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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第八号

平成十八年六月十六日(金曜日)
第三委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長村松みえ子君
副委員長山田 忠昭君
副委員長馬場 裕子君
理事服部ゆくお君
理事野上ゆきえ君
理事野上 純子君
伊藤 ゆう君
坂本たけし君
上野 和彦君
泉谷つよし君
秋田 一郎君
木内 良明君
古賀 俊昭君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長山内 隆夫君
総務部長南雲 栄一君
広報広聴部長高西 新子君
都民生活部長和田 正幸君
消費生活部長岳野 尚代君
私学部長新行内孝男君
文化振興部長 山本 洋一君
文化施設改革担当部長杉谷 正則君
参事萩原まき子君
教育庁教育長中村 正彦君
次長比留間英人君
理事近藤 精一君
総務部長志賀 敏和君
学務部長山川信一郎君
人事部長松田 芳和君
福利厚生部長橋本 直紀君
指導部長岩佐 哲男君
生涯学習スポーツ部長三田村みどり君
国体準備担当部長関口 修一君
参事直原  裕君
参事新井 清博君
参事荒屋 文人君
参事川澄 俊文君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 生活文化局関係
報告事項(質疑)
・「東京都文化振興指針」について
 教育庁関係
契約議案の調査
・第百六十七号議案 都立町田高等学校(H十八)改築及び改修工事請負契約
請願の審査
(1)一八第一〇号 東京都立高等学校の普通教室における早急な空調設備設置に関する請願
付託議案の審査(質疑)
・第百四十九号議案 学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第百五十号議案 東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でありますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○村松委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○村松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の報告事項に対する質疑、教育庁関係の契約議案の調査及び請願の審査並びに付託議案の審査を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することとなっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十八年六月十四日
東京都議会議長 川島忠一
文教委員長 村松みえ子殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百六十七号議案 都立町田高等学校(H十八)改築及び改修工事請負契約
2 提出期限 平成十八年六月十六日(金)

○村松委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 産形男女平等参画担当参事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、報告事項に対する質疑を行います。
 東京都文化振興指針についてを議題といたします。
 本件については既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○南雲総務部長 去る六月一日の当委員会において要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してあります平成十八年文教委員会要求資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、1、文化振興施策に関する方針等の変遷外一件の資料を記載しております。
 それでは、一ページをお開き願います。1、文化振興施策に関する方針等の変遷でございます。
 これまでの文化施策に関する方針、取り組みを時系列に並べ、それぞれ主な内容を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、文化振興施策に関する予算及び決算の推移でございます。
 表の左側に、記載の区分ごとに平成十四年度から十八年度までの予算額及び決算額を、また、備考欄には当該事業区分に係る主な事業等をそれぞれ記載しております。
 以上、甚だ簡単でございますけれども、要求のありました資料に関する説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○服部委員 それでは、報告事項についての質疑を行わせていただきますが、過日、東京都は、東京都文化振興指針を発表しました。指針には、第一回の定例会で都議会自民党が主張した、新進・若手アーチストの育成あるいは支援、あるいは都立の文化施設における収蔵品の計画的な購入、こういったものがきちんと位置づけられておりまして、大変評価をしております。
 去る二月の十六日に素案が公表されて、当委員会で質疑も行われました。都は、素案策定後、都民等を対象とするパブリックコメントを実施したと聞いておりますけれども、まず、どのような意見があったのか、伺います。

○山本文化振興部長  パブリックコメントにつきましては百三十三件、都政モニターからは二百七十四件のご意見、ご提案をいただいておりまして、若手作家に制作場所を確保してほしい、あるいは、子どもが本物の芸術に触れる機会をふやしてほしいなどのご意見がございました。全般的には、指針は必要であり、ぜひ施策を実現してほしいとのご意見が多数を占めるなど、おおむね肯定的な評価をいただいております。

○服部委員 そうしたパブリックコメントなども踏まえて、最終的な指針として取りまとめられたものだと思います。これまでも都は、文化振興ビジョンや転換と取組など、数次にわたって発表してまいりました。ただいま報告のあった文化振興施策に関する方針等の変遷、こちらにも詳細に記載はされておりますけれども、今回の東京都の文化振興指針の特徴、あるいは新たな取り組みについてお伺いいたします。

○山本文化振興部長  本指針は、各分野の専門家や有識者で構成いたします東京都の文化施策を語る会からの提言を踏まえまして、都の文化施策の考え方や方向性を体系的に整理し、広く都民の意見を聞きながら策定したものでございまして、石原知事のもとにおける文化振興政策の集大成でございます。
 主な施策といたしまして、ご評価いただきました新進・若手アーチストの支援等のほか、文化振興進推進体制の整備等を位置づけております。具体的な取り組みの例といたしましては、青山の旧国連大学高等研究所の施設を利用しました滞在交流拠点アートヴィレッジIN東京(仮称)の整備を示したほか、新たな取り組みといたしまして、東京芸術文化評議会(仮称)設置の検討等を掲げてございます。

○服部委員 ただいまの答弁の中で、具体的な取り組みの例として、新たに東京芸術文化評議会ですか、この設置を検討するとありますけれども、この東京芸術文化評議会とはどういう組織なのか、伺います。

○山本文化振興部長  この評議会は、専門的な立場から都の文化振興施策について議論し、知事に提言を行う機関とする予定でございます。本評議会では、文化振興指針に掲げられた取り組みの大所高所に立った評価や、社会環境の変化などに対応した新たな文化施策等について議論していただこうと考えております。

○服部委員 都には、ほかに各種の審議会が数多く設置されていますけれども、これらの審議会と今の評議会はどのように違うのか、あるいは審議会とはどういった異なった特徴があるのか、その点についてもお伺いいたします。

○山本文化振興部長  まず、ほかの審議会等と異なりまして、知事の諮問に応じるだけではなく、東京の文化振興のために必要があると認めたときは、知事に意見を述べる独立的な機関とすることを考えております。
 また、評議会の議論を深めるため、調査研究を行い、具体的な政策案、提言案を策定するシンクタンク的機関である専門委員会を評議会の下に設けるとともに、評議会が独立的な機関として機能するために、評議会の実質的な運営を専門委員会に担わせることを検討しております。

○服部委員 それでは、この指針の中に、創造的な文化を生み出す都市・東京を実現するための三つの基本目標として、世界が文化的魅力を感じる都市・東京、都民が文化的豊かさを誇れる都市・東京、文化創造の基盤が充実する都市・東京、こういったものを挙げております。指針の内容は、石原知事のもとでの文化政策のいわば集大成として取りまとめられて、今後十年間程度を展望した都の文化政策の考え方や方向性を示したものとして評価しておりますけれども、今後の都の文化施策の具体的な展開について、これは局長の所見を伺います。

○山内生活文化局長 今、委員ご指摘のように、今回の文化振興指針については、石原都政下で初めて総合的、体系的にまとめた文化指針でございます。今後の文化政策の展開に当たりましては、新進・若手アーチストの支援、それから子どもたちの豊かな感性の育成、都立文化施設の改革と魅力向上など本指針に掲げられた施策を、また、三十の取り組みがあるわけですけれども、その取り組みを着実に実施したいというふうに考えております。
 また、先ほど部長の方からも説明がありましたけれども、今回は、全国的にも全く新しい試みでありますけれども、東京芸術文化評議会、仮称でございますけれども、それを設置したいというふうに考えておりまして、それからいただく提言、これは単に知事サイドから諮問するということだけではなくて、主体的に東京都の文化施策について提言をいただく、そういう仕組みになっております。そういったところからの提言、それから都民の声を踏まえながら、本指針に掲げる創造的な文化を生み出す都市・東京の実現といったものを目指してまいりたいと考えております。

○服部委員 ただいまの局長の所見を伺いまして、今後の文化施策といいますか、文化行政の東京都の新たな取り組みを大いに私どもも期待をいたしております。
 三月の文教委員会の質疑の際に、私は、谷中の五重の塔を例にいたしまして、歴史的建造物や歴史的景観の保存だけではなくて、歴史的建造物の復元あるいは再建、こういったことについても文化行政の一環として位置づけていくべきとの質問をいたしましたけれども、局長からは、文化振興指針にどういう形で盛り込めるか検討していきたい、そういった積極的な答弁をいただきました。
 そして、今回のこの指針には、施策6、文化の継承・発展の中に、「焼失した谷中の五重の塔の再建機運」という題でコラムとして取り上げられました。これは、明治四十一年に当時の天王寺さんが東京市に寄附されたという江戸時代の建築物ですけれども、残念ながら昭和三十二年の七月六日に焼失したわけです。しかし、地元のシンボルとして再建を望む声が上がっているということも、この指針の中に新たに紹介されました。ちょうど来年の七月六日が、谷中の五重の塔が焼失して五十年になるんです。
 こうした復元、再建に当たっては、さまざまな解決すべき課題を多々抱えております。現在東京都の史跡に指定されておりますけれども、往時の場所に復元、再建することについて、例えば都市計画法だとか建築基準法などの規制が障害になっておりましたけれども、先だって建設局などとも私、相談を重ねて、これまでにほぼ整理が終わっております。しかし、復元と再建に要する資金の確保のための、例えば募金活動を初め、募金を行うNPO法人設立の検討ですとか、あるいは、復元、再建した後の管理主体など、まだまだ解決すべき課題もあります。
 せっかくこうした指針でも取り上げていただきましたけれども、今後はこの谷中の五重の塔のような失われた歴史的建造物の復元あるいは再建が進んでいくよう、生活文化局としても、文化の継承・発展、そういう見地から取り組んでもらいたいと考えますけれども、ぜひ局長の決意をお聞かせください。

○山内生活文化局長 理事ご指摘のように、今回の東京都の文化振興指針では、文化の継承・発展についてきちっと指針の中に述べておるわけですけれども、その中で文化の継承・発展というものは、東京のアイデンティティーを確立し、世界へ向けた固有の文化の創造、発展につながるものとして位置づけております。現存はしておりませんけれども、歴史的価値の非常に高い建造物を、地元の熱意や工夫、地域が一体となった取り組みで復元、再建していこうとする運動があるということで、それはまことに東京の魅力向上につながるし、伝統文化を守るということから大変意義があるというふうに思っております。
 そういう観点から、生活文化局としても、その意義につきまして、いろいろ関係局があると思いますので、そういうところにきちっと働きかけてまいりたいというふうに思っております。

○馬場委員 私も、今回東京都文化振興指針ということで最終的にまとめられたもの--今までも中間のまとめ、それから、今お話が出ました都民のパブリックコメントを求めるというような形で、ここまでまいりました。私からも、一点について今回質問をさせていただきたいと思います。
 今回の要求資料の中にも、東京の文化施策の変遷、それから予算というような形で出ていますが、それぞれ知事や財政の状況によって、東京都の文化施策も、今まで取り扱いは、中身に入ったり、外に、世界に、国際都市にふさわしい文化というふうにいって、方法論にいったりというような形でいろいろありますが、やっぱり文化については、文化そのものが充実するということと、それから、広く都民にどうやってそれを伝え、利用していただいて、全体に土壌を充実させていくかというのは、いろいろなことが入っているわけですから、大変大きな課題だというふうに思っていますが、さらにこれからも都として公的な役割という意味では、十分にいろんな面からの取り組みをお願いしたいというふうに思っています。
 本日は、今回の答申で、具体的三十の取り組みというのが、今回の最終まとめで出てきた施策なわけですね。この中の三五ページ、取り組み9、総合的な情報提供機能の充実で、個別の取り組みということで、トーキョー・アート・ナビゲーション(仮称)、この施策を重点事業として挙げられています。トーキョー・アート・ナビゲーション、芸術文化総合情報サイトというふうな形で書かれておりますが、これは、取り組み9のみでなく、取り組みの12ということで、子どもたちの感性という部分、それから、14、文化芸術に触れる多様な機会や情報の提供、それから27、都と区市町村、民間などとの分担と連携、こうしたところにも関連するということで、私も、今後都として取り組むべき大変大きな課題であるし、また期待をしているところでございます。
 都は、これまでも、アートインデックスというふうにいわれていますが、この運営をして、都内で活動するアーチストの情報発信を支援してこられました。一方、東京都歴史文化財団や民間団体のホームページでは、さまざまな文化芸術に関する催しの情報を提供しています。我が国のインターネット普及率も七割近くに達して、こうした芸術文化に関する情報提供についても、インターネットを活用するということが多く見られるようになりました。だからこそ、有効、また合理的にこうした活用をこれから考えていかなければならないと思っています。
 今、申し述べました、都が芸術文化の総合情報サイトとして新たにトーキョー・アート・ナビゲーションということをこれから考えられるということなんですが、こうした状況をつくるのであれば、都民が有効に使えるような、そういう事業にしていかなければならない。そういう意味では、新たなこの取り組み、こうしたものが、都民の、全体の、どんなふうにつくっていけばいいかというようなことも含めて、提供する方と情報を使う方と、両者がやはりきちんと合ってこないと、うまく使えないのではないかというふうに思っています。
 そうした観点から、今回新たに構築するとされていますトーキョー・アート・ナビゲーションでは、だれに、何を提供するというふうに、わかりやすくいうと考えたらいいのでしょうか、お伺いします。

○山本文化振興部長  トーキョー・アート・ナビゲーション(仮称)は、都民への芸術文化に関する総合的な情報提供機能を充実するために構築するものでございます。具体的には、新進・若手アーチストに制作の場や支援施策に関する幅広い豊富な情報を提供するほか、日本の芸術文化に関心がある外国人アーチストや観光客に対し、東京が有する多様な芸術文化の魅力を発信するため、情報の多言語化を図ることを考えております。
 また、学校や地域で子どもたちの豊かな心や感性をはぐくむ取り組みを行っている区市町村等に対しまして、子ども向けの文化芸術活動を積極的に行っている芸術家等の情報を提供することで、こうした区市町村等の取り組みを支援する予定でございます。
 このように、トーキョー・アート・ナビゲーション(仮称)を構築することで、さまざまな主体に対し芸術文化に関する情報を提供していくことを推進してまいります。

○馬場委員 情報提供ということであれば、今までもなさってこられたわけです。あえてまた今回、このトーキョー・アート・ナビゲーションというふうに新しく構築をするということであれば、今までやってきた情報提供とどこが違うというのを、わかりやすくもう一度教えてください。

○山本文化振興部長  従来ありました都内で活動するアーチストを支援する東京アートインデックスと、東京都歴史文化財団に現状ありますホームページを統合、拡張いたしまして、情報量と内容を充実させるとともに、これらの情報をわかりやすく検索できるワンストップサービスの機能を持たせたいと考えております。
 新たな機能といたしましては、アーチストが作品や活動内容の情報を掲載し、都民に提供するバーチャル見本市、江戸東京博物館、現代美術館、写真美術館の主要な収蔵品を画像で鑑賞できるサイバーミュージアムなどを構築してまいります。加えて、文化施設や文化芸術団体、イベント情報など、多くの関連サイトとリンクを張りまして、都民のための文化情報検索機能の充実を図ってまいります。

