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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第五号

平成十三年三月二十一日(水曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長遠藤  衛君
副委員長松原 忠義君
副委員長大木田 守君
理事西条 庄治君
理事古館 和憲君
理事大西 英男君
鈴木貫太郎君
野田 和男君
星野 篤功君
山本賢太郎君
松村 友昭君
桜井良之助君
渡辺 康信君

 欠席委員 なし

 出席説明員
主税局局長大塚 俊郎君
総務部長白戸  毅君
税制部長鮎澤 光治君
税制調査担当部長川村 栄一君
参事谷口 広見君
調整担当部長須々木亘平君
課税部長佐藤 昭久君
資産税部長齋藤  熙君
徴収部長小泉 克已君
参事小林 宣光君
収用委員会事務局局長安間 謙臣君
次長宇口 昌義君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出 収用委員会事務局所管分
 主税局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出 主税局所管分
  ・第三号議案 平成十三年度東京都地方消費税清算会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第五十号議案  東京都都税条例の一部を改正する条例
  ・第五十一号議案 東京都都税事務所設置条例の一部を改正する条例
  報告事項(質疑)
  ・平成十三年度地方税制の改正について
  請願陳情の審査
  (1)一二第六五号
  (2)一二第六七号 都市計画税の軽減措置の継続に関する請願
  (3)一二第六九号 都市計画税の二分の一減免措置の継続に関する陳情

○遠藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元に配布の会議日程に従いまして、収用委員会事務局関係の予算調査並びに主税局関係の予算調査、付託議案審査、報告事項の質疑及び請願陳情審査を行います。ご了承願います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○遠藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○遠藤委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○遠藤委員長 これより主税局関係に入ります。
 予算調査、付託議案審査、報告事項の質疑及び請願陳情の審査を行います。
 第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳入、歳出、主税局所管分、第三号議案、第五十号議案、第五十一号議案、報告事項、請願一二第六五号、請願一二第六七号及び陳情一二第六九号を一括して議題といたします。
 初めに、請願陳情について理事者の説明を求めます。

○鮎澤税制部長 請願一二第六五号外一件、都市計画税の軽減措置の継続に関する請願及び陳情一二第六九号、都市計画税の二分の一減免措置の継続に関する陳情についてご説明申し上げます。
 これらは、いずれも都市計画税の軽減措置に関する内容でありますので、一括してご説明させていただきます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会付託請願陳情審査説明表の一ぺージから三ぺージをごらんいただきたいと存じます。
 本件請願及び陳情の趣旨は、小規模住宅用地に係る都市計画税の軽減措置を、現行のまま、平成十三年度以降も継続していただきたいというものでございます。
 小規模住宅用地に係る都市計画税につきましては、ご案内のように、区部における住民の定住確保を図る等の見地から、都独自の措置として、その税額の二分の一を軽減する措置を講じてきたところでございます。
 平成十三年度につきましては、現在の景気状況における納税者の負担感等に配慮し、現行の措置を継続することとし、条例の改正をお願いしているところでございます。
 平成十四年度以降のあり方につきましては、今後検討してまいります。
 本件請願及び陳情についての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○遠藤委員長 説明は終わりました。
 本案及び報告事項につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○白戸総務部長 先般の委員会におきましてご要求のございました主税局関係の資料につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、目次の次にございます一ぺージの要求資料第1号、法人事業税の業種別調定実績についてご説明申し上げます。
 この表は、平成五年度から平成十一年度までの七年間につきまして、業種別に法人事業税の調定実績をお示ししたものでございます。
 次に、二ぺージの要求資料第2号、法人事業税の資本金別調定実績についてご説明申し上げます。
 この表は、平成五年度から平成十一年度までの七年間につきまして、資本金別に法人事業税の調定実績をお示ししたものでございます。
 次に、三ぺージの要求資料第3号、自動車税のグリーン化(超過不均一課税)対象台数についてご説明申し上げます。
 この表は、平成十三年度の自動車税の定期課税時における軽課と重課のそれぞれの対象自動車台数見込み、及びそれに適用する税率の増減割合をお示ししたものでございます。
 次に、四ぺージの要求資料第4号、合衆国軍隊等に対する地方税の非課税措置につきましてご説明申し上げます。
 この表は、日米地位協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律により、日本国内にございますアメリカ合衆国軍隊及びその構成員等に対して、非課税となっております地方税をお示ししたものでございます。
 次に、五ぺージの要求資料第5号、付加価値税等適用税率の国際比較についてご説明申し上げます。
 この表は、主要国首脳会議参加国における付加価値税等について、標準税率及び食料品に対する税率をお示ししたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料に関する説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

○遠藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料とあわせて、本案、報告事項及び請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○野田委員 軽油引取税をめぐる諸問題について質問いたします。
 軽油引取税は、十三年度予算において六百十二億円計上されております。都税としては十六税目中、九番目の歳入を見込む貴重な財源であります。しかし、この税は一般都民にはなじみが薄く、一リッター当たり約三十二円の地方税として軽油引取税がかかることや、消費者が自分で納税しているという認識が薄いものであります。今、町の中でおよそリッター八十円で売られているようですが、中には五十円台という非常に安い価格で販売している業者もいると聞いております。これは、とりもなおさず軽油引取税を脱税しているといわざるを得ないわけでございます。
 こうした軽油には、A重油などがまぜられています。A重油には一リッター当たり約二円の石油税が課せられていますが、自動車燃料に対する軽油引取税などの対象とはなっておりません。また、A重油などをまぜた、いわゆる混和軽油は環境に大きな悪影響を及ぼすものであります。それが極めて重大な問題であります。
 環境局が発表したところによりますと、軽油とA重油を一対一の割合でまぜ、ディーゼル車を走行した場合、正常軽油に比べて粒子状物質が一四から一七%、窒素酸化物が七から三五%増加するとの調査結果が示されております。また、平成十一年度の都内における年間軽油流通量は三百四十万キロリットル、うち約一〇%が不正軽油であり、脱税額が約百十億円であるということを聞き及んでおります。これは絶対に許してはならないことであります。
 昨年十一月の東京都の広報によりますと、つくらせない、買わせない、使わせない、不正軽油撲滅PRという四つの作戦が掲載されていましたが、不正軽油の撲滅に対する行政当局の深い思いには私も同感であります。
 さて、そこで質問に入ります。昨年九月以来、主税局を中心に、都を挙げて取り組んでいる不正軽油撲滅作戦について、何点かお伺いいたします。
 まず、この作戦は、いわゆるアウトローの介在や、広域かつ複雑な流通経路、さらには末端ユーザーが不正軽油を容易に使用し得るといった困難な状況の中での取り組みと聞いております。大変なご苦労を重ねていることと思いますが、これまでに具体的にどのような作戦を実行し、どのような実績を上げてきたか、お伺いいたします。

○佐藤課税部長 ただいま野田委員の方から大変励ましの言葉をいただきまして、ありがとうございます。私ども従事しております職員は、厳寒のさなかに昼夜をいとわずにやっておりますけれども、大変励みになろうかと思います。ありがとうございます。
 お答えさせていただきます。
 昨年九月、知事が不正軽油撲滅作戦の開始を表明して以来、大規模な路上検税を初め、工事現場や貯油施設、築地、大田の両市場やトラックターミナルなどで抜き取り調査を実施してまいりました。抜き取りました燃料につきましては、十三年二月五日現在でございますけれども、二千七百七十六本、分析した結果、軽油以外の燃料の混和が検出されましたのは三百九十六本、検出率は、車両等で約五%、重機等で二六%、平均一四%でございました。
 このほか、十九万枚のチラシの配布、あるいは四万枚のポスターの掲示はもとより、ホームぺージや電光掲示板などを用いましてPRを行ったほか、知事がみずからテレビに出演いたしまして都民へ訴えるなど、積極的に周知を図ってまいりました。また、庁内の推進会議や民間との協議会、八都県対策会議などの場を設置いたしまして、相互の連携を深めるとともに、各種事業を共同して取り組んでおるところでございます。

○野田委員 厳しい環境のもとで、工事現場における抜き取り調査や大規模な路上検税を実施してきたということでございますけれども、それらの抜き取り調査などの結果、混和軽油が発見された場合、どのような対応を行っているのか、お伺いいたします。

○佐藤課税部長 抜き取り調査におきまして混和が発見されました場合は、自動車や重機の保有者に対しまして、事情説明や帳簿調査を行い、その結果を踏まえまして課税処分を行っております。また、その販売先に対します追跡調査を実施し、販売の実態を把握した上で製造基地の発見に努めております。
 いずれにいたしましても、業として混和を行うなど悪質なケースにつきましては、通告、告発など断固たる措置を行うものでございます。去る一月三十日には、不正軽油を直接ダンプへ販売していたという業者につきまして強制調査を実施し、二月十五日には東京地方検察庁へ、作戦開始以来、第一弾の告発を行っております。
 なお、重機等から混和が発見されました場合には、混和の原因等を調査するとともに、工事請負業者に対しまして意識啓発を目的とした文書を送付しております。

