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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第十六号

平成二十六年十一月二十日(木曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長山崎 一輝君
理事小林 健二君
理事島崎 義司君
理事鈴木 錦治君
宮瀬 英治君
伊藤こういち君
ほっち易隆君
里吉 ゆみ君
小山くにひこ君
今村 るか君
古賀 俊昭君
村上 英子君

欠席委員 なし

出席説明員
教育庁教育長比留間英人君
次長松山 英幸君
教育監高野 敬三君
総務部長堤  雅史君
都立学校教育部長早川 剛生君
地域教育支援部長前田  哲君
指導部長金子 一彦君
人事部長加藤 裕之君
福利厚生部長高畑 崇久君
教育政策担当部長白川  敦君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長松川 桂子君
指導推進担当部長鯨岡 廣隆君
人事企画担当部長粉川 貴司君

本日の会議に付した事件
教育庁関係
事務事業について(質疑)

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○堤総務部長 去る十月二十一日の当委員会において要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をごらん願います。
 目次にございますように、今回要求のございました資料は十三件でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、都立学校図書室の司書の配置状況と司書業務が民間委託されている学校でございます。
 平成二十三年度から平成二十六年度における司書の配置状況等について記載してございます。
 また、民間委託されている学校について、委託開始年度別に学校名と学校数を下段の表に記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、都内公立小中学校図書館に関する業務を担当する職員の配置状況でございます。
 平成二十五年度児童・生徒の読書活動状況等に関する調査の結果について記載してございます。
 三ページをごらんください。3、平成二十六年度における国の標準を下回る学級編制の実施状況でございます。
 このページから五ページにかけまして、各都道府県における実施状況について記載してございます。
 六ページをお開き願います。4、学校教職員定数と児童・生徒数の推移(平成十七年度から平成二十六年度)でございます。
 学校教職員定数と児童生徒数について、学校種別ごとに記載してございます。
 七ページをごらんください。5、都立学校の教職員定数配当基準の主な推移(平成十七年度から平成二十六年度)でございます。
 このページから九ページにかけまして、都立高等学校全日制、定時制及び都立特別支援学校の定数配当基準の主な推移と平成二十六年度の教職員定数の配当基準について記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。6、教育管理職選考、四級職(主幹教諭・指導教諭)選考及び主任教諭選考の合格予定者数、受験者数及び合格者数の推移(平成十七年度から平成二十六年度)でございます。
 選考年度別の合格予定者数等について、選考区分ごとに記載してございます。
 一一ページをごらんください。7、都内区市町村立小・中学校及び高等学校・特別支援学校の冷房設備設置状況(平成二十六年四月一日現在)でございます。
 このページから一二ページにかけまして、平成二十六年四月一日現在における普通教室、特別教室の冷房設備設置状況を区分ごとに記載してございます。
 一三ページをごらんください。8、都立高等学校及び都立特別支援学校教員の在校年数別人数と平均在校年数でございます。
 このページから一五ページにかけまして、都立高等学校等の教員の在校年数別の人数と平均在校年数について記載してございます。
 一六ページをお開き願います。9、栄養職員と栄養教諭の定数及び配置状況、国基準との差(学校種別)でございます。
 平成二十六年四月一日現在における栄養職員、栄養教諭の定数及び配置状況と国基準等について、校種ごとに記載してございます。
 一七ページをごらんください。10、教育職員の病気休職者数(平成十五年度から平成二十四年度)でございます。
 平成十五年度から平成二十四年度までの教育職員の病気休職者数を精神系疾患とその他の疾患別に記載してございます。
 一八ページをお開き願います。11、東京都公立小・中学校児童・生徒の就学援助受給者の推移(平成十六年度から平成二十五年度)でございます。
 平成十六年度から平成二十五年度までに就学援助を受けた児童生徒数及び受給率の推移について、要保護、準要保護別に記載してございます。
 一九ページをごらんください。12、スクールソーシャルワーカーの配置状況でございます。
 平成二十四年度及び平成二十五年度におけるスクールソーシャルワーカーの配置状況について、区市町村別に記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。13、都立高等学校における日本語教育が必要な生徒の受入状況及び教職員の配置状況でございます。
 海外帰国生徒、引き揚げ生徒など、日本語教育が必要な生徒の受け入れ状況と配置教員数について、入学者選抜の年度別に記載してございます。
 また、日本語指導が必要な外国人生徒数について、年度別に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 私からは、まず初めに特別支援教育についてお伺いいたします。
 現在、国では、平成二十八年度のいわゆる障害者差別解消法の施行に向けて、障害者の権利に関する条約の考え方に基づく基本方針の検討が進められております。障害者が積極的に社会に参加、貢献していくことができる共生社会の実現に向けて、障害のある児童生徒一人一人の可能性を最大限に伸ばすことのできる教育環境の充実が一層求められているというふうに考えます。
 その中で都は、特別支援教育推進計画に基づき、知的障害が軽い生徒のための職業学科の設置や複数の障害部門を併置した学校の設置など、新たなタイプの学校づくりを進めてきているところであります。
 新しい学校の整備に当たっては、校舎の増改築のほか、都有地の有効活用や既存の学校の移転など、さまざまな工夫を重ねてきたことと思います。
 そのうちの一つとして、世田谷区にある日本初の肢体不自由特別支援学校である都立光明特別支援学校に関する整備計画についてお伺いしたいと思います。
 光明特別支援学校については、病弱教育部門を併置して、久留米特別支援学校の教育機能を移転するとともに、施設整備に当たっては、隣接する都立梅ケ丘病院跡地の一部も活用していくというふうに聞いておりますけれども、この計画の目的を改めてお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 久留米特別支援学校では、医療の進歩や社会状況の変遷などによりまして、児童生徒の数が学年によっては皆無、あるいは一、二名など極めて少なく、今後も大幅な増加が見込まれない状況でございます。
 そのため、学力向上や社会性の育成などのための適正な学習集団の確保が難しい状況になっております。
 一方、肢体不自由特別支援学校であります光明特別支援学校におきましても、進学などを目指す児童生徒に対して適正な学習集団による教科指導の充実が求められておりますことから、病弱教育部門を併置し、久留米特別支援学校の教育機能を移転することといたしました。
 また、光明特別支援学校で実施しております病院内教育と、新たに本校に設置いたします病弱教育部門との連携によりまして、病弱教育の専門性の向上を図ってまいります。

○ほっち委員 異なる教育部門をあわせて設置することで、両部門にとって、より一層の教育の充実を図ることができるということで理解させていただきました。
 それでは、この計画の実現に向けて、現在、どのような進捗状況にあり、今後の予定はどのようになっているのかお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 仮称でございますけれども、新たに光明学園特別支援学校の基本計画を策定するために、現在、光明特別支援学校、久留米特別支援学校両校の校長や保護者の代表などを委員といたします検討委員会を設置し、年内を目途に検討を進めておるところでございます。
 施設整備につきましては、現在、新しい校舎の基本設計の計画に向けてプロポーザル方式での手続を進めておりまして、来年一月の契約を予定しております。
 基本計画を策定し、基本設計の契約を締結した後、両校の保護者や近隣住民に対しまして計画の概要についてご説明を行う予定でございます。

○ほっち委員 今お話しいただきましたけれども、現在、基本計画を検討中とのことですので、先ほどご説明いただいた目的が実現できるように、ぜひ充実した議論を期待いたします。
 今後、保護者の皆さんに向けて説明を行っていくということですが、新しい学校は寄宿舎も含めて肢体不自由教育部門と病弱教育部門の併置校となることから、保護者の方の中には不安を感じている方もいるのではないかというふうに思います。
 そうした声にどのように対応していくのかお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 光明学園特別支援学校では、これまで設置してきた多くの併置校におけます教育部門を超えた教育活動を参考にしながら、それぞれの部門の機能を活用いたしますとともに、施設面も含めまして障害特性に配慮した学校運営を行ってまいります。
 寄宿舎につきましても、両部門の児童生徒の実態を踏まえ、必要となる動線などを考慮した施設整備を行い、寄宿舎での生活における安全性を確保してまいります。
 現在、保護者の代表からのご意見もお聞きしながら、基本計画を検討しているところでございまして、今後とも、保護者の疑問や不安に対しましては丁寧にご説明してまいります。

○ほっち委員 ぜひ、不安に感じている保護者の声に対しては真摯に向き合っていただいて、その不安を払拭できるよう、丁寧な説明をしていただきたいというふうに思います。
 次に、新しい学校の施設整備に関してお伺いいたします。
 特別支援学校では、障害の状態によって、児童生徒の体温調節などが困難な場合があるということも聞いております。
 肢体不自由特別支援学校については、かねてから特別教室も含めて冷房化をしているというふうに伺っているところですが、病弱教育部門との併置となる新しい学校においては、当然に特別教室も含めて冷房化すべきであるというふうに考えますが、所見の方をお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 肢体不自由特別支援学校と病弱特別支援学校は、体温調節等が必要な児童生徒が通学しておりますことから、従来から特別教室も含めて冷房化を行っているところでございまして、両部門の併置となります光明学園特別支援学校におきましても、同様に特別教室の冷房化を行う予定でございます。

○ほっち委員 新しい学校でもこれまでの両校と同様に、特別教室も含めて冷房化されるということをお聞きしまして安心いたしました。
 さらに伺いますけれども、特別支援学校については、肢体不自由教育部門及び病弱教育部門以外の障害種別の学校においても、特別教室について早期に冷房化を進めるべきというふうに考えますが、所見をお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 肢体不自由及び病弱以外の特別支援学校の特別教室の冷房化につきましては、必要性を個別に判断した上で対応しているところでございますが、まだ冷房化していない特別教室につきましても現在、冷房設備の整備に向けて検討しているところでございます。

○ほっち委員 他の障害種別の特別支援学校についても、特別教室の冷房化を検討していただけるということで理解いたしました。ぜひ前向きに進めていただきたいというふうに思っております。
 都はこれまでも、府中けやきの森学園、鹿本学園など多くの併置校を設置してまいりました。ぜひそれらの学校における実績を踏まえ、この新しい学校でも円滑な学校運営と教育効果の実現を期待いたしているところでございます。
 また、今後とも、既存の学校の整備や新しい学校の設置に当たっては、施設面の整備も含め障害の状態がさまざまな児童生徒一人一人が安心して学べる教育環境を整えて、将来の自立と社会参加に向けた教育内容の充実を図っていただくことを大いに期待いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 続いて、島しょの高校の充実についてお伺いしたいと思っております。
 都内の島しょ部には七校の都立高校があります。寄宿舎を持つ大島海洋国際高校を除く六つの高校では、大幅な定員割れの状態が続いているというふうに聞いております。この状況の中で、都の本土から島の都立高校に進学する生徒を受け入れることができれば、さまざまなメリットがあるというふうに私自身は考えております。
 例えば本土から進学する生徒は、島の自然を生かした生物や地学など特色ある授業を受けたり、落ちついた環境で部活動に専念できることがあるというふうに私自身思っております。
 また、離島で親元を離れて暮らすということで、社会的な自立心が養われ、さらには一定規模の学習集団の確保と島の内外の生徒の交流により、豊かな人間性の涵養が期待できるというふうに思っております。
 そこで、島しょ部の各都立高校が所在する島でのホームステイ方式などにより、本土の中学生が受検、進学しやすい環境をつくることも一つの方策というふうに、効果が大きいというふうに考えておりますけれども、都の所見をお伺いいたします。

○早川都立学校教育部長 定員割れが続いております六つの都立高校で、本土の生徒を島の高校で受け入れることは、学校の活性化や生徒間の競争意識を高めるために有効な方策であると考えております。
 本土の生徒を受け入れるに当たりましては、島しょで教育を受けることの魅力づくりや生徒の受け入れ方法、入学者選抜制度や本土の生徒へのPRの方法など、多くの検討事項がございます。
 ホームステイ方式は、本土の生徒を受け入れる上で現実的な方策と考えておりまして、引き続き島しょ町村と協議を進めてまいります。

○ほっち委員 この問題については、我が自民党の、私の先輩であります三宅都議からも、やはり島が元気にならなければ東京も元気にならないという中でいけば、大事な重要課題だと思っておりますので、今後とも前向きにご検討いただいて、お力をいただければなというふうに思っております。
 次に、島しょ部の都立高校の中でも、都立大島海洋国際高等学校の実習船、「大島丸」の船員の確保についてお伺いしたいというふうに思います。
 四方を海に囲まれた我が国において、海洋に関する理解と関心を深める海洋教育の充実というものは極めて重要であるというふうに考えております。
 昨年四月に閣議決定された海洋基本計画においても、海洋に関する教育を行う高等学校において、現場実習等を通じた実践的な教育を促進することとされております。
 このような中、都立大島海洋国際高等学校では、海を通して世界を知るをテーマに、体験を重視した海洋教育に取り組んでおります。
 この大島、以前は大島南学校だったか、高等学校だったかだと思うんですけれども、私の同級生もこの海洋科の方に行って、船に乗ったというふうなことも、私自身もいろいろと聞いて、こういう学校があって本当にいろいろ勉強になったんだよということも同級生から伺って、こういう教育もあるんだということを改めて私も実感しております。
 その中でも、実習船の「大島丸」での航海実習を実施しておりますけれども、やっぱり、船員の確保が全国的に厳しさを増す中、「大島丸」では今年度募集した任期つき船員や臨時の船員の十分な確保ができていなかったことに加えて、今年度末には複数の船員の退職が見込まれているというふうにお聞きしております。
 我が党としては、「大島丸」の航海実習を安定的に実施するためにも、正規の船員により必要な人員を確保するなど、船員の採用方法を見直す必要があるというふうに考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○堤総務部長 都教育委員会では、「大島丸」の船員につきまして有為な人材を確保できますよう、今年度、業務経験を有する任期つき船員の募集を行うなど、校長の要望も踏まえましてさまざまな取り組みを実施してきたところでございます。
 しかしながら、今お話にもございましたとおり、応募者数が採用予定者数を下回るなど、船員の確保が厳しい状況が続いておりまして、今後、将来的に「大島丸」の安定した運航に支障が生ずる懸念がございます。
 このような状況を踏まえまして、大島海洋国際高等学校の特色ある教育を実施するために必要な船員を適切に確保するという観点から、来年四月一日付で新規学卒者等を対象といたしました任期の定めのない正規の船員を採用できるよう、新たに公募を行うこととしたいと考えております。
 なお、採用後は速やかに研修を実施いたしまして、「大島丸」の安定的な運航体制を構築してまいります。

○ほっち委員 船員確保に向けた具体的な答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 都立大島海洋国際高等学校の生徒や保護者の航海実習に向けた思いは非常に大きいものがあると思います。募集に当たっては、広報を充実し、有為な人材を確保できるよう、全力で取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 また、来年の船員の採用について、任期の定めのない形で採用していくことは評価いたします。
 ただ、今後も本人都合の退職などで急に採用を要する場合も出てくるだろうし、また、現在の「大島丸」が使用できる期間も限られてくると思います。そうした状況下でも、大島海洋国際高校に入学してくる生徒、保護者の期待に応えるためには、海洋教育の象徴となっている航海実習を着実に実施していくことが何よりも重要というふうに考えております。
 今後、船のあり方も含め、中長期的な展望も持ちながら、航海実習が安定的に実施できるよう体制の検討を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○小林委員 私からは、三つのテーマについてお伺いさせていただきます。
 初めに、文化財の保存活用についてお尋ねいたします。
 文化財の存在は、その当時を生きた人々が何を考え、どのような生活をし、いかに生きていたのかを現代の私たちが感じることのできる貴重なあかしであると思います。
 当時を知るかけがえのない財産として、一度失ったら二度と取り返すことのできない宝として、先人たちが命がけで守り育んできた文化遺産を、私たちも後世に引き継ぐ責任と使命があると思います。
 フランス学士院の会員であり、世界屈指の美術史家であるルネ・ユイグ氏が決死の覚悟で文化遺産を守り抜いた次のようなエピソードが残されています。
 第二次世界大戦中、フランスはナチスによる美術品の強奪を阻止するため、美術品を各地に移す計画を進めていました。ユイグ氏もこの作業に取り組んでいましたが、ある日、美術品を保護していた城館に武装したナチスの兵士が来て、美術品を引き渡すよう強要しました。
 その際、ユイグ氏はナチス兵に向かって次のようにいいました。ここにある美術品は、フランス一国の文化遺産ではない。全人類の財宝である。ドイツが本当の文化国家ならば、美術品に手を触れないだろう。もし破壊するなら、あなた方は野蛮人というほかはない。この言葉を聞いて、ナチス兵は引き上げていったそうであります。
 殺される危険を顧みずいい放ったこの言動は、文化遺産というものがいかに人類にとって重要なものか、また、それを守るためにいかほどの覚悟が必要なのかを教えてくれていると思います。
 東京にも数多くの文化財が残されておりますが、文化財を断じて守り抜くという強い信念を持って取り組んでいかねばならないと思いますし、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向け、首都東京の文化財を世界に発信していくという大事な使命もございます。
 そこで、文化財の保存及び活用について都の基本的な考え方をお伺いします。

○前田地域教育支援部長 文化財は、我が国の歴史、文化などの正しい理解のために欠くことのできないものであり、かつ将来の文化の向上、発展の基礎をなすものでございます。
 都教育委員会は、文化財が適切に保存されるよう、補助の実施や専門的、技術的な指導を行い、こうした文化財が広く一般に公開され、活用されるように取り組んでまいります。

○小林委員 さきの第三回定例会で知事は、二〇二〇年に向けて新たな文化ビジョンの策定を表明されました。当然のことながら、文化ビジョンの重要な柱の一つとして、かけがえのない遺産である文化財の活用は重要な柱の一つになると考えます。
 国民が東京の文化財の魅力と重要性を再発見、再認識する取り組みを推し進めていただきたいと思います。
 一度壊れてしまったら、なくなってしまったら修復が非常に厳しい文化財でありますが、最近、それらの文化財が不注意で損失してしまうという事態が報道されております。
 名古屋市で行われた土地区画整理事業で、古墳時代から室町時代の集落跡の遺跡が地下に埋まっているにもかかわらず、市の教育委員会に届け出がないまま造成されてしまい、多数の土器が破壊されてしまったことや、兵庫県朝来の国史跡の竹田城跡で、市が無許可で登山道拡幅や改修工事を行っていたことなどが挙げられますが、文化財保護に携わるということは、ある意味、緊張感を持って、心して取り組んでいかなければならないと思います。
 東京においても、都内各地にどのような歴史的、文化的価値の高い文化遺産が存在しているのか、それらをしっかり把握し、保護のためにどのような対策が必要なのか、さらにその文化遺産をいかにして都民と共有していくかが重要ではないかと思います。
 例えば東京においては、東京の発展に寄与してきた工場、駅舎、官公庁などの建築物や橋梁、ダムなどの土木構造物など、近代の建造物について老朽化が進み、維持管理が困難であったり、都市の再開発などに伴い、取り壊しや改変などを行わざるを得ないものも少なくないと思います。
 これらの中には、東京駅や勝鬨橋、旧三河島汚水処分場などのように、文化財として保存、活用の必要があるものも含まれると思います。
 現在、都教育委員会では、平成二十四年度から五カ年計画で東京都近代化遺産総合調査を実施していると聞いておりますが、その内容と取り組みについてお伺いいたします。

○前田地域教育支援部長 当該調査は、文化庁による全国調査の一環として、一八三〇年から前回の東京オリンピックが開催された一九六四年までにつくられた産業、交通、土木に関する近代化遺産について、歴史的沿革、建築技術、保存状況等を把握するものでございます。
 都教育委員会は、本調査を通じて、地域の貴重な財産である近代化遺産の実態を明らかにした上で、歴史的、文化的価値のある近代化遺産の保存、活用を推進してまいります。

○小林委員 今ご答弁にもありましたが、この調査の実施は、区市町村における近代化遺産の実態を明らかにするものであるということですので、調査結果によって、区市町村における歴史的、文化的価値のある遺産の再発見にもつながり、貴重な財産として地域振興にも連動していく取り組みであると思いますので、着実な調査の実施をお願いしたいと思います。
 大切に文化財を保護していくという取り組みとともに、文化財は国民の財産でもありますので、それらの価値を都民、国民と共有していくことも重要であります。
 都では、都民が文化財に触れる機会を提供するため、平成十年度から東京文化財ウイーク事業を実施しております。文化財という歴史のたたずまいに触れるということは、現代に生きる私たちにも影響し、さまざまな示唆を与えてくれるものと思いますので、東京文化財ウイークはその貴重な機会となる取り組みであると思います。
 ことしで十七年目となる東京文化財ウイークのこれまでの取り組みと今後の展開についてお伺いいたします。

○前田地域教育支援部長 東京文化財ウイークは、文化の日の前後に期間を設定し、都内にある文化財を一斉に公開する公開事業で、鑑賞会や現地解説、講演会などを行う企画事業を実施しております。
 また、平成二十四年度からは、文化財をめぐるモデルコースの冊子を作成しております。
 さらに昨年度からは、文化財ウイーク情報をツイッターで発信するなど、さらなる事業展開に努めております。
 平成二十五年度の公開件数は四百七十八件、一日平均観覧者数は五万八千五百六十四人で、平成十年度の事業開始当初と比較しそれぞれ約三倍に増加していることから、文化財に対する都民の関心を高めることに寄与してきたと考えております。
 今後とも都教育委員会は、都内にある文化財を活用し、文化財の理解と愛着を深める機会の確保に努めてまいります。

○小林委員 着実に文化財に対する関心が高まってきているとのことですので、関心が高まるということは、今後、より充実した事業展開が望まれるものとも思いますので、さらに創意工夫をした取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、日本史教育についてお伺いいたします。
 過去に目を閉ざす者は、結局のところ、現在にも盲目となります。これは当時、西ドイツのワイツゼッカー大統領がドイツ敗戦四十周年を記念した連邦議会での有名な演説の一節です。
 第二次世界大戦中のナチスの蛮行を直視していくことの重要性を訴えた演説ですが、私は、歴史を学ぶということの重要性をあらわした言葉でもあると思っております。
 歴史の明暗、善悪など含め、歴史は未来への知恵の宝庫であり、人類が歩んできた歴史を学び、未来への知恵としていくことは大変に重要なことであると思います。
 まして、日本人として日本の歴史を学ぶことは、国際社会における他国とのかかわりにおいても極めて大切であり、歴史や文化の違いを超えた世界各国との協調のためにも重要であると考えます。
 都では、都立高校において、平成二十三年度に日本史必修化の先行実施、翌二十四年度より全面実施に取り組んでおりますが、初めに、都立高校の日本史必修化の履修形態について確認いたします。

○金子指導部長 高等学校では、学習指導要領により世界史が必修科目となっておりまして、日本史は地理とともに選択科目になっております。
 都教育委員会は、我が国の歴史の価値を十分に理解させ、日本人としての自覚と誇りを高めるために全ての生徒が日本史を学べるよう、平成二十四年度入学生から、世界史に加え日本史を必修化いたしました。
 具体的には、近現代史を学ぶ日本史A、通史を学ぶ日本史B及び都独自科目である「江戸から東京へ」の三科目のうちから一科目を必ず学ぶこととしております。

○小林委員 都では、独自教科書である「江戸から東京へ」を作成しましたが、私も拝見しまして、率直におもしろい教科書だなと印象を受けました。
 ともすれば、日本史の学習は元号や年号など覚えることが多く、それだけでつまらなくなってしまい、歴史を学ぶおもしろさや歴史から学ぶべき教訓というものが伝わりにくい嫌いがあるかと思います。
 必修化が本格実施となってまだ三年目でありますが、都独自教科書「江戸から東京へ」が現場ではどのように活用されているのか、活用状況をお伺いいたします。

○金子指導部長 都独自の教科書「江戸から東京へ」は、江戸東京の変遷を切り口といたしまして、近現代史の大きな流れを総合的に考察させるために必要な基礎的、基本的内容を精選して作成いたしました。
 都教育委員会は、全ての都立高校の新入生に都独自の教科書「江戸から東京へ」を配布しております。
 全ての都立高校では、この教科書を日本史A、日本史Bの教科書とあわせて使用するとともに、ほかの教科、科目の学習、総合的な学習の時間や特別活動などの補助教材として活用しております。
 さらに、都独自の科目「江戸から東京へ」を設置している二十三校では、この教科書を単独で使用して授業を行っております。

○小林委員 私は、平成二十三年の第一回定例会の一般質問で日本史教育の充実を取り上げさせていただきまして、その際、実際に指導に当たる教員が創意工夫できる環境整備が必要であると述べさせていただきました。
 そこで、都独自科目の「江戸から東京へ」の教員の指導力向上に向けた取り組み状況についてお伺いいたします。

○金子指導部長 都教育委員会は、都の教育研究活動の中核を担う教員による教育研究員事業におきまして、毎年、都の独自科目「江戸から東京へ」の指導方法や教材の開発を行いまして、その成果を研究発表会や研究報告書を通して、全都立高校に普及啓発を図っております。
 また、ICT機器を用いて「江戸から東京へ」の指導を行えるよう、授業で活用できる写真や図版などをデジタル化したコンテンツを作成して公開し、教員が授業の工夫や改善を行えるよう支援しております。
 さらに、都教育委員会の認定団体である東京都歴史教育研究会による「江戸から東京へ」の授業研究や史跡見学会を教育研究普及事業として指定いたしまして、それらの研修を通して、教員の指導力向上に努めております。