○馬場委員 いろいろなことが考えられて、楽しみにしていますが、それでは、それが稼働してくるとどんな効果があるというふうに想定していらっしゃるんでしょうか。

○山本文化振興部長  トーキョー・アート・ナビゲーション(仮称)が稼働いたしますことによりまして、文化施設や芸術文化イベントの情報が充実し、鑑賞、創作、参加など、芸術文化に関する都民の多様なニーズにこたえていくことができます。また、都民にとっての利便性も高まるというふうに考えております。
 また、発信や発表の機会が少ない若手アーチストの活動や作品がこのサイトで広く紹介されるとともに、アーチストへの助成制度など各種支援施策に関する情報を充実させることによって、若手アーチストの活動をサポートすることができると考えております。
 さらに、多言語化を図ることによりまして、海外へ向けての東京の芸術文化の魅力の発信もできるというふうに考えております。

○馬場委員 今のお話ですと、東京のみならず、全国的、さらに海外からもこれを利用することによって、東京で、何が、どこで、どういうふうに行われているのか、また、何か自分がやりたいときに、どこを探していけば自分の求めるものがあるのかということが、ワンストップサービスというような形で実現するとすれば、とてもすばらしいというか、文化都市東京としてふさわしいなというふうに思っております。
 きょうは文化という視点でやっていますが、これから観光という面から考えても、そういう意味では多くの皆さんに東京で文化に親しんでいただける。また、そう期待して東京に集まってき、東京で育ち、東京から羽ばたいていく、そんな状況で、大変うれしいというふうに思うんですが、一方で、情報がたくさん出てくる、また、芸術も多様化し、いろいろな分野が広がってくる。そういう中で、アーチスト、つまり、自分が芸術家であるという場合、芸術を深めるということと、さっきもお話ししました、文化に親しんで鑑賞したりする、また、それを学校、子どもたちやいろいろな地域で求めている、そうした文化を提供する側と、そういう利用を受けたいという側を上手につないでいくには、それをコーディネートするような人材というか、文化を包む大きな土壌というものが必要ではないかというふうに私は考えています。
 このアート・ナビゲーションをそういう意味では充実することと同時に、そういう意味で人材を、若手から、それから伝統芸能も含めて、また地域の文化施設も含めて、上手に利用するためのコーディネーターの人材をぜひ育てていただきたい。また、今現在、そうした人材が、残念ながら仕事として本当に成り立っているのかというのが心配です。こうした芸術に携わる人、また、芸術で生活をするということが東京できちんと担保されなければ、こうした施策も絵にかいたもちになってしまうのではないかというふうに、私はそのことは心配をしています。
 そういう意味で、公的な都のいろいろなサービスとして情報提供をし、いろいろな方に使っていただくこうしたナビゲーションを充実することによって、さらに東京の都民の芸術文化を高めるという、このことをさらに進めて、今回のこの指針を中心にさらに事業を進めていただきたいということを要望して、終わります。ありがとうございました。

○野上(純)委員 私も、同じく東京都の文化振興指針について質問いたします。
 今回公表されました東京都文化振興指針は、我が党の石川芳昭議員が平成十六年の第二回定例会の代表質問で、若手芸術家支援など文化芸術振興策や支援策を着実に前進させるため、都の条例のもとで新たな文化芸術振興方針を定め、公表すべきであるとの主張を受けて策定されたものであります。大変高く評価をしております。
 この中身なんですけれども、東京都の文化施策を語る会の提言を踏まえて、おおむね十年間を展望した東京都の文化振興の考え方や方向性を示しています。また、東京都の文化振興施策の全体像を一目瞭然でわかるような形で二六、二七で示してありますので、本当によくまとまってありますし、見やすいのではないか。内容的にも大いに意義があると考えております。
 この中で東京の文化の特徴と課題について、大きく六つにわたって掲載されておりますが、その中で特に九ページに、若手アーチストの現状についてということで、(2)に、多くの日本のアーチスト、特に若手アーチストの中には、研さんや活躍の場を求めて外国に留学したり、生活の場を移したりとしている状況も見られますということが書いてあります。今後は、都としても、東京の未来を担う才能の発掘、交流、ステップアップを都がすることが重要な施策に位置づけられておりますけれども、もう一つ、その下にも、外国から東京に来る若手アーチストはまだまだ少なく、特にプロ活動の途上にあるアーチストとなると、都内での生活は経済面などにおいて極めて困難な状況ですと書いてあります。
 我が党はかねてから、若く才能のあるアーチストの支援について充実を図るように求めてきたところであります。改めて、新進・若手アーチストの支援策について、幾つか質問いたします。
 まず、指針の施策1で取り上げられております、新進・若手アーチストの支援の意義について、改めてお聞きいたします。

○山本文化振興部長  新進・若手アーチスト支援の意義についてでございますけれども、急速に進行いたします高齢化と人口減少社会の到来など社会構造の変化の中で、東京が国際的な都市間競争に勝ち残り、世界の人々の交流拠点となるためには、経済だけではなく、新たな文化を創造する都市として世界から注目され、評価される必要がございます。
 それには、多様な文化施設や芸術家などの文化資源が集積する東京の特徴を生かしまして、新進・若手アーチストが集い、競い合い、世界に羽ばたくことができるよう、若い才能による旺盛な創造活動が生み出されるための環境を整備、充実することが重要であるというふうに考えております。

○野上(純)委員 この若手アーチストのための環境整備を充実される一環として、現在、青山に滞在交流拠点を整備されているわけですけれども、東京都と同じように他の自治体で実際にアーチストが滞在されて制作事業を行っている、こういったレジデンス事業ですか、いろいろな事例があると思うんですけれども、東京都はどのように把握されているんでしょうか。

○山本文化振興部長  一般的には、アーチストを滞在、宿泊させ、作品を制作させる事業をレジデンス事業と呼んでおります。主な事例といたしましては、平成七年九月に日本で公的機関としては先駆的にアーチストを招聘し、レジデンス事業を開始した茨城県守谷市にありますアーカスプロジェクトや、平成十二年四月から事業開始いたしました京都市の京都芸術センターでのアーティスト・イン・レジデンス、平成十三年十二月から始まりました青森市のアーティスト・イン・レジデンス・プログラムなどがございます。しかしながら、限られた自治体での実施となってございます。

○野上(純)委員 今、三カ所の例示をしていただきましたけれども、全国的にもレジデンス事業を実施している自治体は少ないということなんですね。そのような中で、さまざまな文化資源が集積する東京において、若手アーチスト支援のために東京都がレジデンス事業を行う意義は、とても大きいと思います。
 しかし、滞在させるといった場合、滞在に伴う経費、これは東京都が全部負担するのか、あるいはどこで負担するのかということとか、若手アーチストは多分経済的にも苦しい状況にあるでしょうし、滞在に係る経費を全額負担させるのは気の毒なような気がしております。
 一方で、一概にアーチストといっても、いろんな種類のアーチストの方がいらして、自称アーチストの中には、レジデンスを渡り歩いていくレジデンス渡り鳥みたいなアーチストもいると聞いております。これらの人たちまで、つまり、だれでも彼でも青山に滞在させるというのは問題があるのではないかと思います。当然、青山に滞在させるアーチストという以上は、質的な条件ですか、これを定める必要があると思います。
 こうした施設の利用基準やアーチストの選定基準について見解を求めます。

○山本文化振興部長  青山の施設は、若手アーチストを支援、育成していくため、滞在、交流の拠点として現在整備している最中でございまして、九月をめどにグランドオープンを予定してございます。
 新しい文化は、多種多様なジャンルのアーチストがそれぞれの見解についてかんかんがくがくの議論を交わし、お互いを高め合い、進化していく過程の中で生み出されていくものと考えます。このような観点から、新しい文化を生み出す可能性を秘めた、志の高い、熱心な若いアーチストが滞在の中心となると思われます。
 ほかの自治体の例も参考にしながら、ご指摘の施設の利用基準並びに選定基準を策定してまいります。

○野上(純)委員 この三つの自治体の中では、レジデンス事業を行っていることにおきましては、アーチストを広く公募するような場合は、専門家による選考委員会を設置してアーチストを人選している例があると聞いています。こうした事例をぜひ参考にしていただきたいと思います。
 それから、若手アーチストを育成するだけでなく、青山に滞在したアーチストは都民を対象にしたワークショップを行うなど、その成果を広く都民にもぜひ還元させるような企画ですか、そういったことも要望しておきます。
 次に、指針の中では、青山のアートヴィレッジ以外にも、新しい拠点として、都の遊休施設を活用した制作・交流拠点を整備していくというふうになっておりますが、この施設の整備の内容についてお伺いいたします。

○山本文化振興部長  アートヴィレッジIN東京(仮称)は、新進・若手アーチストの旺盛な創造活動を支援するための拠点として整備するもので、青山の旧国連大学高等研究所を活用した施設に加えまして、都の遊休施設を活用し、新たに制作・交流拠点として整備する予定でございます。
 この施設は、平成十八年度に施設機能や運営方法等の基本調査を実施した後、平成十九年度以降、演劇、舞踊などの舞台芸術や、デザイン、美術などの制作・交流拠点として整備するとともに、スタッフなどの芸術文化を支える人材の育成などにも取り組んでいく予定でございます。

○野上(純)委員 演劇とか舞踏、あるいは芸術やデザイン、美術、いろいろな新進・若手アーチストの支援については、先ほどの答弁で、若い才能による旺盛な創造活動のための環境整備が必要で、そのための対策をとっているということの説明をいただきました。これについては私も大変に同感でございます。ぜひ新進・若手アーチストの支援の充実をお願いしたいと思います。
 それとともに、新進・若手アーチストはもちろん、芸術文化を支える人材の育成も大変重要な取り組みと考えております。先ほどの説明では、新たな施設ではその辺の取り組みもされているということで、アートヴィレッジIN東京、これは仮称でございますが、この事業に大変大きな期待を持つことができました。今後は、アートヴィレッジIN東京が内外の若手アーチストによって大いに利用され、東京から世界に向けて創造的な芸術文化が発信されることを強く望んでおります。

○大山委員 私も、東京都文化振興指針について質疑します。
 まず、私たちは、文化が社会進歩と人間の自由な発展に欠かせない活動であって、文化を自由につくり、楽しむこと、これは国民の基本的権利だと考えています。そのための条件を整えることは政治の責任です。同時に、政治は文化の内容に干渉すべきではないと考えています。世界ではその方向が本流で、例えば国連の世界人権宣言、日本も批准しましたけれども、国際人権規約やユネスコの一連の宣言などでは、国民の文化的権利とそれを保護すべき政治の責任がうたわれています。これは日本国憲法の人権保障の精神にも合致するものです。ですから、都民のだれもが文化を自由につくること、楽しむことについて、そのための条件を整えることが東京都の役割だと考えています。その立場から幾つか質問もし、意見も述べます。
 文化振興指針の策定の目的の中で、世界が文化的魅力を感じ、都民が文化的豊かさを誇ることができ、文化創造の基盤が充実した創造的な文化を生み出す都市・東京を目指して策定するものですというふうに書いてあります。
 まず、文化の予算なんですけれども、日本の文化関係予算を見てみますと、文化庁の十七年度予算を見ますと、国家予算の〇・一二%なんですね。フランスはどうかというと、〇・九六%、ドイツは〇・四二%、イギリスは〇・二六%です。ヨーロッパだけかなと思うと、韓国も〇・九五%、中国も〇・三〇%、オーストラリアも〇・七七%ですから、ヨーロッパだけでなくて、多くの国々は文化を尊重することが政治の常識というふうになっているといえます。
 それでは、東京都はどうなのかということですけれども、東京都の文化芸術経費は都の会計のどれぐらいの割合を占めていて、都民一人当たりにするとどれぐらいになりますか。

○山本文化振興部長  予算につきましては、文化芸術関係の定義範囲により経費のとらえ方が異なりますけれども、ちなみに、文化庁の地方文化行政状況調査報告書によりますれば、都の平成十六年度文化芸術関係決算額は八十六億余円でございまして、都の普通会計決算をベースに計算すると、率にして〇・一四%を占めてございます。
 また、平成十六年十月一日現在の都の人口一人当たりの金額は七百円でございます。

○大山委員 普通会計決算で見ると、文化関係の経費というのは〇・一四%ということですから、ほとんど国と似たか寄ったかということですが、一人当たりにすると年間七百円だということですね。同じ文化庁の普通会計決算のところで見てみますと、全国平均は〇・二二%、一人当たり八百四十九円ですから、東京都は残念ながら全国平均よりも低いという事態です。
 文化庁の調査は、人件費を抜いています。例えば文化施設を支えるのに重要なのは人ですね。第一回定例会でいただいた資料の中に、職員数の推移というのをもらいました。これを改めて見てみますと、東京都美術館、江戸博、写真美術館、現代美術館、庭園美術館、文化会館、芸術劇場、七文化施設で十四年度と十七年度を比べますと、職員総数が百七十六人から百十七人に、五十九人減っています。そのうち学芸員さんだけを取り出しますと、四人減っているんですね。
 こうやって職員定数がこの間減らされ続けてきて、一人一人の学芸員さんの仕事もふえています。学芸員さんの一人にお話を伺ったんですけれども、学芸員の仕事というのは、自分の中に蓄積を持って、それを出して企画展などを行うけれども、今忙しくて、出しっ放しで蓄積する時間がないというんですね。これでは豊かな文化といっても枯渇してしまうんじゃないかと私は心配するわけですけれども、さっきの策定の目的の中に、目指す東京、実現すると書いてあったわけですけれども、ちょっとお寒い限りだといわなければならないんじゃないかと思っています。文化を支える基盤、人や予算、いろいろなことがありますけれども、抜本的に拡充することが基本だと思っています。
 予算の話をしていますと、この間の素案のときの三月十七日の委員会でも、企業メセナやNPOによる活動が活発に展開されるなど、芸術文化団体に対する支援体制が充実してきたんですというふうに答弁しているわけですけれども、二〇〇五年度の実績というのは、実際どうなっているんでしょう。

○山本文化振興部長  民間の芸術文化支援を税制面から促進いたします社団法人企業メセナ協議会による助成認定制度を利用した平成十七年度の実績は六億八千九百三十七万円となっておりまして、五年前の平成十三年度と比較いたしますと、一億円余増加しております。
 また、全国の芸術文化活動を行うアートNPO法人の数も年々増加しておりまして、平成十七年度でおおよそ千四百団体。三年前の五百団体と比較いたしますと、二倍強に増加しております。

