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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第十六号

平成二十三年十月二十五日(火曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長今村 るか君
副委員長山内れい子君
副委員長村上 英子君
理事西沢けいた君
理事島田 幸成君
理事大松あきら君
野田かずさ君
くりした善行君
畔上三和子君
高木 けい君
野上 純子君
野上ゆきえ君
小沢 昌也君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
教育庁教育長大原 正行君
次長庄司 貞夫君
理事高野 敬三君
総務部長松山 英幸君
都立学校教育部長直原  裕君
地域教育支援部長谷島 明彦君
指導部長坂本 和良君
人事部長岡崎 義隆君
福利厚生部長前田  哲君
教育政策担当部長中島  毅君
特別支援教育推進担当部長廣瀬 丈久君
人事企画担当部長白川  敦君

本日の会議に付した事件
 教育庁関係
事務事業について(質疑)

○今村委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程どおり、教育庁関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松山総務部長 去る十月二十日の当委員会において要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。ごらんいただきますように、今回要求のございました資料は十三件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、都立高校の授業料徴収及び減免状況でございます。
 条例により、制度上、授業料無償化の対象外とされている生徒のうち、傷病の療養等により無償とした生徒数と、都の制度により授業料免除及び減額とした生徒数を全日制、定時制、通信制の区分ごとに記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、都立特別支援学校における六十一分以上のスクールバス乗車時間のコース数及び児童生徒数(平成二十三年度)でございます。
 平成二十三年度の都立特別支援学校における六十一分以上のスクールバス乗車時間のコース数及び生徒数を障害種別ごとに記載してございます。
 三ページをごらん願います。3、肢体不自由特別支援学校の外部専門家と外部人材の導入による外部専門家・外部人材導入数及び教職員定数削減数でございます。
 外部専門家及び外部人材の導入状況と、それに対応する教職員の削減数につきまして、それぞれ対象職種、人数及び学校数を記載してございます。また、各校における導入年度を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、平成二十三年度都立特別支援学校の保有普通教室の状況でございます。
 平成二十三年五月一日現在、都立特別支援学校で保有している普通教室の数を障害種別、学校別に記載してございます。
 五ページをごらん願います。5、都立学校の教職員定数配当基準の主な推移及び教職員定数の推移(平成十二年度から二十三年度)でございます。
 このページから七ページにかけまして、都立高校全日制、定時制及び都立特別支援学校の定数配当基準の過去十二年間にわたる主な推移と平成二十三年度の定数配当基準を記載してございます。
 また、八ページでは、平成十二年度から二十三年度にかけての教職員定数の推移を学校種別に記載してございます。
 九ページをお開き願います。6、教育管理職選考、主幹教諭選考、主任教諭選考の合格予定者数、受験者数、合格者数の推移(平成十四年度から二十三年度)でございます。
 平成十四年度から二十三年度における選考年度別の合格予定者数、受験者数等の実績を選考区分ごとに記載してございます。
 なお、平成二十三年度の合格者数につきましては、合格発表が十一月下旬の予定であり、現段階で確定しておりません。
 一〇ページをお開き願います。7、東京都公立学校教員採用者数の推移(過去五年間)でございます。
 平成十九年度から平成二十三年度における東京都公立学校教員の採用者数につきまして記載してございます。
 なお、平成十九年度から導入した期限つき任用教員の任用数につきましては、括弧内に外数として記載してございます。
 一一ページをごらん願います。8、都立高校における日本語教育が必要な生徒の受け入れ状況及び教職員の配置状況でございます。
 海外帰国生徒、引き揚げ生徒など日本語教育が必要な生徒の都立高校における受け入れ状況と配置教員数につきまして記載してございます。
 一二ページをお開き願います。9、平成二十三年度都立高校部活動振興予算の重点配付額一覧でございます。
 平成二十三年度の部活動振興予算の重点配付の状況につきまして、学校経営支援センター三所三支所の地区別及び配付額別にそれぞれ学校名を記載してございます。
 一三ページをごらん願います。10、都立高校図書室の司書の配置状況でございます。
 平成二十一年度から平成二十三年度における司書の配置状況を記載してございます。
 一四ページをお開き願います。11、平成二十三年度において学級編制の弾力化を実施する都道府県の状況についてでございます。
 このページから次の一五ページにかけまして、各都道府県における学級編制の弾力化の実施状況を記載してございます。
 一六ページをお開き願います。12、東京都公立小中学校児童生徒の就学援助受給者の推移(過去十年間)でございます。
 平成十三年度から二十二年度までの過去十年間における就学援助を受けた児童生徒数及び受給率の推移を要保護、準要保護の別に記載してございます。
 一七ページをごらん願います。13、平成二十三年度小中学校へのスクールカウンセラーの区市町村別配置状況でございます。
 平成二十三年度におけるスクールカウンセラーの区市町村別の設置学校数と配置数を区部、市部、町村部別、小中学校別に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○今村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○島田委員 まず、私の方から就学前教育について、先頭を切って質問をさせていただきます。
 平成二十二年度より、都では、小一問題、あるいは中一ギャップの予防、解決のために教員の加配を実施しております。また、平成二十三年度よりは小一及び中一に対して算定基準を三十八人として積算することとして、順次、三年間、三十七人まで徐々に減らしていくということでございます。
 これに伴いまして、その後でございますけれども、国の方も小一のところで三十五人学級を今年度から始めたということで、少人数のクラス編制は都の施策や国の施策で一定の前進が見られているなと、そういうふうに思っております。
 今後、教員の加配につきましては、その効果、あるいは検証がなされることだというふうに思いますが、前回、私も一年前に文教委員会に所属しておりましたけれども、小一問題とか中一ギャップがいろいろ問題があるということでございますが、それらの加配のみならず、これらの問題を解決するためには、小一問題であれば幼稚園、保育園、小学校、中一ギャップであれば小学校と中学校と、それぞれの教育機関の間の交流、あるいは教育方針、カリキュラムの連続性が重要ではないかと問題を提起いたしました。
 そういう中で、都でも、その後、それらの加配を行うと同時に、就学前教育の充実などを進めております。我が会派の岡田議員も、前回、フィンランドの視察を含めて、フィンランドではかなり就学前をしっかりやっていると、そういったことで、教育の効果が図られているというような観点から、幾つか就学前教育について質疑をされたと思いますが、まず初めに、都教育委員会では、小学校との連続性を踏まえた就学前教育の充実を進めておりますけれども、その取り組みを進めた背景についてお伺いしたいと思います。

○坂本指導部長 幼児期の教育は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うため極めて重要であります。しかし、小学一年生の教室の中には、集団行動がとれない、学習に集中できない、教師の話を聞けずに授業が成立しないなどの現象が見られるところもございます。こうした小一問題への対応を図るために、保育所や幼稚園において小学校教育との円滑な接続を目指した取り組みが求められております。
 また、平成二十年三月に告示されました保育所保育指針及び幼稚園教育要領におきまして、小学校教育との円滑な接続を図るために、保育所や幼稚園と小学校との連携を強化する内容が新たに示されました。
 こうしたことから、都教育委員会では、平成二十年五月に策定した東京都教育ビジョン(第二次)に小学校との連続性を踏まえた就学前教育の充実を位置づけ、就学前教育プログラムや就学前教育カリキュラムの開発を行いますとともに、それらを活用した取り組みの効果検証を行うモデル地域事業を展開しているところでございます。

○島田委員 ありがとうございます。今、国の方でも子育ての新システムを検討しているというふうに思います。待機児童を解消するためにさらなる施策を検討しておりますし、その中で幼稚園と保育園を一体化させるプラン、認定こども園などの充実をする施策等を検討しているところでございます。そういった意味では、幼児教育を見直す時期にあるのかなと私は思っております。
 こういう中で、都の教育委員会が就学前教育プログラム、あるいはカリキュラム開発を先立って行いまして、その取り組みを行っていることは、大いに評価できるというふうに思います。都の教育委員会が昨年度作成した就学前教育カリキュラムとはどのようなものか、次にお伺いいたします。

○坂本指導部長 就学前教育カリキュラムは、小学校教育との接続を踏まえまして、乳幼児期の子どもに生きる力の基礎を培うために、ゼロ歳児から五歳児の発達に応じて、確実に経験させたい内容を明らかにしたものでございます。
 具体的には、確かな学力につながる学びの芽生え、豊かな人間性につながる人とのかかわり、健康・体力につながる生活習慣・運動の三つの視点で構成されております。また、教育活動の指導計画を作成する際に活用できますように、二十八の指導例を掲載した内容にもなっております。

○島田委員 ありがとうございます。カリキュラムの内容はよくわかりました。
 幼稚園とか保育園、それぞれの指導内容とか教育方針が、それぞれの独自性はあっていいと思うんですけれども、全然違う内容のことをやっていたり、あるいは小学校で学習内容がだんだん難しくなっていく中で、そういったような一つの統一感を持った方向性をこの就学前カリキュラムは示していただいているのかなと、そんなふうに思いまして、これらの取り組みをもっと進めていく、あるいは現場におろして実証の研究等を行っていくことが重要だというふうに私も考えております。
 この就学前教育カリキュラムを都でつくってやっているわけですけれども、この普及啓発をするためにどのような取り組みを行ってきたのかをお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会は、就学前教育カリキュラムを都内のすべての国公私立の保育所や幼稚園及び公立小学校に配布いたしますとともに、その活用の普及啓発を図るために、本年の四月には区市町村教育委員会の指導主事を対象に、また七月には保育所や幼稚園、小学校の保育士や教員を対象にした説明会を実施いたしました。
 また、家庭や認証保育所等で保育している乳幼児もいるため、本カリキュラムを都教育委員会のホームページに掲載いたしますとともに、乳幼児健診等の際に保護者が閲覧できますように、区市町村の保育所等にも配布いたしました。
 来年一月には、保育所や幼稚園、小学校の保育士や教員を対象に、本カリキュラムを活用した保育所や幼稚園における取り組み事例に関するシンポジウムを開催いたしまして、全都にその成果を広げてまいります。

○島田委員 都教育委員会の就学前教育カリキュラムを使った取り組みについて、よく理解いたしました。今後とも就学前教育の取り組みを進めていただきたいというふうに思っております。
 特に、その就学前教育のカリキュラムを使った実証研究を今、行っているということでございます。これを私も拝見いたしましたけれども、この実証実験の中で、文京区と北区の保育園、幼稚園、小学校ですか、これらが連携して事業、実証実験を行っているということでございます。これらの成果が徐々に出てくるのかなというふうに思います。
 特に、例えばこの中で幼稚園と小学校教員との交流事業、あるいは幼児と児童の交流事業、あるいは保育士と教員の連携事業などさまざまでございます。ぜひ、教育機関の垣根を越えた取り組みを行われているわけでございますけれども、今後、これらの取り組みの検証を行いまして、さらに、就学前教育、中一、小一プロブレム、これらの解消が行えるような取り組みを今後とも進めていただきたいというふうに思っております。
 次の質問でありますけれども、今度は中一ギャップについて質問をさせていただきます。
 都教育委員会では、平成二十二年度に中学校第一学年の生徒を対象とした学校生活における適応状況に関する調査を実施いたしましたけれども、中学校入学前、入学三カ月後及び入学九カ月後の生徒の不安の有無についてはどのような状況だったのか、また、生徒が持っていた不安の内容はどのようなものかお伺いいたします。

○坂本指導部長 平成二十二年度に実施いたしました調査の結果によりますと、中学校生活に不安を持っていた生徒の割合は、中学校入学前が約七八%、入学三カ月後が約五九%、入学九カ月後が約六五%であり、その割合は中学校入学前から入学三カ月後には減少いたしましたが、入学九カ月後にはやや増加しておりました。
 生徒が持っていた不安につきましては、中学校入学前、入学三カ月後、入学九カ月とも、学習面に関して不安を持っていた生徒の割合が最も多く、友達関係や生活面を上回っておりました。
 生徒が持っていた不安の内容といたしましては、学習面では、中学校入学前は勉強の内容が難しくなるのではないかということが最も多くありましたが、入学三カ月後や入学九カ月後は定期テストの結果がよくないことが最も多くなり、不安の内容が変わっておりました。
 また、友達関係では、上級生にかかわること、生活面では、中学校卒業後の進路のことなどを挙げる生徒が多くありました。

○島田委員 ありがとうございます。先ほどもそうなんですけれども、幼稚園、保育園から小学校、この接続ですね、特に教育内容が変わるこの時期、これも同じなんですけれども、小学校六年から中一、この接続が非常に重要ではないか。今、一貫教育だとか進めておりますけれども、やはりこの変わり目、出口と入り口、このところをスムーズに教育をさせてあげるということが、私も非常に重要であるというふうに思っております。
 特に中学校時代ですけれども、自分の経験からもそうでありますけれども、子どもから大人になる思春期の多感な時期で、ある意味で不安定な時期だと思います。生活面の不安や学習の不安などが募る、よく理解できるところでございます。
 教育内容も小学校と異なり難しくなってまいります。また、小学校では、基本的には担任がすべて教科指導を行うわけでありますけれども、中学になると教科担当がいて指導して、学習内容も専門的になっていくというようなことで、さまざまな不安が子どもたちにはあるのかなというふうに思います。
 問題行動も中学校で多くなっている傾向があります。この時期に懇切丁寧に指導を進めていくことが重要ではないかなというふうに考えます。
 都教育委員会では、中一ギャップの予防、解決のため平成二十二年度から教員の加配を行っておりますけれども、このような生徒の不安を解消するために、さらにどのような対応を行っているのかお伺いをいたします。

○坂本指導部長 中学校第一学年の生徒の不安を解消するためには、各学校では入学前の学校説明会などガイダンス機能を充実して、生徒に学校生活への理解を深めさせる取り組みや、教育相談を通して教員が生徒理解を深め、生徒の不安を解消する取り組み、また、授業改善など学力向上の取り組み等を組織的、計画的に行うことが求められております。
 そのため、都教育委員会では、中一ギャップの予防、解決に効果的な方策をまとめたリーフレットを都内公立中学校のすべての教員に配布いたしまして、生徒の不安を解消するための取り組みの充実を図っております。

○島田委員 都教育委員会の取り組みはよくわかりました。今の答弁では、中学へ入学してからの取り組みが主でありましたけれども、先ほど就学前教育でありましたように、教育機関の壁を取り払った取り組みが重要だというふうに考えております。
 先ほどの就学前教育では、幼稚園、保育園、あるいは小学校がかなり連携して取り組みを行っております。これは、小中の一貫教育を推進している地域も、今、数多くあると思います。
 小学校の高学年時に教科担当の教員を配置し、今、大体音楽の専門科目なんかはありますけれども、例えば授業が難しくなっている算数だとか国語など、小学校の高学年の段階で習熟度授業を行ったり、あるいは総合学習が今ありますけれども、小学校と中学校で地域の歴史など共通の地域テーマを設定し、系統的な学習を実施しているような中高の一貫を進めている地域もあると思います。あるいは、小学校に中学校の教員が出向いて授業を行うなど、積極的に一貫教育を行っている地域もあります。
 これらの内容や取り組みが生きていくように、都教育委員会でも小中の接続がスムーズにいくよう支援をよろしくお願いしたいというふうに思いまして、次の質問に移らせていただきます。
 幼、小、中と来ましたので、次は高校について質問をさせていただきます。
 都立高等学校の入学選抜についてお伺いいたします。
 都教育委員会では、受検者の学力面ではなく、受検者の能力、適性、意欲を多面的に評価することを目的として、十五年前から推薦入試を実施しております。今、この推薦入試はかなり広まっております。
 私のときには、多分、学力の試験しかなくて、そのとき推薦入試があれば、もしかしたら都立の高校の方に行っていたかもしれないなというふうに思いますけれども、そのように受検者の能力を学力だけじゃなくて、さまざまな適性を見ていくと。大変すばらしい推薦入試だと思いますが、推薦入試にはいろいろ課題もありまして、推薦入試を検証しながら、十五年間、見直しを行ってきたというふうに思いますが、推薦に基づく選抜について、既に実施した平成二十三年度入学選抜ではどのような見直しを行ったのか、まずお伺いしたいと思います。

○直原都立学校教育部長 推薦に基づく選抜は、学力検査では見ることの難しい思考力、表現力、判断力やコミュニケーション能力、リーダーシップなど、受検者の能力や適性、意欲等を多面的に評価することを趣旨として実施しているものでございます。
 平成二十三年度入学者選抜では、その実施方針におきまして推薦に基づく選抜の趣旨をより明確に規定するとともに、小論文または作文、実技検査を追加したり、パーソナルプレゼンテーションやグループ面接を取り入れたりするなど、選抜方法の改善を図るよう実施上の留意点を示しました。
 その結果、平成二十三年度入学者選抜では、小論文や作文を新たに導入した学校が三十七校、面接時間の延長、グループ面接の導入など面接方法を改善した学校が同じく三十七校、面接の質問項目を改善した学校は百四十六校に上りました。

○島田委員 推薦入試、特に小論文だとか面接の方法ですね、本当にいろいろ改善しながら行っているということでございますが、最近は、子どもたちのコミュニケーション能力が不足していたり、あいさつとか礼儀が行えない、そういう若者も多くなってきているというふうに聞いております。面接指導などは就職試験では非常に重要でありますけれども、なかなか中学校の現場では指導が十分行えないということも聞いております。
 あるいは、東京都では、国体を初めスポーツ施策を充実していくということでありますけれども、スポーツや文化など一芸に秀でた生徒の能力を伸ばすために、特別推薦などを拡充すべきというような話も聞いております。
 このような課題を踏まえまして、推薦に基づく選抜には現在どのような問題点があるのか、また今後どのように対応していくのかお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 推薦に基づく選抜の制度を導入して十五年が経過し、改めて、推薦に基づく選抜の趣旨が十分に生かされているのかについて検証する必要があること、思考力や表現力の重視など、新学習指導要領のねらいを踏まえ、推薦に基づく選抜において生徒の資質や能力を的確にはかるにはどのような検査方法が適切かについて検討する必要があることなどの課題がございます。
 このため、都教育委員会では、中学及び高校の校長や保護者に対するアンケート調査を実施するとともに、外部有識者、中学及び高校の校長、保護者を交えた検討委員会を立ち上げたところでございます。
 今後、この検討委員会において推薦に基づく選抜の必要性、生徒の能力を的確に把握する検査方法などについて検討を行っていくこととしております。

○島田委員 教育委員会では、この推薦入試に改めまして十五年経過したということで検討会を立ち上げたところだというふうに、今、答弁がありました。ぜひ、この推薦制度が生かされるよう、今後、検討していっていただきたい。さらに、いい推薦入試になるよう、よろしくお願い申し上げまして、最後の質問に移ります。
 高校段階の競技力向上についてお伺いいたします。
 第三回定例会でオリンピックの招致の決議案が可決されました。今後は、地域でのオリンピック招致の機運を高めると同時に、東京都のスポーツ振興施策が重要になってくるというふうに思います。
 国でもスポーツ基本法が制定され、今後は地方自治体での具体的なスポーツ振興施策を実施していく必要があるというふうに思います。二〇一三年にはスポーツ祭東京が行われ、都内でもスポーツ施設の整備が進んでおりますが、競技力向上の観点から都立高校の役割は重要であるというふうに考えております。
 今までのスポーツ実績からいえば、私立学校が実績を残してまいりましたけれども、最近では、都立高校も私立に引けをとらず、健闘しているというふうに思っております。高校生段階での競技力向上に関しまして、これまで都教育委員会はどのような取り組みを行ってきたのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会は、平成二十年度から東京都高等学校体育連盟と共催いたしまして、陸上競技、体操競技等、四十競技種目で強化練習会を実施しております。また、国体開催県はすべての競技種目に出場できるため、平成二十年度から、ボートやセーリングなどの競技人口の少ない種目を対象に、都立高校運動部活動の中から国体強化部活動候補を指定いたしまして、競技力の向上を図っております。

