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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第十九号

平成十五年十一月十八日(火曜日)
第三委員会室
午後一時三分開議
 出席委員 十一名
委員長東ひろたか君
副委員長臼井  孝君
副委員長大塚 隆朗君
理事野上じゅん子君
理事山口 文江君
理事松原 忠義君
福士 敬子君
山下 太郎君
石川 芳昭君
遠藤  衛君
曽根はじめ君

 欠席委員 二名

 出席説明員
教育庁教育長横山 洋吉君
次長鮎澤 光治君
理事斎藤 尚也君
総務部長比留間英人君
学務部長山際 成一君
人事部長臼井  勇君
福利厚生部長幡本  裕君
指導部長近藤 精一君
生涯学習スポーツ部長鈴木 雅久君
教育政策担当部長石川  武君
都立高校改革推進担当部長山川信一郎君
参事齊藤 一男君
参事井出 隆安君
参事瀧川  清君

本日の会議に付した事件
 教育庁関係
  事務事業について(質疑)
  報告事項について(質疑)
  ・第六十回国民体育大会冬季大会の東京都開催について

○東委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名ですが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異義ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異義なしと認め、そのように決定いたしました。

○東委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の事務事業及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 事務事業及び報告事項、第六十回国民体育大会冬季大会の東京都開催についてを一括して議題といたします。
 事務事業及び報告事項については既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○比留間総務部長 去る十月十五日の事務事業説明におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
 お手元の文教委員会資料の目次をお開き願いたいと思います。ごらんいただきますように、今回要求のございました資料は四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、都立全日制高等学校における新入生の出身校別内訳でございます。
 平成十一年度から十五年度まで五年間の入学者の出身校を、都内の中学校の卒業者については、国立中、公立中、私立中に分け、その他、過年度中学校卒業者、他県、外国での学校教育九年の課程修了者等の別に人数をお示ししてございます。
 二ページをごらん願います。2、平成十五年度に学級編制の弾力化を実施している道府県の状況でございます。
 特定の学年などについて、特例的に四十人未満の少人数学級を実施している三十の道府県の例をお示ししてございます。
 三ページをごらん願います。3、都内の学校における室内化学物質基準超過事例でございます。
 調布市立調和小学校から練馬区立の小学校及び幼稚園まで、それぞれ事例ごとに、学校名等、発生年月、トルエン等の化学物質が基準値を超えた発生状況及び現在の状況をお示ししてございます。
 四ページをごらん願います。4、財団法人東京都生涯学習文化財団が管理する施設の管理運営費及び職員数でございます。
 体育施設から文化施設までのそれぞれの施設ごとに、管理運営費及び職員数を、平成十年度から十四年度までの五年間についてお示ししてございます。なお、廃止や移管となりました施設につきましては、該当する年度の欄にその旨を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○東委員長 説明は終りました。
 ただいまの資料を含めまして、これより一括して質疑を行います。
 発言を願います。

○遠藤委員 支援学級につきまして何点か質問をさせていただきます。
 東京都の心身障害教育改善検討委員会の中間のまとめに関しましては、これまで当委員会においても、二回の定例会の審議においてさまざまな角度から議論が行われてまいりました。特に特別支援教育への転換に関しては、理念については大方の理解が得られてきていると思いますが、小中学校におけるこれまでの障害のある子どもたちの教育がどのように変わっているのかについて、本当に大丈夫かなという不安がどうしても消えないのが、現在のお母さんたちの思いだというふうに思っております。私も、地域の保護者の方々からいろんな意見を伺っています。それらを踏まえて、中間のまとめ以降の検討状況や教育委員会の考え方についてお伺いしてまいります。
 最初に、都の心身障害教育改善検討委員会での検討に対して、中間のまとめ以降、意見の募集や地域での説明会等においてさまざまな意見が寄せられてきていましたけれども、その後、検討委員会として、これらを踏まえ、どのように検討をされてきたのか、まずお伺いいたします。

○山際学務部長 改善検討委員会におきましては、新たに小中学校の校長及び保護者の代表の四人の委員を追加するとともに、検討期間を延長しまして、現在、幅広く議論をしているところでございます。
 また、意見募集や説明会等で出されました意見などにつきましては、主要な課題ごとに整理し、三回にわたる審議の中で、心身障害学級におけるこれまでの教育の成果や役割の継承、教員を固定的に配置して、週の相当時数の専門的指導を行う固定的な設置形態あるいは拠点的な設置形態などの特別支援教室のあり方などについて検討を進めてきたところでございます。

○遠藤委員 また、保護者が不安を感じているのは、国や都が提言している方向について、具体的な形が見えてこないということがあるのではないかと思うのであります。
 そこで、保護者の不安を払拭するためには、モデル事業を行い、より具体的なあり方を示すことが有効であると考えております。このことにつきましては、都としても、これまでの当委員会において、検討しているとの説明でありましたが、このモデル事業の目的や内容についてお伺いいたします。

○山際学務部長 特別支援教育の推進に向けたモデル事業は、保護者の不安を解消し、都民の理解を得ながら円滑に進めることを目的といたしておりまして、内容的には、特別支援教室での教育的ニーズに応じた設置形態や指導方法、専門家との連携による指導のあり方、校内全体の推進体制の整備などの検証を行うものでございます。

○遠藤委員 制度の移行に当たっては、小中学校においては、区市町村によってさまざまな実情の違いがあると思います。子どもたちにとっての環境の変化などについて十分に配慮しながら、円滑な推進を図っていく必要があると考えますが、この点について伺います。
 また、円滑な推進をするために、特に小中学校の設置者である区市町村教育委員会が、それぞれこの制度改正の方向性について十分認識、理解し、主体的に対応していくことが重要であります。そのために、これまでも中間のまとめで丁寧に説明をしてきたと聞いておりますが、私も、幾つかの学校長にお会いしたところ、これを聞くために行ったわけじゃありませんけれども、中間のまとめが来ている、今、目を通しているところですというお話を聞いております。今後まとめられる予定の最後の報告についても、都として区市町村の教育委員会に対して、これまで以上に十分な説明を行うことが必要であると考えておりますけれども、所見をお伺いいたします。

○山際学務部長 特別支援教育への移行については、今後の国の制度改正によるところでございますが、円滑な推進を図るためには、各区市町村における心身障害教育の取り組みの状況や、教育環境の変化に伴う児童生徒の理解推進の状況等にも十分配慮していく必要があるというふうに考えているところでございます。
 また、最終報告につきましても、区市町村教育委員会に対しまして十分に説明をしていくとともに、連携しまして、関係者への周知に努めてまいります。

○遠藤委員 保護者から、LD等の新たな特別な支援を必要とする子どもたちへの支援も大変重要でございますが、現在、心身障害学級で学んでいる子どもたちについても、これまでの心身障害学級での成果を引き継ぎ、教育の低下をさせることなく進めてほしいという声があります。このため、生活単元学習の、これまでの心身障害学級で行ってきた教育内容について、新たな特別支援教室でどのような展開をされていくのか、お伺いいたします。

○近藤指導部長 現在、心身障害学級におきましては、将来の社会参加と自立に向けて、日常生活の指導や生活単元学習などを通しまして、基本的な生活習慣や能力を身につける学習を中心とした指導を行っております。
 特別支援教室におきましても、児童生徒一人一人の教育ニーズや保護者の願い、要望などを反映いたしました個別指導計画に基づいて、日常生活の指導や生活単元などの指導を行ってまいります。

○遠藤委員 特別支援教育では、ニーズに応じた教育を柔軟に行うとしておりますけれども、一人一人の子どものニーズの把握や、それに基づく個別の指導計画は、だれがどのようにつくっていくのか、また、指導計画の策定に当たっては保護者はどのようにかかわることができるのか、お伺いいたします。

○近藤指導部長 児童生徒一人一人の教育ニーズなどに基づく個別指導計画は、特別支援教室の担当者が中心となりまして、通常の学級の担任や保護者、言語や心理の専門家などと連携、協力いたしまして作成することになります。
 また、保護者は、個別指導計画の作成に当たりまして、特別支援教室の担当者に意見や要望を伝えたり、指導目標の設定やその評価に深くかかわることになります。

○遠藤委員 特別支援教育において、保護者が指導目標の設定やその評価にも深くかかわることができるということは、大変重要なことであると思いますが、具体的にどのようなかかわりを持つようになるのか、お伺いします。

○近藤指導部長 保護者には、まず児童生徒の家庭や地域での生活の様子や興味、関心などについて詳細な情報を提供してもらうことになります。次に、学校は、これらの情報を参考にして作成しました個別指導計画を保護者に提示し、指導目標や指導内容、方法、教材、教具の選定などについて協議をしたり、意見や要望を受けたりすることになります。
 また、個別指導計画に基づく教育課程の実施に当たりましては、保護者から、家庭や地域での児童生徒の様子等について情報を提供してもらい、指導内容、方法の改善等について常に見直しを行いまして、保護者とともに、児童生徒の健やかな成長を図ってまいります。

○遠藤委員 保護者の方々は、障害のある子どもたちが通常の学級で理解を持って受け入れてもらえるのかということについても、懸念を抱いているというふうに聞いております。このため、特別支援教育の推進に向けて、通常の学級の担任や保護者の理解が最も重要であると考えております。こうした理解を得るためにどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

○近藤指導部長 通常の学級の児童生徒や、また担任、保護者が、障害のある児童生徒の正しい理解を深め、ともに助け合い、支え合って生きていくことができるように十分配慮していく必要がございます。このため、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒がともに活動し、豊かな人間関係をはぐくむ交流教育を一層充実していくなど、理解教育の推進に努めてまいります。

○遠藤委員 平成十年、都議会の行事の中で中学生議会というものが開催されました。私たちの分科会で一人の中学生が、僕たちは、お年寄りや障害を持った方々にどうしたらいいのかわからないという発言がありました。これは、今いろいろ、核家族といいますか、そういったことで、一緒に生活をしていない、あるいはできないといいますか、また学校でも障害を持つ子どもたちと一緒に行事をすることがないからであります。
 小中学校においては、既に障害学級を持っている学校の生徒たちは、私の知っている限りの学校では、ごく自然に学芸会とか文化祭あるいは運動会等、一緒にやっております。秀でたものがあれば、それを大いに引き出す、伸ばすこと、私は、そういったことが真の教育であると考えております。また、与えることだけが教育ではないはずであります。教育というのは、学び合うことであるというふうに私は考えています。子どもは、興味を持ったときには驚くほどの能力を発揮するものであります。子どもさんの自立という大きな目標を考えたときに、今回の特別支援教室は、まさに親の勇気ある決断といいますか、そういうものが求められているのではないかというふうに思っています。
 そのためには、教育委員会が保護者の皆さんに一つ一つ十分な説明をすることは当然大切なことであります。要は子どもさんの将来の幸せのためであると私は考えております。真のノーマライゼーションを目指したこの制度の実現のために、今後の取り組みを大きく期待いたしまして、次の質問に入らせていただきます。
 教育管理職についてであります。現在、学校はさまざまな教育課題に直面しており、その解決のためには、校長のリーダーシップの発揮が何よりも求められている。こうしたことから、都教委はこれまで、職員会議の位置づけの明確化、人事考課制度の導入、指導監督職としての主幹の導入、自律経営推進予算の導入など、さまざまな取り組みを行い、そのリーダーシップの確立に努めてきております。また、今回、教員の異動要綱の改正に伴い、校長の経営ビジョンに基づいた人事異動も実現できるようにしたところであります。
 このような施策は、一方で、校長の学校経営の手腕が高く問われてくるということでもあります。また、校長のみならず、教頭にあっても、校長とともに学校経営を担うという、いわば学校における経営層としての側面がこれまで以上に強くなり、学校における諸課題に的確に対応していく責任も問われてくるところであります。
 しかしながら、残念ではありますけれども、学校経営を行っていく上で、資質、能力に欠ける管理職がいることも事実であります。この件については、さきの九月の文教委員会での質疑で、学校経営を行っていく上で課題があると認められる教育管理職に対しては、新しい指導、処分ルールの確立を検討しているとの答弁があり、また先ごろ、適格性に課題のある教育管理職について、降任勧告制度を導入するとの発表もあったところであります。
 そこで、お聞きいたしますけれども、これまで、適切なリーダーシップを発揮できない管理職には、当然都教委として個別の指導をしてきたと思いますが、この降任勧告制度の導入で、これまでとどこが違ってくるのか、お聞きいたします。

○臼井人事部長 これまでは、教育管理職としての適格性に問題がありましても、本人みずからが希望しない限り、一般教員に降任させることはできませんでした。これに対しまして、来年度から導入する降任勧告制度におきましては、適格性に課題のある管理職につきまして、個別の課題に応じた研修を受講させまして、それでもなお、資質、能力の改善が見込まれない場合には、管理職から一般教員に降任するよう、東京都教育委員会が直接勧告できることとしたものでございます。

○遠藤委員 降任を勧告するということでありますけれども、勧告にすんなり従わない者が、場合があるかもしれない。しかし、管理職としてふさわしくない者が学校経営を担うことは、本来あってはならないことであります。ぜひ実効ある制度として運用していただきたいと思います。 
 ところで、さまざまな制度の導入により、先ほど述べたように、校長と同じく学校における経営層としての教頭についても、その職責の重要性は増してくるところであります。このことにつきましては、さきの文教委員会において、我が党の小美濃議員が、教頭の経営的立場を明確にすべきであり、すべての教頭の名称を副校長としてはどうかと質問をしております。これに対して教育長からは、課題を整理した上で副校長の実現に向けて取り組んでいくとの答弁をいただいておるところでありますが、この件について幾つか質問をさせていただきます。
 聞くところによりますと、学校によっては、教頭が授業を受け持っているという例があるとのことでありますけれども、教頭は管理職であり、日常的に授業をするようなことは本来あり得ないことだと思います。法的には、教頭は校長を助け校務を整理するというのが主たる職務であります。授業を受け持つのは、教員の休暇や研修などによる必要やむを得ない場合に限られているものであります。教頭は校長とともに学校の経営層であるという位置づけであり、管理職として業務に専念するのが本来の姿であると思うのであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、教頭という名称はまさに教員の頭という古いイメージであり、学校の経営層にふさわしい名称とは思えない。都道府県レベルでは、すべての教頭を副校長と称しているところはまだないと聞いております。今後、都教委としては、副校長の実現に向けて取り組んでいくということですけれども、その意義をどのように考えているのか、お尋ねいたします。

○臼井人事部長 副校長の意義ということでございますが、教頭を副校長と称することにつきましては、第一点目は、校長を助け、校長とともに学校経営を担う管理職としての立場をより明確にし、トップマネジメント機能の強化を図ること。第二点目には、学校経営層としての自覚を促し、教頭自身のモラールを向上させること。三点目には、学校経営を担う者としての役割を保護者や地域などに理解してもらうことによりまして、一層の円滑な対応を図ることなどの意義があると考えております。

○遠藤委員 今の答弁によれば、この名称変更により大きな効果があるものと考えられます。
 次に、教頭の職責の重要性は、区市町村の小中学校にあっても変わるものではなく、校長と一体となって学校経営を担う必要があります。副校長については、都立高校だけでなく、小中学校においても足並みをそろえて実施すべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○臼井人事部長 委員ご指摘のように、教頭を副校長と称することにつきましては、都立学校のみならず、小中学校におきましても歩調を合わせて実施されることが望ましいと考えております。今後、都立学校に副校長を導入する場合には、区市町村教育委員会にも、同様に実施できるよう働きかけてまいります。

○遠藤委員 都内の公立高校には今年度から主幹が配置されております。教頭を補佐する職として、学校運営の上で力を発揮している例を多く聞いてはおります。教員のリーダーは主幹が担うことでありますけれども、学校運営組織が強化される中で、教頭の役割もさらに重要性を増している。こうした中で、教頭を副校長として、教頭自身に学校経営者としての自覚を高めてもらうとともに、教職員はもちろん、都民、保護者にも教頭の職務の認識を新たにしてもらい、学校運営を推進していく必要があると考えております。
 今後、副校長の早期実現に向けて力強く取り組んでいただきたいと思うところでありますが、最後に教育長の見解をお伺いいたします。

