局はそういう分析をしなくちゃならないのではないでしょうか。

○熊野主計部長 バブル崩壊後に発行した大量の起債が今の財政状況を苦しくしているというのは、これは事実だろうと思っております。ただ、ご案内のとおり、経常収支比率の分析に関して、今ご指摘があった点について申し上げれば、経常収支比率の分母は経常的な一般財源、分子は経常的な経費に充当した一般財源でございまして、経常収支比率が高くなるというのは、二つ要因があって、分母が小さくなるか、分子が大きくなるかということでございます。
 それで、十五年度の場合を我々なりに分析してみますと、分母である経常的な収入が、税を中心とした経常収入でございますが、これが千六百五十五億、率にして五・一%減になっている。これが大きく影響していると分析しておりまして、分子を十四年度と同額で置いた場合、これだけの経常的な収入が減ると、経常収支比率は一〇二・〇%まで上がります。それを何とか歳出を抑えることによって、今申し上げた九七・九%までとどめたというのが正しい分析でございます。
 それを裏づけるかのように--公債費が原因であるというふうな指摘がございましたけれども、公債費に充当した一般財源は、十四年度六千二十九億であったのが、平成十五年度は五千八百四十四億ということで減少しておりますので、ただいまのご指摘は当たらないと思っています。

○松村委員 十四年度と十五年度で比較して、そういうことを今おっしゃいますけれども、それは事実が示すとおりだと思いますけれども、いずれにしたって、公債費の一般財源が六千億もあるんですよ。その事実ですよ。だから、これが仮に半分だったら、この経常収支比率は、皆さん方がいう健全なところになるんじゃないでしょうかというのが、私の指摘なんであって、それは事実でしょう、そうなるということは。

○熊野主計部長 それは、公債費充当一般財源が半分になれば、経常収支比率は大幅に改善するのは当然のことでございますが、ただ、そういう反省に基づいて、平成十二年、第一次財政再建推進プランを策定して以降、起債額を抑制しているところでございますので、そこはご評価いただきたいと思います。

○松村委員 次に、この表で、実質収支、これももう六年連続で赤字になった。このリーフレットの中でもそのことが強調されているわけです。そこで、きょうの委員会にも、実質収支赤字だというのは、何が原因でそうなっているのかということを示す資料になってきているというふうに思うんです。
 実際、出納長会計では、繰越明許や事故繰越その他、法定繰越では、それを差し引いても黒字なんですよね。それはもうずうっと六年前というか、平成でいっても十年度以降ずうっと黒字なんです。ところが、財務局の方で実質収支が赤字なんだというのは、この事業繰越とか支払い繰り延べがあると。
 そこで、この資料を見ますと、なぜ平成十年度から連続六年赤字かというと、事業繰越とか税還付未済は、これは六年度から大体同じような数字で繰越額があるわけですけれども、実際そこが要因じゃなくて、十年度から公営企業会計支出金が繰り延べられている、実際に支払うべきものが払われていないということですよね。それが一番大きいのは下水道事業会計で、平成十年度八百十二億、十一年度が七百四十億で、だんだん少しずつ減らしてきていますけれども、この十五年度でも下水道会計、三百七十七億あると。そうすると、いろいろほかも含めて、差し引きで四百二十五億の赤字だということなんです。そこで、私は決算でも質問させていただいたので、繰り返しませんけれども、この間、赤字になっているということで、十一年度から第一次財政再建推進プランも策定して取り組んだわけですね。
 当初、巨額な財源不足だということでしたけれども、ところが実際、第一次財政再建推進プランの計画期間中に、どういう都税収入であったかというと、第一次財政再建推進プランの初年度は十二年度でしたが、十二年度は、一次プランの計画の都税収入三兆八千七百億に対して、決算が四兆二千六百九十億で、三千九百九十億円、計画よりも上回っているんですよね。十三年度も、四千六百九十三億円も計画に対して上回ったんですよね。これ、解消しようと思えば解消できるじゃないですか。そのときに、やる気になればというか--だって赤字なんですから。財務当局としても、赤字なんというのは不名誉で、当然解消しなければならないと。この間の委員会のやりとりでも、速やかにそういう赤字は解消するということを財務局自身もいっていたわけなんですけれども、やろうと思えばできたことをやらずに、こういう繰り延べをどんどんどんどん続けて、それでもってまた赤字なんだという。私は、この前の決算では、つくられた赤字だというふうにいいましたけれども、この点についてはどうなんでしょうか。

○熊野主計部長 まず、第一次財政再建プラン中の税のご指摘がございました。確かに、四年間、私どもがプランで見込んだ税収は、合計しますと十五兆八千四百億でございます。それに比べて実際の税収は十六兆五千五百七十四億ございましたので、プランに比べると七千億強増収でございました。
 こういう表面的なことでご理解いただくと、非常に困るんですが、正確に申し上げますと、七千百七十四億の増収のうち、銀行の外形標準課税による増収が二千五百二十七億、それから徴税努力--第一次プランをつくったときは、徴収率、まだ九一とかそういう低い水準でございましたが、それを毎年上げてもらうということで、その徴税努力で約二千六百億、合わせまして五千億強の増収がございました。これは、プランの税収には見込んでいない、要は期間中の歳入確保努力によって生まれた税収でございますので、単純なプランとの比較で、これだけ増収になっているんじゃないかというふうにご理解いただくのは、間違いでございます。
 しかも、この五千億強を、先ほど申し上げた実際の増収七千百七十四億から引いても、まだ二千億余るじゃないか、それは増収になったんじゃないかというふうにおっしゃるかもしれませんが、これも、先ほど来議論になっている税連動経費、これを除きますと、実はプランの税収よりも四千六百五十億足りなかったというのが実態でございます。
 しかも、その直近の十五年度では、プランの見積りの四兆七百億をはるかに下回る三兆八千四百九十六億の税収にとどまったということがありますので、そこら辺はぜひともご理解いただきたいと思います。
 それから、確かに第一次財政再建推進プランの達成率、これを、十五年度の予算発表のときに、地方税財政制度の改善を除いては一〇〇%以上達成して、全体では九三・七%達成したんだというふうに申し上げました。これは、確かにいろいろな施策の見直し等、あるいは歳入確保努力等、これらは九三・七%達成しましたが、そのほかのところで、その間新たな都民ニーズが発生し、新たな重大な課題が発生し、そういうところに重点的に財源を、追加で新たな事業を始め、施策のレベルアップを図り、そういうところの歳出増を図っておりますので、単純に削減したもの、あるいは歳入確保したものがプラスになっているから、何で減らないんだというご指摘は、そこら辺の歳出、新たな取り組みの方をぜひともご注目いただいて、理解いただきたいと思います。
 それから、つくられた決算だということに関しまして申し上げれば、公営企業会計に対する支出金の支払い繰り延べは、あくまでも一番大きなのは下水に対する繰り出しでございますが、これは、管渠とか処理場をつくった際の起債の償還の七割を、雨水相当分ということで一般財源から繰り出しているものでございますが、これはあくまでも過去の起債の償還でございまして、いつか一般会計から払わなければいけない金でございます。したがって、明らかに一般会計の借金でございます。そういった意味で、総務省で作成しております普通会計決算の作成要領の中でも、これは赤字要因としてカウントするんだということで決められておって、総務省の検収も受けて、我々は赤字決算を打っているわけでございまして、決して我々が意図的に赤字を膨らませているわけでもないし、実際、財政再建団体になるときの赤字限度額と赤字額を比較するときも、実際に我々が発表している実質収支の赤字と赤字限度額が比較されるわけで、これが借金でないということで、これは借金でないから赤字限度額を超えてないといういいわけは通用しないということでございます。

