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Tokyo Metropolitan Assembly

財政委員会速記録第十七号

平成十二年十一月二日(木曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長遠藤  衛君
副委員長松原 忠義君
副委員長大木田 守君
理事西条 庄治君
理事古館 和憲君
理事大西 英男君
鈴木貫太郎君
野田 和男君
星野 篤功君
山本賢太郎君
山崎  泰君
松村 友昭君
桜井良之助君
渡辺 康信君

 欠席委員 なし

 出席説明員
税局局長大塚 俊郎君
総務部長白戸  毅君
税制部長鮎澤 光治君
調整担当部長須々木亘平君
参事谷口 廣見君
参事川村 栄一君
課税部長佐藤 昭久君
資産税部長齋藤  熙君
徴収部長小泉 克已君
参事小林 宣光君
収用委員会事務局局長安間 謙臣君
次長宇口 昌義君

本日の会議に付した事件
 収用委員会事務局関係
  事務事業について(質疑)
 主税局関係
  事務事業について(質疑)

○遠藤委員長 ただいまから財政委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、収用委員会事務局及び主税局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑に入ります。
 発言をお願いいたします。

○松村委員 日の出町二ツ塚処分場について伺います。
 都道府県の収用委員会で、ごみ処分場用地の収用を認めるのは東京都が初めてのことであり、しかもそれが行政代執行という、いわば力ずくでの土地取り上げとなり、連日の大きな報道に見られるように、都民は衝撃を受けました。しかも、石原知事が主権制限までいい出すに至って、今後もこういうやり方がとられるのではないかと、都民が不安を覚えるのも私は当然だと思います。
 そこで、収用委員会のあり方やその役割が改めて問われると思いますので、きょうは若干お聞きしたいと思いますが、まず、二ツ塚廃棄物処分場事件では、審理申し立ては何人で、何人から意見をお聞きしたのでしょうか。

○宇口次長 二ツ塚の審理でございますけれども、十一回ございまして、その中で意見を述べた権利者の数でございますが、延べ八十七名となっております。

○松村委員 関係権利者が二千八百余人だと思いますけれども、何人から、意見申し立てといいますか、いわゆる審理申し立てがあったのかということを伺います。

○宇口次長 失礼いたしました。先ほど、二千八百二十九人の権利者の数を落としましたけれども、意見の申し立てにつきましては、八十七名、実際に意見を述べられた方と請求があった方と同じでございます。

○松村委員 私は、まだ意見を述べたいという方がいながら審理が打ち切られたと、そういう報道もありましたし、承っております。そういう点では、もうすべて意見を聞き尽くして、これは終わったんだということには、経過としては決してなっていないというふうに思います。
 そこで、もっと審理を尽くすべきではなかったかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○宇口次長 収用委員会といたしましては、土地収用法に基づきまして、起業者と土地所有者などの権利者との間で論点の整理に努めまして、公正中立の立場に立ちまして、双方の主張を十分に聞いたところでございます。一方、土地収用法には、審理の促進を図り、裁決が遅延することのないように努めなければならないという規定もございます。
 収用委員会といたしましては、これらを踏まえ、採決に必要な意見を聴取し終わったと判断したため、審理を終了したものでございます。

○松村委員 私もその速記録を読ませていただきましたけれども、ごみのあり方、環境問題、住民側からの根本的な問題提起があって、それに対して起業者側からの答弁が、会長からも何度か、会議の運営の指揮権といいますか、もっときちっと答えるようにというような、そういうやりとりも伺ったわけでありますけれども、結局、審理を残したまま打ち切られた、そして、出された裁決に、住民側からは、初めに結論ありきという感じだという失望感を抱かせたようなものになったということです。
 そこで、収用委員会に対しては、日の出の例を挙げて、石原知事などが土地収用法の見直しというような発言まで行って、それに呼応するような形の改悪の動きも見られるような今日、やはり公正中立、そういう意味では行政機関から離れた役割を持つ、都民の期待もそういう点では高いし、今回初めてそういう収用委員会の場で、いろいろ申し立てや問題提起ができたという住民側からの意見もありましたから、それが行政の土地取り上げに追随するような、執行機関の役割を果たさないような立場といいますか--当然とっているとは思いますけれども、そういう住民側からの声もあるので、やはり本来の役割をきちっと果たせるように、この点では強く要望したいと思います。
 さらに、私がここで強調したいのは、ごみ問題や環境問題は、もっと都民的議論をすべき問題だということであります。この二ツ塚の問題では、住民がトラスト運動を起こし、第二処分場の強行に反対するのは、やっぱりそれなりの深い理由があるわけですね。承知のように谷戸沢の処分場の汚水漏れが出されて、これも未解決です。そして、さらに同じような構造といいますか計画の第二処分場の安全性、それから周辺環境への影響が解明されていないなど、やはり相当の理由があるわけです。今回のように力ずくで住民を封じて強行したとしても、私は、問題は解決しないどころか、矛盾を拡大するだけだというふうに思います。
 処分場の建設に当たっては、徹底した安全性の確保と情報公開、それから、土地収用に当たっての関係住民の合意と納得が不可欠だと思います。今、必要なのは強権発動ではなく、関係住民と誠意を持って話し合い、汚水漏れの原因を究明し安全対策を立てる、さらに、今後も大規模最終処分場方式を続けるかどうかについても住民の意見を広く聞く姿勢が私は大事だと思います。
 今や地方自治は、情報公開、住民参加、環境重視の方向へ大きく進んでいます。東京都がこの流れに逆行することは、私は断じて許されないということを強く指摘して、発言を終わります。

○山本委員 今のに関連して。
 ちょっと私が不勉強かどうかわかりませんが、収用委員会というのは、収用委員がやることは裁判と同じような形であって、収用委員会は事務局で、事務的なことをやるんでしょう。あなたたちが今いった内容のことをとやかくいわれても、答えることはできないんじゃないの。どうぞいっておいてください。ちょっと間違えてるよ、大事なことが。

○宇口次長 収用委員会の役割についてでございますけれども、収用委員会は、準司法的な位置づけをされた機関でございまして、いわば裁判所に似た役割を持っている、そういう機関でございます。
 なお、事務局につきましては、その委員会の判断をサポートする、助けるという役割に徹してございます。

○山本委員 終わります。

○遠藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○遠藤委員長  異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○遠藤委員長 これより主税局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料については、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○白戸総務部長 先般の委員会におきましてご要求のございました主税局関係の資料につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の財政委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 目次の次にございます要求資料第1号、都税調定額・納税義務者数等の推移についてご説明を申し上げます。
 この表は、平成七年度から平成十一年度までの五年間について、各税目ごとに、その納税義務者数等と調定額をお示ししたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料に関する説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○遠藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、質疑を行います。
 発言を願います。