○横山教育長 私どもは、学校の教育力を高めるためには、教職員のさらなる資質、能力の向上とともに、学校が組織体として十分機能するような仕組みの導入、これが喫緊の課題であると考えておりまして、このため、これまでも、主幹制の導入であるとか、あるいは人事、予算に関する校長の権限の強化などを図ってまいりました。
 ご提案の、教頭を副校長とすることも、単に名称を変更するということではなくて、権限の拡充も含めて行うことによりまして、学校としてのトップマネジメントも強化され、学校全体としての教育力の向上が図れるものと考えておりますので、いろいろ課題はございますが、ご提案の趣旨の実現に向け鋭意検討を進めてまいります。

○山下委員 私からは、二十一世紀の人材育成についてさまざまな点で伺っていこうと思っております。
 ご承知のとおり、近年、青少年による凶悪犯罪の増加が叫ばれております。最近においては、十代前半の男子が、幼児をさんざん連れ回したあげく、デパートの駐車場から投げ落とすといったような痛ましい事件や、大学生と高校生の二人が、自分たちの親を殺害するという計画を立て、実際に大学生の親は自分自身の子どもにより殺害された、こんな事件も起きました。そこまでいかなくても、無気力、ひきこもり、あるいは夢を見つけられないで苦しんでいる若者は激増する一方であるというふうに考えております。このようなことは以前では考えられないような事態であり、すべてとはもちろん申し上げませんけれども、今までの知識埋め込み型教育の弊害が大きなウエートを占めてきたと私は考えております。
 以前、一般質問でも私は申し上げさせていただきましたが、そういった問題認識を踏まえた上で、二十一世紀、私たちは、テレビや新聞などのマスコミや、時に自分と考えが違う周りの人々に安易に流されることなく、しっかりと自分自身の頭で物事を考え、理論的に話を展開し、相手を説得できる、そして個性のある真の国際人を育成していくことが急務であると考えます。
 本日は、私の初めての文教委員会での質問でございますので、一つ一つ概念的なことから伺っていこうと思っております。
 まず、自分自身で主体的に考えることができる人材育成には、先ほど申し上げましたように、テレビ、新聞などのマスコミから流れてくる膨大な情報をただうのみにするのではなく、その情報により、例えばだれが得するかなど、その裏にどういった意図が隠されているか、そして、その情報を自分の中でどう消化していくかというメディアリテラシーの教育が必要不可欠であると、私は昨年の第三回定例会において質問させていただきましたが、その後の進捗状況についてお伺いをいたします。

○近藤指導部長 本年度から高等学校で必修となりました教科「情報」におきましては、情報の信頼性、信憑性を意識し、確認しながら、情報を主体的に活用する能力や態度を育成するとともに、ITを活用した教育推進校を指定し、ITを活用した教育推進の中で、メディアリテラシーの育成の仕方等について研究を行っているところでございます。
 今後、平成十七年度までに、情報に関する教科をすべての都立学校で設定するとともに、ITを活用した教育推進校の取り組みを他の都立高校にも広めてまいります。

○山下委員 ただいまのご答弁の中で、情報という教科をすべての都立高校で設置をして、メディアリテラシーの育成を図るということがございました。では、その教科「情報」というものの内容について、一体どのようなものなのか、お伺いいたします。

○近藤指導部長 教科「情報」は、情報及び情報技術を活用するための知識と技術の習得を通して、情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てることを目標にしております。
 この教科「情報」には、情報A、情報B、情報Cの三科目がございまして、すべての生徒はそのうちから一科目を履修することになってございます。情報Aは、情報活用の実践力、情報Bは、情報の科学的な理解、情報Cは、情報社会に参画する態度に重点を置いた科目として設定されてございます。

○山下委員 ただいまのご説明の中では、教科「情報」には、情報A、B、Cとありまして、すべての生徒はそのうちから一科目をとらなきゃいけないというご答弁でございました。私が聞き得る範囲では、恐らくほとんどの生徒さんは情報Aという教科をとっていくことになるんであろうというふうに思っております。この情報Aの中身、私、この資料をいただいたんですが、中身、内容ですが、一、情報を活用するための工夫と情報機器、二、情報の収集、発信と情報機器の活用、三、情報の統合的な処理とコンピューターの活用、四、情報機器の発達と生活の変化、大まかにいえばこういったことをやられるんでしょうが、私の目から見ますと、先ほど来申し上げている、要するにメディアリテラシーという部分というのが足りてないんじゃないか。恐らくこの情報Aの中で主に勉強することというのは、コンピューターをどう扱っていくかということがメーンに置かれているんだと思うんですね。で、唯一、情報の発達と生活の変化というものの中にア、イ、ウとあるんですが、その中のイに、情報の進展が生活に及ぼす影響、この部分だけが、私が申し上げている、いろんな情報に、その裏にどういった意図があるんですか、まず情報を疑ってかかりなさいといったようなことを勉強することが酌み取れはするんですが、私はもう到底これでは十分ではないというふうに考えているわけでございます。
 先ほど来申し上げておりますが、生徒が情報を主体的に選び、適切に活用する能力を身につけるためには、今申し上げた、このすべての生徒が勉強する教科「情報」において、私が申し上げているような意図でのメディアリテラシーの充実、育成を図ることが必要だと考えますが、そのあたりのご見解はいかがでしょうか。

○近藤指導部長 教科「情報」の指導に当たりましては、生徒が、社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や、それが及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や、情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度を育成することが重要でございます。
 現在、高等学校におきましては、インターネット等の活用を通しまして、プライバシーの保護や著作権の保護、情報発信者としての責任など、情報通信ネットワークを活用する上での基本的なマナーや心得などの指導を行っているところでございます。
 今後は、この教科「情報」の指導などを通しまして、生徒が情報に対する正しい判断力や倫理観を身につけまして、情報社会の一員としての自覚を持つことができるよう、各学校を指導してまいります。

○山下委員 ぜひとも、今後とも、ご答弁の最後にちょうだいした、各学校を指導していく、正しい判断力や倫理観を身につけるように指導するということでございますので、強くメディアリテラシーの育成に力を入れていただきますように、要望をさせていただきます。
 次に、私冒頭に申し上げましたように、これから国際人をつくっていく。これは、国際人というのは、以前から、十何年も、二十年以上前からでしょうか、国際人が必要だ必要だという議論はあったと思うんですね。で、質問に直接関係ございませんが、国際人をつくるというのは、私が考えるには、単に英語がしゃべれればいいとか、そういう次元の話とは違ってくるんじゃないかというふうに思っています。で、国際社会において必要な表現力の育成についても伺っていこうと思います。
 国際社会におきましては、自分自身の頭で物事を考えて、論理的に話を展開して、相手を説得できる表現力が必要であるというふうに、私、先ほど来申し上げておりますが、こうした資質、能力を育成するために、都立高校改革の中で新しく科目を設定するなどして、積極的に取り組むべきであるというふうに従来申し上げてきました。このことは、答弁は以前、一般質問などでいただいているんですが、どのように取り組んでいるかをもう一度お答えいただければありがたいんですが。

○近藤指導部長 高等学校の新しい学習指導要領においては、国語の目標といたしまして、国語で適切に表現する能力を育成し、伝え合う力を高めるということが示されてございます。これを受けまして、各学校では、国語科の授業におきまして、自分の考えを持ち、論理的に意見を述べたり、相手の考えを尊重して話し合ったりする、伝え合う力の育成に力を注いでいるところでございます。
 今後は、国語科の指導はもとより、地理、歴史、公民などの授業やホームルーム活動等におきまして、国際社会に通用する表現力や説得力を育てる教育を一層推進するよう、各学校に対して指導してまいります。

○山下委員 これからの高等教育においては、先ほど来ご答弁もございましたが、自己の意見を適切に主張するとともに、違いを認め合える真の国際人を育成することが重要であると私は考えております。
 私も、高校からアメリカに留学した経験がございますが、学ぶことの意味に気づかされる授業やディベートなどで自分を表現するということの大切さ、先ほどのご答弁にもありましたが、お互いの違いを認め合う授業というものも体験をしてきました。そのような授業というのは、都立高校の中で現在行われているんでしょうか。

○近藤指導部長 お話のように、これからの高校教育におきましては、世界の中の日本人としてのアイデンティティーをはぐくむ教育を推進し、国際社会において尊敬され、信頼される日本人を育成することが極めて重要でございます。ご指摘の、学ぶことの意味に気づかせる体験的学習や、ディベートなどの論理的な表現力を育てる授業は、現在、一部の学校ではありますが、国語の授業や総合的な学習の時間などで行われているところでございます。例えば、国語の授業におきましては、自分の気持ちを相手に伝えるには、手紙がいいか、電話がいいかといったテーマを設定するなどいたしまして、ディベートの学習を行っているところでございます。

○山下委員 ご答弁で、一部の学校ではあるがという点が非常に気になりまして、ぜひ、一部ではなく、できればすべての都立高校において、そのような論理的な表現力を育成すべきだというふうに考えております。今後、都教育委員会におきましては、このような授業実践を各学校にどのように広げていくか、お伺いをしたいと思います。

○近藤指導部長 都教育委員会は、来年度から全校で実施いたします生徒による授業評価を初め、よりすぐられた都立高校の教師による都立高校合同講習、また教師が校外で自主的に授業研究を行う授業研究ネットワーク、さらには全都立高校に参加を呼びかけて行います公開授業の実施などを通しまして、さまざまな授業改革の推進を行っているところでございます。
 今後は、これらの取り組みを一層充実させまして、授業改革を通して生徒の生きる力をはぐくみ、都立高校改革の推進をしてまいります。

○山下委員 ぜひ生徒の生きる力、この点についてはさらに本当に推進していただきたいというふうに思います。
 先ほど、ディベートなどでというふうに申し上げましたけれども、何もディベートだけが形としてすべていいというふうに私は個人的に思っているわけではなくて、最近ではパネルディスカッションといったような考え方もあるようでございますし、ぜひそういった形で生徒の生きる力というのを、都立高校改革の中に精神として浸透させていっていただきたいなというふうに思います。
 いろいろ本日伺ってきましたが、大切なことは、生徒自身が、今自分が勉強していることがどう自分の将来に生きてくるかを実感できるようにすることだというふうに思っております。ご承知のとおり、私は諸先輩方に比べれば、学生であった時期が一番最近であったというふうに思っております。正直に申し上げて、私も都立の武蔵丘高校に在籍していた経験がございますが、勉強というのは、自分の大学進学のため、あるいはその後、社会人になっていい会社に入りたい、数学でも国語でも英語でも、何の教科に対しても、私が低かったのかもしれませんが、そういったレベルでしか物をとらえられなかった。恐らく私と同じような感覚を持っている生徒さんは今でもいらっしゃろうかというふうに思っています。
 そこで、教育長にお伺いしたいんですが、高校教育においては、学ぶことの意味を実感できる教育、これが本当に必要だと考えておりますが、ご見解をお聞かせいただけないでしょうか。

○横山教育長 最近の教育に関します国際統計を見ましても、日本の子どもたちには学ぶ意欲、これが非常に低下をしてきている、こういう指摘がなされております。こうした中で高校教育におきまして、各学校が特色ある教育を展開しまして、一人一人の個性や創造性を伸ばすとともに、基本である基礎的、基本的な学習の内容の定着を図る、このことによりまして、学習指導要領が目指します、みずから学び、みずから考える、こういった学力をはぐくむことが極めて重要であると考えております。
 このため、各都立高等学校では、弾力的な教育課程を編成しまして、例えば総合的な学習の時間や多様な選択科目を設置しまして、学ぶ力をはぐくむとともに、体験的あるいは問題解決的な学習の充実を図るなど、生徒の学習意欲を高める工夫を行っております。
 今後とも、教育委員会としましては、画一的な教育から、生徒が選ぶ幅の広い教育への転換を図りまして、指導内容、方法を改善して、個々の生徒が学ぶことの意味を実感できるような教育を推進してまいりたいと考えております。

○山下委員 よろしくお願いをしたい、今の教育長のご答弁、重く受けとめたいというふうに思っています。
 先ほどちょっと申し上げましたが、私は都立の武蔵丘高校に在籍をしていた経験がございます。一年と少しだった期間ではありましたが。そのときに担任の先生と話したことが原因で、もしかしたら私は今教育という分野にすごく興味を持って、まだまだ勉強は不十分ですが、今後もさらにライフワークとして勉強していきたいと思っている原点があるんですね。その中身を少しお話しさせていただいて、終わろうと思っています。
 高校一年生の終わりのときに、私は、アメリカに行って勉強したいと。そうすると、当然担任の先生は、おまえ、アメリカに行って、何のためにそんなことやるんだと。英語の成績もそんなによくないだろう、中の上ぐらいじゃないか、こんなんで行ったって何もできないよといわれました。で、いや、先生、私は外国に行って、アメリカに行って、いろんな文化に触れ合って、英語も国際語ですから、勉強して、それで将来日本を変えるような政治家になりたいんだと、理想をそこで述べたんです。高校一年生の理想ですよね。そのとき先生は何といったかというと、これが原点なんですが、いや、そんなこといったって、おまえ、無理なこというな、おまえは別に政治家の息子でも何でもないんじゃないのと。ここの場でこういう発言をするのは適正かどうかわかりませんが、要するに否定を、十五、六歳の子どもが持っているような夢とか、あるいは将来に描いているものに対して、まず否定から入った。で、私は、初めは一年間留学させてもらって、様子を見て、その後学校に帰してもらえますかというふうな話をさせてもらったときに、いや、一年間留年するんであればいいよと。今はもちろん違うでしょうが、十五年ぐらい前ですか、当時は、向こうで取った単位というのは基本的には、学校によって違うのかもしれませんが、認められなかったという状況があったと思うんです。で、だったら、いいやと。それこそ十五、六の子どもからすれば、背水の陣で、高校やめて、アメリカへ行ったわけです。
 アメリカに行って実感した大きなことは、高校を出て大学に入っても、政治学科の教授などに、私は日本語でもたどたどしいんですから、英語なんてもっとたどたどしいんですが、そのたどたどしい英語で、先ほど申し上げたように、私は日本に帰って政治家になりたい、だから、アメリカで今、国際政治学を学んでいるんですと、教授にいったわけです。そうしたら、教授はまじめな顔で、すばらしいじゃないか、君ならなれるからやりたまえ、もっといろんなことを勉強しなさいと、認めるところからスタートしているわけですね。
 今後の教育、これからも私もこの委員会でも質問を続けさせていただこうと思いますが、人と違ってもいいんだよという教育や、君はとうとい一人の人間なんだという精神を、一人一人のお子さんに、生徒さんに伝えていっていただきたい、そういう教育を目指していただきたいというふうに要望申し上げまして、私の質問を終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○野上委員 では、私の方からは、大きく三点にわたって質問をさせていただきます。
 まず最初に、都立高校の募集人員について質問させていただきます。
 現在、東京都教育委員会が進めている都立高校改革は、アンケートの結果から見ても、都民から大変高く評価されてきているものと考えます。この春実施された平成十五年度の都立高校入試においても、倍率が過去最高を記録するなど、中学校の保護者や生徒の都立高校に対する期待が高いことがうかがわれます。
 さて、先般発表された平成十六年度都立高校第一学年生徒募集人員表を見ると、全日制普通科では、男子が一万五千四百六十五人、女子が一万四千四十二人となっております。そこで、最初に、この募集人員についてお伺いいたしますけれども、全日制普通科の募集人員で男女別に定数を定めている理由についてお伺いしたいと思います。

○山際学務部長 男女別定員制の理由についてでございますが、男女がお互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を生徒に理解させ、その実現を図るためには、男女比が大きく偏らない学習環境が大切でございます。こうした理念に基づきまして、都立高校の普通科につきましては、基本的に男女共学制を導入しておりまして、男女一定数の入学を保障するために、男女別定員制をとっているところでございます。

○野上委員 そのような趣旨であるならば、男女が同数であることが原則であると考えますけれども、普通科の総募集人員において、なぜ男子の方が女子より多いのか、お聞きしたいと思います。

○山際学務部長 ご指摘の点につきましては、男女共学制を実施し、入学者の男女数の実質的な均衡を図るために、平成十五年五月一日時点での都内公立中学三年在籍者数の男女比、男子が五二・五%、女子が四七・五%でございますが、これを根拠といたしまして、各高校の募集人員を定めたものでございまして、ご指摘の数字のとおり、男子が女子より千四百二十三人多くなっている状況でございます。

