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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第十六号

平成二十二年十一月二日(火曜日)
第三委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長原田  大君
副委員長星 ひろ子君
副委員長村上 英子君
理事新井ともはる君
理事中山 信行君
理事笹本ひさし君
吉住 健一君
桜井 浩之君
西沢けいた君
畔上三和子君
神野 吉弘君
岡田眞理子君
野上 純子君
古賀 俊昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長並木 一夫君
総務部長遠藤 雅彦君
広報広聴部長櫻井 和博君
都民生活部長飯塚美紀子君
消費生活部長小笠原広樹君
私学部長石井  玲君
文化振興部長桃原慎一郎君
都政情報担当部長高橋  博君
男女平等参画担当部長萩原まき子君
文化施設改革担当部長藤井 秀之君
教育庁教育長大原 正行君
次長松田 芳和君
理事岩佐 哲男君
総務部長庄司 貞夫君
都立学校教育部長直原  裕君
地域教育支援部長松山 英幸君
指導部長高野 敬三君
人事部長岡崎 義隆君
福利厚生部長谷島 明彦君
教育政策担当部長中島  毅君
特別支援教育推進担当部長前田  哲君
人事企画担当部長高畑 崇久君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
事務事業について(質疑)
 教育庁関係
事務事業について(質疑)

○原田委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及び教育庁関係の事務事業に対する質疑を行いたいと思います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○遠藤総務部長 去る十月二十六日の当委員会において要求のございました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 お手元に配布してあります平成二十二年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、五件の資料がございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、公衆浴場対策に係る予算及び決算の推移でございます。
 当局が実施している公衆浴場対策について、平成十八年度から平成二十一年度までの予算現額及び決算額並びに平成二十二年度の当初予算額を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、私立学校経常費補助(一般補助)の生徒一人当たり単価及び全国順位の推移でございます。
 平成十七年度から平成二十一年度までの過去五年間における私立学校経常費補助に係る生徒一人当たり単価及びその全国順位について、学種ごとに記載しております。
 なお、注書きとして記載しておりますとおり、都では経常費補助ほか、耐震化を促進するための私立学校安全対策促進補助や、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助などにより、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減等を図っております。
 三ページをお開き願います。3、私立高等学校等授業料軽減助成事業の実績の推移でございます。
 都は、財団法人東京都私学財団を通じて、私立高等高校等に通う生徒の保護者のうち、平均的な所得以下の保護者を対象に、所得に応じて授業料の一部を助成しておりますが、この事業の実績として、平成十七年度から平成二十一年度までの過去五年間における補助総額及び補助対象生徒数の推移を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、私立高等学校(全日制)中途退学者理由別内訳の推移でございます。
 全日制の私立高等学校を中途退学した生徒数の理由別内訳について、平成十七年度から平成二十一年度までの過去五年間の推移を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の実績の推移でございます。
 都は、私立幼稚園等に通う幼児の保護者の負担軽減のため、区市町村が行う保護者負担軽減事業に係る経費の一部を補助しておりますが、その補助総額と補助対象となっている延べ幼児数について、平成十七年度から平成二十一年度までの過去五年間の推移を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○西沢委員 それでは、私の方から質疑をさせていただきたいと思います。
 冒頭、委員長から効果的、効率的な質疑をというようなご要請がありましたので、段取りよくさせていただきたいと思います。
 まず最初に、都立の文化施設のことについてお伺いをしたいと思います。
 東京都では、ご承知のように、東京都庭園美術館、江戸東京博物館などの文化施設は、歴史文化財団を通しまして運営して、都民の一層のサービス向上に寄与するとされているわけでございますが、この都立文化施設においては、東京都から出向している職員などが副館長として実務を行っていると聞いております。
 では、館長の果たす役割というのは何なのか、また、この館長は民間のすぐれた方を迎えていらっしゃるということですが、その基準や選考はどのようにしているのかをお伺いいたします。

○藤井文化施設改革担当部長 現在、都立文化施設は、東京都歴史文化財団が運営を行っており、館長は財団の規定等に基づきまして理事長が任命しております。
 館長は対外的な顔として館の事業を広く社会へアピールし、みずからの人的ネットワークなどを最大限発揮して、事業に対する理解や支援の輪を広げるとともに、その識見に基づき館の運営方針を示し、館を統括する役割を担っております。
 館長の選定に際しましては、学術的な面での業績や民間経営者としての実績を有する人物の中から、各館の基本的な使命やその時点での運営状況を踏まえまして、選定時に各館において最も必要とされる人物を任命していると聞いております。

○西沢委員 ありがとうございます。館の顔として最もふさわしい人を選んでいるというような話を聞きました。
 それでは、館長の報酬についてお伺いしたいんですけれども、館の顔としてすごく高額なのか、それとも全く低いのかというのは、都民の一つの注目にもなるのかなというふうに、気になるところではないのかなという気がいたしますので、まず館長の報酬とその基準というのは幾らなのかをお伺いいたします。

○藤井文化施設改革担当部長 館長の報酬につきましては、財団において就任する方の知識や経験、各館の事業内容、民間や都職員の給与水準との均衡などを総合的に勘案し決定していると聞いております。
 なお、個々の館長の具体的な報酬額については、個人情報であるため、公表は控えさせていただきますが、現在、おおむね月額五十万円から六十万円の範囲となっております。

○西沢委員 ありがとうございます。五十万から六十万、年収にすると六百万から七百万ぐらいという話で、一般の職員の方と均衡をとっているという話がございました。
 館長というのは一般の方と違って毎日出勤するものなのか、それとも対外的な顔としているからそんなに出勤しないのかなというところがちょっと気になるものですから、館長がどれぐらい出勤をされているのかというところをお伺いいたします。

○藤井文化施設改革担当部長 個々の館長の執務の形態は、それぞれの館の状況により異なっております。財団の規定では、十二日から十六日の範囲で勤務日を設定していると聞いております。

○西沢委員 ありがとうございます。二日か三日に一回ぐらいの出勤であるという話で、これがいいのか悪いのかというのは議論なのかもしれませんが、私は妥当な部分もあるんだとは思います。
 ただ、一般のイメージとして、副館長の方が実務をしっかりと毎日来て行っている中で、館長の果たす役割は違うということですから、館長がどれくらいの効果を上げていらっしゃるのかというところは確認しておく必要があると思うわけであります。
 現在、都立文化施設の館長は、写真美術館に福原義春さん、資生堂の名誉会長さんでいらっしゃいますね。現代美術館には日テレの会長さんでもあります氏家氏、そして東京文化会館にはソニーの相談役でもあられます大賀さん、東京芸術劇場には福地茂雄さん、NHKの会長でアサヒビールの会長でもいらっしゃった方でございます。
 こうした非常に影響力の大きい方々が就任されているということですが、こうした方々がご就任いただくことによって、どういった効果が得られているのかをお伺いいたします。

○藤井文化施設改革担当部長 都立文化施設の館長に民間経営者の方々が就任していただくことによりまして、経営者の視点ならではのさまざまな改革が行われ、運営の効率化や集客の増加を図ることができました。
 具体的には、例えば写真美術館におきましては、福原館長の幅広い人脈を生かした積極的な外部資金の導入により充実した収蔵品購入を行い、魅力的な企画展示が実施されております。
 福原館長就任前の平成十一年度には十七万人だった年間観覧者数は、年々増加いたしまして、平成二十一年度は四十二万人を数えるまでになっております。
 同様に、氏家氏が館長を務める現代美術館におきましては、この夏の借りぐらしのアリエッティ展のような集客力のある展覧会と、乳幼児連れの方でも親子で楽しめるといった新たな切り口による展覧会を効果的に組み合わせることなどによりまして、現代美術を広く内外に発信することに貢献しております。
 氏家館長就任前には二十万人程度だった年間観覧者数は、ほぼ倍増いたしまして、毎年四十万人程度の実績を維持しております。

○西沢委員 こうした方々のご活躍によって大きな成果を得られているという話をお伺いいたしました。一般的に、年収六百万円から七百万円ぐらいで週に二日か三日ぐらいしか来ないというふうに一瞬聞くと、あれっというふうに思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではないんだというようなお話をいただいたところでございます。
 中には、こうした方々は、この収入だけで暮らしているという職業のためにやっているというようなものではなく、ボランティア精神的なところでやっているというような話も聞いておりますから、引き続きこうした効果を図るためにご指導、ご尽力をいただきたいということをお願いしたいと思います。
 それで、ボランティアという話でございますので、次に、ボランティアの支援についてお伺いをしていきたいと思います。
 東京都では、社会福祉協議会が運営する東京ボランティア・市民活動センターを通じまして、NPOなどの自主的、自発的な市民活動を支援しているというように聞いております。
 ボランティアの人口というものは総務省の統計があるわけでございますけれども、国勢調査をもとにして平成八年から平成十三年、そして平成十八年と、ことし行われた国勢調査はまだ結果が出ていないわけですけれども、過去のこうしたデータから見てみると、都内においてもふえていることが明らかになっております。
 ただ、しかし、平成十八年、一個前のデータからすると、全体的にボランティアにかかわったことがあるかどうかという質問に関しては、全国的にややちょっと下がっている傾向も見られるようであります。都内においても数%ポイントほど下がっているというような統計が、総務省のデータからわかるわけであります。
 ただ、ボランティアへの意識というのは、私は大いに高まってきているものであるというように考えております。東京都内ではNPO法人というのが、こちらにいただいた資料は平成十四年からですが、平成十四年から二十一年度まで認証件数の増加、NPOの法人の件数は十四年から、八百三件、九百九十五件、九百三十二件、七百四十一件、六百八十件、五百八十四件、五百十六件、四百八十九件と、五百件から千件弱ぐらいの程度でふえてきていると。現在六千以上の団体が都内のNPOとして登録をされているというように聞いているわけであります。
 そして、当時の平成十五年に知事本部が事務事業評価というものを、今は財務局が行っているわけなんですけれども、このことについては後ほどちょっとお伺いします。こういった評価を、NPO法人が増加していることについてちょっと後でお聞かせいただきますが、この東京ボランティア・市民活動センターの使われぐあい、こちらにいただいておりますけれども、四年間、会議室の利用であったりとか来所者数を見ると、センターの利用実績というのはNPO法人の増加に比してなかなか伸びていない状況であるということがわかります。
 会議室の貸し出しというのも、ここ四年間ではほぼ横ばい、二千件前後でございまして、来所者数も大体十五万人から十六万人前後という形で、大体横ばいであるということがわかります。
 こうしたボランティア意識が高まっている状況、そしてNPO法人も非常にふえている状況の中で、東京ボランティア・市民活動センターの利用実績が伸びていないということについて、まず都の認識をお伺いしたいと思います。

○飯塚都民生活部長 東京ボランティア・市民活動センターは、会議室、研修室、情報閲覧コーナー、交流コーナーなどの都民が利用できる施設を運営しております。
 利用実績がNPO法人の数の増加に比べて伸びていないのは、さまざまな理由が考えられるところですが、会議室、研修室の貸し出しについては、団体の利用しやすい午後や夜間の時間帯の利用がほぼいっぱいの状態が続いているためと考えております。
 さらに、全区市町村にボランティアセンターが設置されたことから、利用が分散されてきたことなどが考えられるところです。

○西沢委員 東京都は東京ボランティア・市民活動センターへの運営費補助を行っているわけですけれども、二十一年度の予算ベースで九千八百万円前後というように聞いております。
 それで、先ほどの知事本局が行いました事業評価では、平成十五年度、東京ボランティア・市民活動センター運営費補助について、事業目標のあり方とそれに即した今後の都の関与のあり方について検討する必要がある、センターにおいても独自財源の確保を進め、財源基盤の確立に努める必要があるというような指摘がなされているわけであります。
 この指摘を受けまして、生活文化局では、平成十六年の四月に東京ボランティア・市民活動センター運営費補助見直し検討会を設置いたしまして、今後、都が関与していく東京ボランティア・市民活動センターの事業活動は災害時支援事業などの広域的、専門的事業に特化すること、区市町村のボランティアセンターの機能強化、充実にかかわる支援を図ることを新たな方向性として明確にしたというようなことであります。
 そこで、新たな方向性が打ち出されたのが五年前でありますから、現在は東京ボランティア・市民活動センターの事業がどのようになっているのかをお伺いいたします。

○飯塚都民生活部長 ただいまお話のありました見直し検討会の報告を受けまして、平成十七年度に事業の見直しを行い、東京ボランティア・市民活動センターでは広域的、専門的事業に特化した事業展開を図っています。これにより、個別的事業については区市町村ボランティアセンターで実施しております。
 また、都からの補助事業とセンターの自主事業を整理し、補助事業としては災害時コーディネーターの人材育成や災害ボランティアの活動機能強化などの災害支援事業、都内全域の市民活動をつなぐネットワーク事業などを実施しております。

○西沢委員 五年前に指摘されたことを今もしっかり継続してやっているというようなご答弁でございました。
 それでは、もう一つの指摘であります独自財源について、東京都はセンターに対して具体的にどのように促したのか、また今後どのように促進していくのかということについてお伺いをいたします。

○飯塚都民生活部長 東京ボランティア・市民活動センターの自主事業として調査研究事業、出版事業などを行い、寄附金などを集め、独自財源の確保に努めております。
 都では、年四回の運営委員会などの場において、東京ボランティア・市民活動センターに対し自主事業の充実のための独自財源の確保について取り組みを促しております。
 今後とも、都は、東京ボランティア・市民活動センターに対して適正な運営費補助を行うと同時に、独自財源の確保を促してまいります。

○西沢委員 東京ボランティア・市民活動センターの収入は約一億三千万円ちょっとで、そのうち都からの収入が一億円弱と、東京都の補助金に依存する部分が大変大きいというようなことであります。そして、独自財源を促すということなんですけれども、利潤を求める企業と違いまして、ボランティア活動を推進する団体に対して独自財源を確保しなさいというのは酷な話なのかもしれません。
 ただし、公金を支出するに当たりまして、適正な運営をしていただかなければ都民の理解を得ることもできません。東京ボランティア・市民活動センターについては、私の地元の団体の方からも、大変に利用していてお世話になっているというような声もあるわけであります。
 こうした中で、私はこのボランティア・市民活動センターの運営がだめだといっているわけでは当然なくて、自発的、無償で行うはずのボランティアを支援するために公金の支出があるわけで、だから、公金の支出があるから、どんなに採算の合わない事業をやってもいいんだということにはならないと。公金の支出、そしてボランティアの理念のバランスをとること、これが非常に大事だというように考えているわけであります。
 このことを踏まえて、引き続きの支援、指導をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○桜井委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、地域の底力再生事業について伺わさせていただきます。
 この助成事業が始まって四年目になりますが、最近では都内全域で申請がふえていると聞き及びます。広く活用されていることは大変喜ばしいことだと思っておりますが、私の地元墨田区でも、助成事業を活用して夏祭りを実施して、住民の皆さんから大変喜ばれているというふうに聞いております。
 地域から評価される事業になっている、定着しつつあるというふうに考えておりますが、それで質問させていただきますが、まず、助成事業を活用した町会、自治会の活動が地域活動にどのような効果があったのか、最初にお伺いいたします。

○飯塚都民生活部長 この助成事業を活用して町会、自治会が行っている地域活動をPRするホームページを立ち上げた結果、地域住民の関心が高まり、町会、自治会への加入が促進されたという報告や、新しい住民がふえた地域において多くの住民が気軽に参加しやすい種目を中心としたスポーツイベントを実施した結果、住民同士の交流が活発になったという報告などが都に数多く寄せられております。
 このように本事業の活用により多様な活動が展開され、地域の活性化に大きな成果が上がったものと認識しております。

○桜井委員 我が党がこれまで努力して築き上げてきたこの助成事業が、目に見える成果を上げていることを大変うれしく思っております。できるならばすべての町会、自治会にも実施していただきたい事業であると考えております。
 しかしながら、この助成事業を活用していない町会、自治会はいまだ都内に多くあるわけでありまして、活用していない町会、自治会側の理由としてはいろいろあると思いますが、我が党と町会、自治会と意見交換の場である町会・自治会等振興議員連盟でも聞いたところ、町会、自治会の方々は、高齢者など書類作成になれていないことから手続の煩雑さなどを理由に申請を遠慮しているというところも多いというふうに聞いております。
 そこで質問させていただきますが、都では、さまざまな工夫をしていただいているところであると思いますが、さらに申請しやすくするためのきめ細やかな対応が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。

○飯塚都民生活部長 これまでも申請書の簡素化や、ガイドラインに申請の記載例を紹介するなどの工夫を行ってきたところでございます。
 今後は、町会等に出向いてチラシを配布するなど事業のPRに努め、この事業をさらに身近に感じていただくとともに、開設している本事業の電話相談窓口を町会、自治会へ積極的に周知し、申請等に関する多様な相談を受けるなどきめ細かく対応していきます。町会、自治会の意見を参考に、申請しやすくする工夫に取り組んでまいりたいと考えております。

○桜井委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
 先日、自民党で助成事業をPRするに当たって、事業分野ごとの申請書のひな形をつけて説明し好評であったので、参考にしていただきたいと思います。町会、自治会の意見を聞いていただき、活用促進に向けて一層の工夫をお願いいたしたいというふうに思います。
 次に、私学について質問させていただきますが、この四月から開始された高等学校等就学支援金制度についてお伺いをしたいと思います。
 国は、公立高校の授業料を無償化するとともに、私立高校等に通う生徒に対しては、高等学校等就学支援金を支給し、家庭の教育費負担を軽減する制度を創設いたしました。この制度は、制度自体が実務上の課題を十分検討した上で設計されたとはいいがたく、また、法律成立の翌日施行であり、周知期間も全く整っておらず、実施前から現場でのさまざまな混乱も予想されていたというふうに思います。
 そこで、円滑な制度導入に向け、都はどのように取り組んでこられたのかお伺いしたいと思います。

○石井私学部長 円滑な制度導入に向けた取り組みでございますが、五月には、就学支援金の受給に必要な申請書類の確認業務を行うとともに、生徒、保護者や学校からの問い合わせに対応するため、東京都就学支援金事務センターを開設いたしました。また、事務手続の詳細説明と制度周知を図るため、学校説明会を開催したほか、生徒、保護者向けのパンフレットを作成、配布いたしました。
 支援金が生徒、保護者に速やかに還元されるためには、授業料徴収の段階で、あらかじめ支援金分が減額されている必要がございます。そのため、都は、国からの支援金の交付時期にかかわらず、学校に対して、六月までに一律支給分を一年分全額支払うなど、学校があらかじめ授業料から支援金分を減額しやすい環境を整えることといたしました。

○桜井委員 就学支援金制度の課題についてということなんですけれども、都として制度の円滑な導入のためにさまざまな対応をとったことが今の答弁でわかりました。
 しかし、こうした現場での努力だけでは解決できない課題も残されているのではないかというふうに考えております。具体的にどのような課題が残されているのかお伺いをいたします。

○石井私学部長 まず、制度が複雑な上、事務手続が煩雑なことでございます。例えば、生徒が就学支援金を受給するためには、生徒一人一人が申請書を学校に提出する必要がございます。そして学校では、申請書の取りまとめ、認定通知の配布、支援金と授業料との相殺などの事務を行わなければなりません。このように、公立高校には全くない事務手続が必要となっております。
 また、低所得者層の生徒、保護者が加算支給を申請する場合は、住民税課税証明書等の提出が年二回必要となっております。
 経費面では、学校設置者も、都も、ともに事務費負担は非常に大きいのですが、国は実際に要する経費をかなり下回る予算しか措置しておりません。
 さらに、文部科学省が開発した就学支援金事務処理支援システムもふぐあいが続出しており、抜本的な見直しが必要と考えております。

○桜井委員 この制度の改善について質問したいと思うんですけれども、ただいまの質疑で明らかになったように、支給事務など実務面でのさまざまな課題があることがわかったわけであります。
 そもそも国の就学支援金制度は、昨年の総選挙前のマニフェストのためにばらまきでつくった拙速な制度であると考えております。支給実務のさまざまな問題に端的にあらわれているように、制度自体にも問題があると思います。公私格差是正の観点からも、制度を見直して、支援をさらに充実することが求められております。
 法律の附則において、政府は三年を経過した場合において所要の見直しを行うとしておりますが、見直し期間の三年を待つことなく早急に制度の改善を図ることが必要であり、都は国に強く働きかけていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○石井私学部長 国の就学支援金制度に合わせて都は特別奨学金制度を改正し、保護者負担の一層の軽減を図りました。
 その上に立ち、制度導入初年度である今年度は、喫緊の課題である事務手続の簡素化と事務経費の全額措置に焦点を当てて、国へ提案要求を行ったところでございます。
 今後、就学支援金のさらなる拡充や授業料等負担軽減補助に対する国の補助制度の創設を含め国への働きかけを強めてまいります。

○桜井委員 ぜひ強力に働きかけていただきたいというふうにお願いをいたします。
 今後、都が提案要求を行うことはもちろんのことでありますが、議会からも地方の立場で声を上げていくことが必要であると思います。我が党も私学振興のために積極的に提言、提案していく所存であるわけであります。ぜひ国に強力に働きかけていただきたい。
 最後に、都は就学支援金も含め今後どのように私学振興を図っていくのか局長の決意をお伺いし、質問を終わらさせていただきます。

○並木生活文化局長 今後の私学振興についてでございますが、まず、就学支援金につきましては、都としても就学支援金事務センターを開設いたしまして、生徒、保護者等からの問い合わせに適切に対応するとともに、学校設置者の事務の負担軽減を図ってまいりました。引き続き制度の改善を国へ働きかけていくとともに、今後とも都として就学支援金の円滑な支給に努めてまいります。
 都は、生徒の約六割が通学している私立高校が公教育に果たす役割は重要であると認識し、これまでも教育条件の維持向上、修学上の経済的負担の軽減、学校経営の健全化を目的といたしまして、基幹的補助でございます経常費補助を実施してまいりました。
 今後とも、経常費補助を初めといたしまして、幅広い施策を総合的に活用し、私学の建学の精神と自主性を十分尊重しながら、私立学校の振興に努めてまいります。

○野上委員 私の方からは、DV対策について最初に質問させていただきます。
 平成十三年四月に配偶者暴力防止法が制定されました。ことしで十年目を迎えます。この間、東京都は、東京都配偶者暴力対策基本計画に基づきまして区市町村や警察など関係機関と連携してDV対策を進めてまいりましたが、残念なことに深刻なDV被害が相も変わらず報道されているのが現状でございます。
 相談件数を見ても、都の配偶者暴力相談支援センター、区市町村、警察が受けた相談件数の合計ですが、平成十五年度には約二万一千件であったものが年々増加して、二十一年度には約三万五千件にも上ったと聞いております。
 このように、相談件数が増加している背景には、DVに対する社会的な認識が高まり、被害者や周囲の方がDV被害に気づきやすくなってきたこととか、相談窓口の周知が進んで相談しやすい環境が整ってきたことでDV被害の顕在化が進んでいることなどがあると考えられますが、依然として多くの被害者がいることも事実であります。
 都を初め関係機関は、勇気を持って相談してくれた被害者を適切な支援につなげていかなければならないと感じております。
 そこで、相談機関における被害者への対応について幾つか質問いたします。
 DV相談の中には、加害者から被害を加えられるおそれがあるなど緊急に被害者の安全確保を図る必要がある事例も少なくないと思います。DV相談はさまざまな機関に寄せられておりますが、例えば、東京ウィメンズプラザでは、緊急時の対応をどのようにしているのかお伺いします。

○萩原男女平等参画担当部長 都内では、都が設置している東京ウィメンズプラザ及び東京都女性相談センターに加え、区市町村、警察が配偶者暴力に関する相談を受け付けております。
 緊急時の安全確保については、例えば、被害者が保護を求めて東京ウィメンズプラザに来所した場合、まず、加害者の追及の危険のない安全な部屋で丁寧に状況を聞き、緊急対応が必要と判断したときには東京都女性相談センターによる一時保護につなげることといたしております。
 その際、必要に応じ警察に連絡して警戒措置を講じてもらうとともに、一時保護所への移動の間は、職員が被害者に同行するなど被害者の安全確保に十分配慮しております。

○野上委員 このDVというのは、いつ発生するかわかりません。特に、私たちがいろいろ相談を受けて、困った対応というのが、やっぱり夜間とか休日だったわけですね。私も、一度だけですけれども、被害者の方を自分の家に泊めるわけにもいかないので、ホテルを借りて、お金を払って、そこに避難させたこともございます。
 夜間、休日においても対応できる体制が必要だと思っているんですけれども、東京都としての取り組みについてお伺いいたします。

○萩原男女平等参画担当部長 東京都においては、夜間、休日を含め三百六十五日二十四時間対応可能な体制をとっております。
 具体的には、東京ウィメンズプラザにおいては夜九時まで、年末年始を除くすべての休日にも相談を受け付けており、夜九時以降や年末年始については東京都女性相談センターが緊急相談としての対応を行っております。
 一方、警察とも日ごろから連携の強化に努めており、被害者がけがをしたり命の危険がある場合などには、休日、夜間を含めいつでも警察に通報すれば、警察は東京ウィメンズプラザや東京都女性相談センター等と連携して被害者の安全確保等に対応することとなっております。

○野上委員 緊急避難の場合、携帯電話と財布ぐらいを持って逃げていくわけですけれども、一時的に一時保護のところに避難をして、それから自立への道を歩んでいくわけです。本人が住宅を探し、就労し、また、子どもを連れて逃げている場合は子どもの教育等いろいろな課題があります。
 東京都においては、被害者の生活再建に向けた支援を行っていると思いますけれども、東京ウィメンズプラザではどのような支援策を行っているのかお聞きいたします。

○萩原男女平等参画担当部長 配偶者暴力の被害者の自立支援においては、委員ご指摘のとおり、住宅や就業の確保、子どもの教育などさまざまな問題への対応を支援していくことが重要でございます。
 東京ウィメンズプラザでは、被害者本人が配偶者暴力の被害から立ち直り自分自身で問題解決していけるように、就労、法律等の自立支援情報の提供を行う講座や、被害者の就労に役立つパソコン技術を学ぶ講座を民間ボランティア団体と連携して開催しております。また、配偶者暴力が行われていた家庭で育った子どもを対象に、心の傷の回復を支援する講座を実施しております。
 今後とも、庁内各局はもとより区市町村や民間支援団体等の関係機関と連携し、長期的な視点に立って被害者の自立支援に取り組んでまいります。

○野上委員 先ほどいいましたホテルに泊めた例というのは、東京都の人ではなくて千葉県から逃げた場合なので、この夜間対応がちょっと難しかったと思うんですね。
 緊急避難的に東京都だけの人を受け入れるのではなく、逆にいえば近隣の県の方も、いざとなったときには東京都の方でも少し面倒を見ていただければということをちょっと要望させていただきます。
 それと、今回は三点についてお聞きいたしましたけれども、この東京都の配偶者暴力基本計画にもありますように、配偶者暴力対策の推進に当たっては、相談から、その人がきちっと自立していけるまでの被害者の視点に立った切れ目のない支援を図っていくことが大事だと思います。
 今後とも、区市町村や警察を初めとする関係機関と連携し、一人でも多くの被害者が救われるように取り組んでいただくことを要望して、次の質問に入ります。
 日曜日に、落語芸術会という八十周年記念式典に参加してまいりました。生活文化局長も一緒だったんですけれども、そこでいろいろな方とお話をいたしまして、やっぱり落語家というのは非常に厳しくて、要するに下の方の方、なかなか名が売れていない場合、修行している段階では一カ月大体五万円で生活をしていると。五万円。五万円いただいて、それで食べるか食べないかというぐらいのぎりぎりの生活の中で、しかも自分の芸を磨いているということをおっしゃってまして、非常に私も感動いたしました。
 そういうふうに、芸の道というのはたやすいわけではございませんけれども、その芸によって人々の心を豊かにし社会に活力を与えるという芸術文化振興には、私たちも力強く支援をしていかなければいけないなというふうに思っております。
 ところが、昨年の事業仕分けを契機として、多くの芸術団体とか実演家の間で、国の文化予算の削減が行われるのではないかという危惧が高まっていました。現在、社団法人日本芸能実演家団体協議会を中心として、国家予算に占める文化予算の割合を〇・五%に引き上げる要望を国に上げて、署名活動が行われていると聞いております。
 こうした要望を真摯に受けとめながら、芸術文化の振興に必要な予算を確保することが重要であると思います。
 東京都は、これまでも都民に芸術鑑賞の機会を提供し、また、世界に向けた東京の文化の創造、発信力を高めるためにさまざまな文化事業を芸術団体と協力して展開してまいりました。
 さらなる文化振興を図るためには、芸術文化活動を担う芸術団体の役割が重要であります。その活動に対する支援の充実がより一層求められてまいります。
 そうした観点から幾つか質問してまいります。
 まず、都は、従来から広く芸術団体と協力して、都民に芸術鑑賞の機会を提供する都民芸術フェスティバルを実施していますが、その実績と成果についてお伺いいたします。

○桃原文化振興部長 都民芸術フェスティバルは、芸術文化の振興を図ることを目的として、舞台芸術活動の公演に対して助成を行っているものでございます。
 現在は、オーケストラと室内楽、オペラ、バレエ、現代演劇、現代舞踊、邦楽、日本舞踊、能楽、民族芸能、寄席芸能の合計十一の分野の公演を助成対象としております。
 平成二十一年度における公演数は合計八十四、入場者の数は六万人を超えております。この事業は、芸術団体の安定的な公演の実施に資するとともに、都民の皆様が身近に芸術文化に触れることのできる機会の確保に貢献しているものでございます。

○野上委員 この事業は、都民が多様な芸術文化に触れる機会として重要でありますので、今後ともぜひ継続していただきたいと思います。
 次に、文化の発信という観点からお伺いいたします。
 都は、平成十六年度から東京の芸術文化を世界へ発信する創造活動を支援することを目的に、東京の独自性のアピールや国内外への発信力、影響力の大きい活動に対して経費の一部を助成する芸術文化発信事業助成を実施していますが、その内容と実績についてお伺いいたします。

○桃原文化振興部長 東京都芸術文化発信事業助成は、委員お話しのように、世界に向けた東京からの芸術文化の発信力を高める活動を重点的な対象とし、芸術団体を支援するものでございます。
 音楽、演劇、舞踊、美術、映像、伝統芸能など幅広い分野におきまして作品や表現手法に先駆性があり、かつ企画力の高い活動を行う団体に対して助成を行っております。
 平成二十一年度の実績におきましては、百二十四件の応募があり三十四件の事業に助成をしたところでございます。このうち海外公演など国際的な公演に対する助成が二十一件に上っておりますが、これらの事業は、現地におきましても多数のメディアに取り上げられるなど注目度が高く、この助成の成果が上がったものと考えております。

○野上委員 こうした助成を芸術団体が活用することにより、東京から日本のさまざまな芸術文化が海外に発信されることは大変喜ばしいことだと思っております。
 この助成金については、平成二十年度から予算規模の拡大と内容の改善を図ったと聞いておりますが、これはどのようなものなんでしょうか。

○桃原文化振興部長 本助成事業におきましては、海外公演や伝統芸能分野に対する助成を強化するため、助成規模を段階的に拡大いたしまして、平成十九年度当時は総額二千万円であったものを二十年度には六千万円、二十一年度からは八千万円に増額しております。
 助成の内容につきましては、海外公演や国際共同制作について助成の限度額を二百万円から四百万円に拡大いたしますとともに、事業の円滑な実施のために助成金の一部先払いを認めるなど、芸術団体の要望を踏まえ利用しやすい制度に改善をしております。
 これらの取り組みの結果、申請件数で見ますと平成十九年度以前は七十件程度で推移していたものが、二十年度以降は百三十件程度にまでふえるとともに、交付団体につきましても二十件程度であったものが三十件程度まで拡大をしております。

○野上委員 助成金の規模が拡大されて、芸術団体が利用しやすい仕組みに改善されるなど効果を上げていることに高く評価をいたします。さらなる拡充を願います。
 その一方で、芸術団体への支援は金銭面だけとは限りません。活動に必要な場の提供なども芸術団体にとっては重要な支援であります。都は今年度、演劇やダンスなどの活動団体がけいこ場不足に悩んでいることにかんがみて、都の遊休施設を利用して東京舞台芸術活動支援センターを開設したということですが、その目的と利用状況についてお伺いいたします。

○桃原文化振興部長 委員ご指摘のとおり、都内では、劇場の数に比較いたしましてけいこ場の絶対数が少ない状況にございます。加えまして、民間の貸しスタジオは料金が高い水準にあるなど、比較的規模の小さな芸術団体が安定して作品制作に取り組むことが可能な環境が整っておりませんでした。
 都は、こうした状況を踏まえ、旧都立高校の移転後の校舎を活用いたしまして、低廉で長期利用可能なけいこ場を備えた新たな創造活動の拠点といたしまして東京舞台芸術活動支援センター、通称水天宮ピットと申しますけれども、これを整備したところでございます。
 この施設は、大小五つのスタジオのほか、舞台制作に必要な作業室や会議室などを備えております。これまでに施設の利用登録を行った団体は、六十五団体となってございます。今年度の利用率でございますが、現時点で八〇%を超える状況でございまして、芸術団体から高い評価を得ているものと考えております。

○野上委員 都が助成金など資金による支援を充実し、場の提供による支援も開始するなど、芸術団体の活動支援に総合的に取り組んでいることがよくわかりました。東京都における文化活動がより活発に行われるためには、都と芸術団体が協力していくことが重要であります。
 今後とも、文化振興施策の推進に欠かせないパートナーである芸術団体に対するさまざまな支援策の充実を要望し、質問を終わります。

○畔上委員 まず、資料の作成、ありがとうございました。
 第一に、私学助成について伺います。
 昨年の十月に政府発表の相対的貧困率は一五・七%になりました。これは、主要国で最悪の水準で、日本は貧富の格差が大変大きい国となったわけですが、そうした中で、サラリーマン世帯の平均年収は、今年度は昨年度に比べてさらに二十三万円もダウンしているということから、ますますその深刻さは深まっているというふうに思います。
 家庭の経済的な事情で希望する高校を断念せざるを得ない、こういう事態が生まれているわけですが、こうした事態をどう受けとめているのか、まず伺います。

○石井私学部長 公立高校の無償化に伴い、私立高校生等に対して支給する国の就学支援金に加え、都は、経常費補助を通して授業料を抑制するほか、所得に応じて特別奨学金を支給するとともに育英資金を設けるなどの幅広い施策を総合的に活用し、経済的理由で修学困難とならないよう努めておるところでございます。

○畔上委員 経済的理由で就学できない、そういう子どもがいてはならないという認識でご尽力くださっているというふうに受けとめたいと思います。
 就学できない子どもをつくらないために、私はやはり、私学助成のさらなる拡充というのは待ったなしの課題だというふうに思います。そうした点で、今年度から国の就学支援金が支給されたということは一歩前進ですけれども、私学の保護者負担は今なお大きいのが実態でありますし、公立は授業料無償化となったということで、私学と公立の格差がむしろ拡大したという状況が生まれているわけです。
 そこで伺いますが、国に対して、さらなる私学に対する支援金の拡充を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○石井私学部長 国の就学支援金制度にあわせて都は特別奨学金を改正し、保護者負担の一層の軽減を図りました。
 その上で、制度導入初年度である今年度は、喫緊の課題である事務手続の簡素化と事務経費の全額措置に焦点を当てて国へ提案要求を行ったところであり、今後とも就学支援金のさらなる拡充などを含め国に働きかけてまいります。

○畔上委員 事務的な手続が非常に複雑で経費がかさむということは、私も私学の皆さんから伺ってきましたが、先ほどもお話がありましたが、私からもぜひ、この改善を国に求めていただきたいと思います。同時に、都としても私学の授業料無償化に向けて、私は取り組んでいく必要があると思います。
 十月に文科省が取りまとめた資料によりますと、国の就学支援金に各都道府県の補助をプラスすることによって、年収二百五十万以下の世帯の授業料を無償にしたというところが四十一道府県ありました。年収三百五十万まで無償にしたのは十四県。埼玉県は年収五百万までは無償。福島県と栃木県は年収六百万の世帯までは無償にしています。東京都の場合は、授業料無償は生活保護世帯のみということであります。
 私は、都としても、せめて年収三百五十万未満程度の世帯には授業料を無償にするなどの私学の助成をさらに拡充すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○石井私学部長 都は、国の就学支援金に加え、経常費補助のほか、所得に応じて特別奨学金や育英資金などの幅広い施策を総合的に活用し、保護者負担の軽減を図っているところでございます。

○畔上委員 国の就学支援金制度で、年収三百五十万未満程度の家庭には加算があるわけですけれども、そうしますと、その対象者は私学の高校生の何%に当たるんでしょうか。

○石井私学部長 私立高校生など、国の奨学支援金を受給している者のうち、加算対象となっているものの割合は約七・三%でございます。

○畔上委員 七・三%ということで、私立高校生の数は通信制も入れれば大体十九万弱ですから、一万三千人から一万四千人になるということですね。
 年収三百五十万の場合、都の授業料補助、それから特別奨学金を入れても、自己負担は授業料だけで十四万円を超えるというのが今の実態です。私学の場合は、授業料以外で初年度で平均四十五万円ということでありますから、年間約六十万円となってしまうわけです。
 三百五十万未満程度の世帯の無償化は、無償化の差額と生徒数を掛ければ、単純計算になりますけれども、計算ができるわけで、私の試算では八億二千万程度で可能なわけです。生徒数には、先ほど七・三%というお話だったんですけれども、都外生も含まれていますから、都内生だけだともっと少ない計算になるはずだと思うんですね。
 そうしますと、四人家族で年収三百五十万以下というのは相当厳しい生活ですし、また、一万三千人のうち一万人は年収二百五十万以下、すなわち生活保護水準以下の年収の世帯なわけです。都立なら、本来、高校無償化の前の授業料減免制度の対象になるような家庭になるわけです。何よりも私は、四十一の道府県で既に実施を開始しているということを考えたら、東京都としても当然やるべきだというふうに思います。強くその実施を求めたいと思います。
 次に、専修学校について伺います。
 中卒の生徒の中には専修学校の高等課程に行く生徒もいるわけです。私の知人も中学で不登校になりまして、いろいろ悩んだあげくに専修学校を選択いたしました。
 早い段階から高い職業意識を持った生徒、それから高校中退、ニートなどのさまざまな事情を抱えている生徒にとっては、この専修学校の高等課程というのは教育の再チャレンジの場として大変大切な教育の場であるというふうに思っています。現在、その専修学校の高等課程に通う生徒、どのぐらいいらっしゃるんでしょうか。

○石井私学部長 平成二十二年度学校基本調査速報によりますと、平成二十二年三月の中学校卒業者のうち、専修学校高等課程への進学者は四百十一人でございます。

○畔上委員 その高等課程の専修学校には教育振興費補助も支給されておりますが、その額は生徒一人当たり幾らになるでしょうか。

○石井私学部長 私立専修学校高等課程への運営費補助である私立専修学校教育振興費補助の平成二十二年度予算における生徒一人当たり単価は、学校法人立の場合、十四万九千百円、個人立等の場合、四万九千七百円でございます。

○畔上委員 私は、私立の経常費の補助も、もちろん引き上げるべきだというふうに考えていますが、同時に、専修学校の高等課程の補助額も増額すべきだと考えていますが、いかがでしょうか。

○石井私学部長 専修学校高等課程は、学校教育法第一条で定める高等学校とは位置づけが異なっており、高等学校と同様の補助制度とすることは適当ではございません。
 しかしながら、専修学校高等課程は、後期中等教育の一翼を担っていることから、都では運営費の一部を私立専修学校教育振興費として補助し、これまでもその充実に努めてまいりました。

○畔上委員 確かに、学校教育法の第一条校ではありません。しかし、学校教育法に基づいた設置校であるわけです。何よりも高等課程の場合は、高等学校と同様に、後期中等教育を担っているという実態があるわけですから、私学助成と同等の助成にするのは、私は道理あることだというふうに思います。
 先ほど、教育振興費として補助しているし、充実に努めているというご答弁だったんですが、私学への経常費補助は一人当たり三十七万円、これに対して専修学校は十四万九千百円ということであります。それは、専修学校の高等課程の補助対象には、私学ではカウントされている管理費などはカウントされていないからだということです。
 専修学校高等課程の果たしている役割から見ましても、やはり私は、この補助対象を拡大して補助額を増額すべきだというふうに思います。そのことを求めまして、次の質問に移りたいと思います。
 消費者行政の拡充強化について伺います。
 東京都消費生活条例の前文では、消費者と事業者とは本来対等の立場に立つものであるとの視点から、総合的な施策の充実に努めるとしていますが、消費者被害や、商品やサービスに対する不安を取り除くことがやっぱり行政の大きな役割だというふうに私は思っています。そうした立場で、都としても消費生活基本計画を策定されているというふうに考えますが、その新たな計画は平成二十年から二十四年までの計画というふうになっています。
 今日、その基本計画の中間地点に立っているわけですけれども、消費者被害を防止、救済を図るなどの五つを掲げた政策課題が現時点でどのように進んでいらっしゃるのか、どう評価されているのかをまず伺いたいと思います。

○小笠原消費生活部長 基本計画における五つの政策課題のうち、悪質業者を排除する取り組みといたしましては、警視庁OB職員の増員を含め体制の強化を図り、近県とも連携しながら、昨年度は二十八件の行政処分を行いました。
 また、商品、サービスにおける安全・安心を確保する取り組みといたしましては、子どもに対するライターの安全対策にいち早く取り組み、使い捨てライターにチャイルドレジスタンス機能がつけられることとなりました。
 そのほかの政策課題である消費者被害の防止、救済、みずから考え行動する消費者への支援、消費者の意見や考えの反映も含めまして、消費生活に関連する施策は着実に成果を上げていると考えております。

○畔上委員 消費者行政を推進する上で、東京都消費生活総合センターの役割は、私は大変重要だというふうに思います。さらなる機能強化で相談活動の拡充を求めますが、どのような拡充を考えていらっしゃるのでしょうか。伺います。