○山本委員 約十年ぶりの財政委員会で、少し不勉強で、また間違えたことをいうかもしれませんが、どうぞお許しいただいて、また、ご訂正なり教えていただきたいと思います。
 「爾ノ俸爾ノ禄ハ民ノ膏民ノ脂ナリ」という言葉があります。これは、二本松城外にその碑があるといわれますが、主税局長室や各都税事務所の中にも、その額が掲げられているのを見たことがあります。この言葉は、我々都議会議員を初め公務員の給料は住民の汗と脂の結晶であり、そのことを肝に銘じて仕事をせよと、そう教え諭した名言であると私は思います。このことはまた、唯一の都税の歳入所管局である主税局においても、適正公平な税務行政に徹し、いささかなりとも都民に不適正、不公平な感を抱かしめてはならないということにあると思います。ですから、着実に税収を確保していかなければならないということも示していると思います。
 そこで、まず、さきの第三回都議会定例会で我が党の佐藤裕彦議員が、八月末の都税収入の状況についてお聞きいたしました。そのときは、主税局長は、八月末の状況で、昨年同期比で一千七百七十一億円、一〇・八%の増とのことでありましたが、その後どうなっておりますか。
 また、増収となっている主な税目は何か、逆に減収となっている主な税目は何か、そして、その要因は何か、お示しをいただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 十二年度の都税収入の直近の状況とその要因についてのお尋ねでございますが、九月末現在で、前年同期比千七百三十九億円、八・九%の増となっております。
 増収となっている主な税目でございますが、法人二税が、いわゆるIT関連業種の下支えなどによりまして増収となり、前年同期比千六百七十二億円、二一・五%の増、また、都民税利子割が、郵便定額貯金が集中満期を迎えることにより、前年同期比三百三十六億円、七八・九%の増となっております。
 一方、減収となっております主な税目とその要因でございますが、固定資産税、都市計画税が、十二年度の評価替えによる評価額の下落や十二年度税制改正に伴う負担水準の上限の引き下げから、前年同期比百十七億円、二・二%の減、また、十二年三月三十一日をもちまして廃止されました特別地方消費税が、前年同期比で七十五億円の減収となっております。

○山本委員 先ごろ、政府経済対策閣僚会議と財政首脳会議の合同会議で、景気の自律的な回復を目指して、事業規模を十一兆円程度見込んでいるというようなことが新聞に出ておりました。大きく出ておりましたね。その中で、IT、環境、高齢化、都市基盤整備に約三兆円を重点的に投資していくということも書いてありました。
 今、お話を伺うと、東京都の増収の要因は、IT関連業種などが下支えをしているとのことですね。そうすれば、IT産業関連業種といっても、私たちの頭にぱっと浮かぶのは、半導体だとかコンピューターだとか通信などと、広範囲にわたる業種があると思うんです。さらにまた、その業種に付随する産業が数多くあり、それらが潤っているということだろうと思います。例えば、今、子供たちまでがPHSや携帯電話を持って使っているようであります。そうしますと、その使用説明書だけ見ても膨大であるわけです。大量の紙が必要となって、製紙業界においても好景気が及んでいると仄聞いたします。すなわち、幅広く影響が出ているということだろうと思います。
 そこで、今回の政府の経済政策がもし功を奏していきますと、都税収入にも明るさが出てくると私どもは期待いたしますが、主税局長さん、どのようにお考えになりますか。

○大塚主税局長 経済企画庁の試算によりますと、今回の対策により、向こう一年間で、名目で一・三%程度、実質で一・二%程度のGDPの押し上げ効果があるとされているわけでございます。過日の本会議で、平成十二年度の税収見込みにつきまして、現計予算を相当程度上回ることが想定されるというふうにご答弁申し上げましたが、その中身はといいますと、実は、今お話しのIT及びその関連を中心といたしましたプラスの要素、これは確かにあるわけでございますけれども、同時に、原油高あるいは株価の動向、リストラ等の構造調整等の圧力、さらには消費の動向等、マイナスの要因あるいはリスク要因といいますか、そうした要因も併存しているわけでございます。そうした中での景気にいま一押しの活力を加え、しっかりとした自律的回復を軌道に乗せることを目的とした、今回の新生のための新発展政策であります。
 税収的には、タイムラグがございますので、十三年度以降になると思われますけれども、歳入所管局である主税局といたしましても、さらに一段と都税収入についても明るさが出てくることを念じ、また、実際に期待できるものと考えております。

○山本委員 わかりました。
 先ほど、私は適正公平な税務行政をしていただきたいということを申しましたが、その適正な、公平な税行政をやるということは非常に地道な仕事であって、日ごろ、きめ細かい調査が必要だろうと思います。例えば固定資産税においては、住宅地と非住宅地とでは、その税負担に大きな格差があることは皆さんもご承知のとおりであり、その認定をすることは、大変重要なことであります。
 特別区の土地は、およそ二百万筆あるといわれています。私は百七十万筆だと思ったら、二百万筆だそうで、その態様は千差万別であります。各都税事務所では、適正公平な課税のために、一筆一筆について認定調査を慎重にしていること、これはだれでもよく知っております。
 私は過日、不服審査申し立ての場を何度か見学いたしました。申し立てをする人は、弁護士がばんばんやります。それを受ける主税局の職員は、一生懸命資料を出して、あちらだこちらだ、前だ後ろだ隣だというようなことで、大変な思いをして答弁をされて、審査委員がそれを審査するわけですが、そういう場を何度か見ております。でありますから、主税局は、都民の信頼にこたえていくためには、種々な局面において、まず公平でなければならない、公平な上で、調査もそれにのっとっていかなきゃならない。
 そこで、私は、税の公平性と主税局の徴税努力、それについてお伺いしたいと思うんです。
 一昨年ごろから、軽油引取税について、脱税があるとか、あるいは、初めから納めるつもりがなくて申告だけはしておくというようなことが報道されておりました。最近、この不正軽油撲滅作戦というキャンペーンが行われております。税の面と、あるいは環境の面、それを一体化した作戦であると思いますが、この間の日曜日、石原知事がテレビに出て、この作戦のことをご披露しておりました。何か全国では千五百億円以上、東京都でも百十億円以上の脱税があるとかないとかいっておりましたが、主税局はこれについてどのような取り組みをしているか、お伺いいたします。