○野田委員 不正軽油の撲滅作戦は、組織の枠とか既成の観念を超えた、これまでに例のない取り組みであり、今までの役所的な発想を打ち破る画期的な取り組みと私は評価しております。
 そこでお伺いしますが、庁内各局とは具体的にどのような連携を図っているのか、また、民間団体とも共同して活動を行っているということでございますけれども、その内容をお聞かせ願いたいと思います。

○佐藤課税部長 作戦を全庁的な取り組みといたしますため、各局の総務部長等をメンバーといたします東京都不正軽油撲滅推進会議を設置し、都における具体的な取り組みに係る連携協力を図ってまいりました。
 また、公共事業から不正軽油を排除するため、工事関係基準協議会、契約事務協議会及び東京都技術会議と連携いたしまして、各局独自の抜き取り調査、工事請負業者や軽油納入業者に対します指導、PR活動などを行ってまいりました。特に警視庁の全面的な協力のもとに、排ガス検問車を用いました自動車公害取り締まりとタイアップいたしまして、大規模な路上検税をこれまで三回実施してまいりました。
 また、民間団体との連携につきましてでございますが、昨年十一月に、東京都石油商業組合、社団法人東京建設業協会など、都内におきまして軽油の販売あるいは消費を行っております五つの団体と東京都不正軽油撲滅推進協議会を設置いたしまして、不正軽油を首都圏から追放するための方策について協議を行い、実践してまいりました。近々、不正軽油をつくらない、買わない、使わないという趣旨を盛り込んだ、不正軽油撲滅東京宣言を採択する予定でおります。

○野田委員 今回の作戦において、税務調査にとどまらず、環境にも重点を置き、都民に広く不正軽油の問題を訴えるため、各種メディアを通してPRを行ってきたと聞いております。また、私のところに見えた主税局の職員の皆さんの名刺を見ますと、このように、不正軽油はノーというシールが張られておりました。これは、主税局の職員の皆さんが一丸となってこの作戦に取り組む姿勢があらわれているものだと私は評価しております。こうした小さな取り組みが全庁に広がり、さらに全都民に広がっていくことこそが必要であると考えます。
 そこで、こうした取り組みの結果、都民からどのような反応があったのか、お伺いいたします。

○佐藤課税部長 不正軽油撲滅作戦を開始して以来、多くの都民の方々から、封書、Eメール、電話、ファクスなど、三千件を超える意見や問い合わせをいただいております。また、さらにインターネットでのアクセス件数は三万五千件にも上っております。これらのうち、作戦を支持するかどうかの意見につきましては、約九六%の方々が支持するというふうにいただいております。
 これらの結果から、今回の作戦の重要性が、徐々にではございますが、広く都民に浸透してきているものと考えております。

○野田委員 最後に、環境問題は今、一刻の猶予も許されない、いわば待ったなしの課題であります。首都圏から不正軽油を一掃し、納税秩序及び都民の健康を守る上で、不正軽油撲滅作戦が果たす役割は非常に大きいと思います。また、その目的や手法など、非常に斬新かつ有意義なものであります。
 今後も、都民のため、環境のため、この取り組みを充実させていくべきだと考えますが、主税局長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○大塚主税局長 ご指摘のとおり、不正軽油は都民の生命と健康を直接脅かしておりまして、これを一掃することは、当面する都の最重要課題の一つであります。不正軽油を撲滅するためには、製造販売に携わる事業者だけではなくて、都民一人一人が自分たちの環境を守るために、それを許さないという強い意識と認識とを持つことが何よりも大切であります。
 主税局といたしましては、これまで不正軽油が社会と環境に対する犯罪であることを広く問題提起して、都民と共働する土壌をつくり、大きな世論を形成するよう努めてまいりました。今後とも環境改善と納税秩序の維持に向けて、庁内はもとより、民間団体及び近隣各県並びに区市町村と連携しながら、都民の幅広い支持と協力を得るための努力を行ってまいります。
 また、四月から施行される環境確保条例に基づいて自動車Gメンが設けられますが、環境局の体制は、残念ながら、OBが中心になりまして、量的にも必ずしも十分ではありません。これを補うため、これまでにない試みではございますが、局の枠を超えて、主税局の精鋭検税部隊がこれを兼務することといたしました。これによりまして、一層強力に不正軽油撲滅作戦を遂行してまいります。都民の健康を守るため、知事の強いリーダーシップのもと、今後とも全力を挙げて作戦に取り組む決意であります。

○古館委員 それでは、何点か質問させていただきます。
 最初に、二〇〇〇年度末の最終補正と二〇〇一年度の当初の、それぞれ税収増というのが非常に大きなものでございまして、当初予算で見ましても、十二年度の当初と十三年度の当初で比較すると、都税全体で四千八百十九億円の増になっております。そのうち、非常に大きな比率を占めているのが法人二税なんですね。この中には銀行課税の千四百十六億円も入っているんですが、かなり経済情勢といいますか、デフレがどうだこうだという話なんかもいろいろあるわけなんですけれども、そういう中で、今回の十三年度当初の税収、それから二〇〇〇年度末の税収をこのように見越した根拠について、まず最初にお伺いしたいと思います。

○鮎澤税制部長 平成十二年度の都税収入につきましては、IT関連業種を中心とした企業収益の回復などによりまして、法人二税が大幅な増収見込みとなったことによるものでございます。また、平成十三年度につきましては、銀行業等に対する外形標準課税に加え、年度の前半は、好調であった前年の企業収益が一定程度反映するものと見込みました。しかし、年度後半は、景気減速の影響などから、その伸びは低下すると見通したものでございます。

○古館委員 わかれば教えてほしいんですけれども、年度の前半というのは、つまり、この半期分が前半で反映されていくということなんだと思うんですね。その後がかなり鈍るというのか、その辺の落差というんですか、その辺は見通しているんでしょうか。もしわかったら教えてほしいと思います。

○鮎澤税制部長 先ほど申し上げましたように、年度前半につきましては、今年度の企業収益の影響がタイムラグがありまして、それが反映する部分があるということでございます。年度後半につきましては、ただいまの足元の景気の状況等を判断いたしまして、景気減速の影響などから、その伸びは低下するというふうに考えているところでございます。

○古館委員 その問題については、いわゆる数値的にはこうですよと、それはなかなかいわくいいがたいということで、繰り返し同じような答弁になったのかなというふうに理解をしておりますが、何かそういう形では見込み、推計みたいなのはあるんですか。あったら、もしよろしかったら教えていただければと思います。

○鮎澤税制部長 都税と国税との関係で申し上げますと、三月の決算法人につきましては、都税の方は翌年度に回るという形になっております。そういったタイムラグの関係がございますので、年度前半につきましては九・九%の増、後半につきましては三・八%の増というふうに見込んでいるところでございます。

○古館委員 今、経済情勢、いいというふうに見通しているところはどこもないんですが、本当に主税局の予測が引き続きプラスになっていくということも望みつつ、これからの質問に入りたいと思っているんです。
 私は、都税調の特別委員に任命していただきまして、一緒に勉強させていただきました。そこの中で、私なんかも意見をたくさんいわせていただいて、それが、答申の取りまとめの最後に付記事項ということで、記載していただいたということについて大変評価しているところです。
 そういう中で、私も幾つか消費税の関連、それから所得税の関連、そういうものについても意見をその当時述べさせていただいたんですが、その基本は、今でも私の意見は変わっていないんですが、その前提でお話しさせていただきたいんです。都税調の答申を受けて、これから都として具体化するわけですが、この都税調の答申について、どのように評価されておられるでしょうか。

○鮎澤税制部長 都税調の答申につきましては、二十一世紀の地方主権を支える国と地方の税財政制度のあり方を具体的に示したものでありまして、極めて有意義なものであると考えております。

○古館委員 極めて有意義なものであるということですけれども、具体的にちょっとお聞きしたいんですが、国からの税源移譲というのが都税調の試算の中にもあります。それで、都税調が答申した国からの税源移譲の税源税目と、それに伴う税源移譲額をお伺いしたいんです。

○鮎澤税制部長 答申におきまして税源移譲の対象とされました税目は、所得税から個人住民税、消費税から地方消費税、たばこ税から地方たばこ税でありまして、税源移譲額は全体で七兆二千億円というふうになっております。
 なお、都への税源移譲額につきましては三千八百億円でありまして、その内訳は都民税が一千五百億円、地方消費税が二千三百億円でございます。

