ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第八号

平成二十六年六月二十日(金曜日)
第十四委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長きたしろ勝彦君
理事大松あきら君
理事大場やすのぶ君
理事川松真一朗君
松田やすまさ君
神野 次郎君
やながせ裕文君
里吉 ゆみ君
あさの克彦君
新井ともはる君
上野 和彦君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長小林  清君
総務部長桃原慎一郎君
広報広聴部長藤井 秀之君
都民生活部長森山 寛司君
消費生活部長山本  明君
私学部長武市 玲子君
文化振興部長関  雅広君
都政情報担当部長佐藤 直樹君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長濱田 良廣君
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岸本 良一君
技監安井 順一君
技監邊見 隆士君
総務部長鈴木  勝君
企画調整担当部長加藤 英典君
大会準備部長延與  桂君
準備会議担当部長浦崎 秀行君
準備会議担当部長小室 明子君
大会計画担当部長児玉英一郎君
競技担当部長根本 浩志君
輸送担当部長荒井 俊之君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
教育庁教育長比留間英人君
教育監高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長堤  雅史君
地域教育支援部長前田  哲君
指導部長金子 一彦君
人事部長加藤 裕之君
福利厚生部長高畑 崇久君
教育政策担当部長白川  敦君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長松川 桂子君
全国高校総体推進担当部長鯨岡 廣隆君
人事企画担当部長粉川 貴司君

本日の会議に付した事件
意見書について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
契約議案の調査
・第百四十六号議案 駒沢オリンピック公園総合運動場(二十六)屋内球技場・第一球技場改築工事請負契約
・第百四十七号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十六)新築電気設備工事請負契約
・第百四十八号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十六)新築空調設備工事請負契約
報告事項(質疑)
・東京都障害者スポーツセンター改修計画について
生活文化局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十号議案 旅券法の一部を改正する法律の施行に伴う旅券の申請受理及び交付等に係る事務委託の変更及び規約の一部の変更について
教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十七号議案 東京都いじめ防止対策推進条例
陳情の審査
(1)二五第一〇三号 東京都いじめ防止条例の制定に関する陳情
契約議案の調査
・第百四十三号議案 都立東部地区学園特別支援学校(仮称)(二十六)新築工事請負契約
・第百四十四号議案 都立南葛飾高等学校(二十六)校舎棟改築工事請負契約
・第百四十五号議案 都立多摩図書館(二十六)改築工事請負契約
報告事項(質疑)
・東京都いじめ防止対策推進基本方針(案)及び東京都教育委員会いじめ総合対策(案)について
・都立高等学校入学者選抜学力検査の採点の誤りに係る答案の点検結果(第一次調査)と今後の方針について

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小竹委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十六年六月十八日
東京都議会議長 吉野 利明
文教委員長 小竹ひろ子殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百四十三号議案 都立東部地区学園特別支援学校(仮称)(二十六)新築工事請負契約
 第百四十四号議案 都立南葛飾高等学校(二十六)校舎棟改築工事請負契約
 第百四十五号議案 都立多摩図書館(二十六)改築工事請負契約
 第百四十六号議案 駒沢オリンピック公園総合運動場(二十六)屋内球技場・第一球技場改築工事請負契約
 第百四十七号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十六)新築電気設備工事請負契約
 第百四十八号議案 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)(二十六)新築空調設備工事請負契約
2 提出期限 平成二十六年六月二十日(金)

○小竹委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及び教育庁関係の付託議案の審査、オリンピック・パラリンピック準備局及び教育庁関係の契約議案の調査、オリンピック・パラリンピック準備局及び教育庁関係の報告事項に対する質疑並びに教育庁関係の陳情の審査を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百四十六号議案から第百四十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いします。

○里吉委員 それでは、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場・第一球技場改築及び武蔵野の森総合スポーツ施設新築電気設備工事、空調設備工事について意見を申し上げます。
 これらの改築、新築工事は、都民スポーツ施設を拡充し、スポーツ振興に寄与するものとして基本的には賛成です。同時に、我が党が要望していたことですが、舛添知事が二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの競技場整備計画の見直しを表明し、その方向の一つとして、既存施設の活用が示されています。したがって、これらの施設の活用も十分可能性があると考えます。
 例えば武蔵野の森については、我が党の畔上議員がバドミントンに使えるとオリ・パラ特別委員会で提案をしておりますが、バドミントンは空調などの少しの風でも影響を受けるので、都民レベルの大会でも空調を切って暑い中で試合をすることもあると伺っています。
 ぜひ工事に当たっては、影響を受けないような配慮もしていただいて、オリンピックにも、都民の日常のスポーツにも使える施設にしていただくことを要望し、意見といたします。

○小竹委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○小竹委員長 次に、報告事項、東京都障害者スポーツセンター改修計画についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○三浦スポーツ施設担当部長 去る六月四日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただきまして、資料1、東京都障害者スポーツセンター利用状況でございます。障害者総合スポーツセンターと多摩障害者スポーツセンターの利用者数を平成二十一年度から二十五年度まで、施設別に記載してございます。
 一枚おめくりいただきまして、資料2、平成二十五年度東京都障害者スポーツセンター障害別施設利用状況でございます。平成二十五年度の総合、多摩の両障害者スポーツセンターの利用者数を障害別に記載しております。
 一枚おめくりいただきまして、資料3、平成二十五年度東京都障害者スポーツセンター施設別利用状況でございます。同じく平成二十五年度の総合、多摩の両障害者スポーツセンターの利用者数を体育施設や宿泊室など施設区分ごとに記載しております。
 一枚おめくりいただきまして、資料4、平成二十五年度東京都障害者スポーツセンター地域振興事業でございます。障害者スポーツセンターが区市町村や団体などと協働して行っている地域振興事業について、資料4の一枚目では、平成二十五年度の障害者総合スポーツセンター分を記載しております。
 一枚おめくりいただきまして、二枚目では、多摩障害者スポーツセンター分を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神野委員 障害者総合スポーツセンターと多摩障害者スポーツセンターは、約三十年にわたり都民の障害者スポーツの拠点として親しまれてきました。資料によると、二十五年度実績で、総合スポーツセンターは延べ二十万三千七百四十八人、多摩スポーツセンターは延べ十七万四千四百七十五人と非常に多くの方々に利用されています。
 しかし、建設から三十年近くが経過し、老朽化への対応が急務になっているほか、設備面など、必ずしも現在の利用者ニーズに合っていないなど、利用者の改修への期待も高まっているところです。
 そのような中、先日、障害者スポーツセンター改修計画が報告されましたが、改めてどのような考えで改修方針を定めたか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 今回の改修では、次のような三つの考え方に基づいて改修方針を定めました。
 まず一つ目は、施設の老朽化への対応のほか、災害時にも利用者の安全を確保し、環境にも配慮した施設とするため、安全・安心の優しい施設へと改修いたします。
 二つ目は、障害者の利便性と快適性を向上し、市区町村の今後のスポーツ施設の整備の際に参考となるよう、利用者目線の快適な施設へと改修いたします。
 そして三つ目は、二〇二〇年東京パラリンピック開催決定を契機に、さらなる障害者スポーツの競技力強化を目指し、競技力向上に資する施設へと改修いたします。

○神野委員 建設から三十年近くも経過していると、老朽化のみならず、利用者のニーズも相当変化してきているのではないでしょうか。ただいま答弁いただいたとおり、利用者目線に立って、障害のある人が使いやすい施設の改修となるよう対応していただきたいと思います。
 さて、両センターの利用者の多くは、リハビリテーションや健康増進などの目的でスポーツに取り組んでいる方々であると思いますが、現役のパラリンピックメダリストもトレーニングに利用していると聞いています。私は、二〇二〇年の東京パラリンピック開催が決まり、この障害者スポーツセンターを障害者アスリートの競技力向上の拠点として活用できないものかと考えておりました。
 パラリンピックなどの世界の舞台で活躍するアスリートの競技力向上については、基本的には国が取り組むべきことだと認識していますが、そのアスリートの中に一人でも多くの東京出身の選手が含まれることになれば、都民にとって誇らしいものです。都としても、障害者スポーツの競技力向上に取り組むべきと考えます。
 今回の改修計画に、競技力向上に資する施設へという視点が盛り込まれたことは非常に意義のあることと思いますが、具体的にどのように整備を行っていくのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京パラリンピック開催を契機に、世界の舞台で活躍する東京出身の障害者アスリートを広く育成することは、障害者スポーツの底上げにつながり、重要であると認識しております。
 今回の改修におきましては、障害者スポーツの拠点を担う障害者スポーツセンターが競技力強化の機能を発揮していけるよう、整備を行ってまいります。
 具体的には、多目的な用途に活用できるスペースの増設や、体育館の空調設備の改善、またトレーニング室の拡張など、障害者アスリートのトレーニング環境を充実させてまいります。

○神野委員 今回の改修により、競技力向上機能が確実に整備されることを強く期待します。
 より多くの東京出身の選手が世界の舞台で活躍するためには、競技力向上とともに、障害者スポーツの裾野の拡大を図っていくことが重要です。スポーツ都市東京の実現には、スポーツをしたいと思う障害者が身近な地域でスポーツを楽しめる環境づくりが求められています。
 今後、この障害者スポーツセンターの活用を含め、都として、障害者スポーツ振興にどのように取り組むのか、最後に局長の決意を伺います。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 障害のある人もない人も、誰もがスポーツに親しむ社会の実現のためには、より一層の障害者スポーツの推進が必要でございます。二〇二〇年大会を視野に入れました競技力向上機能の充実を含め、今回の障害者スポーツセンターの改修を着実に進めてまいります。
 また、障害者スポーツの裾野を拡大していくため、東京都障害者スポーツ協会の協力を得まして、市区町村と密接な連携を図りながら、身近な地域で障害のある人がスポーツを楽しむ環境づくりを進めてまいります。
 今後、障害者スポーツ振興のさらなる充実に努めまして、パラリンピック開催都市にふさわしいスポーツ都市東京の実現に向け、全力を尽くしてまいります。

○上野委員 それでは、私からも、障害者スポーツセンター改修計画について何点か質問したいと思います。
 本年の二月から三月に、ソチでのオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されました。本大会で日本国民に感動と夢を与えたことは記憶に新しいところでございます。二〇二〇年には、東京でパラリンピックが開催されることが決まり、これまで以上に障害者スポーツにも国民の関心や注目が集まっております。
 そのような中で、さきの委員会において、障害者スポーツセンター改修計画が示されました。長年にわたり、障害者スポーツの拠点として都民に親しまれてきたこのセンターが、今後とも東京の障害者スポーツの振興に果たす役割は大きいと思います。
 そこで、まず初めに、どのような背景でこの改修計画を作成されたのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 北区にある障害者総合スポーツセンター、国立市にある多摩障害者スポーツセンターとも建設から三十年近くが経過し、老朽化が著しくなっております。
 外壁のひび割れや天井からの漏水が見られるほか、空調など設備機器類の多くが耐用年数を迎えることから、改修計画を策定し、その対応を進めることといたしました。

○上野委員 三十年近くも経過していれば、利用者から見ても施設の老朽化を感じていたものと思われます。そうした中、今回の改修計画が示されたことは、利用者の皆様にとっても朗報であり、期待も大きいと、このように思っております。したがいまして、それだけ利用者の声も的確に計画に反映させた老朽化への対応をすべきだと考えております。
 そこで、改修計画はどのように決めたのかお尋ねします。

○三浦スポーツ施設担当部長 施設の劣化状況につきましては、平成二十四年度に劣化度診断調査を実施し、その結果を最大限に取り入れました。また、施設の利用状況や利用者の要望を把握するため、同じく平成二十四年度に利用者ニーズ調査を実施し、利用者の視点に立った改修内容について検討いたしました。
 加えて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定を受け、競技力向上の要素も改修計画に反映させました。

○上野委員 先日の委員会におきまして、改修方針の一つが、利用者目線の快適な施設へであると説明を受けました。施設の快適性向上は、利用者の満足度増加に直結するものであり、今回の改修においてぜひ進めていただきたいと思います。
 説明資料には、改修内容の例示として、駐車スペースの拡張や更衣室の改善とありますが、具体的にはどのような改修を行うのか説明いただきたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 今回の計画では、利用者目線の快適な施設とするため、先ほど答弁いたしました利用者ニーズ調査に基づき、施設利用者や利用団体等からニーズの高いものについて改修計画に反映させました。
 このうち駐車スペースの拡張につきましては、障害者総合スポーツセンターの駐車場について、敷地内の配置を工夫することにより、駐車台数を現行の三十三台に加え十台程度ふやす予定です。
 更衣室の改善につきましては、特にニーズの高かった家族更衣室について改善を図ります。現在、総合と多摩の両障害者スポーツセンターにある家族更衣室は、男女別の更衣室の一角を簡易な間仕切りで区切って設置していたり、間仕切りにカーテンの部分があるなど、他の利用者を気にしながら使用せざるを得ない状況があります。そこで、改修に当たっては、プライバシーに配慮し、家族更衣室をほかの部屋から独立した専用スペースとして再整備いたします。そのことにより、どの家族更衣室も快適に利用できるようにしてまいります。

○上野委員 期待する答弁で、本当に私も安心しているところでございますけれども、先月、大阪市にある障害者スポーツセンターを当委員会において視察しましたが、そのうちアミティ舞洲は特に宿泊施設が充実しておりました。部屋数も多く、受付、フロントなど、まるでホテルのような雰囲気でありました。風呂は大浴場のほかに家族風呂も備わっていましたし、部屋の中を見せてもらいましたけれども、ベッドの備えとともに、足を伸ばしてくつろぐことのできる畳敷きのスペースも兼ね備えた和洋室となっている部屋もありました。さらに、障害に応じて、ベッドからトイレや風呂への移動をサポートする介護リフトつきの部屋もありました。
 アミティ舞洲は新しく、部屋数など宿泊施設全体の規模も異なることから、単純に比較することは難しいと思いますけれども、東京都の障害者スポーツセンターの現状はどのようになっているのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 宿泊施設は、総合、多摩の両障害者スポーツセンターとも六室備わっており、部屋の定員は二人から六人部屋となっております。それぞれに和室と洋室があり、多摩には和洋室も備えています。
 入浴施設については、障害者総合スポーツセンターでは二カ所の浴場を個人のほか、家族、グループ単位で利用していただいておりますが、多摩障害者スポーツセンターでは、男女別の浴場のほかに、家族風呂を一カ所備えております。

○上野委員 都の宿泊施設についても、アミティ舞洲と比較して規模は小さいものの、和洋室や家族風呂など、利用者の視点に立った工夫をしていることがわかりました。
 障害者専用のスポーツ施設は、都内には二カ所の施設のみであります。利用者も都内各地から来所されているのではないかと思います。そこで、障害者スポーツセンターの宿泊施設の稼働率と利用状況をお尋ねします。

○三浦スポーツ施設担当部長 総合、多摩の両障害者スポーツセンターとも、宿泊施設の稼働率は約八割となっていて、多くの方に利用していただいております。
 利用状況は部屋の定員数にかかわらず、一人から二人での利用が大半を占めております。

○上野委員 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けまして、ますます多くの障害者の方々がスポーツに励み、また取り組んでいかれるものと思います。今後、障害者スポーツセンターの利用者もふえることが考えられます。それに伴って、宿泊施設のニーズもさらに高まってくることが予測できるわけであります。
 しかしながら、先ほどの答弁と、ただいまの答弁にありましたように、現状でも高い稼働率の一方で、例えば六人部屋というのもあるというお話がありました。しかし、一人または二人で利用していると。部屋の大きさが利用実態に合っていない状況もあるようであります。もっと多くの方が利用できる実態に合った工夫が必要だと思います。
 そこで、改修に向けて、今後、基本設計に入り詳細設計はこれからだと思いますので、間取りを工夫して部屋数をふやすなど、宿泊施設の改善を検討していくべきであると考えますけれども、見解を求めます。

○三浦スポーツ施設担当部長 両障害者スポーツセンターとも限られたスペースの中で改修しなければならず、宿泊施設全体の拡張は困難でありますが、委員お話しのように、各部屋の間取りや配置を工夫するなど、今後、基本設計、実施設計を行う中で宿泊の利用実態を踏まえ、施設の改善についても検討してまいります。

○上野委員 これまでの答弁によりますと、今回の改修は利用者にとってより使いやすく、魅力的な施設にするため実施するということでありますので、ぜひとも改修方針の利用者目線の快適な施設への実現に全力で取り組んでもらいたいと思います。
 次に、実際の工事に入った場合の課題について質問します。
 工事中はどうしても施設を一定の期間閉館することになると思います。私は、その間も利用者が継続してスポーツができるように対策をあらかじめ講じておくべきであると思います。
 そこで、障害者スポーツセンターの役割として、障害のある方々の健康増進や社会参加を促進させるという面もあることから、閉館期間中の利用者の受け皿をなるべく多く確保していくことも必要だと考えますが、都の所見を求めます。

○三浦スポーツ施設担当部長 両センターの改修工事実施に当たりましては、同時閉館とならないように工事期間の調整を図るほか、それぞれの閉館期間中においても利用者が継続的にスポーツに親しめるよう、他の公立施設に対して受け入れを働きかけるとともに、利用者に対し、きめ細かに情報提供を行うなど、施設閉館中の利用者対策を講じてまいります。

○上野委員 改修に当たって、一定の閉館期間が設けられることはやむを得ないと思いますが、今の答弁にあったように、利用者が閉館期間中も継続してスポーツを楽しめるよう、できる限り必要な対策を講じていただきたいと思います。
 障害者スポーツは、我が公明党が推奨するユニバーサル社会の実現に資するなど、重要な意義を持っております。今回の障害者スポーツセンターの改修により、都の障害者スポーツ振興を推し進め、障害のある人ない人にかかわらず、全ての人が暮らしやすい社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでいただきたいと、このように考えているところでございます。
 最後に、局長のその意気込みを伺い、私の質問を終わります。

○中嶋オリンピック・パラリンピック準備局長 障害者スポーツは、障害のある人とない人が相互に理解を深め、交流を広げて、お互いに尊重し合う社会の実現に大きく寄与するものでございます。
 都では、国に先駆けましてスポーツ所管部局を一元化し、障害者スポーツの取り組み体制を整備いたしました。また、全国に先駆けて策定しました東京都障害者スポーツ振興計画を現在着実に推進しているところでございます。こうした中、今回の障害者スポーツセンターの改修につきましては、今後の障害者スポーツ振興の推進力となるように取り組んでまいります。
 これらを通じまして、障害のある人もない人も、誰もがスポーツに親しむ社会の実現を目指しまして、障害者スポーツのさらなる充実に努めてまいります。

○里吉委員 それでは、私からも、障害者スポーツセンターの改修計画について伺います。
 私は先日、北区にあります東京都障害者スポーツセンターを視察させていただきました。本日、資料もご用意いただきましてありがとうございます。資料でお示しいただきましたように、本当にさまざまな障害のある方々がたくさん利用している施設だということが、視察もいたしまして、大変よくわかりました。
 今回は、二十三区と多摩地域に一つずつある障害者スポーツセンター、建築から三十年近く経過し、老朽化が著しいこと、また、利用者ニーズを踏まえて、改修工事の方向性を示したとのご報告をいただきました。
 二〇一二年十月二十四日、決算特別委員会第二分科会で我が党の畔上委員が、障害者スポーツセンターの改修に利用者のニーズはどのように反映するのかとお聞きしましたところ、利用者ニーズ調査を実施する予定とのご答弁がございました。
 そこで、利用者ニーズ調査について、その調査の概要と主な要望の内容についてお伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 障害者スポーツセンターを改修するに当たり、平成二十四年度に利用者、利用団体及び指定管理者に対し、利用者ニーズ調査を実施いたしました。サンプル数は、利用者が約四百人、利用団体が四十一団体であります。
 主な調査項目は、各施設の利用状況や満足度に加え、利用者からの要望を調査いたしました。
 調査の結果、利用者層は五十歳以上が約六割を占め、利用頻度の高い施設は、トレーニングルーム、プールであり、満足度については、ほとんどの施設において満足との回答が約七割を超えております。
 利用者からの要望では、両障害者スポーツセンター共通として更衣室の拡張、空調機器の更新が挙げられております。

○里吉委員 利用者からの要望で、更衣室の拡張や空調機器の更新が挙げられているということでしたけれども、私も利用者の方から、特にプール更衣室について要望をいただいています。発達障害や知的障害のお子さんと家族の方が利用する家族更衣室、見知らぬ家族が異性介助で相部屋になることを想定した間仕切りなど、要望が出されています。この改善について具体的にお伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 現在、総合と多摩の両障害者スポーツセンターにある家族更衣室は、男女別の更衣室の一角を簡易な間仕切りで区切って設置していたり、間仕切りにカーテンの部分があるなど、ほかの利用者を気にしながら使用せざるを得ない状況がございます。
 そこで、改修に当たりましては、プライバシーに配慮し、家族更衣室をほかの部屋から独立した専用スペースとして再整備いたします。そのことにより、どの家族更衣室も快適に利用できるようにしてまいります。

○里吉委員 再整備していただけるということですので、設備や備品など、利用者の声も聞いていただいて、使いやすいものに改修していただくようにお願いいたします。
 また、改修計画では、多目的スペースの整備とありますが、これは具体的にどのようなスペースなのか、どのような活用を想定しているのか伺います。
 また、利用者の多いプールを大きくしてほしいなどの要望も伺っていますが、コースの増設などの検討はあるのか、あわせて伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 多目的スペースは、体育館ほどの天井高は備えておりませんが、トレーニングやストレッチ、ダンスなど、多目的な用途に活用することを想定しております。
 プールにつきましては、現状の限られたスペースの中でコースを増設することは困難であります。

○里吉委員 プールについて、コースの増設は難しいとのお答えでしたが、大変利用者の要望が強いものですから、工夫できるようお願いいたします。
 それから、改修計画が具体的に示されたことで本当によかったという利用者の方の声があるんですが、それと同時に全面休館になるということについて、皆さん大変驚かれていました。改修工事の期間中、一年以上全面休館という計画なんですが、これをできるだけ短くしてほしい、またはその期間、障害者の方が通える代替施設が欲しいとの要望が出ていますが、具体的にはどのような対応を考えているのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 全面休館期間につきましては、今後、基本設計及び実施設計を行う中で、工事全体の施工期間への影響も勘案し、適切な期間を設定いたします。
 代替施設につきましては、他の公立施設に対して受け入れを働きかけるとともに、利用者に対してきめ細かに情報提供を行うなど、施設閉館中の利用者対策を講じてまいります。

○里吉委員 一般的に改修などでスポーツ施設が使えなくなれば、他のスポーツ施設を探して行くと思いますが、障害のある方はそう簡単にはいかないと思います。障害者の方の中には、毎日このセンターに通うことを日課にしている方や、リハビリの一環として通っている方もいます。
 また、現状の公立のスポーツセンターなどでは設備が合わなかったり、気兼ねしてしまうという声も聞きます。改修工事までまだ期間がありますので、この間に一部休館として順次改修ができないか、またはどうしても全面休館となるのであれば、例えば他の都立体育館施設に障害者優先の枠を設けたり、障害者スポーツ指導員などもしっかり配置するなど、代替施設について検討していただきたいと思います。
 また、代替施設として身近なスポーツセンターの活用ももちろん検討するべきだと思いますが、そのためには、施設のバリアフリー化や障害者の方が施設を利用するための支援員などがやはり必要になってまいります。視覚障害者の方は、新しい場所に行くためには一緒に連れていってくれる方が必要ですし、車椅子で移動する場合は、そこまでの道路が車椅子での通行が可能かどうかという問題もあります。きめ細やかな対応をお願いいたします。
 さて、障害者スポーツセンターの全面休館中の代替施設対策を契機に、区市町村のスポーツセンター、プールや体育館などでも障害者の方をもっと受け入れる体制を整えていただければ、障害者スポーツ振興にもつながると考えます。区市町村と協力して、これらに取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 今年度から、区市町村スポーツ施設整備費補助事業を実施し、都民が身近な地域でスポーツを行う場の拡大やバリアフリーを促進することで、障害者や高齢者など、誰もが利用しやすい環境づくりに取り組んでおります。