○佐藤課税部長 主税局では、都内、近県から不正軽油を排除することなどを目的にいたしまして、警視庁、消防庁をも含みました全庁組織でございます東京都不正軽油撲滅推進会議を十月三日に開催いたしまして、その目的と今後の取り組みを徹底いたしたところでございます。さらに、区市町村の助役会におきましても、不正軽油撲滅作戦の目的と概要について説明いたし、理解と協力をお願いいたしました。
 また、作戦行動の第一弾といたしまして、十月二十五日には、警視庁の協力を得まして都内六カ所で路上検税を実施し、ダンプカーなどから百十八本の軽油を採取いたしました。さらに、翌二十六日には、東京都発注の工事現場二十カ所、東京都の貯油施設十五カ所から百七十七本の軽油を採取いたしました。これら採取した軽油につきましては、今後分析を行い、不正軽油が発見されました場合は流通経路を究明し、悪質業者に対しては告発を行ってまいります。
 また、PRといたしましては、不正軽油撲滅を訴えるチラシを作成し、路上検税等の実施時や都税事務所などで配布いたしております。また、ポスターを作成いたしまして、主要駅九十九カ所を含む公共施設、関連の民間団体施設など、都内全域に近日中に張り出す予定でございます。
 今後とも、不正は許さないという決意のもと、作戦に取り組んでまいる所存でございます。

○山本委員 どうぞひとつ力を緩めずにやっていただきたいと思います。こつこつと努力をして、きちんと納税している都民が大部分であります。このような悪質な件には、その根幹を断つ、これが税の公平性を保つゆえんであると私は思います。
 さて、今度は主税局の徴税努力についてお伺いいたします。
 ひところ、都税は大変な額が滞納されており、さらに、徴税率も全国に比較してかなり低かったと私は記憶いたしますが、これまでの滞納圧縮の経緯と今年度の取り組み状況についてお伺いいたします。

○小泉徴収部長 都税の滞納についてのお尋ねでございますが、都税の滞納につきましては、委員ご指摘のとおり、平成六年度までふえ続け、その額は二千四百七十八億円に達し、徴収率も平成七年度には九〇・四%まで低下しておりました。このため、特に滞納整理につきましては、平成七年度から臨時執行体制をしきまして、攻めの滞納整理をスローガンに、積極的な臨戸臨場、財産調査、さらには差し押さえ等を行いまして、徴収率の向上と滞納繰越額の圧縮を図ってきたところでございます。
 その結果、平成十一年度決算で見ますと、徴収率は全国平均を上回る九四・三%まで回復し、滞納繰越額も平成六年度の約半分、千二百六十八億円まで圧縮することができました。本年度も引き続き取り組みを強化いたしまして、滞納繰越額を一千億円に近づけるよう努力したいと考えております。

○山本委員 厳しい経済情勢の中にありますので、それらを含めて、正しくすべきものはきちんと徴収をしていただきたい、このようにお願いしておきます。
 東京都は、今、財政再建の真っただ中にあります。昨年七月に発表された財政再建プランによります監理団体について伺います。
 主税局の外郭団体は、財団法人東京税務協会ただ一つと思いますが、この協会は、ありきたりですが、どんな仕事をし、どんな経営改善をやっておりますか、お伺いいたします。

○白戸総務部長 財団法人東京税務協会は、ご案内のとおり、東京都と都内の市町村の税務行政の円滑な運営に寄与するために、地方税制度に関する調査研究、研究会、講演会及び講習会等の開催、地方税財政の運営等に関する業務の受託などの事業を行っております。
 お尋ねの団体の経営改善につきましては、まず、平成九年度より事業別会計を導入し、収支及び財産状況を明確にし、事業効果やコスト管理の徹底などの面から経営分析を行い、経営の効率化に努めております。
 平成十年度から、受託人件費の削減に取り組むとともに、あわせまして協会職員の人事・給与制度を全面的に見直しを行い、職務と責任に応じた給与体系を導入しております。
 また、平成十一年度から、全国規模の公開税務実務研修の有料による実施、出版事業の充実などの収益事業を拡充しております。
 さらには、平成十二年度から、常勤役員の削減を含めて事務局体制の見直しを行い、事業執行体制の強化を図りました。
 とりわけ人件費の削減につきましては、自動車税事務所における定型的な窓口受け付け業務等を、平成十年度から十一年度にかけて、都派遣職員から固有職員による事務処理に段階的に移行いたしました。平成十二年度には、自動車税事務所の全派遣職員を引き揚げております。これにより、受託人件費を約三分の一に削減を図りました。また、電話交換職員についても、平成十一年度から固有化を進めております。
 こうした取り組みによりまして、税務協会への委託経費につきましても、平成九年度、十七億三千九百万円でありましたものを、平成十二年度では約十一億三千万円といたしまして、約六億円削減しております。
 引き続き税務協会の事業内容の充実を図りますとともに、より一層の経営改善に努め、効率的な事業経営をしてまいります。

○山本委員 どうぞひとつそういうご努力をされ--たしか税務協会は、「東京税務レポート」というのを発行しておりますね。これを今月も読ませてもらいました。職員の気質といいますか、あるいは経験談などが書かれていて、非常に興味深く読ませていただきました。
 さて、最後に局長にお伺いいたしますが、過日、都市銀行二十一行から提訴されました銀行業等に対する法人事業税の外形標準課税条例に対する訴訟について伺います。
 この条例については、本年の第一回都議会定例会において、圧倒的多数の賛成により可決、成立したものであります。特に予算特別委員会における参考人の陳述があり、さらに財政委員会での集中審議などで、都議会における十分なる審議の結果、本年四月から実施されたものであります。これに対して訴訟が提起されるということは、都議会並びに都知事に対する挑戦であると私は思います。税の適正の面から、この条例を提案された所管局長としての心境と決意をお伺いしたいと思います。
 これをもって終わります。

○大塚主税局長 銀行業に対する法人事業税の外形標準課税につきましては、現行の所得課税のままでは、銀行業等に特有な事業の状況に対応できず、応益課税としての地方税である事業税の機能を喪失しているなど、もはや看過できない状況の中で実施をすることとしたものでございまして、都の事業税収入の安定化に大きく寄与するものであります。
 都議会への提案に当たりましては、その適法性につきまして、あらゆる角度から十分な検証を行い、本会議、予算特別委員会、当財政委員会での集中審議の上、ご承認をいただいたものでございます。
 今回の訴訟に対しましては、直接の窓口でございます総務局の法務部と連携をいたしまして、正々堂々、粛々と対応してまいります。
 なお、既に実務的には、対象行に対する申告説明会の開催など、条例の執行準備に入っております。

