ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第七号

平成二十年六月十九日(木曜日)
第三委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長古館 和憲君
副委員長早坂 義弘君
副委員長門脇ふみよし君
理事斉藤あつし君
理事鈴木 一光君
理事石川 芳昭君
伊藤 ゆう君
松葉多美子君
中山 信行君
伊藤まさき君
古賀 俊昭君
大山とも子君
服部ゆくお君

 欠席委員 一名

 出席説明員
生活文化スポーツ局局長渡辺日佐夫君
次長三橋  昇君
総務部長高西 新子君
広報広聴部長石原 清次君
都民生活部長小笠原広樹君
消費生活部長宮川 雄司君
私学部長小濱 哲二君
文化振興部長 廣瀬 秀樹君
スポーツ振興部長細井  優君
参事萩原まき子君
参事平林 宣広君
参事桃原慎一郎君
参事池田 俊明君
参事岸本 良一君
教育庁教育長中村 正彦君
理事岩佐 哲男君
総務部長志賀 敏和君
都立学校教育部長新井 清博君
地域教育支援部長皆川 重次君
指導部長高野 敬三君
人事部長松田 芳和君
福利厚生部長秦  正博君
特命担当部長森口  純君
人事企画担当部長直原  裕君
参事石原 清志君
参事高畑 崇久君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 生活文化スポーツ局関係
報告事項(質疑)
・第十九次東京都消費生活対策審議会答申について
 教育庁関係
契約議案の調査
・第百四十九号議案 都立多摩養護学校(二十)校舎増築工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百三十七号議案 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十三号 公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例
報告事項(質疑)
・東京都教育ビジョン(第二次)の策定について

○古館委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○古館委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の契約議案の調査及び付託議案の審査並びに生活文化スポーツ局、教育庁関係の報告事項に対する質疑を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件につきましては、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十年六月十八日
東京都議会議長 比留間敏夫
文教委員長 古館 和憲殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百四十九号議案 都立多摩養護学校(二十)校舎増築工事請負契約
2 提出期限 平成二十年六月二十日(金)

○古館委員長 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 報告事項、第十九次東京都消費生活対策審議会答申についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高西総務部長 去る六月六日の当委員会において要求がありました資料についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております平成二十年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。
 調理冷凍食品における原料原産地表示の原則及び具体例でございます。
 1に調理冷凍食品における原料原産地表示の原則を記載し、2に冷凍ギョーザと冷凍筑前煮について、それぞれ表示の例と説明を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料に関する説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○古館委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○門脇委員 それでは、委員長にご指名をいただきましたので質問をいたします。
 先般の当委員会に報告のありました第十九次東京都消費生活対策審議会の答申、食品の原料原産地表示のあり方についての内容については、細かいことはいろいろ申し上げたいこともありますけれども、基本的に賛成の方針でございます。
 特に、説明の中でも、皆さん方お話をしていただきましたけれども、都が国に先駆けてこのような表示制度を実施するということは、中国の毒入りの冷凍ギョーザ事件のこともありますし、加工食品、とりわけ調理冷凍食品、冷食に対して消費者の不安を解消するその第一歩であろうと認識をいたしております。
 そこで、都独自の原料原産地表示制度の実施に向けて、現在、八月でしたか、一部猶予期間はあるようですけれども、八月に向けて皆さん方も汗をかいていらっしゃる時期だと思うんですけれども、この制度に関連して、二点に絞ってお伺いをいたします。
 一点目は、審議会答申のポイントにもありますとおり、製造者に表示を義務づける、これが一番大切なことでありますけれども、同時に、小売店やスーパー、あるいは最近はコンビニエンスストアでも冷凍食品を扱っているお店がふえておりますけれども、この現場において、消費者にとってわかりやすい情報提供を行うということも、これもこの前説明いただきましたけれども、私たちも重要だと考えております。
 例えば、私もかつてスーパーで働いていたことがあるんですけれども、POPという、皆さん方もお買い物に行かれてご存じだと思いますが、商品のところに大体黄色い紙、白い紙で、例えば冷凍シューマイ、本日の目玉、二百九十八円というPOPをつけますね。その際に、これはもちろん義務ではありませんけれども、せっかく都も新しい取り組みをされるわけですから、そこに今回の原料原産地表示についても書いたら、非常に消費者もわかりやすく、安心感も高まると思います。
 それから、広告チラシについても、全部について--ただ、最近は、ご承知のとおり、スーパーでも冷食特価セールというのを、冷食というのは冷凍食品の割引セールというのを、それ一枚で広告の裏表でいわゆる打つことがあります。そうした場合、特にその目玉に当たる部分、大体写真が大きいわけですけれども、それについて、全部はできませんけれども、幾つかに絞って今回の原料原産地表示もお願いするといったことも、いろんな工夫をして可能ではないかと思っております。
 このような販売業者の協力を得るためには、都としてこれから具体的にどのような取り組みをされていくのか、お伺いをしたいと思います。
 先ほど申しましたように、例えば業界団体として日本チェーンストア協会、これは大手のいわゆるスーパーマーケットあるいはGMSが加盟をしている全国組織でありますけれども、この協会、あるいは日本フランチャイズ協会、これはコンビニの団体ですから、例えばセブンイレブンとかローソンとかファミリーマートとか、そういう大手はすべてこのフランチャイズ協会に入っております、これらの協力を得ていくということも大変重要だと私たち民主党は考えておりますけれども、その点についてお答えをいただきたいと思います。

○宮川消費生活部長 今回の都の表示制度に基づいて、製造業者が提供する情報を販売業者においても消費者にわかりやすく提供する、そういう取り組みが、私どもといたしましても大変重要であると考えております。
 そこでまず、現在、定期的に開催をしております食品の適正表示に関する講習会など、製造業者や販売業者が集まるさまざまな機会をとらえて、わかりやすいリーフレットなどにより、新しい制度の意義と内容について周知を図り、協力を求めてまいります。
 また、現在のスケジュールでは、八月中に告示をする予定で手続を進めておりますけれども、その告示の前の八月上旬に開催を予定しております事業者説明会に販売業者の出席も広く呼びかけておりまして、消費者にわかりやすい情報提供の必要性について理解を深めてもらう考えでおります。
 さらに、告示をした後でございますが、販売事業者の店頭における表示の取り組み状況を見守りながら、必要な場合には販売業者の事務所に直接出向いて協力を求めるなど、販売業者の取り組みを都といたしまして積極的に推奨してまいりたいと考えております。

○門脇委員 ありがとうございました。なかなかアクティブな取り組みと評価をさせていただきます。
 今申し上げたことについては、確かにスーパーなどの販売業者としても一手間かかることは間違いがありません。ただ、義務ではありませんけれども、都民あるいはお客様、消費者に対する情報提供として積極的に小売店が、販売者が協力することで、結果--なかなか今、差別化ができないんですね、同じ商品が同じような値段で売るということで。だから、こういうところで、やはり私は企業のステータスというのも、ちょっとしたことですけれども、上がっていくんだろうなと、それが結果的に売り上げであるとか利益であるとか、そういうところに結びついていくと思います。
 はっきりした数字は私もわからないんですけれども、例えば今回の対象になっております調理冷凍食品、一般的に冷食、冷食といういい方をいたしますけれども、多分、全国展開あるいはリージョナル展開をしているスーパーマーケットあるいはコンビニエンスストア、この売り上げを合計いたしますと、冷食部分だけ見ても--皆さん方もご経験あると思うんですけれども、一般の商店街の小売店で余り冷凍食品って売っていませんよね。ですから、先ほどいった、二団体だけではないんですけれども、こういう団体に積極的に協力をお願いするというのはとても大切なことであろうかと思います。で、文字どおり、東京から食の安全・安心の第一歩が始まると期待をいたしております。
 もう一つの質問ですけれども、今回は国内に限って、しかも、いわゆる加工食品--加工食品のカテゴリーの中にもいろいろなものがあります。今回は調理冷凍食品が対象になっておりますけれども、一般的にお菓子も加工食品ですし、缶詰も加工食品ですし、それからレトルト食品ですね、カレーなど、これも広い意味で加工食品であります。当面、やはり制度を定着させる、実効性を上げるという部分では、今回の冷凍食品を対象としたということについては十分に理解をしておりますけれども、今後、今申しましたように、レトルトの食品、カレーとかシチューとかありますけれども、ほぼ内容については、冷凍で売っているか、それともレトルトで売っているか、この差にすぎないと思います。
 将来、義務づけを何でもすればいいということは思いませんけれども、今回のような対象をさらに拡大することができないのか、国との関係もあると思いますけれども、現時点での消費生活部というか、都の考え方をお伺いいたします。

○宮川消費生活部長 ただいまの点につきましては、今回の答申にもございますように、食品の表示制度と申しますのは、すべての国民にかかわる重要な問題でございます。本来、国がそのあり方を検討し、全国的な制度として整備すべきものと考えております。
 そこで、審議会も、国は食品の原料原産地表示の対象品目を拡大する等抜本的に取り組むよう、東京都に対しまして国への働きかけを強く求めております。
 東京都は今後、今回の答申の内容を踏まえた都独自の表示制度が、調理冷凍食品の製造業者及び販売業者並びに消費者の理解と協力を得まして有効に機能するよう、全力を挙げて取り組む考えでございます。
 また、国に対しては、今回の都の動きを真剣に受けとめていただいて、食品の原料原産地表示について抜本的に取り組むよう強く働きかけてまいります。
 なお、八都県市の首脳会議におきまして、都の提案により、厚生労働省には本年四月二十四日に、農林水産省には翌二十五日に、食品の原料原産地表示の対象品目を拡大するなど、制度を強化するよう要望したところでございます。
 ただいまのお話にございます、義務づけの対象のさらなる拡大につきましては、今後、国の動きをしっかりと見きわめていく考えでございます。

○門脇委員 ありがとうございました。現時点での都の考えは十分に理解をいたしました。
 私たちもできるだけ、やっぱり国統一でやらないと、例えばメーカーなども、東京都バージョンの製品とそれ以外の製品というものをつくらなきゃいけないということも出てくると思いますので、この食の安全・安心というのは何も東京都だけの問題ではありませんので、私たちもできる限り皆さん方の後押しをしていきたいと考えております。
 食品表示に関する十分な情報が都民に提供される環境が整備されることを最後に期待をいたして、質問を終わります。ありがとうございました。

○大山委員 調理冷凍食品の原料原産地表示についてということで、都民の皆さんの不安にいち早くこたえて、原料原産地表示に踏み出すということは一歩前進だと思っています。その立場で、より積極的にという立場で質疑したいと思っています。
 食品の原料原産地表示について、表示の対象品目を拡大するなど、都は国に働きかけていくべきだと考えますが、これはどうですか。

○宮川消費生活部長 食品の表示制度は、すべての国民にかかわる重要な問題でございます。本来、国がそのあり方を検討し、全国的な制度として整備すべきものであります。
 そこで、門脇副委員長のご質問にもお答えいたしておりますように、既に八都県市首脳会議において、厚生労働省、農林水産省の両省に対し、制度の強化を要望しております。今後も、国に対して、抜本的に取り組むよう強く働きかけてまいります。

○大山委員 国にも都もきちんと求めながらやっていただきたいと思っています。
 今回は、とにかく急いだということで、表示の範囲は調理冷凍食品ということで、しかも家庭用ということですけれども、答申の三ページにありますけれども、4の上の欄ですけれども、原料原産地表示というのが、消費者が食品を購入するに当たり、選択を行うための重要な情報提供の手段であると同時に、事業者においては、みずからが製造、加工する食品の原材料の原産地をトレースし、その記録を整理し、保存することが事実上求められることになり、事業者に対し、消費者から見て安全・安心な原材料を調達、使用することを促す効果があるということで、やはり表示というのはこの視点が重要なんだと思っています。
 最初に説明していただいた、この大きな……
   〔傍聴席にて発言する者あり〕
〔「委員長、議事進行。傍聴者は私語を慎むように指示してください」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 今、傍聴者が私語ということで、今こちらで質疑中ですので、ご静粛にお願いします。
 じゃ、続けてください。

○大山委員 この資料第1号でありますように、これは重量三位までということで、お米、タマネギ、ニンジン、これはそれぞれ国産、米国産、中国産と表示され、エビピラフだったら、エビは商品名に使用しているからエビも対象になるということなんですよね。
 それで、委員会の要求資料でお願いした、例えば最初の冷凍ギョーザ、これは皮、野菜、豚肉ということで、皮が一番最初に書いてあるということは、一番重量が重いということだと思うんですけれども、重量が三位以内に入っていても表示の対象にはならない、小麦粉などは表示の対象にならないわけですね。例えば冷凍キツネうどんだとかキツネそばなんかでも、小麦粉だとかそば粉が一番大きな重量を占めますけれども、表示の対象にはならないわけですね。小麦粉もそば粉も生鮮食品に近い加工食品ではないので対象外なんだということなんですけれども、やはり重量がこれだけあるものが表示の対象にならないというのも、これは消費者にとってはちょっと不満なことだと。結局、どこの粉とどこの粉をまぜているのか、それがトレースできているのかできていないかも消費者にはわからないということなんですよね。消費者とすれば、トレースができないということは、どんな状況で栽培されたのかということもわからないわけですから、トレースできるということが安心・安全につながるということで、答申のとおりです。
 今回の答申は、とにかく急ぐということで、一気に短期間で答申を出したということですけれども、表示については、先ほどもありましたが、まだまだ、例えば外食産業、それからレストランだとか食堂なんかでのメニューの表示だとか、調理した食品、レトルトなどの食品などのさまざまな対象への表示拡大を、今後、今回は短期だったけど、長期的なスパンで検討する必要があると考えています。そのために、今後、都民に必要な食品表示に関して、対象食品が拡大することなどを長期的に検討する検討会議などの設置が必要だと思いますけれども、いかがでしょう。

○宮川消費生活部長 今回、都が独自に行う表示の義務づけについては、都民が理解を深め、さらに事業者が適切に対応していくよう、これから全力を傾注していく考えでございます。
 義務づけ対象のさらなる拡大の検討につきましては、今後、国の動きをしっかりと見きわめていく考えでございます。