○野上委員 学校基本調査をもとにして男女比を定めているということで、よくわかりました。
 各都立高校では、このような男子、女子別募集により、試験の後に合格者を決定することになると思うんですけれども、男女の募集人員が定められている以上、受検倍率や試験を受けた子どもたちのできばえによっては、男子、女子間で不合理というものが生じないでしょうか。例えば、ある高校では、男子の成績よりも女子の成績の方がはるかに高くて、男女の募集枠が決まっているために、得点の高い女子が不合格で、それよりもはるかに低い得点をとった男子生徒が合格しているということもお聞きするわけです。また、その逆の高校もあると思います。男子の方が高くて、女子の方が低いという逆もあると思うんです。
 そこで、質問なんですけれども、各都立高校では実際どのようにして合格者を決定しているのか、お伺いしたいと思います。

○山際学務部長 男女別募集におきましては、男女別にそれぞれの学力検査や調査票などの総合成績に基づいて選考を行っているところでございます。このために、男女によりまして合格者の総合成績に差を生じる場合があることは、理事ご指摘のとおりでございます。しかし、その状況は各学校で異なるものでございます。こうした状況を解消するため、都教育委員会は、平成十年度入学選抜から、校長の具申に基づきまして、募集人員の九割までは男女別に総合成績に基づいて合格者を決定し、残る一割に当たる合格者を男女合同で決定する、男女別定員制の緩和を実施しているところでございます。

○野上委員 九割まで定数でとって、一割を緩和でとるということで、その差を是正しているということです。
 次に、昨年度の都立高校入試は、都立高校改革の流れの中で実施されたものと考えます。一つには、学区廃止の中で、都立高校が、本校の期待する生徒の姿を保護者や生徒に公表しております。これはインターネットでも比較検討ができるようになっておりました。また、子どもたちが自分の長所などを直接高校に伝える自己PRカードを導入しております。学力試験だけ、ペーパーテストだけ、一回の試験だけで子どもたちを判定するのではなく、そういった受検する子どもの意欲を見るということで、自己PRカードが導入されたということを聞いておりますが、学力検査や調査票といった、いわば中学校が作成する資料ではなく、子どもたちが直接自己PRカードに書いた、その高校への志願理由や、中学校の活動の中で頑張ったことなどを評価しようとするものであると思います。 
 そこで、質問ですけれども、昨年度の入試で新たに導入した自己PRカードの成果と課題についてお伺いしたいと思います。

○山際学務部長 自己PRカードは、学力検査及び調査票にあらわれない受検者の意欲を見るための選考資料でございます。本年の三月に実施いたしました東京都中学校長会のアンケート調査では、各高校の特色を理解した、あるいは進学の目的を深く考えるようになったなど、八割以上の受検生が極めて肯定的に受けとめているとともに、中学校の教員からも、志望動機が明確になり目的意識が高まったなどの評価を受けているところでございます。
 同調査から、都教育委員会といたしまして、中学校における指導の差の解消や、各高校における評価の精度の向上などが今後の問題であるというふうに認識をしております。このため、区市町村教育委員会及び中学校に対しまして、志願校に自分の長所を自分の言葉で伝えるという自己PRカードの趣旨を徹底させるとともに、高校に対しましては、より一層の評価基準の改善に努めるよう指導をしたところでございます。
 今後とも、自己PRカードの取り扱いの改善について、一層の指導の徹底を図ってまいります。

○野上委員 自己PRカードが入試の一つの大きなポイントにもなってきておりますので、そういった意味では、適正な実施というんですか、それをお願いしたいと思っております。
 高校入試は、子どもたちにとっても大きな人生の山場になるものであります。また、都立高校は、新しく基礎、基本をしっかりと身につけて、特色ある学校づくりを進めてきているわけでございますけれども、子どもたちの能力とか適性、あるいは興味、関心が、進路希望に応じて、より一層特色を出して、子どもたちが希望する学校の方に進学できるようにお願いをしておきたいと思います。 
 二点目ですが、二点目に関しましては、異動要綱についてお伺いいたします。異動要綱の改正により必異動年限が八年から六年に短縮されたということなんですけれども、その理由についてお伺いしたいと思います。

○臼井人事部長 異動要綱の改正でございますが、必異動年限の短縮化につきましては、人事の停滞を防止し、教員に多様な経験を積ませることによりまして、資質、能力の向上を図り、学校の活性化を図ることを目的としております。校長は、学校経営計画を踏まえまして、かつ人材活用、育成の観点に立ち、中長期的な視点で人事構想を作成していただきます。その校長の作成した人事構想に基づきまして、東京都教育委員会は、全都的な視野に立った人事異動を行うこととしたものでございます。

○野上委員 生徒指導の負担の少ない中堅校といわれる学校では、教員の居心地がよい、また校長が具申しても--異動については一身上の問題なので、校長も校内運営が混乱することを避けて、具申をしないで、結局は異動の停滞という事態が危惧されるのではないかということを聞いております。校長が必異動年限を超えて勤務させる場合、どのような手続で行うのでしょうか。

○臼井人事部長 校長が、必異動年限を超えまして教員を引き続き勤務させたい場合につきましては、勤務延長の具体的理由を付しました継続勤務審査申請を提出していただきまして、東京都教育委員会は、その当該申請に基づきまして審査を行った上で、異動の可否を決定する仕組みとしております。

○野上委員 教育課題校という、いろいろ生徒指導が大変な学校に勤務する教師は、多くの場合三年で異動希望を出すことが考えられます。また、進学指導重点校に勤務した教員で、進学指導を大変だと考える教員は、また異動希望を出すことも考えられるわけです。しかし、生徒指導の負担の少ない中堅校では、異動を希望せずに何年も居座ってしまう、結局異動が停滞してしまうという事態を引き起こすことにもなってしまうと思います。一部の教員のわがままを通さないためにも、都教委は、必異動年限を超えた教員については厳格に審査すべきと考えるのですが、どうでしょうか。

○臼井人事部長 ご指摘の勤務延長につきましては、校長の学校経営を支援するための特例的な取り扱いでございます。したがいまして、勤務延長につきましては、必異動年限の短縮化を図った趣旨を踏まえまして、校長の学校経営を行っていく上で必要不可欠な人材以外は原則として認めない方針でございます。

○野上委員 この学校になくてはならない名物教師、そういった意味で残していくという形ですね。例えば、校長先生からよくいわれるのは、組合の幹部をしていて、校長におどしをかけて、自分をその学校にずっと残さないと大変なことになるという、そういうことも聞いておりますので、よっぽどその学校に学校経営の上でプラスになる教師だけが残っていく、そうじゃない教師はどんどん異動をしていくという確認をさせていただきたいと思います。
 三番目に、国旗・国歌の指導についてお伺いいたします。
 本年十月二十三日付で都の教育委員会は、入学式、卒業式の適正実施を図るための通達を出しておりますが、都の教育委員会は平成十一年にも通達を出しております。今回改めて通達を出した背景についてお伺いしたいと思います。

○近藤指導部長 都教育委員会はこれまでも、学習指導要領に基づきまして、入学式、卒業式が適正に実施されるよう、各学校を指導してまいりました。その結果、平成十二年度の卒業式より、すべての都立高等学校、都立盲・ろう・養護学校で、国旗掲揚、国歌斉唱が実施されました。しかし、国旗が参列者から確認できない位置に掲揚されたり、また、子どもを指導すべき立場にある教員が国歌斉唱時に起立をしなかったりするなど、実施態様にはさまざまな課題がありまして、このことは多くの方々から指摘されているところでございます。このため、本年七月に、都立学校等卒業式・入学式対策本部を設置しまして、入学式、卒業式等の適正実施を図るため、新たに通達を行ったものでございます。

○野上委員 十月の二十三日以降に、都立高等学校や都立盲・ろう・養護学校では、周年式典、周年行事等が行われていると思うんですけれども、今回の通達はこうした儀式にも適用されたのでしょうか。

○近藤指導部長 入学式、卒業式を初めといたしまして、周年式典や閉校式、落成式などは学習指導要領に示された儀式的行事でございまして、通達は適用されております。したがいまして、通達の施行日であります十月二十三日以降に行われております周年式典や閉校式、落成式等においても、通達に基づいて国旗・国歌が適正に実施されるよう、各学校を指導しているところでございます。

○野上委員 スムーズにいっているということですね。
 今回の通達に対しては、教職員からの抵抗が大きいものと思われます。例えば、国歌の伴奏を弾く音楽教師が、校長から頼まれて、職務だし、弾こうとしていても、例えば組合から圧力がかかって板挟みになって苦しんでいるというようなことも現場から聞いているわけです。入学式、卒業式等を通達に基づき適正に実施できるようにするために、都の教育委員会は校長先生をどのように支援していくのでしょうか。

○近藤指導部長 都教育委員会は、通達に従って各学校の入学式や卒業式が適正に実施されるよう、校長先生からの相談を受け、各学校の取り組み状況についての実態把握に努め、課題解決に向けて、校長先生に助言等をしているところでございます。
 今後、すべての都立学校の卒業式等に教育庁の職員を派遣したり、円滑な実施に向けての助言をしたり、また指導資料を作成、配布するなどしたりいたしまして、校長先生を孤立させることなく、全力で支援してまいります。

○野上委員 入学式、卒業式の適正化を図るために通達が出されましたけれども、通達どおり実施するように徹底を図っていくべきですが、その際、内心の自由といって国歌斉唱時に起立をしないなど、実施指針に従わない教員がいる場合、厳正に対応するべきと考えますけれども、今後、適正実施に向けてどのように取り組んでいかれるのか、所見をお伺いいたします。

○臼井人事部長 教職員が通達に基づく校長の職務命令に従わない場合につきましては、服務上の責任を問われることとなります。教員は、教育公務員として校長の命令に従う義務がありまして、これに従わない場合は、職務命令違反として厳正に対処してまいります。

○野上委員 最後に、私は生まれたのが広島県尾道市なんですが、広島県の世羅高校の校長先生が自殺をされたという事件がありました。それから、民間人の校長先生も、すごく評判よかったんですけれども、自殺をされ、そして、行政サイドの指導に当たっていた方も自殺をされるという、すごく痛ましい事件が続いたわけです。私はあくまでも適正に実施されることを強く望むものなんですが、こういった痛ましい事件、事故にならないためにも、最後に、横山教育長の適正実施に向けての決意をお伺いして、終わりたいと思います。

○横山教育長 学校におきます入学式とか卒業式といいますのは、学校生活に有意義な変化や折り目をつけまして、新しい生活の展開の動機づけとなる大切な儀式的学校行事でございます。これは校長の権限と責任のもとに適正に実施されなければならないのでございますが、いまだ適正とはいいがたい学校があることも事実でございます。
 このため、都教育委員会としましては、先ほど指導部長も申し上げましたが、本年七月に都立学校等卒業式・入学式対策本部を設置しますとともに、入学式や卒業式等を学習指導要領にのっとり適正に実施することなどを内容とする通達を、十月二十三日付で、都立高等学校長及び都立盲・ろう・養護学校長に対して行ったところでございます。一部の学校で毎年のように繰り返される、こうした入学式等をめぐる不適正な状況に早期に終止符を打つ、そのためにもこの対策本部を継続させまして、各学校における入学式、卒業式が学習指導要領や通達に基づき適正に実施されるよう、教育庁挙げまして校長を支援し、全力で取り組んでまいります。

○東委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
 午後二時十七分休憩

午後二時二十八分開議

○東委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。 
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○曽根委員 幾つかテーマがありますので、順次やっていきますが、一時間程度でまとめたいと思っておりますので、答弁の方も簡潔によろしくお願いをいたします。
 最初に障害児教育の問題なんですが、いつも事務事業ではお聞きしている問題なんですが、今回、一つは、心身障害児教育の改善検討委員会がもうすぐ最終報告段階に入っていくということと、もう一つは、先日の七生養護を初めとする養護学校の調査と報告の中で、学級編制問題、服務規律、そして性教育問題など、処分に至った一連の出来事があって、私、養護学校のあり方を改めて考え直す機会となったわけです。しかも、毎年今の時期になりますと、養護学校の父母の方、先生方から例年要望いただいているわけです、大勢の方がお見えになって。このところ、要望内容はほとんど変わらないんですよね。つまり、教室と先生が足りないということなんですね。それで、特に、特別教室の転用がもう限界に来ている学校、また、青鳥養護久我山分校のように、分校のままでもう十年目に入ってしまって、一体いつまでプレハブのぎゅうぎゅう詰めの校舎で待たせるのかというような話など、全く施設面で前進してないじゃないかという声が年を追うごとに切実になっていくわけです。
 そこで、私、先日もお聞きして、学務部長からは、養護学校の増設は検討していく旨のお話があったんですが、問題はやっぱり緊急を要するものがあるということで、いつ実現の運びになっていくのかということをちょっとお聞きしておきたいなと思います。
 一つは、改善検討委員会の最終報告をいつごろ出す予定なのか、そしてその後の計画づくりはどういうふうになっていくのか、お聞きします。

○山際学務部長 東京都心身障害教育改善検討委員会におきましては、去る十一月六日の第十三回の委員会におきまして、最終報告の素案を議論したところでございまして、十二月中に最終報告を答申する方向で検討を進めているところでございます。東京都の行政計画につきましては、その報告を受けて後、十六年度中に策定をしたい、このように考えております。

○曽根委員 そのまま予定どおり計画づくりをやって、その上でということになりますと、来年度計画づくり、そして再来年度本格実施と、早くても再来年度からということになり、場合によって学校の増設ということになっても、それから土地、適地を探し、設計、工事と、何年先になるかわからないという問題があると思います。
 もし、そのようにおくれたときに、教室不足で学校はもう対応できないという問題などが起きかねませんので、深刻な状況のものについては、この計画づくりと並行して緊急対策を打つ、学校増設についても、適地が明らかなもの、見通しが立つものについては、全体の計画と並行して繰り上げ実施をしていくというようなことは、特に知的養護学校の学校不足、教室不足などが大変重大な事態ですので、行うべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○山際学務部長 知的障害養護学校におきましては、入学者の増加あるいは児童生徒の障害の重度重複化が進みまして、教室の確保が課題となっているところでございます。このため、養護学校における教室の確保については、改善検討委員会の最終報告も踏まえまして、都立盲・ろう・養護学校の再編整備を進める中で改善を進めてまいりたい、このように考えております。
 また、これまでも実施を進めてきたところでございますが、今後とも、当面の対策といたしまして、学校の要望などを勘案しながら、管理諸室などの転用や教室の間仕切りを行うこと、あるいは教室の増改築等を計画的に実施してまいりたい、このように考えております。

○曽根委員 繰り返しになりますが、青鳥養護の久我山分校の父母は、もう我慢の限界だといっています。また、昨年の二月に私も取り上げました港養護学校は、近くのマンション建設のために、間もなく昼間の日当たりが全くなくなってしまう養護学校になります。対策は緊急を要しております。思い切った繰り上げ実施を求めておきたいと思います。 
 それから、養護学校の調査と、また処分も行われましたが、それ以後、是正措置ということで、学級編制を認定どおり行えという指導が行われて、朝の会と帰りの会については、都が認めた学級編制に戻して会を行うということが各養護学校で行われていますが、先日の委員会でも申し上げたように、子どもの指導上全く意味がない、むしろ弊害の大きい時間になってしまうという問題が起きています。根本の原因は、実情に合わない認定が行われ、本来なら重度重複に認定されるべき子どもが認定されないで、普通の学級に入れられているというところに問題があるわけです。
 それで、学級編制と、実際に朝と夕方の間に行っている学習グループ、これはさすがに実情に合わせてやらざるを得ないんですけれども、その矛盾が一層拡大している状況です。都はやはり予算の都合などで教員配置をおくらせているという実態を認めて、予算の枠ではなく、子どもたちの実情に即した認定を行うということを改めて原則とすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○山際学務部長 重度重複学級の児童生徒の認定につきましては、校長が、児童生徒の障害の状態等から、自立活動を主とした指導がより適切と考える児童生徒を、重度重複学級の対象として都教育委員会に申請をしているところでございます。この学校長から申請のあった児童生徒につきましては、都教育委員会といたしまして、障害の状況あるいは発達の程度等を総合的に判断して認定をしているところでございまして、児童生徒の中には、普通学級の中で配慮しながら指導した方が適切である、このような場合もございます。

