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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第十四号

平成二十五年十一月十四日(木曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長きたしろ勝彦君
理事大松あきら君
理事大場やすのぶ君
理事村上 英子君
神野 次郎君
里吉 ゆみ君
野上ゆきえ君
あさの克彦君
新井ともはる君
上野 和彦君
川松真一朗君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長小林  清君
総務部長桃原慎一郎君
広報広聴部長横山 英樹君
都民生活部長森山 寛司君
消費生活部長藤井 秀之君
私学部長武市 玲子君
文化振興部長関  雅広君
都政情報担当部長佐藤 直樹君
男女平等参画担当部長斎田ゆう子君
文化施設改革担当部長濱田 良廣君
スポーツ振興局局長細井  優君
次長理事兼務岸本 良一君
総務部長中山 正雄君
スポーツ事業部長早崎 道晴君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長松村  博君
オリンピック・パラリンピック大会準備部長松永 竜太君
事業広報担当部長山中 康正君
施設担当部長荒井 俊之君

本日の会議に付した事件
スポーツ振興局関係
事務事業について(質疑)
生活文化局関係
事務事業について(質疑)

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会の日程について申し上げます。
 お手元配布の日程どおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局及び生活文化局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、本委員会に出席する幹部職員に交代がありましたので、スポーツ振興局長から紹介があります。

○細井スポーツ振興局長 先般の人事異動に伴いまして就任いたしました当局の幹部職員を紹介いたします。
 スポーツ事業部長の早崎道晴でございます。組織改正に伴いまして、オリンピック・パラリンピック大会準備部長になりました松永竜太でございます。事業広報担当部長になりました山中康正でございます。施設担当部長になりました荒井俊之でございます。
 なお、当局理事者のうち、オリンピック・パラリンピック大会準備担当理事の雜賀真、組織委員会設立担当部長の平山哲也、競技計画担当部長の延與桂につきましては、公務のため本日の委員会を欠席いたしております。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○小竹委員長 紹介は終わりました。

○小竹委員長 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中山総務部長 去る九月十七日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をごらんください。表紙をおめくりいただきまして、資料1、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移をお開き願います。
 都のスポーツ振興事業に係る予算額及び決算額につきまして、平成二十一年度から二十四年度までは、その両方の推移を、そして平成二十五年度は予算額のみについて記載してございます。
 続きまして、次のページの資料2、スポーツ施設の指定管理料の推移をお開き願います。
 当局が所管いたしております八つの施設の指定管理料につきまして、それぞれ平成二十一年度から平成二十五年度までの五年間の推移を記載しております。平成二十一年度から二十四年度までは決算額、平成二十五年度は当初予算額となっております。
 一枚おめくりいただきまして、資料3、各都道府県の主な公立スポーツ施設の設置状況でございます。
 地方公共団体が設置いたしました一定規模以上の体育館や水泳プールなどのスポーツ施設につきまして、その設置数を都道府県別に記載してございます。
 一枚おめくりください。資料4、スポーツムーブメントの内容と予算でございます。
 都民のスポーツ機運の醸成を目指し、都民が気軽に参加できるスポーツイベントの開催や、さまざまなスポーツ情報の発信などを行いますスポーツムーブメントの予算額につきまして、表の左側の記載の区分ごとに平成二十三年度から二十五年度までの推移を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料5、スポーツ施設における障害者スポーツ指導員の区市町村別配置状況でございます。
 平成二十五年十月現在で障害者スポーツ指導員を配置している区市町村につきまして、その指導員数を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料6、障害者スポーツ教室の開催区市町村でございます。
 平成二十五年十月現在で、障害者スポーツに関する教室を開催している区市町村を記載しております。
 一枚おめくりください。資料7、東京体育館(メインアリーナ・サブアリーナ)利用状況でございます。
 東京体育館のメーンアリーナ、サブアリーナ利用状況につきまして、平成十五年度から二十四年度までの推移を記載してございます。
 一枚おめくりください。資料8、東京体育館(メインアリーナ)の都内団体の利用状況でございます。
 東京体育館のメーンアリーナの利用状況を表の頭に記載の区分ごとに平成二十年度から二十四年度までの推移を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川松委員 私からは、第十三回全国障害者スポーツ大会についてお聞きしてまいります。
 東京都では、スポーツ行政のより総合的、体系的な推進を図るため、平成二十二年に、複数局にまたがっておりましたスポーツに関する部署を集約し、都議会自民党の先輩方も汗をかかれまして、国に先駆けスポーツ振興局を設置いたしました。スポーツ振興局では、障害のあるなしにかかわらず、全ての人々がスポーツを楽しめる社会の実現を目指し、各種施策に取り組んでいると伺っております。
 その都のスポーツ振興施策の集大成ともいえますスポーツ祭東京二〇一三が、去る十月十四日の全国障害者スポーツ大会閉会式をもちまして、大成功のうちに幕を閉じたわけであります。大会期間中は、私自身もユニバーサル・ジョグin新宿に参加し、障害のある方とともに走ったわけですけれども、障害のある方もない方も、ともにスポーツを楽しめるすばらしい機会を設けていただいたと思っております。
 今回、東京で初めて開催されました全国障害者スポーツ大会については、過去の大会において、国民体育大会に比べて認知度が低いなど、課題があったと聞いております。
 そこで、さまざまな工夫を施されていることと考えるわけですが、今大会における成果等について、幾つか伺ってまいります。
 今大会は、スポーツ祭東京二〇一三全体で百二十万人以上もの方々の参加のもと開催されたと聞いております。大会前からの開催機運の醸成も含めて、非常に盛り上がった大会でした。そのうち、第十三回全国障害者スポーツ大会の実績について伺います。

○松村大会運営担当部長 今回の第十三回全国障害者スポーツ大会は、平成二十五年十月十二日から十四日の三日間開催され、四十七都道府県、二十政令指定都市の選手、約五千五百名が参加いたしました。正式競技十三競技を味の素スタジアム、東京辰巳国際水泳場など、都内十二会場で実施をいたしました。
 また、広く障害者の間にスポーツを普及する観点から有効であると認められるオープン競技を過去最多の十七競技実施いたしました。
 期間を通しての開閉会式、競技会等への参加者数は約二十一万七千人でございました。昨年の岐阜県の大会が十万九千名の参加でありましたことから、非常に多くの方々にご参加をいただいたものと認識しております。

○川松委員 この全国障害者スポーツ大会の盛り上がりが、スポーツ祭東京二〇一三をより一層盛り上げたのではないでしょうか。
 この盛り上がりを生んだ要因といたしましては、佐藤真海さんの参加など、話題性のある選手が参加したことに加え、都として国民体育大会とあわせてスポーツ祭東京二〇一三という統一の愛称を定めるなど、国民体育大会の注目を全国障害者スポーツ大会にも向けるよう施策を展開していたこともあったと思います。
 さて、都としては、全国障害者スポーツ大会への注目を集めるために、どのような施策を具体的に実施し、どのような成果があったのかを伺います。

○松村大会運営担当部長 都といたしましては、百日前などの節目イベントにおきまして、全国障害者スポーツ大会実施競技の体験イベントを行うなど、国民体育大会だけでなく、両大会を一つのものとして開催機運の醸成に努めました。
 また、国民体育大会のデモンストレーションとしてのスポーツ行事におきましては、障害のある方も参加できる行事を五十七競技中、過去最多の四十四行事採用するとともに、国民体育大会と障害者スポーツ大会をつなぐ三日間には、委員冒頭の発言にございましたユニバーサル・ジョグin新宿を初めとするイベントを実施いたしまして、障害者スポーツへの関心を醸成いたしました。
 さらに、国民体育大会の開会式において、障害のある方とない方をともに炬火走者として参加いただいたり、これまで別々であったハンドブックを一体化するなどの取り組みを進めてまいりました。
 こうした取り組みが、障害のあるなしにかかわらず、大会に参加した方々の連帯の輪を広げ、両大会の盛り上がりにつながったものと考えております。

○川松委員 今ありましたデモンストレーションとしてのスポーツ行事の中で、障害のある方も参加可能な行事を四十四行事も採用されたことは非常によい取り組みであり、障害のある方とない方がともに参加し、支え合う姿も印象的でございました。
 大会の盛り上がりも多くの方々の支えがあったからこそと考えているわけですが、特に全国障害者スポーツ大会においては、選手、監督だけではなく、介助される方や手話通訳等、情報支援を行う方が必要であり、その確保が非常に難しかったのではないかと思います。
 今回の全国障害者スポーツ大会において、どのようなボランティアの方々が参加され、その規模はどのくらいだったのか、また、ボランティアの養成はどのように進めたのかを伺います。

○松村大会運営担当部長 全国障害者スポーツ大会の期間中には、延べ人数で約七千五百名のボランティアの方々にご参加いただきました。
 その内訳は、案内誘導や会場美化を行う大会運営ボランティアが約二千六百名、手話通訳や要約筆記を担当する情報支援ボランティアが約千七百名、大会期間中に各選手団と行動をともにし、お手伝いをする選手団サポートボランティアが約三千名などでございます。
 都におきましては、大会運営ボランティアにつきましては、インターネット等で広く募集を行い、応募をいただいた方々に対しまして、大会の概要や、おもてなしの心についての研修会を実施いたしました。
 情報支援ボランティアにつきましては、東京都聴覚障害者連盟など、関係団体等を通じまして募集を行い、活動内容のオリエンテーションや、競技用語の手話表現など、技術向上のための実習等の研修を行いました。
 選手団サポートボランティアにつきましては、養成協力校として協力していただきました大学、専門学校、計十校におきまして、学校のカリキュラムとして養成をいただいたところでございます。

○川松委員 これだけ多くのボランティアの方々の参加も大会を成功に導いた要因でした。
 ただいま答弁にありましたボランティアも含め、今大会では、さまざまな経験、財産が培われたことと思います。これらを生かし、七年後に控えましたパラリンピック競技大会をぜひ大いに盛り上げていただきたいと考えるわけであります。
 去年のロンドン・パラリンピック大会は、各競技会場が満員の観客で沸きました。東京も同じ成熟都市で開催するパラリンピックとして、ロンドンに負けない、すばらしい大会を目指すべきと私は考えております。
 そこで、二〇二〇年東京パラリンピック競技大会を大いに盛り上げ、成功に導くため、どのように取り組んでいくのか伺います。

○松永オリンピック・パラリンピック大会準備部長 大会が盛り上がるためには、世界中のトップアスリートが最高のパフォーマンスを発揮することと、その選手たちに惜しみない声援を送る観客とが必要でございます。
 今後、選手村、競技会場等の施設整備を進める中で、ユニバーサルデザインを徹底するとともに、全国障害者スポーツ大会と同様、質の高いボランティアの協力も得るなど、選手が競技に集中できる環境を整えてまいります。
 あわせて、チャレスポTOKYO、パラリンピアン出前授業のような、アスリートと一緒にスポーツを楽しんだり交流したりできるスポーツイベントなどにより、パラリンピック競技を含めた障害者スポーツの普及を精力的に推進いたします。
 昨年のロンドン・パラリンピックでの日本人選手の活躍、さきの全国障害者スポーツ大会の開催を機に高まった障害者スポーツへの関心を永続的なものとし、多数の観客が会場に足を運んでいただけるよう努めてまいります。
 二〇二〇年東京大会をパラリンピック史上最高の大会とするため、全力で取り組んでまいります。

○川松委員 ぜひとも、このスポーツ祭東京二〇一三が記憶に新しい今から、七年後に向けて最大限の努力を傾けていただきたいと思います。
 そして、ここで一つ、国に先駆けてスポーツ振興に取り組んでこられましたスポーツ振興局に対して、私からお願いがございます。
 スポーツ振興についてですが、既成概念にとらわれず、幅広い発想を持って取り組んでいただきたいということであります。障害を持っている方、持っていない方もそうですが、例えばIOCのアジア地域版でありますアジア・オリンピック評議会が主催し、四年ごとにアジアの各都市で開催されているアジア版オリンピックともいわれるアジア競技大会、この大会では、もちろんオリンピック種目も実施され、数多くのトップアスリートが出場し、アジア最高峰を目指して競技が展開されていますが、その戦いはオリンピック種目にとどまらず、カバディやセパタクローなどのアジアの地域性を反映した競技も多く行われております。
 また、その中で、二〇一〇年、中国の広州で開催された大会では、驚かれる方も多いと思いますが、枕草子や源氏物語の時代から日本人に親しまれてきました囲碁が実施種目に加えられました。囲碁がドーピング検査も行われたわけであります。こういうことを考えていきますと、囲碁は頭脳スポーツとして種目に加えられたわけですが、本当に幅広い概念でスポーツを捉えていただいて、そして皆様方が頑張ることによって東京が輝くという取り組みに向けて前進していただきたいと思います。
 国に先駆けて取り組みをされてきたスポーツ振興局にお願いをしまして私の質問を終わりといたします。

○大松委員 私からは、東京都障害者総合スポーツセンターについて質問をいたします。
 東京オリンピック・パラリンピック招致を決めるIOC総会の最終プレゼンテーションで、義足のロングジャンパー、佐藤真海さんが、私はスポーツによって救われましたと語りかけるようにスピーチをされまして、その爽やかな姿が世界の人々にスポーツの力を実感させ、感動を広げたことは皆様方の記憶にも新しいことと思います。
 改めて申し上げるまでもなく、スポーツは障害のある皆様方の健康増進、社会参加を促進するためにも大変大きな役割を果たすわけでございます。
 そして、その都民の障害者スポーツの拠点になっているのが、私の地元北区にあります東京都障害者総合スポーツセンターと国立市にあります多摩障害者スポーツセンターです。
 いずれの施設も、障害のある方がいつ来られても、一人で来られても気軽にスポーツやレクリエーションを楽しむことができまして、また北区のセンターでは先月、全国障害者スポーツ大会のオープン競技として、シンクロナイズドスイミングとボッチャが行われるなど、多くの人々でにぎわっているわけでございます。
 この二カ所の障害者スポーツセンターは、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの決定を受けまして、障害者スポーツ熱の高まりとともに、障害者スポーツを普及促進する拠点として、その役割がますます大きく期待されているところでございます。
 しかしながら、その一方、この北区のセンターは竣工後二十七年、国立市のセンターは竣工後二十九年がたっておりまして、外壁のひび割れなど、施設の老朽化が目立つようになっているのも事実でございます。
 そこで、まず障害者スポーツセンターの現在の状況について伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 北区にあります東京都障害者総合スポーツセンター、国立市にあります多摩障害者スポーツセンターのいずれの施設も竣工から三十年近くが経過をし、老朽化が進行しております。
 そこで、施設の状況を把握するため、昨年度実施いたしました劣化度診断調査では、空調設備などの設備機器の更新が必要であり、建物についても改修が必要との結果でありました。
 また、施設に対する利用者ニーズ調査では、多くの方が施設に満足しているという結果が得られましたが、利用者の高齢化や利用目的の多様化により、トイレの洋式化や部屋ごとの照明空調機器の調整機能など、施設の利用勝手について、改修の要望が寄せられました。これらの調査結果を踏まえ、早期の施設改修が必要と考えております。

○大松委員 早期の施設改修が必要とのことでありますけれども、その具体的な改修工事の内容について伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 改修工事の検討に当たりましては、劣化度診断と利用者ニーズ調査の結果を踏まえ、施設の機能回復と利便性の向上を図るよう考えております。
 例えば、設備機器の更新では、省エネや環境に配慮した最新の機器の導入を検討いたします。また、障害者に配慮した設備機器への更新や最新のユニバーサルデザインの導入など、利用者ニーズを反映した改修を検討いたします。
 改修工事の具体的な内容やスケジュールにつきましては、改修基本計画において検討してまいります。

○大松委員 ぜひ障害のある皆様方が利用しやすい施設となりますよう、しっかりと検討していただきまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に間に合うよう、改修工事を着実に進めていただくことを要望しておきます。
 さて、北区には、公明党も整備を推進してまいりましたナショナルトレーニングセンターがございます。これは国の施設でございまして、先ほど質問をいたしました障害者スポーツセンターは東京都の施設でありまして、広く一般の都民の皆様方が利用をするわけでありますけれども、ナショナルトレーニングセンターでは、最先端のスポーツ科学を駆使して、オリンピック選手の強化トレーニングが行われております。
 昨年のロンドン・オリンピックで活躍した選手、メダリストもこのナショナルトレーニングセンターを利用されていらっしゃいました。このトレーニングセンターは、当初、オリンピック選手の競技力向上のために設立をされましたけれども、後に多くの皆様方から要望を受けまして、現在はパラリンピック選手も利用できるようになってきております。しかしながら、このパラリンピック選手の利用はまだまだ限定的でありまして、もっと利用できるようにしてほしいとの声が私のところにも寄せられているところであります。
 そこで、昨年の第三回定例会の公明党の代表質問で、パラリンピック選手がナショナルトレーニングセンターをもっと利用できるように、都として国に働きかけることを要望いたしました。
 そこで、現状のパラリンピック選手の利用状況について、また、都による国への働きかけの現状について伺います。

○早崎スポーツ事業部長 ナショナルトレーニングセンターについては、本来、委員ご指摘のとおり、オリンピック選手専用のトレーニング拠点でございます。このことから、パラリンピックの選手については、テニスなど、障害者スポーツ団体の競技団体が一般スポーツの競技団体に加盟している場合には、オリンピック選手と同様に利用できるほか、水泳や陸上など、障害スポーツの競技団体が一般スポーツの競技団体には加盟はしていないが、一般スポーツと共通の種目については、施設にあきがあるなど、一般スポーツの競技団体との調整がついた場合に限り利用ができるようになっております。
 また、ゴールボールなど、障害者スポーツ固有の種目については、現状では利用できておりません。
 都といたしましては、パラリンピック等の国際大会で活躍するトップアスリートの競技力向上のため、オリンピック強化選手と同等のナショナルトレーニングセンターの利用など、パラリンピック強化選手が必要とする支援を受けられますよう、一般スポーツとの一体的な推進を早急に図ることを国に強く要望しているところであり、引き続き働きかけを行ってまいります。

○大松委員 この二〇二〇年の東京で開催されるパラリンピックで、日本のパラリンピアンが活躍する姿は、人々に大きな感動、希望、勇気を呼び起こします。ぜひ引き続き国に強く働きかけていくよう要望いたしまして私の質問を終わります。

○里吉委員 それでは、私からは、東京都スポーツ推進計画について少し伺っていきたいと思います。
 東京都スポーツ推進計画の基本理念は、スポーツの力を全ての人に、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京を実現とあります。
 また、数値目標としては、週一回スポーツを実施する人の割合を七〇%、これを達成するというものも挙げられております。
 私の住む地域でもさまざまな団体やグループ、個人がスポーツに取り組んでいるわけですが、少年野球チームやサッカーチームの子供たち、また、最近は会社帰りにフットサルで汗を流す方々が大変ふえております。水中ウオーキングに取り組んで膝の痛みがとれたという高齢者の方など、その年代や環境や目的に合わせてスポーツを楽しむ方々が年々ふえていると実感しております。
 一昨年策定されたスポーツ基本法には、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であり、全ての国民がその自発性のもとに、それぞれの関心や適性に応じて、安全かつ公正な環境のもとで日常的にスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、またはスポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなければならないとありまして、スポーツを通して幸福になる権利が述べられております。国の法律や都の策定した推進計画の目標に向けて、これからの取り組みが大切だと思います。
 ところで、地域でお話を伺いますと、野球やサッカーなどの球技の練習をできる場所が少ない、練習場所の獲得に大変苦労している、こういうチームも少なくありません。また、身近にキャッチボールなどができる公園も少ないということが、いつもチームの監督やコーチをされている方々や保護者の方から声が寄せられているんです。身近な場所でスポーツができる場所を確保するということは、スポーツに日常的に取り組む上でも欠かせないことだと思います。
 そう思いまして東京都スポーツ推進計画を見てみますと、具体的な事業の展開というところがありまして、そこには、〔5〕、身体を動かしたくなる環境の整備というのがございました。中の具体的な項目を見ておりますと、広場等の環境整備という項目がありました。未利用都有地の区市町村への貸し付け、これはスポーツ推進計画に運動場の整備等について明示している区市町村に対して、当面利活用のない都有地を暫定的に運動場として貸し付けますということが書かれていました。
 また、公園の開園というところでは、子供から大人まで安心してスポーツやレクリエーションを楽しむことのできる緑あふれる空間として、都市公園の整備を推進しますとありました。まだ始まったばかりだとは思いますが、この進捗状況はどうなっているのか、具体化は進んでいるのかお伺いします。

○早崎スポーツ事業部長 本年三月、都は、スポーツの力を全ての人にを基本理念に、東京都スポーツ推進計画を策定しました。この計画では、スポーツ都市東京を実現する方策として、スポーツ振興局の事業にとどまらず、スポーツ推進に資する庁内各局の事業を掲載しております。
 この中で、スポーツをしたくなるまちづくりの具体的な事業展開としまして、関係各局との連携による未利用都有地の区市町村への貸し付けや、都立公園の整備などを考えております。
 未利用都有地の活用制度は、財務局と連携し、当面、利用計画のない都有地を運動場などの用地として、区市町村に対し五割減額して貸し付ける制度でございます。これまで、未利用都有地を該当の区市に逐次紹介してきたところでございますが、地形や広さ、あるいは周辺環境などの問題で、区市とのマッチングには至っておりませんが、今後も区市町村に未利用都有地を紹介してまいります。
 また、公園の整備など、各局の取り組みにつきましては、該当する局に取り組みの進捗状況の確認を行うとともに、事業の積極的な推進について働きかけを行ってまいります。

○里吉委員 この計画を見ますと、都有地、今、未利用地ということでお話がありましたけれども、財務局所管だけが対象になっていました。これはちょっとほかの所管のところも活用の対象があるのかどうか、ぜひ精査していただきたいと思うんですが、例えば世田谷区内の都市公園以外の公園や広場、ちょっと調べてみたんですけれども、本当にさまざまな都有地とか道路予定地などを暫定利用として広場や公園に使っている例が三十カ所以上、世田谷区内ではありました。
 野球場ほどの広さがなくても、ミニバスケとかフットサル、またキャッチボールなどの球技ができる、そういう場所も私の住む世田谷の西側というんですか、本当に不足していまして、そういう声が本当にいろんなところで上がっています。ぜひもっと視野を広げて、都有地の活用ができる、そういうように検討していただきたいと思うんです。
 それから、東京都が環境整備の一環として、都有地の活用や都立公園の活用を進める、こういう計画があるのも、やはり東京都自身が身近な場所でスポーツができる場所が必要だという認識からだと思うんですね。
 これは、資料も出していただきましたけれども、人口百万人当たりで割り返すと、東京都の社会体育施設は全国でも下から二番目ということで、都民の身近なスポーツの場の整備は区市町村の施設ということで、役割分担しているということなんですけれども、区市町村なりにいろいろ努力しても、東京都もいろいろ今やっていただいているということでしたけれども、なかなか進まないというのが現状だと思うんですね。さらにどうやったらこうした施設整備が進むのか、さらに検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○三浦スポーツ施設担当部長 スポーツ施設数の評価は、施設需要や交通の利便性、人口や区域の面積等、さまざまな要素を総合的に勘案して評価されるものと考えております。
 スポーツ施設の整備におきましては、地域の身近な施設を整備する区市町村との役割分担を踏まえ、都は地域を超えるスポーツ大会や国際大会なども開催できる広域的な機能を重視した施設整備に取り組んでおります。
 都はこの方針に基づき、平成二十四年三月には、味の素スタジアムの西側に西競技場を整備したほか、都の新たなスポーツ振興拠点となる武蔵野の森総合スポーツ施設を整備いたします。
 また、東京体育館や駒沢オリンピック公園総合運動場などの都立スポーツ施設について、利用者の利便性の向上や施設の老朽化への対応のため、施設の計画的な改修、改築工事を実施しております。
 都民のスポーツニーズに対しましては、都や区市町村の各施設が連携をして、その機能を相互に補完することにより応えていくものと考えております。

○里吉委員 都として大規模な施設を整備することはもちろん必要だと思いますが、あわせて日常的にスポーツに親しむ人をふやしていこうというのであれば、日常に通える場所に運動場や体育館はもちろんですが、スポーツのための施設をつくるための具体化が必要だと思うんですね。これはほかの委員会でも、他会派の方からも、都有地の暫定利用もさらに進めてほしいというご意見が出たとお伺いしましたけれども、これは私も進めていただくように改めてご要望しておきます。
 さらに、身近なスポーツ施設の拡充が区市町村の役割といっても、東京都としてスポーツする人口七〇%という目標をつくるのであれば、広域施設だけでなく、区市町村立も含めた身近な施設の整備目標を持って財政支援なども含む支援策を検討していただくことをあわせて要望しておきます。
 次に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの競技施設建設に関して伺ってまいります。
 現代のオリンピックで重視されているのが持続可能性です。施設建設が環境破壊につながらないようにするとともに、また、終了後の維持についても十分検討し、都民の生活向上につながらないような整備や無駄遣いは避けなければなりません。
 そして、当然、オリンピック精神に基づいて、平和、文化、スポーツが発展するように、その開催が都民スポーツ振興に寄与するものにしなければなりません。
 ところが、立候補ファイルの計画を見てみますと、オリンピックのために別の施設などをつくるためになくなるスポーツ施設、また一時的に使えない施設が見受けられます。
 オリンピックの競技施設をつくるために、現在都民が使っている施設で利用できなくなる施設は具体的にどのようなものがあるのか伺います。

○荒井施設担当部長 現在の会場計画により影響を受ける都立公園等のスポーツ施設に関するお尋ねでありますが、まず、新設施設の予定地につきましては、選手村予定地などに計八面の野球場がございます。
 次に、既存施設の改修についてですが、有明テニスの森に新たに第一コート、第二コートを整備するほか、一般コートの再配置を行うことに伴い、既存のコート面数が四十九面から三十五面に減少することが見込まれております。
 また、仮設施設の整備により一時的に使用できなくなる施設ですが、夢の島競技場の野球場十二面、辰巳の森海浜公園の少年広場がございます。
 このほか、競技会場のセキュリティーエリアに入ることが見込まれる大井ふ頭中央海浜公園の第一球技場、ゲートボール場、テニスコート八面なども大会開催中は使用できなくなります。

○里吉委員 大変な数のスポーツ施設が使えなくなるということがわかりました。特に、お話を伺うと野球が大きな影響を受けるんだなというふうに改めて思いました。私たちのところにも現実に開催が決まってから初めてこのことを知ったという方々から、大変だという声が届いています。
 たとえ一時的でも、数年間という期間、そこが使えなくなるということは、小中高生だと中学校三年間とか、高校三年間とか、在学中ほとんど使えないことにもなりかねない。また、大人のサークルで使っている場合は、施設改築などの場合でもそうなんですけれども、このオリンピックだけに限ったことではないんですけれども、数年間その施設が使えなくなった間に違う場所が確保できなかったり、新たに確保した場所が遠過ぎてサークルのメンバーが減ってしまうとか、サークルそのものが維持できなくなってしまう、こういうケースもございます。今回、規模も大きくて期間も長いですから、これは何とかしていただかなければならないというふうに思います。
 当然、こういうことも考えていただいていると思うんですが、一時使用できなくなる施設も含めて、代替施設をぜひ用意していただきたいと思うんですが、見解を伺います。

○荒井施設担当部長 既存施設の代替機能の必要性や対応策につきましては、今後、各施設の管理者及び地元区と十分調整してまいります。

○里吉委員 今、地元区と調整して検討していくというお答えだったと思うんですけれども、オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、スポーツに親しむ人をふやそうと、また、スポーツをする人の裾野を広げようということですから、オリンピック・パラリンピックの施設整備のために、都民の利用する施設を減らしてしまうようなことがもしあったとしたら、これは逆行になると思うんですね。代替施設の確保は、ぜひ検討していただきたいというか、用意していただきたいと思います。今から準備をするように求めたいと思います。
 そして、きょうお伺いしたいもう一つは、辰巳国際水泳場についてです。
 計画では辰巳国際水泳場に隣接して、オリンピックアクアティックセンターというプールをつくることになっていますが、日経新聞九月二十日付では、オリンピック後の扱いとして、同じプールが二つあるのは無駄な上、維持費も年間五億円ほどかかると。このため、辰巳水泳場は廃止の可能性もあると都の担当者の言葉として報道していました。
 過日のオリンピック・パラリンピック招致特別委員会で我が党の畔上議員が、これは本当ですかとお聞きしたところ、都は総合的に判断すると答弁したと伺いました。現在の辰巳国際水泳場は、先日、国体に向けてリニューアルオープンしたばかりのプールです。それを同じような施設を隣につくるので、廃止する可能性があるというのですから、正直私は驚きました。
 そこで改めて確認しますが、廃止の可能性があるという報道がありましたが、これは本当なのか改めて伺います。

○荒井施設担当部長 辰巳国際水泳場につきましては、オリンピック・パラリンピックで練習会場として使用した後、総合的に検討してまいります。

○里吉委員 廃止しない方向という言葉、そういうことは答えられないんでしょうか。あくまで検討するということで、これ、新聞報道ですから、もう一度お伺いしますけれども、廃止しないということではないでしょうか。もう一度お願いします。