○里吉委員 区市町村のスポーツ施設整備への財政支援などは、私たちも要望していたことで重要ですが、この事業も発展、拡充させるなどして、障害者スポーツセンターだけでなく、身近な施設でも障害者がスポーツを楽しめるように、都としても取り組んでいただきたいと思います。
 また 、多摩障害者スポーツセンターについては、国立市が災害時の障害者の避難場所として使わせてほしいという要望が出ていると伺っております。多摩のセンターは、基本設計が再来年とまだ少し先ですから、国立市や利用者の声もよく聞いていただいて、ニーズに合った改修を進めていただくことを要望し、質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○小竹委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十号議案を議題といたします。
 本案については、説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○小竹委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、付託議案及び陳情の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
 第百三十七号議案、陳情二五第一〇三号及び報告事項、東京都いじめ防止対策推進基本方針(案)及び東京都教育委員会いじめ総合対策(案)についてを一括して議題といたします。
 なお、本案及び本件については、関連のある生活文化局の理事者にもご出席いただいております。ご了承願います。
 本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松山総務部長 去る六月四日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料(いじめ防止対策推進条例関連)の目次をお開き願います。
 目次にございますように、今回要求のございました資料は二件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、東京都におけるいじめ防止対策推進施策に対する意見についてでございます。
 東京都いじめ防止対策推進基本方針案及び東京都教育委員会いじめ総合対策案について、都民からいただいたご意見の件数を区分ごとに記載してございます。二ページから四ページまでは、いただいた全てのご意見について要旨を記載してございます。
 恐れ入りますが、五ページをお開き願います。2、東京都いじめ相談ホットラインに寄せられた相談回数と相談内容の傾向でございます。
 平成二十二年度から平成二十四年度までに東京都いじめ相談ホットラインに寄せられた相談回数とその内訳、相談内容の傾向について記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 次に、陳情二五第一〇三号について理事者の説明を求めます。

○金子指導部長 お手元に配布いたしました文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 陳情二五第一〇三号、東京都いじめ防止条例の制定に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、(一般財団法人)いじめから子供を守ろうネットワーク東京都代表栗岡真由美さん外百三十二人から提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというもので、二点の内容でございます。
 まず、1、平成二十五年九月二十八日に施行されたいじめ防止対策推進法を踏まえ、児童生徒の心身の健全な成長を阻害するいじめを防止することにより、いじめのない学校の実現を図り、もって学校を一層安心して学べる場とすることを目的とする、東京都いじめ防止条例を制定することでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会では、いじめ防止対策推進法に基づき、都において対策を推進するための基本となる事項を規定する東京都いじめ防止対策推進条例案について関係各局と連携を図り、平成二十六年第二回都議会定例会に提案しております。
 次に、2、条例を実効化するために、学校や教職員がいじめに加担、助長、いじめを隠蔽、放置、黙認した場合に、関係した教職員の処罰を規定することでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会では、教職員が児童生徒へのいじめ、または児童生徒間のいじめへの加担、もしくは助長を行った場合等における懲戒処分の取り扱いについて、教職員の主な非行に対する標準的な処分量定において定め、公表しております。教職員がこれらの行為を行った場合には、この処分量定に基づき、当該教職員に対して懲戒処分を行うなど、厳正に対処しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 これより先ほどの資料を含めまして、本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神野委員 いじめは、人として決して許されない行為です。弱い者いじめや、それを知りながら見て見ぬふりをすることは、日本人の美徳としてひきょうなこと、恥ずべきことであったはずです。
 しかし、古くは昭和六十一年の中野区立中野富士見中学校、最近では平成二十三年の滋賀県大津市、そして、一昨年の品川区の中学校で起きたいじめによる痛ましい事件では、複数の教員がいじめの事実を知っていたのにもかかわらず、それを軽んじ、見逃し、解決の糸口を見逃してしまった背景があります。それが悔やまれてなりません。
 さて、今回のいじめ防止対策条例には、教職員に対する処罰規定が入っておりません。多くの都民は、いじめの早期発見、早期解決に向け、本条例に期待を寄せております。しかし、いじめを見逃した教員、いじめを助長した教員などに対する処罰規定のない条例は、単なる努力目標にしかならないのではないでしょうか。その実効性を危惧する声は多く聞かれます。
 都には、私立学校の教職員に対する処分権がないため、条例に処罰規定を入れるのは適切ではないということはよくわかります。とするならば、処分権を有する公立学校の教職員が条例を遵守することをどのように担保するのか伺います。

○金子指導部長 都教育委員会では、教職員が児童生徒へのいじめ、または児童生徒間のいじめへの助長などを行った場合等における懲戒処分の取り扱いについて、教職員の主な非行に対する標準的な処分量定において定め、公表しております。
 教職員がこれらの行為を行った場合には、この処分量定に基づき、当該教職員に対して懲戒処分を行うなど、厳正に対処しております。

○神野委員 教職員の主な非行に対する標準的な処分量定があることはわかりました。しかし、多くの都民は処分量定の存在を知りません。
 今回の条例制定を機に、処分量定の存在を都民に広く知らせることで、教職員がいじめに対してこれまで以上に緊張感を持って対処し、教職員が多くの子供をいじめから救うことができることを期待して、私からの質問を終わります。

○大松委員 いじめの問題は、子供の自殺が相次ぐなど、その深刻の度は増すばかりでございます。いじめは絶対に悪であり、最悪の人権侵害であり、いじめる側が絶対的に悪い。この断固たる姿勢で一つ一つの事例に迅速に対応し、解決できるまで粘り強く挑戦し続けていかなくてはなりません。
 そのためにも、深刻化、複雑化するいじめ問題に、教職員の皆様方が確信を持って対応できるように支援していくことが大切です。また、学校と保護者と地域社会が子供のため、教育のために三位一体となって取り組む体制も必要であります。
 そこで注目されますのが、学校サポートチームです。いじめ総合対策案では、全校に配置とされておりますけれども、その配置とともに、しっかりこのチームが機能するように支援していかなくてはなりません。校長先生、副校長先生、保護者、そして保護司の皆様、子供家庭支援センター、児童相談所、警察の職員の皆様方により構成されますけれども、住民の皆様方の中には、地域の中で大変信頼され、積極的に子供やPTAの面倒を見られ、支援されている方もいらっしゃいまして、そうした人たちの協力を求めることも大切でございます。
 学校サポートチームについて、関係者と連携することはもとより、家庭や地域からの情報を児童生徒の問題行動の解決につなげるために、民生、児童委員だけではなく、その他の地域の人材を活用することについて、都教育委員会の見解を伺います。

○金子指導部長 学校サポートチームでは、児童生徒の問題行動の内容や程度に応じた解決方法について協議し、具体的な対応につなげるために、管理職を含めた教職員、警察や児童相談所、福祉関係機関の職員、民生、児童委員、保護司などを構成員としております。
 今後はこれらの人材に加え、学校や児童生徒の実態を十分に熟知した多様な人材を活用し、いじめ問題の解決に向けた取り組みが一層充実するよう、区市町村教育委員会と連携して取り組んでまいります。

○大松委員 いじめや犯罪の抑止のためには、法による外的な規制が必要な場合がありますけれども、やはり教育においては、一人一人の心の中に自分で自分を律する規範性をどう育成していくのかが大切です。その意味で私は、東京都が推進している心の東京革命に大いに賛同するものでございます。
 今回のいじめ総合対策案では、法教育の実施が掲げられておりますが、高い効果が得られるものと期待しております。私も学生時代、法学部でありまして、先輩から、法の目的は何か、それは全ての人に平等に備わる人間としての尊厳を守ることであり、そのために義務があり、規制もあるとアドバイスされたことがあります。
 法教育といいましても、犯罪を犯せば刑罰があるから、賠償責任が生ずるからだめだということではなくて、他者も自分と同様に大切な存在であるという精神を学び、それを自分自身の中の規範としていくことがこの法教育によって可能だと思います。ぜひこの法教育を充実させていくべきでございます。
 いじめ総合対策案には、弁護士による法教育の実施が示されておりますけれども、まちの法律の専門家として活躍されている行政書士の皆様方も意欲的に法教育に取り組まれていらっしゃいます。いじめ防止対策も含めまして、行政書士による法教育をさらに拡充していくべきであります。所見を伺います。

○金子指導部長 いじめ問題を解決するためには、教員だけではなく、いじめ防止に取り組む関係機関や団体の力をかりて、いじめの発生を予防する授業を通して子供がいじめについて深く考え、いじめは絶対に許されないことを自覚できるようにすることが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、子供たちにいじめをみずから解決しようとする態度を育成することができるよう、弁護士会が実施している法教育に加えまして、行政書士が実施している法教育の活用について、区市町村教育委員会に周知してまいります。

○大松委員 いじめ総合対策案には、子供がちゅうちょなくスクールカウンセラーに相談できる環境をつくるため、小学校五年、中学一年、高校一年の年度当初に全員面接するとされております。また、子供とともに保護者からの相談を受けることも期待されているわけでございまして、資質のあるスクールカウンセラーをどう確保していくのかが課題になるわけでございます。
 そこでまず、スクールカウンセラーの公募選考の応募要件について伺います。

○金子指導部長 スクールカウンセラーは、児童生徒の学校生活において生じるさまざまな悩みに対するカウンセリングや、保護者の子育てに対する不安に関する助言、援助など、専門的かつ広範囲な職務に従事するため、その応募資格は、臨床心理士、精神科医、大学教授等としてございます。こうした人材をより安定的に確保し、相談水準を維持するため、公募による選考を実施しております。

○大松委員 スクールカウンセラーの中には、生徒や保護者の皆様方から大変に好評で、信頼され、ぜひずっと自分の学校を担当してほしいと、このようにいわれる方もいらっしゃるわけでございます。
 しかしながら、採用の方式が毎年、一年ごとに行うという方式のために、評判のいい方でも引き続きその学校に配置されるかどうかはわからないわけでございまして、したがいまして、例えば、二年、三年間は継続してその学校に配置できるように工夫するなど、採用のあり方につきまして検討するように求めさせていただきたいと思います。
 続きまして、このスクールカウンセラーとともに今後重要な役割が期待されておりますのがスクールソーシャルワーカーでございまして、いじめ総合対策案には、その活用が盛り込まれております。
 学校や教職員にはなかなかいいにくいけれども、スクールソーシャルワーカーなら相談しやすいという保護者も多くいらっしゃいまして、その力量がこれから求められてくるわけでございます。このスクールソーシャルワーカーの配置とスキルアップを支援していくべきであります。東京都教育委員会の所見を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○金子指導部長 スクールソーシャルワーカーは、教育分野に関する知識に加えまして、福祉分野における専門性を生かし、関係機関等とのネットワークを活用して、児童生徒の問題解決に向けた支援を行う人材でございまして、事業を実施する区市町村で必要な人材を配置しております。
 都教育委員会は、スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーとの合同研修会を開催いたしまして、互いの連携による効果的な取り組み等について協議を行うなどしております。
 今後とも都教育委員会は、スクールソーシャルワーカーの対応により効果を上げた事例等を掲載した資料を活用するなどいたしまして、スクールソーシャルワーカーの資質の向上を支援してまいります。

○里吉委員 今日の子供のいじめ問題は、生命にかかわる深刻な事態も生じており、多くの人々が心を痛めています。人権侵害であり、暴力であるいじめをなくし、子供たちが安心して人間らしく生きられる学校、社会をつくることは急務です。早期にいじめ防止のための条例を制定し、いじめのない東京へ全力を尽くすことは重要ですが、この条例案はさまざまな問題があることなどから、日本共産党都議団は、今定例会での拙速な条例提案を行わないよう申し入れを行ってまいりました。
 きょうは、申し入れを行った点を中心に、手続上の問題、内容についての問題点、課題などについて質疑を行ってまいります。
 まず初めに、条例制定の手続の問題です。都は、基本方針案、総合対策案についてはパブリックコメントを都民に求めましたが、いじめ対策の根幹となる条例案については広く公開もせず、パブリックコメントからも外したのはなぜでしょうか、伺います。

○金子指導部長 条例は、都民の代表である都議会の十分な審議を経て制定されるものであることから、パブリックコメントの対象とはいたしませんでした。
 なお、都や都教育委員会が決定する基本方針及び総合対策については、いじめ問題に対処するための取り組みを条例の可決成立後、早期に実現させる必要があることや、条例の審議に当たり、幅広くご議論いただくことを目的として、都民の皆様から意見を募集したところでございます。

○里吉委員 条例は、都議会の十分な審議を経て制定されるものだから、都民の意見は募集しなかったとの答弁でした。しかし、基本理念などが示され、東京都のいじめ対策の根幹となる条例こそ、パブリックコメントを初め都民参加で議論し、意見を反映させるべきです。
 現に、例えば北海道では、条例についてのパブリックコメントを行い、また、PTAや各校長会、商工会議所の方なども参加した検討委員会で議論をしています。一般的にも、条例案について議案を提出する前にパブリックコメントを募集することは、多くの自治体で広く行われていることです。議会での議論があるから都民の意見は聞かなかったというのは理由にはなっておりません。
 今回、条例案を都民に示すこともなく条例の審議に当たり、都民の声を聞いたといっても、条例案を知らないまま意見などいうことはできないということも申し添えておきます。
 次に、条例案の内容に関連して伺います。
 条例案は、国のいじめ防止対策推進法をほぼ準用する内容になっていますが、法律は教育関係者や日本弁護士連合会、いじめ問題に取り組む団体などから、多くの問題点が指摘されたものです。
 国会での論議は、衆議院、参議院ともわずか四時間の審議で、重要法案なら行われる関係者からの意見聴取もありませんでした。日本弁護士連合会からは、同法について意見書を発表して二十数点の問題点を指摘したほどです。
 条例をつくるに当たり何よりも大事なことは、いじめは人権侵害であり、学校や行政は子供を守る責務があることを明確にするとともに、全ての子供たちが人間として尊重され、対等な人間関係の中で安心して生活し、成長する権利があることをわかりやすく示すことが必要です。
 同時に、教師が一人一人の子供たちと一緒になってさまざまな問題を解決し、成長させていけるような学校の条件整備に取り組む、この立場を明らかにするなど、いじめの克服を願う都民と子供たちや教師の支えになる条例をつくるべきだと考えます。
 今回の法律の審議の中でも、特に問題だとされた一つが、いじめの禁止と厳罰での取り締まりです。いじめ防止対策推進法の審議では、我が党の議員が、第四条、子供はいじめを行ってはならないの規定や、第二十五条と第二十六条の、いじめた子の懲戒や出席停止の規定について、処罰や教室からの排除では、いじめの解決にはならないとただしました。
 政府参考人や提案者は、実際のいじめ指導は、子供たちの悩みを理解し、共感的に受けとめ、人間的に立ち直りを進めていくと約束をいたしましたが、東京都も同じ立場であるなら、条例に明記すべきではないでしょうか。都の見解を伺います。

○金子指導部長 学校及び学校の教職員は、条例に定める基本理念にのっとりまして児童生徒を指導する責務があり、具体的な指導内容や方法、留意事項などは条例の条文とするのではなく、都教育委員会が策定する総合対策等によることとしております。
 子供たちの悩みを理解し、共感的に受けとめ、人間的立ち直りを進めていくことは、いじめにかかわる子供の指導に当たっては重要なことでございます。

○里吉委員 いじめは、子供の成長途上で誰にでも生じ得るものであり、教育の営みとして解決することが基本であり、そもそも法律で禁止すべき性格のものではありません。法律で定めるべきは、いじめの禁止などの子供の義務ではなく、子供のいじめられずに安心して生きる権利を保障し、その権利を守るための大人社会の取り組みです。
 いじめに毅然と対応することは必要ですが、厳罰で臨むのではなく、いじめを行った子供に、いじめを行ってしまった事情を丁寧に聞き取り、いじめをやめさせるとともに、子供自身が人間的に立ち直れるように支えることです。懲戒も出席停止も学校教育法に規定があります。あえて懲罰を強調するやり方は、子供の鬱屈した心をさらにゆがめ、子供と教員の信頼関係をも壊し、いじめ対策に効果がなく、悪影響を及ぼします。
 国では、参議院で附帯意見が付されたのをもとにして、弁護士や専門家を加え、いじめの解決に役立ち得る方針を練り上げる努力もされました。その結果、国の基本方針では、いじめを禁止するのではなく、未然に防止するための、子供が主体的、積極的に参加できる取り組みを推進すると改善され、基本方針からは禁止の文言が消えました。こういった努力こそ大切です。
 それでは、次に、いじめの隠蔽について、保護者の知る権利について伺います。
 いじめの隠蔽をなくすことは、国の法律の制定で強く期待されていた点でした。法では、情報を適切に提供するとして、どこまで提供するかは学校等が判断することを容認するものでした。これでは知る権利の保障にはなりません。都の条例や基本方針等では、重大事態の事実関係の調査結果は、被害者やその保護者に原則として公開することを明確にすべきです。見解を伺います。

○金子指導部長 いじめ防止対策推進法では、重大事態の調査を行ったときは、被害の子供や保護者に対して、事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとすることが規定されております。これは学校の設置者または学校が、被害の子供や保護者に対して説明責任を負うことを定めたものでございます。
 本条例案では、法を直接適用する内容につきましては改めて規定しないこととしていることから、都内の学校において重大事態が発生した場合は、法の趣旨を踏まえて、被害の子供と保護者に対して適切に情報を提供してまいります。

○里吉委員 法の書き方が不十分なので、都の条例や基本方針、もしくは総合対策などで原則として公開するとすべきではないかというふうに申し上げました。東京都のいじめ総合対策でも、いじめの早期解決のところでは、学校は早期対応の一環として、いじめ対策保護者会を速やかに開催し、保護者に対し積極的に情報を提供すると書かれています。ですから、重大事態の際も、学校の知り得た事実は、原則全て被害者や保護者に伝えることを明記することを改めて求めておきます。
 それから、この問題では、いじめの対策という点で、学校の校長先生や教職員の最大の要望は何かといえば、いじめを防ぐためにも、先生が何よりも子供たちに接する時間を大きくふやしたいということです。
 都教委は、教師がさまざまな報告作成などに追われて大変忙しいというこの現状をどういうふうに考えているのか、対策も取り組みもあわせてお伺いをいたします。

○加藤人事部長 教員は、児童生徒の在校中は全力を挙げて児童生徒に対処すべきであり、いじめ問題に適切に対応するためには、児童生徒の言動等を注意深く観察し、あらゆる兆候を見逃さないようにすることが重要です。その上で、校務分掌などの業務については、効率的に行うためのさまざまな工夫を学校で行う必要があります。
 そのため、都教育委員会は、効率的な学校運営体制の実現とさらなる教育の充実を目的として、現在、経営支援部の設置や役割分担の明確化などの校務改善を推進しております。

○里吉委員 子供たちと先生が接する時間をふやすという点では、教員の数をふやすことも大事だと思います。滋賀県では、大津市でのいじめ自殺をきっかけに、教師が子供と向き合う時間を確保すること、余裕を確保することが必要だと三十五人学級に踏み出しました。
 東京都でも、いじめ防止に全力で取り組むというのであれば、こういった教育環境の整備こそ行うべきと考えます。都の見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 いじめ問題につきましては、特定の教員が一人で抱え込むことがないよう、管理職、スクールカウンセラーを初め全教職員が複層的な視点から子供たちの変化をいち早く把握し、組織的に対応することなどにより学校全体で取り組んでまいります。
 なお、いじめ問題は、学級の規模によらず起こり得るものであり、学級の小規模化による対応は考えておりません。

○里吉委員 いじめ対策のためには、さまざまな対策が求められていると思います。学校現場でも養護教員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの拡充も必要だと思います。
 私は、少人数学級にすればいじめはなくなるといっているわけではありません。しかし、教師が忙し過ぎて、子供たちと向き合う時間がなかなかとれないという声はどこでも聞こえてくる。滋賀県では、知事の決断で少人数学級が拡大しました。滋賀県の教育委員会のホームページを見ますと、子供と向き合う時間の確保というサブタイトルをつけて、小学校での少人数学級編制の拡大を載せています。もちろん、確かな学力の育成なども目標には掲げてありますが、あわせて、いじめ問題への対応として少人数学級に踏み出したのです。
 また、昨年十一月に出されました足立区でのいじめに関する調査報告書でも、教師の数をふやすことを要望しています。足立区では、平成二十二年十月に、区内中学に通う中学三年生が自宅でみずから命を絶つという痛ましい事件がありました。この事件を受けて、いじめの事実や自殺との関係、そして、区がとるべき措置などについて報告書はまとめられています。もちろんこの中には大変さまざまな提案がされていますが、その一つとして、教育委員会に対して、教員の事務作業の軽減と教員数の定数の増員を求めている。これは広くどこでも要望されていることだということを申し上げておきます。
 そして、いじめをした子供に対する指導、これも大変重要だと思いますが、いじめを行った子供に対して、自分がどんな行為を行ったのか、人権侵害であることを認識させることが大切です。同時に、その子が抱えている課題や背景を丁寧に聞くことも大切。家庭の問題などについては、スクールソーシャルワーカーの方に対応してもらうことも有効ではないかと考えます。養護教員やスクールカウンセラーも含めて、ぜひ活用していただきたいと思いますが、そのことについて伺います。

○金子指導部長 加害の子供に対しては、いじめをやめさせ、再発を防止するために、個人の教員による単発の指導に終わることなく、学校いじめ対策委員会が中心となって組織的、継続的に観察し、指導を徹底することが大切でございます。
 一方で、加害行為の背景には、例えば加害の子供が過去に深刻ないじめを受けたときに生じた心の傷が原因となっている場合もあるため、学校は必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携して、加害の子供のケアを行うなど、必要に応じて支援を行うことが大切であると捉えております。

○里吉委員 過去にいじめを受けた子がいじめに走る、そういうこともありますし、家庭のいろいろな事情で大切にされない、そういう子供がいじめに走る、こういうことも報告されています。ぜひ教員と一緒になってスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、さまざまな方の力をかりて、加害の子供にしっかりといじめをやめさせる対応をしていただきたいと思います。
 さて、都の教職員研修センターのまとめたいじめ問題に関する研究報告書というのがございますが、ここでは、いじめの原因は、児童生徒の回答によりますと、トップがストレスがたまっているでした。いじめ防止の観点からも、このストレスがたまっている状態の解決が求められていると思いますが、都教委の見解を伺います。

○金子指導部長 東京都教職員研修センターが実施した研究では、いじめの原因として、ストレスがたまっていると回答している子供が多く、ストレスの背景には、学習や友人関係、家庭の問題など、さまざまな状況が考えられます。
 そのために、学校はわかりやすい授業を通して学力の定着を図ること、学級経営の充実等により望ましい人間関係を築くこと、スクールカウンセラーとの面接を通して感情のコントロールを図ることなど、さまざまな対策を行ってまいります。

○里吉委員 ストレスがたまっている状態を解決するためにさまざまな対策を行っていくという回答でしたけれども、私は、まずやらなければいけないことは、なぜ子供たちがこんなにストレスをためてしまっているのか、その背景や原因を明らかにすることだと思います。その上で、その対策を講じることです。
 国連子どもの権利に関する委員会は、日本政府に対して二度にわたり勧告を行っています。一回目の勧告は一九九八年ですが、そこでは、高度に競争的な教育制度のストレスによって発達障害にさらされていることに懸念を表明し、適切な措置をとることが勧告されています。二回目は二〇〇四年ですが、このときは改善の勧告を行ったが、十分なフォローアップが行われなかったと日本政府の怠慢を指摘し、重ねて改善を求めています。このことは今の東京の教育の中でも何ら変わっていません。
 高度の競争教育制度によって、遊ぶ時間や体を動かす時間、ゆっくり休む時間が奪われて大きなストレスを抱え込んでいる子供たちに対して、都教育委員会としても、ストレスをどうしたら軽減できるのか考えて対策をとっていただきたいということを強く求めておきます。
 そして次に、この調査では、いじめの経験と自尊感情との関係についてのアンケートも行っています。その結果と、それを受けての対策についてお伺いいたします。

○金子指導部長 東京都教職員研修センターの研究では、いじめられた経験のある子供は、いじめられた経験のない子供より自尊感情が低い傾向にあります。また、いじめた経験のある子供は、いじめた経験のない子供より自尊感情が低い傾向にあるという結果が示されております。
 また、この研究の中では、いじめた経験のある子供の多くが、自分もいじめられた経験があると回答していることから、学校は、被害の子供が加害の子供に、加害の子供が被害の子供になり得るとの認識に立ち、子供たちの自尊感情を高め、いじめの未然防止を図ってまいります。

