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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第四号

平成二十四年三月十六日(金曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長今村 るか君
副委員長山内れい子君
副委員長村上 英子君
理事西沢けいた君
理事島田 幸成君
理事大松あきら君
野田かずさ君
くりした善行君
畔上三和子君
高木 けい君
野上 純子君
野上ゆきえ君
小沢 昌也君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
教育庁教育長大原 正行君
次長庄司 貞夫君
理事高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長直原  裕君
地域教育支援部長谷島 明彦君
指導部長坂本 和良君
人事部長岡崎 義隆君
福利厚生部長前田  哲君
教育政策担当部長中島  毅君
特別支援教育推進担当部長廣瀬 丈久君
人事企画担当部長白川  敦君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 教育庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十四号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十七号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第五十八号議案 東京都立図書館条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・「都立高校改革推進計画・第一次実施計画」の策定について

○今村委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書四件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○今村委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十四年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十四年三月十五日
東京都議会議長 中村 明彦
文教委員長 今村 るか殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十二日(木)午後五時

(別紙1)
文教委員会
第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中
歳出
債務負担行為  文教委員会所管分

(別紙2省略)

○今村委員長 本日は、お手元配布の会議日程どおり、教育庁関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、教育庁所管分、第五十四号議案から第五十八号議案まで及び報告事項「都立高校改革推進計画・第一次実施計画」の策定についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松山総務部長 去る二月二十日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。
 ごらんいただきますように、今回要求のございました資料は十五件でございます。
 一ページをお開き願います。1、教員の都単独加配の状況(過去五年間)でございます。
 島しょ加配や小一問題、中一ギャップを予防、解決するための教員加配など、都が独自に措置しております定数の推移につきまして、小中学校別、項目別に記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、就学援助の認定基準及び援助費目でございます。
 生活保護世帯に準じる準要保護者の認定基準と援助費目の内容につきまして、区及び市町村別に記載してございます。
 三ページをごらん願います。3、都立特別支援学校スクールバス予算の推移(平成十五年度から平成二十四年度)でございます。
 都立特別支援学校において運行しているスクールバスの予算額、学校数、コース数の推移につきまして記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、都道府県別中学校卒業者の高等学校全日制課程への進学率の推移(過去十年間)でございます。
 中学校卒業者の高等学校全日制課程への進学率の推移につきまして、都道府県別に記載してございます。
 五ページをごらん願います。5、都立高校の授業料減免状況(全日制・定時制別、過去十年間)でございます。
 都立高校における授業料の免除者数及び減額者数と減免率の推移につきまして、事由別及び全日制、定時制の別に記載してございます。
 六ページをお開き願います。6、都立高校の募集人員数と応募者数、合格者数(過去十年間)でございます。
 都立高校の入学選抜における募集人員と応募者数、合格者数の推移につきまして、募集区分別及び全日制課程、定時制課程の別に記載してございます。
 七ページをごらん願います。7、学校教職員定数と児童生徒数の推移(平成十五年度から平成二十四年度)でございます。
 学校教職員定数と児童生徒数の推移につきまして、学校種別に記載してございます。
 八ページをお開き願います。8、教員の休職者数の推移(過去五年間)でございます。
 病気休職となった教員数の推移につきまして、精神系疾患を理由とするものとその他の疾患とに分け、学校種別に記載してございます。
 九ページをごらん願います。9、小中学校における養護教諭定数の状況でございます。
 小中学校における平成二十三年度の養護教諭定数につきまして、都基準及び国基準とその差についてそれぞれ記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。10、小中学校における事務職員の配置基準と実際の配置状況でございます。
 小中学校における平成二十三年度の事務職員の配置基準と配置状況につきましてそれぞれ記載してございます。
 一一ページをごらん願います。11、小中学校における栄養士の配置基準と実際の配置状況でございます。
 小中学校における平成二十三年度の栄養士の配置基準と配置状況につきましてそれぞれ記載してございます。
 一二ページをお開き願います。12、小中学校における特別支援教育支援員活用状況(区市町村別)でございます。
 平成二十三年五月一日時点の小中学校における特別支援教育支援員の活用状況につきまして、区市町村別に記載してございます。
 一三ページをごらん願います。13、都立高校の中途退学者数及び中途退学率の推移(過去十年間)でございます。
 都立高校における退学者数と退学率の推移につきまして、全日制、定時制の別に記載してございます。
 一四ページをお開き願います。14、都立学校数と入学者数の推移(校種別、過去十年間)でございます。
 都立学校数と各年五月一日時点の在籍幼児、児童生徒数の推移につきまして、学校種別に記載してございます。
 一五ページをごらん願います。15、小中学校における放射能対策状況(区市町村別)でございます。
 小中学校における空間放射線測定状況等と学校給食の放射線検査状況につきまして、区市町村別にまとめたものでございます。区部の状況につきましては一五ページに、市町村部の状況につきましては一六ページに記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○今村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○くりした委員 私からは、まずグローバル人材の育成に関連をして質問をさせていただきます。
 先日発表された都立高校改革推進計画にも示されているとおり、内向き志向の打破と国際競争を勝ち抜く人材をこの東京都から育てていくということで、今後は今まで以上にグローバル人材を育てていくことに注力をしていくというのは、既にご周知のとおりであります。
 そこで実際に、次世代リーダー育成道場という制度が来年度予算案の中でも示されましたので、その具体的内容について質疑をさせていただきたいと思います。
 こたびの制度は、都立高校に通う学生の中から選抜を行い、国内での事前研修を体験させた後に、海外への留学に行かせるというのが基本的な流れになっているということでありますが、現在三つのコースに分けて実施をすることが検討されているということであります。
 そこで、まずおのおののコースにおいて留学へ出発するまでのスケジュールはどのように予定をされているのか、また何人の生徒が対象になっているのか、お伺いをいたします。

○坂本指導部長 次世代リーダー育成道場は、平成二十四年度七月に三つのコースを設定し開校いたします。
 一つ目のコースは、約半年間の事前研修の後、平成二十五年の冬に一年間の長期留学に派遣いたします。
 二つ目のコースは、約八カ月の事前研修の後、平成二十五年三月に一カ月の短期海外研修に派遣いたします。
 また三つ目のコースは、二つ目のコースに加えまして、平成二十五年夏から一年間の長期留学に派遣するものでございます。
 どのコースも五十人で、合わせて百五十人の派遣を予定しております。

○くりした委員 今お聞きをした計画によれば、全部で百五十名の生徒が対象になるということでありますが、都立高校の数だけをとってみてもそれ以上あります。すべての学校には行き渡らないということでありますし、学校や生徒はそれぞれ多彩な個性を持っていることから、どういった形で対象の学生を選抜していくかというのは大変難しい問題になると思います。
 公平性の観点もさることながら、学生を、公費を使って留学補助をするわけでありますから、学力はもちろんのこと、留学した経験を生かして、東京都や日本のためにどれだけ貢献してくれるのかという点についても、一つの基準にしなくてはいけないと思っております。
 そこでお伺いいたしますが、本制度の実施対象の生徒をどのような手法で選考していくのか、またその際、どのような点を重視して選考を行うのか、お伺いをいたします。

○坂本指導部長 次世代リーダー育成道場は、国内外の研修を通じて生徒を鍛え、将来さまざまな分野で活躍するリーダーを育成していくことを目的としております。
 実施対象の生徒の選考は、学校から推薦された生徒に対して書類及び面接による選考を行いますが、単に申し込みの時点での英語力や成績によるものではなく、留学への意欲や目的意識は明確であるかどうか等を重視いたします。

○くりした委員 数値化をされない、今おっしゃっていただいたような意欲や目的意識を評価するということは大変難しい作業だということは、私も認識をしておりますけれども、この日本において、平均的な優秀さはあるけれども、かつてのように全世界に対して大きな影響を与えるような人物が、突出をした人材がなかなか出てこないという今の日本の閉塞状況を打破する上で、そういった点数のみにとらわれない教育の姿勢というのは一つ大切なことだというふうに思っておりますので、このことについても留意をされた上で取り組んでいただきたい、このように思っております。
 また、そうやって選抜をした日本の未来を背負う若者にどれだけよい環境を用意できるかということも、このたびのプログラムで大変重要になってくるポイントであります。留学と一言に申し上げても、国内以上にさまざまな地域や学校があるわけでありまして、まさに次世代のリーダーを育てるためにふさわしい学校を受け入れ先として連携体制をつくるということについて力を入れていかなくてはなりません。
 先日お聞きしたところによれば、都の教育委員会が仕様書を作成して、そしてその状況が実現することのできる委託先の業者を選定していくという形で行っていくということでありましたが、その受け入れ先の海外の学校については、まず第一に安全である、また、現地の方々とのコミュニケーションの機会をふやしていくために、人種間の隔たりが少なく、交流の盛んな地域といった条件を重視すべきではないかということも私から意見として申し上げさせていただきたいと思います。
 それらを実現するためにも、委託先の業者が既に行っている既存のプログラムを流用するのではなくて、この次世代リーダー育成道場の目的に照らして独自の内容を実践すべきと考えますが、それについての都の見解をお伺いをいたします。

○坂本指導部長 次世代リーダー育成道場の留学においては、ホームステイでの生活等、現地の高校での学習に加えまして、大学や研究機関等での課題研究や現地企業でのインターンシップなど、さまざまな学習や体験を積ませる予定でございます。
 また、通学する高校を初め各国からの留学生との交流等、さまざまな場面でみずからの意見や我が国の魅力等を積極的に発信させるなどして、日本の若者の代表としての役割を担わせていきます。
 このような都独自のプログラムを通しまして、生徒を鍛え、世界を舞台に活躍できる国際感覚豊かな若者を育成してまいります。

○くりした委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 また、この次世代リーダー育成道場のほかにも、グローバル人材の育成を進めるために、都立高校のバカロレア認定を目指すという目標も都立高校改革推進計画の中に同時に示されております。
 バカロレア認定制度というのは、簡単にいうと、国内で得た学歴についても、海外の学校に進学をする際により信頼性を持って評価をしてもらうために、お墨つきをもらうということであるというふうに思っております。
 都立高校がこの認定を受けることによって、都として国内の学生が海外に進学をしやすいようにすることはもとより、海外の学生が国内の学校で学ぶ際にも、将来の進学の心配をせずに、この日本に対して、学校に対して留学をすることができるようになる、それによって海外の優秀な人材もより活発にこの日本で学ぶ機会を得ることができるようになるというねらいもあるようでありますが、日本から海外への進学がほかの先進国と比較しても少ない、この現状の理由の一つである、いわば学歴がガラパゴス化をしてしまうということを防ぐ一助になるものと私も期待いたしております。
 そこで質問いたしますが、都立高校初のバカロレア認定校を目指すというこの試みは、どのようなタイムスケジュールで目標達成に向けて計画を進めていくのか、お伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 都教育委員会では、海外で学ぶ意欲のある生徒が都立高校卒業後に海外の大学に円滑に進学することを可能とするため、海外大学への進学資格が取得可能となる国際バカロレア認定を都立高校が将来的に受けることを目指しております。
 認定に向けては、英語での教育を実施するためのさまざまな条件を整備した上で申請する必要がございます。
 さらに、申請から認定までに国際バカロレア機構の審査を受けるなど、その後二年から三年の期間を要するとされておりまして、今回の第一次実施計画では認定に向けた準備を行い、第二次実施計画におきまして実施時期を明らかにする予定でございます。

○くりした委員 今ご答弁をいただいたとおりに今後検討を進めていくということでありますが、この激動する国際社会において、英語教育においても追いつき追い越していくために、教育においてもスピード感を持つことが求められているのではないかと私は思います。
 今後、認定に向けての具体的なタイムスケジュールとそのための課題解決の施策についても、精力的にぜひご検討を進めていただくことをお願い申し上げ、次の質問に移らせていただきます。
 次に、中学校夜間学級の日本語学級についてご質問させていただきます。
 本年二月二日付で公立小中学校日本語学級設置要綱の一部が改正をされ、四月一日から施行される予定となっております。この改正は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、いわゆる義務標準法が改正をされたことに伴う改正であり、文部科学省は、区市町村教育委員会が地域の学校の実情に応じて学級を柔軟に編制することができるよう、都道府県教育委員会の関与を見直すことが改正の趣旨であることを表明しております。
 このこと自体は、民主党政権にかわってから推し進められている地方分権、そして、地域主権の拡充という視点からも評価をされることであると思っております。
 しかし、今回の日本語学級設置要綱の一部改正では、従来は附則により当該要綱の対象外となっていた中学校夜間学級に設置をする日本語学級が第八条に新たに加えられるとともに、同条第二項において特別の事情がある場合を除き、在籍期間の限度を一年間と定めております。このため、中学校夜間学級の日本語学級に在籍している生徒や関係者の方々から不安の声が我々どもにも寄せられているところであります。
 そこで、今回の改正の趣旨、運用方法等について質問をさせていただきます。
 まず、今回の要綱改正の趣旨と改正前の要綱では対象外となっていた中学校夜間学級に設置をする日本語学級がなぜ今回の改正で対象となったのか、お伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 区市町村立小中学校の学級編制につきましては、今委員からお話がございましたが、これまで義務標準法の規定により区市町村教育委員会が都教育委員会に事前に協議を行い、その同意を得ることが必要とされてまいりました。
 夜間の日本語学級は、都が単独事業として実施しているものでございますが、これまで要綱等の規定を設けず、義務標準法の規定による事前協議の中で学級の編制を毎年度、個別に設定してまいりました。
 しかし、平成二十三年四月の義務標準法改正に伴い、平成二十四年四月より区市町村教育委員会から都道府県教育委員会への学級編制に係る事前の同意協議が不要となり、事後の届け出制となりました。
 これにより、平成二十四年度から、夜間の日本語学級への教員の配当を行うに当たり、事前の申請手続を規定する必要が生じましたため、従来運用してきた手続等を明文化することとし、新たに規定をしたものでございます。

○くりした委員 ありがとうございます。
 また、要綱の第六条第二項では、通級期間の限度を二年間と定めております。しかし、この項が適用されない夜間学級の日本語学級の在籍期間は、特別の事情がある場合を除いては一年間と定められていますが、その根拠についてお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 ご指摘のございました要綱第六条第二項は、昼間の小中学校に設置している日本語学級について定めるものでございまして、昼間の日本語学級は、特定の時間に限って日本語学習に特に配慮した授業を行うもので、一週間に多くても四、五時間の授業に限られるものでございます。
 これに対し、夜間学級に設置している日本語学級は、通常学級での授業を受けるために必要な日本語の習得のため、日本語の授業を集中して行うものであり、一週間の授業時間のほとんどを日本語学習に充てております。
 このように、昼間と夜間は日本語学習にかける時間が大幅に異なりますことから、夜間学級の日本語学級につきましては、一年間の在籍年限としたものでございます。

○くりした委員 昼間の日本語学級の授業時間と比べて、夜間は日本語学習の時間が多いという理由で在籍期間の限度を一年間と区切ったということでありました。
 それでは、中学校夜間学級に設置をする日本語学級の現況についてお伺いをしておきたいと思います。
 統計をとっているわけではありませんので、ある時点での在籍年数別の生徒数をお聞かせいただきたいと思います。

○谷島地域教育支援部長 平成二十三年五月一日現在でございますが、都内の五校の中学校夜間学級に設置している日本語学級の生徒数百八十六名のうち、一年未満の在籍者が百二十三名、六六・一%、二年未満の生徒が五十一名、二七・四%、二年を超える生徒が十二名、六・五%となっております。

○くりした委員 今お答えをいただいた中で、二年未満の生徒及び二年を超える生徒を合わせると、およそ三分の一に当たる生徒が実際に一年を超えて在籍をしていることが明らかになりました。
 このような現場の実態をかんがみますと、本件の要綱の運営に当たっては、現場の実態と方針を考慮して柔軟に対応していかなくてはいけないと考えます。
 そこで、八条二項の特別な事情がある場合を除きという部分についてお伺いをいたしますが、どのような場合、特別な事情に該当するのかを具体的な例を示してご答弁をいただきたいと思います。

○谷島地域教育支援部長 日本語学習に時間がかかるケースとしては、年齢、能力、家庭環境など、さまざまな理由が想定されます。今、具体的な例とございましたが、さまざまな理由は本当に千差万別ございますので、いずれにしましても、学習指導の中で一年間での日本語の習得が不十分な特別な事情が認められるケースにつきましては、現場の校長の声を聞いているそれぞれの教育委員会から事情をよく聞き、適切に対応していく方針でございます。

○くりした委員 難しい質問だったかもしれませんが、ご答弁ありがとうございます。教育委員会からしっかりと事情を聞いて、そして適切に対応していくということであったかと思いますけれども、ぜひ柔軟な対応をお願いしたいと思います。
 また、これについては四月一日が施行日となっておりますが、この要綱適用の対象外である本年三月三十一日までの在籍累積数の日数の扱いについてお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 本要綱は、平成二十四年四月一日から施行するとしていることから、現に夜間学級の日本語学級に在籍している生徒の平成二十三年度までの在籍期間につきましては、本要綱に定める在籍期間に算入しないことを既に区市町村教育委員会及び各学校に周知しているところでございます。

○くりした委員 ご答弁の中で、二十三年度までの在籍期間については、本要綱の定めによる在籍期間として算入しないということがわかりました。
 今回ご質問させていただきましたさまざまなご答弁から、心配をいたしておりました八条二項の特別な事情に関しては、年齢、能力、家庭環境など、さまざまな理由などにより、一年間で学習が困難な事情が認められるケースには、区市町村の教育委員会の事情を聞き、適切な対応をしていく方針である、また、平成二十三年度までの在籍期間については、定めによる在籍期間には算入されない、つまり、少なくとも、平成二十五年度四月一日までは八条二項に抵触をする生徒は存在しないということが確認できました。
 私も一部安心をいたしましたところでありますが、この件について不安を持っておられる方々もたくさんいらっしゃいます。きょうは傍聴にも恐らくいらしていただいているということでありますけれども、この要綱の運用だけにとどまらず、この具体的な内容について、都民の皆さんにより周知をしていただくことについても努力をいただきたいと重ねて要望申し上げて、次の質問に移ります。
 最後に、都内学校給食における放射性物質の検査についてご質問をさせていただきます。
 先日、東日本大震災が起こってから一年が過ぎたわけでありますが、原発事故に端を発した放射性物質に対する不安は、いっときに比べれば鎮静化されてきたわけでありますが、なくなったわけではありません。とりわけ、小さなお子さんを持つ保護者の中には、児童の健康を心配して、細々とした配慮を続けておられる方々もたくさんいらっしゃいます。
 東京都においても、保護者の方々の不安を少しでも払拭していくために、できる限りの努力を行っていかなくてはいけないというのは、従前から主張させていただいているとおりであります。
 放射性物質に対して不安を持つ保護者の方々の間で一つの大きな懸念材料となっていた学校給食における内部被曝のリスクがあるわけでありますが、このたびありがたいことに、国の補助制度を活用して、東京都も新たに検査機器を購入して、都内学校給食における放射性物質の検査体制を整えるという計画が発表されました。
 これまで独自にそういった検査をしていた区市町村もありましたが、財政的な理由等でなかなか行うことが難しかったところもあったわけでありまして、この取り組みについては、都民に評価をいただけるのではないかと思っております。
 そこで、まず確認となりますが、このたびの取り組みを行う目的についてお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 食品の安全に関しては、生産、流通の各段階で既に関係諸機関において食品の放射性物質検査を実施しており、学校給食の安全は確保されているものと認識しております。
 都教育委員会が来年度実施いたします学校給食における放射性物質検査は、消費段階にある調理前の食材を検査することによって、学校給食に対する保護者の不安払拭を図ることを目的としております。

○くりした委員 ありがとうございます。このたびの取り組みの目的は、安全性の確保というよりも、やはり保護者の方々の不安を払拭していくことに重点を置いているということであります。
 このたび新たに購入した七台の機器を使って給食の検査に活用するということでありますが、ご承知のとおり、放射性物質と一口にいってもさまざまな種類が存在いたしますし、放射線を測定するやり方も幾つか存在いたします。
 よって、どのような機器を活用して検査を行っていくかということは、先ほどおっしゃっていただいたこの事業の目的を達成する上で非常に重要なポイントの一つになるわけでありますが、このたびどのようなプロセスで機器を選定して、そして購入をしたのかお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 国は学校給食に関し、より一層の安全・安心を確保する観点から、学校給食用食材に対する放射性物質検査機器の整備に対する補助制度を創設いたしました。
 都教育委員会は、この補助制度に関する通知文に示された機種等の要件に基づき必要な仕様を定め、指名競争入札により契約を行ったものでございます。

○くりした委員 ありがとうございます。
 保護者の方々の不安を払拭していくという目標を達成していく上でもう一つ大きなポイントでありますのが、放射線の値の検出の下限値をどのように設定していくかということでありまして、これが余りに大きいと、不安を払拭するどころか逆に問題を隠ぺいしようとしているのではないかという不安を抱かれかねないというような問題がございます。
 そこでお尋ねをいたしますが、検出の下限値を設定する際には、どのような点について留意をしなくてはいけないとお考えになっているのか、また今後どういった形でその検討を進めていくのかお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 国は、平成二十四年四月一日から適用となる食品中の放射性物質に関する新たな基準を定め、これに対応して、その検査方法でございます食品中の放射性セシウムスクリーニング法における測定下限値等を改正いたしました。
 都教育委員会は、来年度実施する給食食材の放射性物質の測定に当たりましては、こうした国の動向等に留意しつつ検討を進めてまいります。

○くりした委員 国のスクリーニング法改正について留意をしながら今後検討していくということでありますので、国が示した一キログラム当たり二十五ベクレル以下の下限値が設定される可能性は非常に少ないのではないかというふうに受けとめさせていただきましたけれども、今後、この下限値の設定についても、実際に不安を持たれている保護者の方々の声にしっかりと耳を傾けていただけるように要望をいたします。
 最初のご答弁でいただいたとおり、このたびの取り組みは、安全性の確保というよりも保護者の不安払拭が目的であるということでありますが、実際に基準値を上回る検査結果が出てしまったときにどういった対応をしていくのかについても決めていくことは重要であると思います。
 お尋ねをいたしますが、検査の結果についてはどのように公表していくのか、また、基準値以上の放射線が検出された場合には、どういった対応をしていくのかお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 検査結果の公表につきましては、区市町村教育委員会において適切に公表することとしております。都教育委員会においてもその公表はいたしますが、その方法等詳細は現在検討中でございます。
 また基準を超えた場合でございますが、区市町村教育委員会がそれぞれに対応することとしております。

○くりした委員 ご答弁の中で、それらの対応、基本的なところは区市町村が行っていくんだというお答えをいただいたんだと思いますけれども、こういった対応についても事前に検討しておかなくては、どういったところについて検討を進めておかなくてはいけないのか、その枠組みの部分は、各区市町村に対して都からも周知をしておくことが、都内学校において漏れのない、均一な体制をつくる上で大切であると思っております。既にそういった点については検討いただいているとも思いますけれども、さらにご留意をいただけるようお願いを申し上げます。
 この取り組みについては、既に区市町村に対して制度の周知等、活用する要望の有無を調査している段階であり、三月中にスケジュールをまとめていくということでありますが、ぜひそれらの区市町村に対して、また、その先におられる不安を抱かれている保護者の方々に対して真に届くような施策になるように、ご尽力をいただけるよう重ねてお願いを申し上げ、私からの質問を終わらせていただきます。

○村上委員 最初に、次世代リーダー養成道場についてお伺いいたします。
 激しく変化し、厳しさが増す我が国を取り巻く社会情勢の中で、みずからの能力を発揮し、たくましく生きる人材の育成が不可欠となっています。
 諸外国の人とともに働き、渡り合える人材こそ今求められているのではないでしょうか。企業が国籍にかかわらず優秀な人材の確保に動き、大学の秋入学が検討されるなど、国際化による影響はすべての日本人に及び、だれもが変化への対応を求められています。
 しかし、現実には、これからの担い手たる若者に、変化に応じて積極的にチャレンジする意識に乏しい、いわゆる安定志向が広まるとともに、社会や世界に向けた視野の広がりに欠ける傾向があるとの指摘があります。
 また、海外留学する日本人学生が減少するなど、いわゆる内向き志向も指摘されているところです。
 日本の繁栄を維持発展させていくためには、世界で活躍する日本や東京の未来を担うリーダーを多数生み出していくことが必要です。コミュニケーション能力や広い視野、幅広い教養とともに、目まぐるしい世界の変化を敏感に感じ取り、恐れず、戸惑わず、世界に飛び出す強い覚悟を持ったリーダーシップを兼ね備えた人材を育成していかなければなりません。
 そこでお伺いをいたします。都教育委員会では来年度、次世代リーダー養成道場を開校するということですが、どのような生徒をどのような募集枠を設けることで募集していくのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 次世代リーダー育成道場は、国内外での研修を通じて生徒を鍛え、将来、さまざまな分野で活躍するリーダーを育成していくことを目的としております。
 このため、全日制課程、定時制課程を問わず、すべての都立高校を対象に、海外で学ぶことへの興味や意欲、留学に対する明確な目的意識、帰国後に国際社会を舞台に活躍したいという夢などを持つ生徒や、経済的理由等から留学を逡巡している生徒などを募りまして、研修生として参加させていくようにいたします。

○村上委員 道場の目的と参加を想定している研修生像についてはわかりました。閉塞感が広がっている日本社会の現状を打破し、未来を切り開く若者を育成することが社会的課題であるとの認識が近年、多くの人に共有されるようになったと感じています。
 そうした中、本事業に来年度予算案でおおよそ一億九千万円が計上されたことは大きく評価したいと思います。都立高校では、これまでもリーダー養成を学校の設置目的に上げて取り組んでいると聞いています。例えば中高一貫教育校では、生徒に使命感、倫理感、社会貢献意識や我が国と郷土に対する愛着と誇りなど、日本人として持つべき資質を備え、信頼されるリーダーとなり得る人間を育成しています。
 六年間のゆとりある学校生活の中で、一年間の留学も挑戦しやすい環境にあるといえる中高一貫教育校の生徒には、積極的に次世代リーダー養成道場に参加し、自分の能力をさらに開花させてほしいと切に思います。
 そこで、中高一貫教育校から意欲ある生徒を率先して参加させるための方策についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 中高一貫教育校の設置のねらいは、将来社会のさまざまな場面や分野においてリーダーとなり得る人材を育成することであり、次世代リーダー育成道場の設置の趣旨と合致するものでございます。
 こうしたことから、中高一貫教育校の生徒の中で、海外で学ぼうとする意欲ある生徒を派遣できるよう、特別推薦枠を設定いたします。この特別推薦枠では、六年間の一貫教育の利点を生かし、中学三年生の応募も可能にし、翌年度、高校一年生のうちに入学できるようにするなど、積極的に中高一貫教育からの参加を促す仕組みといたします。

