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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第五号

平成二十六年三月十九日(水曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長きたしろ勝彦君
理事大松あきら君
理事大場やすのぶ君
理事川松真一朗君
松田やすまさ君
神野 次郎君
やながせ裕文君
里吉 ゆみ君
あさの克彦君
新井ともはる君
上野 和彦君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長小林  清君
総務部長桃原慎一郎君
広報広聴部長横山 英樹君
都民生活部長森山 寛司君
消費生活部長藤井 秀之君
私学部長武市 玲子君
文化振興部長関  雅広君
都政情報担当部長佐藤 直樹君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長濱田 良廣君
オリンピック・パラリンピック準備局局長中嶋 正宏君
次長理事兼務岸本 良一君
総務部長鈴木  勝君
企画調整担当部長準備会議担当部長兼務加藤 英典君
大会準備部長延與  桂君
事業広報担当部長山中 康正君
準備会議担当部長浦崎 秀行君
大会計画担当部長競技担当部長兼務根本 浩志君
施設担当部長輸送担当部長兼務荒井 俊之君
スポーツ推進部長早崎 道晴君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
スポーツ祭東京担当部長川合  純君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
 予算の調査(質疑)
 ・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
 ・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 生活文化局所管分
 付託議案の審査(質疑)
 ・第四十九号議案 保険業法に基づく特定保険業の認可審査に係る手数料に関する条例を廃止する条例
 オリンピック・パラリンピック準備局関係
 予算の調査(質疑)
 ・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
 付託議案の審査(質疑)
 ・第五十一号議案 東京都体育施設条例の一部を改正する条例

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及びオリンピック・パラリンピック準備局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分、第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、生活文化局所管分及び第四十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○桃原総務部長 去る二月二十五日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布の平成二十六年文教委員会要求資料をごらんいただきたいと思います。
 表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり五件の資料がございます。
 一ページをお開き願います。1、公衆浴場数の推移、耐震化、クリーンエネルギー化の実績でございます。
 まず、公衆浴場数の推移につきましては、平成十六年から二十五年までの過去十年間につきまして、各年十二月末現在の数を記載しております。
 また、公衆浴場耐震化促進支援事業の件数、決算額の推移並びに公衆浴場クリーンエネルギー化等推進事業の件数、決算額の推移につきましては、平成二十年度から二十四年度までの過去五年間につきまして、それぞれ補助件数と決算額を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、芸術文化を活用した被災地支援事業でございます。
 平成二十三年度から二十五年度までの三年間につきまして、ヘブンアーティストの公演、アートプログラムの展開、東京都交響楽団の演奏の各事業につきまして、実施回数及び参加者数をそれぞれ記載しております。
 三ページをお開き願います。3、トーキョーワンダーサイトの収支の推移でございます。
 表の左側に記載の区分ごとに、平成二十一年度から二十四年度までは決算額を、また、二十五年度につきましては予算額を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、トーキョーワンダーサイトの施設別の利用者数と収入でございます。
 平成十五年度から二十五年度までの施設別利用者数及び収入等につきまして記載をしております。
 なお、二十五年度につきましては、備考欄に記載のとおり、二十六年一月末までの実績を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、私立幼稚園省エネ設備等導入モデル事業費補助金の実績一覧でございます。
 幼稚園が当該補助制度の対象となった平成二十三年度及び二十四年度の実施園数及び決算額について記載をしております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○神野委員 最初に、多摩地域における文化の振興について伺います。
 知事は、本定例会の初日に、多摩の発展に力を尽くすという施政方針を示しましたが、二十三区よりも広く、地域ごとにさまざまな特色を持つ多摩の発展は、東京全体の発展にとって不可欠と考えます。
 その多摩の発展につながる大きなポテンシャルを持つものの一つに、文化が挙げられます。多摩にはコンサートホールや美術館などの文化施設、大学の集積、緑豊かな都市計画公園、多摩ならではの伝統芸能など、多様な文化資源があります。これらの文化資源の集積が地域ごとの特性と合わさって、文化の魅力を形成しており、そこに多摩発展の可能性があると確信しています。
 そこで、多摩の文化的魅力をどのように捉えているのか認識を伺います。

○関文化振興部長 多摩地域にはパルテノン多摩やオリンパスホール八王子など、地域の拠点ともなる本格的なコンサートホールや、三鷹の森ジブリ美術館や府中市美術館など、個性あるアートに親しむ文化施設が数多くあります。
 また、音大、美大などの芸術系大学が集積する人的資源や、武蔵野の雑木林や風格ある公園などの自然資源にも恵まれております。
 さらに、華道や茶道などの市民の活動、時代の変遷や文学にゆかりのある名所旧跡、郷土芸能のにぎわいなど、歴史や伝統に培われた多様な文化資源もあります。
 こうした地域ごとに特色ある個々の文化資源の魅力は高く、多摩の文化振興のためには、都市機能の向上と伴って、これら資源を有効に生かしていくことが重要と認識しております。

○神野委員 多摩には現代的な文化資源だけでなく、歴史や伝統に培われた多様で豊富な文化資源もあり、都市の発展と文化資源の活用を連動させていくことが重要との認識を伺いました。今後、多摩の文化的魅力が一層発揮されるよう、積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、今後の多摩地域における文化事業の展開について伺います。
 文化資源の魅力を十分に生かしていくためには、個々の資源という点を市町村や地域の団体等と連携を図り、線や面を形成するように育てていくことが重要となります。二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の成功を文化の力で盛り上げるためにも、市町村との連携を深め、多摩地域の文化の魅力を高めていかなければなりません。
 都は、平成二十年度に創設した東京文化発信プロジェクトにおいて、多摩でも事業を実施していますが、個々のプロジェクトの成果は上がっていても、多摩全体の有機的な活性化に十分寄与しているとはいえず、豊富な文化資源を生かし切れていないなど、いまだ取り組みは不十分と感じています。
 そこで、今後、これらの新しい動きなどを踏まえ、どのように多摩の魅力を掘り起こしていくのか、来年度の具体的な取り組みについて伺います。

○関文化振興部長 まず、個々のプロジェクトにおける取り組みについてでございますが、江戸東京たてもの園では、多摩の文化団体と連携いたしまして、東京大茶会を開催しております。
 参加団体は、当初の二市から年々増加しておりまして、今年度は昭島市を初め、十二市の参加のもと、過去最高の一万二千人の来場者がありました。来年度は、新たに茶席を増加いたしまして、多くの市が参加できるよう、ネットワークを広げてまいります。
 また、山梨県など、隣県も参加し、特色ある郷土芸能が一堂に会する多摩川流域郷土芸能フェスティバルでは、今後、より広域的な取り組みを目指すため、関係市との協議を進めてまいります。
 さらに、八王子市のオリンパスホールでは、東京都交響楽団が新たに主催公演を実施し、多摩地域におきまして、すぐれたクラシック音楽を身近に楽しめる機会をふやしてまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会を東京全体の文化の力によって成功に導くためには、高いポテンシャルを持っている多摩地域の文化振興が不可欠でありまして、今後は公立や民間の施設、団体等との連携や、都市づくりと連動した文化資源の十分な活用に向けて、市町村との間で文化行政の取り組みの現状や今後の方向性について、まず来年度から十分に意見交換を行いまして、多摩ならではの文化の魅力を高める取り組みを積極的に進めてまいります。

○神野委員 文化を通じ、多摩の魅力やポテンシャルを高めるため、前向きな答弁をいただきました。
 知事も多摩が重要であり、文化が大切であると述べておるとおり、多摩と文化、両者の振興にあわせて取り組むことで、多摩の魅力の向上に大いにつながっていくことと期待しています。市町村の意見にも十分に耳を傾けながら、多摩全体の発展のため、文化振興に積極的に取り組むよう要望いたします。
 次に、外国人おもてなし語学ボランティアについて伺います。
 都は、二〇二〇年に開催されるオリンピック・パラリンピックに向けて、日本を訪れる外国の方が安心して日本国内で過ごすことができるようにするため、来年度、外国人をおもてなしする語学ボランティアを育成する事業を開始することとしています。
 舛添知事が公約で掲げたように、東京を世界一の都市とするためには、来日する外国の方々にとって、大きな不安要素の一つである言葉の壁を解消するための取り組みは大変重要であると思います。そのため、東京の至るところで、英語による外国人への対応をできるようにする、この取り組みに大変関心を持っています。
 先日の一般質問においてもこの事業について質問しましたが、改めていろいろと確認していきたいと思います。
 一般質問において、知事は私の質問に対して、外国人おもてなし語学ボランティアに求める資質として、簡単な英語でコミュニケーションが図れることと答弁をしました。
 最初に、実際に育成する語学ボランティアの語学力や対象をどのように考えているのかを伺います。

○森山都民生活部長 育成する語学ボランティアとしましては、道案内などが可能な程度の簡単な日常会話レベルの語学力と、コミュニケーション能力を有することを目安としております。
 対象といたしましては、意欲と時間のある高齢者はもちろんでございますが、外国人おもてなしの広範な取り組みといたしたいので、さまざまな世代の人に参加を呼びかけたいと考えております。

○神野委員 育成するボランティアに求める語学力は、簡単な日常会話レベルであり、その対象者として、高齢者を含めた幅広い都民を考えているとの答弁をいただきました。
 私は以前、アメリカ系、イギリス系、ドイツ系、フランス系、スイス系の外資系の企業で合わせて十九年間勤務をしてきましたけれども、どの会社も社内の公用語は英語でした。
 英語でビジネスをするのは大変だと思われる方もいらっしゃるとは思いますが、これらの企業において求められた英会話のレベルは、必ずしも高いものではありませんでした。多くの人が英会話を情報伝達のための手段と割り切っており、発音や文法が多少違っていても、内容が正しく伝わっていれば構わないと考えていたように感じます。
 外国人おもてなし語学ボランティアにおいても、情報をいかに伝えるかということに重点を置いて取り組んでほしいと思います。
 また、以前、私は看板の字も読めない、言葉もわからないという国で、片言の英語で話しかけられた経験があります。このときほど、言葉の通じない国で、知っている言語で会話ができるということに安心感を覚えたことはありませんでした。
 知事がソチ・オリンピックの会場で、英語で会話ができるボランティアに出会って感じた外国語によるコミュニケーションの重要性とボランティアのありがたさは、まさに私が経験した安心感と同じだと思います。
 都は、日本を訪れる外国人の不安を解消し、安心感を提供するために、来年度補正予算を計上し、外国人おもてなし語学ボランティア育成に向けた事業に着手するとのことですが、その具体的な取り組みについて伺います。

○森山都民生活部長 オリンピック・パラリンピック開催に向けて、都内全域で幅広く外国人おもてなし語学ボランティアを育成するためには、都民が参加しやすい形で、短期間で効果的に英語を身につける方法を検討する必要がございます。
 そのため、来年度はまず実施に向けた基礎調査を行います。調査では、ソチや北京などの英語を母国語としないオリンピック開催都市や、京都や奈良といった観光都市など、国内外の先進事例を参考とするとともに、語学学校などの英語教育に関する有識者の意見を聞くなどして、どのような実施体制を構築するか、また、カリキュラムをどうするかなどについて具体的に検討してまいります。
 また、高齢者を初め、多くの都民の参加を得るため、ボランティア機運の醸成を図る必要がございます。そのため、広範な都民に訴え、積極的にこの事業に参加していただくためのPRの方策について検討を行ってまいります。
 この調査結果に基づき、速やかに推進体制を構築するとともに、年度内にはシンポジウムを開催する予定でございます。

○神野委員 来年度は、いわば育成に向けた準備期間に充てるとのことですが、時間は待ってくれません。先ほどの答弁にありましたように、効果的に英語を身につけられるカリキュラムや教材などの検討も重要ですが、多くの都民の参加を得て、事業を強力に推し進めていくためにも、何よりもまず都民に身近な市区町村との連携、協力が不可欠です。
 そこで、都は市区町村との協力を進めるために、市区町村の取り組みを踏まえた上で、ボランティアの育成方法を検討する必要があると思いますが、現状、どのように考えているかを伺います。

○森山都民生活部長 外国人おもてなし語学ボランティアの育成には、地域の協力が不可欠であると考えており、来年度の基礎調査でも、全ての市区町村から外国語講座やボランティア活動支援の取り組み状況などについて、十分なヒアリングを行う予定でございます。
 現在でも市区町村によっては、直接、あるいは地域の国際交流協会を通じまして、都民向けの語学講座が実施されている例もございます。また、地域の外国人との交流事業などでも同様に国際交流協会などで行われております。
 また、ボランティアとして活動するためには、ボランティアに関する基礎知識や心得の習得などが必要となっております。こうした一般的なボランティア活動の支援では、東京ボランティア・市民活動センターを初め、主に市区町村のボランティアセンターが初心者に対するガイダンスなどを行っております。
 こうした市区町村などの取り組み状況を十分に把握した上で、既存の取り組みの活用も視野に入れ、市区町村や関連団体など、それぞれが持つ強みを十分に生かした協力関係を構築できるよう、実効性の高い方法や仕組みについて検討してまいります。

○神野委員 ぜひ市区町村との意見交換、ヒアリングを十分に行って、事業の構築を進めていただきたいと思います。
 また、ただ単に意見交換を行うだけでなく、事業の趣旨を理解してもらうためにも、特別区長会や市長会などに対して、この事業についてしっかりと説明をし、市区町村の協力が得られるように取り組むことを要望いたします。
 語学ボランティアによる外国人へのおもてなしを実現するためには、広範囲で相当程度の規模のボランティアを育成する必要があります。そのためには、いろいろな困難もあると思いますが、私自身、大変有意義な事業であると考えているからこそ、しっかりと事業展開をしていただきたいと思っています。
 そこで、今後の取り組みに向けた局長の決意を伺います。

○小林生活文化局長 この外国人おもてなし語学ボランティアの育成は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして、多摩地域も含めた東京全体の都民の参加意識を高め、大会を成功させるため、極めて重要な取り組みであるというふうに認識しております。
 オリンピックのボランティアといえば、いわゆる組織委員会に登録されたボランティアがまずございます。ロンドン大会では、約七万人の人たちが会場の清掃や案内などに活躍したというふうに聞いております。
 今回の外国人おもてなし語学ボランティアは、そうしたボランティアとは別に、東京の至るところで、簡単な英語で外国人とコミュニケーションをとることができる、先ほど神野先生もおっしゃっておりましたけれども、東京を訪れる外国人に安心感を与えることができる、そうしたボランティアを育成することでありまして、観光ボランティアや、あるいは防災語学ボランティアのように、一定レベル以上の高い語学力を求めるのではなくて、時間と意欲のある高齢者も含めまして、できるだけ多くの都民に参加をしていただける取り組みとしていきたいというふうに考えております。
 しかし、高いレベルの語学力を求めないといいましても、日本では日常的に英語に触れる機会は少ないですし、また、ヒアリング能力も含めて、語学を学んでもらうためには、多くのハードルがあるというふうに思っております。
 また、先ほどありましたように、情報をいかに伝えていくかという力を磨いていくという側面もございます。しかも、二〇二〇年の東京大会まで六年間という限られた時間の中で、この短期間で多数の語学ボランティアを育成し、実践の場に送り出していくということは、都としても初めての取り組みでございます。私どもといたしましては、相当の覚悟を持って臨まなければならない、まさに汗かき仕事だなというふうに思っております。
 東京都の執行体制も、この四月からは体制を強化してこの取り組みに臨んでいくということにしております。
 今後、市区町村や語学学校など、多様な関係団体との連携、協力を仰ぎまして、早期に効率的な推進体制を構築しなければならないと思っております。
 そのためには、お話にありました特別区長会や市長会、さらには町会や自治会、こういった団体に対しても、オリンピックの成功に向けたこの事業の意義をしっかりと説明し、協力をお願いしなければならないというふうに考えております。
 多くの課題を克服しなければなりませんけれども、知恵と工夫を結集し、また、市区町村に直接出向くなど、たくさんの汗をかきまして、この新たな語学ボランティアの育成に全力で取り組むことで、東京を挙げた最高のおもてなしを実現してまいりたいというふうに思っております。

○神野委員 ただいま局長から大変心強い答弁をいただきました。
 この事業に対する都民の関心も高いことから、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいということを要望し、私からの質問を終わります。

○上野委員 私からは、まず東日本大震災の被災地に対する今年度の支援と成果について質問します。
 未曽有の被害をもたらしました東日本大震災の発生から三年がたちました。震災では多くの人々が大切な家族や友人、家をなくし、住みなれたふるさとの姿までも失い、心に深い傷を受けたところであります。
 東京都は、我が会派の強い要請を受けて、震災後直ちに東京都交響楽団やヘブンアーティストを現地の仮設住宅や小学校などに派遣するとともに、地方自治体などと連携したアートプログラムを実施してきました。都の芸術文化を活用した、そうした積極的な支援の取り組みについて、私は評価したいと思っております。
 地元の状況やニーズに応じたきめ細かな取り組みが、被災した人々の傷ついた心を癒やすとともに、地域の人々のきずなを徐々に取り戻し、コミュニティの再生など、町の復興につながっております。現地では大変喜ばれていると聞いております。
 そこで、今年度、都はどのような取り組みを行ってきたのか、また、その成果についてお尋ねします。

○関文化振興部長 東日本大震災では、長年、地域で誇りと愛着を持ち、大切に育んできた多くの文化資源が被害を受け、人々が身近に芸術文化に触れたり、文化活動や交流を行う機会が失われました。
 こうした状況を受けまして、都は震災後直ちに東京が有する多様な文化資源やノウハウを活用した支援に積極的に取り組んでまいりました。
 平成二十五年度は、東京都交響楽団では、二十公演で約六千人、ヘブンアーティストの公演では、十六公演で約二千人が参加をし、子供からお年寄りまで多くの方々に楽しんでいただきました。
 また、地元自治体やNPO等と連携して行うアートプログラムでは、日比野克彦氏監修によるTANeFUNeと呼ばれる小さな船を活用して、地域の人々の交流を図る新たなプログラムを初め、都が主催する十五のプログラムに加えまして、地元が主体となり、都は企画協力や人材派遣、こうしたことにより支える三つの連携プログラムを行いまして、被災地の復興を芸術文化の力で支援する十八のプログラムを展開しております。

○上野委員 忘れもしませんけれども、昨年の十月、伊豆大島では、台風によりまして甚大な被害が発生いたしました。現地では現在、生活再建や町の復旧に取り組んでいるところでありますが、町は、まず島内最大のイベントである椿まつりを復興の足がかりにしようと、一月二十六日から三月二十三日、今週末まで開催しております。
 昨年十二月の第四回都議会定例会代表質問で、我が党の長橋議員は、被災した大島の人々の心を癒やすために、芸術文化を活用した支援を行うとともに、椿まつりの積極的なPRをするなど、来島者をふやす支援をするよう要望いたしました。
 これを受けまして小林局長からは、東京都交響楽団やヘブンアーティストを派遣するとともに、椿まつりなどとの連携についても検討するとの前向きな答弁をされたわけであります。
 そこで、都では芸術文化を活用した大島への復興支援について、具体的にどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

○関文化振興部長 都は大島町、大島支庁、地元観光協会と調整をしてきました結果、椿まつりの期間に合わせまして、三つの文化イベントを今月開催することといたしました。
 今週、十六日の日曜日には落語や漫才など、六組による寄席芸能公演を開催いたしまして、多くの方々に楽しいひとときを過ごしていただきました。
 あさって、二十一日から二十三日の三連休では、七組のヘブンアーティストが椿まつりのメーン会場でアクロバットや音楽を繰り広げ、島民の方はもとより、島を訪れた観光客の方々にお楽しみをいただきます。
 また、二十六日には東京都交響楽団のプレミアムコンサートを実施いたしまして、昼の部は子供向けにアニメソングなどを中心に、夜の部ではクラシックや童謡など、そういう演奏を予定しております。

○上野委員 東日本大震災から三年がたちましたし、また、伊豆大島の土砂災害から半年近くがたちました。被災地では、今も避難生活で不自由な生活を余儀なくされ、先の見えない不安やストレスを抱えている人々も多いと思います。
 また、地域や住民の間でも事情がさまざまであり、今後もきめ細かな支援が必要であると、このように思っているところでございます。
 都の芸術文化による被災地支援事業も来年度で四年目に入りますが、毎年取り組みの充実が図られてきたと、このように実感しております。被災後間もない一年目には、津波で失われた文化資源の復活を支援いたしましたし、また、二年目は地域資源を活用したまちづくり講座の開催により、復興を担う人材の育成にも取り組んでこられました。
 そして、三年目となることしは、小さな船で沿岸をめぐりながら、地域間の文化交流を図り、復興に向けた連携の機会を創出してきたと聞いております。
 さらに、伊豆大島でも地元の意向を踏まえて速やかに支援に取り組んでおり、先ほど話がありましたように、都のこうした、まさに時宜にかなった積極的な取り組みが被災地の人々のあすへの希望に直接、着実につながってきたということで、私は都の取り組みを高く評価しているところでございます。
 また、都の被災地支援も四年目を迎え、これまでの取り組みはもとより、地域の実情や意向を踏まえつつ、文化の力を活用して被災地を支えていくことが重要であります。
 そこで、来年度、東京都は芸術文化を活用した被災地支援をどのように行っていくのか、局長の決意をお聞かせいただきたいと思います。