○里吉委員 子供たちが自分も大切にするし、他人も大切にする、そういう人権意識をしっかりと育めるように対応していただきたいと思います。その点では、いじめ対策案には、いじめ未然防止、そしていじめを生まない、許さない学校づくりの具体化が示されておりまして、その中に法教育などもありましたけれども、私は、いじめは人権侵害であり、絶対に許されないことを目的に弁護士の皆さんが行っているいじめ予防事業、これをもっともっと積極的に活用すべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○金子指導部長 総合対策案におきましては、学校はいじめ問題に取り組んでいる外部の専門家である弁護士等を活用した法教育の実施を通して、いじめを許さない教育の充実を図ることとしております。
 今後、法教育の観点から、子供たちにいじめについて考えさせることにより、人格的な成長を促し、いじめの未然防止に役立ててまいります。

○里吉委員 このいじめ総合対策を見ますと、いじめに関する授業の実施のところで、弁護士等を活用した法教育の実施というのがありますが、ここを読みますと、学校は、いじめは刑事罰や損害賠償請求の対象になり得ることなど、法的観点から実社会といじめの関係について子供に学ばせるため、社会科の授業などでいじめと関連した法教育を実施するということで、いじめが刑事罰や損害賠償の対象になるということを教えるというふうに書いてあるんですね。これに対しては、先ほど資料で出していただきましたけれども、弁護士の方から意見が出ておりました。先ほどいただいた資料の四ページの関係機関との連携に関するところの34、弁護士との連携ということで、この弁護士会では、いじめ予防授業は、人、いじめが固定化、継続化することが人権侵害になることを子供に理解させることを中心としており、いじめの刑事的、民事的評価を伝えることを目的とはしていないため、説明を訂正すべきであると、こういう意見がついております。
 確かに、いじめの行為そのものが刑事罰の対象になることも法的にあるということはあり得ると思うんですが、そのことを教えるのが目的ではなくて、いじめという行為そのものが相手の人権を侵害するものなんだということを、やはり子供にわからせる、わかってもらう。罰せられるからやっちゃいけないんだということですと、見つからなければやっていい、ますます隠れたところで陰湿ないじめになりかねない。これは、これまでいじめ関係の学者の方からも、弁護士の方からも繰り返しいわれてきたことです。
 そうではなくて、子供の一人一人が、いじめを行うということが相手の人権を侵害するということなんだということがわかるような授業を、ぜひこうした弁護士の方の力もかりて行っていただきたいということを申し上げておきます。これはぜひ訂正をしていただきたいということを申し上げておきます。
 そして、最後に要望なんですけれども、今回のこの条例案などを見ますと、さまざまな対策委員会がつくられることになっているんですが、私は、第三者機関がいじめ問題対策に大きな力を発揮するという観点から、都教委のもとの委員会ではなくて、知事部局のような、都教委とはちょっと離れたところに、これは東京の中学生の三割が、そして高校生の六割が私学に通っているということも含めて、そういう子供にも対応できるように、学校での取り組みを支援するために、公立、私学を問わず、いじめ問題の相談を受けて、そして当事者との調整機能を持って対策も検討できる、こういったいじめ問題対策委員会を置いていただきたい。これは国の基本方針の中でも、そういうことが例示をされておりますので、これは改めて全庁的に検討していただきたいということを要望して、質問を終わります。

○新井委員 いじめ防止対策についてお伺いします。
 六月四日の文教委員会で、本定例会に知事が提案しているいじめ防止対策推進条例と、今後策定するいじめ防止対策推進基本方針及び東京都いじめ総合対策の内容について説明がありました。いじめは絶対に許されない行為です。これまで全国の学校を中心として、いじめ防止のためのさまざまな取り組みが行われてきましたが、残念ながら、いじめを原因としてみずからの命を絶つなど、痛ましい事件の報道が続いております。
 都議会民主党は、市区町村立学校で既に行われている取り組みが深まり、今回の東京都の対策により、都内におけるいじめ防止の対策がこれまで以上に総合かつ効果的に推進され、実効あるものになることを期待します。
 これまで、いじめに関する事件では、学校がいじめを隠蔽したことなどが報道されていましたが、学校がいじめを隠蔽しないようにするためには、いじめの認知件数が多い学校がよくない学校であるという認識を改め、いじめはどの学校にも、どのクラスにも起こり得るという視点から、早期発見、早期対応のための対策を推進することが重要であると考えます。都教育委員会の認識をお伺いします。

○金子指導部長 いじめは、どの学校でも、どの学級でも起こり得るという認識のもと、日常的に未然防止に取り組むとともに、いじめを把握した場合には速やかに解決する必要がございます。とりわけ子供のとうとい命が失われることは決してあってはならず、早期発見、早期対応を基本として取り組みを講じることが必要でございます。
 このため、教員の指導力の向上と組織的対応、子供からの声を確実に受けとめ、子供を守り通す取り組み、いじめを見て見ぬふりせず声を上げられる学校づくり、保護者、地域、関係機関との連携の強化などを柱といたしまして、早期発見、早期対応のための具体的な取り組みを推進してまいります。

○新井委員 ただいまの答弁では、学校や保護者だけでなく地域や関係機関とも連携していじめ防止に取り組むということでしたが、学校と地域とが連携して取り組むということは、具体的にどのような方法で行うのか、都教育委員会の見解をお伺いします。

○金子指導部長 いじめは、学校内外を問わず、さまざまな場面で発生することから、いじめに的確に対応するためには、学校と地域がともに子供を見守るとともに、情報を共有するなどして連携を図ることが不可欠でございます。
 そのため、具体的な取り組みとしては、地域人材との連携による登下校時の子供の見守りや、民生、児童委員や青少年委員、地域関係者から成る学校サポートチームを設置し、学校が地域や関係機関と連携して問題の解決を図る取り組みを進めるなど、子供たちを地域で見守り、育てる仕組みづくりに取り組んでまいります。

○新井委員 いじめの未然防止やいじめの対処におきましては、地域の方々に加えて、子供の教育にかかわる関係機関と連携して取り組みを推進することが必要であると考えますが、都教育委員会の見解をお伺いします。

○金子指導部長 いじめの未然防止や早期発見に当たっては、学校と関係機関等が子供とのかかわりを通して得た情報を互いに共有するなど、それぞれの役割に応じた対応を迅速に行っていくことが重要でございます。
 例えば、学校は児童館や学童クラブ等に対し、いじめの情報を速やかに提供してもらうよう依頼するとともに、学校サポートチームを設置し、地域関係者に加えて警察、児童相談所、子供家庭支援センターなどの関係機関と連携し、問題解決を図る取り組みを進めています。
 今後とも都教育委員会は、学校サポートチームのすぐれた活用事例を紹介するなど、区市町村教育委員会と一体となって、学校と地域、関係機関との連携強化に取り組んでまいります。

○新井委員 いじめは子供の間で起きるものです。子供たち自身がいじめについて深く考え、いじめは絶対に許されないことを自覚することが大切であると考えます。
 都教育委員会が作成したいじめ防止教育プログラムを拝見しましたが、授業で子供たちにいじめについて深く考えさせる指導事例が掲載されており、とても工夫がなされていると思いました。これを各学校でどのように活用していくのかお伺いします。

○金子指導部長 平成二十六年五月に都内全公立学校に配布した、いじめ防止教育プログラムには、いじめを傍観しない基盤づくりを狙いとした学級活動の授業や、いじめを生まない望ましい人間関係の構築を狙いとしたコミュニケーション力を高める授業など、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校それぞれの発達段階に応じた学習プログラムを二十四事例掲載してございます。
 各学校は、子供がいじめについて深く考え、いじめは絶対に許されないことを自覚するようにするため、定期的にこのプログラムを活用し、道徳の時間や特別活動において、年に少なくとも三回はいじめに関する授業を実施するよう取り組んでまいります。

○新井委員 最近の子供は、携帯電話やスマートフォンで大人の目の届かないところでソーシャルネットワーキングサービスなどを使っているという実態もあるようです。
 スクールカウンセラーからは、子供は、言葉がどう伝わっているのかわかっていないことがある、LINEでのいじめは集団暴行的な事例に陥ることがあると話を聞きました。子供のソーシャルネットワーキングサービスの利用実態について、どのように把握しているのかお伺いします。

○金子指導部長 平成二十五年度に都教育委員会が実施いたしましたインターネットや携帯電話の利用に関する実態調査では、携帯電話やスマートフォンを所持しているのは、子供の七〇・九%であり、平成二十四年度の六四・五%から増加しております。
 携帯電話やスマートフォンを所持している子供のうち、ソーシャルネットワーキングサービスのコミュニティサイトを利用しているのは、小中学生の二二%、高校生の四八・五%でございます。
 また、コミュニティサイトや掲示板などで悪口を書かれた経験があると回答したのは、中学生の六・三%、高校生の一〇・九%であり、いずれも学年が高くなるに従って、その率が高くなる傾向がございます。

○新井委員 ただいま答弁をいただいた、メディアを通して行われているいじめは、大人からは最も見えにくいいじめであると考えます。都教育委員会のネットいじめ防止の対策についてお伺いします。

○金子指導部長 都教育委員会は、学校非公式サイト等の監視を行い、不適切な書き込みを発見した場合は、管理運営者に削除依頼を行うとともに、学校及び関係教育委員会に情報を提供して、関係者を指導できるようにしております。また、情報モラル啓発DVDや指導資料の作成、学校に派遣された専門家による情報モラル講座の実施なども行っております。
 今後とも情報モラル教育を一層充実するとともに、学校非公式サイト等の監視を継続してまいります。
 さらに、平成二十六年二月に東京都青少年問題協議会から出されましたネット依存予防の呼びかけを踏まえ、子供たち自身によるネット利用のルールづくりや、家庭で子供と保護者がルールをつくる取り組みを推進してまいります。

○新井委員 いじめを受けた子の心の傷は深いものと推測します。また、いじめを行った子供についても、例えば過去に深刻ないじめを受けたときに生じた心の傷が原因でいじめを行っているという場合などもあるのではないかと思います。
 被害の子供や加害の子供の心のケアは、学校ではどのように行っているのかお伺いします。

○金子指導部長 学校におきましては、被害の子供に対して心理的ストレスなどを軽減するため、学級担任や養護教諭などの複数の教員がスクールカウンセラーと連携して、面接などを通じて支援しております。
 また、加害の子供に対しましては、いじめを行ってきた原因や経緯について聞き取り、反省を促すため、担任や養護教諭が中心となって指導を行うとともに、家庭環境が影響している場合もあることから、スクールソーシャルワーカー等と連携して、必要に応じて保護者への助言を行っております。

○新井委員 都教育委員会がさまざまな取り組みを行っていることがわかりました。
 一方で、万が一、都立学校でいじめを受けた子供の自殺など重大な事態に至ってしまった場合、今回提案されている条例では、調査を行うための附属機関が都教育委員会に設置されるようになると思いますが、この機関ではどのように調査すると定められているのかお伺いします。

○金子指導部長 都教育委員会は、条例の第十一条に基づきまして、附属機関である東京都教育委員会いじめ問題対策委員会を設置いたします。この委員会の所掌事項は、公立学校におけるいじめ防止等の対策について、教育委員会に対して意見具申を行うことと、都立学校において、いじめにより子供の生命等に重大な被害が生じた疑いがあると認める事態が発生したときに調査を行うことでございます。
 この調査は、第三者機関としての調査であり、その目的は、対象となるいじめ事案への対処や、再発防止のために事実関係を明確にすることでございます。

○新井委員 さまざまな取り組みが都内の全ての学校で確実に実施されるとともに、保護者、地域、関係機関等と十分に連携して、社会全体でいじめ問題を解決していくことが重要です。
 都教育委員会は、条例の趣旨を初め、基本方針や総合対策に盛り込んでいる内容を学校や子供の実態に合わせ、真に実効性のあるものにするために、市区町村教育委員会や学校及び関係機関と連携し、いじめ問題の解決を図ってほしいと期待して質問を終わりにします。

○やながせ委員 私からは、いじめ防止対策推進条例について、基本方針及び総合対策について質疑をしてまいりたいと思います。
 昨年六月に、いじめ防止対策推進法が公布され、九月から施行されました。いじめの防止対策に特化した法令は初めてであり、いじめと向き合って、悲惨な事件を二度と起こさないんだという決意をあらわしたものであり、非常に意義深いものだというふうに捉えています。このいじめ防止対策推進法に基づいて今回の条例が作成され、基本方針と総合対策が打ち出されようとしています。
 振り返れば、これまで数回にわたって、いじめが社会問題化し、取り上げられてきました。そのたびに国や都では、さまざまな対策を講じてきたわけであります。しかし、残念ながら、深刻な事件は後を絶たず、いじめによって自殺に追い込まれる事例もなくなりません。今回のいじめ対策推進法を制定するきっかけとなったのが、大津市で中学二年生の生徒が凄惨ないじめによって自殺した事件であり、その経緯を記した調査報告書、これ見ましたけれども、これまでの対策が現場で機能していないという実態が明らかにされたわけであります。
 今回の法施行、条例制定、これをきっかけとして、困難な状況にある子供たちが一人でも多く助け出され、実効性のある具体的な対策にしていかなければならないと、このように考えています。この条例がうまく現場で機能するためには何が必要なのか、この点について何点か質疑をしていきたいというふうに考えています。
 まず、いじめ対策で実際に現場で対応するのは学校であり、そして先生であります。ここが一番課題を把握しているというふうに考えているわけですが、そこで、今回の条例、基本方針案、総合対策、これを策定するに当たって、現場の先生方からのヒアリング、これは実施したのか、いじめ問題の解決に向けて学校では何を必要としていると教育委員会では認識しているのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。

○金子指導部長 都教育委員会は、いじめに関する専門家会議の委員からの声や、いじめ問題に関する研究における教員への聞き取り調査などから、いじめ問題への対応における課題を把握し、解決策を示しました。
 教員からは、子供の様子や気になったことなど、ささいなことでも気軽に話し合い、いじめではないかと疑う意識を高めることや、担任が一人で抱え込むことなく、組織的に対応することが必要であるとの声が寄せられております。

○やながせ委員 聞き取り調査を行ったと。子供の変化をキャッチする意識の向上とか、組織的な対応が必要だということをヒアリングしたということですけれども、この根底にあるのは何かなということなんです。
 私は、いじめは子供同士の人間関係に起因する問題であり、人間関係を変えるためには、学校現場で教員が子供たちにかかわっていくしかないわけです。この最前線のマンパワーをいかに充実していくか、これが最大の課題だろうというふうに考えています。マンパワーとは、いうなれば、かかわる人の量を多くする。それから質を高める。対応力ですね。それからチームワークを高める。この三つしかないのではないか。
 そこで、まず量の問題についてお伺いをしたいと思うんですけれども、教員が多忙であるということは常々いわれてきました。さまざまな雑務に追われて、本来の仕事にかける時間がとれない、このようにいわれてきたわけであります。
 そこで、現状、教員がいじめを把握して対処するだけの子供に向き合う時間がとれているのか、それとも不足しているのか、この点についてどのような見解を持っているのか、これについてお伺いしたいと思います。

○加藤人事部長 教員は、児童生徒の在校中、児童生徒に向き合い、全力を挙げて対応すべきです。その上で、校務や事務処理を効率的に処理する必要があることから、都教育委員会は現在、経営支援部の設置や役割分担の明確化などの校務改善を推進しております。

○やながせ委員 教員は全力で児童生徒に対応すべきであると、このべき論はわかります。ただ、実際に対処できているのかどうか、これが問題だというふうに考えるんですね。
 大津市の事件では担任の先生が、これはまじめな方だったようでありますけれども、いじめの兆候、さまざまな情報を得ながらも、多くの業務の中でなかなかいじめの問題に意識が向いていかない、そんな様子が明らかにされています。
 業務の効率化に努めているということはよくわかっているつもりでありますけれども、それでは、いじめ対策として子供たちにかかわる人のボリューム、これがふえているのかどうなのか、どう認識しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○加藤人事部長 教職員数は、国の標準法に基づき、児童生徒数に応じた学級数で算定しており、さらに都教育委員会は、個別の教育課題に対応するため、教員を加配しております。
 また、スクールカウンセラーは、平成二十五年度から都内全ての公立小学校、中学校、高等学校に配置しており、都の非常勤職員として、一校当たり週一回、一日七時間四十五分、年間三十五回勤務しております。

○やながせ委員 教職員数は児童生徒数に応じた学級数で算定しておると。加配もしておると。実態としては、一人当たりの教職員数の数という意味では、ふえていないわけですね。そこで、スクールカウンセラーがいじめ対策などを目的として導入されており、週一回配置されているということでございました。
 大津の事件でもスクールカウンセラーは、かなり先進的な学校でございましたので、配置されていたんですね。このスクールカウンセラーの方が、生徒の死後に行われた調査で何といったのかというと、私が気づけるはずがないと、こういうふうにいっているわけです。これは、生徒と接点が少ないから気づけるはずがないということのようであります。
 私、これは非常に残念だなというふうにこの報告書を見て思いまして、教員をふやすというのはなかなか難しいことだろうと。このボリュームをふやしていくというのが多分一番解決には近いんでしょうけれども、なかなか難しいというのであれば、こういったスクールカウンセラーを活用していくしかない。
 今回のいじめ総合対策では、先ほどもありましたけれども、小五、中一、高一といういじめが増加する学年に全員面接をしていくんだということをうたっています。ただ、全員面接を一回しただけでは何の意味も持たないんですね。継続的に子供の変化をキャッチするために関与していく、このことが必要だろうというふうに考えています。
 ですから、週一回というのでは、その役割をなかなか果たせないんではないか。これを何とか充実していく方向性はないか、これを要望しておきたいというふうに思います。
 ただ、充実には予算が必要ですね。そこで、今回お伺いしたいんですけれども、国から今回の法施行に当たって、マンパワーの拡充に向けて何らかの予算措置はあったのかどうなのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○金子指導部長 法の施行に当たっての新たな予算措置はございませんが、いじめ関連につきましては、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの活用事業等の国庫補助金がございます。スクールカウンセラーについては、事業費の三分の一を国が補助しており、スクールソーシャルワーカーにつきましては、事業費の六分の一を国が補助しております。

○やながせ委員 あれもやれ、これもやれと、もう組織をつくったらいいじゃないかと、研修を充実しろということを国は法でいっているわけですね。それに応じて、都でもその施策をさまざま実行しようとしていると。しかし、何らの予算措置もない。スクールカウンセラーというのはもともとあったものですよね。ですから、これは、私は非常に無責任だなというふうに思います。法ができて新しいことをせよといっている。ただ、法の書きぶりとしては、うまく負担をしなくてもいいような書きぶりとなっておるということ。
 ぜひこれはさまざまなマンパワーの充実、これが必要なんですから、しっかりと国に対して予算の要求を、これまでもしていらっしゃるということですけれども、この法に基づいて要求をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 現場でいじめに対処するのは学校の教員です。この教員がしっかりと子供と向き合う時間を確保できること、これが何よりも重要であります。業務の効率化を徹底する、先ほどおっしゃいました、やっていると思います。サポートする人たちをふやしていく、ここはまだまだできるんではないか。さまざまなところから現場を助けていくことが、このいじめ条例を実効性のあるものにしていくことだというふうに考えております。
 次に、教職員の、今は量の話をしました。質の話をしたいと思います。
 このいじめの対処というのは、教育現場の中でもさまざまな業務があると思うんですが、非常に難易度が高いものだろうというふうに認識をしています。
 そこで、この教職員の対応力を上げるために、条例が制定されると教員の研修、これはこれまでとどのように変わり、どのように実施されていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○金子指導部長 いじめにかかわる教員研修につきましては、経験年数に応じた研修や職層に応じた研修において、研修項目の一つとして取り組んできております。今後は研修の内容を一層充実させるため、都教職員研修センターにおきまして、全ての校種の教員を対象とした課題別研修として、いじめ問題に関する研修を新たに設定し、教員一人一人の対応力の向上を図ってまいります。
 また、各学校においても、校内研修会等を計画的に実施し、いじめに関する情報共有のあり方等について再確認するなど、教員が一人で問題を抱え込むことなく、学校全体で組織的にいじめ問題に取り組む体制を強化してまいります。

○やながせ委員 研修については、いろいろと申し上げたいこともあるんですけれども、私が一番心配しているのは、新人教員なんですね。今年度採用の一年生教員が二千四百人、昨年は二千八百人、一昨年には三千八百人という大量採用の時代に入っているわけであります。これは平成十九年ころから教員の団塊世代の方が大量退職の時代に入って、新人を大量に採用しなければいけない状況になっているわけです。つまり、ベテランの先生が一気に減って、新人が大幅にふえるという過渡期的な状況に今あるわけで、学校の現場として見れば、トータルに教育を提供していく力というのが低減されていく、こういう状況にあるんだろうというふうに考えています。
 そこで、私は、このような状況を見ると、いじめ対策という中で、大量に採用された新人教員をどのようにフォローして育てていくか、これが最も大きな課題だと考えるわけです。
 私も地元で多くのPTAの関係者の皆さんとか保護者の皆さんと話をする機会がありますけれども、特に小学校で、新人教員が担当するクラスが、例えば生徒の統率がとれずに学級崩壊しているとか、保護者と良好な関係がつくられていない等々、よく話を聞きます。確かに、この新人教員というのは、四月一日に採用になって、すぐに四月八日から自分の力で授業を展開していかなければいけないということで、これは大変だろうなというふうに思うんですね。大学を卒業したばかりの方で、長期間の研修もないわけですよ、採用前ですから。こういった人たちが即戦力になるのか、その点が非常に心配であります。私の高校時代の同級生で教員になった人間もおりますけれども、採用されて最初の一学期目、これが非常に大変だったというような話をしておりました。
 そこで、これはいじめ対策という意味もそうなんですけれども、一年目ははっきりと育成するんだということに目的を絞って、担任を持たずに一年間はサブティーチャーとしてベテラン教師のもと、例えば学期ごとにそれぞれのベテランの先生の授業を見て、学級の構成というのはこうやって構築していくんだなということを研修していただいて、何人かの先生のサブティーチャーを経験して実力をつけていただく。そのようなことができないかというふうに思うわけですけれども、見解を伺いたいと思います。

○加藤人事部長 都における新規採用教員は、小学校だけでも千二百名を超えるような大量な採用が続いております。これと同数の人員をさらに採用するということは、人員確保の面から難しいです。
 なお、校長は、校内の指導組織の中心となって、新人教員の指導助言に当たる指導教員を各校一名命じるとともに、小学校においては、必要な場合に、退職した優秀で指導力のある教員を社会人経験のない新人教員の育成担当に充て、豊富な教職経験を活用し、日常業務を通じて新人教員を育成しております。

○やながせ委員 この新人教員というのが大量に入ってきておるということで、この人たちのベーシックな能力、ここをしっかりと育成していかないと、当然、難易度の高いいじめ対策には至らないわけですね。ですから、ぜひこういったドラスチックなことも考えていただきたい。実はこれ、四年前に私が決特で同じ質問をしまして、予算がないからできないんだと全く同じ答弁をいただいたわけでありますけれども、ぜひ検討して、全部やれというふうにはいいませんので、少しずつでも何かできる方策はないかなということを検討していただきたいということ、これは要望申し上げておきたいと思います。
 次に、不登校への支援についてでありますけれども、このいじめ防止対策推進法の附則二条二項では、政府は、いじめにより学校における集団の生活に不安または緊張を覚えることとなったために相当な期間学校を欠席することを余儀なくされている児童等が適切な支援を受けつつ学習することができるよう、当該児童等の学習に対する支援のあり方についての検討を行うものとするということで、これは政府に対する、やりなさいよということでありますけれども、文科省の会議では、不登校について、場合によっては、いじめによるストレスから回復するための休養期間としての意味もあるんではないか、こういうふうに認めているわけですね。
 ただ、実際には、子供たちが登校しないことを選択できる仕組みにはなかなかなっていません。このことが非常に大きなプレッシャーとなっているんではないかと思います。学校に行くのか、家で引きこもっているのか。家で引きこもっていることに関しては、罪悪感がいっぱいあるわけです。だから、何とかして学校に行こうとする。でも、学校では何の状況も変化していないから、だからまたいじめに遭う。どんどん追い込まれていく。こんな状況があるわけであります。
 そこで、無理に学校に戻すのでもなく、不登校のままでいるのでもない第三の道、これをつくってあげる必要があるのではないか。学校以外の場で学ぶことを認め、不登校の子供への支援を制度化することが必要というふうに考えますけれども、この点についての見解を伺いたいと思います。

○金子指導部長 不登校の解消は、学校教育において重大な課題の一つであり、これまで学校におきましては、不登校児童生徒の早期発見、予防に努めるとともに、保護者の相談に応じたり、家庭訪問や学習支援を行ったりするなど、原因や状況に応じた対応をしてまいりました。
 都教育委員会は、引き続き区市町村における不登校児童生徒が通う適応指導教室や教育相談室、児童相談所等の関係機関によるネットワークの構築を支援するなどいたしまして、児童生徒の実態に応じた不登校対策を推進してまいります。