○村上委員 中高一貫校とのかかわりについてはよくわかりました。
 都教育委員会が、都立高校生に調査した留学に関する調査によれば、今後留学したいと思うかという問いに対して、約半数の生徒が否定的に考えており、その理由として、語学力などの能力や経済的な負担を挙げているということがわかりました。
 チャレンジ精神や向学心にあふれた若者を後押しするためには、海外で通用する語学力の習得や留学費用を支援し、一人一人が自信を持ち、何の不安もなく海外へ送り出すことが必要と考えます。
 そこで、留学費用の支援により、広く意欲ある都立高校生に道場への参加に挑戦する機会を与えるべきと考えますが、ご所見を伺います。

○坂本指導部長 留学にかかる費用は、比較的安価とされる交換留学でも年間百数十万円、通常の私費留学では数百万円かかるなど、大きな負担となっており、留学への挑戦の障壁の一つとなっております。
 資源を持たず、人材を貴重な財産とする我が国にとって、意欲や才能のある生徒が経済的な事情により海外で学ぶことができないことは重大な損失でございます。このため、渡航費や滞在費、学費等、留学の基本的経費の一部も公費から支出するなど、金銭的負担を軽減することで、経済的な理由から留学を逡巡している生徒の挑戦を積極的に支援してまいります。

○村上委員 大変心強いご答弁ありがとうございました。都教育委員会による適切な支援策により、将来のリーダーとなる資質を持つ生徒が広く留学にチャレンジできる仕組みとなるように要望をさせていただきます。
 続いて、国際バカロレア認定校についてお伺いをいたします。
 先ほどくりした委員からもスケジュール等についてのご質問がありましたけれども、私はちょっと違う観点から質問をさせていただきます。
 まず最初に、このバカロレアというのは、フランス語でフランスにおける後期中等教育の修了資格及び大学入学資格のことです。なお、バカロレアを確立したのはあのナポレオン・ボナパルトだそうです。
 ちなみに、バカロレアとこれから質問する国際バカロレアとは異なるものですので、一言申し上げておきます。
 現状では、都立高校の卒業生が海外の大学を受験しようとする場合、それぞれの大学が実施する入学試験を受験し、合格する必要があります。先ほどの答弁にありました都立高校在学中の留学を支援する取り組みも重要ですが、生徒の海外大学への進学をさらに後押ししていくためには、都立高校の生徒が卒業後に円滑に留学できるような仕組みをつくっていくことも重要と考えます。
 都教育委員会は、将来的に都立高校の国際バカロレア認定を目指すとしています。国際バカロレアとは、インターナショナルスクールや各国の現地校の卒業生に国際的に通用する大学入学資格を付与する仕組みであり、国際バカロレア認定校になるためには、国際バカロレア機構からの認定を受ける必要があります。
 なお、国際バカロレア機構はスイスのジュネーブに本部を置き、認定校に求められる共通カリキュラムの要件設定や、国際バカロレア試験の実施及び国際バカロレア資格の授与などを行っている組織と伺います。
 まず、国際バカロレア認定校のプログラムの概要についてお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 国際バカロレア認定校のプログラムには、三歳から十二歳までを対象としたプライマリーイヤーズプログラム、初等プログラム、それから十一歳から十六歳までを対象としたミドルイヤーズプログラム、中等プログラムですね。そして、十六歳から十九歳までを対象としたディプロマプログラムがございます。この三つ目のディプロマプログラムが国際的に通用する大学入学資格を得られるプログラムでございます。

○村上委員 なかなかいいにくい言葉ですね。
 我が国のバカロレア認定校は、全国で二十二校しかありません。このうち私立でないのは、国立大学法人の東京学芸大学附属国際中等教育学校の一校だけであり、都立高校で国際バカロレアの認定を受ける場合、全国の公立高校では初めてとなります。
 また、文部科学省のホームページによると、二〇一〇年には世界で五万四千人が受験し、そのうち四万二千五百九人がディプロマを取得しています。
 このように、国際バカロレアは大学入学資格として世界的に認められており、都立高校が国際バカロレア認定校を目指す取り組みは意義があると考えています。
 国際バカロレア認定を目指すに当たっては、既存の都立高校をバカロレア認定の候補校として設定することとなると思いますが、どのような高校が候補校になり得るのか、お伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 国際バカロレア認定校のディプロマコースでは、第一言語、第二言語、個人と社会、実験科学、数学とコンピューター科学、そして芸術または選択科目の以上六つの科目を二年間履修することとされております。
 加えて、学習している科目に関連した研究課題を設定し、みずから調査、研究を行い論文としてまとめる課題論文の作成などの要件を満たす必要がございます。
 バカロレア認定の候補校につきましては、バカロレア認定校として求められるこれらのカリキュラムを確実に実施できる素地が必要でございます。そのため、例えば外国語教育に力を入れていること、国際理解教育が盛んなことなどが候補校の要件になると考えております。

○村上委員 都立高校での国際バカロレア認定の取得は、これまでにない全く新しい取り組みであり、乗り越えていかなければならない課題もたくさんあると伺っております。
 そこで、この認定に向けては、庁内でしっかりと連携をしていく必要があると思いますが、今後どのような検討体制を構築し、検討を進めていくのかお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 ご指摘のとおり、都立高校がバカロレア認定を受けるためには、先行事例も限られている中で、多岐にわたる数多くの課題を整理していく必要がございます。
 そのため、平成二十四年度に庁内横断的な検討組織を立ち上げまして、外部の有識者からも広く意見を聞きつつ、幅広い観点から検討を進めてまいります。

○村上委員 バカロレア認定に向けた検討は、まさに一からのスタートとなると思います。また、整理すべき課題も多い中で、検討には時間を要すると思いますが、平成二十四年度はどのような検討を行っていくのかお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 全国の公立高校で初の試みとなる国際バカロレア認定の取得に向けては、先行事例を十分に研究するとともに、幅広く情報を収集していくことが検討の第一歩になると考えております。
 そのため、まず国内で既に国際バカロレアの認定を取得している学校に出向きまして、実際の授業の様子などを確認するとともに、認定の取得に至るまでの取り組みなどについて聞き取りを行います。
 その上で、国際バカロレアの認定取得に向けた課題を整理し、教育課程など国際バカロレアの理念を踏まえた学校のあり方について検討を進めてまいります。

○村上委員 これまでの質疑の中で、都立高校生を世界の舞台で活躍できる人材として育成していくための取り組みについて伺ってまいりました。グローバル化が進展する中で、我が国の国際競争力の強化は待ったなしの課題となっています。
 厳しい競争を勝ち抜いていくためには、我が国の将来を担う若者が広く海外に目を向け、世界に羽ばたいていかなければなりません。そういった意味でも、来年度からスタートする次世代リーダー養成道場については大いに期待をしておりますし、また、国際バカロレア認定校については、大変意欲的な取り組みとは思いますが、まだまだ整理すべき課題がたくさんあります。どうぞ今後もしっかりと検討をお願いして、次の質問に移ります。
 続いて、学校における校務の改善についてお伺いをいたします。
 現在、学校にはたくさんの業務があり、教員は子どもたちと触れ合ったり、よりよい授業のための準備の時間が十分にとれなかったりする状況にあると聞きます。この状況は多くの教員に当てはまるもので、校務の改善が必要な状況です。
 現在、学校には特定の教員でなければできない、あるいはできるけれども、とても時間がかかる校務もあるのも事実です。その例の一つに、成績処理があります。どこの高校でも、定期試験の結果についてコンピューター上で処理をしていますが、その仕組みをつくり上げたり、運用したり、修正したりすることなどについては、パソコンが得意な教員に頼っているという実情があります。
 こういった場合、情報処理に堪能な教員が在籍しているうちは機能をしますが、異動などでそういった教員がいなくなってしまうと、途端に機能しなくなってしまうといった弊害もあります。
 さらにいうと、こういった成績処理の方法は学校ごとに異なっているため、教員は学校を異動するごとに処理の方法を学び直さなければなりません。
 繰り返しになりますが、このような状況は教員の時間を奪い、子どもと接する時間や授業準備の時間などの減少をもたらします。少しでも教員の負担を軽減するなどして、校務の改善を行うことは大変重要なことであると考えます。
 そこで、教員の負担軽減を図り、校務を改善することにつながるこれまでの取り組みについてお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会は、平成二十二年度から校務の改善の一環として、都立学校を対象に成績処理推奨ファイルの開発と導入モデル校事業を行ってまいりました。
 成績処理推奨ファイルは、成績処理に関して特別な方法を必要とせず、教員のだれでも、またどこの学校でも同じような成績処理を可能とすることを目的として開発を始めたものでございます。
 開発の過程で、導入モデル校を平成二十二年、二十三年度の二年間で三十八校指定しまして、モデル校での実際の運用を通してシステムの改善を図ってまいりました。
 現在、システムの開発は終了いたしまして、本年度末までに改善された成績処理推奨ファイルをすべての都立学校に配布しまして、導入を図ってまいります。

○村上委員 都教育委員会が教員の負担軽減や校務の改善のために取り組んでこられた一例として、成績処理推奨ファイルがあることがわかりました。
 また、成績処理推奨ファイルで成績処理をすることは、特定の教員への業務の偏りや、学校を異動するたびに成績処理の仕方を変えなければならないといった弊害を改善することにつながる取り組みであることがわかりました。
 では、成績処理推奨ファイルを活用することによって、実際に軽減される校務の具体的な内容についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会が開発した成績処理推奨ファイルは、高校用、中学校用、特別支援学校用がございまして、児童生徒の氏名、住所や成績等の情報を一度入力すれば、複数の帳票で有効に活用できるようにした仕組みでございます。
 推奨ファイルの特徴は、児童生徒の評価等の記録を蓄積することによりまして、学習の状況や変化を把握できる生徒個人カルテ、進学時に上級学校へ提出する成績等に関する書類、学籍や学校生活を記録した児童生徒指導要録などが容易に作成できることにございます。

○村上委員 今の答弁があったように、児童生徒の学習の状況や変化を把握できる個人カルテや、進学時に上級学校へ提出する調査書、学籍や学校生活の様子を記録した指導要録などの帳票類を容易に作成できることはすばらしいことだと思います。
 特に個人カルテは、児童生徒一人一人の学力の変容を把握できるので、一人一人の個別の状況に応じた指導を可能にすることから、進路資料や個人面談など、家庭との連携を図る上で説得力のある資料にもなります。
 個人カルテの活用を徹底することで、児童生徒の学力向上や希望どおりの進路実現に結びつけることを望みます。
 学校の教員は、先ほどの答弁にもありましたように、日々の業務の中でさまざまな帳票を作成しております。その一枚一枚を手書きで作成することは、児童生徒の名前や住所など必要な事項を繰り返し繰り返し書くことになります。これらの手間を省き、事務的な業務を効率化していくことは、教員の校務の改善につながり、大変すばらしいことだと思います。
 その一方で心配なことは、児童生徒の個人情報の管理についてです。答弁で作成可能であるとされた帳票類は、これまでも紙と筆記用具で作成され保管されていました。その中でも児童生徒の指導要録は、在籍している期間の学籍や成績など、学校生活の記録が学年ごとに蓄積され集大成されたものであり、児童生徒の学習状況などを上の学年、あるいは上級学校に伝えたり、引き継ぎ資料として活用したりするなど、重要な性格を持ち合わせています。このような重要性から、法律によって学校に備えつけなければならないと明確に定められています。
 ところが、残念なことに、この大切な指導要録に関して、その紛失や誤廃棄などの事故が起きています。指導要録を紛失してしまうということは、その学校における児童生徒の大切な記録が失われてしまうということであるとともに、第三者に重要な個人情報を知られてしまう危険性を生むことになります。
 このような事故の防止に積極的に取り組むべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

○坂本指導部長 紛失や誤廃棄などの事故を防止するためには、指導要録の電子化を実現し、セキュリティーの向上を図ることが重要であると考えております。
 そこで、全都立学校の指導要録を成績処理推奨ファイルを用いて平成二十四年度から電子化に着手しまして、平成二十六年度末までに完了することといたします。そのため、指導要録の電子化に伴う手順や運用基準を本年度末までに各学校に通知いたします。

○村上委員 指導要録の紛失や誤廃棄などの防止に向けた電子化の取り組みについて、その具体的な方法や三年間で全面実施されるということが明らかになったことは、大変価値のあることだと思います。
 成績処理推奨ファイルの活用によって、学校のさまざまな校務が効率的に行われることや指導要録などの個人情報の紛失などが根絶されることを願って質問を終わります。

○野上(純)委員 最初に、アレルギー疾患について質問いたします。
 ハチに刺されたりとか、あるいはそば等、小麦粉とか卵とかそういった食物を体に取り入れたときに、アナフィラキシーという非常にショック状態が起こる子どもたちがいます。
 昨年、商標名でエピペンというんですけれども、それが保険適用になりまして、各学校でエピペンを持って、ジーパンの上からぴっと刺すと、エピペンでショック症状が和らいで命が助かるというものをそれぞれ子どもたちが学校に持っていって、保健の先生等に相談しながら、アレルギーに対するさまざまな取り組みを行っていると聞いているんですけれども、今までアレルギー疾患がある児童生徒に対して、都教育委員会はどのように取り組んできたのかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 アレルギー疾患のある児童生徒が安心して学校生活を送ることができるように、平成二十年四月に文部科学省監修による学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが示されたところでございます。
 これに伴い、都教育委員会では、教職員にアレルギー疾患に対する理解と対応能力を高め、各学校での取り組みを進めるため、平成二十一年度以降毎年、都立、公立学校教職員等を対象に専門の医師などを講師として招聘し、研修会を実施しております。平成二十三年度末までに十回研修を実施し、延べ二千五百名ほどが参加しているところでございます。
 平成二十三年九月には、今、先生、エピペンと申されましたアドレナリン自己注射薬が保険適用となったことを受けまして、今年度の研修会ではアドレナリン自己注射薬の知識、使用方法及び学校での注意点を中心に、アレルギー全般の知識などについても周知しております。
 また毎年、区市町村教育委員会に対し、アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒の調査を実施しております。

○野上(純)委員 丁寧に、登録商標じゃなくて普通の名称はそうだと思うんですけれども、どれぐらいの児童生徒がアドレナリン自己注射薬を携帯しているんでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 平成二十三年度の調査では、都内公立幼稚園及び小中学校で合わせて四百名でございます。

○野上(純)委員 幼稚園と小中学校合わせて四百人のそういう子どもたちが携帯しているということがわかりました。
 アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒に対して、延べ研修参加者二千五百人で相当多数の方が研修に参加をしていらっしゃるということで、特にアドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒が在籍している学校の教職員には、研修会に参加することがとても大事だと思っているんですけれども、これについて来年度はどのような取り組みを予定しているんでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 来年度も区市町村教育委員会に対し、アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒の調査を行うほか、ガイドラインに示された学校生活管理指導表を活用し、教職員が児童生徒の実態を十分把握した上で、適切に対応できるよう周知を図るとともに、関係教職員等を対象に、二回研修を実施する予定でございます。
 特に、アドレナリン自己注射薬を携帯している児童生徒が在籍している学校に対しましては着実に周知されますよう、区市町村教育委員会に働きかけてまいります。

○野上(純)委員 幼稚園、小学校、中学校は所管が区市町村教育委員会になっていますので、直接所管をしている都立学校ではアレルギー疾患がある児童生徒ですね、特別支援学校もあるので、児童生徒に対してはどのように取り組んできたんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 研修会につきましては、全公立学校教職員を対象とした研修に都立学校教職員も参加しております。
 また、平成二十四年一月一日現在ですが、都立学校でのアドレナリン自己注射薬の処方を受けている児童生徒数は六十一名でございまして、来年度もすべての都立学校が国の学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインにのっとりまして、アレルギー疾患がある児童生徒に対し適切に対処できるよう、特に当該児童生徒が在籍している学校を中心に、教員研修などを通じて引き続き取り組んでまいります。

○野上(純)委員 今回、なぜアレルギー疾患に対する取り組みを取り上げたかといいますと、通知文がそれぞれの学校に届きます。そうすると、この研修会に参加する人というので、だれかいませんか、だれか代表で一人でいいので行ってくださいというふうにいいます。すると、中には養護の先生、また忙しいので副校長、一番いいのは、子どもの担任が行ければいいのですが、なかなかそういう時間がとれなかったりして行けないということで、だれか一人代表で研修を受けてきます。それで終わってしまっていると、そこが問題だと。
 一回この研修を受けてきた人が、必ずその学校で伝達講習をしなければ意味がない。エピペンをぴっとジーパンの上から刺すわけですので、非常に怖がっている先生方が、担任の先生もどうしようと。なるべく責任逃れじゃないけれども、やりたくないということもあるので、ぜひ伝達講習会をやることと、それから、エピペンという業者だと思うんですけれども、メーカーに声をかければ、エピペントレーナーという五十本のトレーニングするものが送られてくるんですね。
 それと、都教育委員会がつくってくださっているすばらしいビデオがあるので、そのビデオを一時間見ながら、エピペントレーナーでぴっと練習をすれば、先生、それから校長先生、副校長すべての人が、子どもがそういうふうなアナフィラキシーになったときにぱっと対応できて、命が助かるということがいえるわけです。ですから、ぜひそういった意味で、全校の先生の共通認識でアレルギー対策をしていただきたいということを切に望みます。
 次に、校務改善について質問いたします。
 実は、予特で取り上げようと思って、時間がなくて、こちらに回させていただきます。済みません。
 小中学校の校務改善なんですけれども、都教育委員会は平成十五年に管理職と一般教員の間に、監督職である主幹教諭制度を導入したと、二十一年度には、若手教員の育成を担う主任教諭の制度を導入したということなんですね。
 私も教職にいたもので、私が教職にいたころは、校長、そのころは教頭といっていました。校長、教頭がなべのふたの部分にいて、あとみんな平教諭、なべぶた組織といわれていたんですね。
 それを段階的に校長、副校長、主幹、主任、教諭という、会社でいえば代表取締役、取締役、本部長、部長、課長、係長みたいな会社組織のような形にしていきたいというふうな流れがあったと思います。
 学校経営のかなめである副校長が学校に配布されるさまざまな書類の収受や仕分け、また教育委員会からの調査、これは私たちが質問するために、教育委員会からぱっと書類が来て、さっと出さなくちゃいけないという、非常に忙しくなると。
 例えばさっき質問した、エピペンを使わなくちゃいけない人何人いるのといったら、ぱっと書類が来て、ぱっと回収して、何人というふうに、非常に現場が忙しいというような声も聞いておりまして、また、来校者の電話や対応、特に今、非常に難しいモンスターペアレントという方たちもいたりして、そういう対応、いろいろなメンタルヘルスの対応とか大変な仕事が待っているわけです。
 一人先生が休むと、その代理の教師が見つかるまでいろいろと毎晩のように電話をして見つけなくちゃいけないとか、そういう仕事がたくさんありまして、本来の仕事は人材育成だと思うんですね、教師の人材育成をしていかなくちゃいけないのに、なかなかそういう時間がとれない。自分のたまった仕事は、朝早く行ってやるか、夜遅く残ってやるか、土曜、日曜、休日に処理をしなくちゃいけないということがあったと思うんですね。
 都教育委員会は、ここら辺がすごいすばらしいと思うんですけれども、平成二十二年、二十三年の二年間、現場で業務実態調査を実施してきております。読ませていただきますと、かなり細かい部分まで踏み込んだ調査をしていらっしゃいます。昨年度の調査結果からは、一部の学校では副校長等が調査への回答や報告など事務的な仕事に追われて、教育活動に力を注ぎ切れない実態、そういったこととか、また教職間で役務分担が不明確である。
 要するに、例えば学校便り一つつくるのも、これはだれの仕事なのか、教務主任がやるのか、副校長がやるのか、はたまたちょっと暇そうな校長がやるのかとか、学校によっていろいろ分担が違って、だれがやったらいいのかというのがいろいろ不明確であったと。
 それから、教職員の人材育成とか情報の共有化が進んでいないということがあって、体制づくりが難しいんだなということが明らかになったということですね。
 調査研究に関しましては、小学校十校、中学校十校の合計二十校をモデル校として、その効果を検証してきたということなんですけれども、この検証の結果について最初に質問いたします。

○岡崎人事部長 都教育委員会は、今年度、小中学校二十校をモデル校に指定しまして、経営支援部の設置、副校長の支援職員や経営専任主幹の配置などを試行的に実施し、学校関係者等々、区市町村教育委員会の代表者から成る校務改善検討会議におきまして、昨年度との業務内容の比較を詳細に分析して、その効果を検証してまいりました。
 モデル校では、調査報告や広報業務など、従来役割分担が不明確でございました業務の分担を明確化することによりまして、副校長が教員の人材育成など、本来、管理職として行うべき業務に一層力を注げるようになりました。
 とりわけ経営支援部を設置した学校では、いずれの分掌にも属さない突発的な事態が生じても円滑に対応できたほか、経営支援部に所属する教職員だけでなく、他の部の教職員も主体的に校務を担うようになりました。

○野上(純)委員 モデル校での検証の結果、先ほどおっしゃいました経営支援部の設置は特に効果があったということですけれども、この理由についてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 学校におけます実態調査から、教職員間の役割分担が不明確な場合には、管理職がリーダーシップを効果的に発揮できず、副校長など特定の教職員が業務を抱えがちになってしまうことが明らかとなっておりました。
 経営支援部は、主幹教諭や事務職員等を構成員とする副校長直轄の組織でございまして、副校長に集中していた業務を構成員で分担する機能と校務を横断的に調整する機能をあわせ持つ常設の組織でございます。
 この組織の設置によりまして、副校長がよりリーダーシップを発揮しやすくなり、また、構成員に変更があっても、安定的、継続的に校務を処理できる体制が構築されるものと分析しております。

○野上(純)委員 このすばらしいところは、先ほども村上副委員長がいってらっしゃいましたけれども、組織の人間が変わっても、基盤がしっかりしていれば、だれがトップになってもうまくいくということですね、これが大事だと思っております。
 このたび、学校関係者、区市町村教育委員会や都教育委員会の代表者から成る校務改善検討会議の検討結果のまとめとして、小中学校の校務改善推進プランを公表いたしました。都教育委員会は、今後、各学校の実情を踏まえつつ、経営支援部の設置を積極的に推進していくべきと考えます。
 本年四月における経営支援部を設置する予定の学校数、それから校務改善の今後の取り組みについてあわせてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 本年一月に区市町村教育委員会に対しまして、経営支援部設置の意向調査を実施いたしましたところ、全公立小中学校の約一二%に当たる約二百四十校が四月から経営支援組織を設置する意向を示しておられます。
 今回公表いたしました小中学校の校務改善推進プランは、今後、学校、都及び区市町村教育委員会が連携して取り組むべき施策の実施方針でございます。都教育委員会は、この三者の代表者で構成いたします校務改善推進会議を新たに設置しまして、各学校におけるさまざまな取り組みの成果を区市町村教育委員会を通じて普及してまいります。
 さらに、ICTを活用した業務の効率化や管理職研修の充実なども行いまして、全公立小中学校の校務改善を積極的に推進してまいります。

○野上(純)委員 ぜひ小中学校の校務改善推進プランを積極的に推進していただいて、現場が本当に時間に余裕ができて、子どもたちに向き合える時間がとれたという結果が出るようにしていただきたいと思っております。
 次に、歩数調査について質問させていただきます。
 都教育委員会は、二月に東京都統一体力テストとともに、日常生活活動に関する調査の結果を発表されております。
 この調査は、現代の子どもたちが、朝起きてから寝るまでの間にどれくらい体を動かしているのかを分析するために、歩数計を子どもたちにつけさせて調査したと聞いております。
 これは読ませていただいて、すばらしい内容なんですけれども、歩数調査を実施した背景や目的について最初にお伺いいたします。

○坂本指導部長 児童生徒の体力低下の原因を解明しまして、実効性のある対策を講じるためには、児童生徒の生活実態を客観的に把握し、現状を正確に分析していくことが必要であります。
 しかし、我が国では現在までに、児童生徒の生活実態に関する大規模な調査の例がなく、児童生徒の運動量の目安が示されていないという現状でございました。そこで、東京都の児童生徒の生活実態に関する客観的なデータを得るために、身体活動量と密接な関係がございます一日の歩数を調べることにしたことでございます。

○野上(純)委員 この報告書を見ますと、今回の歩数調査が国内はもとより世界的にも例がないというふうに書かれているんですけれども、今回の調査の特徴についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 厚生労働省は、日本人の成人の平均歩数を経年的に調査してきており、それによりますと、現在成人の一日の平均歩数は、男性が七千二百歩、女性が六千四百歩となっております。
 ところが、児童生徒の身体活動量については、研究者が五十人、百人程度の小規模の調査を行ったという例は過去にはございますが、区市町村単位や都道府県単位の大規模調査というものはございません。
 また、国外においても、カナダやアメリカで二千五百人や一万人規模の子どもの歩数調査がある程度でございました。
 こうしたこれまでの調査と比べまして、本調査は島しょ地域も含めた六十二のすべての区市町村から小中高校百三十五校を抽出した広域調査であること、約一万六千人の児童生徒を対象とした大規模調査であること、生活実態や体力テストの結果との相関を分析した、こういったところに特徴がございます。

○野上(純)委員 私も携帯に歩数計がついておりまして、いつも一万歩を目標にしているんですけれども、大体三千歩いくかいかないかぐらいです。ほとんど車を使っております、なかなか運動不足です。
 国内はもとより、世界的に見てもほとんど例がない調査ということで、非常にすばらしいと思っております。
 よく歩数計をつけると、つけたときは意識して活動的になるんですけれども、少したつともとに戻ってしまうということで、子どもたちも一時的に体を動かしたりするのではないかと思いますが、正確な調査を行うために、この実施方法なんですけれども、どういうふうにしたのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 児童生徒は、歩数計をつけると喜んで動き回る傾向があり、つけた当初は通常よりも大幅に歩数がふえることが予想されます。このため、このときの歩数調査では、二週間にわたって朝起きてから寝るまで定められた歩数計を毎日装着して数値を記録いたしましたが、正確さを期するため、後半の一週間のデータのみを正式な記録といたしました。
 また、一日を朝起きてから登校するまで、登校してから下校するまで、そして下校してから寝るまでに区分しまして、それぞれデータを記録することによりまして、いつ、どこで、どの程度活動しているのかが把握できるようにいたしました。

○野上(純)委員 今回の歩数調査の報告書によりますと、東京都の児童生徒の一日平均歩数は、小学生は約一万一千歩、よく歩いていると思います。中学生は約九千歩、高校生は約八千歩であって、小学生から高校生まですべてを含めると、平均して一日一万歩であったというふうに結果が載っております。
 先ほど、この歩数調査と合わせまして、生活様式とか体力テストとの相関について関連を調査したとありましたが、それらの関連についてはどのようなことがわかったのでしょうか。

○坂本指導部長 小中学生は、一緒に遊ぶ友達の多い児童生徒ほど、また体力テストで高い得点を示す児童生徒ほど、一日の歩数が多いことが明らかになりました。
 また、学校生活では歩数に大きな差がなく、放課後や休日の歩数の差が一日の平均歩数の差となってあらわれているという結果も得られました。
 さらに、平日では一日千歩程度から二万歩以上も活動する児童生徒がいるなど、個人差が著しいことも明らかになりました。