○松村委員 今るるありましたけれども、その都度、私たちも最終補正予算などでただしてまいりました。やはり使い方ですよね。この間どういうところにかけたのか。今、いろいろなことを差し引いたって、二千億あったと。先ほど来、IT景気で都税収入がふえたことは事実なんですよ。それは、今まで見込んでなかった法人税などを中心とするものでありましたし、そういう中で、赤字というか、当然払うべきものだというのだったら、やはり処理すべき問題だと思います。その点が一点。
 それから、今、公営企業会計で下水道の話が、るる説明がありましたけれども、私ももう余り時間をとらせたくないので、その指摘だけしたいんですけれども、これも私ども調べてみました。確かに、十年からこういう巨額な繰り延べが行われているのは、今、下水道事業会計の支出金は、経費補給金と--一時貸付金はありませんよね--出資金、平成七年度からずうっと調べてみましたけれども、例えば、この前後をいいますと、経費補給金というのはほとんど変わっていないですね。平成八年度で一千八百十六億、出資金が百十五億ぐらい。ところが平成九年度には、経費補給金が千八百二十四億ぐらいですか、若干上がっているんですね、逆に。ところが出資金は七十億なんですよ。前年度が百十五億なのに対して七十億。ついでに、がくんと繰り延べができた平成十年度、経費補給金は千八百二十八億円、出資金は二十五億なんですよ。それで、それ以降、十一年度、十二年度という数字もありますけれども、実際こういう形で予算が減って、それが繰り延べられている、本来支払うべきあれだというね。この出資金というのは何かというと、今いったような、かかる投資的経費というか、その事業費の九五%が起債充当で、あとの五%が都の出資金として出されると。
 もう多くを費やしませんけれども、何がいいたいかというと、結局、この出資金というのは臨時的な経費で、義務づけられていないものですよね。貸付金というのは、普通会計決算の中でも義務的な経費として見られておりますけれども、そういう臨時的な経費という性格も実際はあるわけ。その中では、下水道会計という独立採算で利用料金で賄う、本来、事業会計としてあるんだけれども、雨水処理とか都の政策的な目標のためには、都からの一般財源を、都民の了解を得て、都民のためだからということで、料金負担じゃなくて出す。しかし、それはあくまでも臨時的というか、義務的なものでないというから、出資とか投資というのは予算の範囲内というのが私たちの考え方で、だから従来から、首都高に対する出資や貸付金も一応ルールがあるとか、そういうふうにせざるを得ないんだとかいいながらも、それは独自に調達すべきだというようなことをいってきました。
 同じ都の中の公営企業会計ということのやりとりにおいては、会計の状況を見て、この範囲でやってくれないかとか、いろんなやりくりが当然あるべきです。しかし、私は、あくまでも払うべき必要があるものに対しては払うべきだと。速やかに解消する。今までも、やれたことをやってこない。それから、今いった下水道事業会計などの出資金の割合を見てもどうなのかということからいっても、今、財務局がもう六年連続で赤字決算で、東京都の財政が本当ににっちもさっちもいかないということだけが先行しているんですよ。私だって、ここまでいわれれば、もう大変だなというか、どこをどうだといって--でも、私なりにいろいろ分析すれば、そういう性格の中身だったのかなと思って、少しは落ち着いて、じゃ、都民の本当に命にかかわるような予算を削るよりも、こっちに使った方がいいとか、いや、それは待てよとか、胸張っていえるんですよ。もう赤字財政に転落しちゃう、何でもかんでも国のいいなりに東京都がならなきゃならないなんということは、私だってそういう立場は防ぎたい。皆さんと一緒になって、それを守るためにどうするかを一緒になって考えていく立場なんですよ。
 しかし、そうじゃなく、そのことだけが--そのことだけがといってはいい過ぎですね、先行するということを、都民は受けとめているんですよ。私たちは多くのいろんな都民から、何か予算要望とか皆さん方のといっても、もう赤字なんでしょう、苦しいんでしょう、でも、うちのところだけは守ってくださいとか、いろんな話になるんです。だから、先ほど、このリーフレットをつくる目的も、正確な情報を広く都民に財政運営方針を伝えるのが本来の目的だというんだったら、もう少し、今みたいな私の意見も率直に聞く耳を持ってやるべきではないか。違うとか、間違っているとか、聞けば、何か私が決めつける以上に、言葉だけが先走っているんじゃないでしょうか。財政委員会ですから、真摯な議論をするためにも、もうちょっと認めるところは認めながら、お互いにやるべきじゃないでしょうか。その点についてどうですか。

○熊野主計部長 私ども、苦しい苦しいといっているだけではなくて、やっぱり真に必要なところには重点的に財源を配分しようという心構えも常に持っております。
 ただ、その上で、やはり今の東京都の窮状というものを皆さんにご理解いただきたいというのが本心でございまして、例えば、公営企業会計への支出金についても、早く赤字を解消するために、財源があれば、早く下水道に払ってやりたいです。しかしながら、もしこれを払わなければ、当然資金繰りの中で、繰り延べていただける範囲で繰り延べていただいていますが、これが滞ると、当然のことながら、下水道料金の値上げとかそういう話に結びついてくるわけで、我々としても、当然、繰出基準に基づいて真摯に下水道と協議して額を決めておりますので、そこら辺は、将来の負担としてははっきりと認識しておく必要がある。
 さらに、こういった公営企業会計への支出金は、実質収支という決算統計上にカウントされますけれども、それ以外、決算統計上にカウントされない赤字、例えば、ここで申し上げている減債基金の積み立てであるとか、あるいは他会計からの借り入れであるとか、市街地再開発の欠損金であるとか、そういったものも実質収支にはあらわれてませんが、そういったものを加えると、一兆円も借金があって、やはり窮状をきわめているということは、少なくともご理解いただきたいと思います。

○松村委員 そこで、今、他会計の借入金、減債基金という隠れ借金の話もありましたけれども、この他会計の借入金、例えば、これも本当に言葉をいい過ぎないようにしたいと思うんですけれども、臨海副都心会計、臨海の赤字に、埋立会計から四千億円でしたっけ、会計統合して、そういうときにはもう平気でチャラにしちゃうというか、本当にひどい話だというふうに思うんです。一方、市場だとか--もちろん市場も、市場移転だとか本格的なあれが始まれば、当然必要となるものだから、やっぱり返さなければいけないというか、そういうことは、私たちもそういう立場に立っていますけれども、特別会計との、または公営企業会計とのやりくりでも、一概に隠れ借金云々というようなことが--今いった埋立事業会計、もう都合によってはそういうことまでやるというふうに見たら、果たして都民に対して、隠れ借金がそれだけあって、今もうせっぱ詰まっているんだと、だからそのことの方が、都民にもっと犠牲を、我慢をということが、やはりいかがなものかということ。
 それから、減債基金はもちろんよりシビアだというふうに思います。しかし、これについても私、いかがかと思ったのは、この前も触れた「今後の地方財政を考える」の中のこのグラフですよね。これのつくり方を見ても、よくこれを見て考え方をたださないと、わからないんですね。これはもうあたかも不足額が百五億、それから十八年度は三百三十二億、この額は全部もう一般会計分から出さなきゃならないように、私は当初、受け取ったんですね。そんなに減債基金というのはもう底をついて、大変な事態かなと思って、よくよくこの表を見ると、当初基金残高と。当初基金残高といっても、私も少しは財政がわかるようになってきたんで、どういう仕組みかといえば、当然そのときにはルールに基づいて当年度の起債の六%を積むというから--これ、積立金をやるんですよね。だから、それを積み立てれば、こんな数字にはならないんですよ。確かにこれ、間違っていないですよ。あくまでも前年度の繰り越したものだけを見て、当期に新たに起債を起こして、積み立てなければならない積立額を見てないというか、この表は間違っているとはいいませんけれども、明らかにそれは誤解というか、錯覚を与えるものだし、私は何をいいたいかというと、十八年度は確かに、当初の基金残高は、その年度内に取り崩す額よりも下回るかもしれませんけれども、十九になると、逆にふえるんです、この間ずうっと見ても。だから、こういう数字は、十八年度は確かに当初の基金残高を見ても、つくれるかもしれませんけれども、じゃ、十九、二十とか、つくってみてくださいよ。こういう逆転現象には、逆にならないということが、私は過去の起債からいえると。
 それから、もう一つは利子ですよ。利率の問題も、やはり直近の、これは何年で推定しますか。現在、直近、平均二・四%と聞きましたけれども、今の一%ぐらいの利子というか、利率に割り返せば、公債費を抑えられて、減債基金がこういう、今とにかく危機的な状況ということだけの一方的な皆さん方の主張、これは正確ではないということも述べておきたいと思います。

