ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第六号

平成十六年三月十八日(木曜日)
第三委員会室
午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長東ひろたか君
副委員長臼井  孝君
副委員長大塚 隆朗君
理事野上じゅん子君
理事山口 文江君
理事松原 忠義君
村上 英子君
福士 敬子君
山下 太郎君
石川 芳昭君
遠藤  衛君
山本賢太郎君
曽根はじめ君
樺山たかし君

 欠席委員 なし

 出席説明員
大学管理本部本部長山口 一久君
管理部長飯塚 宏子君
参事大村 雅一君
参事宮下  茂君

本日の会議に付した事件
 大学管理本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出 大学管理本部所管分
報告事項(質疑)
・首都大学東京の教育の特色及び学生支援構想について
・東京都産業科学技術振興指針について

○東委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でございますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○東委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、大学管理本部関係の平成十六年度予算の調査及び報告事項の質疑を行います。
 これより大学管理本部関係に入ります。
 予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出、大学管理本部所管分及び首都大学東京の教育の特色及び学生支援構想について、東京都産業科学技術振興指針についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○飯塚管理部長 去る二月十九日に当委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の大学管理本部文教委員会資料をごらんください。
 表紙の次の目次でございますが、ご要求のございました資料はごらんの七点でございます。
 一枚おめくりください。昨年八月に新大学の構想について発表いたしましたが、それ以降の大学改革にかかわる経過についてまとめたものでございます。左側には都の検討状況を、右側には、都立大学を初めとする大学改革をめぐる動きをまとめたものでございます。
 四ページをごらんください。教学準備委員会は、昨年九月五日に第一回目が開催されて以来、これまで六回開催されておりますが、その議事について一覧にしてございます。
 五ページをお開き願います。二月十三日に開催されました経営準備室の第一回目の運営会議につきまして、五ページから七ページに議事の概要を、八ページから二五ページまでに会議資料を載せてございます。
 続きまして、二六ページをお開きくださいませ。新大学の名称につきましては、先般の文教委員会でご報告したとおり、首都大学東京と決定いたしました。名称の選定に当たっては、公募の結果を参考にさせていただいているところでございますが、そのうち応募の多かったものを記載してございます。
 二七ページをごらんください。平成十七年四月に採用を予定しております新大学の専任教員の公募の状況につきまして、既に締め切ったものも含めまして一覧にしております。
 二八ページをごらんください。都立大学の博士課程で退学した院生につきまして、在学年数別の人数を過去五カ年分記載しております。
 三〇ページをごらんください。学生寮についてでございます。現在、都立の大学で学生寮を有しておりますのは都立大学のみでございますが、上段に都立大学の寄宿舎の定員及び入舎状況を男女別に、また、留学生の人数についてもあわせて記載しております。その下には、首都大学東京における東京塾の設置計画を記載してございます。
 以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○遠藤委員 首都大学東京の準備状況について、何点かお伺いいたします。
 まず、石原知事は、今回の第一回の定例都議会におきまして、我が党の大西幹事長の代表質問に答えて、来年四月に首都大学東京を断固開校すると決意を表明されました。
 そこで、現在の首都大学東京の準備、検討状況についてお伺いいたします。

○大村参事 現在の検討状況、準備状況でございますけれども、四月の文部科学大臣への本申請に向けまして、最終段階の詰めの段階に入ってございます。
 これまで、二次にわたる教員公募にあわせまして、第三次の教員公募も始めたところでございます。また、平成十八年度に開設予定の新しい大学院について検討するため、教学準備委員会のもとに大学院ワーキングを設置いたしました。このように、首都大学東京の開学に向けました準備は着々と進めてございます。

○遠藤委員 ところで、さきの文教委員会、二月十九日でありますけれども、ここでも話題になりました意思確認書などの動きについては、その後どうなっているのか、お尋ねします。

○大村参事 意思確認書につきましては、先日の二月十九日の委員会でいろいろご報告申し上げたところでございますけれども、当初、二月十六日が締め切りでございまして、二月十九日の文教委員会では、郵便のおくれなどもありまして、調整期間をとらせていただいているというふうなことでお話し申し上げたところであります。
 その後、二月二十四付で、西澤学長予定者、高橋理事長予定者、大学管理本部長の三者連名の文書を出しまして、この中で、この問題につきまして直ちに最終判断を下すことは避けまして、三月四日に予定していた、教員審査の省略を事前相談する文部科学省の審議会への付議を三月から四月に延期すること、そして意思確認書については、二月末までに締め切りを延ばすということをご通知いたしました。
 そして、明けまして三月一日付で三者連名の文書を出しまして、その中では、その前の文書で締め切りと申し上げた段階までに提出のあった三百一名の教員をベースに首都大学東京をつくるということを表明させていただきました。
 その後、三月八日に、大学管理本部長から都立大学総長に三点にわたってのコメントを申し上げまして、その内容につきまして、翌三月九日に、西澤学長予定者と大学管理本部長二者連名の文書として出しました。
 その中身につきましては、今後の改革の進め方や大学院の検討について述べたという内容とともに、意思確認書の期限を守って出した方と、三月に入ってから出した人を同様に扱うわけにはいかない、何らかの仕切りが必要であるというふうなことも含めて申し上げてございます。
 なお、三月に入りまして、意思確認書を出す動きが多数出ております。とりあえず、今の文書で申し上げました仕切りというのがつくまで、受け取るのではなく、お預かりしている状態で今進んでいるところでございます。それに合わせた段階で今着々と準備を進めてございます。

○遠藤委員 先ほどの答弁で、大学院ワーキンググループの話が出ましたけれども、どのようなメンバーでどのようなことを検討されているのか、お伺いいたします。

○大村参事 大学院ワーキングについてでございますけれども、まず、大学院につきましては、新大学が開学いたします平成十七年度の大学院は、現在の都立の三大学の大学院と同様の構成の大学院を設ける、そして新しい大学の理念に合わせた大学院につきましては、平成十八年度に設置するという予定にしてございます。このために、教学準備委員会のもとに、今回、新しい大学理念に合わせました大学院についての検討をしていくワーキンググループを設置することになったものでございます。
 メンバーにつきましては、教学準備委員会のメンバーから、座長である西澤学長予定者がご指名をして、ワーキングの座長として専門委員の原島委員、それから専門委員が二名お入りになって、学内委員として四名が入り、また私も含めたメンバーでスタートしてございます。
 学内委員につきましては、意思確認書を期限までに出した教学準備委員会のメンバーの中から、西澤学長予定者の方が、学部、文理などのバランスなどを見て選定されてございます。
 なお、このワーキング、昨年十月の教学準備委員会で示したたたき台をベースに検討を進めまして、方向性が確定後、さらに分野別のワーキングを設置して、その詳細を検討していくことになってございます。そして、第一回の会合としましては、来週三月二十二日に開く予定でございます。

○遠藤委員 意思確認書については、三月に入ってからも来ているということでございますけれども、いつまでも待っているわけにはいかないというふうに私は思います。今提出してこない教員の中には、四月の本申請の阻害要因となっている者も含まれているかもしれないし、あるいは新大学が開校した後も改革に反対する方も含まれているかもしれない。現状についてただいま伺ったところでありますけれども、このような状況に早急にけじめをつける必要があると私は思います。
 少なくとも、新しい大学の理念、運営に理解を持つ教員であることが、この改革を進めるために最低の条件であるというふうに思っています。その結果、必要な教員が不足する場合には、新たに採用するなどの手段を講じ、毅然たる態度で真の改革を進めていっていただきたい、このことを強く要望して、この質問を終わります。
 次に、都立大学の運動施設の開放について何点かお伺いします。
 今定例会は予算議会ということもありますので、現在の都立の大学の状況、特に運動施設の都民開放についてお伺いいたします。
 平成十五年第三回定例都議会の一般質問で、我が党の萩生田光一、現在衆議院議員となっておりますけれども、都立大学の施設開放について質問をしております。質疑の内容は、都立大学の運動施設の積極的開放を求めたものであります。施設を含め、都立大学の積極的な地域貢献を求めたものであります。
 今日、都立大学のグラウンド、テニスコート、体育館など、運動施設の積極的な開放に向けた現状についてお伺いいたします。

○飯塚管理部長 委員からの現状についてのお尋ねでございます。平成十五年度の運動施設の開放の状況でございますが、各大学によってそれぞれ取り組み状況、許可単位が異なってございますが、平成十六年二月末現在での状況を申し上げたいと存じます。
 まず、都立大学は半日単位の許可で行ってございまして、昨年度は八件でございましたが、今年度は十八件でございます。科学技術大学は二時間単位の許可で行ってございまして、七百二十三件、保健科学大学は二時間半単位の許可で百二十七件、短期大学は一件単位の許可で三十三件、延べ五十二日でございます。都立大学の実績は、昨年度に比べてふえてはございますが、他大学よりは少ない現状でございます。

○遠藤委員 都立大学の運動施設の開放状況は、ことしは昨年よりふえていますけれども、他の大学に比べて貸出件数が少ないという状況がわかったわけであります。
 さきの一般質問に対しましては、積極的に開放する旨の答弁がありましたが、その後、都立大学の運動施設の開放についてはどのように検討されているのか、お伺いいたします。

○飯塚管理部長 都立大学の運動施設の開放については、議員のご指摘を踏まえまして、昨年十月から学内において検討を開始してございます。現在、貸出手続に係る規定を整備しているところでございまして、平成十六年四月、来月から新しい制度を発足させたいと考えてございます。
 新しい制度のポイントは、貸出対象、貸出日、貸出施設などの見直し拡大でございます。主なポイントを申し上げますと、まず、貸出対象団体については、これまでは公共団体及び公共団体に登録した団体のみであったものを、大学への登録制もあわせて採用することといたしまして、対象団体を拡大することといたしました。
 また、貸出日については、これまでのように、日曜、祭日、大学休業期間中に限定せず、大学の教育等に支障のない範囲で、都民の優先貸出日を設定いたしまして、これをホームページなどを通じて公開することにいたしました。
 さらに、貸出施設については、これまでの貸出実績のある野球場に加えまして、テニスコート、球技場など、都民の利用ニーズの高い五施設にいたしました。
 このような改正によりまして、都立大学運動施設の地域の方々への貸出件数を拡大していきたいと存じております。