○野上(純)委員 これは大変興味深い内容だと思っております。スポーツクラブ等に入って、一生懸命土曜、日曜、体を動かし運動している子と、テレビの前でミカンを食べながらこたつに入っている子どもたちと、やっぱり相当の運動量の違いになってくるのではないかと思っております。
 こうした調査結果から、都教育委員会は子どもの体力低下の要因、それから、生活実態等をどのように分析しているのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 過去の幾つかの調査によりますと、戦後、児童生徒の体力がピークであったとされる三十年前の昭和五十年代には、児童生徒が一日二万歩以上活動していたといわれております。現在、東京都の児童生徒の一日の歩数は、この三十年前の二分の一以下に減少しております。
 また、小中高校全体で約三割の児童生徒が放課後や休日に体を動かす遊びや活動をしていないという現状もわかりました。
 このように、外での遊びやスポーツによる活動量が減少したことによる運動不足が児童生徒の体力低下の直接的な原因であると分析しております。

○野上(純)委員 今答弁されたように、東京都の抱えている子どもたちの現状、それから今後の課題が見え隠れしていると思うんですね。この調査結果を子どもたちの体力向上に役立てていかなければ意味がないと思うんですね。これをどういうふうに活用していくんでしょうか。

○坂本指導部長 都教育委員会は、総合的な子供の基礎体力向上方策第一次推進計画におきまして、児童生徒の一日の活動量のガイドラインを一日一万五千歩と示したところでございます。
 しかし、このたびの調査で、現実の児童生徒の活動量は大きく予想を下回る結果となりましたこと、体の活動量には児童生徒一人一人によって大きな差があり、特に放課後や休日の過ごし方によって大きなばらつきがあることがわかりました。このため、学校における年齢に応じた対策はもとより、学校以外の家庭、地域における個別の対策が必要でございます。
 こうしたことから、今後さらに検討を加えまして、その結果を平成二十四年度策定予定の第二次推進計画に反映させてまいります。

○野上(純)委員 学校における子どもたちの活動の時間というのは非常に固定化しておりますし、限りがあると思っております。その分、土曜日とか日曜日、祝日にどれぐらい子どもたちの活動時間を、運動時間をふやしていくかというのがこれから大事だと思っております。
 そのためには、家庭とか地域と連携をしながら、望ましい生活習慣というんですかね、そういったものを確立する対策が都教育委員会に求められるのではないでしょうか。
 せっかくこの貴重な調査結果があるわけなので、今後とも子どもの体力向上を図るように、しっかりと具体的な方策をとっていただければと思っております。
 続きまして、夜間中学について質問をさせていただきます。
 二月十八日に曳舟文化センターというところで、公立夜間中学校と教育を守る会という会合がありまして、行ってまいりました。その会合には、我が党の石井義修元副議長も忙しい中いらしておりまして、夜間中学とはちょっと違うんですけれども、定時制で学んだその苦労とそして喜びのようなものを語られて、いかに定時制の中で苦労しながら学んでいったことが、人間性豊かな人格をつくっていくんだろうかということで、いろいろと感動した次第でございます。
 先ほども質疑がございましたので、先ほどあった改正の趣旨については省略をさせていただきます。
 夜間の日本語学校に関する改正の中で、在籍年限を一年間に限るとしたことで、十分な日本語習得ができなくなるのではないかという不安の声がたくさん上がっておりました。そして、卒業生の方々も、やはり日本語はかなり上手なんですけれども、もともと母語が違うなという感じの方が何人も何人も登壇されまして、本当に教育が大事だということを述べていらっしゃいました。
 夜間の日本語学級については今回初めて規定を設けたということで、在籍期間についての規定も今まではなかったので、学校現場の実態としては、要するに個々の生徒たちに必要と思われる期間とか、指導を行ってきた期間というのが、現場によってはまちまちだったと思うんですね。
 ことしの要綱改定の中で、初めて在籍期間の規定が明記されたということで、関係者の方々にとってみれば不安材料になったんだと思うんですね。今までなかったものが規定されたということで、今までのことがスムーズにいかないんじゃないかと非常に不安感をあおられたということだと思います。
 日本語学級の在籍期間について、これまでなかった一年間の制限を設けることにしたそもそもの理由は何なんでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 区市町村立小中学校の学級編制につきまして、義務標準法の改正に伴い、平成二十四年四月より区市町村教育委員会から都道府県教育委員会への学級編制に係る事前の同意協議が不要となり、事後の届け出制となりました。
 これにより、従来、義務標準法の規定による事前協議の中で学級の編制を毎年度個別に決定してきました中学校夜間学級の日本語学級について、事前の申請手続を規定する必要が生じたため、従来、運用してきた手続等を明文化することとしたものでございます。
 新たに要綱の中に規定を設けるに当たりまして、夜間の日本語学級についても、設置申請に際しての要件等を明らかにする必要があったため、在籍年限の規定を設けたものでございます。
 夜間の日本語学級は、通常学級での中学校の授業を受けるために必要な日本語の習得のため、日本語の学習を集中的に実施しているものでございます。そこで、中学校の修業年限は三年間であることから、中学校の各教科の授業の時間を確保するため、一年以内の在籍を原則としたところでございます。

○野上(純)委員 都教育委員会が規定を設けた趣旨というのはそういうことだと思っております。夜間学級は、義務教育を終えていない方に中学校教育を行うことが本来の目的ということですから、最初から日本語集中の授業を二年間とか三年間やりますというのとはちょっと趣旨が違うと思うんですね。
 理屈はそのとおりだと思うんですけれども、実際に夜間学級を見学させていただきますと、中国からの引揚者の方、高齢の生徒さんなどもたくさんいらっしゃいまして、なれない日本語の習得に大変苦労していらっしゃる方もおいでのようです。
 私が議員になったころ、双葉の夜間中学を見せていただいたときには、日本の高齢者の方も結構いらっしゃいまして、その方も戦争とかで中学校を出ていないということで学んでいらっしゃいました。あと、不登校で、中学校三年間、卒業証書をもらわないで過ごしてきたので、あと何年か行くという子もいらっしゃいましたが、今現在は、そういう方が非常に少ないように感じます。ほとんどの方が、ある程度の日本語がうまく話せないような方が多いんじゃないかと思っております。
 中学校夜間学校にこのような日本語学級が設置された経緯についてお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 中学校夜間学級は、もともと戦後の混乱期に経済的理由などで昼の中学校を長期欠席していた生徒の教育の場として設置され、現在では学齢を超過した義務教育未修了者に中学校教育を行う場としての役割を果たしております。
 昭和四十年代から韓国及び中国からの引揚者の増加があり、これら引揚者の夜間学級への入学がふえるとともに日本語教育の必要性が高まったため、昭和四十六年に初めて中学校夜間学級の日本語学級が設置されたところでございます。
 なお現在では、中国、フィリピン、ベトナムなどのアジア各国語を母語とする外国人生徒が増加してきております。

○野上(純)委員 日本語学級で中国からの引き揚げの高齢の皆様が学んでいたことに関しては、そういう経過があったということが確認されました。
 これまで社会を支えるセーフティーネットとして、中国引揚者の方たちの日本の社会での円滑な受け入れのために夜間の日本語学級が果たしてきた役割等を考えると、このような方々には一定の配慮を行う必要を感じております。とりわけ高齢の方などが日本語習得に時間がかかる事情があるケースについては、特段の配慮をしてほしいと思います。
 私たちが逆に中国に行って、年齢も高齢になりましたので、一年間で中国語をマスターするといったら非常に厳しいと思うんですね。やっぱり一年、二年ぐらいかかってしまうと思うんです。
 まだ脳のやわらかい語学修得が簡単な若いころというのは、一年間で日本語をマスターするのは、ある程度、かなり速い速度でできると思うんですけれども、高齢の方というのは非常に難しい、時間がかかると思うんです。そのことに関して特段の配慮をしてほしいということに関して、都教育委員会の見解をお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 ご指摘いただいたように、高齢者などの中には、日本語の習得が困難な場合があることは承知しているところでございます。このため、要綱に特別な事情が認められる場合を除く旨の規定を置き、在籍年限の延長については個々に判断を行うこととしております。
 一年間では修得が不十分と認められるケースにつきましては、現場の校長の声を聞いているそれぞれの教育委員会から事情をよく聞きまして、適切に対応してまいります。

○野上(純)委員 中学校夜間学級の日本語学級は、都教育委員会がおっしゃるとおり、あくまでも中学校であって日本語学校ではない、これが原則です。一番いいのは、一年間日本語について勉強し、残りの学年を中学校の勉強をするというのが一番理想的だと思うんですけれども、日本語がしっかりできないのに、普通学校に、普通の教室に行って、理科とか社会とか英語とか、いろいろな教科を勉強するのは非常に困難をきわめると思うんですね。
 ですから、あくまでも日本語学校ではないんですけれども、中国の引き揚げの方々の支援のためにも、やはり原則は原則なんですが、しっかりと配慮をしていただきたいと思っております。
 また、定住外国人の方にきちんと日本語や日本の習慣を学んでいただくことも必要です。この点は、先生方が非常にご苦労されて、日本の習慣をしっかりと教えられて、生活基盤のこととか本当に細かいところまで、先生方の努力で面倒を見ていただいていることを知っておりますので、本当に感謝の念にたえない気持ちでいっぱいです。
 都教育委員会は、夜間の日本語学校へのきめ細かい配慮をしていただくようにお願いをします。
 最後に、国際バカロレア認定校について質問いたします。
 皆様方の中にも、アイフォン4Sとか持っていらっしゃる方がいらっしゃると思うんですね。細かい部品を分析してみると、三分の一は日本の製品が使われているそうなんですね、三分の一。それから、ボーイング747も部品の細かいところは三分の一が日本の製品だと。
 ものづくり教育も非常に大事なんですけれども、つくった製品を各世界に売り込んでいく人たち、営業していく人がいないとなかなか成立していかないということがあると思います。
 この厳しい国際社会の中で勝っていける、売り込んで交渉していけるという人材を育てていくことも大事ではないかと思っております。
 都立高校改革推進計画の中で、都立高校初の国際バカロレア認定校を将来的に目指すとしております。それは、国立ではなく私立でもなく、なぜ都立高校に国際バカロレア認定なのか、その理由について伺います。

○直原都立学校教育部長 社会のグローバル化が進展する中で、都立高校には、生徒に高校在学中の留学や海外大学への進学を通して、広い視野やさまざまな分野に挑戦する意欲を持たせ、将来、世界を舞台に活躍し、日本の未来を担う次世代のリーダーとして育成することが求められております。
 このため、新たな都立高校改革推進計画では、都立高校生の海外留学を支援する次世代リーダー育成道場のほか、世界的な教育プログラムであり、海外大学への進学に対応した国際バカロレアの認定校を目指すこととしたものでございます。

○野上(純)委員 国際バカロレアによる都立高校は、国際バカロレア機構の認定を受ける必要があります。この国際バカロレア機構とは、どのような理念に基づいて運営されて、その目的である国際教育をどういうふうに位置づけているかについてお伺いします。

○直原都立学校教育部長 国際バカロレア機構は、異なる文化の理解と尊重を通じ、より望ましい世界かつ平和な世界をつくり出すことに貢献し得る探究心、知性、寛容の精神を持つ若者を育てることを活動の理念としております。
 また、国際バカロレア機構では、国際教育を定義するに当たりまして、世界の文化、言語の関係を考え、共存を目指す市民を育てること、生徒のアイデンティティーと文化に対する感覚を育てること、学習の喜びと発見の精神を培う探究心を育てることなどを基準として掲げております。

○野上(純)委員 最後です。先ほどの答弁で、都立高校改革推進計画におけるグローバル化の進展への対応策である次代を担うリーダーの育成事業として、一つは、次世代リーダー育成道場とバカロレアの認定校の二つがありますね。都教育委員会は、共通の目的を持つ両事業を単にそれぞれ実施するだけではなく、例えば次世代育成道場の国内で行う事前研修で、バカロレア認定校の授業に参加させるなどの連携とか交流を図りながら、さらに効果的な事業実施を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○直原都立学校教育部長 次代を担うリーダーの育成事業として実施する次世代リーダー育成道場とバカロレアの認定は、将来、世界を舞台に活躍し、日本や東京の未来を担う次世代のリーダーを育成することを目的に、高校卒業後に海外の大学へ進学することを視野に入れるなど、共通した考え方により事業を計画しております。
 現時点では、バカロレアの認定を受けた都立高校の教育内容などがいまだ明確になっておらず、両事業の具体的な連携、交流について検討する段階には至っておりませんけれども、ご指摘のように、例えば次世代リーダー育成道場の留学前の国内研修プログラムに外国語指導にすぐれたバカロレア認定校の授業や指導方法を活用するなど、両事業を効果的に実行するために有効なものと考えられますので、今後の検討課題としてまいります。

○野上(純)委員 実施までに数年かかると思いますけれども、ぜひこの事業が大成功しますように応援してまいりますので、頑張っていただきたいと思います。

○今村委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたします。
   午後二時四十三分休憩

   午後二時五十六分開議

○今村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○畔上委員 まず、資料の作成、ありがとうございました。
 最初に、夜間中学の日本語学級についてですが、くりした委員、また野上委員からもご質問がありましたので、それを踏まえて伺いたいと思います。
 夜間中学は、十五歳を過ぎてからも、何らかの事情で中学校を卒業していない方々、そして日本語学級は、その中でも帰国者や外国人など、日本語教育を必要としている方々が教育を受けることのできる、かけがえのない場だというふうに思っております。
 そして、その人に本当に必要な教育をその人に合った形で受けることができるようにという点では、少数者もまた外国人も含めたすべての人々の教育を受ける権利を具体的に保障する、そういう場となっていると思います。
 まさに憲法二十六条や国際的には子どもの教育は外国人も含めて、その子が住んでいる国が保障するという国際人権規約を実現する場として、夜間中学は大きな役割を担っているということを感じております。私も二回ほど夜間中学を視察させていただいたんですが、大変重要な役割を果たしていることを痛感してきたところです。
 先ほど要綱の改正のご説明がございました。つまり、夜間の日本語学級の規定がこれまでになかったので、昼間の日本語学級の要綱に加える形で整備をしたということですね。
 しかし、今、るる皆さんからもご意見があったように、その要綱改正によって新たな不安が学校現場には広がっているということであります。それは、新しい要綱の第八条で、夜間中学の日本語学級に在籍する期間は、特別の事情がある場合を除き、当該日本語学級に在籍した日から一年間を限度とするという第二項の条文があるからなわけですね。
 今まで個々の事情に応じて日本語学級に在籍していたのに、中学の勉強に必要なだけの日本語が習得できていない場合であっても、一年で切られてしまうんじゃないか、そういう心配だったわけです。
 先ほどのご説明では、要綱では特別な事情を除くとなっていて、特別な事情がある場合は一年を超えて在籍できるというご説明でしたが、この判断ですね、これは最終的にだれが判断を行うのか、そしてその判断基準は何なのかをお示しください。

○谷島地域教育支援部長 本要綱は、都教育委員会の単独事業として、区市町村教育委員会が小中学校に設置する日本語学級の設置基準について定めるものでございまして、夜間の日本語学級の認証についても、都教育委員会が区市町村教育委員会からの申請に基づき決定するものでございます。
 なお、特別な事情は、個々の事例に対しまして個々に判断するものでございます。

○畔上委員 これまでは、学校現場で個々の学習到達を踏まえて判断してきたわけです。一人一人日本語学級から普通学級に行くかどうか相談して、職員の皆さんとも会議で決めて、校長先生が認定をするという仕組みだったわけですね。学校が、そういう点では一番生徒さんの状況を理解して、その方の教育に直接責任を持っていらっしゃるわけです。
 一つ大事なことなので再度確認したいと思うんですけれども、特別な事情の判断というのは、今のご説明ですと、都教委が各区市町村の申請に基づき判断するということでありましたが、教育委員会は個々の事例を判断する上で、校長の意見を聞いてというご説明がありました。そういう点では、各学校の判断を尊重するという理解でよろしいんでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 特別な事情の判断に当たりましては、現場の校長の声を聞いているそれぞれの教育委員会から事情をよく聞いて対応することといたしております。

○畔上委員 事情をよく聞いて対応していただけるということであります。
 特別な事情の判断というのは、やはり校長の意見を聞くということを、各夜間中学の設置自治体にもしっかり徹底していただきたいと思います。
 先ほどのご説明でも、六割を超えている生徒さんたちは、一年間日本語を学んで普通学級に移られると。同時に、一年ではとても普通学級に移れないという方は、全体として三割前後いらっしゃるということです。
 それぞれの方が事情を抱えているわけですね。野上委員からも、高齢者は配慮が必要だというお話もありました。例えばある中国の帰国者の方は、六十歳を過ぎて初めて日本語を学んで、まじめに取り組んでいらっしゃるけれども、理解するのも定着するのも時間が必要で、一年を超えて日本語学級に通っていらっしゃるということでありました。
 ただ、若い人はじゃあ大丈夫かというと、若い人の中にもいろんな事情があるわけですね。若い新渡日の外国人の生徒さんの中でも、非漢字圏の生徒さんだったり、それから少し学習障害があって定着が難しい、こういったさまざまな事情を抱えていて、一年ですぐに普通学級に移行できない、もう少し日本語学級を続けていきたいという方もいらっしゃるわけです。
 もし若いからという理由で、一年たったら普通学級にという機械的な対応をされてしまいますと、やっぱりますます授業についていけなくなる。そうなって高校進学もあきらめざるを得なくなるということになってしまうと思います。
 そういう点では、都議会では日本語学級の条件改善を全会派一致で採択をした経緯も踏まえまして、ぜひ夜間中学に通う生徒一人一人の実情に合った対応を求めたいと思います。この問題については終わります。
 次に、武道の必修化に伴う柔道の安全確保についてです。
 新学習指導要領の全面実施によって、中学校の体育において一、二年生で武道とダンスの必修化が行われます。武道は、柔道、剣道、相撲、その中から選択をするということになっていますが、設備などを考えますと、多くは柔道を選択するんじゃないかと考えられます。
 そうした中、このまま柔道の授業をスタートさせて本当に大丈夫なのかと。運動能力がつかみづらい、大きな事故につながるおそれがあるだけに、どこまで教えていいのか見きわめが難しいといった体育指導の先生や教員や保護者から不安の声が上がっております。
 最近の子どもたちは、小さいころの遊びの中でゲームの時間が増加しているために、転んだり、投げたり、こういう体験が極端に減少していると。そういう中で基本的な体力が低いこと、そして男子より筋力の弱い女子も今回の必修化で行うこと、こういうこともあって、本当に安全な指導ができるかという不安があるわけですね。
 私は、こうした不安をそのままにして、新年度からのスタートに踏み出すのではなくて、やはり安全対策や条件整備をしっかりと整えてから実施すべきだと考えていますが、その立場から幾つか伺いたいと思います。
 まず、新年度から、都内の中学校の保健体育での授業については武道の授業が実施される予定となっているわけですけれども、実施するその種目の内訳を教えてください。

○坂本指導部長 都教育委員会が平成二十四年二月に実施状況の調査を行いました結果、平成二十四年度の都内公立中学校保健体育科の武道の授業では、延べ五百十六校が柔道、百十七校が剣道、二十四校が相撲、六校がその他の武道を実施する予定となっております。

○畔上委員 圧倒的に柔道が多いということですね。本会議のご答弁では、高校、中学での柔道の授業やクラブ活動で、都内でこの十年間死亡事故はないということでありました。それは大変いいことなんですけれども、全国的に見ますと、中学校の部活動の死亡率を見ますと、部員十万人当たり柔道の死亡率は二・四人、バスケットや野球に比べて柔道は六、七倍に突出しているということであります。
 柔道は、頭部を打つ、打たないにかかわらず、大きな揺さぶりによる加速損傷、また頸椎損傷などが起こる危険性が指摘されているわけですけれども、それだけにしっかりとした安全対策が求められているんだと思います。
 東京都内におきまして、死亡事故以外の重篤の事故とか裁判になったケース、こういうケースはあったのかどうか伺います。

○坂本指導部長 東京都内の公立中学校では、この十年間、柔道の授業または部活動中の事故により、重篤な事故や裁判に発展した事例はございません。

○畔上委員 それはなかったということは本当によかったと思うんですが、新聞報道によりますと、全国では一九八三年から二〇〇九年までの間に、中学の柔道で起きた後遺症が残る事故というのが九十三件あると。そのうち三割の二十七件、授業中の事故だったということでありました。
 だからこそ、今、保護者や体育指導の教員の中にも不安が大きくなって、文科省自体も武道必修化に伴う柔道の安全管理の徹底についての通達を三月九日に出したんだと思いますが、都の教育委員会は、現時点で柔道に対する安全性についてどのような認識か伺いたいと思います。

○坂本指導部長 中学校保健体育の武道は、十時間程度の授業時数となりまして、柔道を選択した場合には、その歴史や特性、礼法、基本動作や技術の基礎を学習いたします。
 また、柔道の授業では礼法を遵守させること、危険な行動を禁止すること、セーフティーマットを使用することなど、適切な指導を講ずることにより安全性を高めております。

○畔上委員 今回、文科省があえて柔道の安全管理の徹底という通知を出したというのは、やはり柔道指導に内在する危険性があるからだと思います。
 柔道が実は人気があるフランスなんですけれども、生徒を危険にさらすことなく、安全に指導をするのはすべての指導者にとって最優先課題だというふうにしておりまして、指導者は、生物学やトレーニング法、救急救命も学んで、最低二段の段位もとると。三百八十時間のカリキュラムを修了した国家資格を持っているそうです。
 そういう中で、指導者の質を徹底して高めて、子どもの死亡事故をなくしたという報道がありました。こうした取り組みが武道の理解を広げて、安全で楽しい授業につながっているんだというふうに思います。
 これまでの体育教員の柔道などの事前講習の内容、そして時間、実施状況についてどうなっているか伺います。

○坂本指導部長 都教育委員会は、基本的な柔道の指導内容を周知するため、一日三時間で二日程度の学校体育実技講習会を毎年開催しております。
 また、高度な技能を身につけるため、一日四時間程度の専門的な研修会を体育系大学と連携し、毎年開催しております。

○畔上委員 それでは、武道の事故防止については、学校にどのような指示や指導がなされているんでしょうか。

○坂本指導部長 都教育委員会は、平成二十年度には、部活動中の重大事故防止のためのガイドラインを作成いたしまして、各学校に周知徹底して、重大事故の防止に努めてまいりました。
 また、これまで区市町村教育委員会と連携いたしまして、武道必修化の意義やねらいを中学校に周知徹底するとともに、生徒向けの実技のDVD視聴覚教材や武道指導事例集を作成、配布するなど、武道必修化に向けて安全対策を講じてまいりました。

○畔上委員 今のご説明で、都教委として取り組まれてきたことというのはよくわかりましたが、果たして新年度の実施を前に、柔道実施の学校の体育指導教員全員に安全指導ができていると断言できるでしょうか。お答えください。

○坂本指導部長 平成二十三年度には、都内公立中学校六百二十一校中五百八校で柔道の授業が実施されましたが、区市町村教育委員会からは、授業中の死亡事故や重篤な後遺症が残る重大事故の報告はありません。
 今後、武道の授業で新たに柔道を実施する学校については、区市町村教育委員会と連携を図りまして、安全指導の研修の実施や外部の専門家の導入等によりまして、指導体制を十分に整えた上で授業を行うように指導を徹底してまいります。

○畔上委員 指導の徹底はもちろんやっていただきたいと、やっていただかなきゃならないことだと思うんですが、今問題になっているのは、実際に武道が始まる、秋か冬になるかもしれないというお話なんですが、そこまでにどこまで教員の研修が進んで、設備面も含めた条件整備が整うのかと、本当に間に合うのかということだと思うんですね。
 確かに、必修化に先立って選択制で実施している学校もありますし、ゼロからの出発でないという学校もあるのも伺っております。しかし、女子も含めて全生徒必修となると、やっぱり心配が出てくるのは当然だというふうに思うんですね。
 学習指導要領を改めて見たんですが、自己の能力に適した課題を持って運動を行い、技能を身につけ、相手の動きに対応した攻防を展開して、練習や試合ができるようにするというふうになっていたんですね。
 ここまでできるようになるには、指導も本当に大変だなというふうに思います。だからこそ、文科省は三月九日に出しました通達では、指導歴及び研修歴の浅い教員については、授業の開始時点までに十分研修を行うこと、学習段階や個人差を踏まえ段階的な指導を行うなど、安全対策に留意した指導計画を立てることなどを学校任せにしないで設置者が確認するよう、このことを求めるようになったわけですね。
 さらに、施設設備の安全確保についても文科省通達は言及しているんですね。柔道の授業は体育館や武道場で行われると思うんですけれども、実施場所の状況というのは把握されているんでしょうか。

○坂本指導部長 本年二月に調査した結果、都内公立中学校で平成二十四年度に柔道の授業を実施する予定の五百十六校のうち、武道場での実施を予定している学校は百六十五校、体育館や多目的運動室などに畳を敷いて実習を予定している学校は三百五十校、学校外の施設での実施を予定している学校は一校でございました。

○畔上委員 畳のずれの防止措置を講じないといけないわけですけれども、今お話しのように畳を敷く学校が三百五十校ということについて、その防止措置の安全対策を講ずる必要もあるわけですね。
 やはり生徒を危険にさらすことなく、安全に指導することは最優先にすべきだというふうに考えます。何かあってからでは遅過ぎるわけです。既に一部専門家からは、指導要領に示されたわざすべてを実施することは危険だという指摘もありました。また、テレビや新聞などでは、安全対策が不十分なら必修化の実施は延期をという報道もされております。
 文科省の安全対策が出され、それに基づく授業カリキュラムの改善、現場教員への講習、指導体制が確立するまでは、武道の必修化は延期すべきではないかと思うんですが、いかがですか。

○坂本指導部長 都教育委員会は、これまでの取り組みに加えまして、過去の重大事故から見出された医学的知見を踏まえまして、実技講習会等を通じて安全に配慮した授業の進め方の指導を充実させていくことが重要であると考えております。
 そのため、今後、柔道の専門家による技術委員会の設置、すべての保健体育科教員を対象とした地域別実技講習会の開催など、安全指導のさらなる徹底を図ってまいります。
 なお、既に文部科学省から、平成二十四年三月九日付で武道必修化に伴う柔道の安全管理の徹底についての通知が発出されており、これを踏まえて、区市町村教育委員会に対し四月からの武道必修化に向けて安全指導の徹底を図ってまいります。

