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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第十二号

平成十五年九月十七日(水曜日)
第三委員会室
午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長渡辺 康信君
副委員長服部ゆくお君
副委員長河西のぶみ君
理事執印真智子君
理事中嶋 義雄君
理事遠藤  衛君
福士 敬子君
小美濃安弘君
野島 善司君
石川 芳昭君
大西 英男君
相川  博君
曽根はじめ君
山本賢太郎君

 欠席委員 なし

 出席説明員
大学管理本部本部長山口 一久君
管理部長飯塚 宏子君
参事大村 雅一君
参事宮下  茂君
生活文化局局長三宅 広人君
総務部長嶋津 隆文君
広報広聴部長島田幸太郎君
都政情報担当部長二ノ宮 博君
文化振興部長荒川  満君
都民協働部長高島 茂樹君
交通安全対策担当部長脇  憲一君
私学部長中澤 正明君
消費生活部長高田 茂穗君
参事田村 初恵君
参事奥秋 彰一君
参事八木沼今朝蔵君
教育庁教育長横山 洋吉君
次長鮎澤 光治君
理事斎藤 尚也君
総務部長比留間英人君
学務部長山際 成一君
人事部長臼井  勇君
福利厚生部長幡本  裕君
指導部長近藤 精一君
生涯学習スポーツ部長鈴木 雅久君
教育政策担当部長石川  武君
都立高校改革推進担当部長山川信一郎君
参事齊藤 一男君
参事井出 隆安君
参事瀧川  清君

本日の会議に付した事件
 大学管理本部関係
  報告事項(説明)
  ・都立の新しい大学の構想について
 生活文化局関係
  陳情の審査
  (1)一五第二五号 東京都情報公開条例における単色刷りの公文書の複写料金及び閲覧手数料の引下げに関する陳情
  (2)一五第二六号 東京都情報公開条例における多色刷りの公文書の複写料金の引下げに関する陳情
 教育庁関係
  第三回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
  ・都立目黒地区中等教育学校(仮称)(十五)増築及び改修工事請負契約
  報告事項(説明)
  ・都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会報告について
  陳情の審査
  (1)一五第三三号 富岡美術館の存続に関する陳情
  (2)一五第三五号 すべての子どもの豊かな学習と発達の保障に関する陳情
  (3)一五第三六号 東京都立高等学校教員の定期異動実施要綱(案)の慎重な審議に関する陳情
  (4)一五第三七号 東京都立高等学校教員の定期異動実施要綱(案)の規定の追加に関する陳情

○渡辺委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 当委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○渡辺委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせをいたしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、教育庁及び大学管理本部関係の報告事項の説明聴取並びに教育庁及び生活文化局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより大学管理本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員に交代がありましたので、大学管理本部長から幹部職員の紹介があります。

○山口大学管理本部長 去る八月一日付で当本部の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 参事で調整担当の宮下茂でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○渡辺委員長 紹介は終わりました。

○渡辺委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○飯塚管理部長 都立の新しい大学につきまして、専門家のご意見も伺いながら検討してまいりましたが、このたび、その基本的な構想をまとめましたので、ご報告させていただきます。
 お手元にお配りしております資料に従いましてご説明申し上げます。
 東京都の大学改革につきましては、平成十三年十一月に東京都大学改革大綱を策定いたしましたが、それ以降、大学に関する法制度や社会的要請の変化など、大学を取り巻く状況は大きく動いてきております。例えば工業等制限法が廃止されたことによりまして、区部にも大学を設置できるようになったほか、都として国に要求してまいりました地方独立行政法人法の制定や、知的財産の創造や活用について大学の責務をうたった知的財産基本法が制定されるなど、いずれも大学改革を進めていく上で適切に対応していく必要があるものでございます。このような状況の変化等に的確に対応し、都立の新しい大学の使命や特色をより明確にするため、今回、新しい大学の構想を策定したものでございます。
 構想の具体的な内容につきましては、別紙1をごらんくださいませ。
 まず、新しい大学の使命でございますが、新しい大学は、大都市東京の大学として、大都市における人間社会の理想像を追求することを使命といたしまして、特に、都市環境の向上、ダイナミックな産業構造を持つ高度な知的社会の構築、活力ある長寿社会の実現の三点をキーワードに、大都市の現場に立脚した教育研究に取り組むことといたしております。この使命を実現するための取り組みを中央の枠の中にお示ししてございます。
 順にご説明させていただきますと、まず東京塾(仮称)でございますが、東京塾は、単なる寮ではなく、学生間の交流はもとより、塾長や留学生との交流、対話を通じて、異文化理解や互いの個性や独創性を刺激し合って人格形成をしていく場とすることを考えてございます。具体的な内容につきましては、塾長予定者を定め、設計を行ってまいります。
 次に、大都市の特色を生かした教育の実現でございますが、都市における文化や経済、技術など、これらが集積する東京でしか学べない都市の文明を、大都市東京を基盤に活躍する人材にとって不可欠な新しい教養として、すべての学生に学ばせるものでございます。また、学部構成につきましても、これまでの学問体系にとらわれない、大都市の課題に対応したものといたします。詳細につきましては別紙2にお示ししてございます。
 次に、都心方面へのキャンパス展開でございますが、先ほど申し上げましたように、工業等制限法の廃止により都心に大学を設置することが可能になったところでございまして、新しい大学では、都市再生あるいは産業活性化を視野に入れた、都心方面への展開を検討してまいります。また、大都市をキャンパスにした現場重視の体験型学習を導入し、東京ならではの現場実習を行ってまいります。
 次に、選択と評価による新しい教育システムの導入でございます。
 今回の構想の特徴でございます単位バンク制度(仮称)でございますが、この単位バンク制度を導入いたします。別紙3に詳細がございますので、ごらんくださいませ。
 この制度は、全国一律の文部科学省の単位基準や決められたカリキュラムのみの履修、また、教員による授業の成績のみでの卒業判定による、社会が卒業生に求める能力とのミスマッチなど、これまでの大学教育の限界を打ち破る教育システムでございます。内外の大学で取得した単位や青年海外協力隊での国際経験などを単位として認定することにより、大都市の多様なライフスタイルの学生に対応して、一人一人のキャリア形成に合わせた柔軟なカリキュラムを設定できるようにいたします。また、単位認定、卒業判定に当たっては、外部有識者や経営者等も入った評価を行うことにより、社会が求める人材、高度な知的社会を支える人材を送り出せるようにしてまいります。この制度の導入により、卒業生の社会評価が客観的に可能となるなど、日本の大学全体に与える波及効果は大きなものがあると考えてございます。
 恐縮でございますが、一枚目にお戻りいただきたいと存じます。
 一枚目の(3)、公立大学法人化と時代の要請に応じた定期的な見直しでございますが、新しい大学は、地方独立行政法人法に基づく公立大学法人のもとに設立し、教員組織の簡素化、任期制、年俸制の導入と業績主義の徹底を図ってまいります。また、法人の目標、計画、評価のサイクルによって、時代の要請に応じて継続的に学部の構成等を見直してまいります。
 最後に、新大学の発足時期でございますが、平成十七年四月の開設に向け精力的に準備を進めているところでございます。
 以上が、今回公表いたしました都立の新しい大学の構想の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○服部委員 資料要求で三点お願いをしたいと思いますが、一つは、現在の都立四大学の収入ですね、学生納付金等の内訳別と支出、これは人件費等の内訳別について、私大との比較。
 二点目は、教員一人当たりの学生数について、現都立四大学と同規模の私立大学との比較、これは学部別にお願いします。
 三点目が、就職状況について、現都立四大学とほかの大学との比較、これも学部別でお願いします。

