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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第七号

平成二十八年五月三十一日(火曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長植木こうじ君
副委員長里吉 ゆみ君
副委員長高木 けい君
理事栗山よしじ君
理事ほっち易隆君
理事野上 純子君
小松 久子君
山崎 一輝君
野上ゆきえ君
今村 るか君
鈴木貫太郎君
鈴木あきまさ君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長多羅尾光睦君
次長桃原慎一郎君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務武市 玲子君
広報広聴部長樋渡 幸生君
都民生活部長山本  明君
消費生活部長三木 暁朗君
私学部長加藤  仁君
文化振興部長鳥田 浩平君
都政情報担当部長濱田 良廣君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化総合調整担当部長堀越弥栄子君
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監上野 雄一君
技監西倉 鉄也君
技監石山 明久君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
連携推進担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務戸谷 泰之君
運営担当部長田中  彰君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野寺弘樹君
輸送担当部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君
教育庁教育長中井 敬三君
次長松山 英幸君
教育監伊東  哲君
総務部長堤  雅史君
都立学校教育部長早川 剛生君
地域教育支援部長粉川 貴司君
指導部長出張 吉訓君
人事部長江藤  巧君
福利厚生部長太田 誠一君
教育政策担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
安部 典子君
教育改革推進担当部長増田 正弘君
特別支援教育推進担当部長浅野 直樹君
指導推進担当部長宇田  剛君
人事企画担当部長鈴木 正一君

本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
陳情の審査
(1)二八第五号の一 軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情
生活文化局関係
陳情の審査
(1)二八第二〇号 都独自の給付型奨学金制度の創設と学生の教育環境改善に関する陳情
教育庁関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・都立臨海地区特別支援学校(仮称)(二十八)新築工事請負契約
・都立板橋高等学校(二十八)改築工事請負契約
・地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
請願陳情の審査
(1)二八第五号 特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願
(2)二八第五号の一 軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情
(3)二八第三一号 義務教育課程における平和教育に係る課題図書に関する陳情
(4)二八第三二号の二 消滅の危機に瀕(ひん)する言語の保全及び継承を求めることに関する陳情

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、このたび熊本地震により亡くなられた方々と、そのご遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 ここで、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 ご起立願います。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○植木委員長 黙祷を終わります。ご着席願います。

○植木委員長 次に、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、五月十二日付をもって、斉藤あつし議員が本委員会から環境・建設委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。

○植木委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介をいたします。
 議事課の担当書記の佐々木香菜子さんです。
 議案法制課の担当書記の小池綾子さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○植木委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びにオリンピック・パラリンピック準備局、生活文化局及び教育庁関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、オリンピック・パラリンピック準備局長に塩見清仁君が就任されました。
 また、幹部職員に交代がありましたので、局長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○塩見オリンピック・パラリンピック準備局長
去る四月一日をもちまして、オリンピック・パラリンピック準備局長を拝命いたしました塩見清仁でございます。
 当局は、二〇二〇年東京大会の成功に向け、庁内はもとより、国、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会を初め、都内区市町村、全国自治体及び民間団体など、さまざまな組織と連携して精力的に大会準備を進めるとともに、前年に開催されるラグビーワールドカップ二〇一九とあわせ、両大会を一体のものとして戦略的に取り組みを進めてまいります。
 また、二〇二〇年とその先を見据え、スポーツ振興及びスポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京の実現に向けて、さまざまな事業を展開してまいります。
 植木委員長を初め委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りながら、職員一同、一丸となって全力で事業に取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、四月一日付の組織改正及び人事異動で当局の幹部職員に交代がございましたので、ご紹介申し上げます。
 技監の上野雄一でございます。連携推進担当部長の丸山雅代でございます。事業推進担当部長の戸谷泰之でございます。戸谷は、計画調整担当部長を兼ねてございます。大会施設部長の根本浩志でございます。競技・渉外担当部長の小野由紀でございます。開設準備担当部長の鈴木一幸でございます。施設担当部長の花井徹夫でございます。輸送担当部長の朝山勉でございます。朝山は、選手村担当部長を兼ねてございます。スポーツ推進部長の小室明子でございます。スポーツ計画担当部長の川瀬航司でございます。ラグビーワールドカップ準備担当部長の土屋太郎でございます。土屋は、国際大会準備担当部長を兼ねてございます。
 なお、理事の中嶋正宏は病気療養中のため、パラリンピック担当部長の萱場明子は公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○植木委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○植木委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二八第五号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小室スポーツ推進部長 それでは、陳情についてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております陳情審査説明表をごらんください。二枚おめくりいただきまして、右肩に整理番号2と打ってございます資料をお開きください。
 陳情二八第五号の一、軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情についてご説明いたします。
 本陳情は、大阪府東大阪市に所在の軽度外傷性脳損傷仲間の会代表、藤本久美子さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、各種スポーツ団体のジュニアのスポーツクラブのスポーツコーチに、ポケットSCAT2の携帯を義務づけること。あわせて、むち打ち型損傷、もしくは頭頸部に衝撃を受けたと推測される事故、事案が発生した場合は、本人の訴えだけではなく、症状を客観的に正確に観察して判断を下すとともに、家庭、家族への報告も義務づけ、経過観察を促すこと。
 以上、二点について、国、政府等関係機関に対して要請する意見書を提出していただきたいというものです。
 陳情の内容に関する現在の状況について申し上げます。
 ポケットSCAT2は、既にサッカーやラグビーで活用されている一方で、スポーツによってその態様はさまざま異なることから、都ではスポーツの統一組織である東京都体育協会がスポーツ指導者に対して実施する研修会等におきまして、必要な医学的知識や救急処置に関する講義を設け、脳震盪を含む事故の未然防止及び事故発生時の適切な対応に努めております。
 具体的には、スポーツ少年団の指導者資格を取得する方を対象とした認定員養成講習会兼スポーツリーダー養成講習会におきまして、スポーツ指導者に必要な医学的知識として、スポーツ活動中に多いけがや病気、救急処置等について講義を行っております。
 また、日本体育協会が公認するスポーツ指導者指導員資格を取得する方に対し、平成二十七年度にバレーボール、軟式野球、ソフトボール、フェンシング、山岳、空手道、ボウリング、バスケットボールの競技を対象として、救急処置法等の講習を実施しております。
 さらに、日本体育協会が公認するスポーツ指導者上級指導員資格を取得する方に対し、偶数年度に、全競技に共通する科目として、スポーツ指導者に必要な医学的知識について講習を行っているほか、今年度は専門科目としまして、空手道の競技において、現場における救急処置法等の講習を実施することとしております。
 なお、今年度は、日本体育協会が公認するスポーツ指導者の資格更新のための義務研修として実施しております東京都スポーツ指導者研修会におきまして、スポーツ指導における事故防止策をテーマにする予定でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 陳情二八第五号の一、軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情について意見を申し上げます。
 スポーツ中の脳震盪に関連して、二〇一四年、フィギュアスケートの羽生結弦選手が、練習中に他の選手と衝突して、頭にけがをした直後に試合に出場したことは記憶に新しいところです。脳震盪が疑われたのではないかということ、その状況で選手を出場させてよかったのかということが議論になりました。
 文部科学省は、二〇一三年十二月二十日に、スポーツによる脳損傷を予防するための提言に関する情報提供についてという事務連絡を都道府県に送付しています。
 日本脳神経外科学会の発表したスポーツによる脳損傷を予防するための提言を情報提供し、頭や首のけが、頭頸部外傷に関する知識と対応について周知し、事故防止と安全管理の徹底を呼びかけるものです。
 提言では、スポーツによる脳震盪は、意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのこともある。つまり、意識があるから大丈夫、脳震盪ではないとはいえないということです。
 それから、スポーツによる脳震盪は、そのまま競技、練習を続けると、これを何度も繰り返し、急激な脳腫瘍や急性硬膜下血腫など、致命的な脳損傷を起こすことがある。そのため、スポーツによる脳震盪を起こしたら、原則として直ちに競技、練習への参加を停止するとされています。
 こうした提言の周知を初め、先ほどのご説明でも、スポーツの現場で事故防止のためにさまざまな努力が払われていることがわかりました。脳損傷の恐ろしいところは、将来にわたって重い後遺症が残ってしまったり、そのときは大したことはないと思っても、後から症状が出て、しかも検査をしてもなかなか正確な診断が得られず、原因のわからないまま、記憶障害やだるさ、目まいなどに苦しめられ続けるということもあると聞いています。
 今回の陳情者の願いは、そのような事態を招かないよう、頭を打ったそのときにどんな対応をとることが必要なのかを、一層周知徹底してほしいということだと思います。その趣旨に賛同し、この陳情は趣旨採択を主張して意見といたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、本件は教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第五号の一は継続審査といたします。
 陳情の審査を終わります。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○植木委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、局長から紹介があります。

○多羅尾生活文化局長 四月一日付の人事異動で生活文化局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
 都民生活部長の山本明でございます。消費生活部長の三木暁朗でございます。文化総合調整担当部長の堀越弥栄子でございます。
 なお、文化施設改革担当部長の越秀幸は、公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○植木委員長 紹介は終わりました。

○植木委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二八第二〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤私学部長 都独自の給付型奨学金制度の創設と学生の教育環境改善に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 陳情二八第二〇号、国立市の全国大学院生協議会議長、境正俊さんから提出されました都独自の給付型奨学金制度の創設と学生の教育環境改善に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、都において、国際人権A規約第十三条第二項(c)、日本国憲法第二十六条第一項及び教育基本法第四条第三項に基づき、給付型奨学金制度を創設していただきたい。また、学生寮の拡充及び在京学生への家賃補助を行っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、大学院生及び大学生の教育費等の経済的負担の軽減につきましては、奨学金も含め、高等教育機関の所轄である国の責任において制度設計されるべきものと考えております。
 都といたしましては、国との役割分担に基づき、高等学校等に通う生徒を対象に東京都育英資金事業を展開しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 それでは、陳情についての質疑を行いたいと思います。
 これは、高等教育、大学等に進学する人に都独自の給付型奨学金制度をつくってほしいという陳情です。
 そこで、まず都内にどれぐらいの対象者がいるのかについて伺いたいと思います。都内の高校の卒業者数と、そのうち大学等、大学、短大、専修学校など、高等教育に進学する人数を伺います。

○加藤私学部長 平成二十七年三月の高校の卒業者数は十万六百三十五人であり、そのうち大学等への進学者数は七万九千二百四人でございます。

○里吉委員 今のご説明で、都内高校生の約八割が大学等に進学していることがわかりました。今や、大学や専修学校などに進学することは、ごく普通のことになっています。
 厚生労働省によれば、高卒の求人は一九九一年の百六十七万人に対し、二〇一四年はその五分の一、三十二万人にまで減っています。また、平均初任給も大卒では二十万二千円ですが、高卒は十六万九百円、就職のためにも高等教育が必要になっているのが現実です。
 しかし、いざ学ぼうとすると、世界一高い学費という問題にぶつかります。OECD加盟三十四カ国の中で見ると、十七の国は大学の授業料が無償です。そうでない国も返済の必要のない給付型奨学金制度を持っています。
 一方、日本では、新入生が払う学費は、国立大で約八十二万円、私立大では平均百三十一万円。私立大学で四年間にかかる費用は、自宅通学でも平均七百三十八万円といわれています。
 このため、今や学生の約半数が奨学金を借りています。さらに、その中の半数は有利子の奨学金を借りています。卒業と同時に数百万円の借金を背負いますが、奨学金が返せず自己破産になるケースなど、マスコミでも大きく取り上げられ、社会問題になっています。
 さらに、大学院まで進学するとなると、借金は一千万円にも膨らむことも珍しくありません。せっかく大学院にまで進んだのに、アルバイトに追われて十分な研究ができないとか、さらに研究を続けたいと思っていたが、お金が続かず、断念せざるを得ないなど、深刻な状態です。
 正規で就職できなかった場合、奨学金の返済が厳しくなるということで、あえて奨学金を借りない、または金額を少なく借りて、アルバイトで必死に生活費を稼ぐという学生もふえています。
 東京都が行っている奨学金について、ここで少しお伺いしたいと思うんですが、返済する奨学金、高校生対象のものがあります。これは都が所管しています。
 都が高校生を対象とした育英資金、これを実施していますが、現在、この都の育英資金を使っている高校生は何人いらっしゃるでしょうか。また、大学進学などを理由に、その返金を延期している学生はどれくらいいるでしょうか。それぞれ伺います。

○加藤私学部長 平成二十六年度の高校生に対する育英資金貸付実績でございますけれども、四千六百六十二人でございます。
 また、高校生のときに貸し付けを受けていた者で、平成二十六年度に大学等への進学などを理由に育英資金の返還猶予を受けている者は千七百七十九人でございます。

○里吉委員 育英資金を借りている人の中では、進学等の理由による返金猶予は半分以下と。これだけでは正確なことはわかりませんが、全体の進学率が八割というところから比べますと、大分違います。高校卒業までに既に借金を背負って、さらに大学等への進学となると、ハードルが高いということではないでしょうか。
 そこで伺いますが、都はこれまで大学などの高等教育の奨学金制度は、高等教育の所轄である国との役割分担に基づき、都は高校生向けの奨学金の貸付事業で実施していて、大学生等については国の責任だという立場をとってきました。しかし、大学生向けの貸与制の奨学金制度は、既に少なくない自治体で実施しています。
 また、給付制についても、既に長野県では実施され、沖縄県でも実施が決まっています。都内の足立区でも独自の制度を今年度新しく開始しました。これは返済免除にするというやり方ですけれども、開始いたしました。
 都は、役割分担といいますが、大学生などを対象とした奨学金は、自治体の判断でできるのではないかと思います。このことについて確認します。