○荒井施設担当部長 この件につきましては、さきの特別委員会で答弁したとおり、総合的に検討してまいります。

○里吉委員 それでは、オリンピック終了後ということですので、そこでどういうことを検討しなければいけないかということで、一つはオリンピックアクアティックセンターと辰巳国際水泳場のそれぞれの都民利用率、それから維持費、これが一つの問題だと思うんですね。それは、それぞれ今のところどの程度と見込んでいるんでしょうか。お伺いします。

○荒井施設担当部長 両施設の利用率、維持費につきましては、今後、オリンピックアクアティックセンターの事業性検討あるいは設計を行う中で、あわせて検討してまいります。
 なお、辰巳国際水泳場につきましては、震災や大規模改修による閉館の影響のなかった平成二十二年度のメーンプールの団体利用率が六六・四%であり、同年度の指定管理料は約五億二千三百万円でありました。

○里吉委員 それも含めてこれからの検討というご回答でした。
 それで、辰巳国際水泳場ですが、団体利用が六六・四%というご答弁だったんですけれども、団体利用がない日は個人に貸し出しているということで、それはほぼ一〇〇%使っているということで、人数が少ない場合もあれば、多い場合もあるということで伺っていますけれども、大体誰かが使っているという状況だということは確認させていただきました。それも含めてこれから検討ということですので、それは検討していただきたいということで、次に行きます。
 プールという点でいうと、このすぐ近くに夢の島ユース・プラザ、ここにも広く都民に利用されているプールがありますが、このプールはどうなるのか伺っておきたいと思います。

○荒井施設担当部長 バドミントンとバスケットボールの会場となります夢の島ユース・プラザ・アリーナA、Bにつきましては、既存の区部ユース・プラザを改築して整備する計画であります。
 既存の区部ユース・プラザの改築後のあり方につきましては、所管の教育庁と十分な調整を図ってまいります。

○里吉委員 どちらもこれから検討するということで、何も決まっていないということですが、もしオリンピック終了後、辰巳国際水泳場がなくなって、BumBにあったプールも代替施設がつくられないとなりますと、逆にオリンピック前より施設が減ってしまうということにもなってしまうわけですね。同じようなプールをつくって改修したばかりの既存のプールを廃止するのであれば、持続可能な開発ということに対しても矛盾するのではないかと思いますが、これについての都の見解を伺います。

○荒井施設担当部長 辰巳国際水泳場のオリンピック・パラリンピック後のあり方につきましては、今後、総合的に検討してまいります。

○里吉委員 隣接したところに建設するからこういうことになるのではないかということも今いわれているわけです。
 水泳場が少ない地域などにアクアティックセンターの場所を変更するなど、そういうことだって十分再検討の対象になると思うんですね。辰巳国際水泳場はオリンピック後も十分使える施設ですし、需要もありますので、廃止しないように最後に要望して質問を終わります。

○新井委員 先日、五十四年ぶりに東京で開催されたスポーツ祭東京二〇一三が閉幕いたしました。私は大会役員として、また、競技会役員として、九月二十八日の国体総合開会式を初め、日野市で実施された空手道、ホッケー、ボクシング競技、さらには総合閉会式にも参加させていただきました。
 競技会場には非常に大勢の市民の方々が来場され、立ち見の方も出る中で、全国から集まる選手たちに大きな声援を送っておりました。ボクシングでは日野市の選手が優勝するなど、東京都の選手団も大きな成果を上げられたと思います。
 このスポーツ祭東京二〇一三として開催された第六十八回国民体育大会、東京では既に昭和二十四年、三十四年に国民体育大会を開催したことから、平成元年に東京都市長会、東京都町村会が都知事に対し、次の国民体育大会は多摩地域をメーン会場として開催するよう要望したことに始まり、二十五年後のことしに開催されたものであります。
 第六十八回国民体育大会は、多摩の自治体の声で誘致が実現されたわけですが、実際に大会を開催された今、大会の成果として、どのようなものが上げられたのかお伺いします。

○川合スポーツ祭東京推進部長 スポーツ祭東京二〇一三は、障害のある人とない人との連帯の輪を広げるため、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を全国で初めて一つの祭典として開催をいたしました。
 国民体育大会におきますデモンストレーションとしてのスポーツ行事の数が五十七、全国障害者スポーツ大会におけるオープン競技の数が十七と、いずれも過去最多数実施をしたことから、これまでの大会の中で過去最大の競技数を誇る大会となりました。
 その競技会は都内全市区町村及び都外三カ所で開催をされ、トップアスリートたちが繰り広げる熱戦を間近で見る絶好の機会となりました。
 加えて、東京都の選手団も目覚ましい活躍を見せ、国民体育大会では、冬季国体を含めた正式競技四十競技の中、二十競技で総合優勝し、競技全般を通じても、総合得点三千四百八十六点を獲得し、男女総合優勝を果たすことができました。全国障害者スポーツ大会でも多数のメダルを獲得しております。
 さらに、開催に当たりまして、例えば多摩地域では、日野市市民の森ふれあいホールが新設されました。また、日の出町では、国体の競技会場として初めて廃棄物最終処分場の跡地に整備をされました日の出町スポーツと文化の森谷戸沢サッカー場が新設をされております。
 また、改修等、市区町村のスポーツ施設につきまして、バリアフリー対応でありますとか、体育館の照明、空調設備の改修などを行いまして、スポーツを実施する環境が向上したものと考えております。

○新井委員 ご答弁いただいたよう、スポーツ祭東京二〇一三を契機に、多摩地域においてスポーツの機運が大いに盛り上がりました。そして、何よりも多摩地域にとっての成果は、全国レベルの大会を市区町村が主体的に運営し、成功をおさめたことではないでしょうか。このことは、多摩地域のスポーツ振興を進める上で大きな財産になったと思います。
 とはいえ、着実に多摩地域のスポーツ振興を進めていくには、地域だけでなく、都としての取り組みも不可欠です。そこで、多摩地域のスポーツ振興について、都はどのように取り組んでいくのかお伺いします。

○早崎スポーツ事業部長 都は、スポーツ祭東京二〇一三の開催機運醸成のため、「ニュースポーツEXPO in多摩」を開催しました。この「ニュースポーツEXPO in多摩」は、スポーツ祭東京二〇一三で取り上げられた誰でも気楽に取り組めるニュースポーツなどを中心に紹介し、体験できるイベントで、昨年度はアスリートによるステージプログラム、多摩地域の物産展などを行い、一万五千人の来場者に楽しんでいただくことができました。
 今後も本イベントを引き続き実施していくとともに、味の素スタジアム六時間耐久リレーマラソンや東京都市町村総合体育大会のような大規模なイベントを多摩地域で開催し、また情報発信していくことにより、多摩のスポーツムーブメントを高めてまいります。

○新井委員 スポーツ祭東京二〇一三の成果を土台とした地域の取り組み、都が行う広域的な事業など、こうした一つ一つの積み重ねが二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた機運醸成や地域活性化につながっていくと思います。引き続き、多摩地域も含め、きちんと東京都全体のスポーツ振興に邁進していただきたいと思います。
 次に、ライフステージに応じたスポーツ活動の取り組みについてお伺いします。
 スポーツ祭東京二〇一三の成功、また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京招致の決定など、都民のスポーツに対する関心はますます高まりを見せています。この高まりを好機と捉え、誰もが、いつでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京の実現を一層強く推し進めることが必要と考えます。
 スポーツを生活の中に浸透させ、誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむために、子供、働き盛り、子育て世代、高齢者に対してきめ細かなアプローチを行い、年齢や障害の有無、生活の環境にかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる環境を整えることが大事であります。
 都は、都民のライフステージに応じたスポーツに参加する機会について、どのように取り組んでいるのかお伺いします。

○早崎スポーツ事業部長 都では、スポーツへの興味、関心を喚起し、都民の生涯を通じたスポーツへのかかわりを促進するため、ライフステージに応じて、さまざまなスポーツに参加する機会の創出に取り組んでおります。
 子供たちを主な対象とした有明の森スポーツフェスタの実施や、スポーツ実施率が低いとされる働く世代や子育て世代など、誰もが楽しく気楽に参加できるイベントとして、TOKYOウオークや駒沢オリンピック公園総合運動場を会場にしたスポーツ博覧会東京などを実施しています。また、シニア世代のスポーツ振興を図るため、シニア健康スポーツフェスティバルTOKYOの開催や、ねんりんピックへの選手の派遣などを行っております。
 このように、都は、子供を初め、働き盛り、子育て世代、高齢者など、それぞれライフステージに応じて多くの都民が参加できるよう、さまざまな取り組みを通して、都民の生涯を通じたスポーツの普及振興に努めております。

○新井委員 次に、障害者スポーツについて伺います。
 十月十四日に無事閉幕したスポーツ祭東京二〇一三は、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として、スポーツを通じて、障害のある人とない人が、ともに経験を分かち合う機会として実施されました。
 また、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、一つに統合された一体感ある祭典を目指しています。このように、一般のスポーツと障害者スポーツが同等に実施されることは、非常に重要なことと考えます。
 しかしながら、日本において、障害者スポーツについては、徐々に知られるようになってきましたが、国民の関心はまだ低いというのが現状です。
 東京都では、昨年三月に、全国に先駆けて東京都障害者スポーツ振興計画を策定し、障害者スポーツの振興に取り組んでいます。この計画を着実に実行し、障害者スポーツ普及を図っていくことが二〇二〇年東京パラリンピックの成功につながっていくと考えます。
 そこで、これまでの障害者スポーツの取り組みについてお伺いします。

○早崎スポーツ事業部長 東京都障害者スポーツ振興計画では、障害者スポーツの普及啓発、障害のある人が身近な地域でスポーツを楽しめる環境整備、障害者スポーツへの取り組み体制の強化という三つの視点により施策を展開しております。
 普及啓発では、都内公共スポーツ施設の詳細なバリアフリー情報を網羅した全国初の障害者スポーツ専門ポータルサイト、TOKYO障スポ・ナビの開設や、障害のある人とない人がともに参加できるイベント、チャレスポTOKYOの開催などを行っております。
 環境整備では、地域開拓推進員が、市区町村などの身近な地域に出向き、各地域の実情に応じたスポーツ教室等の提案から実施までをサポートする地域開拓推進事業を実施することにより場づくりを進めるほか、スポーツ推進委員等を対象にしたセミナーを実施し、地域で障害者スポーツを指導する人材を育成しています。
 また、取り組み体制の強化では、選手の競技力向上のため、全国障害者スポーツ大会の正式競技種目を対象に、強化練習会を実施しています。
 こうした施策を通じて、障害のある人もない人も誰もがスポーツに親しむスポーツ都市東京を目指してまいります。

○新井委員 かなり多岐にわたり取り組みを始めていることがわかりました。引き続きよろしくお願いします。
 さて、全国障害者スポーツ大会の正式種目を対象に、強化練習を実施しているとのことがありましたが、さきに行われましたスポーツ祭東京二〇一三、第十三回全国障害者スポーツ大会では、その成果は上がっているのでしょうか。東京都選手団の成績についてお伺いします。

○早崎スポーツ事業部長 スポーツ祭東京二〇一三、第十三回全国障害者スポーツ大会における東京都選手団の成績は、陸上や水泳などの個人競技については、金メダル百七十八個、銀メダル八十九個、銅メダル四十七個の合計三百十四個、車椅子バスケットボールやサッカーなどの団体競技については、出場した十二チーム中、優勝が三チーム、準優勝六チーム、三位二チームの合計十一チームが三位までの入賞を果たしており、過去最高の成績をおさめることができました。

○新井委員 この地元東京で開催された全国障害者スポーツ大会において、東京都選手団がすばらしい活躍をされたというのは誇らしいものです。私の地元日野市でもサウンドテーブルテニスに出場し、メダルを獲得した選手がいらっしゃり、ご本人は大変喜んでおられ、私も非常にうれしく思いました。
 このようにすばらしい成績をおさめられたのも、都が取り組んでいる強化練習会の実施や、また、選手一人一人の練習の成果と努力のたまものと思います。
 しかし、この東京都選手団の活躍は、私もそうでしたが、余り知られていないように思います。ぜひ、このすばらしい成果を積極的に広報してほしいと思います。いかがかお伺いします。

○早崎スポーツ事業部長 東京都選手団の成績の広報についてでございますが、「広報東京都」十一月号のスポーツ祭東京二〇一三の特集ページで紹介しているほか、今週十一日月曜日から、あす十五日金曜日まで、第一本庁舎二階中央スペースで展示中のスポーツ祭東京二〇一三東京都選手団の軌跡において、国体とともに全国障害者スポーツ大会における東京都選手団の活躍を紹介しております。
 また、今後、TOKYO障スポ・ナビなどでも特集記事により紹介してまいります。
 今後もあらゆる機会を通じ、東京都選手団の活躍を含め、障害者スポーツの普及に積極的に努めてまいります。

○新井委員 障害のある選手が競技に立ち向かう姿は、昨年のロンドン・パラリンピックのときもそうでしたが、多くの人に感動を与えてくれるものです。
 また、そうした選手が地元にいるということは、感動を与えてくれるだけでなく、応援しようという気持ちにもなりますし、障害者スポーツへ関心を持ってもらう絶好の機会でもあります。ぜひこうした選手の活躍を積極的に広報することで、障害者スポーツ推進を図っていただきたいと思います。そのことを要望しまして私の質問を終わりにします。

○野上委員 私からは、スポーツ指導者の養成、確保、活用について伺わせていただきたいと思います。
 二〇二〇年東京オリンピックの開催は、子供たちに大きな夢や希望を与えるものでありまして、昨年のロンドン・オリンピックでも、日本人選手が過去最高となる三十八個のメダルを獲得した際の日本国内の熱狂は記憶に新しいものです。
 東京で開催される大会で日本人選手のメダルラッシュを目の当たりにすることができれば、盛り上がりは昨年の比ではなく、その記憶は子供たちの、あるいは私たちの生涯の宝物になることであると考えます。
 また、同様にオリンピック開催決定を機に、みずからが将来のトップアスリートとなることを夢見て、スポーツに打ち込む方々が増加するようになれば、よりすばらしいことだと思います。オリンピックをきっかけとして、スポーツへの取り組みが日常化することで、オリンピックが一過性のイベントではなく、将来へつなげていくことになると考えます。
 このため、二〇二〇年に向けて、次の世代のトップアスリートを夢見て目指す子供たちのスポーツ環境の整備も必要でございます。中でも子供たちにスポーツを教える地域スポーツ指導者を初めとした指導者の養成、指導体制の整備が重要であると考えます。
 スポーツ指導者には、スポーツ団体が行う指導者養成事業により認定された指導者のほか、体育指導委員、地方公共団体が養成、確保する指導者、公共スポーツ施設の専門指導員などがおりますが、今、東京都民でもスポーツの活動が多様化、高度化している今日においては、質の高い技術、技能を有するスポーツ指導者に対する需要が非常に高まっております。
 しかしながら、そのようなスポーツ指導者の数は不足しておりまして、総合型クラブの数が増加していく一方で、スポーツの指導者の質というものが担保できないという傾向が今後さらに強まるということが予想をされております。
 運動部活動の在り方に関する調査研究報告書によりますと、研修等による資質能力向上や学校全体での組織的な管理運営体制の確立、総合型地域スポーツクラブとの連携等による指導体制の充実に取り組むことが期待をされているところです。
 また、地域のスポーツ少年団あるいは総合型地域スポーツクラブ等の地域における子供たちへの指導を行う場においても、運営方針や指導理念、指導方法等を明らかにするとともに、運営体制を見直し、複数の人材での指導体制を構築する体制を充実していくことが必要であると考えます。
 そこで、これまでの東京都の取り組みと今後の方策について伺います。

○早崎スポーツ事業部長 地域スポーツクラブは、地域住民が主体的に運営し、誰もが身近にスポーツに親しむ場であり、都はその設立、育成を推進しております。
 都は、各クラブが新たな会員を獲得するために行うイベントや体験事業等の実施を支援することを通じて、地域の方々にクラブの運営方針や活動内容を明らかにすることを後押ししております。
 また、クラブマネジャーやスポーツリーダーの養成事業を実施するとともに、これらの方々の資質向上を図る研修事業を実施し、体制の充実に努めているところでございます。
 今後もこれらの事業の周知を図り参加を促していくとともに、研修事業等の内容の充実を図ってまいります。
 一方、地域のスポーツ少年団においては、その登録にスポーツリーダーなど有資格者の配置が求められるなど、一定の運営体制や指導体制が確保されております。また、統括団体である日本スポーツ少年団において、スポーツ少年団組織と活動のあり方の解説書をホームページにより公開し、広く周知を図っています。
 さらに、東京都体育協会では、指導者の養成や資質向上のために、スポーツリーダー養成講習会や指導者研修会を開催するとともに、指導者協議会を設置し、相互の情報交換、交流を行っています。
 日本スポーツ少年団では、スポーツリーダー等の有資格者の複数配置を推進しており、都としても、東京都体育協会を通じて地域のスポーツ少年団に働きかけを行ってまいります。

○野上委員 スポーツ団体、あるいは都及びきちんと体系的に訓練された指導者がいる大学等が連携をして、指導者がみずからの専門性に基づき、やりがいを持って指導を行うことができるよう、人材のマッチングや新たな活動の場の創出に取り組むことも必要であると考えます。
 指導の活用に当たって適切な処遇が行われるよう注意をしていくとともに、人材が流動化しつつあることを踏まえて、コーチ、指導者がキャリア形成の見通しを持つことのできるような仕組みを工夫することが必要であると考えますが、所見を伺います。

○早崎スポーツ事業部長 都として、コーチがみずからの専門性に基づき、やりがいを持ってコーチングを行うことができるよう、人材のマッチングや新たな活動の場の創出に取り組むことが必要であると認識しております。
 公益財団法人日本体育協会では、年齢や技能レベル、興味や志向など、多様なスポーツ活動に対応するため、公認スポーツ指導者制度を設け、指導者の養成に取り組んでおります。
 この制度では、指導対象や活動拠点を考慮し、スポーツ指導の基礎的知識を学び、公認スポーツ指導者の基礎の資格となるスポーツリーダーを初め、指導員やコーチなど、競技別の公認指導者資格が段階に応じて設けられており、キャリア形成が可能となっております。
 日本体育協会では、今後五年間の指導者育成事業の指針として、スポーツ指導者育成事業推進プラン二〇一三を策定し、有資格指導者の拡充や指導者の資質の向上、指導者の社会的価値の向上、有資格指導者の活動の場の拡充に向けた取り組みを始めたところと聞いております。

○野上委員 スポーツ団体において、スポーツ指導者資格の認定等を通じて指導者の育成が図られてはおります。大学等においても、教員養成課程を含む教育課程において、学校やそのほかの現場で活躍するコーチの育成も行われております。
 東京都においては、非常勤の公務員として、スポーツ推進委員を委嘱し、その研修等を通じて質の確保を図って、このようなコーチの育成制度を通じて、新しい時代にふさわしいコーチを育成しているとは認識しております。
 しかしながら、スポーツ界全体として、コーチの質を保証していくことも重要であると考えます。コーチとして活動している方々の中には、競技者としての経験はあっても、コーチになるための育成過程を経ずに現場で指導を行っている者も存在しております。指導者として、コーチとして活動する際には、競技者としてだけの経験だけでは不十分であり、指導者の育成制度を充実させることが今後必要であると考えます。
 競技によっては、資格制度の整備がされていなかったり、競技者の数を踏まえた十分な指導者の育成が行われていないなど、指導者の育成制度が十分確立されていない状況にあります。
 指導に必要な知識、技能をより深く身につけることができるよう、トップレベルからグラスルーツまでのコーチの人材交流を行ったり、情報交換の場を設定する等、指導者コーチングの質を向上させるよい循環を創出する取り組みを推進する必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○早崎スポーツ事業部長 都では、本年三月に策定した東京都スポーツ推進計画に基づき、指導者の資質を向上させるため、東京都スポーツ文化事業団との連携のもと、最新のスポーツ医科学情報や客観的なデータの活用方法、そしてコーチングスキルの習得を目的とした指導者講習会や、指導者交流シンポジウムを開催しております。
 指導者講習会では、指導者の資質向上やジュニア指導者の養成を図るため、スポーツ障害の予防、メンタルトレーニング方法、アンチドーピングなどの講習会などを実施しております。
 また、指導者交流シンポジウムでは、障害者スポーツを含めた幅広い競技者の指導者を対象に、双方の資質の向上や交流を目的としたシンポジウムを実施しております。
 さらに、東京都体育協会との連携により、競技力向上研修会を開催しており、すぐれた成績を残している団体の競技力強化に向けた取り組みの事例等をほかの競技の指導者にも紹介するなど、競技団体間の情報交換の場を設定するとともに、指導者の資質の向上を図っているところでございます。
 今後は、より実践的な講習会を開催するなど、人材交流や情報交換の場を充実するとともに、これらの講習会等に関する情報など、広くホームページやツイッターで紹介してまいります。

○野上委員 地域のスポーツ指導は、地域の方々がボランティアで担っていることが多く、都が把握している公認スポーツ指導者以外の多くの指導者に支えられて地域スポーツは成り立っているところです。
 さらに、都内には競技経験を持つ元アスリートも数多くおり、そういった方々も地域の指導者となれるよう、学習機会を提供するなどの支援がさらに必要であると考えます。
 そこで、都は地域のスポーツ指導者の資質向上に向けて、どのような支援を行っているのか伺います。

○早崎スポーツ事業部長 東京都においては、地域の人たちに対しては地域スポーツクラブの活用を通じて、その人たちの指導者がスポーツに関する経験を積み、より深くスポーツの充実を求めていく、また、競技力向上研修会やジュニア指導者養成研修会、また指導者交流シンポジウム、そういう指導者講習会など、さまざまな取り組みを通じて、地域の方々にも開くような講習会なども実施して能力の向上に努めているところでございます。

○野上委員 ちょっと今の答弁の確認をしたいんですけれども、元アスリートの方々への学習機会の提供についてはいかがでしょうか。

○早崎スポーツ事業部長 元アスリートの方々が、そのアスリートのスキルを生かして、またそれを地元に還元していくような事業が必要だという認識を持っておりまして、アスリート・サイクル事業などを展開しているところでございます。

○野上委員 これまでの答弁にもありましたけれども、東京都体育協会や、あるいは広域スポーツセンターでも指導者の養成研修をしているということではあるんですが、回数が少ないために十分ではなく、社会人にはなかなか参加が難しいということを伺っています。特に競技ごとに設けられる指導員などの養成講座は、その頻度は数年に一回ということも伺っております。
 二〇二〇年東京オリンピックで、東京育ちの選手が活躍するためにも、優秀な指導者の養成、特に東京都においての養成が急務であり、都は二〇二〇年東京オリンピックに向けて、どのように指導者養成に取り組んでいくのか改めて見解を伺います。

○早崎スポーツ事業部長 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて、どのようにメダルの数をふやしていくとか、そういうことをやっていくことは、東京都だけではなくて、国、JOC、各NF、競技団体、市町村、都道府県も含めた全体の役割分担の中で、それぞれが連携協力して行うべきものと考えております。
 東京都といたしましては、より多くの東京育ちのアスリートが日本を代表してオリンピックの舞台に立てるよう、東京国体に向けた競技力向上のレガシーを生かしながら、都内の競技団体と連携し、競技力の向上を図ってまいります。

○野上委員 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の関心を高め、さきの新聞報道にもあったんですけれども、ボランティアなどとしてかかわってもらおうと、東京都教育委員会は、十二日までに都内の公立小中学校の計三百校、オリンピック教育推進校として、一四年度に指定する方針を固めております。七年後にボランティアなどとしてかかわる人材の育成につなげるためです。
 一方、スポーツ界においては、先ほどからの質疑、やりとりでもありましたけれども、日常的にボランティア指導者、地域におけるスポーツクラブやスポーツ団体において、報酬を目的としないでクラブ団体運営や指導活動を支えている方たちがいます。専門的な能力や時間などを進んで提供し、大会の運営を支えています。
 ボランティア指導者は、主に団体の指導と役員の両方を兼務しており、指導や支援活動に費やす時間的、身体的、精神的負担の大きさを容易に推測させ、役割分担の観点からもスタッフ不足が大きな特徴であるといわれております。
 スポーツにおけるボランティア指導者の実態とその課題によると、指導者講習会などの参加率に比べて、体育、スポーツ、レクリエーションなどの指導に対する資格や免許を有している指導者は少ないというふうな統計が出ております。講習会参加率の高さがそのまま資格の取得率へとは連動はしておりません。時間的負担、経済的負担、研修機会の少なさへの不満も見受けられております。
 このような課題を克服し、二〇二〇年に向けて、若いボランティア指導、次の世代を担っていくボランティア指導、支援活動者をふやしていく必要があると考えますが、都の所見を伺います。

○早崎スポーツ事業部長 二〇二〇年東京オリンピックにおいて、東京育ちのアスリートが活躍するためには、ボランティア指導者を含めた指導者の養成が重要でございます。
 日本体育協会においても、今後五年間の指導者育成事業の指針として、スポーツ指導者育成事業推進プラン二〇一三を策定し、受講者数向上等に向け、受講しやすい講習会の検討や多様な講習会受講形態の開発と実施、大学等を対象とした免除適応コースの拡充の取り組みを始めたところでございます。
 都においても、優秀な指導者を養成するために、競技団体と連携協力して、競技力向上事業の一環として競技団体が行う指導者の育成への支援を行うとともに、さまざまな機会を捉えて、ボランティア指導者も含めた指導者に有用な情報を提供してまいります。

○野上委員 これまでの東京都のスポーツ指導者の養成、確保、活用についての質疑から、非常に体育協会との連携をしながら進めているということがよくわかりました。
 しかしながら、一方で、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催に向けての東京都スポーツ振興局として、独自に、主体的にプログラムを編み出そうというような答弁、お考えには至らなかったというふうに感じております。
 今後は、東京都がやはり主体的にスポーツ指導者の養成の事業、質、量の拡充を図るために、例えば埼玉県では既に行っておりますけれども、産学官の連携をして、そして体育系の大学と専門教育機関との連携をしたり、あるいは養成拠点を整備する等、養成体制の充実を図るべきと考えております。
 また、時代の要請に対応した新たな分野の資格制度、これは東京都独自に資格をつくるという意味ではございませんが、例えばスポーツロイヤー、医学的な見地からコーチを行う方々へのさらなる質の向上など、東京都が主体的に取り組むべき課題はまだまだあるように思います。
 今後、有資格者指導の社会的認知度の向上も含め、活動環境の整備並びに積極的な指導者活用の推進を希望いたしまして、私からの質問を終わります。

○大場委員 スポーツ祭東京二〇一三についてお伺いいたします。
 先日、十月十四日に、東京では五十四年ぶりに開催される国体、東京で初めて開催される全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として開催されたスポーツ祭東京二〇一三が閉幕いたしました。そのオープニングとなる九月二十八日の国体総合開会式では、夕闇迫る薄暮の中での開会式となり、七年後の東京オリンピック・パラリンピックへの夢をつなぐ火と光の祭典となっており、大変にすばらしい開会式でありました。
 翌日から始まった競技会では、全国から選抜されたトップアスリートたちによる激戦が繰り広げられました。
 私は、こうした大会は、スポーツを通じて子供たちに夢を送るまたとない機会でありますし、生で試合を観戦することで、スポーツが一層身近なものに感じられるであろうし、また、選手や応援団など、全国から集まる方々を都民総参加のおもてなしで歓迎し、東京の魅力をアピールすべきとこれまでも主張してまいりました。これをなし遂げるためには、大勢の方々がさまざまな形で大会にかかわることが必要となります。
 そこで伺います。スポーツ祭東京二〇一三全体を通して、一体どれだけの方々がこの大会に参加されたのでしょうか。また、先催県と比べてどうだったのでしょうか。お願いいたします。

○川合スポーツ祭東京推進部長 スポーツ祭東京二〇一三の全体といたしましては、本年一月と二月に東京で開催いたしました冬季国体も含めまして、第六十八回国民体育大会、第十三回全国障害者スポーツ大会、そしてこの両大会をつなぐ東京ユニバーサルスポーツ3days、また、大会期間中、都庁の都民広場で展開いたしましたふるさと四七ビレッジ、それらの総参加者数として、およそ百二十八万人の方々がスポーツ祭東京に参加いただいたところでございます。
 過去五年間を見ますと、昨年、平成二十四年、岐阜大会が百四万人、平成二十三年、山口大会は七十三万人、平成二十二年、千葉大会が七十五万人、平成二十一年、新潟大会が八十五万人、平成二十年、大分大会が六十三万人となっておりまして、スポーツ祭東京二〇一三は大分大会のおよそ二倍の人数が参加されております。

○大場委員 大変多くの方々がさまざまな形で大会に参加されたからこその人数であると思います。各競技会場でも満席になり、立ち見が出たり、競技会によっては会場に入れない方々も出るほどの盛況であったと聞いております。
 この会場に入れなかった方々もそうですが、選手の地元の方々であったり、会場近くにお住まいであっても、さまざまな事情で競技会場を訪れられなかった方々もいらっしゃると思います。こうした方々でも競技を見ることができるよう、競技の模様をインターネットを通じて配信していたと思います。
 そこで伺います。どのような方法でライブ中継し、どのような成果が上がったのでしょうか。