○小林委員 「江戸から東京へ」という科目の履修は、まさに今の東京のさまざまなルーツとなる事柄を数多く学ぶ機会となることと思います。
 その中で一つ注目したいのが、江戸の文化という点でございます。江戸時代の大きな文化の流れとしては、元禄文化と化政文化が挙げられるかと思いますが、特に文化文政時代に花開いた化政文化は江戸の庶民を中心とした独特の文化で、歌舞伎や浮世絵、文学など、現代の私たちにもなじみ深い足跡が残されています。
 東京に生きる私たち、特に若い世代がそれらの文化を学ぶことは、多くの示唆に富んだ何かを発見できると思います。
 また、江戸時代というと、大変に古い昔のような印象もありますが、今、残されている江戸時代の数々の名残に触れると、つい最近のような気持ちも沸き立ってまいります。
 都議会議事堂と本庁舎を結ぶ渡り廊下のところに、一八六五年から一八六六年ごろに撮影されたとされるイギリスの写真家、フェリックス・ベアトによる愛宕山から見た幕末の江戸という大きなパノラマ写真が掲げられております。
 私、この写真が大好きでして、本庁舎に行くたびに見ておますが、江戸時代といってもこれだけのまち並みが整備されていたのかと驚くとともに、このまち並みの中にあった庶民の生活、私たちが知っているような歴史上の人物がいたかと思うと本当にわくわくする思いですし、今や世界都市である東京の百五十年前の姿を見て、たった百五十年でどれだけの発展を遂げたのかも驚嘆すべきことでありました。このような胸躍るようなおもしろさをぜひとも若い世代にも味わってもらいたいと思います。
 さきに申し上げた私の一般質問の際、東京文化財ウイークを「江戸から東京へ」の教科書とリンクさせて、高校生向けにアレンジして、歴史のおもしろさを知ってもらう取り組みをしてはどうかと提案いたしました。
 そこで改めて、都独自教科書「江戸から東京へ」を活用して、高校生が歴史の魅力に引かれるように、現代の東京にあまたの名残を残す江戸の文化の学習を一層充実させていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○金子指導部長 都独自の教科書「江戸から東京へ」では、寺子屋などの教育システム、歌舞伎や相撲、浮世絵など、江戸の成熟した文化について掲載いたしまして、授業における活用を進めてまいりました。
 今後は、教科書「江戸から東京へ」で学んだ内容の理解を体験を通して深めるために、教科書に掲載してある史跡や文化財をめぐるモデルコースなどを作成いたしまして、江戸の文化の学習を一層充実してまいります。

○小林委員 一歩踏み込んでいただいてのご答弁、大変にありがとうございます。
 史跡や文化財をめぐるモデルコースを作成していただけるとのことで、工夫を重ねていただき、でき上がりましたらぜひ私も体験させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、都立久留米特別支援学校の教育機能の移転についてお伺いいたします。
 先ほどのほっち委員も同様の質問をなされておりますので、重なる点につきましては省略させていただきたいと思います。
 平成二十二年に策定された東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画において、東久留米市にあります病弱特別支援学校である久留米特別支援学校の機能を世田谷区の肢体不自由特別支援学校である光明特別支援学校に併置し、平成二十九年度に教育機能を移転するとの計画でございますが、この計画については、私のところにもさまざまな声をいただいております。
 特に、都として唯一の病弱特別支援学校である久留米特別支援学校は、実際に通われている保護者の方々からも、その環境のすばらしさを挙げる声が大変に多い反面、その学校がなくなってしまうという懸念の声も聞かれます。
 都では、この八月より仮称光明学園特別支援学校基本計画検討委員会を開催し、今月十七日に最終となる第三回目が開催され、この検討会には、保護者代表として光明、久留米の両学校のPTA会長も出席されると聞いております。
 移転する側の久留米と受け入れる形になる光明と立場も違い、それぞれ違った観点で移転に向けた不安を感じている保護者の声があると思いますが、具体的に保護者の方々からはどのような意見が寄せられているのかお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 保護者からは、移転に伴い、学校を取り巻く環境が変わることについての不安や、現在の寄宿舎の機能を維持してほしいというご意見が寄せられております。
 また一方では、併置校の利点を生かし、両部門で児童生徒が交流できるような学校にしてほしいというご意見もいただいているところでございます。

○小林委員 環境が変わるということは、誰しもが不安を抱くのは当然のことでありますので、寄せられた不安の声や意見に対し真摯に向き合い、不安を払拭していく地道な誠意ある対応が求められると思います。
 都は、保護者から寄せられたそうした不安の声、特に私も環境、また寄宿舎の問題、この点について多くのお声をいただいておりますが、どのように説明され、対応されているのかお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 光明学園特別支援学校は、第一種住居地域として住環境が保護された地区に立地し、近隣にある羽根木公園は世田谷区の緑の拠点に位置づけられておりまして、緑を保全する、創出するまちづくりが行われております。
 また、交通利便性が高く、先進的な小児医療の拠点であります国立成育医療研究センターからも近いなど、現在の久留米特別支援学校にはない利点もございます。
 寄宿舎は、肢体不自由教育部門と病弱教育部門の併置となりますため、安全性等に配慮して、光明特別支援学校の寄宿舎を改修し、現在の久留米特別支援学校寄宿舎の機能を移転してまいります。
 保護者に対しましては、不安を払拭するように丁寧にご説明してまいりたいと存じます。

○小林委員 重ねてのお願いでございますが、学校は何より児童生徒が主人公であり、児童生徒が輝くために工夫を凝らし、知恵を絞って、よりよい環境をつくり出していくことが最大の目標であり、根本であると思います。
 さまざまなご意見が寄せられていると思いますが、今後も粘り強く丁寧に耳を傾け、保護者や児童生徒が安心していける環境の整備に一層ご努力をいただきますことを心からお願いをいたしまして、質問を終わります。

○里吉委員 それでは、私からは、都立大島海洋国際高校の航海実習が実施できない現状になっていることについて、まず意見を申し上げたいと思います。
 都立大島海洋国際高校については、ことし三月、我が党の大島よしえ都議が文書質問をさせていただきました。大島海洋国際高校では、実習船による航海実習や操船実技など、実践的な海洋教育が行われておりますが、その特色である教育を今後も維持、継続することについては、大島海洋国際高校における海を通し世界を知る海洋国際教育などの特色ある教育は、今後も必要とのご答弁をいただきました。
 そして、実習船「大島丸」の老朽化で海洋実習が継続できるのか心配されていることや、正規職員の船員が退職した後を正規の船員ではなく、臨時船員や派遣船員で補っていることについて、生徒の教育に支障はないのか、危険と隣り合わせの海上での航海や実習を安全に行うには、やはり正規職員の船員をきちんと雇用すべきではないかということを質問いたしました。都教育委員会のお答えは、必要な船員を適切に確保していくというものでした。
 高校の生徒や保護者の皆さんは、こうした実習船の老朽化や船員が正規職員で補充されないということから、きちんと航海実習が継続されるのだろうかと以前から不安を感じてきたわけです。
 そこへ来て、今回、九月末から三十一日間の日程で行われる予定だった国際海洋学習に出られない、いつ出られるのか見通しも十分立たないという事態が生じているわけですから、心中穏やかでいられないのは当然です。
 わざわざ選んで遠い大島海洋国際高校に入学し、その教育を高く評価し、非常に期待も誇りも持っているだけに、どうしてきちんと手を打ってくれなかったのか、今後どう海洋実習を保障するのかと切実な思いを持っていらっしゃるのです。
 事前に都教委の方にも事情をお伺いし、必死に船員の確保に努めていらっしゃるとのことでしたが、子供たちの教育のために、教育条件をしっかり整えるのが教育委員会の仕事ですから、今回、国際航海実習に出る予定だった現在の二年生が卒業までに、必ず予定されていたカリキュラムを受けられるようにすること、また、生徒、保護者に情報を公開し、また生徒や保護者の意見をしっかり聞いていただくこと、そして実習に必要な船員や教員は正規で確保し、今後このようなことが起こらないように手だてをとっていただくことを求めておきます。
 それでは、質問を行っていきますが、まず少人数学級について伺います。
 財務省が公立小学校一年生三十五人学級を見直して、一学級四十人体制に戻すよう文部科学省に求める方針を固めたとの報道がありました。記事によれば、教職員数を約四千人削減することで、人件費、国の負担分を年間八十六億円削減するというものです。
 東京都でも、二〇一〇年度から小学校一年生の問題や中一ギャップの予防、解決を目的とした教員の加配を段階的に行ってきましたが、都教育委員会では、その効果をどのように認識しているのか伺います。

○金子指導部長 入学後の落ちつかない状況がいつまでも解消されずに継続するという状態の改善のために、地域や学校等の実態に応じて学級規模の縮小及びチームティーチングによる活用のいずれかを選択して教員の加配を受けました学校は、授業中の学習態度や清掃の取り組み状況などが改善されたという肯定的な意見を回答しております。
 したがいまして、小一問題、中一ギャップの予防、解決には効果があったと考えております。

○里吉委員 一定の効果があったとの回答でした。全国でもこの間、少人数学級を進めてきたところでは、児童一人一人の活躍の場が増して、互いのよさを認め合い、自信をつけてきた児童がふえてきたですとか、児童一人一人の発表の場がふえたので学習意欲が向上してきた、こういう意見、また、生徒の変化に速やかに気づき迅速に対応することができるため、いじめや不登校などの問題行動の早期発見が可能になった、このように小学校でも中学校でもさまざまな効果が報告されています。
 十八日には、参議院文部科学委員会で財務省の方針は容認できないということで、少人数学級を着実に推進するため、教職員定数を計画的に改善することなどを政府に求める決議を全会一致で可決いたしました。
 都教委としても、小学校一年生、中学校一年生での少人数学級の効果はあったと認識しているわけですから、国に対して、少人数学級を計画的に進めるように求めることを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、教員の健康管理の問題、多忙化の解決についてお伺いいたします。
 子供たちの豊かな学びを保障するために、教員の長時間労働、精神疾患など、教員の健康問題、これが大変な課題となっています。
 教員が忙し過ぎて子供たちと向き合う時間が十分とれないということで、精神疾患も含めた病気休職者数は全国で八千数百人にも上ります。
 東京の実態も、資料を用意していただきましたけれども、東京でも本当に高どまりという状況だと思います。
 病気休職者数のうち、精神疾患でお休みされている先生は約六割ということでした。
 教員の長時間労働なんですが、OECDの調査でも、参加国三十四カ国の中で日本の教員の勤務時間が最長で、参加国平均の一・四倍というふうに報告されています。
 改めて、子供たちの学びを保障するためにも、教員が心身ともに健康であることが欠かせないということで、都教育委員会は、教員の健康管理を行っていると思うんですが、どのような法律や条例に基づいて行っているのか、また、具体的にはどのようなことを行っているのか、まず伺います。

○高畑福利厚生部長 都教育委員会は、労働安全衛生法、学校保健安全法等の定めるところにより、都立学校教職員の定期健康診断を実施しております。
 また、労働安全衛生法に基づき、事業者である各都立学校は、安全衛生委員会の設置及び産業医の設置をしております。
 安全衛生委員会では、健康診断の実施結果を踏まえた保健師による保健指導や、産業医による季節に応じた体調管理等の講話などを実施いたしまして、教職員の健康の保持増進を図っております。
 さらに、都教育委員会は、教員の精神疾患による休職者の増加に伴い、早期自覚、早期対処の予防策に重点を置いたメンタルヘルス対策の充実を図っております。

○里吉委員 健康診断や産業医を設置すること、予防策に重点を置いたメンタルヘルス策を拡充するなどさまざま行っているというご答弁でした。
 実際に、健康診断はどのような内容を行っているのか、また、その結果に所見が示された場合にはどのような対策を行っているのか伺います。

○高畑福利厚生部長 都教育委員会が実施する定期健康診断は、一般健康診断として、呼吸器系、生活習慣病、消化器系の健診を、また、特別健康診断として女性健診等を行っております。
 健診の結果、緊急に医療機関で受診すべきという所見が示された場合は、本人及び管理職に緊急連絡を行うほか、二次健診の受診対象者に対しては受診勧奨を行い、疾病の予防や早期発見につなげております。
 また、都教育委員会は、定期健康診断を実施する際にストレス検査もあわせて実施しておりますが、検査の結果は本人のみに通知し、精神疾患のおそれがあるとされた場合には、専門家への相談や受診を勧めております。

○里吉委員 年に一回の健康診断と、また、あわせてストレスチェックも行っているというお答えでした。
 また、先ほどの答弁にもあった安全衛生委員会では、健診の結果を踏まえた保健師による保健指導や産業医による講話などを実施する、こういう対策も行っていると伺いました。
 いろいろ行っているんですが、実際には教員の中での多忙化は解決していませんし、病気休職者数もなかなか目に見えて減っていないというのが現実です。
 都教委として、こうした問題を解決するためにいろいろお話を伺いましたら、さまざまな対策を行っているということなんですね。
 その一つとして、校務改善の取り組みというものがあると伺いましたが、この校務改善の取り組みを始めた経緯と目的について伺います。

○加藤人事部長 都教育委員会では、副校長、主幹教諭等に業務が集中している実態を踏まえ、平成二十四年三月に小中学校の校務改善推進プランを策定しました。
 本プランは、副校長、主幹教諭等がより組織的に校務を行うことにより、効率的な学校運営の実現に向け、区市町村教育委員会と連携しながら、小中学校の校務改善を推進することを目的としています。

○里吉委員 今お話のあった小中学校の校務改善推進プラン、私も読ませていただきました。ここには、都の教育委員会が平成十九年に実施した副校長、主幹教諭の職務等に関するアンケート調査というところでは、副校長が調査の回答や報告書の作成などの業務に追われて、副校長約九〇%、そして主幹教諭の約七五%が多忙感を抱き、学校経営に力を注ぎ切れない実態が明らかになったと書かれていました。そして、そのためさまざまな改善を行ってきたが、さらなる改善が必要な状況となっていると。
 平成二十二年度には副校長の業務実態の洗い出しや校長も含めヒアリングなども行って、多忙化を招く要因を分析し、解決すべき課題をまとめ、改善の方向を示したと書かれておりました。
 副校長や主幹教諭の多忙化を解決するために、さまざまな努力をしてきたということが書かれていて、今その途上だというふうに思います。
 もう一つ、一旦精神疾患などで休職した教員の職場復帰のため、都の教育委員会ではリワークプラザ東京という復帰訓練機関も開設していると伺いましたが、この開設した経緯と目的について伺います。

○高畑福利厚生部長 教員の精神疾患による休職者の増加に伴い、都教育委員会は平成二十二年度にリワークプラザ東京を開設いたしました。
 リワークプラザ東京では、精神疾患で休職した教員の円満な職場復帰と再休職の防止を目的として、学校で行う職場復帰訓練に対して、精神科医である健康相談員や臨床心理士と校長OBによる復職アドバイザーを配置し、復職に向けた支援を行っております。

○里吉委員 リワークプラザ東京の申込者数も毎年百数十人というふうに伺いました。精神疾患による休職者数が減らないもとでは、きちんと、病気を再発しないで復帰してもらうために行っているということで、これも必要な事業、大事な事業ではないかと思います。
 しかし、あわせて、やはりそういう病気にかからないための予防が大切ではないかなと痛感します。校務改善の取り組みやリワークプラザ東京の設置などに取り組んでいるけれども、現状は教員の多忙化や休職者数を減らすということにはなかなかまだ効果が出ていないと。
 私は、副校長や主幹教諭だけでなくて、現場の教員一人一人の勤務実態をつかんだ上での対策が必要ではないかと思うんです。
 それで、教員の多忙化、これは全国的な問題ではありますけれども、都の教育委員会としても、都立学校で働く教員の勤務時間や勤務実態について調査すべきだと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

○加藤人事部長 都教育委員会では、平成二十二年度に小中学校の校務の効率化を図るため、副校長、主幹教諭等の業務実態調査を行い、現在、都立高校の業務の縮減や精査、改善を図るための調査をさらに行っております。

○里吉委員 高校の業務縮減のためにいろいろ調査を始めたということで、業務内容について精査をして校務改善を行うということは私も必要だと思いますし、それはやっていただきたいと思います。
 しかし、そういった業務内容だけではなくて、職員の皆さんの勤務時間や勤務実態、これを調査することが必要だということでお伺いしたんですが、それは行っていないということがわかりました。
 私は、東京都でもっときめ細かい教員の勤務実態調査がまずは必要だと考えます。例えば私の地元、世田谷区の教職員組合が、二〇一一年に区内公立小中学校と幼稚園の先生にアンケートを行っています。
 区内教員二千三百人中五百十四人が回答を寄せていますが、この調査では持ち帰り残業は調べていませんが、四十五分間の休憩、これは小中学校では給食指導がありますから、昼ではなく十五時四十五分以降にとることになっているものですが、この休憩がとれなかった場合はそれも勤務時間に含め、一カ月平均八十三時間の超過勤務になっていると推計しています。そして、回答を寄せた方の八割が健康不安を訴えているという調査結果でした。
 この調査では、例えば先ほどの四十五分間の休憩をとれているかに注目していますが、七割の方がほとんどとれていないと答えています。余りとれていないも含めれば、九割の方がとれていないんですね。
 また、半数以上が始業時間、先生が出勤しなければいけない時間の三十分以上前に出勤していて、特に小学校の先生は早く来ていると。また、二十代、三十代の若い先生は百時間を超える超過勤務になっているということが分析されています。
 こうしたきめ細かい調査と分析をすることにより、見えてくる課題があるのではないでしょうか。先生が健康を保ち、生き生きと子供たちに向き合えるようにするためにはどんな手だてが必要か、このことからも考える必要があると思います。
 ちなみに二〇一二年に行われた全国調査では、一学級の児童生徒の数が多いほど教員の時間外勤務が長いという結果になっています。
 私は、学校で公務災害に遭った方からお話を聞く機会がありました。その方は、勤務の過重負担の中で体を壊してしまい、公務災害認定を請求しているのですが、お話を伺う中で、教員というのは残業代を払う必要がありませんから、そういう意味では労働時間の管理が非常に曖昧になってしまう。労働安全衛生管理が不十分になりやすいということを再認識いたしました。
 都教育委員会は、学校長や就業者の健康状態の把握や勤務条件への配慮といったことに対しては責任があるわけですから、例えば公務災害認定の請求に当たっても、請求者がどんな労働実態にあったのか事実を明らかにすること。請求者の権利を保障し、公務災害の再発防止にもつながることだと思いますから、こういうことも積極的にやっていただきたいと思うんです。
 つまり、どういう状況のもとで先生が病気になっているのか、働けなくなっているのか、そのことに長時間労働がどういうふうにかかわっているのか、都教育委員会はつかむ必要があるんじゃないかと思うんですね。
 全体的な調査はもちろん、平均を出したり、そういうことも大事ですが、結局、一人一人の先生の勤務時間が違うわけですから、それをぜひつかんでいただきたいと思うんです。
 昔は、今と比べればゆとりがあった。そういう時代には、先生の裁量に任せるということでよかったかもしれません。長いこと、日本の教育現場、教員の労働時間がそれほど問題になることはありませんでした。しかし、現在では、先生には残業代を支給しないという特例措置が、逆に労働時間の管理を曖昧にして、過労死ラインを超えるような超過勤務を招いている、こういうことになっているんじゃないでしょうか。
 先生方は、子供たちのためだと思えば無理をしてしまうでしょうし、保護者への対応もきめ細やかさが求められますし、作成しなければいけない書類もふえています。個々の教員勤務実態を適切に把握し、過重労働にならないように配慮するのは、教育委員会や学校長の役割ではないかと思います。
 それで、伺いますけれども、都教育委員会には、教員の勤務時間も含めて勤務実態を把握する責務はありますよね、確認します。

○加藤人事部長 都教育委員会は、平成二十二年度に実施した小中学校の業務実態調査や、現在行っている都立高校の業務縮減等を図るための調査により、教員の勤務実態の把握に努めています。
 また、区市町村教育委員会及び都立学校長に対し、所属教員の勤務時間の適正な割り振りと運用に万全を期すよう通知を発出し、校長等はその通知に基づき教員の勤務実態を適切に把握、管理しております。

○里吉委員 教員の勤務時間、勤務実態については、校長に管理責任があると。適切に管理しているというお答えでしたけれども、実際には個々の教員が日々どれくらいの勤務時間にあるということはつかまれていないのが実態だと思うんですね。
 これ、ご存じだと思いますけれども、労働安全衛生法が改正されて、教員についても労働時間の適正な把握を行うよう通達が出されています。先ほども申し上げましたけれども、民間企業や一般公務員の場合は、時間外労働させる場合や法定外の休日に労働させる場合は、労働基準法三十七条の時間外、休日等の勤務に関する割り増し賃金支払いに関する規定に基づいて、法定労働時間を超える時間外勤務、休日労働等行った場合には、通常の給与に加えて時間外勤務手当を支給することになっていますから、この時間外勤務の時間、どれぐらい残業したかというのをつかむことはすごく大事で、絶対やらなきゃいけないことなんです。
 教員の場合は、時間外勤務手当にかえて教員調整額を支給するという仕組みになっていますから、先ほどいいましたように、時間外労働に歯どめがかからなくなりがちな実態があるということだと思うんですね。
 長時間労働は教員だけの問題ではなく、いろんな労働現場で問題になっていることですけれども、厚生労働省は、平成十四年から過重労働による健康障害防止のための総合対策に基づく対策を推進しています。で、これは進んでいないのが実態です。
 ここには、長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられ、脳、心臓疾患の発症との関連性が強いという医学的知見が得られていると。働くことにより、労働者が健康を損なうようなことはあってはならないと。
 この医学的知見を踏まえると、労働者が疲労を回復することができないような長時間にわたる過重労働を排除していくとともに、労働者の疲労の蓄積を生じさせないようにするため、健康管理に係る措置を適切に実施することが重要であるというように書かれているんですね。
 教員の労働時間、今つかんでいないのが現状だと思いますが、先ごろ出されたOECDの調査で日本の教員の平均勤務時間は週五十三・九時間でした。週十三・九時間の時間外労働、単純に四週間で計算すると、月五十五・六時間の時間外労働。
 先ほどの厚生労働省の総合対策では、時間外労働が月四十五時間を超えているおそれがある現場に対して指導しなければいけないということが書かれているわけです。これは平均ですから、どこの学校でもあり得る話だと思います。
 実際に、時間外労働が月四十五時間を超えている教員がどれぐらいいるのかつかむべきではありませんか。改めて都教委の責任で、まずは都立学校の教員一人一人の勤務時間をつかむことについて、都の見解を伺います。

○加藤人事部長 先ほどご答弁いたしましたが、都教育委員会は、平成二十二年度に実施した小中学校の業務実態調査や、現在行っている都立高校の業務縮減等を図るための調査により、教員の勤務実態の把握に努めております。
 それによりまして、校務改善、教員の勤務の働き方、それにつきまして改善していきたいと考えております。

○里吉委員 同じ答弁ですからこれ以上質問しませんけれども、労働安全衛生法が改正されて、教員についても労働時間の適正な把握を行うよう通達が出されている。これに基づいて、今後、教員の勤務実態、勤務時間をしっかりと把握して、教員の健康管理に責任を持って取り組んでいただきたいということを強く要望しておきます。
 それでは次に、特別支援学校の問題について伺ってまいります。
 東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画では、肢体不自由教育部門の光明特別支援学校と病弱教育部門の久留米特別支援学校を併置して、光明学園特別支援学校を平成二十九年度に開設する計画となっています。
 学校は、現在の光明特別支援学校と隣にある都立梅ケ丘病院の跡地の一部の土地を活用することになっております。
 先ほど来質問がありますけれども、私も、どちらの保護者からも新しい学校についての不安の声をさまざま聞いておりますので、幾つか伺っていきたいと思います。
 まず、病弱特別支援学校を久留米から移転することになったのはどのような経緯なのか、また、肢体不自由教育部門の光明特別支援学校と統合することになったのはなぜなのか、その理由を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 久留米特別支援学校では、医療の進歩や社会状況の変遷などによりまして、児童生徒の数が学年によっては皆無、あるいは一、二名など極めて少なく、今後も大幅な増加が見込まれない状況でございます。そのため、学力向上や社会性の育成等のための適正な学習集団の確保が難しい状況になっております。
 一方、肢体不自由特別支援学校でございます光明特別支援学校におきましても、進学などを目指す児童生徒に対して適正な学習集団による教科指導の充実が求められておりますことから、病弱教育部門を併置し、久留米特別支援学校の教育機能を移転することといたしました。
 また、光明特別支援学校で実施しております病院内教育と新たに本校に設置する病弱教育部門との連携によりまして、病弱教育の専門性の向上を図ってまいります。

○里吉委員 久留米の移転についてなんですけれども、教育機能は移転と書いてあるので、何か違う形で移転するのではないかという不安の声が出されています。
 この教育機能の移転とはどういう意味なのか確認します。

○松川特別支援教育推進担当部長 教育機能の移転とは、久留米特別支援学校において実施してまいりました病弱教育を、新設する光明学園特別支援学校に引き継ぐことを意味しております。

○里吉委員 引き継ぐということなんですけれども、久留米が光明に吸収されて、病弱教育が曖昧になってしまうのではないかという心配の声が出されているんですね。
 併置校という位置づけでよいのか、また、教員の配置とか障害種ごとの配置基準が、教員の配置ですね、きちんと行われるのか、別々の配置基準になるのか。これは、今のご答弁ですと、別々できちんと、それぞれ基準を設けて教員を配置するということだと思うんですが、それでよろしいでしょうか、確認します。

○松川特別支援教育推進担当部長 光明学園特別支援学校におきましても、他の併置校と同様の教員数の算定方法となります。

○里吉委員 あと、寄宿舎についてなんですけれども、久留米特別支援学校は全寮制だったんですけれども、光明に移転しても変わらないということでよろしいのか確認します、

○松川特別支援教育推進担当部長 久留米特別支援学校の教育機能を移転するに当たりまして、病弱教育部門に在籍しております児童生徒は、これまでどおり寄宿舎へ入舎することを前提としております。

○里吉委員 多くの保護者の方から不安の声が出されておりましたので、確認させていただきました。
 次に、統合する新しい学校のプロポーザルが今始まっていると伺っているんですが、基本設計の業者選定について、環境配慮型プロポーザル方式により行っているというふうに伺いましたが、希望した業者が提案書を策定するに当たってはどのような課題が想定されているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 光明学園特別支援学校の基本設計に対する提案に当たって求められております課題は、財務局が作成しておりますプロポーザル方式の実施要領に記載されているとおりでございまして、一つは、低炭素建築物の普及促進と消費エネルギーの低減に向けた推進動向を踏まえ、自然条件に配慮するとともに、費用対効果を配慮した実現性のある省エネ技術及び再エネ技術を適切に取り入れた本施設の施設計画の考えについてでございます。
 もう一つは、肢体不自由教育と病弱教育の両部門による二つの敷地の一体的な利用とともに、スクールバスの円滑な利用を可能とする動線計画を含む施設の配置計画の考え方についてでございます。