○中嶋委員 学部が大分大幅に変わる、こういう新しい学部構成の試みの例、先駆的な試みの例、国内で。わかれば、国外でもあれば。これだけお願いします。

○曽根委員 まず、現在の都立の四大学の学生、院生の人数が、新大学に予定どおり移行した場合にどのように推移していくのか。卒業までの、だんだん学年ごとに減っていくと思いますけれども、そういう推移について。
 それから二つ目に、都立四大生の大学院進学状況。
 三つ目に、この新大学の検討の組織、これまでの経過と現状、今後どのような組織で検討していくのか。
 それから、この構想策定はだれによって行われたのか、その策定の経過を詳しく資料でいただきたい。
 それから五番目に、大綱に基づくこれまでの検討事項との違いが大分あるようですけれども、どこが違って、どういう理由で変更したのか。
 六番目に、教授会、教職員組合、学生自治会などへの説明の予定。
 最後に、定款の変更、新しい学長、理事長の決定など、今後予想されるスケジュールについてどのような見通しで考えているのか。
 以上、お願いします。

○渡辺委員長 ほかにありますか。--なければ、ただいま、服部副委員長、中嶋理事、曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出を願います。
 以上をもって大学管理本部関係を終わります。

○渡辺委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員に交代がありましたので、生活文化局長から幹部職員の紹介があります。

○三宅生活文化局長 九月一日付の人事異動で当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介申し上げます。
 参事で男女平等参画担当の田村初恵でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○渡辺委員長 紹介は終わりました。

○渡辺委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情一五第二五号及び陳情一五第二六号は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○二ノ宮都政情報担当部長 一五第二五号、東京都情報公開条例における単色刷りの公文書の複写料金及び閲覧手数料の引下げに関する陳情及び一五第二六号、東京都情報公開条例における多色刷りの公文書の複写料金の引下げに関する陳情の二件についてご説明申し上げます。
 二件の陳情はいずれも、練馬区の、情報公開を推進する会から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、第二五号につきましては、お手元に配布しております説明表の一ページにございますように、東京都情報公開条例における単色刷りの公文書の複写料金を引き下げること及び閲覧手数料の引き下げについて検討することを、第二六号については、説明表の二ページに記載されておりますように、多色刷りの複写料金のうちA4サイズまでのものについて料金を引き下げることをそれぞれ求めるものでございます。
 これら二件は関連した内容でございますので、二件を合わせまして現在の状況についてご説明申し上げます。
 公文書の開示手数料は、地方自治法第二百二十七条に基づき、特定の者のためにする事務について徴収するものでありまして、その金額は、事務に要する実費等を基準として定めております。
 平成十二年一月から施行しております現行条例では、文書等の写しの交付、つまり複写のうち単色刷りの手数料については一枚二十円としております。これは、旧条例であります東京都公文書の開示等に関する条例を改正する際に、人件費、複写機使用料等の見直しを行い、一枚につき四十円とされていた手数料を二十円に引き下げたものでございます。また、文書等の複写のうち多色刷りの手数料につきましては、十二年の現行条例の施行に伴いまして新たに設けたものでございます。人件費、複写機使用料、用紙費用を積算しまして、一枚につき百円としております。
 閲覧手数料につきましても、旧条例改正の際に、文書一枚当たりの所要経費を積算し、旧条例では文書一件名につき二百円とされていたものを、一枚につき十円、ただし一件名につき百円を限度とすることにしたものでございます。
 なお、生活保護受給者等につきましては、条例第十七条第四項に基づき、閲覧手数料、複写手数料とも減免を行っております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 この情報公開についての陳情一五第二五号、二六号について意見を述べたいと思います。
 東京都の情報公開条例がつくられた際、また、前回の改定の際に、我が党は、情報公開は自治体としての当然の住民への責務であって、したがって、職員の給与分その他、利用者に負担させるのは適切ではないという主張をしてまいりました。一方で、公文書の複写料金についても、最大でも実費程度の負担とすべきというのが我が党の見解です。
 今回の陳情では、複写料金について市場のコピー料金と同じような料金への引き下げを求めており、私たちの立場とも原則的に一致します。ただ、料金の額については、陳情で示した額が最適かどうかはさまざまな意見があり得るので、陳情全体に対しては趣旨採択をすべきと考えます。
 以上です。

