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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第四号

平成二十九年三月十七日(金曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長植木こうじ君
副委員長栗山よしじ君
副委員長里吉 ゆみ君
理事川松真一朗君
理事野上 純子君
理事小宮あんり君
小松 久子君
宮瀬 英治君
石川 良一君
鈴木 錦治君
きたしろ勝彦君
鈴木貫太郎君
古賀 俊昭君
高木 けい君

欠席委員 なし

出席説明員
教育庁教育長中井 敬三君
次長堤  雅史君
教育監伊東  哲君
総務部長早川 剛生君
都立学校教育部長初宿 和夫君
地域教育支援部長粉川 貴司君
指導部長出張 吉訓君
人事部長江藤  巧君
福利厚生部長太田 誠一君
教育政策担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
安部 典子君
教育改革推進担当部長増田 正弘君
特別支援教育推進担当部長浅野 直樹君
指導推進担当部長宇田  剛君
人事企画担当部長鈴木 正一君

本日の会議に付した事件
意見書について
教育庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第三十九号議案 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第四十号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第四十一号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都教育施策大綱について
・ 東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画の策定について
請願の審査
(1)二八第四三号 全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願
(2)二八第四五号の一 東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(3)二八第四八号 特別支援学校の寄宿舎の存続・充実を求めることに関する請願
(4)二八第四九号の一 子どもの貧困対策を求めることに関する請願

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○植木委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十九年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十九年三月十六日
東京都議会議長 川井しげお
文教委員長 植木こうじ殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1)
文教委員会
 第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中 歳出 繰越明許費 債務負担行為 文教委員会所管分

(別紙2省略)

○植木委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願の審査を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び請願の審査を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、教育庁所管分及び第三十九号議案から第四十一号議案まで、報告事項、東京都教育施策大綱について外一件並びに請願二八第四三号、請願二八第四五号の一、請願二八第四八号及び請願二八第四九号の一を一括して議題といたします。
 予算案、付託議案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料及び請願について、理事者の説明を求めます。

○早川総務部長 去る二月二十一日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回要求のございました資料は十一件でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、都立特別支援学校スクールバス予算の推移(平成二十年度から平成二十九年度まで)でございます。
 年度別に、都立特別支援学校のスクールバスの予算額、学校数、コース数をそれぞれ記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、都立特別支援学校におけるスクールバスの配車状況(平成二十八年度)でございます。
 都立特別支援学校のスクールバスの配車台数について、障害種別ごとに学校別に記載してございます。
 三ページをお開き願います。3、公立小・中学校の三十五人学級に必要な教員数及び経費でございます。
 公立小中学校それぞれについて、全学年を三十五人学級にした場合に新たに必要となる教員数及び経費を記載してございます。
 その下、4、教職員の標準法定数と、標準法に根拠を持つ教職員数の都の定数および標準法以外の都の定数(校種別)でございます。
 平成二十九年四月一日に施行予定の法改正が行われた場合における、平成二十九年三月八日時点の教職員の標準法定数と標準法に根拠を持つ都の定数及び標準法以外の都の定数について、校種別に記載してございます。
 四ページをお開き願います。5、都立学校整備費の推移(校種別、工事内訳別)(平成九年度から平成二十九年度まで)でございます。
 都立学校整備費について、平成九年度から平成二十九年度まで年度別にそれぞれ当初予算額を校種別、新設、改修など工事内訳別に記載してございます。
 五ページをお開き願います。6、公立小・中学校児童・生徒の就学援助受給者の推移(平成十八年度から平成二十七年度まで)でございます。
 平成十八年度から平成二十七年度までの年度別にそれぞれ就学援助を受給した児童生徒数及び受給率について、要保護、準要保護別に記載してございます。
 六ページをお開き願います。7、平成二十七年度就学援助(準要保護)認定基準でございます。
 生活保護世帯に準じる準要保護世帯の認定基準について、このページから八ページにかけまして区市町村別に記載してございます。
 恐れ入りますが、九ページをお開き願います。8、中途退学者の理由別内訳(課程別)(平成二十五年度から平成二十七年度まで)でございます。
 平成二十五年度から平成二十七年度までにおいて、このページには都立高校全日制課程について、次のページには都立高校定時制課程について、それぞれ中途退学者数を退学の理由別に記載してございます。
 一一ページをお開き願います。9、都立特別支援学校の保有普通教室の状況(平成二十八年度)でございます。
 都立特別支援学校で保有する普通教室数及びその内数として転用教室数並びに普通教室の間仕切り教室数を障害種別ごとに学校別に記載してございます。
 一二ページをお開き願います。10、都内公立特別支援学校の医療的ケアが必要な幼児・児童・生徒の数(平成十八年度から平成二十七年度まで)でございます。
 医療的ケアが必要な幼児、児童生徒数を年度別、都立、区立別に記載してございます。
 その下、11、都内公立特別支援学校における医療的ケアの子供が通っている学校種別(平成二十七年度)でございます。
 医療的ケアの子供が在籍している都内の公立特別支援学校数を障害種別ごとに記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○初宿都立学校教育部長 請願二八第四三号、全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願、請願二八第四五号の一、東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願、請願二八第四八号、特別支援学校の寄宿舎の存続・充実を求めることに関する請願及び請願二八第四九号の一、子どもの貧困対策を求めることに関する請願の四件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元に配布の文教委員会付託請願審査説明表の一ページをお開き願います。
 請願二八第四三号、全ての子どもに豊かな教育を保障することに関する請願でございます。
 本請願は、国分寺市の子ども・青年の未来を-三多摩子育て・教育問題連絡会代表川上千恵さん外千七百九十九人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1から6まで及び8並びに10から14までの合計十二点でございます。
 まず、1、どの子も大切にする教育を進めるために、一刻も早く三十人学級を実施すること及び2、当面、三十五人学級を小学校一、二年生、中学校一年生以外においても、高校まで全ての学年で実施することでございます。
 現在の状況でございますが、本ページから次ページ上段にかけて記載しておりますとおり、公立小中学校の学級編制及び教職員の配置は、いわゆる標準法に基づき行っております。
 都教育委員会は、国に先駆け、小学校第一、第二学年への加配を実施し、さらに中学校第一学年で三十五人以下の学級編制を可能とするなど、小一問題、中一ギャップの解消に取り組んできております。
 義務教育につきましては、教育の機会均等や教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいため、引き続き国の動向を注視することとしております。
 また、公立高校の一学級の生徒数は、国の基準により四十人を標準としていますが、都におきましては、定時制課程は都単独で三十人とし、また、全日制課程の職業学科は都立高校改革推進計画に基づき三十五人としております。
 続きまして、3、高校就学計画を見直し、希望者(学ぶ意欲のある者)全員が入学できるように改善することでございます。
 現在の状況でございますが、全日制高校の就学計画は、公私連絡協議会におきまして全日制等志望率を参考として九六%を計画進学率とし、公私でそれぞれ受け入れ数を定め、その数に基づき募集人員を適切に定めて募集を行っております。
 次に、4、中学卒業生の増加に見合う高校の増設を行うことでございます。
 現在の状況でございますが、毎年度の就学計画におきまして、公立中学校卒業予定者の増減に応じて募集学級数を定めております。
 次に、5、都立立川、小山台、雪谷及び江北高校の夜間定時制の閉課程の計画を凍結し、存続させることでございます。
 現在の状況でございますが、二ページから三ページ上段にかけて記載しておりますとおり、夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率、生徒の在籍率はともに低下し、また、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の在籍率も減少しております。
 一方、定時制課程には、全日制高校などへの進学希望がかなえられなかった生徒、不登校を経験した生徒、外国人の生徒など多様な生徒が在籍し、教育ニーズも多様化しております。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年二月に策定しました都立高校改革推進計画新実施計画において、生徒や保護者などのニーズの高い昼夜間定時制高校とチャレンジスクールの夜間部の規模拡大やチャレンジスクールの新設を行い、その進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくことといたしました。
 以上のことについて、計画策定後の特段の事情変更はなく、夜間定時制課程をめぐる状況の変化は認められません。
 次に、6、高校の教育費の無償化を実現すること及び8、奨学のための給付金制度を拡充することでございます。
 現在の状況でございますが、国は、平成二十六年度から就学の支援が必要な広範な世帯を対象に、全国の公立高等学校の授業料に適用された就学支援金制度について、都立高等学校において適切に実施しております。
 また、修業年限を超えるなど就学支援金制度の対象とならず、経済的理由で授業料を納付できない生徒には、都独自に授業料を減免しております。
 さらに、国は、平成二十六年度から、低所得世帯の経済的負担の軽減を目的として、教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給する奨学のための給付金制度を設けており、都においてもこの制度を適切に実施するとともに、国に対し同制度の、より一層の充実を図るよう要望を行っているところでございます。
 加えて、高校生等が家庭の経済状況にかかわらずみずからの未来を切り開いていく力を伸長できるよう、都独自の給付型奨学金の支給について平成二十九年度予算案に盛り込んでいるところでございます。
 次に、10、都立特別支援学校の児童生徒増に見合う学校新設、教室増築を行うことでございます。
 現在の状況でございますが、都立特別支援学校における教育環境の整備につきましては、東京都特別支援教育推進計画に基づき、施設の新築や増改築などの対応策を講じながら行ってまいりましたが、施設整備は完成までには長期間を要することなどから、特別教室等を転用した普通教室や間仕切りした普通教室が現在も存在しており、こうした中、平成二十八年第二回都議会定例会において、特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願が採択されました。
 このような状況を踏まえまして、東京都特別支援教育推進計画第二期におきまして、学校の新設や増改築を初めとして、多様な方法を用いて迅速かつ効果的に教育環境の改善を図り、学級数分の普通教室を確保することとしております。
 恐れ入りますが、四ページをお開き願います。11、都立特別支援学校の寄宿舎の廃舎を行わないことでございます。
 現在の状況でございますが、寄宿舎は、通学困難な児童生徒の就学を保障するために設置しているものでございます。これまで特別支援学校の設置やスクールバスの整備を図り、通学困難の解消に努めてきたことにより、寄宿舎への入舎が減少した状況を踏まえ、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画におきまして、十一舎ありました寄宿舎を平成二十八年度末に五舎に再編することとしており、東京都特別支援教育推進計画第二期におきましても、計画どおり五舎に再編することとしております。
 次に、12、都立特別支援学校の設置基準を速やかに設けるよう国に働きかけることでございます。
 現在の状況でございますが、国は、障害種別によって必要な施設、設備が異なり、一律の設置基準の設定は困難と考えており、幼児、児童生徒の教育的ニーズに対応した指導、支援を考慮した施設環境づくりのため、特別支援学校施設整備指針を策定しております。
 そのため、都においても、この施設整備指針に基づき作成した特別支援学校施設整備標準により、施設整備を行っております。
 次に、13、都立特別支援学校の教職員不足を速やかに解消することでございます。
 現在の状況でございますが、教職員数につきましては、いわゆる標準法に基づき都教育委員会が定める学校編制基準により、学級数等に応じて必要な定数を配置しております。
 最後に、14、教科書の選定は、各学校の教職員の意向を尊重することでございます。
 現在の状況でございますが、都立学校で使用する教科書の採択は、いわゆる地教行法に基づき、都教育委員会の権限と責任におきまして学校で使用することが最も適切な教科書を適正かつ公正に採択しております。
 五ページをごらんください。請願二八第四五号の一、東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願でございます。
 本請願は、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表池上東湖さん外二万八千五百六十六人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、全ての子供たちに行き届いた教育を進めるため、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1及び2並びに5から10までの合計八点でございます。
 恐れ入りますが、六ページをお開き願います。まず、1、公立の小学校、中学校及び高校の全学年での三十五人以下学級を早期に実現すること、また、子供たちと直接向き合う教職員をふやすことでございます。
 現在の状況でございますが、本ページ上段に記載しておりますとおり、先ほど請願二八第四三号、1及び2でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 続きまして、2、小学校から高校までの修学旅行費(宿泊行事)、教材費などへの公費負担をふやし、教育の無償化を進めることでございます。
 現在の状況でございますが、義務教育にかかわる費用のうち、公費で負担すべきものは既に無償化されております。小中学校における修学旅行費、学用品費等は受益者負担が原則ですが、経済的理由で負担が困難な保護者には、区市町村教育委員会が必要な援助を行っております。
 また、高等学校における修学旅行費、教材費等は受益者負担としておりますが、費用の上限額の設定、適正な業者選定の実施により負担の軽減に配慮しているところでございます。
 なお、国は、平成二十六年度から低所得世帯の経済的負担の軽減を目的として、教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給する奨学のための給付金制度を設けており、都においてもこの制度を適切に実施するとともに、国に対し、同制度のより一層の充実を図るよう要望を行っております。
 加えて、高校生等が家庭の経済状況にかかわらずみずからの未来を切り開いていく力を伸長できるよう、都独自の給付型奨学金の支給について平成二十九年度予算案に盛り込んでいるところでございます。
 七ページをごらんください。5、障害のある全ての子供たちの教育の充実のため、教職員をふやし、教育条件を整備すること、特に障害児学校の設置基準をつくり、過大、過密を解消することでございます。
 現在の状況でございますが、先ほど請願二八第四三号、10、12及び13でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、6、通常学級に在籍する特別な手だてを必要とする子供たち(障害のある子供、学校に通えない子供、外国人など)を支援する体制を整備すること、また、通級指導学級を維持し、さらに充実させる形で条件整備を行うことでございます。
 現在の状況ですが、本ページから次ページ中段にかけて記載しておりますとおり、通常学級に在籍する障害のある児童生徒への対応につきましては、都内全ての公立学校におきまして、特別支援教育の充実のための校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名、特別支援学校のセンター的機能の活用など、体制の整備を進めてまいりました。
 不登校等の児童生徒に対しましては、学級担任等を中心とした組織的な対応とともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置等の支援を行っております。また、学識経験者等による検討委員会を設置し、教育支援センターのあり方等について検討いたしました。
 外国人児童生徒に対しましては、教科担当者等を中心として、日本語の習得状況に応じた指導を行うとともに、日本語指導ハンドブックの活用を促しており、都立学校では外部人材を活用した事業の補助等を行っております。
 また、公立小学校におきましては、これまで情緒障害等通級指導学級での指導が、児童の在籍校で受けられる特別支援教室を本年度から順次導入しており、平成三十年度までに全ての小学校に導入する予定でございます。
 次に、7、大規模な特別支援学級(三学級以上)を解消するため、区市町村が設置校をふやせるよう、適正規模のガイドラインを示すことでございます。
 現在の状況でございますが、特別支援学級は、区市町村教育委員会がいわゆる標準法に基づき、地域の実情に応じて主体的に編制するとともに、児童生徒数の変化などさまざまな状況を勘案し、計画的に設置に努めております。
 次に、8、希望する全ての子供の高校進学を保障するため、公立、私立の高等学校就学支援計画の計画進学率(現在九六%)を達成することでございます。
 現在の状況でございますが、先ほどの請願二八第四三号、3でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 恐れ入りますが、九ページをごらんください。次に、9、都立小山台、雪谷、江北及び立川高校四校の夜間定時制課程を存続することでございます。
 現在の状況でございますが、先ほど請願二八第四三号、5でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 最後に、10、震度七に耐え得る校舎の整備と非構造部分の耐震化を早急に行うことでございます。
 現在の状況でございますが、公立学校施設の耐震化につきましては、関係法令や文部科学省通知等に基づき実施しており、校舎等につきましては、区市町村立学校では国及び都の補助制度を活用してほぼ完了しており、都立学校では平成二十二年度末までに完了しております。
 非構造部材につきましては、文部科学省通知等を踏まえ、区市町村立学校では国及び都の補助制度を活用して、また、都立学校では体育館等を対象に、それぞれ計画的に耐震対策を進めております。
 恐れ入りますが、一〇ページをお開き願います。請願二八第四八号、特別支援学校の寄宿舎の存続・充実を求めることに関する請願でございます。
 本請願は、葛飾区の東京都寄宿舎連絡会世話人代表高田栄子さん外五千四十九人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、特別支援学校の寄宿舎について、次のことを実現していただきたいというもので、九点ございます。
 一一ページをごらんください。まず、1、これ以上の寄宿舎の統廃合はしないことでございます。
 現在の状況でございますが、先ほど請願二八第四三号、11でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 続きまして、2、通学困難の入舎基準に該当する全特別支援学校児童生徒に寄宿舎の存在を周知することでございます。
 現在の状況でございますが、都教育委員会では、保護者との就学、転学相談や面談の際に、通学手段に関する状況の把握や検討を行っており、通学が困難と認められる場合につきましては、寄宿舎の入舎基準や利用方法に関する説明を行っております。
 次に、3、全都の希望者が入舎できるよう、障害特性を考慮した寄宿舎を新設することでございます。
 現在の状況でございますが、都教育委員会では、それぞれの障害特性に対応できる寄宿舎の再編を進めており、東京都特別支援教育推進計画第二期におきましても寄宿舎の新設は予定しておりません。
 次に、4、統合により、複数障害種を受け入れる寄宿舎については、寄宿舎の要求を十分に聞いて、必要な条件整備をすることでございます。
 現在の状況でございますが、複数の障害部門を併置する寄宿舎につきましては、学校からの意見、要望等も踏まえ、寄宿舎の施設設備の安全性及び機能性等を十分に確保しております。
 次に、5、通学保障として障害の特殊性や家庭の事情を含め、寄宿舎を必要としている全ての児童生徒の入舎を認めることでございます。
 現在の状況でございますが、寄宿舎は、通学困難な児童生徒の就学を保障するために設置しております。できる限り児童生徒が地域や自宅から通学することが望ましいことから、通学に不安があるケースにつきましては、個別の状況を踏まえ、保護者と学校、都教育委員会が十分に話し合い、最も望ましい通学方法等を設定しております。
 恐れ入りますが、一二ページをお開きください。6、希望する全ての児童生徒を受け入れることができるよう、盲学校寄宿舎に在籍する重度重複障害の舎生にも、肢体不自由と同様の加配措置を認めること。また、島しょ生や肢体不自由障害の重度重複化に伴う加配措置に対し、基準を示すことでございます。
 現在の状況でございますが、先ほどもご説明しましたとおり、寄宿舎は通学困難な児童生徒の就学を保障するために設置しており、入舎基準は通学困難に該当する場合に限定しております。また、寄宿舎指導員は、いわゆる標準法に基づき定めた都の配置基準により必要な数を配置しております。
 次に、7、舎生が寄宿舎で毎日安心して生活できるよう、施設設備の点検、改修をすることでございます。
 現在の状況でございますが、寄宿舎につきましては、日々、職員が施設設備の安全性について確認を行っているほか、建築基準法第十二条で定める特殊建築物等定期調査を実施しております。
 また、施設設備の改修につきましては、学校からの意見、要望等も踏まえ、現地調査を行った上で、危険防止、安全確保など優先度の高いものから計画的に実施するとともに、軽微な改修、修繕につきましては、学校と学校経営支援センターとで連携を図り、迅速に対応しております。
 次に、8、寄宿舎設置校に正規職員の栄養士を複数配置することでございます。
 現在の状況でございますが、栄養士の定数は国の基準において一校一人としていることから、都の基準においても一校一人としております。
 最後に、9、就学奨励費の帰省費と通学費の制度を実費支給できるよう、都独自に保護者の制度負担軽減のための措置として制度を改善すること、また、登校日に舎生が安心して通学できるよう、条件整備をすることでございます。
 現在の状況でございますが、都では、国の法令に基づき、特別支援学校への就学のための必要な経費の一部である帰省または通学にかかわる経費を就学奨励費として、障害の程度及び保護者等の経済的負担能力の程度に応じて補助しております。また、付き添いにかかわる経費につきましても、同様に補助しております。
 一三ページをごらんください。最後に、請願二八第四九号の一、子どもの貧困対策を求めることに関する請願でございます。
 本請願は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部会長佐久間千絵さん外二千七百三十三人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は1から7まで及び10から12までの合計十点でございます。
 まず、1、教材費や入学時の学用品等、義務教育は無償にすることでございます。
 現在の状況でございますが、本ページから次ページ上段にかけて記載しておりますが、先ほど請願二八第四五号の1及び2でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 続きまして、2、行き届いた教育を進めるため、小中学校の全学年において三十五人学級を実現することでございます。
 現在の状況でございますが、一四ページ上段に記載しておりますとおり、先ほどの請願二八第四三号の1及び2でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、3、公立小学校、中学校及び高校におけるスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの全校への配置や日数の拡大を実現することでございます。
 現在の状況でございますが、本ページから次ページ上段にかけて記載しておりますとおり、スクールカウンセラーは平成七年度に配置して以降、順次配置の拡大を図ってまいりました。平成二十八年度からは、高等学校の全日制と定時制にそれぞれ配置するとともに、全配置校において年間勤務日数を拡充したところでございます。
 小中学校におけるスクールソーシャルワーカーは、平成二十年度に区市町村教育委員会からの希望を踏まえまして配置して以降、順次配置の拡大を図ってまいりました。平成二十七年度からは、都として、配置を希望する全ての区市町村に対して、申請額の全額を補助できるよう予算を確保しております。
 また、平成二十八年度から、全ての都立学校を対象として、スクールソーシャルワーカーの役割等を担うユースソーシャルワーカーを学校の要請に応じて派遣し、関係機関と連携して生徒への必要な支援を行っております。
 恐れ入りますが、一五ページをごらんください。4、誰もが安心して給食を食べることができるよう、公立小学校及び中学校における給食費の無償または補助を実施することでございます。
 現在の状況でございますが、学校給食法では、学校給食は学校の設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされております。
 公立小中学校における学校給食費は、学校設置者が地域の実情や特性を考慮して決定しており、就学援助を含む保護者負担の軽減策等につきましても、学校設置者の判断により行われております。
 次に、5、中学校において、全員が完全給食を食べることができるよう支援することでございます。
 現在の状況でございますが、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費は、学校給食法の規定により、学校設置者の負担とされています。学校給食施設設備の整備は、学校設置者である区市町村が国の補助制度を活用して行っています。
 次に、6、公立小学校及び中学校における給食の自校方式を実現するための整備補助を実施することでございます。
 現在の状況でございますが、区市町村立小中学校における給食は、学校給食法の規定に基づき、学校設置者である区市町村が実施することとなっています。給食の調理方式は、学校設置者である区市町村が地域の実情に応じて適切に選択すべきものでございます。
 次に、7、公立学校に通う高校生に対し、貧困や家庭環境の実態を把握し、給付型奨学金を制度化することでございます。
 現在の状況でございますが、国は、平成二十六年度から、低所得者世帯の経済的負担の軽減を目的として教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給する奨学のための給付金制度を設けており、都においてもこの制度を適切に実施するとともに、国に対し、同制度の、より一層の充実を図るよう要望を行っているところでございます。
 また、高校生等が家庭の経済状況にかかわらずみずからの未来を切り開いていく力を伸長できるよう、都独自の給付型奨学金の支給について平成二十九年度予算案に盛り込んでいるところでございます。
 なお、高校生等の家庭の経済状況については、国の就学支援金の申請を通じて把握に努めております。
 恐れ入りますが、一六ページをごらんください。10、都立高校における授業料無料の制度を復活することでございます。
 現在の状況でございますが、国は、平成二十六年度から就学の支援が必要な広範な世帯を対象に、全国の公立高等学校の授業料に適用された就学支援金制度について、都立高等学校において適切に実施しております。
 また、修業年限を超えるなど就学支援金制度の対象とならず、経済的理由で授業料を納付できない生徒には、都独自に授業料を減免しております。
 次に、11、定時制高校の削減を中止することでございます。
 現在の状況でございますが、先ほどの請願二八第四三号の5でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 最後に、12、就学援助(入学準備金)の三月前倒しの支援が広がっていることから、区市町村の状況を把握し、どこでも実施できるよう助言すること、また、就学援助基準を切り下げないよう、区市町村に働きかけることでございます。
 現在の状況でございますが、学校教育法第十九条において、経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童または学齢生徒の保護者に対しては、区市町村が必要な援助を与える旨、定められており、新入学児童生徒学用品費等の就学援助については、区市町村教育委員会が必要な援助を行っております。
 また、平成二十五年八月の生活扶助基準の見直しに伴い、就学援助制度に影響が生じることがないよう、都教育委員会は、毎年度国からの通知を受け、区市町村教育委員会に対し、適切に取り扱うよう通知を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 念のため申し上げます。請願二八第四三号、請願二八第四五号の一及び請願二八第四九号の一中、生活文化局所管分に対する質疑は既に終了いたしております。
 それでは、発言を願います。

○小宮委員 東日本大震災から六年がたち、震災への記憶や災害に対する危機意識が希薄になりつつあるといわれる中、今年度、東京都教育委員会は、都立高校生や教員を対象にした被災地における二泊三日の合同防災キャンプを初めて実施しました。
 震災直後は津波のもたらした惨状が連日報道され、多くの人々が被災地に注目をし、現地を訪れたり、さまざまな募金活動が活発に行われるなど、震災をみずからのこととして心を寄せ、東京においても防災意識が高まりましたが、時が過ぎる中で、そうした意識を維持したり、また継承したりすることの難しさという課題に直面しています。
 今回の合同防災キャンプに参加した生徒代表は、小学六年生のときに東日本大震災を経験したそうです。そのときは恐怖で何もできず、先生のいわれるままに避難したと、そして、高校生となった今、周りの大人を頼って逃げるだけではなく、周りにいるお年寄りや小さな子どもたちを支える立場なんだと、そのために自分たちで何ができるかを知りたくて、今回のキャンプに参加したという強い思いを語っています。
 こうした意識の高い生徒はもちろんですが、これからの社会を担う若者たち、高校生に対して防災意識を高めるために、東京都はどのような取り組みを行ってきたか伺います。

○出張指導部長 災害発生時にまず自分の命を守り、次に他者の命を助けるなどの防災意識を高めていくためには、日ごろから過去の震災の経験や防災にかかわる人の姿から学び、主体的に行動しようとする能力や態度を育てていくことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、これまでも全都立高校で一泊二日の宿泊防災訓練を実施するとともに、東京消防庁等と連携し救命講習などに取り組んでまいりました。また、今年度から新たに都立高校生八十人が東日本大震災の被災地を訪れ、漁業、農業等の産業支援など復興にかかわるさまざまなボランティア活動を通して、復興の現状や被災者の思いに直接触れる合同防災キャンプを実施いたしました。

○小宮委員 今だからこそ、被災地を訪れて、大変な思いをされた被災者から直接学んだり感じたりするということは、なかなか得がたい貴重な体験となると思います。
 私もちょうど東京都の広報番組を見まして、この合同防災キャンプの映像、都立校の生徒と被災地の高校生が和やかに、また真剣に交流する場面を拝見しました。
 生徒の感想には、いろんな事情を抱えているだろうけれども、前向きに強く生きている同学年の子ともっと語りたかったとか、被災した人たちと同じように、門脇小学校から裏の高台の避難場所まで駆け上がる、そういう体験をした生徒は、小学生がこうして命を守ったんだという実感、また、仮設住宅はテレビでしか見たことがなかったけれども、実際に見ると意外と狭い、ここで家族で暮らすというのはストレスもたまるし、大変生活しづらいという感想など、改めて自分の身に起こった際に、自分の生活の中で災害にどう備えるべきか、起きたときどうするかということを考え直す、そうしたきっかけになったと思います。
 今年度から実施した合同防災キャンプのこうしたさまざまな成果と、それらをどう普及していくのか伺います。

○出張指導部長 合同防災キャンプで現地の方々と交流した多くの生徒は、東京で大地震が起きたときは、自分が率先して行動したいとの感想を持つなど、防災意識が高まり、参加した生徒全員の防災士資格取得につながっております。また、私たちが周りの人に被災地のことを伝えていきたいとの思いから、学校で本キャンプの報告をするなど、震災の風化を防ぐために高校生としてできることを考え、行動する姿に変容が見られました。
 都教育委員会では、これらの成果について、本年一月に全都立高校の生徒と教員を対象とした合同防災キャンプ報告会を開催するとともに、報告書を作成、配布しまして、全都へ普及いたしました。
 今後とも一泊二日の宿泊防災訓練や合同防災キャンプの充実を図り、生徒の自助、共助の精神を育んでまいります。

○小宮委員 さて、生徒たちへの防災教育の充実として、先ほどのご答弁の中にもありましたが、一泊二日の宿泊防災訓練の実施、これ、私、かねてから、特別支援学校の生徒にこそ実施すべきというふうに申し上げてまいりまして、昨年度は五十七校中二十校、また今年度は五十八校中四十校が実施をいたしまして、来年度からいよいよ全校で実施をしていただくこととなっています。
 こうしたソフト対策も大切ですが、ハード面での特別支援学校への支援も重要です。
 このたび策定された新たな特別支援教育推進計画では、今後の施策として、特別支援学校の施設を充実するとしています。計画では、施設整備標準を改正して、特別支援学校の防災機能を強化すると記載されていますが、東日本大震災や熊本地震を踏まえ、防災対策を強化する必要があると考えます。見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校は、災害時における児童生徒の安全確保のほか、帰宅支援ステーション及び福祉避難所として機能する必要があり、都教育委員会は、校舎、体育館等の構造体の耐震化を計画的に実施してまいりました。
 今後は、非構造部材の耐震化を計画的に進めるとともに、施設整備標準の改正において、マンホールトイレや非常用通信設備の整備、洪水ハザードマップ等を考慮した備蓄倉庫や電気室の設置などを検討し、さらなる防災機能の強化に努めてまいります。

○小宮委員 特別支援学校は福祉避難所にも指定されており、いざというとき、児童生徒だけでなく、災害弱者を受け入れる、そうした避難所となります。さまざまな防災対策をぜひ講じていただきたいと思います。
 さて、特別支援学校の施設の充実強化の必要性は、防災だけにとどまりません。新たな特別支援教育推進計画では、障害のある児童生徒たちの将来の自立と社会参加を見据えて、一人一人の能力と可能性を最大限伸長する教育をさらに推進していくとしています。
 古賀委員とともに、特別支援学校に通うPTAの方、特に肢体不自由児の親御さんからは、以前より水温を適温に保てるプールにしてほしいなど、プールに関する要望をいただいてまいりました。
 プールに入ることで生徒の手足が動きやすくなるといったさまざまな効果もあります。また、日野市にある七生特別支援学校は、知的障害のある小学生、中学生、高校生が通っていますが、特支で唯一、水の深さを調整できる、そうしたプールを備えています。
 昨年三月に示された文部科学省の特別支援学校施設整備指針によれば、プールについて安全性を考慮し、水深を可変とすることも有効というふうにございます。
 特別支援学校は、小学部から高等部までの設置校や複数の障害教育部門をあわせ持つ、そうした学校も多くあり、幅広く対応できる施設整備が必要と考えます。今年度改正する施設整備標準にそうした点を盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校のプールにつきましては、児童生徒の障害の状態や発達段階のほか、設置されている学部や障害教育部門に対応した施設整備が必要でございます。
 今後、特別支援学校においてプール床の昇降装置や加温装置につきまして必要に応じて整備できるよう、施設整備標準の改正について検討してまいります。

○小宮委員 また、二〇二〇年東京大会、特にパラリンピックを盛り上げるために、私はこれまで障害者スポーツの振興のために必要な場の整備については、新たに施設を整備するのではなく、既にある施設の改修や、また特別支援学校を地域の拠点として整備し、地域に対して広く開放するべきだと訴えてまいりました。
 今年度からモデル事業が始まりましたが、どのように特別支援学校の体育施設等の環境整備を行っていくのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 障害者や障害者スポーツ団体が体育施設を利用しやすいよう、各学校の施設状況に応じて体育館内の壁面緩衝材の設置、障害者対応のトイレ及び更衣室の整備、スポーツ種目に対応した用具類の整備などを行ってまいります。
 また、校舎を新築または改築する際には、設計の段階から障害の種別や利用者の動線に配慮した検討を行い、整備を行ってまいります。
 今後も、オリンピック・パラリンピック準備局と連携して障害者スポーツの推進に努めてまいります。

