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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第四号

平成二十三年三月一日(火曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長原田  大君
副委員長星 ひろ子君
副委員長村上 英子君
理事新井ともはる君
理事中山 信行君
理事笹本ひさし君
吉住 健一君
桜井 浩之君
西沢けいた君
畔上三和子君
神野 吉弘君
岡田眞理子君
野上 純子君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
教育庁教育長大原 正行君
次長松田 芳和君
理事岩佐 哲男君
総務部長庄司 貞夫君
都立学校教育部長直原  裕君
地域教育支援部長松山 英幸君
指導部長高野 敬三君
人事部長岡崎 義隆君
福利厚生部長谷島 明彦君
教育政策担当部長中島  毅君
特別支援教育推進担当部長前田  哲君
人事企画担当部長高畑 崇久君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 教育庁関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十一号議案 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第五十二号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第五十三号議案 東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十四号議案 都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例

○原田委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○原田委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十三年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十三年二月二十五日
東京都議会議長 和田 宗春
文教委員長 原田  大殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月三日(木)午後五時

(別紙1)
文教委員会
第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中
        歳出
        債務負担行為  文教委員会所管分

(別紙2省略)

○原田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、教育庁所管分及び第五十一号議案から第五十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○庄司総務部長 去る二月七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。
 ごらんいただきますように、今回要求のございました資料は十四件でございます。
 一ページをお開き願います。1、教員の都単独加配の状況(過去五年間)でございます。島しょ加配や小一問題、中一ギャップを予防、解決するための教員加配など、都が独自に措置をしている定数の推移を小中学校別及び項目別に記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、就学援助の認定基準及び援助費目でございます。
 生活保護世帯に準じる準要保護者を認定するための基準と、その援助費目について区市町村の状況を記載してございます。
 三ページをごらん願います。3、都立特別支援学校スクールバス予算の推移(平成十一年度から平成二十三年度)でございます。
 都立特別支援学校において運行しているスクールバスの予算額、学校数、コース数の推移を記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、都道府県別中学校卒業者の高等学校全日制課程への進学率の推移(過去十年間)でございます。
 中学校卒業者の高等学校全日制課程の進学率の推移を都道府県別に記載してございます。
 五ページをごらん願います。5、都立高校の授業料減免状況(全日制・定時制別、過去十年間)でございます。
 都立高校における授業料の免除者数及び減額者数と免除率の推移を各事由別及び全日制、定時制の別に記載してございます。
 六ページをお開き願います。6、都立高校の募集人員数と応募者数、合格者数(過去十年間)でございます。
 都立高校の入学選抜における募集人員と応募者数、合格者数の推移を募集区分別及び全日制、定時制の別に記載してございます。
 七ページをごらん願います。7、学校教職員定数の推移(平成十四年度から平成二十三年度)でございます。
 学校教職員定数の推移を各校種別に記載してございます。
 八ページをお開き願います。8、教員の休職者数の推移(過去五年間)でございます。
 病気休職となった教員数の推移を、精神系疾患を理由とするものとそれ以外とに分けて、各校種別に記載してございます。
 九ページをごらん願います。9、小・中学校における養護教諭定数の状況でございます。
 小中学校における平成二十二年度の養護教諭定数について、都基準と国基準及びその差をそれぞれ記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。10、小・中学校における事務職員の配置基準と実際の配置状況でございます。
 小中学校における平成二十二年度の事務職員の配置基準と配置状況をそれぞれ記載してございます。
 一一ページをごらん願います。11、小・中学校における栄養士の配置基準と実際の配置状況でございます。
 小中学校における平成二十二年度の栄養士の配置基準と配置状況をそれぞれ記載してございます。
 一二ページをお開き願います。12、小・中学校における特別支援教育支援員の活用状況(区市町村別)でございます。
 平成二十二年五月一日時点の特別支援教育支援員の活用状況を区市町村別に記載してございます。
 一三ページをごらん願います。13、都立高校の中途退学者数及び中途退学率の推移(過去十年間)でございます。
 都立高校における中途退学者数と中途退学率の推移を全日制、定時制の別に記載してございます。
 一四ページをお開き願います。14、都立学校数と入学者数の推移(校種別、過去十年間)でございます。
 都立学校数と入学者数の推移を各校種別に記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○新井委員 私からは、都立高等学校図書館管理システムの導入についてお伺いいたします。
 現代は、IT技術の活用により、生活環境の向上と発展を目指す時代です。図書館政策についても、市民の利便向上や読書環境の充実のため、公立図書と公立小中学校図書館をネットワーク化している例や、近接する自治体同士の公立図書館が連携し、双方の市民が両方の図書館から貸し出しできる例があります。
 まず初めに、都立高等学校図書館の管理システムを導入する目的についてお伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 都教育委員会は、平成二十一年度に第二次東京都子供読書活動推進計画を策定し、都立高校において、司書教諭の全校配置や学校ごとの読書推進計画の策定を進めてきたところでございます。
 司書教諭のもと、読書指導の一層の充実を図るためには、学校図書館の機能充実が必要であり、そのための方策の一つとして、図書館管理システムを全都立高校に導入することといたしました。
 現在、図書館管理システムを導入している高校は約七割であり、導入校におきましても、蔵書管理等運営方法はさまざまでございます。こうした状況を改善し、図書館の利便性を向上させるため、今後、全校統一の図書館管理システムを導入し、蔵書管理、蔵書検索、貸し出し、返却管理などの効率化を図るなど、図書館機能を充実させるものでございます。

○新井委員 利便性の向上に向けたシステム導入については理解をしましたが、全校統一のシステムを導入するので、各学校で閉じられたシステム管理をするだけでなく、学校同士の図書館管理システムのデータを相互に活用するなど、図書館管理システムを将来的にネットワーク化する必要性があると思いますが、その可能性についてお伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 導入を予定している図書館管理システムは、都立高校全校で同一であり、その仕様は、将来的に全都立高校をネットワーク化することが可能となっております。
 都立高校図書館をネットワーク化すれば、他校の図書資料の検索が可能となることから、都立高校図書館の利便性向上策の一つとして、都立高校全体での需要予測を行うなど、今後の検討課題としたいと考えております。

○新井委員 最後に、将来的にネットワーク化される場合には、統一した図書館管理システムにおいて貸出カードを共有化することができ、さらに読書環境の充実につながると考えますが、見解をお伺いします。

○直原都立学校教育部長 すべての都立高校で同一の学校管理システムを導入し、相互にネットワーク化すれば、都立高校生の利用者データを共有化し、共通の貸出カードによって、図書資料を都立高校間で相互貸し出しすることも技術的には可能となることから、その必要性についても検討してまいります。

○新井委員 公立学校の学校図書館の充実を目指したシステム導入については賛成しますが、一方で、それに伴う図書館管理業務の民間委託化を導入する方向性には、学校図書館司書と学校教師との連携などに問題が生じるんじゃないかという懸念が指摘されています。
 それに対し、学校現場を含めた不安や懸念を払拭し、よりよい学習環境の整備を進めることを求めまして、私の質問を終わりにします。

○村上委員 私からは、最初に、運動部活動の振興についてお伺いいたします。
 東京都の子どもの体力が低下しているということで、都教育委員会は子どもの体力向上に取り組まれています。
 生活が便利になるなど、ライフスタイルが大きく変わってきている中にあって、子どもたちが体力を高めていくためには、もっと体を動かし、スポーツを盛んに行うことが必要です。
 運動やスポーツを行うためには、時間、空間、仲間の三つの間が必要となります。学校で行われる運動部活動では、これら三つの間が保障されており、体力向上のみならず、仲間づくりや生きがいづくり、生徒の健全育成にとって有益な教育活動となっています。
 さらに、スポーツのすそ野を広げていくためには、義務教育段階から運動部活動を振興することが必要ではないかと考えます。
 そこで、現在、小学校における運動部への加入状況と、都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

○高野指導部長 平成二十二年度教育庁指導部が行いました部活動実施状況調査によれば、都内公立小学校において実施している運動部活動は、サッカーやバスケットボールなどが最も多く、運動部に加入している児童数は四千三百四十九人、在籍者数の〇・八%でございます。
 現在、小学校では運動する児童としない生徒とが二極化していることが課題となっておりまして、運動しない児童に対しては、今後運動する場や機会を継続的に提供していく必要があると考えてございます。
 このため、都教育委員会は、小学生が放課後に複数の種目に楽しみながら幅広く取り組むことができる総合運動部活動実践研究モデル事業を平成二十二年度から開始しておりまして、今後、その研究成果の普及に努め、小学校における運動部の設置を促進してまいります。

○村上委員 小学校では、どの学校でも合唱部や金管バンドなどの活動が盛んに行われています。運動部の設置については、競技力というよりも、一日に一回は汗をかくような活動を行うことが大切だと思います。そうした体を動かす時間、場所や機会を提供していくことは、子どもの体力向上に貢献していくのではないかと考えます。
 一方、中学校では部活動が盛んに行われていますが、学校が小規模化してきていますので、生徒のニーズに合うようにたくさんの種類の部活動を設置することが難しくなってきています。
 顧問の先生が転勤になると、部活動が休部になったり、廃部になったりして、保護者や地域の間で大きな問題になっていると耳にします。突然部活動が廃部になるということは、活動している生徒にとっては重大な問題です。
 都教育委員会は、これまで部活動振興に取り組んできていますが、中学校における部活動の休廃部問題に対してどのように対応してきたのかお伺いいたします。

○高野指導部長 平成十八年度の部活動実施状況調査によれば、都内公立中学校には運動系、文化系を含めまして八千四百三十六の部活動が設置されておりましたが、当該年度に休部、廃部になった部活動数が三百三十一ございまして、そのうち顧問教諭の異動等の学校事情によるものが二百二十でございました。
 このため、都教育委員会は、平成二十一年度から部活動の休廃部を外部指導員の導入によって防止しようとする区市町村教育委員会に対しまして、その導入経費の一部を補助する事業を開始したところでございます。
 当初、都内で約三百あった休廃部数ではございましたが、平成二十二年度調査におきましては、休廃部になった部活動数は百九十八となりまして、さらに顧問教諭の異動等の学校事情によるものにつきましては百十五と半減するに至ってきております。
 今後も引き続き本事業を継続することによりまして、部活動の休廃部の防止に努めてまいります。

○村上委員 平成十八年度当初から比べると、中学校の部活動の休廃部数が半減してきたという今お答えでしたけれども、やはり都教育委員会が乗り出して部活動の休廃部を防止しようという強いメッセージが、区市町村教育委員会や中学校に浸透してきた成果ではないかと考えます。
 突然部活動が休部になったり、廃部になったりという不幸な事態を防止し、中学生が希望を持って学校に通うことができるよう、引き続き区市町村教育委員会と連携を図っていただきたいと要望いたします。
 一方、昨年度から、子供の体力向上東京大作戦の一環として、新たな試みである中学生の東京駅伝大会が始まりました。本年度は、この三月二十一日の春分の日に味の素スタジアムで開催されると伺っております。
 駅伝大会というと陸上競技部を思い浮かべますが、昨年度の出場選手二千百二十一人の生徒のうち、半数は陸上競技部以外の部活動の生徒とお伺いいたしました。
 私の地元の渋谷区では、昨年度、総合第二十位という結果でしたけれども、ことしはぜひ上位入賞を目指すと張り切っております。どの区市町村も強化練習を行うなど、本腰を入れて大会に備えているようです。
 これまでにない新事業ですが、さまざまな工夫が施され、多くの部活動や地域関係者を巻き込む体力向上の取り組みとして、地元でも好評です。
 そこで、この大会を開催する目的や意義についてお伺いいたします。

○高野指導部長 第二回中学生東京駅伝大会を間近に控えまして、今年度参加する五十一のチームは、それぞれ目標を掲げまして、チーム一体となって練習に励んでいると聞いているところでございます。
 この中学生東京駅伝大会は、中学生がより高い記録や大きな目標に挑戦することを通しまして、健康を増進し、基礎体力を向上することを目的としてございます。
 また、東京の子どもが取り組む体力向上に都民の関心を向けるムーブメントとしても極めて有意義であると考えてございます。
 さらに、学校や部活動の垣根を越え、多くの中学二年生から選手が選抜される過程を通しまして、中学生に夢や希望をはぐくむこと、また区市町村単位のチーム編成により、地域への郷土愛やふるさと意識が醸成できることなどにも十分な効果が期待できるものと考えてございます。

○村上委員 大変すばらしい事業でございまして、順位は最下位であろうが何位であろうが、それはまた別問題だと思います。
 部活動や中学の垣根を越えて、東京じゅうのいだてんが集まって行われる駅伝大会は、中学校の授業や部活動にも影響を及ぼすと考えます。
 こうした取り組みは、単に持久力の底上げにとどまらず、部活動の競技力向上にも大いに貢献するものと思います。
 次に、国体に向けた競技力向上への取り組みについてお伺いいたします。
 平成二十五年に行われるスポーツ祭東京二〇一三まで既に千日を切り、いよいよこの四月には国体で活躍する学年の生徒たちが高校生となります。
 東京都全体としても、さまざまな競技力向上に取り組んできていますが、国体少年の部で活躍が期待される高校段階の競技力向上について、現在の取り組み状況をお伺いいたします。

○高野指導部長 これまで都教育委員会は、平成二十五年の国体に向けまして、中学生や高校生の強化練習会の開催、都立高校運動部活動へのスポーツ医科学の専門家の派遣、競技人口が少ない種目の指導者養成や部活動の育成強化を図ってまいりました。
 特に競技人口が少なく、部活動としてもほとんど学校に設置されてございませんボート、セーリング、カヌー、馬術など十一のマイナー種目につきましては、国体強化部活動候補として、競技連盟等と連携を図り、部活動の育成を進めてまいりました。
 指定した部活動においては、競技用具等の充実を図るとともに、競技団体から専門的な指導者を導入し活動してきた結果、インターハイや国体に出場するなど、一定の成果を上げてきているところでございます。
 お話しのように、この四月からは平成二十五年の国体で活躍することが期待される学年の生徒が高校に入学することになるため、こうしたマイナー種目の強化を初めといたしまして、国体総合優勝を目指しまして、本格的に競技力向上に取り組んでまいります。

○村上委員 次に、スポーツ祭東京二〇一三の翌年に開催する、平成二十六年度インターハイの概要についてお伺いいたします。
 昨年第四回定例会の一般質問で、我が党の古賀議員の質問に、南関東四都県の合同開催において、東京都は総合開会式及び六競技種目を実施するとのことでしたが、平成二十六年度インターハイ開催に向けた準備状況と今後のスケジュールについてお伺いいたします。

○高野指導部長 平成二十六年度に、千葉県、神奈川県、山梨県とともに南関東四都県で合同開催するインターハイにおいて、東京都は総合開会式と体操、バレーボール、相撲、弓道、テニス、なぎなたの六競技種目を実施することとなっておりまして、現在、東京都高等学校体育連盟と連携をしながら、総合開会式の会場や競技会場の選定を進めているところでございます。
 また、平成二十三年度は、準備委員会を設置いたしまして諸準備を進めるとともに、平成二十六年度インターハイの顔となる大会愛称、スローガン、シンボルマークなどを中学校、高等学校、特別支援学校等の生徒から広く募集いたしまして決定するほか、本インターハイを広く都民や高校生に周知するために、公式ホームページの立ち上げを予定しているところでございます。
 今後は、東京都高等学校体育連盟や南関東三県との連携を一層密にしながら、開催二年前の平成二十四年度には実行委員会を設置いたしまして、着実に準備を進めてまいります。

○村上委員 インターハイは、大会愛称、スローガン、シンボルマークなどの募集を通して、選手だけでなく、開催年に高校生になる現在の中学生や特別支援学校までの幅広い生徒が、準備段階から参加できる教育の一環としての大会の一端がうかがえるとともに、早期から準備が進んでいることがわかりました。
 以前、この文教委員会で、古賀委員の方から大会のスローガンや愛称、こういったものについてのご提言もありましたので、そこもぜひ踏まえて取り組みをしていただきたいと思います。
 平成二十五年には国体が、翌二十六年にはインターハイが行われ、東京都のスポーツ振興にとっては大きな分岐点になっていくような予感がいたします。大きな大会は、準備や運営に多大な労力が割かれて大変ですが、やはり全国大会においては、地元の選手の活躍があってこそ盛り上がるものだと思います。
 都立高校においては、古くはバレーボールの松平康隆さんは城南高校出身ですし、サッカーの岡野俊一郎さんは小石川高校出身です。女子柔道のメダリストの田辺陽子さん、都立駒場高校、そして山口香さん、都立高島高校ということで、都立高校の出身者です。現役選手ではサッカーの中村憲剛さんが都立久留米高校、そして、澤穂希さん、この方は都立南野高校、走り高跳びの日本記録保持者、醍醐直幸さんは、都立野津田高校ということで、現在に至っている名選手が輩出されています。
 最近では、都立駒場高校サッカー部のように、全国大会に出場し、サッカー少年のあこがれの高校となっているところも一部にはありますが、依然として全国大会に出場する学校は私立高校が多いのも事実です。
 都立高校のスポーツをさらに振興していくためには、全国大会出場を目指す運動部がもっとたくさんあると、高校への進学に際しても多くの選択肢が中学生に提供できるのではないでしょうか。
 さらにいえば、単に競技力を向上させるのではなく、やはり都立高校らしさとでもいうべき勉強も規律もきちんとできる文武両立を目指してこそ、多くの人々に認められる部活動になるのではないかと考えます。
 そこで、都立高校におけるスポーツの強化拠点について見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 都立高校の運動部が今以上に全国大会に出場できるように競技力を高めていくことは、都民や中学生の期待するところでございます。このため、平成二十六年のインターハイ開催やその後も見据え、このたび、近年の競技実績等を踏まえまして、第一次といたしまして、駒場高校サッカー部、清瀬高校ソフトテニス部、東大和高校ハンドボール部、若葉総合高校陸上競技部、富士高校剣道部、そして足立新田高校相撲部、この七つをスポーツの強化拠点として選考したところでございます。
 今後、こうした強化拠点の事業を充実させまして、全国大会の常連として活躍する運動部を育成し、都立高校におけるスポーツの名門校づくりを推進してまいります。

○村上委員 大学においても、その大学の看板としてスポーツに力を入れています。本腰を入れれば、都立高校にもスポーツの名門が生まれてくると思います。
 スポーツは、ひとえに優秀な指導者とやる気のある選手によってすばらしい成果が生まれるものです。時間はかかりますが、そうした運動部を支え、じっくりと育て、花を咲かせることをお願いして、次の質問に移ります。
 続いて、小中学校の校務改善についてお伺いいたします。
 今般、都教育委員会が公表した小中学校の校務改善に関する報告書についてお伺いいたします。
 この報告書は、都において初めて実施した本格的な小中学校の業務実態調査と聞いております。その実態から明らかになった課題や、改善の方向性がさまざまな角度から示されています。
 我が会派はこれまで、副校長の負担を軽減して、副校長という職をより魅力ある職にしていくとともに、校務を改善して、教員が子どもと向き合う時間を十分に確保していくことが重要であると考え、業務の実態を踏まえた改善策の実施を要望してまいりました。
 そこでまず伺いますが、今回の調査により、どのような学校現場の実態が明らかになったのかお伺いさせていただきます。

○岡崎人事部長 今回の調査では、小中学校の副校長を中心に、勤務時間や業務内容を分析するだけでなく、仕事への意欲、さらには満足度についても調査をいたしました。
 副校長の平日における残業時間は、小学校で平均で約四時間、中学校では約三時間となっておりまして、残業が恒常化しております。
 また、休日勤務につきましては、小学校では九一%、中学校では七七%の副校長が土日のいずれかに出勤しているという実態も明らかになりました。
 さらに、副校長は、こうした勤務時間の長さに加えまして、校舎の解施錠や来客時のインターホン対応など、必ずしも副校長自身が行わなくてもよいと思われる業務のほか、例えば病気などで急に教員が欠けた際の時間講師の確保、回答期限の短い調査など、突発的な業務を引き受けざるを得ないことにつきまして、特に多忙感を抱いていることが明らかとなりました。

○村上委員 副校長の勤務時間外の業務が恒常化していることや、突発的に発生する仕事に対して、特に多忙感を抱いているという状況が今のご答弁でよくわかりました。
 副校長を初め学校現場の教員は、子どもに向き合う時間を十分に確保して、教育の質を上げていくことが重要ですが、教員が見通しを持って仕事を進めるためには、突発的な業務は可能な限り効率化し、負担を軽減していかなければなりません。
 そして、業務の効率化については、まず、都と区市町村の教育委員会の努力で改善できることは改善し、学校現場の負担を減らしていくことが必要だと考えます。
 そこで伺いますが、先ほど挙げられた講師の任用事務や調査の回答事務は、教育委員会の努力によって業務の進め方が大きく改善できるものと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

○岡崎人事部長 時間講師の任用事務につきましては、主に副校長が都教育委員会が作成した紙の名簿をもとに、適任者が見つかるまで電話をかけ続けるなど時間と手間がかかり、副校長にとって負担が大きい業務となっております。
 そこで都教育委員会では、連絡手段を電話からメールに切りかえることができるように、名簿の電子化を一部実施したところでございまして、今後、さらに求人側と求職側を電子情報で結びつけるシステムを構築してまいります。
 また、調査報告事務につきましては、都と区市町村の連携不足による調査の重複や回答期限が短いことなどの多くの点で副校長は煩わしさを感じておりますことから、調査を依頼する側のルールを定めるガイドラインのようなものを策定して、学校の負担感を解消してまいります。
 このように、都と区市町村の教育委員会みずからも業務を改善し、副校長の業務負担の軽減に努めてまいります。

○村上委員 教育委員会のご努力で学校の負担が軽減される業務があることは理解できました。しかし、校務改善を効果的に進めていくためには、こうした教育委員会の取り組みに加えて、学校内においてもあわせて業務を軽減する取り組みを行う必要があると考えます。
 今回の調査結果では、突発的な業務に多忙感を抱いているだけではなく、副校長自身が必ずしも実施する必要がないと考えられる業務までをも副校長がやらざるを得ないことで忙殺されている状況から、本来、副校長が管理職として果たすべき業務に十分な時間を費やせないという憂慮すべき事態が生じているとされています。
 一方、学校事務職員は、自分の仕事を限定的にとらえる傾向が強く、その範囲を超える新たな仕事はなかなか引き受けないという声をよく耳にします。
 また、今回の報告書においては、副校長や教員は多忙ですが、多くの事務職員は勤務時間内で業務を実施してきているとされています。これらのことは、事務職員の学校経営への参画意識が希薄なことに起因しているのではないでしょうか。
 こうした状況から、学校の業務の一部を事務職員にももっと任せて、学校経営への参画意識を高めるとともに、副校長でなくてもできる業務は職員間で分担して、学校組織全体で副校長を支える仕組みを構築するべきと考えますが、ご見解を伺います。

○岡崎人事部長 報告書では、学校組織全体で副校長を支える仕組みといたしまして、経営支援部という副校長直轄組織の設置を提案してございます。これは、主幹教諭や事務職員などを構成員といたしまして、学校運営業務や、公務の横断的調整を組織で担い、これまで副校長に集中していた業務の受け皿となるものでございます。
 ご指摘の事務職員も、この経営支援部の一員として学校業務全般に深くかかわりまして、地域の団体との連携、あるいは広報等にも携わることなどによりまして、学校経営への参画意識が高まるものと考えてございます。

○村上委員 大変前向きないいご答弁、ありがとうございます。今お話をいただいた経営支援部の設置というのは、さまざまな業務を組織で担い、役割分担を明確化する仕組みとして効果があると考えます。
 しかし、組織を十分に機能させるには、組織を設置するだけではなく、実際に組織を運営する管理職自身の学校経営能力も高めていく必要があると考えます。今回の調査結果からは、学校のトップである校長がリーダーシップを必ずしも発揮し切れていないこと、また、副校長はマネジメント能力も高めたいけれども、成長する機会が十分に与えられていないと思っているということが課題として明らかになっています。
 そこで、管理職のマネジメント能力をより向上させていくためには、どのように取り組むのかお伺いさせていただきます。

○岡崎人事部長 今回の調査で、管理職が状況に応じて校務分掌を柔軟に変更したり、組織、人を動かす方法を考えて仕事を任せるなど、既成概念にとらわれず工夫をしている学校が実在し、こうした学校では多忙感が少ないということもわかってまいりました。
 校務の改善を進めるためには、組織を整備するだけでなく、管理職のリーダーシップやマネジメント能力を育成することが重要です。このため、業務の効率化や役割分担の適正化を図って、管理職が研修に参加できる機会を確保してまいります。
 また、来年度から新たに新任副校長を対象といたしまして、管理職として必要となるリーダーシップやマネジメント能力を高める宿泊研修を実施してまいります。