○畔上委員 繰り返すようですが、しっかり実技指導の講習を行っていただくということは重要だというふうに思うんですが、今のご答弁には入ってなかったんですが、本会議のご答弁では、専門家による技術委員会を設置して、柔道指導に内在する危険性を分析するというふうにいわれました。つまり、柔道指導に内在する危険性を分析するのはこれからだということであります。
 少なくとも、教育現場の教える教員からの不安もあるわけです。文科省が、今お話があったように条件が満たされていない項目、つまり、施設、設備や指導者、指導計画が発見された場合は、当面柔道の授業の開始をおくらせ、早急に条件整備を進めるなどの適切な措置が講じられるようにという通達を出しているわけです。
 ですから、私は各学校が十分に子どもの安全対策がとれるまでは無理して実施しないように都教委が指導すべきだと思いますし、また、条件整備に努力することが求められているんだと思います。そのことを申し述べまして、次の質問に入りたいと思います。
 都立高校の第一次計画についてです。この間、都立高校白書、都立高校改革の長期計画について質問させていただき、学校現場を含めた都民参加での十分な議論を行って、必要な改善をするよう強く求めてきました。
 きょうは、三点の具体的な施策の問題で伺いたいと思います。
 まず、防災活動の推進についてです。
 すべての都立高校において、年四回以上の避難訓練、防災訓練を実施するということが重要だというふうに思います。その中で、あらゆる場面を想定して、体育館などを利用した宿泊防災体験活動も実施するというふうに計画にはあるんですが、その内容はどこが決定するんでしょうか。伺います。

○坂本指導部長 都立高校では、各学校が消防署や警察署といった公共機関や近隣の小中学校、地域の消防団や保護者などと連携して、宿泊を伴う防災体験活動の内容を検討し、決定することになっております。

○畔上委員 学校のさまざまな事情があると思いますが、宿泊となるとかなりの体制と準備が必要だというふうに考えます。あくまでも宿泊をするかどうかは、実施する場合でも、いつどういう形でやるのか、学校の判断としないと、混乱が生じるんじゃないかというふうに心配しております。ぜひそういった意味でも、学校判断を尊重するというふうにしていただきたい、そのことは求めておきたいと思います。
 次に、防災教育推進校についてですが、現在募集を行っていると聞いていますが、手を挙げた学校は何校あるんでしょうか。

○坂本指導部長 防災教育推進校につきましては十二校を募集しておりまして、現在募集している最中でございます。

○畔上委員 まだ募集中で確定していないということであります。
 都立の高校の防災活動支援隊とは一体何を行うのか、どのように人選をするのか伺います。

○坂本指導部長 都立高校防災活動支援隊は、自校の防災に関する取り組みの企画立案等を行う高校生の防災組織で、その人員については各学校が適切に定めます。

○畔上委員 そうすると、あくまでも学校の判断ということですね。
 宿泊訓練となっていましたが、ほかの都立学校の宿泊体験というのもあったんですが、こことどう違うのか、訓練の内容や規模がどういうことを想定しているのか伺います。

○坂本指導部長 すべての都立高校で実施する宿泊を伴う防災体験活動は、一つの学年以上を対象といたしまして、各学校を会場に、一泊二日で災害発生時を想定した避難生活を疑似体験させます。
 それに対し、防災教育推進校における宿泊防災訓練は、一つの学年を対象としまして、消防学校等におきまして一週間程度で実施いたしまして、災害時の支援のあり方や心構え、行動の基本を学ぶ内容となっております。

○畔上委員 第一次実施計画には、災害時支援活動の疑似体験、一週間ほどの宿泊訓練などに取り組むことと。その連携する機関の一つに自衛隊というふうに書いてありましたが、都教委として宿泊訓練を自衛隊に依頼したのでしょうか。

○坂本指導部長 防災教育推進校における宿泊防災訓練の実施に当たりまして、消防庁、警視庁、自衛隊や防災関係の学部がある大学などに協力依頼をしましたところ、平成二十四年度は消防学校での実施が可能となったため、消防庁と連携して実施することにいたしました。
 今後もさまざまな機関に協力を依頼し、連携を図ってまいります。

○畔上委員 今のご答弁の中にありましたが、自衛隊に依頼したということであります。
 私は、自衛隊が東日本大震災において、救援活動などの役割を発揮したことは否定しません。しかし、そもそも自衛隊は災害救助を目的とした組織ではなく、軍事を本業とする組織であります。現在では、海賊対策の名によるソマリア沖、またアデン湾、ジブチへ自衛隊派兵を継続させ、米軍と一体となった世界のどこへでも出撃できる海外派兵体制強化のための組織と体制の改変が進められようとしているわけです。
 これは、私がいっていることだけではないんです。元防衛大学の教授でアメリカ外交戦略の研究者の孫崎享さんは、地方自治の専門誌のインタビューの中で、アメリカは自衛隊を世界戦略に使うという方向性を出してきましたと。しかし、いきなり戦闘というと日本の世論は反対するから、戦闘でないところで自衛隊を展開しようとしています。人道支援であり、災害救助を展開する中で、日米協力を推進するわけです。自衛隊の災害救助を行うという目的の中には、日本を将来的には軍事に使うという意図がありますと、こう指摘しております。
 こうした自衛隊を東京消防庁と同じように都教委がとらえていること自身、私は非常に信じられない感覚なんですが、憲法を守るべき行政として問題のある対応といわざるを得ないわけです。
 消防庁などと一律に軍事を本業とする自衛隊に宿泊訓練を依頼することはやめるように強く求めたいと思います。
 次の質問について……(大原教育長発言を求む)質問していないじゃないですか。(発言する者あり)

○大原教育長 被災地の子どもたちが津波に遭って、その後、避難所へ行って、つらい夜が明けたときに、自衛隊の人が助けに来てくれている姿を見て、涙が出るほどうれしかったと。
 子どもたちは、そういういわば自助、共助を支える公助というものに対して深い信頼を持ってくれています。そういったものを東京の高校生たちに学ばせるということは、今、畔上委員がおっしゃったような論理とは全く違った、防災教育という意味ですばらしい意味があるというふうに考えております。

○畔上委員 自衛隊が今回果たした役割のことを、私は別に否定なんかしていませんよ。(「否定しているじゃないか」と呼ぶ者あり)否定なんかしてないでしょう。そうじゃなくて、本来軍事が目的の組織だということをいっているわけですよ。何いってるのよ。
 次の質問は、就学機会の提供の問題について伺いたいと思います。
 就学計画の計画進学率は、この間ずっと九六%として就学計画を策定しているわけですが、まず計画進学率の九六%の根拠を伺います。

○直原都立学校教育部長 都立、私立を合わせた全日制高等学校の就学計画における計画進学率は、前年度に東京都中学校長会進路対策委員会が、公立中学三年生全員を対象に実施した全日制等志望予定調査による全日制課程等への進学志望率を上回る率に設定しております。
 平成二十四年度の就学計画では、計画進学率を平成二十二年十二月に実施した志望予定調査による進学志望率九五・三八%を上回る九六%に設定しております。

○畔上委員 つまり、高校進学希望者を全員受け入れる、こういう大原則があるということですね。それは大変大事なことだというふうに考えます。
 しかし、実態が伴っていなくなっているわけです。二〇一〇年度も八九・一%、先ほど資料をつくっていただきましたそれにも載っております。
 さらに心配なのは、第一次実施計画の推計でも、三年後には中学三年生は七万九千五百三十六人になっていて、計画進学率九六%の現状の構成割合で計算してみますと、都立は四万五千八百十三人募集枠が必要になってくるわけですが、二〇一二年度の募集の四千二百六十八人分も多くなるわけです。
 二〇一二年度だってことしよりも千百九十五人ふえて、三十学級も増学級で対応して、教室がいっぱいいっぱいということであります。
 この間、空き教室が幾つあるのかというふうに伺っても答えられなかったわけですが、果たして三年後、必要な募集枠を確保することが本当にできるのかなと非常に心配しております。
 計画進学率と実際の全日制進学率の差が大きくなっている現状をどう打開しようと考えていらっしゃるのか伺います。

○直原都立学校教育部長 公私協議による就学計画において、進学希望者を都立高校と私立高校で分担して受け入れることとしております。
 都立高校は計画どおり達成しているところでございますけれども、公私合わせた全体としての実績は九一・六%と計画進学率を下回っております。
 今後とも、学ぶ意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れるため、実績進学率の向上に向けて公私間の協議を行ってまいります。

○畔上委員 昼夜間を除くと九〇%をこの間切ってしまっているわけですね。
 先日も現役のお母さんたちとお話をする機会があったんですけれども、普通科を希望しているけれども、とにかく入れる学校に入れてください、こういう感じですとおっしゃっていました。本当に子どもたちの行ける学校を必死に探しているんですね。
 公私協で協議をすること自体は非常に重要なことだというふうに思いますが、やはり私学に行けないのは経済的事情も多いのが実態だというふうに思います。
 私も資料を拝見して改めて感じたんですけれども、都立高校の受検の倍率、十年前の二〇〇二年は一・二六倍だったんですが、今は一・四四倍、倍率が上がっているわけですね。倍率が上がっているということは不合格の子どももふえると。
 しかも、都立は学区も撤廃して、学校同士を競い合わせるというやり方を進めてきたんですが、その結果、家庭環境に恵まれた家庭や、または勉強が得意な子はいいかもしれませんけれども、所得の低い家庭の子どもたちや学力がまだしっかりついていない、そういう子どもたちにとっては、今までだったら、家の近く、学区内に枠があったけれども、今は島も含めて東京のどこかに枠は確保していると、そういわれても、やっぱり定期代や通学時間などとても通える条件にはないんだというふうにおっしゃっていました。大変厳しい入試になってしまったのが実態ではないでしょうか。
 どの子も本当に大切な生徒としてしっかり基礎学力を身につけられるようにして、豊かな人間として成長させてくれる学校であってほしいという保護者の願いをしっかり受けとめていただいて、そのためには必要な学校はしっかりと確保して、教育条件を整備することにこそ努めていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 最後に、日本史の必修化についてです。
 都立高校において、二〇一二年度から日本史を必修化としていますが、都道府県が必修化できる法的根拠は何か伺います。

○坂本指導部長 地方教育行政の組織及び運営に関する法律で、教育課程等の管理運営の基本的事項につきましては、必要な教育委員会規則を定めることとされております。これを受けまして、東京都立学校の管理運営に関する規則で、教育課程の編成に当たっては、学習指導要領及び委員会が別に定める基準によると定めており、東京都立高等学校教育課程編成基準資料の中で日本史の必修化を定めております。

○畔上委員 今ご答弁された地方教育行政の組織及び運営に関する法律は、教育委員会の設置根拠を述べたものであって、あくまで教育委員会の管理事務の範囲を定めたものなわけですよね。
 さらに、この法律に基づいてつくられた東京都立の管理運営規則を根拠というふうに今おっしゃったんだけれども、その十四条には教育課程編成の基準とありますけれども、教育課程の編集をするのはあくまでも学校というふうになっていて、教育委員会が編集するものではありません。
 つまり、どのような教科や科目を開設するかは、学習指導要領で設定されている以外は、学校設定教科、学校設定科目については、学校が決めることになっているわけです。都教委が学習指導要領にない教科や科目を必修にできる、そういう法的根拠はないということであります。それをあえて都教委が必修といっているわけですね。
 その必修だという日本史に使う教材はどうかといえば、「江戸から東京へ」というものであります。「江戸から東京へ」は、この計画には教科書というふうに書いてあったんですが、文科省の検定を受けたものなのでしょうか。

○坂本指導部長 「江戸から東京へ」は、学習指導要領上の科目ではなく、東京都独自の学校設定科目であるため、作成した教科書は文部科学省の検定を受ける必要はございません。

○畔上委員 都の独自だから検定を受けていないと。検定を受けていない副読本、教科書であっても、学校が自由に授業を創意工夫することは当然私もあり得ると考えていますが、都教委が検定を受けていない教科書を使って、しかも学習指導要領にも必修となっていない教科、科目を独自に必修科目だとして強制できるんでしょうか。

○坂本指導部長 学習指導要領において、地域、学校及び生徒の実態、学科の特色等に応じ、特色ある教育課程の編成ができるよう、学校は学習指導要領に示されている教科、科目以外の学校設定教科、科目を設けることができると規定されております。
 学校設定教科、科目においては、文部科学省検定済み教科書がないので、主たる教材として使用する教科用図書を都教育委員会の承認を受け、授業等で使用することができます。

○畔上委員 今ご自分で説明されたように、学習指導要領では、学校が科目と教科を設置できるのであって、都教委が設置できるんじゃないのではないですか。教育内容は学校が決めるものなんです。
 だから、都教委の都立学校等の教育課程編成基準だって、各学科に共通する各教科、科目の標準単位数として記載されているだけで、学校が選択するようになっているんじゃないですか。
 それを特別に検定も通っていない教科書を使って、必修なんだと上から押しつけるということは、特色ある学校づくりといいながら、やっぱり学校の独自性を否定するものなんじゃないでしょうかね。
 聞きますけれども、今回、その副読本の「江戸から東京へ」の改訂に際して、一体だれが作成したんでしょうか。

○坂本指導部長 昨年度作成した教科書を各学校で授業等で活用してもらい、教員、生徒、保護者の意見を聞くとともに、都教育委員会のホームページに掲載いたしまして、広く都民からも意見を聴取いたしました。
 こうした意見を踏まえまして、教科書の内容を精査して、東京都教育委員会として改訂を行いました。

○畔上委員 じゃ、執筆者や監修者にその改訂について報告、了解を得たのでしょうか。

○坂本指導部長 改訂の方向性につきましては、日本史必修化検討委員会で報告をいたしまして、最終的に編集者である東京都教育委員会の責任で改訂を行ったものでございます。

○畔上委員 今のちょっと最後聞き取りにくかったんですけれども、監修者には報告したということですね。そうすると執筆者には報告、了解を得たということなんですか。

○坂本指導部長 先ほど申し上げましたように、必修化検討委員会の中で、編集者、執筆者に報告をしたものでございます。

○畔上委員 今、執筆者にも報告したとおっしゃったけれども、東京民報という新聞によれば、改訂、監修にかかわったのかということの問いに対して、かかわったと答えた人は監修者五人、そして執筆者七人いてだれもいなかったと、だれもいなかったんですよ。
 これまでさんざん学校現場なども入れてみんなで作成している、こういっていたわけですけれども、例えば日本はなぜ戦争を始めたのか、こういうことを新設するなど、百二十カ所に及ぶ記述が追加、書きかえ、修正が行われているのに、執筆者は知らないと。執筆者は知らない、監修者には報告、結局、都教委が自分たちでつくったということですね。
 その改訂版は、一体中身はどういうものか。例えば新設した日本はなぜ戦争を始めたのかというところの大東亜共栄圏に関する記述を見たんですけれども、ちょっと読み上げますと、ヨーロッパにおいてドイツが優勢となる中、軍部はドイツとの結びつきを強め、植民地支配からアジアを開放する大東亜共栄圏の建設を図ることを目的として、米英との戦争を覚悟していったというふうに書いてあります。植民地支配からアジアを開放する戦争だったということが書いてあるわけです。
 ほかの教科書はどうなのかと見たんですが、例えば検定を受けている第一学習社の日本史Aでは、読み上げますと、政府はこの戦争目的は、欧米の植民地支配からアジアの諸民族を開放し、共存共栄の秩序、大東亜共栄圏を建設するためであると強調したと。しかし、実態は日本が石油、ゴムなどの資源を獲得することを目的とする侵略戦争であり、占領地の多くの労働者が過酷な労働を強いられた、こういうふうにしております。大分中身が違うわけですよ。
 石原知事は、昨年九月の定例記者会見で、日本の教育の何を破壊すべきかというふうに問われたときに、決まっているじゃないですかと。戦争に対する主観というものを一方的に強制してきたのだからと答えて、昨年の十一月に開かれた教育再生円卓会議の中でも、第二次世界大戦はアジアの解放の戦争だったんだといった趣旨の発言をされているんですね。
 私は、教育委員会にいって、とにかく近代史、現代史は東京だけでも中学校と高等学校で教えるようにしろ、そういって、そのために教科書もつくったんですよ。これは異論があって物足りないという人も多いんですが、こう発言されています。
 要するに、今回のこの改訂というのは、知事の意向に沿うように、都民、執筆者をないがしろにして教育委員会が作成したということじゃないですか。知事の持つ特定の歴史観を子どもたちに押しつけるようなことがあってはならないというふうに思います。
 アジア太平洋戦争がどういう戦争であったのか、この戦争をどう見るか、これはこれから子どもたちがどう生きていくかという問題に私は深くかかわる問題だというふうに思います。
 戦争で多くのとうとい命が奪われたという事実、その戦争がなぜ起こったか、そういう事実を受けとめることこそ大事なのに、その歴史の事実に背を向けて、日本は正しい戦争をやったんだと、やむにやまれぬ戦争だったんだという自尊自衛論を子どもたちに、いわゆる知事がいう刷り込むということは、アジア諸国の人々を初め世界の人たちと本当に平和な社会を築いていく上で大きな障害になるんじゃないですか。
 私は、日本史必修科目として「江戸から東京へ」の押しつけはやめるべきだ、その意見を申し上げて終わりたいと思います。

○大原教育長 「江戸から東京へ」という教科書をつくったのは、特に江戸から東京へという史実を手がかりにして、東京の子どもたちにどういう経路を経て日本が近代化していったかということを曇りのない目で考えていただくためにつくった教科書です。
 したがって、一方的に日本が侵略をしたとか、そういう特定の考えを押しつけるのではなくて、今、畔上委員も指摘されたように、なぜ日本はこのたびの戦争をしたのか、子どもたち自身に事実を手がかりにして考えさせる、そういう日本史教育をするための教科書です。特定の偏った考え方を押しつけるための教科書であるということは一切ありません。

○畔上委員 さっきも申し上げたように、検定が合格した教科書と全く違うわけですよ。そして、むしろ特定の歴史観を強調しているわけですよ。だから、私はそれはいけないんだといっているわけですよ。(発言する者多し)違うよ。この教科書が、副読本が強調しているといっているんです。

○今村委員長 畔上委員に申し上げます。質疑を続行してください。

○畔上委員 だったら、なぜ執筆者に確認もできないんですか。執筆者になぜいえないんですか。(発言する者多し)何いっているの。(発言する者あり)答えられるんだったらちゃんと答えてくださいよ。何で執筆者に確認しなかったのか。

○大原教育長 改訂の経緯については先ほど指導部長が答えたとおりでありまして、畔上委員が指摘された何とか新報というものについて、私たちは全く承知しておりません。

○山内委員 では、質問させていただきます。職業的自立意識について伺いたいと思います。
 今回の都立高校改革推進計画では職業的自立が大きなテーマとなっていますが、その基本的な考え方についてお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 都立高校生を対象とした意識調査によりますと、将来について、必ずしも明確な目標を持っていない生徒が約四割存在していることに加え、卒業後に進学も就職もしない生徒が平成二十二年度の卒業生のうち一二%いるなど、生徒の社会的、職業的自立意識の低さが課題となっております。
 また、中途退学率は年々減少しているものの、中途退学後、進学も就職もしない者の割合は増加傾向にあり、こうした若者が将来、フリーターや若年無業者になることも懸念されているところでございます。
 このため、都教育委員会では、職業的自立意識の醸成を都立高校改革推進計画における施策の柱の一つに位置づけ、キャリア教育を一層充実することとしたものでございます。

○山内委員 中途退学していく生徒を学年別に見ますと、一、二年の間にやめる率が高いようです。
 学ぶ意欲を育てることができる環境になかったり、家庭の貧困問題を抱えたりしていることも多いといいます。中退することに迷いがなく、簡単に決断してしまう生徒も多く、やめた後から学歴による就職、就学の厳しい現実を知ったということもあるようです。
 高校生の間はアルバイトがあったが、中退した途端にバイトも仕事も探すのにハードルが高くなる。短期間のアルバイトを繰り返すのがせいぜいで、正規の雇用につながらない。若者の支援を行っている人から、高校中退が人生の分岐点になっているというお話を聞きました。
 そこで、中途退学をしても再チャレンジできるよう、都はどのような支援をしていくのか、二〇一二年度の取り組みについてお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 都立高校の中途退学者に対し、復学等みずから次の進路を見出せるよう、若者の再チャレンジに向けた効果的な支援策を検討するに当たっては、中途退学の原因等を詳細に分析する必要がございます。
 そこで、都教育委員会は、平成二十四年度に中途退学者を対象に、都立高校を退学するに至った経緯や背景、退学後の状況などの実態を調査いたします。

○山内委員 生活者ネットワーク・みらいでは、これまで都立高校を中途退学した生徒や、進路が決まらないまま卒業してしまう子どもたちへのフォロー体制、再チャレンジできる体制を整えていくことを要望してまいりました。教育庁の実態調査には期待をいたします。
 次に、外国人生徒の日本語支援についてお伺いいたします。
 都立高校改革推進計画では、外国人労働力の需要の増大や外資系企業の日本市場進出などを背景とした外国人の増加により、日本語の語学力が不足している外国人生徒が増加しているとして、二〇一二年度から外国人生徒への日本語指導を充実していくとあります。
 東京都教育委員会による日本語指導が必要な外国人児童生徒の受け入れ状況等に関する調査の結果によりますと、二〇一一年度の都内公立小学校における日本語指導が必要な外国人の子どもは千二百五十人、中学校八百九十一人、高等学校では昨年度より五十二人ふえて三百六十九人となっています。
 また、二〇一一年度の都内公立学校には三十言語という多様な母語を持つ子どもたちがいることが明らかになっています。
 そこで、日本語指導が必要な外国人児童生徒に対する都教育委員会の具体的な取り組みについてお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会は、外国人児童生徒用の日本語教材を二十二カ国語に拡充するとともに、都立高校の取り出し指導のための非常勤講師を配置しております。
 平成二十二年度からは、都立学校を対象として外部人材を活用した日本語指導外部人材活用事業を開始いたしました。
 さらに、平成二十二年度末には日本語指導ハンドブックを全公立小中学校に配布いたしまして、日本語指導学級の設置がない、または日本語指導教員の加配等がない学校における日本語指導に役立たせております。

○山内委員 特別な措置をとっている自治体は一部にすぎないんです。日本語指導を行っている地域でも、授業についていけるだけの指導を行っているところはさらに少ないと聞いています。
 これは、日常会話、生活言語と授業で使う言葉、学習言語の違いが大きいことによるといわれています。私たちは、会話ができれば授業もある程度理解できると思ってしまいますが、この二つは全くレベルが違います。
 中には、保護者も日本語ができないという子どもたちもたくさんいます。こうした言葉の壁を越えて、子どもたちが学ぶ意欲を失わないよう、手厚い支援を要望いたします。
 そして、さらに都立高校への受検が可能となり、将来の夢が広がっていけるように望みます。
 次に、都立高校における外国人生徒の受け入れ体制の充実を図るため、日本語指導が必要な外国人生徒の実態を把握し、在京外国人生徒対象枠を設定している都立国際高校及び都立飛鳥高校以外の都立高校における在京外国人対象枠の設置及び募集人員などについて検討するとしておりました二〇一一年度教育庁主要施策の進捗状況についてお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 都立高校における在京外国人生徒対象の募集枠については、都立国際高等学校及び都立飛鳥高等学校に加えまして、新たに平成二十四年度入学者選抜から、都立田柄高等学校に四月入学で十五人、九月入学で三人の募集枠を設定いたしました。
 三校を合わせた平成二十四年度の在京外国人生徒対象募集人員は、四月入学で五十五人、九月入学で、こちらは海外帰国生徒対象と合わせまして二十一人となってございます。

○山内委員 外国人児童生徒を支援しているNPO等からは、人数や出身地、年齢等には地域性があって、地域の実態を把握していくことが必要だという話を聞きました。日本語指導が必要な外国人生徒の実態を把握し、ニーズに対応していっていただきたいと思います。
 また、地域によって就学や進学について相談したいと思っても、自治体の窓口では言葉が通じなかったり、情報を持っていなかったり、持っていたとしても日本語で書かれた説明書しかなかったり、相談する場所になかなかたどり着くことができなかったりするという話も聞いています。
 そこで、現在都で行っている外国人児童生徒相談事業について、相談件数、相談内容、相談対象年齢及び対応している外国語についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育相談センターでは、平成二十年七月より、外国人児童生徒及びその保護者を対象に来所相談や電話相談を実施しております。
 平成二十二年度の相談数は、電話による相談が二百八十四回、来所による相談が八十四回でございまして、主な相談内容は、都立高校に関する進級、進路、入学相談、教育相談などでございました。
 この相談事業では、相談対象年齢を幼児から高校生相当年齢までといたしまして、中国語、英語、韓国・朝鮮語の三カ国語の通訳を介して、現在相談に応じているところでございます。

○山内委員 毎週金曜日に対応しているようですが、ニーズはまだまだあるのではないかと思います。ニーズ等の把握をすることも大事だと思います。
 二〇一一年度の母語別児童生徒数を多い順からいいますと、中国語、フィリピノ語、タガログ語ですね、英語、韓国・朝鮮語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、ネパール語、ミャンマー語など、その他二十一言語となっています。本来なら、すべての言語の子どもたちに対応すべきと考えます。
 そこで、都では三カ国語による相談を行っていますが、できるだけ多くの母語に対応することが必要だと考えます。特に児童生徒数の多いフィリピノ語は対応すべきと考えますが、見解をお伺いします。

○坂本指導部長 都教育相談センターにおいては、日本語による相談に加えまして、外国人児童生徒の日本語が十分でないことにより生じる不安を解消するために、外国語による相談を実施いたしまして、相談者が抱える悩みや問題の解決に向けた支援をしております。
 現在、当教育センターが対応しております三カ国語以外を母語とする相談者にも、英語や中国語の通訳を介しまして支障なく対応できております。
 今後もこのような取り組みを通しまして、相談活動の充実に努めてまいります。

○山内委員 現状では三カ国語で対応しているということですけれども、二番目に多いフィリピノ語を母語としている子どもたち、保護者への母語での対応がありません。フィリピンの学校教育は英語で行われているから対応できるということですけれども、困ったことや心配なこと、複雑な思いを語るには、母語にまさるものはありません。
 先日、日本語教育の支援をしている方にお話を伺ったところ、ふだん無口だと思っていた子どもとお母さんをフィリピノ語ができるNPOの支援団体に連れていったところ、気持ちを聞いてもらえるという安心感から、本当の思いや複雑な感情を吐き出すようにその子どもが話し始めたといいます。また、母親の中には、実はDVで悩んでいたということもあったといいます。
 進路や親子関係の相談としても、その背後に問題が潜んでいる場合もあります。フィリピノ語の対応など、さらなる充実を要望いたします。
 先日、公立中学校夜間学級の日本語学級で学んでいる人、また卒業した人たちの話を聞く機会がありました。さまざまな事情で小学校や中学校を卒業できなかった人たち、自国での教育が受けられないまま日本に来た方など、年齢も十代から八十代まで多岐にわたっていました。
 卒業後、高校に進学した十代の外国人生徒や結婚して来日し子育てをしている方が、子どもの幼稚園、小学校の保護者と仲よくおつき合いをしたい、また学校からのお手紙を読みたいとの思いで勉強している話など、切実な話を直接聞くことができました。
 現状において、六十代以上の中国残留孤児やその配偶者等は、小学校教育も受けず非識字に近い方が多く、二年間を超えて在籍することも多いと聞いています。また、十代後半から五十代までの生徒でも、家庭の貧困や国内での地域紛争等のため、小学校または小学校途中までしか通学できなかった方や、子どもや仕事を抱えぎりぎりの生活を送り、十分自宅学習の時間がない中、一年を超えて在籍する生徒もいらっしゃるそうです。
 二〇一二年度からの公立小中学校日本語学級設置要綱の改正では、在籍期間を一年を限度とする等が盛り込まれていたことで、さまざまな不安が広がっていることはこれまでの質疑、答弁でも出ていました。
 そこで、私の方は改正の理由等はお伺いいたしませんが、現場の事情、意向を尊重して、今回の改正案の特別な事情がある場合を適用していただきたいということを私からも要望しておきます。
 また十代、二十代の生徒の多くには、高校等への進学希望が多いと聞いております。基礎的日本語を十分習得し、教科学習に移行することが必要ではありますが、日本語学級において充実した教育が行われるために、都教育委員会が単独事業として日本語学級の学級編制基準を設けていることは大変評価しております。
 そこで、今回の改正において、繰り返しになるかもしれませんが、学級編制基準を変えることはないのかお伺いいたしたいと思います。