○川合スポーツ祭東京推進部長 インターネット配信につきましては、スポーツ祭東京二〇一三のホームページの中に、スポーツ祭東京二〇一三チャンネルという専用のポータルサイトを設け、国民体育大会では、正式競技三十七競技、全国障害者スポーツ大会では三つの競技につきまして、既存のユーストリームという枠組みを活用いたしまして、ライブ中継を行いました。
 また、全国障害者スポーツ大会の正式競技の残りの十競技につきましては、競技の模様を録画し、映像をユーチューブにおいて配信をいたしました。
 映像の撮影でございますが、国体の競技につきましては、主にスマートフォンによりボランティアの方々が撮影したものをライブ映像で配信をいたしました。
 全国障害者スポーツ大会では、障害者スポーツの映像配信に実績のあるNPO法人に撮影ボランティアの募集や撮影技術の指導をお願いいたしまして、映像配信を行っております。
 中継終了後は、ユーチューブを活用し、大会終了後も、これら全ての映像を視聴できるようにいたしました。
 これまでの開催県におきましては、撮影技術をお持ちの方にこうした撮影をお願いしておりましたが、東京大会では、スマートフォンを活用することによりまして、撮影に関して特に知識のない方にも撮影のボランティアとして幅広く活躍していただくことができました。
 視聴実績でございますが、同時中継では国民体育大会で約十四万件、全国障害者スポーツ大会で約四千件、またライブ中継終了後に録画配信したユーチューブでは、国民体育大会で約四十万件、全国障害者スポーツ大会では約一万八千件となってございます。
 これらの取り組みによりまして、選手の家族や友人の方々など、会場へ来られなかった方であっても、臨場感のある動画により、選手たちの応援ができたものと考えております。

○大場委員 先ほどの答弁にもありましたが、百二十八万人の参加者ということでしたが、この動画配信によりまして、先ほど約六十万件の視聴があったとのことです。実際には、およそ百九十万人の人々がこのスポーツ祭東京二〇一三に参加したこととなると思います。
 動画配信の撮影には、ボランティアの方々の協力があったとのことですが、ほかにもさまざまなボランティアの方々の活動があってこそ、大会運営がなされるのだと思います。
 そこで伺います。スポーツ祭東京二〇一三にかかわったボランティアの方々の人数やその役割、また特徴についてお伺いいたします。

○川合スポーツ祭東京推進部長 スポーツ祭東京二〇一三では、全体で延べ人数で三万人を超えるボランティアの方々に携わっていただきました。ボランティアの種類でございますけれども、国体と全国障害者スポーツ大会と合わせますと、五つの役割を担っていただきました。
 受付や会場美化等に従事する大会運営ボランティア、ゆりーとダンスを初めとする広報活動のお手伝いをしていただく広報ボランティア、先ほどご説明いたしました競技映像を撮影する映像配信ボランティア、聴覚障害者の方々に手話や要約筆記により情報を伝達する情報支援ボランティア、障害者スポーツ大会に出場する選手を介助、誘導する選手団サポートボランティアがございます。
 今大会の特徴といたしましては、既に実績のある東京マラソン財団と連携いたしまして、ボランティアセンターを設置したほか、障害者の方々に来場者の受付をお願いしたり、親子によるボランティア活動をしていただくなど、幅広いボランティアの方々の参加をしていただいたことにあると思っております。

○大場委員 やはりこれだけ大きな大会となりますと、多くのボランティアの方々の活躍がなくては大会の成功もないと思います。オリンピック・パラリンピックでは、より多くのボランティアが必要になるといわれております。今回、スポーツ祭東京二〇一三で活躍されたボランティアの方々が、七年後に再び活躍するような、そんな仕組みを考えていただきたいと思います。
 また、七年後のオリンピック・パラリンピックを成功させるためには、東京だけで盛り上がっていてはなりません。日本全体を巻き込んで盛り上がっていかなければならないと思います。
 第二回都議会定例会において、我が党の、東京のみならず、ふるさとへも元気を発信し、スポーツを通じて日本中が大いに元気づくような取り組みを実施すべきとの質問に、全国から人の集まる東京の特性を生かし、ふるさと応援団を結成するとの答弁をいただきました。大会期間中に都庁の広場においても、ふるさと四七ビレッジとして各県のブースなどが設置されておりました。
 そこで伺います。ふるさと応援団のコンセプトと、その実績についてお答え願います。

○川合スポーツ祭東京推進部長 ふるさと四七応援団でございますが、東京から始まる、つながるめぐり会いをコンセプトに、東京に住む各都道府県の出身者が、東京にいながら、それぞれのふるさとや、ゆかりのある都道府県の選手を応援することにより、スポーツ祭東京二〇一三をさらに盛り上げていく活動でございまして、東京ならではの取り組みでございます。多くの方々に入団登録をしていただきまして、ふるさと四七応援団の入団者数は一万人を突破いたしました。
 ふるさと四七応援団は、開会式、閉会式において、選手たちが入場行進をする際に、都道府県ごとに結成いたしました各県応援団が、例えば、なまはげのコスチュームをまとうなど、各県の特色のある応援を行ったほか、幅十四メートルものビッグフラッグを使った応援活動などを行いました。
 また、大会期間中、都庁都民広場におきまして、十五日間にわたり、ふるさと四七ビレッジを開催いたしました。ふるさと四七ビレッジとは、スポーツ祭東京二〇一三の応援拠点として、サテライトビジョン等で開催競技の情報の提供、それから各県の出場選手の活躍情報などを発信するほか、全国の特産品を提供いたしまして、全国から東京に訪れるふるさと選手を応援する取り組みを行い、約四万八千人の方が来場いたしました。
 これらの取り組みでございますが、これまでの大会ではなく、東京で初めて行ったものでございます。

○大場委員 全国からの出身者の集う東京、その特性を生かして全国から集まる選手たちを都民の方々が応援団となり応援する、こうした経験は選手たちのいい思い出となり、東京の印象もよくするおもてなしの一つだと考えております。
 今回のスポーツ祭東京二〇一三では、おもてなしとして、どのようなことをされたのでしょうか。

○川合スポーツ祭東京推進部長 今回のスポーツ祭東京二〇一三では、まずメーン会場であります味の素スタジアムにおきまして、地元の小中学生らが手づくりで作成いたしましたのぼり旗や、会期に合わせて育てた花などを飾り、来場者を歓迎したところでございます。
 味の素スタジアムに隣接をする特設スペースでは、ゆりーと広場を開催し、プラネタリウムや水族館など、東京の魅力を体感できるブースなどを展開いたしました。
 また、九月二十八日の国体の総合開会式の終了後には、西競技場におきまして、東北六大祭りin東京と題しまして、東北を代表する六つの祭りが一堂に会したパレードを行いまして、ご招待いたしました被災地の方々と都民の方々が一緒になって、東北のお祭りを楽しんだところでございます。
 また、ゆりーと広場のステージにおきましては、日がわりでアスリートによるトークショー、それから著名なアーティストによりますライブパフォーマンスなどを行いまして、来場者に対する多彩なおもてなしを実施いたしました。
 各競技会場におきましては、地元の食材を使った料理やドリンクが振る舞われるなど、各区市町村が趣向を凝らしたおもてなしを実施しております。
 さらに、競技だけでなく、東京の文化や観光等を楽しんでいただくため、美術館、観光施設等の施設割引を実施するとともに、競技会場をめぐるスタンプラリーを実施いたしまして、各競技会場への回遊性を高めるとともに、地域の振興につなげる取り組みを行ったところでございます。

○大場委員 ただいまのご答弁いただきましたように、さまざまなおもてなしで全国から集まる選手たちを温かい心で包み、ふだん以上の力を発揮できたのではないでしょうか。
 おもてなし、この言葉を聞くと、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市をかち取ったブエノスアイレスでのIOC総会でのスピーチを思い起こされると思います。今回のスポーツ祭東京二〇一三には、IOC総会で印象的なスピーチをされた佐藤真海さんも出場されていました。
 佐藤真海さんはテレビのインタビューで、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一つの祭典、一つの大会として開催するスポーツ祭東京二〇一三だから参加することとしたといっていました。これまでのように障害のある方とない方を分けて考えるのではなく、ともに一緒のものとして考えることが障害者にとっても喜ばしいことであることがわかります。
 最後に、スポーツ振興局長に伺いますが、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として開催したスポーツ祭東京二〇一三は、その開催を通じて、全国に対して何を発信し、大会終了後には何をレガシーとして残していくのでしょうか。

○細井スポーツ振興局長 スポーツ祭東京二〇一三は、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を初めて統一名称で一つの祭典として開催しました。この点からも、新たなスポーツ大会のあり方を全国に発信したと考えております。
 その中でも国民体育大会でのデモンストレーションとしてのスポーツ行事、五十七行事ございますが、この中で障害のある人も参加できる行事を過去最大規模の四十四行事実施しまして、また、全国障害者スポーツ大会のオープン競技十七競技を--これも過去最大でございます、実施して、誰もがスポーツを楽しめる機会を拡大したと、このように考えております。
 大会運営においては、国民体育大会の開会式などで、障害のある方もボランティアとして活動するなど、ともに支え合う大会といたしました。
 また、両大会をつなぐ三日間には、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しむことができるスポーツ都市東京を目指すことを誓い、東京ユニバーサルスポーツ宣言を行ったところでございます。こうした取り組みの精神をスポーツ祭東京二〇一三のレガシーとして、今後の都のスポーツ振興策に反映し、都民の誰もが多様なスポーツを楽しみ、一人一人が輝く都市東京の実現を目指してまいります。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの大会が、こうしたスポーツが成熟された都市東京を舞台に開催され、これまでにない史上最高の大会となるよう、全力を尽くしてまいります。

○あさの委員 私からは、スポーツ振興局所管の監理団体に関連して、幾つか確認をしたいと思います。
 まずは、東京マラソン財団についてお伺いしたいと思います。
 行政の役割というのは多岐に及ぶことがあると思いますが、ただ、世の中において求められているものはたくさんありますし、ニーズも多様化している。その中で、あれもこれも行政が全部やっていくと、とても手が回るわけでもありませんし、ましてや限りある税財源というのを使い切ってしまうことになりかねます。
 したがって、必ず考えなければいけないのはスタート、ある程度、定着をするところ、あるいは物事を起こすところ、そういったところを行政が手を出すとしても、基本的にはそれが世の中に必要とされるのであれば、それはできるだけ民間というか、一般の方々の力で運営をされていくようになっていく方が私は理想的だと思うんですね。
 つまり、行政というのは仕組みづくりと、そして、それを最初に根づかせるところまでのお手伝いをするのであって、それをずっと後生大事に持っていくものではないという観点で、ちょっと幾つか確認をさせていただきたいと思いますが、まず東京マラソンというのは、最初に東京都が立ち上げて、非常に大きな大会、マラソンのメジャーにも名前が入るというすばらしい大会だと私は思います。約三万六千人参加しているというものでございますが、これは平成二十二年六月に設立をされました東京マラソン財団の方に主催が移っております。
 まず、この東京マラソンの主催者である東京マラソン財団の二〇一三年の大会における実質的な収益を確認しておきたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 法人税等の納税後の東京マラソン財団の実質的な利益は、七千万余円でございます。

○あさの委員 大体、実質的に今七千万ぐらいの収益が上がりましたという話がありました。
 それでは、重ねて、このマラソン財団の財務状況がどのようになっているのかも伺いたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京マラソン二〇一三が終了した平成二十五年三月三十一日現在の状況で、資産の合計は固定資産であります基本財産の八億八千万円を含み、二十五億八千万余円であります。負債につきましては、流動負債のみで十三億八千万余円であります。正味財産は基本財産である指定正味財産が八億八千万円、一般正味財産が三億一千万余円で合計約十二億円であります。

○あさの委員 これ、経営状況等説明書にも二十五年度の収支予算というので、二十四年度、二十五年度等の情報も出ておりますけれども、実は東京都は毎年負担金という形でお金を出しているわけですね。この東京都の負担金というのが、伺いますと、交通規制対策を目的としたものなどでありまして、大きなものでは、その交通規制対策を目的とした開催補助金として一億円を財団が受けているという話を聞いております。
 逆に考えますと、この交通規制対策というのは、もちろんあの大きな大都市の中、この新宿の中をマラソンをやって、東京都内の中心部を走り抜ける大会ですから、当然、交通規制対策はやらなければならないことでありますし、ということは逆にいうと、これがなければ、つまり交通規制対策用のお金が東京都から入らないと、マラソン財団単体では、先ほど収益は約七千万というお話がありましたので、一億円の補助金を受けていることを考えますと、実は収益は赤字になってしまうのかなということも考えられるわけであります。
 まず、確認なんですけれども、これ、財団設立前からこのような状況だったのか、つまり東京都がやっていた時代からこういう状況であったのかどうかについて伺いたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 交通規制対策を目的とした開催補助金は、今、委員お話しのとおり、この東京マラソンが長時間の交通規制を実施し、公道を使用して行う市民マラソンであることから、都の役割として補助をしているものでございます。
 財団設立前からこの補助金を前提に運営を行い、円滑に大会を実施しております。

○あさの委員 組織委員会だったころから、この補助金が前提にという話でありました。
 確かに今おっしゃったとおりで、交通規制対策として東京マラソン開催に伴う交通規制だけでなく、その周知、つまり事前に、マラソン当日にはこの辺が交通規制がかかりますよとかという周知も、当然毎日のようにさまざまな交通量がある東京都内ですから必要であるし、それに対してお金をかけるということも十分理解はできます。
 ただ、逆にいうとこの財源は、つまり東京都からの補助金ということは都民の税金なわけですね。確かにスポーツ振興というのは大事なことでありますが、東京マラソンということで考えますと、これはいわゆるマラソンを走っている人が受けている利益なわけなんです。そう考えますと、本来であれば三万六千人という人たちが参加しているわけですから、一人、例えば千円出すと三千六百万、一万円出すと三億六千万ということになりますから、本当であれば受益者負担という発想になるべきじゃないのかなという気もするわけですね。
 とはいっても、余り高くすると、今度は気軽に参加できなくなる。つまり市民マラソンとして気軽に参加できるようにしていただくためには、それをどうするのかというところはいろいろ考えなければいけないのかなということはあります。
 私がいいたいのは、もちろん短期的に今すぐこの補助金をやめろという話ではありません。必要なことでありますし、また、市民マラソンとして都民の皆さん方が楽しんでいただく、あるいは都民に限らず、全国から応募がありますから、全国の方々がこれを楽しみにして、そして世界的な大会であるということに、一緒に走れるんだと。参加した人から聞いても、東京マラソンのコースというのは非常に特異でありまして、折り返し地点からの直線が非常に長い、だからこそ世界のトップランナーとすれ違うことができる。市民ランナーであるにもかかわらず、世界のトップランナーと一緒に走っているんだということを味わうことができる非常に貴重な大会だということをおっしゃっている方もいらっしゃいました。
 そういった大会ということで考えますと、これから先のことを、年月をかけて少しずつこういった交通規制対策を目的とした補助金も受けないで、どうやったら運営できるかといったこともこの財団には考えていただく必要があると思います。
 そもそもこの財団の設立時点で、今、先ほど来ありました固定資産といった基本財産の八億八千万のうちの八億円は東京都が出資をしているお金、出しているお金でありますし、そう考えますと、この大会の運営によって、収益が上がっていくのであれば、財団としても計画的にさまざまな財産を蓄えて、あるいは東京都の援助等を受けなくても、自律的に東京マラソンというのを回していく、円滑に運営していくというふうになっていくべきだと考えますけれども、東京都として、スポーツ振興局としての見解を伺いたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京マラソン財団設立時の平成二十二年六月に都議会の議決を経まして、東京都は東京マラソン財団に八億円を出捐いたしました。日本陸上競技連盟からの出捐金八千万円と合わせた八億八千万円を基本財産として固定資産に計上しております。
 基本財産の考え方は、天災や災害の発生によりまして、東京マラソンが急遽中止となった場合の補償などに関する必要最低限の経費として見積もったものであります。基本財産があることにより、安定した基盤のもと、財団の自律的経営に向けた取り組みが円滑に行われていると判断できます。
 また、都が財団設立に際して出捐したことにより、大会主催の財団移管後も市民マラソンという位置づけを保持し、公共性を担保するとともに、協調関係に基づき運営をしていく体制が確立されております。
 今後とも、運営面におきまして、経費の効率的執行に努めるとともに、財源を確保し、安全な大会及び質の高い事業展開が安定的に実施できるよう指導してまいります。

○あさの委員 東京マラソン財団というものが事業としていろいろやっているのが東京マラソン、そしてランニングスポーツの普及振興に関する事業ということで、そもそもの目的の中にも、東京マラソンを安定的に運営して、そして世界最高水準の大会へと発展させるんだということ、そしてランニングスポーツの普及振興を通じて、都民の健康増進と豊かな都民生活の形成に寄与することを目的としているということが、この経営状況の計画書に書いてあるわけですけれども、先ほども申し上げましたとおり、とはいっても、マラソン、あるいはランニングスポーツというのを行っている方々に対するメリットなんですね。
 そもそも八億円という出捐金は東京都が出していて、毎年のように一億円以上のお金を東京都は東京都の負担分として出しているという状況の中で、東京マラソン財団がランニングスポーツの普及にどんどんどんどんお金を突っ込んで、つまりある程度、収益が上がってくるんだったら、今度はランニングスポーツの普及だといってやるということになりますと、そもそも走る人たちだけのために十億円近く、八億円の最初のお金と、それから毎年一億円以上のお金を東京都が突っ込んでいるということになりかねませんので、できるだけ東京マラソン財団は、まずは自律的に運営ができるような体制をどうつくっていくのか、いろんな取り組みをされていると思いますが、それを東京都としても後押しをしていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、今のはマラソンの話でありましたが、東京都にはもう一つ、このスポーツ振興局所管で、スポーツ文化事業団という監理団体もございます。こちらの方こそ、まさに東京都をスポーツ都市東京にするんだという計画を実施するための、いろんなところで協力を得なければいけない団体であるのかなと思います。
 今、東京が掲げております東京都スポーツ推進計画、今年の三月に策定をされておりますけれども、この中でもはっきりとした数値目標、世界トップレベルのスポーツ実施率、つまり週一回以上やる人が七〇%以上いるのを達成するんだと数を出しているわけですね。
 現状の数字が幾つかはちょっと私はわかりませんけれども、こういったいろんなスポーツに触れる人たちをふやしていこう、そして、それに対してきちっと明確な数値目標を掲げてやっていこうということは評価していいと私は思っております。
 ただ、私は、これはスポーツ振興局に限らず、都が行っている事業全てに対して常に申し上げていることではあるんですけれども、効果をどうはかるかということを意識しなければならないということですね。そして、効果をはかるためには、実は目標、目的といったものがはっきりしていないといけないということだと思います。
 東京都のスポーツ文化事業団というのも、ここに経営状況等説明書というのがありまして、この中にさまざまな事業というのが載っております。基本的には、さまざまな施設の指定管理者として、さまざまな施設を管理し、その施設を活用しながら東京都のスポーツ施策に協力をしていこうという発想が見てとれるわけですけれども、ただ、その中の一部を見てみますと、どうもこれは本当にちゃんとその目的に合っているんだろうかというようなことが出てくるわけです。
 例えば、東京体育館でやっているものの事例でいきますけれども、子供の体力向上で、親子で楽しむチャレンジスポーツというのがあるんですね。小学生を対象とした基本的な体の動かし方やスポーツの楽しさを体験するという、目的と中身は非常にスポーツ都市東京を目指すに当たって、裾野を広げるという意味でもいいことだなと思いますが、これが一事業当たりの規模でいくと、一回で百人という形になっていると。
 これを一体どのくらいやっているかということによりますが、東京都内にいる小学生、何人いるんだということを考えますと、そもそも施設を使わなきゃいけないという制約があるにせよ、こういうことを繰り返していって、スポーツの裾野はそんなにふえるのかなという疑問があるわけですよね。
 ましてや、この場所に来なければいけないということになりますと、その場所に行きやすい人たちしか行かなくなるわけですから、東京都全体としてどうしていくかということを考えたときに、このやり方で本当にいいのかと。
 先ほど他の委員からの質問にもありましたが、むしろそれよりも、それを地域ごとに発信してくれる指導者の育成などに力を入れていく方がいいんじゃないかなという疑問が、私自身は個人的には生まれてくるわけであります。
 そこで、この東京都スポーツ文化事業団の事業についてちょっと伺いたいと思うんですが、事業団で東京体育館とか、あるいは駒沢オリンピック公園総合運動場などを活用して、さまざまスポーツイベント、セミナーとかを行っているみたいですけれども、この効果検証、効果に対する検証というのが適切になされているのか伺いたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 東京都スポーツ文化事業団が指定管理を受託しております東京体育館等では、事業団の企画立案により、各種スポーツ教室やセミナーなどを開催しております。
 これらの事業は、指定管理者の選定時に事業計画として示されたものであり、事業団が指定管理を受託するに当たり、適切であると選定委員会に評価をされたものでございます。各事業の終了後には、事業団が参加者の満足度や意見などをアンケート調査し、その効果を検証しております。
 さらに、指定管理者の管理運営状況を評価する委員会では、事業団とのヒアリングや各事業への参加人数、アンケート結果などを踏まえ、その効果を総合的に評価しております。
 例えば、東京武道館の平成二十四年度事業の評価では、施設が作成いたしました武道マニュアル、あるいは人材、こういったものを活用し、全都的な武道の普及に努めるよう、評価委員より意見が述べられております。この意見を踏まえ、次年度の事業計画の策定に際しましては、事業内容を検討することとなります。

○あさの委員 効果検証の中には、今おっしゃっていた指定管理者の評価委員会というところできちっとさまざまなアンケートの結果等を見て意見を述べられていることがありました。こういったことは非常に大切ですので、ぜひそういった話を聞いていただきたいと思います。
 ただ、ともすると、こういったイベントやセミナーといったもの、特にこの手の報告書類を見ますと、何とかセミナーを実施しましたとか、何々講習会をやって何人の人たちが集まりましたとかという報告になるんですね。これというのは、実は効果ではなくて結果なんですね。やったかやっていないかということと、何人が集まったか集まっていないかというのは結果であって、もともとこれを行うに当たっていた目的というのがあって、その目的に照らし合わせて、どの程度前進できたのかということを、どのようにはかるかというところまでを考えるのが私は計画なんだと思うんです。
 事業計画を立ち上げる際も、そもそも何をどんなふうにやろうかだけではなくて、それをどうやってはかろうかというところまでを意識した計画を立てておけば、後々、例えばアンケートでやっていますよとかということよりも、いや、この事業効果はこういうふうにはかることになっていますと。そのはかった結果はこうなっていましたというところまでが出てくるんだと思います。
 まさに、先ほどの東京都スポーツ振興局で出されております世界トップレベルのスポーツ実施率、スポーツ推進計画の中で実施率を七〇%達成といっている以上は、当然やる前にはかっているやり方があるでしょうし、終わった後も同じやり方できっとその数値をはかるんでしょう。そうすることでスポーツ実施率というのがどうなったのかということが如実に数字として見えてくる。そうすることでやってきたさまざまな事業が、その実施率に対してどのように働いたのかということがわかるわけですよね。そういうことを考えていっていただくことをお願いしておきたいと思います。
 今の事業の話に行きますと、まさにこの事業への参加人数、そして本当の意味での事業効果というのがはかれないという話は今お話ししたとおりでありますけれども、そういったことを漫然と事業を実施することにならないように、できれば参加者の情報なども積極的に収集して--年齢や性別といった意味ですね、収集して、より充実した効果検証を行えるような取り組みをしていかなきゃいけないと思いますが、そして、その効果検証の内容をその後の事業の企画立案に生かしていくべきであると私は考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 個々の事業の効果検証や、それに基づく事業の検討、見直しなどは、指定管理業務の一環として事業団が実施をしております。
 都といたしましては、毎年開催する指定管理者評価委員会におきまして、総合的な事業の効果検証や改善指示を行うなど、効果的な事業の実施に向けて指定管理者を指導しているところでございます。
 今後とも充実した事業の実施に向け、引き続き事業団を指導してまいります。

○あさの委員 ぜひこの後、さまざまな事業団の皆さん方への指導もお願いしたいと思いますが、最後に一つだけご意見をさせていただきたいと思います。
 今、スマートフォンや何かというのが発展してきて、パソコンでもそうですけれども、特にスマートフォンが多いですが、さまざまなアプリや、あるいはインターネット関係のものを使うときに、今のこの情報を統計データとして取得していいですかどうですかという確認が入ることが多いんですね。どうするかというと、いわゆるビッグデータというやつですけれども、それを集めることによって、さまざまな思考だったり何だりを把握していく。そのために使いますよということが書いてある。
 私、実は東京都のこういったスポーツ事業団や何かにお願いしたいのは、まさにそういったデータを集めることもやるべきだと思うんですね。行政が主体的に、名前や住所や連絡先を書かないにしても、その方々の個人情報につながりかねないことを集めるということは抵抗があるんだなという気はしますが、少なくともご本人たちに、これからのスポーツ振興策に役立てていくために、あなた方の情報をちゃんと教えてくださいということで、性別だとか年齢だとか、あるいは今この施設を利用した目的だとか、そういったことをきちっとデータをとって、それをためていく。最初のうちはほとんど役に立ちません。だけれども、それを毎年毎年とってためていくことによって、ここの施設が、例えば使う人がだんだん高齢化してきているなとか、ここにそもそもふだん集まっている人というのは、若い子が多いんだなとか、そういったことがわかることによって、その施設ごとに、どういったものに力をかけていくべきかということが見えるようになったりすると思います。
 なので、そういう情報をとることも、ぜひ東京都のために、そして、その情報をもって、またスポーツ振興局として、では、どういうふうに手を打っていくのかという立案につなげていけるように、そういった情報を活用していただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○古賀委員 東京都では、我が党、殊に三多摩・島しょ部会の提案を受け、都内五十九の地区体育協会と連携し、地域における少年に対する体育競技の普及振興や有望選手の発掘、育成を目的として、東京都ジュニア育成地域推進事業を実施しています。
 私の地元日野市においても、この事業を通じて、卓球、それから庭球、剣道、陸上、それから排球など--排球というのはバレーボールですね、多くの競技の講習会や大会が開催されておりまして、資料によりますと、昨年度は千五百人以上の少年が参加をいたしております。
 私は現在、日野市体育協会の会長を務めておりますので、市内の競技団体から、地域における活動についてさまざまな声が寄せられてくるわけでありますけれども、特にこのジュニア育成地域推進事業は、地域のスポーツ振興に間違いなく大きく寄与しているということを聞き及んでいます。
 本年は東京都で、先ほど来出ておりますように昭和三十四年以来、五十四年ぶりに国民体育大会が開催され、多摩地域を中心に都内各所でさまざまな競技が行われ、大変盛り上がりました。本事業に参加した少年選手も選手団の一員に加わり、活躍した選手もいると聞いているわけです。
 そこで、この東京多摩国体に向けて、ジュニア育成地域推進事業はどのような成果を上げたのか伺います。

○早崎スポーツ事業部長 ジュニア育成地域推進事業は、委員からご紹介があったように、各地域の体育協会が主体となって、スポーツ教室や競技大会などの事業を実施しています。
 事業開始時の平成十八年度の事業予算額は六千万円でありましたが、二十四年度には二億九千四百万円となりました。競技種目や参加者もふえ、平成二十四年度には八百十八事業が実施され、六万七千百五十五人が参加し、着実に地域におけるスポーツの裾野の拡大に貢献しています。
 また、本事業の参加者の中からは、ことしの東京国体において上位に入賞し、東京都選手団の総合優勝に貢献した選手を輩出するなど、ジュニア選手の競技力向上にも貢献しています。こうした結果、東京国体では、四十競技中二十競技において競技別での総合優勝を果たしました。
 また、競技全般を通じても総合得点三千四百八十六点を獲得し、二位の大阪府に千六百点以上の大差をつけて男女総合優勝を果たし、天皇杯を賜り、そして皇后杯も賜ったところでございます。

○古賀委員 東京多摩国体の成功に向けて、このジュニア育成地域推進事業が大きな役割を果たしたことが証明されたということであろうと思います。
 さて、去る九月八日未明、平成三十二年におけるオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京に決定いたしました。この東京五輪を盛り上げるとともに、これを契機に多くの子供たちが挑戦する精神や希望を抱き、体育競技に取り組むきっかけとするためには、我が国の特に地元東京育ちの選手が数多く出場し、活躍することが重要な要素となります。
 ジュニア育成地域推進事業は、東京多摩国体に向けてさまざまな競技の裾野拡大、それから有望選手の発掘、育成に大きな成果を上げたということは先ほどお話があったとおりでありますけれども、平成三十二年の東京五輪を視野に入れて、次年度、つまり平成二十六年度以降も引き続き実施していくべきだと思いますけれども、見解を伺います。

○早崎スポーツ事業部長 昨年のロンドン・オリンピックで多くのメダルを獲得した国では、少年少女のころから有望な選手を発掘し、的確に育成を図っていました。
 二〇二〇年東京オリンピックにおいて、多くの東京育ちのアスリートが首都東京を舞台に活躍するためには、都においても少年少女のころから計画的に育成していくことが必要であります。
 このジュニア育成地域推進事業は、子供たちが身近な地域でスポーツに取り組むきっかけを提供し、選手層を厚くするともに、二〇二〇年東京オリンピックで活躍が期待される有望なジュニア選手の発掘に有効であることから、今後とも実施し、子供たちの夢や憧れの実現につなげてまいります。