○小林生活文化局長 被災地の人たちが芸術文化と触れ合うことは、傷ついた心を癒やし、生きる希望を取り戻すとともに、地域のきずなを確認し、復興に向けて力強く前進していくことにもつながるものだというふうに認識をしております。
 大震災から三年の月日がたちました。この間、都は都議会の強力なご支援をいただきながら、文化の力による支援を継続してまいりました。その結果、被災地の人々に徐々に元気が芽生え、さらにコミュニティの再生にもつながるなどの手応えを少なからず感じているところでございます。
 例えば、宮城県雄勝町の雄勝法印神楽がございますけれども、ここへの支援では、舞台の完成により伝統の舞が復活し、二十四年度には国立劇場での公演を皇太子殿下ご夫妻に鑑賞していただく機会にもつながっております。
 また、岩手県大槌町のひょっこりひょうたん塾、ここには、ひょっこりひょうたん島のモデルになった島がございますけれども、この地域資源を生かした取り組みにより、若手を中心とした地域の担い手が育成をされてきております。
 これまでの支援の取り組みを通じましてわかってきましたが、被災地の復興のために大切なことは、まず第一に地元の自発的な取り組みを支えること、そして二番目に継続的に支援を行っていくということ、これが極めて重要であるというふうにわかったところでございます。このため、このひょっこりひょうたん塾につきましては、来年度も地元のNPO等と連携して支援を継続してまいります。
 また、先ほど部長から答弁ございましたけれども、今年度に宮城県沿岸地域で実施したTANeFUNeなどの広域的な取り組みにつきましては、これも来年度も継続し、地域を拡大していく予定でございます。
 また、福島県猪苗代町の歴史ある蔵を、避難している人々とともに、地域が主体となって美術館に改造するという動きがございます。これにつきましても支援を行ってまいりますけれども、この支援に当たりましては、都から積極的にアーティストを派遣してまいります。
 また、大島の復興支援につきましては、芸術文化の支援活動が島の重要な産業である観光振興にもつながっております。来年度も地元の意向を十分踏まえた取り組みを行ってまいります。
 今後とも、六年後に開催されるオリンピック・パラリンピックを被災地の人たちとともにつくり上げていくためにも、地域の実情に応じた取り組みを継続するとともに、地元で芽生えた新たな活動に対しても、都として積極的に支援するなど、復興をしっかりと支えてまいります。

○上野委員 局長のすばらしい決意を聞いて、うれしく思ったところでございます。
 私も大島に三年間赴任した経験がありまして、大島の方々は本当に文化を求めているんですね。そういった意味では、今回の取り組みは本当に喜ばれていると、こういった声も聞いております。
 また、先ほど話のあった福島県の美術館につきましては、障害者の作品も展示することも検討されていると、このように聞いております。我が会派の高倉議員がさきの予算特別委員会でも述べましたように、障害者にとって、芸術文化活動は心の支えとなるものであり、この取り組みが実現されるとすばらしいと思います。
 被災地の復興のためには、芸術文化を通じた息の長い、先ほど継続という言葉もありました。非常に大事なことだと思います。取り組みを行っていくことが重要であります。これからも地元としっかりと連携した支援を充実していくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○里吉委員 資料をご用意いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、私から質問を行っていきたいと思いますが、まず私立高校生の学費負担軽減について伺ってまいります。
 四月から実施される国の高校無償化の廃止と就学支援金への所得制限の導入、この問題につきましては、昨日の文教委員会でも質疑いたしましたし、この間、何回も取り上げてきました。
 また、日本共産党はこれまで、全国のほとんどの県が国の就学支援金と県の独自補助を合わせて、年収二百五十万円の世帯は授業料無償になるようにしていること、少なくない県が年収三百五十万円の世帯も無償にしていることなども示し、東京では就学支援金と都の授業料補助、特別奨学金ですね。これを合わせて授業料無償となるのは生活保護の世帯だけでありますけれども、この対象を拡大することを求めてきました。また、入学金や施設費の負担軽減も求めてきました。
 そこで、今回の国の就学支援金制度の変更にあわせ、東京都の授業料補助、特別奨学金をどう変更し、結果として各階層の世帯が幾らの補助を受けられることになったのかお伺いをいたします。

○武市私学部長 都といたしましては、国の制度の見直しを踏まえ、所得に応じて区分を設け補助する特別奨学金のこれまでの考え方を堅持し、国の制度に基づく給付とあわせて、所得区分ごとの給付の均衡も勘案し、給付額を充実させました。
 具体的には、年収二百五十万円以上三百五十万円未満の低所得者層の補助率を二分の一から三分の二に引き上げるとともに、三百五十万円以上五百九十万円未満の所得者層について、従来の補助率三分の一を上回る補助単価を設定いたしました。
 その結果、各所得区分の世帯における就学支援金と特別奨学金とを合わせた補助額ですが、生活保護世帯では都内私立高校の平均授業料額の四十二万九千円、年収二百五十万円未満の世帯では三十八万五千円、二百五十万円以上三百五十万円未満の世帯では三十六万五千二百円、三百五十万円以上五百九十万円未満の世帯では二十八万一千六百円、五百九十万円以上七百六十万円以下の世帯では二十二万二千二百円となっております。

○里吉委員 私たちが私立高校生の保護者の方から伺っている東京都への要望の一つは、教育費の負担軽減、特に低所得の家計が苦しい世帯への都の支援については、国の補助がふえたからといって減らさないでほしい、授業料、施設料、入学金などを区別せず、全体を学費と捉えて、できるだけ無償に近づけるように補助を拡充してほしい、こういうことです。
 東京都の特別奨学金、授業料補助を年収二百五十万から三百五十万円の階層と、三百五十万から五百九十万円の階層の補助率を引き上げたということは、本当に大変よかったんですけれども、補助の最大は都内平均授業料までということですから、生活保護世帯の都の補助は、国がふえた分、金額的には減っているということになっています。施設費への壁は依然としてあるように思います。
 また、年収二百五十万円世帯というのは、収入としては生活保護世帯に近い、または生活保護を受けていないというだけで、生保より収入の少ない、極端にいえばゼロの家庭も含まれるわけです。授業料無償には、まだ少し距離があります。この階層は国の補助がふえたので、合計ではふえていますけれども、都の補助は平均と国の補助の差、二分の一という考え方なので、金額的には減ってしまっていると。
 そこで、伺いますけれども、二百五十万円未満の世帯についても都の補助を拡充して、無償となるようにしてもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

○武市私学部長 先ほども答弁申し上げましたが、特別奨学金につきましては、従来から所得に応じて区分を設け補助をしております。
 このうち二百五十万円未満の世帯では、都内私立高校の平均授業料から就学支援金を差し引いた保護者負担額の三分の二を特別奨学金として補助しておりまして、この特別奨学金と就学支援金とを合わせた給付により、保護者の実質的な負担額は五万二千円から四万四千円へと減っております。
 また、この所得者層については、就学支援金、特別奨学金、育英資金の合計額が都内私立高校の学校納付金相当額を上回っておりまして、さらに今回、奨学のための給付金が創設されております。
 以上のことから、二百五十万円未満の世帯への支援はできているというふうに考えております。

○里吉委員 今のご答弁、育英資金まで加えて二百五十万円未満の世帯の支援はできているというお答えでしたけれども、いうまでもなく育英資金は借りるお金、貸与制の奨学金です。返さなければいけない借金です。学校を卒業したばかりの青年が、既に借金を背負って一歩を踏み出さなければならない、こういう社会でいいのかということが今問題になっていると思います。やはり、こういった貸与制の奨学金を借りなくても、安心して高校で学べるようにすることが必要だと考えます。
 また、国により新しく創設された奨学のための給付金は、教科書費、教材費、学用品、通学用品費相当額とされていますから、これに充てることを想定しております。やはり授業料は授業料として無償になるよう、都の補助を拡充してほしいとお願いしたいと思います。あわせて、他の階層の補助も一層の拡充や施設費、入学金への補助も改めて求めておきます。
 次に、これまでも何回も問題提起させていただきましたが、日本政府も二〇一二年九月に国際人権規約に定められた中等・高等教育の漸進的無償化条項の留保を撤回しました。国の高校授業料無償化制度廃止と就学支援金への所得制限の導入は、これら学費無償化の世界の流れに逆行しています。
 保護者の方のもう一つの大きな要望は、所得制限を設けないでほしい、子供たちの学びを社会で支え、教育を受ける権利をしっかり保障してほしいということです。
 日本の教育機関に対する公的支出の割合は、昨日もお話がありましたけれども、OECD諸国の中では最低レベルとなっています。
 昨日、世帯収入九百十万円以上を就学支援金の対象から外した分を低所得者層に手厚い支援に回したというけれども、そもそも日本は教育への予算が少ないわけですから、少ない予算の中でやりくりする話ではないということを申し上げました。
 所得制限なしに全員への支援を継続することが求められていますし、せめて東京都としても、これまで東京の私立高校生の学費負担軽減に使われてきた費用の総額は、来年度以降も下回ることなく、拡充することが必要だと考えます。
 そこで、今年度の国の就学支援金と都の授業料補助、特別奨学金ですね。この予算額及びその合計は幾らなのか、また、来年度予算案では国の就学支援金、都の授業料補助、国の給付制奨学金の金額及びその合計は幾らになるのか伺います。

○武市私学部長 今年度の予算額は、国の就学支援金が約二百四十一億一千四百万円、特別奨学金が約五十二億二千六百万円で、合計約二百九十三億四千万円でございます。
 平成二十六年度、来年度の予算額は、就学支援金が約二百四十二億五千四百万円、特別奨学金が約五十一億五百万円、奨学のための給付金が約二億七千五百万円で、合計で約二百九十六億三千四百万円でございます。

○里吉委員 差し引き二億九千四百万円の増と、都としては三千五百万円の増ということで計算しますと、金額的には今年度水準を確保していることがわかりました。
 ところで、私、一つ疑問があるんですが、生活文化局では私立高校生で所得制限から外れる人を二二%と文部科学省の示す全国平均の数字を想定しています。都立高校生は三〇%と想定していますから、それより低い割合です。私学には他県からの通学者が含まれるから、全国平均を用いたとのご説明を伺いました。
 しかし、東京で全体として私立高校生の方が都立高校生より所得水準の低い家庭が多いというのはなかなか考えにくいと思うんですね。ですから、決算を見てみたら想定より多くのかなりの割合の生徒が学びへの支援を受けられなかったという可能性、支出も予算より大分少なかったとなる可能性が高いんじゃないかと思うんです。
 きのうもお話ししましたけれども、さらに年収九百十万円の世帯でも、お金があり余っているわけではありません。特に東京は物価も生活にかかる費用も授業料などの学費も他県に比べて高いのが特徴です。
 また、学費無償化の世界の流れからいっても、東京の高校生は就学支援金を受けられない割合が高いということは、少なくてもあってはならないと考えます。
 したがって、百歩譲って所得制限を設けるとしても、学費負担軽減、日本も留保を撤回した国際人権規約の中等教育学費無償化の実現、公私格差の解消の立場から、国と同じ基準ではなく、東京都独自の負担軽減の考え方や基準などを設けてしかるべきだと思います。このことを強く要望して次の質問に移ります。
 次は、平和事業について伺います。
 東京都の所有しています平和資料の活用について伺います。
 都は、戦争の惨禍を再び繰り返さないために、三月十日を東京都平和の日と定めています。毎年、東京都平和の日記念行事として、東京大空襲犠牲者やその遺族、在日大使館関係者の方々を招いた記念式典を開催し、また、東京空襲資料展を行っています。ことし、三鷹市や羽村市などで開催されたと伺いました。
 この資料展で展示されているものは、都の平和祈念館の建設計画などにあわせて、都が収集したものと伺っています。都民の皆さんからも、さまざま貴重な資料が寄せられました。戦後六十九年目となる今、戦争の悲惨さを伝える貴重な資料をもっと積極的に活用すべきではないでしょうか。
 東京都平和祈念館の建設計画が凍結されてから十五年です。戦争の悲惨さを後世に伝えたいと寄贈された平和のための資料が、三月のいっとき、一部公開されていますが、あとは自治体にしか貸し出しができないということで、なかなか都民の目に触れる機会がありません。東京大空襲を初め、戦争体験のある世代、皆さん高齢化しています。記憶を風化させないために、次の世代に引き継いでいくことが大切です。
 その一つとして、戦争体験を当事者の方々が語ったビデオなど、都が所有しているものを積極的に活用し、子供たちも含めた若い世代に見てもらえることはできないでしょうか。都の見解を伺います。

○関文化振興部長 平成八年から十一年に集めました資料映像につきましては、平和祈念館で展示することを前提として作成したものでございます。
 平和祈念館の建設が凍結された後も、一定の基準を設けて活用する必要があることから、改めて証言者の同意を得た上で、都が主催する空襲資料展などで上映するためのダイジェスト版を作成いたしました。
 都は、戦争の悲惨さを伝え次世代に語り継いでいくため、毎年三月十日にあわせて平和の日記念式典や、東京空襲資料展を開催しておりまして、今年度は横網町公園にある復興記念館や三鷹市公会堂など、都内四カ所で東京空襲資料展を実施し、約三千二百人の来場者がございました。その中で証言映像のダイジェスト版も上映するなど、活用に努めております。

○里吉委員 今、改めて証言者の方から了解をとったということですけれども、常設展で展示をするということ以外に、こういう活用をしますよという新たな証言者の方への了解というのは、どういう内容の了解を得たんでしょうか。教えてください。

○関文化振興部長 ダイジェスト版を作成するに当たりまして、証言者の方から同意を得た内容につきましては、東京都が主催する東京空襲に関する資料展等で利用するということで同意をいただいております。

○里吉委員 それは、こちらがそういう形で使おうということで、多分そのときはそういう同意を得たと思うんですけれども、多くの証言者の方々が、ご自身の戦争体験をきちんと伝えたいという思いから語っていただいていると思うんですね。ご家族の方も含めて、改めてもう少し幅広い形で使えないかということも検討してみてはいいんじゃないかと思うんです。
 先ほども平和祈念館に使うために最初はご用意されたということで伺いましたけれども、確かに平和資料館、そういうものがあれば、広島の平和記念資料館にも被爆の証言のビデオなどを視聴するコーナーもありますし、そういうところがあれば、いつでも貴重な証言を見ることができる、その場で証言を見ることができるというわけですから、東京都が主催するということに限らず、例えば東京の学校に貸し出すですとか、さまざまな工夫をして、もう一度確認をとることが必要でしたら確認もとって、ぜひ幅広く、これを多くの都民に見てもらえるように工夫していただきたいと思います。
 それから、戦争体験者の方々は高齢化している、これはいうまでもないことですけれども、そういう中で、改めて戦争体験を都として募集する、こういう取り組みも行う必要があるんじゃないかと思いますが、都としての見解を伺います。

○関文化振興部長 都は、三月十日に平和の日記念式典を開催いたしまして、東京空襲の体験者や、ご遺族の方の体験談を毎年お話しいただくとともに、これを冊子として取りまとめ、後世に語り継ぐよう努めております。
 平成十一年度予算に付されました平和祈念館(仮称)の建設に係る付帯決議によりまして、関連の予算が凍結されたことを踏まえまして、新たな資料の収集を行う考えはございません。

○里吉委員 都の後世に語り継ぐための取り組み、東京空襲の体験者に体験談をしていただく取り組みなど、大変重要だと思うんですね。これは、東京都としてきちんと今東京都平和の日をつくっているわけですから、その関連事業として多くの方に体験を手記や自分史や証言映像やさまざまな形で提出していただいて東京都として活用する、こういうこともできるんじゃないかと思います。
 おととい三月十七日、東京都平和祈念館建設をすすめる会の皆さんが、舛添知事に対して、東京都平和祈念館を一日も早く建設するよう要請を行いました。戦争を知らない世代が都民の大半を占めている今、次世代に戦争体験や平和のとうとさを語り継いでいくこと、伝えていくことが本当に大切です。
 先ほどの証言のビデオもそうですし、今、庭園美術館の倉庫に保管中の資料も常設の資料館があれば、多くの方々に見てもらうことができます。改めて、平和祈念館を早期に建設することも求めておきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 ことし二月、東京都美術館で行われていた現代日本彫刻作家連盟の作品展で、中垣克久代表の作品が運営要綱に反するとして、撤去を求められたことが新聞で報道されました。
 この作品は竹を直径一・八メートル、高さ一・五メートルのドーム状に組み上げ、星条旗や日の丸をあしらったと。新聞の切り抜きや、憲法九条を守り、靖国神社参拝の愚を認め、現政権の右傾化を阻止して、もっと知的な思慮深い政治を求めようなどと自筆で書いた紙が張りつけられていたが、この紙をはがすという一部撤去が行われたということです。
 まず初めに、なぜこの作品の一部撤去が行われたのか経過をお伺いいたします。

○濱田文化施設改革担当部長 都は、東京都美術館条例を定め、知事が不適当と認めるときは、館の施設及び附帯施設の使用を承認しないとすることができることを規定し、これを受け、東京都美術館運営要綱で、その一つに、実施する事業が特定の政党、宗教を支持し、またはこれに反対する等、政治、宗教活動をするためのものと認められるときと規定しています。
 東京都美術館からは、館職員が作品を見たところ、当該作品は現政権及びその政策を具体的に批判した張り紙によって、政治的な主張を直接的に伝えるものであり、その部分がただいま述べた運営要綱の規定に抵触すると考え、館側が団体の代表にご相談、お願いした結果、作者が作品の一部を修正したものであり、団体や作者の了解を得たとの報告を受けております。
 公立美術館は税金で賄われ、多くの都民の方々に美術を鑑賞していただく場であり、専ら政治的な論争の場、政治的主張をアピールする場ではございません。今回の東京都美術館の対応は適切なものであったと考えております。

○里吉委員 館が代表の方に相談し、作者が作品の一部を修正したと。団体や作者の了解を得たというお話でした。団体の代表が作者ご本人ですから、実際にはお一人で対応したのかもしれませんけれども、本当に了解を得たのでしょうか。
 新聞報道によれば、展示二日目に副館長が、文言が館にふさわしくないと作品の撤去を求めにきたと。撤去しないというと字を消してくれと一時間も押し問答が続き、結局このご本人は、不本意ながら紙を張ってその場をおさめたということです。ご本人が取材に応じて答えています。新聞報道でも、東京都美術館の主張の根拠は運営要綱にあるとしています。
 そこでまず伺いますが、この東京都美術館条例から確認したいと思いますが、条例には使用の承認について第三条で書かれています。その二項に、知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、前項の使用を承認しないことができる。一、館の秩序を乱すおそれがあるとき。二、館の管理上支障があると認められるとき。三、申請に係る施設等を知事が必要と認める事業に使用するとき。四、そのほか知事が不適当と認めるときとあります。この何番目に該当するのか改めてお答えください。

○濱田文化施設改革担当部長 東京都美術館条例第三条第二項第四号では、前三号に掲げるもののほか、知事が不適当と認めるときと規定しておりまして、これを受け、東京都美術館運営要綱第四で、条例第三条第二項第四号の規定により、館の施設及び附帯設備の使用を承認しないことができる場合として、実施する事業が特定の政党、宗教を支持し、またはこれに反対する等、政治、宗教活動をするためのものと認められるときと規定しております。

○里吉委員 東京都美術館条例の使用を承認しない場合の中の館の秩序を乱すおそれがあるときですとか、館の管理上支障があると認められたときには当たらないということでした。そのほか知事が不適当と認めるときというところを使って、この条項を受けて要綱がつくられているということが確認できました。
 それでは、東京都美術館運営要綱について、今問題になっています、実施する事業が特定の政党、宗教を支持し、またはこれに反対する等、政治、宗教活動をするためのものと認められるときというこの文言は、何を根拠に策定されたものなのか伺います。(発言する者あり)

○濱田文化施設改革担当部長 運営要綱は条例に基づいて、美術館の運営に関して必要な事項を具体的に定めたものでございます。
 お話の要綱の規定は、公立美術館は税金で賄われ、多くの都民の方々に美術を鑑賞していただく場であり、専ら政治的な論争の場、政治的主張をアピールする場ではないことから定めたものでございます。

○里吉委員 今の答弁は、どのような考えで規定したのかということであって、何を根拠に策定したのかについてはお答えになりませんでした。要綱の根拠は示せないということではないでしょうか。(発言する者多し)
 また、この要綱も特定の政党……
   〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かにお願いします。