○小笠原消費生活部長 東京都消費生活総合センターにおきましては、既に平成二十一年四月から相談員を六名増員いたしまして、高度化、複雑化する都民の相談に、より的確に対応できる体制を整えるとともに、土曜相談を開始するなど、機能強化を図ったところでございます。
 今後とも相談員研修を充実し、相談員のスキルアップを図るなど、機能強化に努めていく考えであります。

○畔上委員 相談員のスキルアップも非常に大事なことだというふうに思います。同時に、都民がいつでも相談に駆け込める、そういう相談体制の拡充も必要だと思うんです。そうした点では、一つは、多摩消費生活センターの相談窓口の復活を私は求めたいと思います。
 飯田橋の総合センターの相談窓口に相談員を集中させて、より専門的な相談に応じることのできるような体制をつくったんだというご説明をいただいていますが、私は同時に、より身近なところで相談に乗ってもらえる、そういう体制強化が求められているというふうに思いますので、ぜひ相談員を拡充して復活していただきたいというふうに思います。これは要望したいと思います。
 また、相談窓口が土曜開設になったことは一歩前進だというふうに思うんですが、日曜の開設とか、それから夜間の開設、こうした時間延長を求めたいと思います。さらに、相談員の処遇改善は、私は何回も指摘をしていますけれども、これを求めたいと思います。
 被害情報の周知、それから啓発も非常に大事だと考えています。私もいろいろ相談を受けるんですが、パソコンを買ってもいないのに請求書が来たとか、それから高い布団を買わされた、こういう消費相談などを受けたことがあるんですが、情報が伝わりにくい、そういう孤独な高齢者が本当にねらわれているんだなということを痛感しております。
 都として、一般相談とは別に高齢者被害一一〇番の設置など、きめ細かな相談体制をとる努力はされているということは理解しておりますけれども、私は、こうした仕組みとともに、地域包括支援センターとか、それから民生委員などが入った高齢者の被害情報連絡会、消費者団体以外の団体とも連携をして、被害情報をいち早く消費者に伝えていく、これが被害防止につながると思います。
 被害情報を伝える仕組みづくりを促進する必要があると思いますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。

○小笠原消費生活部長 都は、悪質事業者の処分を行った場合には、その手口や事業者名を公表し、ホームページや広報誌「東京くらしねっと」などを活用いたしまして、いち早く情報を提供し、都民に注意喚起しております。被害が急増する兆候をつかんだ際にも、同様に速やかに緊急消費者被害情報を発信しております。
 また、都内の消費者団体とも定期的に情報交換を行っておりまして、さまざまな形で消費者へ必要な情報が伝わる仕組みを既に整えております。

○畔上委員 消費者団体との連携は非常に大事だと思うんですが、それ以外の団体ともぜひ連携をとって、情報弱者をつくらないようにしていただきたいというふうに求めたいと思います。
 また、消費者が受け身ではなくて、みずからの参加と協働を促進するための仕組みづくりも大変重要だというふうに思っています。
 東京都として、消費生活調査員の公募や、また消費生活総合センターの運営参加、こういったところにも取り組みをされているのは知っておりますけれども、さらなる参画を促すというためには、私は消費生活対策審議会についても消費者団体代表の枠を拡充すべきだと考えます。
 現在、審議会における消費者団体の代表は何人いらっしゃるんでしょうか。

○小笠原消費生活部長 現在の委員数は二十五名で、そのうち消費者団体からの委員は四名でございます。
 消費生活対策審議会の委員につきましては、消費者行政の課題が広範囲にわたり、かつ複雑であることから、さまざまな立場から幅広い議論ができるよう、学識経験者、消費者団体、事業者団体など、各分野からバランスよく就任をいただいているところでございます。

○畔上委員 努力されているのは理解しておりますが、さらに多くの消費者が参加して、消費者の生の声が反映できる消費生活対策審議会にしていただきたいということを求めたいと思います。
 見えにくいのが若者の被害だというふうに思います。そういう点では、子どものころからの消費者教育というのが大事だと思いますが、被害防止とともに、消費者が安全な食品、また、よい商品づくりの力になるんだという消費生活の基本をやっぱり子どものころから教えていくということが私は大事だと思います。
 児童生徒対象に消費者教育の啓発のリーフレットの配布など、公立、私立学校を対象として現在行われているわけですけれども、さらなる児童生徒に対する実践的な消費者教育の拡充が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○小笠原消費生活部長 児童生徒への消費者教育といたしまして、昨年度から小中学生を対象に、お金の役割や契約の仕組みについてわかりやすく教える金融経済教育モデル事業を開始いたしました。
 また、卒業を控えた高校生を対象に、具体的な被害事例やクーリングオフの方法などを解説したリーフレットを作成し配布するなどの啓発事業を行っております。
 このように児童生徒を対象とした消費者教育を拡充しております。

○畔上委員 先ほど申し上げましたが、消費生活の基本を教える、そういった教育もぜひ進めていただきたいというふうに要望したいと思います。
 最後に、消費者行政活性化基金事業について伺います。
 基金の活用については、区市町村重点ということでありますが、区市町村からどのような要望が上がっているんでしょうか。また、来年度の基金は約五億七千八百万円ということですが、その活用内容について伺います。

○小笠原消費生活部長 消費者行政活性化基金を活用した区市町村の事業につきましては、相談日数の増加や相談時間の延長、相談コーナーの改修などのほか、区市町村ごとにそれぞれ工夫を凝らした多様な啓発事業が行われてきております。
 来年度もこのような事業が行われる計画となっておりまして、都といたしましては、今後、区市町村の事業申請に基づき基金を活用してまいります。

○畔上委員 基金は三年間の来年度までの暫定措置ということでありますけれども、私は、補助という形で継続を国に求める、このことが大事じゃないかと思っております。同時に、東京都としても、都内どこでも相談が受けられるような体制など、地域格差を生まない、そういった取り組みが必要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○小笠原消費生活部長 都は既に国に対しまして、地方消費者行政の強化に向けて、三年間という一時的な交付金ではなく、財政支援をさらに充実するよう提案要求を行っております。
 相談体制の地域格差についてでございますが、都内の各区市町村は、人口や相談件数、被害の状況など、地域の実情に応じましてそれぞれ判断しながら消費者相談を行っておりまして、都は広域自治体として、専門的なノウハウの提供などにより区市町村を支援しております。

○畔上委員 都の今年度の消費者行政予算は十八億八千万余で、対前年度比で見ますと一二九・五%なんですね。しかし、この国の基金を除くと十三億八千万余で、対前年度比で見ますと九五・五%になってしまうんです。来年度も十九億三千万余と伸びているんですけれども、じゃ、基金を除くとどうかというと、十三億六千万円と微減になってしまうわけです。
 私はたとえ基金が終了しても、必要な予算をしっかりと確保していただいて、都として相談体制の強化、それから立入調査、商品テストなどの監督強化、こういった消費者行政の取り組みの充実を図っていただきたいと。そのことを強く求めまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○星委員 よろしくお願いいたします。私も消費者相談について三点ほどお伺いをいたします。畔上委員と重複をしないように気をつけながら質問させていただきたいと思います。
 高齢者、若者をねらった悪徳商法は手をかえ品をかえなくならず、消費者被害が深刻化しています。消費者相談窓口のニーズはますます高まっています。私は、住民にとって一番身近な市区町村の相談窓口が最も充実するということがふさわしいんではないかなというふうに考える立場です。
 体制整備は進んではおりますけれども、まだまだ不十分だというふうにも思っております。東京都としては、市区町村の相談窓口の強化のため、これまでもいろいろな支援をしていただいていると思いますけれども、さらに支援を行っていただきたいというふうに考えております、見解をお伺いいたします。

○小笠原消費生活部長 住民に身近な区市町村の消費生活相談窓口の充実強化は、都民が安心して消費生活を送る上で大変重要でございます。このため都は、区市町村に対する専門的なノウハウや相談マニュアルの提供、区市町村の相談員に対する研修などを行っております。
 また、相談窓口の機能強化等を図る消費者行政活性化基金につきましては、区市町村に重点的に配分いたしまして、相談日数や相談時間の拡大、相談窓口の環境整備など、地域の実情に即した機能強化の取り組みを支援しております。

○星委員 各市区町村、頑張ってはいるんですけれども、私が日ごろ感じているのは、まだまだ各市区町村とも待ちの姿勢なんですよね、とてもその経験があるんです。
 最近では本当にひとり暮らしや認知症の高齢者の方たちが地域の中にふえていて、そういった方たちをねらう悪徳商法というか、詐欺まがいの商売がたくさんあります。法的には違反はしていなくても、高齢者の方たちというのは消費者の権利というところまでなかなか思いが届かないところもありまして、自分が悪いんだというところの中で、本当に基本的なクーリングオフの制度さえ--そこまでいかない、そういう方たちが市区町村の相談窓口さえ訪れていただければという部分があります。
 サプリメント、健康食品を大量にローンで買わされてしまったり、高齢者のお宅が寂しいということもあって、いろいろそういった手をかえ品をかえ、入り込む方たちも巧みでございますので、家族だとか近しい方たちがそれに対して注意を促していただけるような、そういう方たちはいいんですけれども、なかなかそういう方もとても少なくなっているという中で、まだまだ相談窓口につながらないという方たちがたくさんいらっしゃいます。
 私は、市区町村が本当に出前でというか、待ちの姿勢ではなくて、巡回しても相談ができるぐらいの体制が望ましいというふうに考えますので、今後も引き続き市区町村への強力な支援を拡充していただきたいというふうに思います。
 次に、日常生活の中で何げなく使っているものの中にも危険が潜んでおり、大きな事故につながる場合があります。特に子どもは危険に無防備で、大人が目を離したすきの思いがけない行動が事故に結びつくことがあります。
 幼児がシュレッダーに指を巻き込まれた事故や、遊具から転落、頭を挟まれるなど、さまざまな痛ましい事故が起こっています。これを少なくするためには、使用の際の思いがけない事故を想定し、商品テストを充実させる必要があり、事故の事例などを広く公表する必要があります。こうした子どもの事故には似たような経験を実はお持ちの方が潜在的にいるはずで、埋もれた情報の掘り起こしが大切であるというふうに考えます。
 都は、生活の中の危険の芽を摘み取るための情報収集ということでヒヤリ・ハット調査というものを行っておりますけれども、これまでも、これは誤飲の防止ガイドを見させていただきましたけれども、これまでの調査と、また新しい調査について、調査結果の活用方法などもあわせてお伺いをいたしたいと思います。

○小笠原消費生活部長 ヒヤリ・ハット調査は平成二十一年度に開始いたしまして、こんろ回りでの思わぬ引火など台所に潜む危険や室内での転倒など、幼児の身の回りの危険に関する調査を行いました。
 本年度は乳幼児の誤飲に関する調査を行い、保護者の四人のうち三人は、子どもが紙類や医薬品など身の回りのものを誤飲したり誤飲しそうになった経験を持つという結果が得られました。
 この調査結果につきましては、危険な事例や事故防止のポイントをわかりやすくまとめたパンフレットを作成し、消費生活相談窓口や幼稚園、保育所等を通して都民に配布し、注意喚起を行っております。

○星委員 ありがとうございます。こうしたヒヤリ・ハット調査などを充実させていくことも大事ですけれども、私は、区市町村の消費者行政と東京都の大きな違いというのは、さらに業界に対して影響力というか、働きかけができるというか、そういう立場ではないかなというふうに思います。
 製品自体の安全性を向上させていくことが重要だというふうに思います。昨年度、東京都は、消防庁や業界団体を交えた協議会で、先ほどもご答弁の中にありましたけれども、ライターの安全対策について検討し、子どもが簡単に点火できないようにするチャイルドレジスタンス対策の実施について、国や業界に要望をされました。どのような成果を得られたのかお聞きしたいと思います。

○小笠原消費生活部長 子どものライターによる火遊びが重大な火災事故を起こしていることから、都は、その実態や海外の規制状況などを調査するとともに、関係者と検討を重ね、昨年十一月、国に対し法律によるライターの安全対策の実施を要望いたしました。
 都の要望を受けまして、国は年内に政省令を改正し、来年九月にはチャイルドレジスタンス機能のついていない使い捨てライターの販売を禁止する予定でございます。
 また、都の要望を受けまして、事業者団体は加盟している製造メーカーに対してチャイルドレジスタンス機能の導入を積極的に働きかけるとともに、イベント等でライターの取り扱いについて注意を呼びかけております。
 このように、都の取り組みが国や事業者団体を動かし、着実に成果を上げております。

○星委員 最後に意見、要望を申し上げます。
 十一月一日の広報で、このようにすばらしい、大変目立つ広告が一面に、皆さんごらんになったと思いますけれども、今回、すばらしい成果を上げられたなというふうに私は高く評価をしたいと思います。
 せっかくこういう成果を上げられたということと、これまでもさまざまな情報の蓄積、経験がありますものですから、ぜひこういった東京の蓄積した情報をさらに広く都民に知らせていただく、あるいは注意喚起のために情報提供していただく、そしてまた、業界に安全な製品をつくるためのいわゆる注意喚起を促していただくために、子どもの安全のためのガイドラインのようなものを策定すべきではないかなというふうに私は考えるんです。
 これまでも生活者ネットワークは化学物質子どもガイドラインというものを提案して、これはもう既に建築現場で使用されております。ぜひ子どもたちの健康と安全を守るためにも、こういった指針づくりというか、そういうものを作成していただきたいということを要望を申し上げまして、質問を終わります。

○神野委員 私からは、東京にある専門学校等の外国人留学生についての質問をさせていただきたいと思います。
 不法滞在の外国人の凶悪犯罪多発を受けまして対策の強化というのを打ち出したのが平成十五年でありました。
 法務省、東京入管、そして東京都、警視庁の四者で首都東京における不法外国人対策の強化に関する共同宣言というものを発表されて、そして、東京都でも外国人の留学生、就学生を多く受け入れております専門学校、各種学校への管理を強めて、不法滞在とならないよう平成十七年に管理指針というものを定めて、きょうまで対策を行われていらっしゃったわけなんですが、この共同宣言ではどのような目標を立てたのか。
 そしてまた、不法滞在の外国人対策を強化した平成十五年当時の状況と今の状況というものがどのように変わってきているのか、まずはご説明をいただきたいと思います。

○石井私学部長 平成十五年十月の首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同宣言においては、不法滞在者を五年で半減させる目標が設定されました。留学生、就学生の違法活動防止のための連絡協議会に示された資料、これは法務省の発表数値をもとにしておりますが、この資料によりますと、全国の不法滞在外国人は平成十五年に約二十五万人でございましたが、平成二十二年では約十一万人となりました。
 また、警視庁資料によれば、都内において刑法犯で検挙された来日外国人に占める留学生等の割合は、平成十五年では検挙者二千三百四十二人のうち千三人、約四三%でございましたが、平成二十一年では検挙者千七百五十一人のうち四百十人、約二三%に減少いたしました。

○神野委員 これまで取り組んでこられた一つの成果が出ていらっしゃるかと思うんですが、そうはいいながらも、この数字を大きいと見るか小さいと見るかという問題だと思うんです。
 今ご報告をいただいたのは、あくまで刑法犯で検挙された数でございまして、例えば風俗など不法就労というものを考えたら、一体どのぐらいの数かどうかというのはなかなか把握をされていないんじゃないかと思います。
 この留学生の実態というものをしっかりと把握するということは、まじめに学んでいる勉学意欲を持っている留学生そのものを保護するという目的と、そしてまた、東京の治安というものを考えて、都民の安全・安心に資するといった視点を持って、以下幾つかまた質問させていただきたいと思います。
 平成十七年に定められました今の東京都の専門学校、各種学校の留学生、就学生受け入れ等に係る管理指針では、留学生の募集から始まりまして、留学生の資格外活動、いわゆるアルバイトの把握や、除籍者があった場合の入国管理局、入管への報告などが定めてあります。
 そして、外国人留学生の不法滞在化というものを未然に防ぐための方策というものがこの管理指針に入っているんですが、どんな厳しい指針というものをつくっても、やはり遵守の状況というものの具体的な調査というものがなければ担保されないと思うんです。
 東京都は、これまでこういった専修学校等に対して実地調査というものを行われてきたと思うんでありますが、どの程度の頻度で行ってこられたのか伺いたいと思います。

○石井私学部長 留学生の数や在学生に占めるその割合が特に多い学校及び過去に問題点を指摘した学校について、平成十七年度から二十一年度までに延べ百三十九校に対し現地調査を行いました。

○神野委員 それでは、実地調査を行うに当たりまして、指針におけるどの点に重点を置いて調査を行われたのか、また実際に問題があった学校に対しては、一体どのような改善がなされているというふうにつかんでいらっしゃるのか、その辺の具体例についてご説明をお願いいたします。

○石井私学部長 実地調査の際には、まず真に勉学を目的とした質の高い留学生を受け入れるための入学選抜の実施方法、次にアルバイト先の連絡先、労働内容、就業時間等についての把握及び入管法に基づくいわゆるアルバイト規制の周知状況、次に長期欠席者に対する状況把握などに重点を置き、調査を行っております。
 指導に基づく具体的な改善例といたしましては、アルバイト先に関する管理が不十分であった学校や、長期欠席者への対応が担任に任せきりとなっていた学校が、統一的な対応マニュアルや報告様式を定めて組織的に対応することとしたなどがございます。

○神野委員 ありがとうございます。大変なご努力をされていらっしゃるということがよくわかるわけなんでありますけれども、同じく、この東京都の管理指針には、著しく、または故意に学校側が違反をした場合、東京都は当該の学校名を公表することができるといった規定があるんですが、この公表規定に基づいて学校名を公表した事例というものが果たしてあるのかどうかお伺いしたいと思います。

○石井私学部長 指針第七に基づき校名を公表したことはこれまでにはございません。

○神野委員 校名を公表したことはないということでありまして、すべての学校が努力をしていれば非常にいいんでありますけれども、いろいろ聞くところよりますと、今、学校も少子化ということで、例えば中国、韓国、そういった国のいわゆる留学エージェントみたいな方にお金を払って学生を集めるという、いってみれば人買いみたいな状況も一説にはあるという話も伺っているわけでありまして、果たして学校がすべてそういった指導に基づいて努力をしているかどうかというのは、なかなかつかみづらいのかなという感想も持つんであります。
 それでは、現在、東京都で認可をされております専修学校及び各種学校というものが都内にどれだけあって、そして在籍をしております外国からの留学生がどの程度いらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。

○石井私学部長 認可されている専修学校、各種学校は、都内に六百六校ございます。平成二十二年五月一日現在、これらの専修学校、各種学校に在籍する留学生数は約一万八千六百人でございます。

○神野委員 ただいまのお話で、認可をされている専修学校、各種学校は、都内に六百六校ということでございました。いただいた数字によりますと、これまで調査、指導の実績数ということをちょうだいしているんですが、平成十七年度が二十五校、以下順に十八年度二十五校、十九年度二十五校、平成二十年度が三十二校、二十一年度が三十二校、二十二年度、今まで途中までで十八校ということですね。
 全体で六百六校あって、先ほどのご答弁で留学生の数が非常に多い学校を選んでいらっしゃるということなんでありますけれども、できれば、いろいろ人数の関係もあるでしょうけれども、もう少し広い数の学校に当たっていただいて、その辺の実態を少しでもつかんでいただくような努力をしていただければと思うんです。
 なぜかといいますと、東京入管なんかに聞きましても、いわゆる留学生の実態というのはほとんどすべてが学校任せということになっておりまして、学校が把握できなければ、東京入管もなかなか留学生の中で不法滞在の学生がどのぐらいいるかというものを把握することができないということでありますので、東京都の役割というものは非常にそれなりに大きいと私は思います。
 それでは、最後の質問なんですが、東京都として、今後どのように留学生の違法活動防止対策、そしてまた、不法滞在に結びついていくような状況を防止する対策を進めていかれるのか、その辺のご見解を伺いたいと思います。

○石井私学部長 これまでも東京入国管理局、警視庁、関係区市などと情報交換等を行い、それぞれの立場から留学生の違法活動防止に向けた対策を行っているところでございます。
 今後とも、留学生、就学生の違法活動防止のための連絡協議会の場などを活用し、関係機関との連携を強化して、引き続き専修学校、各種学校による適正な留学生の受け入れ及び在籍管理などの実現に取り組んでまいります。

○神野委員 東京都としても、学校名を公表するとか、なかなか強い権限というものを持っていらっしゃらない中での調査ですから、いろいろご苦労もあろうかと思うんですが、繰り返しになりますけれども、こういった外国人の留学生に対する我々都民の意識というものの中で、本当にまじめに学習意欲を持って日本でさまざまな知識や経験を身につけて、国に帰って役立てたいという前向きな留学生と、日本で不法に就労目的で来る留学生という者はしっかりと区別してあげなければ、まじめに働こうという留学生の皆さんが大変迷惑をされるわけでありますから、そういった観点を持って、今後ともこの問題に関しては熱心に取り組んでいただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わりにいたします。

○中山委員 私からは、NPO等の市民団体支援、公衆浴場支援、公益法人改革、そして悪徳商法の取り締まり、四点について順次質問させていただきます。
 初めに、市民団体等の支援についてでございますけれども、先ほど来もお話ございましたけれども、生活文化局ではNPO団体等のボランティア等の方々に対していろいろな取り組みをされていらっしゃいますけれども、こうした団体の中にはコミュニティづくりに取り組んでいらっしゃる団体もございます。
 そうした団体に対して、現状としては資金難とかいろいろな情報不足とかを抱えていらっしゃると思うんですけれども、生活文化局はどのような支援を行っているのかお伺いいたします。

○飯塚都民生活部長 NPOやボランティア団体など市民活動団体は、地域の担い手として重要な役割を果たしており、都では東京ボランティア・市民活動センターを通じて、その活動を支援しております。
 東京ボランティア・市民活動センターの具体的な活動といたしましては、地域コミュニティづくりのボランティアに都民が参加したい場合の情報提供や市民活動団体の設立など専門的な相談を行っております。
 また、区市町村のボランティア・市民活動センターと連携し、地域社会の課題解決に向けて、都民と市民活動団体などが意見交換をするボランタリーフォーラムの開催など、団体の活動強化に向けた支援を行っているところでございます。

○中山委員 NPO団体等は、その専門性や熱意を生かして、地域の福祉や教育などの分野を中心に、行政では手の届かない分野で活躍していらっしゃいます。
 そうした活動を通じて、ひいては地域社会全体の利益に寄与しており、地域社会の再生に欠かすことのできない存在となっております。都は、市民活動団体の主体的、自立的な活動を引き出す努力を今後とも継続していくべきと思います。
 現在、生活文化局におかれましては、地域の底力事業に取り組んでいらっしゃいます。日ごろから地域のために貴重な資材、時間、労力を使って貢献してくださっている町会、自治会の方々のご努力に改めて敬意を表するとともに、広域自治体としてこうした団体の方々に対する支援事業に取り組んでくださった生活文化局、また都議会の先輩議員の皆様に改めて敬意を表したいと思っているところでございます。
 そうした地域の底力事業の努力というものを一つの参考例として、これからはNPO団体等に対しても、市民活動団体に対しても、支援事業についてさらに検討を進めていただきたい、このことを要望させていただきます。
 次に、公衆浴場対策についてお伺いいたします。
 公衆浴場は、日々子どもからお年寄りまで利用しており、公衆衛生の確保と健康を維持する地域のコミュニティの場としてなくてはならないものとなっております。
 私の地元の足立区は、公衆浴場が比較的多い地域でございまして、公衆浴場における安全の確保と経営の安定は、地域社会にとっても大変重要な課題であると認識しております。
 利用者の安全のための公衆浴場の耐震化、そしてまた、大量の燃料を使う公衆浴場のクリーンエネルギーへの転換といった点は、都民にとっても、また行政にとっても非常に大事な課題でありますし、また公衆浴場自身にとっても経営の安定化に寄与するものと考えております。
 こうしたことから、都は、耐震化とクリーンエネルギー化それぞれの補助制度を設けて取り組んでいらっしゃいますが、それらの具体的な内容とこれまでの利用実績についてお伺いいたします。

○小笠原消費生活部長 耐震化促進支援事業とクリーンエネルギー化推進事業につきましては平成二十年度から実施しておりまして、耐震化促進事業は煙突の補強工事、浴場内の壁や天井の補強、ガラスの飛散防止など、利用者の安全のための改修等に活用され、平成二十年度から現在まで八十九件の利用があります。
 また、クリーンエネルギー化推進事業は、重油、廃油、廃材などの燃料から都市ガスなどのクリーンエネルギーに転換する浴場事業者に対して経費の一部を補助するものでございまして、現在まで八十七件の利用があります。

○中山委員 都の補助制度は着実に利用が進んでいるようでございますが、都内の浴場数全体から考えますと、まだ一割程度といったところでございましょうか。小規模な公衆浴場も多くて、日々の営業の中でこうした施設の課題になかなか思いが至らないというケースの方もいらっしゃると思います。
 こうしたことから、都としてこの補助制度をせっかくでございますからさらに普及させていくために、浴場組合と連携しながらより積極的なPRに挑戦していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小笠原消費生活部長 理事ご指摘のように、耐震化及びクリーンエネルギー化事業の普及促進のためには、事業者団体との連携が重要と考えておりまして、昨年十月から浴場組合と共同いたしまして、地域別のキャンペーンや特別相談会を新たに開始し、両事業のメリットや効果が個々の浴場事業者にまで伝わるよう、積極的にアピールを行っております。キャンペーン等は、昨年度は六回、今年度はこれまでに五回実施しておりまして、延べ約六百人が参加しております。
 今後とも浴場組合と協力いたしまして、両事業の普及促進に努めてまいります。

○中山委員 耐震化、クリーンエネルギー化に対して、補助事業をまだ活用していない経営者の方々に、利用済みの事業者の体験談を交えた講演会なども効果的なものと考えております。積極的に出向いてPRしていただいているという生活文化局の職員の方々のご努力に敬意を表するとともに、さらにその促進に今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、公益法人改革についてお伺いいたします。
 平成二十年十二月一日から、明治以来百年ぶりの改革といわれる新たな公益法人制度が始まっております。従来の社団法人、財団法人は、何十年も、場合によっては明治以来、都民の利益にかなうさまざまな公益事業に取り組んでこられました。
 こうした法人のうち、都が所管する法人は、平成二十一年十二月現在でも八百十七法人あるとのことでございます。八百を超える法人が子どもたちに奨学金を給付したり、障害者のためにさまざまな活動をしたり、日々都民のために地道な活動に尽くされていらっしゃいます。
 そこで、多くの法人が移行を目指している公益社団・財団法人制度について質問いたします。
 従来の制度でさまざまな活動を行っていた社団法人や財団法人は、公益社団・財団法人に移行することになります。今回の制度改革により新設された公益社団・財団法人でございますけれども、都民にとってどのようなメリットがあるのか改めてお伺いいたします。

○飯塚都民生活部長 公益法人制度改革の目的は、公益社団・財団法人の活動の健全な発展を促進し、民による公益の増進に寄与することでございます。
 都民にとってのメリットといたしましては、公益法人は公益目的事業が非課税となるなどの税制上の優遇措置が与えられており、従来課税されていた部分を公益事業の財源とすることで、都民に貢献する活動が促進されるということがございます。
 また、法人へ寄附を行った都民に対しても税制上の優遇措置が講じられることとなり、寄附をした都民の税負担が軽減されることとなります。
 これに加え、事業報告等の公開が法人に義務づけられたことで、都民が法人の活動状況や寄附金の使途について確認することができるようになるということも副次的なメリットであると考えております。

○中山委員 ただいまのご答弁で、公益法人が都民に与えるメリットについてわかりやすくご説明いただいたと思います。
 また、都民も法人に寄附をすることで公益事業を支えるとともに、都民自身も税制上の優遇を受けられるとのことでございます。
 このことは、私は以前にもその重要性を指摘させていただきましたけれども、こうした事柄を通じて、ぜひとも寄附文化が東京に、そして広く日本に根づいていっていただきたいと思っております。
 寄附について優遇措置を受けられる公益法人に移行する法人がある一方、せっかく都民のためにさまざまな公益事業を行っている法人が、法が定める要件を満たせず、やむを得ず社団法人、財団法人への移行を選択する法人もあると思います。
 こうした点は非常に問題があるのではないかという都民の心配があります。一般法人に移行した場合には、公益事業ができなくなるのではないか、何か都民にとって影響が出てしまうのではないか、そういう危惧がございますけれども、所見をお伺いいたします。

○飯塚都民生活部長 理事ご指摘のとおり、公益認定に当たっては基準がございまして、公益目的事業比率や遊休財産が制限を超えないことなどの基準を満たさなければ、一般法人に移行することとなります。
 しかし、一般法人に移行しても、多くの法人は定款で定めている目的を大幅に変えることがなく、従来実施していた公益事業は引き続き実施されるものと考えております。
 さらに、一般法人は、現在保有している財産については、新しい制度では公益事業のためだけに使わなければならないという制約がございます。
 こうしたことから、法人は継続して公益事業を実施することとなり、都民に特段の影響が出るとは考えてございません。

○中山委員 ただいまのご答弁で、一般社団・財団法人に移行しても、都民のために有益なさまざまな活動をこれまでどおり続けられ、特段の影響がないということがわかり安心いたしました。
 しかし、今回の制度改革では、五年間という移行申請期限が定められており、それまでに申請できない場合には解散することになってしまいます。その場合、公益事業を実施できなくなり、都民への影響が出るおそれがあります。
 そこでお伺いいたしますが、都はただ法人から申請が出てくるのを座して待つだけではなく、八百もある法人の移行を進めていくために、積極的な対応を試みるべきとも考えますが、ご見解をお伺いいたします。

○飯塚都民生活部長 移行対象となる八百を超える法人のうち、移行を完了した法人は、平成二十二年十月三十一日時点でまだ四十八法人でございます。
 移行申請に当たっては、財務諸表等作成する書類も多いことから、負担を感じる法人も多いと考えております。このため都では、育英奨学団体や博物館、美術館、シルバー人材センターなど、移行対象となる法人に対し、今までに説明会を約七十回開催し、公益法人制度改革の内容を周知するとともに、申請に向けた情報提供を積極的に実施しております。
 こうした取り組みや丁寧な相談対応に加え、まだ移行に向けた動きが見られない法人に対しまして、早期移行を促す文書を送付したところでございます。
 平成二十五年十一月の移行申請期限まであと三年となることから、今後とも移行の促進に取り組んでまいります。

○中山委員 改めて申し上げるまでもなく、明治以来、社団法人、財団法人は教育、文化、福祉などさまざまな分野で、あるときは行政とともに、またあるときは行政の手の届きにくい分野で都民のために活動されてきました。
 制度が開始されてから丸二年が経過しようとしております。移行申請期限まで残すところあと三年。都は、移行対象となる法人すべてを期限内に移行させるという強い決意を持って円滑な移行を促進させることを望んでおります。
 渋沢栄一さんのように公益の巨人といわれた先輩が東京にいらっしゃいますけれども、経済を支えてきた人たちが福祉やいろいろな分野で寄附をされたり、いろいろな活動を展開されて、今日の日本を築いてくださいました。
 先ほど寄附文化というお話をさせていただきましたけれども、そうした社会貢献の意識を青少年に知っていただくためにも、この制度改革はぜひ成功させていただきたいというふうに思います。
 株式とかそういうことに興味を持つ子どもたちがふえているということもございまして、キャリア教育の面ではいいかもしれませんが、お金をもうけて何に使うのかというと、結局自分の楽しみでしかないというところになってくると、夢のない社会かと思います。そうした面で、ぜひこの公益法人改革を東京都のご努力で関係者すべての方が喜んでいただけるように導いていただきたいと思います。
 最後に、悪徳商法の取り締まりについて質問させていただきます。
 景気の動向とか無縁社会、匿名社会の影響でしょうか、悪徳商法が後を絶ちません。一つ一つの事柄については改めて申し上げませんけれども、やはり冷静な判断というのを消費者にさせないような状況の中で、上手に商品の取引というものを取りまとめてしまう。そうした事柄がやはり庶民の中で被害意識というものをさらにさらに拡充しているんだと思います。
 こうした被害をなくしていくためには、悪質事業者の徹底した取り締まりが重要と考えますが、都の最近の取り組み状況についてお伺いいたします。先ほど昨年度の処分件数は出ました。ことしの件数などを含めてお願いいたします。

○小笠原消費生活部長 都は、多発、深刻化する消費者被害の防止に向けまして、不適正な取引行為を是正し、悪質事業者を市場から排除するため、昨年四月、警視庁OBを含む特別機動調査班を二名増員し、五班体制から六班体制に強化して、立入調査や処分に積極的に取り組んでおります。
 行政処分の実績につきましては、昨年度、特定商取引法に基づく業務停止命令や業務改善指示を十七件、また、消費生活条例に基づく禁止命令や勧告など十一件、合わせて二十八件の処分を行いました。
 今年度でございますが、十月末までに、パソコンに登録するだけで毎日数万円稼げるなどのもうけ話、いわゆる情報商材を扱うネット通販事業者の処分を全国に先駆けて行うなど、十七件の行政処分を実施しております。

○中山委員 先ほども申し上げましたけれども、冷静な判断を消費者にさせない状況下の中で取引を進めていくというところに問題がございます。そうした被害の実態というものを事実関係をきちっと把握しませんと、東京都としても迅速、適切な行政指導ができないわけであります。
 そうした事実把握のためには、不適正な事業行為について証言を行ってくださった消費者の方が、処分されたり、あるいは処分されようとする事業者から逆恨みを買ったり、嫌がらせなどの迷惑行為を受けるような心配がありますと、安心して悪質事業者の取り締まりに協力することができません。特に女性や高齢者においては、こうした心配が強いと思います。
 都では、処分に協力した消費者を守るために、行政処分協力者支援プログラムという仕組みを設けていると聞きますが、その内容と実績についてお伺いいたします。

○小笠原消費生活部長 悪質な事業者による被害の実態を消費者に証言していただくことは、都が厳正かつ的確な行政処分を行う上で必要不可欠でございます。そのため、消費者が事業者からの嫌がらせ等について心配することなく、安心して行政に被害の内容を説明できるよう、消費者を事業者の迷惑行為から守ることのできる環境を整備していくことが重要であると考えております。
 こうしたことから、都では理事ご質問の行政処分に協力した消費者に対する支援プログラムを平成二十一年四月から開始したものでございます。これは、行政処分に協力した消費者には、行政処分協力者名簿に登録していただき、事業者から万一迷惑行為があった場合には、弁護士費用の助成や貸し付けなどを行うことによりまして、都が消費者を支援する制度でございます。
 制度発足から先月末まで二百六名の消費者の方の名簿登録があり、万一の迷惑行為を心配することなく、都の処分へのご協力をいただいております。
 なお、幸い、これまでこのプログラムにより助成、貸し付けなどを行ったケースは起きておりません。

○中山委員 今のご答弁で明らかなように、既に二百名を超える消費者の方がこの制度に登録していらっしゃるということでございます。
 また、実際に支援、貸し付けに至ったケースが今のところないということでございますけれども、名簿登載ということを相手に伝えるだけで十分抑止力が働いた結果ではないかというふうに思います。そういう意味では、制度設定当初の目的はこの時点で十分果たされているというふうにも考えられると思います。
 支援プログラムを適切に運用し、消費者を事業者の迷惑行為から守ることのできる環境が整備され、消費者の積極的な協力が得られ、悪質商法の拡大阻止につながっていくことを望んでおります。
 次に、多重債務問題の対策についてお伺いいたします。
 多重債務問題が深刻な社会問題となっていることから、本年六月十八日に改正貸金業法が施行され、年収の三分の一を超える新規貸し付けを禁止する総量規制がスタートいたしました。
 しかしながら、実態としては、ヤミ金といいますか、そうしたところに借りる先を求めていくということで、被害の実態、ありさまというものが水面下に潜ってしまったという指摘もあります。
 その結果、クレジットカードのショッピング枠は規制の対象外であることから、ショッピング枠を利用して現金化する新たな手口が問題となっております。例えば十万円のクレジット利用でほとんど価値のない商品と八万円の現金が送られてくる例もあり、二万円近くは事実上の利息相当とも考えられますが、クレジット利用者には十万円の負債が残ります。
 極端な話、消しゴム一個を百万円で買って、数万円の手数料で九十万余りが手にできる、手っ取り早い現金を取得する方策ということですけれども、負債は残るわけでございますが、当然のことですが、クレジットカードのショッピング枠を現金化しても、カード利用した代金をクレジット会社は見逃してくれません。この場で幾らかの現金を手にしても、一時的にしのげるだけで、結局は負債をふやしてしまうことになります。
 そこで、都の消費生活総合センターに寄せられているクレジットカードによる現金化に関する相談件数と、主な相談内容についてお伺いいたします。

○小笠原消費生活部長 東京都消費生活総合センターに寄せられたクレジットカードショッピング枠の現金化に関する相談は、平成二十一年度に十六件寄せられ、今年度は八月までに十二件となっております。
 相談の主な内容は、クレジットカードによる現金化によってさらに負債額がふえてしまい、それまでの負債を含めて整理したいが、どうすればよいかという例や、最近まち角でクレジットカードによる現金化の広告を見かけるが、利用しても問題ないかというものなどでございます。
 クレジットカードによる現金化の取引は、最終的には債務額が膨らむため、一層多重債務の状況に陥ることから、相談者にはクレジットカードによる現金化は利用しないよう助言しております。

○中山委員 やはりそうした適切な助言が非常に大事かと思います。今回の貸金業法改正の問題は、ある面では総量規制ですとかグレーゾーンの上限金利の問題というのが果たして適切な手法だったのかどうかということを問い直されております。
 中小企業の中には、借りる先が結局なくなってしまって、先ほど申し上げたようにヤミ金に借りるという形になっていったり、あるいは消費者の中には手っ取り早い現金化の方法として、クレジットカードの現金化というものを選んでしまう、そうした事柄があります。
 貸金業課との連携も大事でございますけれども、一つは、病的な、あるいは心理的な要因で借金を繰り返してしまう、そうした方々に対しては、やはり専門家による心理的ケアというものによって、カウンセリングによって、その再発を防いでいかないといけない。その問題は、総量規制とか、あるいはグレーゾーンの上限金利の問題と全く別の性質の問題であります。
 生活文化局がそうした相談窓口の第一義的な役割を区市町村と一緒に担っていらっしゃいますので、そうした面での問題解決に向けたご努力を今後とも重ねていただくことを要望させていただいて、質問を終わります。

○新井委員 私からは、都政広報について、私立学校における経常費補助について、二点お伺いいたします。
 まず、都政広報についてです。
 東京都のさまざまな施策や取り組みは、多くの都民に関心を持ってもらい、その理解や協力を得てこそ成果につながるものであると考えております。
 都においては、これまでもさまざまな媒体を活用して広報活動を展開してきていると思いますが、都政の情報が都民には十分伝わっていないという声も聞いております。東京都の存在感を高めていくためにも、都民の関心動向を把握しながら、都の広報活動を一層強化することが重要であると考えております。そうした認識に立ち、都の広報広聴活動について質問をいたします。
 都民ニーズを踏まえた施策展開を行っていく上でも、都民の関心動向の把握が重要であります。そこで、まず都民の関心動向の把握についてお聞きします。
 都は、さまざまな広聴活動を通じて、都民の声を広く取り入れる、都政に反映してきていると思いますが、都民が都政のどんな分野に関心を持っているのか、都はどのように把握しているのかお伺いをいたします。

○櫻井広報広聴部長 都は、日常的にメールやファクス等により、都政に関する提言、要望を受け、それを集計、分析いたしますとともに、都民生活に関する世論調査を初めとする年三回の世論調査などを行っております。
 こうした手法を通じまして、都政への要望や個別の取り組みに対する都民の意識を具体的に把握し、都政に反映させているところでございます。

○新井委員 都は毎年、世論調査などにより、都民の都政に対する関心動向を把握し、その結果をさまざまな施策に反映しているとのことですが、広報活動に関してはどのような形で都民の関心動向が反映されるのか、都民にとって身近な広報媒体である東京都総合ホームページを例にお伺いいたします。
 最近の動向として、ほかの情報媒体に比べて検索性や即時性にすぐれたホームページを活用して、情報を得る人が大変ふえております。特に何か調べたいものがあるときには、パソコンや携帯の検索機能を用いまして検索する方が大変多いかと思います。
 ホームページを運用している側は、一日にアクセスしますアクセス件数、またどのようなページにアクセスしたか、ほかにもさまざまな情報を得ることができます。最近では、それらの情報を分析して広報などに役立てている、そんな企業もあります。
 ホームページを運用する側が得られる情報で、都民の関心バロメーターの一部として考えることもできます。都の総合ホームページでは、アクセス件数とどのようなページにアクセスしたかお伺いいたします。

○櫻井広報広聴部長 東京都総合ホームページの平成二十一年度のアクセス件数は、トップページで約七百八十八万件、総ページで約六千三百八十七万件となっております。
 アクセス件数が最も多いページは報道発表資料でありまして、全体の約五割を占めております。次に各局への案内ページ、さらに東京都に関連するイベント案内のページが続いております。

○新井委員 東京都総合ホームページには、かなり多くのアクセス件数があるとわかりました。
 東京都のさまざまな施策や取り組みを広く都民に関心を持ってもらうにはとても有効であると考えております。ホームページの運用側では、アクセス件数やページアクセスについて情報を得ることができるんですが、それらの内容をホームページの運用にどう生かしているのかお伺いします。

○櫻井広報広聴部長 まず、アクセス件数が多く、都民の関心も高いと判断した案件につきましては、特設ページを作成いたしまして、その中に過去の報道発表一覧を掲載したり、関連するホームページのリンク集を設けたりするなど、情報を集約いたしますとともに、トップページにはバナーを張り、都民が情報を得やすくなるよう工夫をしております。
 また、報道発表資料のうち、前の週にアクセス数が多かったものを取り上げ、トップページにアクセスランキングとして掲載し、都民の方が知りたいものを見ていただくという観点で情報提供するとともに、見逃してしまった方への再度の情報提供機会とするなどの対応をいたしております。
 このように、アクセス件数を踏まえたホームページ運営を行っているところでございます。

