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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第九号

平成三十年九月十八日(火曜日)
第三委員会室
午後一時二分開議
出席委員 十四名
委員長里吉 ゆみ君
副委員長大場やすのぶ君
副委員長米川大二郎君
理事大松あきら君
理事米倉 春奈君
理事木村 基成君
けいの信一君
成清梨沙子君
池川 友一君
高倉 良生君
白戸 太朗君
斉藤れいな君
入江のぶこ君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長浜 佳葉子君
次長武市 玲子君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務鳥田 浩平君
広報広聴部長濱田 良廣君
都民生活部長山本  明君
消費生活部長吉村 幸子君
私学部長金子 光博君
文化振興部長樋渡 幸生君
都政情報担当部長水野  剛君
都民活躍支援担当部長馬神 祥子君
男女平等参画担当部長稲葉  薫君
文化総合調整担当部長久故 雅幸君
文化施設改革担当部長工藤 穣治君
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務延與  桂君
次長岩瀬 和春君
技監相場 淳司君
理事西村 泰信君
理事中澤 基行君
総務部長中村 倫治君
調整担当部長雲田 孝司君
大会企画調整担当部長中嶋 初史君
自治体調整担当部長小池 和孝君
計画推進部長根本 浩志君
運営担当部長田中  彰君
競技・渉外担当部長川瀬 航司君
事業推進担当部長丸山 雅代君
パラリンピック部長萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長越  秀幸君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長鈴木 研二君
施設担当部長砂田  覚君
施設整備担当部長草野 智文君
施設調整担当部長湯川 雅史君
選手村担当部長斉藤  有君
スポーツ施設担当部長藤木 仁成君
輸送担当部長片寄 光彦君
スポーツ推進部長小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長篠  祐次君
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
田中 愛子君
教育庁教育長中井 敬三君
次長西海 哲洋君
教育監増渕 達夫君
総務部長早川 剛生君
都立学校教育部長江藤  巧君
地域教育支援部長太田 誠一君
指導部長宇田  剛君
人事部長安部 典子君
福利厚生部長浅野 直樹君
教育政策担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
古川 浩二君
企画調整担当部長谷 理恵子君
教育改革推進担当部長増田 正弘君
特別支援教育推進担当部長小原  昌君
指導推進担当部長藤井 大輔君
人事企画担当部長黒田 則明君

本日の会議に付した事件
副委員長の互選
教育庁関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・都立府中東高等学校(三十)校舎棟ほか改築工事請負契約
・都立大島海洋国際高等学校実習船「大島丸」製造請負契約
陳情の審査
(1)三〇第二九号の二 別居・離婚後の親子の断絶を防止するための職員研修等を求めることに関する陳情
(2)三〇第三三号 東京都教育委員会が進めている「性教育の手引」の改訂に関する陳情
(3)三〇第三九号 学校における性教育への政治家の介入をやめ、性教育の発展を求めることに関する陳情
(4)三〇第三八号 チャレンジスクールの現状と問題点を検証し、その見直しを求めることに関する陳情
(5)三〇第四二号 「東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書」の訂正に関する陳情
オリンピック・パラリンピック準備局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京体育館(三十)改修工事その二請負契約
・東京体育館(三十)改修電気設備工事請負契約
・海の森水上競技場の指定管理者の指定について
・夢の島公園アーチェリー場の指定管理者の指定について
・カヌー・スラロームセンターの指定管理者の指定について
・大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場の指定管理者の指定について
・東京アクアティクスセンターの指定管理者の指定について
報告事項(説明)
・有明アリーナ管理運営事業 事業者募集について
・東京マラソンの参加料について
生活文化局関係
陳情の審査
(1)三〇第三〇号 「地方消費者行政に対する財政支援の継続・拡充を求める意見書」の採択に関する陳情

○里吉委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上になる場合もございますので、さらに二十名を追加いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○里吉委員長 初めに、このたびの平成三十年七月豪雨及び平成三十年北海道胆振東部地震により亡くなられた方々と、そのご遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 皆さん、ご起立願います。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○里吉委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。

○里吉委員長 次に、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る九月十一日付をもって、川松真一朗議員が本委員会から公営企業委員会に変更になり、新たに大場やすのぶ議員が公営企業委員会から本委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の大場やすのぶ委員をご紹介いたします。

○大場委員 大場やすのぶでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○里吉委員長 紹介は終わりました。

○里吉委員長 次に、川松真一朗議員の所属変更に伴い、副委員長一名が欠員となっておりますので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○成清委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○里吉委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には大場やすのぶ委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には大場やすのぶ委員が当選されました。
 大場副委員長より就任のご挨拶があります。

○大場副委員長 ただいまご選任いただきました自民党の大場やすのぶでございます。
 里吉委員長を補佐しながら、公正、円滑な委員会運営に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○里吉委員長 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○里吉委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁及びオリンピック・パラリンピック準備局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、オリンピック・パラリンピック準備局関係の報告事項の聴取並びに教育庁及び生活文化局関係の陳情審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、教育長から紹介があります。

○中井教育長 さきの人事異動で教育庁幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 次長の西海哲洋でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○里吉委員長 紹介は終わりました。

○里吉委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中井教育長 平成三十年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 初めに、条例案についてでございます。
 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、特別支援学校の新設及び移転に伴い、規定を整備するものでございます。
 次に、契約案でございます。
 都立府中東高等学校(三十)校舎棟ほか改築工事請負契約外一件でございます。
 以上が教育庁関係の提出を予定しております案件の概要でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早川総務部長 それでは、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明を申し上げます。
 初めに、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成三十年第三回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をめくり、目次をお開き願います。今回提出を予定しております条例案は一件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 三ページの新旧対照表をお開き願います。
 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、東京都立臨海青海特別支援学校を設置するとともに、東京都立南花畑特別支援学校の位置を変更するものでございます。
 施行日は、設置については公布の日、位置変更については平成三十一年一月一日としております。
 次に、契約案についてご説明いたします。
 お手元の資料、平成三十年第三回東京都議会定例会議案(契約)の表紙をめくり、目次をお開き願います。今回提出を予定しております契約案は二件でございます。
 一ページをお開き願います。都立府中東高等学校(三十)校舎棟ほか改築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二十九億七千四百三十二万円、契約の相手方は東京都中央区新川一丁目十七番二十二号、松井建設株式会社でございます。工期は契約確定の日から平成三十二年六月一日まででございます。
 三ページから七ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、八ページに契約議案の概要を記載してございます。
 九ページをごらんください。都立大島海洋国際高等学校実習船「大島丸」製造請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二十四億三千八百六十四万円、契約の相手方は新潟県新潟市中央区入船町四丁目三千七百七十六番地、新潟造船株式会社でございます。工期は契約確定の日から平成三十二年二月二十八日まででございます。
 一〇ページ及び一一ページに一般配置図を、一二ページに契約議案の概要を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○米倉委員 五点の資料をお願いします。
 一つ目が、臨海青海特別支援学校及び周辺の特別支援学校の現在の学区と、四月以降に予定している学区を地図の形でお願いします。
 二つ目が、臨海青海特別支援学校の教室数と児童生徒数の見込みと将来推計についてです。
 三つ目が、周辺の特別支援学校の現在の教室数と児童生徒数及び将来の推計についてです。
 四点目が、城北地域特別支援学校の工事と、それに伴う城北特支と南花畑特支の教室移動や移転などの実施状況と今後の予定です。
 五点目が、第二次主要施設十か年維持更新計画の教育施設にかかわる進捗状況についてです。
 お願いいたします。

○里吉委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 それでは、ただいま米倉理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○里吉委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情三〇第二九号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○宇田指導部長 陳情三〇第二九号の二、別居・離婚後の親子の断絶を防止するための職員研修等を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 本陳情は、静岡県静岡市の親子の絆共同代表田中とみ子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、別居、離婚後の親子断絶に苦しんでいる子供たち及び子供を連れ去られた片親と親族に対する人権侵害問題等について、法整備及び公的支援の必要性について現状認識するために次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、2の学校教育に携わる職員に対して研修の実施を図り、親子断絶防止に関する対策を検討し実施することの一点でございます。
 これに関する現在の状況でございますが、都立高等学校及び特別支援学校においては、入学等の手続の際に届け出のあった者を児童生徒の保護者と認めており、両親の別居や離婚等の状況にかかわらず、保護者から書面で提出のあった連絡先に連絡することとしております。この連絡先につきましては、緊急時等に備え、原則として複数の電話番号等を記載するよう求めております。
 一方で、児童生徒の個人情報の保護や安全確保のため、保護者から了解が得られていない第三者に対しては、当該児童生徒に関する情報提供や面談等は行わないよう配慮しております。
 これらの基本的な対応に加え、学校は、児童生徒一人一人について、教職員との日常的なコミュニケーション、定期的な面談やアンケート等を通じて、家庭の状況を含め生活環境を把握するよう努めております。
 そうした中で、児童生徒が保護者に虐待を受けている可能性があると思われる事案については、迅速に児童相談所に通告するほか、保護者との関係に悩みを抱えていることが推測される場合には、関係諸機関とも連携して、家庭の状況を確認したり、必要な支援を行ったりしております。
 各学校におきましては、校長の責任のもとに、全ての教職員に対し、こうした対応を確実に行うよう徹底を図っており、別居、離婚後の親子断絶に関する法整備や公的支援の必要性についての研修は実施しておりません。
 なお、現在、国会議員で構成される超党派の共同養育支援議員連盟が、父母の離婚等の後における子と父母との継続的な関係の維持等に関する法律案の検討を行っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第二九号の二は不採択と決定いたしました。

○里吉委員長 次に、陳情三〇第三三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○藤井指導推進担当部長 陳情三〇第三三号、東京都教育委員会が進めている「性教育の手引」の改訂に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託陳情審査説明表の三ページをお開き願います。
 本陳情は、調布市の一般社団法人“人間と性”教育研究協議会代表幹事水野哲夫さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、東京都教育委員会が改定を進めている性教育の手引の改定プロセスを透明にし公開するとともに、幅広い見識を集めるようにしていただきたいというものです。
 これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会は、昨年度から性教育の手引作成委員会を設置して手引の改定を進めております。委員会の協議に当たっては、児童生徒の個人情報を取り扱う場合もあることから非公開としております。
 作成委員会は、学識経験者、医師、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の各校長、副校長、教諭、養護教諭等で構成しており、今年度は、保護者の代表を加え、さらに幅広く意見を聴取し手引を改定してまいります。
 なお、今年度の委員会については、議事録の要旨を公開してまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○斉藤委員 三月の文教委員会での性教育に関する質問以降、広く都民や教育関係者などから東京都での性教育についてのご意見やご指導をいただいております。都民からの関心が非常に高く、今後の性教育のあり方について都教育委員会の動向が注視されているといってもいいと思います。
 先日、東京都の中学校における性教育の実施状況調査結果が教育庁から発表になりまして、学習指導要領に示されていない内容を指導することも必要だと思うが、とてもそう思うとそう思うを合わせて四六%となることがわかりました。また、性に関する授業は医師等の外部講師を活用することが効果的と考えるが約八九%、性教育を行う際に都教育委員会等から医師等の外部講師を派遣してほしいと考えるが約七九%と多数を占めることも明らかになりました。
 そのような中、東京都教育委員会は、昨年度から性教育の手引作成委員会を設置して手引の改定を現在進めておりますが、この委員会は非公開となっており、委員会の中でどのような議論が交わされたのかを都民に広く公開されていくことは、この陳情にありますように必要であると考えております。
 現時点で、今後どのような形で委員会の議事録等を公開していくことを検討されていますか。

○藤井指導推進担当部長 作成委員会の会議は、昨年度の会議設置以来、児童生徒の個人情報を取り扱う場合もあることや、委員の自由かつ率直な意見の交換を保障する観点から非公開としております。
 ただし、今年度の委員会については、どのような議論が交わされたのかを都民の方に理解していただけるよう、個人情報等に十分配慮した上で、議事録の要旨を公開することといたしました。

○斉藤委員 ありがとうございます。実は、私も青少年健全育成審議会というもののメンバーで、委員をやっておりまして、そちらの方でも委員の自由な発言を阻害しないようにということで、毎回その議事録というのを完全に公開するのではなくて、個人名を隠したりだとか、個人が特定されるようなところは隠しながら公開するということをやっているんですけれども、この陳情にあるように、恐らく全てを公開するというのは非常に難しいのかなということは、今のお答えもいただきまして理解をしているところでございます。
 個人情報に関しては配慮をしていただきつつ、具体的な議論が一体どういうふうに行われたかという内容について、都民がしっかりとその詳細を把握できるような形で、議事録を、なるべく内容について把握できるような要旨という形でまとめていっていただきたいなと考えております。よろしくお願いします。
 もう一点なんですけれども、性教育の手引は前回の改定後、今、十四年が経過しておりまして、この間、情報化社会の進展や社会環境が大きく変化をしてきております。こうした状況を踏まえて、性教育の手引作成委員会において、より幅広く意見を聴取して手引に反映させていくことが必要であると考えております。
 そこで、どのように多様な諸課題についての見識や意見を集めていくのか、取り組みを伺います。

○藤井指導推進担当部長 作成委員会には、学識経験者、医師のほかに、公立学校長、保健体育科や養護教諭等の学校の代表者で構成し、さらに、今年度からは小中高等学校及び特別支援学校の保護者の代表者を加え、さまざまな立場から多角的に意見交換を行い、手引の改定を進めていきたいと考えております。

○斉藤委員 実は、私たち都民ファーストの会では、先日、秋田県に伺いました。教育委員会に性教育を推進してきた経緯や成果を伺いまして、また、秋田県医師会からは資料として性教育講座の基本となるスライドをいただいてきております。
 医師の方々は職業柄、例えば性感染症や性的マイノリティーについての諸課題などもこれまでに向き合ってこられているために、医師会の作成した性教育資料は、そういったさまざまな諸課題を網羅している非常に包括的な内容であったことをここで述べさせていただきます。
 今回、手引の作成委員会に多様な方々を委員として迎えてくださっていることは評価させていただきます。さまざまな諸課題が都教委に直接訴えられることも今後あるかもしれませんので、手引の改定に当たってはぜひ丁寧な意見集約をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○池川委員 私からも、東京都教育委員会が進めている「性教育の手引」の改訂に関する陳情について質問をさせていただきます。
 本陳情の趣旨は、性教育の手引の改定のプロセスを透明にし公開するとともに、幅広い見識を集めるようにしていただきたいというものになっております。
 現在の性教育の手引は、小学校と中学校編は二〇〇四年、高校と盲・ろう・養護学校編は二〇〇五年に策定をされております。
 前回の改定時期は、性教育バッシングが全国でも、そして都内でも行われるもとでつくられた経過があります。こうした事情の中で前回改定された性教育の手引が、約十五年たっても改定されてこなかったことで、教育現場では、それこそこの間、性教育については萎縮に次ぐ萎縮が起こってきたと考えます。こうした意味からも、今回の性教育の手引の改定は多くの注目を集めています。
 そこで、基本的な点から伺いたいと思いますが、現在の手引を改定する理由はどのようなものか、また、どういう視点で改定をしていくのか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 前回の改定から十四年が経過し、この間、情報化社会の進展や社会環境が大きく変化したこと、また、学習指導要領が改定されたことから、手引を改定することといたしました。
 改定の方針といたしましては、学習指導要領の趣旨を踏まえるとともに、今日的な課題にも対応できるよう、学校にとって、よりわかりやすく活用しやすい手引に改定してまいります。

○池川委員 今日的な課題についても対応できるようにすること、そして、学校にとってわかりやすいようにしていくという答弁でした。
 第二回定例会の我が党の代表質問に教育長は、SNSに起因する性被害や性同一性障害、性的指向、性自認への配慮等、性教育を進める上での今日的課題についても、作成委員会の中で議論していくというふうに答弁をされています。
 この今日的課題に向き合うとともに、性教育全体を通してどのような知識やスキルを身につけていくのか、どのような力をつけていくのかという視点で改定するのが必要だと思います。
 これだけ注目されているときだからこそ、東京の性教育が、全国の中でも充実していくものになることが求められていると思います。そのためにも、この手引を改定するに当たって、幅広い都民の皆さんの声をしっかりと集約し、反映する仕組みが必要だと思います。
 そこで伺いたいと思いますが、パブリックコメント等、広く意見を聞く必要性についてはどのように認識をされているのか、また作成委員会のメンバーについても、さらに広い方々に参集していただいて意見を聞くということについてはどのように考えられているのか、見解を伺います。