○松村委員 納税者の便宜を図る上で、二点質問いたします。
 第一点は、法人税と法人都民税、法人事業税の申告書の収受を共同で受け付け、一カ所で済むようにしていただきたい、こういう要望が出されております。既に実施されている地域もありますが、この対象地域を、納税者に対する行政サービスの一層の向上を図るため、都内全域に拡大すべきと思いますけれども、見解を伺います。
 二点目は、法人の設立届、異動届などの諸届け出用紙の統一化についてです。
 東京税理士会の要望を受け、我が党は三年前から提起していますが、もう結論が出されて、実施に移されてもいいときではないかと思いますが、見通しを伺いたいと思います。

○佐藤課税部長 お尋ねのまず一点目でございますけれども、現在、二十二対象税務署のうち、二十一署において出張受け付けを実施しております。今後につきましては、実施署における実施状況等の検証をするとともに、納税者の要望等を見きわめてまいりたいと考えております。
 二点目でございますが、用紙の統一化でございます。
 これに向けましては、東京国税局とのトップレベル協議におきまして、基本的に合意しております。現在、東京国税局、東京都、市町村の三者の事務レベルによる最終段階の協議を行っているところでございまして、早い時期に実施の予定となっております。

○松村委員 一点目の申告書の収受ですけれども、二十二対象で二十一カ所ということですけれども、税務署はもっと多いと思うんですよね。そういう意味では、やはり納税者へのサービスという点で、私、今要望したとおり、都内全域というか、今後拡大していく、あと一カ所で対象がすべて終わるというのを、さらに拡大していく上では、何がネックになっているのか、その点がまず一点。
 それから、用紙の統一化について、ようやく三者で協議して合意したと。大変結構だと思います。あとは、統一用紙をつくるとか、今も事務的な作業がいろいろ残っているといわれましたけれども、実施の見通しとしては、ことしの申告期からとか、関係者も期待していると思いますので、もう少し具体的にご答弁いただきたいと思います。

○佐藤課税部長 二点ほどお尋ねがありました。
 一点目でございますけれども、全域に拡大するためのネックというお話でございますが、これは、何よりまず、東京国税局さんとの間における合意が必要になってまいります。中には、税務署さんのスペースが非常に狭隘であるとか、いろいろな条件がございます。さらには、現在のところ、都税事務所と税務署との距離が徒歩で十五分という基準が設けられておりますので、この辺に従いまして、今、計画に従ってやっているところでございます。ただ、その後につきましては、先ほど申し上げましたとおり、実施の状況等を十分検証いたしまして、納税者の要望等を踏まえた上でまた改めて考えてまいりたいと、このように思っております。
 二点目でございますけれども、現在、事務レベルの協議を行っている段階でございますが、現在の見通しでは、十三年四月には実施できるものというふうに考えております。

○松村委員 一点目は、随分ご努力いただいているというふうに思うんですね。国税も、そういう点では協力していただいていると思うんですけれども、私、非常に素人的で申しわけないんですが、都税などでも、本来、区市町村税などを都が受理するとかいうのがあるのと同じように、例えば都税職員を派遣する、そういう意味では職員的な配置とか、負担というか、いろいろあると思うんですけれども、これは共同で収受するというか、そして、その意味では事務負担費を払うとか、税の性質からいって、そういうことは、将来的にも検討できる余地はないんですか。もしできれば、同じ法人税で、税目によって都民税と法人事業税というふうになりますから、それは共同で収受ということができるんだったら望ましいと思いますけれども、何かそれに対する障害があるのかという点です。
 二点目は、本当に四月からぜひ実施していただきたい、関係方面にも広く周知していただきたいということを要望したいと思います。

○佐藤課税部長 先生お尋ねの一点目でございますけれども、制度的にというお尋ねとするならば、これは多分、税法の改正まで含めた対応が必要になってくるんじゃなかろうかと思います。現在のところ、あくまでも私ども都税事務所の職員が税務署さんの一隅のスペースをお借りいたしまして、そこの協力を得ながらやっているということでございまして、なかなか前に進みにくい部分もございますけれども、なお一層努力を重ねていくつもりでございます。

○松村委員 一点目については、ぜひ研究、検討していただきたい。その方が、私は、経費の節減というか、さまざまな点でのメリットが大きいんではないかというふうに思いますので、ぜひ研究もしていただきたい。
 さらに、対象地域あと一カ所ということですけれども、広げていただき、改めて国税の方にも、さらに都内全域に拡大できるように進めていただきたい、この点を要望して終わります。

○桜井委員 税収の問題につきまして、若干お聞きしたいと思います。
 先ほど、山本委員の質問に対しまして、税収が八・九%上がっている、しかも法人二税もアップしているというようなお話があったんですが、正直いって余り実感がわかないんですね。やはり景気というのは、商店街とか町場の人たちから声が聞こえてこないと、我々、実感がわかないわけなんですよ。最近、商店街を歩いても、また、町の工場を歩いても、仕事がふえているという話もないし、相変わらず皆さん厳しい中で、必死になって何とか商売をやっていこうという取り組みがあるものですから、税収がふえているというのは、正直いって余り実感がわいてこないし、自分自身も、余り明るさが見えてこないというのが正直な印象なんです。
 先ほど、ITを中心にして税収が伸びていると。そこだけ伸びているのかなという受けとめ方もできるわけなんですが、よく税収をやると、業種を分類して、卸業はどうだ、建設業はどうだというような話があるんですが、一般的にいう業種で、一体どの業種がどうなっているのかということについて、まずお示しいただきたいと思うんですね。八・九%に全部含まれるのかどうか、みんながそういう傾向になっているのかどうか、そこをちょっと知りたいものですから、お答えいただきたいと思います。

○佐藤課税部長 先生お尋ねの実感という点でございますけれども、実感と実態とがどういうふうに関連しているのか、なかなかあれでございますけれども、法人二税につきまして、九月末現在の調定ベースでお答えさせていただきますと、私どもの統計では、建設業を除きまして全業種で昨年を上回っております。
 主な業種について申し上げますと、金融、証券業が前年同月比で七百十九億円、率にいたしまして八八・一%の増でございます。また、製造業につきましては、同じく三百五十一億円、二二・二%の増、さらにサービス業につきましても同様、二百六十一億円、一七・九%の増、卸、小売業につきましても、二百二億円、一二・四%の増と相なってございます。一方、建設業は、前年同月比四十四億円、一〇・七%の減となってございます。
 増収の要因でございますけれども、先ほどIT関連というお話もございましたんですが、金融、証券業について見ますと、不良債権処理額が減少してきたとか、あるいは有価証券の売却益の影響であるとか、ゼロ金利政策による利ざや拡大の効果、証券市場の活況による株式手数料の増加によるものであり、製造業におきましては、先ほどご指摘のございましたような情報処理技術、いわゆるIT関連産業が非常に好調であるといったこと、サービス業におきましては、IT産業のソフトウエア部分の好調による増加、また、卸、小売業につきましては、企業収益の改善が少しずつ消費性向にも影響し始めたことなどによって税収の増加につながっているものと、それぞれ判断いたしております。