○曽根委員 例えば、その総合的判断ですね、それから、普通学級に入れて指導した方が適切だというような、あたかも子どもたち一人一人の実情に即して判断しているというその話の結果が、今無理やりやっている朝と帰りのクラスの活動なんですよ。それ自体が、短時間でもやれというんだけれども、もう短時間しか、やっても無理があってできないから、それが終わると直ちに、ふだんの学習グループ、実情に合ったグループに編成がえをして授業をやらざるを得ない。これがもし実態に合っているなら、総合的判断が適切ならば、朝始まってずっとやれるはずなんですけど、実際はそうできないわけです。それは詳しくは、先日の委員会でもるる紹介したとおりなんです。
 例えば重度重複の子どもが、指導の場所を普通学級に置いた方がいい場合があったとしても、それは当然ながら、普通学級に今、先生は八人に一人ですか、それに入るという点での配慮が必要だと、先ほどもおっしゃったように、その重度重複の子には一人先生がついていくとか、何らかの手だてをとらなければ、普通学級の方にも影響が出るという問題が実際に起きているわけです。どんなに理由をつけても、三対一で先生が配置されている、そういう重度重複が認定できるはずの子どもが、八対一しか先生が配置されない普通学級に認定される。先生の配置という点では、どっちがいいかというのははっきりしているわけですよ。
 したがって、やっぱり財政的な枠、これが実情からいうと、前もって学校にそれぞれ、あなたのところは何学級ですよ、重度重複何学級までですよというようなことがいわれているというふうにお聞きしていますが、総合的判断の中にある財政的な理由、実際のところ、財政の枠でもって制限せざるを得ないという実情がやっぱりあるんだと思うんですが、この点を確認しておきたいと思うんです。

○山際学務部長 総合的な理由というものの中には、生徒の実態、そういうようなものを踏まえたものが中心でございます。

○曽根委員 かつては教育庁も、学校から申請があった重度重複のための先生の増配置を財務局の方に出して、それが査定で実現しなかったということも何度かあったりしたことは私も知っているんです。最近はもう申請もしないんですよね。だから、教育庁が財務局ですか、要するに都の側に出した教員の要求どおりになっている。これはそんなことはあり得ないんで、子どもの重度重複はどんどんふえているにもかかわらず、教育庁はそれを反映した要求を都の財政当局にしないという実態があるんじゃないですか。中心は子どもたちの問題だというけれども、じゃ、財政的な判断というのは全くないといっていいんですか。

○山際学務部長 先ほど申し上げたとおり、総合的な判断の中には、主として生徒の実態、生徒の今後の教育のあり方、そういうことを踏まえて決定をしているわけでございますが、いずれにせよ、限られた厳しい財政状況の中で決定する、それが一つの要素となるのは当然でございます。

○曽根委員 なかなか素直にその言葉が出てこないところにやっぱり問題があると思うんです。というのは、これから障害児教育は、検討会でやっているように対象がふえていくわけですよ。特別支援教育というふうになって、国がいうように、六%程度、LDやADHDの子どもたちがいるとするならば、今の養護学校や心身障害学級で対象としている子どもの四倍ぐらいになるわけです。どういう指導がそれぞれに必要かどうかは別にしても、教員配置を含めて、また学校や教室の配置も含めて、当然今よりもはるかに大きな枠組みをつくっていかなきゃならない。そうしなければ、今の財政や施設の資源の範囲の中でやりくりしようと思ったら、対象が広がった分だけ必ず、今教育を受けているような子どもたちの指導の中身は薄まっていかざるを得ない。これはだれが見たって明らかだと思うんです。
 そういう点から見ても、厳しい財政があって、やむを得なくやっているんだったら、それを、じゃ、これからどうするのかという問題を率直に議論しなくちゃいけないところに障害児教育はもう来ているわけです。私はこのことは非常に心配しているので、改めて強調しておきたいと思うんです。
 私は、障害児教育は、ここは財政を獲得する。先生の配置、学校の施設、いろんなやり方、今議論がありますけれども、いずれにせよ、対象がこれだけ大きく広がろうとしているときに、今までの学校や、今、小中学校に置かれている心障学級や、それの枠の中だけではできないということははっきりしていると思います。そのことを求めておきます。
 それから、次に、定時制高校の問題で、具体に取り上げたいのは給食の問題なんです。
 このきっかけは、先日、定時制高校のPTAの方が来られまして、いろいろお話ししていたら、要望書の中にはなかったんですけど、給食の補助がもうほとんどなくなってきているという話を聞きました。その背景には、定時制の給食を食べる生徒も減っているという話もありました。何で減っているのか、いろいろ現場の声をお聞きすると、一つは、親子方式が始まっていることがあるそうなんです。あれは、たしか一たん冷凍して、それから解凍し、加熱処理をして、各学校で出すわけですけど、チルド方式というんですか、これは料理の容器ごとに加熱処理するので、容器に例えば肉があるものは、肉のつけ合わせの野菜も一緒に加熱されて、サラダが横についているものについても、それがトマトだろうが、レタスだろうが、やけどするほど熱くなってしまうらしいんですね、大ざっぱだなと思いますけど。それから、味も、再加熱をするために非常に濃くなってしまう。これは、生徒さんはもちろんですけれども、PTAで来られた教頭先生が、ご自分も食べているから、こもごもおっしゃっていました。こういう点は当然技術的なことで改善できるはずだと思うので、それはお願いしておきたい。
 それと、もう一つは、食べない理由に、給食費の値段、自己負担分よりも、近くのファストフードの方が安いということから、生徒がそちらの方に流れてしまうという傾向が最近非常に多いそうなんです。これは教育上の観点から見ても、栄養価の偏ったファストフードに生徒が行ってしまうのを防ぐという点でも、低廉な給食費に抑えるための補助というものは、今日的にも大きな意味があるというふうに私は思います。そういう点で、今、生徒さんの食べる割合がどれぐらいなのか、それに対して公的な補助がどういう形で出ていて、どれくらいなのか、その辺をまずちょっとお聞きしておきたい。

○山際学務部長 平成十五年五月の時点での給食を食べている生徒の割合は、生徒数一万一千四百十人に対しまして七一・六%であり、生徒数に対する夜食費補助金を受けている生徒の割合は五三・五%でございます。また、給食を食べている生徒の中で夜食費補助金を受けている生徒の割合は七四・七%でございます。

○曽根委員 あれは食材費ですか、給食の自己負担金額と、それに対する補助はどれぐらいですか。

○山際学務部長 給食に関しましては、食材費が生徒の受益者負担金となっておるわけでございますが、平成十四年度の平均給食単価そのものについては三百五十三円でございます。また、平成十五年度の補助金でございますが、この単価は一食当たり六十一円となっております。

○曽根委員 三百五十三円。食べている生徒が七割強で、そのうち、たしか勤労青年しか夜食費補助が出ないということから、食べている生徒の七割で、全体でいうと五割ちょっとの生徒に補助が出ている。これが六十一円。これは国の基準額であって、かつては都の補助が上乗せされて、百円ぐらいの補助が出ていたんですが、それがもう都の補助はやめちゃって、国の補助に一本化しているようです。この公的補助を受けることで、単純にいうと、三百円をちょっと下回る金額に抑えられるということから、ファストフードに食べに出なくても、栄養価のしっかりした給食を食べるという意味では、お金の面ですけれども、意味があると思うんです。この公的な補助の今日的な意義について、これは引き続き重要だと思いますが、いかがでしょうか。

○山際学務部長 先ほど、ファストフードの食単価が二百九十円というようなお話がございましたが、平均給食単価と補助単価の差が二百九十円でございますので、ファストフードの方が安いとはいえないというふうに思います。こうした補助金の制度によりまして、本人負担の軽減を図るとともに、低廉で栄養バランスのとれた給食を提供している、これが大きな意義である、このように受けとめております。

○曽根委員 いろいろ家庭の事情もあって、経済的には決して昔のように一律に、勤労学生が定時で職場を終わって、どおっと定時制高校に来るというような形ではないのはご案内のとおりで、さまざまな家庭事情や、また勉学の条件から定時制を選んで来ているということで、私も知らなかったんですが、給食を食べている生徒の割合で、実際上、正規の勤務だけではなく、アルバイトも含めた働いている定時制の生徒というのが、給食を食べている生徒の五三・五%ですか、それぐらい。半分ちょっとの勤労青年がやっぱり定時制にはいるんだなということは、これでわかったんですけど、そういうふうに働きながら学んでいるという半分以上の生徒、それに対する補助というのは、今日的にも大きな意味があると思います。 
 私は勤労生徒以外にも補助してほしいんですが、せめて国と同額を都が補助するなど、生徒一人当たりについて見れば、年間一万円程度のささやかな補助ですので、拡充をすべきじゃないかと思いますが、お考えをお聞きします。

○山際学務部長 先ほど委員からお話がありましたが、平成十二年度までは、国の夜食費補助事業に都の単独補助事業をあわせて実施しておったところでございますが、受益者負担の徹底、あるいは生徒の就労実態の変化、さらには都の財政状況等を考慮しまして、国庫補助事業に一本化したところでございます。都補助金の支給あるいは補助対象者の拡大につきましては、厳しい財政状況などから困難でございます。

○曽根委員 都の財政状況を理由に切るほどの額じゃないんですよね。もうちょっと考えてもらいたいと思います。
 それから、定時制の生徒については、この給食だけではなく、全体的に予算がどんどんどんどん減らされて、例えば、芸術劇場を使って行われていた、これも希望者だけだったんですけれども、芸術鑑賞教室が来年度で中止になるということだとか、定時制の高校に辛うじて認められていた、いろんな発表の機会その他もどんどんどんどん小さくなっています。本当に定時制は要らないかのような冷たい仕打ちが行われてきています。
 私は、これは統廃合問題以来ずっといっているんですけど、定時制高校は、今の全日制や、また三部制など新しいタイプの高校もありますが、そういう枠の中にはおさまることができないさまざまなハンディを背負った子どもたちの、にもかかわらず高校教育を受けたいという願いにこたえる夜間定時制というのは、今日改めて光が当てられ、意義、役割が重視されていいところだと思いますので、それに対するさまざまな支援策も拡充をしていただきたいということをお願いしておきます。
 三番目に、社会教育施設についてお聞きしたいと思います。
 資料でいただいたように、都の社会教育施設は、この間、大部分、生涯学習文化財団に管理を委託をしてきたわけです。しかし、最近、文化施設は生活文化局に、青年の家は廃止して、PFIによるユース・プラザに転換をさせてまいりました。それによって生涯学習文化財団の管理委託施設がかなり減っているようですけれども、この間、何カ所から何カ所に減ってきて、今の計画が実施された中で、幾つまで減っていくことになるのか、お聞きします。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 体育施設を含む社会教育施設につきましては、都庁改革アクションプランなどに基づき、都民のニーズの多様化や区市町村との役割分担を踏まえ、整理、再構築してきたところでございます。
 都教育委員会が所管をいたします財団法人東京都生涯学習文化財団の受託施設につきましては、平成十年度、体育施設六所、青年の家七所、文化施設四所、埋蔵文化財調査センター、生涯学習センター、大島セミナーハウスの合計二十所から、平成十五年度現在、体育施設四所、青年の家二所、埋蔵文化財調査センター、大島セミナーハウスの合計八所となっております。平成十七年度には、体育施設四所、埋蔵文化財調査センター、大島セミナーハウスの合計六所となる予定でございます。

○曽根委員 それぞれが理由をつけて、廃止したり、生活文化局に移管したりしているんですが、結果的には、もう間もなく、青年の家、水元と府中がユース・プラザに置きかわっていくということが最終的に行われると、都民一般に利用できる社会教育施設というのは、生涯学習文化財団に関する限り、スポーツ施設以外は全くなくなってしまうわけですよね。どうでしょう。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 都教育委員会が所管し、当該財団に管理委託をしている公の施設につきましては、体育施設四所のほか、埋蔵文化財調査センター及び大島セミナーハウスのみとなることになります。
 一方、青少年を取り巻く環境の変化やニーズの多様化、高度化に対応できる新たな青少年社会教育施設として、PFI手法により、ユース・プラザを区部と多摩地域に一カ所ずつ設置いたします。区部の東京スポーツ文化館は平成十六年三月三十一日、多摩地域ユース・プラザ、仮称でございますが、これにつきましては平成十七年四月に、いずれも開館の予定でございます。
 なお、社会教育施設につきましては、都教育委員会としましては、そのほかに、図書館事業、多摩社会教育会館のホール、研修室の貸し出し事業を行っており、一般都民の利用に供されております。

○曽根委員 財団についていえば、大島セミナーハウス、申し込めば使えるんですけど、身近な施設ではありません。島の方の施設なんですね。社会教育会館は、今お話のありました多摩に、立川にあるんですが、昨年私が取り上げて指摘したように、今、職員が一名、貸し館のみの事業になっているわけです。風前のともしびとはっきり申し上げたいと思います。
 で、社会教育施設からいろんなところに移管したりもしているんですが、いろいろ事情をお聞きすると、社会教育施設でないということで、つまり、社会教育団体などの減免制度がなくなるわけです。例えば東京文化会館なども、民間事業者利用が中心になってきて、都民団体は会議室の利用も難しくなってきている。それから、ユース・プラザは確かに社会教育施設なんですが、PFIによる民間事業者による運営ですので、例えば、ひきこもり問題の相談事業などはもともとの計画から落ちてしまったということがあります。また芸術劇場も、一般都民の団体よりも、有名なオーケストラにはむしろ安く利用させるというような方向に転換しつつあると聞いています。
 広域行政の都として、私は、都民がだれもが利用できる身近な社会教育施設、区市町村はもちろんですが、都が持っている大規模な劇場施設とかホール施設など、改めて公共の役割を確立するということは当然の責務であるということを申し上げたいと思います。
 生涯学習文化財団に残ったスポーツ施設についても、今いろんな動き、私、心配しているんです。例えばテニス場は、教育庁以外にも建設局の都立公園の中にもありますし、港湾局が所管している海上公園の中にもテニス場があるわけですね。同じ都民が利用する都立のテニス場なんですけれども、料金も運営も違うという状況になっています。以前から私たちは、教育庁として、社会教育施設として、きちんと統一して管理すればいいじゃないかと。都民にとって非常にわかりにくいわけです。都立のテニス場が全部、料金なんか違う、利用の形態も違うということで。これは教育庁の側から働きかけなければ実現しないことで、以前からいっていることですけれども、現状をお聞きしたいと思います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 都教育委員会では、体育・スポーツ及びレクリエーションの普及、振興を図るために、都立スポーツ施設として東京体育館など四施設を設置、運営し、全都広域的施設としての機能の充実に努めているところでございます。一方、建設局や港湾局におきましては、公園事業の一部として、都市公園や海上公園内に野球場やテニスコート等のスポーツ施設を設置している実態にございます。現在、施設を所管する局ごとに施設管理や運営の方法が異なっておりますが、今後、都民の利便性の向上の観点から、都立スポーツ施設間の連携の強化等を図ってまいりたいと考えております。

○曽根委員 統一管理が今すぐに難しいのであれば、連携を強化して、料金体系とか、これはそんなに難しいことではないと思いますので、ぜひ協力し合ってお願いしたいと思います。
 その中に、やはり建設局、港湾局の所管は社会教育施設ではありませんので、減額制度ないんですよ。だから、スポーツ団体が利用するときは、辰巳の施設だとか、東京都のスポーツ施設。東京体育館のところもそうですか、あそこは減額はあるんですね、社会教育団体ということで。ほかの建設や港湾のを借りるときには、減額が全然ないんです。規定はどうも可能性はあるらしいんですけど、これはやっぱり社会教育の観点から、また生涯学習を進めるという観点から、都民団体、スポーツ団体への減額制度をぜひ検討していただきたいと思います。
 さらに、運用でもっと心配な問題が出てきているのは、これは教育庁ではないんですが、ほかの局のテニスコートで、民間業者に定期に貸し出して、テニススクールの営業を認めているんですね、都立の施設の中で。それでもうテニススクールの業者は、それを一般にチラシで広告を出して、都立の施設を使ってテニススクールを開校しているわけです。こういうことを認めているところがもう出てきているので、まさか教育庁で、そういうようなことを教育庁の施設でやることはあり得ないと思いますが、改めてそれは確認をしておきたいと思います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 現在、例えば海上公園内のテニスコートでは、一般的な利用の料金とは別に営業目的利用の料金を適用しまして、優先的に施設の予約申し込みを受け付けるなど、制度の整備を行い、民間事業者のテニス教室の開催場所として施設の貸し出しを実施していると聞いております。
 都教育委員会の所管のスポーツ施設では、テニス教室等の開催を目的として施設を利用することを想定した料金の設定はございません。また、施設の予約は、全国的、広域的なスポーツ大会等に使用する場合に優先受け付けを行っておりまして、民間事業者がテニス教室等を開催する場合は対象としてはおりません。