○加藤私学部長 都は、国との役割分担に基づきまして、高等学校等に通う生徒を対象に、東京都育英資金事業を運用しております。
 大学生等の教育費負担の軽減を目的とする奨学金につきましては、自治体において実施することを否定されているものではありませんが、高等教育機関の所轄である国の責任において制度設計されるべきものであります。

○里吉委員 自治体において実施することが否定されているわけではないということですね。だとしたら、都の財政力があれば、国に率先して実施することも可能ですし、実施すべきではないでしょうか。
 本来、国の責任で実施すべきことでも、国に先駆けて東京都として実施していることは幾つもあります。必要な対策は、都として踏み出すことが求められています。ぜひ学生の教育を受ける権利に対して、それを保障するための給付制奨学金制度創設を求めたいと思います。
 また、大学生の給付型奨学金制度の創設は、もう一つの視点から見ますと、子供の貧困対策としても重要だと思います。実際に、足立区では子供の貧困対策の一環として、区の貸付型の奨学金の一部返済免除という形でスタートさせております。
 知事は、貧困の連鎖を断ち切るために、学習、生活、経済面など、切れ目なく支援を実施していかなければならないと予算発表の記者会見で発言していました。子供の貧困対策、貧困の連鎖を断ち切るためには、大学などへの進学は重要と考えます。
 東京都は、今年度、子供の貧困対策推進連携部会を設置いたしましたが、そうした中で、大学生や大学院生などの奨学金制度についても検討するべきではないかと思いますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 現在、庁内各局で構成します子供・子育て施策推進本部の中に、新たに設置いたしました子供の貧困対策推進連携部会において、さまざまな分野で子供の貧困対策を検討してございます。

○里吉委員 親の経済状態にかかわらず、学ぶ意欲のある子供が大学や大学院へと進学できるようにすることは待ったなしの課題です。さまざまな分野で子供の貧困対策を検討するというお答えでしたが、その一つとして給付型奨学金の創設をぜひ検討していただきたいと思います。
 また、陳情では、学生寮の拡充と在京学生への家賃補助を求めています。私たちは、学生に限らず、若い世代にとって東京の家賃が重い負担となっていることに問題意識を持っております。
 東京私大教連の調査によれば、首都圏周辺の私立大学に昨年春に入学した学生のうち、自宅外通学生への仕送りは月額八万六千七百円で、十五年連続で減っていると。家賃を除いた一日当たりの生活費は八百五十円で、どちらも比較できる一九八六年度以降で過去最低を更新しました。実質賃金が下がり続けている中で、学費はどんどん高くなっているわけですから、当然といえます。
 大学院生の方からもお話を伺いましたが、少子化の影響もあって、今、地方の大学や大学院では、学部や学科などを減らしているところが多くあるそうです。そうすると、特に大学院に進むときに、自分の学びたい学科などが東京にしかなくて上京するという院生もふえているんだというお話でした。
 学ぶ意欲のある学生だからこそ、実家を出て、家賃が高くても都内の大学院に進むのだと思います。ここへの支援も重要であると考えます。
 スウェーデンの国家予算並みの財政力を持ち、大学と学生が集中している首都東京でこそ、家庭の経済状況に左右されず、意欲のある学生が大学、大学院へと学べるよう給付型奨学金の創設を、そして低廉な家賃での住宅確保とあわせて行うべきです。
 以上、陳情の趣旨採択を主張して質問を終わります。

○今村委員 それでは、私からも質疑をさせていただきたいと思います。
 確認をさせていただきたいと思いますが、本陳情では、都独自の大学生などに対する給付型の奨学金制度の創設を求めているところであります。
 そこで、他の道府県で大学生などに対する独自の給付型奨学金制度を設けているところがあるというふうに聞いておりますけれども、その内容を都はどのように把握をしているのか伺いたいと思います。

○加藤私学部長 現在、長野県におきまして、大学生等に対する給付型奨学金制度が設けられております。
 その内容でございますが、向学心を有しながら、経済的理由により、大学、短大への進学が困難な県内の高校等出身者が県内の大学、短大に進学する場合、受験料及び入学料として三十万円以内の実費を三十人程度に給付するという内容でございます。
 なお、沖縄県において、来年度から大学生に奨学金を給付する予定であると聞いております。

○今村委員 今、給付型奨学金として長野県の例をご紹介いただきましたけれども、これは県内出身者が県内の大学、短大に進学する場合のみ対象になるということでありました。いわば長野県内で完結している仕組みでありまして、若者に地元に残ってもらい、地域の活力を高めてもらうという目的もあるのではないかと想像をいたします。
 また、沖縄県も導入予定とのことでありますけれども、こちらも県内出身者が対象であるというふうに聞いておりますので、同じように地域振興目的などがあるのではないかというふうに推察をされます。
 一方で、東京には全国から学生が集まってきており、大学生だけで七十万人以上が通学をしているというふうに聞いています。他道府県とは状況が異なり、給付対象や給付要件、財源など、制度導入に当たって検討すべき課題もたくさんあるというふうに思います。
 高校生に対する給付型奨学金の創設は、我が会派がこれまでも要請してきたことであります。大学生、大学院生に対する給付型奨学金の必要性は当然ではありますけれども、奨学金制度の役割分担として、まずは国において創設されるべきであり、都においては、今後の課題として、さまざまな環境を注視するよう要請をして質疑を終わります。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第二〇号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○植木委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、教育長から紹介があります。

○中井教育長 さきの人事異動で教育庁幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 教育監の伊東哲でございます。指導部長の出張吉訓でございます。教育改革推進担当部長の増田正弘でございます。特別支援教育推進担当部長の浅野直樹でございます。指導推進担当部長の宇田剛でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の谷理恵子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○植木委員長 紹介は終わりました。

○植木委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中井教育長 平成二十八年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 初めに、条例案でございます。
 都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令の施行に伴い、規定を整備するものでございます。
 次に、契約案でございます。
 都立臨海地区特別支援学校(仮称)(二十八)新築工事請負契約外一件でございます。
 次に、諮問でございます。
 地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関するものでございまして、審査請求人から東京都知事に対して、都教育委員会が行った退職手当支給制限処分の取り消しを求める審査請求がございましたので、知事が議会に諮問し、答申をいただくものでございます。
 以上が教育庁関係の提出予定案件の概要でございます。詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○堤総務部長 それでは、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、平成二十八年第二回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回提出を予定しております条例案は一件でございます。
 一ページをお開き願います。都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 三ページの新旧対照表をお開き願います。公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令の施行を踏まえまして、介護補償の限度額及び他の法律による給付との調整に係る率について改定するものでございます。
 施行日は、公布の日からとしております。
 続きまして、お手元の資料、平成二十八年第二回東京都議会定例会議案(契約)に基づき、契約案をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回提出を予定しております契約案は二件でございます。
 一ページをお開きください。都立臨海地区特別支援学校(仮称)(二十八)新築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は六十億九千百二十万円、契約の相手方は東京都中央区京橋一丁目六番十一号、関東・エムテック・立花・オオバ建設共同企業体でございます。
 工期は、契約確定の日から平成三十一年一月二十五日まででございます。
 三ページから八ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、九ページに契約議案の概要を記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。都立板橋高等学校(二十八)改築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二十六億七千六十二万四千円、契約の相手方は東京都豊島区池袋二丁目四十八番一号、佐田・中尾建設共同企業体でございます。
 工期は、契約確定の日から平成三十年七月十二日まででございます。
 一二ページから一七ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、一八ページに契約議案の概要を記載してございます。
 続きまして、お手元の資料、平成二十八年第二回東京都議会定例会議案(諮問)に基づき、諮問についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 今回提出を予定しております諮問は、地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問についての一件でございます。
 一ページに諮問文を、二ページに審査請求の趣旨等を記載してございます。
 三ページをごらん願います。諮問の詳細につきましてご説明いたします。
 一及び二は、審査請求人の氏名及び請求の年月日でございます。
 三は、審査請求の趣旨及び理由でございます。
 (一)の審査請求の趣旨は、東京都教育委員会が審査請求人に対し、平成二十六年二月二十六日に行った職員の退職手当に関する条例に基づく退職手当支給制限処分の取り消しを求めるというものでございます。
 (二)の審査請求の理由は、退職手当を全部不支給とした本件処分は重きに過ぎ、違法または不当であるというものでございます。
 四は、経緯でございます。本件事案及び処分を行った経緯を時系列に沿って記載してございます。
 (一)でございますが、請求人は、市立中学校の教諭であった平成二十一年二月中旬に東京都東村山市所在のスーパーマーケットにおいて、食料品一点、六百円相当を窃取し、平成二十二年十一月四日に同市の別のスーパーマーケットにおいて、食料品一点、約三百円相当を窃取し、平成二十五年十月二十三日に東京都昭島市所在のスーパーマーケットにおいて、食料品二点、九百九十六円相当を窃取いたしました。
 (二)でございますが、処分庁である都教育委員会は、(一)の事実を認定し、平成二十六年二月二十六日に地方公務員法の規定に基づき、請求人を懲戒免職処分にするとともに、退職手当条例の規定に基づき本件支給制限処分を行いました。
 (三)でございますが、これに対して請求人は、平成二十六年四月十四日に本件支給制限処分に係る審査請求を提起するとともに、同月十六日に、本件懲戒免職処分に対する審査請求を東京都人事委員会に対して提起しました。
 五は、審査請求に対する処分庁の考え方でございます。
 (一)でございますが、処分庁である都教育委員会は事実を適正に認定しており、処分に違法はないと考えております。
 (二)でございますが、本件懲戒処分を不服として人事委員会に申し立てた審査請求は棄却をされております。
 (三)でございますが、したがって本件処分に関して事実の誤認はなく、懲戒免職相当の非違行為があったことは明らかでございます。
 (四)でございますが、本件処分は、退職手当条例に規定する非違行為の内容などの事情を勘案して決定した妥当なものであり、請求人の本件処分は重きに過ぎ、違法または不当であるとの主張は失当であると考えております。
 以上により、本件審査請求には理由がないことから、棄却すべきであると考えております。
 なお、六については人事委員会裁決の経過を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○植木委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二八第五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○浅野特別支援教育推進担当部長 お手元にお配りしております文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 請願二八第五号、特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、新宿区の障害のある子どもたちの教育・生活をゆたかにする東京の会の代表、深沢智子さん外一万六千百九十人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、多様な方法により、教育活動に必要な特別支援学校の教室を確保していただきたいというものでございます。
 このことに関する現在の状況でございますが、都立特別支援学校における教育環境の整備につきましては、東京都特別支援教育推進計画に基づき、施設の新築、増改築、学部の改編、通学区域の調整などの対応策を講じながら、特別支援学校の規模と配置の適正化を図り、教育環境の整備を行うこととしております。また、新築、増改築に際しては、可能な限り多くの教室を確保するよう努めることとしております。
 これまで教室の整備を進めてきた結果、在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校の普通教室数は、計画策定時の平成十六年度は七百三十六教室でありましたところ、平成二十七年度までに四百二十六教室を整備し、千百六十二教室まで増加しております。
 ただし、特別支援学校の施設整備は完成までに長期間を要することなどから、特別教室等を転用した普通教室や間仕切りした普通教室が現在も存在しております。
 転用する場合には管理関係部門の諸室を優先して利用したり、教室を間仕切りする場合には防音性の高いパーティションを導入したりするなど、可能な限り教育活動に支障が生じないよう最大限配慮しております。
 あわせて、校舎が完成するまでの間の緊急措置として、借地に仮校舎を建築し、当面必要な教室の確保に努めております。
 なお、教育人口等推計によると、公立小中学校の児童生徒は増加傾向にございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○山崎委員 私からは、請願二八第五号、特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願に関連して、特別支援学校における教育環境の充実について、これまでの経過にも触れながら、今後の方向性の質疑を行いたいと思います。
 都教育委員会は、平成十六年十一月、特別支援教育推進計画第一次実施計画を、その後、平成十九年度には第二次計画、平成二十二年度には第三次計画を策定し、計画期間全般にわたり教育環境を充実させてきております。
 さらに、国の動きについて見れば、平成十九年九月に我が国は、障害者の権利に関する条約に署名をし、以来、平成二十三年八月には障害者基本法が改正され、本年四月には障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行されるなど、障害者を取り巻く社会状況は大きく変化をしております。
 我々、都議会自民党は平成二十六年、東京オリンピック・パラリンピック大会を契機として次の時代においても輝き続ける東京をつくっていくため、東京を世界で一番の都市にの政策を実現すべく、都に対して具体的かつ実効性の高い政策提言を行いました。
 特別支援教育については、国や都におけるさまざまな状況変化に対応しつつ、さらに施策を積極的に展開をして、若者が夢と希望を持てる教育都市東京をつくるため、専門性の高い人材の育成や、障害に応じた支援体制の充実などを提言してまいりました。
 これを踏まえ、都議会においても、特別支援学校の生徒の就労支援の充実や通級による指導の充実など、具体的かつ実効性があり、子供たちにとって有効な施策の必要性を訴えてまいりました。
 そこで、まずこのような経過を確認する意味を含めて、都教育委員会がこれまで進めてきた特別支援教育の充実についての成果を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、平成十六年十一月に特別支援教育推進計画を策定し、個に応じた指導と支援の充実や特別支援学校の規模と配置の適正化、区市町村における特別支援教育推進体制の整備など、特別支援教育の充実に努めてまいりました。
 例えば、一人でも多くの障害のある生徒が企業就労の希望を実現できるよう、障害の程度に応じた職業教育を実施するため、知的障害特別支援学校に就業技術科及び職能開発科を設置いたしました。既に卒業生を輩出した就業技術科においては、九〇%を超える高い企業就労率を実現しております。
 また、発達障害教育を推進するため、小学校における特別支援教室を導入し、発達障害の児童生徒が在籍校で適切な指導を受けられる体制の整備を促進しております。