○小宮委員 冒頭伺いました防災教育も大切、施設の充実も大事でございます。また、子供たちを導く教員の勤務環境というものを整備することも重要です。
 特に、以前より小中学校の校長、副校長といった管理職のなり手が不足していることは、教育現場の課題として議会でもたびたび質疑がされてきました。特に学校の内外で業務の集中する副校長の勤務時間の長さというのは、職務を続けることが困難なほど長いという調査報告があるほどです。
 さきの第三回定例会において我が党は、都内公立小学校の副校長を確保する必要性を指摘したところです。学校が抱えるさまざまな課題解決には、学校という組織が一丸となって対応することが求められます。そのためには、学校をマネジメントする教育管理職の存在が欠かせません。
 改めて、教育管理職、特に副校長の確保に向けて東京都教育委員会が行ってきたこれまでの取り組みについて伺います。

○江藤人事部長 今日のさまざまな教育課題を学校が組織的に解決するためには、教育管理職の役割が重要であり、特に、なり手不足が深刻である副校長を担う人材の育成、確保が近々の課題でございます。
 そのため、これまで都教育委員会は、学校管理職育成指針を策定し、教員の学校マネジメント能力の育成を図るとともに、主幹教諭の配置数の拡大や、副校長を補佐する校内組織である経営支援部の設置を促進するなど、副校長の業務負担軽減に向けた取り組みを実施してまいりました。
 また、今年度末退職予定の校長及び副校長のうち意欲ある優秀な人材を積極的に管理職として再任用するとともに、五十歳以上の経験豊富で優秀な主幹教諭を即戦力として副校長に、より多く登用するなどの取り組みにより、来年度の配置に必要な教育管理職を確保したところでございます。

○小宮委員 安定した学校経営の中でなくては、子供たちに充実した教育を行うことはできません。
 先日開かれた都の総合教育会議において、現職の副校長から現場の状況が報告されています。副校長でなくてもよい業務は四割ほどあるとか、経験した人にサポートしてもらえると助かるといった意見が出されたというふうに伺っております。
 来年度については、副校長の欠員が発生することはないというふうに今ご答弁もいただいておりますが、近年の管理職選考の受験状況からすれば、将来、副校長が不足するという事態への懸念は、今なお払拭されていません。
 そこで、副校長の確保に向けた来年度の新たな取り組みについて伺います。

○江藤人事部長 副校長のなり手不足の要因といたしましては、受験資格を持つ教員が年齢構成の谷間によって少ないこと、業務負担が増大し職責が重みを増していることなどが挙げられます。
 これらを解決するため、来年度は、中堅教員向けの管理職選考の受験資格を、現行の主幹教諭層に加え主任教諭層まで広げる制度改正を行うとともに、副校長の管理職手当を引き上げ、職責に見合った処遇に改善してまいります。
 また、各種調査の回答や施設の安全管理業務など副校長業務の一部を担う非常勤職員を配置し、副校長が学校経営や一般教員の指導などに集中できる環境を整えるモデル事業を小中学校十二校で実施いたします。
 今後とも、都教育委員会は、学校のかなめである教育管理職の確保に最善を尽くし、子供たちの学びを支える学校組織の強化、充実に取り組んでまいります。

○小宮委員 土日に行われている地域の防災訓練やイベント、あるいは夜に開かれている町会や商店街などの会合に出ますと、本当に校長先生や副校長先生にお会いするということはたくさんあります。
 子供のために地域が熱心だったり、学校と地域の連携が強いほど、そうした活動、仕事が多くなるというふうに思いますが、安定的に人員を確保することによって、そうした校長や副校長が本当に真に集中すべき仕事というものを選択できる環境、また管理職自身も余裕を持って子供たちへの指導、また学校経営に臨める、そうした環境をぜひ整備していっていただきたいということをお願い申し上げ、質問を終わります。

○野上委員 平成二十九年度の教育庁所管の予算について、たくさん項目がありますので、ぱんぱんぱんぱんといきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 まず最初に、ICT教育について質問をさせていただきます。
 一六ページですね。公立小学校ICT教育環境整備支援事業、五億七千二百八十六万二千円予算がついております。
 国は、教育のIT化に向け目標を示し、ICTの環境整備を進めてまいりました。
 都では、平成二十七年度から、公立小中学校のICT環境整備を促進する目的で、三年間のモデル事業を実施しております。このモデル事業は、区市町村教育委員会が学校においてICT機器の整備を進めるために必要なICT環境整備計画の策定を支援するものと聞いております。
 そこでまず、区市町村教育委員会におけるICT環境整備計画の策定状況についてお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 ICT環境整備計画について、平成二十八年十一月時点で策定済みの区市町村教育委員会は二十五あり、策定に向け検討中が七、策定していないは三十でございます。

○野上委員 この事業は、計画を策定していない区市町村を主な対象としているモデル事業と聞いております。区市町村教育委員会における計画策定について、この支援内容なんですが、具体的な内容についてお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 本事業は、平成二十七年九月から三年間、都内六地区の小中学校十八校を一年ずつモデル校として指定し、タブレットパソコンや電子黒板、ネットワーク機器等を貸し出すとともに、ICT環境導入後、速やかに効果的な授業が可能となりますよう、情報処理の資格を有する支援員を派遣しております。
 また、モデル校での授業実践を通じて区市町村教育委員会が効果的なICT活用のあり方や整備すべき機器等の内容を検討し、整備計画を策定できるよう支援しております。

○野上委員 まだ計画が策定されていない区市町村が三十残っているということでございます。本事業はモデル事業でありまして、平成二十九年度に最終クールである三期目を迎えます。
 計画が策定されていない区市町村教育委員会におきましても、今後、計画策定が行われ、都内の公立小中学校のICT環境を整備していくためにも、都としてどういう支援をしていくのかお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 計画を策定していない区市町村教育委員会に対しまして、モデル事業で得られた成果、具体的には、必要な機器の機能、ネットワーク構成等のICT環境、教科指導におけるICT活用の効果など、計画策定に参考となる項目や内容を提示してまいります。また、学校におけるICTを活用した授業の参考となりますよう、モデル校で取り組まれた実践事例についても教科別、学習形態別にして整理し、順次紹介してまいります。
 このような取り組みにより、区市町村教育委員会における計画策定とともに、ICT環境整備を支援してまいります。

○野上委員 私も予算特別委員会の中でも申し述べたんですけれども、今後、プログラミング教育等の導入が検討されているということでございますので、やっぱり裾野であるそれぞれの学校のレベル基準というものを早急にそろえておくことが大事ではないかというふうに思っております。
 次に、二六ページにございます高等学校給付型奨学金について質問させていただきます。
 これまで我が党が主張をしてきた私立高校の授業料に対する特別奨学金の拡充が、来年度からいよいよ実現をする運びになりました。同時に、都立高校においても来年度から新たな給付型奨学金が創設されます。
 私立高校と違い、既に授業料が実質無償化されている都立高校における給付型奨学金創設の背景や目的についてお伺いいたします。

○初宿都立学校教育部長 我が国の子供の貧困率は一六・三%と、国際的に見ても高い割合であり、家庭の経済状況が子供の進学や学力等に少なからず影響を及ぼしている状況にございます。
 都立高校等におきましても、家庭の経済状況により学校の選択的学習活動への参加をちゅうちょする生徒が存在することから、その経費を保護者にかわり学校が負担することで、家庭の経済状況に左右されることなく生徒みずからが主体的に選択し、挑戦する機会を確保していくことを目的に、新たな給付型奨学金を創設いたしました。

○野上委員 家庭の経済状況が厳しい高校生に対しては、国の制度であります就学のための給付金により支給されておりますけれども、対象が生活保護世帯と非課税世帯であります。小中学校の就学援助に比べて支給対象が非常に厳しくなっております。
 新たな給付型奨学金の支給対象者や金額についてどうなっているのか、また、学校の選択的学習活動に参加する経費への支援とは、具体的にどのような経費に対するものになるのかについてお聞きいたします。

○初宿都立学校教育部長 新たな給付型奨学金では、生活保護受給世帯に準じて支援が必要な家庭までを支援の対象としてございます。
 具体的には、生活保護受給世帯と非課税世帯に対して、これは四人世帯で年収二百五十万円が目安となりますが、この世帯の生徒には年間五万円、年収三百五十万円未満の世帯の生徒には年間三万円を上限に、学校における勉強合宿、語学合宿等への参加費や学習の成果を明らかにする資格試験の受験料等の経費を学校が負担いたします。

○野上委員 独自性の高い私立高校では実現できない、都立高校ならではの仕組みであります。実施には手間がかかりますけれども、この予算を有効に活用していただきたいと思います。この給付金の活用により生徒が積極的に学習活動に参加し、学校も生徒の経済的な制約を気にしないで、多様な学習活動を実現することに期待をしております。
 次に、四一ページでございます。学力向上に向けた支援体制の構築ということで、これは二つの事業、校内寺子屋の実施とゆめナビプロジェクトの実施で、合計で六千百六十六万五千円の予算がついているものでございます。
 都立高校における学力向上について、生徒が目標を持って授業が理解できるように、生徒を支援していくことが必要であると考えますが、新規事業であるゆめナビプロジェクトの目的や内容についてお伺いいたします。

○出張指導部長 ゆめナビプロジェクトでは、生徒一人一人が主体的に学び、確かな学力を身につけ、進路実現を図ることができるようにすることを目的としております。
 都教育委員会は、平成二十九年度から研究校を十校指定いたしまして、生徒の学習の動機づけを行うために、企業やNPOと連携したキャリア教育のプログラムを提供するとともに、教員に授業改善を促すための指導資料を作成、配布するなどいたしまして、学校を支援してまいります。

○野上委員 続きまして四二ページにございます理数教育の推進ということで、理数アカデミー校の取り組みと理数イノベーション校の取り組み、理数研究ラボの取り組みということで、合計で三億千六百五十九万一千円ついている事業でございます。
 都立高校において、理数に興味、関心の高い生徒を、将来の科学技術を支える人材として育成するためには、生徒に最先端の技術を体験させていくことが大切であります。
 そこで、都教育委員会のこれまでの取り組みと、来年度から実施する新規事業の理数研究ラボの目的についてお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会では、これまで富士高校附属中学校を理数アカデミー校に、南多摩中等教育学校、八王子東高校、国分寺高校の三校を理数イノベーション校に指定いたしまして、次代を担う科学技術系人材の素地を育成できるよう支援してきております。
 新規事業の理数研究ラボでは、理数に興味、関心を持つ指定校以外の都立高校の生徒に対しまして、企業や大学等での見学や実験を行う機会を設けまして、理数分野への学習意欲を一層高める契機とすることを目的としております。

○野上委員 この理数研究ラボでは、企業や大学等での見学や実験を行うようですけれども、この実施の規模や具体的な内容についてお伺いいたします。

○出張指導部長 理数研究ラボは、土日などに年間八回程度で実施する通年型と、夏季休業期間に宿泊を伴い実施する集中型の二種類で、合わせて都立高校生百名程度を募集いたします。
 内容につきましては、企業や大学等において高エネルギー加速器に関する研究所などの最先端施設の見学や、iPS細胞を活用した高度な研究を行う大学の研究室での実験などを検討しております。

○野上委員 この理数教育の推進によりまして、理数系の人材をしっかりと育てていけると思っておりますので、頑張っていただければと思います。
 同じく四二ページにあります都立高校における他県交流事業、これは先ほど質問もありましたけれども、合同防災キャンプと高校生元気アップスポーツ交流事業を合わせて一億千六百十三万八千円がついている事業でございます。
 先ほどもあったんですけれども、二泊三日の地域との交流を行った合同防災キャンプの主な活動内容についてお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、昨年八月に都立高校生八十人が東日本大震災の被災地を訪問し、交流活動やボランティア活動などに取り組み、甚大な被害の状況を実感させることで、高い防災意識を持った防災リーダーを育成する合同防災キャンプを実施いたしました。
 交流活動では、宮城県立高校の生徒と命を守る防災行動についてグループで話し合ったり、ボランティア活動では、南三陸町において漁業や農業、林業など、主に地域の産業復興にかかわるさまざまな活動を行い、現地の方々の思いや願いに触れる体験をいたしました。
 また、事前事後研修で防災士養成講座を受講いたしまして、津波発生の仕組みや避難所運営の方法など、防災に関する専門的な知識や技能を習得いたしました。

○野上委員 この合同防災キャンプの成果についてお伺いいたします。

○出張指導部長 合同防災キャンプに参加した生徒八十人全員が防災士の資格を認定され、これから私たちの住む地域で災害が起きたとき、防災のリーダーとして地域の方々を助けたいと感想を持つなど、地域防災の担い手という自覚が養われました。
 また、本年一月には、全都立高校に設置している防災活動支援隊の生徒が集う防災サミットを開催いたしまして、合同防災キャンプに参加した生徒が、報道では伝わってこない現在の被災地の思いや、日常の地域防災の大切さについて発表いたしました。
 今後とも、被災地における体験と防災にかかわる専門的知識の習得を両輪とした防災教育の推進を図ってまいります。

○野上委員 防災士の資格、私も昨年とったんですけれども、結構事前のレポートが大変なんです。すごい厚い本を全部読まなくては回答が書けないという、そうした、試験自体はそんなに難しくはないんですけれども、本当に八十名全員が防災士を取ったということは、すばらしい成果だなというふうに思っております。
 次に、同じく四三ページにございます不登校、中途退学対策、これは公立小中学校等における不登校対策と都立高等学校における不登校、中途対策、合わせて二億四百五十三万五千円の予算がついている事業でございます。
 この中で、校内体制の強化と支援チームの体制の構築ということで、自立支援チームの概要についてまず最初にお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 都教育委員会は、不登校、中途退学対策として、平成二十八年度から、福祉的支援、就労支援の専門的知識や技術を有するユースソーシャルワーカー等から成る自立支援チームを、学校経営支援センターと連携して都立学校に派遣しております。
 自立支援チームは、課題のある生徒を多く抱える都立高校を継続的に訪問し、校長が指名する自立支援担当教員等と連携して福祉的支援や就労支援を行うほか、その他の都立学校に対しましても要請に応じて訪問し、生徒や家庭の課題の解決に取り組んでおります。

○野上委員 今年度実施した、この自立支援チームの具体的な成果についてお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 自立支援チームは、生徒が置かれている状況を把握し、ケース会議や面談等において、専門性を生かした助言を通じて一人一人の状況に応じた課題の解決に取り組んでおります。
 具体的には、都立職業能力開発センターと連携し、職業を身近に考えさせる機会をつくることによって生徒を進路決定に導いた事例や、児童相談所と連携し、家庭環境に課題のある生徒を児童養護施設に入所させ、生徒の生活の不安を解消して登校できるようになった事例などがございます。また、生徒が中途退学した場合であっても、学び直しを支援するNPOやハローワーク等と連携し、高校への再入学や就労に向けた支援を行った事例などがございます。

○野上委員 この自立支援チームによる今後の取り組みについてお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 今年度の取り組みの成果を踏まえまして、今後は学識経験者等の助言を受けながら実践的な事例検討を行うなど、より一層効果的な研修を実施するなどユースソーシャルワーカーの資質のさらなる向上を図ってまいります。
 また、学校の課題対応力を向上させるため、校内研修の場などを活用して、自立支援チームの役割に対する教員の理解を促進してまいります。さらに、都立高校と就労支援機関、福祉、医療関係等で構成する都立高校生進路支援連絡協議会を今年度から三地区に拡大し、相互理解をより一層深め、連携協力体制を強化してまいります。

○野上委員 このかなめとなるユースソーシャルワーカー、何人ぐらい配置していくかというのは今後の課題だと思っておりますけれども、こうした人たちとのチームによって都立学校における不登校、中途退学が少しでもなくなるようにお願いしたいと思っております。
 次に、五二ページにございます地域未来塾、地域教育連携推進事業で地域未来塾の取り組み支援ということで、四億七百八十万五千円ついている事業でございます。
 これについてですけれども、都は、幅広く次の世代の人材を育てるために、いろいろな教育を受けられるような社会を実現していくということがいわれております。誰でもがいつでも希望する教育を受けられるような社会、とりわけ学習のおくれが大きい子供たちに対しては、基礎学力をどのように定着していくかということが大事だと思っております。
 都教育委員会がベーシックドリルというのを開発しておりますけれども、この基礎学力の定着を図るためには、徹底した反復学習の教材としては大変好評でございます。
 そこで、その活用を授業中以外にも広げるなど、小中学校における基礎学力の定着を図る取り組みを一層充実すべきと考えますけれども、見解を求めます。
 さらに、児童生徒の基礎学力の向上を一層充実させていくためには、学校教育での取り組みに加えて、放課後等の時間帯を利用した学習支援を推進することも大切だと考えますので、見解を求めます。

○粉川地域教育支援部長 放課後等で行う事業としまして地域未来塾がございますが、この地域未来塾は、区市町村が地域住民等の協力を得て、学習支援が必要な中学生等を対象に、学習習慣の定着や基礎学力の向上を図ることを目的として、放課後などに実施する取り組みでございます。今年度は十五市において約二百三十校を対象に事業が実施されております。
 都教育委員会は、地域未来塾の取り組みが推進されますよう、区市町村に対して財政支援等を行っております。また、先ほど委員お話のありました東京ベーシックドリル、これにつきましても、この未来塾で活用している事例がございます。

○野上委員 区市町村におけるこの具体的な地域未来塾について、取り組み内容についてお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 区市町村における具体的な取り組みは、地域や学校の実情に応じて対象者、実施場所、実施形式などさまざまであり、原則として希望する児童生徒が参加をしております。
 今年度は、十五区市のうち十四区市が中学生を対象とし、そのうち九区市は小学生も対象としております。実施場所は学校の教室や公民館、教育センターなど学校外の施設を利用している例もございます。実施形式は、個別指導、グループ学習などがあり、使用する教材も学校独自に用意したプリント、先ほどの東京ベーシックドリル、参加者が持参する教材、その他タブレットなどで学習している例もございます。

○野上委員 この事業に対して区市町村ではどのような評価をしているのかお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 本事業を実施しました教育委員会や学校からは、学習に取り組むよい機会になっている、継続的な参加を促すことで学力の底上げにつながっている、集中して黙々と学習する子供の様子は目を見張るほどなどと評価をされております。
 また、参加している児童生徒へのアンケートでは、家でやるより勉強が進む、勉強は得意ではないが楽しみながら進められる、これからも続けてほしいなどの感想が挙げられております。

○野上委員 今後、都教育委員会としてはどのように取り組みを進めていくのかお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 平成二十九年度から新たに実施する意向の区市町村があるほか、既に実施している中で対象学校数の拡大を予定している区市町村もございます。
 都教育委員会は、区市町村に対して多様な実践事例を初め参考となる情報を提供するなど、地域や学校の実態を踏まえた学習支援の取り組みが一層拡充するよう働きかけを行ってまいります。

○野上委員 これは区市町村によってかなり差もつく事業だと思っておりますけれども、都教育委員会が実践事例等を皆様にお伝えしながら、広く取り組まれるように広げていっていただきたいと思っております。
 ここまでが一応予算についてでございまして、ここからはちょっとアトランダムにいろいろな課題について取り上げさせていただきます。
 伊豆諸島を都内の小学校、中学校、高等学校の移動教室やキャンプ場として活用できないかということでございます。
 東京の島は、それぞれの島ごとにすばらしい自然環境、特徴がございます。特産物もあります。例えば八丈島では野球場やサッカー場、キャンプ場などが整備されておりまして、毎年、山梨県や長野県から林間学校としてキャンプ場が利用されております。
 残念なことですけど、都内の学校が移動教室として利用している例が大変少ないのが現状でございます。そこで、都内の小学校、中学校、高等学校の林間学校や体験教室、スポーツ合宿などを、八丈島を初め、伊豆諸島の島々で実施するよう、都教育委員会が積極的に支援すべきと考えますが、具体的な対応策についてお伺いいたします。

○出張指導部長 小中学校におきましては、区市町村等が児童生徒に対し、島でいそ遊びや和太鼓演奏などを体験する機会を提供しております。また、都立高等学校におきましては、部活動合宿や修学旅行等により、今年度、計三十二校、約千二百人の高校生が大島、八丈島などの伊豆諸島や小笠原諸島を訪問しております。
 今後、都教育委員会と区市町村教育委員会との連絡協議会や、校長連絡会等におきまして、これまでの取り組みや成果等につきまして情報提供をするなどしていきまして、東京の島々の魅力を発信してまいります。

○野上委員 次に、AEDの普及について質問させていただきます。
 心臓が停止じゃなくて微細動のときに、電気ショックを行って救急救命ができる、自動体外式除細動器、いわゆるAEDですけれども、昨年末、我が会派の同僚議員、小磯さんなんですけれども、地元の都営住宅の餅つき大会に参加したときに、あるご婦人がその場で急に倒れ、素早く心臓マッサージを行って、救急車内で脈と呼吸が回復したという出来事がございました。後から聞いたところによると、そのご婦人は急性心筋梗塞だったようで、今では無事社会復帰されているということでございます。
 しかし、小磯さんは、必死に心臓マッサージを行いながら、AEDが必要であると周りの市民に声をかけたけれども、その都営住宅には配置していないし、AEDが設置されている近所の高齢者福祉センターも、病院も、休日で、救急車到着まではAEDを使うことはできなかったということで、大変な、大きな問題意識を持ったということでございます。
 昨年十月、AEDの普及効果を検証した研究成果が京都大学健康科学センターの石見拓教授らの研究グループによって学術誌に公表されております。それによると、市民のAED使用により国内九年間で八百三十五人の人たちの命が助かり、社会復帰したと判明しております。また、救命率は、AEDが使われなかった場合と比較して約二倍も上がったとされております。
 一方で、AEDが効果的に使用されないで、心臓が原因で突然死する方が何と年間七万人おられるという実態もございます。心停止は、一分処置がおくれると救命率が一〇%減るとされておりまして、いかに素早くAEDを使えるようにするかが大事です。
 ファーストタッチは、救急隊により救命現場に居合わせた市民の方が早く行うわけで、区民、市民使用のAEDの方が救急隊に比べずっと救命効果が高いことになります。そこで、学校におけるAED操作法を含む救命救急の実施についてお伺いいたします。
 学校における救命救急の教育がもたらす効果ははかり知れないと思います。校内で万が一の事故が発生した場合、教員や児童生徒らにより、迅速な対応が期待できるほか、子供たちに救急救命の知識が広がることで、大半が自宅で発生するといわれている心停止に対処できる可能性が高まります。また、倒れた人、困っている人に積極的に声をかける、無関心に通り過ぎないといった基本的な態度を身につける効果も期待されます。
 特に学校の体育活動中における事故については、さまざまな場面で発生しております。体育の授業や部活動における事故をなくしていかなければならないと思います。ちなみに、スポーツ中の事故といえば、これまでの東京マラソンでは、これはAEDをちゃんと用意していたので、心停止七例中七例が救命できております。効果が発揮されております。
 東京都教育委員会では、児童生徒の突然死の災害の予防のために、都立学校の教職員に対してAEDを含めた心肺蘇生法の実技講習を行っております。また、都立学校では、防災宿泊訓練で生徒がAEDの講習を受けております。
 都教育庁として、これまでこの心肺蘇生法実技講習の受講やAEDの講習を積極的に推進してきたと伺っておりますが、その現状と、さらに今後は部活動の外部指導員なども実施すべきであると考えます。都の見解を求めます。

○初宿都立学校教育部長 これまで都教育委員会は、児童生徒等の生命の安全を確保するため、全ての都立学校にAEDを設置するとともに、教職員に対してAEDの操作方法を含む救命実技講習を実施しております。
 一方、文部科学省は、教員の勤務軽減等の観点から外部指導員の配置を促進するため、平成二十九年三月十四日付で法令を改正し、部活動の指導や単独で引率等を行うことができる外部指導員の名称で職務等を法令上に位置づけ、四月一日から施行することとしております。
 こうした国の動向等を踏まえ、今後、救命実技講習の対象者を都立学校の部活動の外部指導員にも広げ、活動時や生徒引率時に事故が発生した際の安全対策の一つとして、AEDの操作方法を身につけさせてまいります。

○野上委員 ぜひそういう……(「野上先生も消防団員でしょう。やってやってよ」と呼ぶ者あり)はい、やっています、日ごろから子供たちに教えております。
 特別支援学校における医療的ケア児への支援についてお伺いいたします。
 これまで、肢体不自由児以外の特別支援学校では、医療的ケアを実施するための体制がなかなか整備されていなかったため、保護者に付き添いと学校での医療的ケアの実施を依頼しておりました。さきの第四回定例会の一般質問で我が党の目黒区の斉藤やすひろ議員の質問に対して、肢体不自由児以外の特別支援学校にも医療的ケアを実施する非常勤看護師を配置し、医療的ケアの実施に向けた検討をするとの答弁がございました。
 そこで、平成二十九年度以降の肢体不自由特別支援学校以外の都立特別支援学校での医療的ケアを実施するための体制整備についての取り組みをお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 近年、医療技術の進歩等に伴って高度な新生児医療が可能になっており、重篤な状態は改善したものの、退院後も経管栄養やたんの吸引などの医療的ケアを必要とするケースが増加しております。そのため、肢体不自由特別支援学校以外の特別支援学校にも、医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍する状況になっております。
 今後は、肢体不自由特別支援学校で培ってきた医療的ケアの実施体制を参考にして、医学的見地や医療安全の確保の観点から、専門家の助言を受けながら、対象となる児童生徒が在籍している全ての特別支援学校で非常勤看護師を配置し、安全かつ適切な実施が可能な体制を整備してまいります。

○野上委員 最後です、最後。発達障害支援における教育機関と地域の専門的支援機関との連携について質問をいたします。
 昨年四月に障害者差別解消法が施行されて、支援が必要な公立学校の児童生徒に対しても合理的配慮の提供が求められております。例えば、小中学校の通常の学級において、障害による学習上の困難を軽減するためにタブレットパソコンの使用が求められ、それに対し周囲の子供がうらやましがるなどの反応が出てくることも予想されます。
 合理的な配慮の推進のためには、個別の配慮を受けることで発達障害のある児童生徒が特別視されないようにするため、周囲の児童生徒が障害に対する理解を深めるとともに、互いを思いやることができる学級づくりが大切であります。
 そこでまず、発達障害のある児童生徒が安心して学校生活を送るための工夫について見解を求めます。

○浅野特別支援教育推進担当部長 発達障害のある児童生徒が安心して学校生活を送るためには、教員が発達障害に対する正しい理解と認識を深め、人権感覚を磨くことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、発達障害の理解に関する指導資料や人権教育プログラムを全公立学校の教員に配布し、各学校における校内研修を促すなどの取り組みを進めてまいりました。また、今年度、公立小中学校六校を指定し、発達障害のある児童生徒を含め、全ての児童生徒にわかりやすい授業や、互いに認め合い、安心して学べる学級づくりの研究を行いました。
 今後、研究成果の普及にあわせ、研究指定校六校において児童生徒の相互理解が一層促進されるよう、区市教育委員会と連携し、都の指導主事の派遣等により学級経営の充実に向けた指導、助言を行ってまいります。

○野上委員 発達障害のある児童生徒が合理的な配慮を得て実力を発揮し、公立学校に入学できる環境整備も大切であります。そのために我が党は、都立学校の入学選考においてICT機器の活用を認めるよう環境整備を求めてきたところであります。現在の取り組みの進捗について見解を求めます。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都立高校の入学者選抜では、これまでも中学校長等の申請に基づき、障害のある受検者に対して検査時間の延長、問題用紙や解答用紙の拡大、補聴器等の持ち込みなどの特別措置を認めてまいりました。
 そうした中、平成二十五年度選抜以降は、ICT機器を用いた受検を希望する申請が十件ございました。いずれも障害の特性からタブレットパソコンなどをふだんの授業等において使用している生徒であり、受検の際もICT機器の使用が不可欠であることを確認した上で、公正な受検となるよう十分留意し、使用を認めてまいりました。
 今年度は、ICT機器が使用できることについて募集案内等に新たに明記し、一層の周知を図ってまいりました。今後とも、全ての志願者に対し入学者選抜の機会が公平に確保されるよう適切に対応してまいります。

○野上委員 発達障害については、早期に発見し継続的に指導等を行うことで、社会に適用しやすくなるということがいわれておりますから、幼稚園とか保育所といった就学前教育から小学校への情報の引き継ぎを充実させることが重要であります。見解を求めます。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、これまで就学前機関から小学校への引き継ぎのため、就学前機関における児童保育の様子などを小学校に引き継ぐ就学支援シートの活用を通して、児童一人一人に対する一貫性のある継続した指導、支援の充実に取り組んでまいりました。
 具体的には、早期支援及び早期連携モデル事業を三年間実施し、就学前に保護者と小学校教員に加え、必要に応じて就学前機関の職員が同席して子供の情報を共有する場を設置することなどにより、円滑な移行支援が可能となるといった成果を得ることができ、先月、区市町村担当者向け報告会を実施いたしました。
 今後、幼稚園、保育所等の教職員を対象とした報告会を実施するなどして、情報の引き継ぎの充実を図ってまいります。

○野上委員 この発達障害は、環境変化によって新たな症状が発症するケースもあります。発達障害を抱える生徒の将来の自立と社会参加に向けて、ライフステージが変わっても関係機関とのかかわりが途切れることなく、本人や保護者への支援に関する必要な情報を引き継いでいくことが重要であると考えますけれども、見解を求めます。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、就学前から学校卒業後までの各段階において、指導、支援の情報が円滑に引き継がれ、継続した支援等を受けられることが重要であることから、学校生活支援シートなどを活用して支援に必要な情報の学校間や関係機関での引き継ぎを進めてまいりました。
 現在、こうした連携が一層進むよう、学校生活支援シートに基づく連携ガイドラインを作成しているところでございます。
 今後は、支援の引き継ぎに関する好事例を収集し、学校現場に紹介していくとともに、広く都民を対象としたシンポジウムなどを通じて保護者の協力のもとに支援を引き継ぐことの重要性について理解を求めてまいります。

○石川委員 本委員会では初めての質疑ということになります。今まで委員会の中で議論されたことと重なることもあるかと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。
 何点か質問させていただきます。
 まず、校庭芝生化についてお伺いをいたします。
 ご存じのように、東京都は、教育環境の一層の充実のため、都内全公立小中学校の校庭等の芝生化を平成十九年度から推進してきております。教育上の目的としましては、学校に芝生のスペースを設置することで児童生徒の日常的な運動量が増加をし、たくましく健康な体を育むことができるだけでなく、理科教育、環境教育面での観察などを通じて、体験的な学びの機会が増加をするとしております。
 また、芝生の活用と維持管理作業を通じて、幅広い世代との交流により子供の社会性が身につくようになり、地域と学校とのきずなが深まり、地域の力を取り込んだ学校の活性化につながるとしております。
 また、地球温暖化対策の一環として、学校の校庭の緑化や屋上緑化、壁面緑化によってヒートアイランド現象を少しでも和らげることができるわけでありまして、また、緑の景観を拡大することも、特に都会で生活をする人々にとっては潤いを与えることにも通じるわけであります。
 そこで、校庭芝生化補助事業の現状についてまずお伺いをいたします。

○粉川地域教育支援部長 平成二十八年度までに校庭芝生化を実施した公立小中学校は四百九十五校でございます。
 芝生化の効果として学校からは、雨が降った後、芝生化する前より早く校庭を使用でき、子供たちの外遊びの時間がふえた、また、地域の人とともに行う芝生の補植作業等を通じて、学校と地域とのつながりが深まったなどの声が寄せられております。
 一方で、養生期間中の校庭の使用制限や維持管理の担い手となる人材の確保などの課題があり、校庭芝生化に踏み切れないとの指摘もございます。

○石川委員 緑の学び舎づくりの事業補助といたしましては、基本的には補助対象芝生化面積二百五十平方メートル以上で、当初の芝生化のための投資は都が負担をする仕組みとなっております。また、芝生の拡張に対する同一学校の二回目の事業も補助対象として、ランニングコストに係る区市町村の費用負担は対象経費の二分の一となっており、屋上や壁面緑化も補助対象となっているわけであります。
 知事は、さまざまな事業全体のPDCAサイクルを強化することを既に表明しているわけであります。来年度で十年という節目を迎えるわけでありまして、校庭芝生化事業の事業効果などを明確にしていく必要があるというふうに思っております。学校芝生化事業の評価を実施する必要があると考えますが、考え方を伺います。