○島田委員 今、競技力向上の取り組みについてお伺いしましてわかりましたが、これらの取り組みの結果として、国民大会を初めとする全国大会に都立高校生が出場するなど、現在、その取り組みがどのような成果に結びついているのかをお伺いいたします。

○坂本指導部長 全国高校総合体育大会に出場いたしました都立高校生は、平成二十二年度は、個人競技で八十九人、団体競技で五校、平成二十三年度は、個人競技で九十人、団体競技で四校でございました。
 都立高校生の平成二十三年度の具体的な活躍といたしまして、山口国体では、サッカー少年男子選手十六人のうち十人が、相撲少年男子選手五人のうち三人が、なぎなた少年女子選手三人のうち二人が都立高校生でございました。
 また、国体強化部活動候補に選定した運動部活動の中から、セーリングや相撲等、四競技種目におきまして都立高校生が国体出場を果たしております。

○島田委員 先ほど私立に引けをとらず頑張っているということでございますが、マイナーな競技も頑張っておりますけれども、今お話にあったようなサッカーなんかも十六人のうち十人、都立高校生ということで、非常に頑張っている。例えば野球だとかサッカーとか、そういった主要な競技でも徐々にその成果が出ているというような気もいたします。
 ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、こういう実績を残した生徒なんかありますけれども、例えば学校で表彰したり、あるいは、のぼりなどを出したりして地域にお知らせしたり、その人たちを褒めてあげるとか、そういう取り組みというのは結構都立高校でやっているんでしょうかね。どうでしょう。

○坂本指導部長 各学校では、国体または高校総合体育大会等への出場が決まった場合には、校舎の壁などに大きなのぼり幕を立てるなどして、地域の方々へその成果について周知しておるところでございます。

○島田委員 ぜひ、そうやって頑張った生徒をさらに伸ばしていただきたいというふうに思いますが、最後に、スポーツ祭東京二〇一三に向けて、都教育委員会は今後どのような具体的目標に向け、どのように都立高等学校の競技力向上に取り組むのかをお伺いいたします。

○坂本指導部長 平成二十五年の国体少年の部各競技種目におきまして、それぞれ上位入賞することを目指して競技力の向上に取り組んでおります。
 そのため、都教育委員会は、平成二十年度から東京都高等学校体育連盟との共催で実施しております強化練習会を引き続き実施してまいります。さらに、効果的に選手を育成するため、スポーツの名門校づくりに向けた運動部活動の強化拠点指定のあり方につきましての検討や、予算配付、施設整備、指導者配置等の環境整備につきましても研究を進めてまいります。

○島田委員 ぜひ東京国体で、特に次代を担う少年の部において、都立高校や私立高等学校の生徒がいい結果を残してもらいたい。そのための環境整備をお願いしたいというふうに思います。
 スポーツや進学の実績を残すということは、学校や地域の活力になり、誇りになると思います。例えば、なでしこサッカーが活躍しましたけれども、我々に勇気と希望を与えたというふうに思います。若者にとっては目標が近くにある、手の届くところにあるというイメージが大事であるというふうに思いますけれども、ぜひ、高校段階の競技力を向上して、都立高校が中心となって活力のある元気のある地域にしていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○村上委員 私からは、まず初めに、中学校における武道必修化についてお伺いをさせていただきます。
 せんだって、武道関係者にお話を伺う機会がありました。その中で、中学校の武道の授業に話が及び、地域や中学校によって随分と取り組みの温度差があることが感じられました。ある区市町村教育委員会では、武道の専門家を教員の研修会に招いたり、あるいは外部指導員として実際の授業に迎えるなど、武道必修化に向けた準備を進めているところもある一方で、地域の武道関係者に協力を求めることをせず、武道専門家の力が授業に全く生かされていない地域もあると聞いています。
 私は、昨年十一月の文教委員会において、武道必修化に関連した基本的な質問をいたしました。いよいよ来年四月からは、新学習指導要領の完全実施によって、すべての中学校で武道必修化による授業が行われようとしています。こうした段階におきまして、我が国の伝統と文化を継承し、青少年の心技体を鍛えていこうとする武道必修化本来の趣旨を生かした授業が行われているのかどうか、地域の関係者の話を聞くと、一抹の不安を感じているところです。
 都教育委員会は、学習指導要領の改訂に伴い、円滑な移行措置やさまざまな準備を進めてきていると聞いています。しかし、中学校の保健体育の先生は武道の専門家ばかりではありません。そうした状況の中で、どのようにしたら武道を中学生たちに正しく安全に指導していくことができるのかという立場から質問をしたいと思います。
 既に多くの中学校で武道の授業が行われていますが、武道指導の経験がある教員の割合は、柔道が七八%、剣道が一六%、相撲に至っては五%にとどまると聞いています。こうした状況の中で、都教育委員会は、武道の指導力向上にどのように取り組んでいるのかお伺いさせていただきます。

○坂本指導部長 武道必修化の目的は、生徒が武道の学習を通じて我が国固有の伝統と文化により一層触れることにより、我が国の伝統的な考え方や行動の仕方を十分に理解することであります。
 武道の指導では、危険を防止し、安全に授業を進め、生徒が武道のよさや特性に触れ、武道本来の精神性までも理解できるようにすることが重要であります。
 このため、都教育委員会は、平成二十二年度に、柔道、剣道、相撲等の武道指導の経験が浅い教員でも安全かつ武道のポイントを押さえた指導ができますように、武道指導の経験が豊かな学識経験者や教員の協力を得て指導事例集を作成して、公立学校のすべての保健体育科教員に配布いたしました。
 今後は、武道指導の経験が浅い中学校の教員が、初段レベルの技能の習得と安全に配慮した指導ができますよう、実技講習を見直しまして、教員の指導力向上を図ってまいります。

○村上委員 今のご答弁の中で、武道経験者、武道の豊かな指導者、あるいは学識経験者からお話を聞きながら指導実例集を作成し、それを教材にしたということでありますけれども、頭で理解をしていても実際に授業での取り組みとなりますと、やはり安全性の問題点についても大きな不安を抱きます。
 中学校では武道の段位を持っている教員が少ないと、指導力に課題のある実態があります。そこで、地域の武道専門家を導入して、授業の充実を図るということも有効な方法であると考えます。しかし、地域によっては、外部の指導者を活用するにしても、どのような機関や組織に相談したらいいのかわからないという声も聞きます。
 あるいは、指導内容や方法が地域や学校によって異なるようでは、武道の学習の効果に大きな違いが出てきてしまうのではないでしょうか。地域や学校により大きな差がなく、どの中学校においても一定水準以上の授業を展開していくことは、都教育委員会の責任と考えます。
 そこで、外部指導員を活用した武道授業を実施していく上で、その導入方法が確立されていないような現状に対し、どのように対応していくのかお伺いいたします。

○坂本指導部長 学校の授業におきましては、教員が生徒の指導を行うことが基本であります。しかし、地域の有段者など外部の武道専門家の力を活用いたしますことは、武道の指導をより充実させる上で極めて有効な方法であると考えております。
 都教育委員会は、平成二十二年度と二十三年度の二年間にわたりまして、地域の武道団体や組織の協力のもと、外部指導員を活用する武道・ダンスモデル事業を実施しております。今後、モデル校に指定しております二十一校の授業を公開いたしまして、地域の武道団体等との連携のあり方を都内公立中学校に普及いたしますとともに、平成二十二年度に作成いたしました指導事例集を外部指導員にも配布するなどして、指導内容、方法の統一を図ってまいります。

○村上委員 しかし、現実は、武道の専門家といえども、通常はお仕事をされていることでしょうし、区市町村教育委員会によっては報償費の基準が異なるということもあるでしょう。また、積極的に学校教育に貢献しようとする人たちであっても、中学校の現況や指導のあり方を十分に理解していないということもあると思います。
 このように地域や武道団体との関係や指導の統一性等、今後解決すべき課題がたくさんあるように思います。今のご答弁の中で、モデル校二十一校の情報を公開することにより、よいところ、悪いところを認識し、今後に生かしていくようお願いを申し上げます。
 そこで、外部指導員の導入のあり方や指導方針等に関して、地域や武道団体と関係機関との連携が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。

○坂本指導部長 これまで都教育委員会は、部活動の指導者を確保するために、地域の武道団体や区市町村教育委員会と連携を図りまして、外部指導員の導入を促進してまいりました。また、武道の授業の質を高め、教員の指導力を向上させるため、柔道や剣道の関係団体と連携を図り、外部指導員を導入する場合のために、関係機関の窓口や連絡先を周知してまいりました。
 外部指導員の導入に関しまして、区市町村教育委員会によりましては、武道団体との関係や外部指導員の認定登録等さまざまな課題がございまして、これまで以上に連携を図る必要がございます。このため、今後、区市町村教育委員会や中学校の学校関係者と東京都のさまざまな武道団体の関係者を交えまして、外部指導員の導入を促進するため、協議会の設置を積極的に検討してまいります。

○村上委員 今、ご答弁がありましたように、外部指導員の導入を促進するための協議会の設置ということで、大変重要なご答弁をいただきました。やはり連携をとるという意味では、この協議会の設置というのは大変必要なことだと思っております。
 あと五カ月で新学習指導要領の完全実施の平成二十四年度となります。公立中学校については、第一義的には区市町村教育委員会が責任を持つものであります。一方で、都内すべての中学校において武道の指導が行われることになるわけなので、都教育委員会には、広域行政を預かる立場から、中学校における武道の授業について、今後、その実態を正確に把握していく必要があると考えます。
 そこで、中学校における武道指導の実態把握について、都教育委員会のご見解をお伺いいたします。

○坂本指導部長 平成二十四年度から、中学校におきましては、すべての教科で新学習指導要領に基づく授業が展開されることになります。特に、六十年ぶりの教育基本法改正の趣旨を踏まえて必修化された中学校保健体育科の武道につきましては、実施種目や実施時期等、指導の詳細な実態を把握、分析いたしまして、授業の改善につなげていく必要がございます。
 このため、都教育委員会は、区市町村教育委員会との連携を図りながら、武道指導に関する調査の内容をふやしますとともに、都教育委員会の武道担当者を直接中学校に派遣するなどして、より詳細な実態把握を行いまして、武道指導の一層の充実に努めてまいります。

○村上委員 指導する教員の指導力、外部指導員の導入、あるいは剣道の竹刀や柔道のけいこ着などの用具、武道場等の施設整備など、多くの課題が残されております。
 一つの事例として、きょうここにもいらっしゃいます古賀先生の地元である日野市、こちらでは、地域の特性をうまく生かして、武道、剣道、柔道等ではなくて、空手というものを導入しています。やはり今お話があったように、地域あるいは区市町村との連携の中で、地域の特性をうまく生かした武道を導入するということも一つの選択肢ではないでしょうか。
 ぜひ状況を正確に把握し、区市町村教育委員会とも連携を強め、課題解決に向けて十分な検討と対策の実施を期待しています。
 武道には心技体という先人の教えがあります。礼に始まり礼に終わるという伝統的な行動の仕方があります。日本人が築き上げてきた武術という戦いの技術を、武道という我が国固有の伝統文化に昇華させてきた先人の努力には、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 都議会自民党としては、こうした武道の振興や学校における武道必修化について引き続き取り組んでいくことを約束し、次の質問に移ります。
 次に、防災教育の推進についてご質問をさせていただきます。
 東日本大震災発生から七カ月が過ぎますが、被災地では家族や隣人等、親しい方を亡くされた方、悲しみに耐えつつ、いまだに避難所での生活を余儀なくされていらっしゃる方がいます。
 東日本大震災復興対策本部によれば、今月十二日現在、被災三県には七十三カ所の避難所があり、九百二十一人の方が避難生活を送っているとのことです。避難所での生活は、行政はもとより、県内外からなど、駆けつけた多くのボランティアの方々の温かい善意に支えられてきたと伺っています。
 とりわけ、同じ被災地の中学生や高校生たちがボランティアとしてかいがいしく取り組む姿は、私たちの胸を打ちました。自分の命は自分で守る力を育てることは最も大切な防災教育ですが、幼児や高齢者など近所の人を助け、いざ避難所や帰宅支援ステーションなどが開設された際には、その運営に積極的に参加できる人材を育てる必要があると考えます。
 私は、六月の都議会第二回定例会における我が党の代表質問において、東日本大震災を踏まえ、都教育委員会が今後、学校における防災教育をどのように推進していくのか質問をいたしました。
 それに対して都教育委員会は、東日本大震災を踏まえ、震災時のあらゆる場面において的確な判断と行動ができるよう、その指針となる副読本「地震と安全」を都内の小学校から高校まで、全児童生徒に七月までに配布するとのご答弁がありました。
 防災副読本「地震と安全」は、災害時における児童生徒の社会貢献活動について、小学校、中学校、高等学校それぞれどのように取り組んでいるのかお伺いをさせていただきます。

○坂本指導部長 防災副読本「地震と安全」は、発達の段階に応じて災害時にできる社会貢献活動についての事例を掲載しており、自分には何ができるか児童生徒自身に考えさせるように構成しております。
 具体的に、小学校版では、避難所等の清掃活動や、水や食料の配布の手伝い等につきまして、中学校版では、基本的な応急処置の仕方を掲載いたしますとともに、東日本大震災の避難所で救援物資の仕分けや分配等に貢献する中学生を紹介しております。また、高等学校版では、地域の防災訓練に参加し、人間関係を築いていくことの大切さや、被災後、避難所や帰宅支援ステーションにおけます食事の準備や日用品の管理、支給等、高校生としてできるボランティア活動について掲載しております。

○村上委員 副読本の「地震と安全」は、社会貢献活動などの事例とともに、自分には何ができるか児童生徒自身に考えさせるように構成されているということがわかりました。
 実は私の地元、渋谷区では、毎年、区立の中学校三年生全員に普通救命講習を実施し、技能認定資格を取得させています。卒業時には、卒業証書とともにこの資格の取得をしたものをお渡ししているわけですけれども、総合防災訓練や地域の防災訓練の際に、区立の中学生に参加をしてもらい、D級ポンプの訓練を行っています。
 こうしたことを通して、いざというときに地域に貢献できる青少年の育成を目指しています。また、あわせて地域の人の顔を覚える、そして中学生が人の役に立つという自信につながると考えています。
 ところで、このように中学校は地元の町会等とのつながりが密接であると思いますが、都立高校は学区域が都内全域であり、小中学校と比べて地域との関係が薄いように思われます。
 今、各自治体の構成員は高齢化しています。そんな中で、中学生はもとより、高校生に対する期待は大きなものがあります。いざ地震が発生し、自校が避難所となった場合、学校に近い生徒は学校に駆けつけ、自宅が学校から離れている生徒は自宅周辺の避難所に駆けつけて避難所の運営等に当たるようにすれば、地域の防災力の向上につながると考えます。
 都立高校生がより地元と密着し、災害発生時に地域における救援活動の担い手となるよう、都立高校における防災教育を一層推進するべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○坂本指導部長 都立高校生がみずからの安全確保はもとより、友人や家族、地域社会の人々の安全に貢献できる態度を育てることは重要であります。
 都立高校の中には、学校が避難所となる場合を想定した取り組みといたしまして、教科「奉仕」や総合的な学習の時間に、仮設避難場所の設営や負傷者の搬送など、災害時のボランティア活動として地域の住民を受け入れるための防災訓練を実施しているところもございます。
 また、東日本大震災当日、帰宅支援ステーションとなりました都立高校のうち、八校の生徒三百五十六人が、帰宅困難者に対して飲料水や毛布等の配布などを行い、ボランティアとして主体的に活動いたしました。
 都教育委員会では、このような生徒の実態や今般の東日本大震災を踏まえまして、災害時にまず自分の命を守り、次に身近な人を助け、さらに地域に貢献できる人材を育てる防災教育を一層推進してまいります。

○村上委員 のど元過ぎれば熱さを忘れると申します。天災は忘れたころにやってくるということわざもありますが、私は防災教育の難しさは危機感の継続にあると感じています。
 ご答弁にあったように、自分の命を自分で守る自助の力とともに、身近な人々とお互いに助け合う共助の大切さについてもしっかりと指導していただきたいと思います。今後の都教育委員会の防災教育の推進のさまざまな取り組みに期待をして、私の質問を終わります。

○野上(純)委員 私の方からは、最初に小学校の外国語活動について質問させていただきます。
 ご存じのように、今年度から小学校五、六年生に年間三十五こまで英語活動が行われております。これは、新学習指導要領に基づき実施されるものとなっております。
 英語教育の導入に関しては、賛否両論がありまして、日本語の基礎がしっかりしてから英語を教えるべきだという論調とか、耳のやわらかいときに早くから英語教育、ヒアリングですかね、そういうものをやった方がいいんじゃないかというようなさまざまな説があったりして、実質、平成二十年よりいろいろな準備に当たってきたわけでございます。
 小学校の先生で英語の免許を持っている方というのは、非常に少ないわけでございます。その中で、文科省が総合的な学習の時間を導入するときにちょっと失敗したことがありましたので、ぜひこの外国語活動は成功したいという思いだったと思うんですけれども、英語ノートというのをつくりました。それに向けて、事前に先行実施をしていたわけでございますけれども、一昨年の事業仕分けがございましたね。そのときに、この英語ノートを含む予算が一たんは廃止と判定されました。
 そのときに、現場の先生方は非常に混乱をいたしまして、全国の教育現場の先生方から反対の声が上がって、文科省は二十三年度分の英語ノートの予算はつけて、それを全国に配布しようということは決定をしておりますが、来年度の扱いはまだちょっと決まっておりません。現場の不安もなかなか払拭されないで、そういう状況が続いております。
 そういった流れから、多分、都教育委員会も二十年度の初めから外国語活動を導入するに当たって、さまざまな混乱とかご苦労があったかと思うんですね。今年度から必修化されたこの外国語活動の実施に当たって、これまで都教育委員会がどのような取り組みを一生懸命されてこられたのかについて最初にお伺いいたします。

○坂本指導部長 平成二十年三月に告示されました小学校の新学習指導要領において、新たに導入された外国語活動は、平成二十三年度から全校で実施されることになりました。
 このことを受けまして、都教育委員会では、平成二十年度に東京都小学校外国語活動推進委員会を設置いたしまして、外国語活動についての基本的な考え方を検討いたしますとともに、報告書を全公立小学校に配布して周知に努めてまいりました。
 また、平成二十年、二十一年度の二年間にわたりまして、小学校外国語活動開発委員会を設置いたしまして、文部科学省が作成した教材であります英語ノートを活用した指導や評価のあり方に関する研究開発を行い、その成果を指導資料集にまとめて学校に配布することによりまして、教員の理解、啓発に努めてまいりました。
 さらに、平成二十一、二十二年度の二年間にわたりまして、すべての小学校を対象に外国語活動の指導の中心となる教員を各校二人ずつ、合計で約二千六百人を育成するための研修を実施いたしますとともに、その教員を活用した校内研修の促進に努めてまいりました。