○山崎委員 都教育委員会は、障害のある子供たち一人一人の可能性を最大限伸ばし、自立と社会参加を実現するため、さまざまな施策を推進してきました。これは、東京都の特別支援教育の充実に大きな役割を果たしてきたものと考えます。
 今の答弁の中でも、障害の程度に応じた職業教育を推進することにより、就業技術科では高い就労率を実現しているとの答弁がございました。子供たちが持っている力を伸ばすには、全員に同じ教育を画一的に提供するのではなく、その子供に合った教育支援が必要であるということがいえると思います。
 さて、特別支援学校の中でも、知的障害特別支援学校では、在籍者数の増加が著しく、特別支援教育推進計画を策定した平成十六年度から平成二十七年度までの十一年間で、児童生徒数は約一・七倍に伸びております。知的障害部門を初めとして、特別支援学校の児童生徒数は、近年なぜ増加をしているのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、特別支援教育推進計画を着実に実施し、障害のある幼児、児童生徒の一人一人の能力を最大限に伸長するため、乳幼児期から学校卒業後までを見通した多様な教育を展開し、自立と社会参加を支援してまいりました。
 具体的には、障害の重度重複化や多様化への対応、一人一人に応じたきめ細かで専門的な指導、自立と社会参加に向けた職業教育の充実などの取り組みは、児童生徒の学ぶ意欲を高め、子供たちの力を伸長しております。
 近年の特別支援学校の在籍者の増加の背景には、特別支援教育の推進により、特別支援教育への理解が進んできたことや、障害のある児童生徒に対する専門的な教育への期待やニーズの高まりがあると考えております。

○山崎委員 専門的な教育への期待やニーズの高まりがあるということですが、冒頭に申し上げたとおり、これは東京都教育委員会が障害のある子供たちにとって効果の高い特別支援教育を実施してきたからであると思います。
 そして、我が都議会自民党は、教室の冷房化推進やスクールバス運行体制の充実などを初め、さまざまな提案を教育委員会に行い、これらを踏まえて、施策を、予算を、我々はしっかりとつくり上げていく大きな責任があると思います。ですから、しっかりと皆さんを、また後押しをしてきたわけでもあるわけです。
 特別支援学校の在籍者数が増加を続ける中で、これに対応するための施設整備を進めることは、子供たちの持てる能力を高め、豊かな学校生活を送る上で非常に重要なことであり、特に急激な増加を見せている知的障害特別支援学校の施設整備については、急務であると考えます。
 そこで、これまでの知的障害特別支援学校の施設整備の取り組み内容について伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 在籍者数増加の著しい知的障害特別支援学校の教育環境の整備に当たりましては、校舎の新築、増改築に際して、可能な限り多くの教室を確保するよう努めてまいりました。
 これまで七校の新設と七校の増改築を終え、平成十六年度の学校数が三十校一分校、普通教室数が七百三十六教室であったところ、平成二十七年度には四十校千百六十二教室まで整備を進めており、普通教室数を見ると、計画策定時の平成十六年度に比べ、約一・六倍に増加させたことになります。
 また、校舎が完成するまでの間の緊急措置として、他の自治体からの借地に仮校舎を建築し、当面必要な教室を確保することも行っております。
 今後も新設三校、増改築十三校の整備を引き続き進めてまいります。

○山崎委員 これまで、さまざまな方法でかなりの数の教室を整備してきたことはわかりました。
 一方で、特別支援学校へのニーズの高まりがあり、現時点で転用教室や間仕切り教室が特別支援学校全体で六百八十三教室存在しているということも現実であります。
 こうした状況を一刻も早く解消してほしいというのが今回の請願の趣旨であります。現に教育を受けている児童生徒や保護者からの願いが本請願に記述をされているわけであります。
 そこで、改めて伺いますが、障害のある児童生徒の学習及び生活の場として必要な教室を確保し、教育環境を整備することは重要な課題と考えますが、いかがでございましょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校おいて、障害の状況とニーズに応じた多様な教育が実践できるよう、必要な環境を整え、障害のある子供たち一人一人の可能性を最大限に伸ばし、できる限り多くの子供たちの自立と社会参加を実現していくことは重要でございます。
 都教育委員会では、平成十六年十一月に特別支援教育推進計画を策定し、個に応じた指導と支援の充実や特別支援学校の規模と配置の適正化、区市町村における特別支援教育推進体制の整備など、特別支援教育の充実に努めてまいりました。
 在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校については、施設の新築、増改築、学部の改編、通学区域の調整などの対応策を講じながら、規模と配置の適正化を図り、教育環境の整備に努めてまいりました。
 今後とも在籍者の増加に対応した施設整備を進め、教育環境の一層の充実を図ることは重要であると考えます。

○山崎委員 今回の請願には、教室不足がいつ解消されるのか明らかにされておらず、児童生徒数は今後も増加することが予想される旨の記述がございます。
 そこで、現状の教室不足がいつ解消するのか、また、今後の児童生徒数の見込みはどうなっているのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校については、特別支援教育推進計画対象校の整備が全て完了すれば、第三次実施計画策定時に推計した学級数に必要な教室数を確保できる見込みでございます。
 しかしながら、平成二十七年度の教育人口等推計によれば、都内公立小中学校の児童生徒数は今後も増加傾向にあると推計されていることから、知的障害特別支援学校の児童生徒数も増加する可能性が高いと考えてございます。
 なお、現在の六百八十三の転用分割教室は、第三次実施計画が全て完了した時点で百五十室残るものと見込まれております。これは、知的障害以外の特別支援学校に係る数値でございますが、知的障害以外の特別支援学校につきましては、それぞれの障害ごとに、障害特性や教育課程、指導の内容、方法が異なっていることから、必要な施設設備や教室の利用状況も一様ではございません。
 こうした障害種別ごとの違いや、今後の幼児、児童生徒数の動向等を考慮しながら、今後の対応を検討してまいります。

○山崎委員 これまで特別支援教育推進計画に基づき、施設の新築、増改築などにより施設整備を進めてきたというわけです。そのこと自体は教室不足を解消する上で根本的な解決策ではあります。
 一方で、教育以外にもさまざまな行政需要があることや、都税収入は予断を許す状況にないことなどを考えると、投入できる経費にも限度があることも現実であります。
 この請願にあるとおり、保護者など関係者の教室確保を願う思いは切実で、こうした願いに速やかに応えていかなければなりません。そうであるなら、なおさら実態を踏まえ、実現可能性の高い施策を実施すべきであります。
 今、ここで気をつけなければならないことは、一日も早く必要な教室を確保し、教育環境の改善に取り組むことです。あらゆる選択肢を検討し、最適な手段を選び実行していくことが、また重要でもあります。我が党は、スピード感を持って、責任ある対応をしてまいりたいと思います。
 さて、教育委員会は、第一回都議会定例会において、我が党からの今後の特別支援教育の充実についての質問に対し、特別支援教育を推進するため、現在の計画に引き続き新たな計画の策定を検討していく旨の答弁がございました。
 先ほどの答弁でも、特別支援学校の児童生徒数は増加する可能性が高いとのことでした。その可能性が高いのであれば、正確な推計を実施すべきと思います。これまでの質疑を踏まえ、教育環境の整備充実について、今後どのように対応をされるつもりなのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成二十八年四月に一部改定を行った東京都教育ビジョン(第三次)では、特別な支援を必要とする幼児、児童生徒の自立と社会参加に向けて、特別支援学校における教育環境の整備充実に取り組むことを主要施策として掲げております。
 特別支援学校の在籍者に関する将来推計や、特別支援学校の施設整備の対応方針について、今後検討してまいります。
 これらを含めた特別支援教育の新たな計画の策定についての検討を進め、早急に方向性を示してまいります。

○山崎委員 東京オリンピック・パラリンピック大会を契機とする障害者スポーツの振興や障害者雇用の推進など、さまざまな障害者施策を推進する我が党は、特別支援教育についても執行機関と協力をして力を注いできましたし、今後もその姿勢は変わりはございません。
 今回、都議会自民党が中心となって請願を取り上げたのは、特別支援学校の教室不足の課題に対し、請願に記述されているよう、多様な方法を用いて一刻も早く教室不足を解消することが障害のある子供たち、そして保護者の大きな支援になると考えたためです。
 少しでも早く教室不足を解消するためには、従来の新築や増改築はもちろんのこと、多様な方法により速やかに対応する手だてを盛り込み、解決を図る必要があります。それは、合理的で実現可能な解決策を一刻も早く実施していくことにもつながるわけであります。
 今後も都議会自民党は、教育環境の整備充実について、都教育委員会とともに、力を合わせて全力を挙げて取り組んでいくことを申し上げて質疑を終わります。

○野上(純)委員 私も、請願二八第五号、特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願について質疑をさせていただきたいと思っております。
 過去の記録をいろいろ調べてみたんですけれども、平成十六年の文教委員会、五月にあったんですけれども、そのときにも教室不足のことについて質疑をしてまいりました。そのときには、使わなくなった都立の高校の跡をうまく活用できないかということを提案させていただきました。
 それから、平成二十二年の第二回定例会、これは代表質問だったんですけれども、その中でも教室不足について質疑をして、しっかりとその年の計画の中に盛り込んでいただいたという経緯がございます。ということは、都教育委員会は、計画に基づいて特別支援学校の施設整備を進めてきた経緯があると思っております。
 また、新築や増改築に関しては、可能な限り多くの教室を確保してきたとのことですけれども、現状では特別支援学校に在籍する子供たちの急増に伴って、普通教室を確保するために転用や分割を行っております。子供たちの急増になかなか間に合っていないのが実情のようです。
 私も特別支援学校の入学式、卒業式、特に盲学校とか、ろう学校なども含めて、ご案内いただいたところには積極的に参加をさせていただいて、なるべく多くの学校を訪問して、直接学校の様子を見せていただき、子供たちに触れる機会を多くつくってまいりました。
 特に肢体不自由の学校の卒業式は非常に感動的で、子供たちがストレッチャーに乗っていたり、あるいは車椅子に乗っていたりして、名前を呼ばれても三秒後ぐらいに、はいという返事がしてまいります。これは担当の先生が、はいと返事をしていたりするわけなんですけれども、学校の現状は本当にさまざまで、障害にも差があります。重い障害があって大変厳しい現状もある子もあるし、あるいはボーダー的な子供たちもたくさんいます。しかし、どの子も学校行事にきちんと参加をしている。その子供たちの様子を見ておりますと、学校での教育活動の毎日の積み重ねが大事なんだなということを感じております。
 子供たちには、ぜひ良好な教育環境を整えるべきだと思っております。教室が足りていない大きな原因は何なのか。知的障害特別支援学校に在籍する子供たちの急増が原因ではないかと思っております。
 そこで、具体的な数字で、知的障害特別支援学校の在籍者のこれまでの増加についてお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校の児童生徒数は、特別支援教育推進計画を策定した平成十六年度には八千十一人でありましたが、平成二十七年度には一万一千八百九十三人と、十一年間で約一・五倍に伸びております。
 中でも知的障害特別支援学校の児童生徒の伸びは著しく、五千百四十九人から八千七百三十六人と三千五百八十七人の増加で約一・七倍の伸びとなっております。

○野上(純)委員 先ほど山崎さんの質疑の中でも一・七倍ということを出してありましたけれども、知的障害特別支援学校の子供たちが本当にふえているということが認識できます。数字を聞きますと、著しく増加をしていることが改めてわかります。
 この請願の中に、都の特別支援学校の教室不足は、いまだ深刻な状況にあると記述されております。私も学校を視察させていただいた際に、普通教室をカーテンで仕切った教室、あるいは特別教室を転用した普通教室を目にしておりますが、中にはパーティションで区切っているところもあるんですけれども、パーティションの上がすっかりあいております。これは何であいているんだろうと。声とか全部筒抜けなのにと思ったら、お話をお伺いすると、クーラーが、パーティションで仕切ってしまうと個別の部屋には全く行かないので、上をあけておかないと、クーラーが届くように、冷気が来るように工夫をしているということでございました。
 そこで、現在の特別支援学校全体及び知的障害特別支援学校の教室不足についてお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校において、平成二十七年五月一日現在、必要な普通教室を管理関係諸室や特別教室などの転用により確保している教室の数は四百二十九教室であり、普通教室等の間仕切りにより確保している教室の数は二百五十四教室でございます。
 特に在籍者の増加が著しい知的障害特別支援学校において、平成二十七年五月一日現在、必要な普通教室を管理関係諸室や特別教室などの転用により確保している教室の数は三百二十八教室であり、普通教室等の間仕切りにより確保している教室の数は百四十三教室でございます。

○野上(純)委員 知的障害特別支援学校に、まだまだ多くの転用教室や分割教室が存在をしていると。都教育委員会では、平成十六年度に特別支援教育推進計画を策定し、適正規模、適正配置に取り組み、その結果、在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校においては、平成二十七年度までの十一年間に、普通教室四百二十六教室を整備し、千百六十二教室まで増加してきたという経緯があります。これだけの整備を計画的に進めているにもかかわらず、まだ普通教室の確保は十分にはできていないわけです。
 そこで、現在実施している特別支援教育推進計画第三次実施計画による児童生徒数の推計と、実際の児童生徒数及び今後の見通しについてお伺いしたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 知的障害特別支援学校について見ると、第三次実施計画において推計した平成二十七年度都立特別支援学校在籍者数は、都内全体で八千六百八十一人のところ、実際の児童生徒数は八千七百三十六人であり、推計に対して五十五人増となっております。
 一方、平成二十七年度の教育人口等推計によれば、都内公立小中学校の児童生徒数は今後も増加傾向にあると推計されていることから、知的障害特別支援学校の児童生徒数も増加する可能性が高いと考えております。