○福士委員 それでは、陳情二五、二六について述べます。
 全国の情勢を見ましても、全道府県で閲覧については無料のところを、都はいまだに、百円を上限とはいうものの、一枚十円を取っているという実態。それから写しの交付についても、単色については、道は十五円ですが、三十二府県が十円で、圧倒的に実費徴収の方向で来ている実態があります。また、多色についても、二十五府県で四十円から八十円となっておりますし、制度のないところもあるようですけれども、大勢は陳情者の申し出に沿った形となっています。
 情報公開そのものは行政の責務であり、また、情報公開を得ながら発言をしていく権利というのは市民の方にあるわけで、人件費等は、公開要件の有無にかかわらず行政が持つべきものというふうに私は考えます。
 本来ならば、この陳情に対してはすぐにも採択としたいですが、準備の都合もあろうと思いますし、さまざまな意見もあろうと思いますので、趣旨採択としたいと思います。
 以上です。

○渡辺委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は起立により採決いたします。
 本件はいずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○渡辺委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第二五号及び陳情一五第二六号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上をもって生活文化局関係を終わります。

○渡辺委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○横山教育長 平成十五年第三回都議会定例会に提出を予定しております議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 本定例会におきましてご審議いただきます教育庁関係の案件は、条例案一件、契約案一件でございます。
 初めに、条例案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 現在、東京都教育委員会では、平成九年九月に策定いたしました都立高校改革推進計画に基づきまして、都立高校が抱えるさまざまな課題を解決しますとともに、都民の高校教育に対する期待にこたえ、都民に信頼される魅力ある都立高校の実現を目指しております。
 今回、この推進計画に基づきまして、平成十六年四月に開校を予定しております高等学校につきまして、設置をご提案申し上げるものでございます。
 該当校は、単位制工業の東京都立六郷工科高等学校、総合学科の東京都立杉並総合高等学校、進学型商業高校の東京都立千早高等学校、三校目のチャレンジスクールとなります東京都立大江戸高等学校及び普通科単位制高校の東京都立上水高等学校の五校でございます。
 次に、契約案、都立目黒地区中等教育学校、仮称でございますが、増築及び改修工事請負契約についてご説明申し上げます。
 都立大学附属高等学校を中等教育学校に単独改編することに伴いまして、校舎棟の増築及び改修工事を行うものでございまして、工事期間は平成十八年三月まででございます。
 以上が平成十五年第三回都議会定例会に提案を予定しております教育庁関係の案件でございます。
 詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○比留間総務部長 お手元の資料、平成十五年第三回東京都議会定例会議案(条例)に基づきまして、条例案の説明をさせていただきます。
 一ページをお開き願います。今回提案を予定しております条例案は、ごらんの東京都立学校設置条例の一部を改正する条例一件でございます。
 本条例の改正は、都立高校改革推進計画に基づきまして、来年四月に新たに高等学校五校を設置するものでございます。
 五ページをお開き願います。新旧対照表の上段、改正案の欄の傍線を付してある学校が新たに設置する学校でございます。
 まず、六郷工科高等学校についてでございますが、単位制の工業高校として多様な選択科目を開設しまして、幅広く専門教科を学習する場を提供するほか、一定の期間企業で職業訓練を行う、東京版デュアルシステムを導入するなど、地域社会、企業との連携を重視した学校として設置いたします。設置に当たりましては、港工業高校全日制及び定時制課程並びに羽田高校、鮫洲工業高校及び羽田工業高校の各定時制課程を発展的に統合するものでございまして、記載のとおり大田区東六郷に設置をいたします。
 次に、杉並総合高等学校につきましては、普通教科から情報などの専門教科まで、自分の興味、関心や進路希望に応じて幅広く学べる総合学科高校として設置いたします。設置に当たりましては、桜水商業高校及び永福高校の全日制課程を発展的に統合するものでございまして、旧桜水商業高校の敷地に設置をいたします。
 六ページをごらん願います。千早高校につきましては、ビジネスに関する基礎的知識、技術を身につけ、将来国際社会で活躍できるスペシャリストを育成する全日制課程の進学型商業高校として設置いたします。設置に当たりましては、牛込商業高校及び池袋商業高校の全日制課程を発展的に統合するものでございまして、旧牛込商業高校の敷地に設置をいたします。
 大江戸高校につきましては、昼夜間定時制課程の総合学科のチャレンジスクールでございまして、地域の人材を活用して、地元の伝統産業などと連携した学習を重視するなど、地域社会に開かれた学校として設置いたします。設置に当たりましては、深川高校、東高校及び深川商業高校の各定時制課程を発展的に統合するものでございまして、江東区の旧化学工業高校の敷地に設置をいたします。
 上水高校につきましては、生徒の興味、関心、進路希望に応じるために多くの選択科目を設けまして、多様な学習を可能とする単位制の普通科高校として設置いたします。設置に当たりましては、砂川高校及び武蔵村山東高校の全日制課程を発展的に統合するものでございまして、武蔵村山東高校の敷地に設置をいたします。
 恐縮ですが、三ページにお戻りいただきまして、附則でございますが、この条例は公布の日から施行するということでございます。
 次に、お手元の資料、平成十五年第三回東京都議会定例会議案(契約)に基づきまして、契約案の説明をさせていただきます。
 一ページをお開き願います。今回提案を予定しております契約案は、都立目黒地区中等教育学校(仮称)(十五)増築及び改修工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十七億八千五百万円、契約の相手方は、東京都港区赤坂四丁目九番九号、日本国土・森本建設共同企業体でございます。工期は、契約確定の日から平成十八年三月十日まででございます。
 三ページをごらん願います。学校の案内図及び配置図でございます。四ページから九ページにかけましては各階平面図を、一〇ページには完成予想図、一一ページには概要をそれぞれお示ししてございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○渡辺委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○横山教育長 都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会報告書の報告に当たりまして、一言申し上げます。
 去る平成十五年都議会第二回定例会で、都立養護学校における不適切な性教育についてご指摘をいただいたことを受けまして、都立盲・ろう・養護学校の経営の実態について調査を実施しましたところ、二十八校の盲・ろう・養護学校内で、教育内容、学級編制などにつきまして不適正な実態があることが明らかになりました。保護者を初め都民の皆様の信頼を損ねたことにつきまして、深くおわび申し上げます。
 今回の事態の背景としまして、一部の教員に教育公務員としての自覚が欠け、リーダーシップをとるべき校長自身も、管理職としての経営責任を十分果たしていなかったという問題がございました。
 また、都立七生養護学校の問題に関しましては、学校を指導し、支援する立場にある教育庁の対応にも不十分な点がございました。こうした問題につきましては、組織としての責任を明確にするため、去る九月十一日に、私自身を含め、関係した職員の処分を行いました。
 今後このような事態を繰り返すことのないよう、学校に対する指導、支援を適切に果たし、校長の適切なリーダーシップのもとでの学校改革を推進し、都立学校に対する信頼の回復に取り組んでまいります。
 報告書の内容等につきましては、人事部長からご説明させていただきます。