○古賀委員 この事業は当初、平成十八年度から始まったということは先ほどお話がありましたけれども、事業開始の折には、一応、国民体育大会までというやりとりがあったわけでありますけれども、今、これからも実施をしていきたいという前向きな答弁をいただきました。高く評価をしたいというふうに思います。
 東京多摩国体では、味の素スタジアムでの総合開会式、それからまた開催市では、私どもの日野市、それから武蔵村山市の二市の競技会場に天皇陛下、皇后陛下の行幸啓を仰ぎ、市民挙げて沿道、会場において奉迎、奉送を申し上げました。子供たちにも格別の忘れがたい思い出、心の財産が築かれたというふうに思います。
 この国体の成功をそれぞれの地域のまちづくりや多くの有望選手の輩出を目標として、事業が一層充実されることを願って私の質問を終わります。

○小竹委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスポーツ振興局関係を終わります。
 議事の都合によりまして、おおむね十五分間休憩といたします。
   午後三時四分休憩

   午後三時十九分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより生活文化局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求がありました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○桃原総務部長 去る九月十七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます平成二十五年文教委員会要求資料をごらんいただきたいと思います。
 表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、七件の資料がございます。
 一ページをお開き願います。1、私立学校経常費補助(一般補助)の生徒一人当たり単価及び全国順位の推移でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの過去五年間における私立学校経常費補助に係る生徒一人当たり単価及びその全国順位について学種ごとに記載をしております。
 なお、注の2に記載しておりますとおり、都では経常費補助のほか、耐震化を促進するための私立学校安全対策促進補助や、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助などにより、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減等を図っております。
 二ページをお開き願います。2、私立高等学校等授業料軽減助成事業の実績の推移でございます。
 都は、公益財団法人東京都私学財団を通じまして、私立高等学校などに通う生徒の保護者のうち、平均的な所得以下の保護者を対象に、所得に応じて授業料の一部を助成しておりますが、この事業の実績といたしまして、平成二十年度から平成二十四年度までの過去五年間におきます補助総額及び補助対象生徒数の推移を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、私立学校経常費補助における授業料減免補助実績の推移でございます。
 都は、家計状況の急変などの理由により、私立学校が生徒の授業料を減免した場合、私立学校経常費補助の中で、学校に対して減免額の一部を補助しております。
 この補助の実績につきまして、表の左側に記載の学種ごとに、平成二十年度から平成二十四年度までの過去五年間におきます補助校数等及び補助額の推移を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の実績の推移でございます。
 都は、私立幼稚園に通う幼児の保護者の負担軽減のため、区市町村が行う保護者負担軽減事業に係る経費の一部を補助しておりますが、その補助総額と補助対象となっている延べ幼児数につきまして、平成二十年度から二十四年度までの過去五年間の推移を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、私立学校の耐震化の状況でございます。
 平成二十五年四月一日現在の都内私立学校の耐震化の状況につきまして、表の左側に記載の学種ごとに全棟数と耐震性のある棟数、その割合でございます耐震化率を記載しております。
 六ページをお開き願います。6、東京都育英資金一般貸付の規模の推移でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの過去五年間につきまして、(1)に貸し付けの計画額及び実績額の推移を、(2)に表の左側に記載の区分ごとに貸付人員数の推移をそれぞれ記載しております。
 なお、平成十七年度以降は、新規の貸付事務を公益財団法人東京都私学財団に移管しておりますが、表中の括弧内の数値は、移管前に都が貸し付けを開始し、修業年限まで都が直接貸し付けを行っていたものを内数で記載したものでございます。
 七ページをお開き願います。7、都道府県別私立高等学校生徒納付金平均額でございます。
 平成二十四年度における授業料、入学料、施設設備費といった生徒納付金の平均額につきまして都道府県別に記載をしております。
 以上、簡単ではございますけれども、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしく審議のほどをお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神野委員 平成二十四年度の都内の消費生活相談窓口で受け付けた相談件数は約十一万八千件であり、ここ数年、高どまりの状況が続いています。
 最近の悪質事業者は、法のすき間を突くなど、ますます巧妙な手口を使うようになっており、例えば高齢者宅に電話をかけ、以前、世話になったので挨拶をしたいといって訪問の約束を取りつけ、必ずもうかるといったうそのセールストークにより、仕組みが複雑で実態が不明なCO2排出権取引に関する契約の勧誘を行い、数百万、中には数千万にも上る極めて多額な契約を結ばされるなど、高齢者を狙った詐欺的な投資勧誘が多発していると聞きます。
 そこでお尋ねしますが、こうした巧妙な手口を用いる悪質事業者に対し、都が最近行政処分を行った実例と課題を伺います。

○藤井消費生活部長 悪質事業者による消費者被害は、高齢者や若者を狙ったものが多発しております。
 高齢者を対象にしたものでは、老後への不安や判断力低下に乗じ、投資商品や健康食品の購入を勧誘する事例が、また、若者を対象にしたものでは、社会経験や知識の乏しさに乗じ、SNSやキャッチセールスで言葉巧みに勧誘する事例が数多く発生しております。
 具体的な処分等の事例でございますが、高齢者が被害に遭ったものでは、突然住まいに電話をかけ、注文を受けた健康食品ができたなどとうそを告げ、強引に商品を送りつけて購入させる健康食品送りつけ商法を行っていた事業者四社に対し、近隣県と合同で調査し、特定商取引法に基づく業務停止命令及び指示を行いました。
 また、若者が被害に遭ったものでは、SNSで仲よくなりたいなどとメッセージを送って誘い出し、高額な競馬投資ソフトを販売していた事業者に対し、ことし七月、特定商取引法に基づく業務停止命令を行いました。
 これらの悪質事業者の中には、法の取り締まりを逃れるため、短期間で社名を変えたり、他県に移転する者も多くなっております。
 このため、被害や手口の情報を迅速に収集し、適切に処分等を行うことが課題となっております。

○神野委員 従来の手法での悪質事業者の取り締まりが難しい場合もあるとすれば、これまで以上にさまざまなルートを通して情報を迅速に収集する工夫が必要なのではないでしょうか。
 さきの平成二十五年第三回定例都議会の一般質問においても、我が党は、消費者被害防止の必要性を指摘したところですが、その際、都における新たな取り組みとして、この五月に悪質事業者通報サイトを開設したとの答弁を得ました。
 そこで、この悪質事業者通報サイトを設置した理由及び運用の仕組みについて伺います。

○藤井消費生活部長 最近の消費生活センターに寄せられた相談の状況を見ますと、SNSなどネットでの被害を受けやすい若者は、行政窓口に相談をしない傾向が見受けられます。
 一方で、高齢者につきましては、新たな手口の詐欺的投資勧誘により、深刻な被害を受ける事例が急増しております。
 こうした状況から、悪質事業者に関する情報を迅速かつ具体的に収集し、消費者被害の防止につなげるため、これまでの消費生活センターの窓口に加え、新たな手段として、本年五月二十四日に、ホームページ「東京くらしWEB」に専用の通報窓口を試行的に開設いたしました。悪質な勧誘を受けた、被害に遭いそうになったなど、実際に被害に至らなかったものも含め、消費者から直接悪質事業者の手口や事業者に関する情報を具体的に通報いただくことになっております。
 また、通報の際には、詳細状況の聞き取り調査に協力が得られるよう、通報者の氏名、連絡先なども提供いただき、適切な処分に結びつくよう工夫しております。

○神野委員 どのような内容の通報がどれぐらい寄せられているかを伺います。

○藤井消費生活部長 十月末までに寄せられた通報は、約五カ月間で合計九十件ございました。広く若者から高齢者まで、さまざまな消費者被害に関する確かな内容の情報が数多く寄せられております。
 具体的な通報事例といたしまして、若者が被害を受けたものでは、SNSを利用して親しくなり、会う約束を取りつけて商品を勧誘するなど、インターネット絡みの手口による事例がございます。
 また、高齢者が被害を受けたものでは、訪問販売による不必要なリフォームの勧誘で被害者のご家族が通報した事例がありました。
 このほか、海外の通販サイトに購入の申し込みをしたが商品が届かない、また、相手方との連絡もつかないなどの事例もございました。

○神野委員 都内の消費生活相談窓口で受け付けた平成二十四年度の相談件数の約十一万八千件と比較して、約五カ月で九十件というのは非常に少なく見えますが、どのようにお考えでしょうか。また、このサイトに寄せられた通報の活用実績と今後の取り組みについて伺います。

○藤井消費生活部長 悪質事業者通報サイトは、虚偽や成り済ましの通報を排除し、取り締まりにつながる確実な情報の収集を目的として試行的に運用しております。
 このため、通報の際には、事業者名等の詳細な情報の入力を必要とするなど、複数の条件を求めているため、九十件という実績になったと考えております。
 いただいた情報をもとに、内容が悪質で取り締まりすべき事案につきましては、直ちに行政処分や行政指導の対象として、他の被害情報や事業者実態等の調査を進めております。既に事業者の事務所への立入調査にも結びつけました。
 また、国内法の適用が困難な海外のネット通販事業者によるトラブルなど、多くの通報が寄せられている事例につきましては、いち早く消費者被害の拡大防止に向けた情報提供が必要と考え、「東京くらしWEB」において注意喚起を行いました。
 今後とも、この通報サイトの意義を広く都民に訴え、より多くの情報を収集することで、さらなる行政処分、行政指導につなげるとともに、消費者被害防止に向けた注意喚起を行うなど、サイトを活用した悪質事業者対策に積極的に取り組んでまいります。

○神野委員 悪質事業者通報サイトの開設から約半年が経過しましたが、この間に都民からさまざまな情報が寄せられ、この通報に基づき、消費者被害の防止に向けた取り組みが行われていることがこれまでの答弁により理解できました。
 そこで要望ですが、この通報サイトはさらなる発展が期待できるシステムであると思いますので、例えば事業者名がわからなくても、都民が悪質な勧誘を受けた場合に、その手口を通報することができるようにするなど、工夫をしていただきたいと思います。都民からの具体的な手口の通報を迅速に注意喚起情報として提供していただくことで、消費者被害の未然防止が図れると考えます。このサイトが発展的に改善され、悪質事業者の取り締まりの強化と注意喚起の拡大による健全な市場形成に生かされることを期待しております。
 私たちは、日々の暮らしの中で、思いがけない事故に遭遇することがあります。介護ベッドの手すりに首が挟まったり、子供服のフードが遊具にひっかかり首が絞まった、立体駐車場のすき間に挟まれたりなどと、身の回りでさまざまな事故が発生しております。
 先日、テレビや新聞で、ブラインドのひもが子供の首に絡まって窒息するなどの事故が相次いでいるということから、都がブラインドのひもの安全対策に取り組むというニュースを見ました。ブラインドのひもで乳幼児の死亡事故が起きている事実を知って非常にショックを受けています。日ごろ、何げなく使用している商品による事故を防ぎ、暮らしの安全を守ることは行政の重要な役割の一つですが、子供の事故防止を含め、商品等の安全対策は、本来的には全国的な問題です。
 東京都では、ブラインド等のひもの安全対策について取り組んでいるとのことですが、検討状況について伺います。

○藤井消費生活部長 都はこれまで、商品等による事故が顕在化、重大化する前からいち早く情報を収集し、調査分析の上、国などに先んじて迅速に商品等の安全対策に取り組んでまいりました。
 特に、子供の安全対策に重点を置き、学識経験者、消費者団体、事業者団体から成る東京都商品等安全対策協議会で対策を検討してまいりました。今年度は、ブラインド等のひもの安全対策をテーマとして第一回の協議会を十月に開催し、国内外の事故事例や海外の規制状況などについての意見交換を行いました。
 各委員からは、商品に表示してある注意書きだけでは不十分であり、商品構造そのものを見直すべきである、また、統一基準づくりが必要であるとの意見がございました。さらに、ブラインドのひもに関する乳児の死亡事故について消費者庁が把握していなかったことが指摘され、今後、医師や警察などとの情報共有の徹底が図られるべきとの要望がございました。
 今後、協議会では、ブラインドを使用している家庭における事故実態を把握するため、千人規模のアンケート調査を実施するとともに、事故の再現実験を行い、事故の原因分析や事故防止用の安全器具の有効性などについて検証していきます。
 これらの結果や欧州等の規制基準なども参考にしながら、来年三月までに有効な対策について取りまとめを行う予定でございます。

○神野委員 委員から的確な指摘がなされるなど、協議会での議論は大変有意義なものであったことがうかがえます。しっかりと対策を検討していってほしいと考えます。
 商品等安全対策協議会の提言を踏まえ、今後、都はどのように安全対策に取り組んでいくのかを伺います。また、協議会の委員からの指摘にもあるように、商品等に起因する死亡事故などの重要情報は国で的確に把握し、早期の安全対策につなげていくことが重要であり、都として強く求めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○藤井消費生活部長 今後、商品等安全対策協議会からの提言を受けまして、都として国や事業者団体に対して商品改善や基準づくりなどを要望するとともに、消費者への注意喚起を実施していく予定でございます。
 また、死亡事故を初めとする危害情報の集約や安全対策は、本来、他省庁との調整や事業者指導の権限を有する消費者庁において関係機関との情報共有が的確に行われることが重要であります。
 都は、商品等の安全対策に対する国としての責務を十分果たせるよう、消費者庁に対しまして、事故情報の共有化の徹底と対策への取り組みについて早期に強く働きかけをしてまいります。

○神野委員 昨年十月に発足した、暮らしにかかわる事故原因を消費者の視点で解明する消費者庁の消費者安全調査委員会、いわゆる消費者事故調では、いまだ思うような成果が上がっていません。こうした状況の中で、都の商品等安全対策協議会の果たす役割は非常に大きいと考えます。
 次代を担う子供が痛ましい事故の被害者とならないためにも、有効な対策が講じられるよう、今後の取り組みに期待して質問を終わります。

○上野委員 私からは、初めに、配偶者暴力対策について何点か質問いたします。
 警察庁が本年三月に発表しました全国の配偶者からの身体に対する暴力、または生命などに対する脅迫を受けた被害者の相談などを受理した件数は、平成二十四年で四万三千九百五十件と、配偶者暴力防止法施行後最多となっております。本年に入ってからも、伊勢原の女性死傷事件や、栃木県真岡の配偶者暴力被害者の母親殺害事件など、配偶者暴力にまつわる悲惨な事件を目にすることも多くなっております。
 そこでまず、都内における配偶者暴力に関する相談件数について、最近の状況をお尋ねします。

○斎田男女平等参画担当部長 都内における相談件数は、都が設置している配偶者暴力相談支援センターや、警視庁、区市町村の相談と合わせると、平成二十二年度が約三万五千件、平成二十三年度が約三万六千件、そして平成二十四年度が約三万八千件と年々増加しております。とりわけ、都民にとって身近な相談窓口である区市町村における相談件数は、平成二十四年度で約二万七千件と、区市町村の調査を始めた平成十五年度と比較すると約二・四倍となっております。

○上野委員 ただいまの答弁でもわかりますように、区市町村における相談がふえてきているということでございます。大事なことは、悩める都民が少しでも早く相談できるようにすることであります。また、受けた相談を適切な支援につなげていくことだと思います。そのためには、身近な地域で適切に相談が受けられる体制、これをつくっていくことが重要であると考えております。
 そこで、区市町村の相談体制を強化するために、都は、人材育成面での支援を行っていく必要があると考えますが、所見を求めます。

○斎田男女平等参画担当部長 都は、区市町村における相談体制の強化のため、人材育成への支援を行っております。
 東京ウィメンズプラザにおいて、被害者支援に関する法制度から実際の支援で生かせる具体的な知識まで、専門的スキルの習得を目的とした職層別の研修を行っています。
 具体的には、新任相談員を対象とした基礎研修や、関係機関の調整を行うベテラン職員に向けたコーディネート研修など、職歴や経験に応じた多様な研修を実施しております。
 また、平成二十四年度には、研修に参加が困難な相談員向けに、配偶者暴力が被害者に与える影響や支援のための法制度、適切な支援の流れなどを盛り込んだDVDを作成し、配布したところでございます。
 さらに、困難事案への専門的助言を行うとともに、相談員自身の心理的負担の軽減を図るため、臨床心理士などの専門家による勉強会を毎月開催しております。

○上野委員 今ご答弁にありました、昨年度はDVDを作成していると。さらには、臨床心理士などの専門家による勉強会も毎月やっていると、こういうことでございまして、さすがに区市町村に対して手厚い支援を行っているということで評価したいと思います。
 相談までたどり着かず、一人で悩んでいる人もまだまだ大勢いると思います。そもそも配偶者暴力は、外部からの発見が困難な家庭において起こる。その上また、被害者本人に暴力を受けているという認識がないということも多いと伺っております。発見がおくれ、被害が潜在化、深刻化する傾向がある中で、被害者の適切な支援を行うためには、被害の早期発見が非常に重要になるわけであります。
 そうした中で、早期発見や通報、被害者に対する情報提供など、積極的な役割が期待されるのが、通常、通院等で行われている患者のけがなどの症状から、配偶者からの暴力被害を発見しやすい立場にある医療関係者であると思います。
 そこで、医療関係者が、潜在する被害者を適切に支援機関につなげていけるように、都は、配偶者暴力被害の早期発見に向けた医療関係者への取り組みを積極的に行うべきと考えますが、所見を求めます。

○斎田男女平等参画担当部長 被害者を早期に発見し、適切な支援へとつないでいくためには、医療関係者の役割が重要であります。
 このため、都はこれまで、医師、看護師等の医療関係者に対し、被害の早期発見と適切な初期対応についての研修を実施するほか、配偶者暴力に関する基礎的知識や心構え等を掲載した支援者向けのハンドブック等を配布してまいりました。
 今年度、新たに医療関係者向けに問診、診察時の具体的な留意点やカルテの記載例、通報や情報提供など医療機関ができる支援などを盛り込んだマニュアルを作成し、都内全医療機関約一万三千カ所に配布する予定です。作成に当たっては、病院経営本部や福祉保健局など、支援に携わる庁内関係部署と連携し、検討を行った上で、東京都医師会にご協力いただくこととしております。
 被害者の生命を守るため、配偶者暴力の早期発見と迅速な支援に向け、医療機関を初め、関係機関と連携した取り組みを今後とも積極的に推進してまいります。

○上野委員 今のご答弁で、今年度、新たに医療関係者向けに医療機関ができる支援などを盛り込んだマニュアルを作成し、配布する予定ということでございます。こうした配偶者暴力被害者支援における医療機関、医療関係機関と連携した、そうした取り組みに対しまして、私は評価したいと思います。今後とも関係機関と連携した積極的な推進を大いに期待しまして、次の質問に移ります。
 一月ほど前のことになりますが、新聞などで東京五輪詐欺と名づけた、新たな手口による消費者トラブルの報道がされていました。開催が決まった東京五輪の入場券がもらえるなどといって、高齢者宅などに投資や株の取引を勧誘する不信な電話がかかってきているのだそうでございます。各地の消費生活相談窓口に相談が寄せられており、実際に二百万円をだまし取られる被害も発生しているとのことであります。
 このように、悪質事業者は、ちまたで話題となっている出来事を巧みに悪用するなどして、次々と新たな手口で消費者に近づいていきます。消費者被害を防ぐためには、悪質事業者を厳しく取り締まっていく必要があるのはもちろんのことでありますが、消費者が知識を身につける。こういうことで自分の身や家族など、親しい人たちを守れるようになるわけでありまして、そのために消費者教育を進めていくことが必要である、こう考えます。
 そこで、都の消費者教育の取り組みについて何点か質問していきたいと思います。
 まず初めに、都がことし三月に改定しました東京都消費生活基本計画では、消費者教育を推進するため、地域協議会の設置や推進計画の策定に取り組むとしておりますけれども、現在の状況についてお尋ねします。

○藤井消費生活部長 昨年十二月に施行された消費者教育推進法では、対象者の年齢や特性に応じた体系的な消費者教育を推進するため、都道府県における推進計画の策定や、関係機関が情報交換等を行う地域協議会の設置について定めております。
 この法の趣旨も踏まえ、都は、学識経験者、消費者団体、事業者団体や庁内関係部署など関係団体等が連携強化を図り、効果的な消費者教育を実施していくため、いち早く、本年五月に東京都消費者教育推進協議会を設置いたしました。
 また、学校、地域、職場など、さまざまな場において体系的な消費者教育を積極的に推進していくため、協議会の意見をいただきながら、八月には、全国に先駆けて、平成二十五年度からの五カ年計画である東京都消費者教育推進計画を策定いたしました。
 さらに、平成二十五年度に実施する具体的取り組みを東京都消費者教育アクションプログラムとして取りまとめ、早速推進を図っているところでございます。

○上野委員 消費者教育推進計画に加えて、新たに東京都消費者教育アクションプログラムを策定したということでございますが、具体的にはどのような内容なのかお尋ねいたします。

○藤井消費生活部長 お答えいたします。
 本年度に策定した東京都消費者教育アクションプログラムは、都における消費者教育の効果的な推進を図るため、ひとり暮らしの高齢者が多いことや、大学、企業の集積などにより、若者が多く集まることなどの東京の地域特性を踏まえまして、高齢者の消費者被害の防止、若者の消費者被害の防止など、優先的に取り組むべき課題について、今年度に実施する具体的取り組みを取りまとめたものでございます。
 取り組みの例といたしましては、高齢者の消費者被害の防止については、高齢者が多く集まるイベントなどで、悪質商法の手口や対処法を芝居形式でわかりやすく伝える啓発事業、若者の消費者被害の防止については、企業の新入社員研修等に都が要請した講師を派遣する出前講座など、新たな場にこちらから出向き、さまざまな手法による消費者教育を実施してまいります。
 プログラムの内容は、取り組みの効果を検証しながら、東京都消費者教育推進協議会の意見を踏まえまして、毎年度見直しを行い、消費者教育の積極的な推進を図ることとしております。

○上野委員 アクションプログラムでは、高齢者の消費者被害の防止を優先的に取り組む課題としているとのことでございますが、先ほど申し上げた東京五輪詐欺の被害に遭った方も七十代の方だったということでございます。
 都が先日公表した東京の人口推計では、今後、東京では高齢化が一層進行して、十二年後の平成三十七年には、都民の四人に一人が高齢者になるということでございます。長寿は喜ばしいことですが、高齢に伴う記憶力や判断力の衰えにより、悪質事業者に狙われると、また被害に遭ってしまうという方もふえてくるのではないかと心配しているところでございます。
 そこで、高齢者の消費者被害防止に向けた都の取り組みについてお尋ねします。

○藤井消費生活部長 高齢者の被害防止のためには、高齢者自身への消費者教育とともに、高齢者を見守るという観点から、家族や介護事業者などへの消費者教育を行っていくことが重要であります。
 そのため、都は、高齢者や家族など、周囲の人を対象として、毎年九月に、近隣自治体と連携し、交通広告や啓発用リーフレットの配布など、被害防止キャンペーンを実施するほか、企業等に対し、高齢の親を持つ社員への研修等の機会を設けるよう働きかけるなどの取り組みを行っております。
 また、同じ高齢者に多発している振り込め詐欺被害の防止に向けた警視庁の啓発活動との連携を強化しており、今月二十一日には、日本証券業協会などの民間団体も加わり、初めて合同で街頭での啓発活動を実施いたします。
 さらに、地域における高齢者の見守り体制の強化などにもつなげるため、ホームヘルパーやケアマネジャー等の介護事業者や、民生委員を対象として、被害発見の留意点や対応策などにつきまして、出前講座を実施しております。

○上野委員 都が高齢者の被害防止に向けてさまざまな取り組みを行っているということは、今のご答弁でよくわかりました。
 ただ、高齢者の被害がなかなか減らないことを考えますと、現在の取り組みに甘んじず、より効果的な消費者教育を行っていく工夫を凝らしていくべきと考えますけれども、見解を求めます。

○藤井消費生活部長 最近の悪質事業者の特徴として、お話にございました東京五輪詐欺のように、その時々の話題の出来事などを悪用して消費者に近づき、だまそうとするなど、ますます巧妙化が進んでおります。特に都内では、実在しない海外不動産への投資を勧誘するなど、詐欺的な手口による新手の消費者被害に関する相談が寄せられております。
 都はこれまで、さまざまな消費者教育に取り組んでまいりましたが、消費者被害の防止に向けては、次々と変わっていく悪質事業者の新たな手口について継続的に情報提供をするなど、より効果的な消費者教育の方法等について検討し、実践していく必要がございます。
 そのため、都は今年度、東京都老人クラブ連合会などの協力をいただき、会員である高齢者を対象に、悪質商法による被害経験や、希望する消費者契約の方法や、テーマなどに関する調査を実施しております。この分析の結果を踏まえまして、高齢者に対する効果的な消費者教育の手法の検討などに生かしていく予定でございます。
 今後は、老人クラブ連合会や民生児童委員連合会など、高齢者に関連する団体などとも連携を強化しながら、一層効果的な消費者教育を展開してまいります。

○上野委員 都が高齢者の消費者教育を進めていくに当たり、当事者の声を聞き、取り組みに反映させていくということは大変重要であると考えます。
 今後、高齢者や高齢者を見守る団体などとの連携も強化していくとのことでございますが、より多くの高齢者や周囲の方が実際に被害防止につながるような消費者教育を受けられるよう積極的に進めていただくよう要望いたします。
 次に、芸術文化を活用した被災地支援のこれまでの取り組みについて、何点か質問いたします。
 震災から二年が経過しましたが、いまだに被災地では復興途上にあります。特に、被災者の心の傷は深く、時間が経過してもなかなか癒えることはないと思われます。
 そこで都では、震災後すぐに現地へアーティストを派遣し、芸術文化を活用して、被災者の心のケアを行ってきましたが、芸術文化を活用した被災地支援のこれまでの具体的な取り組みとその成果についてお尋ねします。

○関文化振興部長 都は、震災後直ちに、被災三県に東京都交響楽団やヘブンアーティストを派遣するとともに、地元自治体やNPOなどと連携し、芸術文化を活用した事業を展開してまいりました。昨年度までに、仮設住宅や小学校を会場といたしまして、東京都交響楽団では延べ五十三公演で約一万七千人、ヘブンアーティストでは延べ三十六公演で約六千七百人の人が参加をしています。
 また、岩手県大槌町では、復興を担う若者向けに、まちづくりの講座を開催するひょっこりひょうたん塾など、地域と連携した被災地支援事業につきましては、昨年度までに述べ三十七プログラムを展開しております。
 こうした取り組みは、被災地の人々の傷ついた心を癒やすとともに、地域のネットワークの強化やコミュニティの再生、まちづくりを担う人材の育成など、地元の復興につながっております。

○上野委員 震災後、都が速やかに地元と連携し、地元ニーズを踏まえながら、被災地の人々の心のケアに積極的に取り組んでこられたことはよくわかったわけであります。そうした都の取り組みが人々を勇気づけ、地域の交流を深めていくことにつながっていると。大変意義深いものであります。そうした取り組みを、私は高く評価したいと思います。
 ところで、現在も被災地の復興は進められており、それぞれの地域の状況に応じた支援も必要であります。
 そこで、被災地支援に当たり、地域の状況に応じて具体的にどのように取り組んでいるのかお尋ねします。

○関文化振興部長 芸術文化を活用いたしました被災地の復興支援につきましては、各県ごと、また、地域ごとに異なる実情を踏まえた効果的な取り組みを展開することが重要であります。
 岩手県、宮城県では、引き続き都が事業を主催するとともに、既に都の事業を通じて地元としての取り組みが進んでいるエリアでは、企画協力や人材派遣などの新たな活動支援を開始しております。
 一方、福島県では、東京都が主体となり、復興を後押しする取り組みを継続しています。今年度はヘブンアーティストについて公演日数をふやしますとともに、現地の夏祭りと連携した公演を実施しております。
 また、地域と連携した取り組みの事業数をふやし、例えばいわき市の小名浜では、商店街に漁業復興の願いを込めた仮設の美術館をつくる事業を開始するなど、取り組みの充実に努めております。

○上野委員 いうまでもなく、被災した人々が真に必要とする支援を行うことが大切であります。そのために都が、地元のニーズ、夏祭りとか本当ににぎやかで、皆さんの喜ぶ姿というのが目に浮かびます。こうした取り組みがやっぱり大事ですね。そうした地元のニーズや地域の状況にきめ細かく対応しながら取り組みを充実させていらっしゃる。これは重ねてまた評価したいと思います。
 被災地の復興には今後も中長期にわたって取り組んでいくことが必要であり、特に、被災した人々の心を癒やし、勇気づけるためには、今後とも継続的な支援を続けていくことが重要でございます。
 そこで最後に、今後、芸術文化を活用した被災地支援について、都はどのように取り組んでいくのかお尋ねし、質問を終わります。

○関文化振興部長 東日本大震災の甚大な被害により失われた地域や日常生活を取り戻すためには、瓦れきの撤去、建物や道路の復旧といったハード面だけではなく、傷ついた心を癒やし、生きる希望を取り戻す心の復興を支援することが必要であります。しかし、震災から二年半が経過しても、仮設住宅や復興住宅などの不自由な生活環境が続く中では、簡単には心の復興はなし遂げられません。そのため、文化の力で地元を支える継続的な取り組みが今もなお重要でございます。
 今後とも東京が有するアーティストや芸術文化団体など、多様な文化資源の蓄積を生かした支援を行うことができますよう、被災地のニーズや地域の状況の的確な把握に努めますとともに、地元自治体やNPOとの連携を強化してまいります。