○粉川地域教育支援部長 都教育委員会では、これまで、区市町村教育委員会や学校へのヒアリング等を通じて校庭芝生化における課題を把握し、維持管理経費の補助対象期間を延長するなど対応してまいりました。
 平成二十九年度予算では、さらにこれらの意見を反映し、芝生のすり切れや消失等の課題に対応し、補植作業を補助対象とするなど、維持管理の充実を図る内容としております。
 今後とも区市町村教育委員会と連携し、学校の置かれた現状や芝生化の意向などを踏まえ、校庭芝生化に取り組んでまいります。

○石川委員 都内の学校全体でまだ二五%の普及率でありまして、また、財政状況や自治体や学校の施策の優先順位で、取り組みたくても取り組めないというような学校もあるわけでございます。また、生態系が豊かであればあるほど雑草の種類もふえるわけであります。ですから、雑草を校庭芝生化に取り込むというような鳥取方式などもございまして、多摩地域などはその地域に合った方式を推進していただきたいと思います。
 何といいましても、学校を中心として地域力、コミュニティ力の活用と育成のためにも、今後、目標数値を設定し、学校芝生化を引き続き推進していただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、英語村についてお伺いいたします。
 外国語、特に英語は中学、高校と六年間学習し、さらに大学に進む数年、人によっては十年間学習する時代が長く続いてきたわけであります。
 しかし、読み書きの能力に比べて会話力が身につかないということが大きな欠点として指摘をされており、今はその反省から、会話力を中心にコミュニケーション能力を身につけさせる教育の必要性が強く求められてきました。
 特に二十一世紀に入って、今まで以上に人、物、お金が自由に世界を動く国際化時代を迎え、グローバル人材へと成長していくためには、単に読む、書く、聞く、話すの英語力にとどまらず、英語を使って積極的にコミュニケーションしようとする態度や、日本人としてのアイデンティティー、豊かな国際感覚などを身につけることが必要でございます。こうしたことを児童生徒が習得していくには、座学の授業だけでなく、体験や実践を効果的に活用することが重要であります。
 こうしたことから、民間においては、国内にいながら、外国とほぼ同様な環境をつくり、その中で英語学習を行う英語村が注目をされております。施設内では、外国生活を疑似体験し、自分の英語力を知るとともに、英会話になれ親しむよい機会になり、その後の学習意欲向上の契機になるなど、高い評価がなされております。
 しかし、都内の多くの児童生徒が利用できる状況にはないわけであります。東京都は、東京版英語村構想を打ち出し、動き始めたところでございます。東京都教育委員会は、英語村の開設に向けてタイムスケジュール等、今後どのように進めていくのかお伺いいたします。

○宇田指導推進担当部長 都教育委員会は、教室での授業に加え、児童生徒が英語を使用する楽しさや必要性を体感し、英語学習への意欲を向上することができるよう、仮称英語村の開設に向けて整備を進めております。この英語村の整備、運営に当たりましては、都による財政支援のもと、民間事業者が事業主体として独立採算により行うこととし、本年四月からプログラム開発や施設改修等、具体的な準備を開始いたします。
 また、英語村の候補につきましては、四月に都内各地区の教育委員や公立学校長等が一堂に集う教育施策連絡協議会で概要説明を行い、以降、詳細な内容について、各教育長会や校長連絡会等で情報を提供するなどして、学校における利用の機運を高めながら、平成三十年九月に開業いたします。

○石川委員 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会開催まで三年半となり、グローバル人材育成の取り組みは都の喫緊の課題でもあります。世界一の都市東京の将来を支えるのは--今の児童生徒が手軽に利用できる英語村の実現は、この課題の前進に大きく貢献をするものと考えております。まさに二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを見据えての英語村構想といえるわけでもあります。
 同時に、二〇一九年ラグビーワールドカップが我が国で開催をされるわけであります。ボランティアの育成を初めワールドカップとオリンピック・パラリンピックを一続きのものとして、国際化に向けての対応力を育成していくわけであります。英語村の活用も、このワールドカップをも視野に入れながら、プログラムを組んではいかがかと思うわけであります。
 都議会のラグビーワールドカップ成功議員連盟の総会にも、アンバサダーとして大畑選手なども参加をしておりまして、ラグビー協会からも英語教育を通じてラグビーを普及させることなど、しっかりと協力をしていただけるものと思っております。
 二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に向けて、英語村における体験活動を充実させていくべきと考えますが、都教育委員会の所見を伺います。

○宇田指導推進担当部長 二〇一九年のラグビーワールドカップを初め、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックといった国際的なイベントは、訪日外国人の増加を促すことになり、児童生徒が英語を使って多様な国際交流を行う絶好の機会となります。
 こうした国際的なイベントと関連のある体験プログラムを英語村でも提供することにより、開催に向けた機運が醸成され、児童生徒の英語力向上との相乗効果が期待できるよう、今後、英語村を整備、運営する民間事業者とともに検討をしてまいります。

○石川委員 事業そのものは民間事業者に委ねられるわけでありますけれども、しっかりと位置づけをしていただきたいと思います。
 ラグビーワールドカップは、オリンピック・パラリンピックよりも長期に、しかも全国の会場で展開をされるわけであります。また、ラグビーそのものが英国で生まれ、英連邦を中心に競技が拡大をしていったスポーツでもございます。
 一昨年、私もラグビーワールドカップ・イングランド大会視察に参加をさせていただきました。会場で多くの外国人サポーターと交流することもできました。この世界イベントをぜひ英語村運営のターゲットとして取り込んでいただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、郷土教育についてお伺いいたします。
 社会経済のグローバル化が急速に進展するこれからの国際社会において、今後とも日本が発展をし、世界の人々から信頼され尊敬されるには、自国の歴史、伝統文化、そして郷土を知ることが極めて重要であることは論をまたないわけであります。
 このようなことから、東京都教育委員会では、公共の精神や伝統と文化の尊重、我が国と郷土を愛する態度の育成を図るため、平成十七年度から全国に先駆けて日本の伝統文化理解教育を実施しております。また、平成十八年度には、都立学校では東京都独自の学校設定教科、科目、日本の伝統文化を開設するためのカリキュラム及び教材集を作成し、平成十九年度から実施をしております。さらに、平成二十年十二月には日本の伝統文化理解教育の一層の理解と推進を図るために、指導資料、日本の伝統文化理解教育の推進を作成し、都内公立学校の全ての先生方に配布をしたところであります。
 日本の伝統文化について学ぶ機会の充実を図り、郷土に対する理解や愛情を深める教育を推進するためには、発達段階の早い時期から児童生徒の実態に応じて系統的、計画的な指導を実施することが特に重要でございます。そこで、東京都の小中学校において、児童生徒は郷土についてどのように学んでいるのか、現状について伺います。

○出張指導部長 現在、都内の公立小中学校では、学習指導要領に基づき社会科や生活科、道徳、総合的な学習の時間などさまざまな授業において、児童生徒が郷土に関する学習活動を行っております。
 こうした授業において児童生徒は、教科書や資料集、各地区の教育委員会が作成した副読本等から知識を学ぶことに加え、地域の博物館や郷土資料館で実際に展示を見たり、学芸員の説明を聞いたりするなどして、郷土の歴史や文化等に直接触れながら理解を深めております。

○石川委員 児童生徒にとって生活に密着して郷土を知る教育が重要でございます。児童生徒たちの日常とも密接に関連したリサイクルのシステムや技術を知ることは、社会の仕組みや地域の歴史を学ぶ上でも有用であります。
 社会にとって必要な財を生産するための原料から製品が生産され、それが市場に供給され、消費され、廃棄物として自治体等によって収集、運搬、保管、処理され、さらに、リサイクルされたり、最終処分されたりと、生産から消費、そして、廃棄、あるいはリサイクルされる過程を学習することは、民間企業、消費者、行政組織がどのような役割を担っていることかを知ることができる、まさに生きた教材でもございます。
 環境への負荷を科学技術の進歩によって減らしていくという問題意識を醸成することもできるわけであります。そして、地域社会を知り、その課題に参加し、学び、その学習を科学技術や社会システムのイノベーションにつなげていくということにもつながり、まさに郷土と地域と環境と技術と政治の結びつきを学ぶ機会ともなるわけであります。
 郷土について学ぶ教育を通じて児童生徒の環境保護への関心を高め、ごみ処理やリサイクル活動などの具体的な行動につなげるための小中学校の取り組みについてお伺いいたします。

○出張指導部長 小学校の生活科では、例えば、まちを探検し、身近な人々と触れ合ったり、地域の公園などの施設を訪ねたりする活動や、身近な自然の変化や植物の成長の様子を観察する活動等を通して、児童が地域のよさや自然のすばらしさに気づき、地域や自然を大切にする心や態度を育んでおります。
 また、多くの小中学校の総合的な学習の時間では、地域の環境問題について児童生徒が身近な生活の中から課題を見つけた後、学校や地域のごみの量を調べたり、ごみを減らす活動を地域の人々とともに行ったりすることを通しまして、環境保護やリサイクルの大切さについて体験的に学ぶ取り組みを行っております。

○石川委員 児童生徒も異常気象の発生についてはみずからの体験で学ぶことができ、また、メディア等からの情報によっても地球環境問題の全体を知ることができ、地域の緑の減少など、地域の変化によって環境問題に対する関心が高まっているわけであります。
 また、自分が住んでいる郷土ではどのような環境問題を抱えているのか、グローバルな視点とローカルな視点の両眼で環境問題に対して敏感にもなっているわけであります。
 都教育委員会の指導方針にあるように、国際化が進めば進むほど、自分の国の歴史や伝統を知ることが国際人としての、当然身につけなければならない素養といえます。
 同時に、自分が生まれ育った、あるいは今住んでいる郷土、地域の歴史や文化を知ることが必須といえるわけであります。例えば、身近な税の問題を地域の税務署や納税貯蓄組合などが中心となって税の作文コンテストなどを実施することによって、中学生が身近に税について学ぶ教育なども取り入れられているわけであります。
 そこで、小中学校の環境教育を推進するために、都教育委員会の今後の取り組みについて伺います。

○出張指導部長 都教育委員会は、児童生徒が環境保全への理解を深め、環境に配慮した行動ができるようにするため、来年度から新たに3Rや地球温暖化などをテーマとした環境教育に関する掲示用教材を作成し、全公立学校に配布してまいります。
 また、各学校が掲示用教材を授業等のさまざまな場面で活用できるよう、教員用の指導資料や児童生徒用のワークシート等を提供するとともに、区市町村教育委員会の担当者を対象とした説明会を実施するなどいたしまして、環境教育の推進を図ってまいります。

○石川委員 来年度から新たにポスターなどの掲示用教材を活用できるようにしたり、またワークシート等を提供するということで、大いに期待をしております。
 例えば、ごみの分別の仕方一つとっても、自治体によって違いがあるわけです。リサイクルの歴史、そして自治体の歴史を知ることになるわけで、環境教育、特にごみ処理とリサイクルについて知ることは、身近に、しかも生活に密着した郷土の歴史を知ることになり、また自治体によってかなり差があるわけで、そういった差を知っていくことも、さらに郷土に対する理解や知識を深めていくことにつながっていくわけでありますし、また、自治体の政治の部分についても関心を深めていくことになるだろうというふうに思っております。さらに充実に努めていただきたいと思います。
 次に、教職員の働き方の問題について伺います。
 都民ファーストでつくる新しい東京二〇二〇実行プランの中で、東京都は、企業におけるライフワークバランスの実践に役立つ情報の発信や取り組みを進める上で、役立つプログラムなどで普及啓発を図ってきた。また、長時間労働の削減や休暇取得の促進など、働き方や休み方の改革を支援してきた。特に都は通勤時間や労働時間が長く、帰宅時間も全国で最も遅く、家事、子育ての担い手の偏り、介護需要の増加など、ライフワークバランスの実践に向けて多くの課題があると指摘をしているわけであります。
 教職員の世界も当然この対象になるわけであります。都立学校において、教員の勤務実態の把握について伺います。

○鈴木人事企画担当部長 都教育委員会では、服務監督権を持つ都立学校においては、毎年度、校長に対し勤務時間の適正な割り振りと運用に万全を期すよう通知書を発出し、校長がこれに基づき勤務実態の適切な把握、管理に努めております。
 しかしながら、教員の職務は個々の自発性、創造性に期待する面が大きいため、教員一人一人の勤務実態を正確に把握することは困難でございます。そのため、国や都におきましても、一定期間を区切り教員へのヒアリング調査を行ってきたところでございます。

○石川委員 先日、九日の総合教育会議では、小中学校の校長、副校長のなり手が不足をしていることから、現職の副校長からヒアリングを行ったわけであります。先進国の中でも日本の教員は世界一忙しいといわれ、校内管理業務を行う副校長はPTAとの連携など、学校内外の業務が山積をしております。
 私なども地域のイベントに参加をしているわけでありますけれども、先ほど小宮理事からも指摘があったわけでありますけれども、校長や副校長を初め、関係する教職員の参加はここ十年ほどでかなり増加してきているということを実感して、特に日曜日、祝日、あるいはまた夜間等も地域行事に参加する姿を拝見して、これはなかなか大変だなというふうに思わざるを得ないわけであります。
 今回、知事は、二〇〇六年、自殺をした西東京市の新任女性教諭の両親が起こしていた地方公務員災害補償基金を相手取った訴訟で、自殺は公務が原因という東京高裁判決に対しまして、上告をしないということを決定したわけであります。この決定は英断であり、この決定を支持するものであります。
 校内の支援体制が問題であったという指摘がなされているわけでありますが、今回の問題では、亡くなられた先生の勤務実態について客観的に把握がされていたのかどうか、この点について伺います。

○江藤人事部長 都教育委員会では、毎年四月に学校状況調査を行うとともに、五月から七月にかけて各区市町村教育委員会を訪問し、小中学校教員についての状況把握等に努めております。
 本件の教員につきましては、亡くなられた後、生活指導についての悩みを抱えていたといった報告を受けておりますが、学校状況調査や当該市教育委員会の訪問時において具体的な勤務実態については把握しておりませんでした。

○石川委員 今の答弁にありましたように、教員の働き方の実態がつかめていないというのが実情なわけであります。
 平成二十七年度の包括外部監査報告書でも、教職員の退校時間の把握の必要があるとの指摘がされております。そして、教職員の中には、ライフワークバランスがとれずに、心身の健康に悪い影響を及ぼしている可能性があると指摘もしているわけであります。また、教職員の客観的な勤務実態等を事後的に確認することが難しいという状況にあるとしております。包括外部監査の指摘のとおりなわけであります。
 まず、勤務実態を把握する上で、勤務時間をしっかり把握する必要があります。包括外部監査の意見も踏まえた上で、都教育委員会としてどのように対応していくのか伺います。

○鈴木人事企画担当部長 平成二十七年度の包括外部監査でいただいた意見を踏まえ、都立学校においては、来年度、職員団体や関係部局との協議の上、IDカードを活用し、在校時間を把握するシステムを導入してまいります。

○石川委員 しっかりまず都教委において早期に実現をしていただきたいと思います。
 また、区市町村と問題を共有することが必要なわけであります。区市町村立小中学校に勤務する県費負担教職員に対する服務の監督は、法令の定めにより、区市町村教育委員会が行うことになっております。
 都教育委員会は、県費負担職員の勤務時間、勤務条件などは技術的な基準を定め、区市町村教育委員会に通知し、校長、副校長が適正に管理をするというふうな位置づけになっているわけであります。
 しかし、公務災害の裁判は、都知事が地方公務員災害補償基金の支部長ということで、知事が訴えられていたわけであります。知事が所管をする総合教育会議に、教職員にはタイムカード、これはIDでもタイムカードでも技術的な問題ですからいいんですけれども、タイムカード等を使って正確に勤務を記録することが行われていないということを報告し、協議案件として議論することを、教育長、ぜひ提案していただきたいと思いますけれども、見解を伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 三月九日に行われました総合教育会議では、教育管理職の確保について意見が行われました。都教育委員会としましては、総合教育会議の議論を通じまして、一般教員の働き方も含めた見直しが今後取り組むべき課題であるという認識を知事と共有したところでございます。
 今後、都内公立学校における働き方の見直しを進めてまいりたいと考えております。

○石川委員 情報は共有をされたということでありますけれども、いずれにしろ、この内容については、区市町村は区市町村の教育委員会の中でどう扱うのかという、こういう位置づけになっているわけでありまして、やはり都全体としてこの問題をどうしていくのかということについて、しっかりと総合教育会議等との、いわば政治とのかかわりも含めて、私は議論する必要があるんではないかなというふうに思いますけれども、重ねて教育長に伺います。

○中井教育長 先ほど担当部長からもお話をさせていただきましたとおり、三月九日の総合教育会議で副校長のなり手不足の話、そして、これとあわせて、一般教員の働き方の改革が必要であるといった議論もされたわけでございます。現状の認識、そして、これからの方向性について、そういう面では知事と思いを共有したというふうに私どもは考えております。
 これからは、その実行に向けての取り組みを東京都教育委員会としてしっかりと具体化していくということだと思っております。
 先ほど、IDカードによる勤務時間の管理について、都立学校においては実施に向けて関係するところと今協議をしております。こういった形で具体化が進んでいきますので、そういった過程の中で、区市町村の教育委員会、小中学校についても都教育委員会として働きかけは当然していくことになるということで、前に向いてしっかりと取り組みを進めていきたいというふうに思っております。

○石川委員 常識的に考えれば、先生方は、いわゆる残業手当がない、これは今はもう、それはそれなりに、そうではないというふうに思っている人も多いかもしれませんが、これは我々の世界では一応常識の範囲に入るかと思いますけれども、タイムカードもしっかりと、出勤して、そして帰るときがきちっと記録をされていないということについては、多分これはやはり、ちょっと常識から外れているんじゃないかな、私はこういう判断をするところでございます。
 そして、そのことについては、都立等々含めて、都の教育委員会の中については、今、教育長が発言をされたような方向で当然整理をされるわけでありますけれども、やはり東京都全体、さまざまな区市町村含めて教育委員会があるわけですけれども、その中でやはりこの問題についてはきちっと方向性を出していく。その先頭にやはり教育長には立っていただきたい、このことを改めて求めておきたいと思います。
 特に、我が国の学校現場では、自己肯定感がある児童生徒が諸外国と比べて極端に小さく、教師でいることに満足感のある教員の現状を改善していくためには、まず教員の働き方の実態を明らかにし、負担を小さくできるものは実行し、結果として子供も教師も保護者も満足感を高められるよう、現実的な改善が求められることを指摘しておきたいと思います。
 いずれにしろ、教員もライフワークバランスの施策を徹底させる対象であるということを申し上げ、また、そのための改善を求めておきたいと思います。
 最後に、東京都教育施策大綱について伺います。
 東京都教育施策大綱は、東京都の教育施策の根本方針を定めるものであり、総合教育会議において知事と教育委員会との協議を経て、知事が策定するものと位置づけられております。
 大綱では、世界で活躍できる人材の育成という項目の中で、生きた英語を学ぶ環境の充実、伝統と文化を重んじる日本人としての自覚と誇りを涵養する取り組み、子供たちの国際感覚を醸成する取り組み、国際色豊かな教育環境を整備し、多様な価値観を理解し、豊かな教養と世界で活躍できる語学力を備えた人材を育成する都立学校を設置するとしております。
 教育にはモデルが必要というふうにいわれております。最近は、個人主義的な傾向がますます強くなってきているといわれております。自分のことだけではなくて、人を思いやり、集団をまとめていくリーダーが必要なわけであります。リーダーの育成について都教育委員会はどのような教育を推進していこうとしているのか、お伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今般策定されました教育施策大綱には、目指すべき子供の姿として、グローバル化の進展の中でたくましく生き抜く人間が掲げられております。
 都教育委員会では、これを踏まえまして、子供たちに生きる基盤となる力を確実に身につけさせるとともに、積極的にコミュニケーションを図る態度や、柔軟な思考に基づいた新たな価値を創造する能力などを育成する教育を推進してまいります。
 具体的には、都立高校において実践的な英語を身につけさせ、国際社会で活躍するグローバルリーダーを育成する東京グローバル10の取り組みを着実に推進するとともに、平成二十九年度からは、知的探求力や想像力などを身につけさせる知的探究イノベーター事業などを新たに進めていくこととしております。

○石川委員 東京都教育委員会は、グローバル人材の育成を目指して、将来さまざまな分野で活躍し、日本や東京の未来を担うリーダーの育成の取り組みとして、平成二十四年度から都立高校生を対象とした海外留学支援事業である次世代リーダー育成事業をスタートさせております。そして、終了後に知事と交流する機会なども持たれて、その意気込みが伝わってくるわけであります。こういった海外文化体験は、大きな刺激となってリーダー育成に寄与するといえるわけであります。
 ただ、どうしても語学研修を中心とした適用型の事業という限界もあります。ですから、それだけでなく、生徒自身が目標を設定し、学校集団をまとめ、目標を達成するために生徒同士が調和を図りながら努力をするプログラムが求められます。そういった日常的体験の積み重ねも重要で、学校、地域、日本、そして世界を引っ張っていくリーダーを育成していくことにつながっていくといえるわけであります。
 都教育委員会は、毎年度、すぐれた活動を行った都立、公立学校に在学をしている児童生徒等を表彰していることは、私も卒業式などにも参加をしておりますので、承知はしているところでございます。ぜひこういった表彰に、リーダーとして活躍した児童生徒を一層評価し、表彰することでリーダー育成の一助となる取り組みを推進していただくことを表明し、また求めておきたいと思います。
 最後の質問に移ります。
 大綱の中で、社会的自立に必要な力を育む教育の推進が位置づけられております。その中では、人権教育、道徳教育、キャリア教育が挙げられております。
 そこで、大綱ではどのような考え方で社会に出るための準備が位置づけられているのか伺います。また、今起きている、一、二年で会社などを退社してしまう傾向に歯どめをかけることも学校に求められる使命と考えますが、大綱に基づき、都教育委員会は高校においてどのような教育を推進しようとしているかお伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 教育施策大綱には、子供たちが社会とのつながりを自覚することが必要であるとの認識のもと、子供たちの社会的自立のため、自分らしい生き方を実現するキャリア教育を推進し、職業の基礎的な知識や仕事に向かう意欲、態度などを育む教育を充実する方針が示されております。
 こうした大綱の考え方を踏まえ、都教育委員会では、今年度から人間としてのあり方や生き方を考える都独自教科、人間と社会を全都立高校において実施するとともに、平成二十九年度から基礎学力の定着を重視する都立高校において、生徒の進路実現に努力しようとする意欲を喚起するゆめナビプロジェクトを実施するなど、社会の中で自立して生きていく力を育成する教育を推進してまいります。

○石川委員 入社後、一、二年でやめてしまう一番の理由は、休暇や休日に関することと調査でも明らかにされております。このことは、就職前に、就職先の情報が十分に把握をされていなかったり、あるいはまた、情報が間違っていたりというような可能性もあるわけでございます。まさにライフワークバランスを考えたときに、イロハのイに当たる問題といえるわけであります。キャリア教育や進路指導の中で就職に向けた準備を十分に行う取り組みを求めておきたいと思います。
 また、あわせて、学校での体験と異なる、現実社会の価値観の違いをしっかりと理解をするための準備というものも求められるのではないかと思います。学校では、やはり一人一人を育成するということですけれども、企業等々に入っていけば、その企業のためにどれだけ使命を果たせるのかということで価値観がかなり変わっていく。そういったことに対する心の準備、考え方の転換ということもやはり当然必要なわけでありますけれども、なかなかこれがし切れない。自分中心で社会にそのまま出ていってしまって、結果として挫折をするというようなケースも非常に多いわけでありまして、こういった準備もしっかりと今後実施していただきたい。このことを求めて質問を終わります。

○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時三十七分開議

○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○里吉委員 まず、資料をご用意いただきありがとうございます。
 本日は、四件、四十五項目の請願が出されております。この全て私も請願項目に賛成するものですが、全て質疑することはできません。今回は、都立高校の増設と子供の貧困について質疑を行いたいと思います。その後、さまざまな角度から特別支援学校の教育について、最後に、教員の多忙化について質疑を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それではまず、都立高校の増設について伺います。
 都教委は、かつて都立高校過剰時代がやってくるとキャンペーンを張り、大規模な統廃合を行いました。これは平成九年策定の都立高校改革推進計画の推計、平成九年、九万一千人から、平成二十三年には七万人になるという推計でしたが、実際には七万四千八百三十一人だったわけですが、この計画に基づいて大幅に高校数を減らしたために、今、都教育委員会が都立高校の基準と、標準としていた十八学級を大幅に超える都立高校がふえ続けております。
 さらに、学校の教室数に合わせて、一つの学校で、昨年は九クラス、三百六十人募集したが、ことしは八クラス分、三百二十人の募集など、端から見ると場当たり的、綱渡り的とも見えるような対応が続いております。
 そこでまず、改めて伺いますが、都立高校の学級規模は一学年六学級、十八学級が基準という考えでよろしいか確認いたします。

○初宿都立学校教育部長 これまで、平成十四年度に策定しました都立高校改革推進計画、新たな実施計画により、都立高校の学級数の規模については毎年度の就学計画に基づき、一校当たり三学年、合計で十八学級を基本とし、それぞれの学校の状況に応じ、最大二十四学級程度で調整し、各学校において適切に受け入れを行っております。

○里吉委員 基本は十八学級で、最大でも一学年八学級、二十四学級程度ということですが、それでは現在、一学年八学級以上の都立高校は何校あるのか、さらに、一学年でも九学級になっている学校は何校あるのかお答えください。

○初宿都立学校教育部長 平成二十八年度の全日制課程の高校百七十三校のうち、一学年八学級以上、三学年合計で二十四学級以上の学校は三十九校、うち一学年でも九学級、三学年合計で二十五学級以上の学校は十三校でございます。

○里吉委員 今お答えいただきましたように、全日制課程の高校百七十三校のうち、既に最大の二十四学級以上の学校が二割を超えているということなんですね。
 現在、普通教室をふやしている高校は、いろいろな工夫をされていると思いますが、習熟度別の授業を行うクラスやさまざまな選択授業を行う教室が不足しているのではないか、こういう話も聞きますけれども、現状について伺います。

○初宿都立学校教育部長 学級増を行う際には、学校の施設や運営の状況等を確認し、建物竣工時に普通教室として整備されていたものの、現在は空き教室や稼働率の低い教室となっているほか、準備室などとして使用されている部屋等を普通教室として利用しております。
 展開授業や自習に必要な部屋の確保については、講義室や特別教室など座学による講義が可能な教室を利用することとし、必要に応じて施設の改修工事も実施し、教育環境など学校の運営に支障がないように適切に対応してございます。

○里吉委員 学校でもいろいろ工夫して、現在、何とか授業に影響が出ないようにしているというご説明だと思うんですが、昨年十月の教育委員会の議論の中でも、部長は、現在の学校はいっぱいいっぱいの状況であり、ふえていく子供たちを何とか受け入れられないかという中で普通教室を設けているが、学校全体のキャパシティーがある中で、ぎりぎり対応できるものを年度ごとに対応している。だから、この学校はこの学年九学級、この学年八学級、こういうことも起きているというご説明をなさっておりました。本当、そういう状況だと思うんですね。
 これに対していろんな議論があったんですけれども、ある教育委員からは、学年縦割りの行事などやるときには、学年ごとのクラスがでこぼこではやりにくいのではないか、クラス数は固定した方がいいのではないかという意見も出されておりました。
 ここ数年は少し中学校の卒業生数、減少いたしますが、その後、二〇二一年からは急増する。そして、都立高校改革推進計画、最新のものによれば、今後の中学卒業生数は、二〇一六年七万九千六百七十七人から二〇二八年には八万五千三十六人に、五千三百五十九人増というふうに見込まれております。現在の公私の割合、私立高校に何割、都立高校に何割と毎年決めていらっしゃいますけれども、仮に現在の割合でいくと、都立高校は何クラスふやす計算になるのか伺います。

○初宿都立学校教育部長 仮に試算を行いますと、平成二十八年度と平成四十年度の都内公立中学校卒業予定者数を比較した場合における増加分、五千三百五十九人について、現在の就学計画に基づき都立高校で受け入れる人数と学級数を計算した場合には、約二千九百人、約七十三学級となります。
 なお、都教育委員会は、これまでも学ぶ意欲と熱意のある生徒を確実に受け入れていくため、毎年度、都内の公立中学校卒業予定者のうち都立高校及び都内私立高校で受け入れる人数を定めた就学計画を私学側と協議の上、策定してございます。

○里吉委員 仮に今のままの割合でいくと、都立高校は、その年になると二〇二八年には今と比べて七十三クラスふえるということです。一校十八クラスで一学年は六学級ですから、これを基準と考えれば約十二校分の高校が新たに必要ということになります。
 新実施計画では二校分の新設計画がありますが、残り十校についても、十校つくるのかどうかという議論はあると思いますが、さらに計画的に都立高校はふやしていくべきだと考えますが、都教委の見解を伺います。

○初宿都立学校教育部長 現在、毎年度の就学計画に基づき、一校当たり三学年、合計で十八学級を基本として、それぞれの学校の状況に応じて、最小十二学級から最大二十四学級程度で調整し、各学校において適切に受け入れを行っております。
 今後とも、教育人口等推計に基づく都内公立中学校卒業予定者数の中長期的な動向等を踏まえ、二校の新設とあわせて、さまざまな対策を検討してまいります。

○里吉委員 さまざまな対策を検討ということですが、最初に申し上げましたように、かつての都教委の大規模な都立高校統廃合で、私は、やはり都立高校を減らし過ぎてしまったということは、しっかりと都教委の皆さんに認識していただく必要があると思います。
 そして、私立に行きたい子は私立で学ぶ、都立で学びたい子は都立で学ぶ、その環境を都教育委員会としてしっかり確保する、そのために都立高校をしっかり整備していく、新たな高校を建設していく、このこともしっかり今から、七十三クラス必要というのは十年後ですから、今から早急に計画を検討していただきたい。請願にもありますように、ぜひ都立高校を計画的に新たに増設することを強く要望しておきます。
 次に、子どもの貧困対策を求めることに関する請願について幾つか質問を行ってまいります。
 ここでは特に、子供の貧困が大きな社会問題となっている中で、特に給食や就学援助やさまざまな分野で、教育の現場で、貧困を抱えている子供たちに対してどういう支援ができるのか具体的な提案が行われております。
 都教育委員会も、子供の生活実態調査中間まとめがこの間出されましたけれども、さまざまな角度から子供の生活の実態を今調査しているところだと思います。
 そこでまずお伺いしますが、都教育委員会として、家庭の状況にかかわらず全ての子供たちの学ぶ権利を保障していくこと、これが重要だと思いますが、都教委の見解を伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 全ての子供たちが家庭の経済状況に左右されることなく学び続け、希望の進路を目指す学力を身につけることができる環境をつくることが重要でありますことから、これまでも全ての子供たちに基礎、基本を確実に習得させるとともに、一人一人の子供に応じたきめ細かな教育を推進してまいりました。
 今後とも、子供たちが生きる基盤となる力を身につけ、社会的に自立できるよう、こうした取り組みを推進してまいります。

○里吉委員 それで、学校の中で子供の貧困対策をどう支援していくかというときに、大きな問題で就学援助の、ここの請願にもあります入学準備金の問題と給食費について取り上げたいと思います。
 まず、小中学生の就学援助は大変重要だと思いますが、ここについての都教委の認識を伺いたいと思います。また、東京都での受給率は、小学校、中学校で要保護、準要保護、それぞれどの程度か、あわせて伺います。

○粉川地域教育支援部長 就学援助は、学校教育法において、経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して、区市町村が必要な援助を与える旨、定められており、区市町村がその権限と責任において適切に実施するものでございます。
 平成二十七年度における都内公立小中学校の全児童生徒数に占める就学援助を受給した世帯の児童生徒数の割合は、要保護が一・八%、準要保護が一八・五%でございます。

