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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第十三号

平成二十五年十月二十二日(火曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小竹ひろ子君
副委員長小松 久子君
副委員長きたしろ勝彦君
理事大松あきら君
理事大場やすのぶ君
理事村上 英子君
神野 次郎君
里吉 ゆみ君
野上ゆきえ君
あさの克彦君
新井ともはる君
上野 和彦君
川松真一朗君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
教育庁教育長比留間英人君
次長直原  裕君
教育監高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長堤  雅史君
地域教育支援部長前田  哲君
指導部長金子 一彦君
人事部長加藤 裕之君
福利厚生部長高畑 崇久君
教育政策担当部長白川  敦君
教育改革推進担当部長出張 吉訓君
特別支援教育推進担当部長廣瀬 丈久君
人事企画担当部長粉川 貴司君

本日の会議に付した事件
教育庁関係
事務事業について(質疑)

○小竹委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 この際、さきの台風二十六号によりお亡くなりになられた方々に対し、心から哀悼の意を表し、謹んで黙祷をささげたいと思います。
 皆さん、ご起立を願います。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○小竹委員長 黙祷を終わります。ご着席願います。

○小竹委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松山総務部長 去る九月十七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。
 ごらんいただきますように、今回要求のございました資料は十四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、都立特別支援学校(肢体・知的)の外部専門家及び外部人材の導入人数並びにそれに伴う教職員定数削減数、各校の導入年度でございます。
 外部専門家及び外部人材の導入状況と、それに対応する教職員の削減数につきまして、それぞれ対象職種、人数及び学校数を記載してございます。また、各校における導入年度を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、平成二十五年度都立特別支援学校の保有普通教室の状況でございます。
 平成二十五年五月一日現在、都立特別支援学校で保有する普通教室数を障害種別、学校別に記載してございます。
 三ページをごらんください。3、都立特別支援学校の重度重複学級数の推移(障害別・過去十年間)でございます。
 都立特別支援学校の重度重複学級数について、障害別、学部別に十年間にわたる推移を記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、都立学校図書室の司書の配置状況と司書業務が民間委託されている学校でございます。
 平成二十三年度から平成二十五年度における司書の配置状況について記載してございます。また、民間委託されている学校について、学校名と学校数を記載してございます。
 五ページをごらんください。5、平成二十五年度における国の標準を下回る学級編制の実施状況でございます。
 このページから七ページにかけまして、各都道府県における実施状況について記載してございます。
 恐れ入りますが、八ページをお開き願います。6、都立学校の冷房設備設置状況(平成二十四年度末現在)でございます。
 都立学校の平成二十四年度末における普通教室、特別教室、体育館の冷房設備設置状況について、区分ごとに記載してございます。
 九ページをごらんください。このページから一一ページにかけまして、区市町村立小中学校の平成二十四年度末における普通教室、特別教室、体育館の冷房設備設置状況を区分ごとに記載してございます。
 恐れ入りますが、一二ページをお開き願います。10、都立高校及び都立特別支援学校教員の在校年数別人数と平均在校年数でございます。
 このページから一四ページにかけまして、都立高校等の教員の在校年数別の人数と平均在校年数について、職層別、職種別に記載してございます。
 恐れ入りますが、一五ページをお開き願います。11、栄養職員と栄養教諭の定数及び配置状況、国基準との差(学校種別)でございます。
 平成二十五年四月一日現在における栄養職員、栄養教諭の定数及び配置状況と国基準等について、校種ごとに記載してございます。
 一六ページをお開き願います。12、都立特別支援学校スクールバス予算の推移(平成十六年度から平成二十五年度まで)でございます。
 都立特別支援学校において運行しているスクールバスの予算額、学校数、コース数の推移につきまして記載してございます。
 一七ページをごらんください。13、教育職員の病気休職者数(平成十七年度から平成二十三年度まで)でございます。
 平成十七年度から平成二十三年度における教育職員の病気休職者数を、精神系疾患とその他の疾患別に記載してございます。
 一八ページをお開き願います。14、安全衛生委員会等を設置する都内公立学校数(平成二十四年五月一日現在)でございます。
 平成二十四年五月一日現在における都内公立学校の安全衛生委員会等の設置状況について、校種別に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小竹委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川松委員 私からは、小中高一貫教育校について質問いたします。
 私たち自由民主党は、二〇一三年の政策提言におきまして、東京を世界で一番の都市にを目指し、世界一への七つの道を開くことを訴えております。
 教育にかかわる内容としては、世界で活躍する人材を育成するために、系統的、継続的な教育や、教育課程の弾力的な運用が可能な都立小中高一貫教育校の設置を検討するとしております。
 先般、都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会から中間まとめが示されましたが、まず、戦後の日本の教育制度の基盤である現行の教育制度、六・三・三・四制について考える必要があります。
 戦前は、六年間の尋常小学校や国民学校初等科を修了した後は、多様な進学の道があり、子供たちの持つさまざまな資質や能力、目的に応じて学校を選択できる複線化された学校制度でありました。しかし、戦争が激化するとともに、学徒動員や軍事教練、学童疎開などによる子供たちの離散などにより、制度そのものが機能しなくなり、終戦を迎えたのであります。
 その後、教育再生に向けての動きが急ピッチで進み、終戦一カ月後には平和国家の建設といった戦後教育の方向性として、新日本建設の教育方針を文部省が示し、昭和二十年十月には、教育内容、教育関係者、教科目・教材に関する三事項の管理について、占領軍総司令部は、日本教育制度の管理を示しました。ここまで、終戦後およそ二カ月しか経過しておりません。
 そして、昭和二十一年四月には、戦後の教育改革の指針である第一次米国教育使節団報告書が示され、この報告書で初めて新しい学校制度である六・三・三制、六・三の義務化と無償化などが勧告されたのです。これらの方針は、日本国憲法、さらには教育基本法に受け継がれ、単線型の学校制度である六・三・三制や、義務教育の無償化などが完成しました。
 このように、日本の教育制度は、アメリカの主導によって戦後間もなく完成されたのですが、このような歴史的経緯はもちろんのこと、諸外国の教育制度も踏まえて、都立小中高一貫教育校の基本構想を考えていくことも大切です。
 そこでまず、諸外国における教育制度の概要について伺います。

○出張教育改革推進担当部長 終戦後、日本に六・三・三制を勧告したアメリカの教育制度は、就学開始年齢や就学期間などが州ごとに異なっております。学校種の区分は、現在、五・三・四制が主流となっており、六・三・三制は少なくなってきております。
 アメリカと同様に、就学期間が州ごとに異なっている国としては、ほかにドイツがございます。学校種の区分は、四・五制や四・六制、さらには四・九制もあり、多様でございます。一方、イギリスは、五歳から十六歳までが義務教育であり、日本と比較して就学開始年齢が早く、義務教育の期間が長く、学校種の区分は六・五制が主流となっております。韓国は、日本と同様に六・三・三制を用いております。

○川松委員 このように教育制度は国ごとにさまざまであり、教育に関する考え方もさまざまであることがわかりました。こうした中で、日本の六・三・三制は、どの地域に住んでいても、全ての国民が一定水準の教育を受けることのできる制度として構築され、我が国の社会が発展する基盤となるなど、国際的にも高く評価されているものです。
 一方で、制度発足後六十五年以上が経過し、子供を取り巻く環境の変化や子供の成長の早期化など、さまざまな要因が絡み合って、例えば小一問題や中一ギャップなどといった教育課題なども見られるようになってきております。
 このような状況から、我が党は、政策提言、世界一への七つの道において、現行の六・三・三制を五歳からの義務教育化を含めた五・四・四制や、小中高一貫校の四・四・四制など、学制を多様化することを提言しており、平成の学制大改革において、子供の発達の早期化や中一ギャップ等の課題を踏まえ、義務教育段階を初めとした現行の学校体系の枠組みを見直すことを提案しております。
 都教育委員会においても、さまざまな教育改革が進んでおりますが、先般、我々都議会自民党は、都立小中高一貫教育校設置に向けた検討を進めるに当たり、最も重要となる設置目的について代表質問を行ったところであります。
 現在の六・三・三制を基盤とする教育制度が施行されてからおよそ六十五年が経過し、そのもとで、さまざまな課題の解決が求められていることは既に述べたとおりであります。都立小中高一貫教育校では、十二年一貫教育を行うとしておりますが、一貫教育を構想するに当たり、六・三・三制である現行制度について、十分に検討する必要があります。
 そこでまず、現行教育制度下における教育課題について認識を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 戦後の我が国において、六・三・三制は、単線型の教育制度として広く定着し、社会の基盤となっております。
 一方、中央教育審議会の審議のまとめとして示された義務教育に係る諸制度の在り方についてによると、制度発足時と比較し、子供を取り巻く環境の変化や子供の身体的発達の早期化などにより、教育制度と現実の子供の状況に差異が生じており、特に小学校では、発達に応じた指導を行う必要があります。また、学校間の接続に関しては、連携や接続が不十分であり、いじめや不登校といったさまざまな課題が発生していると指摘されております。
 都教育委員会では、これらの課題に適切に対応するため、都立中高一貫教育校の設置やいじめ問題等対策室の設置、スクールカウンセラーの小中高全校配置など、さまざまな施策を推進し、成果を上げてきております。

○川松委員 確かに課題があり、改善のために我が党は多くの指摘をしてきました。その指摘に基づいて教育課題を改善するため、都教育委員会でさまざまな取り組みが行われ、成果を上げつつあることは大変価値があることと評価しております。
 さらに、これらの課題の解決に向けた一つの方策として、小中高一貫教育を実施していくのであれば、そのよさを都民にわかりやすく示すべきであると考えます。
 そこで、小学校、中学校、高等学校ごとの教育と比較して、小中高一貫教育のよさについて伺います。

○出張教育改革推進担当部長 小中高一貫教育は、十二年間を一体と捉えた教育を実施することが可能であり、一貫した取り組みにより、子供たちの資質や能力を一層伸長することができると考えております。小学校、中学校、高等学校ごとに区切られた教育では、例えば、子供たちが思春期に、精神的に難しい時期に小学校から中学校へ進み、指導方法が変化することによって生じると考えられる学校への不適応といった課題がございますが、一貫教育では、これを改善できると考えております。
 また、小学校から高等学校にかけて一貫した教育を行うことにより、学校生活が受験で分断されることなく、自分の関心のある学習や活動に集中する時間が充実されるといったよさがあります。

○川松委員 設置の検討を進める中で、さらに現状制度との比較、分析を行うことで、小中高の十二年間の一貫した教育のよさを、さらに明らかにしていく必要があると考えます。
 次に、教育課程について質問をいたします。
 中間まとめによりますと、都立小中高一貫教育校では、教育課程を六・三・三ではなく、四年ごとのまとまりで編成し、四・四・四とすることを構想しています。六・三・三制では、小学校、中学校、高等学校といった学校の種別と教育課程が一致しております。つまり、小学校の教育課程は、小学校六年間における学習内容、教え方といったようにわかりやすく、また、社会に定着しているわけであります。このように、六・三・三制において、学校の種別ごとに教育課程を編成することが前提となっております。
 しかし、都立小中高一貫教育校においては、この前提にこだわらず、教育課程を四・四・四とすると構想しております。根拠として、子供の身体や脳の発達について触れられていますが、詳細が不明であります。
 そこで、教育課程のまとまりを四・四・四に設定しようとする根拠について伺います。

○出張教育改革推進担当部長 学校保健統計調査によれば、現在の子供の身長や体重など身体的な成長は、六・三・三制が施行された昭和二十三年当時と比較して、二年から三年程度早まっている状況にあります。
 また、脳科学の知見によりますと、三歳から九歳は、主に睡眠や呼吸といった体に関する脳の機能が発達いたしまして、十歳から十四歳は、言語や手先を細かく使う微細運動及び記憶といった知に関する脳の機能が発達いたします。また、十五歳から十八歳は、人を思いやる心といった徳や論理的な思考等といった高度な知が特に発達する時期であるという識者からの意見があります。
 学習面において、例えば学習指導要領の算数の内容を分析しますと、四年生までは、計算など基礎的な内容が多く、五年生以降は、速さや割合など抽象的な学習内容が中心となっております。
 こうしたことから、都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会の中間まとめでは、同一設置者による小中高一貫教育校においては、現在の子供たちの発達段階を踏まえた系統的、継続的な教育課程を四年ごとのまとまりで編成することを提言しております。
 今後、基本構想検討委員会でさらに議論を継続してまいります。

○川松委員 詳しい答弁によりまして、子供の身体的な発達など、中間まとめで述べられている根拠についてわかりました。
 その後も検討を進めているかと思いますが、教育課程のまとまりを四・四・四とする上での新たな根拠は明らかになったのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 身体的発達については個人差はあるものの、身体的成長のピークは小学校五年生ごろから中学校二、三年生ごろであり、いわゆる思春期も同じ時期からであると考えております。
 一方、現状では、小学校において、例えば一年生と五年生と同じような接し方をしたり、同じような指導方法をとったりするなど、身体的発達が早期化しているにもかかわらず、低学年に対しても、高学年に対しても、同様の指導を実施している場合がございます。
 また、いじめについて、その発生件数は小学校五年生から中学校二年生が最も多く、中学校三年生では、発生件数が最も多い中学校一年生の三分の一に減少するなど、この時期の子供は特に対人関係に不安定な状況にあると推測することができます。
 さらに、教職員研修センターで行った自尊感情、自己肯定感にかかわる研究においては、小学校五年生から中学校二年生にかけて自尊感情が低下し、中学校三年生では上昇に転じることを報告しております。
 これらの状況についても、基本構想検討委員会に報告し、教育課程のまとまりのあり方についてさらに検討してまいります。

○川松委員 現在検討中である新たな根拠や、子供の実態に応じて、子供への接し方や指導の仕方を明確にしようとする意図はわかりました。
 一方で、小学校五年生から中学校二年生のまとまりのように、学校種を超えて教育課程を編成するという新たな取り組みを行うのであれば、四・四・四に限定せず、今後とも教育課程のまとまりについて追求していくことが重要であると考えます。
 その際には、そのメリットだけではなく、デメリットについてもぜひ検討していただきたいと考えます。例えば、多くの学校では、小学校五、六年生で構成、運営されている委員会活動、小学校五年生から中学校二年生におけるクラブ活動と部活動の関係など、これまでは学校の種類ごとに当然のこととして実施されていたことでも検討し直さなければならない教育内容が多くあると考えるからです。このような点につきましても、教育現場をよく知る委員が多く含まれる基本構想検討委員会において、さらに議論を深めるよう要望しておきます。
 また、中間まとめでは、四・四・四の教育課程の編成に関連して、学習内容の先取りについても言及されています。学習する時期をただ前倒しにするだけでは、詰め込み教育になるおそれもあり、子供たちへの負担が増すだけではないかと思われる向きがあります。
 そこで、四・四・四の教育課程に基づいて、学習内容を先取りする基本的な考え方について伺います。

○出張教育改革推進担当部長 基本構想検討委員会では、都立小中高一貫教育校は、理数を中心に、世界に伍して活躍できる人間を育成するとの教育理念のもとで、理科や算数、数学を中心に、英語等の学習について充実を図るよう提言しております。このことを踏まえ、都立小中高一貫教育校では、理科や算数、数学、英語等の教科において、在籍する児童生徒に対して学習内容の先取りを行うことが考えられます。
 学習内容の先取りを行う際には、子供の負担を増加させないようにすることが重要でございます。そのためには、先取りする内容が、今学習している内容と関連が深く、子供にとって理解しやすい内容であることが大切であります。また、体験活動を取り入れ、理解しやすくするなどの工夫も必要であります。
 教育課程を編成する中で、学習内容の先取りを実施するかどうか、また、実施する場合の教科や内容等について、今後さらに検討を重ねてまいります。

○川松委員 設置目的から、重視すべき学習内容があることはわかりますが、世界と伍する人材を育成していくためには、物事を論理的に考え、表現する力を育成していくことが何よりも大切なのではないかと考えます。小学校の初めのうちは特定の教科のみを重視するのではなく、さまざまな学習や体験活動を通して、論理的に物事を考える力を育成すべきであると考えます。
 学習内容の先取りについては、これからも詳細にわたって議論を重ね、実際の教育内容に反映させていくべきだと考えます。
 これまで、都立小中高一貫校における四・四・四の教育課程について議論してきましたが、多くの区市町村立の小学校や中学校は、現行の教育制度である六・三・三制にのっとっており、教育課程も小中高の学校種ごとの六・三・三です。一方、都立小中高一貫教育校では、四・四・四の独自の教育課程で学習が進行します。
 都立小中高一貫教育校の教育課程が、ほかの公立学校と教育課程の編成が異なっていることで課題が生じることはないのでしょうか。また、四・四・四の教育課程の編成や学習内容の先取りは、例えば小学校、中学校、高等学校をそれぞれ四年で修了することにならないのだろうか。さらに、教育課程が違うため、一度入学したら、ほかの学校へ転出できないのではないだろうかといった心配の声が聞かれます。
 そこで、四・四・四に基づいて学習内容を先取りすることで、現行制度上、ほかの学校との間に課題が生じることにならないのかを伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都立小中高一貫教育校では、学校種別の枠組みは小学校が六年間、中学校及び高等学校がそれぞれ三年間であり、入学や卒業の時期は六・三・三制の学校と同じでございます。
 教育内容としては、理科や数学、英語等の教科において、学習内容の先取りや体験活動の重視をすることが考えられておりますので、六・三・三制の学校における学習よりも学習内容を先に学んでいたり、深く学んでいたりする教科がありますが、体育や音楽、道徳の時間などについては、他の公立学校と同じでございます。
 こうしたことから、都立小中高一貫教育校から六・三・三制の学校に転出することは可能であり、そのことで児童生徒が不利益をこうむることはないと考えております。

○川松委員 子供たちがさまざまな事情により学校を変わることは珍しいことではありません。学校を変わることによって、子供たちが不利益をこうむることがあってはならないことです。
 確かに、学ぶべき内容を全て学んでいることはわかりましたが、大切なことは、学校として、子供たちの資質や能力を最大限伸ばす努力をするということです。ですから、学習内容をしっかりと身につけさせるために、例えば習熟度別の学習を行ったり、子供たちが使う教材やコンピューターなどを教えるための道具を工夫したりするなどして、日々の授業を充実させることが重要なことです。その上で、途中で適性が合わなくなった児童や生徒、また保護者に対して、丁寧な進路指導が必要になってくるものだと考えます。
 都民の中には、小学校は四年で全ての学習内容を修了するので、都立小中高一貫教育校の小学校五年生で転出したら、ほかの公立学校では中学校一年生になるといった誤解もあるようです。こういった誤った認識を払拭し、基本構想についての正しい理解を得られるよう、しっかりと説明するようお願いいたします。
 小学校が四年生で修了するなどといった誤った認識を与えているのが、学校の設置場所が、小学校四年生までは旧芸術高校跡地、五年生から都立武蔵高校附属中学校と分かれることにあると思います。普通に考えて、小中高一貫教育校の全ての施設を同一敷地に設置することが最も望ましいと考えます。
 校舎の分離設置による課題は、今後対応を検討していくとのことですが、特に小学校の途中で通学場所が変わるのは、学校の運営上、問題はないのでしょうか。

○出張教育改革推進担当部長 都立小中高一貫教育校を分離して設置する場合においては、小学校五年生から中学校、高等学校と同じ場所に通学することで、中学校や高等学校の教員による授業や、いわゆる教科担任制の実施など、より専門性の高い指導を行うことが可能となります。
 今後、小学校における学校行事や学習を含め、一体的な学校運営のあり方や通学場所が変わることの影響への対応などについて、継続して検討してまいります。

○川松委員 五年生以上が武蔵高校附属中学の敷地に通学することの利点はわかりますが、校舎が離れることには、やはり課題があると思います。
 例えば、四年生が最上級生となる旧芸術高校の跡地の校舎では、これまで六年生が行ってきたリーダー的役割を担うことができるようにするために、学校の行事の内容や指導の仕方を工夫することなどが課題として考えられます。また、これまで、例えば卒業式や入学式のように、学校種ごとに行ってきた行事などのあり方についても検討する必要があるかと思います。このような一体的な運営にかかわる課題について、今後とも課題解決に向け、具体的な検討を続けてもらいたいと考えます
 続いて、入学者の決定について質問いたします。
 この事項は、都立小中高一貫教育校の基本構想として慎重に検討すべき課題の一つであります。中間まとめには、理数への興味や関心があるなど、すぐれた資質や能力を有する子供が入学することが望ましいとあります。
 しかし、現実問題、小学校入学時において、子供たちの理数の資質や能力を判別することができるのでしょうか。これは大変難しい問題であると考えます。また、小学校入学段階の幼い子供のうちは、その子供が持つ本来の資質や能力というよりも、家庭環境が子供の資質や能力に大きく影響するのではないかと思っております。このような指摘も多くあるかと考えます。
 そこで、小学校段階での入学選抜の基本的な考え方について伺います。

○出張教育改革推進担当部長 中間まとめでは、都立小中高一貫教育校では、理数への興味、関心や適性のある児童を入学させるため、入学者の決定に当たっては、選抜を実施することが必要であると提言しております。
 一方で、この提言に対して、幼稚園児、保育園児等の段階で理数の資質や能力を見出すことは難しいという指摘がございます。
 現時点では、心や体の年齢相応の発育状況や身の回りの自然、さまざまな現象への興味や関心などを入学者選抜において見ることは可能であると考えておりますが、今後、入学者選抜の基本的な考え方や選考内容等について、基本構想検討委員会等で検討してまいります。

○川松委員 入学希望者が入学定員を超えてしまえば、何らかの選抜をする必要はあるかと思います。やはり、小学校入学段階で将来にわたる理数の資質や能力を見出す選抜を実施することは大変難しいのではないでしょうか。中間まとめどおりの考え方で資質や能力を見出すことを重視した入学選抜は、現実的であるとは思えません。理数分野で世界に伍して活躍する人材を育成する近道は、やはり入学後の教育内容を充実させ、子供たちの持っている資質や能力を伸ばすことではないでしょうか。
 既に設置されている都立中高一貫教育校において、六年間一貫教育のよさを生かしたさまざまな取り組みを行い、成果があらわれ始めていると聞いております。中高一貫教育で得られた成果を活用することは、小中高一貫教育を充実させるための一つの方策になると考えます。
 また、教員の資質の向上も重要であります。現在、教員は、取得している免許状の種類によって、指導できる学校種が決まっております。小中高一貫教育校においては、教員免許と教員配置のかかわりについても課題となりますので、今後検討が必要であると考えます。
 これまで六・三・三制のもと、現在の教育課題から始まり、入学者決定の仕組みまで議論を進めてきましたが、中間まとめということもあり、今後ともより深い議論が必要であるとの印象を持ちました。基本構想検討委員会での議論はもちろんのこと、さまざまな意見を踏まえて今後もさらに検討を進め、都立小中高一貫教育校の基本構想を固めていく必要があることを確認し、私の質問を終わります。