○里吉委員 今の説明ですと、環境配慮型の建物をどうつくるのかということとあわせて、二つの部門の特別支援学校を、敷地も二つに分かれている中でどう一体的に行うのが円滑な利用になるのか、動線をどういうふうにしたらいいのかという基本的な段階までしか話はまだ進んでいないということがわかりました。
 具体的な話は今後の基本設計に入っていくと思うんですが、そこが保護者の方からすると一番気になるところなんですね。
 教室数や施設の内容についてはどうなっているのか、また、久留米から引き継ぐ寄宿舎では、久留米でもあったような看護師がいるのか、その数やクールダウンのための個室の確保があるのか、この点について確認いたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 教室数など施設の内容につきましては、来年一月に予定しております基本設計の契約後に両校の意見を踏まえまして検討していくことになります。
 久留米特別支援学校の教育機能を光明特別支援学校に移転するに当たりましては、現在の久留米特別支援学校の寄宿舎の機能を引き継ぐ予定でございます。

○里吉委員 現在の久留米特別支援学校の寄宿舎の機能をそのまま引き継ぐということでしたので、この点も大変保護者の方、心配されている点でしたので確認させていただきました。
 また、教室数については今後検討ということですが、後で質問いたしますが、重度重複学級の学級数をふやしてほしいという要望もありますし、肢体不自由教育部門では唯一の寄宿舎併設の学校となっていますから、それらを考慮した教室数となるよう要望しておきます。
 そして、実際の寄宿舎の工事などについてですが、ここについても現在、光明特別支援学校の子供たちが寄宿舎を使っているわけですが、安全配慮は当然として、今、寄宿舎を使っている子供たちが継続して使えるようにしてほしいという要望が出されていますが、この点についてはどのようになるのかお答えください。

○松川特別支援教育推進担当部長 光明特別支援学校寄宿舎の改修工事につきましては、寄宿舎に入舎している児童生徒の安全な生活環境に配慮した設計工事を行ってまいります。

○里吉委員 工事中も入舎が制限されるということはないということでした。
 光明特別支援学校の寄宿舎生の間では、久留米との統合に当たって、今後、入舎が制限されるのではないかという心配の声が出されています。
 少なくとも、現在入舎が認められている子供たちの入舎を認めるべきだと思いますけれども、この点について確認します。

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎の入舎基準は、東京都特別支援学校寄宿舎の管理運営に関する規則第九条第一項に規定するとおりでございまして、光明学園特別支援学校の設置に当たりまして入舎基準の変更はございません。

○里吉委員 現在入舎している子供は引き続き入舎できると確認しました。
 同時に、今後、知的障害特別支援学校のように、島しょ出身の子供しか受け入れてもらえなくなるのではないか、こういう心配の声も聞きます。
 現在、入舎が認められている通学困難、通勤時間、通学時間九十分以上の児童生徒はもちろん、家庭の事情で通学が難しい子もこれまでどおり入舎を認めていただくようにお願いしておきたいと思います。
 次に、同じ敷地内の世田谷区の施設建設との関係で伺います。
 旧都立梅ケ丘病院の土地は、三分の一を活用して光明学園特別支援学校の校舎の一部を建設すると伺っていますが、それ以外の三分の二の土地については、世田谷区が保健、医療、福祉の拠点施設を整備する計画になっています。
 病弱教育部門である久留米特別支援学校の保護者の皆さんが、病弱の子供たちは粉じんなどに弱い子や肺が弱い子もいるし、化学物質過敏症の子もいて心配だと。
 世田谷区の計画によれば、この敷地の基盤整備や建物の建築工事が行われるのがちょうど平成二十九年から平成三十年度というふうに書かれています。
 都教育委員会は、この隣の敷地の工事の影響についてどのように考えているのか、対策は打たれていると思いますが、その内容について伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 隣接する都立梅ケ丘病院跡地の一部につきましては世田谷区が取得し、保健、医療、福祉の全区的な拠点として整備することが予定されております。
 世田谷区に対しまして、あらかじめ光明学園特別支援学校における児童生徒の障害特性などを十分に説明するとともに、防じん対策など工事中の児童生徒への配慮について申し入れを行い、対応策を協議してまいります。
 また、校舎内につきましても、空調設備を有効に活用するなど、快適な教育環境の保持に努めてまいります。

○里吉委員 今回、久留米と光明の統合を前提に質疑を行ってまいりました。しかし、そもそも病弱教育部門の久留米特別支援学校は、その存在が広く知られていないのではないか、それから、なかなか久留米への転入が認めてもらえない、手続に一年近く待たされたケースもある、きちんと周知して対応すればもっと児童生徒がふえるんじゃないか、こういう声をたくさんいただきました。
 そうしてきちんと周知、対応すれば生徒や児童の数もふえて、単独校として存続できるんじゃないか、やっぱり今の場所で残してほしい、保護者の方々からそういう声が今も寄せられているわけです。
 私も視察させていただき、本当に環境もいいところですし、久留米特別支援学校は現在の場所でそのまま存続してほしいというのはもっともだと思いましたし、今からでも本当はそうしていただきたいというのが本音です。
 くれぐれも、どちらの特別支援学校の児童生徒にとっても、今までより環境が悪くなったということにならないようにお願いしたいと思います。今後、基本設計、実施設計と進める中で具体的な課題が出てくると思いますので、その都度注視していきたいと思います。
 次に、重度重複学級について伺います。
 先日、光明特別支援学校を視察させていただきました。ここは医療的ケアが必要なお子さんが三六%、また重度障害のお子さんもふえていると伺いました。
 そこで、重度重複の学級もたくさんあって、見学もさせていただいたんですが、この重度重複学級、どういう学級なのか、それをまず確認したいと思います。
 さまざまな障害のある子供に対して、その子に合った学習環境を用意するのが特別支援学校の役割ということで、こういう重度重複学級という学級があると思うのですが、どのような学級なのかお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 重度重複学級とは、学校教育法施行令第二十二条の三に規定する障害を二つ以上あわせ有するとともに、障害の程度、状況や発達の状況などから総合的に判断し、自立活動を主とした特別の教育課程による個別指導、または小集団指導が適切な児童生徒で、普通学級とは別に編制する学級でございます。

○里吉委員 自主活動を主とした特別な教育課程で、個別指導や小集団指導が適切な児童生徒が学ぶ学級だというご説明でした。
 そういうクラスで学ぶ子供がどれくらいいるのかということなんですが、この間、いろんな場面で重度重複学級に入るはずの子が入っていないのではないか、重度重複学級が少ないのではないか、もっとふやしてほしい、こういう声を聞くんです。
 それで、まず伺いますけれども、重度重複学級の学級数はどのようにして決めているんでしょうか。お答えください。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、特別支援学校が実施する社会性の発達や日常生活の自立の程度などの実態調査を踏まえ、校長から申請のあった児童生徒を総合的に判断して、重度重複学級での教育が適切であるかどうか認定しております。
 この認定した児童生徒数に基づき、必要な重度重複学級を編制しております。

○里吉委員 今のご説明ですと、校長から申請があって、総合的に判断してこの子が重度重複学級が必要だというふうに判断すれば、その、子の数がどれぐらいいるかということで必要な重度重複学級がつくられるということなので、そうなると現場から必要な子が入っていないとか、重度重複学級をもっとふやしてほしいという要望が出てくるのがちょっとおかしい話だということになると思うんですね。
 実際に私もいろいろなところでお話を聞いてきましたけれども、実際に医療的ケアが必要な子もですし、重複の障害をお持ちのお子さんも、そして重度のお子さんもふえているのが現状ではないかと思うんです。
 だからといって、教員の数にも、それから教室の数にも限りがあるわけですから、ことしから突然、十、教室をふやしてください、重度重複学級をあと二十ふやしてください、こういうふうにはできないのは当然だと思うんですね。
 ですから、学級数、これについては計画的にふやすべきではないかと思うのですが、都の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 重度重複学級の学級編制につきましては、今後も引き続き校長から申請のあった児童生徒の障害の状態等を総合的に判断して、必要な学級を編制してまいります。

○里吉委員 現場では、重度重複学級の対象となっていいと思われる子供がなかなか入れていないんだという声が複数の学校関係者から、また、PTAからも出されております。そのために、重度重複学級をふやしてほしいという要望が毎年出されているのが現状なんですね。
 今お答えいただいたように、必要な数ができているのであれば、これほど強く重度重複学級をふやしてほしいという声が出てくるはずはないと思います。
 今後もこの問題を私、勉強させていただきたいと思います。本当に必要な子供が必要な教育を受けられる環境をつくるために、ぜひご努力をしていただきたいということを要望しておきます。
 次に、肢体不自由の特別支援学校、光明特別支援学校もそうですけれども、ここに導入されてきた学校介護職員について伺います。
 まず、学校介護職員というのは介護の専門家ということで、障害の重たいお子さんの介助をするために学校で働いている方なんですけれども、この方々の勤務形態や処遇がどのようになっているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 学校介護職員の勤務形態と処遇につきましては、東京都公立学校専務的非常勤職員設置要綱により定めております。
 一日の勤務時間は教員と同じく七時間四十五分となっており、年間百九十二日の勤務でございます。
 また、雇用期間は一年以内で、四回に限り更新できるものとしておりまして、公募の上、選考し採用しております。

○里吉委員 資料をいただきましたら、現在、約二百八十人の方が学校介護職員として勤務しています。
 教員の免許や介護職など、さまざまな資格を持っている方々にもかかわらず、年間百九十二日の勤務のため、給料も低く抑えられ、働き続けるのが困難なのが現状です。男性の職員が少ない原因の一つとも現場ではいわれております。
 また、学校がある日に毎日出勤する、子供たちが学校に登校する日に毎日出勤するわけではないので、いろいろな引き継ぎなども現場では大変だと伺っています。
 しかも雇用期限が一年以内、四回に限り更新ということですから、経験を積むことができないのではないかと思うんですね。
 今の勤務形態ですと勤務日数もこれ以上ふやせませんから、やはり勤務形態を変えていくべきではないかと思います。全員とはいいませんから、希望する人は正規雇用にするなど、検討が必要だと思います。
 学校介護職員のうち、例えば主任学校介護職員だけでも常勤職員にしてほしいという声もございますが、このことについて都教委の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 主任学校介護職員は、学校介護職員のリーダーとして、教員と学校介護職員間の連絡調整を行い、円滑な協働のための中心的な役割を担っております。
 主任学校介護職員は各学校に複数配置されておりまして、互いに連携してその役割を果たしていることから、現在の雇用形態は適切であると考えております。

○里吉委員 現場ではいろいろ問題を抱えていますので、ぜひそれを見ていただきたいと思うんですが、介護は支援してもらえるようになったけれども、逆に教員が減らされた影響が大きい。現場ではそういう声が出されております。
 例えば高校では、就職支援のために担当の教員が現場に外出してしまったりすると、生徒と介護職員だけが残されて授業ができない、こういうときもあるということも伺いました。
 学校介護職員をふやすことと引きかえに教員を減らしていくという今のやり方は再考すべきだと思いますが、都教育委員会の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 学校介護職員が児童生徒に対する介護業務を担うことにより、教員が本来の役割である教育活動に集中できるようになり、それぞれの職の専門性が発揮され、職務遂行上の効率化も図られております。
 そのため、現在、学校介護職員を導入しております学校における、教員と学校介護職員の協働による指導体制は適正なものであると考えております。

○里吉委員 適正というご答弁でしたけれども、子供たちに安定した教育環境を提供しようと思えば、現在の状況はとてもそういう現状ではないと私は考えます。現場ではさまざまな問題が起きています。
 もちろんその都度、教員の方も学校介護職員の方も最大限頑張って、今過ごされていると思いますが、ぜひ、今どんなことが問題なのか、そういった点を把握して、関係者とも意見交換するなどして対策を検討するよう強く求めておきます。
 そして、特別支援学校については、さまざまな学校に視察に伺ったり、保護者の方とお話をさせていただくんですが、そのたびに気になるのが施設のメンテナンスです。
 本当にたくさんあるのできょうは伺いませんけれども、例えば文京盲学校の寄宿舎や光明特別支援学校では、どちらも網戸がなくて困っているというお話を伺いました。
 これから冬に向かうわけですぐには必要ないかもしれませんが、このような要望には、学校改修のときということではなく、来年の春ですとか網戸を使う季節の前に対策をとっていただきたいことを要望し、次の質問に移ります。
 次に、自衛隊と連携した宿泊防災訓練について伺います。
 都立大島高校の自衛隊と連携した宿泊防災訓練について質問いたします。
 日本共産党都議団は、防災訓練、防災教育は重要だと考えていますが、その連携先として自衛隊はふさわしくないと、これまで繰り返し自衛隊との防災訓練については中止するよう求めてまいりました。
 しかし、都教委は方針を変えることもなく……
   〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かにお願いします。

○里吉委員 ことし十一月二十六日から二十八日の日程で都立大島高校が陸上自衛隊武山駐屯地で宿泊防災訓練を行おうとしています。
 そこでまず、今回の宿泊防災訓練を神奈川県横須賀市の陸上自衛隊武山駐屯地で行うことになったのはなぜか、その経緯について伺います。

○金子指導部長 都教育委員会が大島高校及び自衛隊東京地方協力本部と調整いたしました結果、日程や受け入れ体制などから、東京近郊で受け入れ可能な武山駐屯地で実施することといたしました。

○里吉委員 都教育委員会と高校と自衛隊東京地本で調整したとのお答えですが、宿泊先は自衛隊駐屯地ありきだったのでしょうか。前回の自衛隊との宿泊防災訓練は、駐屯地ではなくBumBで行いました。また、一部公開もしました。
 前回は、自衛隊の駐屯地以外の場所で行ったのはなぜなのか、その理由を伺います。

○金子指導部長 昨年度、都立田無工業高等学校は、自衛隊と連携いたしまして、二学年全員の生徒が参加する宿泊防災訓練の実施を計画いたしました。
 実施するに当たり、東京地方協力本部と調整いたしました結果、朝霞駐屯地では人数の制限があったため、改めて二学年全員が参加可能なBumB、東京スポーツ文化館で実施いたしました。

○里吉委員 宿泊施設が駐屯地で用意できなかったからというお答えでした。そうしますと、自衛隊との宿泊防災訓練は、駐屯地で行うのが前提、駐屯地で行う必要があるということなんでしょうか、伺います。

○金子指導部長 宿泊防災訓練は、災害発生時にまず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに避難所など地域の防災活動に貢献できる自助、共助の心を持った人間を育成することを狙いとしております。
 武山駐屯地での宿泊防災訓練では、自衛隊員から防災にかかわる知識や技能を体験的に学ぶだけでなく、集団での規律やルールを学び、災害時における実践力を育成することを目的として実施するものでございます。

○里吉委員 今お話ししていただいた内容ですね、別に駐屯地でなくてもいいんじゃないかと思うんですけれども、ちょっとお答えになっていないんじゃないかなというふうに思います。
 それから、今回の防災訓練は非公開というふうに伺っています。武山駐屯地の中といっても高校生が訓練を行う場所ですから、軍事機密など見られて困るものはないと思いますし、なぜ公開できないのか大変疑問です。
 前回の自衛隊との二泊三日の防災訓練は、公開したことで何か不都合なことがあったのでしょうか。あわせてお答えください。

○金子指導部長 都教育委員会が東京地方協力本部、学校と調整し、防災教育の目的を十分に達成するためには、静ひつな環境で実施する必要があることから、駐屯地での訓練を非公開といたしました。
 なお、BumBで行われた宿泊防災訓練では、静ひつな環境が保たれると総合的に判断いたしまして、一部公開といたしました。

○里吉委員 静ひつな、静かで落ちついた環境で実施することを優先したということなんですけれども、現在、学校や教育は開かれたものにしていくというのが流れですよね。小中学校は、誰でも授業を見学できるのが当たり前です。
 まして、防災訓練が他の授業に比べて、特段静かな場所である必要があるんでしょうか。むしろ、防災時の備えなのですから、公開して共有していくべきものではないでしょうか。見せられないような訓練、教育だというふうにいわざるを得ません。
 また、自衛隊との宿泊防災訓練では、例えば三角巾の使い方一つとっても、消防学校ではテキストを使いながら、指導員の方が何人もついて手取り足取り丁寧に教えて、何種類もの止血法などを教えていました。私も視察いたしました。
 一方、自衛隊の訓練も見させていただきましたけれども、こちらの方はテキストもなく、大人数での講義でした。BumBで公開されていた時間ですね、二時間かけて習ったのは三角巾のたたみ方だけというのには正直驚きました。
 消防学校での訓練では、上級救命技能認定の取得ができるのに対し、自衛隊の訓練では取得できないこともわかりました。
 本当に自衛隊でやっている意味がわからないんですね。子供たちの役に立っているのか。
 また、昨年の田無工業の、自衛隊と朝霞駐屯地で行った訓練では、これ、防衛省に資料を請求したんですけれども、敬礼や整列、行進などの基本教練、それから駐屯地内の行進、これ四十五分間、それから予期せず早朝に起こして整列させる、こんなことが行われていました。
 そのことが明らかになりましたが、今回もこのような訓練を行う予定なのか伺います。

○金子指導部長 武山駐屯地での宿泊防災訓練では、高校生が自衛隊員から応急救護訓練、応急担架の作製、搬送、ロープワークなどの防災にかかわる知識や技能を体験的に学ぶとともに、昨年の大島における災害支援で活躍した自衛隊員から直接防災講話を受ける予定です。
 また、災害発生時の避難や集合に必要な団体行動として、整列、行進などの訓練を行います。
 さらに、隊員と寝食をともにして集団での規律やルールを守り、災害時における実践力の育成と社会貢献する意欲の向上を図ってまいります。

○里吉委員 集団でのルール、規律というお話がありましたけれども、防災教育で重要なのは、災害発生時に状況や危険を把握、予測し、的確な思考、判断に基づく適切な意思決定や行動選択ができるようにすること、また、命や安全を守る日常的な備えができるようにすることです。
 一方、自衛隊の本来の業務は軍事行動、消防庁のような防災の専門家でもなく、地域の防災にも詳しくありません。災害出動も初期防災ではなく、災害後の復旧が主な仕事ではないでしょうか。
 また、昨年は行われていませんでしたけれども、訓練の内容から見ても、自衛隊との連携は全くふさわしくありません。
 具体的に大島高校との関係について伺っていきたいと思うんですが、昨日も日本共産党都議団として申し入れをさせていただきましたが、今回の宿泊防災訓練は、生徒、保護者の意向を尊重し、参加を強制しないこと、不参加の場合にも出席日数や成績に影響を生じさせないことが大切だと思いますが、この対応について伺います。

○金子指導部長 今回の宿泊防災訓練は、学校の教育課程に位置づけられました学校行事であるため、対象生徒が全員参加することが原則でございますが、離れた場所における宿泊を伴う学校行事であるため、保護者からの同意を得て実施することとしております。
 宿泊防災訓練を欠席した場合は、生徒は原則登校いたしまして、当該学校行事にかかわる内容について学習することとしており、登校すれば出席扱いとなります。

○里吉委員 また、生徒の氏名以外の個人情報、例えば住所や連絡先、生年月日などは自衛隊に提出しないようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○金子指導部長 今年度、自衛隊に提出する申込書には、生徒氏名のみ記載して提出いたしました。住所、連絡先、生年月日などの個人情報は提出しておりません。
 なお、提出した個人情報である生徒氏名につきましては、宿泊防災訓練以外の目的では使用しないことが申込書に明記されております。

○里吉委員 大島高校の地元では、なぜ横須賀まで行って参加するのかとか、行きたくない生徒まで強制するのは問題だ、参加した生徒が自衛隊にリクルートされるのではないか、こういう声が出ていたものですから、そういう声に応えるという点で、今、このような質問をさせていただきました。一定の対応がされているというふうに思いました。
   〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かに願います。

○里吉委員 ただ、大島高校の生徒が防災訓練を行うというのであれば、地元大島で大きな災害を経験したわけですから、大島で行うべきではないかと思うんです。
 災害を体験した地域の関係者の生きた経験から学ぶべきと考えますが、見解を伺います。

○金子指導部長 大島高校の生徒は、昨年の台風二十六号で大島町が甚大な被害を受けた際、困難な状況でも迅速に対応する自衛隊の姿を目の当たりにいたしまして、学校が避難所となる中、住民や家族とともにみずからが災害復旧活動を行うなど、地域の生きた経験から学んでおりまして、今回の訓練でさらなる効果が期待できるものと考えております。

○里吉委員 私は大島町の方からお話を伺いました。災害時、自衛隊の方が救助活動を頑張ったのも事実でしょうが、本当に頑張っていただいたと思いますけれども、一番力を発揮したのは……
   〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かに願います。

○里吉委員 実は、地元の消防団ではないかとこの方はおっしゃっていました。当然、地元の消防団の皆さんは、どこに家があるとか、地形がどうなっているのか全部わかっていますから、災害直後に多くの方々を救助した、これが地元消防団の皆さんも本当によく頑張られていたと。
 自衛隊の方だけが頑張ったわけじゃないんです。自衛隊の方ももちろん頑張りました。地元の消防団の方も頑張った。ですから、困難な中で迅速に対応したのは……
   〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かにお願いします。

○里吉委員 何も自衛隊だけではなく、むしろ地元消防団の皆さんの活躍が本当にすごかったとこの方はおっしゃっていました。
 大島高校の二年生は、昨年、一年生のときに地元の消防団と連携して、一泊二日の防災訓練を行ったと伺いました。それは災害発生前ですから、災害の実態を踏まえて、さらに地元の消防団と防災訓練を行う方が、地元で地域の生きた経験を学べるのではないでしょうか。
 昨日、日本共産党都議団として、大島高校の自衛隊と連携した宿泊防災訓練の中止を東京都教育委員会に申し入れましたが、今回だけでなく、今後、大島高校でも他の都立学校でも防災訓練での自衛隊との連携を行わないよう強く求めて質問を終わります。

○小竹委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間の休憩をいたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後三時十一分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○今村委員 それでは、私からも質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、民俗芸能、伝統文化についてお伺いいたします。
 都内には、お神楽、獅子舞、おはやし、歌や踊りなど、地域に根づいた民俗芸能は数多く存在いたします。私は、二〇一二年第一回定例会で民俗芸能の保存と継承について質問いたしました。その際、教育委員会は国庫補助事業として、都内の民俗芸能の実態把握のため調査を実施している旨の回答がありました。
 そこで、東京都教育委員会が二〇〇九年度から二〇一一年度にかけて行った調査の内容及び成果について伺います。また、対象には、既に活動していない民俗芸能なども含まれているのか、あわせてご答弁をいただきたく思います。

○前田地域教育支援部長 東京都民俗芸能調査は、文化庁による全国調査の一環として、都内各地域で戦前までに伝承されてきた民俗芸能について、その実態把握を目的として実施しました。国及び都指定の文化財のみならず、休止、廃絶しているものも可能な限り対象に含めて、伝承地を初め、由来や歴史、現状や演目等を調査しました。
 この調査を通して、伝承されている民俗芸能は四百六十九件、休止しているものは十三件、廃絶したものが二十二件であることが判明しました。都内各地の民俗芸能の実態が明らかとなり、文化財保護行政の貴重な基礎資料となっております。

○今村委員 この調査が非常に貴重なものであることが改めて確認できました。
 さて、この調査報告書の中にある所見欄には、伝承していくことの困難さなどが記述されています。悉皆調査で、こうした民俗芸能の中で、後継者の不在などが理由で休止、廃絶しているものも記録していただいたことは大変重要なことと考えます。地域で受け継がれてきた民俗芸能を保存し、また、現在絶えてしまっているものを復活させることも含め、継承、発展させていくことが必要です。
 そこで、この調査報告を活用し、都教育委員会が地域の民俗芸能を保存、継承、発展させていくためにどのような支援を行っているのか伺います。

○前田地域教育支援部長 都教育委員会では、民俗芸能の保存、伝承活動の活性化のために、後継者育成の取り組みや継承に必要となる衣装、道具の新調、修理のほか、特に青少年を対象とした伝承教室や発表会など、次世代の担い手を育成する事業への支援を行っております。
 また、毎年秋に開催される関東ブロック民俗芸能大会などでは、国や都の文化財指定を受けていない民俗芸能も含めて広く上演する機会を設け、今後の伝承活動と振興の一助としております。

○今村委員 各地域でこうした次世代の担い手を育成するために取り組んでいる多くの民俗芸能の伝承者の皆様の活動には、敬意を表したいと思います。国や、そして都、または市の指定を受けていない民俗芸能なども含めて、実際にはまだまだこうした活動の、特にこうした道具などの新調には大変なお金がかかるようであります。
 もちろん東京都が直接支援することも大切でありますけれども、都がせっかく調査をしたのでありますから、こうした調査を踏まえて、民間の力などもしっかりと、支援が受けられるよう都が積極的に支援されることを期待しておきます。
 ことしの関東ブロック民俗芸能大会には、伊豆大島の岡田八幡神社の正月祭り、八王子の車人形が披露され、好評であったと伺いました。また、今年度、四十六回目を迎える東京都民俗芸能大会は、東京芸術劇場で二月二十八日、三月一日に開催されるそうです。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向け、東京都は文化プログラムの実施を通じ、東京の文化財を初め、芸術、音楽、芸能など、世界に向け発信していくこととしています。
 そうした中で、民俗芸能は重要なコンテンツの一角を占めるものと考えます。そこで、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向け、海外からも注目されるよう、民俗芸能を初め、文化財などの情報を積極的に発信すべきと考えます。都教育委員会としての取り組みを伺います。

○前田地域教育支援部長 都教育委員会では、平成二十二年度から英語による都内文化財の検索サイトをホームページ上に開設し、民俗芸能について由来や演目などの解説を掲載しております。
 また、平成二十四年度から都内にある文化財をめぐるモデルコースを案内するパンフレットの英語版を作成し、祭りや舞といった民俗芸能について、開催時期や見どころなど、親しみやすい情報を紹介しております。
 今後も、民俗芸能に関する情報も含め、東京の文化財情報を内外に積極的に発信してまいります。

○今村委員 二〇二〇年に向け、また、さらにその先に向けて、ますます充実した情報の発信が内外にされることを期待いたしております。
 民俗芸能など、日本の伝統文化を次世代に伝えていくことも大切です。そこで、都立高校全日制課程で、まず日本の伝統文化に関する教科、科目を設置している学校数と主な内容について伺います。

○金子指導部長 都立高校全日制課程百七十五校のうち、日本の伝統文化に関する学校設定教科、科目を設置している学校数は二十九校でございます。学科ごとの内訳は、普通科十五校、専門学科四校、総合学科十校でございます。
 こうした学校における伝統文化に関する授業の主な内容は、茶道や華道、和太鼓、箏曲などでございます。生徒は日本の伝統的な芸術表現や礼儀作法、所作を学びまして、日本の伝統文化の価値を理解して、日本人としての自覚を高めております。