○古館委員 今のご答弁でもはっきりしているんですけれども、今回の国の税源移譲の問題は、一番の税目、そして税収、移譲する税源というのが何かというと、消費税なんですよね。消費税が全体で三兆八千億円、そういう税源移譲を見込んでおります。これは、今四対一なんですけれども、それを一対一にする、つまり、フィフティー・フィフティーにするということですから、今の五%でいうと、一%対四%というのを改めて、二・五%対二・五%ということを提案しているんだと思うんです。
 この場合に、今、やたら政府の方でも、消費税増税というふうにいった大蔵大臣もいるわけなんですが、そういうふうに消費税の増税が仮に一〇%なら一〇%となったときも、この税調答申は一対一ということを見込んでいるんでしょうか。

○鮎澤税制部長 答申につきましては、現行の五%という税率を変えないことを前提に、消費税と地方消費税の割合を一対一と見直すことを提言しているということでございます。

○古館委員 つまり、今の五%を動かさない、こういうことで一対一ということですね。私は、仮にといったわけですが、消費税率が変わっていく、例えば一〇%みたくなった場合には、そこまではこの答申では想定していないということで理解しているんですか、それとも、そんなことは考えていないということなんでしょうか。それは、あくまでもそこの時点になって、またどうするかということだよということになるんでしょうか。

○鮎澤税制部長 先ほど申し上げましたように、東京都の税制調査会の答申は、現行の税率を前提といたしまして、一対一として見直すことを提言しているだけと、そういう考え方でございます。

○古館委員 そういうふうに今答弁がありました。私どもは、この問題については、やっぱり現実的かどうかという問題も問われると思うんですよ。じゃ、一対一にして、今の消費税を国が二・五%分として地方に移譲できるかというと、今の状況だと、国の姿勢からいっても考えられない。そういうことになっていくと、仮にそういうふうに、じゃ、やりましょうといった場合に、既に国は四%分消費税を持っているわけですから、四%、四%で、八%か、あるいは一〇%にしようかと、こういうふうになってしまうことを我々は非常に危惧をしております。
 そこの分でいうと、本当に大増税になっちゃうわけで、この問題については、改めて今、そこの答えしか出ませんので、いわゆる五%以内で考えていますということをただ押さえておきたいが、今後そういう点でいうと、大増税への地ならしみたいな感じをどうしても受けてしまうということだけ指摘して、次の消費税関連に質問を移したいと思うんです。
 特に、簡易課税制度の適用の問題、それから、とりわけ免税点の引き下げの問題で、税調ではこの問題を指摘して述べております。課税最低限の引き下げとか、それから免税点の問題についていいますと、私は明らかに、できた当時から、中小企業、中小商工業が多い日本だから、そこに対しての配慮ということでつくられてきたものだと思っているんですが、この問題を税調の答申の中では、見直しをしていく、しかも、かなり明快に見直しの方向も示しているわけですよね。三分の一への引き下げ、これがいわゆる免税点ですね、そういう形で、かなり具体的にしています。三分の一に引き下げといいますと、三千万円以下の免税点というのを一千万円以下に下げるわけですよね。ですから、相当の人たちが、この消費税が課税になっていくということになります。
 この問題についてお伺いをさせていただきますけれども、これは実際には庶民増税に拍車をかけるというふうに私は思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○鮎澤税制部長 先ほどの、いわゆる消費税を移譲財源としたときに税率等に影響があるのではないかというお話でございますが、現行地方交付税制度におきましては、国の消費税を交付税の財源としておりまして、そこには既に三兆円が国から地方へ移管されている形をとっておりますので、必ずしもそういったことは当たらないのではないかというふうに考える次第でございます。
 また、消費税の免税点の引き下げ及び簡易課税制度の見直しにつきましては、適正公正な課税を図るという観点から提言されているものでございまして、この適正公平な課税というのは、税制に対します国民の信頼を確保していく上で不可欠なものでございます。そのために、こういった制度を見直していくかどうか、または消費税全体の問題として、国民的な議論によって検討されるべき課題であると考えております。
 なお、その結果といたしまして、個別税負担に増減があったとしても、それは制度として判断すべき問題であるというふうに考えております。

○古館委員 免税点の引き下げとか簡易課税制度の適用の引き下げというのは、適用されていくと、中小商工業に税負担が出るというのは明らかなことですよね。しかも、答申の五八ぺージでは、地方消費税を含めた税率については、これを引き上げていくことが課題だということをいいつつ、全体として消費税の増税ということも視野に入れた答申の内容になっております。
 私どもは、消費税の問題については、本当に今、国民そのものを直撃して、三%から五%になってから今のような状況になってきて、そこから立ち上がり切れていない、ますます深刻の度を強めてきているということなわけですよね。したがって、私どもとしては、今こそ、消費税は引き上げるどころか、三%にやっぱり引き下げる。消費購買力を高める上では、消費税を引き下げることが一番の景気対策になるという立場で、これからも大いにそうした立場で臨んでいきたい、このように思っているところです。
 そこで、次の質問に移らせていただきますけれども、所得税の問題であります。この所得税を住民税に移譲するという部分があるんですけれども、この中で、税源移譲の柱としての個人所得課税なんですが、夫婦子どもさん二人、この給与所得者の所得税、個人住民税の課税最低限、これについては、それぞれ所得税、個人住民税で幾らかお答えいただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 夫婦子二人の給与所得者の課税最低限につきましては、所得税では三百八十四万二千円、個人住民税では三百二十五万円でございまして、国際水準としてはかなり高いものではないかというふうに考えております。

○古館委員 国際水準の問題というのは後においておきますけれども、先ほどの答弁ですと、所得税の課税最低限は三百八十四万二千円、個人住民税の課税最低限は三百二十五万ですから、ここで約六十万近い額の差があるわけですね。所得税はかからないけれども、個人住民税はかかるというケースがこれでは出てくるわけです。個人住民税の最低税率五%が、あの答申の提言でいいますと一〇%にフラット化するというふうになっていますから、一〇%に引き上げられる。そうすると、税源移譲の結果、この人たちには個人住民税課税が増税になってしまう、こういうことになるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

○鮎澤税制部長 先ほども申し上げまして繰り返しで恐縮でございますが、夫婦子二人の給与所得者の課税最低限につきましては、所得税は三百八十四万二千円、住民税は三百二十五万円でありまして、その水準は国際的には相当高いものである。例えば、アメリカでは二百四十五万円でございます。イギリスでは百十三万四千円、フランスでは二百九十四万三千円となっておりまして、日本の水準と比べますと、かなりの格差があるというふうに考えられるところであります。
 東京都税制調査会の答申におきましては、現行の課税最低限を前提といたしまして、税源移譲の試算をしたものでありますが、住民税の負担水準そのものについては、二十一世紀の少子高齢化の進展を見通しまして、地域住民の費用を皆で分かち合うという住民税のあり方をどう考えるかという問題でございまして、これにつきましては、国民的な広い議論があって検討されるべき課題と考えております。

○古館委員 検討されるべき課題といっても、答申でそういうふうにいっているわけですよね。今、三百八十四万という、私も夫婦子二人というふうに聞きましたが、単身の方だったら、若い働いている層だったら、課税最低限、そこまでいっちゃうんでしたら、幾らですか。百十四万ぐらいじゃないでしょうか、違いますか。

○鮎澤税制部長 単身の場合につきましては百十四万四千円でございます。

○古館委員 だから、月額にしても、平均でならしたって十万にならないわけですよ。その中に、例えばボーナスだとか手当だとかいろいろ入っていきますと、一カ月の収入というのはもっと下がるわけですよね。そういう部分でいうと、私もそのことで今質問をしたわけだけれども、なぜかというと--税の問題でいうと、ここの問題を例えで出すのが一番わかりやすいから出したわけなんですけれども、こういう部分が増税になってしまうということは、先ほど暗にお認めになった答弁をしたというふうに思うんですよね。
 だから、私はこういう部分でいっても、国からの所得税から住民税の移譲というものの中に、やっぱり増税になる部分が出てくるということ、この点については改めて指摘をしておきたいし、この点について私も都税調で意見としても述べたところですので、指摘をして、最後の質問に移りたいと思うんです。
 答申では、課税最低限の引き下げの方法として、当面、所得控除について、特定扶養控除の見直しということをいっております。この特定扶養控除の見直しというのは、十六歳から二十二歳までの子どもさんを扶養する家庭が一番もろに影響を受けるという部分が、この特定扶養控除だと思うんですね。つまり、学齢期なんですよ。高校、大学、その世代というと一番お金がかかる時代なんですよ。もう既に経験された方もいらっしゃるし、現在、それで生活が大変だという方もいらっしゃると思うんですけれども、ここの部分に対して、都税調の答申では見直しということをいっています。
 これが、先ほどいいましたけれども、十六歳から二十二歳までの子どもを扶養する家庭がその分の影響を受けることになりますので、それでお聞きしたいと思うんですが、特定扶養控除の額は、所得税、住民税でそれぞれ幾らになっているでしょうか。

