ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第四号

平成十九年三月一日(木曜日)
第三委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長たぞえ民夫君
副委員長泉谷つよし君
副委員長鈴木 一光君
理事伊藤まさき君
理事服部ゆくお君
理事石川 芳昭君
大松  成君
早坂 義弘君
坂本たけし君
初鹿 明博君
木内 良明君
古賀 俊昭君
中村 明彦君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長渡辺日佐夫君
次長荒川  満君
総務部長山本 洋一君
広報広聴部長高西 新子君
都民生活部長和田 正幸君
消費生活部長宮川 雄司君
私学部長新行内孝男君
文化振興部長 杉谷 正則君
参事萩原まき子君
参事産形  稔君
参事角田由理子君

本日の会議に付した事件
 生活文化局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十六号議案 東京都公益認定等審議会条例
・第五十七号議案 東京都スポーツ・文化振興交流基金条例
・第五十八号議案 東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
・第五十九号議案 東京都育英資金条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都男女平等参画審議会答申について

○たぞえ委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の平成十九年度予算の調査及び付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化局所管分及び第五十六号議案から第五十九号議案まで並びに報告事項、東京都男女平等参画審議会答申について、一括して議題といたします。
 本案及び本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○山本総務部長 去る二月二日の当委員会におきまして要求のありました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております平成十九年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。
 目次に記載のとおり、1、東京ウィメンズプラザの相談件数の推移並びに主な相談内容及び対応状況外九件の資料を記載しております。
 それでは、一ページをお開き願います。1、東京ウィメンズプラザの相談件数の推移並びに主な相談内容及び対応状況でございます。
 まず(1)、相談件数の推移では、平成十三年度から平成十七年度までの過去五年間について、一般相談及び特別相談の区分ごとに相談件数を記載しております。
 また、(2)、主な相談内容と対応状況では、ウィメンズプラザに寄せられた相談の主な内容及び対応事例を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、文化振興施策に係る予算及び決算の推移でございます。
 主たる施策の区分ごとに平成十五年度から平成十九年度までの予算額及び決算額を、また、備考欄には、当該施策区分に係る主な事業等をそれぞれ記載しております。
 三ページをお開き願います。3、東京都現代美術館における若手作家支援事業の実施状況でございます。
 東京都現代美術館における平成十五年度から平成十八年度までの若手作家支援事業の実施状況について、それぞれテーマや会期などの概要を記載しております。
 四ページをお開きください。4、都立文化施設等の観覧者数の推移でございます。
 江戸東京博物館など博物館及び美術館等について、平成十一年度から平成十七年度までの観覧者数を、それぞれ常設展、企画展などの区分ごとに記載しております。
 五ページをお開き願います。5、平成十七年度私立高等学校卒業者の進路状況でございます。
 平成十七年度中に都内の私立高等学校を卒業した生徒の進路状況について、大学等への進学、あるいは就職などといった進路区分ごとに、当該進路を選択した生徒数をそれぞれ記載しております。
 六ページをお開き願います。6、私立学校の耐震化の状況でございます。
 平成十八年四月一日現在の都内私立学校各施設の耐震化率を記載しております。
 七ページをお開き願います。7、私立学校における学級規模別学校数でございます。
 都内の各私立学校における一学級当たりの規模を、表に記載の六区分に整理の上、それぞれ幼稚園から高等学校までの学種ごとに、該当する学校または幼稚園の数を記載しております。
 八ページをお開き願います。8、都道府県別私立高等学校等授業料軽減(減免)補助(平成十八年度)でございます。
 授業料軽減もしくは減免補助について、各都道府県における十八年度の実施状況を、本ページから一一ページにかけて記載しております。
 一二ページをお開き願います。9、都道府県別私立高等学校生徒納付金平均額(平成十八年度)でございます。
 平成十八年度における私立高等学校の授業料、入学金、施設整備費といった生徒納付金の平均額を、それぞれ都道府県別に記載しております。
 一三ページをお開き願います。10、都道府県別高等学校奨学金貸与月額(平成十八年度)でございます。
 高等学校の生徒を対象とした奨学金制度について、平成十八年度における各都道府県での貸与月額を、表に掲げた区分ごとにそれぞれ記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料に関する説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○たぞえ委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○早坂委員 公益法人制度改革について伺います。
 昨年六月、民法上の社団法人、財団法人の仕組みを抜本的に見直す公益法人制度改革三法が公布されました。平成二十年からスタートする新制度では、非営利の社団法人、財団法人は二つに分類、すなわち二階建ての構造になります。一階部分は、一般社団法人、一般財団法人という名称で、公益性の有無にかかわらず、登記のみで簡単に法人格を取得できるようになります。二階部分は、公益社団法人、公益財団法人という名称になり、一階から二階に上がるためには、民間の有識者で組織される審議会の公益認定を受ける必要があります。これに伴い、本定例会に、東京都において公益認定を行う公益認定等審議会条例が提案されたところです。
 そこで、伺います。公益法人制度改革三法の施行は平成二十年十二月を目途と聞いており、二年間の準備期間があります。東京都は、今回、公益認定等審議会条例を制定するわけでありますが、審議会が具体的に動き始めるのはいつごろになるのか、お伺いいたします。

○和田都民生活部長 今後のスケジュールでございますけれども、本定例会で東京都公益認定等審議会条例案につきましてご審議をいただき、議決をいただきましたならば、具体的な審議会の委員の選定などの準備作業を進めていきたいと考えております。
 そして、ことしの秋ごろには東京都公益認定等審議会を立ち上げまして、国の検討状況といったものも参考にしながら、都としての具体的な公益認定基準の運用指針などの審議を行っていただくことを考えております。
 そして、平成二十年の十二月を期限とする法の施行と同時に、円滑に審議会の公益認定作業が進められるよう準備をしてまいりたいと考えております。

○早坂委員 現在、東京都所管の公益法人は八百四十八存在していますが、法律の施行後は、これらの現行法人も改めて公益認定を受けて公益法人となるか、あるいは公益性を要件としない一般社団、財団法人に移行するかを選択していく必要があります。どちらを選択するにせよ、新制度への移行の準備は現行の法人にとって負担がかかることから、今後の改革の動向に大きな関心が寄せられています。
 東京都としても、公益認定事務の準備を進めていく上で、現行法人の意向を把握しておくことが必要であると思います。
 現在、東京都所管法人のうち、公益認定を受けて新制度下の公益社団法人、公益財団法人に移行しようとしている法人はどのぐらいあるか、お伺いいたします。

○和田都民生活部長 現行法人の移行でございますけれども、昨年の十一月に、現行の公益法人を対象にいたしまして制度改革の説明会を開催いたしました。それにあわせまして、公益法人制度改革に関するアンケート調査を実施しております。
 その結果によりますと、回答をいただいた法人の中で、七九・六%が公益社団、財団法人への移行を希望しておりまして、一般社団、財団法人への移行を希望するものが六・三%、そして、未定と回答した法人が一一・四%ございました。

○早坂委員 およそ八割の法人が、新制度においても公益法人として存続することを希望しているというご答弁でありました。残りの二割には、行政庁の関与を受けず、自由に活動できるメリットを考えて、一般社団、財団法人を選択するケースがあると思いますが、大多数の法人は福祉や教育などの多様な領域で誠実に公益事業を営んできた実績があり、今後も公益認定を受けて、引き続き社会に貢献していく意欲を持っているんだろうと思います。
 そこで、公益認定の申請は、法人の定款や事業計画書、収支予算書などを提出して行うわけですが、現行法人が申請する場合、法人のこれまでの長年の活動実績は審査会の評価の対象になるのか伺います。

○和田都民生活部長 既存法人の活動実績が評価の対象になるかどうかという点でございますけれども、新制度におきましては、法律によりまして、公益認定の基準として、目的、それから事業、財務、組織に関することなど十八項目の要件が定められております。この公益認定の基準では、ただいまお話にございました、活動実績を有しているかどうかということは要件とはされておりませんで、公益認定の審議会において、法人が行う事業が公益目的事業に該当するのか、また、事業の内容や、その組織、財務の状況が認定基準に適合しているかどうか、そういった点を審査し、判断されていくというふうになっております。

○早坂委員 審議会の公益認定は、あくまで将来に向けての事業計画の妥当性や実現性、法人の財政基盤や事務能力について審議されるものだと理解をいたしました。
 新制度での公益認定基準の説明がありましたが、現行法人は公益認定基準に適合した内容にするため、これまでの事業や組織の見直しも必要となってくることから、今後の対応についても心配があるのだろうと思います。
 そのような観点から、先ほどお示しいただいたアンケートについてお伺いいたしますが、公益社団、財団を目指すと回答した法人の中で、公益認定基準に適合させるために、現時点でどのような点をみずからの課題として受けとめ、取り組んでいこうとしているのか、東京都としていかように把握しているか伺います。

○和田都民生活部長 アンケート調査によりますと、法人が新制度の公益法人を目指すに当たり課題と考えている事項として、次の二点が多く寄せられております。
 まず第一に、公益法人の本来目的は公益事業でございますので、そのすべての活動に占める公益目的事業の割合が五〇%以上であることが要件とされております。しかしながら、今のところ、この算定方法がまだ明確になっていないということもございまして、この基準を達成できるかどうかということについて、およそ四八%の法人が課題であるというふうにとらえております。
 第二番目は、公益法人の収益というのは、速やかに公益事業に使用するというのが原則でございますが、これにつきまして、剰余金を翌年度に繰り越すことについて一定の制約がございますが、それをクリアできるのかどうかということが課題であるというふうに二二%の法人が回答いたしております。

○早坂委員 公益法人は、そもそも公益事業を実施しているものだと思いますが、現行法人は、公益目的事業の比率のどのようなことについて心配をしているのか伺います。

○和田都民生活部長 公益目的事業でございますけれども、公益目的事業とは、不特定多数の者を対象とする事業でございまして、いわゆる共済事業など、その構成員の利益、これを共益と呼んでおりますけれども、そういったものを目的とする活動や、特定の者の利益を目的とする事業は公益目的事業に当たらないというふうにされております。
 しかしながら、構成員が同種の業を営む者など特定の者に限られる場合でありましても、その受益の効果が広く社会全体に及ぶ場合には、公益事業と判断されることもあろうかと考えております。
 このように、公益性の判断というのはなかなか難しい面がございまして、必ずしも一律に行えるものではなく、現行法人としては、現在行っている事業の中で、新制度における公益目的事業として認定されるものがどのくらいあるのか、また、その結果、先ほど来お話し申し上げております、その基準である五〇%を超えることができるのかどうかといった点を課題としているものと思われます。
 いずれにいたしましても、認定基準の詳細につきましては、今後、国から出される政省令等で明らかになる予定でございまして、法の施行後は、審議会において、それぞれの法人の実態を踏まえ、個別具体的に公益性の判断がなされるものと考えております。

○早坂委員 公益認定の基準は法律に規定されたけれども、具体的な内容はまだ決まっていないということでありますが、例えば医師会は、会員は医師に限定されており、その事業の中で、医師としてのレベルアップのための講演会、研修会があります。これらの事業は、一般的には会員、すなわち構成員の利益のためのものでありますが、こうした事業は地域における公衆衛生の向上に大きく寄与することになるので、公益性があると考えてよいとも思います。この例のようなことは、一般的業界団体、業種団体についても同様にいえると思います。そうした事業が公益事業と認められるように、適切な運用を求めておきます。
 次に、法人が新制度への移行準備を進めるためには、基準が早期に明らかになり、周知される必要があります。現行法人の規模も大小さまざまだと思いますが、個々の課題を検討していくためには、実際に試算してみるなど会計上の専門知識も必要になり、小規模の法人では対応困難な面があります。
 現行法人を指導監督する東京都として、今後の改革の動向についての十分な情報提供や、相談などの支援が求められていると思います。都民向けの一般的なPRを行い、制度改革の理解を得ることが必要なのはもちろんですが、このほかに、現行法人、特に小規模の法人の不安を解消するため、これらの法人に対する個別相談体制を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○和田都民生活部長 都といたしましては、都民、法人向けに、パンフレット、それからホームページ等によりまして、制度改革についての周知を図っているところでございます。
 さらに、現行の所管法人に対しましては、国による公益認定基準の詳細が示される本年の夏以降、ただいまお話にもございました説明会の開催、そして個別相談会などをきめ細かく実施し、各団体の要望にこたえていきたいと考えております。
 申請者が新制度への準備を遺漏なく行えるように、情報提供の充実や事務執行体制の整備を図り、平成二十年十二月までに施行される制度改革に向けて万全を期していきたいと考えております。

○早坂委員 現行法人が五年間の移行期間の中で、公益認定基準に適合するための必要な見直しを行って円滑に移行できるように、東京都の法人への適切な支援をお願いいたします。
 ところで、民間による公益活動としてNPO法人制度があります。NPO法人制度は、新しい公益認定法人制度とは別の制度として、現行どおり存続されるものであります。
 NPO法人は、平成十年の施行以来、市民によるボランティア活動を支える制度として社会に定着し、社会貢献活動として一定の評価を受けています。現行のNPO法人の現状と課題はどのようなものか、お伺いいたします。