○遠藤委員 運動施設の開放策についてはわかりましたけれども、これにより、具体的にどのくらい開放を拡大していこうとしているのか、お伺いいたします。

○飯塚管理部長 十六年度については、五百件程度の貸出枠を確保いたしまして、都立大学における運動施設の積極的な開放に努めてまいりたいと考えてございます。

○遠藤委員 運動施設の都民開放など、都立の大学の地域貢献については今後とも積極的に取り組んでいただきたい、こういうことをお願いいたしまして、質問を終わります。

○野上委員 私の方からは、何点か質問させていただきます。
 二月十九日の文教委員会で、意思確認書を提出した人のみが新しい首都大学東京の教師として採用されるというようなお話し合いをしたと思うんですけれども、今、三月一日付で三百一名の意思確認書が出されたということをお聞きいたしました。
 今後なんですけれども、この開学に向けた準備ですね、今一生懸命、文部科学省に出す書類をつくっていらっしゃる最中だと思うんですけれども、来月の文部科学省への申請に対してはどのような状況になっているんでしょうか。

○大村参事 新大学の内容につきましては、二月までに第六回の教学準備委員会を開催いたしまして、教育内容につきまして基本的な形が固まったところでございます。それをもとに、今お話しの意思確認書を提出された方などを中心に、今作業を進めていただいてございまして、来月、文部科学省の大学設置審議会の運営委員会に、事前相談といたしまして、教員審査の省略を付議するということを予定しています。運営委員会は四月二十一日を予定しておりまして、四月上旬に書類を持ち込む予定でございます。
 また、四月の下旬には、予定どおり、文部科学大臣に新大学の本申請を行うというふうなことで、現在、科目を挙げて、それを担当する教員の方はどうする、またそれに不足する部分はどうだというふうなことでの細々とした作業とか、あるいは申請に伴う必要な書類をつくっているところでございます。
 今後とも、四月の開学に向けまして、教学面では、学長予定者でございます西澤氏が座長を務める教学準備委員会で準備をいたしまして、また経営面は、理事長予定者である高橋氏が室長を務めます経営準備室で着実に検討を進めまして、来年四月の開学に向けて開学準備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○野上委員 新大学の教育の特色の中で、実践英語を挙げておりますが、この内容についてお伺いしたいと思います。
 東京都の都税を使って運営を図られる首都大学東京になってくるわけですので、都が求める人材を意識して育てていく必要があると思うんですね。東京都民に大学で学んだ力を還元できる学生であってもらいたいというふうに私は思っております。自分一人の研究だけで、象牙の塔というんじゃなくて、自分が学んだ力を幅広く東京都民のために尽くしていける、そういった人材を求めているところなんですけれども、実践英語についてどのような内容を考えているのか、お知らせいただければと思います。

○大村参事 英語教育についてでございますが、現在の大学の英語教育につきましては、概して授業内容が英文読解に偏っているということ、また、個々の学生レベルに考慮しない一律的な授業になっているということなどの問題点がございます。このような形で学生に本当の英語力がつくのかというふうな問題がございますので、首都大学東京ではそれを見直すという形で現在検討してございます。
 首都大学東京では、社会が求める能力を確実に身につけさせようという教育コンセプトで教育課程全体を貫くことにしてございまして、英語教育におきましても、社会が求める、読む、書く、聞く、話すの総合的、実践的英語力を養成していきたいというふうに考えてございます。
 その能力育成のために必要という観点から、リスニング・スピーキングの授業におきましては、外部委託によるネーティブスピーカーの方を講師として招いていきたいというふうに考えてございます。
 なお、この委託に際しましては、新大学に設けます基礎教育センターが大学側の窓口となりまして、英語教育の企画、委託業務の一括管理など、英語教育全体のコーディネーションを行っていく予定でございます。

○野上委員 そのコンセプトはよくわかったんですけれども、客観的な指標としてTOEFL五百点を卒業要件とするというふうにありましたが、この一定の指標を卒業要件として課すのはどのような考え方に基づくのでしょうか。このTOEFL五百点て、かなり高いレベルだと思うんですが、いかがでしょうか。

○大村参事 首都大学東京では、一定の能力を学生がきちっと修得して卒業していくという教育を行っていこうと考えてございます。つまり、どの大学を出たかではなくて、何を身につけて卒業したかということが大事だと。また、どの授業科目を履修したのかではなくて、授業を通してどのような能力を得たのかということが最大に大事であろうというふうに考えてございまして、こういう教育理念で授業を進めていくというものでございます。
 英語教育におきまして一定の指標を卒業要件として課すのは、まさにその観点からでございまして、社会に対しまして卒業生の英語に関する能力を客観的に立証できる部分もありますし、また、到達目標を設定することによりまして、学習管理上の効果も期待できるものでございます。
 なお、TOEFL五百点以上ということで、検討段階のまず方向性については示してございますが、詳細は今後具体的に詰めてまいりまして、場合によっては、学部ごとにはどうだとか、いろいろな中身を詰めまして、具体的な目標数値を定めていきたいというふうに考えてございます。

○野上委員 ということは、この大学を出た人は、読む、聞く、書く、話すという意味で、万能の英語力を備えた人材が卒業していくという形だと思います。
 あと、十八歳人口の減少などに伴って、今、二八%の私立大学が定員割れをしているというデータがございます。もうしばらくしますと、大学を選ばなければ、全員がどこかの大学に入れるような時代になってきます。そうなってきますと、それぞれの大学で、教育研究はもちろんですけれども、学生の満足度を高める学生への支援ということも問われてくると思います。例えば、さっきいいましたいろいろな運動場の設備が整っているとか、クラブ活動が活発であるとか、アルバイトの紹介とかもよくやってくれるとか、学生への支援のメリット、そういったものも大事な要素ではないかと思っています。
 その中でも一番大事な要素として、就職への支援ということが挙げられると思うんです。今、大学を卒業して三割の人たちが就職できないでいる、フリーターで暮らしているというデータもあるとお聞きしておりますので、ぜひ就職支援についても積極的に取り組んでいただければと思っております。
 今の都立大学では、就職把握率が低いということで、卒業した後、だれがどういうふうに、どこに就職しているかというのが、データがわからないというふうにお聞きしたんですけれども、新大学では、学生への支援のうち、特に就職支援に力を入れていただければと思っておりますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。

○大村参事 大学生の就職につきましては、現在、大体三年生の年明けの二月ぐらいから就職活動を始めるというのが普通になってございますけれども、それから急いで就職の問題に取り組むというのでは実は遅くなってございます。そういう意味では、新しい大学では、早い段階から自分のキャリア形成、将来設計を考えていくというふうなことをしながら大学生活をし、また科目の履修なんかも考えていき、最終的には就職に結びつけるという形でいきたいというふうに考えてございます。
 そういう意味で、まず学生サポートセンターを設置いたしまして、キャリア支援から心理面、健康面など多様な相談まで、学生生活をトータルにサポートしていく体制をとりたいと考えてございます。
 また、新たに導入します単位バンクでは、入学直後から卒業まで一貫してキャリア形成を目指した制度というふうに考えてございまして、キャリアカウンセラーの指導のもとに、カリキュラムの履修とキャリア形成、キャリア開発が直接結びつくような体制を考えてございます。そして、全学生へインターンシップを経験させ、高い職業意識を醸成していきたいというふうに考えてございます。
 就職支援事業としましては、一、二年次から意識を植えつけるための各種のキャリア講座の実施、また、東京都のしごとセンターと連携した、首都大学東京への出張カウンセリングや講座の開催など、十分な体制を築いてまいりたいというふうなことで、このような中で、入学時から総合的な対策をとりまして、卒業してちゃんと就職をするという形で体制をとっていきたいというふうに考えてございます。

○野上委員 就職支援の一つの人材活用ということで、例えば民間企業の経験が長い退職者の方とか、あるいは都立高校の就職担当の方で大変優秀なノウハウを持った人とかを就職支援のために活用することはできないんでしょうか。

○大村参事 就職に関するさまざまな相談への対応とか、民間企業への太いパイプの構築などのためには、やはり外部の人材、特に民間企業の経験者などが非常に重要であるというふうに考えてございます。
 キャリアカウンセラーという、先ほどちょっとご説明した方についても、そういう意味では民間企業経験者も採用して、民間企業等のいろいろな知識を利用し、あるいはパイプを利用して、キャリア形成に、そしてさらに就職に結びつけたいというふうに考えてございます。
 また、大学内のスタッフだけではなく、現在、企業などを退職した方々が社会に貢献する目的でNPOなどを設立する動きがございますけれども、そのようなNPO法人などとも連携しながら、就職そしてキャリア形成に向けて幅広い民間の方の知恵をいただきたいというふうに考えてございます。

○野上委員 学生さんが大学を卒業した後も、その学生さんがどうなったか、あるいはいかなる人生を歩んでいるのか見届けていくのが、大学で就職の世話をした先生の本来の役割でもあると思いますので、ぜひここら辺を充実させていっていただければと思っております。
 最後に、学生への対応についてはわかりましたけれども、教員の方ですね。教員も、生活が安定しないと、安心して教育研究活動に取り組むことができないのではないかと思います。
 任期制、年俸制が導入されております。特に、年俸制の考えとしては、基本給が五割、これが生活費。職務給、職能給というんですか、それが約三割。これは、教育研究、大学運営等の職務実績に応じて支給されるということですね。それから業績給というのが二割とありまして、各活動分野の業績評価に基づき支給ということになっているわけですけれども、特に若いやる気のある先生方の給与、処遇についてはどのようにしていくおつもりなんでしょうか。また、給料が下がってしまうということはないんでしょうか。

○宮下参事 首都大学では年俸制を導入することといたしておりますが、今お話のあったように、年俸の五割に相当する基本給につきましては、都立の四つの大学に今いらっしゃる先生方の現在の年収の二分の一は保障するということにしております。それから、職務給は、その先生が実際に担当する職務、業績給は、個々人の業績によるわけでございますが、いずれにいたしましても、通常の教員が通常の仕事をしていれば給与が下がるということはないようにいたしますので、安心して教育研究活動に専念していただきたい、こう考えております。
 それから、若いやる気のある先生がどうかというお話がございましたけれども、年功序列の給与体系を改めまして、能力、業績主義に基づく給与制度といたしますので、若くても業績を上げれば、給与が上がったり昇任ができるようになります。

○野上委員 通常の仕事をしていれば、普通に仕事をしていれば、給与が今よりも下がることはないということで確認をさせていただきます。
 新しい大学では、実績を上げている優秀で真面目な先生方の努力にきちんと報いるような人事給与制度を検討していただければと思っております。
 以上でございます。