○大山委員 都民の皆さんにも、今回の表示はどういう表示なんですよということがよくわかるようにお知らせもしてほしいと思っています。
 国の動きをしっかりと見きわめるとおっしゃいましたけれども、都独自にも、やはり何ができるのかということを長期的な視点でぜひとも考えていただきたいと思っています。
 調理冷凍食品のこの答申ですけれども、私も消対審の委員として参加させていただいていたんですが、審議を重ねる中で実感したのは、食料自給率を上げることがとにかく重要だということです。答申の「はじめに」の中でも自給率に触れていますけれども、もちろん国全体で自給率を上げていくことを考えなければならないんですけれども、東京で自給率を上げていくこと、これは国内の自給率を上げていくことにもつながるわけで、東京でできることはないんだろうかということなんです。都内にも農業も畜産業もあります。都内に限らず、近県も含めて消費者と農業者をつなげるような、協働ができるようにするということは、消費者行政の面からいっても、食の安全からいっても重要だと思っていますし、農業の育成にもなるし、消費者は安心・安全な食品を得ることができると思います。
 東京都が広域自治体、広域行政として果たす役割を本当に考えた方がいいと思うんですけれども、生活文化局が消費者行政の立場から、それから産労局が農業振興の立場から連携して、都としての役割をぜひ果たしてほしいと思っています。
 例えば、女性団体が近県の農民団体と連携して産直野菜をやっていたり、大豆の生産者と消費者の地域のお豆腐屋さんで大豆を卸してもらってお豆腐などをつくっている実践もあるわけで、都内のあちらこちらでさまざまな取り組みはあるわけですね。広域自治体の東京都が、消費者と生産者と販売者などが協働できるように、情報交換を初めとして地産地消の推進、それから食料自給率の向上に取り組んでいけるような仕組みづくりの役割を果たしてもらいたいと思っています。
 現在、東京都は、安全で安心できる都民の消費生活を実現するという観点から、消費生活基本計画を改定するということで、消費生活対策審議会において審議が行われていますね。せっかく基本計画を改定するというこの時期なわけですから、食料自給率を向上するために都として何ができるか、なかなか困難な問題であるとは思うんですけれども、計画部会などでぜひ議論を深めていただきたいということを要望として述べておきます。
 以上です。

○古館委員長 要望ですので、では、よろしくお願いいたします。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。

○古館委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百四十九号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。

○斉藤委員 それでは、契約案件の、多摩養護学校の校舎増築工事について伺います。
 まず最初に、参考に、今回の入札状況と落札率について伺います。詳しい内容を教えてください。

○新井都立学校教育部長 入札の経過でございますけれども、予定価格が二十一億六千九百三十万円でございまして、入札に参加した業者は十一者、そのうち一者が辞退をいたしまして、応札した業者は十者でございました。
 落札金額でございますけれども、十八億四千二百七十五万円、落札率は八四・九%でございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 それでは、一つ一つ、今回の校舎の増築の設計についてちょっと疑問がありますので、伺いたいと思います。
 普通、校舎が単体として一棟丸々ふえたり、もしくは既存の校舎の一部が延長した形になって増築するというのはよくある方法なんですが、今回は、グラウンドを挟んで、囲むような形になっているというのは余りない増築なのかなと思います。このような奇抜な設計になった理由について伺います。

○新井都立学校教育部長 学校の施設の配置計画でございますけれども、日照、通風等の良好な環境条件の確保、これに十分留意いたしまして位置、方向等を計画する必要がございます。
 施設の配置につきましては、例えば増築の校舎を既存校舎に隣接して配置した場合に、日陰となる部分が多くなるとともに、増築する三階建ての校舎が南東側に配置されるために、グラウンドの方も、今回示した設計に比べまして日照時間が短くなるなどの問題があります。また、増築校舎と既存校舎が隣接するために、通風も悪いという配置になります。
 そのために、本工事におきましては、これらの問題を避けるために、グラウンドを挟んで西側を中心に校舎を増築することとしたものでございます。

○斉藤委員 大変ちょっと気になったのは、普通に考えると、今まで建物が周りになかったのが、グラウンドを囲ってしまいますと、どうしても圧迫感があったり、何より実際にいろんな行事とかをする上でやっぱりいろいろ制限が加わってしまうんじゃないかという心配があります。
 ただ、一方で、私どもがよく知るような一般的な学校に比べて、今回のは特別支援教育の学校でございますから、授業の内容とか行事のあり方など、もしくはそういった学校のカリキュラム外で使う使い道に関しては若干違うのかなというふうな感じがいたします。私どもの方ではそのあたりの違いと、それからあと、今回、囲うような形になっても問題がないのかどうかというのはなかなかよくわかりません。実際には、そういったグラウンドを囲むような設計をして、いろんな制約が生まれないのか、非常に雰囲気的に使い勝手が悪くなったりしないのか、そのあたりについて、今回このような設計になったところの適切さというものについて伺いたいと思います。

○新井都立学校教育部長 増築する校舎につきましては、グラウンドの日照、通風等に配慮した設計としております。
 グラウンドの面積は二千二百平米でありまして、百メートルトラックと五十メートルの直線走路が確保できることから、体育の授業を行うには十分な広さがございます。知的障害の小、中、高の学部を有する学校のグラウンドといたしましては、八王子の八王子特別支援学校と同程度の広さとなってございます。

○斉藤委員 ありがとうございました。
 意見ですけれども、今までと大分、多分学校生活での雰囲気が変わるところでもあるかと思いますので、特に知的の方なども環境の変化には敏感な方がいらっしゃいます。ぜひともそのあたりを配慮して、安全に工事をしていただきたいと思います。
 以上、要望でございます。

○大山委員 多摩養護学校に南大沢学園養護学校の小、中、高等部を移転させて、肢体不自由と知的の併置校にするというものですね。そもそも多摩養護学校は肢知併置校でスタートして、多摩ニュータウンの開発に伴って、予定どおり肢体不自由の多摩養護と知的の南大沢養護に独立していったわけですね。それをまた同じ学校にしてしまうということです。
 この合併については、保護者の皆さんから、二年ぐらい前、それよりもうちょっと以前から、三回も移転計画の見直しをしてほしいとの陳情が文教委員会に出されてきました。私も、陳情が出されたときに二つの学校に行ってみました。南大沢学園養護学校は知的のところですけれども、小、中、高等部の普通科、本当に教室不足で、特別教室などは、使えるものはすべて普通教室として転用するし、パーテーションで仕切ったハーフサイズの教室が二十五教室、普通サイズが二十八教室でした。ですから、普通教室の不足を解消する、学校としても当たり前の条件整備を保護者の皆さんも求めてきたわけです。だからこそ、学校の増設を希望していたわけですよね。
 しかも、南野高校跡地に学校をつくる計画があって、それで当該の多摩市への説明が不十分で、結局、南野高校跡地には養護学校はつくれなくなってしまったということですね、経過としては。高校の跡地ですから、十分な広さもあったはずです。結局、多摩養護学校と再び肢知併置校とすることになったわけですけれども、児童生徒の人数がふえたから二つの学校に分けたんですよね。その人数がさらにふえた現段階で一緒になるわけですから、まさに一校分の敷地に二校分の校舎を詰め込んで、子どもも詰め込んでしまう。こんな状態になったことを都教委はどう責任を感じて、どう反省しているんでしょうか。まずちょっとその辺をはっきりさせてください。

○高畑参事 都教育委員会といたしましては、一校分の敷地に二校分の校舎を詰め込むという認識はございません。
 多摩養護学校、現在の多摩桜の丘学園は、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門の併置校としての教育活動を行うに当たり、必要な敷地及び施設を確保しており、他の知肢併置校と比べても遜色のない施設規模となっております。
 また、知肢併置校として二つの教育部門の教員が連携、協力し、小学部から高等部まで一貫した指導の充実に努めることを、学校の教育目標を達成するための基本方針の一つとしており、今後は、知肢併置校としての長所を生かし、二つの教育部門の教育内容を充実していくことが都教育委員会の責務であると考えております。

○大山委員 詰め込むという認識はない、必要な教室や敷地を確保している、そういう答弁ですね。
 当初は学校を一つつくる、もう一つ増設するということだったのに、それができなくなったというのは紛れもなく都教委の責任なんです。まずその反省があって、子どもたちの教育環境をよりよくしていくことにつながります。後から肢知併置校にして連携をとるからいいというようなことでは、教育条件の整備に責任を持つ教育庁としては、合理化したといわれても仕方がないといえます。
 しかも、障害種別の学校の教員同士が連携、協力するといっても、同じ敷地内でなければ連携、協力ができない、そんなことはありません。それよりも、むしろ大規模校の弊害や、校舎や校庭などの狭さの方が子どもたちにとってはマイナスになってしまうということは、杉並の、この間の肢知併置校のときの質疑でも指摘してきたことです。
 さっき、必要な教室、確保しているんだということなんですけれども、本当に教室不足に対応できるのかということなんです。教室不足の解消がねらいだったわけですけれども、学校規模、予定は、小、中、高等部で四十一学級、百六十人程度ということになっていますけれども、四十一学級という数字、これはどのような根拠で出されたんですか。

○高畑参事 特別支援教育推進計画を作成いたしました平成十六年度に、南大沢学園養護学校に在籍する児童生徒のうち、多摩養護学校に移る対象児童生徒数を百六十名程度と想定いたしまして、学級数につきましては、この百六十名をもとに、知的障害部門の平均学級人員を勘案いたしまして四十一学級としたものでございます。

○大山委員 そんなこといいますけれども、私、南大沢学園養護学校の学校要覧を見せていただきました。これには学級数だとか児童生徒数も載っています。全学年在校していた十八年度の小、中、高等部普通科合わせて五十学級です。そのうち重度重複学級は十六学級、普通学級は三十四学級です。これからつくろうとしている学校の重度重複の教室は十ですから、既に六教室不足、普通学級の教室は三十一ですから、三教室不足です。二十二年に竣工して、その年には小一から高一までの児童生徒が移るんですね。しかし、二十四年度には全学年そろいますから、竣工当初から既に教室不足という事態になりかねないといえるんじゃないでしょうか。

○高畑参事 委員は、南大沢学園特別支援学校に在籍するすべての児童生徒が多摩桜の丘学園に移ることを前提とされていらっしゃるようですが、高等部の約六割に当たります知的障害の軽い生徒は高等部職業学科の対象となることを想定しており、そのほかの児童生徒数に対して必要な教室数は確保してございます。
 なお、重度重複学級につきましては、将来の学級規模を想定することは困難でございますが、設計上は、十学級を超える場合であっても柔軟に対応できる構造となっております。

○大山委員 高等部の六割が知的障害が軽い生徒なので職業学科の対象となることを想定しているから大丈夫なんだとおっしゃいましたけど、私がさっきいった、小、中、高合わせて五十学級というのは高等部の普通科しか計算に入れていません。南大沢養護学校に行ったとき、産業技術科は軽度の生徒たちということでしたから、さっきの五十学級には入れていません。産業技術科だけで十八年度は四十七学級です。しかも、二年前の文教委員会の議事録を見ますと、多摩養護学校に移動する児童生徒の予測は四十一学級、百五十人程度となっていて、二年間でもう予定が十名もふえています。教室不足を解消するどころか、また同じ状況を招くということにほかならないといわざるを得ません。
 しかも、重度重複学級、幾つになるかわからないから、結局半分にして使うということをいっているわけですね。ということなんです。で、十分な教室を確保しているという答弁でしたけれども、十分な教室は確保できていないということです。
 二つ目は、先ほど校庭の話がありましたけれども、校庭は狭過ぎるということです。多摩養護学校のグラウンドに校舎をぐるりと建てることになりますから、せっかくのグラウンドが非常に狭くなります。知的障害児にとってグラウンドの必要性、これをどう認識しているんでしょうか。

○新井都立学校教育部長 知的障害の児童生徒、これを受け入れます特別支援学校におきましては、グラウンドは体育の授業や部活動を行う上で必要な施設であるというふうに考えております。

○大山委員 知的障害児にとって戸外での活動は欠かせないということですね。そういう認識があるわけですね。
 小学生から高校生まで予定でも百六十人もいるということなんですけれども、そのグラウンドの広さ、どれぐらいの広さなんでしょう。面積と、あと、どういうトラックがつくれるんですか。

○新井都立学校教育部長 グラウンドの面積、約二千二百平米でありまして、百メートルトラックと五十メートルの直線走路を確保できます。体育の授業を行うには十分な広さであると考えております。

○大山委員 百メートルのトラックといったら、やはりコーナーを回るときなんかなかなか大変なんですよね。直線も対角線でやっと百メートルですね。私、新宿ですけれども、新宿の小学校というのは非常に校庭狭いです。ですから、狭いトラックで子どもたちが本当に倒れそうになってコーナーを回っているわけですけれども、私のすぐ近所の小学校で二千二百七十六平米あります。中学校はと思ったら、近所のところは四千三百二十五平米です。さっき、都立高校はどうかなと思って聞きましたら、大体四千平米だというんですね。これだと二百メートルのトラックもとれるし、それから、ほかにテニスコートだとか野球のだとかもとれるんだということなんですね。小学生と中学生と、それから高校生もいる、そういう学校で余りにも狭いんじゃないでしょうか。それと、今の校庭ですね。だから、校庭も狭いということです。
 もう一つ、知的と肢体と二種類の障害種別で、それぞれ小学部、中学部、高等部の三学部ずつ、それで六学部十二学年が同じ学校にいる大規模校です。体育館やプール、それぞれの障害種別でつくるんでしょうね。

○新井都立学校教育部長 プール、体育館でございますけれども、プール、体育館は一カ所ずつの整備でございます。

○大山委員 体育館が一つ、プールが一つ、それを知的も肢体も一緒に、六学部十二学年が一緒に使うんだと。二十四学年分ということですよね。ですから、幾ら肢知併置校で連携をとりながらやるんだといっても、教育環境の改善にはならないということは明確だと思います。
 最後に確認しておきたいんですけれども、教職員の配置です。幾ら連携するといっても、それぞれの障害種別の学校として教職員の配置をするというのは、それは当然だと思います。それぞれが単独校として存在した場合、そして知肢併置校にした場合、養護教諭と事務職員の人数でいいですから教えてください。