○里吉委員 宗教を支持し、または反対する等、政治、宗教活動のためのものと認められるときとありますが、今回の撤去要求のときには、撤去しないなら靖国神社という言葉と憲法九条という言葉、この二カ所を部分的に消すようにといわれたそうです。この部分が政治的メッセージと東京都美術館の方は考えたということではないでしょうか。この単語は政治的なのでしょうか。時事問題のキーワードということはいえると思いますけれども、これが政治的といえるかどうかということは大変難しい問題だと思います。
 そして、このようなことで東京都美術館が作品の撤去要求を出したことに、美術関係者を初め、少なくない方々から残念だと。または、この判断はおかしいという声が出されています。
 改めて、東京都美術館とはどのような美術館なのか、東京都美術館の歴史を読ませていただきました。戦前の東京府美術館にさかのぼる大正十五年開館と。日本で最初の公立美術館、東京府美術館は、基本的に美術展覧会の会場、ギャラリーとしての役割を果たしてきました。自前の収蔵品はなく、いわゆる館の自主企画も行われていなかったそうです。東京都美術館の歴史を語るとき、展覧会を支える人の営みを欠かすことはできないと。
 そして、東京都美術館の公募展、現在、年間二百七十団体が開催している。ほぼ一週間おきに十五室ある展示室が入れかわっていると。多くの美術団体が作品を発表する歴史のある美術館だということがよくわかりました。
 先ほど公立美術館は税金で賄われといわれましたが、公立美術館だからこそ、表現者の自由を最大限尊重するべきではないでしょうか。そうでなければ美術館としての信頼を失いかねません。都の見解を伺います。(発言する者あり)

○濱田文化施設改革担当部長 基本的に、表現の自由は尊重すべきものでございます。美術館は、芸術文化の発表の場であることは確かでございます。
 しかし、公立美術館は税金で賄われ、多くの都民の方々に美術を鑑賞していただく場であり、専ら政治的な論争の場、政治的主張をアピールする場ではございません。

○里吉委員 美術館はいろいろな意見を表現する場であって、議論できることが重要なのです。その場を提供することが美術館の……
   〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かにお願いします。

○里吉委員 重要な役割です。
 先ほどから、美術館は専ら政治的な論争の場、政治的主張をアピールする場ではないと繰り返していますが、これが政治的アピールなのか、美術作品なのか、簡単には線引きはできないと思うんですね。何をもって政治的というのか、人によっての判断も違うのではないでしょうか。
 今回、これは文字が書いてあったということが問題になっていたようですが、作者がこれは作品だといえば、それは尊重すべきです。
 東京都美術館が表現者の自由を最大限尊重する立場に立って美術館を運営するよう強く求めて私の質問を終わります。

○新井委員 私からは、悪質事業者の取り締まりについてお伺いをします。
 悪質事業者は、環境やエネルギー問題など、社会的に関心の高い話題や出来事を悪用し、消費者に近づいてくると聞きます。
 つい先日、閉会を迎えたソチの冬季オリンピック・パラリンピックでは、アスリートの皆さんの活躍が記憶に新しく、大会のすばらしさとともに、二〇二〇年東京五輪に向けた人々の関心や期待感も大きく膨らんだように見受けられます。しかし、これらの関心の高まりや大きな経済効果への期待とともに、東京五輪も悪質事業者の手口に悪用されるのではないかと懸念されます。
 そこで、東京五輪に関連した消費者トラブルの状況及び都の対応についてお伺いをします。

○藤井消費生活部長 平成二十五年九月に二〇二〇年の東京五輪の開催が決定した後から、オリンピックに乗じた詐欺的投資トラブルが出現しています。
 例えば、大手企業の関連会社を名乗る事業者から、突然電話でオリンピックに向けて競技施設を改築するためのファンドを発行したという投資勧誘があり、その地域の人にしか買えないので、かわりに買ってくれれば高値で買い取ると持ちかけられるというものや、オリンピックの仕事を請け負った会社の社債を購入する権利が当たったとの封筒が送られてきて、執拗に購入を迫るものなどであります。
 また、オリンピックの入場券をプレゼントすると持ちかけて、事業投資や社債を勧誘するなど、投資詐欺が疑われるトラブルなどに関する相談が寄せられております。
 都では、相談情報を把握した昨年十月にホームページで注意喚起情報を提供するとともに、関係局と連携し、ツイッターなどを活用して幅広く周知いたしました。

○新井委員 東京五輪が悪質事業者に悪用され、消費者の悲しい思い出にならないよう、今後もさらに取り組みを強化していただきたいと思います。
 また、オリンピック以外の投資詐欺が疑われる手口は、どのようなものがあるのかお伺いします。

○藤井消費生活部長 都内の消費生活センターには、実態のない架空の権利をあたかも投資商品であるかのように勧誘し、契約させるという相談が増加しています。
 具体的には、消費者宅に見知らぬ事業者から、選ばれた人にだけ購入できる権利と見せかけた有料老人ホームの利用権等の取引の勧誘があり、その後、複数の人物からこの権利を買うと必ずもうかるという電話があって契約を勧められるという、いわゆる劇場型の勧誘手口であります。しかし、これらの権利は架空の権利であり、消費者が代金を支払うと、投資を勧誘した者とも、販売した会社とも連絡がつかなくなるというものであります。
 これらの権利の売買は、規制する法律のない、法のすき間をついた詐欺的な投資勧誘であり、高齢者に多く被害が発生しております。

○新井委員 高齢者の被害を防止するには、具体的な手口を都民に広く伝えるような取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。
 さて、四月は新社会人や新入学生など、地方から多くの若者が東京に来て、生活を始める方も多いです。こうした若者が悪質事業者に狙われないか心配しております。
 最近の若者の消費者被害の状況及び都の対応についてお伺いします。

○藤井消費生活部長 SNSを利用して、友達になってほしいなどと社会経験の少ない若者や、東京に来たばかりの若者などに近づき、高額な投資ソフトの購入やエステティック契約を持ちかける手口が多発しています。
 友人であるという断りにくい雰囲気をつくり、お金がないという消費者を消費者金融に連れていき、借金をさせるといった悪質なものでございます。こうしたSNSを勧誘の手口に使うアポイントメントセールスに関する相談は、平成二十二年度以降、年々増加する傾向が見られます。
 また、若い女性に無料でネイルをしませんかなどと声をかけ店に連れていき、高額な美顔器を売りつけるという被害も多くあります。
 都は、被害の拡大防止のため、これら悪質な事業者に対して、特定商取引法に基づき業務停止を命じ、消費者に注意喚起を行いました。

○新井委員 都が行政として悪質事業者の取り締まりに取り組んでいることがわかりました。
 しかし、将来ある若者を食い物にするような悪質事業者に対しましては、行政罰だけでは限界があるんではないかと思います。
 警察による対処が効果的だと思いますが、警察との連携の状況についてお伺いをします。

○藤井消費生活部長 都は、事件性が高い案件について、警察と連携し逮捕に結びつけるなど、悪質事業者の根本的な排除に向けた取り組みを行っています。
 特定商取引法に基づく調査、処分を厳格に行い、警視庁と必要な情報を共有するなど、連携を図るため、現役警察官及び警察官OBを含めた特別機動調査班を組織しております。
 最近では、先ほど答弁いたしました事例のSNSを悪用して消費者に近づき、親しくなった後に高額なエステの契約を持ちかけていた事業者や、キャッチセールスにより美顔器を購入させていた事業者に対して、都が業務停止を命じた後、警視庁が捜索し逮捕した実績がございます。

○新井委員 悪質巧妙化する手口による消費者被害を防止するためには、こうした取り組みは大変心強いです。
 今後も、ぜひ全国を牽引する取り組みを続けていただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わりにします。

○やながせ委員 私からは、まず留学支援についてお伺いをしていきたいと思います。私立高校生に対する留学支援事業であります。
 この支援制度は、豊かな国際感覚や語学力を身につけ、世界で活躍するグローバル人材の育成を図るため、私立学校が取り組む高校生の留学を支援すること、これを目的として、平成二十五年度から始まったものであります。
 この事業について、今年度の補助金の執行見込みについてお伺いをしたところ、予算が四億円のところ、執行見込み額が約一億三千五百万円だったということで、執行率三四%ということでございます。
 まず、この執行率が低い要因についてお伺いしたいと思います。

○武市私学部長 事業開始年度ということもありまして、各学校においてプログラムの構築に一定の時間を要したということ、生徒、保護者にとっては、支援制度の創設が直ちに今年度の留学にはつなげられなかったということなどが挙げられます。

○やながせ委員 開始して間もなかったということで、一定の時間を要したということが要因だったということでありました。
 私は、この予算の執行率が低い理由として、例えば留学をした場合に、その単位がなかなか私立の中で認定されないんじゃないかというようなことを考えていたわけでありますけれども、これ、ちょっと問い飛ばしますね。
 これは、単位認定するかどうかというのは、各学校長の判断によるということで、学校教育法施行規則九十三条では、外国の高等学校における履修を自校における履修とみなし、単位の修得を認定することができるということになっているようであります。ということで、この留学期間も単位認定することができるということですので、これが理由ではないということであります。
 そこで、私はこの制度というのは、都立高校における留学の支援ということもやっているわけで、非常に有意義な事業だろうというふうに考えているわけですけれども、しっかりと幅広くこの制度を利用してもらうために、今、三カ月以上の長期留学に関して、この補助金を出していこうということになっているわけであります。
 大抵、夏休みの一カ月間だけ留学をされるというような方が多いわけですけれども、より多くの生徒に機会を与えるという意味で、こういった短期の留学にも補助を拡大すべきではないかというふうに考えるわけですけれども、見解を伺いたいと思います。

○武市私学部長 私立高校生の留学支援制度の構築に当たりましては、私学団体や現場の先生方との意見交換を重ねてまいりました。
 その結果、国際感覚の醸成や語学力の習得に一定の効果を上げるためには、おおむね三カ月以上の留学期間が必要であること、また、そのような長期間の留学は保護者の費用負担が大きいことから、公的な支援制度を設けてほしいとの意見が多く寄せられました。
 このため、都といたしましては、短期的な海外体験ではなく、おおむね三カ月以上の海外留学を対象に支援する制度とすることで、長期留学制度の創設や拡充を後押しし、都内の私立高校における海外留学制度の充実を図ったものでございます。

○やながせ委員 学校の方から三カ月以上は費用負担が大きいんで、これを補助してくれという声があったということであります。そのとおりだろうというふうに思うんです。
 ただ、一カ月程度の留学をされる方も非常に多くいらっしゃるという現状を考えたときに、これはぜひ考えていただきたいなということを申し上げておきたいと思います。
 額も三カ月の場合五十万円、六カ月の場合七十五万円、一年間の場合百五十万円の補助金ということで、かなり大きな額ではありますけれども、これはおおむね半額程度という設定になっているようであります。ぜひ、これは都立並みということで、補助金の負担率の引き上げも要望しておきたいと思いますし、短期への適用も要望させていただきたいというふうに思います。
 この補助金を有効に使うためには、補助申請に当たってできるだけ、やっぱり誰でもいいよというわけではなくて、もちろん学校の申請が必要だということでありますが、よりその補助金が有効に活用されるという意味では、しっかりと学力基準を設けるべきではないかということを考えるわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○武市私学部長 先ほど答弁申し上げました私学団体や現場の先生方との意見交換におきましては、多くの私立学校が多様な留学制度を実施しているということから、こうした学校ごとの独自の取り組みを生かせる支援制度にしてほしいという要望も多く寄せられました。
 このため、補助対象者に都が一律の学力基準を設けるのではなく、各学校の海外留学に関するこれまでのノウハウや教育方針を生かせるよう、学校が責任を持って総合的な見地から人選した生徒を都に推薦してもらうことといたしました。

○やながせ委員 おっしゃっている意味はよくわかるんですけれども、やっぱり長期の留学、三カ月以上の留学であっても、行ったけれども、ちょっと残念な結果だったというようなこともよく聞くんですね。
 本人のためにも、もちろん学校はよく審査していると思うんですが、やっぱり何らかの、これぐらいは話せると。きのう、TOEFLの話もしていたんですけれども、TOEFLのiBTでこれぐらいは必要だといった基準を設けてあげた方が、留学したい、お金が欲しい、そのためにはここまで到達してから行こうということの一つの目安にもなるのかなというふうに思いますので、ぜひ検討いただきたいということ、これを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 都立文化施設の運営についてであります。
 私は、東京はもっともっと芸術の発信拠点、また、発信ができる可能性がある都市であると思うわけであります。こういった視点から何点か質問していきたいと思います。
 都立の文化施設については、さまざまな施設があるわけですけれども、これがどういった経緯でつくられてきたのか、そもそも全体計画なるものがあって、その中でつくられてきたのかどうなのか。
 また、現状ある文化施設に対して、この現状で足りているんだよというふうに考えているのか。
 また、今後の整備計画についてはあるのかないのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

○濱田文化施設改革担当部長 東京都は現在、都立文化施設八館を設置しています。これらは、それぞれの時代の要請のもとに整備してきたものであり、各施設固有の設置目的や特性を有しております。
 都立文化施設は、大正十五年になりますが、日本初の恒久的な美術館の設立を望む声の高まりを受け、実業家、佐藤慶太郎氏の寄附金、百万円を原資として、東京府美術館、現在の東京都美術館になりますが、設置されたことに始まります。
 続いて、昭和三十六年、東京に本格的なクラシック音楽ホールの設置を求める要望に応え、東京の開都五百年記念事業として、東京文化会館が設置されました。
 いずれも日本の文化施設の草分け的存在でございます。
 その後は東京都庭園美術館、東京芸術劇場、江戸東京博物館及び分館たてもの園、東京都写真美術館、東京都現代美術館をいずれも東京都の長期計画に基づいて整備してまいりました。
 なお、現在、都立文化施設の新設計画はございません。

○やながせ委員 現在、都立文化施設の新設の計画はないということでございますので、これは、現状としては都が整備をする美術館等々、博物館としては、現状維持という考え方なのかなというふうに思うわけですけれども、私はやっぱり先進国の主要都市、パリと比較していいのかどうかというのは、歴史が違いますからまた別ですけれども、やっぱりもうちょっと可能性があるんではないかと。多分、なかなか大きな箱物というのをこれから整備していくというのは難しいのかなと。これもよくわかります。
 そこで、都は民間や区市町村の文化施設に対して、しっかり支援を行っていただきたいというふうに思うわけですけれども、この支援の状況についてお伺いしたいと思います。

○濱田文化施設改革担当部長 都は、東京における芸術文化の振興を図る観点から、文化資源としての民間や区市町村が設置する文化施設の取り組みをこれまでもさまざまな観点から支援してまいりました。
 例えば、都立文化施設とこれらの施設との間で、作品の貸し借りや学術的な交流を経常的に実施しております。
 また、アーツカウンシルを通じて、すぐれた展覧会や公演について助成を行うことで、民間が取り組む芸術文化活動を支援しております。
 東京文化発信プロジェクトにおいては、六本木地区で森美術館やサントリー美術館、国立新美術館などの参加する六本木アートナイトを実施しています。
 さらに、東京都歴史文化財団が事務局となって、都内七十八カ所の美術館、博物館、動物園で使える共通の入場券、割引券のぐるっとパスを発行し、多くのお客様を呼び込んでおります。
 今後とも、こうした取り組みを一層進め、民間、区市町村などの文化施設との連携によって支援を進めてまいります。

○やながせ委員 ある程度のことはやっているんだというご答弁かなというふうに思います。
 さまざまなことに取り組んでいらっしゃるということなんですけれども、都が新しく箱を整備していくのは大変だと。先ほどもいったと思うんですけれども、やっぱり民間に対して、もうちょっとできる支援はあるんではないかと。
 私は、民間の美術館に都のお金は入っているんだろうなというふうに安直に思っていたわけですけれども、いろいろとお伺いしてみると、全く金は入っていないようでございました。
 この整備については、内容にもよるんでしょうけれども、芸術振興という意味では、考えて検討する価値があるんではないかなというふうに思うわけであります。
 都立文化施設の集客の状況ですけれども、現状、どういうふうになっているのか。目標を達成しているのか。年々、どういう状況にあって、伸びているのか減っているのか、この点についてお伺いします。

○濱田文化施設改革担当部長 いうまでもなく、美術館、博物館、ホールのいずれも集客数の多寡のみにて評価すべきではありません。芸術文化の面での貢献や、利用者の満足度などを総合的に判断すべきものと考えております。
 その上で、各施設では年間を通じた入館者数や稼働率などの目標を定め、その達成に向けて、さまざまな取り組みを行っております。
 例えば、美術館や博物館では多彩な展覧会を実施しており、平成二十四年度は東京都美術館のマウリッツハイス美術館展が七十五万人を超える入館者を集めて、イギリスの専門誌で、同年の世界で最も人気のある展覧会に選ばれ、また、今年度は江戸東京博物館の大浮世絵展が大盛況となるなど、好評を博しております。
 その結果、昨年度、平成二十四年度と五年前の平成二十年度を比較いたしますと、江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、東京都美術館の入館者の合計は、平成二十年度は約三百七十万人でございまして、その後、東日本大震災の影響などで落ち込んだものの、平成二十四年度は約三百九十万人となって、震災前の水準を上回っております。
 なお、年間入館者数合計の目標と実績の対比について、この五年間で見ますと、震災の影響があった年もあるものの、平成二十四年度は目標、約三百三十万人に対して実績が約一八%上回っております。

○やながせ委員 二十四年度の目標、三百三十万人に対して、実績が一八%上回っているということなんですけれども、芸術の価値というか、影響、東京の文化における芸術の発展等々を考えたときに、難しいんですけれども、やっぱり入館者数だけではなかなか把握できないということで、私はもっと別の指標もあっていいんではないかなというふうに思うんですね。数値化するというのは難しいですから。
 特に現代美術のようなものというのは、現代美術館がありますけれども、斬新な企画だと目標数に対してなかなか到達できなかったり、あるときには、その目標数よりも大きく上回ったりというようなことがあると思うんですね。
 そのときに、じゃ、どれだけの人が入館したかということ、公的施設ですから、これも大事なことだと思います。ですけれども、それ以上の価値を生み出している可能性というのは、常にあるんだということ、これを申し上げておきたいというふうに思います。
 私は、この現代美術館というのは、四年ぐらい前ですかね、都の美術館、博物館を都議会議員になって何年目かに回らせていただいたことがあるんですね。現代美術館に行ったところ、皆さんよくご存じだと思うんですけれども、チーフキュレーターの長谷川祐子さんにご案内していただきまして、非常に感銘を受けたということがございました。
 その当時は、私はこの歴史文化財団に何らかの無駄があるんじゃないかという視点で現代美術館を訪れて、いろいろチェックしていたわけでありますけれども、長谷川祐子さんに、アートというのは人を自由にするんだよ、やながせ君、といわれてなるほどと。非常に熱い思いで信念を持って語られ、私はファンになってしまったといったことでございまして、帰って長谷川祐子さんについて調べてみると、日本を代表するキュレーターであり、世界からも非常に高い評価を受けている方だということがわかりました。
 私はそれを聞いて非常に誇りに思ったというか、東京都がこういった非常にすばらしい人材を獲得して、その方が東京都現代美術館のチーフキュレーターを務めているんだということに非常に喜ばしい思いをした記憶があります。
 この長谷川祐子さんという方は、キュレーターというのは何をするのかということであるんですけれども、キュレーションについてちょっと申し上げますと、情報や知見を編集することで、現代的な新しい価値を生み出し、人を固有の体験へといざなうと。これがキュレーションであると。ちょっと難しいんですけれども。
 さまざまな現代芸術があります。作家さんのいろんな思いとかがあるんですけれども、それをわかりやすく再構築をして都民に提示をするという役割なのかなというふうに思っておりまして、美術館においては最も重要なポジションだろうと思うんです。その現代美術館に、この長谷川祐子さんがいるということが、都民にとって非常に大きな価値のある美術館としていることになるんだろうというふうに思うわけです。
 そこで、私はこの既存施設の活用という意味で、このようなすぐれた人材をどのように確保していくのか、また、こういった人たちがよい企画をつくっていくこと、これが大事なことだというふうに思うわけですけれども、見解を伺いたいと思います。

○濱田文化施設改革担当部長 都立文化施設における専門的人材につきましては、都と指定管理者である東京都歴史文化財団とで連携しながら、各施設の特性に見合った人材を歴史文化財団が採用し、また、その育成に努めております。
 美術館、博物館においては、多数の学芸員が在籍しておりまして、その中には長谷川祐子氏と同様、世界でも権威のある国際美術展の日本館コミッショナーを務めた者を初め、実績を積んでいる者もおります。
 劇場、ホールにおきましても、国際的に活躍している東京芸術劇場の野田秀樹芸術監督や、東京文化会館の小林研一郎音楽監督を初め、外部から多くの専門家を招聘しております。
 今後も、適切な人材の登用により、一層すぐれた企画で、都立文化施設の魅力を高めてまいりたいと考えております。