○大山委員 充実したといっても、全国の数字で、例えばメセナの寄附は六億八千九百三十七万円ですか、ですから、本当に非常にわずかな額なわけですね。多くなったといっても、この程度だということなんです。
 実際、企業から寄附を受けるというのは、本当に苦労しているんですよね、受けようと思う方々は。寄附を受ける方たちのサポートをしていらっしゃる方がいろいろ書いているんですけれども、某電機メーカーにお願いに行ったんだそうです。そしたら、現代美術のアトリエ、プラス、オープンスペースの話はかなりの苦戦を強いられたとか、寄附を受けるというのもなれていないわけで、間に広告代理店が入っていたので、企業と受ける人と、見てほしいということもなかなか伝えられなかったとか、展覧会のたびに支持者に応援してもらって心苦しいと浮かぬ顔をしていた、施しを受けているような惨めな気分になっている。要するに、相手と対等ではないような気がするんでしょうねというふうにいっているわけですけれども、基本的にはこういうメセナもいいですよ、それからNPOもいいです。しかし、自治体としては、寄附に頼るのではなくて、国と自治体の責任をきちんと据えるということが基本であって、それを明確にしておきたいと思います。
 それで、行政が行う際には、芸術文化活動の内容に介入しないこと、これは重要なことですし、芸術家団体を差別しないことを原則とするというのは重要なことです。この指針を策定するきっかけになっているのは幾つかあって、社会情勢の変化ということの中に、国の文化芸術振興基本法ができた、これも挙げられているわけです。
 文化芸術振興基本法には、いろいろ書いてあるわけですけれども、衆議院でも参議院でも附帯決議がつけられているんですね。それは何かというと、「文化芸術の振興に関する施策を講ずるに当たっては、その取扱いに差異を設けることがないようにすること。」、これが衆議院です。参議院では「例示されている分野のみならず、例示されていない分野についても、本法の対象となるものである。」というふうに、附帯決議は、基本法の対象に差をつけてはならないということを強調しているわけです。
 東京都も、この指針、すべての文化芸術が対象になるというふうに考えていますけれども、そういう理解でいいんでしょうか。

○山本文化振興部長  今回策定いたしました指針におきましては、芸術、メディア芸術、伝統芸能などを主な文化の範囲と考えております。

○大山委員 今答弁されたのは、指針の中の三ページの欄外に書いてある「文化」の範囲はというところですよね。答弁は、結局、指針だからある程度の文化の範囲を想定したんだということなんですけれども、例えば文化芸術振興基本法では、芸術として、文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踏その他の芸術。メディア芸術として、映画、漫画、アニメーション及びコンピューターその他の電子機器等を利用したメディア芸術。伝統芸能として、雅楽、能楽、文楽、歌舞伎その他の我が国古来の伝統芸能となっています。法律では、ほかにも講談、落語、浪曲、漫才、漫談、歌唱その他の芸能、茶道、華道、書道その他の生活文化、囲碁、将棋その他の国民的娯楽、出版物及びレコード、有形無形の文化財並びにその保存技術、地域固有の伝統芸能及び民俗芸能。法律では、これ以外の文化芸術も対象ですというふうに書いてあります。指針が主な対象としている芸術、メディア芸術、伝統芸能、その三つが主な範囲だといったとしても、かなり多くのものが対象になるという認識なんですね。
 ところが、指針の中の具体的な取り組みというのを見てみますと、三十書いてありますね。1から11がワンダーサイトなどの関係です。若手を育成するということだとか、場所を提供したりスタッフを養成するということは重要ですから、大いにやればいいと思っています。しかし、ほかの文化芸術に関しても、同様に支援することが必要だと思いますけれども、どうですか。

○山本文化振興部長  指針におきましては、若手アーチストの支援のみならず、子ども向け舞台芸術参加・体験プログラムや、伝統文化の継承、美術館、博物館における収蔵品の購入等も重要な取り組みとして位置づけておりまして、これらの取り組みについても着実に展開してまいります。

○大山委員 今答弁された子どもたちの感性を磨く参加・体験型の事業だとか、文化芸術に触れる多様な機会や情報の提供ですか、いろいろありますけれども、もちろんそれらは重要ですし、大いにやってもらいたいことです。しかし、実際はどうなっているのかということなんですけれども、文化振興施策に関する予算と決算を資料で出していただきました。これを見ますと、一番下のところ、文化振興施策合計というのがありますけれども、十四年度予算と十八年度予算で比べると、九三%に減っています。都立文化施設の維持管理・運営も、十四年度と比べると十八年度は七五・九%に減っています。歴史文化財団の運営費補助などは四三・三%に減ってしまいました。その他の事業が一一五%で、ここにトーキョーワンダーサイトなどがあるわけですね。一定のときに出してもらった資料では、お茶の水と渋谷のワンダーサイトを合わせると、十四年度に比べると十八年度は一六二・五%になっているんです。だから、一・六倍ですね。
 若手の育成だとか、場所を提供するなど、これは必要ですから、重要なことですから、だからこそ力を入れるということなんでしょうけれども、芸術文化、さっき申し上げましたように、本当にいろいろあるわけですから、指針の範囲ということから見てもやはり差があり過ぎるということをいわざるを得ません。
 誤解のないようにいっておきますけれども、私は低い方に合わせなさいといっているんじゃないんです。芸術として文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踏その他の芸術、メディア芸術としては映画、漫画、アニメーション及びコンピューターその他の電子機器等を利用したメディア芸術、伝統芸能としての雅楽、能楽、文楽、歌舞伎その他の我が国の古来の伝統芸能、こういうものがあるわけですから、ほかの文化芸術も同じように支援することが必要なんですというふうに主張しているわけです。
 どうしてそれが必要かというと、昨年発表された日本芸能実演家団体協議会の調査によりますと、例えば、年収百万円未満の芸能実演家の割合が、五年前に比べて六%から一四・七%と倍以上にふえています。
 民間オーケストラへの助成は、毎年この都議会の芸文議連からも要望が出されていますけれども、全くこたえようとしていません。都民の音楽文化を安定して支えて、世界に向けて文化を発信していくためにも、常に経営の厳しさをオーケストラが抱えているということはマイナスなわけですね。
 児童演劇の分野はどうかというと、これは教育庁ですけれども、学校公演などの予算がなくなって、アルバイトをしながら運営せざるを得ないという劇団がたくさんあるわけですね。
 文化芸術振興基本法ができたことなども指針を策定するきっかけになっているというふうにいうのだったら、衆議院でも参議院でもつけられた、「文化芸術の振興に関する施策を講ずるに当たっては、その取扱いに差異を設けることがないようにすること。」という附帯決議にきちんと沿った施策が求められると思います。要望しておきます。
 基本法では、芸術文化を創造し、享受することが国民の権利であることを記しました。享受することというのは、やはり芸術文化をさらに質の高いものにしていくために、観客と芸術家がお互いに高め合っていくことで、より豊かな芸術にしていくということからも重要なわけですね。ところが、社会保障の相次ぐ改悪だとか生活不安、それから高い失業率、長時間労働、都民が本当に気軽に文化を楽しむ条件が厳しくなっているというのも事実です。
 この指針の中の参考資料の六〇ページには、この一年、文化芸術の鑑賞をしなかった理由は何ですかという問いに、断然のトップは、時間に余裕がなかったからという四八・九%です。約半数の人は、時間がない、文化芸術の鑑賞もできないという状況になっている。これでは気持ちの余裕もなくなるわけです。
 この指針の五八ページでは、文化活動に対して大切だと思うという答えは八五・二%です。その後に、都の文化施設をもっと魅力的なものにするにはという問いには、鑑賞料金を安くする、これが五三・一%です。この文化活動は大切だと思うという八割以上の声、それから、鑑賞料金を安くすることが魅力的になるんですというこの声、これらにどうこたえようとしていますか。

○山本文化振興部長  お手元の資料、同じ調査の中で、六一ページの下段の方の問いをごらんいただきたいんですが、美術館、博物館等での鑑賞のための費用を今後ふやしたいか、それとも減らしたいかという設問に対しましては、ふやしたいと思う人の割合は、今までのままでよいという方も含めますと、八〇・八%になります。
 このほか、この一年間、文化芸術の鑑賞をしなかった理由について、鑑賞費用が高いからと回答した方は一三・七%にとどまっております。
 こうしたことから考えますと、一概に都立文化施設の観覧料が高いから魅力がないとはいえないと考えております。
 なお、都立文化施設におきましては、児童や生徒、障害者について常設展を無料といたしましたり、六十五歳以上の高齢者の割引を行っているほか、六十五歳以上の高齢者の無料観覧日の設定も行っております。

○大山委員 配慮もしているんですということですけれども、さっきご答弁した、六一ページの美術館、博物館などの費用を今後ふやしたいかという--ふやしたいと思うという人は三一・一%なわけですね。一度も行けなかったという人がかなりいるわけですから、そういう人も含めての答えなわけですね。
 六〇ページには、鑑賞した理由は何ですかというときに、割引券や招待券をもらったからという回答がやはり二三・九%あるわけですね。
 この同じアンケート、これは文化に関する世論調査の中からの抜粋ですね。このアンケートの中には、東京が文化都市であると思うか、思わないかという質問があります。約三割の方が、文化都市だと思う。しかし、五割の人は、文化都市だとは思わないというふうに回答しています。文化都市だとは思わないのはどうしてかという理由を聞かれて、コンサートなどの料金が高いというふうに回答した人は四〇・五%いるんですね。文化都市という場合、やはりだれもがお金の心配をしないで気軽にコンサートに行けたり、芸術文化を楽しめるということを、文化都市の要素として多くの都民が思っているということですね。
 料金のことは、文化施策を語る会でも結構出ていましたね。それで、第一回のときには、平田委員が、都民芸術フェスティバルの包括外部監査指摘のうち、料金の低廉さの重要度が低下についてはちょっと違和感がある。つまり、低廉な料金が重要なんだということですね。そして、演劇さえ六千円とか八千円ですから、夫婦二人で行ったら一万二千円から一万五千円。これは子どもがいる夫婦が、普通毎月行ける値段ではない。オペラはもっとひどい状況だと思いますというふうに述べています。月に一回どころか、一年間に一回も行けなかったという都民が大勢いるわけですね。この料金のことについては、今紹介した平田委員の意見だけじゃなくて、ほかの委員も、入場料金はできるだけカジュアルにとかいう発言が続いています。
 九九年度と比べて、廃止したとか再構築したという事業は、どんなものがありますか。

○山本文化振興部長  平成十一年度以降、廃止いたしましたのは、シルバーエイジ芸術鑑賞事業のみでございまして、再構築の分で申しますと、音楽鑑賞教室の再構築を行っております。

○大山委員 シルバーエイジ芸術鑑賞事業が十二年度まではやっていたということですね。高齢者への配慮が芸術鑑賞、音楽鑑賞などの面でもあったわけですね。このシルバーエイジ芸術鑑賞は、都議会の芸文議連でも毎年要望しています。これだけではなくて、料金については、このシルバーエイジを再びというのももちろんそうですし、それから都民のだれもが芸術文化を楽しめるように、やはりきちんと検討してもらいたいと思います。
 それから、さっきアンケートにも出ていましたけれども、時間に余裕がなかったからを、五割近くの人が一度も行けなかった理由に挙げています。ですから、ルールある働き方などは、生活文化局として、やはり産労局などとも話し合いながら、協力して改善していく方向で努力してもらいたいと思っています。
 次に、子どもへの施策ですけれども、子どもの権利条約三十一条にある文化的権利を実現していく、これは特別に位置づけられるべき大事な課題だと思っています。学校での芸術教育や、子どもたちが芸術に親しめるよう環境整備を重視していくということが大切です。
 しかし、さっき答弁された中で、音楽鑑賞教室が再構築ということですけれども、音楽鑑賞教室というのは、区市町村の小中学生がオーケストラを初めバレエやオペラ鑑賞なども含めて、生の芸術を鑑賞する重要な事業だったんですね。再構築といっても、この音楽鑑賞教室の区市町村への補助はなくしてしまったんですね。
 その結果どうなったのかということですが、音楽鑑賞教室の区市町村の実施状況を、都が補助金を実施していた最後の十五年度と十七年度の実績を教えてください。

○山本文化振興部長  区市町村が独自に実施いたしました平成十七年度の音楽鑑賞教室の実績は、十七区十四市、計三十一区市であると聞いております。また、都の予算措置が伴った音楽鑑賞教室の最終年度でございます平成十五年度の実績は、十九区十八市、計三十七区市でございます。

○大山委員 実際に東京都の補助がなくなったら鑑賞教室自体をなくしてしまったという区市が、十五年と十七年を比べても、六つの区市がなくしてしまったということなんですね。
 例えば、町田市に聞いてみました。この十六年度の予算の議会で問題になったんですね。学校教育部長さんは、東京都がこの事業を終了することになりましたのでと、正直に説明をしています。さらに、重要だから継続するべきだというふうに議員が質問をするわけですね。そうすると、いろいろ検討したんですけれども、一定の枠内で予算編成をするわけだからということで、結局、東京都が補助をやめてしまって予算がないからやめるんですという答弁をしているんです。
 町田の市議会でも、このときに、この事業は小中学生がオーケストラを生で聞くという貴重な経験で大変喜ばれていますというふうにいわれているんですね。しかし、学校教育部長は、どうするんですかというふうに聞かれて、今後はCDやビデオ教材で、こう答弁しているんですよ。生のオーケストラなどを聞く本当に貴重な、かえがたいようなものをCDやビデオ教材でということを答弁してしまう、こういうことになっちゃうんだということなんですね。
 しかし、町田市は、この後、住民の皆さん、それから保護者も教職員も、これは本当に重要な事業なんだからということで、大きな要求運動になって、復活させているんです。ということは、いかに教育的な観点からいっても重要なものであるかということじゃないのかと、私は強調したいです。
 ところで、再構築とおっしゃっていましたけれども、どういう事業に再構築して、十五年度の音楽鑑賞教室と今年度の再構築したという事業を比較すると、予算はどうなっていますか。

○山本文化振興部長  鑑賞教室事業を再構築したものといたしまして、子ども向け舞台芸術参加・体験プログラム事業を平成十六年度に開始いたしました。この事業は、芸術文化を鑑賞するだけではなくて、みずから参加、体験することで、子どもたちが創造の喜びや楽しさを理解し、文化を生み出す心をはぐくむことを目的としておりまして、学校や児童館など子どもたちの身近な場所に芸術家が出向くアウトリーチプログラムや、その成果発表、参加・体験型のワークショップを都立文化施設で実施しております。
 このプログラム事業の十八年度の予算は三千五百万円でございまして、当時、最後の音楽鑑賞教室の予算は六千三百万円でございました。

○大山委員 鑑賞することだけじゃなくというふうにいっていましたけれども、鑑賞自体は東京都の事業をなくしてしまったんですよ。体験プログラムも楽しいですし、子どもたちにとっては本当に貴重な体験で、その後の生き方にはきっと影響を与えるんだと思っています。しかし、東京都の予算は音楽鑑賞教室の最終年度は六千三百万円で、今年度は三千五百万円ということですから、結局、予算を五五%まで減らしちゃったということですよね。内容も、再構築とはいえないような、規模からいっても、内容からいっても別のものというふうにいわざるを得ません。
 ですから、体験プログラムを継続して実施すればいいんです。そして、むしろもっと多くの子どもたちが参加できるようにしていくこと、これが求められていると思っています。同時に、音楽鑑賞教室、区市町村の事業だからといって、そのままにするんじゃなくて、支援することが求められています。要望しておきます。
 あと、東京都美術館の改修の問題が切迫しているというふうに聞いていますが、指針では、PFI制度の導入など、民間のノウハウや資金を取り入れた多様な手法を導入することを検討していきますというふうに記述されています。
 都美術館は、利用団体が多いだけに、関係団体の方々とも一緒に考える、つくっていく姿勢が重要だと思っています。PFI手法だと、制度自体の問題から、やはり都民に開かれた議論をすることが困難ですね。バリアフリー化も求められているのなら、なお一層、計画段階からの都民参加で改修を進めることが求められていると思いますけれども、どうですか。