○やながせ委員 適応指導教室があるじゃないかということなんですけれども、フリースクールというのはたくさんあるんですね。このフリースクールによって救われたという方の声をたくさん聞いてきました。これは現在、学校教育法で認められていないので、教育庁はなかなかいえないかなということでもあるんですけれども、学校か、引きこもるのかの二択ではない道をぜひつくっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、いじめを深刻化させないための仕組みづくりについてであります。
 私のところに地域の方から相談があるのが、子供がいじめられていると。ただ、学校に相談に行ったけれども何の対処もしてくれないんだということで、私の家に電話がかかってくるわけであります。初期の段階でSOSが出ているんですけれども、学校がうまくなかなかキャッチできていないという残念な現状がそこからは見てとれるわけであります。学校が取り合ってくれないんだと。でも、次のアプローチ先というのは教育委員会になるはずなんですけれども、教育委員会にいうのは、なかなか敷居が高いということでちゅうちょするということです。
 これまでのいじめ自殺事件で、学校と教育委員会が、大津市なんかでもいわれましたけれども、やっぱりぐるになって隠蔽してきたんだということが大きく報道されてきました。だから、教育委員会に対してなかなか信頼感はありません。どこに助けを求めたらよいのかわからず、私のようなところに電話をしてくるという実態があるのかなと。
 大津市の第三者調査委員会では、最終報告書の中で、学校外に子供みずからが救済を求めることができる第三者機関が是が非でも必要だというふうに提言しています。これを受けて、学校からも教育委員会からも独立した、子供のための駆け込み寺をつくろうという動きが活発になっています。
 先進事例として、モデルになってきたのが兵庫県川西市の子どもの人権オンブズパーソンの活動であります。これは川西市が設置した組織で、子供の利益の代弁者として、学校や教育委員会から独立した立場で活動する。人権侵害に関する相談に応じたり、学校などに調査に入り、制度改善のための提言を行ったりしているということです。
 特徴的なのは、これはしっかりと動く組織であるということなんですね。声を拾ったら調査し、現状を打開するところまで実施する。川西市の条例では、学校は積極的にこのオンブズパーソンに協力することが義務づけられているので、事態を前に進めることができる組織だという点であります。私は電話でしか取材をしていないんですけれども、子供に対するアンケート調査では七〇%もの認知率があるということで、さまざまな機会を捉えて、この組織があるんだよ、ここに駆け込んでくださいということを告知しているということを誇らしげに語っていました。
 こういった動きは全国に広がっていて、都内では世田谷区、目黒区、また豊島区、隣では川崎市などが既に第三者組織、これを立ち上げているわけであります。
 そこで、第三者機関を区市町村が立ち上げることを都が支援していけばいいのではないかなというふうに考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○金子指導部長 いじめの背景や原因は複雑化、多様化していることから、学校だけでなく、専門家等の外部人材の協力を得て解決を図る必要がございます。
 都教育委員会は、学校だけでは解決困難ないじめなど、緊急に対応する必要がある問題について相談に応じられるよう、平成二十四年十二月から、第三者的相談機能を持つチームを都教育相談センターに設置しております。また、区市町村の中には、独自にいじめ専用の電話を開設しているところや、子供自身の声を受けとめ問題解決を図るための第三者から成る機関を設置するなどの取り組みを行っているところがございます。
 今後、都教育委員会は、こうした取り組み事例を紹介するなどして、区市町村教育委員会を支援してまいります。

○小松委員 それでは、質問いたします。
 学校におけるいじめは、一九八六年に中野区富士見中の男子中学生がいじめを苦にみずから命を絶って以来、社会問題として認識されるようになりまして、国を挙げて対策の必要が叫ばれてきました。子供の犠牲者が出るたびに社会の注目が集まり、新たな対策が打ち出されてきたわけですが、今まだ不幸な事件が後を絶たないということは、これまでの対策が有効ではなかったということだと思います。
 昨年のいじめ防止法の制定は、そのような過去の対策について検証することなく進められた感があります。しかし、今回の東京都の条例制定は、国の法整備に基づくものですけれども、都として独自に取り組んできた経緯を踏まえての条例ということでもありまして、その意味では意欲を買いたいと思いますし、また期待もしたいと思っています。
 そのような前提に立ちまして質問しますが、先日、一般質問でいじめの対策についてはお伺いしたところでもありますので、重複しないようにお伺いします。
 この条例ができることによって、まず最初、公立学校及び私学では一体何が変わるんでしょうか。

○金子指導部長 東京都いじめ防止対策推進条例では、都、区市町村、学校、保護者等のそれぞれの責務を明確にするとともに、地域や関係機関等と緊密に連携するための組織や重大事態が発生した場合の調査体制などについて定め、実効性のあるいじめ防止対策を推進できるようにいたしました。
 国の法律では、全ての学校は、いじめ防止のための基本方針を定めることとなっており、保護者、地域住民並びにいじめの防止等に関係する機関及び団体との連携を図りつつ、学校全体でいじめの未然防止及び早期発見に取り組むとともに、在籍する子供がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速に対処することになります。

○小松委員 基本方針、総合対策に関してパブコメが実施されています。その結果については、きょうの資料としていただいていますが、この結果について、東京都の見解、教育庁の見解をお伺いします。また、それをどのように反映させていくおつもりでしょうか、伺います。

○金子指導部長 条例成立後に策定する予定のいじめ防止対策推進基本方針案といじめ総合対策案について、平成二十六年四月から一カ月間、都民の皆様から意見を募集したところ、十七人の都民の方から三十九件のご意見をいただきました。
 いただいたご意見につきましては、今後、本定例会でのご審議を踏まえ、基本方針及びいじめ総合対策に生かしてまいります。

○小松委員 いじめは基本的人権の侵害であって、子供の学習権の侵害であるという認識が条例全体を貫く前提に据えられるべきだと考えます。目的、定義、基本理念などに子供の学ぶ権利を保障するという、この記載が必要だと考えますが、見解を伺います。

○金子指導部長 本条例第三条では、全ての児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならないと条例の基本理念を規定しており、子供の学習を保障することについては、条例全体に反映しております。

○小松委員 いじめは人権侵害であるという前提のもとに、いじめの防止を教育課題として捉えるべきだと思います。都や学校設置者の責務として、防止のために人権教育を強化するということを規定すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○金子指導部長 東京都は、東京都人権施策推進指針の基本的な理念に沿って、人権の意義が広く社会に浸透するよう、学校教育及び社会教育等を通じて人権教育を推進しております。
 また、公立学校においては、都教育委員会の基本方針の第一に掲げられた人権尊重の精神の育成を踏まえ、権利と義務、自由と責任についての認識を深めさせる教育などを推進しております。学校では、児童生徒一人一人が人権尊重の理念を正しく理解し、自分や他者の人権を守るための態度を育み、いじめ問題を解消できるよう、人権教育の充実を図っております。

○小松委員 いじめは、子供自身が主体的に解決を目指すこと、そしてそのために周囲の大人が支援することが必要であって、今回、条例、基本方針、対策が検討されているわけですが、この内容を検討する段階で子供の意見を聞き、子供が参加できるような方法を工夫すべきだったと考えます。見解を伺います。

○金子指導部長 東京都教職員研修センターにおけるいじめに関する研究報告書では、児童生徒約一万人を対象に調査研究を行うとともに、いじめを経験した児童生徒約百人からは、臨床心理士が直接面接を行うなどして調査を行い、いじめ問題の課題を明らかにいたしました。
 こうしたことから、条例の提案や基本方針、いじめ総合対策の策定に先立ち、子供の意見を聞いております。

○小松委員 この条例では、幼稚園や保育所が対象とされていません。しかし、未就学児の間でもいじめは起きています。対策が必要と考えますが、いかがでしょうか。幼稚部を除いたのはなぜかお伺いします。

○金子指導部長 いじめ防止対策推進法におきましては、児童等について、学校に在籍する児童生徒と定義し、幼児を対象から外しております。これは、幼児については十分な社会性や規範意識が備わっておらず、また、家庭が果たす役割が非常に大きいこと、さらには幼稚園、保育園など幼児が通う施設も多岐にわたっていることから、幼児期特有の発達段階や置かれている状況を十分に踏まえた指導が必要であり、一律に同法の対象とすることは適切ではないと判断したことによるものであると考えられます。
 東京都いじめ防止対策推進条例におきましても、こうした考え方に立ち、本条例の定義からは幼児を外しております。

○小松委員 ネットいじめに関連して伺います。
 子供の世界でのネット空間の存在は、今やかつての携帯電話とは比較にならないほど大きく、LINEなどのSNSは子供同士のコミュニケーションのツールとして欠かせません。
 しかし、閉鎖空間であるために、いじめの温床になっている面が否定できません。ネットいじめの対策については、非公式サイトの監視を挙げていらっしゃいますけれども、東京都の条例では法の直接適用とされていて盛り込まれていません。
 都としての積極的な取り組みが必要であるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○金子指導部長 本条例は、法を直接適用するものにつきましては、改めて規定することはしておりませんが、インターネットを通じて行われるいじめの防止対策につきましては、法第十九条に基づいて確実に実施してまいります。
 都教育委員会は、学校非公式サイトの監視を実施するとともに、子供が情報モラルを身につけ、コンピューターや情報通信ネットワークを適切に活用できるようにするための指導資料を作成、配布するなどいたしまして、インターネットを通じて行われるネットいじめの防止対策を推進しております。

○小松委員 先ほどもお話がありましたが、いじめは被害側だった子供が加害の側に変わることや逆の場合も珍しくありません。加害側の子供への対応として、深刻な場合を除いて厳しい罰則規定を設けることは、いじめを隠蔽させ、また、陰湿化を招き、、本質的な解決にはならないと考えます。都の見解を伺います。

○金子指導部長 加害の子供に対しては、学校いじめ対策委員会を中心に、必要に応じてスクールカウンセラーの協力を得るなど、組織的、継続的な指導を徹底してまいります。
 こうしたさまざまな指導を継続的に行っても改善が見られず、教育上必要があると認められるときには、加害の子供に対して校長が懲戒を加え、被害の子供や周囲の子供の教育に妨げがあると認める場合は、所管教育委員会が保護者に対して出席停止を命じます。
 児童生徒が安心して教育を受けられるようにするために、さまざまな指導を継続的に行っても改善が見られず、教育上必要があると認めるときに、こうした措置をとった後も加害の子供の健全育成に向け、心のケアに配慮しながら、継続的に指導していくことが必要でございます。

○小松委員 実効性について伺いたいんですが、いじめ総合対策には防止策としてさまざまなメニューが盛り込まれています。しかし、実効性を検証することが重要だと思います。その上で見直すということも必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、都内全ての公立学校にいじめ総合対策チェックシートを配布し、定期的に取り組み状況の点検、評価を実施いたします。
 また、条例第十一条に規定する東京都教育委員会いじめ問題対策委員会は、把握した学校のいじめ総合対策の取り組み状況及び達成状況を踏まえて評価、検証を行い、総合対策の改善を図ってまいります。

○小松委員 最後に、いじめた側の子供への対応について一言述べておきたいと思います。
 条例や総合対策には、いじめた側の子供への対応として教育的な支援をしていくことが書かれてありますが、一方で生活指導統一基準の指導指針や、あるいは青少年治安対策の枠組みの中で罰則規定が設けられることが想定されています。
 条例の理念とは別の概念が設定されて、厳しい罰則が科せられることにならないか危惧されるところです。いじめた側の子供に対して今後どのように影響を与えることになるのか、注意深く見ていく必要があると感じています。以上です。

○古賀委員 私は、いじめのない学校づくりを願って質問をいたします。
 先ほど我が党の神野委員の冒頭の質疑で、陳情が出されておりますけれども、その中でいじめに関する条例の制定、さらにはいじめに加担をした教員等に対する処罰に関する規定等についてやりとりがありました。極めて重要な教員の責任感、使命感にかかわるやりとりであったというふうに思います。
 都議会自由民主党は、これまでもいじめは絶対に許されない重大な問題と捉え、その対策の充実を図ってまいりました。
 東京都は、いじめの未然防止や早期対応を図るため、これまでさまざまな取り組みを行ってきていますが、依然としていじめで悩み、苦しんでいる子供は数多くいるという現実があると認識しています。
 いじめ防止対策推進条例やその後策定する基本方針、それからいじめ総合対策は、いじめ問題の解決に向けた都の決意のあらわれであるというふうに考えます。
 いじめは、子供たちの命や心身の健全な成長、人格の形成に重大な影響を及ぼします。そのため、全ての子供たちが安心して学習などに取り組むことができるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなることを目指して、総合的な実効性のある対策を徹底することが今求められています。
 こうしたことを踏まえて、四点について質問を行います。
 まず初めに、この条例が適用される学校の範囲について伺います。

○金子指導部長 いじめ防止対策推進条例第二条では、本条例が適用される学校につきまして、学校教育法第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校、幼稚部を除くであって、都、区市町村及び学校法人が設置するもののうち、知事が所轄するものと規定されております。
 したがいまして、東京都の全ての公立学校と都知事が所轄する私立学校が適用されることとなります。

○古賀委員 本条例の適用範囲は、公立学校だけではなく私立学校も含まれるということが今、明確になりました。
 公立であるか、私立であるかにかかわらず、東京の子供たちは、日本の希望であり、都民共通の宝であります。全ての公立、私立の学校において、いじめ防止対策が確実に推進されることを願います。
 次に、平成二十六年六月十三日に参議院本会議において賛成多数で可決、成立した地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律、略称地教行法によって、公立学校におきますいじめの問題への対応は今後どのように変わることになるのか伺います。

○金子指導部長 改正地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、従来の教育委員長と教育長を一本化した新たな教育長を置くこととしており、いじめ問題に対しては、この新たな教育長が責任を持って迅速に対応することになります。
 また、同法により新設される総合教育会議において、いじめについて地方公共団体の長と教育委員会とが意見交換をすることなどにより、全ての自治体において、より一層緊密な連携、協力のもと、取り組みが進むことが期待されます。

○古賀委員 いじめ防止対策として、大人がいじめから子供を徹底して守り通すということが重要であります。しかし、同時に、私たち大人には、子供たちにいじめに負けない強さを育てる責任があるのではないでしょうか。
 さまざまな困難や苦闘というものが人生の歴史にはあるわけです。そういうものを乗り越えて成長し強くなるということもまた事実であります。立派な人、偉い教え、宗教や思想もそうですけれども、必ず大きな困難、障害に遭い、そしてそれを乗り越えることによって多くの人をまた導くという面もあるわけです。
 ですから、人生においても同様だというふうに思いますので、そういうさまざまな苦労や困難に直面するということも、学校を卒業し、社会に出てもそれはまた体験することでもあります。
 しかし、いかなることがあっても、そういったものに負けずにたくましく生きていく子供を育てなければならないというふうに私は考えます。こういった視点での東京都教育委員会の見解を求めます。

○金子指導部長 いじめ防止等の対策は、大人が子供を守るだけではなく、学校では授業において、いじめは絶対に許されないことを自覚できるようにするとともに、児童会、生徒会による主体的な行動を促すことなどの取り組みが必要でございます。
 また、日常の授業、学校行事、部活動などにおいて、困難な状況にも立ち向かって、それを乗り越えることができる力を育むなど、学校の教育活動全体を通してたくましく生きる力を児童生徒に育んでまいります。

○古賀委員 いろんな逆境にも屈することのない精神的な強さを育むという視点も、教育にはなければならないというふうに思います。
 私は、この条例が児童生徒の人間形成のために大きな役割を果たしてほしいというふうに考えています。しかし、条例が制定されれば、それだけでいじめが解決するわけではありません。
 江戸時代に会津藩の藩士が学んだ日新館という藩校があります。私の地元日野市は新選組のふるさとということで、新選組は会津藩お預かりの京都の治安維持に当たっていた実働部隊であったわけで、会津若松市とは交流が長く続いています。
 この会津藩士を育てた会津の藩校、日新館、十歳から入校するわけでありますけれども、その前に六歳から九歳までは、にんべんに漢数字の十を書く什という大体十人程度のグループ、組織に入って、そこでお話と遊びということを毎日、日がわりの家に集まってやるわけです。
 その什という組織には什のおきてという決まりがありまして、それを毎日全員で唱和するわけです。これは、多くの皆さんが読みました藤原正彦さんの「国家の品格」という図書で紹介されましたので、私たちは以前から承知していましたけれども、かなり多くの国民が知るところとなりました。
 その中には、毎日子供たちがどのようなことを繰り返すか、おきての中にはどういうことが書かれているかといいますと、年長者のいうことに背いてはなりませぬ、年長者にはおじぎをしなければなりませぬ、うそをいうことはなりませぬ、ひきょうな振る舞いをしてはなりませぬ、次が大事なんですけれども、弱い者をいじめてはなりませぬ、こういったことが七項目書かれているわけです。
 そして、これを毎日唱えて、年長者が何かいうことはありませんかとみんなに問うと、もしこの中にどれか反しているものがあれば申し出て、自分からみんなの前で頭を下げて謝る。そして、年長者がしっぺといって、ぽんと、守れなかったことをとがめるという象徴的な行為を毎日繰り返すことによって、やがて今度は藩校、日新館に進んでいって、白虎隊等の会津、戊辰戦争を戦い抜いた藩士たちに育っていくわけです。
 この什のおきては、それでは、今、会津若松市では全く誰も見向きもしなくなっているかというと、そうではない。実は、これを今風に市民参加で検討し、今でも会津の伝統的な規範意識を踏まえた市民共通の指針として、学校で取り上げて教えているわけです。
 これがあいづっこ宣言という各家庭に配っているものなのですけれども(資料を示す)あいづっこ宣言、六項目ありまして、これは就学時の健診の際に、保護者の待機時間を活用して実施している、家庭教育講座の教本にもなっています。
 この中には、先ほど申し上げました什のおきてをわかりやすく今風にいいかえて、人をいたわります、ありがとう、ごめんなさいといいます、我慢をします、ひきょうな振る舞いをしません、会津を誇り、年上を敬います、夢に向かって頑張ります、こういうことが今、実際に教育現場にも学校にも掲げられ、各家庭にもこれが置かれているわけです。飾っているおうちもあります。
 ですから、いじめというのはひきょうな振る舞いをすることになりますし、ほかの我慢をしますというようなこともそれに通ずるものがあるというように思います。それから、ありがとう、ごめんなさいということを謙虚な気持ちで友人、友達との間でもそういう気持ちで接していくということで、今でもこの会津はこういったことを生かしているわけです。
 会津だけではなくて、会津と戦った薩摩も現在、鹿児島市の西郷隆盛や大久保利通や東郷平八郎を輩出した町がある山下小学校という校区では、維新のふるさとといわれているところですけれども、郷中教育を今生かしていて、全校生徒でその教えを今日の、うそをいうなとか弱い者をいじめるなということを学校の一つのスローガンとして、全員で唱和している。
 ですから、法律、条例ももちろん大事ですけれども、こういった気風とか風土を育てるという視点もぜひなくてはいけないというふうに思います。
 ですから、会津藩のことを今申し上げましたけれども、私たちは、いじめの問題を解決するためには、現代にも通じるこういった伝統的な価値観というものを忘れてはならないというふうに思うわけです。
 立ったついでに申し上げますけれども、白虎隊のことは、日本にボーイスカウトというのがありますけれども、ボーイスカウトの第一回ジャンボリー大会という世界大会がイギリスでありまして、それには日本から三名、代表が参加しました。
 ボーイスカウト提唱者、ベーデン・パウエルという陸軍中将なんですけれども、この人を表敬訪問したときに、ボーイスカウトの連盟の本部には、白虎隊自刃の図が大きく拡大して張ってあったということです。
 それから、べーデン・パウエルの歓迎のジャンボリーの演説では、ボーイスカウトの精神は騎士道精神であり、日本の武士道精神であり、なおかつ世界の子供たちがお手本にすべきは白虎隊であるということを彼は述べているわけです。
 そのことを、参加した人たちが日本に帰ってきて、日本でボーイスカウト運動をさらに始めるということで、世界の多くの人たちが会津の教育については評価を下しているということも参考に申し上げておきたいというふうに思います。
 このような我が国の伝統的な精神というものを踏まえた価値観、教育、こういったものを通して、人間形成を推進していく必要があると思いますけれども、ちょっと何か話が飛びましたけれども、こういった伝統的な精神というものを子供に伝える、日本的な精神というものを伝えるということに関して、東京都教育委員会としての見解があれば伺いたいと思います。

○金子指導部長 いじめの防止等のためには、人として行ってはならない行為を絶対に許さず、断固たる態度を貫き通すことが重要でございます。
 都教育委員会が作成した、中学生を対象とした道徳教材、「心みつめて」の中にも、什のおきてのうち、弱い者をいじめてはなりませぬや論語の和して同ぜずなど、現代にも通じる我が国の伝統的な教えを資料として掲載しております。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携して、道徳の時間などを活用して、児童生徒の人間形成を図ることができるよう指導してまいります。

○古賀委員 この条例は可決、制定されるというふうに思いますけれども、この条例の趣旨というものが都内の全ての学校で徹底されることによりまして、全ての子供たちをいじめから守り通して、私たちが願ういじめのない学校づくり、これが一歩でも二歩でも前進し、子供たちがたくましく生きていくことを願って、私の質問を終わります。

○あさの委員 私の方からも質問をさせていただきたいと思います。(「休憩前の最後だから」と呼ぶ者あり)プレッシャーのかかる発言が今ちょっとありましたけれども。
 今回の条例案は、基本的にいじめ防止対策推進法に基づいてつくられております。その条文についてまずちょっと伺いたいと思いますが、第二条における定義をもとに考えますと、この条例の目的というのは、もちろんいじめの防止、それは防止等ということでまとめられていますが、未然防止、早期発見及び対処のための対策ということで、責務を決めて、都の施策に関する基本的な事項を定めてということで書いてあります。
 ここで、第四条に児童などがいじめをしてはならないという規定がございますが、私、この規定、別に児童などにこだわらず、何人もという規定にしてもよかったんじゃないかと思っています。
 先ほども話が出ておりましたけれども、時に、学校の先生がいじめに加担してしまうというケースも当然、事実として報告されておりますし、この条例を意思表示として出すのであれば、児童などという言葉で何か、普通の人が読むとそう見えるんですけれども、児童など、児童と生徒というふうに別に定義されてしまっておりますので、児童と生徒がいじめをしちゃいけませんよというふうに書いてしまうというのは、ちょっと限定的にし過ぎるんじゃないのかなと思います。
 残念ながら、法律も児童などと全く同じ定義文で、児童などがいじめをしちゃいけませんという規定になっているんですけれども、これまで被害に遭われた児童の保護者にしても、周りの大人たちが消極的もしくは無意識であった可能性もあるにせよ、いじめを許さないという強い意思表示をしてほしいと思っているんじゃないかと私は思います。
 そこでまず、都としてこの第四条、児童などというふうに限定的にしたことについての見解を伺いたいと思います。

○金子指導部長 いじめ防止対策推進法は、大津市のいじめ自殺事件を契機として、学校においていじめ自殺という痛ましい事件が続いており、子供たちが安心して学校に通えるようにすることが喫緊の課題であるとの認識のもと、学校に対していじめの防止等のための対策をとるように求めることを目的に制定されたものでございます。このため、大人は法律の対象となっておりません。
 東京都いじめ防止対策推進条例は、いじめ防止対策推進法の施行を受けて制定するものであり、定義等についても同法の考えに則して規定しております。