○谷島地域教育支援部長 今回の改正におきまして、学級編制基準に変更はございません。

○山内委員 ありがとうございます。
 日本経済団体連合会でも、二〇〇四年に外国人受け入れ問題に関する提言をまとめ、外国人の子どもの学習や居場所について、国、自治体、地域、NPO、企業等の積極的な参画を呼びかけているといいます。
 子どもたちが日本に来てよかったと思えるよう、そして、母語の文化を大切にしながら、日本と外国とのかけ橋となる人材としての可能性を秘めている子どもたちの夢がかなうよう、多様な母語への対応、教育相談の充実、進学希望の夢がかなうような学習指導等、ぜひ温かい支援を要望いたします。
 最後に、都立多摩図書館の移転に伴う施設整備についてお伺いしていきます。
 都産業労働局は、昨年十一月、東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針を改正し、積極的に多摩産材を使っていくことを打ち出しました。多摩産材を利用する公共建築物として、学校や幼稚園等の教育施設、図書館や体育館等の文化施設などが明記されています。
 木材は、やわらかで温かみのある感性、高い吸湿性などすぐれた性質を持っており、この性質を活用した木造校舎や内装に木材を使用した教室等は、化学物質過敏症に苦しむ子どもたちにとっては大変有効であり、豊かな教育環境づくりを行う上で大きな効果が期待できます。
 また、地球温暖化防止への貢献、地域の文化の継承などの観点からも大きな意義があります。
 そこで、教育庁の施設である都立学校及び都立図書館への多摩産材の活用について、大変期待する立場から質問いたします。都立学校の改築、改修に当たっての多摩産材の利用の考え方についてお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 都立学校の改築、改修に当たりましては、東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針等に基づきまして、多摩産材の利用を推進しております。具体的には、建築基準法上の制限や学校及び木材の特性などを考慮しながら、主に普通教室の腰壁などに可能な限り多摩産材を利用しております。

○山内委員 現在、都立多摩図書館では移転の計画が進められています。二〇一六年度のオープンを目指し、現在、設計の業務が行われていると聞いています。来年度予算には、都立多摩図書館の移転改築に伴う施設整備費として約一億五千万円の設計等に係る経費が予算計上されています。
 多摩地域にできる図書館でもあり、大いに多摩産材を活用した森の図書館として、子どもから高齢者まで地域に親しまれる図書館となるよう希望しています。
 そこで、都立多摩図書館の設計に当たっての多摩産材の利用についての見解をお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 現在、都立多摩図書館の移転改築は、財務局が基本設計に着手した段階でございます。
 今後の都立多摩図書館の整備に当たりましては、多摩産材の有効利用が明記されている公共建築物整備の基本方針に基づき進めてまいります。

○山内委員 文部科学省、農林水産省の「こうやって作る木の学校-木材利用の進め方のポイント、工夫事例-」を見ますと、学識経験者、地元の設計事務所や建築業、材木業などの事業者、地元森林組合等と教育委員会、営繕担当等が検討会をつくって連携を図るなど、木材の利用に積極的に取り組んでいます。
 大量の木は急には確保できないため、できるだけ早期に設計の中で必要な木材数量を把握し、関係者と連携して木材調達の準備を進め、伐採、製材、乾燥期間等を考慮して、事業スケジュールを設定するのだそうです。
 産業労働局では、実際の実例集をデータベース化するなどして利用拡大をしていくということなので、産業労働局、財務局等と検討会をつくるなどして、教育庁としてもぜひ前向きに検討していただきたいと要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○西沢委員 私からは、特別支援学校における教員の配置等と病弱教育について、指導主事、それから統括指導主事につきまして、教育庁の人材バンク事業について、それから教育庁所管のPFI事業について、こういった順番でお伺いをさせていただきたいと思います。スマートに質疑をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、都教育委員会は、平成二十二年に策定しました特別支援教育の推進計画第三次実施計画において、特に知的障害、特別支援学校に在籍する児童生徒数が著しく増加している、今後もさらに増加すると推計しております。
 このことによりまして、これまで何度も文教委員会でも議論されてまいりましたが、特別支援学校の教室の確保の問題だけではなく、教員の確保の問題であると考えております。
 現時点でも特別支援学校の教員の数が不足している、十分でないという声を聞きますが、現状はどのような状況であり、今後の見込みはどうかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 特別支援学校の教員につきましては、法律に基づいて定めた都の配置基準によりまして人数を算定しておりまして、教員数が不足しているという状況はございません。
 また、この配置基準では学級数に応じまして教員数を算定しており、児童生徒数が増加すれば学級数が増加し、教員数も増加いたします。
 今後とも、この基準に基づきまして適切に教員を配置してまいります。

○西沢委員 法律に基づいて今のところは問題なく、不足している状況ではないというご認識だと確認をさせていただきました。
 昨年十二月に高島特別支援学校で、知的障害児がスクールバスに置き去りにされるという事故がございました。この事故がまずどのようなものであったのか、またその原因をお伺いいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 当該事故は、都立高島特別支援学校のスクールバスが学校に到着した後、小学部四年生の男子児童一名を本来おろすべきところを乗せたまま営業所まで移動し、そのままバス車内に四時間余りとり残してしまったものでございます。
 事故の原因としては、教員及びスクールバスの添乗員が思い込みで行動し、児童生徒の降車の確認という基本的な行為を怠ったために生じたものでございます。

○西沢委員 基本的な行為を怠ったためということでございましたが、幸い大事な事故、最悪の事故にはならなかったと聞いておりますが、この事故において、降車の確認を行う上で、必要な教員が足りなかったことが原因だったということではないでしょうか。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 児童生徒がスクールバスから降車するに当たっては、添乗員から児童生徒の引き渡しを受ける担当教員を決めて、確認を行う体制をとっております。
 今回の事故の原因は、明らかに教員の不注意によるものであり、教員の人員が不足していたことによるものであるとは考えておりません。

○西沢委員 わかりました。バスに限らず、鉄道会社であるとかトラックの運送会社の方で人がいないというか、過労によって運転の事故であったりとかということがよく見受けられますが、見落としがないようにお願いしたいというように思います。
 それで、この高島特別支援学校でございますが、学級によっては担任が複数いるクラスと六人の児童がいても一人の担任しかいないというクラスがあると聞きます。
 以前は二人いらっしゃったんですよねという話を聞いたりもするんですが、現状、今のこのような状況は教員の配置が不足しているということではないのか、繰り返しになりますが、お伺いいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 校長が普通学級で児童生徒数六人、重度重複学級で同じく三人とする学級定員の範囲内で、児童生徒の障害の種類や程度等を勘案して学級集団を編制しており、このような学級ごとの実態に応じてそれぞれ担任する教員の数等を決めてございます。
 このように教員を配置する状況におきまして、教育活動が十分行われており、教員の不足が生じているものではございません。

○西沢委員 わかりました。
 それでは、次のテーマに移りたいと思います。病弱教育についてでございますが、都教育委員会は、病弱教育の再編の一環として、来年度、四月より、現在都立小児総合医療センター内にある都立久留米特別支援学校府中分教室の管理を同医療センターと敷地を隣接する都立武蔵台特別支援学校に移管することとしております。
 都教育委員会によれば、この移管の計画は、現在は知的障害特別支援学校である都立武蔵台特別支援学校に新たに病弱教育部門を設置し、この四月に知的障害教育部門と病弱教育部門を併置する都立武蔵台学園として再編することで、病弱教育のさらなる充実を図るものであるというふうにしています。
 そこで、今回の都立久留米特別支援学校府中分教室の移管についての背景をお伺いをいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 平成二十二年三月の都立小児総合医療センターの開設によりまして、それまでは都立清瀬小児病院の中にありました都立久留米特別支援学校清瀬分教室が同センター内に移転し、現在の都立久留米特別支援学校府中分教室が誕生いたしました。
 この移転により、府中分教室は本校と遠距離となり、分教室の教育課程や人事管理、就学、転学の事務手続、病院との連携等におきまして、一部に迅速な対応が難しい面が生じてまいりました。
 そのため、より効果的、効率的に分教室の運営を行い、教育内容、方法の充実を図る観点から、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画におきまして、都立小児総合医療センターに隣接する都立武蔵台特別支援学校に病弱教育部門を新たに設置することによりまして、府中分教室を移管することとしてございます。

○西沢委員 効果的に、効率的にやるというためのものであるというふうにご答弁いただきましたが、この移管に当たりましては、これまで病弱特別支援学校として設置されていた久留米特別支援学校から分離された知的障害特別支援学校である武蔵台特別支援学校に併置されるということによって、病院関係者であったり、保護者の方からこれまで行われていた教育内容とか教育相談の業務が縮小されてしまうのではないかといった懸念の声も聞かれておりますが、そこで都教育委員会は病院関係者や保護者のこうした不安にどのようにこたえていくのか、見解をお伺いいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 府中分教室の移管によりまして、本校と分教室の間の移動に要する負担が解消されたため、校長が児童生徒と触れ合う機会がこれまでよりふえるなど、分教室の様子を適時適切に把握できるようになると考えております。
 今回の移管に当たっては、児童生徒一人一人の病気や障害の程度に応じた教育内容、方法の充実に向けた教育課程を編成し、入院中の児童生徒の特性に配慮した、個に応じた指導を行ってまいります。
 また、現在、府中分教室が行っている就学前の幼児を対象とした教育相談もこれまでどおり継続いたします。
 都教育委員会としても、学校と緊密に連携しながら、病院との協力体制の強化を図り、教育内容等について保護者等への説明に努めてまいります。

○西沢委員 入院中の児童生徒の特性に配慮した、個に応じた指導を行っていくというのは、ちゃんと個々の方々に応じた指導を行っていくという認識を持ちました。これまでどおり教育相談も継続するというご答弁もいただきました。それから、保護者への説明も努めていくという話です。
 聞くところによりますと、保護者への説明会がきょう行われているということです。四月からですから、二週間ぐらい前ですから、急なのかなという気はしますが、丁寧な説明をお願いしたいと思います。
 そして、就学前の幼児を対象とした教育相談もこれまでどおり継続をするということでございますが、一方でこれまで久留米特別支援学校の本校から教育相談のために教員が派遣されていたというもの、この四月からの武蔵台学園ではなくなるというふうに聞いております。
 今後の人的な体制がどのようになるのかお伺いいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 これまでの教育相談は、週一日約一時間弱の教育支援を行うために、久留米特別支援学校本校から二人の非常勤教員の派遣による体制をとってまいりました。
 今後とも、病院と隣接する武蔵台学園の教員によりまして、これまでと同様の教育相談を行ってまいります。

○西沢委員 武蔵台学園の教員によって、これまでと同様に教育相談を行っていくということをご答弁いただきました。
 次に、久留米の特別支援学校から武蔵台学園へ分教室が移管されても、教員の数が変わらないというように聞いているところでございます。平成二十二年三月まで分教室があった清瀬小児病院に比べて今の小児総合医療センターは、診療科であったり、ベッド数の規模も大きくなっているわけでありますが、病弱教育の対象者というものも当然ふえていると思われます。
 教員の配置数というものに問題がないのかをお伺いいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 法律では、病弱教育部門を含みまして、特別支援学校の小中学部の一学級における児童生徒の数は、普通学級で六人、重度重複学級で三人を標準とすると規定しております。
 この規定に基づきまして、児童生徒数に応じて学級数が決まり、さらにこの学級数に応じて教員を配置するものでございます。

○西沢委員 こちらも法律で決まっているものには準拠しているということで、一応確認をいたしますが、児童や生徒数が大幅に増加した場合でも、一人一人の授業が削減されたり、教員の負担が過度に増すということがないという認識でいいのか、確認いたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 児童生徒数により学級数が決まり、学級数に応じて教員を配置していくため、ご懸念には及ばないものと考えております。

○西沢委員 ありがとうございます。心配ないということでございます。
 入退院というのはなかなか予測できるものではありませんから、そういった不測の事態というか、急になっても大丈夫なんですというような安心のご答弁でございましたが、こういった病弱教育に当たりまして、適正な教員の規模というものの、そもそもの考え方があると思うんですが、お伺いいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 教員の数は病弱教育部門以外では、毎年五月一日時点の児童生徒数により編制する学級数によって基準に基づき配置しております。
 一方、病弱教育部門では、年間の受け入れ児童生徒数の動向を見越し、児童生徒の増加に対応できる学級数に応じた教員数を配置しております。

○西沢委員 日々の変化に対応した、見越した配置で、急にふえても大丈夫だというようなことでございました。
 そして、この四月から新たなカリキュラムが始まるということですが、四月からの府中分教室の移管に伴いまして、児童生徒の多様な実態に応じた指導が行えるようにすべきであるというように考えますが、対応をお伺いいたします。

○坂本指導部長 都立小児総合医療センターには、小学校や中学校の通常の学級に在籍する児童生徒ばかりではなく、知的障害や重度心身障害の児童生徒も入院しております。このため、都立武蔵台学園においては、府中分教室の移管を機に、小中学校と同様の教科学習を中心としたこれまでの教育課程に加えまして、知的障害のある児童生徒の教育課程や障害が重度重複であるとともに、病床から離れられない児童生徒の教育課程をそれぞれ編成いたしました。
 今後とも、都教育委員会は、こうした学校の取り組みへの指導助言を行いまして、一人一人の児童生徒の実態に応じた教育の充実を図ってまいります。

○西沢委員 病床から離れられない児童生徒の教育課程も編成したということで、ベッドから動けない児童に対しても、しっかりとした考えのもとにやれるということ、そして、一人一人の児童生徒の実態に応じた教育の充実を図っていくというご答弁、これまで以上だと私は認識をしたところであります。
 そして、都教育委員会は、第三次実施計画におきまして、都における病弱教育の充実を図る観点から、今回の都立久留米特別支援学校府中分教室の移管を初めとする病弱教育の再編を計画しております。
 その中で、現在、都内唯一の病弱特別支援学校である都立久留米特別支援学校についても、平成二十九年度に都立光明特別支援学校に教育機能を移管して、新たに光明学園として開校する計画が公表されております。
 病弱教育の関係者からは、これまで都における病弱教育の拠点として機能してきた久留米特別支援学校の教育機能が移転するということが、都における病弱教育の後退につながってしまうんじゃないかと心配する声もありますが、平成二十九年度に久留米特別支援学校の教育機能の移転が行われた後も、都における病弱教育の質を維持していくことができるのか、見解をお伺いいたします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 都立久留米特別支援学校の教育機能を都立光明特別支援学校に移転させるに当たりましては、現在の都立久留米特別支援学校がこれまで蓄積してきた教育実践の成果を確実に引き継ぐことが重要であると考えております。移転後も引き続き、都における病弱児に対する教育の質の維持向上を図ってまいります。
 また、現在の都立久留米特別支援学校は、学校生活を送るに当たっては寄宿舎に入舎することとしておりますが、移転後は、寄宿舎に入舎する児童生徒だけでなく、通学を希望する児童生徒も受け入れていく方針であり、病気を抱える児童生徒一人一人の心身の状態や教育ニーズに応じて対応できる教育環境を整備していく考えでございます。

○西沢委員 はい、わかりました。ありがとうございます。維持向上を図っていくとご答弁もいただきました。
 これまで特別支援学校、病弱教育に関する質問をしてまいりましたが、特別支援教育に関する質問のまとめとして、発達障害についてお伺いをいたします。
 おとといの予算特別委員会で、我が党の田の上議員も発達障害について質問をいたしましたが、発達障害は早期発見、療育が必要といわれ、各区市町村でも早期からの支援体制の整備が進みつつありますが、一方で、青年期、成人期の支援体制が十分ではないと聞きます。
 成人期になって、社会適応の困難が表面化するケースもあり、そのような場合、成人期に達するまでにどのような困難や悩みを抱えながら学校生活や社会生活を送っていたのか、成人期にある発達障害の人々が社会生活において直面する困難な事例から、早い段階からの教育に生かすことが必要だと考えます。見解をお伺いいたします。

○坂本指導部長 発達障害の児童生徒が将来、社会によりよく適応していくためには、成人期における発達障害の人々が抱える困難な事例から学び、早い段階から学校や家庭の教育に反映させていくことが重要であります。
 そのため、都教育委員会では、平成二十一年度から教員や保護者を対象に、企業や就労支援機関等の関係者を講師とした講演会を区部と市町村部においてそれぞれ開催いたしまして、今年度は約五百人が参加いたしました。
 今後とも、このような取り組みを通じまして、発達障害の人々が社会生活で直面する困難の例や社会に適応している例などをもとに、学校及び家庭で身につけさせたい能力や支援のあり方について理解啓発を図ってまいります。

○西沢委員 ぜひ進めていただきたいと思います。
 続きまして、指導主事、総括指導主事の役割というものについてお伺いをしていきたいと思います。
 文教委員会ですから、教育のまさに専門の皆様もいらっしゃると思いますし、多くの方がそうだと思いますが、先ほど野上純子委員の方からなべぶたという組織のお話が少しございました。
 それで、今の制度の中で、先ほど校長先生、副校長先生、主幹、主任といった組織の話がありましたが、管理職を目指す中で、A選考、指導主事または統括指導主事といったルートといいますか、職務を経験して幹部を目指していくというところで、指導主事、それから統括指導主事の役割に的を絞って質疑をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、指導主事の本来の役割とはどのようなものかお伺いいたします。

○坂本指導部長 指導主事は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして、教育委員会事務局に置かれる職員であり、上司の命を受け、学校における教育課程、学習指導、その他専門的事項の指導に関する事務に従事いたします。
 具体的な職務内容といたしましては、学校の教育課程、教科等の指導内容や方法、突発的な事件への対応に関する指導助言、教職員研修の企画運営等がございます。

○西沢委員 専門事項の指導に関する事務であるとか、指導内容や方法とか、こうしたものに関する指導助言という非常に重要な役割なのかなという気がいたしました。
 それでは、統括指導主事の本来の役割とはどういったものなのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 統括指導主事は、東京都教育庁処務規則及び各区市町村の学校管理運営規則に基づきまして、教育委員会事務局に置くことができる職員であり、課長の命を受け、学校教育に関する専門的事務を処理いたします。
 具体的な職務といたしましては、課長の補佐、指導主事の指導育成及び服務上の監督、教育施策の企画立案、予算に係る事務等がございます。

○西沢委員 ありがとうございます。統括指導主事は、さらに指導主事の指導もするというような役割もあると。こちらも本当に重責を担う職務を持っておられるんだなということがわかりますが、指導主事、それから統括指導主事でございますけれども、私も教育関係者ではなかったんですが、出身は全然違いますが、この中で一番生徒に近かった年齢だと思い--若い、まだ義務教育、高等学校を通して、そういった視点からいろいろとそういったところに意見などをいわせていただきたいと思っています。
 指導主事にまずなるのに、八年ぐらい主任をやって、二年主幹をやって、副校長先生になって、統括指導主事になって、そしていろいろとありますが、校長先生になられるとか。いろいろとパターンがあると思いますけれども、いわゆる指導主事、統括指導主事というのは、これまでのご答弁の中でもいわゆる教育の現場から教育行政の方の役割、教育委員会であったりとか、東京都教育庁の理事者の中にもそういった役割の方が多くいらっしゃると思います。
 指導主事の役割が年々増加しているというように聞いておりますが、具体的にどのようなものがあるのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 指導主事は、学校における教育課程や学習指導について知識と経験を有することから、教育委員会において学校教育に関する専門的事項の指導に関する事務に従事しております。
 昨今は、各種の教育施策や学校が抱えるさまざまな課題への対応によりまして、諸資料の作成や委員会等への出席、施策の企画立案、保護者等からの多様な問い合わせや意見への対応などに係る事務がふえております。

○西沢委員 昨今は、資料の作成であったりとか委員会の出席、それから保護者からの問い合わせの対応などにも係る事務が増加しているという話で、指導主事の、私の持っているイメージというのは、まさに学校に来て、校長先生をも指導できるというような、そういった立場だというイメージを持っていたんですが、最近ではそういった仕事もふえてきているということが今わかったわけであります。
 さらに、指導主事の業務について、事件や事故などの対応をする突発的な仕事も多いというように聞きますが、その際はどのような対応を行っているのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 児童生徒の事件、事故が発生した場合、学校は状況把握を初めとしまして、関係児童生徒への指導、保護者や地域住民への対応など、解決に向けたさまざまな対応が求められます。
 その対応には、校長を中心とした当該校の教職員が当たりますが、関係機関等との連携を初めとする広い視野に立った対応が必要となります。そのため、学校を所管する教育委員会は、事件、事故の発生に際しまして、学校に指導主事を派遣するなどしまして、情報収集と管理職に対する対応策の助言を行わせるなど、問題解決に向けて全面的に学校を支援しております。

○西沢委員 これまでの質疑を通して、最近は大変さまざまな業務に追われているんじゃないのかということがわかるのではないかと思います。
 突発的な事故においては、現場に、学校に派遣をして、情報収集であるとか対応策であるとか、こうしたことがふえているということでございますから、指導、それから本来の業務であります専門的な学習指導やその他専門的事項の指導であったりとか、そういったことのほかにもこうしたことがあるというふうに聞いております。
 そして、これは平成十九年のアンケートでございますが、管理職選考について、いわゆる指導主事を目指さない人、もしくは目指すことをやめたという人のアンケートですが、いろいろとございますけれども、一位は五六%で児童生徒とかかわる時間が減るからということ。もともと行政の方ではなく現場のまさに生徒と一緒にやりたいと。先生を目指された方のそういう理由があるんだと思いますが、三位に精神的なストレスが多いから、三三%で、勤務の時間的な拘束が長くなるからというのが三二%、多いですね。
 さらには、今のは学校の先生へのアンケートですが、管理職へのアンケートで、選考受験率の低下の要因というものに関しては、ジョブローテーションの期間の配属先が不明確だからというのがトップなんですが、これは改善されてきつつあるという話は聞いております。
 また、そのほかには期間が四、五年と長過ぎるからというような話もありました。先ほど、現場から事務の方にというか、教育行政の方に行ってというようなもの、それから給与などの処遇面が職務内容や職責の実態に見合わないからというのも三八%と非常に高い。管理職である方々が自分の仕事が職務内容、職責の実態に見合っていないんだというような認識になっていることも多いんだろうということがわかっているわけであります。
 この対応についてまたお伺いいたしますけれども、こうした重要にもかかわらず大変である指導主事が、都の定数による指導主事の配置数、それから区市町村が負担するいわゆる固有指導主事が今何人配置されているのかお伺いをいたします。

○松山総務部長 区市町村立学校の教育に関する事務は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、区市町村教育委員会が管理し執行することとされております。
 また、同法第十九条で区市町村教育委員会事務局に都道府県に準じて所要の職員を置くと規定され、指導主事もこれに含まれます。
 一方、指導主事は教員をもって充てることができると規定されておりまして、都においてはこの充て指導主事を百五十五名定数措置し、区市町村教育委員会に配置しております。
 また、地方分権推進一括法の趣旨に基づき、平成十二年度から都の定数措置に基づくただいまの百五十五名の充て指導主事に加えまして、区市町村の職員となる固有指導主事を派遣要請に応じ個別に協定を締結して派遣しておりまして、平成二十三年度現在の派遣者数は九十六名となっております。

○西沢委員 教員をもって充てることもできるということですが、区市町村からは財政負担するから知見を持った人を派遣してほしいというような声があるのではないかと思います。
 平成二十四年度の配置要望として、固有指導主事の増員を求めてきた区市町村は幾つで、何人の配置希望があったのかお伺いをいたします。

○松山総務部長 現行配置数九十六名に加えまして、平成二十四年度に新たに増員希望がありましたのは十一区市で十一名でございます。

○西沢委員 このような区市からの要望に対しましては、都教育委員会は既に増員ができないという回答を行っていると聞いております。
 固有指導主事の配置の考え方と増員できない理由についてお伺いいたします。

○松山総務部長 固有指導主事は区市町村の職員でございまして、法上配置の権限は各区市町村にございます。
 これまで地方自治法に基づき、区市町村からの派遣要請に応じて個別に協定を締結し、教育管理職選考合格者を派遣してきたところでございますが、平成十二年度の二十九名から現在の九十六名へと急激に派遣人数が増加する一方、教育管理職選考受験者数の減少もありまして、派遣者の増員が困難となったものでございます。

○西沢委員 まさに現場では即戦力というか、推測するにですけれども、区や市の方では、そういった公務員の削減であったりとか、業務の多様化というものもあって、指導主事本来の役割でないところに時間をとられてしまっているというようなところもあるのではないかと思います。本当に即戦力でいきなり指導主事が来て、委員会に行って質問をとって、議会答弁を書いてこいといっても、いきなりできるわけではなくて、そういった人材の育成という観点から、一刻も早く選考の仕組みをやっていかなければいけないのかなと思うところであります。
 指導主事は教育管理職A選考の合格者から任用しているわけですが、平成二十三年度の教育管理職A選考の受験状況及び過去五年間の有資格者数、受験者数の推移をお伺いいたします。

○岡崎人事部長 平成二十三年度教育管理職A選考の受験状況ですが、有資格者数三千九百十四名、受験者数七十二名、合格者数五十五名でございまして、受験倍率は一・三倍でございました。
 それまでの有資格者数及び受験者数の推移を申し上げますと、有資格者数は、平成十九年度九千七十六名、二十年度九千十三名、二十一年度九千五百二十四名、二十二年度四千五百三十六名です。
 受験者数は、平成十九年度百十四名、二十年度百十五名、二十一年度百十八名、二十二年度八十六名となってございます。