○やながせ委員 ありがとうございます。適切な人材の登用により、一層すぐれた企画をやっていくんだという決意をお伺いしました。
 特に現代美術というのは、美術館の中に、箱におさめる必要はなくて、東京という大きな都市があって、この都市全体をすぐれたキュレーターによって、芸術空間に変えていくということができると思うんですね。
 オリンピック・パラリンピックがこれから二〇二〇年にあると。これに向けて、どういった都市にデザインしていくのかといったときに、こういったキュレーターの役割というのは、非常に大きな役割を果たすんだろうというふうに思います。ですから、ぜひそういったことを活用して、もっともっと芸術のあふれる都市に進化することができるんではないかなと思います。
 先ほどアートは人を自由にするという長谷川祐子さんの話をしましたけれども、そういった意味では、私はこの生活文化局の役割というのは物すごく大きくて--なかなか芸術というと無駄じゃないかというような、私もかつてはちょっとそう思っていた部分もあったわけですけれども、視点が多いのかなと思います。
 ただ、すぐれた先進都市、豊かな都市は、やっぱり芸術が豊かな都市なんですね。だから、そういった意味では、この生活文化局が担っている役割は大きいですし、これからもっともっと人を自由にする仕事に積極的に取り組んでいただきたいということ、これを申し上げまして、質問を終わります。

○小松委員 私学の子供の子宮頸がんワクチン副反応の問題について伺います。
 きのうの文教委員会で公立学校の子供について伺いましたが、子宮頸がんワクチン接種の副反応と思われる健康被害が、私学に通う子供にもあらわれています。
 歩行困難や体の痛み、手足の不随意運動、記憶障害や計算障害などなどの体調不良によって、欠席が多くなったり、登校したものの教室の座席についていることができずに、一日中、保健室で横になっていなくてはならない、そんな生徒がいます。
 神奈川県では、私学に通うそのような生徒が、学校側から迫られる形で高校を中退せざるを得なくなった、そんな悲惨な例も生じています。
 そこで、在学中に健康上の理由により学ぶ権利が侵されている子供に対して、私立学校では、学習の支援を行うことが必要と考えます。都の見解をお伺いいたします。

○武市私学部長 都内の私立学校におきましては、健康上の理由により、通常の学校生活を送ることに支障が生じている生徒に対しまして、体育実技のかわりにレポートで評価したり、定期試験の保健室での受験を認めるなど、個々の生徒の症状に配慮した学習支援を実施しております。
 また、都は子宮頸がんワクチンの接種に関連したと思われる症状により教育活動の制限が生じた生徒への対応について、個々の生徒の心身の状態に応じ、学習面を含め、学校生活のさまざまな面で適切な配慮がなされるよう、各私立学校に周知を行っております。

○小松委員 私立学校ならではの生徒一人一人の事情を勘案した丁寧な対応というものを東京都としても学校側に要請していただきたいと思います。
 それでは、続きまして、文化施設、文化会館と芸術劇場の女性トイレのことについてお伺いいたします。
 コンサートホールや劇場でコンサート、オペラ、バレエ、演劇などの公演中、休憩時間の女性用トイレに長蛇の列ができるという光景が多く見られます。特に、寒い冬場の公演では、休憩時間の二十分なり三十分という決められた時間内に座席に戻る必要があるため、音楽ホールや劇場という施設特有の課題といえます。何とか改善が図られてしかるべきとかねがね問題意識を抱いてきました。
 都有施設である東京文化会館と芸術劇場について、女性用のトイレの個数がどのくらいあるのか教えていただきましたところ、文化会館の大ホールに関しては、座席数二千三百三に対し女性トイレ数が七十六、芸術劇場の大ホールでは千九百九十九席に対して五十二、中ホールでは八百三十四の座席に対して三十六というふうになっています。
 仮に観客が全員女性だとすると、単純計算ですが、文化会館大ホールではトイレ一個当たりの人数が三十・三人、芸術劇場大ホールは三十八・四人、中ホール、二十三・一人というふうになりました。もちろん観客全てが女性ではありませんけれども、この二館だけでなく、どこの劇場やホールでもいえることは、圧倒的に女性が多いということです。このトイレの数では、とても十分とは思えません。
 そこで、東京文化会館と芸術劇場の観客用トイレについて、その個数、また男女比について、どのような基準があるのかお伺いします。

○濱田文化施設改革担当部長 音楽や演劇などの公演が行われるホール、劇場は、興行場法に定める興行場に位置づけられておりまして、換気や照明など、入場者の衛生に関する構造設備の基準は、都の特別区の存する区域においては、特別区の条例、規則で定めることとなっております。
 東京文化会館及び東京芸術劇場のトイレにつきましては、それぞれ台東区興行場法施行条例施行規則、豊島区興行場法等の施行に関する規則で、便器の数などに関する基準が定められております。
 お話のあった東京文化会館大ホール、東京芸術劇場の大ホール及び中ホールにつきましては、いずれも区の定める基準を満たしております。

○小松委員 先ほども申しましたが、観客は出し物にもよりますけれども女性が圧倒的に多い。しかも、中高年が多いです。もともと女性トイレの絶対数が不足しているため、休憩時間には女性トイレの順番待ちの長い列が必ずできてしまいます。私の個人的実感ですが、最低でも男性用の三倍は必要だと思います。
 また、文化会館と芸術劇場の女性トイレは、約一割が和式というふうに伺いました。しかし、和式トイレより洋式トイレの方がニーズは高いです。洋式を好まない人がいるのは事実ですけれども、高齢になって和式を全く使えないという人がかなりいらっしゃいます。そのことから考えても、公的施設の個室トイレは全て洋式としても差し支えないと考えます。
 芸術文化を心置きなく楽しめる施設であるためには、何らかの対応策が必要だと考えます。都がさまざま工夫をされているとは思いますけれども、まだ改善の余地があると考えています。都の見解を伺います。

○濱田文化施設改革担当部長 トイレの整備状況でございますが、東京文化会館は平成十八年度に改修工事を行い、大ホールのホワイエの地下に女性用トイレを二十基増設いたしました。
 東京芸術劇場は平成二十三年度から二十四年度にかけて実施した大規模改修におきまして、中ホールの女性用トイレを十四個増設いたしました。
 なお、和式トイレにつきましては、一定の要望があることから設置しているものでございます。
 また、これまでも混雑時にはスタッフが空き状況を把握して、適宜あいているフロアのトイレへ誘導したり、事前に女性客が多いことが予想される場合は、主催者の了解を得て、男性用トイレを女性用に臨時に変更するなどの対応も行ってまいりました。
 今後とも、お客様が快適な環境で芸術文化を鑑賞できるよう、より一層のサービス向上に取り組んでまいります。

○小松委員 女性トイレの長い列というのは、デパートなどの商業施設や映画館でも、ドライブインでも見られます。どなたも、目にされた方がいらっしゃると思います。
 都有施設でいえば、先ほど来、話が出ています博物館、美術館などでも同様で、そこでも問題なんですけれども、休憩時間の短時間に集中して、座席がどんなに遠くても次の幕が始まる前にそこに戻っていなければならないという、そういう必要はありませんから深刻さの度合いが違います。
 防災対策としてのトイレ問題ということについては、阪神・淡路大震災、東日本大震災での経験があって、この問題の重要性というものが認識されておりまして、かなり対策が講じられてきています。しかし、劇場のトイレ問題は、これまで目が向けられてこなかったと思います。
 トイレが足りないのは生理的ニーズが解決できないということでして、東京文化会館は、音響効果が日本一と評価の高い音楽ホールであるけれども、そこの問題が放置されてきたということは大変残念に思っています。最高のおもてなしを誇る文化都市となるために、対策を要望して質問を終わります。

○川松委員 私からは、先ほどもありました東京都美術館の作品撤去報道について伺ってまいります。
 私も報道を見ましたが、政治的な主張が含まれていることを理由に、美術館が作品の撤去や改変を求め、作者が作品の一部を修正して展示をすることになったとのことでございました。
 新聞報道などによりますと、作品には憲法九条を守り、靖国神社参拝の愚を認め、現政権の右傾化を阻止して、もっと知的な思慮深い政治を求めようなどといった主張が記載された紙が張ってあったそうでございます。
 この作品に関して、政治的な主張が含まれていることを理由に、東京都美術館が作品の撤去や修正を求め、作者が作品の一部を修正して展示をすることになったとのことでございますが、これは当然のことであると私は考えます。
 私も美術館にはよく行きますし、子供も美術館にはよく行くわけです。先ほども話にありましたが、例えばあの作品を親子で見て、これ何といわれて、これは時事問題だと答える家庭は一般的にいないような気がするわけですね。これほどあからさまな、ストレートな政治的主張がある作品を展示するというのは、公立の美術館としては、どうなんだろうかというのがこの議論だと思うんですね。
 私は、これが表現の自由だという主張には全く賛同できません。表現の自由をかさに着て、公立の美術館であればどんな作品でも展示していいということにはならない。こういう問題が起きると、誰が芸術性を判断するのか、線引きはどうするんだ、表現の自由とは何かといって、話を混乱させるような議論が生まれてくるわけですが、それ自体も私はおかしいと思います。
 改めて、今回の東京都及び東京都美術館の対応と、その考え方をしっかりと確認させていただきたいと思います。

○濱田文化施設改革担当部長 東京都美術館は、国内外の名品を多くの方々に鑑賞いただける特別展を開催するとともに、年間二百六十団体に上ります美術団体の発表の場となり、また、一昨年からはリニューアルを契機に、東京藝術大学との連携によって、新たな交流の可能性を追求いたしますアートコミュニケーション事業などを行っています。
 これらの取り組みによって、東京都美術館は子供から大人まで、全ての人々に開かれたアートへの入り口となっておりまして、都民を初め、多くの方々に親しまれております。
 ご指摘の作品についての対応ですが、都は東京都美術館条例を定め、知事が不適当と認めるときは、館の施設及び附帯設備の使用を承認しないことができることを規定し、これを受け、東京都美術館運営要綱で、その一つに、実施する事業が特定の政党、宗教を支持し、またはこれに反対する等、政治、宗教活動をするためのものと認められるときと規定しております。
 今回の作品は、理事ご指摘のとおり、現政権及びその政策を具体的に批判した張り紙によって、政治的な主張を直接伝えるものでございました。
 そうしたことから、東京都美術館の職員が会場において当該作品を見て、条例及びこれに基づく運営要綱の規定に抵触するものと考え、美術館側が団体の代表にその旨を伝え、相談、お願いをした結果、作者によって作品の一部を修正したものでございまして、団体や作者の了解は得ております。
 もとより、基本的に表現の自由は尊重すべきものでございます。美術館は芸術文化の発表の場であることは確かですが、公立美術館は税金で賄われ、多くの都民の方々に美術を鑑賞していただく場であり、専ら政治的な論争の場、政治的主張をアピールする場ではございません。
 今回の件は、運営要綱等に照らし、現場でふさわしくないと判断したものでございます。今回の東京都美術館の対応は適切なものであったと考えております。

○川松委員 ただいまのしっかりとした東京都の答弁を聞いて安心いたしました。都民の貴重な税金を投入して運営している美術館であれば、公平性、中立性の観点からも、当然のご判断だったと考えます。
 公立の美術館であれば、一定のルールが求められるのは当たり前のことであり、表現の自由などを持ち出して批判するのは筋違いであるといえると思います。東京都美術館は、メトロポリタン美術館展など、世界的にも著名な展覧会を開催するとともに、数多くの公募団体による展覧会を開催して、昨年度は二百八十万人もの方が来館するほど多くの人々に親しまれております。
 リニューアルオープン後には、新たに東京国立博物館など、上野地区の文化施設と連携して、子供たちがアートに親しむ事業なども開始し、歴史ある上野の美術館として、ますます存在感を発揮しているところでもございます。
 今後とも、美術館の適正な管理運営に取り組んでいただき、誰もが気軽に来館できる美術館を目指して、オリンピック・パラリンピックの東京開催も見据え、文化都市東京の魅力を国内外へ積極的に発信していただきたいと思います。
 次に、こちらも先ほどありました留学支援について質問をさせていただきます。
 都は、我が党の要望に応えまして、今年度から私立高校生に対する留学支援策を開始いたしました。
 留学の効果が高いとされながら、経済的理由によってなかなか取り組みが進まなかった長期的な留学に対して支援を行うことで、より長期の海外留学が可能になり、グローバル人材の育成に弾みがつくと学校関係者の期待は大きいわけであります。
 改めて、この補助の目的及び内容についてお伺いをいたします。

○武市私学部長 私立高等学校海外留学推進補助は、都内の私立高校におきまして、独自の教育理念に基づき、多くの学校が海外留学に取り組んでいることを踏まえ、こうした私立高校におけるこれまでの経験に基づいた個性ある取り組みを生かし、さらに充実を図っていくことで、世界に通用する人材の育成を図ることを目的とするものでございます。
 学校が責任を持って実施し、国際感覚の醸成や語学力の習得に一定の効果があるとされる、おおむね三カ月以上の留学に参加する生徒、保護者への支援制度といたしました。
 補助単価は、留学期間に応じて設定し、三カ月の留学の場合は五十万円、六カ月の場合は七十五万円、一年間の場合は百五十万円を補助いたします。

○川松委員 支援制度の目的についてはわかりました。今後の運用について、私の意見もありますけれども、先ほど学力基準を設けるべきだという話もありましたが、あくまで各学校の事業を後押しするものであり、基準は学校が責任を持って決めるということであります。
 また、学力といっても、行く国によって語学も違うわけですし、また、行く前に、例えば英語圏に行くのに英語をしゃべれない子が行ったとしても、そっちの方が必死になったりするわけです。
 スポーツ選手でいえば、通訳のいるスポーツ選手とそうじゃないスポーツ選手の語学の発達も違うわけですよ。お相撲さんは通訳いなくても、みんなインタビューに全部答えているわけです。ところが、ほかのスポーツはみんな通訳を介して答えているから日本語がうまくならない。
 そういった各学校が基準を持って送り込むということは、それなりに適性があるわけです。点数だけとるけれども、コミュニケーションがとれないという子もいるわけですから、これは各学校の判断基準をしっかりと皆さんが後押ししていただければというのが私の考えでございます。
 また、制度構築に当たりましては、我が党からも何点かお願いしてまいりましたが、私立学校の実態を踏まえた効果的な支援制度となったことを高く評価いたします。
 そこで、留学期間ごとの学校数、生徒数はどうだったのかをお伺いいたします。

○武市私学部長 今年度は四十校から百七十七人が留学をいたしました。
 期間ごとの内訳は、三カ月が二十五校、百二十一人、六カ月が三校、十人、一年間が二十二校、四十六人となっております。
 なお、四十校のうち十校は複数の留学期間を設定しております。

○川松委員 先ほど予算の執行率のお話もあったんですが、学校数で見てみますと、予算規模七十校のおよそ六割に上っているわけです。
 また、一つの学校でも複数の留学期間に対応するなど、一つの数字だけにあらわれない各学校の工夫が見られるのではないかなと私は分析しております。
 そこで、今後の展開に期待ができると考えますが、都の認識をお伺いいたします。

○武市私学部長 平成二十四年に私学団体が実施した調査によりますと、都内の私立高校では、既に約八割の学校が海外留学を実施しておりますが、そのほとんどは四週間未満の短期留学となっております。
 今年度、都の補助制度を利用して、既に四十校が長期留学の取り組みを始めておりますが、一学校当たりの限度額である五百万円まで、もっと人数をふやしたいという学校や、これに加えまして、来年度に向けて申請の準備をしている学校もあると聞いております。
 また、都では今年度、学校説明会を二回開催したほか、さまざまな機会を捉えまして、補助制度の周知と積極的な活用を働きかけております。
 こうしたことから、来年度以降、さらに長期留学への取り組みが進むものと考えております。

○川松委員 留学の効果はすぐにあらわれるものではありませんし、例えば一カ月ということになりますと、僕自身の経験もあるし、受け入れてきた経験もありますが、やはり一カ月だと旅行気分にもなってしまいますし、ホームステイを取り入れている学校が多いわけですけれども、ホームステイだとお客さんで終わってしまうケースが多いわけですね。
 我々も一カ月間なり短期の子を受け入れて一緒に生活していてもお客さんで終わっちゃうんですが、やはりこの先に、いろんな気持ちを乗り越えていくには三カ月という基準は、今回妥当であると私は考えております。
 ぜひ、息の長い取り組みを続けることが重要でありまして、今後も一人でも多くの私立高校生が海外留学を経験し、グローバル人材として活躍できるよう、しっかり支援していくようお願いいたしまして、次の質問に移ります。
 続いて、個人情報保護制度及び社会保障・税番号制度についてお伺いをしてまいります。
 平成三年に東京都個人情報保護条例が施行されまして、既に二十三年が経過いたしました。この条例の施行により、都が保有する自分の情報について、開示請求等により積極的に関与できることは、情報が氾濫する現代社会において有意義であると考えます。
 その一方で、四半世紀もたちますと、制度を取り巻く状況も大きく変化しており、どんな制度であっても、当初は想定していなかったような課題が見えてくるものであります。
 以前に、一一〇番を受け付けた際の記録ということや、警察に出向いて相談した際の記録について、特定の方からの開示請求が多くなっているということを聞いたことがあります。本日の質疑の中では、こうした点についても確認させていただきたいと思います。
 そこでまず、都民からの個人情報にかかわる開示請求等の現状についてお伺いをいたします。

○佐藤都政情報担当部長 都が保有する個人情報に係る開示請求等につきましては、制度開始当初、年間百件から二百件程度でしたが、近年は急増し、平成二十四年度の総件数は二千十一件となっておりまして、この三年間で件数は倍増するとともに、特定の個人からの請求が目立ってきている状況でございます。
 開示請求等の内容につきましては、従前から都立病院のカルテ等の診療情報関係が中心でございまして、近年は一一〇番通報を受理した際に、通報内容を記録する一一〇番処理簿や、防犯問題等の相談時に作成する生活安全相談処理結果表などが増加しておりまして、これらで全体の約五割を占めております。

○川松委員 都民からの個人情報にかかわる請求が増加してきたことは、情報化社会が進展する中、都民が自分の情報をきちんと管理しなければならないとの意識が高まったことと、個人情報保護制度が広く認知された結果であると考えられます。
 その一方で、近年の請求件数の急増は、特定の方からの請求が多いことも要因の一つであることが確認できました。
 そこで、近年の開示請求等の運用状況について、都としてどのような問題が生じているのか、どういうふうに考えているのかをお伺いいたします。

○佐藤都政情報担当部長 都の個人情報保護制度は、開示請求等の仕組みによりまして、都民の権利利益の侵害を未然に防止する役割を果たしてまいりました。
 しかしながら、近年、自分の個人情報を短期間に繰り返し請求するもの、明らかに個人情報でない情報を請求するもの、行政の業務執行に対し、害意を持って大量に請求するもの、職員を攻撃する目的で請求するもの、こういうものなど特定の個人からの権利濫用的な請求が見受けられるようになりまして、このような請求への対応が課題であると考えております。
 現在、個人情報の開示決定等に係る不服申し立てについて、専門的見地から調査、審議を行います個人情報保護審査会におきまして、そのような権利濫用的な請求への対応について審議しておりまして、今後もさらに検討を進めてまいります。

○川松委員 ただいまの答弁にもありましたような権利濫用的な請求は、行政機関の通常業務に支障を及ぼす場合も多いのではないかと考えられるので、専門家の意見を十分に聞いた上で的確に対応し、個人情報保護制度の適切な運用に取り組んでいっていただきたいと思います。
 続いて、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度について、個人情報保護の観点から質問をいたします。
 国民一人一人に番号をつけ、社会保障情報や納税記録を管理する仕組みを構築する行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆるマイナンバー法が去年の五月に成立し、平成二十八年一月から、順次、マイナンバーの利用が開始されると聞いております。諸外国においては、共通番号制度を導入している国が多く、やっと日本でもスタートすることになります。
 現在、既に年金制度や医療保険制度において、別々の番号が使用されていますが、マイナンバー制度は、そうした複数の機関に存在する情報を行政機関の間においてやりとりできる仕組みであります。
 この制度の導入により、国民にとって利便性が高まり各種行政事務の効率化が図られ、より公平、公正な社会、社会保障がきめ細やか、かつ的確に行われる社会の実現が期待できるわけであります。
 具体的には、行政機関の間において、当該個人情報の照会、提供を行うことによって、窓口での申請時に住民票や所得証明書の添付を省略することが可能となる、申請を受ける行政機関にとっても、添付書類を電子データで受け取るため、情報の転記、照合、入力ミスが防止され、各業務での重複作業もなくすことができるわけです。
 このマイナンバー制度を着実に運用していくためには、制度の根幹をなす個人情報の適正な管理が重要になってくると考えます。
 そこで、マイナンバー制度の導入に当たって、国を含めて、どのような個人情報保護の仕組みが構築されるのかをお伺いいたします。