○上野委員 私からは、都立小中高一貫教育校の設置の検討について質問いたします。
 この件につきましては、都議会公明党は、さきの第三回定例会におきまして代表質問をいたしましたが、その際述べたとおり、我が党は、この都立小中高一貫教育校の構想は、児童生徒がみずからの意思と努力に応じて多くの学識を習得し、才能を開花させるための新たな教育に向けた取り組みの第一歩であると、このように捉えております。
 また、今回の構想においては、都が一貫した設置者となることで、教育課程を四年ごとのまとまりで編成する、いわゆる四・四・四の教育課程の編成の可能性を示しておりまして、六・三・三制という既存の時間軸を超える手だてとして評価しているところであります。
 一方で、理数よりも他の学習に興味、関心を抱いた児童生徒への対応など、実験的な取り組みゆえの課題を指摘するとともに、小中高一貫教育校の設置及び教育実践によって得られた成果について、しっかりと発信するよう求めてきたところでございます。
 さて、我が国は、これまで科学技術立国として世界をリードしてきました。しかし、さまざまな分野における国際競争は激しさを増しております。将来的には、国際社会における我が国の存在感が低下してしまうのではないか、こういった指摘もあるわけです。天然資源の少ない我が国においては、科学技術の果たす役割は大きく、すぐれた人材を育成することは、科学技術立国として大きな課題であると思います。この点から考えますと、都立小中高一貫教育校の設置目的である理数を中心に世界に伍して活躍できる人材の育成は、まさに日本の将来を見据えたものであり、大変評価しているところでございます。
 この時宜を得た設置目的を実現するための重要な要素は、学習内容などを定めた教育課程にあると思います。本日の質疑において、主に教育課程にかかわるさまざまな課題に対する現時点での考えを問うことで、今後の方向性を明確にしていきたいと考えております。
 そこでまず、個別具体的な内容の質疑に入る前に、改めて、このモデル校としての学校に期待されている役割をお伺いします。

○出張教育改革推進担当部長 都教育委員会では、都立小中高一貫教育校において、十二年間の系統的、継続的な教育を行うことにより、児童生徒の資質や能力を最大限に伸ばし、理数を中心に世界に伍して活躍できる人材を育成することができると考えております。
 この学校で行う小中高一貫教育は、新たな教育のモデルとして実施することから、全都で一校を設置することを予定しております。現在、区市町村教育委員会では、多くの小中学校を設置し、実際に、地域の多数の児童生徒に就学の機会を提供しております。
 将来、区市町村教育委員会や都立高等学校がこの小中高一貫教育の成果を活用できるよう、情報を発信していく予定でございます。

○上野委員 今ご答弁にあったとおり、都立小中高一貫教育校は、モデル校として全都で一校のみの設置であります。たとえ一校であっても、その取り組みによる成果は大きく、さまざまな示唆を含んだものになると考えております。
 既に区市町村においては小中一貫教育、都においては中高一貫教育が実践されております。このたびの小中高一貫教育は、その教育成果をしっかりと発信して、また、それらの教育を充実させることで児童生徒に還元できるよう、このように要望しておきます。
 それでは、教育課程に関する質疑に入っていきますが、冒頭でも申し上げましたとおり、小中高一貫教育が成功するかどうかは、教育課程の具体的な内容に大きく左右されると思います。都立小中高一貫教育校では、教育課程を四・四・四の区切りで編成するとしていますが、四・四・四の区切りで編成することが本当に子供のためになるように、学習内容や指導時期、指導方法などを十分に検討する必要があると考えます。
 その際、忘れてはならないことは、国の基準であり、法的拘束力を持つ学習指導要領に基づいて、学年に応じた学習内容や指導時間などを決め、教育課程を編成しなければならないということであります。当然のことでありますけれども、東京都教育委員会の独断専行で、都立小中高一貫教育校の教育課程を学習指導要領を逸脱して編成することはできません。さまざまな意見を踏まえた上で、国との協議を十分に進め、教育課程特例校制度など、国の制度を活用することが望ましいと考えております。
 そこで、実際に教育課程を四・四・四で編成することで、都立小中高一貫教育校における学習指導や子供への接し方などに何らかの変化があるのかどうか、この点についてお尋ねいたします。

○出張教育改革推進担当部長 これまでの小学校、中学校、高等学校といった学校種ごとの子供の見方から、子供の実態に応じた見方に変えることで、より子供の発達に対応した接し方や指導の仕方を実践することが可能となります。
 都立小中高一貫教育校の設置に関して、現在検討を行っている都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会では、小学校第一学年から第四学年までを基礎期とし、体験活動の重視や基礎、基本の徹底を、小学校第五学年から中学校第二学年までを拡充期とし、体験活動と発想を相互に関連させ、考えを組み立てて理解を深めることや幅広い発展的な学習を、中学校第三学年から高等学校第三学年までを発展期とし、みずからの進路にかかわる専門的な知識や技能、考え方を身につける学習をそれぞれ実施するよう、中間まとめにおいて提案しております。
 都教育委員会は、指導内容や指導方法等について、基本構想検討委員会でさらに議論を深め、検討を行ってまいります。

○上野委員 確かに、六・三・三制が導入された当時と比較しますと、子供を取り巻く環境も異なりますし、成長も早まっているといわれています。
 基本構想検討委員会は、教育の専門家や教育関係者、保護者などの委員で構成されていると聞いておりますが、委員会では中間まとめ公表後に寄せられた多くの意見も踏まえながら、各委員による議論を活発に行っていただきたいと思います。そして、その結果として、それぞれの時期に最も効果的な指導内容や指導方法を明確にして、教育内容を具体化していくことが重要であると考えております。
 次に、学習内容の先取りについて質問します。
 学習内容を先取りして児童生徒に教えることは、ともすると詰め込み教育に陥る可能性をはらんでおります。詰め込み教育に陥る可能性をはらんでいる中で、授業時間は十分に確保して、詰め込み教育にならないようにした上で学習内容の先取りを行うということであれば、教育課程上に余裕を生むといった効果が期待できると思っております。
 そこで、そのようにして確保した教育課程上の余裕をどのように活用するのかお尋ねいたします。

○出張教育改革推進担当部長 基本構想検討委員会では、学習内容の先取りを行うことにより、教育課程上に余裕が生じることを想定しております。この余裕については、専門的な学習の一つである海外語学留学や国内外の大学での聴講などに充てること、また、みずからの興味や関心のある内容についての研究や、ボランティア活動に充てることなどを現在想定しております。
 今後とも、教育課程が効果的なものになるよう検討してまいります。

○上野委員 同一設置者である都立小中高一貫教育校では、教育課程を十二年間一体として捉え直すことができます。その結果、教育課程の余裕を生み出すこともできると思います。入学時から卒業までの十二年間を見通して具体的な教育内容を創造し、教育課程に位置づけていくことが大切であります。時間があるからといって、次から次にさまざまな学習内容を詰め込むことは、間違っても行うべきではありません。先ほど答弁に示されたように、子供たちにとって有意義な学習として活用できるよう、教育課程を編成することが重要であると思います。
 次に、通学場所変更についてでございますが、代表質問でも指摘いたしました。小学校五年生から通学場所が変わります。このことにより通学経路の方法、そして通学時間も変わることが予想されます。また、通学場所が変わることによって、教育の一貫性が失われないように配慮することや、児童への十分な安全指導や精神的負担へのケアを行うことも課題であると思います。このような課題が生じることは容易に予想したことと思いますけれども、校舎を分離して設置する案が公表されました。
 そこで、小中高一貫教育校の設置候補場所は、どのような考え方に基づいて選定したのかをお尋ねいたします。

○出張教育改革推進担当部長 都立小中高一貫教育校は、広範囲から通学が可能で周辺に自然が残るなど、教育環境のよい場所に設置することが必要と考えております。また、円滑に開校していくためには、六年間一貫した学習や異なる学年の交流活動など、都立中高一貫教育校のこれまでの取り組みや、実績の活用を図ることが極めて有効でございます。
 しかしながら、現在の都立中高一貫教育校で、交通至便で東京都の中心部にあり、敷地内に小学校の開校に必要な校舎、施設、運動場を設置できる学校がございません。こうしたことから、交通至便で教育環境に恵まれている旧芸術高校跡地と都立武蔵高等学校附属中学校の二カ所を活用いたしまして、小中高一貫教育校を設置することを予定しております。

○上野委員 全都で一校だけの設置のために、交通至便であることや、中高一貫校の取り組みや実績の中で価値のあるものを活用しようとしていること、これについては今の答弁でも理解をいたしたところでございますが、今後、校舎を分離して設置することによる課題や、その課題に対する改善のための具体策などをさらに検討していくことが必要であると考えますので、要望しておきます。
 続いて、都立小中高一貫教育における子供たち同士の関係についてお尋ねいたします。
 十二年一貫教育を行うよさの一つに、より深く、そして、より強いきずなで結ばれた人間関係が構築され、子供たちの交流が密になるといったことも考えられますが、一方で、関係が一度悪化してしまうと関係改善が難しく、また、悪化した関係を引きずってしまいやすいなど、人間関係の緊密さから生じる課題もあると考えられます。校内での人間関係を広げる一つの方策として、途中段階での募集など、人間関係の固定化を緩和する工夫が必要であると思っております。
 そこで、緩和する工夫の一つとして、小中高一貫教育校において、十二年間の途中段階での入学が必要であると考えますが、所見を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 小学校から入学した児童が十二年間同じ集団で生活することは、人間関係を固定化させる懸念がございます。このため、十二年間の途中段階で他の学校から入学者を受け入れ、新たな集団を形成することにより、人間関係に広がりを持たせる必要がございます。
 また、他の小学校入学後に理数に興味、関心を強く持った子供にこの学校で学ぶ機会を与えるためにも、途中入学の仕組みを設けることが必要であると考えております。
 こうしたことから、途中段階での入学の制度の詳細につきましては、基本構想検討委員会での今後の議論を踏まえ、検討を行ってまいります。

○上野委員 途中段階での募集は、都立小中高一貫教育校で小学校一年生から学んでいる子供にとっては、人間関係を広げる機会であります。一方、他の区市町村立学校で学んでいる子供たちにとっては、理数を重視した教育を受けるチャンスにもなります。途中段階の募集について今後とも検討を重ねていただき、具体的な方法を構築していくことが必要であります。
 さらに、途中の募集だけではなく、教育内容においても、学年を超えた活動を促す行事の工夫や周辺の学校との連携など、工夫の余地があると考えますので、今後とも検討されますよう要望しておきます。
 また、一方で、十二年間の一貫教育において、自分の適性や能力と学校の特性が一致しない場合があるといった懸念があります。子供たち自身がみずからの才能や能力を十分に理解した上で、みずからの進路をみずから選択することができるような仕組みを整えておくことが大変重要であると考えております。そのような仕組みをつくることについても、今後ともしっかりと検討されるよう重ねて要望しておきます。
 最後に、パブリックコメントについて質問いたします。
 先月の第三回定例会におきまして、代表質問ではありますけれども、さまざまな意見を参考に、学校の基本構想を作成するとの答弁をいただきました。
 そこで、八月に中間まとめを公表した後、都民の声であるパブリックコメントを受け付けていると聞いておりますが、都民からどのような意見が寄せられているのかお尋ねいたします。

○出張教育改革推進担当部長 中間まとめを公表した八月二十二日からパブリックコメントを実施いたしまして、広く都民の意見を募集いたしました。
 その結果、九月末までに三十九の個人、団体から、延べ百二十三件の意見をいただいており、現在、これらの意見を整理し、分析しているところでございます。
 内容としては、四年ごとのまとまりで教育課程を編成すること、小学校入学段階で選抜を行うこと、小学校五年生から通学場所が変わることなどに関するご意見が多くありました。
 今後、基本構想検討委員会においてパブリックコメントの実施結果について報告し、都民から寄せられた意見を踏まえて、さらに議論を行ってまいります。

○上野委員 天然資源が少ない日本にとりましては、多くのノーベル賞受賞者を輩出してきたように、世界に誇れる人材こそが資源といっても過言ではありません。これまで科学技術立国として世界をリードしてきた日本が、競争の激しい国際社会において、これからもその地位を維持していくためには、すぐれた人材を育成していくことが大変重要であります。
 冒頭にも申し上げましたが、この都立小中高一貫教育校は、十二年間の一貫した取り組みで子供たちの資質や能力を育成するという構想に立っております。人材育成の面からも大変すばらしいと私は評価しているところでございます。
 しかし、これまでの質疑でも明らかなように、開校に向けてさまざまな課題があります。今後さまざまな課題が生じてくると考えられますが、代表質問でも指摘したように、想定できる課題は、その一つ一つについて丁寧に検討し、課題として表面化しないように準備を進めておくことが重要であります。また、開校という一つの節目を過ぎても、柔軟性を持って課題の解決に努力されるよう望むところであります。
 私は、自分の経験上、都立小中高一貫教育校が成果を上げるためには、いかにすぐれた教員を配置できるか、これが非常に、大変に重要であると考えております。すぐれた教師は子供の隠れた才能を引き出し、伸ばしてくれます。
 私ごとで恐縮でございますけれども、小学校四年生まで算数が大嫌いでした。もう計算するのが大変。分数になると、なおわからない。それが小学校五年になると、さらに難しくなるという状況の中で、実は、中学校の数学の専門の先生が小学五年のときに担任になられたんです。その先生の教育というか、算数の教え方が実におもしろく、楽しく、そして興味を持てわかりやすかった。一番難しくなるという小学五年生の算数が好きになったんですね。五年生の終わるころには、最も得意な科目になってきたという、本当に考えられないようなことがあったわけでございまして(「もともと才能があったんですよ」と呼ぶ者あり)いや、そういうことはないですけれども、そういった、いわゆる子供たちの資質や能力を伸ばすのは、やはり教師の力量によるところが大きいと思います。今後の課題であることは承知しておりますが、適切な教員配置についても、今後ぜひ検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、私の地元、江戸川区に開校予定の鹿本学園についてお尋ねいたします。
 都立特別支援学校においては、重複障害のある児童生徒が増加していると聞いております。そうした児童生徒に合った教育の実現が、今求められております。
 そうした中で、複数の障害教育部門を設置する、いわゆる併置校は、障害教育部門の専門性を相互に活用しながら、障害が重複する児童生徒に対するきめ細かな教育が実現できるという観点からも、児童生徒の実態に合った特別支援学校の形態であると、このように思っております。
 平成二十六年四月に開校する鹿本学園も、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門とを設置する併置校であります。都は、鹿本学園において、併置校ならではの、より効果的な教育を実現できるよう、開校に向けて万全の準備を進めているものと思っております。
 そうした中で、知的障害教育部門の児童生徒の皆さんが利用する増築棟の竣工予定が開校後の平成二十六年十一月末になり、児童生徒が使用できるのは三学期からになると聞いております。
 そこで、開校及びその後の新校舎への移転に向け、都がどのような準備を進めているのか何点かお尋ねしていきたいと思います。
 まず初めに、増築棟の竣工が平成二十六年十一月末にずれ込む中で、なぜ平成二十六年四月に開校するのかお尋ねします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 鹿本学園は、肢体不自由特別支援学校である江戸川特別支援学校と、知的障害特別支援学校である小岩特別支援学校とを発展的に統合して設置する併置校でございます。鹿本学園を一人の校長のリーダーシップのもとで開校することにより、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門との間の交流や連携を進め、別々の学校間の連携によるよりも、より円滑に、効果的に児童生徒の障害の重複化に対応した教育活動を行うことができます。
 また、鹿本学園に、知的障害特別支援学校である白鷺特別支援学校から中学部を段階的に移行することにより、同校の過密解消を図ることができます。このため、増築棟の竣工が平成二十六年十一月になりますが、計画どおり平成二十六年四月に開校することにいたしました。

○上野委員 冒頭に申し上げましたとおり、併置校は障害の重複する児童生徒の教育に適した学校であります。したがって、答弁にもありましたように、より円滑に、効果的に児童生徒の障害の重複化に対応した教育活動を行うことができ、さらに、保護者の皆様からも大変要望の多かった白鷺特別支援学校の過密状況も解消されるということでありますので、来年四月の鹿本学園の開校が期待されるところであります。
 さて、先日、鹿本学園の完成予想図を見せていただきました。現在の江戸川特別支援学校の敷地に肢体不自由教育部門の児童生徒が学ぶ校舎と、知的障害教育部門の児童生徒が学ぶ校舎とが一体的に併置されており、よく考えて設計されているなと思ったところであります。
 児童生徒の移動が機動的で、安全性が確保されているかどうか、ここは大事であります。その点についても、完成予想図を見ながら説明を聞いてまいりました。児童生徒がそれぞれの障害教育部門の特性に合わせて整備された教室などで学習をするときも、また、他の障害教育部門の教室などを相互に活用して学習するときも、児童生徒の安全への目配り、あるいは移動を行いやすいように、機動的な、機能的な施設であるということがわかりまして、安心したところでございます。
 さらに、両障害教育部門の児童生徒が一緒に運動や行事を行える広場なども設けられておりました。相互に理解を深めることのできる環境が整備されていると感じたところであります。併置校では、在籍する障害教育部門にかかわらず、児童生徒一人一人の障害の状況や程度に合わせて、学校が持っているあらゆる人材や施設、設備、教材などを効果的に活用することにより、その児童生徒の持っている能力をできる限り伸ばしていくことができると考えております。
 そこで、鹿本学園では、併置校ならではのどのような教育を受けることができるのかお尋ねいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 併置校には異なる障害のある児童生徒が在籍し、それぞれの障害特性に対応した多様な施設、設備があり、複数の障害教育部門の専門性を生かすことのできる環境がございます。
 このような併置校の特色を生かし、鹿本学園では、両障害教育部門の教育内容や方法を相互に活用するとともに、教員と理学療法士や心理の専門家等の外部の専門家が連携したチームアプローチによる指導を積極的に行い、児童生徒一人一人の障害の状況に応じた効果的な学習活動を実施することが可能となります。
 また、鹿本学園の児童生徒は、日々の学校生活や学習活動の中でさまざまな障害のある級友と交流することにより、人を思いやる心や社会性を身につけることができるようになります。

○上野委員 併置校の特性は多様性であり、児童生徒は、学校生活において貴重な経験を積むことができるということだと思います。
 先ほどの答弁によりますと、このような教育を校長先生のリーダーシップにより実現していくとのことですが、もともと二校であった学校を一校にしていくわけですから、児童生徒も、保護者や教職員も、一日も早く一体感をつくり出し、併置校のメリットを得られるようにするために周到な準備が必要であると思っております。
 そこで、併置校のメリットを開校当初から最大限に発揮するため、どのような準備をしているのかお尋ねいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 開校に向けては、今年度から、教育活動の面からも統合に備えた準備を進めております。
 例えば、小岩特別支援学校の児童生徒が増築棟の建設予定地にある江戸川特別支援学校の中庭で野菜栽培を行うなどの新しい環境になれる活動を行っております。また、両校の児童生徒が相互に訪問して、挨拶や学校紹介、イベントへの勧誘や合同開催を行うなどの交流を深める活動を行い、児童生徒が戸惑うことなく統合できるよう準備しております。
 さらに、両校の教員が相互に講師となって、互いの障害の特性や状況を理解する開校支援研修や保護者同士の学習会なども行い、併置化がより効果的なものとなるよう条件を整えております。

○上野委員 次に、新校舎への移転に伴いまして、特に知的障害教育部門の児童生徒を取り巻く学習環境が、開校時に続き変化することになります。知的障害のある児童生徒の皆さんは、環境の変化になれるまでに時間を要すると聞いております。
 そこで、児童生徒の皆さんが環境の変化にスムーズに適応することができるよう、都はどのような準備を進めているのかお尋ねいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 増築棟への移転に向けては、児童生徒が少しずつ新しい環境になじむことができるよう、移転の体験を学習に取り入れていくことを考えております。
 具体的には、開校指導プログラムとして、増築棟の建設の様子を観察すること、移転前に新しい校舎を見学すること、新しい教室にみずからが使う机などを運び、教室内を整えることなどにより、児童生徒が学習環境の変化について見通しを持って、増築棟への移転を迎えられるようにしてまいります。

○上野委員 今回の質疑を通しまして、都が鹿本学園の開校、そして、新校舎竣工後までをしっかり見通して、児童生徒が新しい環境になじめるよう万全を期していることがよくわかりました。また、併置校ならではの効果的な教育を行う準備を周到に進めていることも理解できたわけでございます。大変安心したところであります。
 地元の江戸川特別支援学校、私も近いものですから機会あるごとに訪問いたします。行くたびに思うことは、何よりもまず、校長先生の心がありますね。本当に熱心です。だからこそ、そこに一緒にやっている先生方に、これは伝わっていますね。本当に大変なご苦労だと思います。しかし、献身的に貢献されていらっしゃる。本当に私は頭の下がる思いであり、そのご尽力に心から感謝しておるところでございます。
 ところで、鹿本学園のコンセプトをお聞きしますと、児童生徒の向学心を育て、七色の虹のように多様な個性の伸長を図り、一人一人が輝く学校にしていくということであります。七色の虹には、肢体不自由教育部門の小学部、中学部、高等部、知的障害教育部門の小学部、中学部、そして、保護者と地域の方々という、この五つの学部と七つの支援といった意味も込められているとお聞きしました。多くの人々に支えられて、障害の状況も学年もさまざまな児童生徒が学ぶ併置校にふさわしい目標像だと思います。
 鹿本学園が将来、児童生徒が力強く生きていくことになる社会への、まさに虹のかけ橋となることができるよう、都が着実に開校準備を進めていくことを期待いたしまして、私の質問を終わります。

○里吉委員 それでは、まず初めに、少人数学級について伺います。
 少人数学級は、保護者や学校関係者からも大変強い要望があります。
 そこで、まず伺いますが、今年度、小学校二年生、中学校一年生で、加配により三十五人学級になったのは何校何学級でしょうか、お伺いします。

○前田地域教育支援部長 平成二十五年度に、都の教員加配により区市町村立教育委員会が学級規模を縮小したのは、区市町村立小学校第二学年で二百六十六校二百六十六学級であり、区市町村立中学校第一学年で百五十六校百五十六学級でございます。

○里吉委員 大変多くのクラスが、この加配によって三十五人学級というふうになったと思います。この小学校二年生と中学校一年生というのは、来年は小学校三年生と中学校二年生へそれぞれ進学するわけですから、ここでの三十五人学級の拡大がないと、また四十人学級でクラス数が減ってしまう可能性があります。
 ことしの春、ある小学校では、二年生のときは二十六人から二十七人の、三十五人学級だったのが、三年生になったら四十人、二クラスになってしまうということがわかって、それでは余りに多過ぎると驚いたお母さんたちが、一週間で千五百筆もの署名を集めるということがございました。学校ですとかいろんなところに、何とか三クラスにできないかとかけ合いましたけれども、実際には、この願いはかなわなかったということなんですね。四十人の方が切磋琢磨できていいという声がありますけれども、そういうことであれば、お母さんたちはこういう動きはしないと思います。
 教育委員会として、こうしたお母さんたちの思いをどのように受けとめるのか伺います。