○熊野主計部長 「今後の地方財政を考える」の二二ページに、ご指摘の表がございますが、ここで申し上げたいのは、まず一点、今まで、本来積み立てるべき積立金を四分の一ないし、過去は二分の一とか、先送りしてきましたけれども、来年度以降はもう自転車操業になるので、そういった財源対策をとることはできない。十七年度の当初予算上、積立額をこれ以上削ってやると、もう基金が底をつきますということが一点。
 それから、ご指摘の利子の話は、もうこれは減債基金は元金の話ですので、利子の話は関係ないということで、ご理解いただきたいと思います。
 それから、これはそのままいってももつじゃないかというご指摘がございましたが、本来積み立てるべき額は、当該年度、まだ基金があるからといって、これを先送りするというのは、単なる将来に対するツケの先送りでございます。これは、共産党の先生からは強くおしかりを受ける話で、例えば普通会計決算で申し上げますと、起債残高というのは、実際の起債残高から減債基金の額等を差し引いた額を起債残高とするんですね。
 これはどういう考え方かというと、減債基金の積み立てというのは、先ほども答弁申し上げましたが、本来、償還に充てている定時償還方式だと、償還に充てている六%相当を積み立てているんだから、従来の方式からいえば、もう償還して終わっているはずだと。したがって、それを減債基金に積み立てるということは、もう償還に回したということなんで、起債の残高からは減らすんだという考え方で統計はつくります。
 そういう考え方からすれば、一方で減債基金を積み立てる必要ないじゃないかという主張をする先生が、起債残高が高どまりしていてけしからぬという、我々おしかりを受けるのは、何とも理解しがたいという話が一点。
 それと、もし仮に、このまま積み立てないで回るじゃないかということで、基金を食いつぶしていきますと、今度一気に償還が出てきたときに、償還できなくなる。これは、デフォルトを起こすということは、都債にとってはもう致命的な話で、ただでさえ減債基金が少ないということで信用力にかかわっている問題が、デフォルトでも起こそうものなら、その後の資金調達は全くできない。そうすると、都民サービスは決定的な打撃を受けるという話になりますので、これは到底認めるわけにはいかない。
 しかも、デフォルトを起こさないために、一気に来た償還財源を、その年の一般財源から練り出そうとすると、これも都民サービスの切り下げにつながってしまう。我々は、将来のそういったことを避けるために、ここの減債基金については、本来積み立てるべきものはちゃんと積み立てなきゃいけないというふうに考えております。

○松村委員 私、最後、もう一点契約についてやりたいので、今の点についても反論しませんけれども、主計部長いいましたけれども、私たち、減債基金を積み立てるななんということはいってないでしょう。今は、例えば来年度少し都税収入があるんだから、従来どおり財源対策やらなくても済めば、従来どおりのそれはルールというか、積み立てることは私たち当然必要だと思いますよ。
 ところが、なぜかというと、この表、あたかも今すぐ五千九百十六億円というこれを、隠れ借金として直ちに返済しなければどうにもならないというような考えではなくて、こういう性格の中身もあるんだから、そこら辺は勘案しながら、という考え方に立つべきだと。そういうことで、都民に対してだって、どういう都民に対するしわ寄せが起きているか、それは全く考えていない。私たちは、その両にらみをしながら、都民がこれだけの不況で苦しんで、自治体としての福祉を増進するという役割を果たすために、年度にどういう予算を組むのかという立場。もちろん大きいところは、大型開発というか、都市再生なんかの逆立ち財政の使い方。どんなに財政が厳しくたって、そのもとで入った収入でやれば、赤字なんかにならないわけです。それを一方においては極端に使いながら、減らしていることについてはただしましたけれども、また財政の問題からいっても、事細かくというか、そういう点の工夫や、やり方がいろいろあるではないか、できるではないかという立場なんです。何か主計部長は、一生懸命自分を守る立場か知りませんけれども、あたかも共産党はするなといっているとか。そんなことは全然いってませんので、私のいっているやりとりを正確に聞きながら、今後答弁していただきたいと思います。
 結論というか、このまとめでいいたいことは、結局これまで、財政再建団体に転落しちゃうぞ、そうなったら、東京都の今まで積み上げてきた独自の施策もなくなっちゃうというおどかしというか、そういうことでやってきた。しかし、それがその後、さっきいったみたいに、第一次プランでも、見込んでいたよりも都税収入がふえた。もちろん皆さん方の努力もありますよ。そうしたら、それがもう通用しなくなってきたら、今度は赤字論ですよ。今度は、まだ実質収支が赤字なんだ、赤字だから大変なんだといって、そういう宣伝で都民要求を抑え込む。逆に、都税収入がさらに堅調だってなってきたら、いち早く今度は、そうはいかないぞといわんばかりに、こういうリーフレットをつくって、これまた都民要求を抑え込む。
 この間の論議してきた流れを見れば、そういうことだということで、やはりこういう方向ではなく、この点においては、第二次財政再建推進プランを直ちに中止して、今まで都民に財政不足だといって、やれなかった施策を直ちに回復するような、来年度に向かっての予算を組むことを強く要望して、次に行きたいというふうに思います。
 済みません。あと六分で早足で行きます。
 まず、都における平成十五年度の中小建設企業の受注実績はどうなっているのか、件数と金額について伺います。

○山本契約調整担当部長 平成十五年度における中小企業の工事契約件数は二万二千五百六十件で、全工事契約の八五・四%を占めております。また、契約金額は二千九百八十二億二千七百万円で、同じく五〇・五%を占めております。ただいまの数字は東京都全体でございますけれども、ちなみに、公営企業を除きますと、中小企業の工事契約件数は一万六千百六十五件で、全工事契約の約九〇・二%となります。また、契約金額では千九百十七億八千七百万円で、同じく六二・五%となっております。

○松村委員 今の答弁を聞いてみても、公営企業が非常に中小企業の工事件数とか契約額が低い。これは財務局の範囲でできているんですから、これはもう答弁要りませんが、もう少しそういう指導をやっていただきたい。財務局並みに引き上げられる要素は、難しい点もあるかしれませんけれども、あると思うので、ぜひその点は強く要望したいと思います。
 そして、中小建設企業の受注機会の確保のために、都はこれまでどのような方策をとってきたのかも伺っておきます。

○山本契約調整担当部長 東京都はこれまで、いわゆる官公需法に基づきまして、公共事業における中小企業者の受注機会を確保するため、工事等が適切に施工できる範囲で、可能な限りの分離分割発注の推進に努めてまいりました。また、一定規模以上の工事につきましては、大企業と中小企業との共同企業体方式を採用しております。さらに、中小企業から構成される事業協同組合等の活用などにも積極的に取り組んできております。

○松村委員 今のご答弁でも、分離分割発注や共同企業体方式などに取り組んでいるということですけれども、さらに中小企業への受注確保については工夫が要るのではないか。
 例えば、一つの例ですけれども、中小企業同士のJV、共同企業体に対する発注方式、そういうものを採用する考えはどうなんでしょうか。

○山本契約調整担当部長 都では、先ほどお答えいたしましたとおり、中小企業の受注機会を確保するため、これまでも、大企業と中小企業を構成員とする共同企業体方式を採用してきております。その中で、工事の規模や内容によりまして、大企業が参入しない、中小企業同士の共同企業体を対象とした発注も行ってきております。
 十五年度における共同企業体の契約につきましては、百九十二件ありますけれども、そのうちの八十四件、これにつきましては、中小企業同士で構成された共同企業体の契約であり、全体の約四四%を占めているという現状でございます。

○松村委員 大分やっているということなので、さらに取り組みを進めて、例えば、中中同士とか中小とか、いろんな形で--やはり中小企業の育成というのは、官公需法をまつまでもなく、都政の大きな取り組みだし、雇用の点でも、いろんな点でも本当に大事だと思うんですよね。ぜひ取り組みを強化していただきたい。
 それから、先ほども出ていたので、もう多くをいいません。中小企業の発注案件で、本当にたたき合いといいますか、くじ引きというか、そういう形が多発していると。今、この対策として新たな手法を検討しているということで、先ほど答弁がありました。年度内に施行するという答弁がありましたけれども、私は、早く本当にそれが実効あるものとしてやってほしいと思うんですね。
 一つだけ聞きたいのは、今までの契約金額だけではなくて、技術力などを評価するということですけれども、そうしますと、新たに参入する方などに対しては、この検討過程でどうなのか。今まではとにかく実績だとか、そういうので技術力とか評価しますよね。何か逆に新規参入の道が阻まれてしまうのは困ると思いますし、多くの人たちに機会を与えながらも、より適切に受注機会の確保を行うべきと思いますけれども、その点での今の検討などにおいては、どういう形になるんでしょうか。