○今村委員 今ご答弁いただいた茶道や華道、そして和太鼓、箏曲など、日本の伝統文化に関する授業を行う上で、教員の指導はもちろんでありますけれども、備品や材料、また専門の知識を身につけた外部講師などもなくてはなりません。
 そこで、学校が日本の伝統文化に関する授業を行う上で、都教育委員会はどのような取り組みを行っているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 各都立高校が実情に応じて特色のある教育活動及び教育の質的向上を図ることができますよう、都教育委員会は各学校が弾力的に予算を編成し、執行できる仕組みを整えております。その中で、日本の伝統文化の授業を行う際に必要な備品につきましても、校長が裁量により購入できるようになっております。
 また、教員のほかに、日本の伝統文化に関する知識、技能、経験を有するすぐれた外部人材を市民講師として活用することで、生徒への教育効果を一層高めております。

○今村委員 私も授業を見学し、外部講師の方とお話をしておりますと、学校の備品だけでは生徒が同時に使えないなど、そういったことから私物を持ち込んでいただいたり、材料費がかからないように、知り合いに声をかけ、寄附していただいたりと、生徒のために大変熱心に、工夫し、取り組んでいらっしゃることを見聞きしてまいりました。
 そうしたことも踏まえまして、高額な備品などもありますけれども、ぜひさらなる充実をされるよう要望しておきます。
 さて、学んだ成果を発表することは生徒にとっては大切な経験となると考えます。日本の伝統文化に関する授業で学んだ成果を発表する機会は、どのようにされているのか伺います。

○金子指導部長 日本の伝統文化に関する授業を行っている学校では、文化祭や学習発表会、地域の行事などにおきまして、華道の作品を展示したり、和太鼓や箏曲などの演奏を行ったりするなど、授業で学んだ成果を発表しております。
 また、全ての総合学科高校が参加する東京都立総合学科高等学校教育活動成果発表会では、日本の伝統文化の授業で学んだ詩吟などが披露されました。

○今村委員 ある意味、小回りがきく部活動と違って、授業の成果を発表する機会はまだまだ少ないようであります。そんな中、先月、名誉都民になられた三橋國民先生が最高顧問を務める町田市文化協会の文化祭では、町田総合高校の生徒が今お話にあったように、舞台で詩吟を発表いたしました。多くの方が都立高校の取り組みに感心されておりました。ほかにも、足立東や蒲田高校など、地域の行事に参加されていると聞いています。こうした取り組みが広がるよう、都教育委員会の支援を期待しております。
 特別支援教育について伺います。
 都教育委員会は現在、第三次東京都特別支援教育推進計画に基づき、特別支援教育の充実に取り組んでいます。また、二〇一二年度から今年度二〇一四年度にかけ、通常学級に在籍する発達障害児や情緒障害児に対して、在籍校できめ細やかな指導を実施する特別支援教室モデル事業を行っています。
 そこで、過去二年のモデル実施を踏まえ、これまで明らかになった成果と課題について伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、発達障害の児童が在籍する小学校で専門的な指導を受けられるようにするため、四区市を指定して特別支援教室のモデル事業を行っております。
 現在、各モデル地区において成果の検証を進めているところでございますが、これまでの情緒障害等通級指導学級における指導の成果に加え、児童の在籍学校を教員が巡回することにより、在籍学級での個別の課題に即応した指導が可能となるなどの成果が上がっております。
 今後とも、教室環境の整備や研修のあり方などの課題について、各モデル地区からの報告をもとに検証を進めてまいります。

○今村委員 モデル事業が終了いたしますと、次年度一年間の準備期間を経て、二〇一六年度から全都で順次実施されるとのことです。子供は一日一日成長していきます。現在在籍している子供たちには、よりよい教育指導がされることが望まれています。
 そこで、都内公立小中学校の通常学級における特別な支援の必要な児童生徒の数と、そのうち、通級指導学級支援を受けている児童生徒の割合と、都教育委員会の認識を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 平成二十六年五月時点の都内公立小中学校の通常学級におきまして、文部科学省調査の割合から導き出されます発達障害の可能性がある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の想定数は、小学校で四万二千五百七十三人、中学校で九千二百人でございます。
 このうち、情緒障害と通級指導学級で指導を受けている小学生は六千二百九人、中学生は千七百六人であり、それぞれ特別な支援を必要とする児童生徒数に対し、小学校で一四・六%、中学校で一八・五%の支援率となっております。特別な支援を必要とする発達障害の児童生徒が一人でも多く必要な支援を受けられるようにすべきと考えております。

○今村委員 学校現場では、通級指導学級に通っていない発達障害の可能性がある児童生徒にも先生方はさまざまな指導、支援を行っていることは理解しております。
 しかし、支援率二割に満たない状況が早く改善されるよう、都教育委員会の取り組みを促しておきます。
 さて、発達障害の可能性のある幼児に対しては、支援を小学校に就学時から適切に引き継ぐようにすべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 発達障害の幼児が就学後に必要な支援を得られるようにするためには、幼稚園、保育所などからの支援に関する情報をより確実に小学校に引き継ぐことが重要でございます。
 都教育委員会は、早期連携等に関するモデル事業を平成二十四、二十五年度に立川市教育委員会に委託して実施したところでございまして、幼稚園、保育所と小学校との合同研修会の実施などにより、発達障害の幼児、児童への支援についての共通理解が図られております。

○今村委員 特別支援教育の充実には、教員が発達障害に関する理解を深めることが不可欠です。
 そこで、都教育委員会の教員の理解促進に向けた取り組みと、小中高校への支援策について伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は現在、教員の初任者研修や職層研修等の機会を捉えまして、発達障害の児童生徒への指導のあり方などについての理解促進を図っております。
 また、児童生徒への適切な指導、支援を行うため、全ての教員に対して発達障害教育に関する指導資料を配布しております。発達障害の児童生徒が在籍する小中学校、高等学校への支援策といたしましては、都立特別支援学校が各校の要請に基づき、専門性の高い教員を派遣し、教員への助言を行っております。

○今村委員 引き続き充実した支援を行っていただきますよう、お願い申し上げます。
 さて、発達障害のある児童生徒は、誤解や適切ではない対応などが積み重なると、周囲が気がつかないまま大きなストレスなどを抱え、学校へ通学できなくなることや、新しい環境に対応することが苦手なことがあるといわれています。
 学校では、年度途中に担任がかわる場合など、特に丁寧で適切な対応が重要です。産休、育休代替教員の発達障害に関する理解や引き継ぎが十分でないなどの相談を受けることもあります。産休、育休代替教員などの任用はどのようにされているのか伺います。

○加藤人事部長 産休、育休代替教員を任用する際、都教育委員会は、主に初めて教職につく者については、面接による選考を実施しており、知識、教養、実践力、指導力等、教壇に立つ者としての適性等を確認しています。また、教職経験者については、勤務先の証明により勤務状況などを確認しています。
 これらの確認により適格と判断した者を採用候補者名簿に登載した上で、学校で産休、育休代替教員が必要となった場合には、当該名簿から学校が通勤事情等の条件に見合う者を選び、校長や副校長との面接を経て、適任と判断した場合に都教育委員会として採用しております。

○今村委員 適性など、きちんと確認されているとのことですが、発達障害のある子供たちへの対応は大変難しい面もあり、教員への都教育委員会の指導、支援は大変重要です。
 そこで、産休、育休代替教員に対し、特別支援教育の理解を深めさせる取り組みをどのように行っているのか伺います。

○金子指導部長 都教育委員会では、これからの個別の教育支援計画や発達障害等への理解と支援など、特別支援教育にかかわるさまざまな指導資料を産休、育休代替教員も含め、都内公立学校全教員に配布しておりまして、各学校では、こうした指導資料を活用した校内研修等を通して教員全体の指導力を高めております。
 また、都教職員研修センターでは、通常学級に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒への理解を深め、指導力の向上を図るために、特別支援教育の理解と支援のポイントや障害の特性に応じた指導の充実など、産休、育休代替教員も対象とした特別支援教育にかかわる研修を実施しております。

○今村委員 子供たちのため、そして先生方にとっても有益な都教育委員会の取り組みの充実を期待しています。
 次の質疑に移ります。
 都教育委員会は二〇〇八年、二〇〇九年度に都立学校ICT計画に基づき、都立学校におけるネットワーク環境の整備や端末などの配備を行ってきました。特別支援学校におけるICT機器の活用は、特別な支援の必要な児童生徒に大変有効です。
 そこで、盲学校やろう学校ではどのような機器を導入しているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 視覚障害特別支援学校の高等部専攻科では、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の養成を行っておりますが、臨床実習におきまして、今年度から新たに電子カルテシステムを導入し、パソコン画面の状態を音声で読み上げるソフトの活用などにより、施術の記録を電子化できるようにしたところでございます。
 また、聴覚障害特別支援学校では、平成十八年度から見える校内放送システムを導入し、パソコンと連動して動画やテキストを表示する大型ディスプレーを各教室などに配備し、聴覚障害に合わせた学習活動に活用しており、平成二十四年、二十五年度には機器の更新を行ったところでございます。

○今村委員 都教育委員会が積極的にその後も機器の更新や新たな機器を導入していることが理解できました。
 さて、ICT機器の活用に伴う教育的効果と、盲学校、ろう学校以外の特別支援学校における今後の導入予定について伺います。
 また、タブレット端末を児童生徒が利用できれば、その教育効果はさらに高くなると考えますが、都の所見を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 ICT機器の活用による教育的効果でございますが、視覚障害特別支援学校における電子カルテシステムにつきましては、電子カルテの入力を含めたパソコン操作能力が就労に当たっての必須条件となっておりますことから、電子カルテシステムで習得した能力が生徒の就労に結びついております。
 聴覚障害特別支援学校における見える校内放送システムについては、視覚情報を活用した学習効果を上げているだけでなく、児童生徒がみずから情報を収集し、取捨選択することにより、主体的に生きる力の育成につながっております。
 また、肢体不自由特別支援学校の病院内分教室におきまして、実験、実習の疑似的、体験的な学習や、通信機能による外部とのコミュニケーションなどを目的として、今年度中に児童生徒一人一台のタブレット端末を配備する予定でございます。
 今後とも、ICT機器の活用により教育活動を充実させてまいります。

○今村委員 さらなる充実に期待いたしております。
 それでは、都教育委員会の障害者雇用について伺いたいと思います。
 私は、これまで都教育委員会の障害者雇用率の未達成問題をたびたび議会でも取り上げてまいりました。二〇一三年三月の予算特別委員会において、比留間教育長が都議会で初めて障害者雇用率達成に向けた決意と取り組みをご答弁されました。ことしの予算特別委員会では、我が会派がその後の取り組みを確認する質疑も行っております。
 そこで、都教育委員会における障害者雇用率の達成に向けた本年四月以降の取り組みについて伺います。

○堤総務部長 都教育委員会は、障害者非常勤制度を活用いたしまして、本年四月以降、都教育委員会の事務局や都立学校等において事務等の補助業務に従事する教育事務補助員といたしまして、四十四名の障害者を新たに採用いたしました。
 教員採用では一般選考に加えまして、障害に配慮した選考を実施し、本年四月一日に障害のある教員を高等学校に一名、特別支援学校に六名採用いたしました。

○今村委員 都教育委員会の積極的な取り組みが理解でき、また、その取り組みを高く評価いたします。
 本年四月以降、教育事務補助員四十四名を採用されたとのことですが、その募集人数、そしてまた応募者数はどのようであったのかを伺います。

○堤総務部長 都教育委員会は、障害者の法定雇用率を早期に達成するため、これまでのハローワークを通じた募集に加えまして、本年四月以降、区市町村障害者就労支援センターを初めとした障害者の就労を積極的に支援する関係機関を通じて定期的に募集を行っておりますが、いずれも募集人数に対し応募者数が下回る状況でございます。
 具体的に申し上げますと、六月一日付採用は、募集人数八十六名に対しまして応募者数が三十七名、採用者数が二十九名でございます。九月一日付採用は、募集人数が七十名に対しまして応募者数が二十五名、採用者数は十四名でございます。十一月一日付採用は、募集人数が十五名に対しまして応募者数が三名、採用者数は一名でございます。十二月一日付採用は、募集人数が十五名に対しまして応募者数が七名で、現在選考中でございます。

○今村委員 募集人数に対し応募者数が少ないということは、都教育委員会の法定雇用率達成に向けた計画が予定どおり進んでいないことになり、大変残念であります。東京都教育委員会がそれだけ努力しているのでありますから、こうした応募者数がしっかりとふえることに期待するところであります。
 そこで、これまでの採用で、教育事務補助員の雇用を進める上で明らかになった課題について伺います。

○堤総務部長 ただいまご答弁も申し上げましたが、応募者数の確保は課題の大きな一つでございまして、今後も多様な募集方法を工夫してまいります。
 また、一旦雇用いたしましても、教育事務補助員は、その障害の程度が多様でありますことから、生活リズムを維持できずに体調を崩し、早期に離職する事例などがございます。このような事態に対応いたしますため、都教育委員会は、教育事務補助員の採用に当たりまして、教育事務補助員が行う業務の管理や指導助言を行う障害者雇用支援員をあわせて配置いたしております。
 この障害者雇用支援員が教育事務補助員一人一人の障害に応じた適切な支援を行うことができるよう、さらなる知識の習得やノウハウの共有など、障害者雇用支援員の能力向上に向けた取り組みが必要であると考えております。

○今村委員 障害者雇用支援員は、当事者が仕事をしていく上で、また都が障害者雇用を進める上では、その働きが大変重要であります。ご答弁にも障害者雇用支援員の能力向上が必要とありました。
 そこで、都教育委員会の具体的な取り組みについて伺います。

○堤総務部長 今年度から障害者雇用支援員を対象といたしまして、精神障害のある職員への対応や、障害者の就労支援に関する研修会、各職場における取り組み事例の情報交換を目的とした連絡会を開催したほか、各職場への巡回訪問による助言等を実施しております。
 引き続き、障害者雇用支援員の能力向上に向けた取り組みを実施してまいります。

○今村委員 障害のある教員を採用することは、法定雇用率達成のために重要であることはもちろんでありますが、同じ学校に勤務する教員が障害のある教員と教育活動をともにすることを通じ、新たな学びや気づきが多くあるのではないかと考えます。
 先ほどのご答弁では、新たに採用された七名の教員のうち六名が特別支援学校に採用されたと伺いました。そこで、障害のある教員が新たに特別支援学校に配属されたことにより、障害のない他の教員にどのような効果があったのか具体例を伺います。

○加藤人事部長 障害のある教員は障害のある児童生徒にとって目標となる存在であり、他の教員にとっても、児童生徒の職業観や勤労観を育成する上で参考となります。
 また、障害のある教員のこれまでの経験などに基づくアドバイスにより、同じ障害のある児童生徒に対し、工夫した教材を活用した授業を行うことができるといった事例があります。こうしたことは、障害のない教員にとって障害のある児童生徒への指導の参考となります。

○今村委員 特別支援学校での採用はもちろん、普通高校や単位制や定時制などでも障害のある教員採用が行われれば、教員のみならず、授業など学校生活を通じて、生徒へも大きな効果が期待できると考えます。今後の教員採用に向け、難しいことも多くあるかと思いますが、ぜひ十分な検討と準備、そして支援をもって進めていただけるよう要望しておきます。
 次に、島しょ地域の都立高校と修学旅行について伺います。
 多摩・島しょ地域は、自然豊かな恵まれた教育環境にあります。しかし、島しょ部の都立高校の入試における応募倍率については余り高くないと聞いています。二〇一四年度はどのような倍率であったのかを伺い、あわせて充足率が低い要因について伺います。

○早川都立学校教育部長 平成二十六年度に実施いたしました入学者選抜におきます島しょの各都立高校の応募倍率は、本土の生徒を受け入れる寄宿舎を持つ大島海洋国際高校は一・九三倍でありましたが、同校を除く六校につきましては〇・一三倍から〇・五一倍まででございました。
 また、各高校全日制課程の三学年合わせた定員充足率につきましては、大島海洋国際高校は約九六%でございますが、他の六校は約一〇%から約四八%までとなっております。
 大島海洋国際高校以外の六校の定員充足率が低い要因といたしましては、各島内の中学校卒業者数が各高校の定員に達していないこと、また、本土の中学生がこの六校の全日制課程に出願する場合には、保護者とともに転居することが原則となっていることなどが挙げられます。

○今村委員 寄宿舎を持つ大島海洋国際高校以外の六校は応募倍率、定員充足率とも低い状況にあるものの、少人数であることや、島しょの地域特性や島の財産を活用しながら特色ある教育が行えるよい面もあると考えます。
 そこで、具体的な取り組みについて伺います。

○早川都立学校教育部長 島しょに所在します大島海洋国際高校以外の都立高校六校につきましては、これまでも習熟度別授業の展開や個人面談等によるきめ細かな進路指導など、少人数であることを生かした生徒指導、また火山ガス、津波の専門家を交えた防災教育や地域行事でのボランティア活動など、それぞれ島の特性を生かした地域連携の取り組みを行っております。

○今村委員 島しょ地域の都立高校が、地域特性を生かしながら、さまざまな特色ある教育活動を行っていることが確認できました。これからもさらに教育内容を充実して、島内、島外で活躍できる人材の育成を図っていただきたいと思います。
 また、小笠原高校を初め、大島海洋国際高校を除く島しょ地域の都立高校などへ進学したくても、親族などがいないため断念する中学生が多くいると聞いております。ぜひ島しょ地域の役所や、また島民の皆さんとも十分協議し、善処されることを要望しておきます。
 次に、大島海洋国際高校について伺いますが、先ほどの答弁にあったとおり、寄宿舎を持ち、内地の生徒を受け入れている同校は応募倍率が高く、生徒や保護者からの期待も大きい高校です。
 大島海洋国際高校は、水産業などに従事する職業人の育成を図ってきた大島南高校を前身として、二〇〇六年に水産科から海洋国際科に改編した高校です。大島海洋国際高校の最大の特徴は、海を通じ世界を知るという観点のもと、船、漁、海洋という三つの教育環境を生かし、国際社会に生きる人材の育成となっています。
 この実現に向け、さまざまな航海学習や、国際航海による実習、外国での国際交流などを実施するための実習船、現在の「大島丸」の安定的な運航が必要不可欠と考えます。しかしながら、ここ数年、実習船を運航するのに必要な船員の確保が難しい状況があると聞いています。
 そこでまず、実習船「大島丸」の現状と、「大島丸」で生徒を指導する船員の採用状況はどうなっているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 「大島丸」は平成八年三月に竣工いたしました実習船で、定員は、生徒、教員等が二十八名、船員が十七名となっております。外国への国際航海実習など、大島海洋国際高校の教育目標に掲げられております海を通し世界を知るための教育環境を支えるものでございます。
 船の設備につきましては、毎年定期検査を行うとともに、レーダーの新規交換など、必要な維持補修を適切に行い、安定的な運航を確保しております。
 また、船員につきましては、これまで必要に応じて採用を随時行い、必要人員を確保してまいりましたが、今般の欠員に伴う船員確保に当たりましては、実務経験を有する任期つき船員を採用するため、本年六月に三名募集を行ったものの、二名の採用にとどまり、本年九月に再募集を行いましたが、応募者がいなかったという状況でございます。

○今村委員 近年、船員の採用は全国的にも厳しい状況のようですし、また、大島に移り住んで仕事をするという事情を踏まえると、大島海洋国際高校での船員採用がより厳しいものであることは一定程度理解できます。
 しかしながら、今後も船を運航する船員が確保できず、決められた教育課程が実施されないようなことは避けなければなりません。都教育委員会は、高校三年間で計画されている教育課程を生徒がきちんと受けられ、保護者に不安を与えるような事態は避けなければなりません。
 そこで、三年間を通じて受けることのできる海洋実習を初め、特色ある教育課程に夢や希望を膨らませて入学してきた生徒や保護者の期待に応えるための今後の取り組みについて伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会は、船員を確保するために、さまざまな媒体を活用した広報活動を通じまして募集を行ってまいりましたが、船員を確保する上で厳しい状況が続いております。今後もさまざまな手法で船員の確保を図り、大島海洋国際高校の生徒や保護者の期待に応え、円滑な航海実習が実施できるよう取り組んでまいります。

○今村委員 今後も退職などで船員が減ることもあれば、現状では船員を安定的に採用していくことはさらに難しくなることも想定されます。何よりも、特色ある海洋実習に期待して入学した生徒のためにも、計画的、安定的な航海実習が求められております。
 私も、先月だったでしょうか、大島海洋国際高校の二年生と、そしてまた、その保護者と都教育委員会の話し合いの場にお伺いいたしました。特にこの生徒たちの意見を述べる姿勢や、またその考え方というものは大変しっかりしており、都教育委員会の教育がしっかりと行き届いていることを実感してきたところでございます。ぜひ、今後もしっかりとそうした教育が進められるよう、期待いたしております。
 また、大学や研究機関など、教育のための船を所有し、また他県の海洋科の高校でも実習船を所有している状況もあると聞いています。今後の船員採用や実習船の更新に当たっては、大学などと共同で運航することなども含め、多角的に検討していただきたいと思います。
 最後に、都立高校の小笠原諸島への修学旅行について伺います。
 二〇一一年、世界自然遺産に登録された小笠原は、東京都民にとっても大切な場所であり、高校生を初め、都内の小中学校などでも発達に応じて教育に生かされるべきと考えます。
 そこで、都立高校が小笠原諸島への修学旅行を行っていますが、今年度の実績と、小笠原諸島修学旅行を経験し、生徒にどのような教育効果があったのかを伺います。

○金子指導部長 平成二十六年度に小笠原諸島への修学旅行を計画した都立高校は二校でございました。このうち一校は五月に既に実施し、生徒百五十二名が参加いたしました。また、一校は来月十二月に実施を予定しております。
 実施した学校では、世界自然遺産に登録された小笠原諸島の自然の観察及び島の歴史や島民の生活を学ぶことを目的といたしまして、シュノーケリングやシーカヤック等の水辺活動、環境保護活動、島民との交流活動などを行いました。
 学校からは、生徒が小笠原諸島ならではの自然環境を体感し、島民と交流することで、自然を愛し大切にする心や、コミュニケーション能力が育まれるなどの効果があったことが報告されております。

○今村委員 都立高校が修学旅行先を選択する際、小笠原諸島は時間的にも金銭的にも内地の旅行先より制限があるために、修学旅行先を小笠原に決定することにはまだハードルが高いことがあるのではないでしょうか。都教育委員会として積極的に学校を支援すべきと考えますが、どのような取り組みを行ってきたのか伺います。

○早川都立学校教育部長 都立高校の国内修学旅行につきましては、三泊四日、実施時間九十六時間を上限といたしますとともに、生徒一人当たりの経費は保護者負担の適正化の観点から七万六千円を上限としております。
 小笠原諸島への修学旅行は船での往復に時間を要することから、三泊四日での実施は難しく、また、時期により変動する燃料の費用が船賃に上乗せされると、経費の上限額を超えてしまうことがございました。
 このような実情を踏まえまして、都教育委員会といたしましては、小笠原諸島への修学旅行につきましては、実施時間の上限九十六時間に往復の船に要する時間を含めないことといたしまして、また、燃料の費用を経費上限額の七万六千円に含めないことといたしまして、各学校が旅行地として小笠原諸島を選択できる条件を整備しております。

○今村委員 都教育委員会が保護者負担に配慮しながら、小笠原諸島への修学旅行へ行きやすい環境を整えていることが理解できました。
 小笠原は世界自然遺産に登録され、島内にはさまざまな教育資源もあるので、今後とも、小笠原振興にもなる修学旅行を含め、さらなる取り組みを要望し、私の質疑を終了いたします。

○宮瀬委員 私の方から、まず都立高校の制服についてお伺いいたします。
 厳しい受検勉強を乗り越え、中学生が晴れて都立高校に合格。その後、都立学校の生徒は入学前に、新入学の際に制服を購入いたします。
 都立高校の制服におきましては、学校や都が購入するものではなく、あくまでその学校に通われる生徒、保護者の受益者負担であります。その受益者負担であります生徒、保護者が販売店を選べず、また、学校が指定する販売店で購入することが事実上決められております。学校指定品である制服につきましては、制服をつくる製造業者とその制服を販売する販売業者があり、その選定の際には一層、公平性や透明性の確保が求められております。
 この都立高校の制服の選定の流れでありますが、まず都立学校が新制服のデザイン、仕様を決定。次に、制服検討委員会が各製造業者に対しましてプレゼンテーションによるコンペを行い、一社を選定。さらに、販売店を決めるために、各販売店に対し入札を行い、一番安く提供できる販売業者のみを決めるものであります。
 こうした制服の取り扱い業者を選定する際の手続が、私の地元、板橋区内の都立高校において適正に行われていないと考えられる事例をお伺いいたしました。そこでまず、詳細をお伝えします前に、これまで都教育委員会は高校の制服の契約に関しまして、どのような取り組みを行ってきたのかお伺いいたします。

○早川都立学校教育部長 生徒の制服につきましては、生徒、保護者からの委任に基づき、学校が製造業者や販売業者の選定等を行っておりますが、会計事故の未然防止を図るため、平成十七年に生徒制服に係る契約手続等の取り扱いにつきまして、都立学校長宛てに通知を発出しております。
 具体的には、一社独占の長期継続契約とならないこと、デザイン料等が長期にわたり制服の価格に転嫁しないようにすることなどの留意事項を列記いたしまして、適切な処理がなされるよう、各学校に対して個別に指導を行ってきております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 その一社の寡占状態、または一社独占の長期契約継続とならないということがございました。学校指定品である制服につきましては、製造業者と販売業者があり、保護者が自費により販売業者から購入しておりますが、今回聞いた具体的な事例では、学校が制服のデザインを新調するときのみ製造業者の選定を行っており、制服のデザインを変えない限り、同じ製造業者が長期間にわたり契約の相手先となる一社独占状態になっているといったものであります。
 また、生徒が一巡する三年に一度、定期的に製造業者の選定手続は行っているものの、都立学校が提示している制服の仕様書には、独占商材の品番や意匠名が明示され、特定の製造業者しか契約の申し込みができないようなものになっており、事実上、製造業者と関係の近い販売業者のみが販売契約の申し込みに当たって有利になっているという状況もお伺いいたしました。
 具体的に私の方で新制服仕様書というのを拝見させていただきまして、その中にさまざま仕様が書かれておりますが、例えば男子のジャケットの形式につきまして、ポケットは胸、脇、またポケット雨タブつき、また内ポケットは右三角タブつきと、そういったことが書かれております。突然名称を出してしまいますと特定されてしまいますので、〇〇〇といわせていただきますが、〇〇〇工法採用という表現が書かれております。
 詳しい方にお聞きしましたら、この工法は特定の業者が、事実上、特許を取っており、当てはまらないといった状況でございました。通常、学校は制服のデザイン面などの意見を重視する傾向にあり、忙しい学校の先生がこういった制服の細かい品質や品番、意匠名などを理解して仕様書を書いているとは考えにくいと思っております。
 また、事前に販売店に卸売価格も提示されているとのことでありますが、卸売価格のまま販売金額を設定しても、つまり、利益を上乗せせず原価のみで提示しても、販売業者に選定されることがないといったこともあると聞いております。
 さらには、契約期間も三年から六年契約ということで、長いところでは七年以上といった契約になっている場合もあるとのことでございます。
 そこで、今回このような事例を都教育委員会はどのように把握しているのかお伺いいたします。