○加藤人事部長 都教育委員会が取り組んできた小学校一、二年生、中学校一年生における三十五人編成を可能とする教員の加配は、小一問題、中一ギャップの予防、解決のために実施するものであり、全学年一律的な学級規模の縮小を図るものではありません。
 都教育委員会としては、生活集団としての教育効果を考え、児童生徒が集団の中で互いに切磋琢磨し、社会的適応能力を育むため、学級には一定規模が必要であると考えております。

○里吉委員 また一定規模が必要であるというご答弁だったんですが、小学校一、二年生に三十五人学級をした小学校でも、保護者だけでなく、小学校の校長先生や副校長先生の校長会、副校長会からも、ぜひとも小学校三年生の三十五人学級、やってほしいという要望が出ています。これは教育委員会にも、もちろん出ていると思います。中学校一年生で三十五人学級を導入した、この中学校の校長会からも、中学校二年生の三十五人学級、第一の要望として出されております。現場の先生たちの切実な声です。
 生活集団が、一定程度の人数が必要だというお話でしたけれども、現場の先生が、校長先生たちが、この三十五人学級を求めているという声を出していること、これについてどう考えるのか、どう受けとめるのか伺います。

○加藤人事部長 都教育委員会としては、生活集団としての教育効果を考え、児童生徒が集団の中で互いに切磋琢磨し、社会的適応能力を育むため、学級には一定規模が必要であると考えております。
 なお、基礎学力の向上のために、各学校では、教科等の特性に応じ多様な集団を編成して、きめ細かな指導を行っております。

○里吉委員 保護者からも、現場の先生からも、管理職の校長、副校長からも切実な声が出されているということを今順々にお話ししましたけれども、子供たちの一番身近にいる方々の声に、ぜひ耳を傾けるべきだと思うんです。
 私たちもいろんなところからお話を伺ってきましたけれども、どこでも、保護者の方でも、先ほどいった校長会からも、三十五人学級、小学校三年生、四年生で拡大してほしい、中学校二年生で拡大してほしい、こういう声が出されました。
 正式に三十五人学級、小学校三、四年生、中学校二年生でも都教委として実施すべきだと考えますが、都教育委員会の見解を改めて伺います。

○前田地域教育支援部長 都教育委員会は、入学直後の時期が、その後の充実した学校生活を送るための基礎を固める重要な時期であることから、平成二十二年度に小一問題、中一ギャップを予防、解決するための加配を導入し、順次拡大を図り、平成二十五年度に完成させました。まずは、この加配を活用して、小一問題、中一ギャップの解消に全力を挙げてまいります。
 義務教育については、教育の機会均等や教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいと考えており、今後は国の動向を注視するとともに、さまざまな教員加配を活用して、教育課題の解決に努めてまいります。

○里吉委員 小一問題、中一ギャップの解消というお話でしたけれども、それ以外の学年でも少人数学級の導入が求められている。そして、その効果はいろんなところで証明されていると。多分、この委員会でも繰り返し議論されてきたと思うんですが、きょう、資料で五ページから七ページまで、いろいろな都道府県のそれぞれ、国の四十人学級とは別に、小一、中一に限らず、その自治体なりの考え方で少人数学級を拡大しております。
 私は、ある小学校の先生にお話を伺いましたが、例えば、この先生、小学校一年生の担任だそうですが、二十六人のクラスで配慮の必要な子が八人、グレーゾーンの子供も加えると二桁になると。家庭に何らかの困難を抱えている子も少なくない。今、二十六人でも大変な状況だと。こうした事態は年々進んでいて、この先生、この学校に来て六年目だそうですが、一年生を三回受け持っているそうです。年々ひどくなっていると。周りの話を聞いても、決して特別な地域でもないし、ほかにもこのような話がいろんなところで聞かれると。子供たちを取り巻く社会状況が厳しくなっているもとで、三十五人学級は、子供たちの生活環境を丸ごと、勉強だけじゃなくて、小学校でいえば掃除の時間や給食の時間も含めて先生がしっかりと見ていくために、欠かせない制度だということをいっていました。
 それから、中学校の校長会からは、中学校二年生というのは大変難しい学年であり、決して一年生だけを三十五人学級にすれば済む話ではないということで、中学校の校長会の方からは、ぜひとも中学校二年生の三十五人学級をというお話でした。
 文部科学省が来年度の概算要求で、三十五人学級などのための加配を二千百人要求しておりますが、少なくとも、国が予算をつけた場合には、都が独自に行っている中一の三十五人学級に充てるなどせずに、三十五人学級の対象学年を拡大していただきたいと思いますが、都の見解をお伺いします。

○加藤人事部長 文部科学省の平成二十六年度予算概算要求は、少人数学級を推進するだけではなく、チームティーチングや習熟度別指導の推進をすることも選択できるものとなっております。また、対象学年などの詳細は明らかになっておりません。
 現段階では、政府予算案に盛り込まれるかは未定であり、引き続き国の動向を注視してまいります。

○里吉委員 先ほど見ましたように、東京都以外の道府県、いろいろ工夫しながら、三十五人学級だけでないですけれども、少人数学級を進めております。東京都としてもぜひその方向に進めるよう強く求めて、次の質問に行きます。
 特別教室の冷房化について伺います。
 これは資料要求いたしました八ページから載っておりますけれども、ことしも暑い日が続きました。都立高校など、原則として普通教室には冷房設備がつきましたけれども、特別教室には一部しか設置されていないのが現状です。
 そこで、都立高校、特別支援学校の冷房設置状況がどのようになっているのか伺います。

○堤都立学校教育部長 都立学校の特別教室のうち冷房化する教室は、防音性が求められる部屋、熱を発するICT機器が設置されている部屋としております。
 具体的には、図書室、音楽室、パソコン室、LL室などでございまして、これまで計画的に冷房化を行い、整備を完了しております。
 特別支援学校におきましては、これらに加えまして、生活訓練室及び多目的室、また、肢体不自由特別支援学校及び病弱特別支援学校においては、全教室の冷房化を行っております。

○里吉委員 特別教室にたくさんついているように見えるんですけれども、実は一部の教室しかついていないということで、特に、火を使う家庭科室や実験で火を使う理科室、それから美術室などの特別教室にもぜひクーラー設置をというご要望が出ているんですが、これらが冷房設置の対象から外れているのはどうしてなのかお伺いします。

○堤都立学校教育部長 都立学校の特別教室のうち冷房化する教室は、防音性が求められる部屋、熱を発するICT機器が設置されている部屋としております。理科室や家庭科室などは、普通教室に比べて利用率が低いこと、暑い時期には冷房化済みの他の教室を活用するなど、ある程度学校内での工夫が可能であることから、肢体不自由特別支援学校及び病弱特別支援学校を除いて、冷房化の対象としておりません。
 ただし、教室の配置や周辺環境等に配慮すべき事情がある場合には、冷房化の必要性を個別に判断し、適切に対応しております。

○里吉委員 ことしの夏は本当に暑くて、教室内三十七度、三十八度という異常な暑さでした。とても校内での工夫で乗り切れるような状況ではなかったということで、これも本当にたくさんの声が出されています。
 猛暑の中、利用率が低いからといっても、授業一時間、その教室の中で過ごすのは本当に過酷なことだと思うんです。特別教室で使う授業に支障が出ていると。美術の先生は、いろいろな器材を運べないので、仕方なく美術室で授業をやったということでしたけれども、ある理科の先生にお話を聞きましたら、理科室には行けないので実験は取りやめたというお話も伺いました。
 こういうふうに支障が実際に出ているんです。このことについて、どのようにお考えでしょうか、見解を伺います。

○堤都立学校教育部長 授業内容に応じまして、既に冷房化されている教室を使用するなど、各都立学校の創意工夫により適切に対応しております。

○里吉委員 ですから、具体的に先ほどお話ししましたけれども、その工夫では対応できずに、授業内容に支障が出ていると。それから、PTAなどからも特別教室の冷房化を求める声が出ていますよね。
 それで、特別支援学校は、肢体不自由校に限らず、知的などの学校でも体温調節がうまくできない子供たちも少なくないため、体育館の冷房化も切実な要望になっています。
 具体的にこうした授業に支障が起きている現状があるわけですから、都立学校の特別教室や特別支援学校の体育館の冷房化も計画的に進めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○堤都立学校教育部長 冷房化対象外の特別教室や体育館につきましても、従前から、配慮すべき事情がある場合には、冷房化の必要性を個別に判断し、適切に対応しております。
 なお、肢体不自由特別支援学校の特別教室及び体育館については、冷房化を行っております。

○里吉委員 知的のところではついていないという声を聞いていますので、ぜひこれは確認してください。
 それから、小中学校でもクーラーがないということで、いただいた資料では、小中学校のクーラーも九割以上設置されていることになっていますが、実際に設置されているのは、小中学校でも音楽室とパソコン室だけ、もしくはプラス図書館、図書室という学校が多く存在して、現状、九割以上設置されているというふうにはいえないと思います。
 どの特別教室に設置されているのか、特別教室のうち何室に設置されているかなども把握すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○前田地域教育支援部長 都教育委員会では、平成二十二年度から、市町村が行う小中学校普通教室の冷房化を支援してきており、全ての区市町村立小中学校について、冷房化状況の把握に努めております。

○里吉委員 私もいろいろ聞いてみたんですけれども、例えば、音楽室には全部ついていると思いましたら、学校によっては第二音楽室というところがあって、そこにはついていないですとか、図書室も隣のスペースはついていないなど、本当にさまざまな状況で、特に三多摩の方では、やはり財政的な理由で、特別教室の冷房化設置、難しいという声が出されております。
 これは補助を行うことが必要ではないかと思うんですが、最後に、小中学校の特別教室の冷房化、設置に補助を行うことについての見解を求めます。

○前田地域教育支援部長 現在、各市町村は、小中学校の普通教室の冷房化に取り組んでいるところであり、都教育委員会としては、この取り組みを支援してまいります。

○里吉委員 最初にお話ししました三十五人学級や教室のクーラー化、今、学校の子供たちが学ぶ環境を整えるという点で大変大事な課題だと思いますので、ぜひ進めていただきたいということを申し上げまして、次に、教職員のパワーハラスメントの問題についてお伺いしてまいります。
 パワーハラスメント問題が大きな社会問題になっています。平成二十四年三月、厚生労働省の職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議が、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言を示しました。パワーハラスメントは、相手の尊厳や人格を傷つける許されない行為です。教育現場である学校でのパワハラは、子供の教育環境という点からも大きな問題だと思います。
 そこで、まずお伺いしますが、都立の公立学校でパワーハラスメントがあることの認識を伺います。

○加藤人事部長 都教育委員会には、自分が受けた行為が、いわゆるパワーハラスメントに該当するものではないかとの苦情や相談が寄せられることもあります。こうした場合には、速やかに学校経営支援センターや区市町村教育委員会を通じて状況を確認し、事実があった場合には、適切に対応するよう指導助言をしております。

○里吉委員 最近、特に若い先生から、校長や副校長などによるパワハラで困っているという声が聞かれます。
 教職員組合が行ったアンケートも見せていただいたんですが、ここに寄せられた声を紹介しますと、副校長に顔を二発殴られたとか、だからおまえはだめなんだ、さっさとやめろと副校長にいわれた、校長が副校長に命じて、ある教員を校長室に呼びつけてどならせていた、二人で、あなたは教員に向いていない、早くやめろ、やめろと執拗に退職を迫っていた。本当に大変な事態だと思うんですね。
 そこで、都教委では、パワーハラスメント予防のために取り組みを行っていると思うんですけれども、どのような対策を行っているのか、具体的にお伺いします。

○加藤人事部長 都教育委員会では、パワーハラスメントを防止するため、学校管理職等を対象とした研修会などにおいて注意喚起を行うとともに、啓発資料を全教職員に配布するなどの対策を行っております。

○里吉委員 都教委としても、研修会を行ったりして注意喚起しているというお話でした。
 私、その内容を見せていただいたんですけれども、いただきました研修内容は、教職員の服務管理という、パワーポイントを使っての説明、研修会の中身を見せていただいたんですが、その中に一言、セクハラなどの項目の中の最後の一項目に、パワーハラスメントにも注意とあるだけなんです。
 ご説明を聞きましたら、言葉では、いろいろとこの問題について研修会で述べているんだということでしたけれども、やはり書面などで後に残るものが大切だと思います。管理職の方も、教員の方も、こういうことはパワーハラスメントに当たるんだと共通認識になるようなものが必要だと思うんですね。
 それで、私は埼玉県の取り組みを伺ってきたんですが、埼玉県教委では、県立学校におけるパワー・ハラスメントの防止等に関する要綱、こういうものを作成していました。
 要綱の目的は、パワーハラスメントの防止及び排除並びにパワーハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するために必要な事項を定めることにより、職員の人格が尊重され、職員の十分な勤務能率の発揮と公務の円滑な運営を確保するとともに、働きやすい良好な勤務環境づくりを促進することと。そして、具体的に研修の実施、それから苦情相談への対応、懲戒処分等、定められていました。
 また、別紙として、パワーハラスメントとなり得る具体的行為を、言葉の暴力、指導の域から外れた嫌がらせ、その他と例示をしていました。パワハラの被害者にも加害者にもならないための注意点や、起きてしまったときの対応、周囲の皆さんの対応、相談窓口など細かく書かれていて、現場に寄り添ってつくられているというふうに思いました。今、全国二十七の道府県で、こうした指針や要綱が作成されるというふうに伺っています。
 そこで、取り組みされているということでしたけれども、都教育委員会としても、学校におけるパワーハラスメント防止の指針や要綱をつくることが、さらに、より積極的な防止につながるというふうに考えるんですが、いかがでしょうか、見解を伺います。

○加藤人事部長 パワーハラスメントに当たり得る行為については、既に国の通知や報告書等に示されており、都教育委員会としては、これらを参考に、研修会などにおいて学校管理職等に対してパワーハラスメントの防止に向けた意識を高めるよう、直接働きかけていくことが効果的であると考えております。

○里吉委員 それでは、一つお伺いしますけれども、学校組織では、具体的にどのような行為がパワーハラスメントに当たると考えているのか、都教委の認識を伺います。

○加藤人事部長 平成二十四年一月に公表された国の報告書では、職場のパワーハラスメントに当たり得る行為として、暴行、ひどい暴言等の身体的、精神的な攻撃や無視等の人間関係からの切り離しなどの類型を示しており、学校においても同様と考えております。
 また、個々の事例の判断に当たっては、これらの類型を参考に、当該事例の経緯、背景等を踏まえる必要があるものと考えております。

○里吉委員 学校においても同様との答弁でしたけれども、やはり、埼玉の例でもありましたけれども、具体的に学校で起き得るケース、こういうケースがあるという具体例があった方がわかりやすいと思うんですね。教職員の中では、どのようなことがパワーハラスメントに当たり得るのか、これを示すだけでもパワーハラスメントの防止に効果があるのではないでしょうか。
 京都府教育委員会では、パンフレットを作成しているんですけれども、そこでも、児童生徒や他の教職員の前で激しく叱責したり、指導方法や能力を否定する、死んでしまえ、給料泥棒といった暴言を吐く、あいつは無能だなどの屈辱的なうわさを他の教職員や保護者に流し、教職員の信頼関係を損ねるなどの具体的な言動例を挙げています。
 こういったパワハラ防止のために、学校に合った具体例を示したパンフレットなどを作成すること、それを全教職員に配布していくこともパワハラ防止のために役に立つと思うんですが、いかがでしょうか、見解を伺います。

○加藤人事部長 都教育委員会は、平成二十三年度に、パワーハラスメントに関する判例や、その防止に向けた視点などを記載した啓発資料を全教職員に配布しております。
 また、従来より、国の通知や報告書等において示された、パワーハラスメントに関する事例等を都内公立学校に向けた啓発資料において紹介し、その防止に努めております。

○里吉委員 私もその資料を見せていただきましたけれども、学校はたくさん資料がある中で、その資料を一枚だけ、ぺらっと出されても、やっぱりなかなか広がらないんだろうなということなんですね。
 それで、具体的に、そのことも含めて、どういうふうによりよいものにしていくかということなんですが、やはり相談窓口--こういうものがその紙には書いてありませんでした。具体的にパワハラの相談窓口が書いてあるということが大事だと私は思ったんですけれども、この相談窓口、あるんでしょうか。実際にパワハラで追い詰められて、鬱傾向があらわれてからのメンタルの相談ではなくて、その前に相談できる窓口があれば、お伺いします。

○加藤人事部長 都教育委員会は、パワーハラスメントに関する苦情や相談が寄せられた場合には、学校経営支援センターや区市町村教育委員会を通じて状況を確認し、事実があった場合には、適切に対応するよう指導助言をしております。

○里吉委員 つまり、パワハラに関する窓口は、特にないということなんですね。
 埼玉県では、校内に相談委員会を設置しているということでした。昨年は、十件の相談が全部の高校であったと伺いました。それ以外に、埼玉では教育局、人事委員会が窓口というふうに書かれていました。京都府では、京都府総合教育センターで電話相談を、毎日ではないですけれども、時間を決めて、曜日を決めて、パワハラの相談窓口が設置されていました。それぞれいろいろな対応をされているんですね。
 まずは、都の教育委員会でも相談窓口を設置していただきたいと思います。また、相談したことで不利益にならないか不安に思って、どこにも相談できないという話も聞いています。実際に、管理職の方からのパワハラですと、そのことを相談したことがわかってしまったときに、どういう対応をされるのかということを心配して、相談できないという声も聞いていますので、そうした心配にも答えられるように、相談窓口をつくるように求めておきたいと思います。
 そして、東京都の病気による休職者、きょう資料をいただきましたけれども、二十三年度、一番新しいもので七百七十九人と書かれていました。そのうち精神疾患が五百二十七人ですね。これも深刻な事態だと思います。
 しかも、先ほど紹介いたしました教職員組合のアンケートでは、校長や副校長が行っていると思われる事例も少なくありません。ですから、学校内で上司に相談することもできません。
 学校現場は、今大変忙しいと。一般の教職員の方も、管理職の方も、皆さん仕事に追われている中で、こうした問題がふえているのではないかというふうに思います。このままこの問題を解決できなければ、教職員の休職も減らすことも難しいのではないかと。こういった、病気で仕事を休まれる先生を出さないためにも、パワーハラスメント防止、今、教育委員会が本腰を入れて取り組むべき課題だと思います。
 そこで、寄せられた相談事例や教職員団体などの意見も踏まえて、どんな防止策が有効か、パワハラ行為の具体的事例はどう示せばわかりやすいかなどを研究して、防止策や相談体制を充実させるべきだと思いますが、いかがでしょうか、改めて見解を伺います。

○加藤人事部長 都教育委員会は、パワーハラスメントの防止に向けて、学校管理職等と指導対象者との日ごろのコミュニケーションを密にしていくことが重要と考えており、学校管理職等を対象とした研修会での注意喚起や、全教職員への啓発資料の配布などを行っていきます。

○里吉委員 今、また都教育委員会なりに取り組んでいるという答弁だと思うんですけれども、実際にパワーハラスメント被害を訴える声、大変多いのが実態です。私たちのところにも直接訴えが来ます。学校現場、管理職の方も、周りに相談しにくいと思うんですね。学校には校長先生お一人だけですから。会社ですと、課長さんが何人もいたり、部長さんが何人もいたり、部下との対応をどうするかというのも、相談できる方が周りにいらっしゃるんじゃないかと思うんです。学校は、校長と同じ立場の方はいません。
 ですから、人事権を持っていたり、異動の権限も校長先生が持っていますから、そういう意味では、こういうところでこそ起こりやすい、そういうことも考えて、教育委員会として予防すること、解決していくための手だてをとることが必要だと思うんです。
 パワーハラスメントは、改めていいますけれども、相手の尊厳や人格を傷つける許されない行為です。こうしたことが学校現場で、教職員の中で起きているということは、子供たちの教育にとってもいいはずがありません。特に被害者となりやすい一般教職員の意見をよく聞いて、具体的なパワハラ防止の対策に生かすようにしていただきたいと思うんです。
 先ほど、いろいろやっているというふうにいわれましたけれども、やっぱり要綱なり指針なりという形で、きちんとまとめて示すことが有効ではないかと思いますので、ぜひご検討ください。
 それでは、次に、BumB東京スポーツ文化館について伺ってまいります。
 かつてありました青年の家が廃止されて、東京スポーツ文化館は、その機能を継承して、青少年のさまざまな活動の場とされてきたと思うのですが、改めて、東京スポーツ文化館の設置目的を伺います。

○前田地域教育支援部長 東京スポーツ文化館は、青少年の自立と社会性の発達を支援するとともに、広く都民に文化、スポーツ活動の機会と場を提供することを目的として設置されております。

○里吉委員 この場所は、二〇二〇年東京オリンピックで、夢の島ユース・プラザ・アリーナとして、バドミントンとバスケットの競技会場になる予定です。
 東京スポーツ文化館のさまざまな設置はどうなる計画なのか。それから、この場所はPFI契約、二十年間というふうにも聞いています。この契約はどうなるのか。宿泊棟、築十年ですが、それ以外もいろいろ改修したところもあるということで、これら全てを改築する計画なのか。二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの準備との関係で、このBumB東京スポーツ文化館、どういうふうにしていく計画なのか、考え方をお伺いします。

○前田地域教育支援部長 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック招致委員会の作成した立候補ファイルによれば、現在の東京スポーツ文化館の場所に競技会場が新設されることになっております。
 今後の計画につきましては、具体的にオリンピック施設の内容、整備計画等を受けて対応することになると思っております。

○里吉委員 まだどうなるかわからないというお答えでしたが、ここは本当に、体育館以外にもプールや音楽室、多目的室、集会室、宿泊と、さまざまな目的で青少年が活動できる貴重な施設だと思います。
 プールや体育館は、東京スポーツ文化館となる以前から都民のスポーツの場としても親しまれてきました。平成二十四年度の、この施設の利用実績をお伺いします。

○前田地域教育支援部長 平成二十四年度の利用実績は、スポーツ施設二十一万二千四百五十六人、文化学習施設五万一千四百二十一人、宿泊四万九千四百三十九人、その他スポーツ教室等の利用者五万五千七百七十八人の合計三十六万九千九十四人でございます。

○里吉委員 大変多くの方々に利用されている施設なわけですね。この場所、先ほど確認しましたように、改築計画があって、どうなるかまだ全くわからないというご答弁でしたけれども、先ほど目的もお話いただきましたけれども、青少年施設は継続していく必要があると思うんですね。
 この場所でできるか、どういう形で残るか、それはこれからでないとわからないということでしたけれども、青少年施設の必要性については、教育委員会としてご認識あると思うので、お答えください。