○曽根委員 それでは、私から、今回、予算審議でございますので、今までは改革問題に関連してさまざまな急激な事態とか混乱というのがあって、なかなか予算運営全体に関連しての質疑ができなかったので、今回はトータルに、できるだけ予算との絡みで質問もしていきたいと思います。
 最初に、都立四大学の今日的な役割や、社会的に果たしている業績の評価に関して幾つか質問したいんですけれども、例えば、私は北区におりますので、すぐ近くが保健科学大学で、医療技術短大から保健科学大学になり、私、厚生委員長をやったことがあるので、卒業式にもあいさつしたことがあるんですが、医療分野のOT、PTなども含めた専門家を育てて、それぞれ仕事の面でいうと、今の常勤職が少ない分野で大変厳しい条件ではありますが、非常に熱心に取り組んでいるなという実感を持っております。
 保健科学大学は、教養学部の一年間を南大沢に通わせて学ばせるということを考えているようですが、私は、単独の大学としても本当に立派に実績も上げていて、統合しなければならない理由は余り見当たらないんじゃないかということを、率直に意見を持っております。
 それから、科学技術大学は、先日伺って、一部を除いて大変老朽化した建物の中で、条件が厳しい中でも、遺伝子研究などで国際的にもハイレベルな研究が進んでいるということを紹介いただきました。首都圏を探しても、工業系の単科大学というのは高崎工業大学があるぐらいで、本当に貴重な存在だということでした。この点でも、もちろん都立大学との連携などは当然必要ですが、大学として統合しなければならない、どうしてもやむを得ない必然性というのがあるかどうか、この点も私、疑問なんです。
 中でも、短期大学の廃止はいうまでもないんですが、都立大学の評価については、大学関係者、それから一般都民、全国、国内外といってもいいと思いますが、大学にかかわる人々の評価と、東京都の石原知事や大学管理本部の評価になぜこうも雲泥の違いがあるんだろうかということ、この評価の違いを引きずったままで本当にいい大学ができていくんだろうかということで、その点が非常に疑問でありますので、幾つか質問したいと思うんです。
 最初に、知事が最初の本会議で取り上げた「ゴーマンレポート」についてお聞きします。
 知事は、この「ゴーマンレポート」を紹介しながら、この中には、日本の主要大学はベスト百の中に全然出てこないということで、日本の大学全体について、いかにレベルが低いかということをお話しになりました。
 しかし、私、これも買って読んだんですけれども、確かにアメリカの大学を中心にずらっとリストがいろんな分野について載っていますが、どうしてこの大学がこの順位なのかという根拠がほとんどこれには書いてないんです。この「ゴーマンレポート」の評価の基準といいますか、指標というものはどういうものなのかということについて、管理本部としてはどう考えているでしょうか。

○宮下参事 「ゴーマンレポート」についてでございますが、各大学とその教育プログラムを、学生、教員の質、カリキュラム、授業内容の水準、教授、研究助手の人数、図書館の質など、十八項目に基づいて評価していると聞いております。

○曽根委員 評価の項目はそういうことらしいんですが、それぞれについて、いわゆる物差しですね、どういう点がレベルが高ければ評価する。数値化するのか、それとも、いわば権威ある筋からの何らかの評価を下してやるのか。大学ランキング、いろんなのが国内外出ていますが、それぞれやり方があるようですが、「ゴーマンレポート」については、信用できないという声が国際的にあるわけですね。
 例えば、喜多村和之さんという大学評価の問題を専門に扱っている学者の方ですが、この方が中公新書で、大学は生まれ変われるかということを書いていまして、この方は、やっぱり大学も今日の時代では社会的評価は免れない、何らかの社会的評価を受けなければならないと。とはいうものの、大学の評価というのは非常に難しいという立場から、「ゴーマンレポート」については、「ゴーマンレポート」が一九六七年以来出ているが、これは方法も、データの出どころや評価の根拠も示されておらず、その順位もおよそ不自然で、アメリカ国内でも大学評価の専門家から厳しく批判されてきたとしておりまして、例えば、ここにアメリカ国内の大学のみならず世界の大学ランキングなるものを載せられている、カリキュラム、教授団、総合などという観点、先ほどお話がありましたように、点数化して序列化しているのだが、一体、大学という多様かつ複雑な組織をどのようにして五・〇を満点とする小刻みな数値に表現できるのか不可解である、計算の方法もさっぱり示されていないと。これをつくっているゴーマン氏によると、九八年の第十版でも、十年前に出た八七年の第六版でも、自分が留学したパリ大学の得点が最高点になっている。十年間一貫して世界第一位がパリ大学だと。非常に恣意的じゃないかという評価があるわけなんですね。
 さすがに、「ゴーマンレポート」、アメリカの学会からたたかれて、しばらく姿を消していたが、最近、これを再刊する有名出版社があらわれた。そこで一斉に教育関係者から憂慮と非難の声が上がった。ところが、日本ではいち早くその翻訳書まで出るようになった。私が買ったのはこれなんです。いかにいかがわしいものであっても、ランキングの妖怪はしぶとく復活してくるというふうに彼は紹介しています。
 その中で、日本の大学の質がいかに低いかの証明にこれを利用、喧伝する人がいると。しかし、世界の大学の組織全体の質を科学的に評価し、しかもこれを序列化するなどということは、よほど限定した指標がない限り不可能であり、そんな評価方法は開発されていないのであると。
 最近、この大学評価に関する学会も生まれるところだというように聞いていますが、いずれにしてもこれからの大きな課題だと思います。ですから、「ゴーマンレポート」一つをとって、都立大学も含めて日本の大学をなで切りにするなどということが、いかに乱暴なことかということだと思います。
 そのもとで、じゃあ国内で、そういう中ではあるけれども、相対的にいえば信頼できる大学評価とは何なのか。私、率直にいえば、信頼できるのかなという疑問はありますが、今唯一公的な立場での大学評価で信頼されるに足るといわれているのが、いわゆる大学評価・学位授与機構です。国の機関であり、問題はいろいろあると思いますが、この大学学位授与機構に、最近、都立大学の先生方が自己評価を申請したというふうに聞いているんですが、管理本部として、これについての結果を聞いているでしょうか。

○宮下参事 大学学位授与機構によります大学評価についてでございますが、評価結果の公表はまだ行われてございません。予定では三月中には行われると聞いているところでございます。

○曽根委員 残念ながら、きょうの審議に間に合わないみたいなんですが、しかし、何回かのヒアリングがあり、もう事前に、大体内示的には、大学の方には評価の内容について概要が示されているようなんです。
 それによると、特にすぐれた点の評価として、第一に、教育の実施体制。これは、人文学部などでは、専攻、専門科目など、教育上主要な領域を専任教員が担当しており、非常勤講師依存率が低いこと。で、専任教員が大学院の授業のみならず学部の授業も担当しており、年齢構成や出身大学についてもバランスがとれており、特に近年、女性教員の割合が高くなっている点もすぐれていると評価されています。
 教育内容の取り組みについても、少人数を軸とした柔軟なカリキュラムとなっており、演習、実習科目が多く、大学院と学部の共通授業など、学問上の刺激を得られることから、問題を把握する能力が向上するなど有益である。共通学部科目が設定され、広範囲にわたる学問を学生に提供し、理念を生かすことができるようになっている。
 それから、教育方法及び成績評価面での取り組みでも、施設の活用の点、それから学生による授業評価の点、そういったことで工夫が見られるほかに、少人数の授業でTA、いわゆるティーチングアシスタントなどを活用するなど、非常にきめ細かい専攻ごとの指導法がとられていること。また、学生による授業評価の中でも、満足度が非常に高いということが、これはわざわざ訪問調査をして確認をしているようです。
 修士課程の修了者は、博士課程に進学者が多く、博士課程満期取得退学者の多くが研究職についており、高い達成度を示しているなどなど、人文学部を中心に非常に高い評価がもう既に大学側に示されてきている。
 私は、こういうものが出されてきて、こうした結果が出てもなお、大学管理本部が現都立大学について評価を全く変えずに、全く新しい大学につくりかえてしまうという方針を頑迷に固持するとするならば、本当に東京都民としての知的財産を失うということになりかねないと思います。
 実業界の評価として、「週刊ダイヤモンド」も私、昨年末紹介しました。受験関係者の声もいろいろ聞いてきましたが、受験倍率に示されるように、都立大学は受験界からも非常に期待が高く、信頼が高い大学です。あらゆる面から見て、都立大学を解体し、全く新しい大学、学部に構成し直さなきゃならない必然性は、私、ほとんど見当たらないと思います。このことを申し上げておきます。
 もう一つ、先ほどもありましたが、就職の問題についても、実は三年前、私、文教委員になるちょっと前に、決算委員会で、就職支援の充実をということで、都立大学の決算のときに質問したことがあります。
 そのとき、当時、二村次長でしたが、お答えの中で、就職の体制充実の努力をしているというお話がありました。現在、都立大学の事務職員が何名いて、そのうち就職専任の職員数は何人でしょうか。

○大村参事 現在、都立大学の事務局の職員につきましては、技能系、技術系も含めまして一般職員百二十五名、事務職員については百九名でございます。
 就職の関係でございますけれども、都立大学では、学生課長のもと、専任の担当係長と係員一名を置いて対応してございます。
 なお、ほかの三大学、科技大、保健科学大学、短大につきましては、一つの係の分掌事務の一つとして、係単位で対応をしてございます。

○曽根委員 数千名の学生がいる大学で、事務職ももともと少ないんですけれども、中で就職支援の仕事を専任に持っている人は、係長とあと職員一名、二人しかいないんですよ。しかもこれは、私、読み返してみてびっくりしたんですが、私が前に質問したとき、二〇〇〇年度には、就職担当係長一名に二名をふやしまして三名体制としたというふうに答えているんですよ。このときは、既に大学改革の基本方針が出た直後だと思います。
 その夏の選挙の後に、私、文教委員になって、その年の秋に大学大綱が出たんですね。だから、このときに三名にふやしたのを、その後、大学改革の取り組みの中で二名に減らしているわけです、都立大学は。そうですよね。あのときの議事録で三名とはっきり答えているんです、次長。
 それで、就職が把握されていないとか、就職率が悪い責任をあたかも大学の先生たちの責任のようにいっておいて、一万人近い学生がいる大学で二人しか職員を置かないんですよ。どうやって統計とるんですか。大変じゃないですか。
 そこで私は、ほかの大学、聞いてみましたよ。私立大学は、例えば日大でいうと五十三人職員がいる。もちろん大学規模大きいですから、都立大学に縮尺を合わせてみても、少なくとも十人以上の職員がいてもおかしくないわけです。各学部に一人か二人、多いところでは五、六人の体制をしいている。学部ごとに就職担当の職員を置いているという話でした。大体ほかの私立大学も似たり寄ったり、数十名の単位で職員を置いていますよ。確かに就職率を高めるということが大学の一つの評価になっています。ですから重視しているんですよ、人の上でも。
 それから、大阪府立大学、聞いたんですけれども、大阪府立大学も、少ないですけれども、都立大学よりは多い三名でした。本当に都立大学の二名というのは、先生たちに就職の援助をしていないとかなんとかいう前に、自分たちの責任でできることをやりなさいと私はいいたい。
 それでは、例えば、学部の先生たちが学生の就職について何も援助してないのか。把握してないのか。とんでもない話で、私、人文学部について一番いわれているので、お聞きしてみました。そうしたら、学部生、院生を含めて、毎年、先生のゼミがあって、そこで学生、院生が年間通じて指導を受けますね、卒論も書く。卒業した後まで含めて、そのゼミを卒業した人たちを呼んで年に一回は合宿ゼミをやるとか、そういう形でつながりを持っている先生が、例えば人文でいえば半分ぐらいいるそうです。そうでなくても、就職口、文科系はなかなか大変ですから、まずは、講師や非常勤講師だとか、教えるというキャリアを積ませるために、いろんな口が来たら、どの学生をどこにはめ込んだらいいかといろいろ苦労して、キャリアをつけさせてやる。そうしないまま卒業してしまうと、なかなか就職が難しいということで、苦労して各先生方はやっているそうです。
 問題は、そういう先生方が苦労して、もう人脈ができていて、大体生涯おつき合いするという関係が学生との間ではできているのに、そういうことについて大学側で何も集約する仕組みがないということですよ、二人しかいないんですから。ここのところが最大の問題であって、どんな形にせよ大学が改革されていく以上、学生の就職問題というのは今社会的に大きな課題ですから、体制の充実を図っていく必要があるということを申し上げておきたいと思うんです。
 それから、これから、都立大学を含めて四大学を統合し、新しい大学をつくっていこうとしているわけですが、その上で幾つか重大な問題が残されているので、幾つかお聞きします。
 まず一番はっきりさせなければならないのは、大学院構想がいまだに出ていないという問題です。
 大学院構想については、いつまでに構想を具体化するのか。新大学の申請は恐らく間もなくやると思うんですが、新大学における大学院の構想がないまま申請をすることになるんでしょうか。