○藤井指導推進担当部長 作成委員会においては、さまざまな立場から意見を聴取することができるよう、学識経験者や医師のほかに、公立学校長、保健体育科や養護教諭等の学校の代表者を委員としております。
 さらに、今年度から小中高等学校及び特別支援学校の保護者の代表者を加え、さまざまな立場から多角的に意見交換を行い、聴取をしていく予定でございます。

○池川委員 さまざまな立場から多角的に意見を聴取するんだということです。
 ユネスコが作成をしている国際セクシュアリティー教育ガイダンスには、主要関係者の協議を支援することで、セクシュアリティー教育の必要性に関する合意を構築するとして、具体的なメンバーを示しています。
 主要関係者とは、多様性を代表する若者たちと、彼らとともに行動する組織、親とPTA、政策立案者と政治家、健康や若者のニーズに関する省庁、教員や校長、教員養成機関を含む教育専門家や教育機関、宗教指導者や宗教的奉仕活動を行う団体、教員組合、医療従事者のための養成機関、研究者、コミュニティや従来の指導者、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーのグループ、NGO、特に若者とともに性と生殖の健康に関する活動をしている人々、HIVとともに生きる人々、メディア、地方及び全国、関連する支援提供者、または外部の資金提供者というふうに、かなり幅広く意見を聴取して合意形成をやる必要があるということが述べられております。
 こうした問題というのは、この手引の改定を考えていく上でも重要な性質ではないかと考えます。陳情では幅広い見識を集めることを求めています。先ほど示したこの国際セクシュアリティー教育ガイダンスの主要関係者という視点はとても重要ではないかと思います。
 また、作成委員会のメンバーに加えて、広く都民の見識を集めることは、子供たちの実態から出発をした豊かな手引になるものと考えます。それはまた、学校現場で教師自身が幅広い知見を持つことにつながっていくものだとも思います。プロセスを透明にし、公開の場で広い見識が集められるようにしていただきたいと思います。
 また、議事録の公開については、今年度から要旨を公開するということですが、昨年度から本作成委員会は行われており、その分についての公開、またワーキンググループを設置するということも聞いておりますので、こちらについても議事録の要旨等について公開することを求めておきます。
 次に、性教育の手引の改定に伴い、現在の性教育の手引の扱いについて伺います。
 現行の手引の盲・ろう・養護学校編と高等学校編には、不適切な事例として幾つもの事例が列挙をされています。これは、判決が出た後も、学習指導要領違反ではないとされた七生養護学校の実践を、不適切な事例としてその箇所を都教委が改めずに今日に至っている部分であります。
 今回の手引の改定によって、こうした内容が全面的に改められ、やってはならないことを列挙した手引のあり方から、豊かな実践例が示された手引に改定することが望まれていると思います。
 そこで伺いたいと思いますが、現在の手引の盲・ろう・養護学校編と高等学校編にある不適切な事例として扱われているものについては、新たな手引ではどのようにする見通しなのか、どのように見直すつもりなのか、伺いたいと思います。

○藤井指導推進担当部長 手引の内容については、現在、作成委員会で検討中でございます。

○池川委員 二〇一四年にこの問題が議論された際には、削除する考えは一切ないの一点張りでありましたが、今回の手引の改定の中で、不適切な事例として扱われている状況を改善していくんだというふうに受けとめました。
 性教育の手引にかかわって、東京都教育委員会は、中学校の状況を把握するための調査について行いました。
 その概要についてまず伺いたいと思いますが、この調査結果の特徴、また東京都教育委員会の受けとめはどうなっているのか、またこの調査結果についてはどのように活用されていくのか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 都教育委員会は、平成三十年八月に都内全公立中学校等を対象に、性教育の実施状況調査を行いました。
 その調査結果によると、性に関する正しい知識を生徒が身につけていると回答した割合は約五割でございました。次に、医師等の外部講師を活用することが効果的であると回答した割合は約九割でございました。また、性に関する指導資料等を配布してほしいと回答した割合は約八割でございました。
 これらの結果を踏まえ、外部講師の活用のあり方など、具体的な指導方法を掲載するなど、学校にとって、よりわかりやすく活用しやすい手引を作成してまいります。

○池川委員 これも学校にとってわかりやすく活用しやすい手引にするという答弁がありました。
 外部講師の派遣が九割、指導資料等については八割が必要性を回答していますが、一方で、これは現実の問題として、学校でどのように取り組んでいけばいいのか、不安やためらいがある結果だというふうに受けとめられると思います。これはこの十五年間、東京の性教育が後退し停滞し続けてきたことに起因するものであり、これは深刻に受けとめる必要があると思います。
 この医師などの外部講師の派遣について、学校現場で活用できるように、都教委としてはどのような役割を果たしていかれるのか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 都教育委員会は、学校が産婦人科医等の専門家を活用できるよう検討しており、その方法等について、現在改定中の手引にも反映させていく予定でございます。

○池川委員 実態調査を行った際に、性教育で指導上課題と感じていることの自由記述欄には、情報が大量にあふれている中で、正しい知識を指導することが必要であるが、具体的な指導ができないというコメントが掲載をされています。
 これらは、外部講師が科学的な内容を子供たちに示すことによって乗り越えていくことができるという意味で、この外部講師の派遣は大変重要な取り組みであるとも思います。日常的に子供たちの性の問題に取り組んでいる方々のノウハウを積極的に活用することの意義は重要だと思います。
 しかし、外部講師にお願いをすれば十分なのかというと、そうではないと思います。実態調査の指導上の課題で感じていることの自由記述欄には、教育課程編成時に作成した年間計画を全職員に周知し、各担当との連携が必要であるという認識も示されています。
 起点をどこに置くのか、学校現場でどのように取り組んでいくのかという基本がしっかりと教職員集団で共有をされ、教職員全体で取り組む重要性が示されていると思います。外部講師にお願いするときにも、子供たちの実態を共有し、教師と医師などの外部講師がパートナーとして性教育を進めていくことでこそ、実効性のあるものになると思います。
 共産党都議団としても、秋田県教育委員会に先日伺いました。その際に、県の教育委員会の担当者は、外部講師の派遣を行っている性教育講座ばかりが今注目をされているが、最も肝となるのは、横断的な取り組み、各学校での具体的な取り組み、実践事例等を活用した総合的、横断的な取り組みを推進しているステップアップ性に関する指導の部分なんだということを強調されておられました。
 秋田県では県主催で性に関する指導、指導者研修会を開催し、養護教諭を除く教職員を対象とする研修を行っています。性教育イコール養護教諭任せではだめだという問題意識から取り組んでいるということでありました。性教育講座は大事だけれども、学校という現場で日々子供たちとかかわる教職員集団の力をつけていくことが基本となっているというふうに思います。
 こうした秋田の例にも学びながら、都として手引の改定によって現場が取り組みやすいように支援を進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○藤井指導推進担当部長 性教育は、各教科、総合的な学習の時間、道徳、特別活動といった学校教育全体を通じて取り組むものであり、現在改定中の手引にもさまざまな教科等における実践事例を掲載していく予定でございます。

○池川委員 先ほども紹介した国際セクシュアリティー教育ガイダンスの中でも、学校の役割について、学校というシステムは熟練した教師と信頼できる情報源、正式なカリキュラムに基づいた長期的な学習の機会を含む、既存の構造的な基盤を持っている点で有利であるというふうに記されています。
 埼玉大学の田代美江子教授はインタビューの中で、性教育の授業づくりで必ず子供たちに伝えることは信頼できる大人に相談するというメッセージです、学校の先生方にはその信頼できる大人になってほしい、そのためには先生方が子供たちの知りたいことについて誠実に答えられる大人になることが重要なのです、思春期の子供たちは性に興味津々です、ごまかしたり、はぐらかしたりするのではなく、子供たちが本当に知りたいと思っていることに答えられたとき教員はやりがいを感じるはずです、それが教育のだいご味です、性教育はそのだいご味を味わえる絶好の機会、子供たちの知的欲求に応えるためには、教員自身が性のあり方について深く考え学ぶ必要がありますと強調されています。この指摘は大変重要だと思います。
 今回の性教育の手引の改定が、子供たちの実態にかみ合うものになり、同時に教職員の方々が深く考え学ぶことができる豊かな内容になるように仕上げていただきたいと思います。
 性教育の手引の改定のプロセスを透明にし公開するとともに、幅広い見識を集めるようにするため、本陳情の採択を主張して、質問を終わります。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第三三号は不採択と決定いたしました。

○里吉委員長 次に、陳情三〇第三九号を議題といたします。
 この際、東京都議会委員会条例第十八条の規定により、古賀委員の退室を求めます。
   〔古賀委員退室〕

○里吉委員長 理事者の説明を求めます。

○藤井指導推進担当部長 陳情三〇第三九号、学校における性教育への政治家の介入をやめ、性教育の発展を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託陳情審査説明表の四ページをお開き願います。
 本陳情は、足立区の教育の自由を守る足立区民の会共同代表大谷猛夫さん外三人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、三点ございます。
 一点目は、学校における性教育について、政治家による政治的な介入をやめ、教育現場が萎縮することがないようにすること、二点目は、現場への不当な圧力となった文教委員会における学校名及び教員名に関する発言について、議事録から削除すること、三点目は、学校における性教育を発展させることというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、まず一点目及び二点目については、都議会及び都議会議員に係る事柄であるため、都教育委員会は答える立場にございません。
 また、三点目についてでございますが、都教育委員会は、全ての児童生徒に学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、性情報の氾濫等の実情を踏まえ、児童生徒の状況に応じ、保護者の理解を得ながら、個別やグループ等での対応を行うことも必要であると考えております。
 また、昨年度から、性教育に関する基本的な考えや実践事例を示した手引の改定を進めており、今年度中に、学校にとって、よりわかりやすく活用しやすい手引を作成配布し、各学校における性教育の適切な実施を支援してまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 次に、ただいま除斥されております古賀委員から、東京都議会委員会条例第十八条ただし書きの規定により、委員会に出席して発言したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 この申し出について同意することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。古賀委員の入室を認めます。
   〔古賀委員入室〕

○里吉委員長 古賀委員の発言を許します。

○古賀委員 陳情三〇第三九号、学校における性教育への政治家の介入をやめ、性教育の発展を求めることに関する陳情につきまして、三点、意見を申し述べます。
 第一に、陳情では、政治家による不当な政治的介入との表現がありますが、これは大きな間違いであります。一連の出来事、つまり足立区立鹿浜菜の花中学校で、あえて保健の授業ではなく、総合的な学習の時間を使った性に関する授業問題のそもそもの発端は、当該中学校で行われた授業に対して保護者が疑問を抱き、議員や教育委員会に相談したところから始まっています。
 ご存じのとおり、教育基本法の第十条によれば、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであってと規定されています。その保護者から相談を受けた議員は、都議会議員なら都民の代弁者として、市区町村議員なら市区町村の住民の代弁者として、議会の規則にのっとって質疑したり発言をすることは正当な議員活動であって、不当とは到底いえないのであります。
 七月二十日付毎日新聞の論点記事を見ると、行き過ぎた性教育を熱心に推進する団体、“人間と性”教育研究協議会、いわゆる性教協の代表幹事が授業にかかわっていたようでありますが、その影響のもと、第一義的な責任を負う父母や保護者の合意もなく、学習指導要領を逸脱した授業が行われたのでありますから、公正かつ適正に行われた教育ではありません。
 性教協は昭和五十六年に発足しましたが、創設者の山本直英氏は、著書、各種性教育探検論の中でこう語っています。結婚生活は、私有財産制の一変形であり、夫という占有者が妻と名づくる家畜を養い、これを性的快感を得るための機械として用いる場所と表現しています。性教協は、性的自立、性の自己決定権を訴え、家庭や結婚を、個々の性生活を不当に抑圧するものと位置づけているのであります。
 足立区で行われた性教育の授業に性教協が深く関与していたことは明確であり、性教協のホームページには今でも四月六日付で抗議声明が掲載されています。性教協は、学習指導要領を逸脱するように教育現場を使嗾しているのでありますから、これこそ不当な介入ではないでしょうか。
 また、保護者からの疑問を抱かれるような授業を行った学校側は、親の教育権を侵害していたともいえるのです。もし保護者からの相談を受けた教育委員会がこの事実を知りながら、何もせず、不当な授業を行った学校を注意、指導しないなら、それこそ責任を放棄した職務怠慢のそしりを免れられません。
 次に、願意の二番目の項目、議事録から削除することでありますが、それは公文書の改ざんでありますから、言語道断であります。当該中学校は、授業をみずからの意思で公開をしていたのであり、第一義的な責任を有する父母及び保護者の合意なく、学習指導要領を逸脱した授業を行っていたのでありますから、その責任は明確にすべきでありましょう。ましてや、公教育という公務の遂行、執行が匿名で行われるなど考えられません。
 第三に、性教育を発展させるとのことでありますが、何の節度もなく発展させるつもりでありましょうか。教育は発達段階を踏まえて行うべきものであり、学習指導要領に則して行うべきものです。
 東京都教育委員会は、第八回定例会では遠藤委員より発言がありましたが、どこか突出した学校ではこういうことをやっている、この学校では全然やっていないということがあってはならないといわれていました。個々の教員の主観に基づき、好きなように授業を行うのでは、法のもとの平等という基本的人権にも触れることであり、日本国憲法の精神をないがしろにされてしまいます。
 学習指導要領には法規性があり、法律ではないけれども、法律に準ずるものであると最高裁の判決で認めています。平成二年一月十八日、いわゆる伝習館高校事件での判決文です。この観点からすると、足立区の当該中学校で行われた学習指導要領を逸脱した授業に問題点がなかったとなぜいえるのでしょうか。
 学習指導要領を遵守してこそ、全国で一定水準の均等な教育が行われ、発展するといえるのではないでしょうか。だからこそ、課題があったと判断した東京都教育委員会の判断は妥当でありますし、東京都教育委員会の指導は的確であったといえるのであります。
 陳情理由を読むと、都立七生養護学校で行われた性教育をめぐる訴訟において、確定判決では教育現場に対する介入を否定しているかのように書いてありますが、事実は異なります。判決文にはこう書かれています。そもそも議会において、教育実践の内容について質問すること自体が違法であるという一審原告らの主張は到底とり得ないし、性教育のあり方についての議員の見解は、最高裁学テ判決が懸念を示した党派的な政治的観念や利害とは異なるものであって、議員が自己の見解に基づいて議会や教育委員会に具体的教育実践につき質問することは、議会や議員の前記の権能、権限に照らし、制約されなければならない理由はないであります。
 ですから、陳情願意の学校における性教育について、政治家による政治的な介入という表現は、最高裁の確定判決に照らし合わせても成り立ちません。中高生の望まない妊娠や若年出産、人工妊娠中絶、性感染症の罹患などから青少年を守るためにも、健全育成の観点から教育を行うべきだと思います。
 中高生の妊娠を避けるという対処ばかり先立ち、性教育を人権教育に位置づけ、生命の萌芽、誕生である妊娠をリスクと教えるのは妥当性を欠くといわざるを得ません。性に関する教育は、生命の尊厳性を教える教育であり、子供たちが人生の中で家庭を持つ喜びや、社会の中で相手を大切にする心を育むことが肝要です。
 ですから、性教育は道徳教育との整合性も保ちつつ行われるべきであり、性倫理や性道徳、規範を学ぶことを基本にすべきであると私は思います。
 以上、この陳情は不採択が妥当だと表明し、私の意見を終わります。

○里吉委員長 古賀委員の発言は終わりました。
 古賀委員の退室を求めます。
   〔古賀委員退室〕

○里吉委員長 本陳情について発言を願います。

○大場委員 今回、我が党の古賀議員が本委員会で行った発言に関する陳情において、陳情者は陳情理由の中でこう述べています。都立七生養護学校での性教育をめぐる訴訟に言及し、確定判決において、教育内容への介入はできるだけ抑制的であることが要請され、政治家の介入により教育現場が萎縮することがあってはならないとされました、したがって、教育内容への政治家の介入は許されないとして、本委員会における古賀議員の発言に関し、議事録から学校名、教員名を削除すべきであるとしています。
 この陳情者がいう政治家の介入という言葉でありますが、教育活動について政治家の地位を利用して不正な介入を行うことが許されないのは当然であります。しかし、この今回のケースは、東京の教育について都議会の場で都議会議員が議論したというものであり、介入とは全く異なるものであります。
 しかも、その発言は事実を具体的に指摘し、学校現場での教育内容について、東京都の、学習指導要領との関係を所管局である教育庁にただしたというものであり、至極当然の質疑であります。政治家の介入という言葉がひとり歩きし、都議会での事実に基づいた議論が萎縮することがあってはなりません。
 そこで、陳情者がいう平成十五年七月に、当時の都立七生養護学校で行われた性教育に関する損害賠償等請求控訴事件において、原告らは、我が党の古賀議員の都議会における質問を取り上げ、これを教育に対する政治介入であり、不当な支配に当たると主張した点について、平成二十三年九月の東京高等裁判所の判決はどのような内容であったのか、改めてお伺いいたします。