○西沢委員 まず、有資格者というのは、先ほどありました主任教諭、それから主幹教諭を一定の年数、経験を積んだ方ですが、今答弁ありましたが、平成十九年からでいえば九千七十六名から二十年には九千十三名、二十一年には九千五百二十四名となりますが、二十二年度からは四千五百三十六名と激減をしておりまして、二十三年度は三千九百十四名という形でさらに減っている状況であります。
 受験者数というのが十九年から百十四、百十五、百十八、八十六と、七十二という形で、これも減ってきています。多くの有資格者数が減りましたけれども、受験者数という形では、計算するとだいたい去年で二%弱ぐらいという形になります。有資格者の数がですね。
 こういった平成二十二年度から有資格者数が急激に減少して、受験者数が減っている理由をお伺いいたします。

○岡崎人事部長 現在の教育管理職A選考の受験資格は、現に主幹教諭の職にある者、または主任教諭歴が二年以上ある者としてございますが、平成二十一年度までは、教職経験が七年以上あれば教諭でも受験できることとされておりました。
 平成二十二年度の選考から、主任教諭でなければ受験できなくなったため、有資格者数が減少し、それに伴い受験者数が減少したものでございます。
 また、教育管理職A選考の有資格者である三十代半ばから四十代前半が採用が少ない時期に教員となった世代に当たることも、受験者数減少の背景となってございます。

○西沢委員 経過措置だということがあって、二十二年度からは受験者が減少した、また三十代半ば、四十代半ばの採用が少ない時期に教員となった世代というご答弁がありましたけれども、十分予想できるんじゃなかったのかなというような気がしないでもありません。
 そこで、さらに今後でございますが、早急な対応が必要です。指導主事を目指す受験者数についての今後の改善の見込みと、そのための都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 今後、A選考受験対象となります主任教諭が徐々に増加していきますことから、平成二十三年度には三千九百十四名だった有資格者数は、二十四年度には四千五百名程度、二十五年度には五千六百名程度、二十六年度には六千六百名程度と着実に増加してまいります。
 都教育委員会は、増加する有資格者を受験に結びつけていくため、指導主事の重要性や職務内容をアピールするリーフレットの作成、配布、校長や現職の指導主事から有資格者への受験の奨励、指導主事への意欲を醸成する研修の充実などに積極的に取り組み、校長や区市町村教育委員会と緊密に連携しながら、指導主事候補者を増加させてまいります。

○西沢委員 V字回復のように有資格者数もふえていくというような形で、三千九百十四名だった二十三年度から、二十六年度には六千六百名程度となっていくと、ふえていきますよというご答弁でございました。
 こうしたことですから、来年、それから来年度、区市町村の要望にこたえられていない場合、二十五年度からできるだけ要望にこたえていけるような体制を望みまして、次の質問に移りたいと思います。
 教育庁の人材バンク事業につきましてお伺いをいたしますが、教育庁人材バンク事業そのものというよりも、簡単に二問だけ私からお伺いしたいんですが、教育庁の人材バンクというのは、ご承知のように、学校の業務量の増加であったりとか、課題の複雑化、多様化に対応するために、学校の教職員だけでの対応に限界があって、外部の方に協力いただく制度であるというものでございます。
 今、教育庁さんの方でやられているわけでございますが、将来的に法人化するみたいな話を聞きましたが、仮に人材バンクを法人化する場合のメリット、デメリットというものにどのようなものがあるとお考えになっているのかをお伺いいたします。

○中島教育政策担当部長 都は、平成十七年十一月に策定いたしました行政改革の新たな指針におきまして、民間で行えることは思い切って民間にゆだね、真に行政が担うものは何かという視点から、行政サービスの効率性を徹底して追求するという改革の方向性を示しております。
 こうした指針等を踏まえまして、お話しの人材バンク事業の法人化につきましても、業務運営の効率化等の観点から、今後の運営形態の選択肢の一つとして検討していかなければならないと考えております。
 事業を法人化する場合のメリットとデメリットについてでございますが、メリットといたしましては、行政が直接運営する場合と比較いたしまして、民間企業や団体など外部の資金を活用することが可能になること、経営の自立化や効率化が進められることで都の財政負担が縮減できること、さらには将来、自立経営の中で収益の一部を事業拡大に役立て、広く社会に還元することが可能になることなどが考えられます。
 また、デメリットあるいは課題といたしまして、経営基盤の強化や法人としての社会的な信用を高めるために時間を要することなどが考えられます。

○西沢委員 私の視点は一点でございまして、要するにていのいい天下り団体をつくるんじゃないのかというようなところにくぎを刺したいと思っているところでございます。
 今おっしゃったような、いわゆる行政改革の点から、コストの削減であったりとか効率を求めるというのは、私は非常によいことであると思いますが、デメリットの中で例えば社会的な信用を高めるときに時間を要することというようなお話もございましたが、これまで別に東京都さんの話ではなくても、国の話を見ても、そういった理由でいわゆる幹部職員の再就職ありきで団体をつくるという必要のない事業をやって、そこに送り込むようなことがいろいろ批判を浴びましたから、もし検討することがあれば、こういった批判がないようなものにしなければいけないというように私は考えております。
 ですので、幹部職員の再就職をふやすために人材バンク事業を法人化するようなことはあってはならないと考え、現段階においてどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。

○中島教育政策担当部長 人材バンク事業につきましては、平成二十四年度も試行継続を予定しておりまして、平成二十五年度以降の事業の実施体制につきましては、現在お答えできる段階ではございません。
 事業をより効果的、効率的に実施する観点などから、実施体制は検討すべきものと考えておりまして、幹部職員の再就職ありきで実施体制を考えることはございません。

○西沢委員 ここでありきで実施対象も検討するとは口が裂けても多分いえないとは思いますけれども、そういった視点を私どもは持っているわけで、当然、都民の理解が得られないような再就職先みたいなことのないような、そういった懸念を払拭できるように慎重になっていただきたいということを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次は、東京都の教育庁が所管をしております東京スポーツ文化館と高尾の森わくわくビレッジでございます。このことについてお伺いをしていきたいと思います。
 これはPFIで運営している事業でありますけれども、この事業がどうなのかということ、どれだけの効果があって、どういった意義があるのかということを私は視点としたいんですが、それをやり始めると時間が幾らあっても足りないので、本日はとりあえずどういう状況なのかという概要と契約の中身を少し、それから東日本大震災についてなど、ちょっと的を絞ってお伺いをしていきたいというように思います。
 まず、高尾の森わくわくビレッジ、東京スポーツ文化館ですが、来年度の予算の中でも計上されていますが、債務負担行為という形で、こちらのBumB、東京スポーツ文化館というのが約百六十二億九千万円を支払うと、二十年かけてこれを債務負担行為として、予算の中では毎年約八億円ずつ計上されているわけですが、平成十五年から始めています。
 高尾の森わくわくビレッジの方は約六十五億五千万円、これは十年間ですね。平成十六年から十年間。ですから、これは毎年六億五千万円ずつぐらいでしょうか。もうちょっと少なかったかな。それぐらいですね。これを割ったものに物価率などをやって十年ずつ、もしくは二十年ずつやるというもので、かなり大きい金額だなと私は単純に考えまして、まずユース・プラザといいますが、このPFIの事業を東京都が直接行うのではなく、民間企業、しかもPFIにした経緯をお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 ユース・プラザへのPFI導入の可否につきましては、平成十二年度に区部におけるPFI導入可能性調査を行い、当該施設を運営していくに当たり、都が当該土地を使用して直接に事業を実施した場合と、土地等を無償貸し付けした上で、PFI事業者に運営を任せる方式とを費用と効果の観点から比較検討いたしました。
 この結果、PFI事業方式の費用の方が同一サービスで低廉に提供できるということから、このPFI導入を決定し、平成十三年四月に区部ユース・プラザ整備等事業、PFI事業の実施方針として公表したものでございます。

○西沢委員 まず、PFIでやるかどうかというのですね。土地を無料で貸しているわけですね。こちらの方が体育館、こちらの方が高校だったんですね。これも無償で貸して、運営を任せた場合に費用と効果の観点から検証して、PFIの方がよかったということでこれにしたという話です。
 これをどういう観点から比較検討したのかは置いておいて、金額はどのように算定されたのかをお伺いします。PFIをやるに当たって、なぜこの金額なのかというところです。契約目途額と呼ぶそうでございますが、どのように算定されたのかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 PFI事業の実施に当たり、都教育委員会は業務要求水準書を作成し、事業者に求めるサービスの水準を明らかにしております。このサービス水準を維持するため、PFI事業の契約目途額は、PFI事業者が業務要求水準書に規定されたサービス水準を確保して、施設の設計、建設、運営、維持管理のすべてを行うことを前提に積算されております。
 具体的には、施設の改修に係る工事費、人件費、光熱水費、業務委託費、定額修繕費、保険料、法人税等の必要経費から利用料収入を差し引いたものを主な都の負担額として、その金額を契約目途額といたしたものでございます。

○西沢委員 この金額に関しては、サービス水準を維持するために、施設の改修に係る工事費や人件費、光熱費、業務委託費、保険料や法人税など必要経費から利用料収入を差し引いたものを東京都の負担額とすると。
 つまり、必要経費というのは、利用料を引くということは、利用料が業者の取り分というような形になるということでありますね。これだったら六十四億円を十年間都が払いますと。六十四億円を合計十年間で払ってやっていただいて、その利用料はその事業者さんの取り分ですよというようなことですから、経費がかからないということだから、かなりもうかる可能性が高いと私は思います。
 それで、先に収支の状況を聞きたいんですけれども、実際のPFI事業者の収支の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 PFI事業者の純利益は、東京スポーツ文化館が平成二十二年度は三千四百万円、高尾の森わくわくビレッジが平成二十二年度は四千八百万円となっております。いずれも都教育委員会の求める業務要求水準を満たし、PFI事業の経営努力により、都民サービスの向上を図った成果と考えております。
 なお、東京スポーツ文化館は、平成十六年の事業開始以来、七年間で二回ほど赤字になったものの、高尾の森わくわくビレッジでは、平成十七年の事業開始から赤字とはなっておらず、どちらも健全な経営が現在行われているものと考えております。

○西沢委員 健全な経営がされていると。ただ、二回ほど赤字もあったという話も聞きました。
 このPFI事業者というのは、どのような過程で選定されたのかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 PFI事業は、本件事業において価格面のみならず、民間のノウハウの活用によるサービスの向上や施設利用率の向上などを目指しております。
 このため都教育委員会では、民間の提案を幅広く取り入れるため、総合評価一般競争入札方式によりPFI事業者を決定いたしました。
 契約の金額は、その業者が落札した金額でございます。

○西沢委員 もし可能であれば、落札率とかわかりますか。お願いします。

○谷島地域教育支援部長 東京スポーツ文化館は九八・五%、わくわくビレッジは八七・三%の落札率でございます。

○西沢委員 わかりました。
 そうしましたら、PFI事業者、さらに確認させていただきますが、東京都のOB職員の再就職であったりとか、職員の派遣はあるんでしょうか。お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 どちらのPFI事業者にも都OBは在籍しておらず、また都の職員の派遣もございません。

○西沢委員 わかりました。
 そうしましたら、施設であるとか土地の話でございますが、東京都が無償で貸している、無償貸与となっているわけでございますが、なぜこの事業が無償貸与となっているのか、それから無償で土地や建物、施設をお渡ししているわけですが、契約期間終了後はどのような形で都に返還されるのかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 本契約に係る土地や施設については、PFI事業者が社会教育法にのっとった社会教育事業を実施し、同法第六条に定めます教育委員会の社会教育に関する事務の一部を都にかわって行うため使用するもので、公共性が極めて高いため、東京都公有財産管理運用委員会において無償貸与を決定したものでございます。
 施設につきましては、PFI事業者が改修した部分も含みまして、契約期間終了後に都に返還されることになっております。

○西沢委員 わかりました。無償である理由が公共性が極めて高い、いわゆる社会教育事業であると。本来、教育委員会ないし官がやるようなサービスを民がやるというのがPFIのもともとのものでございますから、極めて公共性が高い、値段なんていうものはなかなかつけづらい部分はあるんだと思います。それが妥当なのかどうかというのは、検証は今後必要であると思います。
 そして、この契約の中で都が意図するサービス水準というものが示されております。その中身の妥当性をどのように検証されたものかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 当事業は青少年の自立と社会性の発達を支援し、青少年が多くの人々と直接交流できる機会と場を提供すること、及び生涯学習の振興のため実施するものでございまして、東京スポーツ文化館は文化スポーツの拠点として、高尾の森わくわくビレッジは体験学習の拠点としての場を提供することを目的としております。
 この目的を達成するため、必要と考えられるサービスの水準を示した業務要求水準書を作成し、広く都民に公表するとともに、事業者等からも意見を聞きながら策定したものでございます。

○西沢委員 青少年の自立と社会性の発達を支援し、青少年が多くの人々と直接交流できる機会と場を提供すること及び生涯学習の振興という目的を達成するようなサービス水準である業務要求水準というものをつくって、意見を聞きながら策定をしたということですね。
 これはパブコメのない時代でもありますし、こういったことも今後見ていきたいと思いますが、このサービス水準の確認の方法について次にお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 PFI事業では、事業期間中のサービスの質を維持することが重要であり、PFI事業者が提供するサービスの水準を監視する行為、いわゆるモニタリングが重要でございます。
 都教育委員会では、本事業について、毎月行う書類による業務確認及び三カ月に一度の現地モニタリングにおいて、事業計画どおり適正に管理運営されていることを確認するとともに、財務状況等についても、毎年度、財務諸表に基づいた報告を受けております。
 さらに年一回、都教育委員会と事業者により構成される協議会におきまして、年間業務計画、監査報告等について意見交換を行っているところでございます。

○西沢委員 サービス水準というものが報告書であったり、三カ月に一回の訪問であったり、それから財務諸表であったり、協議会も開いているということで、サービス水準を確認しているということですが、じゃ、サービス水準がもし下がったとき、つまり十年間で幾ら払います、二十年間で百二十億払いますというところですけれども、サービス水準が下がったときはどういうふうな契約になっているのかお伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 PFI事業者が天災等の不可抗力の場合を除きまして、適正な運営及び管理が行われていない場合には、契約書の定めに基づきまして、サービス購入料の減額を行うこととなってございます。

○西沢委員 ちょっとお伺いしたいんですが、先ほどの業者、赤字が出たこともあったと思うんですが、そのときはサービス購入料の減額は行ったんでしょうか、行っていなかったんでしょうか、聞けますでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 サービスの低下と赤字は必ずしもリンクしているものではございませんので、サービス購入料の減額は行っておりません。

○西沢委員 ありがとうございます。
 そうしましたら、会社が倒産したり、それから維持管理を放棄した場合、こうした場合の保障というのはどうなっているのかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 PFI事業者が事業を放棄し、三十日間以上にわたりその状態が継続した場合等には、契約書の規定に基づき都が契約を解除することができることとなっております。この場合、事業者は契約に規定する違約金も支払わなければなりません。

○西沢委員 東京都が必要以上に負担をしなければいけなくなっているというような契約かどうかを確認したかったところであります。
 それで、ちょっと矢継ぎ早な質問になってしまって恐縮ですが、運営の損失が出た場合の責任の所在はどこになるのかもお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 事業で損失が出た場合は事業者の負担となり、都からの損失補てんは不要でございます。
 ただし、天災などの不可抗力により生じた損害につきましては、契約書の規定に基づき協議を行った上で、都とPFI事業者が費用負担することとなります。

○西沢委員 そうしましたら、天災が起きたときに生じた損害については、都と事業者がもちろん協議の上で負担するというような契約になっているということです。契約があったのは、わくわくビレッジの方が平成十六年ですね。東京スポーツ文化館の方が平成十五年で、当然震災の後にこういう今のような方の形の中での契約ではありませんでした。
 昨年の三月に発生しました東日本大震災で、この二つの施設に被害があったのかどうか、まとめてこのときの東京スポーツ文化館の施設補修費用の分担はどのようになったのか、また工事に伴い休業が必要になることも考えられるが、営業補償はどのようになっているのかをお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 昨年三月の東日本大震災によりまして、東京スポーツ文化館では、アリーナの一部に損壊、変形が見られましたが、高尾の森わくわくビレッジでは被害はございませんでした。
 東京スポーツ文化館の施設補修費用につきましては、東日本大震災という天災により発生したものであることから、契約書の規定により都とPFI事業者が協議を行い、都及び事業者それぞれの負担額を決めたところでございます。
 実際には、この金額は、六十日間に協議が整わなかった場合を想定し、契約書に規定された方式に基づき計算した負担額と同額、すなわち都の負担が最も少ないものでございます。また、本件に係る都から事業者への営業補償は行っておりません。

○西沢委員 はい、ありがとうございます。
 そうしましたら、今後の施設の大規模改修の際のことをお伺いいたします。今後、施設の大規模改修が行われる際の費用負担がどのようになっているのかお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 大規模修繕の費用負担につきましては、東京スポーツ文化館は、昭和五十一年に竣工した旧夢の島総合体育館を一部改修して整備されている文化学習・スポーツ施設については都が負担し、事業者が新たに建設した文化学習施設、宿泊施設等につきましてはPFI事業者が負担することとなっております。
 高尾の森わくわくビレッジにつきましては、すべて事業者が負担することとなっております。

○西沢委員 最後、意見表明をして質問を終わらせていただきたいと思います。
 今までさまざまな質疑を通して、いろいろと契約の中身についてお伺いしてまいりました。サービスの要求額であったりとか、私が気になっているのは、事業と金額の妥当性というところです。
 やっぱり事業者が比較的もうかりやすいのかなというような気が私はしているんですが、赤字が万が一出たときも、東京都はサービスの減額はしなかったわけで、そのかわり震災があっても営業補償も結局はしなかったみたいなうがった見方をすれば、そういったこともあり得ますので、非常に大きなお金ですから、今後も私は東京都のリスクの細分化、当然、PFIですから事業者にも応分の負担を求めるというものが必要な観点ですから、そういったバランスというものを注視していきたいと思っていますので、これからいろいろと情報提供などもお願いをしたいと思っていることを要望して、質問を終わります。

○今村委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたします。
 午後五時十一分休憩

 午後五時二十五分開議

○今村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○高木委員 まず最初に、先ほど共産党の委員から、「江戸から東京へ」の話があったんで、私は熟読をしていましたんで一言いっておきますけれども、これはとてもよくできているんですよ。とてもよくできているの。
 今度改訂をされるということで、都民の皆さんからもご意見をいただいて、随分お直しになられたようですから、私が幾つか指摘をしたところも都民の皆さんからもご指摘をいただいて、直していますよというようなお話もいただいておりまして、中身についても特定の歴史観とかそういうことじゃなくて、事実関係をきちんと押さえて記述をするということが大事なんで、とてもよくできていますので、次の版も私は大変期待をしておりますから、できるだけ早く私たちの目にも触れさせていただきますようにひとつお願いしたいと思っております。
 共産党の皆さんもぜひ熟読をしていただきたいなと。(「しましたよ」と呼ぶ者あり)もう読んだの。早いね。熟読をしていただきたいと思っております。
 それで、私はまず防災教育の推進について伺います。
 先ほど否定的なお話もありましたので、全く逆の立場で、防災教育の推進について取り上げたいと思うんですが、私はこのたびの都議会第一回定例会一般質問で、世のため、人のために活躍する人材を育成するために、さまざまな機関と連携して防災教育にどうやって取り組んでいくのか、どう推進していくのかという質問をさせていただきました。
 ただ残念ながら、私のちょっと不徳のいたすところで、時間が足りなくなりまして、読めなかったところがあるんですよ。だから、読めなかったんで、多分きょうはああいう質問が出ちゃったかなと思って、大変残念に思っていたんですが。
 この「三・一一を忘れない」、副読本を読んでいただいたらいいと思いますけれども、中学校版なんですが、あけたところに「あの日」という子どもたちの作文が出ているんですね。気仙沼の中学生の作文が非常に感動的でございまして、途中こういうくだりがあるんですね。地震があったその日から電気も水道もとまり、寒くて寒くて不安で、みんなで寄り添って夜を明かしました。日が上り、やがて目に入ったのは自衛隊の皆さんの姿でした。あれほど心強く感じたことはありませんでした。これがやっぱり率直な被災地の皆さんのお気持ちだったと思います。
 周りがもう真っ暗で、真っ暗な中で本当に寂しい、苦しい思いをしながら、夜が明けてみたら、既にそういう救援の人たちが活躍をしている、活動している。その姿にどれだけ被災地の皆さんが心強く思われたかということだと思いますので、そういう意味で、そういう公共機関の役割というのはやっぱり大切なんだと。こういう公共機関、特に自衛隊を中心にして、災害の救援活動が機能的に、そして組織がきちっと指揮命令系統がしっかりした中でそれができる。それはまさに自衛隊や消防や警察やそうした機関しかありませんので、そういう人たちの役割というものを、やはり私たちはしっかりと見詰めながら、あるいはそのお話を聞いたり、そういう皆さんから直接教育を受けたり、そういうことをしながら防災教育というものをやっていくべきだろうというふうに思っています。
 私は、先日の質問をして、教育長からご答弁をいただきまして、教育長からは地域の消防団や災害時支援ボランティアとして活躍するような自助、共助の精神を持って社会に貢献できる生徒を育てる防災教育を推進していくという力強い答弁があったことを大変うれしく思っておりました。
 その中で、先ほどお話があった消防学校のことも取り上げられたし、他の公共機関、いわゆる自衛隊や警察やというところにもいろいろな協力を求めながら、そうした防災教育を推進していくんだというお話があり、私は大変すばらしい答弁だったなというふうに思っているわけであります。
 三月十一日以来、防災教育の重要性については、さまざまな角度から再認識をされていると思っておりまして、私は自助、共助の精神をもって、世のため、人のために尽くそうという気持ちを持った若者を一人でも多くこれからつくっていくということが必要なんだろうと思っているんです。
 そのためには、学校の中だけではなくて、地域の防災訓練等にも生徒が参加をしたり、あるいは生徒自身が実際にその地域とかかわることができるような新しい仕組みの防災教育というものが必要なんだろうなと思うわけであります。
 来年度、都教育委員会は、すべての都立学校で防災教育推進委員会を設置するというふうに聞いているんですが、改めてその目的と推進委員会に入られると思われる委員などの構成についてお伺いをしたいと思います。

○坂本指導部長 都教育委員会は、来年度、各学校の実態に即しまして、地域と連携、協力した実践的な防災教育を推進するために、全都立学校に防災教育推進委員会を設置いたします。
 委員といたしましては、保護者の代表や地域自治会の防災担当者、消防署員や学校が所在する区市町村の防災担当者等、各学校や地域の実態に応じて委嘱いたします。
 本委員会では、学校が行う避難訓練、防災訓練に地域の方々の協力を得るだけではなく、地域主催の防災訓練への生徒や教職員の参加等、学校と地域の相互交流を重視した防災教育のあり方についても検討いたしまして、生徒や教職員が地域とかかわり、社会貢献の意欲が持てるようにしてまいります。

○高木委員 防災教育推進委員会は、来年度新たに設置をされるわけですので、私はまず、学校が地域に協力できることを考えていただくことが最初なんだろうと思います。
 その上で、地域の関係者に協力をしていただくという順序になるんだろうと思いますから、都立高校は特にその地域の中においては接点が少ないんですね。区立の小中学校と比べますと、どうしたって都立高校は接点が少ないですから、そういう意味では地域の皆さんにまずご理解をしていただくために、学校はどう協力できるんだというところから私は検討を始めることが必要だろうと思っています。
 そうした検討を積み重ねていった上で、やがては学校の実態に応じて地域の防災体制に学校が寄与できる、協力できることは何かということも含めて検討していただいて、各学校の防災教育推進委員会がしっかりと機能ができるように、そしてそれが実践的に、ただ単なる計画だけではなくて、何か本当に災害が起こったときに、しっかりと機能できる組織になってほしいなというふうに期待をしているわけであります。
 さて、我が国は、今、少子高齢化の時代でありまして、各消防団の構成員が高齢化しているという現状があると思います。特にこれは二十三区の消防団には共通した課題だろうと思います。
 多摩地域は同じところもあるんだろうと思うんですけれども、あるところの事例を聞きましたら、四十歳で消防団はもう定年と。あとは予備役のような形で、実態は四十までできちっとやっているというのが、まさに私ども都議会自民党の宮崎幹事長のお地元の立川市にはそういう消防団があると。
 ですから、極めて若い人が一生懸命活躍しているんだけれども、東京全体をいうと、やっぱり消防団がかなり高齢化している現状があります。そして、私の地元なんかは定員がきちっと充足していますけれども、定員が欠けているというところもあるやに聞いています。
 したがって、地域の防災力としての中学生や高校生に対する期待も今後ますます高まってくるわけでありまして、いざ地震が発生して、自分の学校が避難所となった場合、学校に近い生徒は学校に駆けつける、あるいは自宅、学校から離れている生徒は、自宅周辺の避難所等に駆けつけて避難所の運営に当たれる、そんなことができるようになれば、地域の防災力が格段に向上するんだろうと思います。
 そのためには、生徒一人一人がいかに実践的な訓練を経験していくかということが重要でありまして、全都立高校で来年度、学校に一泊二日で行う防災訓練を実施すると聞いているんですが、詳細について、内容はどうなっているのかお伺いをしたいと思います。

○坂本指導部長 東日本大震災当日、都立高校生約六千名が校内で宿泊した状況を踏まえまして、災害時における避難生活を疑似体験させ、困難な状況を認識させることで、生徒一人一人に災害時の心構えを持たせるとともに、自助、共助の精神を育成することをねらいとしまして、すべての都立高校で宿泊を伴う防災体験活動を実施いたします。
 そのため、都立高校では、校内で備蓄食料による食事体験や体育館、教室等における就寝体験を実施いたします。
 そのほか、地域と連携した防災マップや震災時帰宅計画等を作成する災害図上訓練、東京消防庁と連携した講演会やAEDの講習会、東京都総務局総合防災部やその他の公共機関と連携した避難所の設営などの災害時対策訓練を各学校は計画してまいります。