○桜井委員 今お話があったように、建設業だけ前年比で落ち込んでいるという話でありますが、確かに、町を歩いても建設業関連の人が多いんですね。建具屋さんがいたり、畳屋さんがあったり、佐官屋さんがいたり、あるいは水道工事店とかいろいろあるわけで、建設業というのは非常にすそ野が広いんですよね。このすそ野の広い、いろいろな人が関連してくる建設業が一向に税収が伸びてこないということが、実感としてわいてこない現実かとは思うんです。
 そのほか、今、卸、小売業もふえているという話がありましたけれども、実際、町の商店へ行っても、きのうも化粧品屋さんにちょっと寄って聞きましたら、全然売れないといって泣き顔をしていましたけれども、そういう意味では、税収が上がってこないという建設業を中心としたところは、やっぱり何か対策をしてあげないと厳しいかなという感じがしております。前回の財政委員会でも、これらの建設業に対する対策については議論がありましたけれども、これはやっぱり緊急の課題として考えていかなきゃならないかなと、こういうふうには思います。
 いずれにいたしましても、消費傾向は、そういう意味では若干影響が出てきているというような話もありましたけれども、実際は非常に厳しいものがあって、景気を左右する消費、個人消費、こういうものに火がつかないと、やっぱり実感はわいてこないなという感じがいたします。
 私のうちも、実際そうなんですよ。恥ずかしい話ですが、先ほど土建の人が来て陳情を受けたんですが、そのときもいったんですけど、うちも直さなきゃならないところがあるんですよね。ところが、うちはかみさんが反対しまして、息子がリストラの対象になりそうだなんていう話を聞きますと、ついつい、やらなきゃならないところもやらなくなるということを、我が家ですら抱えているわけですから、実際、個人消費というのは、よほど景気に対して安堵感が出てこないと、ふえないなと思うわけであります。
 そういう点で、個人消費の動向についてどのように見ているのか、ほかの民間機関でも結構ですが、どのように見られているのかということを、もし掌握しているものがあるならば、ご説明をいただきたいと思います。

○鮎澤税制部長 まず、個人消費の一つの要因であります雇用状況でございますが、情報技術、いわゆるIT業種などを含むサービス業の新規求人の増加等がある一方で、製造業では十万人以上の就業者人口の減少もございます。また、企業収益が個人所得に流入しているかでございますが、引き続き人件費など、製造コストあるいは管理コストの削減が進んでいる状況もございます。
 このような状況の中で、個人消費に関する各種の予測を見てまいりますと、経済企画庁では、収入の下げはとまってきておりますが、おおむね横ばいである、また、日本銀行では、雇用、所得環境に目立った改善が見られない中で、回復感に乏しい状態が続いている、しかし、企業収益の改善は家計所得の増加を通じて個人消費にも好影響を及ぼしていくだろうと。また、主な民間機関の経済見通しでは、雇用や所得も回復過程にあり、それにつれて個人消費も緩やかな伸びにとどまるだろう、こういうような形で発表しております。

○桜井委員 今お話がありましたが、個人消費というのは民間需要の柱でありまして、これは企業収益に左右されることが多いと思うんですが、税収の伸びが企業収益の改善というならば、先ほど局長の答弁にもありましたように、まだ先行き不安定な部分がありまして、円相場がどうなっていくんだとか、原油価格がどうなってくるのか、それによって影響を受ける業種もたくさん出てくるわけで、不安定要素も非常に強いんですね。その部分がどうしても個人消費に影響しているんじゃないかなと、こんなふうにも思うわけでございます。
 しかし、今、税制部長からお話があったように、景気の改善ということについては、どんなところもそういう方向にあるというふうに書いてありまして、最近の経済関係の記事を見ましても、先ほどお話があったとおり、九月の企業の実績は増収基調にある、この傾向は来年の二〇〇一年三月期にも見込まれる、こういうふうに書いてあるわけですが、一方で先ほどいった不安定要素もあったりして、まだまだ不安部分があるわけですね。
 そこで、そうしたものを全部勘案した上で、今年度の最終的な税収と来年度の税収の見込みについて、主税局はどのように考えていらっしゃるのか、できたら局長からご答弁をお願いしたいと思います。

○大塚主税局長 今、この場で、例えば私が個人的に考えているような感じを申し上げられれば一番いいのかと思うんですけれども、(「個人的でいいですよ」と呼ぶ者あり)これは議事録に残る世界でございまして、この後また、財務局関連の財政委員会も控えているようでございますので、若干トーンを落としてお答えさせていただくことをお許しいただきたいと思うんです。
 まず一つは、今年度につきましては、本会議でもご答弁申し上げましたけれども、十一月末の申告状況、これを見ないと確定的なことは申し上げられない、しかし、相当程度ということで、二回続けて強調はしているつもりなんですけれども、かなりいくだろうというふうに思っています、十二年度末。(「増収がね」と呼ぶ者あり)はい、増収がかなりいくだろうというふうに思っています。
 来年度の税収見込みということになりますと、当然それが発射台になるわけでございます。先ほどのリスク要因といいますか、マイナス要因、桜井先生からお話がありましたけれども、あるいはゼネコンも含めて、そうしたよほどのどんでん返しといいますか、とんでもないことが起こらない限りは、十一年度、今申し上げましたかなりの伸びのベースというのは、来年度のまた発射台になるわけでありまして、その上に、あとどれぐらい積み重なるかという話になるわけです。
 それで、三月の決算法人、九月末の申告状況をベースに、三月をある程度、国の場合には見てしまいますので、そこのところまで押さえられると、国税と地方税というのはタイムラグがありますので、三月末法人の税収というのは、国税は十二年度に入ります。しかし、地方税の場合には十三年度に数字が入ってきますので、仮に途中でちょっとしたおかしなことがあったとしても、三月末の数字というのは、十三年度の数字にコンクリートされてしまうわけです。そういう意味で、少なくとも十三年度については、まず十三年度については、ある程度の期待といいますか、一定の期待は当然できるというふうに考えております。