○前田地域教育支援部長 必要性につきましても、当該施設の具体的な整備計画を受けまして、判断することになると考えております。

○里吉委員 青少年施設の必要性については、当該施設がどうなろうと変わらずあると思うんですが、今のお話だと、整備計画で左右されてしまうということで、大変心もとないご答弁でした。
 先ほど、最初にご答弁いただきましたけれども、青少年の自立と社会性の発展を支援して、多くの人々と青少年が直接的な交流ができる機会と場を与える生涯学習の場でもありますし、青少年の貴重な場所ということですから、これはぜひ、必要性は所管として強く主張していただきたいと思うんですね。
 もともと都内各地にあった青年の家を廃止して、三多摩と二十三区一カ所ずつに、青少年施設、こういったスポーツも楽しめるような施設、減らされてきてしまったという経緯があります。青少年施設として、体育館だけでなく、音楽室や集会室などの施設があって、青少年を初め多くの都民の皆さんに活用されているものですから、この必要性をしっかり認識していただくように求めておきます。
 最後に、オリンピック招致を機に、多くの都民の皆さんがスポーツに親しむ環境も整備する必要があると思うんですが、この東京スポーツ文化館は、青少年団体の優先予約制度もありました。若者がスポーツを楽しむ場、社会教育の場としても活躍していましたので、私は、こういう場は、これから今後に向けて施設を拡充していくべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 当該オリンピック施設の具体的な内容がまだわかっていない段階でございますので、具体的な整備計画を受けて対応していくことになります。

○里吉委員 具体的な計画は、全く全てこれからということですから、引き続き注視していきたいと思います。
 それでは、最後に、高校教科書の採択問題について伺ってまいります。
 都立高校の教科書は、これまで学校が選定したものを都教育委員会が採択をしていました。ところが、昨年から、都教育委員会は、国旗掲揚や国歌斉唱をめぐる、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」との記述がある実教出版の日本史教科書を問題視して、昨年は、実教出版のある学校に情報提供と称して、担当課長が学校に何回も電話をかけるなど、事実上、その教科書を選ばないよう圧力をかけてきました。
 ことし六月二十七日には、都教育委員会として、この教科書が都教育委員会の考えと異なるので、使用することは適切でないと考えるとする見解を出し、各都立高校に通知しました。これに対し、学校の意見を尊重すべき、学校の実情に合わせて選んだ教科書が現場と関係ないところで変えられるのはおかしい、不当介入だなど、都民や学校現場から批判の声が上がっています。
 高校の教科書の採択は、子供たちの教育を行っているそれぞれの学校現場の意見を尊重するべきと思いますが、都教育委員会の見解を伺います。

○金子指導部長 各都立高校におきましては、都教育委員会の示す採択方針に基づきまして、校長の責任と権限のもとに教科書選定委員会を設置し、都教育委員会が作成いたしました教科書調査研究資料を活用の上、学校での調査研究の結果及び生徒の実態などを踏まえまして、適切な教科書を選定して、都教育委員会へ報告をしております。
 都教育委員会は、みずからの責任と権限におきまして、教科書調査研究資料と各学校の選定結果などを総合的に判断いたしまして、都立高校で使用することが適当と認めた教科書を適正かつ公正に採択しております。

○里吉委員 今ご説明いただいた方法で、学校現場での意見は尊重することになっているというお考えでよろしいでしょうか。

○金子指導部長 教科書選定委員会は、校長を委員長といたしまして、副校長や各教科の教員が構成員となって、教科書の調査研究を行っております。校長は、その責任と権限に基づきまして、最終的に選定すべき教科書を決定しております。

○里吉委員 校長の権限を強調されましたけれども、現場の教員の意思を尊重しているかに対しては、明確なお答えはありませんでした。
 教科書採択する権利が都教育委員会にあるというふうにいわれていますけれども、その法的根拠について伺います。

○金子指導部長 都立学校で使用する教科書の採択の権限は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第六号で、都教育委員会にあると定められております。

○里吉委員 この法律なんですけれども、教育委員会は、教科書その他の教材の取り扱いに関する事務を管理、執行すると書いてあるだけなんですね。なぜこれが法的根拠といえるのか、改めて伺います。

○金子指導部長 文部科学省が、行政実例におきまして、公立学校で使用される教科書の採択の権限は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第六号の規定により、所管の教育委員会に属するものと解すると示されております。

○里吉委員 行政実例が示されました。しかし、その権限の解釈には、学者の中にもいろいろな見解があります。
 日本教育法学会事務局長の中嶋哲彦名古屋大大学院教授、教育法の先生ですが、この方は、教科書の採択権は実質的には学校側にあるという解釈が通説だ、教育委員会として採択に関して事前に具体的な見解を示すことは、教育委員会の権限として認められておらず、学校が持つ教育課程の編成権の侵害になり得る、検定に合格した教科書の記述を理由に排除する行為は、検定制度の趣旨を著しくゆがめるというふうに、これは朝日新聞、八月三十一日付にも載っておりましたけれども、こういう見解がありました。
 私も、別の大学教授の方に直接お話を伺いましたが、やはり同じことをおっしゃっていました。これが教育法学では通説だとおっしゃいました。つまり、いろいろな解釈があるということです。
 日本政府も賛成して採択された国連のILO、ユネスコ、教員の地位に関する勧告、ここでは、教員は、生徒に最も適した教材及び方法を判断するため、格別の資格を与えられたものであるから、教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の適用などについて、不可欠な役割を与えられるべきであるという項目がございますが、これはご存じですか、確認します。

○金子指導部長 ILO、ユネスコの教員の地位に関する勧告につきましては、承知してございます。

○里吉委員 この勧告にあるように、教員は、生徒に最も適した教材及び方法を判断するための格別の資格を与えられているわけです。どの教科書を使用するかは、教育内容と不可分なものです。
 各学校では、学校の地域性や特色、在籍する子供たちの状況に合わせて、どの教科書がわかりやすく使いやすいか、細かく検討して選んでいます。
 仮に、都教委に採択権があるとするならば、なぜ都教委は見解を出す必要があったのでしょうか、この理由について伺います。

○金子指導部長 平成二十五年度の採択方針に基づきまして、平成二十六年度使用高等学校用教科書を調査研究したところ、実教出版株式会社、高校日本史A、高校日本史Bの教科書に、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導することは、児童生徒の模範となるべき教員の責務であるとする都教育委員会の考え方と異なる記述があることを確認いたしました。
 都教育委員会は、当該教科書を都立高校において使用することは適切でないと判断いたしまして、各学校長がその責任と権限のもと、適切な教科書を確実に選定することができるよう見解を示したものでございます。

○里吉委員 今答弁いただきましたように、何百ページかある教科書の一部分を取り上げて、教育委員会の考え方と異なるとしていますが、それが本当に適正な判断なのでしょうか。採択権が都教委にあるというのなら、見解などを出さずに、学校が実教出版を選んできても違う教科書を採択すればいいのではありませんか。結局、その学校の子供たちに合った教科書を選ぶには、生徒を知り、教科の専門性のある教師にしかできないから、こういうやり方をやったのではないかと思います。
 都教育委員会は、自分たちを批判していると受けとれるものは認めない、それだけではないかというふうに読めてしまいます。
 実際に、実教出版の教科書を選んでいた先生も、さまざま検討を重ね、生徒に主体的に考えさせる内容で使いやすいとか、学力レベルに合っているという理由から選ぼうと思っていたと述べていました。
 都教育委員会の考えと異なるという理由で、国の教科書検定を通った教科書を事実上排除することは公正な態度とはいえないと思いますが、見解を伺います。

○金子指導部長 都立学校におきまして、校長がその責任と権限のもと、適切な教科書を確実に選定することができるよう、都教育委員会の考え方と異なる記述のある教科書について、都立学校において使用することが適切でないとの見解を示したものでございまして、採択権者として当然のことを行ったところでございます。

○里吉委員 検定を通過した教科書の中から、特定教科書を事実上排除したことを当然のことというご答弁でした。
 旭川学力テスト事件、最高裁大法廷判決、ご存じだと思いますけれども、ここでは、教育行政機関が法令に基づいてする行為が不当な支配に当たる場合があり得るとして、教育委員会などの教育行政機関が教育基本法の不当な支配とならないように配慮しなければならない拘束を受けているとしています。この不当な支配という規定は、現在の教育基本法の十六条に規定されております。
 都教育委員会に権限があったとしても、そもそも自分たちと異なる見解があることを教えることを認めない、子供たちにも触れさせない、そういうやり方は、民主主義の立場、教育的立場からしていかがなものか、多様な考え方や異なる意見を提示して生徒たちに議論させる、考えさせるということも大切なことではないかと思うのですが、見解を伺います。

○金子指導部長 各学校におきまして、子供たちに思考力、判断力、表現力を身につけさせるために、都教育委員会は、みずからの責任と権限のもと、最も使用することが適当と認めた教科書を採択しております。

○里吉委員 都教委の考えと違う教科書は選んではいけないといいながら、どうして多様な考え方を育む、そういう教育ができるんでしょうか。
 もう一言いわせていただきますと、学校教育法第五十一条、高等学校の教育目標の三号にも、広く深い理解と健全な批判力を養うということが書かれています。文部科学省も、職務命令で従わせるのは強制だと認めて検定合格させたんです。今の行政機関のやっていることと異なる考えは教えてはいけないということがまかり通れば、日本の自由な発展はあり得ないのではないでしょうか。
 この実教出版の執筆をした方々が、九月十八日に皆さんで見解を出されました。執筆者の皆さんも、この教科書をつくるに当たっては、高校の教育現場で教師が教えやすく、生徒が歴史的事実をもとに理解しやすいように、また高校生が歴史を主体的に思考し、主権者として成長できることを願って記述したと書いております。
 こういった教科書が、都教委の一方的な見解によって事実上排除された。国の検定を通った教科書が排除された。このことについては、多くの市民団体、教育団体などの皆さんから、百を超えるさまざまな団体からも請願陳情などが出されております。
 教科書は、真にそれぞれの学校現場の意見を尊重して選べるようにすること、そのためにも、六月二十七日の見解の撤回を強く求めて質問を終わります。

○小竹委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十七分休憩

   午後三時十五分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あさの委員 私からは、まず最初に、学校施設の工事契約に係る不調の対応についてということで、質疑をさせていただきたいと思います。
 東日本大震災の復興需要や、あるいは今後のオリンピック関連の需要によりまして、職人さんたちの不足、それから円安やリフレ政策といったものによる物価の上昇など、公共工事を取り巻く現状、入札というものを取り巻く現状というのは、非常に厳しくなっていると思われます。
 特に、その中でも学校施設というのは、もともとその学校を運営しながら改築などを行っていかなければならない。条件も非常に厳しくなりますし、不調のあることを予想しておくべきだと私は考えます。
 私の地元、練馬区にあります大泉高校も、グラウンド整備というのがございましたけれども、校舎の改築、そしてグラウンドの整備と続く中で、本年度、本来であればグラウンドは、この二十五年度当初、スタートから使える予定でありましたが、旧校舎のアスベストの対策工事、そして三回の入札の不調による影響から、実はいまだにグラウンドを使用できる状況にはなっておりません。
 高三の夏は一度だけだという言葉もあるように、通学という期間に限りがある高校生には、この八カ月というのも、たかが八カ月で済む問題ではないと私は考えます。
 もちろん、この工事は、実は財務局が発注する工事ではありますけれども、それは基本的に行政の理屈でありまして、通っている生徒さんには全く関係がないと私は思います。
 こういったものを、まずはその影響を最も深く理解している教育庁みずからが、行政の手続論に惑わされず、生徒、教育環境への利益を最優先すべきだと私は考えます。そこで、教育庁契約による学校施設の契約が不調とならないように、これまでどのような工夫を行っているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。

○堤都立学校教育部長 教育庁契約の学校施設の工事契約に当たりましては、教育活動への影響を最小限にするため、工期の設定や工事内容につきまして学校と十分に協議をした上で、施工条件を明示するとともに、学校行事に配慮した工期の工夫、発注時期の分散化などに取り組んでいるところでございます。
 契約が不調となる原因といたしましては、監理技術者等の不足など受注者側の問題、工期や工事時期、工事費が折り合わないなどが考えられます。不調となった場合には、直ちに原因の分析や工事内容の精査を行い、学校と協議の上、工事を分割して発注するなど、再契約に向け速やかな対応を行っております。
 今後とも、生徒の教育活動への影響が最小限となるよう、迅速かつ柔軟な対応に努めてまいります。
 なお、財務局に執行委任する工事につきましても、教育活動の特性を踏まえ、引き続き十分に協議し、連携を図ってまいります。

○あさの委員 教育庁自身が発注する工事についてはさまざまな努力をされていると思います。ただ、先ほど例として挙げました大泉高校の事例でも、一番最初、不調してから次の発注するまでにおよそ三カ月から四カ月かかってしまうという状況が出ております。
 結果的に分離発注、これは原因となっていた外構部分の工事を分離することによって工事を受けてもらう業者を見つけることができましたけれども、これも実は三回不調して初めて分割するという選択をとっているという状況がございます。
 教育庁としても十分やっていらっしゃる事実ということはあるんでしょうけれども、当然、時には財務局に執行委任することも出てくるでしょうから、そういった場合には、ぜひ財務局にも周知徹底を、これからもより一層図っていただきますようにお願いをいたします。
 さて、続きまして、日本語を母語としない子供たちに対する教育に関することについて伺いたいと思います。
 グローバル社会となって世界が小さくなる中で、外国人の子供、いわゆる日本語を母語としない子供たち、小中学校に通うことも多くなってきたと思われます。特に世界に開かれた都市東京では、そのような子供に対する指導というのも重要な課題だと思われます。
 私は、日本人自身の教育、特に最近は英語を早期に教育しようという話もありますけれども、まずは正しく日本語を使えるような子供たちをきちっと育てるべきだと思いますが、実はその観点で見ても、各教員が日本語というものを、国語ではなく日本語を教えるという力をつけるということは、科目にかかわらず、私は日本人の子供に対しても非常にいい影響が出るのではないかと考えております。
 文部科学省は、平成二十六年度、来年度より日本語指導が必要な児童生徒への日本語指導を学校教育における特別の教育課程に位置づけ、教員免許を持った日本語指導担当教員が学校の授業時間の中で指導する方針を打ち出しております。
 これは、実は私はちょっと問題があるなと思っているのは、もしこれをやりたいのであれば、まず文部科学省自身が、日本語教育、日本語指導を行う担当教員に日本語を指導する力がどの程度あるのかといったきちっとした基準を本来つくるべきだと思います。
 しかし、残念ながら、今のところ文部科学省は、これは児童生徒の利益を考えた部分でもあるでしょうけれども、授業時間に入れるということを表明しているだけで、そういった基準をつくろうという動きは見えてこないと思います。
 ご存じのとおり、そもそも日本語というのは、言語の中でもかなり難しい方、同音異義語が多いといったような事例から、なかなか覚えるのが難しいといわれております。
 先ほど申し上げましたとおり、一義的には国がそういったきちっとした基準を定めてやっていかなければならないとは考えておりますが、残念ながら、教育というのはそれが出てくるまで待っているというような余裕はございません。まずは東京都が、そういった先鞭をつけていくということが必要なのではないかと考えます。
 そこで、日本語学級へは日本語指導に関する資格などの基準を満たした教員を配置するべきだと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○加藤人事部長 日本語学級担当教員には、日本語能力の不十分な児童生徒に対し、実態に応じ適切にコミュニケーションを図りながら、日本語の習得を目的とする授業を行い、通常の教科についての学習理解や生活習慣の習得にもつなげることが求められております。
 都教育委員会では、区市町村教育委員会の要望を踏まえ、どのような母語の児童生徒であっても、日本語を的確に指導できる教員、外国籍の児童生徒が多い学校で経験を積んできた教員、さらには児童生徒理解にたけた教員を配置するなど、適材適所の配置に努めております。

○あさの委員 今、一番最初にもおっしゃった、どのような外国語、言葉を母語にする児童生徒であっても指導力がある教員というようないい方をされておりましたが、まさに私が申し上げているのは、それを基準にしませんかという話なんですね。
 それをやっていますというのは簡単ですけれども、客観的に見てそれができているかの検証ができないということが問題なのではないかと私は思うわけであります。だからこそ、当の教育委員会としては、もしそれを今でもやっているというのであれば、それをそのまま基準としてつくっていただければいいのではないかと考えます。
 ただ、どうやら校長の人事構想というのもありますし、区市町村の教育委員会としてもいろいろ考えるところがあるということであるでしょうから、なかなか配置する段階で厳しく基準を設けてやるのは難しいという意味で捉えさせていただくなら、配置した後、担当の教員にそういった研修を義務づけるなどといったものを行うことも、事前の策として考えられるのではないかと思います。
 そこで、日本語指導にかかわる教員の資質、能力を向上させるための研修の現状について伺いたいと思います。

○金子指導部長 今年度、都教育委員会では、日本語を母語としない児童生徒に対する日本語指導や教科指導を進めていくため、教職員研修センターにおきまして、日本語指導の基礎・基本(初期指導)及び外国人児童・生徒の教科指導に生かすJSLカリキュラムの基礎の二つの講座を実施しておりまして、合わせて百二十名の教員が受講しております。

○あさの委員 今、受けられた二講座というものが一応履歴として残るということは確認をさせていただいておりますが、私はこういった話を考えていく中で、もう一つ課題が見えてきたことに、この教育委員会、教育庁、都の教育委員会の考え方として、今お話があったとおり、人事配置については人事部長、そして研修については指導部長のご答弁がありました。
 本来、例えば一つの企業であれば、ある人員が、この場合、例えば教職員の皆さんがどんな研修を受けたのか、そして、それがどのような、今回でいえば日本語学級の指導をしたとか、あるいは外国人の児童生徒を指導したといったような実績があるのかといったことについて、少なくとも都の教育委員会できちっとしたデータベースを本来つくっておくことの方が、人事の活用という段階では非常にいいことだと思うんですね。
 しかし、残念ながら、そういった研修も、区市町村でやっている研修であれば区市町村の教育委員会が持ち、都でやっている研修であれば都が管理する。あるいは、その研修によっても、例えば名誉の研修もあれば不名誉な研修もあると思いますけれども、そういった研修についても、どの教員がどんな研修を過去に受けているのか、あるいはどのような実績があるのかについて、きちっとしたデータベースがつくられていないように思われます。
 それは、縦割りの弊害ということを簡単にいうのも申しわけないとは思いますけれども、少なくとも今後、教員を有効に配置する、先ほどの人事部長の答弁にございました適材適所に配置するといい切るためには、そういったデータベースをちゃんと持っています、そしてそれを活用して配置をしていますといえるような体制を構築していっていただくことが、将来的には都の教育環境をよりよいものにしていくことにつながると思いますので、ぜひご検討いただきますようにお願いをいたします。
 さて、これまで幾度となく指摘、提案等をされてきたという話だと思いますので、しつこいようではありますけれども、私からもいわせていただきたいと思います。それは、学校における薬物乱用防止のための指導と現状についてでございますが、ご存じのとおり、薬物というものは、一度手を出してしまえば一生涯その人生に影響を及ぼしかねない、本当に凶悪で危険なものであります。
 しかし、今の科学技術の発展というのは、それと同時に法律で縛ることがなかなか難しい現状をつくり出しているのも事実ではないでしょうか。同じような反応を示す、症状を出す、そういったものを違う成分でつくり出すということが昔より容易になっているがゆえに、法律で縛ろうとしても、実際に使われている薬や、あるいは食品等への影響も考えると、さまざまな物質を一概に全て薬物として指定し、法で縛るということには限界があると思います。
 しかし、それでも、この薬物の使用というものは、社会を破壊する非常に危険なものだと私は思いますので、その使用の拡大を防ぐためには、やはり人間一人一人、つまり、いつ使う側になり得るともわからない、使用者になり得るともわからない人たちにすり込んでいく。薬物というものは危険であり、そして絶対に手を出してはいけないんだと。興味本位だろうが何だろうが、たったの一度も一生涯で手を出してはいけないものだということをすり込んでいくことが非常に効果的であると私は思います。
 そこで、学校における薬物乱用防止のための指導の現状と今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○金子指導部長 現在、児童生徒は、小学校、中学校、高等学校と、発達段階に応じまして、いずれも保健の授業におきまして薬物乱用における健康被害について学習しております。また、学校では、警察職員、麻薬取締官OB、学校薬剤師などを講師に招いた薬物乱用防止教室やセーフティー教室を年一回以上開催しております。
 さらに、都教育委員会は、福祉保健局が実施しております薬物乱用防止高校生会議事業に協力いたしまして、高校生みずからが制作した薬物乱用防止リーフレットを都内全ての高校一年生に配布するなどして意識啓発に努めているところでございます。
 今後、都教育委員会は、より実効性のある取り組みや実践を推進する観点から、教師向けの薬物乱用防止に関する指導資料を改訂するなどいたしまして、薬物乱用防止にかかわる指導の充実に努めてまいります。