○新井委員 都の総合ホームページにおきましては、アクセス分析の活用により都民の関心動向を踏まえた情報発信をしていることがわかりました。
 都の総合ホームページでは、ホームページ関係で年間約三千万円計上されております。さらなる都政広報の向上に結びつけるためにも年間三千万円を計上しているわけですから、ホームページのさらなる改善、またアクセス分析をして、広報活動に役立てていただきたいと思っております。
 次に、都の広報活動の全体の今後の展開についてお伺いします。
 都民の都政に対する関心動向を生かしながら、最近では情報通信機能の進展やメディアの多様化などの状況を踏まえて、今後の都の広報活動にどのように展開していくのかお伺いします。

○櫻井広報広聴部長 都民に広く周知すべき都政の重要な課題や都民の関心が高い取り組みにつきましては、都政情報をより一層効果的に都民に届けるという観点から、都の総合ホームページ、「広報東京都」、都提供テレビ番組、携帯サイト、新聞広告など、多様な媒体を複数同時に活用するクロスメディア展開を積極的に行いまして、情報発信力の強化に努めているところです。
 情報通信技術の進展を背景にさまざまなメディアが出現し、都民のメディア選好も多様化をしております。今後とも、広報の内容、あるいは訴求対象に応じた媒体、メディアの活用を工夫しながら広報活動を展開してまいります。

○新井委員 「広報東京都」を毎月発行し、東京都公式ホームページを毎日更新する、この二点が都政広報のメーンだと聞いております。
 東京都が何を伝えたいのか、また都民が関心を持っているものは何なのか、広報やホームページを活用し、それに加えてテレビ番組、新聞、電車広告など、多様な媒体を複数同時に活用するクロスメディアの展開をさらに強化することによって、東京都のさまざまな施策や取り組みを多くの都民に知ってもらいたいと思っております。
 また、各局でも個々の情報発信をしていると思いますが、各局へ意見交換をさらに強化しまして、都政広報の充実に励んでいただきたいと思います。
 次の質問に移ります。私立学校におきます経常費補助についてです。
 私立学校では、それぞれの建学精神に基づき、特色のある教育を時代に即して実践し、個性豊かでバランスのとれた人間を育ててきています。私学を取り巻く環境は、少子化に伴う児童生徒の減少、長引く不況による保護者の収入減少に伴う家計費に占める教育費の負担の増大など、非常に厳しいものがあります。
 その中、今年度、我が党のマニフェストを実現した公立高校授業料の無償化に伴う私立学校生に対する就学支援金の補助は、都民の負担軽減につながっていると思います。
 先日、私学に通う子どもたちの父母から、私学予算の充実について切実な要望を受けました。都は、これまでたびたび経常費補助は私学に対する基幹的補助といってきていますが、そこでまず、経常費補助予算の算定における対象品目と積算方法についてお伺いします。

○石井私学部長 経常費補助の予算は、公立学校の決算値をもとに土地、建物に係る投資的支出や退職金支出を除く教職員の給与、備品、図書等の教育研究に係る経費、光熱水費などの諸経費を算出し、その二分の一を補助するという標準的運営費方式により積算しております。

○新井委員 直近三カ年の全日高校におけます生徒一人当たりの公費負担についてお伺いします。

○石井私学部長 公立、私立それぞれの全日制高等学校における生徒一人当たりの公費負担額は、平成十八年度は公立約百三十六万一千円に対し私立約三十五万円、平成十九年度は公立約百三十六万五千円に対し私立約三十五万四千円、平成二十年度は公立約百十八万円に対し私立約三十六万一千円となっております。

○新井委員 都内の児童生徒総数に対する私立学校の学種別の割合についてお伺いします。

○石井私学部長 平成二十一年五月一日現在の都内の児童生徒総数に対する私立学校の割合は、全日制、定時制の高等学校で総数約三十万八千人に対し私立約十七万四千人、五六・四%、中学校で総数約三十一万一千人に対し私立約八万三千人、二六・五%、小学校で総数五十九万四千人に対し私立約二万七千人、四・五%、幼稚園で総数約十七万二千人に対し私立約十五万八千人、九一・八%となっております。

○新井委員 これまでの答弁から、私学に多くの子どもたちが通っており、私学が果たす公教育の役割の重大さが推しはかれます。
 また、私立小学校の関係者の話によりますと、ここ数年来、都内私立小学校への入学希望者の定員は四倍もの応募があると聞き、私学人気の根強さ、私学に対する期待の大きさがうかがわれます。
 しかしながら、小学生の保護者は若年齢が多く、さらに長引く経済不況下の中、家計におけます負担を考え、入学をあきらめるケースも多いと聞きます。
 高校生は就学支援金という形で保護者の負担軽減が一定程度実現しましたが、小学校や中学校にはそのような負担軽減施策はなく、高校よりも高い授業料などを負担しています。中高一貫校が多い私立に通わせる親にとっては、なかなか納得が得られないものと思います。
 社会の宝であります子どもたち、次世代を担う子どもたちの健全な育成のためにも、公私格差をさらに解消し、だれもが自分が希望する学校に入れるようなすべての学種の私立学校に対する経常費補助の充実拡大を希望しまして、私の質問を終わりにします。ありがとうございました。

○原田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十分休憩

   午後三時二十一分開議

○原田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより教育庁関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○庄司総務部長 去る十月二十六日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の目次をお開き願います。ごらんいただきますように今回要求のございました資料は十四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、教育庁所管の廃止・終了及び見直し事業(過去五年間)でございます。
 平成十七年度から二十一年度までの過去五年間において廃止、終了及び見直しをいたしました教育庁所管事業について、各年度別に事業名とその内容をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。2、都立学校の教職員定数配当基準の主な推移及び教職員定数の推移(平成十二年度から二十二年度)でございます。
 このページから四ページにかけまして、都立高校及び都立特別支援学校の定数配当基準の過去十年間にわたる主な推移と平成二十二年度の定数配当基準をお示ししてございます。
 また、五ページでは平成十二年度から二十二年度にかけましての教職員定数の推移を学校種別にお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。3、教育管理職選考、主幹教諭選考、主任教諭選考の合格予定者数、受験者数、合格者数の推移(平成十四年度から二十二年度)でございます。
 平成十四年度から二十二年度にかけまして、それぞれの選考ごとに選考年度別の合格予定者数等の実績をお示ししてございます。
 なお、平成二十二年度の合格者数につきましては、合格発表が十一月下旬の予定であり、現段階で確定しておりません。
 七ページをごらん願います。4、主幹教諭の配置計画と配置数の実績、充足率(平成十五年度から二十二年度)でございます。
 主幹の当初の配置計画と設置数をお示しするとともに、平成十五年度から二十二年度にかけましての配置数実績と必要数に対する充足率を任用年度ごとに校種別にお示ししてございます。
 八ページをお開き願います。5、平成二十二年度都立高校部活動振興予算の重点配付額一覧でございます。
 平成二十二年度の部活動振興予算の重点配付の状況について、学校経営支援センター三所三支所の地区及び配付額の別にそれぞれ学校名をお示ししてございます。
 九ページをごらん願います。6、東京都公立学校教員採用者数の推移(過去五年間)でございます。
 平成十八年度から二十二年度までの過去五年間における東京都公立学校教員の採用者数についてお示ししてございます。
 なお、平成十九年度から導入した期限つき任用教員の任用数については、括弧内に外数としてお示ししてございます。
 一〇ページをお開き願います。7、都立高校における日本語教育が必要な生徒の受け入れ状況及び教職員の配置状況(過去五年間)でございます。
 海外帰国生徒、引き揚げ生徒など日本語教育が必要な生徒の都立高校における受け入れ状況と配置教員数についてお示ししてございます。
 一一ページをごらん願います。8、日本語学級の所在地、児童・生徒数、教員数及び使用言語でございます。
 このページから次の一二ページにかけまして、日本語学級を設置している学校、在籍している児童生徒数、教員数及び児童生徒の主な使用言語の種類についてお示ししてございます。
 一三ページをお開き願います。9、平成二十二年度において学級編制の弾力化を実施する都道府県の状況についてでございます。
 このページから次の一四ページにかけまして、各都道府県における学級編制の弾力化の実施状況をお示ししてございます。
 一五ページをお開き願います。10、東京都公立小・中学校児童・生徒の就学援助受給者の推移(過去十年間)でございます。
 平成十二年度から二十一年度までの過去十年間における就学援助を受けた児童生徒数及び受給率の推移を要保護、準要保護の別にお示ししてございます。
 一六ページをお開き願います。11、公立学校教員の年代別退職者数(校種別、過去五年間)でございます。
 平成十七年度から二十一年度までの過去五年間における退職者数を年代別、校種別にお示ししてございます。
 一七ページをごらん願います。12、都立特別支援学校の寄宿舎の入舎希望者数と受け入れ数について(過去五年間)でございます。
 平成十八年度から二十二年度において都立特別支援学校の寄宿舎に入舎を希望した児童生徒数とその受け入れ数を学校別にお示ししてございます。
 一八ページをお開き願います。13、肢体不自由特別支援学校の外部専門家と外部人材の導入による外部専門家・外部人材導入数及び教職員定数削減数でございます。
 外部専門家及び外部人材の導入状況とそれに対応する教職員の削減数について、それぞれ対象職種、人数及び学校数をお示ししてございます。
 一九ページをごらん願います。14、平成二十二年度小・中学校へのスクールカウンセラーの区市町村別配置状況でございます。
 平成二十二年度における区市町村別の設置学校数とスクールカウンセラーの配置数を小中学校別にお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○原田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○西沢委員 私からは、学校非公式サイト等の監視についてお伺いをしていきたいと思います。
 昨今のインターネットの環境の変化というのは大変目覚ましいものがありますが、十月二十七日の日経新聞にも出ているように、文科省は学校ネットパトロールの導入支援に乗り出すと。都内だけではなくて、全国的にもネットを取り巻く環境によって、子どもたちがトラブルに巻き込まれる、こういったものを阻止していこうというような動きが見られるような現状でございます。
 こうした中で、東京都の教育委員会は児童生徒を有害情報から守るために、昨年の六月からすべての都内公立学校約二千二百校を対象とした業務委託により、学校非公式サイトなどの監視業務を始めたというふうに聞いておりますが、どのように行われているのかをお伺いいたします。

○高野指導部長 本事業におきます学校非公式サイト等の監視は、都内公立学校全校を対象に年四回定期的に監視する巡回監視と不適切な書き込みの多い特定のサイトを毎日監視する定点監視の二つの方法によりまして、二十四時間三百六十五日行っているところでございます。
 監視につきましては、コンピューター及び携帯電話で学校名等をキーワードに検索を行いまして、検出されたすべての書き込みについて不適切な内容かどうか一つ一つ目視による確認作業を徹底して行っているところでございます。
 個人に対する誹謗中傷などの不適切な書き込みにつきましては、本年四月から九月末日までに八千四百六十件検出されておりますが、こうした書き込みにつきましては、都教育委員会が当該校や区市町村教育委員会へ情報提供するとともに、受託業者を通じて当該サイトの管理運営者に対しまして削除依頼を行っているところでございます。
 各学校は提供された情報をもとに児童生徒への指導を行い、その結果、現在まで大きな被害は報告されておりません。

○西沢委員 二十四時間三百六十五日実施しているという話で、具体的なやり方などのご答弁もいただいたわけでございますけれども、目視でやるというところは私も大変重要なのかなというような気がいたしております。
 IT関連の会社に私が勤めていた際に、情報漏えいなどに関連して社内からキーワードで情報が漏れるものを機械的にチェックする仕組みなんていうものを営業していたことがあるんですけれども、メールとかファイルのやりとりなどで、例えば合コンとかマージャンとかという言葉をキーワードでひっかけて、社員がしっかり働いているかどうかをチェックするというような方法、こういったものもさまざまなソフトが昔からあるわけなんですけれども、今回の学校非公式サイトなどはやはり目視で見なければ、そういったキーワードでひっかけてもなかなか状況がわからないというものがありますから、今のご答弁で学校非公式サイトの監視についてはしっかりと目視をしていくというところが重要であるというように私も考えております。
 ただ今回、最近のインターネットの技術というのは日進月歩でありますから、これからも注視していく必要があるんですが、ツイッターという新しいコミュニケーションツールというものが注目されているわけであります。
 ツイッターは、二〇〇六年からサービスが始まったミニブログというようなものでございまして、政治家の方でも多く取り入れられている方もいれば、社会的に影響を与える方もツイッターを通してたくさんの方とコミュニケーションを始めている。手軽に行えることから、若い方を中心に随分使われているというように聞いております。
 そこで、ツイッターは学校非公式サイトの監視業務の対象であるのか、また対象であれば、これまでの不適切な書き込みなどの件数などについてお伺いいたします。

○高野指導部長 本事業の監視につきましてはツイッターも対象になってございますが、現在までのところ不適切な書き込みは報告されておりません。

○西沢委員 ツイッターもちゃんと監視して、現在では不適切な書き込みはゼロ件だったというようなご答弁でありました。安心する一方で、少し心配な気がするんですね。
 というのは、昨年の資料で検出された書き込みの数というのが一万六千四百六十八件、昨年の六月に始めてことしの三月までの二百八十七日間ですけれども、一万六千四百六十八件があって、そのうち不適切な書き込みがあったというのが一万三千九百五十五件、書き込みが発見されて、そのうち不適切だと認められるものがおよそ八五%ぐらいの確率で不適切であるというようにあるわけなんですね。
 ツイッターは今のところゼロ件ということですが、ツイッターではどうなのかわかりませんが、書き込みがあれば八五%は不適切だというような結果の中、今のところゼロ件というのは少し心配だと。
 というのは、今回、私、ツイッターの検索サイトで学校名をいろいろ入れてみて検索してみたんですね。私が見て不適切だというようなものというのは、簡単にちょっと検索しただけですが、見受けられなかったんですけれども、例えば中には恐らく実名だと思われる先生の名前を挙げて、〇〇先生と結婚したいとか、そういった書き込みがあったんです。
 ちょっとぎりぎりかすっているというか、今こうしている間にも、ツイッターでの書き込みというのは、日々日々どんどんどんどん書き込まれているというような状況なわけなので、こうした認識を持っていただきたいなというように考えているわけでございます。
 それで、最後に、ツイッターによる情報の流出、不適切な書き込みなどの現状と、そして今後についての教育庁の見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 ツイッターが新たなコミュニケーションツールとして利用者が多いことは承知しておりまして、こうした新たなコミュニケーション手段によりまして児童生徒が被害者や加害者になるとすれば、重大な課題としてとらえる必要があると考えてございます。

○西沢委員 三月の富士通総研の調査研究によると、利用率というのは、このツイッター、十代が一四・九%で一番高いそうです。ことしの三月の調査ですから、今はもっと多分変わってきているのかもしれませんが、認知率についても七割、今ひょっとしたらもっとどんどんどんどんふえてきているものなのかと思いますが、いずれにしましても、若い世代の利用というのが多いのは間違いございませんので、引き続きの監視、そしてチェック、子どもたちがトラブルに巻き込まれないような対応をお願いしたいということを要望して、簡単ですが、私の質問とさせていただきます。

○村上委員 私からは、まず最初に、新規採用教員の育成について何点かお伺いさせていただきます。
 先週、ちょうど十月二十六、二十七、ニュースで埼玉県の市立小学校の男性教諭、五十九歳が六年生の担任クラスで忘れ物をしたり、教室で騒いだりしている児童にセクハラさいころと称した罰ゲームをしていたことが報道されていました。
 また最近、教員の社会常識を疑うような事件を見聞きすることが多くなったような印象がございます。記憶に新しいところでは、都内の区立小学校の女性教諭、二十三歳の方が、授業中に自殺や殺人を題材にしたクイズを出題していたというような事件もありました。
 また、ことしに入って全国でたびたびこういった関連のニュースが流れているのを聞き、大変心を痛めています。埼玉県の教員は定年前、都内の教員は新規採用の教員であったということでございます。
 一概にはいえないと思いますが、この二つの事件を見ただけでも、教員として採用された時点でしっかりと育成していくことがいかに重要であるかということがわかります。
 そこでお伺いいたしますが、都教育委員会では毎年多くの教員を新規採用していますが、ことし、平成二十二年四月一日に採用された新規採用教員は何人か、そしてまた、その内訳についてお伺いをしたいと思います。

○岡崎人事部長 都教育委員会が平成二十二年四月一日に新規採用した教職員数は三千二十三名でございます。その内訳は、小学校で一千六百七十九名、中学校で六百二十六名、高等学校で三百九十七名、特別支援学校で三百二十一名となってございます。

○村上委員 大学などを新規に卒業した教員は、社会経験が不足している者が非常に多く、中には社会常識を十分に身につけていない者もいるとお伺いしています。
 一方、ベテラン教員の大量退職と都内の児童生徒数の増加傾向が続いている中、資質の高い教員の確保、育成がこれまで以上に重要になってきていると思います。
 特に新規採用教員の採用規模が拡大している上で、採用直後から学級担任となる小学校の新規採用教員については、計画的に育成していくための体制整備が急務であると考えます。
 都教育委員会では、いわゆる新卒の教員を育成する制度を今年度から新たに小学校に導入していますが、改めてどのような制度か伺うとともに、現在、この制度で育成している教員は何人なのか、あわせてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 今年度から導入いたしました学級経営研修は、退職した優秀で指導力のある教員を育成担当の教員として再任用し、新人教員の育成に当たらせる研修制度でございます。
 現在、八十名の育成教員が新人教員と二人で組んで学級を担任し、その豊富な教職経験を活用して、日常業務を通じ新人教員を指導しているところでございます。

○村上委員 全国に先駆けた取り組みは評価いたしますけれども、退職教員を活用したこの制度、研修は、どのような成果を上げているのか、あわせてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 この研修の対象となりました新規採用教員については、一般の新規採用教員と比べて、学習指導、生活指導、児童理解などの面で校長などから高い評価を受けてございます。
 また、新規採用教員からも問題発生時に速やかに指導が受けられる、何でも相談ができる環境にある、育成教員のすぐれた指導方法を間近で見て学べるといった声が寄せられております。

○村上委員 この制度が新人教員の育成に役立っており、大変よいものだと思いますし、よい制度は大いに拡充すべきだと考えます。
 都教育委員会は、今後、この研修をどのように充実していく予定なのかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 この研修をさらに充実させるためには、優秀な育成教員の確保と質の向上が必要でございます。
 そのため、今年度は早い段階から区市町村教育委員会を通じて、育成教員の果たす役割やその職務の魅力などを周知し、さらに多くの育成教員が確保できるよう取り組んでおるところでございます。
 また、今年度の学級経営研修におきまして、個々の育成教員が行ってきたさまざまな工夫や取り組みを次年度以降に全体で生かせるよう、育成教員に対する講習やテキストの充実を図ってまいります。

○村上委員 今年度導入したばかりの制度であることから、多くの成果を求めることはまだ早いのかもしれません。しかし、子どもたちにとっても、新人教員にとっても現場においてはありがたい制度であると大変好評であると思います。ぜひ、この新人教員、一年間育成した成果を持って、今後、育成教員の確保は難しいとは思いますけれども、ぜひ制度の拡充をお願いして、次の質問に移ります。
 次の質問は、栄養教諭について質問させていただきます。
 まず、質問する前に、本日、この文教委員会、委員長を除く十三名の委員がいるわけですけれども、十二名の先生方が質問に立っております。我が党の古賀先生は、運営の状況から今回は質問に立たれませんので、私はあえてこの栄養教諭の部分で、古賀先生が以前質問したものを引用させていただきながら質問させていただきたいと思っております。
 実は、平成十九年九月二十六日に、我が党では代表質問の中で栄養教諭、あるいは食育について質問をさせていただきました。それに伴いまして、我が党の古賀先生は、今度は同じ十九年十月二日にこの文教委員会で質問をさせていただいております。
 このときには、栄養教諭というものが東京都ではまだ実施されていない、こんなような状況の中で、古賀先生が食育というものの大切さ、この大切さというのは、古賀先生の言葉を用いますと、一つは生活習慣病の予防になるんだということ、それから食べ物を粗末にしない、物を残さない、こういったことの必要性が大いにあるんだというようなこともおっしゃっていたと思います。
 特にその中で、古賀先生がご質問した中で、これはぜひいらっしゃる議員の方にも聞いていただきたいと思ってちょっとご紹介をします。
 食育の食という文字は人をよくするという文字です。この人をよくするということは、食育を通じて人間の教育をしていくんだということが基本にあるんではないかということ、また、食育という言葉は今の時代、新しい取り組みだと思われるかもしれませんが、百年以上前から食育という言葉はあったということで、ちょっと引用させていただきます。
 明治三十一年、石塚左玄の「通俗食物養生法」という本の中に、今日、学童を養育する人は、体育も知育も才育もすべて食育にあると認識すべきということで、食育という言葉が出てまいります。
 それからちょっとおくれて明治三十六年、日露戦争前の年ですが、村井弦斎という人が「食道楽」に、小児は徳育よりも知育よりも体育よりも食育が大切。体育、徳育の根源も食育にあるというふうに、もう百年以上前に食育という言葉を使っていて、食育の大切さを語られておりました。この質問を古賀先生がされたわけで、私じゃなくて、古賀先生がした方が高尚な言葉で多分引用されたんだろうと思いますけれども、ご紹介させていただきます。
 また、そのときに、特に九月二十六日の代表質問のときに教育長のご答弁をいただいておりまして、このご答弁が学校教育全体として取り組みの中で食育をさらに推進するため、食育リーダーなどの東京都独自の仕組みを前提とした栄養教諭導入のあり方について検討を進めてきたと。
 今後は、この検討経過を踏まえた上で、具体的な任用方法などを決定し、関係教育委員会との協議を行った上で、早急にモデル地区を設置し、栄養教諭を配置するとともに、計画的に全市全区への導入を図っていくことが答弁としてございました。
 非常に力強いご答弁をいただいているわけで、この答弁をいただいた上で、我が古賀先生が文教委員会で再度この問題について質問をさせていただき、学務部長からも食育の必要性、栄養教諭の必要性についてご答弁をちょうだいいたしましたという前置きの後で、私の質問に入らせていただきます。
 近年の少子高齢化、都市化などにより生活様式が変化する中で、人々の価値観の多様化に伴って、子どもたちに栄養の隔たり、不規則な食事など、食生活の乱れなどが見られます。
 食育基本法におきましては、家庭が食育において重要な役割を有しているとあり、本来食育は家庭が中心となって担う必要がありますが、家庭だけで子どもたちが食に関する正しい知識を身につけていくことは難しい状況にあります。
 こうした背景を受けて改正された学習指導要領におきましても、総則に学校における食育の推進が盛り込まれ、また学校給食法においても、法の目的を学校における食育の推進とした上で、栄養教諭の位置づけが明確化されました。
 私は、学齢期における食育が非常に重要であり、学校教育における食育をこれまで以上に推進していく必要があると考えます。
 栄養教諭は、学校における食育を推進していくかなめでありますが、都における栄養教諭の導入については、我が党がかねてより提案をし、都教育委員会が平成二十年度より栄養教諭の配置を開始した経緯がございます。
 そこでご質問をさせていただきます。都の栄養教諭は他県と比較して配置人数が少ないように感じますが、どのような仕組みで食育を推進しているのかお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 都教育委員会は平成二十年五月に策定した東京都教育ビジョン(第二次)におきまして、栄養教諭を区市に計画的に配置することとしております。
 栄養教諭の職務は、文部科学省の通知では学校給食の管理及び食に関する指導とされておりますが、都教育委員会では、栄養教諭の職務として地区内の各学校の食育リーダーへの支援を独自に加えております。
 食育リーダーへの支援といたしましては、食に関する指導教材の提供、公開授業、研修会講師等による指導、助言をすることとしております。こうした食育リーダーへの支援を通じて、栄養教諭は所属校のみならず、都、あるいは区市町村全体に係る食育を担う重要な役割を果たしております。

○村上委員 それでは、都では配置された栄養教諭に対して、食の重要性にかんがみて研修はどのように行っているのかお伺いします。

○松山地域教育支援部長 都教育委員会では、新たに配置した栄養教諭に対して、教育公務員としての基礎基本や職務の遂行に必要な専門的事項に関する新規採用栄養教諭研修を実施しております。
 研修内容といたしましては、学習指導要領の理解、教材研究、学習指導案の作成、模擬授業等に係る講義、演習などで年間七回にわたっております。
 今後、食に関する先進事例などを研究するため、栄養教諭が定期的に集まる研究会、公開授業の見学会を実施し、地区の食育を一層推進してまいります。

○村上委員 今の説明で、都における栄養教諭の重要性、また研修の内容もわかりました。
 さて、今年度で配置が開始されてから三年が経過したわけですけれども、栄養教諭を導入した結果、どのような成果が上がっているのかお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 平成二十一年四月に改正された学校給食法におきましては、栄養教諭は、食に関する指導を行うに当たり、地域の産物を学校給食に活用すること、その他の創意工夫を地域の実情に応じて行うこととしております。
 都内では地域柄、農地や地場産物は他県と比較して少ない状況にありますが、各地区の栄養教諭は生産体験学習など地域に密着した食育の実践や学校給食への地場産物供給ルートの開拓等に取り組んでおります。
 具体的には、コマツナ、大根、米など学校給食に農作物を納入している生産者をゲストティーチャーとした農作業体験の指導、学校給食への伊豆諸島産海産物の活用や郷土料理の導入、有名シェフを招いた講演会の実施などさまざまな取り組みが行われております。
 都教育委員会は、このような取り組みを冊子にまとめ、都内公立全小中学校に配布し、広く食育を推進しております。

○村上委員 このような成果が上がっているということであれば、栄養教諭を充実し、食育を推進すべきと考えますが、お考えはいかがでしょうか。

○松山地域教育支援部長 これまで栄養教諭のさまざまなすぐれた取り組みによりまして、多くの成果が報告されておりますことから、今後とも栄養教諭を計画的に配置し、食育の充実に努めてまいります。

○村上委員 学校現場では、さまざまな工夫をして食育を推進しているということがわかりました。今後ともこのような取り組みが拡大し、子どもたちへの正しい食育の機会をより多く確保していただきますように要望いたします。
 また本日、農業祭がありまして、農業祭に行ってまいりましたときに、こんなお話がありました。農業高校や園芸高校、こういった学校がありまして、そちらの校長先生なんかは、ぜひ学校でつくった農作物、特に今のご説明でもありましたけれども、八王子市では高倉大根、練馬区では練馬大根、葛飾区では金町小カブという、江戸、東京を代表した産物があるということですので、今、講師を招いて、あるいはチームリーダーとしてというような、栄養教諭、あるいは食育リーダーの活躍の仕方というところで触れられましたけれども、ぜひこういったような学校でも農業体験をするとか、あるいは農作物を見るというような形で都市農業にも触れていただければありがたいな、そんなふうに思います。
 また、局は違いますけれども、産業労働局の方では、やはり給食で東京都の農作物をつくり、給食での提供をということで、八王子市でもそういう農地を確保していきたいというような取り組みもされているようですから、局横断的にやはり伝統的な東京の代表の産物を大いに利用していっていただければありがたいということでお願いをさせていただいて、次の質問に入らせていただきます。
 平成十八年十二月、六十年ぶりに教育基本法が改正され、教育の目標には、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことが明確に位置づけられました。
 その後、学校教育法の改正も行われ、平成二十四年度からは中学校学習指導要領が完全実施となります。
 中学校の保健体育においては、武道とダンスが必修となり、すべての学校で、すべての生徒が武道とダンスを学習することとなっています。
 我が国固有の文化である武道をすべての生徒が正しく学ぶためには、質の高い教育が行われることが必要です。
 このたびの中学校学習指導要領の改訂により武道が必修となりましたが、中学校の保健体育の授業におきましては、今後、具体的にどのように武道の授業が実施されることになっているのかお伺いいたします。

○高野指導部長 現行の中学校学習指導要領では、中学校第一学年で武道またはダンスのいずれかを実施し、第二学年、第三学年では、球技、武道、ダンスのうちから二つの領域を選択し、実施することとなってございます。したがいまして、必ずしもすべての生徒が武道を学習することとはなってございません。
 今回の学習指導要領の改訂によりまして、平成二十四年度からは第三学年になるまでにすべての生徒が武道を学習することになりまして、実施種目といたしましては、柔道、剣道、相撲の中から一つを選択して学習することとなってございます。

○村上委員 武道の指導というものは、他の運動種目に比べて専門的な知識、経験、技量が必要とされるといわれております。中学校の教育現場においては、みずから実践した経験や、生徒に指導した経験がないという教員もいると伺います。
 都内公立中学校におきましては、武道授業の実施状況や、担当する保健体育科の教員の指導経験について、どのような現状であるのかお伺いいたします。

○高野指導部長 平成二十一年度に都教育委員会として独自に実施いたしました学校における武道及びダンスの指導に関する調査によりますれば、都内公立中学校六百二十四校中五百七十八校におきまして武道の授業が実施されております。
 実施種目といたしましては、柔道が七八%、剣道が一六%、相撲が五・四%でございました。
 また、中学校の保健体育科教員千四百七十四人のうち、武道指導の経験のある教員の割合は、柔道六三%、剣道三一%、相撲八%という結果でございました。
 さらに、段位を有する教員の割合は、柔道が四〇%、剣道が一四%、相撲が一%という結果でございました。

○村上委員 今のご答弁を聞きますと、教員の割合の中で、柔道が六三%、剣道が三一%、相撲が八%。なお、段位を有する教員の割合はもっと低いというようなお話でした。
 専門的に指導できる教員が少ないという現状であるならば、武道の授業に地域の専門家などの外部人材を活用することも必要ではないかと考えます。
 地域の専門家などの外部人材を活用する場合には、関係する競技団体との連携や指導内容、方法の調整などが必要となります。外部人材を活用し、質の高い授業を展開していくためには、担当する教員と地域の専門家とのチームティーチングのあり方などをより一層研究する必要があると考えますが、都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。

○高野指導部長 学校の授業においては、教員が生徒の指導を行うことが基本ではございますが、お話しのように、地域の有段者など、外部の武道専門家の力を活用することは、武道指導をより充実する上で極めて有効であると考えてございます。
 都教育委員会は、既に柔道や剣道の競技団体などと武道専門家の活用について協議を進めてきておりまして、今年度からは、地域の競技団体の協力のもと、保健体育科教員の指導力向上を図ることを目的といたしまして、外部指導員を活用する武道、ダンスモデル事業を都内十校の中学校において実施しているところでございまして、実践的な事業モデルづくりの研究を進めているところでございます。

○村上委員 今、ご説明がありましたけれども、都内の中学校十校で研究開発を進めている。モデル事業ではどのような取り組みや外部の武道専門家の導入による武道の授業を行っているのか、現段階でわかる範囲で結構ですから、具体的にお示しいただきたいと思います。

○高野指導部長 平成二十四年度から実施されます中学校学習指導要領によれば、中学校の保健体育の授業は、体つくり運動、器械運動、陸上競技、水泳、球技、武道、ダンス、体育理論、保健の九つの領域で構成されておりまして、年間百五時間の授業時数が割り当てられております。
 このため、武道の授業は年間で十時間から二十時間の間で、各学校が授業時数を適切に定めて実施することとなります。
 モデル事業では、武道を専門的に指導することのできる教員が少ないという実態を踏まえまして、地域や関係団体の武道専門家を授業に導入することによりまして、より質の高い武道授業の実現を目指して実践研究を進めることとなってございます。
 例えば、文京区立第十中学校では講道館から、調布市立第八中学校では東京都柔道接骨師会からそれぞれ推薦された柔道の専門家が生徒の指導に当たることとなってございまして、関係団体との連絡調整のあり方や、ともに指導に携わることによる担当教員の指導力向上について実践研究を進めてまいりたいと考えております。

○村上委員 武道の授業を行う場合、例えば、柔道では畳と柔道着が必要となります。剣道では竹刀と防具が必要となります。相撲においては土俵やまわし、土俵というのは室内用の土俵ということもありますけれども、こういったものが必要となります。
 平成二十四年度の学習指導要領完全実施が目前に迫り、現在、都内公立中学校では、そうした武道に必要な用具等の整備状況はどのようになっているのかお伺いいたします。

○高野指導部長 お話しのとおり、武道の授業では、例えば、柔道では柔道着と畳の道場が必要なように、我が国に伝統的に伝わる特有の用具や設備が必要でございます。
 学校における武道及びダンスの指導に関する調査によれば、都内公立中学校の三分の二には武道専用の施設が設置されておらず、体育館や教室などを使用して武道の授業が行われているところでございます。
 また、各中学校では、武道の授業を実施するに当たり、課題となっている事項といたしましては、施設や用具の不足を指摘する学校が半数を超えているという結果でございました。

○村上委員 柔道は、わざを仕掛けて相手を倒す競技です。しかし、単に相手を倒すことが武道本来の目的ではないと私は考えます。
 武道には、礼に始まり礼に終わるという教えがありますように、格闘的な競技の中にあって、礼法により相手を尊重する態度をしっかりと指導していくことが私は最も大切であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○高野指導部長 武道の学習を通して、生徒が我が国固有の伝統や文化に触れ、伝統的な考え方や行動の仕方を大切にいたしまして、自分で自分を律することのできる克己、この心を身につけていくことは、国際社会をたくましく生きていく日本人として必要なことであり、心豊かな青少年を育成していくことにも寄与するものと考えてございます。
 特に武道では、格闘的なけいこを行う中にあっても、互いに精神と体を鍛え合う、相手を尊重するという礼の精神を大切にしてございまして、厳しい練習の中にあっても、礼法を正しく行えるよう指導することは、授業や部活動のみならず、日常生活にとっても重要なことであると考えてございます。

○村上委員 武道必修化という本来の目的を達成していくためには、学校における指導を充実することはいうまでもありません。区市町村においても、実技講習会や研修会が盛んに行われています。
 しかし、中学校のことといえども、都教育委員会として、例えば中学校の保健体育の先生に向けて、指導の重点事項を示したチラシや、武道の目的や、安全に配慮した指導のあり方などを示したパンフレットを配布するなどの取り組みを行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○高野指導部長 武道必修化の目的は、武道の学習を通して、生徒が我が国固有の伝統と文化により一層触れることにありまして、我が国の伝統的な考え方や行動の仕方を十分に理解することでございます。
 このため、都教育委員会は、昨年度、児童生徒用に、柔道、剣道、相撲の実技をわかりやすく解説いたしましたDVD視聴覚教材を作成いたしまして、各学校に配布したところでございます。
 現在、教員の指導力向上に資するよう、柔道、剣道、相撲などについて、具体的な学習指導計画を例示いたしました中学校、高等学校教員用の指導事例集の編集も行っているところでございまして、今年度中に学校に配布する予定でございます。

○村上委員 お取り組み、ありがとうございます。
 教員には、職務を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない義務がございます。
 一方、任命権者である都教育委員会には、教員が不断に研修を行える研修計画を立てて、教員としての資質、能力の向上に資する方策を講じていく責任がございます。
 武道必修化というものの未来の目的を達成していくためにも、適切に武道指導を行うことができるよう、教員研修を充実していく必要があるのではないかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○高野指導部長 武道の指導では、指導者に知識、経験、技量などの専門的な指導力が必要でございますので、武道指導に関する研修は重要な課題でございます。
 このため、区市町村で行われている研修会に加えまして、現在、東京都教職員研修センターが行っている体育大学での武道の実技研修会におきましても、新たに生徒用の武道実技DVD視聴覚教材や、教員用の指導事例集の活用を図りまして、より一層、教員研修の内容の充実に努めてまいります。

○村上委員 中学校における武道授業の現状と必修となっていく上での課題が明らかになってまいりました。学校での授業は担当する教員が行うことが基本ですので、今後とも教員の指導力向上に努めていただきたいと思います。
 また、中学校の武道授業に地域の専門家などの外部人材を導入していく場合には、今後の課題として、関係する競技団体との連携、協力や、派遣された指導者への謝礼等の問題も発生すると考えられます。
 中学校における武道の必修化ですので、基本的には各区市町村教育委員会がそれぞれ責任を持って学校における武道授業の充実を推進することとなると思います。
 都教育委員会としましても、教員研修を充実していくことや、外部人材の積極的活用を促進できる仕組みを整備することなどを通して区市町村教育委員会を支援し、武道の必修化が中学校においても形骸化しないための方策を引き続き検討していただくことを要望して質問を終わります。

○中山委員 それでは、特別支援教育、外部人材の活用、それから学力向上策や新人教員の育成を通じた教育の質的向上の大まか三点について質問させていただきます。
 まず、特別支援教育でございます。
 都の特別支援教育推進計画第三次実施計画の案の骨子では、今後、肢体不自由特別支援学校における新たな指導体制の整備策として、教員と介護の専門家が連携して教育活動に当たるチームアプローチの体制を順次導入していくとしております。
 このチームアプローチの体制につきましては、現在、永福学園と青峰学園において試行的な導入が進められていると聞きますが、高齢者の介護の経験しかない方が障害児の介助に当たるという問題点が指摘されたり、介護の専門家の導入によって教員の数が削減されてしまうということへの不安感というものを現場では聞かれていると私もお伺いしております。
 そこで、外部人材の導入に当たっての質の確保と、教員と外部人材との配置上の考え方について、まずお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 肢体不自由特別支援学校における児童生徒の障害の重度重複化に適切に対応するため、東京都特別支援教育推進計画に基づき、教員だけでなく、外部人材である介護の専門家、理学療法士、看護師等の複数の専門家によるチームアプローチ体制の構築を進めているところでございます。
 永福学園、青峰学園における試行的な導入に当たっては、導入前の一定期間、外部人材が実際に勤務する学校での自主研修期間を設け、児童生徒の理解や教育等の意思疎通を図っているところでございます。
 また、外部の専門家と教員の配置については、専門教員一名の削減に対して複数の介護の専門家を導入しており、例えば永福学園においては、専門教諭十二名を削減し、外部人材を二十四名導入しているところでございます。
 今後、両校における試行結果の検証を踏まえ、外部人材の効果的な研修内容、方法のあり方や教員配置のあり方について検討を行ってまいります。

○中山委員 外部人材の導入を進めていくに当たりましては、今後とも保護者の意見も十分に聞いていただいて、試行の状況をよく説明した上で実施していくべきと考えます。
 教員を一名減らして、外部人材を二名ふやすというバランスのいかんも、この試行期間の成果をよく丁寧に吟味していただいて、今後に生かしていただきたいというふうに思います。
 次に、異なる障害教育部門を併置する学校、いわゆる併置校の整備に関連した内容をお伺いいたします。
 第三次実施計画案の骨子では、特別支援学校の再編整備案が示されており、立川ろう学校などの併置化が記載されております。
 児童生徒の障害の状況の重度重複化が進む中で、複数の障害教育部門をあわせ持つ学校の設置は、それぞれの教育部門の連携により、重度重複の障害の子どもたちにとって教育的な効果も期待できるところではありますが、そうした教育効果が十分に発揮されるためには、その前提として、それぞれの教育部門の専門性の維持向上が推進されなければいけないと考えます。
 併置化される学校では、教員がそれぞれの障害教育部門ごとに教員の定数を算定して配置すると聞いておりますが、実際は本来配置された障害教育部門と異なる部門に日常的に配置されてしまい、それが実態として定着してしまうこともあるのではという不安の声が聞かれます。
 仮にそうしたことがあれば、本来配置される障害教育部門の教員配置が手薄になってしまい、各障害教育部門の専門性の維持向上に支障を来すことが危惧されます。
 そこで、併置化に伴って、各障害教育部門相互で教員を利用することについてはどのように考えているのかお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 複数の障害教育部門を併置する特別支援学校における教員については、基準に基づいて障害教育部門ごとに、算定上必要な人数を配置してございます。
 教員の実際の配置につきましては、学校行事や緊急時等の場合に、学校長判断で障害教育部門相互で教員を柔軟に活用していくことがありますけれども、基本的には、配置された障害教育部門において教育活動に従事し、日常的に部門間を超えて教員を配置することはございません。

○中山委員 今、私がお伺いしましたのは、現在の小学部門、中学部門、高校部門の三種の校種間が特別支援学校の体制の中で、校種を超えて、どちらかといえば手のかかる低学年の方に学校長の裁量的な判断により、教員が差し向けられているという日常もあるという実態を父母の方がご存じで、私に不安の声を寄せてくださったからでございます。
 今のご答弁で、日常的に障害の種別を超えて、本来の配置と異なる教員の融通はしないということでございましたので、大変安心いたしました。ただし、ご答弁にもありましたように、行事等の短期的取り組みや突発事態のときには、学校長の柔軟な判断は現場の工夫として尊重したいと考えております。
 次に、特別支援学校のスクールバスについて伺います。
 現在、各特別支援学校のスクールバスは、毎年度、入札制度の中で業者が選定されております。このため、毎年度一定数の新規参入の業者があり得るわけでございますが、運転手や添乗員の障害児に対する理解が不十分であったり、車いすやリフト操作等がふなれな場合があったりするとも伺っております。
 スクールバスの運転手や添乗員の方は、スクールバス走行中の安全確保の大事な役割を担っておりますことから、添乗員の質の確保は大変重要な課題でございます。
 そこで、スクールバスは、毎年度、バス会社が入札により決められていくわけですが、保護者が安心して我が子を託すことができるよう、優良な事業者を優先的に確保できるような工夫はできないものかお伺いをいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 現在、スクールバスの契約に当たりましては、乗務員に対する研修を運行会社が行うよう義務づけております。
 また、保護者や都民から苦情等がある場合には、当該乗務員や運行会社に対して、学校を通じて速やかに具体的な指導を行っております。
 さらに、障害のある児童生徒や特別支援学校の教育内容等に関する理解を深めるために、必要に応じて学校が主催または協力するなどして、乗務員や運行会社関係者に対する研修を実施しております。
 今後とも特別支援学校のスクールバスの安全運行と乗務員の質の確保に向けた工夫等について検討を進めてまいります。