○大村参事 大学院の構想のお話に入ります前に、就職の問題につきましては、先ほどは常勤職員の体制だけを申し上げましたけれども、非常勤の相談員、また、実際に先に就職を決めた先輩の学生が後輩を指導する体制なども進めていること、また、都立大学では、各教員の方による就職支援委員会などもつくって、今、支援体制をやっていただいているということで、就職について、先生方も含めて徐々に体制はとっているということでございますけれども、新大学ではなお一層トータルな体制でやっていきたいというふうに考えてございます。
 なお、大学院構想についてでございますけれども、平成十七年にスタートいたします首都大学東京の大学院につきましては、現都立の三大学の大学院構成をもとに、十七年の大学院として設置いたしますが、新しい大学の理念に基づいた新たな構成による大学院については平成十八年度にスタートするために、現在、大学院検討ワーキングを設置したところでございます。これによりまして、十七年度の開学のための申請については、現在の都立の三大学の大学院構成をもとにした形で申請をさせていただくという形でございます。
 これにつきましては、平成十七年度に新大学の学部に入学した学生が大学院課程に進学するのは、基本的には四年後の平成二十一年度からであること、また、現在の都立の三大学につきましては、大学院も含めまして平成二十二年度まで存在するということから、特段の支障はないというふうに考えてございます。

○曽根委員 特段の支障がないどころか、大学受験をする人ももちろんですし、それから何といっても今大学院にいる、これから大学院を受けて大学院に進もうとしている人たちにとっては、来年度はとりあえず今の形で新大学になると仮定しても、その後には新しい大学院の構想が待っているということになります。それがどうなるのかということは、都立大を受けるような学生の多くは、専門の学問に進みたいという人で占めているわけですので、関心がないはずがありません。それをわからないまま受験しなければならないということになります。新大学を受ける受験生についても同じです。したがって、この問題は、ちゃんと立派な構想がつくれるのであれば、早くつくるのが当たり前だと思うんです。
 その点で、新大学について、今の学生や院生の声を聞く気がないような先日の答弁がありましたが、とんでもない話で、今の人文や化学や生物、身体運動科学などの学生、院生の方々から、新大学発足後の大学院生の研究環境に対する保障の要望が出ていて、詳しく自分たちの希望などが書かれたレポートが出ていて、これは当然本部に行っているはずなんです。
 今の院生が、大学の今後のあり方について、どういう不安、意見を持っているかということも、院生同士、休学者もいますし、留学をしている人もいますので、なかなか大変だと思いますが、苦労して半分近い方々の声を集めて、こういうアンケートもやっています。こういうものは、余りいい答えないでしょうけれども、本当にちゃんと当事者の声を生かさないと大学だってできないはずなんで、生かすように強く求めておきたいと思うんです。
 しかも、ワーキンググループの話がありましたが、この中には、今ある学部のうち、いわば大学管理本部のいうことを聞く学部長しか入れてないという非常にこそくなことをやっているんですよ、メンバーについても。こういう公平性を欠いたやり方というのは、幾ら立場が違っても、子どもじゃないんですから、そんな非民主的なやり方やめなさいといいたいです。意見が違う人同士が議論しなければ、いいものできないじゃないですか。
 それで、こういう状態だから、私、大学院の入試が倍率下がっているのはそのせいだと思うんですね。特に人文は、先生が減らされるということがもう新構想ではっきりしていますので、今年度まで二・九倍あったのが、今一・七倍で、半分近くに減っているわけですね。
 こういう点でも、都立大学は大学院大学というふうに銘打って、学生が、将来の学問の振興に--非常に学問的刺激も受けられるという意味での大学院の充実という意味でも、社会的貢献という研究の深さという意味でも、それから研究者を育て送り出すという面でも、非常に大学院大学として重要な役割を果たしている、この成果を台なしにしてはならないということを強く申し上げておきたいと思うんです。
 それから、もう一つ、これはちょっと別な話になりますが、今度の大学構想をつくるに当たって、知事はもちろんですが、恐らく管理本部が参考にしたんじゃないかなと思うんですけれども、九九年に、知事の私的な研究機関である一橋総研がこの都立大学について調査して、大学改革の提言というのを出しているんですね、ホームページにも出ていますが。この中では、今の大学構想に非常に近い内容のものがかなり盛り込まれています。九九年にわざわざ都立大学を訪ねて調査をしたというふうに、そこに書いてあるんですね。
 当時、都立大学事務局に大村さんなどもおられたと思うんですけれども、一橋総研からどういう接触があり、どういう調査をされ、またどういう大学側からの話があったんでしょうか。

○大村参事 一九九九年、平成十一年から十二年度にかけて、私、都立大学事務局の方におりましたけれども、一橋総研と都立大学が接触したということについては承知してございません。

○曽根委員 しかし、ホームページにはっきり都立大に調査に行ったと書いてあるんですよ。大村さん、当時総務課長さんですよね。もし総務課長の大村さんが知らないということになると、要するに施設を見学しただけかなというふうに勝手に想像するしかないんですけれども、とはいうものの、非常に細かく都立大の今後のあり方について提言しているんですね。その中身は、やっぱり実業重視、産業界にこたえる内容ということですよ、徹底して。そういう点では今の新大学構想に非常に近いものです。
 その中で、今の都立大の大学院の最も特徴だと私思うのは、都市研究所のあり方で、大学院の一つの学科を含みながらも、全都立大学に門戸を広げて、論文や研究を集めて、都市問題という一つの範疇の中でさまざまな研究を経年的に行っていく、他大学からの協力も得るというふうなあり方ですね。
 これは、前回、見直しという話がありましたが、私、改めて、重要な研究所としてのあり方だということを強調したいと思うんです。しかも、私も随分活用させてもらっているんですが、あそこは、都市研究所としての研究論文の報告と、それから、既に二十冊ぐらいになると思うんですが、都市ライブラリーということで、一般の都民や行政マンやそういう方々が活用できるテーマ別の冊子も発行しているわけですね。
 こうした重要な発行物、そして、大学関係者だけじゃなくて、広く都民に向けての本として出されているもの、こういうものはぜひ残すべきと思うんですが、見直しの中でどういうふうに考えているでしょうか。

○大村参事 今度の新しい首都大学東京は、大都市における人間社会の理想像の追求ということを使命としてございまして、これまで都立大学の都市研究所で取り組んできた都市問題も含めまして、大都市のいろいろな課題を解決していくための教育研究を、複合的な視点から、大学全体を東京という大都市のシンクタンクとして役立たせていきたいというふうに考えてございます。
 そういう意味で、大学全体として、それらの研究報告についてどういうような形でやっていくかということについては、これからでございまして、新大学で必要に応じて、いろいろな冊子とか物を発行していくことになろうと思いますけれども、具体的にはこれから検討してまいります。

○曽根委員 確かに都立大学で、私たち都民や議会にいる者が接することができるというのはわずかな部分だと思います。ほとんどが研究論文で、専門家の方の中で活用されるんだと思いますよ。しかし、それにしても、まだ十分とはいえないかもしれないけれども、私たちが都立大学の成果を知ることができる貴重な出版物について、ここよりも後退するようなことがあったら、やっぱり新大学のあり方の方向としてはまずいということを指摘しておきたいと思うんです。
 新大学での教員の身分の話がさっきありまして、大学構想と教員の身分にかかわって、一番わかりやすい話だなと思ったのは、システムデザイン学部ですか、ここは新設されるので、教授、准教授、いわゆる助教授ですね、九ポストを公募したというふうなことで、結果が新聞には出たんですが、私たちには知らされておりません。この公募の結果はどうだったんでしょうか。倍率その他教えてください。

○大村参事 大学の公募の状況やその倍率につきましては、応募者のプライバシー等の観点から、人事情報としては公開してございません。新聞になぜ出ているのかはよくわかりませんけれども、これにつきましては、他の国公立大学につきましても同様でございまして、倍率としてどうだということについては特に比較できるものではございません。

○曽根委員 倍率を発表することがプライバシーに何かひっかかると思いますか、大村さん。

○大村参事 応募倍率の状況によっては、だれが応募したかというのは、全国的にその分野で見ればわかるというふうな状況もございますし、そういう意味では、応募倍率あるいはだれがその審査をするかというのも含めまして公開しないというのが、人事情報として、教育界の中でもなっているということを聞いております。