○鮎澤税制部長 特定扶養控除につきましては、所得税は六十三万円、住民税につきましては四十五万円ということでございます。先ほども申し上げましたとおり、国際的に見ますと、我が国の課税最低限というのは非常に高いものになっておりまして、そうした中で、繰り返しになりますけれども、二十一世紀の少子高齢化の進展を見通した税制全体の中で、さらにはほかの施策等の関係の中で、こういった問題については検討されるべきものというふうに考えております。結果的に税負担の増減がありましても、それは、地方自治を支える基幹税目としての住民税のあり方を含めまして判断すべき問題であると考えております。

○古館委員 そのことについては私もちょっと意見がありますので、後で述べますけれども、今の答弁ですと、所得税での特定扶養控除額は六十三万円、それにその他の一般的な扶養控除が三十八万円ありますから、差し引きすると二十五万円ですよね。仮にこの方が一〇%の税率の方だとすると、所得税の部分だけで二万五千円程度の税負担増になる。それから住民税の場合、四十五万が、先ほどいった特定扶養控除額です。それに一般的な扶養の控除額が三十三万円、だから、十二万円ぐらいですね。この方も、やはり税率が一〇%だと、三万六千円ぐらいの税負担増になる。この人が住民税で五%ラインの方だったら、それでも三万円近くの税負担増になる、つまり、増税になるということなんです。
 私どもは、こういうことを東京都の答申として掲げるべきではない、こういうふうに思って、私もこの問題について意見を付記させていただいたわけなんですけれども、この問題についてはそういうことになるという点では、ご理解というか、私の認識に何か違いがあるでしょうか。

○鮎澤税制部長 東京都税制調査会がいろいろと検討されております税源移譲の問題等につきましては、あくまでも所得税、住民税を全体で考えました税負担の問題を考えております。そういう中で均衡がとれ、ニュートラルになるように税制全体を考えていくということでございますので、今先生がおっしゃるようなことには、必ずしも当たらないのではないかというふうに思います。

○古館委員 ただ、私の今いった積算というのは、それなりに一定の妥当性を持っているというふうに、今の主税局の答弁を聞きましても、こういう部分に該当する人もいるということだと思っています。
 ちなみに、この特定扶養控除を今適用されている家庭というのは、四十七万世帯あるといわれています。これはかなり深刻な、しかも、子どもさんがちょうど学齢期に達しているという、生活が一番大変な状況の中で、こうしたことについて、むしろそういう考え方自体を見直しをする必要があるということを指摘させていただきたいと思います。
 最後に、意見として申し述べさせていただきますが、私ども日本共産党は、税制民主主義という立場をとっております。その税制民主主義というのは、税金というのは生活に必要な費用にはかけない、これは憲法二十五条を含め、とした規定が明確にあります。
 それなら、どういうふうにするかということですが、所得の少ない人には税負担は軽くする、所得の多い人や、また、所得をたくさん、もうけをたくさん上げている大企業、こういうところからは応分の負担を求める、この原則を私どもは税の負担原則としてこれまでもずっと主張してまいりました。この立場を今後、ぜひ東京都としても貫いてもらう。
 私どもは、そうした立場から、これからも大いに都政の場で議論もしていきたいというふうに述べまして、私の質問を終わります。

○桜井委員 税源移譲に関連して、私も若干基本的な問題について触れたいと思うんです。
 ただいまも議論がありましたが、都税調の答申では、所得税から個人住民税、また、消費税から地方消費税ということで都の主張が述べられているわけであります。ただいまの答弁の中にありましたが、確認のために、その都の主張の考え方を伺いたいと思います。

○鮎澤税制部長 東京都税制調査会の答申におきましては、税源移譲を進めるべきであるとしております税目につきましては、その基本的考え方は、これらの税目がいずれも全国的に普遍的に税源が存在する税であるということ、加えまして個人住民税は、地域住民が社会的費用を分かち合い、住民が受益と負担の関係、それを負担することによりまして意識できる税であるということ、それから地方消費税におきましては、地域における消費が地域振興に反映される税であるということ、こういった考え方に基づきまして、これらの税を移譲財源としてふさわしいとしているところでございます。

○桜井委員 一つの考え方に基づいて、個人住民税と地方消費税による税源移譲が提案されたというふうに受けとめるわけでございますが、この都の税調の移譲案につきましては、他の地方団体などでどのような反応があったか。また、あったとすれば、どこからどのような内容についての反応であったか、また問い合わせがあったか、これをお伺いしたいと思います。

○鮎澤税制部長 税源移譲案に対しましては、これまで、国の財務省あるいは総務省などのほか、地方団体では複数の県、あるいは政令指定都市から問い合わせがございました。また、その問い合わせの内容でございますが、やはり税源移譲についての基本的な考え方を問うもの、あるいは非常に詳細なシミュレーションを行っているわけでございますので、そのシミュレーションの内容と手法がどういうものであるかというような点が主なものでございます。
 このうち、私どもの感想では、シミュレーションの内容と手法というところが、国におきましても、他の団体におきましても、一番関心を持っているところではないかというふうに考えております。

○桜井委員 静かな反応が、それなりにあったと思います。私や大木田さんのところにも、京都市とか、いろいろなところから、内容を教えてほしいという問い合わせもございましたし、それなりの反応があったと思います。それで、税源の移譲については、いろんなところでいろんな議論が今なされているわけでありまして、他の自治体でも、新聞報道等によると、それなりに独自の検討をやっているようでございますが、他の自治体の検討状況について伺いたいと思うんです。法定外普通税を含めて検討しているという情報もございます。
 そこで、他の道府県において、検討の組織といいますか、機関といいますか、そういうものをつくって税源移譲について検討している団体はどの程度あるのか、また、あわせまして、地方の独自の課税について検討している団体はどのくらいあるのか、ご承知であれば示していただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 他の道府県の状況でございますが、三月現在の調査をいたしますと、何らかの形で税制に関する検討会を設けておりますのは四十道府県に上っております。そのうち、先生がおっしゃいました、地方の独自課税である法定外税について検討している団体は三十八団体でありまして、いろいろな県におきまして新税を検討しているということでございます。
 なお、付言いたしますと、いわゆる税源移譲等の地方税財政制度についての検討を行っております団体につきましては、十五団体程度あるというふうに認識しております。

○桜井委員 都税調が、こういう論議に大きな波紋を投げかけたということだと私は思っております。ここへ来て一斉に、税の移譲についての議論がいろんなところで行われております。それは、現在の交付税制度のあり方や、あるいは国と地方との税の配分の問題等、それぞれの立場でいろいろな意見がいろいろなところで行われているということで、都税調というものが大きな、先ほど静かなといいましたけれども、そういう議論に波及しているという効果はあったというふうに思いまして、その意味では大いに評価したいと思うんです。
 私が興味を持って見たのは、二月二十八日の日経新聞に「所得・法人税で新制度を」という表題のついた、いわゆる論壇記事があるわけなんですが、ごらんになった方もいらっしゃると思います。この記事の内容は、地方交付税も含め、補助金や負担金など国からもらう財源は、地方主権の立場から一切廃止すべきである、その上で、所得税とか法人税のかなりの部分を、いわゆる共同税とするんだ、そして、その上で新たな財政調整制度を地方間でつくっていくという内容になっているわけなんですね。見ますと、仮説と都税調の案を取り上げた、いわゆる仮定で試算していることであって、内容も私は都税調の方が緻密ではないかなと思うわけなんですが、先ほどいったように、税源移譲をめぐる議論が盛んになることは大変結構なことだと思います。
 先ほどご答弁があったように、他の自治体でもいろいろと検討したり、それなりの主張を持っているということでありますから、そういう意味でも、これから議論がどんどん盛んになって、税財政制度の改革に大きな拍車がかかっていけばいいなと、こう思っているわけであります。
 そこで、この記事--ごらんになりましたよね。この記事の中にある、交付税の廃止という抜本的な見直しと、あるいは補助金制度の廃止というふうに、都税調と同じような内容も含まれているわけでありますが、一方で共同税というような新しい提案もあるわけでありまして、そこで共同税というのはいかなるものなのか、お伺いしたいと思います。

○鮎澤税制部長 共同税と申しますのは、国と地方とが共同して課税権を設定いたしまして、両方で持ちまして、そのいずれか一方が他方から委任を受けまして、一括して賦課徴収を行うものでございます。また、その税収につきましては、あらかじめ定められた配分割合に基づきまして、国と地方で分け合うというものでございます。