○曽根委員 こういう動きで、民間事業者の料金というのも一・五倍程度ですから、事業者としては、自前の施設を持たなくても、一般都民の一・五倍程度の使用料を払えばテニス教室ができてしまう。私は、民間事業者にしては非常に安易な道だと思いますが、そういったことがやられているということから、教育庁の施設については断じてこういったやり方はすべきでないし、ましてや施設は利用がほぼ満杯ですから、こういう都民の利用を損なうようなことは行うべきでないことを改めて確認しておきたいと思います。
 それから、四番目に、都立図書館の最近の動きについて簡単に質問しておきたいと思うんですが、たしか去年の一定だと思いましたが、都立図書館から十万冊を超える大量の図書の処分が行われてから、これは大部分が区市町村の図書館に引き取られたわけですが、二年近くになります。当時、都としては、一つのタイトルを一冊に絞るという方針を出して、これが行われたわけですが、そういうことをやったとしても、例えば中央図書館にその本が一冊しかないという場合でも、多摩の方で申し込みがあれば、中央図書館から多摩図書館の方に週に何回かの車で配送するから、利便は下がらないんだというようなことが、そのときには盛んにいわれました。
 ところが、最近、都立図書館の協力貸し出しの制度がまた変わったというふうに聞いているんですが、どういうふうな変わり方をしたんでしょうか。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 本年九月に行いました協力貸し出しの制度の変更内容につきましては、第一に、新刊の和図書、これは日本の図書という意味でございますが、この新刊の和図書につきましては、購入、整理後、閲覧室の書棚に並んでから三十日間は協力貸し出しの対象外とする。第二に、一冊十万円以上の高価な資料につきましては協力貸し出し対象外とする。第三に、昭和二十五年以前に刊行されました資料につきましては、すべて協力貸し出し対象外とする。第四に、山本有三文庫資料につきましてはすべて協力貸し出し対象外とする。以上のようなものでございます。

○曽根委員 高価本の貸し出し枠は、今まではたしか三十万円以上のものだったんですね。これは十万円に引き下げて、それから、新刊本についても一カ月は貸さない。私、これ、すべて、ワンタイトル一冊という原則の影響をやっぱり受けていると思うんですね。特に、昭和二十五年以前の古い本、こういうものについては、複数あったものも処分されてしまって、もう残りは一冊だ、貴重な資料だと。貴重な資料だから都民に利便を図って提供するというんじゃなくて、逆に、貴重な資料だから貸しませんというんじゃ、一体何のための図書館かということに、私はなると思うんですね。
 閲覧だけは認めるようですけれども、少なくとも、昨年大問題になった、一冊に絞っても図書のサービスの水準を落としませんというふうに、当時、嶋津さんでしたけれども、部長さんが明確にお答えになったこととは明らかに後退をする。一般利用の都民からいうと、やっぱり貸してもらえなくなるわけですから、明らかに後退だと思うんですが、これについては、どうしてこんなことが、約束が直ちに破られてしまうのか、その点をお聞きしたいと思います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 図書館の機能が後退したというようなご指摘でございますが、都立図書館の役割としましては、高度専門的な情報サービスや、区市町村立図書館では収集することが困難な専門書や高価な図書を収集する、資料、情報の提供でございまして、広域的、総合的な住民ニーズにこたえる図書館サービスや、来館者への直接サービスを提供することでございます。
 一方、都立図書館と区市町村立図書館の関係では、協力貸し出しや協力レファレンス、横断検索システムの構築など、区市町村立図書館の相互協力ネットワークづくりの実施などを行ってきたところでございます。
 現在の厳しい都財政の状況下で、都立図書館が都民のニーズにこたえていくためには、現有書庫を有効活用しながら、図書のタイトル数を確保することが必要でございまして、今回の措置につきましては、都立図書館を運営するに当たり、現時点で最善の選択であると考えております。

○曽根委員 都立図書館の特徴というお話があったんですが、閲覧だけを認めるというのであれば、国会図書館と基本的には同じになってしまうわけです。都立図書館の最大のいいところは、古い資料であっても貸し出してくれるところなんですよ。もちろん今までも、どうしても傷みの激しいものや、非常に貴重な資料については個別に扱いを慎重にやってきたという経緯はあります。それから、ワンタイトル一冊で、紛失は絶対に困るんだという場合には、今までもやってきたように、利用者から申し込みのあった区市町村の図書館の窓口まで届けて、そこで閲覧をするという方法だってあるわけです。これでも随分利便が違うわけです。全く都立から動かさない、そこで見てくれ、閲覧だけというのは、本当に都民、利用者に対する図書館の最大のサービス、都立図書館の最大の利点を失うことだと思います。
 私は、貸し出しの変更をもとに戻して、今後の都立図書館のあり方については、最近はまた雑誌の方も捨て始めているようですけれども、利用者である都民の利便を第一に考えて、また、区市町村の図書館関係者や都民の意見をもとに再検討するよう、強く求めておきたいと思います。
 時間がちょっと押していますので、最後に、学校の中での日の丸と君が代の扱いの問題について、先ほどもどなたか質問がありましたが、幾つか聞いておきたいと思います。
 先ほど話にもあったように、これまでにも、九九年ですか、実施指針が出されて、明らかに指導要領が規定している範囲を超えた、具体的な日の丸・君が代の扱いについての指針が出されてきています。今回もまた、さらに踏み込んだ、国旗はここにかけろとか、生徒は正面に向かって並ばせろとか、教員の扱いその他についても踏み込んだ規定が盛り込まれました。
 三年前に、我が党の西田ミヨ子議員、文教委員会で質問しまして、当時、指導部長、斎藤さんでしたよね、都の教育委員会としては実施が望ましいものであるというふうに答弁があったんですが、強制ではないということを明らかにしてきました。
 しかし、今回は、さらにその指導の中身は非常に強制的なものになっています。このとおりもし実施されれば、子どもたちの座り方や起立、斉唱まで細かく規定をされて、まさに子どもたちの内心の自由を侵す、国旗・国歌についての特定の価値観を押しつけるものにならざるを得ないというふうに、私は全体を見て率直に思うんですが、いかがでしょうか。

○近藤指導部長 学校教育におきます国旗及び国歌に関する指導は、学習指導要領に基づき、児童生徒に国旗や国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗や国歌に対しても同様に尊重する態度を育てるために行っているものでございます。

○曽根委員 それでは、指導的なものであって、内心の自由を侵すものではないということですか。

○近藤指導部長 先ほども申し上げましたが、学校における国旗・国歌の指導は、あくまでも教育指導上の課題として指導しているものでございます。

○曽根委員 内心の自由については直接お答えないんで、どうも怪しいんですけど、指導要領では、入学式だとか卒業式について、国旗を掲揚し、国歌を斉唱することを指導するものとするとのみ規定して、扱い方までは規定しておりません。仮に国旗・国歌を卒業式などで指導するとしても、どういうやり方をとるかは、学校長を初め現場の先生や生徒、父母が納得のいくやり方を考えることができる余地は、学習指導要領には十分にあるわけです。
 私たちは、この学習指導要領に国旗・国歌の指導を盛り込むこと自体にも非常に疑義を持っていますが、それにしても、これで今回の指針のような内容まで規定するということは、指導要領の中でも書いてないわけです。明らかに指導要領からはみ出して規定がされているということではないでしょうか。

○近藤指導部長 入学式、卒業式につきましては、学習指導要領に示されました特別活動におきます学校行事の中の儀式的行事に位置づけられております。この儀式的行事は、学校生活に有意義な変化や折り目をつけ、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の転換への動機づけとなるような活動を行うことと示されているわけでございます。今回の通達は、この儀式的行事の目的を達成するために行ったものでございます。

○曽根委員 都の教育委員会のいう儀式らしい形をとらせるという、そちらの主張のために、教育の場としてふさわしくない無理強いや、子どもをないがしろにする事態が懸念されているわけです。
 そのことに入る前に、先ほどの質問の中で、入学式や卒業式以外の学校行事、指導部長は儀式的行事とおっしゃいましたが、その規定については、文科省から、学習指導要領の解説の中で、別の扱いについての規定が出されていると思いますが、ご存じですか。ご存じと思いますが、紹介してください。

○近藤指導部長 東京都教育委員会では、学習指導要領に基づいて卒業式、入学式等を行っているわけでございます。あくまでも解説書は学習指導要領ではございません。

○曽根委員 そこまで厳密におっしゃるなら、小学校も中学校も同じですが、学習指導要領の文部科学省が出している解説、この中で明確に、始業式、終業式、運動会、開校記念日に関する儀式、これについては、国旗掲揚、国歌の斉唱を行うかについては、規定が違いますよね。これは確認してください。

○近藤指導部長 そのとおりでございます。

○曽根委員 どうも何か時間がかかりそうな感じがしますが、私が紹介しますが、こういうふうに明確に規定されているんですね。「入学式や卒業式のほかに、全校の生徒及び教職員が一堂に会して行う行事としては、始業式、終業式、運動会、開校記念日に関する儀式などがあるが、これらの行事のねらいや実施方法は学校により様々である。したがって、どのような行事に国旗の掲揚、国歌の斉唱指導を行うかについては、各学校がその実施する行事の意義を踏まえて判断するのが適当である。」と明確に、要するにここでは、国旗・国歌の指導を行うということが厳密な規定をされてないで、学校の判断でいいよとなっている。
 私は、こうした考え方は、指導の中身についてだって、学習指導要領で指導するとあるが、中身はそれぞれ学校で実情を踏まえてやってくださいよという、少なくとも文部科学省の考え方がここにも反映されていると思います。
 すると、この規定からいうと、今度の実施指針が入学式、卒業式以外にも適用されるんだということは、明らかに文部科学省の見解とは違うわけですよね。見解と違っても、あえてやるということですか。

○近藤指導部長 先ほどから申し上げているところでございますが、卒業式、入学式等、周年式典、閉校式、落成式等は、学習指導要領の特別活動の学校行事の中の儀式的行事として位置づけて実施しているものでございます。

○曽根委員 ここは大事なところなので、とぼけないで答えてほしいんですが、入学式、卒業式以外の学校行事について、文部科学省は明確に、日の丸、君が代を国旗・国歌として指導するかどうかは学校の判断でいいと。つまり、教育委員会が指針をつくって一律に指導するということにはなじまないというふうな判断が明確に出ているんですが、これについて明らかに見解は矛盾するんですが、矛盾して構わないということなんですか。

○近藤指導部長 入学式及び卒業式等における国旗・国歌の指導は、学習指導要領に基づいて行うものでございます。

○東委員長 ちょっと記録をとめてください。
〔速記中止〕

○東委員長 はい、記録、再開。

○曽根委員 じゃ、改めて聞きます。
 文科省の指導要領そのものではありませんが、文部科学省が編さんした指導要領の解説による、入学式、卒業式以外の学校行事における国旗・国歌の扱い、この規定が今度の実施指針と矛盾すると思いますが、いかがですか。

○近藤指導部長 文部科学省が著作しております学習指導要領の解説については存じてございます。私どもは現在、学校における卒業式、入学式における国旗・国歌の指導等につきましては、あくまでも学習指導要領の特別活動の中の学校行事、儀式的行事に基づいて、その目的を達成するために行っているものでございます。

○曽根委員 結局、入学式、卒業式とそのほかの行事を特別活動として一緒くたにして、目的達成するためには都教委が指導していいんだということで、明らかにこれは国の方針の逸脱。それを幾ら指摘しても認めないけれども、否定もできないでしょう、これは明確なんだから。そうですよね。こういうことをやっていると、もう政府見解なんかどうでもいいということになってくるわけですよ。実際、そういうふうになってきているわけです。
 私は、そういう都教委の態度が、子どもたちにどういう問題をもたらしているかということをきょうはやりたかったんですが、時間が余りなくなってきたんですが、例えば、肢体不自由の養護学校の先生方の話を聞くと、子どもに起立、斉唱させる、壇上に上がらせて卒業式はやれというようなことは、実際できないんだと。子どもを抱え上げてやる。子どもに身体的な、何というんですか、無理なことをやらせないとできない。そういうことが、ある学校では先生方に現に強要されている。これで教育なのかという声がありました。養護学校まで一律、機械的にこういうのをやらせるというのはどうなんですかね。それは全くその余地がないんですか。

○近藤指導部長 学習指導要領に基づく指導は、障害がある児童生徒に対しても、障害のない児童生徒に対しても、すべてひとしく行われるものでございます。しかし、障害の程度によっては、起立ができない児童生徒や、また、壇上に上がることが困難な児童生徒もいることは承知しております。起立ができなかったり、壇上に上がることができない児童生徒については、その児童生徒の障害の状態や特性などを考慮して、学校長が判断するものであると考えております。
 なお、入学式、卒業式は、児童生徒にとって晴れの舞台でございます。すべての参観者が子どもの晴れの姿を見守り、子どもたち一人一人の新しい生活への第一歩に誇りを持たせ、勇気づけたりする式典であってほしいと願っております。

○曽根委員 指導部長からそういう最後の言葉が出るとは思いませんでしたよ。それだったら、こんな通達なんか出やしないはずなんだ。
 それから、もっと重大な問題は、例えば都立高校、これから卒業式をやろうとしているわけですね。都立高校生というのは、もういろんなことを考える。当然、社会に対する認識だって、もう大人並みに持って不思議でない年代ですよ。そういう子どもたちに、例えば国旗に正対して起立して歌いなさいと、生徒に指導することになっていますよね、座らせて。それは最初は指導かもしれない。しかし、本人が、納得できない、私は、思想信条、自分の内心の自由を守るために、立って歌うことは拒否しますと生徒が拒否した場合、ここから先は教育の問題じゃなくて、まさに一人の人間としての個人の自由の問題になりますから、内心の自由を保障するという国会答弁に立てば、それ以上の指導は、校長先生や教員の方はできないはずなんですね。それは、この実施指針の中では認められているんですか。

○近藤指導部長 学校は、学習指導要領に基づきまして教職員が児童生徒に対して教育をする場でございます。あくまでも指導という段階を積み重ねていただくことが原則であると考えております。

○曽根委員 日常の学習指導は当然行われるでしょう。しかし、卒業式というのは期限があって、その日当日しかないものです。その場に至っても生徒がやっぱり自分の考えを持って、それは断るというふうにした場合は、これはもうその先、教育がそれ以上の本人の自由を縛ることはできないはずです。
 しかも、内心の自由は、国旗・国歌を法律で制定する際にも国会で明確に問題になって、当時の小渕総理大臣、そして当時の文部省の政府委員もこぞって、これは内心の自由は守りますということは約束したわけです。それでもあくまでも指導して、何としても無理やりでも指導して立たせるんだ、歌わせるんだというふうになるんですか。そうだとすると、国会の政府答弁をみずから破ることになりますが、いかがですか。

○近藤指導部長 卒業生について申し上げますと、教育というのは継続性をモットーにしているわけでございます。一年生、二年生、三年生、四年生、五年生、六年生、そして中学一年生、二年生、三年生といって、その指導の集約の場が、集大成の場が卒業式であるわけでございます。そうした指導を積み重ねてきても生徒は起立をしないということであれば、それはやむを得ないことであると考えております。

○曽根委員 今の答弁、確認しておきますよ。生徒が、教育の場でいろいろなことを教わったけれども、最終的に、やっぱり自分は納得できないとした場合は、座って、歌わないということはあるわけですね。認めるわけですね。それは確認しておきます。
 それで、私、今回の指針の最大の問題は、卒業式、入学式、先ほど、指導部長がおっしゃったとおり、生徒の晴れ舞台であり、生徒の入学、卒業を祝う場なわけですが、それが最終的にだれのため、何のためにやるのかというようなものになりかねないということなんです。この学校における卒業式、入学式のあり方を最終的に決めていくのは、だれの責任と権限で行われるものでしょうか。