○早川都立学校教育部長 先ほど申し上げました通知に基づきまして、各学校において業者選定委員会を開催するなど、適正に行ってきたところでございますけれども、一部の学校では、長年にわたり製造業者の選定手続を行っていなかったり、仕様が特殊なため、新たな業者が参入しにくい形で発注が行われている状況が見られました。

○宮瀬委員 ご答弁の内容をお聞きしますと、認識しているといった認識をいたしました。
 制服は生徒、保護者個人の私費で負担するべきものでありますが、公立である都立学校が契約当事者である以上、よりよい品をより安く保護者が購入できるよう、契約手続を適正化するのが当然と考えております。
 そこで、都教育委員会として、今後この問題に対しまして、どのように対応していくのかお伺いいたします。

○早川都立学校教育部長 生徒の制服を製造する業者の選定に当たりましては、定期的な選定を行うこと、製造業者が特定されない仕様とすることなどの内容を定めた通知文を都立学校長宛てに発出する準備を進めていたところでございます。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 通知という形で全都立学校に周知するということでありますので、全ての都立学校の制服において、係る契約が適正化されるものと心より期待しております。今後の指導の徹底をお願いいたします。
 また、指摘するだけではなく、前向きな提案や代案を最後に提示させていただきます。
 今後は、製造業者も販売業者も複数参加するような形はいかがでしょうか。製造業者を一社にした方が、ロットが増し、生産効率が上がり、安価に安定供給ができる、また、複数社にすると制服の違いが生じ、指導面や校風に影響が出るといった懸念があるかもしれませんが、前者につきましては、年間二百枚程度では大量ロットにはなりませんし、競争原理を働かせる方が、より安くて、よい商品をつくるようになります。また、後者につきましては、現在の技術において各社、同等製品をつくることは可能であり、実際に他の県立高校では行われております。全ての問題は適正な競争原理が働いていないことにあります。
 こうした問題をいち早く取り上げ、栃木県、群馬県、神奈川県、埼玉県など県立高校においては、製造業者も複数社、また販売業者も複数社参加することになっており、適正な競争原理が働くような施策をとっております。
 東京都は、他県と比べ、規模的にも非常に大きな影響力がありますので、いきなりは難しくとも、行く行くは検討していただきたいと思います。
 また、今回は都立学校の制服についてお伺いいたしましたが、制服以外の体操着、実習服、シューズといった保護者負担であるその他の備品につきましても改めて確認していただければと思っております。
 春を迎え、期待に胸を膨らませて都立高校に入学してくる新入生、そのような子供たちのために、保護者の方々の中には、経済環境がいまだ厳しく、家計が苦しい中で子供の制服代をどう捻出するのか、非常に努力されている方もいらっしゃいます。そういった新入生や親の気持ちを一番最初にしっかりと包む、適正で公明正大な都立学校の制服であってほしいと心から思っております。ですので、都の職員の皆様、どうか何とぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、次のテーマに参ります。
 都立特別支援学校におけるスクールバス問題についてお伺いいたします。
 都立特別支援学校では、安心・安全な通学手段の確保のために、都内三百三十コースにおきましてスクールバスを運行しております。スクールバス利用者は約五千余名に至り、児童生徒等が安心・安全に学校に通えることはまさに全ての保護者に共通する思いであります。
 しかし、都立特別支援学校である志村学園におきまして、新学期が始まる平成二十六年九月一日から一部の路線のスクールバスが運行されず、急遽、福祉タクシーによる送迎がなされるといった事態が発生いたしました。原因は、経営悪化が引き起こしたスクールバス運行業者の撤退によるものであります。児童生徒やその保護者の方々の不安はいうまでもございません。
 私もその期間、現場に、志村学園に行ってまいりましたが、大変人望のある校長先生の対応と、休日返上による教職員の不断の努力により、急遽、代用運送の手配がなされ、九月八日から再び新たなバス事業者によるスクールバス運行が開始されるに至りました。
 その後も、子供によっては、環境の変化によって、てんかんなど不安が発作の引き金になる懸念、引き継ぎの不安、情報共有が十分であるか等の保護者の不安は尽きるところがございません。
 このようにスクールバスの運行業者の撤退が問題になったわけでありますが、そもそも基本的なことをお伺いさせていただきます。
 都では、特別支援学校におけるスクールバス運行の業者をどのように選定しているのか所見をお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 スクールバスの運行に係る契約では、東京都契約事務規則及び東京都物品買入れ等指名競争入札参加者指名基準を踏まえまして、業者を選定しております。
 これまでのスクールバス運行業務の実績や履行成績などを勘案の上、公正かつ公平な業者選定を行っており、これによりスクールバスの安全かつ確実な運行を確保しております。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 指名基準を踏まえまして業者を選定しているとのことでありましたので、私の方でも、東京都物品買入れ等指名競争入札参加者指名基準の内容を拝見させていただきました。
 その第三の指名判断事項、(1)におきまして、経営及び信用の状況を事前に調査することが書かれております。信用の状況といったことをどう捉えるのかは意見や観点が分かれるところでありましたが、私も保護者の方々から直接ヒアリングを行いました。
 幾つか紹介いたしますと、契約の中に理解啓発、社内研修の充実を求める声や、新規参入により大きな問題が生じていること、研修不足ではないか、スクールバスは学校も保護者の目も届かず心配である、第三者評価機関を入れてはどうか、入札価格だけの安いところだけの決定では不安があるといった声であります。
 このように、実は前々から保護者の方々から、本事業者の選定の前から質やサービスの低下及び安全性の確保への懸念が上がっており、スクールバス選定における指名競争入札制度の見直しについて改善要望が出されておりました。
 しかし、大変厳しいことを申し上げますと、結果だけ見れば、その要望は十分反映されず、質やサービスの低下のみならず、契約不履行といった事態まで発生いたしました。
 そこで、本件におきまして、事前の保護者のご要望をどのように受けとめ、また、どう対応したのか所見をお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、スクールバスの運行に関する保護者からのさまざまなご意見を要望、懇談の場などにおきまして直接お聞きしております。
 また、学校、保護者、バス事業者によります意見交換の場を学期ごとに開催し、その結果につきまして各校から報告を受けております。
 こうした保護者のご意見を踏まえまして、仕様書の内容充実や、都教育委員会が直接実施する乗務員への研修を通じてバス事業者への指導を行って、保護者の要望へ対応しているところでございます。

○宮瀬委員 懇談の場や意見交換の場を設けていると。また、乗務員への研修を行ってきたということでありますが、都や都立学校自体がしっかりとマニュアルを事細かく設定し、研修を行い、スクールバス手引という志村学園のマニュアルを見せていただきましたが、非常に細かい、しっかりとしたマニュアルをつくられ、運転手と学童、児童、さらには保護者に至るまでしっかりと信頼関係を構築している現場を自分の目でまた多く見てまいりました。
 しかし、ここでのポイントは、業者が決まった後での研修ではなく、業者決定の前段階でどのように一部のそういった業者を見分けていくかであります。今後こういった事態が起こらないためにも、特別支援学校のスクールバスといった特殊な事業においては、入札金額のみで決定されることがないよう、事前の設定において、警視庁と連携して交通事故件数や問題件数の事前確認、財務諸表の確認方法の見直しを行う等、しっかりとした業者を選定することが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 現在、東京都を含めまして、地方公共団体の契約は競争入札が原則となっておりまして、当該契約におきましても、東京都物品買入れ等指名競争入札参加者指名基準を踏まえまして、公正かつ公平に業者を選定した上で、最も低廉な価格で応札した業者が落札しております。
 今回、スクールバス運行に係る契約業者の経営不振による年度途中での契約解除がありましたことから、現行の都の契約に関する規定の中で、どのような対応ができるのか改めて検討しているところでございます。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 今後どのような対応ができるか検討していただけるとのご答弁をいただきました。大変心強く思っておりますので、どうか何とぞよろしくお願い申し上げます。
 最後に、世界的な医師でありました野口英世氏は、学問は障害者であることは問題にならないといった言葉を残しております。その学問の機会を安心・安全に提供することは政治の役割であります。特別支援学校に通う全ての児童生徒並びにその保護者がさらに安心・安全に毎日元気に学校に通学できることを求めまして、私からの質問を終わります。

○小松委員 それでは、まず、産休、育休代替教員に対する研修の充実についてお伺いいたします。
 公立学校の教員は、団塊の世代の定年退職に伴って若い世代の採用がふえています。妊娠、出産休暇や育児休業をとる先生が多いと聞いています。そのような場合、代替教員が任用されることになりますが、その任用に当たっての仕組みについては先ほど質疑があり、産休、育休代替教員には適格者が選ばれているというご答弁でした。
 しかし、その資質、能力を向上させる研修は必要だと思います。そのような機会が与えられているのかお伺いいたします。

○金子指導部長 現に、東京都公立学校に勤務している産休、育休代替教員は、都教職員研修センターで実施している研修の受講対象者として認められておりまして、勤務校の校長の承認のもと、研修を受講しております。

○小松委員 代替教員も、一般教員と全く同じように研修の機会があるということでした。
 それでは、この産休、育休代替教員に対して、具体的にどのような内容の研修が行われているのかお伺いいたします。

○金子指導部長 都教職員研修センターでは、産休、育休代替教員が東京都公立学校教員として求められる資質、能力を身につけることができるよう、学習指導や生活指導、学級経営、特別支援教育などに関する研修を実施しております。

○小松委員 教職員が産休、育休を取得するということは、その人個人の生活者としてのワークライフバランスの面から好ましいことには違いなく、進められてしかるべきです。先生がプライベートで安定して暮らしていることは、子供に余裕を持って接することにつながり、教育的によい影響を与えることが期待できます。
 その一方で、そのようなケースがふえることに伴い、代替の臨時的任用職員もふえることになり、現場経験の浅い先生に学級運営を委ねることに保護者から不安の声もあると聞いています。ある教職員団体の調査によれば、若い世代の教員が悩んでいることの第一に、授業や業務が思うようにできないことが挙げられています。同じことは産休、育休の代替教員にもいえると思います。経験不足を補う適切な指導や支援が必要です。
 学校は第一義的には子供が学ぶ場であると思いますが、教職員にとっては職場であって、出産、子育てに優しい環境であるべきです。また、代替教員にとっても必要な支援を受けながら安心して働ける現場であることが子供にとって望ましい学習環境といえると思います。
 続いて、スクールカウンセラーについてお伺いいたします。
 東京都におけるスクールカウンセラー活用は、学校におけるカウンセリング機能の充実を目指し、いじめや暴力行為など、児童生徒の問題行動等の未然防止や解決に資することを主たる目的として配置拡大が進められてきています。
 スクールカウンセラーには心の専門家として主に臨床心理士が充てられ、昨年度には小中高校の全校に配置されるようになりました。子供、保護者や、そして教員にとっても、学校にかかわる悩みや精神的なストレスを持つことがふえ、スクールカウンセラーに対する期待は非常に高いものがあります。
 とはいえ、都が配置しているのは週一回の勤務にすぎないため、必ずしも十分に対応できているとはいえません。相談事があってもすぐにはスクールカウンセラーが対応できず、順番が来るまで待たされるということも一部で起きていると聞いています。
 そこで、小中学校においては都教育委員会が配置しているスクールカウンセラーだけではなく、区市町村教育委員会が独自にスクールカウンセラーを配置している場合があります。多くは、勤務する曜日を別々に定めて、両者が同時に勤務することはない場合がほとんどで、それだけに両者の情報共有が欠かせないはずですが、課題もあると聞いています。
 都のスクールカウンセラーと区市町村のスクールカウンセラーの連携はどのようにされているのか、お伺いいたします。

○金子指導部長 都教育委員会が配置しているスクールカウンセラーと、区市町村教育委員会が独自に配置しているスクールカウンセラーは、学校管理職とともに記録ノートなどを活用いたしまして情報を共有したり、教育相談担当教員との打ち合わせを通しまして役割を分担するなど、学校における支援の一貫性を確保するために連携を図っております。

○小松委員 しかし、一部では、都のスクールカウンセラーの動きが地域の教育委員会で把握されていないということも聞くところです。
 小中学校に配置しているスクールカウンセラーと区市町村教育委員会の連携を推進するために都教育委員会の支援が求められるところですが、都教育委員会はどのような支援を行っておられるのか伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、スクールカウンセラー連絡会や区市町村教育委員会の担当者会議におきまして、スクールカウンセラーと適応指導教室が連携して対応した結果、不登校の子供が学校に復帰できた事例を紹介するなどいたしまして、スクールカウンセラーと区市町村教育委員会が連携を図れるよう支援しております。
 また、区市町村教育委員会は、定期的にスクールカウンセラーを集めて事例検討会を行うとともに、対応について助言を行うなど、スクールカウンセラーと連携して、学校における子供の問題を解決するための取り組みを行っております。

○小松委員 スクールカウンセラーは、学校現場への導入当初より、いじめ、不登校や心の問題を抱えた子供や保護者に対する相談対応とともに、そのような児童生徒を指導する教員への助言、指導など、臨床心理学の専門性を発揮することが期待されてきました。
 そして、スクールカウンセラー活用が定着してきた最近では、子供や保護者に対する教員の対応力を向上させることや、子供、保護者、そして教員をつなげる役割も求められるようになってきています。スクールカウンセラーの望まれる機能が拡大しているといえます。スクールカウンセラーには他の教員や他の機関とのコミュニケーションや情報共有、そして連携することなどが重要でありまして、都はスクールカウンセラーや地域の教育委員会に対して適切な支援を行っていただきたい。そのように思います。
 昨年度、地域が設置したスクールカウンセラーに寄せられる相談実績を杉並区の場合で見ますと、小学校の場合、子供からの相談が約四五%、教員から三九%、保護者が一六%で、中学校では、子供四〇%、教員が四三%、保護者一九%と、中学校では教員対応の件数が一番多くなっています。
 同じことは、都が設置したスクールカウンセラーについてもいえることでして、スクールカウンセラーの存在は、子供にとっての相談相手というよりも教員にとって有用であり、意義があるといえます。別ないい方をすると、子供にとって、学校で相談できる相手はスクールカウンセラーだけでは不十分であり、さまざまな相談機関が必要だと改めて考えています。
 次に、病院内学級についてお伺いいたします。
 先日、国立がん研究センター中央病院の中に開設されている都立墨東特別支援学校の分教室、いるか分教室の学習発表会の様子を見せていただく機会がありました。ここでは、小学一年から高校三年までの子供が対象とされ、小児科病棟と同じフロアに設置された教室に十数人の子供たちが病室から通ってきているということでした。病気を抱え、闘病しながら、体調に応じて七人の先生の指導のもとで学習を進めており、重要な取り組みだと思いました。
 現在、病院内学級はどのように実施されているのか、そしてまた、どのような課題があるのかお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 病院に入院している児童生徒の教育は、病院内に設置した分教室における教育と、教員がベッドサイドを訪問して行う病院内訪問教育の二つの形態で実施しております。
 入院中の児童生徒の中には、教科学習のおくれを取り戻し、前籍校に戻って、高校や大学等に進学したいという希望を持っている者がおります。
 訪問教育につきましては、肢体不自由特別支援学校がその通学区域にある病院に教員を派遣する形で実施しておりまして、それぞれの学校に訪問教育を担当する教員が分散して配置されておりますことから、個々の児童生徒の教科指導のニーズに十分に応える上で、若干課題がございます。

○小松委員 分教室の場合は、ミニサイズの学校として先生たちが何とか工夫しながら運営しておられますけれども、訪問教育の場合には課題があるということでした。今後解決が求められるわけですが、そこで、訪問教育の充実に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 今後、肢体不自由特別支援学校であります光明特別支援学校、北特別支援学校、墨東特別支援学校の三校に病弱教育部門を併置し、病院内の訪問教育を実施する学校を拠点化いたします。
 複数の病院の訪問教育を実施する特別支援学校を拠点化し、多様な教科に対応できる教員を集中的に配置することにより、児童生徒の教科指導のニーズに応えるなど、訪問教育の充実を図ってまいります。

○小松委員 いるか分教室の学習発表会では、子供一人一人が同じ病気の仲間たちと一緒に学習することで、みずから病気と向き合い、病気になったことで自分や家族を見詰め直し、そこから病気を克服していこうとする前向きな力を得て成長している様子がわかりました。病院内学級は、場所の提供だけをとっても、病院側の理解と協力がなければできない取り組みですが、東京都はこれをしっかりと支えていただきたいと思います。
 最後に、性的マイノリティー、LGBTについて伺います。
 LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字四文字をとって、性的マイノリティー全体を総称する言葉として広がり始めています。
 レズビアン、ゲイは女性、男性の同性愛者、バイセクシュアルは両性愛者、トランスジェンダーは体の性と心の性が一致しない人のことで、このTに当たるトランスジェンダー、性同一性障害に関しては、文科省がことし、ある調査の結果を公表しています。
 その調査とは、文科省が昨年四月から十二月にかけて行った学校における性同一性障害にかかわる対応に関する状況調査でありまして、六月にその結果が発表されました。国公私立の小中高校と特別支援学校を対象としたこの調査の目的は、性同一性障害に関して各学校でどのように対応しているのか、全体的な状況や配慮の具体的な内容などの現状を把握することと、その充実のための情報を得ることとされます。
 その結果、児童生徒本人が自分に性同一性障害があると回答した件数が六百六件報告されました。この数は、本人が回答してもよいと了解した上での報告数なので、実数が反映されているものではないことを考慮する必要があり、実際はもっと多いとみなすべきです。
 この六百六件のうち、学校での対応について特別な配慮をしていると答えたのは約六割にすぎませんでした。配慮がされていない四割の中には、児童生徒本人が特別な配慮を求めていないことが理由としてうかがわれる事例があるようではありますが、自由記述の欄には深刻なことも書かれています。
 良好な現状としては、家庭の理解を得ている、完全に自認する性別として生活し周りも疑わない、ありのままの姿を受けとめてくれる友人があるため悩むことはないなどと書かれたものがある一方で、不登校状態、保健室に通うことが多い、家庭の理解が得られない、気持ちの浮き沈みがあり自傷行為をしているなどの記述からは、本人も学校側も苦悩している様子が見てとれます。
 課題として書かれた中のホルモン療法を勝手に始めてしまった事例があるという部分や、周囲の生徒や職員の共通理解の醸成、校内体制の構築が課題とする記述などは、性同一性障害が教育現場における課題として、すぐにも取り組まなければならないことを示していると思います。今回の調査は、全国の管理職を初め、全教職員にその認識を迫るという大きな意義があったといえます。
 それでは質問です。性同一性障害のある児童生徒に学校が適切に対応できるようにするための都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

○金子指導部長 都教育委員会は、平成二十二年五月に、教職員等が性同一性障害のある児童生徒からの相談にきめ細かく応じ、必要に応じて関係医療機関とも連携するなど、児童生徒の心情や保護者の意向に十分配慮した対応を徹底するよう、区市町村教育委員会及び都立学校宛て通知いたしました。
 また、この通知を指導資料、人権教育プログラムに掲載いたしまして、毎年、都内公立学校の全教員に配布するなど周知をしております。
 さらに、本年六月に文部科学省が公表した性同一性障害にかかわる状況調査の結果を受けまして、校長、副校長を対象として行っている人権教育の研修会の中で改めて通知の内容について徹底を図りました。

○小松委員 二〇〇三年に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が公布されたこともあって、LGBTのTの部分ついては、今のご答弁にもありましたように、少しずつではありますけれども、取り組みが進んできています。
 しかし、Tの部分だけでは不十分です。というのは、日本のLGBも含めた性的マイノリティーの数は、二〇一二年に民間事業者が七万人を対象に行った調査で五・二%と出されました。五・二%は決して少ない数字ではありませんが、日本ではこのLGBについて理解が広がっているとはいえない状況が続いています。
 そのような中、厚労省の研究事業の一環として、LGBTについて学校の授業でどのように扱われたのか調査が行われ、先ごろ公表されました。それによりますと、保育園、幼稚園、小中高を含めた教員に尋ねたところ、二〇一一年から一三年にかけて授業でLGBTについて扱った経験があると答えたのは一四%にすぎませんでした。
 ところが、一二%の教員は性同一性障害の子供にかかわったことがあり、同性愛の子供にかかわった教員も八%いました。現実に子供の中にLGBTが存在しているのに、教員の側には授業として取り組むことができない現状が浮かび上がりました。
 法務省は、平成二十六年度啓発活動年間強調事項を十七項目定めていますが、その中に女性の人権、子供の人権、高齢者、障害者、同和問題などと並んで、性的指向を理由とする差別をなくそう、性同一性障害を理由とする差別をなくそうという二項目が入っています。国がLGBTを人権教育の課題として捉えているということです。
 性のあり方について、つい最近、山梨県立高校でセクスチェンジ・デーという大変興味深い授業が行われ、大きく報道されました。男女が制服を交換し、男子がスカート、女子がスラックスをつけて一日学校生活を送り、男女の常識にとらわれず、価値感を見詰め直そうと二、三年生の有志が考えて実現させました。高校生が性の多様性に気づき、理解するきっかけとなるすぐれた取り組みだったと思います。
 東京都がグローバルな都市を目指すなら、多様な性のありようを受容する社会にしていかなくてはなりません。性同一性障害のTだけではなく、LGBも含めて、性的マイノリティー全て、LGBTについて認め合うことが必要であり、今後、幼いときから教育において積極的に取り組んでいかれることを求めて質問を終わります。

○古賀委員 私は道徳教育について質疑を行います。
 少年犯罪、多種多様にわたるわけでありますけれども、凶悪事件と呼ばれている殺人事件、それから、振り込め詐欺にかかわる、あるいは危険ドラッグを使用する、暴力、いじめ、こういう事件が報道されるたびに、罪の意識が希薄化しているのではないかという指摘が幾たびも繰り返されてまいりました。倫理意識、道徳観の欠陥が指摘されて久しいわけであります。
 主な原因としては、識者からの指摘もあるわけでありますけれども、戦前の道徳教育を戦後、GHQ、連合国軍総司令部及びその同調者が全て道徳教育を放棄し、それを強行したものの、それに従って生じた空隙を補うものを提示できなかったことに求めることができるのではないかと思います。
 GHQは、終戦直後の昭和二十年十月に日本教育制度に対する管理政策などの指令を連発いたしまして、戦前から行われてきた修身や日本歴史、地理の授業を禁止いたしました。教科書まで没収し、破棄させたわけであります。その後、GHQが検閲した教科書に基づく地理と歴史授業は再開となりましたけれども、修身は認められませんでした。
 昭和二十二年三月に戦後教育の基本理念となる教育基本法が施行されたわけであります。これが国民の精神的、道徳基準を示すものであればよかったんですけれども、あくまで教育理念としては個人の尊厳を重視するものであって、日本人としての人格形成を目指す道徳教育は軽視されたままというのが今日までの状況だろうというふうに思うわけです。
 つまり、個人の尊厳も重視するけれども、公の利益、あるいは公人としての立場、そういったことを均衡をもって示す法律ではなかったわけであります。その後、教育基本法が改正されましたけれども、こういった時代が長く続いてきたということであります。
 こうした時代に危機感を抱いた人で、警鐘を発する人も確かにいました。昭和二十六年には、吉田内閣の文部大臣で哲学者でもあったと思いますけれども、天野貞祐氏は国民実践要領を提示したわけであります。そのほか、昭和四十一年には、森戸辰男氏が会長を務める中央教育審議会が期待される人間像を答申しましたが、これは反日報道機関であるとか、左翼文化人、知識人の反対が強くて、定着の方向には進まなかったわけであります。
 これら二つはいずれも、今読み返してみますと、別に、なぜ反対されたんだろうという感を強くいたします。いずれも戦後失った道徳を取り戻そう、日本を取り戻そうとするもので、なぜ日の目を見なかったのか理解不可能であります。
 これは日本だけにとどまらず、例えばアメリカのレーガン大統領は、長くベトナム戦争などの反戦運動などが繰り返された結果、それは子供の解放運動にもつながって、アメリカの教育が荒廃したという要素を憂えて教育改革を一つの柱にし、皆さんもご存じだと思いますけれども、ゼロトレランスという考え方を採用して、道徳読本という教材をつくって、これを全米に配布したわけです。
 この道徳読本は、何のことはない、日本の修身を参考にしてつくられた教本でありました。こういったことが今日の一つの問題点として、いろいろな事件が起きるわけでありますけれども、振り返ると、このようなことが指摘できるのではないかというふうに思います。
 我が国は、ここで衆議院が解散になるわけでありますけれども、現在、安倍政権のもとで、日本を取り戻し、日本に帰る、国の再生に向けてさまざまな政策が展開されています。我が国の社会には、道徳に対する一種の拒否反応ともいえるような不信感や先入観が先ほど申し上げましたように存在しているわけで、このことが道徳教育軽視の原因にあるのではないかと思われます。
 しかし、変化の激しい今日、時代において、子供たち一人一人の中に決して揺らぐことのない日本人としての確たる倫理感やすぐれた道徳性を確立していくことが極めて重要であります。学校教育において戦後教育から現在までの教育を見直して、道徳教育を推進しなければならないということであります。私はそう信じます。
 先般、道徳の教科化について中央教育審議会の答申が公表されました。現在、国ではその準備を進めています。戦後、これまで教科外の扱いだった道徳がいよいよ教科となるわけであります。
 さて、そこで我が東京都では、道徳教育を推進する取り組みについて、人が人として生きていく上で大切にすべき道徳的価値を子供たちに継承させていくための道徳教材集を独自に開発して、公立小中学校の児童生徒に全員配布しています。
 東京都教育委員会に伺いますけれども、東京都が独自に作成したこの道徳教育教材集の内容、そして活用の状況について説明してください。