○あさの委員 今のご答弁の中で、確かに法律に基づいて定義も全部運用しているんだというふうにおっしゃっておりました。
 では続いてお聞きしますが、この法のもとで、いろいろな責務等もこれで定められているんですね、この条例。これは、その責務の中に、例えば第八条に保護者の責務というところもこの条例にはついております。
 ただ、実はこれ、国の方では法の第九条において、同様に保護者の責務に関する規定というのをつくられておりますが、この都の条例案では--法律のもとでは、実は三項でなくて第四項まであるんですね。法律の保護者の責務の中には第四項まであって、それは第四項で何が書いてあるかというと、法律の保護者の責務、第九条第四項には、第一項の規定、これはほとんど変わらないんですけれども、家庭教育の自主性が尊重されるべきことに変更を加えるものと解してはならず、また、前三項の規定は、いじめの防止などに関する学校の設置者及びその設置する学校の責任を軽減するものと解してはならない、法律では明確にこの第四項があるんですが、実は、これが条例にされるときに、この第四項丸々すぱっと抜けています。東京都が提出してくるときに、この第四項丸々載っけてないんですね。
 私は、いっていることはそのとおりだと思うんです。家庭教育の自主性を尊重するんだよと。尊重するということはいっておくけれども、ただ責務を規定するときに、家庭の中できちっとやってくださいよということも保護者の責務として規定するけれども、そこでは自主性を尊重するということを、別に意思が入るわけじゃないよといっているのですし、当然保護者の責務を規定するんだけれども、学校の設置者や学校の先生方の責任がそれによって軽減されるわけじゃないんだよということも、これは法律できちっと書いているんですね。
 にもかかわらず、これも全体として法律にのっとってつくられている、法の運用で先ほどいった定義も全部法と一緒になってやっていますよといっている割に、この部分をすっぽり抜いてしまっていると。
 都として、この保護者の責務規定に法律の第九条第四項のような規定を入れなかったのはなぜなのかと。また、この第四項の考えをこの条例ではどのように解釈しているかについて伺いたいと思います。

○金子指導部長 いじめ防止対策推進法第九条第四項は、同条第一項に規定する保護者の責務に関する規定が、家庭教育の自主性が尊重されるべきことに変更を加えるものではないことをいわば確認的に規定したものでございます。
 同法第九条第四項の規定は、同じ内容を条例で規定するまでもなく、東京都におきましても、当然にかつ直接的に適用されるものでございます。

○あさの委員 ちょっと済みません。もう一点確認しておきます。
 今のところ、家庭教育の実践のところに触れていただいておりますけれども、学校の設置者及びその設置する学校の責任を軽減するものと解してはならないという規定についても、改めていうまでもないといっていますが、一度ちょっとはっきりいっておいていただきたいんですね。これも当然のことながら、この条例でもそのように認識しているということでよろしいんですよね。

○金子指導部長 学校教育の責任につきましても、条例におきまして直接適用するものに変わるところではございません。

○あさの委員 今おっしゃっていただいたとおり、変わるものではないということで、私も前から申し上げておりますけれども、条例もそうですし、議案もそうなんですが、都民から見てどう見えるかということも必ず意識してほしいということはずっといっていたと思うんですね。
 今回の件も、法律のときにこの第四項が載っていて、これ抜いているんだけれども、でも、結局見えることは一緒だと。解釈は一緒なんだったら載せときゃいいんだと僕は思うんです。
 それはあえて外すことによって、要らぬ誤解というか、要らぬ詮索が生まれるんですね。今、はっきりといっていただきましたので、東京都としてそういう悪意というか、他意はないよということはわかりますけれども、一々確認しなくても、ちゃんと載っけといてくれれば、別に載っけたことによってほかに影響ある文章じゃないので、そういう発想をぜひ持っておいていただきたいなというふうに思います。
 この条例も意思表示だということは今も申し上げました。この意思表示というのがいろいろ明文化されることによってわかってくることというのはあるんです。ですから、明文化されることはすごく大事だということをご理解いただいた上で、次の質問に移ります。
 教育委員会、設置者は、私も今回初めてわかりました。今回の法律でも国が制定しているとおり、学校の設置者というのが教育委員会のことを指すんだということがわかったんですけれども、設置者である教育委員会には、附属機関として対策委員会というのを置くことになっています。
 対策委員会は、教育委員会の諮問に応じて、いじめの防止などのための対策の推進について調査、審議して答申をします。どこかのドラマのせりふじゃないですが、いじめは現場で起きているんですから、当然現場の関係者からの声がその対策の中に入っていくようにすることも必要だと私は考えます。
 法律や条例に定められているように、法律や心理、福祉などの専門的な知識を有する人が必要だということも間違いありません。
 この条例では、専門的知識については具体的に今いった法律や心理、福祉などのというふうに規定されているんですけれども、あとほかは学識経験を有する者ということで一くくりになっているんですね。
 そこで確認をしておきたいと思います。対策委員会の構成員というのはどんな人を想定しているのか、また、今私が申し上げたとおり、教育現場の経験者、あるいは実際に教育現場にいる人でもいいんですが、そんなに暇じゃないと思うんで、教育現場の経験者を構成員とすることについて見解、どう思っているのかについて伺いたいと思います。

○金子指導部長 条例第十一条第五項では、対策委員会は、学識経験を有する者、法律、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者等のうちから、東京都教育委員会が任命する委員十人以内をもって組織すると規定しております。
 この対策委員会においては、適切にいじめ問題に対処する観点から、学校教育の専門的な知識を有する学識経験者などが含まれると考えられます。
 なお、対策委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、今後、東京都教育委員会規則で決定してまいります。

○あさの委員 結局、専門的な知識を有する人を入れるんだということですけれども、私もいつも思うんですが、この手の条例って具体的なことを規則で定めるというふうにいわれているんですよね。
 これ、条例を見るとわかるように、公布の日から施行されると。つまり、可決して成立すると、その瞬間から始まるんだと。そこで間に合うように、当然規則というのも規則案をつくられているはずなんですよね。
 今回、例えばいじめの条例にあわせて、いじめ対策基本方針、それからいじめ総合対策というのを発表されています。それは、報告事項で議案と一緒につけてくれています。
 条例案で公布から施行までに時間があるものはともかくとしても、公布と施行を同日でやるんだというものについては、当然中に細かい規則つけるんだったら、細かい規則も一緒に議案として出していただいた方が、本当に審議を受けるという気持ちが伝わっていいなというふうに思いました。
 続いて、今申し上げた防止対策の推進基本方針ですけれども、いろいろやっていくんだということが書いてありました。当然、いじめは理不尽きわまりないものだということは間違いないですし、被害児童だとか生徒を保護するというのは非常に大切なことで、当然のことだと思います。
 しかし一方、加害児童とか生徒にも、もちろん何らかの問題を抱えている場合があると。これは、さきの質問でもいろいろ出ていました。
 私、いつも思うんですが、学校というところは教育現場です。別に裁く場所じゃありません。ですので、たとえどのようなことが出たとしても、それが全て人間としての教育につながっていくようにしていくことが一番大事だと思うんですね。
 いじめた児童、つまり加害の生徒児童に対しても同じことでして、それはそのことによって、より立派な大人になっていくためのステップにしなきゃいけないと。もちろん、それがゆえに法律にも教育的配慮をもって懲戒を与えると。
 私、懲罰を否定するつもりはありません。別に必要だったらやるべきだと思います。それが教育的に必要であればということです。ただ、あくまで感覚は教育的に必要かどうかというところだと思うんです。
 一度、先ほど他の会派の委員からも質問がありましたけれども、より具体的に確認しておきます。いじめた児童とか生徒に対してどのように指導するのかということについて伺いたいと思います。

○金子指導部長 いじめている子供に対して、学校はいじめをやめさせ、再発を防止するため、個々の教員による単発な指導に終わることなく、学校いじめ対策委員会が中心となって、組織的、継続的に観察し、指導を徹底いたします。
 また、いじめを行ってきた原因や経緯について聞き取り、反省を促すため、担任や養護教諭が中心となって、心のケアなどを含めて指導を行うとともに、家庭環境が影響している場合もあることから、スクールソーシャルワーカー等と連携して、必要に応じて保護者への助言を行ってまいります。

○あさの委員 心のケアは非常に大事だと思います。いじめている子、いじめられている子、その双方が何らかの、心に傷を負っていたりとか、いろんな課題を抱えている場合がありますが、それを如実にやっていかなきゃいけないと。
 もちろん、いじめというのは、学校だけで防止も解決もできないんだと思うんですね。家庭も含めた懐の深い、幅の広い、いろんな意味での指導力の醸成というのが必要だと思います。
 これは同時に、結果を急がないということも大事なんですね。人間を育てる、子供を教育するという現場では、すぐに結果を出すことを求めていけば無理が生じますし、結果を出すためにいろんなことをやらなきゃいけなくなると思いますので、そういうことも余りすぐに結果を求めないということ。
 先ほどのいろんなお話もありました。私の経験でいいますと、私の妹が小学校時代にいじめを受けていたときに、親が先生に相談して、先生が実際に動いたのはその一カ月以上たってからです。
 でも、今思えば、当時は僕は理解できませんでしたが、その間、僕の母親は、手前みそですけれども、偉いなと思ったのは、子供が何の対応もしてくれないということをいっても、先生を信じて待ちなさいということを家庭でいい続けたんですね。結果的に、一カ月後に先生が動いたときにさまざまな効果が生まれました。
 これは、親はいろいろ思ったと思います。もしかしたら、僕の知らないところで担任の先生に電話を入れたりとかしていたかもしれません。ですが、大切なことは、いろんなことを動かすときに信頼関係を崩さないようにするということだと思うんです。
 それは、両方の努力が必要です。先生側からの努力も必要、保護者側からの努力も必要、あるいは学校の中の管理職と現場の先生や先生と学年主任の関係とか、全てが、常に信頼関係を崩さないように、崩さないように、つまり相手を信じる気持ちは常に持ち続けながら、頼んで動かしていくということを忘れてはいけないんだと思うんです。結果を急ぐことによってそれが崩壊することがあるということは、ちょっと余談ですが、いわせていただきたいなと思いました。
 今回の条文にも、それからこの基本方針にも、保護者に対して規範意識を養う指導などに努めるようにするというのがあります。正直いつも思うんですが、この規範意識という言葉が物すごくよくわからないんですよね、はっきりいうと。いじめ防止対策に関連すると、規範意識を養うってどんな指導だというふうに思ってしまうんです。
 なので、この際なので教えていただきたい。規範意識というのはどのようなことを指して、学校において規範認識についてどのように指導するのかについて教えていただきたいと思います。

○金子指導部長 規範意識とは、道徳、倫理、法律等の規範を守ろうとする意識であり、子供の規範意識を高めることによって、いじめを行わない態度を育むことができると考えております。
 そのため、各学校では、道徳や学級活動を初め、学校教育活動全体を通して、子供たちに法や決まりを守ることの意義を自覚させ、望ましい生活をする意欲を高めることができるよう、規範意識を身につけさせる指導を行っております。

○あさの委員 やっぱりわからないですよね。規範というので調べたんですが、お手本とか模範とか、のっとるべき規則、判断、評価、また行為などのよるべき手本、基準とかって。これ、広辞苑に載っていました。それの意識を醸成するということだと思うんですけれども、やっぱりわかりづらいなという気がいたします。
 今、道徳観だとか倫理とかいう話が出ていましたが、実は法律の方にも出ているというところだと思うんですね。
 規範意識については、今申し上げましたとおり、道徳だとか何とかっていろんなことが入ってきます。ただ、単純に決まりを守るという意識ではないんだということだけはちょっと確認させていただきたいなと思うんですね。
 つまり、心の中に持っているいろんな基準というものが規範だということなので、規範意識を高めるって、何か決まりを守る、つまり規定されたことを守るんだというふうに伝わってしまうと、保護者の方々も多分困っちゃうと思うので、その部分については誤解のないように伝えていただきたいと思います。
 それで、法律の規定に基づいて今回の条例では、常設の東京都いじめ問題対策連絡協議会というのが設置されます。この法律の第十四条では、都道府県は、協議会による関係団体の連携が区市町村が設置する学校におけるいじめ防止などに活用されるよう、必要な措置をとるというふうにありますね。
 簡単にいうと、区市町村が設置する小中学校においても、東京都の協議会がいろんな関係団体といろんな連携してやっていることが生かされるように対策を講じなさいというふうにいっているんだと思います。
 今回、東京都はいじめ総合対策というのをつくりまして、協議会は未然防止から重大事態の対処まで、さまざまな対策について協議していくんだと思います。ここで、やっぱり、せっかく協議されたことが都内の小中学校を含めた公立学校でも生かされるように、都が設置するということは法で規定されているわけですので、区市町村教育委員会と協議会の連携というのをどのように行って、設置する学校でどのように生かされるようにするのかについて伺いたいと思います。

○金子指導部長 条例に基づき設置されるいじめ問題対策連絡協議会は、いじめ防止等の対策の推進には、関係する機関や団体等が連携して取り組む必要があることから設置するものでございます。
 この協議会は、学校、東京都教育委員会、東京都児童相談センター、東京法務局、警視庁、区市町村の関係者等により構成され、区市町村または学校におけるいじめ防止等のための対策の推進等について協議いたします。
 都教育委員会は、協議会での協議内容を区市町村に周知するとともに、各学校におけるいじめ防止の対策が実効性のあるものとなるようにするために、各区市町村における取り組みについて助言するなど支援してまいります。

○あさの委員 条例の条文の中には、区市町村の関係者というのが書いてなくて、その他の関係者の一くくりだったので、今の一言で区市町村の関係者という方々も含まれるということがわかりました。
 ただ、これまでの協議会での協議内容というか、区市町村に対していろんなことを周知し、また助言したりするということも一生懸命やっていらっしゃることだと思うんです。
 いじめに関して別に特化するという話じゃないと思いますが、この協議会でせっかく議論したことがより伝わりやすくなるような仕組みというのも一生懸命考えていただきたいと思います。
 その続きで、法律の第十五条第一項に、学校の設置者及び学校は、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動などの充実を図らなければならないと規定しております。これは、いじめの未然防止に、私は非常に効果的だと思うんですね。
 今回の条例の設置自体、いじめに対してちゃんと取り組んでいこうという発想は大事なことですが、ただ、いじめというものを切り取ってしまうと、これは人間教育から外れると私は思います。
 つまりどういうことかというと、今行われている行動がいじめに該当するか否かという判断で教師が見るようになったらおしまいだということです。人としていいのかどうかということを見続けて、いじめにつながらないうちにつぶさなきゃいけないんです、本当だったら。
 いじめというのは理不尽きわまりない、卑劣きわまりない行為だからということは、卑劣きわまりない行為の前には、卑劣な行為というのが絶対出てくるはずなんですね。その時点で、その子がそれをやめるように指導できるのが一番理想的だと私は思うわけです。
 法律には、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえというふうにわざわざ書いてあるんですね。これは、正直、昨今の情勢を見てもわかるように、いじめにはいじめになる前のいろんな今いったような卑劣な行動というのがたくさんあるんだと思います。
 あざけり笑うこと、度を越したからかい、人のミスをあげつらうこと、集団で笑い物にする。これ、その現場になったときに、その子自身はいじめと思っているかどうか何ともいえません。思っている子もいるかもしれない、いじめと思っていない子もいるかもしれない。でも、これは、少なくともその対象となった児童生徒、それは不快にさせる態度だし、それは不快にさせる状況だと私は思うんですね。
 そして、残念ながら、これはこの議会内でも普通に起こっていることです。大人社会でも普通に起こっていることです。人をあざけり笑ったり、度を越してからかったり、集団で笑い物にしたり、いろんなところで見かけることがあると思います。
 大人がそういう態度を示していながら、どんなに子供に豊かな情操教育なんだと、道徳教育なんだと口でいっても、鋭い子供たちはわかっているんですよ。人間社会は、そんなことないじゃないか、大人たちはみんな普通に同じことやっているじゃないかと。だから、これはいじめじゃありませんというふうになるんですね。
 そうなっている中で、いじめがここまで大きな社会問題になっているということは、どういうことかというと、我々大人側の人間、私たち大人の対人交流技術が低下しているんだということなんです。我々は、対人交流技術が低下しているんだということを自覚して取り組んでいかなければいけないんだと思うんですね。
 ただ、残念ながら大人に対して再度教育するというのは物すごく難しいです、正直。例えばPTAの方々、保護者の方々にこういうふうにしていきましょうとやろうとする、あるいはそのほかの団体でもいろんな人を集めてやろうとする。話を聞いてほしい人はそういう会には出てきません。話を聞いてほしいと思う人は出てこなくて、わかっているだろうなという人は、みんなやっぱり集まってくる。そういう状況なんです。
 無関心になってしまった人たちに、一生懸命植えつけるのはなかなか難しい。ただ一つ、学校というのは、ほぼ強制的に子供たちが集まってくる場所なんですね。だから教育ができる場所なんです。
 なので、子供たちに対してそれを行うということを諦めてはいけないと私は思います。だから、道徳教育、体験活動などというのを、全ての教育活動を通じて充実させるための東京都としての取り組みについて伺いたいと思います。

○金子指導部長 いじめ問題に対応できる力を児童生徒に身につけさせるためには、道徳や体験活動を通じて、いじめは絶対に許されないことを自覚できるよう指導する必要がございます。
 道徳については、都教育委員会は、都独自の教材集や指導資料の中でいじめ問題を取り上げるなどして、子供がいじめ問題について考えることができるようにしてまいりました。
 また、体験活動については、学校は児童会、生徒会活動として行われる言葉の暴力撲滅キャンペーンなどの児童生徒の主体的な取り組みを支援し、子供たちがいじめを見て見ぬふりしない姿勢を身につけることができるようにしております。
 こうした取り組みを通して、学校は子供の豊かな心情と道徳心を培い、いじめ防止のための教育を推進してまいります。

○あさの委員 いじめについては非常に頑張っていただきたいと思いますが、私が最初から申し上げているとおり、いじめというものに対してスポットを当て過ぎると、多分、その方向性を間違っちゃうような気がするんですね。間違いとまではいわないですけれども。先ほど古賀委員からの話もありましたが、一番大切なことは、物すごい基礎的なことをきちっと教えるということだと思うんです。
 インターハイで常勝している学校のチームの先生方が、あるスポーツでインターハイ、全国大会の前の日に必ず、出場する全学校の監督が集まる懇親会というのがあるそうです。
 奥の席から順番に常勝校から新参者までが並ぶんですが、ある新参者の学校の先生がどうしてもノウハウを聞きたくて、奥の、普通の人は絶対座れないような強豪校ばかりのテーブルにあえて座って、でも、そこで温かく受け入れてもらって、インターハイで強くなるための秘訣というのを、チームでやる戦いですけれども、団体戦の競技の話を聞かせてもらったそうです。
 そのときにどの学校の先生も口をそろえていったのが、競技の技術を教えているわけじゃありませんと。脱いだ靴をそろえる、先輩や監督、コーチに対して丁寧な言葉遣いをする、挨拶をする、お礼をいう、道具を大切に使う、基本的なことを徹底して物すごく厳しく教えるそうです。でも、それだけでチームは強くなるよと教えられた。それは、どこの学校の先生もそういっていたそうです。
 同じことだと思うんですね。いじめについて考えよう、いじめについてのキャンペーン、これも大事なことですけれども、いじめについてやるんじゃなくて、ふだんの人間関係の中で汚い言葉遣いをしない、もっといえば、廊下で学校の先生とすれ違うときは必ず礼をする、年配の人に対しては丁寧な言葉を使う、親に対して感謝の言葉を必ずいう、こういった基本的なことをきちっと厳しく教えるだけで、いじめにつながりそうな案件というのは大分減るんだと私は思います。
 一〇〇%なくなるとは思いませんが、少なくとも対人の交流技術、さっきいった話というのはそこにつながってくるんですね。自分が正しいことを証明するために、相手をひたすら非難する子供たちがふえているというのも僕の感覚でありますが、それもやっぱりどこまでやっていいかという感覚が全く身についていないから、人に対して敬意を払う、それも大事なことです。
 余談ですが、だからこそ、例えば国旗云々の話が出たときもそうなんです。国旗がいいかどうかは抜きにしておいて、何かに対して敬意を払うという姿勢をきちっと見据える、きちっと教えるということは、人を尊敬するという気持ちにつながっていくんだと私は思うんですね。そういう感覚を指導の中に入れる。
 だから、道徳教育、体験活動というのは、まさに日ごろの教育の中で何をいうかなんです。あえて体験活動ってつくる必要なんかないんです。あえて道徳の授業とかという感覚を持つ必要はないんです。学校の先生が日ごろの生活指導の中で厳しく、繰り返し反復しながら、同じことをきちっと教える。それだけで全く大きな道徳教育と体験活動の実績になるんだということをぜひ実践していただきたいと思います。
 さて、悪質ないじめですね。これ、重大事態というのも、最初のうちは小さなことからスタートしています。先ほど話したとおりでございます。そして、そういった小さなものをどれだけ早い段階で潰せるか。いじめの芽の段階で、学校がいじめ防止のためにどのように対応していくかについても伺いたいと思います。

○金子指導部長 いじめは、どの学校でも、どの学級でも起こり得るという認識のもと、社会性や思いやりなどの豊かな心を育むため、道徳教育や体験活動を推進するなど、組織的、日常的に未然防止に取り組むとともに、いじめを把握した場合には速やかに解決する必要がございます。
 そのため、被害の子供の声やサインを早期にかつ確実に受けとめ、いじめを発見した場合には、特定の教職員が一人で抱え込まないで、速やかに組織的な指導を行います。
 具体的には、いじめられた児童生徒やいじめを知らせてきた児童生徒の安全を確保し、加害の子供が特定できた場合には、本人に指導し、今後の改善の方向性について保護者を交えて考える、その後の様子について教員等による継続的な観察を行ってまいります。

○あさの委員 もう一度だけいいます。いじめの芽というのもそういう意味なのかもしれませんが、大切なことはいじめの早期発見じゃないんです。いじめが発生しないようにすることなんです。
 いじめが発生してしまえば、それはもう被害者はいるんですよ。いじめが発生しないようにするということが一番大事なことで、そのためには、もっと手前の段階の子供と態度、そこをきちっと指導できるように、そしてその段階でもヘルプでも何でも出せるようにする制度の構築というのが一番大事だということを申し上げておきたいと思います。
 それで、最後に一点だけ。先ほど、ほかの委員の話にもありましたけれども、学校現場、先生の多忙感についてだけちょっと確認をしておきたいと思います。
 私もこれまでいろんな質問してきましたけれども、今回、さらに総合対策でも定期的に生活意識調査、それからアンケートを行うということなどが盛り込まれています。こういった教員だとか管理職というのが、先ほど何回も答弁にあるように、時間的には子供に集中しているという取り組みにしていただいているし、それからいろんな仕事も効率的に行えるように取り組んできたということは否定しません。
 ただ、こういうものができてくると、また新たにふえるんですね、やることが。やることがふえてくると、また、どこの時間を使うかというと、結局夜の時間だったり、休みの日だったりとかというのを使うようになってしまうんだと思うんです。
 大切なことなんですが、学校の先生には物すごい意識を高めて、子供の未来に対する責任感を持って取り組んでもらいたいと思う一方で、そこに取り組めるエネルギーが出せるような体制もつくってあげるべきだと思うんです。
 だから、時間だけじゃなくて、例えばちょっと早く帰ってリフレッシュする時間がとれるぐらい、余り時期が一カ所に集中、繁忙期に重ならないようにしていくべきじゃないかと思います。
 そこで、アンケート調査みたいに、現場に報告を求めるような取り組みというのは、一時期に集中しないよう平準化するように、例えば発信部署を一元化するなり、あるいは現場への依頼事項の情報を一元管理するなり、先ほどいった、教師が子供に向き合うエネルギーが集中できるように、組織とか手続とかで知恵を絞っていくべきだと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○加藤人事部長 都教育委員会は、小中学校においては、平成二十四年三月に調査・通知・配布物の縮減・改善指針を策定し、学校が見通しを持って業務を進められるよう、あらかじめ年間スケジュールを示す、調査の必要性や内容の重複等を事前にチェックする、学校側に調査の目的を説明するなど、教育庁各部や区市町村教育委員会など、調査をする側への配慮を求めております。
 また、都立学校においては、平成二十四年五月に調査統計システムを稼働し、都立学校に対する調査依頼、回答の授受を全てシステムに一元化することにより、調査日程、件名や方法などの情報を共有し、重複、類似した調査の削減を図っております。