○和田都民生活部長 NPO法人の関係でございますけれども、阪神・淡路大震災などを契機にいたしまして、平成十年十二月に特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が施行されまして、社会貢献活動を行う民間団体に法人格を付与する制度が創設されております。
 その後八年余りが経過する中で、現在、全国で約三万、都で約五千三百の団体がNPOとして法人格を取得し、教育、文化、保健・医療や福祉、青少年育成など幅広い分野で活動いたしております。
 しかしながら、一方、こうして法人数が増大してきますと、法人格取得の簡便さというものもございまして、NPO法人であることを利用して、必ずしも公益、非営利とは認められない活動を行う法人や、法令違反を犯す法人、事業活動を行わないような休眠法人といったものも見受けられるようになっております。
 そこで、都といたしましては、法人運営の健全化を図る見地から、平成十七年三月に東京都におけるNPO法の運用方針を策定し、さらに、昨年の四月には、取り消し処分等に関する適用基準を明確化して、指導監督を強化しているところでございます。

○早坂委員 今回の新しい公益法人制度及びNPO法人制度は、いずれも従来の行政部門や民間の営利部門では満たすことのできなかった社会ニーズに対応する民間非営利部門の発展を促進するもので、官と民の役割を考える上で、新しい時代を切り開く前向きな意義を有するものだと思います。今後とも東京都がさらなる応援をしていただくようお願いをいたします。

○初鹿委員 私からは、トーキョーワンダーサイトについて何点か質問させていただきます。
 既にご承知のとおり、新聞報道などでもさんざん取り上げられて、都政の私物化ではないかということが皆さん方にも、予算委員会、また一般質問、代表質問で何度も質問が続けられてきたと思います。
 私は、どんなにすばらしい事業であろうとも、こういう報道がなされてしまうと、やはりそれに対してしっかりと説明をして、都民の方の誤解というものを解かないといけない。そうしないと、やはり皆さん方の信頼性というものが失われてきてしまうんだと思うんですね。
 そういう意味では、この問題、こうやって大きく取り上げられたのを一つの機会として、これからしっかり取り組むという姿勢を、皆さん方しっかり示していただきたいと思います。
 一般都民からすれば、どうして知事の四男がかかわっているのかとか、さっぱり理由がわかりませんし、館長、副館長を含めて身内ばかりではないかという指摘を受けて、それに対して、なかなか皆さん方も反論しづらい部分はあるのではないか。
 また、海外出張の問題や公費の使い方、予算委員会などでもいろいろ出ていましたよね。ワイン買ったとか、どら焼き買った領収証が出てきたとか、そういうことが都民の耳に聞こえてしまえば、やはりちょっとこの事業おかしいのではないかということになってしまうと思うんですね。
 しかし、実際にやっている、若手の芸術家を支援するということは、決してこれは間違った施策でもないし、やはり東京都を文化都市として進めていく上では必要なことだと思うんですよ。そういう意味では、この報道なり、今のこの現状というのは、非常に私は残念に思えてならないんです。
 私も実は絵を見るのが非常に好きで、私の姉は女子美という美大を出ていたり、私の祖母は七十を過ぎてから絵を習いに行ったりして、よく美術館に足を運んだりしているんですね。イギリスに旅行に行ったときなどは、テイトギャラリーなどに私も行ったこともありますし、そうやって芸術が好きな人間からすると、芸術をネタに都政を私物化しているみたいな話が出てくることというのは、本当に私は残念でならないんです。
 その上で、まず最初に聞かせていただきますが、ワンダーサイト事業は、東京都の文化政策の中でどういう位置づけにあるのか、まずは確認させていただきます。

○杉谷文化振興部長  都は、昨年の五月に東京都文化振興指針を策定、発表し、総合的、体系的に文化政策を進めることとしておりまして、そのもとで、新進・若手アーチストの育成、支援を重要な柱の一つと位置づけて推進しております。また、平成十八年度には、ワンダーサイト青山の開設や、新進・若手アーチストの二国間交流の実施などの事業を都の重点事業といたしました。
 トーキョーワンダーサイトは、作品を展示するのみではなく、美術や音楽などさまざまな分野を対象といたしまして、新進・若手アーチストが集い、議論、交流し、また、切磋琢磨する場として位置づけております。

○初鹿委員 それだけ重要な位置づけをしている事業でありますから、そこにやはり私物化といわれるような実態があってはならないと思うんですね。
 何度も委員会や議会や、また報道でも取り上げられていますが、まず、館長である今村東京都参与、この方が果たして本当にこのワンダーサイトの館長としてふさわしいのかということにしっかりとした説明がされていないと私は思うんですよ。
 過去の経歴をいろいろなところで調べてみても、今村館長と現代アートとの結びつき、かかわりというのが全くわからないんですよ。過去に、このワンダーサイトの館長になる前に、例えば美術系の雑誌に評論を書いているとか、また、自分が絵をかいているとか、大学で教えているとか、そういうことが実績として残っていれば、だれもが、知事の知人だろうが、知事の息子さんの友達だろうが、そういう実績がある方なら、なるほどなと思うかもしれません。
 しかし、今明らかになっている今村さんの経歴等を考えると、果たして本当にこの人でいいのかなと思うんですよ。知事は、友達も多いしみたいなことをいっておりますが、じゃ、本当に芸術家の友達ってだれなんですかというふうに私は聞きたくなるんですね。そういうことも含めて、今村さんがどうして選ばれたのか、なかなか皆さんもいいづらいのかもしれませんが、どうして選ばれたのか、また経歴というのはどうなっているのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

○杉谷文化振興部長  館長の今村有策氏は、建築家として、これまで国内外の数々の美術館、博物館、劇場などの基本設計や運営コンセプトの構築に携わり、芸術文化分野におきまして豊富な知識と経験を有しております。館の運営に当たりましては、豊富な知識や斬新な発想力、行動力、多くの知己を活用して、新しい取り組みを積極的に行っておりまして、新進・若手芸術家の育成に力を発揮しております。

○初鹿委員 何度聞いてもそういう答えになるんだと思いますが、具体性は余りないですよね。いろんな国内外の数々の美術館、博物館に云々といっていますが、じゃあ一体どこですかといわれたら答えられないと思うので質問しませんけれども、今村館長はそういう状況です。
 さらに、私はもっとひどいなと思うのは、今は副館長ではなくなりましたが、今でもこの事業にかかわりを持っている、奥さんであります家村氏、この家村さんについても、やはり現代美術とどういう関係があるのか全くわかりません。知事は、夫婦でやった方がいいんじゃないかとか、あと、芸術家に友達がたくさんいるとかいっておりますが、果たしてこの東京都の事業を、東京都の施設の責任者が、トップ二人が夫婦というのはどうなんでしょうかね。
 例えば公務員試験で受かって都庁に入った方が結婚したとして、それがたまたま局長、次長になっていたとしても、やはり普通に見れば、もう少し人事は考えた方がいいんじゃないのといわれると思うんですよ。それが、知事の知り合いだということで、こうやって夫婦そろって事業にかかわるというのは、やはり都民から見たら疑義を持たれてもやむを得ないのじゃないかと思うんです。
 このことを皆さん方に質問をしても、多分答えられないと思いますので、あえて質問はしませんけれども、やはり私は、こういうことが行われてしまったということは非常に残念ですから、この損なった信頼というものを回復するために、これからしっかり体制というものを考えていただきたいと思います。
 次の質問に移りますが、ところで、このワンダーサイト事業は、新進・若手アーチストを支援するということがいわれておりますが、この新進・若手アーチストという言葉、聞くと、どんなものかなと思う人が多いのじゃないですか。定義がはっきりしません。若手というのは年齢のことなんでしょうか。また、例えば実績については、どういう方を対象にしているのか。絵をかいて生計が成り立つ人なのか、成り立たない人なのか。また、いろいろな展覧会で実績ある人なのか、全く実績がない人なのか。そういうことがはっきりしない、非常に幅が広いと思うんですが、この新進・若手アーチスト、この若手ということを皆さん方はどのようにとらえているのか、お答えください。

○杉谷文化振興部長  若手の範囲につきましては、一概に、なかなか一言で申し上げられませんが、例えばトーキョーワンダーウォールの公募に当たりましては、大学を卒業してからおおむね十年までというふうな考え方で、三十五歳を上限といたしまして公募しておりまして、このような新進・若手のアーチストを育成、支援していくことをいたしております。

○初鹿委員 私は若手じゃないんだなということは今確認されましたが、冗談はさておいて、恐らくイメージとしては、大学を出て絵かきを目指しているけれども、なかなかそれが収入に結びつかない、そういう人たちをどうにかして、絵をかくことによって生計が成り立つ--生計が成り立てばいいというものではないかもしれませんけれども、そういう方向にしていきたいというのが一つあるのかなと思うんですね。
 そこで、ちょっと話は変わりますけれども、生計が成り立たない人たちも一部いると思うんですね。そういう人たちを私はニートっていうのじゃないかと思うんですよ。
 ニートの定義って、いろいろありますけれども、それを幾つか分類する中で、夢追求型という分類の仕方をしている方が、そういう専門家もいるんですよ。例えば絵かきを目指している人とか、また、ロックミュージシャンを目指している人とか、劇団で俳優を目指している人とかで、そのために仕事についていないと。そういう人たちもニートに分類をしている人がいます。残念ながら、知事はニートのことを穀つぶしといっていますが、その穀つぶしが対象になっているということに気づいているのかなと思いますので、一言いわせていただきます。皆さんに聞いても、多分その件については答えられないと思いますので。
 次は、じゃ、外国はどうなのかということをお聞かせいただきたいんですが、しばしば知事は、このワンダーサイト事業について説明をするときに、海外ではこういう支援をやっている、でも、国はやっていないから東京都でやるんだということをいうんですが、じゃ、海外で何をやっているかという説明を知事の口からされたことは、私が知る限りほとんどないような気がするんですね。具体的な話ですよ。
 そういう意味では、何となく、海外でやっているから東京もやるんだということで、我々ごまかされてしまっているような気がするんですが、実際に海外ではどういうことをやっているのか、具体例を示していただければなと思います。

○杉谷文化振興部長  施設としては、韓国・ソウルのサムジスペースや台湾の台北国際芸術村、ドイツ・ベルリンのクンストラーハウスベタニアン、スウェーデン・ストックホルムのテンスタコンストハル、アメリカ・ニューヨークのロケーションワンなどが挙げられます。
 これらの施設では、芸術家の滞在、制作拠点でありますアーチストインレジデンス事業や展示事業など、若手芸術家の活動を支援する事業を行っているとのことでございます。

○初鹿委員 よくわかりました。
 では、次の質問に移ります。ここからは、毎年やっている若手芸術家を対象にしている公募展でありますトーキョーワンダーウォールについて質問させていただきます。
 まず、ワンダーウォールの審査をしている方は、審査委員長は知事のようですけれども、審査委員は、だれがどのように選んでいるのか、また、審査委員長である知事は、作品の入選、入賞の選定にどこまでかかわっているのかをお伺いいたします。

○杉谷文化振興部長  ワンダーウォールの審査委員につきましては、新進・若手アーチストの発掘、育成という事業の趣旨を踏まえまして、文化担当参事の意見なども参考にしながら、都におきまして、美術館関係者や評論家、画廊の経営者などの有識者の中から選んでおります。
 また、審査委員長は知事であり、審査会を代表いたしますが、実際の審査に当たりましては、一審査委員として審査を行っております。

○初鹿委員 審査委員みんなで、合議制になるのか、どういう形なのかわかりませんが、みんなで審査をしていて、知事は一人の審査委員としてその審査にかかわっているということですね。つまり、選ばれた絵の中で、知事がいいといった絵があるということだと思います。
 次の質問に移ります。
 伊藤まさき議員の予算委員会の質問の際にも取り上げさせていただきましたが、平成十八年の重点事業であるトーキョー・アート・ナビゲーションに、今後は江戸東京博物館や現代美術館、写真美術館の主要な所蔵品を画像で公開していくということでありますが、ワンダーサイトのホームページを見ると、ワンダーウォールで入選した絵、どんなものがあるのかなと探しても出てこないんですよね。また、おとといですか、渋谷でやったワンダーシードのことを調べていて、入選作品というのがありましたんで、どんな絵があるんだろうと思って見ても、一覧表があるだけで、絵が出てこないんですよ。
 やはり若手の芸術家を支援していって、幅広く都民の方に若手の活躍を見てもらおうというのでしたら、ホームページでも公開した方がいいんじゃないかと思うんですね。せっかくトーキョー・アート・ナビゲーションというものを立ち上げるわけですから、そこに、どういう形でリンクするのがいいのかわかりませんけれども、このトーキョーワンダーウォールでの入選作品も掲載していくべきではないかと思います。なかなか著作権の問題とかもあるのかもしれませんが、方向としてぜひこのトーキョー・アート・ナビゲーションにワンダーサイトの作品も掲載できるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○杉谷文化振興部長  ワンダーウォールの入賞作品、作家などにつきましては、現在、生活文化局のホームページにおきまして簡単に紹介しております。ちょっと小さいのですが。
 来年度立ち上げを予定しておりますトーキョー・アート・ナビゲーションでの公開につきましては、トーキョー・アート・ナビゲーションの管理者となります東京都歴史文化財団とも協議の上、広く公開することを検討してまいります。