○松田人事部長 特別支援学校の教職員配当基準におきまして、一般の教員等につきましては、障害部門ごとに学級数に応じて配置する人数を定めております。併置校の場合でも、障害部門ごとに学校を設置した場合でも教員数は変わりません。
 養護教諭、事務職員についてでございますが、当然一つの学校として配置人数を決定しておりますので、想定している学級規模で障害部門ごとに設置した場合と仮に比較をいたしますと、養護教諭は二名、事務職員は三名少なくなります。
 なお、多摩桜の丘学園につきましては、知肢併置校であることの長所を生かす特別支援学校として設置したものでございます。

○大山委員 結局、それぞれが単独校で存立しているよりも、知肢併置校になったら養護教諭は四人必要なのに、半分の二人になってしまう、一般事務職員は三人も減ってしまうということですね。養護教諭といったら、それこそそれぞれの養護学校から、特別支援学校からは、もっとふやしてほしいんだ、重度化も進んでいるし、余計ケアの必要な子たちもふえているわけですから、もっとふやしてほしいという要望が出ているじゃないですか。そんな中で、一緒にするんだから半分にしちゃいます、それはもう教育条件の改悪でしかないといわざるを得ません。事務職だって、障害児学校の事務というのは本当に大きな量があるわけですから、結局、効率化といって人を減らしてしまうということにほかならないといわざるを得ません。
 障害種別にきちんと独立の学校と同様の教職員、養護教諭も事務職も含めて同様の教職員の配置を行うよう再検討を求めておきます。
 授業をやりながら、学校をあけながらの工事ですから、しかも大工事ですから、工事中の安全、教育上の配慮はいうまでもないことです。
 今るる質疑してきて明らかなように、教室不足の解消ということでは非常に不十分なものであります。現状の余りのひどさは少しは改善するということですから、契約自体には賛成はしますけれども、都教委の、特別支援学校の数をふやさないという方針そのものが矛盾に満ちていることが、またこの一件で明らかになったといえます。南大沢学園養護学校と多摩養護学校の位置から考えても、それぞれの生活圏が違うわけですよね。ですから、広大な多摩地域なんですから、学校を増設して、本当に教室不足を解消するべきだという意見を述べて、終わります。

○古館委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議ない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○古館委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百三十七号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。

○斉藤委員 それでは、条例案の、東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例、いわゆる育児短時間勤務制度に関して質問をさせていただきます。
 今回、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正を踏まえて、本年の七月一日ですからもうすぐですね、東京都において育児短時間勤務制度が導入されます。地方公務員ならずとも、すべての企業に対して、ある程度このような制度が普及していくことが望ましいところでありますが、今回は教育庁におけるこの制度というふうなことになりますけれども、改めてこの育児短時間勤務制度の概要について、趣旨は非常によくわかりますので、詳しく伺いたいと思います。

○直原人事企画担当部長 東京都における育児短時間勤務制度は、少子化対策が求められる中、公務におきましても、長期間にわたる育児と仕事の両立が可能となるよう、地方公務員の育児休業等に関する法律に基づき導入することとした制度でございます。
 本制度は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する常勤職員が、任命権者の承認を受け、通常、週当たり四十時間の勤務時間を、二十時間、二十四時間または二十五時間に短縮することができる、そういう制度でございます。

○斉藤委員 わかりました。それでは、それを踏まえて質問をさせていただきます。
 ほかの庁や局と違って、学校の場合はどうしても--大体、事務的なもので局が回っているような部分であれば、例えばお互いに、時間を短く勤務した方がいるときに、残った時間をだれかがかわりにやったり、仕事の順番を変えたりして調整がきくところというのは多いと思います。ところが、学校の場合ですと、生徒の関係で始業する時間が決まっていて、大体午前中からずっと来て、午後少し食い込んだところあたりまでが主要な時間になります。あとはいろんな事務的なものとかクラブ活動とか、また学年によって時間数も変わってきますので、いろいろ差が出ると思います。基本的には、午前中の最初の八時台から数えて午後少し入ったところまでというのが中心であります。
 私ごとで恐縮なんですが、私の子どもも去年小学校に入りまして、今ちょうど小学校二年生で、ちょうど今ぐらいの時間に、給食を食べて、掃除をしていると、帰ってくるんですね。そうすると、今答弁の中にありましたとおり、時間勤務を短時間にとった場合に、週二十時間、大体一日平均四時間、さらには二十四時間または二十五時間というふうになりますと、大体ちょうど今ぐらいの時間、低学年の場合は子どもたちが学校を出る時間ぐらいまでは育児の短時間勤務でちょうどいるような時間に重なってくるわけですね。そうすると、一見担任が持てそうな、もしくは持てなさそうな非常に微妙な時間帯になると思います。
 実際に学校の場合には、やはり教職員の主要な人材というのは担任を持っていらっしゃる方が多いと思います。そうすると、できればどの教職員の方も担任が持てるようであれば、人事配置なんかは大変楽なはずですね。ところが、この方は担任を持てませんよ、もしくは育児休業の関係もあって担任を持てませんよというふうになりますと、配置が非常に難しくなってくる。どのあたりが担任を持てる人なのか、どのあたりが担任を持てない人なのかというのが、分かれ目が多分人事配置なんかについて大変影響があるんじゃないかというふうに思われます。
 今回、学校について何らかの人的補充措置というのが場合によっては必要になってくる。例えば、育児のために短時間勤務を希望する方がたくさん一遍に出てしまった場合、そういうことがあるかと思いますが、あった場合は、人的補充が本当だったら必要になってくることが多分にあるというふうに思います。ただ、一方で、東京都全体としては、この取得者のいる職場への人的補充を行わない方針であるというのも聞いているというのもまた事実であります。したがって、そのあたりで、本当に上手に調整がきくのだろうか。七月、もうすぐですけれども、制度導入に当たって、担任という--普通の職場だったら、時間的なものとかというのが少し融通がきくものですが、学校の場合、なかなかそういったものがきかない場合がありますし、担任は必ず確保しなければならない人数であります。そういった部分が教育庁の場合は少し特殊な事情としてあるんではないかと思いますが、このあたりについては上手にクリアすることができるのか、特に人的補充の部分でどうなのかということについて対応を伺います。

○直原人事企画担当部長 教員が育児短時間勤務を取得した場合は、児童生徒の学習指導に与える影響が大きく、特に平成二十年度は年度途中の制度導入であることから、学校の運営体制を適切に維持していくことが必要であるというふうに考えております。
 こうした点を踏まえまして、今年度は、病気休暇等により臨時的な欠員が発生した場合と同様に、校内調整を行った上で、必要となる非常勤講師の配置を予定しております。
 また、小学校の学級担任が長期間にわたり育児短時間勤務を取得し、他の方法による代替が困難な場合には、期限つき任用教員を配置する予定でございます。

○斉藤委員 今伺ったところ、期限つきということで、正式な人的補充がなかなかできないというふうなことを前提に非常勤の講師などを配置するということです。この後、教育ビジョンの第二次の方の話も出てきますけれども、その際に、いろんな新しい授業とかが入りますと、大変いいことだけれども、人的な不足ということが心配になってきたりするわけです。育児のための短時間勤務者がいて、なおかつ非常勤もしくは期限つき任用という方がいらっしゃれば、逆にいえば、両方いればいろんな仕事ができるという点でのメリットはありますが、いかんせんなかなか、期限つきだったり非常勤だったりして、今までどおりのスムーズな、腰の落ちついた授業ができる、もしくは学習指導ができるということについては、もちろん心配がないわけではありません。
 特に最近は、学校現場において、私も実際にしょっちゅう小学校に行くんですけれども、若い先生が大変ふえています。これはどこでもそういう事情があるのか、先日も神津島へ行きましたら、島の方でも大変先生方が若いのでびっくりしました。特に女性の方が大変多いというのもまた特徴であります。もちろん男性の若い教員もたくさんいらっしゃいますので、男性の方の育児休暇もしくは時間短縮の勤務もしてほしいというふうに思っています。
 こういった中で、今なかなか人材をふやせないんだというふうな枠の中でやったときに、本当に無理が生じないのか。実際に学校の方で、どうしても若い先生が多かったり、若い先生が多いがゆえにそういった特例の勤務体系をとるとなると、上手に学校運営ができるといっても、まだまだ経験が足りなかったりする方もいらっしゃいますし、同時に、休まれる方も多いというふうになりますので、そういう点では、これは人事的な部分を回していくということで懸念がないわけではありません。このように、今後の育児短時間勤務の取得者数の見込みについて把握をしなければ、なかなか人材の確保の部分でのプランが立たないと思います。
 また同時に、今回の制度に関して聞けば、最初はたくさんの時間とっていたけれども、いわゆる短縮をしてもらったけれども、だんだん少しなれてきたのでもうちょっと仕事がしたい、そういうことがあった場合に、時間短縮の時間数を調整した形で希望を変更できると。最初の三カ月間は週二十時間だったのが、次の三カ月間は二十五時間働きたいというふうになっても、それは一応認められるというふうな制度であるというふうに聞いておりますので、そういった変化が途中で出てくるということもあります。そうすると、それこそ今後どのくらいそういった方が、希望が出てくるのかという見込みを把握するというのは、補充をする上で非常に重要なポイントになってくると思います。この取得者数の見込みについて、東京都の教育委員会としてはどのように考えているのか伺います。

○直原人事企画担当部長 都教育委員会では、今後の育児短時間勤務制度の円滑な運用を図ることを目的としまして、都内の公立小中学校及び都立学校の全教職員を対象とし、平成二十一年度中の育児短時間勤務の取得意向調査を現在実施しているところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 これは非常にいい制度ですから、逆に現場の方でかえって混乱したなんていうふうなマイナスイメージになってはいけないと思います。ほかの省庁ではこのあたりうまくいったけれども、学校現場の方はちょっとそういった事情が違うので、保護者の方からいろいろ意見が出てしまうとなると、かえってあだになってしまいます。大変これは上手にやっていかなきゃなりませんし、本来ならば人的補充が柔軟にできるようになるのが本当は一番いいわけですけれども、しかし、予算の面もございますし、また、一度補充をしてしまうと、その人を後で減らすということはなかなか難しいということが背景にあるかと思います。ただ、それでも、今後、一時的な制度ではありません。多分この後、今の状況からすれば、ずっと続く制度であるし、また、そうあらなければなりません。またさらに、男性の方も含めてとりやすい制度でなければなりませんから、ますます希望者というのは減ることはなく、ふえる一方ではないかと思いますので、ぜひともそこは、今の方針はこうかもしれませんけれども、今後もう少し柔軟に考えていただきたいと思いますし、特に、始まった後、教育庁としてはよく現場を見て、問題がないか、それは制度的に根っこから少し変えていくような課題なのか、そういったことをきちんと調査をして、上手に導入をして、無理をしたけれども、そのかいがあったというようにいわれなければならないと思いますので、そこは要望として、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 以上です。

○古館委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○古館委員長 次に、議員提出議案第十三号を議題といたします。
 本案について、提出者の説明を求めます。

○大山委員 議員提出第十三号議案、公立の小学校及び中学校の耐震化促進のための助成に関する条例案についての提案説明をさせていただきます。
 本条例案は、東京都が区市町村と一体となって公立小中学校の耐震化を促進するために区市町村が行う小中学校の耐震診断、耐震補強工事と改築工事に対し、都が助成を行うものです。
 改めていうまでもなく、学校施設は、児童生徒等にとって一日の大半を過ごす学習、生活の場であり、災害時には地域住民の避難場所としても使用されるため、安全性の確保は特に重要です。
 東京都では、二〇一五年までに耐震化一〇〇%の目標が掲げられておりますが、学校施設の倒壊により多くの子どもたちが犠牲になった中国四川大地震の例を見れば、計画の前倒しを図り、一刻も早く耐震化を進めることは、行政、都議会、都民の一致した願いであると思います。
 公立小中学校の耐震化率は、東京都の平均は約七七%で、区市町村ごとの数字は、昨年のものしか発表されていませんが、三割台、四割台の自治体もあります。公立小中学校は、その設置者である区市町村が直接の責任を持つものの、同じ東京の子どもたちが、住む場所によってその安全性に差があってよいはずはありません。だからこそ、東京のどこに住んでいても安全な校舎で学ぶ保障をするために、広域自治体としての東京都が役割を発揮する必要があります。
 耐震化を進めるために、自治体への財政的な支援が求められています。毎年、市長会、市教育長会、中学校長会からも都独自の補助制度の新設を要望され、区教育長会からは、実施に見合った財源の確保と、耐震診断では問題ありとされた校舎でも補助対象に該当しないケースがあるなど、対象の拡大などが要望されています。
 また、国会では、与野党合意で小中学校の耐震化に係る国庫補助率を引き上げる地震防災対策特別措置法改正が行われました。そのねらいが、市町村の財政負担軽減のためとなっているように、国会も、財政負担を軽減することが耐震化を進めるために有効であるという認識です。特別措置法改正は、耐震化を進めるために一歩前進といえます。
 同時に、法改正による国庫補助率アップの対象は、Is値〇・三未満の建物となっています。したがって、都内小中学校の耐震化が必要な校舎等の七五%は補助率アップの対象外となってしまいます。せっかく国も挙げて学校耐震化を進めようと補助率を上げたわけですから、東京都も呼応して力を尽くすときではないでしょうか。
 ですから、今回の条例案は、東京で耐震化を進めるために、今回の地震防災対策特別措置法で対象にならない七五%の建物に同法と同じ補助率の引き上げを都独自で行うことを基本に、区市町村のニーズにこたえた助成を行うものです。なお、所要額は、三年間で耐震化を完了するとした場合、一年当たり約百十四億円程度と考えています。
 子どもたちの命と安全を守るために、この条例案は各会派の皆様にご賛同いただけると思います。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○古館委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 異議なしと認め、議員提出議案に対する質疑は終了いたしました。