○野上(純)委員 平成二十七年度の時点では、推計値と実際の児童生徒数にはほとんど差がなかったわけです。しかし、今後は知的障害特別支援学校の児童生徒の数も増加する可能性が高いということでございます。
 特別支援学校の児童生徒の約七割が知的障害特別支援学校であることを考えますと、知的障害の児童生徒が増加する可能性が高いということは、今後の普通教室の確保についても、より一層の取り組みをしていかなければなりません。
 現在、特別支援教育推進計画第三次実施計画を推進しているところでございますけれども、施設整備についての計画継続期間は、平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間と伺っております。今がちょうど十年間の二分の一をちょっと経過したところでございます。施設整備には時間がかかりますけれども、第三次実施計画で計画した新築、増改築がこれから完成を迎えると、知的障害特別支援学校の教室不足はどの程度解消されるんでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 今後も計画に基づき、新設三校、増改築十三校の整備を引き続き進めてまいります。
 在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校については、特別支援教育推進計画対象校の整備が全て完了すれば、第三次実施計画策定時に推計した学級数に必要な教室数を確保できる見込みでございます。

○野上(純)委員 平成三十二年、全ての新設三校、増改築十三校が整備できれば、増加の著しい特別支援学校の教室不足が解消される見込みということで、ちょっと安心をいたしました。
 次に、児童生徒への配慮について質問させていただきます。
 子供たちが毎日過ごす学校の教育環境の充実は、非常に重要であることはいうまでもありません。保護者の方も、障害のある子供にとっても、良好な教育環境を期待して子供たちを入学させております。教室の転用や分割を行う場合は、子供たちの教育活動を最優先した施設利用を行うことが重要だと思っております。
 そこで、転用や間仕切りを行う上で、教育活動に支障が出ないようにするため、具体的な工夫や配慮についてお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 管理諸室や特別教室を普通教室に転用する場合、教育活動実施上の影響を最小限にするため、学校ではさまざまな工夫をしております。
 やむを得ず転用する場合には、児童生徒が直接学習活動に使用しない会議室などの管理関係部門の諸室を優先して利用したり、複数設置されている特別教室の一室を転用するなど、児童生徒の学習活動になるべく支障の出ないように転用する教室を選定しております。その上で、学校全体で指導方法や時間割を工夫し、教育活動を適切に実施しております。

○野上(純)委員 指導の工夫についてですけれども、知的障害特別支援学校では、子供たちの障害の状況は、本当に先ほどもいいましたように、さまざまでございます。子供たちの能力を最大限に伸ばしていくための工夫をしていかなければならないと思っております。そのためには、一人一人の障害に応じたきめ細やかな指導が必要なことはいうまでもありません。
 子供たちの能力を伸ばすためには、児童生徒の課題に応じて、能力別に学習グループを分けて指導することが私は有効だと思うんですけれども、その際には限られた施設の中で教室を有効利用していかなければなりません。この教室の利用の工夫についてお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 知的障害特別支援学校では、児童生徒の障害の状態や教育的ニーズに応じて、個別学習や少人数学習、学年単位での学習など、多様な学習形態が行われております。
 児童生徒の課題に応じて能力別に学習グループを分けて指導する際の教室は、学級で使用している教室のほか、学習グループの人数が少ない場合は小さな教室で授業を行うなど、授業が効果的にできるよう学習環境を工夫しております。
 また、学年ごとなど、集団規模が一定以上で授業を行う体育や音楽などでは、学習集団に合わせて広い特別教室等を使っております。
 さらに、学年ごとに時間割を調整して、校舎内の限られた学習場所を有効に活用しております。

○野上(純)委員 最後です。都教育委員会では、これまで施設の新設や増改築などによって教育環境の改善を図ってきましたけれども、現在も教室の転用や分割により普通教室を確保している状況があります。教育活動になるべく支障が出ないように、学校ではさまざまな工夫を行っておりますが、それでも子供たちが不便な思いをしているのではないかと心配をしております。
 先ほどの答弁でも、特別支援学校の児童生徒数は増加する可能性が高いとのことでございましたが、その可能性が高いのであれば、今後の対応策をしっかりと立てることが大切です。
 また、新築や増改築に時間がかかったとしても、今回の請願に記載のあるとおり、一刻も早く教室不足を解消し、教育活動に必要な教室を確保すべきであると思います。
 都議会公明党といたしましても、障害のある児童生徒が、よりよい教育環境の中で学び、一人一人の可能性を最大限に伸長できるように取り組んでいくことを申し上げ、質疑を終わります。
 以上でございます。

○里吉委員 それでは、質疑を行います。
 特別支援学校の教室不足を解消し、必要な教室を確保することは長年の課題です。障害者権利条約が発効し、ことし四月には障害者差別禁止法が施行されました。
 障害者権利条約の第七条、ここには障害のある児童ということで、条文が規定されております。
 1、締約国は、障害のある児童が他の児童との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を完全に享有することを確保するための全ての必要な措置をとること。2、障害のある児童に関する全ての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとするなど、こういうことが書かれているわけです。
 今回の請願は、特別支援学校の現状について、小中学校では教室がないことはあり得ない、なぜ障害のある子供たちがこうした状況に置かれなければならないのだろうかと訴えております。当然の訴えだと思います。教室不足の問題は、他の児童との平等ということから考えても、児童の最善の利益が主として考慮されるという観点から見ても、一刻も早く解決しなければなりません。
 そこで、まず都教育委員会の特別支援学校教育条件整備への重要性の認識と、教室不足解消に向けた思い、決意をお伺いしたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校において、できる限り多くの子供たちの自立と社会を実現していくことは重要でございます。
 都教育委員会では、平成十六年十一月に特別支援教育推進計画を策定し、特別支援教育の充実に努めてまいりました。在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校については、規模と配置の適正化を図り、教育環境の整備に努めてまいりました。今後とも教育環境の一層の充実を図ることが重要であると考えております。

○里吉委員 ご答弁いただきましたが、その言葉のとおり、ぜひ一層の充実を図っていただきたいと思います。
 そのときに、教育環境の充実を図ることが大事なんですが、はっきりいって教室不足というのは教育環境の充実以前の問題なんですね。できるだけ努力していますということでは済まされる問題ではないと考えます。
 二〇一四年三月の予算特別委員会で、我が党の小竹委員が、当時、今後整備する普通教室は四百七十九教室、二〇一三年度、不足数は七百教室、四百七十九教室を整備しても二百二十一教室足りない、こういうことを明らかにいたしました。
 現在、一つの教室をカーテンなどで間仕切りしている教室がまだたくさんあります。特別教室を転用している教室もたくさんあります。それぞれ幾つなのか、また、当時に比べて、現在どこまで改善したのか、第三次計画終了までに整備する普通教室数は幾つなのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校において、平成二十七年五月一日現在、必要な普通教室を管理関係諸室や特別教室などの転用により確保している教室の数は四百二十九教室であり、普通教室等の間仕切りにより確保している教室数は二百五十四教室、合計で六百八十三教室でございます。
 今後も全障害種別の特別支援学校について、新設三校、増改築十四校の整備を引き続き進めてまいります。
 この中で、校舎の新築、増改築に際して、可能な限り多くの教室を確保するよう努めており、五百三十三教室が増加する見込みでございます。
 在籍者数の増加が著しい知的障害特別支援学校については、特別支援教育推進計画対象校の整備が全て完了すれば、第三次実施計画策定時に推計した学級数に必要な教室数を確保できる見込みでございます。
 なお、知的障害以外の特別支援学校については、それぞれの障害ごとに障害特性や教育課程、指導の内容、方法が異なっていることから、必要な施設設備や教室の利用状況も一様ではございません。
 こうした障害種別ごとの違いや、今後の幼児、児童生徒数の動向等を考慮しながら、今後の対応を検討してまいります。

○里吉委員 特別教室等の転用教室が四百二十九教室、間仕切りなど、カーテン教室といわれている教室、それによって確保している教室が二百五十四教室、合わせて六百八十三教室の不足ということでした。
 二〇一四年三月のときには七百教室といわれておりましたから、若干減っております。そして、全ての障害種別で新たに今後ふえる教室数は五百三十三教室ということでした。差し引きで百五十教室不足しております。
 先ほどこの百五十不足している部分については、さまざまな手法で解消するとの答弁がありましたので、私は質問はいたしませんが、一刻も早くこの解決をお願いしたいと思います。
 そこで、教室不足の解消、教室確保といった場合、それはこの間、私も何カ所もの特別支援学校を視察させていただいて痛感していることですが、やはり普通教室の数だけ確保されていればいいということではないと思います。
 特別教室やその他の学校施設整備、体育館やプール、運動場、空間の余裕、そういうもの一切含めた教育環境が、水準以上のものがしっかり確保されていなければ、子供たちにふさわしい教育を保障することはできません。
 町田の丘学園を改めて視察いたしました。二年前に伺ったときには普通教室四十六の校舎に七十七学級の子供たちが詰め込まれていました。本来、普通教室四十六分の子供の学校なんですね。七十七学級あるということは、一・六倍の子供たちが詰め込まれているということなんです。
 もちろん、カーテン教室で隣の声で聞こえない、授業に集中できないだとか、特別教室を多く転用しているので、音楽なども普通教室でやらざるを得ないとか、教室をあけるために、廊下に備品を置くコーナーを無理やりつくったりだとか、体育の授業を玄関前の通路で行ったりと本当に大変な状況でした。
 今回伺ったときは、少し離れた場所にプレハブの仮設校舎、山崎校舎をつくったことで、カーテン教室がなくなったことはもちろん、特別教室も確保されていました。廊下も広々としていました。
 校長先生からお話を伺いましたが、特に知的障害の高校生が、思春期でもあり、人が多い中で落ちつかなかったそうです。クールダウンする場もなかったため、トラブルも多かったそうですが、今は子供たちも大分落ちついているということでした。不十分さはありますが、緊急策としては本当に有効だったと思います。
 そもそも、なぜ小中学校ではあり得ない教室不足が、いいかえれば一つの教室をカーテンで仕切って二学級で使うとか、音楽室や美術室などの特別教室やPTA控室、さらには倉庫や更衣室まで普通教室に転用してしまって、それらの教室がなくなってしまう。また、先ほどもいいましたけれども、児童生徒数が百人から百五十人を想定して建設した学校に三百人以上もの子供たちを詰め込むなどということが、どうして特別支援学校では許されるのでしょうか。
 その原因は、学校を設置するための基本となる設置基準が特別支援学校にだけないからだと、さまざまな団体の皆さんが国に対して設置基準をつくるように求めております。
 私も学校教育法施行規則を読みましたが、小学校、中学校、高校、大学、各種学校、全ての学校には設置基準があります。学級の編制から校舎や運動場の面積、校舎に備えるべき施設も明記されています。しかし、特別支援学校については別に定めるとありますが、つくられていないのが現状なんです。
 国の設置基準は示されていませんけれども、東京都として、都教育委員会として、特別支援学校にはどのような環境が必要だと考えているのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 文部科学省は、特別支援学校の施設について、障害種別によって必要な施設設備が異なり、一律の設置基準を設けることが困難と考えており、幼児、児童生徒の教育的ニーズに対応した指導、支援を考慮した施設環境づくりのために、特別支援学校施設整備指針を策定しております。
 都教育委員会は、この指針に基づきまして、障害の状態、発達段階、障害特性に応じて、安全かつ快適な教育環境づくりに配慮した施設整備を行うことを基本としております。

○里吉委員 国の設置基準はないけれども、施設整備指針があるので、それに基づいて整備しているということでした。
 施設整備指針も私も読みました。安心して体を自由に動かせるゆとりのある面積とか、何々を配置することのできる面積を確保するというようなことが示されているので、これは重要だと思いますが、やはり設置基準とは異なって、児童生徒数に応じた最低限必要な校舎や校庭の面積などは、具体的な数字では明記されていないんですね。
 それでは、都教育委員会としては、特別支援学校の普通教室の広さの基準、具体的な数字での基準はあるのでしょうか。どのような考えで決められているのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、文部科学省が定めた特別支援学校施設整備指針に基づき、障害種別ごとに普通教室の標準の規格を定めております。
 これは、障害種別ごとに定められた教育課程の円滑な実施に必要な環境を整備することを目的とし、障害の状態、発達段階、障害特性を考慮したもので、基本設計はこれを踏まえて実施しております。

○里吉委員 普通教室の広さの基準を都として持っているというご答弁でした。資料もいただきましたが、これによりますと、障害種別に若干大きさの違いはありますが、面積は大体六十平米前後になっておりました。
 また、知的障害の標準には、面積約十一平米の個別指導スペースも設けて、個別的な指導と教室での集団指導ができるようにしているということでした。
 ちなみに、前のご答弁で、文科省は、障害種別によって必要な施設設備が違うので、一律の設置基準を設けることが困難だと考えているということでしたけれども、こういって障害種別に普通教室の基準をつくっているのですから、国も障害種別にきちんとこういうものをつくっていただきたいと思うんです。これは、ぜひ国に対して求めていただきたいと思います。
 そして、私は教室の確保といったときに、まず子供たちのホームベースともいうべき普通教室が、全てこの面積でしっかり確保できていることが重要だと思います。
 そして、普通教室以外の教室の施設についてはどうなのかと。例えば、東京都、知的の小中学校の校舎を新設する場合、どんな特別教室をそれぞれ何室ほど設けるのか、体育施設はどんなものを設けているのか、トイレはどんな基準で設置しているのか、具体的に伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校の施設整備については、学校の用地の状況や建築条件などを踏まえ、適用される法令等に基づいて必要な教室数を整備しております。
 したがいまして、特別教室や体育施設の数や種別については、一概には決まっておりません。