○桜井委員 どこかの国でこれを導入しているところはあるんですか。

○鮎澤税制部長 正式な名称はちょっとあれなんですけれども、ドイツで、この共同税については行っております。

○桜井委員 どんな内容ですか。

○鮎澤税制部長 今申し上げましたように、ドイツにおきまして、共同税ということでやっております。ドイツでは、連邦、州、市町村からドイツという国が構成されているわけでございますが、それぞれの課税権に基づきまして、連邦税、州税、それから市町村税を課しているほか、連邦、州、市町村の共通の税源として、先ほどの共同税が設けられているということでございます。共同税とされております税目は、所得税、法人税、売上税でありまして、それぞれの団体ごとの配分割合が定められております。所得税を例にとりますと、これは国ではなくて州が徴収をしておりまして、全体の税収の一五%相当額を市町村に配分いたしまして、残りの四二・五%ずつを連邦と州で折半するというものでございます。
 なお、連邦には、国民から選出されました連邦議会のほかに、ドイツにおきましては州の代表によって構成される連邦参議院というのが設けられておりまして、こういった共同税のように州の利害に関係する連邦法の制定に当たっては、連邦参議院の同意が必要とされるということになっているわけでございます。

○桜井委員 財政調整制度の一種だと思うんですが、我が国でいえば、交付税制度に若干似ている部分があるなという感じを受けるわけなんですが、勉強のために、もう一例ぐらい、そういった財政調整制度、あるいは間接税による税源配分を行っているような例はどこかあるんでしょうか。

○鮎澤税制部長 外国におきます国と地方の財政調整制度の例といたしましては、カナダにおきます平衡交付金制度及び売上税というのがございます。
 まず、平衡交付金制度は、州民の一人当たりの州間の収入力格差を解消することを目的としておりまして、その内容は、州ごとに州民一人当たりの標準的な税収等の歳入額を算出いたしまして、それが、国全体の平均的な財政力を有する州の一人当たりの平均の税収額の歳入額を下回っているという場合には、その下回っている差額分を国から州へ交付するというものでございます。
 次に、売上税でございますが、これはカナダの大西洋側の三州において実施されておりまして、連邦が賦課徴収し、それを連邦税分と州税分に分けた上で、それぞれの州に配分をしているという制度でございます。

○桜井委員 外国と日本では、国と地方の関係、制度的な仕組み、こうしたものが異なるので、必ずしも共同税について参考になるかどうかは研究をしていく余地がまだまだあると思いますが、ただ、国と地方が極めて平均的、あるいは平等性、こういうものに基づいて配分を行っているなという印象は承ったわけでありまして、その辺は日本とちょっと違うかなと思うわけであります。
 税源移譲しますと、都の案につきましても、いろいろな案や意見がありまして、いろいろな評価がありまして、一概にこのままうまくいくことは、なかなか大変だなという感がするわけであります。しかし、いずれにいたしましても、財政調整制度を考えていく際には、こうした共同税みたいなものも含めて、今後幅広く検討していくことが必要だなと私は思います。
 先ほど冒頭にもお伺いしましたが、都税調の答申では、国から地方への税源移譲として、所得税から個人住民税、消費税から地方消費税を基本とすべきであるとされているわけでありますが、地域住民が広く負担する税や地域の消費活動を反映した税、地方税としてより充実していくことは非常に大事なことだなと思います。
 そこで、先ほど外国の例を伺って、外国は、かなり地方と国が話し合いをしながら税の配分を決めているようでありますが、日本の国はどうもそうではないような気がいたします。そこで、これらの税収の状況について、国が徴収している所得税、消費税、その他の税を含めまして、その合計額と、それぞれの全国分と都の地域での徴収状況、これを示していただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 平成十年度の例で、所得税で申し上げますと、総収入額は十八兆四千億円が全国分でございまして、このうち、都の地域で納税されている部分は五兆六千億、全体の約三〇%ということになります。それから、地方消費税を含みます消費税の収入額につきましては、全体で十三兆円でありまして、このうち、都の地域で納税されております部分につきましては四兆五千億円、全体の三四%となっております。その他いろいろの税をすべて勘案いたしまして数字で申し上げますと、都の地域と全国との割合につきましては、全体では三一・四%という数字になっております。

○桜井委員 そのほかに、例えば法人税は全体で十二兆円、しかし、東京都は五兆三千億円、四三・六%、これは企業が集中しているということがあるんでしょうが、いずれにいたしましても、三割以上が東京都に集中しているということがわかるわけですよね。私が以前にも申し上げましたのは、調査したところによると、十八兆のうち、還元される額は約一兆円強しかないわけですよね。東京都は、もちろん企業の本社が集中したりして納税額が大きいといわれるのはわかりますけれども、それにしても、先ほどの外国は、やはり地方分権というものをかなり認めた上で税の配分を行っていると思います。それと比べると、東京は企業が集中して税収が多いかもしれませんけれども、財政需要の方も大変多いわけでありまして、そういう面からすると、十八兆に対して約一兆円というのは、余りにも還元額が少ないのではないかなというふうにいわざるを得ないし、また改めてこの点を指摘しておきたいと思うんです。
 一方では、都税調のいっている財源移譲が実現するためには、課題がたくさんあるといわざるを得ません。昨年も私は委員会で指摘しましたけれども、税源移譲を実現すると、純増額の三割が東京都に集中するという計算になるわけですね。他の自治体は逆に税収が減るところもあるし、相変わらず税収難に悩まなければならないところがたくさんあるわけですよね。そういう意味で--この税調の案を実現していくという目標を掲げた以上は実現をしなければならない、細かいところはいろいろと調整していかなければならない部分はありますけれども。やはり都のひとり勝ちであるとか、そういう評価も、既に指摘している人もたくさんいるわけですよ。そういう部分を乗り越えて、都の主張に他の自治体が理解を示していかなければならない。そのためには、いろんなことがあると思います。どういうことが懸念されているのか、お考えがあればお答えいただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 お尋ねの懸念の問題でございますが、何と申しましても最も大きな問題は、一つには、税源移譲を行っても、なお財政力が十分でない自治体が引き続き存在いたします。こうした自治体においては、地方交付税や国庫支出金に依存せざるを得ない実態にあるということでございます。二つ目は、税源移譲に伴う純増額が、先生のご指摘にありましたように、結果的に地方交付税の不交付団体に集中することになるということでございます。

○桜井委員 答申が出まして、都税調、都税調と盛んにいわれているわけなんですけれども、税源移譲というのを実現しなければ、やはり豊かな財政再建はできないわけなんですよね。ですから、これが単に目標だけに終わったのでは、都税調をやるという知事の大きな目標も徒労に化してしまうわけであって、実現するためには、やっぱりそれなりの取り組みをしっかりやっていかなければならない。これは、地方にとって大きなことなんですね。純増額が東京都や不交付団体にだけ集中して、一方では相変わらず財源難に悩む自治体が多く存在するということは、大変大きな問題なわけであって、地方自治体全体がこの都税調に賛意を示して、そしてやっていくためには、先ほどちょっと申し上げましたが、財源が不足している自治体には、どういう新しい制度をやっていけばいいというところまで本当は東京都が考えていかなければ、地方は納得しないと思うんです。
 そういう意味で、その自治体に対してどのように取り組んでいくのか、また、取り組んでいるのか、そしてまた、これを実現するための決意を改めて伺いまして、質問を終わりたいと思います。