○初鹿委員 ただ、芸術作品というのは、人の内面を描いたり、人の心の奥底にあるものを描いたりするということがよくあるでしょうし、また、反社会的なものであったり、反倫理的であったり、または、世の中のどちらかというと暗い部分を絵にして表現をしている、そういう作品も多くあるのではないかと思うんですね。
 恐らくこれはいろいろなところで議論もされてきていることでしょうけれども、伊藤まさき議員の予算委員会の質問の、パーセントプログラムについての質問をしたときに局長が答弁をされているんですが、設置された作品が公共の場にふさわしくないとされている例もあると答弁されているんですけど、芸術的だけれども、公の場に設置するのにはふさわしくない、そう判断を多くの方がするような作品というのもあるのではないかと思うんですね。
 トーキョーワンダーウォールで入選をした作品のうち、十二人の作家を、この都庁舎と都議会の渡り廊下のところで展示をするわけですよね。毎月一回、一アーチスト。そのときに、都民も通る公共の場、しかも神聖な議会につながる廊下で、やはりふさわしくないような作品というのもあるのではないかと思うんです。芸術的には確かに高い評価を得たとしても、やはりそこに世の中の人から見たらどこか残虐性が残っていたり、また倫理的に見てどうなのかなというものであったりする作品がないとはいい切れないと思いますし、これからもそういうものが芸術作品としては評価をされる可能性もあると思うんですね。
 そこで、お伺いしたんですが、これまでワンダーウォールの入賞作品、公共のスペースでふさわしくないような作品が出た場合、どういう対応をしていったのかということと、今後同じようにふさわしくないなと判断されるような作品に対してどうするのか、お伺いいたします。

○杉谷文化振興部長  トーキョーワンダーウォール入賞作家は、入賞作品を含めた五点以上の作品を、約一カ月にわたり、都庁第一庁舎と議会とを結ぶ南側の渡り廊下の壁面に展示することを公募の条件としております。
 提出されました作品は、芸術作品として基本的にはすべて展示してきておりますけれども、過去に一点だけ、不特定多数の人が通行する都庁舎内の通路に展示するにはふさわしくないと考えられた作品を公開しなかった例がございます。今後もこの例に即して扱っていこうと思っております。

○初鹿委員 今の答えは、私はかなり重要なのじゃないかと思います。芸術を行政が評価していくというのはやはり非常に難しいことだと思いますので、そのことを踏まえてこの事業というのは進めなければいけないのではないかと思うんですね。
 例えば、昔の公私の区別がないような王朝の時代とかは、王様がお抱えの芸術家をパトロンになって育ててということは当たり前のように行われていたんだと思いますが、近代国家になって、税金を集めて、それで社会を運営するようになっている時代ですから、非常に公共性とか、そういうものを重視しながらこの事業に取り組まなければいけないと思いますので、その点を考えて今後運営等もしていかなければならないと思います。
 そう考えますと、東京都の歴史文化財団がこの事業の運営にことしの一月から当たるようになって、今体制を整えているようですけれども、今すぐということではないですけれども、将来的には、やはり民間に運営自体はゆだねていく方がいいのではないかと思うんです。場や機会の提供だけを東京都がおぜん立てをしてあげて、その運営自体については、例えばNPOなり、先ほど質問に出た公益財団法人なりをつくって、民間の企業から寄附を集めて、恐らく今景気もよくなっているでしょうから、芸術に対してお金を出す企業というのもあらわれると思いますし、石原知事のネームバリューをもってすれば、幾らでもそういう企業を集められると思うんですよ。そうやって民間などに任せて運営を行うようにするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○杉谷文化振興部長  都は、世界が文化的魅力を感じる都市東京の実現を目指し、新進・若手アーチストによる活発な創作活動が行われるよう、本郷、渋谷のワンダーサイトを運営するほか、アーチスト等の滞在、交流の場であるワンダーサイト青山の開設や、新進・若手アーチストの二国間交流の事業などを実施し、行政としてハード、ソフト両面から支援しております。
 トーキョーワンダーサイトは財団に運営を移管したばかりでございまして、ご提案のNPOとか公益認定法人による運営は、将来の研究課題であると考えております。
 また、税法上の課題がいろいろございまして、そう簡単にいくかどうかわかりませんけれども、個人や民間などの寄附、助成金を積極的に取り入れてまいります。

○初鹿委員 知事は、使えるものは身内でも使うみたいなことをいっていますが、それと同じような発想で考えれば、民間からもお金を集めて、みんなで東京の若手の芸術家を育てるという方向にぜひしていっていただければと思います。
 先ほどもお話ししましたが、おととい渋谷のワンダーサイトに伺いまして、ワンダーシードを見てきました。私もつい、絵が好きなもので、二点ほど購入をしてしまったんですけれども、思ったよりも安くて、こんな金額でいいのかな、この金額だと本当に若手の芸術家という人は大変だななんて思ったんですが、そのときに思ったのは、やはり目にするとつい多分買ってしまうものじゃないかなと思ったんです。好きな人が集まれば。
 そこで、行ったときに画廊の方、ギャラリーの方とちょっとお話をさせていただいたときに、私の方から、この東京、また日本と海外の芸術に対する施策で大きな違いは何ですかというようなお話をしたときに、海外の主要な都市はどこでもアートフェアというのをやっていると。フェアをやって、そこに画廊や、またギャラリーとか、また若手のアーチストとかが何百人も集まって、そこでいろいろやりとりがあって、それで海外に羽ばたいていくような機会がつくれるんだというようなお話を伺ったんですね。それを聞いていて、自分も実際に絵を見て買ってしまったことを考えると、やはり一堂に大々的にこうやって集まって、展示即売という形になると思いますが、そういうことをやるのが、実は若手アーチストを世界に羽ばたかせていくような方向にできるのではないかと思いました。
 そこで、お伺いいたしますが、こういうフェアのようなものが大々的にできるかどうかはともかくとして、若手の芸術家の作品を直接購入するような機会をつくる、そういう事業ができないものなのか、お伺いさせていただきます。

○杉谷文化振興部長  新進・若手アーチストにとりましては、作品に値がつき、一般の鑑賞者や美術関係者が購入してくれることは、何よりも励みになることでございます。これまでのワンダーシードの成果も踏まえつつ、今後ともさまざまな創意工夫を凝らし、新進・若手アーチストの育成、支援に寄与する事業を展開してまいります。

○初鹿委員 最後になりますが、繰り返しになりますけれども、私は芸術は好きですし、やはり東京を世界でも評価されるような芸術都市にしていきたいと思っています。そういう意味では、この若手の芸術家を育成して世界に羽ばたかせていく、そういう施策というのは重要だと思っています。
 しかし、やはり一連の報道や議会でのさまざまなやりとりを聞いていて、この事業自体に対する不信感というものがかなり根強く都民に残ってしまったんではないかと思うんですね。
 ですから、これからは、この指摘をされた問題点というものを踏まえながら、しっかりと若手のアーチストが育成できるような事業に励んでいただきたいと思います。その点を踏まえて局長に決意をお伺いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○渡辺生活文化局長 ワンダーサイトは、若手・新進芸術家の育成、交流の場所として大変重要な機能をこれから果たしていくものと考えております。
 先ほど、若手とは一体何歳だという話がありましたが、現在、東京都庭園美術館におきまして、アルフレッド・ウォリスという絵かきの展覧会をやっております。理事会で許可を得ておりませんが、(写真を示す)こういう絵でございますが、この絵をかき始めたのは、何と七十歳で絵筆を握ったということでございます。私にもまだチャンスがあるのかなという気がいたしました。(笑声)
 そこで、ワンダーサイトにつきましては、当初、実行委員会方式を採用しておりましたが、施設数や事業数の増加も踏まえまして、体制を整備するために東京歴史文化財団へ移管をいたしました。現在、移管をいたしまして、会計、経理などいろんなご指摘を受けましたが、既に同財団の規定に従って処理をされております。公認会計士から毎月指導を受けているような状況でございます。
 また、本年一月に組織、人事を充実いたしまして、館長のもとに都から部長級の副館長を派遣し、管理課、事業課の二課体制として、その下にまた係を設置して、組織的な仕事を推し進めるという状況になっております。
 さらに、外部委員を加えた委員会を設置することがもう決まっておりまして、事業について外部の意見を反映する仕組みも整っているところでございます。
 常に都民の税金を使用する事業であることを念頭に、今後とも事業の効果的で適正な実施に努めてまいります。

○石川委員 去る二月十五日の一般質問において、我が党の伊藤興一議員が子どもの安全対策について取り上げましたが、至るところに危険が存在する私たちの社会では、大人が真剣になって子どもの事故防止に取り組み、子どもの命と身体を守ることが必要です。
 そこで、私は、私たちが日常使っている生活用品に起因する子どもの事故防止対策について数点伺います。
 私たち大人は、一般に危険を察知、回避する能力を備えていますから、紙を切断するシュレッダーの投入口に自分の指を入れるなどということは当然しません。しかし、好奇心の旺盛な乳幼児となると、そうはいきません。
 最近は、シュレッダーを初め、業務用、家庭用を問わず、便利な反面、取り扱いを誤ると大きな危険を伴う機器類が、子どもたちの手の届くところにもどんどん入ってきています。
 危険との隣り合わせですから、周囲の大人たちは十分注意しなければなりませんが、一方、そのような製品をつくる側、販売する側も、もっともっと安全というものを意識し、考えなければならないと思います。何が自分の身に起きたのか理解できないままに、小さな指が切断されてしまうなどという痛ましい事故は決して起きてはならないのです。
 しかし、家庭生活で日常使用している製品のふぐあいなどにより、子どもが多少の事故に遭うケースは、残念なことに、表に出ないものを含めると実際相当な数に上るのではないかと推測されます。
 そこで、少子化が進む中、次代を担う大切な子どもたちの安全を社会全体で考え、しっかりと対策に取り組むことが重要だと思いますが、生活用品に起因する子どもの事故防止のための都の具体的な取り組みについて伺います。

○宮川消費生活部長 東京都では、生活用品等に係る事故防止のための施策を積極的に推進するために、消費者及び事業者等が商品やサービスの安全について検討を行う、商品等の安全問題に関する協議会を設置しております。毎年、テーマを選定して調査研究を行いまして、その成果を国や業界への提案要求や都民への注意喚起、普及啓発に役立てているところでございます。
 お尋ねの、子どもの事故防止の観点からは、最近では、平成十六年度に自転車の安全性を取り上げまして、特に子どもにつきましては頭が大変重うございますので、乗っている自転車とともに倒れますと、頭部を強打する危険があります。そういったことで、幼児用ヘルメットの安全確保について検討を行い、ヘルメットの着用の促進や、自転車の安全利用の推進に寄与いたしてまいりました。
 また、今年度は、欧米においては既に子ども用の衣類につきまして、その事故例をもとに具体的な規制が行われているにもかかわらず、日本では残念ながら安全基準もできていない子ども用衣類の安全確保について取り上げまして、現在、専門家を交え検討を行っているところでございます。

○石川委員 ただいま答弁にありましたように、子どもの衣類の安全性に着目し、検討テーマとしていることは大変よいことであります。また、非常に興味深く感じます。
 そこで、伺いますが、ただいまの商品等の安全問題に関する協議会における検討、協議の状況はどのようになっているのでしょうか。

○宮川消費生活部長 本協議会では、今年度のテーマであります、子ども用衣類の安全確保について検討するために、昨年十月に設置をしておりまして、それ以来、子ども用衣類に起因いたします事故の実態についてアンケート調査を行いました。その分析を加えつつ、現在、精力的に検討を進めているところでございます。
 これまでの調査によりまして、上着のフードが遊具にひっかかり首が絞まってしまったというような事故例を初め、数多くの危険な事例が寄せられております。
 また、特に注目される点といたしましては、衣類に何らかの問題があったと感じましても、子どもにけがをさせてしまったということの親としての責任を強く意識したり、苦情の申し入れ先がわからないなどの理由によりまして、黙ってどこにもいわずにいた、そういうような親が九六%もいたという事実も明らかになっております。
 今月末までに一定の結論を出し、事故の未然防止と安全な商品の開発に向けた取り組みに積極的に役立てていく考えでございます。

○石川委員 子ども用衣類について安全基準ができていないというのは、なかなか大変な問題であると思います。また、子ども用衣類の事故に関して、ほとんどの親が苦情をどこにもいわなかった、いえなかったという事実も大いに驚かされます。
 協議会では今年度内に一定の結論を出すとのことでありますが、都は、子ども用衣類の安全確保に向けて具体的にどのような方策をとり得ると考えているのでしょうか、伺います。

○宮川消費生活部長 子ども用衣類による事故防止のために、協議会における検討結果を踏まえまして、例えば、子ども服のデザイン面の安全規格でありますJIS規格などの策定を国に対し強く求めてまいりますほか、子ども服の製造販売事業者に対しましては、安全マーク等の表示や品質管理体制の充実強化に加えまして、消費者相談窓口の設置や事故情報の分析、評価体制の充実など、実効性のある具体的な対策について要望していくことを考えております。

○石川委員 子ども用衣類の安全確保に向けて、国や業界に対し、ぜひとも強力に働きかけていただくことをお願いいたします。
 また、広く都民にも周知していただき、子どもたちが安全な衣服を着て、元気に毎日を送ることができるようにすることも重要です。この面での具体的な方策について、現段階でのお考えがあれば伺います。