○桜井委員 非常に明るさが見えるような答弁だったんですが、まだ実感はわいてきません。
 それで、税収の確保というのは非常に大事なことでありますが、しかし、ITも、これからの成り行きを見ますと、外資系がどんどん日本へ来たり、また、インターネットの普及によって、購入の手続とか、そういう部分の手法も変わってくるでしょうし、いろいろな部分が影響してくると思いますので、余り楽観論ばっかりはいっていられないなという気持ちが私は強いわけなんです。
 いずれにいたしましても、都政も財政というものを背景に抱えながら、事業についての見直しも行われようとしている部分でありまして、その結果によっては都民生活に大変影響する部分もかなりあるわけなんで、税収の確保というのは非常に大事だと思うんですが、そういう意味でしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。余り小泉徴収部長のところが張り切り過ぎて税収がふえますと、いろいろまたハレーションが起きますので、ぜひ皆さん方でしっかりと組んでいただきまして、税収の確保に鋭意取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○古館委員 それでは、質問させていただきます。
 最初に、九九年度の税制改正で、所得税の最高税率の引き下げ、法人関係税の税率の引き下げなどの恒久的な減税が行われました。これで、法人所得に対する実効税率は四九・九八%から四六・三六%、そして、恒久減税がありましたので、さらに大幅に引き下がりまして、実効税率は四〇・八七%まで低下しました。この減税で実質的に恩恵を受けたのは、担税力のある富裕な個人や大企業であります。特に、法人関係税の減税は二〇〇〇年度に平年度化されたわけですので、東京都において法人二税の平年度化される二〇〇〇年度の影響額について、法人二税の減税に伴ってどれぐらい影響が出る、減額になる見通しを持っているでしょうか。

○鮎澤税制部長 恒久的な減税による都の法人二税の影響額は、平成十二年度で千七百四十五億円と見込んでいるところでございます。

○古館委員 千七百四十五億円の影響額というと、非常に大きいんですよね。よく税収の空洞化というんですけれども、要するに、減税したからそれ以上に景気がよくなって上がっていくというのは別としても、税率はそのまま下がりっ放しですから、実際に千七百数十億円という、二〇〇〇年度一年間だけでの空洞化というのは深刻だと思うんです。
 例えば、シルバーパスだとかマル福医療など、いわゆる福祉十事業といっているものですが、これが最終的に平年度化された場合--平年度化というのは、最終的に、老人福祉手当なんかは三年間で廃止とか、マル福医療は六年間で廃止とか、それが終わった後、平年度化といわせていただきますと、見込み得る削減額というのは約五百億なわけですよね。つまり、福祉の十事業で削減する金額というのは、平年度化で五百億、ところが、法人二税については減税をこの間大幅にしましたんで、今答弁されましたように、千七百数十億円の影響、削減額ということになるわけです。ですから、都民の福祉の問題、暮らしの問題から見ましても、この法人二税の減税というのは、非常に大きな規模を持っているということが理解できると思います。
 それで、これは議会局から出していただいた資料なんですが、例えば八五年、昭和六十年に都税というのがどれぐらいの構成比を持っていたかといいますと、都税は全体の歳入の七五・九%あったんですけれども、それが、八五年度が七五・九%に対して九九年度の構成比は六四・二%ということで、一一%以上の落ち込みなんですね、構成比からいって。それで、何がふえているかというと、都債発行が三・四%の構成比だったのが、去年、九九年度は九・一%ということで、そういう形のいわゆる都税の歳入構造そのものが、長いスパンで見ると明らかに減ってきているということがいえると思うんです。
 そして、ここには都税の税目別収入額の推移というのもあるんですが、これも八五年度、つまり昭和六十年度で構成比で見ますと、法人二税は構成比は大体三割でした。ところが、九九年度、去年は二割、二〇%ということですから、もう一割落っこっちゃっている、法人二税の関係は。それぐらいに、東京都の歳入に対しても、税がどうあるべきかという点では非常に大きな影響をもたらしているというのも、数字の上で明らかだと思うんですね。
 そういう点から、質問、二つ目ですが、都税調が中間のまとめを出されまして、この中でいっているのが、五番目で「負担を分かち合う税制」というふうにいっているわけですね。それを基本的視点として、都民には広く薄く負担をしてもらう、それから世代間の公平、表現の違いはあるとしても、政府税調がいっているような方向が、かなり色濃くここに出ていると私は思うんです。簡単にいうと、これは税金を納める力の弱い、あるいは納める力のない都民や中小零細企業などに、一層税金を課していくということを意味するのではないかというふうに思うんです。
 この点について、先ほど私は、八五年度から現在までの税収の推移、法人税関連の推移をちょっと紹介したんですが、つまり広く薄く、これが今後一層はっきりしていく、弱い者、それから担税力の小さい人、そういうところに税が集中していくというか、強まっていく、そういう傾向にあるのではないかと思うんです。その点についてのご見解はいかがでしょうか。

○鮎澤税制部長 少子高齢化が進展する中で、負担能力のある方には相応の負担を広く薄くお願いしていく、こういった趣旨でございます。

○古館委員 これは政府の統計でもはっきりしているんですが、今、ご答弁は、負担能力のある人に広く薄くといういい方をされたんですが、そういう人に広く薄くというと、とらえ方によると、そっちの方は軽くしてということにも、とられないでもないですね。
 それで、今、日本の国民の現実というのは、所得格差が、つまり貧富の格差が非常に急速に、この八〇年代、九〇年代を通じて拡大している、これは政府統計でも明らかであります。主要国の中で最も所得格差の大きな国の一つに日本が挙がっておりまして、政府の統計で、国民の五分の一を占める低所得者層と、五分の一を占める高所得者層との所得格差は、八一年度は七・四倍あった。所得の高い人と低い人の格差は、八一年度は七・四倍あったけれども、九六年度は三十三・二倍。この格差の激しさが急速な拡大を示しているということが、政府の統計でも明らかであります。
 そこで、私は、日本国憲法の原理といいますか、すなわち国民の基本的人権や生存権などで明らかなように、税制の基本というのは、各人、各法人の能力に応じて税金を負担する、そういう応能負担原則を基本とすべきではないか、これは地方自治体においても原則はそうであるべきじゃないか、このように考えますが、いかがでしょうか。

○鮎澤税制部長 応能原則は租税原則の一つでございますが、あわせまして、地方税については応益原則が特に重要であると考えております。負担能力のある方については、そういった意味で相応の負担を広く薄く求めていくべきと考えております。

○古館委員 先ほど、桜井委員からも消費の冷え込みという話がありましたけれども、担税力の弱い人から、あるいはそういうところから税金を取ろうという典型は、消費税だと思うんですね。その引き上げの問題について、ご存じのとおり、政府税調は先日出した中間のまとめの中で、消費税は基幹税にしていく、つまり税の中心に据えるという考えを明らかにしました。例えば一〇%に上がった場合に、四人家族でどれぐらいの負担になるかというと、消費税だけで年間四十万円という負担になります。
 そこで、消費税について主税局の見解を聞きたいと思うんですが、この消費税というのは、子どもや高齢者など弱い者いじめともいわれている税だと思うんです。低所得者の人ほど負担が重い、こういう性格を有している税だと考えていますが、その点についてはどういうご見解をお持ちでしょうか。