○村上委員 積極的なご答弁ありがとうございます。校務が改善されれば、副校長が管理職として本来、力を注ぐべき業務の一つである人材育成に十分な時間を割ける状況となり、より計画的に教員を育成することが可能となります。
 学校経営を補佐する主幹教諭や学校運営にも深くかかわる主任教諭の人材育成が十分にできれば、教育の質の向上はもちろんのこと、円滑な校務運営にもつながるものと考えます。
 都教育委員会は、従来から通所研修や日々の業務を通じた職場内研修によって人材育成に取り組んでいると聞いていますが、人材育成の実効性をより高めるために、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 ご指摘のとおり、教員の教育力を高めるだけでなく、さまざまな校務を的確に遂行する力を養うためにも、組織的かつ計画的な人材育成が不可欠でございます。
 そのためには、教諭から主任教諭、主幹教諭、さらには管理職へと連なるキャリアプランを意識させ、校務においてさまざまな経験を計画的に積ませていくことが重要でございます。
 また、管理職に人を育てる責任を意識させるため、業績評価におきまして人材育成に係る評価項目の比重を高めることを検討してまいります。

○村上委員 報告書で示されている今後の取り組みの方向性は示唆に富んでおり、効果的な校務改善につながるものと考えます。
 今後、これらの取り組みを着実に進めていくためには、その実行プロセスとそれを支える体制の整備が極めて重要です。
 そこで、今後、どのような体制のもと、どのようなプロセスで校務改善を進めていくのかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 都教育委員会は、現在、学校関係者を初め児童生徒、保護者、さらには地域の関係者からも幅広く意見や提案を募っているところでございまして、これらも踏まえまして、平成二十三年度には、小中学校二十校におきまして、報告書で提案したさまざまな改善策を試行いたしまして、校務の改善に効果があるか検証してまいります。
 校務改善は、その担い手となる区市町村教育委員会や学校が主体的に取り組むことが重要でございます。このため、今後速やかに都と区市町村の教育委員会や小中学校の代表者から成ります校務改善委員会を立ち上げまして、現場の意見も踏まえながら、実効性ある対策を検討し、小中学校全体の校務改善を目指してまいります。

○村上委員 校務改善については、私も学校関係者と話をする機会があります。今回の取り組みへの学校関係者の期待は非常に大きいものと感じています。来年度は、報告書に上げる具体策を試行して、成果を検証していくということですので、その成果が確実に実を結ぶことを期待申し上げます。
 教員の服務事故も絶えないということで、このところ嫌なニュース等もありますけれども、校務改善を進めることにより、管理職が積極的に人材育成に取り組めるようになり、個々の教員の資質の向上はもとより、教員、公務員としてのより高い見識と自覚を持たせることにつながるのではないでしょうか。
 今後、報告書にあるさまざまな校務改善策が広く都内の小中学校で実施され、学校がますます活性化することを期待し、最後に教育長のご決意を伺い、質問を終わります。

○大原教育長 多くの学校には、変化を嫌い、昔ながらのやり方に固執し、みずから進んで責任をとり、学校運営に参画しようとはしない風土が根強く残っており、これが多忙感の原因の一つであると考えています。
 この間、都教委は、学校運営の効率化と組織的取り組みが可能となるよう対策を講じてまいりました。例えば、主任、主幹という職を新設いたしまして、校長、副校長、主幹、主任、教諭という組織構図をきちんとつくって、学校が組織的な運営ができるようにしてまいりました。
 あるいは、職場内研修を計画的に実施することを義務づけまして、教職員の実務能力を日常の業務の中で高めていく、こういう試みもやってまいりました。
 しかし、仕組みはできたものの、魂がまだというのが実感でございます。やはり多くの教員は、学校運営が自分の役割であって、組織の一員としてこれを担わなければならないという意識には欠けているのが実態ではないかと思っております。
 そこで、今回の取り組みによりまして、まず、校長、副校長がしっかりと一人一人の教員と向き合う時間を確保したいと思います。それによって、校長と副校長がしっかりと意思疎通を図って、学校経営への参加と協力意識を醸成すること、これが肝要であると思います。これができれば、教員が子どもと向き合う時間も確保できるようになると思っております。
 とにかく、教員の意識改革なくして教育改革はないという認識のもとに、東京の教育のさらなる向上に向けて、一生懸命努力をしてまいりたいと思っております。

○野上委員 最初に、児童生徒の健全育成の充実について質問させていただきます。
 ますます陰湿に変化していく傾向のあるいじめの問題とか、それから不登校、児童生徒の問題行動に対しては、学校が組織的に解決を図るとともに、必要に応じて外部人材の協力を得ることが重要であると考えております。
 その観点から、児童生徒の健全育成における外部人材の活用という視点から、何点か質問させていただきます。
 まず最初に、スクールカウンセラーでございますが、十六億九千三百八十万三千円という予算配分が今回なされておりますが、このスクールカウンセラーは、臨床心理の専門家として、不登校やいじめ、そして暴力行為などの児童生徒の問題行動の未然防止とその解消を図るため、各学校に配置をされております。
 平成二十二年十一月二日の文教委員会におきましても、スクールカウンセラーの配置の成果についてお伺いいたしました。指導部長からは、配慮の必要な児童生徒への対応ができ問題解決につながった、保護者への対応が充実し、学校に対する信頼感が高まったなどの報告があり、スクールカウンセラーの配置は、学校内の相談、教育相談体制等の充実に効果を上げていると評価している。また、配置校の拡大については、今後、国の動向を注視しつつ、配置校の拡大を検討しているというご答弁をいただきました。
 都議会公明党としては、このスクールカウンセラーの重要性を深く認識し、毎年その配置の拡充について要望してまいりました。
 都の、平成二十三年度のスクールカウンセラーの配置の拡大状況について、まず最初にお伺いいたします。

○高野指導部長 これまでスクールカウンセラーの配置につきましては、お話しのように平成十五年に全公立中学校に配置したのを初めまして、小学校及び都立高校への配置の拡大を図ってきております。
 平成二十三年度につきましては、全公立中学校への配置を継続するとともに、小学校については現在の百三十二校から三百二十七校へ、高等学校についても六十校から百校へとそれぞれ配置を拡大いたします。
 今後とも、各学校の教育相談体制を一層充実させ、児童生徒の健全育成を推進してまいります。

○野上委員 拡大をされるということです。
 また、近年の児童生徒の問題行動は、複雑化、深刻化しており、関係機関等と連携した対応が必要なケースがふえてまいりました。特に、児童虐待が疑われるケースを中心といたしまして、教育分野のみならず福祉的な視点からの支援が欠かせない状況も見られます。
 これらに対応する人材としては、現在、スクールソーシャルワーカーという人材がおります。これにも予算規模で、三九ページにありますけれども、四千百八十五万円が配当されております。
 平成二十二年都議会第四定例会において、我が党の東村議員の代表質問で、スクールソーシャルワーカーの配置の成果について、教育長からご答弁がありました。これは、中身は学校と関係機関等との連携の中で、児童虐待や児童生徒の問題行動の未然防止、早期発見、早期対応が図られ、また、保護者や教職員に対する支援、相談、情報提供により組織的な対応につながったなど、児童生徒の健全育成の上の課題解決に成果を上げていると答えられております。
 これまでも学校では、教員が中心となり、家庭や地域、関係機関等との連携を強化する中で、児童生徒への問題行動への対応を行っておりますが、今後はこのスクールソーシャルワーカーの果たす役割の重要性がますます高まっていくことが予想されます。その一層の拡充が求められます。
 平成二十三年度のスクールソーシャルワーカーの配置についてお伺いいたします。

○高野指導部長 国が定めましたスクールソーシャルワーカー活用事業は、その趣旨を踏まえまして、本事業実施開始の平成二十年度は十六区市、平成二十一年度は十五区市、平成二十二年度は二十四区市町で取り組んできております。
 このスクールソーシャルワーカー活用事業につきましては、お話しのような成果がございまして、また区市町村からの配置拡大の要望等が強いことから、平成二十三年度は三十地区へ配置を拡大してまいります。
 また、これまでの配置の成果をリーフレットにまとめまして、本年四月には生活指導担当指導主事連絡会で配布するなど、区市町村教育委員会と連携を強化する中で、今後とも児童生徒の問題行動の解消と、その未然防止に向けた取り組みの充実を図ってまいります。

○野上委員 三十地区に拡大するということと、成果をリーフレットにまとめて指導主事に配布をしていくということですね。
 児童生徒の問題行動への対応については、学校だけでは解決されない事例も多くて、スクールカウンセラー、またスクールソーシャルワーカーなどの人材に加え、より広範な関係機関との連携が必要な場合も多いです。
 現在、学校ではいじめや暴力行為など、児童生徒の問題行動の未然防止や早期解決を図るために、警察や児童相談所、福祉関係部署の職員などの協力を得て、学校サポートチームを設置し、組織的な対応の強化に取り組んでいると聞いております。この学校サポートチームの設置目的と現状についてお伺いいたします。

○高野指導部長 学校サポートチームは、児童生徒の問題行動への対処や対応や未然防止を図るため、学校、家庭、地域、関係機関が迅速かつ適切に連携協力できるよう、学校の校務分掌に位置づけた組織でございます。
 お話しのように、その構成員は管理職を含めた教職員、警察、児童相談所、福祉関係部署の職員、民生児童委員、保護司などでございます。
 この学校サポートチームでは、児童生徒の問題行動の内容や程度に応じた解決方法について学校において協議をいたしまして、解決に向けた具体的な対応につなげるほか、定期的に健全育成上の課題についての協議を行ってございます。
 現在、学校サポートチームは、都内すべての公立中学校と約七〇%の公立小学校に設置されているところでございます。

○野上委員 この学校サポートチームという取り組みにより、学校からの指導に加えて、さまざまな専門的な立場からの支援が行われることによって、児童生徒の問題行動の解決に大きな役割を果たしていくのではないかと思っております。
 学校サポートチームの成果というんですかね、今後の予定について具体的にお伺いいたします。

○高野指導部長 学校サポートチームを設置いたしました小中学校からは、学校の教職員からの指導だけではなく、保護司や民生児童委員を初めとする関係機関の職員と連携した対応が行われたことから、多様な解決策の提示や具体的な支援が行われ、児童生徒の問題行動の解決に向けて効果が出ているという報告を受けているところでございます。
 都教育委員会といたしましては、児童生徒の問題行動へはなるべく早い段階で対応することが問題の未然防止及び早期解決につながることになりますことから、区市町村教育委員会とも連携を図りまして、今年度中に全公立小学校千三百十一校に学校サポートチームを設置してまいります。

○野上委員 中学校のみでなく、全公立小学校にも学校サポートチームが設置をされることになります。
 このように最近の学校では、さまざまな人材の協力を得て、児童生徒や保護者からの相談に応じ、問題解決に当たる体制が整いつつあると思います。
 しかし、児童生徒の健全育成を図る上で大きな役割を担うのは保護者であるということはいうまでもありません。最近の児童生徒の問題行動の背景に、残念ながら保護者の子育てに対する関心の薄さが影響していると思われるケースもあります。
 こうしたことから、都教育委員会では、平成二十三年度から新たに保護者支援に焦点を当てた学校と家庭の連携推進事業を実施すると聞いております。学校と家庭の連携推進事業に取り組む背景と目的についてお伺いいたします。

○高野指導部長 児童生徒の健全育成を図るためには、課題を抱えた児童生徒への対応だけではなく、その保護者への支援を行うことが重要であると認識してございます。これまで都教育委員会は、お話しのように平成七年度からスクールカウンセラーの配置を開始いたしまして、平成二十年度からはスクールソーシャルワーカーの配置や健全育成学校支援の派遣を行うなど、学校における健全育成の取り組みを支援してまいりましたが、これらの取り組みを通しまして、学校から保護者への直接の支援がないと問題解決につながらないことが多い、こういったことが明らかとなりました。
 このため、都教育委員会は、保護者への支援を強化することを目的といたしまして、平成二十三年度から新たに学校から家庭に出向いて支援を行います学校と家庭の連携推進事業を実施してまいります。

○野上委員 児童生徒の健全育成を図るために保護者支援にも取り組むということは、これまでにない画期的な取り組みであると思います。本事業には、学校、家庭、地域の中で児童生徒の健全育成が図られることが期待できると感じております。学校と家庭の連携推進事業の具体的な内容についてお伺いいたします。

○高野指導部長 学校と家庭の連携推進事業では、学校に家庭と子どもの支援員として配置された退職教員、保護司、民生児童委員や心理学系大学生等が教員とともに家庭訪問などを行いまして、保護者に対して子どもが抱える課題について明らかにするとともに、その解決に向けた助言を行います。
 さらに、相談にも積極的に応じまして、保護者の不安や悩みを解消することで、子どもの健全育成を図ってまいりたいと考えております。
 また、対応が困難なケースにつきましては、学校が精神科医や臨床心理士などの専門家をスーパーバイザーとして活用できるような仕組みとしてございます。
 平成二十三年度は、こうした家庭と子どもの支援員やスーパーバイザーを小学校五十校、中学校百校に配置いたします。
 家庭と子どもの支援につきましては、一校当たり週三回、一日四時間、年間三十週の配置を予定してございまして、スーパーバイザーにつきましては年間三回、一回二時間を予定しているところでございます。

○野上委員 こうしたさまざまな取り組みで、一人でも多くの子どもたちが健全育成に寄与していただければと思っております。
 次に、メンタルヘルス対策についてお伺いいたします。
 メンタルヘルスに対しましては、教員の精神疾患による休職者の増加の問題があります。資料にも入れていただいたと思いますが、平成二十一年度に精神疾患で休職した教員は全国で五千四百五十八人に上り、文部科学省では長時間労働や保護者からの要望の多様化など、複数の要因が絡み合っていると推測しております。
 東京都でも、平成二十年度は五百四十人、二十一年度でも五百三十二人が精神疾患で休職しており、全教員に占める割合は、残念なことですが、全国でもワースト三位となっております。
 先生方は多忙で、自分のことは後回しにする傾向にあり、治療のために病院に行くのではなく、出勤できなくなったので、休暇取得に必要な診断書をもらうために病院に行くというような手おくれ受診というべき事態が生じております。いきなりあすから担任の先生が来なくなるということで、児童生徒に及ぼす影響ははかり知れません。
 先生方が、メンタル不調を早い時期に自覚するきっかけをつくることが極めて重要なメンタル対策と思います。昨年十一月の文教委員会で、八月から試行していますというストレス検査について質問しましたけれども、来年度本格実施するということなので、改めて伺いたいと思います。
 都教育委員会では、ストレス検査を定期健康診断にあわせて実施すると聞きましたが、定期健康診断とストレス検査の違いについてお伺いいたします。

○谷島福利厚生部長 定期健康診断は、学校保健安全法及び労働安全衛生法に基づき、教職員の健康の保持増進を図ることを目的として、学校設置者たる教育委員会等が義務として設置するもので、血圧や血液検査の数値などから、医師が治療等を指示することがございます。
 一方、ストレス検査は、ご指摘のように都の公立学校教員の精神疾患を理由とする休職者の急増が、学校経営のみならず児童生徒の生活にも極めて大きな影響を及ぼすことから、法的整備を待つことなく、都教育委員会が独自にかつ全国に先駆けて実施するものでございます。
 ストレスの程度をはかり、相談などの催告を行うことによって、ストレス不調をみずからが早期に自覚することを促し、手おくれ受診の防止に相当の効果があるものと考えております。

○野上委員 昨年、当時の長妻厚生労働大臣が法改正を視野に入れてストレス検査を実施すると発表しましたけれども、個人情報の管理に課題があるという理由で、今、とんざしております。
 ストレス検査は、個人の情報の厳格な管理が極めて重要であると考えます。この実施方法についてお伺いいたします。

○谷島福利厚生部長 ストレス検査には、極めて高いプライバシーの保護が求められることから、信頼される検査とするには、個人情報の厳格な管理が重要でございます。
 具体的には、ストレス問診票の記載時におきまして、他人の目に触れないように独立した記載スペースを整備したり、提出時にみずから封をして記載された問診票の機密性を確保するなどの注意を払うこととしております。
 また、検査の委託業者につきましても、個人情報の適正な管理に留意した契約を交わすとともに、実際の検査、解析行為に対しても指導を行うこととしています。
 さらに、結果の通知は本人のみに行い、校長には全体傾向の連絡にとどめるなど、個人情報の管理に万全を期してまいります。

○野上委員 あくまでも結果の報告は個人のみということで確認をさせていただきたいと思います。
 ストレス検査を通じて、教員のメンタル不調を早期に自覚させて、カウンセリングや受診につなげていくという取り組みを確実に進めていただきたいと思っております。
 現在、学校現場は新規採用者がふえ、若い先生たちが多くなっております。三十代、四十代などの学校の中心となる人たちが、管理職に魅力を感じないという声を聞きます。校長や副校長の忙しさ、責任の重さ、孤立感などを目の当たりにして、管理職を目指すことをやめてしまう。これは教育現場にとって大きな損失ではないでしょうか。
 管理職が生き生きと働き、その姿を自分の将来に重ねたくなるような魅力ある職にする必要があります。特に副校長については、多忙対策として業務内容の見直しは予算特別委員会の質疑でもありましたが、精神面での支援も必要なことと考えます。
 来年度の予算における新規事業の一つとして、副校長ベーシックプログラムがメンタルヘルスに位置づけられておりますけれども、この内容についてお伺いいたします。

○谷島福利厚生部長 副校長ベーシックプログラムは、昇任した副校長全員を対象に実施するものでございまして、カウンセリング、健康相談及び研修を組み合わせ、総合的な人材育成の機会として二日間にわたり実施することとしております。
 特にカウンセリングの実施は、一人一人にその実体験を通してメンタルヘルス管理の必要性を認識させ、本人のセルフケアのみならず、ラインケアにも貢献するものと考え、ベーシックプログラムの重要な要素と位置づけております。
 なお、研修におきましては、副校長の業務遂行上の諸課題について意見交換も行いますので、同じ職にある者同士の交流を通して、連帯感の醸成にもつながるものと期待しております。

○野上委員 昇任する予定の副校長全員がこの研修を受けるということで、大変多忙な副校長が二日間学校をあけるというのは大変なことではないかと心配をしております。
 具体的に、取り組む時期とかの工夫とかが必要ではないかと思いますが、これから取り組む状況についてお伺いいたします。

○谷島福利厚生部長 副校長は学校経営のかなめでございまして、学期中の校務は極めて多忙なことは十分に承知しております。そこで、原則としまして夏季休業中に実施するなど、参加しやすい環境の整備とともに、関係者との調整を図りながら実施することとしております。
 また、このベーシックプログラムにつきましては、区市町村教育委員会や学校長等の協力や支援も必要なために、既に事業の説明を行いまして、理解を得ているところでございます。

○野上委員 この質問の最後でございますが、今年度のリワークプラザ東京の開設も含めて、全国に先駆けてこの二年間に数々のメンタル対策を強力に推進されてきたことは大いに評価いたします。
 最後に、大原教育長にメンタルヘルスに関しての決意を伺い、メンタルヘルスに関しての質問を終了したいと思います。

○大原教育長 教員が心の病によって教壇に立てなくなるということは、教えることを無上の喜びとする教員自身にとっても、あるいは子どもにとっても、保護者にとっても、本当に不幸なことであると思います。そのために、教職員のメンタルヘルス対策というのは、本当に重要な事項であるというふうに認識をしております。
 都教育委員会では、今年度からメンタルヘルス対策を主要施策として位置づけまして、ただいまご指摘をいただきました数々のメンタルヘルス対策を積極的に実施しております。
 しかし、これはまだ小さな一歩を踏み出したにすぎないというふうに認識をしておりまして、メンタル不調に対する原因の把握、あるいは分析、職場環境の整備など、私たちがこれからまだまだ克服しなければならない課題は山積していると思っております。
 今後とも、早期自覚、早期対処の方針のもとに、とにかくならないように、なってしまったら確実に復職できるように教員を応援して、メンタルヘルス対策を積極的に推進していきたいと思っております。

○野上委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、特別支援教育について質問をいたします。
 教育委員会は、昨年十一月に特別支援教育推進計画第三次実施計画を策定し、公表いたしましたが、実施計画の初年度である平成二十三年度には、具体的にどのような取り組みを行うのかとか、都民にとっても保護者にとってもとても関心が高いものと考えております。
 第三次実施計画の理念は、この表紙にもありますが、すべての学校における特別支援教育の推進を目指すことにあると思っております。特に、小中学校における発達障害の児童生徒に対しては、多くの先生方も保護者も支援の必要性を認めるようになり、早期発見や早期対応も進んでまいりました。
 そのことはとてもよいことでございますけれども、情緒障害等の通級指導学級には毎年通う子どもたちがふえ、平成十六年度は千八百三十一人であったのに対し、平成二十一年度は四千六百四十七人、平成二十七年度の推計値は八千人を超えるというものになっております。
 こうした状況の中で、第三次実施計画の七七ページには、情緒障害等通級指導学級の教育課程の研究開発を行うと書かれておりますが、まず初めに、通常の学級に在籍している発達障害の児童生徒の多くが利用しております情緒障害等通級指導学級の教育課程の研究開発に関する具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。

○高野指導部長 情緒障害等通級指導学級は、全都で小学校百六十二校、中学校七十三校に設置されておりまして、発達障害の児童生徒に対して、人とのかかわり方やコミュニケーションの力を伸ばす指導を行い、児童生徒の行動面での改善を図っているところでございます。
 一方で、発達障害の児童生徒の中には、文章の読み書きや計算のつまずきなど、学習上の困難が見られる場合もございまして、こうした児童生徒に対する指導内容や方法の改善、充実が課題となっておるところでございます。
 そのため、都教育委員会は、平成二十三年度から二つのモデル地域を区市町村の中から指定いたしまして、情緒障害等通級指導学級において、学習上の困難さを克服するための指導や発達障害に配慮した教科指導に関する研究を行いまして、今後設置を進めてまいります予定の特別支援教室における指導に生かしていきたいと考えております。

○野上委員 東京都教育委員会として、情緒障害等通級指導学級が必要な数だけ確保されるよう、教育環境の整備充実に力を入れていただくことはもちろんのことですが、子どもたちのために質の高い教育が行われるよう、情緒障害等通級指導学級の教育課程の研究開発にも力を注いでいただくよう要望いたします。
 第三次実施計画では、自閉症のような発達障害の児童生徒の中には、通級指導学級の指導時間が週八時間までとされているために、学習や生活上の困難を改善するのが難しい児童生徒がいると書かれております。そして、そうした児童生徒が、やむを得ず知的障害特別支援学級に入級している場合があるといった課題も浮き彫りになっています。
 私も地元の特別支援学級を見学する機会がございますが、一人一人の子どもたちの実態も実にさまざまで、対応する先生方も対応に苦慮されている場面を拝見いたします。先日も授業参観がございまして、ほかの教室に行くことなく、ずっとその学級に張りついておりましたけれども、本当に先生たちが大変だなという、子どもたちがあっちに行ったりこっちに行ったりして大変だなということを感じました。
 三次計画では、区市町村における新たな特別支援教育推進体制を整備して、その中で自閉症情緒障害学級を計画的に配置することとされております。こうした学級が今後ふえていくことはとても喜ばしいことでございます。
 七六ページには、改善の方向及び計画として、自閉症情緒障害学級の教育課程の研究開発が来年度から始まるとされております。
 そこで、自閉症情緒障害学級の教育課程の研究開発に関する具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。

○高野指導部長 自閉症情緒障害学級は、通級指導学級では十分な効果が上がらない自閉症等の児童生徒を対象とした固定式の学級でございまして、現在全都で小学校十五校、中学校十一校に設置されているところでございます。
 近年、自閉症の障害特性に応じた指導の必要性が明らかになったことから、自閉症情緒障害学級においても、より自閉症の障害特性に応じた教科学習等の開発が課題となってきております。
 そこで、都教育委員会は、平成二十三年度から自閉症情緒障害学級を既に設置している区市町村から二つの地区をモデル地域に指定いたしまして、自閉症情緒障害学級における教育課程について研究開発を行いまして、その成果を区市町村教育委員会に周知し、自閉症情緒障害学級の教育の充実を図ってまいります。

○野上委員 自閉症情緒障害学級を計画的に設置するためには、指導内容を明確にして、東京都全体で同じような教育が実施できるようにすることが大切ですので、ぜひとも都教育委員会の責任において、研究の成果を確実に区市町村に還元するようお願いいたします。
 続いて、区市町村における特別支援教育体制整備への支援として、三次計画の七八ページには、個別の支援、教育支援計画の平成二十一年度の作成率が書かれておりますが、個別の教育支援計画の作成率は、個別指導計画に比べるとまだまだ低い数値になっております。
 個別の教育支援計画は、進級とか進学の際に支援を引き継ぐ大切なものであると思いますが、学校現場ではまだまだ取り組みが難しい状況があるということです。それには、支援が必要な子どもたちに、個別の教育支援計画の作成が行き届くよう、都教育委員会としても小中学校に対する支援を強化すべきであると考えます。
 そこで、小中学校における個別の教育支援計画の作成に関して、都教育委員会は今までどのように支援してきたのか、またその作成状況と今後の取り組み内容についてお伺いいたします。