○里吉委員 一概には決まっていないというお答えでした。しかし、例えば今回、新築工事の契約が議案となっています臨海地区の特別支援学校、これが知的の小中学部の特別支援学校なんですけれども、きょうも資料がありますけれども、これについて伺いましたところ、普通教室は四十八つくりますと。それから、図書室、音楽室、視聴覚室、コンピューター室、生活訓練室など、特別教室は十九室つくる。校長室や職員室、会議研修室や保健室などの管理関係諸室は二十三室、ほかにもちろん体育館やプール、食堂、厨房、倉庫などもつくる予定になっているとのことでした。
 先ほどおっしゃった国の特別支援学校施設整備指針を真面目に積み上げていけば、それくらいの施設整備が必要になってくるということだというふうに私は理解いたしました。
 ところが、既存校に児童生徒がふえてくると、特別教室や体育施設などの数や種別については一概には決まっていないから、長期的に転用しても仕方がない、なくても何とかなるとなってしまうのは問題だと思います。
 それから、大規模校化の問題についても申し上げたいと思います。
 先ほど来、大規模校の問題をいってきましたけれども、児童生徒増に伴って三百人、四百人の特別支援学校が大変ふえているわけですが、教室は校舎の増築で確保したとしても、普通、体育館やプールは大体一校に一つしかありません。隣り合う二つの学校を一つに合わせてつくった併置校はプールも二つ、体育館も二つというケースもありますけれども、もともとの学校が大きくなっていった、そういう学校では、どんなに生徒数がふえてもプールは一つ、体育館は一つ、そういう状況で、増改築によって校庭は狭くなっていくという状況になるわけです。
 そういった学校では、体育館やプールの利用を調整するのが本当に大変だと。ことしの夏はプールに二回しか入れなかった、こういう話も私は毎年伺うんです。子供の教育環境が保障できていないわけです。
 都教育委員会は、こうした状況でよいと考えているのか、この点について伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、これまでも特別支援学校の障害種別や立地条件に応じて学校体育施設の整備を行っております。
 特に、複数の障害種別教育部門を設置する大規模校におきましては、学校の規模を考慮しながら、必要に応じて体育館を複数設置する等の対応を行っております。プールについては、障害種別や立地条件に応じて屋内に設置し、必要な場合には加温設備を整備しております。
 あわせて、指導計画の工夫や学習集団の弾力的な編制を行うなど、体育館やプールの有効活用を図り、円滑かつ適正な体育指導を実施しております。

○里吉委員 さまざまな工夫、それは現場で先生方は大変苦労してやっていらっしゃると思います。それでも年二回しかプールに入れない、こういう現状があるわけです。本当は体育館で学年全体の大きな集団での活動もやりたいけれども、使えないので、プレールームでの小さな活動だけになってしまう、そんなお話も伺いました。
 ことし二月二十五日の衆議院の予算委員会の分科会の質疑で、ある資料が示されました。これは全国の大規模校上位五十七校の一覧表です。一位は広島県の学校で、一つの学校で児童生徒数四百八十四人、大規模校の中で一番下の五十七位は大阪府の学校で三百二人でした。
 この委員会では、愛知県の特別支援学校の大規模化が取り上げられておりまして、馳文科大臣は、数えたらこの中の九校が愛知県の学校だ、正直、愛知県の教育委員会は今まで何をやってきたんだろうかと思わざるを得ませんといっております。
 ところが、数えてみますと、この五十七校のうち東京の特別支援学校は十校入っているんです。しかも、ベストテンの中に五つ東京なんです。
 馳大臣は、四月の参議院の委員会でも、障害児が狭い学校に押し込められている状況は、このままではいいと思わない、こういうふうに答えております。三百人、四百人という大規模校、これは文科大臣が見てもおかしいという規模だということなんですね。
 都教委は、三百人、四百人以上となるような大規模校を解消していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 児童生徒数が多い学校であるからといって、直ちに教育環境が過密であるとはいえません。
 都においては、大規模な都立特別支援学校は、いわゆる併置校がその中心となっておりますが、併置化する学校の規模は、障害種別のほか、建築条件や地域事情、施設設備の収容能力等によって、それぞれに異なるものになると考えております。
 また、併置校は複数の障害教育部門の専門性を相互に活用して、障害が重複する児童生徒に対する教育内容、方法の充実を図ることができるほか、併置化を進める中で、学部の改編や通学区域の調整をあわせて行い、児童生徒の増加が著しい知的障害特別支援学校の規模と配置の適正化を進めることができると考えております。
 いわゆる大規模校とされる学校の中には、例えば永福学園のように高い企業就労率を実現している学校もあり、大規模であることだけをもって教育上の問題があるとは考えておりません。

○里吉委員 必ずしも悪くないというお答えでしたけれども、大規模校化の中に特別教室を転用して大きくなった学校ももちろんありますし、そもそもの面積が百人から百五十人の生徒を入れるという目的でつくった学校に三百人、四百人という形で東京の学校も大規模化しているわけです。それは、過密化を生むということは間違いないことだと思うんですね。
 それから、大規模併置校のお母さん方からも私は何回もお話を伺っていますが、大規模校になったとしても、併置になってよかったというお話は、私は一件も伺ったことはありません。教室を確保するに当たっては、学校を大きくしていく、そういうことではなくて、大規模校をなくす方向で進めていただくことを強く求めておきます。
 次に、重度重複学級についても伺います。
 重度重複学級は三人で一学級と、より教室がたくさん必要になりますから、教室不足が重度重複学級が制限されている要因の一つになっているのではないかという訴えが保護者の方や学校関係者の方々からあります。
 そこで、特別支援教育推進計画第一次計画が策定された二〇〇四年度と、昨年度ですかね、最近の直近の数で、特別支援学校の児童生徒数と重度重複学級の数について、それぞれ伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成十六年度の特別支援学校の児童生徒数は八千十一人、重度重複学級は五百七十三学級で、同様の平成二十七年度の数値は、児童生徒数一万一千八百九十三人、学級数は五百七十四学級となっております。

○里吉委員 約十年間で三千八百八十二人も、六七%--子供たちの数がふえているのに、重度重複学級の数は一つふえているだけということで、これはいかにも不自然だと思いますが、どうしてなのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 重度重複学級については、これまでも学校からの事前相談を踏まえ、校長から申請のあった児童生徒について、社会性の発達や日常生活の自立の程度等を総合的に判断して、重度重複学級での教育が適切であるかどうか認定しております。
 重度重複学級の学級編制については、この認定した児童生徒数に基づき、必要な重度重複学級を編制しております。
 今後も引き続き、校長から申請のあった児童生徒の障害の状態等を総合的に判断して、必要な学級を編制してまいります。

○里吉委員 重度重複学級に入るかどうかは個々の判断だといいますけれども、重重学級のある学校の関係者の方、保護者の方などにお話を聞くと、ことしは重度重複学級の生徒が卒業したから、新しく入学する一年生は重度重複学級が認められるよね、こういう話が普通にされているそうなんです。皆さん、重度重複学級は枠があって、それ以上ふやせないという認識なんですよ。教室が足りないから、総合的に判断して重度重複学級の数がふえないようにしているなどということは、もちろんあってはならないことです。重度重複学級もきちんと認定できるような教室確保を求めます。
 我が党は、これまで第三次実施計画では不十分であり、教室不足を改善できないと計画の改善と前倒し、さらに次の計画を早く策定することを求めてまいりましたが、都教委は、新たな計画は何ら示してきませんでした。
 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画の計画期間は今年度末で終わります。都教委は第一回定例会で、障害のある人もない人も社会の一員として区別なく生活する社会を目指し、世界一の都市東京にふさわしい特別支援教育を推進するため、現在の計画に引き続く新たな計画の策定を検討するとしています。この計画策定のスケジュールはどのように考えているのか伺います。
 また、不足が明らかな百五十教室に、さらなる生徒増や重度重複学級の教室の確保などを見込んで検討する必要があると考えます。普通教室の確保はもちろんのこと、狭い敷地に増築するなどして、子供たちを詰め込む大規模化をなくし、特別教室や体育施設なども十分確保できるよう、学校の新設も含めた計画を策定する必要があると考えますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教育の新たな計画の策定については、現在検討しております。
 特別支援学校の施設整備の対応方針については、今後検討してまいります。

○里吉委員 今後検討するということなんですが、世界一の東京にふさわしい特別支援教育を推進するというのですから、少なくとも特別教室の転用などが解消されないような計画にすべきではないと思います。
 それから、そのために障害児がふえている現状を踏まえた計画とすることと、いつまでにこの問題を解決するのか、こういう目標が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、特別支援教育の新たな計画の策定については、現在検討しております。

○里吉委員 一刻も早く計画を策定して、着手していただきたいと思います。
 また、他会派の方からもご要望が出ておりますけれども、当面、早急に、少しでも教育環境を改善するために、町田の丘学園で行ったような緊急策など含めて、学校現場や保護者の要望も踏まえて実施することも有効だと思いますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 繰り返しになって恐縮ですが、特別支援学校の施設整備の対応方針については、今後検討してまいります。

○里吉委員 ぜひ早急な検討を改めてお願いいたします。
 障害者差別禁止法が施行されたことし、障害のある子供たちの教育を受ける権利を保障して、伸び伸び成長できる環境のもとで学べるようにするためには、関係者の要望も聞きながら、教育活動に必要な特別支援学校の教室確保に全力で取り組むことを求めます。
 以上、発言として、請願の採択を主張し質問を終わります。

○今村委員 それでは、私からも質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 本請願においては、都の特別支援学校の教室不足は、いまだに深刻な状況であるということであります。都教委は、二〇〇四年度から特別支援教育推進計画を策定し、施設の整備を進めてきております。
 質問しようと思っておりましたけれども、既に今までの質疑の中で、必要な教室数などの答弁がされておりました。それによりますと、二〇一五年までの間の在籍数、そしてまた必要な教室数というのは、この間、十一年間で一・五倍に児童生徒数が伸びている、また、教室数も一・三倍に増加をしているということ。さらには、知的障害者の児童生徒については一・七倍の伸びとなっていたり、また、教室数は一・五倍に増加しているということが明らかになったところであります。
 町田の丘学園の話も出てまいりましたけれども、私も現場をたびたび見させていただいたり、卒業式、入学式、また、学校行事にお邪魔をさせていただいておりますけれども、おかげさまで、この間、山崎校舎ができたことによりまして解消をしてきているわけでありますし、新たな特別支援学校の建設に向けて努力をしていただいていることには大変感謝をいたしているところであります。
 そうした中で、今後の特別支援学校の知的障害者全体の在籍数が推計よりも五十五人、ふえているということも明らかになってきたところであります。
 一生懸命に都教委がこれまでも取り組んでいただいていることは理解ができましたけれども、一方で今話があったように、教室の確保は絶対に行っていかなければならないことでありますし、それに向けて努力をしていく答弁もなされました。
 そこで、一つお聞きをしたいと思いますけれども、この知的障害者特別支援学校の児童生徒の増加に伴いまして、特別支援学校の教員や、それから、さらには都教委が配置をしております臨床発達心理士、また、学校介助職員などの職員の増加も体制に見合って整える必要があるかというふうに思います。
 こうしたように、教員が不足されないように配置をされているのか、また、外部人材の職員の配置はどのように進められているのか確認をさせていただきたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校の教職員数については、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づき、都教育委員会が定める学級編制基準による学級数に応じて必要な定数を配置しております。
 また、肢体不自由特別支援学校では、児童生徒への多角的な支援体制の構築を図るため、学校介護職員を必要数配置してございます。
 なお、ろう学校、肢体不自由特別支援学校、知的障害特別支援学校では、各学校の実情に合わせて、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士等の外部専門家から、専門的な立場から指導、支援を受ける仕組みを導入してございます。

○今村委員 ありがとうございます。これからもしっかりと外部指導員等を入れていっていただきたいというふうに思いますし、私の選挙区が町田になりますので、町田の丘学園につきましても、知的障害の児童数が増加をしている。その中で、教室数が足りないから落ちつかないというお話がありましたけれども、それだけではなくて大変さまざまな障害を抱えたり、ご家庭の事情があったりして、難しい問題を抱えている子供たちが通学をしております。
 この間、外部の専門家を特別に町田の丘にも配置をしていただきまして、それによって大変学校が落ちついてきたということでありまして、校長先生を初め、教職員の皆さんも大変感謝をしておりましたし、保護者の皆さんからも感謝をされたことをご紹介しておきたいというふうに思います。
 それから、最後に、これまでも答弁がありましたけれども、重なる質問を省略させていただいて、この教室不足の問題については、ぜひ一日も早く解消をしていただきたいというふうに思いますので、重なりますけれども、今後どのように教室を確保していくのか、都教委の決意を改めて聞いて私の質疑を終えたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 在籍者の増加に対応した施設整備を進め、教育環境に一層の充実を図ることは重要でございます。
 これまで特別支援教育推進計画に基づき、知的障害特別支援学校について、七校の新設と七校の増改築を終え、今後も新設三校、増改築十三校の整備を引き続き進めてまいります。
 特別支援学校の施設整備の対応方針については、今後検討してまいります。