○山本契約調整担当部長 いわゆる簡易な総合評価手法の件でございますけれども、ただいま、企業の技術力といったものをどうやって評価するかという内容について詰めております。したがいまして、過去五年間に一定の工事をしていて、その実績をどう評価するのか、あるいは、全く実績がない新しく入ってくる企業に対して、その技術力をどう評価するのか、これらについて今、検討を進めているというのが現状でございます。

○松村委員 本当に早く実施できるように、現状が改善できるように取り組んでいただきたい。
 最後に、都が発注する中小企業対策については、今いろいろな取り組みをやっているということなんで、期待したいと思いますけれども、多くの中小建設企業が大企業の下請とならざるを得ないのが現実であります。下請企業は、元請企業からの厳しい要求に本当に苦しんでいるという状況。ですから、都は発注者として、元請企業を指導し、元請企業と下請企業の関係の適正化に努めることが非常に大事だというふうに思いますけれども、この点についての都の取り組みを改めてお伺いいたします。

○山本契約調整担当部長 都は毎年、元請、下請関係の適正化に関する通知文を、業界団体や受注者に対して送付しております。
 その文書の中で、元請の地位を利用した不当な下請契約の締結の禁止や、下請への代金支払いの迅速化を強く求めております。また、元請企業に対する下請企業からの苦情申し出に対しましては、建設業法を所管しております都市整備局と連携をいたしまして、対処しているところでございます。
 さらに、本年六月からは、中小、中堅の元請企業を対象といたしまして、この元請企業が都の工事請負代金を担保に運転資金を調達する、下請セーフティネット債務保証事業を導入いたしまして、下請企業への支払いが確保できるようにも努めているところでございます。

○松村委員 都の工事請負代金を担保に運転資金を調達するというのは、前からも要望していましたし、これが六月から始まったということは非常に評価できると思いますけれども、さらにそれを実効あるものにしていただきたいということです。
 最後に、要望ですけれども、これは契約というよりも、今もう本当に中小企業の置かれている現況というのは厳しいものが--それはもう各委員、各会派も共通してつかんでいるというふうに思うんですけれども、こういうときに、例えば新潟の中越地震が起きました。起きるそういう自然災害、地震などは避けられませんけれども、一たん起きたときに、どれだけ被害を少なくするかという、減災という考え方がそうですけれども、これは政治の力でできる。そういう点では、阪神・淡路を見ても、家が倒壊しない、倒壊しなければ火が上がらないということで、人命にとっても、財産にとっても非常に大事だという点では、まだまだ公共建物においても、民間においても、耐震化というのは、東京の場合、非常におくれているというふうに思うんですね。
 そういう点では、私、何をいいたいかというと、中小企業の仕事の確保の点からも、一定の期間、一年とか二年の年度を切って、思い切って、例えば学校などの耐震化をやるとか、または民間にもいろいろ助成したり、特別にPRして、この機会に都も支援しながら取り組むとかということになれば、震災対策にとっても、それからまた中小企業を育成するというか、救う意味でも、また雇用を拡大する意味でも、一石二鳥も三鳥もある取り組みだというふうに思うんです。
 そういう点では、これは政策的な課題ですけれども、財務局も当然、財政支出が伴いますし、産労局の仕事やいろんなところが絡むと思いますけれども、そういうご検討も、財務局がイニシアチブをとって、今後、検討していただきたいというか、そのことも要望させていただきまして、終わります。

○倉林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十八分休憩

   午後三時三十四分開議

○倉林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いいたします。

○執印委員 それでは質問させていただきます。
 財務局では、昨年十一月に財務局改革行動計画というのを策定されています。これ、サブテーマは、自己改革のためのプログラムというふうになっておりますが、この本の「はじめに」によれば、このように記述されているわけです。財務局は、何よりも今、都財政の再建に向けて、既存の施策の延長線上ではなく、大胆な新しい発想で、時代変化に適合した思い切った改革を進めていくことが求められている。あわせて、保守的、権威主義的、スピード感に乏しいといった、財務局に対する各局からの指摘に対しても謙虚に耳を傾け、従来の仕事の進め方を見直していくことが必須である。中略。財務局における自己改革の中期的な道筋と具体的な取り組みを示したものであるというふうに書かれております。
 こういったものは、さまざまな取り組みの一つとして評価をしております。私は、財務委員になりまして一年たちますが、想像していた以上に冊子とかリーフレットの作成をされて、情報提供されていると感じておりますので、その姿勢は評価をさせていただいておりますが、何といっても、財務局は事業所管局ではないということもあるのか、事業概要も、まず組織、分掌事項から始まるというように、顔が見えないところがあるというふうに思っております。
 さて、この計画では、財政再建への取り組み、契約制度改革など七つの重点項目と、具体的な事業改革項目として三十五項目が設定されています。そこで、個別課題について幾つか伺っていきます。
 先ほどもご質疑がございましたが、契約の関係についてです。
 ことしの七月に、新潟市の発注建設工事にかかわる談合事件がマスコミで大きく報道され、依然として公共工事の発注に談合が行われていることが強く印象づけられました。今回の計画では、談合等の不正行為防止策の強化が改革事項として挙げられておりますので、改めて、談合防止の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 初めに、この新潟談合事件についての経過と、談合を行った事業者に対し都がとった措置についてお伺いいたします。

○山本契約調整担当部長 本年七月の新潟談合事件につきましては、新潟市発注の下水管渠工事及び汚水管敷設工事の入札参加企業百十三者に対し、公正取引委員会が、独占禁止法違反による排除勧告を行ったものでございます。
 この入札参加企業のうち、大手ゼネコンを中心とした八十六者については、勧告に不応諾であったため、公正取引委員会は九月に、不応諾企業に対する審判開始を決定いたしました。
 これを受けまして、東京都は、この八十六者のうち都に登録する五十一者に対し、審判開始決定の日から指名停止措置を講じたところでございます。

○執印委員 今ご説明がございましたように、都が迅速に厳しい措置をとったということで、談合問題に対する都の取り組みを評価したいというふうに思いますが、しかしながら、談合問題はまだまだ続いているということが予想されるといいますか、そういったことが新聞等でも報道をされております。すべての新聞に取り上げられているような形ですけれども、橋梁工事の件で、公正取引委員会が三菱重工など三十者に立ち入りをしたというような、そういう名前が上がっての報道があるわけでございます。東京都としても、談合ができない入札方法の取り組みをさらに強化していく必要があるというふうに思いますが、この点についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。

○山本契約調整担当部長 都は、談合等の不正行為を防止するため、これまで、談合情報を受けた場合における取り扱いについては、全庁的に統一した要綱を定め、的確に対処してきております。
 平成十四年三月には、指名停止措置の強化を図るとともに、平成十四年四月の入札契約制度の改正において、入札参加者を一堂に集めて行う現場説明会の廃止、指名通知の郵送及び入札前から入札後への入札参加者公表を実施いたしました。また、平成十五年度からは、入札参加者が集まる必要がない電子入札システムを実施し、防止策の強化に努めたところでございます。
 今後とも、談合情報を受けた場合の対応といたしまして、公正取引委員会との連携強化を図るとともに、談合を繰り返す企業に対する指名停止措置強化の検討も含めた、指名停止期間の見直しにも取り組んでまいります。

○執印委員 私も、談合に関連をして、また入札制度の改革について、都議会に入れていただいてすぐの公営企業の決算でも指摘させていただいたということもございましたけれども、今ご答弁にありましたように、電子入札、これまでも、今回の委員会でも質疑がございました。業者同士が顔を合わせる機会をなくすということで、談合防止に効果があるというふうに思いますが、都における電子入札の導入状況を伺います。