○あさの委員 今こちらに、紹介をされた高校生たちがつくったというリーフレットを何年分かいただきました。確かに各高校生の皆さんが自分のこととしてつくったすばらしい資料だと思います。しかし、私が教育委員会に求めたいのは、例えば言葉の影響です。
 今この資料には、そして今の答弁の中にも、私もあえて使っておりましたが、薬物乱用という言葉を使われております。人間は薬物乱用という言葉を聞けば、二、三回あるいは複数回使うことを想像いたします。私が何度もいうように、一度でも手を出しちゃだめだというのであれば、薬物使用防止というふうにすべきだと私は考えます。
 そういった、非常に細かい点かもしれませんが、それこそが、まさにすり込みだと私は思っているんですね。ですから、これから先、都の教育委員会としても、まだこれでもか、これでもかと。確かに教育現場だけでやれることに限界はあるかもしれません。
 しかし、教育に携わる人たちが、その限界をみずから感じてしまっては、それこそ現状はそこでとまってしまうと私は思います。薬物の心身への影響や害を考え、そして、今使っている言葉、世の中にあふれている価値感、そういったものを一つ一つフラットな目で検証し直して、もう一つ、まだないか、まだやることはないかという観点で教育現場においての薬物使用防止についての指導と、その取り組みをさらに強化していただくことをお願いしておきます。
 さて、今言葉の話を出しました。人間が使う言葉、特に日本語というのは、実は、受け手に非常に依存する言語だと私は思うんですね。
 それは、日本語というのは同音異義語が多いという話を先ほど出しましたけれども、言葉の使い方によって、あるいはそのイントネーション、前後の関係において意味を理解しなければいけない。逆にいうと、それによって意味を誤解したり、あるいは別の意味を理解させるようにしむけることも可能であるという、そういった言語であります。
 それがゆえに、非常に人の心や感情に深く根差すような言葉もたくさん生まれる美しい言葉であると私は思いますが、だからこそ、今の情報が氾濫する社会の中では、この日本語、そして、その日本語で育った日本人の特性として、情報をうのみしやすいことを防ぎながら、どのようにして情報の氾濫する社会を生き抜くか。それこそ、教育現場の中で、生き抜いていく子供たちをつくっていかなければならないと思います。
 いわゆる情報リテラシーといわれるものでありますが、横文字を使うとわかりづらいので、情報活用能力というんでしょうか、それとも理解能力というんでしょうか、そういった能力の向上を行っていかなければなりません。
 平成二十四年度において、我が党の求めに応じまして、このリテラシー教育に関する予算というのが若干少ない、微々たるものでありましたが、つきました。しかし、残念ながら、二十四年度においては、その中身はどうも情報モラルといったものが重視され、活用リテラシーといったものの能力の向上にはなかなかまだまだ結びつかないのかなと思います。
 先ほど、例えば実教出版の教科書の話も出ておりましたけれども、こういった教科書の内容一つとっても、出版社によってどうして違う表現をしているのか、その後ろにある歴史的な背景は何なのか、もっといえば、どんな言葉もどんなデータも、それを扱う人間の主観が必ず反映されている。わかりやすくいえば、思惑を持って言葉というのは発せられているんだということをみんな理解して聞いていなければ、ともすると目の前にある情報が全て正しいと思い込み、そこにただただ首を縦に振るだけの人たちがたくさんできてしまいます。
 私は、そういった子供たちが、もっと幅広く情報をとり、自分の目で判断し、自分の頭できちっと考え、さまざまな情報を取得していく中で、みずからが正しいと思える事実に突き当たるようにしむけていくことこそが大切な教育であり、そういった教育の前においては、教科書を、どれを使おうかということ自体よりも、使って教える先生が、どういう内容の指導をするのかの方に重きを置くべきだという考えすら私の中にはございます。
 さて、先ほど来から出てきました、あるいは報道、新聞の中でも出てきます学者や有識者、専門家といった言葉も、実は、それが本当に専門家なのか、それがその学会を代表しているのかということすら、誰も確認ができない非常に便利な言葉でもありますけれども、同時に、それは人の心の中にあたかも今からいうことが全て正しいですよと思わせる効果を生む、非常に危険な言葉であるということも、本来、高校生ぐらいになれば学んでいかなければならないと私は感じます。
 目的に応じて手段や言葉を変えていくという人たちが大変多い中で、自分の考える真実に対して、非常に真っすぐに向かっていけるような高校生をつくるためには、この情報が氾濫する世界で、情報活用の観点から、都の教育委員会がどのような子供を育てようとしているのか、その目的が大切だと思いますので、ぜひ伺いたいと思います。

○金子指導部長 情報化が急速に進展する中で、情報を適切に評価して必要な情報を主体的に選択し適切に活用できる能力、いわゆる情報活用能力を子供たちに身につけさせることは重要でございます。
 都教育委員会は、子供たちにこのような情報活用能力を身につけさせるとともに、誤った情報や内容の偏った情報に惑わされることなく、情報社会に積極的に参画する態度を育てていくことを目指しているところでございます。

○あさの委員 今のような、まさに情報活用能力、あるいは情報社会に積極的に参画する態度というものを育成する、その目的は私も同感いたします。ぜひそういった子供たちを育てていただきたい。
 先ほどの事例でも申し上げました。先ほどの質疑にもございましたけれども、ここに実教出版の問題となった日本史の教科書がございます。先ほどの事例の中で埼玉県の教育委員会の話が出ておりましたけれども、この実教出版の教科書に対してさまざまな意見がある中で、それを選択権者である教育委員長たる人物が、埼玉県教委の場合は残念ながらこの高校教科書を読んでいないという状況があったがために、残念ながらさまざまな批判の中で辞任するといわれるところまで発展したということも報道でございました。
 つまり、情報の活用というのは、それに対して意見をいうのであれば、少なくともそれに触れてみる、それをしっかりと自分の目で確認するということが必要なことだと私は思っております。
 さて、今のような、子供たちを育てていくためには、高校生の段階からいろいろな物の見方というものを学ばせていかなければなりません。そのために、さまざまな情報を活用する能力というのも必要になっております。
 それを身につけさせることが必要になると考えますが、実際、都立高校では、どのような指導を行っているのか伺いたいと思います。

○金子指導部長 現在、各都立高校におきましては、生徒に情報活用能力を身につけさせるため、コンピューターなど情報手段を適切に活用できるようにする学習活動を充実するとともに、各教科を初め、特別活動や総合的な学習の時間におきましてディスカッションやディベートなどの活動を取り入れて、実践的な体験学習を行っております。
 都教育委員会は、こうした指導を充実するため、例えば総合的な学習の時間におきまして、会社経営を題材としたシミュレーション・アンド・ディスカッションにおきまして、生徒がみずから課題を見つけ、議論し、提案していく学習などのすぐれた実践につきまして、教員研修などで普及啓発を図ってきておりまして、今後ともこうした取り組みを一層充実して各学校を支援してまいります。

○あさの委員 ぜひ、今のようなすぐれた取り組みというものを一つ一つ積み上げながら実践をしていっていただきたい。そして何よりも気をつけなければいけないのは、大人である我々、これは私も自戒を込めて申し上げますけれども、我々も実はリテラシー能力が十分かどうかということを常に自問していかなければならない。
 自分が触れている情報は、えてして自分がただ欲しいと思う情報だけを見ているのではないか。時には逆の意見の場合も含めて、それをきちっと確認し検証した上で、その上で何を取捨選択するかを考える態度、能力を身につけていかなければならないと考えます。
 さて、とはいっても、今、薬物指導の話、そして情報リテラシーの話、さまざまな学校の指導の中で取り組みを行っていただきたいというお願いをいたしました。しかし、今学校の先生はとっても忙しいんですよね。それは当然皆さん方もご存じですし我々もよく耳にするところであります。
 そういった観点で見ますと、やはり今、都の教育委員会が取り組んでいる校務改善というものは非常に大切な取り組みであり、そして、これを一層進めていかなければならないと考えます。
 この都の教育委員会が進めています、教職員がより組織的に校務を行い効率的な学校運営体制を実現することで、さらなる教育の充実を目指し、平成二十四年三月に小中学校の校務改善推進プランというのを作成しておりますけれども、この策定から約一年半が経過した今現在、小中学校の現場では、どのような改善があったのかをまず伺いたいと思います。

○加藤人事部長 小中学校の校務改善推進プランでは、副校長、主幹教諭や事務職員等で構成する経営支援部の設置、教職員の役割分担の明確化、調査や報告の縮減の取り組みやITの積極的な活用等により、業務の効率化や省力化を推進する施策を提案しております。
 校務改善を推進している小中学校へのアンケートでは、例えば、経営支援部を設置することにより、これまで以上に情報の共有化や公務を横断的に調整することが可能となり、教職員間での連携が強くなった、役割分担の明確化により、これまで副校長や主幹教諭等の特定の者に集中していた業務を分担、軽減することができ、若手教員の育成などのOJTを推進することができた、校内LANを導入して会議資料を共有化し、会議の効率化、印刷や配布の業務を縮減できた、また、集金方法を改善して業務の効率化と会計事故のリスクの減少ができたなど、校務改善が図られたとの意見がありました。

○あさの委員 今のアンケートで見るとおり、校務改善は図れてきたという意見が多数寄せられているようであります。
 さて、この校務改善推進プラン、概要という資料を見ますと、そもそも一体、校務改善推進、校務を改善しようとするものは何のためにやっているのかということが非常に重要であると思います。
 校務改善は、単純に組織的な運営あるいは学校の先生の時間をもう少しあけてあげたい、そういったことは、実は目的というよりも、私からいわせれば手段に近いものだと思います。
 それを通過して最終的に何のためにそれをやっているのかといえば、もちろんこの概要にも書いてありますけれども、教職員が子供と向き合う時間をふやして、さらなる教育の充実を図るためにやっているというのが、この校務改善推進プランの最終的な到達点ではないでしょうか。
 ともすると、学校の先生は確かに忙しいですし、もちろん子供としっかりと向き合うためには、自分自身のリフレッシュも必要だと思います。あるいは先生同士の連携を図るといった時間をつくることも必要だとは思います。しかし、その全てが子供の教育環境を守るためということが非常に重要なのではないでしょうか。
 ともすると、最近の子供を取り巻く環境に対する課題の中で、さまざまな意見が、よく聞くと、それは子供のためではなくてそこにかかわる職員のためだったり、あるいは子供を育てている親のためだったりといった提案が多いようにうかがえます。本当に考えなければいけないのは、それが子供のためになるのかどうか、そこを十分に意識した取り組みが必要なのではないでしょうか。
 今回のような、この校務改善を推進することによって校務の縮減が図れ、少しでも時間のゆとりができたとして、その生み出された時間は教育内容の充実を行うという意識を常に持って取り組んでいくということ、そして、児童生徒の育成という目標を常に忘れずに行っていくこと、そういった観点で、都の教育委員会において校務改善についてしっかりと検証し、他の小中学校へも普及啓発を行うべきだと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。

○加藤人事部長 都教育委員会では、平成二十四年度に校長、副校長、事務職員、区市町村教育委員会の代表者で構成する校務改善推進会議を設置し、小中学校からの報告や都教育委員会が実施したアンケート調査等に基づき、さまざまな校務改善策の検証を行っております。
 報告等の中には、授業改善等、学校課題について組織的に対応することができたなど、教育内容の充実に関するものも含まれております。今後も校務改善推進会議における検討、検証を推進していくとともに、効果的な取り組み例を校務改善ニュースやホームページなどに掲載することにより、校務改善の普及啓発を図ってまいります。

○あさの委員 今のご答弁の中にもありました授業改善など学校課題について組織的に対応することができたということなど、教育内容の充実に関するものも含まれているというお話がございました。もちろんこれは、教育内容の充実に関するものだと思います。
 しかし、私が問題視しているのは、この検証を行う中で、この発言をされた方の中に、これが教育内容の充実につながっているなという実感があるかどうかというところなんですね。
 学校で取り組んでいるモデル校の学校の先生、事務職員あるいは校長、副校長といった方々、それから、この校務改善推進会議といったものに参加されている方々、その全ての方々が常に、最終的に子供の教育環境を充実させるためにやっているんだという意識で全ての課題に臨んでいかなければ、ともすると、こういった実務的な課題への検証というのは、実務がどのくらい軽減したかというところに重きが置かれて、検証もどのくらい時間がつくれたか、どのくらい組織的な運営になっているかというところに重点が置かれてしまう嫌いがございます。
 どうか、そういったところに惑わされることなく、本来の目的は、あくまで子供たちなんだということを忘れずに取り組んでいただきますことを、そして、そのようにしてつくった時間の中で、情報リテラシーや薬物依存といったものもさらに充実していただきますことを再度お願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

○小松委員 初めに、ことし行われた都立高校の教科書採択に関連して質問いたします。
 まず、都立高校の教科書採択は、どのような手続を経て行われるのか、確認のためお伺いします。

○金子指導部長 公立学校である都立高校で使用する教科書の採択につきましては、都教育委員会が行うことと法律で定められています。
 各都立高校では、都教育委員会の示す採択方針に基づきまして、校長の責任と権限のもとに、教科書選定委員会を設置し、都教育委員会が作成いたしました教科書調査研究資料を活用の上、学校での調査研究の結果及び生徒の実態などを踏まえまして、適切な教科書を選定して都教育委員会へ報告をしております。
 都教育委員会は、みずからの責任と権限におきまして、教科書調査研究資料などと各学校の選定結果を総合的に判断いたしまして、都立高校で使用することが適当と認めた教科書を適正かつ公正に採択しております。

○小松委員 今の採択手続は二〇〇二年、平成十四年度に変更されたもので、二〇〇一年度までと大幅に変わりました。それはなぜか、お伺いします。

○金子指導部長 都教育委員会は、採択権者の責任を明確化するとともに、採択の一層の適正化を図るため、平成十四年度の採択から手続を変更いたしました。
 具体的には、各学校が校長の責任と権限のもと、教科書選定委員会を設置した上で教科書を選定し、都教育委員会が教科書調査研究資料と各学校の選定結果などを総合的に判断の上、都立高校で使用することが適当と認めた教科書を採択する現在の方式に改めてございます。

○小松委員 二〇〇一年度までは、学校は教育委員会から調査選定に関する諮問を受け、その結果を答申することになっていました。教育委員会は答申を尊重して採択を行っていた。すなわち選ぶ権利の比重は学校側に置かれていました。しかし、それが選定委員会が選定結果を報告し教育委員会はそれを受けるという、諮問から答申という流れから、報告のやりとりという流れへと変えられました。
 これは一見変わらないようですが、学校側の権利が縮小されて現場主義は後退を余儀なくされ、逆に教育委員会の権限が強化され、教育委員会をトップに仰ぐ権威主義が拡大したと私は理解しています。
 その意味で、この年の手続変更は重要な節目だったといえます。そのとき変えられた方式が現行のものですが、教科書の調査研究に最も力を発揮すべきは間違いなく現場です。
 そこで伺います。これまで学校、すなわち教科書選定委員会が調査研究の上、選定した教科書を教育委員会が採択しなかったことはあるでしょうか。

○金子指導部長 校長の責任と権限のもと、学校が選定してきました教科書を採択しなかったことはございません。

○小松委員 ということは、現実には学校が選んだものを都教委が追認することで採択は行われてきたということです。最終決定権は都教委にあるにせよ、学校現場の意向が尊重され、実質的には選んでいるのは学校側ということです。
 ところが、ことし六月二十七日の都教委定例会において、新学習指導要領に基づき編集された日本史Aのある特定の教科書を排除しようとする見解が議決されました。この件に関しては、全国の団体や市民からも百件以上の抗議の請願が都教委に提出されています。
 そこで質問です。なぜこのような議決がされたのか、誰の発意によって提起されたのか伺います。

○金子指導部長 平成二十五年度の採択方針に基づきまして、平成二十六年度使用高等学校用教科書を調査研究いたしましたところ、実教出版株式会社高校日本史A、高校日本史Bの教科書に、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導することは、児童生徒の模範となるべき教員の責務であるとする都教育委員会の考え方と異なる記述があることが確認されました。
 このことにつきまして、教育委員長から、都教育委員会としての見解をまとめ、各都立学校長に周知するよう指示されたものでございます。

○小松委員 今ご答弁にありましたが、都教委の考え方と異なる記述とは、次の部分です。
 すなわち、「この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」という部分の中の「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」、この記述について都教委は問題視されておられます。この「一部の自治体」とはどこを指しているとお考えか伺います。

○金子指導部長 実教出版株式会社の高校日本史A及び高校日本史Bの教科書に記載されている「一部の自治体」について、執筆者がどの自治体を指して記述したか承知してございませんが、いずれにいたしましても、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」という部分のうち、「公務員への強制の動きがある。」という記述は、都教育委員会の考え方と異なるものでございます。

○小松委員 どの自治体かは承知していないのであるなら、なぜその部分を問題視されるのか不可解です。
 質問を続けます。新学習指導要領に基づいて編集された日本史Aの教科書選定に当たり、昨年度については情報提供がされたと聞いています。どのような情報提供をされたのか、具体的に説明をお願いします。

○金子指導部長 都立高校において適切な選定が行えるよう、平成二十五年度に第一学年で日本史Aを置く学校の校長に対しまして、実教出版の高校日本史Aに都教育委員会の考え方とは異なる記述があることにつきまして、平成二十四年七月に高等学校教育指導課が電話により情報提供を行いました。

○小松委員 では、もしどこかの学校が日本史の教科書に実教出版を選んでいたら、都教委がその決定を退けて別のものを採択した可能性があったのでしょうか。伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、みずからの責任と権限におきまして、都立高校で使用することが適当と認めた教科書を適正かつ公正に採択しております。したがいまして、都立高校において使用することが適切ではないとしている教科書を採択することはございません。

○小松委員 文科省の検定に合格した教科書であれば、適切なものというお墨つきが得られたはずではなかったでしょうか。適切でない教科書を採択することのないように検定制度があるのではなかったかと思います。
 であるのに、一カ所の記述を取り上げて、特定の教科書に対し適切でないと断じ、それを通知するということは、実教出版は選ぶなといっているのと同じことであり、もしどこかの学校が実教を選んでいたら、明確なお答えはありませんでしたが、それが覆された可能性が高いと思います。
 不要な介入であり、不当な圧力といわざるを得ません。結果的に都立高校で実教出版の日本史教科書を選定してきた学校がゼロだったことは、一昨年まで実教出版には一定の採択実績があったことからすれば極めて不自然です。
 このことは、都教委にとっては好ましいことかもしれませんが、子供の学ぶ権利や教育の自由が侵害された事件というべきであり、大変憂慮するものです。
 続いての項目も事実を明らかにし都教委に猛省を促す意味で質問いたします。教育委員会の傍聴のあり方についてです。
 七月二十五日の委員会定例会において、傍聴者に対する監視が行われたとする週刊誌、九月十三日付「週刊金曜日」の記事についてです。二十人の傍聴者全員に対し十人の職員が後ろについて監視したということです。いつから、なぜそのような対応がとられることになったのか、経緯をお伺いします。

○白川教育政策担当部長 去る七月十一日に開催されました第十二回東京都教育委員会定例会におきまして、たび重なる教育委員長の制止にもかかわらず、複数の傍聴人が大声を出し、数回にわたり議事を妨害したため、傍聴人規則に基づき教育委員長が退場を命じました。
 さらに、傍聴人が速やかに退場せず、やむなく警備員により排除するなど、教育委員会の議事の進行に著しい支障を来しました。
 こうした事態を受けまして、議事を妨害する違反行為があった場合には、法的措置も視野に入れて対応する必要があったことから、そのための取り組みといたしまして、七月二十五日の第十三回定例会から職員を配置し、妨害を行った傍聴人とその行為を記録したものでございます。
 なお、これまで七月十一日の定例会で一名の退場者を出したほか、七月二十五日の定例会では二名、八月二十二日の定例会では一名の退場者を出す状況となってございます。

○小松委員 職員一人が自分の前の二人を担当し、その言動の全てを記録したということです。事実でしょうか。そして、その理由は何か、また、何のための記録か伺います。

○白川教育政策担当部長 妨害行為は、特定の教育委員の名前を挙げ大声で非難する行為、傍聴人規則で禁止されている無断で写真を撮影する行為、チラシを配布する行為など、さまざまでございます。また、それらの行為を複数人が同時に行う、こういったこともございましたため、予測することが困難でございます。
 さらに、著しく議事を妨害する行為などにつきましては、法的措置も視野に入れつつ検討する必要があるため、職員を配置し記録をとったところでございます。

○小松委員 どんな法的措置を想定されているのかわかりませんが、傍聴者一人ずつ性別、服の色、眼鏡、ネクタイ、髪型などの特徴を記す項目のほか、発言内容等として何時何分に何をした、誰と話したなど、事細かに記録されるようになっています。
 ある定例会でのある人についての記録は、十時十一分、三番の男性と何か話している、十時十三分、三番の男性から話しかけられ、十時二十六分、前かがみになって資料を見ている、十時三十二分、携帯電話が鳴ったというように記載されており、このような記録が個別にとられていたという状況は、傍聴者への対応としては行政として不適切です。
 むしろ、もっと開かれるべき教育委員会が市民を監視するという行為は、常軌を逸した異常なものといわざるを得ませんし、戦慄すら覚えます。
 ここで質問です。これは現在も行われているのでしょうか。また、今後もこのようなことが行われるのか、お伺いします。

○白川教育政策担当部長 九月十二日の第十五回定例会におきましては、議事を妨害する行為がなかったため、その次の十月十日の第十六回定例会では同様の措置をとっておりません。
 今後とも、議事を妨害するなど傍聴人規則に反する行為が行われなければ特段の対応は必要ございませんが、再度議事を妨害する行為があれば、教育委員会の円滑な運営を行うため適切な対応をとってまいります。

○小松委員 テロに備えるような危機管理対策が会議の傍聴者に対して必要とは思えません。七年後にオリンピックという国際的な祭典を開催しようという東京が、個人の自由と基本的人権に無頓着な都市であっては都民が恥ずかしい思いをします。都教委の猛省を求めて次の項目に移ります。
 特別支援教育についてです。
 ここでは、知的障害児対象の高校、すなわち、都立知的障害特別支援学校高等部について伺います。
 知的障害の程度によって適した教育の実践として、障害が軽度の生徒が企業に就労することを実現するため、都立知的障害特別支援学校四校に、主に職業教育を行う高等部就業技術科が設置されています。しかし、現在、就業技術科への入学を希望しても、倍率が高くて入れない状況があると聞きます。今年度の募集人員数と志望者数、そして倍率がどうであったか伺います。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、知的障害特別支援学校高等部の職業学科である就業技術科を四校に設置しております。平成二十五年度入学者の募集人員は四校で三百二十人であり、志願者数は六百六十七人で、応募倍率は二・〇八倍でございました。

○小松委員 就業技術科に入れない子供への対応策が必要と考えます。都教委は特別支援教育推進計画第三次実施計画において、都立知的障害特別支援学校高等部職業学科の増設について言及しておられます。この職業学科の概要、そして今後の計画について伺います。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は現在、知的障害が軽度の生徒を対象とする就業技術科の五校目として、東部地区学園特別支援学校(仮称)の開校準備を進めております。
 さらに、知的障害が軽度及び中度の生徒を対象に、職業的な自立を支援するため、高等部普通科の一部を新たな職業学科である職能開発科に改編し、障害の程度に応じた職業教育を展開いたします。
 今後、この職能開発科は、平成二十六年度に開設する足立特別支援学校を初めとして、十校程度まで拡大を図っていく予定でございます。

○小松委員 さて、特別支援学校の充実も必要ですが、一方で、障害のある子供が地域の普通学校に通うことがふえているのは、インクルーシブ教育が広がることと受けとめ好ましく思っています。
 子供が六十分から九十分もかけて遠くの学校へ通うより、その子の志望に合わせて地元の学校で教育が受けられることが望ましいと考えますが、そのために必要な教員の配置がまだ不足している状況があります。
 杉並区では、発達障害など学習面で困難を抱える子供に対し個別で学習支援を行う教員を独自に配置していますが、自治体によっては経費負担が困難であるために担当者をつけられず、子供の学習に支障が生じています。
 都は、市区町村への聞き取りを丁寧に行い、自治体が特別支援教育を拡充するための支援にご尽力くださるよう要望いたします。
 続いて最後の項目、中学校の保健体育に関連しての質問です。
 昨年四月より、中学校の保健体育の授業で武道とダンスを履修することが義務づけられました。学校ごとに、何らかの武道とダンスを選択しています。その選択はどのように行われるのか、その結果としてどんな種目が選ばれたのか、取り組み状況をお伺いします。