○臼井人事部長 それでは、私の方からご報告をさせていただきます。
 東京都教育委員会は、都立七生養護学校におきます教育内容や学級編制及び教職員の服務に不適正な実態があったことを契機といたしまして、都立盲・ろう・養護学校全校の実態調査を行い、必要な改善策を検討するため、平成十五年七月十四日に都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会を設置いたしました。去る八月二十八日にその報告書がまとまりましたので、ご報告を申し上げます。
 それでは、お手元にございます都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会報告書に基づきましてご説明をさせていただきます。
 資料の一ページをごらん願います。第1部、問題の背景と概要についてでございます。
 東京都教育委員会は、ここ数年来、職員会議の位置づけの明確化、人事考課制度の導入、主幹制度の導入、学校運営連絡協議会の設置など、学校運営の正常化に向けた取り組みを行い、制度面から、学校長を初めとする管理職のリーダーシップの強化を図ってまいりました。しかしながら、今回、半数の都立盲・ろう・養護学校において、教育内容や学級編制及び教職員の服務に不適正な実態があることが明らかになりました。この背景には、教職員の横並び意識や慣例、慣行が残存し、教育公務員としての自覚や法令遵守の意識が十分に浸透していなかったこと、と同時に、リーダーシップをとるべき校長も、学校の経営責任者としての責任を十分に果たしていないことなど、多くの問題が顕在化しました。
 報告書四ページから九ページにかけましては、第2部、調査結果に見る現状と課題について記載しております。
 まず、四ページをごらんください。教育内容に関することについてでございます。
 組織的に不適切な性教育が行われていた学校が一校、教員等が個人的な考えで不適切な性教育を行っていた学校が六校、不適切な人形を購入していた学校が十五校、不適切な内容の絵本を購入していた学校が七校でございました。
 次に、五ページをごらんください。年間指導計画の作成についてでございます。
 重度重複障害学級を圧縮し、当該学級の年間指導計画が作成されてなく、個別指導計画も形式的で実効性のないものになっていた学校が四校ございました。また、登校後の朝の学級ごとの指導計画がない学校が十二校ございました。
 次に、五ページから六ページにかけまして、学級編制に関することについて記載をしております。
 児童生徒を移動して、決定学級数より少ない学級数で編制し、教員の不当な配当を受けていた学校が四校、学級数の減はないものの、不適正な学級編制を実施していた学校が四校、決定学級での学級の指導が行われていなかった学校が十二校、それぞれございました。
 次に、七ページをごらんください。教職員の服務に関することについてでございます。
 勤務時間の調整に関してでございますが、勤務時間の調整は、宿泊を伴う学校行事に極めて限定的に認めておりますが、日常的な職員会議等を理由とした不適切な勤務時間の調整が行われていた学校が四校ございました。このほか、七生養護学校では、長期休業期間中の規定外の研修承認、校内での飲酒、勤務時間内の職場離脱などがございました。
 以上の調査結果を踏まえまして、都教育委員会としての今後の取り組みをまとめました。
 一〇ページから一九ページにかけてその記載がございます。第3部、改善に向けての基本的考え方と第4部、改善の具体的方策でございます。ここでは、3部と4部をあわせてご説明をいたします。
 まず第一に、教育内容に関することでございますが、適正な性教育の実施に向けて、校長の権限と責任による適正な性教育の年間指導計画を作成する。性教育に関する不適正な教材、教具を廃棄する。性教育の年間指導計画を保護者に対して説明するとともに、保護者との連携を強化してまいります。また、教育課程の適正な実現に向けて、実効性のある個別指導計画の活用に向けた評価システムを確立し、個に応じた指導の改善、充実を図り、保護者への報告と説明を義務づけます。
 第二に、学級編制に関する点でございます。適正な学級編制の確保に向けまして、不適正な学級編制を、二学期から本来の学級で教育課程を実施する。学級編制へのチェック機能を強化いたします。
 第三に、教職員の服務規律の確保についてでございますが、学校の管理者であります校長、教頭のリーダーシップを向上させるために、教育管理職の任用方法を改善します。管理職任用の各段階における研修を充実します。課題のある教育管理職に対する指導や処分ルールを確立してまいります。さらに、前例踏襲的な組織風土を改善いたしまして、学校組織の活性化と教職員の意識改革を図るために、服務規律の周知徹底、教職員の異動基準の改正、主幹の配置と学校運営への積極的参加、出退勤システムの導入などを進めてまいります。
 最後に、今回の問題を契機に、都教育委員会は、学校管理機能のあり方を見直すとともに、各学校に対しまして一元的かつ専門的な経営サポート機能を持ったセンター組織を地域ごとに設置することを検討してまいります。
 以上が調査結果と改善の具体的な方策でございます。東京都教育委員会は、現在、その実施に向けまして全力で取り組んでいるところでございます。
 なお、本調査結果を受けまして、九月十一日、学校関係者につきましては管理職三十七名、教育庁関係者につきましては十四名の処分を行い、組織としての責任を明らかにいたしました。さらに、教職員につきましては、六十五名の教員に対して厳重に注意し、反省を促すこととしました。
 雑駁でございますが、以上で都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会の報告を終わらせていただきます。