○佐藤都政情報担当部長 現在、国はマイナンバー制度の詳細について検討しているところでございますが、これまでの説明によりますと、個人情報保護について、外部委員会による監視、監督や、目的外利用の禁止など、制度上の保護措置を講ずるとともに、通信の暗号化やアクセス制御など、システム上の安全措置を構築するとされております。
 さらに、地方自治体を含む行政機関には、個人情報の適正な取り扱いを確保するため、特定個人情報保護評価制度を導入することが新たに法で義務づけられております。
 これは、マイナンバーを利用する前の段階で、マイナンバーを含む個人情報を保有する場合のリスクとその回避策を行政機関みずからが評価し、第三者機関による点検を受けた上で、国の委員会に報告し、公表する仕組みとなってございます。
 この新たな評価制度と既存の都の個人情報保護制度との整合性を図りまして、マイナンバー制度の導入後も、都として着実に個人情報保護を推進していく必要があると考えております。

○川松委員 マイナンバー制度を適切に運用するためには、特定個人情報保護評価制度が不可欠な仕組みであるということが理解できました。こうした点も含めまして、マイナンバー制度の安全・安心を確保するためには、個人情報保護制度を機能させることが重要であると考えます。
 国においては、制度の詳細を定める政省令の制定等がかなりおくれているようですが、平成二十八年一月からマイナンバーの順次利用が開始されるとの予定からしますと、今後、都としては限られた期間で効率的かつ迅速に準備を行っていく必要があると考えます。
 マイナンバー制度の円滑な実施に向け、都民の個人情報保護という観点から、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

○佐藤都政情報担当部長 マイナンバー制度につきましては、国の動向について的確に情報を把握し、これまでも国に対し、迅速な制度設計等について働きかけてまいりました。
 今後、政省令が制定され、特定個人情報保護評価に係る指針等が決定、公表される予定となっておりまして、都といたしましても、具体的な検討が必要になるため、来年度は組織体制を強化するとともに、第三者機関を設置するなど、速やかな評価に向けた準備を進めてまいります。
 あわせて、都の個人情報保護制度との整合性を図るという観点から、専門家のご意見をお聞きしながら、課題の整理と対応策の検討を進めるとともに、庁内の関係各局とも十分に調整を図りまして、マイナンバー制度における個人情報保護に万全を期してまいります。

○川松委員 マイナンバーの利用は、社会保障分野と税分野に加えまして、災害分野も対象とされており、被災者支援の場面での活用も想定されることから、災害時における迅速な対応が期待でき、都民の安全・安心の確保にも非常に有益な制度であると考えます。
 このマイナンバー制度を支える特定個人情報保護評価制度の導入に向け、都としても専門家の知見を十分に活用しながら着実に準備を進め、都民の個人情報保護を総合的に推進していっていただきたいと思います。
 また、マイナンバー制度は、都民生活を一変させる可能性を持つものでありますが、いまだ制度そのものを全く知らない都民や、制度の詳細を知りたいと思っている都民も少なくないと思います。そうしたことから、都として国に対し迅速な制度設計に加え、国民への周知徹底もしっかり行っていくよう働きかけることを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次は、海外広報におけるインターネットの戦略的活用について質問をいたします。
 さきの本会議及び予算特別委員会におきまして、映像の力を活用しながら海外広報に本格的に取り組んでいくとの答弁がありました。
 東京は現在、世界で四番目の都市という見方もあるわけですが、六年後のオリンピック・パラリンピックの開催を機に、世界で一番を目指すとのことでございます。海外では、実際のところ、日本に関心のある人以外は、東京どころか日本の位置も正確にわからない人が少なくありません。また、せっかく日本に来ても、海外のお客さんが東京を素通りして京都に行く、マウントフジ、富士山に行く、飛騨高山に行くなど、そういった方も多いわけです。
 実際に、扇大臣のときにビジット・ジャパン・キャンペーンで、外国人観光客一千万人目標だといって到達しましたが、じゃ、その一千万人のうち何人が東京に来ているのかと考えますと、ほとんどの方が思っているよりも少ない人数であるというのが実態であります。このような現実を冷静に受けとめ、海外広報にしっかり取り組んでいくことが重要だと私は考えます。
 去年の事務事業質疑におきましても、インターネットを中心に海外向け情報発信を強化するという答弁をいただきました。インターネットというのは、テレビだとかラジオだとか新聞だとか雑誌だとかといった従来のメディアとは異なり、いろいろな情報伝達手段が存在しているわけです。想像もできなかったような情報伝達が世界の遠いところに、日本から考えれば裏側まで届いていくことがあるというのが実際でございます。
 私自身、ツイッターで、あるときアイドルグループのツイートをしたわけです。そうしたら、そのツイートには九百六十リツイート、ほとんどの方、知らない人がリツイートしているわけです。一つのキーワードにひっかかって、いろんな方がそのキーワードに連なって、さらにその次の人、次の人と、情報の小さい乗り物が今インターネットの世界にはいっぱいあって、私もこの乗り物に情報を乗せたいなと思ったら、次から次へといろんなところに乗っていくというのが今のインターネットの世界なんですね。この仕組みをしっかりと利用して広報をやっていけば、最小の投資で最大限の効果を東京都は得られるんじゃないかと思うわけなんですね。
 そこで、都庁のホームページというのは、その中でも情報を発信する一番の核になるわけですが、情報発信の役割を果たすものの中で、現状の外国語版都庁総合ホームページでは十分ではなく、対象者に応じたページ構成、情報内容に変えていく必要があると思うんです。世界中の人々に見てもらい、効果的な広報活動につなげていくために、外国語版都庁総合ホームページをどのように再構築していくのかをお伺いいたします。

○横山広報広聴部長 外国語版都庁総合ホームページは、これまで主に在住外国人向けに都の概要や防災、生活情報など、基本的な都政情報として、いわばお知らせをしたい情報の提供を中心に据えてまいりました。
 海外向けの都市広報を展開するに当たりましては、海外の人々に興味を持って東京の情報を詳しく調べてもらえるよう、知りたい人が使いやすいホームページへと抜本的に転換を図ってまいります。
 具体的には、ホームページのトップページの上部に、訪問者向け、居住者向け等の見出しを設けまして、それぞれの対象者別に、目的に合った適切な項目を表示させる、こういう形に変えてまいりたいと考えております。
 あわせて、現在のページは、最初のページをごらんいただきますと、比較的たくさんの情報が載っておりまして、このページだけで情報の検索ができるような形にしてございますけれども、逆な見方をいたしますと、一ページに表示される情報が非常に多くて、逆に検索しづらいというような評価もございますので、掲載する情報を可能な限り絞り込み、簡潔な構成といたしまして、海外の利用者が求める情報に到達しやすい構造に転換してまいります。
 また、こうした検索性の向上に加えまして、より多くの人の興味、関心を喚起するように、写真や映像を効果的に配置するなど、東京の魅力を紹介する情報の充実を図りまして、利用者本位の再構築を進めてまいります。

○川松委員 対象者に応じて東京の魅力を発信する、対象者を引きつけるホームページに再構築していくとのこと、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 とにかく、きのうよりもきょう、きょうよりもあした、発信する情報はふえていくと思います。したがって、利用者にとって使いやすいページづくりを行うのとあわせて、掲載する情報を充実させていくことが非常に重要です。
 去年の事務事業質疑で、日本語版都庁総合ホームページに掲載している東京アルバムの英語化を進めると聞きましたが、こうしたものを初め、外国語版都庁総合ホームページの内容をどのように充実させていくのかをお伺いします。

○横山広報広聴部長 戦後の復興から現在までの東京の姿などを写真で伝える東京アルバムの英語版を本年二月七日に公開いたしました。
 具体的には、日本橋や銀座、新宿など、東京のまちの姿の過去と現在を対比する写真、あるいは小笠原などの豊かな自然をおさめた写真を英語の説明をつけて掲載をしております。
 また、英語版のみの企画といたしまして、外国人に知ってほしい、あるいは外国人が興味を抱きそうな東京の魅力であります浅草や祭りなどの下町の暮らし、東京独特の風景、風俗などを切り取りまして、印象的な写真で紹介をしております。
 来年度は、東京アルバムのような都が直接保有する素材に限らず、在住外国人などから写真、映像などを広く集めて編集し、ホームページにおいて、わかりやすく提供してまいります。
 今後とも、外国語版都庁総合ホームページにおきまして、四月から新規に採用する海外広報の専門人材の知見も活用いたしまして、海外の人々の興味を引きつける情報の充実を図ってまいります。

○川松委員 東京は外国人から見ますと、おもしろいと感じるスクランブル交差点であったり、合羽橋の道具街など、多様な魅力にあふれているわけです。
 また、ユーチューブでは定められたテーマのもと、世界中から送られ編集された映像が話題になるなど、インターネットでの発信は大きな可能性を秘めております。今後も海外の人々の興味、関心を喚起する情報の掘り起こしと発信を期待します。
 また、発信に当たっては、本当に第三者に東京の魅力を発信してもらうということも私は大切だと思います。世界で活躍し、日本を発信する日本人たちがたくさんいます。例えば、アメリカのアポロ・シアターのコンテストで、マイケル・ジャクソンを超える九大会連続で優勝した日本人ダンサー、TAKAHIROさんという方もいるんですが、こういう方にちょっと東京の魅力を現地でしゃべってもらったりする、これも一つのブランディングだと思います。
 海外において、芸術分野でも、ビジネス分野でも、活躍する日本人に東京の魅力を語ってもらいたいなと私は思うわけですが、そこで、東京がおくればせながら、これまで取り組んでこなかった海外広報に着手したことは評価できますが、二〇二〇年のオリンピックまで六年しか残されていないんです。六年で東京のブランドを確立させる、そこで世界で一番になる。残された時間は短いんです。相当な覚悟と官民を挙げた英知の結集が必要だと思います。
 そこで、最後に広報のあり方を抜本的に転換し、海外向けの都市広報を戦略的に展開するに当たっての局長の決意をお伺いいたします。

○小林生活文化局長 今、国際広報というものの重要性が増しております。海外からどう評価されているか、あるいはどう評価を高めていくかということをめぐって、世界各国が、あるいは世界の大都市が、まさにしのぎを削ってイメージアップに努めているという状況がございます。
 都市のレベルでは、都市の時代を迎えて、大都市の存亡が国家の命運を左右すると久しくいわれてきておりますけれども、都市間競争の中で、都市としての魅力や強みを広く海外から認めてもらう戦略的な広報展開が極めて重要になっております。
 ロンドンはオリンピックを大きな好機と捉えて、これに成功したわけでございます。それによって、世界の第二位から一位へランクが上がったということの一つの大きな要因になっております。
 世界を見渡せば、まさに、おくればせながらというご指摘のとおりでございますけれども、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会の東京開催が決まり、東京を世界一の都市にするという知事の方針が打ち出された今を逃してはならない、待ったなしにスタートさせなければならないと思い、今回、新たに都市広報というものを打ち出したわけでございます。
 海外への広報展開に当たりましては、価値観が異なる多様な人たちを相手に外国語で行うということになりますので、どういう国の、どういう人たちに、どういう内容を、どういう手法で伝えていくか、このことを従来の行政広報の視点を超えた発想で徹底的に追求することが必要でございます。そのためには、海外メディアを初め、都市政策の専門家などの意見を聞き、知見を生かしていくことが大切でございます。
 既に何人かの方々にヒアリングをいたしました。少し答弁が長くなって大変恐縮でございますけれども、お許しをいただいて、ちょっと紹介をさせていただきたいと思います。
 都市政策の専門家の方からは、東京圏が三千五百万人の人口を抱えながらも整然と快適に都市が機能していること自体が海外から見れば驚異であると。その秘密を解き明かしたらどうだと。
 その際、どの都市にもそれぞれ人間の感性に訴える力というものを備えているわけでございますけれども、東京の高い都市管理運営能力や日本人の特性の中にある正確、迅速性、あるいはホスピタリティーといった要素を感性価値として捉え、高い技術力などと組み合わせて、うまく紹介したらどうかという提案がございました。
 具体的に、我々がよく見かける現象といたしまして、世界に冠たる日本の新幹線がございます。新幹線は数分間隔で定時運行しているわけでございますが、これを可能にしているのは、もちろん技術的な、高度な運行システムがあることは間違いないんですが、それに加えて、規律のとれたホスピタリティーあふれる清掃スタッフにも支えられております。
 東京駅に新幹線が入ってくるときに、わずかな時間ですぐ折り返さなくてはいけないというときに、清掃スタッフの方が一斉に乗り込んで、新幹線をきれいに清掃して、それで最後、表に出てホームでおじきをする。こういう光景は、まさに極めて日本的な感性価値を有している光景ではないかというようなお話がありました。
 また、一つの指標として、国際交通ネットワークという指標の中に、国際線の直行便が就航している海外の都市数というのがあります。この都市数だけを見ると、海外の主要都市に東京はまだ見劣りをしております。しかし、空港の定時運航率というものを加味すると、日本人の高い運営能力によって高評価になる。見方を変えれば、そういうこともある。これもやっぱり日本人の運営能力をそこに加味すれば評価が上がってくるということもございました。
 海外メディアの専門家の方々からは、海外から記者を招聘するなどして、日本人の発想ではなく、外国人の目線で興味を持った東京の魅力を取材してもらって発信したらどうかという提案もございました。
 また、どういう人たちに対してかということについて、東南アジアには富裕層の若者を中心に、英語になれてきている人が多く、東京への関心が非常に高いということから、まずここから着手すべきではないかということもございました。
 それから、どういう手法ということですけれども、言語の異なる人にも有効な映像を活用することを初め、先ほどお話がありました、世界中に届き、拡散する可能性を持つインターネット、あるいはSNS、こういったメディアの特性を生かして、あらゆる手法で発信する必要があるといったようなご意見がヒアリングの結果あったわけでございます。
 私どもといたしましては、まずはこうした意見を踏まえまして、既に東南アジア、インドに向けた短い映像発信を始めたところでございますが、今後、新たな映像の制作、海外からの記者の招聘、先ほどありました外国語版都庁総合ホームページの抜本的な見直しなど、新たな取り組みをスタートさせてまいりたいと思います。
 また、先ほどお話がありました海外で活躍する日本人に魅力を語ってもらう。これもやっぱり非常に有効な手法の一つだと思っております。こういったこともあわせて検討してまいりたいと思っております。
 正直申し上げまして、試行錯誤もあると思います。五輪開催まで六年しか残されておりません。おっしゃるように、相当の覚悟を持って、都庁の総力を挙げて、そして官民を挙げた英知を結集させて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

○川松委員 局長の熱いご答弁ありがとうございました。
 とにかく真の世界で一番の都市東京をつくるには、オール東京ですから、ぜひ、ともに情報を世界に向けて発信して、世界で一番の都市をつくっていきましょう。
 以上で質問を終わります。

○松田委員 私からは、子ども・子育て新制度について何点かお伺いをいたします。
 急速な少子高齢化の進行とともに、家庭や地域における教育力の低下が叫ばれ、深刻な待機児童問題など、子供と子育てをめぐる環境は非常に厳しい状況にございます。
 こうした状況を踏まえ、幼児期の学校教育、保育、地域の子供、子育て支援を総合的に推進するため、平成二十七年度から子ども・子育て支援新制度が導入をされます。
 この新制度は、これまで別々の制度で運用されてきた保育園や幼稚園に共通の仕組みが導入されることから、幼稚園にとっては、戦後、学校教育法が制定されて以来、大きな転換期になるといえます。
 全国で最も待機児童数の多い東京においては、ともすれば子供を預けたいという親の要望と、それがさらには子育ての外注化につながるような議論が先行しがちではございますが、この新制度は、質の高い幼児教育を通じて、未来をつくる子供の健やかな成長を保障するものでなければなりません。
 本文教委員会では、これまで東京における幼児期の学校教育の中心的役割を担ってきた私立幼稚園の立場から議論を深める必要があると考えます。
 そこでまず、私学行政を所管する都の立場から、子ども・子育て支援新制度をどのように捉えているのかをお伺いいたします。

○武市私学部長 基本的なご質問ですので、少々お時間をいただいて答弁をさせていただきます。
 東京の私立幼稚園は、九割を超える都内の園児の教育を担い、学校教育法に基づく学校とされてから六十余年の長きにわたり、時代や地域社会の要請に応えて、質の高い幼児教育を支えてまいりました。
 また、東京の私立幼稚園は、学校法人立に加え、個人立や宗教法人立が多いという特徴があります。このような中で、都はこれまで学校法人立への支援はもちろん、国からの補助がない個人立や宗教法人立の幼稚園に対する都独自の補助や、地域のニーズに応じて預かり保育を行う幼稚園への補助など、私学助成に努めてまいりました。
 今回の子ども・子育て支援新制度は、委員ご指摘の子供、子育てをめぐる課題の解決に向けまして、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識のもとに、幼児期の学校教育、保育、地域の子供、子育て支援を総合的に推進するという趣旨で導入されます。
 新制度のポイントといたしましては、幼稚園、保育所、認定こども園を通じた共通の給付となる施設型給付の創設、認定こども園制度の改善、地域の実情に応じた子供、子育て支援の充実などでございまして、幼稚園、保育所に共通の大きな仕組みができることとなります。
 新制度に移行して施設型給付の対象となる幼稚園にあっては、区市町村から運営費が保障される一方で、区市町村の指導監督を受けるなど、給付や運営の仕組みそのものが大きく変わることとなります。新制度への移行を前提に国が議論を進めている現在、私立幼稚園はこれまでにない大変な転換期を迎えているというふうに考えております。

○松田委員 新制度が始まるまであと一年となりましたが、新制度の要旨でもある施設型給付の算定基礎となる公定価格などは、なかなか明らかにならない部分も多いことから、設置者からは不安の声も聞かれております。
 そこで、国の検討状況はどうなっているのかをお伺いいたします。

○武市私学部長 国は昨年四月に子ども・子育て会議を設置し、新制度の導入に向けた検討を進めてきております。
 会議におきまして、昨年七月に都道府県や区市町村が策定する子ども・子育て支援計画のガイドラインとなる基本指針案が、また、昨年十二月に新たな幼保連携型認定こども園の認可基準案などが示されたところでございます。
 公定価格や利用者負担につきましては、現在も国において検討されておりまして、四月以降にその骨格が示される見込みとなっております。

○松田委員 ありがとうございます。新制度の全体が決まるまでには、まだまだ時間がかかるようでございます。
 都や区市町村は、国の基本指針に基づき、保護者の要望や地域の実情に応じた子供・子育て支援計画などを定めるとのことですが、現在の都の検討状況についてお伺いいたします。

○武市私学部長 都は昨年十月、関係局連携のもと、子育て中の都民を初め、幼稚園や保育所などの事業者、学識経験者、区市町村代表などから成る東京都子供・子育て会議を設置いたしまして、都が策定する支援計画及び新たな幼保連携型認定こども園の認可基準につきまして議論をしているところでございます。
 また、区市町村とも新制度に向けた連絡会議を定期的に開催し、情報共有、意見交換を重ねております。
 今後は、区市町村がニーズ調査を踏まえて定める事業計画との調整を図りつつ、東京都子供・子育て会議の意見も聞きながら、さらに検討を進め、広域的な立場から支援計画などを策定してまいります。

○松田委員 ありがとうございます。保護者のニーズということもさることながら、一番にはやはり子供のことを考えた血の通った制度になるよう、東京都には努力をしていただきたいと思います。
 子供・子育て支援計画は、幼児教育と保育にまたがる初めてのものであり、議論すべきことも多いと思いますが、子供の最善の利益が実現されるように作成していただきたいと思います。
 新制度は、区市町村が実施主体となり、計画的に地域の教育、保育ニーズに応じることになるとのことでございましたが、個別の私立幼稚園から見た場合、新制度が始まるとどのように変わるのかお伺いをいたします。

○武市私学部長 新制度では、私立幼稚園は四つの選択肢から一つを選択することになります。
 区市町村から幼稚園、保育所、認定こども園を対象に、基幹的な運営費として新たに創設される施設型給付を受ける幼稚園となるか、施設型給付を受ける幼保連携型認定こども園になるか、施設型給付を受ける幼稚園型認定こども園になるか、あるいは施設型給付を受けず、現行制度にとどまる幼稚園等でいるかの四つでございます。