○里吉委員 まず、資料の作成、ありがとうございました。
 私からは、まずオーケストラの事業について伺っていきたいと思います。
 オーケストラについて伺ってまいります。
 文化芸術活動は、人類の創造性の発揮であり、自由な表現であり、また、私たちの心を豊かにし、社会に活力を与えてくれる営みです。文化芸術活動には、営利企業に担われる活動と非営利組織により担われる活動が共存し、これらは歴史的な文化の蓄積を共通基盤とし、相互に連関して影響し合いながら、相乗効果を発揮しながら日本の文化の発展を支えていると思います。
 オーケストラが公演チケットを販売し収入を得る、いわゆる興行でありながら、公益財団法人として活動しているのは、その活動が非営利であるだけでなく、公益性があると広く認知されているからだと理解しております。
 都内のオーケストラも、定期演奏会などホールでの演奏を初め、都内の小中学校などに出向いたり、時には東京都や市区町村とも協働して、都民や子供たちに対し、音楽を楽しむ機会を提供しています。テレビなどでもオーケストラの演奏を聞きますが、やはり本物の迫力は違います。私も小学生のときに初めてオーケストラの演奏を聞いたときのこと、その感動は鮮明に記憶に残っております。
 そこでお伺いしますが、都として、都内オーケストラの力をかりた事業や、都内オーケストラを支援する事業にはどのようなものがあるのか伺います。

○関文化振興部長 東京には、東京都交響楽団を初めといたしまして、NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団など、日本オーケストラ連盟の正会員である九つのオーケストラが活動をしております。
 こうしたオーケストラと連携して実施している事業といたしましては、都民が質の高い公演を気軽に楽しめるように、さまざまな文化団体と協力して行っている都民芸術フェスティバルにおけるオーケストラ公演のほか、子どもたちと芸術家の出あう街、フレッシュ名曲コンサートなどの事業がございます。

○里吉委員 今ご説明いただきましたように、いろいろな事業に取り組んでいることがわかりましたが、その中の一つ、子どもたちと芸術家の出あう街についてお伺いしたいと思います。
 この事業は、主催は東京都、都の歴史文化財団、子どもたちと芸術家の出あう街実行委員会の三者で、池袋の東京都芸術劇場でオーケストラの演奏会があったり、ワークショップということで、バレエや美術や合唱、楽器、書道、落語など、さまざまな芸術の体験活動があると。落語や人形劇など、さまざまなコンサートがあり、子供たちが多彩に芸術に触れることのできる事業と伺っております。
 会場も芸術劇場だけでなく、アウトリーチとして多摩地域のホールや小中学校、保育園などにもアウトリーチ、出前企画のようなものも行っております。本物の芸術に生で出会う、これをコンセプトに、毎年多くの子供たちが芸術家とともにさまざまな音楽体験をし、大変喜ばれていると聞いております。
 この子どもたちと芸術家の出あう街の内容、参加人数の推移などを教えてください。

○関文化振興部長 子どもたちと芸術家の出あう街は、オーケストラなどと触れ合うことにより、子供たちが芸術文化による創造の喜びを理解し、文化を生み出す心を育むことを目的といたしまして、平成十六年度から事業を開始しております。
 都と東京都歴史文化財団の共催事業といたしまして、在京オーケストラの協力も得まして、東京芸術劇場でオーケストラ公演を行うとともに、バレエなどのワークショップや楽器教室など体験型事業を実施しております。
 参加者でございますが、平成二十一年度は約四千人、二十二年度は東日本大震災の影響もございまして千百人に減少いたしましたが、二十三年度は五千四百人、二十四年度は五千人となっております。

○里吉委員 大変多くの子供たちが参加をし、しかも参加人数もふえているということがわかりました。この事業は、主催は、先ほど申し上げた東京都や歴史文化財団、事業の実行委員会ですけれども、企画は、例えば昨年度は、東京フィルハーモニー交響楽団が行っていました。聞くところによりますと、東京オーケストラ事業協同組合、日本フィルハーモニー交響楽団や東京交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、こういうもので構成されている団体だそうですが、この組合の四つのオーケストラが持ち回りで企画を担当しているということでした。
 事業団の方にお会いしてお話を伺いましたけれども、四団体が持ち回りということで、前年よりもよりよいものをつくろうと、いわば競い合うような形で年々質も向上して、そういった意味でも喜ばれているということでした。
 同時に、開催場所が二十三区内の池袋ということで、多摩地域では、昨年度はアウトリーチの一つとして、パルテノン多摩でピーター・フランクルさんの大道芸をやったそうですけれども、多摩地域の子供たちにも、もっと芸術に触れる機会を提供したい。アウトリーチとして、学校へのアンサンブルや人形劇の派遣なども、もう少し大きな編成で多彩に作品に触れられるようにしたいというようなこともおっしゃっていました。
 こういうことも含めて、この子どもたちと芸術家の出あう街について、より大規模に幅広く実施できるように充実していただきたいと思うのですが、都の見解を伺います。

○関文化振興部長 本事業は、事業開始から十年目を迎えた今年度、ここ数年の参加者の増加状況や要望を踏まえまして、事前の申し込みがなくても楽しめるイベント数をふやすなど工夫をしております。

○里吉委員 なるべく触れる機会をふやそうということで、いろいろな工夫をされているというご答弁をいただきました。そういう積極的な取り組みの一つとして、今いったようなアウトリーチ事業、オーケストラやアンサンブル、そういった、特にオーケストラは人数が多いですから、それを派遣するとなると、ちょっと費用の方もやっぱりかかってしまうと思うんですけれども、そういうことも拡充できるように今後は検討していただきたいと思います。
 また、この事業の対象は、基本的には中学生以下ということで、ほかの東京都の事業などもちょっと調べてみましたけれども、高校生まで対象にしたものはちょっと少ないんじゃないかなというふうに感じております。
 今後は、ぜひ高校生を対象にした新しい事業を実施するなど、若い世代が文化芸術に触れる機会もふやしていただきたいということを要望しておきます。
 次に、フレッシュ名曲コンサートについて伺いたいと思います。
 これは、都民名曲サロン、そしてフレッシュ名曲コンサートと名前を変えながら、二十五年もの間続いている事業と伺っております。歴史文化財団と区市町村との共催で、都民が身近なホールで、お手ごろな料金で一流のオーケストラの名演奏を楽しめる企画と、また、東京音楽コンクールの入賞者を初め、次代を担う新進気鋭の音楽家に出演してもらい、その育成を支援する企画になっていると伺っております。
 この企画なんですけれども、今年度は二十七カ所が予定されているなど、毎年いろいろな市区町村で二十数カ所、都内各地で公演を行っているんですが、東京都の補助金がこの数年間同額ということで、公演数がふえると、一公演当たりの単価が下がってしまうということも伺いました。これ、公演数に応じて補助額をふやすべきではないかと思うのですが、都の見解を伺います。

○関文化振興部長 フレッシュ名曲コンサートは、都民が身近な地域でクラシックコンサートに親しむ機会を提供するとともに、オーケストラとの共演により、新進音楽家の育成を図ることを目的とするものでございまして、東京都歴史文化財団が公演を希望する区市町村と共催して事業を実施しております。
 東京都歴史文化財団が出演料、会場使用料等の一部を負担しておりますが、この間、公演を希望する区市町村は毎年二十五件程度で安定的に推移していることから、引き続き同規模の支援を継続してまいります。

○里吉委員 大体毎年同程度の件数で推移しているということでしたけれども、これは区市町村の方にもぜひこれを拡大してほしいということもいいながら、東京都としても支援を充実していただきたいということは要望しておきます。
 それで、冒頭、オーケストラは非営利で公益性のある団体だと申し上げましたが、同時に、公的な支援が必要な団体でもあります。公演、演奏は百人近い演奏家が必要なわけですが、だからといって、チケット代を人数に見合うように高く取れるわけではありませんから、そういった構造的な問題もあります。
 日本のオーケストラの多くは、拠点とする地域の自治体の助成を受けておりますけれども、東京都の中で、こうした補助を受けているのは東京都交響楽団だけで、先ほど子どもと芸術家の出あう街でご紹介したオーケストラ事業協同組合に所属するオーケストラは、自治体からの助成や援助のない数少ないオーケストラです。こういったオーケストラの方々が、今、多くの都民や子供たちに豊かな文化芸術活動の機会を提供しているわけですから、東京都として、こういうところにも積極的な助成や支援も最後に要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次は、私立学校の学費の問題です。
 まず、私立高校の学費、今回は特に入学金への支援について伺っていきたいと思います。
 初めに、一九六六年に国連で採択された経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約にのっとり、海外では、皆さんご存じのように、多くの国が日本の高校に当たる後期中等教育、無償化されております。
 日本政府は、二〇一二年九月、批准を保留していたこの無償教育導入の条項について、これを撤回するという宣言を行いました。これは、高校、大学の無償教育を進めていくという国際的な宣言となるものです。親の経済力にかかわらず、将来を担う子供の学びを社会全体で支えるという理念があります。国の高校授業料無償化に対し、所得制限を導入するという方向は逆行であり、認められません。教育費の無償化の流れを進めることとあわせて、最優先に対応が求められているのは、いうまでもなく、低所得家庭で教育を求めている子供たちへの対応だと思います。
 生活保護世帯の生徒が私立高校に通う場合、国や東京都の制度により、基本的には授業料は無償となっております。それでも、入学金が高いことで高校入学をちゅうちょする生徒が少なくないと。親も含めてですけれども、こういうことをある私立高校の先生から伺いました。
 東京都は、私立高校に入学する生活保護世帯の生徒さんに対して、どのような入学金の支援を行っているのか伺います。

○武市私学部長 都は、私立高校に入学する生徒の保護者の負担軽減を図るため、東京都私学財団を通じて、入学時に必要な費用のうち、二十万円を無利子で貸し付ける入学支度金貸付制度を行っております。

○里吉委員 貸付制度しかないというお答えでした。ほかの自治体では給付型の支給も行っているところもふえている中で、東京都の制度はおくれているといわざるを得ません。
 それでは、この入学支度金貸付制度、どれだけ使われているのか、過去三年間の実績を伺いたいと思います。
 それから、二十万円ということでしたけれども、現在、都内私立高校の入学金、平均二十五万円程度というふうになっていますが、なぜ上限が二十万円なのか、この金額でずっと据え置かれているんじゃないかと思うんですが、いつからこの金額なのか、あわせてお答えください。

○武市私学部長 過去三年間の貸付実績でございますが、平成二十二年度は千六十六人、二十三年度千三十人、二十四年度千三十八人となっております。
 貸付額は、昭和六十二年度から二十万円としており、当時の入学金平均額であります約二十一万円に相応する金額としたものでございます。

○里吉委員 二十年以上もこの金額が据え置かれているということがわかりました。
 足りない分どうしているのかということですが、私もご相談を受けたことがありますが、福祉資金など、ほかの貸し付けを使って入学金を工面している生徒さんもいらっしゃるわけですね。入学支度金貸付事業は、そもそも貸し付けですから返さなければいけないわけで、都内私立高校の平均入学金にも満たない現状、まずこれは改善すべきだと思いますし、さらなる支援も、今、検討する時期に来ているのではないかと思うのですが、都の見解を伺います。

○武市私学部長 都は、学校に対する経常費補助を初めといたしまして、特別奨学金や育英資金などの幅広い施策を総合的に活用し、私立高校の修学上の保護者負担を軽減しております。
 例えば、生活保護世帯の生徒が私立高校に入学する場合、入学支度金、特別奨学金、育英資金、国の就学支援金を全て利用いたしますと、年間約百四万円が手当てされることとなります。都内私立高校における平成二十五年度の初年度納付金平均額は約八十八万円でございますので、修学上必要な費用は賄えるものと考えております。

○里吉委員 今ご答弁いただいたうち、入学支度金、育英資金貸付、これで足りるから大丈夫というのは本当に冷たい答弁だと思うんですね。入学金として給付している自治体もあるということで最初にお話ししましたけれども、今、世界の流れ、二〇一二年九月に批准を留保していた無償教育導入の条項について撤回する宣言を行ったわけですよね。ですから、東京都として国に対しても物をいう必要があると思いますし、東京都としても、借金を負わなければ高校に行けないというのは解決しなくちゃいけない問題というふうに問題意識を持っていただきたいと思うんです。
 きょうは入学金の問題を取り上げましたが、我が会派でこれまでも何度も取り上げてきたと思うんですけれども、公立高校であろうと、私立高校であろうと、やはり世界の流れ、批准したわけですから、無償化の方向に向かうべきです。これは世界の流れなんですよ。批准していないところが少ないんですよ。東京の高校生の六割が私立に通っているわけですから。
 いただいた資料でも、育英資金を借りている生徒は、国公立の生徒利用数は横ばいでしたけれども、私立高校は五年間だけで二千三百六十一人から三千五百七十二人へと千二百十一人ふえています。都として、私立高校の入学金について、貸し付けではなくて、給付による支援策を講じるように改めて強く求めて次の質問に移ります。
 今度は、私立高校でふえ続けている非正規の教員の問題についてです。
 以前は、高校の教師といえば、正規で働いているのが当たり前で、選択科目や正規の先生だけでは中途半端にあいてしまう何こまかを受け持つ講師の先生が少人数いるというイメージでしたが、今やその状況は大きく崩れております。私立の高校で、非正規の先生、一年契約の先生や人材派遣会社からの派遣の先生がふえているということが新聞やテレビでもたびたび取り上げられております。
 そこで、まずお伺いしますが、東京都内の私立高校で非正規の先生、非常勤の先生や常勤の先生がどれくらいいるのか、つかんでいるのかお伺いします。

○武市私学部長 学校教育法におきまして、正規、非正規の概念はなく、学校教育行政に必要な基本事項を調査する学校基本調査におきましても調査を行っておりません。

○里吉委員 全く調査をしていないということでした。お答えの中に概念がないというお言葉があったんですけれども、現実問題としては、学校現場で非正規の先生がふえているということが社会問題にまで今なっているということは認識していただきたいと思うんです。
 それで、東京都私立学校教職員組合が、今年度の春の常勤教員、フルタイムで勤務する先生の採用状況を調査したところ、四十三の中高ですけれども、専任教員としての採用、いわゆる正規採用が七十五人だったのに対して、一年など期限つきの契約社員のような採用の教員は九十二人という結果でした。多分これ、生徒さんも、それから保護者の方もわからないと思うんですね。毎日学校に通っているけれども、担任も持っているけれども、正規の雇用の先生と同じ仕事をしている先生の中に、今、確実に非正規の教員がふえているのが実態です。
 次に、この非正規の教員がふえていることと、私学助成との関係について少し考えてみたいと思うんですが、東京都の私立学校経常費補助の一般補助には、教職員数に応じた補助がありますけれども、どのような制度なのか伺います。

○武市私学部長 私立高等学校に対する経常費補助金の一般補助における教職員数に応じた補助額は、法律に定める方法によりまして、各学校の規模に応じた標準となる教職員数を算出した上で、その人数の範囲内で実際に各学校に在籍する本務教職員の数に基づいて算定をしております。

○里吉委員 まず、基準となる教職員数を算出した上で、本務教員数の数に基づいて算定するというお答えでした。ここでいう本務教員の数で金額が決まるということなんですが、これは正規雇用の先生のことでしょうか、伺います。

○武市私学部長 経常費補助金の算定に用いております本務教職員は、各年度五月一日時点におきまして、各学校法人が定める教職員としての勤務条件に係る就業規則等が適用され、所定の給与額が支払われること、学校法人が加入している私立学校共済組合等に加入していること、一週間当たり五日以上勤務していること等の要件を全て満たす者としております。

○里吉委員 それでは、例えば一年契約などの有期雇用であっても、週五日勤務ですとか、私学共済への加入とか、今お話ししたような条件を満たしていれば、この本務教職員になるということでいいんでしょうか、確認いたします。

○武市私学部長 先ほど答弁いたしました要件を全て満たしていれば本務教職員となります。

○里吉委員 有期雇用、期限つきの非正規の教員であっても、本務教職員と算定されることがわかりました。
 この有期雇用の教員がふえることによる問題は何かと。例えば、契約があるので、来年いられるかわからない中での指導が難しいですとか、短期間で結果を出そうとする傾向が強くなる、無理な指導が体罰につながる可能性もある、保護者の評価を気にして、逆に指導を手控えるなど、生徒に不利益になる可能性も高いとの指摘もあるんですね。やはり教育の質によくない影響があるということが指摘されているわけです。社会問題になって、テレビや新聞で報道されているわけなんですね。
 これ、問題だという人がふえているんですけれども、実際に、そもそも教育とは、人間に対する人間の営みですから、安定した人間関係が築けないと、子供ときちんとしたコミュニケーションがとれないと思うんですね。子供の人格形成などへの影響は、これははかり知れないと思いますよ。
 私立学校経常費補助金のうち、教職員割といわれる部分は、本務職員一人当たり、公立高校教諭の平均給与額、当然、正規の先生の給与額ですけれども、その二分の一が算定されています。平成二十四年度の全日制高校では、一人当たり約四百十六万円ということで、一年契約とか三年契約の教員をたくさん採用している学校は、この補助金の考え方に照らしてふさわしいとはいえないのではないかと私は考えます。
 学校への経常費補助の目的にも、私立学校の教育条件の維持向上がうたわれております。この目的に対してどうなのかということなんですね。私は、今、東京の高校生の六割近くが私立に通っているわけですから、今後もこのような派遣、有期雇用などの教員がふえ続けていることをこのまま何もせず見ていていいのかという問題意識を大変強く持っております。行政として、将来を見据えた対応を検討すべきだと思うんです。
 これは、NHKで紹介されていた事例なんですけれども、十年前、経営が厳しいから、派遣や非常勤の教員が全体の三割近くに上ってしまった、この高校の先生が出てきて、その結果、その学校はどうなったか。生徒が放課後質問に来ても先生がいない、生徒から授業が理解できないという声が上がって、大学への進学率も落ちてしまったと。その原因は、生徒と日常的なコミュニティがとれない、教科ごとの会議や職員会議にも出ない先生がふえていった結果だというふうに学校の先生はいっているんですね。
 今、こういう状況が広がっているということで、これ、学校の問題も含まれていますから、もちろんこの東京都だけでどうこうできる話ではないんです。ただ、こういう助成金を出している東京都として、こういう把握をするべきだと思うんです。
 それで、今いったように補助金を出しているわけですから、きちんと子供たちの教育の質が担保されるように、行政として将来を見据えた対応を今検討するべきときに来ているのではないかと思うんです。東京都の見解を伺います。

○武市私学部長 生徒にとって重要なのは、教育環境の維持向上が図られていることでございます。私立学校はそれぞれの創意工夫によって、独自の校風とその建学の精神に基づく教育活動を各学校の責任において実践しております。各学校が目指す教育活動を実現するための雇用のあり方につきましても、各学校が判断すべきものでございます。
 東京都は、経常費補助におきまして、本務教職員数を把握した上で補助金を算定し、適切に支援を行っております。

○里吉委員 今、もちろんその算定したもので適正に払っているということでご答弁ありましたが、最初にご答弁もあったように、学校教育法には正規、非正規の概念がないわけですよね。ですから、こういう状況があってもつかめないというのは当然だと思うんです。でも、実際にはそういう中で、先ほどご紹介した学校は、学校でそれをどうしようということで考えて、財政的な問題からやむなく非正規の先生をふやしたそうですけれども、それをやはり戻し出したそうです。それで、非正規の先生であっても教務会議に出ていただくだとか、学校なりの、経済的な問題と、それから学校としての教育活動をどう両立させるかということをきちんと検討した上で、今、少しずつ生徒の大学進学率も戻ってきたと、こういうことがNHKで紹介されていたわけですね。
 ですから、まずは概念がないということで、正規、非正規はわからないということでしたから、これ、調べていただきたいと思うんですよ。今いった話は、正規の先生と同じように働いている有期雇用の先生の話でしたけれども、同時にふえているのが、派遣会社から教師が派遣されている。学校側と直接面接できないわけですから、学校が求めていた先生ではない、校風に合わないケースも出ていると。そうやって先生をころころかえざるを得ないという状況もふえているそうです。それが子供たちの教育に与える影響というのは本当に大きいと思うんです。
 まずは、都内私立高校の教員の雇用形態をぜひ東京都として調査していただきたいということを提案したいと思いますが、見解を伺います。

○武市私学部長 これまでも私学行政に必要な事項につきましては、学校基本調査などで把握しておりまして、雇用形態の実態調査が必要とは考えておりません。

○里吉委員 今、るるお話ししてきましたけれども、実際に幾つかの学校現場でこの問題が表面化してきているわけです。もちろん先ほどもお話ししましたが、この問題は学校の経営にもかかわることですし、学校の経営者の方がどう考えるかということにもかかわる問題ですから、すぐに解決できる問題ではないと思います。しかし、私学の学校現場で起きている事態をつかむことは、最低限、東京都としてやるべきではないかと思いますので、その検討を再度求めて質問を終わります。

○新井委員 私立学校の振興のための施策についてお伺いします。
 平成二十五年五月一日現在の都内私立学校に在籍する児童生徒数は六十一万一千五百二十七人となっています。これを学種別に見ますと、全日制及び定時制の高等学校が十七万四千三人と最も多く、以下、幼稚園十五万八千五十一人、専修学校十四万二千二百六十六人の順となっています。
 都内の児童生徒総数に対する割合は、全日制及び定時制の高等学校では五五・七%、幼稚園、専修学校、各種学校では九〇%以上となっていまして、都の学校教育に果たす私立学校の役割の大きさをあらわしています。また、各学種合計では三八・六%を私立学校が占めており、全国の二一・七%と比較しても、都の学校教育に果たす私立学校の役割の大きさがわかります。
 東京都では、私立学校の役割が大きいと考えますが、都はそのことについてどのように認識をしているのかお伺いします。

○武市私学部長 私立学校は、その建学の精神に基づきまして、長い歴史と伝統に培われた独自の校風や教育理念を通じて、個性的で特色ある教育を展開しておりまして、多くの保護者や児童生徒の信頼を得ております。
 都内の私立学校に通う児童生徒の割合は大きく、都の公教育において私立学校は大変重要な役割を担っているものと認識しておりまして、都は、経常費補助を中心に施策の充実を図り、私立学校の振興に努めております。

○新井委員 私立学校が公教育に果たしている役割の重要性を考慮し、都ではさまざまな私学助成策を講じていますが、その際に配慮すべき課題の一つとして、公私間格差の是正があります。
 公私間格差についてはさまざまな考え方がありますが、一例として、都内の全日制の私立高等学校と都立高等学校の学校運営費に対する公費負担について、生徒一人当たりの換算を比較してみますと、都内の全日制の私立高等学校につきましては、経常費補助を公費負担と捉えた場合、平成二十三年度は、生徒一人当たり三十七万一千百七十八円となっています。
 一方、全日制の都立高校につきましては、生徒からの納付金を除いた学校運営費も実質的な公費負担と捉えると、平成二十三年度は、生徒一人当たり九十四万九千七百四十三円となっておりまして、公費負担の公私格差は約二・六倍となっています。
 都は、公私格差の是正を図るため、経常費補助を初めとしました学校助成のほか、保護者負担軽減に関する助成など、今後も私学助成全般の充実を図る必要性があると思います。
 そこで、都は、今後の私学助成全般の充実についてどのように考えているのかお伺いします。

○武市私学部長 都では、学校運営に対する支援の柱である経常費補助を初めといたしまして、生徒の保護者に対する経済的負担の軽減補助、児童生徒の安全確保のために行う校舎等の耐震化にかかわる補助、省エネ設備の導入に関する補助など、幅広い私学助成策を総合的に展開し、充実に努めてまいりました。
 今後とも、公教育において大きな役割を果たす私立学校が、都民の期待に応える質の高い教育を確保していくため、公私間格差の是正に努め、私立学校の振興を図ってまいります。

○新井委員 これら私立学校全般の助成策について、総合的に取り組んでいる状況についてわかりました。
 都は、障害のある児童生徒に対する教育を担っている私立特別支援学校に対しても支援を行っていますが、障害を持つ子供たちの中には、義務教育を卒業した後、職業教育を受けるため、私立専修学校の高等課程に進む子供たちもいると聞いております。
 それでは、私立専修学校の高等課程におきまして、特別な支援を必要とする子供たちにどのような支援を行っているのか、二十四年度の実績とあわせてお伺いをします。

○武市私学部長 都は、私立専修学校の高等課程に進学を望む障害を持つ生徒に対し、教育の選択の機会を拡大し、修学促進を図るため、障害を持つ生徒が在学する学校の設置者に対しまして運営費の一部を補助しております。
 具体的には、生徒一人当たりの補助単価を三十九万二千円といたしまして、その在籍生徒数に応じて交付をしております。
 平成二十四年度の補助実績は五校で百六十一人分、合計約六千三百万円でございます。

○新井委員 私立学校では、それぞれが建学の精神に基づいた教育を実践して、公教育として日本の社会を支えています。私立学校にも公立学校と同様に憲法、教育基本法及び学校教育法が適用され、学校の設置基準も公立、私立で変わるものではありません。学費負担の心配をすることなく、公立でも、私立でも、本人や親が望む学校を自由に選べるよう、公私立の学費負担の格差をなくすことを要望いたします。
 次に、二〇二〇年オリンピック文化プログラムについてお伺いをします。
 二〇一六年招致をきっかけとしまして開始をしました東京文化発信プロジェクトは、最先端の芸術からコミュニティアートまで、次世代を育成するプラットホームとして機能を持ちながら、文化の多様性を促進する事業を行ってまいりました。このプロジェクトの実績と主な成果についてお伺いします。

○関文化振興部長 都は、平成二十年度から、世界的な文化創造都市東京の実現に向け、大規模なフェスティバル、子供向けの事業、地域と連携した事業を三つの柱といたしまして、東京文化発信プロジェクトを展開してまいりました。
 フェスティバル事業では、六本木の町で夜通しアートイベントを繰り広げる六本木アートナイトや、若手の演劇家を積極的に登用するフェスティバルトーキョーなど十四の事業を実施しております。子供向け事業では、プロの実演家が、日本舞踊などの伝統文化を子供たちに指導するキッズ伝統芸能体験など六事業を行っております。地域と連携して実施するアートポイントは、都内各所で十三事業を展開しております。
 こうした取り組みは着実に成果を上げておりまして、例えばフェスティバル事業は、東京の文化の魅力を国内外に強く発信をし、延べ百五十万人の観客を集めております。また、子供や青少年の芸術文化との触れ合いは、次代を担う人材の育成につながっております。さらに、地元自治体やNPOと協働して実施する取り組みによりまして、地域における担い手の育成やにぎわいの創出、拠点づくりなどにも役立っております。

○新井委員 立候補ファイルには、開催都市決定後から文化事業、展覧会、祭典など、包括的なプログラムに着手すると記載がありましたが、今後の文化プログラムについてどのように考えているのかお伺いをします。

○関文化振興部長 オリンピック憲章では、オリンピズムの根本原則といたしまして、スポーツを文化と教育と融合させることが明記されております。さらに、文化プログラムにつきましては、短くともオリンピック村の開村期間に複数の文化イベントを計画しなければならないと定められております。
 本年一月の立候補ファイルでは、東京芸術文化評議会での議論などを踏まえまして、アスリートと同規模のクリエーターが世界中から集まる、大会期間中の国際的なコラボレーションや伝統文化から革新的な技術に至るまでの挑戦的なプロジェクトを行う、大会期間中、都市が劇場となる、若手芸術家、高齢者、障害者などがともに創作するなどの基本的な考え方を示しました。
 今後、これらの考え方を十分踏まえた上で、文化プログラムを具体化できるよう検討を進めてまいります。

○新井委員 国際的なコラボレーションや伝統文化から革新的な技術に至るまで、二〇二〇年オリンピック文化プログラムを積極的に推し進めていただきたいと思います。
 次に、消費者行政の充実と強化についてお伺いをします。
 都は、平成二十四年度末に、二十五年度から五カ年の東京都消費生活基本計画を策定いたしました。この計画に基づき、消費者の安全・安心を実現するため、消費者行政の充実強化を図っていくものと期待いたします。
 そこで、計画に関連して、何点かお伺いをします。
 計画では、四つの重点施策と五つの政策課題を掲載しています。具体的には、重点施策は、高齢者、若者等を狙う悪質事業者の取り締まりと市場からの排除、ライフステージに応じた消費者教育の推進、消費生活に関連する情報の戦略的な収集と発信、東京都消費生活総合センターの機能の充実の四つ。また、政策課題は、消費者被害の防止と救済、悪質事業者の市場からの排除と取引の適正化、商品やサービスの安全・安心の確保、みずから考え行動する消費者になるための支援、消費者団体、事業者団体や市区町村等との連携強化の五つです。
 そこで、まずお伺いしますが、都は、東京都消費生活基本計画の実施に当たり、四つの重点施策と五つの政策課題についてどのように認識をし、着実に実行するために、現在どのように実施をしているのかお伺いします。