○山本契約調整担当部長 工事関係につきましては、十五年度、財務局の案件で六件の試行を行っております。財務局におきましては、ことしも、この六月から順次拡大して実施しておりまして、この九月末時点で四十四件の開札が終了しております。十七年度からは全面実施することにいたしております。各局につきましても、十七年度に順次導入を開始して、十八年度から全面実施を目指しております。
 物品関係につきましては、財務局において十六年十月公表分から、一部の営業種目で導入を開始いたしました。十七年度から順次拡大し、十八年度から全面実施に移行することにしております。各局につきましても、十八年度中に全面実施に移行することを目指しております。
 なお、公営企業の交通局、水道局につきましても、今年度、一部の案件について電子入札を開始しております。

○執印委員 もう少しかかるということかというふうに思いますが、先ほど、いろいろご質疑もございましたので、少し意見をいわせていただきたいというふうに思います。
 この入札に関しては、私どもも、参加企業への都の格付に、男女平等への取り組みなども項目として入れてほしいというような提案をさせていただきました。そういう形で、価格だけではない面が入ることによって、社会をつくる上で、入札契約がまた違った効果を生み出すということを期待しておりますので、きょうは質問はいたしませんけれども、ぜひ今後に向けて検討していただきたいというふうに思います。
 次に、この本ですね。自己改革のためのプログラムということで、私は、こういう形で財務局が出されることに非常に期待をして、質問させていただいているわけですが、この中に、貸し付けの拡大等による資産活用の弾力化というところがございます。
 今、この中では、平成十二年度に策定した財産利活用総合計画に基づき土地の売却を進め、三年間で約一千四百億円という実績を上げてきたということが書かれているとともに、しかし、買い手がつかなかった土地も未利用の形で残っていると。今後については、基準や手続を整備して、資産活用の弾力化を図る必要があるというようなことが書かれているわけですが、これ、昨年も実は質問させていただきました。
 私どもは、土地というものが、税金によって取得したものですから、財政が厳しくなったら売るということも一つの手だというふうに思いますけれども、都民全体の財産として、どのように有効に使っていくか、将来に向けて、その土地を使うことが、お金に換算できない効果をもたらすというような発想に、この時代、立っていかなければならないのではないかということで、質問させていただいているわけですが、ここにも改めて書かれております、例えばプレーパークを運営するNPOですとか、子どもの育成支援関係の団体に貸し出しをしていただいて、すぐにお金には換算できないけれども、子どもたちが遊びながら育っていくという場を確保することによって、私たちの将来にもそれがつながっていくということがいえると思います。
 また、NPOに関しては、今いろんなNPOが出てきておりまして、つい先日の新聞報道で、NPOの仮面をかぶったといいますか、隠れみののようなNPOが出てきたということで、これからどんなふうにNPOとの協働を進めていこうかということも、東京都も全体として考えなければならないというふうに思いますけれども、だからといって、NPOとの協働を怖がるのではなくて、協働を進めながら、ふるいにかけていくことが必要ではないかという立場でおります。
 そんなことで、新たな社会の仕組みをつくっていくというさまざまなNPOが出てきておりますので、ぜひ将来につながる資産活用というのをしていただきたいわけですが、その点について見解を伺います。

○宮川財産運用部長 原則からお話し申し上げますと、早期に売却が困難な都有地につきましては、資産の有効活用を図るという観点から、一般競争入札によって有償で貸し付けを行っております。
 ただいま先生から、歳入面といいますか、そういうことだけではなくて、将来につながるような資産の活用というようなお話でございますけれども、原則、一般競争入札による貸し付け以外に、産業振興や福祉基盤の整備など、都の主要な施策の目的達成のための事業を担う民間事業者に対しましては、財産の面から支援する目的で、平成十四年度より、都有地等を活用した民間事業者支援制度を設けております。
 この制度に基づきまして、産業労働局では、中小企業の新製品開発の場を整備するために都有地を活用いたします、都有地活用型企業支援事業というものを、それから福祉保健局では、グループホーム等の福祉インフラ整備のために都有地を活用いたします、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業というものを、それぞれ公募審査の手続によりまして実施をいたしておるところでございます。
 今後、新たな事業の提案がありますれば、私どもといたしましても、事業自体の重要性とあわせまして、都有地を活用いたしますその必要性、公平性、手続の透明性などにも配慮しつつ、検討していきたいと考えております。

○執印委員 先ほども申し上げましたように、特に今、子どもの問題を考えましたときに、この東京というまちづくりの中で、子どもが育っていく場を奪ってきてしまったということが一つあると思います。片方では、命の大切さを教えなければいけないというふうに、だれもが思うし、いうわけですけれども、じゃ、実際にどうするかということになると、例えば、授業で命が大切ですというふうに百遍繰り返したとしても、それは子どもたちにわかるようにはならないでしょうから、やはり自然とつき合い、自然の中にいる虫やチョウチョウや鳥とつき合いながら、命というものが循環していくこととか、人間と命の関係というものを体で覚えていく、季節とともに覚えていくというようなことをぜひしていきたいというふうに思っているわけです。
 事業局ではないので、ここに書いていただいていても、提案をする側からしたら、少し歯がゆさというのは残るわけですけれども、事業局と話し合いをしておりますと、財務局がいいといわないので、というような言葉をよく伺うことがございますので、今のお答えを今後十分に活用させていただきたいというふうに思います。
 次に、エスコ事業について聞きます。
 都は、都有施設の省エネと光熱水費などのコスト縮減を図る目的で、民間活力を利用したエスコ事業の導入を進めているということですけれども、その達成状況を伺っておきます。

○松村コスト・調整担当部長 平成十五年度に、各局が所管する大規模施設の省エネルギー診断を実施しました結果、特にエネルギー削減効果の高い都立病院などを選定し、事業化に向けた試算を行いました。
 現在、その中で、光熱水費の削減額が大きく、設備機器の改修効率の良好な施設につきまして、平成十八年度からの稼働に向け、エスコ事業者の公募及び選定を年度内に実施すべく手続を進めております。
 また、今後の導入可能施設とその効果などにつきまして、エスコ事業を計画的に実施していくための全体像を示したエスコマスタープランを年度末までに作成し、エスコ事業の推進に努めてまいります。

○執印委員 ぜひ、環境に関しては十分に進めていっていただきたいというふうに思います。
 冒頭に、財務局は顔が見えないというふうに申し上げましたけれども、都庁で最も情報を持っているところでもあるというふうに認識をしております。本日お聞きしました業務改革の取り組みは、各局の事業運営を財務面からトータルでサポートして、都政における財務秩序の確立を目指しているものだというふうに思いますが、情報を最も持っているところですから、財務局がさまざまな指摘もお耳に入れていただきながら、コーディネート役を十分に果たしていくことが必要かなというふうに思っております。この行動計画をつくって、姿勢を示していくということで、自己改革、腹をくくって前向きにやっていただけるんだろうなというふうに期待をしているわけです。
 特に、いろいろ議論がございますが、事業の見直しというものは必要だというふうに思います。どこを見直すかということが、これからの地球の進み方も含めて、真剣に考えていかなければならないところだというふうに思っているわけですが、ここの、先ほど来いろいろご質疑ありました「景気の回復は、都財政・体力回復のチャンス!」というリーフレットにも、右肩上がりの時代に終わりを告げたというふうにはっきり示されているわけです。
 そういった意味では、私どもは、副都心開発ですとか、ダム事業ですとか、新銀行への取り組みですとか、思い切った転換が必要だということを、生活者ネットワークとしては常に常に話をさせていただいているわけです。
 そういった点で、景気が回復の兆しだということで、とてもよろしいことだというふうに思いますが、そういった動向に一喜一憂せずに改革を進めるということと、将来的に何を骨として改革を進めるかということを、都庁全体でも話し合っていただきたいというふうに思いますし、今出されている第二次財政再建推進プランをまずは着実に実行していただきたいということと、環境、福祉、子ども、男女平等、こういったところを、私どもとしてはぜひ骨にしていただきたいというふうに考えているわけです。
 その上で、第二次財政再建推進プランが、都民にとって暮らしやすくなる、生きやすくなる、東京で暮らしていてよかったと思うような財政再建プランを実行していただきたいわけですが、財務局改革に向けた今後の取り組み姿勢について財務局長に伺いまして、私の質問を終わります。