○中山委員 スクールバスは、障害のある子どもたちの重要な通学手段の一つであり、バスの運行が障害に理解があり、福祉的なサポートの充実した会社によって行われていくことが望ましいと考えます。そうした観点から、保護者が安心できる優秀な事業者と契約できるように工夫を図ってほしいと思います。
 障害者の介助などにふなれな乗務員が配属された場合、現在は年度当初、スクールバスによる通学時間が通常の倍もかかって、ただでさえ疲れやすい障害児が本当にくたびれてしまうこともあったそうであります。
 ふなれな乗務員が配置された場合も、ご父母の方々は懸命に手伝い、教えてあげるそうでございますが、せっかくなれてきても、翌年度、また新しい会社が落札すれば、再度なれない方が配置されるかもしれません。また、仮に同じ業者が落札しても、実際に配置される乗務員の方は新人かもしれません。
 こうした堂々めぐり的なむだをぜひ排除できる取り組みをお願いしたいと思います。落札金額がすべてではないということを強調しておきたいと思います。
 次に、寄宿舎の問題でございます。
 第三次実施計画の骨子では、城北特別支援学校の寄宿舎を閉舎する計画が示されておりますが、寄宿舎を利用している児童生徒の中には、大変厳しい状況のご家庭もございます。
 こうしたご家庭の中には、区の福祉サービスだけでは十分な支援を期待できず、大きな不安を感じていらっしゃる方もいます。寄宿舎の閉舎に当たっては、個々のご家庭が寄宿舎閉舎後の生活に不安を感じないように対応する必要がございます。
 都教育委員会としては、どのような支援を行っていくつもりなのか。また、保護者が不安を払拭できるよう、具体的な支援策を講じていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 寄宿舎の閉舎に当たりましては、児童生徒や保護者が学習や生活に不安を感じることのないよう、地元自治体や児童相談所などの都の関連部署と連携を図りながら、児童生徒の個別の事情に応じた福祉的サポート等、必要な支援が受けられるようにしていくことが重要であると考えております。そのため、都教育委員会としては、学校を通じて個々の児童生徒の状況等の把握に努めるとともに、地元自治体等とも意見交換を行っております。
 また、閉舎後の児童生徒の通学について、スクールバスの増車や小型化による通学時間の短縮や、寄宿舎を設置する他の肢体不自由特別支援学校への転校などの方策について検討していくとともに、関連部局との連携を深めてまいります。
 今後とも一人一人の生活実態を踏まえ、具体的な支援策を検討し、保護者のご理解をいただけるよう努めてまいります。

○中山委員 今のご答弁でございました一人一人の生活実態を踏まえて、具体的な支援策という点は非常に大切だと思います。
 寄宿舎を利用しているお子さんの保護者一人一人の理解が得られない中で、閉舎だけが既成事実化していくことは許されないと考えます。
 もし、具体的な支援が単なる努力目標で終わり、だれの目から見ても見切り発車的な形で寄宿舎が廃止されてしまえば、都の特別支援教育制度の全体が悪くいわれてしまいます。一人一人の生活が不安になることがないよう、徹底して具体的な支援策を講じていただきたいと要望させていただきます。
 次に、寄宿舎閉舎における教育内容の充実について伺います。
 寄宿舎は、通学困難な児童生徒の就学を保証する施設ではありますが、入舎している児童生徒にとってみれば、将来の自立と社会参加に向けて基本的な生活習慣を獲得していくための体験を行える場でもあります。
 障害のある子どもたちにとって、自分の身の回りの事柄を自分で処理する力を身につけていくことは重要であり、こうした指導は特別支援学校の重要な役割の一つであると考えます。
 そこで、寄宿舎閉舎後も、子どもたちがこうした身辺自立に関する事柄を学ぶことができる学習の機会をどのように保障していくのか、見解をお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 障害のある児童生徒にとって、日常生活に必要な着がえ、洗面や歯磨きなどの基本的生活習慣を確立することは、将来の自立と社会参加に向けて重要でございます。
 特別支援学校では、一人一人の児童生徒の障害の程度に応じて日常生活の指導を計画的、継続的に実施しているところでございます。
 都教育委員会としては、寄宿舎を閉舎する学校には、障害種別に応じて生活訓練室を整備していくこととしており、城北特別支援学校においても、南花畑特別支援学校との統合に当たり、施設整備を行う中で生活訓練室の整備を図ってまいります。
 施設整備後は、生活訓練士を活用し、在籍するすべての児童生徒の日常生活の指導を充実させていくとともに、肢体不自由校における宿泊学習の充実方策についても検討してまいります。
 さらに、現在、特別支援学校に在籍する児童生徒が、夏季休業中に盲学校等の寄宿舎施設を活用して学習や交流を深める事業を実施しており、今後もこうした事業の充実を図ってまいります。

○中山委員 障害のある子どもたちの自立と社会参加に向け、日常生活における身辺自立はまことに重要であります。寄宿舎閉舎後、城北特別支援学校における日々の指導の充実はもとより、宿泊学習が確実に実施されていくことを望みます。
 次に、城北特別支援学校と南花畑特別支援学校の施設整備についてお伺いいたします。
 この二校は、区画整理により校地面積が減少することとなっております。また、第三次実施計画案の骨子では、両校は統合し、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門を併置する学校となることが示されております。こうした状況から、二校の教育環境は大きく変化することが予測されます。
 そこで、当該地区の区画整理事業や両校の統合、併置化に伴って、今後必要な施設整備が行われると思いますが、この施設整備は、両障害教育部門にとって教育環境がさらに充実するものとなっていくということが重要と考えます。統合に当たっての施設整備の考え方についてお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 お話しのように、第三次実施計画案の骨子では、城北特別支援学校は、隣接する南花畑特別支援学校と統合し、複数の障害教育部門を併置する学校として再編していくとしたところでございますが、施設整備の具体的なスケジュールについては、今月公表予定の第三次実施計画でお示ししていく予定でございます。
 なお、具体的な整備内容につきましては、今後PTAを初めとする両校の関係者等で構成する基本計画検討委員会の中で検討してまいりますが、それぞれの障害教育部門に必要な教室を確保するとともに、安全性を考慮した共用エリアの設定、教育機能の充実を図るための設備のあり方など、両部門の専門性ある教育が十分に実施できる環境整備に努めてまいります。

○中山委員 都教育委員会におかれましては、区画整理事業に伴う両校の整備に当たりまして、区画整理によって要らぬ迷惑をこうむるという後ろ向きな気持ちをできる限り関係者に払拭してもらえますよう、夢と期待感を区画整理後の新校舎整備、機能に対して抱いていただける取り組みをお願いしたいと思います。
 あわせて、区画整理は長期間になると思いますので、児童生徒、ご家族には何かとご不便をおかけすると思われますが、不快感や不都合をできる限り軽減できる取り組み、都教育委員会として可能な点につきましては、積極的にご対応をお願いしたいと思います。
 次に、キャリア教育、小学校の英語教育、中学校の武道の充実などにおきまして、外部人材の活用について質問申し上げます。
 生徒一人一人の社会的、職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てるキャリア教育を推進するためには、学校が家庭や地域、企業等と綿密に連携していくことが重要でございます。
 とりわけ、キャリア教育を推進する上で有効な手段であるインターンシップを教育活動に取り入れていくには、受け入れ先となる企業など、外部機関との連携が不可欠でございます。
 しかしながら、学校がインターンシップ受け入れ先を独自に探すためにはかなりの負担が強いられますため、都教育委員会の支援が必要であります。都教育委員会は、都立高校によるインターンシップの受け入れ先の確保に向けてどのような支援を行っているのか、お伺いをいたします。

○高野指導部長 高校生に望ましい勤労観、職業観を育てるためには、インターンシップが有効な手段の一つでございまして、お話しのとおり、そのためには受け入れ先の確保が重要であると考えてございます。
 このため、都教育委員会は、インターンシップ受け入れの協力を呼びかけるリーフレットを作成いたしまして、各学校を通しまして地元の企業等に配布してまいりました。
 また、平成十八年度に都内の国際ロータリーとインターンシップに関する基本協定を締結いたしまして、平成十九年度から相互に連携してインターンシップ事業を実施するとともに、国際ロータリーとのインターンシップ事業連絡会を開催するなど、各学校のインターンシップの受け入れ先の確保と実施方法の改善に向けた支援を行ってまいりました。
 こうした国際ロータリーとの連携により、現在、七千八百六十四のインターンシップの受け入れ先を確保してございまして、都立高校におけるインターンシップ事業を支援しているところでございます。

○中山委員 都立高校におけるキャリア教育や奉仕の授業などにつきましては、外部人材による教育支援を行うことが効果的と考えます。
 しかしながら、これらの外部人材の養成及び活用は、一部に先進的取り組みが見られるものの、全都的に考えますと、いまだ課題があり不十分といわざるを得ません。各学校の要望にこたえられる人材の確保や支援内容の充実が必要であります。
 その点、都教育委員会は、都立高校の教育を支援する教育サポーターの養成を行っていると聞いておりますが、その養成事業の取り組み状況についてお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 さまざまな社会経験を積んだ外部人材による教育支援は、生徒が専門的な知識や技術に触れる貴重な機会となりますとともに、社会の一員としての自覚を養う上でも重要でございます。
 都立高校においては、教科「奉仕」、キャリア教育などで積極的に外部人材を導入する取り組みが行われ、具体的には、正社員とフリーターの違いや自分の経済力に見合った生活設計を考えさせる授業、また社会人としてのマナーを学ぶ授業など、多様なプログラムが展開されております。
 こうした取り組みにより、生徒が自分の将来について真剣に考え積極的に行動するようになった、教員が指導方法の改善に取り組むきっかけとなったなどの効果があったと聞いております。
 都教育委員会は、こうした取り組みを一層拡充するため、平成二十一年度から職業理解、福祉、ニート、フリーター対策、国際理解の四分野における教育サポーターの養成講座を開始し、百十七名が修了いたしました。
 平成二十二年度におきましては、昨年度と同様の養成講座を行うとともに、昨年度の修了者のレベルアップを目的とした講座も新たに開始することとしておりまして、引き続き教育サポーターの充実を図ってまいります。

○中山委員 新しい教育サポーターの取り組みは、今のご答弁にもありましたように、職業理解も取り組み対象の一つとしており、キャリア教育の充実を図る上でも有効でございます。
 先ほど国際ロータリーの話がございましたが、そうした指導部のご努力によるインターンシップの充実とあわせて、インターンシップの体験学習の前後の教室内授業におきまして、教育サポーターの活用、活躍をお願いしたいというふうに思います。ぜひ、指導部と地域教育支援部の共同によりまして、そうした取り組みを行うとともに、教育サポーターの広い人脈も生かして、インターンシップ先の開拓にもご協力いただければと要望させていただきます。
 いよいよ平成二十三年度には小学校で、翌二十四年度には中学校で、新学習指導要領が全面実施されます。十年ぶりに改訂された新しい学習指導要領は、現行よりも学習内容が増加し、例えば小学校における外国語活動や、中学校保健体育科における武道やダンスの必修化といった新しい内容が加わっております。
 新学習指導要領に基づく新しい学習内容が円滑に実施できるよう、区市町村の教育委員会のみならず、都教育委員会も各学校に対して積極的に支援を取り組んでいくべきでございます。
 まず小学校の外国語活動についてお伺いいたします。
 小学校の外国語活動は、今回の学習指導要領の改訂により初めて導入される教育活動であり、多くの小学校の教員が外国語活動の指導に不安を抱えていると推察されます。
 そこで、外国語活動が各小学校において円滑に実施されるために、都教育委員会のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会では、外国語活動の授業の円滑な実施を目的といたしまして、平成二十年度に東京都小学校外国語活動推進委員会を設置いたしまして、東京都としての外国語活動についての基本的な進め方を検討いたしまして、報告書に取りまとめ、都内全公立小学校に配布したところでございます。
 また、平成二十年度に小学校外国語活動開発委員会を設置いたしまして、文部科学省が教材として作成いたしました英語ノートを活用した指導の実際と評価のあり方について研究開発を行い、その成果を指導資料集にまとめて各学校に配布するなどして、普及開発を行ってきました。
 さらに、小学校の学級担任などが外国語活動の指導力を向上することができるよう、都教職員研修センターにおきまして平成二十年度と二十一年度の二年間に中核教員研修を実施したところでございまして、現在、その受講者が校内において研修会を運営し、すべての教員の指導力向上を図る取り組みを計画的に行っているところでございます。
 今後とも、都教育委員会は、リーフレットの作成や教員研修の充実などを通しまして、各小学校における外国語活動の授業の円滑な実施を支援してまいります。
〔「教員研修は海外に派遣してやるのが一番いい」と呼ぶ者あり〕

○中山委員 今、海外派遣の話が出ましたので、ぜひよろしくお願いします。
 新学習指導要領における外国語活動の目標がどの小学校でも達成できるよう、都教育委員会として各小学校を十分に支援していただきたいと思います。
 ところで、外国語活動を進めるに当たっては、担任の教師、教員などが授業を行うことを前提としながらも、ALTを活用することが小学校の教員の負担を軽減することにもつながると考えます。
 今の小学校の各教員は、皆、原則的には教員免許の取得課程の中で英語指導の教職科目を履修していないという方々ばかりでありまして、さまざまな不安を抱えていると思います。
 そこで、平成二十一年度から新学習指導要領の移行期間に入り、多くの小学校で外国語活動が実施されていると思いますが、小学校におけるALTなどの外部人材の活用状況についてお伺いをいたします。

○高野指導部長 小学校学習指導要領外国語活動には、授業の実施に当たってはネーティブスピーカーの活用に努めるとともに、地域の実態に応じて外国語に堪能な地域の人々の協力を得るなど、指導体制を充実することが示されてございます。小学校外国語活動における多様な外部人材の活用は極めて重要であると認識してございます。
 平成二十一年度に都教育委員会が行った調査では、都内公立小学校の約九七%で外国語活動が実施されてございまして、特に第五学年及び第六学年においては外国語指導助手、いわゆるALTが約九二%の小学校で、外国語に堪能な地域の人々が約二九%の小学校で活用されているところでございます。
 今後とも都教育委員会は、小学校外国語活動の指導を直接担当する教員の指導力の向上を図るとともに、外部人材を活用した適切な授業のあり方について区市町村教育委員会と連携いたしまして各小学校を指導してまいります。

○中山委員 一部報道では、実態はともかく、お隣の韓国などの英語教育に比べて日本は随分おくれをとっているというようなことが伝えられております。ぜひともALTの派遣会社のみならず、子育てを終えた優秀な女性や海外経験の豊富な企業OBなど、地域で眠っている外国語に堪能な人材の活用で都内の小学校の英語教育の実効性を高めていただきたいと思います。
 平成二十年三月に告示されました中学校の学習指導要領では、中学校の保健体育科の授業における武道の必修も示されております。
 武道の必修につきましては、先ほど村上副委員長から有意義な質疑がございましたので、重複する部分は割愛させていただきますが、私からも用具が調達できるとか、用具に関して生徒に負担をかけちゃうんじゃないかという心配だとか、あるいは教える側にとって余り親しみがないといいますか経験がないといったようなことが、結果的にどの武道を選択するかということに影響を与えてしまうということは、できる限り避けていただきたいと。そういう面で外部人材の活用ということをお願いしたいと思います。
 男性教員もダンスは教えにくいかもしれませんし、相撲を教わったことのある女性、体育の先生も少ないのかもしれませんし、そういった面で非常に大事かと思います。
 また、村上副委員長からも、武道の必修化の目的として、礼ということの日本古来の伝統的な大事な精神の学習になるという指摘がございました。
 この点だけ質問させていただきたいんですが、先ほどお話がありましたように、年間十時間ということは三年間で十時間ということですよね。その中でいわゆる本当の礼儀作法というような、一学年ですか。一学年で十時間。ごめんなさいね。本当の武道の目的である礼というものを学んでいただくということは、やはりかなりの達人に直接指導していただくとか、そうしたものがないと、やはり効果があらわれにくいものじゃないかと思います。
 もちろん教科書に書いてあって、武道では礼が大事なんですよというようなことを言葉で伝えることはできるんですけれども、身の振る舞い方とか立ち居振る舞いということを通じて教えていけるというのは、やはり専門家じゃないと難しい点があります。そういうふうに思いますが、都の教育委員会として、そういう武道の学習目的を果たしていく上で外部人材の効果についてどう考えていらっしゃるのかお伺いいたします。

○高野指導部長 学校における授業は教員が指導することが基本ではございますが、先生お話しのとおり、武道は他の運動に比べて専門的な指導が必要とされる領域でございまして、有段者などの外部の武道専門家の力を活用することが、我が国固有の考え方や行動の仕方など武道本来の特性を指導する上で極めて有効な方法であると考えてございます。
 こうしたことから、都教育委員会は現在、モデル事業を行ってございますが、今後とも区市町村教育委員会や地域の関係団体と連携を深め、我が国固有の伝統文化である武道授業の充実を図ってまいります。

○中山委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、教育の質の向上ということを念頭に置きながら、まず学力の向上についてお伺いいたします。
 新学習指導要領の趣旨は生きる力の育成であり、基礎的、基本的な知識、技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成が重視されております。子どもたちに基礎的、基本的な力を身につけさせるには、まず子どもたちの学力の実態を詳細に把握する必要があり、国や都が学力調査を実施することが大変重要であると考えております。
 国は平成十九年度から全国規模の学力調査を実施しておりますが、その結果を見ますと、いわゆる上位県というものは固定しております。そのことから、上位県では東京都としても参考とすることができるような何らかの取り組みを行っているのではと推察されます。
 都教育委員会は、国が実施した学力調査の結果から分析した都内公立小中学校の児童生徒の学力の状況をどのようにとらえているのかお伺いいたします。

○高野指導部長 国の全国学力・学習状況調査の結果によりますれば、東京都の公立小学校の児童は毎年上位グループに位置してございまして、極めて良好な状況にあるといえると考えております。
 また、公立中学校の生徒につきましては、昨年度までは全国平均とほぼ同程度でございましたが、今年度の調査結果では上位グループに位置してございまして、良好な状況にあると考えております。
 東京都の公立小中学校の児童生徒の基礎的、基本的な事項の定着状況は全体的に良好ではございますが、長い文章を読んで内容を把握することや情報を整理して判断することなどに課題がございまして、活用や応用についての指導が必要であると認識してございます。

○中山委員 都教育委員会の取り組みにより都内の児童生徒の学力が着実に進展しているということをお伺いして安心しましたし、これからもよろしくお願いしたいと思います。
 今後、その課題解決のために、先進的な取り組みをしている他県に学ぶ必要がございます。都教育委員会は、国の学力調査で上位に位置しているような県の取り組みについて、現在どのように把握しているのか、また、それを今後の都教育委員会としての取り組みにどのように生かそうとしているのかお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会は、平成二十一年六月から七月にかけまして、国の全国学力・学習状況調査の結果において継続して上位に位置している秋田県、福井県、富山県の三県の教育委員会や学校を訪問いたしまして、視察や聞き取りを行ったところでございます。
 こうした視察の結果から、どの県においても基本的な生活習慣の定着、そして授業規律の確立、学校、家庭、地域の連携、そして県独自の学力調査の実施といった点が共通して取り組まれていることがわかったところでございます。
 都教育委員会は、先進県のこうした取り組みを参考にしつつも、都としてこれまで実施してきた学力調査のあり方について分析、考察を加え、さらに工夫、改善することや、区市町村教育委員会に対する支援策を講ずることなどを通しまして、東京都の公立小中学校の一人一人の児童生徒のさらなる学力向上に努めてまいります。

○中山委員 他県の取り組みを丹念に調査された都教育委員会の取り組みを評価いたします。学ぶはまねるから始まるともいわれておりますし、成績上位県の取り組みなどをぜひ参考にして、学力向上策を充実させていただくことを望みます。
 また、この取り組みは、ぜひ今後数年間かけて実効性のあるものとして形づくり、後年、都民から賞賛されるような取り組みとしていくべきと考えます。学力向上の取り組みは、学校や教育委員会内部だけに決して終始させてはならないと考えます。都教育委員会、区市町村教育委員会、家庭、地域が連携を図るとともに、教育サポーターやさまざまな外部人材を有効活用して、東京の大人社会の総力を挙げて、東京の子どもたちの学力向上を図っていくべきと提案させていただきます。
 また、学力調査につきましては、さっきありましたように非常に大事なものですから、簡単に行く末を定めるべきではない、しっかりと取り組んでいく必要があるというふうに思っております。
 最後に、育成教員による新人指導について質問させていただきます。
 この点も先ほど村上副委員長の質疑がございましたので、重複する部分は割愛させていただきますが、平成二十二年度から新人教員に対する新たな育成制度として学級経営研修を実施し、育成教員による新人指導が行われているところでございます。
 新規採用教員につきましては、特に新卒の採用者の方々は、生活指導やコミュニケーション能力において課題を有する場合が多いとの指摘があると伺っております。正直な話、私も兄弟がおりませんが、新人の教員の多くが核家族の中での一人っ子世代、部活動や生徒会活動も経験しておらず、ましてや社会人の経験もない新卒者であれば、他人との距離感の把握が苦手だとしても無理はありません。
 PTAとの接触や授業現場が、年の離れた幼い子どもや異なる世代の年長者との初めての本格的な触れ合いである場合も多く、初めての職場での緊張と戸惑いはさぞ深刻ではないかと思います。
 学級経営研修制度は、退職した優秀な教員を再任用し、新人教員とペアで学級を担任して、日常の業務を通じて育成が図れる制度であり、速やかな指導が可能なことから、その成果に大いに期待しているところでございます。
 研修制度が始まって六カ月が経過しているところでございますが、先ほど指摘しましたコミュニケーション能力などの点について、育成教員がどのように各学校で取り組んでいるのか、現時点の成果をお伺いいたします。

○岡崎人事部長 社会経験のない新卒の教員は、理事ご指摘のとおり、学習指導や生活指導、コミュニケーション能力等に課題があることが多く、学級経営研修では育成教員がこうした点に留意しながら日々の指導に当たってございます。
 学級経営研修生の状況について授業観察を行うとともに、校長等から聞き取りを行いました結果、基礎的な学習指導技術、授業規律の確立、保護者対応などの面で顕著に効果があらわれているところでございます。

○中山委員 そうした今ご答弁のありましたような周辺的な他者との触れ合いの中で悩んじゃって、授業そのもので悩むというよりも、そこで悩んじゃってつまずくというケースが多いわけでございまして、現時点で既に新人教員の育成が順調に進んでいることを伺って安心しました。
 育成教員がこの研修の趣旨を十分に理解し、意欲を持ってさまざまな工夫をされていくことが大切であります。
 私は平成二十二年三月の予算特別委員会一般質疑におきまして、育成教員のモチベーションを高める工夫が必要であり、情報交換の場の設定について提案を行いました。
 そこでお伺いいたしますが、育成教員のモチベーションを高めるため、都教育委員会はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 都教育委員会は、学級経営研修を開始するに当たりまして、事前に育成教員を集めて研修制度の意義や育成教員の果たす役割、研修生とのかかわり方などについて理解を深めるための講習をまず実施いたしました。そして、夏の講習会では、育成における効果的な実践例を紹介するとともに、新人教員の生の声を伝え、育成教員相互の情報交換を行いました。また、担当の管理主事が研修校を訪問し、育成教員と面談を行いながら、さまざまな相談に応じているところです。
 こうした取り組みによりまして、継続的に育成教員の指導力とモチベーションの向上を図っているところでございます。

○中山委員 育成教員のモチベーションの向上にも都教育委員会が配慮されていることがよくわかりました。
 今年度、各育成教員が行ったさまざまな取り組みや工夫した内容を次年度に活用できるよう、私は先ほど申し上げました予算特別委員会におきまして、育成教員の体験記をまとめていただくことについても提案したところでございます。
 そこでお伺いいたしますが、都教育委員会としては、今年度の育成教員の取り組みにつきまして、どのようにまとめ、生かしていこうと考えていらっしゃるのかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 この研修を充実するために、育成教員のさまざまな取り組みや成功、失敗体験を報告書にまとめ、次年度の育成教員に配布し、これを研修の指導指針としても活用していきたいと考えてございます。
 また、この報告書の内容を都内全公立学校に周知し、各校における校内OJTにも活用したいと考えております。

○中山委員 体験記をまとめ、次年度の研修の充実に向けて活用していくと伺いました。ぜひ十分な活用をお願いしたいと思います。
 さて、学級経営研修制度は大変よい制度であり、継続させ、研修を充実させていくことが何より大事であり、意欲あふれる質の高い育成教員を継続して確保していく必要がございます。
 そこでお伺いいたしますが、育成教員の確保には今年度の育成教員が退職予定の教員に直接みずからの体験を話し働きかけていくことが有効と考えますが、見解をお伺いいたします。

○岡崎人事部長 この研修を着実に継続していくためには、多数の優秀な育成教員を確保する必要がございます。理事ご提案のとおり、育成教員みずからが退職予定者に働きかけ、新人教員を育成する喜びや今年度の取り組みを伝えることは、育成教員の確保につながるものと考えます。
 このため、退職準備講習会などの機会をとらえまして、育成教員が退職予定者に新人育成教員の職の魅力について直接伝える場を設定してまいります。

○中山委員 ぜひそうした直接的な働きかけの機会をつくっていただきたいと思います。
 退職を間際にされた先生方が、退職後の自分の人生設計の中で、後輩の育成という大事な役割を夢を持って期待していただけるようにお話しいただきたいと思いますし、随分手間のかかる提案をして申しわけなかったんですけれども、体験記の取りまとめについても、それを読んでいただければ、そのおもしろみ、醍醐味というものについて多くの教員の方々が、自分も退職後、挑戦していこうと思ってくださるんではないかと思います。
 長年、自分が教壇に立ち続けてきたその現場に対する恩返しでもあり、また、自分自身の集大成として自分の思いを込めた後輩を育成していくということは、東京都にとっても大変な財産になると思います。
 大変な新人採用の時代になりましたけれども、それを逆に機会を利用して質の向上を図っていくこの取り組みは大変大事であると思います。
 最後になりますけれども、育成教員の方々は退職という大きな人生の節目を経てさらにお仕事があるわけでございまして、ほっとするといろんなものが、体もいろんなところから出てまいりますので、ぜひ健康留意ということにつきましては十分ご配慮していただきますようお願い申し上げて、私の質問を終わります。

○畔上委員 まず、資料の作成、ありがとうございました。
 都立高校の募集について伺います。
 先日の十月十四日に来年度の都立高校の募集についての発表がありましたが、来年度は四万三百五十人の募集となりました。これは公私連絡協議会の合意による来年度の高等学校就学計画に基づいて定められたものですが、今回、その就学計画に緊急対応枠百六十人分が加わりました。厳しい経済事情の中で、都立単願もふえていることから、必要な対応であるというふうに思います。
 そこでまず伺いますが、都立高校の緊急募集枠を設けたその理由は何だったのでしょうか。

○直原都立学校教育部長 平成二十三年度の入学者選抜に当たっては、従前の公私合意に基づく都立全日制高校の募集数に緊急対応枠として百六十人を加えて募集することとしたところでございます。
 その理由でございますが、平成二十二年度定時制課程の入学者選抜におきまして、全日制進学を希望していながらも不合格となった生徒の応募が増加したため、急遽、定時制の追加募集を行いました。このため、平成二十三年度選抜では、私学側と協議の上、全日制の募集枠をふやすこととしたものでございます。

○畔上委員 私立高校も協力して緊急対応という形になったということですね。公私協では昨年度、平成二十二年度から五年間の第三次中期計画を立てて、計画進学率九六%として公私の分担を決めたんですが、計画進学率と実績の乖離についてどのような議論になったんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 公私連絡協議会におきまして、都内公立中学校卒業生の計画進学率を九六・〇%とし、進学希望者を都立高校と私立高校で分担して受け入れることとしております。
 その平成二十二年度の受け入れ実績につきましては、都立高校は計画どおり達成しているところでございますが、全体としての実績は九一・六%で、計画進学率と四ポイント程度の乖離がございます。
 このため、本年九月に開催した公私連絡協議会におきまして、受け入れ分担を確実に履行するため、公私立高校は募集人員に対して適切な合格者数を定め、過不足が生じないよう一層努力すること、実績進学率を向上させるため、実効ある対策を協議することなどを合意したところでございます。

○畔上委員 計画進学率と実績の乖離という原因は、私学の入学が減によるものだということですが、やはり経済的な事情が大きな原因として一つはあるんじゃないかと私は思います。進学を希望するにもかかわらず入れない子どもをつくらないように、都立の枠の拡大、そして私学の助成、この拡充はやっぱり急いでやらなければいけない課題だというふうに私は思います。
 ここでは都立に絞りますけれども、百六十人が妥当かどうかということについては現時点での評価はできないと思いますが、希望する子どもが全員高校に進学できるようにするということは、私は大事なことだと思います。
 現下の経済状況を考えると都立志向は当然だと思うんですが、来年度の応募状況について現時点で見通しはどうなっているのか伺います。

○直原都立学校教育部長 これまでの都立高校改革の成果のほか、授業料の不徴収や景気の低迷といったさまざまな要素が都立高校の応募状況に反映しているものと認識しております。

○畔上委員 私もかなり影響していると思います。
 そこで伺いますが、昼夜間の定時制は、本来定時制であるという定義にもかかわらず、この昼夜間定時制の定員を全日制の計画枠に含めているのはなぜなんでしょうか。

○直原都立学校教育部長 公私連絡協議会で合意した都立全日制高校の受け入れ数には、昼夜間定時制高校の募集数の一部を含めております。
 その理由でございますが、昼夜間定時制高校の昼間部では、定時制でありながら全日制と変わらない時間帯に授業を受けており、また、必要な単位を修得すれば三年間での卒業も可能となっております。このため、中学生が進路選択するに当たって、全日制と同様の選択肢となっていることから、昼間部については全日制の計画に含めているところでございます。

○畔上委員 昼夜間定時制も含め定時制は定時制の役割があるとして定員を確保してきた経緯があるわけです。ですから、それを全日制に含めて、いわば二重カウントしている。その分、結果的には都立の全日制の枠が縮小されるということ。また、定時制が足りなくなっていくというわけですから、やはりこの点について、私は見直しをしていくべきだというふうに思います。
 今年度の定時制高校の実績を見てみますと、三百人の追加募集によって救われた生徒は百三十六人いました。しかし、都教委は、四月に入ってからの追加募集という形だったために、既にあきらめてしまった、そうした生徒をつくり出してしまいました。
 また、追加募集に当たって、新たな教員を配置するのではなくて、上級生の二クラスを一クラスに統合して、浮かせた教員をふえた一年生のクラスに配置するというふうにしました。
 その結果、落ちついた雰囲気の中で自分を出せて学校にも通えるようになっていた生徒が、予定外のクラス統合のために不安定になるなど、大きな混乱と不安があったというふうに聞いています。今年度のような対応ではなく、どの生徒も大事にするという本来あるべき姿勢に立って、必要な教員数を確保して対処すべきだったといわざるを得ません。
 そもそも、この間、都立高校改革によって定時制高校をほぼ半減してしまったことが大問題なわけですけれども、定時制は働きながら学ぶ、そういう生徒や中学生時代に不登校だった生徒、また、外国人、一度高校を中退してもう一度やり直そうという生徒、全日制の入試を失敗して自信を失っている生徒など、さまざまな事情を抱えながら学ぼうとしている、そういった子どもたちを受けとめる大事な場でもあるわけです。
 来年度も定時制高校入学希望はふえる可能性が多いことから、今から募集枠をしっかりと拡充すべきだというふうに私は思うんです。しかしながら、募集計画を見てみましたら、来年度は今年度ふやした分の十学級三百人分は減らす計画になっております。
 定時制については、公私協の協議対象ではありません。都独自の判断でできるわけですから、私は後手に回らないように定時制高校の枠の拡大を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○直原都立学校教育部長 平成二十三年度につきましては、全日制に緊急対応枠を設け募集枠を拡大したことから、定時制につきましては従前どおりとしたところでございます。

○畔上委員 今年度のようなことが起こってからでは、私は遅過ぎると思うんですね。定時制高校の枠の拡大を強く求めたいと思います。とりわけ、多摩地域は夜間定時制が少ないことから、地域的問題も含めて私は拡大すべきだということを求めたいと思います。
 都立高校の募集の最後ですが、在日外国人生徒の枠の拡大についてです。
 飛鳥高校で十五人分ふやして、国際高校と二校となって、四月の募集枠は四十人となりました。これは我が党も要望していましたが、一歩前進だと思います。しかし、実態からいうとまだまだ不足をしていると思います。昨年度の募集でも二十五人の枠に百十二人の方が受検をしています。応募倍率の多さに初めからあきらめてしまう生徒も少なくないと聞いております。
 神奈川県では、東京よりも少ない在日外国人の生徒数なんですが、既に募集枠は百人を超えております。都としてもさらなる拡充を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○直原都立学校教育部長 平成二十三年度入学者選抜から、これまでの国際高校に加えて、新たに飛鳥高校において四月入学で十五人、九月入学で三人の在京外国人生徒対象の募集枠を設定したところでございます。
 今後も、中学校における日本語指導が必要な在京外国人生徒数の動向や入学者選抜の応募状況等を考慮し、募集枠などについて検討することとしております。

○畔上委員 検討を進めるという前向きなご答弁は大変重要だと思います。ぜひ東京に住む外国人生徒の実態に合った募集枠に拡大するように強く求めたいと思います。
 来年度、都立高校に関する都民の意識調査を行うとしているんですが、保護者を初め都民の経済的な困難や家庭状況の多様化の中で、高校進学を保障するために何を求められているのか、やはり的確に把握する必要があるんじゃないかと私は思います。そのことが大事なんだと思うんですね。都立、私立も含めて高校教育全体に対するニーズ調査を行ったらどうかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○直原都立学校教育部長 東京都中学校長会が毎年十二月に都内公立中学校三年生を対象として、都立高校全日制等志望予定調査を実施しております。これによりまして、中学校三年生の進路希望の動向を把握しているところでございます。

○畔上委員 私は、進路動向の把握だけではなくて、さまざまな高校施策に生きる、そういった調査にしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 次に、小中学校におけるスクールソーシャルワーカーの配置について伺います。
 ソーシャルワーカーは、現在二十四地区三十六名が配置されていますが、虐待などふえていますから学校内での活動だけでなく生活全体、子どもを丸ごと支援できる大変重要な役割を担っていると思います。まず、その認識について伺いたいと思います。

○高野指導部長 スクールソーシャルワーカーは、児童虐待を初めいじめや不登校など児童生徒の問題行動等へ対応するために、教育分野に関する知識に加えまして社会福祉士などの専門的な知識や技術を用いて、児童生徒が置かれたさまざまな環境へ働きかけを行うとともに、関係機関等とのネットワークを活用し支援を行う専門家でございます。
 不登校、いじめ、暴力行為、児童虐待などの児童生徒の健全育成の問題の背景には家庭環境が影響している場合もあることから、学校が関係機関とのネットワークを構築し、これらの問題に対応していく上でスクールソーシャルワーカーの果たす役割は大きいと認識してございます。

○畔上委員 このような大事な役割を果たしているソーシャルワーカーの配置なんですが、残念ながら国は補助を減らしています。今年度の都の予算規模は二千二百二十七万五千円と。うち三分の一の七百四十二万円が国、そして区市町村が同額負担というふうになっているわけですが、自治体のアンバランスが非常に生じているというのが実態だと思うんです。
 杉並区など区独自で配置している自治体もあれば、一人もいないという自治体もあるわけです。そういう点では、都として補助の充実を図って、全自治体で配置できるようにすべきではないでしょうか。

○高野指導部長 国が定めましたスクールソーシャルワーカー活用事業の趣旨を踏まえまして、平成二十二年度は小中学校を対象として六区十六市二町の自治体で取り組んでおります。
 スクールソーシャルワーカーの配置拡大につきましては、国の動向を注視してまいりたいと思います。

○畔上委員 国にいうのももちろんなんですけれども、都としてもぜひ充実してほしいと思うんです。児童相談所での虐待相談件数も大変増加しております。都立高校でもこうした事件が以前ありました。
 また、スクールソーシャルワーカーは、スクールカウンセラーとともに、やはり学校教育における大変重要な役割を担っていると思いますので、ぜひこれは前向きに検討していただきたいというふうに思います。
 次に、盲学校の職業教育について伺います。
 豊かな青年期の教育の保障ということとともに、盲学校では、はり、きゅう、あんまといった三療の国家試験に合格する学力と技術などの育成にも力を入れているわけですが、この盲学校の職業教育の現状について、都教委はどう評価されているかまず伺います。

○前田特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、盲学校の高等部及び高等部専攻科におきまして、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師等の資格取得を目指した教育環境の整備に努めてきております。
 また、東京都特別支援教育推進計画第一次、第二次実施計画に基づきまして、視覚障害に対応した情報機器の整備などを行い、事務職などへの就労を目指した職業教育の充実も図っております。
 このような取り組みによりまして、平成二十一年度の盲学校卒業生の就労率が向上するなど成果を上げているところでございます。

○畔上委員 成果が上がっているということなんですが、文京盲学校では、卒業後の実態把握にも努めて指導にも生かしていらっしゃるということなんですが、都教委として、こうした卒業後の状況を把握されているでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 盲学校を含めた都立特別支援学校では、卒業後三年間をめどに卒業生の就労状況の把握に努めているところでございます。

○畔上委員 視覚障害者の方からもお話を伺いました。国家試験にも合格して頑張っている人たちが、実際の現場に入ってみると、やはり技術的に追いついていなかったり、いろいろお客さんとの関係での苦労もあるようですが、再度勉強して技術を磨きたいと思っても、例えば日本盲人職能開発センターでは三療の訓練はないと。ほかに研修できる場がないということで困っていらっしゃるというお話でした。このため、ぜひ盲学校として卒後の職業教育も担ってほしいという要望を受けております。
 盲学校における技術の習得を支援する卒後の支援体制が必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 盲学校では、病院、治療院、企業等において職業的な自立ができるような資格取得を目指した指導の充実に努めているところでございます。
 また、高等部の卒業時に個別移行支援計画を作成し、卒業後には必要に応じた相談を行うなど職場定着に向けた支援を行っているところでございます。

○畔上委員 その個別移行支援計画を作成して支援しているということは、私は大事なことだと思うんですが、同時に、文京盲学校の学校経営報告では、次年度以降の課題と対応策で職業教育等の支援とともに研修科構想推進というふうになっています。
 こうした専門的な仕事の場合、卒後の支援ができる体制がやっぱり大変大事なんじゃないかと私は思うんです。卒後研修の拡充を求めたいと思います。
 次に、特別支援教室について伺います。
 この五年間で都内の通級学級の児童生徒数は二倍に、そして固定学級も一・五倍にふえています。同時に、従来から多かった知的障害の子どもに加えて、対人関係がうまくできない情緒障害や発達障害の子どもなど障害の状態が多様になっています。
 ところが、学級編制基準はこの十七年間全く変わらず、従来のような丁寧な教育ができなくなったなどの声を伺っています。また、多くの学校で施設や教室の不足、また不十分さが深刻になっています。こうした子どもたちの急増と障害の多様化に見合った固定学級、通級学級の増、また教職員の配置こそ直ちに改善すべき課題だというふうに思っております。
 第三次計画の骨子で発表された、教員配置のない特別支援教室の全校配置では、教員の配置がはっきりしなくて子どもたちの学習権を保障することができないのではないか、むしろすべての学校に通級学級を設置した方が現実的だということを九月三十日の当委員会で私も意見を述べさせていただきました。
 しかし、都教委は、あくまでも特別支援教室のモデル事業を通じて実態を把握し、区市町村と連携し検証していくというふうにされています。通級の教員の増員については、検証結果を見てからというご答弁だったんですが、あくまでも通級の教職員の巡回ということは変えるつもりはないということでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 現在、都におきましては、主として情緒障害等通級指導学級において発達障害の児童生徒への教育的支援を行っているところでございます。したがいまして、専門的な知識、技能と経験を有する通級指導学級の教員が巡回指導を行うことが適切と考えております。

○畔上委員 保護者の皆さんからは、今でも通級学級の教員配置を拡充してもらいたいぐらいなのに、広く薄くでは教育の質の低下を招くんじゃないか、こういう不安の声が上がっているわけです。現行の通級学級の質の低下を招かないといえるのでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 特別支援教室構想は、児童生徒が在籍校を離れることなく専門的な知識と経験を有する通級指導学級の教員による指導を受けられる体制を整備することによって、発達障害の児童生徒一人一人のニーズに応じた教育内容、方法の充実を図っていくものでございます。

○畔上委員 第三次計画では、自閉、情緒障害の固定学級については計画的に設置するというふうにしていますが、これまでは、固定学級と通級学級は区市町村の責任で設置というふうにしていました。
 都が計画的設置というふうにしたことは、都としての適正規模や配置の基準を検討するということなんでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 特別支援学級の設置につきましては、区市町村教育委員会が策定する設置計画に基づいて行われるものでございまして、都教育委員会としては必要な支援を行っていくということでございます。

○畔上委員 一般的には区市町村の意向を尊重するのは、私は大切なことだと思うんですが、現状では適正規模や通学との関係で配置基準など目安をつくって特別支援学級と通級学級の大規模化などの是正を直ちに行う必要があるんじゃないかというふうに思っております。
 既に大規模の学級は刺激が多過ぎて子どもたちが落ちつかない、一人一人にじっくりかかわれないなどの問題も生まれているというふうに保護者の皆さんから伺っています。
 練馬区では十一校で四学級以上となっております。また、北区の赤羽小学校では六学級百三人となっていますが、こうした四学級以上の学校が都内では百十校以上にも上っているわけです。小学校の四学級以上の学校には教員配置をもう一名加算するなどして大規模学級の教育条件の改善を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 先ほどもお答えしましたけれども、特別支援学級の設置は区市町村教育委員会が策定する設置計画に基づいて行われるものでございます。各市町村の教育委員会には、児童生徒の通学負担への配慮という観点から、地域バランスを配慮した特別支援学級設置校の配置の適正化を図るよう理解、協力を求めているところでございます。