○渡辺委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 次の質疑に必要なバックボーンも含めまして、幾つか資料をお願いしたいんですが、一つは、都立盲・ろう・養護学校全校の児童生徒の推移を十年間。
 それから、それに対応して教室の増築をしたり、そういう設備の、特に教室ですね、拡充したところがわかるような資料をいただきたい。
 それから、現在の時点での各盲・ろう・養護学校の教室不足数、これを資料でいただきたいと思います。
 それから、今回の調査の方法について、特に七生養護学校の調査をどのような方法で行ったのか、詳しい資料をいただきたい。個別の聞き取りも行ったようですが、質問内容なども含めて、その方法について教えてください。
 それから、今回の調査、処分、人事、それからそれに対する対処など、それぞれについて教育庁として行った法令上の根拠、それぞれについて示していただきたい。
 以上です。

○渡辺委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 なければ、ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出を願います。

○渡辺委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情一五第三三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○比留間総務部長 一五第三三号、富岡美術館の存続に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、大田区、原田秀之輔さんほかから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、財団法人富岡美術館について次のことを実現していただきたいということで、まず、1、大森山王にある財団法人富岡美術館が現在地で存続できるように都議会から提言をすることでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、財団法人富岡美術館は昭和五十四年の設立以来、大田区山王において、書画、彫刻、美術工芸品等の収集、保存及び公開を行う美術館事業を行ってまいりました。しかし、入館料収入や寄附金収入の減少、美術館建物の老朽化などが原因で美術館運営は困難になり、平成十三年八月六日から休館をしております。事業継続が困難となったことから、同財団は解散し、残余財産については、書画等保有品及び有価証券等に、土地を売却して得た資金をあわせて、早稲田大学會津八一記念博物館に寄附することを計画しております。同財団によりますと、保有品の散逸を防ぎ、引き続き整理、保存及び公開を実現するには、若い世代に芸術品に触れる機会を与えるとともに、研究、教育機能の拡充を図っている早稲田大学會津八一記念博物館への寄附が適当であると判断したということでございます。
 本年七月十一日に開催された同財団の理事会及び評議員会において、財団法人の解散及び残余財産の早稲田大学會津八一記念博物館への寄附が議決されまして、同財団は八月五日付で不動産会社と不動産売買契約を締結したところでございます。今後は、解散及び残余財産処分についての東京都教育委員会の許可を経て清算の手続に入る予定でございます。
 次に、陳情内容2、財団法人の存立の根幹に係る寄附行為を変更してまで早稲田大学への寄附を可能としたことについて、教育庁はこの変更を認可した理由を明確にすることでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、財団法人富岡美術館は、財団解散後の残余財産を早稲田大学會津八一記念博物館に寄附することができるようにするため、平成十五年四月三日、同財団の寄附行為の変更について、主務官庁たる東京都教育委員会に対して認可申請を行ったところでございます。寄附行為の変更内容は、残余財産の寄附先として、従前の国もしくは地方公共団体またはこの法人の目的に類似の目的を有する公益法人に、類似の目的を有する公益事業を加えるというものでございます。このことは、同財団の設立目的である書画、彫刻、美術工芸品等の整理、保存及び公開活用を行うことに反しておらず、寄附行為の変更内容に問題はございません。また、申請に係る手続も適正になされております。このため、東京都教育委員会は法令にのっとりまして、同年六月十日付で寄附行為の変更を認可したところでございます。陳情者は、この寄附行為の変更認可について反対意見を述べておりますが、以上のとおり本認可は妥当なものと考えております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○服部委員 ただいまご説明いただいたわけですけれども、今までの経緯ですとか、それから手続等についてさらに詳しく質疑をさせていただきます。
 最初に、財団法人富岡美術館の概要についてまず伺います。