○金子指導部長 都が独自に作成いたしました東京都道徳教育教材集は、小中学校の児童生徒一人一人が道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深めるために、先人の残した名言や名句、詩などの言葉や先人の伝記読み物資料を中心に内容を構成した教材集でございます。
 現在、東京都道徳教育教材集は、都内全ての公立小中学校の道徳の時間の指導だけではなく、朝礼や学級活動、放課後に子供たちと語り合う際など、学校の教育活動のさまざまな場面で活用されております。
 また、人が生きていく上で大切なことを保護者が子供たちと語り合えるよう、保護者が記入する欄を設けるなど、各家庭での活用を推進しているところでございます。

○古賀委員 意外と、東京都が独自の道徳教材集を作成しているということは知られていないわけでありますけれども、今その内容についておわかりいただけたというふうに思います。
 国は今年度、道徳教育用教材「私たちの道徳」を全国の小中学校の子供たちに全員配布しました。この教材集は、東京都道徳教育教材集と同様に、学校の教育活動はもとより、家庭や地域でも活用できるようにつくられているものであります。
 その活用状況について、ことし十月十四日、国が行った調査の結果が公表されました。この調査結果では「私たちの道徳」がほとんどの学校で既に活用、または本年度中の活用を計画しているとの結果でありました。
 ところが、本年、第三回定例都議会一般質問で、我が会派からの質問でありますけれども、ある民間の調査によりますと、必ずしも十分に活用されていない実態があるということであります。この道徳教材を調査対象の八割を超える人たちが自宅に持ち帰っていないというものがその内容であります。
 国がことし二月、五月、七月、三回にわたってこの「私たちの道徳」の活用について通知をしているにもかかわらず、使わないというのは教員がみずからの判断で不使用を決めている可能性もあります。それから、道徳教育については否定的もしくは消極的な教員がいて、「私たちの道徳」の配布や通知に対して抵抗しているのではないかとも考えられるわけです。
 そこで伺いますけれども、国の道徳教材集「私たちの道徳」の内容と、東京都における活用の状況についてはどうなっていますか、お答えください。

○金子指導部長 国が作成した「私たちの道徳」は、心のノートを大幅に改訂し、学習指導要領の内容を項目順にワークシートで構成した上で、名言、名句、伝記を含む読み物資料を掲載したものでございまして、東京都道徳教育教材集とあわせて活用することで道徳の指導を効果的に推進できるものでございます。
 「私たちの道徳」の全ての児童生徒への配布が完了いたしましたのが本年六月末であったことから、都教育委員会は区市町村教育委員会に対しまして、各学校における「私たちの道徳」の活用を二学期から本格的に推進するための取り組みを依頼いたしました。
 その結果、九月からは、都内全ての公立小中学校において本教材を道徳の時間で使用しており、また、家庭に持ち帰り、保護者と話し合う取り組みを行っているところでございます。

○古賀委員 「私たちの道徳」が配布された時期というのが一つ背景にあるのではないかと思いますけれども、実態は必ずしも、今まで発表されているものとは乖離があるということはちょっと懸念されるわけであります。そこでお聞きしたわけです。「私たちの道徳」の今の活用状況、それから今後の姿勢というものはわかりました。
 東京都教育委員会では、全国に先駆けてこの取り組みを行っています。つまり、平成十四年度から都内の全ての公立小中学校で道徳授業地区公開講座を実施し、道徳の授業を広く都民に公開するとともに、保護者らとの意見交換を行っています。
 昨年度は全校で保護者約三十七万人、学校評議員及び健全育成関係者約八千人の参加があったということを、お聞きしましたらお答えがありました。これはいまだ他府県ではできない、できていない、やっていない取り組みでありまして、継続して今実施しているということはまことに見事というほかありません。先駆的授業として高く評価していいというふうに思います。
 この道徳授業地区公開講座について、ちょっと指摘しておきたいんですけれども、私が入手しました、学校名は挙げませんけれども、多摩地域のある小学校の案内の文書を見ますと、東京都道徳教育教材集を道徳の時間の中で中心的な資料として活用している学級は確かにありますけれども、「私たちの道徳」については、この資料を見ますと全く活用されていません。
 東京都が東京都道徳教育教材集の活用を推進してきたように、「私たちの道徳」についても活用を推進してもらいたいわけです。ちゃんと公開講座をやってくださって、学校公開日に何の教材を使ったかという資料をよく目を皿のようにして見ても、「私たちの道徳」は出てこないんですね。こういう学校がいまだにあるということを指摘しておきます。
 道徳授業地区公開講座での「私たちの道徳」の活用の一層の推進に向けた取り組みについて、こういう実態がありますので、伺いたいと思います。

○金子指導部長 道徳授業地区公開講座は、学校、家庭、地域が一体となった道徳教育を推進する取り組みでございまして、「私たちの道徳」や東京都道徳教育教材集を活用した授業を公開することによりまして、保護者や地域の方々にその内容についての理解を得る絶好の機会でございます。
 都教育委員会は、今後、道徳授業地区公開講座を契機といたしまして、「私たちの道徳」と東京都道徳教育教材集の内容について、保護者が子供と話し合うなど、家庭や地域での活用の推進が図られるよう、区市町村教育委員会と連携して重点的に取り組んでまいります。

○古賀委員 取り組んでくださるということですので、期待したいと存じます。
 中央教育審議会答申に述べられているとおり、我が国には人々が道徳を重んじてきた伝統があり、また現在も諸外国から日本人の道徳性の高さが評価され、敬意を表される機会も多いわけです。
 東日本大震災のときも、アメリカの海兵隊が救援物資を持って被災地にヘリコプターでおりて代表者と接したときに、ここは何人いますと。殺到するかと思ったら、代表者が来てそれを受け取り、しかも、もっと渡そうとしたら、ここは何人ですから、これ以上は必要ありません、ほかの避難所に届けてくださいといって、その代表者は必要以上のものは受け取らなかった。それはアメリカの海兵隊の記録に出ているんですね。非常に驚いたということが書かれています。
 そのような道徳性の高さというものは、今でも私たちのDNAの中にはあるわけです。どこかの国のように、群衆のように、雲霞のごとく被災者が殺到して、まさに軍隊や銃で制御しなければ収拾がつかないような国とは違うわけで、この点は諸外国の特派員たちも一様に驚嘆の声を上げていましたし、米軍のそういった救難に当たった海兵隊の隊長もそういうことを公式記録に残しているということを、私たちは非常に誇りにしていいというふうに思います。
 我々はこうした伝統や評価に自信と誇りを持ちながらも、一方で、現在の学校教育における道徳教育をめぐる課題を真摯に受けとめ、その改善に取り組んでいく必要があります。今後も、東京都教育委員会に道徳教育の推進に向けて全力で取り組んでいただくことをお願い申し上げておきたいと思います。
 東京都がつくったこの教材はよくできています。家庭からの、地域からの意見を書く欄もありまして、やっぱり持って帰らないと家庭で書き込めないわけですよ。ですから、大分改善されてきているし、そういう方向でご努力いただくということでありますので、ぜひ、この教材がもっと活用できるように期待を申し上げておきたいというふうに思います。いろいろ、先人の言葉であるとか、それぞれの業績が記されています。非常にわかりやすくて、よくできているというふうに思います。
 やはり人物を通して心を揺さぶられる、そして、感動の物語から日本人はそういう勇気であるとか、優しさであるとか、根気であるとか、忍耐とか、そういうものを身につけてきたというふうに思いますので、今後とも道徳教育の教材として、東京都の教材とともに「私たちの道徳」が活用されることを重ねてお願い申し上げておきたいというふうに思います。
 この件は以上で終わります。
 次に、書道教育について質疑を行います。
 日本語は我が国の国語であります。このことに異存のある人はいないと思います。漢字仮名まじりの文を私たちは日本語の文章と呼んでいるわけです。我が国の文字は言葉の記号としての機能を持つだけではなく、世界に例を見ない文字芸術、造形芸術などの面をあわせ持っています。我々の先祖は長い歴史をかけて文字を愛し、大切にし、これを形成してきました。
 我が国の歴史を顧みると、人々は、この文字を書くという所作を通して人格の育成を試みてきました。つまり書道、道なんですね。美しい文字の表現を通して我が国独自の美意識は高められて、育まれてきたわけであります。文字を書く芸術である書道においては、文字一つ一つが美しい礼儀作法によってつくり出されており、端的な線の持つ生命観、空間の美、これらは我が国の誇るべき伝統であるというふうに思います。
 また、我が国で使用されている日本語の表記は縦書きが原則であり、私はいつも申し上げているんですけれども、名刺とか表札、信書、賞状、特に賞状は武道関係の競技大会などでは縦書きの賞状にしてもらいたい。私は今、日野市の体育協会の方の責任者をやっておりますけれども、希望すれば、武道関係の市民体育大会の賞状は縦書きを出すようにしています。それから、歌ですね。詩歌など、日本語を用いる際には縦書きを用いるべきであります。縦書きの作法を身につけ、縦書きの表記の意義やすばらしさを理解するためにも、書道は極めて重要であります。
 しかしながら、近年、電子機器の発達と効率を求める社会風潮によりまして、こうした風潮は忘れられようとしているわけです。このことは我が国にとっても、また世界的視点から見ても、大きな人類の文化的喪失であるというふうに思います。
 私のところに東京都の美術館から、来年の一月四日から十六日まで、TOKYO書という、彩られた紙と現代の書、こういう催し物があるという通知が参りました。このチラシをよく見ますと、あいうえおと書いてあります。あいうえおが横に書いてあるんですね。五十音図は、最近の事象では横書きのものが確かにあるんですけれども、これは間違いで、国語の文法を勉強すれば、四段活用、五段活用、下二段、上二段活用、段というのは縦をいうんですね、縦書き。はしご、段というのは縦で、横にあるはしごというのはない。
 ですから、東京都の美術館は、あいうえおを横に書くというのは日本文化の根源を破壊する行為で、英語を縦に書いているのと同じくらいおかしなことだということに誰も気づかなかったということは、私、まことに憂うべき現実があるというふうに思います。もらったばかりで、よし、きょうはこれを皆さんにご披露しようと思って持ってまいりました。ですから、穴あき五十音図も問題ですけれども、ましてや横に書くなどということはあってはならないことです。
 今でも、里吉さんのところの共産党の機関紙も基本は縦書きなんですよ。日本のことが好きか嫌いかわかりませんけれども、どうしても日本語で的確に読者に党の思いを伝えようと思うと、縦書きにせざるを得ないんですよ。
 赤旗まつりの記事を読んでいましたら、色紙がこの間配られたそうですね。色紙を書いた人、瀬戸内寂聴、仲代達矢、中村梅之助、やくみつる、みんな共産党が大好きな人たちが色紙を提供しているんですね。この人たちはみんな縦書きなんですよ、色紙。まともだなと思いましたよ。
 最近は色紙とか出版記念会とか励ます会とか、いろいろ議員がやっても、生花が寄せられてくると、生花に誰から来たかと書くのが横書きが結構出てきました。あれは短冊に横に書いているようなもので、私は非常におかしいし、不自然だというふうに思うんですけれども、保守系の団体の会でもそういうものが目立つし、しかし、共産党の支持者の皆さんは縦書きをちゃんと守っている。やっぱり日本のこういう書の作法というものを、幾ら日本が嫌いか好きか知りませんけれども、私もちょっと安心しました。こういう、一つ参考に。
 それに比べて東京都は、あいうえおを横に書いているということであります。東京都の戦後教育がいかに問題を多く含んでいるかということの一つのあかしだというふうに思うわけです。
 以上のような状況があるわけでありまして、伝統ある書道が継承されていくためにも、学校における子供たちへの書道に関する教育が大変重要であるというふうに考えます。そこで、学校における書道教育の意義を教育委員会はどのように考えているのかお答えください。

○金子指導部長 書道に関する教育は、小中学校では教科国語の時間に書写として、高等学校では教科芸術の中の科目、書道として行われております。
 小中学校の書写は、手紙を書いたり記録をとったりするなど、日常生活や学習活動に役立つよう文字を正しく整えて書くことができるようにすることなどを通しまして、国語に対する関心や認識を深め、国語を尊重する態度を育てることを目標としております。
 高等学校の書道は、中学校国語科の書写の活動と書写の学習との円滑な接続を図りながら、生涯にわたり書を愛好する信条を育てるとともに、書写能力の向上を図り、表現と鑑賞の基礎的な能力を伸ばし、書の伝統と文化についての理解を一層深め、尊重する態度を養うことを目標としております。

○古賀委員 今ご答弁いただきましたので、書道にかかわる教育が我が国の教育にとって非常に重要であるということはわかるわけです。最近テレビ番組でよく、出演者が賛成、反対派いろいろ出てきて、自分の思いを最後に、最初でもいいんですけれども、板を渡されて、マジックのインクで何か書く場面があります。
 そういうときに、私も書道をやったわけではないので、そんなに能筆ではないです。つまり、うまい字を書くわけではありませんけれども、ちょっと大人の人が書いた字にしては、枯れてもいないし、文字がちょっと幼いなというか、余り上手な字じゃないなというのが多いんですね。やはり書道教育が大事だなと私、いつもそういう番組を見ると思うんですけれども、これは出演者、特に芸能人などもそうですけれども、誰かに限ったことではなくて、一般の人たちにも同様のことがいえるというふうに思います。
 日常生活の中でいろいろな人が書く文字を見ることがあるんですけれども、これはうまい、見事な字だなと感心することは本当にまれです。これから選挙が始まりますと、我々は、よく皆さんも与野党を含めて、激励ビラとか、祈る必勝とか書いて、持って回るんですね。あの字を見たときも、書家に頼む議員もいますけれども、自分で書いている人もいる。
 いろいろあるんですけれども、菅直人さん、誰とはいわないつもりだったんですけれども、いってしまった。(笑声)菅直人さんが色紙に書いている字で、しめすへんところもへんがわからないんですね、間違っている。初心と--初心の初はころもへんですけれども、あの人は片仮名のネ、つまりしめすへんを書いているんですよ。義務教育で教える漢字が書けなくても、日本では総理大臣になれる。いい国だというふうに思いますけれども、それをきょう持ってきたんですけれども--インターネットか何かで見ていましたら、そういうのがありました。
 それで、激励ビラで衆議院議員の方のやつを見ますと、衆議院の衆を正しく書いている人が意外と少ないんですね。中には象と書いている人がいました。象議院議員。それでよく衆議院議員に当選したなと思うんですけれども、中には、衆の下が片仮名のイを書いて始める、あれができていない。象の下と同じような書き方をしている人が結構多いんです。
 ですから、書道教育がいかに大事か。今、国会議員でもこの状態ですから、私たち、書道教育ということをやはり真面目に考えていかなければいけないというふうに思います。
 先日、高校生国際美術展というのがありまして、七月に表彰式がありまして、私もご案内があったので行ってきました。外国からも高校生たちがいろんな美術作品、絵とか、それから彫刻もそうですけれども、賞をいろいろ目指して努力しているんですね。
 書の部門もありまして、これは全部、内閣総理大臣賞、文部科学大臣賞、外務大臣賞、東京都知事賞、舛添知事の賞状もありました。それから、各報道機関の賞、毎日新聞とか産経新聞の賞とか、こういうのもあるんです。
 内閣総理大臣賞をもらった相馬志帆さんという方、仮名の文字で内閣総理大臣賞をとったんですけれども、見事な細い仮名の文字を駆使して、たおやかな字の線が出ていまして、見事だというふうに思います。こういう人たちも、やっぱり努力している人がいるわけです。
 残念ながら、東京都の入賞者というのは、私が見た限りはほとんどいないんですね。埼玉県、浜松、佐賀、それから福岡県、大分県、愛媛県。東京都の入賞者はいないかなと思って探したんですけれども、ちょっと見つけられませんでした。見事な賞を物にしている高校生もたくさんいるということがわかって、非常に心強く思った次第です。
 内閣総理大臣賞をもらった相馬志帆さんという方は、小学校五年生から仮名を学び始めたそうですけれども、これからも大好きな仮名をきわめていきたいというふうに感想を述べていました。ちゃんと英語でも挨拶するんですよね。すごいなと思いました。
 これから子供たちに対してこういう能力を、うまくなくてもいいから、それなりの人格をあらわす字を書いてもらいたい。子供たちに対して小中学校段階から適切な指導を継続していくことがとても重要であるというふうに思います。小中学校における書道教育、つまり書写の現状についてはどうなっていますか。

○金子指導部長 小学校におきましては、鉛筆などを使用した硬筆の指導は全ての学年で実施しております。また、毛筆を使用した指導は三年生以上で年間三十時間程度実施しております。指導内容は、書く姿勢や筆記具の持ち方、文字の点画の長さや方向、大きさ、配列などでございます。
 中学校におきましては、硬筆及び毛筆の指導を全ての学年で実施しておりまして、一、二年生で年間二十時間程度、三年生で十時間程度実施しております。指導内容は、文字の大きさ、配列などについて理解して楷書で書くこと、行書の基礎的な書き方を理解して書くこと、目的や必要に応じて楷書または行書を選んで書くことなどでございます。

○古賀委員 小中学校では、先ほどの教育的意義を踏まえて、全ての子供たちを対象に書写の指導を行っているということであります。姿勢を正して、筆を立てて書を書く、礼儀作法に基づいて、美しく正しい字を書く能力を全ての子供たちに身につけさせて、我が国の伝統を守っていくためにも、今後も各学校で書写の指導、書道の指導が適正に行われるようお願いしたいというふうに思います。
 菅直人さんのが今出てきました。初心を貫く、初心の初が間違っていますね。これをみんなに配っているわけですから、いいのかなと思います。余り気にしない人ですね、あの人は。大事なことなんですけれども、恥ずかしい。
 次は高等学校なんですけれども、高等学校では、書道の学習は小中学校と異なりまして、芸術の中で書道を選択した一部の生徒が学習するというふうに、先般いろいろ説明を伺いました。
 では、現在、高等学校における書道はどのような現状にあるのかご説明をお願いいたします。

○金子指導部長 高等学校の書道は、都立高校等二百三十五校のうち二百三校で設置されております。この科目の学習は週当たり二時間、年間七十時間を標準として行われております。
 書道の学習は、中学校国語科の書写における学習を基礎といたしまして、漢字仮名まじり、漢字仮名、それぞれの書についての芸術としての表現及び鑑賞の基礎的な能力を伸ばすことを目的として行われております。

○古賀委員 高等学校における書道の現状について、今ご説明いただいてよくわかりました。
 小中学校では、全ての子供たちが書写の時間の中で筆を使って文字を書く活動をしていますが、中学校を卒業すると多くの人は筆を持つ機会が極端に減少してしまう傾向、可能性が高いわけです。今後、より多くの生徒が高等学校で書道の学習を行えるよう、各高等学校での取り組みを期待したいというふうに思います。
 ここまで学校での書写及び書道の現状について確認いたしましたけれども、子供たちの書写や書道への興味、関心をさらに高め、東京都における書写や書道の教育を活性化していくためには、先ほどお話をした高校生国際美術展のような、子供たちが学習の成果を発表する機会を設けることが重要ではないかと思います。
 そこで、書写や書道での学習の成果を発表する機会をつくるために、東京都教育委員会が行っている具体的な取り組みについて伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、公立学校美術展覧会を毎年開催しておりまして、昨年度は小中学生の書写の作品を約千七百点展示いたしました。また、東京都高等学校文化連盟と連携した書道展や、都立高等学校定時制、通信制課程を対象とした書道の発表会を開催しておりまして、昨年度は高校生の作品をそれぞれ四百二十六点、八十三点展示いたしました。
 さらに、東京都特別支援学校文化連盟と連携いたしまして、書道作品展を開催しております。昨年度は特別支援学校の児童生徒の作品を百十九点展示いたしました。こうした取り組みによりまして、児童生徒の書写、書道の学習の成果を広く都民に普及しているところでございます。

○古賀委員 書写や書道の作品を展示する展覧会や発表会については、子供たちの興味、関心を高める効果があることに加えて、保護者を含めた多くの都民が書道の作品に触れ、日本のよき伝統を再認識することができる大変よい機会となります。今後もぜひ継続してほしいと思います。
 さて、各学校における書写や書道の授業を十分に行ったとしても、作品の制作に向けて、書写や書道の指導を行っているのは教員であります。教員の指導力が子供たちに与える影響は非常に大きいわけです。特に多くの小学校では、全ての教科を担当している学級担任が書写の指導を行っていると伺っております。
 子供たちに対して書写や書道の指導を適切に行うためには、専門としていない教員であっても--本来は書道の教員資格を持った人がいいんですけれども、たとえその資格がなくても、必要な指導力を身につけなければならないのは当然であります。
 教員の書写、書道の指導力向上に向けて東京都教育委員会が行っている取り組みについて伺います。

○金子指導部長 都教育委員会では、教職員研修センターにおきまして、小中学校、高等学校等の教員を対象とした書写、書道の指導法についての研修を実施しております。この研修は、伝統的な言語文化と国語の特質、書写、書道の新たな学習方法などを教員が学び、各学校で充実した指導を行えるようにすることを目的としております。
 また、東京都の公立学校教員で構成されます書写や書道の研究団体を研究推進団体に認定いたしまして、研究会等への指導主事の派遣、研究活動の経費の補助を行うなどいたしまして、教員の指導力向上に向けた取り組みを支援しております。

○古賀委員 ありがとうございました。
 現在は書道の専門の教員採用というのは特に行われていないようでありますけれども、できればそういったことも今後検討してほしいというふうに思います。復活ですね。
 教員の指導力向上に向けた取り組みについては、今ご説明があったとおりで、一応確認できました。今後も、教員の指導力向上に向けた取り組みに力を入れてもらいたいというふうに思います。
 冒頭申し上げましたように、最近は電子機器の発達によって、文字を書くというよりも、文字を打つ、そういう作業が主になってまいりましたので、人々から忘れられようとしている我が国の美しい伝統である書道が継承されるためにも、子供たちが日本の伝統文化を理解することによって、将来、国際社会で日本人としての誇りと自信を持って、人々と共同し共存していくためにも、書道に関する教育は非常に重要であるというふうに思います。
 今後の書道教育の充実を願って質問を終わります。

○小竹委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時十七分休憩

   午後五時三十五分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○伊藤委員 では、私からまず、防災教育について質問させていただきたいと思います。
 東日本大震災から三年半が過ぎました。私たちは、この未曽有の大災害から多くの教訓を学びました。また、この教訓を絶対に忘れない、そしてまた、教訓を生かしていく、これが大事であると思います。
 宮城県の石巻市立大川小学校では、大津波によって全校児童の約七割に当たる児童が死亡、また、いまだに行方不明となっています。
 また、岩手県の釜石市では、昔からのいい伝え、津波てんでんこの教えを避難訓練に取り入れて、繰り返し訓練をしていたことが市内約三千人の小中学生の即座の避難につながった。そしてまた、中学生が低学年の小学生の手を引いて、手をつないで避難した。こうしたことで、多くの児童生徒が無事であったということにつながりました。
 日ごろから子供たちも、また教員も、いつどこで何が起きる、そのとき自分はどうするという意識を持つこと、そしてまた、訓練を実践していくことが重要だと考えます。
 三・一一以降は、各町会や自治会などの地域で行われる訓練も、地域の特性を考慮したさまざまな訓練がされてきており、学校における訓練も変化してきていると思います。
 そこでまず、都内公立小中学校におけるさまざまな場面を想定した避難訓練について、すぐれた取り組み事例を伺いたいと思います。

○金子指導部長 東日本大震災を踏まえ、小中学校においては、これまでの避難訓練に加えまして、地震後の津波警報の発令や液状化の発生など、さまざまな場面や状況を想定した実践的、体験的な避難訓練を実施しております。
 具体的には、ある島しょ地区の小学校では、村が定める地域防災計画におけるハザードマップなどを活用いたしまして、大地震発災時の津波の被害を予想し、上級生が下級生を助け、高い場所に逃げる訓練を実施しております。また、ある中学校では、液状化で堤防が決壊したことを想定し、学校へ避難してきた地域住民を中学生が高層階へ誘導する訓練を実施しております。
 こうした実践事例に見られるように、発達段階や地域の実情に即し、さまざまな場面を想定した避難訓練を実施する必要がございます。

○伊藤委員 私の地元、品川区のある小学校では、校長先生を初め、PTAの方々も防災教育に対して非常に意識が高く、例えば児童の下校直後、学校でさようならをした数分後に大地震が発生したという想定の訓練をやると。よくそういう発想になったなと私は思いましたけれども、ここの校長先生、すばらしいのは、校長先生自身が商店街を一軒ずつ回って、今度こういう訓練をやりますと。ですので、どうかこの訓練の放送が聞こえたときに、児童生徒を商店街の大人の方が守ってくださいと。また、子供が助けてくださいと逃げてきたときには、ぜひ支えてくださいと。こういうことを校長先生みずからが商店街を歩いて、この訓練が成功した。
 また、ことしは、今度は逆に、朝、学校に向かう登校途中で発災したという訓練もやったということを先日伺いました。
 こうした取り組み、そして先ほども答弁にあったようなすぐれた取り組みでありますけれども、さまざまな場面を想定した避難訓練の先進的な事例がほかの学校や地域にも参考になるように情報を紹介、また、普及してはどうかと思いますが、都の見解を伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、実践的、体験的な避難訓練の実施計画例を掲載いたしました避難訓練の手引を都内公立学校全校に配布しております。
 また、都内公立学校十二校の安全教育推進校では、地域の実態に即し、さまざまな場面を想定した避難訓練を他の学校の教員や保護者、地域住民にも公開いたしまして、各学校における避難訓練の改善につなげております。
 さらに、各学校の教員が参加する学校安全教室指導者講習会におきまして、効果的な事例を紹介するとともに、東日本大震災の被災者の体験談や消防職員による講話を実施するなどいたしまして、さまざまな場面を想定した避難訓練の普及を図っております。