○畔上委員 設置校の分散の理解、協力を求めているということは重要だというふうに思うんです。区市町村との協議の中で、なぜこのような状況になっているのか、やはり原因を明らかにするとともに、いろんな学校の事情もあると思うんですね。その辺の原因をやっぱりしっかり把握することが大事じゃないかと。そして、早急な対策、改善を進めていく必要があるというふうに思うんです。
 同時に、現行の教員配置基準は学級数プラス一名というふうになっているわけですね。やっぱり大規模校ほど薄くなる、こういう状況は改善していただきたいというふうに思うんです。ぜひその点は要望しておきたいと思います。
 保護者からは、教員の専門性の向上を求める声も寄せられております。特別支援学級の担任の実践交流など、教員の専門性向上には実践的な研修をきちんと保障する体制がやはり大事だというふうに思いますので、その点も要望しておきたいと思います。
 また、通級学級の場合、年度途中での参加もふえているというふうに現場から聞いております。年度途中で児童生徒数がふえた場合、速やかに教員または時間講師の配置を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 教員の配置につきましては、年度当初の特別支援学級の学級編制に基づいて行っていることから、年度途中の増員は困難でございます。
 なお、講師時数の措置につきましては、学級の実態を勘案し、予算の範囲内で適切に対応してまいります。

○畔上委員 保護者の皆さんが区や市に対して時間講師の要望をすると、お金がないといわれることが多いというふうに伺っています。やっぱり年度途中から入ることを加味した予算措置をすることが必要なんじゃないかと思うんです。ぜひそのための予算も確保して対応していただきたいということを求めたいと思います。
 次に、特別支援学校の肢体不自由部門の外部人材の導入についてです。
 外部人材導入については、前の九月三十日の委員会で外部人材の導入に伴う教員の削減は行うべきでないという意見を述べさせていただきました。そもそも検証委員会の検証結果すらまだ明らかにされていないのに、先ほども試行だというご説明がありました。
 来年度も実施校を拡大するということは、私は問題だというふうに考えますが、来年度の予算要求では実施校を二校拡大と聞いています。学校名及びそれぞれの教員の削減数について伺いたいと思います。また、制度の今年度との変更点があればご説明をいただきたいと思います。

○前田特別支援教育推進担当部長 来年度の導入校等につきましては、現在検討中でございます。

○畔上委員 検討中ということですが、予算要望しているのに具体的内容をいえないというのは、やっぱりおかしいんじゃないでしょうか。
 第三次計画の骨子のときもいいましたけれども、骨子では具体的なことは明らかにしないで、計画決定で初めて保護者や都民に公表するというやり方は、都民の意見を聞かない非民主的なやり方だといわざるを得ないと思います。
 私も議事録を読んだんですけれども、二年前の事務事業質疑では、外部人材導入の予定の学校名はちゃんと答弁されているんですよね。今回、秘密裏に事を運んで保護者には有無をいわさず強行するようなやり方は、ぜひやめていただきたいというふうに思います。
 肢体不自由学校では、それぞれ児童生徒数はさまざまなわけです。例えば、青峰は二十八人、永福は七十九人、八王子東は百五人、墨東は百六十五人、小平は二百十人、本当に学校によって子どもたちの児童生徒数というのはさまざまなわけです。にもかかわらず、それぞれの学校の児童生徒数に関係なく自立の支援教員を一律とする、これはなぜなんでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 肢体不自由特別支援学校の教育実態を加味しながら外部人材を導入することによって正規の教員が教育に集中できる、そういった状態をつくるということを考えて、一定の教員数を減じ、外部人材を導入しているところでございます。

○畔上委員 一律にする理由を明らかにできないということですね。少なくとも私は児童生徒数に応じた教員配置にして、学習権を保障すべきだというふうに思います。
 外部人材導入については、検証委員会の議論の中でも教員が足りない状況が議論されていましたが、今回自立活動教員をふやさざるを得ないというふうに聞いていますが、ということは、やはりそれほど矛盾が出ているということだとも、あるとも思うんです。検証委員会では、保護者や現場の先生を加えて検証して十分議論することを強く求めたいと思います。
 最後に、栄養教諭と栄養職員の拡充についてです。
 先ほど村上副委員長から歴史的経過、また、学校給食法の改正のことも含めて食育の重要性のお話がありました。食は、人間が生きている上での基本的な営みの一つでもありますし、また、生涯にわたる健康づくりを推進する上で非常に重要な役割を持っていると私も思います。
 ことしの中教審の今後の学級編制及び教職員定数の改善についての提言では、栄養教諭、学校栄養職員の定数を改善する必要があるというふうにしています。都教委は提言をどのように受けとめられているでしょうか。

○岡崎人事部長 中教審提言を受けまして、文部科学省が八月に発表いたしました新たな教職員定数改善計画案では、平成二十六年度以降の栄養教諭の配置改善が示されたところでございますが、今後とも国の動向を見守ってまいります。

○畔上委員 国の動向を見守るというのは消極的だなというふうに思うんです。都教委は学校給食を通じた食教育の充実を教育の重点課題と位置づけていらっしゃるわけですから、都教委としてその重点課題にふさわしい体制と取り組みを進めるべきだと思うんです。
 にもかかわらず、現場では、栄養教諭どころか栄養職員の欠員状態さえ放置されているという実態があります。退職に見合った採用が計画的になされていないことが、こうした事態を引き起こしているというお話も聞いています。直ちに欠員を解消すべきだということをまず指摘させていただきたいと思います。
 それから、二〇〇八年度から東京の栄養教諭制度がスタートしたわけですが、現在、全国では三千三百七十九人の栄養教諭が配置されているんですけれども、東京では二十七人ということでありました。
 先ほどの村上副委員長に対するご答弁では、都では、各学校の食育リーダーの支援を加えているというふうにおっしゃいました。しかし、ほかの職種の教員でほかの学校まで支援したり指導する教員はありません。教育委員会の指導室の役割と自分の学校の管理、指導もやるというのは難しいという、現場からそういった声も聞いています。
 例えば、練馬区は、百校に都の栄養教諭制度の栄養教諭は一人です。これでは食育が根底に広がらないというお話でした。
 五月三十一日付の読売新聞に、偏る栄養教諭数という記事がありました。その中で、練馬区の栄養教諭の実践が載っておりました。栄養士から栄養教諭になった飯島さんという方でしたが、総合的な学習の時間に、生徒が育てたり収穫したりしたホウレンソウやラディッシュを給食のサラダやゴマあえに使ったり、親子料理教室を企画して地場野菜を使った朝食や弁当づくりをするなど取り組んで、朝食を食べない子が二割から一割に減ったと。それから、緑黄色野菜を中心に二〇%を超えていた給食の食べ残しも一%以下になったというふうにしていました。
 飯島さんは、その記事の中でこういっていたんですね。栄養教諭という肩書が保護者への説得力を増したと感じているとコメントされていました。
 また、都教委もその記事の中で、配置した学校では給食の食べ残しが減少するなど実績が上がっている、増員を検討したいと語っていました。こうした実践からも、栄養教諭は食育リーダーの支援としての役割じゃなくて、まさしく学校教育法で定められた、児童生徒に直接責任を持つ教員の役割としての栄養教諭なんだと思います。
 現場の栄養職員の方たちからもお話を聞きました。食育教育の充実のためにも栄養教諭として働きたいということで一生懸命勉強して免許も取った、こういった意欲的なお話もたくさんありました。
 そこで伺いますが、現在、学校栄養士で栄養教諭の有資格者は何人いるでしょうか。

○岡崎人事部長 現在の人事データで把握している有資格者人数は百十一名でございます。

○畔上委員 免許の取得者というのは二百人を超えるだろうといわれていますが、東京都は五十八歳以下、それから、栄養士として十二年の経験などという条件をつくってしまったために百十一人ということだと思うんですね。
 他県の栄養教諭なら都が決めたような条件などないわけで、そのこと自体、私は改善すべきだというふうに思いますが、例えば、その百十一人が任用がえをするとしたら一人当たりの給与は幾ら増加するんでしょうか。

○高畑人事企画担当部長 学校栄養職員から栄養教諭の任用がえは、平均年齢約五十歳で週二からのケースが多いことから、仮にこのケースで試算した場合、一人当たりの給与は年間二十万円程度の増となります。

○畔上委員 ということは、全体で二千二百二十万円程度ということになるわけです。財政的にも、私は任用がえは十分可能だというふうに思います。
 先ほども新聞の記事で紹介いたしましたが、学校栄養職員の中には、自分の休暇を活用して栄養教諭の免許を取得した人も何人もいるということであります。食育の重要性を自覚して、直接保護者や子どもたちに教育できると頑張って栄養職員から栄養教諭の免許を取っているわけですね。
 栄養教諭の資格を持つすべての学校栄養職員を速やかに栄養教諭として任用がえをして、私は食育の推進を図ることが大事じゃないかというふうに思います。そのことを強く求めたいと思います。
 これまで都教委の方針では、再来年までにすべての区市に栄養教諭を配置するとしていたわけですが、先ほどのご答弁では、栄養教諭を計画的に配置し促進するというふうにおっしゃいました。再来年以降どのような配置計画を進めるおつもりなんでしょうか。

○松山地域教育支援部長 現在は、東京都教育ビジョン第二次に基づき、平成二十年度から平成二十四年度まで区市に計画的に栄養教諭を配置することとしております。
 先ほど村上副委員長にもお答え申し上げましたとおり、今後とも栄養教諭を計画的に配置し食育の充実に努めてまいります。

○畔上委員 現場の栄養教諭の意見をよく聞いて計画に反映していただきたいと思います。
 各学校の食育リーダーは、その多くが栄養士、栄養教諭なわけです。お互いの実践交流の中で学び合ってこそ、やっぱり各学校の食育教育のレベルアップにつながる、食育の底上げができるんじゃないでしょうか。私は、任用がえも含め栄養教諭の増員こそ急いでやるべきだということを申し上げて質問を終わりたいと思います。

○原田委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後五時二十九分休憩

   午後五時四十一分開議

○原田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○星委員 よろしくお願いいたします。
 親や近親者からの暴力で、あるいはみずから選んで命を落とす子どもの報道がほぼ連日続いております。最近特に気になっているのは、ごく若い世代が望まない妊娠をし、だれにも悟られることなくネットカフェなどで人知れず出産し、そのまま放置してしまうようなケースです。
 普通の住宅街のごみ収集で見つかった生後間もない赤ちゃんの死体の報道のその後では、都内の女子高校生が逮捕されてしまいました。この高校生の望まれない妊娠、出産に対して何の援助もしてあげられなかった近くの顔の見えない大人に対して、女性として、一人の親として深い憤りを覚えるものであります。
 人として当たり前に持ち得る小さな命をいとおしむ感覚が欠如した人間がふえているとは思えません。むしろ今日、家庭や家族、教師、友人など身の回りに支えになる人の存在や障害や病気に対する適切なサポート、年齢に応じたすぐれた教育、福祉的な環境と出会えない子どもが少なからず存在する事実を深刻に受けとめ、子ども、若者支援を進めていくべきと考えます。
 子どもの虐待に対しては、学校教育現場で教師が子どもを通して何らかのサインを感じ取ったとしても、保護者や家庭の問題に踏み込むため慎重な対応をとることがあります。このことは至極当然のことです。
 しかし、子どもが登校し笑顔を見せているから、保護者が反省したからと安心することはできず、このことは虐待死に至らしめたケースの多くが児童相談所など何らかの行政機関とかかわりを持っていたという事実からも読み取れます。
 教師は、子どもにとってごく身近な、数少ない保護者以外の大人です。それだけに、子どもにとっては、つらい目に遭っている自分を教師には知られたくないかもわかりません。ですから、教師にできることは、私はごく限られているというふうに思います。発見、通報、そして対策への早急なつなぎだと思います。
 そこで質問します。都教育委員会は、江戸川区の事件発生後、児童虐待防止の対応として、教員が児童虐待に適切に対応できるように学校に対してどのような取り組みを行っているのかお伺いをいたします。

○高野指導部長 児童虐待は、児童の人権を著しく侵害し、心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるため、学校においては早期に発見し児童相談所などに速やかに通告するとともに、関係諸機関との継続的な連携を図ることが重要だと考えてございます。
 これまで都教育委員会は、人権教育の実践的な手引きでございます人権教育プログラムの中に登校時の健康観察、授業や給食など子どもたちの日常生活の場面において教員が留意する観点を設定いたしました児童虐待を早期に発見するためのチェックリストを掲載いたしまして、その活用を図るよう各学校を指導してきたところでございます。
 江戸川区の今回の事件を受けまして、学校が虐待への認識や感度を一層高める必要があると考えまして、このチェックリストに児童相談所への継続的な情報提供という観点を加えまして、新たにチェックリストを作成、配布し、その内容の周知徹底を現在図っているところでございます。
 今後ともこうした取り組みを一層充実いたしまして、児童虐待の早期発見、通告、関係諸機関との継続的な連携が適切に行えるよう区市町村教育委員会と連携いたしまして、さまざまな研修の機会を通して各学校を指導してまいりたいと思います。

○星委員 今お答えにありましたように、チェックリストを活用して早期発見と適切な対応、そして、これは特に関係機関との継続的な連携というものを目的として活用されるものだというふうに、その趣旨は理解をいたします。まだ日にちが浅いものですから、これの成果については、また機会をとらえて質問させていただきたいと思います。
 次に、子どもたちの自殺に関してのことで質問したいと思います。
 虐待についても自殺についても、子どもたちの日々の様子を見守る教師に対し求められることが多いのは理解しつつも、私は、教育現場でやる一番大事なことは本当にそのことなのかなというふうに日々思っています。学びを通して子どもたちが成長していくための後押しだというふうに教育現場はあるべきだと考えています。
 しかしながら、最近他県で起きた小学生の女子の自殺に関しても、学校でのいじめがあったかないかということが今もって取りざたをされているような状況があります。
 教師の方たちはとても重たい気持ちでいられるんではないかなと思いますが、現実、子どもたちの日常生活の中で接触されている数少ない大人ということもありますので、求められるということはある意味仕方がないのかなというふうに思います。
 このたび東京都教育委員会は、児童生徒の自殺予防に関する緊急対策会議のまとめ、十二の提言というものを出されましたけれども、この目的についてお伺いをいたします。

○高野指導部長 今年度に入りまして児童生徒の生命にかかわる事件、事故が多く発生するという極めて憂慮すべき状況にかんがみまして、児童生徒の自殺予防の効果的な対応策について緊急に検討するため、本年六月に学識経験者や心理の専門家、学校関係者による児童生徒の自殺予防に関する緊急対策会議を立ち上げまして、自殺予防を図るための課題解決の方策を十二の提言という形でまとめたところでございます。
 この提言の目的についてでございますけれども、大きく三点ございます。一点目は、児童生徒の自殺の未然防止に重点を置いた取り組みを明らかにすること、そして二点目といたしましては、学校、教育委員会、関係機関、家庭、地域が連携しつつそれぞれが取り組むことを明確にすること、そして三点目でございますけれども、児童生徒が発するサインを早期に発見するための手がかりとなる手だてを示すこと、以上三点をねらいとしてございます。

○星委員 ありがとうございます。この三点の目的の中の早期の発見というところの中で緊急対策会議によって作成をされたんだろうと思いますけれども、子どものサインを早期に発見するための手がかりとなるように、学校現場で活用するためのアンケートというようなものを同時に出されています。
 しかしながら、私はこれを拝見させていただきましたが、このアンケートについては、効果の点や進め方の点で非常に疑問、そして不安を実は覚えています。この提言とともに公表された日ごろの生活アンケートとの活用を現在どのように図っているのかお伺いをいたします。

○高野指導部長 今回、十二の提言とともに公表いたしました日ごろの生活アンケートは、東京都教育相談センターが平成十七年度と十八年度の二カ年間にわたって行った調査研究の成果を活用いたしまして、自殺予防のために特に配慮を必要とする気がかりな児童生徒を早期に発見し、適切な対応を行う手がかりを得るために作成したものでございます。
 都教育委員会は、都内公立学校全校で一律にこのアンケート調査を実施するよう求めているものではございませんで、各学校の児童生徒の実態に即して、校長が必要であると判断した場合に活用するものでございます。
 アンケート実施後には、配慮を要する児童生徒を学校が把握した場合には、こうした子どもに対して適切に対応できる体制が整っていることが極めて重要であることから、スクールカウンセラーや区市町村の心理職との連携のもとで実施するよう、区市町村教育委員会を通じまして各学校に周知し、適切な活用の徹底を図っているところでございます。

○星委員 確かに一律に使用しろというものではないというお答えをいただきましたが、小学生版と中高生版と二種類ありまして、二十問の設問で内容は全く同じで、小学生の方はルビが振ってあるということなんですが、日ごろの生活を振り返って答えてくださいという、心配事や悩み事があるとあなたはどのようになりますかというところで、思い切り大声を出すか、いらいらするとか、人に当たるとか、やけ食いをするとかという二十問の設問なんですね。
 これで果たして本当に早期発見につながるかということと、子どもが正直に書くかということと、思春期にありがちな自然な成長というところの中での行動というのも、これはチェック項目に入っているんですね。
 非常にあいまいで、私は正常な人間でも一人になりたいと思うときはあるし、子どもでも大人でもいらいらすれば物に当たるし、ここにチェック項目を多くつけたから、これは自殺の兆候があるよというふうに診断をされてしまうのかというと、ちょっと恐ろしいなというふうに思いますし、特に配慮を必要とすると思われる児童生徒を見つけるということの目的からすると、私は、正直いって心理の専門家ではないですけれども、本当にこんなことで、これが早期発見のきっかけになるのかなというふうに疑問に思います。
 さらにいうならば、クラスも、名前は記名式ではないですけれども、生徒番号も書くようになっているので、内面に踏み込むものでありますので、子どもたちのプライバシー、個人情報の問題もあります。取り扱い方の注意もすごく必要ですし、非常に疑問に思っています。
 活用するというなら、今お答えがあったように、きちんと対策までの対応がとれるというような状況の中で慎重に使うというお答えをいただいておりますので、ぜひそのようにしていただきたいんですが、それはあくまでも都教委の思いであって、各市区町村の学校それぞれがきちっと理解ができるように都教委の方針も含めて再度きちんと確認をしていただきたいということを私は要望いたします。
 次に、ソーシャルワーカーについて質問いたします。
 先ほど畔上委員からも質問が出ていますので、重複は避けますが、先ほど来、私が思いの中で申し上げているのは、私は教師にばかりかぶせられる問題ではないというふうに思っています。
 子どもを取り巻くさまざまな問題は、学校、教師だけでは解決できず、家庭、地域、専門機関との緊密な連携について、これはもう本当に以前からずっといわれてきたし、今回の虐待や自殺の問題でもまた改めて同様の、このことが強調されています。
 しかしながら、校長や担任の役割の重要性は当然ですが、その教育と福祉や医療、家庭へのサポートということをいわれますけれども、それを実際に有機的につなぐコーディネーターが果たしてだれなのかということが、私は今現場でとても厳しいんではないかなというふうに思います。
 教師の方たちだってメンタルヘルスのチェックをしなきゃならないようなご時世の中で、福祉の機関だとか行政の専門機関、医療機関にそういうところの知識、識見をしっかり持っていて速やかにつなぐことができるような、そういう専門職というのは非常に重要だというふうに思います。
 そういう意味におきましては、スクールソーシャルワーカーというのは、そういう目的で設置された方たちです。残念ながら国において予算が削減をされたということもありますけれども、区市町村の中で積極的に登用されて活用されている杉並区の事例も先ほど出ておりましたけれども、これについては、現状の配置状況は先ほどご答弁にありましたので、東京都はこの方たちの成果についてどのような認識を持たれているのかお伺いをいたします。

○高野指導部長 スクールソーシャルワーカーの成果についてでございますけれども、実施地区からは、学校と関係機関等との連携の中で、児童虐待や児童生徒の問題行動の未然防止、あるいはまた、早期発見と早期対応が図られたという意見、保護者、教職員に対する支援、相談、情報提供によりまして組織的な対応につながったなど、児童生徒の健全育成上の課題解決に成果を上げているとの報告を得ているところでございます。

○星委員 この方を核に組織的に動けたというところの中での成果ということでお答えもいただきました。しかしながら、設置されている自治体がまだまだ少ないのが現状です。
 これは、市区町村に関しては、調査してみまして、やはり財源不足というところで置けないというようなこともありますし、まだまだスクールソーシャルワークというものの分野に対してご理解がし切れていないんではないかなというふうに思われる状況もあります。なぜならば人選なんですね。
 福祉の識見をお持ちということで、地域の中での民生委員の方とか、そういう方にお願いをしてしまいがちというか、そういう自治体もありまして、実は家庭のプライバシーや福祉、医療の面など、非常にデリケートな問題に踏み込んでいく問題なので、余り地域に熟知をされている方では相談しづらいというようなことも聞いています。
 ですから、この問題の目的ということ、あるいはうまくいっている成果が得られたようなところの情報などをぜひ基礎自治体の方とも共有をしていただくと。私は、市区町村も厳しい財政かもわかりませんけれども、ぜひうちも置きたいというような状況になるような情報の共有、成果の共有も進めていっていただきたいというふうに要望をさせていただきます。
 最後に、定時制高校について何点かお伺いをいたします。
 定時制高校については、これまでも何点か指摘をしてまいりました。高等教育をほぼ全員が受けられる環境整備が進められている中で、本来、都立高校は希望すればどの子も入れる受け皿を持つべきというふうに考えますが、現実はそうなっていません。
 さらに、今の若者やその家庭の貧困の問題もあり、小刻みにバイトしながら収入を得て、親を助け、定時制で学ぶ生徒がたくさんいます。
 そういった高校生の健康を支え、学校生活を支援するために、定時制高校では公給食を行っております。私は、この給食は定時制高校生にとってはとてもよい制度であるというふうに考えます。なぜならば、今日、働き方の問題も含めて、一日一回のまともな食事というか、そういうふうではないかなと正直いって思っています。
 まず、定時制高校の給食の実態について、喫食数についてお伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 東京都におきましては、都立高校夜間定時制課程全校で給食を実施しております。平成二十一年度の統計によりますと、五月一日現在の在籍生徒数八千五百三十四人のうち四千九百七十三人が給食を申し込んでおり、喫食率は五八・三%となっております。

○星委員 二十一年度で在籍生徒八千五百三十四人のうち四千九百七十三人、五八・三%と六割を切っている状況というようなご答弁をいただきました。
 廉価で、栄養面も当然のことながら公給食ですぐれているにもかかわらず、利用者が六割を切っているという原因を都教委はどうとらえ、そして今後どうしていくのかお伺いしたいと思います。

○直原都立学校教育部長 給食を喫食していない生徒の食生活等についての調査は行っておりませんけれども、近年の夜間定時制課程の生徒を取り巻く状況としまして、ライフスタイルの多様化が喫食率を左右する一因であるというふうに考えております。
 夜間定時制課程の給食は、学校給食法にのっとり必要な栄養価を満たすとともに、献立や供給方法に工夫を凝らし、よりおいしいものを提供できるよう努めております。
 今後とも安全で栄養バランスがとれた給食を提供し、学校給食の充実を図ってまいります。

○星委員 確かにライフスタイルは変わっていると思いますが、それが一因というふうにおっしゃいましたけれども、本当に一面でしかないと私は実は思っておりまして、聞くところによりますと、各学校のカリキュラムによってこの給食の時間帯がかなり違う、ばらつきがあるというような報告があります。
 学校によっては五時過ぎ、五時半ごろに、授業開始の前に給食時間、あるいは七時台に食べている学校もある。五時半に給食が始まる学校では、子どもたちが仕事から帰って間に合わないんだそうですね。ですから、そもそも給食は申し込まない、申し込めないというような状況です。
 また、一食三百六十円で非常に廉価だと思いますけれども、二週間単位での申し込みと集金ということがあって、まとまった数千円がなかなか払いにくい、払えない子どもたちもいるのが現状。あるいは、仕事が不規則になることで申し込んでも食べられない場合もあるそうです。
 私は、この現状を聞いたり見るにつけ、働き方を含めて、今の若者たちは本当に厳しい状況にあるんだなというふうにつくづく感じるんですが、徴収や申し込み方法の改善をぜひともお願いしたいと思います。
 確かに、二百八十円の牛丼やワンコインのハンバーガーですか、ジャンクフードは若い人たちに手軽だし、安いし、味の点でも人気があるのかもわかりませんけれども、本日、本当に食育のことがいわれておりますが、教育現場の食育の必要性以前の問題ですよね。次世代の若い子たちの心と体の問題も含めて、私は、これはすごく見過ごせない状況ではないかというふうに思います。一体この半数の子どもたちはどういう夕食をとっているんだろうということを考えます。
 高校生になったらば、やはり自分で選び取る力が本来ならばついているはずなので、そんな手取り足取りしてあげなければいけないかなというと、そうでもないかもわかりませんけれども、せめても、こういうよい制度があるのだから、多くの定時制の子どもたちがこの給食を食べられるような仕組みに改善をしていただきたいというふうに強く思います。一日も早く改善をお願い申し上げまして、質問を終わりにしたいと思います。

○笹本委員 よろしくお願いします。
 五点について質問させていただきたいと思います。一部重複もありますが、質問は従来どおりしていきたいと思います。委員の中には、教育の専門家もいるというふうに思いますが、私はいわば素人ですから、平易にご説明をしていただければと思います。
 私、地元は江戸川区です。今、星副委員長からありましたけれども、歩いて十数分のところに松本小学校があります。ことしの一月二十三日でしたか、全国的に大変有名になりました事件が目の前であり、少し掘り下げて話をさせていただきたいというふうに思います。
 いろいろ調べていくと、本当にショッキングなことがたくさんあって、今も星副委員長の質問に対する答弁の中で、新たにチェックリスト作成をしていくだとかということがあったんですが、このケースの場合、極めて反社会的な父親と十五歳で出産をしている母親という異常な事態であるというふうには思うんですが、さらに私がいろいろ調べると、平成二十年四月に、六十ページもある明るい未来を子どもたちのためにという江戸川区児童虐待防止ガイドというのがあって、平成二十一年の九月の初旬に地元の歯科医が明らかに虐待と思われる症状を認識していたというところがあって、学校もいろいろ調べると、頻繁に連絡をとったり、時には教育委員会にこの父親から連絡があったりとか、十月には血腫ができて、十月十六日から二十三日まで墨東病院に入院していたというようなところがあったり、本当にこういう状況が数カ月にわたって続いていって、そして、本年一月二十四日に児童が死亡するということで逮捕されたというわけです。
 こういうことがあって、簡単に再発防止はどうしますかということを聞いても、それはそれでいいんですが、この事件を、二度とやっぱりこのようなことを起こしてはならないという、私は地元の人間として本当に思っていますので、もう一度、先ほどと重複があるかもしれませんが、決意というか、再発防止に向けた部分をお聞かせいただきたいと思います。

○高野指導部長 児童虐待につきましては、児童の人権を著しく侵害し、心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるため、学校においては、早期に発見し、児童相談所などに速やかに通告するとともに、関係機関との継続的な連携を図ることが重要だと考えてございます。
 これまでも都教育委員会は、人権教育の実践的な手引きである人権教育プログラムの中に児童虐待を早期に発見するためのチェックリストを掲載いたしまして、その活用を図るよう各学校を指導してきたところでございます。
 今回の江戸川区の事件を受け、学校が虐待への認識や感度を一層高める必要があると考えまして、都教育委員会は、このチェックリストに児童相談所への継続的な情報提供、こうした大事な観点を加えまして、新たにチェックリストを作成、配布し、その内容の周知徹底を現在図っているところでございます。
 こうした事故が二度と起きないようにという思いで、こういった周知徹底を図っているところでございますが、今後ともこういった取り組みを一層充実いたしまして、関係機関との継続的な連携が適切に行えるよう各学校を指導してまいりたいと思います。

○笹本委員 この事件のケースはやっぱり想定し得ない部分がたくさんあったと思うんで、難しさはあったと思います。
 私なんかは素人ですから思うんですけれども、例えば学校の先生が家庭訪問しても自宅に踏み込めないだとか、さまざまな障害、障壁がある中で、こういう場合というのは一定の権限を付与する、児相にも一時保護の部分で、一定の権限の中で親権者の意向に反して保護することは可能だということはあると思うんですけれども、今回のこのようなケースは、ある種一定の権限を付与するだとか、法令等の整備も必要なのかなということを本当に思いました。
 また、地域の見守りの目とか、あるいは民生児童委員の声が残念ながら、どこが緊張感がなかったかわからないですけれども、数カ月にわたって信号が出ていたにもかかわらず、結果としては見落としたというか、反映できなかったということにはつながってしまったので、大変残念なことだなというふうに思っております。
 二問目に行きたいと思います。二問目は、少人数学級について質問をさせていただきたいと思います。
 記憶に新しいところだと思いますが、昨年の総選挙は、ほとんどの主要政党がこの少人数学級に言及をしたマニフェストというか、公約を出していたということが前提としてあると思います。
 そこで、今、国の動向を注視していくとか、見守るということは前提としてあるとは思いますが、国において少人数学級を進めていくという中で、都教委として学校現場における、例えば、三十五人学級をやっていくんであれば、当然、関連法案が成立していくだとか、予算措置の問題とかいろいろあると思うんです。
 私が専門家じゃない部分で思うところとしては、例えば教員の配置だとか、一年生が一クラスふえるケースが多かったらどうなるんだとか、あるいは教室は実際大丈夫なのかとか。今、一定の成果を上げている少人数指導というんですかね、習熟度別学習だとか、いろんないい方をしていると思いますけれども、そこに対して加配は行われていると思います。一定の効果を得ているという状況がある中で、この少人数学級に向けてどのような課題があるかということについてお聞かせいただきたいと思います。

○松山地域教育支援部長 文部科学省が公表した新教職員定数改善計画の中で示されました学級編制標準の改定により、三十五人学級編制や、小学校第一、第二学年の三十人学級編制が順次実施されることになった場合、見込まれる学級数の増加に見合う教員の確保と、これに見合う人件費に対する予算措置、教室等の施設の確保などが大きな課題であると認識しております。

○笹本委員 前向きな答弁ということを期待して、今、質問をしたわけですけれども、今、フィンランドの教育とか非常に話題になっていて、きめの細かい指導という部分は、やっぱりそれなりの評価を得ているという部分はあって、そういう中で少人数指導が効果を得ている、評価を得ているということだと思います。
 一方、来年から実施をすることが可能なのかどうか私はわかりませんけれども、保護者としてはいろいろ関心もあるところだと思うし、校長先生によって弾力的なクラス編制をするといったときに、その弾力的をどうとらえるかという部分ですよね。
 少人数学級に加配が行われて、それはそれとして前提があって、少人数学級をやるんであれば、またその定数が変わってくるというようなことがあると思いますので、速やかにこういうことが、予算関連の法案が通っていって後でできるのかなということを思って、素朴に聞いたわけなんですけれども、これは割と歴史的にいろいろ背景があっていわれてきたことだとは思いますけれども、子どもが中心と見ればきめの細かい指導をするということは共通の認識にあるのかなというふうに思いますので、ぜひここらの部分が共通の認識と理解になればいいのかなというふうに思っております。
 三つ目について質問します。三定の当会派の幹事長の代表質問にも一部重複はいたしますが、副校長を中心とする校務分掌といいますか、仕事の割り振りについて質問させていただきたいと思います。
 小学校、中学校においては、子どもの学習指導だけでなく、生活指導面、地域との連携、家庭教育に関する保護者対応など、さまざま新たな課題への対応が求められ、とりわけ業務が集中しているといわれる副校長に多忙感というか、多忙なんでしょうね、深まっていると。
 副校長や特定の教員に多忙感が深まっていることで、主幹教諭や主任教諭など、積極的に教育管理職になろうとせず、その結果、教育管理職選考の受験、先ほども資料要求にありましたけれども、受験者数が減少していると考えられますが、都教委の認識を伺うわけなんですけれども、先週ですかね、毎日新聞か何かでも、希望して降任というんですか、こういう管理職を目指さない人のことが出ていましたけれども、そんなところもあって質問するわけなんですが、都教委の認識についてお伺いをいたします。

○岡崎人事部長 教育管理職選考の受験者数の減少の要因といたしましては、受験対象者が少ない時期であるというだけではなく、教員の多くが学校組織の中心となって主体的に学校経営を担うことを敬遠するようになってきたことや、副校長などの多忙な姿を見て、教員が管理職という仕事に魅力を見出せない状況となっていることなどもございます。
 このため、若手教員のころからキャリア形成の展望を意識させ、組織を動かして子どもたちによりよい教育を提供する管理職の仕事の魅力を伝えるとともに、学校がより組織的に機能する仕組みを構築し、これからの学校経営を担う意欲の高い管理職の確保に努めてまいりたいと考えております。

○笹本委員 優秀な教育管理職を確保するために、多忙感を解消して、副校長の仕事をより魅力のあるものにする必要があると思うわけです。
 副校長の業務実態と多忙感の解消について、今聞いたわけなんですけれども、主幹ですとか主任教諭ですとか、それぞれ学校経営を補佐するという立場の人がいて、副校長の本来業務が何かという部分をやっぱりしっかりとしていくということが重要だと思いますので、その部分も含めてお答えいただきたいと思います。

○岡崎人事部長 都教育委員会が実施したアンケート調査では、調査報告事務について約九割の方、他に分担できない業務について約七割の方、教職員の出退勤処理などについて約四割の方の副校長が負担に感じているとしておりまして、さまざまな調査等に関する回答作業が副校長に集中したり、教職員に校務を分担させることが困難な状況が浮き彫りとなってございます。
 こうした実態を改善するためには、調査報告事務の効率化を進めるとともに、学校がより組織的に機能する仕組みを構築する必要があると考えています。そのため現在、調査報告事務の縮減や事務のシステム化に取り組むとともに、校務の実態を調査し、校務分掌組織のあり方を検討するところでございます。

○笹本委員 今ありましたように、調査報告には相当な負担がかかっているのかなという印象がありますし、また、都教委と市教委とか区教委といろいろ資料が重複するということも往々にしてあるのかなという印象があります。
 聞くところによると、一週間に数十件の種類の報告書の提出が求められているということがあって、紙もあればメールによるものもあるというふうに聞いておりますので、なかなか他に分担がしづらいという今のお話はありましたけれども、システム化という部分も含めると、しっかりとこの校務分掌をしていくということで、副校長の負担軽減、本来業務にできるだけ携わるということではないのかなというふうに思います。
 そこで、この多忙な部分、本当に多くの仕事を解消していくために、調査報告事務などを初め、今も少しありましたけれども、事務処理について、ITというか、パソコンはもう配備されていると思いますが、それを効率的に使えるようにというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○岡崎人事部長 事務処理の効率化についてでございますけれども、都立学校では全教員にパソコンを配備した上で、例えば出張命令を電子決裁することができる庶務事務システムを導入したり、調査統計事務を効率的に処理するシステムを構築しているところでございます。
 また、ハードだけでなく調査の重複を組織間で調整したり、回答者がわかりやすく答えやすいように調査依頼を工夫することなどを内容とする調査の指針をまとめる予定でございます。
 こうした取り組みにより校務の効率化を図り、副校長の業務負担を軽減していきたいと考えております。

○笹本委員 ぜひそのようなシステムを開発していただくということは必要なのかなと思います。
 私、コンピューターとかそういうことは詳しくは知りませんが、普通に考えて、今、ウエブ上でいろんな回答ができたり、多分、今のままだと、まして紙の場合だと、集計業務というのがあるんでしょうね。
 多分、それがまた正確を期すためとか、そこにも人がいるし、すごい人的な要員を、やっぱりいろいろ原因として数字が正確になりづらいということもあって、データというのはやっぱり即時性が問われるんでしょうから、そういう部分でITというかICTを活用して副校長の業務負担を減らし、そんな中で、先ほど当初いいました学校の仕事、校務分掌をしっかりとすることによって、ひいては主任教諭の方、主幹教諭の方が、やはり学校経営というのかな、そういう意味でしっかりとした理念を持ってやっていこうという気持ちを持っていただくということが大切なのではないかなというふうに感じておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、特別支援教育についてお伺いをいたします。
 現在、小中学校の通常学級においては、学習障害や注意欠陥多動性障害など、発達障害の子どもへの支援のニーズが高まっております。
 こうした子どもたちは、知的なおくれがないことから、通常の学級における教育の対象となる子どもたちですが、巷間よくいわれることですが、授業に集中できない、一年生が教室で歩き回っているというようなことだと思いますが、周囲とコミュニケーションがうまくとれずにトラブルを起こしてしまったり、子ども一人一人の障害の程度に応じて適切な指導と必要な支援を行うことのできる教育環境の整備に対する保護者の期待というものは大きいものかなというふうに思います。
 私がこれを質問するに至ったのは、あるところで養育手帳を持たない子どもたちのケースだと思うんです。そこらが非常に大きな問題となっているという部分で質問しております。
 小中学校の通常の学級には、知的なおくれのない発達障害の子どもたちが少なからず今在籍をしているということが明らかになっており、これはデータが非常にとりづらいものだと思いますけれども、こうした特別な支援を必要とする子どもは、今やすべての学校や学級に在籍していることを前提に、体制整備を検討していく必要があるというふうに考えるわけです。
 小中学校の教育環境の充実は、区市町村の教育委員会の仕事でしょうけれども、現在、特別な支援を必要とする子どもが増加の傾向にあり、多くの区市町村が早急な対応を迫られているということを考えれば、全都的な視点に立って、東京都教育委員会が対応の方針を示していくべきだというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 全都的な視点に立った体制整備は重要であると考えておりまして、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画案の骨子におきまして、小中学校における特別支援教室構想を提案したところでございます。
 特別支援教室構想は、従来の通級学級のように、児童生徒が在籍校を離れることなく専門性の高い教員による巡回指導を受けられる体制を整備するものでございます。
 今後はモデル事業を実施し、区市町村と緊密な連携を図りながら特別支援教室構想の実現に向けて取り組んでまいります。

○笹本委員 ぜひ発達障害のある子どもたちのために特別支援教室構想の実現に取り組んでいただき、第三次実施計画を実効性のあるものにしていただくことかなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 次に、幼稚園や保育所における発達障害の子どもへの支援体制の設備、要は就学前、未就学というんですかね、その子どもたちに対する支援体制の整備について質問させていただきたいと思います。
 知的なおくれのない発達障害の子どもの支援に当たっては、障害の早期発見、早期支援の観点から、幼稚園や保育所において教職員が発達障害の子どもの指導に関する専門性を身につけ、障害のある子ども一人一人に応じた適切な指導や保護者支援を行うことのできる体制を整備する必要があると考えます。
 しかしながら、実際には、幼稚園や保育所におけるこうした体制の整備は不十分といわざるを得なく、幼稚園の先生や保育士の方々は子どもたちや保護者への日々の対応に苦慮されているというふうにも聞いております。
 私も保育園に通っている子どもがいるんですけれども、けさも送っていったんですが、本当に朝は大変な状況なわけですが、そういうことをいっているわけですね。
 発達障害の子どもたちに対し、幼稚園や保育園において適切な指導を行うことのできる教育環境の有無は、小学校入学後の学校生活にも大きく影響するものというふうに考えます。
 このようなことから、幼稚園や保育園を終えた子どもたちがスムーズに学校生活に溶け込めるように、教職員の専門性の向上や園内体制の整備ということは、東京都教育委員会として必要な支援を行って行くべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○前田特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、これまでも特別支援教育コーディネーター研修を実施し、幼稚園教諭の専門性の向上と園内体制の整備を支援してまいりました。
 第二次実施計画の計画事業である特別な支援を必要とする子どもに対する関係機関の早期支援の連携モデル事業の実施を通じまして、特別支援教育コーディネーターを中心とした園内体制の整備や心理の専門家等による巡回相談の充実など、各区市町村における早期支援のモデルを示したところでございますが、今後はこうした事業の成果のさらなる普及に努めてまいります。
 また、地域の都立特別支援学校が幼稚園や保育所等の要請に応じて、巡回相談や研修等を実施するなどして、幼稚園や保育所の教職員の専門性の向上を支援してまいります。

○笹本委員 次に、都立特別支援学校に在籍する子どもの居場所、これはイメージとしては放課後の居場所ということで質問させていただきたいと思います。
 都立特別支援学校に通う子どもの多くは障害が重い子どもたちであり、一人で外出することが難しかったり、どうしてもさまざまな経験や交流が不足しがちになるというのはやむを得ないのかなと思います。
 都教育委員会の平成二十二年度の主要事務事業の概要や特別支援教育推進計画、先ほどもありました第三次計画の骨子、全体体系図の中にも都立特別支援学校における放課後等活動支援が示されているように、都立特別支援学校に在籍する児童生徒の放課後や土日などにおける活動の充実を図ることは、障害のある子どもの多様な経験や交流の拡充などの観点から大切なことだと考えます。
 そこで今後、都立特別支援学校の居場所づくりを進めることが重要と考えますが、取り組みについて伺うんですが、なぜこんなことを聞くかといいますと、冒頭いいましたけれども、私、江戸川区というところなんですね。くどいですけれども。ここは、公立小学校ですくすくスクールという放課後プランというんですかね、放課後の過ごし方を全国に先駆けて公設公営でやってきたと。地域の力をかりながら、さまざまな力をかりながらやってきて、学童クラブにおいては待機児童がゼロになったというようなことを事業としてやってきた中です。
 私は、それを見ているときに、あるお母さん、障害のあるお子さんをお持ちのお母さんが、その子は都立特別支援学校だかどこか、そのときは正確に把握していなかったんですけれども、この子も目の前にいる子どもたちと一緒に放課後遊ばせてあげたいんだということを、学校というか、放課後の過ごし方は、何とかスクールマネジャーだとかそういういろいろ支援員の方がいるんですけれども、学校に行ったところ、お母さんがついていればいいですよといわれたんですね。
 もっともらしいんですけれども、お母さんがついていないと一緒にできない。多分、それは事故があったり、あるいは専門性のある人がいないからそういわざるを得ないと思うんだけれども、多くの子どもたちはなぜ放課後の学校施設を使いながら、すくすくスクールという放課後プランというか、それに参加しているかというと、実際にはお父さん、お母さんが働いている方が多く、家に帰っても一人なので、五時過ぎまで学校の施設を使いながらそこにいると。だけれども、障害のある子どもさんがいるお母さんは、一緒についていないと参加できない。
 これは随分おかしいなというふうにそのときは思ったんですけれども、そんなこともあってこの質問をしておりますので、よろしくお願いします。