○野上(純)委員 平成二十年から諸準備に当たられて、いわゆる開発も行われたということでございました。
 また、各校で二人ずつ教師を集めて、その研修会を実施したと、その先生方が核になって校内研修にも努めてきたという一連の流れの中での今年度の本格実施となったわけでございます。
 現場の先生方に外国語活動の指導についていろいろ聞いておりますと、今、ALTを活用している学校、例えば区によっては三十時間程度、あるいは三十五時間全部という区もあり、また半分の十七時間、また全くALT、外国人の方を採用していないところも区市町村によってまちまちな状況がございます。
 本来ならば、授業は担任教師が行って、ALTはその補助的な役割を果たすということになっておりますけれども、中にはALTが日本語も非常に堪能で、楽しく子どもたちを動かしながら、その補助役に先生たちが回っているところもさまざまな状況があります。
 ALTの方と担任教諭との連携とかをしっかりと図らなければいけなかったりとか、外国語活動が全面実施された現在におきましては、いろいろな課題が生じていると思いますが、都教育委員会といたしましては、この中で一番の課題となっていることは何なのかについてお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会が本年度七月に都内全公立小学校を対象に行いました外国語活動の実施状況に関する調査では、実施上の課題といたしまして、児童の学習活動を評価する際の具体的な場面や方法、通知表での文章による評価の記入のあり方といった児童の学習評価にかかわる内容を挙げた学校が多くございました。

○野上(純)委員 評価のあり方が課題ということです。外国語活動なわけで、五、四、三、二、一とか二重丸、丸、三角とかという点数評価にはなかなかなじまない外国語活動でありますので、ほとんどの学校が文章記入による評価を行っていると思います。
 その評価をどのように表現していくのかというのは、現場の先生方は大変に今悩んでいるところだと思うんですけれども、この外国語活動の評価が適切に実施されるように、都教育委員会としての具体的な支援方法についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 教育活動の評価を適切に行うためには、指導の目標を明確に設定し、その目標に向けて指導を行い、次に指導の結果を評価し、その評価結果を今後の指導の改善に生かすという、いわゆる指導と評価の一体化が重要でございます。
 こうしたことから、都教育委員会では、外国語活動の評価が適切に行われるために、各単元の目標、評価の観点、評価場面等の設定の仕方、また評価の表記方法や記載内容等について具体的に示したリーフレットを今年度内中に作成いたしまして、全公立小学校に配布してまいります。

○野上(純)委員 やはり目標に対しての評価でございますので、単元の目標とか評価の観点、評価場面等の設定、また表記の方法、記載内容についても具体的に示したこのリーフレットがまた各小学校に配布されることによって、先生方はそれを参考にしながら、より子どもたちを伸ばしていく評価ができるのではないかと期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、教員の採用選考についてお伺いいたします。
 金曜日ですかね、十月二十一日に、今年度の教員採用選考の合格発表がございました。合否の結果は、受験者にとっては悲喜こもごもだったと思います。
 昨年も、この文教委員会の事務事業質疑におきまして、教員採用選考の状況、また受験者確保に向けた取り組みについて質問させていただきました。我が国は人材が貴重な資源であり、その人材の育成を担う教員の役割が極めて重要であり、その教員の確保は多くの都民が都教委に期待しておりますということを述べたと思います。教員の四千人近い大量退職、そして大量採用を迎えた状況の中で、教員採用選考の動向は絶えず注目していかなければならないと考えております。
 そこで、まず、今年度の教員採用選考の結果についてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 平成二十三年度の教員採用選考の受験者数は、全校種で一万七千八百三十六人、前年度の受験者数一万七千百四十八人に比べまして約四%増加いたしました。合格者数は三千九百八十三人で、合格者に対する受験者の倍率は四・五倍となりました。
 なお、昨年は合格者数三千二百七十一人で、合格者に対する受験者の倍率は五・二倍でございました。

○野上(純)委員 今年度は合格者数に対する受験者の倍率が前年度に比べて下がりましたが、これは全校種で受験者数が増加したということで、倍率が下がったということで、毎年、採用者数の最も多い小学校の選考結果についてはどうなったんでしょうか。

○岡崎人事部長 小学校の受験者数につきましては五千三百七十八人、前年度の受験者数五千五十七人に比べまして約六%増加したところでございます。合格者数は一千六百九十六人で、合格者に対する受験者の倍率は三・二倍となりました。
 なお、昨年は合格者数一千三百二十八人で、合格者に対する受験者の倍率は三・八倍でございました。

○野上(純)委員 小学校でも同じことがいえるんですけれども、教員の需要がふえたことから、前年度に比べ大幅に合格者数を増加させたために、合格者に対する受験者の倍率が前年度に比べては下がったということですね。
 この新規採用教員の質を向上させるためには、受験者数を減らすことなく、引き続き増加させていくことは大事だと思っております。これは評価したいと思っております。
 優秀な教員を確保し、さらなる受験者数の増加、倍率の確保に向けての今後の取り組みについてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 新規採用教員の質の維持向上のために、優秀で意欲に満ちた教員志望者を全国から確保していくための取り組みを継続的に行っていくことが重要でございます。
 このため、首都圏だけでなく、地方からも優秀な人材の受験を促すため、今年度の選考から第一次選考の会場に神戸市を追加し、来年度も各地方会場での選考を実施いたします。
 また、他県と連携した協調特別選考について、二カ年の実績を踏まえまして、他県への働きかけを継続してまいります。
 さらに、教員採用選考PRに若手教員を積極的に起用し、説明会や大学訪問などを通じて全国の大学との連携を強化するとともに、地方在住者を対象に東京の学校を紹介するバスツアーを引き続き実施するなど、教員採用選考におけるPR活動のさらなる充実を図ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に進めまして、優秀な人材の確保に努めてまいります。

○野上(純)委員 さらなる人材の確保、受験者数の増加に期待したいと思っております。
 次に、人材育成についてお伺いいたします。
 すぐれた人材をさまざまな工夫、取り組みで教員として都に採用した後は、その直後から選ばれた人材の育成を図っていく必要があります。
 本年十月四日に開催された文教委員会で、我が党の中山議員が人材育成に関する質問を行っております。その際、小学校で実施しております学級経営研修について、学習指導力等について校長から高い評価を得ており、学級経営研修生となった新規採用教員や新人育成教員からも、この研修制度を評価するという意見が寄せられているという答弁がございました。
 平成二十三年度は、再任用短時間勤務職員百四十七人を新人育成教員として小学校に配置し、新規採用教員である学級経営研修生とペアで学級を担任して、実質的な指導、育成を行っているということでございますが、採用直後から学級を担任する小学校の新規採用教員は、速やかに担任としての資質、能力を高める必要があり、これは大変重点的な指導、育成が求められます。
 そこで、この学級経営研修の一層の拡大、充実を図る必要があると考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 学級経営研修の実施規模の拡大のためには、新人育成教員の確保が重要でありますことから、都教育委員会では、今後、計画的に新人育成教員の増員を図りまして、最終的には、年間五百人程度と見込まれます大学卒業直後の新規採用教員を学級経営研修生として育成する予定でございます。
 新人育成教員確保のためには、今年度は退職予定の教員向けの退職準備講習会での周知、リーフレットの配布等を行ってまいりました。
 また、先日実施いたしました人事部事業発表会では、千人を超える小学校の校長、副校長が参加する中で、実施校が学級経営研修の効果的な実践事例を発表いたしました。参加者からは、すべての小学校でこの制度が実施されるとよい、実践報告が参考となった、退職予定者の不安を解消し、新人育成教員を確保したいなどの意見が寄せられまして、退職予定者を積極的に新人育成教員として活用していこうという機運が高まってきているところでございます。
 今後とも、学級経営研修の実施規模の計画的な拡大と、効果的な研修の実施に努めてまいります。

○野上(純)委員 先ほどの選考結果に関する答弁もありましたけれども、多数の教員を新規に採用する今の現状では、学級経営研修の規模拡大を図ることが大変大事だと思っております。
 一方で、この研修は新人育成教員とペアを組んで指導、育成を図ることから、この指導に当たる新人育成教員の資質が大変大事で、効果的な育成のための重要な要素だと思っております。
 今後とも、新規採用教員を適切に指導できる適任者を確保して育成に当たっていただけるよう要望いたします。
 最終的には、五百人の新人の教員全員に新人育成教員を配置して、一対一でしっかりと育成をしていくということが大事だと思っておりますが、新人育成教員の資質ということが大変大事になりますので、そこら辺はしっかりと採用するときに見きわめて、変な話、変な先生が新規採用の教師に一年間ついて指導した結果、効果的ではなかったということにならないように、新人育成教員の資質をしっかりと見きわめながら、焦らないで、新規採用教員を適切に指導できるようにしていただきたいと思っております。
 最後になりますが、被災地支援に派遣した教員の活用についてお伺いいたします。
 都教育委員会では、被災地の宮城県だけですよね、教員の派遣を実施してきましたけれども、こうした経験は宮城県の子どもたちへの教育活動に資するだけでなく、派遣された教員の成長にもつながるものだと考えております。
 そこで、都教育委員会では、宮城県への派遣期間が終了した後の教員について、この先生たちを今後どのように活用していくのかについてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 宮城県への派遣教員は、被災後の教育活動の課題解決に取り組み、被災した児童生徒の実情に応じた指導を行いながら、教育活動が再開されていく過程を直接現地で体験しております。
 都教育委員会職員が派遣先校を訪問した際には、校長から、派遣教員が他の教員と協力し、広域的な視点に立って保護者や地域住民などとの連携に積極的に取り組んでいる状況を聞くことができました。
 また、派遣教員が橋渡し役となって、宮城県の学校と都内の学校との間で文通などによる交流が実施されております。
 最近では、宮城県の生徒が都内の学校を訪問し、太鼓の演奏を披露するなど、児童生徒間の交流が拡大しているところでございます。
 都教育委員会といたしましては、今後、派遣教員がみずからの経験を学校現場で生かすとともに、他の多くの教員も貴重な経験を共有し、その活用を図るよう、区市町村教育委員会や学校に働きかけてまいります。

○野上(純)委員 教員の育成を図るためには、東京都以外の地域や学校以外の場でのさまざまな経験を積むことも重要です。そうした観点から、被災地への教員派遣は被災地支援のみならず、教員の人材育成にも有意義であり、東京都の教育の向上にも資するものであると考えております。
 みずから志願をして被災地に赴いた先生方ですので、その経験をぜひ現場でも生かしていただきたいと思っております。そのためには、例えば体験活動会とか、また例えば自分で体験記録を書いて、それを東京都のホームページに載せて、だれでも自由に、全教師もそこで見られるようにするなど、さまざまな工夫をしていただければと思っております。
 今後とも、被災県と東京都の教育の向上に取り組んでいただけるよう要望いたしまして、これで終わりにいたします。
 以上です。

○畔上委員 資料請求から短期間でしたが、作成をいただきましてありがとうございます。
 私からは、まず第一に特別支援学校のスクールバスについてです。
 特別支援学校のスクールバスの業務内容について、ことしの三月の当委員会におきまして質問もさせていただきました。そのときには、単年度契約の改善、契約に当たっての評価制度などを提案させていただいたんですが、適切な指導を行っているから必要ないということでありました。
 苦情があれば適切な指導をするというお答えもいただきましたが、まだ現実には特別支援学校の保護者の皆さんからスクールバスの運行に対する不安や切実な要望がたくさん挙がっております。
 都教委に対して、学校現場からスクールバスに対する要望、意見はどのような内容が届いているか、まず伺います。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 保護者の方からは、障害のある児童生徒がバスに長時間乗ることにより、負担がかかる等の心配の声などがございました。

○畔上委員 その声も切実だと思うんですが、二十三年度、そうした要望に対してどうこたえていったのか伺います。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 平成二十三年度は十三台増車しております。増車に当たっては、特に長いコースを有している学校に優先的に配車をして、乗車時間の軽減を図っております。

○畔上委員 増車は一定の改善だと思います。
 しかし、保護者の方々からは、スクールバスの業者の中には、基本的な障害の理解が少ないと思える業者もあるとか、運転士も添乗員もころころ人が変わって不安だといった声も伺っております。
 また、時間に間に合わせるために座席に座る前に出発するなど、乱暴な運転になっている場合があったり、バスが故障したときに代車が出せなかった、こういうこともあった。それから、重度の生徒がいろいろいわれて、バスに乗りたがらなくなってしまったなど、基本的な通学保障さえ困難になっている事態も生まれているわけですね。
 この間、一人当たりのスクールバスの単価が大きく後退して、安かろう悪かろうになっているんじゃないかという指摘を私はさせていただいたんですが、結局そのしわ寄せが子どもたちに来ているんだと思うんです。保護者や学校側からもやっぱりよく意見を聞いて改善していただきたい、これは強く求めたいと思います。
 この間、寄宿舎が十一舎から七舎に縮小されたことと、生徒が増加したことなどから、スクールバスの利用者もふえています。そういう中で、通学保障の観点から再検討が必要だというふうに思います。
 都教委は、基本は六十分以内の通学としていますが、それは肢体不自由児であって、ほかの障害のお子さんの場合は九十分以内だというふうにしているわけですが、子どもが毎日往復三時間も通学に要するというのは、大変大きな負担だというふうに思います。
 いただいた資料によりますと、既に六十分を超えている生徒は五百七十六人、このこと自体改善が必要だというふうに思うんですが、九十分を超えている生徒は何人いるんでしょうか。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 平成二十三年度現在三名でございます。

○畔上委員 バスに片道九十分乗って通学するというのがどれほど大変な負担かということを、ぜひ子どもの立場で考えていただきたいと思うんです。
 私も、実は障害児施設の送迎バスに添乗した経験がありますけれども、不随意運動のある脳性小児麻痺の子どもは、何度となく車からずれ落ちそうになって、姿勢を直してあげなければつらそうだったり、あと多動性のお子さんの場合は、落ちついて乗っていられるためにいろんな配慮が必要になって、そのことでいろいろ苦労したことも思い出します。私たち大人であっても、九十分トイレも行かずに座っていることは本当にしんどいのに、往復、しかも毎日ということであります。
 この間、寄宿舎も統廃合をどんどんしてきたために、本来週一回、二回でも寄宿舎に入れる日があれば、何とか頑張る目安をつけられるのに、それもできなくなって、結局体調によってはバスに乗り続ける自信がなくて、学校自体を休まざるを得ないと、そういう子どももいるわけです。
 やはり子どもの健康的な通学を保障する上で、九十分という基準を見直すべきだと思いますし、同時に、九十分を超えている子どもの通学は直ちに改善して、九十分以内にすべきだというふうに思います。
 例えば、一コースを二コースに分けるなど、負担軽減のために通学時間の改善をすべきと思いますが、その点いかがですか。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 スクールバスの増車や特別支援学校の再編整備に伴う通学区域の調整によりまして、通学時間の改善を図り、負担の軽減を図っているところでございます。

○畔上委員 先ほど、九十分を超える生徒さんといいましたが、朝六時五十五分発のバスに乗るために家を出て、帰りは学校を、曜日によって違いますが、十五時三十分のバスで帰って、駅に十七時五分に着いて、そこからまたおうちまで帰るということなんですね。本当に大変だと思います。一人一人の通学状況もしっかり把握して、私は早急な改善が必要だと思いますので、強く求めておきたいと思います。
 それから、知的の高等部の単独校のスクールバス運行についてですが、現在は高等部の単独校はスクールバスは運行されておりません。その理由はなぜなのでしょうか。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 スクールバスは、知的障害特別支援学校の場合、一人通学の困難な小学部、中学部の児童生徒を対象としてございます。高等部の生徒は、卒業後の自立と社会参加の観点から、一人通学を原則としているところです。

○畔上委員 原則はそうであっても、一人通学が現実に困難だという生徒もいるわけですね。保護者の皆さんからは、高等部に必要な生徒がいる場合はスクールバスをという切実な声も上がっているわけです。
 寄宿舎もスクールバスもないとなったら、障害の重い生徒の高等部進学というのは保障できなくなっていくと思うんですね。単独校でも、やはりスクールバスは設置すべきだというふうに考えます。
 早急に検討が必要だというふうに思いますのが、四月から開校の都立の練馬特別支援学校です。都立練馬特別支援学校につきましては、練馬区、中野区・新宿区及び杉並区の一部を本校の通学区域とするとしているわけですが、高等部の単独校ということで、基本的にはスクールバスが今のところないということであります。
 通学区域において、一人で通えない重度の生徒の通学を保障するためには、やはりスクールバスの運行を行うか、そうでなければ通学区域外の学校への通学を認める、これをすべきではないでしょうか。伺います。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 他の通学区域への通学を希望する場合には、従来どおり相談に応じることとしております。

○畔上委員 それでは、練馬の場合もぜひ丁寧に要望を聞いていただきたい。そして、その要望にこたえていただきたいというふうに思います。そのことを要望しまして、次の質問に移ります。
 次に、障害を持つ教員の採用など、都教委の障害者雇用についてです。
 障害者雇用はますます厳しくなっているわけですが、特別支援学校の職業訓練などもかなり熱心にされているんですが、それでも就職の実態は非正規ばかりだということを伺っています。
 障害者の雇用を促進する上で、都の役割というのは大変重要だと思いますが、都教委の障害者雇用の二十二年度実績はどうなんでしょうか。

○岡崎人事部長 平成二十二年六月一日現在の都教育委員会の障害者雇用率は一・六七%でございまして、障害者の数は六百八十六人でございます。

○畔上委員 法定雇用率が二%ですから、それを下回っているということは、私は大きな問題があるというふうに思います。法定雇用率さえ守らないということは、きちんと是正していただきたいと思います。
 教育現場では、例えば盲学校などでは、もっと視覚障害のある先生が欲しいとか、ろう学校では、聴覚障害の先生がいてくれたらさらに大きな励みや力になるという声もあるわけです。
 また、都教委として、障害者雇用の増加を目指すことを掲げて、職業教育とその充実もうたっているわけですから、それこそ都教委が率先して、障害者を雇用することに頑張らなくちゃいけないというふうに思います。
 障害者の教員をふやすなど、障害者雇用を促進すべきと思いますが、その点についてはいかがですか。

○岡崎人事部長 障害者の自立と社会参加を進めるための雇用の充実は、重要な課題であると認識してございます。都教育委員会は、教員採用選考におきまして、障害のある受験者も他の受験者と全く区別なく募集しておりまして、広く門戸を開放しております。
 障害のある人の受験に際しましては、一般の受験者と比べて不利にならないよう、障害の種類や程度に応じて、点字や拡大文字の使用、試験時間の延長、手話通訳の配置などの配慮を行ってございます。
 しかしながら、平成二十一年度に全国で新規に教員免許状を取得した約十万三千人のうちで障害者は約九十人、比率にすると〇・〇八%と極めて少なく、都の教員採用選考を受験する障害者も毎年三十人程度でございまして、したがいまして、合格者も少ないのが現状です。
 今後も、受験に当たってさまざまな配慮を行っていることを積極的に周知することによりまして受験の促進を図り、引き続き障害者の雇用の促進に努めてまいります。

○畔上委員 そうですね。教員だけでなく、事務や用務のお仕事とか、あと清掃などの民間委託、こういった仕事でも障害者が活躍できる仕事はたくさんあると思います。そういう点ではぜひ積極的に、あらゆる機会を通じて、障害者雇用促進の役割を果たしていただきたいと、これは要望しておきます。
 次に、教職員のパワハラ問題です。
 パワーハラスメントに対する社会的関心も高まっています。教職員の自殺、早期退職や精神疾患の増加もパワハラが原因となっている事例が多くあるというふうに指摘されていますが、そもそも学校現場におけるパワーハラスメントとは何なのか、パワハラの定義、これをお示しください。

○岡崎人事部長 いわゆるパワーハラスメントについて、法令上この言葉を定義づけたものはございませんが、人事院が平成二十二年一月に各府省あてに出したパワーハラスメントを起こさないために注意すべき言動例についてという通知では、一般に、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、それを受けた就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用について不安を与えることを指すとされております。
 都教育委員会は、こうした見解に基づきまして、学校におけるパワーハラスメントの防止に努めているところでございます。