○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後三時五分開議

○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○高木委員 私は、請願二八第五号に関して、特別支援教育を充実すべきとの視点で質問をいたします。
 私の地元には特別支援学校がございまして、私は区立十条中学というところを卒業いたしまして、その隣が王子特別支援学校でございます。ですから、私は子供のころから、十条地区というのは、そういう意味では特別支援を必要とするお子さんたち、そういう人たちと地域が一体となって生活をしてきたという実感があるんですよ。
 ですから、特別支援教育に対しての政策というのは、私にとりましては大変思い入れの深い政策の一つでありまして、この第三次を策定するときも、大変興味を持ってというか、深くかかわらせていただいた一人だというふうに実は私は自負をいたしております。
 さて、我が党は、かねてから特別支援教育を充実すべく、教育庁と力を合わせて取り組んでまいりました。今までの取り組みと成果については、先ほど山崎委員の質疑にあったとおりであります。
 私たちに今求められていることは、平成三十二年までとされております特別支援教育推進計画第三次実施計画に着実に取り組んで、さらにその次の計画策定に向け、政策の一層のレベルアップを図ることであると思っています。
 その意味では、今回の請願は大変時宜にかなったものでありまして、二名が代表して紹介議員となった私たち都議会自民党といたしましても、誰もが輝くことのできる一億総活躍社会実現の大変大きなワンステップとして努力をしていく決意をまず表明させていただきたいと思っています。
 さて、年々充実をしてきた特別支援教育、現在は第三次実施計画の期間中でありますが、この間の議論を聞いておりますと、この計画の方向性に対して、若干誤解が生じているのではないかと思われる部分がありますので、この際整理をしておきたいと思います。
 第一に、それは併置校の問題であります。一部の議論では、なぜ併置校なのか、あるいはなぜ障害区分ごとの学校にしないのかということがいわれることがあるんですが、これは特別支援教育の根本にかかわる問題なので、改めて併置校に関する都教育委員会の見解をお聞かせいただきたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校では、児童生徒の障害が重度重複化の傾向にあるとともに、知的障害特別支援学校を中心に在籍者数が著しく増加しております。
 複数の障害教育部門を併置する学校を設置することにより、それぞれの部門の専門性を相互に活用して、障害が重複する児童生徒に対する教育内容、方法の充実を図ることができると考えております。
 また、併置化を進める中で、学部の改編や通学区域の調整をあわせて行い、児童生徒の増加が著しい知的障害特別支援学校の規模と配置の適正化を進めることができると考えております。

○高木委員 この併置化の問題は、第三次実施計画の中の第2章の中にもしっかりと書かれておりまして、障害の重複化ということに対応するためには、やはりある一定の併置化は必要なんだと。
 それは、文部科学省が平成十八年七月十八日に出した学校教育法等の一部改正についての通知の中にもはっきりと書かれているんですね。ですから、十九年度改正というのはまさにこのことをいっているんだと思いますけれども、読んでみると非常に示唆的なことが書いてあると思います。
 ちょっと一部披瀝をしたいと思うんですが、近年、児童生徒等の障害の重複化や多様化に伴い、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育の実施や、学校と福祉、医療、労働等の関係機関との連携がこれまで以上に求められているという状況に鑑み、児童生徒等の個々のニーズに柔軟に対応し、適切な指導及び支援を行う観点から、複数の障害種別に対応した教育を実施することができる特別支援学校の制度を創設するとともに、小中学校等における特別支援教育を推進すること等により、障害のある児童生徒等の教育の一層の充実を図るものであると。こういうことが文部科学省の特別支援教育の推進のための学校教育法等の一部改正についての通知の中に書かれているわけであります。
 したがって、東京都がやろうとしているこの方向性というのは、まさに国もその認識を持って進めていることでありまして、この併置化によって重複をしている障害に対してどう取り組んでいくのか、そういう子供たちに対する教育をどう充実していくのかという意味では、一つの選択肢としての併置校というのは大変理にかなっているということが今の段階ではいえるんだろうと思っています。
 さて、次に、併置校の問題とも関連をするんですが、都立特別支援学校の適正な規模と配置の問題についてであります。
 これは、先ほど山崎委員の質疑でも明らかにされたように、第三次実施計画を着実に進めることで、全ては解決をされないんですけれども、大幅な充実が図られることがわかったわけであります。
 ここで重要なことは、特別支援教育を必要とする幼児、児童生徒数の将来予測をできるだけ精緻に行うことであろうと私は思っています。
 その上で、今後も増加すると思われる特別支援教育のニーズに対して、都教育委員会はどのような対策を考えているのか、この部分が大事なところですから、これをお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教育推進計画第三次実施計画では、児童生徒数の将来推計に基づき、今後の都立知的障害特別支援学校の在籍者の増加に対応できる再編整備計画を策定しております。
 具体的には、障害種別の学校数や在籍者の増減、地域バランス等に配慮しながら、規模と配置の適正化に努めるとともに、都立高等学校の跡地や都有地を活用し、新設二校を初め増改築十四校の学校整備を行うことで、必要な教室の確保と教育条件の改善を行うこととしております。

○高木委員 ただいま答弁の中に大変重要な指摘がありました。特別支援教育の充実のための適正な規模と配置の問題に対して、都立高等学校の跡地や都有地を活用して、必要な教室の確保と教育条件の改善を行うということが今披瀝をされたわけであります。
 このことは、実はこの第三次計画の中にも第2章の五九ページから六〇ページにかけてそのことが書かれているんですね。私、これはつくったときからずっとつぶさに読み込ませていただいておりますが、まさに都立高校の跡地、あるいは都有地等を活用して、しっかりと特別支援教育を充実していくということは、これは都の方針で、教育庁の方針であるわけであります。
 そこで、さらにこのことに対して私は掘り下げていきたいと思うんですが、ことしの去る三月十六日に、舛添知事が、既に閉校した、現在、新宿区立愛日小学校の仮校舎となっている都立市ヶ谷商業高校の跡地を、在日韓国人への教育を行う東京韓国学校の増設用地として有償で貸し出す方向で協議に入るということが発表されたわけであります。
 これは、私たちにとっては寝耳に水の話でありまして、この土地は現在、東京都教育庁が所管をしていると思うんですが、月二回開かれている教育委員会、あるいは教育庁の内部ではどのような議論を経てこの方針が発表されることになったのか、まずお伺いしたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 旧市ヶ谷商業高等学校跡地には、平成二十二年十一月策定の東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、市ヶ谷地区特別支援学校(仮称)の建設を予定していましたが、この土地は面積が狭小なため、建築可能な延べ床面積が小さいことが課題でございました。
 さらに、建設に向けた調整を進める過程で、周囲の道路が狭隘で、工事車両の搬入路の確保が困難、道路拡幅を行うとしても調整に相当期間が必要などの課題が浮上してまいりました。
 課題解決に向けた調整が困難となる中、同じ新宿区内の戸山三丁目の東京都心身障害者福祉センター移転後の土地が活用可能であることが判明いたしました。この土地は、面積が旧市ヶ谷商業高等学校跡地よりも広く、広い道路に面し、工事車両の搬入路が確保できました。
 そのため、市ヶ谷地区特別支援学校(仮称)の設置場所を新宿区戸山三丁目に変更し、開校に向けた調整を進めていくことといたしました。
 教育委員会には、設置場所の変更と今後は新たな設置場所において開校に向けた調整を進めていくことについて、平成二十七年五月の定例会で報告いたしました。
 一方、市ヶ谷地区特別支援学校(仮称)設置場所の変更に伴い、旧市ヶ谷商業高等学校跡地は、今後教育庁が使用する計画がなくなりました。
 この土地は、平成二十九年三月三十一日まで新宿区に対して使用許可しておりますため、その期間満了後、直ちに用途廃止の上、知事に引き継ぐこととし、その旨を平成二十七年十一月に財務局長に通知いたしました。その後、関係機関の調整を経て、お話の発表があったものと認識しております。

○高木委員 ところで、地教行法の第二十二条四項に、教育財産の取得と処分については、地方公共団体の長の職務権限とされていることから、今回の件は法解釈上においては長の権限で処分することができると、これはそう解されるんです。
 しかし、地方自治と教育行政においての長と教育委員会の関係に鑑みて、教育財産として活用または活用を検討すべき土地について、長が一方的に処分を決めた事例を私は寡聞にして知らないと考えます。
 東京都において過去にこのような事例があったんでしょうか。そのことをお伺いします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 旧市ヶ谷商業高等学校跡地については、都教育委員会教育長から財務局長に対して用途廃止の上、知事に引き継ぐ旨を通知しており、知事が一方的に決めたものではございません。
 それ以外の教育財産についても、過去に知事が一方的に決めた事例はなく、また、東京都全体においてもそうした事例はないと認識しております。

○高木委員 一方的に決めたことではないと。先ほどの答弁の中にもありましたけれども、都教育委員会教育長から財務局長に対して用途廃止の上、知事に引き継ぐ旨を通知しておりということでありますが、私たち、そのことをきょう初めて知りました。そんな通知をしていることは、少なくとも私は知りませんでした。
 さて、この問題の発端は、平成二十六年七月二十五日に、舛添知事が韓国を訪問されて、朴大統領から韓国人学校用地確保の依頼を受けたところから始まっています。
 平成二十六年七月二十五日、そして、今お話のあった平成二十七年十一月二十七日、そしてその間に平成二十七年五月二十一日に教育委員会に報告をしたのは、旧市ヶ谷商業高校跡地から、特別支援学校を建設する用地としてはここから変更するという報告があったと。時系列的にいうとそういう話になるわけであります。
 朴大統領に会った平成二十六年七月二十五日は、中井教育長はこのとき財務局長だったはずであります。そして、平成二十七年四月一日から、中井財務局長は中井教育長になられたわけであります。
 この平成二十六年七月二十五日に、朴大統領に舛添知事がお会いになってから、当時中井教育長が財務局長時代に、舛添知事から直接韓国人学校の用地を探してほしいということをお聞きになったことはありますか。

○中井教育長 前任、私は財務局長でございました。そのような話はございましたが、そう簡単に土地が見つかるということでもなく、検討課題という状況でございました。

○高木委員 お聞きになっていたということですね。本委員会は、韓国人学校の問題を取り扱う委員会ではありませんので、ですから、私は、特別支援教育を充実すべきだという視点で聞いているんですよ。
 ちなみに、教育財産に限らず、都有地の活用ということについては一定のルールというのがあるんですよね。それは、皆さん釈迦に説法ですので、かつて財務局長をおやりになられた中井教育長にお伺いするまでもないんですが、いわゆる従来の利用形態が役割を終えたときに、当該事業局の中でほかに使うことはないんだろうかということをまず当たるわけですよね。
 その後に、例えば教育庁の中で活用する方向性がないということになれば、財務局に所管がえをして、都庁の中での各部局で活用の意向があるかということを確かめると。
 そこでも、都庁内でももう使わないよということになった場合に、地元区、あるいは国も含めてですけれども、そうしたいわゆる行政系の関係機関に回覧をして、それでも活用の手が挙がらなかった場合に、貸し付けとか、あるいは売却とか、そういう手法に入っていくのが、私は都有地の一般的な活用の方針のルールだというふうに思っています。
 今回、三月十六日の発表までの間に、こうした手続というのはどのように行われたんでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 旧市ヶ谷商業高等学校跡地は、今後教育庁が使用する計画がなくなったため、平成二十九年三月三十一日までの新宿区に対する使用許可期間の満了後、直ちに用途廃止の上、知事に引き継ぐ旨、平成二十七年十一月に財務局長に通知いたしました。
 その後、韓国政府からの韓国学校として利用したいとの要請に対して、具体的な協議に入ることを長である知事の判断により決定したものであると聞いております。
 都は、平成二十二年にフランス政府に対して、都の国際交流施策に合致することから、フランス学校として旧池袋商業高等学校を売却、貸し付けしており、旧市ヶ谷商業高等学校についても、今後、協議の進捗に応じて同様の手続が行われると聞いております。

○高木委員 財務局長に通知をした平成二十七年十一月までの間に、新宿区の意向というのは聞いているんでしょうか。新宿区は、平成二十七年六月十日に、新宿区議会の区長答弁において、旧市ヶ谷商業高校跡地については、東京都にも打診をしているが、平成二十九年三月まで区が借用しており、その後の活用については今後検討するので、現段階では要望を受けられないとの回答を得ていると議会で区長が答弁をしています。
 この新宿区の要望というのは、教育庁としてお聞きになられていますか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 旧市ヶ谷商業高校跡地について、新宿区からは平成二十九年四月以降の利用方針について、平成二十七年五月に都に電話で照会があり、都として今後検討すると回答しております。
 都は、区からは特段の要望を聞いていないとのことでございます。

○高木委員 特段の要望を聞いていないということでございますという伝聞形式の今答弁だったんですが、それは誰がお答えになられたんでしょうか、新宿区の電話照会に対して。