○古館委員長 次に、報告事項、東京都教育ビジョン(第二次)の策定についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。

○早坂委員 昨日の六月十八日、杉並区立杉並第十小学校にて、六年生男子児童が授業中に三階屋上にあるトップライト、明かり取りから転落し死亡するという事故が発生しました。まずもって、お悔やみを申し上げます。
 そこで、この事故の概要と再発防止に向けた東京都の今後の対応につきましてお伺いをいたします。

○高野指導部長 まず最初に、亡くなられた児童の冥福を祈るとともに、ご遺族の方々に哀悼の意を表したいと思います。
 事故の詳細や原因等につきましては、杉並区教育委員会と警視庁が現在調査中でございます。
 都教育委員会は、本日午前、幼児、児童生徒の安全確保についての通知文を区市町村教育委員会教育長及び都立学校長あてに発出いたしまして、今後このような事故が二度と起こらないように、事故の再発防止の徹底を図ったところでございます。
 今後、事故発生の原因等が明らかになったところで、改めて区市町村教育委員会指導室課長会や都立学校校長連絡会等において、児童生徒の安全確保について周知徹底を図ってまいる予定でございます。

○門脇委員 昨日の杉並区立第十小学校の六年の男児が屋上の天窓、報道ではトップライトという報道をしておりますけれども、転落して亡くなられました。中村京誠君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 さて、今回の報告事項の第二次教育ビジョン第2章の中に子どもの安全・安心の確保という項目もございますので、関連して、大変重要な案件でございますので、委員長のご理解をいただきまして、この件に関して幾つか要望をさせていただきたいと思います。
 当該杉並第十小学校は一九八六年の開校でございます。若干私事にわたりますが、私、当時、杉並区議会議員第一期生の三年目で、オープニングセレモニーにも参りまして、当時、この屋上にも上がった記憶がございます。
 これからいろんなことが調査、研究をされると思うんですけれども、開校した当時のトップライトの構造ということについては、私も専門的なことはよくわかりませんが、しっかりしたものだったと思います。ただ、開校から今申しましたように二十二年、雨風にさらされ、そして太陽の光、直射日光に当てられておりますので、専門的なことはよくわかりませんけれども、やはりその構造が大分薄くなって、本来の重量に耐えられなくなったことが原因の一つではないかと思っております。トップライトには、天窓には防護さくもなかったようであります。
 詳しい状況については、現在、区教委、それから警視庁の管轄でございます杉並署が、伝えられているところによりますと、業務上の過失致死の疑いもある、それでもって捜査をしているという報道もなされております。
 要約して三つの要望をいたしたいと思います。
 現在、各区市町村において、同様のトップライト、天窓についての緊急な点検の対策が講じられていると思いますけれども、必要に応じて区市町村教育委員会への技術的、そして財政的支援を行うよう、お願いを申し上げます。
 それから、二番目のことでありますけれども、トップライトの点検あるいは改修では済まない課題というものもあると思います。同様の事故が過去、横須賀市、そして横浜市で起きていたという報道もあります。過去には、かなり以前ですが、杉並区でも実はあったんですけれども、プールでの事故死、あるいはシャッターでの事故死。その都度なぜ情報共有というものができなかったかということが問われ続けてまいりました。やはり事故情報というものを全国で共有し、安全対策につなげる体制というものについても、都教委としてしっかりとした取り組みをこの機会にお願いをさせていただきたいと思います。
 三つ目、最後でありますが、学校で子どもが死亡するという事故が二度と起きないように、都立学校あるいは特別支援学校はもちろんのことでありますけれども、広く都立学校を含めて、改めて、どこにどんな危険があり、そしてどのような安全対策が必要か、あり得ることは必ず起こるという視点から見直しをいただくことをお願い申し上げて、私の発言を終わります。委員長にはご理解をいただきまして、ありがとうございました。
 以上です。

○松葉委員 杉並区立第十小学校での事故でとうとい命を亡くされましたお子様に対しまして、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 安全と信じられている学校施設の中で不幸な事故が発生したことについては、大変に深い悲しみと動揺が広がっております。私の友人のお子様も中村君のご友人でございまして、ずっと泣いていらっしゃると伺い、私も、子どもを持つ母として心痛にたえません。このような事故の再発を防ぐためにも、全学校施設への徹底した総点検、あわせて事故の原因の分析をし、施設管理、安全管理のあり方に細心の注意を払い、二度とこのような事故が起きないように万全の取り組みをしていただくように要望いたします。
 次に、東京都教育ビジョンにつきまして何点かお伺いいたします。
 この「はじめに」の中に、東京都教育ビジョンは東京都における教育振興基本計画として位置づけるものでもありますという記載がございますけれども、改めて東京都教育ビジョンの位置づけと、教育庁以外の局の事業も含めて記載していることの意義について伺います。

○石原参事 改正教育基本法では、地方公共団体は、その地域の実情に応じ、教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならないと規定しております。
 東京都教育ビジョン(第二次)は、平成十六年に策定しました前回の教育ビジョンの成果や「十年後の東京」の基本的な考え方を踏まえまして、教育の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、関係局の協力を得て策定したもので、都における教育振興基本計画として位置づけるものでございます。
 したがいまして、本ビジョンでは、教育庁所管の事業にとどまらず、子どもたちの教育に関連する知事部局の事業も推進計画に盛り込んでおりまして、都庁全体が連携して教育に取り組んでいくことを示しております。

○松葉委員 このビジョンの中に、この一冊の中にまとめられているということは大変いいことでございますけれども、他局との連携が現実的に行われないと、効果が薄らぐことは間違いありません。
 関連がある他局の政策については、教職員の方とか、もしくは保護者の方に情報提供するなど、そういった他局との連携の具体化が大切だと思います。事業の実現に向けて、一つ一つの施策ごとに手だてを積み重ねていただきたいことを要望しておきます。
 次に、この施策展開の中の三つの視点の中に、家庭や地域の教育力向上を支援するとありますけれども、その中に三点の取り組みの方向性が挙げられております。三四ページに現状と課題というものがございますが、ここを踏まえて何点か質問いたします。
 まず、近年課題となっております、いわゆる小一問題の原因はどのようなことがあると考えているのか、都教委の見解をまず伺います。

○高野指導部長 いわゆる小一問題についてでございますけれども、家庭におけるしつけによるところが大きいと思われますが、小学校入学前と入学後との急激な生活環境の変化もその要因になっていると考えられます。

○松葉委員 ここにございますが、次に、これまでの就学前教育のモデル事業の成果について伺います。

○高野指導部長 平成十七年度と十八年度において実施したモデル事業の成果についてでございますが、就学前の教育内容がどのように小学校の入学期の学習につながるのか理解が深まりまして、就学前教育において、例えば、名前を呼ばれたらはっきり返事をする、大勢の人の前でも自信を持って話をすることができるなど、幼児の経験として重視すべき内容を再確認できたところでございます。
 また、幼稚園、保育所、小学校の教員や保育士が互いに交流することによりまして、それぞれの教育施設における教育活動の様子や、幼児、児童の発達についての理解を深めることができたことも成果の一つでございます。

○松葉委員 都内の幼稚園・保育所の就園状況という図が三四ページにございますけれども、これを見ますと、幼児数が二十九万七千五百十七名、幼稚園在園児が十七万七千六百七十五名、保育所入所児が九万九千九百九十八名ということで、これを単純に計算しますと、幼稚園や保育所に通っていらっしゃらない残りの方々が一万九千八百四十四人、率にしまして六・六%いらっしゃるというような表になっております。
 これは三歳児から五歳児ということですので、区立の幼稚園でも二年次保育、年中、年長、三年次保育、年少から年長までということもございますし、最後の一年間だけ幼稚園に通われるお子さんもいらっしゃいますので、一概にはいえませんけれども、何らかこういった区立や私立の幼稚園もしくは認可認証保育園等に通っていらっしゃらないお子様もいらっしゃるということが想定ができるわけでございます。そういった意味では、この就学前のお子さんの保育環境というのは非常に多種多様であるということはいえると思います。
 そういった現状を踏まえた上での重点施策であると思いますが、今回の教育ビジョンの重点施策4の、小学校との連続性を踏まえた就学前教育の充実では、就学前教育に関する総合的なカリキュラムとプログラムを開発するとありますが、それぞれどのようなものをお考えになっていらっしゃるのか伺います。

○高野指導部長 幼稚園や保育所で過ごしてきた子どもたちが円滑に小学校生活に適応いたしまして、充実した生活を送ることができるように、就学前教育と小学校教育との連携、接続を強化していくことが必要でございます。
 就学前教育プログラムにつきましては、幼稚園、保育所と小学校との円滑な接続を図るために、教員や保育士が共同して取り組む研修の実施や、幼児の保護者が小学校生活を参観する機会の設定など、具体的な連携の方策を明らかにするものでございます。
 また、就学前教育カリキュラムにつきましては、保育所、幼稚園における教育活動について、小学校との連携を意識した指導内容や指導方法などの計画を明らかにするものでございます。

○松葉委員 今ご答弁ありましたけれども、このプログラム、カリキュラムにつきまして大変期待をするものであります。
 その上で、幼稚園、保育園、その他の教育環境といった多様の中ではぐくまれ、成長している未就学児でございますので、そういった、就学前通っている幼稚園、保育園もしくは、例えば保育ママさんであったり、もしくは自宅でということもあるかと思いますが、そういった保育の、教育されている現状でのこのプログラム、カリキュラムというだけではなくて、学校というところに視点を置いた取り組みも大切ではないかと考えます。
 例えば、小学校入学前には就学前健診や保護者会等ございますけれども、そのほかに例えば学校公開等がありますが、そういった機会などをとらえて、就学前一年間の中でプレ小学校、小学校の体験授業のようなものも取り組んでいくようなことも含めて考えていただければと要望いたしまして、質問を終わります。

○古館委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時二十五分休憩

   午後二時三十七分開議

○古館委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行します。

○大山委員 東京都教育ビジョン(第二次)について質疑したいと思います。
 私、最初にとにかくいっておきたいのは、都教委は、改悪された教育基本法のもとで教育振興計画として位置づけてこの第二次のビジョンを策定したわけですね。しかし、この計画には全く憲法が位置づいていないということを指摘しなければなりません。改定された教育基本法でも、日本国憲法の精神にのっとりだとか、人格の完成を目指しというのは変わらずにあります。しかし、このビジョンには憲法のケの字も出てこないということで、まずこれは前提としていっておかなきゃいけないことだと思っています。きちんと憲法を据えるということをいっておきたいと思います。
 まず、家庭に関することですけれども、家庭というのは非常にプライベートなものというか、ことですね。同時に、行政計画だというんだったら、行政としての責任を明確にしなければならないはずです。
 三〇ページに、教育について第一義的に責任を有し、すべての教育の出発点である家庭の教育力を高めることが重要でありとあります。家族が基礎集団であるということはもちろんですけれども、第一義的責任という文言によって国や東京都の責任を後景に追いやるということはあってはならないと思いますけれども、どうですか。

○石原参事 改正教育基本法では、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであると規定しますとともに、国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならないとしております。
 今回の東京都教育ビジョン(第二次)におきましては、こうした法令も踏まえまして、教育について第一義的責任を有し、すべての教育の出発点である家庭の教育力を高めるために、家庭教育を担う親への支援体制の充実を重点施策1として掲げてございます。
 今後、乳幼児期からの子どもの教育支援プロジェクトなど、本ビジョンに盛り込みました家庭の教育力向上を支援するための具体的な推進計画に取り組んでまいります。

○大山委員 改定された教育基本法の第十条の一項に基づいてこの文言は書かれているんだということと、第二項で家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるようになっているから、その講ずるものとしてはプロジェクトの推進なんだということなんですね。
 さっきおっしゃったように、重点施策1の推進計画の中に、乳幼児期からの子どもの教育支援プロジェクトの推進というのがありますが、その中に、親・保護者の力量形成プログラムの作成だとか、その次のページには親支援プログラムというのも出てきますけれども、どのようなものをつくろうとしているんですか。

○皆川地域教育支援部長 この親・保護者の力量形成プログラムでございますけれども、近年、科学的な知見によりまして、情動の発達など乳幼児期からの子どもの発達が人格形成の基礎になる重要な時期であることが明らかになってまいりましたことを踏まえまして、親、保護者が、子どもの発達に関する科学的な知見に基づく乳幼児期からの一貫した子どもの教育の重要性を学ぶとともに、地域の人々とのつながりの中で子育てを学ぶ多様なプログラムでございます。

○大山委員 最近の、最新の科学的知見で乳幼児期からの一貫した子どもの教育の重要性を学ぶというプログラムだということなんですけれども、今のご答弁だとなかなか具体的なイメージがわかないんですけれども、例えばどんなことを想定しているということでしょうか。

○皆川地域教育支援部長 先ほど、近年、医科学や脳科学の研究によって子どもの情動や心の発達についてある程度明らかになってきたとご答弁いたしましたけれども、例えば、就寝、起床の生活的基本リズムの獲得や、親子の安心できる関係が重要であるということがいわれておりまして、こうした内容について考えているところでございます。

○大山委員 つまり、早く起きて朝ご飯を食べて、それがいかに脳科学の面からいっても、医科学の面からいってもいいことなのかというようなことを教えてあげるということなんでしょうかね。早く朝起こしたいとか、朝ご飯もきちんと食べさせたい、夜は早く寝かせたい、そうしたいと思っている親御さんは大勢いるんじゃないでしょうか。
 しかし、幾らそれが重要だよ、重要だよといわれたとしても、やりたいと思ってもできない事情というものがそれぞれの家庭であるわけですね。早起き、早寝、朝ご飯とスローガンを唱えていればできるというものでもないわけです。
 子育てに関心のない層を含めたすべての親ということなんですけれども、関心がないと仮に都教委が見ている親はどういう状況かということを見なきゃいけないわけですよね。貧困の広がりだとか、孤立した子育てだとか、長時間過密労働だとか、さまざまな事情を抱えているわけです。これらの解決のために力を尽くすことこそ行政の役割だといえるんじゃないでしょうか。