○宮川消費生活部長 ご指摘のように、事故情報を収集、分析して得られました有用な情報を積極的に都民に提供することが、事故の未然防止のために大変有効であると考えております。
 そこで、今回のテーマにつきましても、その検討結果を、まず都民に対しましてマスコミ等を通じて周知を図りますとともに、小さな子どもたちが集う幼稚園や保育園などにも、関係者を通じまして注意を喚起してまいります。
 また、デザイナーを養成する教育機関などに対しまして、安全面でのカリキュラムの充実を働きかけるなど、将来デザイナーを志望する学生の安全意識の向上にも役立ててまいります。
 さらに、来年度にはなりますけれども、子ども用の衣類の安全性に関するパンフレットを作成、配布するとともに、ホームページの「東京くらしWEB」や情報誌「東京くらしねっと」にも掲載するなど、子どもたちが安全な服装で元気に活動できるように、広く都民の周知に努めてまいる考えでございます。

○石川委員 都の取り組みを評価するところであります。
 昨年末、国においては消費生活用製品安全法を改正し、生活用品に対する安全確保の取り組みを強化したところですが、重大な事故に至らない隠れた事故はまだまだたくさんあると思います。今回の都の取り組みのように、消費者が気づかない危険を明らかにしていくことは非常に有益であると思います。
 子どもたちが、そして都民がより安全で安心な消費生活を送ることができるよう、これからも都が国に先駆けて積極的に事業を展開していただくことを強く要望し、質問を終わります。

○大山委員 まず、ワンダーサイトの問題ですけれども、先ほどもご質問ありましたけれども、ワンダーサイトでの都政の私物化の問題というのは、この間、代表質問や予算特別委員会での質疑でもただしてきましたけれども、きょうはより具体的に質疑して、ただしていきたいと思います。
 最初に、二〇〇四年二月に公演予定だった能オペラについてです。
 能オペラは、四男延啓氏と知事、今村氏が作曲家の細川氏と一緒に能オペラを手がけて、世界公演にも打って出ようという企画でした。しかし、中止に追い込まれたわけですね。東京都に大きな損害を与えたものです。
 二〇〇二年十二月に能オペラの制作発表が行われました。二〇〇三年の二月には出演者のオーディションが行われ、三月十八日から二十六日の日程で、作曲家の細川氏と面談のために、今村氏、家村氏、そして延啓氏がパリ、ベルリン、ブリュッセルに出張しています。三月二十日に能オペラ実行委員会が発足し、五月二十日には能オペラ開催発表の記者会見が行われました。しかし、この能オペラが十月六日に中止になるわけですね。
 ここに開示されたメールがあります。こんなにあります。二〇〇三年十月十七日、荒川満、当時の文化振興部長 、現在の荒川次長ですけれども、今村有策氏にあててメールが出されています。荒川次長本人がいらっしゃいますから、本人にお聞きするのが一番手っ取り早いわけです。
 この中に、くだんのコンサートについてですがというふうに書いてあります。今、局を挙げて検討しています、そう書いています。この、くだんのコンサートというのは何を指すのでしょうか。

○杉谷文化振興部長  組織として仕事をしておりますので、現在所管する部長でございます私の方から、経緯とか事実の確認を含めてお答えいたします。
 ご指摘のメールの中には、今、局を挙げて検討しているという表現、また、対応策につきましても、まだ私の考えですがと記載されておりまして、あくまでこれは検討段階であることが示されております。くだんのコンサートは、この検討段階でのアイデアについて示しているものでございます。
 いずれにいたしましても、ご指摘のメール全体が、検討段階の中で、関係者の間でやりとりされた内容でございます。

○大山委員 検討段階だということを強調されているわけですけれども、検討段階でも、検討しているそのコンサートが何なのかということですね。
 その後の文章を読めばわかるんですね。中止になった能オペラを上演する予定だったのは二〇〇四年の二月十二日と十三日ですけれども、つまり、能オペラをやるために確保しておいた東京芸術劇場の、その日程にはめ込んで二〇〇四年の二月十三日に行った「伝統と未来」のことなんですね。
 メールで荒川氏は、局長、総務部長、企画計理課長ら局内のみんなが、時間がない中で新作能とコンサートを一緒に実施できるのか、新作能を切り離してコンサートを重点化したらどうか、それから、新作能を補償絡みのコンサートと一緒にやることで知事たちがマスコミ等から追及されないか、外国からの賠償請求は絶対ないだろうななどと心配しています。本当に率直に書いてあるわけです。
 というように、二〇〇四年二月に行った「伝統と未来」は補償絡みのコンサート、このように、荒川満、当時の部長さんはいっているわけですね。予算特別委員会で局長は、代替公演という表現はちょっと当たらないと答弁していますが、結局、能オペラ中止の補償のためのコンサート、「伝統と未来」というのは補償のためのコンサートだったということですね。次長、どうですか。

○杉谷文化振興部長  今ご指摘の能オペラは、結果として、著作権上の行き違いで中止せざるを得なくなりましたが、当時、海外アーチストを初めとする出演予定者の中には、補償金をもらうよりも日本で演奏したいという強い希望もございました。こうした要望も受けまして、能オペラの実行委員会ではなく、歴史文化財団の主催事業として「伝統と未来」というコンサートの開催に至ったものでありまして、代替公演ではございません。
 また、その結果といたしまして、日本の伝統文化である能と現代音楽が一堂に会したすばらしいコンサートが実現できたと考えております。

○大山委員 お隣に座っていて、隣の人に任せちゃって。自分で書いたメールなんですから、答えた方がいいと思いますよ。
 今、部長さん答弁されたように、出演予定者の中には、補償金をもらうよりも日本で演奏したい、それから、こうした要望も受け、「伝統と未来」というコンサートの開催に至ったんだというふうに答弁されました。つまり、補償絡みのコンサートだったということなんですね。
 例えば、二〇〇三年十月二十日のメールがあります。このメールは今村有策氏が出したものですね。荒川さんからのメールの返答として送ったものです。このメールには、現在、単なる損害補償の代替案で、ただのコンサートを行う以上の意義を以下のように考えていますと書いてあります。今村有策氏もちゃんと損害補償の代替だという認識だったということなんですね。
 しかも、東京芸術劇場の大ホール、千九百九十九人入るようですけれども、こんな大きなところで公演をするのに、「伝統と未来」の正式発表は十二月二十二日ですから、準備期間が二カ月ぐらいしかないなど、常識では考えられないということですね。
 さらに、このメールの中には、二〇〇四年二月実施、歴文、能オペラ実行委員会、ワンダーサイト共催というふうに書いてあって、出演者として、能オペラ出演予定歌手、括弧して、黒塗りですけれども、何とか側の三人を除くと書いてあります。実際に「伝統と未来」のコンサートには、能オペラに出演予定だったアーチストがほとんど出ていたのじゃないんですか。

○杉谷文化振興部長  ご指摘のメールは、今村館長が一つのアイデアとして送ったものでございまして、特に具体化したものではございません。
 ただ、「伝統と未来」の方には、確かに能オペラで出演予定者であった方も何人か出ていらっしゃいますけれども、これは、たまたまそういった方々が、能オペラが中止になって、その補償金を金銭でもらうよりは新しい表現の舞台に立ちたいという希望がありましたので、それをうまく活用してつくった舞台でございます。

○大山委員 メールのことを今触れましたからいいますけれども、今村氏も損害補償の代替というふうに認識しているわけですよ。
 今、重なって能オペラに出演予定だった人も出たんだというふうにおっしゃいましたけれども、大倉正之助氏も出たんですか。

○杉谷文化振興部長  「伝統と未来」の前半の部分は能を中心とした演奏でございまして、大倉正之助氏を初め何人かの、いわゆる和楽器の奏者の方が伝統的な音楽を演奏されました。

○大山委員 能オペラに出演予定だった大倉正之助氏も、その前半の部分に出演したんだということですね。「伝統と未来」のね。
 ドイツのアンサンブル・ルシェルシュというのは能オペラに出演する予定でしたね。これは、能オペラに作曲家として作曲をしていた細川俊夫氏の、インターネットで出てくるんですけれども、近況報告、二〇〇三年二月から四月にかけてということで、近況報告の中に、アンサンブル・ルシェルシュが演奏会のためにパリに来ていて、日本からは、このオペラの制作をしているトーキョーワンダーサイトの館長さんたち四人が来ました、そして重要な打ち合わせをしました。これは企業メセナ協議会ホームページで出てきます。助成認定をした事業が一覧になっているんですけれども、能オペラ「古き剣」、これ、中止というふうになっていますけれども、演奏アンサンブル・ルシェルシュとはっきり書いてあるわけですね。で、大倉正之助も出る、それからアンサンブル・ルシェルシュも出る。それから、さっきの、海外からの賠償請求はないだろうなという心配、こういうところも心配していたわけですね。
 そういう能オペラに出演予定だった重立った人たちが「伝統と未来」には出ていたということなんですね。補償金よりは出演したいんだ、それは補償のための出演ということになるわけですから、補償のための代替公演だということは明確だと。
 この同じメールには、その後の発展として、能にインスパイアーされ、再発見する現代音楽の曲を公募する、括弧して二〇〇四年度以降予定、ワンダーサイト主催として、曲は公募するけれども、その曲の原本を石原慎太郎が執筆となっているんですね。石原知事は能オペラの脚本料百万円パアになったわけですけれども、また曲の原本を書かせよう。これは検討段階だとまたいうのだと思うんですけれども、この計画はその後どうなったんですか。知事は実際書いたんでしょうか。

○杉谷文化振興部長  さっきも申し上げましたけれども、ご指摘のメールは、今村館長がご自分のアイデアとして送ったものでございます。全く具体化しておりませんし、知事も執筆しておりません。
 出演者に関しましても、先ほど申しましたが、補償金は要らないから、むしろそういう舞台に立ちたい、表現したいという、そういう方々の要望を受けて、それを活用して行った事業でございますので、当然のごとく、出演者のかなりが能オペラの出演者とされております。

○大山委員 補償せざるを得ないですよ。だって、二カ月で、海外から、それから大倉正之助さんから参加するわけでしょう。二カ月で、日程があいているわけですから、能オペラをやるために日程をあけていたわけですよね。そこで、お金をもらうよりは補償です、実体の補償です。だから、補償のための代替公演、これほど明らかなことはありません。
 さっきの、知事は執筆していないというか、具体化していないということですけれども、これは未遂に終わったようですけれども、とにかく四男と知事を何とか浮上させようと、いつもいつも画策しているということですね。
 これは二〇〇三年十一月二十六日のメールです。これは荒川氏から今村有策氏にあてたものです。今度は荒川次長、答えてくださいね。十二月のダボス会議の東京ナイトのための事前出張に関するメールです。
 ダボス会議の東京ナイトは、能オペラに出演予定だった大倉正之助氏の出番をつくってやって、それも二回でわずか十五分間の大鼓の演奏をさせ、その背景には、延啓氏がつくった鏡板を披露するという場にしたわけです。このメールは、十二月のダボス事前出張は次のように考えていますといって、どう書いてあるかというと、メンバーは、黒塗りの人、それから石原、今村、荒川と、あと課長さんを挙げています。黒塗りの何とかさんの公演費用は、旅費、日当等の実費分は都費から払いますが、出演費はご自身からの辞退ということにさせていただけたらと思いますと書いてあります。これは荒川次長さんが書いたものですね。
 メールは、続けて、何とかさんとの契約方法、延啓さんの旅費支払い方法という項目の中に、黒塗りの人は、文脈からいって大倉正之助氏であることは読み取れますけれども、ですから、大倉さんへの支払い方法は、十二月の事前調査と一月の本番を含め、都と大倉さんとで公演委託契約を結びます、その契約の中に鏡板制作費を盛り込まさせていただきます、この鏡板は大倉さんから延啓さんに制作発注してもらいます、延啓さんの旅費も含めてとなっています。これはどういうことなんですか。本人の荒川次長、説明してください。答えられないんですか。

○たぞえ委員長 荒川次長、大山委員から答弁を求められていますが。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

○杉谷文化振興部長  今のメールの件でございますが、石原延啓氏は委託先の意向で舞台の鏡板を制作したものでありまして、そのメールは、当時の文化振興部長 から今村参与にあてたメールで、大鼓演奏家の公演費用は、出演料を無償といたしまして、旅費等の実費のみを支払う。これは経費削減でございますけれども。それから、石原延啓氏の旅費は、舞台装飾委託契約の中で負担することを今村参与に確認した、そういうメールでございます。

○大山委員 今、石原延啓氏の旅費はとおっしゃいましたけれども、旅費だけじゃないでしょう、これ。ちゃんと読むと、制作発注する鏡板制作費を盛り込んでとあるのですから、鏡板の制作費も含めるということですね。つまり、延啓さんの制作費と旅費を迂回支出させるための画策ではないですか。公費を延啓さんに使った事実を隠したい、痕跡を残さないための画策としかいいようがありません。ただ働きだとか知事はいっていますけれども、とんでもありません。
 ところで、メールは、何とかさんの公演費用は、旅費、日当等の実費分は都費から払いますが、出演費はご自身からの辞退ということにさせていただけたらと思いますとして、これは高井さんの考えですと書いてあるんですね。この高井さんというのは、高井英樹特別秘書のことですか。