○鮎澤税制部長 消費税は、少子高齢化が急速に進展する中で、勤労世代に偏らず、より多くの人々が社会を支える税体系を構築するなどの観点から創設されたものでありまして、国、地方の貴重な財源となっていると考えております。
 なお、所得に占める消費税の割合と消費税の重税感とは、必ずしも同じものにはならないのではないかというふうに考えております。

○古館委員 今、国民の中で、消費税の税率引き上げ、賛成か反対かといわれたら、これは明らかに圧倒的多数が消費税の税率は引き上げないでくれと。それで、これが今の景気に対して非常に大きな影響を与えているというのは、今、常識になっています。特にGDP五百兆円といわれていますが、その六割が個人消費なわけですよね。今、設備投資とかいろいろなことをやっていますけれども、結局、政府のたび重なる景気対策といったって、全然効果が上がらない。これは日本共産党がいっているだけじゃなくて、経済界でもどこでも今、共通してそのことをいっているわけですね。何に一番、今、本当に力を入れなければいけないかといったら、個人消費、ここに力を入れること。ところが、消費税というのは、まともに個人消費を冷え切らせていくということになっていくんですね。
 そういう中で、国からの税源移譲の方法として、都税調の中間のまとめでも、地方消費税の配分の引き上げが提起されていますし、この間、東京都、政策報道室だと思いますけれども、税制のシミュレーションだとかいろいろやっている中で、地方消費税の割合をふやせというのが出てきているわけなんですよね。この配分の引き上げというのは、消費税全体の税率引き上げ計画に拍車をかけることにならざるを得ないんじゃないかと、そのことを非常に懸念しています。
 消費税率の引き上げというのは、今いいましたが、日本経済をさらに悪化させるものであり、都税調が最終的にどのような成案になるかということとは別として、都として地方消費税の配分の引き上げは提起するべきではない、このように考えますが、どのようにお考えでしょうか。

○鮎澤税制部長 東京都といたしましては、従来から、消費税、所得税等、国に対して税源移譲を提案要求しているところでございます。税源移譲につきましては、消費税あるいは所得税の二者択一ということではなくて、これらのものを組み合わせることによって行うことが適当ではないかというふうに考えております。

○古館委員 組み合わせが適当ということなんですけれども、今、ご存じのとおり地方分権といわれていながら、地方分権の中で、税源移譲だけは中長期の課題ということで棚上げされているわけですよね。東京都というのは、ある意味で全国の地方自治体の頂点に立つところなんだろうと思うんです。国に対して税源移譲を最も強力に旗振りができるのは東京都であるし、また、そうでなければならないと私は思うんですね。その場合に、どういう税目を国に対して税源移譲として要求するか、提起するか、この問題はやっぱり考えどころだというふうに私自身は思っています。
 大変僣越かもしれませんけれども、地方消費税というのは、私ども日本共産党も、こんなのはだめだよと。国民的にも、消費税の引き上げにつながっていくようなものは、合意というのはなかなか得られにくい。本当に東京都が国に対して地方に税源移譲させようというならば、ほかの地方自治体も、多くの国民、住民も、そうだ、これだったらいいよと思えるような税源移譲の提言を東京都がやっていくということが大事なんだろうと、私は常々思っております。
 その場合に、何が一番ベースになるのかというと、所得税、この基幹税を住民税に一部移譲する。この問題でいいますと、いわゆる増税をしようということでなくていいんですね。今の所得税の範囲の中で、その一定割合を地方に移そうと。だから、増税構想はないわけです、もちろんフラット化とかいろいろ、そういう問題はちょっとおいておいて、大きなマクロでいいますと。
 もう一つは、所得税というのはだれでも納めている、地方のどこでも。そうすると、地方的な偏在も少なくて済む。つまり、本当に東京都が国に対して税源移譲を求めるということであるならば、どこの自治体でも東京都と一緒に共同が組める。そういうことを強力に、私は国に対して提言することが必要だというふうに思っております。
 そういうことから見まして、私は、やはり税源移譲は所得税の基礎税率部分などを住民税に移譲すること、そういうことに、殊のほか東京都としては強いインパクトを与えながら、全国の地方自治体と共同して国に求めていく、そういう方向が必要ではないかと思うんですが、その点についてご見解を伺いたいと思います。

○鮎澤税制部長 税源移譲につきましては、所得あるいは消費等の組み合わせを行いまして、バランスのとれた形で移譲を行うことが、収入の安定化等も考えますと適当ではないかというふうに考えております。
 また、消費税につきましても、いわゆる地方的な偏在度の少ない税目ではないかというふうに考えております。

○古館委員 ですから、私は偏在度の問題だけいっているのじゃなくて、東京都がいうことによって、ほかの自治体も、ほかの自治体に住む人も、これならやろうよ、まず、この一致点で国に対して税源移譲を求めようよということが--東京都として、私、さっきリーダー的役割を果たすところだろうといったのは、東京都がどういう形で全国の地方自治体との共同を広げられるか、このまま黙っていたら、はっきりいって半永久的に税源移譲は見込めないんじゃないかと思うんですよね。
 だから、そういう部分で、やっぱり東京都の果たす役割というのを改めて--そういう点でいうと、共同のベースで何が立ち得るかとなると、これは神野先生なんかも、「地方に税源を」というこの本の中にきっちり書いているわけですよ、都税調の会長も。所得税の基礎税率に当たる所得部分は、地域的に偏在することなく課税ベースが広く分布しているために、その移譲は、むしろ税収の地域間格差を縮小しつつ、地方自治体に独自税源をもたらすことができるのであると。
 で、私がいったように、これと同時に、偏在だけじゃなくて、どこの自治体、どこに住む住民も一緒に、国に対して大いに働きかけられるというのはこれだということで、この問題は改めて答弁を求めませんが、このことは一度、どういう形で東京都が全国の地方自治体と共同して、本当に国に対して税源移譲を実現させるかという立場で、改めてぜひ考えてほしいというふうに、これは要望です。
 次に、法人事業税への外形標準課税について質問したいと思います。
 これは、東京都が出した来年度の国への予算要望、予算編成での都の提案要求の中でも、一般的な法人事業税の外形標準課税の導入ということがいわれています。それで、まず率直に聞きたいんですが、ことしの三月に石原知事との銀行課税についての質疑の中で、私は、赤字の中小企業に税金をかけるような一般的な外形標準課税は導入してはならない、そういうことをるる述べながら、知事に、赤字の中小企業にも課税することになる外形標準課税の一般化はすべきでないと考えるが、どうかという質問をしたのに対して、知事は明確に、都としてこれから先、中小の金融機関に限らず、一般の事業にこういう税金を課すつもりはないと答弁しております。外形標準課税を国に対して東京都が要求したということは、私は、知事の答弁と食い違うのではないか、このように思うんですが、どのようなご見解をお持ちでしょうか。