○伊藤委員 先ほども自衛隊の件で質問がありましたけれども、私はあらゆる場面、こうなったらどうするという訓練を、これはもう、あれがだめとか、これがいいとか、そうじゃなくて、あらゆることを想定して訓練していく、このことが東日本大震災からの私たちへの教訓だと、このように思います。
 ぜひとも、今後もこの避難訓練、その地域の特性に合った、また、児童の発達状況に合った訓練をしていっていただきたい、このように思います。
 次いで、都立高校生の安全対策について質問いたします。
 私は、平成二十五年第一回都議会定例会一般質問において、都立高校生自身が、みずからの命を守りながら地域の一員として社会貢献を行えるよう、都は都立高校生の安全を確保するための防災用ヘルメットを配備すべきと求めました。
 比留間教育長からは、このときに、被災時には、生徒は自分の安全を確認した上で、避難所の運営補助や近隣地域における被災者の支援活動等を行うことが期待されますと。このため、生徒がこうした地域貢献活動を行うための条件整備の一つとして、今後、都立高校への防災用ヘルメットの配備の必要性について検討していくとの答弁をいただきました。
 そこで、その後の都立高校における防災用ヘルメットの配備状況について伺いたいと思います。

○早川都立学校教育部長 防災用ヘルメットは、生徒が被災時に自分の身の安全を確保した上で、避難所運営の支援や近隣地域における避難者支援などの活動を行うために必要なものでございます。
 このため、都教育委員会は、防災用ヘルメットを平成二十五年度末までに、島しょ部の一部の都立高校には生徒の在籍数に応じて配備し、また、これ以外の全ての全日制都立高校には、一学年で一クラス四十人分、三学年合わせて百二十個の防災用ヘルメットをそれぞれ配備いたしました。
 昨年十月、台風による土砂災害で甚大な被害を受けました大島では、地元の都立高校の生徒がヘルメットを着用し、災害復旧ボランティア活動を通じて、被災地区の復旧に貢献いたしました。

○伊藤委員 生徒の在籍数が少ない島しょの一部の学校を除いて、全ての全日制都立高校に生徒用防災用ヘルメットが配備されたということでありました。
 今も答弁でありましたけれども、昨年の十月、台風二十六号による甚大な被害をこうむった伊豆大島で復旧作業を手伝う高校生が、ヘルメットをかぶって、ある民家の中に入り込んでしまった土砂を取り除いている光景を私は現地でも見ました。また、テレビの映像でも見ました。
 こうした都教委の取り組みが実際に現場で役に立っているということを実感したわけでありますけれども、実際の現場、こうした災害が起きないことが一番でありますけれども、都は、都立高校に配備された防災用ヘルメットをさまざまな訓練でも活用していってはどうかと考えますが、見解を伺います。

○金子指導部長 災害発生時に、まず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに避難所など地域の防災活動に貢献できる自助、共助の心を持った人間を育てることを狙いといたしまして、全ての都立高校では、一泊二日の宿泊防災訓練や年四回の避難訓練を行っております。
 こうした宿泊防災訓練での初期消火訓練や救急搬送訓練、また、避難訓練や地域と連携した防災訓練などにおきまして、災害発生時を想定して、防災用ヘルメットを活用しております。

○伊藤委員 訓練でもこのように、今のご答弁は、これは恐らく全校で取り組む訓練だと思います。今のところ、先ほどの答弁のとおり、各校に百二十個配備していただいたということでありますけれども、今後もぜひ拡充していっていただきたい。生徒全員分本当に必要なのかどうかということもあるでしょうけれども、ぜひ拡充を求めておきたいというふうに思います。
 特別支援学校においては、現在のところ、いわゆる防災頭巾が約六〇%、また、ヘルメットが約四〇%用意されているということでございます。
 児童生徒の障害の程度や状態によっては、防災ヘルメットの着用そのものが困難な場合もあると思いますけれども、障害があるがゆえに、とっさの判断や、とっさの危険回避が難しいことを考えると、この特別支援学校に通う子供たちについては、防災頭巾に比べて防災ヘルメットの方が安全性の効果が高いことは明らかだというふうに思います。
 これはある防災関係の専門家の方がおっしゃっておりました。ずっと私たちは、私もそうですけれども、子供のときから防災頭巾をかぶって避難するということでやっておりましたけれども、今、都教委の方も順次、校舎そのものではなくて、非構造部材、例えば蛍光灯であったり、壁であったり、ガラスであったり、これの耐震化を今後も進めていただくわけでありますけれども、その非構造部材が落下してくることを考えたら、やっぱり防災頭巾では守れないというふうに思いますので、ぜひこのヘルメットの用意を進めていただきたい、このように思うわけであります。
 しかし、防災ヘルメットの方が頭巾に比べますと価格は割高でありまして、いずれも特別支援学校においては保護者等の負担で用意しているというふうに聞いております。
 そこで、保護者の負担を軽減しながら、この防災用ヘルメットの比率を着実に高めていくべきというふうに考えますが、見解を伺いたいと思います。

○松川特別支援教育推進担当部長 災害発生時に特別支援学校の児童生徒が使用する防災頭巾や防災ヘルメットの購入経費は、就学奨励事業による支給対象経費となっておりまして、保護者等の収入状況に応じて負担軽減を図っているところでございます。
 災害発生時の安全面での効果を考慮し、各校におきまして、既に防災ヘルメットを導入もしくは導入が検討されている状況でございますが、都教育委員会といたしましても、学校単位で一括購入し、単価の低減を図るなどの工夫を周知するなど、普及啓発に努めてまいります。

○伊藤委員 防災教育に関する質問の最後に、ヘルプカードの活用について質問いたします。
 私は、平成二十一年の第三回定例会一般質問において、首都直下地震などの大災害やゲリラ豪雨などの自然災害、また、事故等によって交通ダイヤの混乱が起きたときのこうした不測の事態に遭遇した場合に、社会参加をしている障害者の方、車椅子で本当に一生懸命に通勤されていらっしゃる方もいらっしゃいます。白杖をついて職場に行く方もいらっしゃいます。そしてまた、特別支援学校に一人通学する高校生もまち中で見かけます。
 こうした障害者の方あるいは生徒が、こうした災害あるいは交通ダイヤが乱れたときに、助けを求めたいときに周囲の人が気づいて、支援しやすい環境を整える必要性があることを訴えて、都内どこでも誰でも一目でわかるような共通のヘルプカードを広域行政を担う都が普及すべきと提案しました。
 それは、それぞれ例えば自閉症協会、父母の会、いろんな障害者の団体等があります。そうした団 体ごとにSOSカードというものをつくっておったりとか、助けてくださいカードをつくっておったりとか、その表紙というか、デザインというか、それはばらばらなんですね。
 書いてあることは、助けてほしい項目がそのカードの中に書いてあるのです。私はこれこそが大事だ、そしてまた、誰もが、これを都民が見たときに、あっ、助けを求めているんだなということがわかるということが大事だと思います。
 当然、今も各種団体がつくっていらっしゃるカードは使われておりますので、それは尊重しなければいけないというふうに思いますけれども、都内共通のこのヘルプカードの必要性を訴えました。
 しかしながら、なかなかこの施策が実現しなかったわけでありますけれども、今申し上げたような危惧は、三・一一の東日本大震災のときに現実のものとなりました。約三百五十万人ともいわれたあの帰宅困難者の長蛇の列の中に多くの障害者が含まれておりました。中には、翌日、自宅とかけ離れた地域で保護されていたことがわかった、こんなことも起きております。
 都は、このこと、この事態を機に、都議会公明党の提案に応えて、平成二十四年から二十六年度の三年間で、各区市町村を支援する形で都内共通のヘルプカードの普及に取り組んでくれました。
 今手元にありますけれども、障害の種別によらず、このヘルプカードを都が十分の十補助をして、区市がこれをつくる。そして、これの中身については、区市で工夫をして、そしてまた、家族で工夫をして、この中に支援してほしい内容を書き込んでいくわけであります。
 そこで、特別支援学校においては、生徒が在学中に防災教育の中で、このヘルプカードの使い方を学習する取り組みを進めるべきと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○金子指導部長 現在、各都立特別支援学校におきましては、児童生徒に緊急連絡カードを携帯させ、困ったときには周囲の人にカードを見せて助けを求めるよう指導を行っております。
 今後、ヘルプカードの普及が進むことを踏まえまして、都教育委員会は、従来の緊急連絡カードに加えまして、ヘルプカードの利用に関する事業計画を新たに作成して、各学校に周知するなど、安全指導の充実や家庭との連携強化を図ってまいります。
 また、障害のある児童生徒の安全を確保するためには、障害のない人の理解と協力が不可欠であることから、各学校が地域住民に対して、ヘルプカードの周知を計画的に行うことができるよう、校長連絡会や安全教育担当の教員を対象とした連絡会などで必要な指導助言を行ってまいります。

○伊藤委員 このヘルプカードですけれども、全区市町村の中で、都のつくったこのヘルプカード、これじゃないカードで取り組みを既に進めているところ等もあるようでございます。つまり、これをつくらないところもあるようでありますので、また、特別支援学校に通う生徒に配布されていないということも考えられます。
 そうしたことを踏まえて、ぜひ今後は、それぞれの特別支援学校ごとで、よくこのカードを持っているのか持っていないのか聞いていただいて、ない区市から来ている生徒さんには、特別支援学校の名前を入れてあげて、この共通のヘルプカードをぜひ活用していただきたいと思います。
 そしてもう一つは、この中には、先ほど申し上げたとおり、個人情報が書かれておりますので、学校在学中に、こうした、先ほどの緊急連絡カードもそうですけれども、ヘルプカード、大事なことが書いてあるよということで、これは本当に必要なときに使うものなんだよということを教えていただきながら、使い方も十分に学習できるようにしていただきたいというふうに思います。
 ヘルプカードに続きまして、特別支援教育について質問させていただきます。
 まず、特別支援教室でありますけれども、特別な支援が必要な子供たちが増加しているのは明らかであります。
 都はこれまで、通級学級の制度を進めてきたところでありますけれども、私のもとには、保護者からは、その通級学級に通う子の送り迎えのために定職につくことができない、こういう相談。また、ある子供さんからは、友達から、おまえ時々いなくなるんだよなということで、ちょっといわれたくないことをいわれて、学校に行きたくなくなってしまった、こんな声も多く聞いてまいりました。
 今は、どの学校、どのクラスにも特別な支援が必要な子供がいるということは事実であります。こうしたことから、都議会公明党は、通級学級のような機能を全ての学校で担えるよう求めてまいりました。
 都は、平成二十四年からモデル事業を開始して、課題と成果をまとめて、来年度からこのガイドラインを周知していく、こういう取り組み、そしてまた、二十八年度からは本格実施するとのことであります。
 私は、過日、狛江市の特別支援教室の取り組みを視察してまいりました。本当に特別支援教室の中で、輝く目で一生懸命学習に取り組んでいる児童の姿と、そしてまた、何より大事だなと思ったことは、特別支援教育を行える教員であります。特別支援教育を行える教員を育成すること、この重要性を感じました。
 この二十八年度から本格実施ということでありますけれども、人材は急には育ちません。このときの教室を展開する上で、巡回指導をする先生方の専門性を高めるために、育成に今から取り組むべきというふうに思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○松川特別支援教育推進担当部長 小学校の特別支援教室におきまして巡回指導を実施するに当たりましては、担当教員の発達障害教育に関する専門性を高めることが重要でございます。
 モデル地区では、巡回指導教員に対して、学習障害やADHDなどの障害特性に応じた指導内容、方法に関する研修を実施しております。
 また、ベテラン教員と若手教員が一緒に巡回指導を行い、OJTによる育成を図っておりまして、昨年度、指導を受けた若手教員が今年度は指導的立場になるなどの成果が報告されております。
 さらに、都教育委員会は、区市町村教育委員会などの依頼に基づき、都立特別支援学校の教員を研修会や各学校に派遣し、巡回指導教員に必要な助言を行っております。
 これらの取り組みを進めることによりまして、平成二十八年度からの特別支援教室の順次導入に向け、専門性の育成に努めてまいります。

○伊藤委員 ぜひ、本格実施に向けてさまざまな心配をされていらっしゃる先生方、また、保護者の皆さんがいらっしゃるようでありますので、先ほど申したとおり、人材は急には育たないというふうに思います。しっかりと着々とこの特別支援教育を行える先生方のレベルを上げていただきたい、このように思います。
 次に、特別支援学校における放課後等活動推進事業について質問いたします。
 都内公立学校の通常学校に通う児童生徒は、学校が終わると、いわゆる学校をさようならして家に帰ると自由に行き来をして、また、放課後子供教室の推進によって小学生の放課後の居場所づくりも進んでおります。こうしたところでは、異年齢で集団遊びをするなど、さまざまな活動が展開しております。
 通常学校に通う子供たち、先ほど申したとおり、学校をさようならといって家に帰ると駄菓子屋さんに行くのも自由ですし、塾に行くのも、習い事に行くのにも、こうした放課後子供教室に行くのも、選択肢が多々あるわけであります。
 一方、特別支援学校に通う児童生徒は、学校が終わるとほとんどの児童生徒はスクールバスで下校して、そのまま真っ直ぐ帰宅する毎日であります。
 私は前職、児童福祉施設の指導員でありました。まさにこうした放課後の居場所等、子供たちを支える仕事をしていたわけでありますけれども、公園等で集団遊びをしているその横の大きな通りをスクールバスが通る。そのスクールバスには、当時は何々養護学校と書いてありましたけれども、そのバスを見るたびに、この通常学級に通う子供たち、そして当時の養護学校に通う子供たちに差別があってはいけないというふうにそのときから思っておりました。
 こうしたことから、都議会公明党は、障害がある子供たちにも放課後の居場所づくりを進めるべきと求めてまいりまして、都に東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画の中にそのことを盛り込んでいただきました。
 そこで伺いますけれども、現在、特別支援学校における放課後等活動推進事業について取り組み状況を伺いたいと思います。

○前田地域教育支援部長 都立特別支援学校における放課後等活動支援事業には、都が単独で実施する放課後等活動支援推進事業と、国の補助事業である放課後子供教室推進事業の二つの事業がございます。
 都が実施する事業は、国の補助事業への円滑な移行を目指し、保護者や地域住民等がみずから事業を実施できる体制を確立するための準備事業であり、平成二十六年度は四校で実施しております。
 都の事業を経て、保護者や地域住民等による実施体制が確立した学校では、国の補助事業に移行して主体的に事業を運営しており、平成二十六年度の実施校は十一校でございます。

○伊藤委員 モデル事業が開始されたときには、まだ一校、二校であったのが、随分の学校が取り組んでいただいているんだなということの、取り組み状況はよくわかりました。
 その中で、具体的な活動と特色のある取り組みについて伺いたいと思います。

○前田地域教育支援部長 都立特別支援学校の放課後子供教室は、地域や大学などの協力を得て、障害の特性を理解した人材を活用し、平日の放課後、土日や長期休業中に多様な体験や交流活動の機会を提供しております。
 特色のある取り組みとしては、視覚障害のある児童生徒等を対象に、盲導犬と触れ合う体験合宿や、晴眼者とともに乗る二人乗りのタンデム自転車講座のほか、大学の施設で実施するクライミング講座などがございます。
 また、障害者の身体運動を支援するNPOの協力を得て、肢体不自由児童生徒のトランポリン活動を行っている事例や、知的障害のある児童生徒のために、地域の人材やNPOなどと連携して、パソコン、造形、フラダンス、風船バレーなど、さまざまなプログラムを行っている事例など、それぞれの教室が工夫を凝らしながら、多彩な活動を実施しております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 学校によっては、放課後取り組んでいるところもあるし、学校の長期休業期間に取り組んでいるところもある。また、土日についてもやっているところがあったり、また、内容も非常にさまざま、バリエーションのあることに取り組んでいただいているということでございました。
 特別支援学校において、そうした放課後の活動がさらに多くの学校で、また、内容も充実していくことを望むわけでありますけれども、今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○前田地域教育支援部長 都教育委員会は、放課後等活動支援事業において活動している組織の代表者による普及検討委員会を通じて、先進的な取り組みの事例報告や活動の成果、課題などについての情報共有を行い、各校における取り組みの充実に生かしております。
 また、各校の活動状況を本年度からホームページに掲載し、ほかの学校や都民に向けて情報を発信し、普及啓発に努めております。
 さらに、校長会などの機会を活用し、本事業の積極的な導入を呼びかけております。

○伊藤委員 それでは次に、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの活用について伺いたいと思います。
 学校には、さまざまな子供がおります。また、問題もさまざまであります。こうしたことを解決するのが非常に困難なことも多々あるわけであります。こうしたことを全て学校の教員の先生に求めることは難しいわけでありまして、スクールカウンセラーの配置が拡充されてきたところであります。
 そこでまず、スクールカウンセラーが全校配置に至った経緯と現状について、また、改めてスクールカウンセラー配置の目的と職務内容について伺いたいと思います。

○金子指導部長 スクールカウンセラー活用事業は、平成七年度に小中高等学校合計四校からスタートいたしまして、平成十五年度からは都内全公立中学校に配置するなど、順次拡大を図ってまいりました。
 平成二十五年度からは、都内全公立小中高等学校へ配置しておりまして、平成二十六年度は二千百十二校においてスクールカウンセラーが週一回、年間三十五回勤務しております。
 スクールカウンセラーの配置の目的は、いじめや不登校の未然防止や解決、学校内の教育相談体制等の充実を図ることでございまして、職務内容といたしましては、児童生徒へのカウンセリング、教職員や保護者に対する助言や援助などとなっております。

○伊藤委員 拡充されてきたこのスクールカウンセラー事業でありますけれども、その成果と、また都教委が認識していらっしゃる課題について伺いたいと思います。

○金子指導部長 スクールカウンセラーの配置によりまして、さまざまな悩みを抱いている児童生徒が心理の専門家であるスクールカウンセラーに相談したり、支援を受けたりすることができる環境が整備され、問題行動の未然防止や早期解決が図られるようになるなどの成果が見られております。
 特に平成二十六年度からは、いじめの防止等の対策の一環といたしまして、全ての配置校において、小学校五年生、中学校一年生、高校一年生を対象としたスクールカウンセラーによる全員面接を実施しております。
 学校からは、実施後に子供がスクールカウンセラーに相談することが多くなったり、スクールカウンセラーが、一人一人の子供の変化に気づきやすくなったなどの報告を受けております。
 一方で、問題の解決に向けた教職員とスクールカウンセラーの連携が必ずしも十分に行われていない状況もあることから、今後、学校がスクールカウンセラーの専門性を最大限に活用して、組織全体で子供の問題行動等に対応できるよう学校の体制を一層強化することが重要でございます。

○伊藤委員 ご答弁にあったとおり、成果もしっかりと残していらっしゃる。
 また一方で、先ほども教職員とスクールカウンセラーの連携ということでの課題も例として出していただきましたけれども、こうした課題もあるということで、ぜひともこのスクールカウンセラー事業、こうした課題もしっかりと解決していっていただきたいというふうに思います。
 また、これは実際に子供たちからお話を聞くと、このスクールカウンセラーの先生が週に一回学校に来てくださるわけですね、一つの学校に。ところが、子供たちの声からは、自分が相談したいときにはいないんですね。これは非常に多くの家庭から聞かれる声であります。
 今後、ぜひ多様な専門家も活用して、さらにこうした子供たちのカウンセリング事業を拡充していっていただきたいというふうに思いますし、また、現場の先生方からも、このカウンセリング事業、学校現場、そしてまた、子供というものをよくわかっている、そうした経験が非常に大事であるという声も聞いております。
 ぜひとも、経験豊富な人材の活用を今後拡充していただくよう検討していただきたいということを求めておきたいと思います。
 先日の新聞報道でもありましたけれども、子供の貧困が社会的な課題となっております。また、学校現場では、この子供の貧困の問題は、潜在しているというか、表になかなか出てこない問題もあると思います。
 先ほど申し上げたとおり、学校現場ではさまざまな子供がいる。そしてまた、問題を抱えている。中には、福祉的側面から支援が必要な子供たちもいるわけでありまして、そうした観点から、スクールソーシャルワーカーの配置が進んでいるところであります。
 そこで、このスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーが連携していくことが重要であると思いますけれども、この連携について、都はどのような取り組みを行っているのか伺いたい。そしてまた、今後の区市町村におけるスクールソーシャルワーカーの配置拡大について都教委の見解を伺いたいと思います。

○金子指導部長 スクールカウンセラーが不登校傾向の中学生と面談したことをきっかけといたしまして、スクールソーシャルワーカーが子供を学習支援のためのサポート機関につなぐとともに、保護者の就労に向けた支援を行った結果、子供を取り巻く環境が改善され、登校できるようになった事例などがございます。
 都教育委員会は、こうした効果的な連携事例を紹介するリーフレットを作成するとともに、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの合同研修会を開催するなどいたしまして、互いの連携が推進されるよう支援しております。
 また、都教育委員会はこれまでも、スクールソーシャルワーカーを活用する区市町村の拡大を図ってきており、今後、配置を希望する区市町村がスクールソーシャルワーカーを活用できるよう、支援を一層充実してまいります。

○伊藤委員 私から、最後に、島しょ高校の充実について伺いたいと思います。
 私は、過日、御蔵島を訪問いたしまして、さまざまな課題を聞いてまいりました。少子高齢が進む中で、この御蔵島に住む子育て世代の中に、子供の進路、また、将来に向かって内地の高校に行かせるため、その子供さんと母親が一緒に内地に出てくる。そのときに、その子供さんの下の兄弟も、母親と一緒ですから、一緒に出てくるということで、一人出ていくごとに兄弟もみんな外に出てしまうと。一人残されたお父さんになりますが、お父さんもやがて、やっぱり子供とお母さんのところ、奥様のところということで内地に行ってしまって、どんどんどんどんこの少子高齢が進んでいく。
 非常に私は、この話を聞いて、教育行政と島しょの発展、また、逆に衰退は一体である、このように思いました。
 これは、今、御蔵島の話は、八丈島でも同じ話を聞いてまいりました。先ほどの答弁にもありましたけれども、島の各校の充足率は非常に厳しい。七校中六校が充足率、定員に対して四割程度、中には一割、あるいは三割に満たないところもあるということであります。
 そこで伺いたいんですが、都教委は、島しょ部にある都立高校の課題をどのように捉え、またその要因をどのように考えているのか伺いたいと思います。

○早川都立学校教育部長 本土の生徒を受け入れることが可能な寄宿舎を持つ大島海洋国際高校以外の島しょ部の都立高校六校は、現在も定員を充足しておらず、各島の教育人口推計によりますと、今後も充足する可能性は低いと見込んでおります。そのため、生徒間で競争意識が生まれにくく、学校の活性化を阻む原因の一つとなっております。
 活性化を図るには、本土から島しょ部の高校への進学者をふやす必要がございますが、その実現には、島の高校の魅力づくりや島ならではの学習環境の充実など、実態面の課題がございます。
 また、本土から進学を希望する際は、保護者とともに島に転居することが原則となっておりまして、親権者である保護者を伴わない生徒のみの転居では進学することができないという制度面の課題があると認識しております。

○伊藤委員 私は、御蔵島に続いて先日、小林議員とともに、島根県海士町にあります島根県立隠岐島前高校を視察してまいりました。
 この海士町でありますけれども、小さな島でありますが、夕張のときのあの時点と同じ、財政破綻寸前、この島をどうするんだということを行政、そして島の人たちと一体になって立ち上がっていく。その中に、教育行政が入っておりました。
 島根県立隠岐島前高校では、寮を設けて、全国から生徒を受け入れておりました。北海道から来た生徒もいました。そして、何と東京都から行っている生徒さんもおりました。積極的に島留学をアピールしている状況でありました。
 この学校では、着々と学力も高まっておりまして、廃校寸前の学校でありましたけれども、今や東京の六大学への合格者を出すまでに至っております。
 全国の生徒と島出身の生徒がお互いに切磋琢磨することで、島の生徒、ひいては島全体がこの高校生たちをみんなで支えていることを誇りとしておりました。
 同じ離島を抱える東京都においても、都立高校の活性化は、島しょ振興にも直結するものであります。そこで、都教委は、島の町村と連携しながら、東京版島しょ留学など、島しょにあるこの都立高校を活性化させていくべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会といたしましては、島しょの高校を活性化して、島の内外で活躍できる人材を育成することは、地域振興の一助になるものと考えております。
 現在、委員お話しの島根県の隠岐など、本土の生徒を受け入れている公立高校がある離島と教育委員会、島しょ町村及び島しょの都立高校関係者がともに訪問いたしまして、受け入れ状況やその効果、課題などの調査を行っております。
 島しょにある高校の活性化には、島しょで教育を受けることのさらなる魅力づくりや生徒の受け入れ方法、また、入学者選抜制度など検討事項が多岐にわたることから、他県での調査結果も踏まえまして、関係者間で課題整理を行いながら、協議を進めてまいります。

○伊藤委員 どうか伊豆諸島、そしてまた小笠原は東京都の大事な財産であります。このそれぞれの島を発展させ、振興させていく、この起爆剤は、私は教育にある、このように思います。どうか教育長を先頭に、教育庁全力で頑張っていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。終わります。

○山崎委員 私の方からは、二つほど質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、国際社会で活躍できる人材の育成について伺います。
 社会の環境が日々変化する時代にあって、国際競争力を高め、そして世界で勝てる東京、日本を創成するためには、国際社会で活躍し、世界の発展に貢献することのできる若者の育成に一層積極的に取り組んでいかなければなりません。
 そこで我が党は、これまで高校生の留学や海外の大学への進学について提言し、都独自の留学制度や国際バカロレアの認定を目指す取り組みを実現させてきました。
 留学制度はもちろん、次世代のリーダー育成道場であり、また、国際バカロレア認定を目指しているのは都立国際高校ということであります。
 また今後は、六年を切ったオリンピック・パラリンピック開催を見据え、使える英語力--この使える英語力というのは、やはりみずからの考えを主張できる力、そして多様な文化や価値感を持つ人々と協調して課題を解決できる力、こうした力を伸ばしていくと同時に、世界に積極的に挑戦する意欲、チャレンジする、こうしたことを伸ばしていく取り組みを一層強化していくことが必要であると考えます。
 そこで、お伺いいたしますが、国際社会で活躍のできる人材の育成に向けて、都の教育委員会の今後の取り組みについてお答えください。