○あさの委員 最後に一点だけ、陳情に対する意見だけ述べさせていただいて終わりにしたいと思います。
 この陳情で、一つ目の条例の制定については今回出されておりますが、教職員の処罰についてということがあります。処罰云々という話は、先ほどいったように学校の先生には責任感を持って取り組んでいただきたいという思いもありますが、私は処罰を入れる前に、いじめをもっともっと、いじめとかいじめじゃない未然の状態も含めて、情報がどんどん出てきて、ちゃんと共有できる体制をつくることが一番大事だと思っております。
 ステップがあって、そういうのがちゃんとできてから処罰を入れるか入れないかということを考えていけばいいんだと。今の段階で処罰を入れれば、やっぱり隠蔽したくなるような先生も出てくる可能性があるから、私自身はそこのところに対して、今のタイミングで余り積極的に行くべきではないんじゃないかと思っております。
 ただ、その分をちゃんと情報を出すことが大切なんじゃないかと。それが学校の評価、教員の評価というものにもちゃんと影響するんだということをはっきりいうべきだと思っておりました。
 事前に確認したところ、平成二十四年の十二月に、これは教育長名でいじめ問題に対する児童の実態把握という通達、通知というのを、きちっと取り組みを徹底してくださいという通知を出しておりまして、その中にも学校評価及び教員評価における留意点、これは文部科学省が出しているものをきちっと出して、しかもそれを各区市町村の教育委員会の指導室長さんたちにも周知徹底している。各校長先生にもその話が行っているはずだということで伺っております。
 ですので、まず、もちろん学校の先生方がいろんなことを隠したりとか、あるいは自分のクラスにいじめがありそうだけれども、これを認めちゃうと自分の評価が下がるかななんて思うような先生が一人もいないということが確認できるまで、繰り返し何かの折には、こういった通知が出ているけれども、評価については間違いなくそのようにやってくださいという話を出していただきたいということを要望しておきまして、私の質問を終わりたいと思います。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時一分休憩

   午後四時十五分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 契約議案の調査を行います。
 第百四十三号議案から第百四十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松山総務部長 去る六月四日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料(契約議案関係)の目次をお開き願います。
 要求のございました資料は五件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、都立図書館の書庫の収蔵容量でございます。都立中央図書館及び都立多摩図書館のそれぞれの収蔵容量と合計を記載してございます。その下、2、都立多摩図書館の現在と改築後の比較につきましては、現在と改築後の構造、延べ床面積、閲覧席、収蔵容量をそれぞれ記載してございます。3、外部倉庫の書庫の収蔵容量では、外部倉庫へ収蔵している図書の冊数について記載してございます。4、都立図書館の所蔵資料数でございますが、平成二十四年度末における所蔵資料数を館別及び図書、新聞・雑誌別に記載しております。
 恐れ入りますが、二ページをごらん願います。5、都立図書館の年度別受け入れ実績でございます。購入及び受贈した図書、新聞、雑誌の冊数について、平成十五年度から平成二十四年度までの実績を館別に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○里吉委員 それでは、まず、第百四十三号議案の東部地区学園特別支援学校(仮称)の新築について伺ってまいります。
 東部地区学園特別支援学校は、校地の中のグラウンド予定地に仮設校舎を建設して来年四月から開校いたします。新設校でありながら、わざわざ仮設校舎を建設して開校することになった経緯について、まずお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 仮称でございますが、東部地区学園特別支援学校は、東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画に基づき、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門を併置する学校として、平成二十七年度に開校を予定しております。
 本工事の工期について関係機関と検討した結果、工期延長の必要が生じ、本校舎の竣工は平成二十八年十一月となっております。
 知的障害教育部門につきましては、教室数の確保や就業技術科の設置が喫緊の課題であることから、仮設校舎を建設し、平成二十七年度に就業技術科を開校する予定でございます。

○里吉委員 不足している知的障害教育部門の教室確保のためにも、こうした対応をするというご答弁でした。予定どおり、知的障害者教育部門は来年度開校いたしますが、仮設校舎をグラウンド予定地に建設するために、グラウンドが一定期間使えません。仮設校舎は、この後いつまでここで使用されるのか。その間、グラウンドが使えません。また、体育館も使えない期間など体育の授業はどのように行うのか、あわせてお伺いいたします。

○松川特別支援教育推進担当部長 この仮設校舎は、平成二十七年四月から平成二十九年三月まで東部地区学園特別支援学校が使用し、その後、平成二十九年九月から平成三十二年八月まで改築工事を行います都立水元特別支援学校が使用する予定でございます。
 体育館やグラウンドが使用できない間は、学校周辺の水元体育館や葛飾区フィットネスパークなど、代替施設を確保し、体育の授業を行えるよう、現在、葛飾区と協議しているところでございます。

○里吉委員 来年度、学校は開校しますけれども、都立水元支援学校の改築工事まで含めると、五年間以上もの長い間、本来のグラウンドが使えないということになります。体育の授業だけでなく、部活の時間も含めてグラウンドが必要であり、今ご答弁いただきましたけれども、近隣の体育館やグラウンドを使うということで、葛飾区と協議中ということでした。地域のスポーツ施設は、その近隣に住む地域の皆さんも日常的に使っていると思いますので、こうした皆さんに極力しわ寄せがいかないよう、今から工夫して、しっかりと話し合って、協議して進めていただくよう要望しておきます。
 次に、プールについて伺います。
 校舎内に設置することになっているプールですが、このプールは温水にするなど、夏に限らず使用できるものなのでしょうか、伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 プールにおける水泳指導は、学習指導要領の体育の内容の一つであり、一定の水温と気温が確保できる夏の時期に実施しております。
 肢体不自由特別支援学校におきましては、雨、風など、天候の影響を最小限にして、夏季の水泳指導の時数を確保できるよう、プールに屋根をつけたり、水温を上げるための加温設備をつけたりするなど、さまざまな工夫を行っております。
 東部地区学園特別支援学校につきましても、他の肢体不自由特別支援学校における施設上の工夫を参考に整備してまいります。

○里吉委員 さまざまな工夫をしていただけるというご答弁でしたけれども、今お話がありましたように、児童生徒数の多い知的、肢体併置校では、プールの時間割の組み方が複雑で、天候の状況によっては、ワンシーズンに二回程度しか入れなかった、こういうお話も実際伺っております。
 東部地区学園特別支援学校では、各障害種、学部、学年のプールの時間がしっかり確保できるよう設備も整えていただきたいと思いますし、工夫をしていただきたいと思いますが、都の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 プールにおける水泳指導の実施に当たりましては、障害種別に応じて使用可能となる水温や気温が異なるため、時期や時間帯を調整し、それぞれの教育部門で有効にプールを使用して、指導時数を確保してまいります。

○里吉委員 肢体不自由の子供たちがプールに入るときには、温度が高目でないと入れないということで、少し気温が下がって、肢体不自由の学級が入れないからといって、急にほかのクラスがプールに入るということも簡単にできないということなんですね。ですから、時間数を確保していても、天候によっては、本当に限られた回数しかプールに入れなかったということが起きてくるわけです。
 先ほどご答弁いただいたように、さまざまな工夫、検討をするということでしたので、温水プール、もしくは少なくとも水温を少しでも高くできるような工夫をしたプールをぜひ整備していただくよう要望しておきます。
 そして、障害者スポーツ振興の観点からも、卒業生や地域の障害のある方々が利用できるプールにするなど、学校や関係者の意見も聞いて工夫していただきたいと考えますが、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 都立特別支援学校では、平成十年度から障害者のためのプール開放事業を実施し、都民の要望に応えております。本校のプールにつきましても、他の都立特別支援学校と同様に、安全管理や施設管理に留意しつつ、障害者のためのプール開放事業の実施を検討してまいります。

○里吉委員 開放の方向で検討というご答弁でした。障害者のためのプール施設はまだまだ限られておりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 この質問の最後に、改めて長期間にわたってグラウンドが使えないことへの対応や、近隣住民の皆さんへのしわ寄せが極力ないよう求めて、次の質問に移ります。
 次は、第百四十四号議案です。南葛飾高校の改築について伺ってまいります。
 まず、議案を拝見させていただきましたが、この南葛飾高校の校舎の普通教室の数が十九と、三学年なのに十八など三の倍数ではないんですね。このことがどうしてなのか、まず伺います。

○堤都立学校教育部長 南葛飾高等学校の全日制課程は、一学級四十人、六学級で募集しておりますが、第一学年のみ、中途退学対応のための少人数指導を行えるよう七グループ編制としております。第二学年及び第三学年は各六学級のため、普通教室数は合計で十九教室となります。

○里吉委員 中途退学対応としてきめ細かい教育をするために七グループ編制、わかりやすくいえば、七学級にして少人数学級をしているということでした。
 次に、今後、東京都全体で高校生の生徒数が増加すると推計されていますが、今回の改築に当たり、生徒増への対応はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 今後、生徒の増加があり、南葛飾高等学校において学級増を行う場合には、中講義室として予定しております部屋等を活用することにより対応することが可能でございます。

○里吉委員 私たちとしては、生徒増は学校の新設で対応し、十分な教育環境を確保することを求めているわけですけれども、やむを得ず学級増で対応する場合は、最低限、きちんと使用目的に応じた教室を確保することが必要だと考えます。南葛飾高校の場合は、生徒増に対応できる教室を用意していることがわかりました。
 次に、この南葛飾高校は、夜間定時制もある全定併置校なので、食堂が設置されています。ところが、給食をつくるための厨房が図面には見当たりません。なぜ厨房がないのか、お伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 南葛飾高等学校の定時制給食は、同じ葛飾区内にございます都立農産高等学校で調理したものを配送する方式により提供しておりますため、厨房は設置いたしません。

○里吉委員 昨年十一月に、定時制、通信制PTAの皆さんや小中学校のお母さん方から給食についての陳情がありました。私もいろいろ勉強させていただいて、給食は自校方式で、栄養士さん、調理師さんたちが子供たちの顔を見ながらつくった温かい給食が、子供たちの成長のためにも、教育のためにも一番だと強く感じました。
 しかも、ことしの三月の文教委員会のときに資料でいただきましたけれども、都立中高一貫校の中学校では、順次新しく厨房をつくって、自校方式で給食を提供できるようにしていますよね。中学生と夜間定時制の高校生ということで違いがあるということかもしれませんが、中高一貫校の子供たちは自校方式の温かい給食、片や定時制は、以前は自校方式で提供していたものを、コスト削減のためということなんでしょうか、他の学校から運んでくる方式に切りかえ、改築に当たっても厨房をつくらないというのはいかがなものかと私は思います。
 しかも、南葛飾高校は、葛飾区の災害時の避難所に指定されていると聞きましたが、確認したいと思います。

○堤都立学校教育部長 南葛飾高等学校は、葛飾区との協定に基づき、避難所に指定されております。

○里吉委員 区の避難所に指定されているということであれば、なおさら厨房などが設置されていれば、災害時のときの食事の提供などにも役立ちますし、一石二鳥ではないでしょうか。
 今回は契約案件で、既に設計図なども示して落札されたので、変更などできないとおっしゃるかもしれませんが、例えば、私が区議会議員をやっていたときには、設計の段階から、もう少し事前に議会に報告をいただいて、一緒に議論する機会がありました。都議会では、ある一定金額以上の契約案件となって初めて都議会、文教委員会に説明されるということですから、この際、厨房の設置も求めたいということをこの機会に申し上げておきたいと思います。
 最後に、定時制、通信制PTAからの陳情で、定時制課程専用教室、フリースペース等の確保を目的とする設置基準の改善、拡充を図ることが要望されていました。今回の改築に伴い、こうした要望への配慮はどうなっているのか伺います。

○堤都立学校教育部長 南葛飾高等学校では、これまで始業時間前に登校してきた定時制課程の生徒のために食堂を開放しておりましたが、登校する生徒が少人数であるにもかかわらず、食堂が広く、落ちつけない状況にございました。今回の改築で、食堂に間仕切りを設けることといたしまして、落ちついた環境で過ごすことのできるよう配慮いたしております。

○里吉委員 間仕切りを設けて始業時間前に登校した生徒のためのスペースの充実を図ったということで、こうした配慮は大切なことだと思います。
 今回の契約案には、全体としては賛成いたしますが、厨房を初め、必要な改善をぜひ図っていただくことを要望しておきます。
 そして、最後に、第百四十五号議案、都立多摩図書館についてお伺いしてまいります。
 資料のご用意をいただきありがとうございました。いただいた資料にありますように、都立多摩図書館は、移転改築後、延べ床面積は四千三百五十一平米から八千九百七十二平米へと約二倍に、また、閲覧席は百五十八席から二百二十七席へと一・五倍弱ふえます。資料の収蔵容量は、百三万冊から二百八十五万冊へと百八十二万冊ふえます。そこでまず、都立多摩図書館は、移転に伴って今後どのようなサービスを充実させていこうとしているのか伺います。

○前田地域教育支援部長 多摩図書館の移転に伴い、開架閲覧スペースの拡大、充実、児童青少年ための専用スペースの確保、講演会、セミナー等を開催する専用セミナールームの設置などのサービスの向上を行ってまいります。

○里吉委員 今のご説明で、図書館に来館する方へのサービスが拡大されることがわかりました。同時に、多摩図書館の改築に当たっては二○一二年に陳情も出されていますが、十分な収蔵スペースを確保して、都民の貴重な知的財産である図書資料の保存について、将来の蔵書の増加にも対応してほしい、区市町村との関係でも役割を果たしてほしいという都民要望が寄せられております。陳情でも出されておりました。
 都立図書館には、区市町村立図書館をバックアップすることと、区市町村立図書館ではできない利用者への高度なサービスを行うという二つの大きな役割があります。区市町村の図書館で永久保存が困難な資料なども都立図書館で保存してほしい、こういう要望が図書館関係者からも繰り返し出されております。
 書庫が大きくなることを機に、今後、こうした要望にも応えていくべきと考えますが、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 区市町村立図書館の資料の収集、保存方法は、各自治体がそれぞれの実情に合わせて定めております。都立図書館では、区市町村立図書館の資料保全能力の向上のため、図書館職員に対して、専門知識や製本技術の向上のための研修などを実施しております。

○里吉委員 今のご答弁は、保存能力の向上のための専門知識や製本技術の向上のための研修は行うけれども、保存するかどうかは各自治体任せということでした。しかし、それでは都立図書館独自の役割が果たせないのではないでしょうか。都立図書館が東京全体の資料保存能力を高めるために、最終的には都が保存するスペースを確保する、または区市町村立図書館が保存する場合も協定を結ぶなど、資料保存に責任を負うべきです。
 平成二十四年に、文部科学省から示された図書館の望ましい基準において、都道府県立図書館の役割として、こう書かれています。市町村立図書館の求めに応じた資料保存があるということが述べられております。既に愛知県や滋賀県、最近では富山県などでもこうした取り組みが進んでおります。ぜひ東京都としても、このことを検討していただくよう要望いたします。
 そして、東京都の資料保存の基本的な考え方ですけれども、重複本や発行後三十年を経過した資料を除籍すると伺っております。しかし、都民に広く貸し出すことも考えれば、せめて二冊は保存すべきです。また、三十年以上たった資料で、そのときは不要と判断することができても、後で必要だというふうになる図書もあるのではないか、こう考えます。
 収蔵容量をふやすわけですから、この際、資料保存の考え方も改めるべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 都立図書館の資料につきましては、利用者の調査研究に資するため、原則として百年保存としております。ただし、江戸後期から明治初期の希少資料である特別文庫資料や東京資料などについては永年保存としております。さらに、発行から三十年を経過した資料のうち、内容が古くなり、必要度が著しく劣った資料、また、重複した資料につきましては除籍していきます。移転後もこの考え方に基づき、資料保存を行ってまいります。

○里吉委員 かつては東京都も、発行から三十年経過した資料の除籍などという方針は持っていませんでした。書庫には限りがあるわけですから、どういうふうにこれに対応していくかということを検討することが必要なわけですが、図書館の貴重な資料、蔵書を廃棄するという方向ではなく、どうやってふえ続ける資料を計画的に保存するのかという観点で、今後の都立図書館について考えていただきたいと思います。
 そこで伺いますが、多摩教育センター、新しく図書館ができるとここの書庫はあきますけれども、移転後の活用は考えているのでしょうか、伺います。

○前田地域教育支援部長 新多摩図書館への移転後は、現在、多摩教育センター内にある多摩図書館の書庫の活用は考えておりません。

○里吉委員 考えていないという大変冷たいご答弁だったんですけれども、都立図書館として資料保存に責任を果たそうと思えば、現在の書庫の活用も検討に入れていいんじゃないかと思います。あるいは、別のところに書庫を確保することも視野に入れて考えていくべきだと思うんですね。
 都立多摩図書館建設については、資料保存機能の充実を求める陳情が出されました。改築して収蔵容量をふやすわけですから、これを機に、改めて都立図書館としての役割を発揮して、都民の大事な知的財産である資料を都立図書館として保存することを求めて質問を終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○小竹委員長 次に、報告事項、都立高等学校入学者選抜学力検査の採点の誤りに係る答案の点検結果(第一次調査)と今後の方針についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○堤都立学校教育部長 要求資料のご説明に入ります前に、六月四日の本委員会においてご報告いたしました資料の一部に誤りがございました。深くおわびを申し上げます。まことに申しわけございませんでした。
 要求資料に先立ちまして、報告資料の訂正内容について改めてご説明させていただきます。
 お手元の報告事項1、都立高等学校入学者選抜学力検査の採点の誤りに係る答案の点検結果(第一次調査)と今後の方針についてをごらんください。
 資料で誤りのあった箇所は二カ所で、いずれも八ページとなります。恐れ入りますが、資料の八ページをお開きください。
 八ページでは、平成二十四年度に実施した入学者選抜における誤りの状況を学校ごとに記載しており、網かけ部分は、保存年限一年の経過により答案を廃棄していたことを示しております。これについて事実と異なる記載が二点ございました。
 具体的には、左側の中段、桜町高校の全日制について、先日の資料では網かけをせず、誤りの総件数ゼロ件と記載しておりましたが、実際は左側の最下段のとおり、答案の廃棄により点検を実施しておりませんでした。
 また、右側の下方、武蔵村山高校の全日制につきましては、全て網かけをし、学校点検前に答案を廃棄した記載となっておりましたが、実際は右側最下段のとおり、学校点検後、都教委点検前に廃棄しておりました。
 この二点の誤りにつきましては、六月四日にご報告した後、改めて学校ごとに答案の廃棄状況を確認したところ判明したものでございます。
 次に、要求資料についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、文教委員会要求資料(報告事項関係)の一ページをお開き願いたいと存じます。1、都立高等学校入学者選抜における採点・点検の実施状況でございます。
 都立高校の入学者選抜における学力検査日の当日から合格発表日前日までの四日間の状況を記載したものです。この春実施した入学者選抜において、受検人員に応じて五校を例にとりまして、採点、点検、選考業務を実施した日程と、採点、点検に充てた延べ時間数を記載しております。
 以上で改めてのご報告とご説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川松委員 都立高校入試の採点の誤りにつきましては、この誤りの規模や追加合格者の多さから、都民の関心も非常に高くなっていると思います。
 私も都立高校出身者として、適正に実施されていると信じてきましただけに、今回のことに関しては驚くとともに、なぜこんなことになってしまったのかという思いを禁じ得ないわけであります。
 外部委員を含めました調査・改善委員会で原因究明と改善策の検討を行い、八月末に公表がなされるとのことですから、きょうの段階で結果が出ることではありませんが、本日は、採点の現状等についての質疑を通し、今後の検討に向けた意見を申し述べたいと思います。
 まず、これまでの点検結果によりますと、今春、そして昨春二年間の採点誤りの件数は、いずれも千件を超えております。このことから、それ以前のいつごろからこのような状況だったのかと考えてしまうのは当然のことかもしれません。改めまして、もっと早く気づくことができなかったのだろうかと思われます。
 そこでお伺いいたしますが、採点の業務につきまして、都教委や学校では、毎年の採点業務が終わった後に点検や検証を行っていたのでしょうか。また、都教委と高校や中学との間におきまして、意見交換をする機会がなかったのかをお伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会は、前年度の入学者選抜が制度に沿って実施されたかを検証し、当該年度に実施する入学者選抜に反映させるため、入学者選抜検討委員会を毎年設置しております。この委員会は、都教育委員会の関係者に加えまして、高校、中学校の代表者で構成し、意見交換の上、入学者選抜の改善を図ってまいりました。
 しかしながら、採点業務に関しましては、複数の人間により複数回の点検を実施しておりますことから、誤りは起こるはずがないという思い込みが教育委員会と学校双方にあり、これまで委員会の議題にも上らず、また、学校側からの提言もなされてまいりませんでした。この点については深く反省すべきと考えております。

○川松委員 今後は、入試を実施する主体としての検証とともに、現場の意見をしっかり聞く機会を確保していただきたいと思います。
 次に、この問題に対する都教委及び学校の取り組み姿勢についてお伺いいたしますが、これだけ大きな社会問題になっているにもかかわらず、学校の現場におきまして、危機感に温度差があるという指摘も私には届いております。原因究明と再発防止に向け、都教委と学校が一丸となって取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

○堤都立学校教育部長 徹底した原因究明を行い、実効性のある再発防止改善策を講じるには、都教育委員会と学校が一体となって取り組む必要がございます。
 五月に設置いたしました都立高校入試調査・改善委員会には、都教育委員会の関係者に加えまして、学校代表専門委員として三人の高等学校長が参画し、検討を進めております。
 また、全都立高校長で構成いたします高校校長協会からは、特別委員会を設置いたしまして、学校として再発防止改善策を独自に検討し、調査・改善委員会に提言するとの申し出を受けております。
 このような取り組みを通じまして、都教委と学校が共通認識に立ち、二度とこのような事態を起こさないよう全力で取り組んでまいります。

○川松委員 都民は、取り組み姿勢についても注視していることを都教委の各部署、全ての学校に徹底していただきたいと思います。
 次に、誤りの発生原因のうち、学力検査から合格発表までの日程についてで質問します。
 入試日程の長期化が中学校の教育活動に与える影響を考慮し、日程の短縮化を図ってきたと聞いております。日程の短縮は、早く結果を知りたいという受検生やその保護者に対しても喜ばれたに違いありませんが、都立高校の場合、学力検査日と合格発表日との間が中三日ということで、他県に比べて短いんだということがメディアで報道されております。
 そこでお伺いいたしますが、現在、都教育委員会として、このような日程が採点誤りと関係しているのかと認識されているのかお伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 採点誤りにつきましては、さまざまな原因が重なり合っているのではないかと考えております。
 学力検査から発表までの日程につきましては、ほかの道府県と比べますと短い方ではございますが、その期間の長短だけではなく、その期間内に具体的にどのような業務を行っているのかや、実際に採点、点検業務に要した時間はどれくらいかなどの点について、ほかの道府県の状況と比較しながら検証する必要があると考えております。
 また、これまでの点検で、採点日を休業日や校外学習に充てることによりまして、採点に専念できる環境を整えた学校においても採点誤りの発生が判明しております。
 このことから、それらの状況も含めて、今後開催する調査・改善委員会に提示いたしまして、誤りの原因を究明してまいります。

○川松委員 私も日程の長短のみをもって問題があると決めつけるのは短絡的であると思います。発表までの間にどのような作業が行われているかについて、他県の状況も参考にしながら検証を進めていただきたいと思います。
 次に、再発防止策についてです。
 採点誤りを防止するためにさまざまな策を講じたとしても、人間が採点作業に関与する以上、誤りを皆無にすることは難しいという考え方もできると思います。そうすると、マークシートのように機械で採点することも考えられると思いますが、都立高校入試をマークシートにすることについて、現時点でどのようにお考えなのかを聞かせてください。

○堤都立学校教育部長 今後、抜本的な改善策を構築していくに当たりましては、考えられるさまざまな手法を検討していくことが必要だと考えております。
 マークシートの導入につきましては、現時点では、事務局として検討すべき改善策の一つと考えておりますが、入学者選抜には、受検生の身につけた思考力、判断力、表現力を検査するという側面があるということを踏まえまして、今後の調査・改善委員会で検討してまいります。

○川松委員 さまざまな改善策のうちの候補の一つという趣旨のお答えでございましたが、仮にマークシートを導入するために、入試問題を全て選択式にするということになりますと、これはあくまで私の意見ですが、本末転倒だと思うんですね。学力検査、高校入試というのは、子供たちが中学校で身につけた力を見る大切な機会で、何度もある機会ではありません。基礎的、基本的な学力とともに、課題を解決するための思考力、判断力、表現力などをきちんと見ることができる改善策としていくことを要望しておきます。
 高校三年間は、学習面のみならず、部活動などの課外活動も含めて、先生や友人との出会いなど、人生にとって大きな三年間です。それゆえ、入試の採点誤りというのは、受検生の人生を左右するほどの重大なことであり、あってはならないことです。特に追加合格となった生徒には、都教育委員会として誠意を持ってしっかりと対応してもらわなければ困るわけですが、今回の採点誤りによる最大の犠牲者である追加合格となった生徒に対してどのように対応していくのか、考えを聞かせてください。

○堤都立学校教育部長 追加合格となった生徒及びその保護者に対しましては、謝罪の上、本来は合格であった事実をきちんとお伝えした上で、合格した高校への転校の希望や、希望する場合にはその時期、さらに本来、当該都立高校に入学していれば発生しなかった諸費用等に対する補償も含めて、今後について、生徒及び保護者の意向を踏まえ、誠意を持って対応してまいります。