○松田委員 私立幼稚園は独自の教育方針を持って、子供たちに幼児教育を行っていただいております。
 四つの選択肢があるということでございましたが、大きな判断材料となる公定価格が示されず、各私立幼稚園では、新制度移行に不安を抱いております。
 また、私立幼稚園に保育機能ばかり期待されている、つまり幼稚園の保育園化が進むのではないかと危惧する声も私立幼稚園の園長先生方から聞いております。
 このような状況は、都として見過ごしてはならないと考えますが、新制度移行に向けた私立幼稚園に対する都としての対応についてお伺いいたします。

○武市私学部長 新制度におきましても、私立幼稚園が地域の子供に対し、独自の教育方針を持って、初めて出会う学校教育の機会を提供するというそもそもの役割が変わるものではないと認識をしております。
 各私立幼稚園が四つのどの選択肢を選ぶかというのは、それぞれの考え方でございますが、都は関係団体や私立幼稚園の意見を十分に聞いた上で、関係局や区市町村とも連携いたしまして、新制度の情報提供に努めるなど、私立幼稚園が適切に判断できるよう支援してまいります。

○松田委員 幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎が培われる重要な時期であり、都内幼稚園児の約九割以上が通い、質の高い幼児期の学校教育を行っている私立幼稚園の役割は非常に重要であります。これは新制度に移行しても変わるものではありません。
 昨日、私が卒園式に参加した私立幼稚園では、アニミズム教育によって他者を思いやる気持ちを醸成して、感性豊かな幼児教育を行っておられました。また、子供たちは大きな声で君が代を斉唱しておりました。
 こうした私立幼稚園による幼児教育を継続していくためにも、関係団体や私立幼稚園のさまざまな意見を十分に踏まえた上で、私立幼稚園の新制度への移行が円滑に進むよう、支援をお願いいたしまして、次の質問に移ります。
 我が国では、伝統的に男性が外で働いて、女性は家を守るという家族の形態があり、まさに家族のあり方の理想であると思います。
 しかし、近年、情勢の変化もあり、女性の社会進出が叫ばれるようになりました。安倍政権では、女性の活躍を成長戦略の中核と捉え推進しておりますが、これには女性の活躍と仕事と生活の調和が重要なものとされております。伝統的な家族であっても、共働きの家庭であっても、大切なのは夫婦で話し合う時間であり、お互いの心の問題であると考えます。
 そこで、夫婦がともに語り合い、充実した生活を送るための手助けとなる普及啓発について質問させていただきます。
 私は、来月、育児休暇から職場に復帰をする妻に、家事、育児のほとんどを任せてしまっておりますが、自分との約束で、朝、朝食をつくることと子供たちを保育園に送ることは自分自身の役割として行っております。(発言する者あり)ごみ出しもやっています。これは妻と話し合って、役割分担として決めました。
 また、土曜日、日曜日、お祭りや、お餅つきなど、子供を連れていってもいいような会合があった場合には、子供と一緒に参加をさせていただいております。それでも子育て、家事に関することは十分の一も行えていない状況ではございます。
 アベノミクスの効果で景気、経済が上向きになっているとはいえ、まだまだ男女ともに働く時間は長いという現状がございます。
 また、核家族化が進み、夫婦だけで子供の面倒を見ている家庭も多いということから、なかなか時間がとれず、お互いのコミュニケーション不足に陥ってしまいがちでございます。
 そこで、育児について、夫婦がそれぞれどのようにかかわっていくのか、話し合いをするきっかけをつくることも大切と考えます。このため、都として充実した夫婦生活、子育て生活を送るための普及啓発についての所見をお伺いいたします。

○斎田男女平等参画担当部長 子供が生まれた後、夫婦がどのように家庭と仕事や社会活動を両立させ、ともに子育てをしていくのか考える機会が少なく、結果として育児、家事の負担が女性に偏ってしまう現状がございます。
 子供が生まれる前から仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの重要性について、夫婦ともに共有し、出産後の家事、育児に男性が積極的に参画するための意識醸成が必要です。
 このため、来年度新たに、子供を持つ前の夫婦に向けたワークライフバランスの啓発冊子を作成し、区市町村が母子手帳を交付する際などに配布するとともに、両親学級等で活用していただくために区市町村へ働きかけを行ってまいります。

○松田委員 きのう、妻にこういう冊子があったらどうかなといったら、いや、ごみがふえるといわれてしまったので、ぜひそういうことにならないよう、有意義な資料をつくっていただきたいと思います。
 次に、少子高齢化が急速に進む中で、最近、中高年の男性が介護のために離職することもふえており、みずからの老後の生活設計が危うくなるなどが社会問題化してきております。
 私も、祖母が二年前に自宅で九十三歳で他界いたしましたが、最後の一年間はベッドから起こしたり、お風呂に入れたりと、女の人だけでやるのはなかなか難しくて、退職をした父と転職活動をしている弟が手伝いながら、母と三人で実家で面倒を見ておりました。もちろん全ての家庭でこういった介護ができるような状況が整っているとは限りません。介護について、どのようにすればいいかわからないという、特に男性が多いと考えます。
 そこで、介護における男性の支援に関する都の取り組みについてお伺いいたします。

○斎田男女平等参画担当部長 男性の長時間労働は相変わらず多く、家庭、地域生活への参画が進んでいない状況にあります。
 ご指摘のとおり、近年、介護による離職者は増加傾向にあり、少子高齢化の進展に伴い、介護に当たる男性も大幅に増加する見通しでございます。
 また、厚生労働省の調査では、就労している男性のうち、七割以上が仕事と介護の両立に不安を感じております。
 ある日、突然訪れる介護への不安を軽減し、介護と仕事との両立が円滑に図られるよう、男性が介護に直面したときに役立つ情報や、実際に介護に携わった体験談をあらかじめ知ることが重要です。
 このため都は、来年度新たに、育児に加えて介護を主題とした専門家による講義や、参加者同士の意見交換などを行う講座を男性を対象に開催するとともに、開催内容をウエブサイトを通じて広く発信し、啓発を行ってまいります。

○松田委員 少子高齢化はますます進んでいき、五十年後には現役世代の一・四人で一人の高齢者を支えるという大変な大介護時代を迎えることになるといわれております。
 今後、さらに都として介護と仕事の支援を充実させていくことをお願いして質問を終わります。

○大場委員 一昨日の新聞報道によりますと、昨年、国内では悪質商法、詐欺、誇大広告などによって、全国で約六兆円、GDP国内総生産の一%を超える巨額の消費者被害がもたらされたとの推計を国が公表したそうです。安倍政権のもとで、着実に回復しつつある我が国経済に大きく水を差すことになりかねない、ゆゆしき事態でございます。
 特に高齢者の被害については、ここ数年、詐欺的商法などにより数千万円にも上る高額の被害がふえるなど、大変深刻化しており、私は対策の強化が不可欠との観点から、さきの予算特別委員会で質疑を行いました。
 その際、局長から高齢者の被害防止のため、都独自の消費者被害防止地域見守りネットワークモデルを創設することとし、検討に着手をするとの答弁をいただきましたので、本日は、その関連で被害防止に向けた地域での見守りの取り組みなどについて何点か伺いたいと思います。
 最初に、都内区市町村における高齢者の見守りの現状について伺います。

○藤井消費生活部長 高齢者の消費者被害防止に向けた見守りにつきましては、区市町村ごとに対応の差があり、消費生活センターが中心となっているものや、既存の福祉の見守りネットワークを活用したものなど、さまざまであります。
 例えば、新宿区では介護事業者、民生委員、保健師、訪問看護師など、高齢者の生活を支援する方が被害を発見した場合、速やかに消費生活センターに通報して相談窓口につなぐ悪質商法被害防止ネットワークの仕組みにより、被害防止を図っています。
 また、目黒区では行政及び民間の福祉医療部門、消費生活センターのほか、町会、商店街、小売事業者、警察など、幅広い関係者のネットワークにより、高齢者の見守りを行っております。
 取り組みのおくれている自治体もあり、今後、都は区市町村の最新の状況について調査を実施し、都独自の地域見守りネットワークモデルづくりの検討に生かしてまいります。

○大場委員 ただいまのご答弁で、地域の幅広い関係者による見守りを行っているところもあれば、取り組みのおくれている自治体もあるとのことで、都内では大分ばらつきがあるようでございます。都内のどこに住んでいるかで、同じ都民である高齢者が地域の中で安心して暮らせるかどうかが決まるなどということはあってはならないと考えます。
 高齢者の見守りは、これまで介護や健康の問題を中心に行われてきましたが、今後は消費者被害防止の視点も重視したものに変えていくとともに、区市町村全体の底上げが必要でございます。都には広域自治体としての大きな責任があると考えます。
 そこで、都はこうした区市町村の見守りなどの取り組みに対し、どのような支援を行っているのか伺います。

○藤井消費生活部長 都は、地域で見守りを担う人材を育成するため、介護事業者や民生委員などを対象に、被害発見のための留意点や対応策等に関する研修を実施するとともに、平成十八年度から設置している高齢消費者見守りホットラインにおきまして、被害を発見した方からの通報に対し、助言や情報提供などを行い、被害の拡大防止や救済を図っております。
 また、区市町村に対し、高齢者を狙う悪質商法の新たな手口などに関する情報を継続的に提供し、高齢者や見守りを行う周囲の人への注意喚起に役立ててもらうなど、地域の見守りの取り組みが有効に機能するよう支援しております。

○大場委員 先日の予算特別委員会では、局長から、高齢者の被害防止には相談を待って対応を始めるというこれまでの発想を転換し、未然防止や早期発見、救済に地域の中で取り組むことが有効であると答弁をいただきました。私もそのとおりだと思います。
 しかし、地域の中に入り、受け身ではない見守りを行うに当たっては、関係者による個人情報の共有が課題になります。
 例えば、ひとり暮らしの高齢者がどこに住んでいるのか、また、何か困り事があったときに相談できる人が身近にいるのかなどは、役所の関係者などは、ある程度把握していらっしゃるでしょうが、町会や民生委員の方すらご存じない方もあるようです。
 こうした課題に対し、中野区では平成二十三年に条例を制定し、見守りを希望する高齢者の名簿を区が町会、自治会、民生委員、警察署などに提供していると聞いております。
 しかし、こうした情報共有の仕組みができている自治体はまだまだごく一部にすぎず、また希望者に限定されるなど、今後の取り組みの壁となっています。
 先日の新聞では、国は消費者安全法を改正し、地域の中で、関係機関が連携して、高齢者の被害防止に取り組む環境整備に動き出したと報じられていました。今回の改正には、関係機関による情報共有の問題についても盛り込まれる予定と聞いています。
 こうした動きは被害防止のための地域の見守りに法的な根拠を与え、都のネットワークモデルを後押しするものになると考えますが、法改正の具体的内容について伺います。

○藤井消費生活部長 国では、地域における消費者の安全確保の取り組みを効果的に行うための協議会の設置、消費生活協力員の委嘱などを内容とする消費者安全法の改正を予定しています。
 協議会の構成員としては、地方自治体の消費生活部門や福祉部門のほか、介護、医療等の関係機関、警察、消防、町内会、宅配事業者、金融機関、弁護士などが幅広く想定されており、情報交換や高齢者の見守りなどを行うものであります。
 また、今回の改正法案では、地域で消費者の安全確保に取り組む民間団体や個人を消費生活協力団体や消費生活協力員として委嘱し、守秘義務を課した上で情報共有を図る仕組みを定めています。
 これまでの地域の見守りでは、個人情報保護の観点から、対象となる高齢者の情報を関係機関の間で共有することが難しかったことから、法改正による見守りの効果の向上が期待されます。
 なお、改正法案につきましては、今月十一日に閣議決定されたところであり、今通常国会での審議が予定されています。
 また、成立後は一部の規定を除き、二年以内に施行される予定でございます。

○大場委員 今回の法改正によりまして、大きな課題であった情報共有の問題が法律上では整理され、関係機関が連携をとりやすくなるだろうということは評価をいたします。
 しかし、今ご答弁にありましたように、法の施行まで二年もかかるというのは随分のんびりとしているようにも思います。
 高齢者を狙う悪質事業者は一瞬たりとも待ってはくれません。よもや都は、法の施行を待って動くというようなことはないと思います。これまでも常に国や全国の自治体をリードして消費生活行政を進めてきたという気概と矜持を持って、今後のモデルづくりにおいても、ぜひ全国をリードしていただくよう強くお願いしたいと思います。
 また、区市町村の連携体制づくりにおいて、都のモデルを普及するためには、区市町村ごとの見守りの取り組みに差がある現状を考えると、都の支援が欠かせません。先ほどの答弁にもあったように、人材育成など、都が実施する方が効率的と思われる取り組みなど、都みずからも役割を果たしていく必要があると考えますが、具体的にどのように取り組むのか伺います。

○藤井消費生活部長 地域における見守りのネットワークづくりに向けては、高齢者の身近で継続的に見守りを行ったり、相談窓口の周知や被害防止のための情報提供などを行う人材の育成が必要であります。
 そのため都は、今後、介護事業者や民生委員等に対する研修などを強化するとともに、地域等で消費者問題に取り組む人材の育成などを目的とする消費者問題マスター講座に区市町村の推薦枠を設けるなど、消費生活協力員などとして見守りを担う人材の育成策を区市町村の協力も得ながら検討してまいります。
 さらに、地域における消費生活部門と福祉部門の連携強化に向け、都が区市町村の先駆的取り組みを支援するモデル事業の枠組みなどを活用しながら、連携による見守りの効果を上げている区市町村の取り組み方法を集約し紹介するなど、効果的なネットワークづくりを支援してまいります。

○大場委員 ぜひとも人材育成やネットワークづくりへの支援など、都としても積極的な取り組みを進めていただきたいと思います。
 私は世田谷区議を十七年間務めまして、区の消費生活行政の現場も間近で見てまいりました。区市町村では、行政と住民の距離が本当に近く、相談員を初めとする職員が、高齢者の被害の現状を日々目の当たりにし、何とか被害を防止したいという思いを強く持っていることを知っております。
 今後、都のモデルを参考に、都内各地で地域の連携による見守り体制の整備に向けた動きが加速することを期待いたします。
 しかしながら、区市町村が実際に取り組みを進めるに当たっては、人材育成などの面だけではなく、特に財政面での課題が大きいと考えますが、都の今後の対応について伺います。

○藤井消費生活部長 都は、平成二十年度に地域の消費生活行政の機能強化などを図ることを目的として、東京都消費者行政活性化基金を設置し、受け入れた国からの交付金を区市町村に重点的に配分することにより、財源確保を支援してまいりました。
 国の交付金につきましては、今回、時限ではございますが、複数年度を見据えた継続的な活用ができるよう制度改正されるとともに、消費者被害に遭うおそれが高い高齢者などを守るための地域ネットワークの構築事業が使途として明確化されました。
 都は、今後も引き続きこの基金を活用して、地域における見守り体制の整備など、区市町村の取り組みへの支援を積極的に行うとともに、区市町村が継続的、安定的に消費生活行政を推進できるよう、国に対し恒久的な財政支援を求めてまいります。

○大場委員 高齢社会において、消費者被害の防止をどれほど図ることができるかは、住民に最も身近な区市町村における取り組みによって左右されるといっても過言ではありません。
 基金については、今回の改正で活用できる期間が大分延長されたようですが、区市町村にとっては、基金終了後の財源確保が今後の大きな課題となると聞いています。
 都には、引き続き基金も活用した区市町村支援を積極的に進めるとともに、国の本来の役割ともいえる自治体への財政支援が安定的に行われるよう強く働きかけていただきますようお願いをいたしまして質問を終わります。

○きたしろ委員 生文では最後になりますので、あと少し我慢をして私の質問に入らせていただきます。よろしくお願いします。
 都立文化施設における多言語対応についてお伺いをいたします。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定をしました。今後、東京を訪れる外国人が劇的に増加するものだと思います。
 東京には、江戸東京の四百年にわたる歴史と文化、伝統芸能から最先端の現代アートまで、世界に誇る多様な文化資源が集積しております。オリンピック・パラリンピックの開催は東京、ひいては日本の文化的魅力を世界に知ってもらう絶好の機会であり、この機会を最大限活用するべきであると考えております。
 一方で、日本語を使う我が国には、外国人にとって言葉の壁というものが立ちはだかっているわけです。知事もソチに行かれて、現地ではロシア語以外通じなかった。東京で開催されるときには、言葉のバリアをどうするかということを感じたといった趣旨の発言をされておられました。
 世界各国から数多くの外国人観光客が東京を訪れ、日本の歴史や文化に触れ、十分楽しみ、満足して帰ってもらうために、都は多言語対応に取り組むべきであり、とりわけ中核的な役割を担う都立文化施設について、多言語化を積極的に推進していかなければならないと思っております。
 しかし、私がいろんな人から話を聞いて、また、自分でも調べてみると、例えば都立文化施設のホームページを見ても、英語以外はなかったり、英語のページでも簡単な施設案内程度しか載っていないような施設があるなど、多言語への対応には相当の温度差があるようでございます。
 東京の多様な文化を広く紹介するためには、都の文化施設全てでしっかりと多言語対応を進めていくべきだが、六年後、オリンピック・パラリンピックを考えると、十分な状況ではないのかと心配をしております。
 都として、どのように多言語化に取り組んでいくのかお伺いをいたします。

○濱田文化施設改革担当部長 都立文化施設は、東京の芸術文化の創造発信拠点としての役割を担うとともに、東京に集積する多様な文化資源を広く紹介する中核施設でございまして、数多くの外国人の方に訪れていただくための工夫が重要でございます。
 しかし、現在の各施設の取り組みは、対応する言語の数や情報の提供、発信の仕方などにおいて、必ずしも十分とはいえない点もございます。
 今後、海外からの観光客に都立文化施設の存在を知っていただくため、また、来日前に事前に各施設の展示等の内容、開館時間、あるいは交通手段などの情報をインターネットで入手できるよう、都立文化施設全館のホームページを英語以外も含めた複数言語で表記するとともに、その内容の充実を図ってまいります。
 まずは、東京都美術館のホームページにつきまして、平成二十六年五月より、従来の英語に加え、中国語、韓国語に対応することを皮切りとして、他の館のホームページにつきましても、順次、多言語化を進めていきます。
 さらに、外国で発行されている旅行ガイドブックの出版社への掲載の働きかけや、海外の報道機関や美術関係者向けメールマガジンへの情報提供をこれまで以上に積極的に行ってまいります。

○きたしろ委員 いろんな意味で、まさにオールジャパンでオリンピック・パラリンピックを成功させなければなりません。
 まず、スポーツのことでやっていただいておりますけれども、文化というのもオリンピック・パラリンピックの一つのメーンテーマでございますので、生文でぜひお願いをしたいと思います。
 そこで、外国人に対する情報の提供を強化していくことはわかりましたけれども、外国人観光客が実際に施設を訪れた際に、迷ったり、困ったりすることがなく、十分楽しんでいただけるような取り組みも不可欠であります。
 特に江戸東京博物館は、海外から来訪する方々に、江戸東京の歴史や伝統文化を伝える上で重要な施設であります。
 都立文化施設では、具体的にどのような取り組みを行うのかお伺いをいたします。

○濱田文化施設改革担当部長 外国人の方が実際に施設を訪れた際に、不自由なく快適に日本の文化や芸術に触れることができるように、ハード、ソフト両面からさまざまな取り組みを行うことが必要でございます。
 まず、来館時にお客様にお渡しする施設案内の冊子等を、全ての施設で英語以外も含めた複数言語で作成いたします。また、館内においては、外国人の方が迷われることがないよう、ピクトグラムなどを活用した案内表示等の多言語対応を一層進めます。
 展示案内につきましても、常設展示を中心に英語以外の言語も含めた多言語による音声ガイドを導入いたします。こうした各館に共通する改善につきましては、順次、取り組みを進めてまいります。
 また、外国人の来訪がとりわけ多い江戸東京博物館では、来年度実施する常設展示室の改修工事におきまして、展示解説の多言語化を図るため、タッチパネルによりまして言語を選択して、選択した言語による解説文が表示されるという機器を新設いたします。
 さらに、江戸東京博物館では、ボランティアガイドの協力によりまして、来館者に対する館の見どころの紹介や、常設展示室の展示案内をこれまでも英語やフランス語を初めとする六カ国語で行ってきましたが、今後さらにボランティアガイドの人数や言語数をふやすなど、充実を図ってまいります。

○きたしろ委員 また、このほかにも多言語対応そのものではないんですけれども、海外の美術館では、来館者が自分の携帯情報機器などを使ってインターネットに接続したり、展示説明を見たりすることができるところもあるそうでございます。
 海外からの観光客を迎えるに当たっては、利便性を向上させるため、最先端の技術や情報機器の活用なども行っていくべきだが、都ではどのような取り組みを考えているのかお伺いをいたします。