○皆川地域教育支援部長 ここで、子育てに関心のない層を含めたすべての親ということでございますけれども、乳幼児を育てている親、保護者の状況を見ますと、核家族化、少子化、都市部における地域のつながりの希薄化などによりまして、子どもの相談をできる人が周りに少なく、自分の子育てに自信が持てず、不安や悩みを抱えている親、保護者が多い状況がございます。
 また、一方では、子育てに関心がない親や、反対に過保護、過干渉など、子どもに適切な対応をとれない親もいらっしゃいます。
 この事業では、こうした親、保護者が、安心し、自信を持って家庭での教育に取り組めるよう、身近な地域に子どもと親、保護者の社会的なつながりをつくる取り組みも進めるものでございます。

○大山委員 社会的なつながりをつくるというのは重要ですよ。しかし、親の状況がどうであろうと、これが望ましいことなんだといっていくだけだったら押しつけでしかなくなってしまうんですね。
 子育てに関心のないというのは、さっきいったようにさまざまな要因があるわけです。幾ら重要性を伝えたからといって、実践できるわけではありません。
 どうしてできないのかという原因があるわけですから、例えば残業に追われて帰宅が遅くなれば、早く寝かせたいと思っても寝かせられないわけですよね。子育て中の親は残業なしにしようとかというのは企業だけではできないことですから、社会が、国が、東京都が何をできるのか、それからルールにしていったらいいのかということも含めてやらなきゃいけないこともあるだろうし、また、子育てに関心がないというのはどうしてなんだろうかということで、社会的格差や経済的な困難もあるわけです。ソーシャルワーカーなどの福祉職が相談して社会的支援につなげることなども行政としては責任だと思いますし、何が困難なのか知ろうともしないで、これがいいんだから、プログラムに乗らない親は教育に無関心だとしてプログラムに参加させようとすれば限りなく介入になってしまいます。
 子育てには子育ての専門家と子育ての仲間が必要です。孤立していては困難が大きくなるし、困難に寄り添ってくれる専門家は、家族もろともさまざまな社会的資源にもつなげることができるところ、で、頼りになるところです。例えば保健所などでは、親のグループづくりなどはこの間もやってきたことですし、子ども家庭支援センターなんかは子育ての専門家と仲間がいるところとして重要な役割を果たしてきているわけですね。地域や自治体で積み重ねてきた実践を大切にして、決して介入になってはいけないということを強く指摘しておきます。
 学齢期になっても、社会的格差、経済的困難、解決するためには、子どもの問題を家族の状況も含めて把握して社会的支援につなげることができるスクールソーシャルワーカーなどの配置が求められていますけれども、どうですか。

○高野指導部長 本年度、文部科学省のソーシャルワーカー活用事業の実施団体として福生市など五区十一市の教育委員会が文部科学省の内定を受けておりまして、当該教育委員会で現在準備を進めているところでございます。
 今後、都教育委員会は、活用事業を実施する区市町村教育委員会が行う調査研究を踏まえまして協議会を開催するなどして、その成果を全都に普及していく予定でございます。

○大山委員 ぜひ、さらに広げられるように進めていっていただきたいと思います。
 こうやって条件整備をやっていくことこそ東京都の役割だといえると思います。
 私は思うんですけれども、最近の傾向というのは、父親も含めて親を総動員するというか、乳幼児期からの括弧つきの教育が重要だとして、いかに有名幼稚園に入るかとか小学校に入るかとか、それができなければ一生だめだというような過熱過ぎるほどの状況があると、片やね。経済誌にも、いわゆる教育問題などがどんどん出るわけです。二歳児から進学塾に行って、私もびっくりしたんですけど、いすとりゲームをやって座れなかった子が座った子を引きずりおろして座ったら褒められるって、そんな状況が起こっているというんですね。とにかく小さいときから、より年少のうちからがいい、それも有名幼稚園だとか小学校に入るためにというような風潮が、こういう過熱し過ぎるほどの状況。子どもが、その発達段階できちんと獲得しておくべき力がないがしろにされているような状況を野放しにしていいのかということは問題提起しておきたいと思っています。
 先ほど、地域が大事というふうにおっしゃいましたし、私も地域は大事だと思っています。地域の中で乳幼児、小学校、中学校と育っていくというのがいいと思っているわけですけれども、地域を壊してきたのはだれなのかということなんですね。学区の廃止などで地域が壊されています、小中学校も。結局、地域がなくなってしまうんですよね。学区の学校の前を通って違うところの学校に行く。あっちもこっちも行く。地域の大人が、だれだろう、この子というようなことがいっぱいあるわけですね。結局、同じ地域の子でも同じ学校には行っていない。学校の行事は地域の行事だったわけですけれども、今は地域の行事ではなくなってしまっている。
 学区を廃止したのは、都立高校は二〇〇三年の入試から学区を廃止しています。その後、都内の区市にはかなり広がっていったわけですから、まさに東京都が学区を廃止して地域を壊す先頭に立ったといえるんじゃないでしょうか。
 次ですけれども、三三ページに食育のことが載っています。
 私たち、給食と食育などに関して区市町村の調査をしました。物価の高騰だとか食材費の値上がりは、小中学校の給食も大きな影響を受けているということが非常によくわかりました。今年度値上げしたところは八区二市で、島しょでも二つの自治体が値上げをしました。理由としては食材費の値上げをあげているのは当然のことです。
 それぞれの自治体や学校で物価高騰に対応するためさまざまな努力が工夫されていて、肉や魚などの分量を減らしたり、枚数ものではなくて、ひき肉だとか細切れなどを使用するとか、果物は一個だったものが半分になったり、八分の一だったのが十六分の一になったりというような状況、それから、ご飯をふやすとか、バターをマーガリンにしたとか、サラダ油にかえるとかということはほとんどの自治体に共通しているんですね。
 食材選定に際し価格を最優先とし、一定の範囲内での質の低下はやむを得ないと考えるという記述をしていた自治体もありました。国産小麦粉を使っていたんだけれども、国産小麦粉の使用をやめたという自治体まで出てきているというのは見過ごすことはできないと。今後値上げを予定している自治体も七区十五市町に上ります。
 そんな中で、中央区が七百九十万円の給食費への投入の予算案を今定例会に提出しました。どうして提出したんですかと聞きましたら、区は、食材費が上がる中で安い食材などでやりくりをしていますが、メニューの固定化などの影響が出てしまうことが懸念され、食育推進がいわれ、重要性が増す中、区費投入の提案となりましたというふうにおっしゃっていました。
 各自治体とも、食の安全と、なるべく国産品での給食にしたいと望んでいます。しかし、価格も割高で、物価高騰の現在ではさらに使用しにくくなっているという悩みも出されていました。
 それぞれの自治体や学校では、自治体の中に農業があるところは積極的に地元産の農産物を使用する努力が見られたり、農地がない自治体は東京での地産地消情報を求めているところもあります。東京は、水産業もあるし、農畜産業もありますから、東京の子どもたちが東京でできた作物を給食で食べるということができることは、新鮮な食材という点からも、安全をより確保しやすいという点からも重要だと思っています。また、東京都内産のものだけでは供給し切れないということを考えれば、近県のものも含めて地産地消と位置づけることが望ましいのではないかと考えます。
 都内はもちろん、近県も含めた農畜産物を学校給食にと希望する学校が使用できるようにするために、例えば生産者から地元商店が生産物を学校に納入できるようにする仕組みづくりだとか、情報の提供とか、大豆の生産者とお豆腐屋さんをつなげるような仕組みづくりだとか、東京都が広域自治体として積極的に役割を果たすことが求められていますが、どうですか。

○皆川地域教育支援部長 学校給食の実施は、それぞれの学校の設置者が行うこととされておりまして、国産品の使用や地産地消への取り組みは、各学校において地元農協との連携など、学校の特性等を踏まえて実施しているところでございます。
 こうした国産品の利用促進については、東京都学校給食会において一括大量仕入れによる計画的な物資確保に努めてきております。また、価格高騰にかわる低廉な代替品の供給、共同開発にも努めているところでございます。
 地産地消の取り組みですけれども、東京の農家はどこでも小規模な状況がありまして、安定供給というような面での課題があります。そういう中で、学校は、地域にある食材をいかに学校に取り入れていくかということで地産地消の取り組みを進めていくわけですけれども、そうした実態からすれば、生産者と地元や学校等をつなぐ仕組みづくりというのは、それぞれの事情に詳しい地域の場面において取り組むべき課題であると認識しております。

○大山委員 地産地消について、その自治体の中だけというような狭い範囲でしか見られないんだったら、それは違うと思うんですね。
 私、新宿ですけれども、区内に残念ながら農畜産業はありません。同じような自治体は都内には多いですね。例えばこのアンケートの中でも、都の食料自給率を上げて学校給食に国産食材の使用をふやしていきたい、受け入れる学校側も農業等への理解をしていくための研修の機会があるとよいというふうに書いてあるようなところもあります。
 子どもも食べ物に関して、自給率のことや、それから社会のことだとかということを学ぶというのはやっぱり食育だと思うんですよね。それが必要じゃないかと思うんです。
 私も、学校給食会にも訪問してお話も伺いました。添加物のない調味料の開発だとか、八丈島のトビウオだとか、春雨のように使えるテングサなど、さまざまな食材の開発なども積極的に役割を果たしてこられてきたわけですね。各区市町村ごとに地産地消の実践も意欲的なものもたくさんあるというのも知っています。同時に、自治体を超えて地産地消を進めることが必要だし、さっきもおっしゃっていましたけれども、小規模なところが多いからこそ、東京だけではなくて近県も含めてということも申し上げたわけですね。
 区市町村は、例えば何といっているかというと、正確な情報の提供をお願いしたいとか、それから、国産品は高価なもので、少しでも下がるような生産や流通体系を考えてほしいとか、それから、都の地産地消について情報が欲しいとかということを求めているわけですよね。ですから、やはりこうやって情報だとか、それから少しでも価格が下がるような方法、それを広域行政として担っている、それにこたえるというのがやっぱり東京都の役割なんじゃないでしょうか。ちょっともう一回答えてください。

○皆川地域教育支援部長 地産地消の考え方というのは、基本的には地元、現在ではそのエリアを東京都ということにしております。東京都の地産地消ということであれば、今お話ししましたように、農産物というのは非常に経営規模の小さい農家が行われているということで、ある面では学校と農家個人という、そういう関係の中でできているわけです。そういう限られた農産物を集めて大量に提供するというようなことは現実的にできません。
 あと、近県のというお話ですけれども、現在、地産地消の考え方は、東京エリアまでを地産地消というふうに考えておりますので、近県から求めるということであれば、通常の市場ルートでそうしたものが供給されているわけですから、学校で見れば、まず地元のものを確保する、それができないのであれば市場ルートから地元の東京産というものを求めていく、そういうことで地産地消の取り組みを推進していただく。
 さらに、どうしてもそういうものがなかなか難しいという状況もあります。先ほどお話がありましたように、東京都の学校給食会においては、伊豆諸島から供給されるトビウオだとかアジ、そういうものは東京のものとして学校給食に提供できるという情報も提供しているところでございます。

○大山委員 だから、農業がないところだったらやりようがないわけですよ、地産地消を進めたいといったって。だからこそ学校給食法だって、それが地域になかったら国産品ということに広げましょうというふうにいっているわけですよね。だから、何を自治体は求めているかといったら、国産品がどうやったら手に入れられるかとか、それから情報も欲しいんですよ。
 だから、できないということではなくて、いかに国産品、それから自給率も上げていくという立場に立って、東京の学校が少しでも多く国産品が使えたり、それから安心で安全な、新鮮なものが使えたりするにはどうしたらいいのかということをちゃんと東京都としてきちんと役割を果たしてくださいよということをいっているわけです。
 あと、食育を進めるために学校栄養職員の全校配置や配置をふやしてほしいという要望も多く寄せられています。これらの声にこたえることが食育を進める上でも東京都の役割ではないでしょうか。

○松田人事部長 都の教職員定数につきましては、これまでも国の定数改善等を踏まえまして適切に対応してきたところでございますけれども、現在、学校栄養職員の配置基準の見直しを行うことは困難でございます。
 なお、都教育委員会では、食育の推進は各学校の食育リーダーが中心となりまして学校全体で取り組んでいくことが重要であると考えております。

○大山委員 ふやそうという気がないから困難だということなんじゃないんですか。国基準以上のことは、東京都独自のことは本当にやろうとしないという姿勢がここでも出ているといわざるを得ません。食育なんだ、食育を推進するんだというんだったら、ちゃんと条件整備だとか、きちんと人員を配置するだとかということも含めてやっていくというのが東京都の役割ですよ。区市町村では、独自の予算で全校配置にしているところもあるし、学校全体で取り組む上でも栄養士や栄養教諭の役割が非常に重要なんだということなんですね。
 食育ということに関して、ある自治体では、食育という言葉が叫ばれている今、それと逆行するように学校給食の合理化、民営化、委託化選択が進んでいます。予算等の理由もあるとは思いますが、学校給食が子どもたちの望ましい食習慣形成の大切な担い手であることを考えて制度や体制をつくっていただけたらと思います。切実だと思うんですよね。
 だから、食育だというんだったら、きちんと条件整備、それから広域自治体としての情報提供だとか結びつけるということも含めてちゃんと役割を果たしてもらいたいと思っています。
 教育条件の整備という点からいうと、やはり行政の役割というのは教育条件の整備でありますから、にもかかわらず、教育条件の整備というのは、今の栄養職員もそうですけれども、ほとんど言及されていません。三十人学級の実施もありません。教員の増員などもありません。特別支援学校の重度重複学級の増加もありません。カーテン仕切りの教室の解消も言及されていません。教員不足の解消なども書かれていません。実現のためにといって期待して見たら、結局定数改善などは国に求めているだけだということですね。
 だから、きちんと都として、国基準だけしかやらないという立場ではなくて、それを超えて、子どもたちの教育を充実するという立場で教育条件の整備をきちんと前向きにやっていただきたいと思っています。
 教育の質の向上、教育環境の整備を推進するといっていますね。協働といっていますけれども、例えば四〇ページの(4)に、教員の資質・能力の向上というところでは、教員の意欲や指導力向上を図るためには、職責、能力、業績を重視した任用や給与制度を構築していくことが課題となっているというふうになっています。しかし、このことは、今までやってきて失敗していることなんじゃないんでしょうか。
 四五ページの、教員一人一人の意欲を引き出し、その資質・能力を一層向上させるとともに、教員同士の協働により、学校をより活性化させ、学校全体の教育力を高めていく必要がある。これは非常に重要なことです。
 しかし、やろうとしていることは何かといったら、職責に見合った人事・給与制度を構築するとして、新たに統括校長、主任教諭及び主任養護教諭の職をつくって、さらに職の分化を進めようとしているということですね。
 しかし、都教委は、これまでもやってきた、主幹の職をつくって職の分化を進めてきていますけれども、このことで学校はどうなっているのかということですね。
 都教組が、主幹制度ができて職場がどうなったのかという調査をしています。職の分化で学校はよくなりますかの問いに、大変悪くするが七三%、どちらかといえば悪くなるが二一%で、九四%の回答が、職場が悪くなると答えています。しかも、学校の問題解決能力は高まったと考えるかということについては、どちらかといえば低下した、大変低下したを合わせて五五%、そして、学校全体の教育力は高まったと考えますかという問いには、どちらかといえば低下した、大変低下した、これを合わせて五三%です。職の分化で職場が悪くなり、問題解決能力は低下し、学校全体の教育力も低下したということなんですね。都教委は、この職場実態についてどう認識しているんでしょうか。