○畔上委員 その通知には続きに、業務上の指導ではあるが、その手段や態様などが適切でないものも本来の業務の範疇を超えている場合に含まれると考えられるとありました。
 例えば、児童生徒やほかの教職員の前、それから保護者の前、または密室で激しく叱責をしたり、それから指導方法や指導能力を否定したり、あるいは無視をしたり、仕事の内容を執拗にチェックされたりして、働き続けることに対する不安を抱かせる、そういう行為だと思います。それでいいんですよね。
 本来、人を育てる教育現場でパワハラが起きるということは異常な事態だと思いますけれども、東京の公立学校でもパワハラはあるという認識でしょうか。

○岡崎人事部長 都教育委員会には、自分が受けた行為がパワーハラスメントに該当するのではないかとの苦情や相談が時折寄せられております。こうした場合には、事実の有無を学校経営支援センターや区市町村教育委員会を通じまして確認し、適切に対応するよう指導助言しておるところでございます。

○畔上委員 それでは、パワーハラスメントがなぜ起きるというふうに考えていらっしゃいますか。

○岡崎人事部長 国におきましても、都におきましても、パワーハラスメントについて明確な定義が確立していない状況であり、また、社会が大きく変化し、職場や職員の意識も変わる中で、パワーハラスメントが起こる理由を一概に申し上げることは困難でございます。
 なお、東京都労働相談情報センターが平成十八年二月に発表した使用者の職業環境配慮義務に関する実態調査では、パワーハラスメントが起こる理由として、個人的資質を挙げる者が六八・九%、職場の人間関係が四四・一%、同僚、上司の個人的な問題が二九・二%などの理由が挙げられております。

○畔上委員 個人的資質も否定はしませんが、やはり私は、都教委としては、教育の現場でなぜ起こるのかという問題にしっかり目を向けていただきたいなというふうに思います。そのことがやっぱり大事なんだと思うんですね。
 学校現場というのは、教育実践がうまくいかなかったり、子どもや保護者とのトラブルを抱えるなど、それはだれにでも起こり得ることだというふうに思うんです。しかし、そんなときに、やっぱり教職員同士、それから職員室で子どもの話をしたり、一緒に学んで協力して、教育実践を積み重ねる中でそれを打開していくものだというふうに思うんです。
 しかし、実際には、指導の悩みを相談する雰囲気が果たして今、教育現場にあるのかという点では、その雰囲気はなくなってしまってきているという声も伺っています。それは、人事考課制度などの上意下達がつくられてきて、教職員も管理と競争に追いやられて、ばらばらにされてきていて、まさにパワハラが横行する下地がつくられてきてしまっているんじゃないか。さらには、都教委がこの間、職員会議などによる意思疎通とか合意形成を縮小して、校長権限を強化していった、その中で校長に意見をいえる人がいなくなってしまったという指摘もあるわけです。
 長時間労働で疲弊していますと、新規採用のクラスを援助していたら自分の仕事はできなくなると、そういう焦る主任が出てきてしまったり、また、病休や育児、介護などで、それを抱える同僚に対してつらく当たってしまうと、そういうことも起きかねないわけです。やっぱり私は、そういう点では、教育現場でなぜ起こるかということをより深く掘り下げて検証していただきたいなというふうに思うんです。
 教員の精神疾患による休職者が全国平均よりも東京都は高いといわれているんですが、それはなぜだというふうに考えますか。

○岡崎人事部長 平成二十一年度における都の教員の精神疾患による休職者の割合は、千人当たり約九人となっておりまして、全国の約六人を上回っておりますが、都道府県別に見ると、第一位が沖縄県で千人当たり十一人、最下位は兵庫県で約二人となっているなど、人口の多寡や大都市であるか否かといった地域性と出現率との因果関係は見出せません。
 心の病は職場の人間関係や仕事の内容、また介護や育児など個人の生活上の問題などさまざまな要因が複雑に絡み合って発症するものでございまして、発生の要因を画一的にとらえることができないため、都における出現率が全国平均より高い理由を説明することは困難です。
 なお、都の教員の精神疾患による休職者数は、平成二十年度は五百四十人、平成二十一年度が五百三十二人、平成二十二年度は五百十九人と減少傾向にございます。

○畔上委員 今、心の病の方は少なくなっているということですが、しかしながら、病休の先生はまだ多いわけですね。
 東京都の公立学校の教員の二〇一〇年度の休職者のうち、精神疾患によるものが何人いるか伺います。

○岡崎人事部長 平成二十二年度における都が任命している公立学校教員の病気休職者数は七百八十人でございまして、このうち精神疾患によるものが五百十九人、病気休職者の約六六・五%を占めてございます。

○畔上委員 私は、やはり東京の休職者に精神疾患が多いことについて、都教委は真剣に向き合う必要があるというふうに思うんですね。あくまでもストレステストのような対症療法じゃなくて、根本的な要因がどこにあるのか、パワハラの原因と重なる部分があるんじゃないか、現場の実態をしっかり把握して、その原因の奥深いところまでつかんで改善や対策を講ずることが必要だというふうに思います。
 同時に、全国の取り組みにも私は学ぶべきだというふうに思います。都道府県のレベルで、パワハラに関する指針、それから要綱、通知やパンフレット発行など、既に実施しているところがありますが、こうした状況を都教委は把握されておられますか。

○岡崎人事部長 各道府県において、パワーハラスメント防止のための指針や要綱を作成するなど、地域の実情に応じたさまざまな取り組みを行っていることは承知しております。

○畔上委員 私も調べた限りでは、全国では九つの道府県でパワハラ防止のための指針、要綱を作成しておりました。
 例えば沖縄県ではパワハラ相談窓口を設置したり、佐賀県では相談窓口の設置とともに、ハラスメント防止マニュアルをつくりまして、主な例示も紹介しておりました。昨年要綱の一部改正をしたという京都府では、児童生徒に対するハラスメントにも注意を向け、パワハラ防止の研修も位置づけ、パンフレットの配布もしているということでありました。
 都教委としても、パワハラ防止のための要綱を設置するとともに、パワハラ防止のための相談窓口の設置やパンフレットの配布などを実施すべきと思いますが、いかがですか。

○岡崎人事部長 都教育委員会では、全都立学校長及び副校長を対象とした研修会におきまして、パワーハラスメント防止の注意喚起をしております。
 また、小中学校を含む全校に送付しております服務事故防止啓発資料にパワーハラスメントに該当する可能性のある言動の具体例などを示しまして、その防止に努めてまいりました。
 さらに、新規採用候補者に対しても、パワーハラスメントを受けた場合には管理職や先輩教員、あるいは各教育委員会に相談するよう指導しております。
 都教育委員会としましては、今後ともさまざまな効果的手法により、パワーハラスメントの防止に努めてまいります。

○畔上委員 今後努力するということはわかりましたが、現時点では他県にある要綱や指針がないわけですね。効果的な防止策に努力するというお話でしたので、ぜひそういう点では私は要綱、指針をつくっていただきたいと思います。
 福島県のハラスメントの防止に関する指針では、セクシャルハラスメントもパワーハラスメントも非常勤の職員も含めて適用すべきだというふうにして、教育長の責務として、組織を挙げてハラスメント防止に取り組むことを明記されていました。そして、きめ細かな相談体制や苦情相談の申し出を行った者が不利益な扱いを受けないように、そういった丁寧できめ細かい指針というふうになっています。ぜひこうした先進事例に学んで、都教委としても指針を作成して、相談窓口も設置して、良好な職場環境確保のための努力をしていただきたい、これは要望しておきたいと思います。
 次に、少人数学級についてです。
 運動と世論の高まりを受けまして、四月から国による少人数学級がようやく実現し、今年度は小学校一年生が三十五人学級となりました。国の法案の審議がずれ込んだために、我が党は国の状況にかかわらず、都として四月一日から三十五人学級とするよう求めましたが、都教委は四月二十二日の法施行を受けての実施というふうにしたために、年度途中での学級編制をし直すという事態になりました。
 対象となった学校では、三十五人学級になるのはうれしいけれども、一年生がやっと学校になれた時期にクラスがえでは子どもたちも混乱するし、また時間割りも靴箱やロッカーの名札なども全部かえなければならないと、これは本当に大変だと、どうして四月当初から三十五人学級にしてくれなかったのかなどの声が上がりました。
 そこでまず伺いますが、国の小学校一年生の三十五人学級で新たに少人数学級の対象となった学校数と、そのうち実際に学級増を行い、少人数学級にした学校数は何校でしょうか。

○谷島地域教育支援部長 平成二十三年四月二十二日に、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正に基づきまして、東京都学級編制基準を改正いたしましたが、改正日の時点で三十五人基準での算定上は百八十六学級の増となるところ、実際に学級増を行った学校は七十五校でございます。残りの百十一校につきましては、学級増を行わず、配当された教員をチームティーチング等で活用いたしました。

○畔上委員 都は独自に小一問題ということで三十八人学級にしていましたから、三十六人から三十八人の学級が今のご説明のように百八十六校あって、そのうち七十五校、四割が学級増を行ったということですね。
 四割にとどまったという点では、やはりクラスがえによる子どもたちの混乱を避けたいとか、年度途中で加配されてきた先生を一年生の担任にするのは不安があるなどの事情があるというふうに聞いています。
 文科省によれば、法改正により新たに三十五人学級となった都県のうち、東京以外の県は法改正を見越して四月の初めから実施していたということなんですね。都の消極的なこういった対応は、私は非常に残念でならないと思います。やはりこれほど明確になって、だれもが認めている少人数学級の効果について、都教委だけが目を背けて認めないと、その姿勢がこうした対応を生んで、現場に困難を押しつけることになってしまったんじゃないかというふうに思うんですね。少人数学級の効果を事実としてきちんと認める、やっぱりそういう立場に立つことを私は求めたいと思います。
 東京都では、少人数学級の効果を認めないながらも、都民や学校現場の願いに押されて、昨年度から小一問題と中一ギャップ対策として学級規模の縮小、すなわち少人数学級も可能とする教員の加配を始めたわけです。今年度は小学校一年生と中学一年生は三十八人学級、小学校二年生は三十九人学級を基準とした教員加配を行っています。
 今年度、この教員加配にあった学校数、そして加配を活用して学級規模の縮小をした学校数、チームティーチングなどを活用した学校数、これについて学年ごとに教えていただきたいと思います。小学校一年生については、途中で国の三十五人学級となったわけですから、年度当初の人数についてお願いします。

○岡崎人事部長 小一問題、中一ギャップの予防、解決のための教員加配は、小学校第一学年、第二学年及び中学校第一学年を対象としています。小学校第一学年については、年度当初に加配を行った学校は八十二校で、加配教員は八十二人でありまして、学級規模の縮小に活用した学校は七十五校、チームティーチングなどに活用した学校は七校でございました。
 しかし、四月下旬に国の三十五人以下学級が制度化されたことから、現在は小一問題加配にかえて、学級編制基準により二百六十一人の教員を配置してございます。
 小学校第二学年につきましては、加配を行っている学校は五十一校で、加配教員数は五十一人でございまして、学級規模の縮小に活用した学校は四十五校、チームティーチングなどに活用した学校は六校でございます。
 中学校第一学年につきましては、加配を行っている学校は九十四校で、加配教員数は百三十七人でございまして、学級規模の縮小に活用した学校は六十三校、チームティーチングなどに活用した学校は三十一校となってございます。

○畔上委員 小学校一年生については八十二校が対象となって、そのうち七十五校、九割以上が学級規模の縮小、つまり少人数学級を選んだということですね。二年生でも五十一校が対象となって、うち四十五校、やはり九割近くが少人数学級にした。中学校でも九十四校中六十三校と、三分の二以上の学校が少人数学級を選んだというわけですね。やはり学校現場では少人数学級が支持されていると、そのことが明確にこの数値でもあらわれているんだというふうに思います。
 都教委は、ことし三月、昨年度実施した小一問題、中一ギャップの予防、解決のための教員加配にかかわる効果検証に関する調査報告書を発表しました。昨年度は小一と中一に一学級三十九人の基準で教員を配置するというものでしたが、その結果どうだったかということを業者に委託して、詳細に調査をしているわけですね。
 そこで伺いますが、この調査の対象となった学校、すなわち教員加配を受け、学級規模の縮小やチームティーチングなどを行った学校は、この制度をどのように評価しているんでしょうか。

○坂本指導部長 小一問題、中一ギャップの予防解決のための教員加配に関しましては、地域や学校等の実態に応じまして、各学校が学級規模の縮小、またはチームティーチングによる活用を選択できるような制度となっております。そのため、都教育委員会が教員加配の効果を検証するために、平成二十二年度に実施いたしました学校への調査結果によりますと、学級規模の縮小を選択した学校も、チームティーチングによる活用を選択した学校も、この制度に対して肯定的な意見を回答しております。

○畔上委員 学級規模の縮小を選択した学校も、チームティーチングによる活用を選択した学校も、肯定的な意見であるということですね。これは私、大変重要なご答弁だと思います。
 調査結果からの抜粋ということで、都教委がまとめられました概要版があるんですけれども、これを見ても、例えば小学校一年生については、学級規模が二十六、二十七人ということから、担任がきめ細かに児童を見ることができ、適時対応することができるようになった。これは校長の意見でした。
 教員の意見としても、本来であれば一学級四十名二学級の学年だが、一学級約二十六名の三学級となり、期限つき任用の教員、いわゆる新採の先生でも安心して学級を任せることができる、教員が育つ環境にあると。四十人学級に比べて生徒にかかわる時間がふえ、何か対応が必要になった際にも対応がしやすい。
 また、保護者の意見としては、四年前、一年生が八十名で二学級だったときには混乱していたことが、現在、保護者の中で話題になっているというふうに書いてありました。これは、ことしと比較していっていることなんだと思います。
 また、一学級当たりの児童数が少ないので、きめ細かく指導してもらえるなどなど、子どもたちにとってもよいし、また若い先生も指導しやすく、成長できるということなわけですね。
 中学一年生でも、例えば教員の意見として上から読みますと、三学級であったから大変であった、四学級になってありがたい、この学年も四十人学級であったらかなり難しい学年であった、七学級にならなかったら大変だったと、思春期の入り口に差しかかった子どもたちへの指導の難しさが伝わってくるような文なんですけれども、大変歓迎されています。今後、これをいかに広げるかということが重要な課題になっているんだと思うんです。
 文科省は来年度予算の概算要求で、小学校二年生までの三十五人学級のための人員配置と予算を要求しました。小学校一年生から二年生に進級するときはクラスがえを行わない学校が多いことから、文科省としても、これはどうしても実現したいと考えているようです。同時に、大もめにもめた今年度の事態を見ましても、大丈夫なんだろうかというふうに教育現場は心配しているわけです。
 四月に学級規模の縮小を行わなかった学校の中には、苦労してクラスの編制がえをしても、もし来年度、二年生が三十五人学級にならなかったら、また四十人学級にクラスがえをしなければならないと考えてチームティーチングにしたという学校もあるというふうに伺っています。
 来年度は国の動きにかかわらず、やはり都として、少なくとも小学校二年生までは三十五人学級を拡大するというふうにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 都内の公立小学校では、一年生から二年生への進級時に、約九割の学校においてクラスがえを行っていないことから、都教育委員会は、既に本年七月、国に対し、平成二十四年度から小学校二年生において三十五人学級を実施するよう提案要求を行ったところでございます。
 都教育委員会は、今後とも学級編制に関する国における検討や法改正の動向を踏まえて適切に対応してまいります。

○畔上委員 国には二年生の三十五人学級を提案要求しているということでありました。そういう必要性を認めているなら、やはり国がどうであろうと、都としてもやりますよということを表明して、区市町村や学校を安心させていただきたいというふうに思います。
 同時に、中学生についても新しい学習指導要領が全面実施される。そういう授業が難しくなるということもありまして、少人数学級を早く実現してほしいと関係者からの強い要望もあるわけです。
 都の制度では、来年度は中学一年生で三十七人学級が可能になりますが、やはりせめて三十五人学級にしてほしいと、また、二、三年生が四十人学級のままではやりづらいと、二、三年生も難しい年ごろだったり、また進路で揺れ動く時期だったり、きめの細かな指導が必要である、そういう声は大きいわけです。ですから、ぜひ早期に実施をしていただきたいと、これは強く要望しておきたいと思います。
 最後に、関連して学級維持制度について伺います。
 学級維持制度とは、小学校一年生から二年生、五年生から六年生、中学二年生から三年生に進級するときに、児童生徒の転出や転入などによって、例えば今まで三学級だったのが二学級になりそうだとか、その逆もあるわけですが、そういうときに学級数の増減を行わずに学級を維持できるようにする、そういう制度ですよね。
 東京では一年から二年、三年から四年、五年から六年などと進級する際にはクラスがえを行わない場合が多いわけですから、この制度は大変喜ばれている制度だというふうに思います。
 この学級維持制度について、制度の変更を検討していると伺っていますが、どんなことを考えているのか、また、どうして変更するのか伺います。

○谷島地域教育支援部長 学級維持制度でございますが、委員より説明がございましたが、小学校二年生、六年生及び中学校三年生の学級編制を区市町村教育委員会が行う際、児童生徒数の増減によって、本来、学級数の調整を行わなければならない場合でも、前年度の学級を維持継続することにより、安定した学級経営や児童生徒への指導の継続性を確保できる場合に、都教育委員会の同意により、学級数の増減を行わず学級を維持する都独自の制度でございまして、平成十三年度から実施してまいりました。
 この制度によりまして、例えば五年生三クラスの学校におきましては、児童数が八十人以下に減った場合には、六年生への進級時に二クラスとし、教員も一名減じなければならないところ、学級編制協議に対する都教育委員会の同意によりまして、学級、教員数とも維持できるというものでございます。
 しかし、本年四月に、いわゆる義務標準法が改正されまして、区市町村教育委員会が各地域の実情に応じて、より弾力的に小中学校の学級編制を行うことができるようにするため、従来、都道府県教育委員会が行っておりました区市町村教育委員会の学級編制に対する同意の手続が、平成二十四年度には廃止されることとなりました。
 この結果、都教育委員会の学級編制同意に基づき実施してまいりました学級維持制度は、その根拠を失うことになり、平成二十四年度学級編制からは実施できないことになったものでございます。
 このことにつきましては、区市町村教育委員会に対しまして、説明会等の場において既に周知を図っているところでございます。

○畔上委員 今のご答弁ですと、国の制度が変わったんだから実施ができないんだと、やむなく廃止するみたいなご答弁だったんですけれども、私はそれは全くのいいわけにすぎないと思うんです。
 確かに、来年度から学級編制に都の同意が必要なくなるかもしれませんが、だからといって都がよりよい教育のために、この場合は学級数が減ることによってクラスがえをしなくても済むように先生を配置してあげること、これは都がやろうと思えば幾らでもできることだというふうに思うんですね。
 逆に、区市町村が学級を維持するために教員を配置したいと思ったら、区市町村が独自に正規職員、教員を雇用することは現実的ではありませんから、どこか別のところから先生を減らして充てるしかないというふうになるわけですね。結局、非常に難しいということになるわけです。
 例えば、小学校五年生から六年生に進級するときなどは、五年生のときからクラスで励まし合って、団結を積み上げて、クラスメートとともに六年生に進級して、最高学年として学校を引っ張ったり、小学校生活の集大成ともいうべきときに、胸を張って、悔いのない一年を精いっぱい花開かせると、そういう中で子どもたちは成長していくんだと思うんです。
 私は、そういう子どもたちの成長を支援してきたのがこの学級維持制度だというふうに思うんですね。都として、やっぱり私は学級維持制度という、名前はどういう名前になってもいいと思うんですけれども、学級を維持できるような教員の加配を行うことを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○岡崎人事部長 都教育委員会が行ってきた区市町村教育委員会の学級編制に対する同意の手続が、法改正によりまして平成二十四年度に廃止され、区市町村教育委員会みずからが小中学校の学級編制を行うことができるようになりますことから、教員の増配置を行う考えはございません。