○近藤指導部長 学校の責任者であります校長でございます。

○曽根委員 私は、単純に校長が最終責任だということにも若干の意見がありますが、しかし、それにしても、校長先生は学校のリーダーですから、先生方や父母などとも話し合いが大いに必要だと思いますし、生徒たちの意見も取り入れられるような学校になってほしいと思いますが、しかし、最終的には現場の責任者である校長先生のもとで内容は決めていくんだと思うんです。
 ところが、今度の指針は、その決めるべき校長先生に対して、この指針を守らなければ処分しますということになっているんですよ。要するに、これは校長に対しても職務命令になっているんですね。今まではそれはなかったんですけど、今度入りました。そうすると、校長のみずからの現場の責任者としての、子どもたちの実情や学校の実情、父母の皆さんの意見などを踏まえた裁量ではなく、やっぱり一律に、形を含めた都の教育委員会の指針に従わなければ処分されるということになるわけです。
 これは、この間の性教育の問題もそうですが、やっぱり学習指導要領に逸脱したということで、性教育でもって、教育の中身で処分をかけるというような動き。今回もまた同じようなもので、まさに管理職である校長先生が、権限を拡大するとかリーダーシップとかいいながらも、実は都の教育委員会によってがんじがらめに縛られることになってしまうということもいっておかなきゃなりません。こういうことで、子どもたちの実情に即した最適な判断ができるはずがないと思います。
 まず、こんなやり方をする前に、子どもたちに本当に国旗や国歌についてきちんと考えさせる場を与えることこそ、教育の役割だと思うんです。日の丸や君が代が国旗・国歌にふさわしいのかどうかということも含めて、冷静に歴史を学ばせること、諸外国の例も含めて、そういう場が必要だと思います。これは当然行われなければならない教育の中身だと思いますが、いかがでしょうか。

○近藤指導部長 国旗・国歌の指導につきましては、学習指導要領に示されました社会科、音楽、特別活動等の目標及び内容に基づいて指導しているところでございます。今後も、学習指導要領に基づきまして、児童生徒が国旗・国歌について正しい理解を得るよう、各学校を指導してまいります。

○曽根委員 私は、日の丸・君が代を国旗・国歌と認めない人たちがやっぱりたくさんいると。で、一方では、法律で決まってしまったからということで、どんどん行事なんかで強制的になっていくということは、非常に不幸な問題だと思うんです。国旗・国歌についてはやはり冷静に、どういう判断で、その国の国旗・国歌を考えるべきかという、それぞれの意見の違いや、そういうものを子どもたちにも知ってもらった上で、自分の判断をしてもらう、これが教育だと思うんですね。
 私、さっきも、教育とは学び合いであると。本当にそのとおりだと思うんですよ。先生たちだって、押しつけるんじゃなくて、子どもたちと一緒に学び合うわけですね。そして、生徒の、何というんですか、他人との違い、個性や意欲を否定するところからではなく、それを認めようというところから教育は始まると。アメリカではそうだったという話が先ほどありましたけれども、全くそのとおりだと思う。その生徒の持っている持ち味を認めていこうとする教育でなければ、いや、おまえはほかと違うんだからだめなんだという教育の流れの中で、こういうことも起きてくるということもいわなきゃならない。
 卒業式、入学式、先ほど晴れの舞台というお話もあって、それを本当に実現するために、子どもたちを中心に関係者が考えていく、それで学校ごとに違っていいということは、余りにも当然のことで、これがなぜこのように一律な形になってしまうのかが私は不思議でなりません。
 今でも私たちの身近には、心のこもった式にしようということで、例えば、入学生や卒業生に対して、それをお祝いする在校生や父母が向かい合って行う対面方式など、いろいろ工夫する学校もあります。しかし、今度の指針では、それは許されません。全部が国旗に向かって座らなきゃならないというふうにされております。そういう工夫や努力を、行政の名で指針が踏みにじることになります。これはまさに教育基本法でうたわれている、許されざる教育への不当な支配そのものになるということを厳しく指摘します。
 指針は撤回して、学校行事の運営はあくまで学校現場で、校長を初め教職員、父母が合意できるもの、何より子どもたちが主人公として大切にされることを最優先に行われるよう、都教委が介入したり、区市町村の教育委員会に自分の考えを押しつけたりしないように強く求めて、質問を終わりたいと思います。

○山口委員 都立図書館の再編に関連しまして幾つか質問しますが、重なっている部分がありますので、その点については割愛をさせていただきます。
 平成十三年に都立図書館再編計画が策定されました。中央図書館への機能集中、多摩図書館のサービスを地域分担から機能分担へ変更、資料の収集、保存の原則一点一冊化、重複資料の再活用などが挙げられましたが、サービスは充実すると約束された経過があります。
 都立図書館再編計画による蔵書の再活用に対する基本的な考え方を、まず初めに伺います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 現在、都立図書館三館では、図書、新聞、雑誌等を含め、一年間に約六万冊の資料が増加しておりまして、数年後には書庫の収蔵能力が限界に達する見込みでございます。資料保存を原則一点とすることによりまして、現有書庫の範囲内で、都立図書館として必要な資料を効率的に保存することが可能となります。
 都立中央図書館と都立多摩図書館で重複して所蔵しております資料は、区市町村立図書館や学校等に再活用資料として提供し、有効活用を図っているところでございます。

○山口委員 平成十三年度に都立図書館の蔵書約十万冊が区市町村の図書館に受け入れられましたが、その後の都立図書館における再活用の方法とスケジュール及び現状について伺います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 平成十四年度は、再活用資料といたしまして区市町村立図書館等に公開した約四万冊のうち、約七千冊を提供いたしました。再活用の方法が決まっておりません資料につきましては、今後も引き続き再活用を図るため、都立図書館で保管をしております。今後の再活用につきましては、都立図書館の書庫の状況や、区市町村立図書館の資料の受け入れ状況等を考慮しながら実施していく予定でございます。
 また、再活用の対象となる資料につきましては、引き続き調査を進めているところでございます。

○山口委員 サービス向上のための再編計画に基づき重複資料を除籍はしたものの、区市町村立図書館の保存容量の限界から引き取り手が見つからず、現状では有効な再活用の道は厳しい状況ということですが、この点については、また後で少し触れさせていただきます。
 次に、九月に出されました協力貸し出しの範囲の変更内容と考え方については、先ほど答弁がございましたので、そこのところは省かせていただきまして、ちょっと一言意見だけいわせていただきます。
 資料の収集、保存を三館で一点としたために生じた協力貸し出し制限であり、来館者優先のやり方は、すべての都民へのサービスにおいて格差を生むという、サービスの低下であると考えないわけにはいかないと思っております。
 そこで、十月の末に通知が出されました重複雑誌の除籍について、内容と考え方を伺います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 十月末に通知がされました除籍の内容といたしましては、第一に、都立中央図書館が所蔵する雑誌につきましては、都立多摩図書館と重複所蔵している約二百七十タイトルの雑誌を除籍するとともに、約二百五十タイトルの雑誌を都立多摩図書館に移管するものでございます。
 また、第二に、都立多摩図書館が所蔵いたします雑誌につきましては、都立中央図書館と重複所蔵している約六百タイトルの雑誌を除籍するものでございます。
 除籍を行う考え方でございますが、現有書庫が満杯の状況にございまして、すべてを所蔵しておきますと、今後新たに購入する雑誌の収蔵が困難になると想定されることから、利用頻度が少ない重複雑誌の除籍を行う必要があると判断したものでございます。
 なお、除籍いたしました雑誌につきましては、都立図書館で当面保管をし、区市町村立図書館や学校等への再活用を行う予定はございませんが、今後、国立国会図書館や研究機関等への提供につきましては検討してまいります。

○山口委員 今の二つの件では、区市町村図書館との事前の協議や周知はどのように行われたのでしょうか。区市町村図書館からの反応、要望についてなど伺います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 お尋ねの点は、九月に実施いたしました協力貸し出しの変更及びただいまの雑誌の除籍の件と二つあるかと思いますが、協力貸し出し範囲の変更につきましては、区市町村等に対しまして、平成十五年一月に、都立中央図書館が発行いたしました区市町村立図書館向けの広報誌で、検討中である旨を情報提供し、以後、図書館長会、教育長会での説明、あるいは通知文の送付、ホームページへの掲載等、多様な手段でお知らせをしてまいりました。
 その結果、市町村立図書館長協議会から、実施日の再考及び変更理由の明示等の要望がございましたが、特にその他のご意見はなく、ご理解をいただいたものと認識しております。
 なお、当初、平成十五年八月一日から開始する予定でございましたが、都民への十分な周知を図るため、図書館長協議会からのご要望等も受けまして、一カ月延期し、九月一日から開始をした次第でございます。
 重複雑誌の除籍につきましては、区市町村立図書館に対し、十月二十九日付で、都立図書館間における重複雑誌の除籍の通知と除籍雑誌リストを送付いたしまして、多摩図書館所蔵雑誌は十一月十七日、中央図書館所蔵雑誌につきましては来年一月六日に、データの変更及び利用停止をする旨周知を図ったところでございます。
 現在のところ、区市町村立図書館等から公式に要望等はいただいておりません。

○山口委員 都立図書館再編計画も、あり方検討委員会の報告に基づくものとして、かなり一方的に策定されたとの記憶があります。今回の施策の転換も、実質的な事前の協議はないに等しく、意思の疎通が不十分といわざるを得ない状況であり、大変残念だと思っています。
 現在、情報公開、行政の説明責任が強く求められているというのに、システムとしての図書館の信頼と連帯から都立図書館が一方的におりてしまうような事態では、密接なネットワークが必要とされる図書館間の信頼を欠くことになり、都立図書館の義務と区市町村図書館、都民の権利を損なうことになるのではないかと懸念しています。
 以上の具体的な事例は再編計画に基づくものですが、区市町村図書館へのバックアップ体制のサービス低下につながるものとなりかねません。
 また、今後も都立図書館の資料の保存は限界があり、再活用資料も引き続き都立図書館外に受けられることになります。区市町村図書館でも書庫は満杯状態であり、資料の再活用は共通の課題です。資料の活用を、広域でサポートできる共同ストック書庫、デポジットライブラリーなどの構想も注目されていますが、図書館のセーフティーネットとして、再活用資料のさらなる有効活用について考えを伺います。

○鈴木生涯学習スポーツ部長 都立図書館は、参考調査図書館として、来館者サービスも重要な都民サービスでございます。また、貴重な資料を長く活用することは、現在の利用者のみならず、将来の利用者にとって大切なサービスであると考えております。デポジットライブラリー構想は、公立図書館において増加する資料を有効に活用するため、あるいは、手狭になっている書庫の現状に対する対応策の一つであるかと思われますが、現在の厳しい都財政の状況におきましては、デポジットライブラリーなど、いわゆる図書館のセーフティーネット的なものに対して、都が運営したり支援することは困難な状況にあると考えております。例えば、区市町村立図書館が相互に連携いたしまして、図書館のセーフティーネットの仕組みを構築しようとする際には、都教育委員会としても、相談があれば、意見を交換してまいりたいと考えております。

○山口委員 都立図書館が区市町村立図書館を支援することは、恩恵でも特典でもなく、東京都の義務であり、区市町村の権利でもあります。都立全体の一点一冊収集、保存、現有書庫容量の不拡張といった方針は、役割縮小ということにならないでしょうか。しかしながら、都立も区市町村の図書館も、財政難から資料費の削減が続いており、書庫の収蔵に限界が出てきたことも大きな共通の課題です。
 東京の図書館システムが変質していくのをただ見ているわけにはいかない、そのことを踏まえた上、都が直面する財政問題を初めとする課題を区市町村と共有し、何とか知恵を出し合って、よりよい東京の図書館サービスのあり方をともに模索すべきであり、今後、図書館関係者や利用者と共同保管書庫、デポジットライブラリーなどの具体的な構想を、かつ連携を強く要望しておきます。
 続きまして、心身障害教育の今後のあり方について、中間のまとめが出されて以来、大変反響が大きく、これに対しても都の意見募集や各地域における説明会を開かれて、当事者などとも直接意見交換をしていただいたと聞いています。
 初めに、意見募集と各地域での説明会の状況ですとか意見反映のことについては、先ほど答弁をいただいておりますので、これについては省きまして、次に、意見募集などに基づいて審議を経て、現在、検討委員会において最終報告の素案について検討を進めているということですが、中間まとめから何か変化があったこと、そのことについて確認をさせていただきたいと思います。

○山際学務部長 現在検討を進めております最終報告素案と中間まとめの相違点についてでございますが、盲・ろう・養護学校から特別支援学校への転換について明確にしたこと、あるいは、小中学校における特別支援教育の推進に当たりまして、これまでの心身障害学級の成果と役割を継承すること、さらには、特別支援教室の固定的な設置形態、あるいは拠点的な設置形態のあり方について具体的に明示していることなどでございます。

○山口委員 特別支援教室の固定的な配置形態というのは、混乱を招かないための方法としてはやむを得ないことなのでしょうが、他道府県の事例などを聞くと、子どもは余り固定観念にとらわれず、障害のある子どもたちともコミュニケーションをとり、学習もうまくいっていると聞きました。
 私自身も、実際に固定学級に通っていらっしゃる保護者の方たちとお話をしますと、現状を考えると、理想とするインクルージョン教育には、やっぱり普通学級の親や子どもたちの理解を得てからでないとと考えたときもありましたが、むしろ先ほど述べたように、ともに学び、育つことから障害に対する偏見をなくすことができるのかなとも、今は思うように至っています。子どもを通して大人が学ぶチャンスかもしれないとも思っています。ぜひ、だれでもがともに学び合えるインクルージョン教育を目標に進めていただきたいと思います。
 次に、東京都としてモデル事業を検討していると思いますが、墨田区や稲城市で行っている国のモデル事業との取り組みの違いについて、考え方を伺います。

○山際学務部長 国の委嘱事業でございます墨田区等のモデル事業につきましては、区や市内の全小中学校におきまして、LD等の指導のための校内委員会の整備、あるいは特別支援教育コーディネーターや巡回相談のあり方などを検証するものでございます。
 一方、都が検討しておりますモデル事業につきましては、各学校での体制整備に加えまして、固定学級的な機能の継承も含めた特別支援教室の設置形態、あるいは指導方法、さらには専門家との連携による指導のあり方などについて検証するための事業として位置づけているものでございます。

○山口委員 次の質問も、もう既に答弁をいただいておりますが、保護者についても、最終報告については理解を図っていく必要があると思いますので、ちょっとその点だけお答えいただけたらと思います。

○山際学務部長 保護者に理解をいただくということは非常に重要なことでございます。最終報告答申後におきましても、広く保護者を含む学校関係者の理解を図ってまいりたい、このように考えております。

○山口委員 同年齢の健常児との交流と本人の能力に合った学習の両方が保障されて初めて本当のインクルージョン教育といえます。ぜひ丁寧な進め方をお願いするとともに、条件整備を進め、意識啓発にも力を注いでいただきたいと思います。
 続きまして、セクシュアルハラスメントの防止について何点か伺います。
 生活者ネットワークでは、学校における児童生徒に対するセクシュアルハラスメントの防止について進言してきました。都教育委員会では、本年三月に、都立学校における児童・生徒等に関するセクシュアル・ハラスメントの防止に関する要綱を制定するなど、児童生徒へのセクハラ防止に向けて取り組んでいると聞いています。その後、都教育委員会では、都立学校における相談窓口の設置状況について調査されたのでしょうか。
 また、児童生徒が相談しやすい人を相談員として充てることが大切だと思いますが、どなたが相談員として対応しているのか、現状を伺います。

○臼井人事部長 児童生徒に対しますセクハラ防止のための学校相談窓口の整備状況につきましては、本年六月上旬に調査をいたしました。その調査によりますと、都立高校全体の八四%に当たります二百九十六校で相談窓口を設置しておりました。
 学校相談員には、教頭、教諭、養護教諭を充てており、各学校には男女各一名を原則配置するなど、相談しやすい環境を整えているところでございます。

○山口委員 要綱制定後三カ月余りで八〇%以上の都立の学校に設置されたことは、必要性が各学校でも認められた対応として評価できることだと思います。
 しかしながら、子どもたちから信頼され、使われる制度、窓口として機能させるために、今後、相談窓口の設置状況だけではなく、相談件数や内容など、プライバシーに十分配慮した調査を行うことで実態の把握に努め、その後の対策のために生かされることも要望をさせていただきます。
 各学校では、教頭、教員、養護教諭が相談員になっているとのことですが、児童生徒から相談を受けるに当たって研修が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○近藤指導部長 都教育委員会では、初任者研修、十年経験者研修、都立学校教頭研修などの悉皆研修、また男女平等教育研修会等で、セクシュアルハラスメントに関する研修を行っているところでございます。
 今後とも、こうした教員研修を充実させまして、セクシュアルハラスメントの防止を徹底いたしまして、児童生徒が安心して学校生活を送れるよう努めてまいります。