○高木委員 ぜひこれは皆さんで体験をしていただきたいと思います。
 今、都立高校というのは一校当たり何人ぐらい生徒がいらっしゃるのか、それぞれの学校によって違うと思うんですが、実は先日、私の地元の防災訓練で、ある連合町会が学校の体育館が避難場所になっているので、それぞれの町会からぜひ避難場所で一夜を過ごす体験をしてくださいという声かけをして、避難場所の体育館に地域の人を動員したんですね。そうしたら入り切れなくなっちゃって、笑えない話なんですよ。
 つまり、一人一平米というふうに一応決まっていて、そういうふうに割り当てをして計算するんですけれども、実際、本当に避難場所に地域の皆さんが入ってきたら、多分、スペースが足りないだろうなというのがやってみてよくわかりました。私も参加したんですけれども、やってみたらそういうことでした。
 ですから、都立高校も全校生徒を仮に集めて宿泊体験をしたときに、体育館にちゃんと寝る場所があるのかどうか、そういうことをよく検討してみたらいかがかなというように思っています。
 今般の東日本大震災は、日常における避難訓練の重要性や災害発生時の行動のあり方について、児童生徒だけではなくて教員にとっても数多くのことを学び、学校の防災教育のあり方を見直す契機となったと思っています。
 東日本大震災の被災状況は、地震、津波、原発事故など、岩手、宮城、福島でそれぞれ異なっておりまして、復旧、復興の状況やその地域が抱える課題もそれぞれ異なっています。
 実は、東北三県の話を今しましたが、三県だけではないところも東日本大震災では被害を受けております。特に青森県なんかはいわないけれども、非常に被害を受けていますね。
 防災教育の充実を図っていくためには、このような被災地のさまざまな状況を踏まえた上で、内容の見直しを図っていく必要があるわけですが、そこで、都内で行う通常の研修だけでなくて、教員や指導主事が被災地を訪れて、被災の甚大さを改めて認識するとともに、学校関係者等から直接聞いた話を児童生徒や他の教員に伝えていくことが重要だろうと思っています。
 教育委員会、こういう活動をぜひしていただきたいと思いますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○坂本指導部長 教員や指導主事が被災地を訪れ、地域によって異なる被災状況の実態を知り、そこから学んだことを各学校や区市町村に持ち帰ることは、実践的な防災教育を推進する上で重要であります。
 そのため、都教育委員会は、来年度指定します防災教育推進校の防災教育担当教員や都及び区市町村教育委員会で防災教育を担当する指導主事等を被災地に派遣いたしまして、被災状況を自分の学校や地域に置きかえて、具体的な対策等を考えさせます。
 また、現地の教員や教育委員会関係者との意見交換を通しまして、今後の取り組み内容の改善点なども把握させます。
 こうした取り組みの成果を都内全公立学校の防災教育に役立てますとともに、都及び区市町村教育委員会の指導主事等による指導助言等を通しまして、各学校の実践的な防災教育の一層の充実を図ってまいります。

○高木委員 ぜひ充実した研修をしていただきたいと思うんです。
 被災地に防災教育推進校の担当教諭、あるいは指導主事が訪問するということは意義深いことだと思っていまして、ただ行けばいいという話ではなくて、どんなコンセプトで研修をしていくのか、運営をしていくのか。
 特に被災地に大勢でわっと押しかけるみたいなことではなくて、やっぱりしっかりとしたコンセプトをつくって、例えばこのたびの大震災を教育の視点でどういうふうに考え直すかというようなことや、あるいは被災地の教育ニーズというのはどういうものがあるのか、それで自校の防災教育の内容をどうしていくのか、そんな考えの一助になれば、私はよろしいのかなと思っています。
 いずれにしても、やり方を十分検討していただいて、被災地の皆さんには特に迷惑がかからないように、そして持ち帰るものはたくさん持って帰ってくると、知識としてですよ。そういう研修をぜひしていただいて、防災教育の推進をこれから図っていただきたいと思っております。
 次の質問に移ります。家庭と子どもの支援員についてお伺いをしたいと思います。
 児童生徒の健全育成について、教員は児童生徒一人一人の状況把握に努め、問題行動の原因に応じて組織を挙げて取り組み、適切に対応してくれているんですが、実は残念ながら、日々新たな課題が生じる状況になっています。
 また、最近、児童生徒の問題行動は複雑化、多様化し、中には学校だけでは解決が困難な事例もあって、非常に憂慮すべき状況になっています。
 このため学校は、課題を抱えた児童生徒に対しては、保護者との連携を大切にするとともに、必要に応じて関係機関等との連携を図りながら対応していくことは大切であると考えます。
 さらに、今後はこれに加えて、学校内における児童生徒への支援のみならず、課題を抱える児童生徒の家庭に訪問し、相談に乗り、解決に向けた方策等について助言するなど、直接家庭に働きかけを行う支援体制を構築する必要があると考えます。
 こうした状況を踏まえて、今年度から都教育委員会では、学校における健全育成を一層充実するために、家庭と子どもの支援員の配置を始めたと聞いています。
 私の地元の中学校、これは北区西ヶ原にある飛鳥中学の事例なんですが、この事業にいち早く取り組んで、地域の人材である、非常に情熱のある保護司さんの協力を得て、不登校等の問題を抱えている生徒にかかわってもらっているという事例があります。
 大変うまくいっているという報告も聞いているんですが、その学校では子どもと家庭の支援員から支援を受けた不登校の生徒の多くに実際改善が見られたというふうに報告を聞いておりまして、これは本当に成功事例としてまことに喜ばしいことだと思っているんです。
 このような地域の人材は、生徒とともに保護者からも実はさまざまな相談にも乗っているようでございまして、教員とは別の視点で支援をしていると。保護者にとっても、いい方からすると、地域の知っている顔見知りのおじさんなんですね、ですから非常に話しやすいということで、大きな支えになっているというふうに聞いております。
 そこで、家庭と子どもの支援員のような地域の人材を活用して、児童生徒の健全育成を図る取り組みを、私はこうした成功事例をもとにして、全都的に拡大していく必要があると思いますが、教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。

○坂本指導部長 都教育委員会は、平成二十三年度から学校の教員とともに家庭訪問等を行い、子どもと保護者の悩みに寄り添いながら、問題解決に向けての相談のきっかけづくりや学校と家庭を結ぶパイプ役を担う家庭と子どもの支援員を小学校四十九校、中学校八十一校に配置しております。
 この家庭と子どもの支援員には、保護司、児童民生委員、警察OBや心理学系の大学生などの地域の人材の活用を図っております。
 都教育委員会は、今後とも区市町村教育委員会と連携いたしまして、家庭と子どもの支援員の配置校を拡大する予定でございます。このため、家庭と子どもの支援員から、相談に日常的に応じることができる都及び区市町村教育委員会の連絡窓口について周知いたしますとともに、家庭と子どもの支援員と区市町村教育委員会の担当者をともに集めた連絡会を開催するなど、事業内容の一層の充実を図ってまいります。
 また、本事業実施の成果をまとめましたリーフレットも作成いたしまして事業の啓発に活用するなど、地域の人材を活用した児童生徒の健全育成を推進してまいります。

○高木委員 家庭と子どもの支援員というのは、まさに支援員の方の力量にかかっているんですね。ですから、こういう人を地域で発掘をするということがまず一番大事であって、私も、先ほど申し上げた飛鳥中学の事例の方にも聞きましたけれども、保護司をやっているんだけれども、教育の関係については素人でありますと。ですから、日々悩みもあるんで、悩んだときに相談をするというところももしあったら非常にありがたいなと、こんなこともいっておりましたので、ぜひそういう意味で、今ご答弁にありましたように、日常的に相談業務に対応できる窓口をつくっていただくと、大事なことですので、ぜひ進めていただきたいと思っております。
 最後に、特別支援教育についてお伺いをしたいと思っています。
 都教育委員会は、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画において、小中学校の通常の学級に在籍する発達障害の児童生徒に対する支援体制を整備するため、すべての小中学校に特別支援教室を設置し、専門性の高い教員が巡回指導を行う特別支援教室構想について提案をしています。
 この構想は、特別な指導を必要とする児童生徒が、在籍校において適切な指導と必要な支援が受けられるようになることから、保護者の期待も大きいものがあると聞いています。都教育委員会は、特別支援教室構想の実現に向けて、三から四の自治体をモデル地区に指定し、平成二十四年度から三年間かけてモデル事業を実施するとしているわけであります。
 本年度は、検討委員会を設置して、特別支援教室モデルの検討やモデル地区の指定を行うと聞いています。
 そこで、検討委員会の検討経過や来年度から開始されるモデル事業の準備状況についてお伺いをします。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 本年度は、来年度からの特別支援教室モデル事業の実施に向けまして、外部有識者や保護者代表、区市町村教育委員会関係者等で構成する検討委員会を設置しまして、特別支援教室の基本的な考え方や試行のモデル、検証内容、方法等について検討を進めてまいりました。
 モデル事業では、特別支援教室における指導の開始、終了の手続に関することや、指導体制及び指導内容、方法の充実に関すること、施設設備の整備に関することなどについて、平成二十八年度以降に予定してございます全都導入に資する実践的な試行、検証を行ってまいります。
 モデル事業の実施に当たりましては、昨年十二月にモデル地区の募集をいたしましたところ、十六の区市から応募がありました。一月中旬に行いましたヒアリングの結果等に基づきまして、目黒区、北区、狛江市、羽村市の四区市をモデル地区に指定したところでございます。

○高木委員 十六もの自治体から応募があったということは、各自治体が発達障害の児童生徒の支援に課題意識を持って、地域でよりよい支援体制を整備していきたいという考えのあらわれかというふうに思います。都教育委員会が平成十五年に実施した調査の結果によれば、小中学校の通常の学級には、特別な支援を必要とする児童生徒が四・四%在籍しているということが報告をされています。
 この結果に基づけば、発達障害の児童生徒がすべての学校、学級に在籍していることを前提とした体制整備が急務であることはうなずけます。これはすごく大事なことで、いわゆる特別支援が必要な子どもたちというのは、東京都の特別支援学校はもちろんあるんですけれども、通常のところにもパーセンテージでいるということなんですね。そういう前提で考えなきゃいけない。
 このパーセンテージは、多分今後の少子高齢化社会の中では、東京都が特別支援が必要な子どもたちの人口の推計値を出していますけれども、ふえることはあっても減ることはないんですよね。
 ですから、そういう前提で全校に在籍していると、全学級に在籍しているというふうな前提でぜひこれは考えていただきたいんです。そもそも都教育委員会は、第三次計画の策定に当たり、すべての学校における特別支援教育の推進を目指してという理念を掲げておりまして、都におけるこれからの特別支援教育推進体制の整備の方向性をこの中で明確にされたわけですね。
 しかし、それぞれの自治体や教育現場における取り組みの様子を見ると、例えば現場の先生方は発達障害の児童生徒の指導にかなり大きな悩みを抱えているというふうに聞いております。
 日々の指導に役立つ具体的な支援やアドバイスを極めて必要としている状況でありまして、すべての学校における特別支援教育の推進を目指すためには、今後対応すべき課題はかなり多いというふうに認識をしていただかなきゃいけないというように思います。
 そこで、このような状況の中で、すべての学校における特別支援教育の推進を目指して、特別支援教室構想を実現することの意義について、決意も含めて改めてお伺いしたいと思います。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 特別支援教室構想は、専門性の高い教員による巡回指導などを通じて、現在の通級指導学級のように子どもが動く方法から教員が動く方法へとシステムの転換を図り、発達障害の児童生徒が在籍校を離れることなく、専門的な指導と必要な支援を受けることができる体制を整備することに意義がございます。
 発達障害の児童生徒の自立と社会参加に向けては、周囲の理解と協力が不可欠でございます。その意味で、特別支援教室の設置、活用を中心とした在籍校、在籍学級における支援体制の整備は、単に発達障害の児童生徒のみならず、障害のない児童生徒にとっても教育効果が期待できるものでなければならないというふうに考えております。
 特に障害のない児童生徒が発達障害の級友への理解を深め、適切な支援の方法などを具体的に学ぶことは、本人の豊かな人間性を養うことにもつながり、そのことが学級や学校全体、ひいてはこれからの地域社会のあり方にもよい影響を及ぼすものと考えております。
 そのためには、児童生徒の教育を担う教員の専門性の向上が重要であり、特別支援教育モデル事業においては、校長を初めとするすべての教員がそれぞれの職層や役割に応じて発達障害の児童生徒の教育的支援のあり方等に関する必要な知識、技能を習得できるよう、医療や福祉との連携も工夫しながら、研修の充実方策などについても試行、検証を行ってまいります。

○高木委員 時間が押しているので、最後の質問です。済みません。
 特別支援教室構想に込めた理念というのは、今、ご披瀝をされてよくわかりました。ぜひそのモデルが充実したものになるように期待したいと思っています。
 最近、大人の発達障害という言葉も注目をされているように、就労後に仕事とのミスマッチや対人関係のトラブルなどから、職場不適応を起こして医療機関を受診して、初めて発達障害であることが明らかになるというケースがあると聞いています。
 医療機関を受診して正確な診断を受けることができればまだしも、中には周囲の仲間や家族に気づかれずに、離職やひきこもりにつながってしまうケースもあるのではないかというふうにいわれています。
 発達障害の児童生徒の自立と社会参加を支援し、発達障害があっても社会に貢献できる人材として育てていくことは教育の大きな役割であると考えておりまして、しかし、そうはいいながらも、発達障害は学校教育だけの問題ではないわけですね。
 学校教育行政だけで十分に対応できるものではなくて、これはやっぱり医療、保健、福祉、あるいは労働、そういったところとの連携から、就学前から学校卒業後までの継続性のある支援体制の整備が不可欠であるというふうに私は考えています。
 そこで、就学前からの継続性のある支援体制の整備に向けて、教育と医療、福祉等との連携のあり方について研究を進めていくべきと私は考えますけれども、教育委員会の見解をお伺いして、私の質問を終わります。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、発達障害の児童生徒の支援のニーズに適切に対応するため、平成二十四年度より医療等との連携による発達障害児の教育支援モデルの研究に取り組む計画でございます。
 本事業では、大学等の研究機関や医療機関との共同により、発達障害の児童生徒の支援のニーズの分析や区市町村における教育、医療、福祉の連携の実際等についての調査研究を行ってまいります。
 また、複数年をかけてモデル事業を実施いたしまして、発達障害が重い児童生徒や地域での生活支援を必要とする児童生徒に対する支援のあり方及び就学前からの継続性のある支援体制の整備や人材育成方策等について教育と医療、福祉の連携による、実践的な研究に取り組み、今後の教育活動や施策の立案に役立てることのできる支援モデルの構築を目指してまいります。

○野上(ゆ)委員 私からは、平成二十四度東京都一般会計予算中、文教委員会の所管分であり、都立高校改革推進計画に関連して幾つか質問をさせていただきます。
 第一次実施計画の冒頭に、都教育委員会では平成九年九月に都立高校改革の長期計画である都立高校改革推進計画を策定しました。これに基づく二次にわたる実施計画の策定と、その後の社会状況の変化や教育への都民の期待の高まりなどを踏まえて長期計画の一部修正とあわせて策定した都立高校改革推進計画、新たな実施計画、平成十四年十月により、一人一人の生徒の多様性に対応した弾力的な教育を実施してきましたというふうにありますが、まず初めに、これまで取り組んできた一人一人の生徒の多様化に対応した弾力的な教育を実施というのは、どのような成果を上げてきたのか伺います。

○直原都立学校教育部長 これまでの計画では、平成九年策定時の都立高校において大きな課題でありました中途退学者の増加や、入学者選抜における倍率の低迷を改善するために、生徒の能力や適性等に応じた多様で弾力的な教育を推進してまいりました。
 具体的には、新しいタイプの高校の設置や学区の撤廃などを通じまして、学校選択幅の拡大に取り組んだことにより、改革着手前と比較しまして中途退学率や入学者選抜における受検倍率に大幅な改善が見られるなど、一定の成果が上がっております。
 都教育委員会では、これまでの計画の終了に伴いまして、これまで実施してきた施策の成果検証や都立高校に関する都民意識調査などを実施しまして、これらを踏まえ、平成二十三年九月に都立高校白書を作成、公表し、成果と課題について明らかにしたところでございます。

○野上(ゆ)委員 今、白書ということをおっしゃいましたけれども、白書の方も拝見させていただきました。
 確かに退学率というのは、今回の委員会の資料請求にもありましたように、低減傾向というのは見られます。しかしながら、中途退学者の理由などを見てみますと、学校多様化施策にかかわる学校生活、学業不適応、進路変更の退学理由の内訳率は、学校生活、学業不適応では、平成十六年から二十一年度まで数字だけ申し上げますと、三五%、三一・七%、三六%、三九・八%、四二・五%、四三・二%、三六・八%、そして進路変更では、三四・五%、四〇・二%、三六・八%、二九・六%、三〇・六%、二九・七%、三二・九%というふうになっておりますが、一人一人の生徒の多様化に対応した弾力的な教育、学校選択幅の多様化と拡大を図るとともに、少子化による生徒数の減少に対応するため、地域バランスを考慮した都立高校の規範と配置の適正化施策によるものとは必ずしも思えない数値がここに示されております。
 いわゆる多様化マッチング施策によって、退学者が低減しているとは一概にいえないのではないかと。数字上だけですけれども、いえないのではないかというふうに思います。この数値は、平成二十二年度における児童生徒の問題行動等の実態について、教育委員会より出された数値から出しておりますので明らかだと思います。
 長期十年にわたる改革推進計画を策定する場合、この数年の多様化施策というものが退学率の低下や、あるいは入学者選抜の回復によるものかどうかの検証は必ず必要だと思っておりますが、余りにもこの改革の推進計画、根拠が非常に薄いものではないかというふうに見受けられます。
 そこで、新たな都立高校改革推進計画はなぜ策定する必要があったのか、またこれまでの都立高校改革を継続して推進するのではなぜ不十分なのか、見解を伺います。

○直原都立学校教育部長 現状の都立高校におきまして、個々の生徒に着目してみますと、知、徳、体のいずれにおきましても、一人一人の資質や能力を十分伸ばし切れているとは必ずしもいえないと考えております。
 また、減少はしたものの、いまだに多くの中途退学者が存在しているという問題もございます。
 また、この間、平成十八年に教育基本法が改正され、公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うなどの教育目標が規定される一方で、我が国の社会におけるグローバル化の進展や国際競争力の低下、また若者の意識における安定志向、内向き志向の広がり、職業的自立意識や規範意識の希薄化も進んでまいりました。
 こうした課題に対応するには、生徒の能力を確実に伸ばすよう、教育内容を改善、充実することが不可欠なことから、新たな計画を策定したものでございます。

○野上(ゆ)委員 前回の指標と今回の都立高校改革推進計画の指標を比べてみますと、大体第一指標はほぼ同じように平成九年度版と対応しています。新たに社会的自立という言葉が加わっておりますが、第二の指標については、生徒の多様な希望をかなえるがなくなっておりまして、このパートは第四指標に変わり、かつ希望にこたえるではなくて、生徒一人一人の能力を最大限に伸ばすといった、非常に指導性の高い言葉に、目標に変わっています。
 その分、今回の平成二十四年度版においては、第一指標と第二指標をあわせて、社会的な人材育成にかかわる指標となっております。
 第三指標においては、学校経営の目標が都民に信頼されるためではなく、生徒の育成を担う教員の資質、能力と並んで取り上げられています。学校経営は、平成二十四年度版においては、校長のリーダーシップのもと、一丸となって生徒を育成する学校にするためとなっております。生徒の育成を担うは、したがって学校の経営力にもかかわっていると思われます。
 そして、第四指標は、特に地域という言葉は消えておりまして、平成二十四年度版においては、第三指標の生徒の育成を担う教員の資質、能力と学校の経営力の向上の組織的な学校経営の強化という項目の最後の項目、第六項目の地域との連携協力、外部の評価の学校経営の反映であるとか、開かれた学校運営の推進ということに、言葉を選ばずにいえば、少し成り下がっているというような印象を受けます。
 その分、平成九年度版においては、第二指標になっていた生徒の多様な希望にこたえる学校づくりが平成二十四年度版においては、この第四指標、生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進に変化しております。
 第五指標は、質の高い教育という点では同じではございますが、質の高い教育の場の確保が、質の高い教育諸条件の整備というふうに変わっております。平成九年度版では、生徒の多様化や少子化の進行による生徒数の減少を背景という、どちらかといえば教育現場の内輪の事情を重視する傾向でありましたけれども、二十四年度版では社会の中で真に自立できるよう育てていくことということが前面に押し出されております。これは、二十四年度版第一指標プラス第二指標の社会化要素の強化と非常に対応しているというふうに感じられました。
 そこで、都教育委員会としては、新たな都立高校改革推進計画とこれまでの改革計画との関連はどのようなものなのでしょうか。また、両計画の目標に違いがあるのか、見解を伺います。

○直原都立学校教育部長 これまでの都立高校改革推進計画は、生徒の多様性に対応した弾力的な教育の展開、このことを計画の基本的な考え方としてまいりました。
 新たな計画は、都立高校の生徒を真に社会人として自立した人間に育成することを目的に策定したものでございまして、そのため、生徒一人一人の潜在能力を顕在化し、伸ばす教育の実践を基本的な考え方としております。
 新たな計画の実施に当たりましては、これまでの計画により取り組んできた数々の施策の成果や、整備してきた教育条件を最大限に活用しながら、一人一人の能力を最大限に伸ばすさまざまな施策を展開してまいります。

○野上(ゆ)委員 二十四年度版に書かれております二十七年度までのほとんどの取り組みが、二十四年度の計画の検証や計画の策定の延長になっておりまして、年度単位の細やかな中間指標管理を意識した計画には少なくともなっておりません。
 通常、一般的に仕事を進める上で長期計画を立てる場合には、民間の企業と比べてもいいのかわかりませんけれども、長期計画においてしか達成のできない長期目標、いわゆる大目標を立てて、大目標があるがために実施計画を三分節するというものであります。
 途中で修正が入るにしても、それは大目標を達成するためであって、だからといって一次計画において第二次、第三次の計画が見えなくてよいということには決してならないと思います。
 第二次、第三次が第一次計画の実施状況や有効評価において修正されるにしても、だからといっても、第二、第三の計画が白紙であってよいということにもなりません。その上、第一次計画自体の年度計画が二十四年度の引き延ばしのような年次計画になっているのは、非常に疑問に残るところです。
 そこで、年度単位の細やかな中間指標管理はどのようになっているのか伺います。

○直原都立学校教育部長 新たな都立高校改革推進計画は十年間の長期計画であり、その目的を達成するため、具体的施策を計画化した実施計画を社会状況の変化などに適切に対応するため、三期に分けて策定することとしております。
 このたび策定した第一次実施計画は、平成二十四年度から平成二十七年度まで四年間の計画であり、第二次実施計画策定時には、第一次実施計画の事業を検証した上で必要な見直し、改善等を行うことにしております。
 さらに、毎年度、一つ一つの事業の実施に当たりまして、予算化する段階でそれまでの施策の効果を検証した上で、事業を具体化してまいります。

○野上(ゆ)委員 少なくともこれまでの事業の検証ということで、私、都立高校白書二十三年度版ということでお示しいただいたんですけれども、これを読んでも、何がこれまでの施策で積み残したものか、あるいはこれまで有効に施策が展開されたのかというのは、なかなかこれではわかりづらいところがあると思います。
 今後計画を立てる上では、これまでの検証というものが私は非常に重要だと思っておりますし、先ほどご答弁にありましたけれども、社会情勢の変化に合わせて、教育の内容であるとか、教育の中身についても変えていくというふうにおっしゃったかと思いますけれども、本来教育、教える立場としては、ここの部分はきっちりと社会情勢が変わっただろうが、何があろうが、教える部分は教えなくてはいけないですし、都立高校に入った生徒さんには、卒業するまでには、入る段階で基礎学力がなかなかなかった生徒さんでも、都立高校に入ればきちんと卒業ができるという、出口の保障をきちんとするということが私は非常に重要だと思っています。
 教育活動の成果の検証に努める必要がより求められていると私は思っております。例えば、外部の評議員とか外部の評価委員というのを活用されて、東京都のこれまで有効に活用されてきた施策、しかしながら、事業、施策を展開してもなかなか効果があらわれなかったところもあると思います。
 文科省からの流れで、東京都がやらなきゃいけない施策もあったでしょうから、それで効果があらわれなかったというところもあると思います。それも含めて、きちんとした外部人材に助言を求めたりだとか、あるいは客観的な検証作業をきちんと行って、その結果をやはり広く都民に公開し、それこそがこれから信頼される都立高校をつくる一つだと私は考えております。
 ぜひ積極的な情報発信に努めるなど、質の高い教育の内容については正しい理解を得る努力をしていただきたいし、それについての結果については、都民に広く周知をしていただきたいというふうに思っております。
 さて、平成二十四年度版の都立高校改革推進計画の特徴と多様化施策は、平成十八年の教育基本法の改正による職業教育の推進、契機が働いていることとは無関係ではないというふうに思われます。
 また、二〇一一年、学習指導要領の知力、道徳、体力のバランスのとれた生きる力の育成によって、一九八〇年以降の義務教育事業、時間数減少、いわるゆとり教育化に歯どめがかかったということも決して無関係ではないというふうに思います。
 さらには、二〇〇八年十二月の中教審の答申、学士課程教育の構築に向けてにおいて、多様性と標準性の調和と個性教育路線、特色教育路線が大学教育の路線においても修正されたということも無関係ではないというふうに思っております。
 これ自身は、一九九一年の大学の大綱化の文科省自身の自己反省であるともいえますけれども、一方では大学では二〇〇二年から二〇〇九年まで七年間続きました特色ある教育支援プログラムが、二〇一〇年において質の高い教育支援プログラムというふうに名称が変わっております。これもやはり東京都の教育施策に対応しているというふうに見受けられます。
 特色化は、現在においては質や標準性の確保に力点を移しておりますし、今、なかなか成果の出ない自己点検評価、第三者評価の軸足も、標準化の確保という施策に移りつつあるのではないかというふうに思います。
 二十四年度版推進計画においても、学力向上や学力水準、都立学校学力スタンダードを明確化するという改革が二十四年度第一指標において取り上げられております。しかし、ここにおいてさえ、学校の設置目的に応じた学力の水準といういい方がなされております。
 これは、まさに学校の設置目的に応じてというのであれば、それを学力水準イコール都立高校学力スタンダードというのは少しおかしいのではないかと思います。そうしなければ、多様化という言葉は、学力の格差の多様化になってしまいます。
 スタンダード化というのは、標準化を前提としない学校の多様化、標準化、保守的な意味で固定化してしまって、かえって格差を固定したり、あるいは拡大することになってしまうというふうに考えます。
 そこで、都立高校学力スタンダードを設定するのであれば、学校の設置目的とは無関係に設定するべきと考えますが、見解を伺います。

○坂本指導部長 都立高校の中には、これまで授業の到達目標や進度がそれぞれの教員に任され、学校としての統一した方針がないなどの課題がございました。そのため、生徒が都立高校卒業までに修得すべき学力の水準を明確にいたしまして、校内で統一的な指針に基づく指導を実践する必要がございます。
 こうしたことから、都教育委員会が都立高校学力スタンダードを策定いたしまして、各校はこれをもとに自校の生徒の学力の実態に応じた学力スタンダードを設定していくことといたしました。
 都立高校には、普通科高校のほかにも、職業教育を主とする専門高校があり、都立高校学力スタンダードを策定する際には、こうした学校の設置目的にかなったものとしていく必要があると考えております。