○松山地域教育支援部長 都教育委員会では、都立特別支援学校の児童生徒の居場所づくりを推進するため、平成二十年度から二年間、モデル事業を実施いたしました。モデル事業では、放課後等に実施した多様な体験活動に児童生徒が参加し、社会性が身についたり、興味、関心、意欲、積極性が高まるなどの効果があらわれております。
 一方、放課後子ども教室を実施する学校をふやしていくためには、児童生徒の障害や種別や程度に対応できる多くの支援者の確保など、実施体制の整備が課題となります。このため、今年度は二校において国庫補助事業を活用し、区市町村の小学校と同様に放課後子ども教室を実施するとともに、六校で特別支援学校における放課後等活動支援推進事業を実施し、実施体制の確立に向けた支援を行っているところでございます。
 特別支援学校の児童生徒が放課後等に多くの人々と交流し、さまざまな体験をすることは、自立と社会参加を促す上で大変有意義でありまして、特別支援学校における放課後等活動支援を引き続き推進してまいります。

○笹本委員 事業の特徴から非常に専門性を問われるとか、いろいろ課題はあると思うんですけれども、ぜひ同じような形で、共生ということだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後になりますが、外国人の児童生徒の日本語教育と都立高校の入試に関する質問をしたいと思います。ある意味では多文化共生という部分から質問をするという部分かと思います。
 私のいる江戸川区でも多くの外国人の方がいます。中にはインド人の方のように所得水準が極めて高く、みずから学校をつくったり、スクールバスをつくったりするケースもあって、教育水準も物すごく高いというケースもありますし、ここで質問するのはそういう話ではなくて、イメージとしてはアジア系、先ほども資料請求にありましたけれども、日本語指導は中国語だとかタガログ語が、フィリピンですかね、多いと思うんですが、どちらかというと比較的いろいろ課題が多い生徒さんの内容です。
 日本語指導が十分に必要でありながら、それを受けないままに来てしまう外国人や生徒が相当数いると。先ほどもクラスの数が出ていましたけれども、東京では相当な数ではないかなと思います。
 東京都としては、日本語指導を充実させるべきであるというふうに思いますが、この点についてまずお伺いしたいと思います。

○高野指導部長 日本語指導が必要な外国人児童生徒の母語は多様化しておりまして、日本語の習得状況もさまざまでございます。個別の状況に応じた適切な日本語指導を行うために、教員にはそうした児童生徒の実態に応じた教材や指導法が必要となってきております。
 こうした状況を踏まえまして、平成二十年度にはそれまで十六言語で作成しておりました外国人児童生徒用テキストを二十二言語に拡大いたしまして、学校がそのテキストの一層の活用を図れるようにしたところでございます。
 また、平成二十一年度からは、教員が効果的に指導を行うことができるよう、日本語指導研究開発モデル地域を指定いたしまして、日本語指導の指導内容や方法、教材の開発を行っているところでございます。

○笹本委員 なぜこういうことを聞くかということをまた少しお話ししますと、ことしの春から私の江戸川区でも二校目の中学校の日本語学校ができたり、伝統的にはもう三十年近くになります葛西中学というのが有名なところでありますけれども、中国の引揚者に対してずっと日本語指導を行ってきたということで、相当な効果があったのかなというふうに思います。
 日本語そのものについていけなければ授業もついていけなく、結果的には授業に出てもわからない、友達もできない、学校に行かないという循環を繰り返していくということがあるので、やはり日本語指導というのは非常に重要なのかなというふうに思います。私、年数は浅いんですけれども、保護司をやっていまして、やっぱりそういうことが原因となって犯罪を犯してしまうというケースが相当数あるのかなというふうに思っております。
 日本に来ながら、中には日本国籍を持ちながらも、日本に溶け込めないというケースがありますので、日本語指導というのは非常に重要なことなのかなというふうに思います。
 そこで、二問目なんですが、日本語を母語、母国語としない中学生が都立高校を受検する際に何らかの配慮が行われているかという質問なんですが、ここは冒頭いいましたように、例えば国際高校ですとか、今度新しくやる飛鳥高校ですとか、どちらかというとそういうところをイメージしているんではないということを前提にお答えをいただきたい。

○直原都立学校教育部長 平成二十年度入学者選抜より、外国籍を有し、入国後の在日期間が原則三年以内の生徒について、希望に応じて平仮名のルビを振った学力検査問題で受検できることとしています。
 平成二十二年度入学者選抜では、延べ百五十三人の外国籍を有する生徒が本措置により都立高校を受検し、そのうち百人が合格してございます。

○笹本委員 ただいまの都立高校受検に関するルビ振りについて、もう少し詳しくここで発言をしたいと思いますけれども、今説明がありましたが、要はすべての都立高校の入試でやってほしいということなんですね。現在は、共通問題を使う一次と分割後期入試のみと。そして、自校作成問題、一次の一部の高校と定時制二次にはルビはつかないという状況があるわけですね。
 また、ルビ振り措置を申請できる資格というのは、先ほどありました外国籍の生徒となっているんですが、日本国籍になった人がすべて日本語を話せるというのはむしろ少なかったりするんで、この外国籍というところにひっかかって、ルビ振り措置を申請できないケースがあり得ると。
 また、日本国籍で日本語が、母国語がない生徒がたくさんいまして、そこらは在籍する中学校の校長先生でも判断できるというふうに思うわけです。
 ここで少し広げて話しますと、日本国籍で日本語を母語としない生徒の受検ということは二つあるのかなというふうに私も整理しました。在京外国人入試の受検資格は、先ほどいいました外国籍であること。そうすると、英語か日本語の作文と面接だけでいいと。英語が得意な人は非常に有利だなという印象ですよね。
 もう一つ、海外帰国生徒、帰国子女というんですかね、竹早とか三田高校だと思うんですけれども、これは日本国籍で親より先に帰っているか、親と同時に帰っているかということが条件になるので、親が先に帰っている場合は受検ができないと。イメージとしては、海外の駐在員の商社か何か行っていて、先に親が帰って、多分子どもが優秀で、もうしばらくいるといったケースの場合は受検できないというのは何となくわかるんだけれども、例えば再婚して、例えば中国人の奥さんの子どもだったりすると、こういうケースに当てはまってしまうと受検できなくなってしまう。そうすると、国際結婚の子どもの場合だと、日本語が母国語でない日本国籍の生徒は、どちらの入試の制度も使えないという状況に陥るということがあるわけですね。
 ですから、在京外国人枠か海外帰国生徒枠がどちらかに使えるようにすべきだと思いますが、いかがですか。

○直原都立学校教育部長 何点かお話がございましたが、まず平仮名のルビを振った学力検査問題の措置につきましては、日本語指導が必要な外国籍の生徒の増加等に伴いまして、一般受検者との公平性の観点を踏まえて、入国後の在日期間などの条件を定めて実施したものでございます。
 今、委員からお話のございました外国生活が長いために日本語の習熟が十分でない日本国籍の生徒につきましては、海外帰国生徒対象の選抜での受け入れを基本に考えております。
 また、このような生徒に対して、先ほどのルビ振りの措置を適用することにつきましては、適応に当たってさまざまなケースが考えられるため、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

○笹本委員 こういう例があるんですよ。中国人の生徒が、来日一年で国際高校を受検して、不合格になったと。中国人引き揚げ枠で深川高校に進学し、その後、校内で一番になるような生徒になって、東京大学に進学したというケースを私は聞きました。
 ですから、日本語の作文だけで合格者を決めるというのもどうなのかなというふうに思いますし、先ほども冒頭、多文化共生ということをいいましたので、やはり多くの人に教育の機会を与えるということもぜひ配慮していただきたいなというふうに思いますので、都教委の考え方は考え方として、ぜひこういう部分を、ますます外国の方はふえてくると思いますし、先ほどもいいましたけれども、学校に行くというのがやっぱり最も社会性を身につけたり、いろいろな人格を形成するということになると思いますので、ぜひそこらの部分を今後ご理解をいただきたいなというふうに思います。
 最後の質問になりますが、重複があるかもしれません。都立高校に在籍している日本語指導が必要な外国人生徒はどのぐらいかということと、それらのうち、不得意教科を取り出して重点的に指導する、特別な指導を受けていない生徒に対しては、どのような取り組みを行っているのか、ご説明いただきたいと思います。

○高野指導部長 平成二十一年度都立高校における日本語指導が必要な外国人生徒数は二百九十二名でございます。その数は年々増加しているところでございます。
 このため、都教育委員会は、特別な指導を受けていない外国人生徒を対象といたしまして、学校が外部人材を計画的に活用して、授業の補助等を行う日本語指導外部人材活用事業を平成二十二年度から実施しているところでございます。

○笹本委員 こういう例もあるそうです。早稲田大学と新宿区では、大学と区内の小中学生の日本語指導を協力する体制をつくっているような自治体もあったり、東京外国語大学では、生徒の母語を専攻する大学生を国際理解教育や日本語強化支援ボランティアとして学校や地域の支援教室に送り出している、こういうことが実際には行われていると。
 現実を見ると、自治体の方がいろいろな課題があって、なかなか進まないという部分はあるようですけれども、やはり先ほどもいいましたけれども、多文化で共生していくということを考えると、今後避けられない課題なのかなというふうに思いますので、どうかこれからも積極的に事業の推進をしていただきたいというふうに思うわけです。
 私は、小学校時代から余り算数が得意じゃなくて、時間の目測を少し誤ったようですが、少々早いようですが、以上で終わります。ありがとうございました。

○桜井委員 理事者の皆様にはお疲れのところだと思いますが、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 それでは、まず最初に、特別支援教育について私の方からも質問させていただきたいと思います。
 現在、国においては、中央教育審議会初等中等教育分科会、特別支援教育の在り方に関する特別委員会において、障害の有無にかかわらず、すべての子どもが地域の小中学校に就学し、通常の学級に在籍することを原則としたインクルーシブ教育システムの構築に向けて、就学相談や就学先決定のあり方などに関する検討が進められていると思います。
 もしこのインクルーシブ教育システムが実現し、障害のある子どもが通常の学級に就学することになれば、区市町村の小中学校ではさまざまな障害に応じた人的な配置や学習指導上の配慮、施設設備の整備などが個別に必要となり、その実現に向けては解決すべき課題が山積しているものと考えます。
 そこで、こうした国の動向を踏まえ、都教育委員会では、これらの都における障害のある子どもの就学のあり方についてどのように考えるのか、所見をお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 障害のある子どもの将来の自立と社会参加に向けて、障害の種類や程度に応じた専門的な教育を行い、日常生活や社会生活に必要な意欲や知識、技能を育てていくことが特別支援教育の重要な役割でございます。
 都教育委員会では、都と区市町村の適切な役割分担のもと、小中学校の都立特別支援学校など、障害の種類や程度に応じた教育の場の整備と適切な就学の推進を通じて、障害のある子ども一人一人の可能性を最大限伸長するための特別支援教育の充実に努めているところでございます。
 また、適切な就学の推進に当たっては、障害のある子どもの就学に関する判断と責任の主体である区市町村教育委員会とより緊密な連携を図り、子どもの可能性を最大限に伸長するための教育の場や教育内容、方法等について、保護者の理解が得られるよう努めてまいります。

○桜井委員 障害のある子ども一人一人の可能性を最大限に伸長するために、適切な就学を推進することは大切であると考えますが、障害のある子どもとともに生きるのは保護者であると思います。
 確かに現行法令上は、障害のある子どもの就学先の決定は区市町村教育委員会の判断と責任によるわけですが、子どもの人生に寄り添うのは保護者であることを考えれば、障害がある子ども一人一人の就学先を決定するに当たっても、我が子の教育に対する考えや学校への要望など、保護者の意向にも十分耳を傾けることが大切ではないかと考えます。
 そこで、都における現在の就学相談はどのような方針に基づいて行われているのか、また就学相談実施上の課題はどのようなところにあるのか、都教育委員会の見解をお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、障害の種類や程度、発達の状態等に応じ、障害のある子ども一人一人にとって最もふさわしい教育を行うという観点に立って、適切な就学を進めることを就学相談の基本方針としております。
 保護者に対しては、就学に関する的確な情報を伝え、保護者の意向を十分に聞き取りながら、子どもの就学の場についてより深い理解と納得が得られるよう、就学相談を行うことを重視しております。
 しかし、保護者の考えと区市町村教育委員会の判断が異なる場合もあることから、障害のある子どものより適切な就学の推進に向けては、全都的な視点に立って就学相談体制の一層の整備を進めていくことが課題であります。

○桜井委員 今、ご答弁にもありましたとおり、課題解決のために努力をしていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 次に、都教育委員会は、本年七月八日に東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画案の骨子を発表しました。そして、近く本計画が公表されると聞いております。
 子ども一人一人の可能性を最大限に伸長することを基本理念に掲げ、そのために適切な就学を推進しようとするのであれば、将来の自立と社会参加に向けて必要な教育内容や方法、最もふさわしい教育の場について、保護者に対してより丁寧な情報提供や説明を行い、深い理解と納得を得られるよう、就学相談を行うことが重要と考えます。
 東京都特別支援教育推進計画の基本理念のその実現に向けては、障害のある子ども一人一人の適切な就学の推進は不可欠であり、その意味では全都的な視点に立った就学相談実施体制の整備に向けて、第三次実施計画においても具体的な取り組みを進める必要があると考えますが、都教育委員会の見解をお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、第二次実施計画において障害のある子どもの適切な就学に資するため、乳幼児期の成長、発達の様子や支援の手だてを学齢期につなぐ就学支援シートの開発と普及などに努めてきております。
 今後は、こうした取り組みの成果を踏まえ、医療、保健、福祉等の分野と一層の連携を図るとともに、早期からの相談支援体制や各区市町村教育委員会と地域の都立特別支援学校との連携強化による就学相談実施体制のあり方などについて検討してまいります。
 また、高等部においても、個別の教育支援計画等を活用し、地域の中学校等との連携をより強化した入学相談のあり方について検討してまいります。

○桜井委員 近年、各市町村教育委員会においては、就学相談の実施件数が年々増加していると聞きますが、第三次実施計画案の骨子にあるとおり、特別支援学級や特別支援学校の在籍者が今後も増加するのであれば、それに伴って就学相談の実施件数も増加していくものと推測されます。
 こうした中で、各区市町村教育委員会では、特別支援教育に関する専門性を有する人材が不足し、人的にも時間的にも個々のケースに応じた丁寧な就学相談を進めることが困難になっていると聞いております。
 たとえ第三次実施計画において早期からの相談支援体制の整備や都立特別支援学校との連携強化などによる就学相談体制の整備に取り組んだとしても、区市町村教育委員会において保護者と直接に対応する相談担当者の専門性が不足しているような状況であれば、保護者のより深い理解と納得を得た上で、障害のある子どもの適切な就学を推進していくことは難しいのではないかと考えるわけでありますが、そこで区市町村教育委員会における専門性の高い相談担当の育成についてどのように考えているのか、都教育委員会の見解をお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 就学相談担当者には、特別支援教育に関する幅広い知識や豊富な識見、専門的な教育相談の技能などが求められ、区市町村教育委員会における専門性の高い人材の確保と育成は重要でございます。
 今後は、都教育委員会が実施する区市町村教育委員会の就学相談担当者を対象とした研修の内容や方法を充実させていくとともに、都立特別支援学校のセンター的機能を活用した区市町村教育委員会が実施する就学相談への個別具体的な支援等を通じて、就学相談担当者の専門性の向上を図ってまいります。
 また、就学相談に関するガイドラインを作成するなどして、各区市町村における就学相談の実施を支援してまいります。

○桜井委員 現在、小中学校の特別支援学級においては、児童生徒の増加やベテラン教員の退職に伴い、経験の少ない若手教員の採用や配置がふえていると聞きます。これも先ほどお話が出ておりましたが、このような状況では、たとえ適切な就学が推進されたとしても、我が子が就学した先の特別支援学級や特別支援学校において、専門性の高い教員が不足しているようなことがあれば、我が子の可能性を最大限に伸長する専門的な教育を求めて、就学先を選択した保護者の期待にこたえることは難しいというふうに考えるわけであります。その意味で、第三次実施計画の成否は、専門性の高い教員の育成と確保にかかっているといっても過言ではありません。
 そこで、都におけるこれからの特別支援教育の充実に向け、高い資質と能力を有する教員の育成と確保についてどのように考えられるのか、都教育委員会の見解をお伺いいたします。

○前田特別支援教育推進担当部長 小中学校の特別支援学級や都立特別支援学校における専門性の高い教員の育成と確保は極めて重要な課題であると考えています。
 今後は、都立特別支援学校のセンター的機能の活用などにより、地域の小中学校に設置された特別支援学級と都立特別支援学校との連携を深め、相互の教育力の向上を図る取り組みを充実させてまいります。
 また、これからの都の特別支援教育を担う専門性の高い人材の育成と確保のためには、採用、育成、異動等の幅広い視野に立った検討を行う必要があることから、庁内の関係部署の連携による検討委員会を設置し、具体的な方策について検討してまいります。

○桜井委員 それでは、次の質問に移らせていただきます。教育管理職並びに教員の負担軽減についてお伺いさせていただきます。
 先ほどもちょっとお話がありましたが、私は公立の小学校、中学校を中心として質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。また、今回、この質問に関しましては、従来より村上副委員長がかなり力を入れてやってこられたという部分で、今回、私が機会をいただきましたので質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、小学校、中学校においては、子どもの学習指導だけではなく、いじめや不登校など生活指導面、児童の安全対策などにかかわる地域との連携、しつけなど家庭教育に関する保護者対応等、さまざまな新たな課題への対応が求められていることから、教員、とりわけ業務が集中しているといわれる副校長に多忙感が深まっているといわれております。
 この多忙感こそが、教員が管理職選考の受験を敬遠する要因となっていると考えておりますが、都教育委員会の認識をお伺いいたしたいと思います。

○岡崎人事部長 小中学校におきまして教職員は、学習指導、生活指導、進路指導、部活動などの生徒指導に加えまして、委員ご指摘のとおり、地域との一層密接な連携、保護者へのきめ細かな対応、増加する若手教員の育成など、さまざまな新たな課題への対応が求められてございます。
 しかしながら、従来の校務分掌組織や教員間の役割分担が機能の上からも、また意識の上からも、こうした課題に十分に対応しておりません。結果的に副校長などに業務が集中する実態がございまして、教員が管理職選考の受験を敬遠する要因の一つとなっていると認識しております。

○桜井委員 教育管理職の負担を軽減して、副校長先生の魅力をより高めていくためには、教員のみならず、学校事務職員を含めた校務改善への取り組みが必要であるというふうに考えておりますが、今後、都教育委員会は校務改善に向けてどのように進めていくのかお伺いをいたします。

○岡崎人事部長 副校長などに業務が集中する実態を改善するためには、学校がより組織的に機能する仕組みを構築する必要があると考えております。
 そのため、現在、業務処理調査研究事業を実施いたしまして、業務内容や手順、また校務分掌と実態の乖離の状況など、校務の実態を学校現場で調査しているところです。
 今後、この調査の結果を踏まえまして、校務分掌組織のあり方を検討するとともに、学校事務職員を含む教職員全体の役割分担を明確化し、効率的、効果的に業務を行うことのできる校務運営の仕組みのモデルを構築してまいります。

○桜井委員 子どもの教育環境というのは、やっぱり先生が一番の環境だと思うんですね。ですから、やはり先生方が子どもたちにしっかり当たれる、そういう時間をつくる努力もしていかなければいけないということの中で、そういう事務処理軽減に関しましては、やはりしっかりお願いをしたいというふうに私の方からもお願いしたいと思います。
 それでは、先ほどに連動しておりますが、学校の先生の多忙感の軽減について、学校ICTの環境整備の推進についてお伺いをしたいと思います。
 現在の教職員の多忙感の中には、事務作業に費やす負担が大きいと考えております。これを解消するためには、校務事務の作業を都内どこでも同じように標準化すること、そしてパソコン等のICT機器を活用することが効果的なはずであると思っております。
 しかし、私が調べたところ、区市町村立小中学校は、おのおのの設置者である区市町村の機関でもあり、区市町村ごとに文書や会計事務の規定が異なっていることから、これを学校だけ統一し標準化することは難しいということがわかったわけであります。
 一方、校務用パソコン等のICT機器の整備は一般的に事務作業の効率化を期待できるものでありますが、区市町村立小中学校における校務用パソコンの整備については、各自治体がそれぞれの地域の事情に応じて進めてきたため、整備の状況に大きなばらつきがあり、中には導入が非常におくれていた自治体もあったわけであります。
 昨年度、国が教育用、校務用コンピューターの整備、校内LANの整備等、学校におけるICT環境整備を推進させることを目的に、総額二千億円にも上る学校情報通信技術環境整備事業補助金の財政措置を行ったため、校務用パソコン等の学校ICT環境の整備状況は飛躍的に高まったと聞いております。
 そこで質問させていただきますが、区市町村立小中学校の教員一人一台に相当する校務用パソコンの整備状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。

○松山地域教育支援部長 文部科学省が実施しております学校における教育の情報化等の実態に関する調査によりますと、教員に対する校務用コンピューターの整備率が一〇〇%を超える区市町村は、小学校で平成二十一年三月一日現在、六十二区市町村中二十団体でありましたが、平成二十二年三月三十一日では四十六団体へと整備が進み、これは全体の区市町村の七四・二%に相当しております。
 同様に中学校の場合は、平成二十一年三月一日現在、六十二区市町村中十九団体でありましたが、平成二十二年三月三十一日では四十八団体へと整備が進み、これは全体の区市町村の七七・四%に相当しております。

○桜井委員 小中学校の校務用パソコン等の整備についての都教育委員会の認識及び整備が進んでいない区市町村についての東京都教育委員会の対応についてお伺いをいたします。

○松山地域教育支援部長 区市町村の中には、校務用コンピューターや校内LAN等の整備を積極的に進め、校務事務処理のシステム化等に取り組んでいる自治体があると聞いております。
 一方、厳しい財政状況により、なお校務用コンピューターを初めとする学校ICT環境の整備が進んでいない自治体がございますため、国に対し、平成二十一年度に財政措置した学校ICT環境整備の補助金等を今後とも予算措置するよう提案要求しているところでございます。

○桜井委員 ぜひこれは標準化するように今後とも国に対して強く提案していただきたいというふうにお願いを申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。

○原田委員長 この際、議事の都合によりおおむね三十分間休憩いたします。
   午後七時四分休憩

   午後七時三十五分開議

○原田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○野上委員 資源が少ない日本にとって、未来を担う人材こそが貴重な資源だと思っております。
 その人材を育成する教員が担う役割は極めて重要であると考えております。その重要な職責を担う教員の質の確保は、多くの都民が都教育委員会に対して期待しておるものだと思っております。
 都教育委員会は、他県の優秀な人材を確保するために、他県との連携を図った教員採用選考を実施しております。また、受験機会の拡大を図るため、東京都内だけでなく、地方会場の仙台に加え、九州地方においても選考を実施していると聞いております。
 そこで、地方での試験会場を設けるなど、受験者を増加させるための取り組みの結果、受験者数や合格率にあらわれた効果についてお聞きいたします。
 特に小学校では、二年前の採用選考で二・六倍という非常に低い倍率になったと聞いておりますが、その後の変化についてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 平成二十二年度に実施いたしました教員採用選考の受験者数は、全校種で一万七千百四十八人、前年度に比べ一二・五%増加したことから、合格者数三千二百七十一人に対する倍率は五・二倍となり、さまざまな人材確保の取り組みの結果、受験者数、倍率ともに二年連続で増加いたしました。
 このうち、小学校の受験者数は五千五十七人、前年度に比べ七・四%増加し、合格者数一千三百二十八人に対する倍率は三・八倍となりました。これは、委員ご指摘のとおり、小学校の教員を確保するため、試験会場を新たに福岡市に設けたほか、秋田、大分、高知の三県の一次試験で一定の成績をおさめた者が都の二次試験に進むことができる協調特別選考を実施するなど、新たな取り組みを行ったことによるものと考えてございます。

○野上委員 地方での試験会場を設けるなど、受験者を増加させるための取り組みの結果、受験者数や合格倍率が増加傾向に転じたことは評価したいと思っております。
 今後とも優秀な教員を引き続き確保し、さらなる受験者数の増加に向けて、都教育委員会としてさらなる取り組みについてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 教員の質の維持の向上のため、教員採用選考において受験者数を増加させることが重要でございます。
 このため、地方からも優秀な人材を受け入れることを目的として、第一次選考の地方会場をさらにふやすことを検討しております。
 また、協調特別選考については、今年度の成果を踏まえ、他県への働きかけを強化してまいります。
 さらに、若手教員を活用した募集活動を開始するほか、地方大学と連携した説明会や、地方在住者に東京の学校を紹介するバスツアーを実施するなど、PR活動の充実を図ってまいります。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に進め、優秀な人材の確保に努めてまいります。

○野上委員 ぜひ優秀な人材の確保に努めていただきたいと思っております。
 一方、採用後の一年間は条件つき採用期間で、良好な成績で勤務した場合に正式採用となることが、地方公務員法、あるいは教育公務員特例法で規定されております。難しい試験に合格して採用された優秀な教員が、すぐにやめてしまっていないか心配になります。
 そこで、平成二十一年四月一日に採用された教員で、採用後一年間に自主退職などにより正式採用とならなかった教員数は何人か、校種別にお伺いいたします。

○岡崎人事部長 都教育委員会が、平成二十一年四月一日に新規採用した教員数は二千八百九十四名でございます。その内訳は、小学校で一千五百八十四名、中学校で六百四十名、高等学校で三百三十二名、特別支援学校で三百三十八名となっております。
 そのうち、採用後一年間に自主退職などにより正式採用とならなかった教員数は八十七名でございます。その内訳ですが、小学校で五十一名、中学校で十九名、高等学校で六名、特別支援学校で十一名となっております。また、正式な採用とならなかった教員の新規採用教員全体に占める割合は三%でございます。

○野上委員 全体の三%という数字をどのようにとらえるかというのは難しいところがございます。小学校の教員の場合は三%ですが、高校の方は三百三十二名中六名というので、やめられた方がかなり少ないと思っております。
 個人によって異なると思いますけれども、せっかく難しい試験に合格して採用された方々なので、できれば長く勤めていただきたいと思っております。
 しかし、条件つき採用期間中の教員で正式採用とならなかった教員の中には、精神疾患を罹患して、みずから退職しなければならなくなった教員も少なからずいるのではないかと思っております。
 そこで、次に、メンタルヘルスについて何点か伺います。
 昨年の第一回定例会予算特別委員会におきまして、教員のメンタルヘルスについて質問させていただきました。その際に、東京都も多くの取り組みをしていますけれども、さらにもう一歩踏み込んだ施策をする必要があるのではないかとの質問に対して、大原教育長は、抜本的な対策を講じるという力強い答弁がございました。非常に感激いたしました。
 もとより、メンタルヘルス対策には特効薬というものはなかなか見出しがたいものだと思います。一つ一つ地道に対策を講じていくことが何より大切なことだと考えます。
 平成十九年度の精神疾患による休職者というのは、そのときは四百十六人でありました。休職者の六九・一%が精神疾患であったと記憶しております。精神疾患による休職者数が、近年どのように推移しているのかが大変気になるところでございます。
 そこで改めて伺いますが、平成十七年度から平成二十一年度までの五年間の精神疾患による病気休職者数は何人でしょうか。

○岡崎人事部長 都が任命しております公立学校教員の精神疾患による病気休職者数を年度別に申し上げますと、平成十七年度が三百三十四名、十八年度は三百八十四名、十九年度は四百十六名、二十年度は五百四十名、二十一年度は五百三十二名でございました。

○野上委員 平成十七年度の精神疾患による休職者が三百三十四人のところ、平成二十一年度は五百三十二人と、五年間で百九十八名ふえております。二十一年度は、前年度よりわずかに減ったとはいえ、休職者が高どまりの状況にあるといえます。今まで行ってきたメンタルヘルス対策が、残念ながら功を奏していないのではないかというふうに感じております。
 そこで、都教育委員会では、今後どのような方針に基づいて新たなメンタルヘルス対策を実施していくのかお伺いいたします。

○谷島福利厚生部長 平成十九年度における精神疾患を理由とする休職者を分析しましたところ、その三分の二が病気休暇に入る直前まで精神科への受診をしていないなど、いわゆる手おくれ受診の多いことが判明いたしました。
 そこで、休職の未然防止を図る観点から、都教育委員会は、早期自覚、早期対処を基本方針と定めまして、今年度から土日相談、臨床心理士の講師派遣、初任者や副校長昇任者に対するカウンセリング、メンタルヘルスに関するチェックシート導入の試行などを実施しております。

○野上委員 ただいまの答弁でもありましたけれども、主要事務事業の中でメンタルヘルスに関するチェックシートの導入について記述があります。これについて、これはどのような事業なのでしょうか。

○谷島福利厚生部長 うつ病などの精神疾患は、本人の自覚がないままに重篤化することが多いことから、心の病の自覚を促すことで受診や相談につながるストレス検査は重要なメンタルヘルス対策の一つと考えております。
 ストレス検査の効果を高めるには、積極的に希望しない人も対象に含むこと、受診者が同一条件で検査が受けられること、短時間で済むなど負担軽減が図られること、その他、一定の条件を重複させる必要がございます。
 そこで今年度は、全教員の一割に当たる約六千人を対象に、定期健康診断時にチェックシートを用いてストレス検査の試行を実施しております。今後はこの試行結果をもとに、効果的なストレス検査のあり方を検討してまいります。

○野上委員 一割の六千人に対してのチェックシートを用いたストレス検査を試行したということですけれども、こういった取り組みは全国でも初めてだと思います。この効果を期待しておりますが、今後の状況をまた勘案していきたいと思っております。
 予防が第一ということは理解するところですけれども、不幸にして心の病を理由に休職された教員に手を差し伸べる対策も忘れてはならないと思っております。
 そこで、復帰訓練機関としてリワークプラザ東京を新設したと聞いています。その実施状況についてお伺いいたします。

○谷島福利厚生部長 リワークプラザ東京は、全国で初めて教育委員会が直接運営に携わる復帰訓練機関でございまして、精神科医が訓練の開始時及び終了時に面接を行い、臨床心理士や校長OB等による復職アドバイザーが学校を訪問して、個人に応じた訓練プログラムの作成や授業観察を行うなど、職場復帰に向けてきめ細かく支援を行ってございます。
 本年五月に開所し、六月から訓練参加の申し込みを受け付け、八月から復帰訓練を開始したところでございます。先月の十月二十五日現在、一週間前で申しわけございませんが、参加申し込み者九十人、訓練参加者五十三人であります。
 訓練修了者につきましては、訓練開始から期間がまだ短いため、修了者が出ておりません。

○野上委員 リワークプラザ東京が、全国に先駆けて設置された機関ということで、今後、復職者に対して細やかな支援を行うことを期待しています。
 次に、教育管理職不足についてお伺いいたします。
 これまでも都議会において、校長や副校長といった教育管理職そのものに焦点を当てた議論を重ねてきた印象もありますが、別の見方をすれば、副校長、副校長職の一歩手前である主幹教諭というものは、教育管理職の予備軍的な存在でもあります。教育管理職の供給源、源泉という人材ではないかと思っております。今回は、その点に焦点を当てて何点かお伺いいたします。
 まず、都教育委員会では、教育管理職選考の受験者数の減少傾向に危機感を持っていると聞いていますが、教育管理職選考の受験者数が減少している要因と対策についてお伺いいたします。

○岡崎人事部長 教育管理職選考の受験者数減少の要因としては、現在、教育管理職選考の受験対象となる三十代後半から四十代前半が年齢構成の谷間に当たるという問題のほかに、学校組織の中で主体的に学校経営を担おうという意識が多くの教員に希薄であることや、管理職という仕事に魅力を見出せないことなどが挙げられます。
 このため、若手教員のころから学校組織を動かして、子どもたちによりよい教育を提供する管理職の仕事の魅力を伝えるとともに、学校がより組織的に機能する仕組みを構築する必要があると考えます。
 具体的には、校長、副校長が面接や日常の職務を通じて、キャリア形成の中長期的な展望を意識させ、主任教諭、主幹教諭へと計画的に育成し、受験を促してまいります。
 こうした取り組みにより、これからの学校経営を担う、意欲の高い管理職を数多く確保してまいりたいと存じます。

○野上委員 都教育委員会は、校長、教頭、以下平みたいな、従来のいわゆる鍋ぶた式の組織から、管理職と一般の教員の間に主幹という職を平成十五年度から全国に先駆けて設けました。この主幹が学校運営の中核となり、学校を取り巻くさまざまな課題への組織的対応力の向上に重要な役割を担ってきたと思っております。
 この主幹制度は、全国的に見れば、平成十九年六月の学校教育法等の改正により、主幹教諭という新しい職の設置が可能となった先駆けとなるものであります。
 そこで、現在の状況を尋ねますが、平成二十二年度における主幹教諭の配置実績数と充足率はいかがなんでしょうか。校種別にお願いいたします。

○岡崎人事部長 平成二十二年四月一日におけます校種別の主幹教諭の配置実績数と充足率は、小学校で一千七百十一名、七五・七%、中学校で一千五百三十名、九一・二%、高等学校で九百六名、七三・六%、特別支援学校で二百三十一名、八八・八%であり、全体では四千三百七十八名、八〇・六%となっております。

○野上委員 学校運営の中核となり、学校を取り巻くさまざまな課題への組織的対応力の向上に重要な役割を担っております主幹教諭の配置が、必要数の八割程度しか充足できていない現状では、都の学校現場の状況を考えると一抹の不安を感じております。
 教育管理職の有資格者である主幹教諭を確保することは、待ったなしの喫緊の課題であります。都教育委員会の今後の取り組みをお伺いいたします。

○高畑人事企画担当部長 都教育委員会では、これまでも推薦制の導入や受験資格の見直しなどにより、主幹教諭選考の受験者拡大を図ってまいりましたが、ただいま人事部長が答弁いたしましたように、学校を組織的に運営するために必要な計画数をいまだ満たしておりません。
 また、校種間、地域間で主幹教諭の配置の不均衡も生じております。このため、本年度から、これまで受験をちゅうちょしていた優秀な人材を区市町村教育委員会、学校経営支援センター及び校長が発掘して、受験を強く促すという推薦方法に改めたところでございます。
 こうした見直しを行うことによりまして、教育管理職の有資格者でもある主幹教諭を計画的に確保いたしますとともに、校種間、地域間の廃止の不均衡を是正してまいります。

○野上委員 教育管理職の確保に向けた都教育委員会の地道な取り組みに期待するところでありますが、都教育委員会には本人希望による降任制度があります。教員各自のライフサイクルで教育管理職として勤務することが難しい時期もあると思います。降任制度などをうまく活用して、職責とライフサイクルをマッチングさえすれば、もっと多くの教員が受験できるようになるのではないかと考えております。
 次に、要望事項なのですけれども、再任用、フルタイム校長制度なんですが、このすぐれたすばらしい優秀な校長が、一たん退職した後にもう一度採用されるようにする仕組みでございますが、区市によって採用状況の差がございます。たくさん採用している区とそうでない区市の差がありますので、ぜひ優秀な校長先生を再任用、フルタイム校長として活用していただければと思っております。
 もう一つ要望事項で、教員免許更新制についてでございますが、これは平成十三年の第三回定例会で、処分を受ける教員がふえている現状を考慮して、教員免許についても更新制度を設け、常に資質と意識の維持向上を図るべきだというふうに、教員の免許更新制を提案させていただきました。
 そして今、これが今後どうなるかというのがちょっとまだはっきりいたしませんが、この免許更新制、今までと同じように免許講習等を受講していただければと思っております。これはそのままにしておきます。
 それから、都立高校の募集枠でございますが、先ほど議論があったのでかいつまんでいいますと、ことし三百名の方たちを追加募集したんですが、都立定時制高校においてもなかなか状況が厳しかったということを聞いております。
 今回、追加募集は四月に入ってからどこにも行き場のない子どもたちにとって、受け入れ枠を確保したということは評価できますけれども、中学校として時間のない中、卒業して進路が決まらない生徒がたくさんいたということで不安も感じております。
 来年度、定時制で不合格となって行き場のなくなる生徒が出ることのないように、都教育委員会としてどんな対応をとるのかお聞かせください。

○直原都立学校教育部長 平成二十二年度定時制課程の入学者選抜において応募人員が募集人員を上回った原因は、都立高校授業料の不徴収や景気の低迷などを受け、都立高校全日制進学を希望していながらも選抜不合格となった生徒が応募したためと考えられます。
 都内公立中学校卒業生の高校への受け入れにつきましては、都と私立高校の代表者で構成する公私連絡協議会の協議により分担数を決定しておりますが、意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れ、行き場のない生徒が生まれないようにするために、平成二十三年度の入学者選抜に当たっては、従前の公私合意に基づく都立全日制高校の募集数に緊急対応枠として百六十人を加え、募集することとしたところでございます。

○野上委員 とりあえず百六十人ということですが、もしまだたくさん行き場のない生徒があらわれた場合には、臨機応変に対応していただければと思っております。
 次に、学校非公式サイトの監視結果についてということで質問させていただきます。
 これも平成二十年の第三回定例会の代表質問の中において、いじめにつながる特定の個人への誹謗中傷が携帯ネットやインターネットの学校裏サイト、今、学校非公式サイトといっておりますが、掲示板、ブログ、プロフなどの中に掲載され、大変大きな社会問題となっていることについて指摘をさせていただきました。また、教育庁に対しましては、実効性のある対策を求めたところでございます。
 これを受けて、都教育委員会は全国に先駆けて学校非公式サイト等のネット監視を開始していただきましたが、その状況についてお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会は、平成二十一年六月からすべての都内公立学校に約二千二百校を対象といたしまして、学校非公式サイト等の監視業務を業者委託により開始いたしまして、児童生徒を有害情報から守る取り組みを行っているところでございます。
 平成二十二年三月末日までの約十カ月間の監視結果によれば、検出されたサイト上にある特定個人に対する誹謗中傷、いじめや犯罪につながるおそれのある有害情報、他人や自分の情報の書き込みなどの不適切な書き込みについては一万三千九百五十五件でございました。
 また、平成二十二年四月から九月末日までの六カ月間の監視結果によりますと、昨年度と同様の不適切な書き込みについては八千四百六十件でございまして、いずれも中学校と高等学校でほぼ二分されているところでございます。

○野上委員 監視状況についてよくわかりました。特定個人に対する誹謗中傷や、いじめや犯罪につながる有害情報が検出された場合、当該校への指導は具体的にどのように行っているんでしょうか。

○高野指導部長 検出された不適切な書き込みにつきましては、都教育委員会が受託業者を通じて当該サイトの管理運営者に通報して削除依頼を行うとともに、特定個人に対する誹謗中傷や、いじめや犯罪につながる情報は、すべて当該校や当該校を所管する区市町村教育委員会に情報提供いたしまして、速やかに対応するよう指導しているところでございます。
 情報提供を受けた各学校は、その内容をもとに児童生徒への指導を行い、不適切な書き込みによる事件、事故の未然防止に努めているところでございまして、現在まで大きな被害は報告されておりません。

○野上委員 今まではこういった作業は学校や学校関係者だけで、教員でやってきていたわけですが、それが学校や教員にかわって専門業者と連携してネット監視をするという、そして子どもたちのトラブルを未然に防止するというすばらしい取り組みが行われていると感じております。
 しかし、学校非公式サイトの被害はどの学校でも起こり得ると考えております。被害が報告されていない学校も含め、各学校へはどのような指導を行ってきたのかお伺いいたします。

○高野指導部長 インターネットや携帯サイトの有害情報が児童生徒を取り巻く中、児童生徒が被害者にも加害者にもなることなく安全に生活をするための能力を身につけることは重要でございます。
 しかしながら、都教育委員会が平成二十年七月に実施いたしましたインターネット、携帯電話利用に関する実態調査の結果によりますと、トラブルを経験した都内公立学校の児童生徒の割合は五人に一人に達するなど極めて深刻なことから、平成二十年十月、児童生徒、保護者、教員、さらには関係業者それぞれに対しまして、携帯電話利用等にかかわる東京都教育委員会としてのアピールを発出したところでございます。
 また、都内公立学校のすべての学級でネット被害防止の指導を行うことやネット被害に対する担当者を校内に配置することを目的に指導資料集を作成、配布するとともに、児童生徒が被害者にも加害者にもならないために教員を対象とした具体的な指導事例集を作成いたしまして、都内すべての公立学校に配布したところでございます。
 さらに、これまでの学校非公式サイト等の監視結果によると、児童生徒による自分や他人の個人情報の不用意な公開が全体の約六割を占めるなど、トラブルに巻き込まれやすい状況があることから、昨年十一月には各学校で適切に指導するよう通知し、注意喚起をしたところでございます。

○野上委員 学校への取り組みはよくわかりました。児童生徒が加害者にも被害者にもならないためには学校だけの取り組みではなく、家庭や地域社会との連携を図るとともに、学校非公式サイト等の監視の取り組みを継続して行うべきと考えております。都教育委員会の所見をお伺いいたします。

○高野指導部長 児童生徒をインターネットや携帯サイトの有害情報から守るためには、学校の取り組みだけではなく、家庭、地域社会が連携して取り組みを進めることが重要でございます。
 都教育委員会は、平成二十二年三月には監視結果を踏まえたリーフレットを作成、配布し、困ったときの相談窓口の紹介や携帯電話の利用にかかわる家庭でのルールづくりについて、これを児童生徒とともに保護者への啓発を行ったところでございます。
 特に家庭でのルールづくりにつきましては、東京都青少年・治安対策本部と連携いたしまして、保護者がルールづくりのコツを学ぶ、ファミリeルール講座につきまして、区市町村教育委員会へ紹介するなど、その周知を図っているところでございます。
 ネット監視が不適切な書き込みの未然防止や誹謗中傷によるいじめの解消など、事件、事故から児童生徒を守る取り組みとして効果があることを踏まえまして、今後とも都教育委員会といたしましては、引き続き学校非公式サイト等の監視を行うなど、有害情報から子どもを守るための取り組みを一層充実してまいります。