○山口委員 セクハラの防止に向けた研修は何より重要ですが、相談において二次被害の発生などが起こることのない、被害者となった子どもたちの人権を尊重した相談対応と、問題の解決に向けた相談員の専門的な研修も重要であり、こういった相談員研修の充実も要望させていただきます。
 各学校に相談窓口が設置されただけではなく、東京都教育センターにおいても相談窓口が設置されたということです。こういった相談窓口を児童生徒に知ってもらうことが必要だと思いますが、見解を伺います。

○近藤指導部長 児童生徒がセクシュアルハラスメントの相談ができるように、本年四月に東京都教育相談センターに相談窓口を設置したところでございます。そして、このことを周知徹底するために、セクシュアルハラスメントに関するリーフレットを作成しまして、すべての公立幼稚園、公立学校の児童生徒に配布したところでございます。
 今後とも、このリーフレットを活用するなどいたしまして、相談窓口の周知を図っていくとともに、東京都教育相談センターに寄せられた相談等については、当該の区市町村教育委員会と連携をいたしまして、速やかな対応を行ってまいります。

○山口委員 つい最近も小学校教諭が逮捕されるなど、セクハラやわいせつ事件など、性暴力の被害者が低年齢化している事件が頻発しています。学校における管理的な状況が、教師に閉塞感をもたらし、その影響が子どもの被害という形であらわれている一面も否めません。子どもが守られる対策こそが必要であり、被害の未然防止教育や対策が早急に求められます。
 都としても、都立学校だけの取り組みに終わることなく、検討課題としてとらえていただき、CAPのような実践を積み重ねてきた地域のNPOの活用など、区市町村教育委員会と連携を図り、具体的取り組みを講じられることを強く要望しておきます。
 次に、日の丸・君が代の指導について、入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施についてといった通達が、十月二十三日、都教委から出された件についてですが、今回の通達と、十月二十三日以前に出されました通達の違いについては、先ほど曽根委員の方からも質問がありまして、既に答弁がなされていると思いますので、次の質問に移らせていただきます。
 この通達ですけれども、東京都の権限が市区町村立の小中学校に対してどのように及ぶのでしょうか。

○近藤指導部長 今回の通達は、都立学校長あてに出したものでございます。区市町村教育委員会に対しましては、通達の写しを送付いたしまして、入学式、卒業式が学習指導要領に基づいて適正に実施されるよう、指導の徹底を求めたところでございます。

○山口委員 通知と通達とは違って、あくまでも強制をする服務監督権は都教育委員会にはないということで受け取らせていただいてよろしいんでしょうね。
 一九九九年の通達が出された際に、生活者ネットワークは文書にて、今回の国旗・国歌の法制化に当たり、児童生徒の思想、良心にかかわる自由について、平成六年十月の政府統一見解に変わらないとする国会答弁があったが、教育長の見解を伺うという質問をさせていただきました。これに対して当時の教育長から、政府統一見解と同様に、児童生徒の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではないと認識しているとの答弁を得ています。今回の通達においても、児童生徒の思想、良心にかかわる自由は保障されるものと考えていいのですね。改めて確認を求めます。

○近藤指導部長 お話しの件は、当時の教育長が申し上げましたとおり、児童生徒の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨ではないと認識しております。
 都教育委員会は、これまでも、学習指導要領に基づきまして国旗掲揚及び国歌斉唱が適切に実施されるよう指導してきたところでございまして、このことは、児童生徒に国旗及び国歌の意義を理解させ、尊重する態度を育て、すべての国の国旗と国歌にひとしく敬意を表する態度を育てることが目的であり、この考えは変わってございません。

○山口委員 こういった通達は、東京都以外では例を見ないものではないでしょうか。東京都の取り組みは全国的にも影響が大きく、慎重に事を運ぶべきです。国旗・国歌法制定時において、政府は、強制するものではないと繰り返し答弁してきた経過があります。入学式や卒業式を初めとする学校行事は、本来、児童生徒、保護者などとともに、各学校で独自につくり上げていくものであり、これこそが教育活動ではないでしょうか。行政が介入し、人の心を管理、統制し、集団の協調性を重視するような方向を教育の場に持ち込むことは行き過ぎであると思わずにはいられません。
 こういった閉塞的な状況が、さらなる教育現場の荒廃につながるのではないかと危惧するものであることを訴えまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○東委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
午後三時五十八分休憩

午後四時四分開議

○東委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○福士委員 それでは、私も国旗・国歌の指導についてお伺いをいたします。
 まず、十月二十三日の指針、先ほど来出ておりますけれども、今回の指針によりまして、国旗は舞台壇上の向かって左、都旗はその右などと、かなり細かい指示が出されて、学校の行事であるにもかかわらず、肝心の校旗が横に掲揚せざるを得ないということなど、不思議な状況になりそうなんですけどね。また、先ほど来出ておりますけれども、会場の席の位置まで指定するなど、ここまで細かく指示する理由は何なんでしょうか。

○近藤指導部長 入学式や卒業式などにおける国旗及び国歌の指導に当たっては、国旗及び国歌に対する正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てることが大切でございます。しかしながら、教員が式典にふさわしくないTシャツで参列したり、国歌斉唱時に退席したり、起立しなかったりするなど、実施態様にさまざまな課題があり、都民から厳しい指摘を受けているところでございます。
 今回の通達は、こうした状況を改善し、入学式、卒業式が子どもたちにとって学校生活に有意義な変化や折り目をつけ、新しい生活の展開への動機づけとなるよう、国旗掲揚や国歌斉唱等の実施方法を具体的に指針として示したものでございます。

○福士委員 この通達については、Tシャツの話なんか全然出てないんですよね。で、国旗・国歌に対する正しい認識を持たせという、今ご答弁がございました。かつて、国旗を振りながら、一般の人々も問題だったんだろうと思いますが、人を殺したり殺されたりする戦場に国民を送り出してきたわけですし、国歌の方についても、君が代ということには天皇の御代という説もあるなど、さまざまな説があることも正しく認識させながら、国旗・国歌斉唱を実施していただけるというふうに思ってよろしいんでしょうかね。
 それにしては、校長の命令に従わない場合は服務上の責任を問われることを教職員に周知することというふうにされておりますけれども、十一月二日の朝日新聞なんですが、この記事を見ますと、都の通達によって、校長の国旗・国歌観が問われることもなくなる、ほっとされたというような感想が出ておりまして、こうなりますと、今回の国旗・国歌観は都の通達であって、校長の裁量権というのはうんと低くなったというふうにとれるんですけれども、校長の権限はどう考えたらよろしいんでしょうか。

○近藤指導部長 今回の通達は、入学式、卒業式などの学校行事を学習指導要領の趣旨に基づいて適正に実施するための具体的な実施方法を示したものでございまして、校長の権限を侵すものではございません。入学式、卒業式等の実施など、教育課程の編成、実施につきましては、一校の責任者であります校長の権限と責任のもとに行われることは当然のことでございます。

○福士委員 学校によっては、入学式、卒業式は学校行事としてそれぞれかなり工夫をされているところがありますよね。その方が教師や児童生徒にとっては意義深いことが多いわけで、特に小中学校の入学式では、いかに親しみやすく、そして卒業式では、思い出深く受け入れられるかということの工夫に心砕いて、フロア形式をとっているというふうに私なんかは見てきたんですけれどもね。
 先ほど、区市町村に対しては通知であって通達ではないというお話がございました。たとえ通達でなかったにしても、ここには、児童生徒が正面を向いて着席するように設営するというふうに書かれていますよね。なぜフロア形式ではいけないのか。なぜ市区町村にまで、これほどの通達が出されたのかということもお伺いしておきます。

○近藤指導部長 既にお答えしているところでございますが、今回の通達は都立学校長あてに出したものでございまして、区市町村教育委員会に対しては通達の写しを送付いたしまして、卒業式、入学式は学習指導要領に基づいて実施するよう指導の徹底を求めたものでございます。
 いずれにいたしましても、入学式や卒業式における国旗・国歌の指導は、学習指導要領に基づきまして、児童生徒に国旗・国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるものでありまして、小中高等学校、盲・ろう・養護学校共通の課題であると考えております。

○福士委員 じゃ、いいわけですね。それならいいんです。小中学校はいいんですね。それなら結構ですけど、フロア形式を認めないで正面を向いて着席するような設営まで通達に書かれているということは、これでいいのかなというふうに思ったんです。
 で、国旗・国歌に関しては共通の課題であるというふうに先ほどおっしゃっておられましたけれども、共通の課題の外にあるものだと思います。このままでいけば、学校の自由も裁量もないように見受けられますし、また、子どもたちの方をほったらかしにして教育庁の権限だけを強めたいように見えたものですから、ちょっとお伺いをいたした次第です。
 で、今回の指針で、どのような教育を目指されたのか、お伺いをいたします。

○近藤指導部長 都教育委員会は、児童生徒が日本や世界の文化、伝統に触れる機会を充実し、自分の国や郷土に対する愛着や誇りをはぐくむとともに、多様な文化に対する理解を深め、世界の中の日本人としてのアイデンティティーを育てる教育を推進しているところでございます。こうした教育の一環として、今回の通達も行ったものでございます。

○福士委員 今、多様な文化に対する理解というふうにおっしゃいましたけど、多様な文化に対する理解を深めるために、国旗・国歌の実施方法まで一つの方法しか認めないような指針を出すという考え方は、何か方向が違うんじゃないのかなというふうに思うんですね。むしろ今回の通達が出される前に、多様な人、あるいは多様な行動、それから多様な考え方、そういうことを認める方が重要なのではないかと思います。
 ことしの四月十日の教育委員会の中では、国旗・国歌については強制しないという政府答弁から始まっている混乱、とまで教育長はおっしゃっておられますけれども、政府は、都が出したようながんじがらめの、そしてまた一糸乱れぬ統制方式を意図しているわけではないと思うんですね。なぜそれを混乱とおっしゃるのか、お伺いをいたします。

○横山教育長 私の発言についての質問でございますので、私から答弁いたしますけれども、先ほど来指導部長が答弁していますように、学校教育におきます国旗・国歌の指導につきましては、学習指導要領に基づいて、社会科の時間、あるいは音楽、特別活動などにおいて行われておりますが、この学習指導要領は、児童生徒に教えるべき内容の最低基準として示されたものでございまして、そこで示された具体的な目標や内容に基づいて学校教育は行われなければならないものでございます。
 したがって、学習指導要領に定められた教育内容は、強制をするとかしないとかいった性質のものではございませんで、あくまでも教育指導として、すべての児童生徒に対して行うものでございまして、このことは学校教育に携わる者の責務であると考えております。

○福士委員 強制するとかしないとかいう性質のものではなくても、罰則をちらつかせるということになるんですかね。そのこと自体、異議を認めないで強制させるということではないんでしょうか。
 それと、今、私が伺ったのは、繰り返しますけれども、政府は、都が出したような、がんじがらめ、かつ一糸乱れない統制方式を意図しているわけではないと思いますが、なぜそれを混乱というのですかというふうに伺いましたので、今のお答えですと、国語の試験だと、これ、丸で通るんですかね。QアンドAに当てはまらないような気がしますが、教育長のお答えとして、今のでよろしいんでしょうかね。

○横山教育長 例年の現実を見据えて、混乱と申し上げているわけでございます。

○福士委員 それと、もう一つ、そのときの教育委員会の話の中で、教育委員の中からも政府答弁が間違いだという発言が出されているんですけど、教育委員の方、教育委員会が間違いといえる権限みたいなのはあるんですかね。

○横山教育長 教育委員会の中で教育委員が自由闊達に議論をするのは、これは自由だと思います。それは権限があるとかないとかの問題ではなくて、それぞれの教育委員がそれぞれの見識に基づいて発言をしているものでございます。

○福士委員 結構ですね。議論するときはどんな意見が出されても、私もいいと思いますよ。教育委員会で国の見識を間違っていると発言する自由があるんだったら、学校長も学校職員の方々も、教育庁の解釈を違うよといって、フロア形式でおやりになろうと、子どもにとっていい形の入学式をしたからといって、議論を認めて、罰則など振りかざすことはないんじゃないですかね。都も国の見解を認めないで都独自の指針を出すのであれば、学校は学校の独自方針を出すということを認められてしかるべきだというふうに思います。

○横山教育長 都立学校におきます教育というのは、第一義的には校長の責任と権限のもとで行われますが、最終的には教育委員会の責任として実施されているわけです。したがいまして、都立学校における教育については、教育委員会として議論をし、その結論に基づいて指導するのは当然のことだと思っています。

○福士委員 そうおっしゃるんでしたら、いいですよ。政府とも違う方針を出され、指針を出され、通達を出されということで、それは権限としておやりになるんだったらいいんですけれども、ただ、考え方としてちょっと気になりますのは、これはもう何カ月か前の話ですが、川崎でホームレスの殺傷事件が起きました。それを起こしたのは公立の小中学校から高校までの子どもたちですが、原因をストレス解消のためという、これも怖い話ですけどね。ホームレスの方たちを、社会のごみを退治するという感覚だったということがいわれていて、すごく怖いなというふうに思ったんですね。その子たちは、道に落ちてるジュースの缶やペットボトルなんかをごみとして片づけたりは多分しないんじゃないのかなという気がする。これは私の感じですから、正しい話じゃありませんので、何ともいえないんですけど、社会のアウトローは人間でもごみとみなすという感覚ですね。こういう感覚を持つというのは怖いと思うんですね。
 教育庁が余りにも自分たちの思いと違うことを罰則まで振りかざして排除するということをずっと続けておられると、自分と違う人、あるいは違う文化、違う生き方、で、ホームレスがいいとか悪いとかよりも、いたし方なくなってる方もいらっしゃるわけですけれども、そういうのをすべて悪と考える子どもたちが育ってしまったら怖いなあというふうに思うんですね。
 他人はもともと意のままにならないというふうに、私は自分が子どもを産んだとき、余りにも意のままにならないので、すごいショックだったんですけれども、意のままにならなくても、いろんな違いの中で、社会に迷惑をかけないかとか、そういうことも含めて、ルールが培われるように議論をしていくということが重要なんじゃないかと思うんですね。
 ですから、罰則で何かをするという、しなきゃいけないときもあるかもしれませんけれども、日の丸・君が代の場合は、少なくともそういう場合ではないんじゃないのかなということを申し添えて、質問を終わります。