○藤井指導推進担当部長 都立七生養護学校の性教育にかかわる損害賠償等請求控訴事件における平成二十三年九月十六日の東京高等裁判所による判決では、議員が自己の見解に基づいて議会で教育委員会に具体的教育実践につき質問することは、議会や議員の権能、権限に照らし、制約されなければならない理由はないなどと示されており、この内容で確定しております。

○池川委員 私からも、学校における性教育への政治家の介入をやめ、性教育の発展を求めることに関する陳情について質問いたします。
 最初に、基本的な認識について伺います。
 子供たちの実態から出発をして、学校における性教育を発展させるために、東京都教育委員会の役割はどのようなものか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 学校における性教育は、児童生徒の人格の完成を目指す教育の一環であり、人間尊重の精神に基づいて行うとともに、児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、適切な行動を選択できるよう進めていく必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、学校が全ての児童生徒に学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、性情報の氾濫等の実情を踏まえ、児童生徒の状況に応じ、保護者の理解を得ながら、個別やグループ等での対応を行うよう支援してまいります。

○池川委員 児童生徒等の状況に応じて取り組むための支援という認識は、当然のことだと思います。そして同時に、教育委員会の役割として、教育現場をしっかり守り支えることも重要です。
 第一回定例会の文教委員会で自民党の古賀議員が足立区の中学校と教員名を名指しして、不適切な性教育の指導だと質問いたしました。古賀議員の質問は、学校名、職員名を挙げて、その学校の授業を批判し、是正を求め、みずからの特定の価値観に基づく教育を押しつけようとするもので、教育内容への不当な介入だと思います。
 教育委員会制度は、特定の価値観や政治的立場からの教育への介入を許さないことを目的に、国や首長から独立した行政機関として設置されており、また教育課程の編成権、つまり子供たちにどんな教育を行うかを決める権限は学校にあり、また教員は子供の教育に直接責任を持つ専門職として、その地位と職責が定められています。
 議員や政治家が教育について発言する場合、これらを踏まえて、さまざまな教育のやり方があることを尊重し、慎重に行わなければなりませんし、ましてや自分の価値観と合わないからといって、一方的、高圧的にそれを攻撃することなどはあってはなりません。
 古賀議員は、二〇〇三年に当時の七生養護学校の性教育にも乱暴に介入し、裁判で訴えられ、敗訴しました。ところが、そのことへの反省もなく、再びこの文教委員会の場を使って、今度は中学校の性教育に介入したことは許されるものではありません。古賀議員には今度こそ反省していただくことを強く求めます。
 そして、先ほど発言の中で、性教育についても中学校の指導要領を逸脱してはならないんだということが述べられましたが、中学校学習指導要領の解説総則編には次のように書かれています。
 前項を踏まえた、学校において特に必要であると認められる場合には、学習指導要領に示していない内容でも、これに加えて教育課程を編成、実施することができることを示しているものである、前項と本項をあわせて学習指導要領に示す内容の取り扱いの基本的な原則を示しているものである、すなわち、学習指導要領に示している内容は、全ての生徒に対して確実に指導しなければならないものであると同時に、生徒の学習状況などその実態等に応じて、学習指導要領に示していない内容を加えて指導することも可能であるというふうにいっているわけで、それから逸脱したということについては、全く実態を見ない発言だというふうにも思いました。
 同時に、この介入に対して抗議し学校と教員を守るどころか、まともな調査もないまま独自の解釈で課題があると決めつけ、指導するとまで答弁した東京都教育委員会は、教育行政機関として大いに問題があるといわざるを得ません。七生養護学校のときにも、東京都教育委員会は、古賀議員らに加担する態度をとり、裁判で教員擁護義務違反だと敗訴しましたが、そのときと同じ内容であり、反省したのかと問われれば、していなかったということをいわざるを得ません。
 まず、この問題について、事実経過について幾つか確認をします。
 この質問が行われた文教委員会は三月十六日であります。その三月十六日以前に、古賀議員が質問した中学校の性教育、性に関する学習の内容について、東京都教育委員会が知ったのはいつか、また、指導案等を入手したのはいつか、文教委員会で答弁するに当たりどのような調査を行ったのか、確認をします。

○藤井指導推進担当部長 都教育委員会は、平成三十年三月十三日に、足立区立中学校で実施された当該の授業に関する情報を得ております。
 同日、足立区教育委員会から学習指導案等を入手し、当該授業の実態を聞き取るとともに、授業の内容を確認、分析しております。

○池川委員 質問の三日前に事実を確認したということです。
 これは改めての確認になりますが、足立区教委と直接会ってこの聞き取り等をしたのか、また、当該学校の校長先生などには直接聞き取りをされたのか、その点についてはどのような調査をされたのか、確認をさせてください。

○藤井指導推進担当部長 足立区教育委員会の担当者と直接話しましたのは、三月十三日でございます。
 それから、当該の中学校の校長とは、私どもは一切面識はございません。

○池川委員 すなわち、教育委員会の担当者と直接お会いして確認したのか、それとも電話等であったのか、その点の事実経過について伺います。

○藤井指導推進担当部長 足立区教育委員会の職員と私どもが直接面会したのは三月十三日でございます。(「どういう形でですか」「電話か」と呼ぶ者あり)直接会っております。

○池川委員 この文教委員会で答弁する三日前に授業内容を確認し、直接聞き取ったのは教育委員会の担当者だということが確認できました。
 不適切な性教育の指導ではないかという質問に対して、そのときの答弁では三つの点を都教委は答弁されています。要約すると次のようなものになります。
 一つは、性に関する指導を総合的な学習の時間における人権教育の学習としている根拠が不明確で教育課程上の位置づけに課題があること、二つ目に、学習指導要領にも示されていない性交を高校で指導する避妊、人工妊娠中絶という内容を取り上げ、中学生の発達段階に合わない指導がなされていたこと、三つ目に、必ずしも保護者の十分な理解を得ないまま授業をされていたということについて、三つ言及をされています。
 状況が把握をされてから三日間の間に、ここまで具体的に断定し、課題がある、指導すると答弁されました。しかも、学校と教員を名指しして、不適切だと是正を求めていることに対し、七生養護学校をめぐる心と体の学習裁判でも、教育に対する不当な支配から教員を保護するよう配慮すべき義務があることが明記されているにもかかわらず、教育の現場を守る観点もその場では示されませんでした。
 これは、都教委が七生養護学校の性教育について争った心と体の学習裁判の実態を、判決を踏まえていないものを、みずから吐露するものであり、幾重にも問題があると考えます。
 さらに、その前段階でいえば、区立中学校の授業の指導案等について都教委が提出を求め、事細かに指導することそのものが、教員の創意工夫ある余地を奪う細目な内容であり、教育行政のあり方としては逸脱しているとも思います。
 課題があり指導すると答弁されましたが、今月十二日付の毎日新聞は次のように報道されました。都教委指導部は取材に、学習指導要領を超える内容で、より丁寧に保護者の理解を得る必要があったとした上で、同校の授業内容に変更を求める考えはないと説明をした、区教委教育指導部は取材に、地域や生徒の実情を踏まえ、人権教育の一環として必要だと考えている、今後も続けるとしていると、こういう報道があったわけです。
 教育課程は学校がつくるものであり、本来は都教委が変更を求める、求めないということ自体がおかしな話なわけです。
 その点について、この報道にあることについてこの場でも確認をさせていただきたいと思いますが、足立区の中学校では今年度の性の学習がどのように行われるのか、また昨年度から変更される点はあるのか、その点について確認をさせてください。

○藤井指導推進担当部長 今年度、当該の中学校では、保護者の理解、了解を十分に得た上で、指導方法等について改善をしながら授業を実施する予定でございます。

○池川委員 総合的な学習の時間で実施するということを改めて確認をいたしました。
 保護者との協力については必要です。ただ、理解、了解ということになれば、保護者一人一人の認識も違う中で、何をもって十分な理解、了解とするかは明確ではありません。しかも、保護者の理解について十分でなかったということをいわれますが、この授業に対して保護者から説明が不足しているという話は、足立区教委からはなかったというふうに都教委に報告があることも確認をしています。都教委が課題があるとした三つの点が明らかに踏み込み過ぎた答弁であったことは、事実経過が示していると思います。
 今回の足立区の性教育に対する問題について、先日、話を伺った際に、ある方がこういう発言をされていたのが大変印象に残っております。
 その方は、中学生時代に友人との間で性的関係がありましたが、嫌だという選択肢はなく、数人の友人からいわれるがままに受け入れるしかなかったと話しておられました。家庭状況も困難で、身近に相談できる大人がいなかったことがあり、妊娠したらどうしようという漠然とした不安の中で中学校生活を送っていたということです。当時はそれしか選択肢がなかったとも話されていました。
 中学校時代にしっかりと性教育を受けていれば、自分から何かいってもいいんだと思えたと思う、クラスみんなで学び、意見交換をしていれば、その相手に対してもいいやすかったのではないか、私と同じように悩んでいる子供たちは少なくないと思うともお話をされていました。
 学校現場で、いわゆるエロいこと、恥ずかしいことではなく、真面目なこと、科学的なこととして避妊や中絶などの知識を、解説ではなく子供自身が思考できる性教育の必要性をこの話から強く感じました。
 さらに、日本性教育協会の青少年の性行動、わが国の中学生・高校生・大学生に関する第八回調査報告では、膣外射精は確実な避妊法であるという質問に、間違っていると答えた高校生の男子は五三%、女子は四三%、排卵はいつも月経中に起こるという質問に対して、間違っていると答えた高校生男子は一二・四%、女子は三三%という驚愕する数字が紹介されています。いかに自分の体のことも知らないまま成長しているかということを示すものだと思います。
 つけ加えていえば、世論の多数は性教育を積極的に取り組むべきとなっています。この都議会の質問の後に、日本テレビ系列のスッキリで、中学校三年生に性交、避妊を詳しく授業するのはありか、なしかについて視聴者アンケートが行われた結果、ありは三万四千七十五票、なしは三千二百七十票で、十倍の差をつけ、ありというのが今の世論であり、社会的な理解は得られているというふうに考えます。
 もう一つ、古賀議員の質問の答弁について事実経過を伺いたいと思います。
 古賀議員の学校名や教員名に関する発言の削除等について、足立区教委や都民から東京都教育委員会に対して何か働きかけはあったのか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 ご指摘の要望は届いております。

○池川委員 足立区教委からも、この点については削除を求める申し入れがあったということであります。
 議会における議員の発言は重いものであり、その訂正や削除については、発言した議員によって行われるべきだと私たちも考えます。ただ、足立区教委や都民からも発言の削除等について依頼があったことも、これも重要な事実だと思います。
 私たちも情報公開請求で足立区教委と東京都教育委員会のやりとりを確認しましたが、この発言の削除の依頼については、私は議会全体として重く受けとめる必要があると思います。
 しかも、学校名と教員名を名指しして是正を求めることそのものが、教育への不当な介入であります。それは不要な攻撃にさらされる場合もあるからです。古賀委員には削除していただきたいということを、この場であわせて求めておきます。
 次に、学校における性教育の発展について幾つか質問いたします。
 学校における性教育を進める際に、東京の子供たちの実態がどうなっているかが重要です。警視庁が発行している平成二十九年におけるSNS等に起因する被害児童の現状と対策では、一、スマートフォンの所有率がふえ、SNS等に起因する被害児童が増加していること、二、児童ポルノと児童買春が増加傾向にあること、三、年齢別被害児童では十三歳と十五歳が増加傾向にあること、四、中高生の割合が高いこと、五、出会い系サイトが減少する一方、SNSサイトを通じての被害が急増していることということが特徴として挙げられています。
 JKビジネスや性風俗産業などの集積があり、性情報にアクセスしようと思っていなくても、自然とそうした情報に接する機会が多いことも、東京の特徴としては挙げられるのではないでしょうか。
 また、外国籍や外国にルーツのある子供たちも増加しており、多様性という問題についても大変重要な課題だと考えます。
 人工妊娠中絶の件数も、人口が多いことがあり、件数そのものは東京が断トツで多くなっています。同時に、全国の十代の人工妊娠中絶が大きく減少する中で、東京の順位は今、急上昇しています。
 これはグラフにさせていただきましたが、先ほど紹介した秋田県については、今から十九年前に性に関する授業を一貫して始めたことで、全国順位は一番高いときは二番目だったものが、現在は四十四位まで人工妊娠中絶率は下がっています。
 東京はどうかといわれると、東京はずっと下の方にあったわけですが、二〇〇三年、いわゆる性教育への不当な介入が行われ、攻撃が行われたときを起点にして上昇の一途をたどり、現在、六番目まで高い水準となっています。これは事実の問題として、きちんと受けとめなければならない課題であり、全国的な流れとしては低下をするもとで、東京の平均が変わっていないということも、あわせて受けとめなければならない事実ではないかと思います。
 そこで伺いたいと思うんですけれども、十代の人工妊娠中絶率が全国平均以下だったものが、この数年間を通じて東京は平均以上になっています。東京の子供たちをめぐる状況について、さまざまな指標、エビデンスをもとに性教育を実施すべきだと考えますが、都教委はこの点についてはどのように認識されているでしょうか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、適切な行動を選択できるよう、学習指導要領に示された内容を確実に指導することが重要でございます。
 その上で、社会状況の変化を踏まえた今日的な課題にも対応できるよう、保護者の理解を得ながら、個別やグループ等での対応を行うなど、各学校が児童生徒等の実態に応じて性教育を推進できるよう支援してまいります。

○池川委員 今日的な課題に対応できるということは、実態に応じてやっていく必要があると思いますが、私は東京都教育委員会自身がこの東京の子供たちの実態をどのようにつかまえるのか、それをベースにして取り組んでいく必要性があると思います。
 四月二十六日の定例教育委員会で報告をされた中学校等における性教育への対応では、これまでの学習指導要領に従わなければならない、逸脱してはならないという解釈を改めるものになっているというふうに受けとめますが、具体的に四月二十六日を起点にして、東京都教育委員会の対応はどこがどのように変わったのか、従前とどう違うのかについて伺います。

○藤井指導推進担当部長 性教育は人格の完成を目指す教育の一環として、人権尊重精神のもと、児童生徒が性に関する正しい知識を持ち、適切な行動選択ができるように行われるものでございます。
 そのため、学習指導要領の内容を確実に指導するとともに、性情報の氾濫等の実情を踏まえ、児童生徒の発達段階や実態に応じ、指導内容について、保護者の理解を得ながら、個別指導、グループ指導や全体指導を実施していくことでございます。

○池川委員 従前は、学習指導要領の範囲内で逸脱してはならないという状況だったと思う中で、生徒の実態に応じた性教育を推進するという考え方に立ったことは、子供たちの実態から見れば当然のことだと思います。つまり、三月にこの議会で、この委員会で答弁した地点と、今の四月二十六日を経た地点の認識そのものが違うんだというふうに今の答弁から受けとめました。
 この報告があった定例教育委員会では、教育委員の方々から、現場を萎縮させてはならないと発言が繰り返し出されました。実際に現場では、今年度中に予定していた性教育を取りやめる動きもあります。助産師さんを呼ぼうとしていたけれども、ちょっと都議会であったみたいだから、やめようじゃないかという話も伺いました。それは文字どおりの萎縮であり、結果として性教育を自粛する流れも生まれていることも事実です。
 そこで伺いたいと思いますが、二〇一八年四月二十六日の東京都教育委員会定例会の中で、現場の先生方や学校には、ぜひ萎縮せず積極的に取り組んでいっていただきたいという発言がありましたが、こうした教育委員会における教育委員の発言を受けて、都教委としてはどのように取り組んでいくのか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 委員の発言は、現在、生徒が情報を取捨選択して適切に行動すると同時に、社会的な責任を果たしていくことができるよう指導することが求められており、そのためには、性教育が重要な役割を担うという趣旨であると理解しております。
 こうした認識のもと、全ての児童生徒に学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、保護者の理解を得ながら、個別やグループ等での対応を行うなど、各学校が児童生徒等の実態に応じて必要な指導を積極的に推進できるように支援してまいります。