○比留間総務部長 財団法人富岡美術館は、昭和五十四年七月に設立をされました。同財団は、大田区山王の住宅街の中にある美術館を運営しておりますが、この一帯は、馬込文士村の散策路として住民に親しまれている地域でございます。
 この財団法人の設立目的は、寄附行為にございますように、故富岡重憲氏の収集等にかかわる書画、彫刻、美術工芸品等の整理、保存及び公開活用を行うとともに、これらに関する調査研究を行い、もって我が国文化の発展に寄与することでございます。
 平成十五年三月三十一日現在の正味財産額は約九億二千八百万円でございますが、運用財産の残高はわずか一千二百万円程度となっております。経営が困難な状況に陥っておりまして、既に平成十三年八月から休館となってございます。

○服部委員 経営が大変困難な状況に陥っている。そういうことで、この美術館は大変地域に親しまれている存在であったわけですけれども、存続ができなくなったので、財団法人は解散をせざるを得ない状況になった、そういうご説明でした。
 そこで、財団法人は残余財産を早稲田大学會津八一記念博物館に寄附をすることを考えて、そのための手続を進めているということですが、その一つとして、寄附行為の変更についてお尋ねをいたします。
 まず、寄附行為とは何なのか伺います。

○比留間総務部長 財団法人につきましては、民法第三十九条によりまして、その財団の設立に当たって設立者が寄附行為を定め、その中で財団法人の目的、名称、事務所、資産等について規定しなければならないこととされております。このことから、寄附行為は財団法人運営の基本となるものであるというふうにいえると思います。
 また、民法の規定では、財団法人が解散するときの残余財産の寄附先につきましても、この寄附行為の中で定めるというふうにしております。

○服部委員 そういった中で、この寄附行為の中の財団解散後の残余財産の帰属先について規定している条文を変更してしまう、そういったことはまず可能なのかどうか伺います。

○比留間総務部長 財団法人が解散する場合の残余財産の帰属先につきましては、民法第三十四条、第七十二条及び東京都教育委員会の所管に属する民法第三十四条の法人の許可、認可及び承認審査基準によりまして、特定の個人あるいは営利企業を除き、解散する財団と同種類似の事業を行っている他の公益法人、公益団体、公益事業、公益信託及び国または地方公共団体等というふうにしてございます。寄附行為を所定の手続に従って変更することにより、残余財産の帰属先をこの範囲の中で変更することは可能でございます。

○服部委員 変更が可能である、そういっても、解散する時点になって寄附行為を変更する、このことは大変特異なことではないかと思うんですが、前例があるんでしょうか。もしあるとすれば、具体例を挙げてください。

○比留間総務部長 財団法人を設立する時点で、解散後の残余財産をどうするのかを具体的に想定するのは困難でございますので、現実に解散するときに考えざるを得ないのが実態でございます。実際、財団法人の解散前に寄附行為を変更せざるを得なくなり、これを認可した事例は数件ございます。
 具体例を挙げますと、例えば平成八年十二月に寄附行為の変更を認可した財団法人篁会館というのがございますけれども、残余財産の寄附先に、この法人に類似する目的の公益信託という内容を加え、その後解散して、残余財産を公益信託篁会館記念教育活動基金に寄附をいたしました。
 次に、平成十三年九月の変更例でございますが、財団法人蓮根文化会館という法人がございますけれども、公益団体というものを寄附行為に加えて、板橋区蓮根仲町会に寄附をいたした例がございます。
 このように、法令の基準の範囲内で、解散前に現状に即して寄附行為の変更を認可することは、特段異例の措置というものではございません。今回の場合は、類似の目的を有する公益事業を加えるという変更内容でございます。

○服部委員 類似の目的を有する公益事業を加える、そのことはどういうことなのか。例えば営利企業でも公益事業を行っているところがありますけれども、営利企業への寄附もそうすると可能となるのでしょうか。

○比留間総務部長 ここでいいます公益事業というのは、財団法人、社団法人、社会福祉法人、学校法人等の公益団体が行う公益のための事業でございます。したがいまして、財団法人が解散するに当たって、残余財産を特定の個人あるいは営利企業に寄附することは、これはできません。

○服部委員 そうですね。それで、寄附行為の中で、残余財産の寄附先に、法人に類似の公益事業を定めている法人はあるのでしょうか。

○比留間総務部長 東京都教育委員会が所管いたします公益法人は現在三百十三法人ございますけれども、このうち約五十の法人が寄附行為または定款で、残余財産の寄附先として類似の公益事業の内容を定めてございます。

○服部委員 先ほどの現在の状況の説明の中で、東京都教育委員会は法令にのっとり寄附行為の変更を認可したとありましたけれども、法令とは何ですか。

○比留間総務部長 ここでいう法令といいますのは、東京都教育委員会の所管に属する民法第三十四条の法人の設立及び監督に関する規則の第九条、これは定款または寄附行為の変更認可の申請でございます。それから第十条、基本財産の処分の承認等でございます。

○服部委員 寄附行為の変更の申請がことしの四月三日に行われまして、六月十三日に認可されている。わずか二カ月余りで認可するのは拙速ではないか、そういう意見も一部にありますけれども、どうなんでしょうか。

○比留間総務部長 行政手続法及び東京都行政手続条例に基づきまして東京都教育委員会が定めた、東京都教育委員会の窓口事務に係る標準処理期間に関する要綱というのがございますが、この中で、こういった件の標準処理期間を十日と定めてございます。本件につきましては、事実経過の確認等を慎重に行ったため、認可の決定まで二カ月余りを要したものでございます。

○服部委員 それでは、仮にこれを教育委員会が認可しなかったということになると、どうなんでしょうか。

○比留間総務部長 主務官庁、この場合は私ども東京都教育委員会でございますが、主務官庁が、相当な期間を経過してもなお特段の理由なく当然行うべき権限の行使をしていないことになりますので、不作為の責任を問われることになるというふうに考えられます。