○川松委員 都教育委員会の、追加合格となりました生徒に対する姿勢についてはわかりました。
 追加合格となった生徒への対応と同時に、現在、都立高校を目指す中学三年生への対応も考えていかなければなりません。生徒の多く、あるいはその保護者が、来年の入試はどうなってしまうんだろうかと不安な思いを抱いているはずです。来春の入試に向けた対応もまた極めて重要であります。
 失われた信頼を回復するためにも、また、来年受検する受検生の不安を取り除くためにも、都教委として、来年の入試はきちんと実施していくんだという強いメッセージを早目に出していくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○堤都立学校教育部長 来年、都立高校を目指す子供たちが安心して受検できるようにすることは、都教育委員会と学校に課せられた重大な責務でございます。改善策の公表時にはもちろんでございますが、それまでの間についても調査・改善委員会において議論した情報などについて、中学校長会など、あらゆる機会を捉えて発信し、適正な入学者選抜の実施に向けた都教委の取り組みが受検生に伝わるようにしてまいります。

○川松委員 都立高校は、その特性から、定員を意識したきめ細かい判断で合格者を出すという入学者選抜の使命があることはよくわかっております。中学三年生が安心して都立高校を受検できるよう、なるべく早く、きちんとした実効性のある再発防止改善策を構築し、実行するよう強く要望しておきます。
 最後に、この問題の責任について申し上げます。
 採点業務は学校の、最終的には校長の責任で実施されていると聞いておりますが、これだけ多くの学校で誤りが発生したという事実を踏まえますと、都教委幹部も含めて責任のとり方を考える必要があるのではないでしょうか。
 また、責任をとらせる余り、学校の現場が過度に萎縮するようなことになってはならないとも思います。
 現在、二年分の合格者の答案を都教委で点検していることから、それが終了すれば誤りの全容が明らかになるわけですが、責任論はそれを踏まえてということになるのでしょうが、都民の納得が得られ、なおかつ現場が萎縮しない責任のあり方をしっかりと検討していただくことを強く要望しておきます。
 しかし、都教委と学校だけに責任を問うべきではないとも私は思っています。都政の中で教育の部門を所管する文教委員である私たち自身も、かかる事態を未然に防ぐことができなかったことについては深く反省すべきです。
 石原都政時代に打ち出した都立復権のスローガンのもと、都立高校改革が進んできたのはいうまでもありません。ところが、今回の件により、都立高校は地に落ちたともいわれております。失われた都立高校の信頼回復に向けて、教育委員会と学校とともに、オール都政で中学生たちの未来を守っていくべきことをお訴えし、私の質問を終わりとします。

○大松委員 今回の入試答案の第一次調査では、二年間で二千二百十一件もの採点の誤りがあったことが明らかとなり、その結果、二年間にわたって、実に十六校で十八人もの追加合格者が出る事態に至っております。
 この生徒の皆様方は、本来、都立高校に合格していたはずなのですが、採点の誤りによって不合格とされ、他の高校へ入学しております。この追加合格者十八人のうち、多くの皆様方が、不合格とされた都立高校が第一志望であったと伺っております。目指していた都立高校への入学を夢見ていた受検生の人生に大きな影響を与えてしまった事実は、もはや取り消すことはできませんし、その責任は余りにも重大であります。
 そこで、大事なことは、この採点の誤りによって不合格とされた生徒の皆様方のことを最優先に考えて対応しなければならないことでございます。この生徒の皆様方の中には、追加合格とされた都立高校への転校を望んでいる人もいると伺っておりまして、また、生徒や保護者の皆様方にとっては全く予期せぬ事態でありますし、年度途中の転校となれば、新たな学校生活においてさまざまな不安を覚えるに違いございません。
 今後、都教育委員会は、追加合格となった生徒やその保護者の皆様方に対し、真摯に対応すべきです。
 そこでまず、今回の採点誤りによって追加合格となった生徒の皆様方への対応の状況と、今後の方針について伺います。個々の方々の状況については、プライバシー等の問題もあり、お答えいただくには限界があると思いますので、答えられる範囲で詳しくお答えをよろしくお願いいたします。

○堤都立学校教育部長 これまでに追加合格となりました十八人の生徒さん、保護者の方と、少なくとも一度は面会いたしまして、謝罪と今後の方針等についてご説明してまいりました。多くの方は、驚きや憤り、戸惑いを訴えられました。
 都教育委員会といたしましては、追加合格した学校に転校するかどうか、転校するのであれば、時期のご希望、受け入れる都立高校に対する要望など、生徒及び保護者の方の意向を十分に伺い、対応してまいりました。現在のところ、都立高校への転校を選んだ方、現在の学校に引き続き通う方、また、決め切れない方、さまざまでございます。
 また、転校による友人や教員との関係など、周辺環境の変化に不安を訴えられる方も多いことから、転校に当たりましては、事前のガイダンスを行いますとともに、スクールカウンセラーによる相談を初め、学習面、生活面のサポートを行うなど、生徒が新しい環境に早期になれ親しむことができるよう、万全な受け入れ体制を講じていくことを説明しております。
 今後も生徒、保護者の思いをできる限り酌み取り、本来、合格した都立高校に入学していれば発生しなかった諸費用に対する補償も含めまして、引き続き誠意を持って対応してまいります。

○大松委員 今回のことで一番悔しく、また、つらい思いをされているのは、追加合格となった生徒の皆様方でございます。現在通っている学校から都立高校へ転校する生徒の皆様方、転校はしないけれども、つらい思いをされている生徒の皆様方へのフォローを最優先に考えて対応していただくように、改めてお願いいたします。
 その上で、今回のような事態は、今後二度と起こしてはなりません。今回の採点誤りの原因としては、入試業務へのなれ、また、この採点業務が受検生の人生に影響するという認識の薄さ、三回の点検だから大丈夫であろうという油断など、教職員の意識の問題が取り上げられております。
 また、学力検査日から合格発表日までの日程が短く、厳しいという声や、解答用紙と採点基準の様式が異なっているなど、仕組み上の課題も、今、徐々に明らかとなってきているところでございます。
 この都立高校にかかわる全ての教職員の意識を変えていくことは当然といたしまして、二度とこのような事態を招かないという決意のもとに、先ほどもお話が上がっておりますけれども、例えばこの採点、点検日程の見直しなども含めまして、具体的な再発防止に取り組んでいくべきでございます。東京都教育委員会の見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 今回の採点誤りによりまして、心を傷つけられ、人生の大きな軌道修正を迫られた子供たちを多数生じさせました。二度とこのようなことを起こしてはなりません。
 現在、都立高校入試調査・改善委員会におきまして、原因究明のため、学校での実態調査を実施しております。この結果に加えまして、学校における採点業務の現状や制度上の課題、大学や他県における取り組みなどさまざまな視点を踏まえまして、八月末を目途に、抜本的な改善策を策定いたします。この改善策に基づき、今後の入学者選抜を適正に実施できるよう、学校と一体となって全力で取り組んでまいります。

○大松委員 先ほどご答弁いただきましたように、今後、学校と東京都教育委員会が一体となって、また一丸となって再発防止策を定め、確実に実行していただくことを求めまして、質問を終わります。

○里吉委員 都立高校の入学選抜で採点誤りが起きて、平成二十五年度入試で百四十六校、千百三十九件の誤り、そして十校、十二人の追加合格者、そのもう一年前の平成二十四年度入試でも、保存されていた答案用紙のみの調査でしたけれども、百九校、千七十二件の誤り、そして六校、六人の追加合格者という点検結果が明らかにされました。本当にあってはならないことであり、特にこの採点の誤りによって、本当は合格だった十八人の方々のご本人もご家族の方も本当にショックが大きいと思います。
 先ほどさまざまご説明いただきましたが、私からも改めて一人一人に対して、都教委として丁寧な対応を求めておきたいと思います。
 その上で、今回のような誤りがなぜ起きたのか、二度と繰り返さないためのしっかりした調査や検証が求められております。
 そこでまず、採点期間について伺います。
 入試の採点期間について、検査日も含めて四日間と定めておりますけれども、他の道府県に比べても短いのではないか、こういう報道もされておりました。しかも、同時に授業などを行っている学校も少なくないと聞いております。
 そこで、採点期間と、また採点期間中に授業をやっている学校とやっていない学校、ここでの採点誤りの関係はどうなのか、伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 学力検査から発表までの日程につきましては、ほかの道府県と比べると短い方ではございます。しかし、その期間の長短だけではなく、その期間内に具体的にどのような業務を行っているかや、実際に採点、点検業務に費やした時間はどれくらいかなどの点について、ほかの道府県の状況と比較しながら検証する必要があると考えております。
 また、これまでの点検で、採点日を休業日や校外学習に充てることによりまして、採点に専念できる環境を整えた学校におきましても、採点誤りの発生が判明しておりますことから、それらの状況も含めまして、今後開催する調査・改善委員会に提示いたしまして、誤りの原因を究明してまいります。

○里吉委員 改めて、採点期間中に授業をやっている学校でも、また、授業をやらないで採点に集中していたはずの学校でも誤りが発生したということが明らかになりました。
 それでは、学校における実際の採点方法、どのようなやり方で行っているのか。具体的にはさまざまなやり方があると思いますが、一枚の答案用紙をどのように採点するのか、ここで教えていただきたいと思います。

○堤都立学校教育部長 各学校によりまして採点、点検の方法は異なりますが、一般的には、一枚の答案をア、イ、ウ、エで答えるような選択式の部分と記述式の部分に分けまして、それぞれの部分を担当の教員が分担して採点しております。
 また、点検につきましては、採点者とは別の三人の教員がそれぞれの部分について一回ずつ、合計三回行っております。
 その後、各部分ごとの得点の小計を算出いたしまして、小計についても算出した教員とは別の三人の教員が一回ずつ、合計三回の点検を行っております。
 最後に、小計を合計して合計点を算出いたしまして、合計点につきましても、算出した教員とは別の三人の教員が一回ずつ、合計で三回の点検を行った後、その答案の点数を確定しております。

○里吉委員 一枚の答案用紙に点数がつくまでに、本当にたくさんの先生の手を通って採点が行われているということがわかりました。一見すると、何重にもチェックがあるようにも見えますし、もう一方で、他の人が採点したから大丈夫という気持ちを生んでしまうのかもしれないなというふうにも感じました。
 次に、採点誤りは、どういったところで起きたのかということについて伺いたいんですが、記述式の問題で多く発生していたのか、それとも記号式だったのか、また、教科によって採点誤りの多い少ないはあったのでしょうか、伺います。

○堤都立学校教育部長 採点誤りの数といたしましては、択一式の問題が多くなっております。記述式におきます誤りにつきましては、例えば漢字の書き間違いや英語のスペル間違いを正解としているものが典型例でございます。教科につきましては、全ての教科にわたっております。

○里吉委員 本当に広範にわたって、さまざまな場所で採点誤りが起きていたわけですけれども、この採点誤り、学校点検で見つからなかったものが、都教育委員会の点検で見つかっております。学校点検とは異なる方法で点検したのでしょうか、お伺いします。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会の点検では、学校における点検漏れを見つけ出すために、学校とは異なる方向で点検を行いました。学校では、点検者が答案と正答とを見比べて点検を行っておりますが、都教委点検では、読み上げ役の職員が正答、配点を読み上げ、点検者はそれを聞いて解答と配点を点検いたしました。

○里吉委員 違う点検のやり方でミスを見つけたということも今後の参考にしていくべきものではないかというふうに思います。
 それから、二度とこうした誤りを起こさないために、いろいろなことが考えられると思うんですが、例えば再発防止として、答案用紙を受検生に返却して自己採点してもらう、こんなこともいわれております。こうしたことは、今考えているんでしょうか、お伺いします。

○堤都立学校教育部長 今後、抜本的な改善策を構築していくに当たりましては、考えられるさまざまな手法を検討していくことが必要でございます。答案の返却を制度化することにつきましても、その実現性と実効性につきまして、調査・改善委員会で検討する予定でございます。

○里吉委員 今伺ってきましたように、いろんなところで、多岐にわたって、全教科にわたって採点誤りがあったということで、まずはこれから全容、いろいろな関係を明らかにしていくことが求められていると思うんですが、今、都立高校入試調査・改善委員会が本格的に動き出していると思います。そこの調査結果も、私たちもしっかり参考にさせていただきたいと思うんですが、調査・改善委員会による学校の実態調査が行われていると伺っております。どういった規模で、どのような調査が行われているのか伺います。

○堤都立学校教育部長 外部委員と庁内委員、事務局がチームを編成いたしまして、誤りの件数が多いなど、課題のある学校を中心に、九校に対しまして、聞き取りによる実態調査を実施しております。

○里吉委員 これらの学校調査をした結果は、これから高校入試調査・改善委員会で報告され、検討されると思うんですが、六月下旬からですか、第三回目の入試調査・改善委員会は、原則公開で行うというふうに伺いました。このことはどのように周知するのか伺います。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会のホームページを通しまして、都民の方々に周知するほか、開催予定につきましては、報道発表いたします。

○里吉委員 各分野の外部委員の方、そして、学校代表の専門委員や庁内の委員も含めて行われます入試調査・改善委員会が公開されるということですので、そこに傍聴に来られた都民の方からもさまざまな意見が寄せられると思います。ぜひそうした意見も参考にしていただきたいというふうに思います。
 そして、私、この案件をいろいろ伺っておりまして、これだけ多くの学校で、二年間にわたって千件を超える採点誤りが発生した。これは、もちろん一人の先生のミスがいろんなところで起きて、こういうふうに重なっているわけですけれども、やっぱり制度上の課題ということもあるのではないかというふうに考えざるを得ないんですね。そのことについて都教委の見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 今後、調査・改善委員会におきまして、制度上の課題のほか、採点業務の現状や、大学や他県における取り組みなど、さまざまな視点を踏まえまして、誤りの原因を検証いたしまして、抜本的な改善策を構築してまいります。

○里吉委員 今、大学や他県における取り組みなども踏まえて、さまざまな視点から検証していくというご答弁でしたけれども、本当にそういった対策が必要だと思うんですね。
 受検生の立場に立てば、採点ミスで、合格していたものが不合格とされてしまうことはあってはならないことで、人間はミスを犯すものだという前提に立って、採点、集計ミスを起こさせない工夫と配慮が本当に求められていると思います。
 模範解答の形式や解答用紙の書式の工夫、わかりやすい配点、先生も入試当日に初めて問題を見るわけですから、採点基準の打ち合わせなどにも時間的な余裕が必要かもしれません。
 同時に、どうしたら採点業務のミスをなくせるのかという部分だけでなく、一月末の推薦入試から三月の二次試験まで続く入試を初め、スケジュール全体についても、ぜひ改善すべき点があれば改善していただきたいと思うんです。
 例えば、願書を受け付けて、一回取り下げがあって、出し直しの受け付け、こういうこともあります。中学校から送られてくる調査書の確認、そして試験、採点、集計、合格発表の準備、間違いの許されない緊張を強いられるスケジュールが推薦、一次、二次と三回繰り返されます。
 さらに、入試の時期には、通常の授業も行いますが、並行して次の年度のカリキュラムの作成、大学入試への対応、三年生の成績つけ、一、二年生の学年末試験の準備などにも時間がとられます。合唱祭や海外などへの修学旅行が二月に組まれている学校もあると聞いています。さらに、昨年度からは、都教委が推進する学力スタンダードへの対応が加わりました。そうした中で、疲労が蓄積している、こういうこともあるかもしれません。
 入試制度というものがある以上、選抜は厳正に、公正に行わなければならない、どの子に対しても機会は平等に与えられなければならないのは当然です。大人の間違いによって子供の教育を受ける権利が損なわれるようなことがあってはならないと、先生方は心を砕いていらっしゃると思いますが、ぜひこのようなことが二度と起きないよう、中学、高校の先生方を初めとする関係者の皆さんの声も率直に聞いて、ミスの起こらない制度への改善に向けた検討を行っていただくことを要望して質問を終わります。

○あさの委員 私からも質問させていただきますが、多少かぶっているところについては省略することもありますので、ご注意をお願いしたいと思います。
 再三にわたっていわれているとおり、また、教育長もみずからおっしゃっていることでありますが、入試における採点ミスというのは本当にあってはならないことだということはそのとおりだと思います。
 ただ、とはいえ、人がミスをするのは世の常でありますし、絶対や完璧ということはあり得ません。だからこそ、検証と再発防止策の精度を高めて、ミスが発生したとしても、取り戻せるところで発見できるようにしておくことが非常に大切だと私は思います。
 都立高校入試調査・改善委員会で現在検討中でありますが、入試や採点業務における原因究明にとどまらず、制度とそれを運用する教育庁、教育委員会の課題というのもあるはずですので、そこまで検証していただきたいと思います。私としても、この委員会において、さまざまな部分について確認させていただきたいと思います。
 まず、この報告の聞き取り調査から出された誤りの発生原因例を見ると、意識の問題があるということも書いてありますが、運用というか、採点業務の進め方にもさまざまな課題があったというようなところがあります。
 現場の教員の方は、毎年になっているのか、あるいは数年に一度になるかわかりませんけれども、少なくともこの入試の採点業務にかかわったことがない人の方が少ないわけで、その経験から、こういうふうに改善したらいいという改善策に思いが行かなかったのかなという気がいたします。
 また、それを意識という言葉で片づけることは簡単ですけれども、それでは改善にはなりません。毎年行われる入試の採点業務で、何の問題も感じなかったのかどうか、あるいは感じたけれども上司に伝わらなかったのか、その上司が受け付けなかったのか、あるいは教育委員会に伝わらなかったのか、教育委員会が聞く耳を持たなかったのか、どこかに問題がある、あるいはいろんな部門に複雑に課題があるのかもしれません。それを確認したいと思いましたが、先ほど川松理事の質問の答弁の中で、入学者選抜検討委員会というのが行われていて、そこに対して、採点業務に関して現場から改善要求等が出されていませんでしたという答弁がございましたので、それを受け取らせていただきたいと思います。
 ということは、つまり、少なくとも毎年そういう意見がいえる会を開いているんだけれども、そこではこういうふうにしたらいいのにというのは出ていなかったと。ただ、この問題が発生した時点で、採点のやり方をもっとこういうふうにしてくれればいいのにという現場の声は聞き取ることができたということですね。
 ということは、そう思っていた人がいたのに、それが、それをいえる場所でいえていなかったということは、どこかにやはり制度上というか、意識の問題なのか、その両方なのか、課題があるということは、ぜひこの検討委員会でもやっていただきたいと思います。
 ところで、この入試の採点業務というのに特別手当のようなものがつくのかどうか、つまり、入試の採点業務にかかわることによって特別に予算が必要なのかどうか、もしついているんだったら、二十五年度実績ベースでどの程度予算をかけていたのかを確認したいと思います。

○堤都立学校教育部長 各都立高等学校において実施されます入学者選抜の採点業務は、学校の業務でございますため、当該校の教職員に対し、特別な手当は支給しておりません。

○あさの委員 もちろん通常の業務の範囲内でありますよということだと思います。だからといって、別に意識を軽んじていいわけではないということですね。
 この通常といわれる入試の採点業務に関して、教員の意識だけではなく、業務日程が非常にタイトであったと先ほどの話にもありました。その中でも出てきたように、他の道府県には、その日を休業日にするような話もあったということが載っております。
 東京都で、今のような入試の採点をするところを休業日にするなり何なりするということを検討したことがなかったのか、あるいはそういったものを意見として出されたことを検討しなかったのか、また、一次採点から確定まで三回のチェックを用いて行っていたということもありましたけれども、それぞれのチェックをする人にはどの程度の責任があったのかについて確認したいと思います。

○堤都立学校教育部長 都教育委員会といたしまして、統一して採点期間を休業日とするような措置はとっておらず、また、検討したこともございません。
 なお、採点日は、通常、授業日でございますが、学校から教育課程の変更届を都教育委員会に提出することによりまして休業日とすることができ、二十五年度実施の入学者選抜では、九校が学力検査の翌日を休業日といたしました。
 答案の採点に当たりましては、誤りのないよう採点を行う、誤りを未然に防ぐという点におきまして、採点者、三人の点検者がひとしく責任を有していると考えております。

○あさの委員 今のお話にあったとおり、ただ、どうやら先ほどの答弁の中でも、休業日にしていた学校でもミスがあったということも報告でありましたので、それだけが原因とも考えられないということだと思います。
 ただ、今お話にあったとおり、現場からの改善のニーズだとか、あるいはタイトスケジュールに対する意見とか報告というのも、もし上に上がっていなかったとすれば、それこそ、その部分の意識改善を求めたいというふうに思っております。
 教育委員会や校長会、副校長会では、今回の問題が発見されるまでに、採点業務に対して意見や具申というのがあってもよかったのではないかなと。それがなかったのであれば、現場でもしそう思っている人がいて、その現場の意見を酌み上げる仕組みというのが足りなかったということになってしまいます。そういった観点で、調査とか改善というのを図っていく必要もあるのではないでしょうか。
 採点業務のそれぞれのパートでの責任の中身、そのような観点で、調査・改善委員会が情報交換や意見交換のやり方などについても確認、検討するのか伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 調査・改善委員会におきまして、実効性のある改善策を構築するに当たりましては、実際に採点に当たります学校現場の意見等は非常に重要でございます。
 このため、都教育委員会は、全校の校長や採点業務に従事いたしました職員から聞き取り調査を実施いたしました。さらに、外部有識者を含みます調査・改善委員会委員にも学校を訪問していただきまして、校長及び採点業務従事者から、採点業務の実態や採点誤りに対する認識、改善すべき点等について話を聞いていただいております。
 今後、学校の実態を踏まえた改善策を検討してまいります。

○あさの委員 今回の件で、実態を踏まえたということでいろんな調査をしていただけるんだと思いますが、先ほどからいっているように、そもそもこういう問題が起きたときの調査ではなくて、ふだんの日常の業務の中でいろんな問題点というのがどんどんどんどん風通しよく上がってくると。その中で、これは感情的にいっているのかな、これは確かにそのとおりだなと思うものを取捨選別して、聞いている側が選べばいいんだと思うんですね。
 正しいものだけが上がるようなシステムにしちゃうと、要はそれを判断する人の主観でどんどんどんどん選別されてしまうので、何でもかんでも上がってきて、その中で、これは確かにそのとおりだと思うものだけ改善の方に回していくというシステムの方が意見は上がりやすいと思いますので、ぜひそういった形になるように、また、校長会とか副校長会といった組織も、そういう風通しのいい団体になるように、ぜひ促していっていただければなと思います。
 今回の報告では、平成二十四年度分についても点検を行っております。規定上、一年経過後だったので、当該答案を処分した学校もありますけれども、かなりの数、確認することができているというふうに思います。しかし、幾ら期限が過ぎているからといって、例えばミスが発見されてしまったものを、それが発見されたにもかかわらず、都教委のチェックが始まる前に廃棄してしまう、こういった学校も数校とはいえ、ありました。これは、単純な意識の問題にするのも簡単なんですけれども、そうではなくて、やはり何らかの意識、その判断に至ったという前提があったと思います。
 そもそもこの入試が終わった後、それぞれの答案について、保管期限後、どのように扱うべきというふうに指導していたのか伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 答案を含めまして、入学者選抜にかかわる文書の取り扱いにつきましては、東京都教育委員会文書管理規則に基づきまして、個人情報の紛失や漏えいの危険を回避するという趣旨から、保存期間を経過後、速やかに廃棄するよう入学者選抜実施要領に明記し、指導いたしております。

○あさの委員 もちろん、漏えいを防ぐためにということで処分を急ぐということも正しい判断なんですよね。難しいところだとは思うんですが、ただ、少なくともチェックをするんだといわれている以上はとっておいてほしかったなとは思いますが、この辺も今後の課題としていただければと思います。
 今回、入試の本番の採点から、最終的に、都教育委員会による最終チェックまで、一つの答案当たり、最大で多分計七回チェックされているんだと思うんですね。それでも、七回目の都教育委員会のチェックでも、新たなミスというのが発見されたということです。これは、逆にいうと、高等学校の人数的、人員的に限られた中で、何回、どんなに数多くチェックをしたとしても、効果が限定的だということがはっきりしてしまったんだと思うんですね。
 ですから、今後、調査・改善委員会でもちろん検討されると思うんですけれども、この入試のチェック等を民間への委託とか、外部による第三者のチェックも視野に入れていくべきじゃないかなと思います。
 そこでちょっと確認なんですが、これまで入試の採点や合否判定を外部委託とか、もしくはチェックだけでも外部に任せるということを検討されたことがあったかどうかについて、理由も含めて伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 入学者選抜の学力検査には、都立高校への入学者を選抜するとともに、入学してくる生徒の学力を把握するという意義がございます。また、入学の許可につきましては、学校教育法施行規則に、入学者選抜に基づいて校長が許可するとございますことから、合否判定については学校が行うべきことと考えております。
 採点に関する外部委託につきましては、これまで採点業務が適正に実施されているという認識のもと、検討してまいりませんでしたが、今回の事態を受けまして、その有効性等について、検証、検討してまいります。