○池川委員 積極的に性教育を推進するという、そのためには、学校において教職員の共通の理解のもとに、生徒の実情を踏まえ、保護者と連携しながら、指導内容を検討し、組織的、計画的に行うことが必要です。
 その際に重視されるべきは、教員の広い裁量権だと考えます。性教育は試行錯誤が必要ですが、同時に、少なくない現場でタブーとして扱われているのも事実です。このタブーを乗り越え、豊かな実践を行えるようにしていくこと、これがまさに萎縮させないことではないかと思います。
 性教育に取り組むに当たり、共有しておくべき一つの課題があると私は思っております。それは、刑法における性的同意年齢が十三歳となっていることであります。十三歳というのは中学校一年生です。刑法上、十三歳を区切りにして責任が発生します。百十年ぶりに刑法が改められた際にも、この部分について議論にはなったものの、改められることはありませんでした。諸外国と比較しても余りに低過ぎる大問題であることは間違いありません。
 しかし、多くの方々は、この問題について知らないのが現状となっています。
 刑法における性的同意年齢が十三歳となっていますが、この事実は教育現場でも共有されていません。こうした点も教育現場で考慮し、取り組む必要があると考えるが、いかがでしょうか。少なくとも教職員や保護者の間で事実の問題として共有する必要があると考えますが、認識を伺います。

○藤井指導推進担当部長 現在の性情報氾濫等のもとでは、児童生徒が被害者や加害者になる可能性がございます。そのため、刑法を含む関係法令等について教職員や保護者との間で情報を共有することは重要であると考えております。

○池川委員 先日も学校の先生方からこの話を聞いて、ほとんどこういう認識はないという話も聞いたので、こうした問題がまず基本的な問題として共有されることは、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 刑法があるから性教育が必要だというのは本末転倒の話で、これは刑法があろうとなかろうと性教育は進めていただくことが必要だと思います。しかし、こうした問題についてきちんと前提条件として共有しておくことも、また重要だと思います。
 科学的で効果的な性教育は、さまざまなリスクを減らすことにつながります。ピアプレッシャー、同調圧力をはねのけ、自己決定をしていくための知識、スキルを身につけることができるからです。
 リプロダクティブ・ヘルス・ライツ、性と生殖の健康の視点に立てば、生物として人間を学ぶこと、自分の体を知ることがとても重要であります。科学的で効果的な性教育は、誤った情報を減らし、正確な知識をふやすこと、正しい情報に基づく意思決定と行動のスキルを高めることにつながります。それは、初めての性的関係に慎重になること、あるいはおくらせること、無防備な性行動の頻度を減らすこと、性交による意図しない妊娠と性感染症を避ける手段をとる頻度を上げることになるというエビデンスがあります。
 東京都教育委員会も、こうしたエビデンスをもとに、このような効果があるという認識はあるか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 学校における性教育は、児童生徒の人格の完成を目指す教育の一環であり、人間尊重の精神に基づいて行うとともに、児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、性情報の氾濫等の実情を踏まえ、適切に意思決定や行動選択を行い、健康な生活を実践できる資質、能力を育成することを目的としております。

○池川委員 性教育がきちんと行われることが、一人一人の児童生徒の意思決定をしっかりと行うことができる条件をつくり、性行動そのものを慎重にすることは明らかであり、そうした立場に立ってぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 ともすれば性の問題は善悪で捉えられることがあります。とりわけ家庭においては、親自身が性教育を受けていない世代であることもあり、聞かれたことをはぐらかしてしまったり、何と答えていいか答えに窮することで、子供たちは聞かない方がよかった、もう二度と聞くものかと思ってしまい、負の印象を持つことにもつながります。
 善悪ではなく、幸せか不幸かという視点で考えることが大切だと先日お話を伺いました。幸せか不幸かで見れば、例えばデートDVの問題も、避妊や性感染症の問題も、自分自身の体についても知る視点が定まります。性は人を幸せにすることもあるが、不幸にすることもある、こうした視点で学ぶことは、しっかりとお互いの人生を大切にする、そうした力を身につけ、科学的な知識とスキルをしっかりと一人一人が身につけていくことにつながります。
 最後に、国際セクシュアリティー教育ガイダンスのはじめにに紹介されている一文を紹介して、質問を終わりたいと思います。
 私たちは次のような選択肢を持っている、メディア、インターネット、仲間、劣悪なところから見つけてくるであろう部分的な情報、誤った情報、あからさまな搾取といった暗黙の中で、自身の生き方を見つける子供を放置するのか、あるいは、そのかわりに、普遍的価値と人権を基礎にした明瞭で十分に詳しい科学的な基盤に基づいたセクシュアリティー教育に挑戦をするのか、こういう一文であります。
 科学的で包括的な性教育を積極的に推進していただきたいということを重ねてお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○米倉委員 私からも、学校における性教育への政治家の介入をやめ、性教育の発展を求めることに関する陳情について伺います。
 日本でも今、池川委員の発言でもありましたけれども、子供にとって必要な性教育は何かと。国際的な水準を参考にしながら、また今日的な課題でもあるSOGIなどについて、子供の幸せにとって、どんな性教育が必要なのかという立場での真剣な議論が必要だと思います。
 それで今、日本と世界の性教育はどういう到達点にあるのか、私もこの間、勉強させていただきました。今、そもそも日本では、性教育といいましても、月経、射精、思春期の体の変化などの範囲でイメージされがちですが、国際的には性の捉え方というものは、これまでの狭い捉え方からこれが広がって、九〇年代の早い時期から包括的性教育、セクシュアリティー教育の推進が取り組まれております。
 具体的にこのセクシュアリティーとは何かといいますと、ユネスコのセクシュアリティー教育ガイダンスでは、セクシュアリティーは、人間の生涯にわたる基本的な要素であり、それは身体的、心理的、精神的、文化的、経済的、政治的な側面を持つものであること、そして、セクシュアリティーはジェンダーとの関連なしには理解できないこと、多様性はセクシュアリティーの基本であると示しています。
 また、性の権利宣言では、性の権利、すなわちセクシュアルライツとは、あらゆる人間が生まれながらにして有する自由、尊厳、平等に基づく普遍的人権であるとし、全ての社会があらゆる手段を講じてセクシュアルライツを認識し、推奨し、尊重し、擁護しなければならないとして、その上で性教育を受けることは権利だとうたわれています。
 つまりセクシュアリティーとは、人権の根幹にかかわる問題であり、人格の形成に欠かせない問題となっています。
 そうした中でユネスコは二〇〇九年に、世界中で行われてきたこのセクシュアリティー教育について、どういう効果を上げているかという世界中の八十七の研究をもとにして、エビデンスに基づき、効果的であると判断をするプログラムで構成をする国際セクシュアリティー教育ガイダンスをつくりました。これは、各国が五歳から子供の発達段階に即した学校でのセクシュアリティー教育のプログラムを実践する際に、手助けとなることを目的につくられたものです。
 国際的には、このガイダンスがつくられた同じ二〇〇九年段階で、EUでは、二十六カ国中二十カ国で性教育が義務化されていますし、またEUも、その二年後の二〇一一年に、ゼロ歳からを対象にしたセクシュアリティー教育スタンダードを作成し、セクシュアリティー教育の推進を進めています。それまで性教育がおくれていた中国、台湾、韓国などでも、ユネスコのこのガイダンスの発行を受けて取り組みの水準を引き上げるという流れが今、行われております。
 しかし、そうした東アジアの変化に乗れずにいるのが日本と北朝鮮ということが国際的な状況だと指摘をされている状況です。
 それで今、こうした中で、日本はどういう状況かといいますと、性教育の制度的な基盤がないどころか、二〇〇〇年代の国会や都議会での性教育バッシングによって、性教育の現場での努力が潰され、性教育に取り組みにくい状況が広がったままになっています。真剣にこれからセクシュアリティー教育を豊かにしていくために、都教委の取り組みや学校現場への支援が必要だと思います。そのためにも、まずは国際的な研究やセクシュアリティー教育の実践に学ぶことは非常に重要だと考えます。
 そこで、まず初めに、都教委は人間の性をどういう範囲で捉えていらっしゃるのか確認をしたいと思います。
 現在の性教育の手引の高等学校編の七ページには、基礎的な考え方として、人間の性の基本的な捉え方について、セクシュアリティーの概念について説明が記載されております。その内容を少し紹介しますと、まさに国際的にはセクシュアリティーが性教育において最も重要な概念として提唱されていること、また、セクシュアリティーとは、人間の感情、思想、行為などの構造体系全てにかかわるもので、一方で社会に影響を与え、一方で社会から影響を受けているものだと説明をしています。
 確認をしますが、都教委もこの手引に記載されているように、性の捉え方はセクシュアリティーのこの考え方だという認識でいいでしょうか。

○藤井指導推進担当部長 ご指摘の箇所は、主に有識者の見解を掲載しているものではございますが、都教育委員会として、人間の性の基本的な捉え方については変更はしておりません。

○米倉委員 このページ、有識者の見解だけではなくて、図解もして説明されているんですね。人間の性の基本的な捉え方は手引に示すとおりだということは重要だと思います。しかし、だとするならば、大幅な取り組みの拡充が必要だと思います。
 ユネスコのガイダンスやヨーロッパの教育スタンダードのカリキュラムを読みますと、本当にセクシュアリティー教育の範囲の広さに驚きます。六つの柱を立てて、それを五歳から十八歳以上のそれぞれの年齢層でどのようなことを学習するのかを示しているものですが、例えば大きな柱の一つ目は人間関係についてです。その柱の中にも、家族はどういうものか、友情とは、敬意とはどういうものなのか、それぞれにテーマがあり、それぞれについて年齢に応じて系統的な学びを進めていくとなっています。
 例えば、この大きな一つ目の柱である人間関係の中の、その中のある複数のテーマの一つである家族についての各年齢の学習目標を紹介したいと思います。
 五歳から八歳の学習目標は、家族の意味を知ること、世界には二人親の家族、ひとり親、世帯主が子供の家族、拡大家族などさまざまな種類の家族があること、家族のメンバーは、時にそうしたくなかったり、できないこともあるが、たくさんの方法で互いに助け合うこと、ジェンダーの不平等は家族のメンバー間の役割などに反映されることが多いことなどについて学びます。
 その次の段階の九歳から十二歳の学習目標は、家族内でジェンダー平等を推進することができるということ、家族は子供たちが価値観を身につけるのを助けるし、彼らの人格に影響を与えることもあるということも学びます。
 そして、十二歳から十五歳の段階では、子供は成長するにつれて、子供たちの世界や愛情は家族を超えて広がり、友達や仲間が特に重要になること、成長することは自分自身や他者に対して責任を持つことだということ、親子間での対立や誤解は前期思春期にはよくあることで、大抵解決できるということについてです。
 十五歳から十八歳の段階では、家族のメンバーが妊娠したり性的指向を打ち明けたときに、家族にどういう影響が起こり得るかということ、また危機的な状況では家族が頼ることができる支援の仕組みがあること、家族が互いに敬意を持って支え合えば危機を乗り越えることもできるということが記されています。
 年齢と発達に応じて、それぞれのテーマで学びを積み上げていくというものになっています。こうした積み重ねの学びを、これは一つの柱の中の一つのトピックを紹介しましたけれども、ほかの柱でもそれぞれに、年齢に応じて学びを積み重ねています。
 概要を紹介しますと、ほかの柱では、例えば価値観とはそもそもどういうものか、また自分と異なる価値観に対して寛容さと敬意を持つことが必要であること、また、コミュニケーションとはどういう種類のものがあるのか、効果的なコミュニケーションとそうでないものがあること、自己主張と交渉のスキルが望ましくない性的圧力に対抗するのに役立つこと、そしてジェンダーの意味、そしてジェンダー不平等が少年と少女、男性と女性にどう押しつけられているのか、男性と女性の体の仕組み、性と生殖に関する器官の仕組み、こうしたそれぞれのテーマで積み重ねて学んでいくのが国際的に示されているセクシュアリティー教育の内容で、これまでのイメージする性教育とはほど遠く、豊かな内容となっています。
 個人が自分の体や価値観、判断を大切にしながらも、他者と効果的なコミュニケーションをとり、良好な人間関係を結び、パートナーと性的な関係を結ぶのかどうか、性的関係を結ぶ場合にもお互いの気持ちや健康を大事にすること、そして家族や子供を持つかどうか決めていく、一人一人が自立して自分らしく生きていくための力をつけるのがセクシュアリティー教育の中身となっています。こうした到達点に学ぶことは多いと考えます。
 そこで伺いますが、都教委はこのユネスコのセクシュアリティー教育ガイダンスや、ヨーロッパにおけるセクシュアリティー教育スタンダードなどの国際的な性教育の状況を認識、把握していらっしゃるのか、またその内容や視点をどう認識しているのか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 ご指摘のガイダンス等は、さまざまな文化、社会、宗教などを背景とした諸外国における性教育の状況等について紹介されていると認識しております。
 日本の学校における性教育については、日本の文化、社会等を踏まえた学習指導要領に基づき、人格の完成を目指す教育の一環として指導が行われております。

○米倉委員 ガイダンスについて認識されているということは重要で、そうであるならば、その到達点に学んで取り組むことが重要だと思います。
 実は、私はこの夏に自費でフィンランドに行ってまいりました。フィンランドは世界的にも性教育の進んでいる国で、中学校三年間の性教育の平均時間は、フィンランドは日本の二倍である約十八時間が確保されています。私は公立学校の十四歳、十五歳、日本に当たる中学二、三年生の保健で、まさに性教育の授業を見てまいりました。思春期の心と体の動き、子づくりがテーマで、具体的な避妊についても授業で習いました。
 まず、この授業の概要を報告というか話をさせていただきますと、教科書やドキュメンタリーのテレビ番組などを使いながら、思春期の変化について生徒と先生で考えます。第二次性徴を迎えて、相手にさわりたい欲求が出てくること、それは、男性が女性に対してだったり、男性が男性に対してだったり、女性が男性に対してだったり、女性が女性に対してなど、いろんなあり方があることを先生は話をします。
 そういう話をした上で、具体的な性交までの心づもりについても話します。メディアではいろんな宣伝があるけれども、身体的な安全を考えたら、十六歳までセックスは控えた方がいいこと、それと同時に、そもそも一生セックスしない人もいて、絶対にしなきゃいけないというものではないこと、アルコールを飲んでいるときは普通の状態ではないからセックスは控えること、避妊はお互いの責任であることも伝えます。大人の小説では、出会って二回目に性交するという話もあるけれども、みんながそうじゃないということも話します。
 そして、教科書と、学校に常駐するスクールナースが用意してくれた、かばんに避妊具一式が入っているセットがあるんですけれども、そのセットのかばんを使って、コンドームやピルなど、どこで幾らくらいで手に入れられるのか、どういう特徴があってという話を、実物を見せながら説明をします。避妊に失敗したときには七十二時間以内なら薬局で売っている薬を飲めば大丈夫だということも伝えます。
 コンドームのつけ方は、男性器の模型に実際に説明をしながらつけ方を教えます。性についての授業を子供たちは積み重ねているので、子供たちもどんどん質問します。コンドームは、はさみであけてもいいんですか、わざわざつけなくても早く出せばいいんじゃないですかという質問に、前回の授業で精子は幾つあるって話をしたかなと。射精の前から精子は出ているから、それでは避妊にならないんだと先生が返します。
 女子生徒からは、私はピルを飲んでいますという発言が出て、先生はそれに答えて、ピルは思春期ににきびがたくさんでき過ぎたり、生理が重くてつらい症状を軽くしたり、旅行に生理が重なってほしくないときにも効果的なんだと説明を加えます。
 クラスを見ていて、子供たちが性についての質問や自分の考えを恥ずかしがったり、嫌らしいものとして話していないのが印象的で、体の発達や性について科学的な学びを積み重ねていることや、子供の疑問に対して大人がごまかさずに正面から答えているからこそ、こういう授業ができるんだろうと感じました。
 また、こういう内容は、外部の専門家の力もかりることはあるものの、基本的には学校の先生が子供の生活実態をつかんだ上でやるので、ここのテーマはじっくり学んで議論した方がいいという場合になると、授業のこまをふやして対応するということもやっていまして、学校教員の役割は非常に大きいということも感じました。
 移民の多い地区で、ある学校で、子供の母語は二十六言語に上る中、イスラム教徒の生徒もいましたけれども、同じように性教育を受けていました。家庭では一切、性の話ができないけれども、性教育の授業を何度も受ける中でなれていったんだと先生は話していました。
 ヨーロッパや中央アジアでは、移民の背景を持つ若者などが社会的な不利益を受け、貧しい教育しか受けられず、社会の中で性感染症などのハイリスクグループとなる中で、どの国でも一定水準のセクシュアリティー教育が受けられるようにと取り組みが進められています。日本でもグローバル化が進む中で、さまざまな宗教やバックグラウンドを持つ方がふえているからこそ、積極的な性教育が必要になっていると指摘をしておきます。
 その上で、日本の性教育についてですが、やはり子供たちの実態や疑問から出発したものとなることが重要ですし、その内容は、ただ漠然とテーマをさらうというものではなく、具体的に子供にどういう力を身につけさせるのかということを重視した内容となることが求められていると思います。
 例えば性感染症を扱う場合、どんな性感染症があるのか、性交で感染するという中身にとどまらず、実際に子供たちが性感染症にかからないようにするためには、例えば性交渉に慎重になることや、正しくコンドームを使えるようになることなどが不可欠になります。そうした具体的な獲得目標を持った取り組みにすることが大切だと思います。
 ですから、性教育の手引では、性教育は、いつ、どういう力がつけられるようにするのか、課題を重視したものとなることが大事だと思いますけれども、見解を伺います。