○野上委員 ぜひ、他の局とも連携を図りながら継続していっていただければと思っております。
 次に、スクールカウンセラーの充実について質問いたします。
 スクールカウンセラーは学校の教員との連携体制を確立し、不登校児童生徒の学校復帰率の向上やいじめの未然防止とその解消などに大きな効果を上げていると聞いております。
 スクールカウンセラー活用事業は、当初、国の負担率一〇〇%の委託事業としてスタートいたしましたが、途中から補助事業へ、しかも国の負担率が二分の一から三分の一へ下がるなど、徐々に国が地方に負担を強いる中で行われていると伺っております。
 こうした状況の中でも、都は全国に先駆けて公立中学校の全校配置を実現するなど、その充実に着実に取り組んできていると認識しております。
 児童生徒の問題行動の未然防止には、少しでも早い段階から心理的なケアをすることが必要であると思います。既に配置が始まっていると思っていますが、公立小学校への配置状況について都教委の見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 都教育委員会では、児童生徒の臨床心理に関しまして、高度に専門的な知識、経験を有する臨床心理士をスクールカウンセラーとして学校に配置いたしまして、学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図り、いじめや不登校等の児童生徒の問題行動の未然防止や解消を図っているところでございます。
 スクールカウンセラーの配置は、平成七年度から平成十二年度までは国の委託事業、平成十三年度からは補助事業として実施しているところでございます。また、平成十五年度からは都内全公立中学校に配置しているところでございます。
 お話しの公立小学校へのスクールカウンセラーの配置は、平成二十年度に九十二校、平成二十一年度と平成二十二年度は百三十二校となってございます。

○野上委員 今後、小学校への配置の拡大を図るべきと考えておりますが、都教委の見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 これまでスクールカウンセラーの配置につきましては、平成二十年度から小学校への配置の拡大を図ってきておりまして、配置校からは配慮の必要な児童への対応ができるようになった、スクールカウンセラーからの助言等により教員の教育相談技術が向上した、あるいはまた、保護者への対応が充実し、学校に対する信頼感が高まったなどの報告がございまして、スクールカウンセラーの配置は学校内の教育相談体制等の充実に効果を上げていると評価しているところでございます。
 お話しの小学校へのスクールカウンセラーの配置拡大につきましては、現在、国は平成二十三年度予算概算要求におきまして、拡大する方向で検討していると伺っております。
 都教育委員会といたしましては、こうした国の動向を注視しつつ、充実に向けて検討してまいります。

○野上委員 ぜひ国の方でもしっかりと拡大を図っていただきたいと思っております。
 次に、栄養教諭と食育リーダーについて質問をさせていただきます。
 多分、これ、平成十六年の第三回定例会だったと思います。議場で初めて食育について提案をさせていただきました。そのとき、石原知事が、僕、食育なる言葉を生まれて初めて聞きましたという答弁がありまして、しっかりと食育を推進してまいりますという力強い言葉もいただきました。
 その後、平成十八年の第二回の一般質問で食育リーダーについて提案させていただきました。これは校長のリーダーシップのもと、学校栄養職員、それから養護教員等を含めてすべての関係する教職員が連携して、協力して食育推進の中核となる食育リーダーをしっかりと各校一人配置するべきだということを提案させていただきました。
 その裏にあるのは何かというと、本来ならば栄養教諭を全校に配置していただきたいということがあったんですが、予算的な措置もあって、学校栄養教諭も全校に配置されていないという裏事情もありまして、それはなかなか厳しいので、各学校でたった一人でいいから、そういう食育を推進していく食育リーダーを配置して、その人を中心として食育を推進していくべきだということを述べました。
 そのときは中村教育長だったんですけれども、七月を目途にして推進してまいりますという答弁をいただきまして、その年に大体食育リーダーが決まりまして、その翌年からいよいよ本格的実施をされたと伺っております。
 栄養教諭に任命するための手続について、先ほどちょっと答弁がありましたので、これは割愛をさせていただきます。今、東京都における栄養教諭の数は二十七名ということも先ほど出ましたので、これも割愛させていただきます。
 最後に、都は栄養教諭の配置に先立って、各学校に食育リーダーを設置しておりますけれども、栄養教諭は食育リーダーをどのように活用して、その地区の食育を推進しているのかお聞きいたします。

○松山地域教育支援部長 都教育委員会は、平成十九年度から都内公立小中学校に食育リーダーを設置してきておりまして、設置率は小学校九八%、中学校九六%となっております。
 栄養教諭は、食育と関連づけた環境問題や保健等の公開授業、地場産物マップやレシピ集の配布などにより、地区の各学校の食育リーダーを支援し、食育リーダーはこうした事例を参考にして、さまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、給食で残ったご飯をおにぎりにすることで残菜を減らし、環境問題を考えさせる取り組みや朝食の重要性を学ぶ授業、地場産物を活用した親子料理教室の開催等により、食への感謝の念の醸成や望ましい生活習慣の確立等に努めております。

○野上委員 余り時間がありませんので、この食育を推進することが将来的には大きく医療費の削減につながることを申し述べておきます。
 次に、子どもの体力向上策について質問させていただきます。
 文部科学省が実施した全国の小学校五年生と中学校二年生、約二百四十人全員を対象にした体力・運動能力調査では、子どもの体力、運動能力は昭和六十年以降年々低下していると。一方、身長、体重などの子どもの体格については親の世代を上回っている。
 このように、体格が向上しているにもかかわらず、体力、あるいは運動能力が低下していることは、身体能力の低下が深刻な状況であることを示していると思います。子どもの体力の低下は、将来的に国民全体の体力低下にもつながり、生活習慣病の増加やストレスに対する抵抗力の低下などを引き起こすことが懸念されます。
 特に、東京都の児童生徒の体力の面では、中学校二年生の男子が四十七都道府県の中で四十六番目と全国でも下位に甘んじています。これは室内ゲーム時間の増加による外遊びの減少とか塾通いによる運動する時間が足りないとか、運動禁止の公園の増加とか、さまざまな運動不足の原因が考えられますが、子どもの体力増強について手をこまねいているわけにはいかないと思っております。
 そこで、東京都の児童生徒の体力向上策について、二点についてお伺いいたします。
 まず第一に、東京都は体力向上東京大作戦として、一日当たり一万五千歩を歩く、一日六十分のスポーツをすると掲げております。運動量やスポーツする時間の目標を掲げております。自分で目標を決めて、記録等をとりながら楽しく運動する習慣を推進していくべきと考えます。所見を伺います。

○高野指導部長 児童生徒の体力を向上させていくためには、すべての学校で児童生徒の体力の把握に努め、その結果の評価、分析に基づきまして、休み時間の過ごし方や体育授業、学校行事を工夫するなどの取り組みを推進することが大切でございます。
 このため都教育委員会は、平成二十年度から小中高校、特別支援学校にスポーツ教育推進校の指定を開始いたしまして、今年度は合計三百校を指定しているところでございます。
 その結果、各学校が児童生徒の現状を踏まえまして、例えば声を出して持久走を行うことや昼休みに縄跳びに取り組むことなど、児童生徒が目標を持って体を動かすことが体力向上に効果があるという成果を得たところでございます。
 今後、都教育委員会は、スポーツ教育推進校の取り組みの成果を踏まえまして、児童生徒の個々の実態や学校の現状、課題に基づき、児童生徒自身が具体的な目標を達成していくための実効性のある一校一取り組み運動を都内すべての公立学校において推進していくとともに、すぐれた取り組みを行った学校を顕彰してまいります。

○野上委員 ぜひ推進を図っていただきたいと思います。
 要望事項なんですけれども、例えば自分の体力がどのように変化したかとか、どれぐらい歩いたとか、運動をどれぐらいやったとか、そういう記録用紙等を作成する工夫とかが必要ではないかと思っております。
 例えばインターネット上で、私もダイエットに励んで、記録をとる用紙とかをいつも張っているんですけれども、要するにインターネットで自分の運動量を記録できるような、そういう様式をつくっていただいて自分でとっていく、そういうのもいいんじゃないかなと思って要望しておきます。
 それから二点目なんですけれども、保護者や児童生徒を含めて、社会全体で子どもの体力低下の現状を正しく理解して、体力を向上させなければならないという意識を高めるような普及啓発活動を行うことが重要であると考えております。これも所見をお伺いいたします。

○高野指導部長 東京都の児童生徒の体力は、全国平均よりもはるかに低いという憂慮すべき状況に陥ってございます。
 児童生徒の体力低下の原因には、時間、空間、仲間の減少によりまして、運動量が少なくなったことや人々の意識が低下してきたことにあると分析しているところでございます。
 こうしたことから、都教育委員会は子どもの体力低下に歯どめをかけていくために都民一人一人が体力の意義を理解し、児童生徒にとっては、進んで体を動かし、スポーツ等により体を鍛えることが必要である、こういった認識をだれもが持つことが重要であると認識してございます。
 このため具体的には、社会全体に働きかける取り組みといたしまして、今年度から十月を東京都体力向上努力月間と定めまして、地域におけるスポーツ行事との関連を図りながら学校における取り組みを一層強化するとともに、都民の日における教育実践発表会では、運動習慣等の確立を目指してシンポジウムを開催したところでございます。
 今後は、十一月六日は東京都教育の日、記念事業の日でございますが、その記念事業でのトップアスリートを招いた講演会や主に小中学生を対象とした体力測定会の開催などを通しまして、広く都民に対し、児童生徒の体力向上の必要感の醸成に努めてまいりますとともに、中学生東京駅伝大会開催等のキャンペーンを引き続き行うことによりまして、体力向上に向けた普及啓発活動をより積極的に行ってまいります。

○野上委員 東京都の児童生徒の体力向上のためにしっかりと頑張っていただきたいと思っております。
 最後になりますが、教育現場における脳脊髄液減少症の対策について述べさせていただきます。
 脳脊髄液減少症は、これも本会議の中でいわせていただいたことがあるんですけれども、これはどういうものかというと、交通事故によるむち打ちとか、あるいはでんぐり返しとか、頭の上に何か物が落ちたとかいろいろな事情、出産のときのいきみというんですかね、それもぷちっと切れる原因になるそうなんですけれども、頭部とか全身の強い衝撃によって、脳の脊髄液が漏れ続ける病気というんですかね、症状をいうんですね。
 ずっと脊髄液が漏れ続けるために、頭痛とか、首とか背中が痛んだり、腰が痛んだり、しびれとか、目まいとか、吐き気とか、思考が低下したり、うつ症状、それから寝られない、睡眠障害、それから倦怠感、いろいろな症状が出てくる、これが脳脊髄液減少症というものなんですね。
 その治療法としては、ブラッドパッチという療法があって、ブラッドというのは血液というブラッドですね。自分の血液を漏れているところに注射して、血液が固まるという性質で漏れを防いでいくという、それがブラッドパッチ療法という唯一の治療法なんですけれども、初期段階で、例えば子どもたちが頭が痛いとか何かいろいろな症状が出たときに、水分補給をして、横になっていると重症化が防げるんですけれども、特にそういう脳脊髄液減少症に対する意識のない教育現場では、子どもたちが怠けているとか何か、要するに起立性障害とか自律神経失調症のような状況と同じようなことなので、怠け者みたいないわれ方をして、二次災害ができているという現象があるんですね。
 起き上がると髄液が下がるために頭がすごく痛くなるんで、寝ると髄液が下に下がるので、何かちょっと頭が痛いのがとれてしまうという。ただ、寝ているときに楽で起きたら頭が痛くなるというのがその症状を見きわめるポイントみたいになっているんですけれども、不登校の子どもたちの中にも、この脳脊髄液減少症の子どもたちが多数存在するのではないかと思っております。
 それで、この前、教育長にも要望書を提出された団体があるんですけれども、文部科学省の方から事務連絡が出されまして、教育現場の中で脳脊髄液減少症がどういう病気なのかみんなに知っていただきたいということで、事務連絡の通知が各学校に行ったんですけれども、なかなかそれを現場の教師がしっかりと理解をして、頭の中にインプットされていないというか、一応職員会議等でそういう文書はいわれたんだと思うんですけれども、なかなか意識の中に定着していないということが挙げられたと思うんですね。
 ですから、この脳脊髄液減少症に関するセミナーとかそういった説明会等を現場の先生とか養護教諭、管理職の方も知っていた方がいいと思うんですけれども、そういう方を対象とした研修会とかを実施することはいかがでしょうか。

○松山地域教育支援部長 脳脊髄液減少症と呼ばれる疾患につきましては、疾患定義や診断方法、治療法などに関して現時点では専門家の間でも意見の統一がなされておりませんことから、厚生労働省の補助事業により大学の専門家等から成る研究班において、平成二十四年度までの期間で調査研究が行われており、医学的に解明が進められている段階でございます。
 この疾患の学校関係者への理解啓発につきましては、平成十九年五月三十一日付で文部科学省から学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応についての事務連絡があり、都教育委員会は、同年六月八日付で都立学校長及び各区市町村教育委員会に対し、周知を図るための通知を発出いたしました。
 今後、この文部科学省事務連絡に基づき、教職員が連携して適切な対応が行われるよう、養護教諭研修会等のさまざまな場をとらえて周知、理解啓発に努めてまいります。

○野上委員 最後ですけれども、不登校の子どもたちの中にも、この脳脊髄液減少症ではないかなと思える子が必ずいると思うんですけれども、そういう長期欠席者に対して支援というのは考えられるんでしょうか。

○高野指導部長 教員は一人一人の児童生徒の出席状況を常に把握するとともに、欠席した児童生徒に対しましては、学習面や生活面についてきめ細かく適切に対応する必要があると考えてございます。
 現在、学校等において疾病等を理由に長期にわたり欠席している児童生徒に対しましては、保護者との連携を密に行うとともに、医師による診断や病状の経過等を踏まえ、児童生徒の状況に応じた適切な有効な対策を講じておるところでございまして、今後とも引き続き適切に対応するよう学校を指導してまいります。

○新井委員 長時間にわたりありがとうございます。
 私からは、発達障害のある子どもたちへの支援について、ICT用機器の活用について、ものづくり教育について、教員の質の向上について、武道必修化について、ダブりがあった答弁につきましては、こちらの方で省略させていただきたいと思います。
 それでは、まず初めに、発達障害のある子どもたちへの支援についてお伺いいたします。
 発達障害への支援については、平成十七年に発達障害者支援法が施行されました。これは従来の身体障害、知的障害、精神障害への支援という枠組みでは的確な支援が難しい状況にあった発達障害者に対して、保健、医療、福祉、教育、雇用の分野を超えて、一体的な支援を行う体制整備を行おうとするものであります。
 こうした法制度の整備を踏まえて、平成十九年には学校教育法の改正によって特別支援教育への展開が図られ、小中学校に配置されている情緒障害等通所指導学級では発達障害の子どもたちへの教育面からの指導と支援が行われています。
 現在、通級指導学級を利用したいという保護者のニーズは大きく、入級の利用待ちになっているという状況もあると聞きます。こうした状況を考慮すると、通級指導学級を増設していくことが必要だと考えますが、所見を伺います。

○前田特別支援教育推進担当部長 各区市町村においては、発達障害の児童生徒の教育環境整備へのニーズにこたえるため、情緒障害等通級指導学級の計画的な設置に努めております。都教育委員会では、区市町村教育委員会が設置する通級指導学級の学級編制について同意を行い、教員を配置しております。
 一方、近年、通級指導学級の増加傾向等を考慮すると、発達障害の児童生徒はすべての学校、学級に在籍していると推測され、小中学校における支援体制の整備は急務でございます。こうしたことから、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画案の骨子では、すべての小中学校に特別支援教室を設置し、専門性の高い教員による巡回指導を行う構想を提案しているところでございます。

○新井委員 特別支援学級の設置につきましては、教室に余裕がない学校において、相談教室など使われていない部屋を使うなど工夫が必要だと聞いております。どこに設置するか、教室に余裕がない学校に対してどのようにするか考える必要があると考えております。
 また、巡回指導を行う教員に対しましては専門性が求められます。情緒障害等通級指導学級の小中学校の教員数は、発達障害の児童生徒の増加に伴いましてふやしております。巡回指導を行う教員につきましても、比較的経験の少ない新人の方が多くなると思います。これは、発達障害の児童生徒の増加に伴って教員をふやしているので、巡回指導を行う先生も比較的経験の少ない新人が多くなるということです。
 それで、巡回指導の専門性の高さを保持するためには、全体の専門性の底上げが必要ですし、教員の意識向上も重要です。巡回指導の配置基準につきましても課題だと考えております。
 今後のモデル事業で検討すると聞いていますが、通級指導学級の拠点校のあり方や、二十三区は電車で巡回可能ですが、多摩地域は交通の便が悪いなど、地域による巡回方法、巡回件数の違いなどを加味しながら、巡回指導について検討していきたいと思います。
 次に、都教育委員会が公表しました東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画案の骨子では、小中学校における発達障害の子どもへの支援体制の整備という観点から、特別支援教室の構想を持ち出しています。この構想の考え方は、すべての小中学校に発達障害のある子どもたちが在籍しているという前提に立ち、在籍学校、在籍学級における支援体制を整備しようとするものです。
 そこで、特別支援教室を整備することで発達障害のある子どもたちへの指導や支援がどのように充実していくと考えているのか、所見を伺います。

○前田特別支援教育推進担当部長 現在の通級指導学級は在籍校と離れた学校で指導を行っておりますけれども、特別支援教室を整備することにより、巡回指導を行う担当教員が在籍校での適応課題や本人を取り巻く学習生活環境を把握しやすくなり、指導目標の学級担任との共有や学級担任へのアドバイスを行いやすくなるなどの教育効果が期待できます。
 また、学級担任と巡回指導担当教員の緊密な連携により、個別指導計画の作成、活用に基づく指導内容、方法の充実を通して、児童生徒一人一人の障害の状態のより一層の改善や、通常の学級の担任の専門性の向上が期待できます。

○新井委員 発達障害のある子どもへの支援は早期発見、早期支援が重要です。発達障害は、適切な支援があれば障害の状況が少なからず改善していくといわれています。
 乳幼児期における適切な支援の有無は、その後の成長、発達を大きく左右します。現在、乳幼児期におけます子どもの発達状況を確認する手段として、保健所が実施する三歳児健診がありますが、この時期は幼児一人一人の発達状況の差が大きく、障害の有無の判断がつきにくい状況です。
 また、小学校入学の半年前には就学時健康診断が実施されますが、この段階で発達障害が判明しても、入学するまでに十分な時間がなく、適切な支援が行いにくいという状況にあります。
 このため、五歳ぐらいの時期であれば子どもの発達の状態も把握しやすく、この時点で発達障害であることが判明すれば、入学前までの期間に適切な支援を行っていくことも十分可能でございます。このため、東京都医師会や自治体などによっては、保健所等で五歳児健診を実施しているところもあると聞いております。
 そこで、都教育委員会としても、五歳ぐらいに実施する健診の有効性や必要性についてどのように考えているのか、見解を伺います。

○前田特別支援教育推進担当部長 特別な支援が必要と思われる子どもが可能な限り早期に専門医による確定診断を受けることは、その後の療育や教育の方針を検討する上で効果的であると考えています。
 五歳児健診を実施している自治体においては、保護者の了解を得た上で、教育、医療、保健、福祉等の関係機関が情報を共有し、発達障害の子どもの支援の充実に役立てていることが望ましいと考えております。

○新井委員 現在、発達障害のある子どもたちの早期発見、早期支援が重要であるとの考えから、各区市町村では発達障害支援センターの設置を進めたり、幼稚園や保育所への巡回相談を行ったり、保護者向けの学習会を行うなど、医療、保健、福祉の各分野で乳幼児期にある子どもたちの支援に向けてさまざまな取り組みがなされております。
 都教育委員会においても、小学校入学前の子どもたちへの支援のために、医療、保健、福祉の分野と連携を図っていくことが重要と考えますが、所見を伺います。

○前田特別支援教育推進担当部長 発達障害の子どもの早期発見、早期支援のために医療、保健、福祉等の分野との連携は重要であると考えています。
 都教育委員会では、これまでも関係機関との連携のもと、幼稚園や保育所における支援体制の整備や特別な支援が必要と思われる子どもの早期発見、早期支援を目的とした、特別な支援を必要とする子どもに対する関係機関の早期支援の連携モデル事業や就学児健康診断のあり方に関する調査研究等の実施により、発達障害の子どもの早期からの支援体制の整備に向けて取り組んできました。
 今後は、こうした事業の成果と課題を踏まえ、乳幼児期から学齢期への円滑な移行を支援する観点から、関係機関との連携による一貫性、継続性のある支援体制の整備のあり方について研究してまいります。

○新井委員 次に、都立学校に配備されていますICT機器の活用についてお伺いをいたします。
 私は、ICT機器の普及を通してICT教育を推進していくことが重要だと確信しております。そのためにも、これからの情報社会に主体的に対応できる子どもたちの情報活用能力の育成は不可欠であります。
 今回、都教育委員会における都立学校ICT計画は、全都立学校に配備したICT機器の積極的な活用によりわかる授業を実現して、学力向上につなげることが目的であると聞いております。
 そこで、何校か都立高校に行き、使用状況のヒアリングや実機を見てまいりました。各都立学校に配備したパソコンや電子情報ボード、プロジェクターなどのICT機器や、これらを収納する収納棚や収容カートを全校で活用促進を図っていくことが何よりも重要だと考えておりますが、そのことに関して幾つか質問したいと思います。
 今回導入したICT用機器配備の目的と、それを実現するために必要とした機器の種類と経費についてお伺いをします。

○庄司総務部長 平成二十一年度までに全都立学校に整備した校内LANやICT機器を活用し、教員同士が教育用コンテンツを共有するとともに、相互に教材を開発することによりわかりやすい授業を実施し、児童生徒の学力向上を図ることを目的としております。
 導入機種といたしましては、パソコン、プロジェクター、電子情報ボードといった教育用ICT機器、障害種別に応じた障害支援機器、これらの機器を活用、収納する機器収納カートや収納棚を配置、配備しております。
 また、その費用は全機種合わせて年額約五億三千万円、一校当たりでは約二百万円となっております。

○新井委員 配備した機器はいつ導入し、どのような機能を有しているのかお伺いします。

○庄司総務部長 平成二十年度、平成二十一年度の二カ年で、都立学校全校二百五十九校に順次、配備を行い、平成二十二年度より本格運用を開始いたしました。
 教育用ICT機器の配備により、各教科のさまざまな場面で動画コンテンツや立体画像といった電子教材を効率的に活用できる授業環境が整ったこと、また、少人数展開授業や児童生徒自身による調べ学習にもパソコンを活用できるようになり、発展的、応用的な授業が可能になったこと、さらに、特別支援学校については、障害支援機器を使用して児童生徒のパソコン操作補助や授業支援に活用すること、これらの機能によりまして個に応じた指導の充実を図っております。

○新井委員 ICT機器は平成二十二年度三月末ですべての都立学校に配備されると聞きますが、学校においてどの程度使われているのかお伺いします。

○高野指導部長 都教育委員会が本年七月に全都立学校を対象に実施いたしましたICT機器の活用状況調査によりますれば、活用の教科、学年、頻度は学校によってばらつきがあるものの、一週間当たり、高等学校で平均約六・八時間、都立中学校で平均約六・三時間、特別支援学校で平均約十七・七時間の活用実績が明らかとなりました。
 特に活用実績が高い特別支援学校では、児童生徒の自立と社会参加に向けた必要な力を育成するために、主に生活単元学習や作業学習の時間に多くの時間が使われていますことから、今後、児童生徒を指導する教員を支援するためのICT機器の利点を生かしたコンテンツなどを開発していく予定でございます。
 また、都立高等学校や都立中学校でのICT機器の活用がより一層図られますよう、すぐれた実践例を紹介するなどして、引き続き啓発活動に努めてまいります。

○新井委員 平成二十年度からICT用機器の導入を始めまして、ことしの三月ですべての都立高校で配備され、ネットワークなど配備が完了したということで、これからがICT機器の活用を本格的に考えていくところだと思っております。
 プロジェクター用カートとパソコンの収納棚については各教室の配置を標準と考えているとのことでしたが、教室に配置できない学校ですと、校内の空きスペースに集中管理しており、授業のたびに機器を移動して設置の準備をしなければならない状況でした。
 特に、教室設置できない学校ですと、教師一人で準備する場合もあり、準備にかかる手間と時間に課題があるため、現場の先生方からは、使用するのはとてもハードルが高く気軽に使えないという声もいただきました。
 また、ICT教育のあり方につきましては、さまざまな考え方を先生や保護者がお持ちだと聞いておりますが、今後の都立高校におけるICT教育の成功の有無については、今回の取り組みが大きく寄与すると考えております。ハードを導入して終わりではなく、ICTの利点を生かしたコンテンツ開発を、さまざまな方から意見をもらい開発していただきたいと思います。
 特に特別支援学校での使用につきましては、ICTを使用するからこそいろいろな可能性があると思いますし、生徒だけでなく、教員の視点に立った活用方法も十分検討すべきだと考えております。
 次に、学校によって活用がまちまちだと思いますが、ICT機器を授業等において上手に活用する事例は、ほかの高校にも普及させていただきたいと思います。その上手に活用している事例としてはどのようなものがあるのか、また、そうした事例を普及するためにどのような取り組みを行っているのかお伺いをします。

○高野指導部長 多くの都立学校においては、教員が電子情報ボードのスクリーン上に、学習上の重要なポイントがわかるように、さまざまな色や形のアンダーラインや図形を直接書き込めるという機能を活用した授業を行っておりますが、このほかにも教科特性に応じた活用が行われております。
 例えば、国語や英語などにおいては、題材への理解を深めるための視聴覚教材を活用した授業、体育や家庭科、専門教科などにおいては、実技や実習の場面で動画を活用した授業、理科や数学、社会などにおいては、科学的な専門ソフトウエアやインターネットを活用した授業など、児童生徒の興味、関心を高め、より一層わかりやすい授業の実践に資する事例が数多くございます。
 都教育委員会は、こうした実践事例を広く都立学校に普及しICT機器の授業での活用を推進するために、外部人材を各学校に派遣し、教材作成や指導計画の立て方、そして、ICT機器の活用方法などについて研修事業を実施しているところでございます。

○新井委員 平成二十三年度まで実施予定の国の緊急雇用創出事業として、都立学校の拠点校に駐在しますスタッフが各学校を巡回して支援すると聞いておりますが、どのような事業なのか、その目的、取り組みについてお伺いをします。

○高野指導部長 巡回支援スタッフの事業は、ICT機器の専門性を有する外部人材を活用し、各都立学校がICT機器を効果的に運用するために、高度な技術面での支援やパソコンが苦手な教員への個別的支援を行い、授業でのICT活用推進に資することを目的に、平成二十一年度から三年計画で実施しているところでございます。
 事業を開始した平成二十一年十月からは、九つの拠点校に合計二十四名のスタッフを配置いたしまして、また、本年十月からは、十二の拠点校に三十三名のスタッフを配置いたしまして、所管の都立学校をくまなく巡回する体制を充実させたところでございます。
 都教育委員会は、外部人材であるスタッフに対しまして、毎月開催しております定期報告会で教員との連携のあり方について理解を深めさせるなどいたしまして、効率のよい支援ができるよう指導、助言しているところでございます。
 なお、本事業終了後は、これまで都教育委員会が養成してまいりました各学校のICT活用リーダーや本事業によって育成されました教員が中心となって、ICT機器の活用が一層図られるよう努めてまいります。

○新井委員 三十三名の外部人材の活用につきましては、現場の生徒、先生からとても評判のよいことだと聞いております。教育という面と高度な技術を持つことは別のことだと思います。外部人材のさらなる活用のためにも、外部人材の教育という観点のサポートをお願いしたいと思います。
 また、本事業が実施されているうちに、ICTリーダーへの教育を徹底していただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、ものづくり教育についてお伺いをします。
 資源の乏しい我が国の経済発展を支えてきたものづくり企業では、技術者の高齢化による大量退職の時代を迎え、これまで蓄積してきた技術、技能の継承を図ることが近々の課題となっています。そのため、ものづくり企業を支える人材育成の必要性が指摘されています。このような状況の中、工業高校を卒業した生徒がものづくり企業に就職をし、技術、技能を継承する仕組みが大切だと考えております。
 私は、工業高校で行われている教育は子どもたちにとって非常に興味があるものであり、物をつくるという行為は社会活動の根源であると考えております。工業高校の志願者がふえないと聞いておりますが、それは工業高校が何をやっているのかイメージできず、子どもたちがその内容を十分理解できていないというのを推測しております。工業高校での授業内容を理解し、実際に物をつくる大切さ、楽しさを知っている生徒が入学をしてくれると、工業高校の活性化が図られると考えております。
 そこでまず、小学生、中学生が都立高校の理解を促進し、工業高校への志願者の増加を図るための広報、取り組みについてお伺いをします。

○直原都立学校教育部長 高校進学に当たっては、生徒一人一人の自己の能力や適性、興味、関心、将来の希望等に応じて進路を決定できるよう、小中学生や保護者に対し、都立工業高校の教育内容、進学や就職実績等の理解促進を図る必要がございます。
 このため、各工業高校が学校説明会や授業公開、中学校訪問を行って、学習内容や取得できる資格、進学、就職状況などを説明するほか、小学生を対象とした工作教室の実施や中学校への出前授業を行うなど、工業高校の魅力を発信しております。
 また、中学校における進路指導が重要であることから、都教育委員会は、中学校の進路指導担当教員を対象として、毎年八月に進路指導研修会を開催しております。この研修会では、工業高校の取り組みのほか、工業高校で求めている生徒像や工業高校でみずからの力を伸長することができた生徒の実例等を説明し、生徒一人一人の適性や希望に合った進路指導がなされるよう支援しております。

○新井委員 企業が蓄積してきた技術、技能の継承を図るためには、工業高校において企業での体験を通した実践的な技術を習得させることが必要であると考えております。どのような取り組みを行っているのかお伺いをします。

○直原都立学校教育部長 工業高校では、基礎的、基本的な知識、技術の習得に重点を置いておりますが、企業実習を通して実践的な技術や職業知識を習得するとともに、勤労観、職業観を培うことが重要であると認識しております。このため、都立工業高校二年生を対象に、夏季休業中に十日間程度、ものづくり企業等における技能取得型インターンシップを実施し、より実践的な技術、技能の習得を図っております。
 また、学校と企業が連携して長期間企業実習を行い、卒業後、その企業に就職することも可能とするデュアルシステムを、全国に先駆けて都立六郷工科高校において実施しております。このデュアルシステムは、ものづくり企業の後継者育成の仕組みとして高い評価を得ており、地域バランス等を勘案して、平成二十三年度に二校、平成二十四年度、さらに二校に拡大することとしております。

○新井委員 資源に乏しい我が国におきまして、これまで築き上げてきた技術は大事にしていかなければならないと考えております。いわば日本にとっての貴重な資源だともいえます。
 この資源を守るために知的財産権は重要であり、工業高校におきましても知的財産権について学習することが必要であると考えていますが、現在、都立工業高校におきまして知的財産権についてどのような内容が教えられているのかお伺いします。

○高野指導部長 工業高校においては、現行の高等学校学習指導要領で全員の生徒が履修しなければならない工業技術基礎の科目の中で、生徒は工業所得権の学習を通して知的財産権について学ぶこととなってございます。
 具体的には、各都立工業高校の生徒は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権や著作権などの学習を行うことによりまして、知的財産権の概略について理解しているところでございます。

○新井委員 技術者の高齢化による大量退職の時代を迎えて、ものづくりの現場が求めている若い人材を都立高校の場で育成しなければならないと考えております。
 ものづくり立国日本において、都立工業高校の生徒が最先端の技術に触れる機会や、授業で学んだ基礎、基本の技能、技術を生かして、自分の力を確かめる取り組みが重要だと考えていますが、都教育委員会の見解を伺います。

○高野指導部長 産業界が求める人材を育成するためには、工業高校において生徒が最先端の技術に触れる機会をより多く持つことが重要でございます。
 こうしたことから、各都立工業高校の生徒は、国際工作機械見本市やモーターショー、地域のものづくり企業を見学することなどによりまして、最先端の技術などに触れる学習を行っているところでございます。
 また、基礎、基本の技術を授業で学んだ多くの都立工業高校の生徒が、自己の技量の程度を知るために、エコマイレッジカーの製作による燃費競技大会の出場、あるいはロボット製作による制御や動きの精密さを競う大会への参加、あるいは技能士などの高度な資格取得を目標にさまざまな取り組みを行っているところでございます。

○新井委員 これまで日本は技術力の高さが世界から信頼され、経済成長を遂げてまいりました。しかし、現在、その技術力が危ぶまれている状況にあります。それを解決するためには、ものづくり人材を育成し、社会全体で技術者を高く評価することが重要だと考えております。
 これまでもさまざまな取り組みが行われたことがわかりますが、工業高校が本来の目的を発揮し、社会で活躍する有能な人材が育てられるよう、今後も積極的な取り組みを行っていただくことをお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、教員の質の向上について質問したいと思います。
 いわゆる団塊世代の大量退職に伴い、若手教員が大量に採用され、学校によっては若手教員が半数を超える状況にあると伺いました。今後、若手教員が実力ある教師として育つかどうかが将来の東京の教育にとって大きな問題であると認識しております。
 また、本来、先輩として若手教員を指導すべきベテランの教員の中にも、指導力が十分でなく生徒や保護者から苦情が寄せられている者もいると聞いております。
 このような状況の中で、都教育委員会は教員の質の向上についてどのような取り組みを行っているのかお伺いします。

○岡崎人事部長 学力の向上、健全育成、地域との連携など学校における課題は複雑化、多様化しておりまして、こうした課題に対応するため、教員の人材育成は極めて重要と認識しております。
 人材育成は、通所研修、学校内でのOJT、自己啓発の三つが相まって効果的な人材育成が可能となると考えておりますが、特に現場における日々の職務遂行の過程を通じて行うOJTが効果的であることから、OJTガイドラインを作成し、すべての学校においてこれに組織的に取り組んでいるところでございます。

○新井委員 研修センターや大学などでの通所研修の重要性は十分に認識しており、今後ますます充実させることが必要だと考えております。
 都教育委員会では、それに加えOJTガイドラインを作成し、学校内でのOJTを推進しているということですが、学校でのOJTは教員の質の向上にどのような点で効果があるのかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 学校でのOJTは、新たな時間や場所を確保することなく学校の職務を遂行する中で育成ができること、また、一人一人の教員の課題に応じた具体的な取り組みができること、OJTの実施状況や目標の達成状況にOJTの方法を適宜改善できること、OJTを受ける側だけでなく、行う側にとっても指導技術の向上や自己啓発の機会となることといった効果が期待できます。

○新井委員 学校でのOJTの実効性につきましては理解しましたが、実際に学校現場でのOJTが活発に行われ、職員の質の向上が図られることが重要であると考えております。
 都教育委員会では、学校でのOJTの推進についてどのような支援をしているのかお伺いします。

○岡崎人事部長 学校でのOJTは校長の責任のもと、学校が一体となって組織的に取り組むことが重要でございます。
 そこで、都教育委員会はOJTについて共通理解を図るため、管理職を対象にOJTの実施体制や自己申告の活用方法などについて研修を実施しております。また、OJTの推進役となる主幹教諭や主任教諭に対しても、その役割や具体的実施方法について研修等を通じて指導しております。
 今年度は校内OJT推進モデル校を九校指定して、OJTの実践的な取り組みの成果を都内全校に周知することなどにより、教員の人材育成を積極的に推進してまいります。

○新井委員 さて、人材の質の向上を図るためには、その人物の仕事ぶりなどを適切に評価し、その仕事に応じた対価を支払うことが最も効果的だと考えております。
 企業では人事評価により社員の意欲や能力の向上に取り組んでいる例が見られますが、教員の人事評価は教員の質を向上させる制度であるべきだが、認識を伺います。

○高畑人事企画担当部長 都教育委員会は、教員の資質、能力の向上及び学校組織の活性化を図ることを目的といたしまして、平成十二年度から自己申告と業績評価の二つの柱で構成する人事考課制度を導入しております。
 校長、副校長は自己申告、業績評価を通じて教員一人一人の適性や得意分野、改善すべき点等を把握し、面接等を通して適切な指導、助言を行うことにより教員の資質、能力の向上を図っております。

○新井委員 上司からの指導や評価も重要だが、多方面からの評価も必要です。さまざまな目線で評価することによって、その教員のよさや課題が浮き彫りになります。教員みずからも自分を振り返るきっかけになると考えております。
 校長による業績評価以外に生徒からも教員を評価していると聞きますが、それはどのような制度かお伺いいたします。

○高畑人事企画担当部長 生徒による授業評価は、教員がみずからの授業を客観的に評価するための一つの手法でございまして、指導力の向上や授業の改善を図ることを目的として行うものでございます。
 各学校は評価の観点、評価項目などを内容とする評価票を作成し、すべての教員のすべての授業を対象に年二回、授業評価を実施しております。
 各学校は授業評価の結果を活用した校内研修等を行い、授業改善に努めており、教員一人一人の授業改善への意識が高まるなど成果を上げております。

○新井委員 適材適所という言葉があるように、人は自分に合った職場に配置されると意欲も能力も向上することがあります。教員も進路指導に力を発揮する者や部活動に力を発揮する者など、自分の得意分野を持っており、力が発揮できる学校に配置されると意欲や能力も高まるのではないでしょうか。
 教員の人事異動によっても質の向上を図ることが可能であると考えておりますが、学校現場では、十分に知らない者が教員の人事異動をしたのでは、教員を適所に配置することは難しいと考えております。
 そこで伺いますが、都立校の人事異動はだれがやっているのか、また、担当者は学校の状況をどの程度把握して人事異動をしているのかお伺いいたします。

○岡崎人事部長 都立学校の教員の人事異動は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定により都教育委員会が決定してございますが、具体的な人事案の作成は、教育庁人事部に所属する管理主事と都立学校経営支援センターの統括支援主事が中心となって行っております。
 管理主事と統括支援主事は副校長として学校に配属されていた者が多く、学校現場について十分に理解しており、また、学校訪問や校長、副校長とのヒアリングなどを通じまして学校や教職員の状況を十分に把握しております。

○新井委員 最後に、武道の必修化についてお伺いいたします。
 平成二十四年度から中学校では武道が必修になります。武道が必修化となった背景には、我が国の伝統文化として、武道に日本人として継承していくべき価値が秘められています。また、我が国の伝統文化として心身の鍛練に通じた人格を磨き、見識を高め、人格形成を育成していく面でもとても有効であると考えております。
 私は、実は剣道を小学校のころからやっているんですが、剣道の人口が減ってきております。学校の武道必修化によって剣道に興味を持つ人がふえてくれば、本当に喜ばしく思います。
 先ほど村上副委員長や中山理事からも質疑が上げられましたので、質問を絞って質問したいと思います。
 衛生面と安全面に課題があると考えております。防具につきましては、普通は個人使用ですが、授業で剣道を行う場合、多くの生徒が同一の防具を共用します。防具は汗のついたままですと汗やにおいが残ります。梅雨の季節になりますと、すぐカビが生えてしまいますし、衛生面で本当に問題があります。また、使用頻度が多くなりますと、竹刀にささくれが起きてしまうなど安全面に問題が発生します。
 安全に剣道授業を実施していくためには、都教育委員会において、こうした衛生面や安全面に対して注意喚起する必要性があると考えますが、所見をお伺いします。

○高野指導部長 剣道で用いる剣道着、防具、竹刀などは本来個人で所有するものでございます。中学校の授業で使用される防具は生徒個人に購入させずに学校で用意し、多くの生徒が共有することが一般的でございます。
 昨今、学校においては防具の面や小手の内側に個人所有の保護具を装着させたり、消臭や殺菌スプレーの使用を認めたりすることによりまして、衛生的に授業が行えるよう配慮しているところでございます。
 また、竹製の竹刀は使用頻度が高くなるとささくれが発生したり折れたりするため、指導に当たっては常に安全への配慮が必要でございます。
 こうしたことから都教育委員会が現在編集してございます中学校、高等学校の保健体育科教員向けの武道、ダンスの指導事例集におきまして、そうした衛生面や安全面に留意した授業のあり方について明記する予定でございます。

○新井委員 防具の面や小手の内側に個人所有の防具を装備したり、消臭スプレーの使用の配慮をしていただくという答弁をいただきました。
 特に面の内側の保護、面ピットというんですが、おでことかあご部分、そういうところに個人所有のものをつけたり、また、小手は大変臭くなるんですけれども、その小手の下に小手下という手袋みたいなものをしたり、これは本当に一番汗をかいて本当ににおうところなので、衛生面にとって一番よいものだと考えております。そういうものを本当に推奨していただきたいなと考えております。
 また、竹刀は使用頻度が高くなりますと、必ずささくれが生じます。剣道を本格的に習う方は道場や部活動で竹刀をばらしまして、竹の一本一本を手入れしまして、竹刀の手入れの指導を受けます。
 しかしながら、学校の授業ですと竹刀の手入れまで十分指導される、それは本当に不可能だと考えております。時間的に難しいと考えております。
 このささくれなんですが、ささくれが発生しますと本当に大変危険でございます。面を打ちますと、ささくれの竹刀を使用する人でなくて、面を打たれる側の人の目にささくれが入る可能性があります。ささくれが目に入らないためにも、アイガードといいます、透明のプラスチックなんですけれども、それを面の内側に張る。そういったものも検討すべきだと考えております。
 また、竹刀は竹でなくカーボンでできたものもあります。このカーボン竹刀を防具と同じように共用使用することによって安全面ができると思っております。そういった安全面の工夫をよろしくお願いしたいと考えております。
 そのことを要望しまして、私からの質問を終わりにします。ご清聴ありがとうございます。