○松澤財務局長 いろいろ今お話を伺いましたが、社会経済状況が大きく変化し、また、東京都を取り巻く環境はより一層深刻さを増す中で、財務局は、財務面から都政改革を図るため、各局を支援し、リードしていくことが強く求められておりまして、ただいま先生からお話のありました財務局改革行動計画のプログラムに沿って、現在、さまざまなアクションを起こしているところでございます。
 これから具体的に進めていくに当たりましては、財務局の四つの機能であります、予算、財産管理、契約、建築技術の各部門におきまして、相互に密接な連携を図りながら、先生のご指摘のとおり、各局における事業運営のコーディネート役としての役割をこれまで以上に担っていかなきゃいけないと、このように考えております。
 また、都政における現下の最重要課題でございます財政再建を達成するためには、第二次財政再建推進プランに基づきまして、事業の見直しも含めまして、財務局が率先して、より高いレベルでの自己改革を実行していくことがあわせて不可欠でございます。
 今後とも、分権と規制緩和、情報開示と説明責任、プロ意識とサービス精神、顔の見える財務局ということも含めまして、そういう三つの今回の財務局改革の切り口を十分踏まえながら、新たな時代に適合した財政秩序の確立あるいは都民ニーズの解決に向けての課題の取り組み、こういうことに向けて、財務局が先頭に立って、また財務局職員が一丸となって改革に鋭意取り組んでいく決意でございます。よろしくお願いいたします。

○桜井委員 私は、この建物、庁舎の有効活用について、二、三質問させていただきます。
 考えてみますと、平成三年に移ってきたわけですので、今、平成十六年ですから、もう十三年か十四年経過していることになりまして、歳月の流れは速いなというように実感しております。
 当時から賛否両論ありましたけれども、慎太郎知事がなったときは、バブルの塔だなんて大分厳しくいわれましたが、今、毎日二万人、三万人というぐらいの人が庁舎を訪れて、観光とか仕事とか、そういったことでおいでになっていると思うのでございますが、何だかんだいっても、この建物は東京を代表するランドマークの一つといっても過言じゃないし、首都東京、都民の財産というふうにとらえて、建設するときの意義でありましたシティ・ホール、そういったものから考えましても、より親しみの持てる、あるいはまた魅力のある、そういったものにしていく必要があると、このように考えております。
 また一方、知事は、これは庁舎ばっかりじゃないんですけれども、十円でも、百円でも、千円でも、収益の上がることについては一生懸命上げたいと。行政官としては初めてじゃないかと思うんでございますが、そういったことをやって、一生懸命頑張っておるわけでございます。そういう意味における有効活用の収入の確保ということも、極めて重要な課題だと考えているわけでございますが、今回、コンビニエンスストアをこの中に開設したい--開設したいというか、開設するというんですかね、そういう話がありましたが、それについて説明をお願いします。

○福島建築保全部長 都庁舎を、都民にとりまして便利で親しみやすいものにしていくことは、都庁舎の新宿移転の際の大きな目的の一つでもございまして、また、お話にもございましたが、私ども、このことを常に心がけてきたところでございますが、近年、都庁を訪れる多くの方々や利用者などから、これだけの建物で今どきコンビニエンスストアのない施設は珍しいというご指摘もいただいておりました。
 そうした中で、国や他の団体の状況なども調査いたしましたところ、コンビニエンスストアなるものを設置している事例が、徐々にではありますが、ふえてきておりまして、私どももそうした視点が一つございます。
 それから、一方では、都で、昨年十一月になりますが、第二次都庁改革アクションプランというものを策定しまして、行財政改革の一層の推進を目指しているところでございます。その取り組みの一つといたしまして、民間企業への使用許可の拡大による都庁舎の有効活用を掲げてございます。このたび、こうしたことを踏まえまして、来訪者の利便性の向上と、あわせまして財政への寄与も視野に入れて、コンビニエンスストアを開設することといたしたものでございます。

○桜井委員 ネーミングライツとかラッピングバスとか、知事は、皆さん方もそうですけれども、本当に一生懸命頑張っておりますが、いよいよコンビニエンスストアの開店ということになってくるわけでございます。利便性、有効収入というか、一石二鳥の取り組みというふうに考えられますが、コンビニエンスストアを開く場所ですよね。場所とかスケジュール、そういったもの、それからまた、それでもってどのくらいお金が入ってくるのか、それも差し支えなければ、ご説明ください。

○福島建築保全部長 設置場所につきましては、これまで、第二本庁舎に利便施設が比較的少のうございましたことも考慮いたしまして、二庁舎の一階部分で、これまで臨時窓口などとして利用しておりました約二百平方メートルを充てることにしてございます。
 開店までのスケジュールでございますが、現在、出店を希望される方々の審査を行っている最中でございまして、今月末までには出店者を決定し、公表したいと考えてございます。その後、年末を目途に、出店者自身による設計とか工事を行っていただきまして、来年一月中ごろにはオープンにこぎつけたいと考えてございます。
 また、使用料収入でございますけれども、これはまだ推計になりますけれども、現時点での試算では、年間六百五十万円程度の収入増と見込んでございます。

○桜井委員 六百五十万円入ってくれば、かなりいい収入だと思うんですよね。こういうような来訪者、来庁者に対して柔軟に庁舎の有効活用を考えるということは、非常にいい考えだと思います。平成三年に庁舎をここに移転してきて以来、今日まで、何かほかにも、今まで似たようなことというか、こういうサービス、収益の確保も含めて、やってきたことがありましたらば、ご説明ください。

○福島建築保全部長 収益を確保するという観点だけに限らず、利便性をあわせまして取り組んできたことの事例と、それにあわせて収益も上がったという事例をまぜてご説明することになりますが、一つには、親しみやすい都庁ということで、この場所の敷地の形といいますか、その立地の特性を生かした都民広場などの設置を含めまして、それから、施設の中といたしましては、パスポートセンターの開設や、都庁舎を、庁舎だけということでなく、都民に親しまれるということから、最近の取り組みといたしましては、十四年になりますが、第二本庁舎の二階に自動車運転免許の更新センターを開設いたしました。また、観光情報センターなども第一本庁舎の一階に開設いたしたところでございます。
 つい最近におきましては、第一本庁舎の南北の展望室でございますが、昨年十月から本年四月にかけまして、飲食物販店を公募により入れかえまして、サービスの質の向上と、東京の新たな観光スポットとするなどの取り組みを行ってきているところでございます。

○桜井委員 利便性の向上と収益の確保、こういうことで一生懸命やっていらっしゃるわけでございますが、すべてを行政で負担するんじゃなくて、民間の活力、ノウハウを利用して、経費の削減を図りながら目的を達成するという考えを、これからも大いに進めていく必要があると、当然ですけれども、考えるわけであります。
 今のお話に出ましたけど、展望室の飲食店あるいは土産物店の入れかえでは、初めて、公募という余り例のない方法を取り入れたんだと思いますけれども、民間企業の導入を図ったこと、どういうような効果というかメリットがあったか、その点についてご説明ください。

○福島建築保全部長 南北展望室におきます飲食店や土産物店は、民間企業ならではの創意工夫や効果的な投資によりまして、斬新な店舗として生まれ変わったばかりではありませんで、これまでにないサービスの提供など、新たな付加価値が加わったものと認識してございます。
 ちなみに、北展望室におきましては、しゃれた雰囲気のカフェで、夜間には、ジャズピアノの生演奏を聞きながら夜景を楽しめる、新しい観光スポットとして注目をされておりまして、多くの方々から好評を得ているものでございます。
 なお、収入につきましては、南北展望室では、これまで四つの企業の方に事業を行っていただいてございますが、合計いたしますと、年間で約三千五百万円程度の収入が見込まれまして、わずかではございますが、財政再建に貢献することができたものと考えております。