○藤井消費生活部長 都は、平成二十五年三月に都の消費生活に関連する施策、事業を、消費者の視点に立って計画的、総合的に推進していくための基本指針として、東京都消費生活基本計画を改定いたしました。
 計画では、都内の消費生活相談の状況を初めとする消費生活の現状認識を踏まえ、消費生活にかかわるさまざまな局面で行政が達成すべき課題として、消費者被害の防止と救済など五つの政策課題を、また、特に重点的に取り組む施策として、東京都消費生活総合センターの機能の充実など四つの重点施策を設定しており、今後の五年間で計画的に取り組む予定でございます。
 これらの政策課題や重点施策として掲げられた具体的な取り組みについては、多重債務問題対策など庁内各局にまたがるものもあり、生活文化局において全庁的な調整を図りながら着実に実施しております。

○新井委員 計画の重点施策の一番目に挙げている高齢者、若者等を狙う悪質事業者の取り締まりと市場からの排除では、悪質事業者の巧妙化する手口や広域的な暗躍などにより、高齢者や若者の被害が後を絶たないことから、消費者被害の未然拡大防止を図るため、悪質事業者に対する厳格な取り締まりなど、悪質事業者の市場からの排除に向けた取り組みを推進しているとしています。また、法の問題について国に働きかけを行う必要にも触れております。
 そこでお伺いしますが、広域的に暗躍する悪質事業者に対する取り組みについて、周辺自治体と広域連携をどのように考えているのか、また、現行法の問題点改善に向けた取り組みについてお伺いをします。

○藤井消費生活部長 広域的に問題を起こしている悪質事業者に対して、都が指導や処分を行いましても、他の自治体には権限が及ばず、消費者被害が広がる場合があるため、自治体間の広域的な連携により対応していくことが必要であります。
 そのため、都は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県の一都四県で五都県悪質事業者対策会議を設置し、情報交換を行うほか、連携を図って同時行政処分、合同指導などを行っております。
 また、不適正取引に対する行政処分等の充実強化を図るために、都では、消費者安全法に基づく勧告や命令などの権限移譲など、必要な法制度の整備を国に要望しております。

○新井委員 重点施策の二番目に挙げているライフステージに応じた消費者教育の推進では、都は、対象者の年齢や特性などのライフステージに応じた体系的な消費者教育を行うため、消費者教育推進計画を策定としております。
 これに基づき、ことし八月、都は、消費者教育に関する調査結果の後、全国の都道府県で初めてとなる消費者教育推進計画を策定いたしました。この推進計画では、大学や企業が集まっているという東京の特性を踏まえ、多様な主体との連携、若者の消費者被害の防止など、特に重点的に取り組む世代、テーマを設定していますが、消費者団体との連携をどのように考えているのかお伺いをします。

○藤井消費生活部長 消費者教育の効果的な推進に当たりましては、行政のほか、消費者団体、事業者団体、教育関係者など、消費者教育を担うさまざまな団体等が連携していく必要がございます。そのため、本年八月に策定した東京都消費者教育推進計画では、多様な主体との連携を重点テーマとし、具体的な取り組みを東京都消費者教育アクションプログラムとして取りまとめております。
 アクションプログラムでは、消費者団体など各種団体等との連携を強化することとしております。具体的には、事業者団体との連携により新社会人が陥りやすい消費者トラブルと対処法に関する講座や大学と連携した学生向けセミナーなどの取り組みを実施していきます。
 今後とも消費者団体等との連携強化を図りながら、効果的な消費者教育の推進に取り組んでまいります。

○新井委員 計画の重点施策の四番目に掲げている東京都消費生活総合センターの機能の充実では、相談対応力の強化や市区町村支援の推進を図るなど、センター・オブ・センターズとしての機能を一層充実させるとしております。
 そこで、消費生活相談員、職員の研修の充実や、消費生活相談窓口の日曜開設や平日の相談時間の延長など、東京都消費生活総合センターの機能強化をどのように実施していくのかお伺いをします。

○藤井消費生活部長 東京都消費生活総合センターは、都内の消費生活センターの中核となる機関として広域的立場から、高度専門的な相談に対応するとともに、都全域における消費生活相談の充実を図る観点から、相談支援、研修、情報提供等の区市町村支援を行っております。
 近年、悪質事業者の手口の巧妙化などにより、相談内容が複雑高度化していることから、都は、相談対応のかなめとなる消費生活総合センターの機能の強化に取り組んできております。
 具体的には、多様化する消費者被害の相談に的確に対応するため、区市町村と連携して、相談員や行政職員向けに最新の事例や対処法を学べる講座を実施するなど、これまでも研修の充実に取り組んできました。
 また、都民の利便性を向上させるため、平成二十一年度から土曜相談を開始し、さらに本年四月から相談受け付け時間を一時間延長するなど、相談体制の充実強化を図っております。

○新井委員 全国初となった東京都消費者教育推進計画とアクションプログラムを積極的に推進していただきたいと思います。
 また、消費生活相談員、職員の研修の充実を図り、消費生活相談員窓口の日曜開設や平日の相談時間の延長を、これまでの改善結果の検証を踏まえて、引き続き検討いただくことを要望しまして私の質問を終わりにします。

○小松委員 それでは、商品の安全対策について伺います。
 私たち消費者の日常生活は、多種多様な商品に囲まれています。暮らしに必要な消費財や道具に加えて、便利さ、快適さ、使いやすさなどを追求してきた結果ですが、これらの商品は、どんなものであれ、安全に使用できることが最優先されなければなりません。
 そのために都の取り組みが求められるところですが、最初の質問として、商品の安全対策に関するこれまでの取り組みをお伺いします。

○藤井消費生活部長 都では、身近な商品等の使用に伴う危害から都民を守るため、さまざまな安全対策を実施しております。
 具体的には、消費生活センターに寄せられる相談情報を初め、日常生活におけるヒヤリ・ハット体験調査等から、人に危害を及ぼすおそれのある商品等を把握し、安全性に関するテストを実施しながら、消費者への注意喚起や事業者に対する指導を行ってきております。
 特に、事故を未然に防止するため、商品の改善や新たな安全基準の設定などの対策が必要な商品等につきましては、学識経験者、消費者団体、事業者団体から成る東京都商品等安全対策協議会を設けて具体的方策を検討しております。これまで商品等安全対策協議会において、使い捨てライターや子供服の安全対策に取り組み、都が協議会の提言を受けて国や業界に対策を働きかけた結果、法改正によるライターの規制や子供服のデザインに関するJIS規格化の動きにつなげるなどの具体的な成果を上げております。

○小松委員 都では、これまで、商品等安全対策協議会が折に触れて設置されて、さまざまなテーマに取り組んでこられて、制度の改善、商品の規格変更につなげてこられたということです。
 ところで、最近は、ブラインドで子供が巻き込まれる事故が連続して発生しておりまして、今年度の商品等安全対策協議会では、ブラインド等のひもの安全対策について検討を始めたと聞いています。
 そこでまず、国内におけるブラインド等のひもに関する事故の状況についてお伺いします。

○藤井消費生活部長 ブラインドのひもやカーテンのとめひもが輪になって垂れ下がっているところに子供の首がひっかかり、窒息するなどの深刻な事故に結びついているケースが関係機関に報告されております。
 都の調査では、国内におけるブラインド等のひもによる事故が六件報告されており、そのうち一件は死亡事故でございます。
 具体的には、六カ月の男の子がベッドから落ち、ブラインドのひもが首に食い込んだ状態で亡くなっている事故や、一歳一カ月の男の子がカーテンのとめひもで首をひっかけ、意識不明の重体となる事例がございました。
 また、都が三千人の子育て家庭を対象に行いましたアンケート結果では、ブラインド等のひもにより危害に遭ったり、危害に遭いそうになった経験のある方が約三%いることが明らかになっております。

○小松委員 一見、全く危険とは関係のないようなブラインドのひもが、状況によっては凶器になり得るという事例です。今のご答弁でも、ある一定程度の人が危険な目に遭いそうになったとのことです。今後に向けて何らかの対策が必要と考えますが、商品等安全対策協議会において、ブラインド等のひもの安全対策に向けてどのように取り組んでいかれるのかお伺いします。

○藤井消費生活部長 先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、今後、商品等安全対策協議会では、安全対策の検討を行うに当たり、ブラインドを保有している子育て家庭千人を対象にアンケート調査を実施し、家庭における事故実態を把握する予定であります。また、事故原因を分析するため、事故の再現実験を行うとともに、事故防止用の安全器具の有効性等についても検証していきます。
 これらの結果や欧州等の規制基準なども参考にしながら、来年三月までに有効な対策について取りまとめを行う予定でございます。

○小松委員 ブラインドの事故は、東京都に限らずどこでも起こり得る事故であり、実験結果や提言の情報、他の自治体に発信、共有すべきと考えます。
 今、ヨーロッパのお話がありましたが、ブラインドの普及率が日本よりはるかに高い欧米では、子供が犠牲になった事例ももっと多く、それだけに規格の見直しが実施されると聞いています。
 それにしましても、いつも犠牲者が出てから対応策に取りかかってきたことになります。日本では、乳幼児の事故死の大半が家の中で起きているという報告もあります。日常的に身の回りの家具や物品について、子供の目線で、子供特有の行動パターンを考慮した安全チェックを行い、未然防止の取り組みが必要と考えます。大消費地である東京都が動くことで国をリードしていただきたいと思います。都としての不断の事業者への指導や啓発活動を要望して次の質問に移ります。
 次に、配偶者による暴力、いわゆるDVの対策について伺います。
 先ごろ三鷹市で、女子高校生がストーカー被害を受けて刺殺されてしまう事件があり、配偶者や交際相手からの暴力が深刻な問題としてクローズアップされています。
 ちょうど毎年十一月十二日から二十五日までの二週間は、内閣府が位置づける女性に対する暴力をなくす運動期間に当たり、今、その最中でもありまして、ドメスティックバイオレンス、略してDV問題の対策についてお伺いします。
 警察庁によれば、全国の警察に寄せられたDVに関する相談件数は、この十年間で三倍以上に増大しています。また、二〇一一年度に内閣府が実施した男女間における暴力に関する調査によれば、既婚女性の約三人に一人は、配偶者から身体に対する暴行、精神的な嫌がらせ、性的な強要などの被害を受けたことがあり、十人に一人はそれが何度もあったと答えています。しかも、過去五年以内に被害を受けた女性の四割以上がどこにも相談しなかったことは大きな問題です。男女双方では、DV被害のあった人の半数以上が相談していない状況にあります。
 都は、DV問題の対策について、男女平等参画のための東京都行動計画に基づき、配偶者暴力対策基本計画を策定され、取り組んでおられます。
 生活文化局の事業概要によれば、東京ウィメンズプラザが二〇一二年度に受けた相談件数は一万七千五百四十三件、そのうちDV相談は五千二百二十四件となっていますが、さきの内閣府の調査結果から、DV問題を一人で抱えている人たちが大勢いることがわかります。配偶者暴力相談支援センターとして相談事業を行っているウィメンズプラザに相談することで支援につながり、被害者が救済されると考えますが、この事業の周知がまだ十分でないということだと思います。東京都は、悩んでいる多くの被害者が相談できるよう、ウィメンズプラザの相談窓口の周知について積極的に行うべきだと思います。
 ここで質問です。東京ウィメンズプラザのDV相談窓口の周知について、都の取り組みをお伺いします。

○斎田男女平等参画担当部長 配偶者暴力相談支援センター機能を持つ東京ウィメンズプラザの相談窓口の周知を図るため、法制度や相談先を紹介したパンフレットや携帯用のカード等を作成し、区市町村の相談窓口、病院や弁護士会等関係機関を通じて広く配布しています。さらに、配偶者暴力に悩んでいる人が一人で悩まず相談できるよう、東京ウィメンズプラザのホームページ上に配偶者暴力被害者ネット支援室を設置し、配偶者暴力に関して多く寄せられる質問への回答や、具体的な支援情報とあわせて相談窓口について掲載しております。

○小松委員 一人でも多くの被害者がウィメンズプラザの相談につながるよう、相談窓口の電話カードを公共施設だけでなく、さらに広く配布していただきたいと考えます。
 女性の被害者が訴えていますのは、そのようなカードが加害者の目にとまることが恐怖だということです。男性の目に触れないところ、例えばデパートやスーパーの女性トイレなどにも置いてもらえるよう積極的に働きかけていただくことを要望いたします。
 続いて、DV被害者の子供のケアについて伺います。
 DVは、被害を受けた当事者への影響だけではありません。DVのある家庭で育つ子供への影響も見逃すことはできません。直接暴力を目撃する子供の心は大変傷ついていると思いますし、そのような子供は脳に深刻な影響を受け、ひいては問題行動を引き起こすことにつながるともいわれています。大人になってからみずから暴力を振るうようになる、いわゆる暴力の連鎖を防ぐためにも、こうした被害者の子供の心のケアについてもしっかり取り組む必要があると思います。
 DV被害者の子供の心のケアについて、都の取り組みを伺います。

○斎田男女平等参画担当部長 都は、児童相談所や区市町村の福祉事務所など被害者支援に携わる関係機関で活用できるよう、成長段階別の対応などを掲載した子供のケアのための連携マニュアルを平成十九年度に作成しております。あわせて年四回、関係機関が一堂に会し、子供のケアに係る困難事例を検討することによりまして、実践の場で学んだノウハウの共有化に努めています。
 また、東京ウィメンズプラザでは、被害者の子供が遊びを通じてコミュニケーションを学びながら友達をつくり、心の安定を取り戻す取り組みを年十三回実施しております。

○小松委員 困難な状況にある子供にこそ最善の利益が保障される東京都であってほしいと思います。ぜひ今後とも被害者の子供の心のケアに積極的に取り組むことを要望いたします。
 これまで、起きてしまったDVに対する取り組みについて伺ってまいりましたが、最も重要なのはDVを起こさないための未然防止の取り組みです。生活者ネットワークはこれまで、予防のための取り組みを再三求めてまいりましたが、都が昨年、ことしと学校教育関係者や職務関係者などを対象とした研修を実施してこられたことは評価するところです。このような啓発活動をさらに推進していかれますよう求めて質問を終わります。

○小竹委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後五時三分休憩

   午後五時十九分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 発言を願います。

○野上委員 私からは、私立専門学校について伺わせていただきます。
 平成十四年の専門学校設置基準の改正により、自己点検評価、その結果の公開、第三者による検証が努力義務とされております。このことを受け、翌年、平成十五年には、専門学校評価システムの構築、運用をするための推進組織の設置の必要性について、専修学校構想懇談会により提言をされ、特定非営利活動法人、NPO法人私立専門学校等評価研究機構が創設されております。
 また、平成十九年の学校教育法改正により、自己評価が義務化されたことを機に、東京都として私立専修学校教育環境整備費補助を開始し、専門学校における自己点検、自己評価の実施及び第三者評価による検証を推進していると伺っております。
 専門学校の評価については、専門学校の質の保証、向上を図る上で非常に重要であると考えますが、その補助の実績について伺います。

○武市私学部長 専門学校に対する評価促進の補助は、学校評価の取り組みに対しまして、自己点検、自己評価は二十万円、第三者評価は六十万円を上限として補助するものでございます。
 これまでの補助実績は、導入当初の平成十九年度は三十四校で約八百万円でしたところ、二十四年度には八十二校で約一千八百万円となっておりまして、事業開始以来、増加傾向にあり、評価促進の支援効果があったと考えております。

○野上委員 実施校については増加をしており、政策効果もあるということでございますが、評価を実施しているのは、都内専門学校の一部にとどまっております。また、都の補助金が支出されている専門学校の学校評価については、全て先ほどの評価研究機構で作成している専門学校等評価基準書により実施されているとのことであります。
 この私立評価研究機構でございますが、その機構の成り立ち、あるいは役員名簿を拝見いたしますと、理事長には元東京都の生活文化局長、そして、副理事長には東京都専修学校各種学校協会の会長、また、理事には各専門学校の経営者が名を連ねているところでございます。
 そういったことから、この評価研究機構は、主に専門学校の関係者で組織されているため、第三者評価といっても、いわば関係者の内部評価であり、その機構が作成した専門学校等評価基準書自体も、きちんと評価ができるものとなっているのかどうかという懸念があります。専門学校等評価基準書は、適切な評価ができる内容となっているのか、東京都の見解を伺います。

○武市私学部長 特定非営利活動法人私立専門学校等評価研究機構が平成二十五年六月に改定した専門学校等評価基準書は、平成二十五年三月に文部科学省が出した専修学校における学校評価ガイドラインに準拠したものとなっております。
 また、この基準書は、評価研究機構がこれまでの評価実績から得たノウハウをもとに、国のガイドラインで示された項目について、さらに細かなチェック項目を具体的に示すなど、より充実した内容となっております。

○野上委員 平成十九年度に自己評価が義務化されてから五年以上が経過しておりますけれども、いまだ実施率が低いというふうに伺っております。先ほどの答弁では、評価項目が国のガイドラインに基づいているということを伺っておりますけれども、実施校が低いという要因の一つに、教育施設の中でも、いわゆる一条校の学校群に比べて、専門学校は公的助成はほとんどゼロに等しく、ほぼ授業料収入だけで経営されている状況にあって、殊さら自己点検、評価を行う動機は見出しにくい状況にあるというふうにも、ある専門学校の経営者の方にも伺っているところでございます。
 また、この評価についてですが、この自己点検評価フォーマット自体が文科省のガイドラインに沿っているということから、大学を評価するための評価項目がそのままスライドする形になっており、公的助成がない専門学校を評価する項目としては、一律評価という形はなかなか難しいのではないかという意見があります。
 ちょっと改めて伺いたいと思いますけれども、五年以上が経過しておりますけれども、いまだに実施率が低い要因について、東京都としてはどのように認識し、対応していくのか伺います。

○武市私学部長 専門学校の自己評価の実施率につきましては、東京都のみでなく、全国でも六二・二%にとどまっておりまして、いまだ高くないということについては認識をしております。
 東京都といたしましては、さらに多くの専門学校が自己評価を実施するように、学校の現地調査や各学校の所轄庁であります区市との連絡会議など、あらゆる機会を捉えて働きかけてまいります。

○野上委員 専門学校の評価項目の中に就職率についての項目がありますが、就職率は、学生が学校を選択する上での重要な指標の一つであると考えます。平成二十五年第一回定例会で、私は、専門学校が適正な就職率を公表することで、都民が的確な学校選択ができるよう指導を進めるべきとして見解を伺いました。その際、区市と連携して、より適正な公表に向けて指導するとの答弁がございましたけれども、その後の指導状況はどのようになっているか伺います。

○武市私学部長 専門学校が公表する就職率につきましては、入学希望者が学校を選ぶ上で重要な判断材料の一つとなります。
 東京都では、より適正な就職率の公表に向けて、各区市や各学校に対しまして、生徒募集活動において就職率を公表する場合には、数字の根拠を明確にして掲載するよう、表示方法の参考例を示して文書で指導をしております。

○野上委員 学生の就職率の公表について伺いましたけれども、例えば、資格試験の合格実績の公表の仕方にも少し課題があるようです。
 例えば、ある資格試験に二名の受験者がいて、二名が合格すると合格率一〇〇%と表示され、それのみが前面に打ち出されることがあるようです。就職率も資格合格率も、専門学校は就職希望者数、資格受験者数を分母にしているので、仮に一〇〇%という数値が学校案内パンフレットや学校サイトに躍っていても、入学した学生が全て就職できるわけでもなければ、資格が取れるわけでもないということになります。
 都は、文書で指導するということでございますが、文書の指導のみでは実効性が上がらないというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○武市私学部長 専門学校につきましては、卒業後に就職することを目的とする学校のほか、進学を目的とするもの、資格取得を目的とするものなど、多種多様でございます。
 このような専門学校の特性も踏まえつつ、評価研究機構で作成している専門学校等評価基準書の次期改定に合わせまして、都として検討に加わるなど、就職率のより適正な表示に向けて働きかけを続けてまいります。

○野上委員 私は、東京にこそ企業や教育機関の集積を活用して職業教育を存分に行い、技術と知識を蓄積できる豊かなフィールドがあるというふうに考えています。専門的な技術教育を行っている専門学校は、都内の生徒に対する職業教育機関として大きな役割を果たしております。
 都内高校卒業生の約九万八千五百人のうち、約八名に一人に当たる約一万二千人、そして、全国から約十四万人もの学生が都内の専門学校で学んでおります。学校選択に当たり、正確で十分な情報提供を行うことが求められております。ぜひとも引き続き質の高い教育が行われるよう働きかけ、そして助成等を行っていただくよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○川松委員 私からは、三つの事業について質問をいたします。
 まず、公益法人制度について伺います。
 平成二十年十二月一日から、民間非営利部門である社団法人、財団法人の活動の健全な発展を促進するため、明治二十九年の民法制定以来の大改革が行われ、新たな公益法人制度が始まりました。
 この制度におきまして、本年十一月三十日までの五年間に、従来の制度による社団法人、財団法人が、新たな制度による公益社団法人、公益財団法人、あるいは一般財団法人、一般社団法人への移行の申請をすることとなっております。
 私もスポーツ団体や業界団体の公益法人移行の手続を近くで見てまいりました。公益社団法人、公益財団法人に移行した法人は、公益目的事業が非課税となるなど、税制上の優遇措置を受けることができるため、都民のニーズに即した公益活動などを進めやすくなります。しかし、都内には規模の大小や事業内容が違う多くの法人が存在しており、それぞれの法人にとって、移行の準備には大変なご苦労があったのではないかと推察されます。
 一方、都としても、それぞれの法人の状況を踏まえながら対応してきたものと思います。
 そこでまず、従来の社団法人、財団法人が新たな法人に移行するための申請期限である本年十一月三十日が目前に迫っておりますが、現在の法人の移行状況等についてお伺いします。

○森山都民生活部長 都は、民間有識者で構成する東京都公益認定等審議会を設置し、平成二十年十二月から移行の申請をした法人が公益性の基準に適合しているか、運営体制が整っているかどうかなど審議を行い、着実に移行を進めてきたところでございます。
 その結果、本年十月末時点において、移行を希望している八百四十五法人のうち、約九六%の八百八法人が審議を終えております。
 また、公益社団法人、公益財団法人に移行する法人と一般社団法人、一般財団法人に移行する法人との比率は、おおむね一対一となる見込みでございます。
 一方、これまでに自主的に解散している、あるいは予定している社団法人、財団法人が六十三法人、移行の申請をしないため、今後、法律の規定により解散とみなされる社団法人、財団法人が三十二法人あると見込まれております。

○川松委員 既に九割以上の法人の審議が終了しているとのことで、移行が順調に進んでいることがわかりました。
 では、次に、移行の申請を行うための期間である五年間の中で、移行を促進するために具体的にどのような取り組みを行ってきたのかを伺います。

○森山都民生活部長 今回の制度改正に当たりまして、都といたしましては、申請に必要な書類やその作成方法、会計処理など、移行までの具体的な手続について、法人にご理解いただくことが必要でございました。
 そこで、移行を希望する法人に対しましては、新公益法人制度の概要や申請書類の作成方法等に関する説明会、個別相談会を平成二十年度からの五年間の累計で百六十回程度開催してきております。
 具体的には、説明会につきましては、学生に奨学金を給付または貸与する育英奨学団体、博物館、美術館の運営団体、シルバー人材センターなど、法人の業種別や公益法人、一般法人の申請内容別に開催し、申請までの手順や定款の作成方法、申請書類の記載方法などを説明いたしました。また、個別相談会では、主に会計基準の変更や公益目的財産額の算定方法などの会計処理に関する相談を行ってきております。
 このほか、法人からの個別相談につきましては、それぞれの法人の状況に応じた対応を行ってきたところでございます。
 また、申請期限が迫ってきました平成二十四年度からは、活動の実態がない法人などに対しまして、活動状況の説明の依頼や、申請をしない場合に解散とみなされることとなる旨の周知を行ってきたところでございます。

○川松委員 都としても法人の移行を促進するために丁寧な対応をしてきたことがわかりました。申請期限まで残すところ二週間程度となっております。最後まで移行に向けて適切な対応をしていただきたいと思います。
 そこで、移行した法人に対して、今後、適正な運営が行われるよう監督をしなければならないと考えますが、新たな公益法人制度により、どのような監督を行っていくのかを伺います。

○森山都民生活部長 新たな法律におきましては、公益社団法人、公益財団法人には、行政庁に対して毎年度、事業報告等の提出が義務づけられております。また、東京都公益認定等審議会は、事業の適正な運営を確保するため、必要に応じて報告の徴収や検査が実施できると定められております。
 今後、毎年度提出される事業報告等を確認するとともに、定期的に立入検査を実施するなど、その法人の運営が適正に行われているかについて監督していくこととなります。その上で、法令に違反する疑いがある場合には、東京都公益認定等審議会に諮問した上で、勧告や命令、場合によっては認定の取り消しを行うこととなります。
 一方で、一般社団法人、一般財団法人に移行した法人につきましては、移行時に保有している財産を公益事業のために使っていく計画を定めることになっていることから、これらの法人についても監督することとなります。
 今後とも、法人の自律的な活動を重んじながら、行政庁として適正な事業実施が確保されるように監督を行ってまいります。

○川松委員 新たな法人への移行については、現状がよくわかりました。移行した法人に対しても、適正な運営が確保できるようにしっかりと監督していただくことを要望しまして、次の質問に入ります。
 続いて、都立文化施設の大規模改修について伺います。
 私は、都内に数多くあります美術館や博物館、コンサートホールを訪れ、文化芸術に親しんでまいりました。地元、墨田区両国には江戸東京博物館があり、私も建設前から間近で見てきた身で、江戸博とともに育ってきたわけであります。もちろん、たびたび訪れているわけですが、館内の展示に体験型、参加型の仕組みが取り入れられており、誰もが楽しみながら、気軽に江戸東京の歴史と文化に触れることができる博物館であるわけです。
 都内には、この江戸東京博物館以外にもさまざまな都立文化施設がございます。七年後にオリンピックを控え、都の文化施設には、これまで以上に都民を初め多くの方々に足を運んでいただくため、文化施設のより一層の活性化を図り、東京の文化や魅力を国内外に発信していく必要があると強く考えます。
 そこで、昨年度には、東京都美術館、東京芸術劇場が大規模改修を終えまして、リニューアルオープンいたしました。都立文化施設にふさわしい質の高い展覧会や公演が期待されますが、地元と連携した事業の実施などの新たな取り組みも重要であると考えます。東京都美術館と東京芸術劇場では、改修をきっかけにどのような取り組みを行ってきたのか伺います。

○濱田文化施設改革担当部長 これらの文化施設では、リニューアルに伴いまして、東京芸術文化評議会における議論を経て改修計画を作成するとともに、新たな事業の実施など、ソフト面での充実も図っているところです。
 東京都美術館は、世界の名品と出会える展覧会を引き続き開催するほか、東京藝術大学の日比野克彦教授の協力により、藝大、国立西洋美術館、東京国立博物館など、上野地区の文化施設と連携して、子供たちがボランティアと一緒にこれらの施設を見学し、そこで発見したことや学んだことをみずからノートに記録するといった、アートに親しむ事業を開始いたしました。
 東京芸術劇場では、野田秀樹芸術監督が中心となって、海外の上質な演劇作品を国内に紹介する招致公演や、英語版の演劇作品を制作して海外でも公演するワールドツアー、有望な若手演出家に門戸を開き、創作活動に挑戦させる事業の充実を図ってまいりました。

○川松委員 地元との連携という点では、上野の町にターナーであったりフェルメールであったりのPR媒体が並ぶなど、地域の一体感を実感しております。すばらしい企画を引き続き展開してください。
 また、ぜひ今後も本物と触れ合う機会を提供し続けていっていただきたいと思うわけですが、この二館以外の文化施設でも大規模改修が予定されていると聞いております。現在、改修工事中の庭園美術館はどのような改修を行っているのか伺います。

○濱田文化施設改革担当部長 東京都指定有形文化財であります本館は、旧朝香宮邸として、アールデコの装飾様式を現在に伝える貴重な建物です。多くの来館者に旧宮邸を生かした展示をごらんいただけるよう、可能な限り建築当時の状態に復元するとともに、これまで未公開だった部屋も展示スペースとして活用してまいります。また、旧宮邸に調和した別棟を建設して、展示室やカフェを設けるなど、来館者の鑑賞環境を向上させる整備を行っております。庭園につきましては、美術館と調和した空間とするため、創建当時のたたずまいを残すとともに、バリアフリー化などの必要な整備を行います。
 これらの改修によりまして、建物公開展やアールデコ様式の家具、工芸品や美術作品を展示するなど、建物の特性を十分に生かした展覧会の開催など、庭園美術館の魅力を発揮させてまいります。

○川松委員 庭園美術館について、今のお話にありましたような新たな取り組みはとても楽しみに感じるわけですが、今後の事業展開に当たりまして、東京都美術館や芸術劇場の例も参考にしていく必要があると思います。
 文化施設には、まだまだ工夫の余地があると思うわけですが、庭園美術館も含めまして、今後改修が予定されている文化施設では、ハード面の整備のみならず、ソフト面の事業展開の充実によって、さらに多くの人に来てもらい、施設を活性化させていくべきと考えますが、都はどのように取り組んでいくのかを伺います。