○杉谷文化振興部長  ご指摘の、高井さんの考えですという、この高井さんは、特別秘書の高井英樹氏でございます。
 それから、先ほどの、石原延啓氏の制作費も出しているのじゃないかというご指摘でございますけれども、もともとの舞台装飾委託業者への発注の中には制作費という項目が出ておりますけれども、それにつきましては事前に調査をいたしまして、舞台をつくる材料費だけでもほぼ五十万円近くかかるという、そういう調査をしております。

○大山委員 制作費というのは、普通、材料費とその対価。材料費だけじゃなくて、普通入るものですよね。ですから、鏡板制作費を盛り込ませていただきますというのはそういうことなんですね。
 この高井さんというのは、高井英樹特別秘書ということですね。高井特別秘書が深くかかわっているということではないんでしょうか。
 この高井さんという名前はほかにも出てくるんですね。例えば、何とかさんの公演費用については、高井さんが何とかさんと昼飯をとりながら話したいといっていましたとか、ほかのメールでは、今村氏が職員に、高井さんに説明できるように準備しておいてというふうに指示したりしているわけですね。結局、大倉氏の公演費用のことも、それから迂回支出のことも、今村氏個人の考えではなくて、高井特別秘書と相談している様子がわかるわけですね。つまり、高井秘書を通じて知事サイドと密接な連携をとりつつ画策されているということなんです。知事の考えが高井氏を通じて反映されているということなんですね。
 荒川氏の画策というのはこれだけではありません。さっき制作費のことはおっしゃいましたけれども、延啓氏のアーチストフィーまで入れることを指示しています。今村氏が、アーチストフィー等、形では問題あるとは思います--今村氏が、問題あるとは思いますといっているんですね。実質内容であって、公式見積もり内容とは異なりますのでと。だから、延啓氏の制作費を入れるということは、実質受け取るものと見積もりと異なっちゃうんですよと率直に書いているわけです。明らかに今村氏は迂回支出ということを自覚しているということなんですね。
 これだけではありません。二〇〇四年の九月二十一日、今村氏が職員にあてたメールでは、台北ビエンナーレに参加するための台湾出張について、延啓氏ともう一人についてワンダーサイトからの調査委託でできないですかというふうに頼んでいるんですね。
 ワンダーサイト、開設当初からワンダーサイトコミッティ委員会が事業を実施することになっていましたね。ワンダーサイトコミッティ委員会のメンバーは五人。平成十四年度と十五年度は、荒川次長さんがコミッティ委員会の委員長さんでしたね。つまり、全体を取り仕切る立場にあったわけです。にもかかわらず、四男延啓氏のために何とか公費を引き出そうという、その画策に加担した責任は免れないわけですね。
 今までずっといってきましたけれども、知事の四男延啓氏や今村氏が企画段階から深くかかわって、知事も脚本をつくるとした能オペラは、素人集団で進めて、結局失敗して、中止になりました。その穴埋めとして行われた、能オペラの公演日として確保しておいた二〇〇四年二月十三日に行ったコンサート「伝統と未来」、それから大倉氏の演奏と四男延啓氏の鏡板を披露した東京ナイトにかかった経費、これらいわゆる補償分ですね、これを計算してみますと、能オペラについては、作曲家の細川氏と懇談をするため、パリ、ベルリンに今村夫妻、石原延啓氏らが出張した費用百八十五万円、それと能オペラ実行委員会で準備と中止にかかった費用が四百八万円、これ合わせますと五百九十三万円です。
 能オペラの代替として実施された「伝統と未来」に二千四十八万円かけ、職員などを動員してのチケット収入が約四百万円です。職員の皆さんも二枚、三枚と買った方がいらっしゃるのじゃないんでしょうか。ですから、この二千四十八万円と収入の約四百万円、差し引きますと千六百四十八万円の赤字です。
 そして、東京ナイトにかけた費用はというと、知事のダボス出張費を除いても、知事本局で東京ナイトのために三人の職員を先行派遣している経費と、東京ナイトのための料理や酒などの手配のための委託経費、合わせて八百五十二万円と、生文局からは荒川部長、今村氏の事前調査派遣経費、さらに大倉氏への演奏委託や延啓氏への鏡板制作費、旅費を公費に盛り込ませた会場装飾委託など八百九十六万円、合わせて千七百四十八万円。
 この能オペラの制作、それから代替の「伝統と未来」、そして東京ナイト、これらをすべて合わせますと、何と三千九百八十九万円、約四千万円も能オペラの中止にかかわって費用が出されたということなんです。知事と四男延啓氏、今村氏などが都民の税金の壮大なむだ遣いをしたということです。責任は免れません。
 ワンダーサイトは、知事が自分でいっているように、トップダウンで始めて、運営要綱もなく、準備も不十分で始めたからこそ、知事自身が認めているように、混乱があったわけですね。しかし、ワンダーサイトの事業をきちんと審査する役割であるワンダーサイトコミッティ委員長だったのは荒川次長です。十四年度と十五年度について明らかにしたいと思います。
 トーキョーワンダーサイトの運営、これ、極めてずさんなもので、二〇〇四年に行われた財政援助団体などに対する都の監査、これですね、監査報告書、この監査の中で、事業をチェックするために設置されたコミッティ委員会が年一回しか開かれず、事業計画の決定及び決算の認定が審議されないまま、委員長の決定だけで処理されていること、都の承認なしに事業の変更が行われ、事業計画と執行に内容も金額も大きな乖離が生じているなどの指摘が行われるなど、行政サイドからもそのあり方に重大な疑義が提示されるに至っているわけです。
 荒川次長、今度こそはちゃんと答えてください。委員長だった責任は大きいと考えますけれども、どう考えているんですか。今度こそ荒川次長でしょう。部長じゃないです。荒川次長、答えてください。

○たぞえ委員長 荒川次長、大山委員から答弁を求められていますが。(「議事進行」と呼ぶ者あり)答弁ないんですか。

○杉谷文化振興部長  幾つかございますけれども、まず、石原延啓氏の制作費について、私、先ほど、材料費だけでも所定の経費にいくと申し上げたはずですけれども、そういったこともありまして、今村参与のメールは、ご自分でも、私、今村の勝手なイメージだがという書き方で入っておりますけれども、全くそのときに思いついた個人的なアイデアでございまして、石原延啓氏への鏡板の制作費、個人的に払う制作費は一切支払っておりません。そのことを確認しておきます。
 それから、先ほど「伝統と未来」が赤字という表現をされましたが、これは歴史文化財団が主催いたしまして、日本のいわゆる伝統の音楽と現代音楽とを融合して新しい表現をしていくという目的で始めた、その財源といたしまして、財団自身の財源と、それから入場料を使って行うということで、まさに公益法人としての財団の自主的な文化事業として始めたもので、いわゆる赤字という表現は、全くそぐわない表現だということです。
 それから、準備経費で随分お金がかかって、それがむだだというふうなご指摘もございましたけれども、当然、スイスのダボスへ出かけて、日本とか東京の文化の魅力を皆さんに知っていただくためには、事前に入念な準備とか調査が必要でございまして、結果といたしましては非常に多くの方が東京ナイトに集まって、多くの方から非常に絶賛されたということで、大きな成果を上げたと考えておりまして、むだということは全く当てはまらないと考えております。
 それから、さっき、台湾でどうのこうのというご指摘がありましたけれども、これも前にそういう答弁をしておりますけれども、そのメールの中身は、石原延啓さんの旅費がワンダーサイトから支出されないことを前提とした上で、単に調査委託の可能性を問い合わせたものでありまして、今村館長が公費を出させようとしたという指摘は全く当たりません。当然、氏は自費で台湾に行っております。
 それから、最後の、これがご質問だと思いますけれども、監査の件でございますけれども、平成十六年末に行われました当該監査の指摘を踏まえまして、十七年度から、ワンダーサイト渋谷の開設に伴い事業規模が大きくなったこと等も踏まえまして、トーキョーワンダーサイトコミッティを解散いたしまして、運営を文化事業に精通いたしました東京都歴史文化財団に移管し、円滑かつ適正な執行を図ったところでございます。また、このことをもって監査当局からは改善済みという所見を得ておりまして、議会にも報告済みでございます。
 なお、本年度からは、公認会計士による例月監査を実施し、一層適正な運営に努めておりまして、このような仕組みを通じて運営主体としての責任を果たしたというふうに考えております。

○大山委員 答弁をする前にいろいろといってくれるから、私だっていわなくちゃいけないですよね。
 「伝統と未来」、赤字じゃないんだ、赤字といういい方は当たらないんだといいますけれども、たった十二月二十二日に正式発表して、二月の十三日に公演をする。あれだけのところをいっぱいにする。もちろん、収支が合わないというか、黒字になる公演というのは本当にまれだとは思いますよ。しかし、それは代替公演をやらざるを得なかったからできた赤字なんですよ。職員の皆さんが一生懸命切符を買って、それでやっと四百万ですよ。入念な準備が必要なんだと、ダボスの東京ナイトでは入念な準備が必要で、「伝統と未来」では、あんな大きい会場をいっぱいにするのにわずか二カ月でいいのかといったら、そんな話はないですよ。だから、何でそんなことになったかといったら、代替公演だからですよ。
 それで、今、例月監査をするようになりました。それは本当に改善していく、それは必要です。ですから、きちんとやってもらいたいと思います。
 しかし、荒川次長、隣で知事が答えたくないときに局長たちに振るように、同じことをやっているということじゃないんですか。監査の指摘を受けたときのコミッティ委員長は荒川次長なんですよ。年一回開けなかったということを指摘されているのは荒川次長のことなんですよね。コミッティ委員長なんですよ。コミッティ委員会を招集するのは委員長でしょう。荒川次長だったわけですよね。これぐらいはきちんと、どう考えているのか、責任をどう思っているのか、それぐらい答えたらどうですか。

○荒川次長 冒頭、私の文化振興部長 時代のメールについてのご質問がいろいろありました。もともとは、このメールというのは私の個人メールでございまして、私文書でございますけれども、ただ、文書の開示請求が出て、公開した時点で、これは公文書という扱いになって、組織として対応すべきものになっております。
 また、私が仕事をこれまでしてまいりましたのも、これは全く個人プレーではなくて、組織として、局長やその他の部長たちとも相談しながらいろいろ進めてきたことで、組織で対応してございました。そういう意味で、現在の文化振興部長 が担当部長でございますので、その部長から、最初のくだんのコンサート以下、メールの件については答弁をしてもらいました。
 それから、ただいまありました監査についてですけれども、これは平成十六年度の監査で指摘を受けて、ちょうど私が文化振興部長 になり、教育庁から文化行政の一元化ということで生活文化局に来たときの十四、十五でございます。当時、文化振興部は、新しい事業で、まさに芸術家支援というのは今までの都政でやってこなかったものでございますし、新しい仕組みも構築していかなくちゃならないということで、当時の職員は本当に一生懸命やってくれたというふうに思っております。
 ただ、事業を優先してまいりましたので、事務手続上やはり少し不備なところがあったかということで、十六年度末の財援監査において、事務的な手続の不備について指摘を受けました。このことについては、先ほど文化振興部長 が答弁しましたように、監査当局から改善済みとの所見を得ておりますし、また、議会にも報告済みでございます。このことによって改善が図られ、当時の責任は十分果たしているというふうに思います。また、現在におきましても、歴史文化財団が運営主体としての責任を果たしているというふうに思っております。

○大山委員 さっきも、指摘を踏まえて改善をすると。これは当然のことです。しかし、監査の指摘どおり、コミッティ委員長の責任は大きいわけですよね。
 それで、十四年度と十五年度、どうなっていたか。私も開示文書を見てびっくりしましたよ。平成十四年度の現金出納簿は、企画事業とサロン事業と二枚あるんですけれども、記入しているのは、企画事業の出納簿は、五月十日、二十日、二十四日、二十九日、六月七、八、十二日、七月五日と八日しか書いてありません。サロン事業の出納簿が、記入されているのは四月だけです。つまり、現金出納簿もまともなものはないということなんですね。領収書もレシートだけというのも多いですし、上様と書いてあるだけのものだとか、あて名がないものだとか、いっぱいあるわけですよね。あて名があってもただし書きがない、だから何に使ったのかもわからない領収書というのがあるわけです。
 例えば、これ、かんだやぶそばというところですけれども、二〇〇二年十二月十七日、火曜日、十三時五十九分のレシートです。八人でお酒五本、そばずし三つ、あられそば八個と書いてあります。昼間からおそば屋さんでお酒を飲みながらおそばを食べているということですよ。公費でですよ。何なんですか。都民が見たら、本当に何なんですかということですよね。コミッティ委員長の責任は免れません。
 しかし、高井特別秘書から指示を受け、四男延啓氏のために事業を立ち上げ、知事や四男のお友達の今村夫妻が実質的に取り仕切る、そんな中で生文局の職員は本当に大変だったと思いますよ。これは、トップダウンで事業を始め、一握りの人たちで事業を牛耳ってきたことによるものだということは明白なんです。そして、その乱脈を正すはずのコミッティ委員会は年一回しか開いていない。正せるはずがありません。
 ワンダーサイトの人事についても全く不明朗です。アドバイザリーボードやキュレーティングアーチスト、プログラムディレクターは事業の根本を支えるもので、重要な役割ですね。現代美術に携わっている人は大勢いるし、人材は多彩です。公募などはしたんでしょうか。