○高野指導部長 平成二十年三月告示の小中学校学習指導要領におきまして、障害のある児童生徒などについては、個別の教育支援計画を作成する必要性が示されました。
 これに先立ちまして、東京都教育委員会は、平成十九年三月に個別の教育支援計画の作成と活用の手引を都内公立小中学校に配布いたしまして、発達障害等の児童生徒にとって、個別の教育支援計画を作成する重要性につきまして、区市町村教育委員会と連携して指導してまいりました。
 また、平成二十一年度からは、小中学校の全教員に指導資料を配布するとともに、小中学校の教員を対象とした講習会を開催することなどによりまして作成率は年々上昇いたしまして、平成二十二年度は小学校が五九%、中学校が四九%となってございます。
 今後とも、こうした取り組みを引き続き実施するとともに、平成二十三年度からは、個別の教育支援計画に基づく支援の充実に関する検討委員会、これを設置いたしまして、これまでの課題を踏まえ、個別の教育支援計画に記載すべき内容や、上級学校への引き継ぎのあり方等についての検証と研究を行いまして、小中学校における個別の教育支援計画の作成や活用を支援してまいります。

○野上委員 障害のある方々の作品が展示されている美術展には毎年行っているんですけれども、そこに展示されている作品は大変すばらしいものがたくさんございます。色使いとか絵柄というんですかね、なかなか表現できないところがすばらしく、見学をしながらいつも感動しているところでございます。
 平成二十年度に都教育委員会の指定を受けて、芸術教育を推進するということで、特別支援学校において芸術教育を推進していくということはとても大事なことだと考えておりますが、第三次計画の四九ページにおいても、都立特別支援学校における芸術教育の推進を図る事業が記載されております。
 そこで、都立特別支援学校における芸術教育の実績と、今後の具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。

○高野指導部長 特別支援学校には、芸術分野にすぐれた才能を有する児童生徒も少なくないことから、都教育委員会は、平成二十年度から二年間、文部科学省の発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業の指定を受けまして、知的障害特別支援学校に対しまして、東京芸術大学などの大学院の学生を派遣し、美術の指導の充実を図ってまいりました。
 指定校では、美術担当教員が学生とともに授業や放課後の部活動などで専門的な美術指導を実施いたしまして、その結果、生徒の筆の使い方、あるいは色使い等が上達するなど、美術への技能や興味、関心に高まりが見えたところでございます。
 都教育委員会では、こうした事業の継続が必要であると考えまして、平成二十三年度からは、都独自の事業といたしまして、都立特別支援学校三校において、芸術教育の推進に関する事業を実施いたしまして、障害のある児童生徒の表現能力の向上に努めるとともに、生徒の作品を広く都民に紹介してまいりたいと考えております。

○野上委員 裸の大将で有名な山下清ですよね。これは、知的障害がありましたけれども、張り絵の作品はとても有名で、丁寧な色使いのすばらしい、日本のゴッホともいわれていたそうでございます。
 障害のある人々の中には、こうした秀でた才能を持ち合わせている人も数多くあると思います。近年、障害者の制作による芸術作品が社会的に評価を受ける機会や場が整いつつありますので、これらの芸術教育の推進事業で作成された作品などを、答弁にありましたように広く都民に紹介をしていくようにお願いをします。そして、都立特別支援学校から第二の山下清を生み出すような充実した芸術活動の取り組みを要望いたします。
 次に、学校におけるスポーツ教育の推進について質問いたします。
 都教育委員会では、子どもの体力を向上させるために、大原教育長を本部長に、局横断的に子供の体力向上推進本部を設置し、昨年には総合的な子供の基礎体力向上方策第一次推進計画を策定いたしました。
 また、体育の授業での充実はもとより、部活動の振興とか、またスポーツ教育の推進にも力を注いでおります。
 学校においても、一校一取り組み運動など、子どもの体力向上に取り組んでいると聞いております。
 最近では、スポーツ教育推進校においてトップアスリートが一日校長先生として児童生徒と交流するという新聞記事を多く見かけました。
 そこで、このスポーツ教育の推進について、事業の概要をお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会は、子どもの体力低下や学習指導要領の改訂、スポーツ祭東京二〇一三や、平成二十六年度インターハイの開催等を踏まえまして、児童生徒が積極的にスポーツに親しみ、健康増進や体力向上を図ることができるよう、スポーツ教育の推進を重要な施策と位置づけております。
 このため、都内公立小中学校、高等学校、特別支援学校、合計三百校をスポーツ教育推進校と指定いたしまして、体育授業の内容、方法の改善充実、全国体力テスト平均値以上を目標にした取り組み等を推進してございます。
 そうした各学校の取り組みに加えまして、特に平成二十二年度は、お話しのようにスポーツ教育推進校で実施していたアスリートの派遣事業を一日校長先生事業と銘打ちまして、バドミントンの潮田玲子さんや体操競技の塚原直也さんなどの国内トップアスリート二十人を学校に招聘いたしまして、児童生徒が直接アスリートと交流したり、体育授業の指導を受けたりするなどの取り組みを行ってきたところでございます。
 今後とも、引き続きこうした取り組みを行うことによりまして、スポーツ教育を推進してまいります。

○野上委員 私は、先月、同僚の中山議員とともに、そのスポーツ教育推進校の一つであります港区立青山小学校と、もう一つは生活運動習慣等の定着に関する実践研究モデル校であります北区立王子第三小学校、この二校を視察いたしまして、校長先生からお話を伺ってまいりました。
 港区立青山小学校では、これまでの児童の様子から、なかなか学校の中で競争心が低くて、落ちつきがないということが課題となっておりまして、都教育委員会のスポーツ教育推進校として放課後の総合運動部活動に取り組んでおりました。少しでも体を動かすことを通して体力を向上させ、基本的な生活習慣の改善と、スポーツをする子は学力が向上するということで、学力向上を図ろうとしておりました。
 また、北区立の王子第三小学校は、すくすくプロジェクトと称して、健康、運動、食育、この三つの角度からの健康的な生活行動の習慣化を研究しておりました。特に、子どもの足形をとって、土踏まずの形成がどうか、左右のバランスがどうなっているのか、毎日運動しているにもかかわらず、なかなか土踏まずの形成がうまくいってない等、自分で自分の健康チェックができるようなことも実践研究をしておりました。
 いずれも、生活習慣とか運動習慣の改善の取り組みこそが体力向上の土台であることがよく理解できる実践研究だったと考えております。
 やはり運動やスポーツを行うことは大切ですが、子どもたちの現状を見ると、子どもの体力を向上させていくためには、まず食生活や日常生活の基本から改善すべきであると考えますが、所見をお伺いいたします。

○高野指導部長 現在、児童生徒は、生活環境やライフスタイルの変化によりまして、日常生活で体を動かさずに済む状況にございます。また、夜更かし、朝寝坊、朝食の欠食、間食、遊びや運動不足など、基本的な生活習慣が乱れておりまして、学校においては、学習に集中できず、疲れやすい児童生徒が増加してきていることも指摘されているところでございます。
 都教育委員会は、運動やスポーツを行う以前に、まず基本的な生活習慣や運動習慣を確立していくことが必要であると認識してございます。このため、平成二十二年度、生活習慣や運動習慣等の定着に関する実践研究モデル事業を小学校九校で実施いたしまして、児童の日常生活における活発な身体活動を推奨し、体力向上に向けた生活、運動習慣などの改善方策について実践研究を行っているところでございます。
 今後ともモデル校においては、引き続き実践研究を行うとともに、報告書や実践報告会を通しまして、その研究成果の普及に努めてまいります。

○野上委員 モデル校で出された報告書とか報告会を通して、その研究成果を東京じゅうに広めていっていただければと思っております。
 多くの学校に普及啓発をしていくことが大事だと思っております。子どもたちが明るい笑顔で、健康的な生活を送ることができるよう、スポーツ教育を推進していただくようお願いして、次の質問に移ります。
 最後です。栄養教諭について質問させていただきます。
 学校給食というのは、明治のころからあったわけでございます。一部の地域で始められたということで、もともとはお弁当を持ってこられない子どもたちのために、戦後、昭和二十一年十二月ぐらいから学校教育が始まったということで、私たちは、年がそうなんですけれども、脱脂粉乳を飲まされてというか、飲んで、大きくなったわけです。皆さんの中には、牛乳で大きくなった方が多いと思いますけれども、私たちの時代は脱脂粉乳で、鼻をつまんで飲んでおりました。
 そういうことはともかくといたしまして、今、学校が栄養源になっている子どもがいるということなのです。だから、学校のお昼の給食がその子どもの栄養源であって、家では朝食を抜いて、夕食はファストフードとか、ジャンクフードとか、栄養のバランスがとれていないものをとっている子どもたちがふえてきているということが指摘されております。
 また、これからいよいよ物価が高騰してくるだろうということも予測されて、小麦や大豆もちょっと高騰しておりますけれども、大変な時代に入ってくるんではないかと思っております。
 また、栄養士の存在というのが非常に大事で、栄養指導に熱心に取り組んでいる学校ほど食べ残しが少ないということで、学校の先生がおいしくなくても、おいしいね、おいしいねとかいいながら食べていると、子どもたちも、そうなのかと思って食べたり、また、先生が残っているのを欲しい人とついで回ると、本当に残菜がなくなるんですね。
 ですから、そういう努力をするとか、特に中学校の女子生徒は、やせたいという願望が強いので、残す子が多いというんですね。なかなかバランスがとれた栄養をとっていないというようなさまざまな課題があります。
 十一月二日の文教委員会で、栄養教諭に任命されるまでの手続とか、食育の推進については確認をしましたので、現在の栄養教諭の配置状況はどうなっているんでしょうか。

○松山地域教育支援部長 都教育委員会は、平成二十年五月に策定した東京都教育ビジョン(第二次)におきまして、平成二十年度から平成二十四年度まで、栄養教諭を区市に計画的に配置することとしております。
 これまで二十四区市に二十四名、都立学校に三名の栄養教諭を配置しております。平成二十三年度は、新たに九区市に九名の栄養教諭を配置する予定でございまして、合計いたしますと三十六名の配置となります。

○野上委員 これはいろいろ課題もあると思いますが、さらに進めていただきたいことを要望しておきます。
 その栄養教諭を配置した結果、学校教育の現場での効果についてお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 各地区の栄養教諭は、生産体験学習など、地域に密着した食育の実践や学校給食への地場産物供給ルートの開拓等、地域の実情に応じたさまざまな食育に取り組んでおります。
 こうした取り組みを通じて、児童生徒に勤労を重んじる態度が養われるとともに、学校給食の残菜が減少したとの報告がなされております。

○野上委員 残菜に関しては、先ほどもいいましたけれども、私たちの小さいころ、昔は、残してはいけないと無理やり食べさせられておりましたが、今はそういうことは余りされなくて、食べられるだけ食べて、残したいときは残してもいいという自由な教育方針でやっていると思っておりますが、とにかく、少しでも残菜を減らしていくということが、これから大変大事なことではないかと思っております。
 そのためには、食育リーダーというんですか、各学校で一人、食育リーダーを決めておりまして、栄養士さん、あるいは食育リーダーが中心となって、学校の栄養指導について当たるわけでございますが、この栄養教諭及び食育リーダーに対して、都教育委員会の研修内容についてお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 新たに配置した栄養教諭に対しましては、新規採用栄養教諭研修を実施しております。
 研修内容といたしましては、学習指導要領の理解、教材研究、学習指導案の作成、模擬授業等に係る講義、演習などで、年間七回にわたっております。
 食育リーダーに対する研修につきましては、夏季休業期間中に、食育リーダーの役割についての講義を行いますとともに、栄養教諭による実践事例の発表を取り入れるなど、学校で活用できる内容としております。
 本日、三月一日も、教職員研修センターにおきまして、食に関する指導研修会として、本年度配置した栄養教諭による研究発表会を開催しております。
 この研究内容は、冊子にまとめ、都内公立全小中学校に配布したところでございます。

○野上委員 本日、指導研修会を行っているんですよね。その内容について、都立、公立全小中学校にもう配布したんですか--配布したんですね。わかりました。平成二十五年度以降の栄養教諭の配置についてお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 まず、配布した冊子ですけれども、こちらのようなものでございまして、既に配布しているところでございます。
 二十五年度以降の栄養教諭の配置についてでございますが、来年度、庁内に検討委員会を設置いたしまして、これまで配置してきた栄養教諭のさまざまな成果を踏まえまして、人材の育成、配置の方針などについて検討してまいります。

○野上委員 予算の関係とか、今までの栄養士の配置基準の歴史的な課題もあって、すべての区市に栄養教諭を配備することが難しいと思われるんですが、将来的には、都内のすべての自治体で配置を望むことを要望いたしまして、終わります。

○畔上委員 資料の作成、ありがとうございました。
 まず、都立高等学校の学校図書館について伺います。
 中教審の報告でも読書活動の推進の重要性が指摘されまして、学校図書館が十分活用されるよう求められています。都教委も読み解く力をつけることの大切さ、これを強調されております。
 ある学校図書館の問題研究者の本の中にあったんですが、今、中学生の約七割、高校生の約六割が小学生のうちに携帯やパソコンでネットを使い始めて、中学生の七人に一人、高校生の四人に一人がネットの書き込みを信じているということでありました。
 コミュニケーションの不全で読解力が養われず、思春期の孤独な自分と向き合う勇気が育っていかない、そういう携帯依存が増加中というデータもあるんですが、このようなネット社会だからこそ、子どもたちにメディアを批判的にきちんと読み解き、そして活用する力、メディアリテラシーをどうつけていくのか、これが大きな課題なんだと思います。
 こうした力は、一回や二回の講義を聞けばわかるということじゃなくて、調べる過程を大事にして、発表や議論を取り入れた、図書館を活用した調べ学習は非常に大事になっているというふうに思います。
 また、思春期の子どもたちが、さまざまな本と出会って頭と心を鍛える、そういう場として、また自分と向き合う場として、学校図書館の教育的な意義というのは、私、大変大きいというふうに思います。
 そこでまず伺いますが、学校図書館の教育的意義についての認識を伺います。

○高野指導部長 学校図書館は、図書等を収集、整理、保存し、生徒や教員に提供することによりまして、教育課程の展開や生徒の健全な教養を育成する学校の設備として重要であると認識してございます。

○畔上委員 私は、学校図書館の教育的意義について、自分自身の認識を深めたいと思いまして、都立高校の学校図書館を視察いたしました。
 私が視察した高校はチャレンジ高校だったんですが、夕方の四時半ごろ視察させていただきましたが、たくさんの生徒たちが利用されていました。その学校では、一日平均百二十人の利用だそうです。昨年度は、授業でも百十六時間活用していました。
 学校司書の方ともお話をさせていただきましたが、生徒をよく把握していて、今の学習や要求に合った本や資料をそろえて、興味、関心を引き出すようなレイアウトも大変工夫されておりました。本当に生徒にとって居心地のよい大事な教室、私はそういった印象を持ちました。
 また、学校図書館の司書の方は、求められている資料については、草の根をかき分けても探して提供するというような姿勢で、本当に公共図書館ともよく連携して、生徒の読みたい、また知りたいという思いにこたえたサポートをされていました。
 調べ学習では、学ぶ生徒たちと対話をしながら本を探し、まさに授業の専門家である教師と、それから資料と資料提供の専門家である学校司書が共同による新しい授業、そういう形を見せていただいた思いでした。
 英語の多読の部屋もありまして、教師と司書、そして生徒の共同作業で学校の図書館が生きたものになっているなということを感じました。
 チャレンジスクールで、不登校だった子が非常に多かった学校なんですけれども、子どもたちが自信を取り戻して、本当に大切な居場所になっているというふうに感じましたが、それはやはり学校司書がいるからこそという思いを私は強くいたしました。
 そこで改めて伺いますが、学校司書の果たしている役割について認識を伺います。

○直原都立学校教育部長 学校司書職員は、学校図書館の開閉、図書資料の貸し出し、返却、新着図書のデータ登録や蔵書整理などのいわゆる図書館管理業務を担当しております。

○畔上委員 私が入手した資料によりますと、一昨年の七十四校の学校図書館実践アンケートでは、学校図書館の管理運営は、司書教諭ではなくて、学校司書が中心であるということが浮き彫りになっていました。
 例えば、ほかの図書館との連絡、協力、それから学校図書館内における利用態度指導、読書会、それから展示会などの指導も、業務のほとんどが学校司書によって行われておりました。
 アンケートの中で学校からの要望事項を見たんですが、専任の学校司書が必要というふうになっておりました。授業を持っている司書教諭では、先ほど申し上げたような取り組みはできないからこそ、やはり都教委も専任の学校司書制度に取り組んでこられたんではないかと思います。
 都立高校の学校司書制度、これは一九七一年につくられました。一課程一人、つまり全定併置校に二人の学校司書が配置されて、そういう点では全国的にも先進的な環境をつくってきたわけです。
 そこで伺いますけれども、現在の都立高等学校における学校司書の配当基準、それから学校司書の配置状況、これはどうなっていますか。

○岡崎人事部長 平成二十二年度の都立高校図書館に配置する学校司書に係る定数の配当基準は、一校につき一名でございます。
 現時点における学校司書の配置状況ですが、都立高校百九十一校に対しまして百七十九名となっており、このうち二十五名が再任用職員でございます。
 なお、未配置の十二校につきましては、同一敷地内で図書館を共有している他校の司書の兼務、業務委託、臨時的任用職員の配置等により、学校図書館の運営に支障のないよう対応しているところでございます。

○畔上委員 一課程一人が、今は一校一名ということですね。それでも、学校図書館の教育的意義から、専任の学校司書を配当しているということですね。
 ところが、二〇〇一年から司書の新規採用を中止してしまった。そのために、先ほども再任用二十五人というお話だったんですが、その割合がふえているというのが実態なわけです。そればかりか、今や欠員があるというゆゆしき事態も起こっているわけです。
 今、学校司書の方々の年齢構成を見てみますと、五十代後半の方が非常に多く、今後大量退職が見込まれているわけですが、きちんと新規採用を行って、都の学校司書制度が培ってきた意欲と取り組みを継承すること、これが私は今、非常に大事になっていると思います。
 ところが、都教委は、昨年の十二月に学校図書館司書の民間委託を行うということを予算概要で明らかにしたわけであります。一校一人の方針、これは変わったんでしょうか。昨年三月の本会議で、教育長はこう述べていらっしゃいます。学校司書の退職に伴う対応は再任用で対応する、そう答弁されているのに、なぜ委託になるんでしょうか。方針転換ではありませんか。

○直原都立学校教育部長 都教育委員会は、平成二十一年度に第二次東京都子供読書活動推進計画を策定し、都立高校においては、司書教諭の全校配置や学校ごとの読書推進計画の策定を進めてきたところでございます。
 司書教諭のもと、読書指導の一層の充実を図るためには、学校図書館の開館日数、開館時間を拡大するととともに、開館中は常時司書サービスを提供できるようにするなど、学校図書館の機能の充実が必要となっております。
 この機能充実のための方策の一つとして、学校司書職員に欠員が生じる学校については、図書館の管理業務を民間に委託し、民間の司書を必要数配置することとしたものでございます。

○畔上委員 今のご答弁で欠員が生じる学校にはとおっしゃったんですが、意図的に新規採用しないから欠員になるわけです。明らかに方針の転換ではないでしょうか。それは、私は一九九七年の法改正が大きな影響を及ぼしているというふうに思います。
 一九九七年、学校図書館法が改正されました。これによって、十二学級以上の学校には、二〇〇三年までに司書教諭を置かなければならないというふうになったわけです。しかし、そのことをもってして、学校司書でなくてもいいんだ、司書教諭でよいのだと勝手に解釈してはならないんだというふうに思うんです。
 この法律ができたときも、学校司書の削減につながってしまうんではないかという危惧の声が全国に広がって、九七年の国会の中では、わざわざ学校司書の雇いどめが起きないようにと、六項目にわたる附帯決議まで採択をしているわけです。
 また、ご答弁で機能充実の方法として民間委託というふうにおっしゃったんですけれども、時間延長ができるということをおっしゃりたいのかなと思いましたが、一課程一司書だったものを一校一司書に減らしたことが問題であって、これをもとに戻せば、時間延長も日数増もできるわけです。ですから、民間委託にする理由にはなり得ないというふうに思います。
 来年度、民間委託校は十八校ということでありますが、その根拠をお示しください。

○直原都立学校教育部長 来年度、再任用を含めまして、正規職員である学校司書職員に欠員が生じる高校が十八校あり、その全校に委託を導入するためでございます。

○畔上委員 定年退職などで再任用を活用しても、十八校欠員が生じるということですね。
 ならば、今後の定年退職者数と再任用を活用するのは何校になるのでしょうか。

○岡崎人事部長 今後、平成二十三年度から五年間の定年退職者の見込み数は七十一名でございます。
 今後の再任用活用校数につきましては、定年退職後にすべての職員が再任用を希望するとは限りませんので、現時点でお答えすることはできませんが、退職職員の知識、経験を即戦力として活用することによって、都民サービスの向上など、行政の効率的運用を図るという都の基本的考え方にのっとりまして、再任用希望者については今後も積極的に活用を図ってまいります。

○畔上委員 そうなりますと、五年間で七十一人も定年退職するということですね。
 東京都の予算案の概要には、委託した場合に、四年間の委託経費は十一億六千万円と書いてありました。何校実施で一校当たりの委託費は幾らと積算されているんでしょうか。
 それから、現行の運営との差額を二億五千万と書いてあるんですが、その積算根拠は何なのか説明をしてください。

○直原都立学校教育部長 委託を導入した場合の経費ですが、二十三年度の十八校から、今後の学校司書職員の定年退職等による欠員見込みをもとに推計しまして、四年後の二十六年度に六十四校を委託するとした場合に、四年間の合計で十一億六千万円と推計したものでございます。
 これを現行の学校司書職員を配置する運営方式を継続した場合と比較すると、所要経費の差額が二億五千万円となるものでございます。

○畔上委員 六十四校というのは、都立高校の三分の一にも及ぶ学校数なわけです。先ほど、再任用を活用して、その不足分は民間委託というふうにおっしゃっていたわけですけれども、結局、新規採用しないで、不足部分をどんどん民間委託という形をとっていったら、すべての学校が民間委託になってしまうんじゃないでしょうか。実態として、一人一校の方針の崩壊になります。
 であるならば、何校まで民間委託にしようと考えていらっしゃるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 学校司書職員が欠員となる学校につきまして、各年度の状況に応じ、委託としていく方針でございます。

○畔上委員 具体的には何校民間委託にするかは定まっていないということですね。直ちに新規採用して、一校一人の学校司書の配置をすべきだと私は思います。
 先ほどの十一億六千万の根拠を伺ったら、一校当たりの金額はお答えがありませんでしたが、私の計算では、一校当たり大体六百万から七百万ぐらいになるかなと思います。
 それで、仕様書を読ませていただきましたが、仕様書には複数配置となっていました。そのほかに、土曜日と五時以降にあける場合は、必ずしも複数でなくてもよい、そういった旨が書かれていたわけなんですが、八時半から夜十時の開館の学校もあって、そうなりますと、単純計算ですけれども、委託費の人件費が九割としても、そんなにないかもしれませんね。でも、九割としても五百五十万から六百万くらいが二人から三人の賃金ということになるわけです。つまり、一人二百万いくかいかないかということになるわけですね。
 現に、土日も開館しているという理由で、現在、例外的に民間委託されている新宿の山吹高校では、時給は八百五十円と聞いています。ワーキングプアをつくり出すことは本当に問題だというふうに思います。
 仕事はローテーションで対応することを考えているようですが、仕事の継続性、それから生徒対応の安定からいっても問題だと思います。
 そもそも、学校図書館における教育に関するレファレンス、これは民間委託で対応できるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 委託契約の仕様書におきまして、委託業務の一つとしてレファレンスサービスを定め、また、司書資格を有する者を業務従事者として配置することとしておりまして、生徒や教員からの図書資料に関する相談に応じられる体制をとっております。