○藤井指導推進担当部長 全ての児童生徒に、系統的に網羅的につくられております学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、児童生徒の発達段階や実態に応じて適切な指導が行われるよう、手引を作成してまいります。

○米倉委員 いつ、どういう力が身につけられるようにするのかということを、大事にしているのかどうかという認識を私は伺いたいので、今のお答えですと、ちょっとわかりにくかったので、もう一度お答えください。

○藤井指導推進担当部長 児童生徒の発達段階や実態に応じて適切な指導が行われるよう、手引を作成してまいります。

○米倉委員 実態に応じて適切な指導、対応していくというときに、結局、目の前の子供たちがどういう力を身につけられるようにするかということが非常に重要になっていくと思います。とりわけ子供の体の安全や健康を考えたときに大事になると思います。
 例えば、中高生の性がテーマになったNHKのウワサの保護者会では、彼から性交を求められて断れなかったという高校三年生が出てきました。性教育の授業で習ったとき、私は絶対断る側の人間だと思っていたけれどもちゃんと断れなかった、行為を拒むことで気持ちを拒むような感じがするから、断り方がわからなかったと話していました。
 その後、彼が性教育を受けたことで、彼女に対して、あのとき断り切れなかったんじゃないかと、無理をさせてしまったんではないかということで切り出してくれたという話が紹介されました。もっと早い時期に性教育を受けられていたら、男の子も、また彼女の気持ちを確認できたかもしれません。
 ユネスコのガイダンスでも強調していますが、若者が望まない性交や無防備な性交を引き起こしやすい特定の場面はどういう状況なのかを見きわめて、そうした状況を避けたり脱出する方法を教えることが重要だと強調しています。
 望まない性的活動を断るスキルをつけるために、こういうシチュエーションで自分ならどう行動できるかと授業でロールプレーイングを取り入れたり、積極的に生徒にディスカッションや考える時間をとるなどして、自分のこととして考える機会をつくっていくことが重要だと思います。
 次に、性教育は地域による特徴など、子供の実態に合わせた学習となることが重要だと思いますが、都の認識を伺います。

○藤井指導推進担当部長 全ての児童生徒に学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、性情報の氾濫等の実情や児童生徒の発達段階と実態を踏まえ、保護者の理解、了解を得て、個別やグループでの指導を実施していくことが重要であると考えております。

○米倉委員 地域や子供の実態を踏まえた学習となることが重要だと思います。
 例えば、都内では、JKビジネスなど、高校生くらいの女性を性的サービスや搾取に使う業界が全国的にも突出して東京は大きい状態となっています。実態に即した学習ができるように求めておきます。
 ジェンダーギャップ指数が世界百十四位で過去最低を更新する中、ジェンダー不平等を改善していく上で、学校教育が重要になっていると思います。ところが、日本性教育協会が行った調査では、中高大学生の男女にアンケートを行っていますが、その中で、男性は女性をリードするべきだという質問に対して、大学生でそう思うと答えたのが二割を切る一方で、中学生の約三割がそう思うと答えていることや、また、男の子は男らしく、女の子は女らしくあるべきだという質問に対しても、大学生の男子が九%、女子が三%に対して、中学生では、そうあるべきだと答える割合が男子で二七%、女子も一六%と若くなるほど大幅にふえている実態があります。
 性教育の手引では、中学生で男女の生き方の多様性について理解するとともに、家庭や社会における期待される役割や、男として、また女として自己の将来の生き方について考えられるようにするという記載ですとか、また高校生についても、男女ともに性の違いによる望ましい役割を認識するとともに、人間としてのあり方、生き方を重視した認識を持てるようにするなどの記載がありますが、これでは男らしさ、女らしさを強調していることになるんじゃないですか。
 ジェンダーステレオタイプの再生産につながるような不要な男女の区別で、らしさを強化しないことや、らしさが社会によって異なることを子供が理解できるような内容とすることが重要と考えますが、いかがですか。

○藤井指導推進担当部長 都教育委員会は、東京都男女平等参画基本条例に基づき、男女が互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を児童生徒に理解させ、その具現化を図るための教育を推進しております。

○米倉委員 性による望ましい役割を押しつけることは、現代社会で求められている男女平等や男女共同参画社会の理念から大きく外れるものです。条例に基づき、固定的な性役割に偏ることなく、個性豊かな人間として発達することを手助けする内容にすることを求めておきます。
 LGBTについても伺います。
 今、LGBTという言葉は、LGBTの人々を一つのカテゴリーとしてくくるため、その人が特別、特異な存在という印象を持たれる心配があり、新たにSOGIという言葉が使われ始めています。SOGIとは、全ての人が持っている性的指向、好きになる相手の性、そして、性自認、自分は男だと思うか、女だと思うかを示す言葉です。
 そもそもセクシュアリティーは多様性が前提ですから、SOGI理解を深めること自体が性教育です。きょうの最初の質問で、都教委は性の考え方の基本はセクシュアリティーの概念だと確認をさせていただきました。だとするならば、多様性が前提となる性教育となることは当然です。
 第三回定例会には人権条例案が提案される予定ですが、条例の中には、都、都民、事業者は、性自認や性的指向を理由とする不当な差別はしてはならないことが位置づけられ、そのために、都は、啓発、教育を総合的に実施していくことが求められています。都教委が改定する性教育の手引は、人権条例が可決する場合に、当然それに基づく内容とすることが求められると思いますが、いかがですか。

○藤井指導推進担当部長 本都議会定例会に上程される東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を可決いただけた場合、性教育の手引がその条例を踏まえた内容となるよう検討してまいります。

○米倉委員 条例を踏まえた内容としていくというお答えです。
 そうなりますと、今の性教育の手引を見たときに、異性愛が前提となるような内容は、異性愛者以外の存在を無視することになります。教育の中で人権侵害を起こさないためにも、性的指向は必ずしも異性に向くとは限らないということを前提としたものとする必要があると思いますが、いかがですか。

○藤井指導推進担当部長 学校においては、児童生徒一人一人の心情や保護者の意向に寄り添いながら指導することが重要であると考えております。

○米倉委員 一人一人に対応するということは、それはそれで重要なんですけれども、条例案に照らしても、そもそも教育の中身自体が異性愛が前提となることを改める必要があると思います。ですから、やはり手引にしても、必ずしも性的指向が異性に向くとは限らないということを前提にすべきだと思うんですが、いかがですか。

○藤井指導推進担当部長 学校においては、児童生徒一人一人の心情や保護者の意向に沿いながら指導することがまずは重要と考えております。

○米倉委員 条例を踏まえた内容になるように検討していくというさっきの答弁からして、はっきりお答えくださらないというのは、ちょっと疑問に感じます。
 同性愛の場合は、自分が好きになるのが同性なのかなと認識をし出すのは十三歳くらいといわれているそうです。そういう時期に自分の性についてきちんと学べることは重要ですし、当事者への個別対応で済まされて終わるわけにいきません。そもそも性は多様であるということが前提ですから、そうした前提の手引、性教育となることが必要だと述べておきます。
 そのためにも、LGBTについて授業などで扱う上では教員の理解が重要で、研修の機会があることが大事だと思います。LGBTについての教員研修は教員全体、また管理職のどの程度の割合が受けているのか、伺います。

○藤井指導推進担当部長 都教育委員会は、毎年、全公立学校の学校管理職等を対象とした人権教育研究協議会を開催しており、協議会の開催の趣旨説明を行う際、東京都人権施策推進指針に示された人権課題の一つとして、性的指向や性別違和に関する内容について必ず取り上げ、教員が正しい理解と認識を深めることができるよう指導助言を行っております。
 また、本協議会は、各回ごとに外部講師を招聘し、さまざまな人権課題を重点的に取り上げております。その中で、性的指向や性別違和に関する専門家を講師として招聘した協議会等では、過去五年間において、校長、園長千百六十五名、副校長、副園長千九十九名、主幹教諭、指導教諭等千百六十四名、区市町村の指導主事等百八十三名が参加しております。
 これらの協議会等を踏まえ、さらに各区市町村教育委員会では、人権教育担当者の研修を実施したり、各学校での校内研修を実施しておりますが、全体の割合については把握しておりません。

○米倉委員 全体像で見ますと、約二千五百校のうち研修を受けた校長、園長先生が千百六十五名、副校長、副園長先生は千九十九名ということです。
 都として頑張っている面が大いにあるとは思いますけれども、やはり早期に管理職は全て研修を受けるような体制をつくっていただきたいと思いますし、教員全体で、主幹教諭などが千百六十四名というお話がありましたが、全体の教員の数からすると本当にわずかだと思います。やっぱりこれは、校内で教員の理解や共通認識をつくることが、LGBT対応ができるようにするには重要ですので、さらなる取り組みの拡大を求めておきます。
 私も専門家の方々からお話を伺っていて、今、何がこの対応で求められているかということなどを伺ってまいりました。やはり教員研修が重要だということで、その中でもとりわけ、校内での取り組みを行う上では、校長先生の理解だとか管理職の理解が必要だと。ですから、管理職でのこの研修というものを早く進めてほしいとお声をいただいています。
 そうした中で、学校内に複数のLGBTについての理解を持つ教員が生まれる中で、学内の対応だとか研修が実際にできるだろうというふうに伺っていますので、さらなる取り組みを求めておきます。
 同時に、この次の段階を考えたときに、やはり教員が子供に授業など、また、さまざまな機会を捉えてLGBTについて取り扱うということがあると思います。その際に手助けとなるような事例集などを都教委が作成することは必要だと思いますが、いかがですか。

○藤井指導推進担当部長 各学校においては、学習指導要領を踏まえ、自他を尊重する心の育成や望ましい人間関係づくりなどについて、道徳や特別活動を初め、全ての教育活動を通して計画的に人権教育を推進しております。
 今後とも、都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携し、各学校において人権教育が適切に行われるよう指導助言をしてまいります。

○米倉委員 今、都教育委員会は、教員や区市町村の教育委員会の人権担当者の研修に取り組んでいるところなんだとは思いますけれども、やはり次は、各学校でどう取り組んでいくかということが問われます。
 奈良県では、高校生にLGBTについての授業を一こま行ったら、授業の前にLGBTについてネガティブに思っていた生徒の約半分が、認識を変えたということが報告されています。学校での取り上げ方は、配慮がなければ逆に当事者を傷つけてしまうこともありますが、適切な取り組みができれば大きな効果につながります。
 都教委も、学校の実践を応援する立場で、これからこの課題に取り組む学校がどういう支援を求めているのか聞き取って、それに応えていただきたいと思いますし、その一つとして、どういうふうに子供たちに伝えていくかという事例集などもつくっていただけたら、現場の力になると思います。
 今、埼玉県や徳島県、倉敷市、宝塚市などでは、そういう取り組みが既に始まっていると聞いております。都教委としても、そうしたイニシアチブをとっていただきたいと求めておきます。
 学校における性教育を発展させてほしいという陳情ですが、やはり学校が試行錯誤しながら意欲的に取り組んでいることに対し、都教育委員会が指導と称してそれを一方的に抑えつけるようなことは厳に慎むべきです。各学校が、子供たちの状況や社会環境の変化も踏まえ、国際的な到達にも学びながら、それぞれの教育を発展充実させられるよう、都教委としてもその立場で学校を応援していただくことを求めて、そして、陳情の採択を求めて、質問を終わります。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第三九号は不採択と決定いたしました。
 古賀委員の入室を求めます。
   〔古賀委員入室〕

○里吉委員長 次に、陳情三〇第三八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○増田教育改革推進担当部長 お手元に配布しております文教委員会付託陳情審査説明表の五ページをお開き願います。
 陳情三〇第三八号、チャレンジスクールの現状と問題点を検証し、その見直しを求めることに関する陳情でございます。
 本陳情は、国分寺市の小山台高校定時制の廃校に反対する会外四団体代表者相田利雄さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、チャレンジスクールの教育活動、生徒の状況、教職員の勤務状況を検証し、その見直しをしていただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、チャレンジスクールは、小中学校で不登校を経験した生徒などを主に受け入れる三部制の定時制総合学科単位制高校であり、現在五校設置しております。修業年限は四年を基本としていますが、他部等で授業を履修することにより、三年で卒業できる三修制を導入しております。
 第一のチャレンジスクールの規模につきましては、平成二十八年二月に都立高校改革推進計画新実施計画を策定し、生徒、保護者のニーズを踏まえ、既存のチャレンジスクール四校を学級増するほか、足立地区及び立川地区チャレンジスクールを新設し、過去五年間で最大であった五百五十一人の不合格者を受け入れることができる規模を確保することといたしました。
 三部制の学校は、生徒が自部の時間帯に授業を受けることを基本としておりまして、全校生徒が一斉に授業を受ける仕組みとはなっておりません。新設するチャレンジスクールの規模につきましては、平成二十八年度に基本計画検討委員会を設置し、きめ細かい指導が可能な人員体制や施設等を具体的に検討した上で、一年次九学級といたしました。
 第二の三部制の勤務形態については、各学校では、教職員の勤務時間をA型勤務とB型勤務に限らず、A、B、C型勤務の三パターンで設定するなど、実態に応じた割り振りを行い、生徒指導に当たっております。
 休憩時間についても、時間帯をずらしたり、分割して付与するなどの工夫を行っております。
 また、五校の職員会議は、二部の時間帯や夕休みなどに教職員が集まれるよう工夫して実施しておりまして、三部の授業時間帯では実施しておりません。
 なお、かつてチャレンジスクール五校の校長が一緒になって、三部、夜間の廃止を求める要望を貴委員会に提出していますとの指摘につきましては、そうした事実はございません。
 第三の平成十九年の成果検証検討委員会報告書に対する取り組み状況につきましては、チャレンジスクールでは、これまで学校生活で自己の能力や適性を十分に生かし切れていない生徒を受け入れるため、学び直しや体験的な活動を取り入れるとともに、スクールカウンセラー等の外部人材の活用や精神科医を学校医に任用するなど、教育相談体制を充実し生徒の状況把握に努め、学校生活を継続できるようきめ細やかな対応を図っております。
 また、毎年度、各学校の不登校率や中退率、卒業率、進路状況などを調査し、動向を注視しているほか、これまで入学者選抜の募集方法の改善や中学校との連携強化、教育課程の工夫、ショートホームルームの活用などにより、学校運営や教育活動の充実を図っております。
 そのほか、各学校の校長などから意見を聞く機会を設けておりまして、最近では、前述の基本計画検討委員会において、チャレンジスクールの校長や副校長、教諭を委員に委嘱し、各学校の現状を聞き取り、新設校の学校規模を初めとした基本的枠組みや教育理念などについて協議いたしました。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○池川委員 チャレンジスクールの現状と問題点を検証し、その見直しを求めることに関する陳情について質問させていただきます。
 陳情を出されている方々は、現在廃止計画のある夜間定時制の存続を求める会の方々です。都教育委員会は、四校を廃止しても、チャレンジスクールをふやし、昼夜間定時制の夜間部等の定員増を行うことで対応するから大丈夫だというふうに説明していますが、本当に大丈夫なのかという問題意識からの陳情だと思います。
 チャレンジスクールは新しいタイプの学校として位置づけられる学校で、十九年前、北区周辺の学校を統廃合してできた都立桐ヶ丘高校がその最初となっています。単位制の総合学科で、生徒は午前中を中心とした一部、午後を中心とした二部、夕方から夜間を中心とした三部にそれぞれ在籍しています。
 また、学校ごとに統廃合前の学校を母体としているため、その流れをくんだ、反映した系列を設けているのも特徴だと思います。桐ヶ丘高校の例をとれば、福祉教養系列、情報ビジネス系列、アートデザイン系列の三つに分かれています。
 桐ヶ丘高校が開設してから十九年が経過し、これから足立地区、立川地区に新たなチャレンジスクールを開設する計画がありますが、チャレンジスクールはどのようなあり方が求められているのか検証することはとても重要だと思います。
 まず最初に、チャレンジスクールの現状について伺います。チャレンジスクールに通っていらっしゃる生徒の特徴はどのようなものか、お伺いします。