○あさの委員 これまで適正に行われているんだというところがありましたけれども、確かに、その意識だとなかなか難しいのかなと。ただ、これについては、先ほど他会派にもありましたが、我々議会人も反省しなきゃいけなくて、私、この後で会議録をいろいろと調べてみました。しかし、やっぱり採点業務に対して何か提言してみたりという話は本当に出てこないんですね。一部、採点とかいろいろ考えて検索してみても、ちょっと関係のない話がヒットすることはあるんですが、文教委員会から本会議までいろいろ調べても、議会側からもなかなか提言が出てないなと。我々の意識も、うまくいっているだろうという思い込みというのはやっぱり怖いものだなということがありましたので、これは我々も含めて本当に反省していかなきゃいけないなと思います。
 そういった中で、今、民間の話をしましたけれども、民間の中には、やはりそういったものを効率的に試験の採点や何かをやりながら、かつ正確に結果を出す。それは信用が全てですので、ましてやそれを業務としてやっているところについては、それが非常に大事だという部分がありますので、そこに学ぶことも多いのではないかと思います。
 例えば、国家試験や何かにも一部委託されているものがあるんですね。全国試験運営センターというのがありまして、これは予備校である河合塾だとか、人材派遣のパソナ、日本電子計算株式会社、そういったところが出資してつくられた法人がありまして、この全国試験運営センターというのが、いろんな試験を委託で受けて、実際には試験監督まで含めて、試験の運営から、採点から、合否判定まで、依頼された事項についていろいろやっていらっしゃるところがあるんです。ここにもやっぱり学ぶべきところはあるんじゃないかなと思います。
 そこで、調査・改善委員会としても、そのような運営会社からのヒアリングというのも行ってもいいのではないかと。設置者である東京都としても、採点業務というのをゼロから再検討するというためにも、予備校だとか、今いったような試験委託をされている会社から学び取る姿勢というのも大切だと思います。
 今回の調査・改善委員会は、八月に最終報告をするということになっておりますけれども、この最終報告の取りまとめまでに、少なくともその試験運営のプロの現場から学ぶべきことをすべきだと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 今後、受験生の多い大学や予備校等における採点に当たっての工夫や、実際に導入している採点システムなどについて調査いたしまして、その状況を調査・改善委員会に報告していく予定でございます。
 なお、調査・改善委員会の設置要綱では、必要に応じて関係者から意見を聴取できるということになっておりますので、審議の状況に応じまして、そのような場を用意してまいります。

○あさの委員 ぜひそういう、ある意味必死というか、信頼関係をなくせば、あっという間に会社が潰れてしまうというような状況にあるところからの意見というのも参考にしていただきたいと思います。
 今まで聞いてきたように、採点する側の意識というのをどんなに高くしていったとしても、やっぱり当事者の受検生ほどには高くならないんですね。必死さという意味では、受検生が一番だろうと思います。なので、疑問に思った最終チェックを受検生ができれば最も公正になるかなという気はいたしますが、全部になるとちょっと大変だと思うんですけれども、例えば試験結果に対して、ちょっとおかしいなと思えば、希望した場合、自己答案のコピー、あくまでコピーを確認できるという制度があってもいいんじゃないかなという気がいたしますが、これまでそういったような制度というのは検討されていないのかどうか、現実的に可能かどうかということについての見解を伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 入学者選抜の答案につきましては、これまで受検生の希望があれば、東京都個人情報の保護に関する条例に基づく開示請求を受けまして、条例の規定に基づく開示を行ってまいりました。
 また、今回の採点誤りが明らかになりましたことから、二十五年度、二十四年度実施分の答案につきましては、条例の手続を求めることなく、本人確認ができれば答案を開示いたしております。
 今後、抜本的な改善策を構築していくに当たりましては、考えられるさまざまな方法を検討していくことが必要でございます。答案の返却を制度化することにつきましても、その実現性と実効性について、調査・改善委員会で検討する予定でございます。

○あさの委員 ぜひ検討していっていただきたいと思います。
 このようなミスが発覚した場合には、再発防止のために制度上の改善を十分検討していくことは本当に大切なんですけれども、一方で、現場の先生が生徒に対して卑屈になったりだとか、あるいは生徒が教師を見下したりしては、教育機関としての効果が下がってしまいます。今回、原因究明を徹底して行うことも必要なんですけれども、未来に向かって、学校現場の教員の権威を失墜させないようにすることも必要だと私は思います。
 今後、東京都は、都立高校の先生の威厳をきちっと今までどおり確保するよう取り組んでいくべきだと思いますが、見解を伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 失われた都立高校に対する信頼を回復するためには、一人一人の教員が今回の事態を真摯に受けとめ、行動を起こしていくことが必要でございます。校長協会からは、学校みずからの取り組みといたしまして、学校現場の視点から原因の究明と改善策の検討を行い、調査・改善委員会に提言したい旨の申し出がございました。
 今後、都教育委員会は、学校と一体となってこの問題に取り組み、来春以降の入学者選抜を適正に実施することで、教員への信頼を取り戻せるようにしてまいります。

○あさの委員 いろいろと聞いてまいりましたけれども、この現場はもちろんこと、教育委員会、それから教育庁、こういったところ、いろいろさまざまな課題がきっとあったんだと思います。それは、我々議会やこの文教委員会も含めて問題はあったはずだと思っております。
 常に現状に満足しないで、時に調査したり、時に改善を促すなどの取り組みは忘れてはいけないんだということを今回改めて私も認識いたしました。これは、今回の採点ミスに限らず、全ての業務に対して必要な意識でもあると思います。
 特に、この教育庁が担う業務というのは、教育という生徒にとって人生に大きな影響を及ぼすものであることを、我々も再認識していくべきだと思っています。そして、それは結果的に、この東京都や日本の将来にも大きな影響がある仕事であります。その意識を持って、今回の採点ミスを受けて、教育業務の全般をきちっと見直す契機にしていただきたい。
 ミスがないということは本当に喜ばしいことなんですけれども、先ほどもいったように、人にはミスがあるんです。どうしてもこれは避け切れないんです。だから、ミスを早期に発見して、できるだけ早く取り戻せる段階で発見できて、そして、それにすぐ対処できるような組織体の方が、私はもっとすばらしい組織体だと思います。人はどこまで行っても完璧ではあり得ないという意識が私にはあるからです。
 最後に、教育長に、今回の問題を、ミスの云々ではなく、どのようにこの教育行政全般に生かしていく覚悟をお持ちなのかということをおっしゃっていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

○比留間教育長 入学者選抜を含め、教育は子供たちの将来に対する営みであり、子供たちの人生に大きな影響を与えます。こうした当たり前のことを、この機会に教育委員会、学校現場を問わず、教育に携わる者全てが再認識する必要があると考えております。
 今回、入学者選抜が適正に実施されているという思い込みから、誤りは起こり得るものという前提に立った対策や検証を行ってこなかったため、このように多数の学校における誤りを防止できなかったことは、大きな反省点でございます。このことを踏まえまして、来春の入学者選抜が適切に実施できるよう、全力を尽くしてまいります。
 さらに、教育にかかわる全ての者が子供たちの将来に大きな責任を負っていることを肝に銘じ、問題意識と危機感を持って不断の見直しと改善を徹底することで、東京の教育が一層充実するよう取り組んでまいります。

○やながせ委員 私からも質問していきたいと思いますけど、質疑がかなりかぶっておりますので、ちょっとはしょってやりたいと思います。
 大変な事態が起きたなと。ですので、やるべきことは再発防止を徹底しなければいけないというふうに考えておりますけれども、原因究明が大事だということは、皆さん、同じことをいっていると思うんですが、そのときに、私、ちょっと違和感があるのは、やっぱりこれ、採点システムの不備でしかないわけですよ。つまり、この誤りの発生原因例ということで、聞き取り調査の中で、例年どおりというなれがあるとか、人生に影響するとの認識が希薄であるとか、こういったことが書かれているわけですけれども、これ、精神論にしてしまっては何も解決しないんですね。
 採点前にみんなでちょっと生徒のことを念じて、一分間目をつぶろうとか、こういうことをやっても解決しないわけでございまして、原因はこういうところではない。あくまでもシステムに不備があったからだというふうに考えていただきたいと思います。
 意識は必ず変わります。なれないようにしようと思っても、なれていくものです。だから、これは解決しない問題であって、この問題を取り上げるべきではないと。システムをしっかりと見なければいけないと思うんですね。
 そこで、さっき、あさのさんもおっしゃっていましたけれども、やっぱりシステムの改善というのは、民間ではこういった失敗があったら必ず乗り越えて、徹底してミスが起きないようにすると。これは可能だというふうに思います。そういったことが数限りなくこれまでなされてきたということですから、この抜本的な改善策を構築するためには、こういったヒューマンエラーの専門的見地から、教育の世界に限らず、さまざまな視点に立ったアイデアをしっかりと取り入れるべきだというふうに考えます。
 ですから、さっきも出ましたけれども、私立の学校もそうですし、塾もそうですし、予備校もそうですし、例えば、ちょっと話があれですけれども、東京都の交通局がありますけれども、地下鉄を運行しているわけですよ。地下鉄の運行というのはミスは許されません。だから、ヒューマンエラーを徹底してなくすという点検業務をしっかりとやっているわけですね。事故も起こさずにこれまでやってきておるという実績があるわけです。
 だから、こういった人たちの意見を聞いて、この改善策を構築していけば、これは必ずなくなる問題だろうというふうに私は考えております。そういった意味では、この改善委員会に学校代表の専門委員というような人たちではなく、そういったヒューマンエラーの専門的な人たちをもっと多く入れていただきたかったなというふうに思うんですけれども、委員のメンバーは変わらないということですので、そういった人たちから丁寧なヒアリングをしていただきたいと思います。
 それと、もう一つは、きょうも何回か出ていますけれども、学力検査から発表までの期間が短いんではないかということ。これも、私はどうかなというふうに思うんですね。皆さんもそうではないということではあるんですけれども、これが原因なのかというと、私立高校では即日または翌日に合格発表しているわけですよ。これは、結果を一刻も早く伝えなければ生徒が逃げてしまう。お客さんですよね、それは。逃げてしまう。だから、その必要性に駆られて即日発表、夜にはインターネットで発表する、こんなこともやっているわけですよ、実際には。ですから、それは都立高校にできないことではないというふうに思うんです。
 だから、中三日でやっているというのは、これは期間的には長いです。と私は思うんですね、普通に考えて。ほかの県がどうなのかということはわからないですけど、長いんじゃないかというふうに思います。ですから、私はこの対策を考えるに当たって、やっぱり受検生の利益、ここを一番に考えていただきたいということを要望したいと思います。三日間でできないから、じゃ四日間にしようじゃないかと。これは非常に安易な発想だというふうに思うんですね。三日間ではなくて四日間。
 なぜこう思うのかというと、私、ちょっとよくわからなかったんですけど、なぜ私立高校のようにできないのかということを問い詰めていろいろと話をさせていただくと、この採点業務で残業を命じることはできないんだという制度論がありまして、私、非常にびっくりしたわけですけれども、これは文科省の方から出ているさまざまなものとかありまして、教職員については、超過勤務時間、超過勤務を命じる場合には四項目に限定されておるということで、この四項目、例えば校外実習とか、修学旅行に行くとか、そういったこと、あとは緊急事態ですね、東日本大震災とか。そういったことしか超過勤務を命じることはできないんだという制度的な壁があるのかなというふうに思いました。
 私は、これ自体おかしいというふうに思うんですよ。これは文科省が決めていることですので、ここですぐ変えるとかということはできないわけで、じゃ残業代をどうするんだとか、四%は今、付加されているものにかえて残業代を出した方がコストがかかるじゃないかと、いろんな話はあるんでしょうけれども、やっぱりこういった業務をするのに、学校が残業を命じることができないという、この仕組みそのものは、大きな問題があるのではないかなというふうに私は思いました。これも質問だったんですけど。(発言する者あり)はい。
 それで、これ、発生ゼロを目標とすると。これは当然のことなんですけれども、本当にゼロになるのかというのは、これはよくヒューマンエラーの専門家から聞き取りをしていただきたいというふうに思うんですね。さっきも出ましたけれども、ゼロにするというのはやっぱり難しいだろうと。ただ、ゼロにならなくても、それが合格者と不合格者を分ける水際、これには関係ないというところまで持っていくことができれば、それでいいのであって、そういったことも考えていただきたいということですね。
 先ほど、受検生のことを一番に考えていただきたいということを申し上げました。今回の改善策は、現中学三年生がやっぱりすごい不安に思っていると思うんですね。ですから、今回の調査・改善委員会で構築し、八月に公表予定の改善策は、今度の入試、次の入試から適用されるということでよろしいのかどうか。よろしいということだと思いますけれども、一応これだけ聞いておきたいと思います。

○堤都立学校教育部長 採点誤りによりまして、過去に都立高校を受検した生徒とともに、現在、都立高校受検を目指して勉強している中学三年生が一番不安を感じているというふうに考えております。今回のような事態を二度と起こさず、現在の中学三年生が安心して都立高校を志望校として選択し、受検できるようにするために、来春実施する入学者選抜から改善してまいります。

○やながせ委員 今、本当に都立高校を目指して頑張っているお子さんたちがいるんです。それは都立の過去問とかを今、一生懸命、ちょうどやり出す時期ですよ。ですから、これ、さっきもマークシートの話がありましたけれども、そういう安易な手法に頼らないでいただきたいと、これを申し上げておきたいと思うんですね。
 やっぱり学力を検査するためには、マークシートではかれない部分はたくさんありますよ。これまでの都立高校がつくり上げてきた問題というのは大きな財産だと思います。そのスタイルとか、問題の傾向とか、やっぱりその傾向で優秀な人材をとるんだということ、これは間違いなくありますから、そういったものを全て投げ捨てて、安易に、ミスを犯さなければいいんだという、こういった守りの姿勢に入っていただきたくないなということ、これを申し上げておきたいと思います。
 それから、改善策が本当に効果的であったのかということ。今回、改善策をつくりますよね。次回、入試をやるわけです。その入試の実施後にこれを成果検証することが必要だというふうに考えますけれども、見解はいかがでしょうか。

○堤都立学校教育部長 調査・改善委員会で策定いたしました改善策に基づき実施いたします来年春の入学者選抜を実施した後に、改善が図られたかを事後検証することは、入学者選抜に対する受検生や都民の信頼を回復するために不可欠であると考えております。どのような方法で検証を行うことが適切かにつきましては、調査・改善委員会において検討してまいります。

○やながせ委員 成果検証は必要だと思うんです。だから申し上げたんですけれども、ただ、今回の検証のように、今回都教、非常に苦労されて、十万枚の答案点検に延べ八百人の職員を動員してこの検査をしたということを聞いております。これは大変な作業ですよ。それで、じゃ、次回もこれをやるのかといったら、こんなばかなことはやめていただきたいというふうに思うんですね。
 その検証の仕方もしっかり効率的にできるように、これは改善委員会でしっかりとこのことも話し合っていただきたいというふうに思います。これは費用対効果ということも含めてですね。
 高校入試における採点誤りは決してあってはならないことであるにもかかわらず、八割を超える都立高校で多数の採点誤りが発生し、十八人の子供たちの人生に大きな影響を及ぼしました。また、これまで築き上げてきた都立高校に対する信頼を大きく損ねることになった。これは事実です。
 ですから、これは過去のこととして、私は、ただ、今回の都教の判断でよかったなと思うのは、荻窪高校でそういったミスの事例があったと。そのときに、部長も判断されて、これは全校でやろうという判断をされたわけですよね。それによって、これまでの延々と続いてきたミスの歴史に終止符が打たれたということ。これは英断だったと思いますよ。ですから、このしっかりとした反省の上に立って、再発防止をしていくんだということ、これを皆さんで、一丸となってやっていきたいということ、これを申し上げまして、私の質問は終わりたいと思います。

○小松委員 きょう最後の質問ですのでよろしくお願いします。重複する質問は省きます。
 都立高校の総数は百八十八校と聞いています。そのうちの百七十五校でミスがあったということですが、それ以外の十三校でも、二年以上前にはミスが起きていた、ミスを起こしていた可能性を否定できません。ということを考えますと、ほぼ全ての学校でミスがあったと考えるべきであり、これはもう構造的な問題があるといわなければなりません。現場の気の緩みというようなレベルではないと思います。
 都教委が現場に責任を押しつけて済む話ではありませんし、また、学校経営支援センターに相談の上で答案用紙を廃棄したケースがあったことからも、現場だけの責任とは考えられません。八王子北高校では、学校点検で一件しか誤りが見つからなかった。でも、都教委点検で百六十九件も見つかっています。個別の問題があったとしか考えられないわけですが、松原や三田、足立新田などミスの多かった学校はほかにもあります。また、特定の教科でミスが多かった学校があるなど、ミスの発生状況が実に多様です。各校それぞれの原因究明が必要と考えますが、いかがかお伺いいたします。

○堤都立学校教育部長 今回の採点誤りは、二年間にわたりまして学力検査を実施した学校の八割以上で起きておりますことから、原因を学校での不注意やミスのみと考えることはできず、採点業務に関する制度上の課題についても検証する必要があると考えております。
 その一方で、発生状況は学校によって異なりますことから、学校ごとの採点業務の現状も検証することが不可欠でございます。そのため、都教育委員会が全ての都立高校に対し聞き取りと文書による実態調査を行いました上で、現在、都立高校入試調査・改善委員会の外部委員等が課題の多い学校などに対し実態調査を実施しております。今後、この調査結果などを踏まえまして、徹底的な原因究明を行ってまいります。

○小松委員 答案用紙の廃棄のことについて伺いたいんですが、廃棄してしまったために再調査できない学校でも、本来なら合格に達していたけれども、不合格となった生徒がいる可能性は十分にあります。去年の入試の際での採点ミスによって追加合格にした生徒がいる一方で、真実が解明されないままの生徒がいるということは著しく不公平ともいえる、そういう考え方があるかと思います。お考えを伺います。

○堤都立学校教育部長 今回、平成二十四年度実施分の答案につきまして点検を行いましたのは、学校における二度の点検後に都教育委員会が実施した不合格者の答案点検によりまして、学校における点検では発見できなかった採点誤りが多数見つかりまして、追加合格者も新たに判明したということがございます。
 合格者の答案の中にも、不合格者答案と同様に、採点誤りや追加合格につながる答案が含まれている可能性が高いこと、平成二十四年度実施分の答案が学力検査を実施したうちの七割以上の学校で保存されていることを踏まえまして、採点誤りの全容と、本来であれば合格している生徒の有無を明らかにするため、既に学校点検が終わっている二カ年分、二十五年度分、二十四年度分の合格者の答案につきましても都教育委員会で点検することとしたものでございます。

○小松委員 この答案用紙の保存期間についてなんですが、これが一年とされているのだとするならば、この一年以上捨てないでとっているということの方がむしろ違反ということになってしまいます。この保存期間を一年としている規定自体が妥当なものとは思えないんですね。見直しが必要だと考えます。
 一年以上たって真実が明らかになって、謝罪されて追加合格とされた子供たちがいるわけですが、当然、家族も含めて当事者は困惑すると思います。経済的な損害補償を検討されているというお話がありましたけれども、これは慰謝料を請求されても当然ではないかというふうにも思います。それに対してはどのように対処されますか。

○堤都立学校教育部長 追加合格となった生徒及びその保護者に対しましては、謝罪の上、本来は合格であった事実をきちんとお伝えした上で、合格した高校への転校のご希望や、希望する場合はその時期、さらに本来、当該都立高等学校に入学していれば発生していなかった諸費用に対する補償も含めまして、今後について生徒及び保護者の意向を踏まえ、誠意を持って対応してまいります。

○小松委員 それと、追加合格となった子供に対する精神的なケアが必要な場合もあるんではないでしょうか。いかがでしょうか。

○堤都立学校教育部長 都立高校に転校を希望する生徒に対しては、スクールカウンセラーによる相談を初めといたしまして、学習面、生活面のサポートを行うなど、万全な受け入れ体制を講じることとしております。私立高校など現在在籍する高校に通学を続ける生徒につきましては、当該校の校長を通じまして生徒の状況を注視していただくようお願いしております。

○小松委員 答案用紙を保存している学校と保存していない学校がある、捨ててしまった学校がある現状にあって、保存している学校だけが追跡調査を行うことで、追加合格者がさらに出現した場合には、本来合格していても永久に解明できない子がいる可能性があるわけで、不公平が広がるという考え方もあり得るということは指摘しておきます。
 それと、試験日から合格発表までの日程の件ですが、来年の日程について確認したいと思います。五月二十二日に、平成二十七年度、来年の入試日程が公表されていますが、二月二十四日火曜日、学力試験実施となっていますが、合格発表日は後日公表するとなっています。この入試の試験日、例年と同じだったら二十三日の月曜日となるかと思いますが、なぜ二十四日としたのか、また、発表日が未定である、後日公表となっている理由は何でしょうか。

○堤都立学校教育部長 まず、試験日の二月二十四日でございますが、この春の入試が、これまで二月二十三日で実施してまいりましたが、二月二十三日がちょうど日曜日と重なりまして、東京マラソンと重なりましたことから、騒音等、それから混雑等を考慮いたしまして、二月二十四日と改めたものでございます。その二月二十四日の日を固定するということで、次の入学者選抜につきましても二月二十四日ということで公表しております。
 それから、その後の発表が未定となっている理由でございますが、学校に対します聞き取り調査や調査・改善委員会の委員などから、学力検査から合格発表までの期間の短さが採点誤りの原因の一つではないかという意見が出ております。今後、調査・改善委員会で日程の見直しが検討される可能性がありますことから、現段階では、第一次・分割前期募集の合格発表日以降の日程につきましては未定としているものでございます。

○小松委員 来年の試験日程がどうなるのか、中学生の子供は大変心配しています。その子供たちのためにも、今おっしゃったような事情について説明することが必要だと思います。有識者会議の調査結果をまつまでもなく、ホームページなどで、こういう事情で今公表はできないんだというようなことを告知していただきたいということを要望しておきます。
 人的ミスは完全には防げないということをまず前提として、点検マニュアルを根本的に見直すべきだと思います。特に合否のボーダーライン上の受検者については、特に入念な点検がされるべきと考えます。見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 改善策の策定に当たりましては、誤りを根絶することを目指すとともに、万が一起こってしまった場合でも、合否への影響がないようにすることが必要でございます。このような考え方を踏まえまして、入学者選抜を実施する際に、学校が作成するマニュアルであります実施要領の内容の見直しも含めまして、さまざまな方策を検討してまいります。

○小松委員 採点業務についてです。これを教員が担当するべき必要性があるのか確認したいと思います。外部委託を検討されてもよいのではないでしょうか。

○堤都立学校教育部長 入学者選抜の学力検査には、都立高校への入学者を選抜するとともに、入学してくる生徒の学力を把握するという意義もございます。このことも踏まえまして、今後、調査・改善委員会の中で抜本的な改善策を検討してまいります。

○小松委員 採点までの日数のことにつきましては、それが点検ミスを誘発した理由ではないというようなお声、お話でしたけれども、実際に業務に当たっている学校現場からは、こんな日程では厳しい、実はこれではミスが起きるのではないかと心配していたというような声を聞いています。また、入試方法が複雑多岐にわたって多様になり過ぎたことを指摘する声も届いています。
 これらのことから、事前に作業ミスの発生を心配するような声や苦情があって当然だったかと思いますが、それが出なかったとすれば、それ自体、そのことが問題だと思います。
 入学者選抜は、都教委が子供を選別するというより、子供の学ぶ機会を保障する、その学びを応援するという、そういう仕組みであるべきだと思います。そのような視点がなければ、今回のような問題はまた起きます。
 また、人的ミスは起きない方が不思議という前提で、制度設計を一からつくり直す、そのつもりで今後の対策を立てていただきたいとお願いして、終わります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時一分散会

ページ先頭に戻る