○鮎澤税制部長 知事がご答弁申し上げましたのは、都プロパーの税法の中で、すなわち都の税条例の中で、都独自に対象を銀行業以外に拡大する考えがないということを申し上げたものでございます。したがいまして、先生の今のご意見でございますが、誤解ではないかなというふうに思っております。

○古館委員 私が聞いていることに対して、今、誤解とおっしゃいましたけど、そうじゃないですね。じゃ、例えば、こういう税金を課すつもりはないというふうに知事のいった、こういう税金て--私がるる質問したのは、一般的な外形標準課税というふうにいいながら質問している。知事は受けて、確かに都のプロパーといっていますよ。いっているけれども、だったら、東京都として、一般的な外形標準課税については、国がやるならば我々は大賛成だという考え方に立つということで理解していいんですか。私の誤解とかなんとかという前に、そういう一般的な外形標準課税について、東京都として導入に賛成だ、そういうことだということを逆の意味で宣言することになるんですけど、そういうことで理解してよろしいですか。

○大塚主税局長 先生、ご質問の冒頭で、外形標準課税について東京都は提案要求しているというふうにおっしゃいました。それは、ですから、もう既に、今のご質問については、先生ご自身がおわかりになっているというふうに思います。

○古館委員 おわかりになっているということではなくて、あのときの知事の答弁というのは、東京都のプロパー--外形標準課税ということだって、銀行課税だって、それは東京都が独自でやったことですね。それで、一般的な外形標準課税についてだって、そういう立場でいえば、知事は銀行課税、こういうものをなぜ五兆円以上にしたか、それは、中小のそういう人たちに対して課税をするということは避けた。つまり、そういう点でいえば、もっと都民的に解釈をすれば、そういう赤字の中小法人企業に対しても税金を課すような一般的な外形標準課税についても否定的である、このように理解するのが、私は当たり前の理解だというふうに思っているんです。
 ところが、それは、ここで都のプロパーとしてということをいっているんだから、一般外形標準課税のことではないと、そのようにおっしゃるかもしれないんですが、この問題について、じゃ、東京都の一般的な外形標準課税に対する認識、評価を改めてお聞きしたいと思います。

○鮎澤税制部長 外形標準課税につきましては、地方税収の安定的確保等のためには、基幹税目であります法人事業税について、とりわけ中小法人の負担には十分配慮しつつ、外形標準課税の導入を図る必要があるというふうに考えております。

○古館委員 この問題については、かなり反対が多いですよね。手元にあるだけでも、東京法人会連合会とか、経団連とか、東京商工会議所だとか、それから東京税理士政治連盟だとか、そういうところは、今の一般的外形標準課税導入については、景気を冷え切らせる、そういうような立場を含めて反対という声が非常に強く出ています。
 この財政委員会でも、超党派的に、この一般的な外形標準課税については、慎重論ないしはやってはならない、そういうやりとりを、私は財政委員をしていく中で見聞きしているわけでありますけれども、現在の状況というのは、中小零細企業にとって、こういう外形標準課税が導入されていくということになると、決して楽なものではありません。
 例えば、一億円未満の会社が五十一万社あるといわれていますけれども、赤字になっている会社が七二・六%、一億円未満の中小法人で。ですから、薄く広くなんていう考え方で赤字の法人にも税金をかける、そういうことになって、それこそ個人消費をますます冷え切らせていく、これは日本の経済が致命的打撃を受けるのは明らかなんですね。しかも、外形標準課税というのは、莫大な利益を上げている大企業の負担というのが、ある意味で均等化されていくという形にもなっていくわけだし……。
 それで、このよしあしはおいておいて、今月の十月二十一日付の「週刊東洋経済」に、「論点」ということで「経済の国際化と税制」、こういう記事が載っていまして、「東洋経済」といえば、もう説明する必要もない、経済の問題では非常に権威のある雑誌ですけれども、「外形標準課税はなぜ行き詰まったか」という記事なんですね。これは、簡単にいうと、世界では外形標準課税はもう廃止の方向なんだと、そのことをいっているんですね。
 例えば、アメリカのミシガン州、これは九九年、去年の七月に廃止されるに至った、ドイツでは九八年に廃止された、フランス、九九年から二〇〇三年にかけて廃止することが決まった、このように外形標準課税を採用してきたミシガン州、ドイツ及びフランスのいずれも、最近になってその廃止や大幅な縮小を進めているということを--私は、この記事の中身の全体を見ると、よしあしというのは、私なりの意見はあります。あるけれども、事実としてそういう方向が世界的な流れになっているということだけは、この「東洋経済」の記事から読み取ることができます。
 したがって、私は、都として一般的な外形標準課税を国に要求したことに対しては、その撤回を求めますけれども、改めてご見解を伺います。

○鮎澤税制部長 先ほども申し上げましたが、地方財政の安定化という観点から、どうしても外形標準課税については導入を図る必要があるのではないかというふうに考えております。ただ、その場合におきましては、先ほども申し上げましたが、中小法人に対する十分な配慮ということが当然必要になるということでございます。
 また、先ほど、各国の例もございましたが、最近の例でございますが、イタリアにおきましては新たに外形標準課税を導入いたしました。
 また、外形標準課税の導入に当たりましては、政府税調の考え方にもございますが、いわゆる所得課税との並立等、さまざまな形をとりまして、経済へのいろいろな影響等について十分配慮していく必要があるというふうに思っております。

○古館委員 最後に、この外形標準課税については、本当に多くの団体、それから、東京で働き営業している中小零細企業を初めとして、導入すべきじゃないと。先ほど、私は「東洋経済」の雑誌を紹介しましたが、見出しでも、外形標準で地方が課税できる時代はもう終わったと。つまり、外形標準課税ということ自体が、そういう意味での、簡単にいえばもう時代おくれになってきているということが、世界のグローバルな中での結論なんですね。
 ですから、そういう点では、改めて一般的な外形標準課税の導入に対して、東京都がゆめゆめ先導的な旗振りなんかやるということは、私は戒めていただきたい。そのことを皆さんに強く求めて、質問を終わります。

○遠藤委員長 ほかにご発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○遠藤委員長  異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十三分散会

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