○里吉委員 本来、無償であるべき義務教育が現在無償でない中で、さまざまな私費負担がかかっております。低所得家庭の子供が学校に通うために本当に重要なものが、この就学援助だと思います。
 実際に学校に払っている教材費に対しては、この就学援助では足りていませんから、もっと増額が必要でありますけれども、少なくともこの就学援助があるから学校に通えているということもいえるというふうに思います。
 それで、請願にある入学準備費用についてなんですけれども、ここは解決しなければならない問題が二点、長く指摘され続けてきました。一つは、金額が入学準備に必要な金額に全く足りない、かけ離れているということ、もう一点が、入学準備金といいながら、支払われるのが入学した後の夏以降だということです。遅過ぎるのです。
 ようやく全国的に入学準備費用の支給をこれまでより早め、入学前の、ちょうど今の時期、三月などに支給する自治体がふえてまいりました。この都内でもふえているわけですけれども、来年度は都内でどこの自治体が入学前に入学準備金の支給を行うか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。

○粉川地域教育支援部長 区市町村のうち、平成二十九年度の新入学児童生徒学用品費を入学前に支給することについて、幾つかの区市で実施する予定と聞いております。

○里吉委員 幾つかの自治体ということですが、私、新聞報道などで調べましたけれども、私の地元の世田谷区を初め板橋区、港区、新宿区、文京区、豊島区、武蔵野市、ここは中学校一年生の入学準備金を前倒しで、八王子市は小学校一年生と中学校一年生の両方、入学準備金を入学前に支給実施ということだそうです。
 この入学準備費用の支給時期が前倒しになっていることのきっかけとして、国の通知があるといわれているんですが、この国の通知にはどのように書いてあるか伺います。

○粉川地域教育支援部長 国からの通知文には、要保護者への支給は年度の当初から開始し、支給する費目について、児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給することができるよう十分配慮することとあり、特に新入学児童生徒学用品費等について記載されております。

○里吉委員 わざわざ必要な時期に間に合うようにというふうに通知を出しているわけですね。これはやはり子供の貧困が大きな社会問題になる中で、せっかく出している入学準備金が、実際には、ランドセルを買ったり制服を買うときに間に合わないということでは役に立たない、そのために、もしかしたらローンで、サラ金で借金しなくちゃいけないかもしれない、こういうことのないように、前倒しで必要なときに払うということだと思うんですね。
 この国の通知は区市町村教育委員会に出されているわけですが、これを東京都教育委員会に就学援助が適切に実施されるように指導することを求めているというふうに思うんです。この趣旨に照らして、ぜひ区市町村の取り組み、今、都内でこう進んでいるところがあるわけですから、これを情報提供することを初め、どの区市町村でも子供たちによりよい制度として充実できるような支援をすべきだと思いますが、都教委がきちんとイニシアチブを発揮するべきだと思いますが、都の見解を伺います。

○粉川地域教育支援部長 就学援助は、学校教育法により区市町村にその実施が義務づけられており、区市町村がその権限と責任において適切に実施するものでございます。
 なお、都教育委員会は、毎年度、国からの通知を受け、区市町村教育委員会に対し、要保護者に係る就学援助制度を適切に実施するよう指導しております。さらに、平成二十五年八月の生活扶助基準の見直しに伴い、準要保護に係る就学援助制度に影響が及ばないよう取り扱う旨、通知をしております。

○里吉委員 通知をするときに、いろいろきちんと実施するように、適切に実施するように通知をしているというお答えだったと思うんですが、実際に入学準備金の支払いは、例えば中学校の場合、中学校で就学援助の申請を出して受理されてから払っていた、そういうことで夏以降になっていたわけです。
 世田谷区の担当者の方に昔、聞いたんですけれども、まだ実施する前、実施が発表される前に聞いたんですけれども、中学校一年生で就学援助を受けている世帯は、ほぼ小学校のときにも就学援助を受けているので、その流れで小学校六年生の卒業間際の三月に前倒しができるということがわかった、そうすればうまくいくんだと。実際に、ほかの自治体に問い合わせて、いろいろ担当者に聞いて、よし、できそうだということで決断したということを伺いました。
 ですから、東京都として、実際に小学校でも中学校でも入学準備金を前倒しで支払っている自治体があるわけですから、どうやって実務を行っているのかなど、そういう情報をしっかりとほかの自治体に伝えていただいて、そのことによって、加速度的に一気にこの前倒しを進めていただきたいというふうに思います。ぜひこれは検討していただきたいということを要望しておきます。
 次に、国は、二〇一七年度より、要保護世帯に対する就学援助のうち、この入学準備金の補助単価を引き上げました。小学校は二万四百七十円から四万六百円に、中学校は二万三千五百五十円から四万七千四百円、それぞれ約二倍に引き上げているわけです。
 準要保護世帯への補助は区市町村の判断になりますが、六人に一人が貧困といわれている中で、先ほどお話しいただいたように、今、就学援助を受けている数、ほとんどが準要保護なんですね。一八・五%が準要保護、要保護は一・八%ですから、実際に国が補助単価を二倍に引き上げても、区市町村が準要保護にこれを適用しなければ、実際には子供たちの今の状態を改善することができないわけです。
 いろいろ電話で担当者に聞いてみました。すると、区部では、準要保護家庭の入学準備費の単価増が財調の算定基準に見込まれていないことを引き上げない理由にしているところが幾つかあったんですね。一方、都の総務局に聞きましたところ、これは一般論ですけれども、一般論として、多くの二十三区が引き上げる状況にならないと算定基準には反映されない、こういうふうにいっているわけです。
 こうなると、いつ引き上げられるのかというのはなかなか難しい。本当は区市町村がきちんと判断すればいいんですけれども、そのためにも都教委として準要保護の児童生徒への入学準備費用が増額されるように、区市町村や総務局と協議するなど、ぜひ都教育委員会がイニシアチブを発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

○粉川地域教育支援部長 繰り返しになりますが、就学援助は学校教育法により区市町村にその実施が義務づけられております。したがいまして、新入学児童生徒学用品費などの就学援助費目の単価につきましては、区市町村がその権限と責任において判断するものでございます。

○里吉委員 それはそのとおりなんですけれども、だからこそ、お金はこの問題でいうと東京都はかからないわけですね。協議してくれといっているだけですから。
 ここでぜひイニシアチブを発揮してほしいということを今お願いしたわけですけれども、なかなか前向きな答弁はありませんでしたけれども、私は、今これだけ子供の貧困が社会問題になっている中で、就学援助をもっと充実する区市町村へは、じゃあ、東京都も財政、出しましょう。これぐらいのことは検討してもいい時期に来ているんじゃないかと思うわけです。こういうことについてはどのようにお考えでしょうか。見解を伺います。

○粉川地域教育支援部長 就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律の改正時に、準要保護者に対する就学援助については地方の実情に応じた取り組みに委ねることが適切であるとの国の判断により、平成十七年度から国庫補助が廃止され、区市町村へ税源移譲されております。
 このため、都教育委員会は区市町村に対して財政支援を行うなどの対応は考えておりません。

○里吉委員 結局、国が国庫補助をなくしてしまって、お金に色はついていませんから、税源移譲された後、平成十七年、この後、準要保護の枠がちっちゃくなっている自治体も実際にはたくさんあるわけですよね。
 私は、国が本当に子供の貧困対策に取り組むというのであれば、ここを復活してもらうこともぜひ求めるべきだと思います。
 しかし、この貧困対策、東京都としても何らかの対策をとらなければいけないというふうに思うのであれば、直接重要な支援となる就学援助、都がもっとかかわるべきだと思うんですね。今すぐできることは、財政支援、難しいということであれば、ぜひ区市町村がきちんと、要保護が入学準備金二倍になるわけですから、それに合わせて準要保護の方々の子供たちの入学準備金が二倍になるように、しかるべき働きかけをさまざまなところに都教育委員会として、していただきたいということを強く申し上げておきます。
 次に、学校給食について伺います。
 請願には、中学校において全員が完全給食を食べることができるよう支援することというふうにあります。一部、三多摩にはデリバリー方式で中学校給食を実施している自治体もあります。そこでは注文方式であるため、注文しなければ給食は来ません。菓子パンやおにぎりだけの生徒、全く食べない生徒、そういう子も生まれるわけです。そうではなくて、全員が食べられるようにしてほしいということだというふうに思うんですね。
 そこでまず、現在デリバリー方式の給食の自治体は幾つあるのか、自治体名もわかればお答えいただきたいと思います。

○粉川地域教育支援部長 平成二十八年度、外部調理委託方式により配送される弁当給食か、自宅から持参する弁当かを生徒が選択できる方式を採用しているのは六市、八王子市、立川市、町田市、東村山市、国分寺市、東久留米市でございます。

○里吉委員 学校給食は、その目標として、学校給食法第二条の第一項に、適切な栄養の摂取による健康の維持増進を図ることというふうに掲げております。
 学校給食を実施しているのにもかかわらず、それを食べることなく、菓子パンを食べている、まして何も食べない生徒がいるということは、この適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図れているとはいえないのではないかと考えますが、都教委の見解を伺います。

○粉川地域教育支援部長 学校給食の実施方法に関しましては、給食実施者である区市町村が地域の実情を考慮の上、決定しております。

○里吉委員 区市町村の責任でやっているということですよね。学校給食法実施基準第二条では、学校給食は、当該学校に在学するすべての児童又は生徒に対し実施されるものとする、こういうふうにされています。この趣旨に照らせば、注文した生徒だけでなく、生徒全員に給食を提供できることが望ましいというふうには考えるんですが、そこについての見解はいかがでしょうか。

○粉川地域教育支援部長 繰り返しになりますが、学校給食の実施方法に関しましては、給食実施者である区市町村が地域の実情を考慮の上、決定をしております。
 なお、外部調理委託方式を導入しているある市では、長年の経過を踏まえるとともに、毎年アンケートを行い、現状や課題を把握するなど地域の特性を踏まえ実施している例もございます。

○里吉委員 私もデリバリー方式のある自治体の給食を食べたことありますけれども、今、喫食率が低いということもあって、温かくして出すとか、いろいろ工夫して喫食率を上げるように努力している、そういう努力もされているのは見ております。
 しかし、実際には、菓子パンだけの子がいる、何も食べていない子がいる、こういう実態も学校現場の先生から聞いております。
 いろいろ決めるのは区市町村だということですけれども、全員食べるのが望ましいということぐらいは都教育委員会の見解としていえるんじゃないかというふうに思うんですが、ちょっとここは残念ですね。
 私は先ほどの就学援助のときにもいいましたけれども、ここも区市町村で、例えば葛飾区では三人目のお子さんですか、給食費の減免制度があったり、全国的には、理由はさまざまですけれども、給食費に自治体が支援をする、そういう動きが広がっております。
 そこで、子供の貧困対策という面も含めて給食費引き下げや補助を区市町村が行った場合、ここに東京都が食材費を補助する、こういうことも検討するときに来ているのではないかというふうに思いますが、見解を伺います。

○粉川地域教育支援部長 就学援助を含む保護者負担の軽減等につきましては、学校設置者である区市町村の判断により行われております。
 なお、区市町村では、経済的な理由で昼食がとれない生徒が生じることのないよう、援助が必要な方に対しましては、就学援助制度の活用に努めるなどの対応をしているものと認識しております。

○里吉委員 区市町村の対応に任せるということで、都教育委員会としてはまるでノータッチというように私には聞こえたんですけれども、都教育委員会は、ちょっと話、性格は違うかもしれませんけれども、学力テストの実施など予算もつけて区市町村の小中学校にいろいろおろしていますよね。私はこれはやめるべきだという主張を持っていますけれども、そういうことよりも、今、子供の貧困に対して東京都としてもっと思い切った手だてをとるべきときに来ているというふうに思います。
 実際に、そこが唯一の大事な栄養源になっている子供もいるというふうにいわれている中で、三多摩では中学校給食が本当にまだ不十分なところが残されている。これを東京都は知らないよということではないと思うんですけれども、実質何も対策がとれないというのでは、なかなかこれは問題解決できないのではないかなと思います。
 そこで、ちょっと金額、伺いたいんですが、都内自治体の給食費、平均額、これは一年間ですが、幾らになるでしょうか。小学校低学年、中学年、高学年、中学とそれぞれ伺います。

○粉川地域教育支援部長 平成二十八年度、一食当たりの平均単価に年間給食予定回数を掛け合わせて算出した年額給食費は、小学校低学年で約四万六千円、小学校中学年で約四万九千円、小学校高学年で約五万二千円、中学校で約五万八千円でございます。

○里吉委員 先ほどご説明にもありましたように、給食費は就学援助の対象になっておりますから、それが受けられている家庭はそこの中から払っていると思います。しかし、国庫補助が廃止されて、準要保護が切り下げられているんですね。そのために、以前だったら準要保護を受けられたような低所得のご家庭でも受けられない、こういう家庭がある。そういう低所得家庭にとっては、この金額は大変大きな負担になっているということも申し添えたいと思います。
 この問題にかかわって、一つ、都内のある自治体の中学校で給食費を滞納していたら高校には推薦しない旨が書かれたプリントが配布されて、関係者に衝撃を与えています。本来、給食費の問題は学校と保護者との関係の話であり、生徒は関係ないはずです。なぜ生徒が不利益をこうむらなければならないのか。こうした推薦の基準は不適切であると考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

○出張指導部長 都教育委員会は、現在、該当の中学校を管理する地区教育委員会に対し調査を行っているところでございます。

○里吉委員 しっかりと調査をしていただきたいと思います。子供の不利益となるようなことのないように対応していただきたいと思います。
 子供の貧困対策を推進するに当たって、一般的にスティグマを生まない、差別、選別にならないようにする、そういうやり方を考えるということが、子供食堂だとかいろいろなところで取り組まれております。この考え方はとても重要だと思うんですけれども、都教委もこういうやり方で子供の貧困対策を推進していただきたいと思うんですが、都教育委員会の見解を伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 誰もが安心して学び、その力を伸ばせる教育の実現は重要であります。
 小中学校では、放課後の補習等における学習支援など、基礎、基本を確実に習得させる取り組みを推進するとともに、さまざまな教育課題に対しましてはスクールソーシャルワーカー等の専門人材を活用し、福祉などの関係機関との連携を図るなどの取り組みを行っております。
 今後とも区市町村教育委員会と連携してこうした取り組みを支援し、一人一人の子供に応じたきめ細やかな教育を推進してまいります。

○里吉委員 なかなか塾に行けない、そして学校でも勉強についていけない、そういうお子さんに対して、放課後の補習など、今、都教委が取り組んでいること、自治体の中にそういう無料塾みたいなものが広がっていることや、また、福祉の部門になるのかもしれませんが、子供食堂、こういうものも広がっていることは大いに進めていただきたいと思いますが、これ、今私が話してきた就学援助、給食費も含めて、これは本当に貧困家庭について現金で、そのお金がないと学校に払えないということで、直接的に困るものなんですね。こういう経済的な支援、都教育委員会として踏み出すべきだというふうに思います。実際には、ここが一番直接的に大きな支援になるというふうに思います。
 貧困と格差の拡大で中間層が疲弊しており、低所得に限らず、幅広い階層の負担軽減を行うことが階層間の対立を避け、子育て世代を励まし、子供たちが健やかに成長することにつながると思います。
 憲法の義務教育無償の原則をいかに実現するか。文部科学省の子供の学習実態調査によれば、公立小学校の給食費を含めた学校教育にかかるお金は年間十万二千円、公立中学校では十六万七千円です。ここから考えても、給食費を無償化すれば、学校に係る私費負担の三分の一から半分近くが解消できるわけです。さまざまな観点から給食費の無償化、または負担軽減を行うことは意義があり、ぜひ都としても支援していただきたい、こういう方向に足を踏み出していただきたいということを強く要望し、次の質問に行きます。
 次は、特別支援教育、特別支援学校の問題で何点かお伺いをしていきます。
 特別支援学校の進路指導、特に企業就労について、まず伺いたいと思います。
 新しく発表されました東京都特別支援教育推進計画第二期、第一次実施計画ですが、ここには、特別支援学校高等部生徒及び知的障害特別支援学校高等部生徒のそれぞれの企業就労率の目標が政策目標として掲げてあります。
 現状は、特別支援学校全体では四一・二%を平成三十八年度には五〇%以上に、知的障害のみでは、現状四六・四%を五五%以上にというものです。この目標を設定した理由について伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 新たな特別支援教育推進計画では、知的障害特別支援学校の企業就労率の目標値を、企業への就労を目指す生徒を入学の対象とする就業技術科及び職能開発科の生徒が企業就労の進路希望を実現していくことを想定して、五五%以上と設定いたしました。
 特別支援学校全体では、知的障害特別支援学校の目標値五五%以上に連動して、五〇%以上と設定いたしました。

○里吉委員 軽度の障害を持つ生徒が就労を希望して、今、大変人気がある企業就労を目的にそういう学校に入ってくる、そういう人数がふえるだろうということで、これぐらい上がるだろうということで設定したということだと思うんですね。
 実際は、そういう学校はほぼ九割以上就労すると思うんですが、実際、特別支援学校高等部卒業した生徒の進路はどういうものかということで伺いたいんです。進学とか、企業就労、またはさまざまな福祉のところに行く方もいると思います。自立支援とか自立訓練、生活介助、そういう福祉の作業所のようなところに行くお子さんもいらっしゃる。自宅にいらっしゃる、そういうお子さんもいると思います。どういったところにどれぐらいの卒業生が進路として選んでいるのか、実態について伺いたいと思います。

○出張指導部長 平成二十七年度全都立特別支援学校高等部卒業生の平成二十八年五月一日現在における進路先の割合は、進学者は三・二%、就業者は四一・二%、就労移行支援事業の利用者は八・〇%、就労継続支援事業A型の利用者は一・〇%、就労継続支援事業B型の利用者は一七・一%、自立訓練、生活介護の利用者は二三・三%、在家庭者は三・一%、その他は三・一%となっております。

○里吉委員 先ほどご説明で、就業技術科とか職能開発科、こういうところを設定したことで、今、四一・二%という数字が就業者として上がっていましたけれども、これが上がるということがいわれておりましたけれども、私はそれはそれで大事なことだと思いますし、ぜひ就労できるように学校全体で応援するのは当然だと思いますし、頑張っていただきたいと思うんですが、企業就労が本人も親も希望していたとしても難しい方というのもいると思うんですね。
 例えば二年間の移行支援、今、八%というふうになっていましたけれども、ここに行った方が、ここできちんと準備をした方がスムーズに就労できる生徒もいるのではないかというふうに思います。目標にこだわると数追いになってしまうのではないか。少し頑張って就労した場合、特に障害のあるお子さんですから、その後、うまくいかなかったときの反動は本当に大変心配なんですね。ですから、数追いになってしまうんじゃないかという心配がすごくあるので、改めて、このような生徒の進路指導の取り組み、どうなっているのか伺いたいと思います。

○出張指導部長 都立特別支援学校では、生徒や保護者の企業就労の希望を踏まえ、本人の能力や適性を生かせる企業に就労できるよう、必要に応じて、卒業間際まで職場実習を継続して行っております。また、これらの指導に加え、卒業時に、企業就労ができなかった場合に備え、二年間の就労移行支援事業の利用に向けた指導を行い、生徒一人一人の希望と能力や適性に応じた進路実現ができるよう配慮しております。

○里吉委員 今ご説明にあったように、今も企業就労のために卒業間際まで何回も職場実習を行ったり、それでも難しければ就労移行支援事業の利用に向けた指導を行うなど、一人一人に合わせて丁寧に進路指導を行って、企業就労も高めてきていると思うんですね。これは、目標があるから上がるとか、上がらないとかということではないと思うんです。
 知的障害特別支援学校の教室数の確保を行政が計画的に取り組むことについて、期日と目標を持つということは重要だと思いますが、企業就労の数値目標を決めるということは、逆に、さまざまなプレッシャーを子供にも、教職員にも与えることになるのではないか、そうなりかねない。私はこのような数値目標の持ち方はこの教育現場にはふさわしくないと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 企業就労を希望し、その能力と適性のある生徒に対して、その進路希望の実現に向けて、学校が全力で支援を行うことは当然でございます。企業就労率を学校の目標として設定し、組織的に取り組むことは意義があると考えております。
 なお、生徒一人一人の希望と能力や適性に応じた進路実現ができるよう配慮していくことは、これまでと変わることはありません。

○里吉委員 今までと同じように丁寧に行うのであれば、数値目標は要らないと思うんですね。結果として企業就労率が上がっていたら、それを公表すればいいのであって、学校ごとに目標を設定すれば、その数追いになる可能性は絶対に否定できません。ほとんどの学校関係者は、そんなことは関係なく目の前の子供たちのために全力で進路指導し、今までもそうだったと思いますし、これからも障害者雇用、枠広がっていく可能性も多いですから、そこに向けて子供にふさわしい就労先を探すということでやっていくと思います。しかし、そのために数値目標を設定する必要はないということを強く申し上げておきたいと思います。
 それでは、次に、具体的な企業就労支援について伺っていきたいと思います。
 今回は、知的特別支援の高等部における進路指導について伺っていきたいと思いますが、企業就労に向けた一般的な流れについてまず伺います。

○出張指導部長 都立知的障害特別支援学校では、一般的に、高等部第一学年では一週間の校内での実習を一回、第二学年では二週間の職場実習を一回、第三学年では三週間の職場実習を二回程度実施しております。あわせて、実習先による生徒の就労に関する能力等の評価をもとに、生徒や保護者との面談を行いまして、就労先を決定できるようにしております。

○里吉委員 実際に進路指導をしている先生にお話を伺うことができました。十年以上前は、新聞折り込みなどの求人広告を見て電話するなど、企業、職場開拓も大変だったけれども、今は大分理解も広がって、相手の方から求人が来たり、企業セミナーや地元企業との懇談会など、いろいろな情報収集ができるようになってきたということでした。
 しかし、受け入れ先はいろいろですから、そこに何度も足を運んで、一人一人の生徒に合った就職先を探すのはやはり時間もかかる場合も多いといっておりました。
 そうやって一人一人の生徒にうまく合う就職先を見つけて、そして、実習も行って、就職先が決まっていくわけだと思うんですが、それで学校の仕事は終わりではないわけですね。卒業後も長く働き続けるために、企業就労が決まった後の特別支援学校としての取り組みがあるというふうに思います。卒業前と卒業後の取り組みについてそれぞれ伺います。

○出張指導部長 都立特別支援学校では、就労先の企業が内定してから卒業するまでの間に、本人や保護者の希望を踏まえた個別移行支援計画を作成するとともに、必要に応じて就労先の企業とハローワークや就労支援センター等の就労支援を行う機関などとの会議を実施しております。
 卒業後については、教員が卒業生の就労先を全て訪問し就労状況を把握するとともに、必要に応じて個別移行支援計画に基づき支援をしております。

○里吉委員 卒業前には就労した後の卒業生を支えるネットワークをつくるという仕事があるということだと思います。担当教員の方に聞いたら、実は、知的障害のお子さんの場合、出社初日をスムーズに迎えるために、会社までの通勤路の確認とか、バス停の場所の確認とか、おりる駅でブザーを押す練習や地下鉄の乗り方など、生徒によってはそこまで丁寧に練習したり、お店の入り口の入り方、大きな会社だったら受付で内線何番をかけて担当者を呼ぶとか、そういう細かい指示書もつくって、スムーズに入社に結びつけるような努力をされていると伺いました。
 夏休みには、地域の就労支援センターの担当者の方と一緒に卒業生の職場訪問をするそうですが、何かあればすぐ学校に企業からも電話がかかってくるので、その対応も結構あるといっておりました。
 私は、進路指導担当教員というのは本当に重要な仕事だと改めて認識しましたが、今、四十三校、六十一人配置されていると伺っております。この人数は、国の基準法からするとまだ不足していると思います。ぜひこれは、まずは国の基準まで人員増ができるようにしていただきたいと要望しておきます。
 そして、この教員が長く一つの学校にとどまることが、障害者雇用は歴史が浅いこともありますので、経験の蓄積にもつながりますし、卒業生が相談に学校に来るとその先生に相談できる、こういうこともあって、ぜひ進路指導の教員の方には一つの学校に長くとどまれるようにしていただきたいと思うんですが、このことについての都の見解を伺います。

○江藤人事部長 教員の異動は、現在勤務している学校において、引き続き三年以上勤務する者を異動の対象とし、六年に達した者は異動することなどを定めた異動基準に基づき実施しております。
 進路指導担当教員を含む都立学校の教員につきましては、校長の具申に基づき、勤務する年数が六年に達した者であっても、学校経営上、引き続き勤務させることが必要であると都教育委員会が認めた者は柔軟な対応を行っております。

○里吉委員 地域の企業との関係や就労支援センターとの関係、またその実績の蓄積という面からしても、今、柔軟に対応ということでしたので、ぜひ可能であれば、一つの学校に長く勤務できるようにしていただきたいと要望しておきます。
 就労した後の移行支援が一つの大きな特別支援学校の特徴だと思うんですけれども、これが卒業して企業就労して三年間支援するということになっております。卒業後三年間、企業でどれくらい定着しているか、これについては各学校で把握しているようですが、都教育委員会としても全体像を把握しておく必要があると考えます。
 平成二十六年度から、都教育委員会としても卒業生の定着状況の全校調査を開始したと伺っております。調査は今年度も行うとのことですが、少なくとも支援する期間である三年間は継続すべきと考えますが、都教委はどのように定着状況の調査を行う予定なのか伺います。

○出張指導部長 都教育委員会は、平成二十七年度から全校調査を実施しており、その調査期間は卒業してから五年間でございます。

○里吉委員 卒業後五年たって企業就労できているかどうか、続いている場合の理由や続かなかった原因などを把握することは、今後の障害者の企業就労を進める上で重要な資料になると思いますので、私も結果に注目したいと思います。
 就労先を決めるときに、生徒や保護者の希望も聞いて就労先に実習に行くと伺いましたが、しかし、実習が終わった後、雇用契約を結ぶ直前に雇用内容がわかって、嫌でも断われなかったという話を聞いたことがあるんですね。会社の情報はできるだけ早く提供する工夫をしていただきたいと思うんですが、都の見解を伺います。

○出張指導部長 都立特別支援学校高等部においては、就労先を決めるに当たり、職場実習の開始前に本人や保護者に対して当該企業の求人票を提示し、職務内容や雇用条件等について了解を得た上で職場実習を実施することとなっております。
 都教育委員会は、このことが確実に履行されるよう、都立特別支援学校に対して周知徹底を図ってまいります。

○里吉委員 私がお話を伺った方は、保護者の方だったんですが、実習が終わった後で雇用条件を聞いたそうです。そのとき初めて、祝日も勤務だということや、有期雇用契約だということを知ったと。特に祝日の勤務が本人も不満だったようなんですが、もう今さら雇用契約の直前で、新しい仕事を探すことも無理なので、断れなかったということです。この方、ほかのいろいろな理由もあって結局やめてしまったわけですけれども、ぜひ職場実習の前に、きちんと勤務時間や勤務形態など雇用条件が示されるように徹底していただきたいと思います。
 また、就業技術科、ここでは九割以上が企業就労するということで聞いておりますが、その一人一人に対して定着支援できているのか、特に軽度の知的障害は一般的に障害を持っていることがわかりにくいとか、コミュニケーションが難しいということもありますので、丁寧な支援が必要だと考えますが、都の見解、取り組みを伺います。

○出張指導部長 高等部就業技術科設置校では、教員が就労支援を行う機関とともに、卒業生が働いている企業を計画的に訪問し、企業の担当者から職務内容や職場内の人間関係等について聴取を行い、課題があれば就労支援を行う機関と連携して対応するなどの定着支援を行っております。

○里吉委員 近況を聞いたり、苦慮していることがあれば連携して定着支援を行うということで今お話がありました。多くの場合そうなっていると思うんですが、就業技術科の卒業生の保護者の方から、卒業後の学校の支援がちょっとひどいんだという訴えがあったわけです。上司のパワハラや労働条件の悪化などで会社に行くのがつらくなって、保護者が何回も学校に連絡を入れたにもかかわらず、学校は話を聞くだけで、企業に配慮を求めたり改善を求めることは一切なかったとおっしゃっていました。
 職場に先生が来てくれたそうなんですが、挨拶程度に立ち寄っただけで、特に問題解決には動いてくれることもなかったということです。そして、いよいよ本人が会社に行けなくなりそうだというときに、やっと会社の担当者と学校の先生と保護者と本人と一緒に会う機会がつくられたそうなんですが、そこでは本人がつらいという話を一通り聞いた後に、もう無理だよねと先生が一言いって、それで終わってしまった。つまり希望退職になったということです。その後のフォローもなかったというふうにいっておりました。
 もちろんこの話はごくまれな話だと思いますし、私も、この保護者の方は学校について今さら学校に文句をいってくれということではなくて、こういう事実があったことを知ってほしいと、今後に生かしてほしいということでお話をされたので、事実確認をしているわけではありませんけれども、こういったことを、保護者の方はこういう対応をされたというふうに思っていらっしゃるわけですね。
 この保護者の方がおっしゃっていたのは、その学校は次の卒業生を企業に受け入れてもらうために、学校は企業に強いことがいえないんじゃないかというふうにおっしゃっていたわけです。本当にそういうことはないと思いますし、これからももっともっと都立の特別支援学校を卒業した生徒たちが都内のさまざまな企業に就労していき、それを特別支援学校が移行支援、定着支援していくわけですから、ぜひ今お話しいただいたように、就労支援機関ときちんと連携をして、本人が苦慮していることがあれば、きちんと連携して支援するということを全力で取り組んでいただきたいということをお願いして、このテーマは終わりにしたいと思います。
 次に、特別支援教育推進計画そのものについてと、それから重度障害の子供の支援について伺っていきたいと思います。
 この計画を読みますと、いかに東京都が重度の障害児の支援を頑張ってきたかというのが最初のところにるる書かれているんですね。
 東京都は国に先駆けて全員就学を実施した、それまで就学猶予、免除といわれて学校に行けなかった障害児が学校に通えるようになった、学校の増設とともに就学相談体制の確立、学級編制の改善、リフトつきスクールバスの配車及び教職員の確保と研修など、総力を挙げて諸問題の解決に当たった、その後、昭和六十一年十二月、東京都第二次長期計画では、障害の重度重複化に対応した学級編制基準の改善や重度重複学級の設置、高等部の進学希望者の増設への対応や過密校の解消を図るための養護学校の新設など、心身障害教育の充実に向けた施策が盛り込まれた、このように書かれておりました。
 東京都の障害児教育は本当に全国の中でも進んでいたのではないか、特に重度の障害児に対して教育保障できるように頑張ってきたのではないかというふうに思います。
 しかし、現在はどうかと。私、この委員会で繰り返し求めておりますけれども、要望の強い重度重複学級の増学級は一向に進みません。医療的ケアが必要な障害児も、スクールバスに乗れないために学校に来られない。学校に来られても医療的ケアが必要な重度のお子さんの場合は親がずっとついていなければならないため、子供の体調がよくても毎日学校に通えない。寄宿舎に入舎できれば安定的に学校に通えるのに、入舎が制限されているために午後からの登校になってしまう。さまざまな事例を私はこの委員会で取り上げてまいりました。
 今回改善点として、スクールバス、肢体不自由校の乗車時間を最長でも六十分以内にするという方向は大変重要だと思います。しかし、私もこれ全部何回も読ませていただきましたけれども、ほとんどですね、重度障害児への教育についての記述がないんですね。私は、かつての東京都がそうであったように、どんなに障害が重くても、一人一人の能力を最大限伸ばす、その教育の実現を求めたいと思います。その立場から質問を行っていきたいと思います。
 まず、理念、教育理念、前にも議論になりましたけれども、特に重度障害のお子さんを持つお母さんを初め多くの関係者から批判が多かったのが、この社会に参加、貢献できる人間を育成というところの貢献という言葉です。今回、ここに米印までつけて貢献という言葉が残っているんですけれども、なぜここまでしてこの言葉を残さなくちゃいけなかったのかというのが私は大変疑問なわけです。そこでその理由をまず伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 障害のある人々が生きる姿は周囲の者にとって生きがいや励みとなり、お互いを尊重し、支え合う心を育むなど、誰もが生き生きと生活できる社会を創造する活力となってございます。また、障害のある人々自身もみずから多くの人とかかわろうとしたり、障害のない人々とともにさまざまな地域活動に参加したりして、社会の一員としての存在感を示してございます。
 このように多くの障害者が、障害の軽重にかかわらずさまざまな形で社会とつながり、それぞれの分野で貢献し、貢献している現状を踏まえ、本計画の基本理念では、共生社会の実現を目指して貢献という言葉を用いたものでございます。
 なお、この貢献という言葉は、本計画案の骨子におきまして、障害の軽重にかかわらず、全ての障害のある幼児、児童生徒を念頭に用いておりましたが、本計画策定に当たり実施したパブリックコメントにおきまして、重度の障害のある幼児、児童生徒も対象にしていることがわかりにくい旨の指摘があったことを踏まえ、注釈を設けて詳しく記載することとしたものでございます。