○松田人事部長 主幹制度は、学校をより組織的に機能させ、学校全体の教育力を高めるために、担当する校務につきまして副校長を補佐するとともに、教諭等を指導監督する新たな職として導入をいたしました。
 平成十八年度に校長等を対象に実施しましたアンケート調査におきましては、回答した校長の約八七%が、主幹制度の導入により学校の組織的課題解決能力が向上したと回答しておりまして、都教委といたしましても、主幹制度については着実に定着が図られ、制度導入により期待された効果が上がっているというふうに認識をしております。
 なお、委員お話しの調査でございますが、職員団体として意見を取りまとめたものというふうに認識をしております。

○大山委員 そのとおり、職員団体として取りまとめたものです。
 学校で児童生徒に直接責任を持って教育しているのは現場の教員たちです。その最も子どもたちに近い教員たちの声をどう認識しているんですかという質問なんです。もう一回答えてください。

○松田人事部長 先ほども申し上げましたけれども、私どもは、主幹制度については着実に定着が図られ、その効果については上がってきているというふうに認識をしております。
 なお、先ほどの委員ご指摘の職員団体の調査についてでございますけれども、職員団体が主幹制度の目指す学校の組織的な課題解決力の向上について十分に理解をしていないということが一つの要因であろうかというふうに考えております。

○大山委員 理解しているのか、していないのかという問題じゃないですよね。どういう意見が寄せられているかというのをちょっと紹介しましょうか。
 職の分化で学校はよくなりますか、圧倒的多数が、九四%が悪くなると答えていますね。その意見の中では、例えば、たくさん意見はありますよ、今まではみんなで力を合わせてという意識があったが、主幹導入後は、主幹がやるものでしょう、主幹にお願いしましょうというような空気が生まれているとか、それから、校長のいう組織としての学校は、教員のそれぞれの思いや力を引き出すのではなく、上のいうとおりに協力しようというものです、例えば一般教職員の声が反映されづらくなり、組織としての実践力が弱くなった、それを補っているのは教職員一人一人の善意と教育の道理を実践しようという熱意である、どこで、何が、どうして決まったのかわかりづらくなってきた、職員会議への参加、そこでの発言の意欲、また発言数が減ってきた、主幹の先生も苦しんでいるように見える。現場の先生たちがこんな思いになっている学校でどうしていい実践ができるか、それから教育力が上がるのかということですよね。
 学校に一番大事なものといったら、教育の自由と民主主義ですよ。そして、対等、平等の関係です。それを踏みにじって、さらに職の分化を進めようとする状況ですね。
 そんなにいい制度だったら、どうして都教委の計画どおりに主幹の定員が埋まらないんでしょうか。

○松田人事部長 主幹選考を開始いたしました平成十四年度から十八年度までおおむね受験者数が減少する傾向にございましたけれども、十九年度においては六百四十一名の受験者がございまして、前年度を六十四名上回っております。
 減少傾向にあった原因についてでございますけれども、その要因は多様だと考えております。一概にはいえませんけれども、まず、受験対象層であります三十歳台から四十歳台の教員数が少ない年齢構成というようになっておりまして、有資格者数が少ないことが挙げられます。また、校務運営の実務面で中心となります主幹に業務が集中しがちであり、多忙感が生じていること、主幹の給与がその職責に比べて必ずしも十分とはいえないことなどの要因があるというふうに認識をしております。

○大山委員 結局、矛盾がいっぱいだということなんじゃないんですか。
 主幹の先生たちもどういうことを考えているかといったら、主任が主幹という名前になっただけでなぜ教育力が高まるんでしょうか、主幹の教育力は、教材研究に割く時間が減って、かえって低下しているかもしれませんとか、それから、主幹になって二年が過ぎたが、はっきりいってこれほど割に合わない職はないと感じている、自分で選んだので大きな声で文句はいえないが、教育委員会の書類書きが多くなった、朝八時からの校長、副校長との打ち合わせがあり、登校してきた子どもたちと話ができない、市教委から来る書類、先生方へのお便り等に印を押さなければならないので忙しくなった、どこの分担かはっきりしない仕事があるとすべて主幹に回ってくるとか、いろいろと悩みながらやっているわけですよね。
 それで、校長の批判をしたら校長に呼び出されて、主幹のくせに校長の批判をするなというふうにしかられたという先生もありますよ。子どもたちと接する時間がますますなくなってきているんだということなんですね。先生たちは子どもたちと接していたい、それから子どもたちと話したいし、子どもたちと寄り添いたいんですよ。
 例えばこれは都教委がした調査ですよね。この中で、これからの教育管理職、指導主事の選考、育成制度について、管理職選考を受験しない、やめた理由、この中で断然トップは、児童生徒とかかわる時間が減るからと、五六%の主幹と教員が答えています。現場の教職員の声にきちんと耳を傾けるべきです。
 同時に、教員は子どもたちと話をしたいし、対応したいし、寄り添いたいし、しかし教員の長時間勤務、多忙化というのはもはや社会的な問題となっています。管理職の勤務実態調査を都教委は行っていますけれども、教員には実態調査さえしていない。実態調査を行う必要ぐらいはあるんじゃないですか。

○松田人事部長 教員の勤務実態についてでございますが、文部科学省は平成十八年の七月から十二月にかけまして、東京都を含む全国の公立小中学校及び高校二千五百二十校を対象に、教員みずからの申告による詳細な調査を行っております。
 都教育委員会といたしましては、この調査における全国の教員の勤務実態と東京都の教員の勤務実態に大きな相違はないと認識をしておりまして、同様の調査を新たに都独自で行うことは考えておりません。
 なお、先ほど委員の方からお話のありました都教育委員会が実施した調査は、昨年度、副校長、主幹等に業務が集中している実態あるいはその要因を分析することを目的に、副校長、主幹、校務分掌上の主任を対象といたしまして、それぞれの業務実態を調査したものでございます。

○大山委員 いいですよ。管理職の実態、副校長先生なんかは本当に分刻みで大変な状況というのは私たちも聞いていますし、それから、いいですよ、管理職の実態調査するの。しかし、教員の実態調査もやったらいいんじゃないですか。文科省の実態調査と同じだからやらないということですよね、今の答弁は。
 東京の先生たちがどうなっているのか、子どもたちと向き合いたい先生たちがどうなっているのか、都教委としてきちんと調査をする、それから実態に目を向ける、耳を傾ける、これは当たり前なんじゃないでしょうか。実態を把握して対策を立てるのが行政の役割です。教員の長時間多忙化の改善をするために、調査をやらないと今いったんですけれども、調査をやるべきだと思いますが、それだったら、どのようにこの長時間多忙化の改善をしようとしているんですか。

○松田人事部長 教員の多忙感には、特定の教員への業務の集中とか非効率的な校務運営あるいは小中学校の小規模化によります一人の教員が担う役割の増加など、さまざまな要因があると考えております。
 都教育委員会といたしましては、主幹制度の効果的な運用や校務分掌組織の再編など、学校全体で組織的に課題に取り組む体制の整備あるいはICTの活用などによります業務の効率化、退職教員や外部人材の積極的な活用などの取り組みを行っているところでございます。こうした取り組みを進めることが教員の多忙感の解消に資するものと考えております。

○大山委員 今、多忙化のことを聞いたわけですけれども、答弁は多忙感と答弁されていますね。実態は多忙なんですよ、長時間過密なんですよ。多忙感などといっている状況ではありません。実態を把握することがまずは第一歩です。教員の人数をふやすことなしに解消できるものではありませんという意見を述べておきます。
 あと幾つかちょっと意見をいいたいんですけれども、一つは、八〇ページの、他者との人間関係をつくることが不得手になっている子どもがふえ、そのことがいじめや不登校などの問題の一因にもなっているとの指摘がある、人間は他者や社会とのかかわりの中で生きていくものであり、人間関係を築いていく力の育成は重要な課題であると、この認識は一致するんです。また、自尊感情を高めていくことができるよう指導とありますけれども、教育条件の改善については全く言及ないというのは、これは問題だと思っています。
 山形県で少人数学級の取り組み、研究とともに、コミュニケーション改革ということで研究を進めています。昨年の研究集会で筑波大の大学院の准教授で水本徳明氏というんですかね、子どもたちが質の高いコミュニケーションをしていくためには、先生方同士のコミュニケーションが十分に成り立っていることが重要だと述べているんですね。都教委も学ぶべきだと思っています。職の分化で教職員を分断して、民主主義や対等、平等の関係を壊す、そんなことはやめて、長時間過密で多忙化していることをきちんと解消することこそ都教委がやることだと思っています。
 人格の完成、これが、教育基本法ですけれども、教育の目的ですけれども、東京都が目指すこれからの教育という中で、社会にとって最も大切なことは次代を担う人材を育成していくこととなっているんですね。教育の目的は、さっきもいったように、教育基本法でいうように人格の完成を目指すことであり、次代を担う人材の育成でいいのかという問題です。
 重点施策12で、社会の期待にこたえる人材の育成となっていて、企業は即戦力となる人材や、早期育成が可能な人材を求めておりというように、結局は企業の論理に合うような人材づくりとなっているんじゃないでしょうか。人格の完成を目指すという教育の目的とは違ってきてしまいます。人格の完成をきちんと据えるべきだと思います。
 重点施策の2、仕事と生活の調和による親の教育活動参加の推進では、株式会社やNPO等の民間事業者の新規参入を支援するために区市町村に対して補助となっています。
 重点施策5、幼稚園・保育所の連携促進で、認定こども園の設置促進のところで、経営コンサルタントの活用と書いてありますが、なぜこれ、経営コンサルタントが必要なんでしょうか。この間、保育を企業が経営できるように認証保育所をつくってどうなったんでしょう。不正さえ起こっています。子どもの食材費を極端に減らす、もうけを優先すると、子どもの成長、発達さえも、教育さえもないがしろにされているということが明らかになってきているわけですよね。
 たとえ他局であっても、同じ東京都がやっていることでの矛盾がこれほど明らかになっているのですから、少しは都教委も学んでほしいと思います。
 八ページには、生涯学習社会を実現していくことが求められていると書いてあるんですが、ほかには全く社会教育の分野の記述はありません。図書館を初めとして充実することが求められています。
 七一ページには、重点施策21、規範意識や思いやりの心の育成。近年の社会的責任ある立場の人々による不祥事の頻発云々と書いて、大人の社会的責任に対する意識の低下を助長はそのとおりと思います。規範意識を向上させるなら、法に関する教育の推進というより、憲法の学習を基本に据えることが必要ではないでしょうか。
 最後に、スポーツに関してですけれども、七四ページには、スポーツ教育の推進等による学校体育の一層の充実では、スポーツ教育推進校の指定だとか、67の部活動の振興では、部活動推進指定校の指定、それから68番の部活動による競技力向上では、五年後の到達目標に平成二十五年の国体において総合優勝実現となっています。
 自分が勝ちたいとか、自分が勝とうとかということは目標にしますよ。しかし、この行政計画で二十五年の国体で総合優勝実現、これはちょっとスポーツをゆがめるものになっちゃうんではないでしょうか。
 東京都の役割は、例えばこの間も質疑してきましたけれども、経済的な問題で、やりたいけど、お金がかかる部活はあきらめざるを得ない生徒がいるとかということが出てきているわけですから、都がやらなきゃいけないのは、やってみたいスポーツをお金の心配なくだれもができるようにすることではないでしょうか。
 ということを述べて、終わりにします。