○山本文化振興部長  改修に当たりましては、外部有識者の声を聞きながら、さまざまな角度から東京都美術館のあり方と改修方法を検討してまいります。

○大山委員 これから検討していくんだということなんですけれども、PFI手法、新たな手法ということでイギリスで始まったわけですけれども、当のイギリスでは、ここでは一々挙げませんけれども、かなり多くの問題点が指摘されています。東京都も小児総合医療センターをPFIで始めました。私、厚生委員だったのでさんざん指摘しましたけれども、例えば自治体の事業コストの削減といっても、自前でやれば全く要らないアドバイザリー契約というのに億からのお金をかけていたり、バリュー・フォー・マネーといって、もうかりますよというのが、特定事業の選定をする前と後では違うとか、そういうことがあるわけですよ。
 それから、私が一番自治体の仕事としておかしいと思うのは、例えば、同じ子ども病院でも、小児総合医療センターは東京ですけれども、例えば宮城の子ども病院では、病院関係者はもちろん、元患者だとか、そこで子どもを亡くした保護者だとか、チャイルド・ライフ・スペシャリストだとか、そういう方たちを含めて、何度も何度も子どもの立場に立った病院にするためにはどうしていったらいいのかということを話し合いをたくさん積み重ねて、みんなの病院としてつくった。だから、亡くなった子どもの霊安室も地下じゃなくて一階にして、明るいところを霊安室にするとかということも含めてつくっていったわけですね。
 しかし、小児総合医療センターはどうかといったら、要求水準が確定するまでは公表できないというんですね。ですから、どういう病院にするのか、計画をつくっていく段階では、都民や病院関係者さえわからない。議会に諮るということは決まっていますけれども、それまでのプロセスというのは全く密室というふうにいわざるを得ない状況でした。
 都民の施設です、それから利用団体も多いです、バリアフリーも重要です。ですから、よく検討してもらいたいと思っています。
 文化振興について都民の意見を広く聞いたり協議することは重要ですし、すべての文化芸術について、文化芸術振興基本法にあるように、「文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることにかんがみ、国民がその居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならない。」、基本法の第二条に書いてありますけれども、この基本理念をしっかりと据えて、進めていってもらいたいという要望を述べて、終わります。

○秋田委員 私からも、過日発表された東京都文化振興指針について質問させていただきたいと思います。山本部長がずっと答弁されていて、私も山本部長で終わらせていただくと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 まず、この文化振興指針、読んでおもしろいなと思ったのは、視点2、視点3の中で、国際外交戦略としての「文化」とか、都市経営戦略としての「文化」とか、大変新しい視点があるんだなと。実際、国際外交戦略としての「文化」の部分を見ると、ジャパン・クール、日本はかっこいいとの評価と注目を浴びている。実際、そういう部分が世界各都市で起きているのかなと。例えば日本食を食べることは、ニューヨークあるいはロンドンやパリでもすごくかっこいいことだとされていると各種報道でされています。奇抜な日本料理で、ちょっとそれは日本料理といえるのかなという部分もなきにしもあらずですが、それにしても日本はかっこいいという評価を受けているということは、私は非常にいいことだと思うし、その視点から文化振興をしていこうといった東京都の視点もいいことだと思います。
 しかしながら、そういった部分から、日本はまだまだ潜在的な力を持っているという一つの証左なのかと思っておりますが、だからといって、その文化が東京では必ずしも有効に活用されているとはいいがたいのではないかと私は思っております。例えば、内外の人が東京に来たときに、じゃ東京で何を見るのかといったら、私は、ぽっと浮かぶような共通のものというのは少ないのではないかと思っております。例えば、ロンドンに行けば、皆さん恐らく大英博物館に行く、パリに行けばルーブル美術館に行く。じゃ東京に来たときに何を見るのかな、どこへ行くのかな。みんながそろって挙げるような施設は私はないんじゃないかと思っております。
 確かに東京には、上野の東京国立博物館、あるいは都立であれば両国の江戸東京博物館など、日本や江戸の、あるいは東京の歴史と文化を紹介するような文化施設は数多く存在しております。しかしながら、ばらばらに運営されていることから、連携もされておらず、都民や内外の観光客などは、一体どこに行けばいいのか、よくわからないといったところが実情じゃないかと思っております。
 私自身は、都であろうが、国であろうが、あるいは民間の施設であろうが、ある程度有名な文化的な貯蔵品なり絵画がばらばらにちょっとずつあるわけですから、私個人的な考え方では、いつの時期か、ある程度一つの箇所に集中させるような作業が一番必要なのかな。そうすることが、ルーブルや大英博物館に対抗できる施設を東京につくることにつながるのかと思っておりますが、それはすぐにできることではないことでございますので、とりあえず、まず今回の文化振興指針では、文化施設の横の連携をどのように考えているのか、伺います。

○山本文化振興部長  現在、都立文化施設では、例えば、都内の国公私立の美術館、博物館などに呼びかけまして、四十九施設が参加する共通入場券、ぐるっとパス事業を実施しておりますほか、写真美術館では、文化でまちを元気にすることを目指しまして、地元渋谷、恵比寿、原宿地区の文化施設等で構成するアラカルチャーを立ち上げるなど、文化施設が連携した取り組みを進めておるところでございます。
 文化振興指針では、文化施設の運営や事業の企画に当たり、都立文化施設相互はもとより他の文化施設などとの連携を図っていくとしており、今後もこのような取り組みを一層推進していくとともに、このほかにも観光や産業振興などの都における他分野の政策との連携も進めてまいりたいと考えております。

○秋田委員 今の部長のご答弁では、文化施設では観光や産業振興などの都の他分野の政策との連携などを考慮するとのご答弁でございました。当然東京都自身も文化振興という範疇だけで施策を進めていくのではなく、他分野の政策と連携していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○山本文化振興部長  例えば、歴史的建造物や文化財、伝統文化や伝統芸能、音楽や演劇、アニメ、映画など、東京の持つ文化資源は有力な観光資源となっております。また、文化自体も、観光や産業振興、まちづくりなどとも深くかかわる都市活動の一つでございまして、先生おっしゃるとおり、文化活動が都市経済や都市社会、さらには地域にもたらす波及効果も大きくなってきております。
 今後、観光や産業振興、まちづくり、スポーツイベントなど、さまざまな政策分野との連携をより一層進め、文化政策を総合政策として推進してまいります。

○秋田委員 先ほど大山委員の方から、この資料の六三ページの鑑賞料金を安くすることが重要だみたいなご発言があって、山本部長をフォローするわけじゃないんですが、文化的なものというのは、私は嗜好品に近いのかなと思っております。好きな人は好きだし、嫌いな人は嫌いだし、見たいものがあれば幾ら出しても見たいし、例えば、他人から見たらぼろくず同然のものも、ある他人にとってはすごく価値のあるものだというのが、ある意味、文化的なものであるのかと思っております。百円、二百円安くしたから、じゃ、そこに見に行くかといったら、私はどうなのかと思っておりますし、むしろ百円、二百円高くなっても、見たいものがあれば幾らでも出して行くのが、私は文化的なものなのかなと思っております。
 なぜそんなことを私、申し上げるのかといいますと、たまたま今週末か来週早々かな、三大テノールの一人のドミンゴか何かがたしか日本に来る。私もちょっと聞いてみたいなと思いまして問い合わせたところ、もうD席しかない。じゃ、D席はお幾らするんですかいったら、三万円するんですよ。Sから始まって、A、B、C、Dと来て、D席で三万円もする。逆にいうと、S席でも、十万円近くすると思うんですが、もっとするのかな、見たい人は幾ら出してもやっぱり見たいというのが、私は文化的なものなんだと思うんですね。見たくない人は、何でそんなところにそんな金を出すんだと、またそういうものだと思うんですね。
 ですから、必ずしも料金の問題ではないんだろうと思っております。むしろ重要なのは情報提供なのではないかと思っております。文化施設で行われている展覧会や公演などの情報は、「ぴあ」などの情報誌や各文化施設のホームページなどで入手することができます。しかしながら、すべての公演やアーチストの活動が網羅的に情報提供されているわけではありません。文化施設でのイベントや公演などの情報を初めアーチストの活動情報など、文化に関するさまざまな情報をリアルタイムに発信し、受信できるようにしていくべきだと考えますが、いかがなものでしょうか。

○山本文化振興部長  これまでも、都のホームページであります東京アートインデックスによりまして、芸術文化に関する各種の情報提供を行ってきてございます。これをより一層充実させるため、東京アートインデックスと東京都歴史文化財団のホームページを統合、拡充いたしまして、情報量と内容の充実を図りますトーキョー・アート・ナビゲーション(仮称)を整備し、総合的な情報提供機能を充実していくつもりでございます。
 具体的には、アーチストが作品や活動内容の情報を掲載できるバーチャル見本市や、江戸東京博物館、現代美術館、写真美術館の主要な収蔵品を画像で鑑賞できますサイバーミュージアムを新たに構築してまいります。
 また、日本の芸術文化に関心がある外国人アーチストや観光客に対し、東京が有する多様な芸術文化の魅力を発信するため、情報の多言語化を図ることも考えております。
 このように、トーキョー・アート・ナビゲーション(仮称)を構築することで、海外からの観光客を初めとしたさまざまな主体に対し、芸術文化に関する情報を提供することを推進してまいります。

○秋田委員 トーキョー・アート・ナビゲーションについては他の委員から質問もございましたので、私はまた別の質問に移らせていただきたいと思います。
 この数年、いろいろなところで三つ星、二つ星、一つ星というようないい方がされます。その基となったのは、ご存じのとおり「ミシュラン・ガイド」、いわゆる「ミシュラン・ガイド」の中でも赤い本のルージュと呼ばれている本でございますが、実は観光客、観光される方にとって一番ありがたい、またヨーロッパの方でむしろ普及しているのは、レストランガイドのルージュの方じゃなくて、きょう持ってきましたが、「ミシュラン・グリーンガイド」と呼ばれる方でございます。
 これは、先ほど来申し上げている文化施設等々について、三つ星とか二つ星とか一つ星とかしているものでございます。私も久々に今回の質問に際して改めて見ましたら、本当におもしろいなと思ったのは、これはグリーンガイドのグレートブリテン版ですので、イギリス版なので、まず最初にイギリスについての地図があるわけです。おもしろいなと思ったのは、都市についても星がついているんですよね。例えばロンドンは三つ星、ビートルズが生まれたリバプールは一つ星とかですね、都市についても、観光案内として行くべきものはどこかというのがあります。これ、ずっと読んでいくと、読み物としても、まずイギリスの歴史なり、あるいはロンドンの歴史なり、各都市の歴史を読めますし、あるいは文化施設についても、先ほど申し上げた大英博物館は三つ星だけれども、ロンドン塔は二つ星とかついていて、時間がないときは三つ星ばっかり行って、時間に余裕があるときは一つ星のところも含めて行くとか、非常に客観的に、かつ読み物としてもおもしろくできているものでございます。
 こういったものをわざわざお見せしたのは何かといいますと、東京都ではこれから、来年から始まる東京大マラソン、その後、東京国体、そして、いよいよ十年後のオリンピックといった千客万来のイベントがメジロ押しなわけでございます。千客万来の方が内外からいらっしゃったときに、先ほどの話と一緒ですが、どこを見たらいいかということがやっぱり重要ですし、折しもちょうどワールドカップが始まっておりますが、ワールドカップ見たさのためにドイツに行った方が、ついでにどこかに行かれたときにも、やっぱりガイドブックというのは重要なものだと思っております。
 文化施設などを紹介したガイドブックは、既に民間から幾つも発売をされております。しかし、海外からの観光客向けの例えば外国語のものなどは、観光情報センターなどでパンフレットのようなものはつくられておりますが、まとまったガイドブックのような形では発行されておりません。もちろん、先ほど来申し上げているミシュランというのは、民間の単なる、単なるといったら失礼ですけれども、世界的なタイヤ会社の一つがつくっているわけでございますが、なかなか行政がつくるとなると格付というのは難しいというのは重々承知しております。しかしながら、観光客の利便性の向上と文化施設の入場者をふやすためにも、例えば東京都の出すものは東京都の文化施設だけを説明あるいは例示するだけなくて、国や区市町村、民間の施設も含めた外国語のガイドブックをつくり、広く周知する必要が、これからの三大イベントを考えると必要なのかなと。
 そして、たまたまオリンピックで、あるいは東京大マラソンで、あるいは東京国体で東京に来た人たちが、もう一回この東京に行きたいな、二回、三回行きたいな、そう思ってくれることが重要だと思いますが、ガイドブックをつくることに関して、いかがなものでしょうか。

○山本文化振興部長  ご指摘のように、例えばオリンピックなどのイベントに合わせましてガイドブックを発行いたしますことは、海外からの観光客の利便性の向上とともに、都立文化施設を初めとする各種文化施設の認知度を高めて集客にもつながるなど、大変意義のあることと考えておりまして、今後、関係局や関係機関に働きかけてまいりたいと考えております。

○秋田委員 最後に意見を述べさせていただきます。
 おもしろいなと思うことが結構ありまして、それはなぜかというと、私の地元には末広亭というところがあります。数年前、ちょっと前まではなかなかお客さんは入らなかった。しかしながら、あるテレビ番組をきっかけに落語がブームになりまして、逆に今はチケットもなかなか手に入らないというような盛況を帯びております。あるいは、能や歌舞伎の世界ででも、若手のスターが出たことによって、一躍脚光を浴びたりしているような状況もございます。
 いずれにせよ、日本の文化あるいは東京の文化というのは、すごく潜在力はあると思うんですね。仕掛け方一つで、幾らでも世界に発信できるものと思っております。ぜひとも東京都では、何といっても文学者でもある石原東京都知事を抱えているわけですから、待ちの姿勢ではなく、積極的な文化振興政策を展開して、より一層東京の文化ここにありという姿勢を見せていただければと思います。ありがとうございました。

○村松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十四分休憩

   午後二時五十三分開議

○村松委員長 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査及び請願の審査を行います。
 第百六十七号議案及び一八第一〇号、東京都立高等学校の普通教室における早急な空調設備設置に関する請願を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 請願一八第一〇号について理事者の説明を求めます。