○畔上委員 司書教諭との関係ということで、要するに、教育にかかわるレファレンスはできないということですね。
 一般の業務は可能ということですが、学校図書館におけるレファレンスは教育に深くかかわる業務だと思います。だから、学校司書は、正規職員と職員会議などにも参加して、教員とのコミュニケーションを十分図り、生徒に対するレファレンスを行っているわけです。
 例えば、私が視察をいたしました都立高校では、ちょうど図書館で職業についてという授業を行っていたんですね。その授業を進める前に、事前に教員と学校司書が連絡調整をしていて、職業についての本が本当にまとめて読みやすいように置いてありました。生徒が自分の目指す職業について相談をいたしますと、学校司書の方も授業に入って、丁寧に、この本にその職業について書いてあるよと、そういうふうに答えていました。
 そうした生徒とのやりとりの中で、司書の方も生徒が今何を求めているのかをくみ上げて、選書やディスプレーの工夫などにも生かしている。そして、生徒が調べ学習に意欲的に取り組めるような環境整備をされているんだなということ、私は非常に感心したわけですけれども、そうした高校生にとって大事なレファレンスが、民間業者、民間委託の業務の従事者にはできない、してはいけない業務なわけです。学校図書館の教育的な意義を奪うことになってしまうと思います。
 業務従事者と学校教職員との連携も大変難しくなるわけです。直接話すことは職安法に抵触するわけです。委託を受けた業者の従事者は、結局仕様書に書かれたこと以外はやってはいけないし、教員や生徒と協力して何かするということは禁じられているわけです。
 例えば、先ほどのように、授業で来週から職業をテーマにレポート研究学習をやりますよ、だから職業と就職に関する本をまとめておいてくださいねと教職員が業務の従事者に指示する、それもできない、一々委託会社の業務責任者に連絡をとるという形になるわけですね。
 教員はただでさえ大変忙しい。先ほども多忙化のお話がありましたけれども、大変忙しく、果たしてそこまでやれると考えていらっしゃるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 委託により配置される司書は、委託仕様書に基づき業務を行うものであり、特段、教員に連絡調整のための業務が付加されるものではございません。
 なお、全定併置校や昼夜間定時制高校では、現在、学校司書職員を夜間定時制の時間帯に配置しているため、学校司書職員の勤務時間外である午前中の図書館管理業務は、司書教諭等が行っております。
 また、土曜授業を実施する場合や、平日でも学校司書職員が休暇等で不在の場合においても、司書教諭等が図書館管理業務を行っております。
 委託の導入によりまして、従前、司書教諭が行っていたそれらの業務を受託者が行うこととなるため、むしろ教員の業務軽減となるものと考えております。

○畔上委員 教員の負担軽減というのはとんでもない認識だと思います。教育活動として図書館が活用されているのに、教員と委託業者の事業者は一緒に取り組めないわけですから、やっぱり教員の負担はむしろふえるわけです。
 それに、先ほど全定併置校の午前中、司書教諭が従事しているというお話がありましたけれども、実際には授業もあって、なかなか図書館には入れていない、そういう実態もあるんだということも伺っています。
 業務従事者と生徒の図書委員会、この活動とのかかわりはどうなるんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 生徒の図書委員会活動は、司書教諭など図書委員会を担当する教員の指導のもとで行われるものであり、委託により配置される司書は、図書委員会の活動日程や内容について連絡を受け、そごが生じないようにいたしますけれども、直接かかわることはいたしません。

○畔上委員 大事な答弁もされました。業務従事者は、生徒の図書委員会にはかかわれない、指導ができないということであります。
 また、教員の指導のもとといわれましたけれども、現状では、図書館便りの作成、新刊書の展示、カウンター当番などは、学校司書の指導のもとに行われているわけですね。せっかく積み上げてきた生徒の図書委員会の活動を縮小することにつながるんではないでしょうか。
 さらに、毎年の入札ということでありますから、委託先が決まるために、事業の継続性の問題も指摘されているわけです。
 二月二十四日の東京新聞には、都立高校図書館の民間委託問題が大きく載っていました。そこにも、長野県では民間委託は見送りに、鳥取県では県立高校全校に正規の学校司書を配置、三重県では五年前から途切れていた学校の司書採用を復活したと報じられていました。
 学校図書館に詳しい大学の教授も、司書には司書教諭との連携、他校司書との交流、研修も必要、経済性だけで考えてはいけないんだというふうに指摘をしておりました。まさに、専任、専門、正規、この学校司書が必要なんだというふうに思います。
 都教委が、直ちに今やらなければいけないことは、私は学校司書の欠員を解消すること、そして学校司書の新規の採用をすることだと思いますが、いかがですか。

○直原都立学校教育部長 現職及び再任用の学校司書職員の豊かな知識、豊富な経験を引き続き最大限活用するとともに、欠員が生じる学校につきましては、司書業務の民間委託体制に切りかえてまいります。

○畔上委員 片山総務大臣が、指定管理制度について昨年の十二月、通知を出しました。それについて、記者会見をことしの一月五日に行っています。その記者会見で大臣はこういっているんですね。本来指定管理になじまないような施設にまで指定管理の波が押し寄せている。例えば公立図書館とか、ましてや学校図書館なんかは指定管理になじまない。きちっと行政が直営でスタッフを配置して運営すべきだ。法律には書いていないが、常識とか、良識とか、リーガルマインドの世界なんだ、こう述べています。
 だれが考えても、指定管理や委託にはなじまないものを都教委は強行するのでしょうか。民間委託の撤回と、早急に学校司書の新規採用を開始することを求めまして、次の質問に移りたいと思います。
 特別支援学校のスクールバスについてです。
 現在、特別支援学校に通う児童生徒にとって不可欠なのがスクールバスです。特別支援学校の生徒の約半分、二百六十五台のさまざまなバスが通学を支えているわけです。
 バスの台数をふやし、通学時間を短縮すること、また高等部でも必要な生徒が利用できるバスの運行など、以前の委員会でも求めてまいりましたが、きょうはスクールバス委託にかかわる問題について取り上げたいと思います。
 この間、保護者の皆さんからは、添乗員の人が障害を理解していない、大声で添乗員からどなられた、運転が乱暴などの苦情を聞きました。また、バスの運行に携わる皆さんからは、都の業者選定の方法が構造として運行の安全や介助の質を担保できるものになっていなくて困っている、こういう訴えも私のところにありました。
 なぜそのような事態が発生するのか、改善すべき点は何なのか、都教委として真剣に受けとめて考えていただきたいと思います。
 そこでまず伺いますが、スクールバスの入札業者の選定はどこで実施をして、その選定基準はどのようなものかを伺います。また、契約期間についても伺います。

○前田特別支援教育推進担当部長 スクールバス契約は、都内三カ所の学校経営支援センターで担当しております。この契約は複数単価契約であるため、指名競争入札ではございませんが、業者の選定基準は、東京都契約事務規則に定める東京都物品買い入れ等指名競争入札参加者指名基準を準用し、適切に実施してございます。
 契約期間は、四月一日から翌年の三月三十一日までの一年間となっております。

○畔上委員 単年度の契約ということなんですが、本来人とのかかわりの仕事ですし、障害のある子どもたちを理解して適切な対応をするという特殊性からいっても、それができる人材の育成という観点からも、単年度契約で本当にいいんだろうかと検討する必要があるというふうに私は思います。
 しかも、スクールバスはバス会社のバスをお金をかけて車いす仕様に改造するなどするもので、単年度契約の不安定な仕事となれば、短期間で元を取るために、結局人件費が削られて、また、次の年に仕事があるかどうかわからなければ、正社員として雇うわけにもいかず、人がころころ変わるような事態をつくり出すという構造になってしまうわけです。
 また、どうしても入札制度だと価格が優先されて、質の担保が難しくなるわけですね。現にスクールバスの仕事をしたことのある方々からも、数十人の命を預かって運転する大型二種の免許を持った運転手を時給千円程度の低賃金で使って、お客様の安心・安全よりも経営を優先させる業者に運行を委託することは、官製ワーキングプアをふやし、最悪のアクシデントにつながっていきます、そうならないように低価格入札は改善してほしい、こういう声も伺っているわけです。
 仕様書も読んでみました。指名の判断事項、ここを見ますと、契約内容に適した専業性及び技術的適正というふうになっていましたが、これだけで果たして質の担保ができるのでしょうか。仕様書を交わすとしても、専門性や技術の基準があいまいですし、それをどう担保するのかは、結局、業者任せになるわけです。
 保護者の皆さんからは、業者の質を担保するために、評価制度などを導入してほしい、こういう声も寄せられております。
 スクールバスの業者選定に当たっては、業者の質を担保できるような評価制度、これが必要なのだと思いますが、いかがですか。

○前田特別支援教育推進担当部長 先ほど申し上げましたけれども、業者選定は、東京都契約事務規則に定める東京都物品買い入れ等指名競争入札参加者指名基準に準じて、一定の要件を満たしている業者を選定し、適切に行っております。
 また、スクールバスの適正な運行を確保するため、契約書で必要な条項を定め、契約履行上に問題があれば、その都度業者に対して適切に指導しております。
 このため、新たに評価制度を導入する必要性はないと考えております。

○畔上委員 そもそもの制度が、評価を選定基準の一つにするようにはなってない、公平、平等に入札参加をするようにしなければいけない。だから、今みたいな制度なんだという理屈なのかなと思いましたけれども、やはり物品を買うような契約じゃなくて、人と人とのかかわりの仕事なわけですから、それだけでは安定的に利用者の安心をつくることは難しい。それが現状で、だからこそ、やっぱり保護者の皆さんやバス運行側の方からも声が上がっているんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう今のお話なんですが、そうであるならば、特別支援学校のスクールバスの安全運行と乗務員の質の確保、これに向けて都教委としてどんな取り組みをされているんでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、乗務員向けに、児童生徒の障害の特性や、バス運行上の基本的事項等に関するスクールバス運行の手引やパンフレットを作成し、配布しているところでございます。
 また、各特別支援学校では、スクールバス業務に携わる運転手や添乗員等を対象として研修会を開催するなど、バス運行中の安全の確保等に努めているところでございます。

○畔上委員 今、研修というお話でしたが、今年度から始まったわけですね。今年度から学校主催での研修を始めたということは、私は大事なことだというふうに思います。
 しかし、研修が行われていても、いまだ改善されていないということで、保護者の皆さんは不安や不満の声を上げているわけです。仕様書の中では、どういう形で労働者との契約をするのかなど、踏み込んだ規程、これはできないわけですね。本来であれば、都として公契約条例を制定して、委託先の労働条件などもきちんと把握すべきところだというふうに私は思います。
 都教委で公契約条例をつくることはできませんので、ここではこれ以上踏み込みませんけれども、都教委として、現時点でも改善できることについて、これは当然行わなければならないのだというふうに思います。
 ぜひ利用者の皆さんや学校現場から、どのような問題が起こっているのか、これを聞き取りして、解決すべき課題をはっきりさせる、そういう必要があるんじゃないでしょうか。
 学校現場、保護者、利用者のアンケート調査、これを行うことを求めますが、いかがでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 スクールバスにつきましては、学校等を通じて、その運行状況の把握に努めるとともに、保護者や都民から苦情等がある場合には、当該乗務員や運行会社に対して速やかに具体的な指導を行うなど、適切に対応しております。
 現時点でアンケート調査の実施は考えておりません。

○畔上委員 繰り返しますけれども、保護者や、またスクールバスにかかわる人たちが切実な声を上げているわけです。アンケート調査をやらないということですが、命にかかわる問題です。子どもたちは声を上げられないわけですね。だから、やっぱり保護者の皆さんは非常に不安や危惧の念の声を上げているわけです。やっぱりそういう点では実態をしっかりつかんで、適切な対応、対策を講ずる必要があるのだというふうに思います。
 スクールバス予算の推移を見ますと、コースで割りますと、九十九年度、これは一コース年間千六百九十七万円、今年度は一コース年間が一千五十万円余です。一コースでいいますと六百万円もコストダウンしているわけです。
 やっぱりコストと効率性優先の被害は子どもたちになるわけです。特別支援学校の児童生徒にとって、安心・安全のスクールバスにする、これはやっぱり都教委の責務だと思います。ぜひそのために最善を尽くしていただきたいということを申し上げまして、私の質疑を終わります。

○原田委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時十七分開議

○原田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○星委員 それでは質問をさせていただきます。都立高校全体における学力向上の取り組みについて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、先々週の知事の定例記者会見だったと思いますけれども、都立高校人気の復活、改革についての問いの中で、都立高校は決してよくなってはいない、都立高の中レベルの学校にいると荒廃したままですな、授業中に先生の話を聞いている学生は一握りしかいませんよ、こんな発言を知事はされています。
 この発言は、教育に熱心な知事のある意味、叱咤激励ともとれますが、子どもたちの学力、体力、気力不足、荒れた学校、いじめ、不登校、中退などの問題は、都立高校でも少なからず起こっていると認識しています。
 教育長は、都の教育行政のトップとして、知事のこの発言を踏まえ、これからの都立高校改革にどのように臨んでいかれるのか、まずご所見をお聞かせいただきたいと思います。

○大原教育長 都教育委員会は、生徒一人一人の個性を生かしていくことができる都立高校を目指しまして、都立高校改革推進計画に基づくさまざまな施策に取り組み、教育条件の整備を図ってまいりました。その結果、都立高校における大学進学実績の向上や、中途退学者、あるいは進路未決定者の減少を初めとする成果は上がっております。
 先日の知事のご発言は、これまでの都立高校改革の成果に満足せず、さらに都立高校改革を進めよという、都教育委員会への知事からの叱咤激励であるととらえております。
 都教育委員会は、これまでの都立高校改革推進計画の成果や課題をしっかりと踏まえまして、都民の期待にこたえる高校づくりを一層推進してまいりたいと考えております。

○星委員 ありがとうございました。私も実はそのようにとらえたんですが、ある一方、とても痛いなというような気持ちがしまして、あの知事の記者会見を多くの都民の方がごらんになっていて、やっぱり都立高校ってそうなのかというふうに思っておられたらとても嫌だなと思いますので、これから質問させていただきますので、ぜひ明確なご答弁をいただきたいと思います。
 知事のいわれたいわゆる中レベルの学校はよくないという表現は、二〇〇一年から導入された進学指導重点校、特別指導推進校、指導推進校合わせても現在二十六校ですから、都立高校全体百七十八ですか、百七十九ですか、からするとごく一部の学校ですよね。中レベルとは、少なくともこの二十六校以外の高校を指しておられるのでしょうから、多くの都立高校はまだまだよくなっていないということをおっしゃっていることにつながります。
 そこで、都立高校全体の学力向上についてこれからお聞きしていきたいと思います。
 まずは、進学指導重点校についての選定基準の考え方ですが、進学指導重点校内において、大学合格実績の伸び悩み、低迷、難関国立大学等への合格可能性のある在校生の減少傾向が見られ、組織的、計画的にきめ細やかな進学指導体制を強化するとし、重点校の選定基準をセンター試験結果や難関国立大学現役合格者十五人などという基準を設けました。この基準についての考え方をまずお伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 進学指導重点校に対する都民の期待に一層こたえ、平成二十五年度からの進学指導重点校の新たな指定に向けまして、選定基準及び目標設定の考え方を定めたものです。
 進学指導重点校の中でも、大学合格実績を伸ばしている学校もあれば、低迷している学校もありますけれども、進学指導重点校に位置づけて難関国立大学等を目指す以上、最低限満たすべき基準として選定基準を定めたものでございます。

○星委員 都立高等学校進学対策予算として一億二千八百万円がこのたび計上されていますが、この内訳はどのようなものなのかお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 都立高等学校進学対策予算一億二千八百万円の内容についてでございますが、まず、学校に配布する経費としまして、進学指導重点校、進学指導特別推進校、進学指導推進校及び中高一貫教育校を対象に、自習室や自習スペースにおける生徒の自主学習支援を行うための夜間及び土曜日等における外部人材による自主学習支援に二千百二十万余円。
 また、予備校等から講師を招き、各校の教科担当者を対象に、進学対策に対応した指導方法の理解を深めるための授業力向上セミナーに三百四十万円。
 また、学校には直接配布しませんが、進学指導の経費として、将来、進学指導の中核になる教員を育成するための進学指導研修の経費が九千百四十万余円。
 大学入試問題分析集や学力向上教材集の作成等の経費が一千百六十万余円で、これらを合計しまして約一億二千八百万円でございます。
 なお、このうち進学指導重点校に措置する予算額は、一校当たり百万円でございます。

○星委員 私は、本日全体の高校生の学力向上についてお聞きしているんですが、それでは都立高校一校当たりの生徒一人当たりの平均コストと、進学指導重点校、例えば日比谷高校の生徒一人当たりのコストについてお伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 平成二十年度決算分都立高校バランスシートのデータによりますと、都立高校生徒一人当たりの平均コストは百二十七万九千円でございました。
 また、日比谷高校の生徒一人当たりのコストは九十八万五千円でございました。

○星委員 今のご答弁ですと、進学重点校が予算上で優遇されているのか否かということについては、そんなことはないということはわかりました。
 しかし、単純にコスト計算ではかり知れないと思いつつ、このような質問をさせていただいた背景なんですけれども、都民から優秀な子どもたちだけでなく、東京の子どもたち全体の学力の底上げをしてほしいと、そのために多く予算をつけてほしいという声が大変大きいんです。それでこのような質問をさせていただいたわけです。
 次に、進学指導重点校では、各学校が改善計画を上げてきましたが、この中には部活動の完全休息日、あるいは時間短縮に取り組むことを上げている学校があります。
 成長盛りの青少年に対して、受験一辺倒では偏った教育ではないかというふうに心配をしますが、このことについて都教委の見解をお伺いいたします。

○直原都立学校教育部長 部活動は、自己の確立、思いやりの心、自主性や社会性などを育て、豊かな人間関係や生涯学習の基礎をつくる上でも大切なことと考えており、当然のことながら、各学校は学習と部活動との両立を考えております。
 このため、進学指導重点校としましては、生徒の学習時間を確保できるよう、例えば補習、補講と部活動の活動日程を調整したり、部活動の終了時刻を定めたりするなど、一定のルールを設定することは必要であると考えております。

○星委員 進学指導重点校に指定されている高校の多くは、歴史と伝統があり、文武両道ともいいましょうか、スポーツも文化活動も盛んな学校が多いようです。実は指定校になるずっと前から、勉強も部活も両立できる意欲的な生徒が多いというふうに私は認識しています。
 子どもたちの高校生活におけるモチベーションを大切にしてほしいので、部活動や行事などを制限していくということに対しては、やはり子どもたちの意思も尊重していただきたいというふうに思います。
 確かに両立を目指しながら、一定のルールというかそれは必要ではないかなとは思いますけれども、あくまでも上からこうしなさいという話ではなくて、子どもたちも納得できるような状況の中での整備をお願いしたいと思います。
 次に、高校に入学する際の目安として、いわゆる偏差値があります。これは、私も都立高校出身なので、受検校を決める際の物差しでした。このことに特段抵抗はありませんでした。
 現在は、学区制が廃止され、全都の高校を受験できるようになったため、さらに詳しい情報に対するニーズが高いのかもしれません。現在、インターネット上、塾など、教育産業の情報では、もしかしたら学校現場で行われているかもしれませんけれども、普通に使用されているかもしれませんが、都立高校のランクづけについて、トップ校、二番手校、三番手校、上位校、中堅上位、中堅、中堅下位、下位校、あるいは底辺校、こういった名称で区分されているのをしばしば目にするんですよね。
 このように呼ばれていることについて、都教委の見解をお伺いいたしたいと思います。

○直原都立学校教育部長 副委員長のご指摘の呼称についてでございますけれども、都教育委員会は、偏差値だけで都立高校をランクづけすることはしておりません。

○星委員 偏差値は数値的な事実なので、それは私も抵抗がないし、多くの方も抵抗がないと思うんです。私が申し上げたのは、底辺校とか下位校というふうな、こういうくくりをされていることについて非常に抵抗がありまして、三年間過ごす子どもたちの自尊心というものに悪影響はないかなというふうに私は懸念をするわけです。
 これは、どうにか改善できないのか。都教委はそういういい方をしていないと思いますけれども、まことしやかに世間ではそういうふうに出回っていて、それで甘んじている教師とか生徒がいるとしたら、そっちの方が問題なんですけれども、その辺のところが私は非常にショッキングだな、これが当たり前のように使われている底辺校、下位校というようなくくりでなっているのが非常に抵抗があったので、問題提起をさせていただきました。
 都立高校に学ぶすべての子どもたちに確かな学力をつけさせたい、このことは生きる力につながることだと思います。このたび、今年度から開始された都立高等学校学力向上開拓推進事業が次年度も継続、対象校も拡大をされていくということでございます。
 この事業の目的と具体的な内容についてお伺いをいたします。

○高野指導部長 本年度から始めました都立高等学校学力向上開拓推進事業は、各都立高校が生徒の学力の実態を把握し、到達目標を定めて、生徒の学力向上を図ることを目的としてございます。
 都教育委員会は、本年度から三年間、都立高校十五校を学力向上開拓推進校として指定いたしたところです。推進校は、高校入試や各学校で実施する独自の学力調査のデータ分析に基づきまして生徒の学力の実態を把握し、到達目標を定め、学力向上推進プランを作成いたしまして、生徒の学力向上に取り組んできたところでございます。
 平成二十三年度からは、全都立高校で学力向上開拓推進事業を展開してまいります。

○星委員 学力の実態把握についてなんですが、一人一人の生徒の到達目標の作成、それに沿った指導がされていくのが望ましいと考えますが、この事業ではどうなっているのでしょうか。

○高野指導部長 本事業では、各学校は、高校入試等の分析結果を踏まえまして、生徒の実態に応じて到達目標を定め、教科別学力向上推進プランを作成するわけでございます。
 各学校は、こうした推進プランに基づいた指導を行うとともに、一人一人の生徒の学力を伸ばし、到達目標を達成できるよう、朝学習や放課後、土曜日、長期休業日等に行う補修など、補充的な指導を行ってまいります。

○星委員 今お伺いしているのと、この間ちょっとお聞きしている中では、この学力向上開拓推進事業というのは、一人一人の子どもたちのカルテの作成というより、その学校の到達目標設定というようなことであるというふうに認識をするんですが、私の意見ですと、やっぱり同じ高校でも入試の際のデータの分析だけで、本当に全体の傾向がわかるのか疑問であり、目標設定するのは、私は一人一人の子どもたちの全教科における学力分析、そして大事なのは、その生徒自身も加わった主体的な目標設定、そして指導、サポートが重要であるというふうに考えます。これは、意見として申し上げておきたいと思います。
 さらに、優秀な生徒より伸び悩む生徒、あるいは学びの意欲になかなかつながらない生徒こそ手厚い指導が必要であると考えますが、都教委の見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会は、これまでも各学校が創意工夫し、生徒の特性に応じた指導の充実を図るとともに、校内研修の充実に取り組むことで教員の資質向上を図り、一人一人の生徒が目標を持ち、充実した学校生活が送れるよう、各学校を指導してまいりました。
 本事業においても、各学校が生徒の学力の実態を把握し、入学から卒業までの到達目標を定めまして、把握した実態に即した教科指導を行うことによりまして、優秀な生徒については学力をより一層伸長させるとともに、成績が伸び悩んでいる生徒に対しましても授業等においてわかる工夫、これをすることなどによりまして、すべての生徒の学力と学ぶ意欲を向上させてまいります。

○星委員 よろしくお願いしたいと思います。
 今後、この事業を全都立高校に広げることについて、学校側との協議や体制についての準備状況はどのようになっていますでしょうか。

○高野指導部長 都教育委員会は、昨年三月に今年度から実施してまいりました本事業の内容と、平成二十三年度からの全校実施、これにつきまして、全都立高校の校長に説明をしたところでございます。
 また、これまで校長連絡会、副校長連絡会等におきまして、本事業の内容や実施計画、推進校の取り組みなどにつきまして、継続的に周知を図ってまいりました。
 また、昨年十一月、十二月には、全都立高校を対象に、推進校の成果報告会を地区ごとに実施いたしまして、各学校が本事業の内容を具体的にイメージできるよう、各推進校からの取り組み状況や成果と課題を報告させるとともに、平成二十三年度の事業説明と質疑応答を行いまして、学校側の理解を深めてきたところでございます。
 ことし二月には、全都立高校の管理職、教員を対象といたしました事業説明会を実施いたしまして、具体的な取り組み内容や実施スケジュールなどを周知するとともに、質疑等にも答えまして、本事業の趣旨や内容の徹底を図ったところでございます。
 こうしたことによりまして、各学校ではことし四月からの実施に向け、現在、校内体制を整えているところでございます。

○星委員 定時制高校なんですが、定時制高校は生徒の学力状況が非常にさまざまであると考えますが、その中でやっぱり統一した到達目標を設定するってとても難しいと思いますが、どのように進めていくのでしょうか。

○高野指導部長 生徒の能力、適性、進路希望等が多様化している定時制高校におきましても、生徒の学力の実態を把握し、到達目標を定めて、指導法や指導形態等の工夫、改善、これによりまして、わかる授業を実践することで生徒の学力を向上させることは、生徒の進路実現、自己実現を図っていく上で大変重要と考えております。
 本事業では、定時制高校におきましても全日制高校と同様に、各学校の工夫により、高校入試等を活用した生徒の学力の実態の分析、把握を行いまして、到達目標を定めた学力向上推進プランを作成、改善していく中で、個に応じた指導を行うなどして、生徒の学力の向上を図っていく予定でございます。