○増田教育改革推進担当部長 チャレンジスクールは、小中学校時代に学校になじめず不登校になったり、高校で長期欠席等が原因で中途退学したりして、これまで能力や適性を十分に生かし切れなかった生徒を主に受け入れております。

○池川委員 先日お伺いをさせていただいた桐ヶ丘高校では、不登校経験者が約八割、長期欠席も含めると約九割の生徒がそうした状況だということも伺いましたが、この特徴はほかのチャレンジスクールとも共通するものだということを今の答弁で現状認識として確認をしました。
 不登校を経験した生徒の多くが在籍しているチャレンジスクールでは、学校に行くことそのものにストレスを感じたりする場合が多く、他の学校の生徒と比較しても、より丁寧なかかわりが求められていると思います。信頼できる大人とのかかわり、学校という場所を信頼に足る場所にしていくことが特別の取り組みとして求められていると感じます。
 その点で、桐ヶ丘高校では、先生方が生徒一人一人の出身中学校を訪問し、中学校のときの様子を丁寧に聞き取り、生徒の状況をファイルにして、先生方の共通理解を深められるようにしている、また共通理解を図れるように、学年会も定期的に開催しているということも伺ってまいりました。
 また、相談室に教育相談部の先生が必ず常駐する体制を組み、スクールカウンセラーを複数配置し、ユースソーシャルワーカーも継続派遣するなど、手厚く行っているということも伺いました。また、この教育相談部の先生方が、いつ、誰が担当なのかということが、相談室の前に張り出されているのも確認をしてきました。
 そこで伺いたいと思いますが、チャレンジスクールにおけるスクールカウンセラー、またユースソーシャルワーカーへの相談件数はどうなっているのか、また、これはほかの学校と比較をするとどうか、その件数について伺います。

○宇田指導部長 平成二十九年度のスクールカウンセラーへの相談件数ですが、チャレンジスクール一校当たりの平均は四百四十四件でした。また、都立高等学校及び中等教育学校一校当たりの平均は三百五件であり、チャレンジスクールの方が百三十九件多い状況にあります。
 また、同年のユースソーシャルワーカーへの相談件数ですが、チャレンジスクール一校当たりの平均は五百八十三件でした。また、チャレンジスクール以外で継続的にユースソーシャルワーカーを派遣している学校一校当たりの平均は三百五十六件であり、チャレンジスクールの方が二百二十七件多い状況にあります。

○池川委員 スクールカウンセラーは百三十九件、ユースソーシャルワーカーは二百二十七件多いということであります。この数字上からも、きめ細かな対応が可能な教育環境が求められているということを感じました。
 教育環境や学校の体制の問題では、陳情されている皆さんは、チャレンジスクールが三部制であること、そして、足立地区のチャレンジスクールは生徒数が千人以上の大規模校として計画されていることに懸念を感じていらっしゃいます。その点で、三部制について伺いたいと思います。
 三部制の高校には、いわゆる放課後というものがなく、それが困難を招いているという指摘もあります。午前部、これが一部です。午後部が二部、夜間部が三部となっており、それぞれに生徒が在籍をしている。しかも、定時制でも三年で卒業できる三修制をとっているため、生徒が受ける授業は三つの部が混在をして行われています。
 一人の先生が行う授業も、複数の部にまたがって混在している。こうした中で、さらに委員会活動や部活動などが行われているという状況です。すなわち、一つ一つの部にさまざまな生徒がかかわって、授業やさまざまな活動が行われているというのが現状だと思います。
 具体的には、一部の生徒と三部の生徒が同じ部活動や委員会の場合、一体いつの時間に設定をするのか、実際にチャレンジスクールの関係者からお伺いしたところ、部活動の場合は空きこまをそれぞれ出し合って、一番多いところに設定する場合もあり、他の部の生徒が授業を行っている時間に部活動も行うという事例があるといいます。その場合にも授業がない時間帯を設定しなければ、部活動そのものを行うことができないというふうにも聞きました。
 そこで伺いたいと思いますが、部活動、委員会活動、そして行事等の実行委員会などについて、どのようにチャレンジスクールでは行われているのか、伺います。

○増田教育改革推進担当部長 チャレンジスクールは午前部、午後部、夜間部の三部制の学校のため、部活動は昼休みや夕休みの一部の時間を活用して行っております。また、生徒の選択授業等の状況により部活動を行うことが可能な場合は、空き教室を利用するなどして柔軟に活動しております。さらに、土曜日に三部そろっての活動を行うこともございます。
 委員会活動や行事の実行委員会等につきましては、部活動と同様に、主に昼休みや夕休みの一部の時間を活用しているほか、生徒の選択授業等の状況により空き教室を利用するなどして柔軟に活動しております。

○池川委員 柔軟に対応されているというと一見よさそうですが、これは全日制普通科、また、いわゆる夜間定時制高校など、放課後等がある場合とは全く違う状況でこうした活動が行われており、もともと定められた時間があって部活動や委員会活動を行うことがそもそも難しいというのが率直な現状だと思います。
 お伺いした桐ヶ丘高校では、部活動に加入する生徒が増加することで、学校に通う生徒の割合も相対的に引き上がっているという前向きの面とともに、同時に、時間の確保が課題であるということも伺いました。人気のある部活動に集中して、結局、時間が短いために、例えばテニス部であればラケットにさわることなく部活が終わってしまったということなど課題があるということであります。
 また、あるチャレンジスクールの先生からは、委員会などを開催する場合にどうしても時間が合わずに、同じ内容を昼休みと夕休み、二回に分けて開催する。そのことで、例えば文化祭などのイベントの実行委員会では共通の理解を持って議論を積み上げていくことが難しく、自主性を発揮した活動を発展させることが極めて難しいということも伺っております。
 柔軟に対応するというと一見よさそうですが、実態としては、なかなかそれが難しい状況になっているということだと思います。部活動や委員会活動というのは、生徒自身が自治活動を学び、仲間の大切さ、そして人間関係を学ぶ上でとても重要なものだと思います。これらの活動を高校時代に経験できるよう改善を図ることが必要だということは求めておきます。
 次に、職員会議、また学年会、学校によっては年次会とも呼びますが、こうした職員の会議のあり方の問題について伺います。
 チャレンジスクールに通う生徒さんの現状は、先ほど答弁があったように、不登校を経験した生徒の割合が高く、より丁寧なかかわりが求められています。また、そのかかわりの中では、教師集団、教職員集団として意思疎通が極めて重要だと思います。
 そこで伺いたいと思いますが、職員会議、また学年の会議、さらには校務分掌の打ち合わせ等はどのように行われているのか、伺います。

○増田教育改革推進担当部長 チャレンジスクールでは、各学校とも職員会議は月に一ないし二回、二部の時間帯や夕休みに実施しております。
 学年会や校務分掌の打ち合わせなど、その他さまざまな会議につきましては、時間割を作成する際に、あらかじめ空き時間を調整するなど会議を開催しやすいよう工夫し、夕休み以外の時間帯にも実施しております。
 また、日々の短時間の打ち合わせや職員室内での情報共有、メールを利用した情報周知などを通して効率的な業務運営を行っております。

○池川委員 夕休みに開催するというお話がありましたが、ある学校の例をとれば五十分間であります。しかも、勤務形態を見ると、教員自身の休憩時間となっている場合が少なくありません。先ほど分割して付与しているからいいんだという話がありましたが、やっぱりまとまった休憩時間がとれない仕組みになっているということだと思います。
 さらに、お伺いした話の中には、二部の時間帯にも、実際には生徒がいて授業が行われている時間帯であり、いわゆるその時間にかかわっている先生は、さまざまな会議に、打ち合わせ等にも出席することがなかなかできない状況も残されているという話も伺いました。これは、いわゆる放課後がなく、職員会議等を生徒がいない時間に行う場合とは一線を画するわけであります。そうした問題について、現場の先生からも改善を求める声が上がっていることもこの場でご紹介をします。
 あわせて教職員の勤務体制について伺います。
 生徒は三部制でありますが、教職員は基本的にA勤、B勤の二交代になっています。また、夜間定時制が独立した場合は教職員体制を独自にとっていますが、チャレンジスクールは、三部制の学年全体に責任を負うこととなっています。こうしたミスマッチに対して、どのように現場では対応されているのか、伺います。

○黒田人事企画担当部長 教職員の一日の正規の勤務時間は七時間四十五分でありますが、その割り振りは各校で実情に応じて定めております。
 チャレンジスクールにおきましては、A勤とB勤による二種類の勤務時間の割り振りを基本としながらも、生徒指導や校務運営など教職員の業務の特性に応じて三種類、あるいは四種類の勤務時間を設定するなど、各校におきましてそれぞれ工夫をしているところでございます。

○池川委員 今のお話ですと、基本は二種類、A勤、B勤といわれるものだと思いますが、この二種類になっているが、三種類、四種類等の勤務形態があり得るんだということだったと思いますが、じゃあ具体的に現場ではどのようなときに三種類、いわゆる三通り、四通りの勤務状態、勤務実態になっているのか、その具体的な例というのはどういうものなのか、お答えいただければと思います。

○黒田人事企画担当部長 一例でございますけれども、例えばC勤を教育相談部主任と生活指導部の主任が受け持つなど、各校の実情に応じて定めているところでございます。

○池川委員 校務分掌等で必要があってそういう三つの勤務形態、四つの勤務形態に分けているという話、また、現場の先生から伺ったところによると、こうした勤務形態にしているのは、休みの期間が多いということも伺っております。
 例外的な場合を除いては、基本的には生徒は三部、しかし、教職員は二つの勤務形態で学校が運営されているということだと思います。これは本当に夜間定時制などのあり方とは似て非なるものであり、チャレンジスクールの場合、教職員集団の意思疎通が他の学校よりも困難さを増しているということがいえると思います。
 一部から三部に対する責任が分散し、教師同士の共通理解を図るには、他の学校よりも多くの時間を費やすことが指摘をされています。現場の先生からは、実際に教師同士の時間的なすれ違いが多く、申し送るべき事項を記録として残すことに多くの時間を費やすということも伺いました。本来であれば各部ごとに責任を持つ勤務形態にすべきところにもかかわらず、三部を二通りの勤務形態で回していることの弊害があるということを指摘しておきます。
 次に、非常勤の対応について伺います。非常勤講師の対応です。
 チャレンジスクールは選択科目が多いという特性上、非常勤講師の数が他の学校と比べて多くなっています。一人一人に丁寧な対応が必要であり、それは正規の教員のみならず、非常勤教員も含めて共有されるべき必要があります。
 そこで伺いたいと思いますが、非常勤講師が他の学校に比べて多く授業を担当していますが、こうした非常勤の先生方に対して、生徒の状況等についてはどのように共有をし、共通の理解を持って対応されているのか、その点について伺います。

○増田教育改革推進担当部長 チャレンジスクールは総合学科であり、生徒の興味、関心に応じる選択科目を多く開講したり、体験的な学習を重視し、ボランティア、福祉活動等を授業の一環として実施したりしているため、非常勤講師や市民講師などを活用しております。
 また、チャレンジスクールではさまざまな悩みや課題を抱える生徒にきめ細かく対応できるよう、カウンセリングや教育相談を充実し、生徒一人一人のパーソナルファイルを作成し、生徒の把握に努めております。
 そのほか、学校により生徒一人一人の時間割ファイルを整備するなど、非常勤講師や市民講師においても生徒の状況が把握可能な環境を整備しております。

○池川委員 現場の先生からお話を伺ったところ、ある学校では、実際に非常勤の先生に対応するのは、教科の主任の方が事細かに状況について報告をし、共通の理解を図っているということでありましたが、これがなかなか大変なんだという話もありました。
 例えば桐ヶ丘高校の例でいうと、教職員数は四十八人でありますが、非常勤教員が二人、非常勤講師は三十四人、外国人英語補助員が三人、実習支援専門員が二人と合わせて、いわゆる非常勤等に類する方々が四十一人いらっしゃいます。こうした非常勤講師の方々に対して一人一人きめ細かく共有するというのは、努力はされていることは伺いましたが、並大抵ではないということもあわせて伺いました。
 陳情の中でも具体的に示されている課題の一つが、足立地区のチャレンジスクールであります。これまで六学級を基本とするところから、九学級編制ということで計画をされています。都教委が計画に示しているのは、これまで五百五十一人分の不合格者を受け入れることができなかった、ここを確保できる規模にする。それは大規模にしていいということにはつながりません。生徒一人一人と丁寧なかかわりが必要であり、一人一人の状況について教職員集団での情報共有が必要であるにもかかわらず、大規模にすることはそれに逆行していることは明らかだと思います。
 現在の状況にきめ細かい指導が可能な人員体制や施設等を具体的に検討したと記載がありますが、具体的にどのような人員体制や施設等を検討したのか、伺います。

○増田教育改革推進担当部長 チャレンジスクールは、不登校経験のある生徒がみずから学習計画を立て、興味、関心に応じて科目を選択し、履修することができるようにするとともに、習熟度に応じて手厚く指導し、学年ごとの進級認定を行わず、修得単位数が不足しても留年等はしないようにするため、単位制総合学科としております。
 具体の教育内容について、想定している学級規模でも総合学科としての多様な教科、科目を設置するとともに、義務教育段階からの学び直しや少人数での授業において丁寧な指導ができるようなカリキュラム編成となるよう、人員体制や施設について検討いたしました。
 また、さまざまな悩みや課題を抱える生徒にきめ細かく対応できるよう相談室を充実するほか、生徒がいつでも憩い、学習できるように、談話コーナー等のゆとりのスペースを整備するなど、必要な施設についても検討いたしました。

○池川委員 普通科の場合でも、一学年六学級が標準規模となっています。一学級の在籍数に違いがあるとはいえ、一千人規模の学校は大規模なことは明らかであります。五百五十一人という不足数を満たすために大規模化するということは本末転倒であるということを改めて指摘しておきます。
 次に、制服、標準服の問題について伺います。
 チャレンジスクールは、開設当初は私服でありましたが、現在では、三校が制服、二校が標準服となっており、制服については積極的指導を行っている学校もあると聞いています。チャレンジスクールでは不登校だった生徒が多く、小中学校の学び直しから出発する場合も少なくありません。それはすなわち、高校生の年齢である十五歳から十八歳でない場合も当然想定した学校である必要があるということだと思います。
 三十歳の生徒が入学してきたときに、制服について当然購入してもらうんだという話を耳にし、大変驚きました。制服を着なければならないということは、学校を選ぶ際に、その学校に行く選択肢を最初から除外してしまうことにつながると考えます。私服のときには五十代、六十代の生徒さんが在籍したということも聞いていますが、制服の導入はこうした生徒さんたちを事実上排除することにつながっているのではないでしょうか。
 また、二十であっても、制服を着ることに抵抗があるという声も耳にします。一律の積極的指導はむしろ逆効果であり、入学案内や学校説明会などでも、幅のある年齢の方が入ってくる可能性があることを想定した丁寧な説明が必要であると考えます。
 そこで伺いたいと思いますが、制服や標準服が指定をされていますが、十五歳から十八歳よりも年齢が上の方が入学してきた場合にはどういう対応をしているのか、また、通常の学校よりも性的マイノリティーの生徒が多いという先生の話もありますが、こうした生徒の方々にはどのように対応しているのか、伺います。

○宇田指導部長 校則に制服が定められている学校におきましては、着用することが原則でありますが、年齢等、個々の生徒の状況に応じて柔軟に対応しております。
 また、性自認等によって制服の着用に困難さを感じている生徒に対しても、きめ細かく対応しております。

○池川委員 これは確認になりますが、チャレンジスクールのパンフレット等を見せていただくと、いわゆる、みんな制服を着ているのがスタンダードだということが印象としてあるわけですが、入学案内、また説明会の際にもそうした柔軟な対応はできるんだということをきちんと明示していただくことが必要だと考えますが、そうしたことは柔軟な対応の中に含まれていると考えてよろしいでしょうか。

○宇田指導部長 制服着用の指導の趣旨や目的を丁寧に説明した上で、本人の意向等、生徒の実態に応じて指導しております。

○池川委員 学校のパンフレットや説明会の際にも、きちんとそうしたものを示していただきたいということは求めておきます。
 また、制服の問題については、当事者である生徒の意見をしっかりと反映して考えることが必要であり、そうした生徒の意見がきちんと尊重されるような仕組みにしていただきたいということを求めておきます。
 さまざま課題について、現状について伺ってまいりましたが、チャレンジスクールとしては、全体として学校運営にかかわる課題を東京都教育委員会としてはどのように認識をしているのか、その全体像について伺います。