○服部委員 今、手続的なことについて質問させていただきましたけれども、今回のこの寄附行為の変更は、早稲田大学會津八一記念博物館への寄附を可能とするためになされた。もともとの寄附行為では、寄附先は国もしくは地方公共団体またはこの法人の目的に類似の目的を有する公益法人となっていたものです。早稲田大学への寄附を考える前に、まず地元の大田区に寄附をするよう指導しなかったのはなぜでしょうか。

○比留間総務部長 昨年八月、この財団の常務理事が大田区長と面談をいたしまして、早稲田大学會津八一記念博物館に美術品等の残余財産を寄附する旨を説明し、区長はこれに対して、残念だが仕方がないというふうに答えたというふうに伺っております。こうした経緯を経て、財団は都に対し、残余財産を早稲田大学會津八一記念博物館に寄附するための寄附行為の変更を申請してきたものでございます。
 現行の公益法人制度では、残余財産の寄附先は財団法人自身の意思によって決定されるものでございまして、主務官庁が財団法人に対して残余財産の具体的な寄附先を指定することはできないというふうに考えております。仮にどこにも残余財産の引受先がないようなときに、例えば地方公共団体はどうかといったような確認をすることはあろうかと思いますが、今回のように財団法人が大田区との一定の話し合いを経て残余財産の寄附先について明確な方針を定めた中で、別のものを寄附先とさせるような指導を行った場合には、主務官庁による権限の乱用に当たるおそれがあり、これはできないというふうに考えております。

○服部委員 財団法人富岡美術館は既に土地の売買契約を結んでいると聞いております。これは公益法人にあってはならない経済行為だという意見もありますが、どのようにお考えでしょうか。

○比留間総務部長 美術品を寄附する予定の早稲田大学會津八一記念博物館では、博物館事業を行うための運営資金が必要でございますことから、財団は、土地を売却して、その資金をあわせて早稲田大学に寄附することというふうにしてございます。土地の売却はこのために行うものでございまして、財団法人の営利活動ではないというふうに考えております。
 また、資金の寄附を受ける予定の早稲田大学でも、博物館事業のみにこの資金を使うこととしてございますので、早稲田大学にとりましても、これは営利事業ではないというふうに考えております。

○服部委員 それでは、早稲田大学がこの寄附金を営利活動に使わない、そういう保証ができるのかどうか伺います。

○比留間総務部長 早稲田大学に残余財産を寄附することにつきましては、財団法人から東京都教育委員会への許可申請はまだ行われておりませんけれども、今後同財団から申請があった場合、早稲田大学への寄附を許可する際には、早稲田大学が残余財産を會津八一記念博物館事業にのみ充てるよう拘束力のある条件を設ける予定でございます。具体的には、早稲田大学において財団法人からの寄附財産を特別勘定に区分して管理し、使途につきましては毎会計年度終了後に東京都教育委員会に報告する、こういった方法を考えてございます。

○服部委員 残余財産の寄附先は財団法人自身の意思によって決定されるものである、そういう説明、そしてまた、今までの手続の説明について伺いましたけれども、この陳情にあるように、現に地元地域の方々から反対の意見が出ているわけですね。また、東京都教育委員会等に大田区議会からの意見書も出されています。この間、教育庁は、寄附行為の変更の動きについて大田区に説明をしているのかどうか伺います。

○比留間総務部長 本年三月末に、大田区からこの件につきまして私どもに問い合わせがあり、それ以降、随時情報を提供してきてございます。具体的には、四月七日に経緯をご説明し、四月二十三日及び五月六日には、財団がそれぞれ地元の二つの町会の会長に説明を行ったことについて情報を提供いたしました。また、五月八日には、区が土地の買い取り等を行う意思があるかどうかを照会しております。さらに、五月九日には、認可をとめ置く理由がないため近日中に認可する予定である旨の、こういったご連絡を申し上げているところでございます。

○服部委員 先ほどもちょっと触れられましたが、財団法人と大田区とのやりとりですね、これは昨年からあったようですが、この点についてはご存じでしょうか。

○比留間総務部長 残余財産を大田区に寄附するかどうかにつきましては、大田区は昨年六月ごろ、財団法人の側から区に対する寄附の申し出があったというふうにしておりますが、他方、財団法人側は、そのような申し出はしておらず、逆に区から寄附してほしいとの話があったというふうに主張しておりまして、この点につきましては両者の見解に相違がございます。
 その後、先ほどもお話をさせていただきましたが、昨年八月二十九日に、財団法人の常務理事が大田区長と面談をいたしまして、解散後の残余財産は早稲田大学に寄附する旨を説明いたしましたところ、区長から、残念であるが仕方がないとの回答があったとのことでございます。
 東京都教育委員会といたしましては、区側からこうした回答が示された以上、富岡美術館が現在地で美術品を展示公開していくことは昨年八月の時点でなくなった、こういうふうに考えております。

○服部委員 両者の見解には相違があった、そういうことのようですけれども、教育庁はこの認可までに、今度は地元ですね、地元に対してどのような対応をしたのか伺います。

○比留間総務部長 大田区の方から、美術品は早稲田大学に寄附されるとしても、土地だけでも現況を維持したいという希望があるということを伺っておりましたので、本年五月、東京都教育委員会といたしまして、区に対して、土地を買収する意思があるかを確認いたしました。その結果、土地について、これは区側の財政状況等がおありと思いますが、寄附ならば受けるけれども、買う意思はないという回答がございました。
 次に、地元で反対意見が出ているため、周辺住民に説明し理解を得る努力をするよう、財団法人に助言をいたしました。
 これを受けまして、財団は、平成十三年八月の休館時に既に近隣住民に説明をしていたそうでございますけれども、改めて二つの町会の会長さんを訪問して説明を行いました。その結果、大筋了解を得たという報告を財団から受けておりましたが、今回陳情が提出されているように、現時点で納得されていない方がおられるのは事実でございます。