○大塚主税局長 ご指摘のとおり、税源移譲を行ってもなお財政力の低い自治体がある一方で、いわば税源の存在との関係から、私どもとしては当然だというふうに、ある意味では思っているわけでございますけれども、そうはいいながら、税源移譲の純増額の三割が東京都に集まるという実態があります。
 都税調の答申が指摘しておりますように、税源移譲を行っても、なお財政力の低い自治体への配慮、これをどういうふうにするかというのが課題でありますけれども、税源移譲に伴う何らかの新たな財政調整制度の創設を、いわば自治体総体の問題として真剣に検討する必要があると考えております。そしてまた、この課題に対して東京都が東京都全体として、財政当局を含めてどう対応するかが、税源移譲の帰趨を左右するといっても過言ではないと思います。
 また他方では、これもご指摘ございましたけれども、東京には、首都であり大都市であることによる特別の財政需要、例えば、膨大な昼間流入人口がもたらす財政需要、首都の警護に多くの警察官を必要とすること等々がございます。都税調の税源移譲案は、あくまでも現行の制度を前提とした試算であります。こうした現行制度上の需要額に算入されない需要額、これはカウントしておりません。東京都特有の、特別の財政需要を考慮することも、どう考慮するかもありますけれども、今後の課題として必要なことだと考えております。
 加えて、都は、現行交付税制度の位置づけとは別に、現実には窮迫する財政状況にあるわけであります。懸命に財政再建推進プランの達成に取り組まざるを得ない状況にあるわけでございます。いずれにしても、こうした都特有の状況等を踏まえまして、既に公にしてあります都税調のシミュレーションをさらに精査、検証するとともに、税源移譲に伴う何らかの新たな財政調整制度のあり方を検討し、税源移譲の実現に、一歩また一歩と近づけてまいりたいと考えております。
 運動論のお話でございますけれども、過日から桜井先生にご指摘をいただいておりますけれども、他団体との連携が大切であります。まず、中でも三千三百万人の人口を抱え、首都東京圏を構成する七都県市、さらには大阪府などいわゆる大都市圏の思い、これを一つにすることが重要であると考えております、税調の答申につきましては、石原知事出席の七都県市首脳会議、あるいは関東知事会の席上で配布するとともに、全国の地方団体にも配布しております。今後も、あらゆる機会をとらえて努力を重ねてまいりたいと考えております。
 おかげさまで、都税調最終答申公表後、まだわずか四カ月でありますけれども、これまでにない動きが幾つか出てきております。国関係だけで申し上げましても、総務省事務次官の嶋津昭さんは、自治省としても地方財政での交付税や補助金の比重を減らしていくという考え方、それには、地方の仕事に見合う税収が得られるよう地方の税源を充実する、国からも税源移譲することが必要だとしておりまして、いわば東京都税制調査会と同じ認識に立っております。
 また、もう既におやめになっておりますけれども、元官房副長官の石原信雄さんは、分権時代の地方税制につきまして、地方交付税はバブル崩壊後、地方を誘導する手段として使われ過ぎ、規律がなくなった、交付税を縮小し、かわりに地方税を強化すべきだというふうにおっしゃっています。
 さらに、これは最近の話でございますけれども、国の地方分権推進委員会、もう既に委員ご存じだと思うんですけれども、七月の任期切れまでに、国税の一部を地方税に移す、国の補助金や地方交付税を、地方に移す税と同額分だけ減額するということを提言に盛り込む方向で準備を進めているというふうに聞いています。
 ささやかではありますけれども、間違いなく一歩一歩前進をしております。今後とも、都議会のご協力をいただき、実現に向け全力で取り組んでまいります。

○大西委員 今回、条例改正が提案されている自動車税のグリーン化について何点か伺いたいと思います。
 超過不均一課税をグリーン化と表現しているんですけれども、グリーン化というのは、これは何か中身が浮かんでこないし、超過不均一課税なんていうと、ますます一般都民はわかりにくくなってしまうんですけれども、こういった用語の適切な使用について、都民のわかりやすい用語、特に税に関しては都民の理解を得る、都民のコンセンサスを得るということが大前提ですから、これについてひとつご検討いただきたいというのをまず問題提起しながら、いい回しが難しくて口が回らないところがあるかもしれませんけれども、お答えをいただきたいと思うんです。
 低公害車を軽課して減税する、環境負荷の高い自動車を重課するというのがグリーン化の内容ですね。都が一昨年、課税自主権を行使して導入したもので、これらについて伺っていきたいんですけれども、まず、都が自動車税のグリーン化を導入した趣旨、及び重課対象を新車登録後十年を超えるものとした理由について、改めてお聞かせをいただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 先ほど先生からご指摘もありました自動車のグリーン化なんでございますが、東京の深刻な大気汚染の状況を踏まえ、その改善を図る上で有効な低公害車の普及促進に資するという観点から行ったものでございます。
 また、重課対象につきましては、技術の飛躍的向上を背景といたしまして、古い自動車と新しい自動車では排出ガス性能に差異が生じていること、それから、自動車を長年使用すると、いわゆる浄化装置の劣化が起こりまして排出ガス性能が悪化するということ、そういった点を踏まえまして、使用年数の長い自動車をお持ちの方にご負担いただくものとしたものでございます。その具体的な線引きにつきましては、自動車の平均使用年数等を考慮いたしまして、新車登録後十年超、バスにつきましては十三年超というふうにしたものでございます。

○大西委員 今回の税制改正において、都とほぼ同様のグリーン化が、全国の制度として創設される予定と聞いています。国が予定しているグリーン化と都のグリーン化の相違点を簡単に説明していただきたいと思います。あわせて、今回の国の税制改正を都はどのように評価しているのかについても伺いたいと思います。

○鮎澤税制部長 今回、国が予定しております制度と都の制度との相違点でございますが、国に先駆けまして制度を創設いたしました都では、軽課、いわゆる軽くする方でございますが、これは平成十二年度から実施いたします。それから重課、重くする方でございますが、これは平成十三年度からの実施を予定しております。これに対しまして国の方は、軽課、重課いずれも平成十四年度からの実施としているというところでございます。この点でございます。
 次に、軽課につきましては、都におきましては軽課期間を三年間というふうにしておりますのに対しまして、国はこの軽課期間を二年間としているなど、全体的には都の方が手厚い措置となっていると考えられます。
 また次に、重課につきましては、都では、新車登録から原則十年、バスにつきましては、先ほど申し上げましたように十三年を超えるものを対象としているというのに対しまして、国は、ディーゼル車とガソリン車を分けまして、ディーゼル車は十一年、ガソリン車は十三年を超えるものを対象としているということでございます。
 また、国の法改正によりましてグリーン化が行われることについては、さきの都の先駆的な取り組みが国の制度として全国的に実施されるということで、より高い政策的効果が期待できるのではないかというふうに考えているところでございます。

○大西委員 国のグリーン化という新たな状況の中で、都は平成十三年度から予定されていた重課の施行を、ガソリン車については一年延期、ディーゼル車については予定どおり実施するとしているわけですが、その理由を改めて伺いたいと思います。
 あわせて、ディーゼル車の重課による増収額はどのぐらいなのか、また、低公害車に対する軽減額はどのぐらいなのかをお示しいただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 東京の大気は、他都市と比べまして非常に汚染が進んでおります。その大きなもととなっておりますのがディーゼル車の排ガスでございまして、その削減ということは、一刻の猶予を許さない東京都の課題であるというふうに考えております。このため、都といたしましては、発生源対策、交通量の抑制、不正軽油撲滅作戦など、全庁的に取り組んでいるところでございます。こうした状況を踏まえると、この自動車税につきまして、ディーゼル車については、国の税制改正の動向を考慮いたしましても、なお予定どおり重課を実施することが適当であると考えたものでございます。
 また、金額でございますが、平成十三年度におけますディーゼル車の重課による増収額は約二億円でございます。また、低公害車に対する軽減額は約十六億円でございます。

○大西委員 ディーゼル車対策の重要性については、私も十分承知しているつもりなんです。しかし、ここ一、二年の東京都のこうした施策というのが、どうしても自動車関係業者からの徴税という形でこれを行っていこうという傾向が強い、顕著なわけです。しかし、例えば低公害車を買いたいといったって、コストが高いんですよ。「プリウス」、あれを私なんかが買いたいと思っても、余りにも値段の差があり過ぎて、同じ性能のものだったらば半額ぐらいで買えるというような状況にあるわけですね。
 あるいは、インフラ整備だってそうですよ。どこかの政党みたいに、インフラ整備に反対をして、交通渋滞の元凶の投資について反対をしながら、交通渋滞について云々なんていって、矛盾が多い主張をなさっているところもあるようでございますけれども、こういったことだって進めていかなければいけない。
 そして、あるいはメーカー側についても、さらに走行性能の向上だとか、維持費を低くしていくとか、低公害車というのは大型車はありませんよね。ですから、大型車の開発だとか、こういったあらゆる角度から施策を進めていかなければいけないので、その中で、主税局だけが税の徴収という形で先行し過ぎているといってもいい過ぎではないけれども、しかし、これも必要なことだと思いますよ。環境というものは、我々の世代だけではなくて、将来の世代に対する、今生きている人間の責任でもありますから、環境対策に全力を尽くしていかなければいけないというのはわかるわけですけれども、先ほど申し上げましたように、こうした自動車関係業者に対して、税の徴収という形でさまざまな厳しい要件が加わっているということも事実なんですね。
 そして、東京都のトラック協会が三月十五日に発行した機関紙で、こういう結果を出しているのを私は見たんです。四千五百八十三社加盟の各社にアンケートをしたんです。この中で、何と十台以下というのが三〇%なんですよね。本当にトラック業界というのは、東京の中で零細企業が支えているといってもいい過ぎではないですね。二十台以下ですら五七%。東京都で走っているトラックの大体六〇%近くは、こうした零細な事業者によって運行されているわけです。
 したがって、今これらの経営状態というのは大変厳しくて、赤字企業というのが半数を占めている。そして、利益を上げているという企業は、わずか十数%にすぎないわけです。そして、経営上のさまざまな問題が指摘をされているわけですけれども、今回のこうした改正に伴って、こうした業者に対して厳しい課税が行われていくわけですね。
 そこで、お話をしたいんですけれども、せんだって一昨年ですか、都議会の付帯決議でもありますけれども、重課の対象外とする自動車の範囲について十分検討し、所要の措置を講じる、こういう付帯決議をつけているわけでございます。都民に身近な公共交通機関である一般乗合バス、あるいはPM削減策の一つとして都が推進している、DPF装置を装着した車については重課の対象外とすべきだと考えますけれども、ご意見を伺いたいと思います。