○浅野特別支援教育推進担当部長 先ほどご答弁申し上げたように財務局から聞いてございます。

○高木委員 少なくとも平成二十九年の三月三十一日までは教育庁の土地なんですよね。ですから、教育庁の土地に対して、財務局が今後の検討についての、まだ決まっていないんで、後日回答すると。都として今後検討すると回答しているというのも、私は正直いっていかがなものかなという気がいたします。
 つまり、教育庁として、この土地の使い方の方針が決まらない中で、財務局が今後検討するという回答をするというのはどういうことなのかなという疑問が湧きます。
 繰り返しになりますが、この都立学校の跡地の活用に対して、都教委は市ヶ谷地区特別支援学校をつくらないと。ここにはつくらないということをお決めになられたというのは、先ほど、五月二十一日に教育委員会に報告をされているというふうに聞きました。
 そして、その後、十一月に財務局に引き継ぎますと。この間に、この用地は教育庁は使わないという意思決定をされたんだろうと思うんですが、その意思決定に至る間の教育委員会の中での検討、あるいは議論、それはどのように、どういうふうに行われたんですか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 旧市ヶ谷商業高等学校跡地には、平成二十二年十一月策定の東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、市ヶ谷地区特別支援学校(仮称)の建設を予定しておりました。
 この土地は、土地面積が狭小で、建築可能な延べ床面積が小さいことが課題であり、さらに調整を進める過程で、周囲の道路が狭隘であり、工事車両の搬入路の確保が困難なため、道路拡幅を行う場合に調整に相当期間が必要となることが課題として浮上しておりました。
 課題解決に向けた調整が困難となる中、同じ新宿区内の新宿区戸山三丁目の東京都心身障害者福祉センター移転後の土地が活用可能であることが判明いたしました。
 この土地は、土地面積が旧市ヶ谷商業高等学校跡地よりも広く、広い道路に面し、工事車両の搬入路を確保できることから、学校の設置場所を新宿区戸山三丁目に変更し、開校に向けた調整を進めることとしたものでございます。
 教育委員会には、市ヶ谷地区特別支援学校の設置場所を新宿区戸山三丁目に変更し、今後新たな設置場所において開校に向けた調整を進めていくことを平成二十七年五月に報告いたしました。
 こうしたことから、旧市ヶ谷商業高等学校跡地は、今後教育庁が使用する計画がなくなったため、平成二十九年三月三十一日までの新宿区に対する使用許可期間の満了後、直ちに用途廃止の上、知事に引き継ぐ旨、平成二十七年十一月に財務局長に通知したものでございます。

○高木委員 同じ答弁をもう一度していただいたんですけれども、市ヶ谷商業高校の跡地に特別支援学校をつくらないということと、そこが必要ないということは、意思決定が違うと思うんですね。それはかなり落差のある意思決定だと思いますよ。
 この土地を今後教育庁が使用する計画がないんだということはいつ決められたんでしょうか。つまり、十一月二十七日の時点で、教育財産を引き継ぐことということを通知を財務局に出していると。その間に多分決められているんだと思いますが、その間の手続上の問題を私はいっているんですね。
 ですから、これ、いつ決められたのかなというのが非常に大事なところで、まさに新宿区がこの年の六月十日に区長答弁を議会でしている。つまり、跡地についての要望を現段階では受けられないということを東京都から回答を受けていますよという話なんですが、この間に決められたと思うんですけれども、どの時点でこれを使わないということが決められたんですか。

○堤総務部長 先ほど担当部長からもご答弁申し上げましたとおり、市ヶ谷地区特別支援学校の設置場所の変更後に検討を行いまして、決定したのは十一月二十七日の文書を出した時点とご理解いただきたいと思います。

○高木委員 十一月までの間に検討し、最終的には十一月二十七日に決定をしたということが公式的なお話だと思います。
 その間に、新宿区からの事情聴取だとか、そういうものがなぜされなかったのかなということが大変疑問の一つなんですけれども、少なくとも今の段階で、新宿区からのご要望は聞いていないということは確認をされているわけなので、一回、新宿区から本当にこの土地は、地元としてはどう考えているんですかということをやはりお聞きになるべきなんじゃないかなと私は思います。
 ですから、それは、今、教育財産で、少なくとも平成二十九年という時点までは教育庁の所管の土地ですから、教育庁としてやはり新宿区にお聞きになるというのが私は筋なんだろうというふうに思います。
 財務局に返すか返さないかということは、その後、やはり教育財産として、教育庁としてお使いになるかどうかということを再検討した上でお決めになればいいことで、それは都庁の中での話ですから、まだまだ時間はあるんだと思いますし、ましてや新宿区の学校が二十九年三月三十一日までいるのに、もう返しますよと、教育の財産じゃありませんよというのも、私は地元にとっては何か失礼な話なんではないかなという率直な感じがいたします。
 この市ヶ谷商業跡地については、近隣の戸山、東京都の心身障害者福祉センター内に特別支援学校を新たにつくるということで、ここは特別支援学校としての活用は難しいというご判断を先ほどされたという話がございましたが、ここに直接特別支援学校をつくるという選択が仮になくなったとしても、特別支援教育を充実する意味では、どこかで別の特別支援学校をつくったときに、そこの機能を一回、じゃ、市ヶ谷に移して、ここで何かやっていただいて、さらに、それをどこかに移動して、また別のものをつくるとか、そういう意味では、玉突きという表現がいいのかどうかわかりませんが、そういう用地としてもこれを使えるんではないかというふうに思います。
 先ほど仮校舎を建ててという話がありました。こういうことも人の土地を借りなくたって、自分で教育庁として土地を持っているとすれば、そこを使ったってよろしいんではないかなというふうに思いますし、さらにいうと、先ほど私の地元に特別支援学校がありますという話をしました。
 私の地元の北区王子地区特別支援学校は、王子特別支援学校と王子第二特別支援学校が一つになって、これから平成三十一年に向けて順次整備が進められていくということに計画上なっている。
 ところが、ここはもう既に敷地が手狭であるということの話も聞いているんですよ。ですから、特別支援を充実する意味で、何で今持っている教育財産を手放すんですかというのが私の根本的な疑問なんですよ。
 このことを解決してくれなかったら、次に教育庁が、じゃ、例えば王子地区特別支援学校の土地が足りない、そこを、どこかほかのところを買いたいんだけれども、手当てをしてくださいといわれたって、それは議会としてはノーといわざるを得ませんよ、そんなことは。そうでしょう。
 だって、自分の持っている土地をほかのところに出してしまって、新しいところを買いたいんです、そんなことが世の中通るんでしょうか。そういうことが我が東京都政に今問われているんじゃないですか。違いますか。自分の財産をしっかりと活用していく、それでもだめならほかのところを求めていくという方向が都政にとって大事なんじゃないでしょうか。
 私は、ですからこの問題は、韓国人学校云々の話というよりも、むしろ東京都政の姿勢が問われている問題だと思いますよ。
 したがって、貴重な教育財産である都立市ヶ谷商業高校跡地については、当然これは地元新宿区の意向を踏まえていただくとともに、今後の特別支援学校の充実というものを視野に入れていただいて、当面教育財産として活用方針を再検討していただきたい。
 そして、まず、財務局に所管がえをするということではなくて、教育庁の中で、あくまで教育委員会としてこれを活用を検討すべきだというふうに私は断言をしておきます。教育長の見解を伺います。

○中井教育長 今まで担当部長等からるるご説明をさせていただきましたが、全体の時間軸にしても、内容にしてもちょっと複雑でございますので、私の口から、重複するところは出ますが、いま一度、ご説明を申し上げたいというふうに思います。
 まず、旧市ヶ谷商業高校跡地、ここについては、三次計画策定時に、ここに特別支援学校をということであったわけですが、もともとその土地が狭いという状況があり、さらに接する道路が非常に狭いということもあって、なかなか工事車両を入れることが難しいということが、その後、具体的な検討、調査をしていく中で明らかになってきていたという状況が一つございます。
 そういう中で、近隣は住宅が接しておりますので、道路の拡幅ということについても、なかなかそう簡単ではないということが予測されたわけでございます。
 さらに申しますと、知的障害の高等部については、原則としてスクールバスは使わないと。自力で通学するということを原則としてきたわけでございます。
 二十二年に三次のこの計画を立てたときにも、基本は知的な高等部はスクールバスを使わないということであったわけですが、重度重複のお子さんも高等部に通っているという現実もあり、保護者の方の負担が重いというようなこともあり、その後、知的障害児の高等部についてもスクールバスを導入するという形で来ました。
 そういう中で、今後、新しくつくる知的障害の高等部については、他の同種の学校とのバランスから見ても、当然、スクールバスを導入していくということになるわけでございます。
 これがこの計画の策定時と今日的な状況との大きな違いであり、もともと狭小な土地であったというところに、スクールバスを導入するとなると、敷地の中でスクールバスをどう車両を動かして、要は玄関間近なところにつけて、そこからというようなこともあるわけでございまして、そのスペースを考えると、ただでさえ教室がとれないところを、ますます教室数が大幅に少なくなってしまうということもあり、そういうかなり困った状態があったわけでございます。
 そういうさなかに、戸山三丁目の土地が使えそうだという話が出てまいりまして、この土地でいけば、延べ床面積で三倍以上になるんでしょうか、面積がとれるということであったわけでございます。
 この戸山と旧市ヶ谷商業跡地は一・二キロしか離れておりませんので、大幅に学校のキャパをふやした上で、市ヶ谷地域に置いた場合と通学事情はさほど変わりませんから、大幅にそこでカバーできるということで、市ヶ谷商業跡地を使う必要はないという判断に至ったということであります。
 もともとそういう状況でございましたので、じゃ、この土地、旧市ヶ谷商業高校跡地を他のことで使う、あるいは次の新計画で使うかというと、やはりもともとそういう非常に条件の悪い土地であると。近くに戸山もつくるというようなことでありということで、特別支援学校関係で必要はない。
 さらに、地元新宿区のお話もありましたが、これは、当該局で使う必要がなくなれば、それを財務局に引き継ぎ、財務局の方で全庁に使う意向があるかどうかを確認し、なければ地元区市町村に打診をしということになっていくわけでございますので、それを行うのであれば、財務局に戻して、まずは全庁の必要があるのかどうかということを見てもらって、その上で新宿区にということになるわけでございますので、私どもとして、そこの時点で新宿区に打診するということはしてきておりません。
 ということで、以上のようなことをもろもろ判断する中で、教育庁としては、この旧市ヶ谷商業高校跡地を今後使う見込みがないということで、財務局長に、二十九年三月三十一日現在の貸付期間終了後、速やかに引き継ぎますという通知を発したものでございます。
 以上が経緯でございまして、こういうことからこの土地について判断したところであり、今、高木副委員長からのお話については、既に都としての方針も公表されているということもあり、私どもとしては、そのような対応は考えていないところでございます。何とぞご理解を賜りたいと思います。

○高木委員 教育長の答弁は大変長時間にわたりまして、懇切丁寧にご答弁いただいたんですが、ますます疑問が深まってきたかなという気持ちが私はしているんですよ。
 なぜかというと、新宿区の話を先ほど出されて、土地活用のルールを出されましたけれども、新宿区の要望を聞くのは財務局だと。それで、都庁全体で回覧をして、なければ新宿区の要望を聞いてというお話をされましたけれども、じゃ、何でそういうことをしないままに貸し出しの方針が発表されるんですか。何でこうやってその間を飛ばしてしまったんですか。そのことに対して、僕らは根本的に疑問があります。
 ですから、本委員会はこのことを問いかける、あるいは問う委員会ではないんで、私はこれ以上やりませんので、これはまた別の場面できっとやる場面があるんでしょう、こういうことは。
 だけれども、今までの一連のやりとりの中で、大変示唆に富むご答弁をいただいて、ありがたかったなと私は思います。この問題に対していろんなことがわかりました。時系列的なこともこれからもしっかり精査をして、調査をしてみたいと思っています。誰がどういう役割を果たしたのかも調査をしてみたいと思っています。
 ですから、市ヶ谷商業高校の跡地については、これはやはり教育庁の中で活用を検討すべきだという主張は、私はこれからもさせていただきたいと思うし、最後にご理解賜りたいといわれたのは、何を私たちは理解をすればいいんですか。教育庁の方針を理解すればいいのか、韓国人学校に貸し出すということを理解しろといっているのか、どっちなんですか。そのことをちょっと一回、最後はっきりさせていただきたいと思います。

○中井教育長 ただいま申し上げましたご理解賜りたいという意味合いは、この間の教育庁として特別支援学校用地確保に向けての一連の事実関係、都教育庁としての考え方についてご理解をいただきたいと申し上げたところでございます。

○高木委員 そういう意味で理解を賜りたいというお話があったとすれば、私自身は理解はできませんというしかありません。
 ですから、今まで申し上げたとおり、きょういろいろなご答弁をいただきましたけれども、ここを特別支援学校として使わないという方針と、これが特別支援学校を含めて全ての面で教育庁として必要がない土地だということにはかなり落差があるというふうに思っています。だから、理解ができないといっています。このことは、これからまた別の場面で質疑をさせていただきたいと思っています。
 以上です。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願二八第五号は採択と決定いたしました。