○増田教育改革推進担当部長 チャレンジスクールは不登校を経験した生徒を主に受け入れる学校でございますが、不登校を経験した生徒の多くは、学校生活や家庭環境などにさまざまな悩みや課題を抱えており、そうした生徒一人一人に応じたきめ細やかな指導を充実することが学校運営上の最大の課題でございます。
 そこで、個々の生徒にきめ細やかな指導を行うに当たって教員の資質向上が重要であるため、各学校において効果的なOJTを実施しているほか、都教育委員会は、学校の特色を理解するための教員研修などを実施しております。
 さらに、都教育委員会は、チャレンジスクールにスクールカウンセラー、ユースソーシャルワーカーに加えて精神科医を配置するほか、生徒が抱える課題解決に向けて関係機関と連携するなど、教育相談体制を充実し、チャレンジスクールの学校運営の改善や教育活動の充実に努めております。

○池川委員 きょう、さまざまお伺いさせていただきましたが、職員の体制、またその勤務の形態の問題、部活、委員会、そして実行委員会等、生徒の活動等、検討すべき課題があることは明らかだと思います。
 そもそも出発点が、五百五十一人が不足することをどうやって充足するかということをベースにして、足立地区では一学年九学級ということになっています。チャレンジスクールは、そうでなくても全体として非常勤講師が多くなるもとで、こうした大規模になれば、その配置はよりふえるということになります。不登校生徒が多い中で丁寧なかかわりが必要なだけに、大規模化というのは大きな課題の一つではないかというふうに考えます。
 また、チャレンジスクールの場合は、外国にルーツのある生徒を受け入れる場合もあると思いますが、実際には不登校の生徒が多い中に、そうした子供を受け入れるというのにはさまざまな困難が伴います。
 また、先ほども指摘をしましたが、制服があることで高校生の年齢以外の受け入れがとても難しいということも課題の一つとして挙げられると思います。
 さらに、放課後等がないことによって、さまざまな矛盾が生じていること、委員会等については二回開催しなければならないということも、きょうの質疑を通じて指摘をさせていただきました。
 では、どういう方向が今求められているのか。例えば埼玉県、神奈川県では、単位制総合学科でも二部の学校があり、一部と二部の間にはフリータイムや多目的時間を設けていることにより、いわゆる放課後と同じ位置づけの時間帯を生み出し、その時間を使って部活動や委員会活動、生徒会活動等も行っているという話も聞きました。東京でも、こうした取り組みは大いに参考になると思います。
 そして、夜間の部分については夜間定時制高校で対応することで、夜間に学びたい人たちのニーズに応えることができるというふうに考えます。
 本陳情の採択を主張し、質問を終わります。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第三八号は不採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間、四十五分まで休憩いたします。
   午後三時三十二分休憩

   午後三時四十五分開議

○里吉委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 審査を続行いたします。
 陳情三〇第四二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お手元の文教委員会付託陳情審査説明表の七ページをお開き願います。
 陳情三〇第四二号、「東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書」の訂正に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、東京都港区の大口昭彦さん外四十二名の方から提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、平成二十九年に都教育委員会が公表しました、東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書における記述のうち、我が国の学校は、明治期の学制発布以来の民主的かつ平等の名のもとにという記述を、我が国の学校は、一九四七年(昭和二十二年)教育基本法制定以来の民主的かつ平等の名のもとにと訂正していただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、平成二十八年六月、都教育委員会は、多様な人材を活用した学校組織運営のあり方等について検討するため、学識経験者三名、学校関係者三名から成る東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会を設置し、その後、平成二十九年二月の定例会において、その検討結果について、東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書として報告を受けております。
 平成二十九年十二月二十八日、当該報告書、2、目指すべきチーム学校像、(1)、これまでの学校体制にございます、我が国の学校は、明治期の学制発布以来の民主的かつ平等の名のもとに、同じ学校の教職員は、管理職も一般教員も、その経験や力量、職責や職務内容の違いにかかわらず、対等な立場で学校運営に携わるべきだという考えにより運営がなされ、そうした運営を当たり前とする学校独自の慣習、いわゆる学校文化が根づいていたとの記述のうち、その前段部分につきまして訂正を求める旨の請願が都教育委員会宛てに出されたところでございます。
 本請願を受けまして、平成三十年三月三十日、当該報告書の趣旨は、教員のみが児童生徒の指導に携わってきたこれまでの学校組織から教員が多様な専門人材と連携協働していく新しい学校観への転換を促すという点にあること、当該記述は明治期以来、学校現場には教員がお互いを専門職として尊重し合う組織風土が根づいていたことをあらわしたものと認識していることの二点につきまして、請願者に対し回答したところでございます。
 なお、回答に当たりましては、当該報告書が都教育委員会において議決した案件ではなく、都教育委員会に対する報告事項でありましたため、東京都教育委員会請願取扱要綱及び東京都教育委員会事案決定規程等に基づき、教育庁総務部教育政策課から請願者に対して通知をしたところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○米倉委員 「東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書」の訂正に関する陳情について伺います。
 この陳情は、二〇一七年二月二十三日の東京都教育委員会定例会に報告された、東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書の五ページにある記載は、歴史的事実に反するため、訂正を求めるという内容となっています。
 具体的には、これまでの学校体制について、我が国の学校は、明治期の学制発布以来の民主的かつ平等の名のもとに、同じ学校の教職員は、管理職も一般教員も、その経験や力量、職責や職務内容の違いにかかわらず、対等な立場で学校運営に携わるべきだという考えにより運営がなされ、そうした運営を当たり前とする学校独自の慣習、いわゆる学校文化が根づいていたという記述についてです。
 そもそも明治期の学制発布以来の学校はどういう状況に置かれたか、私も複数の専門家からお話を伺いましたが、特に学制発布から終戦までの間、学校運営にかかわって、教育行政の側から、民主的や平等という言葉が肯定的に使われたことはないということです。国家統制が行われ、学校や子供たちには教育勅語が押しつけられ、天皇制や戦争への絶対的な服従が求められました。
 自由民権思想の教育の取り組みなどはあったものの、大部分は子供の人権も顧みられず、教師が絶対という立場で子供を指導していたし、教育内容についても、算数をどう教えるかという議論はできたとしても、国家の決めた内容は絶対的な正義なのだから、それを疑ったり、専門性に基づいてそれをどう考えるかは許されない、決められた内容を批判する自由も、教育課程を編成する自由もなかった。ですから、我が国の学校は、明治期の学制発布以来の民主的かつ平等の名のもとに運営をされていたという記述は、大枠の常識から見て成り立たないはずなのです。
 この報告書は明治期の学制発布以来の民主的かつ平等の名のもとにと記載がされていますが、明治期に国のあり方が民主的かつ平等であるべきだ、学校運営が民主的かつ平等であるべきだというような法律や公的な文書はあるのか、伺います。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 そういった法律や文書の存在は承知しておりません。

○米倉委員 学校運営が民主的、平等であるべきだとする法律や文書は承知していないということです。当然だと思います。
 そもそも明治初期から旧文部省は、自由民権思想の教育など学校現場のさまざまな努力の広がりを取り締まるために、教員に対する思想統制を行い、明治十四年、旧文部省は、教師に尊皇愛国の思想に反する者は不道徳な者として、免許状没収の処分にするなどと定めています。
 そして、明治二十三年には、教育勅語が学校現場に押しつけられました。これは明治天皇から家来である臣民への道徳についての命令書です。この国は天皇の祖先が興したもので、国民の道徳もそのとき定めたものだ、だから、なんじら臣民は絶対にその道に背いてはならないぞとして、天皇への忠義、親孝行、兄弟の友愛などを求め、最後の大項目が、一旦緩急あれば義勇公に奉じ、もって天壌無窮の皇運を扶翼すべし、要するに、戦争になったら天皇家の存在のために命をささげろと命令されたのです。
 戦前の学校では教育勅語が特別の部屋などに置かれ、学校行事のたびに読み上げられて、児童や教師は最敬礼で聞くよう求められました。その中で、旧文部省は、教員の思想情報の収集、再教育など、徹底して教員に対する思想指導を行ったと文科省の学制百年史の中でも書いています。
 天皇制に忠誠を誓うことを強制され、他の教育が許されない中で、なぜ学校現場が民主的かつ平等で、しかも根づいていたとまでいえるのかと。管理職も一般教員も対等な立場で学校運営に携わるべきだという考えにより運営がなされたという記述も大いに疑問があります。
 そもそも民主的な学校運営のあり方が一定定着するのは、戦後の憲法や教育基本法が制定される中での話です。戦前、国民学校令などで、訓導、先生のことですが、先生は校長の命を受け児童の教育をつかさどると定められていたのが大きく変わったのは、戦後の学校教育法の成立です。教諭は児童生徒の教育をつかさどると、この法律により定められたことで、戦前とは明確に職務が区別をされ、子供の教育に直接責任を持つ専門職としての地位と職責が定められたんです。
 その中で、学校現場では、トップダウンの意思決定よりも、職員会議などを中心として、同僚集団の議論を通じたボトムアップの意思決定が大切にされ、それにより学校教育をよりよくしていくという努力が追求されたのではありませんか。
 そして、この学校組織をピラミッド型の上意下達の体制で管理しようというのが、この間、都教委が行ってきたことで、それが風通しのよさや子供を中心に自由に意見を交わしたり、お互い助け合ったりする気風を失わせ、管理職や主幹のなり手がいないという状況をつくり出しています。それが現状だと思います。
 いずれにしても、検討委員会の報告書であったとしても、教育委員会が設けた組織の報告書であるわけで、事実としては正確であるべきだと考えますが、いかがですか。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ご指摘の記述につきましては、明治期以来、学校現場には教員がお互いを専門職として尊重し合う組織風土が根づいていたということをあらわしたものと認識しております。

○米倉委員 学校現場には、お互いに教員が専門職として尊重し合う組織風土が根づいていたのをあらわしているという認識だということなんですけれども、つまりは、都教委としてもこの記述は妥当だと考えているんですか。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 繰り返しになりますけれども、ただいま申し上げた、明治期以来、学校現場には教員がお互いを専門職として尊重し合う組織風土が根づいていたことをあらわしているという認識のもと、都教育委員会といたしましては、この、いただいた報告書の趣旨を踏まえて、チーム学校の実現に向けた体制整備ですとか、それから、学校における働き方改革ですとか、そうした取り組みを進めてきております。

○米倉委員 戦後の話ならともかく、明治期以来、全ての時代において、学校現場がお互いを専門職として尊重し合う組織風土が根づいていたということはいえないと思います。検討委員会の報告書であっても、教育委員会が設けた組織の報告書ですから、事実は正確さが求められています。
 こういう報告書で、年号などの誤りがあった場合には修正をされると聞いていますが、都民の指摘を受けているにもかかわらず、不正確な事実が記載されたままとなれば、都教育委員会が明治期以来、学校現場は民主的で平等だったと認識していると都民は受け取ります。また、教育委員会の文章にあることなんだからと、正しいんだろうと、誤解をしてしまう人もいらっしゃるかもしれません。修正は今からでもすべきだと述べておきます。
 陳情の取り扱いについても伺います。
 陳情者は、都教育委員会にもこの請願を出したけれども、都教育委員会の定例会には報告さえしてもらえなかったといっていらっしゃいます。その理由は何なのか、伺います。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十九年十二月に提出されましたチーム学校の在り方検討委員会報告にある誤りの記述の訂正に関する請願につきましては、当該報告書が都教育委員会における議決事項ではなく、報告事項であったため、東京都教育委員会請願取扱要綱及び東京都教育委員会事案決定規程等に基づき、主管課において当該事案について決定権限を有する者が適正に処理いたしております。

○米倉委員 つまり、この報告書が教育委員会で議決されたものではないから、請願取扱要綱などに基づくと、請願はその内容について決定権限を持つ者が処理することになるから、教育委員会にはかからないということです。
 そうなると、教育委員会で議決する内容は大きな計画や方針などになりますから、具体的な問題が起きて都民が請願を出しても、その多くが、部長決裁だと部長のところに請願は行って、課長決裁のものだと課長が処理するということになります。そこで課長が、これは問題ないと判断をされてしまえば、都民が納得いかなくて、また請願を出したとしても、また同じ課長のもとに請願は行って処理をされるということになってしまいます。
 都教育委員会の請願の取り扱いのルールは、二〇〇二年に東京都教育委員会請願取扱要綱がつくられてから、こうした処理が行われるようになりました。多くの請願が教育委員会に報告されず、年に二回、こういう内容のテーマの請願が何件寄せられましたよという程度の報告しか行われていません。これでは住民の意思を教育委員会に反映することができません。
 そもそも請願は国民の権利です。日本国憲法施行と同じ日に請願法も施行していて、軽々しく扱っていいものではないんです。都民の請願は全て都教育委員会の会議に上げるべきと考えますが、いかがですか。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、請願につきましては全件、提出された場合には、都教育委員会として受理をいたしております。その上で、都教育委員会定例会での審議内容の充実と効率化の観点及び都民サービスの迅速化の観点からも、東京都教育委員会請願処理規則ですとか、東京都教育委員会請願取扱要綱を定め、教育委員会に提出される全ての請願を誠実に処理しているところでございます。

○米倉委員 審議内容の効率化と都民のサービスの迅速化といいますが、都民の声を聞きながら、子供たちにとってよりよい教育をつくっていくというのが教育委員会の役割ではないんですか。誠実に処理といいますけれども、今のルールのもとでは、都教育委員会での請願取扱状況を見て、これで誠実といえるのかと私は率直に思います。
 二〇一六年度は、教育委員会に提出された請願は十一件ですが、そのうち教育委員会に報告されたのはたった一件です。二〇一七年度は九件の請願が提出されましたが、実際に報告されたのはたった一件という状況です。ほとんど都民の声は都教育委員会に届いていないというのが実態じゃないんですか。請願取扱要綱は見直すべきだと申し上げておきます。
 今回の請願の取り扱いについても伺います。
 請願があったことは、チーム学校検討委員会の委員だった方には報告をされたのか、また、陳情者、請願者にどのように回答するかということは委員の方々と相談されたのか、伺います。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 検討委員会の委員の方々に対しましては、平成二十九年十二月に請願が提出されたことにつきまして報告いたしますとともに、回答に当たっても相談をさせていただいております。

○米倉委員 委員だった方たちは、大学の先生など学識経験者三名、区市町村の教育長二名、都立高校の校長先生一名、この方は今は定年退職をなさっていると伺っています。そういう中で、今回の対応について相談されたということです。
 しかし、この記述は、委員の皆さんがこのままでいいと判断をされたとしても、都民の皆さんからすれば、都教育委員会は、明治期以来、戦前も含めて、学校が民主的で平等だったという認識なんだと受けとめます。これは問題だと思います。明治期のというこの記述について、もう一度、都教委の中で対応を検討していただきたいと思いますが、いかがですか。

○古川教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ご指摘の記述につきましては、繰り返しになりますけれども、明治期以来、学校現場には教員がお互いを専門職として尊重し合う組織風土が根づいていたことをあらわしたものと認識しているところでございます。
 このことにつきましては、先ほどご答弁させていただきました、都教育委員会宛てに出された請願の請願者に対しましても、回答として通知しているところでございます。
 なお、この報告書に基づきまして、先ほども申し上げましたとおり、都教育委員会の施策として、チーム学校に向けた体制の整備ですとか、学校の働き方改革ですとか、そういったものにしっかりとつなげてきているところでございます。

○米倉委員 これ、大事な問題だと思いますので、重ねて対応の検討を求めて、質問を終わります。

○古賀委員 今、大事な問題だというお話があったんですけれども、私も大事な問題だと思いますので、誤りを指摘しておきたいと思います。
 明治の教育勅語について、天皇が国民に命令をしたものだというお話だったんですけれども、教育勅語を読まれたことがないと思います。
 教育勅語の最後は、朕なんじ臣民とともに拳々服膺してみなその徳を一にせんことをこいねがうとなっていまして、天皇陛下が、私もまた国民の皆さんとともに父祖の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように心から念願するものですという希望を述べておられるわけで、命令ではありません。これが教育勅語の正しい趣旨と理解願いたいと思います。
 それから、明治期の、戦前の歴史を暗黒にしたいというお気持ちはわかるんですけれども、ことしは明治維新百五十年で、慶応三年の十月に大政奉還が行われて、慶応三年の十二月に王政復古の大号令がなされます。ここで明治の御代がその第一歩を記すわけです。
 そして、その後、慶応四年に、正月三日から鳥羽伏見の戦いなんかがあるんですけれども、その後、三月に五カ条のご誓文が渙発されています。これを国是として布告をしたわけです。
 ご存じのように、全部読むと大変ですけれども、皆さんよくおわかりのように、五カ条のご誓文には、万機公論に決すべしと。つまり、大いに議論をして、その議論をもとに結論を出していこうと、国の進路の定めようということが五カ条のご誓文の第一番目に書かれているわけで、何か専制的な政治が明治政府になっていきなり行われたというような指摘は、これこそ正しい歴史の解釈としては非常に無理があるというふうに思います。参考までに申し上げておきます。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○里吉委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第四二号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。