○鮎澤税制部長 ご指摘のとおり、重課に当たりましては、制度の目的を踏まえ、適切な配慮が必要であるというふうに考えております。また、都議会の付帯決議の趣旨を踏まえなければいけないところでございまして、お話にございました一般乗合用のバスや、環境当局におきまして指定されるDPF装置を装着した自動車につきましては、重課の適用対象から除外していきたいと考えております。

○大西委員 最後に大塚局長にご意見を承って、私の質問を終わりたいと思いますけれども、都が先駆的に行ってきた取り組みが、地方税法の改正によって国の制度として取り入れられることは、地方主権時代における一つの税の形を体現したものだと高く評価するものですし、石原都政の、東京から国を変えていくんだという具体的な成果の一つではないかとも思うわけです。
 環境は、先ほどもちょっと触れましたけれども、二十一世紀の極めて重要なテーマであって、今、地球というこの共同生命体の中で営まれているさまざまな活動について、人間さえいなければ地球は永遠であろうといわれているぐらい、地球の環境を守る、諸悪の根源は人間だといわれているわけです。私たちはそういう意味では、人間の英知と努力によって環境を改善して、そして、きれいな空気とすばらしい未来を子どもたちの時代に残していかなければならないわけですから、これについてあらゆる角度から努力をしていかなければならないということは、十分認識をしているわけです。
 昨年十一月の東京都の税制調査会の答申は、こうした環境を守っていくという視点から、自動車税のグリーン化のほか、軽油引取税の課税の適正化など、さまざまな提言を行っています。こうした提言を踏まえ、都は、東京から新たな税の形をつくり上げていきたいという意欲を持っておられることはよくわかるわけでございますけれども、先ほど申し上げました、こうした環境を守り、よい環境をつくっていくというのが、特定の事業者だけに負わされてはいけないわけで、それを享受する都民すべてが、あらゆる角度から負担を、受益者負担ではないですけれども、していかなければならないわけで、そうした考えも踏まえて今後どのように取り組んでいかれるお考えがあるのか、局長の見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

○大塚主税局長 地方自治体が地域や時代のニーズを敏感に読み取り、柔軟な発想で国に先駆けた施策を積極的に展開することは、真の地方主権を確立する上で極めて重要だと考えております。その意味で、一昨年、都議会のご判断をいただいて実現した都の自動車税の税制改正が、ほぼ同一内容で国の法改正に取り入れられたということは、大変意義深いことだというふうに考えております。
 先生から、先ほど深いご示唆をいただきましたけれども、大気汚染を初めとする環境問題は、都の重要な課題の一つであります。主税局といたしましても、悪質な脱税、粗悪な軽油による環境悪化を防止するため、執行面においてさまざまな取り組みを行っているところでございますが、さらに制度面においても、環境問題の解決に向けては、従来の価値観の転換、環境の視点に立った新たな社会の枠組みの構築が不可欠であります。
 東京都税制調査会におきましては、そうしたことをも視野に入れつつ提言が行われているところでありますが、今後とも都議会のご協力をいただきながら、ご指摘を踏まえ、あらゆる角度から検討し、さまざまな手法を駆使して時代のニーズに対応できる、都民ニーズを踏まえ、しなやかな税制をつくり上げるため、局を挙げて取り組んでまいります。

○大木田委員 私も何点か伺いたいと思いますが、きょうの一般の各新聞を読んでおりますと、森総理とブッシュ大統領との会見の中で、不良債権の処理が急務である、苦い薬は早く飲んだ方がいいという、そういうような形で六カ月以内に不良債権に取り組むという話が出ておりました。
 ブッシュ大統領を教えたことのあるニューヨーク市立大学の霍見教授は、日本の政治は腐っている、端的にこのように指摘をしているわけであります。不良債権がまさにその象徴的なものでありまして、銀行の目線で、日本のバンクの目線で見ると六十兆から八十兆、海外の目線で見ると百兆から百二十兆ということでございまして、株が五十円の額面割れした企業が幾つもあるわけであります。その償却ができない、ここに大きな問題がありまして、この一企業でも償却をすればKSDの比ではない、こういわれる実態が今そこにあるわけであります。
 そういうことを考えますと、要するに負の遺産の負の連鎖が今、日本を引き金にして世界を回りつつあるということでありまして、私は大変な危機感を持っているわけであります。例えば、ニューヨークの株を見ますと、ニューヨーク・ダウ平均で一万ドルを割れておりまして、九千七百二十ドル、ナスダックは二〇〇〇をもちろん割れて一八五七ということになりまして、ニューヨーク・ダウは恐らく八千ドル台になるだろう、ナスダックは一五〇〇になるのではないか、こういうことがいわれております。
 例えば、新年当初、日本の株価が推移をしたときには一万二千円から二万二千円ということで、大方の人がその枠の中に入っておりましたけれども、一月、二月を経過して三月、たった百日たっただけで、今、日本の株はどうかというと、八千円から一万二千円の間になるだろうという予想の中に、大変な激戦の中に入っているわけですね。
 したがって、その中で不良債権の償却の処理もなかなかいかない。パイが大きくなるときは、先送りをすることによって、パイが大きくなることによってこれが吸収できるんですけれども、今日のようにバブルが崩壊してパイが小さくなるときは、先送りすることによって矛盾がさらにさらに拡大をする、こういう事態になりまして、完全な悪循環といいますか、そういうところに陥っているということであります。
 私は、平成十三年度、二〇〇一年は、歴史的にも大変な一年になるなということで、政府も緩やかなデフレということを認めましたけれども、かつて昭和金融恐慌が、金融がめちゃくちゃになって、政治が腐敗をして、倫理が喪失をして、教育が崩壊をして、私は今、日本は平成金融恐慌に入っていると。一つ加えれば、生態系まで危機に陥っているということが加わって、そういう事態になっているわけであります。これが今、三月の時点の議論ですけれども、四月、五月--三月決算を各ところがやるでしょうけれども、そういう中で、都議選のあたりが一番厳しい状況に入るのかなという感じもしますけれども、そういう大きな流れの中で大変大きな変化。
 それで、今、アメリカ、ニューヨーク、ヨーロッパと、二十四時間、世界は変化をして回っているわけでありまして、このスピードの速さと変化の速さ、そういうことを考えますと、平成十三年度の予算編成に当たって、景気の見通しをいろいろと分析されて、先ほど、三月決算のときにはこうだ、年度末は四月からのいろいろと決算で税収の見通しも下がるだろうという話をしておりましたけれども、今のような状況が好転する状況が何一つない、アメリカの状況を見ても、完全に収縮の中に入っておりますので、ある意味においてブラックボックスのような形の中に今世界が入って、打つ手なしというような状況が--余り悲観的な話ばかりするとあれなんですけれども、しかも負の遺産を切れないという、こういう大きな矛盾の中に今あるということです。
 それで、いろいろと政府の閣僚の話なんかを聞いてみても、マスコミのテレビなんかを見ていると、まるでとんちんかんな答弁や話をやっている。こんな事態でいいのかという危機感を私は大変持っているわけでありますけれども、それはそれとして、十三年度の予算編成に当たって、税収見通しを立てるに当たって、景気動向をどういうように判断をして税収見通し等を立てたのか、まず伺いたいと思います。

○鮎澤税制部長 平成十三年度の都税収入の算定に当たりましては、我が国経済がアメリカ経済の急減速、それから内外の株式市場の低迷等の影響によりまして、いわゆる踊り場から調整局面に入るという見通しに立った上で、年度前半の都税収入につきましては、比較的好調であった昨年の企業収益がまだ反映される、タイムラグがあるというふうに考えまして、一定の伸びを前半には見ました。しかしながら、年度後半には、景気減速の影響などから企業収益の増加率というのは鈍化し、都税収入の伸びは低下するというふうに見通しているところでございます。