○畔上委員 区市町村は、やっぱり都内でも財政力のアンバラもすごくあるわけですね。やっぱりそれは理由にならないというふうに思います。大変冷たいご答弁だなと思いました。
 ましてや小学校五、六年生や中学二、三年生は、今のところ少人数学級の恩恵もないわけです。最新のOECDの調査を見ましても、加盟国のGDPに占める教育機関への公的支出の割合は、日本は三・三%。データ比較が可能な三十一カ国中、最下位だったわけですね。今後、高校無償化がデータに反映されれば幾らか改善されるんではないかといわれていますけれども、それにしても、やっぱり子どもたちの未来をはぐくむ教育には、しっかり予算も人も確保する、こういう立場で学級維持制度、また少人数学級に取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 そのことを強く求めまして、私の質問を終わります。

○今村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
   午後二時五十八分休憩

   午後三時十三分開議

○今村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○山内委員 私からは、三点質問いたします。
 まず、都立高等学校入学者選抜制度検討についてお伺いいたします。
 都は、都立高等学校入学者選抜全般について、あり方や制度上の課題、改善策を検討しています。ことし十月には、都立高等学校入学者選抜制度検討委員会の二期を引き続き開催していくと聞いております。さまざまな観点から、子どもの学ぶ機会を広げるようなあり方を考えていく必要があります。そのためには、教育の主人公である子どもの声を聞くことが大切です。
 そこで、都立高等学校入学者選抜制度検討委員会において、入学者選抜のあり方や制度上の課題について検討され、二〇一〇年三月に報告されておりますが、検証、検討のための調査の一つとして、都立高校入学者選抜に関する意識調査を中学三年生と高校一年生にも実施しておりますが、その趣旨をお伺いしたいと思います。

○直原都立学校教育部長 平成二十二年三月に発表しました都立高等学校入学者選抜制度検討委員会報告の中にございます都立高校入学者選抜に関する意識調査は、現行の都立高等学校入学者選抜制度に対する都民の評価とニーズを把握し、今後の入学者選抜制度改善のあり方について検討する際、参考とすることを目的に実施したものでございます。
 意識調査は、生徒、保護者及び学校長を対象に実施いたしましたが、このうち中学三年生に対しては、入学者選抜方法に対する意見や高校で身につけたい力などを質問いたしました。
 また、高校一年生に対しては、進路決定の方法、複数受検機会への考え、入学者選抜方法の改善点などを質問したところでございます。

○山内委員 報告書の中で、推薦入試については、現行の推薦選抜が中学校、高等学校に与える影響について推薦選抜で入学した生徒の追跡調査による結果を分析し、推薦選抜のあり方について検証、検討する必要があるとしておりますが、これまでの検証結果についてお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 検討委員会報告を受けまして、平成二十二年五月に都立高等学校入学者選抜制度検討委員会(第二期)を設置し、推薦選抜に関する検討を行いました。
 中学校長、高等学校長へのアンケート及び生徒の追跡調査を実施し、その結果、推薦選抜によりまして、高等学校では、その学校を第一志望とし明確な目的意識を持っている生徒が入学することで、学校の特色化や活性化が図られていること。中学校では、日ごろの学習の状況や成果が評価されることにより、生徒が中学校での授業や生活態度を重視していることが明らかとなりました。

○山内委員 入学選抜は、多様に各都立高校が求める生徒を選抜できるよう、また、受検生が自分に合った高校を的確に選抜できるように制度改善を行ってきたとしておりますが、学力とは何かという議論を深め、何よりも子どもたちが希望を持ち、生きる力を身につけることができるように、学ぶ機会を広げていくことが必要だと思います。
 また、中学卒業生や高校中退者など、やり直したいという気持ちを受けとめるようにもしていただきたいと考えます。
 都立高等学校入学者選抜制度検討委員会では、子ども一人一人の支援をいかに充実させていけるかに視点を当てて検討していただくよう要望いたします。
 次に、体育授業の安全対策についてお伺いいたします。
 体育の授業中の事故を減らすために、実際に起こった事例を検討し、その対策を立てていくことが重要です。高校の体育の授業で生徒がけがをするなどの事故が起こったとき、教育庁でその情報がどのように生かされているのか、お伺いいたします。

○坂本指導部長 体育の授業中に事故が発生した場合、学校は都教育委員会の担当部署に連絡することとなっており、担当部署は事故の状況や対応の仕方を把握し、学校への指導や関係部署への連絡を行い、適切に対応するよう努めております。
 学校からの事故報告につきましては、発生時期や時間、発生場所や事故の状況等の傾向を分析いたしまして、校長連絡会や副校長連絡会におきまして、適時、事故防止についての注意喚起をしております。
 また、過去に起こったさまざまな事故を踏まえまして、事故防止のための具体策や安全対策のポイントをまとめました重大事故防止のためのガイドラインを作成、配布するなどいたしまして、再発防止に努めているところでございます。

○山内委員 二〇一二年度から中学校武道の必修化が完全実施となります。武道の授業は、柔道を取り入れる学校が多いようです。
 昨年三月に、独立行政法人日本スポーツ振興センターから出された課外指導における事故防止対策調査研究報告書には、部活動の種目別に調べた負傷、疾病事例が載っております。柔道は中学校での発生率が一八・〇三%と、競技の中で一番高くなっています。高校では一六・六四%と少し下がりますが、高校の場合、部活動の競技数がふえているため、ラグビー、相撲、レスリング、ホッケーに次いで高い数字です。これは部活動のデータですが、柔道はけがをしやすい競技であることがわかります。
 授業で柔道を行う場合、指導するのが柔道を専門的に学んだ教員ばかりではないため、安全対策という観点から、身につける必要のあることが多いと思います。
 また、けがの事例を見ると、わざをかけるときのけがもありますが、畳と畳の間に足の指がひっかかるという設備面でのけがもあります。中学、高校における安全対策はどのように行われているのか、伺います。

○坂本指導部長 中学校や高校の保健体育の授業では、実施する運動種目の特性やそれぞれが持つ危険性を踏まえて、発達段階や生徒の習熟の程度に応じた指導を行うとともに、授業で使用する用具や設備の安全を確認するなど、日常的に安全対策を行っております。
 都教育委員会は、保健体育の授業が安全に行われますよう、事故防止の徹底を求めるための通知の発出、重大事故防止のためのガイドラインの作成、配布、安全な指導のための講習会の実施など、定期的に都立学校や区市町村教育委員会への指導助言を行っております。
 特に、平成二十四年度から中学校で必修となる武道に関しましては、他の運動種目に比べて危険性も高いことから、指導のポイントや安全に配慮した授業のための指導事例集を作成、配布いたしますとともに、学校体育実技指導者講習会を開催するなど、安全対策を行っております。

○山内委員 必修化に伴って、武道の授業がどの学校でも行われることになります。教育庁で収集した事故情報のデータをその対策に生かしてほしいと思いますし、区市町村の中学校教員に対する研修も機会をとらえて実施していただき、安全対策についてしっかりやっていただきたいと思います。
 最後の質問とさせていただきます。
 都立多摩図書館についてお伺いいたします。
 現在建設中の都立多摩図書館には、貴重な資料を保存するために、一タイトル一冊を保存するスペースを確保するよう、以前から図書館関係団体などからも要望しており、会派の質問でも取り上げてきました。
 都が示した、貴重な資料や東京に関する資料については永久保存、その他は原則百年保存という方針を実現するようなスペースの確保がなされるのでしょうか、お伺いします。

○谷島地域教育支援部長 都立図書館の資料の保存に関する基本的な考え方は、利用者の調査研究に資するため、特別文庫資料や東京資料等については永久保存とするものの、それ以外の資料につきましては、原則百年間保存としております。ただし、発行から三十年をめどに点検を行いまして、内容が古くなり、必要度が著しく劣ったものにつきましては、除斥することとしております。
 都立多摩図書館の移転改築に当たりましては、この保存の考え方を踏まえまして、中長期的に都立図書館に必要な能力を備えた収蔵庫を設置してまいります。

○山内委員 都立図書館には貴重な資料も多く、その保全を図る必要があります。収蔵スペースの確保をお願いしたいと思います。
 図書館では、収蔵とともに利用者へのサービスも大切です。都立多摩図書館の移転建てかえに伴って、利用者にとってどのようなサービスの向上を考えているのか、お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 都立多摩図書館の移転改築に当たっては、開架閲覧スペースの拡大、充実、児童青少年向け専用スペースの確保等の都民サービスの向上も図ることとしており、今後、具体的な設計を進めていく中で明らかにしてまいります。

○山内委員 都立図書館の役割は、区市町村図書館のバックアップであるということになっています。都立多摩図書館を利用することとなる多摩地域の市町村図書館からは、どのような意見が出ていますでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 市町村部の図書館からは、蔵書の保存機能の確保、施設内容等の情報提供、市町村への支援充実等の意見をいただいております。

○山内委員 市町村図書館の意見とともに、立地する地元自治体の要望も取り入れる必要があります。地元国分寺市からはどのような要望があり、どう反映するのか、お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 都立多摩図書館の移転改築に当たって、地元市となります国分寺市教育委員会から、都立多摩図書館の中に、当面の措置として国分寺市立図書館のリクエスト資料の受取窓口スペースを確保していただきたい。講演会、セミナー等で活用する専用セミナールームの設置に当たっては、現在の多摩社会教育会館ホールの機能及び収容人数にできる限り近いものとなるよう設計していただきたいとの二点の要望をいただきました。
 都立図書館はこれまでも、区市町村立図書館を支援する、いわば図書館の図書館として、特定の区市町村に偏ることなく、広く公平に協力、支援を実施してまいりました。今後とも、地元国分寺市を含め、区市町村の意見を伺ってまいります。

○山内委員 移転に伴って図書館機能の充実やサービスの向上が図られるようですけれども、区市町村や区市町村図書館の意見を聞いて支援を充実するように要望して、私の質問を終わります。ありがとうございます。

○小沢委員 私からは、学校の危機管理について質問をさせていただきます。
 三月十一日に発生をいたしました東北地方太平洋沖地震によって、東北地方を中心に、かつて経験のない甚大な被害がもたらされました。
 一方、都内においても最大震度五強を観測し、残念なことに七名が亡くなられ、百十六名の方々が負傷されるという大きな人的被害がありました。
 また、携帯電話など通信障害が起きるとともに、交通機関の不通により多数の帰宅困難者が発生するなど、大都市の災害に対する脆弱さを改めて痛感させられたところであります。
 教育の現場においても、少なからず混乱があったことと推察いたしますが、初めに三月十一日の発災当日の児童生徒の下校状況と課題についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会が本年五月から七月に実施いたしました下校状況に関する調査によりますと、東日本大震災当日の児童生徒の下校方法は、学校の種別や震度の違いにより、保護者への引き渡し、集団下校、単独下校等、さまざまでございました。
 その中で、児童生徒自身が交通機関の不通により帰宅困難な状況になったり、保護者が帰宅困難な状況となり児童生徒のみで長時間自宅にいたりした例がございました。
 また、校外学習等で学校外の場所で教育活動を行っていたために帰校が困難な状況となった学校もございました。
 このように、従来の避難訓練等では想定していなかった課題が新たに浮かび上がりました。

○小沢委員 今のご答弁によりますと、児童生徒自身の帰宅困難や保護者の帰宅困難、また、校外学習等での帰校困難など、従前の避難訓練等では想定しなかった課題が新たに浮かび上がったとのことであります。
 そこで、東日本大震災を踏まえ、従来の想定を見直した避難訓練等に改善する必要があると思いますが、都教委の今後の取り組みについて伺います。

○坂本指導部長 これまで各学校では、地震や火災などを想定いたしまして、授業時間内における避難訓練を定期的に実施するとともに、小中学校におきましては、保護者への引き渡し訓練等を実施してまいりました。
 しかしながら、東日本大震災発生時、一部の児童生徒が下校中だった学校や、校庭が液状化した学校があったことなど、従来の避難訓練等では想定してこなかった状況がございました。
 そこで、都教育委員会は、本年七月に、学校における震災等に対する避難訓練等の改善について通知を発出し、授業時間はもとより登下校中や放課後、校外学習中等、さまざまな場面や状況を想定した体験的、実践的な避難訓練等を実施するよう、各学校を指導したところでございます。

○小沢委員 校庭の液状化や児童生徒が下校中であったなど、従来の避難訓練等では想定しなかった状況があったことから、早速、避難訓練等の改善通知を出して指導されたということでございます。この対応については高く評価をさせていただきたいと思います。
 一方、小中学校における児童生徒の保護者への引き渡し訓練ですけれども、私も地元で経験をしたことがございます。小中学校においては、担任から、あらかじめ登録された引受人へ引き渡すという従来の方法のとおりでよいと思っておりますけれども、中学校の生徒に対しては、少なくとも他人の力をかりずに帰宅させるか、状況によっては安全を担保した上で、救助活動の補佐や災害弱者に対する支援などの活動に携われることも検討していただきたいと申し上げておきます。
 次に、都教委は、防災の教育副読本である「地震と安全」を、今年度は配布対象を全児童、全生徒に拡大して、先ほどの質疑にもありましたけれども、七月に配布したということであります。
 この副読本について、現時点まで各学校や保護者からどのような声が寄せられているのか、お伺いをいたします。

○坂本指導部長 各学校からは、配布時期の前倒し及び配布対象の拡大が効果的だったという声が寄せられております。
 例えば、夏休み直前に「地震と安全」を活用した指導を行ったことで、子どもたちは、学校にいるときはもちろんのこと、登下校中や家の中、旅行等で外出しているときなどに地震が発生したことを想定し、どのように行動したらよいか考えることができたという声がございました。
 また、「地震と安全」に掲載されています東日本大震災被災地の写真を見て、子どもたちは改めて地震の怖さを感じ、自分の命は自分で守るという意識を強く持つことができたようだという声もございます。
 なお、本副読本は保護者会等でも活用されており、保護者と児童生徒がともに防災について考える機会にも利用されております。

○小沢委員 このような副読本を通じて、保護者と児童生徒が防災に対して改めて考えることは大変重要なことであります。
 私は、児童生徒が防災に関する討論会や発表会を開くことによって、防災知識を高めるばかりでなくて、考える力や表現力を身につけてもらいたいと考えております。都教委においても、ぜひ検討していただきたいと思います。
 この副読本「地震と安全」を有意義に活用して、防災教育をさらに充実させていただきたいと願うところであります。
 さて、教育における教師の重要性を示す言葉として、教育は人なりと長くいい伝えられています。児童生徒の防災対応能力を育成するためには、やはり教師の指導力を向上させる必要があります。
 都教委は、学校安全教室指導者講習会を開催しているとお聞きしますが、その実施状況についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 都教育委員会では、学校における安全教育を推進する指導者を養成する目的で、学校安全教室指導者講習会を開催しております。
 平成二十三年度は、東日本大震災を踏まえまして、本講習会に全公立学校から一人以上参加することとし、既に開催した四回の講習会には計二千三百二人が参加しております。
 本講習会では、消防署と連携した防災訓練の事例紹介や、緊急地震速報を活用した避難訓練のあり方等、学校における防災教育を推進する上で必要となる研修を実施しております。
 今後とも、本講習会を活用して教師の指導力を高めることで、児童生徒の防災対応能力を高めてまいります。

○小沢委員 講習会を、全校から一名以上参加するということで拡大していただいているとのことでございます。
 地震というものは、いつどのような状況で起きるかわかりません。教師の方々には、あらゆる状況下において適切な判断を下せるよう、今後も質の高い防災教育を継続していただきたいと要望いたします。
 次に、都教委が平成十九年に作成した学校危機管理マニュアルについてお伺いいたします。
 このマニュアルは、都立学校の児童生徒の保護等について規定をしています。また、都教委が作成したこのマニュアルに基づき、各都立学校が独自に危機管理計画を作成することとなっています。
 そこで、三月十一日の東日本大震災の対応について、各校が定めた危機管理計画と実際の対応についてどのような報告を受けたのか、お伺いをいたします。
 また、おのおのの報告によっては、都教育委員会策定の学校危機管理マニュアルを見直ししていく必要があると思いますが、見解を伺います。

○直原都立学校教育部長 都立学校を対象とした現行の学校危機管理マニュアルでは、児童生徒の保護について、通学路等の安全が確認できるまでの間、児童生徒を校内の安全な場所に保護し、児童生徒の三日分の飲料水、食料、毛布等を備蓄することとしております。
 また、安全が確認できた場合、または確実に保護者等へ引き渡しができる場合には帰宅させることとしております。
 東日本大震災の経験を踏まえた都立学校からの主な報告としましては、交通機関の運休により深夜まで帰宅できない保護者があり、結果として、児童生徒だけで保護者の帰宅を待っていた家庭があったことや、帰宅困難者が翌日まで学校に滞在することとなり、児童生徒用の備蓄品を急遽提供したこと等がございました。
 こうした経験及び今後策定予定の東京都防災対応指針(仮称)を踏まえ、さまざまな事態に臨機応変かつ適切に対応できるよう、学校危機管理マニュアルの改定を予定しております。

○小沢委員 保護者の方が深夜まで帰宅できなかった事例ですとか、帰宅困難者が翌日まで学校に滞在したことなどが報告されたとのことであります。
 それとともに、現在作成中の東京都防災対応指針を踏まえながらマニュアルの改正を予定しているとのご答弁でしたが、今回の現場の実際の対応や現場からの意見を集約して、これを全庁的に公開して、最終的には総務局さんがまとめる東京都防災対応指針に現場の意見をどんどん上げて、対応指針を踏まえて次のステップに入るのではなくて、この対応指針に現状の意見や対応を反映させるように努めていくのが本来の姿ではないかと申し上げておきます。
 また、学校危機管理マニュアルにおいて帰宅支援ステーションの役割についても定められているところですが、今般の大震災で明らかになった課題や今後の対応について所見をお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 都は、島しょを除く全都立学校を帰宅支援ステーションとして指定しており、各学校に、飲料水、携帯用トイレ、発電機、投光器等を備蓄しております。
 従来想定していた帰宅ステーションの機能は、水、トイレ、休息の場及び沿道情報の提供など、短時間の対応でございましたが、今般の震災では約六千名の帰宅困難者が翌日まで学校にとどまらざるを得なかったことから、児童生徒用に備蓄していた食料、毛布等を提供したものの、不足が生じた学校もございました。
 このため、平成二十三年度補正予算で、児童生徒用に加えて帰宅困難者のための食料、毛布等を備蓄するとともに、首都直下地震などにも対応できるよう、電源確保のための自家用発電機器等の拡充を図ることといたしました。
 今後は、策定予定の東京都防災対応指針(仮称)等を踏まえ、帰宅支援ステーションの機能、体制等について、さらに検討してまいります。

○小沢委員 ありがとうございました。今のご答弁では、二十三年度の補正予算でも組んでおるということですけれども、今後訪れるであろうという首都直下型地震などでは、今回の状況とは、けたの違う現象が起きるかと想定されますので、そこのところも踏まえて対応していただきたいと思います。
 本日は、都立学校の危機管理、防災対策について質問させていただきましたけれども、今後は、さらに区市町村の学校とも情報を共有して、安全な教育環境を構築していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。