○濱田文化施設改革担当部長 都立文化施設には、質の高い展覧会や公演の実施はもとより、芸術文化の発信、人材育成、町のにぎわい創出などの機能を果たすことが期待されております。
 施設の改修に当たりましては、劣化改修等によって施設の安全性を確保するとともに、その上で、江戸東京博物館における展示空間の改善、写真美術館における鑑賞者の利便性向上等を初め、エントランスやレストランといった共用スペースの快適性向上などの面で改善を図っていくこととしております。
 ソフト面でも、これまでの東京都美術館、東京芸術劇場での実績も踏まえまして、民間芸術団体とも連携した海外からも評価される質の高い企画の実現を図るとともに、子供や高齢者なども、誰もが気軽に芸術に親しむことのできるプログラムにつきましても充実を図るなど、引き続きその改善を積極的に進めていく必要があります。
 そのため、施設改修と事業展開の整合を事前に十分に図るとともに、施設職員など、運営の担い手の能力向上に努めてまいります。

○川松委員 今後ともこの大規模改修を絶好の契機として、ハード、ソフトの両面でさまざまな取り組みを進め、都立文化施設をより有効に活用し、地元の方々を初め、都民が文化に触れる機会を充実させるとともに、文化都市東京の魅力を国内外への積極的な発信にも力を入れていただきたいと考えます。
 次に、これからの都政広報について伺います。
 広報広聴は、都政の重要施策や取り組みを都民に知らせるとともに、都民の多様な声を都政に反映させる都民と都政のコミュニケーションとして大変重要であります。
 広報広聴部は、都民に伝えたい内容を正確に、わかりやすく、タイミングよく情報発信するために、幅広く各媒体を活用して都政の広報活動を展開していると思いますが、メディアの状況は日々急速に変化を遂げており、広報もそれに合わせた対応が必要でございます。
 そこで、SNSの活用といたしまして、都では、平成二十三年度にツイッター、平成二十四年度にフェイスブックの運用を開始するなど、若年層への情報発信を強化してまいりました。都民サービス向上のための最近の具体的な取り組みについて伺います。

○横山広報広聴部長 ご指摘のように、都民を取り巻くメディア環境は急速に変化しております。都政情報の発信に当たりましては、若者、高齢者など世代ごとの媒体環境や、障害者や外国人など情報の入手しやすさ等を考慮し、都民に正確に、わかりやすく情報を伝えるという観点から工夫を重ねてまいっております。
 お話にもございましたように、ツイッター、フェイスブック等を始めているということのほかに、最近の取り組みといたしましては、近年のいわゆるスマートフォンの普及に対応いたしまして、より多くの都民に都政情報を即時に伝えるために、ことし七月から、都庁総合ホームページのスマートフォン版を公開したところでございます。
 また、現在、約四百十二万部を発行いたしまして、高齢者を初め幅広い層に読まれております「広報東京都」におきましては、写真や図表を用い訴求力を高め、また、細かい字が読みづらい高齢者などの方々にとっても読みやすくするために、十一月号から全ページのカラー化を行いました。また、縦組み、横組みを組み合わせて魅力的な紙面づくりを行うとともに、文字、数字の判別にすぐれておりますユニバーサルフォントといわれる字体を用いまして、また、行間を大きくするなど、見やすく読みやすい紙面を実現しております。
 さらに、平成二十四年度に調査をいたしましたところによりますと、その結果では、二十代の新聞購読率が四九・二%と新聞離れが進んでいることを踏まえまして、新聞折り込みで「広報東京都」に接することのない若者向けに、平成二十四年度より、都内大学のうち希望する五十八の大学へ配布を開始したところでございます。今年度は新たに十九大学を加えまして、七十七大学への配布を予定しております。

○川松委員 活用するメディアを適切に選択しつつ、その特性を十分に理解することで、高齢者、若者などを対象に的確な広報活動をするという姿勢ですので、都民サービス向上のため、不断の努力をしていることがわかりました。
 ところで、これまで都の広報は、都民を対象としてまいりましたが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催も決まり、今後は都民のみならず、世界に向けて外国語で都政情報を発信していくことが重要でございます。海外への情報発信は、純粋な都民向け広報とは異なり、さまざまな課題があると思います。できるところから着手していくことが大切だと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

○横山広報広聴部長 生活文化局では、各局が提供しているホームページの入り口としての都庁総合ホームページを管理してございまして、これは日本語のほかに、主に在住外国人向けに英語、中国語、ハングルの三言語で、都の概要や防災、生活情報など、基本的な都政情報の提供を行っております。
 今後は、海外向けに緻密で正確な公共交通や世界に誇る先端技術の集積など、東京の都市としての魅力を視覚、聴覚を通じて伝える映像などで、各局と連携してホームページ、ユーチューブ等を活用して発信する必要がございます。
 これを進めるために、今年度、都庁総合ホームページで、戦後の復興から現在までの東京を写真で伝える東京アルバムというコーナーがございますが、この英語化を進めるなど、海外向けコンテンツの充実を図ってまいります。
 また、広報に携わる職員が海外のニーズを捉え、魅力的なコンテンツや効果的な媒体を選択できる知識、ノウハウを習得していく必要もございます。各局と連携した海外への情報発信を通じて、職員の実践的な能力の習得を推進してまいります。

○川松委員 まずは、世界中から見ることができるウエブサイトを中心に海外向け情報発信を強化していくことがわかりました。東京を世界で一番の都市にするため、この分野の果たす役割が大きいのはいうまでもありません。
 最後に、国際都市東京の実現に向けた新たな広報の展開について、局長の決意を伺います。

○小林生活文化局長 グローバル化が進む国際社会におきましては、創造力豊かな多様な人材や企業を引きつける都市の役割が非常に重要となっておりまして、このグローバル競争は、地球規模での都市間競争の側面を強くしているというふうにいわれております。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を七年後に控えまして、日本の首都東京は、まさにこの世界レベルでの都市間競争の真っただ中に置かれているといっても過言ではないというふうに思っております。
 こうした中で、東京のライバルといわれますニューヨークやロンドン、パリなど、海外の有力都市は、多言語での情報発信を効果的に行いまして、みずからの魅力を世界に存分にアピールしております。
 例えばロンドンでは、ロンドンの対外的なプロモーションを担う公的団体でありますロンドン・アンド・パートナーズという団体がございますが、この団体から、ロンドン・オリンピックを契機に、計画的な再開発やスポーツ施設整備などにより、生まれ変わった景観や雇用創出効果などを海外に広く発信し、ロンドンのイメージアップに成功しております。
 先月、森記念財団が発表しました世界の都市総合力ランキングというものがございますが、これによりますと、ロンドンは二年続けてニューヨークを抜きまして第一位に輝いているという状況にございます。
 先ほど来、部長から答弁をいたしましたように、これまで都政広報は、若者、高齢者あるいは障害者の方など、東京に住んでいる多様な都民の方々にきめ細かな広報の展開をしてまいりましたが、また、それと同時に、海外への情報発信につきましては、観光あるいは企業誘致、水道技術など、各局が特定の事業につきまして、それを行っているところでございます。
 しかし、今後は、東京に住んでいる方々への広報展開の充実はもちろんでございますけれども、東京都が重点的に取り組んでおります政策や都市機能など、東京の魅力をトータルに海外に発信いたしまして、国際的なプレゼンスを高めていくことが極めて重要であるというふうに認識をしております。
 そのためにも、従来の広報ツールを最大限に活用することはもとよりでございますが、地域を超えて口コミ的に広がりますツイッター、フェイスブックなどを効果的に活用し、国内外の人々が東京を知り、いわば東京の応援団になってもらって、東京のよさを海外に語っていただけるよう、戦略的な広報に努めていきたいというふうに考えております。
 オール都庁の広報機能を担う生活文化局といたしましては、みずからホームページや海外メディアを通じて海外に情報発信していくとともに、これまで以上に各局と連携を図りまして、各局が海外向けに発信していく情報の内容の選択や作成、それを担う人材育成を支援いたしまして、都政全体の広報の変革を先導してまいりたいと考えております。

○川松委員 ただいまの局長のお話で、戦略的広報の強い決意を伺いました。
 メディアが無数に存在し、今や情報過多の時代でございます。東京都の情報最前線として、東京中、日本中、世界中にしっかりと受け手に届く情報を発信していくため、さらなる広報の充実に励まれますようお願いいたしまして、私からの質問を終わります。

○あさの委員 私からは、生活文化局所管の監理団体であります東京都歴史文化財団に関することと、それと文化施策についてお伺いしたいと思います。
 歴史文化財団というのは、ホームページを見ますと、東京都の歴史文化財団の目的というか、何のためにやるかというと、当然、先ほどからお話に出ております文化施設の運営、管理といったものを行いながら、首都東京の芸術文化の振興と江戸東京の歴史的遺産の継承に努めていると。そのことによって、いろんな事業の展開を通じて、文化の力で東京のさらなる発展と潤いのある地域社会づくりに貢献していきたいと考えておりますと、これがご挨拶でホームページに載っているものでありまして、歴史文化財団として文化を残していくということは、継承を行っていくというのは非常に大切なことだと思います。
 ただ、私たちは簡単に文化、文化という言葉は使うんですけれども、じゃあ文化って一体何なのかということというのは、なかなか難しいことでありまして、文化という言葉の定義というのは、そう簡単にできるものではありません。
 これもインターネットから引っ張っていきますと、文化の定義というのは、社会、それから組織、そういったものに所属する中で人間が身につけていく慣習であったりとか、さまざまな能力というか、そういったもの、特に精神的な向上を目指して指すものだという言葉もあったり、教養の一部であるということをいうところもあるんですが、文化を継承していく、残していくという話をするときに、我々がつい意識してしまうのが、芸術というものに引っ張られがちだと私は思うんですね。つまり、芸術というのは文化の一側面でありまして、別に芸術だけが文化なわけではなくて、そこにはさまざまなものがあるんだと私は思うんです。
 こういった、例えば文化施設といわれるものも、もちろんその中には音楽や、あるいは演劇といったもののための芸術劇場や文化会館等もありますけれども、その他の美術館や江戸東京博物館といったものも、私から見ると、いわゆる資料だとか作品だとか、物として形になっているものを残すところに、ちょっと力を注ぎ過ぎなんじゃないかなと。もちろん大事なんですよ、大事なんですけれども、そこを大事にし過ぎる余り、そうじゃないものに対する目線がちょっと足りないんじゃないかなという気がするんですけれども、この歴史文化財団として、せっかく行政じゃなく、公益な社団法人として存在しているわけですから、こういった資料や作品を残すということではなくて、例えば江戸から伝わるような無形の伝統文化を残すといったところにも努力をしていくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○濱田文化施設改革担当部長 江戸から連なるさまざまな伝統や文化は、東京の魅力となっておりまして、庶民の暮らしに根差した文化を継承し、後世まで伝えていくことは重要であることから、都立文化施設では、さまざまな取り組みを行っております。
 例えば、江戸東京博物館では、江戸時代の長屋や芝居小屋、着物や生活用具などの日用品など、人々の暮らしを伝える数多くの資料を保管、展示し、歴史と文化の継承に努めております。
 また、常設展示室の体験コーナーでは、例えば扇子遊びや着物の着つけなどの参加型事業、映像ライブラリーでは、江戸切り子などの伝統工芸品の歴史、技法等を紹介した映像の視聴、都民向けの講座では、幅広い層に向けた江戸東京の歴史と文化、庶民の暮らしぶりなどの解説を行っております。
 また、東京都美術館では、伝統工芸職人とデザイナーとが共同して、オリジナルの商品を開発し、その開発過程を一般の方々に周知し、冊子として記録に残しております。このように、江戸から伝わる無形の伝統文化についても、次世代の人々への継承に努めております。

○あさの委員 実はある程度やっているんだという話があって、ありがたい話なんですけれども、例えば、今の江戸東京博物館の話でいっても、江戸時代のいわゆる庶民が持っていた江戸しぐさといわれるもの、そういったものを残す努力をしている民間の団体もあったりして、実は目に見えない、あるいは我々がそういった意識をしていないものの中にも物すごく価値のあるものというのはたくさんあるんですね。
 先日、ある民間企業の、これはさまざまなケータリングやなんかをやっている会社の社長さんと話をさせていただいたんですが、その中で、その社長さんが危惧していた話をちょっとご紹介させていただきますと、今、調理師学校等の技術を学ぶ学校で選ばれる料理、実は、日本人でありながら、残念ながらフランス料理やイタリア料理、そういったものに走る人が多い。日本の、いわゆる和食といわれる日本料理を選択する人の数がどんどん減っているんだ、一番少ないんだと。そこに危惧を抱いておりました。
 そこの会社は、銀座において、もうはっきりいって採算とれないんだけどといいながら、日本料理を出すお店をやって、日本料理の料理人の方々を雇うことによって、何とか確保しようという努力をしているんだということを語っていらっしゃいました。
 どういうことかというと、もちろん文化という側面を見ていきますと、経済活動の中では淘汰されるものというのはどうしても出てきてしまうんですね。それは社会生活の中でいたし方ない部分もあると思います。だからこそ、こういった行政がお金を出す、あるいはさまざまな事業を行うことによって、残すべきもの、残さなきゃいけないものというものを残していこうとしていくことが大切なんだと思いますが、今の例でいきますと、日本料理も、料理人になる方は、実は修行に物すごく時間がかかる。身につけるのに物すごく時間がかかる割に、職場が、まず働き場が少ない。そして、収入がそれほど多くないということで、生きていく糧としては選ばない方が多くなっていくということをいっておりました。
 私は、この社長さんはすごく、本当に日本のことを考えているなと思いました。料理も文化じゃないかと、その方がいったことを思い出します。歴史文化財団がどこまでやるかというのは非常に難しいところではあると思いますけれども、例えば日本の料理だって、いわゆる懐石と呼ばれるようなもの、それから東京にだって、江戸時代特有といっても東京特有といってもいいような料理やその技術、そういったものもたくさんあるわけで、こういったものは、技術だからこそ、日本の場合特に多いんですけれども、人から人に伝わっていくものというのは、それが途絶えた時点でいきなり消えてしまうんですね。
 だからこそ、そういったものをきちっと残しておく努力、伝統文化という言葉を私は最初の質問で使わせていただきましたから、伝統文化という言葉を使うと、途端に歌舞伎や、そういった格式の高いもの等を思い浮かべる方も多いんでしょうが、実は、生活の中にこそ息づいている文化というものがありまして、それこそ本当は残す努力、あるいは常に残るかどうかをきちっとチェックする意識というのが必要だと思います。
 ぜひそういった視点でこの財団、あるいは生活文化局としてもどう残していくか、あるいは何を残すべきなのかといったことを考えていただきたい。
 その意味では、この文化の評議会というのもありますけれども、その評議会のメンバーも、やはり芸術だとか建築だとか、いわゆる我々が文化といわれたときに思わず思い浮かべてしまうようなものに若干偏りがあるかなという気がいたします。
 もっと頭を柔軟にして、どんな分野に、まさに日本の文化をどう残していくのかということは東京がやらなきゃいけないんだということ。オリンピック招致のときも、東京じゃない、日本に招致するんだといって、我々は日本全国の人たちに声をかけたわけでありますから、東京でやるんだという意識ではなくて、日本の文化をどう残すのかということを首都東京として持っていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 さて、歴史文化財団の中の、今度は指定管理料について少し伺いたいと思いますが、この歴史文化財団の中で指定管理料、先ほど申し上げましたとおり、文化を残すためには多少のコスト、もちろん収益度外視でやるという感覚は必要なことだということは私もよくわかります。よくわかりますが、とはいっても財源には限りがありますので、湯水のごとく使えばいいというわけでもありません。少なくとも都民の皆さんから見て、その使い道等が、しっかりと文化を残す、あるいはそういった美術館や博物館がしっかりと運営されるために使われているんだということがわかるようにならなければいけないと思います。
 年によって、五年程度の過去の実績を見ていきますと、指定管理料というのは予算及び決算で見ても、それぞれ横ばいから若干の浮き沈みがある中で必要なもの、経費を多少削りながらも堅実な運営をされているのかなという気はいたしますが、少なくとも文化施設として、その費用が事業内容、あるいはそこの設置目的にしっかりと合っているということが客観的に説明できるようにしておくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○濱田文化施設改革担当部長 都立文化施設は、東京の文化的魅力を創造し、国内外に発信するとともに、文化の継承、人材育成、教育普及など、都の文化政策を実現する拠点としての使命がございます。自律的な経営を確保しながら、この使命を的確に果たすため、指定管理者である東京都歴史文化財団は、評議員会や理事会での審議を経まして事業計画を策定し、各館の運営を行っております。
 事業の成果につきましては、施設ごとに外部の専門家による評価を受けますとともに、公認会計士など、外部の学識経験者を含む都の指定管理者評価委員会において、適切な財務運営が行われているか、効果的に事業を行っているかという視点も含めて、都立文化施設としての使命が果たされたかについて総合的に評価を行い、その結果をホームページなどで公表しております。
 具体的な事業成果の例を挙げますと、写真美術館は、企業会員などからの資金の確保に努めながら、日本で唯一の写真、映像を専門とする美術館として、約三万点の作品を収蔵するとともに、海外でも展覧会を開催するなど、国内外から高い評価を受けております。
 また、現代美術館では、現代美術を常設展示する国内最大規模の美術館として、国内外の若手作家を積極的に登用する展示や、音楽と美術が融合した最先端の展覧会の開催などの取り組みも行っております。

○あさの委員 歴史をひもとけば、美術や作曲、音楽といったものというのは、おおむね時の権力者というか、お金持ちというか、そういう方々に支えられて世の中に残ってきているのかなという気がいたします。
 本当にもっと古代にいくと、いわゆる西洋でいえば、自分たちが生きていくための活動は全部奴隷にやらせて、そのためにほかをやるといった時代もあったようではありますけれども、少なくとも芸術に力を注ぐ方々というのは、およそ自分が生きていくとか生活するということを、ある程度目をつぶって作品を残す、自分の才能を世の中に残していくということに注がなければいけないのかなという気もいたしますので、そういったところを支えるという意味では、こういった館の施設運営というのも頑張っていただくしかないなという気はいたしますけれども、今おっしゃっていた、例えば写真美術館も、それから現代美術館も、ぜひオリジナリティーというものを強く残していくような努力をしていっていただきたい。
 そして、ほかの美術館や博物館についても、例えば日本科学未来館というのを運営している毛利衛さんは、その著書の中で、科学未来館は、いわゆる普通の科学博物館とは違う視点でつくっているんだよということをきちっと明確に持っているんですね。科学と人をつなぐんだと。今まで科学といっても、科学技術を紹介する博物館ではなかなかわかってもらえなかったけれども、それは技術者側も歩み寄って、自分たちがやっているということをよりわかってもらうようにしていかなければ、税金などを投入してもらう価値がないんだということをはっきりいって、そういったことを日本の科学技術の進展のためにこそうちはやるんだよということをやって、いろんな新しい取り組み、先ほどのアートコミュニケーターというのも同じようなものですけれども、科学コミュニケーターというのをつくって、最先端の科学技術者が来館した人に対して、この科学技術の進展、研究というものの意味についてしっかりと話すことができるような、その人材の育成も一緒にやるんだとかということもやっているわけで、そういった取り組みもぜひ続けていっていただきたいと思います。
 最後に、この現代美術館や写真美術館というのをいろいろやっていらっしゃるという話がございましたけれども、どうやらお聞きしますと、アーティストトークといったもので、作者が作品について込めた思いや背景を話しているということをお聞きいたしました。
 実は、今の時代、非常に大切なことは、映像とか音声とかというものをかなり容易に残すことができる時代なわけです。過去の、例えばレオナルド・ダビンチがモナリザのほほ笑みを描いたときに、本当はどういう思いで描いたのかとかという記録がもし今残っていれば、物すごく我々はそれについて楽しむことができたんじゃないかという思いが私はするわけですね。(「残っていたらがっかりするかもしれない」と呼ぶ者あり)がっかりするかもしれないという声もありますけれども、もちろん想像力をかき立てるということも芸術の大切な役目ではありますが、とはいっても、やはり作者の思いというものを残しておくというのもなかなか楽しいことで、必要なことじゃないかと思うわけですね。
 せっかくできるんですから、今現在の現代美術、あるいは写真で活躍されている方々のお話というのを、そういったデータとして残すことも美術館、博物館の役目としてやっていただくべきじゃないかと思うんですけれども、この記録を残すということに対しての見解を伺いたいと思います。

○濱田文化施設改革担当部長 アーティストトークでございます。作品を前にして、作家が作品の制作意図や制作過程を解説することによって、鑑賞者の理解を深めるものでございまして、展示の一環として国内外で広く行われております。
 展覧会では、一般的に作品の写真や解説、制作意図などを図録として残していますが、公立美術館としてより多くの都民にすぐれた芸術文化を発信し、さまざまな形で記録、公開に努めていくことは重要でございます。
 例えば、写真美術館では、作家へのインタビュー記事等を盛り込んだ美術館ニュース「eyes」を定期的に冊子として発行するとともに、ホームページにも掲載しております。
 現代美術館の企画展では、アーティストトーク等を映像で記録しておりまして、作家本人の同意が得られたものにつきましては、インターネットで動画配信をしております。

○あさの委員 手短に一言だけ。今の話も、ホームページに載っけている、インターネットで動画配信しているといっても、記録で残しているわけじゃないんですね。なので、ぜひ残す努力もしていただきたいですし、もう一つ、先ほどいった料理の話、それから消えていくもの、先ほどの料理なんかは一番わかりやすいんですけれども、つくっても食べちゃうとなくなっていっちゃうんですね。そういったものというのも動画や映像という記録の中で残すことによって、仮にその技術が失われても、つくるときの動きというのが残っていれば、どうにかして、もしかしたら後で復活させることもできるんじゃないかという期待が残るように、ぜひ動画や音声といったもので残すということも発想として入れ込んで、これから先も努めていっていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○古賀委員 生活文化局所管の二件について質問をいたします。
 まず最初は、朝鮮学校への補助金の件です。
 去る十一月一日、猪瀬知事は、東京都は朝鮮学校に対する運営費補助を平成二十二年度から凍結してきているけれども、その朝鮮学校の実態について調査を実施した、そしてその調査結果に基づき、朝鮮学校には運営費補助を交付しないということを発表したわけです。既にこの報告書は公表されていますので、ごらんになった方も多いというふうに思います。
 なぜ東京都が調査に乗り出したかということであります。これは拉致問題と当然かかわりがあるわけでありまして、平成二十二年十月に、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会、それから北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会、この二つの団体が、当時の石原知事宛てに朝鮮学校への地方自治体の公金補助中止を求める要請書というものを提出いたしました。
 内容は、簡単におさらいの意味で触れてみますと、文部科学省の調べでは平成二十一年度、合計約七億六千七百万円の補助金が支出されていますと。これは地方自治体から朝鮮学校に対して。東京都は二千三百五十七万円、また東京都内の市区町村は合計九千二十五万円を支出しています、朝鮮学校の教科書(現代朝鮮歴史)では、二〇〇二年九月、朝日平壌宣言発表以後、日本当局は拉致問題を極大化し、反共和国、反総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げることで日本社会には極端な民族排他主義的雰囲気が醸成されていった云々。それから、金正日が拉致を認めて謝罪したことや、朝鮮総連が拉致はでっち上げだと強弁していたことにつき謝罪したことは全く取り上げられていません、田口八重子さん拉致と直結する大韓機爆破テロについても、南朝鮮のでっち上げと断言していますと。
 このようなことがずっと書かれていまして、朝鮮学校への公金補助は、拉致を棚上げにしようとする朝鮮総連と朝鮮学校の政治活動を公認し支援するものとなると私たちは危惧しておりますと。そして具体的に、朝鮮学校に対して教育内容、生徒らの政治活動、朝鮮総連との一体性などの問題点を調査し、是正を求めること、それから二つ目に、是正されない限り東京都からの補助金を打ち切ることと、こういうことを求めているわけですね。
 こういう流れの中で、都議会でも、平成二十三年十二月に、これは東京都議会自由民主党、当時、幹事長は宮崎さんでしたけれども、都議会公明党の皆さんと連名で石原知事宛てに、東京朝鮮学園に対する調査の実施についての申し入れというものを提出いたしております。
 内容は、東京都が補助金執行の判断を下すためには、事実確認を行うことが必要である、補助金の執行についての判断を行う前に、東京朝鮮学園に対する調査を実施することを申し入れるということで、こういうものも出されたわけです。
 いずれも自民党政権時代に起きたこの拉致問題、なぜ解決できないのか。先月、横田めぐみさんは誕生日を十月五日に迎えられましたけれども、三十六年間放置され、十三歳だった少女は今もう四十九歳を迎えたわけです。どうすればいいかということを国がなかなか対応してくれないということから、被害者家族連絡会とか、それからこの拉致問題、日本人救出に取り組んでいる全国協議会がこのような要望を知事に宛てて出した。そういったことを受けて、東京都がこの朝鮮学校への調査ということを実施するという流れができたわけです。
 そこで、朝鮮学校への調査でどのようなことがわかったのか。報告書は既に出ていますので、ごらんになればわかると思うんですけれども、ここで、要点だけでも結構ですので、この朝鮮学校に対する調査結果の内容について、その報告書の内容を概略で結構ですから述べてください。

○武市私学部長 この調査は、朝鮮学校への運営費補助金の交付の当否を判断するために行ったものでございまして、学校運営全般について実施をいたしました。
 具体的には、平成二十三年十二月から二十五年十月までの間、教科書や財務関係書類等の書面調査、授業の様子や施設財産の使用状況を確認する現地調査、朝鮮総連の機関紙等からの情報収集に基づくヒアリングを実施いたしました。
 調査結果といたしましては、教科書の記述などから、朝鮮学校は朝鮮総連と密接な関係にあり、教育内容や学校運営について強い影響を受ける状況にあること、また、学校施設の一部を朝鮮総連支部の事務所として無料で長年使用させているなど、朝鮮学園は準学校法人として不適正な財産の管理運用を行っているということがわかりました。
 なお、不適正な財産の管理運用につきましては、都は改善指導を実施しておりまして、朝鮮学園は改善措置を講じる考えを示しております。

○古賀委員 そのようなことが書かれています。もっと詳しくいろいろなことを、よく調べてくださったというふうに思います。
 この朝鮮学園に対する東京都の補助金は、長い経過があって、当時、社会党の片山さんという都議の方がいたんですけれども、その方が予算特別委員会でこの補助金の問題、外国人学校に対する補助について質問をし、局長が、他府県の状況と外国人学校の実態を調べてみるということで一つの動きができて、その後、東京都も調査をする。さらには平成六年に、都議会の日朝議員連盟会長等が立ち会う中で、朝鮮総連東京都本部が、朝鮮学校に対する補助金創設に関する要望書というものを、署名簿を添えて当時の鈴木俊一知事に提出をしたということがあり、平成七年になって、第一回定例都議会において鈴木知事が、これは当時の自民党の井口議員の質問に応える形で、私学助成の中で経常費補助等について、今後新たな仕組みとして、私立外国人学校に対する補助金が計上されるといういきさつがあり、平成七年度から補助金が交付されるようになったわけです。運営費補助についてです。
 当時は、平成七年度で約三千七百万、当時は対象人数も多いために四千万を超えたこともあり、かなりの額がずっと出てきたわけですけれども、最近は、先ほど申し上げましたように、平成二十一年度で二千三百万の運営費の補助が交付されてきたということです。
 ただ、先ほど申し上げたような背景があって、これが凍結され、調査が行われ、今回も執行されないということで、今回、計上が見送られるということになったわけでありますけれども、これで朝鮮学校に対する税金の投入、拉致事件が少なくとも解決するまでは出すべきではないという家族会や運動団体等の要望が守られているように私たちは素直に受けとめるんですけれども、実は、これとは全く別の名目で桁違いの補助金が出ているわけです。これは、それなりの背景、理由がありまして、やむを得ないというか、その趣旨からいえば、計上されて予算が執行されることは認めざるを得ないのかなということは私も思います。
 先ほど、運営費については交付しないということで、これはもう決着がついているわけですけれども、一方で、今申し上げましたように、東京都は、私立学校の安全対策の促進を図るという目的で、校舎の耐震補強工事などに要する経費の一部を補助しているわけです。朝鮮学校に対しても耐震化補助が現に行われています。このことは意外と皆さん知らないわけです。この運営費の補助とは桁が違う額が出ています。
 そこで、別にこれは秘密で予算が執行されたわけでも何でもないので、しかし、意外と議会でも議論されていないし、一般の都民の方もご存じない。ですから、ここで、この都議会の文教委員会で、この朝鮮学校への耐震化補助金の交付状況について説明してもらいたいと思います。

○武市私学部長 都は、平成十九年度に耐震化補助の対象を専修各種学校を含めた全学種に拡大し、補助制度の充実に努めてまいりました。
 朝鮮学校に対する耐震化補助は、専修各種学校への補助として、公益財団法人東京都私学財団が都からの補助金を得て行っております。
 朝鮮学校に対してこれまでに交付いたしました校舎の耐震補強及び耐震改築に係る補助実績は、平成二十一年度から二十四年度までの四校分累計で、約八億三千五百万円でございます。
 補助を行った学校は、東京朝鮮中高級学校、第一幼初中級学校、第二初級学校、西東京第二幼初級学校でございます。
 また、平成二十五年度は、第一幼初中級学校、第六幼初級学校に対する補助といたしまして、二校分合計で約二億八千五百万円の交付決定を行っております。