○金子指導部長 中学校学習指導要領の改訂によりまして、平成二十四年度から、全ての中学生が武道とダンスを履修することとなりました。中学校におきましては、教員の指導経験や施設整備の状況に応じまして、武道は柔道、剣道、相撲から選択し、ダンスは創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスから選択して、生徒に授業を行うこととなっております。
 平成二十四年二月に実施した調査によりますと、都内公立中学校では、柔道を実施した学校は五百十六校、剣道は百二十校、相撲は二十二校でございました。また、現代的なリズムのダンスを実施した学校は四百七校、創作ダンスは三百二十八校、フォークダンスは百四十九校でございました。

○小松委員 武道は、柔道を初めとしてけがや事故の多いスポーツです。安全対策が重要であり、生活者ネットはこれまでもただしてきました。安全のためにどのような取り組みがされているのか、現在までの進捗を伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、平成二十四年度からの武道、ダンスの必修化に備え、生徒がけがや事故を起こさないための安全対策といたしまして、平成二十一年度には体育系大学と連携した専門研修会を開催するとともに、生徒向けDVD視聴覚教材を制作し中学校に配布いたしました。
 また、平成二十二年度には、教師用の武道・ダンス・体育理論指導事例集を作成いたしまして、中学、高等学校の全ての保健体育科教員に配布いたしました。
 さらに、平成二十四年度からは、中学校保健体育科教員を対象として、柔道を安全に指導するための実技講習会を実施するなどいたしまして、安全対策の取り組みを充実してきております。

○小松委員 武道やダンスの指導は、保健体育の教員だけでなく、外部の指導者の活用が考えられます。危険を伴う武道の場合や、子供たちが楽しみにしているダンスの授業では、時に、その方が望ましいことがあると思われます。外部指導者の活用に関して都の取り組みをお伺いいたします。

○金子指導部長 専門的な指導力が必要とされる武道とダンスの授業におきましては、地域の武道団体やダンス、舞踊等の関係団体の指導者を招聘することは有効な指導方法の一つでございます。
 このため、都教育委員会は、平成二十二年度、二十三年度の二年間、地域の関係団体の協力のもとに、外部の指導者を授業に活用するモデル事業を三十校の中学校で実施いたしました。
 このモデル事業では、外部の指導者を導入した場合の指導方法のあり方、導入に際して関係団体との連絡や指導者との調整などの課題を研究いたしまして、その成果を取りまとめ、実践報告書を平成二十三年度に全ての中学校に配布いたしました。
 こうした取り組みにより、教員と外部の指導者との効果的なチームティーチングのあり方につきまして、周知徹底を図ってまいりました。

○小松委員 先ほどのご答弁でもわかるように、武道では柔道が圧倒的に多いわけです。都内五百十六校で男子も女子も柔道の授業を受けているということですが、柔道は二人がペアになって至近距離で直接組み合うスポーツです。このため、女子生徒にとっては、男性の指導者を敬遠したい気持ちがあるといいます。これは当然と思います。
 指導者を女性にしてほしいという声も聞いています。女性の柔道指導者は、今、教育委員のお一方はたまたま柔道家でいらっしゃるとはいえ、そう多くないとは思いますが、思春期の子供には当然の感情であり、教育上配慮すべきです。市区町村にそのような配慮を促す必要があると考えますが、所見をお伺いします。

○金子指導部長 保健体育の教員は、生徒の発育、発達、個人差、男女の身体面や心理面の差や違いに配慮して指導することが基本でございます。
 とりわけ、柔道は相手と直接組み合って投げる、抑えるなどのわざを用いるところに特徴があるため、一層の教育的配慮が必要でございます。このため、特に女子の柔道指導におきましては、体力や能力の違い、身体の特徴や心理的な特性などに十分配慮し、例えば、教員が口頭で指導し女子生徒同士でわざをかける練習をさせたり、ビデオなどの視聴覚教材を使いましてわざの構造を把握させたりするなど、状況や場面に応じて女子生徒への指導方法を工夫するよう、区市町村教育委員会や学校を指導しております。

○小松委員 そもそも武道の必修化は、二〇〇六年、第一次安倍内閣のもとで教育基本法が改定され、日本の伝統と文化の尊重が殊さらに強調された内容に書きかえられたことが発端です。
 その結果、教育的見地からの議論はもとより、スポーツ関係者からの要望があったわけでも、国民的な盛り上がりも皆無であったのにもかかわらず、学習指導要領に武道の必修化が盛り込まれることになりました。このことは、教育政策の進め方として大いに問題があると考えています。
 武道の中では比較的取り組みやすいものとして柔道が選ばれることは予想がつきますが、危険を伴うスポーツであることの認識と、学校の必修科目として取り組むことへの安全対策、その対策を整える時間が十分でないままに昨年スタートしています。
 都教委が安全対策に留意いただいていることは先ほどお伺いしましたが、一九八三年から二〇一一年までの二十九年間で、学校管理下における柔道による死亡事故は百十八件に上るというデータがあります。
 柔道には固有のわざなどの動作があり、それによって頭部を損傷し、また衝撃が軽くても、死亡に至らないまでも重大事故につながってしまうおそれがあります。
 先ほどの質問では、女性の指導者を求める女子中学生からの訴えがあってお伺いしましたが、このことは、指導する男性側にとっても無用のストレスを避ける意味があり、また、安全を確保するためにも重要な視点であると考えます。ご留意いただけますよう再度要望して質問を終わります。

○野上委員 まず初めに、全国学力・学習状況調査について伺います。
 いわゆる学力テストでございますが、先般、文科省は小学六年生と中学三年生を対象に、四月に実施した全国学力調査の結果を八月二十七日に発表したところです。学校の授業が児童生徒の学力向上に役立っているのか検証するのは当然でありますし、教師にとっても、みずからの活動、あるいは授業内容を鑑み、研さんを積む上で、この学力テストの結果の把握は欠かせないと思われます。
 また、今回、全員参加の方式の試験によって、市町村別や学校ごとのデータを把握することができ、抽出調査に比べて個別の学力向上に結びつけることができるのではないかと考えます。
 そこで、平成二十五年度全国学力・学習状況調査の結果が公表されたところではございますが、都教育委員会は、この結果をどのようにフィードバックをしていくのか伺います。

○金子指導部長 都教育委員会は、これまで、国が実施した全国学力・学習状況調査の結果につきまして、課題が見られた問題の分析と課題解決のための指導の手だてなど、授業改善のポイントを示した報告書を作成するなどいたしまして、区市町村教育委員会や各学校に周知してまいりました。
 各学校では、こうした調査の分析結果あるいは児童生徒の学習状況をもとに、授業改善推進プランを作成して指導方法の工夫、改善に取り組んでいます。
 平成二十五年度全国学力・学習状況調査の結果につきましても、同様に取り組んでまいります。

○野上委員 この都道府県別の成績順位がはっきりする特性を生かして、これまでの各教育委員会の学力向上策と変動の関連づけの分析が有効であると考えます。
 例えば、これまで結果が振るわなかった県では、学力上位県校を視察して改善策を検討したり、あるいは教員の派遣や人事交流、学力向上を狙うポストを新設するといった努力が見られたとされています。教員が指導技術を共有し、地域ぐるみで補習を充実させるなどの取り組みもあったとのことです。
 自治体に、教育現場に、こうした創意と工夫を促したのは全国の学力テストの結果とランキングであり、全員調査で得られた今回の調査結果は、今後の取り組みに、より有益なものになるであろうというふうに期待をしているところでございます。
 さて、この学力テストの学校別の結果の公表については、学校間の序列化や過度な競争を起こさないよう、実施要領で市町村教育委員会に公表を禁止しています。各学校が公表する場合のみに認めているところです。しかし、各地の判断に委ねるべきだとの声も一方では上がっています。
 例えば、静岡県の川勝平太知事が、九月、小学国語のAの成績が全国最下位だった結果を受け、成績が悪かった順に百の小学校の校長名を公表したいとの意向をただしたことも鑑み、議論を呼んでいるところです。
 また、大阪市教育委員会では、全国学力テストの学校別の結果を原則として公表するよう義務づけたことによって、十月十五日、校長を対象に説明会を開き、結果を年内に公表するように求めています。
 自治体の判断で市町村や学校の成績を公表した大阪府や秋田、佐賀県などで、いずれも過度な競争は報告されていないとのことです。
 文科省は昨日の十月二十一日、全国学力・学習状況調査の結果について、教育委員会や首長、保護者らに公表方法の意向を聞いたアンケート結果を明らかにいたしました。学校別の結果公表については、都道府県知事では賛成意見が一定程度見られたものの、市町村教育委員会、首長と学校では否定的な意見が多かったようです。文科省では、調査をもとに、十一月までに来年度以降の結果の公表方法をまとめると聞いております。
 そこで、全国学力・学習状況調査の学校ごとの結果の公表について、都教育委員会としての見解を伺います。

○金子指導部長 全国学力・学習状況調査の各学校の結果につきましては、学校だけでなく、当該学校を設置している教育委員会も独自の判断で公表できるようにすべきと考えております。
 なお、都が独自に実施している学力調査では、都は区市町村ごとの正答数分布を公表しておりまして、学校ごとの結果の公表につきましては、区市町村の判断で行っております。

○野上委員 今ご答弁にもありましたけれども、学力テストの原点は、教育現場のレベルを高め、児童生徒の学力向上に役立てることにあります。静岡県の川勝知事の方式で学力が上がるのかということはちょっと疑問なんですけれども、しかしながら、生徒児童も自分たちの学習到達度を知る上でも、基本的に公表するのが非常に有効だと私は考えております。
 また、この学力テストの状況を見ますと、今年度の結果を見てみますと、全国的に応用問題の正答率が非常に低い状況です。例えば、問題が難しいことを理由に、中学生の半数と小学生の四割が問題文の意味がわからないと答えるなどの読解力の欠如や、あるいは根拠を明確にして自分の考えを書く記述式の問題などは苦手な傾向も見られます。また、実生活と関連づけて、応用力を問う問題で非常に課題になっていることも、この結果を見て明らかになっております。
 この学力テストでは、全国の自治体の格差は縮まっておりますが、基礎的な知識の定着が進む一方で、知識の活用に関する問題の正答率が非常に低い傾向に改善が見られておりません。知識を活用する力をいかに伸ばしていくかが課題でございますが、都教育委員会の取り組みについて伺います。

○金子指導部長 都教育委員会では、これまで実施してまいりました都や国の学力調査の分析結果を踏まえまして、知識を活用するためには読解力が基本になることから、平成二十二年度から、都の学力調査におきまして、従来の基礎的、基本的な内容に関する調査に加え、小学校五年生と中学校二年生を対象に、悉皆で読み解く力に関する調査を実施し、その調査結果を児童生徒一人一人に還元しております。
 この調査は、児童生徒が調査問題の中に提示された文章や図表、グラフなどから必要な情報を読み取り、問題を解決する力を見るものでございます。
 教員は、調査結果をもとに、一人一人の学習課題を明らかにいたしまして、その課題に応じた指導へと授業改善を図っていくことを目的としております。

○野上委員 ありがとうございました。
 次に、メディアリテラシー教育について伺いたいと思います。
 現状の私たちの社会においては、歴史の中の印刷技術の大転換、グーテンベルクの印刷技術の大転換に匹敵するようなメディアの変革期をずっと迎えているというふうにいわれております。
 情報を伝達するメディアの多様化や、あるいはインターネット、ホームページなどにより、個人が社会に向かって情報を発信できるようになり、加えて情報形態の変化は、一度に大量の情報を高速で送受信を可能にし、情報量の増大に大きく貢献しているところです。その結果、大量の情報によって、人々がそれぞれの意思決定に当たって、その強い影響を受けるということが避けられなくなっている状況であります。
 一方で、その状況の中で、児童生徒を取り巻く環境というのが大きく変化をしております。コミュニケーションの質というものも変化をしております。
 例えば、メールやSNSのチャットでは、相手から届いたメッセージに即座に返信をすることが子供同士の暗黙の了解となっているようです。そこに思考を深めるという時間はありません。自分から発信するときも、とにかく思いついたら返事をしよう、ネットに書き込もう。自分にため込むという時間が、一方では少なくなっている状況でございます。
 また、ツイッターやフェイスブック等での問題投稿などにより刑事告発に発展したり、法違反の非行内容で書類送検されるケースもたびたび目にするようになりました。
 メディア機器の操作、能力、技術を習得するこれまでの情報教育だけではなく、今後ますます情報社会に参画していくという態度を培う教育というものが必要であると考えます。収集した情報は、誰が何を目的に送り出しているのかを自分で考える力、またモラルやネチケットの学びが必要であります。
 そこで、まず初めに、都立高校ではメディアリテラシー教育に関して、生徒にどのような指導を行っているのか伺います。

○金子指導部長 情報化が急速に進展する中で、高校生にメディアリテラシーを身につけさせることは重要でございます。
 各都立高校では、各教科、科目の指導におきまして、コンピューターやインターネットなどの情報手段を適切かつ主体的に活用できるようにするために、調べ学習や課題研究などの学習活動を取り入れております。
 また、情報を適切に取捨選択、発信できるようにするために、特別活動や総合的な学習の時間におきましても、課題解決型やディベート形式の活動なども取り入れております。

○野上委員 教育の情報化やメディアリテラシーの最大の問題は、実践を進める人であるといわれています。授業はパソコンなどの操作など、技術の習得を重視するもので、テクノロジーや情報に関しての批判的思考を養うことを目的にしたものになっているかどうか、非常に今問われるところでございます。
 学校の組織としての教育力を上げていくということも必要ですし、教員自身のメディアリテラシーの向上というものが不可欠です。ノウハウ不足の解消のための、ITの外部専門家などの活用により、教員が授業に集中できる環境をつくるということはもちろんのこと、教える側の問題を解決していく、最も重要なのは教員自身の研究努力を促していくことも一方では必要だと考えます。教員が自信を持って指導するためにも、校内、校外の研修は有効です。
 そこで、都立高校教員のメディアリテラシーを高めるために、どのような取り組みを行っているのか伺います。

○金子指導部長 全ての都立学校の教員を対象といたしまして、平成二十一年度から三カ年にわたり、入門、応用、発展と年度ごとに水準を高めながら、情報モラルやセキュリティーなどに関する研修を行ってまいりました。
 また、平成二十二年度からは、同じく三カ年にわたり、各学校における情報リテラシーに関するリーダーとしての役割を果たすことのできる教員を養成するための研修を行ってまいりました。
 さらに、平成二十四年度からは、全ての都立学校におきまして、若手教員を対象に、基礎的な情報セキュリティーや各教科での情報手段を活用した学習指導などに関する訪問講座を実施いたしまして、教員のメディアリテラシーの向上に努めているところでございます。

○野上委員 メディアリテラシーというのは、メディア機器、パソコン等の操作能力に限らず、この情報社会に参画していく態度、つまりはメディアの特質や社会的な意味を理解していくこと、メディアが送り出す情報を構成されたものとして建設的に批判するとともに、みずからの考えなどをメディアを使って表現をしていくこと、社会に向けて効果的にコミュニケーションを図ることで、この社会と積極的につき合う能力であるといわれています。
 メディアリテラシーだけではなくて、責任ある情報発信ができるように高校生を指導していくため、今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。

○金子指導部長 これまでの取り組みといたしまして、平成二十三年度には他人に対する誹謗中傷やみずからの個人情報の不用意な公開などを題材といたしました生徒向けの情報モラルDVDを作成、配布いたしました。
 また、平成二十四年度には、チェーンメールが及ぼす影響など、ネット上のトラブルを擬似的に体験できる情報モラル電子教材を開発いたしまして、都立高校での指導に継続して活用するよう通知してございます。
 さらに、平成二十四年度からは、情報教育の専門家を都立高校に派遣いたしまして、迷惑行為や飲酒などに関する不適切な情報発信が社会に及ぼす影響や、インターネットを使う際のルールとマナーなどについて考えさせる、生徒向けの情報モラルに関する訪問講座を実施しているところでございます。
 都教育委員会は、こうした取り組みを通しまして、情報を適切に発信するために必要なルールや心構え及び情報を扱うときに生じる責任などの情報モラルについて、生徒への指導を徹底できるよう、今後も学校を支援してまいります。

○野上委員 最後に、今答弁にありましたDVDについては、拝見をさせていただきました。このメディアリテラシーの教育というのは、道徳教育にも関係しておりますし、一方では情報倫理という意味での安全を確保していかなきゃいけないという倫理、二つの倫理が非常に交差していて、教員の皆さんも、その指導においては非常に苦慮されているところだと思っております。
 しかしながら、この現代の社会においては、文字の読み書きの能力だけの教育、もちろんそれはきちんとやっていかなくてはいけませんけれども、活字一辺倒であった従来の教育について、非常に挑戦的な、このメディアリテラシー教育の実践であると私は位置づけて考えております。ぜひともこの成果を目に見える形で、より発揮をしていただけますよう期待をいたしまして私の質問を終わります。

○古賀委員 私は、漫画「はだしのゲン」について質問いたします。
 平成二十四年十二月十七日、島根県松江市教育委員会事務局が、暴力描写が過激であるとして、市内の全小中学校に閉架の取り扱いをするよう求めたことは記憶に新しいところです。その後、松江市教育委員会は、本年八月二十六日に事務局の手続に不備があったとして本要請を撤回しております。
 この話題の漫画は、昭和二十年八月、広島県での被爆体験をもとに描かれた故中沢啓治氏の作品であります。
 現在、松江市のみならず、全国の学校図書館の多くに、この「はだしのゲン」が置かれていると聞いておりますが、直轄校である都立高校の図書館には「はだしのゲン」がどの程度置かれているのか、また、閲覧については制限をかけているのか伺います。

○金子指導部長 都立高校では、約七割五分の学校図書館に「はだしのゲン」を置いてございます。
 なお、閲覧制限をかけている学校はございません。

○古賀委員 予想どおり、都立高校では学校図書館、学校図書室の多くに「はだしのゲン」が置かれているということがわかりました。ましてや都内の小中学校においては、相当数の学校に置かれていることが容易に想像できるわけであります。
 ここで、問題と考える幾つかの点を例示してみます。題名は皆さん、本の名前はお聞きになったことは多いと思いますけれども、実際どのようなことが描かれているのか、意外と内容については知られていない面もあるのではないかと思います。
 そもそも、その生い立ちを見てみますと、まず昭和四十八年から四十九年まで「週刊少年ジャンプ」に連載されました。しかし、意外と不人気で余り評価は高くなかったというふうに聞いております。その後、この連載を望んでいる作者は、朝日新聞の記者から紹介されて、左翼系の雑誌である「市民」という本に昭和五十年から昭和五十一年まで連載をされました。その後、今度はこの連載が不可能になったために、日本共産党の機関誌である「文化評論」に昭和五十二年から昭和五十五年まで連載をされ、その後、また引っ越しをしまして「教育評論」、これは日本教職員組合、日教組の機関誌に昭和五十七年から六十年まで連載、掲載をされたわけです。
 この中沢さんは、広島で肉親を失っていますので、原爆に対する思い、それから戦後たくましく生きたみずからの姿を多くの皆さんに伝えたいという思いで、かなり力を入れてつくられたものだ、描かれたものだというふうに容易に想像がつくわけです。
 内容についてでありますけれども、幾つか挙げますと、まず、当時--当時というのはかつての戦争の折に、日本兵の行った行為を中国共産党のプロパガンダ、つまり政治宣伝をそのままうのみにした形で、いかに残虐なことを行ったかということが描かれています。
 主人公であるゲンの言葉として、この漫画の中に出てくる言葉を幾つか紹介いたしますと、日本兵が首をおもしろ半分に切り落としたり、あるいは銃剣術の的にしたり、また妊婦の腹を切り裂いて中の赤ん坊を引っ張り出したり、また女性の性器の中に一升瓶がどれだけ入るか、たたき込んで骨盤を砕いて殺したり、このようなことが枠の中に描かれています。そして、血が吹き上げている絵になっているわけです。
 これを子供たちがもし見れば、日本の兵隊さんはこのようなことをやった、悪魔の所業であるというふうに思うわけでありますけれども、実は、これは昭和十二年の七月二十九日に起きました有名な通州事件で、中国兵が日本の居留民に対して行った野蛮な行為であります。全くそのことをすりかえて、日本兵の行った行為として描かれているわけです。すりかえがあります。
 それから、挙げれば切りがないんですが、天皇に対する不敬ともいうべき罵倒する言葉が並んでいます。例えば、あの貧相な面をしたじいさんの天皇、今上裕仁を神様とありがたがり、でたらめの皇国史観を信じ切った女も大ばかなんよ、まずは最高の殺人者天皇じゃ、こういったことが描いてあるわけです。
 小学校学習指導要領は、天皇について理解と敬愛の念を育てるということが規定されているわけでありますので、学校現場にこういった教材の一種である書籍があるということは、非常にゆゆしいことだということは皆様もお感じになるというふうに思います。これは同時に、学習指導要領にも違反をしているわけです。
 そのほか、国歌君が代の否定というものもあります。卒業式の場面で、君が代を歌うところがあるんですが、主人公のゲンは、何で嫌いな天皇を褒めたたえる歌を歌わんといけんのじゃ、こういいます。続いて、君が代なんか国歌じゃないわいっ、こう語っているわけです。
 平成十一年の八月十三日に国旗・国歌法が成立いたしました。国旗・国歌法、今の民主党の代表の海江田さんも反対したんですね。そこには、国歌は、君が代とすると定めてあり、学習指導要領は、君が代について、国歌について指導すること、それから児童生徒が歌えるようにし、式典においてはこれを斉唱するということを規定しています。
 さらに、史実と異なる、歴史の事実と異なることが述べられています。例えば、アジアで日本軍は約三千万人以上の人を残酷に殺した。それから、三光作戦という言葉も出てきます。三光の光という字は、日本語ではやはり光なんですけれども、向こうの言葉では、つまり中国では、徹底的に物事をやるということに使うわけです。ですから、三光作戦を日本がやるということは、言葉としても非常にあり得ないことで、おかしなことであります。
 さらに、問題は原子爆弾の投下というアメリカの戦時国際法にも違反をするこの殺りく行為について、原爆の投下が戦争を終わらせたというような内容の言葉があって、原爆投下にあたかも感謝すべきであるという、まことにいびつな歴史の見方が述べられています。
 こういったことは読んでみればわかることでありますけれども、松江市の教育委員会の今回の一連の出来事によって、多くの皆さんが、こうした大変多くの問題を含む書籍が学校図書館に配本されているという事実と、その内容について理解を深めることができたという点で、今回の松江市教育委員会の一連の出来事は、一つの貢献をした面があるのではないかというふうに私は思います。
 そのような内容はほかにも、これは全十巻あるんですけれども、読むと非常に生々しい場面がたくさんありまして、果たしてこれを小学校低学年の子供が見たときに、いかがなものかというその他記述をたくさん見出すことができます。
 こうした学校図書館に置かれている「はだしのゲン」について、東京都教育委員会はどう考えるのか。また、漫画というのは余り学校図書館に置かれないものでありますけれども、これだけたくさんの学校にこの「はだしのゲン」を置くということであれば、別の視点で描かれた、子供たちのためになるのではないかと判断できる、例えば大東亜戦争を描いた小林よしのりの「新ゴーマニズム宣言 戦争論」、こういったものもあるわけです。
 私、幾つか持っている漫画をちょっと持ってきましたけれども、「ゴーマニズム宣言 挑戦的平和論」、小林よしのりさんの内容、いろいろあるんですけれども、慰安婦問題についても正しい記述がここに描かれています。朝日新聞が左翼運動家と手を組み、日本軍の慰安婦強制連行、人さらい、拉致をでっち上げたこととか、強制連行がデマだとばれると臆面もなく問題は強制性、拉致じゃないが不本意ながらだったと論点をすりかえていることなどが実にわかりやすく、漫画ではありますけれども、ここに描かれています。このような本も置くべきでしょうし、そのほか小林よしのりさんは「靖國論」も出しています。これも見事な内容の本です。
 それから、私が親しくおつき合いをしている畠奈津子さんという女性の漫画家がいらっしゃいます。これは「マンガで読む昭和史『南京大虐殺』の真実」ということで、南京虐殺といわれている事件がいかにでっち上げかということが、幻かということが、この中によく事実に基づいて描かれ、百人切りについても、かなり緻密な内容で、漫画ですけれども、描かれている。非常に子供たちにも読んでほしい本です。
 そのほか、この畠さんは「チベットの悲劇―中国共産軍からチベットを救おう!―」ということで、今、チベットを侵略、占領しているシナ中共の、中国共産党の国家的犯罪を告発しています。これも非常にわかりやすい本です。「チベットの悲劇」。
 それから、同じく畠さんは「拉致の悲劇 日朝交渉への気概を問う」という、金正日に小泉さんが手玉にとられている表紙がありますけれども、こういった漫画もあるんですよ。ぜひ、「はだしのゲン」が置いてあるんですから、このような本も私は子供たちに接する機会を与えていいのではないかというふうに思うんです。
 そのことによって、子供たちに日本人としての誇りを持たせるような、教育の、真の国民教育の目的が達せられるのではないかというふうに思うんですけれども、教育委員会はいかに考えますか。どうでしょうか。