○杉谷文化振興部長  キュレーティングアーチストやアドバイザリーボードのメンバーにつきましては、現代アートを単にかいているとか研究しているということではなくて、そこで人材を育成するということがワンダーサイトの大きな目的でございますので、そういった人材育成に強い意欲と関心を持つ方、それから意見をいっていただける方の中から今村館長が選んだものでございます。

○大山委員 現代アートに携わっている方は本当に大勢いらっしゃるし、いろんな能力がある方もあるわけですよね。にもかかわらず、公募もしないで、四男や家村氏を任命する。知事サイドと相談して、狭く狭くしていく。出来レース、私物化といわざるを得ないわけですよ。私物化によるゆがみをきちんと正していくことが求められています。
 開示された資料でも、学芸員など、本当に短期間でどんどんやめていくわけですね。六十人ぐらいがやめていきました。異常事態です。気に入らなければやめさせたり、学芸員としての仕事もさせてもらえない。優秀な人もどんどん切り捨ててきたということじゃないんですか。とんでもありません。若手育成など、どうしてそんなことがいえるのかということなんですね。
 館長や副館長を初め、アドバイザリーボードやキュレーティングアーチスト、プログラムディレクターは公募で広く人材を集める、採用することが求められていると思いますけれども、どうですか。

○杉谷文化振興部長  先ほど、領収書の中で、ちょっと誤解を招きかねないことがございましたので。昼間からお酒を飲むということがありましたけれども、あれにつきましては、世界的なアーチストの方でリクリットさんという方がいらっしゃいまして、食、食べるという、そういうパフォーマンスをテーマにして、カレーを自分でつくって振る舞って、それをフイルムに撮って見せるとか、そういったことをテーマにし、八〇年代、九〇年代にニューヨークでは非常に人気が出た、ある方の表現を受ければ、神話的な存在になったという方なんですけれども、そういった方が当時東京に参りまして、ぜひ自分のアートに資するためにも日本の伝統的な食文化を研究したいという、体験したいという申し出がございましたので、ご案内をして、おそばと日本酒とあんみつを食した次第でございます。
 それから、人員の件でございますけれども、トーキョーワンダーサイトは平成十三年度の開設から五年余りしかたっておらず、試行錯誤を重ねながら運営をしてまいりましたけれども、今では、海外で活躍をしており、作品に市場で値段がつくような作家も出てくるなど、着実に成果が上がってきております。本年一月には、館長、副館長のもとに管理課及び事業課を設置するなど、組織体制の強化を図ってまいりました。新進・若手アーチストの育成、支援のため、これまで経験を積んでまいりました館長以下、現在のスタッフにより一層奮闘してもらい、よりよい事業展開に努めてもらいたいと考えております。

○大山委員 さっきの、〇二年十二月十七日の火曜日、十三時五十九分のレシート、そうなんですか。じゃ、後で資料を見せてください。
 それにしても、それだけじゃないんですよ。いっぱいあります。ほかにも新村……。それはそうかもしれませんけれども、これはちゃんと--ちゃんとじゃない、ちゃんとしていないんですよ。上様とか、ただし書きもないとか、そういう状況があるわけですね。それはきちんと指摘しておくものです。
 それで、着実に改善しているんだという話ですけれども、公募できちんと人材を広く求めるというのは、必要なことなわけですよね。本当に一部の人が、一握りの人の考えでやってきたからこそ、今の乱脈、それから野方図な状況が生まれてきたわけですよね。知事でさえも、予算特別委員会の中で、延啓氏の口をかりてではありますけれども、延啓氏について、二度と東京の仕事はごめんだと答えざるを得なかったわけですよ。ほかの文化予算を減らしながら、四男とお友達のワンダーサイト事業にはふんだんに税金を使う。都政史上、いまだかつてなかった私物化だといわざるを得ません。
 知事のお友達や家族を東京都の事業で無条件で重用することは厳に慎むべきであるということだと思いますけれども、どうですか。

○杉谷文化振興部長  ワンダーサイトの運営でございますが、先ほど局長からもお答えいたしましたけれども、昨年の十一月には外部委員によりますトーキョーワンダーサイト青山滞在アーチスト選考委員会を設置いたしまして、本年二月には、やはり外部委員から成りますトーキョーワンダーサイト運営諮問委員会を設置することにしておりまして、そういった外部委員の声を十分運営に反映させながら、今後とも適正な運用を図ってまいります。

○大山委員 私は、知事の家族やそのお友達を東京都の事業で重用することはやめるべきじゃないか、そういうふうに聞いたんです。

○杉谷文化振興部長  多分、今村館長のことだと思いますけれども、先ほど別にご答弁いたしましたけれども、今村館長につきましては、建築家として美術館、博物館等々の基本設計、運営コンセプト等の関係に携わっておりまして、美術関係、現代美術関係、人材育成関係については、今ではかなりの経験を積んでいらっしゃる方だと思っております。

○大山委員 知事やその四男の方、それから今村氏、家村氏のように、一部の家族、お友達のところで重用するようなことはもうやめなきゃいけないというふうにいっておきます。
 若手芸術家育成の再構築、今後、再構築していくというわけですけれども、知事は盛んに、コンテンポラリーアートの世界は狭い、人材がいないといっていますけれども、これは全く古い考えです。現代芸術というのは、まさに今を生きている作家ですから、大勢いるわけですよね。間口も広い。建築デザイン、それからファッション、映像などさまざまな分野で、素材も、それから表現の仕方も非常に多彩で、豊かなわけですね。
 現代美術館でも現在展覧会中ですね、MOTアニュアル。毎年やるわけですけれども、毎年、五、六人の作家が発表する場ですね。作家が新作をつくるに当たって、学芸員と話し合って意見を交わす中でつくり上げていくというのは本当にダイナミックなことなんだ、非常に生産的なことなんだということをいっているんですね。さらに、一般の人たちにも見てもらって、コミュニケーションをして、アーチストトークでの出会いがあって、本当に作家も、それから観客もともに成長していくという状況が生まれるわけです。ワークショップでつくった作品を展示したり、子どもたちのワークショップもあります。若手というときには、制作するだけではなくて、教員や学芸員、それからインターンや実習など、専門家とコミュニケーションすることによって育てていくということが重要なわけですよね。この間もいいましたけれども、現美にはインターン養成のカリキュラムもあるということなんです。
 ワンダーサイト事業は、さっきからいっていますけれども、特定の人物にゆだねるのではなくて、人材をより広く求めて、よりよいものに再構築していくことが求められていますけれども、どうですか。

○杉谷文化振興部長  現代アートの紹介、振興につきましては、確かに東京都の中でも現代美術館という、まさに戦後の日本の現代美術の全体像をつかめるという、そういう意図を持ってつくった美術館がございますけれども、そちらでも、ある程度評価の定まった作品の収集、それからその説明等をやっておりますし、一方、ワンダーサイトでは、まさにこれから芽が出るか出ないかわからないような、そういう若い新進の作家の育成、発掘に取り組んでおりまして、そういう役割分担をしながら東京のコンテンポラリーアートのさらなる発展を振興していく体制になっております。

○大山委員 若手育成は、さっきもいったように、現代美術館でもやっているわけですよね。もちろんいろんな役割分担というのもあるし、どこでどういうふうにやっていくのかというのもあるわけですけれども、今村参与と家村氏が中心になってさまざまな画策をしてゆがめてきたことは事実ですけれども、それはどう思いますか。そう思いませんか。

○杉谷文化振興部長  さまざまな画策という点につきましては、思い当たるところはございません。

○大山委員 いずれにしても、きちんと広く人材も募集するということを基本にしてもらいたいと思っています。
 文化関係の予算の切り捨てというのは、都民が文化芸術に親しむ機会さえも奪ってきました。都民が芸術に親しむ機会を提供するということは、都として重要な役割ですね。しかし、石原都政になってから多くのものが切り捨てられました。子どもたちが生の音楽や演劇に親しむこと、それから感動したり、演者と共感したりすること、ともにつくっていく経験というのは、子どもたちの成長にとっても欠かすことができないことです。
 中学生を対象として実施していた文楽教室、歌舞伎教室、それから小、中、高、定時制の高校生も含めて対象として実施していた音楽鑑賞教室、高校生を対象としていたオペラ鑑賞教室、バレエ鑑賞教室、これも廃止しました。音楽鑑賞教室は毎年百回程度行って、約十万人の児童生徒が鑑賞していました。これ、切っちゃったわけですね。また、大人も含めて都民芸術フェスティバルは、オーケストラやバレエやオペラ、演劇など、都民が比較的安価なチケットで見ることができる事業ですけれども、予算が九九年度に比べて五六%に激減しています。
 東京リージョナルシアターフェスティバルというのが、東京地域劇団演劇祭というのをやっていたんですね。都内各区市町村で地域に根差して活動している非営利の都民参加型の地域劇団を中心にして、年一回、芸術劇場の小ホールを借りて演劇フェスティバルや演劇祭を行うことで交流して、競い合うことで水準を高め、都内の文化的ネットワークを広げるという、まさに自治体が取り組むべき文化振興事業として意義あるものだったわけですけれども、これも二〇〇四年で廃止です。オーケストラ、コンサートへの入場料の補助は、六十五歳以上の方に割引額が三千円ありました。しかし、二〇〇〇年度までで終了しました。九九年度の実績は三千枚です。
 こういった、都民が文化芸術に親しめる機会を都として積極的につくっていくことが求められていますけれども、どうですか。

○杉谷文化振興部長  都は、昨年五月に東京都文化振興指針を策定して、総合的、体系的な文化政策を実施してきておりまして、そのもとで新進・若手アーチストの育成、支援を重要な柱の一つと位置づけております。また、平成十八年度にはワンダーサイト青山の開設などを行っております。
 そういったことと並びまして、来年度予算案には、文化振興を一層促進するために、新たな基金を積み立て、二百億円の予算を計上いたしましたし、本年度に引き続きまして、いわゆる美術館、博物館の作品購入に一億五千万円の予算を盛り込んでございます。ワンダーサイトだけに予算をつぎ込んでいるわけではございません。
 それから、先ほどおっしゃられました子どもの関係でございますが、先生ご存じだと思いますけれども、現在でも子ども向け舞台芸術参加・体験プログラムをやっておりまして、本年度も芸術劇場を中心に、これはまさに各学校とか地域で子どもたちを参加させたワークショップをやる中から、そこから積み上げてきて、そういった成果を見せるという、そういう見直しの成果が出ておりまして、多くの子どもたち、また親の方々から、もっとやってほしい、続けてやってほしいという意見を得ております。

○大山委員 子どものフェスティバルはいいんですよ。別にそれはだめだといっているわけじゃないんです。ですから、それもやって、しかし、体験型と鑑賞型、そして人数がぐっと減っちゃったわけですよ。音楽鑑賞教室なんて、十万人の児童生徒が毎年鑑賞していたわけですよね。それを切っちゃったことは問題でしょうというわけですよね。
 だから、もちろん子どもフェスティバルもやるし、もっと充実してもらいたいわけですよ。しかし、ワンダーサイトだけに注ぎ込んでいるのじゃないんだというふうにいっていましたけれども、実際そうですよね。実際そうでしょうというのは、他の文化施設、予算は軒並み減らして、そして、音楽鑑賞教室だとかを初めとして、さっきいったようなものは下げちゃっているわけでしょう。廃止しているものもあるわけですよ。例えば、障害者の団体が講演会をやろうと思ったら、それにも補助が出ていたのも、それもばっさり切っちゃったというようなこともあります。そんな一方で、ワンダーサイトだけは予算を八倍以上にふやしているわけですよね。それでどうしてワンダーサイトだけに偏重しているのじゃないんですというふうにいえるのかということなんですよ。
 ですから、きちんとさっきの子どもフェスティバルはもっと充実させていただきたいですし、さらに、高齢者や働く人たち、それから民間の演劇の団体も含めて、ちゃんと、もっと参加できる、それから、もっと鑑賞できる、それから、音楽を聞きたい人が本当に経済的な心配をしないで演劇が見られる、コンサートが聞ける、オペラにも行ける、そういう状況にしていくということが、本当に東京都としての、行政としての役割ではないんですかということなんです。
 それで、若手育成事業はもちろんやっていただきたいですし、それはぎゅっと偏るのじゃなくて、広く、現代芸術だって間口が広いんだし、多彩なんだということはいったわけですけれども、そういうきちんと広い部分、そして公平公正な立場での文化事業をきちんと育成してほしいし、振興してほしいということを申し述べておきます。(「よりよくやっているんだから、切り捨てなんていい方しちゃだめだよ」と呼ぶ者あり)切り捨てたのがあるでしょう。今、切り捨てたといいましたけれども、切り捨てたのは事実ですよ。それをちゃんと認めなきゃだめですよ。それで、新しくやったものもさらに充実しましょうねといっているんですよ。ちゃんと事実を把握してからやじってください。