○桜井委員 いや、三千五百万円はわずかじゃないですよ。大したものですよ、これね。大変な収益を上げていますね。常時お客さんが満杯ということだそうですけれども、しかし、行った私の仲間たち--私じゃないですよ、行った私の仲間たちによりますと、都庁舎ですからね、そういった制約があって当然だと思うんですけれども、まだまだおもしろくないというか、おもしろみに欠けるという意見もありますので、報告しておきます。(笑声)
 しかし、この間、リニューアルというんですか、やって、やぼったいイメージが大分変わったという話題もありますので、これも報告しておきます。
 こういう民間の活力やノウハウを生かした取り組み、こういったことはこれからも積極的に進めていく必要があると思うんですよね。さらに、これから先考えますと、先ほどもお話がございましたが、清掃事業も区に移管したり、あるいはまたいろいろありまして、庁舎の使い勝手も変化してくると思うんですね。また、ITの進歩などによって、空きスペースももっともっと出てくるんじゃないかなというふうにも想像されるわけでございますので、都政を身近に感じさせる庁舎の有効活用、あわせまして収入の確保、この二つの点を組み合わせて、これからも積極的にこういう施策に取り組んでもらいたい、こういうふうに考えるんでございますけれども、いかがでございますか。最後の質問です。

○福島建築保全部長 都庁舎の活用に当たっての今後の考え方についてでございますが、お話にもございましたように、ITの進展は、都庁の仕事の進め方に変化をもたらしつつございまして、一例を挙げますと、電子入札の採用や、コンピューターを初めとした各種器具の小型化が進んでおりまして、将来的には事務室などのスペースに余裕が生じてくる可能性もございます。
 こうした状況を的確に把握しながら、可能な限り収入の増加に結びつけていく利用を考えてございますと同時に、都ならではの文化や地場産業などの情報を、直接、都庁舎が発信する場とするような創意工夫に心がけていきたいと考えております。
 こうしたことによりまして、これまで以上に都民に親しまれ、より身近に都政を感じることのできる都庁舎といたしてまいりますよう、今後とも積極的に取り組んでまいります。

○東村委員 最後の質問になります。
 私の方も、「景気の回復は、都財政・体力回復のチャンス!」というこのアピール文について、何点か質問したいと思います。
 財務局からはまさに体力回復のチャンス、議会側からは予算獲得のチャンスという、こういったスタンスで、先ほど、なぜこのタイミングで出したのかという話がありました。私は、まさに絶妙なタイミングで出してきたなということを考えておりまして、我々議会側にも少しくぎを刺して、よく考えてくれよと、こういうことなんだろうなとは思っております。
 その中で、都財政の実態を冷静に分析すると、とありまして、一兆円を超える隠れ借金があり、その過半は減債基金積立不足だ、こういう話があります。
 そこで、改めまして、この隠れ借金、先ほどから何か、つくられた借金という話もありますけれども、この隠れ借金の内訳について詳しくまず説明いただきたいと思います。

○熊野主計部長 私どもが一般的に借金という場合には、通常、都債の発行残高を指して申し上げますが、実際には、十六年度末で約七兆弱ございますが、今回のリーフレットでお示しした隠れ借金と申しますのは、現行の単式簿記あるいは現金主義会計では明確に把握できないもの、しかしながら、将来に一般会計が負担せざるを得ない財政負担、これの見込み額を指してございます。
 隠れ借金の総額は、リーフレットでもお示ししているとおり、十六年度末で約一兆一千億円になると見込んでおりますが、その内訳を申し上げますと、減債基金の積立金不足額が約六千億、それから他会計からの借入金が二千六百億、公営企業会計支出金の支払い繰り延べが約五百億、多摩ニュータウン事業の欠損金などが約二千億、合わせて一兆一千億というふうに見込んでおります。

○東村委員 今、単式簿記の現金主義会計のもとでの見えない借金がまさに隠れ借金だ、こういう話がありました。
 そこで、私は、平成十四年度の予算特別委員会で、東京都もこういった見えない借金が余りにも多過ぎるんで、公会計にもいわゆる複式簿記と発生主義会計を導入すべきだという話をいたしまして、当時、財務局長が主計部長でございまして、大変ご苦労をおかけしたことを覚えております。石原知事も後押しをしていただきまして、東京都もいよいよ平成十八年度から、公会計にこの複式簿記と発生主義会計を導入し、いわゆるバランスシートといわれている貸借対照表と行政コスト計算書、そして、単式簿記で導入されている収支計算書、この三つの財務諸表が有機的に作成されることによって、さまざま見えなかった部分も見えてくるわけでございます。
 その中で、今、他会計からの借入金二千六百億、公営企業会計支出金の支払い繰り延べ四百四十八億、これなんかも、先ほどから、つくられた借金じゃないかという話がありましたけれども、十八年度から公会計制度が改革されると、いわゆるオンバランス、貸借対照表に計上される取引として、これは明らかになってくるわけでございます。公営企業会計支出金の支払い繰り延べは負債の部に、同じく他会計からの借入金もそれぞれ負債の部に計上されるわけでございます。
 そういった意味で、これは今後、十八年度から明確に借金として認識され、隠れた借金にはならないんじゃないか、私はこう明言したいんですけれども、いかがでしょうか。

○熊野主計部長 先ほども申し上げましたとおり、我々としては、都債以外のもので、将来、一般会計が責任を持たざるを得ない財政負担、これを隠れ借金として扱ってございまして、オフバランス、オンバランスということを意識した概念ではないんですけれども、ただ、ご指摘いただければ、おっしゃるとおり、複式簿記あるいは発生主義会計の導入後は、他会計からの借入金等々はバランスシートに計上されることになりますので、だれからも一目瞭然で負債として認識されるというふうに思っております。そうした意味では、隠れ借金という言葉が適切ではなくなるということがいえるかと思います。
 こういった資産、負債の状況がバランスシートにより明確に示されるということが、まさに複式簿記、発生主義会計のメリットの一つでございますし、裏を返せば、公会計の限界であるということですので、これらのことが、今後、公会計制度改革に取り組む重要な意議の一つであると認識しております。

○東村委員 その上で、今、内訳の中にありました、多摩ニュータウン事業会計の欠損金等約二千億。ここだけ約とついているんですね、約二千億。その中で、多摩ニュータウン事業会計は、私ども八王子も実はこの多摩ニュータウン事業の中に入れていただいておりますし、非常に重要な会計でございます。
 それで、多摩ニュータウン事業会計はどういう中でできたかといいますと、新住宅市街地開発事業会計と相原小山開発事業会計、これの区域内の未処分宅地、これを一体的に販売して運用する事業体制をつくらなきゃいけないということで、平成十三年四月に多摩ニュータウン事業会計というのがつくられたわけなんです。
 そこで、実は、東京都は平成十二年度に、まだ発生主義会計と複式簿記は導入していないけれども、財産保護的な手法で、いわゆる機能するバランスシートというのをつくられました。これをつくられた段階で、事業会計の中では、これを参考にして、貸借対照表や行政コスト計算書を独自に各局がつくられているんじゃないかということを、私は非常に期待していたわけでございます。恐らく財務局も、これをつくったということで、皆さん、それぞれ自分たち各局が抱えている事業会計は、こうやって見直していかなきゃだめだよということで、範を示そうとされたんじゃないかと私は思っていたんですけれども、先日、多摩ニュータウン事業会計の収入の大部分は宅地の販売ですから、宅地の販売に見合う原価は幾らですかと質問したときに、わかりませんといわれました。なぜわからないんですかといったら、そういった仕組みの会計は一切やっていませんと。普通、民間の会社が宅地販売するときに、土地を買って造成をして、造成費がかかって、さまざまな諸費用がかかって、人件費なんかも案分して、大体原価が幾らだから、それに見合う販売価格を幾らにすると利益が上がるということで、販売価格を設定して売るわけなんですけれども、これ、驚いたことに、多摩ニュータウン事業会計--じゃ、会計としてなくても、そういった何か内部資料もありませんか、財務局がきちっとこういう機能するバランスシートをつくっているんで、ありませんかという話をしたときに、ありませんという話でした。
 こういった現状を考えたときに、この欠損金の一千億というのも、財務局がいろんな資料を提出してもらって、相当苦心されてつくられたんで、恐らくこの数字は、約一千億という、約がついているんじゃないかと思うんですね。
 こういったことも、十八年度から公会計制度が改革されたら、きちっと欠損金もバランスシートに載ってきますし、明らかになる。したがって、つくられたか、つくられてないかということは、バランスシートを見ればきちっとわかるし、虚偽の数字をバランスシートに載せたら、これは明らかに違法でございますから、きちっとした数字が載ってくると私は思うんですけれども、ただ、やはりこの時点で、いろんな局を見たときに、事業会計で、せっかく経営感覚、民間活力を導入するといいながら、そういった実際やらなきゃいけない事業会計の経営的な感覚または才覚、そして実際の決算書がつくられてない。これはまずなるたけ早く、十八年度を待つ前に改革していかなければ、この累積欠損というのも本当の意味で解消されない。それがきちっと分かれれば、欠損の解消の仕方が見えてくるわけでございますから、財務局としても、せっかく機能するバランスシートを平成十二年度につくったんですから、それを指導していくべきじゃないかと、私はこのように思うんですけれども、いかがでしょうか。