○星委員 都教委は、都立高校全体の中で多様な子どもたちの受け皿をつくってきました。公立高校の責務として、子どもたちの学力を少しでも高める、あるいは学力以前に生活指導から見てあげないといけないような生徒に対しても、深い経験や熱意で面倒見よく指導に当たっていただける教師の存在というのは非常に不可欠だと思います。
 学力向上に向けての教師のモチベーションを高める、スキルアップさせることが大変重要だというふうに思いますが、改めてご所見をお伺いいたします。

○高野指導部長 そもそも教員の喜びは生徒の成長にございます。指導を通じまして、生徒が成長を遂げたとの実感こそが教員の意欲を大きく向上させるものでございます。
 本事業においては、到達目標に向けて指導法などを改善することで、教師は指導力を高めるとともに、生徒の学力の向上を具体的なデータを通して把握することで、教員の意欲が向上するものでございます。
 都教育委員会は、今後とも本事業を推進する中で、生徒の学力の向上とともに、すべての都立高校の教員の指導力と意欲の向上を図ってまいります。

○星委員 進学指導重点校に入学してくる生徒は学力が高く、学習に意欲的な生徒ですから、学習面での心配はそれほどないと考えます。
 難関大学への受験重視の指導を私は否定するわけではありませんが、難関といわれている大学に入り、卒業したからといって、就職も厳しい社会情勢になっており、学歴だけで国際社会で通用するとはいいがたいのではないかと考えています。スポーツや文化活動などを通じ、豊かな高校生活を謳歌することにより、バランスのとれた人格形成につながるのではないかと思います。
 また、高等教育を希望すれば、ほぼ全員が受けられる状況になりつつある中で、中途でやめていく子ども、学力がほとんど身につかないまま社会にほうり出されていく子どもをなくすことこそ、都立高校の本来果たす役割だというふうに思います。意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 次に、都立高校図書館の管理運営業務の民間委託化についてお聞かせをいただきたいと思います。先ほど畔上委員から質問もありましたので、重複しない質問、さらに確認をさせてただきたいことをお聞きしたいと思います。
 ことしの四月から、都立高校の一部十八校で図書館の管理運営業務が民間委託されることになりました。司書の配置基準は一校に一名であったのに、今後退職の欠員については順次定数減をし、学校図書館業務の委託化を行っていくという方針にされました。
 若者の本離れがいわれる中、教育課程における学校図書館の重要な役割はさらに強化されるべきであり、専門職である学校司書の重要性はいうまでもないというふうに私は思っています。
 今回のこの民間委託化の目的について改めてお伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 都教育委員会は、平成二十一年度に第二次東京都子供読書活動推進計画を策定し、都立高校において、司書教諭の全校配置や学校ごとの読書推進計画の策定を進めてきたところでございます。
 司書教諭のもと、読書指導の一層の充実を図るためには、学校図書館の開館日数、開館時間を拡大するとともに、開館中は常時、司書サービスを提供できるようにするなど、学校図書館の機能の充実が必要となっております。
 この機能充実のための方策の一つとして、学校司書職員に欠員が生じる学校については、図書館の管理業務を民間に委託し、民間の司書を必要数配置することとしたものでございます。

○星委員 充実をされて本当にいい教育環境が子どもたちに提供していただけるなら、私は民間委託化を決して否定するわけではないんですが、ただ、民間委託後の司書は、先ほどもやりとりがありましたけれども、業務責任者を間に介して、学校や教師から直接指示や指導を受けられないというふうにお伺いをしています。
 司書教諭との連携、研修などこれまでやってこられたその継続性については、今後こういった状況になるとどのように担保していくおつもりなのかお伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 委託により配置される司書は、委託仕様書に基づき業務を行うものでございます。授業での図書館使用や生徒の図書委員会活動など教員と連絡が必要な場合には、業務指示書及び毎週定期的に行う業務責任者との調整により行うこととしております。
 また、業務担当者、すなわち委託により配置される司書でございますが、この司書への研修につきましては、委託契約におきまして事前及び適宜受託者が実施することとしております。

○星委員 事務量がまた現場でふえるような気がしてなりません。高い専門性を要求され、そしてまた生徒や教師と図書教育というか読書におきまして、私は教育現場で本当に、共同作業という言葉もありましたが、はぐくむというかはぐくまれていくというようなことについては、今までの制度はとてもすぐれていたと思っているんですが、委託業者に雇われる司書については、毎年入札で委託先が決まるため、事業の継続性の問題や給与が低く抑えられる可能性も高いのではないかと思われます。
 先ほど答弁の中にもありましたけれども、複数という中の設置、細切れの働き方もあるわけですよね。シェアされるというか、そういった中では、私は、今本当にいわれている、新たな官製ワーキングプアを生み出すというようなことも心配されるんですけれども、そのことについて見解を改めてお伺いいたしたいと思います。

○直原都立学校教育部長 図書館管理業務委託は、地域の有資格者を本業務委託により司書として配置することで、司書の資格を持ちながら、その資格を生かせていない方の知識、経験や能力を活用するものであり、地域における雇用の拡大にもつながるものと認識しております。
 また、受託業者は、労働関係法規を遵守し、適切に図書館管理運営業務を履行するものと考えております。

○星委員 質問は次に参ります。都立多摩図書館の施設整備についてお伺いをいたします。
 このたび教育庁は、都立多摩図書館について移転改築の方針を決めました。実際の移転は五年先ですが、移転先となった国分寺市はおおむね歓迎ですが、閉館となる立川市は寝耳に水、近隣図書館で編成される連絡会でもこの間情報がなく、突然の方針に驚きの声が上がったと聞いています。
 同建物内の多摩社会教育会館は、都立学校、都教委等減免団体の利用が多く、一般社会教育関連での利用率の低さから、十九年度の事務事業評価でそのあり方の見直しが上がっていました。
 長年貴重な地域の社会教育施設でありながら、もっと多く利用される工夫がなされなかったのか。図書館の移転方針とともに社会教育会館の廃止を検討されていることについては、一つの見方として、施設のハードの問題だけではない、利用を上げるためのソフトの事業の充実についてどのような検証があり、活性化すべく努力をされたのか、私自身は釈然としない部分もあります。
 移転方針を決めるに当たっては、もう少し地域や図書館関係者との意見交換があってしかるべきと考えます。この移転改築案の発表に至る経過について、まずお伺いをいたします。

○松山地域教育支援部長 築二十年を超え、さまざまなふぐあいが発生しております多摩図書館の建物に関して、財務局が策定した建築物等修繕更新基準により修繕方針を検討してまいりましたところ、都として移転改築が最も適切であるとの判断に至り、内部で具体的な内容の検討を進めてまいりました。
 昨年十二月に基本設計に関する二十三年度の予算原案の内示を受け、移転改築案として一定の整理ができたことから、今回の発表を行ったものでございます。

○星委員 図書館の移転は歓迎されつつ、実は辛口の市民から、今もお答えがありましたけれども、築二十年を超えて非常に老朽化しているというお答えがありました。しかし、鉄筋コンクリートの建物で二十年以上超えた施設なんていうのは、そこらじゅうにあるわけですよね。
 そういった建物が漏電やら雨漏りをするというのは、私は非常におかしな話であるというふうに思うと同時に、コンクリート建造物の耐久年数は一体どれくらいなのか、わずか二十二年で使い物にならないような建造物を税金でつくったというのは、行政に大いに責任があるのではないかというご指摘をいただきました。
 私も二十年ぐらいでそんなになってしまうものかなというふうに思うんですが、納税者の一人として、ちょっとやっぱり知りたいところだと思います。財務局の基準というものが、二十年を超えたところに照らしたというふうに先ほどご答弁いただきましたけれども、もう少し、私はその辺の基準も含めて調査をしていきたいというふうに思っているんですが、関係団体や自治体から意見は聞かれましたのでしょうか。そして、今後はどうしていくのかお伺いをしたいと思います。

○松山地域教育支援部長 本年一月に発表いたしました都立多摩図書館の施設整備については、移転改築の基本的な方向性を整理したもので、移転予定時期、二十八年三月に向けたさまざまな準備の出発点として今回発表したものでございます。移転に関係する立川市、国分寺市、都市教育長会、西多摩郡町村教育長会、東京都市町村立図書館長協議会には、既に内容説明を行っております。
 現在、都教育委員会のホームページにおいて移転改築への意見をお伺いしておりますが、今後とも関係団体、自治体、利用者等から広くご意見をお伺いしてまいります。

○星委員 都立の図書館は、収蔵スペースの問題から、一資料一点保存の方針を二〇〇二年に図書館のあり方検討会で決め、二〇〇六年には、中央図書館と多摩図書館の役割分担ということで、多摩は雑誌や児童書に限ることを決めています。
 この流れの中で、小説などは有効活用のため、ほかの図書館等の引き取りの照会をかけた上で売却、多摩地区の歴史や地理に関する図書、行政資料など多くのものは、貴重ですが、こういったものはなかなか売れないということから処分に困っていた。そういった中で、多摩の図書館長らの努力により八王子や青梅市の図書館が引き取ったというふうにお伺いをいたしました。
 図書館行政において、膨大な資料をどう保存していくかは大きな課題ですが、私は地域の貴重な資料はできる限り分散せず、一括で保存し活用すべきだという、そういった意見に賛同するものなんですが、多摩の本、地域資料は、都立多摩図書館が一括して保存すべきであり、今後国分寺に改築される際、新たに収蔵スペースができるのなら一括保存が可能であるというふうに考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 平成十四年一月に策定いたしました都立図書館あり方検討委員会報告では、資料の収集、保存は原則各一点とすることといたしました。
 地域資料は、都立図書館二館の機能分担から、中央図書館が一点ずつ収集、保存を行うこととしておりますが、中央図書館から多摩図書館、または近隣の公立図書館に取り寄せて閲覧することもできます。また、該当する市町村の図書館等でも閲覧することができます。
 一点保存の方針により、区市町村立図書館では収集が困難な専門書や高価本など、より幅広い資料収集が可能となっておりまして、この方針は維持してまいりたいと考えます。

○岡田委員 私からは、若手教員育成研修についてお伺いをいたします。
 これまでも私は、教員の資質向上を図る上でも研修の重要性についてただしてまいりましたけれども、特に初任者研修においては、教員になったばかりの初任者にとって非常にスケジュール的に無理がある課題があるということを述べてまいりました。
 そのような折、都教育委員会では、今年度から若手教員を三年間かけてじっくりと育成していく東京都若手教員育成研修を実施していると伺っております。
 そこでまず、今年度から実施しております東京都若手教員育成研修の趣旨についてお伺いいたします。

○高野指導部長 教育公務員特例法においては、公立学校の初任者は採用から一年間にわたり、教員の職務に必要な事項に関する実践的な研究、研修が義務づけられております。しかし、若手教員の育成は採用後の一年間だけで完結するものではなく、経験年数に応じて身につけさせていくべき資質、能力を継続的に身につけさせる必要がございます。
 こうしたことから、都教委では、これまでの初任者研修として、採用後一年間のみ義務づけられておりました研修を、校内の中核教員としての役割が期待されるようになる三年目まで研修を行うことによりまして、東京都の公立学校の若手教員に必要とされる基礎的知識を系統的、段階的に定着させ、資質、能力の向上を図るため、今回のこの全国初の東京都若手教員育成研修を実施することといたしました。

○岡田委員 東京都若手教員育成研修として、全国的に先駆けてということ、この初任者研修のみで終わるのではなく三年間かけてということ、系統的、段階的に実施されるということは、趣旨として非常によく理解できました。
 そこで、もう少し詳しく、この研修の一年次の初任者研修から二、三年次までのそれぞれの年次の研修目的と、具体的な研修内容及び時間数についてお伺いいたします。

○高野指導部長 東京都若手教員育成研修は、各学校で指導教員の指導のもと実施される校内研修と、東京都教職員研修センター等で実施される校外研修によりまして三年間で実施することといたしております。
 具体的には、一年次の初任者研修は、基礎的、基本的な資質、能力を育成する向上期と位置づけまして、校内研修では、例えば教科指導の基礎、児童生徒理解、保護者との関係などの内容を百八十時間、宿泊研修を含む校外研修を十六日間実施するものでございます。
 二年次は、実践的な指導力を育成する促進期と位置づけまして、校内研修では、例えば授業力の向上、生活、進路指導の実践、学校経営、組織態容などの内容を三十時間、校外研修を半日三回実施するものでございます。
 また、三年次は課題解決対応能力を育成する拡充期と位置づけまして、校内研修では、例えば教育課題の解決、組織管理、調整、教科指導の向上、こういった内容を三十時間、校外研修を半日二回実施するものでございます。

○岡田委員 これまでの初任者研修と比べて、三年間にかけて行うということで時間的な余裕はできたと考えますけれども、やはり、学期中に学校を離れての校外における研修というのは、若手教員にとって日々の仕事に非常に追い回されますし、大きな負担であると考えております。
 そこで、初任者研修に当たる一年次の校外研修は、学期中に何日行われ、それまでの初任者研修と比べて軽減されているのかどうかをお伺いいたします。

○高野指導部長 今年度実施しました東京都若手教員育成研修における一年次の研修では、学期中に実施している校外研修の日数は八日となっており、これまでの初任者研修と比べますと、二日少なくなってございます。

○岡田委員 若干ではありますけれども、学期中に実施する校外研修が少なくなっているということは評価したいと思っております。
 ところで、私も経験しているわけですけれども、学校では校内に指導組織を編成して、校内の指導組織の中心となって、その初任者の指導助言に当たる指導教員というのがおりますけれども、この指導教員に対して、これまで都教育委員会は後補充をしてきたと思いますけれども、この東京都若手教員育成研修ではどうなっているのかについて、二、三年次も含めてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 今年度から開始いたしました一年次の若手教員育成研修では、指導教員が初任者との授業研修等のため、みずからの授業を行うことができない時間につきまして、これまで実施してきました初任者研修と同様に後補充の人的措置、具体的には時間講師等の配置を行っております。
 来年度以降開始される二年次及び三年次研修につきましても、人的措置を行う予定でございます。

○岡田委員 人的措置がとられていることがよくわかりましたけれども、指導教員も安心して、これならば職務を行っていけると考えますが、そこでさらに、これは要望なのですけれども、例えば若手教員というのは通常学級だけではなく、特別支援学級や難聴言語障害学級、また情緒障害学級などにも配属されるわけで、そうした専門の知識、経験を必要とする学級には、そういった指導教員はもとより、後補充の非常勤講師というのもやはり確かな専門性を有していることが要件として望まれると思っております。
 即戦力として障害のある子どもたちに当たってくれる、やっぱりそういった指導のできる人材を充ててくださるように、これは要望しておきます。
 それでは、最後に、今年度と来年度の東京都若手教員育成研修の研修センターなどで行われます校外研修の予算額についてお伺いいたします。

○高野指導部長 今年度の一年次の東京都教職員研修センター等で実施します校外研修の予算額は九千八百万余円でございます。
 来年度につきましては、一年次の研修予算額は約九千万円、二年次の研修予算額は約二千万円、合わせて一億一千万円となってございます。

○岡田委員 これまでと比べて大幅な違いはないというふうなご説明ですけれども、研修内容がこれからもやはり充実されて、若手教員のためにこうした充実されたプログラムが行われていくということは非常に大事だと思われます。
 先ほどもお話がありましたけれども、どうぞ若手教員の方たちがメンタルな部分で途中でとんざしてしまうことのないようないろいろな意味でのバックアップ的なことを、これからも都教委ではやっていただきたいと思っております。
 以上で終わります。

○桜井委員 まず最初に、新規採用教員をどのように育成していくのかについて伺いたいと思います。
 現在、公立小学校においては、指導的立場にあるベテラン教員の大量退職に加えて、ここ数年、千人を超える大量採用が続いております。
 若い教員が大幅にふえている中、また、小学校教員は採用直後から学級担任となって、初年度から学級運営や保護者対応などの高い対応能力も求められているわけですけれども、このような状況を踏まえると、学校における若手教員の育成体制、この整備は急務であるというふうに考えるわけです。
 そんな折、都教育委員会では、今年度から、先ほどもちょっとお話がありましたが、東京都若手教員育成研修を実施しているというふうに伺っております。
 これまでの初任者研修のあり方を見直し、再構築した上で、三年間かけて若手教員を育成しようとするものだということですが、特に指導教員のもとに行われる校内研修は、実践的指導力等を高める上で重要な研修であり、その充実が求められると考えます。
 そのためには、進行管理を適切に実施し、確実に各研修に取り組むことが欠かせないと思います。また、若手教員は三年間を見通した研修計画に従い、日々の授業や校務などを通して、教員としての力を身につけさせていくわけですが、その過程の中で自己を振り返らせることも重要と考えます。
 そこで、この研修の進行管理の方法と若手教員一人一人がどのように自己の研修状況を振り返り、自己の課題を把握し、そして解決を図っていくのかについてお伺いいたします。

○高野指導部長 初任者の資質、能力、配置された地区や学校の実態は異なるため、若手教員に対しましては、個々の課題に応じたきめ細かな育成が必要と考えております。
 そのため都教育委員会は、東京都若手教員育成研修において、実施すべき研修項目、研修内容及び実施時数をパソコン上で選択しながら設定するだけで進行管理まで行える校内研修シラバスソフトを開発いたしました。あわせて、自己の到達状況を診断できる自己診断ソフトを開発いたしまして、こうした二つのソフトを各学校で活用をしているところでございます。
 各学校では、こうしたソフトを活用することによりまして、指導教員の指導のもと、若手教員がみずから設定した到達目標に対する達成状況から、研修の成果や自己の課題を把握いたしまして、主体的に解決に取り組めるようになってございます。

○桜井委員 今、答弁にもありましたとおり、若手教員と指導教員がともに研修の成果を振り返りながら、到達状況に応じた指導が繰り返されているということは大変意義のあることだというふうに思います。
 ところで、この東京都若手教員育成研修は、今年度から始まったということですが、現場の管理職、指導教員や若手教員の感想や意見を踏まえ、この研修そのものの効果を今後明らかにしていく必要があるというふうに考えます。
 そこで、現時点での研修の成果をお伺いいたします。

○高野指導部長 管理職からは、校内研修シラバスソフト及び自己診断ソフトの活用によりまして、若手教員一人一人の個に応じた育成方針を明確にできるとともに、計画的かつ効率的に研修を実施することができた。指導教員からは、担当した若手教員の学期ごとの課題を振り返りながら研修内容を工夫していったことで、授業力の向上や生徒児童理解が進んだ。あるいは若手教員からは、自己の到達目標と照らし合わせながら、自己診断ソフトを使って自己診断できたことで、自己の課題を客観的にとらえることができた、こういった感想がございました。
 若手教員育成研修は今年度スタートしたところでございますので、今年度の初任者も、あと二年かけて研修することとなります。今後は、研修に関するソフトの改善を行うとともに、すぐれた実践を行っている事例を各学校に紹介するなどいたしまして、すべての学校における研修の充実を図ってまいります。

○桜井委員 現場の管理職や指導教員、そして初任者から好評であるというふうに今のご答弁でわかりました。
 ぜひ現場の状況を把握しながら、この三年間でじっくり若手教員を育成していく研修をよりよいものにしていただき、教員の資質、能力の向上を図られ、東京都の教育水準をより一層高めていただくことを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次に、教員の養成について伺います。
 平成二十二年第四回定例会で、我が党の高橋議員から、今年度、都教育委員会が公表した小学校教諭教職課程カリキュラムの内容と今後の各大学に対しての働きかけについて質問したところ、教育長は、都教育委員会として、学生が積極的に教員としての資質向上に取り組むことができるよう、本カリキュラムの内容を踏まえた、小学校教職課程学生ハンドブックを今年度末までに作成し、東京都の小学校教員を目指す学生に配布すると答弁されました。
 改めて平成二十二年十月に公表した、小学校教諭教職課程カリキュラムについての作成の目的をお伺いいたします。

○高野指導部長 平成二十一年五月に都教育委員会が採用二年目の教員五十九名とその管理職を対象に行ったヒアリングで、板書の仕方や子どもへの話しかけ方など、大学で本来身につけておくべきことを教えてもらえていない、こういった現場の声がございました。そこで、任命権者である都教育委員会が大学と共同し、すぐれた教員の養成に取り組むことが必要であると認識したところでございます。
 また、教員養成課程を持つ三十大学を実際に訪問いたしまして、授業参観や学生及び大学関係者からのヒアリングを行いましたところ、小学校教師になるために必要な資質、能力を明確にしていないことから、大学として養成したい教師像がわかりにくいことや、教育実習が実習校任せになっているなどの課題が明らかとなりました。
 こうしたことから、都教育委員会は、教員を目指す学生が教師としての熱意や使命感はもとより、学習指導、学級経営等の知識や実践的な指導力を身につけられるようにすることを目的に、平成二十二年十月に小学校教諭教職課程カリキュラムを作成、公表いたしまして、大学における教員養成の改善、充実を提言したところでございます。

○桜井委員 小学校教諭教職課程カリキュラムについては、大学に向けてのメッセージであったわけですが、小学校教職課程学生ハンドブックの位置づけはどのようになるのでしょうか。
 そこで、小学校教職課程学生ハンドブックの作成の目的についてお伺いをいたします。

○高野指導部長 小学校教職課程学生ハンドブック作成の目的は次の二点でございます。
 一点目は、小学校教諭教職課程カリキュラムの内容をもとに、東京都の教師を目指す学生に対しまして、学校教育に必要なアドバイスや方策等を具体的に提示し、学生が学部段階の四年間で身につけるべき教師に最小限必要な資質、能力とはどのようなものであるかを具体的に理解させるようにすることでございました。
 二点目は、学校における教育活動のポイントや教育実習までに身につけるべきことなどを提示することを通しまして、大学での学生の学びを支援することで、東京都の小学校教員を志す意欲を喚起いたしまして、資質の高い教員を確保すること、この二点でございました。

○桜井委員 ところで、この学生向けハンドブックを東京都の教員を目指す学生にとってわかりやすく、身近なものにするとともに、東京都として熱いメッセージを送っていくことが重要であるというふうに考えます。
 そこで、この学生向けハンドブックの内容について伺います。

○高野指導部長 学生向けハンドブックにつきましては、大きく三つの内容から構成いたしました。
 一つ目は、小学校教諭教職課程カリキュラムに示した最小限必要な資質、能力を身につけるための到達目標と、大学における講義との関係性を明示いたしました。
 二つ目は、東京都の児童の学力、体力や健全育成上の課題などの実態と、これらの課題解決を図るための都教育委員会の教育施策を幅広く紹介したところでございます。
 三つ目は、登校から放課後まで学校での一日を具体的に想定できる内容や学級経営、学習指導、生活指導などの重点など、教師になって子どもの前に立ったそのときから役に立つ、東京都の若手や経験豊かな教師からの具体的なアドバイスなどを満載したところでございます。
 こうした内容によりまして、東京都の教員を目指す学生がより強い意思を持ち、大学における学業を充実させることを期待するところでございます。

○桜井委員 東京都の小学校の教員は、これまでも全国から集まっている実態があります。今後も東京都小学校教員を目指す学生は、全国にたくさんいるというふうに考えられ、東京都として広くハンドブックの普及を図るべきと考えるわけです。
 そこで、学生向けハンドブックの作成部数や配布先等、今後の予定についてお伺いいたします。

○高野指導部長 小学校教職課程学生ハンドブックにつきましては、本年二月に都教育委員会のホームページにて公表したところでございます。
 なお、配布先と配布部数につきましてでございますが、全国の小学校教員養成課程を持つ約二百五十の大学及び短大で、小学校教員を目指す一年生から四年生までの全学生約十二万人のほか、道府県教育委員会及び都内公立小学校等に配布する予定でございまして、作成部数合わせて十二万二千百部でございます。
 今後、三月末までに各大学等に配布するとともに、学生が四月当初に実施されます履修ガイダンスなどで活用していけるよう、各大学に対して働きかけを行ってまいります。

○桜井委員 都教育委員会が全国をリードして、小学校教諭教職課程カリキュラムや学生ハンドブックを作成して、教員養成大学や、そこで学ぶ学生にメッセージを送っていくことは重要であるというふうに考えるわけです。
 このような取り組みを通して、ぜひ優秀な人材を確保して、東京都の教育のより一層の向上を図っていただくことを期待いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、進学指導診断の実施について伺わせていただきます。
 先日、都立高校の入学者選抜が行われましたが、受検倍率は一・四三倍で、平成六年度の一・一四倍と比べ二・九ポイント上昇しています。
 こうした高い受検倍率には、都立高校に対する大きな期待が込められていると私は思いますが、これまで都教育委員会では、都立高校改革を推進し、新しいタイプの高校の設置を初め、質の高い教育の場の確保に努めてこられましたが、今後は、生徒の進学希望を踏まえた教育内容や、指導方法の工夫、そして改善を図り、生徒の進路希望を実現できるよう、組織的で計画的な進学指導を推進することがこれまで以上に求められていると私は思うわけです。
 進学実績を向上させるためには、学校が、生徒の入学時から卒業時まで、計画的に進路指導を進めていくことが大事であると考えます。
 こうした中、都教育委員会では、今年度から、都立高校が進学指導のマネジメントの定着を図り、進学実績を上げることができるように、予備校の講師等を進学指導アドバイザーとして進学指導特別推進校五校及び進学指導推進校五校の計十校に派遣する進学指導診断を実施しております。
 この取り組みは、全国でも初めての取り組みであり、新聞やテレビでも取り上げられ、世間の注目を浴びているところです。私も新聞でこの組織を知りましたが、難関大学への進学を期待する生徒や保護者は多く、それにこたえる責任があるというふうに思うわけです。
 そこで、進学指導診断を実施した学校においては、どのような課題が指摘され、どのような取り組みを行ったのか、お伺いいたします。