○たぞえ委員長 ちょっと待ってください。質疑中ですから、大事な予算審議ですので、きちんと各委員も質疑を集中して聞いてください。

○大山委員 次に、男女平等参画のための東京行動計画の改定に当たっての基本的考え方について答申が出て、その報告がありましたので、質疑をします。
 現在の行動計画の期間が今年度で切れて、来年度からの行動計画策定に向けた審議会の答申だったわけですね。審議会は私も何度か傍聴させていただきました。委員の皆さんが本当に熱心に議論されていたことに敬意を表したいと思います。
 十一月の事務事業質疑でも、男女平等参画社会の推進に当たり、男女が仕事と家庭を両立して自分らしく生きられる社会をつくるという考え方はよいが、雇用の流動化を容認する方向は男女平等の促進にはならないこと、子育て支援で認証保育所のみの設置促進ではなくて、認可保育所の増設こそが求められることなどを指摘しました。きょうは時間もないので、男女平等参画社会実現に向け、この答申を受けて、行動計画の策定に当たって東京都に重視していただきたい幾つかの課題について要望します。
 第一に、国の男女共同参画社会基本計画では、冒頭に掲げられている、政策決定過程への女性の参画等について、都の行動計画でも位置づけを高めて、具体的な取り組み方法を示すことを求めたいと思います。
 答申でも、女性の政策方針決定過程への参画状況は、男女共同参画の国際的な指標の一つであるジェンダーエンパワーメント指数から見ても十分であるとはいえないと指摘しています。現行計画であるチャンス&サポート東京プランでは、この項目での都の施策として任用計画を策定して、審議会等において女性委員の任用を促進するとして、平成十六年度までに三五%以上との目標、これ、唯一の数値目標だったんですね。これを掲げていますが、結果はどんな状況になったんでしょう。策定のときと比較してください。

○産形参事 審議会等における女性委員の任用率についてでございますが、現行動計画策定時の平成十四年四月一日現在は二四・三%、行動計画にございます平成十六年度終了時の平成十七年四月一日現在では二二・〇%でございます。

○大山委員 十四年のときが二四・三%、そして、行動計画をつくって、十六年までに三六%にしようと、三五%以上と目標をつくったにもかかわらず、達成できないどころか、二一%に下がってしまったということなんですね。全国平均はどうかと見てみたら、二九・八%なわけですね。ですから、全国平均よりも低いし、それから計画達成のときよりも十六年が下がってしまったという事態です。任用計画自体は策定したんですか。

○産形参事 平成十二年度に東京都男女平等参画推進会議で決定されておりまして、その目標を行動計画の目標にしておりまして、十六年度で終了いたしましたので、十七年度以降につきましては、当面三五%ということで推進会議で決定しております。

○大山委員 目標はつくったということですけれども、きちんとどうやって実現していくのかということを含めてやってもらいたいと思います。
 政策決定過程への女性の参画というのを考えたときに、都が第一に取り組むべきことというのは、東京都の政策決定過程にいかに女性の参画を促進するかということですね。政策決定への都民参加という点では、審議会は大きいわけです。そこに女性がふえていくことが重要です。また、審議会に限らないで、新しい行動計画では、どのように都の政策決定過程への女性の参画を進めるか、この点で、率直にいって、審議会答申の都に求める取り組み方針、一八ページですけれども、これは都自身の政策決定についてどうするのかという記述がなくて、かなり控え目な感じがします。行動計画では具体的に示していただくことを要望いたします。
 第二に、男女差別是正のための各課題の数値目標、達成年度を明確にすることです。これは十一月の事務事業質疑でも求めました。一律に数値目標を設定することは困難であり、個々に判断というご答弁でしたけれども、国も他県も出しているんですね。例えば「十年後の東京」を知事本で出しましたけれども、その中にも待機児五千人の解消といっています。私たち、これ、認可保育園できちんとやってほしいと思っているわけですが、さまざまな数値目標がいろいろなところで設定されているわけです。
 男女平等は、ほうっておいては進まないわけです。例えば東京都の男性労働者の育児休業取得率は、全国平均の約半分です。二〇〇四年度で〇・三九%にとどまっています。
 さらに、東京で週二十時間を超える時間外労働をしている男性の割合というのは、二〇〇五年度で三五・六%。そんなにいるんですね。週二十時間だと月八十時間以上になりますから、過労死ライン以上になります。答申にも書いてありましたけれども、東京の一般労働者の年間所定外労働時間は平成十七年に百七十四時間と、過去最長と増加しているわけです。東京が特にひどい現状だということですから、こうした問題は数値目標を掲げて強力に推進することが必要です。保育や介護などの福祉の基盤整備も数値目標が必要です。前回の行動計画は、数値目標は、先ほどの審議会に関することただ一つでしたけれども、今度策定する計画は、ぜひ必要な数値目標は設定するよう要望をいたします。
 また、国の基本計画は十項目の重点事業を定めていますけれども、都の行動計画においても重点課題を明確にすることも効果があると思います。
 三番目ですけれども、あらゆる分野の課題について、調査研究、情報公開、広報、啓発を重視することです。
 取り組み方法を明確にするためには、実態を把握することが出発点ですね。その中で、特に対策がおくれているといわれている中小零細業者、自営業者の従事者、いわゆる業者婦人の実態調査を行うべきだと思います。パートや派遣労働者の調査はありますけれども、業者婦人の調査はありません。パブリックコメントでもそうした意見が上がっていますけれども、どうですか。

○産形参事 行動計画に盛り込む個々の具体的施策につきましては、現在、所管局と調整しているところでございます。

○大山委員 現在、所管局と調整中ということですけれども、ぜひ生活文化局からも産業労働局に強くプッシュしていただきたいと思います。
 広報、啓発の重要性は今さらいうまでもないものですけれども、答申の中にも、男女平等参画を推進するための情報提供についての意識調査のグラフがあります。四三ページですね。重要と考える人の割合は、男性も女性も八〇%以上に達しています。これは「重要」、「ある程度重要」の合計ですね。
 ここで私が一つ気になっているのは、生活文化局、昨年四月にウィメンズプラザの啓発誌を廃止してしまいました。A4で八ページで、気軽に読めるリーフのようなものですけれども、駅だとか公民館とか区役所だとかに置いてあって、気軽に持って読めるものですけれども、廃止されてしまったんですね。どうして廃止したんですか。

○産形参事 都として広域的な視点から意識啓発、情報提供を行うために、速報性、利便性を考慮し、年四回の広報誌の発行にかえて、最新の情報を掲載したメールマガジンを毎月発行し、積極的な情報提供を行っていくこととしたものでございます。さらに、ホームページを充実し、ウィメンズプラザで実施する各種講座や講習会の情報等を紹介するなど、情報発信に努めております。

○大山委員 インターネットだとかホームページだとかメールマガジンがあるんだというのですけれども、ホームページは、興味がある人しか見ませんし、リーフのかわりにはならないわけですよね。インターネットにはアクセスできないという人もいるわけですよ。ですから、もちろんインターネットは大変役立ちますから、それもやってもらっていいんですよ。しかし、さまざまな媒体で情報発信を進めていただきたいと思っています。
 都民意見の反映についてですけれども、都民意見はどのようにくみ上げて答申に反映したのでしょうか。

○産形参事 男女平等参画審議会中間のまとめに対しましては、約四百件のさまざまなご意見がございました。お寄せいただいた都民意見につきましては、第六回の審議会において募集結果を報告し、委員の皆様にご審議いただきました。さらに起草委員会において検討を重ね、第七回審議会で決定の上、答申いただいたものでございます。

○大山委員 審議会の傍聴は私も何回か行かせていただきましたけれども、毎回たくさんの傍聴者が見えていました。最初は十席だったのが、足りなくて三十席までふやしましたけれども、傍聴者の方々は、本当は一方通行のパブリックコメントだけじゃなくて、向き合って双方向で自分たちの意見を聞く場を設けてほしいということでした。ですから、そうやって双方向のものも含めて、意見を聞く場を今後はきちんと持ってもらいたいと思いますし、行動計画策定に向けて、ぜひ顔と顔と向かい合わせて意見交換ができる場所を考えてもらいたいと思っています。
 あわせて、男女平等に取り組む女性団体への支援も、答申では情報交流の推進ですけれども、積極的に行っていただくように要望をいたします。
 男女混合名簿についてですけれども、現在の行動計画で、都の施策として導入を推進することとしたわけですけれども、その結果、混合名簿の導入は着実に前進して、定着してきたんです。しかし、ここ二年間、わずかですけれども実施率が落ちているんですね。
 東京都教育委員会は、〇四年に、男らしさや女らしさをすべて否定するような誤った考え方としてのジェンダーフリーに基づく男女混合名簿を作成することがあってはならないという通知を出しました。そもそもジェンダーフリーの考え方というのは、男らしさや女らしさをすべて否定するものではありませんし、誤った考え方としてのジェンダーフリーに基づく男女混合名簿はいけないけれども、そうでない男女混合名簿はいいといわれても、いわれた方は何が何だかわかりませんし、現場は混乱して、実施率に影響したのではないかと思っています。
 しかも、行動計画で位置づけられているにもかかわらず、計画の進捗状況などをデータで示す、東京の男女平等参画データの中では、〇五年から導入を推進するという言葉が消えています。条例に基づいて決めた行動計画を勝手にねじ曲げているわけです。行政のやり方としてはおかしいのではないでしょうか。
 男女混合名簿は、教師が子どもを、また子ども自身が自分を見詰めるとき、また子どもたち同士がお互いを見るときに、まず性別にとらわれず、一人の個人として見詰め、理解していく教育の一環です。家庭科教育も性教育もそうですけれども、これらは、人間が自分も相手も尊重し、自立して生きていくことを学ぶためのものです。男女混合名簿は、新しい行動計画の中でも引き続き推進していくことを求めます。
 関連して、四一ページなんですけれども、ジェンダーフリーという用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することのないよう配慮する必要もありますという記述があります。これについて、パブリックコメントで、ジェンダーフリー、ジェンダーという言葉の誤解、事実の誤認等に基づく記述であるため、削除、修正すべきという意見が四十件以上も上がっていました。これは断然多い意見ですね。
 答申を行った十二月の最後の審議会の場でも、傍聴した方何人かから聞いたわけですけれども、その話によりますと、委員から、この部分は適切だったのかもっと慎重に考えるべきだった、誤解を招く書き方であると意見が出て、座長が、この部分は何回も書きかえるようにいったが、残ってしまったと述べたということなんですね。これだけ都民意見でもパブリックコメントでも上がり、そして委員会のところでも意見が上がっている、議論が分かれている部分を、行動計画にはそのまま持ち込むべきではないと考えますが、どうですか。

○産形参事 審議会の委員の皆様のご意見についてでございますけれども、第一回の審議会から第七回まで、行動計画改定に当たっての基本的考え方について、委員の皆様からさまざまな角度からご意見をいただきました。答申本文を踏まえ、委員の皆様のご意見を参考に行動計画を改定していきたいと考えております。

○大山委員 意見を踏まえて、お願いします。
 戦後、日本国憲法は、十四条で、性による差別を禁じ、すべての人に基本的人権があり、個人として尊重されなければならないことを宣言し、二十四条には、個人の尊重と両性の平等を基本とする家族のあり方をうたいました。
 都の男女平等参画基本条例も、前文で、家庭生活においても社会生活においても、男女を問わず、一人一人にその個性と能力を十分に発揮する機会が確保されていることが重要である、すべての都民が、性別にかかわりなく、個人として尊重され、男女が対等な立場で、あらゆる活動にともに参画し、責任を分かち合う男女平等参画社会の実現を目指すとしています。
 ジェンダーフリーという言葉は、ジェンダーに縛られず、自分を大切にした生き方をしていくという意味で使われるようになった言葉で、憲法や都の男女平等参画基本条例の理念と一致するものです。都も、あらぬ混乱を持ち込むことなく、憲法と条例の立場に立って行動計画を策定し、男女平等参画社会を推進していただくことを強く求めて、質問を終わります。

○伊藤委員 まず初めに、スポーツ・文化振興交流基金についてお伺いしたいと思います。
 平成十九年度の一般会計予算案は、企業部門の好調による税収増で、対前年比七%増、約六兆六千億円と、九年前の予算規模に匹敵する、久しぶりの大型予算となっております。これは、昨年七月に「今後の財政運営の指針」の中で都が示した中期財政フレームを大きく上回る規模となっております。
 しかし、都税収入の多くを占める法人二税は、景気の変動による影響を受けやすく、これまでも極めて不安定な形で増減を繰り返してきたことは、過去の推移を見れば明らかなことであります。
 そもそも都民ニーズは、少子高齢化社会や災害への備えなど多岐の分野にわたっており、歳入の根幹をなす都税収入が不安定な中にあっても、安定的に行政サービスを提供していく必要があるのはいうまでもございません。
 この予算案におきましては、スポーツ・文化振興交流基金を含め、三つの新たな基金を設置することとされております。このように、今後新たな財政需要として見込まれる社会資本の整備などに備えるため、税収増の機会をとらえて基金を積極的に活用することは、想定外の税収減などが生じた際に、その取り崩しを行って財源を確保することができるなど、行政サービスの安定化をもたらす観点からも有効な手段であると思います。
 そこで、お尋ねしますけれども、来年度新たに創設するスポーツ・文化振興交流基金について、設置の趣旨、目的をお伺いします。