○古賀委員 答弁にありましたように、平成二十一年度から二十四年度までの四校分で八億三千五百万円と。先ほど申し上げましたように、執行を今回行わないという運営費の補助の方は大体年間二千万ちょっとなんですけれども、こちらの方は桁違いに額が大きいわけです。しかし、事は安全対策ということですので、耐震化ということで、それは私どもも納得するわけですけれども、かなり巨額の税金が投入され、交付されている。今回、平成二十五年度、今年度交付の予定分を含めますと、約十一億円になるんですね。十一億円の耐震化の補助金が交付されています。
 先ほどの報告書の概要をまた思い浮かべていただきたいんですけれども、いろいろ、学校法人用地を担保に入れたり、それから朝鮮総連の関係の事務所があったりとか、使用についてはかなり問題があるということを指摘してありますし、教材として使われている教科書の内容にも問題ありだということで、都の指摘が行われているわけです。
 ですから、ここで私たち、一般の都民もそうだと思いますけれども、東京都が朝鮮学校への運営費補助を凍結する、計上しない、執行しないという一つの判断をしている一方で、耐震化補助を実施しているということについては、やっぱりこういう公の場で説明する必要があると思うんですね。説明してください。

○武市私学部長 私立学校における耐震化は、児童生徒の安全を確保するために非常に重要でございます。朝鮮学校の校舎の多くは、昭和三十年から四十年代に建てられたものでございまして、耐震診断では、建物の耐震性能が著しく低く、震度六から七程度の地震で倒壊する危険性が高いという結果が出ております。
 朝鮮学校に対する耐震化補助につきましては、児童生徒の生命、安全に直接影響すること、倒壊した場合には、学校周辺へも被害が拡大することが懸念されることから、人道上及び防災上の観点に立ちまして、補助を実施しております。
 なお、今回の調査で不適正な財産の管理運用が明らかになりましたため、今後の耐震化補助の実施に当たりましては、朝鮮学園による改善措置が図られることが前提になります。

○古賀委員 復習になりますけれども、東京都は平成十九年度から耐震化補助の対象を全部の学種に拡大しているということです。今年度からは新たに、さらにまた加わるんですね。校舎等の非構造部材の耐震化補助も実施しているわけです。校舎の耐震化が終われば、今度は校舎などの非構造部材、天井とか窓枠とか、そういうものの耐震化補助が今年度から行われているということで、これも対象になってくるのではないかというふうに思いますけれども、現状はどうでしょうか。

○武市私学部長 都は、東日本大震災で多くの建物において天井材の落下などの被害が発生した教訓を踏まえまして、平成二十五年度から、校舎等の天井、外壁、窓ガラスなど、非構造部材の耐震対策に係る費用に対する補助を実施しております。
 この補助は、先ほどの耐震化補助と同様、私学財団が都からの補助を得て行っておりまして、朝鮮学校も対象となっております。
 なお、今年度の補助事業の申請は既に締め切っており、朝鮮学校からの申請はありませんでした。

○古賀委員 今年度から始まった非構造部材についての耐震化補助は、申請がなかったために行われていないということですけれども、申請があれば、さらにこれを補助するということに流れとしてはなっていくというふうに思います。こういった実態があるということを私たちは踏まえて、さまざまな政策判断をしていかなければいけないというふうに思いますけれども、先ほど部長の答弁にありましたように、今後の対応については、不適正な財産管理の状況が確認できたということで、幾ら人道的見地とはいっても、それらの改善が図られることが耐震化補助等の交付の条件となるということですので、私たちも議会として、その点は監視していかなければいけない、見ていかなければいけないといふうに思います。
 私、先般、十月二十三日に、政府の内閣府の古屋拉致担当大臣に、拉致問題に取り組んでいる地方議会全国協議会、会長は神奈川県の松田県会議員ですけれども、一緒に拉致問題解決のために、ぜひ政府としても、安倍さんのときに少しでも前進するように、全面解決に向けて取り組んでもらいたいという要望を行いました。
 きょう、民主党の方もいらっしゃる中で、別に批判をするわけじゃありませんけれども、民主党政権時代、三年三カ月の間に拉致担当大臣というのは八人かわったんですね。一度は任命するのを忘れたこともあったんですよ。そんなこともありまして、五人の被害者の人が日本に帰国を果たし、十年以上の歳月が流れるわけですけれども、その後全く進展がないという状況で、都議会としても超党派で拉致議連も組織していますので、一刻の猶予もできないという危機感を持って、この拉致問題の解決に当たっていかなければならないというふうに思います。家族会、あるいは拉致問題に取り組んでいる全国協議会、救う会の皆さんも、この補助金の件については非常な関心を持っておられるということを踏まえて、今後、私たちも判断をしていかなければいけないというふうに思います。この件は終わりにいたします。いろいろ長くなると申しわけありませんので。
 次に、男女共同参画の件を簡単に質問して終わりにしたいというふうに思います。
 先ほどからウィメンズプラザのお話等いろいろ出てまいりましたので、重複しないようにお聞きいたしますけれども、安倍総理は、国連総会の演説で、女性が輝く社会をつくるとうたい上げました。成長戦略にも女性の活躍促進を掲げて、国も積極的に取り組んでいくということを表明しています。私も、それ自体はもちろん大いに結構なことだというふうに考えますし、全く異論はありません。
 そもそも女性の活躍とか活躍促進とか、そういう言葉で表現されることは、別に全ての女性が家から出て働くということを意味しているわけではないというふうに思うんですね。活躍している女性の皆さんの対談記事なんかを読みますと、会社の社長とか、大成功して男の社員がいっぱいいる中で輝いている女性をすぐイメージするんですけれども、普通に仕事をし、普通に家庭に、子育てもしながら幸せで、そして周りの人たちからも尊敬され、その存在が認められて、社会を支える一員としての責任を果たしている女性もたくさんいるわけですので、何かそういう能力と女性の意欲というものを正当に評価する社会の一つの価値感というものがあれば、殊さら何か、女性が今、男女平等でない社会で非常に苦しんでいるというような判断は下さなくていいというふうに思うんですね。
 先般、世界経済フォーラムの男女平等度ランキングというのが発表されまして、日本は百五位、G8で最下位。日本は男女平等が進んでいないという評価を受けるんですけれども、日本の女性はそんなに何か虐げられて、ランキングが低い地位で苦しんでいるのかというふうに思ってしまうんですけれども、平等というものをどういう価値感、視点で捉えるかによって、私、全く違ってくるというふうに思います。ですから、このランキングのG8で最下位とか、世界で百五番目なんていうのは、非常に私は違和感を感じます。
 きょうここにも、女性でこれだけ活躍している人たち、そうそうたる皆さんがいらっしゃるし、女性にとって何かそんな息苦しい社会じゃないというふうに思うんですね。いいたいことをいえるんだから。(笑声)あることないこと何でもいえる社会で堂々と議論をできるという、すばらしい平等な社会で今、女性は活躍しておられるというふうに思います。
 男女平等ということであれば、例えば、最近、女性特有のがんの検診、子宮頚がんとか乳がんについては、ほとんど検診無料クーポンで無料になっているんですね。女性特有のがんは無料検診の対象になっていますけれども、男性特有の前立腺がんは無料検診の対象になっていないんですよ。こういうことはおかしいという視点とか、そういう発想がジェンダーフリーだとかフェミニズムの旗手のように思われている人たち、例えば「おひとりさま」を書いている上野千鶴子さんとか、坂東眞理子さんとか、そういう人たちがいますね。大沢真理さんとか、男女共同参画社会基本法をつくるのに大活躍した人たちです。こういう人たちは、そういうことは全然いわない。
 一時は、この法律が成立したころは、出産と妊娠以外は全て同じだという主張を堂々とやっていました。トイレも一緒でいいんだということを女性の大学教授がいったんです。私は構いませんけれども、本当にそういうことでいいのかということは真面目に考えなきゃいけないと思うんですよ。
 お互いにそういう役割というのはあるわけで、やはり男性と女性は、例えばサッカーでも、なでしこが世界一になったからといって、男性の日本チームと一緒にやったら徹底的にたたきのめされますよ。だから、本来、男女別の運動競技、国体もオリンピックも、男女別の種目で分かれてやっているわけですよ。マラソンだって一緒にしろという人はいない。みんな別々の競技で、男女別でやっています。だから、おのずから違いを認めた上で、それぞれの役割をお互いどう尊重しながら担っていくかということの視点が大切だと思うんですけれども、東京都が目指している男女平等参画社会というのはいかなるものか、基本的な認識を示してください。

○斎田男女平等参画担当部長 東京が活力ある都市として発展するためには、家庭生活においても、社会生活においても、男女を問わず一人一人にその個性と能力を十分に発揮する機会が確保されていることが重要でございます。
 全ての都民が性別にかかわりなく個人として尊重され、男女が対等な立場であらゆる活動にともに参画し、責任を分かち合う男女平等参画社会の実現を目指しております。

○古賀委員 別に異論は全くないんですよ。それぞれが個性や能力を十分に生かして、そういう能力が発揮できる社会が確保されるように努力するというのは当然のことですし、そのとおりでいいというふうに思います。
 ですから、さきの「おひとりさま」を書いてベストセラーになった上野千鶴子さんなんかは、結局、介護保険ができたときも、やったと思ったと、この制度は私のためにできたようなものだということを語っています。介護保険が初めて家族に頼らなくてもいい老後を可能にしたからですといっている。家族の価値というものを全く認めない視点で、最後は社会で、育児でもそうですけれども、育児の社会化、外注化、介護もそういう流れで物事を考えることが果たして本当に幸せなことなのかどうかということは、十分検討してみなきゃいけないというふうに思います。
 だから、東京都においても、女性が活躍するということは私たちも大歓迎ですけれども、正しい理解が深められていくように、運営については十分留意をしてもらいたいというふうに思います。
 そこで、東京都が今まで取り組んでいるウィメンズプラザについて質問いたします。
 昔、私、ウィメンズプラザの委員もやって、当時は民間で財団が運営していたんですけれども、直営になりました。そのとき民間の運営は反対だといった人たちが、今度は直営にするといって賛成するかと思ったら、民営に反対しておいて、今度、直営にするのも反対したんですね。樋口恵子さんなんかと大激論をやったんですけれども、今は東京都の直営で行われているということです。
 東京ウィメンズプラザでは、悩みを抱えて困っている人の相談を受ける事業を実施しています。女性に限らず、当然のことながら、男性も心と体、仕事など、さまざまな悩みを抱えているわけです。男女平等参画社会の実現に向けた取り組みを進めるウィメンズプラザが実施する相談事業であれば、女性からの相談だけではなく、男性からの相談についても積極的に対応すべきだというふうに考えます。
 ウィメンズプラザの相談事業では、主に女性を対象とした一般相談と男性相談に分けられているわけですけれども、ここで確認したいんですが、一般相談と男性相談の受け付け曜日と受け付け時間はどうなっているのか。どうでしょうか。

○斎田男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザは、男女平等参画社会の実現に向け、男女平等に関する相談や配偶者暴力相談支援センターとして、配偶者からの暴力に関する相談を男女双方から受けております。
 一般相談は、年末年始を除く毎日午前九時から午後九時まで、男性相談は、月曜日と水曜日の午後五時から午後八時まで相談を受け付けております。

○古賀委員 ですから、ウィメンズプラザの相談は、男性と女性とで受け付ける曜日、それから時間に差を設けているということです。女性の相談に対しては面接相談、弁護士や精神科医による相談が設けられているわけですが、男性相談にはそれがないんですね。男女平等の観点からいえば、男女とも同じ条件で相談事業を実施すべきだというふうに、ごく自然に思うんですけれども、いかがでしょうか。

○斎田男女平等参画担当部長 平成二十四年度に東京ウィメンズプラザで受け付けた相談件数は、全体で一万七千五百四十三件、そのうち男性相談は三百九十四件となっておりまして、現在の受け付け曜日及び受け付け時間により、相談の時間も確保できていると考えております。
 また、男性相談で法的な解決が必要な場合は、法テラスや弁護士会、法律相談センター等に、精神面でのカウンセリングが必要な場合には、都立精神福祉保健センター等に適切につないでおります。今後とも、相談の実態を踏まえ、男女双方からの相談に適切に対応してまいります。

○古賀委員 もう質問はなしにしますけれども、男性の相談が少ないということで、男性の悩み相談を実施していること自体余り知られていないんですね。
 私は、その施設名称にも一つ原因があるというふうに思うんですね。ウィメンズプラザというのは、私の語学力で訳せば、女性の館ということですよね。だから、ウィメンズと女性に限定する施設名称にする理由が、やはり一つ問題であろうというふうに思います。ですから、男性に向けた事業も行っているということを都民に周知するように工夫をしてもらいたいというふうに思います。
 ノーベル賞を二度もらったキュリー夫人がいますけれども、キュリー夫人は全米を講演して回ったときにこういっているのです。ノーベル賞二回受賞より、子育ての方がもっと偉大なことです、こう講演しています。ですから、決して、何か男女平等ということで社会参画、企業支援とかといって、外に出て何かをやることが進んだ女性の生き方であるというようなことには、ぜひ東京都の施策は加担しないでもらいたい。今後、男女平等参画について正しい風潮をつくり上げていくことを願って、質問を終わります。

○村上委員 いよいよ最後の質問者となりました。もうちょっとおつき合いください。
 生活文化局は、都民の生活にかかわる幅広い取り組みを進めていますけれども、今回は特に、私からは情報公開について、それから、今、大変熱く古賀先生が語られましたけれども、男女平等参画について--ここはちょっとだけにします--私学支援の三点について質問をさせていただきます。
 都民と都政を結ぶ接点として、重要な役割を果たしている制度の一つに情報公開制度があります。情報公開制度は、公正で透明な都政の推進と都民による都政への参加の促進により開かれた都政を実現し、地方自治を確立していくという理念のもと、昭和六十年に制度が開始されて以来、二十八年が経過しております。
 この間、情報公開制度は、開かれた都政を推進する上で、なくてはならない仕組みとして発展してまいりましたが、最近の運用状況についてお伺いいたします。

○佐藤都政情報担当部長 情報公開制度の中でも大きな柱となっております公文書開示請求につきましては、制度開始当初、年間百件から二百件程度でしたが、近年は急増しておりまして、特にこの五年間だけで開示決定件数は倍増しております。
 平成二十四年度の総件数は一万一千三百十四件で、文書の総枚数も百十万枚に上っております。
 これを内容別に見ますと、工事設計書や食品営業許可台帳など、事業活動情報についての開示決定が全体の約七割を占めております。特に工事設計書の開示決定件数は、平成十九年度で七百二十九件と総件数の約一五%でしたが、平成二十四年度には五千七百九十五件と全体の約五〇%を占めております。この五年間で、その件数は八倍と急増しております。

○村上委員 公文書開示決定件数が大幅に増加してきたことは、情報公開制度が広く認知され、定着してきた証左であると考えます。
 とりわけ工事設計書の開示決定件数が全体の半分を占め、しかもこの五年間で八倍と急増しているという状況を見ると、工事設計書は事業者を含む都民のニーズが非常に高い情報であるといえると考えます。
 この件数の急増は、制度開始当初は全く想定していなかった状況であり、開示にかかわる事務負担は相当なもので、他の業務に支障が出ているのではないかという推察が行われます。工事設計書の開示に当たっては、具体的にどのような手間と、どれだけの時間がかかるのかお伺いいたします。

○佐藤都政情報担当部長 工事設計書は、図面に加え、工事費を算出するためのさまざまな書類などで構成されておりまして、比較的非開示情報の少ない定型的な文書でございますが、文書の枚数は、多い場合には一件で数百枚以上にもなるものでございます。
 これが開示請求された場合には、対象となる公文書一枚ごとに非開示情報を精査いたしまして、非開示情報に係る部分について黒塗りにするなどの処理を行い、決定手続を経た上で開示することとなりまして、各局の実態を調査いたしますと、一請求当たりの実作業時間は約十五時間となっております。
 そうしたことから、関係各局では、工事設計書の開示請求件数の急増により、他の業務に支障を及ぼしかねず、業務の効率化が課題となっております。

○村上委員 先ほど、工事設計書の件数が約五千八百件との答弁がありました。一件当たり約十五時間となると、相当の時間がかかっていることになります。公文書の開示には、その事務処理にかなりの時間を要し、人件費などのコストがかかっているということを改めて認識いたしました。このような状況をきちんと理解することも大切であると考えます。
 工事設計書の開示請求急増への対応は、都民サービス向上と業務効率化の観点から、早急に取り組むべき課題であると考えます。
 これまで公文書開示請求により提供されてきた情報であっても、開示請求が多いものや定型的なものについては都が自主的に情報を公にし、都民への情報提供をより一層進めていくことが課題解決につながるものと考えますが、所見をお伺いいたします。

○佐藤都政情報担当部長 情報公開制度を推進するためには、公文書の開示請求に対し適切に対応することに加えまして、情報提供の取り組みを強化していくことが重要でございます。
 ご指摘のとおり、工事設計書は開示請求件数が多いことに加えまして、文書量が多いこと、比較的非開示情報の少ない定型的な文書であることから、情報提供に適しているものと考えております。
 そこで、工事設計書のうち、その三分の一を占める建設局所管分につきましては、第一本庁舎三階の都民情報ルームにおきまして、公表用データをCDで情報提供するという試行的取り組みを今月より開始いたしました。今後も試行の状況を見ながら、情報公開条例で定められております情報提供の取り組みを他局にも広げていくことによりまして、都民サービスの向上に努めてまいります。

○村上委員 今ご答弁があったように、今月に試行を開始した工事設計書の情報提供は、都民が請求せずとも迅速かつ容易に情報を入手できるようになり、都民サービスの向上につながる一歩進んだ取り組みとして大いに評価できると思います。今後も積極的に取り組んでいってほしいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、大変やりにくいんですが、男女平等参画についてちょっとだけ触れさせていただきます。
 先ほど古賀委員のご見解と私の考えも全く同じでございます。また、古賀委員は、私のことに大分遠慮をされながら質問されていたようでございますが、女性の相談と、また男性の相談の時間数、あるいはそういった取り組みに大分差があるだろう、こんなお話がありました。私はちょっと見方を変えて、切り込みの視点を変えて質問したいと思います。
 今月の八日に、ウィメンズプラザでフォーラムが行われました。これはキャリアデザインワークショップというフォーラムで、ワールドカフェという新たな取り組み、これは参加者全員の意見や知識を集めることのできる会議手法ということでございますが、この取り組みとして、これは女性だけに限らず、フォーラムという形で行っていただいたようでございますけれども、この辺の取り組みについて具体的な内容をお伺いいたします。

○斎田男女平等参画担当部長 先週開催いたしました東京ウィメンズプラザフォーラムにおいて、仕事、結婚、育児などを初めとした自分らしい生き方、働き方について考える体験型の講座を開催いたしまして、男女四十名の若者に参加いただいたところでございます。
 この講座は、キャリア形成を共通のテーマといたしまして、先生おっしゃるとおり、参加者が相手を次々と変えて議論していくことにより、参加者全員の意見や知識を集めることができる手法で行うものであります。
 参加した多くの若者からは、議論する中で自分のこれからの職業人生について初めて考えを深めることができた、みずからの人生をみずから構想し、実現していくことの重要性を改めて感じたといった感想が聞かれました。

○村上委員 今のご答弁の中で、参加した若者にとっては直接自分の意見をいう場があり、そして、それぞれ参加者の意見を聞く場ということで、新しい取り組みだとは思います。若者が長期的な視野で人生設計を考えるための講座であれば、大学などとの連携が一層重要であると考えます。十一月二十八日、首都大学東京で戦略的キャリアデザインの方法という形で公開講座が行われるようですが、この辺の取り組みについて教えてください。

○斎田男女平等参画担当部長 実社会に出る前に若者が戦略的な人生設計を考える場としては、大学が最適であると認識しております。このため、今月二十八日に広く大学生を対象に、首都大学東京と共催により公開講座を実施する予定です。
 内容としましては、キャリアの形成は単なる就職活動のためのものではなく、長期的な視野で人生設計を考え、どんな仕事につくか、そのために学生のうちから何をすべきかなど、キャリア設計という視点で捉えたものでございます。さらに、今年度の取り組みを応用し、来年度は大学等が授業に活用できるキャリアデザインに関する講義の素材を専門家の助言を受けて作成し、インターネット上で広く周知していくことを考えております。

○村上委員 ご説明ありがとうございました。こうした講座、あるいはフォーラムで学んだ若い人たちがこれから社会に出て、大いに活躍していただくことを期待いたします。
 そして、一点だけ。女性の活躍進出ということですけれども、これは仕事をする女性だけに限らず、専業主婦を初めとした全ての女性が希望を持って元気な暮らしができるように、都としてもしっかりと後押しをするべきと考えます。このため、企業、地域、学校など、あらゆる場における女性活躍推進の機運醸成を図るとともに、関係各局と連携して積極的な事業展開を図っていただくことを強く要望いたします。
 そして、三番目として、私学支援についてお伺いをさせていただきます。
 まず、国の就学支援金の見直しについてお伺いをいたします。
 私立高校生を対象とする就学支援金は、公立高校が無償化されたことに対応して、所得にかかわらず一律に約十二万円が支給されるほか、低所得の世帯に加算が行われる仕組みであります。
 高校無償化制度に対して、我が党は、限られた財源を有効に使うために、一律に支給せずに所得制限を設けることにより、真に公助が必要な世帯のための制度にするべきであると主張してまいりました。
 こうしたことにより、今、国では所得制限を導入し、低所得者のための給付型奨学金の創設や公私間格差の是正などの見直しが進められており、たびたび新聞報道で取り上げられておりますけれども、進捗が非常にわかりにくい状態であると思います。
 そこでまず、就学支援金の見直しについて、現時点で何がどこまで決まっているのかお伺いいたします。

○武市私学部長 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案が国会に提出され、現在審議中となっております。
 この法律案には、来年四月の入学者から、就学支援金の支給に所得制限を設ける旨の規定があります。
 なお、具体的な所得制限の基準額や低所得世帯の生徒に対する支援の拡充内容等につきましては、別途定める政令で措置することとされております。

○村上委員 新たな制度の全体像が固まるまでには、まだしばらく時間がかかるようですけれども、ここでは来年四月から所得制限を導入すること自体は事実上決まっている点を特に指摘しておきたいと思います。
 そこで、問題となるのが学校事務費であります。私が平成二十三年十一月の本委員会事務事業質疑で取り上げたように、制度創設当初から、学校に非常に重い事務負担がかかっていたことを踏まえて、我が党の要望により、一昨年度から学校の事務費に対する都独自の補助が導入された経緯があります。今回の見直しに伴い、来年四月から所得制限が設けられますと、所得審査の件数が非常に大きくふえるために、学校の負担が一層膨らむものと考えます。
 そこで、今後の都の事務費補助に関する基本的な考え方についてお伺いいたします。

○武市私学部長 現在の制度は、所得の審査なしに全ての生徒が一律に就学支援金を支給されておりまして、加算を受ける低所得世帯の生徒だけが所得に関する証明書を届け出ることとされております。
 これに対しまして、所得制限が導入された場合には、基準額の範囲内で支給対象となる生徒は全員、所得に関する証明書を届け出る必要がありますため、所得審査の件数が大幅にふえるということは、理事ご指摘のとおりでございます。
 都は、平成二十二年度の就学支援金制度創設に伴い、新たに事務センターを設けて事務を集約し、これまで学校の負担軽減に努めてまいりましたが、それでも学校の現場では、届け出書類の配布や保護者からの問い合わせ対応など、多くの事務を担っております。このため、平成二十三年度から、学校に対する事務費補助を都独自に交付することといたしましたが、所得制限の導入により、学校の事務量が大幅に増大する事態が見込まれます。
 そもそも就学支援金制度は国策として導入し、実施したものでありまして、その事務に要する経費も全て国の責任で措置すべきものでございます。都はこれまでも、事務費の全額措置を国に対して要請したところでありますが、今後も一層強く国に求めてまいります。

○村上委員 私学関係者のお話によりますと、今ご答弁いただいたとおり、所得制限導入に伴って所得の審査が必要となる対象者が大幅に増加すると予想されていることから、多くの学校現場が大変不安に感じている。来年四月から新たな制度が実施されれば、学校にとって確実に大きな負担となるわけです。現場の混乱を避けるためにも、国に対してしっかりと財源措置を求めていくことを改めてお願いさせていただきます。
 次に、私立学校の留学支援についてお伺いをいたします。
 私立の高校に対する留学支援については、学校関係者の長年の悲願がかなって、今年度新たに支援制度が創設されました。制度の構築に当たって、我が党から都に対して、私学団体や学校現場のご意見をよく聞くよう求めた結果、各学校がこれまで蓄積したノウハウや教育方針を生かした支援制度となったことを高く評価いたします。
 特に、留学の効果が高いとされていながら、経済的理由によってなかなか取り組みが進まなかった長期的な留学に対して支援を行うことで、より長期間の海外留学が可能になったことが大きなポイントであると考えます。三カ月から一年間という留学期間に合わせて段階的に補助単価を設定することで、生徒、保護者の費用負担に応じた効果的な支援制度となり、私立高校におけるグローバル人材の育成に弾みがつくものと期待をしています。
 始まったばかりの事業で実績もまとまっていないとは思いますけれども、今年度の補助の状況を現在までの集計でよいので、ぜひお尋ねをしたいと思います。特に、狙いとしていた長い期間の留学への補助の状況がどうなっているのか、留学期間ごとの内訳をお願いいたします。

○武市私学部長 今年度は年二回申請を受け付けておりまして、七月に締め切った第一回の受け付けでは十三校から三十三人、約三千六百万円の補助金申請がございました。留学期間ごとの内訳は、三カ月留学が十四人、六カ月は申請がなく、一年間が十九人となっております。
 現在、第二回目の申請を受け付けておりますが、初年度ですので、いずれの申請期間におきましても、学校の担当者を対象に説明会を実施いたしまして、制度の周知を図っております。

○村上委員 現時点の評価はまだ早いと思いますけれども、狙いどおり、やはり長期の留学が多い結果となっているようにお見受けをいたしました。
 都は、学校説明会を開催して補助制度を周知し、活用を各学校に働きかけるなどしているとのことですが、事業の効果を高めるためにも、さらに申請人数をふやすよう努めていただきたいと思います。
 今後、多くの学校がこの制度を活用して、一人でも多くの高校生が海外で学び、世界で活躍する人材として成長することを大いに期待いたしております。
 以上、今回は私学助成の中でも高等学校に関する最近の動きを中心に伺ってまいりました。高等学校だけを例にとっても、さまざまな環境の変化が見られますけれども、いかなる状況においても責任政党として、東京の未来を支える人材の育成に取り組む私学を支援し、発展させていくことが大きな使命であると考えます。今後も学校現場や保護者の声を反映させて、私学の振興のために施策の充実に取り組んでいきたいと思います。
 そこで、最後に、時代の変化を踏まえた私学振興に向けた局長のご決意を伺って質問を終わります。

○小林生活文化局長 私学団体の方々とお話をいたしますと、よく私学には平均はないということをいわれます。私立学校は、何か目指すべき一つの学校像があって、各学校がそれに向かっていくというのではなくて、それぞれの学校がそれぞれの建学の精神と独自の教育理念に基づいた特色ある教育を、子供たちの将来を見据えつつ長い視点で考え、日々改革し続けながら多様な人材を輩出してきたのだと、こういうふうに認識をしております。
 これまで私立学校が東京の公教育に果たしてきた役割については多言を要しませんが、今日の私立学校は、少子化の進展、公立高校の無償化、子ども・子育て支援新制度の導入など、社会経済状況の変化の中で多くの課題に直面しております。
 私立学校を取り巻く環境が変化する中、本日ご質問いただいた就学支援金の見直しやグローバル人材の育成など、東京の私立学校がいち早く時代の動きを先取りして、都民の期待に応える質の高い教育を提供するため、学校現場を先頭に日々努力を重ねております。こうした取り組みを支援し、私立学校は時代の要請に応え、東京の未来を支える人材を育て続けることができる支援策の展開が求められているというふうに考えております。人材は最も重要な社会資本でございますし、公教育を支える私立学校の支援は、将来に対する投資といえるんだと思います。
 こうしたことを踏まえまして、都では、子供たちが安心して学ぶためには、何よりもまず、学校運営の安定化が不可欠であるということから、学校運営に対する経常費補助を基幹的補助と位置づけ、その充実に努めるとともに、学校施設、設備に対する補助や私立高校生に対する海外留学支援、震災から児童生徒の命を守るための耐震化補助の拡充など、幅広くきめ細かな私学振興策を展開しております。
 また、東京の私立幼稚園を見てみますと、九割を超える都内の園児の教育を担い、都の幼児教育を支えておりますが、全国平均では学校法人立の幼稚園が約九割を占めているのに対しまして、東京の場合は約六割で、個人立と宗教法人立が約四割を占めるという大きな特徴がございます。個人立、それから宗教法人立の幼稚園に対しましては、経常費補助などの国からの補助がなく、財政基盤が脆弱となっております。
 都といたしましては、学校法人立への支援はもちろんですけれども、こうした個人立や宗教法人立の幼稚園に対しても、国に頼らず都独自の補助をしっかりと行い、これもまた都の役割だというふうに認識しております。こうした支援に努めていく必要があると考えております。
 今後とも、私立学校が置かれた状況を十分に踏まえまして、その建学の精神と自主性を尊重し、都議会の先生のお力をいただきながら、経常費補助を中心に施策の充実を図り、私立学校の振興に全力で取り組んでまいります。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時十一分散会

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