○高野指導部長 進学指導診断実施校では、進学実績向上のための経営戦略の診断、進学指導体制の診断、指導力向上に向けた教科指導の診断、この三つの診断を通しまして、予備校の進学指導アドバイザーから指摘を受けまして、これまで気がつかなかった課題が明確となりまして、具体的な改善を図ることにつながりました。
 例えば、経営戦略の診断で、合格実績目標や、それを実現するための指導体制が明確に打ち出されていないなどの指摘を受け、三年後の合格実績目標の設定や、教育課程の見直しを改善計画に盛り込み、それを教職員に周知徹底した学校もございます。
 また、進学指導体制の診断で、生徒の成績や模擬試験などのデータを担任だけが管理していて有効に活用されていないなどの指摘を受けまして、進路指導部がそれらを管理し、学年や教科などと共有して活用する体制に移行した学校もございます。
 教科指導の診断で、一人一人の教員は努力して、よい授業を行おうとしているものの、教科の方針が明確でないため、教科全体の指導力が不足しているなどの指摘を受けまして、教科部会で指導方針や指導すべき事項を確認するなどの改善を図った学校もございます。

○桜井委員 進学指導診断の成果は、他の都立高校にとっても進学指導に役立つ内容が数多くあると考えられ、診断を受けた学校だけでなく、ぜひともすべての都立高校に普及していく必要があると考えますが、都教育委員会は進学指導診断の成果をどのように普及していくのか、お伺いいたします。

○高野指導部長 経営戦略、進学指導体制、教科指導力の三つの診断から成る進学指導診断の結果につきましては、進学実績の向上を目指すどの学校にとっても有効に活用できるものでございまして、進学指導診断で得られた十校の結果をすべての都立高校に周知していくことは意義のあることと考えております。
 都教育委員会は、進学指導診断実施校十校に対しまして、四校の予備校が実施した診断の結果及びその診断結果を踏まえて、各学校が作成した改善計画を取りまとめまして、三月までに報告書を作成し、すべての都立高校に配布する予定でございます。
 各学校は配布された報告書の中に示されている進学指導診断実施校への指摘や改善計画を参考にいたしまして、自校の進学指導のレベルアップを図っていくものでございます。

○桜井委員 重要なデータだと思いますので、ぜひ全校でしっかり活用できるように努力していただければというふうに思います。
 次に、報告書の中に、進学指導アドバイザーが進学指導診断実施校に対して行った診断の結果だけでなく、診断結果を踏まえて学校が作成した改善計画も掲載されることは、他の都立高校にとっても大変参考になることだというふうに思います。
 さて、この診断は来年度も引き続き行われると伺っていますが、来年度はどの学校で、どのような内容で進学指導診断を行うのか、お伺いをいたします。

○高野指導部長 来年度につきましては、国際高校、竹早高校、墨田川高校、武蔵野北高校、小金井北高校、桜修館中等教育学校、小石川中等教育学校、白鴎高校、両国高校の計九校に対しまして進学指導診断を実施してまいります。
 来年度の進学指導診断につきましては、校長を対象とした進学実績向上のための経営戦略の診断を年二回、進路指導部の教員及び学年進路担当者を対象といたしました進学指導体制の診断を年二回実施してまいります。
 また、教科指導の診断といたしまして、国語、数学、英語の三教科及び地歴公民、または理科につきまして、指導力向上に向けた診断をそれぞれ年間八回実施してまいります。
 都教育委員会は、今年度と同様に、予備校に対しては診断書を、学校に対しては診断結果を踏まえて作成した改善計画の提出を求めてまいります。

○桜井委員 ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 次に、大学入試問題分析集の作成についてお伺いをいたしたいと思います。
 都教育委員会では、生徒の進路希望や学習希望に応じた教育を行うため、進学指導重点校等における進学対策を推進してこられましたが、進学指導重点校等には、将来の日本社会のリーダーとなり得る高い資質の生徒が入学していると聞いております。
 その潜在的能力からすれば、高校三年間の指導を一層充実させることにより、難関大学の合格実績をさらに向上させることが可能であるというふうに考えるわけです。
 来年度、都教育委員会は、各学校の進学指導の取り組みを支援する方策の一つとして、独自に難関国立大学等の入試問題を分析し、日常の授業内容と結びつけて解説する大学入試問題分析集を新たに作成するということでありますが、この分析集はだれがどのように作成するのか、お伺いをいたします。

○高野指導部長 大学入試問題分析集を都道府県単位で作成することは全国でも例を見ない取り組みでございますが、都教育委員会といたしましては、難関国立大学等への進学実績を向上させる観点から、進学指導重点校等の生徒に対する学習指導に十分活用できる内容のものを作成してまいります。
 この大学入試問題分析集を作成するのは、進学指導研究協議会参加校である進学指導重点校七校、進学指導特別推進校五校、進学指導推進校十四校と中高一貫教育校十校の計三十六校の国語、地歴公民、数学、理科、英語の教科主任などでございます。
 この分析集につきましては、教科ごとに作業部会を設置してまいりまして、教科ごとに作成してまいります。

○桜井委員 ところで、大学入試問題分析集というものは市販の図書にもあると思います。都教育委員会が作成する分析集には、市販の分析集とは異なる特徴があるというふうに思うわけですけれども、そこで、この分析集の内容及び配布する範囲についてお伺いをいたします。

○高野指導部長 この大学入試問題分析集は、国語、地歴公民、数学、理科、英語の五教科の教員向けに作成する分析集でございます。
 この分析集は、東京大学を初めとする難関国立大学や難関私立大学等の入試問題の分析に加えまして、分析結果をもとに、大学合格に必要な学力を身につけさせるための教科の指導方法等について、日常の授業内容と結びつけて解説するものでございます。
 都教育委員会は、分析集を各教科五百部、計二千五百部印刷し、進学指導研究協議会参加校三十六校を中心に全都立高校に配布いたしまして、進学実績の向上に役立ててまいります。

○桜井委員 次に、学力向上教材集の作成についてお伺いをいたします。
 来年度、都教育委員会では、難関国立大学を目指す生徒の学力を向上させるため、授業や補習で活用する独自の学力向上教材集を新たに作成するということでありますが、この学力教材集はだれがどのように作成するのか、まずお伺いをいたします。

○高野指導部長 学力向上教材集につきましては、進学指導研究協議会参加校である進学指導重点校七校と中高一貫教育校十校の計十七校の国語、数学、英語の教科担当者などでございます。
 また、この教材集につきましても、教科別に作業部会を設置いたしまして、教科ごとに作成してまいります。

○桜井委員 進学指導重点校や中高一貫教育校の教員が集まり、それぞれの教員が蓄積してきた指導技術や実践例を出し合い、力を結集して、すぐれた教材を作成することは大変意義があるというふうに考えるわけですけれども、先ほどの分析集と同様に、このような教材集も市販のものがあると思います。
 そこで、この教材集の内容及び配布する範囲についてお伺いをいたします。

○高野指導部長 学力向上教材集は、国語、数学、英語の三教科について、生徒が大学合格に必要な学力を身につけるために、都教育委員会が独自に作成する問題及びその解説をまとめたものでございます。
 この教材集は、各教科五千部、計一万五千部印刷いたしまして、進学指導重点校及び中高一貫教育校を中心に全都立高校に配布いたしまして、学力向上に役立ててまいります。

○桜井委員 進学指導重点校において、校長がリーダーシップを発揮し、組織的な進学指導体制を整備するとともに、生徒一人一人の学力を確実に伸長させ、難関大学への合格に導くことができるよう、これからの取り組みを強力に推進することをお願いいたしまして、私の質問を終わりにします。ありがとうございました。

○中山委員 それでは、最初に都立多摩図書館について伺います。
 先ほども星副委員長から質問がございましたので、重複するところは割愛しながらやらせていただきたいと思います。
 一月二十七日に都立多摩図書館の移転改築の方向性が示されました。現在の立川市から国分寺市に移転して、新しく最寄り駅となるJR西国分寺駅から徒歩三分という大変交通アクセスのよい都有地に、平成二十八年三月のオープンを目指して、来年度、平成二十三年度から基本設計に取りかかるそうであります。
 そこで、いささか気が早いわけですが、五年先の新しい都立多摩図書館で展開される都民サービスの大幅な向上を導くべく、今の段階だからこそ申し上げられる要望も含めて、何点か質問させていただきます。
 まず、改築移転を実施する主な理由は、施設の老朽化と収蔵スペースの狭隘化にあるとされていますが、現在の都立多摩図書館は昭和六十二年に建設され、まだ二十年しかたっていません。なぜ改築が必要なのか、現状を含めてお伺いをいたします。

○松山地域教育支援部長 都立多摩図書館におきましては、保守点検等を適切に実施してまいりましたが、経年劣化が著しく、湿度制御ふぐあい、水漏れ、停電などが発生し、外壁のれんがの剥離や雨漏りが生じております。
 また、現収蔵庫スペース約百万冊分が既に満杯となっており、約二十万冊を外部の民間倉庫に保管している状況でございます。

○中山委員 安全性だけでしたら補強工事による対応も選択肢の一つだったかもしれませんが、今のご答弁により、二十万冊もの図書資料が外部に保管されている現状は、利用者の利便性という点で、どうしても改善すべきであります。移転改築せざるを得ないことを理解いたします。
 そこで、確認のためにお伺いしますが、そもそも都立図書館とはなぜ必要なのか、区市町村立図書館とはどのように異なる役割を果たすものなのか、見解を伺います。

○松山地域教育支援部長 文部科学省が定めた公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準によりまして、都立図書館は広域的自治体の図書館として、都民の調査研究、学習活動の支援や、区市町村立図書館及び学校への協力等の役割を担っております。
 区市町村立図書館では収集が困難な専門書や高価本など、より幅広い資料収集を行い、それを必要に応じて貸し出すことで、区市町村立図書館を支援しております。

○中山委員 今、ご答弁でありましたように、都民が直接施設外に図書を借り出すことはできないけれども、貴重な研究資料を大量に保管する都民共有の巨大な閉架図書館の役割を果たすために必要であることを理解いたしました。
 では、次に、今回の移転改築がもたらすハード面での都民サービスの向上はどのようなものなのか、お伺いをいたします。

○松山地域教育支援部長 都立多摩図書館の移転改築に当たりましては、既に実施しております東京マガジンバンクや児童青少年向けの各種事業を引き続き継続いたしますとともに、施設運営面でさまざまな改善を行い、利用者サービスの一層の向上を図ってまいります。
 お尋ねの施設面では、開架閲覧スペースの拡大、充実を図りますとともに、読み聞かせやグループ学習ができる専用スペースや、講演会、セミナー等が開催できるセミナールーム、長時間滞在利用者のための軽飲食スペースなどを今後予定している基本設計に盛り込んでまいります。

○中山委員 せっかく新しい施設になるのですから、この機会を利用して、今ご答弁にもありましたハード面でのサービスの向上も大いにバージョンアップを目指していただきたいと思います。
 例えば、開架閲覧スペースを拡大して、一万六千タイトルもあるという所蔵雑誌を少しでも多く手に取って見るような工夫をお願いします。
 また、利用目的に応じた専用スペースやセミナールームの設置も、従来の図書館の概念を超えた活用を導くものであり、詳細設計の段階で決してトーンダウンしないよう、ぜひとも実現していただくよう申し述べておきます。
 次に、ソフト面も大切であります。せっかくの移転改築も、ハード面での充実にとどまってしまうと、新たに所在地となる国分寺市の都民以外は、その効果を余り実感できないかもしれません。
 新しい都立多摩図書館は、立川市やその他の近隣市などの所在地以外の都民にも多くのメリットを提供できるよう、サービスの向上を検討すべきと考えますが、運営面ではどのような充実を目指すのか、その方向性を明らかにしていただきたいと思います。

○松山地域教育支援部長 これまで都立多摩図書館では、東京マガジンバンクに関する講演会や都立特別支援学校への出張お話し会、啓発資料やブックリストの提供等を行ってきておりますが、移転改築を機に、運営面における一層の充実が必要と考えております。
 充実の方向性としては、都民や区市町村向けの研修の充実、小中学校の授業等への支援、その時々の社会問題をとらえた企画展の実施、図書館内部見学の館内ツアー、近隣自治体と連携協力したさまざまな企画などを考えておりまして、これらの具体化に向けて検討してまいります。

○中山委員 これから内容を固めていく現段階でございますので、余り具体的な事柄までは明らかにできないと思いますけれども、今ご答弁していただいた方向性をしっかり見据えていただいて、二位や三位ではない、一位の都道府県立図書館、少なくともオンリーワンの評価を得る都立多摩図書館とするべく、具体的な事業の構築をお願いいたします。
 続きまして、この点も先ほどの質問と若干重なってしまうんですが、学力向上を目指しまして、学力向上開拓推進事業について質問させていただきます。
 都議会公明党は、さきの平成二十三年第一回定例会本会議の代表質問で、国際的な大競争時代にふさわしい人材を導く学力向上を求めました。
 本年度、都教育委員会は、進学指導上の重点校や指定校の指定を受けた学校だけでなく、すべての都立高校生の学力向上を図るために学力の実態を把握し、入学から卒業までの到達目標を定めて、実態に即した教科指導を行う都立高等学校学力向上開拓推進事業を実施いたしております。
 モデル校の取り組みは平成二十四年度まで続き、一方、全校での本格実施は平成二十三年度から開始されるという、一見わかりにくい構造でございますが、事業の内容の概要とあわせて、学力向上を図る上で至極当然のこととも考えられるこのような取り組みを、なぜ都教育委員会が全校で改めて実施しようと考えるに至ったのか、その理由をお伺いいたします。

○高野指導部長 多様な進路希望を持って都立高校に入学してくるすべての生徒に対しまして、一人一人の希望が実現できるよう学力を向上させていくことは、都民の願いでございます。
 これまで都立高校においては、個々の教員が生徒の学力向上を図るために授業の工夫等を行ってまいりましたが、各教科において、高校入試等のデータ分析に基づき生徒の学力の実態を把握し、到達目標などを定めた学力向上推進プランを作成、改善していくサイクルの中で、授業改善と生徒の学力向上を図る組織的な取り組みは必ずしも十分ではございませんでした。
 そこで、こうした教科指導のサイクルを各学校に定着させるために、本事業を開始したところでございます。
 お話しのように、学力向上開拓推進校として指定した十五校においては、今年度は一年生を対象に実施しておりますが、二十三年度は一、二年生を対象、二十四年度は一、二、三年生を対象に本事業を実施してまいります。
 また、推進校以外の多くの学校においては、推進校に一年おくれて進行してまいりまして、全日制課程においては、平成二十五年度に全学年の生徒が本事業の対象となります。

○中山委員 都立高校における学力向上開拓推進事業の目的と概要を伺いまして、本事業が学校教育の目的を具現していくことに資する大事な事業であると理解いたしました。
 ある面で一国一城のあるじという、いい面でも悪い面でも、そういう特徴がある教員の世界の中において、PDCAサイクルというものを組織的にきちっと見据えて学力向上に生かしていくということは非常に大事なことだと思います。
 これが本当に各学校で一体感を持って実施されるかどうか、そのことが大事な課題だと思いますけれども、この意味で、今年度、研究開発に取り組んでいる推進校十五校の実践は、本事業の成否に大きくかかわってくると考えます。
 そこで、学力向上開拓推進校に指定された十五校の今年度の成果についてお伺いいたします。

○高野指導部長 今年度三回実施いたしました推進校十五校による連絡会では、これまで教員の経験則など感覚的にとらえていた生徒の学力について、具体的なデータ分析に基づいて把握しようという意識が高まり、生徒の学力向上に向けた課題が明確になった。あるいはまた、全教員で高校入試や学力調査の分析を行い、自校の生徒の学力の実態について共通認識を持つとともに、教科別学力向上推進プランを作成する中で、考査問題を個々の教員の作成問題から教科統一問題にするなど、教科としての学力向上に組織的に取り組む体制が整ってきた、こうした声がございます。一年の取り組みではございますが、一定の成果が上がっていることが報告されております。
 こうした成果につきましては、地区別に実施いたしました成果報告会で各学校に周知するとともに、今後、報告書にまとめまして、来年度からのすべての都立高校における実践に生かすよう指導してまいります。

○中山委員 平成二十二年度にスタートしたばかりの取り組みを早速二十三年度から全校に対象を拡大していくのは、ある意味で画期的な取り組みではあります。しかも、拡大するだけでなく、全校での成功を推進していかなければなりません。
 そのためには、本年度の十五校の推進校でなく、すべての都立高校が、自分たちは推進校の成果をただ見習うだけというのではなくて、自分たち自身も推進校の一つであるとの自覚に立つぐらいの意気込みで本事業に臨んでもらうことが必要でございます。
 そこで、来年度から学力向上開拓推進事業を全校で実施していくに際し、それを成功に導くために乗り越えなければならない課題を都教育委員会はどう認識し、どう解消していくのか、決意を含めて見解を伺います。

○高野指導部長 来年度からの都立高校全校での実施に当たりましては、管理職や教員に本事業の意義、趣旨を一層理解させるとともに、各学校に本事業を組織的に推進していく体制を整備させていくことが課題でございます。
 これまで都教育委員会は、校長連絡会、副校長連絡会や、地区ごとに実施いたしました三回の成果報告会、あるいはまた事業説明会などにおきまして、本事業の意義や趣旨、内容等について、管理職及び教員の理解を深めてきたところでございます。
 また、校内の推進体制の整備につきましては、校長が指名した学力向上推進委員一名を中心に、本事業を分掌、もしくは委員会の業務に位置づけまして、組織的に取り組むよう指導しておるところでございます。
 さらに、来年度、新たに全都立高校の学力向上推進委員による協議会を年二回開催いたしまして、各校の参考となるすぐれた取り組みを紹介するなどいたしまして、実践報告や研究協議を通じまして、取り組みの充実を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じまして、本事業を学校に定着させ、その成果を上げ、都立高校に入学してくる生徒の学力向上と進路希望の実現を図り、都民に信頼される学校づくりを強力に進めてまいります。

○中山委員 全都立高校の学力向上に大きく役立つと思われるこの事業の成功を願っております。
 次に、学力調査について質問いたします。
 テストの役割としては、成績を評価することが目的のテスト、そしてまた学力の実態を把握するためのテスト、そういうものがあると思います。前者は、主に教員みずからが作成していらっしゃる場合が多いと思いますし、後者は、国や都の作成したものを使っていらっしゃるというものがあると思います。
 学力調査というのは後者の方に当たるわけでありますけれども、初めにお伺いいたしますが、教員がみずから作成するテストだけで学力を把握しようとしていく場合に、どのような課題があるのかということ。
 そしてあわせて、ご答弁があると思いますけれども、そのような学力調査であるからこそ、都教育委員会は、学力調査に関して、問題文の作成の仕方とか実施方法という点においてどのような工夫を講じようとしているのか、お伺いいたします。

○高野指導部長 教員は、日常の授業やテスト問題などを通しまして、児童生徒の総合的な学力の把握に努めておるところでございますが、学力には多様な要素があることから、学力を適切に把握するためには、各教科等における知識や技能の習得状況のみならず、思考力、判断力、表現力、また関心、意欲、態度、こうした観点に偏りのない評価を行うことが必要でございます。
 しかしながら、文部科学省が平成二十一年度に実施いたしました調査によれば、小中学校の教員の約八〇%が、観点別の評価については、実践が蓄積し、定着してきていると感じている一方で、思考力、判断力などの観点につきましては、一部に円滑に実施できていないと感じている教員もおりまして、今後、さらに評価の仕方を工夫していく必要があると考えております。
 こうしたことから、都独自の学力調査におきましては、学習指導要領に示された各教科の目標や内容に即しまして適切な観点別学習状況の評価ができるよう、出題の内容や設問の仕方について配慮いたしますとともに、調査実施後に開催いたします教員対象の説明会などで、出題の意図や、調査結果を踏まえた授業改善の視点などにつきまして指導助言をする必要があると考えております。

○中山委員 私も学生時代に自称予備校と称するところで働いていた記憶がありますけれども、学力を把握する問題をつくるというのは大変難しいと思います。今のご答弁でも、知識を問う問題は簡単につくれるけれども、思考力、判断力を見きわめる問題をつくるというのは大変だということではないかと思います。
 都教育委員会の学力調査の内容や実施方法などの点で、今後も不断の改良を目指すべきであります。
 一方で、学力調査の中身を高めるだけでなく、学力調査を通じて判明した学習上の課題をより効果的、的確に学力向上に結びつけていくための取り組みの強化も必要であります。
 学力調査において大事な点は、学力調査の実施後の教科指導への反映に要するスピード感、そして、個人ではなくチーム力を生かした検討、分析が必要と考えますが、都教育委員会の見解を求めます。

○高野指導部長 お話しのとおり、学力調査の結果を児童生徒の学力向上に結びつけていくためには、教員が学力調査の結果から、みずからの授業を振り返り、速やかに指導方法の改善充実に努めていくとともに、児童生徒一人一人に調査結果を還元して、いち早く学習の振り返りを確実に行わせることが重要でございます。
 また、調査対象となりました児童生徒の学級担任や教科担任だけではなく、学校全体で学力調査の結果を共有いたしまして、組織的に結果の分析や授業改善推進プランの検討を行いまして、学校全体の授業改善に結びつけていくことが必要でございます。
 こうしたことから、平成二十三年度実施の新学力調査に当たりましては、各学校において調査結果を集計し、児童生徒一人一人に配布する個人票の印刷や、学級、学校の学力の全体傾向などの把握ができる集計ソフトを開発いたしまして、都内の全公立小中学校に配布することといたしました。
 今後とも、都教育委員会は、学力調査の結果を学力向上に結びつけていくために、教員の授業改善や児童生徒の学習の振り返りに即時性を持たせるとともに、学校全体の組織的な取り組みが推進されるよう区市町村教育委員会と連携いたしまして、各学校を支援してまいります。

○中山委員 先ほど質問させていただきました学力向上開拓推進事業と今の学力調査の充実については、大変連動したお話じゃないかと思います。
 そのPDCAサイクルという面で実態を把握して、それに応じた教科の改善を図るということが、やっぱり四カ月も半年も後に成果が返ってくるというのでは、その学年の中の教科指導に生かせない。そうした面が一つ。
 そしてまた、チーム力を生かして、その目的に対して計画をどう立てていくか、それがどう実践されていくのか、その反省もきちっとやっていくということが非常に大事ではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、重点支援校について質問させていただきます。
 学力だけでなく、さまざまな課題が学校にございます。コミュニケーション能力の育成ですとか部活動の充実、社会貢献の意欲の向上、あるいは不登校問題に対する対応など、さまざまな課題があると思います。そうした面で、私は、重点支援校制度について一層の充実を期待しております。
 重点支援校制度につきましては、自律的な改革を進める改善への取り組みに成果を上げている都立高校に対して、学校の改革や改善を一層促進させるための制度と認識しております。重点支援校制度を通じて都立高校がレベルアップしていくことが大切であると思います。
 重点支援校制度発足以来、百校の指定がされていると聞いておりますが、指定実績の内容と、指定をされてどう変わったのか、具体的な例をお伺いしたいと思います。

○直原都立学校教育部長 平成十五年度からの重点支援校指定実績は百校であり、そのうち七校が再指定校です。対象校で指定されていない学校は二十五校ございます。
 次に、重点支援校に指定し、成果を上げた学校の一例でございますけれども、都立本所高校では、平成十八年度に重点支援校に指定されたことを契機としまして、生徒の進路希望実現に向け、校長のリーダーシップのもと、生活指導とキャリア教育の充実に教職員全員で取り組んでまいりました。
 具体的には、都教育委員会と連絡をとりながら、総合的な学習の時間を利用した三年間の系統的なキャリア教育、二年生全員を対象とした地域の企業や諸施設でのインターンシップなど、生徒一人一人に応じた指導の充実に努め、進路未決定者の減少や大学進学率の向上など、顕著な実績を上げております。