○山本総務部長 都民が文化芸術活動やスポーツに親しみ、参加できる機会を充実するとともに、スポーツ、文化を通じた国際交流などの取り組みをさらに推し進めることは、都民が一体となって東京オリンピックの招致に向けた機運を高めていく観点からも、これまで以上に求められているところでございます。
 スポーツ・文化振興交流基金は、こうした状況を踏まえ、スポーツと文化の振興及び両事業を通じた国内外との交流推進を目的として設置するものでございます。
 なお、来年度予算案においては、二百億円の積立額を計上しております。

○伊藤委員 東京の魅力をさまざまな点から世界にアピールしていくことは、オリンピック招致のためだけでなく、これからも重要な取り組みであることはいうまでもございません。
 例えば、老朽化した美術館の機能更新などのように、中期的なスパンで相当な財政需要が見込まれる取り組みに対して、今回の基金を計画的に充当して、東京からの文化発信の核をつくり上げるといった活用の仕方も有効であると考えます。
 次に、この積み立てる二百億円の基金を今後具体的にどのような事業に充当していくのか、その考え方及び具体的な使途が決まっているものがあれば、お伺いしたいと思います。

○山本総務部長 スポーツ・文化振興交流基金は、その設置目的に基づき、本年より新たに設置する東京芸術文化評議会の提言や、東京オリンピック招致、東京国体開催に向けた状況などを踏まえつつ、例えば、世界のジュニア選手との交流試合の開催を通じた国際交流や、東京都美術館の改修、近代建築物の復元など、文化の基盤整備に係る取り組み等に活用してまいります。
 なお、東京都美術館の改修並びに江戸東京たてもの園における野外建築物三棟の復元につきましては、十九年度予算に設計経費を計上しておりまして、今後、基金を充当して、順次工事に着手してまいります。

○伊藤委員 オリンピック招致の重要性はいうまでもございませんけれども、オリンピックのために必要だからといって野方図な財政運営をすることは、当然、都財政の規律をゆがめることとなり、決して許されるものではありません。あくまでも都財政の健全性を念頭に運用していただきたいと思います。
 先ほどの答弁によりますと、本基金の具体的な活用方法については今後検討を待たざるを得ないということでありますけれども、その検討に当たっては、先ほどいったように、オリンピックの招致のためという観点のみで必要性を議論するべきではなく、本来のスポーツ・文化の振興、スポーツや文化を通じた国内外との交流推進といった基金本来の目的を実現していくために、集中的、重点的な財源投入が本当に必要であると認められるものを選定していただいて基金の活用をしていただきたいと要望しておきたいと思います。
 続きまして、消費者トラブルに関して、最近、報道で大きく取り上げられた英会話教室のNOVAの問題について何点かお伺いしたいと思います。
 昨年十月の第十九次東京都消費生活対策審議会の答申には、都内の消費生活相談窓口に寄せられた相談件数が、平成十七年度には前年度の二十万件から十五万件台へと大きく減少したものの、悪質な手口による被害はかえって増加しているということであります。あの手この手と巧妙かつ悪質な手口によりまして、いつの間にかだまされていたといったケースをよく耳にします。
 私は、昨年十月二十五日の各会計決算特別委員会におきまして、こうした消費者トラブルを解決して、被害の拡大を防止するために、まず市区町村との連携を強化して、情報を共有し、迅速に対応すること、次に、悪質事業者に対し厳正に対応するため、警視庁との連携を強化すること、そして、消費者も賢くなるための消費者教育の充実を図ることの三点につきまして、その必要性を指摘し、都に要望いたしました。
 もちろん、生活文化局がこの問題について真剣に取り組んでいることは、その後の新聞報道等を見てもよくわかりますし、評価をしたいと思います。また、平成十九年度予算案につきましても、警視庁OB職員の採用や介護事業者への出前講座等に要する経費などを計上し、悪質事業者から都民を守る対策の徹底、強化を、局としても重点的な取り組みの一つに掲げておられます。消費者トラブルの防止のために、来年度もぜひとも全力で取り組んでいただきたいと思います。
 さて、二週間前になりますけれども、ピンク色のウサギのCM、皆さんもご存じだと思いますけれども、それで一躍有名になった英会話教室のNOVAに対して、東京都は経済産業省とともに立入検査に入ったという報道がございました。
 まだ検査の段階でありますから、詳しくお答えいただくことは難しいとは思いますけれども、NOVAは英会話教室の最大手でありまして、約七〇%のシェアがあるとも聞いております。現在、NOVAと契約して、かなり困っている都民も結構多いのではないかというふうに推測されます。支障のない範囲で結構でありますから、具体的にお答えいただきたいと思います。
 まず、NOVAとの契約に関して、これまで都の方に消費者からどのような相談がどれぐらい寄せられておりましたか。

○宮川消費生活部長 ご質問にお答えする前に、最初にお断りをさせていただきますけれども、英会話教室NOVAにつきましては、報道にありましたように、確かに私ども、立入検査に入っております。これは、消費者から都に寄せられる相談件数が相当多いことなどから、法律や条例に違反しているというおそれが強いため、その事実関係を明確にするという目的で実施したものでございます。
 そこで、まずご理解をいただきたいのは、立ち入り即処分というようなものではないということであります。あくまでも先方に立ち入りの趣旨を理解していただきまして、協力していただく中で行っているものでございまして、提供いただきました資料等をこれから詳細に分析して、法律や条例に明確に違反しているか否かを判断することとなっております。
 したがいまして、ここでお答えできますのは、先生からも、支障のない範囲でよろしいというようなお話もいただいておりますけれども、これまでの客観的な事実に関することと、報道されていますNOVA側の主張に対する反論についてのみとさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、お答えいたします。
 まず、相談件数でございますが、過去三年間では、平成十五年度百七十三件、平成十六年度百六十五件、平成十七年度二百三十八件で、合計いたしますと五百七十六件となっております。また、今年度は、十二月末現在で百三十六件ございます。
 次に、主な相談内容ということでお答えいたしますけれども、いつでも予約できると聞いて契約したんですが、実際は一カ月以上前に予約しないととれないということとか、中には、半年先でないと予約がとれないといったような事例も散見されます。また、入学金が免除になるのはキャンペーン中の今だけですと勧誘されて契約したんですが、今なら入学金が無料ですといつでも勧誘しているのはおかしいというような相談も寄せられております。

○伊藤委員 件数も多いですし、内容も、ちょっとどうかなと思うのがあって大変気になりますが、報道によりますと、NOVAは、都のガイドラインに沿って契約行為を行っており、条例違反はないはずと主張しているようでありますけれども、NOVAのこの主張は一体どういうことなのか、また、過去に東京都はどのような指導を行っていたのでしょうか。

○宮川消費生活部長 行政指導は、一般に、相手方に改善についてご協力をお願いするというものですので、原則といたしましてその内容等は公表いたしませんが、社会的に影響が大きく、被害拡大の防止や注意喚起の観点から、緊急の措置として、例外的に都民に情報提供することが必要とされるようなケースもございます。今回の場合は、報道で大きく取り上げられているだけでなく、消費者トラブルにつきまして各地で訴訟も提起されているという問題でございます。これに加えまして、事業者側が国の指導や都のガイドラインに従って営業しているというような内容の主張もしている関係もございますので、都民に誤解を与えないように、過去の指導状況だけでも説明を申し上げておく必要があろうと考えておりますので、ここではその概略をお答えいたします。
 かつてNOVAは、契約勧誘時に、今がお得ですなどと、消費者に誤信を与える、消費者が間違って信じ込むようなセールストークを使っていたため、このような不適正な勧誘方法を改善すること、また、消費者のクーリングオフを妨害するような行為もありましたので、これを改めるように指導いたしました。
 このほか、書面の不備の改善や、中途解約した場合に著しく消費者の方が不利になる規定の改善につきましてもあわせて指導しておりますが、当時、NOVA側からは、経済産業省の方の改善指導内容に従うというような申し出がございましたので、これらの点につきましては、国が指導するということになっておりました。

○伊藤委員 国の指導には従うということだったんですけれども、実際に都の指導には従っているのでしょうか。

○宮川消費生活部長 当時、NOVAは、消費者に誤信を与えるセールストークを使ったわけですけれども、そういったセールストークの使用や、クーリングオフを妨害するような行為につきましては、今後、社員教育を徹底して改善するというようなことを改善計画書の中で私ども都の方に約束をしております。
 しかし、現在も当時と同じような不適正行為が行われていると思われる相談が依然として数多く寄せられております。このようなこともございまして、特定商取引法第六十六条及び東京都消費生活条例第四十六条に基づきまして、今回、立入検査を実施したところでございます。

○伊藤委員 NOVAは、二〇〇一年から二年にかけまして、国と相談した上で解約時の精算方法を決めているので、何ら特定商取引法に違反する行為はしていないと主張しているようでありますし、これはホームページに載っているんですけれども、五十万人の生徒の皆様へと、ご心配をおかけしましてまことに申しわけございませんと冒頭で謝っているんですけれども、繰り返し自分たちの主張をホームページにもまた載せているんですね。この点について何かコメントすることはありますか。

○宮川消費生活部長 NOVAは、レッスン料につきまして、あらかじめレッスンのまとめ買いをするとワンレッスン当たりの料金が割安になるという制度を採用いたしております。また、レッスンを受けることのできる有効期限を定めまして、仮に予約がとれなかった場合でも、その期限を過ぎてしまえばレッスンを受けたものとみなすこととしております。また、中途解約時の精算方法といたしまして、契約時の割安な単価ではなく、解約までに消費者がレッスンを受けた実績に最も近い期間のところでの単価、すなわち契約のときより高くなる単価を使っております。
 経済産業省は、平成十四年当時になりますけれども、NOVAから、必ず消費者の希望に沿えるだけの十分な講師を確保し、教室の手配を行う、そういう申し入れがございましたので、これを前提条件といたしまして、NOVAが採用している料金制あるいは中途解約時の精算方法につきまして一応受け入れている、そういうふうに聞いております。

○伊藤委員 ちょっとわからないんですけれども、それでは、何で今回、国は立入検査をしているんですか。何を国は問題としているんでしょうか。

○宮川消費生活部長 NOVAが国と約束した前提条件が現状では守られていない、そういうおそれが強いことなどを国は問題にしているというふうに聞いております。

○伊藤委員 報道などによりますと、NOVAとの消費者トラブルは、中途解約に関することが多く、別計算による精算金が請求されるということのようであります。これは、ネットにもいろんな掲示板がありまして、そんな声が非常に多いなというふうに私も確認しているんですけれども、もちろん私はNOVAの肩を持つつもりは全くないんですけれども、素朴に疑問に思うんですが、例えばJRだとか東京メトロの定期券、例えば六カ月間の定期券を買うと、一カ月当たりの単価は当然かなり安くなるわけであります。しかし、これを途中でやめる、中途解約をすると、六カ月の定期の金額の日割りの計算ではなくて、月割りの計算プラス手数料ということで、JRも東京メトロもそういう精算方法をしているわけでありますが、JRや東京メトロに認められて、NOVAにこれを認めないというのはどういうことなんでしょうか。

○宮川消費生活部長 今のお話にございますJRあるいは東京メトロの電車というものは、時刻表によりまして、いつでも好きなときに乗れるという状況になってございます。したがいまして、その利用契約を中途解約いたしますのは利用者の都合によるものと一般に認めることができますから、定期代の精算において、わかりやすい方法によりまして利用者側により多くの負担を求めることがあっても仕方のないところかというふうに考えます。
 一方、NOVAとの消費者トラブルでは、レッスンの予約が思うようにとれず、受講をあきらめざるを得なくなり、中途解約となったとの苦情が多く寄せられております。こうしたことから、必ず消費者の希望に沿えるだけの十分な講師を確保し、教室の手配を行うといったNOVAの約束が果たされていない、そういう疑いが強くございます。その精算において消費者側により多くの負担を求めることは、そういうわけで合理的ではないのではないかというふうなことになります。

○伊藤委員 最後になりますけど、NOVAに対しては、国や都は今後どのような対応をされることになるのでしょうか。先ほど非常に答弁も慎重にされておりますので、支障のない範囲で結構ですから、お答えいただきたいと思います。

○宮川消費生活部長 今後、今回の立入検査で提供を受けました書類を分析いたしまして、また、関係者からの入念な事情聴取などに基づいて、多角的、総合的に検証を行い、特定商取引法や都条例の禁止事項に該当するか否か、経済産業省とも十分連携をしながら詳細に検討を行ってまいります。

○伊藤委員 ご答弁によりまして、問題の所在がわかりました。
 最大手のNOVAがこういう状況でありますので、果たしてほかの英会話学校は大丈夫かなという心配もありますし、事業規模がもっと小さい、小中の会社もあるでしょうし、個人でやっておられる英会話学校もあると思います。また、資格を取りたいと思う都民がたくさんいる中で、そういった資格を受けるための学校が果たしてどうなのかといういろんな心配が出てくると思います。
 どうか、この問題につきましては、国と十分に連携をしながら適切に対応していただいて、安心できるようにしていただきたいと要望して、質問を終わります。

○たぞえ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たぞえ委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案並びに報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十五分散会

ページ先頭に戻る