○曽根委員 今お答えのあるとおりなんですよね、事態は。一般的にいうと、国公立大学で新ポスト、しかも教授ですからね。教授、助教授のポストを公募するというんですから、百倍、二百倍は当たり前の世界なんです。だから、それぐらいに倍率高ければ、どこから応募したかなんて問題にならないんですが、今回は平均六倍。ヒューマンメカトロニクスシステムコースという、いわゆるロボット専攻は一人しか応募がなかった。倍率なかったわけですよね、競争が。こうなると、本当にどこのだれが応募したのかなってわかっちゃうかもしれない。確かにその方の名誉にかかわるというようなことになるかもしれませんが、私、そういうような倍率に甘んじなければならないという学部のあり方や、全国のそういうことを目指している方々に対するアピールがいかに悪いかということだと思います。これは、皆さんがいかにこれがすばらしいものかと宣伝しても、見る目は、周りから客観的に見られるわけなので、第三者の評価はこういうものだということを肝に銘じておいてほしいんです。それがまた公表できないといったって、新しく大学を発足すれば、当然その学科の担当教授というのは名前が出るわけですから、隠しても意味がないことであって、それに応募した人が、仮にシステムデザイン学部のこの学科の理念に共鳴して来た人だとしても、その方のレベルや、何であんた一人しか応募しなかったんだみたいなことでその方の名誉を傷つけることのないようにするのは、あなた方の責任なんですよ。そうですよね。したがって、こういう不名誉なポストになってしまうような学部のつくり方自体を私は問題にしたいと思います。
 それで、あと、これからの新大学への移行の問題に行きたいと思うんですが、意思確認書の提出数については先ほどお話がありました。意思確認書を提出したけれども、それについて全面的に了承したわけじゃないという条件を付した方がいるというふうに聞いているんですが、三百一人の提出者の中で何人ぐらい、条件を付した方がおられるんですか。

○大村参事 意思確認書三百一人の提出者の中で九人ほどの方につきましては、いろいろ学部の希望その他について書いてございます。
 なお、保留というふうな形で書いてある方については、これについては受理してございませんので、三百一人の数字の中には入ってございません。

○曽根委員 一定数の条件つきの方も含めて三百一人。都立大は恐らく過半数にいっていないんじゃないでしょうかね。こういう膨大な未提出者が残されているわけです。この未提出者の扱いについては、先ほどちょっと仕切りというふうなお話がありました。改めてお聞きしますが、未提出者についての扱いについてはどのような方針でいくつもりですか。

○大村参事 首都大学東京をつくるに当たりましては、新大学の設計に前向きな姿勢で取り組んで期限を守って提出いただいた先生方とともに首都大学東京をつくっていくものでございまして、その他の先生に対しては同様の取り扱いを行うことはできません。
 未提出者の扱いでございますけれども、その内容は、現在も提出のない人、また、三月に入っておくれて出してきた方など、いろいろ状況がございます。おくれて出してきたけれども、新大学の準備を阻害する中心的な役割を果たしてきた人など、いろいろございますけれども、新大学参加の前提といたしましては、社会的、道義的責任をわきまえた対応を求めているところでございまして、そのような意味でも、おくれてきた方には仕切りが必要であるというような形で考えてございます。

○曽根委員 未提出者の大多数は、第一に、確認書には法的拘束力はないということははっきりしていますし、強制されるものではないし、新大学への移行の法的条件にはならないこと、第二に、教員に意思を問う前に、新大学構想の発表や具体化の横暴なやり方を正すべきであること、第三に、自分の新大学での身分や担当学科などについてまともな情報のないまま判断はできないこと、また第四に、大学院構想を初め新大学の重要な骨格さえまだ決まっていないことなど、全く正当な理由から、七月の正式な意向確認のはるか以前の現段階での意思確認は筋違いだとして提出していないわけです。
 私、当然の理由だと思います。都立大学では、過半数に及ぶそうそうたる教員の方がそうした立場を貫いています。それでも、出さなければ新大学に受け入れないというのであれば、管理本部は教員採用について、教員の教育や研究の業績よりも、管理本部のやり方、知事のやり方に従うのかどうかを事実上の踏み絵にすることになります。それでいいんでしょうか。

○大村参事 首都大学東京という新しい理念の大学をつくっていくわけでございますので、この新大学の理念に向けて改革に前向きに取り組む先生方を尊重するのは当然でございまして、そういうふうな意味では、早く意思を表明し、そして改革に賛同された先生を中心に大学をつくっていくのは当然であるというふうに考えてございます。

○曽根委員 そういうことをやっていると、都民に魅力ある大学とか、都市の未来を切り開く人材を育てるなどといっても、今の都政に合わせて何でもいいなりの大学づくりにしかなりません。しかも、もっとひどいと思うのは、来年度の都立大学、まだ都立大学なんですが、などの研究予算の配分を今までと大きく変えようとしていることです。いただいた資料の二四ページにありますが、都立大学における研究奨励費ですか、いわゆる東京都の出す研究予算ですが、これの配分については、今までのやり方とどのように変えるのでしょうか。

○宮下参事 来年度の研究費の配分につきましては、十七年度四月から今ある四つの都立大学が一つの大学になるということもありまして、その前段といたしまして、今、各大学でそれぞれ異なっている研究費配分の対象あるいは単価というものを統一していく必要があろうということで、研究費を基本的研究費と傾斜的配分研究費に区分して配分を行うということにいたしました。
 基本的研究費は、教員一人当たりの各大学共通単価を設定してございまして、本都議会で予算が通りました暁には、直ちに第一次配分をいたしたいというふうに考えてございます。
 それから、傾斜的配分研究費につきましては、配分方法などについて引き続き検討しておりまして、方針が固まり次第、各大学へ配分する予定でございます。

○曽根委員 基本配分と傾斜配分に分けるだけじゃなくて、この書かれているのを見ますと、まず、今年度単価に一〇%シーリングをかけるわけですよね。まず一割減らすわけですね、予算全体を。さらに二〇%を傾斜分としてよけて、あとを基本配分する。そうすると、基本配分だけになってしまう学科というのは、今年度に比べて極端に下がるところが出てきます。今でも確かに研究奨励費以外に、都立大学の場合などでは総長特別予算というのがあって、もちろん総長が決めるんじゃなくて、これは集団的に教授会などで検討するんですが、一割程度の傾斜がつくというものがあるらしいです。しかし、それはなしにして、二割の傾斜配分を、今の研究の全体のプールの中からよけてやるわけなので、総長の特別配分を受けたり、それから外部資金など、頑張っている学科ほど、もしこの基本配分しか受けられないとすると、本当に雑誌を買ったらおしまいということになりかねない。半分ぐらいに減ってしまうというところも出てくるそうです。私は、これはやりようによっては、いうことを聞かない教員を研究費で締めつけるつもりじゃないかと思うんですが、この傾斜配分はだれが決めるんですか。

○宮下参事 傾斜的配分研究費の基本的な考え方は、研究をより活性化させようという趣旨から、従前よりも二〇%そちらの方に、傾斜的配分経費をふやしたということでございます。
 だれが決めるかということでございますが、研究計画等を審査いたしまして、研究費を配分する検討委員会を設けまして、その判断のもとに傾斜的研究費を配分してまいりたい、このように考えております。

○曽根委員 その検討委員会のメンバーの中には、今の都立大の組織とは別であるはずの新学長予定者、新理事長予定者も入っているんでしょう。どうなんですか。

○宮下参事 その委員会のメンバー等につきましては、経営準備室会議に諮りまして今後検討してまいりたい、このように考えております。

○曽根委員 入っているんですよ。だから、自分のいうことを聞かないところには研究費出さんぞという姿勢がもう来年度の都立大のところから始まろうとしているんだ。こんなやり方で一体、本当にまともな大学をつくる気があるのかと、根本から疑わしくなるわけです。だからこそ、もう大学内外から、今の管理本部と知事のやり方に抗議が殺到しているわけです。
 私、本当に深刻だと思うのは、私たち共産党などとは立場はかなり違うと思いますが、経済学のグループが独自の声明を出しましたよね、一月十四日。この経済学のグループは、二十一世紀COEプログラムの選択にも入った非常に優秀な方々ですよね。それから最近は、都立大学の名誉教授で健在の方のうち、回答を寄せた九割が、もっとまともな方法で改革をやってくれという共同声明を出しています。こういう声を管理本部ではどう受けとめているんでしょうか。

○大村参事 まず、一月十四日の都立大学経済学部「近代経済学」グループ一同の声明につきましては、この中では、研究機関としての大学の視点の欠如とか研究面を軽視した改革というふうなことのお話と、設立準備の問題と、二つされてございます。
 この研究面につきまして申し上げますと、大学の核となるべき研究面が軽視されというふうなことをいわれてございますが、そのようなつもりは毛頭ございません。ただ、研究だけを重視するということもおかしいのでございまして、研究機関としての大学ということでは、研究所ではないので、やはり教育と研究が一体となって進めるべきものではないかというふうに考えてございます。そういう意味で、新しい大学の大学院設置に当たっての基本理念でも、基礎研究だけに閉じこもらず、常に現場を意識し、よく問題をつかまえて、社会のニーズに対応した研究を行う、実用、実践から学術体系を創造する、地場優先ということを意識し、産学公連携を初めとする社会貢献に取り組むということで、学長予定者の方から基本理念のメッセージが出ているところでございます。
 それから、三月十五日に都立大学名誉教授百二十二名の方がお出しになった共同声明というものでございますけれども、この中では、手続穏当を欠く、内容についても不明確な点が多いというふうなことをおっしゃってございます。手続穏当を欠くといわれてございますけれども、現在、都立大学の教員の方も含めました教学準備委員会、経営準備室の方で新大学についていろいろ協議をして進めているところでございまして、穏当を欠くということはない。また、内容についても順次詰めてございますので、そういうふうなことはないと思ってございます。
 なお、この名誉教授の方がいらっしゃった時代、昭和の時代、平成の初期にかけましては、大学にとってはある意味でいい時代でございました。ただ、これからは、大学の定員と入学希望者の数が逆転するという全入時代になって、大学も厳しい時代になってございまして、国立、私立も含めていろいろ改革を進めなきゃいけない時期になったということですので、ぜひその辺もご理解いただければというふうに思ってございます。

○宮下参事 先ほど、研究費の配分について少し誤解があると思いますので、もう少し説明させていただきますが、現在、新しい大学でどのように研究費を配分するかということで、これは経営準備室の事項になるわけですが、十六年度については今の大学でございますので、経営準備室のメンバーが十六年度の研究費配分委員会というのを兼ねまして検討しているところでございます。
 それで、具体的な、どの研究にどう配分するかということについては、方針等はこの研究費配分委員会で検討いたしますが、それをどこにどう配分するかというのは、専門的な見地からの検討も必要ですので、さらに具体的な、仮称でございますが、研究費配分検討委員会のようなものを立ち上げて、そこで決めてまいりたい、このように考えているところでございます。