○植木委員長 次に、陳情二八第五号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○宇田指導推進担当部長 陳情二八第五号の一、軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の二ページをお開き願います。
 本陳情は、大阪府東大阪市の軽度外傷性脳損傷仲間の会代表の藤本久美子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、国、政府等関係機関に対し、以下の内容を要請する意見書を提出していただきたいというもので、1及び2の事項が教育庁の所管となっております。
 まず、1、各学校の教諭、養護教諭、スポーツコーチに脳震盪を受傷した者を評価する標準的な方法を示すツールの簡易版であるポケットSCAT2の携帯を義務づけること。
 あわせて、むち打ち型損傷、もしくは頭頸部に衝撃を受けたと推測される事故、事案が発生した場合は、本人の訴えだけではなく、症状を客観的に正確に観察して判断を下すとともに、家庭、家族への報告も義務づけ、経過観察を促すことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、東京都教育委員会及び区市町村教育委員会は、教諭、養護教諭等を対象とした研修会や教員、部活動顧問、外部指導員を対象とした実技講習会等を実施し、体育活動中における事故の未然防止のための取り組み、事故発生時の適切な対処、事故発生後の取り組み等、安全対策のあり方について、定期的、計画的に指導しております。
 特に頭頸部の損傷や脳震盪を初め、首から上のけがについては、その程度にかかわらず安易に学校のみで対応を判断することなく、速やかに医療機関に搬送し専門的な診断を受けるよう指導しており、学校もこの対応を徹底しております。
 次に、2、幼稚園及び学校内で発生した事案が、昏睡などの重篤な場合は、直ちに保護者へ連絡するとともに、第三者調査機関を設置し、迅速に事故調査及び開示を行うことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、各幼稚園、学校は、重篤な事案が発生した場合、早急に病院に搬送するとともに、保護者に連絡し、具体的な状況を伝え、所管する教育委員会に報告を行うなど、対応しております。
 また、事案の発生状況とその原因等を調査し、保護者への説明責任を果たせるよう努めております。
 さらに、国が、平成二十八年三月に通知した学校事故対応に関する指針では、事故発生時には学校が速やかに保護者に第一報を入れること、重篤な事故の場合は学校が設置者に報告すること、設置者の判断により外部専門家が参画する調査委員会を設置し、詳細調査を行うこと等が示されております。
 東京都教育委員会は、指針の内容を踏まえ、適切な事故対応が行われるよう、通知を都立学校及び区市町村教育委員会に送付し、徹底を図ったところでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げます。陳情二八第五号の一中、オリンピック・パラリンピック準備局所管分に対する質疑は既に終了いたしております。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 意見を一言申し述べさせていただきます。
 先ほどオリンピック・パラリンピックの所管のときにも申し上げましたが、この陳情は、軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情として教育委員会として取り組んでいただきたいことについて申し述べられているものであります。
 文部科学省は、スポーツによる脳損傷を予防するための提言に関する情報提供についてという事務連絡を都道府県に送付しております。今ご説明いただきましたように、都教育委員会として、学校現場で首から上のけがに対して、安易に学校でのみ判断せず対応していることがわかりました。
 今回、この陳情を出された皆さんは、脳損傷が大変恐ろしいものであるということをよく知っている方々です。スポーツによる脳震盪は、意識があるから大丈夫、脳震盪でないとはいえない、そのまま競技、練習を続けると、これを何度も繰り返し、致命的な脳損傷を起こすことがある、そのため、スポーツによる脳震盪を起こしたら、原則として直ちに競技、練習への参加を停止する、こういうことが提言で述べられております。
 今回、陳情者の方の願いは、こうした事態を招かないよう、頭を打ったときの対応を一層周知徹底してほしいということだと思います。その趣旨に賛同し、この陳情は趣旨採択を主張して意見といたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○植木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二八第五号の一は不採択と決定いたしました。

○植木委員長 次に、陳情二八第三一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○出張指導部長 陳情二八第三一号、義務教育課程における平和教育に係る課題図書に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の四ページをお開き願います。
 本陳情は、埼玉県北葛飾郡杉戸町の小畑孝平さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、二点でございます。
 まず、1、義務教育課程において、平和教育の一環として、広島の原爆被爆者による自伝である漫画「はだしのゲン」を課題図書にすることでございます。
 学校の課題図書は、学校が児童生徒に読むべき図書として提示する図書であり、校長の責任と権限のもと、全国学校図書館協議会が選定している図書などを参考に、必要に応じて選定されております。
 なお、全国学校図書館協議会が選定している今年度の青少年読書感想文全国コンクールの図書には、「はだしのゲン」は含まれておりません。
 次に、2、学校図書館及び都立図書館に当該図書を、平和教育を思わせるフレーズを含んだ目立つ様態の特別なスペースに置くことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、学校図書館は、資料を収集、整理、保存し、これを児童生徒、教員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を育成することを目的としております。
 また、都立図書館は、広域的かつ総合的情報拠点として資料及び情報を収集、保存し、都民の調査研究及び区市町村立図書館を支援することを目的としております。
 これらの目的を達成するため、学校及び都立図書館においては、利用者が資料を閲覧しやすいよう、全国共通の日本十進分類法に基づき配架しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○里吉委員 陳情二八第三一号、義務教育課程における平和教育に係る課題図書に関する陳情について申し上げます。
 この陳情は、平和教育を進める立場から、特定の書籍を課題図書にすることを求めています。また、学校図書館、都立図書館にその書籍を平和教育を思わせるフレーズを含んだ特別なスペースに置くことを求めております。
 陳情者の方が平和教育を推進してほしいという率直な思いからこのような陳情になったと推察しますが、学校の課題図書は学校の権限で責任を持って選定すべきものであり、議会が介入すべきものではありません。
 都立図書館は、東京都立図書館資料収集方針に基づき図書資料の収集を行っており、どのような図書資料を収集するかは図書館の判断ですべきもので、ここでも議会が介入すべきものではありません。
 以上の理由から、陳情二八第三一号は不採択を主張し、意見といたします。

○古賀委員 今月二十六、二十七日、日本では六回目となる先進国七カ国の首脳会議が三重県の志摩市で開催されました。伊勢志摩サミットといわれています。
 会場は伊勢神宮の直近の場所で、伊勢神宮という天皇家の始祖であるアマテラスオオミカミをお祭りする社を先進国首脳がともに歩んでいる姿は、いろんな見方があると思いますけれども、私、大変意義深いものがあるというふうに思うわけです。
 伊勢神宮に参拝した、私どもがよく知っているいろいろな著名人がいますけれども、英国の歴史家のアーノルド・トインビーは昭和四十二年に来日して、伊勢神宮にやはり参拝をし、そこでこのように記帳したんです。私は、この聖地において全ての宗教の根源的統一性を感じると述べました。また、大正十一年にアインシュタインも伊勢神宮を参拝していますけれども、同趣旨の考えを持ったというふうにいわれているわけです。
 首脳会議が行われて、その後、アメリカのオバマ大統領は、アメリカ大統領として初めて広島、原爆を投下された原爆資料館を見、そして、犠牲者の被爆者の人たちとも相まみえたわけでありますけれども、原爆を落とした側と落とされた側という、そういう恩讐を超えた世界の平和を考える上で、原爆というものの兵器の持っている原罪について考えるべきであろうというふうに思うわけです。
 終戦の詔勅には、昭和天皇の終戦の詔勅ですけれども、敵は新たに残虐なる爆弾を使用し、みだりに無辜を殺傷し云々とありまして、ついに我が民族の滅亡を招来するのみならず、ひいて人類の文明をも破却すべしと。つまり、核兵器というのは、人類の文明を滅ぼす、そういう武器、兵器であるということをこの時点で、昭和二十年の時点で世界に向けて発した指導者、元首というのは、昭和天皇をおいてほかにはなかったというふうに思います。
 当時、トルーマンは原爆投下の報を聞いて、飛び上がって喜んだそうでありまして、原爆の持つ人類の文明を滅ぼしてしまう、だから、帝国政府をして共同宣言を応ぜしむるゆえんなりと述べられたわけです。
 この地をオバマ大統領が訪れたということで、オバマ大統領に対する評価は今後いろいろ行われると思いますけれども、彼の実績として、人類が初めて使用した、アメリカが使用した原爆の投下された広島を訪れたということをもって、私は彼の一つの実績になるのではないかと思います。
 この広島の原爆投下について、このような立場で日本は戦後の歩みを進めてきたというふうに思うんですけれども、この陳情二八第三一号、義務教育課程における平和教育に係る課題図書に関する陳情では、この陳情者の方は、どうしても「はだしのゲン」というこの漫画、この本を子供たちに読ませたいという執念があるようであります。
 しかし、この「はだしのゲン」の中に原爆投下はどのように書かれているかということを、私はこの機会に知ることは無駄でないというふうに思うんですね。この主人公であるはだしのゲンは、もちろん被爆をした作者が描いて、家族も失っておられるんですけれども、そのゲンに主張させているところは、原爆投下について、原爆攻撃がなければ、日本人は戦争を続け、日本民族は滅亡した、戦争を終わらせたのは広島、長崎の死者と被爆者だ、感謝せんといけんわいと。
 つまり、原爆攻撃がなければ、日本人は戦争を続け、日本民族は滅亡したと。戦争を終わらせたのは、広島、長崎の死者と被爆者、感謝せんといけんわいということですから、これはアメリカの人道に反する、国際法に反する戦争犯罪を正当化する主張でもあるわけです。今でもアメリカでは、原爆投下の正当性を主張する意見というものが、大体このような内容で指導者の間でも述べられているということです。
 しかし、昭和天皇のもとで発せられた終戦の詔書は、人類が滅びるという視点で原爆投下のアメリカの行為について、その本質を見抜いているというふうに思うわけでありますので、この点をとっても、この図書は不適切である、内容に大きな問題を抱えているというふうにいわなくてはいけないと思うわけです。
 私も、平成二十五年に「はだしのゲン」の件については、この委員会で取り上げて詳しく問題点を挙げましたけれども、要は、学習指導要領に反しているということがもちろんありますし、具体的には国旗・国歌を忌み嫌い、さらには、日本軍の、実際には捏造である、中共の捏造プロパガンダをそのまま描いているわけでありますので、学校の子供たちの教材、教員の資料等として、教育委員会とか学校が決定に基づいて学校図書として購入するということには、当然大きな問題があるということはいわなければいけないというふうに思います。児童向けの図書としては極めて問題があるということであります。
 さらに、この図書についてはいろいろ議論が行われ、その内容がかなり詳しく国民の中に浸透いたしましたので、今、こういった陳情というものが出てくるのが非常に私も不自然な感じはいたしますけれども、あえて学校図書館法、学習指導要領、国旗・国歌法に照らしても、子供たちにこの図書を見せるという意味合いは全く見出すことはできないわけでありますので、学校長のもとで学校図書館法等に基づき、責任とみずからの権限に基づいて学校図書を整備していくという趣旨から考えれば、この陳情を採択するという根拠はどこにも見出すことはできないわけであります。
 私たち、今回、原爆の投下について、改めて歴史を振り返る機会を持ったわけでありますので、こういった陳情の審議を通して、改めて私たちの、また日本人の役割、使命というものも考えるべきであろうというふうに思います。よって、不採択を主張いたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第三一号は不採択と決定いたしました。

○植木委員長 次に、陳情二八第三二号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○出張指導部長 陳情二八第三二号の二、消滅の危機に瀕(ひん)する言語の保全及び継承を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の五ページをお開き願います。
 本陳情は、埼玉県北葛飾郡杉戸町の小畑孝平さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、2、学校図書館及び都立図書館において、アイヌ語に係る図書を、貴重な言語を思わせる、目立つ表示を随伴する特別なスペースに置き、各種講習会もあわせて開催することの一点でございます。
 これに関する現在の状況については、先ほど陳情二八第三一号でご説明したことと重複する部分もございますが、学校図書館は、資料を収集、整理、保存し、これを児童生徒、教員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童生徒の健全な教養を育成することを目的としております。
 また、都立図書館は、広域的かつ総合的情報拠点として資料及び情報を収集、保存し、都民の調査研究及び区市町村立図書館を支援することを目的としております。
 これらの目的を達成するため、学校及び都立図書館においては、利用者が資料を閲覧しやすいよう、全国共通の日本十進分類法に基づき配架しております。
 また、講演会につきましては、都民ニーズの高い分野について実施しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○今村委員 それでは、私から質疑をさせていただきたいと思います。
 本陳情は、アイヌ語にかかわる図書を学校図書館または都立図書館においてということでありますけれども、我が国の先住民族であるアイヌの方々の歴史や文化を初め、こうした私たちが我が国の歴史や文化などを子供たちに学ばせるということは大変大切であるというふうに思います。
 そこで、改めて学校図書館における図書資料の整備状況について見解を伺いたいと思います。

○出張指導部長 学校図書館には、児童生徒が幅広く知識と教養を身につけることができるよう、児童生徒の発達段階を踏まえ、さまざまな図書館資料を置くことが重要でございます。
 各学校においては、学校図書館法や児童生徒の発達段階等を踏まえ、校長の責任と権限のもとに、図書館資料を整備しております。
 アイヌ民族に係る図書館資料等の扱いについても、校長の責任と権限のもとに適切に行われております。

○今村委員 学校図書館の所蔵状況についてはわかりました。
 一方で、アイヌ語やアイヌ文化について知りたいという都民の方々が、資料を閲覧できる場としての都立図書館があります。
 都立図書館におけるアイヌ語やアイヌ文化を初めとするアイヌに関する資料の所蔵状況についてもお伺いいたします。

○粉川地域教育支援部長 都立図書館は、都民の調査研究を支援することなどを目的としており、収集が困難な専門書を含め、平成二十八年四月一日現在、アイヌに関する資料を千四百六十六冊所蔵しております。
 所蔵資料の例としましては、アイヌの歴史や文化に関する入門書や民話集のほか、アイヌ語と他の言語を比較、分析した研究書や、ハワイ大学が出版しましたアイヌに関する英文の研究論文集などがございます。

○今村委員 大変貴重な資料などを含めまして、しっかりと所蔵されていることが理解できました。
 こうしたアイヌ語を保存、継承していくことは、アイヌの方々が自分のルーツやアイデンティティーを確認することにもなりますし、また、我が国も二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを開催する都市として、こうした自国の先住民族や、そしてまた、自国の文化をしっかりと確認していくということは大変大切なことであります。
 こうしたことからも、今後もアイヌ語やアイヌ文化に学ぶ、触れる機会をさらに充実させていくことは重要でありますので、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 以上、質疑を終わります。

○里吉委員 陳情二八第三二号の二、消滅の危機に瀕(ひん)する言語の保全及び継承を求めることに関する陳情について意見を申し上げます。
 この陳情は、学校図書館や都立図書館に、アイヌ語に係る図書を貴重な言語を思わせる目立つ表示をして、特別なスペースに置き、各種講習会などもあわせて開催することを求めております。
 アイヌ語を貴重な言語として保全、継承することは必要だと考えますが、先ほどの陳情でも申し上げましたとおり、学校図書館や都立図書館は、どのような図書資料を収集するかなどは、それぞれ独自の権限で行うべきものであり、議会が介入すべきではありません。
 以上の理由から、陳情二八第三二号の二は不採択を主張し、意見といたします。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二八第三二号の二は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十五分散会

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