○金子指導部長 学校図書館には、児童生徒に幅広い知識と教養を身につけさせることができるよう、児童生徒の発達段階などを踏まえたさまざまな図書館資料が置かれることが重要でございます。
 都教育委員会は、今後とも、各学校におきましては、図書館資料の選定に当たって、学校図書館法や児童生徒の発達段階を踏まえ、校長の責任と権限のもとに図書選定委員会を設置し、決定するとともに、校長は定期的に自校の蔵書目録を照らし、図書館資料を点検するなど、学校図書館における蔵書管理が適正に行われるよう、都立学校や区市町村教育委員会を指導してまいります。

○古賀委員 私が期待している答弁ではないんですが、図書を選ぶに当たっては、当然選定の基準というものがあるわけです。特別定めたものがなければ、選定基準は教育基本法であり、それから学習指導要領であり、それから東京都が発出した入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施についての通達、こういったものに照らして判断すれば、簡単に選べるわけです。
 私はぜひ、「はだしのゲン」が置けるんですから、こういった本を置くことについても、東京都教育委員会は、それぞれの学校や市区町村教育委員会等にも情報提供を行って、図書を選ぶ際の指導というものを行ってもらいたいというふうに思います。
 きのう産経新聞の記事を見ておりましたら、「はだしのゲン」は閲覧制限にという高校生、十七歳の人の投書が載っていました。実に文章も簡潔ですけれども、日本語教育云々という話題が最近ありますけれども、これだけの文章を短い文章で書きあらわす、自分の意思を表明できるというのは、立派な高校生だというふうに思います。
 被爆体験をもとにした自伝的漫画「はだしのゲン」の小学生への閲覧制限に当初、私は反対だった、小学生のときにこの漫画で原爆や戦争の悲惨さを知ったと思っていたからだと。だが最近、改めて考えるうち、小学生にはよくないと思うようになった、日本は外国に対し悪いことばかりしたため、原爆を落とされても仕方がないと思わせる表現が多く、子供が日本を嫌いになってしまうと思うからだと。いろいろありまして、だが授業とは別に独自に歴史や伝記を読み、東日本大震災などで見た日本人の忍耐力や思いやりなどを知るうち、日本や日本人のよいところも見えてきたと。悪いことを見せることも大事だが、小学生には早過ぎると思うという高校生の投書です。極めて健全、こういった視点というものをまだ持つ高校生がいるということは、私は救われた思いがいたしました。
 このことについては、先ほど私が紹介した内容はごく一部ですけれども、やっぱり見せたくないという親もいるんですよ。そのことを教育委員会としては受けとめてもらわなければいけません。
 この松江の教育委員会の対応について、八月二十一日、下村文科大臣は閣議後の記者会見で、松江市の閲覧制限について、子供の発達段階に応じた教育的配慮が必要、一般的な表現の自由に反することはないということを記者会見で述べているんですね。文部科学大臣は極めて健全な姿勢を示したと思います。
 神奈川県でも議会で話題になったようでありますけれども、教育的配慮が必要ということであり、今後対応を検討するという方針が示されています。ぜひ都教委も今、答弁、非常に抽象的だったんですけれども、私は一刻も早い小中学校の図書室からの駆逐、撤去を求めておきますけれども、検討をさらに願いたいというふうに思います。
 企業公害とかいう言葉がありますけれども、私は、これは公害図書だと思うんです。有害図書という言葉でもいいですけれども、公害図書。それから、最近ブラック企業という言葉もよく「赤旗」に出ていますけれども、これはブラック図書だと私は思いますね。
 ほかにも教育現場である学校図書館には、過激性教育の本であるとか、それから歴史をゆがめて書かれた図書というものは非常に多いわけです。こういったものを適切に、子供たちに模範となるような書籍を配布するために、悪書は、公害図書というものは駆逐してもらいたい、そのことを強くお願いをしておきます。
 次に、先ほどから少し議題になっております都立高等学校の教科書について質問いたします。
 平成二十六年度使用都立高等学校用の教科書の採択についてでありますけれども、東京都教育委員会は、実教出版株式会社の日本史教科書について、東京都教育委員会の考え方と異なる記述があるとして、都教委としての見解を取りまとめ、都立高等学校長へ通知を出しました。
 当該教科書の該当の部分を、今まで質疑で出ましたけれども、私も読み上げてみます。「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに、思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保障するかが議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」、この記述の中で、私自身が最も問題だというふうに認識するのは、「しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」という点であります。公務員への強制、これはあたかも違法な命令を公務員に無理やり強いているという印象を高校生に植えつける書き方ではないかと思います。
 さらに、この公務員への強制が、教育委員会が平成十五年十月に発出をした入学、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について、いわゆる一〇・二三通達を意味するものであれば、見過ごすことのできない記述であり、言語道断であります。
 この通達からちょうど明日で十年を迎えるんですね。十月二十三日ですから。この節目のときに、この通達の意味というものをもう一度考えてみたいというふうに思います。そもそも東京都における国旗・国歌の状況はどういうものだったか。
 文部省告示の学習指導要領には、入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとすると定められています。私も、我が党も、入学式、卒業式等における国旗日の丸、国歌君が代の指導について、国旗・国歌法制定以前から、その適正な実施について、都議会の場で何度も訴えてまいりました。
 しかしながら、一〇・二三通達が発出された平成十五年以前の都立学校の入学式、卒業式は、国旗が参列者から確認できない位置に掲揚されたり、指導すべき立場の教員が国歌斉唱時に起立しなかったり、あるいはその式典にふさわしくないTシャツや体育着、さらには国旗に斜線を入れたブラウスを着用して参列するなど、本来あるべき入学式、卒業式等の姿とはほど遠い状況があったわけです。厳粛で清新な雰囲気の中で行われるべき入学式や卒業式の場で、生徒の模範とならなければならない教員が、学習指導要領に従わず、国旗や国歌を尊重しない態度をとる。それを目の当たりにする高校生は、果たして我が国の国旗や国歌を尊重できるでしょうか。国歌斉唱時に不起立の態度をとる教員を保護者は信頼できるでしょうか。一〇・二三通達に基づき、入学式、卒業式を適正に実施するために、国歌斉唱時に教職員は国旗に向かって起立し、国歌を斉唱することを校長が命じた職務命令、これは当然の内容であります。
 繰り返し指摘いたしますが、実教出版の日本史教科書の国旗・国歌をめぐる記述、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」が、この職務命令等を指すのであれば、これは教科書として決して容認されることがあってはならない、見過ごすことのできない記述であります。
 平成二十五年六月二十七日に、都教育委員会は実教出版の日本史教科書について、使用が適切でないという見解を出したわけです。その経緯はいかがなものか伺います。

○金子指導部長 平成二十五年度の採択方針に基づきまして、平成二十六年度使用高等学校用教科書を調査研究いたしましたところ、実教出版株式会社の教科書、高校日本史A及び高校日本史Bの国旗・国歌をめぐる記述に、都教育委員会の考え方と異なる記述があることが確認されました。
 平成二十四年一月十六日の最高裁判決におきまして、国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令は合憲と認められております。しかし、当該教科書には、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」と記されており、この記述は、国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導することは、児童生徒の模範となるべき教員の責務であるとする都教育委員会の考え方と異なるものでございます。
 都教育委員会は、今後とも学習指導要領に基づき、各学校の入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱が適正に実施されるよう万全を期していくこととしておりまして、こうした中にあって、当該記述のある教科書を都立高等学校で使用することは適切ではないと判断いたしました。
 このため、平成二十五年六月二十七日、都教育委員会は委員総意のもと、平成二十六年度使用都立高等学校用教科書についての見解を議決し、各都立高等学校長へ通知をしたものでございます。

○古賀委員 東京都教育委員会が見解を通知した経緯は十分納得できるものであります。
 ここで、確認のために、都立高校の教科書の採択の権限はどこにあるのか、また、都教育委員会の採択の手続はどのようなものかを改めて伺いますので、説明してください。

○金子指導部長 都立学校で使用する教科書の採択権は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第六号で、都教育委員会にあると定められております。
 採択権者である都教育委員会は、都立高等学校の教科書採択に当たり、年度当初に採択方針を示し、都立高等学校へ通知してございます。
 都立高等学校では、この採択方針の通知に基づきまして、校長の責任と権限のもと、教科書選定委員会を設置し、各学校で教科書を調査研究した上で、学習指導要領及び東京都教育委員会の教育目標などに基づいて、学校において適切に編成した教育課程を実施するにふさわしい教科書を選定して、都教育委員会へ報告しています。
 都教育委員会は、都立高等学校の選定結果を審査し、教育課程届と選定理由書の不整合や、選定理由が抽象的なものなどについて指導を行った上で、教科書、教科書調査研究資料及び学校の選定結果などを総合的に判断いたしまして、審議の上、各都立高等学校で使用することが適当と認めた教科書を採択しております。

○古賀委員 教科書の採択権が東京都教育委員会にあること、また、教科書採択の手続の過程で、都立高等学校においては、校長の責任と権限のもと、学習指導要領及び東京都教育委員会の教育目標等を踏まえ、学校の実情に合った教科書を適正に選定されていることがわかります。
 しかしながら、いまだに一部の学校では、教科の教員が選んできた教科書を校長が追認せざるを得ないなどの実態があります。対応に苦慮している校長もいるという声が根強くあるわけです。適正な採択が行われるためには、各学校において適正な選定が行われることは極めて重要です。各学校の選定が正常に行われないといった状況があってはなりません。
 教科書というのは、豊かな情操と道徳心、伝統文化の尊重や、我が国と郷土を愛することなどの教育基本法の目標並びに学校教育法及び学習指導要領に示す目標に沿うべきものであり、公共の精神をとうとび、国家社会の形成に主体的に参画する国民及び我が国の伝統と文化を基礎として、国際社会に生きる日本人を育成するために最も重要な教材であり、それを選定するということは極めて大切なことであります。
 東京都教育委員会は採択権者として、各学校が最も適切な教科書を選定することができるよう、選定手続の適正化により、一層、校長を強固な意思で支援していくことが必要であります。
 東京都教育委員会は今現在、各学校の教科書選定に当たって、実際どのような支援を行っているのか伺います。

○金子指導部長 都立高等学校では、教科書の適切な選定を行うため、調査研究を客観的かつ入念に行っております。
 都教育委員会では、こうした各学校における調査研究を支援するため、文部科学省の検定を経て、新たに発行される教科書につきまして、学習指導要領の各教科の目標と、都教育委員会の教育目標などを踏まえまして、各教科書の特徴が明瞭にわかるよう、より専門的な調査研究を実施しております。
 この調査研究の結果につきましては、高等学校用教科書調査研究資料としてまとめ、選定の決定権者である校長が、校内における教科書の調査研究に活用するとともに、選定に当たっての参考とするよう配布しているところでございます。
 都教育委員会では、今回の教科書調査研究の際、実教出版の高校日本史A及び高校日本史Bに都教育委員会の考え方と異なる記述があることを確認したことから、都立高等学校での使用は適切ではないと判断し、各学校長がその責任と権限のもと、適切な教科書を確実に選定することができるよう通知したものでございます。

○古賀委員 今回、東京都教育委員会がみずからの考え方を明文化し校長に示したことは、校長が適正に教科書の選定をするための支援の一環であるということがこれではっきりいたしました。
 このように、学校の選定において、校長が一部の偏った教科教員の意見や圧力に影響されることなく、その責任を確実に果たせるよう、東京都教育委員会が教科書に対する見解を明確にしたことを支持し、高く評価いたします。
 また、今回の見解に対して、採択権者の不当な介入であるなどと批判する声もあり、一部の報道機関、これも朝日新聞などが中心ですけれども、これに同調する騒ぎとなっていますが、東京都教育委員会が本来有する採択権を行使し、こうした不適切な教科書についての見解を都立学校に通知したことは、不当介入には全く当たらず、採択権者として当然の行為であります。
 私は、また我が党は、国旗掲揚、国歌斉唱の正常な実施や職員会議の改善など、学校経営の適正化に向け、東京都教育委員会の取り組みをこれからも叱咤激励してまいります。
 このたび、東京では五十四年ぶりの開催となった第六十八回国民体育大会、東京多摩国体、大江戸体育祭、そして一つの体育競技の祭典として開催された第十三回全国障害者スポーツ大会では、それぞれの総合開会式、総合閉会式が行われました味の素スタジアムで、爽やかな秋の風を受け、照明に照らされて鮮やかに浮かび上がる国旗日の丸や大会旗のもと、大会会場に朗々と響き渡る国歌君が代の独唱は心にしみる、印象深くすばらしいものでありました。こうした日本人の感性や心象というべきものを私たちは大切に守り、子供たちにも伝えていかなければならないと思います。
 今回の見解は、東京都教育委員会が採択権者としての責務を果たす適法かつ適正な措置であります。東京都教育委員会は、今後も毅然とした態度で教科書採択に臨むことを期待して私の質問を終わります。

○小竹委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後五時九分休憩

   午後五時二十四分開議

○小竹委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大松委員 私からは、英語教育についてお伺いいたします。
 グローバル化が進む世界の中で、子供たちが伸び伸びと活躍できるようにしていくために、語学教育、特に英語教育が重要であることは、申し上げるまでもございません。
 一方、日本の英語教育について、これまでは中学校から大学まで十年間学んでも満足に使えないといわれてきまして、今、英語教育のあり方が大きく見直されているところでございます。
 その一つが、小学校における外国語活動で、平成二十三年度から必修化されております。現在三年目ですが、まずその実情について、都の見解を伺います。

○金子指導部長 小学校外国語活動は、平成二十三年度から、第五、六学年で年間三十五時間実施されております。
 各小学校では、コミュニケーション能力の素地を養うことを目標といたしまして、文部科学省が作成した外国語活動教材「Hi, friends!」などを活用いたしまして、外国語になれ親しませる活動を通じて、児童の言語や文化についての理解を体験的に深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成に取り組んでおります。
 昨年九月、都教育委員会が実施いたしました小学校外国語活動に関する調査の結果によりますと、指導上の課題といたしまして、より効果的な教材の開発や、教員の指導力のさらなる向上、外国人英語等教育補助員の一層の活用などが挙げられております。

○大松委員 外国語はいつごろから学び始めるのがいいのか、その時期については諸説ありますけれども、私は早い段階から学んでいった方がいい、小学校の外国語活動も充実をさせていくべきと考えております。
 しかし、中学校で行われる英語教育を単に前倒しをするというものではなくて、言葉や文化の違いを超えて、世界の人々とつながっていこうとする意欲、力、その芽を育てていくことが大切でございます。
 これは、先ほどいただきました答弁にも、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成とありましたとおりでありますけれども、こうした授業はこれまでにない新しい試みであることから、小学校の教員の皆様方は大変にご努力をされながら、懸命に創意工夫をされながら、授業に取り組まれていると伺っております。
 また、答弁でもALTの活用が課題であるとの指摘もありました。小学校の教員の皆様方は必ずしも英語科の教員免許を持っていませんし、ALTの皆様方も免許を持っておりません。
 こうした中で、小学校の教員が自信を持って授業ができるように、都教育委員会として、より一層、教員を支援していくべきです。所見を求めます。

○金子指導部長 都教育委員会では、平成二十年度より、小学校外国語活動推進委員会を設置いたしまして、小学校外国語活動の基本的な考え方を示すとともに、年間指導計画の作成例や、すぐれた教材の活用事例等をまとめました指導資料を配布するなどして、円滑な実施を支援してまいりました。
 また、小学校外国語活動の中核教員を養成する研修、大学との連携による授業づくりや教材活用についての研修など、教員研修の充実にも取り組んでまいりました。
 さらに、本年度からは新たに小学校外国語活動アドバイザー活用事業を開始いたしました。この事業は、英語教員の経験者や外国語に堪能な地域の方をアドバイザーとして派遣し、英語による挨拶や会話、発問の仕方など、授業ですぐに役立つ実践的な内容の助言を行い、教員の指導力向上を図るものでございます。今後も、このような取り組みを一層推進し、小学校外国語活動の充実に努めてまいります。

○大松委員 英語教員の経験者をアドバイザーとして活用する事業が行われているとのことでありますけれども、今後は、ぜひ英語の免許を持っている現職の先生の活用、また中学校との連携、そしてネーティブのスピーカーによる研修などの充実も図っていくべきであります。
 国におきましても、文部科学省が来年度予算の概算要求で、担当教員の指導力向上事業を盛り込んでおりますので、今後、新たに実施をされます国の事業も活用しながら、都教育委員会の教員へのさらなる支援に取り組むように要望をしておきます。
 次に、高校の英語教育について伺います。
 高校においては、今年度から英語の授業は英語で行うことが基本となっております。教員の皆様方が体当たりで授業に取り組まれておりますけれども、授業の成功例など、こうした情報の共有や研修の充実など、支援が求められているところでございます。高校の英語科教員の資質、能力を向上させる研修の現状について伺います。

○金子指導部長 都教育委員会では、本年度、都立高等学校の英語科教員の資質、能力の向上を図るため、教職員研修センターにおきまして、英語科における授業づくりの基礎・基本、英語科における四技能を育成する授業づくり、英語教育の今日的課題と指導の在り方、英語で行う英語の授業の意図と実践の四つの講座の研修を実施しておりまして、三百名余りの高等学校の英語科教員が受講してございます。
 特に、英語で行う英語の授業の意図と実践につきましては、新学習指導要領が全面実施となり、英語の授業は英語で行うことが基本とされたことを踏まえまして、高等学校の英語科教員に対して、各校一名以上の悉皆研修として実施しております。
 具体的には、文部科学省視学官や大学教授による講義、すぐれた実践を行っている教員の授業研究など、全四日間の実践的な研修内容としてございます。

○大松委員 語学教育の目的は、コミュニケーション能力の向上でありまして、国や文化の違いを超えて、心と心を通わせて、人間同士としてつながっていく力を育てることであります。
 その意味で、生徒たちには自分の国のこと、そして他国のこと、それぞれの文化や価値感、その違いや多様性を理解することを教えていかなければなりません。そのためには、研修につきましても、海外の社会の中で実際に生活し、文化や考え方の違いを実体験できる海外研修を拡充していくべきであります。
 現在、東京都教育委員会では、毎年、指導主事二名、教員二名を派遣しておりますけれども、今後着実にふやしていくように要望をいたしまして私の質問を終わります。

○新井委員 初めに、都立高校における防災教育についてお伺いします。
 先日の台風第二十六号による災害など、災害は、いつ私たちに襲いかかるかわかりません。自分にできること、自分たちに求められていることに自発的に取り組むことが求められています。学校における防災教育、防災管理等の諸課題について、積極的に取り組む必要があります。
 そこで、平成二十四年度における全都立高校で実施した一泊二日の宿泊防災訓練の取り組みと、その課題及び課題を踏まえた二十五年度の取り組みについてお伺いします。

○金子指導部長 平成二十四年度の一泊二日の宿泊防災訓練では、備蓄食準備訓練、就寝訓練など、発災時を想定した避難生活の疑似体験や応急救護訓練を行いました。
 都立高校は、発災時に地域の防災拠点となることから、学校の役割が広く理解されるよう、地域との連携を深めることが求められております。
 そのため、平成二十五年度は近隣小中学校、近隣住民等との連携を強化した取り組みを一層重視いたしまして、訓練内容の改善充実を図っているところでございます。

○新井委員 今お答えいただいたように、都立高校は発災時に地域の防災拠点となります。先日、地元の消防署と自治会主催の防災訓練に参加しました。私も何度か参加をしているんですが、今回初めて都立南平高校の生徒会を中心とした生徒さんが参加してきました。生徒の皆さんにお話を伺ったところ、防災訓練はとても勉強になるし、地元の方々と直接話すことができる機会が少ないので、地域との連携を深めるにはいい機会だといっておりました。
 そこで、平成二十五年度、一泊二日の宿泊防災訓練における地域との連携には、どのような事例があるのかお伺いします。

○金子指導部長 平成二十五年度、一泊二日の宿泊防災訓練におきましては、全ての都立高校が地域と連携を強化した訓練を実施することとしてございます。
 特色ある訓練の取り組みといたしましては、例えば、地元の自治会や消防署と連携したスタンドパイプからの放水訓練、水道局と連携し、高校生が地域の避難所となる近隣の小中学校に水を運ぶ給水訓練、地域の高齢者や小学生を避難誘導する訓練などがございます。