○臼井委員 東京都教育委員会は、都民の期待にこたえるべく、教育改革を断行しておられます。戦後五十八年たちまして、今日、教育改革の大きな節目にあるなあというふうに私も感じているものであります。教育委員会はこのときに当たり、さまざまな手だてを講じております。古くは学区を解消したり、あるいは、学校経営を潤滑に行えるように主任制も導入をされました。そして今日、ただいま議論もありましたように、国旗・国歌においても、十分尊重するように、そういう教育を行うということで、私は大変心強く思っているものであります。
 どんな社会においても、小さな団体においても、それぞれ象徴的に敬意を表するものを対象に持つわけであります。特に学校教育においても、卒業式だとか、あるいは入学式だとか、そういう儀式において国旗・国歌を尊重するところから、それを掲揚し、あるいは斉唱するというようなことは、私は、我が国の国民の生き方として、文化として、至極当たり前だというふうに思ってまいりました。それらは一つの一年間なりの教育の成果として、厳粛にみんなが受けとめている。だから、参加した父兄も、時には涙し、子どもたちの成長を大変感謝をするわけであります。
 そういうことからして、教育改革の時期が到来している。特に、先ほどから議論もありましたけれども、どうも最近の世相なり子どもたちの姿を見ると、情けない光景が見受けられます。電車の中で平気で弁当をあけて食べている。電車の床に座っている。そういう高校生、これが都立の高校生であったならば、私は本当に情けないなというように思うんですね。だから、改革の必要性というのは、だれもが認めなければならないと思うんです。
 私たちは、こんな豊かな国になって、物については本当にもう不満がないんですね。実際、物が豊かでありがたい。しかし、その豊かさのおかけで何か失ってしまったものも多くなってしまったなあと。勤勉、節約だとか、よく親からいわれた言葉が、今や懐かしく思うんです。そして、よく親からいわれた言葉の中に、おまえたちのこの家は、おじいさんや、そのまた昔の人たちが一生懸命努力をして築いてきたんだよ。それをおまえたちが今後相続していくんだ。おまえが相続人だから、もっともっと勉強して頑張らなきゃだめだ。いろんなことを口うるさい親がいいまして、私たちはそんな中で育てられたわけですけれども、自分が生存しているということについては感謝しなきゃならないですね。
 生存を保障しているのは国だと思います。そして、教育を保障しているのも国でなければならない。社会もそうでしょう。そういうことについて私たちはしっかり受けとめて、やっぱり自分たち個人として、この国に対して貢献をしなければいけないし、社会に対しても尽くしていかなければならない。祖先が残してくれたこの国、祖先が、我々の先輩が残してくれたこの社会、また自分の家、そういうものを考えると、自分たちはやっぱり愛する対象をしっかり持たなければだめだ。
 そういうことを、物は豊かになったけれども、心として受けとめるのは何かというと、どうも教育以外にないですね。教え、はぐくむことしか、人間は身につくものはない。だから教育が大切だということをしみじみ思うので、そういう面では、今この世相が乱れて、子どもたちがどうも心配な姿を呈している。それは教育改革によってしか直せないんじゃないかというように思います。東京都教育委員会においては、教育改革を断行するという強い信念を感じられますので、ぜひそれを進めていただきたい。
 そういう面で、教育改革といっても、その範囲は、学校教育に限ってみても非常に幅が広く、このほかには社会教育もありますれば、各分野での教育振興など、東京都教育委員会だけで改革を進めようとしても、そこにはおのずから限界があります。学校や産業経済、あるいは保健衛生など各分野で、教育振興や教育研究のために有意義な活動を行っているさまざまな団体が、この社会にはあります。それらとの連携を一層強め、支援をすることにより、各方面の理解と協力が得られ、教育行政をさらに充実していくことができると私は考えています。
 このような立場に立って、一つ質問をいたしますが、先日、教育庁は、厳しい都財政の状況を踏まえて、教育研究団体への補助金を見直していく考えを表明されましたが、見直しの対象となる団体、それと十五年度の予算額について、どのくらいだったか、伺いたいと思います。

○山際学務部長 見直しの対象となります団体につきましては、全国高等学校長協会などの全国規模及びブロック規模の団体、民間企業や医師会等が構成員となっている教育振興団体、教科研究や研修活動を行っている都教職員の団体、そして校長会や教頭会などの教職員の職種別団体でございまして、平成十五年度におけるこれらの団体に対する補助金の予算額については、約四千九百万円でございます。

○臼井委員 全国校長会、都立学校校長会、産業教育振興会など、さまざまな教育研究団体等があるわけでございますが、これらは、情報交換、あるいは教育内容や指導方法の研究、各分野の関係機関と連携した教育振興など、教育ならではの必要性に基づくものでありまして、これまでもさまざまな成果を上げ、教育行政に貢献してきたと考えているのでございますが、そこで改めて、都教委の補助金見直しに対する基本的な考え方を伺いたいと思います。

○山際学務部長 都教育委員会ではこれまで、各教育団体の活動が教育行政の推進に寄与するとの認識から、財政的支援を行ってきたものでございます。一方、教育改革を進める中で、教職員の調査研究等に係る環境の改善も図ってきているところから、厳しい財政状況も十分踏まえ、教育研究団体に対する財政支援のあり方を見直す必要がある、このように考えております。

○臼井委員 都財政は極めて厳しい状況にありまして、都教委も第二次財政再建推進プランを踏まえ補助金のあり方を見直すという基本的な考え方は理解できるのであります。しかしながら、すべての団体や、あるいは各団体のさまざまな活動に対する支援を一律に廃止してしまえば、せっかく有意義な活動をしてきたものまでやめさせてしまうということにはならないのか。内容をよく把握もせずに、身内への補助金はとにかく全廃すべきというような議論がありますが、今までの努力や、校長会等の各種団体のご苦労を重ねてきたことに対しての理解が行き届いていないというふうに思わざるを得ません。間違った考え方は修正すべきであります。必要な補助金は引き続ききちんと予算措置すべきであり、また、団体が行っている活動についても、教育行政に十分意義があるものは、都教委と団体とが十分連携し協力しながら充実していくことこそ、関係者の力を結集して教育改革を進めることになるのでございます。
 とりわけ校長会の活動の位置づけでございますが、他とは大きく異なると思うのであります。校長は、先ほどからも出ておりますが、学校の管理運営、所属教職員の管理、学校施設の管理、学校事務の管理など、あらゆる活動について名実ともに学校を代表するわけであります。教育改革の現場にいるのが校長であります。都教委も、校長権限の拡大を図るために、予算面では自律経営推進予算を導入し、人事面では、校長の学校経営方針を踏まえた人事構想を実現するために教員の異動要綱を改正するなど、取り組みを進めておられます。しかし、現状を変えたくないという一部の教職員などから、まだ現場での抵抗もございます。教育制度の変化も激しい。そして、厳しい状況の中で、子どもたちのために学校教育をよりよいものにしようと頑張っている校長を支援すべきであります。今このときに頑張りに報いなければ、校長はやる気がなえてしまうのではないでしょうか。後に続く者がいなくなるのではないかと私は心配をしております。
 そこで、改革のために校長を支援する大きな流れを私はつくりたい、このように考えているのでございます。今回の補助金の見直しは改革推進にブレーキにならないか。少なからず校長たちにとっては厳しいものになるのではないかと危惧するものであります。この見直しでは、校長会を含め一律に支援を廃止するのか、見直しの具体的な方針を伺いたいと思います。

○山際学務部長 教育研究団体に対する支援につきましては、各団体のこれまでの活動実績や成果、都の教育行政推進への貢献等を十分に踏まえまして、それぞれの団体の実情に応じた見直しを行っていく必要があるというふうに考えておりまして、一律に廃止するというような見直しを行うことは考えてはおりません。

○臼井委員 全国校長会や都立学校校長会などが、学校経営や子どもたちのために、入学者選抜の研究、生徒の進路指導などに果たしてきた役割は極めて大きいのであります。商業、工業、農業といった専門学科別や、心障校の障害種別の研究活動も重要と考えます。そうした意味で、校長会の活動に対する支援を廃止することは考えられないのであります。これらの取り扱いはどうなるのか、お伺いいたします。

○山際学務部長 校長は、お話のように、学校のあらゆる活動について名実ともに学校を代表する経営責任者でございまして、都教育委員会としては、校長がリーダーシップを発揮できるよう支援を充実させていく必要がある、かように考えております。
 こうした観点から、全国校長会につきましては、国や他県との情報交換、国の施策への提言等を行うなど、全国組織として公的な機能を担うとともに、その調査研究活動が都の教育施策の推進にも大きな役割を果たしていることから、都教育委員会として引き続き支援を継続してまいります。
 また、都立学校校長会につきましては、これまでの活動実績を踏まえ、活動内容を精査した上で、校長会の活動を都教育委員会の事業として明確に位置づけ、必要な経費を措置するなど、教育行政の推進に寄与する活動については支援を行ってまいります。

○臼井委員 教育研究団体の中には、校長会など管理職によって構成される団体もあれば、実際に子どもたちを指導する教員が主たる構成員となっている団体もあります。教員の教科研究や研修は、その職の持つ特殊性から、常に自己研さんが必要であることはいうまでもありません。しかし、教科ごとの教員が集まって行う活動の中には、教育内容の研究や指導方法の改善に結びつく有意義なものがあり、専門性を高める上で重要な役割を果たしているのであります。
 今回の見直しの中で、今後、東京都教育委員会はどのように教員の指導力の向上を図っていくのか、伺います。

○近藤指導部長 教員の実践的な指導力は、都教育委員会が行います研修や、教員個々の自発的な自己研さん、並びに教科等の教育研究団体における主体的、組織的な研究活動においても培われるものでございます。今後、都教育委員会は、こうした教育研究団体と連携を図りながら、授業改善や教育課題に対応した研究や研修にかかわる事業を実施するなどいたしまして、教員の資質、能力の向上を図ってまいります。

○臼井委員 基本的な考え方はわかったのでございますが、先ほど話が出ましたように、全体で約四千九百万円の予算措置についてはどのようにしていくのか。必要なものはきちんと措置するという先ほど来の答弁からいたしますと、大幅な削減ということにはならないと理解してよいか、伺います。

○山際学務部長 ただいまご指摘の点につきましては、今後、お話の趣旨も踏まえて、適切に対応してまいります。

○臼井委員 補助金については、都財政の厳しい状況を踏まえて見直すことが必要であります。確かにそのとおりでありますが、一方で、各団体の有意義な活動については、位置づけをはっきりさせて実施していくということでございますので、今回、この取り扱いについては、私としては了とするものであります。
 我が党は、校長会のプライド、これを尊重し、今後の学校経営に期待をして、校長を支援する立場から、全国の校長会への補助金と東京都校長会の活動に対する適切な位置づけ、都教委と校長会との連携協力、そのための事業の仕組み、これを具体的に措置してもらいたい、これを強く望むものであります。
 都の教育改革は全国から注目をされております。ぜひ校長会をバックアップして、その支援体制を整える、それが何よりも重要であります。そして、東京都の施策は広く各地に波及するはずでありますから、都内の区市町村の実質的なスタンダード、標準となると考えるわけであります。大胆に改革に取り組むことを我が党は期待しておりますが、今後とも各団体と連携協力し、その活動の成果を着実に改革へ結びつけ、全国の教育改革をリードしていってもらいたい。教育長の決意を最後に伺いたいと思います。

○横山教育長 ただいま、校長会等教育研究団体に対する支援につきまして、るるご議論がございました。この種の補助金につきましては、これまでも見直しを行ってまいりましたし、なお精査する必要があると考えておりますが、一方で、教育研究団体の活動につきましては、教職員みずからが自発的に教育改革を進める上での原動力になっているものと評価をいたす面も多々ございます。特に、お話にございました校長会の活動、あるいは教科研究及び教職員研修に資する研究活動につきましては、都教委の事業と密接不可分の関係にありますことから、支援を行いまして、その活動の成果を生かしながら、学校における教育内容や指導方法の改善など、教育施策の充実に取り組んでまいったところでございます。
 都教委といたしましては、今後とも、こうした自発的な教育研究活動の成果を生かしながら、お話のように、全国をリードする教育改革を着実に推進してまいる所存でございます。

○松原委員 きょうは皆さんご苦労さまでございます。私、一番最後でございますが、国旗・国歌の問題が大変にぎやかに、きょうは出ました。私の方も最後の締めくくりとして、自分の気持ちというか、考え方を多少お話しさせていただきたいというふうに思います。時間の方も、十分ぐらいでやめます。
 いろいろ国旗・国歌というのは、大変大きな問題だというふうに私は思います。個人的にいえば、これはもう幾日費やしても議論が尽きていかないというふうに思います。当然、国家観の違いとか、天皇制の問題とか、戦争とか、イデオロギーとか、国旗論とか、教師論とか、こういうものを全部ひっくるめた上での問題ですから、これを全部やっていたら、とてもじゃないけど終わらない時代ですよね。
 ただ、私自身は、やはり現場の先生もいろいろな思想を持っていますから、それはそれでいいと思うんです。問題は、その思想を生徒に押しつける、これは私はよくないと思っているんですよ。えてしてそういう先生がいらっしゃる場合があります。
 私は私立高校でしたが、二人の大変印象的な先生がいまして、一人は学生運動家の出身の国語の先生でした。昔、都学連の委員長をやった人で、国語の授業は大変おもしろかったです。ところが、やはりいろんな革新的な考え方を植え込まれたというか、それは自分の一つの生き方としてのものになっていますが、これはこれで非常にいい考え方の人でした。
 もう一人は、昔かたぎで、小学校もろくすっぽ出なくて、代用教員の資格を取って、夜学に通って先生になった人でした。これはむしろ人間教育。数学の先生でしたけれども、人間教育。怒りますと、すぐに、何をやっちゃいけない、これをやっちゃいけないという先生でした。
 両極端の先生に会いまして、私もずっと、亡くなるまでお二人ともおつき合いをさせていただきましたけど、そういういろんな問題があります。
 そんな中で、私はやはり学習指導要領というのは、一つのその中に住んでいる人間としての守るべき、勤めている以上は、ルールだな、そういう感じがいたします。
 そういう中から、きょうはいろんなご意見が出ています。そういう中で、学習指導要領に基づき実施すると先ほどから出ておりますけれども、おさらいで、その言葉の意味をもう一回最後に復習をさせていただきたいと思います。
 先ほどから、学習指導要領に基づき実施すると繰り返し述べておりますけれども、学習指導要領はどのような性格を持っているのか、お尋ねいたしたいと思います。

○近藤指導部長 学習指導要領は、学校教育における機会均等及び教育内容の一定水準の維持を図るための大綱であり、学校教育法及び学校教育法施行規則に基づき制定されるものでございます。
 この学習指導要領は、国語や社会科などの各教科、道徳、そしてクラブ活動や学校行事などの特別活動や総合的な学習の時間などで編成されております。
 各学校は、この学習指導要領に基づきまして教育課程を編成し、その適正な実施に努めるものでございまして、入学式、卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱指導も、この学習指導要領に基づいて行うものでございます。
 今後とも、都教育委員会は、学習指導要領に基づき、入学式及び卒業式を初め学校のあらゆる教育活動が適正に実施されるよう、各学校を指導してまいります。

○松原委員 もう一点ですけれども、学習指導要領には、入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導するものとありますが、本当に基本なんですが、学校教育において国旗を掲揚し国歌を斉唱する意義とはどういうものなのかをお尋ねしたいと思います。

○近藤指導部長 学校教育における国旗及び国歌の指導は、児童生徒に国旗や国歌に対して正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てるために行われるものでございます。
 したがって、各学校には、児童生徒が将来国際社会において尊敬され、信頼される日本人として成長していくため、学習指導要領に基づき、国旗及び国歌に関する指導を適切に行うことが求められているものでございます。
 都教育委員会は、今後とも、学習指導要領や今回の通達に基づきまして、国旗掲揚や国歌斉唱を実施するよう、各学校を指導してまいります。

○松原委員 いろいろ教育目標があると思いますが、やっぱり自分たちが生まれ育った日本の歴史、歴史観もいろいろ見方があると思いますが、総じて一般的な概論として、余り偏らない歴史とか文化、これはやっぱり平面で見ていくということは非常に大事なことだと思うし、そういう教育こそが普通の開かれた教育だなと私は基本的に考えています。また、これだけ国際社会が変動している中で、私は、日本人という一つの意思よりも、地球人という考え方でいかなければ、とてもこれからの国際社会はいかれないというふうに思うんですね。
 だけど、一方、物すごく小っちゃな個人というものの中で、登校拒否とか、小っちゃな問題があるわけです。やはりその辺の落差というのもありますけれども、教育の基本というのはあくまでも、その子、その子が持っている能力を引き出してあげて、その子なりに自立心を持って、自分の力で歩けるようにしてあげることに尽きると思うんですね。そういった意味のものが私は教育の目標だと思いますけれども、そんな意味の中から、今回の通達は、結局、教育というのは、我が国の歴史や文化を尊重し、国際社会に生きる日本人を育成することが示されています。教育は、日本の未来を担う子どもを育てるためにあると考えています。今回の通達は、それらの一環として行われるものだと考えていますが、これはどういうことなのか、お尋ねしたいと思います。これでやめます。

○横山教育長 全く先生お話しのとおりでございまして、学校で学ぶ児童生徒が、やがて国際社会の中で活躍をして、日本の未来を担う、そういう資質を身につけるためには、自国の文化や伝統をよく理解して、世界の中の日本人としての自覚や誇りを持つことができる教育、これを行うことが必要でございます。
 そのためには、学校教育におきまして、日本や世界の文化、伝統に触れ合う機会をまず充実を図っていく。そして、自国や郷土に対する愛着や誇りをはぐくむ教育を推進していくことが大切でございますが、お話しのように、入学式、卒業式等の適正な実施といいますのは、こうした学校教育の実現を図るための一環として行うものでございます。
 都教育委員会としましては、今後とも、日本の文化や伝統を大切にしますとともに、多様な文化に対する理解を深める教育を推進しまして、日本人としてのアイデンティティーを持ち、日本の未来を担う人間の育成に意を用いてまいりたいと考えております。

○東委員長 それでは、ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十九分散会

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