○里吉委員 貢献できない重度の人は対象外なんじゃないかという疑問に対して答えられるようにしたということだと思うんですけれども、答弁の一番最初にありました、障害のある人々の姿は周囲の者の生きがいや励みとなり、ここが、この言葉が本当に嫌なんだ、自分の子供はそのために私は育てているんじゃないんだ、そういう言葉を何人もの障害児のお母さんから、特に重度の障害児のお母さんから私はいただきました。
 障害のある人が生き生きと生活できることは大事です。しかし、それはあくまで個人の問題です。社会の人の励ましになるために生きているわけではありません。注釈にそのことがわざわざ書いてあるんですけれども、ここを指さして、こういう言い方はやめてほしいというふうにすごく強い口調でおっしゃっていたお母さんもいらっしゃいます。本当に涙目で訴えていらっしゃいました。
 このことについてはいろいろと、もっとこの問題だけで深めなければいけない問題があるんですけれども、そういうふうに当事者、関係者には受けとめられているんだということをしっかり受けとめていただきたいと思います。
 それでは、次に、重度の障害のお子さんがどれくらいいるかということで伺っていきたいと思うんですが、現在、特別支援学校には障害の程度が重度の児童生徒は何人いるのかお示しいただきたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 障害の程度について何をもって重度とするのかの客観的な線引きが困難なため、人数は把握できません。
 なお、福祉行政の上で障害の程度をあらわすものとして障害者手帳と愛の手帳がございます。障害者手帳の交付を受けた児童生徒数は等級ごとにそれぞれ、一級千八百三十一人、二級八百九人、三級三百二十九人、四級八十八人、五級七十四人、六級七十二人、七級一人でございます。また、愛の手帳の交付を受けた児童生徒数は判定区分ごとにそれぞれ、一度三百十二人、二度三千三百三人、三度二千四百三十二人、四度二千六百七十一人でございます。

○里吉委員 何をもって重度とするのか線引きは難しいというお答えだったんですが、六、七年前には、障害の程度が重度の子供の数を委員会資料として提出していただいたこともあるので、この答弁は本当に不可解なんですけれども、きょうまでその問題について解明することができませんでしたので、この解明については後に譲りますが、福祉行政の区分で人数を示していただきました。
 障害手帳、愛の手帳の区分でいいますと、障害手帳の一級、二級、愛の手帳の一度、二度が重度というふうにいわれておりますので、肢体不自由では二千六百四十人、約八割、知的障害では三千六百十五人が重度、四割というふうになります。重なっている場合もありますし、特に肢体不自由のお子さんの場合、愛の手帳を持っていない場合なども、そもそも愛の手帳を取得していないケースも多いというふうに学校の先生からも聞きましたから、そのままの人数ではないと思いますが、おおよそそれぐらいの方が重度でいらっしゃるということだと思います。
 それでは、この基本理念にある、共生社会の実現に向け、障害のある幼児、児童生徒の自立を目指し、一人一人の能力を最大限に伸長して、社会に参加、貢献できる人間を育成と書いてありますけれども、このことは重度の障害児にとってはどのような教育を行うことを求めているのか、目指しているのか、伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 共生社会の実現に向けては、障害のある児童生徒の能力を最大限に伸長することや、障害者が社会の一員として尊重されることが重要でございます。
 このため、本計画では、自立活動を主とする教育課程を履修する児童生徒の個別指導計画を複数の分野の専門家が連携して作成することで、専門的かつ多角的な知見に基づき、児童生徒の障害の程度や状態に適切に対応した指導を実施することとしております。
 また、障害のある児童生徒が可能な限り地域で日常生活や社会生活を営めるよう、その将来を見据え、地域や社会とのかかわりを重視した教育活動を展開していくこととしております。

○里吉委員 能力を最大限伸ばす、そして社会の一員として尊重される、そのために複数の専門家の知見を生かして、障害の程度や状態に対応した指導を実施するというふうにお答えいただきました。本当にそれを実施していただきたいんです。
 実際はどうかといえば、本人の障害や体調以外の外的要因で十分学校教育を保障されていない児童生徒がたくさんいるのが現状です。医療的ケアの必要な児童生徒の中で、親が交通手段を持っていないとか、福祉タクシーの支援がないとか、毎日自腹で福祉タクシーを借り上げて通わせることはできない、そのために学校との相談でやむなく自宅での訪問学級になっているケース--訪問学級は週三日二時間、六時間だけです、それから、毎日の付き添いが必要だけれども、これもお母さんが働いているとか、自腹で看護師は雇えないとか、さまざまな理由で、本人の体調はいいのに毎日学校に通えない、こういう実態を私はこの委員会で繰り返し取り上げてまいりました。都教委はこのような実態はつかんでいるんでしょうか、改めて伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 保護者の都合によって必ずしも毎日学校に通うことができない、もしくは遅刻している児童生徒が各学校にいることは認識しております。

○里吉委員 何人いるか、ぜひつかんでいただきたいと思うんですが、寄宿舎についても入舎が認められなかったために、本人は通えるのに家庭の事情で毎日学校に通えない、もしくは登校時間をおくらせて通っている。こういう児童生徒がいることもつかんでいるでしょうか、伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 各学校にそのような状態の児童生徒がいることは認識しております。
 なお、寄宿舎の入舎につきましては、通学困難な児童生徒を対象としており、ご家庭の都合で通学時の送迎が困難な事例につきましては、各学校で丁寧な相談を行い対応しております。

○里吉委員 個別に各学校で丁寧な相談をしていたら、こういうことになっていないというふうに私は思います。少なくとも親御さんは納得していないケースがたくさんあります。
 私が話を伺ったお母さんは、重度の障害児二人を育てています。上のお子さんがことし特別支援学校を卒業し、下のお子さんは今も特別支援学校に通っています。上のお子さんは、生まれた直後、一週間の命といわれたそうです。何度も生死の境をさまよい、本当に何回も大きい手術を行って、そして、三歳になったときに初めて長く生きられるかもしれないとお医者さんにいっていただいた。お母さんがいうには、この子は生きているだけで奇跡だ、そういうふうにいっていました。
 その上のお子さんは、去年の三月に特別支援学校高等部を卒業したわけですが、新生活が苦手なために生活介護施設への通所を始めたんですが、体調を崩すことが多くて、四カ月ごとに入院したそうです。夏は手術もして長期の入院、原因不明の高熱を出す等、続いたそうです。その対応をしながら、お母さんは下のお子さんを特別支援学校に通わせるわけです。
 ここに、週四日寄宿舎に入れてくれるという判断をしてくれたら、この子は毎日寄宿舎から学校に通えたんだけれども、そういう判断はしてもらえなかった。寄宿舎に入れたのは週一日か二日だと思います。このお子さん、家庭支援のヘルパーも三、四事業所と契約して、二十人ぐらいがとっかえひっかえ、朝とか夜とか来ていろいろ支援していただいているんですけれども、本当に下のお子さんの通学、この一年間大変だったそうです。
 寄宿舎に泊まれない日は、登校時間の猶予ということで十時に登校しても遅刻扱いしないよといっていただいたそうですが、本人は体調的には安定しているし、朝から学校に行きたいわけです。だけれども、十時登校はおろか、午後からの登校も本当にふえてしまったそうです。
 親としては、下のお子さんは学習意欲もあるので、午前中の授業に出席させてあげられない日が多くて本当に残念だったとおっしゃっていました。お母さんは四泊の宿泊を希望していました。でも、最終的には認められたのは二泊だったそうです。具体的になぜ二泊なのか伺いましたけれども、理由はわからない、最初は一泊といわれた、お母さん頑張って、二泊まで何とか認めてもらったというふうにいっていました。これが実態なんです。
 この現状を変えなければ、医療的ケア児、重度障害児の学習を受ける権利を保障することはできないというふうに思います。ことしは障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行されました。この法律が施行されたもとで、特別支援学校の中ではどのような施策を進めようと考えているのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、障害のある児童生徒が安心して安全に学ぶことができるよう、これまでも教育環境の整備を進めてまいりました。本計画においても、こうした考え方に基づき、児童生徒の通学環境の改善や医療的ケアを必要とする児童生徒に対する支援の充実など、特別支援教育を推進する教育諸条件の整備に取り組むこととしております。

○里吉委員 教育諸条件を整備ということですけれども、先ほど野上理事からもお話がありましたけれども、医療的ケアの必要なお子さんが肢体不自由校以外に通っている場合に、看護師さんを配置するだとかそういうことで、今まで親がずっとついていなければいけなかったところが、看護師の配置が拡大されるということは大変重要なことで、一歩前進だというふうに思います。
 しかし、私がこれまで取り上げてきたいろいろなケース、聞いていただければわかるように、これでは全く不十分なわけです。医療的ケア児の通学保障については、スクールバスは難しいというふうに繰り返しいわれておりますが、それだったら都教育委員会の責任で移動保障をするべきではないでしょうか。都の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 医療的ケアが必要な児童生徒につきましては、スクールバス乗車中に医療的ケアが必要ないことを主治医や学校医の意見により確認された場合は乗車を認めております。
 また、スクールバス配車に当たりましては、乗車する児童生徒の負担軽減はもとより、学校ごとの利用者数、障害の状態、居住状況、交通事情、車種区分などを考慮しながら効率的に実施しております。このためスクールバス以外での個別の対応は考えておりません。
 なお、スクールバスに乗車できない児童生徒で保護者が移動手段を持たない場合などにつきましては、肢体不自由特別支援学校に就学し、在宅において教員の訪問指導を受けることとなります。

○里吉委員 在宅において教員の訪問指導という話がありましたけれども、それは週三日二時間、おうちの中で先生と一対一で受ける教育です。学校に行ってお友達と一緒に受ける教育とは全く違います。
 計画の中で繰り返し、能力を最大限伸長させる、そのために頑張るんだと書いてありますけれども、その学校教育、義務教育が部分的にしか受けられていない原因、現状を都教育委員会の責任で解決することは喫緊の課題だというふうに私は思います。障害者差別解消法が施行されたもとで、今までの延長線上ではない思い切った対策を今考える必要があるというふうに思います。
 本当に体が弱くて外に出るとすぐに体調を崩してしまう、こういうお子さんが訪問指導を受けることを否定するものではありません。その訪問教育も大事です。しかし、お友達がいて集団で学んでこそ、やっぱり学校教育だと思うんですね。訪問担当の先生にもお話を伺いましたけれども、本当は十分学校に通って授業を受けられるのに、通学手段がないために訪問になっているお子さんが半分以上、三分の二ぐらいかもしれないというふうにいっていました。能力を最大限伸長させるという言葉、本当にその条件整備、整っていないということを認識していただきたいと思います。
 それから、学校教育の中で重度障害児の教育については、重度重複学級の記載がないということで、この体制はどうなるのかということを私は大変危惧しています。特に重度障害の子供の多い肢体不自由校について伺っていきたいと思うんですが、肢体不自由校では非正規の学校職員、学校介護職員が導入されたために、教員が大幅に減らされました。教員が何人削減されたのか伺います。

○江藤人事部長 都教育委員会は、児童生徒の障害の重度重複化や、児童生徒、保護者の教育ニーズを踏まえ、肢体不自由特別支援学校に学校介護職員を導入し、教員と学校介護職員がそれぞれの専門性を発揮しながら連携、協働して指導を行う体制を構築いたしました。
 学校介護職員の導入に当たっては、この指導体制における教員の役割を踏まえ、教員定数の見直しをいたしました。平成二十一年度から平成二十八年度までの七年間で、対象校である十七校に学校介護職員を四百九十四人配置したことによる教員定数の見直し数は、合計で二百十八人でございます。

○里吉委員 教員が二百十八人減って、学校介護職員が四百九十四人配置されたということです。伺いましたら、多くは教員免許、看護福祉関係の資格を持っている方だそうですが、十三人はそういう資格は特にないという方もいらっしゃるというふうに伺いました。
 導入当初は、福祉の専門家を導入するうたい文句だったと思うんですが、資格のない方も実際に働いているわけですね。逆に、教員免許を持っている方は、教師に採用されればやめてしまうと。平均どれくらい働いているのかわからないと思いますが、まとまって退職してしまうケースなどもあると聞いています。
 私は学校に介護面をサポートする人がいるということを否定するつもりはありませんが、そのために学校にとって一番大事なマンパワーである教員を減らしてしまって入れていいという補助員などあり得ないと思うんです。もし職員を減らすことと引きかえにするくらいなら、残念ですが、サポート補助員の方は要らないくらいです。実際に教員が減らされたことでのデメリットが多いという話を私は幾つも聞いています。
 この報告書にはメリットしか記載されていませんが、私はその認識とは全く違って、さまざま、教師が減って困っている、教育の質が落ちている気がする、そういう話をお母さん方から聞いています。特に聞くのは、子供がほったらかしにされているということです。介護職員が入ったけれども、実際にはその方も教材準備や先生の補助的な仕事をしていて、トイレや移動などの介助は順番待ちだ、中には障害に理解が不十分な方もいるために、いわゆるヒヤリ・ハットがふえているという話も聞きました。
 導入前からの学校の様子を知っている保護者の方は、学校の先生が明らかに忙しくなっている、丁寧にかかわれなくなっていることを痛感するというふうにいっています。ですから、PTAの方からも、毎年、教員を減らさないでほしい、強い要望が出ているわけです。私は改めて、もともとの教員数を学校に戻すことを強く求めておきます。
 次に、重度重複学級の増設について伺います。
 この計画には、増設どころか重度重複学級の記載そのものが見当たりませんでした。しかし、現場では、本当はこの子は重度重複学級がふさわしいと思う子が普通学級にいるという話をどこでも聞きます。そういう意味では、重度重複学級について質問すると、都教育委員会からは、学校からの事前相談を踏まえ、校長から申請のあった児童生徒について、社会性の発達や日常生活の自立の程度等を総合的に判断して重度重複学級での教育が適切であるかどうかを認定している、必要な数を認定しているというふうに答えるんですね。しかし、その基準は極めて曖昧で、基準がわからないというのが共通して出されている声です。
 保護者の間では、重度重複学級は学級数の枠が決まっている、だから本当は対象になる子でも、枠が足りないから普通学級に行かざるを得ないんだということが話されています。十年もの間、障害児の数がどんどんふえていて、この十年間で一・七倍にもふえているのに、重度重複学級は五百七十三から五百七十四、途中でこぼこはあるかもしれませんが、ほぼ変わらないんです。そういう状態ですから、お母さんたちからこういわれるのも当然だと思います。
 重度重複学級の増設を求める要望は、毎年PTAの連絡会から上がってきます。重点要望です。このことを都教委はどのように受けとめているのでしょうか、伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 重度重複学級につきましては、学校からの事前相談を踏まえ、校長から申請のあった児童生徒について、社会性の発達や日常生活の自立の程度等を総合的に判断して、重度重複学級での教育が適切であると認定した児童生徒数に基づき必要な学級数を編制してございます。
 PTAや保護者の方々から重度重複学級の増設についての要望があることは承知しておりますが、今後ともこうした都教育委員会の考え方について理解が得られるよう、丁寧な説明に努めてまいります。

○里吉委員 幾ら説明されても、実態がそうじゃないわけですから、納得できないと思うんですね。ある特別支援学校の要覧を見せてもらったんですけれども、児童生徒数百十七人のうち、身体手帳一級八十七人、二級二十二人、合わせて百九人、九割以上、愛の手帳保持者三十六人、医療的ケアを要する児童生徒四十八人、施設訪問とか在宅の子が十二人いますから、それ以外百五人は学校に通っているわけですが、重重学級に通っている子は五十七人、それ以外四十八人が普通学級。
 でも、実際には普通学級のほとんどが重重学級にいる子と状況は変わらないんです。でも、この子は重重学級、この子は普通学級、線引きがよくわからない、何度いっても、きちんと話し合って校長先生が最終的に判断しているんだといわれるばっかり、教室が足りないからなのかな、先生をふやしたくないのかな、何か違う原因があるんじゃないかな、本当にお母さんたちはそういうふうに思いながら、重度重複学級をふやしてほしいという声を毎年、都教育委員会にも上げていると思います。これを正面から受けとめていただきたいと思います。
 一人一人の能力を最大限伸ばすことをうたうなら、かつて就学猶予、免除といわれた学校に行くことができなかった重度障害の子どもたちも含めて、全員就学を国に先駆けて実現した先人たちの努力にぜひ学んでいただきたい。改めて全ての子供にふさわしい教育を実現すること、重度重複学級も教室数をふやして、ぜひ実現していただきたいということを要望しておきます。
 次に、寄宿舎について、請願も出ておりますので何点か確認します。
 寄宿舎は通学困難な児童生徒に就学を保障するために設置していますが、通学に不安があるケースの場合、個別の状況を踏まえて話し合って決めるということでしたが、都教育委員会はこの中で一番最初の入り口の部分でかかわっているというだけで、あとは学校が判断して決めるということで、特に判断は学校に委ねているわけですね。
 先ほどもいいましたけれども、入舎が認められないケースもあるし、認められても一泊とか二泊しか認められないケースがたくさんあります。これ、改めてどのように決まるのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 寄宿舎の利用泊数につきましては、児童生徒の障害の状態や特性、発達段階、家庭環境など、個別具体的な状況を総合的に判断し、各学校において決定しております。各学校においては、その決定に際し保護者と十分に話し合い、相互理解を図るよう努めております。

○里吉委員 先ほど大分丁寧に実態をお話ししましたけれども、本当にこれ、納得できないという方がたくさんいらっしゃるんですね。先ほど一泊といわれたのを二泊にしてもらったというお母さんは、本当に何回も何回も多分校長先生と話し合いされたんだと思うんです。多くの方は、入舎はできませんといわれたら、そういう決定なんだなと思って諦めてしまう。その結果、子供が十分な学校教育を受けられなくても諦めてしまう。そういうお子さんも、そういう家族もたくさんいるんじゃないかと思います。
 私はそういう相談をたくさん受けて、学校とよく話し合ってくださいとしかいえないわけですけれども、都教育委員会はこの数年間、寄宿舎の入舎の可否とか宿泊数が少な過ぎて、これでは安定的に子供が学校に通えないという相談を受けたことがあるかどうか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、寄宿舎への入舎について、学校と保護者の相互理解を図ることが困難な事例が生じた場合など、必要に応じて学校を通し相談を受けることとしております。これまで都教育委員会として把握した事例につきましては、学校からの情報収集を図るとともに、解決に向けた助言を行うなど適切に対応してきたところでございます。

○里吉委員 先ほどお話しした二人の重障、重度の障害を持っている子供を育てているお母さん、上のお子さんは、多分、生活介護施設に二年目ですよね、四月から。下のお子さんはまだ特別支援学校に通っています。ぜひ、もし相談があったら四泊ちゃんと寄宿舎に宿泊して、きちんと毎日学校に通えるように保障していただきたいんですね。それぐらいのことはぜひ、すぐできることですから、やっていただきたい。相談がなければいえないでしょうけれども、そういうふうに思います。
 この問題の最後に、光明特別支援学校について伺います。
 いただいた資料では、特別教室の転用が八つあるというふうにあります。それぞれどのような教室なのか伺いましたら、音楽室、図工室、美術室、視聴覚室、染色室、被服室、職員室が二つの八カ所、八部屋、これが転用教室になっているということでした。
 私は、これだけまだ特別教室の転用があるのに、新たに四月から病弱部門の児童生徒を受け入れるというのは本当に信じられないんです。少なくとも隣の都立梅ケ丘病院の跡地に新しい校舎をつくるまで待っていることが当たり前だと思うんですね。四月以降、教室のキャパは変わらないのに人数がふえるわけです。今までと比べて教育環境が後退しないといえるのか確認します。

○浅野特別支援教育推進担当部長 光明特別支援学校においては、病弱教育部門の児童生徒の円滑な受け入れに向け、今年度、現校舎北棟部分を中心に管理諸室等の改修工事を行い普通教室を確保するなど、児童生徒の教育環境に及ぼす影響を最小限に抑えつつ、必要な教育環境を整備いたしました。
 平成二十九年四月に開校することにより、病弱教育部門の児童生徒と肢体不自由教育部門の準ずる教育課程の児童生徒との一部合同授業や学校行事等を通じて、学力向上や社会性の育成等のための適正な学習集団の確保を早期に実現することとしております。

○里吉委員 必要な教育環境を整備しているというお話でしたが、私が保護者の方から聞いた話は全く違います。一つは、数年前まで図書室があったそうですが、それが学校介護職員が入ったときにその方たちの職員室になったそうです。今度は普通教室二つに転用されると聞きました。
 さらに深刻なのが給食です。病弱の児童生徒が移ってくると給食の食数はふえるわけですが、厨房が狭くて対応できない。今までのようなアレルギー食はできないかもしれないといわれているそうです。障害のある子供たちのためのきめ細かな対応が求められるアレルギー食がつくれなくなるなどということは許されないと思います。
 現場の教職員の皆さんは、子供たちのために最大限頑張っていただいているとは思いますが、やはり施設の面で教育環境が保たれるのか大変心配です。最初にもいったように、現在まだ教室の転用も解消されていないわけで、この学校を二つ合わせるということに私は同意することはできないということを申し上げて、最後の質問に移ります。
 最後、教員の多忙化について伺います。
 教員の長時間過密労働が社会問題になってもう十年以上、私もこの問題の解消、解決について過去にも何度も質問させていただきました。
 小池知事が一月に策定した大綱の中でも、重要事項のⅧとして、子供たちの学びを支える教師力、学校力の強化が掲げられ、これにかかわって中井教育長は昨年十二月の総合教育会議で、OECDの調査でも世界で一番長時間労働をしているのが日本の教員と述べ、これは教員のライフワークバランスという点でも問題だが、教育の質の維持という面でも、これで大丈夫なんだろうか、さらに学校現場はブラックだという見方がされ、教員採用試験の応募が少なくなっているなどの懸念の声などにも触れつつ、職場環境をよくしていくことが必要だと語られておりました。
 改めて、教員の長時間過密労働を解消し、教員が教員としての専門性とやりがいを持って教育活動が行える環境を整備することは喫緊の課題であると思いますが、都教育委員会の見解を伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 学校現場では、これまで教員が主体となってさまざまな業務を担ってきましたが、子供たちを取り巻く課題の多様化に伴い、教員が長時間労働となっている状況にあります。
 都教育委員会としては、教員一人一人がライフワークバランスのとれた心身ともに健康な日常生活を送ることができる勤務環境を整えることが必要と認識しております。

○里吉委員 教員の長時間労働は明らかで、勤務環境を変えることが必要だということですよね。ぜひ、小中学校も含めて、先ほど議論がありましたけれども、努めていただきたいと思います。
 そして、教員の長時間労働の解消と勤務環境の整備、ひいては学校の教育力向上のために、都教委は今後どんな方策に取り組もうとしているのか、これもお伺いしたいと思います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都教育委員会は、副校長の多忙な状況の解消に向けて、来年度予算に副校長の業務を担う非常勤職員を配置する事業をモデル実施することを盛り込んでおります。
 今後、学校における働き方の見直しについて検討してまいります。

○里吉委員 副校長先生に事務補助の職員を配置すること、これは本当に一歩前進だと思います。大変強い要望もありました。
 それとあわせて、総合教育会議では、学校における働き方の見直しも議論されて、都教委としても検討していくということで、重要だと思うんですね。問題はどのような見直しを行っていくかということなんですが、都教委が二月に東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会の報告書というのを発表しました。ここでは、教員の多忙な状況や何が負担になっているのかが、さまざまな全国調査、また都教委の独自調査などから分析されていて、副校長のみならず一般教員も含めて働き方の改革の必要性を指摘している点は前進だと思います。
 同時に、解決策としては、率直にいって、これまでの国や都教委の枠組みの中で考えざるを得ないことによる、もどかしさのようなものも感じざるを得ません。私は、見直しの一つとして、都教育委員会が現場を縛っているために仕事量がふえ、現場の負担が増しているものがないかどうか、そこを点検していただきたいというふうに思うんですね。
 例えば、おととし請願が出ましたけれども、算数や英語の少人数指導の生徒のグループ分けの問題です。少人数指導について現場の先生方は、二学級三展開は生徒の組み合わせを考えたり時間割をパズルのように組み合わせたりして、教員同士の打ち合わせをしたりと非常に手間がかかると。それよりも一つの学級を二つに分ける、この方が少人数の授業だし、グループ分けや時間割の作成も簡単だし、ぜひこういうふうにさせてほしいというふうにいっていたんです。
 しかし、都教育委員会が二学級三展開しか認めないことが現場の負担をふやしているのではないかというふうに思います。一学級二展開も認める、チームティーチングや少人数学級など子供たちの実情に即して活用を認めることが教員の負担軽減につながると思いますが、見解を伺います。

○江藤人事部長 都教育委員会は、習熟度別指導について、小学校の算数並びに中学校の英語及び数学は学習集団の編制に当たって二学級三展開を基本としております。
 なお、一学年一学級の学校などについて、学校の実態を踏まえた上で、一学級二展開とすることや、単元導入時などに習熟度別指導とチームティーチングを組み合わせることも認めております。

○里吉委員 ぜひ、学年の学級数が二学級、四学級などの偶数の場合も、一学級二展開を認めていただきたいと思うんです。それだけで相当先生の仕事量は減りますので、ぜひこれは要望しておきたいと思います。
 それから、もう一つは、やはり教員の増員です。中井教育長も、一番いいのは、教員をふやすことがいいことなんだけれどもなかなかできないなというような趣旨の発言をされていたと思うんですが、検討委員会の報告は、学校マネジメントの強化とかいろんなことをいっているんですけれども、やっぱりさまざま工夫することはもちろん大事だけれども、根本は教員数をふやすことが必要だと私は思うんですが、改めて見解を伺います。

○江藤人事部長 教員の定数は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づいて、都の配置基準により適切に配置しております。さらに、個別の教育課題に対応するため、習熟度別指導を実施するための国の加配のほか、都独自の加配として、中一ギャップを予防、解決するための教員などを加配しております。

○里吉委員 都独自の加配、中学校一年生の少人数学級を初めとして行っている部分もあって、そのことは大事です。
 しかし、一方で、石原都政以来、東京都では教職員の大規模な削減を行ってきました。小中学校の専科教員や生活指導担当教員の配置基準の切り下げ、都立高校の事務職員や学校の司書、用務、実験補助の削減、民間委託、特別支援学校では先ほどいった肢体不自由校の教員が減らされてきました。さまざまそういう教員の数を減らされてきているわけです。
 ですから、少なくとも、これを本当、もとに戻してほしいと思うんですが、まずは、都教委が毎年予算要求で求めて、知事査定では残念ながら切られている小中学校の副校長や養護教諭、特別支援学校の進路指導担当、センター的機能の拡充のための教員の増員、これはすぐにでも行っていただきたいということを要望しておきます。
 そして、この検討会の報告書ではチーム学校ということで、教員以外の専門職や地域の方々など多様な人材との協働を掲げています。先生が抱え込むのではなく、いろいろな方の力をかりようということだと思います。そこで、現状は一つの学校に教員、事務職員、非常勤の専門職など、どんな職種でどんな立場の人が何人ぐらいかかわっているのか、小学校のモデルケースを示していただきたいと思います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都内にはさまざまな規模の学校がございますが、例えば、通常学級が十二学級の小学校では、一般的に、校長、副校長が各一人、主幹教諭二人、主任教諭六名、教諭六人、養護教諭一名及び事務職員一名の配置に加えて、さらに指導方法工夫改善加配として一名を配置しております。
 また、都教育委員会が独自に配置しているものとして、スクールカウンセラー、特別支援教室専門員などがおります。このほか各地区が独自に配置しているものとして、スクールソーシャルワーカー、学習支援員、施設管理員など、多様な人材がございます。

○里吉委員 今、人数をお示ししていただきましたように、校長から事務職員、加配まで十九人、正規の職員がいるけれども、それ以外にさまざまな職種の非正規の方々が学校では働いていると。その方たちがチーム学校をつくるということなんですけれども、チーム学校というからには、さまざまな職種の人たちが対等な立場で率直に話し合えることが大事だと思うんですね。
 ところが、専門職の方が非常勤職員の方が多いんですよ。そういうもとで本当に一緒に話し合えるのか。非常勤だとどういうことが起きるかというと、職員会議に参加できない、いつも学校にいないから学校の現状がよくわからない、さまざまな問題が指摘をされています。非常勤ばかりふえると勤務の調整や管理、打ち合わせに時間がかかり過ぎるということも副校長先生の負担がふえる原因になっております。
 専門的かつ恒常的な仕事でありながら雇用が不安定なことも、正しいやり方ではないと思います。そして、子供たちにとっても、やはり基本は正規職員の大人の集団がどっしり構えて、子供たちを丸ごと受けとめられることが必要だと思いますので、要望しておきたいと思います。
 最後に、職の階層化について伺いたいと思います。
 都教委は、職員会議を決定事項の伝達の場に形骸化し、また職員会議を校長を頂点としたピラミッド型につくりかえてきました。そのことは検討委員会報告にも詳しく書かれています。しかし、そのことで教員の長時間労働が改善したかというと、そうとはいえず、逆にますます激しくなっているという声もあるわけです。
 都教育委員会は、学校における職の階層化することを率先して行ってきました。その効果をどのように検証しているのか、また今後の方向や改善点としてはどのようなことを考えているのか伺います。簡潔にお願いします、時間ないから。

○鈴木人事企画担当部長 学校のさまざまな課題対応を(発言する者多し)迅速かつ的確に解決する組織的な対応強化が必要であることから……

○植木委員長 ご静粛に願います。

○鈴木人事企画担当部長 都教育委員会は、平成十五年度から主幹教諭、平成二十一年度から主任教諭の職を設置するなど、人事制度の充実を図ってまいりました。
 これまで、都教育委員会では、校長向けのアンケート調査の実施や区市町村教育委員会への訪問などにより、主幹教諭や主任教諭の状況把握を行ってまいりました。アンケート調査では、主幹教諭の導入により学校の組織的課題解決能力が向上した、新たに主任教諭に任用されたことにより当該教諭の人材育成の意欲がこれまで以上に高まったと多くの校長が回答しており、制度導入により期待された効果が上がってきており、現行の人事制度は定着してきたと考えております。
 この二月に公表された東京都におけるチーム学校としての学校の在り方検討委員会の報告では、教員の多能化による組織運営から、多様な人材との協働による組織運営へと、学校の組織文化を転換させることが不可欠であると提唱されており、今後、より一層学校マネジメント強化を図っていく必要があると認識しております。
   〔「時間じゃないんですか、委員長。公平公正にやってください」と呼ぶ者あり〕

○里吉委員 もう終わります……

○植木委員長 まとめてください。

○里吉委員 どんな組織の変更を行ったのかご説明ありましたけれども、結局、それが教員の長時間労働の負担にどんな影響を与えたのかご答弁はありませんでした。職の階層化が上下関係を生み、横のつながりや助け合う気風を損ねているという意見もあります。
 以前は、ある年は責任ある仕事についても、次の年は学年中心に働けるなどしましたが、今は一回昇格してしまうとずっと重責を負わなければならない、女性教員のライフスタイルや子供と接したいという教員の希望は合わないという声もあります。いずれにしても、都教委が進めてきたこの枠組みを絶対化せずに、組織のあり方も含めて検証していただくこと、改善を進めていただくことを要望し、質問を終わります。