○中山委員 今、お話がありましたように、生徒の進路未決定者の対応とか、本当にさまざまな点で大事な課題をこの重点支援校制度は取り組み、解決をしているんだと思います。重点支援校に指定されたことを契機に、学校の改善が進んでいることはわかりました。
 ところで、重点支援校に指定する高校の選び方についてでありますが、進学指導重点校やエンカレッジスクールなど、都教育委員会が施策としてはっきり学校の方向づけをしている学校は重点支援校の指定対象にしていないと聞いております。普通の高校、いわゆる中堅校の活性化が重点支援校制度の目的でありますから、それは理解できるところでございます。
 しかしながら、中堅校の中でも、平成十五年度にこの制度が始まってから現在まで、先ほどご答弁のあったとおり、指定校に一度も手を挙げたことのない学校もあると思われますし、また、指定を目指したんだけれども、まだ体制が整わないというふうに判断をされたという学校もあるのではないかと思います。
 中堅校の中で、課題を抱えながら放置されているような学校が残ることがあっては問題であります。そうした学校があるとしたら、都教育委員会が重点的に支援して、学校の立て直しを行う必要があると思いますけれども、そうした学校に対する働きかけについて見解を伺います。

○直原都立学校教育部長 これまで重点支援校は、原則として、学校の自律的改革に向け、校長のリーダーシップのもと、教職員が組織的に取り組む校内体制が整っており、都教育委員会が支援することで改善が促進されると見込まれる学校から選定してまいりました。
 一方、都立高校の中には、地域からの期待が高いにもかかわらず、学習指導や生活指導において改善が進んでいない高校もあると認識しております。
 こうした学校につきましては、これまで学校経営支援センターが学校訪問を行い、必要な改善指導を行ってまいりましたが、今後、重点支援校に指定することも検討し、校長を支援して、地域の期待にこたえられる学校に転換できるよう、取り組みを進めてまいります。

○中山委員 やはり先ほどのご答弁でありましたとおり、二回目の指定を受けていらっしゃる学校もある。片方では一度も手を挙げたこともない。もちろんそれぞれのやり方があるんだと思いますけれども、やはりこの指定校制度の指定を受けて、計画の進捗を第三者的に評価されるとか、あるいは報告会に参加して発表するとか、さまざまなことが中身の充実に向けて後押しになると思いますので、ぜひそうした取り組みの意欲という点で、都立高校生が通う学校に差がないようにしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 最後に、いじめ問題について質問させていただきます。
 我が党は、いじめを苦にした自殺などの悲劇の発生を踏まえ、平成二十二年十二月の第四回定例会の代表質問で、学校がいじめの発生に適切に対処できていない場合、都教育委員会は学校に対して問題解決に必要な支援を講じるべきと申し上げました。
 都教育委員会がさまざまな対策を現に講じてきていることは十分承知しておりますが、本日をより一層の対策の強化の契機としていただくために、何点か質問させていただきます。
 まず、いじめ問題の未然防止や解決のため、学校や区市町村教育委員会が行うべき対応と、都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

○高野指導部長 いじめは決して許されないことであり、また、どの子どもにも、どの学校にも起こり得る問題であることを十分認識し、日ごろから児童生徒等が発する危険信号を見逃さないようにすることが重要と考えております。
 学校では、いじめを学級担任などの特定の教員が抱え込むことなく、学校全体で組織的に対応することが重要でございまして、スクールカウンセラー等の活用などにより、児童生徒の悩みを受けとめる体制を整備することが大切でございます。
 区市町村教育委員会では、日ごろから学校の実情把握に努め、学校や保護者からいじめの訴えがあった場合には、その解決に向けて当該学校への支援などに取り組む必要がございます。
 都教育委員会では、これまで二十四時間対応の東京都いじめ相談ホットラインを開設するとともに、小中学校へスクールカウンセラーを配置するなど、各学校における相談体制の構築を支援してきたところでございます。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携いたしまして、児童生徒や保護者への相談機関の周知や、学校におけるいじめを把握するためのアンケートなどの実施の徹底、いじめの未然防止、早期発見、早期対応の充実に向けた支援を行ってまいります。

○中山委員 もとより、いじめは教員の面前で行われるわけではありません。いじめの発見には、保護者や児童生徒などの協力も必要なわけですけれども、そもそもどのような状態を指していじめと呼ぶのか、この点があいまいでは、早期発見、早期対応といっても、絵そらごとになってしまいます。
 私は専門家ではありませんので、素人じみた発言で恐縮ですが、人間関係のトラブルを解決するための手段として、あるいは自分の心の中のストレスを解消するための手段として、一対複数、一対多数の圧力を駆使して、身体的、精神的な攻撃や排除が発生している状態をいじめと呼ぶべきと考えております。
 現状、学校現場では、どのような状態をいじめと判断しているのでしょうか。お伺いいたします。

○高野指導部長 文部科学省は、いじめとは、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものをいう、こういうふうに定義してございます。
 子どもからいじめの訴えがあったときには、いじめがあるものとして親身になって受けとめて対応することが基本であり、個々の行為が、いじめか、けんかなどに当たるか否かの判断は、学級担任のほか、教科担任や部活動等の顧問教諭などが、児童生徒の仲間意識や人間関係の変化に留意しつつ、日ごろの児童生徒の性行などを見きわめた上で判断することが必要と考えております。
 こうした考え方に立ちまして、都教育委員会は、いじめのとらえ方につきまして、生活指導担当指導主事連絡会などを通じまして各学校に周知徹底を図っておりまして、すべての教員が共通理解した上で、いじめの早期発見、早期対応が行われるよう努めております。

○中山委員 私は、自分の考えに固執はいたしませんけれども、出自や身体的特徴など、個人ではどうしようもない事柄をもって非難、攻撃する行為に対しては、これは教員の方々はきちっと指導していらっしゃると思います。
 同様に、一対複数、一対多数の圧力を駆使して、身体的、精神的な攻撃、排除の状態が児童生徒の間で起きている場合は、教員は、その状態のそもそものきっかけが何であったにせよ、それを直ちにやめさせなければならないと思います。
 一対複数、一対多数の力をかりて問題解決を図ることは、どれほど理屈をつけても、しょせんは単なる嫌がらせであり、いじめだよ、卑劣な行為だよということを、しかるべき立場の大人、この場合は、まずは教員がいい切ることで学校に秩序が生まれるんだと思います。
 いじめがどの段階で容易に消えない被害者側の心の傷となるのか、自殺という取り返しのつかない状態に結びついてしまうのかは、だれの目にもわかりません。だれかを傷つけて、激しく傷つけてしまったことを自覚できた段階では、いじめた側の子どもの心も傷ついてしまうことも考えられます。
 したがって、非難であれ、排除であれ、一対複数、一対多数の圧力はともかく悪い。直ちにやめさせる。こういう認識を徹底させない限り、いじめ問題の改善は実現しないと考えます。
 ところで、何をもっていじめとするかと同様に大事なことは、どうなったらいじめが解消されたと考えてよいかという点であります。この点、学校現場では、どのような状態になればいじめが解決したととらえているのか、お伺いいたします。

○高野指導部長 いじめの解決のためには、いじめをした児童生徒に対して、いじめを受けた相手の苦痛を理解させ、二度と起こさないよう、謝罪を含めた毅然とした指導を行うことが大切でございます。
 また、いじめを受けた児童生徒につきましては、心のケアに十分配慮し、安心して学校生活が送れるように教職員が守り通す、こういった姿勢を持って接し、当該児童生徒が精神的苦痛から立ち直ることができるまで、継続して見守りに努めることが必要でございます。
 こうした指導を行うことで、いじめられた児童生徒がいじめた児童生徒とのよりよい人間関係を構築し、安心して学校生活を送れるような状態になることが、いじめが解決された状況ととらえております。

○中山委員 今の答弁は大変重要な答弁だと思います。一対複数、一対多数の嫌がらせが終わったからといって、いじめ問題が解決したことにはなりません。いじめによってもたらされた心の傷が回復されて初めて、解決したことになると考えるべきだと思います。
 例えば、私が知るケースでは、いじめ被害を受けたある女子生徒が他の中学校に転校した後で自殺未遂に至った事例があります。転校後の学校でのクラスメートの何げない内緒話、なかなか打ち解けられないクラスメートのしぐさ、そうしたときに、ちょっとした拍子に、フラッシュバックのようにいじめられた恐怖がよみがえり、またいじめに遭うのではと不安に駆られ、登校できなくなってしまったそうで、自殺未遂はそうした日々の後に発生しました。転校してもだめだったという絶望感が原因ではないかと思っております。
 なぜ転校してもいじめのショックから立ち直れないケースが出てくるのか。それは、転校前の学校で受けたいじめ被害の解決が、彼女自身の心の中で納得のいく形で果たされていないからであります。
 激しい暴力を受けたり、レイプや虐待などの被害者に対して試みられる治療的話しかけの方法の一つに、あなた自身は全く悪くないという事柄を繰り返して説き聞かせる方法があると聞いております。
 事実、いじめて悪かった、いじめを見過ごしてしまって悪かったとの謝罪の言葉を聞くことができて初めて、いじめを受けた被害者がいじめ被害の経験を心の中で整理することができたという話も聞いております。
 理不尽に謝罪を強要することは別の心理被害を招くことになりかねませんけれども、いじめを受けた子どもにとっては、自分が悪いわけではない、今のまま、いつもどおりの自分でよいのだと思えるだけで、再び自信を持って学校に戻れることもあると思います。
 したがって、いじめ問題の解決には、早期発見、早期対応は不可欠であります。早期に発見すれば、一対複数、一対多数の嫌がらせの被害も軽くて済むかもしれませんし、早期に対応していれば、謝罪や仲直りも可能なケースもたくさん出てくると思います。
 先ほど紹介した事例では、当事者でない私が事実を断定することはできませんけれども、被害者家族の話によりますと、いじめの話を聞いた担任教員が、一対複数、一対多数の嫌がらせをやめさせることなく、生徒同士のトラブルとして生徒だけで解決できるというふうに様子見を決め込んでしまったことがあったそうであります。これが事実であれば、簡単に問題を解決できる初期対応のチャンスを逃してしまったことになります。
 次に、実際には学校がいじめを把握しても、何らかの事情でしかるべき迅速な対応が行われないケースもあると思います。そうした場合を放置すると、一層いじめ被害も深刻化してしまいますし、問題の解決も難しくなってしまいます。いじめの解決がなかなか進まない場合に、都は区市町村教育委員会をどのように支援するのか、お伺いいたします。

○高野指導部長 いじめの解決につきましては、学校の迅速で正確な状況把握に基づく組織的な対応が不可欠でございまして、区市町村教育委員会は日ごろから学校の実態把握に努め、学校や保護者からいじめの訴えがあった場合には、その解決に向けて当該学校への支援等に積極的に取り組む必要がございます。
 都教育委員会は、解決がなかなか図られない事例等につきまして、学校や区市町村教育委員会から相談を受けた場合に、必要に応じてアドバイザリースタッフや健全育成学校支援員、あるいは指導主事などを学校に派遣するなどいたしまして、解決に向けての継続的な支援を行っているところでございます。
 今後とも、都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携いたしまして、適宜適切な人材の派遣を含め、いじめの解決に向けた取り組みを支援してまいります。

○中山委員 ぜひともよろしくお願い申し上げます。
 先ほどのケースでは、都教育委員会には適切に対応していただいておりますので、私は安心しておりますけれども、ほとんどの事例で、早期にいじめは発見されて、子どもたち同士や親によってたしなめられたりして、問題が起きていないんだと思いますけれども、問題はこじれてしまったケースだと思います。
 そうした場合に、親の訴えというのは非常に真剣になります。子どもの命がかかっていますから。これをモンスターペアレント的に扱っては絶対ならないと思います。やはり真正面に据えて問題解決を図らなければなりません。
 どれほどきれいごとで、これから問題を起こしませんといっても、やはり人間ですから、本当はこうすべきだったけれども、こうできなかったというときもある。そのことをきちっと認められる学校関係者にならない限り、再び同じようなことが起きたとき、同じようなことを繰り返してしまう。そういうおそれがあると思いますので、よろしくお願いいたします。
 いじめ問題の最後に、適応指導教室を取り上げます。
 区市町村の教育委員会が行う適応指導教室は、いじめ被害などにより長期に学校を休んでいる生徒が学校復帰に向かっていくための場所でございます。しかし、その運営方法は区市町村に任されており、ほとんど自習に近い実態である内容があったり、主要教科の指導が欠けていたりする事例も聞きます。それでは学力の差はどんどん広がってしまい、学校復帰は遠のくばかりであります。
 適応指導教室での指導内容が充実してこそ、児童生徒の学校復帰も早まるわけですが、不登校等の児童生徒が通う適応指導教室における指導の充実について、都教育委員会の見解を伺います。

○高野指導部長 いじめなどが原因となって不登校等になった児童生徒に対しまして、区市町村教育委員会は、その学校復帰を支援するために適応指導教室を設置しているところでございます。
 適応指導教室における指導は、児童生徒の立場に立った相談、適応指導を基本といたしまして、児童生徒からのさまざまな相談に応じるとともに、各教科の学習指導につきましても、在籍校と連絡をとりながら、児童生徒の実態に応じて指導内容を適切に設定し、個別指導や集団指導、こういった形で指導上の工夫をしながら行っております。
 都教育委員会といたしましては、今後とも区市町村の適応指導教室の実態把握に努め、区市町村の相談担当者や生活指導担当指導主事を集めた学校不適応対応連絡協議会などの機会を活用いたしまして、指導内容の一層の充実に向けた支援を行ってまいります。

○中山委員 やっぱりいじめの早期発見にはスキルの熟成が必要だと思います。児童生徒の表情や行動のわずかな変化にも気づくことができるように、ボディーランゲージが意味するところや、子どもたち同士の立ち位置の微妙な変化にも気づくことができるような研修や、TT等のチーム力の導入などの効果も必要だと思います。また、早期対応には、命を救う勇気が必要であります。
 そうした面で、これからも対応が大変かもしれませんけれども、ぜひ毅然たる態度をとっていただいて、年数を重ねるたびにいじめをなくしていく、そうしたことが実現できる対応をよろしくお願いいたして、質問を終わります。

○原田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後五時五分休憩

   午後五時二十分開議

○原田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言願います。

○笹本委員 教育改革の中で中心である都立高校改革について質問いたしますが、さきに質問した委員と一部重複はありますが、必ずしも角度が重複しているというふうに私は感じませんので、そのまま質問をしたいと思います。
 きょうは都立高校の合格発表があったんですよね。そうですよね。ひょっとしたら、この中にも、きっとお父さんの帰りを待ちわびているようなご家族があるかもしれませんので、極めて迅速に進めたいと思います。
 その昔は、十五の春を泣かせないなんて随分昔の言葉だと思いますけれども、そんな言葉があったり、これは、かつては厳しい受験と高校全入学ということをあらわしていたんでしょうけれども、この言葉も最近では大分さま変わりしてきたのかなというふうに感じています。
 先ほどもありましたが、知事は二月十八日の記者会見の際、都立高校の倍率が過去最高になったのは、単に授業料が安くなっただけ。ちょっと中ほどは略します。教育改革はいろいろ手かせ足かせがある。都立高校は決してよくなっていないと明言をしたわけですね。また、学校の仕分けや学区制の廃止で一部復活した学校はあるものの、中堅校は荒廃をしたままという趣旨の発言をされています。
 みずから掲げた教育改革の目玉でもある都立高校改革の、とりようによっては自己評価というふうに受け取れるのかなと思いますが、改革の困難さを手かせ足かせなどと、聞きようによっては責任転嫁ともとれる発言であり、執行責任者として当事者意識が希薄な感じが私はちょっと印象としてあります。
 この中でも、先ほどの都立高校の発表じゃないけれども、まさか教育庁で、ただだから都立に行けというふうに、子どもさんにそういう指導をする人は一人もいないと思いますけれども、そのような知事の発言とは異なりますけれども、思うに、この都立高校改革には、一定といったら失礼ですが、教育的な成果というか、効果があるのではないかなというところから質問をしていきたいと思います。
 一次計画からの多様で柔軟な高校教育も、現都政で策定された実施計画まで貫かれた考えであります。新たな実施計画とされた第三次の実施計画では、先ほどからも随分出ております中高一貫校ですとか進学重点校、そしてチャレンジスクール、エンカレッジスクール、多様化が図られているということで、これは従来からの踏襲でもあるという部分はあると思います。
 一方、適正な規模と配置ということで、定時制を初め高校の統廃合が進んだということです。そして、学校経営手法や、あるいは主幹制度の導入なども図られてきているということです。
 学校間を競争させる意味での管理手法、先ほどもPDCAとか出ていましたけれども、マネジメントシステムやバランスシートの導入ということで、効果の検証だとか、教育効果などの検証が非常に必要で、説明を加えていただきたいなというふうに思うわけです。
 学区制の廃止により選択の自由が広がったこともあったり、あるいはエンカレッジスクールなど学校競争の熾烈化とランキング化、学校格差をより助長した面もあるというふうに感じる部分もあるわけです。一方、知事がいう、中間校の荒廃については、今後相当な課題があるのではないかなということを感じます。
 そして、ちょっとこれから以下、質問していきたいと思います。
 知事の発言には反すると思いますが、都立高校改革には一定の成果があったということをいいましたが、この成果についてはどのように認識をされているか。そして、知事が決してよくないと明言しているのは何についてというふうに都教委の方で考えますか。その具体策があれば、ご説明をいただきたいと思います。

○直原都立学校教育部長 都教育委員会は、都立高校改革推進計画を策定し、総合学科高校や不登校経験者を積極的に受け入れるチャレンジスクールなど新しいタイプの高校の設置、進学指導重点校や、基礎学力の習得と体験学習に力を入れたエンカレッジスクールの指定などにより、都立高校の特色化を進めてまいりました。
 こうした取り組みの結果、都立高校では、大学進学実績の向上や、中途退学者、進路の未決定者の減少などの点で成果が上がっているというふうに考えております。
 しかし、進学指導重点校やエンカレッジスクール等に指定した以外の多くの普通科高校、いわゆる普通科中堅校や専門高校の中には、自律的改革への取り組みなどにおいて成果が十分とはいえない学校もあると認識しておりまして、改善に向けた取り組みが必要であるというふうに考えております。

○笹本委員 多様で柔軟な高校教育ということの成果が出ているというふうにも聞き取れるわけですし、荒廃という言葉がふさわしいかというふうに思ったら、決してそういうことではないのかな。課題はあるんでしょうけれども、一定の成果も上がってきて、子どもたちの個性もいろいろな形で伸ばされているという、さまざまな指導がされているのかなというふうに今聞き取りました。
 次に、ちょっと重複はありますけれども、学区制の廃止、あるいは進学重点校、エンカレッジスクールなど、学校の多様化の成果ということは今の答えの中にも入っているわけですが、学校間格差を助長したという評価が一部にあると思いますが、これに対してはどのようにご所見がありますでしょうか。

○直原都立学校教育部長 都立高校改革推進計画に基づき学区を廃止することによって、学校の魅力を相互に競わせるとともに、生徒の学校選択の幅を大きく広げてきました。また、新しいタイプの高校等を設置するなど、学校の特色化を進めてまいりました。
 これらの取り組みは、いずれも生徒の進路希望や能力、適性、興味、関心に対応し、一人一人の個性を生かしていくことができる都立高校の実現を目指して進めてきたものでございます。

○笹本委員 必ずしも学校の評価が進学のみではないというふうなことが、今のご答弁からも感じるわけです。
 それから次に、先ほども校長のリーダーシップという部分と、それから経営手法がもたらす部分なんですけれども、これを導入したことによって、職場、教職員間のコミュニケーションに影響があったとか、あるいは生徒に及ぼす影響はあったのか。
 コスト意識を学校が持つということはいいことだと思いますけれども、意識改革にはなると思いますが、例えばバランスシートの作成や財務内容の公表がもたらす教育的効果というのはどのように考えたらいいのかなというふうに思うことと、私なんかは素人ですけれども、このバランスシートの作成、毎日やっているわけじゃないとは思いますけれども、得意な人はどうってことないんでしょうけれども、決してたやすいものではないんじゃないかなというふうに思いますけれども、そこらの負担とかも含めてご説明をいただきたいと思います。

○直原都立学校教育部長 まず、この間進めてまいりました学校経営の改善についてでございますが、教育内容の充実、教育の質的向上を図るためには、都立高校において、校長のリーダーシップのもと、全教職員が学校の教育理念を理解し、一丸となって同じ目標に向かい組織的に取り組むことが重要です。このために、都立高校改革推進計画では、学校経営基盤の強化を重点施策の一つとして位置づけ、経営基盤の強化に努めてまいったところです。
 また、お話のありましたバランスシートに関してでございますけれども、都立高校バランスシートにつきましては、学校の教育活動に要するコスト情報や資産状況を明確にすることにより、生徒、保護者及び都民への説明責任を果たすとともに、教職員がコスト意識を持って学校教育活動を転換していく契機とするために作成しているものでございます。

○笹本委員 コスト意識を持つということはとても大切なことだと思いますけれども、学校によっては、特別支援学校などでは当然、先生方も多くなって人件費が多くなるとか、あるいはまた、地域によっては授業料の減免措置を受けているような家庭が多い学校もあるかもしれませんし、教職員の努力ではどうにもならないようなものを数値化して、余り教育的効果というものが期待できないのかなというふうに印象としてはあるんですけれども、でも、当然、校長というマネジャーに求められることの一つとして、そういうことも入ってきたのかなというふうに、今、印象です。
 それから、最後になりますが、都立高校改革推進計画の継続期間が平成二十三年度までということですが、知事はこの成果にちょっと懐疑的な部分があるんですけれども、今後の取り組みについてご説明いただきたいと思います。

○直原都立学校教育部長 都教育委員会では、都立高校の特色化や学校経営基盤の強化等、この間進めてきた取り組みの成果を検証した上で、明らかになった課題の改善を図るとともに、来年度実施する都立高校に関する都民意識調査を通して、生徒、保護者を初めとする都民のニーズを把握し、引き続き都民の期待にこたえる高校づくりを推進してまいります。

○笹本委員 若干、最後は意見というか、そんな感じになるんですけれども、私が思うところ、親の経済負担がなくなった、ただになったということが都立高校の人気の要因になったという評価はされるべきではなく、学生一人一人、多様な将来を見据えた人格形成に寄与し、そして社会全体への教育成果を還元できる都立高校改革をしていただきたいと願うのは当然かなと思います。
 ちょっと古い話になりますけれども、かつてイギリスでは、ブレアが政権をとったときに、教育、教育、教育ということを随分唱えていましたけれども、恐らく、その前のサッチャー政権が自由主義経済を入れて、新自由主義か何かで学校に競争をもたらして、結果的にはエリートとそうじゃない一般層の物すごいランキングを助長したという反省があって、恐らく、ブレアはそういうことを九七年、教育のマニフェストということで入れたと思うんですね。恐らく、それをすることによって、国民の基礎力だとか、労働の質だとか、国際競争力を増していくということが雇用につながるということだったと思うんですね。
 今、大学生の就職内定率が七割を切ったとかなんとかといわれていますけれども、恐らく、ろくな基礎力もなく高校や大学に行った人が、それなりに社会的に参画ができるかといっても、なかなかこれは難しいのかなという部分があります。
 ブレアは、サッチャーと大きく違うところだと思いますけれども、学校の水準を上げるというのは差別化をすることじゃなくて、全体水準をとにかく上げる、むしろ問題のあるところへ対応を厚くするというところが全体水準を上げる、ひいては、それが国民の利益になるんだということを持論としていっていたのが、私、非常に印象的です。
 ですから、都立高校改革もぜひそういう視点に立って、胸を張って、本当に都立高校改革というのはここがすばらしいんだということをいっていただけるような改革を今後も継続していただきたいというふうに思っております。
 以上です。

○吉住委員 平成二十三年第一定例会の一般質問における我が党の山田議員に対する答弁の中で、来年度から都教育委員会は、都内の公立学校六十五校を推進校として指定し、言語能力向上推進を三年間実施すると伺いました。新学習指導要領が全面実施されるのは、小学校が平成二十三年度、中学校が二十四年度からです。言語能力の向上は、新学習指導要領の強化等を貫く中核的な事項であり、義務教育学校への支援は喫緊の課題でありますので、私からは、言語能力を向上させるための都内公立小中学校に対する支援について質問いたします。
 まず、言語能力向上推進事業を実施するに至った背景とねらいについて伺います。

○高野指導部長 児童生徒に基礎的、基本的な知識、技能を確実に習得させ、思考力、判断力、表現力などをはぐくむためには、新学習指導要領の趣旨を踏まえまして、すべての教科等で言語能力を向上させることが極めて重要と考えております。
 しかしながら、東京都の児童生徒の言語能力につきましては、平成二十一年度に小学校四年生と中学校一年生を対象に実施した東京都独自の学力調査の結果を見ますれば、文脈を読み取り適切に判断することや、必要な情報を正しく取り出し、それらの関係を読み取ることに課題があることが明らかになってございます。
 こうしたことを踏まえまして、都教育委員会は来年度から、活字に親しむ学校づくりを通しまして、児童生徒の言語能力を向上させることをねらいとして、言語能力向上推進事業を実施いたします。