○山川学務部長 一八第一〇号、東京都立高等学校の普通教室における早急な空調設備設置に関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、千代田区、東京都公立高等学校PTA連合会会長橘春恵さんから提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都立高校普通教室において、保護者、生徒の切実な願いである早急な空調設備の設置を促進していただきたいという内容でございます。
 これに関する現在の状況でございますが、近年の温暖化及びヒートアイランド現象による学校教育への影響や、PTA等の空調設備の整備に関する要望があることは承知しております。現在、都立高校の空調設備につきましては、すべての高校の音楽室、視聴覚室、図書室、保健室、パソコン・LL・ワープロ教室に整備をしております。また、航空機や高速道路など周辺の交通騒音の著しい五十六校については、騒音対策として普通教室にも空調設備の整備を行っております。
 一方、都が昨年八月に策定いたしました地球温暖化対策都庁プランの実現に向けた取り組みが求められている中で、都立高校における夏季の教育環境改善として、平成十七年度に六校で壁面緑化、二校で校庭の芝生化を行いました。また、十六校で屋上緑化を行うなど、環境改善に努めているところでございます。
 夏季期間中における教育環境改善につきましては、その基本的な考え方や冷房化を含めた方策などについて総合的に調査検討するため、都立高校教育環境改善検討委員会を本年四月に設置いたしまして、鋭意検討を行っているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言をお願いします。

○山田委員 私は、請願一八第一〇号、東京都立高等学校の普通教室における早急な空調設備設置に関する請願について質問させていただきたいと存じます。
 本定例会の我が党の代表質問でも質問いたしましたけれども、我が党といたしまして、都立高校の冷房化、空調設備については推進すべきという立場をとっているところであります。
 最近の東京の夏の暑さは、皆さんもご存じのとおり、大変暑いというのが実感だと思います。特に一昨年、平成十六年の暑さは記憶に新しいことだと思いますけれども、七月二十日には東京で気象観測史上最高の三十九・五度を記録するなど、記録的な猛暑でありました。また、昨年は最高気温が三十六・二度でありましたけれども、その日が六月二十八日でありました。私ども選挙をしている最中、大変暑い思いをしていましたけれども、それも含めて六月二十八日に三十六・二度という記録がございました。そのように猛暑の期間が長期化になっているということがうかがえるわけでございます。
 東京の年間の平均気温は、この百年間で約三度上昇している。また、我が国の他の地域と比べても大きな変化を見せております。地球全体の平均気温が百年間に約〇・八度の上昇であることを比較いたしましても、東京の気温がいかに変化が大きいかということが、これからもわかるところであります。
 当然のことでございますけれども、このような暑い東京でございますから、ほとんどの家庭、あるいは施設や交通機関において冷房が普及いたしております。ところが、今回、請願が出されておりますように、都立高校におきましては、交通騒音とか一部の特別な事情のある学校を除いては、なかなか冷房が普及していないというのが現状でございます。
 確かにこれまでは長期間夏季休暇があるとか、あるいは財政的な問題等がありまして、都立高校の教室の冷房化が進まなかったということは理解できないわけではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、昨今の気候の変化によりまして、夏の暑さは私たちの耐えられる限度を超えていると私は思うところであります。今回、請願がありましたように、都立高校の冷房化の実現は、生徒、保護者の強い願いであります。
 私も以前、地元の養護学校の父母の方から、子どもが学校に行くに当たって体調管理ができない、今の学校に行くと、クーラーがないといいますか、冷房がないということもあって体調管理ができないから、登校拒否をしているんだ、何とかならないだろうかという相談もございまして、学校側にその旨お話ししたこともございますし、私の知っている都立高校の生徒も、学校の授業に集中できないとか、気分が悪くなって保健室に行くとか、そういうような話も聞かされているところでもございます。
 今回の請願がございますけれども、今申し上げたように、このような事情の中からでも、この冷房化の実現は生徒や保護者の強い願いでもありますし、生徒が授業に集中できる適切な教育環境の整備は、都教委といたしましても当然の責務であると思います。冷房化の実現に向けた積極的な取り組みを願うところでもございます。
 そこで、まず初めに、夏の東京の暑さは、以前と比べてどのくらい厳しくなっているのかということをお調べいただいてあれば、お聞かせいただきたいと思います。

○山川学務部長 現在の気象状況を四十年前と比較いたしますと、三十度Cを超える日数がほぼ倍増している状況にございます。
 気象庁の観測データによりますと、東京の気温が三十度Cを超えた日数は、平成十七年では、六月に五日、七月に十四日、八月に二十五日、九月では十二日、さらに十月にも一日あり、合計五十七日でございました。
 また、この四十年間の三十度Cを超える日数の変化についてみますと、八月は約三〇%の増加が見られるところですが、さらに六月、七月、九月ではさらなる顕著な増嵩が見られます。
 これらのデータから、かつては三十度Cを超える日が七月、八月に集中していたものが、今日では六月上旬から九月末までと全体的に広がっている状況が見てとれます。

○山田委員 今のご説明で、昔と比べて東京の猛暑の日が大幅にふえているということがわかるわけであります。実際に授業が行われています教室の温度はどうなっているのか、都教委でデータを把握していると思いますので、それについてお答えいただければと思います。

○山川学務部長 昨年、都立高校六校において、夏季期間中の教室内温度を測定いたしました。その結果、授業を行っているときの教室内の温度でございますが、二十八度Cを超えた日の割合は、六月で三六・四%、七月で六三・三%、九月で七八・三%でございました。

○山田委員 今のご説明で、二十八度Cを超える日の割合が、六月で三六・四%、七月で六三・三%、九月で七八・三%ということでございました。
 都立高校で冷房化が進まない一方で、私立高校は早くから冷房に取り組んできたところが多く、その普及率は一〇〇%近くなっていると聞いております。また、都内の国立高校も六校すべてが冷房化されているということでございまして、こうした都内の他の高校と比べて冷房化のおくれている都立高校は、保護者あるいは生徒から見ますと、施設整備のひどく立ちおくれた施設というぐあいに目に映るということではないかと思います。
 そこで、先ほども触れましたけれども、これまで都立高校の普通教室の冷房化が進まなかったことについて、その背景についてご説明いただきたいと思います。

○山川学務部長 これまで学校の冷房化が進まなかった背景といたしましては、一つには、学校には長期的な夏休みがあったということ、二つ目には、設備投資や維持管理費などの財政上の負担の問題があったということ、三つ目には、温暖化防止への取り組みが求められている中での環境に対する配慮をどうするかという課題があったということでございます。

○山田委員 これまで財政的な課題とか、あるいは環境への配慮とか、そういう都立高校で冷房化が進んでこなかった、実現困難だったという課題があったことは理解できるわけでありますが、環境問題として、地球温暖化ガスの排出抑制などに関する環境面での技術進歩については近年目覚ましい進歩がございますし、また、グリーン購入法の成果などもありまして、家庭電化製品でも省エネ機器が普及するなど、環境分野での技術は大きく進歩しているのが実情であります。
 こうした革新的な技術を導入することによって、冷房によるエネルギーの消費量も抑制することができるわけでありまして、ぜひこの点についても検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○山川学務部長 ご指摘のように、近年の技術革新によりまして熱効率の高い空調機器なども開発されておりまして、省エネルギー対策も進んでおります。しかしながら、こうした最新の技術によりましても、新たに冷房を導入することによりエネルギー負荷が増加することとなりますので、今後もエネルギー消費量の削減に向けた一層の努力が必要であるというふうに考えております。

○山田委員 さて、本会議での質疑もありましたけれども、都教委では本年四月に都立高校教育環境改善検討委員会を設置して、教室の環境改善のために、冷房化を含めた多様な方策について検討を行っているとのことでございます。
 検討委員会の設置は、冷房化に向けて大きな一歩を踏み出したものと評価いたしますけれども、この検討委員会においてどのような点が現在議論になっているのか、お伺いいたします。

○山川学務部長 これまでの検討委員会の議論ではございますが、教室内の温熱環境の実態、都立高校以外の学校の教室環境対策の実態、これまで行ってまいりました都立高校の環境改善策の状況、さらにはさまざまな環境改善策の特徴と問題点、都立高校全体のエネルギー消費構造や冷房におけるエネルギー消費量及び必要経費の問題点などでございます。

○山田委員 この検討委員会には、PTAの代表の方々もその検討に加わっていると聞いております。今後は冷房化に関してさまざまな点から議論がより深まっていくことと思いますけれども、今後の議論の方向性について都教委としてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○山川学務部長 今後の議論の方向といたしましては、冷房も含めたよりよい教育環境を確保するための具体的な手法、費用負担のあり方、環境問題にも配慮した教室環境づくりの留意点などについて、教室環境の専門家であります学識経験者や保護者、学校関係者などから、多角的、総合的な見地からの議論を期待しているところでございます。

○山田委員 東京では梅雨に入りまして、きょうも雨が降っておりますけれども、この梅雨が明けますと、本格的な夏がやってくるわけであります。猛暑の東京都では、生徒、保護者の冷房化への切実な要望が再び高まってくると思います。検討委員会でも目前に迫っている夏の暑い教室の実態をより的確に把握し、冷房化に向けた具体的な動向を検討していくということを強く期待しているところでもございます。
 最後に、この冷房化を含めて、教室環境の改善に対する都教委の基本的な対応方針について改めて伺って、私の質問を終わりたいと思います。

○山川学務部長 昨今の温暖化やヒートアイランド現象が進んでいる中、一方、都立高校における夏季期間中の教育活動も活発化してきていることでございますので、教室環境の改善は重要な課題であると認識しているところでございます。
 今後、都教育委員会といたしましては、都立高校教育環境改善検討委員会での議論を踏まえながら、生徒が学習に集中できる適切な教室環境づくりに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○馬場委員 私も、請願一八第一〇号について何点かご質問させていただきます。
 私も、ここ二年、この冷房化についてずっと訴え続けてまいりました。きっかけは、ちょうど一昨年の今ごろ、保護者の方から、子どもの健康に心配な状況があるということで、学校の冷房化をしてほしいというご要望がありました。早速、担当に問い合わせました。そうしたら、今いろいろご説明がありましたように、都立高校の冷房化については、体調不調な生徒のためには保健室を冷房化してある。それから教室の密閉性の確保をしなければならないところ、音楽室、図書室、視聴覚室、進路指導室、そこは冷房化してあります。それから、機器の発熱による室温上昇、パソコン、ワープロ、そういう教室もしてあります。さらに、交通騒音、航空機騒音、そういうところは六十ホン以上であれば冷房化をしています。
 普通教室については、財政面、それから先ほどの環境の問題があり、また、そのころは、生徒は元気で暑さに耐える、そういう子どもでなければいけないというような風潮がどうもあったように私には思えますが、そういう中で、そのときには私もあきらめざるを得ませんでした。しかし、その夏は本当に異常気象でございました。
 先ほど山田副委員長は三十何度というふうにおっしゃいましたが、私の記録では、七月二十日に足立区内で四十二・七度という最高気温になり、最低温度がもう三十度に近いような熱帯夜が何日も続くというその夏を越して、九月に入って私は大変反省いたしました。最初に保護者にお答えした、そのときの都教委の基準では、この現状ではとても子どもたちの健康を守るという状況ではないというふうに、そのとき実感したわけです。
 では空調設備、教育環境を整えるにはどうしたらいいかということで、いろいろ考えました。その中で、耐震の方にお金がかかるということで、エコでどうだろうかという話があり、エコの取り組みについて、それも一緒に視察に行ったりしながら考えました。
 今回、実は大変ありがたいと思っているのは、四月からの検討委員会の設置によりまして、このお話が進んでいることです。検討委員会の資料もいただきました。その間、昨年の三月には一般質問もし、訴えたわけですが、そのときもまだなかなかいいお答えはいただけませんでしたが、今回のこの検討委員会の資料を拝見させていただいて、一回目の資料のまず最初に、「いままで異常気象といわれていた夏季の高温現象が異常でなくなりつつある。」という、ここから始まっているわけです。もう東京全体が暑いんですよ、地域性、特別の何とかということはないですよということを、この資料の中でははっきり述べられている。
 二つ目には、今お話しした全体のヒートアイランドの状況の中で、東京における気温の状況というのがきちんと数値が出されています。三つ目には都立高校の状況の変化、そして四つ目には温暖化・ヒートアイランド現象に対する取組、先ほどの緑化のいろいろな取り組みについて述べられ、五つ目には、ほかの高校、小中、それから大学等教育環境の冷房化の状況が述べられ、この都立高校の状況が、その中では最悪といっていいでしょうか、冷房化率が低いということをきちんと述べられています。
 そして、二回目の五月に行われた検討委員会の資料の一番最初に出されているのが、教室環境の目指すべき状況という中で、五度以上の温度を下げる必要があるということがきちんとここで資料として出されています。そして、教室内の環境改善方策というのがいろいろとられて、それに対するさまざまなメリット、デメリット、そして導入の範囲・対象、それから効果の範囲とかなり詳しく述べられている。そして、そのときの資料の二枚目には、もし都立高校全校の今の暖房機をもう一度エコに直せば、この普通教室のエネルギーに対する負荷が相当下げられる。だから、今回、冷房を設置しても、ないよりは上がりますが、そういう数字もきちんと出されています。
 今回、私はこの検討委員会の中で出されているこうした資料を拝見させていただいて、そのことを評価、そして期待をしているところなんですが、それではこの検討委員会の出されている資料についても、ある意味、最善の方法は冷房化ではないかというふうに検討委員会の方向性が随分出ているというふうに私は読み取れるんですが、この点についていかがでしょうか。

○山川学務部長 夏季におきます教室環境改善対策の一つとして冷房も考えられますが、この検討委員会では冷房化を含めた多様な方策などを検討課題としておりまして、都教育委員会は、この検討委員会での議論を踏まえ、生徒の学習環境の改善に取り組んでいく必要があると考えております。

○馬場委員 検討委員会でさまざまな検討をしなければならないというのは、私もよくわかっていますが、その方向性について、ここははっきり東京の教育環境を守るには五度下げなければいけないというふうに書かれている。この五度は、ある意味かなり大きい絶対的な数値であると私は思っています。こうした方向で、もう一〇〇%に近く冷房化ということを選択せざるを得ない、そうした資料だというふうに私は読んでいるんですけれども、ただ、先ほども申し述べましたように、それでは、その環境負荷というのはいいのかというのがまた出てきてしまいます。
 私は一般質問のときにもちょっと触れたんですが、十六年十月に足立区の中島根小学校というところで、エコ校舎、緑のカーテンで、ヘチマがずっと四階ぐらいまでなっているところに行ってまいりました。ヘチマもいただいてきたんですが、こうしたエコの取り組みは、六校等で、十七年と、ことしもまた継続で十八年と、二カ年で壁面緑化、屋上緑化等さまざまな試みをしてくださっているんですが、一方で、四月でしょうか、環境局さんでも、学校の室内の熱環境緩和効果ということで、学校における室内環境への影響という、かなりきちんとした調査をしていらっしゃいます。
 それは、要するに室内に冷暖房機を入れて、さらに屋上緑化、壁面緑化等をすることによって室内の温度はとても下がってくる、つまり空調がないところに緑化をしても余り効果はないけれども、空調があるところにさらに緑化をしていけば、その効果はとても上がるというような報告であり、それにはどういうところにはどういう緑化をしていけばいいというようなことを、環境局ではかなり取り組んでいらっしゃる。
 二つ目なんですが、この検討委員会の中で、そういう意味では、私はきちんと現状の学習環境を守るということでは、冷房機の導入ということはせざるを得ない。しかしながら、それまでは冷房機か壁面緑化、つまりエコ対策かという、どちらかを選ぶというふうな状況があったというふうに思うんですが、私は今後は、冷房化と壁面緑化、屋上緑化、つまりエコ、環境負荷を少なくするということを同時にやるべきだというふうに思いました。
 また、この検討委員会でも、多分そういうことに触れられて、調査結果からはそういうふうになっていくのではないかというふうに思っています。
 この意味で、今回、昨年からモデル事業をしてこられたわけですが、この環境に配慮した取り組みということについて、本日現在どういうふうに考えられているのか、お答えをいただきたいと思います。