○小松委員 それではまず、都立高校改革について、荻窪高校の状況を中心に伺いたいと思います。
 都教委は、小中学校で不登校経験のある入学希望者がより多く入学できるよう、新たなチャレンジスクールを設置し、同時に、それまでの夜間定時制高校閉鎖、そして、昼夜間定時制高校の設置を進めています。
 杉並区の荻窪高校は、全日制と定時制の全定併置校でありましたが、二〇〇七年四月から、午前部、午後部、夜間部でそれぞれ四時間ずつの授業を行う昼夜間三部制の単位制定時制普通科高校となりました。この荻窪高校においては、四年間での卒業を基本としながらも、生徒がより多くの科目を学ぶことで三年間での卒業を可能としています。
 そこで伺いたいんですが、現在の荻窪高校には全校で七百人の生徒が在学と聞いています。そのうち三年で卒業する生徒はどの程度いるのか、そして、生徒が四年間かけて卒業する場合と、三年間での卒業を目指す場合の履修方法の違いについてお伺いしたいと思います。

○初宿都立学校教育部長 都立荻窪高校では、平成二十二年度から平成二十四年度までを平均いたしますと、入学した二百四十二人のうち百七十一人が卒業いたしました。このうち三年間で卒業した生徒は百三十三人、四年間で卒業した生徒は三十八人でございます。
 荻窪高校の生徒は、午前、午後、夜間のいずれかの部に在籍しており、おのおの所属する部において一日四時間の授業を受けることで、年間二十単位を習得できる、高校卒業に必要な七十四単位の習得には四年間が必要となります。
 一方、昼夜間定時制高校では、生徒はほかの部の授業も選択して履修することができ、荻窪高校の場合は三年間で二十一単位まで他部の科目履修を認めており、これによって三年間での高校卒業を可能としております。

○小松委員 荻窪高校では四年間在学しなくても、三年間で卒業に必要な単位が履修できるようになっているとのことです。つまり、昼過ぎに登校して、夕方まで六時間授業を受ければ、六時間授業の全日制の学校に入ったのと同じことになりまして、三年間で卒業できる。学校案内パンフレットによりますと、一部と二部の生徒の九五%以上は、そしてまた、夜間の三部の生徒でも約八割が三年間での卒業を希望している。そして、ただいまの答弁では、実際に卒業生百七十一人中百三十三人、すなわち約八割は三年間で卒業していることがわかりました。
 この三部制というシステムは、朝起きられない生徒にとってはありがたい制度だといえます。生活習慣が乱れている場合や、病気のために朝が弱い生徒にとってニーズにかなっているともいえます。
 しかし、教師の一日の授業スケジュールと生徒のスケジュールとの間にギャップがある、そして、その問題点が指摘されています。
 そこで、荻窪高校の教員の勤務体制はどうなっているのかお伺いいたします。

○鈴木人事企画担当部長 昼夜間定時制である荻窪高校では、八時四十分から勤務が始まるA勤と、十二時五十分から勤務が始まるB勤務を基本として、教員の勤務時間の割り振りを設定してございます。

○小松委員 生徒が午前、午後、夜間の三部制であることに対して、教員はA勤務、B勤務の二部制であるということは、生徒にとっての放課後と担任にとっての放課後が一致しないということであり、生徒指導が十分にできないなど、不都合が生じているのではないかと思います。
 生徒は三部、しかし、教員はA勤、B勤という体制で担任や放課後の対応はとれるのかお伺いいたします。

○鈴木人事企画担当部長 荻窪高校では、A勤の教員が午前部または午後部の担任を受け持ち、B勤の教員が午後部または夜間部の担任を受け持つことにより、放課後も含めて適切に対応しております。

○小松委員 放課後も含めて適切に対応しているとのことなんですが、実際にはA勤務の教員は、一部の授業が終わっても、二部の授業を担当していれば、一部の生徒の対応は難しいと思います。生徒が放課後、教師に何か相談したいと思っても、一部、二部の生徒にとっては、自分の教室が既に次の部の授業で使われているため、その場所がないという話も聞いています。
 また、荻窪高校では昼食をとる場所が足りないため、廊下などで昼食を食べる生徒がいる。三部合同の行事を実施するときには、ホームルーム教室が確保できないといった声を聞いています。こうした声について都教委はどのように考えているのか、見解を伺います。

○初宿都立学校教育部長 荻窪高校では、現在、午前部と午後部が普通教室を共用しております。このため、生徒が昼食をとる際は、午後部の生徒が普通教室を活用し、午前部の生徒は夜間部の食堂を活用しておりますが、午前部の生徒数に対し食堂が十分な広さを有していない状況にございます。
 午前部、午後部、夜間部の三部合同の行事を実施する際は、普通教室のほか特別教室や会議室などを活用して対応しております。現在、昼食時の状況の改善のため、空き教室を午前部の生徒に開放するなどにより、必要な部屋を確保していくことを検討していると学校から伺っております。

○小松委員 今のご答弁で空き教室の活用により昼食時の対応については改善が図られるとのことなんですが、荻窪高校は施設の狭隘さによる課題を多く抱えています。ここは古くは高等家政女学校が前身校でありまして、文科省の基準を辛うじてクリアする程度の広さしかありません。
 その後は全定併置校となりましたが、全日制は学年五学級、定時制は二学級で、普通教室が十五クラス分しかない校舎であり、ここに三部制の課程を導入したことに無理があるのではないか。ほとんどの生徒が三年間で卒業できる三修制を希望しているため、生徒が集中する一部の時間帯では、教室が足りない状況が生じていると聞いております。
 都教委は、夜間定時制高校の統廃合を進める理由の一つとして、全定併置校の矛盾を解消するということを挙げ、夜間のニーズへの対応策として三部制の定時制をふやしてきています。
 しかし、教育上の問題はここに凝縮された感があります。放課後という時間は、教育活動の時間として位置づけられていませんが、成長過程にある生徒にとって、学校生活における放課後の時間は大きな意味を持つものです。また、教員にとっても、この放課後のない状況が情報共有の妨げになっていないか検討する必要があるのではないかと考えます。このことを指摘し、夜間定時制の閉課程方針は再考を促したいと思います。
 続きまして、学校事故について伺います。
 運動会などの学校行事で行われる組み体操の安全対策について、二〇一五年の事務事業質疑、この文教委員会でお伺いしました。この年の九月、大阪府の中学校で行われた運動会で、組み体操により生徒六人が重軽傷を負った事故が大きな社会問題となったことを受け、都教委としての安全配慮の取り組みを質問いたしました。都内で年間七百件も事故の起きている組み体操について、事故の情報を収集、分析し、専門家を交えて未然防止マニュアルをつくるべきと要望いたしました。
 その当時のご答弁では、体育の授業、部活動や学校行事等の体育的活動においては、事故の未然防止を徹底していくというものでしたが、その翌年、すなわち昨年ですが、一月に体育の授業や部活動での組み体操などについて危険性と安全指導を協議するための有識者会議が設置されました。その体育的活動における安全対策検討委員会、ここにおきまして安全対策のあり方等について検討された結果、都教委は二〇一六年度、平成二十八年度の都立学校における学校行事の組み体操について、いわゆるピラミッド、そしてタワーを原則休止とする方針を決定しました。これを受けて、多くの区市町村教育委員会でも同様の対応を行ったと思われます。一方で、組み体操を実施したところもありました。
 そこで、二〇一六年度の都内公立学校における組み体操の実施状況について、また、組み体操の実施にかかわるけがの発生状況についてあわせて伺います。

○宇田指導推進担当部長 平成二十八年度に都内公立学校において運動会等で組み体操を実施した学校は小学校八百四十九校、中学校百三十六校、高等学校八校、中等教育学校二校、特別支援学校十校でありました。
 組み体操の実施に伴う事故の発生状況は、小学校で八十三件、中学校で十九件、高等学校で一件でありました。そのうちピラミッドやタワーによる事故は、小学校四件、中学校六件であり、高等学校においては事故の報告は受けておりません。
 障害の状況につきましては、骨折が八十三件と最も多く、次いで頭部の打撲、歯の損傷の順となっております。

○小松委員 今のご答弁で、小学校で起きた事故八十三件、そして中学校の事故は十九件、このうちピラミッド、タワーがそれぞれ四件と六件ということであり、組み体操の事故はピラミッド、タワーだけでなく、それ以外で多いということでした。
 また、都教委の方針があっても組み体操が実施されていた、そして、ピラミッド、タワーも実施されていたということにも驚いています。
 二〇一七年度以降は、都立学校のピラミッド、そしてタワーは原則禁止と決定したわけですが、こうした状況を受けまして、今後、区市町村に対して、事故を未然に防ぎ、安全に組み体操を実施するためには、組み体操全般にかかわる専門家のアドバイスやガイドラインを示すなど、積極的に自治体への支援が必要と考えます。取り組みを伺います。

○宇田指導推進担当部長 運動会や水泳大会などの体育的行事における児童生徒の安全確保と事故防止につきましては、体育を担当する教員はもとより、全教職員が理解を深める必要があります。そのため、都教育委員会は、今年度内に安全対策の基本的な考え方をまとめた体育的行事における安全対策ガイドラインを作成し、区市町村教育委員会及び学校に周知いたします。
 また、今年度末に組み体操を予定している学校と所管の区市町村教育委員会を対象に、学識経験者を講師とした実技講習会を行い、教員の指導力の向上と事故防止の徹底を図ってまいります。

○小松委員 今年度内、すなわち今月末ということになりますが、までに安全対策ガイドラインを作成され、実技講習会が実施されるとのことです。
 昨年には、都立高校でプールの飛び込み指導によって頭部を打って首を骨折するという重大な事故が起きています。組み体操に限らず、体育活動には危険が潜んでいるということを常に意識する必要があります。安全な体育活動が行えるよう、都教委は確実に対策に取り組んでいただきたいとお願いいたします。
 それでは、都立高校の貧困対策についてお伺いしたいと思います。
 高校等へ入学するとき、その準備にはさまざまな費用が発生します。特に制服の購入、その費用の中で大きな部分を占めているかと思いますが、教育庁は制服の販売価格等について状況を把握しておられるでしょうか、伺います。

○初宿都立学校教育部長 都教育委員会では、都立学校の制服販売にかかわる都民の理解向上に資するため、今年度、都立学校全校に対し制服の導入状況について調査を実施いたしました。この調査結果により、都立学校のうち制服を導入している学校数、各校の価格や取扱店の数などを把握してございます。

○小松委員 都教委は調査を実施したとのことでした。十二月に調査を行ったとのことで、その結果は、都内二百九十六校のうち六割近くに当たる百六十八校で制服を導入、そして、その価格は、男子の場合、最高五万五千三百五十円から二万二千八百九十六円までの幅があり、平均額は三万九千七百四円、そして、女子は五万三千四百六十円から二万五千九百二十円までの幅があり、平均価格は四万六百二十四円となっています。
 一度購入してしまえば、毎日何を着るかで悩まなくてよいし、かえって経済的、便利という声がある一方で、ほかにも何かと出費の多い入学時に負担が重なるのは厳しいという声は毎年必ず聞こえてきます。
 全日制では百七十三校中八六%に上る百四十九校で制服が定められ、十三校で標準服が導入されています。制服と標準服では、毎日着るのが制服、行事のときだけ着用するのが標準服ということだそうですが、完全に私服通学となっているのが、全日制高校では十一校だけです。ほとんどの全日制で制服、標準服が受け入れられているということはさておきまして、不登校経験者の多いチャレンジスクールでも制服が導入されているということです。また、新たに制服を導入する学校もあると聞いています。
 都立高校が新たに制服を導入する場合、学校はどのように決定しているのか確認します。

○初宿都立学校教育部長 校長は、生徒の在校意識や責任感の醸成、通学に必要な衣料費にかかわる保護者負担の軽減など、制服導入の目的を学校経営計画により、明らかにした上で、関係する教職員の意見を聞くとともに、生徒、保護者の同意のもと、導入を決定しております。
 なお、導入した学校からは、制服の導入が生徒や保護者から大変喜ばれているとの報告を受けております。

○小松委員 制服導入の目的は学校経営計画により明らかにするとのことです。そして、この導入を生徒や保護者はおおむね歓迎しているとのことでした。
 しかし、制服のほかにも、男子はワイシャツ、女子はブラウスが必要となり、ほかにセーター、ベスト、カーディガンを設定している学校もあれば、コートや通学鞄を指定している学校もあります。
 学校指定でなくても、高校入学の手続には制服のほかにさまざまな費用が発生します。高校進学のために必要な費用として、入学金以外に制服を含め、保護者が経費を負担するものはどのようなものがあるのか、また必要な金額はどの程度かかるのかお伺いします。

○初宿都立学校教育部長 生徒の入学時にかかる経費といたしましては、制服以外に教科書などの図書、授業で必要な学用品、鞄などの通学用品や通学定期などの購入費のほか、学校が徴収する修学旅行費の積み立てや、学校の教育内容に伴う実験実習材料費などがございます。
 また、生徒によっては課外の部活動等で使用する運動用品や楽器等の購入費がかかる場合もあり、入学時に保護者が負担する経費は、学校や生徒の学校生活によってさまざまでございます。

○小松委員 金額はさまざまということでお示しいただけませんでしたけれども、小中学校で約二割の子供が就学援助の対象となっている現在です。区市町村の中には、先ほども指摘がありましたけれども、対象世帯に、小学校から中学校に進学する際に制服や運動着などにかかる費用を四月に前倒しして支給している自治体があると先ほどお話がありました。
 この同様の支援として、高校では奨学のための給付金制度というものがありますけれども、実際に支給されるのは七月の給付認定以降です。毎年四月に高校入学にかかる費用が払えないという声を聞きます。子供の貧困対策が国や都政の重要課題となっている今、こうした事態を解決すべきと考えますが、都教委の見解を伺います。

○初宿都立学校教育部長 入学時に最も支援が必要と考えられます生活保護受給世帯については、奨学のための給付金ではなく、生活保護により継続的に支給される生業扶助のうち、高等学校等就学費により入学準備金や通学費なども支給されております。
 一方、奨学のための給付金は、認定手続を含め国の制度に基づき実施しており、支給時期を変更するには国において制度を変更する必要がございます。しかし、都立高校への進学の場合、義務教育段階の中学校への進学とは違い、入学選抜を経て入学を決定するため、日程的に対象者の認定を行う時期を確保することが困難であることから、国に対して制度変更を要望する考えはございません。

○小松委員 いろいろな理由があって制度変更を要望するお考えがないとのことですが、都立高校生の二四%に当たる生徒は、小中学校では就学援助対象に相当するという状況にあって、毎年この同じ四月に、入学時に保護者から同じ訴えの声が上がることに大変胸を痛めています。
 子供の貧困対策として、福祉保健局では学習支援などの事業を展開しています。ぜひ教育庁としても福祉保健局と連携して、この事態を改善することができるのではないかと考えます。義務教育ではないというものの、ほぼ全員が高校に入学する今日です。こうした若者をむしろ積極的に支援するということに知恵を絞るべきであります。都教委としての前向きな取り組みを求めて、終わります。

○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時四十分休憩

   午後五時五十五分開議

○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○栗山委員 まず、大きく四点についてお伺いいたします。
 まず、道徳教育の推進についてお伺いいたします。
 道徳の時間が特別の教科道徳に教科化され、平成三十年度から小学校で、平成三十一年度から中学校で教科書を用いた道徳科の授業が始まることとなりました。これまで散見された、わかり切ったことをいわせたり、書かせたりする道徳の授業から、さまざまな道徳の課題に対してあなたならどうするかと正面から問う、考え、議論する道徳への転換であるとお聞きいたしました。
 そこで、小中学校において特別の教科道徳を適切に実施するための都教育委員会のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、全国に先駆けて、平成二十七年度に特別の教科道徳に対応した教材集を作成し、都内全ての公立小中学校等に配布いたしました。また、平成二十六年度からの三年間で約二千名の教員を対象とした道徳教育推進教師養成講座を開催するとともに、今年度、すぐれた道徳の授業実践を公開する授業力向上セミナーを十三回実施するなどいたしまして、教員の指導力の向上を図っております。

○栗山委員 教科化に向け、教材集をつくったり、教員の授業力を向上させたりしたこれまでの取り組みはわかりました。
 道徳の教科化の要諦は、子供たちに実践力を身につけることであると考えます。平成二十五年二月、教育再生実行会議がその第一提言の中で、社会総がかりでいじめに対峙していくための法律の制定とともに提言したのが、道徳を新たな枠組みによって教科化し、人間性に深く迫る教育を行うというものであります。
 よって、特別の教科道徳となるからには、いじめ等を初めとする子供たちの周りで起こっているさまざまな課題に対して、子供たちに対応できる力を育成することが求められていると思います。
 そこで、深刻ないじめ問題を発端として、道徳の授業が特別の教科道徳と教科化されましたが、それにかかわる都教育委員会の今後の取り組みについて所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 いじめ問題等の教育課題に対応するためには、子供たちが規範意識や思いやりの心を身につけるとともに、みずから正しく判断する能力や日常生活において実践の基盤となる力を高めていくことが重要でございます。
 また、特別の教科道徳では、問題解決的な学習や体験的な学習等を取り入れ、道徳的な問題を自分自身のこととし、多面的、多角的に考えられるようにすることが必要であります。
 今後とも、都教育委員会は、いじめ問題等の教育課題に対応した授業計画を作成し、その計画に基づいたモデル授業を継続的に公開するなどいたしまして、道徳教育のさらなる充実を図ってまいります。

○栗山委員 平成二十九年二月九日に都教育委員会から、いじめ総合対策第二次が公表されました。都教育委員会は、平成二十五年六月公布、九月施行のいじめ防止対策推進法の制定を受けて、平成二十六年七月に東京都いじめ防止対策推進条例の制定と同時に、東京都いじめ防止対策推進基本方針及び東京都いじめ総合対策を策定し、三年間の取り組みの成果と課題を踏まえ、今回、総合対策の改定を行ったと理解しております。
 そこで、いじめ総合対策第二次に特別の教科道徳がどのように生かされているのか、お伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、いじめ防止等のさらなる推進を図るため、平成二十九年度から四年間にわたって実施するいじめ総合対策第二次を策定いたしました。この中で、友達を仲間外れにせず、仲よくお互いに助け合っていこうとする態度を育てることなど、発達段階に応じた特別の教科道徳の内容を九事例、学習プログラムとして取り上げております。
 これらの学習を通して、子供たちに考え、議論させ、道徳的な判断力や心情及び実践力等を培い、子供たち自身がいじめ問題を主体的に解決できる力を身につけさせる教育を推進してまいります。

○栗山委員 次に、理科教育の充実についてお伺いいたします。
 昨年十月、目黒区大岡山にキャンパスのある東京工業大学の大隅良典特任教授、栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。東京工業大学からのノーベル賞受賞者は、平成十二年に化学賞を受賞した白川英樹氏に次ぐものであり、目黒区に関連のある大学からの受賞を大変誇りに思うところでございます。
 目黒区では、教育委員会がその白川英樹氏を毎年招聘して、中学一年生を対象に講演会を実施し、白川氏の功績と理科が好きで出会った幼少期の話を紹介してもらいながら、生徒に理解を高めようと努力をしております。
 しかし、理科の学力向上は以前からの課題であると聞いておりますが、東京都の小中学校における児童生徒の理科に関する学力の状況についてお伺いいたします。

○出張指導部長 平成二十七年度に国が実施した全国学力・学習状況調査の結果では、小学校の国語、算数においては、都の平均正答率が全国の平均正答率を上回っております。また、理科については、全国の平均正答率とほぼ同様の数値でございました。
 中学校は、国語、数学が全国の平均正答率を上回っていたのに対し、理科につきましては、全国平均をわずかではありますが、下回っている状況でありました。
 小学校及び中学校に共通する課題といたしましては、観察や実験などの結果を分析し、その原因や必要な条件等を考えることが挙げられます。

○栗山委員 理科については、小学校では全国との差が小さく、中学校では下回っているということですが、学力向上のため、小中学校の理科の授業における観察、実験を充実するための都教育委員会の行っている取り組みについてお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、平成二十七年度から国の理科観察実験支援事業を受けた区市町村に対しまして、観察や実験のための支援員を小中学校に配置する経費の補助を行ってきました。
 また、今年度から地域人材や学生等を活用し、理科の授業における観察や実験の充実に取り組み、理科支援ボランティア活用モデル地域を四地区指定するとともに、各モデル地域における成果を全都に普及するため、理科室の整備や観察、実験の補助等に関する効果的な事例を紹介した教師用資料を作成しまして、都内全公立小中学校に配布いたしました。

○栗山委員 日本から科学、生理学、医学、物理学の分野で世界を牽引する研究者が輩出されるのは日本の強みであり、今後も継続して輩出していくためには、これらの社会的関心の高まりが重要であり、理科教育の充実は欠かせないと考えます。
 そこで、将来の我が国の科学技術を支える人材を育成するためには、小中学校の段階で科学に高い関心を持つ児童生徒の能力をさらに伸ばすことが大切であると考えますが、都教育委員会が行っている取り組みについてお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、科学に興味や関心を持つ小学生がみずから深く研究した成果を展示、発表し、相互に意見交換を行うことを通して、より高度な学習を目指す契機となるよう、小学生科学展を開催しております。
 また、科学に対して特に高い関心を持つ中学生が、最先端の科学技術や研究成果について大学や企業等の専門家から直接学ぶジュニア科学塾や、理数に関する知識や技能をチームで競い合う中学生科学コンテストを実施しております。
 今後、都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携いたしまして、こうした取り組みを一層充実させ、科学に高い関心を持つ児童生徒の資質や能力のさらなる伸長を図ってまいります。

○栗山委員 より一層、都内の子供たちの理科の教育の充実をよろしくお願いいたします。
 続きまして、伝統文化教育の推進についてお伺いいたします。
 平成二十九年一月二十日に東京都教育施策大綱が公表されました。東京都の将来像と目指すべき子供たちの姿として、グローバル化の進展の中でたくましく生き抜く人間等が掲げられ、重要事項Ⅲに、世界で活躍できる人材の育成が設定されました。
 その方針の中に、伝統と文化を重んじ日本人としての自覚と誇りを涵養する取り組みを推進しますとあります。世界で活躍する日本人が日本の伝統文化という自国のよさを知り、それを発信しつつ他の国や地域の伝統や文化を尊重するという態度を育成するという方向性は評価できるものであります。
 とりわけ、ここで用いる涵養という言葉の意味を調べると、水が自然にしみ込むように、無理をしないでゆっくり養い育てることとあり、子供たちに伝統と文化のよさが自然にしみ込むように触れる機会をふやしていくものと理解しています。
 そこで、小中学校における伝統文化を体験、理解する取り組みについてお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、これまで都内の公立学校二百五十校を伝統文化教育推進校に指定いたしまして、茶道や生け花等の日本の伝統文化に関する体験活動や学んだ成果を外国人等に発信する取り組みを行っております。
 児童生徒は、これらの取り組みを通しまして、伝統芸能や伝統工芸等の技術を継承していく苦労や大切さを学ぶとともに、積極的に発信しようとする態度を身につけてきております。

○栗山委員 小中学生に伝統文化を理解してもらうには、専門的な知識と経験が必要です。
 そこで、地域の茶道連盟や華道連盟などの団体を活用した日本の伝統文化に関する教育の取り組みを推進していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○出張指導部長 児童生徒が我が国の伝統文化への理解を深め、そのよさを味わうためには、直接専門家等から指導を受けることが大切でございます。このため、伝統文化教育推進校では、地域で活躍されている茶道や華道の専門家、和太鼓や箏の演奏家等を講師に招き、体験活動を実施してきております。
 今後とも、都教育委員会は、学校が地域の専門家等を積極的に活用した体験活動の充実を図り、児童生徒の日本人としての自覚や誇りを涵養できるよう、推進校や区市町村教育委員会を対象とした連絡会等において情報を発信してまいります。

○栗山委員 ぜひとも小中学生に日本の伝統文化を重んじて、日本人として自覚と誇りを持っていただけるよう、今後とも伝統文化の体験、理解する取り組みのさらなる支援の充実を要望いたします。
 続きまして、部活動についてお伺いいたします。
 都教育委員会は、体罰根絶に向けた総合的な対策の一環として、平成二十八年度から運動部活動顧問教諭に対して、東京都グッドコーチ賞を創設しました。生徒の能力を十分に伸ばし、健全育成に努め、人格形成にもよい影響を及ぼすような望ましい運動部活動指導を実践し、多くの生徒から親しまれ、同僚からの信頼も厚い顧問教諭を選考するということですが、部活動を指導する教員にとっては大変喜ばしい賞であると思います。
 現在のところ、二十七年度には七十九名、二十八年度には八十六名の受賞者がおります。
 そこで、グッドコーチ賞の受賞者が、その後、学校等でどのような活躍をしているのか、お伺いいたします。

○宇田指導推進担当部長 東京都グッドコーチ賞の制度は、平成二十七年度から実施しておりまして、受賞者の中には地区の教員研修会の講師に招聘され、部活動における体罰防止や効果的な指導方法について講演するなど、地区全体の指導力の向上に尽力している者もおります。
 また、グッドコーチ賞を受賞したことが契機となって、組織の一員としての自覚が高まり、学校改革のリーダーとして、校長の学校経営に貢献しているという事例もございます。

○栗山委員 受賞者の方々が部活動だけではなく、学校運営や指導の一翼を担うような人材として成長していただけることは大変よいことだと思います。
 しかし、このグッドコーチ賞は、現在、運動部の部活動の教諭に限定されております。都内の学校にはもちろん運動部だけではなく、さまざまな文化部などの部活動もあり、すばらしい成果を出している教諭もいると思われます。この東京都グッドコーチ賞の対象を文化部の顧問教諭等にも広げていくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○宇田指導推進担当部長 グッドコーチ賞は、体罰根絶に向けた取り組みの一環として、体罰が多く発生していた運動部活動において、すぐれた指導を実践している顧問教諭を対象に創設いたしましたが、文化部においても、他の教員の模範となり生徒や保護者からの信頼も厚い顧問教諭が多数いることから、平成二十九年度からは、文化部も含めた全部活動の顧問教諭を表彰対象者とすることにいたしました。

○栗山委員 次に、部活動の休養日についてお伺いいたします。
 教員の長時間勤務の原因の一つとして、部活動の顧問があると思われます。せっかくグッドコーチ賞という賞を創設しても、そのことで教員の負担がふえては問題です。
 休養日の設定は、旧文部省が一九九七年にも中学校は週二日以上、高校は週一日以上と目安を示しましたが、現場に浸透しなかったという経緯があり、どこまで実効性を持たせるかが課題となっております。
 文部科学省とスポーツ庁が部活動の休養日を適切に設けるよう求める通知を全国の教育委員会などに出されたとお聞きしましたが、都教育委員会の対応をお伺いいたします。

○宇田指導推進担当部長 平成二十九年一月六日付の国の通知は、平成二十八年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果に基づき、運動部活動において学校の決まりとしての休養日の設定を求めたものであります。
 この通知を受けまして、都教育委員会は、都立学校における休養日の設定状況を調査しましたところ、運動部のみならず、文化部においても過重な活動実態があることがわかりました。そのため、全ての部活動において学校の決まりとして休養日を設定するよう、都立学校及び区市町村教育委員会に周知いたしました。

○栗山委員 次に、部活動の外部指導員についてお伺いします。
 教員の部活動の負担軽減には、休養日の設定も大切ですが、外部人材の導入も大切です。自分の専門ではない部活動を指導することは教員にとっては大きな負担であり、また、練習の立ち会いや大会等の引率など、現在は顧問教諭でなければなりませんでした。
 生徒たちにとっても、顧問教諭の都合で練習や日程を調整しなければならず、部活動に打ち込めない場合もあり、外部指導員が顧問教諭のかわりに部活動の指導等をすることは部活動の活性化につながります。
 このたび、文部科学省は、部活動の指導や大会への引率を行う部活動指導員を学校に置ける省令を改正したと発表しましたが、都教育委員会の今後の対応についてお伺いいたします。

○宇田指導推進担当部長 平成二十九年三月十四日付の国の通知では、部活動指導員について、校長の監督を受けながら、実技指導や大会、練習試合等の引率、また、会計管理等の業務に従事することができることや、学校の設置者は、部活動指導員の身分、任用職務、勤務形態等、必要な事項を定めることについて示しております。
 今後、この通知に基づき、学校や地域の実態に応じた部活動指導員の選定のあり方や、教員と部活動指導員の十分な連携による学校全体としての部活動の活性化等について、校長会、区市町村教育委員会、中学校及び高等学校体育連盟等と協議を進めてまいります。

○栗山委員 部活動においては、教員の熱意に温度差があると思います。私自身、中学生のとき部活動に熱中しておりましたが、残念ながらその当時の顧問の教員は専門外であったこともあり、余り熱心でありませんでした。しかし、中学のOBであった外部指導員の方が、多分当時はボランティアだったと思いますが、熱心に指導をしていただき、今でも部活動は中学時代のよき思い出として残っております。
 ぜひとも中学生や高校生が思春期の大切な思い出として部活動が残るよう、都教育委員会に最大限の努力をしていただくことを要望して、私の質問を終わります。

○鈴木(貫)委員 じゃあ、私の方から、三項目ご質問をさせていただきたいと存じます。
 まず第一点目で、時間も制約もあるようですから、端的にご質問させていただきたいと存じます。
 先ほど、まず、校庭の芝生化の問題、先ほど石川委員さんの方から、さすが市長さん経験者であり、そのことを踏まえておやりになったんだと感服いたしました。私も当然、十年目の節目という佳節ということで、実は取り上げてみたかったテーマであります。
 そのときに、屋上緑化、壁面緑化、願わくば、都電の軌道の緑化まで触れてくれればよかったのになと私は思ったんですよ。なぜかならば、私の地元、都電荒川線が走り、今、私が夢を見ているのは、都電の軌道の緑化実証実験をやっています。そして行く行くは、風の道をつくって、ヒートアイランド現象を阻止するということで利用していけばという、こういう壮大なロマンを持って動いているものですから、この芝生化の問題についてもマッチした質問ではないのかなと、こう思って取り上げた次第であります。
 先ほど、校庭芝生化の学校数が、大体東京都内に小中二千校前後あると思います。具体的な数字はご寛容いただきたいんですけれども、小学校三百九十七校、中学校九十八校、合計四百九十五校。荒川区内では、小学校九校、中学校一校が対象校として今やっております。したがって、先ほども出ていたとおり、四分の一でございますわね。
 でも、この十年間、この事業が進捗率が早いのか遅いのかという、そういうことを私は問うているわけではありません。この校庭の芝生化について、課題はたくさんあろうかと思いますけれども、これをまず述べていただきたいと存じます。

○粉川地域教育支援部長 校庭芝生化の課題につきましては、区市町村教育委員会や学校から寄せられる意見としまして、芝生の維持管理における専門的知識の不足に対する不安や、担い手となる人材を継続的に確保していくことが難しいことなどがございます。
 また、芝生の養生期間中は校庭が利用できないため、学校行事や校庭開放事業などに影響が生じるといった懸念も寄せられております。

○鈴木(貫)委員 確かにそうですよね。中には校庭を利用しているスポーツ団体なんかは、やはり土のグラウンドでなければという、こういうことで、私の目の前も小学校なんですけれども、芝生化絶対反対ということになっておりまして、中には遊具の場所だけ緑化をするとか、さまざまな形態がとられているようでございますね。
 過日、地元の瑞光小学校、南二幼稚園、本教育庁の方でパンフレットをつくっていただいていますから、載っていたので届けてまいりました。大変喜んでおりました、ここまでPRをしてくれているんですね、東京都はということで、やはりこれが大きなインパクトになって広がっていけばなと私は懇願をいたしております。随時、適宜適切にこのレターを出していただければと、無駄ではないということを申し上げたいのであります。
 そういう中で、ご父母の皆さんとも話をしてまいりました。
 それから、南二幼稚園の隣は汐入小学校という、分離する前は千五百名、汐入東小学校、汐入小学校、千五百名、東京都内で一番大きい二十三区の学校だったとわかりましたから、そういうことで、汐入小学校の方は七百名弱いますので、単位面積当たりの人の数が多いですから、芝生をやったとしてもすぐだめになっちゃうんですよね。そういうことで課題がたくさんあるということも、また、芝生の中でも養生してすぐ出てくるティフトン芝というのがありますわね、そういうのもやっぱり植えても植えてもだめになってしまうという、そういう課題をどう克服するかということがやっぱり課題になっているのかなと私は思っておりますから。
 でも、それを乗り越えて、アウフヘーベンして、どんどんどんどん進めていくことも大切ではないのかなと思っています。
 ただ、芝生を養生するときに主事さん方にお世話になったり、そしてまたこの後質問いたしますが、専門の方が出てこなければ、なかなかこれは養生はできないのでありまして、そのことを申し上げながら次の質問に入りたいと思っております。
 次の質問ですけれども、今申し上げたとおり、芝生化をきちっと、これからどうこれを広げていくのか、底辺を広げていくのかということで、今、大変難しい課題もあろうかと思うんですけれども、今後の具体的な取り組み、これはやはり私は興味があると思います。具体的にお示しをいただければ、我々は地域の中でも訴えることは幾らでも可能でありますから、お示しをいただきたい。