○吉住委員 わかりました。来年度から教育委員会が言語能力向上推進事業を実施するに至った背景とねらいについては理解をいたしました。
 言語能力を高めるためには、学校や児童生徒の実態に応じて、さまざまな言語活動を工夫し、その充実を図っていくことが重要です。しかしながら、その前提として、児童生徒が言語を用いて表現する内容を豊かにする学習活動が欠かせないと考えます。
 そこで、言語能力向上推進事業では、小中学校の児童生徒の言語能力を具体的にどのように向上させていくのか伺います。

○高野指導部長 読書はすべての言語活動の基盤でございまして、言語能力育成の中核をなすものでございます。また、文章を書くことは、児童生徒の考えを整理し、論理的思考力を育成する上で極めて重要でございます。このため、すべての推進校が読書活動及び書くことの学習活動を必ず取り入れるものといたしました。
 推進校では、読み聞かせの達人や言語技術にかかわる大学教授等の専門家を講師として招聘した児童生徒対象の講演会などを年間二回、教員の指導力を高める授業研究を年間十回実施いたします。また、学校図書館を活用した調べ学習、調べたことや体験したことをまとめて発表し合う学習活動、あるいはまた、意見の異なる者同士の討論、討議などを行いまして、児童生徒の言語能力の向上を図ってまいります。

○吉住委員 専門家を招聘した講演会や授業研究を実施することは、推進校の児童生徒の言語能力の向上を図る上で有効であると考えます。各推進校が講師の専門性を生かした授業を効果的に実施できるよう、都教育委員会として指導していただくことを望みます。
 児童生徒の言語能力を向上させるために、本事業が大変有効であることは理解しました。しかしながら、限られた推進校の取り組みだけではなく、すべての公立小中学校を対象とした取り組みも重要であると考えます。
 そこで最後に、児童生徒の言語能力向上に向け、都内の全公立小中学校を対象とする都教育委員会の取り組みについて伺います。

○高野指導部長 都教育委員会は、平成二十二年度から、すぐれた指導力を有する教員を教育研究員として指名いたしまして、一年間かけて、国語科はもとより、音楽科や体育科などすべての教科などで言語能力向上に関する研究を実施いたしまして、その成果をすべての公立小中学校に普及してまいりました。
 具体的には、例えば、小学校の図画工作では、作品の制作過程で児童が感じたことなどを友人と語り合うことで、互いの作品のよさを感じ取らせる指導などについて研究を行いました。中学校の理科では、生徒が予想や仮説を立てる場面で、問題に対する考えを記述したり話し合ったりすることで、みずからの考えを明確にする指導などについて究明をしたところでございます。
 また、東京都教職員研修センターでは、言語活動の充実に関する研究を行っておりまして、言語活動を効果的に位置づけた指導計画や授業モデルを開発し、去る二月八日に教育課題研究発表会でその成果を報告したところでございます。
 都教育委員会では、来年度も引き続きまして、教育研究員の取り組みや都教職員研修センターにおける言語活動の充実に関する研究を行いまして、その成果をすべての公立小中学校に普及することにより、児童生徒の言語能力の向上を推進してまいります。

○吉住委員 取り組みの方法はわかりました。
 私も最近、実体験の中で非常に痛感しますのは、学生さんとか若い人が来て、非常にコミュニケーションできる人もいるんですが、例えば先ほど文脈のこととかいろいろ話もございましたけれども、今、目の前で話したことを全部文章化しないと記憶できない人がいたり、あるいは、断片的に単語を書いているんですけれども、脈絡を覚えていないみたいで、全く見当外れなことをして、結局、後で後始末に私が行くとか、いろんなことがあります。
 教育は一日にして結果が出るものではございませんので、この推進校、あるいは教育研究員の方が出してきて、普及した結果をやった場合にどういう効果が出るか、よく検証していただきながら、言語能力の向上を継続的にまた見ていっていただければと思います。
 それでは、続いて、教育委員会が進めていらっしゃいます日本史の必修化について質問いたします。
 長崎商館のドイツ人医師のシーボルトは、江戸の盛り場における無人販売において、その商品や支払われている代金を盗む者がいない、整然とした日本の社会秩序を高く評価する文章を残しています。
 また、アメリカの動物学者のモースは、客を公平にとる人力車夫を見て、他者を思いやる共生のライフスタイルの日本人に対して尊敬の念を持ったという文章を残しています。
 江戸末期から明治初期にかけて来日した外国人の残した記録には、すばらしい日本が記されています。
 知事の発言にもありましたとおり、江戸後期、成熟した独特の感性や高い文化、教育水準をつくり上げていた日本が、その後、急速な近代化を遂げ、国際社会において確固たる地位を確立していきました。私も、江戸時代に基盤がつくられ目覚ましい発展を遂げた日本の近現代史を、高校生の若者にしっかり学ばせることは重要と考えます。
 都立高校における日本史必修化は、昨年の第一定例都議会で自民党の吉原議員が質問した後、数多く議会では取り上げられています。しかし、文教委員会では取り上げられたことがございませんので、この四月から東京都独自の日本史教科書により授業が実施されるに当たり、再確認の意味を込めて質問させていただきます。
 まず、都立高校における日本史学習の現状と必修化導入の経緯、それに伴って開発する東京都独自の日本史科目「江戸から東京へ」の内容について伺いたいと思います。

○高野指導部長 高等学校学習指導要領では、地理歴史科において世界史のみが全生徒の必修となっておりまして、日本史は地理との選択となってございます。このため、都立高校生の四分の一の生徒が日本史を学ばずに卒業している状況でございます。
 こうしたことから、都教育委員会は、日本の歴史の価値を十分理解させ、日本人としての自覚と誇りを高めるために、中学校に引き続き高校生段階においても日本史を学ばせることが必要と考え、平成二十三年度からの試行実施を行いまして、平成二十四年度から全都立高校において日本史を必修化することを昨年二月に決定したところでございます。
 これに伴って開発いたします東京都独自の日本史科目「江戸から東京へ」は、江戸開幕から現在に至るまでの日本の近現代史を江戸東京の変遷を切り口といたしまして学ぶ科目であり、各学校においては、教科書に掲載された現在の東京に残る史跡や文化財を活用し、地理的視点も踏まえまして総合的に学習をしていくものでございます。

○吉住委員 次に、都教育委員会が作成した日本史教科書「江戸から東京へ」について伺います。
 私も、都教育委員会のホームページなどでこの教科書を見させていただきましたが、今、指導部長からは、この教科書は日本の近現代史を江戸東京の変遷を切り口として学習させるよう作成したとの答弁がありました。
 私の地元、新宿駅東口のアルタ前の広場には、人や馬などの水飲み場であった馬水槽が保存されています。これは、明治時代、ロンドンから東京市に寄贈されたもので、かつては有楽町の旧都庁舎前にあり、大正時代ころまで使われていたものです。淀橋浄水場など、水道と縁の深い施設があった新宿に移されており、このような文化財も活用してほしいと思います。
 この教科書では、江戸東京の変遷を切り口として近現代史を学習させるといわれましたが、具体的にどのような特色を持っているのか伺いたいと思います。

○高野指導部長 日本史教科書「江戸から東京へ」の具体的な特色についてでございますが、例えば江戸期においては、江戸城を中心に後楽園などに名残を残す大名屋敷や庶民の生活する長屋がつくられ、日本橋を起点とする五街道や内藤新宿などの江戸四宿の設置を初めとする交通流通網の整備により、江戸が形成されていったことを学習させます。
 江戸が神田上水や玉川上水を整備して水資源を確保した上、明暦の大火等による罹災を乗り越え、循環型システムによる、環境に配慮した、世界で屈指の住みやすいまちとなっていったことも理解させてまいります。
 明治以降においては、文明開化などによる西洋建築の普及、関東大震災や東京大空襲からの目覚ましい復興、オリンピックや高度経済成長によるさまざまな開発などを例に挙げまして、東京がそれぞれの時代に応じて多様な変遷を遂げていく過程を理解させる予定としております。

○吉住委員 わかりました。
 最後に、この教科書の普及について伺います。
 この教科書は、近現代史を学習するに当たり、必要な基礎的、基本的な知識が掲載されているほか、ビジュアルな紙面によって歴史を学ぼうとする関心や意欲を高め、「学びの窓」などの問いかけは、高校生の歴史的思考力を育成するものと考えます。ぜひとも多くの高校生に活用してもらいたいと思います。
 都教育委員会では、この教科書を普及させるため、どのように取り組みを行うのか、その内容について伺います。

○高野指導部長 都教育委員会は、この教科書を本年四月に在籍するすべての都立高校生約十四万人に配布するとともに、都立高校の全教員約一万人にも配布いたしまして、日本史等の授業で本教科書を活用させてまいります。
 また、特別支援学校約五十校及び都内の区市町村立のすべての小学校約千三百校、中学校約六百校にも配布するとともに、中学校のすべての社会科教員約千三百名にも配布いたしまして、都立高校以外での活用を図るなど、本教科書の普及拡大を図ってまいります。
 都教育委員会は、こうした取り組みを通しまして、教員、生徒、保護者等の学校関係者から寄せられた意見を参考にするとともに、学習指導要領にのっとりまして、必要があれば改訂するなどいたしまして、平成二十四年度からの本格実施に向けて対応してまいります。
 あわせて、都教育委員会のホームページにこの教科書を引き続き掲載いたしまして、広く都民から意見も聞いてまいります。

○吉住委員 「江戸から東京へ」を通し、高校生を中心とする若者たちに日本の近現代史をしっかり学ばせようとする教育委員会の姿勢はわかりました。この教科書も市販されるとのことでございますので、完全実施に向けては広く都民からの意見も聞き、都民に愛される「江戸から東京へ」になることを期待したいと思います。
 ただ、いろんなご意見が出ると思いますので、やはり国に愛着を持てる、自分の故郷に愛着を持てるという意味におきましては、やはりポジティブといいますか、余りネガティブにならないような参考の仕方にしていただければと要望だけ出して、終わらせていただきます。

○西沢委員 私からは、英語の教育について質問をさせていただきたいと思います。
 けさの朝日新聞にも社説が出ておりましたけれども、日本人というのは英語が非常に下手で、英語を使える日本人というのを育てていかなければいけないんだというふうにありまして、私も全くそのとおりだと思います。
 今、英語というのが国際用語でありまして、日本の国力を増していくためにも、東京から英語ができる人材というのを輩出していかなければならないと思います。
 三菱財閥の創業者であります岩崎弥太郎さんの本で、明治の時代から英語の必要性というのは説かれているわけでありまして、百四十年たった現在でも英語が話せないというような議論があるのは少し寂しい気がします。
 そこで、この日本で、今、中学校、高校と六年間、大学を足せば十年間、英語を教わっているにもかかわらず、英語を学習してもコミュニケーション能力が十分に身についていない、こういった指摘がある中で、この状況について教育委員会はどのようにお考えなのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 文法、訳読中心の英語の授業をいまだに行っている教員が一部にはおりまして、お話しのような指摘があることも事実でございます。
 しかしながら、高等学校におきましては、平成元年度に高等学校学習指導要領が改訂された際、外国語の科目にオーラルコミュニケーションA、B、Cが導入されまして、また、平成二十一年度の改訂では、外国語の科目にコミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲが導入されるなど、コミュニケーション能力の育成に主眼を置いた授業が重視され、各学校では現在、生徒のコミュニケーション能力を育成するためにさまざまに工夫を凝らした授業実践が行われてきております。
 また、中学校におきましては、平成九年度都立高校入学者選抜にリスニングテストを導入したことから、聞くこと、話すことなどを通しまして、コミュニケーション能力を育成する授業実践が一層進められてきております。
 このように、生徒のコミュニケーション能力の育成を目指す授業が各学校で盛んに展開されるようになり、それに伴って生徒のコミュニケーション能力も今後確実に高まってまいると考えております。

○西沢委員 さまざまな工夫でこの能力が高まってきているということでございますけれども、それでも古い英語授業にいまだに、そういう教員がいるのも事実だということを、教育委員会としても認めていらっしゃるわけであります。
 都立高校改革が進んでいる中で、改めて英語を教える学校の先生の質というものも高めていく必要がある、高めてほしいなと思うわけでございますが、そんな中で、四月からは小学校でも英語の授業が必修となっていくということでございます。
 小さいころから英語を教えるということについては、これまでも賛否両論があったんだと思います。先ほど言語能力の話もありましたけれども、小さいころ、国語の能力を高めていく前に英語を教えることによって、中途半端になるんじゃないかとか、その必要はないんじゃないかという議論もありましたし、私もそのように考えていたこともありますが、逆に、英語を使える、こうした人材が求められる中では、こうしたことも教育の一環としては必要ではないのかと思います。
 そこで、小学校の外国語教育が始まる中で、中学校と上がってきて、そして高等学校の教育、この継続性という面においてはどのようになっているのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 学習指導要領においては、小学校の外国語活動の目標は、コミュニケーション能力の素地を養うこととされております。
 また、中学校の外国語の目標は、小学校で培ったコミュニケーション能力の素地の上に、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を培うとされております。
 さらに、高等学校の外国語の目標は、中学校で培ったコミュニケーション能力の基礎の上に、情報や考えなどを的確に理解したり、適切に伝えたりするコミュニケーション能力を養うこととされております。
 このように、外国語の学習につきましては、小学校から高等学校まで、児童生徒の発達段階に応じた目標が国の学習指導要領で設定されております。

○西沢委員 小学校で素地、中学校で基礎を養って、そして高校では、情報や考えなどを的確に理解したり、適切に伝えたりするコミュニケーションを養うというようなことでご答弁がありました。
 適切に伝えたりするコミュニケーション能力というのが、何となく英語がぺらぺら話せるとか、英語を自由に伝えているというようなイメージも受けるんですが、実際、高校でそこまでやるのは難しいでしょうし、今の高校の目標が達成されているわけではないんじゃないかなというように私は考える次第であります。
 そこで、都立高校に絞りまして、生徒の英語によるコミュニケーション能力を高めるための工夫というものがどうなっているのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 都立高校の英語の授業では、例えば、生徒に授業で学んだキング牧師の演説の内容をまとめて英語で発表させたり、発表した内容をもとにペアで質疑応答させたりした後、生徒自身の将来の夢について英語で発表させるなどの言語活動を行っているところもございます。
 また、生徒に校内美化キャンペーンの企画を立てさせるために、グループディスカッションやディベートなどを通しまして英語で意見交換をさせるなどして、コミュニケーション能力を高めるさまざまな工夫を行っております。
 さらに、コミュニケーション能力を一層高めるために、校内でスピーチコンテストや英語による名演説などを暗唱するレシテーションコンテストを開催したり、校外で開催されますコンテストに出場するための指導を行ったりしてございます。
 また、多くの学校では、英検やTOEIC、TOEFL等の受験を生徒に勧め、補習を行うなどして合格に向けた指導を行っております。

○西沢委員 さまざまな工夫を行っているということがわかりました。
 確かに、文法を講読していく、今まで必要で求められていたのは、英語を解読するというものから、そうではなくて、話せる、使えるものを身につけるということの工夫がなされているということはよくわかりました。
 そして、もう一つお伺いいたしますが、教育委員会は、英語教育の充実のためにはどのような支援を行っているのかお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会は、英語教育の充実を図るため、昭和五十九年から、都立高校に英語を母国語とする外国人を外国人英語等教育補助員として配置しているところでございます。平成二十二年度は、全日制、定時制、通信制、中高一貫教育校合わせて二百一校に二百六十七名の外国人英語等教育補助員を配置しているところでございます。
 また、すぐれた指導力を有する英語の教員を教育研究員として指名いたしまして、一年間かけて指導内容や指導方法等を研究開発させ、その成果を発表会や報告書により全都立高校に普及啓発しているところでございます。
 さらに、都教育委員会の指導主事などが、各学校や研究団体が行う研究授業等において指導助言を行ったり、スピーチ、ドラマ、ディベートなどのコンテストにおいて審査員として指導講評を行ったりするなどして、英語教育の充実に努めているところでございます。

○西沢委員 今、ご答弁いただいた中で、外国人の英語等教育補助員というものの活用についてのご答弁がありましたけれども、話の中には、この外国人に頼り切ってしまうとか、逆に外国人をうまく使いこなせない先生もいらっしゃるというような話もあります。ですから、それをうまく使いこなせて教育できるような先生の質を高めるということも非常に重要であるというようなものを改めて感じました。
 それでは、この外国人英語等教育補助員をどのように採用しているのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 外国人英語等教育補助員の配置につきましては、原則として、配置を希望する都立高校が学校の実態に応じまして候補者を選定し、都教育委員会に具申を行います。その上で、都教育委員会が採用を決定しております。
 この外国人英語等教育補助員は、地方公務員法が規定する特別職の非常勤職員として採用されているところでございます。
 なお、学校で適切な候補者を選定できない場合は、都教育委員会の名簿に登載いたしました候補者の中から、都教育委員会が学校の申請に基づきまして適切な候補者を選定し、学校にあっせんしているところでございます。
 また、外国人居住者が少ない島しょの都立高校に対しましては、国の語学指導等を行う外国青年招致事業により招致されました外国青年を英語等指導助手として配置しているところでございます。平成二十二年度は、四名の英語等指導助手を島しょの都立高校に配置しております。

○西沢委員 さまざまな工夫をして外国人の採用もしているということですが、区の一部によっては、この外国人の質の高い方の確保が大変難しいよなんていう話も聞きました。
 それで、今までさまざまな質疑をこれまでしてきて、英語の教育というものをどのようにしているのかというもの、そして、その工夫もどのようにしているのか聞いてきたわけですが、では、それが実際どれだけ効果が上がっているのかということを聞きたいと思うんです。
 つまり、そうでなければ、いいことをこれまでやりましたといっても、結局は、百年前から英語ができない日本人といわれている中で、もう百年これを繰り返すわけには当然いかないわけですから、そこで、都立高校における英語の授業の工夫や支援の結果、どのような効果が上がっているのか、そして、その効果をどのようにはかっていらっしゃるのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会が平成二十一年度に外国人英語等教育補助員を配置した都立高校に対して行った活用状況調査の結果、九八%の学校が生徒の聞く力が高まったと回答いたしておりまして、また八七%の学校が生徒の話す力が高まったと回答しております。
 生徒の自己評価や教員の観察評価を工夫し取り入れた学校からは、生徒の学習意欲が高まり、より適切な表現や、より多くの語句を用いてコミュニケーションを継続しようとする積極性が見られたなどの報告が寄せられております。
 コミュニケーション能力の育成に力を入れている高校の生徒の中には、例えばポーランド科学アカデミーが主催する高校生国際物理学論文コンテストに英語で研究論文を書いて提出し、世界で五名だけが受賞した、いわゆるノーベル物理学賞への第一歩、こういったすばらしい賞を獲得した者もございます。
 生徒に英検の受験を勧めるとともに、きめ細かな指導を行った結果、例えば、高校一年生で四七%もの生徒が高校卒業程度の英語力を示すといわれる二級以上を取得した学校もございます。

○西沢委員 成果という部分で、世界で五名だけが受賞したという賞をとった方もいるということで、聞いたところによりますと、すごいことらしいんですね。そして、こうした方々の人材をどんどんつくる教育で効果が上がってきているというご答弁だったと思うんです。
 そして、英検二級以上を取得した者が四七%ある高校もある。これもすばらしいことなんだろうというように思いますが、これも聞くところによると一校だけなんですよね。
 ほかのご答弁も、こういった報告が寄せられているというような話ですし、アンケート調査で生徒の話す力が高まったと回答する方が八七%。どうですかと聞けば、それはよくなりましたと答えるのが普通なんだろうと思うんですよ。
 当然、学力調査などでもはかっているんですけれども、聞くところだと、学校では、英検二級を目指そうとか、学校で決めて取り組んだりとか、クラスでやったりとか、TOEICを取ろう、TOEFLを取ろうとか、資格という面で工夫していたりする部分があろうかと思うんですが、教育委員会として、例えば、TOEFLを何点とる、TOEIC何点を目標とすると、教員向けではなくて生徒にということはしていないんですよね。通告していなくて申しわけないんですけれども、ちょっとそれだけ聞いてもいいですか。

○高野指導部長 ただいまのご質問でございますけれども、都教育委員会といたしまして、TOEICないしはTOEFLの最低基準点を各学校に示しているということはございません。
 ただし、各学校では、特に英語教育を重視した学校においては、例えば、英検二級以上を取得すること、何%以上というような設定をしている学校もございますし、TOEIC、TOEFLの点数を具体的に学校経営計画の中に示している学校もございます。

○西沢委員 ありがとうございます。
 なかなかこれをはかるというのが、効果がどれぐらい出てくるというのは、数字だとすぐわかるものなんですけれども、財源の削減であったりとか、そういったお金のことであればはかれるんですけれども、事学力となると、なかなか難しいなということがよくわかりましたが、ここの分野もしっかりはかれるような工夫もぜひしていただきたいというように思います。
 それで、続いて国際交流についてお伺いをしていきたいんですけれども、東京という場所柄、世界からも多くの方々がいらしたり、また、世界に飛び立てるチャンスもあります。こうした中で、都立高校における現在の国際交流の状況というものがどのようになっているのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 都立高校においては、平成二十年度、五十五校、百十五名が海外に留学し、十三校が短期留学生二十名を受け入れ、二十八校、千六百七十名が海外語学研修や海外修学旅行に参加し、十二校が海外の学校と姉妹校提携を結び、相互交流を行っているところでございます。
 また、さまざまな国際交流に関する団体と連携しながら、四十五校が外国の生徒や教育関係者などの学校訪問を受け入れております。学校訪問では、外国の生徒が授業や部活動に参加したり、交流会で互いの高校生活や文化を紹介し合ったりするなど、積極的な交流活動が行われているところでございます。

○西沢委員 現状というものはわかりました。
 私は、この都立高校の国際交流というのは大変意義のあるものだと考えてはいるんですが、国際交流に対する都教育委員会の見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 国際交流は、都立高校生が外国の文化や生活などについて学び、自己表現力やコミュニケーション能力など、国際社会に生きる資質や能力、態度を伸長させる上で、大変有意義であると考えております。
 東京は、日本と諸外国の文化が解け合い、だれもが多様な文化や芸術に接することのできる、世界にもたぐいまれな国際都市でございまして、国際交流を進める上では大変有利でございます。
 今後とも、このような東京の利点を各学校が生かし、在外公館や関係機関と連携するなど、学校の特色に応じまして、さまざまな国々と多様な国際交流を進めていけるよう各学校を指導してまいります。

○西沢委員 大変有意義であり、そして、国際交流を進める上では、東京は大変有利であるという答弁がありました。私もそのとおりだと思います。
 都立高校で国際交流を進めていくことが、結局は東京に還元されていくものだと思いますし、そういった人材が東京のため、ビジネスでもいいです。そして、日本のために働いていける人材を生んでいくことになるんじゃないかなと私は思います。
 そこで、私は、こういった高校生を公費で海外に留学させるということがいいんじゃないのかなと思うわけです。都知事選挙に立候補を表明されている方の中のだれかは、十人に一人を留学させたい、公費かどうかわからないですけれども、どういうスキームでやるのかわかりませんが、留学させるというようなことをいっている方もいらっしゃいますけれども、それはともかくとしても、そういった方々に公費で、税金で払って、そして使命感を持って行くんだということ。留学させて、戻ってきて、それを報告する。そして、本人がそれを広めていく。本人自体がそういった人材になっていくということが意義のあることじゃないのかと思いますけれども、教育委員会がどのように考えていらっしゃるのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 高校生が海外に留学し、外国の文化や生活などに直接触れることは、多様な物の見方や考え方を知るとともに、世界のさまざまな国や地域の人々と望ましい関係を維持していくことの大切さを考える上で、意義があると考えております。
 しかしながら、留学の成果は基本的に個人に帰するものであり、費用については受益者負担が原則であると考えられるため、都立高校生を公費で海外に留学させることは困難であると考えております。

○西沢委員 困難であるということなんですが、もちろん受益者負担であるという原則というものは重々承知をしております。予算で幾ら払って、それがどれぐらいの形になるのかというのはなかなかはかれない部分はあるというふうに思います。
 予算として定量的な評価というものが求められるのも重々承知しているつもりではございますけれども、ただ、高校生のときから、若いときから使命感を持って留学する。留学することによって得るものというのは、先ほども申し上げましたけれども、大変大きなものがあるというように私は考えております。その貢献度という部分、将来的な貢献度、投資という意味から考えても、無限大の可能性があるんじゃないのかなというように私は思うわけであります。
 そこに係る予算というものがむだ遣いだとか、それはどのように効果をはかるんだというふうにいう方がいるかもしれませんけれども、私は、それ以上のものをつくれば、きっと東京都民の還元につながるというような確信を持っておりますので、再来年度の予算に計上されているのかはわかりませんけれども、ぜひそれぐらいの意気込みでですね--明治維新のときに、海外に渡って、藩のお金とか、当時の国のお金を使って、それで日本をつくった人はいっぱいいますよ。そういったことをぜひ要望させていただいて、私の質疑を終わらせていただきます。

○原田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十一分散会

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