○斉藤委員 では、教育ビジョン(第二次)について伺います。
 先日、せっかく文教委員会になったので、その委員会に所属している間に地元の小平市内に生活文化スポーツ局と教育庁にかかわる機関とかをあいさつに回って、いろんな意見を伺おうかなと思って回っていたら、ちょうど私立の幼稚園の方から、広域に精神保健の担当できるような臨床心理士など、そういうプロフェッショナルな人がいて、必要があればその都度幼稚園などに派遣をしてくれると、ちょっと行動に首をかしげるような子どもがいた場合なんかに早目に対応できるからそういうのが欲しいなみたいな話をちょっと伺いました。
 いろいろご要望もいただいたんですが、このビジョンの第二次の中を見ますと、例えば五七ページなどには、特別支援教育という中に、乳幼児期から学校卒業後までの円滑な移行の支援というところに、就学前からの個別の教育支援計画など、今の要望につながるような話が載っておりました。
 私も、個人的には大変これはやってほしいなと思いますし、また、つらつらとめくってみますと、スクールガードなどは私も保護者としてぜひ力を入れてほしいところでございますし、情報モラル教育なども確かにやってほしいものです。また、当事者でなくても、不登校対策とか外国人児童の支援というのも、これもまた、これをつくられている担当者の、これも入れたい、あれも入れたいという、そういう思いが大変伝わってくる、ぜひ頑張ってほしいという事業がたくさん今回のビジョンには盛り込まれているなというのが率直な感想であります。
 先ほど、私の方の育児のための時間短縮勤務とか、今の大山先生の質問にも若干かぶるところではございますが、大変やっぱり気になるのは、これだけのことを現行の教職員数できちんと対応できるのかという量的な評価の部分が大変気になるところであります。ビジョンの全体を通して、外部人材の導入や活用という、そういった趣旨のものはたくさん入っております。先ほど例に挙げましたスクールガードとか、外部教育資源による特別支援学校の支援とか、そういったところに、多分つくり手の方の、やはり学校の中では全部対応できないなというような懸念というか、そういう心配はそこかしこに対処として載っているというような感じを受けるというのが正直なところでございます。
 これは悪い意味でいっているんじゃなくて、これだけのことを保護者としても盛り込んでほしいなと思うことがある以上は、やはりそれを上手にやってほしいなという思いから、上手に外部の資源というものを使ってほしいと思うし、また、学校でおさまり切れないものは何らかの別の形での対応をしていただきたいというところから、大変気になるところであります。
 なかなか学校だけですべておさまるものではないということから、今後どのような体制整備による配慮をすべきなのか、配慮が行われるのか、そのあたりについて伺いたいと思います。

○松田人事部長 都教育委員会では、いわゆる義務標準法を踏まえつつ少人数指導の充実を図るなど、都における教育課題や児童生徒数の変化に適切に対応した教職員を配置するとともに、平成二十年度からの非常勤教員制度の導入あるいは非常勤講師の配置の拡大など、多様な人材を活用して学校運営体制の充実に努めております。
 今後につきましても、国の定数改善の動向など、教職員定数を取り巻く状況を勘案しながら、教職員やその他の人材の活用による人的配置の工夫、改善を図りまして適切に対応してまいります。

○斉藤委員 ありがとうございました。
 答弁の中で、国の定数改善の動向というような単語もございました。確かに、昨年度あたりを見ても、複数の地方自治体の議会の中でやはり次期の教職員定数の改善計画の実施の要望書が出ていたり、また、総務省の方から、公務員の削減という中で教職員もそれの対象になってしまっていることに関して文部科学省の中で議論があったりしているのも、インターネットで調べても結構出てくるわけであります。
 そういうところから見ると、東京都の方も、今少し遠回しないい方をしておりますが、実際には、国の方のこの定数改善などは少し現場との板挟みなのかなというような気が率直にいたします。
 私も、子どもの学校で学校図書のボランティアに途中参加したり、このごろ話の中に出ています情報のモラル教育、メディアリテラシーなんかもそうかもしれませんが、先日、うちの学校で行われました、NTTの子会社が行っている親子参加でネット詐欺被害の防止講座などで、外部の人を入れたりする行事などに行って、大変参考になるような話も聞きますが、やっぱりそういった外部の力を使っても、結局はその下準備に校長先生が担当のNTTの方にお会いしていろいろ打ち合わせをしたり、またそういうふうに保護者のボランティアが参加していると、ちゃんと図書室の方に見回りに来たりして、全く学校の職員がタッチをしないでこの外部の資源を使うというのは実際には難しい、ある程度やっぱりどこかかかわっていかなきゃいけないということで、恐らくそういった意味でも、なかなか人的な資源がしっかりしていなければ対応できない行事が、これだけ外部の協力といっても、やっぱりそういうのは必要になってくるんじゃないかと思います。
 私の地元の小平市では、一クラス三十五人が適当じゃないかということで、そういった要望も東京都に出しているように聞いていますが、実際に三十五人程度の学級の生徒数になっている一方で、ただ、実際にこれを制度としていこうと思えば、いきなり予算が一遍に必要になってくるということなので、なかなかいい返事を得られない部分もあるわけですが、ただ、そういったことを抜きに今回のようなビジョンを出していく中で、いろんな事業をやっていく中で、学校全体で本来ならば若干教職員をふやしてほしいなとか、教員でなくても、やっぱり手伝えるスタッフをふやしてほしいなというのが率直なところじゃないかと思います。
 現在、医療や介護現場での現業の技術者の不足ということはあります。これと同様なことにならないように--残念ながら今日本の中で課題になっているのが、こういった医療とか介護とか、または教育とか農業とか、本来であれば人間の基本的な生活の中で必要なジャンルの部分に後継者がいなくなったり、働く若い人がいなくなったり、きょうもイカ漁などの漁業の関係でストライキなどが報道されていましたけれども、そういった必要な現業技術者が本当に生活ができなくなって業界が機能しなくなっている、そういったことがあります。教育分野がその中に入らないようにしてほしいと思いますので、ぜひとも東京都はきちんとこの業務量を考え、事業開始後の体制の状況を確認して現況を把握し、きちんと対応できるように努めることを求めます。
 以上です。

○中山委員 東京都教育ビジョンにつきまして、大きく五点にわたり質問させていただきます。
 六三ページに学校における消費者教育の促進が掲げられております。消費者教育は、これからの学校教育にとりまして重要な教育課題であると考えております。
 そこでまず、学校教育における消費者教育の位置づけについてお尋ねいたします。

○高野指導部長 消費者教育の位置づけについてでございますけれども、小中学校では、学習指導要領に基づき社会科や家庭科などの授業に消費者教育を位置づけておりまして、子どもたちが主体的な消費者として適切な経済行動がとれるようにするとともに、環境に配慮した消費生活が工夫できるよう学習活動が行われているところでございます。

○中山委員 国におきましては、六月二日、公明党が消費者庁の設置を官邸に申し入れ、政府は来年度当初の発足を目指し、今月中にも設置へ向けた基本計画を策定するとしております。
 消費者庁の発想は、縦割り行政の弊害を庶民の目線から打破するものとして、庶民感覚や現場の知恵が国政に大きく反映されていくと期待しております。
 学校教育におきましては、子どもたちに現実生活を生き抜く知恵と力を身につけさせることが肝要でございます。昨今では、核家族化や地域の人間関係の希薄化が進む中で、情報収集手段がITに偏重し、生活感覚の空虚化もしくはバーチャル化が指摘されております。そうした中で、消費者教育は子どもたちに生活の知恵を授けるものであり、極めて重要であると考えております。
 消費者教育の具体的な学習活動の内容をお尋ねいたします。

○高野指導部長 具体的な学習活動についてでございますが、小学校社会科では、買い物体験や商店調べの学習活動を通じて身近な消費活動について学習をしているところでございます。
 また、中学校社会科では、消費者保護の視点から、消費者の自立の支援なども含めた消費者行政の現状などについて学習をしているところでございます。家庭科におきましては、金銭の使い方や買い物について、日常生活と関連させながら児童は学習しているところでございます。さらに、総合的な学習の時間で消費者教育を扱っている学校では、教科の学習をもとにいたしまして、契約の重要性や意義、個人の責任などをロールプレーイングの手法等を活用して学習しているところでございます。

○中山委員 消費者教育の重要性は、中国産冷凍ギョーザの農薬混入事件や悪質リフォーム事件に代表される訪問詐欺事件、さまざまな食品偽装事件など、枚挙にいとまがございません。中でも多重債務の問題は、近年我が身を守る知恵を身につけることなく実社会に触れていく若者が、人生の初期段階で生活破綻の窮状に追い込まれてしまう典型例として憂慮するべき事態であるといわれております。
 一方、株式のデイトレードの普及などもあり、手軽な投資取引への関心が家庭にも広がっています。株式投資で莫大な富を得ることにあこがれる子どもたちもふえていると感じております。こうした社会変化の流れの中に、金融経済の仕組みについて必要な予備知識を持たないで臨むことが当事者の想像を絶する被害をもたらす場合もあるのではと危惧しております。
 大きな社会問題となっている多重債務被害から子どもたちを守るための学校教育としての都教委の取り組みをお尋ねいたします。

○高野指導部長 学校教育では、子どもたちがこの問題を将来にわたってみずからの課題として認識できることが重要と考えております。
 都内公立小中学校の中には、消費者センター等の職員や企業経営者、金融関係者など、外部の専門家などとの連携を図って授業実践に取り組んでいる学校もございます。
 現在、東京都多重債務問題対策協議会で、教材やカリキュラムの開発について検討が進められているところでございます。
 今後、区市町村教育委員会の担当指導主事にこれらの情報を積極的に提供するなどいたしまして、小中学校における消費者教育の一層の充実を図っていく予定でございます。

○中山委員 私は、第一回定例会の一般質問で多重債務問題について触れまして、金融経済教育の充実を訴えました。生活文化スポーツ局が所管となってお答えいただきましたけれども、小中学校におきましては副読本を作成していく、大学につきましては大学生協との連携で啓発に努めるとのご答弁がありました。
 教育庁におかれましても、こうした副読本やさまざまな取り組みを生かしながら学校教育における消費者教育の充実にご尽力のほどをお願いいたします。
 続きまして、教育ビジョンの六六ページに児童生徒の確かな学力の向上が掲げられております。そして、各種調査の結果から、東京都の児童生徒は、基礎的、基本的な知識、技能はおおむね身につけているものの、それに比べて、知識を活用する力が課題となっていることがわかるとございます。
 まず、知識を活用する力が課題との認識の具体的な内容をお尋ねいたします。

○高野指導部長 知識を活用する力とは、例えば算数で学習した平行四辺形の面積の求め方を使って実際に公園の面積を求めてみるなど、知識を実生活の場面に活用する力のことでございます。
 国の全国学力・学習状況調査によれば、小学校国語、算数、中学校国語、数学の活用の調査において、東京都の児童生徒の平均正答率は、すべて全国平均と同じか、それを上回っているところでございます。
 ただし、これまで実施してまいりました都の児童生徒の学力向上を図るための調査や国の調査等の結果から、東京都の児童生徒には、与えられた情報を分類、整理したり、必要なものを適切に選択したりすることや、筋道を立てて考えたり、振り返って考えたりすることなどに課題があることがわかっております。

○中山委員 ただいま例示にございました平行四辺形の話は、地図の中で示されているさまざまな情報の中から問題解決に必要な情報を選び出し、平行四辺形の面積を計算する知識に当てはめることを意味するのだと思います。
 知識は、飾り物ではなく、生活の中で直面する課題を解決するための道具であり、活用されてこそ意味があるものでございます。知識を活用する力を身につけることは、子どもたちの生き抜く力を身につけることにもつながります。同時に、知識の活用方法を知ることで、子どもたちの学ぶ意欲を高めることにもつながる大事な課題であると思います。
 そうした大事な知識を活用する力が課題であるとすると、今後の都教委の取り組みが重要でございます。具体的な対応をお尋ねいたします。

○高野指導部長 都の調査や国の調査の結果から知識を活用する力の課題の分析を行いまして、具体的な指導の手だてを例示いたしました児童生徒の学力向上を図るための調査報告書や、全国学力・学習状況調査報告書を現在作成しているところでございます。
 都教育委員会は、すべての区市町村教育委員会や学校にこれらの報告書を配布いたしまして各校の授業改善推進プランの改善を促すなど、児童生徒の学力向上を図るための授業改善を推進しているところでございます。
 また、指導主事による学校訪問の際に、授業改善の視点として、知識を活用する力を育てる指導の充実を具体的に指導、助言しているところでございます。

○中山委員 ただいま消費者教育や知識を活用する力について質問させていただきましたが、これらの課題は、今後、都の教育行政が取り組みのベクトルを検討していく上で現代的教育的な課題が存在していることを物語るものでございます。
 どちらの答弁におきましても、ロールプレーイングやグループ学習の必要性が言及されております。すなわち、画一的な指導方法では現在の教育課題にはこたえられなくなっていることを意味しております。
 今後の都の学校教育においては、一層多様な指導方法を必要とする教育課題への対応が求められてくると思いますが、見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 知識を活用する力を育成するためには、指導方法や指導形態の工夫を進めることによりまして学習効果を高める必要があると考えております。そのため、各学校では、子どもたち一人一人の学習状況を十分に把握いたしまして、教科の特性に応じてグループ学習や少人数学習を実施し、成果を上げてきたところでございます。
 都教育委員会は、今後も区市町村教育委員会と連携しながら指導方法や指導形態の工夫を一層進めるよう各学校を指導し、現在の教育課題にこたえていく所存でございます。

○中山委員 集団の中での規律、協調性を高めたり、スポーツの集団教育に対応したり、人間関係の特定化によるいじめ等の弊害を除去するためにも、一定規模の学級単位の確保は重要であると認識しております。と同時に、習熟度別に限らず、少ない人数単位での学習を必要とする教育課題もふえていると実感しております。特に生活感覚や知識を生かす知恵などの学習は、実感として子どもたちの心の中に蓄積、醸成されていくものが大切であります。
 こうした教育課題への対応は、かつては家庭や地域社会が担っていたものではないかと考えます。家族の背中、働く人の息遣いなどを通してインフォーマルに教え、導かれていたものを、今後学校教育が代替的に対応していくためには、教科書学習とは違ったさまざまな指導方法に工夫が必要となります。
 今後は、こうした課題に応じた教員向け研修の充実に加え、外部講師の活用のあり方も含めた必要な人員体制の確保方法など、中長期的な視点からの取り組みが重要であると要望し、次の質問に移らせていただきます。
 東京教育ビジョンの七三ページに児童生徒の不登校への対策強化が掲げられております。依然として続いております不登校の問題は、状況が多様化、複雑化しており、個々の状況に応じたきめ細かい支援が必要であると考えます。
 そのために個別適応計画書を導入すると聞きますが、その具体的な特徴をお尋ねいたします。

○高野指導部長 個別適応計画書は、担任が保護者、生徒の面談により設定いたしました学校復帰の目標や、担任や関係機関からの具体的な働きかけの記録などを記入するものでございまして、学校全体での取り組みや小中学校の連携あるいは転校した際の継続的支援など、不登校児童生徒の学校復帰を支援することをねらいとしているところでございます。
 今後、都教育委員会は、本年九月までに個別適応計画書の様式を定めまして、区市町村教育委員会と連携いたしまして各学校での活用を推進していく予定でございます。