○大木田委員 今後の動向でありますから、現実にどうなるかということも注目をしていきたいと思っておりますけれども、今、日本の財政論議なんかを聞いていますと、かつて梶山さんがハードランディングという話をして、小渕さんはソフトランディング路線をとったわけでありますけれども、しかし、こんなハードかソフトなんていっている段階で、もうフラッシュしてしまうというような事態に今入っているわけですね。ハードでもソフトでもない、今やまさに決断のときでありまして、そういうような中で株安がどんどん進んでいって、逆資産効果が出てきて、消費がどんどん低迷していくというような状況が今現に起きているわけですね。これからさらに逆資産効果が進んで、人口動態から見たって少子化が進んで、もう物を買う人がいないんですよ。物を買う人がいないから、消費なんか伸びるわけがないんです。
 今も都税調の話が出ておりましたから、都税調のときに私は、贈与税については六十万を政府は百十万にしましたけれども、二百万か三百万に贈与税をして、要するに若い子どもたちや孫たちは、お金をもらえば買うからというような話もしましたけれども、それもたった六十万を百十万にするというような中途半端な形で、国の方の対応はやっているというような形になっているわけですね。
 したがって、株安が今後、景気にさまざまな分野で影響を与えてくるということになります。しかも、資産がある、預金が日本はあるからというようなことをいっていても、相対的に悪循環、負の連鎖、そういう中に陥っていて、消費はますます低迷してくるし、完全にデフレスパイラルに入ってきているというような状況がありますから、今いろいろと鮎澤税制部長も話をしましたけれども、主税局で立てたこのような状況が、このまま推移するとは私は思えないわけですが、株価と景気の動向をどう認識しているか伺いたいと思います。

○鮎澤税制部長 現在のような株安が景気に与える影響といたしまして、まず、一般的に指摘されておりますのは、消費者や企業のマインドが悪化することでございまして、個人消費、あるいは設備投資が抑制されるということでございます。そして、それが生産所得、雇用など、経済のさまざまな分野へ連鎖的な悪影響を及ぼしまして、同時に、株安は、現在我が国経済において最も大きな問題となっております、先ほど来先生ご指摘の、金融システムに少なからぬダメージを与えるという懸念も指摘されているところでございます。
 現在の株安がさらにその水準を下げ、その状況が長期化するというようなことであれば、株安は景気の大きな下押し圧力となるというふうに考えております。

○大木田委員 金融システムの話が出ましたからあれですけれども、今これだけ変化の時代というのは、しなやかにという発想もありますけれども、弾力的な運用をしていかないと、例えば都債なんかを発行しておりまして、私は三年物を出しなさいと。長年いって、やっと五年物の発行を去年からやりましたけれども、銀行のある会社が--銀行も株式ですから、社債を発行しました。これは三年物です。ただし、そのところに、要するに三年物の社債を買っていただくんですけれども、状況によっては一年で終わりにしますという項目を入れてあるわけです。それで、ゼロ金利にもう一回近づくということは、銀行ですから敏感ですよ。ですから、五百億の社債ですけれども、一年でそれを一括全部返却しますと。それで今度は金利を下げてやるわけです。銀行は、自分たちの社債を買ってもらうのも、そういう弾力の運用をしているわけであります。
 そういうことから考えると、都の起債も〇・九から高いのは八%で、昔、十年物なんかは、この十三年から十八年の五年間で三兆六千億の償却が入ってくる。五千億から八千億の償却が毎年来るというような状況で、固定的になっている。だから、これほど激しく変化する中で、いろんなものをもっと弾力的に運用していかないと、単年度会計をやっていながら、そういうようなことは十年一日ですよ。国が当分の間起債制限をするといって、当分の間で五十年かかったんですから。起債制限を撤廃するということを地方分権法で入れて、それで撤廃しても、十七年から撤廃するというような、まさにシステムが硬直化しちゃって、これがあること自体がもうマイナスになって、ない方が、改めて組み込んでいけた方がいいわけですから、そういうような状態で、余りにも激変する社会の状況についていけなくなってきているというような状況です。
 そういう中で、政府も緊急経済対策といたしまして、個人の資金を市場に呼び込むための配当課税の軽減、あるいは証券関連税制の抜本的な改正とか、これはいろいろとまだ課題もあるようですけれども、第二は民間基金による株式海外機構の創設、これもいろいろといっております。第三は金庫株の解禁とかいっておりますけれども、決め手に欠けているわけですね。したがって、きょうの最終株値がどうなるか、お昼の時点では若干上がったということで、日銀が決断して、もう日銀も最後の徳俵のところに追い詰められて、打つ手なしというような状況になってきて、これでアメリカがどんどん下がってきた場合、まさに状況が非常に厳しくなってくるわけですね。
 したがって、こういうことを考えていきますと、東京都の場合も、首都東京ですから、いろんな危機なり矛盾なり、いい面でも悪い面でも象徴的にあらわれるということで、かつてバブルのときは自然増収四千億円があった。逆に四千億減少したこともあるし、乱高下の一番象徴的にあらわれるのが都の税収等で、東京都に集約して、首都圏に集約して、これが現象面としてあらわれてくるということになりますので、私は、主税局として大変努力をしていただいて、今日までやっていただいていることはよく承知をしておりますけれども、そういう経済の状況がもう抜き差しならない状況に入っているんだということですから、一つの先送りももうできないという段階に時代が入っている。だから、もう先送りなんていう発想を持っていたら、そこでフラッシュということで、そこまでアウトになるというところに日本全体がなっているということの危機感が、まだ全体的に足りない、こういうふうに思っております。
 これについて、東京都のこういう状況の中で、今までいろんなやりとりを聞いたり、話をしまして、税収見通し、要するに都税にこういう株価の状況等がどう影響を与えるのかということを伺いたいと思います

○鮎澤税制部長 株安になっているわけでございますが、この株安が都税にどういう影響を与えるかということなんでございますが、直接的には、いわゆる株式投資信託の減少による都民税利子割の減収、それから、株式の譲渡所得の減少によります個人都民税の減収というところが、直接的に減収要素としてあるということでございます。また、株安は、先ほども申し上げましたが、一般的には個人消費や設備投資の抑制に働きまして、経済全体の下押し圧力として作用するということから、当然、法人二税を初めといたしまして、多くの税目に影響を及ぼしてくるものというふうに考えております。
 ただ、税収動向を左右しております要因は、株価以外にもいろいろございます。売り上げが伸びないという状況の中で、収益が大幅に伸びているという企業もこの間、多数見られるわけでございまして、そういったことで、税収とそれを取り巻いております現在のいろいろな経済環境との関係でございますが、これは十年前あるいは十五年前と、かなりさま変わりしている状況でございます。
 したがいまして、こういう株安という非常に厳しい状況の中で、先生ご指摘のとおり、集中的にそういった状況があらわれます、経済の集中しております東京でございますので、そういう状況を踏まえまして、各税目の特色、あるいは企業収益の動向等々を、今後さらに慎重に検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。

○大木田委員 これで最後にしますけれども、バブルの絶頂期のときに、株は三万九千円を超えて四万を突破するかどうかというところまで行きました。その後、下がり続けて、きょうは一万二千幾らになっているわけでありますけれども、そのときに株がどんどん上がるということで、商店のご主人等、小銭を持っている人が株を買った。それで、一時大変上がる過程でよくなったけれども、結局、最後まであれして全部だめになっちゃって、私の知り合いの人でも大損をした人がいっぱいいます。
 株が二万円のころ、もう底値だということで、さらに次の人がまた買った。ところが、それがまた下がって、今は一万六千円が底値だというので、またやった。今度は一万二千円で、これがまた底値だというので、また今買い始めているけれども、これがまた一万円をうかがう段階になると思いますけれども、そうなってきて、みんなやけどして、やけどして、やけどして、もう株に手を出さないということで、個人の株保有というのは今、全体の五分の一です。アメリカのように、預金はゼロだけれども株の方を一生懸命やっているというのと、日本の場合は、これだけやけどをしてきましたから状況が違うわけです。
 したがって、そういう意味では株の方も、どういうような決め手をやっていくかということは、なかなか決定的な決め手はないのかなとは思っております。しかし、このまま低迷が続いていいわけはないので、そのときに石原知事が個人的なプランということで、首都圏再生五カ年十兆円プロジェクトというのを発表しまして、いろいろと注目もされています。その中身もまだ固まっていないということなんですが、もう少し明るくなるような夢プランを発表しないと、政府はこういうときこそ、国民に告ぐというような形で確固たる未来へのビジョンを今や発表しないと、いつまでたってもそういうものがありませんので、二十一世紀ドリームプランともいうようなものをきちっと出して、そして国民世論、皆さんに希望を与える、そういうようなリーダーシップが今求められているんだろうと私は思うんです。
 いずれにしましても、毎日株から目が離せないというような中で、景気の低迷が続いておりますけれども、税収確保は大変重要なことでありますので、大塚主税局長を初め、力を注いで、都の安定した税収確保の中で東京改革プランを進めていくというところを、ぜひ頑張っていただきたいと思います。局長、一言何かありましたら。

○大塚主税局長 いわば主税局の守備範囲を超えた都政運営全体についてのご指摘をいただいたというふうに考えています。過日の予算特別委員会以来、大木田先生の深いご造詣には、本当に感服するばかりでございます。主税局の守備範囲は大変小そうございますけれども、その小さい世界の中で、職分と職責を主税局職員全員一丸となって果たしていくということをお約束申し上げます。

○遠藤委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○遠藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして財政委員会を閉会いたします。
   午後二時五十九分散会

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