○粉川地域教育支援部長 都教育委員会では、これまで芝生化における課題を把握し、維持管理経費の補助対象期間を延長するなど対応しており、さらに平成二十九年度予算では、芝生のすり切れ、消失等の課題に対し、補植作業を補助対象とするなど、維持管理の充実を図る内容としております。
 今後は、これらとあわせ、引き続き、芝生化された校庭で地域住民と学校が協力して実施する野外コンサートなどの地域連携事業により、地域と学校が交流することで、地域住民に芝生の維持管理への協力を促す仕組みづくりを支援してまいります。
 さらに、維持管理組織の立ち上げや技術指導を行っている教職員、地域の方を校庭芝生の親方、たくみとして認証し、人材の確保に努めるとともに、その取り組みを、お話にありましたニュースレター等により、芝生化に取り組んでいない学校も含め、紹介してまいります。これらにより、区市町村教育委員会や学校を支援してまいります。

○鈴木(貫)委員 今ご答弁いただいた中でも、瑞光小学校、地元の話で大変恐縮なんでございますけれども、そのレターの中に載って、私もそばを通ったときに、ああ、大分養生も、随分すぐれているなという、そういうことを感ずるときがあります。やはりそういうたくみのわざの方が出てやってくれているんだなということもよくわかっていますので、ぜひこれを進めていただければと、こう思っています。
 理念的なことは、先ほど石川委員さんが詳しくお述べになっていますので、それはそれとして、私もそのとおりだと思っていますので、ぜひこの事業も進んでいくことを私からも要請をさせていただきたいと、こう思っています。
 次のテーマでありますトイレの問題でありますね。これも私は、旅行会を大々的に毎年やっているものですから、観光地のトイレの問題、特に女性の方々が難儀をしているというのは--二十年前、ずっと見届けながらきて、慶應大学の教授の先生が出した、トイレの窓から世界が見えるという、こういう本が出ておるんだよね。観光地のトイレ対策、海老名のサービスエリアなんか見事ですよね。公共的な建物はともかく、ありとあらゆるところで今、トイレ革命といいましょうか、アメニティートイレ的な要素がどんどんどんどん進んでいって、置いてきぼりを食ったのが学校のトイレだったと私は思っております。
 ことしの予算の中で、我が党が知事に対して、とにかく重点項目としてしっかりと取り組んでほしい、そういうことで、来年度予算、今までの約五倍の三十八億円も計上していただいております。そしてまた、二〇二〇年までに、これを、幾らでしたか、この資料に十三億五千二百万円ですか、この中に出ていますから、ぜひこれはやり遂げていかなければならない、私は大事なテーマだと思っております。
 これに関して、私は、もちろんこれ、トイレをつくるのは基礎的自治体でありますから、例えばこれは文京区なんかは、水回りだといろんなものを調査して、ただ洋式トイレをぽんとおさめればいいというわけにはいかないケースも出てくるわけでありますから、しっかりと総点検をしていく区もあるようであります。そういう具体的なことを、いろんな区によって全部違ってくると思いますので、こういう問題をこれから具体的に、どんな形でこれをお示しをしていくのか、その辺をお答えいただければと思います。

○粉川地域教育支援部長 都内公立小中学校におけるトイレの洋式化率は、平成二十八年四月一日現在、五四・二%でございます。区市町村は、各階に一個程度の和便器を設置し、ほかは洋便器にするなどのトイレの整備方針を定めており、こうした方針を踏まえ、都教育委員会は、平成三十二年度までの洋式化率の目標を八〇%といたしました。
 加えて、学校施設の老朽化によるトイレのにおいや汚れの改善など、児童生徒がより安心して使用できる環境を整えるとともに、学校が地域の避難所となることから、災害時に対応できるトイレ整備についても区市町村を支援してまいります。

○鈴木(貫)委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 でも、都内を調べてみますと、調布市なんかは、洋式化率が九〇%超えている市もあるんですよね。随分アンバランスになっておることがやはり私は大変気になったものですから、質問をさせていただきました。
 それから、去年、熊本の地震のとき、私も母校は熊本高等学校なものですから、すぐ飛んでいきましたけれども、近所でおじいちゃん、おばあちゃんたちが和式のトイレ、とにかく座り、もう勘弁してくれと、そんなことで、音を上げていたその側面を私たちも取材をしてまいりました。改善をさせてまいりましたけれども、そういうことで、洋式化が求められているのは、もう当然のことだと私は思っております。
 急ぎ、これは総点検をやった場合、各基礎的自治体、いろんなアドバイスをしてさしあげながら、どんどん進めていただければと、こう存じております。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それと、この洋式化に当たって、財政面だとかいろんな面で対応しなければならないことが都としてあると思いますけれども、その辺をどのように克服をしていこうとしているのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。

○粉川地域教育支援部長 トイレ整備に当たりましては、区市町村はその費用について、三分の一を国の補助で、二分の一を起債で確保しても、不足分を当該年度に自主財源で確保する必要があり、負担となっておりました。
 このため、都教育委員会は、区市町村によるトイレ整備が促進されるよう、平成二十九年度から区市町村負担分のうち、起債分を除いた六分の一を補助することといたしました。
 さらに、区市町村におけるトイレ整備に当たって参考になる事例、例えば対面式の手洗いを設置するなど、トイレを子供たちの交流の場にする工夫をしている例や、地域と連携し、災害時の使用を想定したトイレ整備を検討した例などについて、研修会の開催や資料等による情報提供を行い、区市町村のトイレ整備を支援してまいります。

○鈴木(貫)委員 ぜひお願いをしたいと思います。私も資料をいただいて、トイレ発、明るく元気な学校づくり、文科省がつくっているんだね、あのおかたい文科省がやわらかい内容でつくって、アメニティートイレ、本当に子供たち喜ぶような設計図がこの中にちりばめられていますので、この辺もアドバイスをしてさしあげていただければ、予算がこんなついて無駄はなかったと、こういわしめるような、そういう環境をぜひ整えていただければいいのではないのかなと思っています。
 評論家の方々も、要するに、子供たちがおトイレに行きたくない、結果的に便秘だとか集中力の低下になり体を壊していく、そういうことが声高に叫ばれている昨今でありますので、この辺も急ぎロードマップのとおりきちっとつくり上げて、進んでいただければと、このように私からも懇願をさせていただきたいと思っております。
 時間も時間で、はしょってどんどん行きますからね。
 次、三点目でありますけれども、オリンピック・パラリンピック教育について、三番目のテーマで若干のご質問をさせていただきたいと思います。
 これは、我が党のまつば多美子さんの代表質問でも触れておりました。夢・未来プロジェクトに関連して、三、四項目承っておきたいと思います。
 この中で、自民党の小宮先生も一般質問で質問されておりますので、それをわかった上で、私なりにまた踏まえて質問をさせていただければと存じています。
 前提として、多くのお子たちがオリンピアン、パラリンピアンの方々と交流を通じていくことは、これははかり知れない感動、夢、希望などを子供たちの気持ちの中、五体で感じていくと私は思っております。大事なことだと思いますね。中には、よし、僕も、私も負けないぞという、負けじ魂をつくるお子さんもいるでしょう、負けじ魂。大変これはそういう面で大きなチャンスだと私は常日ごろから思っておりました。
 だからこそ、このプロジェクトを単なるイベント、こなせばいいんだと、こういう稚拙な感じだけでやってもらっては私は困る。一部そういう声も届かないわけではないんですけれども、でも、大半が一生懸命やってくださっている、取り組んでくださっていることはよくわかっております。
 そんなことを踏まえながら、ぜひこの効果的な取り組み、これを、まず、都教育委員会としてのアプローチの仕方、これを具体的にお伺いをしたいと思うんであります。

○宇田指導推進担当部長 都教育委員会は、平成二十七年度からオリンピアンやパラリンピアン等を学校に派遣する夢・未来プロジェクトを開始し、これまでパラリンピアンについては百十校に派遣しております。
 多くの学校において、パラリンピアンと交流した子供たちは、障害者スポーツについて事前に学習し、その競技についての理解を深めるとともに、交流体験を振り返ることで努力することや挑戦することの大切さなどを実感しております。
 今後、夢・未来プロジェクトの説明会を新たに開催するとともに、パラリンピアンの派遣を年間九十校から百三十校にふやすことで、本事業を子供たちにとってより一層魅力的な取り組みにしてまいります。

○鈴木(貫)委員 ぜひお願いをしたいと、こう思っております。
 確かに、それと同時に、各区市町村でも立派にやっておりますよね。一生懸命取り組んでいる、そういうことで相乗効果が出てくれれば、私はとてもいいものではないのかなと思っています。
 パラリンピックの成功なくして五輪の成功なしという、このフレーズに合致したもの、プロジェクトにぜひなってほしいなと、こんなふうに私は思っておりますので、ぜひお願いをしたいと、こう思っています。
 そして、パラリンピアンの実技を実際に拝見をし、皆様方から聞いたりしていく、特に車椅子バスケのあの車椅子がぶつかり合ってバシャンという、そういう、この、ああいう場所にいたときに、子供たち、どう感ずるだろうか、具体的に、私はそう思いますよね。そういう激しさの中にもこういう実体験も通してやっていけば、私は、先ほど、今、結論の方を先に述べてしまいましたけれども、さまざまな障害者スポーツの体験、それを教育活動の中に組み入れていくことが今、当面、二〇二〇に向けて大事なことではないのかなと、こう思っています。この辺について具体的にご答弁をいただければと思いますが。

○宇田指導推進担当部長 現在、都内全ての公立学校のうち、約半数の学校がオリンピック・パラリンピック教育で、障害者スポーツに関連する学習を行っております。
 そのため、都教育委員会は、障害者スポーツについて指導できる教員をできるだけ多く育成する必要があることから、障害者スポーツ団体と連携した教員対象の指導者講習会を今年度三回実施いたしました。
 さらに、障害者スポーツを指導できる教員をふやすため、指導者講習会を十回に拡大し、多くの学校の子供たちが、特別活動や総合的な学習の時間など、さまざまな場面で障害者スポーツを体験できるよう支援してまいります。
 また、多くの学校で行われているボッチャやブラインドサッカー以外にも、多様な障害者スポーツについて講習会で扱うことを今後検討してまいります。

○鈴木(貫)委員 今、四番目のお答え、ボッチャとかブラインドサッカー以外、ボッチャとかそういうのは、もうごくごく普通に出てくる言葉でありましたから、多様な障害者スポーツについて、先ほど私が述べたとおり、今後検討してお披露目をしていただく、見る、参加をする機会をつくってさしあげていただければと懇願をさせていただきたいと存じます。
 三点目でありますけれども、障害者スポーツでの体験を初め、こう、何ていうのかな、障害者を理解するということは、多様性を受容し、かつ共生社会を実現していくためにとても重要であるということは、先ほどから述べたとおりであります。
 ですから、二〇二〇東京大会、これをただそれだけで終わるのではなくて、それをさらに見据え、それを乗り越えたポスト二〇二〇、これを具体的に教育の現場でどう位置づけ、レガシーとして残していくか、これが最大のこれからの課題に私はなってくると思います。
 この辺のことが、今、御教育庁にとって、これをどう整理していくか、大切な課題ではないのかなと、私はこう思うわけでありますので、これについて、ご見解をいただきたいと思います。

○宇田指導推進担当部長 共生社会の実現を図るためには、障害者理解の促進とボランティアマインドの醸成が重要であり、オリンピック・パラリンピック教育においても、こうした二つの資質の育成を重視する必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、この二つの資質の育成に関する先進的な取り組み事例をまとめ、全都に周知してまいります。
 また、すぐれた取り組みを行った学校を表彰する制度を平成二十九年度に新たに創設し、さらなる取り組み意欲の向上を図るとともに、その実践を他の学校にも普及させてまいります。
 今後とも、こうした取り組みを積み重ね、各学校において障害者理解教育や社会貢献の精神を培う教育が東京二〇二〇大会以降も確実に定着していくことができるよう支援してまいります。

○鈴木(貫)委員 今ご答弁の中で、すぐれた取り組みを行った学校を表彰する制度をきちっとつくってまいりたい、こういうことで激励をし、さらに底辺を広げていただければと、これがやっぱり大事だなと、こう思っていますので、よろしく取り組んでいただきたいと、こう思っております。
 それと、最後の質問になるんですけれども、先ほど副委員長の方からも若干お触れになったことと関連をするんですけれども、一つの視点として、提言を含めて教育庁さんに伺っておきたいと思います。
 この他人を思いやる、体のご不自由な方々、障害者の方を思いやる、深い思いやりの心を醸成する大きなチャンスなんですよね。深い思いやりの気持ちを、いろんな方々がそれに携わってくれる。
 先ほど新しい制度の導入というものも、その中にあるでしょうし、ただ、一つの視点を教育長さん、お願いしたいんですけれども、ただ技術力だとか、まとめる力があるからといって、部活動の中に単に取り入れるとか、薄っぺらな取り入れ方ではなくて、人間の根底にある深い思いやりというのかな、一人の人間を慈しみ、思いを込めるような、そういう深みのある人間、今、文明社会にとって最も大事な視座だと思いますので、それが私は人間教育につながると思っていますから、さりとて、ここで教育論をお互いに交わす場でもありませんけれども、そういう一つの視座に立った人たちを、ぴしっと教育を、さらに指導者教育をしていただきながら、レガシーといいましょうか、これを未来永劫に伝わる、そういう一つの場に私はしていただければなと思っています。
 この質問をするに当たって、私はこういうことを思い出すんですよね。経済学者ガルブレイス博士は、三人のお子さんがおります。みんな優秀な、世界に誇り得る子弟でしょう。あの人の対談を読んだときに、ガルブレイス博士は、息子たちから、ざっくばらんな言葉でいいますと、おやじ、私たちはどんな人間になってほしいんだという質問を受けたといわれています。私たち親にとってみれば、親の立場から上から目線で子供たちにいつも何あれかにあれ、ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあいうのが常だろうと思いますけれども、逆に、お父さん、私たちはどんな人間になったらいいんですかと問われたときに、皆さん、うっと詰まってしまうと思いますよ。一言、博士は、社会的に弱い人の立場に立って物を考えられる人、そういう人間になってほしいな、どんなに財をなそうとも、どんなに偉くなろうとも、人の深い思いやりという立場に立った人間になってほしいと、こんなふうに物の本に書いてあった、そのとおりだと、私も私学の方の顧問をやっているせいか、いつもそういう話をしながら、ご父母に対していつも締めくくりの話をさせていただいてまいりました。
 そういうケースで、いろんなことがこれからも、人を使う教育庁として、ボランティアとして、また、いろんなことで人を外部からも招請したり、いろいろなことをやるでしょうけれども、ただ形だけ整えるのではなくて、人間として、この人間は使えるのか使えないのか、そういう視点を持って、私は、二〇二〇大会、そして、その後のレガシーとして残していく場をつくっていただければなと、最後、こういう質問をさせていただきたいと思っております。
 教育長の私的なご見解をいただければと思っておりますが。

○中井教育長 ただいま、鈴木先生の方からオリンピック・パラリンピック教育にかかわりまして、大変重要な示唆に富むお話をいただきました。
 単なるイベント、一過性のものにしてはいけない、おっしゃるとおりでございます。共生社会というものを見据え、二〇二〇年の後もしっかりしたものとして残る、レガシーとして残る、そういった取り組みでなければならない、一つ一つ重く受けとめさせていただかなければならないお話だったというふうに思います。
 学校というのは地域の中にあるわけで、そこにはさまざまな人々がおられるわけでございます。子供は、その成長過程の中で親との接触が一番多いわけでありますが、学校に行くようになると、その次に教師という大人との接触が新たに出てくる。しかしながら、親、そして教師というだけで十分なのかというと、そうではないんだろうと。やはり社会性を培い、そして、みずからの人格を形成していくという上では、多くの、そして学ぶべきものを持った大人たちとの接触というのが子供たちにとって大きな栄養となり、力となっていくんだというふうに思います。
 そういう点で、今、進めているオリンピック・パラリンピック教育というのは、アスリートはまさにその一つの典型的な模範となる大人であろうかと思います。こういったアスリートたちとの接触というのは、今のこの機会だから得られるというものがあると思いますので、引き続きイベントという形ではない本質の部分をしっかりと捉まえながら、引き続き取り組ませていただきたいというふうに思いました。
 そして、共生社会を目指すというのがオリンピック・パラリンピック教育の大きな目標でございますので、そういう中では、ボランティア活動、そして、障害者との交流、そういったこともさらにさらに進めていきたいというふうに思います。
 やはり、我々においても、そして学校においても、そういったオリンピック・パラリンピックの表層だけに右往左往するということにならないように、常に今申し上げたようなことを、その本質の部分をしっかりと学校の教員も我々も自覚をして、そして、それを子供たちにしっかりと身につけてもらうということをこれからも努力をして、そして、二〇二〇年以降も一つの教育の形として、オリンピック・パラリンピックという冠がとれたとしても、ここでつくり上げた教育手法、アプローチというものは、その後もよき教育の一つの形となるように、それぐらいの気持ちで今後も取り組みをさせていただきたいというふうに思っております。ありがとうございました。

○鈴木(貫)委員 教育長、ありがとうございます。すばらしいエールを送っていただき、ありがとうございます。感謝を申し上げたいと思います。
 教育長にこんな歌を進呈したいと思います。我が人生、不動の富士が我が信念。我が人生、不動の富士が、我が信念。あの富士の山のごとき裾野が広がっていく、それをあまねく二〇二〇を目指して、と同時に、その後のこともお願いをさせていただきたいと思います。
 最後につけ加えますが、この項と関係ないんですが、以前、私が当委員会で、竹台高等学校、地域との、おらが高等学校だという意識を植えるために、地域の防災活動に積極的に参加してほしいとお願いをしたことがありました。荒川区が深井戸を掘って、その訓練を、中学校は防災部というものが十校ありますから、そこへ今度参加をしていただき、近所の方々も、おお、竹台の生徒が出ているじゃないかと、また、学校関係者、指導部からもお越しあそばされました。感謝申し上げ、地域でもやっと、おらが学校だと、こんな感じで喜んでいるということをお伝え申し上げて、感謝の言葉を申し述べて、この項の幕を閉じさせていただきたいと思います。終わります。

○宮瀬委員 私からは、本日は、子供を取り巻く環境についてお伺いをしたいと思います。
 とりわけ貧困といじめという観点でございますが、今まで質疑を聞かせていただきますと、観点もまた違ったところからになりますので、ご容赦いただければと思います。
 質問に先立ちまして、子供の貧困解消に取り組んでおりますNPOの皆さんですとか、あと実際、私に今月、いじめに直面して、学校とのやりとりをしてきた親子からのお話を、ご相談を受けていましたので、その現場のことをお伝えしながら質疑をしたいと思います。
 まず、子供の貧困対策でございます。
 このたび実行プランといたしまして、二〇二〇年に向けた実行プランが出たと思います。私も議員になってまだ四年目でございますが、さまざまこの議会の中で子供の貧困というテーマが取り上げられてまいりました。
 よく聞いた言葉ではございますが、国の調査では六人に一人といわれるということで、私も認識していましたが、このたび福祉保健局と、あと首都大東京の阿部先生の方でとった子供の生活実態調査の方を拝見いたしまして、びっくりいたしました。それぞれ貧困を、生活困難層という定義を何をもってするのかという、こちらの都の調査の方は独自の貧困の定義でございますので、安易に比較はできませんが、こちらもサンプル数が一万九千九百二十九世帯、自治体では四自治体のサンプルだと聞いております。
 その中で、私も国の調査では六人に一人と聞いていましたが、実際にこのホームページの冒頭にあります家計が切迫するなど、生活困難層にいる子供の割合が約二〇%に上ると冒頭書いてございました。私自身、すなわち五人に一人、首都であります東京の子供が五人に一人という生活困難層であるということに衝撃を受けております。小学五年生でいいますと二〇・五%、中学生二年生だと二一・六%、高校生に当たります十六歳から十七歳ですと二四%といたしまして、年齢が上がるたびに、小学生で五人に一人、高校生で実に四人に一人が首都東京の子供の実態だということにびっくりしたわけでございます。
 そこで、こちら福祉保健局がとりました調査でございますが、東京都としては、全庁を挙げて子供の貧困対策に取り組んでいくと、さまざまな答弁、今まで本会議、委員会で聞いてまいりました。
 教育庁といたしまして、子供の貧困対策についてどのような取り組みをしているのか、成果をお伺いしますとともに、貧困といわれる子供たちを教育庁はどれぐらい、人数といいますか、何人と捉えているのか、また、その実態をどのように把握しているのか、お伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 全ての子供たちが家庭の経済状況に左右されることなく学び続け、希望の進路を目指す学力を身につけることができる環境が求められております。
 そのため、習熟度別指導や放課後の補習など、全ての子供たちに基礎、基本を確実に習得させる取り組みを推進しており、その結果、都の学力調査では、授業を理解できる児童生徒の割合は増加傾向にございます。
 学校において、家庭の経済状況についての調査は行っておりませんが、指導等の場面を通じまして、子供たちの状況を把握し、スクールソーシャルワーカーを通じて福祉等の関係機関につなぐなど、一人一人に寄り添った取り組みを推進しているところでございます。

○宮瀬委員 答弁聞いておりますと、学校においては、しっかりと一人一人の実態を把握して対応しているということであると受け取りました。
 しかし、今のやり方ですと、例えば個々の学校の先生、いわゆる教員の熱意ですとか取り組み方、また能力といいますか、問題解決に当たるアンテナですとか、そういった個に依存してしまう要素が大きいのではないかと思っております。もちろん問題意識の高い先生が、例えば子供の担任でありましたら、子供は本当に幸せなことでありますし、後ほど事例でお伝えしますが、いじめに遭ったときに、それは大した問題じゃないと子供にいう先生も実際実在するわけであります。
 そうなりますと、教育庁としまして、私、今回の質疑で一番いいたいことは、子供にとって、親の次の命綱はもう先生しかいないんだと、次の命綱は先生なんだということを観点に置いておりますと、やはり先生という大事なファクターの中におきまして、教員の個にのみ頼ったり依存することなく、仕組みや制度として、子供の貧困ですとかそういった状況を把握する、つまり網羅的に全体像を把握しているのか、改めてお伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 学校においては、学級担任だけでなく、生活指導や進路指導、部活動など、さまざまな場面で複数の教員が児童生徒にかかわっております。
 支援が必要であるということを把握した場合は、関係する教員や関係機関を含めたケース会議などの場で情報を共有し、一人一人に応じた支援の方策を決めております。また、学校として、必要に応じて関係機関とも連携を図るなど、適切に対応しているところでございます。

○宮瀬委員 今、聞いておりますと、ほぼ同じ答弁であるのですが、学校は、教職員は、また地域のソーシャルワーカーですとかそういった方は、それぞれ場合によって認識をし、学校の中で共有されたり、また、されなかったりというケースもあると聞いておりますが、教育庁として、子供を取り巻く状況の全体像を把握されているのですかという質問でございます。よろしくお願いします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 教育庁としては、子供たちをめぐるさまざまな教育課題がございます。そうした教育課題につきましては、調査等を通じて把握をしているところでございます。

○宮瀬委員 ここ、結構堂々めぐりになってしまうかもしれないんですが、貧困の状態、そして、子どもを取り巻く環境ということで、今までは貧困に関する調査の結果ですとかというものはないということで聞いております。
 やはり取り組みが点に終わってしまいまして、教育庁としても、今回、福祉保健局で子供の生活実態調査ということで中間のまとめが出たわけでありますので、ぜひ、そちらの方は四自治体の調査でございます。教育庁として、全校を挙げて、一人一人の状況を改めてまず認識していただきたいなと。
 つまり現状を正しく数字で把握することは、経年でとったときに、子供の貧困状態は改善しているのか、はたまた学校ごとの課題ではないケースもあると思います。地域ごとで、そして、東京都でやらなければいけない施策もそういった客観的な数字から読み取れると思いますので、要望にいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、平成二十九年度に、都は子供の居場所創設事業といたしまして、全庁的な取り組み、いわゆる子供の貧困対策に六百八十億円を計上いたしました。子供の居場所創設事業は、全ての児童とその保護者を対象に、学習支援、生活支援の切れ目のない包括的支援を提供することを目的とするということでございますが、わかりやすくいうと、学校の勉強のサポート、また、食料、夕食、子供食堂といった食に関するサポートをトータルで行っていこうという取り組みだったと思います。
 昨年四月からスタートしましたこの事業、一年たとうとしておりますが、教育庁としてこの事業にどのようにかかわり、成果を上げたのか、お伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 子供の居場所創設事業は、民間団体等と連携して、学習支援と食事の提供などを一体的に行う居場所づくりに取り組む区市町村を支援するものでございます。
 子供の貧困対策につきましては、平成二十八年二月に庁内各局で構成する子供・子育て施策推進本部のもとに、子供の貧困対策推進連携部会が設置されております。今後、この連携部会などの場を通じて、部会の事務局である福祉保健局と教育庁を初めとした関係部局の間で、当該事業を含むさまざまな施策の連携のあり方なども検討してまいります。
 この中で、区市町村が子供の居場所創設事業の学習支援において同様に実施します地域未来塾を活用する場合には、連携のあり方について検討をしてまいります。

○宮瀬委員 私、先月時点で確認しましたが、この子供の居場所創設事業で正式に決定している自治体は、今のところゼロ件だと聞いております。予算としましては、六百八十億円のうち八千四百万円の今年度の予算が組まれていて、鳴り物入りで誕生したこの事業だと思いますが、これ、教育庁の皆様にいう話ではないかもしれませんが、実際には子供の居場所事業、要件のハードルが高いのか、はたまた違う課題があるのかはわかりませんが、主要な事業主体、受け手でございます区市町村にとって、今交渉している団体、自治体も二区だけだと聞いております。こういった状況ですと、子供の貧困、子供の居場所事業として取り組んできた内容がまだ動いていない、スピードが遅いといったことが課題だと思っております。
 そこで、教育庁としては、地域未来塾についてかかわっていくということでございますが、今のところ、子供の居場所創設事業の中では動いていないと思っております。先ほど野上委員の方から地域未来塾については質問もありましたので、その内容については控えさせていただきますが、少なくとも今後二件、二自治体で決まっていくと思いますので、決まった暁には、もう年度末ではございますが、教育庁として全力で取り組んでいただきたいと思います。
 また、子供の居場所創設事業におきまして、私、NPOの方、子供食堂を運営している方のお話を聞いてまいりました。実際にこの事業、NPOの方が子供食堂をやっていると大きな課題が二個あると聞いておりました。一つは、やはりどうしても資金不足に陥りやすい、また二つ目は、その事業をどうやって学校にお伝えしていくのか、つまり、最近私の周りでは、子供食堂を、リタイアした後にやっていきたいという六十を超えた方がいらっしゃるんですが、実際に子供食堂を必要とする子供がどこにいるのかよくわからずに、また、どういうところにニーズが高く、それを一番知っているのが学校ではないか、また子供食堂をつくった後に、学校側にアプローチをしても宣伝をさせてくれないといった、NPOさん自身の信用の問題もございますが、そういったことを聞いてまいりました。
 そこで、改めて基本的なことをお伺いさせていただきますが、学校側がNPOとどのように現在連携しているのか、お伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 区市町村では、子供の貧困や児童虐待防止など、子供のさまざまな課題に対応するため、学校を初め、子供家庭支援センター、児童相談所、保健所等の地域の関係機関で構成するネットワークを構築して、支援が必要な子供と保護者に対して、各関係機関が情報の共有化など連携を図って支援を行っております。
 なお、都教育委員会では、子供たちの社会的自立を支えるため、多様で専門的な教育支援プログラムを持つ企業、NPOなどと連携し、学校教育を支援しております。

○宮瀬委員 今の答弁ですと、都教育委員会はNPOと連携をしていく、自立を支えていくというご答弁でございました。今のひな形といいますか、そういったご答弁はよくわかっております。そこの形で実際動いていただいているのも理解をしていますが、では、学校の現場で子供食堂をやろうとしている人たちが、実際には宣伝といいますか、子供に来ていいよといったことができていないわけであります。
 当然子供の持つ大事な個人情報であります。特定の子供に子供食堂のチラシを渡してしまえば、その家の子供が夕飯を食べられないんじゃないかといじめの対象になったり、また、特定のアプローチをすれば、周り自体に感づかれて嫌だなという子供自身の遠慮の気持ちも出てくるかと思います。
 しかし、例えば学校の入学式等で一律にそういった食堂の案内を保護者と子供の皆さんに向けて配るなど、いろいろやり方の工夫はあると思っております。
 このように、今ご答弁いただきましたが、連携を図っていく、自立を目指していく、NPOも大事にしていくといいながら、実際には機能していない現場のことをどのようにお考えになり、またNPOへの情報提供はどのように行っているのか、お伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 学校が保有します個人情報については、関係法令等に基づき適切な取り扱いが求められているところでございます。学校におきまして福祉的な支援を必要としている子供の状況を把握した場合は、各教育委員会が福祉機関等と連携を構成しております、そのネットワークの中で必要な支援へとつないでいくことになります。