○曽根委員 経営準備室には、学長予定者、理事長予定者は入っていますよね。そのもとに小委員会的なものをつくるんでしょうけど、大もとの権限がそっちにあることははっきりしていると思うんです、細かいことはいろいろあるでしょうけど。
 今、OBの方、名誉教授の方々について、その時代はよかったんだというお話がありましたが、現在都立大学で頑張っている人も全く同じように、これからの大学のあり方について、時代に合うというんだったら、それは合わせていく改革は大いに必要なんだけれども、何といいますか、全く見当違いの方向に大学が解体され、変質されようとしているからこそ、皆さん怒りを持っているわけです。
 今、確認書未提出者の中には、人文学部も再三紹介をしてきましたが、理学部でも、石原知事が視察にまで行った植物研究の世界的権威の教授だとか、化学でも、外部の研究費を最も多く獲得している教授などが先頭に立って、今の大学改革のあり方について意見をいって、確認書を出さないで、やり方の見直しを求めているわけです。こういう方々を都立大学から失うことになるわけです、このままでは。これでは本当に都民からも、国民からも、世界からも選ばれない大学になってしまう。ぼろぼろの大学になってしまいます。そういう点で、自分の業績に誇りを持っているからこそ、政治権力の勝手な学問分野への介入を許せないと思う大学人らしい大学人の声を正面から受けとめて、来年度予算についても、改革の方向についても再検討していくということが、今、管理本部に根本から問われているということを改めて強調して、質問を終わりたいと思います。
 以上です。

○山口委員 私の方も、最初に、大学院の方が一歩構想が出おくれているということで、お伺いするつもりでしたけれども、ワーキングチームと今後のことについては、もう先ほど答弁が出されておりますので、私の方からは、先ほども曽根委員が示しました、院生の中からの疑問といいますか、そういった点で二点ほど初めに伺いたいと思います。
 現在の都立大の学生が在籍している間は現行のカリキュラムを保障して、教育の質の面では低下をさせないという答弁は既に得ていますが、新大学において、指導教員がエクステンションセンターや基礎教育センターに配置された場合、現大学の院生に対する指導や博士論文の審査を行うことが現実として可能なのかどうか、伺います。

○大村参事 今度の新しい大学をつくりますけれども、そのときには、一つの公立大学法人のもとに、新しい首都大学東京と現行の都立の四つの大学、短大が同時に存在する形になります。そういう意味で、教員は首都大学東京の教員と現行の都立の大学の教員を兼ねる形になります。したがいまして、新大学でエクステンションセンターあるいは基礎教育センター所属になられている教員の方も、それと都立の現行の大学の学部学科の教員を兼任するという形で、今と同じ立場で現行の学生に対しては指導していくという形になります。そういう意味で、現大学の院生に対しての教育指導や博士論文の審査を行うことは、教員が現行の大学院と兼任することにより実施可能であるというふうに考えてございます。

○山口委員 では、カリキュラムの保障の一環として、研究環境である書籍の購入や情報の入手、さらに学部事務室や研究室などにおける法人化後の予算措置も今までと同じように保障されるのか、伺います。

○宮下参事 現在の都立の大学は、平成十七年四月に設置されます首都大学東京とともに公立大学法人となります。法人は、学生納付金のほか、都からの運営費交付金、それから外部研究資金などを財源として運営していくことになるわけでございます。で、公立大学法人になれば、都とは別人格となりまして、自主的な運営ができるようになるわけですが、一方では、経営者は法人経営の責任を負っていかなければなりません。したがいまして、これまで以上にコストの削減、外部資金の獲得、財産の有効活用、アウトソーシングの活用など、収支構造の改善を図っていく必要があろうかと考えております。
 ご指摘の事項をどうするかということにつきましては、法人の経営判断によりますが、学生教育につきましては必要な措置が図られていくことになるのであろうと考えております。ただ、今までのように、現大学は余り経営の視点がなかったわけでございますが、それは経営の視点を入れまして、むだは徹底的になくしていかなければならない、このように考えています。

○山口委員 ぜひ研究に支障のないということだけは押さえていただきたいと思います。
 それから次に、これは先ほど来出ておりますので少し重なりますけれども、三月九日に都立大に対して送られた文書において、意思確認書提出の扱いで、新大学に前向きな姿勢で期限を守って提出した人と、三月に入って提出した人を同等の扱いとするわけにはいかない、何らかの仕切りが必要だとしました。また、公に改革に批判を繰り返す人たち、意思確認書の提出を妨害する人たちには、確認書を提出したからといって、建設的な議論ができる保証がない、何らかの担保がない限り新大学には参加すべきではない、こういった文書が出されているわけですが、何らかの仕切り、それからまた何らかの担保とはどのようなことを意図されているのか、教えていただきたいと思います。

○大村参事 締め切りというものにつきましては、教育上も非常に重みがあるものでございます。例えば卒論も、締め切り後に提出して、単位として認められなくて卒業できなかった、そして就職をふいにしたという学生もいるわけでございます。そういう意味で、提出におくれて意思確認書を提出したことによりまして事務手続上のおくれ等を初めとする混乱を招いたということにつきましては、やはり社会的、道義的責任を自覚していただくことが必要であろう。それは当然でございまして、そのために何らかの仕切りを求めているところでございます。
 また、前の日まで大学改革に批判的な行動を繰り返したり、あるいは意思確認書の提出を妨害していた人たちが、新大学に行くという意思を急に表明されても、それでは首都大学東京に建設的に参加するのかどうかという確認が必要であるというふうに考えてございまして、それが何らかの担保というものでございます。
 では、どのような仕切りとか、どのような担保というのは、私どもなり設置者の側でいうものではなくて、これにつきましては、そのおくれた方あるいはそういった方たちが考えて、こういうふうにしたいというふうに考えた上で、それが、西澤学長予定者や、意思確認書を期限までに出した教員など、新大学をつくっていこうと前向きにやっている人たちから納得できるものが必要だというふうに考えてございますので、具体的な内容は、そのような形で納得できるものという形で考えていただくというふうに考えてございます。

○山口委員 何らかの仕切り、何らかの担保などということが必要になったのは、もとをただせば、大学管理本部が教員の理解を得るような検討体制を怠ってきたのが原因ではないのでしょうか。このような異常事態に陥ったことに対して、大学管理本部としてどのように考えているんでしょうか。

○大村参事 異常事態に陥ったというふうには私ども全く考えてございません。これにつきまして、多くの教員の方は期限を守っていろいろな形で出してきてございますので、そういった教員の方たちもいるというふうな中で、なぜおくれたかというようなことにつきまして、特にそれが異常事態であるとか混乱であるというふうに考えてございません。ただ、私どもも、先ほどいろいろあれしてございますように、締め切りを延ばしたり、そういうふうな中で、なるべく多くの教員の方に前向きに参加していただこうという努力を続けてきているということについてはご理解いただきたいと思います。

○山口委員 管理本部としてはできる限り対応してきたということなんですが、少なからず、民主社会がどういうものかとか、言論の自由がどういうものかという認識を持つ人にとっては、とても同意できるものではないと思います。
 では、最後にですが、意思確認書を提出しない教員は新大学への就任はできないという答弁も、前回の委員会でありました。また、同じくその委員会で、意思確認書は何ら法的根拠がないという答弁も出ています。そうした法的根拠のないものをもって、提出しない教員は新大学に就任できないとすることに問題はないのか、伺います。

○大村参事 意思確認書につきましては、この四月の末には具体的なカリキュラムを確定しまして、それを担当する教員をちゃんと確定した上で、実際には数値として出しますけれども、文部科学省にそれを申請するという作業がございます。そういう意味では早急に、具体的なカリキュラムの設定、そしてそれを担当する教員はどうする、それがない場合は教員を公募するとか、あるいは非常勤で対応するのか、それとも、いない場合はこの科目をとりあえずやらないのかとかいった、いろいろな調整が必要になってくるわけでございます。そういう意味でも、法的な問題という意味ではなく、新大学で授業を持つ意思のあるなしを聞いているのでございまして、新大学で授業を持つ意思を表明しなかった教員が新大学に就任できないというのは当然でございます。そういう意味では、早急に意思確認書を出していただいて、四月の申請でちゃんと科目を持つ人を確定するという意味でとっているものでございます。したがって、首都大学東京の専任教員となるためには意思確認書の提出が必要だというふうに考えてございます。

○山口委員 やはり大学の設置、まず改革の期限ありきだから、こういう事態になるんだと思うんですけれども、そういうのであれば、当然、丁寧な協議を重ねて改革を進めるべきではないかと思います。
 都立大の評議会は、この文書を最後通告とみなして、とても受け入れられないと強い態度に出ているようですが、今後ますます対立が激しくなることも予想されます。あくまで意見の合わない人を排除するようなことが、言論の府である大学で行われることは、とても信頼できる大学づくりにつながるとは考えられません。私は毎回同じ発言ですので、大学管理本部の人たちにとっては耳にたこができてしまって、耳に入らないかもしれませんが、先日も、もう第一線を退いた名誉教授百二十二人が、事態を見過ごすことはできないとして、抗議声明を出されました。今はもう状況が違う、その当時の先生たちとの社会状況が違うということではありますが、こういった先生たちが抗議声明を出すということは、やはりそれなりのことがあると思うんですね。ぜひ大学管理本部はこうした声を真摯に受けとめていただきたい。それからまた、こうした声をしっかり受けとめていただいて、ぜひ民主的な方法をとって大学改革を進めていただくことを強く要望して、質問を終わります。

○福士委員 それではまず最初に、簡単に。
 新しい大学については、新大学が独立行政法人に移行するので、その部分については移行といういい方はあるけれども、実質廃止、新設というお答えを前にいただいています。再三再四こういうお答えをいただいているんですが、二月の委員会で、教員審査に付議する必要があるという答弁もまたいただきましたので、これではどう考えても、教職員など新大学へ移行という形に見えるんですけど、文部科学省への書類の提出状況ですね、期限が違ってくるわけですから、その辺のところはどういうふうになっているのか、まずお伺いしておきます。

○大村参事 文部科学省には実務的に認可申請書類の記載方法についての相談を何度か行ってございますけれども、本申請の期限は四月末でございまして、実際に本申請の書類を出すのはこれからでございます。
 また、教員審査の省略につきましては、三月に予定していたんですが、四月の方に延ばしたということで、これから教員審査の省略について出すのでございますけれども、教員審査の省略につきましては、文科省の規定でも、大学を既に設置している者が現在の大学を廃止して、その教員組織や施設等をもとに大学を新設しようとする場合に、手続の簡素化として教員審査の省略をできるというふうに書いてございます。そういう意味で、今回の手続は大学の廃止、新設であるということには変わりございません。移行ではございません。
 この教員審査が省略になるかどうかについては、必要に応じて文部科学省の大学設置審議会の運営委員会の判断を事前に仰ぐことができるということになってございまして、先ほど申しましたように、四月上旬に提出の予定でございます。

○福士委員 では、それはもうちょっと待ってみなきゃわからないことですね。
 続きまして、任期制、年俸制について幾つか伺ってまいりますけど、この任期制、年俸制について、大学管理本部側からの一方的な提案は、現在の教職員の身分や労働条件の保障とは相入れないように思うんですけれども、これらとの関係はどういうふうに考えられているのか。それから、今まであった労使合意についてはどういうふうに、なくなっていってしまうのかどうか、その辺のところを教えてください。