○原田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後九時十分休憩

   午後九時二十分開議

○原田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○吉住委員 初めに、歴史と地理の教育について伺います。
 昨今、領土にかかわる問題が国会や地方議会で議論されています。その内容については教育庁への質疑としては申し上げませんが、教育の現場ではそもそもどの段階でどのように取り扱われているのか伺いたいと思います。
 例えば、かつての中学や高校での歴史の授業では、人類の起源にかかわる部分は丁寧に教わりましたが、近現代史はどうしても三学期の後半に駆け足で教わり、最後までたどり着くのがやっとの思いであったと記憶しております。
 発達段階によってどこまで詳しく教えることができるのかという課題もありますが、我が国が領土として認識している部分がどのような経緯で領土として認識されるようになり、国際的な認知がなされていたかなどは国民として知っておくべきことではないかと思います。
 国際都市としてますます発展していく東京として、外国人の方が基本的な知識を有していて、日本人である私たちが知らないということは恥ずかしいことではないかと思います。
 そこで、中学、高校の歴史教育において近現代史は確実に授業として消化されているのか伺います。

○高野指導部長 現行の中学校学習指導要領では、歴史的分野に配当する授業時数は百五時間でございまして、生徒は原始、古代から近現代までの歴史を学習することとなってございます。
 平成二十四年度から実施されます新しい学習指導要領においては、歴史的分野の学習時間が百五時間から百三十時間にふえまして、より確実に近現代史を学習することになると考えられます。
 また、高等学校においては、近現代史を中心に扱う日本史Aと、原始、古代から近現代までの通史を扱う日本史Bの授業の中で生徒は近現代史を学習することとなってございます。
 しかしながら、高等学校の学習指導要領において日本史A及び日本史Bは必修科目ではございませんで、高校において日本史を学習せずに卒業する生徒がいることから、都教育委員会は独自の取り組みといたしまして、平成二十四年度から都立高校において日本史を必修とし、すべての都立高校生が卒業までに日本史を学習することといたしました。

○吉住委員 学習指導要領に基づき、また都独自の取り組みによって全編にわたって指導されていること、また、されることはわかりました。
 さて、日本の領土については地理の教育の枠組みだと思いますが、領土をめぐる問題を理解しておくことは自分自身の国の成り立ちを理解する上でも必要なことではないかと思います。
 そこで、我が国の領土をめぐる問題について、教育の現場でどのように扱われているのか伺いたいと思います。

○高野指導部長 我が国の領土、領域をめぐる問題について指導する際には、児童生徒の発達段階を考慮しながら、我が国が正統に主張している立場に基づいて的確に扱うこととされてございます。
 具体的には、小学校五年生の社会科においては、現行学習指導要領解説で北方領土の問題についても取り上げ、我が国固有の領土である歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島が現在ロシア連邦によって占拠されていることや、我が国はその返還を求めていることなどについて触れるようにするとしてございます。
 なお、新しい学習指導要領の解説では、現在ロシア連邦によって占拠されているという箇所が、現在ロシア連邦によって不法に占拠されていると改められてございます。
 また、中学校社会科の地理的分野においては、現行学習指導要領解説で、北方領土、歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島につきましては、その位置と範囲を確認させるとともに、北方領土は我が国固有の領土であるが、現在ロシア連邦によって占拠されているため、その返還を求めていることなどについて、我が国が正統に主張している立場に基づいて的確に扱う必要があるとしているのに加えまして、新しい学習指導要領解説では、北方領土については小学校と同様に、現在ロシア連邦によって不法に占拠されているとするとともに、我が国と韓国との間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土、領域について理解を深めさせることも必要であるとしてございます。
 なお、尖閣諸島につきましては、地図帳などで我が国固有の領土として明記されてございます。さらに、高等学校の地理においても、現行学習指導要領解説及び新しい学習指導要領の解説で、我が国の領土問題について小中学校と同様に扱うよう記載されてございます。
 今後とも児童生徒が我が国の領土、領域についての正しい認識を持てるような指導を徹底するよう努めてまいります。

○吉住委員 私の住むまちは外国籍住民が多く、成人式を迎える人口の三割ほどは外国籍の若者たちです。
 これからの東京を背負い、活躍していく日本の若者たちが自分の国について客観的な事実を知識として持たずに外国籍の若者たちと共生していくことは、決して望ましいことではないと考えます。公立学校における国土の成り立ちについての教育がさらに徹底されていくことを望みます。
 続いて、CO2削減アクション月間について伺います。
 都教育委員会では、児童生徒の地球温暖化防止への意識と環境に配慮した行動を実践する意欲を高めることをねらいとして、平成二十一年度から六月をCO2削減アクション月間と位置づけていますが、その取り組みには大いに期待しております。
 平成二十一年の決算特別委員会において、私の方からCO2削減アクション月間の取り組みと成果について質問したところ、東京都の子どもたちが学校での学習をもとに家庭で節電や節水など環境に配慮した行動を実践し、CO2削減において大きな効果を上げたとの答弁がありました。
 二年目を迎えた今年度については、さらに学校や家庭、児童生徒の積極的な取り組みが進められ、大きな成果を上げたのではないかと思います。
 そこで、今年度のCO2削減アクション月間の取り組みを中心に伺ってまいります。
 まず、今年度のCO2削減アクション月間では、どのくらいの学校や児童生徒が参加したのでしょうか。

○高野指導部長 今年度は、小学校五年生と中学校一年生を中心に、公立小中学校、国公立特別支援学校及び私立小中学校合わせて千九百三十一校、約十八万九千人の児童生徒がCO2削減アクション月間の取り組みに参加いたしました。
 昨年度は、小学校五年生を中心に千二百九十校、約十一万二千人の児童生徒が参加しておりまして、学校数で六百四十一校、児童生徒数で約七万六千人の増加となりました。

○吉住委員 今年度参加した学校や児童生徒がこれほどふえたということは、大変意義あることだと思います。来年度以降もさらに参加者がふえていくことに期待したいと思います。
 ところで、その参加をした児童生徒が実践した家庭における取り組みとはどのようなものがあったのでしょうか。また、今年度の児童生徒の取り組みの成果がどうであったのかを伺います。

○高野指導部長 児童生徒はCO2削減アクション月間の中で七日間、都教育委員会が作成、配布いたしましたチェックシートなどを活用いたしまして、家庭におけるCO2削減に向けた生活行動を実践し、各自が実践した行動やCO2の削減量について確認するなど、積極的な取り組みを行ったところでございます。
 取り組みの内容は、例えば必要のない電気は消す、歯磨きのときなどに水道を小まめにとめる、ごみは決められたとおり分けて捨てるなど多岐にわたってございまして、電気、水道、ごみを視点とした日常生活における環境に配慮した行動に関するものでございました。
 また、取り組みの成果についてでございますが、児童生徒からの報告を集計した結果、今年度は約四百五十トンのCO2の排出を削減することができ、昨年度の約三百十トンと比べ百四十トンの増加となりました。
 ちなみに四百五十トンという数値についてでございますが、杉の木三万二千本が一年間に吸収するCO2の量に当たりまして、極めて大きな成果を上げることができたと考えております。

○吉住委員 児童や生徒が地球の環境を考えながら環境に配慮した行動を実践し、具体的な数値として約四百五十トンというCO2を削減したということですが、都庁で実施している昼休みの一斉消灯が、年間六十二トンのCO2効果を出しているそうなので、都庁の七年分以上にも匹敵するすばらしい成果を上げていると思います。このようなすばらしい効果は、東京都全体に広げていかなくてはならないと思います。
 そこで、CO2削減アクション月間の成果を都内のすべての小中学校へ広げていくために、どのような取り組みを行っているか伺います。

○高野指導部長 都教育委員会は、毎年CO2削減アクション月間に参加したすべての学校に協力賞を贈るとともに、CO2削減など、日ごろから環境教育の取り組みを通して顕著な成績を上げている小中学校などを、東京都教育委員会環境教育優良校として表彰いたしまして、学校や家庭、児童生徒の努力をたたえているところでございます。
 今年度の各学校などの取り組みの成果につきましては、去る九月十一日に開催いたしました環境教育フォーラム表彰式の実施や、CO2削減アクション月間の報告リーフレットの配布などを通じまして、都内の小中学校はもとより、広く都民に周知したところでございます。

○吉住委員 大変すばらしい取り組みを続けていただきたいと思います。
 しかし、そのほかにもこのアクション月間のみならず、日常的に行えるようなさまざまな取り組みを進めることも大切だと思います。
 そこで、都教育委員会では、環境教育に関する取り組みとして、CO2削減アクション月間以外にどのような取り組みを行っているのか伺います。

○高野指導部長 新しい学習指導要領に基づき、環境にかかわる学習について、小中高校の校種間や学年間、教科間のつながりを明示し、指導内容や体験活動と関連づけた環境教育カリキュラムを平成二十一年度に開発し、都内すべての国公私立の小中学校及び特別支援学校に配布したところでございます。
 また、平成二十二年度と二十三年度の二カ年間、公立小中学校三校を環境教育実践推進校として指定いたしまして、環境教育カリキュラムを活用した実践研究を進め、その成果の普及啓発を通しまして、環境教育のさらなる推進に努めているところでございます。
 また、児童生徒が東京都の環境問題や環境対策について学んだり、学んだことを生活に生かしたりすることができるよう、環境教育啓発資料、くらしと環境学習Webを都教育委員会のホームページに公開しているところでございます。
 さらには、飲料水の確保や廃棄物の処理など、環境保全について学習する小学校四年生、また燃焼の仕組みや生物と環境、消費生活について学習する小学生六年生を対象に、地球の温暖化防止小学校学習資料みんなの地球を作成いたしまして、当該学年の全児童に配布しているところでございます。

○吉住委員 地球温暖化防止のためにCO2の排出量を減らしていくことは重要な課題です。家庭や地域、学校において、大人も子どもも環境に配慮した行動を実践するきっかけとなるCO2削減アクション月間や、さまざまな取り組みが充実することを期待しています。
 次に、小一問題、中一ギャップの予防、解決のための教員加配の効果検証について伺います。
 昨年十一月に公表された小一問題、中一ギャップにかかわる実態調査の結果によると、小学校において校長のおよそ四人に一人が、平成二十年度に第一学年児童の不適応状況を経験していることなど、小学校第一学年や中学校第一学年における課題が明らかになり、都教育委員会は、平成二十二年度から小学校第一学年、中学校第一学年への教員加配を行うことを決めました。
 そのことを受けて、本年三月の文教委員会において、我が党の村上英子議員から、小一問題、中一ギャップの予防、解決のための教員加配について質問したところ、今回の教員加配の効果について調査を実施し、検討委員会において検証を行っていく旨の答弁がありました。
 小一問題、中一ギャップの予防、解決に向けた総括的な検証を東京都が行っていくことは、今後の児童生徒への教育活動の充実において意義のあるものと考えられます。
 そこで、今年度実施している効果検証のための調査の具体的な内容についてお伺いいたします。

○高野指導部長 本調査は、小一問題、中一ギャップの予防、解決のために、小学校五十三校、中学校四十校に加配された教員が各学校でどのように活用されているのか、また教員を加配することにより、児童生徒の状況がどのように変化しているかについて把握し、教員加配の効果を明らかにすることをねらいとしてございます。
 具体的には、例えば教員が加配された小学校においては、授業中の児童にどのような課題が見られるかについて、観察調査と質問紙調査を実施するとともに、教員加配の目的や期待する効果に対する管理職の満足度について質問紙調査などを実施しているところでございます。
 また、例えば教員が加配された中学校においては、生徒が学校生活に対して感じている不安の状況及び教員加配の目的や期待する効果に対する管理職の満足度について質問紙調査などを実施しているところでございます。

○吉住委員 教員加配の効果について、多くの方法を用いてさまざまな視点から検証していくことは重要なことであります。特に質問紙調査のほかに、授業中の児童の状況について観察調査を実施することは、効果を検証する上で大変重要であり、画期的なことといえます。
 そこで、小学校において実施している観察調査の方法について伺います。

○高野指導部長 観察調査は、教員の加配が行われた小学校五十三校のうち抽出した二十校を対象といたしまして、民間事業者へ調査を委託して実施しているものでございます。
 観察調査の対象校は、第一学年の学級数が二学級または三学級であること、地域に偏りが生じないこと、あるいはまた教員の加配を受けるに当たって学級規模の縮小を選択した学校だけではなく、チームティーチングなどを選択した学校を含めることを考慮して抽出したところでございます。
 この観察調査では、委託業者から派遣された二名の調査員が教室に入り、児童に影響を与えないよう配慮しながら、十五の調査項目から成る調査票を用いまして、授業中の児童の状況について調査を行っているところでございます。
 この調査は四月から十一月までの十七回にわたって継続的に実施いたしまして、個々の学級の変容について分析を行うこととしてございます。
 調査内容は、主に授業中の立ち歩きや手遊び、必要のない会話など、児童に課題が見られる状況と、課題が見られる児童に対して、学級担任などが行った対応とその効果についてでございます。

○吉住委員 今回の効果検証の結果については、都民や教育関係者はもちろんのこと、全国から注目されるものと考えられます。
 また、この効果検証の結果は、各学校が小一問題、中一ギャップの予防、解決に取り組む上で、とても大きな手がかりになるのではと思います。
 そこで、効果検証の結果について、今後どのように公表するのか伺います。

○高野指導部長 今年度の小一問題、中一ギャップの予防、解決に向けた教員加配の効果検証の概要につきましては、年度内に調査結果報告書として取りまとめまして、区市町村教育委員会を初めとした関係機関に配布するとともに、都民へ公表する予定でございます。
 都教育委員会は、今年度得られた検証結果をもとに、各学校が小一問題、中一ギャップの予防、解決に向けて実効性の高い取り組みを行うことができるように、区市町村教育委員会と連携して支援を行ってまいります。

○吉住委員 新しい取り組みを進めるときには、必ずさまざまな課題が見えてきます。そのときに、効果を検証して課題の克服や、さらなる効果の発揮ができるよう努めていくことが肝要と考えます。
 今回の教員加配の成果や課題の一つ一つを明らかにしていき、このような取り組みが今後の児童生徒への教育活動の充実につながることを強く期待します。
 最後に、国及び都が実施する学力調査について伺います。
 東京都が国に先駆け、平成十五年度から学力調査を実施し、その結果に基づいた児童生徒の学力向上を図る施策を展開してきたことを高く評価しています。
 都教育委員会は、去る十月二十六日に今年度の児童生徒の学力向上を図るための調査を実施しました。今年度はPISA調査の結果等からも、学力面での課題として明らかになっている読解力に焦点を当てた読み解く力に関する調査を新たに悉皆で実施しましたが、この調査も全国的に見て先駆的な取り組みであろうと思われます。ぜひその調査結果を今後の施策に生かしてもらいたいと思います。
 ところで、平成十九年度から実施されている国の全国学力・学習状況調査についてですが、事業仕分けの結果等により、今年度よりその実施方法が調査学年の全員を対象とする悉皆調査から、わずか三〇%の抽出による調査に変わりました。
 このため、抽出調査では受検することができる子どもと、できない子どもが生じてしまい、教育の機会均等が保障されない状況になっています。国は来年度においても、この抽出方式を継続する予定であると聞いています。この国の姿勢については、大いに疑問を感じているところであります。
 そこでお伺いします。平成二十二年度の全国学力・学習状況調査における東京都の学校の抽出率はどの程度だったのか、また抽出されない学校も希望すれば調査を受けられると聞いていますが、東京都で希望利用した学校の割合はどうだったのかお伺いします。

○高野指導部長 東京都の公立小学校の抽出校は、千三百二十六校中百七十七校で全体の一三・三%に当たります。公立中学校の抽出校は、六百四十七校中百六十校でございまして二四・七%でございます。小中学校合わせた東京都の抽出率は一七・一%でございまして、全国の抽出率が約三〇%であるのに対して、その割合は低くなってございます。しかも、小中学校ともに抽出の対象となる学校がなかった東京都の区市町村は二区八市町村に及んでございます。
 抽出の対象とならなかった学校については、区市町村教育委員会が希望すれば、希望利用の学校として調査問題の提供を受け、学力調査を実施することは可能でございますが、東京都で希望利用した学校は、小学校で六百二十校で四六・七%、中学校は二百六十二校で四〇・五%でございました。

○吉住委員 四割を超える学校が希望利用したとのことで、ニーズはなかなか高いものがあるように感じます。
 ところで、その抽出された学校のデータと希望した学校のデータは、その処理のされ方に何か違いはあるのでしょうか。

○高野指導部長 国の抽出の対象となった学校では、答案の採点、集計、分析や個人票の作成は文部科学省の責任のもとに行われてございます。しかしながら、希望利用の場合は、各自治体それぞれの教育委員会の判断で独自に実施、集計、分析することとなりまして、費用が生ずる場合は全額自治体が負担することとなります。
 また、希望利用で実施した学校の調査結果は回収されないため、全国のデータに反映されることはなく、国からは児童生徒一人一人の調査結果である個人票の返却もございません。

○吉住委員 データをとっても調査結果に反映されないということは、自治体の財政力によって取り組みに対する差も出ることにも疑問があります。
 そもそも抽出して平均的な調査結果を分析することに意義があるのか、学力や学習状況について調査し、子どもたちの学習支援の参考にすることにこそ意義があるのか、今年度からの方式には疑問があります。
 そこで、市区町村の教育委員会や学校現場からの意見や反応が出ているようでしたら教えていただきたいと思います。

○高野指導部長 国の学力調査の方式変更につきまして、都教育委員会がすべての区市町村教育委員会に対して意見聴取等を行ったことはございません。
 しかしながら、一部の教育委員会の指導主事や校長からは、地区の中で抽出された学校と抽出されなかった学校があることにより不公平感が生じていることや、また教育委員会として域内のすべての学校に教育の機会均等を保障するための新たな対応が必要となり、負担となったなどの意見が届いているところでございます。

○吉住委員 現場の意見はわかりました。国の政策をどう思いますかという意識調査を都道府県が市区町村にするということは想定しておりませんので、今のお答えで十分です。
 ただ、先ほど伺ったように、データの扱われ方が違うことには問題があると思います。例えば、外国籍の人が多くて言葉が違うということで、なかなか質問に答えられない、差が出てしまう、そういう自治体もあります。学校もあります。また、教師も返ってきたデータを見ながら、自分の授業がどこが足りなかったかを検証することが可能だと思います。
 そのような意味でも、私としては悉皆調査が望ましいと思っておりますが、国が学力調査を悉皆調査から抽出方式に変更したことについて、都教育委員会はどのような見解を持っておられますでしょうか。

○高野指導部長 これまで各学校は悉皆による全国の調査結果をもとに、面談等を通しまして児童生徒や保護者に改善事項を具体的に指導するとともに、結果の分析を通しまして指導計画を見直すなど、授業改善を図ってまいりました。
 これまで都教育委員会は、悉皆による全国の調査結果を分析し、報告書にまとめるなどいたしまして、学力向上策の成果と課題を把握し、その改善を図ってきたところでございます。
 抽出による学力調査では、児童生徒の学力の全体傾向を把握するだけにとどまることになり、本来の調査目的であった児童生徒一人一人に対して調査結果を還元し、個々の学力向上を図るとともに、各学校における授業改善に役立てることができなくなる、また抽出により受検できない児童生徒が出てくることは平等性に欠けるため望ましくない、こうした理由から、都教育委員会は文部科学省に対しまして、平成二十三年度文教予算に関する提案要求の中で、全国学力・学習状況調査を悉皆調査とするよう求めたところでございます。

○吉住委員 都が国に文教予算に関する提案要求で悉皆調査を求めたことは適切なことであったと思います。
 そこで、国が抽出調査を継続するという方針を踏まえ、都の学力調査を今後どのように進めていくのかを伺います。

○高野指導部長 国の抽出方式では調査結果を児童生徒一人一人に還元することができないことから、都教育委員会は学力調査を通して児童生徒の学力の向上を図るには、全体的な学力の傾向を把握するとともに、これまでと同様、児童生徒一人一人に調査結果を還元し、授業改善を進めることが必要不可欠であると考えております。
 こうした考えのもと、都教育委員会は、今年度独自に小学校五年生と中学校二年生を対象に悉皆で読み解く力に関する調査を実施したところでございます。
 来年度以降につきましても、都教育委員会は小学校五年生と中学校二年生を対象に、悉皆による学力調査を行いまして、東京都の児童生徒一人一人の学力の向上を図るための調査を継続して実施することを検討してございます。

○神野委員 私からは、教員の不祥事と処分についてお伺いをしたいと思います。
 最近、いろいろテレビや新聞でも、例えばわいせつな行為を行った教師の問題ですとか、耳目を非常ににぎわしているわけなんですが、まず最近五年間における東京都の教員に対するさまざまな懲戒処分の全体の状況についてお伺いをしたいと思います。

○岡崎人事部長 平成十七年度から二十一年度の五年間に行いました教員に対する懲戒処分の件数は四百四十四件でございました。
 これを文部科学省調査の項目で分類いたしますと、国旗掲揚、国歌斉唱の取り扱いに関するもの百三十件、わいせつ、セクハラ行為など六十五件、体罰三十六件、個人情報の不適切な取り扱い二十五件、交通事故二十件などとなってございます。

○神野委員 ありがとうございます。
 それでは、今のご報告の中でございました、わいせつ行為、そしてセクハラ行為等の内訳についてお伺いをしたいと思います。

○岡崎人事部長 わいせつ行為、セクハラ行為等の六十五件には、児童生徒、保護者との性行為や痴漢行為、盗撮、児童買春などのわいせつ行為が三十六件、それから教員へのセクハラ行為や生徒への不適切な内容のメール送信など、わいせつ行為にまでは至らない行為が二十九件ございます。

○神野委員 インターネットのいろんなサイトを見ると、こういった教員のいろんな不祥事というものをまとめているサイトがございまして、たしか、ことしもどこかの校長先生が保護者のお母さんと校舎の中で性行為を行ったり、それから二〇〇八年には台東区立の中学の男性教師が同じようなことで、二〇〇七年には児童の母親に抱きついて、これは諭旨免職です。二〇〇六年には中学の副校長、五十七歳、ボランティアで来た講師の女子大生にストーカーをやって、これも停職。それから、中野の方の先生、四十歳はかつての教え子と不倫で性行為をもって、これも免職と。
 いろんな情報がインターネットを見ると集められているわけなんですが、ただ私の問題意識は、こういった行為が発覚すると、新聞やテレビでばあっと大きく報道されるんでありますけれども、そういった教師がその後どうなったかという後追いの情報が、私、非常に少ないと思うんです。ですから、これからはそういった情報についてお伺いをしたいと思います。
 それでは、今いったわいせつ行為、そしてセクハラ行為等のうち、免職処分になった件数を伺いたいと思います。

○岡崎人事部長 免職処分の件数は三十六件でございます。
 先ほど申し上げた児童生徒、保護者との性行為や痴漢行為などのわいせつ行為につきましては、厳罰をもって望んでおりまして、すべて免職としてございます。

○神野委員 免職になった方は三十六件ということでございました。
 それでは、ちょっと視点を変えまして、こういったもろもろの事故が起きて、そして教員に対して処分発令がどのような形で行われるのかという手続についてお伺いしたいと思います。

○岡崎人事部長 事故が発覚した後には、都立学校長、または区市町村教育委員会から事故報告書が都教育委員会に提出されます。その内容に基づきまして、事故者や校長を初めとする関係者からの事情聴取を行うなど、事実関係の確認を行います。
 その後、教育庁幹部職員で構成されます教職員懲戒分限審査委員会における審議を経た上で、都教育委員会において事故者に対する処分の決定を行い、処分発令を行うものでございます。

○神野委員 こういった非常にふらちな先生に関しては、都の教育委員会において事情聴取が行われて、そしてその後、教育庁の幹部の職員の方々で処分を決定すると。こういったご説明であったかと理解をいたしたわけでありますけれども、そうしましたら、同じように、いただいておるんですが、この処分の決定に至るまでの間なんですが、平成十八年四月二十七日付で、こういった処分の一つの目安となる教職員の主な非行に対する標準的な処分量定という書類がございます。
 その書類を見させていただきますと、性的行為、セクシュアルハラスメント等、対象によって、例えば児童生徒、そして保護者、そして職場におけるセクハラ、さらには一般のものの四つに分類をしているんでありますけれども、いわゆる標準の処分量定、対象を四つに分類をしている理由について伺いたいと思います。

○岡崎人事部長 公表しています標準的な処分量定をより具体的にわかりやすい内容とするために、平成十八年度に事故の対応ごとに区分の細分化、明確化を図る見直しを行いました。
 特に性的行為、セクシュアルハラスメント等については、処分の透明性の確保、事故の抑止、職場の秩序維持といった観点から、対象者を四つに、すなわち児童生徒、保護者、職場におけるセクハラ、一般の者の四つに区分しまして、それぞれの区分において具体的な内容とこれに対応する処分の量定を示すこととしたものでございます。

○神野委員 対象を分けて処分を考えていらっしゃるということで、当然、児童生徒に対する性的な行為というのは、もう間違いなくアウトですよね。そして保護者、そして職場といいますから、同僚ですとかそういった方々に対するセクハラ、こういう相手によって、そしてまた多分そういった場面場面によって処分等が決まっているんだと思うんであります。
 それでは、今のお話で、わいせつ行為にまで至らない、そういった行為によって免職以外の懲戒処分を受けた教員がいると思うんですが、わいせつ行為で免職をされなかった、免職以外の懲戒処分を受けた教員のその後は一体どうなっているのか、ご説明をお願いしたいと思います。

○岡崎人事部長 過去五年間に、わいせつ行為にまで至らない行為により免職以外の懲戒処分を受けた教員二十九人のうち、教員や児童生徒に対して性的行為と受け取られるような行為を行った十二名については、処分後に辞職を承認したところでございます。
 これ以外の教員や生徒に対する不適切な言動を行った十七名については、約二カ月にわたる服務事故再発防止研修を課した上で勤務させております。

○神野委員 今のご答弁にございました不適切な言動を行ったといいますと、これはどうも印象が薄れるんでありますけれども、先ほどの処分量定を見ますと、わいせつ、セクハラ行為ではあるわけなんです。
 それで、処分にまで至った、こういう形で露見をしたわけでありますから、例えばお酒の上で酔っ払ってちょっと失敗をしたとか、そういったレベルではなくて、多分そういったセクハラの行為なり、非常に卑わいな言動が繰り返されたり、余りにも度が過ぎていたりといった、いわゆる相手に対して非常に大きな不快感を与えたがゆえに、こういう形で露見をしたんだと私は思うんですが、そういった行為を行った教員の中で、何と十七人も再び学校に勤務しているわけです。
 そういった事実を踏まえて、ではお伺いをしたいんでありますが、そういった教員が引き続き学校に勤務をするんであるならば、私はその学校の父兄に対して、その処分内容について情報公開すべきだと思うんでありますけれども、ご所見をお願いしたいと思います。

○岡崎人事部長 教員が重大な事故を起こしたときには、被害に遭った児童生徒のプライバシーや周囲の者への影響のない場合には、保護者等に説明を行っています。さらに、事故を起こした学級や部活動を担当させないなど、児童生徒や保護者等への影響の防止に万全を期しているところでございます。
 懲戒処分を発令したときは、教職員にさらなる自覚を促し、服務事故の防止について徹底を図ることを目的に、速やかに事故者の校種、職名、年齢、性別、処分程度及び処分理由を公表しておりますが、氏名と学校名は公表してございません。
 なお、懲戒免職処分の場合には、事故者の氏名と学校名を公表しております。

○神野委員 今のご答弁で事故を起こした学級や部活動を担当させないなんて、これは当たり前のことでありまして、今のご答弁は非常に丁寧にお答えいただいたんでありますが、要約いたしますと、私が申し上げた父兄に対しての情報公開はしないというお答えだと思います。
 これまでの答弁で教員や生徒に対する不適切な言動、そういういい方ですが、実際はセクハラでありますけれども、十七名が再び同じ学校に勤務しているわけなんですが、セクハラで処分にまで至る言動があった教員に、子どもを持つ親ならば、自分の子どもを預けたくないはずなんですよ。
 そして、教育庁のお考えは、処分を受けて、研修まで行った教員ですから、彼らの人権を守るということなんでしょうけれども、ならばいわせていただきたいんですが、その教師の処分内容も知らされないで子どもを預けさせられる親の人権は一体どうするんですか。そして、もっというならば、今の不適切な言動ということで皆さんの処分が決まっているんですけれども、この程度の処分なら大丈夫といった、だれが責任を持てるんでしょうか。
 先ほど、星副委員長が虐待についてのご質問の中で、人権教育プログラムを修正して対応するというお答えがあったんでありますが、どれだけプログラムを修正しても、そしてまた、担当者がどんなに責任を持っても、亡くなった子どもの命はよみがえらないんですよ。
 ですから、今回の私の提案でありますけれども、ぜひ過去において、その程度の差こそあれ、そういったいわゆるわいせつの、そしてふらちな行為があった教師が再び学校現場に戻るときには、その学校の父兄に対してその処分内容を十分に情報公開していただくことを強く要請いたしまして、私の質問を終わります。

○岡田委員 長い時間お疲れさまでした。ラストですのでよろしくお願いいたします。
 私からは大きく三点ほど質問させていただきます。
 まず、家庭の教育力の向上という点で、乳幼児期からの子どもの教育支援の担い手養成についてお伺いいたします。
 今日、都市化や核家族化、少子化、また、地縁的関係の希薄化などを背景として、子どもの生活習慣の乱れや対人関係の希薄化、親の孤立化や子育て文化の未継承の問題などが生じ、子育てに自信がない親や教育に関心の薄い親などがあらわれてきています。児童虐待やネグレクトといった問題が顕著になっているのもそういったところから生まれているのだと思われます。
 教育福祉行政では、さまざまな家庭教育支援、子育て支援を展開しています。しかし、子育て層の多くが子育てへの地域や社会の支援が不十分と感じているという報告もあり、地域や個人の実情を踏まえたきめ細やかな支援は不十分であるといえます。そのために、若い親が家庭における教育の力をつけられるよう、地域が一体となって支援していけるよう、地域で孤立しないで気軽に相談できるようなつながりをつくるなど、子どもと親の社会的なつながりづくりが重要であると考えます。
 そこでお伺いいたします。都教育委員会で、平成二十年度から実施している乳幼児期からの子どもの教育支援プロジェクトの取り組みにあります地域における親の社会的なつながりを進める家庭教育支援チームの担い手養成の対象者の条件及び研修内容はどういうものかお教えください。

○松山地域教育支援部長 昨今の核家族化、少子化、都市部における地域のつながりの希薄化などを背景として、自分の子育てに自信が持てず、不安や悩みを抱えている親への対応が課題となっております。
 このため、都教育委員会は、地域の実情に応じた情報提供、相談、学習機会の提供等により、親の社会的つながりを促す家庭教育支援チームの設置を推進しております。
 担い手養成研修は、この家庭教育支援チームの核となって活動していただく人材を養成するものでございまして、地域の子育て経験者を初め、子育て支援のサークル等で活動している方、民生児童委員等を対象として実施しております。
 平成二十一年度の受講申し込みに当たりましては、区市町村教育委員会が母子保健、児童福祉等家庭教育支援関連部署と連携し、受講後の活動の可能性等を考慮の上、東京都教育委員会に推薦していただき、四十七名が受講いたしました。
 研修内容は、地域における家庭教育支援チームの核となる人材を育てる観点から、現代の子ども、親、家庭に関する理解、家庭教育支援の必要性、孤立している親や子育てに無関心な親等に対する具体的な活動の企画などをねらいとした講義、事例発表、グループワークなどでございます。

○岡田委員 この平成二十一年度には担い手養成研修が二回ほど実施されたということですけれども、その効果や広がりはどうだったでしょうか。お伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 平成二十一年度の受講者アンケートでは、七割以上の方が担い手のイメージを描けた、必要な知識を身につけたと回答しております。
 さらに、受講後、受講者の中から未実施の区市町村教育委員会や地域の子育てNPOに対して研修の実施を呼びかける方などもあらわれております。
 今年度は、昨年と同様の研修を実施いたしますとともに、こうした広がりを踏まえ、区市町村教育委員会やNPOと連携して、地域の実情を踏まえた担い手養成研修を三地域において実施する予定でございます。

○岡田委員 この研修によって、新たに地域の実情を踏まえた担い手養成研修が実施されるということは、効果が早速あらわれたあかしと高く評価しているところでございます。
 さらに、今後このような効果を草の根的に広めていくためにも、地域で家庭を支える担い手養成研修に引き続き取り組むことが重要であると考えますが、いかがでしょうか。

○松山地域教育支援部長 家庭教育への支援を効果的に推進するためには、地域において子育て経験者はもとより、さまざまな子育て支援の団体や機関が連携してネットワークをつくり上げていくことが重要となります。このため、都教育委員会は、引き続き担い手養成研修を実施し、地域におけるネットワークづくりの核となる人材の育成に努めてまいります。

○岡田委員 ありがとうございます。若いお父さんやお母さんたちが子育てに自信を持って取り組めるよう、今後も引き続き充実させていってほしいと思います。
 次に、幼稚園、保育所における教育的機能の向上から、就学前の教育支援についてお伺いいたします。
 ことしの初めにフィンランドやデンマークの教育現場を視察してまいりましたけれども、どちらの国でも就学前教育が当然のように行われておりました。また、数年前にスウェーデンにも視察をしてまいりましたけれども、やはり就学前教育が非常に充実しておりました。
 いまや北欧諸国を初め、アメリカ各地でもこうした就学前教育は実施されているようで、日本の小一プロブレムの問題もこのような就学前教育がしっかりと根づけば、解決の糸口になるのではないかと思っているところでございます。
 そこで、東京都教育委員会でもこの就学前教育プログラムを作成されたようですけれども、昨年度作成されましたこのプログラムとはどのようなものでしょうか。お知らせください。

○高野指導部長 就学前教育プログラムは、都教育委員会が昨年度就学前教育から小学校教育への接続期に焦点を当てまして、保育所や幼稚園と小学校との連携の方策を明らかにするために開発したものでございまして、都内のすべての国公私立の保育所や幼稚園及び公立小学校に配布いたしました。
 本プログラムは、例えば、幼児が小学校生活の不安を解消し、就学への期待を高めるための取り組みや、保護者が小学校教育への理解を深めるための取り組み、また、保育所の保育士や幼稚園及び小学校の教員がそれぞれの保育、教育内容や指導方法について相互理解を図るための取り組みなどのモデルを示したものでございます。

○岡田委員 幼稚園と保育所では、その指導内容や教育内容に差異があると思われますけれども、その点はどう一元化していくのかが気になるところです。今年度作成する就学前カリキュラムとはどのようなものでしょうか。お知らせください。

○高野指導部長 就学前教育カリキュラムは、ゼロ歳児から五歳児の子どもの発達や学びの連続性を踏まえまして、各年齢に応じた保育、教育の内容や方法などを示すために、都教育委員会が今年度開発しているものでございます。
 具体的には、例えばあいさつをする、決まりを守るといった社会生活における望ましい生活習慣や態度、あるいは感じたことや考えたことを言葉で表現する力、あるいは身近な環境に対する探求心や豊かな感性など、保育所や幼稚園において小学校生活の基礎となる力を幼児が身につけるためのカリキュラムでございます。

○岡田委員 幼稚園は私立が九割ということですけれども、作成したカリキュラムについては、すべての私立幼稚園や無認可保育所などでも配布されるのでしょうか。

○高野指導部長 国公私立を問わず、すべての幼稚園や保育所において、小学校との連続性を踏まえた就学前教育を充実させていくために、平成二十三年三月に都内のすべての国公私立の保育所や幼稚園及び公立小学校に就学前教育カリキュラムを配布する予定でございます。
 また、幼稚園や保育所に入らず、家庭や無認可保育所で保育している乳幼児もございますため、本カリキュラムを都教育委員会ホームページに掲載いたしまして、家庭や無認可保育所でも活用できるように支援してまいりたいと考えております。

○岡田委員 今、東京都のホームページの方に掲載されるということですけれども、待機児童数がふえている今日、特に幼稚園や保育所に入らないで家庭にいる子どもたち、それから、無認可保育所で保育している幼児への就学前教育は本当に心配になると思います。そうした場合でも、保護者への啓発をきめ細やかに行って推進していただくことを要望いたしまして、この件の質問を終わります。
 最後です。情報モラル教育に関して、特に小学校、中学校における肖像権に関する指導について質問させていただきます。
 今年度の主要施策の中に、子どもを災害時の危機から守るということから、情報モラル教育の推進が挙げられています。近年、個人の写真の流用による事件が増加していると聞いております。この六月に首都大学東京の男子学生二人が街頭で女性に声をかけ、その様子を顔のわかる動画を本人に無断でネット投稿したことから、撮られたその女性だけではなく、学生の人生にかかわることはもとより、大学や家族、家族の職場まで巻き込んだ騒ぎとなった事件がありました。ほかにも肖像権にかかわる事件は多発しているようであります。
 そこで都教育委員会では、全国に先駆けて学校非公式サイトなどのネット監視を開始したと先ほどの質疑の中でもありましたけれども、子どもが肖像権などの事故や他人のプライバシーを不用意に公開したことによる事件、事故などに関して、どの程度把握され、問題意識としてはどうとらえられているでしょうか。お知らせください。

○高野指導部長 平成二十二年三月末日までの約十カ月間の監視結果によれば、検出されたサイト上にある事件、事故につながるおそれのある自分や他人の個人情報を公開する不適切な書き込みが八千二百十六件ございまして、そのほとんどは自分や他人のものと考えられる写真が掲載されてございます。
 不適切な書き込みにつきましては、受託業者を通じまして、当該サイトの管理運営者等に通報して削除依頼を行うとともに、学校がすぐ対応すべきものについては、直ちに当該校、あるいは区市町村教育委員会に情報提供したところでございます。
 これまでの監視結果によると、児童生徒による自分や他人の個人情報の不用意な公開が全体の約六割を占めるなど、トラブルに巻き込まれやすい状況があることから、昨年十一月には各学校で適切に指導するように通知をし、注意喚起をしたところでございます。
 都教育委員会は、これらの不適切な書き込みの多くに自分や他人の写真等が掲載されていることは、児童生徒の肖像権にかかわる重大な課題があると認識してございまして、今後も学校非公式サイト等のネット監視を継続して行っていく予定でございます。

○岡田委員 八月には、小学生の女の子になりすまして携帯電話ゲームで知り合った小中学生の女児八十人に自分の下着や裸の画像を送らせていた三十一歳の男性が児童買春ポルノ禁止法違反で逮捕されました。子どもたちは簡単に自分たちの画像を送信してきたといいます。
 警察によると、携帯ゲームやプロフに参加しているうちにだまされたり、おどされたりして被害に遭う児童が急増し、年齢も低年齢層が目立つとのことであります。
 また、最近では、親が幼い我が子の画像や映像を売買目的に使用しているといった現状もあります。こうした画像、映像は、一回出回ってしまったら回収することはできません。幼い子どもが大きくなってから、それがもとで何かの事件に巻き込まれないとも限りません。
 こうした現状を考えますと、肖像権に関する幼児期からの子どもへの指導並びに保護者への指導、啓発が必要と考えますけれども、都教育委員会の所見を伺います。

○高野指導部長 児童生徒が社会生活の中で情報が果たしている役割や影響を理解いたしまして、肖像権を含め、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考えることを通して、情報社会に参画する態度を身につけることは重要と考えてございます。
 現在、学校においては、撮影した他人の写真を扱うときに配慮すること、美術などの作品を制作するときに肖像権に配慮すべきこと、プライバシーや著作権を保護することなど、情報を扱う上での基本的なマナーについて、発達段階に応じて子どもたちに指導しているところでございます。
 また、都教育委員会は、人権教育に関する実践的な手引きでございます人権教育プログラムの中で、写真やビデオを用いて人物などを撮影して作品化するなどの場合は、相手の了解を得て行うなど、肖像権についても配慮する必要があると記載してございまして、これを通しまして各学校を指導しているところでございます。
 さらには、家庭と連携した取り組みを進めるために、都教育委員会は、警視庁や治安対策本部と連携を図りまして、児童生徒や保護者、地域社会が参加するハイテク犯罪対策シンポジウムやすべての公立学校が実施するセーフティー教室を通じまして、児童生徒が被害者にも加害者にもならない啓発活動に努めてまいりたいと思います。
 今後ともこうした取り組みを通しまして、学校における著作権を含めた情報モラル教育を推進してまいります。

○岡田委員 これまでの情報教育の教科書や指導のための資料集などをいろいろ取り寄せて調べてみましたけれども、肖像権に関しては、これまで余り深く取り上げられていないというのが現状だと思います。今後のネット依存の社会状況の流れを見ていきますと、しっかりとした指導の位置づけも必要と思われます。
 また、この情報教育という新しい教育分野では、民間企業やNPO法人と連携して的確な指導を行っていく必要があると思われます。都教育委員会の所見を伺います。

○高野指導部長 肖像権を含めました情報モラル教育を推進するためには、学校の取り組みだけではなく、民間企業やNPO法人などと連携して取り組みを進めることが重要かと考えております。
 このため、都教育委員会では、民間企業などが作成した児童生徒用の情報モラルにかかわる啓発用教材を区市町村教育委員会や都立学校へ紹介しているところでございます。こうした紹介を受けた学校は、民間企業などから専門家を招致いたしまして、児童生徒への指導を行ったり、指導内容や指導方法についての助言を受けたりしているところでございます。
 都教育委員会は、今後とも学校が民間企業やNPO法人等と必要に応じて連携し、児童生徒を指導するよう働きかけてまいりたいと考えております。

○岡田委員 情報がますますはんらんし、これからの社会は本当に情報モラル教育が必要となって、もっともっと高まってくると思われます。そうしたことから、子どもたちがこれから情報化社会に飲み込まれることなく安心・安全に生活し、成長していけるよう、これからも情報モラル教育を推進していっていただきたいと思います。ありがとうございました。

○原田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○原田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時十八分散会

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