○宮瀬委員 そうなりますと、例えば子供の貧困解決のために、給食をただに、費用を助成しようとか、今の話ですと、個々の現場の先生にお願いしようと、ソーシャルワーカーの人もしくはカウンセラーの人、さまざまありますけれども、その中で、やはり子供たちを助けていきたいという大人が、NPOの方々や有志の方々がいるわけであります。そちらは基本的には自立してやっていこうというわけでありますので、財源は基本的には、東京都からは、かからないと思っております。そういった熱意のある方々を、また、今、苦しみ、夕飯が食べられないという子供たちをつなげていくのが東京都の役割ではないでしょうか。
 今回の子供の生活実態調査の方で、私、今回の項目を見つけてみました。実際、子供がご飯が食べられない、食料の困窮状況ということで、小学五年生、中学二年生、十六歳から十七歳ありますが、ご飯が食べられないことがよくあった、時々あった、まれにあったという方が何と一割いらっしゃいます、子供がです。
 この子供がいて、実際にいわゆるフードバンクですとか子供食堂といった、家にいないときに低額、無料で夕ご飯をほかの人と食べることができる場所の利用はどうですかと、今回、福祉保健局が聞いておりますが、実際に全体の貧困層云々かかわらず、使ってみたいという方が三割、興味のあるという方が二割でございます。つまり半分の子供がそういったNPO、子供食堂、フードバンクといったものに興味があり、実際にご飯を食べられていない、時々かもしれません、よくあることかもしれません、一割の子供がいるわけでございます。
 そういった状況の中で、では、どうして子供食堂に子供が行かないかという結果ですと、子供食堂等、そういったものを知らないからという答えをしている方が、子供の小学生で五割から六割に上っております。つまり情報を知らないので、困っていてもその支援が行き届かないという現状があるのではないでしょうか。これは東京都がとったデータ、数値でございます。
 そういった中で、例えばお母さんが子供のサービスの提供に一番情報を受け取るきっかけは、学校からのお便りという方が八割に上っております。つまり学校からのお便りの中に子供食堂の情報をきちっと載せてあげることで、特定の個人にアプローチすることなくアプローチできるのではないかと思っています。
 このように、学校や行政、NPOとの連携を強化しまして、貧困に苦しむ子供のために支援をする人たちと、貧困に苦しみ支援を必要とする子供たち、その双方を結びつけまして、子供の貧困解消に向けた取り組みが必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 学校において、子供たちが安心して学べる環境をつくっていくことは必要と考えております。
 都教育委員会や区市町村教育委員会では、福祉等の関係機関とも連携して、情報共有を図りながら、子供たちの必要な支援につなげております。
 また、学校では、放課後の補習等におけるNPOを含む地域人材の活用も行っておりますし、また、スクールソーシャルワーカー等の専門人材の活用も行い、子供たちの必要な支援を行っているところでございます。
 今後とも、子供たちが社会的に自立していけるよう、こうした取り組みを進めていきたいと考えております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。実態と現実と、そして東京都の理想と、そして取り組みは、双方、若干ではございますが、わかった上であえていわせていただいております。
 文句ばかりいってもしようがありませんので、一つの提言でございますが、それぞれ全学校の貧困及び子供を取り巻く実態調査を例えばしっかりと行っていただくと。今、学校側が子供の個人情報を出せない理由として、その個人情報及び学校の子供の状況をどのように集めて、また、どのように管理をして、また、どのような仕組みで、また、システムがあれば、きちっと適正に出していいというルールづけ、仕組みづくりがあれば、学校の先生もNPO等に情報も出せる場合もあると思います。
 その前提といたしまして、学校側が当然情報のセキュリティーを管理した上で、子供の貧困、子供を取り巻く状況を全校において私は実施するべきだと提案をさせていただきます。
 次に、いじめの問題についてお伺いをいたします。
 今回の二〇二〇年実行プランの冊子の中で、一七三ページに大変すばらしい、悩みや課題を抱える子供に対するサポートの充実ということで、二〇二〇年に向けて、例えばスクールカウンセラーの全員面接の実施、毎年一〇〇%、いじめ防止に関する授業の実施、毎年一〇〇%とそういった言葉が、例えば早期発見に関する年間計画の作成及び全教職員の周知と、そういったことが挙げられております。
 私は、今回のご相談を受けるまでは、皆さんの議論も聞いておりましたし、また教育庁におきましても、いじめ総合対策を定めまして、さまざまな取り組みを行い、私自身、大変期待をしているところでございます。
 しかし、自治体の名前は伏せますが、ある区でこういった事例がございました。私、そのご両親、親子にもお会いをしてきましたが、つい最近、二月のことでございます。子供が朝の通学途中に冷やかしを受けながら、よう、〇〇と、何だよといい返した後に、ランドセルの上から強く突き飛ばされ、顔面を強く強打し、弱虫といわれて起き上がると--その後、実際には私も写真を見ましたが、顔面損傷、打撲、鼻血、転倒、病院に行きまして、全治約二週間というけがでございました。
 こういった状況がある中で、学校がどのように対応してきたのかといいますと、担当の先生からは、最初には大したけがじゃないということで親に連絡が、第一報入ったわけであります。大したけがではないですが、報告をさせていただきますということでございます。
 その次に起きたのは、何で子供がランドセルを押されたのかということで、被害者が足にひっかかって勝手に転んだんじゃないかということで、きつく学校の先生からいわれたそうです。親御さんとしては、いじめ被害者である子供を守る姿勢が先生側、学校側には感じられず、また、足をかけられて転ぶようなけがでないことは、実際の病院の診断でも出ているそうでございます。
 こういった状況が、実際にこのような二〇二〇年のプランの中では、いじめを今後なくしていこうと、解決していこうと今まで取り組んできた中で起きている現実でございます。大変心苦しい質問ではありますが、こういった事案、案件を教育庁としてどのように認識しているのか、率直にお伺いいたします。

○出張指導部長 区市町村立学校におけるいじめの事例につきましては、いじめ防止対策推進法に基づきまして、区市町村教育委員会が学校に対して適切に指導助言を行うものでございます。
 本件につきましては、該当の区教育委員会から十分に対応していくとの報告を受けております。都教育委員会といたしましても、適切に指導助言してまいりたいと考えております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。地元区市町村のお話ですので、東京都の教育委員会にひょっとしたら直接お話しする話ではないかもしれないと私は思いました。しかし、やはり東京都がこれだけ音頭をとって、いじめ総合対策と銘を打ち、そして、いじめをなくしていこうと今まで一生懸命取り組んできた都の皆様でございます。しかし、そういった中で、こういったことが現実に、つい最近も起きているということをお伝えしたくて、あえてお伝えをさせていただきました。
 この、先ほどお伝えした事例の中で、教員から大したけがではないといった発言が行われたそうです。親御さん、相当悔しかったようで、教員の皆さんとの会話は録音していたそうでございます。私はその音声は聞きませんでしたが、これだけ実際に起こっているいじめを正しく認識することが重要だといったことで、今までご答弁も受けていましたし、説明も受けてまいりましたが、実際に逆のことが起きておりますが、所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 全ての学校において、いじめはどの子供にも起こり得るとの認識のもと、軽微ないじめを見逃さず、認知することが重要であると捉えております。

○宮瀬委員 正しく認識するということが大事ということで、実際にこちら、いじめの認知件数及び対応状況把握のための調査結果ということで、これ、東京都の教育委員会が出している各区市町村別の件数表でございます。
 平成二十八年四月一日から平成二十八年六月三十日までの各区ごと、市ごとのいじめの認知件数でございますが、例えば中央区、学校が十六校あります。いじめの件数の認知が二件です。豊島区、二十二校学校があります。子供のいじめの認知件数が三件です。杉並区、四十一校ございます。いじめの認知件数二百三十二件です。このように自治体によって数値がばらばらでありまして、すなわち、このいじめの認知件数というのが実態に即しているのかということをお伺いいたします。

○出張指導部長 学校におけるこれまでのいじめ防止の取り組みの成果といたしまして、子供にいじめは絶対許さないという認識が育まれ、実際のいじめの件数が減少した学校がある一方で、複数の教職員による適切な状況確認など、学校の対応力が向上したことにより、認知件数が増加した学校もあるなど、実態はさまざまと捉えております。

○宮瀬委員 実態はさまざまということでありますが、私、今回、質疑の前にいろいろ議論をさせていただいただ中で、やはりこの数字というは実態をあらわしていないのではないかという議論も大分させていただきました。
 そのような状況の中で、どのような対策を講じていくのか、お伺いをいたします。

○出張指導部長 いじめ防止対策推進法では、行為を受けた子供が心身の苦痛を感じている場合、その行為はいじめに該当するとの趣旨の定義が示されております。学校においては、全ての教職員がこの定義に基づき、いじめを認知することにより、いじめの実態と認知件数を一致させ、確実な対応につなげていくことが重要でございます。
 都教育委員会は、本年二月に策定いたしましたいじめ総合対策第二次を踏まえ、教職員のいじめの定義に対する共通理解の徹底を図るため、引き続き区市町村教育委員会と連携いたしまして、学校への指導助言を行ってまいります。

○宮瀬委員 では、ちょっと角度を変えてお伺いしたいんですが、東京都がいじめを認知した件数表、今のこの表でございますが、出ております。全生徒に対しまして、では、いじめを受けた子供の割合、全子供に対しましてのこの件数を割り出していけば出ると思いますが、それをお伺いいたします。

○出張指導部長 平成二十七年度に都内の公立学校に在籍している全ての児童生徒九十五万三千百七十人のうち、年度末までの間にいじめを受けたと認知された児童生徒は六千三百十一人であり、その割合は約〇・六六%になっております。

○宮瀬委員 今の話ですと、全生徒に対しますいじめを受けた割合は、東京都教育庁としては〇・六六%ということでございました。
 そこで、今回の福祉保健局がとっております一万九千件のサンプル調査でございますが、小学五年生の方々に実際いじめられた経験はあるんですかという質問をとっております。いじめがよくありましたという方は三・九%、時々あったという方が一二・四%でございます。時々あったという方を除いても、いじめで今まさに苦しんでいる、もしくは昔あったという方が約四%いるわけでございます。
 これは都が調査した調査結果でございますが、となりますと、東京都が認知しているいじめの率が〇・六六%、こちらの東京都の福祉保健局がとっている調査では、小学五年生でございます、三・九%でございますが、この乖離が生じているわけでございます。このように、表面化していない率は、東京都教育庁といたしまして、どれぐらいであると実際のいじめの件数と報告されている、認知されている件数はどれぐらいであると認識していますか、また、サンプル調査をすれば、こちらの先ほどの福祉保健局の調査ではありませんが、四%と、三・九%と出ているわけでありますから、実態と実際の報告との乖離が出るんじゃないかなと思いますが、所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、毎年度、都内全ての公立学校に、学校として認知したいじめの件数とその状況等について報告を求めております。
 いじめの認知に当たって、学校は、教員による子供への面接や子供を対象としたアンケート等を定期的に実施するとともに、子供の気になる様子について全教職員で情報を共有し、複数の視点から状況を観察するなどして、大人が気づきにくいいじめについても早期に発見するよう努めております。
 今後とも、子供が相談しすい環境づくりを推進し、いじめを確実に認知できるよう、学校の取り組みを徹底していくことが必要であると捉えております。

○宮瀬委員 学校の方でアンケートをやっているということでございますが、私がお伝えしたように、学校もそうでありますが、実際に東京都の教育庁として、全体像を把握する必要があるのではないかということを認識しております。
 今後、実際に発生しているいじめの件数と学校の認知件数の乖離について、やはり何かしらの方策で調査をするべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、区市町村教育委員会と学校の協力を得て、抽出によるアンケート等により、子供の声から直接いじめの状況を把握するなどして、成果と課題を明らかにし、今後とも学校におけるいじめの認知の精度を高めてまいります。

○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いします。ちょっと算数の話で恐縮ではございますが、先ほど福祉保健局の調査で三・九%という数字を、よくいじめられているという子供が三・九です。先ほどの都内公立高校に在籍している全児童の数が九十五万人だといたしますと、実際に、では、掛け算すると約三万人の子供がいじめに遭っているのではないかと推測されます。
 そういった単純な計算ではないというのは重々わかっておりますが、その中で報告が上がっているのが六千人にとどまっているということかもしれません。
 なので、今のご答弁ございました。本当にありがとうございます。抽出によるアンケートをやっていただけるというご答弁でございましたので、ぜひここは福祉保健局の調査も参考にしながら、とっていただきたいと思っております。
 今までいじめ自体の発見ですとか、そのいじめ、隠れた状況、そういった認知のことについてお伺いしてきましたが、次は、いじめが起きてしまった後の対応についてお伺いしたいと思います。
 まずは、保護者の理解を得られるためにどのような取り組みを講じているのか、お伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、いじめ総合対策第二次の中に、いじめを受けた子供の保護者といじめを行った子供の保護者のそれぞれに対応方針を説明して協力を得たことにより、早期にいじめが解消された事例などを示したところでございます。
 今後とも、都教育委員会はこうした成功事例を活用した校内研修等の実施を通して、保護者の理解と協力を得て、いじめを早期に解消に導くことができるよう、区市町村教育委員会と連携して、学校への指導助言を行ってまいります。

○宮瀬委員 冒頭でお伝えしました実際に苦しんでいる父と子供が、今実際には不登校になっております。お父様のお怒りもすさまじくて、それはいろいろ状況はありますが、子供のことでございますので、感情的になられているということもあります。
 ただ、今回のある地区での事例におきましては、到底保護者の理解が今なお得られている状況ではないといわざるを得ません。
 このように全国的に学校の取り組みが十分でないことで、保護者の理解が得られず、いじめの解消を妨げている報道、事例が大きくなされておりますが、このようなことがないようにするために、どのような対策を講じていくのか伺います。

○出張指導部長 これまでに教員が子供の言動について気になることがあっても、学校いじめ対策委員会に報告しなかったなど、教員個人の判断で適切な対応を行わなかったことから、保護者の信頼を失ってしまった事例があるなどが学校から報告されております。
 そのため、都教育委員会は、いじめ総合対策第二次に、子供の様子で気になることを見聞きしたら、どんな小さな事例でも速やかに学校いじめ対策委員会に報告し、組織的な対応につなげることにより、保護者の理解を得ることの必要性を明記したところでございます。
 今後とも、全ての教職員を対象としたチェックリストを活用し、定期的に自分の取り組みを振り返ることができるようにするなど、教職員の意識啓発を図ってまいります。

○宮瀬委員 よくわかっております。では、どうして今回の件で学校は、先生が、顔面血だらけの子供がいて、親御さんに大したけがではないといってしまったのかなということが残念でなりません。
 いずれにせよ、早期発見が重要でありまして、学校での取り組みの徹底が必要だと思いますが、所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 学校は、いじめを早期に発見するため、学級担任による子供に対する面談、子供を対象としたアンケートの実施等、さまざまな取り組みを定期的に実施するとともに、全教職員で子供の気になる様子に関する情報を共有するなど、組織的な対応を行うことが必要でございます。
 今後とも、都教育委員会は、いじめ総合対策第二次に基づき、学校が子供の様子から初期段階のいじめを早期に発見することができるよう、区市町村教育委員会と連携いたしまして、学校の取り組みの徹底に向け、指導助言を強化してまいります。

○宮瀬委員 今のご答弁でございますが、実は今回の件というのは、突き倒されたということで子供がけがをしたわけでありますが、親御さんの話を聞いていますと、以前から、いじめというのは今回の前からあったんですかと聞きました。そうしたら、蹴られる、悪口、階段で押された、夏休みの宿題をばかにされて提出できなかった、宿題の件は、実は、夏休みの宿題をばかにされて提出ができなかったという件は、学校の担任の先生に話をしていたそうです。しかし、今のご答弁と実際に起きている学校の中での現状が異なっているわけであります。
 じゃ、どうしてですかと、これについてどう思いますかという質問はあえてしませんので、ぜひ今の実態と皆さんがご答弁いただいている内容のマッチを今後していただきたいと思っております。
 その中で、スクールカウンセラーという単語が、よく委員会でもまた本会議でも子供のいじめなどの問題に対応するために、スクールカウンセラー制度がございます。
 私も概要をある程度知っておりますが、改めて、そもそもスクールカウンセラーはどのような対応をしているのでしょうか。

○出張指導部長 いじめの早期発見に向け、全ての小中高等学校において、子供がちゅうちょすることなくスクールカウンセラーに相談できる環境をつくるため、平成二十六年度からいじめの認知件数が増加する傾向にある小学校五年生、中学校一年生、高校一年生を対象に、スクールカウンセラーによる全員面接を実施しております。
 実施から三年が経過する現時点における成果といたしましては、学校からは、年間を通じてスクールカウンセラーへの相談を希望する子供の人数が増加したこと、スクールカウンセラーからも子供の様子の変化に気づきやすくなったことなどが報告されております。

○宮瀬委員 東京都が、教育庁がスクールカウンセラー制度を平成七年に設置しまして、たゆまぬ努力で全校に設置された、また、勤務日数も三十五日から三十八日に拡充したというご答弁、きょうも聞いておりました。私、この取り組み自体、本当にすばらしいことだと思っております。
 では、今回の事案に対して、スクールカウンセラーの皆さんがどういう動きをしたのかなということで確認をいたしました。あくまでこれも一部の事例ではございますが、一つの事実でございます。実際にお父様の方からは、スクールカウンセリングは役に立たなかったと。今回の件ですよ、今回の件です。私たちが大学病院の心理の先生の方に、相談に予約する対応の方が早かった、学校の対応が余りにも遅くて、実際にはスクールカウンセラーの皆さんにはお世話になりませんでしたということでございました。
 こういったスクールカウンセラー自体すばらしい存在だと思いますし、しかし、このようにさまざまな制約がある中で、その活用率というものはどうなっているのでしょうか。悩みの相談相手として活用されていないのではないかと、また教師からは活用しにくいといった状況があるのではないかという話も聞いております。所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 昨年度、都内公立学校で認知されたいじめの件数のうち、いじめられた子供に対してスクールカウンセラーが継続的にカウンセリングを行うなどして支援を行った件数の割合は二一・四%となっております。
 今後とも、学校組織全体による教育相談体制を充実させるため、スクールカウンセラーによる年間三十八日の勤務日を効果的に活用することにより、子供にとって相談しやすい環境づくりを推進していくことが大切であると捉えております。

○宮瀬委員 今のお話、注意深く聞いておりますと、認知されたいじめの件数のうちの支援の割合が二一%ということでございます。すなわち今回のような、いじめがいじめであると認知されているその前段階の相談ですとか、そういったお悩みの相談相手として、スクールカウンセラーが十分機能していなかったのではないかと思っております。
 母数が違いますので、単純に比較はできませんが、名古屋市の方で行った子供調査によりますと、スクールカウンセラーに相談した子供の数は全体の一・二%、これは母数が違うので、安易には比較できないことでありますが、もう一方で、東京都の調査で、平成二十七年東京都公立学校におけるいじめ調査によりますと、子供からの訴えは小中高とも三〇%に満たず、中学生においては一・七%であると。つまり、スクールカウンセラーが生徒の自発的相談を促しているとはなかなかいいづらい状況が東京都の調査でも見えております。
 スクールカウンセラーの皆さんは非常勤でありましたり、三十八日間の中でどうやってやっていくのかと、大変激務だと思っております。そういった中で、単年契約で非常勤の職員の皆さん、スクールカウンセラーの皆さんは職員であります。やはりここは財源がかかる話でありまして、なかなかいいづらいことでありますが、教師と同じ職場環境を整えるべきなのではないかと思いますが、所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 スクールカウンセラーの常勤化等の職場環境の整備につきましては、今後の国の動向等を注視してまいります。

○宮瀬委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、教師側のスクールカウンセラーの皆さんに対する仕事の理解と協力体制の構築が必須であるのは間違いがないと思います。しかし、学校によりましては、スクールカウンセラーと学校の先生が実は仲が悪かったり、また情報が共有されなかったり、さまざま双方いろいろいい分があるようでございますが、なかなか協力体制の構築がうまくいっていないという事例も聞くことがあります。
 理解と協力体制の構築が必須であると考えますが、取り組み状況と所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 学校は、いじめを初めとした子供の問題行動を解決するため、教職員とスクールカウンセラーが緊密に連携し、学校教育相談体制の充実を図ることが必要でございます。
 これまで都教育委員会は、各学校に対し、現行のいじめ総合対策に基づき、学校いじめ対策委員会のメンバーに管理職、教務主任、生活指導主任、養護教諭等にスクールカウンセラーを加えるよう促してきました。
 今後とも、都教育委員会は、学校いじめ対策委員会におけるスクールカウンセラーの役割を明確にすることにより、教職員による理解の促進と協力体制の構築が図られるよう、学校へ指導助言してまいります。

○宮瀬委員 では、それにあわせまして、スクールカウンセラー以外にスクールソーシャルワーカー等の支援員を充実させまして、支援員、親、地域、学校連携支援の体制をつくるべきではないかと。教師、スクールカウンセラーだけが負担を負うのではなくて、協力して子供を育てていく体制をつくるべきと考えますが、現状の取り組みと所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 都教育委員会は、学校に対し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの外部人材の有効な活用に加えて、教職員、保護者代表、児童相談所職員、警察職員等から構成される学校サポートチームの設置を促してきました。
 現在、都内全ての公立学校においてその体制が確立しており、いじめを初め、教職員だけでは解決が困難な子供の問題等につきましては、学校サポートチームのメンバーがそれぞれの専門性に基づいて適切に役割を分担し、子供への指導やその家庭への支援を行うこととしております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。では、最後の質問でありますが、今まで貧困ですとか、子供のいじめの問題等を取り上げてまいりました。しかし、同じぐらいいいたいことは、学校を卒業した後に、小学校、中学校、高校、大学を含めるかどうかは議論がありますが、実際にストレスのない実社会というのはないわけでありまして、例えば大人の社会にはいじめもありますし、子供が実際に向き合っていく、たくましく生きていく東京都の政策というのは、この中に、どこに入っているのかなと思い、めくってまいりました。
 つまり、子どもが逆境に立ち向かって、当然過度なストレスはあり得ないと思っております。いじめというのは絶対なくしていきたいと思って、私は今回事例まで出して質疑させていただきました。しかし、同様に、今の社会において学校を出た後に、先ほど石川委員のお話もありましたが、どう自立をして、社会に向き合っていくのかということがこの中に、私はこの項目があるようには思えませんでした。取り組みと所見をお伺いいたします。

○出張指導部長 子供が友人との人間関係などに関するストレスに適切に対処できるようにするため、学校は保健体育や学級活動の授業を通して、心の健康のあり方や良好な人間関係の築き方などについて指導していくことが大切でございます。
 今後とも、都教育委員会は、子供たちが将来にわたり、ストレスや困難を乗り越え、さまざまな人と認め合いながら生きていくことができるよう、いじめなど学校生活の中で生じるさまざまな問題について主体的に解決しようとする態度を育むための学校における取り組みを支援してまいります。

○川松委員 私からは、幾つか質問させていただきます。
 平成二十九年度の教育費予算の目玉となっておりますのが高等学校給付型奨学金についてでありまして、まずこの点についてお伺いをいたします。
 この給付型奨学金は、小池知事が策定した東京都教育施策大綱における今後の取り組みの最初に挙げられている事業であります。また、これまでの知事の来年度予算に関する発言にも数多く登場しておりまして、私立学校の奨学金とともに知事の思い入れが強い事業だなと感じております。こういう状況を踏まえますと、小池知事の就任後、私立学校の給付型奨学金をつくるに当たって、都立高校ともバランスをとるために、給付型奨学金が計画されたのではないかと一瞬私は思いました。
 そこで、この給付型奨学金を検討し始めた時期とその理由についてお伺いいたします。

○初宿都立学校教育部長 子供の貧困対策につきましては、平成二十五年に策定、翌二十六年一月に施行した子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき、国や各自治体において総合的に推進するための取り組みが行われております。
 都教育委員会の事務局内では、高等学校への進学率が九八%を超える現在、義務教育での支援を参考に高等学校でも公的支援を検討することが必要との認識から、平成二十八年四月ごろから事務的に検討を始めておりました。
 その後、同様な課題認識を持たれた小池知事が就任され検討が加速し、今般予算案として取りまとめるに至りました。

○川松委員 ありがとうございます。今の質問でちょっと二つのことを私自身は確認したかったわけであります。
 一つは、今、去年の春から検討して知事の思いとマッチしたというご答弁ありましたけれども、去年の十月二十七日に開かれました総合教育会議の場で、小池知事が都教委に提案されたので、まあこれをお聞きしたわけですけれども、これは春からの積み上げということですから、多くの人たちは、知事が発案して知事が出した政策のように思っていますけれども、知事就任前からの政策だということを確認させていただきました。
 もう一つは、上山信一顧問が出されました大阪改革のレポートなどにおきまして記されている大阪の塾代助成事業などがモデルになっていないかということも少し気になっておりましたので、質問させていただいたというわけであります。
 次に、この給付型奨学金の対象となる活動は、模擬試験とか資格試験など生徒の進路に直結するものであり、大変いいことだとは思います。しかし、生徒の多様な進路を考えますと、例えば音楽活動などの文化活動やスポーツの部活動経費も対象となっていいんじゃないかなと私は純粋に思いました。この給付型奨学金の対象活動が、なぜこういったところに限定された計画となっているのか、お伺いいたします。

○初宿都立学校教育部長 都立高校の教育活動に必要な経費には、授業料のほか、教科書や学用品、部活動経費など、通学するために最低限必要な経費と、生徒が選択的学習活動に参加するために必要な経費がございます。
 授業料につきましては、就学支援金、通学に必要な最低限の経費については、奨学のための給付金、ともに国の制度によって既に支援されていることから、これまで支援制度のなかった選択的学習活動経費を対象に給付することといたしました。

○川松委員 ありがとうございます。これ、どこかで事業をやるときには、全て対象の線引きというのが必要なのはわかりますけれども、対象を選別する視点は生徒の立場に立って、これは大人の立場ではなくて生徒の立場に立って視点を持っていただきたいなということを要望しておきます。
 都立高校には多様な学校があり、学ぶ環境をもう少しサポートしてほしい生徒や、資格を取って就職するだけではなくて、大学進学に向けて、あの参考書が欲しい、プラスアルファの勉強をしたいと思っている生徒もいらっしゃると思います。
 この給付型奨学金のような制度は、都立高校でどのような生徒を育んでいくのか、そのためには学校がどのように教育活動を展開していくのかという大きな目標を明確にし、取り組んでいくことと、これ、セットになっていくことこそが重要であり、それであってこそ、給付型奨学金が生徒にとって有効なものになっていく、そういうふうに思うわけですね。
 そこで、都教委は、都立高校生をどのような考え方で、どんな目標を持って教育をされているのか、お伺いいたします。

○初宿都立学校教育部長 都教育委員会は、教育基本法の理念を踏まえ、都立高校生を真に社会人として自立した人間に育成することを都立高校の目的といたしております。その目的を具現化するために、次代を担う社会的に自立した人間の育成、生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進、質の高い教育を支えるための環境整備の三つの目標を定め、さまざまな施策を展開しております。
 給付型奨学金は、質の高い教育を支える環境整備の一環として実施し、その効果により、社会的に自立した人間の育成を推進してまいります。

○川松委員 ありがとうございます。改めて私がいうことでもありませんけれども、教育委員会は、知事から独立した執行機関であります。ですから、生徒の視点をいつも忘れずにやっていく、誰のためにさまざまな施策を展開していくのかということを、ぜひ明確にしていただいて、東京、そして日本を元気にしていくための人材育成をしっかりやっていただきたいと思います。
 さて、きのうまでの三日間にわたる予算審議において、市場移転問題というのがさまざまな場面で議論されましたが、なかなか前に進められなかったことは皆さんご承知のことと思います。私はずっとこの市場問題を見ていて出てまいりました都教委の皆様方への意見と質問を今からさせていただきたいと思います。
 まず、一般論として、環境基準とは何だろうかという点です。これは科学的な話であり、皆様の立場ならば、理科、生物、化学、物理、地学の組み合わせで導かれるものであろうと認識しています。生徒にとれば、こういうものは生まれてきてからの環境にもよるかもしれませんが、育っていく過程の中で興味を持ったりしながら、こういったものを学ぼうと、学問にしていこうという生徒も、それは当然いるわけであります。
 特に、土壌汚染対策工事は、日本の最先端の知見や技術を持って取り組んでいることです。こういう技術は日進月歩でありますから、東京で今学んでいる生徒から、この分野に進んでいく権威が生まれるかもしれません。そして、そういう子供たちの未来へ、夢や希望を提示して、学ぶ環境を整えてあげていただきたいというのが私の本音であります。
 また、ここ最近の築地市場の見学者というものを、私調べてみました。
 例えば過去三年で、小学生だと百一団体三千四百一人、中学生だと三百五十二団体六千六百八十二人が、築地市場を見学しております。今いろんな議論がこの市場についてされている中で、最近の例を見てみると、ことしの二月十三日に都立高校、二月十四日に中央区立小学校、二月二十一日に同じく中央区立の小学校、そして、まさに先週、築地は安全なのか危険なのかといわれている先週三月六日には、鈴木貫太郎先生の地元の荒川区立小学校の生徒さんたちが見学をしているわけです。
 これは当然のことですけれども、都教委の皆さん方は、危険だろうという場所に生徒を連れていくことは、ゆめゆめあり得ないと思います。
 このファクトから指摘したいのは二つです。今の築地市場から学ぶことはたくさんあるということ。そして、豊洲市場移転問題特別委員会の山崎委員長が二月十八日にマスコミに呼びかけたように、豊洲市場を使う使わないにかかわらず、まず現地で何が行われているのか、現地の見学をすることによって、先ほどいった科学的な知見も、生徒たちが学べるんじゃないかなということで、ぜひ提案をさせていただきたいということの二点であります。
 次に要望です。
 現在、東京都の環境局は、皆様方と連携して先生方を対象に夏休み中、六回の環境学習を行っております。この中身を見てみると、エネルギー、大気、自然循環などあるんですが、土壌はありません。もうこれだけ世間の関心を集めたんですから、ぜひ土壌を取り入れていただきたいと思います。(笑声)これは笑っていられる話じゃなくて、ここでもし土壌を取り入れていたら、もう少しこの土壌汚染対策工事の理解が進んだんじゃないかなと、私は思っているんです。ぜひ要望しておきます。
 また、次年度は、石川先生の地元の多摩市などでは、先進的な取り組みとして、小学校高学年向けの環境学習副読本が導入されます。これまでは、道徳だとか生活の中で環境というものを学んできたと思いますけれども、サステーナブルな東京を実現させていく次世代の生徒に対して、都独自の環境を学ぶ取り組みを、ぜひ加速させていただきたいなと要望しておきます。
 さて、そこで、つまるところ私は、今回のような市場移転問題は、よく一旦立ちどまって考えてみますと、正しい知識と判断力があれば、右往左往せず、都政が停滞するようなことはなかったんだろうと思います。そして、今後、二度とあってはならない事態だと考えています。
 今、都教委では、生徒たちのSNSの扱い方などにも取り組んでおられるわけですが、そこで、情報を取捨選択し、みずからの行動判断にフィードバックさせる、いわゆるメディアリテラシー教育について中井教育長の決意をお伺いしまして、私の質問を終わります。

○中井教育長 まず、要望につきましては、しっかりとお聞きをさせていただきました。
 今後、よく検討させていただきたいと思います。
(三百七十字削除)--
   〔発言する者あり〕

○植木委員長 発言中ですから静かにしてください。

○中井教育長(四十二字削除)--
   〔発言する者あり〕

○植木委員長 発言中だから一通り聞いてからにしてください。

○中井教育長(百十五字削除)--
   〔発言する者あり〕

○植木委員長 今発言中です。

○中井教育長 高度情報化社会を生きる子供たちには、インターネットなどのさまざまな媒体から得られる情報を適切に判断して、必要な情報を主体的に選択し、適切に活用できる能力を身につけさせることが重要でございます。
 そのため、都教、育委員会は、平成二十七年十一月にSNS東京ルールを策定したところでございます。この活動の中では、子供自身の身の回りにあふれる情報をいかに的確に取捨選択して、正しい判断をみずから行えるようにするか、あるいは誤った情報または悪意のある情報というのも当然ございますので、そういったものに巻き込まれる、トラブルに遭ったり、犯罪に遭ったりするようなことがないようにするにはどうしたらよいか、こういったことをしっかり子供たちが自分で考え、見きわめる力を身につけることが必要であると、そういったことから、子供同士の話し合い、あるいは学校、家庭でのルールづくりなどの取り組みを行っているところでございます。
 しかし、このテーマについては、どこまでやれば大丈夫かというところは、それでいいという、そういうところがなかなかない、どこまでもどこまでもやり続ける必要がある、そういった類いのものではないかというふうに考えているところでございます。
 したがいまして、今後とも、児童生徒の情報リテラシーの力をつける、育成する、そういう努力を今後ともしっかりと行ってまいりたいと、そのように考えております。

○高木委員 議事進行の動議を出します。

○植木委員長 発言じゃないの。
   〔「動議、動議、動議」と呼び、その他発言する者あり〕

○植木委員長 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○植木委員長 速記を始めてください。

○高木委員 議事進行の動議を求めます。--いいですか。委員長いいですか。
   〔「速記をとめちゃっているんで」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 速記を再開してください。

○高木委員 議事進行の動議を求めます。ただいまの、ただいまの教育長の答弁は極めて不正確かつ私どもにとっては極めて納得しがたい答弁がありました。このことをぜひ理事会に諮って、答弁の削除を求めます。

○植木委員長 理事会に諮るという動議ですね。

○高木委員 理事会に諮っていただいていいです。委員会はもう終わっても結構ですから。

○植木委員長 はい。じゃあ理事会で検討します。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案、報告事項及び請願に対する質疑は終了いたしました。
 これより請願の採決を行います。
 初めに、請願二八第四三号をお諮りいたします。
 本件中、第九項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二八第四三号中、第九項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願二八第四五号の一をお諮りいたします。
 本件中、第三項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二八第四五号の一中、第三項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願二八第四八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、請願二八第四八号は不採択と決定いたしました。
 次に、請願二八第四九号の一を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、請願二八第四九号の一は不採択と決定いたしました。
 請願の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願中、採択と決定いたしました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求をすることにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時六分散会

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