○中山委員 今、個別適応計画書につきまして、お引っ越しされたりとかさまざまな変化があっても、共通の言語で情報収集して対応を、取り組みを努めることができるという材料としていくという意味で大変重要であると思います。また、不登校の子どもを支援する教職員にとりましては、不登校の解消事例を把握するなど、不登校対応の理解を深めることが有効であると考えます。
 そのために、実施を予定されていると聞きます不登校フォーラムにつきましては、どのような内容で実施されるものなのか、お尋ねいたします。

○高野指導部長 本年九月に実施する予定でございますフォーラムにつきましては、不登校を克服した人の体験談や不登校復帰を支援した教員などの実践報告あるいはパネルディスカッションなどを行うことを通しまして、不登校児童生徒の学校復帰に向けた取り組みについて理解を深めていくものでございます。
 フォーラムの対象につきましては、不登校児童生徒にかかわる教員、適応指導教室の指導員、相談担当者、そして保護者でございます。

○中山委員 不登校問題は、容易に解決のめどの立たない難しい問題でございます。それだけに、不登校児を抱える学校関係者の中には、不登校児を迎え入れた場合、前々からの不登校であったのだからと初めからあきらめにも似た気持ちが先立つ場合もあるのではと危惧しております。
 そうした意味で、取り組みを行う側の教職員の新鮮味を再び取り戻して、不登校児に対応していく、問題解決に当たっていくきっかけとなるという意味でフォーラムの意義は大きいものと考えております。ぜひ継続と効果的な取り組みにおける工夫に努めていただきたいことをお願いさせていただきます。
 続きまして、不登校に関連しまして、教育ビジョンの四七ページの青少年リスタートプレイスに触れさせていただきます。
 各高等学校を中途退学した人やその保護者に対し、東京都教育相談センターでは青少年リスタートプレイスを設置し、これからの生活や進路選択について支援をしています。これまでの取り組みと成果についてお伺いいたします。

○高野指導部長 青少年リスタートプレイスにつきましては、平成十七年度から中途退学者のための相談窓口として東京都教育相談センターに開設したものでございます。
 リスタートプレイスでは、電話や来所による相談、メールや郵便による定期的な情報提供、中途退学者やその保護者が情報交換を行う集い、そしてチャレンジスクールなど、特色ある高校の紹介や個別相談を行う進路相談会という、大きく四つの取り組みを行っているところでございます。
 こうした取り組みに対しまして、平成十八年度は、集い参加者延べ六十六人、進路相談会参加者延べ九百六十六人でございましたが、平成十九年度につきましては、集い参加者百八十四名、進路相談会参加者千四百五十六人となりまして、それぞれ増加しているところでございます。
 また、窓口を利用した生徒からは、進路について助言を受け、志望した高校で現在元気に高校生活を送っているというような声も寄せられているところでございます。

○中山委員 リスタートプレイスは、中途退学後に必要が発生するものであり、あらかじめ参加を呼びかけるということがなかなか難しい性質のものでございます。あくまで自発的に参加していただくものでございますので、その拡大には苦労が多いものと考えます。
 ただし、私ども公明党も、その設置、推進には力を入れさせていただきましたし、これからもそうした事態の中から再び立ち上がっていただくお子さんたちのためにご努力をお願い申し上げたいと思います。
 高等学校を中途退学する前の不登校生徒に対しても、リスタートプレイスにおきまして参考になりましたような働きかけというものが必要だと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

○高野指導部長 中途退学をする前に不登校になった生徒に対してリスタートプレイスから働きかけをしていくことは重要であると考えております。現在、リスタートプレイスの事業につきましては、東京都教育相談センターのホームページに掲載するとともに、スクールカウンセラーから不登校生徒やその保護者にもその活用を呼びかけているところでございます。
 その結果といたしまして、リスタートプレイスが行う進路相談会では、不登校の生徒やその保護者も現在参加しているところでございます。
 今後とも、都教育委員会は、中途退学前の不登校生徒に対して個々の状況に応じた適切な情報提供ができるように取り組んでいく予定でございます。

○中山委員 当然、中途退学という事態が少しでも起きないことが望ましいことでございますけれども、不登校状態に陥っているお子さんたちに対しまして、ある面では、そういった状況を改善した生徒さんご自身の体験談や、中途退学後であっても再び社会復帰のために頑張って成功した人の体験談などを知ることは大変に勇気を奮い起こす材料になるだろうと思います。
 そうした意味で、仮に不登校状態にならないお子さんたちであっても、高校で生活をし、学んでいることの大切さ、意義を知る意味では、そうした方々の体験談を知ることは大事な材料ではないかと思います。
 なかなか情報提供は難しい課題かと思いますが、例えば学校図書館の中にそうした体験談を用意していただくとか、そうしたような工夫をしていただけますよう、お願いを申し上げます。
 最後に、高等専門学校に編入学を希望する工業高校生徒に対する支援についてお伺いいたします。
 昨日の一般質問におきまして、我が党の野上委員が、ものづくり産業の担い手を育成、支援するため、都立工業高校の生徒に焦点を当てた施策として、都立の工業高校から都立高等専門学校への編入学を拡大すべきと訴え、都の見解をお伺いしました。
 都の答弁によりますと、都立の工業高校から都立高等専門学校への編入学の設定について、平成二十一年度編入分から試行を開始し、高専の八コースすべてで編入生を受け入れるべく準備を進めていることがわかりました。また、この試行の結果を踏まえ、さらなる編入学の拡大も視野に入れ、今後本格実施を目指していくという力強い教育長のご答弁をいただきました。これは、進路の選択肢がふえるものであり、都立工業高校生にとってまことに明るい材料でございます。
 都立の高等専門学校は、企業からの求人倍率が十倍を超えるなど、産業界から高い評価を得ており、工業高校卒業後、高専で学びたいと考えている生徒さんも多いものと考えます。
 そこで、ものづくりに意欲のある工業高校の生徒が卒業時に高専への編入学を希望した場合、編入学後の学習に支障が生じないよう、都立の工業高校として今後どのような支援が可能なのか、お伺いいたします。

○高野指導部長 都立の工業高校を卒業する生徒がさらに都立高専で高度な専門的知識と技能を身につけられるよう、高専への編入学を希望する生徒を支援することは重要と考えております。
 これまで、工業高校から高専への編入学に当たりましては、カリキュラムの相違から学習進度が異なるため、編入学後に学習面で多大な努力が必要となる状況もございました。
 今後は、工業高校が高専への編入学を希望する生徒に対しまして数学などの補講を高校在籍中に行い、高専での学習に支障が生じないよう生徒を支援していく予定でございます。

○中山委員 工業高校に進学して数学でつまずくとなりますと大変な苦しみなんだと思います。そういう意味で、工業高校と高専の連携によりまして数学の補講が行われて、編入学にきちっと備えることができるということはすばらしい取り組みではないかと思います。
 今後とも、高専への編入を希望する都立の工業高校の生徒さんが希望をかなえられますよう、しっかりと支援していただけることを期待申し上げております。
 最後に、六一ページの子どもの安全・安心の確保における、児童生徒が巻き込まれるインターネット犯罪の対策について意見を述べさせていただきます。
 ブログやプロフ、書き込みサイトを悪用したいじめ問題とあわせて、昨日の一般質問で我が党の野上議員が質問させていただいたところでございますが、都教委は実態の把握に努めるとのご答弁がございました。具体的には、今後はインターネットや携帯サイトに関する実態調査を行い、この結果を公表することにより云々ということで教育長から明快なご答弁をちょうだいいたしました。
 調査結果に応じて、都としての対策が本格的に検討されることを期待申し上げているものでございます。
 その検討の方向性を拘束する意味ではございませんけれども、個人的ではございますが、私の要望を述べさせていただきます。
 問題解決の一つのポイントは、携帯電話の機能の問題であり、インターネット情報へのアクセスを自由に許しておくかという問題ではないかと思います。私は、児童生徒が個人的に使用する携帯電話の機能を通話やメールの機能に限定していくというような制度的な工夫が大事であるし、またそのために東京都は国に求めていく必要があるのだと考えております。
 フィルタリングや情報リテラシー教育の問題も大切な課題であり、その可能性も大きいと思いますが、その進展によって解決できる範囲にはおのずと限界がございます。理想論はともかくとして、現実的に子どもたちを守らなくてはなりません。欧米では、インターネット情報へのアクセスにつきまして、子どもたちが親の監督のもとにない状態で自由にできることを防ぐために、携帯電話を持たせないとか、さまざまな社会的な取り組みがあるとお伺いしております。
 個人の自由の問題、それぞれの家庭の考え方の問題、あるかと思いますけれども、検討の中で十分ご論議いただきまして、子どもたちを守るために、結果として犯罪から子どもたちを救うに必要な制度の工夫をきちっと東京都がめり張りを持って国に要望していくということが大事ではないかと思います。
 こうした私の意見を述べさせていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○石川委員 最後の質問者になりましたが、私からも、東京都における教育振興基本計画に位置づけられました東京都教育ビジョン(第二次)の重点施策の15、外国人の子どもに関する教育の充実について若干質問をさせていただきたいと思います。
 この問題は、実は外国人の子どもさんがふえるという中で、国の法整備あるいは施策の改善がおくれておりまして、外国人の子どもの不就学や日本語教育、いじめ問題、それから高校進学、そして年齢超過者の入学受け入れ、あるいは教科書学習上の困難等、さまざまな課題が指摘をされておりまして、私たち都議会公明党といたしましては、現在、日本語教育を支えて、あるいは支援をしていただいておりますNPOあるいは関係者あるいは関係団体の皆様と、都教委に対しましても、年一回、いわゆる施策の充実に対して要望をしてまいりましたし、また、国にも法整備等々に関しまして毎年要望を行い、今年度は四月十五日に文部科学副大臣の池坊さんに直接関係の皆さんとその施策の充実をお願いしてきたところであります。
 こうした流れの中で、都教委といたしましても、昨年の十一月十六日付で埼玉、千葉、神奈川の三つの教育委員会と連名で、外国人の子どもに対する教育の充実に関する要望書ということで、この中に、前文として、公立学校における日本語指導が必要な外国人児童生徒の母語数は六十三言語で、前年度より九言語増加しており、母語の多様化が進む、そしてまた、今後、外国人労働者の増加とともに、その定住化が進み、それに伴い、外国人の子どもの増加が予想されるため、公立学校における外国人児童生徒への日本語指導の必要性が高まるとともに、外国人の子どもに対する教育に関するさまざまな課題が発生することが想定されるということで、具体的に、入国前における就学機会の周知、それから日本語指導等特別な配慮を要する児童生徒に対応した教員配置の拡充、それから教員以外の人材活用への支援、そして教員の日本語指導や多文化共生の理解の充実、そして在留管理制度の見直し等々の要望を行ったところでございます。
 こうした背景がある中で、今回、重点施策15として推進計画三事業が挙げられたわけでありますけれども、こうした状況、そしてまた五年後、日本語を必要とする外国人の教育がどう振興されてくるのかということがこれでははっきりしないと私も申し上げざるを得ない。したがって、このビジョンを策定する際に、この課題に対してどんな角度から、またどんな検討をなされてこの報告になったのか、お伺いしたいと思います。

○高野指導部長 都におきましては、ご案内のとおり、日本語指導が必要な外国人児童生徒が年々増加をしてきているところでございます。こうした状況を踏まえ、外国人児童生徒の日本語指導や相談体制をさらに充実させるとともに、不就学を防止するための情報提供の内容について工夫、改善を図っていくことが必要と考えております。
 このため、都教育委員会は、外国人の子どもの教育を重要な課題としてとらえておりまして、ビジョンで示しました推進計画38、39などを着実に実施することによりまして課題の解決を図っていきたいと考えております。

○石川委員 この課題は、国の法整備がなされていないというところに最大の実は問題があるんだろうと思います。都教委としても、やっぱり機会があるごとに、また国の法整備をきちっとするべきだということを重ねて要望していただきたいと思っております。
 そこで、まずは38の推進計画につきまして具体的にお伺いいたしますけれども、外国人児童あるいは生徒が日本の学校に就学した際に、不安や悩みを解消するために、母語となる外国語で相談に対応すること、これが重要でありますが、都教委の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○高野指導部長 外国人児童生徒の不安や悩みに対しまして、母語となる外国語で相談に応じることが重要と考えております。
 都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携を図りまして、外国人児童生徒や保護者の相談にきめ細かく対応できるようにするため、本年七月を目途に東京都教育相談センターにおいて母語での相談を希望する外国人に対しまして、当面は英語、中国語、韓国朝鮮語の通訳を介しまして教育に関する来所相談を実施し、不安や悩みを解消できるよう支援してまいりたいと考えております。

○石川委員 四月から教育相談センターにおいてこの相談事業が始まると。大変私は評価をいたしたいと思いますが、当面は四カ国語でスタートするわけでありますが、先ほど申し上げましたように、東京都教育委員会の調べで六十三の母語になっているわけでありますから、ひとつ母語の拡充にこれからも努めていただきたいと思っております。
 最後に、就学年齢に達した外国人の子どもたちが確実に就学できるよう、外国人の子どもの保護者が日本の学校生活についての理解を深めるための資料、学校ガイドブックを作成することとしておりますが、この学校ガイドブックの内容と活用について明らかにしてください。

○高野指導部長 学校ガイドブックの内容につきましては、外国人の保護者が日本の学校についての理解をより深めることができるよう、日本の教育制度、入学するための手続や学校における給食あるいは部活動など一日の学校生活、さらには各学期に実施されます学校行事などについて紹介するものでございまして、二十二カ国の言語で作成する予定でございます。
 今後、都教育委員会は、区市町村教育委員会を通しまして、就学年齢に達した子どもを持つ保護者が外国人登録を申請する際にこの学校ガイドブックを配布するなどいたしまして、不就学の防止に努めてまいりたいと考えております。

○古館委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○古館委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時八分散会

ページ先頭に戻る