○濱田文化施設改革担当部長 都立文化施設では、外国人観光客を初めとする来館者から要望の多い無料の公衆無線LANサービス、いわゆるWi-Fiスポットと呼ばれるものでございますが、これを館内に整備することとしております。
 来年度、改修を終える江戸東京博物館と庭園美術館を先駆けとして、他の施設も含め、順次着実に整備を進めてまいります。
 この整備を行うことで、例えば外国人観光客が展示を見た生の感想をフェイスブック等を通じて母国に向けて即時に伝えることなどがより容易になります。
 さらに、来館者が自分のスマートフォンなどを使って、館が作成した外国語の展示解説等をダウンロードして作品を鑑賞するなど、最新の情報通信技術を活用したサービスも可能になりますことから、その導入を検討してまいります。

○きたしろ委員 都立文化施設における多言語対応などの取り組みはわかりました。東京都内だけでも、都立のほか、国や区市町村、民間が運営する多数の文化施設があります。幾ら都立だけが頑張っても、そういった施設がばらばらに取り組んでいては、外国人にとって便利ではございません。
 都がリーダーシップを発揮して、他の施設に呼びかけていくべきと考えるが、どのようにお考えでしょう。

○濱田文化施設改革担当部長 東京や日本の歴史、芸術文化を海外の方により多く知っていただくためには、都立文化施設に加えまして、国立、公立、民間の施設が幅広く多言語化を図っていく必要があります。そのため、国や都内区市町村、民間施設に多言語対応を呼びかけてまいります。
 例えば、上野地区では、上野「文化の杜」新構想推進会議を立ち上げて、文化施設の連携を進めてまいります。
 また、都立文化施設を管理運営している東京都歴史文化財団では、民間の取り組みも含め、都内で開催される展覧会やコンサートなどの情報を紹介するホームページ、トーキョー・アート・ナビゲーションを運営してございます。現在、日本語のほか、英語、中国語、韓国語に対応していますが、今後さらに内容の充実や言語をふやすなど、発信力を強化していきます。
 このような取り組みによりまして、東京の文化施設が全体で外国人に対するホスピタリティーの向上を目指してまいります。

○きたしろ委員 やはり日本人の心というのが、おもてなしの心の原点だと思うんです。そういった意味で、この多言語化することも一つのおもてなしの心のあらわれだと思います。
 折しも本日、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会が発足するとのことであります。この協議会は、国、関係地方公共団体、民間の参画を得て、官民一体となった取り組み体制をつくることにより、都市力の向上のために欠くことのできない多言語対応の推進強化を図ることを目的にしているそうでございます。
 この協議会とも連携をして、文化施設における多言語化をさまざまな分野で進めていただき、海外からのお客様などが気軽に来館できる美術館を目指して、文化都市東京の魅力、世界で一番の都市東京を国内外へ積極的に発信をしていただきたいということを申し添えて私の質問を終わります。ご協力ありがとうございました。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時五十七分休憩

   午後四時十五分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、オリンピック・パラリンピック準備局所管分及び第五十一号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○三浦スポーツ施設担当部長 去る二月二十五日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただきまして、資料1、設置者別公立体育館及び屋内・屋外プールの設置面数でございます。
 都内の公立体育館及び屋内、屋外プールの設置面数を、設置者ごとに規模別に記載してございます。
 二枚おめくりいただきまして、資料2、都立体育施設の利用状況でございます。
 当局が所管いたしております主な施設について、スポーツ利用とスポーツ以外の利用件数を、それぞれ平成二十三年度から平成二十五年度までの三年間の推移で記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○大場委員 私からは、東京都体育施設条例の一部を改正する条例について伺います。
 このたびの条例改正では、駒沢オリンピック公園総合運動場にあるテニスコートの利用料金の上限額を改定するとしています。
 私の住む世田谷区駒沢のテニスコートは、昭和三十九年の東京オリンピックの際、バレーボールの練習場として利用された場所にテニスコート八面が整備され、今日に至るまで約五十年にわたり、多くの都民に利用されてきました。
 昨年開催された国民体育大会では、テニスとソフトテニスの競技会場として利用され、連日熱戦が繰り広げられ、私も熱い声援を送ってきました。
 このように、都民の重要なスポーツ振興拠点となっているテニスコートですが、平成二年に現在の利用料金に改定されてから、これまでずっと同じ料金であったと聞いています。
 そこで伺います。施設の利用料金は、どういった時期に、どのような理由で改定するんでしょうか。

○三浦スポーツ施設担当部長 体育施設の利用料金につきましては、社会経済状況などの変化に対応し、受益者負担の適正化を進めるため、指定管理者の選定年度の前に、原価計算に基づく受益者負担調査を実施しております。
 また、施設の改修や改築などにより、利用状況が大きく改善される場合も、同様に調査を実施しております。
 これらの調査の結果を踏まえ、必要に応じて料金改定を行っております。
 駒沢オリンピック公園総合運動場につきましては、平成二十五年度で指定管理期間が終了し、テニスコートの改築工事も行ったことから、昨年度、受益者負担調査を実施し、テニスコートの料金を改定することといたしました。

○大場委員 このたびの料金改定は、改築工事により利用状況が大きく変わったことを理由に改定するとの答弁でございました。
 前回、駒沢の施設で料金改定が行われたのは、補助競技場と第二球技場であり、平成十六年度に人工芝と夜間照明が設置されたためと聞いております。
 そこで、今回のテニスコートの改築工事では、施設がどのように改善されたため、料金を改定するのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 駒沢オリンピック公園総合運動場のテニスコートは、昭和三十九年の設置以来、大規模な改修工事を実施せずに利用されてまいりました。
 コートは、表面が土で覆われたクレーコートであり、雨が降った直後には利用できないなど、天候に左右されやすく、さらにコート間の幅が狭く、コートの出入り口に段差があるなどの課題がございました。
 そこで、これらの課題を解決し、利用者の利便性を向上させるため、コート表面をクッション性にすぐれた砂入り人工芝へ変更するとともに、コート間の幅を拡大し、出入り口の段差を解消するなどの全面的な改築工事を昨年実施いたしました。
 そのため、現在二時間二千円の利用料金の上限額を二時間三千六百円に改定することといたしました。

○大場委員 テニスコートの利用環境が大きく改善されたことにより、利用料金の上限額を二時間二千円から三千六百円に改定するとのことです。
 他の施設について調べたところ、同じオリンピック・パラリンピック準備局が所管する有明テニスの森では、休日の利用料金が一時間千八百円であり、二時間利用するとしますと、駒沢の改定料金と同額の三千六百円となります。
 そこで、今回の改定で上限額を二時間三千六百円とする根拠を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 体育施設の利用に際しましては、受益者負担の考え方から、利用者に一定の負担をいただくこととしております。
 条例に定める利用料金は、施設を維持管理する上で、直接必要となる経費について原価計算を行い、その上限額を定めるものであります。
 このたびの改定では、テニスコートの改築工事による原価計算に基づき、上限額を二時間三千六百円と定めたものです。

○大場委員 施設を利用するに当たりまして、適正な料金を利用者に負担いただくことは、公平性の観点から必要です。
 条例で定める利用料金は、施設を運営するために本来必要なコストであり、それらを負担してもらうというのが受益者負担の考え方であろうと思います。その上で、スポーツ振興の観点から、都民がよりよい環境でスポーツを楽しめるよう、施設の料金を利用しやすいものに設定することが重要であると思います。
 そこで、実際の料金については、これまでの料金や類似するテニスコートの料金などを考慮すべきと考えますが、局の見解を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京都体育施設条例では、施設の利用料金は、条例料金の範囲内において、知事の承認を得て、指定管理者が定めることとしております。
 今回の条例改正では、施設の利用料金の上限額を改定するものでありますが、実際に適用する料金は、指定管理者である東京都スポーツ文化事業団からの申請に対しまして、東京都が承認を行うこととなります。
 実際に適用する料金の承認に当たりましては、これまでの料金や周辺の類似施設の状況などを総合的に勘案いたしまして、都民の理解が得られ、また利用しやすい料金となるよう配慮をいたします。
 また、料金改定の周知に際しましても、一定の周知期間を設けるよう指定管理者を指導いたします。

○大場委員 ただいまご答弁にありましたように、料金の改定に際しても一定の周知期間を設けるというようなことでございますので、条例の上限額を改定した上で、都民がテニスコートを利用するに当たっては、使いやすい料金となるよう配慮いただけることを理解いたしました。
 今後も都民がよりよい環境でスポーツを楽しむことができるよう、都はしっかりと指定管理者を監督していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○上野委員 私からは、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会における競技会場の整備について幾つか質問したいと思います。
 まず、競技会場の基本的な情報についてでありますけれども、確認したいと思います。
 立候補ファイルによりますと、競技会場数は全部で三十七会場となっております。会場の整備に当たっては、国が主体となるものとか、都が主体となるもの、あるいは民間が主体となるものというのがあると思います。また、仮設会場や恒久的な会場、そういったものがあると思いますけれども、会場の整備区分別の内訳はどうなっているのか具体的に教えてください。

○荒井施設担当部長輸送担当部長兼務 競技会場の内訳についてでございますが、まず新設会場につきましては、国が整備するメーンスタジアム、それから、都が整備する十カ所の会場がございます。それから、仮設会場といたしまして、大会組織委員会が整備する十一カ所の会場がございます。ほかには、改修をする二カ所の会場と、既存利用する十三カ所の会場がございまして、合計三十七会場となっております。

○上野委員 ご答弁にありました都が整備する新設会場十会場ということですけれども、具体的にどのような施設があるのか。また、その施設の建設スケジュールはどういうふうに考えていらっしゃるのか。そして、その新設会場の平成二十六年度に実施する内容を具体的にお聞かせください。

○荒井施設担当部長輸送担当部長兼務 都が整備する新設会場は、有明アリーナ、海の森水上競技場、大井ホッケー競技場、若洲オリンピックマリーナ、葛西臨海公園カヌースラローム会場、夢の島ユース・プラザ・アリーナA、同じくアリーナB、それから、オリンピックアクアティクスセンター、夢の島公園アーチェリー会場及び武蔵野の森総合スポーツ施設の十会場でございます。
 これらは、大会の前年度に行われます各競技のテストイベント開催に間に合うよう、設計及び施行を行ってまいります。
 二十六年度につきましては、有明アリーナや海の森水上競技場など、建設スケジュールがタイトで、特に整備が急がれる会場につきまして、地盤調査や基本設計などを実施する予定でございます。
 また、葛西臨海公園などその他の会場につきましては、設計条件を整理するための基本計画を行ってまいります。

○上野委員 大会の一年前に行われる各競技のテストイベントの開催に間に合うようなスケジュールということが確認できたわけですけれども、大会一年前というと、二〇一九年夏までということになりますかね。
 その前までには必ず全ての工事が完成していなければならないということで、後ろのリミットが決まっていることですから、私がちょっと心配しているのは、工事内容が延びるようなことがあっちゃ、まずもうそこで致命的になってしまうということで--ちょっと最近の公共工事の状況等を見ていきますと、一つには、委託ですね。計画設計委託関係についての委託業者の技術力の低下というのが非常に工事に影響をしているという現状がさまざまな事業の中で見受けられます。
 結局、委託の成果品の精度というのが落ちているという状況の中で、現場で実際に合わない、現状で合っていないということで再調査をして、さらに工法を変えたりとか、設計変更を伴った中で、当然に工事期間がその分延びてきているというのが今の現状です。
 もう一つは、この会場のほとんどが江東デルタ地帯という埋立地です。軟弱地盤というのもありますけれども、どういうものが埋め立てられているか。いいものが埋め立てられているならいいんですけれども、恒久的な施設の場合は、どうしても土を掘らなければならない。そうした場合に、何が出てくるかわからないという、非常にちょっと、リスクがある場所でもあります。
 そうした中で、ちょっとでも、これはえらいものが出てきたな、だから、その分、工期が延びてくる、そういったリスクも当然それぞれの会場にある地域だということはやっぱり念頭に入れなきゃならない。
 そして、もう三つ目は、今の状況の中で、被災地復興の方も相当な力を入れて最盛期になっていきますし、東京オリンピックも最盛期になっていくとなると、これは当然に技術者が少ないという、職人の技術者が本当に限られた中で、しかもまた、今、資材の高騰というのがあって、入札の不調というのが現状として起きてきていると。仮に、一回不調に遭うと、間違いなく数カ月は延びちゃうでしょう。
 こういったいろんなリスク、ファクターがありますので、こういったことをやっぱり念頭に入れながら、もう最後はリミットが決まっているのですから、そういうことでも大丈夫だという、ある程度の余裕的なのり代分を設けた工事発注につけるように、ぜひ考慮してもらいたいと思うわけでございます。
 こうした事態を想定したテストイベント前に完成できるスケジュール、こういったものを策定してもらえたらと思いますけれども、見解を求めます。

○荒井施設担当部長輸送担当部長兼務 競技会場を確実に整備するためには、工期を十分に確保することが重要であると認識しております。
 委員がお話しのとおり、資材高騰による入札不調や、それから地盤条件などなど、工程に影響を及ぼすさまざまな事態があると思いますが、そういったものを十分予測して、そういったものを考慮して適正な工期確保に努めてまいりたいと考えております。

○上野委員 荒井部長は技術屋さんということで、非常に私もそういう意味では安心しております。状況もよくご存じだということで、こういった配慮をされているということで、老婆心ながらちょっとご質問させてもらいました。安心しております。期待もしております。よろしくお願いいたします。
 次に、オリンピックのレガシーについて、都が整備する恒久的に使う会場においては、大会後もしっかりと有効に活用されるという視点が非常に重要であります。そういった意味についてのお考え、都の見解というのをお聞きしたいと思います。

○荒井施設担当部長輸送担当部長兼務 委員からお話しのとおり、都が新設する会場につきましては、大会後も都民に親しまれる施設となるように整備される必要がございます。このため、大会後の活用策や効率的な運営手法などにつきまして、地元自治体や競技団体、施設管理事業者などから幅広く意見を伺いながら、施設のあり方を十分検討してまいりたいと考えております。

○上野委員 ちょっとここで、地元の問題ということも含めて、葛西臨海公園の中での整備で、カヌースラローム会場をつくっていこうという、計画をされていらっしゃいます。
 これについては、予特とか、あるいは本会議でもいろんな会派からも質問が出ているということで、十分にわかっているところでございますけれども、私のところにもそうした葛西臨海公園、これは人工的につくった公園ですけれども、今や何十年もたって、非常に自然に近い状況になっているということで、いろんな方々から、その自然を守ってもらいたいと、こういった要請を多く受けているところでございます。また、地元の区長さんも、オリンピック・パラリンピック競技会場としてはもうウエルカムだ、ぜひお願いしたいと。しかし、葛西臨海公園の自然を壊すような整備はとても考えられませんよといったメッセージも当然東京都にも来ていますし、私もそういったことも受けていかなきゃならないということでございます。
 こうした地元の声に配慮したカヌースラローム会場の計画、検討というのを東京都は進めていくべきだと、このように思っているわけですけれども、見解を伺います。

○荒井施設担当部長輸送担当部長兼務 カヌースラロームの会場計画につきましては、その整備過程を踏まえた中で、地元区などからさまざまな意見が出ていることは承知してございます。
 今後、詳細な環境影響評価を実施していくとともに、地元区などから話を伺いながら、自然と調和した計画となるように検討を進めてまいります。

○上野委員 ぜひともしっかりと聞いていただいて、本当に地元の方も喜んでいただけるような、そういうカヌー会場の整備をお願いしたいと思います。
 先ほどの大会後の施設の有効利用ということで、レガシーの話をしましたけれども、そちらにちょっと戻ります。カヌースラローム会場というのは、ロンドン・オリンピックのときもありました。
 ロンドン・オリンピックのカヌースラローム会場、大会後は何に使っていたかというと、ラフティングなどの一般のレジャー利用を通常時に行っているということで、ロンドンではかなり人気施設になっていると、このように聞いているところでございます。
 そこで、東京大会のカヌー会場におきましても、大会後も多くの都民に親しまれ、長期にわたり有効に活用されるようにするために、大会後の利用について東京都はどのように検討されているのかお伺いします。

○荒井施設担当部長輸送担当部長兼務 カヌースラロームコースの大会後利用でございますが、競技スポーツとしての利用のほかに、お話の海外の事例等も参考にしつつ、また、地元の意向もよく聞いた上で、広く地域の人々が水辺に親しまれる施設となるように、活用方法を検討してまいります。

○上野委員 地元の声を聞いて整備をしていただくということで、長期にわたって親しまれるということからいきますと、実は、江戸川区では、区営のプールガーデンという施設がありました。
 これは、もう江戸川区民の皆様だけじゃなくて、その他の区の、まあ都民の皆様方も、ここにもいらっしゃるかもわかりませんけれども、お子様を連れてプールを楽しまれていたと思います。けれども、あの三・一一の東日本大震災のときにちょっと被害を、かなりダメージを受けたんですね。それによって、区長は、これをもう続けていけないということで、プールガーデンが廃止になったんです。
 私のところにも、廃止しないでくれと多くのメールが来ました。これは、他区の方々から結構来たんですね。非常にそういった意味での大事なプールというのがなくなってしまったと。
 今回、このカヌー会場、きれいな水を使ってやるわけですから、ぜひともそこにプールをつくっていただきたい、これが私の強い要望でございまして、これはもう私だけじゃなくて、多くの方が望んでいらっしゃるということでございます。かなり広い敷地ですから、カヌーだけじゃもったいないと。そこにやっぱり多くの、小さいお子さんから高齢者まで楽しめるようなプール。あの場所は、行かれた方もいらっしゃると思いますけれども、非常にすばらしいですね。葛西臨海公園の緑がしっかり見えますし、そして、すぐ目の前に東京湾の海がある。それもきれいに砂も入れていますし、その奥には東京のゲートブリッジが見えるという最高のロケーションの中で、そういったプールで遊べるということになると、相当やっぱり人気のある場所になっていくんじゃないかなと思うんです。
 多くの方が来て、カヌーを楽しんだり、あるいはプールで親子で楽しんで、その後には葛西臨海水族園がある。この水族園が二〇二〇年までにはリニューアルしまして、巨大マグロの回遊をやりたいという、こういった話も聞いておりまして、これをぜひ実現してもらいたいなということで私もいっているわけですけれども、そういう非常にまた日本だけじゃなく、世界にアピールできる拠点になっていくなと。
 そういった意味では、多くの都民の方に喜ばれるような施設、特にプールをつくってもらいたいということを要望いたしまして、質問じゃないですけれども、要望をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。

○里吉委員 資料を用意していただきまして、ありがとうございました。
 私からは、まず初めに、オリンピック・パラリンピックの施設を初めとしたスポーツ施設をつくっていく、建設していくに当たっての基金、財源のあり方について幾つか質問していきたいと思います。
 オリンピック・パラリンピック開催に向けて、来年度から施設整備が本格的に行われるわけですけれども、この施設の整備に当たって、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金が充当されます。
 来年度は、どんな事業に幾ら基金を使う予定になっているのかお伺いいたします。

○鈴木総務部長 オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、来年度は、有明アリーナなどの大規模アリーナや、若洲オリンピックマリーナなどの海洋での工事が必要となる施設につきまして、基本設計等を行い、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を九億六千六百六十万六千円充当する予定でございます。
 また、武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)につきましては、今年度に引き続き建設工事を実施いたしまして、十七億九千八百八十七万八千円の基金を充当する予定でございます。

○里吉委員 それから、オリンピック会場ではない、例えば駒沢オリンピック公園の改修など、大きな施設をつくる場合に、都債を充てて負担を平準化する、こういうことが今までもやられてきましたけれども、オリンピック・パラリンピック準備局がオリンピック施設以外で来年度改築や改修工事を行う施設では、工事費用にはどのような財源が充てられるのか伺います。

○鈴木総務部長 来年度、当局が改築や改修を予定している施設は、駒沢オリンピック公園総合運動場外三施設でございます。その財源は、東京都債、東京都社会資本等整備基金及び一般財源となっております。

○里吉委員 それから、武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)は、オリンピックの施設として準備されるわけですけれども、何年か今までも整備を進めてきました。
 来年度は、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金が充当されるということですが、これまで整備費用にはどのような財源を幾ら充てていたのかお伺いをいたします。

○鈴木総務部長 武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)の整備につきましては、平成二十二年度からメーンアリーナ等の基本設計に着手いたしまして、現在は建設工事を実施しているところでございます。
 平成二十二年度から二十四年度までの財源は、東京都債二億一千九百万円、東京都社会資本等整備基金二千百万円及び一般財源一億六千五十一万二千円となっております。
 また、今年度は、当初予算ベースで東京都債二十三億三千三百万円及び一般財源等十二億四千六百六十六万六千円となっております。