○高木委員 私は、まず学校の適正規模、適正配置の推進についてお伺いをしたいと思います。
 都内公立小中学校においては、昭和五十年代半ばから六十年ごろにかけての児童生徒数のピークから、少子化の進展によって現在では当時の約半分にまで児童生徒が減っているといわれています。これに伴って、小中学校の学級数も減って小規模化が進んでおりまして、中には、各学年一学級のいわゆる単学級校となってしまった学校も少なくないわけであります。
 単学級にもいろいろありまして、例えば、私の地元でこういう事例がありましたけれども、まさに単学級の学校でしたけれども、二年生の学級で十二名だったんですね。男の子一人、女の子十一名という学級がありまして、こうなっちゃうと、これはもう教育にならないんだね。
 そういうことを含めて問題意識を持っておりまして質問するんですが、区市町村の中には、このように小規模化した学校の統合、廃止を積極的に進め、適正規模、適正配置化を行っているところもあるようですが、小中学校の統廃合に対しては地域から強硬な反対意見が生じがちなこともありまして、小規模化した学校がそのままになっている自治体もあるようでございます。
 余りにも小規模化した小中学校には、教育活動の上から課題があるのではないかなというふうに思っています。そこで、小規模化した学校についてどのような課題があると都教委は認識をしているのか、お伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 都教育委員会は、平成十八年度に小中学校の適正規模化に取り組む区市町村教育委員会と意見交換の場を設け、小規模校の実態や教育指導上の効果等について話し合いました。
 その際、小規模校には利点もある一方で、児童生徒同士の切磋琢磨が困難であること、一学年一学級ではクラスがえができず、人間関係が固定化しがちであること、観察、実験、合唱、合奏などの一定規模の集団による学習活動が困難になることなどの課題が指摘されたところでございます。

○高木委員 他県では、人口密度などの関係で、学校を統合した場合に通学できないなどの問題が生じることがあるようですが、都内であれば、学校を統合し通学区域を少し広げることで解決ができるというところが多分多いんだろうと思います。
 もちろん、小中学校の適正配置は、区市町村教育委員会が地域の意見を聞きながら実施すべき課題ですが、都教育委員会としても必要な支援を行うべきと考えます。
 都教育委員会は、小規模化した小中学校の適正規模化を支援するために、新しい学校づくり重点支援事業という事業を実施しておりますが、この重点支援事業の支援内容についてお伺いをしたいと思います。

○谷島地域教育支援部長 新しい学校づくり重点支援事業は、区市町村教育委員会からの要望を踏まえ、小中学校の適正規模、適正配置を促進するため、平成十九年度から開始した事業でございます。
 具体的には、教員の加配及び児童生徒に対する適用支援相談員の配置等の人的支援に加え、新しい学校づくりに必要な備品及び設備の整備や小規模な維持補修、スクールバスの運行委託経費の補助等の財政支援を行っております。
 この事業は、原則として、適正配置により新たに学校が設置される年から三年間行うこととなっております。

○高木委員 学校統廃合に当たっては、地域の理解が不可欠でありまして、この中で教育条件面の充実への要望にこたえることができるこの事業は、高く評価ができると思っています。この事業の支援を受けた区市町村による統廃合の現在までの実績を教えていただけますか。

○谷島地域教育支援部長 平成十九年度の開始以来、十六区市町村がこの事業を活用しており、平成二十三年四月一日までに、小中学校七十六校が統合により三十七校になってございます。

○高木委員 七十六校が三十七校ということで、実績が上がっているということであります。
 私は、区市町村立の小中学校がどうあるべきかという見解は当然全体として都教委として持たれていると思いますし、そういうものが内外に発信をされていくことが大事だと思っていますけれども、それを区市町村立の学校に強制するというわけにはいかないと思うんですね。それぞれの地域にはそれぞれ長がいらっしゃって、方針もあるでしょうから、そういう意味では強制をするのではなくて、そういう事態に立ち至ったときに、一つの推進をする材料としてこういう施策があるべきだというふうに思っています。
 したがいまして、今後とも、この事業の継続を求めたいと思っているんですけれども、教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。

○谷島地域教育支援部長 都教育委員会としても、新しい学校づくり重点支援事業は、区市町村教育委員会が小中学校の適正規模、適正配置を推進する上で成果を上げていると認識しております。
 この事業につきましては、当初、平成二十三年四月一日までに適正規模化により設置された学校を支援対象としておりましたが、区市町村教育委員会からは事業期間延長の要望がございました。そこで、都教育委員会は、平成二十八年四月一日までに設置される学校まで支援対象とするように期間の延長を図ったところでございます。
 都教育委員会としては、今後とも、本事業により区市町村教育委員会の小中学校適正配置化を適切に支援していくことが重要と考えております。

○高木委員 二十八年まで延長していただいたということでありまして、その先に、いつそれぞれの地域でこの統廃合の問題が持ち上がるかわからないものですから、この事業自体は、私は、実績とか執行率とかということを余り考えずに、こういう施策が東京都としてあるということが大事だと思っているんですね。
 突然というわけではないと思いますけれども、それぞれの地域の学校というのはいろいろ事情を抱えていまして、例えば、一つ大きな集合住宅が建つと、子どもが急にふえたり、あるいは逆のパターンというのもあるわけですね。都営住宅が改修にかかって、それで別の地域へ行ったとかですね。
 ですから、統廃合というのは、いつ問題として顕在化をしてくるかわからないという中にあって、それを進めていく一つのセーフティーネットじゃないですけれども、材料としての重点事業があるということが私は大事だと思っています。
 私の地元の北区は統廃合を結構積極的に進めていまして、たしか平成六年だったと思いますけれども、既に統廃合に取りかかって、小学校、中学校を含めてかなりの学校を、極端に小規模化したところを適正規模という形にまとめ上げてきたという実績があります。
 そのときに必ず出てくるのは、やっぱり保護者の皆さんの不安のようなものがあるわけです。保護者の不安というのはどういうのが多いかというと、結局、小規模校にいた子どもたちは少し大きな規模のところになったときになじめるだろうかというような不安があったり、あるいは、統廃合ですから二つの学校を基本的には一つにするという形が多くて、三つを一つにしたというケースもありましたけれども、そうしますと、大きな学校の方はさらに子どもたちがふえてくるので、実際、学校の運営としては大丈夫なんだろうかというような懸念があると思うんです。
 そのときに教員の加配の問題ですとか人的支援、財政的支援、あるいは設備面での支援というものがどういうふうに行われるのかということが、統廃合を進めていく上で、保護者の皆さん、あるいは地域の皆さんの懸念を払拭するということになるわけですから、だからこそ、こういう事業があるべきだと私は思うし、もっというならば、これは継続されるべきだと思うと同時に、もっと拡充をされるべきだというふうに思っているんですよ。
 ですから、このことを拡充していくことによって、むしろ教育環境をよくしていくというのが統廃合の理念ですから、一つの規模の学校はどのぐらいの人数で、どのぐらいの子どもたちと施設と先生方とで運営をされることが適当なのかというのは大体もう私たちの共同認識としてあるわけですから、そういうことを求めていくときに、こういう事業がもっと充実をされるべきだというふうに私は思います。
 したがいまして、今後とも、本事業を継続的に実施していただいて、教員の加配などの事業の一層の充実をぜひご検討されるように、私は強く要望しておきたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。次の質問は、言語能力向上推進事業についてお伺いをしたいと思っています。
 言語能力向上推進事業というのは、都政にとってというか、東京の教育にとって極めて特色のある教育の一つだなと思って、私は評価をしております。
 読書が児童生徒の知的活動を増進させて、人間形成や情操を養う上で重要であるということは、もう論をまたないわけでございまして、児童生徒の望ましい読書習慣の形成を図るために、学校の教育活動全体を通じて多様な指導の展開を図ることが大事であろうというふうに思っています。
 そこでまず伺いますが、児童生徒の言語能力を向上させるために読書は極めて重要であると考えますけれども、教育委員会の見解を伺いたいと思います。

○坂本指導部長 読書は、言語能力を構成している考える力、感じる力、想像する力、あらわす力、国語の知識等のいずれにもかかわり、これらの力を育てる上で中核となるものでございます。
 また、新学習指導要領では、読書は、児童生徒の知的活動を増進し、人間形成や情操を養う上で重要であり、児童生徒の望ましい読書習慣の形成を図るため、学校の教育活動全体を通じ多様な指導の展開を図ることを求めております。
 都教育委員会は、すべての知的活動の基盤となる教養、価値観、感性等を生涯を通じて身につけていくために、読書は極めて重要なものであると考えております。

○高木委員 まさに、教養、価値観、感性を育てていくための読書というのは非常に大事だと思います。私も、そのとおりだと思っています。
 古くから多くの偉人というか賢人というか、皆さん、読書の効用についていろんなことをいっておられますが、例えばデカルトは、すぐれた本を読むことは、過去のすぐれた人たちと会話を交わすようなものということをいったり、あるいはスマイルズは、人の品格は読む書物によって判断できると、ちょうどつき合う友人によって判断できるようにというようなお言葉を残されております。
 ですから、いうまでもないんですが、読書によって、ふだんの生活とはまた違う世界を知ったり、あるいは想像力を働かせたり、文字から情景を思い浮かべるなどという作業というのは、やっぱり人間の人格形成だとか大人になっていく過程で極めて重要な知的作業だというふうに私は思っているんです。ですから、この言語能力向上推進事業については大変期待をいたしているわけであります。
 そこで、現在、言語能力向上推進校という学校指定をしておりますが、児童生徒の読書活動を充実させるために、これらの学校ではどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。

○坂本指導部長 言語能力向上推進校は、読書活動を中心に据えまして、活字に親しむ学校づくりを通して、児童生徒の言語能力を高めるための研究や実践を行っております。
 推進校の取り組みとしましては、小学校における必読書や推薦書のコーナーの設置、中学校におけるお薦めの本を紹介し合う書評会、高等学校では、意見の異なる者同士が根拠資料をもとに行う討論の取り組みを行っております。
 こうした取り組みを通しまして、各推進校では、児童生徒が多様な本に接するようになり、学校図書館の本の貸出冊数が増加するなど、児童生徒の読書活動が一層充実してきております。

○高木委員 推進校がそうした児童生徒の読書活動を充実するためにさまざまな取り組みを行っているということは大変重要ですし、今、ご答弁いただきましたので、理解をすることはできました。
 読書活動を推進する上で、学校の役割というのは極めて大きいと思っています。しかしながら、小学校低学年までの時期に、保護者から本を読んでもらうとか、あるいは地域の公立図書館に連れていってもらったりした経験のある子どもたちは、後にみずから進んで本を読むようになるというようなことも聞いているわけであります。
 そこで、推進校は、読書活動を進めるに当たって、家庭や地域との連携をどのようにして行っているのか、どういう取り組みをしているのか、教えていただきたいと思います。

○坂本指導部長 児童生徒が自主的、主体的に読書に取り組む意欲と態度をはぐくむためには、学校が家庭や地域と連携することが重要であります。
 現在、推進校では、保護者会の機会等を通して、保護者による読み聞かせ、同じ本を読み合う親子読書などを推奨しています。とともに、家庭にブックリスト等を配布いたしまして、読書のきっかけづくりを行っております。
 また、地域の公立図書館の担当者によるお話し会やブックトークを実施したり、団体貸し出しを利用して、調べ学習等に役立つ本や資料を整備したりしております。
 こうした家庭や地域の人々の積極的な協力を得まして、推進校では、児童生徒の本に対する興味、関心が高まってきております。

○高木委員 ぜひこれからも推進校による取り組みというものをなお一層進めていただきたいと思いますし、推進校の実績というのを、今、推進校になっていない学校にもぜひ広めていただきたいし、そして東京都全体で本に親しめる、そして言語能力の向上に関心を持てる子どもたちをふやしていただきたいなというように思っています。
 読書は、結局のところ、ただ単に本を読めばいいということではなくて、読んだ本をどう理解するかということに多分つながってくるんだろうと思います。
 これも、先ほどからいっている偉人の言葉ですけれども、読書は単に知識の材料を提供するのみと。それを自分のものにするには思索の力だということをイギリスの哲学者のジョン・ロックがおっしゃっているわけであります。
 つまり、読んで、それで終わりではなくて、そこからやはり自分なりに考える力を、あるいは考える力とともに考えた結果を人生にどう生かしていくのかということを含めて、これは教育だと思いますので、言語能力向上推進事業というのは、ある意味で非常に人間形成の深い部分を担っているという大切な事業だということで、私は、ぜひこれからも力を入れていただきたいなと思っております。
 次の質問に移らせていただきます。次は、特別支援学校の生徒の就労支援についてお伺いをしたいと思います。
 障害のある人々の職業的な自立は、共生社会の実現に向けて大きな意義があると思います。都教育委員会においても特別支援学校の生徒の自立と社会参加を目指し、職業教育の充実や職業学科の開設、就労先の企業開拓などに取り組んできていることは存じ上げているつもりであります。
 一方、特別支援学校の生徒が卒業後にみずからの努力によって自立への道筋を模索するためには、そのほかにもきめ細かな就労継続のための取り組みが求められているわけであります。
 これは一つの例でありますが、都内六カ所に福祉保健局が設置をしている通勤寮という施設がありますけれども、この通勤寮では、入所者は入所期間中にスタッフによる福祉的支援を受けながら、自身が働き、所得を得て、生活費などを支払って、貯金もして、そしてさらに税金も納めて社会的義務を履行しているという、自信と誇りを醸成しながら、退所後の自立に向けた努力をしているわけであります。
 特別支援学校の卒業生の中でも、こうした支援を必要とする生徒は、通勤寮に入寮して、就労先の確保とともに、これらの支援を受けることで自立と社会参加が促進されると私は考えておりますので、この特別支援学校の生徒の就労支援をして、自立と社会参加を促進する観点から、通勤寮を所管する福祉保健局との連携をさらに一層強めていくべきだと考えているんですけれども、教育委員会の見解を伺いたいと思います。

○廣瀬特別支援教育推進担当部長 福祉保健局が所管しております通勤寮は、入所し、就労している中軽度の知的障害者に対し、社会性を高める生活訓練などの生活支援や、職場訪問などによるきめ細かな就労継続のための支援を提供している施設でございます。
 通勤寮が、障害者がみずから働き、自立した生活を継続していくための役割を有していることから、特別支援学校におきましても、生徒が卒業後に就職に合わせ通勤寮への入寮を希望する場合には、進路指導担当から通勤寮に対して入寮に向けた働きかけを行っております。
 また、学校によっては、在学中に通勤寮に体験入寮させ、就職後の生活への円滑な移行を支援しているところでございます。
 今後とも、特別支援学校卒業生の就労支援と自立及び社会参加の促進のため、通勤寮の利用に関し緊密に福祉保健局と連携してまいります。

○高木委員 今回、私、実は特別支援学校の生徒の就労支援という大きなテーマに対して、この一点だけ、通勤寮の問題だけ取り上げさせていただきましたが、本来的にいえば、特別支援学校を卒業した後の子どもたちの問題というのはもっと多岐にわたっておありになるんだろうなと思っているんです。
 実は、通勤寮の問題だけ取り上げましても、例えばこういうケースがあるんですね。虐待とかネグレクトとかいろんな原因がありますけれども、親御さんのもとに住めなくて児童養護施設にいらっしゃる知的障害の子どもが特別支援学校に通っているというようなケースがあります。
 特別支援学校に通っていて、十八歳で卒業していくときに、十八歳ですから、児童養護施設にはもういられないんですね。そうしますと、当然、どちらかに住まなければいけない。そのときに通勤寮に行くというケースはよく聞く話。あるいは、まれなケースですけれども民間の住宅に入ったりとか、あるいはグループホームにというケースもあるように聞いています。
 ただ、親を頼れない子どもたちの場合は、お金がないもんですから、例えば通勤寮に入るにしても、入寮する前に健康診断とかさまざまな経費がかかる問題がございまして、つまり、全くお金のない子どもも十八歳になるとそういうところに入らざるを得ないというか、児童養護施設は出なきゃいけない。次の生活の場を見つけなければいけない。
 そのときにお金がないからどうするのかというと、実は、制度も何もないもんですから、通勤寮を運営しているそこの寮長さんが自腹を切ってお金を貸しているというケースは、もう普通の状態なんですよ。ですから、そういうことを、例えば就労支援という大きな枠組みの中で、もっといろんな事例というのをぜひ考えていただきたいなと思っているんです。今のは本当の一例なんですよ。
 もっといいますと、働こうと思っても、居住地が決まらないと、当然、企業の方は就職できませんから、あるいは働こうと思った会社が、居住地によって職場を振り分けるなんていうケースはよくある話で、そうしますと、居住地が決まらないと働くこともできない。
 仮に、働く場所が決まりました、あるいは住む場所も決まりましたといっても、給料をもらうまでにはやっぱり一カ月先という話になるわけですね。そうすると、その一カ月間どうやって過ごすのかということになると、ここはまたその施設の方が善意で多少のお金をお貸ししているというようなことが実はあるんですよ。
 ですから、そういうことも含めて、この就労支援全体の大きなお話の中からいろいろなことを、これは福祉保健局との連携になると思いますが、ぜひ教育委員会の方でもその辺を、就労支援という世界の中から一つ一つ解決をすべき道筋を見出していただきたいなというふうに私は思っています。
 今回は、先ほども申し上げましたけれども、通勤寮の問題だけ取り上げましたが、ほかにもいろんな就労支援の手法、あるいはやっている実績があると思います。ですから、こうした特別支援の子どもたちが社会に巣立っていく、少なくとも自立を目指してこれから社会人として巣立っていくというときに、やはり私たちはそれを全面的にというか、最大限サポートができる体制というのをつくり上げていかなきゃいけないなというふうに思っています。
 その点では、それぞれ役割があって、やるべきことがあると思いますので、ぜひ教育委員会のご努力も期待をさせていただいておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上でございます。

○大松委員 石原知事は、六月、十月の本会議で、日本の教育改革の核心を突く発言をされていらっしゃいます。教育を重視する姿勢に、政治家としての格の高さを感じております。
 その中で知事は、六月十七日の所信表明で、かわいい子には旅をさせよといいますが、世界を舞台に活躍する力強い若者を育成すべく、海外武者修行や留学を直接応援する新たな仕組みを構築したいと述べておられます。
 教育分野における国際化は顕著でありまして、留学のあり方も、日本の高校から海外の高校へ、日本の高校から直接海外の大学へ進学するなど、多様化しております。海外で学ぼうとする意欲ある青年は国の宝であり、知事がおっしゃられるように、もっと応援をしていくべきでありますけれども、国による留学支援の仕組みや奨学金は十分とはいえません。東京都教育委員会としても留学支援を行うように、まず要望をさせていただきたいと思います。
 その上で、若者を海外に送り出すとともに、教員自身の海外派遣も重要でございます。OECDの国際的な学力調査が話題になり、契機になりまして、どこの国でどのような教育が行われているのかという関心が国内外に広がっております。
 こうした現象を、経済力の競争ではなく、教育そのものを競い合う時代に入りつつある象徴的な出来事として受けとめることができまして、日本は、それをリードしていくことで国際社会における地位を高めていくことができるわけでございます。こうした観点からも、教職員こそ、海外で武者修行をし、力をつけていただきたいと考えるものでございます。
 都教育委員会は、平成二十二年度から指導主事と教員の海外派遣事業を実施していますが、その研修内容について伺います。

○坂本指導部長 指導主事の海外派遣は、日本とは異なる行政制度や、学校経営の専門的知識を学ぶことを目的としております。
 派遣された指導主事は、研修先の大学院でマーケティングリサーチやマスメディアとの関係構築の方法を学ぶとともに、現地の教育委員会での実務研修等を通して、データ分析に基づく教育施策の取り組み、NPO等の第三者機関との積極的な連携等について学んでおります。
 また、教員の海外派遣は、教科指導の専門的知識や指導技術を学ぶことを目的としております。
 派遣された教員は、研修先の大学院等で英語の指導法等の理論を学ぶとともに、現地校等での実務研修等を通して、生徒の英語能力レベルに応じた指導法を実践的に学んでおります。