○熊野主計部長 お話のありましたように、平成十二年度に、機能するバランスシートということで、当時の新住宅市街地開発事業、それから相原小山開発事業、これが、つくってみますと、大幅な債務超過である、また行政コスト計算書からは、単年度の収支も赤字であるということが明らかになったところでございます。
 私どもとしては、このことが、その後のニュータウン事業の見直しにつながっておりますし、バランスシート活用の先鞭をつけることができたと考えておりますけれども、委員ご指摘のとおりの状況がその後あるとすれば、非常に残念でございます。
 私どもとしては、十八年度の公会計制度改革をまつまでもなく、自主的な取り組みによって、事業局自体が積極的に活用していただけることを期待しております。

○東村委員 あるとすれば、という非常に控え目な発言なんですけれども、実態はそうなんですね。その辺のことも、音頭をとった局として、できればよく精査をしていただいて、越権行為になるかもしれないんですけれども--先ほど、事業部門を抱えてないから、なかなか顔が見えないという話があったんですけれども、やはりそういった意味で、これは指導していかなきゃいけないんじゃないかなと私は思います。ぜひとも努力をしてもらいたいと思います。
 その上で、うれしいことに、ようやく国も今月の五日に、省庁別の財務諸表を作成するようになりました。ただ、国が最大に欠けているのは、これはいろんなところも指摘しておりますけれども、いわゆる国民の皆さんが判断する業績についての財務情報を提供することができないんですね。それはなぜかといいますと、一番必要な行政コスト計算書をつくることができない。つまり、複式簿記と発生主義会計を導入していないんで、なかなかそういった情報を提供するところまでいっていない。ただ、東京都は先鞭をつけて、平成十八年度に国に先駆けて公会計制度を改革しようとしてくれています。
 そこで、今いったように、この公会計の、先ほど一つの目的も話してくれましたが、もう一つ大事な目的は、都民に対して、都の業績を判断できる財務情報を提供することにあると私は思っております。そして、その上できちっと都の説明責任を果たすことにあるんじゃないかと思っているわけですけれども、このことについて財務局としてはどのように考えているのか、これについて伺いたいと思います。

○熊野主計部長 単式簿記、現金主義の現行の官庁会計の欠点と申しますか、それは四つ挙げられておりまして、一つはストック情報の欠如、それから二つ目がコスト情報の欠如、三つ目がアカウンタビリティーの欠如、四つ目がマネジメントの欠如という、四つの欠如が指摘されてございます。
 公会計制度改革の目的は、公会計に複式簿記、発生主義を導入することによりまして、これらの欠陥を克服して、これまで開示が不十分であった資産あるいは負債などのストック情報、さらには行政コストの実態を、定められたルールにのっとって、包括的、総合的にお示しして、都民に対してよりレベルの高い説明責任を果たしていく、都民の方に正確な判断をしていただく、そういうことであろうかと思っております。
 今、ご指摘いただいた趣旨を踏まえながら、公会計制度改革の取り組みをさらに進めまして、財政運営のより一層の透明性向上に努めてまいりたいと思っております。

○東村委員 最後に、この隠れ借金の中で、いわゆる減債基金積立不足額五千九百十六億円、これは、先ほどからもう議論があったんで、あえて質問しないようにしたいと思うんですけれども、議論の中で、私は一番大事だなと思ったのは、償還しなければいけない残高、これは公会計制度の改革で負債の部に載ってきます。それから現時点での積立額、これも載ってくると思うんです。先ほどから説明がありましたように、公債の場合、三年間据え置いて、七年間六%ずつずうっと積み立てていく。だから、一〇〇とした場合に、四二%分積み立てられるわけですね。残り五八%分、これをさらに十年間繰り延べて、その六%をまたずうっと積み立てていく。さらに十年来たら、この残りの部分の六%を積み立てて、大体三十年で返すことができる。こういった仕組みが、この公債の償還の仕組み。平成九年からですかね、これをやるようになったわけですよね。
 そういった中で、六%を積み立てられなかった。時には、その四分の三だった場合がある。また二分の一だった場合がある。これがずうっと残っているがゆえに、結局、不足額として五千九百十六億が残っている、このように認識をしているわけなんですけれども、まず確認の意味で、よろしいでしょうか。

○熊野主計部長 おっしゃるとおりでございます。

○東村委員 そういった意味で、これこそまさに公会計で貸借対照表がつくられて、その中で、負債の部と資産の部に積み立てと借金がある、その中で、出てこない、見えない隠れ借金、オフバランスの借金だと私は思うわけでございます。そういった意味で、今後も隠れ借金として残っていくのが五千九百十六億、今現在ですね。これがオフバランスの隠れ借金だと思うわけでございます。そういった意味で、公債のこのさまざまな積立不足というのは、最後にここにも書いてますけれども、ここをやらなきゃいけない。これはまさに財務局の今のスタンスであり、私は理解できる部分だと思っております。確かに我々の立場からすれば、景気の回復は予算獲得のチャンスなんですけれども、ただ、都財政の再建ということを考えれば、この体力回復のチャンスといっている財務局のスタンスも理解できるわけでございます。
 そこで、最後に、このいわゆる都財政の体力回復に向けての、そして十八年度の公会計制度の改革に向けての局長の決意を伺いたいと思います。

○松澤財務局長 今回のこのパンフレットにも書いてございますように、現在、都財政、巨額の財源不足とともに、隠れ借金が依然として存在するとともに、貯金に当たります基金残高が底をつくなど、財政の対応能力、大変厳しいといいますか、限界に来ているところでございます。
 このため、やはり先ほども議論ございましたが、景気が回復している今こそ、早急に都財政の基礎体力を回復する、まさにチャンスでありまして、そうした対応を図ることこそが、将来を見据えた財政運営につながっていくということで、現下のこうした取り組みが重要なポイントだと、このように考えております。
 また、その前提としまして、今先生のお話にありましたように、隠れ借金の問題のお話もございましたけれども、やはり公会計制度改革を実現して、またそれに至る過程の中で、発生主義の発想とか、複式簿記の視点というものを財政運営の中に取り入れて、積極的にそういうものも明らかにしながら財政運営をしていかなきゃいけない、このように考えております。
 そういう意味で、今後の財政運営に当たりましては、都民サービスのさらなる充実と、強固で弾力的な財政基盤の確立を目指して、財政構造改革を進めながら、基礎体力の回復を図りつつ、これから中長期的な視点に立った取り組みを行っていく決意でございます。
 また、その際には、十八年度を目指して、これから公会計制度改革の実現、ちゃんといくように一生懸命頑張りますし、また、都議会の皆様、都民の皆様のご理解とご協力が不可欠でございますので、ご指摘のありました財務情報などの説明責任についても、これまで以上に果たしていきたいと、このように考えております。

○東村委員 最後に一言いわせていただきたいんですけれども、こういう財政改革の中で、これはさっきの話じゃないんですけれども、こういう約なんて金額が出てくると、つくられたものじゃないかという話が出てきます。そういった意味で、きちっと公会計制度を着実に進めていただいて、見える借金は見える借金として、その上で、隠れ借金が具体的にこれだけあるんだというのをきちっとやっていけば、多くの議員の皆さんも理解していただけるでしょうし、都民も理解していただけると思いますので、その制度改革に向かって全力で頑張ってもらいたいと思います。
 以上でございます。

○倉林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○倉林委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 本日はこれをもちまして委員会を閉会いたします。
   午後四時二十八分散会

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