○山川学務部長 夏季におきます教室環境改善策を検討するに当たりましては、ご指摘のように、環境に配慮した学習環境の改善は重要であると認識しております。
 現在進めている検討委員会では、環境への配慮を視野に入れた方策といたしまして、壁面緑化、屋上緑化、高反射率塗料等の活用や冷房も含めた多様な方法について総合的な観点から議論が行われておりまして、今後、議論の結果を踏まえて、地球環境にも配慮した方策を検討してまいりたいというふうに考えております。

○馬場委員 冷房化設置、それから今のエコについても、実は費用がかかる、財政の問題が大きくあるということは私もわかっています。このことについては、実は保護者、請願をいただいた皆さんも、もう受益者負担でもというふうなお言葉が請願書の中にも入っていたと思いますが、こうした思いまで持ってでも、一日も早く子どもたちの学習環境を整備したいという思いが伝わってくるわけです。
 そうすると、この冷房化、さらに私の理屈でいうと、エコ対策も含めてさらに費用がかかってくるわけですが、こうしたこともこの検討委員会の中でどういう方法がいいかということを含めて今後検討されるというふうには思いますが、昨年の一般質問をする折にも、私が資料をいただいたのは、私の母校の都立校の校長先生なんですが、大阪府の例、資料も一緒にそのときにいただきました。
 大阪府の検討、中身は皆さんご存じだというふうに思いますが、設置するための株式会社を設立し、そしてそのリースで後で費用を返していく。その費用については第二授業料というふうにいっていいでしょうか、確かに保護者の負担がふえたということでもありますが、そういう形で大阪府は全面冷房化を実現した。
 また、その実現できた期間が実はすごく短いんですね。平成十四年十一月にこうした事業をやると決めて、翌月、十二月には審査委員会を設置し、翌年五月、半年もたたないうちに、この委員会で審査結果の公表が出ます。そして、七月に契約をし、提供開始が翌年、平成十六年六月、つまり中一年だけだめでしたが、十二月に検討してから翌々年の夏には間に合ったという展開で、この実現が可能になっています。
 こういうことを見ると、今回の請願の皆さんのご意向も酌んでこの検討委員会を持たれている。この検討委員会、最終は来年の三月三十一日、一年間というふうになっているようですが、来年の三月に結論が出て、そこから翌年の予算に反映をしてということになれば、ことしはもちろんですが、来年も実現しない、再来年もという、三年、四年という年月がかかります。できるだけこうした状況を早く解決するためには、この検討委員会、申しわけありませんが、急いでいただき、できれば来年の予算編成に間に合わせる、そして工事に入り、できるだけ早い期間で多くの生徒たちに学習環境を提供するということを、都教委としてすべきだというふうに私は思いますが、この点、いかがでしょうか。

○山川学務部長 環境面や経費面などの教室環境改善におけるさまざまな課題を解決するためには、これらの点について幅広く詳細な検討が必要でありますが、今ご意見をいただきましたように、できるだけ早く報告として取りまとめたいというふうに考えております。
 都教育委員会では、今後も精力的に検討委員会での議論を深め、生徒が集中して学習に取り組める環境づくりに努めてまいります。

○馬場委員 最後に一言。皆さん、今回も冷房化ということについては、各会派の皆さんのご理解をいただいているということでございます。総力を挙げて東京都の責任として、費用面のこともあるとは思いますが、ぜひ検討を重ね、早急な取り組みをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

○上野委員 私からは、初めに、都立町田高校改築及び改修工事請負契約案件につきまして、何点か質問させていただきます。
 私は、本年三月の第一回定例会の文教委員会におきまして、学校の大規模改修には約二十億ぐらいかかる、大変な税金をつぎ込むので、何とかコスト削減にしっかりと取り組んでいかなければならないということで、一つの事例といたしまして学校の教室の天井の高さについてお話をいたしました。
 再度改めて確認したいと思いますが、昨年十月までは学校の教室の天井高さにつきましては、建築基準法施行令におきまして、床面積が五十平方メートルを超えるものについては、天井高さは三メートル以上と規定されておりました。しかし、この規定につきましては、文科省が学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議ということで検討を行って、いろんな調査をした結果、明治十五年以来ずっと旧態依然として残っていた教室の天井高さ三メートルの最低基準というものを廃止することは適当である、このような中間報告を取りまとめたわけでございます。
 これを受けて、昨年十一月七日に建築基準法施行令の改正がなされまして、この規定が廃止されました。そして、この改正によりまして、いわゆる教室の天井高さというのは地方自治体と学校設置者の裁量にゆだねるということになったわけでございます。
 私は、このことを踏まえまして、このコスト縮減の配慮をした工事発注というのを今後進めてもらいたいというご要望をしたわけでございますけれども、今回の契約案件として提出されているこの改修工事におきまして、この改正が設計に反映されているのかどうか、お伺いいたします。また、反映されていなければ、どういう理由で反映されていないのかをお伺いいたします。よろしくお願いします。

○山川学務部長 町田高等学校改築及び改修工事につきましては、天井の高さを三メートル以上としております。この工事の実施設計は平成十六年八月から十七年三月にかけて行っておりまして、ご指摘の法律改正以前であったことから、その当時の建築基準法施行令の規定によりまして、三メートル以上の設計で行ったものでございます。

○上野委員 実施設計が間に合わなかったということで反映されていないということでございますけれども、ご存じのとおり、教室の高さは、あの体格の大きいアメリカでも二・七メートルというふうになっております。また、実際に皆様方が執務されている都庁舎、ここも設計上は二・七メートル、私も実測しましたけれども、二・六五しかないんですね、床が少し高くなったりということで。そういった状況の中でも、そんな圧迫感というのはないわけです。皆さんも本当に一生懸命仕事ができるという状況でありますので、教室だけが三メートル以上必要だというふうには私は考えておりません。
 そういった中で、例えばこの都庁舎みたいに二・七メートルに天井の高さをした、三十センチ下げた場合に、どのくらいコスト削減できるのかということを調べてみますと、大体全工事費の一、二%の削減が可能であるというふうなことがいろいろと載っております。
 そこで、今回の校舎建設費、どの程度のコスト縮減ができると思われるのか、そのあたりについてお伺いいたします。

○山川学務部長 標準的な設計の小学校をモデルといたしまして、教室の天井高と階高を三十センチメートル下げた場合、総工費の約一・五%が、また、天井高のみ三十センチメートル下げた場合には、約〇・一%下がるとの試算があると聞いております。
 また、各施設の個別の条件によりコスト縮減の程度は異なるというふうに思われますが、私どもの都立高校における試算でも、ほぼ同程度のコスト縮減になるものと考えております。

○上野委員 約二十億かかる大規模改修という場合に、仮に二%削減すれば四千万円削減できる。今後も老朽化あるいは耐震改修ということで大規模改修がいろいろと予定されております。同じような規模のところもあります。そういった意味ではしっかりとこのコスト削減にぜひとも取り組んでいただきたい。地方自治体の裁量にゆだねられている以上は、しっかりとその点についても取り組んでもらいたいと思います。
 都教委はそうした意味での施設整備の方針というものを、今まだできていないということですので、これについていち早く策定していただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

○山川学務部長 良好な教室環境をつくるためには、児童生徒の学齢や教室の規模、形態などの諸要素を考慮いたしまして、教室の広さや形状、採光、音響などの室内環境等をあわせて総合的に検討することが必要であると考えているところでございます。
 教室の天井高さにつきましては、規定の改正の趣旨を踏まえまして、設計、工事を委任している財務局と検討を進めてきたところでございますが、ご指摘の点につきましても、今後、財務局と協議をし、検討してまいります。

○上野委員 ぜひとも検討委員会を立ち上げて、早急に施設整備の方針を作成していただきたい、このことを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 請願一八の第一〇号、普通教室への冷房設備設置の質疑に移りたいと思います。
 都立高校の教室の冷房化につきまして、本定例会で我が党は代表質問をいたしました。既にいろんな質疑があったところですけれども、きょうはさらに議論を深めるという意味で何点か質問いたします。
 代表質問でも触れましたけれども、本年第一回の定例会におきまして、我が党が主張いたしました検討委員会を立ち上げましょうという話について、しっかりとおこたえしていただいて、この四月に検討委員会が立ち上がりました。これまでどちらかというと、冷房化に対してはなかなか前向きなお答えをしていただけなかったわけですけれども、こういった検討委員会を立ち上げて、冷房化も含めてしっかりと検討を行っていくということについては、私は評価しているところでございます。ぜひとも冷房化を実現させる方向でさらに議論を進めていただきまして、快適な学習環境を実現させていただきたい、このことを強く期待するものでございます。
 都の教育委員会、先ほどの話もありましたように、平成十七年度の重点事業で、緑化事業の中で、夏季の教室環境改善として壁面緑化のモデル的検証を実施されておりますけれども、その効果というのはどうだったのか、また、その検証の過程での教室内の温度測定はどの程度になったのか、お伺いいたします。

○山川学務部長 平成十七年度に実施いたしました緑のカーテンによる壁面緑化モデル事業では、外気の気温、外壁付近の温度、教室内温度の三点におきまして温度測定を行いました。その結果、緑のカーテンを設置した教室と設置していない教室内の温度を比較いたしますと、おおむね二度の差が見られました。

○上野委員 緑のカーテンでは二度程度の改善効果が見られたということでございますけれども、先ほど話がありましたように、一昨年の夏、これは七月二十日前後、最高気温、気象庁の正式発表では三十九・五度といわれていますけれども、実際に教室内での室温というのはそれよりも二、三度高いという、これは検討委員会での資料にもあります。そうしますと、もう四十度を超えている、こうした教室の中で勉強をされているわけですけれども、こういう温暖化、猛暑が続く東京で、二、三度ぐらい教室の室温低下したぐらいでは、とてもとても教室環境、学習効果というのは上がらない。少なくとも先ほど室温は五度C下げますよというふうな話もありましたけれども、五度Cぐらいでは、とてもじゃないけれども、三十九度とか、そういった気温の中では勉強できるような環境ではない。
 ご存じのように、学校の環境衛生の基準には、教室の温度というのは大体二十五度から二十八度が最も望ましい、このように書いてあるわけですから、そのためにはぜひとも冷房機器を導入するしかないのではないか、これしかない。これをはっきり決めて、ぜひとも進んでもらいたいと思うんです。
 しかも、都立高校の教育現場、最近では学力向上ということで、多様な取り組みという中での夏休みに補習、補講が行われているわけですね。昨年の夏休み四十日間で三十度Cを超えた日数が何日あるのかと調べたら、三十四日もあり、八割近くは三十度Cを超えている。したがいまして、ここにもいらっしゃいますけれども、保護者の皆さん方は大切なお子さんのために一生懸命弁当を朝つくって、持っていきますけれども、気象庁の気温を見ていきますと、午前八時にはもう既に三十度を超えているわけです。そこから昼までの間に教室内で弁当が腐っちゃっている。帰ってきたら、子どもが残していた。ふたをあけたらものすごいにおいがした、食べられなかったよという話がある。これが実は実態なわけです。
 私の近くに小松川高校がありますけれども、一昨年にはこの小松川高校の教室で女子生徒さんが熱中症にかかっちゃった。大変な事態になったわけです。こういった実態というのをしっかりと教育庁は受けとめて--私は、一番いいのは、この夏休みに現場を視察して、一日三十度を超えている教室にいたらどうなのかということを体験してもらいたいです。学校の先生も汗をかきながらやっている。子どもたちは下敷きでうちわをやりながら、授業になりませんよという話をされている。そういった環境の中で学力を向上させるなんて言葉ではいっているけれども、それは実態に合っていない。このことを強く申し上げたいと思います。
 次の質問に移りますけれども、都立高校は、騒音対策として今冷房化は進めていらっしゃいます。暑さ対策としての冷房化というのは行われておりません。そこで、他県の公立高校における騒音対策以外の暑さ対策を目的とした冷房化はどのような状況になっているのか、お伺いいたします。

○山川学務部長 現時点におきまして、公立高校に暑さ対策として冷房を設置している道府県は、三十七府県であると把握しております。

○上野委員 四十七都道府県の中の三十七府県、全国で約八割がもう冷房化を導入されているわけです。東京都はおくれているんじゃないですか。
 冷房化に対する課題というのは、一つには、やっぱり今一番大きいんでしょうけれども、財政面の課題というのがあるわけです。そういった財政面の課題を抱えながらでも、他府県では冷房化の導入を図っているところがある。
 また、今回の請願にもありましたように、都立高校の保護者の方々からは、自分たちが費用負担してでも普通教室の冷房化の早期実現を望むという、この要望の声が年々高まっております。こうした受益者負担をしてでもとの保護者の声というのは、切実さをあらわしていると私は思っております。
 こうした保護者の皆様の要望にこたえる意味でも、都立高校の冷房化を確実に実現してもらいたい。また、そのために、東京都におきましては、導入している他府県の例というのをしっかり参考にして、いろんな問題、課題を解決してもらいたい。その手法をぜひとも探ってもらいたいと思います。
 冷房化の整備方法にはさまざまな手法があると思います。都道府県がみずから設置する場合もあるでしょう。また、PTAの方々が自分たちで設置する場合もあると思います。都道府県がみずから設置した場合の、要するに保護者の方への費用負担を求めている場合と求めていない場合とがあると思いますけれども、そういった事例を見ながら、他府県でどういった手法をとっているのか、このことについて細かく教えていただきたいと思います。

○山川学務部長 学校設置者として公立高校の普通教室に冷房を整備しているのは、大阪府、京都府、和歌山県、鳥取県などでございます。このうち、大阪府と和歌山県では受益者負担を求めていると聞いております。また、教育委員会が使用許可を行いまして、PTAが普通教室に冷房設備を自主設置している県が全国で約三十県あると聞いておるところでございます。

○上野委員 大阪では受益者負担の制度を導入しているということでございますけれども、東京都と同じ大都市ということでは、都も非常に参考になるのではないかと思います。
 そこで、大阪ではどのような整備手法をとって冷房化を導入しているのか、具体的にお答えしていただきたいと思います。