○野上(ゆ)委員 学校タイプの多様化、多様な学校のタイプというんでしょうか、基本的には偏差値の輪切り格差とは異なる学校体系の再編成というのと関係しております。一言でいえば、職業教育、専門教育を普通教育とは一段差別された位置づけに置くという体制の変革と非常にかかわっていると私は考えます。
 特に改正教育基本法に職業教育がうたわれたことからも、学校教育体系に職業教育を差別視なく位置づけることは、やはり教育関係者、我々東京都においても非常に急務な課題であったといえます。
 しかし、現状では、職業教育は依然として勉強のできない子のためのものという傾向があります。難関校大学進学を目指した商業高校という都の取り組みも依然として、質の高い進学率にはなっておりません。つまり、多様化施策というのは、結局のところ、偏差値格差を追認する結果にしかなっていないのではないかというふうに考えます。
 多様化施策と能力の格差の問題は、特には推進計画の目標二における変化する社会の中での次代を担う人間の育成にかかわっております。この目標二においては、平成二十三年一月の中教審、今後の学校におけるキャリア教育、職業教育のあり方についての研究、特に職業的自立にかかわるキャリア発達を促す教育についての言及があるんですけれども、この答申における自立とは、専門高校はもちろんのこと、従来の専門学校や短大の一部の職業教育と区別されたキャリア教育にかかわっています。
 進路が未決定のまま卒業する生徒や、就職後三年以内に離職する生徒、改革の二六ページに書かれておりますが、その現状は、専門学校や短大の一部の学生たちでも同じ状況にありますし、こういった短期の就職接続、いうなれば低位のジョブスキル職にしか可能にしてきませんでした。
 従来の職業教育に対する反省がこの中教審キャリア教育答申にあらわれていると考えます。自立とは、従来の専門高校や専門学校、短大の一部にかわる、職業教育の高度化にかわる言葉であると考えます。
 そこで、新たな計画の目標の変化する社会の中で次代を担う人間の育成にある変化する社会とはどのような認識によるものか伺います。

○直原都立学校教育部長 教育には、よくいわれておりますように、知、徳、体といった基礎、基本にかかわる不易の面と、社会の変化に対応する流行にかかわる面の両面がございます。
 社会の変化への対応についてでございますが、先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、近年、我が国で進んでいるグローバル化や国際競争力の低下、高度情報化の進展による知識、基盤社会の到来、国内の産業構造、就業構造の変化に伴う雇用の多様化、流動化の進展など、社会経済の状況が大きく変化しております。
 また、若者の意識を見ても、安定志向や内向き志向の広まり、職業的自立意識、そして規範意識の希薄化などの変化が見られます。
 都教育委員会では、これらの社会の変化に適切に対応した教育を進めるために、新たな都立高校改革推進計画におきまして、変化する社会の中での次代を担う人間の育成ということを目標の一つと位置づけたところでございます。

○野上(ゆ)委員 社会の変化への対応というようにそもそもおっしゃっておりますけれども、一番社会の変化に影響するのは、お子さんのバックグラウンドである親御さんたちであります。
 そういったことから、親御さんがいわゆる貧乏であれ、お金持ちであれ、学校に来ればある一定以上の学力がつけられ、そして今いる社会の状況に影響された家庭から少しでも解放といういい方は大変失礼かもしれませんけれども、きちんと隔離されたところで、きちんとした学力が身につけられる、そういった役割がやはり公立高校にはあると私は思っております。
 特に、近年の社会の変化の一番大きなものは、高卒求人件数の大幅な減少に見られるところだと思います。一九九二年にピークを迎えた高卒の求人数、百六十七万六千件は、二〇〇三年に最大の落ち込み、十九万八千件を示し、最近では二〇一〇年に同じ落ち込み、十九万八千件を示しております。
 盛んに言及される少子化現象は、ここ二十年間で四〇%減ですが、高卒の求人件数は九〇%減の落ち込みです。この問題は、代表的には、例えば従来の高卒者、専門学校卒者、短大卒者の就職先が製造業や低位ジョブ職の海外移転によって激減した、いわゆる先ほども答弁にありましたけれども、このグローバリゼーションの影響があるというふうに考えられます。つまり、低位スキル職の海外移転による国内労働市場の変化によるものと第一には考えられます。
 また、昨今のIT化によるジョブ型単純労働の縮小、そして知的労働が拡大。女性が社会進出をしておりますし、九〇年代半ばからの十年間の女性の名目賃金は上昇しておりますが、残念ながら男性は低下しております。
 高卒求人件数が過去最高に落ち込んだ二〇〇三年のいわゆるニートの数は六十四万人、総務省の労働力調査をもとにした推計ですけれども、男性は六五%を占め、女性よりもはるかに多い状況であったと示されています。
 また、進学率五五%を超えた大学が二極化して、従来の高卒者、専門学校卒者、短大卒者、いわゆる一流大学生ではない大学生の就職先にまで、一流の大学生が天下りをしてきたというふうに吉川徹大阪大学准教授がいっているんですけれども、日本企業の海外市場の進出を目指した海外一流大学の学生採用枠の拡大などから、非常に新卒の労働市場というのが縮小をしている。これが九三年の新学習指導要領以来、ここ二十年の大きな変化であります。
 いいかえれば、普通校のいわゆる底辺校も含め、専門高校や専門学校及び一部の短大ですけれども、担ってきた労働マーケットというのが非常に激減をしております。大学全入時代というのは、勉強したければだれでも大学進学できるという事態というよりは、働きたくても働けない労働市場の縮小の結果にしかすぎません。
 昨今のキャリア教育答申は、それゆえにこそ職業教育にとどまる限りでは、もはやこの事態を乗り越えられるということはいかないという認識を前提にして書かれております。それがキャリア教育という言葉です。
 自立とは、高卒や大卒のいわゆる新卒市場の労働市場の縮小に対する自立であると私は考えます。つまり、キャリア教育は、単に企業の活躍している方を呼んでお話をしてくださるというプログラムだけではなくて、キャリア教育というのはやはり高度な職業教育をさせる、そして職業教育の高度化であると私は考えます。
 そこで、計画目標二で掲げた変化する社会の中での次代を担う人間の育成のためにも、今こそ職業に関する教育が見直されてしかるべきです。専門高校における職業教育を一層充実させるべきと考えますが、見解を伺います。

○直原都立学校教育部長 経済のグローバル化や科学技術の進歩等を受け、職業人として必要とされる専門的な知識や技術、技能は高度化しております。こうした状況においては、専門高校における専門教育の内容の充実が重要であり、そのためには、地元企業等と連携した実践的な教育や高等教育機関と連携したより高度な知識や技能を身につけさせる教育の展開が必要でございます。
 このため、これまでデュアルシステムの推進など、地元企業等と連携して実践的な力を育成するとともに、先端的な科学技術を学び、理工系大学への進学を目指す科学技術高校を設置するなどしまして、将来の専門的職業人として活躍できる人材の育成を図ってまいりました。
 今後とも、こうした取り組みを充実するとともに、生徒の専門性の向上を図るため、学科の特色に応じた有用な資格の取得を促すなど、産業社会が真に必要としている技術、技能を生徒に確実に身につけさせることとし、今後の産業を支える職業人を育成してまいります。

○野上(ゆ)委員 二十四年度版都立高校改革推進計画、キャリア教育の推進においては、職業教育と区別したキャリア教育、職業教育の高度化課題については何も記載されていないので、少し残念です。
 従来から、差別視というんですかね、別途に置かれてきた職業教育の高度化問題というのは、むしろ商業高校の進学効果など、東京都が今取り組んできた施策の有効性や諸課題を取り出すことにこそ重要なのではないかというふうに思います。
 偏差値の低い、高いに関係ない職業高校イコール専門高校の高度化の課題を克服することこそが、この目標二の中核に来る問題であるという認識が少し乏しいような気がいたしまして、少し残念なような気がいたします。
 専門高校には目的や意識が非常に高い生徒が入学しているものの、一部には基礎学力に課題を持つ生徒さんもいらっしゃいます。進路については、専門分野に関する知識と技術を生かした就職のほか、高校で得た知識と技術をさらに深めるための大学や専修学校等への進学、専門分野と異なる分野への転校など、生徒にいかにして学力を身につけさせるかが必要です。
 また、職業教育に対する認識が不足しがちな社会的風潮から、専門高校を卒業した生徒に対して、適切な評価がなされていない現状もあります。このような状況の中で、専門高校に対しては、職業の多様化、職業人として求められる知識、技術及び技能の高度化への対応、主体性や自己学習力を発揮できる人材の育成に、ぜひとも東京都として取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、現在、教育再生・東京円卓会議も石原東京都知事が破壊的な教育改革を掲げてスタートされました円卓会議でございますが、これも進んでおります。破壊的な教育改革、東京都知事のリーダーシップのもとどのように進められていくのか、非常に興味深く、また期待するところでございます。
 そこで、都立高校改革推進計画を進めていく教育長の決意を伺いまして、私からの質問を終わります。

○大原教育長 それぞれの都立高校が生徒にこれからの厳しい社会の中で強く生き抜く力を身につけさせるためには、子どもたちの進路希望が進学であれ、あるいは就職であれ、その子たちの高校生活を通じて、社会人として必要となる能力と態度を身につけさせる必要があると思います。
 つまり、高校というのは、中学校の単なる延長ではなくて、やっぱり社会に出ていくための上りの坂道であり、大人になるための扉というふうに考えるべきだと思います。
 そのために、私たちは生徒一人一人に着目をして、その資質、能力を最大限に延ばして社会に出していく、そういう教育の実践とそれに必要な教員の資質、能力の向上、そして組織的な学校経営の強化を今回の改革の基本的な考え方として、計画を策定いたしました。
 私たち--私たちというのは、教育委員も、ここにいる職員も、すべての職員がすべての都立高校、そして教職員と一体となって、この計画を着実に推進をして、生徒が進路希望を実現するとともに、みずからの成長を実感できる高校となるように、さまざまなご意見、ご指摘を踏まえながら、改革を推進していきたいと考えております。

○野田委員 それでは、最初に「江戸から東京へ」について何点か伺いたいと思います。
 私は、先ほどの共産党の畔上委員とは全く正反対の立場で、この改訂を非常に評価したいという思いから質問いたしたいと思います。
 百二十点にもわたる追加、修正を行うことによって、現在使われている「江戸から東京へ」の現行版に比べまして、随分完成度が高まったなというのが率直な評価でございます。
 ここに東京民報なるビラがあります。この中には都教委侵略肯定へ書きかえと、このようなサブタイトルがついておりますが、私は、むしろ都教委は反日自虐史観からの脱却というタイトルをつけるべきだろうと思ってございます。
 それでは、以下数点質問をいたしたいと思います。
 昭和二十六年九月、サンフランシスコ平和条約に調印した我が国は、南樺太とウルップ島以北の千島列島に有していたすべての権利を放棄いたしました。しかし、これらの地の最終的な帰属は、将来の国際的解決手段にゆだねられることになり、未定であるのが従来から一貫した我が国の立場であります。
 今、ここに新学習指導要領の検定を受けた中学校社会科の地図帳があります。この中の世界地図におきましては、南樺太とウルップ島以北の千島列島が日本のものでもない、ロシアのものでもないということで、白地で書かれております。これは、先ほど述べた我が国の立場を踏まえ、これらの地が世界地図においても日本でもロシアでもないため、このような表記となっております。
 こうした我が国の領土に対する常識を若者たちにも理解させることが必要です。東京都も小笠原諸島や伊豆諸島において排他的経済水域を持っており、都立高校生に我が国の領域に対する正確な認識を持たせることは大変重要なこととなります。
 今回、東京都教育委員会では、都独自で開発した日本史科目「江戸から東京へ」の教科書をより正確な表記の地図に改訂しております。これを高く評価いたしたいと思います。
 昨年の文教委員会では、私の質問に対して、「江戸から東京へ」の教科書について、全都立高校の教員、生徒、保護者にもアンケート調査を行うとともに、学校を初めさまざまな都民の意見を参考にして改訂を行うとの答弁をいただきました。私も一都民の立場で意見を申し上げましたし、多くの良識的な都民から多くの良識的なご意見をいただいたものと理解をいたしております。
 そこで、都教委では、「江戸から東京へ」のどのような改訂を行ったのか伺いたいと思います。

○坂本指導部長 都教育委員会は、「江戸から東京へ」につきまして、新たな事実や現在直面している課題の反映、記述の正確性の向上、図版や写真の差しかえ、字句、表記の変更等の観点から、今お話がありましたように全部で百二十カ所の追加、修正を行いました。
 例えば、東日本大震災や小笠原諸島の世界自然遺産への登録、拉致問題や竹島と尖閣諸島などの記述を新たに追加しましたほか、日清戦争勃発やポツダム宣言受諾の経緯につきましては記述の正確性をより高めました。
 今後も、「江戸から東京へ」の教科書につきましては、継続的にご意見をいただくとともに、検討を重ねて改訂を続け、生徒に正しい事実を理解させる教科書をつくり上げていくところでございます。

○野田委員 今回の改訂において、「江戸から東京へ」では、竹島と尖閣諸島は日本固有の領土であるが、現在、竹島は韓国が不法占拠し、尖閣諸島は中国が国際法上有効な根拠なしに自国領土と主張していると追記されております。
 これに対し、先月、韓国メディアがソウル市の教育長が東京都教育委員会に書簡を送り、「江戸から東京へ」の教科書から竹島の記述を削除するとともに、発行の中断を要請したとの記事を報道いたしました。
 竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土であります。先ほど話したサンフランシスコ平和条約においても、日本が放棄した領土の中に竹島は含まれておりません。にもかかわらず、昭和二十七年、韓国はいわゆる李承晩ラインを国際法に反して一方的に設定し、韓国を鬱陵島の一部として取り込んだのであります。
 昭和二十九年、我が国はこの問題を平和的手段による解決を図るべく、竹島の領有権問題を国際司法裁判所に付託することを韓国に提案しましたが、韓国は拒否しました。この国際司法裁判所は、紛争の当事国同士が合意しなければ動くことはできません。そのため、韓国はその後も日本の提案を受け入れず、竹島を実効支配したまま現在に至っております。
 私は、このように国際法上違法な韓国の竹島への不法占拠を許すまじき行為と考えております。ましてや、都教委が発行した教科書の記述について、削除や発行停止の要請をするなどの非礼な行為を看過するわけにはいきません。都教委は、これらいいがかりに絶対に屈してはなりません。
 そこで、竹島などの領土問題の記述について、都教委の見解と決意を伺います。

○坂本指導部長 日本が現在直面する課題の一つとして挙げられる我が国の領土につきまして、高校生に正しく理解させることは重要であります。このことを踏まえまして、都教育委員会といたしましても、これらの課題を反映させるため、外務省等の政府見解や検定済みの他の教科書の記述をもとに、竹島、尖閣諸島、北方領土などの領土問題につきまして、今回の改訂で追記や修正を行ったところでございます。
 今回改訂した領土問題に関する記述につきましては、決して変更することなく、今月末に「江戸から東京へ」の教科書を発行してまいります。

○野田委員 ただいまご答弁で決して変更することなく発行するということでありましたので、ぜひともしっかりと正々堂々とその正当性というものを主張していただきたいと思います。
 今の答弁にあったように、我が国をめぐる領土問題は竹島だけでは終わりません。ロシアは、一度も外国の領土となっていない我が国の択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の北方四島を戦後六十五年以上も不法占拠しております。したがって、この北方四島の帰属問題が存在するため、ロシアとの間でいまだに平和条約が締結されておりません。
 また、明治二十八年、閣議決定を行って、正式に我が国の領土に編入した尖閣諸島については、近年、東シナ海大陸棚の石油開発の動きが表面化すると、中国がその領有権を主張し出しました。しかし、尖閣諸島についても同様に、中国の領有権を裏づける国際法上有効な論拠など存在するわけがありません。
 このように、我が国周辺の各国が領土について自国の勝手な主張を述べる現状があります。今回改訂された「江戸から東京へ」の教科書は、我が国の高校生にその認識を深めさせるに適した教科書といえます。ぜひともこの教科書を活用し、我が国の近現代史学習を通して、都立高校生に日本人としての自覚と誇りを持たせていくことを強く要望いたします。
 そこで、都教委として、来年度、「江戸から東京へ」をどのように活用させていくのか伺います。

○坂本指導部長 改訂版教科書につきましては、来年度入学の都立高校生全員と来年度、「江戸から東京へ」の科目を学ぶ都立高校生に対しまして配布してまいります。
 同時に、教員が授業構成しやすいよう、学習指導案などを掲載した指導書を作成いたしますとともに、「江戸から東京へ」の授業でも活用できる写真や図版等をデジタル化したコンテンツも完成いたしました。
 平成二十四年度は、日本史必修化指定校を指定しまして、その活用を推進いたしますとともに、生徒の意欲、関心をより高めるため、サブノートや歴史地図帳も作成いたしまして、「江戸から東京へ」の普及を図ってまいります。

○野田委員 都教委として、都独自教科書「江戸から東京へ」をさらによくするために改訂を続け、さまざまな副教材を作成して、普及に努めようとしている姿勢は理解できました。今後もその姿勢を続けていっていただきたいと考えます。
 さて、先日の石原知事の記者会見において、南京大虐殺が取り上げられました。知事は、何度かの記者会見にわたって発言されておりますが、その一部を抜粋いたしますと、少なくともあれだけの装備しかない日本軍が、あれだけの期間に四十万の人なんて殺せるわけは絶対にない、物理的に、それだけははっきりしておきたいとの発言をされております。私も全く同感でございます。
 四十万人ですとか三十万人に及ぶ犠牲者が出たとする中国側の見解はあり得ないことであり、そのようなことは想定できない事実であります。したがって、このことを南京事件と称して取り上げること自体問題があると考えます。
 しかしながら、「江戸から東京へ」の教科書でも南京事件の記述がされております。この記述については、聞くところによりますと、政府見解をもとに記述をされたと、このように聞いております。
 しかし、まことに残念なことでありますが、過去の河野談話や村山談話など、政府見解が必ずしも適切ではない、適切とは限らないわけであります。特定アジア諸国に対する過度の政治的配慮から、ありもしないことを認めてしまっております。
 そして、対日カードとして利用され、我が国は経済支援を余儀なくされ、これら諸国との外交において常に萎縮をしているのが現状ではないでしょうか。
 このような負の遺産を我々は子孫に継承してはなりません。今こそ、共産主義などの反日特定イデオロギーに支配された教育界を改革しなければなりません。うその教育を我が国の子どもたちに教え、不要な贖罪意識を植えつける教育を改めなくてはならないのであります。
 仮に南京事件というのであれば、世界じゅうのあらゆる戦闘行為に呼称をつけているのでしょうか。沖縄戦において沖縄事件、沖縄大虐殺という呼称があるのでしょうか。ベトナム戦争において、ハノイ事件、ハノイ大虐殺という記述が教科書にあるのでしょうか。朝鮮戦争において、同じようにソウル事件、ソウル大虐殺というのがあるのか。そのような呼び方は一切ございません。
 なぜ南京のみ南京事件や南京大虐殺というのか。それは、中国共産党によるプロパガンダであり、この呪縛から我々は脱却しなければなりません。そもそも、私は見解が分かれる事柄を教科書に掲載するのは望ましくないと考えております。
 そこで、都教委に伺いますが、今後、南京事件の記述を改訂していくのか、教育長にその見解を伺います。

○大原教育長 いわゆる南京事件と今の教科書で書いておりますけれども、こういったさまざまな意見、あるいは評価のある事柄につきましては、最新の学説も踏まえまして、所要の改訂を行ってまいります。

○野田委員 ただいまの教育長答弁は、改正に含みを持たせた答弁だろうと、そのように理解をいたしております。高く評価したいと思います。
 今後も多くの良識的な都民のご意見を聞き、多くの良識的な改訂を行っていただきたいと思います。都教委の取り組みを高く評価し、大いに期待をするところでございます。
 次に、都立蒲田高校元校長の懲戒免職処分について、三点お聞きいたしたいと思います。
 昨年三月、共同通信は次のように報道しております。都教委は、平成二十三年三月二十五日、都立蒲田高校の平成十九年度と二十年度の入試で、服装や頭髪などの外見で、面接点などを改ざんし、本来合格した二十一人を不合格にしていたと発表した。都教委は、当時の校長、芝尾仁を懲戒免職にした。都によると、茶髪やピアスをしたり、服装に乱れがあると判断した受検生について、面接や小論文の総合成績(千点満点)から最大で百五十四点を減点、不合格にしたという、昨年、匿名の情報が寄せられ、発覚したとの報道でありました。
 私がこの質問をする上で申し上げたいのは、この処分がやはり重かったのではないかと、このように思うからであります。
 そこで、以下三点質問いたします。
 まず最初に、人事部長にお尋ねをいたしますが、この平成二十三年三月二十五日金曜日の懲戒免職処分発令直後に、芝尾校長さんとどのようなお話をされたのか、お答えいただきたいと思います。

○岡崎人事部長 蒲田高校の事案は、十九年度、二十年度の二カ年にわたり、東京都の入学選抜要綱に反して、受検生の頭髪であるとか、服装とか、そういう外見というあいまいな概念を基準にして、二カ年で二十一人の不合格者をまず選び出した。
 それをつじつまを合わせるために、二カ年で延べ六十一名の受検生の得点を不正に改ざんをして、本来合格である二十一名を不合格とした事案であります。
 本件における元校長の改ざん行為というものは、入学選抜試験の信頼を著しく失わしめることであるということで、懲戒免職ということにさせていただきました。ありながら、懲戒処分というけじめをつけた上で、元校長はこれまで教育行政等にも数々貢献をされた方でございまして、元校長先生の力、その能力を何らかの形で生かすことができればと考えておりまして、ご指摘のとおり元校長の免職処分が発令された後に、私から元校長先生に対しまして、非常勤のような職をあっせんできるように努力したいが、いかがかというような発言をしました。

○野田委員 それでは、再度人事部長にお尋ねいたします。平成二十三年五月二十四日火曜日、芝尾元校長とホテルフロラシオン青山にてどのようなやりとりをされたのか、お答えいただきたいと思います。

○岡崎人事部長 五月二十五日ではなかったかというふうに思います。私は、元校長と会おうといたしました。これは、お仕事の件についてお話をしたいと思いまして、あっせんしようとした先には、今回の事件も含めましてお話しした上でご相談もしていたわけなんです。
 私としては、五月二十五日の面会は、元校長に具体的な話をしようとして設定をしていたものです。ところが、あっせん先からこういわれてしまいました。二十一名の被害者さんとの補償交渉が進んでないという段階では、そのお話を進めることはできないんだというような回答をいただいたわけでございまして、その結果を告げることになってしまったわけでございます。
 結果、現時点において話が進められていないということを元校長先生にお話しさせていただきまして、期待にこたえられなくて申しわけないということで謝罪をいたしました。

○野田委員 それでは、最後に都立学校教育部長にお尋ねいたします。蒲田高校は、平成十八年七月、エンカレッジスクールに指定されております。エンカレッジスクールとは、入学の時点で力を発揮できずにいる生徒を受け入れる、いわゆる学び直しができる高校と承知しております。
 エンカレッジスクールの入学選抜で、他の都立普通高校の入学者選抜と根本的に異なる点は、学力検査を行わないことであります。これに相違ないかどうかお答えいただきたいと思います。

○直原都立学校教育部長 エンカレッジスクールというのは、今、委員からお話もありましたけれども、中学時代に学力が十分に身につけられず、自分の力を発揮できない、できなかった生徒をむしろ積極的に受け入れて、高校に入ってもう一度頑張り直す、やり直そうという教育をしようということで、高校に入ってから三十分の授業をやったり、それからいろいろな体験活動をやって、いずれは社会に出ていくわけですので、社会生活に必要な基本的な学力なり、社会性なり、あるいは規範、ルールを身につけるというコンセプトの学校でございます。
 そういうことですので、入学者選抜に当たりましては、今委員からもお話がありましたように、学力を見るということではなくて、学び直しの意欲、意識があるのか、そこを基本に選考する必要があります。
 実際、入学選抜におきましては学力選抜はせず、面接、それから小論文や作文、そして実技検査を行うと。これらによって、もちろんそのほかに中学からの調査書は使いますけれども、基本はそのように学び直しの意欲を見ると。それによって選抜をするという形をとってございます。
 ところが、今回の蒲田高校のケースに当てはめてみますと、現実に行われたことは、その意欲を見るはずの面接を行う前に、願書を提出する日ですとか、あるいは検査の当日の当人の頭髪ですとか、服装の乱れですとか、それを見まして、それをメモにとりまして、そのメモをもとにまず初めに不合格者を決定してしまった。決定してしまった後に、その合否の結果に合わせて、その後に行った面接点ですとか、実技検査の点などを改ざんして、先ほど人事部長からもありましたようにつじつま合わせをしたということでございます。
 ということは、私どもはどういうふうにとらえているかといいますと、エンカレッジスクールにおける入学者選抜の基本である生徒の学び直しの意欲を見るということを捨て去ったものと。そういう意味では、エンカレッジスクールの入学者選抜の基本を否定してしまった、このようにとらえております。

○野田委員 最後に、意見を述べさせていただきたいと思うんですが、この件についての報告は、るる皆様方からも受けております。これも苦渋の決断だったろうと推察をいたします。
 ただ、この芝尾さんという方の評判を聞いてみますと、蒲田高校の生徒さんの保護者に物すごい評判のいい方なんですよ。支援者もたくさんおりますし、随分教育に対して熱意を持って取り組んでこられたいわば功績者ではないのかなと、私はそのように率直に評価しておるんですね。
 私は、何で処分が重いと申し上げたかといいますと、神奈川県立の神田高校の事件との比較なんですが、神奈川県立神田高校では、平成十七年度、十八年度、二十年度の入試で、受験生の服装や態度の乱れをチェックして、合格点に達していた生徒二十二人を不合格にしたという理由から、神奈川県教委は、平成二十一年三月、元校長二人を停職三カ月の懲戒処分としているんですね。
 蒲田高校の場合、県立の神田高校と大きく異なるのは学力検査がないことなんですが、しかも蒲田高校の入学選考では、受検生の服装や態度の乱れをチェックすることを学校の実施要項に明記しております。したがって、服装、態度による減点評価は必ずしも不適正といえないのではないかと私は思っております。
 普通の学力検査を実施している神奈川県立神田高校の入試においてすら、二人の校長先生は三カ月の停職処分にとどまっております。学力検査なしのエンカレッジスクール、蒲田高校の入試で芝尾先生が懲戒免職というのは、やっぱり比べても重過ぎる処分ではなかったのかなというふうに思っております。
 元芝尾先生の懲戒免職については、平成二十二年三月二十九日の匿名電話による通報が事件発覚のきっかけとマスコミの報道でも書かれておりますけれども、この事件は常識では理解できない不思議なことが多過ぎるのでないかと思います。
 蒲田高校をエンカレッジスクールとして再生される努力をし、実績を上げた芝尾校長を恐らく都教委の皆さんは高く評価されていたんだろうと思いますけれども、この匿名の通報をきっかけに処分せざるを得なくなったのではないかなというふうに思っております。
 しかも、蒲田高校では服装、態度の乱れた生徒の入学はお断りすると日比谷公会堂の都教委主催説明会で発表し、学校説明会でも、保護者、生徒、中学校の進路担当教師に伝えておりました。服装、態度等に問題のある生徒は、エンカレッジスクールに入学させないことは、実は都教委も認めていたことではないでしょうか。
 よって、今回のこの懲戒免職処分の撤回を求めて、質問を終わります。

○今村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 ご異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時八分散会

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