○鯨岡指導推進担当部長 都教育委員会は、英語力を向上させるために、少人数指導の充実や外国人指導者の活用を図るとともに、日本や東京の魅力を理解した上で、みずからの考えを論理的に表現する力を伸長させるために、新たに東京都独自の英語教材の開発に取り組んでまいります。
 また、都独自の留学制度である次世代リーダー育成道場や、都立高校生を対象としたJICAと連携した体験研修の実施などの取り組みを一層充実させてまいります。
 小中高校の各段階を通じて、これらの取り組みを総合的に展開していくことにより、国際社会で活躍できる人材を育成してまいります。

○山崎委員 答弁ありがとうございます。
 最後にいわれた小中高の各段階を通じて--この段階を通じてということが非常に私は大切だと思います。小学生は小学生、中学生は中学生、高校生は高校生という、その段階に応じた、やはり総合的な展開をぜひこれからも推進していただきたいことをお願いさせていただきたいと思います。
 次の質問でございますが、オリンピック・パラリンピックの教育についてお伺いしたいと思います。
 現在の我が国では、都市間交流というものが国でも、そして地方自治体などでも、また民間でも、さまざまな団体でとり行われております。
 その中でも、オリンピック・パラリンピックという、この二〇二〇年大会があるという大義があると、なお一層それが充実していくことは間違いがありません。当たり前のことですが、このオリンピックを通じて、我々の文化を世界中の皆さんに知ってもらうことも非常に大事であり、また逆に、他国の文化などを知る大きなチャンスだと私は思います。
 その中で、子供たちだけで都市間交流というものは、やはり難しいものがあります。インターネットやSNSなどもありますけれども、子供たち同士ではなかなかそれが難しいという形であります。やはりそうした都市間交流というもの、子供たちが進めていくようなものを、私たち大人がしっかりと初めの扉を開いてあげて、そして道筋を立ててあげることが我々の役目だと思います。
 そこで、教育プログラムの一つである一校一国運動は、子供たちが主役となって開催地と参加国の学校同士が心温まる交流を行うものであり、オリンピックの開催に伴って、さまざまな開催都市で行われてきました。
 この一校一国運動でございますが、これは一九九八年の長野冬季オリンピック、冬季大会のときに、長野市の学校から始まった世界に誇るべきオリンピックのレガシーの一つだと私は思います。
 例えば二〇二〇年の大会における一校一国運動は、もちろんこの取り組みを実施してもらいたいと思いますが、やはりさらなる充実を図るべきだと思います。
 そこで、学校のみならず、学校だけではなくて、学校には学区域制がもちろんありますから、そういった中で、その学校の地域の例えば町会や自治会、そして保護者やPTA、こういった人たちにも、子供たちがやっている一校一国運動の中に参加していただいて、その地域が、また、みんないろんな人たちが集まれば、さらにそれが盛り上がると思いますし、そして必ず、地域の活性化や、大人や子供の世代間の交流にもつながるものと私は確信いたします。
 また、地域と参加国との交流は、他国の文化を尊重する精神や子供たちの郷土愛の深まりにも貢献するものではないかと考えます。
 そこで今後、学校においてオリンピック・パラリンピック教育を進めていくに当たっては、地域とともに取り組む視点も必要ではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。

○鯨岡指導推進担当部長 今後、学校におけるオリンピック・パラリンピック教育を推進していくに当たり、例えば学校と地域が連携を図り、競技会場の選手のおもてなしをしたり、参加国や選手をともに応援するなどの取り組みは、地域の人間関係を豊かにし、児童生徒にとっては郷土への愛着が深まる有意義な体験になるものと考えます。
 このため、地域と連携したオリンピック・パラリンピック教育のあり方につきましては、今後策定する教育プログラムに反映できるよう、十月に設置いたしました東京オリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議において十分検討してまいります。

○山崎委員 これから有識者会議でしっかり検討していくという答弁をいただきました。
 もちろん、その一校一国運動の中では子供たちが主役であります。ですから、そこに、地域のいろんな大人たちが参加して、そしてマイナーといったら失礼ですけれども、余り知られていない、そういった国の応援をすることによって、それがまた、その国とその地域がつながっていく。
 日韓の二〇〇二年のワールドカップのときに、その都市間交流がいまだに九州の方の地域で、この間のワールドカップでも、また同じように応援をしているような、そういうことにもつながってくる。私はすごい大事なことだと思います。
 ぜひ、子供たちだけじゃなくて、地域を盛り上げるというその一端となる地域の大人や、またPTA、そして地域の町会や自治会、そういった人たちも含めて、今回は一校一国運動を取り上げていただければと思います。
 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。

○鈴木委員 私から、初めに防災教育について伺います。
 首都直下地震などに備え、都民一人一人が適切に対応できるよう、都は各家庭における防災指針となる防災ブックを作成することとしています。
 我が党は、ことしの第二回定例会の代表質問におきまして、都が作成する防災ブックを活用して、家庭と連携した防災教育を充実させることの必要性を訴えました。
 これに対して教育長からは、これまで作成した補助教材に加え、防災ブックを活用した授業を行うなど、学校と家庭が一体となった防災教育を一層充実するとの答弁をいただきました。
 そこで、防災ブックを各家庭で有効に活用し、児童生徒の防災教育に生かす取り組みの進捗状況について伺います。

○金子指導部長 総務局が作成し、各家庭に配布されます防災ブックを有効に活用するために都教育委員会は、都内の全公立学校の児童生徒が家庭で保護者とともに防災への備えや避難経路を確認する学習などを行うための教材作成を計画しているところでございます。
 具体的には、本年中に教材の内容を検討するための組織を立ち上げ、小学生から高校生まで全ての児童生徒が防災ブックの内容を理解し、具体的な行動に結びつけることができるよう、児童生徒の発達段階に応じた教材を作成してまいります。

○鈴木委員 防災ブックを活用した取り組みは、子供が家族とのきずなを深めて、安全のために自分に何ができるかを考えることにつながると思います。ぜひ、子供たちの学習に有益な教材となるよう作成していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、全ての都立高校には、生徒が組織する防災行動支援隊が置かれて、自分の学校の避難訓練の企画運営の補助について活動を行い、地域の防災訓練に参加したりしております。
 また、全校で一泊二日の宿泊防災訓練が行われています。中でも、自衛隊駐屯地での宿泊訓練はとても重要であると考えます。なぜならば、私自身、二十年間の府中市消防団での訓練の基本は規律訓練でございました。俊敏な動作や大きな声を出すことは、非常時である火災現場や災害現場で自分の身を守って、なおかつ危険を多くの方たちに伝える必要があるからでございます。
 自衛隊での訓練は、ふだんの訓練では体験できない貴重な訓練でございます。このような活動は、災害時に自分の身を守って、他者や社会の安全に貢献できる共助の取り組みとして大変すばらしいものでございますので、ぜひとも推進をよろしくお願いします。
 先日、私の地元の府中市内の公立中学校を会場とした防災訓練を見る機会がございました。小学生や中学生もそれぞれの発達段階に応じた共助のための取り組みを行うことができると思いました。実際に、炊き出し訓練のお手伝いを行っておりました。
 そこで、自助、共助、公助のうち、小中学生が災害時に他者や社会の安全に貢献できる共助の資質や能力を育てるために、都教育委員会はどのような取り組みを行っているのか伺います。

○金子指導部長 小中学校におきましては、他者や社会の安全に貢献できる共助の資質や能力を育てるために、児童生徒の発達段階に応じまして、消防等への適切な通報の仕方、応急手当ての技能の習得、災害時におけるボランティア活動への参加の意義などにつきまして理解を図る取り組みを行っております。
 都教育委員会は、こうした取り組みを一層充実するため、すぐれた取り組み事例を都内公立学校全教員に配布する安全教育プログラムに掲載するとともに、各学校の教員が参加する学校安全教室指導者講習会で紹介しております。

○鈴木委員 次に、不登校、中途対策について伺います。
 私は、地元府中市の小中学校や不登校の児童生徒が通う教育支援センター、いわゆる適応指導教室において、不登校の児童生徒にどのように対応すべきか懸命に努力されている先生方や保護者の方々の姿を目にしております。
 無理やり登校させるわけにはいきませんし、ほっておくわけにもいきません。なぜ学校に行きたくないのか、児童生徒本人が思いを口にしないケースも多いようですから、いろいろな方法で要因を探り、対応策を模索しておられました。
 そこでまず、都内の公立小中学校において、どのくらいの児童生徒が不登校になっているのか、また、不登校に至った主な要因についてお伺いいたします。

○金子指導部長 文部科学省が毎年度、全国の学校等を対象に実施しております児童生徒の問題行動等に関する調査では、不登校を児童生徒が病気や経済的理由を除いて年間三十日以上欠席することと定義しております。
 この調査によると、平成二十五年度の都内公立小学校における不登校児童数は二千三百六十六人で、全児童数に対する割合は〇・四三%、同じく中学校における不登校生徒数は七千百六十四人で、全生徒数に対する割合は三・〇三%でございます。
 また、これらの児童生徒が不登校となったきっかけと考えられる状況といたしまして、本人の不安など情緒的混乱や無気力、学校における友人関係をめぐる問題などとなっております。

○鈴木委員 答弁により、全体で九千五百人もの小中学生が不登校の状態にあり、さまざまな事情を抱えて学校に行けない状態になっているとのことですが、一人一人事情が異なれば、その対応は困難をきわめておるところだと思います。
 不登校をなくすことは難しいかもしれませんが、まず不登校を少なくする努力をすることが必要だと思います。そのためには、児童生徒を日ごろからよく観察して、ほんのちょっとの変化にも気づいて、早い段階から対応することが不可欠です。
 その上で、不登校になってしまった場合には、学校、家庭、地域、専門家などが連携し合って、個々の子供に合った対処を丁寧に行っていくことが大切だと思います。
 そして、こうした対策は、小学校にとどまることはありません。不登校の生徒数が多くなる中学校、そして高校へとつながっていくわけです。小学校から中学校に進学する際などに、連携して対策を講じていくことも必要だと考えます。
 そこで、不登校問題に対応するため、小中学校ではどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○金子指導部長 各小中学校におきましては、学級担任等が不登校の児童生徒との継続的なかかわりを通して、不安や悩みの解消のための支援や個別学習指導を行うとともに、スクールカウンセラーが子供の心理の専門家の立場から、児童生徒や保護者の相談に当たるなど、未然防止や早期解決に向けた取り組みを行っております。
 また、不登校の小中学生のために、区市町村教育委員会が設置している適応指導教室では、学習指導、心理面からの相談、人間関係づくりや自己有用感の育成につながる体験活動などを通しまして、学校復帰のための支援を行っております。
 さらに、不登校の小学生が中学校に進学する際に、子供への対応経過や変容などを記録いたしました個別適応計画書を小学校から中学校に引き継いで活用するなど、小中学校が連携して不登校の児童生徒への継続的な支援を行っております。

○鈴木委員 答弁により、各学校でさまざまな工夫をされていることがよくわかりました。
 小中学校の取り組みを充実するため、都教育委員会ではどのような支援を行っているのか改めてお伺いします。

○金子指導部長 都教育委員会は、これまで不登校問題に対応するために、都内の全公立小中学校にスクールカウンセラーを配置するとともに、学校だけでは解決できない問題について福祉面からの支援を行うスクールソーシャルワーカーを活用する区市町村の拡大を図ってまいりました。
 また、区市町村教育委員会の不登校問題の担当者を対象とした連絡協議会、不登校の中学生と保護者を対象とした進路相談会、教員や不登校児童生徒の保護者等を対象とした不登校・若者自立支援フォーラムなどを開催するなどいたしまして、小中学校の取り組みを支援しております。

○鈴木委員 ぜひ、小中高と連携した支援を行い、一人一人の実態に合った効果的な対策を講じていただきたいと思います。そのためには、こうした児童生徒に適した支援のあり方、また、教育のあり方について、さまざまな視点から多角的に検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 さらに、高校においては、学校生活にうまく適応できなかったり、また、別の進路を希望するなどの理由から、高校を中途退学してしまう生徒もおります。中退後は、自宅で特にやることもなく日々を過ごしている生徒もいるのではないかと思います。
 そこで、都立高校の中退者数と中退後の進路についてお伺いいたします。

○金子指導部長 平成二十五年度の都立高校における中途退学者数は三千二百一人で、その内訳は、全日制が千五百四十二人で、全生徒数に対する割合は一・二%、定時制が千六百五十九人で、全生徒数に対する割合は一一・八%でございます。
 また、中途退学後の進路は、アルバイトをしている者、会社等に就職している者、家事、家業の手伝いなどの合計が約四〇%、学校等に編入学、再入学した者や受験準備をしている者が約三〇%、通学や就職等をせず、何もしていない者が約三〇%となっております。

○鈴木委員 答弁により、毎年三千人以上の生徒が中退しているとのことですが、せっかく都立高校に入学しても、これだけの数の生徒が卒業していないことになります。
 また、退学後、何もしていなかったり、また、アルバイトなど不安定な就労を余儀なくされていたりする、いわゆるニートやフリーターも多いようです。
 こうしたことから、都教育委員会は、中退した生徒に対して継続して支援をして、また次の就学や就労に結びつけていく事業をモデル的に実施しておりますが、事業の内容についてお伺いいたします。

○前田地域教育支援部長 この事業は、都立高校在学中の生徒の進路を決定するための支援、中途退学の未然防止、さらに進路未決定の卒業者や中途退学者に対する切れ目のない支援を目指し、昨年度から三年間のモデル事業を都立高校十校で実施しております。
 具体的には、若者支援に実績のあるNPOの職員を都立高校に派遣し、教員と連携しながら生徒との個別面談などを行い、就労を初めとした進路の決定につなげております。また、地域若者サポートステーションなどの関係機関とも連携しながら、中途退学者などに学校を離れた後も一定の期間、就労支援に関する情報提供などを行っております。
 今後、モデル事業の成果を踏まえ、支援体制を整備するなど、本事業を拡充してまいります。

○鈴木委員 不登校や高校中退を経験した生徒は、本当に挫折感を味わっていることであると思います。
 しかし、十代の若者に人生を諦めさせてはいけない、そのように私は思います。たとえ不登校になったり、高校を中退したりしても、再チャレンジする機会を用意し、将来の自立に向けて、継続して支援していくことが大切だと思います。
 このため、高校中退した後も、関係機関と連携して、切れ目のない支援を行っていく本事業は高く評価できます。さらなる取り組みの充実を要望いたします。
 さて、子供の志と夢を育み、自分の人生を組み立てていく力を身につけさせることは、学校教育の務めでございます。児童生徒に社会の一員として何ができるかを自分自身で見つけることができるよう、必要な力を習得させる教育の推進が大切なところでございます。
 そこで、キャリア教育についてお伺いいたします。
 キャリア教育の実施に当たっては、学校のみならず、企業や団体、地域などと連携を図りながら、体験的に学ぶことが効果的だと思います。都教育委員会は、小学生や中学生を対象に企業等による体験型講座を、都立高校生を対象に社会的、職業的自立支援教育プログラムを企業等と連携して実施しております。
 そこでまず、今年度から実施している企業等による体験型講座の成果と今後の展開についてお伺いいたします。

○前田地域教育支援部長 企業等による体験型講座では、企業、NPOなどによる二十の講座を開講し、約五百名の児童生徒が受講する様子を--約二百名の教員、コーディネーターなどが参加しました。
 本講座に参加した多くの教員からは、授業風景の見学や企業などとの情報交換を通して、今後、外部の人材を活用した事業を導入していきたいとの声が寄せられました。
 今後、さらに内容を充実させて、学校への外部資源の活用を促してまいります。

○鈴木委員 次に、企業、NPO等と連携した社会的、職業的自立支援教育プログラム事業を昨年度から実施しておりますが、この事業の成果と今後の展開についてお伺いいたします。

○前田地域教育支援部長 本事業は、社会貢献事業に積極的に取り組む企業やキャリア教育支援で実績があるNPOなどとの連携のもと、平成二十五年度は三十校、平成二十六年度は五十一校で実施しました。
 職業人インタビューや商品の企画開発など、社会や職業を実感する体験的な学習に取り組むことを通じて、生徒は、単に職業の内容を知るだけではなく、社会の一員として働くことの重要性に気づいたり、自分の進路選択についても前向きに考え始めたりするなどの成果がございました。
 今後は、内容をさらに充実させるとともに、実施校を拡大していくなど、本事業を積極的に展開してまいります。

○鈴木委員 今ご答弁をいただきました二つの事業は、児童生徒が社会や職業について体感できるものであり、大変望ましいものであると思います。今後も、ぜひ積極的に進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 さらに、企業や団体のみならず、家庭と連携した教育の実践も重要なことであることはいうまでもありません。
 私は、先日、ある著名なトランペッターのお話を聞く機会がございました。その方のお話でございますが、親は、厚いノートを用意して、子供のことで気づいたことをそのノートに次から次へと書き記しておくとよいとおっしゃっていました。また、子供に目標を持たせることも重要だとおっしゃっておりました。
 なぜそこに書くのかということは、保護者とか教員が子供の様子をよく見て、子供の適性を見出す。将来に向けた、その子供の進路について導いていくことが必要だと。その厚いノートが大事、よく見ることが大事だというお話でございました。
 私もあるところで、自分の思いだけで今まで、子供たち、もう大きくなってしまいましたけれども、接していたのかなというのをかなり反省したところでございます。
 都教育委員会また学校は、企業や団体また地域、家庭と連携しながら、子供が夢と希望を持てる教育都市東京を実現していくことをお願いして、私の質問を終わります。

○島崎委員 今回は、公立学校における指導について二点と、都立高校の入学者選抜試験採点ミス問題の改善対策について質問いたします。
 まず、十月十五日の決算特別委員会第二分科会で私が質問した、公立中学校における社会科教員による不適切な教材使用や偏向教育的授業へのその後の対応について伺います。
 この事案は、決算特別委員会の審議が始まる直前ともいえる十月七日、私の地元、武蔵野市立中学校の社会科教員が、日本海について、ごく一部の国が主張している東海という異称を併記した教材を用いて指導を行ったという情報を、その教員の指導を受けている当該中学校の生徒が書面で我が党国会議員のもとに寄せ、地元選出である私にも問い合わせがあり、とりあえず早急に対応すべきものとの立場から、決算特別委員会で質疑したものでありました。
 同質疑では、この日本海、東海併記問題について、都教育委員会より、日本海と東海を併記した地図資料、教材をこの教員が個人で購入し、本年九月二十九日から十月三日にかけて二年生全員学級の確認テストで使用したこと。
 教材の内容、表現が正確、適切であることを校長が確認し、教育委員会に届け出ることとされているにもかかわらず、この教員は校長の許可を得ることなく使用したこと。
 当該教員は、十月九日、校長立ち会いのもと、第二学年全生徒に対し、不適切な教材を用いたことを謝罪し、日本海が国際的に確立した唯一の呼称であると訂正するとともに、十月十四日からの授業で事実と反する箇所を明らかにし、修正したプリントを配布したこと。
 都教育委員会は、この事態を受け、十月十日、都内全区市町村の教育長と全都立学校長に対し、補助教材の適正な取り扱いについて通知したことなどを確認いたしました。
 ただ、私が決算特別委員会でも指摘したとおり、その生徒からの書面によると、今回の日本海、東海併記問題のほかにも、同教員については、学年で平和学習という名前で空襲や核兵器についてよく演説のようなことをしている。そして、結論として原発はだめ、集団的自衛権などは将来君たちが戦争に行くことになるといい、個人の考えや思想を決めつけ、中立的ではない。また、校外学習のときに、「第五福竜丸」の見学を絶対条件として、行く前、行った後には、核兵器はだめだから原発はだめ、戦争になるから集団的自衛権はだめと何回もいっては、感想や考えをプリントに書くようにいわれる。
 政治的なことなどは人それぞれの意見や考えがあると思うので、学校側が反対したり、意見をいうのは間違っていると僕は思うなどとの訴えも切々とつづられており、私は、もしこのような授業が本当に行われていたとしたら、これは教育ではなく、思想の押しつけであり、生徒虐待、授業の名前をかりたパワーハラスメントともいえるもので、不適切を通り越して暴挙であると申し上げ、この当該中学校生徒からの訴えにあるように、当該教員によるこのような授業があったのかどうか厳しく調査するよう都教育委員会に見解を求めました。
 この質疑で、都教育委員会からは、武蔵野市教育委員会は詳細な調査を行い、都教育委員会は武蔵野市教育委員会に対して全力で指導、助言、援助を行っていくとの答弁がありました。
 そこで、その後の詳細な調査の結果と現状について伺いたいと思います。

○金子指導部長 武蔵野市教育委員会は、事実関係の確認のため、当該教員本人に加え、生徒からの聞き取りを行いました。
 その結果、当該教員は、平成二十年度に本教材が掲載されている書籍を書店で購入し、その後、社会科の授業でその書籍の一部を使用してきたことが明らかになりました。その中には、日本海と東海を併記した不適切な地図のほか、現在の状況とは異なり、生徒に誤った知識を与える七年前の古い統計資料などが含まれていることが確認されました。
 また、本年六月、二年生の総合的な学習の時間における都立第五福竜丸展示館を見学する校外学習の事前、事後指導におきまして、原発や集団的自衛権について、ある一つの考え方だけを強調しているようにとられても仕方のない表現で指導したことが確認されました。
 当該教員は、当該の学年の生徒全員に対して誤りを全面的に訂正するとともに、不適切な教材を用いたこと、誤解されるような説明による不適切な指導を行ったことを謝罪いたしました。
 現在、武蔵野市教育委員会は、当該教員の改善の状況を把握するため、市教育委員会及び学校の管理職による継続的な授業観察を行っております。

○島崎委員 実際に当該教員が極めて不適切な授業を行っていたことが明らかになりました。指導を受けた当該中学校生徒からの訴えがなかったらどうだったのかを考えると、当該教員は誤解されるような説明による不適切な指導を謝罪したということで、一件落着とはなりません。
 とりあえずは、当該教員の改善状況の把握、市教育委員会及び学校の管理職による継続的な授業観察の経過を注意深く見守っていきたいと思います。
 都教育委員会には、今回の事案をみずからを律するための大きな戒めとして、都内の公立学校での教育が偏向なく、正確、中正、適切に行われるようしっかりと目を光らせていただくことを要望しておきます。
 さて、今の事例からも、各学校現場において学習指導要領に基づき、正しい授業を行うことは大変重要であります。その一方で、正しい授業とともに、教員が授業力を向上させて、子供がわかる授業を行っていくことも大変重要なことであります。
 学校教育法には、他の教員等に対して教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う指導教諭という職がありますが、都教育委員会でも平成二十五年度から指導力にすぐれた教員を指導教諭として任用する制度を導入し、既に都内公立学校に指導教諭が配置されていると承知しております。
 子供がわかる授業を都の全域に広めていくためには、この指導教諭を有効に活用していくことが求められております。そこで、都教育委員会は、この指導教諭をどのように活用していくのか、指導教諭の役割とあわせて伺いたいと思います。

○粉川人事企画担当部長 都教育委員会は、教員全体のプロ意識の涵養や専門性の向上を図るために、平成二十五年度から都立学校で、さらに今年度から小中学校で指導教諭を導入いたしました。
 指導教諭の具体的な職務は、自校における校内OJTとともに、他校の教員にも見せる模範授業、公開授業や、参加した教員と意見交換を行う研究協議会を通じまして、すぐれた指導の方法を伝えることなどでございます。
 指導教諭の模範授業等に参加した教員が、それぞれの所属校において校内OJTを実践することにより、子供がわかる授業を行う技法を含め、指導教諭に学んだ指導技術を各学校に広めてまいります。

○島崎委員 指導教諭のすぐれた指導力による子供がわかる授業が、都全域に広く伝わっていくことを期待したいと思います。また、指導教諭には、ぜひ正しい授業を行う模範にもなってもらいたいと思います。
 先ほどの事例のような不適切授業が行われないよう、正しい授業と子供がわかる授業の両方を実践することによって、我が国の将来を担う人材を育てていかなければならないと考えております。
 都教育委員会は、教員を適切に指導、助言するとともに、しっかりと支援していただくことを改めて要望し、次の質問に移ります。
 ことし四月、都立高校の入学者選抜において採点ミスが発覚し、その後の調査で、三カ年にわたり多数の学校で三千件を超える採点の誤りが判明、追加合格となる受検者は二十二名に上ることが明らかになりました。
 採点の誤りは、受検した生徒の人生を左右することにもつながり、断じてあってはならないことであります。本件に関し、九月中旬に再発防止改善策が公表されましたが、受検生が安心して都立高校を受検できるように、再発防止策を着実に具体化していかなくてはなりません。
 間もなく、暦は十一月下旬を迎えます。十一月も下旬を過ぎると、中学校においては卒業後の進路選択に向けて面談が行われるなど、受験に向けた本格的な準備が始まると聞いております。
 そこで、都立高校入試における採点誤りに関して、再発防止に向けた現在の取り組み状況を伺います。

○早川都立学校教育部長 採点誤りの根絶に向けまして、これまで、各都立高校に委ねられていた採点、点検方法の抜本的な改善策につきまして、都教育委員会が定める採点・点検実施要項を具体化し、都立高校の教職員に周知徹底する必要がございます。
 そのため、都立高校の副校長を委員とする採点・点検実施要項作成委員会を設置し、具体的な採点、点検方法について検討を重ねておりまして、十一月末には各都立高校に周知する予定でございます。
 また、平成二十七年二月に実施する入試におきまして、マークシート方式を試験的に導入するモデル実施校二十校を本年十月に決定し、公表いたしました。
 あわせまして、マークシート方式導入に関するリーフレットとモデル実施校で使用する回答用紙のサンプルを中学三年生に配布するとともに、都教育委員会のホームページに掲載するなど、必要な情報を逐次発信しております。

○島崎委員 改善に向けた取り組みが着実に進んでいることはわかりました。
 そこで、平成二十八年二月に実施することが予定されている都立高校入試におけるマークシート方式の全校導入に向けて、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

○早川都立学校教育部長 平成二十七年二月の入試終了後、モデル実施校におきますマークシート導入による効果及び課題を検証し、全校導入の可否を判断いたします。
 全校導入を決定した場合には、今回、試験的な導入により明らかになりました課題の解決を図り、万全の体制を学校と一丸となりまして構築するなど、受検者が安心して都立高校を受検できるよう全力で取り組んでまいります。

○島崎委員 マークシート方式の全校導入に当たっては、受検生の安心につながるように万全の準備を行っていただくとともに、二億二百万円もの予算を見積もっていることから、費用対効果についても念頭に置いて、しっかりと取り組んでいただくことを求め、質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後七時二分散会

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