○山川学務部長 大阪府の実例でございますが、維持管理、光熱水費を含めました機器リースの手法によりまして、府立高校百四十七校に冷房設備を一斉導入しておるところでございます。これに要する経費の一部について、受益者負担を求めているところでございます。

○上野委員 授業料の減免措置とかいうのは東京都でも行っているわけでございますけれども、私はそういった低所得者の方に配慮した導入というのも考えなければいけないんじゃないかと思います。
 文科省の調査では、新聞報道によりますと、東京は授業料の減免率が全国で六番目に多い。東京都で全額免除された生徒の率が最も高い学校は約三〇%、このようにあります。仮にこういった受益者負担の導入というものを図る場合には、低所得者世帯に対しての減免措置などの配慮が必要と考えますけれども、いかがでしょうか。

○山川学務部長 現在、検討委員会では、費用負担のあり方などについても検討課題となっておりますので、今後は、今申し上げました他府県の事例を参考にしながら、ご指摘の点も踏まえながら検討を進めてまいりたいというふうに考えます。

○上野委員 最後になりますけれども、都教委が冷房化に向けて踏み出した、このことに対して保護者の皆様方というのは大変期待も大きいわけでございます。都教委が本気で教室環境の改善に取り組んでいるんだ、こういう姿をぜひとも積極的にこの検討委員会の中でも見せていただきたいと思うわけです。
 代表質問の中で我が党がいいましたように、検討委員会のこの資料とか検討内容についてホームページで公開してもらいたい、このことについては教育長の方からご答弁いただいて、これについては公表していきますよとお答えしていただきました。
 そこで、この公表に当たっては、検討委員会が終わってから公表したのではどうしようもないわけです。検討委員会のたびにどういう話をしたのかというのを、ぜひともそのたびに公表していただきたい、このように思いますけれども、そのことも含めて、さらには最後になりますけれども、都教委の環境改善に対するその意気込みと決意というものを述べていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山川学務部長 保護者の強い要望などから、この検討委員会に対する関心が高いことは十分承知しております。この検討委員会を進めるに当たり、ご指摘の点も踏まえて、検討委員会の資料や検討内容について適時適切にホームページに掲載するなど、都民への公開に努めてまいります。
 なお、都教育委員会といたしましては、この都立高校教育環境改善検討委員会での議論を踏まえ、今後、生徒が学習に集中できる適切な教室環境づくりに積極的に取り組んでまいります。

○大山委員 私からも、冷房設置の請願について質疑します。
 今いろんな方の質問の中で、いかに気温が高くなってきたのか、地球温暖化、ヒートアイランド現象が進んだのかというのはるる述べられたとおりです。
 実際、生徒がどうなっているかといったら、これはPTAの皆さんの空調施設アンケートによる意見というのを見せていただいたんですけれども、さっきもおっしゃっていたようにお弁当が腐ってしまう。これは前の日につくったものじゃなくて、朝ゆでたものがお昼にはくさかった、糸を引いていたというんですね。自分の教室の中に置いていたんですよという話なんですよ。まさに異常事態ですよね。同時に、生徒の熱中症が毎年ふえています。ひどいときには救急車で運ばれ、入院もします。熱中症は暑さを我慢すればするほど危険な状態になるんです。本当に健康さえも守れないという状況です。
 でも保護者の方は、二、三日でいいですから、最も暑い七月中ごろ、一日じゅう生徒とともに教室で過ごしてみてください。そこまで怒りともいえるような状況になっているんじゃないかと思っています。
 このような都立高校の暑さと生徒の状況をどのように認識していますか。

○山川学務部長 夏季におきます温熱環境の変化、教育活動の多様化等を考えますと、教室環境の改善に努める必要があると考えております。

○大山委員 教室環境の改善に努める必要があるということですけれども、都立高校教育環境改善方策の検討ということで、検討会に出た資料も見せていただきましたが、まさにそうなんですよね。教室環境の目指すべき状況というので、文科省では学校環境衛生の基準として、二十五度から二十八度が最も望ましい、夏季の室内は三十度以下に保つことが好ましいというふうに書いてあるし、ヒートアイランドで百年間で三度も上がったとか、高校生は体格もよく、体からの発熱量も多いから、気象庁の発表に比べて平均室温は二・三度高い傾向なんだと。
 想像しても本当に暑そうなわけですけれども、結局、どうなっているかというと、いろいろやってみたけれども、全教室で確実に五度程度以上、降温、温度を下げるためには冷房が望ましい。教室の配列の状況なんかを見ても、窓を開放しても改善効果は小さい。だから、やっぱり冷房機器の設置が有効であるというふうに、この表は読めるわけですよね。結局、冷房が望ましいということなんですね。
 この間もずっと出ていますように、一刻も早くこれは取り組まなければならないということなんです。ですから、検討会では、設置を前提に、具体的にどうしていくのかというのをきちんと前提にして検討してもらいたいということをまず求めます。
 先ほどの答弁の中に、進まなかった三つの理由として、一つは長期休みがあるからなんだということですけれども、この表からも、やはり六月ごろからもう三十度を超える日がある、それから七月や九月も四、五割の日は三十度を超えているんだということですから、これは文科省の基準からいったって、早急に是正しなければいけないということは確かなんだということですね。
 地球の温暖化を防止しなければならないのは当然です。京都議定書でもマイナス六%というのを決めたわけなんですね。でも、東京都政が本気になって地球温暖化対策、温室効果ガスを削減するために努力してきたというんだったら、そうですねって本当に素直にいえるんですけれども、二酸化炭素、この間二四%もふやしているわけですよね。
 現在の都立高校全体の二酸化炭素排出量と、空調を全校に設置した場合の二酸化炭素排出量、どれぐらい増加するものなんですか。

○山川学務部長 都立高校全体から一年間に排出されます二酸化炭素の量は、概算でございますが、約五万トンであると推計されております。
 現在、多くの教室で使用しております暖房機器と同じエネルギーである都市ガスを仮に空調機器で使用したといたしまして概算いたしますと、二酸化炭素の排出量が約一千二百トンの増となることが推測されております。

○大山委員 今、設置していない百五十校弱のところ全校に設置しても、CO2の排出量は千二百トンふえるだけということですね。この間、石原都政は、規制緩和して、東京ドーム百三十二個分の床面積の超高層ビルを乱立させたんですよね。それで、CO2が六百六十万トンふえたんです。地球温暖化対策というんだったら、高校生に、育ち盛りの子どもたちにしわ寄せをするんじゃなくて、事業所だとか事務所の過度な集中こそ抑えるべきなんですよ。だから、高校生にしわ寄せするなんていうのはおかしいということです。
 もちろんなるべく環境負荷を抑制することは重要ですし、やらなければならないことです。つばさ高校の保護者の方から、うちの学校はISO一四〇〇一を取得して頑張っているという話を聞いて、村松委員長が訪問してくれました。騒音対策でこの学校は冷房もついています。都立学校で一、二を争う電気消費量だったんですけれども、冷暖房の室内の設定温度を変えるとかいうことをいろいろやって、経済的効果も出ているということなんですね。校長先生は、学校の冷房化は大事だが、単に冷房化でよしとするのではなく、環境教育を進めることが生徒たちにとっても大切だと思うというふうに語っています。
 だから、もちろん温度調節も各部屋でできるような設計にするんでしょうけれども、そういうことも含めて、もし地球温暖化、少しでも負荷を少なくするということだったら、こういう面での負荷を少なくするということが重要だと思っています。ですから、二酸化炭素の排出量、温暖化対策で設置できないんだというような口実はもう使えないということだと思います。
 あと財政的な面とかというのがありますけれども、残っている全校に設置するとしますと、どれぐらいの予算がかかるものですか。

○山川学務部長 現在多くの教室で暖房機器として使用している同じエネルギーである都市ガスを仮に空調に使用した場合に、イニシアルコストがどのぐらいかかるかということでございますけれども、これはあくまでも現段階における試算でございますが、検討委員会の資料でも説明しておりますように、約百六十五億円程度というふうに考えております。

○大山委員 約百六十五億円程度ということですね。残っている学校全部につけても百六十五億円です。
 例えば、新宿区で小中、幼稚園、全校の冷房設置を十五年度からやっていて、やっと今年度で終了するんです。四年間で十六億七千七百六十七万円かかりました。約十七億ですけれども、年間の一般会計は一千百億円ですから、その一・五%に当たるわけですね。東京都は六兆円の予算規模ですから、百六十五億円、〇・三%にもならないというところですから、一気にでもできないはずもないということなんです。
 保護者の皆さんが、この請願の中で保護者負担してでもというのは、したいんじゃなくて、いかに要求が強いのかというのの裏返しです。東京都の財政、苦しい苦しいといっていろんなものを削ってきたりするから、PTAの皆さんはきっと東京都は財政が苦しいんだろうと思って、本当に優しい気持ちというか、それだったらというような気持ちなんですね。しかし、要求というか、何としても冷房は設置してほしいという強い要望があるからこそのこの文章だと思うんですね。しかし、一般会計六兆円に比べれば〇・三%にも満たないことですから、財政的にもそんな心配は要らない。
 しかも、保護者の負担は、私は求めてはならないと思っています。第一には、都立高校の教育環境整備にとって、今あったように、それから検討会の資料にもあるように、特別なものじゃないということですね、冷房設置は。ですから、標準装備、必需品だということですから、あえて費用徴収する根拠はありません。
 もう一つ、現在の生徒の家族の状況ですね。都立高校生の生保世帯と授業料減免世帯の推移と人数の割合ですが、九九年度と二〇〇四年度で比べてみてください。

○山川学務部長 都立高校の授業料減免件数につきましては、平成十一年度は七千七百十二件、平成十六年度は一万七千三百五十五件となっております。
 また、減免要件のうち、生活保護受給世帯の件数につきましては、平成十一年度は千八百七十二件、平成十六年度は二千七百七十五件でございます。

○大山委員 授業料の減免の世帯は五年間で二・二五倍に急増しています。生保世帯も約一・五倍ですね。ですから、経済的な状況からいっても、費用負担などということはしてはいけないことだと思っています。
 学習する権利を保障するということから見ても、新たな負担は求めてはならないと思っています。
 国際的に見ても中等高等教育の漸進的無償化、つまり初等教育だけではなくて中等教育も高等教育も徐々に無償化にしていきましょうということを決めた国際人権社会権規約十三条の二項の(b)、(c)ですけれども、この条項の批准を日本は留保しています。留保しているのは日本とルワンダとマダガスカルの三国のみです。この批准を日本政府が留保していることに対して、国連社会権規約委員会は二〇〇一年に留保の撤回を勧告しています。その回答期限がことしの今月の三十日です。国がどういう回答するかわかりませんけれども、漸進的な無償化の批准を留保しているのは日本とマダガスカルとルワンダだけだという状況から見ても、もし自己負担をさらにふやすなんということになったら、世界の流れからいっても逆行しているといわざるを得ません。
 芸術高校ですけれども、総合芸術高校として移転が予定されているわけですね。この移転自体については、現在の小石川工業高校の廃校が前提ですから、私はいろいろ意見がありますけれども、きょうはそれはおいておくとして、芸術高校は今、音楽関係の教室には冷房が入っていますが、これは外に音が出ないようにということですね。しかし、美術科のアトリエなどには入っていないんです。私は、特別教室だと思って入っているかなと思っていたら、入っていないんですね。構造からいっても継ぎ足し継ぎ足しで割と風の通りが悪いし、こもっちゃう部屋で、非常に暑いんですね。
 都内で唯一の音楽科と美術の高校ですから、八王子だとか高尾山駅から通学してくる子たちもいて、早い子は朝六時ごろにお弁当をつくって持ってくるわけですね。だから、本当に食中毒なんかも心配なわけですよ。しかも、女子が多いということで、本当に暑いとき体調が悪くなって救急車で搬送された生徒もいるし、それからどうしても窓をあけると油絵にほこりがついたり、絵の具にほこりが入ったりということを嫌がって、なるべくあけないようにしていたりするし、それから日本画だと夏でもにかわを煮るんですね。ですから暖房しているようなものなんですけれども、それでさらに暑くなって状況が悪くなるわけですね。
 美術科は、卒業制作で百号といいますから、身長よりも大きくなるような大作を卒業制作でかくし、それから文化祭も九月ですから、位置づけが高いということでは、夏の間も学校に来て暑い中でやっているということでは、かなり教育環境は劣悪な大変な状況になっているといわざるを得ないわけですね。
 この芸術高校、移転を理由に空調を設置しないなどということはあってはならないと思いますけれども、むしろ一刻も早く設置することが求められているわけですけれども、どうですか。

○山川学務部長 芸術高校に限らず、夏季における温熱環境の変化、教育活動の多様化を考えますと、都立高校の教室環境の改善に努める必要があると考えておりまして、精力的に検討委員会の検討を進めたいというふうに考えております。
 なお、学校が移転することを理由に、学校の環境改善に関する対応に相違が生ずることはないものと考えております。

○大山委員 芸術高校に限らず、一刻も早く冷房設置しようというのは総意になってきているということですから、来年度の予算編成、それから今年度に補正予算だって組むまで考えるぐらいにして、その検討委員会はきちんと設置を前提に検討してもらいたいということ、そして、これは採択してほしいということを述べて、終わります。

○村松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、契約議案及び請願に対する質疑は終了いたしました。
 契約議案についてお諮りいたします。
 本案は異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○村松委員長 これより請願一八第一〇号に対する採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一〇号は趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本件は執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で請願審査を終わります。

○村松委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百四十九号議案から第百五十号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○古賀委員 文教委員会に付託されております特殊勤務手当に関する二つの議案について、質問をいたします。
 私は、平成十四年三月の予算特別委員会でも、公務員給与の中でも特に関心の高い特殊勤務手当の見直しについて、強く当局に要望を行ってまいりました。
 知事部局とあわせて教育委員会に係る職員等の特殊勤務手当についての見直しが大体三年ごとに行われているわけでありまして、今回も組合との合意に至ったということで、今回提案をされたというふうに考えます。
 知事部局については、財政効果は大体二億五千万、削減率で一二%ということで、三年前に比較するとかなり小幅になっています。
 教育委員会のこの二つの議案に関連しましては、細かいところは省きますけれども、削減額で大体九百万ということで、やらないよりはやった方がいいということで、一定の評価は加えておきます。
 ご存じのように、特殊勤務手当は、非常に困難な仕事等を行う場合に、職員の方に対して支給する文字どおり手当であります。私は、前に税務事務特別手当の見直しも、先ほどいいました平成十四年の予算特別委員会でも指摘したんですが、税務事務を行うときに都民と接触するわけですね。それが困難であるとか、苦痛であるとか、危険だということはあり得ないわけで、今回も知事部局の見直しの中を個別に見ますと、支給範囲がこの手当についても縮小されているということで、全体のそういう見直しの方向については一定の評価をしなければいけないというふうに思います。
 そこで、今回提案をされております特殊勤務手当の見直しについての基本的な考え方をまずお聞かせください。