○宮下参事 まず、教職員の身分についてでございますが、公立大学法人の教職員は法律上当然に非公務員となります。
 次に、労働条件についてでございますが、新法人では、任期制、年俸制による新制度のほかに、現行の労働条件と同様の旧制度も選択することができるということにしております。
 それから、給与水準でございますけれども、年俸の二分の一に相当する基本給につきまして、現行給与水準の二分の一を保障するということにしてございます。
 今までの労使合意がどうなるのかということでございますが、法人設立後に新たに就業規則、給与規程等を定めることになります。その準備行為といたしまして、大学管理本部と組合の間で現在、勤務条件等の交渉を行っているところでございまして、詳細をなお詰めまして、法人設立後、就業規則を作成いたしまして、法人職員の過半数を構成員とする労働組合、あるいは労働組合が過半数を超えていない場合には、職員の代表者の意見を付しまして、労働基準監督署に届け出ることになります。

○福士委員 一方、例えば、今まで非常に経済的な効率を求めていらっしゃるわけですが、地道な仕事を続けるには、任期制は仕事に向かない、問題が多いというふうにお考えになって、あえて旧制度を選択して、現給据え置きになられ、昇任不可制度を受け入れた教員の方々が、地道にずっと仕事をされて、大きな功績を残された場合というのはどうなっていくんでしょうか。

○宮下参事 大きな業績を上げるような教員であれば、ぜひとも新制度を選択していただきたい、このように考えておりますが、仮に旧制度を選択しても、いつでも新制度に移る道は開いてございますので、その時点で新制度に変更ということも可能でございます。

○福士委員 しかし、それもまた短絡的な発想だと思うんですけれどもね。理系で経済に結びつくような活動とか研究であれば、新制度で済むのかなというふうに私は思いますけれども、教育は、そんなふうに簡単便利で、功績がぱっと上がるというだけのものではないと思うんですね。一見無意味に思われるような、だけれども重要なものというのもあるわけで、例えば考古学にしても、私なんかにとっては何だかわけがわかりませんが、地道に研究されて、結果が出るのはすごくすごく先のことだったり、あるいは比較文学なんかでも、そんなに簡単に答えが出るようなものではないわけで、そういう研究というのは幾らでもあると思うんですよね。だからこそ、経済性も追求しつつ、経済論だけでは割り切れないものを大切にする、これこそ公の大学の意義じゃないかというふうに思うんですけれどもね。公の大学のあるべき姿みたいなのもしっかり考えていただかないと、私立はもう既に経済性というのをずっと追いかけて追いかけてやっているわけです。その私立の中では、生き残りをかけて切磋琢磨している部分もあるでしょう。しかしながら、そこの私立では持ち切れない部分が、公の大学については一番重要なところだというふうに考えております。そこの辺がどうなるかによって、かなり方向性は違ってくると思うんですね。それはお願いとして考えておいてくださいということにしておきます。
 先ほど来出ておりますけれども、二月六日の新聞報道では、教員募集に当たって、通常百倍を超えることもあるはずだといわれるような、買い手市場といわれる募集が、六倍どまりだったというふうにされていました。その原因として考えられるのが、この間のごたごたの問題もあるでしょうが、都の任期制、年俸制に問題ありとする、そういうご意見もあったようです。そのために新大学で教員のレベルが落ちたり、あるいは教員が絶えず異動した場合、学生に対する教育というものに影響が出るわけですけれども、その辺はどういうふうに考えておられるのか。

○宮下参事 公募の募集倍率等については、先ほど大村参事から申し上げたとおり、公表しておりませんので、それが新聞に出たということはどうしてかと疑問に思っているところでございますが、任期制、年俸制を導入する目的の一つは、優秀な教員を確保するということがございます。教員を選考するに当たりましては、その基準は厳格に設定しておりますので、教員のレベルが落ちるというようなことはないと考えております。
 それから、原則として任期五年で、再任の制度も設定いたしますので、教員が絶えず異動するというようなことにはならないのではないかと思います。
 なお、教員の異動は現在もありますし、新しい大学になってもあると思いますが、現在でも、教員の異動があった場合、学生指導に支障のないように引き継がれておりますので、それは新大学になっても同様だというふうに考えてございます。

○福士委員 二〇〇三年の十二月、朝日新聞の「視点」欄に、神戸大学大学院法学研究科の阿部泰隆教授が任期制について投稿されていました。これは都立大のこととは一切関係ないんですよ。京都大学の再生医科学研究所の話なんですけれども、外部評価委員会では高い評価で全会一致の再任が認められた教授が、協議員会では任期満了という形になって失職させられたという例をご紹介されているわけです。こういう形の中で、教授のレベルではなくて、好き嫌い、受けのいい悪い、そういう形の異動というか、先生がいなくなったりする例もあるということは十分考えられる形ですよね。この場合の司法救済はまだちゃんと整備されていないようで、そのことも指摘されておりました。その上で、任期制は、任期法上も、研究助手とか期限つきのプロジェクト参加者にはいいけれどもという形で、限定されるはずだというふうにおっしゃっているんですね。全面的な任期制はこういう意味では違法だという考え方があるみたいですけれども、文部科学省の対応はこの辺はどうなっていますでしょうか。

○宮下参事 国会におきまして、大学の教員等の任期に関する法律のやりとりがございまして、その中で文部科学省の高等教育局長が、結果として全教員が任期制となる場合はあり得るというふうに答弁しているところでございます。
 それから、任期制の法的根拠は、現在の国公立大学のような教員が公務員の場合につきましては、任期法のみが根拠となるわけでございますが、法人化されて非公務員型になった場合には、これは私立大学と同じ法律関係になります。私立大学におきましては、この任期法が成立する以前から労働基準法が適用されまして、任期制を導入することは可能であったわけでございます。公立大学法人も私立大学と同様の法律関係になるわけでございまして、労働基準法も根拠法となり得ます。その場合の大学の教員等の任期に関する法律というのは、これを確認的に規定したものという位置づけになります。
 労基法ではどうなっているかということでございますが、雇用契約の期間につきまして上限を設けて規制してございますが、この規制を満たす限り、任期つきの雇用契約を締結するか否かというのは当事者の自由であるとされております。したがいまして、全教員を対象とした任期制の導入が違法だというようなことは全くございませんので、ご安心いただきたいと存じます。

○福士委員 しかし、問題をいっぱいはらんだ任期制で、これからもいっぱい問題は出てくるんでしょうね。制度をつくっても、制度の中だけじゃなくて、それをどう論理的にきちんと判断するのか、しないのかという、人間の感情的な部分というのはどこでも残ってくるわけですが、これは、いい形でぜひやっていただきたいというふうに申し上げるしかないと思います。
 続きまして、教職員組合のニュースを拝見したんですが、三月九日に学長予定者、大学管理本部長の連名で教員に出された書類に、改革である以上、現大学との対話、協議に基づく妥協はあり得ないというふうな言葉が書かれているんですけれども、新設じゃなく改革である以上、現大学が改革に関与できないのはおかしいというふうに思うんですけれどもね。東京都や学生のための改革の真の目的をより円滑に達成するためには、現大学との協議もあり得るはずだというふうには思いますけれども、なぜそれが一切認められないのか、その辺のところはいかがでしょうか。

○大村参事 今回の首都大学東京をつくることは、現大学の廃止、新大学の新設でございます。社会の要請という観点から見たときは、現在の大学、このありようを根本的につくり変えていかなければいけないということで、改革というふうなことをしていかなければいけないというふうにいっているものでございます。そういう意味での改革という言葉を使っているのでございまして、単なる改組、転換的な意味で改革を使っているということではございません。
 そして、首都大学東京の教育あるいは経営の検討につきましては、新しい大学の立場に立った体制ということで、新大学の設立本部、さらに、その下に置かれている教学準備委員会、経営準備室で行ってございます。教学準備委員会には都立の大学の教員の方、また作業部会には多くの教員が広く参加して進めております。また、教学準備委員会での検討に当たって、都立の各大学の学長の意見も聞くことになってございます。そういう意味で、現大学の教員の参加、そして協議はしてございます。
 一方で、大学管理本部が現大学の評議会あるいは教授会と協議し、何か妥協するということはない、そもそも構造的にあり得ないというふうな意味で、この文書ではいっている。そういう意味で、改革である以上、現大学との対話、協議に基づく妥協はあり得ない、こういうふうにいっているものでございます。

○福士委員 対話を拒否して、どれだけいい大学ができるのかというのは、すごい疑問に思います。
 先ほど来ちょっと出ていますけど、教学準備委員会に大学院検討ワーキンググループができていますね。そこのメンバーはどうなっているのか。それから、どういう考え方で何を検討していこうとされているのか、もう一度確認の意味も含めてお伺いしておきます。

○大村参事 教学準備委員会のもとにつくりました大学院検討のワーキンググループでございますけれども、学長予定者の西澤先生が指名するメンバーから成りまして、ワーキンググループの座長には教学準備委員会の専門委員である原島先生が就任し、そのほかに専門委員、学内委員から成ってございます。学内委員は、意思確認書を期限までに提出された方の中から、学部とか文理のバランスなどを考慮して、西澤先生の方がご指名されております。
 このワーキンググループでは、現状の追認でない、新しい理念に合わせた大学院としてあるべき姿を検討するものでございまして、昨年の十月に教学準備委員会で提示された案を出発点にして検討を進めまして、さらにそれができた段階では、具体的な各分野ごとのワーキングを設置して詳細を検討するというものでございます。