○大松委員 派遣された指導主事と教員は、海外でなければ学べないことや、貴重な体験をしてこられたと思います。その具体的な成果について伺います。

○坂本指導部長 指導主事は、最先端の経営理論や、日本とは異なる社会背景に基づく教育行政制度や、その運営実態への理解を深め、教育行政組織のリーダーに求められる戦略的思考法を習得しました。また、このことで新たな施策を企画できる力を身につけることができました。
 また、教員は、英語の指導法にかかわる理論と授業実践を通しまして国際的な英語教師の資格を取得するなど、英語の指導技術を高めますとともに、自身の英語力を向上させることができました。さらに、海外から日本を見詰めることにより、改めて日本の伝統や文化のよさに気づき、広い視野から物事を見詰めることができるようになりました。

○大松委員 日本の伝統や文化のよさに気づいたとの報告がございましたけれども、大切な点でございます。海外から学ぶ点もあれば、すぐれた日本の教育も世界に発信をしていっていただきたいと思います。
 次に、本事業の成果や、指導主事や教員が海外で身につけた力を広く東京都全体に還元していくことが必要です。そこで、昨年度実施した本事業の成果の普及状況及び派遣者の活用状況について伺います。

○坂本指導部長 本事業の成果を東京都全体に普及するために、ことしの五月、都内公立学校教員及び区市町村教育委員会指導主事等を対象に成果報告会を実施いたしました。
 また、八月には、本事業の成果をまとめた報告書を作成いたしまして、区市町村教育委員会、都内全公立中学校、全都立学校に配布いたしました。
 派遣された指導主事は、海外で学んだ専門的知識を教員研修の場で活用したり、海外で得たグローバルな視点や考え方をもとに、都の新たな教育施策の企画立案を行っております。
 また、教員は、学んだ英語の指導法等を所属校における英語指導や若手教員への指導に生かしております。さらに、指導主事とともに英語の指導法に関する教員研修会の講師として、都における英語教育の充実に取り組んでおります。
 都教育委員会は、平成二十三年度も、指導主事二名、教員二名の合計四名をカナダに派遣しており、今後とも、本事業の成果を東京都全体に広げてまいりますとともに、都の教育をリードできる人材の育成に努めてまいります。

○大松委員 教育は、医学と同様に、臨床と研究を繰り返す中で発達していくものといわれております。教職員自身が国内外の現場で教育を実践し、その経験や知見をもとに、教育の技術や行政の教育制度を改善していくことが大変重要であります。
 都教育委員会は、海外派遣した教員を大切に処遇して、都の教育改革に生かしていただくように要望をするものでございます。そして、さらに着実に増員をすべきものと訴えさせていただきます。
 そして、先ほど高木先生からも触れていただきましたけれども、大切なお話でございますので、言語能力について質問をさせていただきます。
 OECDの学力調査を契機に学習指導要領が改訂をされ、今年度から小学校で、来年度からは中学校でも、すべての教科で読解力を育てる授業が行われるようになりました。
 こうした授業は教員自身が受けた経験がなく、全国の学校では手探りで授業を進めておりますけれども、都教育委員会は推進校を指定し、特色のある取り組みを支援する取り組みで全国の模範となっております。平成二十三年度の言語能力向上推進校の取り組み状況について伺います。

○坂本指導部長 今年度推進校である都内公立小中学校五十校、都立学校十五校は、読書活動と書くことに関する学習活動を中心に据えて研究を進めております。具体的には、教科等の授業で、児童生徒が学校図書館を活用した調べ学習、意見の異なる者同士の討論、同じ本を読んで意見等を述べ合う学習活動等を行っております。
 一方、教員は、読み聞かせの達人や大学教授等の専門家を招聘した研修を通しまして、各教科等の言語活動に係る指導や評価のあり方を学ぶことにより授業力を高めております。

○大松委員 言語能力向上推進校への指導や、本事業の成果の普及啓発について伺います。

○坂本指導部長 これまで都教育委員会は、推進校の管理職及び研究主任等を対象とする連絡協議会を二回開催し、本事業の推進上の留意点等を周知いたしますとともに、推進校が研究の成果と課題を共有するため、実践発表やグループ協議等を行ってまいりました。
 また、指導主事が推進校を訪問し、言語能力の向上に係る講話や研究授業に対する講評を通しまして、各校が研究の方向性を明確にするための指導助言を行っております。
 さらに、言語能力向上推進事業ニュースをこれまでに六回発行し、推進校の取り組みやその成果、言語能力向上に係る情報を都内すべての公立学校に発信いたしますとともに、都教育委員会のホームページに掲載いたしまして、本事業の成果の普及啓発を行っております。

○大松委員 石原知事は、六月十七日の所信表明で、国際化の時代に必須な論理的思考や、他者と十二分に意思を交わす言語の技術といった言葉の力も身につけさせますと述べています。
 知事がいわれるように、国際社会におけるコミュニケーションでは、どこの国の言葉であれ、そこに論理性がなければ伝わりません。言語能力向上推進事業においても、論理的な思考力、表現力の向上を重視すべきです。所見を伺いまして、質問を終わります。

○坂本指導部長 言語能力の育成に当たりましては、論理的に思考し表現する能力、互いの立場や考えを尊重して伝え合う能力をはぐくむことが重要であります。
 このため、言語能力向上推進校では、児童生徒が文章を書くことや、自分の考えや意見を述べる機会を多く設けるなど、論理的な思考力、表現力の育成を特に重視しております。
 例えば、根拠資料をもとに自分の考えを書いて討論する、あるいは予想や仮定を立てて観察や実験を行い、その結果をまとめて表現するなどの学習活動を、社会や理科などの教科等の授業を通して行っております。
 都教育委員会は、今後とも、こうした取り組みを一層充実させ、論理的な思考力、表現力を初め、児童生徒の言語能力を向上させてまいります。

○野上(ゆ)委員 一九九〇年の改正入管法施行を契機に在住外国人が著しく増加し、定住化、永住化しております。単に外国人を観光などの短期滞在者としてとらえるだけではなく、地域で暮らす生活者としてとらえ、どのようにかかわり合っていくのかをこれまで以上に意識して、施策の方に反映をさせていかなくてはならないというふうに考えております。
 財団法人入管協会が示した平成二十二年版在留外国人統計によりますと、平成二十一年末による外国人登録者数は二百十八万六千百二十一人で、前年度に比べ三万一千三百五人、一・四%減少し、我が国の総人口一億二千七百五十一万人の一・七一%を占めており、五年前、平成十六年末の百九十七万三千七百四十七人に比べ二十一万二千三百七十四人、一〇・八%、十年前の平成十一年末よりも四〇・五%増加しているというふうに統計が出ております。都道府県別によると、もちろん、この東京が最も多く、四十一万五千九十八人で、全国の一九%を占めております。
 そういった中で、特に、この委員会では、外国人の、あるいは外国のルーツを持つ児童生徒に対する日本語の指導について伺いたいと思います。
 特に、外国人の子ども、外国のルーツを持つ子どもが不就学にならないように、また、公立学校においては、日本の学校や教育環境に早期に対応できるように日本語指導の充実が必要だと考えております。
 そこでまず、都内の公立学校に在籍している日本語指導が必要な外国人児童生徒数はどのくらいなのでしょうか。また、その実態把握の方法や経年変化について伺いたいと思います。

○坂本指導部長 都教育委員会では、文部科学省からの依頼を受けまして、日本語指導が必要な外国人児童生徒の受け入れ状況等にかかわる調査を実施いたしまして、実態把握を行っております。
 平成二十二年度に都内の公立学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒数は二千七百五人であり、十年前に比べておよそ千人増加しております。

○野上(ゆ)委員 例えば、小学校の低中学年ですが、この時期は、子どもたちにとって、学校教育の教科の学習等を通して学習言語、つまりは思考の言語の基礎を身につけ出す時期でありますが、外国にルーツのある外国人の子どもたちにとっては、日本語という新しい言語環境に置かれ、まず日本語の日常の生活の言語を一から学ばなくてはいけないという状況に陥ります。
 そういった中で、必死で日本語の日常的な生活の言語を学んでいる間に、一般の子ども、いわゆる日本の子どもたちは教科の学習とともに思考の言語の習得も進めていって、その間に、もはや、もう追いつけなくなるような、追いつくことが本当に不可能なほど、学力的に非常に差が出てしまうという状況があります。結果的に低学力というふうにされてしまうというような状況があります。
 そこで、都の教育委員会は、日本語指導が必要な外国人児童生徒の学習活動を支援するため、どのような取り組みを行っているのでしょうか、伺います。

○坂本指導部長 都教育委員会は、平成二十二年度から都立学校における日本語指導外部人材活用事業を開始し、外国人児童生徒の母語を話せる外部人材による授業中の補助や放課後等の個別指導を通して、日本語の習得状況に応じた指導を行っております。
 また、小中学校につきましては、都内二区市を日本語指導研究開発モデル地域に指定いたしまして、日本語指導の指導内容や方法、教材の開発を行いました。
 平成二十三年度には、その成果をまとめた教材集、日本語指導ハンドブックの初級編と中級編を全小中学校に配布いたしまして、日本語指導が必要な外国人児童生徒の教育指導に役立てております。

○野上(ゆ)委員 外部人材の活用というところで非常に期待をするところでございます。学校のみで必要な数の人材を確保するということは非常に難しいと思いますし、困難な状況だということは伺っております。
 この主要事務事業の概要によりますと、都は人材バンクを設置し、本年度は、昨年、二十二年度に続き、モデル事業を行う計画であるというふうに伺っております。
 そこで、教育庁人材バンクに登録している日本語指導が可能な外部人材のうち、どのような言語を専門とする人材がどのぐらい登録しているのか。また、その中で、資格保持者や教育指導経験のある者など、専門的能力を有する人材がどのぐらい登録されているのか、伺います。

○中島教育政策担当部長 教育庁人材バンクに登録しております日本語指導が可能な外部人材は、平成二十三年十月二十日現在、百一人でございます。
 言語は十四言語に及び、代表的な言語といたしまして、中国語二十六人、英語二十人、韓国語十一人、スペイン語四人が登録されております。
 また、日本語指導資格や教員免許保持者、大学講師、日本語学校講師など、教育指導経験のある専門的能力を有する人材は六十六人登録されております。

○野上(ゆ)委員 言語が十四言語に及ぶというところは非常にすばらしいと思っています。というのも、母語で安心して教育が受けられる、あるいは、その子どもが将来帰国した際に、母国での教育システムにある程度溶け込みやすくするという一つの大きな支えになっていると思います。
 こういった子どもたちは、自分自身が母国語も日本語もいずれも中途半端なままに成長してきてしまったり、あるいは、みずからのアイデンティティーが確認できないままでいるお子さんもいらっしゃるそうです。
 また、ご両親や保護者の方は母語、そして子どもは日本語での相互コミュニケーションがとれない、そういった状況も起きているというふうに伺っておりますので、この人材バンクの事業というのはますます必要というか、非常に期待するところでございます。
 さらに質問を進めさせていただきますが、教育庁人材バンク事業において、日本語指導の分野で具体的にどのような成果が上がっているのか、伺います。

○中島教育政策担当部長 教育庁人材バンク事業におきまして、日本語指導の分野での具体的な成果として、例えば、都立高校の依頼に基づき、日本語指導資格を有する者を紹介し、日本語の理解が不十分で授業内容を消化し切れていなかった中国人生徒に対しまして日本語の指導を行った結果、授業内容の理解が進み、みずから積極的に授業中発言するようになったなどの声が学校から寄せられております。
 また、区立小学校におきまして学校及び区教育委員会で適任者を探すことが困難でございましたタイ語の指導者を、教育庁人材バンクの協力団体でございます財団法人留学生支援企業協力推進協会の協力を得まして、短期間で学校に紹介した事例などがございます。

○野上(ゆ)委員 本当に少なくない数の子どもたちを適切な教育が受けられない状況にして、将来への希望が見えないままの状態で成長させていけば、その一部は反社会的な存在となる可能性もなきにしもあらずでございます。また、その社会不安が進行して、その対策のためのコストというのは非常に大きく、私たち自身にもはね返っていると予測されます。
 また、この取り組みで私自身が非常に期待をしているところは、日本人の生徒さん、児童さんにも、これは大きな国際教育のあり方、あるいは人権教育を示しているというふうに考えています。
 日本語教育、外国にルーツを持つ児童生徒、あるいは外国人生徒に対しての母語によるサポート、そして母語を保障するという取り組みというのは、日本語を母語とはしない外国在住の方や、あるいは何度も繰り返すようですが、外国にルーツを持つ児童生徒を排他的にはしない。そして、外国籍の市民であっても、国際都市東京においてはきちんと健全な発達を望むことができると、そういったことを日本人の一般のご両親の方にも、あるいは一緒に学習を進めている生徒さんにも示していくということは非常に重要な取り組みだと私は思っております。
 国際教育、人権教育の理念、あるいは他者を尊重する態度ということも非常に示されているというふうに私は考えております。ぜひ、この人材バンク事業、さらなる活用を期待しておりますし、また、日本語の指導も充実していただきますように要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。

○野田委員 私からは、日本史必修化について質問いたします。
 ギリシャ神話に出てくる伝説の都市トロイアが実在することを証明したドイツの考古学者シュリーマンは、幕末に来日し、当時の日本の様子を記述した本の中で、日本と日本人のすばらしさについて記しています。
 日本人は世界で一番清潔な国民で、日本の住宅がその見本であると称賛し、さらに、役人のわいろを拒否する姿勢や、人足が要求する賃金の正当さなど、金銭に対する清潔さにまで言及しております。
 また、ここでは君主がすべてであり、労働者階級は無であるにもかかわらず、この国には、平和、行き渡った満足感、豊かさ、完璧な秩序、そして、世界のどの国にも増して、よく耕された土地が見られる、日本は封建制社会ではあるが、法治主義にのっとった平和と秩序のある国であることに感嘆しております。
 このように、幕末から明治期に訪れた外国人の多くは、日本は治安が整った文明社会であり、日本人の道徳心の高さや礼儀の正しさ、そして、その知的水準の高さを大変評価しております。
 このような先人が築き上げた日本のよさを現在の高校生に理解させるためにも、都教育委員会が日本史必修化に伴い開発した「江戸から東京へ」の教科書を全都立高校に配布し、その活用を図っていることは意義あることと思っております。
 まず、都教育委員会として、「江戸から東京へ」の教科書の活用の充実を図るためにどのような取り組みを行っているのか、伺います。

○坂本指導部長 都教育委員会は、本年四月に、すべての都立高校生約十四万人に東京都独自科目「江戸から東京へ」の教科書を配布いたしました。
 また、五月に、都立高校全課程から二百三十三人の地理歴史科の教員を集めて説明会を開催し、日本史必修化の趣旨及び東京都独自科目「江戸から東京へ」の教科書の内容や活用方法などを説明し、その普及啓発を図りました。
 今後は、今年度教育研究員に指名された七人の地理歴史科教員が、「江戸から東京へ」を活用した授業のあり方につきまして、三回の研究授業を含めた一年間の研究を行いまして、来年二月には、すべての教員を対象に研究成果発表会を行う予定でございます。

○野田委員 都教育委員会が、今年度、この教科書の活用の充実を図るためにさまざまな取り組みを行っていることについてわかりました。
 この教科書は、従来の教科書と違い、写真や地図等の図版を数多く使ったビジュアルな紙面構成になっている上、コラム等も充実させて、歴史をさまざまな角度から見ることができるように工夫されていると思います。学校においては、この教科書をさまざまに活用していると考えられます。
 そこで、この教科書を配布された学校としては具体的にどのような活用をしているのか、伺います。

○坂本指導部長 東京都独自科目「江戸から東京へ」は、江戸開幕から現在に至るまでの近現代史の大きな流れを、現在の東京に残る史跡や文化財を活用し、地理的視点も踏まえて総合的に学習をしていくものでございます。
 「江戸から東京へ」を実践している学校では、現在、開国から明治後期にかけての範囲の学習を行っているところでございます。
 この教科書には、生徒にさまざまな問いかけを行う「学びの窓」や、歴史の考察を深めるコラムを設けまして、生徒の歴史学習への興味、関心を高めさせる工夫が凝らされていることから、各学校では、通常の日本史の授業の補助教材としても活用しております。
 また、数多く江戸東京に関する史跡・文化財とその地図を掲載していることから、江戸東京の歴史をテーマにした遠足などの学校行事でも活用されております。
 さらに、この教科書から生徒自身が江戸東京の歴史に関するテーマを選びまして、長期休業中等にフィールドワークを行い、その調査結果をレポートにまとめた学校もございました。

○野田委員 各都立高校では、この教科書を「江戸から東京へ」の授業だけではなく、日本史の授業の副読本や、学校行事や調べ学習で使われているなど、さまざまな取り組みをしてくれていることがわかりました。また、各学校の歴史の授業の進行管理も適正になされていることがわかり、安心いたしました。
 ただいまのご答弁で、江戸東京に関する史跡や文化財の活用について述べられましたが、この教科書の一二一ページには、外壁に大東亜戦争のときの機銃掃射の弾痕が残る旧日立航空機の変電所が掲載されております。
 この変電所は、昭和二十年四月の東京への空襲を伝えるものとして、私の地元である都立東大和南公園に保存され、平成七年には東大和市の史跡に指定されたものです。このような戦争に関する史跡は、多摩には多く点在しております。
 私の地元の武蔵村山市にある陸軍少年飛行兵揺籃之地と東航正門跡と刻まれた二つの碑が建つ地は、東京陸軍少年飛行兵学校跡地として武蔵村山市の旧跡に指定されております。少年飛行兵学校の卒業生が国を守るために戦い、特攻隊として国のために命をささげたあかしであります。
 地域にある史跡や文化財などの身近な教材を活用することは、生徒の歴史に対する興味、関心にもつながり、近現代史を学習するには大切なことと思います。ぜひとも東京にある多くの史跡や文化財を適切に活用していくことを望みます。
 最後に、来年度向けの「江戸から東京へ」の完成版教科書の作成について伺います。
 今後、都教育委員会としては、学校側を初めとするさまざまな意見をどのように吸い上げ平成二十四年度完成版教科書に反映させていくのか、伺います。

○坂本指導部長 都教育委員会では、本年九月末に、全都立高校の管理職、教員、生徒、保護者に対しまして「江戸から東京へ」の教科書に関する活用方法や活用形態、興味、関心度についてのアンケート調査を実施し、現在、その結果を集計、分析しているところでございます。
 また、「江戸から東京へ」の授業を実践している学校に指導主事を派遣いたしまして、課題の聞き取りも行ってまいります。
 今後は、これまでにいただいた、学校を初め、さまざまな都民からのご意見を参考にいたしまして、来年三月までに完成版の教科書を作成いたしますとともに、「江戸から東京へ」の指導書やデジタルコンテンツも作成いたします。
 本「江戸から東京へ」の教科書につきましては、引き続き都民や学校からの意見を聴取いたしまして、その精度を高めてまいります。

○野田委員 都教育委員会は、来年度使用する完成版の「江戸から東京へ」の教科書を完成させるため、さまざまな意見を聴取していることがわかりました。
 東京の高校生にしっかりと近現代史の学習をさせることは重要と考えます。そのためにも、広く都民からの意見を聞き、よりすばらしい教科書をつくっていくことを望み、質問を終えます。