○川澄参事 特殊勤務手当は、著しく危険、不快、不健康、または困難な勤務、その他著しく特殊な勤務に従事した場合に、給与上、本給とは別に、その勤務実績に応じて支給される手当でございます。
 今回この特殊勤務手当全般につきまして、社会経済情勢の変化等により、都民の目線がますます厳しくなっていることを踏まえまして、支給の根拠となっている勤務の特殊性が薄れていないかを判断した上で、都民の理解が得られるように適正化を図るものでございます。

○古賀委員 今回は、学校職員の特殊勤務手当の見直し、それから東京都教育委員会の職員の特殊勤務手当の見直しというのが行われたということで、今のお考え、当然だというふうに思います。
 今、都民の目線という答弁がありましたけれども、それはおっしゃるとおり、厳しいものが確かにあります。それであれば、特殊勤務手当をただ見直すというだけではなくて、現在の年功的、あるいは一律的な給与制度を改めて、文字どおり精魂傾けて教育専門職としてその使命感を持って努力をしている人、そういう人に対して手厚く、そうでない教員、例えば児童生徒そっちのけで組合活動にかまけている、そういう教員、これらはそれなりに峻別して処遇をしていかなければならないというふうに思います。この考え方はいかがでしょうか。

○川澄参事 人材の育成と活用を効果的に行い、教員一人一人の意欲と能力を引き出すため、平成十八年度から給与制度の改正と人事考課制度の見直しを行い、職責、能力、業績をより反映するものとしたところでございます。
 また、現在、検討委員会を設置し、教員の職のあり方について職務の困難度や責任の度合い等の実態、求められる能力等の分析を進め、職責、能力に応じた処遇についても検討しているところでございます。
 今後とも引き続き、職責、能力、業績をより一層反映した給与制度の構築に向けて取り組んでまいります。

○古賀委員 ぜひとも引き続き今のご答弁のように、教員の給与制度の見直しについて検討をさらに進めてもらいたいと思います。
 実際、都の教員の中には、子どもへの指導力が不足しているということで、これを理由に長期の研修を受けている教員が大勢います。その一方、部活動など熱心に休日でも学校に出てきて子どもたちのために全力を傾けている教員もいるわけです。子どもたちのことを中心に考えていけば、仕事の内容、成果、これらによって処遇に差があって当然だと考えるのは、都民だれしも異存はないというふうに思います。
 さらに、問題点を指摘するならば、全国的に子どもたちに対して機会均等、そして一定水準の教育の内容の維持を図るために、法的な拘束力を持っております学習指導要領をないがしろにして、それに反する、また、これに反対する指導をする教員がいるということであります。子どもたちにとって担任というのは大変大きな影響力を持っているわけです。こういった関係、教員と生徒、その立場、関係というものを悪用して、自分の主義、主張というものを生徒たちにすり込もうとする、つまり洗脳するようなことがあってはならないわけです。つまり、教員がみずからのイデオロギーを学校教育の現場で押し通すということがあってはならないわけです。こうした教員と、夜遅くなっても子どもたちのために汗を流している教員が同じ扱いを受けているのは、また受けてはならないと感じているのは、だれしも同じだというふうに思います。
 私は、ことしになって、一つ具体的に指摘したいのは、平成十八年度の、ことしですよ、入学式において、皆さん、学校名はもうご存じなんですけれども、ここでは武士の情けで挙げないでおきますけれども、都立高校では、一年生の学級担任六名のうち五名までが、入学式当日の事前のホームルームにおきまして、生徒に対して、国歌斉唱時に立っても立たなくてもよいと扇動した事実があります。
 この事件に対して東京都教育委員会はどう対応したのか、お聞かせください。

○岩佐指導部長 これまでも、都教育委員会は、教職員が生徒の不起立を促すなどの不適切な指導を行わないことや、式典の妨げとなるような行動に生徒を巻き込まないことなど、卒業式、入学式等の適正な実施について各学校を指導してまいりました。
 しかしながら、ご指摘の学校におきまして学習指導要領に基づく指導がなされていないという不適正な事態がありましたため、当該教員に対しまして指導部長から既に厳重に注意をしたところでございます。

○古賀委員 文部大臣の国旗・国歌法制定時の答弁とか、あるいは地方公務員法第三十七条、職員は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的、つまり怠ける行為をしてはならないということが規定されているわけです。つまり法的な拘束力を持つ、つまり法律と同じなんですよ、学習指導要領は。これを理解しない、これに反対するということは、当然処分の対象になってくるということで、当たり前のことを私どもは今求めているわけです。このような教員に対して、今ご答弁では、厳重注意をしたということでありますけれども、それだけでは私は不十分だというふうに思います。
 新しい学年の六クラスの中で五クラスで組織的に不適切な指導、つまり生徒の扇動が行われているということであれば、教員個人の問題としてではなくて、組織的にこれは行われたと考えるのは当然であります。こうした事態の背景には、学校経営上の課題があるというふうに判断せざるを得ないわけです。こうした学校に対してはどう対応していくのか、いかがですか。

○岩佐指導部長 不適切な事例が明らかになりました学校に対しましては、学校経営支援センターが重点的に学校訪問を行い、学校経営や教育活動の状況を詳細に把握し、その背景や原因を明らかにして、校長が学校経営の適正化及び教育課程の適正な実施に取り組んでいくことができるよう継続的に支援していくとともに、本庁が適切に指導してまいります。

○古賀委員 入学式、卒業式当日のホームルームというのが、一つの見えない部分になっていたわけです。このホームルーム等における事前指導というのは、入学式や卒業式の指導の一環として行われるものであります。だから、今後このような不適切な指導、はっきりいえば生徒を唆す行為、こういったものが行えないようにしなければなりません。東京都教育委員会は、これに対してはどう対処しますか。

○岩佐指導部長 ご指摘のような事態があったことを踏まえまして、教員は児童生徒に対して、入学式や卒業式等におけるホームルーム等の事前指導を含めまして、国旗・国歌の指導を学習指導要領に基づき適正に行う義務があることを、責務があることを校長連絡会を通じて改めて徹底してまいります。
 また、学習指導要領に基づき適正に生徒を指導することといった校長の権限と責任に基づいて発出いたしました職務命令には、当然ホームルーム等の事前指導も含まれていることを教職員に徹底するよう校長を指導してまいります。

○古賀委員 ぜひ教育の正常化という視点に立った、また、先ほどからお話に出ています都民の目線に立った、都民が理解できるような適正な特殊勤務手当を含む給与制度の見直しを今後とも行ってもらいたいと、強く要望いたします。
 国旗・国歌の取り扱いについては、平成十五年十月二十三日の都教委の実施通達によってかなり改善されてきているのは事実です。この点、都教委の取り組みは大いに評価されていいというふうに思います。
 おとといですか、都議会の代表質問において、共産党のそこにいらっしゃる大山議員が、今まで三百四十五人も懲戒処分の対象になったということで、何かたくさんの教員があたかも処分されているかのように、都教委が大量の職員処分を行っているかのようないい回しで質問がありました。赤旗にもそういうふうに書いてあります。
 しかし、実際は東京都の学校職員の数というのは五万七千名いるんですね。管理職を除いても五万人余。ということは、例えばことしの平成十八年の卒業式について、国歌斉唱時不起立等で職務命令違反で処分の対象となった人は三十三人。管理職を除く五万人以上の職員の中で三十三人、比率にして〇・〇六%、卒業式がこの数字。では、入学式は、やはり懲戒処分の対象になった方は五人、〇・〇〇九%。光学顕微鏡でも見えない、電子顕微鏡でやっと見える程度の不心得者がいるということで、どの社会にも不心得者、ホリエモンみたいなのとか、何とかファンドとか、ああいうのがいるように、教員の世界にもそういうのがいるわけですよ。あたかもそれをとらえて、電子顕微鏡で見てやっと見えるくらいの数をとらえて、大量処分が行われているかのように都議会本会議場でそういう主張をするというのは、私はこれこそ異常ではないかというふうに思うわけです。
 さっき、私、聞いていておもしろいなと思ったのは、先ほどの文化芸術の議論のときに、東京都の文化芸術費が予算の中に占める割合は〇・一四%という答弁があったら、お寒い限りだとおっしゃった。今回処分を受けている教員の数というのはこれ以下なんですよ。だから、〇・一四という数字とこの処分を受けている数の割合をどう比較するかというのは、いろいろ主観の問題はあるでしょうけれども、〇・一四%がお寒い限りの数字で、〇・〇〇九%が大量処分というのは、よく計算してからいってもらいたい。
 そういう実態にある。つまり、改善の方向に向かっているということでありますので、給与制度を含む教員、あるいは公務員全体の、一生懸命仕事をする、また、法令に忠実に、みずからの使命感に燃えて仕事をやる人に対してはきちんと報いていく、そういう給与制度の確立を心から求めて、私の質問を終わります。

○村松委員長 ほかに。
   〔大山委員「関連」と呼ぶ〕

○大山委員 今、ちょっと国旗・国歌法の立法の趣旨も触れ、それから学習指導要領にも触れた発言がありました。私、代表質問でもいったように、最高裁の判決は、法律に定められたものでもできるだけ抑制的でなければならないというふうにいっています。最高裁の判決は。そして、学習指導要領は法律のどこにも出てこないわけですね。その裁量の裁量による一〇・二三通達で処分すること自体が憲法違反であり、立法の趣旨からも外れ、そして違憲、違法でしょうということなんです。
 私、ちょっと一つだけ伺いますけれども、国旗・国歌法が審議されているときの野中官房長官が答弁をした、斉唱する自由もあるし、しない自由もある、そういうことは、そのことで指導するというのは法律違反なんですか。

○岩佐指導部長 平成十一年六月の衆議院本会議におきまして、文部大臣も、国旗及び国歌に関する法律制定時の国会で、学習指導要領に基づく学校におけるこれまでの国旗・国歌の指導に関する取り扱いを変えるものではないと答弁をしております。これまでの国旗・国歌の指導に関する取り扱いを変えるものではないということは、学習指導要領に示されております入学式や卒業式においては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとするということでございます。

○大山委員 おしまいにします。(「おかしいよ、委員長」呼ぶ者あり)私は、斉唱する自由もあるししない自由も……(「委員長、ちょっとおかしいよ。ちょっと議事、委員長、委員長、動議、動議」と呼ぶ者あり)いいです。もうおしまいですよ。だから立法の趣旨に沿わないでしょうといっているだけです。答えられないんですね。

○村松委員長 次にやります。
〔「委員長、ちょっとおかしいよ、動議」と呼ぶ者あり〕

○大山委員 おしまいです。
〔古賀委員「議事進行が優先するんだよ、委員長」と呼び、その他発言する者多し〕

○村松委員長 議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後四時二十五分休憩

   午後四時二十六分開議

○村松委員長 休憩前に引き続いて委員会を開きます。
 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが……。
   〔古賀委員「委員長、議事進行」と呼ぶ〕

○古賀委員 今、私の質問が終了した時点で、私の質問内容についての発言があったわけですよ。私の質問内容についての意見があったら、それに対してまた私が当然何か意見を述べなければいけなくなるわけです。その機会を与えるべきじゃないですか。

○村松委員長 じゃ、ちょっとその問題も含めて……。
〔「いいよ、休憩しなくてもいいよ」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 では、私の委員長としての意見を申し述べたいと思います。
 古賀委員の反論の時間は与えたいと思います。
 その前に大山委員の最後の発言を認めていただきたいと思います。
 大山委員、最後の発言お願いします。
 その後で、いいです。
   〔古賀委員発言を求む〕

○村松委員長 古賀委員、後で発言を保障しますので、大山委員、どうぞ。
〔古賀委員「会議規則を読んで、委員長、やらなければだめだよ」と呼ぶ〕

○大山委員 今、私は、国歌・国旗法の立法の趣旨を、立法のときに発言をした野中官房長官がいった、斉唱する自由もあるし、しない自由もある、それを指導した、同じことをいったことが法律違反になるんですかというふうに聞きましたが、それにはきちんと答えることはしませんでした。ですから、学習指導要領に基づく指導というのは、最高裁判決での不当な支配に当たりかねません。そして、違法、違憲ですから、慎むべきだと思います。

○古賀委員 最高裁の判決は、学習指導要領は法的拘束力があるというのが最高裁の判決なんで、全く事実をゆがめて最高裁の判決を述べるなんていうのは、私は信じられない。
 しかも、あなたたちは、もともと国旗・国歌については法的拘束力がないと。あなたたちの政党の一番偉い人は、日の丸・君が代が日本の国旗・国歌として国民に相談されたことは一度もないといっていた。ところが、そういうことを根拠にして、平成十一年に広島県で高校の卒業式をめぐって、校長先生が国旗・国歌の取り扱いをめぐる妨害を苦にして自殺をしたという事件が起きた。だから、やはり法的な根拠を与えようということで、平成十一年に国会議員の四分の三以上が賛成をして、国旗・国歌法が成立した。法的根拠がないといっていた、みずからの反対理由がなくなったわけだ。だから、今度は内心の自由だとか、強制反対というところに論拠を求め出してきて、最高裁の判決まで内容をゆがめて今発言している。読んでみなければ、だめだよ。
 野中さんがいったのは、内心の自由というのは尊重される。当たり前ですよ。内心の自由を変えるなんてできない。ああ、かわいいお坊ちゃんですね、お嬢ちゃんですねといったときに、内心では違うことを思っているかもわからない。人のお子さんを、会ったら褒めなければいけない、そういうのは、内心を変えるということはあり得ない。自分が気に食わなくても、自分はこれは認めがたいと思っても、法的な拘束力を持つ、法的な力を持ったもので、その実施が公務員に課せられていれば、その公務員は、きちんと学習指導要領で公式行事、卒業式や入学式のときには国旗を掲揚する、国歌を斉唱するように指導しなさいと、するものとすると書いてあることをやらなかった公務員は処分されるのは当然じゃないですか。(発言する者あり)それがおかしいというのは、それこそおかしいんでね。
 それから、この際、あなたが、私の質問を終わった後に、あえて委員長に、許しを得たんだけれども、発言をしたから、私はここで反論を加える、当然私には義務があるし、その権利があるわけですよ。
 国旗・国歌法制定のときの文部大臣の発言、校長が、学習指導要領に基づき、法令の定めるところに従い、所属教職員に対して本来行うべき職務を命ずることは、当該教員の思想、良心の自由を侵すことにはならないと国会で答弁をしている。子どもにはきちんと教えなさいということが学習指導要領で決められている。私がいっていることはどこがおかしいか。(発言する者あり)だから、それは街頭で後やりなさい。ここは討論の場じゃないんだから。
 私は以上で発言を終わりますけれども、私は正当な主張をしたのであって、あえてそこで委員長、あの発言を認めるというのは、今後、委員会運営はかなり変則的なことになりますよ。理事会を開くとかいって、開いていないじゃないの。どうするの。(「開かなくていいといったから、開かなかった」と呼ぶ者あり)いやいや、開くといったんだよ、委員長は一度。

○村松委員長 理事会の問題については、皆さんがよろしいということでしたので、委員会を続行いたしました。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十一分散会

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