○福士委員 私の方でちょっと調べさせていただいた限りでは、学内委員なんかでも、法学部長はともかくとして、工学部長はお入りになっていますが、人文なんかからは一切入っておられないようですし、経済的、技術一辺倒になるんじゃないのかなという気がするんですね。先ほど来、曽根委員からも再三再四質問されていますけれども、学校の方向性というのは、経済的なものだけを追い求めるような方向になっていって、大学院もそういうものしかつくらないということになったら、問題は大きいなというふうには思うんです。
 で、ワーキンググループが、現在の追認じゃなくて、新しい大学院としてあるべき姿をというふうにおっしゃっていますけれども、もうちょっとちゃんとしたものがもう出るころじゃないかなというふうに思うんです。どう考えましても--産業科学技術振興指針というのが出されましたね。あちらの方では産業技術大学院の設置を挙げられている。これについては社会人対象の専門職の大学院としますと、これはもう首都大学の中に入るということも伺っております。それからロースクールがつくられることもわかっております。わかっておりますというか、もう既に設置されました。ですから、そのすき間に何を入れ込むか。そんなにたくさんたくさん入るようには私なんかには思えないんですけど、そうなると、人文系のものは全部切り捨てられるおそれがあるのかなという心配をしております。
 一日も早く都立大に対する偏見を捨てて、よりよい方向性を早く出していただきたいなというふうに思うのは、要するに、入学時に、先ほど来出ていますけれども、大学院に何があるか、それをきちんと含めて考えながら受験するという方はたくさんいらっしゃるわけで、受験生にとっても、何があるかというのはすごく問題として大きいと思うんですね。先ほどのご答弁では、ああ、問題はありませんというようなご答弁もありましたけれども、認識はきちんと持っていただきたいというふうに申し上げておきます。
 それから、意思確認書に関しては、先ほど来たくさん質問もありましたし、ご答弁もありましたし、何らかの仕切りということは何かというようなのも、それなりにというか、中身はちゃんとわかりませんが、ご答弁がありましたので、質問しようと思っておりましたが、これはやめますが、意思確認書は卒論のように--先ほど、卒論もというふうにおっしゃいましたけれども、卒論のように正式に何月何日までと決まって、正式な書類として出すものじゃないということは何人の方もおっしゃっているわけですよね。そういうものであるということであれば、いつ出そうが、構わないとはいいませんけれども、この期間というものがそれほど重視されるというのはやはりおかしいような気がしますね。大学管理本部としては意思確認書をなるべく早目にいただいて、準備おさおさ怠りなくやるために欲しいというたぐいのものであって、正式なものじゃないわけですから、仕切りがどうのこうのという話も変な話だというふうに思いますし、ほかの委員の方からも出ておりましたけれども、もともと今回こういう問題が出る発端は、昨年の八月一日に、今まで積み上げてきた議論を一切無視した変革案を出して、その後は、教員、学生の質問にも対応せず、そして混乱を招いた社会的、道義的責任というのは、前にも申し上げましたけれども、大学管理本部にも十分あるんじゃないかというふうに私は思います。ですから、他人の自覚行為を求める前に、ご自分たちの道義的責任も自覚されることを私は申し上げておきたいと思います。
 それで、大学管理本部に民主主義とは何ぞやというようなことをいわなきゃいけないような状況になっていること自体が、私はすごく問題だと思いますよ。これが教育の場であるというのは本当に問題だというふうに思っております。したがいまして、何らかの仕切りがご同様にされるのかどうか、見守らせていただきます。
 以上で終わります。

○石川委員 これまで何回か大学改革について質問してまいりましたけれども、改革が行われようとも、いわゆる大学生、大学院生の学ぶ権利、これは保障されなければならないという意味で、何点かご質問させていただきます。
 初めに、きょうの委員会の資料の中にもございましたが、大学院生の在学期間について改めてお伺いしたいと思います。

○大村参事 大学院生の在学期間でございますけれども、最長の在学期間につきましては、それぞれの大学が大学院の学則で定めておりまして、都立の大学ではいずれも、修業年限二年の修士課程では四年まで、修業年限三年の博士課程は六年までということで、倍の年数になってございます。また、疾病その他やむを得ない事情によると認められた場合に限って休学が認められることになってございますが、この休学期間につきましては最長在学年数には算入しないこととされてございます。別枠でございます。
 この都立大学などの休学期間につきましては、大学ごとに違ってございまして、都立大学の場合は、博士課程の大学院の場合、最長で通算三年まで許可される可能性があるというものでございます。そういう意味で、在学期間を挟みますと結果として合計九年までの在学が可能となる場合がございます。
 なお、科学技術大学の休学期間は修士二年、博士三年、また、保健科学大学の大学院の場合は二年ということで、都立大学だけ修士、博士とも三年の上限の休学期間が認められているという状況でございます。

○石川委員 都立大学の博士課程で最長九年、これは、今ご答弁ありましたように学則で定められた期間、いわゆる保障しますという学校側の約束ですね。したがって、これを履行するということは、改革がどういうふうに行われようと、私はなされなければならない大学の責任だと思っております。
 そこで、都立大学では平成二十二年までは存続させるという方針を聞いておりますけれども、平成十六年度の入学者は、平成二十二年までだと七年間となります。そこで、本日の提出資料で、都立大学の大学院博士課程の退学者のうち、八年以上在学して退学した者の人数を見ると、直近の平成十四年度では五人であります。これはいずれも文系の大学院生であります。そこで、文系の大学院の博士課程でこのように八年以上の長期にわたって在学する学生が多い理由は何でしょうか。

○大村参事 確かにきょうの資料を見ていただきますと、文系の方は長期にわたって在学する者が多く、理系の方あるいは工学系の方はそれなりの部分でゼロという数字が並んでございます。大学院におきます博士という学位の授与につきましては、全国的な状況を見ますと、理工系では活発に学位が授与されているのに対しまして、文系では、在学期間内に課程を修了して学位を授与される者が比較的少ない傾向にございます。これは、文系におきまして、古くからのイメージでございますけれども、その道の学問をきわめたというイメージで、博士というのが極めて高度で体系的なものというふうにされて、博士論文が、かなり高度なものが要求されているものであるということ。また、論文作成のための資料の収集、分析や外国での留学とか調査に一定年数を要する場合があるということなどから、標準の修業年限では博士論文をまとめ切れない方が多いということによるものと思われてございます。
 こうした状況は、国の大学審議会などでも答申でたびたび触れられていますように、国際化の進展や留学生の積極的受け入れ、大学院生の学習意欲の向上という点からは必ずしも望ましい状況ではないというふうに考えられてございます。特に、留学で来られた方が、規定の年数を行ったのに全然学位がもらえなくて祖国に帰るということで、おまえ、何してきたんだというふうにいわれていると。そういう意味では、留学生を受け入れる立場からも、そういうふうな学位の出し方についてもっと改善するというふうなことで、審議会でもたびたび答申をされてきてございます。
 そういうふうな状況でございますので、現状では、都立大学の文系の大学院でも、同様の事情から長期間の在学者が多く存在するというふうに考えてございます。

○石川委員 去年の十一月十三日の文教委員会ですか、長期間在学するのは学業不振が原因であるというような答弁もありましたけれども、今のお答えを伺うと、決して学業の不振によって九年間在学するものではないということがはっきりしたと思います。
 そこで、そうした状況を踏まえると、二十二年ですべての大学院生が卒業するとはいえない状況がはっきりしたわけでありますけれども、そこで、この平成二十三年度以降に残ってしまいました大学院生に対する教育上の保障については、どのように対応されてまいりますか。

○大村参事 以前お答えした学業不振者につきましては、これは学部の学生の場合で残っている者につきまして申し上げたものでございまして、大学院生の場合につきましてはそういうふうな事情でございます。
 いずれにいたしましても、原則的にはできるだけ早く学位が取得できるように研究指導に努めますけれども、平成二十三年度以降も残った大学院生につきましては、新大学に籍を移していただきまして、新大学において現大学の教育課程を履修したり、あるいは新大学の該当する、あるいは対応する専門分野の教員から研究指導を受けたりすることによって、この課程を修了させようという形で対応する予定でございます。

○石川委員 今ご答弁にもありました、対応しますよと。また、平成十六年の二月四日付東京都大学管理本部から出された通知に基づき、二月五日に東京都立大学総長名で出された、現大学の学生に対する教育の取り扱いについて、そしてそのうちで、基本的な取扱方針においても、保障しますよということが明言されております。
 ところが、現場の大学院生におきましては、それではその保障は、現在の指導教官が今後とも継続して大学院生を指導してくれるんですかということが、実は今最大の心配事なんですね。それはなぜかというと、新大学が発足しますと、いわゆる指導教官がエクステンションセンター、基礎教育センターに配置になった場合に、本当にそのことが保障されるんでしょうかということが危惧されておりますので、その点だけちょっと明快に教えてください。

○大村参事 首都大学東京ができたときには、公立大学法人のもとにできるわけでございますけれども、これにつきましては、首都大学東京と併行して現在の都立の四大学が存在するということになります。そして、首都大学東京の教員になった教員の方についても、あわせまして現在の都立の大学、都立大学や都立科学技術大学の教員の身分を兼任することによりまして、現在それぞれの大学にいらっしゃる学生さんの指導を引き続き今と同じ立場でやっていただく。こういう形で、例えば新大学ではエクステンションセンター、基礎教育センターの所属になられた教員の方も、現在の大学では、都立大学なり科学技術大学の何とか学部の教授、何とか学科の教授という形で指導に当たっていただくという形でございます。そういう意味では引き続き教育指導をやっていただけるというものでございまして、その先生が新大学での立場はどこにいようと、現在の大学の立場で引き続き指導できるということでございますので、ご安心いただけるというように考えてございます。

○石川委員 それと、今度、独立法人になりますから、先ほど、研究費の方は山口さんがご質問されていました。予算に絡む問題は、新しい仕組みになりますので、それにまたなければなりませんが、特に大学院生が希望しておりますカリキュラムの連続性と質の維持、専攻の事務室、研究所の維持、それから現大学が所蔵しております大切な書籍の散逸等がないように、今後とも奮闘努力、配慮していただきたいことをお願いしておきます。
 次に、新大学開学後に、現大学の学部学生がどのような教育を受けることができるのかということについて、ちょっと一点伺わせてください。
 新大学では、都市教養プログラムなど、都市の問題に対応した魅力的な科目が開講される予定と聞いております。平成十七年度の開学時には、現大学の学生も二年次以上で在学しているわけですので、現大学の学生は、新大学の授業科目を聴講して単位を取得することはできるんでしょうか、できないんでしょうか。

○大村参事 今ご指摘のように、当面同じキャンパスに、現大学の学生と新大学の学生がともに学ぶ状態というのが続くわけでございます。現大学と新大学の教育課程には違いがございますが、そのうちに、現大学の科目とそれに対応する新大学の授業があるものについては、科目を読みかえるということによりまして、現大学の学生も受講して単位を取得することができるというものでございます。また、現大学には全くない新しい授業科目、これは特に、先生おっしゃるように、都市教養プログラムやさまざまな都市の課題に対応した魅力的な科目を多く設置しようと考えてございますが、これについて、現大学の学生がその授業の受講を希望するということが多い、そういう場合もあろうかと思っております。その場合は、新旧大学間で単位互換の制度をつくるというふうなことによって対応することが必要になることが考えられますので、このような制度でお互いに乗り入れて科目をとり合えるというふうな形にしたいと考えてございます。
 なお、新大学の学生が現大学の科目をとるときは、単位バンクの制度などを活用していけるということは既にあれしてございますけれども、そういう意味では、現在の大学の皆さんが新大学の授業を受けるということについては、ちょっとこのような手当てが必要なので、この辺の検討を進めていきたいというふうに考えております。

○東委員長 ほかにありませんか。--それでは、ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は以上をもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、予算及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で大学管理本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時九分散会

ページ先頭に戻る