○新井委員 また、一泊二日の宿泊防災訓練におけるハザードマップを活用した事例はどのようなものかお伺いします。

○金子指導部長 ハザードマップは、自然災害による被害を予想し、その被害範囲を地図化したものでございまして、防災訓練を行う上で有効でございます。一泊二日の宿泊防災訓練におきましては、学校の周辺と生徒が居住する地域のハザードマップを活用している学校がございます。
 具体的には、学校や自宅で災害が発生した場合を想定し、避難場所、災害時帰宅支援ステーション、消防署、公園、病院などの災害時の防災拠点となる施設を把握するとともに、危険な箇所を回避して避難する経路を考える訓練を行っております。

○新井委員 高校で、防災教育で地理情報システム、いわゆるGISを利用しているところがあります。GISデータを利用して、ハザードマップの自然特性データや、持ち歩きによる観測データ、人口統計などの社会特性データを合わせて防災マップをつくり、地域の危険度や対策を考察するものです。
 インターネットでは、地図情報を公開し、地図データに複数の方がさまざまな情報をマッピングして共有できるものもあります。そういった新しい取り組みを、ぜひ都も取り入れていただきたいと思います。
 次に、平成二十四年度における防災教育推進校の取り組みと、その課題及び課題を踏まえた平成二十五年度の取り組みについてお伺いします。

○金子指導部長 平成二十四年度、都教育委員会は、都立高校十二校を防災教育推進校として指定いたしました。推進校では、約二千名の生徒が東京消防庁消防学校で、初期消火訓練や上級救命技能講習を二泊三日の宿泊防災訓練の中で行いました。
 また、防災教育推進校の教員は、東日本大震災などの被災地を訪問し、被害の状況を実際に見たり、現地の方から直接話を聞くなどいたしまして、被災地の状況を収集し、防災教育にかかわる教材開発をして生徒への指導に活用したところでございます。
 平成二十五年度は、より多くの生徒が防災に対する意識を一層高め、さまざまな関係機関との連携を強化する必要があることから、推進校を十五校にふやすとともに、連携先として、東京消防庁のほか、日本赤十字社東京都支部や防衛省自衛隊東京地方協力本部を加えるなどいたしまして、生徒の防災にかかわる意識と実践力を高める取り組みを行っているところでございます。

○新井委員 一泊二日の宿泊防災訓練及び防災教育推進校の取り組みを踏まえ、今年度の普及啓発事業はどのようなものを実施するのか、予定をお伺いします。

○金子指導部長 一泊二日の宿泊防災訓練及び防災教育推進校の取り組みの成果を普及するため、今年度は、生徒による防災サミットを十二月二十二日日曜日に都庁第一本庁舎大会議場にて実施するほか、教員対象の防災フォーラムを二月中に実施いたします。
 生徒による防災サミットでは、生徒同士が意見交換や体験発表などの交流を通しまして、防災に関する知識、技術を共有するとともに、社会貢献のあり方について考えます。
 教員対象の防災フォーラムでは、推進校の教員が被災地視察で得た災害の脅威や教訓を紹介するとともに、開発した教材を用いた授業の成果を発表するなどいたしまして、教員みずからの防災教育にかかわる意識を高めてまいります。

○新井委員 ぜひ、都立高校における防災教育の成果について、高校だけでなく、小中学校等にも広げていただきたいと思います。
 次に、防災教育における教材についてお伺いします。
 都は、防災教育に活用する教材を幾つかつくって子供たちに配布しています。その中の一つに、ここにあります防災教育補助教材小学校版「三・一一を忘れない」新版があります。この教材は、東日本大震災後、平成二十三年度に新たに作成し、小学校五年生全員に配布し、防災教育の推進に活用しているところです。
 私も読んでみましたが、例えば、防災を調べよう、学ぼう、感じようというページには、東京消防庁の防災館や気象庁気象科学館が紹介され、小学生に見学を勧めています。
 また、心肺蘇生とAED、身近な人を助けましょう、共助のページには、東京消防庁が昨年から始めた小学生向けの救命入門コースが紹介されています。
 いずれも、実際に体験したり見学したりする学習活動、つまり体得することを重視しているページですが、私は小学校段階の子供は体得、体で学ぶことが重要であると考えており、その意味では、ぜひ「三・一一を忘れない」を活用していただきたいと思います。
 ところで、この「三・一一を忘れない」については、初版である平成二十三年度版から改訂されていると聞きました。防災教育補助教材小学校版「三・一一を忘れない」新版について、どのような点を改訂したのかお伺いします。

○金子指導部長 防災教育補助教材小学校版「三・一一を忘れない」は、東日本大震災を踏まえまして、平成二十四年一月に初版を作成し、同年十二月、新版に改訂いたしました。
 改訂した主な点は、まず自助、共助の心を育てる教材として、台風などによる風水害、火山の噴火による災害への備えや、災害時のボランティア活動の紹介を加えました。
 次に、過去の災害から学ぶために、阪神・淡路大震災の被災状況を掲載いたしました。さらに、先人の教えから学ぶために、東京都内の過去の災害を示す石碑の紹介などを加えたことでございます。
 また、首都直下型地震などの被害想定や、東日本大震災の被災状況などの各種資料の最新のデータに改訂いたしました。

○新井委員 災害発生時のボランティア活動の紹介や、東京都内の過去の災害を示す石碑、台風などによる風水害への備えと安全な行動等、いずれも重要な改訂が行われていることがわかりました。各小学校で、ぜひこの副教材を活用した防災教育が行われるよう普及啓発をお願いいたします。
 私の地元でも防災教育に各学校が取り組んでいると聞いておりますが、その中でも、日野市立平山小学校では、今年度から文部科学省の研究開発学校の指定を受け、防災教育のための生きぬく科の創設に向けた研究をしています。今月の十一日、平山小学校にて公開授業が行われました。生き抜く力を身につけるために、主体的、創造的に行動する態度と協働的な問題解決力を育成するというビジョンを掲げ、全く新しい防災教育に取り組もうとしています。新たな教育を始めるのはいろいろな課題があり大変だと聞いています。ぜひ、都も応援していただきたいと思います。
 次に、ICTの活用推進について質問いたします。
 日常生活において、多種多様な形態でICT基盤を活用することが一般化し、ICTの存在は私たちの意識の中で必要不可欠な社会インフラとなっています。
 教育現場では、ICTを活用したさまざまな取り組みが実施されています。今後も継続的な発展を実現するために、教育方法を提言し、教育現場における教育者の育成と教育実践を支援し、ICT推進を進めていただきたいと思います。
 ICT機器を活用した授業を推進することは、児童生徒の学習意欲を高める上で極めて有効でありますが、そのためにはICTを効果的に活用するための指導方法や、すぐれた教材の開発が欠かせないと考えています。
 二年前の文教委員会事務事業質疑で、ICT関連の質疑をしました。都より、今後とも各学校におけるICT機器を活用した授業がより一層活発となるよう取り組むという回答をいただきましたが、現在まで、この間どのような取り組みを行ってきたのかお伺いします。

○金子指導部長 都教育委員会は、ICT機器を活用したわかる授業を全ての都立学校で実現するため、平成二十三年度からICT活用推進校十二校を指定してございます。
 推進校では、ICTを活用した指導方法の工夫や電子教材の開発、さらに、他校への普及啓発などに取り組んでおります。
 また、教員による質の高い電子教材の開発を狙いといたしまして、平成二十二年度から学習コンテンツコンテストを毎年実施しておりまして、現在までに全都立学校で共有できる約四千の学習コンテンツを蓄積してきております。
 こうした取り組みによりまして、過去三年間に、一週当たりのICTの活用時間は、高等学校で平均六・八時間から十一・〇時間へ、都立中学校で平均六・三時間から十五・一時間へ、特別支援学校で平均十七・七時間から二十八・三時間へと順調に伸びてきております。

○新井委員 着実にICTの活用推進が進んでいることを高く評価いたします。
 ただいまお答えいただいた蓄積されている学習コンテンツを一部紹介いたしますと、英作文エクササイズというものは、任意の英文を、自動的に整序問題を作成します。単語や語句を並べかえて正しい英文とする問題として提示できるコンテンツで、正答表示、得点計算もできます。
 また、「木曽の最期」というものは、古典講読、「木曽の最期」を学習するコンテンツです。文字だけでなく、プロの音読が聞け、地図や歴史的背景なども盛り込んでいます。
 とてもすぐれた教材がこれからもどんどん開発されると思います。今後もお勧めコンテンツや新着コンテンツをメールマガジン等で周知徹底を図っていただくことを要望いたします。
 ICTの利活用は向上しており、大変評価できるんですが、以前、ICT機器の状況を学校で拝見させていただいたところ、利用に際し、セッティングに時間がかかるなど課題がありました。今年度、ICT機器の更新時期を迎えますが、どのように利用環境を改善されるのかお伺いします。

○松山総務部長 都立学校では、平成二十六年三月にICT機器の更新時期を迎えます。更新に当たりましては、現状の課題を整理するため、教職員を委員に含めたPTにより検討を進めてまいりました。
 その中で指摘された課題として、授業の準備に時間がかかる、PCが持ち運びに不便などがございました。そこで、次期配備計画におきましては、機器の準備時間を短縮できるよう、プロジェクターを壁かけモデルに変更し、設置作業の省力化を図るほか、PCを高機能で携帯しやすいモデルにいたします。また、全校に書画カメラというものを導入いたしまして、既存の教材をICT環境で容易に活用できるようにいたします。
 こうした機器更新により、さらなるICTの利活用と教育環境の充実を図ってまいります。

○新井委員 現場の教員の方から機器の準備時間が大変負担であると伺っていたので、プロジェクターを壁かけモデルに変更することは、短時間でセッティングし、使用することができるようになり、使用される教員の方も喜ばれると思います。
 一方、機器の保管については、各学校に任されると聞きます。私が拝見した学校は、たまたまだと思いますが、収納棚にパソコンを入れて、倉庫で厳重に保管されており、なかなか活用しづらい状況でございました。
 ある都立学校では、活用実績を向上するための工夫をしています。パソコン、プロジェクターを買い物かごに入れて職員室に常備し、授業で使用する教員がいつでも教室に持っていけるようにしたり、パソコン、プロジェクターの入ったカートを教室に固定し、いつでも使えるようにすることで活用実績が向上したと聞いております。
 来年三月に新しい機器が配備されます。まずは、ICT活用推進にかかわる指定校等で新しい機器を活用した指導方法を開発していただきたいと思います。そのことを要望しまして私の質問を終わりにします。

○きたしろ委員 きょう、最後の質問者となりました。ちょっと時間が早くなっておりますので、最後までおつき合いをよろしくお願いいたします。
 戦後六十五年以上が経過しました。この間、産業界を初め、さまざまな分野で技術革新や規制緩和が行われるなど、従前の制度に固執することなく、新たな取り組みが数多く行われてきました。
 そういった取り組みの中で、我々日本人は真面目に働き、そして互いに助け合い、社会を形成してまいりました。現在、日本が世界の中で確たる地位を保持しているのは、こういった努力のたまものだと思っております。
 一方で、教育においては、制度に関する大きな改革はなく、戦後間もなくアメリカ主導により定められた六・三・三制を金科玉条のごとく堅持しております。
 これから質疑を行う都立小中高一貫教育校の構想は、将来的には現在の日本の教育制度改革につながる一つの契機になり得ることをまず申し上げて、質疑に入りたいと思います。
 我が党は、政策提言の一つに、若者が夢と希望を持てる教育都市東京を掲げ、我が国の歴史と文化を学ばせ、日本人の自覚と誇りを持って活躍できる人材や理数教育を推進し、技術立国を支える人材を育成することを提言しております。
 中間まとめでは、都立小中高一貫教育校の設置目的を、理数を中心に、世界と伍して活躍する人材の育成としており、そのために十二年間の一貫教育を通して、理数教育を充実させることや、我が国の歴史や文化を尊重し、主体的に社会の形成に参画する態度を養う学習を取り入れるとしております。
 これらのことは、我が党の提言とも通じており、基本方針としてぜひ大切にしていただき、実際の教育内容として取り入れていってもらいたいものです。
 中間まとめでは、我が国の歴史や伝統文化を尊重し、世界を舞台に活躍する人間を育成するとしていますが、具体的な教育内容について、まずお伺いをいたします。

○出張教育改革推進担当部長 都内公立小中学校では、現在、日本の伝統文化に触れる体験学習や鑑賞教室などを実施しております。
 また、都立高等学校では、東京都独自科目「江戸から東京へ」等により、全ての都立高校生が近代以降の歴史を学べるよう日本史の必修化を行うとともに、学校設定教科、科目として、日本の伝統文化を教育課程に位置づけ、茶道、華道、和太鼓など、特色ある教育活動を展開しております。
 今後、設置を検討している小中高一貫教育校においても、日本の伝統文化に触れ、理解を深める学習や、他国の伝統や文化を理解し、互いの文化を交流する学習などを行うことを想定しております。
 今後、これまで行われてきている取り組みを参考にいたしまして、具体的な教育内容について検討してまいります。

○きたしろ委員 世界に伍して活躍する人材の育成や理数教育の重視などは、今日的な課題であり、しっかり行っていかなくてはならないものです。
 一方で、日本人が世界で活躍するためには、まず日本の歴史や文化を十分理解することは当然のことであり、普遍的な課題であるといえます。日本の歴史や文化を堂々と発信することによって世界の人々に認められ、活躍できるようになるのではないかと考えております。ですから、伝統文化理解教育の充実を図ることで、日本人としての素養を十分に身につけさせてほしいと考えております。
 また、道徳教育の充実も大変重要です。現在では解消されていると聞いておりますが、過去における私の港区の区議会の経験では、例えば授業時間が十分にはとれないと想定される月曜日の一時間目に道徳の時間が設定されていたなど、道徳教育を軽視しているのではないかと感じさせる事例がありました。その改善に私も努力したことを記憶いたしております。
 道徳教育を充実させることは、小中高一貫教育だけではなく、学校教育において大変重要なことです。教育基本法には、教育の目的として、幅広い知識と教養を身につけ、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこととあり、道徳心を培うことが明確に示されております。
 また、学習指導要領においては、学校における道徳教育は、道徳の時間をかなめとして学校の教育活動全体を通じて行うものとあります。しかし、実際の指導については、まだ十分とはいえないと思っております。
 このような状況を改善するためには、現在検討され、一部報道もされておりますが、道徳の教科化も必要であると私は考えております。教科化により、教員の意識も変わり、指導の仕方も改善するでしょう。国の価値観の押しつけになるなど、反対意見もあると聞いております。しかし、保護者としても、社会全体としても、子供に身につけさせるべきだと捉えられている規範があるのではないでしょうか。
 また、高等学校における道徳教育の必要性も議論されています。しかし、本当に高等学校において、小中学校のように道徳を教える時間が必要なのでしょうか。規範意識や、互いを思いやる心や、尊敬や感謝の念、愛国心などといったことは、高校生に改めて指導することではなく、家庭教育を含め、幼いうちからしっかりと身につけさせておかなければならないことだと思います。そういった教育を小中高一貫教育においても実践していただきたいと考えております。
 次に、中間のまとめでは、英語教育の重視も掲げております。世界に伍して活躍する上で、コミュニケーションを図ったり、自分の考えを発信したりするための道具として、また、理数にかかわる論文やさまざまな文献などを理解し、自分の知識や技能を向上させるためにも、英語の能力を身につけることは大変重要であると考えております。
 このように、世界に伍して活躍するためには、英語教育の充実が重要だと考えられますが、そのための具体的な方策をお伺いいたします。

○出張教育改革推進担当部長 現行の学習指導要領では、小学校五年生から外国語活動を実施し、教科としての英語は中学校一年生から実施することとなっております。
 現在、教育改革の推進を検討している国の教育再生実行会議が示した、これからの大学教育等の在り方について(第三次提言)では、初等中等教育段階から英語教育の充実が必要であると指摘しております。
 具体的には、小学校では、英語学習の実施学年の早期化や指導時間の増加及び教科化等が、また、中学校では、英語による英語授業の実施等を挙げられております。
 今後、英語教育の充実に向けた国の動向に注視しつつ、基本構想検討委員会で具体的な充実策について検討を重ねてまいります。

○きたしろ委員 これからの国際社会において活躍していくためには、日本国内のみならず、積極的に世界に出ていき、さまざまな人々と交流し、多様な考え方に触れることなどがとても有効だと考えられます。
 ですから、学校内だけの英語教育にとどまらず、海外への留学や海外からの留学生の受け入れなど、他国の人々との交流が積極的にできるよう教育内容を工夫していくことが重要であると考えております。
 また、英語教育の充実については、国においても検討が進んでいると聞いております。今後、一定の方向性が示されると思いますので、常に最新の情報を注視しつつ、都立小中高一貫教育校における英語教育を充実させる方策について、柔軟に対応できるよう準備をしておくことが必要だと考えております。
 これまで、理数教育や我が国の歴史や文化の理解、尊重、英語教育の充実について話をしてきました。これらの教育は、設置目的や教育方針にかかわるものですので、充実させることは当然なことであります。
 その一方で、忘れてはならないことは、国語教育の充実です。国語は、私たち自身が古代から脈々と受け継ぎ、進化、発展させてきた日本語を通して、私たち自身の文化を学ぶことともいえるのです。
 「国家の品格」の著者である藤原正彦氏は、数学者でありながら、国語について、国際的に通用する人間になるには、まず国語を徹底的に固めなければだめ、とにかく国語です、一生懸命本を読ませ、日本の歴史や伝統文化を教え込む、これが国際人をつくるための最もよい方法だと指摘しております。
 さらに、他の著作においても、国語は全ての知的活動の源であることや、倫理的思考力などを育てること、つながることを挙げ、一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数とまで表現しております。
 一方、学習指導要領では、思考力、判断力、表現力を育成するために、説明や討論などの言語を用いた活動を、国語科を中核に据え、全ての教科で実施することを求めております。
 国語教育を充実させる重要性は明らかであります。理数教育、伝統文化理解教育、英語教育、そして国語教育など、重視すべき教育は数多くありますが、一方で、軽視されてしまう教育内容があってはなりません。
 当然のことですけれども、全ての教育内容を充実させることが求められます。そのためには、やはり授業時間の確保も、あるいは教師の指導力も重要な課題です。理数教育や英語教育の充実を図るとともに、国語を初め全ての学習の質を向上させるためにも、積極的に土曜日に授業を行うなど、授業時間確保のための方策が必要ではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。

○出張教育改革推進担当部長 設置を検討している都立小中高一貫教育校においても、他の公立学校と同様に、学習指導要領に示されている全ての内容を子供たちに学習させてまいります。
 このため、各教科等において学習指導要領に示された授業時間数を確保するとともに、理数教育を初め、さまざまな教育を充実させるための授業時間数を生み出していくことは重要な課題であると考えております。
 現在、国においては、各自治体の判断で土曜日に授業を行うことを可能とすることなどについて検討を進めており、その動向も踏まえつつ、土曜日を授業日として活用することも含め、基本構想検討委員会において授業時間を確保するためのさまざまな方策を検討してまいります。

○きたしろ委員 ぜひそれは実現してもらいたいなというふうに思います。
 授業時間の確保は、学習の質を左右する重要なポイントの一つであると考えます。授業時間の増加が学習内容の詰め込みにつながったり、決まったある特定の教科だけに偏っていたり、子供たちの負担をいたずらに増加させたりするだけであってはなりません。
 幼いうちは、理数だけではなく、さまざまな体験活動を十分にさせたり、成長するにつれて自分の進路に応じた学習に充てたりすることができるような、子供にとって価値のある教育課程を今後の検討を通して構築するように、まず要望しておきたいと思います。
 ここまで都立小中高一貫教育校の教育方針や重視すべき教育内容などについて議論してまいりました。施設や設備の整備など、これまでの議論では触れることができなかった課題も数多くあると思います。さまざまな課題を確実に解決していくためには、開校をにらんだスケジュールをしっかり立て、着実に実行していくことが大切です。
 そこで、今後、どのようなスケジュールで開校に向けた準備を進めていくのかお伺いをいたします。

○出張教育改革推進担当部長 今年度は、基本構想検討委員会において、引き続き小中高一貫教育における系統的、継続的な教育活動や、入学希望者の募集及び入学者決定のあり方、小学校から高等学校までの一貫教育を行うための教職員の体制などについて検討いたしまして、平成二十六年三月を目途に最終報告として取りまとめる予定でございます。
 また、平成二十六年度からは、この最終報告の内容を踏まえ、小中高一貫教育の全体の教育課程を編成し、その内容について国との協議を進めてまいります。
 同時に、入学者決定の具体的な方法についての検討や、必要となる施設について建設計画の策定なども進めるとともに、学校の概要を都民に広く周知いたしまして理解を得るなど、開校に向けた準備を進めてまいります。

○きたしろ委員 入学者の決定や施設設備の概要などについては、都民の関心の高いところだと考えられます。こういった関心の高い部分も含め、学校の基本的な姿を詳細に描き、広く都民に周知させることもこれから求められることだと私は思います。
 都立小中高一貫教育校の設置に向けて、教育環境の整備、人間関係の固定化を緩和させるための手だてなど、まだまださまざまな課題があり、具体的な解決策の検討を要望いたします。
 指摘された課題についての具体的な解決策を検討する過程において、徐々に都立小中高一貫教育校の基本構想が固まっていくものと考えます。こうした山積する課題を解決していくためには、開校に向けた準備期間が大変短く、十分な議論ができるのかどうか、大きな不安があります。
 これからもさまざまな意見を収集し、課題を整理し、そして集中して議論するなど、万全を期して検討を進めるよう強く要望いたしておきます。
 東京は、常に教育改革をリードしてきました。例えば、土曜授業は東京から発信され、その後、他の自治体にも広がり、現在、国を動かしつつあります。小中高一貫教育についても、取り組みの成果を東京モデルとして広く発信することで、一貫教育推進のための先導的な役割を果たしていってもらいたいと考えております。そして、この都立小中高一貫校で、このような日本人であってほしいというような姿もぜひ見せていただければありがたいなというふうに思います。
 一方で、小中高一貫教育が教育制度改革のきっかけとなり、やがて大きな日本の教育改革に発展していくとすれば、生活の中に根づいていた習慣や行事、ことわざなど、さまざまな戦後教育の結果、失われてしまった伝統的な内容の復活にもつながるものだと期待する面もあります。
 教育課程については、四・四・四に限定せず、議論を深める必要があると思います。制度改革を行っても、内容が伴わなければ、それは仏つくって魂入れずとなってしまいます。
 現在、東京都では、心を育てる取り組みとして、心の東京革命を推進しておりますが、大切なことは、伝統文化を通して日本人としての心を育てることだと私は思っております。
 教育は、国家百年の大計です。小中高一貫教育においても、例えば、武士道に見られるような恥を知る文化を教えることや自然への畏怖など、本来、日本人が持っている心を育み、日本人としての誇りを取り戻す教育が実施されることを期待して質疑を終わらせていただきます。ご協力ありがとうございました。

○小竹委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小竹委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十二分散会

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