○西沢委員 では、まず最初に、私からは、昨年に引き続き、学校非公式サイト等の監視についてお伺いをしていきたいと思います。
 都の教育委員会は、平成二十一年の六月からすべての都内公立学校を対象に、学校非公式サイト等の監視業務を行っていると承知しておりますが、今年度の不適切な書き込みの状況についてお伺いいたします。

○坂本指導部長 平成二十三年四月から九月末日までの不適切な書き込みの総件数は六千七百四十一件で、平成二十二年度同期間の総件数八千四百六十件と比較しますと、約二割減少しております。
 内容としましては、自分や他者のメールアドレスや電話番号などの個人情報を不用意に公開しているものが約八割、喫煙や飲酒の告白などの不適切行為が二割弱となっております。

○西沢委員 不適切な書き込みが昨年同時期と比べて二割減少しているということは、いい傾向だというように思います。
 それで、平成二十一年度の不適切な書き込みの合計が一万三千九百五十五件、二十二年度、一万二千四百三十三件と一見減っているように見えるんですが、監視業務を始めたのが二十一年の六月ということですから、二カ月分違うので、二十一年度と二十二年度で比較して、一概に減っているということはいえないのかもしれません。
 件数だけ見ると、一割減少しているように見えますが、二カ月足りないというところなので、この減少していることはいいことなんですが、こういったところも注視していかなければいけないと思います。
 私が少し気になったところは、不適切な書き込みと別に、その他というところの書き込みがあります。このその他というものが二十一年度は二千五百十三件、二十二年度は四千三百九十三件と一・七五倍ふえているわけなんですね。
 その他とは、ここに書いてあるものを見ますと、児童生徒等による学校非公式サイトやコミュニティサイト等で検出された書き込みで、学校生活や学校行事、部活動等に関する情報交換など、不適切ではないものをいう。不適切でないと書いてあるわけですが、であれば、統計をとっている理由が何なのかとか、具体的にどのような書き込みのことをいうのか、なぜその他というのがふえているのか、お伺いいたします。

○坂本指導部長 その他とは、自身の個人情報の公開や誹謗中傷など、学校非公式サイト等の監視業務における十の項目に当てはまらず、不適切な書き込みに分類されないものでございます。
 その他として検出された例としましては、部活動の開始時刻変更の連絡、文化祭を盛り上げるための呼びかけなどがございました。
 不適切な書き込みが減り、その他がふえたことは、各学校における情報モラルに関する指導はもとより、監視業務によって得られた情報をもとに、児童生徒への個別の指導を確実に実施してきたことによりまして、掲示板などを活用する上でのルールを理解し、マナーが少しずつ向上していることのあらわれととらえております。

○西沢委員 不適切な使い方が減ってきた、正しい使い方がされてきたというような結果であると、こういうふうに理解をいたします。
 ただ、ネットの書き込みというのは一度書き込むと当然削除されない、削除しても、跡、キャッシュというものは残ります。
 その他も含めた全体での件数というのは、二十一年度から二十二年度で比較するとふえているわけでありますから、これは監視を今後も引き続きしていって、注視をしていただきたいというように思います。
 続いて、この学校非公式サイト等の監視業務によって検出された不適切な書き込みに関する得られた情報などをどのように情報モラル教育推進に生かしているのかをお伺いいたします。

○坂本指導部長 学校非公式サイトの監視によりまして検出された不適切な書き込みに関する情報は、都立学校につきましては直接、区市町村立学校につきましてはそれぞれの教育委員会を通しまして学校に提供いたしまして、当該児童生徒等への指導を依頼いたしますとともに、指導の経過等について報告を求めております。
 個人情報の公開がもとで、つきまといに遭ったり、嫌がらせを受けたりするなどの実際に起きた事例をもとに、教員が情報モラルについて指導する際に活用できる指導事例集等を作成しております。
 また、こうした危険性に児童生徒自身が気づき、事件や事故に巻き込まれることをみずから回避できるようにするため、被害の事例や、インターネットを利用する上でのルールやマナーについて学べるリーフレットを作成しております。
 指導事例集等はすべての都内公立学校に、児童生徒用のリーフレットにつきましては都内公立学校のすべての小学四、五年生及び中学一年生に配布いたしますとともに、都立学校の校長や区市町村教育委員会の指導主事に対して内容や構成等を周知いたしまして、各学校での活用を促してまいります。

○西沢委員 では、どのようなサイトが実際に検索の対象になっていくのかということを確認していきたいと思います。
 当然、ネットの膨大な情報をすべて網羅していくということではないかと思いますが、一般的な検索エンジン、例えば巨大掲示板で有名な2ちゃんねるだったりとか、そういったサイトが学校非公式サイト等の監視業務の対象になっているのか、お伺いいたします。

○坂本指導部長 監視は、コンピューター及び携帯電話で学校名やその略称をキーワードに検索を行いまして、検出されたすべての書き込みについて不適切な内容かどうか、一つ一つ目視による確認作業を徹底して行っております。
 すべてのサイトに対して同じ方法で監視業務を行っておりまして、特定のサイトに着目して行っているのではございません。

○西沢委員 入っているということでよろしいんですよね。
 それで、これまでのこういった普通の一般的な掲示板サイトやインターネットに加えて、昨年もお伺いしたツイッターなどが扱われるようになっております。昨年、十月の事務事業の中でツイッターについてお伺いしたときは、ゼロ件でしたというお答えをいただきました。ですので、現状はいかがでしょうか、お伺いをいたします。

○坂本指導部長 平成二十二年九月からツイッターを監視対象に加えまして、平成二十三年九月末までの十三カ月間におきまして検出された書き込みの総件数は五十件であり、そのうち不適切な書き込みは十五件でございました。
 内容としましては、メールアドレスや電話番号などの個人情報の公開と不適切行為が大半でございました。

○西沢委員 ふえてきていますね。もっと多いのかなと思いましたけれども、ツイッターの普及率は爆発的なものですから、これからふえていくんだと思います。引き続きお願いしたいと思います。
 それで、今回、ツイッター以外にも、いわゆるフェイスブックやミクシィといったSNSツールが使われるようになってきておりますが、これらのサービスは監視の対象になっているのか、お伺いいたします。

○坂本指導部長 ご指摘のサービスにつきましては、すべての人が自由に閲覧することができるサイトではなく、個人としての登録が必要な会員制のサイトでありますことから、監視対象としてはなっておりません。

○西沢委員 監視対象となっていないということであります。掲示板の2ちゃんねるとかツイッターは、会員登録をしなくてもだれでも見ることができるわけですけれども、このフェイスブックの爆発的な普及率というのは、非常に目をみはるものがあると思っております。
 フェイスブックは、ご存じのように、チュニジアとかエジプト政権を倒すきっかけに、引き金としてなったものでもありますし、日本では震災以降、震災のときに携帯電話はつながらなかったけれども、フェイスブックで安否確認ができたというようなケースが非常に多く、利用者が大変ふえてきているというように聞いております。
 今や、企業がフェイスブックを使って採用予定者を確認したり、人となりを見たりとか、イギリスでは警察官向けにツイッター講座とかフェイスブック講座を開いて、ここから個人情報の流出、犯罪の摘発率のアップをねらっていると、こういったものであります。
 海外に比べて日本はまだ普及していないんですけれども、要するにイギリスでは警察がそこから犯罪につながるおそれがあるというのを認識しているわけでありまして、これは私は監視していく必要があるんだと思います。
 フェイスブックは実名主義であります。特に、実名で登録して、その場で書けば、登録からサービスの開始まで、そんなに時間がかからなくできるわけです。
 私もフェイスブックをやっているんですが、いろいろとちょっと自分のコミュニティであるとか見たんですが、幸い不適切だと思われるようなものは見つけられませんでした。
 現状では、まだ社会問題になるようなことではないかもしれませんが、私はそういった危険性をはらんでいるんだと思いまして、こういったものを監視業務にしていってほしいというように思います。
 今後、そういった新しいコミュニケーションツールはたくさん出てくると思いますが、これからの学校非公式サイトの監視業務の方向性についてお伺いをいたします。

○坂本指導部長 情報化の進展によりまして、さまざまなコミュニケーションツールが生み出されており、これらに対して敏感に反応する児童生徒への指導が重要であると考えております。そのためにも、今後も学校非公式サイト等の監視を継続いたしますとともに、監視対象の見直しを行うなどしてまいります。
 また、監視から得られたさまざまな情報を指導事例集やリーフレット等に反映させることによりまして、児童生徒が被害者にも加害者にもならないよう、情報モラル教育の一層の推進を図ってまいります。

○西沢委員 監視対象も含めて見直しをして実施していくというご答弁をいただきましたので、機会がありましたらまた聞きますので、その際どうなっているか、現状、イタチごっこかもしれませんが、ぜひ引き続きご助力いただきたいと思いまして、次の質問に移りたいと思います。
 続いて、埋蔵文化財センターについてお伺いをしたいと思います。
 埋蔵文化財センターは、スポーツ文化事業団の一つではありますが、スポーツ振興局ではなく、埋蔵文化財センターのものについては教育庁が所管だということなので、この場で聞かせていただきたいと思います。
 埋蔵文化財、文化財の保持であるとか、そういった文化を広めていくというところに対して、大変重要な意義があると私も感じているところでございます。これをあらかじめ断った上で、内容に踏み込んで聞いていきたいと思います。
 まず、この埋蔵文化財センターの概要と事業内容、目的やどのようなものなのかを、お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 東京都埋蔵文化財センターは、都内における埋蔵文化財の調査研究を行い、都民の文化財に関する理解を深めるとともに、文化財保護と地域開発の調和を図り、都民の文化的生活の向上と地域文化の振興に寄与することを目的に設立され、行政の補完という役割を担う団体でございます。
 当センターは、埋蔵文化財調査に係る専門性を維持しつつ、効率的、効果的な事業執行を確保する観点から、昭和五十五年に財団法人として設立され、現在は団体運営の一層の効率化を図るため、財団法人東京都スポーツ文化事業団の一部門となっております。
 その事業は、文化財保護法に基づく開発事業に伴う発掘調査、整理調査、保存処理、研究の実施、調査報告書の刊行、発掘成果の広報普及事業等でございます。

○西沢委員 団体の意義などはわかりました。
 この団体は、収支計算書を見ますと、東京都からの補助金、それから指定管理者として指定され、指定管理料が払われているわけでありまして、税金が流れている以上、都民からも見られるわけでございまして、確認をしていきたいんですが、昨今、いわゆる天下りの批判、厳しい目が都民からある中で、この埋蔵文化財センターには都のOB職員は勤務されているんでしょうか、お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 埋蔵文化財センター所長は、財団法人東京都スポーツ文化事業団の常務理事が兼務しており、この常務理事が都のOB職員でございます。
 また、出土品の分析や保存処理業務のために、契約社員として一名がOBとして勤務しております。

○西沢委員 スポーツ事業団と兼務をされているということですが、いわゆるOB職員、天下りというものがいるということでございます。
 では、平成二十二年の決算額ベースで、この埋蔵文化財センターの事業にかかわる人件費及び固有職員の平均給与は幾らか、お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 平成二十二年度決算ベースで、給与、諸手当等の人件費総額は、合わせまして六億二千四百五十一万九千四十八円、約六億円でございます。
 また、埋蔵文化財センターの固有職員の平成二十二年度の平均給与は八百三十八万七千円で、平均年齢は五十三・六歳となってございます。

○西沢委員 平均八百四十万円の年収ということで、私は高いと思います。平均年齢が高いので、基準にのっとってこの金額になるということで、別にそこに違法性があるだとかどうとかというつもりはありませんが、一般的にこの年齢で、平均年収が今サラリーマンで幾らぐらいでしょうか。六百万円ぐらいじゃないかと思いますが、一般的に比べれば高いと単純に感じました。
 さらに、スポーツ事業団のホームページに掲載されております役員の報酬を見ますと、役員が二人おりまして、そのうちの先ほどご答弁がありました一人が埋蔵文化財センター長を兼任されているということですが、年収でいうと千二百二十四万一千円ということで、年収一千二百万円の役員と平均年収八百四十万円の職員を抱えている団体、一般的に見れば非常に潤っているというか、会社でいえば、いい会社ですよね。そういった印象を受けました。
 では、この団体がどういった事業をやっていくのかというところを確認していきたいんですが、平成二十二年度の事業費の支出額を見ると、約二十二億円となっております。このうちの給与、諸手当と福利厚生費といった人件費、先ほどご答弁いただきました約六億二千万円の人件費と、委託費が約十四億三千万円となっていまして、二十億五千万円となって、人件費と委託費合わせて九三%を占めると。この団体の事業費のほとんどは人件費と委託費だということがわかるわけですが、じゃ、この委託費は何なのか、これをお伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 委託費の内訳は、発掘調査の作業員に係る民間業者への委託経費が約九〇%となっておりまして、その他に測量や科学分析、遺跡全景の空撮なども委託しております。
 発掘調査には、同センターの埋蔵文化財の専門知識を有する調査研究員が全体の進行管理、調整等を行っておりまして、委託経費は土木作業費や必要な外部人材の活用費ともいうべきものでございます。

○西沢委員 委託費の約九〇%が発掘調査であるというようなご答弁をいただきました。この団体の事業が、人件費と委託費がほとんどを占めて、その委託費のさらにほとんどが発掘調査であるというようなことがわかりました。
 この発掘調査なんですけれども、これは他の事業者に埋蔵文化財調査を委託することに使われているというように思いますが、センターが委託しないで、センターの職員自身で、自前で調査や発掘など、こういったことを行うことはできないんでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 発掘調査には、土地の掘削や測量を行う作業員のほか、地山の掘削作業主任者、土どめ支保工作業主任者などの配置も必要でございます。
 埋蔵文化財センターでは、発掘調査の質を担保するため、調査研究員を配置しておりますが、発掘調査現場の作業員や機材、さらには各種有資格者につきましては民間業者を活用し、センターの職員が直接実施するよりも、効率的、効果的に事業を実施しているところでございます。

○西沢委員 自前ですることができない。逆に今、民間を使った方が効率的で、効果的に事業を実施しているというようなことであります。当然、現場で穴を掘ったりとか、運搬するところまで専門知識が必要ではないというようなことなんだと思います。それは一定の理解が得られると思います。
 次に、受注したものを別の業者に委託しているわけでありますけれども、その事業のうち、東京都公共事業に伴う埋蔵文化財調査の発注額はどのくらいか、お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 平成二十二年度における発掘調査は二十二件、約十四億円でございまして、そのうち都の公共事業からの発注は十四件、約十億三千五百万円となってございます。
 これは、都内における発掘調査の大規模なものは、都の実施する公共事業に伴う調査が多いことが原因でございます。

○西沢委員 総事業費から人件費を除いた大部分が発掘調査であると。その発掘調査の約七三%になりますね、十四億円のうちの十億三千五百万円ということなので、七三%、七割以上が東京都からの仕事だということがわかりました。
 つまり、この団体は、ほとんどの支出である発掘の仕事というものがあって、その発掘の仕事のほとんどを別の会社に委託をしている。つまり、東京都から七割近くの仕事をもらって、それも全部ほかに投げているというような見方ができるんじゃないのかなというように感じます。
 これは、うがった見方をすれば、高い給与水準を維持するために、都の仕事をそのまま別に回すだけのトンネル団体だというようなことがいわれないでしょうか。

○谷島地域教育支援部長 埋蔵文化財センターでは、発掘調査現場における作業については民間業者に委託しておりますが、発掘調査における事業者との調整に始まり、発掘スケジュールの管理、作業指示や分析内容の検討、現場調査終了後の出土品の科学的分析等を行い、最終的には埋蔵文化財調査報告書の刊行まで、一貫して責任を負っているところでございます。
 このように同センターは、これまでの経験を生かした極めて専門性の高い事業を効率的に実施しており、トンネル団体というご指摘は当たらないものと考えております。

○西沢委員 今のご答弁のお言葉をかりれば、極めて専門性の高い事業なので、丸投げではないんですよというようなことだと思いますが、客観的に数字だけ見て、この団体の人件費と委託費、人件費は先ほど高額だと私、指摘しましたけれども、その人件費と委託費、委託費のほとんどが発掘調査、その発掘調査の七〇%が東京都から来ているというようなものだけ見ると、やっぱりこの人たちとか、この団体そのものをつくるためのシステムになっているんじゃないかなという疑問が残るということを指摘しておきたいと思います。
 それで、この団体、埋蔵文化財センターは、都から埋蔵文化財広報普及事業として、指定管理料、それから補助金、この二つを得て、事業が二つの経費に分かれているわけでございますが、なぜ二つに分かれているのか、お伺いをいたします。

○谷島地域教育支援部長 指定管理料で行われている広報普及事業は、都立埋蔵文化財調査センターの施設管理の一環として、同センターに収蔵管理されている埋蔵文化財を活用し、出土品の展示や復元住居の公開管理などを実施するものでございます。
 一方、補助金で行われている広報普及事業は、埋蔵文化財センターが開発事業者からの経費で行う発掘中の遺跡におきまして、都民等を対象とする見学会等を実施するものでございます。
 このように、事業の性格が異なることから、経費を明確に分けて支出しているところでございます。

○西沢委員 私は広報の効果についてお伺いをしたかったんですが、会計が別立ててあることで非常にわかりづらかったので、今回、補助金の使われ方、広報の部分について、さらに絞ってお伺いをいたしますが、補助金は昨年の決算ベースで見ますと、六千九百三十八万二千四百五十円、およそ七千万円が都から補助金として来ているわけであります。それで、調査研究、広報普及事業としてあるわけですが、この経費とその効果がどうであったのか、お伺いいたします。

○谷島地域教育支援部長 平成二十二年度に補助金で行われた広報普及事業については、埋蔵文化財センターが発掘調査を行った遺跡の見学会や講演会を年十三回実施し、千三百四十二人の参加がございました。また、火おこしなどの体験教室や出前授業は年三十二回、参加者二千七百三名、その他、公開セミナー等を年十回実施し、四百六十三人の参加がございました。このほかに広報誌を年四回、各四千部発行しており、広報普及事業にかかった経費は約二千十万円となってございます。
 このような広報事業によりまして、可能な限り都民が埋蔵文化財に接する機会をつくり出し、身近なものとして親しんでいただくことができたと考えております。

○西沢委員 もう終わりにしますけれども、この広報普及のところで今ご答弁いただきました見学会、講演会で千三百四十二人、体験教室や出前授業などで二千七百三人、公開セミナーなどで四百六十三人、こうした講演会だとか出前授業、セミナーで、合わせて四千五百八人の方が来られていると、これと広報誌で二千十万円かかっている、こういうことです。
 広報誌については、「たまのよこやま」というものを年四回発行しているということで、この契約は、聞きますと八万四千円で一回発行していると、八万四千円が年四回なので、三十三万六千円かかっている。二千十万円のうちの三十三万六千円を除いて、講演会とかセミナー、だから、ほとんどこの二千万円のお金を四千五百八人の方々に使っているという広報活用だと思います。
 当然、金額ではかれるものではありませんし、私も視察をさせていただいて、その重要性というものも確認をさせていただきましたが、二千万円を四千五百八人で割りますと、一人当たり四千四百円かかっている計算になるわけですね。あの場所は建物とか土地も東京都の建物ですから、実際、例えば民間企業で収益を図ろうと考えれば、入館費が四千四百円以上、五千円以上になるというとんでもない金額になろうかと思います。
 それだけの金額をかけてやる意義というものは、はかり知れない部分があるかと思いますが、少なくとも入館料四千四百円じゃ、だれ一人として来ることはあり得ないでしょうから、私は経費のあり方というものをもう少し考えていく必要があるということを訴えて、質問を終わらせていただきます。

○今村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 ご異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十五分散会

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