○里吉委員 今のお話から、武蔵野の森総合スポーツ施設はオリンピックで使うということになって、これからはオリンピック基金が使われるということで、基金はオリンピックで使う恒久施設の建設に充てると。それ以外のスポーツ施設では、今まで一般的に行われてきたように、都債を充てるなどして建設していくということがわかりました。
 オリンピック・パラリンピックの施設整備のためには、準備基金を活用することになりますから、将来、返還のために、一般財源を投入することになる都債を充てることのないようにしていただきたいということを要望しておきます。
 それから、来年度からは区市町村へのスポーツ施設の補助も始まるわけですが、計画的に市民が楽しめるスポーツ施設の整備にも力を入れていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 駒沢オリンピック公園テニスコートの料金について、先ほども質問がありましたので、重ならないように質問していきたいと思いますが、先ほどの質疑で、どういったときに料金改定を行うのかという質問で、指定管理者の選定年度の前には受益者負担の調査を行って、必要に応じて料金を改定すると。今回の場合は、改築工事も行ったため、検討を行ったというご答弁がありました。
 ことし四月からは、消費税が値上げとなりますけれども、利用料金に消費税は含まれるのかどうかお伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 施設の利用料を指定管理者の収入とする利用料金制度を導入している体育施設では、受益者負担の適正化の観点から、指定管理者が支出した維持管理費に基づき、原価計算を行ってございます。
 この原価計算では、指定管理者が負担をした消費税分を含んだ経費を根拠にしていることから、利用料金には消費税が含まれております。

○里吉委員 それでは、今回の三千六百円という金額は、条例の上限額だということでご提案されているわけですが、これはどのような考え方なのかということで、原価計算に基づいているというご説明だったんですけれども、具体的に、もう少しわかりやすく、その中身について、条例上限額の根拠となる原価計算はどういうものなのかお伺いします。

○三浦スポーツ施設担当部長 体育施設条例では、施設の維持管理に直接必要となる経費について、受益者負担の考え方から原価計算を行い、その結果に基づき上限額を定めております。
 駒沢オリンピック公園総合運動場のテニスコートでは、昨年、全面的な改築工事を実施し、従来のクレーコートをクッション性にすぐれた砂入り人工芝に変更するとともに、コート間の幅を拡大し、各コートへの出入り口を設けるなどにより、施設利用者の利便性が向上いたしました。
 こうしたことから、これまで二時間二千円であった利用料金の上限額を二時間三千六百円へ改定することといたしました。

○里吉委員 ちょっと確認したいんですけれども、多分、コートを今までのコートから新しい砂入り人工芝のコートにかえたことで、維持管理費がかかるということで、原価計算すると今までの計算とは大分上がって、三千六百円になるということでよろしいでしょうか。確認させてください。

○三浦スポーツ施設担当部長 原価計算につきましては、その施設の整備にかかった費用、また日常維持管理にかかる費用、こういったものを反映させてございます。

○里吉委員 今ご説明いただきましたけれども、逆にいうと、原価計算だけというシンプルな計算方法で、そこにはいろんな配慮が入り込む余地は、この時点ではないということですよね。
 それで、適用料金というものがあるということなんですけれども、その適用料金、どうなって決まるのか、その考え方について伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 冒頭申し上げましたが、利用料金制度は、条例の上限額の範囲内で指定管理者が多様な料金設定を行うことにより、施設の利用促進や利用者サービスの向上を図り、指定管理者の経営努力を促すことを目的としております。
 実際に適用する料金、適用料金の設定に際しましては、指定管理者からの申請に対して、都は、これまでの料金や類似施設の状況などを総合的に勘案をし、都民の理解が得られ、利用しやすい料金となるよう配慮し、承認をいたしてまいります。

○里吉委員 今、原価計算に基づいて条例の上限額を決めて、あとはその範囲内で、さまざま考慮して指定管理者が料金を設定して、都はそれを承認するということで説明いただきましたけれども、そうすると、都の施設としての政策は、個別の相談はあっても、具体的にはないんじゃないかというふうに受け取りました。
 例えば、世田谷区も受益者負担ということで利用料金を取っております。利用料金制です。違うのは、スポーツ施設などの施設使用料を取る場合、利用料金制なんですけれども、まず施設の維持管理運営には、経常費に係る経費を計算します。あわせて、施設の性格別に定める利用者の負担割合というのを区として検討しています。
 スポーツ施設の利用料金の引き上げの議論のときには、生涯スポーツ社会の推進などの目的から、改定率は二〇%までとすると、例えばこういう考え方で料金を決めております。
 ここからは要望なんですけれども、都は、昨年三月、東京都スポーツ推進計画を策定しました。そういう意味では、そのためにどうやって利用しやすい料金を設定するかという考え方を示すことも必要じゃないかと思うんです。
 先ほどお話しした世田谷区の総合運動場のテニスコートは、同じ砂入り人工芝のコートですけれども、現在、平日二時間二千四百円、土日二千八百八十円と。これが高いか安いかという議論ではなくて、こういう考え方を区として持って、そういう金額を決めているということです。
 東京都としても、これからスポーツを全ての人に楽しんでもらうということで、いろいろな施設整備も含めて行っていくということですから、ぜひこのことについては検討していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○新井委員 私からは、二〇二〇年開催の東京オリンピックに向けた競技力向上の取り組みについてお伺いします。
 文部科学省は、二〇一二年十一月に、ロンドンオリンピックにおける選手育成・強化・支援等に関する検証チーム報告書を策定しました。これによれば、二〇一二年のロンドン・オリンピックにおいて、日本代表選手団が史上最多となる三十八個のメダルを獲得したのは、スポーツ医科学支援など専門的かつ高度な競技力向上事業を戦略的、包括的に実施した成果のあらわれだと書かれております。
 オリンピック開催都市である都としましても、一人でも多くの選手をオリンピックに出場させていく必要があります。そのためには、精神論的な指導だけでなく、こうしたスポーツ医科学等の専門的な知見や技術を最大限に活用し、競技力向上を図っていく必要があると思いますが、見解をお伺いします。

○早崎スポーツ推進部長 今日、オリンピックなどの国際大会を目指していくためには、医学的、科学的な情報を積極的に取り入れ、競技に臨むことが不可欠となっております。
 このため、都では、平成二十一年度より都内の体育系の大学などと連携して、スポーツ医科学に関する最新の知見や技術を活用した事業を実施してまいりました。
 今後とも、スポーツ医科学を活用した事業を引き続き行い、世界を目指す選手の育成を実施してまいります。

○新井委員 都としましても、既に医学的、科学的な知見に基づいた取り組みを進めていることがわかりました。
 しかしながら、東京オリンピックの開催が決まった今、コンマ数秒の差を争うオリンピックの場で、より多くのメダルを獲得するために、情報戦略が重要だと考えております。
 文部科学省の外郭団体であります日本スポーツ振興センターの関係者が書いた「スポーツ・インテリジェンス オリンピックの勝敗は情報戦で決まる」と、今、私の手元にありますが、この著作によれば、海外の選手の最新情報、強化策の競技ルールの変更などの動向について徹底的に調べ、分析していくことが必要であると書かれております。
 こうした取り組みは、基本的にはJOCがNF、いわゆる国内競技団体と協力して行っています。また、オリンピックに向けた情報戦略につきましては、日本スポーツ振興センターが中心になって取り組んでいます。
 このような海外での強化策などの情報の中には、都にとって有益なものがあると思われます。そのような情報は少しでも収集し、活用すべきだと考えていますが、所見をお伺いします。

○早崎スポーツ推進部長 JOCやNF、日本スポーツ振興センターなどでは、海外の選手などの最新情報につきまして、積極的に収集、分析等を行っております。
 都としては、JOCなどが主催するセミナー等に職員を積極的に参加させ、このような競技力に関する最新の情報を把握しております。
 今後とも、そこで得られた知見を都の競技力向上施策に反映するよう努めてまいります。

○新井委員 国では、メダルをとる成功率を高める分析をしていると聞いております。都としましても、オリンピック前に、メダルを獲得できそうなアスリートのさらなる競技力向上に向けて取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わりにします。

○やながせ委員 私からは、東京マラソンについてお伺いをしたいと思います。
 八回目を迎えたこの東京マラソンであります。当日、私も、観客席から手を振って見守りました。(「走っているかと思った」「走っていないのか」と呼ぶ者あり)はい。
 これは申し上げたいことがあるんですけれども、私、陳情をきょう申し上げたいんですけれども、私も走りたかったんですね。走りたかったけれども、走れなかったということでございまして、なぜかというと、私、昨年からマラソンを始めまして、この東京マラソンに向けてさまざまな調整をしてきたわけですけれども、申し込みの段になって、チャリティーで申し込もうというふうに思ったんですね。
 ちょっといろんなことを考えて、チャリティーで申し込もうと思ったわけですけれども、チャリティーで申し込むということは寄附行為に当たるということになるわけです。
 寄附の対象が、被災地支援であったりとか、海外の支援だったりとかというメニューはたくさんあるんですけれども、その窓口のマラソン財団の口座に一回振り込まれるという行為がありまして、選管の方に確認したら、それは都内にある者に対する寄附に当たる可能性がありますなという話を受けまして、残念ながら断念をしたという経緯でございまして、これは何とかなるような仕組みづくり、これは陳情としてお願いしたいと思いますけれども、きょうはその話ではなくて、国際的な大会として育った東京マラソンでありますけれども、申込者が非常に大勢いらっしゃるということでございます。
 ことしも三十万人を超えているということですね。十・三倍。申込時には、住所、電話番号、メールアドレス、マラソンの出場経験の有無など、非常に個人情報が多く含まれる情報があるわけですけれども、非常に膨大な情報になると思います。
 この取り扱いは慎重に行わなくてはならないと考えますけれども、この個人情報の管理についてお伺いしたいと思います。

○早崎スポーツ推進部長 三十万件を超える個人情報を厳格に管理することは極めて重要でございます。東京マラソンの主催者である東京マラソン財団では、個人情報の重要性を認識し、個人情報の保護に関する法律及び関係関連法令等を遵守するとともに、個人情報保護方針を定め、情報漏えい防止や慎重な取り扱いに努めています。
 具体的には、パスワードによるデータの開封はもとより、個人情報を取り扱う対象者を限定するなど、厳重なセキュリティー対策を講じているところでございます。

○やながせ委員 個人情報を慎重に扱っておると。取り扱う対象者を限定しているということで、厳重なセキュリティー対策を講じているということはよくわかりました。これはしっかりと管理をしていただきたいというふうに思います。
 三十万人を超える申込者がある状況で、実際に走れる人は三万六千人ということでございまして、私の周りにも毎年のように走っている方もいれば、全く当たらぬという方もいらっしゃるんですね。そういう方から、さまざまなお声を聞くわけであります。
 募集要項の参加者決定の項目には、申込者多数の場合には抽せんで参加者を決定する、抽せん結果は九月下旬までに通知をすると記載があるわけですけれども、抽せんをどのような方法で行っているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○早崎スポーツ推進部長 第一回から申し込み者が多数で、抽せんにより参加者を決定しています。前回の二〇一三大会で初めて倍率が十倍を超え、今回も同様でございました。
 東京マラソン財団によると、厳重なセキュリティーのもと、コンピューターによる無作為抽せんを行い、参加者を決定しています。
 抽せん結果については、申込者に対し、九月下旬までにメールにより通知しております。

○やながせ委員 厳重なセキュリティーのもと、コンピューターによる無作為抽せんでやっておるということです。公平、公正にやっておるということでございました。
 私のところに聞こえてくる声は、一回参加したら、ちょっと当たる確率が低くなるんではないかとか、そういったさまざまなことがいわれているようであります。そういったことは全くないんだと、公平、公正に全ての人が無作為で選ばれる、抽せんで選ばれるんだということ、これが確認できたかというふうに思います。
 これは毎年申し込んでいて、残念ながら参加できないという方が結構いらっしゃるんですね。そういう方には、何らかの特典があってもいいのかなというようなことを考えたりもします。公平、公正ということと、ちょっと難しいんですけれどもね。ただ、もう八回目で、一回も走れなかったという方が実際にはいらっしゃるんですね。
 ですから、それは公平、公正の観点とどこですり合わせるのかなというのは非常に難しいんですけれども、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 非常に人気の高い大会で、皆さん、走りたいという方が非常に多い大会であります。多くの人のニーズに応えるために、これまでもさまざまな検討をされてきて、三万人から三万五千人になったということはよく存じていますけれども、さらに一人でも多くの方が参加できるように、この定員を増員できないものかなと思うわけですけれども、見解を伺いたいと思います。

○早崎スポーツ推進部長 東京マラソンは、交通規制及び警備体制などの調整を経て、三万人の大規模市民マラソンとして二〇〇七年に誕生しました。
 参加希望者が多数いることから、二〇〇九年に三万五千人大会とし、また、チャリティー制度導入の必要から、二〇一一年には定員三万六千人の大会にしましたが、これはスタート会場やフィニッシュ会場、コースなどにおける交通規制や警備体制について、関係機関と綿密な調整を行い、実現できたものでございます。
 こうしたことから、定員の増員について、ニーズに応えてほしいという要望は聞いてはおりますが、解決する課題が極めて多く、現状では困難な状況でございます。

○やながせ委員 さまざまな調整をされてこられたということはよくわかっています。ただ、これだけ多くの方が希望されているわけですから、少しずつでもいいですから、これは努力をしていただきたいと思うんですね。
 私は、この東京マラソンというのは、非常に意義のある、意義の高いものだと考えていまして、走った方は、皆さん、やっぱりよかったとおっしゃいます。どういうふうにいうかというと、やっぱり連帯感が深まったと。それは、ひいては愛東京心というか、東京を愛する心につながってくるんだろうというふうに思います。
 連帯感、コミュニティの強化につながってくると思います。この効果は非常に高いものだと考えておりますので、ぜひこれからも一人でも多くの方が走れるように取り組みをしていただければということを申し上げまして、質問を終わります。

○あさの委員 私からは(「大トリ、頑張れよ。気を使ってな」と呼ぶ者あり)少し皆さんに気を使わなきゃということで、始めさせていただきたいと思います。
 私からは、この予算に関する区市町村に対するスポーツ施設整備費補助について伺いたいと思います。
 もともとこの区市町村に対するスポーツ施設の整備補助というのが、その事業の目的として、スポーツ都市東京の実現に向け、二〇二〇年までに都民のスポーツ実施率七〇%を達成し、スポーツ環境の充実拡大を図るため、区市町村が行う施設整備の取り組みを支援するということでありまして、要は、スポーツに触れやすい環境をもっともっと整備していこうということで行われるものだと思います。
 ただ、この事業の目的に照らし合わせてやるとすれば、私の地元の練馬区にもありますけれども、要は、体育館だとかスポーツ施設、各区市町村が持っているものというのは、今の時期、ちょうど老朽化してきて、そろそろ建てかえなきゃいけないかなというところも多々あると思うんですね。
 そういった中で、ただ老朽化したから建てかえましょうという形で、ちょうどいい、東京都が補助を出してくれる、じゃ、この際やってしまおうとかという形になって、漫然と進めていくというのでは、この事業の目的はなかなか続かないんじゃないかと思いまして、まず一点、確認なんですけれども、この区市町村への施設整備費の補助に当たって、東京都としては、何を基準として区市町村の整備事業の審査というのをしていくのか伺いたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 スポーツ施設整備費補助の実施におきまして、都は、区市町村の施設整備の目的や工事内容等が本補助制度の趣旨にかなったものかを確認いたします。
 具体的には、区市町村が行う施設整備が都民のスポーツ環境の充実を図る競技スペース等の拡充や、誰もが利用しやすいバリアフリー工事となっているかについて、申請書類やヒアリング、現地調査等を通じて確認をいたします。

○あさの委員 今、書類と、それから現地を見る、それからヒアリングを行って確認するということでありました。ぜひ、単純な老朽化、このタイミングでという形にならないように、都として、これからこういうふうに改修していきますよという中身が本当の意味で都民がスポーツに触れやすい環境がさらに充実していくことにつながっていくかどうかということをぜひチェックしていただきたいと思います。
 もちろん、その際、バリアフリーとか、今も対象にありました事業対象にバリアフリー工事というのも含まれております。確かに、バリアフリーの考え方というのが出る前からある施設もたくさんありまして、中には、まだまだ誰もが触れやすい環境になっているとはいいがたいスポーツ施設も残っていると思います。
 そういったものが、この際、バリアフリー工事がされることによって、みんなが使いやすい環境になるというのは非常にすばらしいことですし、この補助制度自体は、オリンピックに向けて、都民のスポーツ環境を充実していくという面においては非常にいいことだと思いますので、ぜひ、せっかくいいことをやるんだから、その趣旨に合った形に結果が出るように見ていっていただきたいと思います。
 ところで、今、バリアフリーのお話もさせていただきましたが、誰もが利用しやすい施設を整備していくんだよという趣旨で行っていくというわけでありますが、今度、申請する側の区市町村、今いったように、老朽化していて、建てかえなきゃいけないなと思っていたら、ちょうど都から新たに補助が出てきたから、ついでにやっちゃおうという形にならないように、実際にやる区市町村さんに、この制度の趣旨をきちっと理解していただくということがすごく大事だと思うんですね。
 この誰もが利用しやすい施設整備という趣旨を、どうやって区市町村に周知していくのかについて伺いたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 スポーツ施設整備費補助制度は、スポーツ施設の設置箇所や競技面数などの量的な増加や、障害者や高齢者など誰もが利用しやすい施設とするためのバリアフリー化を促進することにより、都民のスポーツ環境を充実することを目的としております。
 区市町村がみずからの判断に基づき、本補助制度を活用して地域の特性や利用者ニーズ等を踏まえた施設整備を行うことにより、都民が身近な地域でスポーツ活動を活発化することがスポーツ実施率の向上につながるものと考えております。
 事業実施に際しましては、区市町村に対する説明会におきまして、都が本事業を実施する、このような目的や制度の趣旨につきまして説明をしてまいります。

○あさの委員 ここから要望なんですけれども、今お話にあったような、バリアフリー化が進んだりするということで、ただ、一つにはまず、これによっていろんな施設が新しくなっていく。新しくなっていったときに、利用料や何かがどんどんと大きく上がってしまうと、ちょっと厳しいかなと。
 もちろん、きれいになるんだから、一定程度上がっていくのは仕方がない、それは区市町村の判断ですし、仕方ない部分があるとは思うんですが、そこの部分もやっぱり区市町村に理解を促すように、ぜひ周知をしていただきたいということが一つ。
 それから、例えば今、バリアフリーの話をしましたが、車椅子のバスケット、パラリンピックの種目にありますけれども、こういったものは、逆に、車椅子バスケットというのは床を傷つけるというので、結構断られる例が多いんですね。
 これも、競技をやっていらっしゃる方がそんなに多いわけじゃないんで、どこそこでもやるわけじゃないんですが、こういった建てかえのときに、新しくなるとまた出てくるのが、新しくなったから傷つけたくないなという、これは人情でわかるんですけれども、それによって、ちょっとこれは勘弁してくださいといわれちゃうと、そういうちょっと床を傷つける可能性がある競技についても、できるだけ広く受け入れる心を各区市町村さんには持っていただくように、都からもいっていただきたいと思います。
 さらに、例えばマラソンをしたりとか、これは公園が一般的には多いとは思いますが、大規模な施設や何かでは、その周辺でランニング等ができると思います。ただ、施設の拡充をやることによって、周回で今まで走れたコースが、例えば雨とかのときに体育館の二階のところに、外側にコースがついていて、ぐるぐるぐるぐる回ったりすることができたところが、改修することによって結果的になくなってしまって、あれっ、施設が立派にはなったんだけれども、今まで走れたところが走れなくなっちゃったということとかもあると思います。
 今、ご答弁の中にも、地域の特性や利用者ニーズを踏まえたというのがありますが、こういういろんな要望ってきっとあると思うんですね。
 区市町村では、思いはあるんだけれども、気づかない場合もあると思うので、そういったところをぜひ東京都としても実例とか具体例をきちっと調べて、説明会の際には、そのような実例をきちっと見せてあげて、こういった例もありますよとか、あるいはこういうところにも気をつけてほしいというところも伝えていただけるようにお願いします。
 最後に一点だけ。せっかくこういったものをやります、私のいる練馬区もそうですけれども、オリンピックが、パラリンピックが近づいてきて、東京でオリンピックをやるんだ、パラリンピックが来るんだという思いはありますけれども、実際問題、競技会場や何かが別に練馬区内にできるわけじゃないんですね。
 ということで、こういう施設の補助を出すときに、特に競技会場から遠い、多摩地域も含めたところにおいては、これは、二〇二〇年までという目的も入っているので、オリンピックに向けて、オリンピックを契機にでもいいんですが、施設の整備は進んでいますよということがわかるような形が出ると、あっ、オリンピックをやることによって、うちの町の施設も立派になったんだと思うと、都民の気持ちも高揚してくるかと思いますので、そういった一石二鳥のPRというのもちょっと考えていただきますように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十二分散会

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