○里吉委員長 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、局長から紹介があります。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
七月九日付及び七月十六日付の人事異動により、当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介申し上げます。
 次長の岩瀬和春でございます。ラグビーワールドカップ会場運営担当部長の田中愛子でございます。田中は国際大会準備担当部長を兼ねてございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○里吉委員長 紹介は終わりました。

○里吉委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
私から、平成三十年第三回東京都議会定例会に提出を予定してございます議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 資料第1号、平成三十年第三回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
 表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
 本定例会で委員の皆様にご審議いただきますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件は、契約案件として、東京体育館(三十)改修工事その二請負契約など二件と、事件案として、海の森水上競技場の指定管理者の指定についてなど五件でございます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中村総務部長 引き続きまして、私から、当局の議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、平成三十年第三回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。
 恐れ入りますが、表紙と目次をおめくりいただき、一ページをごらんください。初めに、契約案の概要につきましてご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しておりますのは、東京体育館の改修工事に係る契約案二件でございます。
 まず、1、東京体育館(三十)改修工事その二請負契約でございます。
 工事場所は東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目十七番一号、契約相手は大日本土木株式会社、契約金額は二十二億五千七百二十万円、契約方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成三十一年十一月二十九日まででございます。
 次に、2、東京体育館(三十)改修電気設備工事請負契約でございます。
 工事場所は先ほどと同じでございまして、契約相手は株式会社弘電社、契約金額は十三億四百六十四万円、契約方法は一般競争入札、工期は契約確定の日から平成三十一年九月十三日まででございます。
 次のページに、ただいまご説明いたしました施設の案内図及び配置図をお示ししております。
 続きまして、事件案の概要につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、三ページをお開きください。東京二〇二〇大会の会場となります新たな体育施設に係る指定管理者の指定につきまして、議案を提出させていただくものでございます。
 まず、海の森水上競技場の指定管理者の指定についてでございます。
 候補者は、2、候補者の名称にございますとおり、海の森水上競技場マネジメント共同企業体でございます。
 3、指定の期間は平成三十一年六月一日から平成三十五年三月三十一日まででございます。
 4の(1)、選定方法は公募による選定でございます。
 (2)、選定の経緯にございますとおり、外部委員を含む選定委員会における二度の審査を経て、候補者を選定いたしました。
 (3)、選定理由といたしましては、同等規模の水上競技施設のほか、多数の体育施設、公園等における豊富な管理運営実績を有しており、東京二〇二〇大会の円滑な準備や大会後の効率的かつ安定的な管理運営が期待できることなどでございます。
 四ページをお開きください。夢の島公園アーチェリー場の指定管理者の指定についてでございます。
 候補者は、2、候補者の名称にございますとおり、アメニス夢の島グループでございます。
 3、指定の期間は平成三十一年四月一日から平成三十五年三月三十一日まででございます。
 4の(1)、選定方法は特命による選定としております。
 特命とした理由でございますが、夢の島公園アーチェリー場は同公園の中にあり、維持管理の一本化などによって効率化を図るためには、公園と一体的に管理運営していく必要があることから、特命による選定としたところでございます。
 (2)、選定の経緯でございますが、外部委員を含む選定委員会における審査を経まして、候補者として選定いたしました。
 (3)、選定理由といたしましては、夢の島公園、夢の島熱帯植物館について、長年にわたる指定管理の実績を有しており、同公園等での管理運営のノウハウを活用して一体的かつ効率的な運営が期待できることなどでございます。
 五ページをお開きください。カヌー・スラロームセンターの指定管理者の指定についてでございます。
 候補者は、2、候補者の名称にございますとおり、株式会社協栄でございます。
 3、指定の期間は平成三十一年六月一日から平成三十五年三月三十一日まででございます。
 4の(1)、選定方法は公募による選定でございます。
 (2)、選定の経緯にございますとおり、外部委員を含む選定委員会における二度の審査を経て、候補者を選定いたしました。
 (3)、選定理由といたしましては、多くの体育施設における管理運営実績や海外事例の調査に基づく実現性の高い事業計画を示しており、効率的かつ安定的な運営が期待できることなどでございます。
 六ページをお開きください。大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場の指定管理者の指定についてでございます。
 候補者は、2、候補者の名称にございますとおり、アメニス海上南部地区グループでございます。
 3、指定の期間は平成三十一年七月十日から平成三十五年三月三十一日まででございます。
 4の(1)、選定方法は特命による選定としております。
 特命とした理由でございますが、大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場は同公園の中にあり、維持管理の一本化などによって効率化を図るためには、公園と一体的に管理運営していく必要があることなどから、特命による選定としたところでございます。
 (2)、選定の経緯でございますが、外部委員を含む選定委員会における審査を経て、候補者として選定いたしました。
 (3)、選定理由といたしましては、大井ふ頭中央海浜公園について、長年にわたる指定管理の実績を有しており、同公園の管理運営のノウハウを生かし、公園との一体的かつ効率的な運営が期待できることなどでございます。
 七ページをお開きください。東京アクアティクスセンターの指定管理者の指定についてでございます。
 候補者は、2、候補者の名称にございますとおり、事業団・オーエンス・セントラルスポーツ・都水協グループでございます。
 3、指定の期間は、平成三十二年三月十日から平成三十五年三月三十一日まででございます。
 4の(1)、選定方法は公募による選定でございます。
 (2)、選定の経緯にございますとおり、外部委員を含む選定委員会における二度の審査を経て、候補者を選定いたしました。
 (3)、選定理由といたしましては、近隣の大型水泳場等の類似施設での管理運営実績を踏まえ、具体的な計画を示しており、施設の立地や利用ニーズを踏まえた現実的な提案を行っていることなどでございます。
 最後に、お手元配布の資料第2号につきましては、提出させていただきます議案となります。後ほどごらんいただければと存じます。
 以上、簡単ではございますが、今定例会に提出を予定してございますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件につきまして説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○池川委員 二つお願いします。
 この十年間に実施した東京体育館の改修工事の内容とその費用及び休館の期間についてわかるものをお願いします。
 もう一つ、各施設の指定管理者に応募した事業者と評価を一覧でお示しいただければと思います。
 お願いします。

○里吉委員長 ほかにございますか。--ただいま池川委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○里吉委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○鈴木開設準備担当部長 それでは、有明アリーナ管理運営事業につきまして、本年七月より事業者の募集を開始しましたので、その概要につきましてご説明をいたします。
 お手元の資料第3号をごらんください。
 まず、1、目的でございますが、有明アリーナは、国際大会などの質の高いスポーツ観戦機会の提供や、コンサート等のイベントの開催により、東京の新たなスポーツ、文化の拠点とすることとしております。
 また、東京二〇二〇大会終了後の管理運営をPFI法に基づく公共施設等運営事業、いわゆるコンセッション方式で行うことにより、民間事業のノウハウや創意工夫を最大限に活用し、価値あるレガシーの創出につなげていくことを、本事業の目的としております。
 次に、2、事業内容でございますが、本事業の事業期間は平成三十一年七月から平成五十八年三月三十一日までとなっており、東京二〇二〇大会時の維持管理期間を経て、東京二〇二〇大会後の改修工事終了後、コンセッション方式による運営を開始することとしております。
 業務内容は、有明アリーナに係る統括管理業務、開業準備業務、運営業務、維持管理業務でございます。
 続きまして、3、選定手続でございますが、まず選定方式は、応募者からの提案を審査する企画提案方式とします。
 次に、提案金額等でございますが、応募者には運営権対価として六十四億円以上の額を提案いただくほか、業績連動支払いとして、運営権対価支払い後の税引き前当期純利益の二〇%以上となる支払い方法をご提案いただくこととしております。
 次のページをごらんください。選定方法でございますが、学識経験者等で構成する審査委員会におきまして、応募者より提案された事業内容及び運営権対価の額等につきまして、事業者選定基準に基づき総合的に評価いたします。
 次に、4、今後のスケジュールでございますが、本年十月上旬から十一月下旬にかけまして官民対話を二回実施した後、来年一月三十一日を提案書の提出期限としております。その後、事業者によるプレゼンテーションや審査委員会における審査など事業者の選定を進めまして、来年三月から四月を目途に運営権者候補者を決定いたします。
 そして、四月から五月を目途に仮契約を締結し、来年六月の第二回都議会定例会におきまして運営権設定についてご審議をいただき、七月には実施契約を締結したいと考えております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小室スポーツ推進部長 それでは、東京マラソンの参加料についてご報告いたします。お手元の資料第4号をごらんください。
 東京マラソンの参加料は、二〇〇七年の開始以来、税抜き一万円で据え置いてまいりましたが、近年の警備安全対策費の増嵩を受け、ことし三月の東京マラソン財団の理事会において参加料水準について問題提起があり、以後検討を重ね、八月の理事会で改定案の提案があったものです。
 1、財団収支の現状と課題の二〇一八大会年度の財政状況でございますが、経常収益は三十八億六千万円、経常費用は三十五億六千万円です。
 経常費用のうち警備安全対策費につきましては、二〇一三年四月のボストン・マラソン大会でのテロ事件以来増嵩し、二〇一八大会では四億八千万円となっております。
 今後の財政見通しといたしましては、財団の一般正味財産の残高は二〇一八大会年度末で五億六千万円となっておりますが、警備安全対策費は、今後も増加要因が見込まれ、財団の財政状況を近い将来悪化させることが予測されます。
 一方、収益の約七割を占めます協賛金収益は、本来不安定な財源であり、二〇二〇年以降の見込みは不透明な状況です。
 次に、2、財団による参加料改定の提案概要ですが、警備安全対策費は大会運営の基幹的費用であり、ランナーの安全・安心に直接必要な経費として、参加料の改定を提案しております。
 改定額につきましては、現在の一万円に五千円を上乗せし、税抜き一万五千円とするものでございます。五千円の根拠は、二〇一三大会から二〇一八大会までの警備安全対策費の増嵩分三億円から、都の補助金の増分一億円を除く二億円を基準とし算定したものです。
 また、改定時期は、二〇二〇大会からとしております。
 最後に、3、今後の予定でございますが、財団のホームページにおける意見募集を経て、十二月の財団理事会で決定する予定となっております。
 ご参考までに、裏面に国内外のマラソン大会の参加料の状況を掲載しております。
 また、参考資料として、東京マラソン参加料についてを添付させていただきました。後ほどごらんいただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○里吉委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○池川委員 有明アリーナの方ですが、都が示した運営権対価六十四億円の算出の根拠及び業績連動支払いの運営権対価支払い後の税引き前当期純利益の二〇%と定めた、その算定根拠について、資料をお願いします。

○里吉委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 ただいま池川委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○里吉委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 堀越魅力発信プロジェクト担当部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 陳情の審査を行います。
 陳情三〇第三〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○吉村消費生活部長 「地方消費者行政に対する財政支援の継続・拡充を求める意見書」の採択に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 陳情三〇第三〇号、千代田区の第二東京弁護士会会長笠井直人氏外二人から提出された「地方消費者行政に対する財政支援の継続・拡充を求める意見書」の採択に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、都において、地方消費者行政に対する財政支援(交付金等)の継続、拡充を求める意見書を採択し、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)宛てに提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、地方消費者行政につきましては、これまで地方消費者行政活性化基金や地方消費者行政推進交付金といった国からの財政支援により、消費生活相談体制の整備等、地方自治体の取り組みの充実強化が図られてまいりました。
 しかしながら、国における平成三十年度の交付金の予算額は、前年度の五十億円に対し、三十六億円にとどまっている状況にございます。この三十六億円は、平成三十年度当初予算二十四億円と平成二十九年度補正予算十二億円を合わせた金額となっております。
 こうした国による財政支援の縮減は、インターネット、SNSの普及や成年年齢の引き下げなどの社会環境の変化に伴い、消費者被害のさらなる増加が懸念される中、地方自治体においてこれまで充実させてきた消費生活相談事業や消費者被害防止のための地域における高齢者の見守り強化といった事業の継続を困難とさせ、地方消費者行政の後退を招く可能性がございます。
 そのため、都では、平成二十九年度までと同等以上の財政支援や必要な財源を継続的、安定的に確保するよう、国に対して要望しているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○里吉委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○成清委員 本陳情に関して簡単に意見表明をさせていただきます。
 インターネットの普及や高齢化、成年年齢の引き下げなど社会情勢が変化する中で、消費者被害の防止は東京都にとっても今後力を入れて取り組むべき重要な課題であります。
 本陳情では、地方消費者行政に対する財政支援を国に求めるべきとのことですが、国における交付金の予算額は平成二十九年度までは五十億円の予算額であったのに対して、平成三十年度からは仕組みが変わり、金額も三十六億円に縮減され、このままでは将来にわたり現行の事業が維持できず、地方消費者行政の後退を招くことが懸念されます。
 都は、国に対して、地方消費生活行政推進のために平成二十九年度までと同等以上の財政支援を行うことを要求しておりますが、都民を消費者被害から守るための取り組みは今後も一層充実することを要望し、意見とさせていただきます。
 以上です。

○米倉委員 「地方消費者行政に対する財政支援の継続・拡充を求める意見書」の採択に関する陳情について伺います。
 都民が安全で安心な暮らしを送るためには、消費生活相談の体制の充実や、悪質な事業者への対応強化、持続可能な生産、消費の社会づくりなど幅広い取り組みが重要です。
 そのためにも、紛争解決のためのあっせんの実施、商品テストの実施、資格のある相談員の配置、相談件数に見合った相談員の配置、相談員の待遇の向上など、引き続き地方消費者行政を充実する必要があります。
 しかし、国は、陳情でも指摘されているとおり、今年度、これまでと比べ交付金を大幅に減らしました。東京都内の各自治体への交付金はどう変化しているのか、またどのような影響が出ているのか、伺います。

○吉村消費生活部長 国における平成三十年度の交付金の予算額は、前年度の五十億円に対し、三十六億円にとどまっており、東京都に対する交付額も、前年度の約二億六千万円に対し、今年度当初の交付決定額は、約二億二千万円に減額されております。
 そのため、都内の自治体によっては、昨年十二月に調査した交付希望額を下回るなどの影響が出ております。

○米倉委員 国の交付金の減額により都内の区市町村にも影響が出ているということです。
 国は各自治体の自主財源化を促すといいながら、交付金を減らし、交付金の中身も、これまでの消費生活相談体制の整備や、相談員への人件費や処遇改善、相談員のレベルアップのための研修など、消費者行政の土台となる事業への交付金を減らしました。
 都内の市町村でも、消費者行政の担当者は農業や観光などと兼任しているケースも多く、財政力の小さい自治体での消費者行政の後退につながりかねません。
 東京都消費者団体連絡センターが行った都内区市町村の消費者行政担当部署に対する状況調査では、消費生活相談からあっせんした件数は五十三区市町村で七千七百六十八件、九億一千七百万円にも上ります。都民の生活の安全と安心のために重要な役割を果たしています。
 このまま国が消費者行政にかかわる交付金を減額していきますと、都内の消費者教育、啓発活動にかかわる専門人員を確保することが難しくなるなど、消費者行政の後退が懸念されます。成年年齢の引き下げなど新たな課題に対応するためには、消費者行政は一層充実することこそ重要と考えます。東京都はどういう認識なのか、伺います。

○吉村消費生活部長 国による財政支援の縮減は、これまで充実させてきた消費生活相談事業や、消費者被害防止のための啓発、消費者教育などの事業の継続を困難とさせ、地方消費者行政の後退を招く可能性がございます。
 加えて、地方消費者行政においては、民法改正による成年年齢の引き下げ、インターネットやSNSの普及などの社会環境の変化に伴う新たな消費者被害にも対応していく必要がございます。
 このため、都では、国に対して平成二十九年度までと同等以上の財政支援や必要な財源を継続的、安定的に確保するよう要望しております。

○米倉委員 東京都が国に対して昨年度までと同等以上の財政支援や、今後も安定して財源を確保するよう要望していることは重要です。同時に、都としても、さらなる取り組みの拡充をお願いします。
 また、この件については、都議会としても、ぜひ国に意見書を上げることを提案したいと思います。
 最後に、この陳情の趣旨採択を求め、質問を終わります。

○里吉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第三〇号は趣旨採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十九分散会

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