○服部委員 質問の最後にいたしますけれども、富岡美術館は平成十三年の八月に休館しました。そして、朝日新聞六月二十一日付によりますと、創設者の郷里である新潟県の糸魚川市、ここに収集品を寄贈する意向であったが、糸魚川住民の反対などで計画がとんざ、財団側は入場者の減少や財政逼迫で維持が難しくなり、新たな寄贈先を探していたところ、早稲田大学が受け入れを申し出たと報道をしています。
 この間、大田区と財団法人との間で十分な話し合いがされて、また意思の疎通が図られていたのかどうかを推測するわけですけれども、本来住民に親しまれてきた文化的な建造物や収蔵品は、現地で、その地域で保存され、また活用されていくことが重要で、大変残念な結果になったことは否めないと私は思っています。
 大田区では、こちらにも「馬込文士村ガイドブック」もありますけれども、日本画の巨匠である川端龍子記念館、あるいは「近世日本国民史」を編さんした徳富蘇峰の旧居、山王草堂記念館、また熊谷恒子記念館ですとか、最近では尾崎士郎旧居、これを保存、活用するなどして、今までも文化行政に非常に積極的に取り組んできて、そしてこの地域は文人墨客が輩出したところで、馬込文士村としてさらに整備しようとしているこの矢先に、文士村の入り口にあって、地域にも親しまれてきたこの富岡美術館が、現実として、結果としてなくなってしまう、そういうことはまことに惜しいことだ、私はそのように思っています。本件についてこれまでの経緯は伺いましたけれども、結果として現地での保存ができなくなってしまうということは、これは大田区だけではなく、文化行政を推進するほかの自治体への影響も大きく、私は問題提起とすべきだということを強調したいと思います。
 そこで、今後の対応について都教委はどうお考えなのか伺います。

○比留間総務部長 地域で親しまれてきた財団法人の美術品や建物等の財産が、財団法人の解散後も地域に残り、地域の文化施設として引き継がれていくことは有意義なことだというふうに考えております。
 解散に当たりまして、当該財団の所有する財産が地域に引き継がれ、存続していくためには、財団法人と地域住民や地元自治体との間に日常的な信頼関係や協力関係があることが不可欠でございます。財団法人が解散せざるを得ない状況になった場合、残余財産の寄附先を決定するのは、これはあくまで当該財団の主体的な意思でございますけれども、当事者間に信頼、協力関係があれば、協議により地域にとって望ましい結果に到達し得る可能性があるというふうに考えております。今後の財団法人の解散後の残余財産の寄附先をめぐる混乱を未然に防止するためにも、こうした点につきまして、さまざまな自治体あるいは財団法人に周知を図ってまいりたいというふうに考えております。

○曽根委員 今、服部副委員長から詳しい質問があったので、私の聞きたいところはおよそわかったんですけれども、事実関係と東京都の対応について少しだけちょっと追加して聞きたいんです。
 陳情者の話によると、要するに昨年の夏ぐらいまで糸魚川市に寄贈する方向で検討していたのが、向こうの自治体の事情でだめになったと。その後に早稲田か大田区かという、それぞれとの何らかの接触があったというふうに思うんですが、東京都としてその間の経緯について、つまり早稲田と大田と双方接触をしていて何らかのやりとりがあったということを東京都が知ったのはいつの時点なんですか。

○比留間総務部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、昨年の八月二十九日に財団法人の常務理事が大田区長と面談をいたしまして、解散後の残余財産は早稲田大学に寄附する旨を説明いたしまして、これに対して区長から、残念であるが仕方がないという回答があったとのことでございます。都がこの経過を知ったのは、大田区から連絡がございました本年三月以降でございまして、昨年八月の時点では、大田区と財団とのこうした話し合いについては承知をしておりませんでした。

○曽根委員 財団から、早稲田に寄附をしたいのでどういうふうにしたらいいかという相談があったのはこの三月の時点なんですか、それとももう少し前の時点なんでしょうか。

○比留間総務部長 財団から早稲田にというお話というか、相談が私どもの方にあったのは昨年の九月のことでございます。

○曽根委員 それで、先ほどの服部副委員長の質問にもあったように、この財団の寄附行為の中には、もしこれを提供するとすれば、地方公共団体などというのは書かれていたけれども、早稲田はその該当には入っていなかった。それをあえて早稲田の方に寄附したいという話があった、それが昨年の九月。その時点では、大田区との接触があったことは都の教育委員会も知らないというわけですよね。そうすると、寄附行為を変更してまで寄附先をいわば新たに設定したいということは、今までの富岡美術館の地元で果たしてきた役割や親しまれ方からすれば、これは異例のことといいますか、やはり何らかの決断ということがあったわけなので、そういうことは尊重すべきなのでしょうが、では地元との関係はどうなっているのか、本来寄附行為に書かれている地方公共団体である地元大田区との関係はどうなっているのかを、都の教育委員会の側としては意向を確認するなり、つまり、接触したかどうかは知らないわけですから、それはやってもおかしくないんじゃないかと思うんですが、その辺での意向の確認をしたのか、それともまた、しなかったとすれば、どうしてしなかったのか、その辺のところを。

○比留間総務部長 この財団の財産は、大きく美術品等と土地建物に分かれますけれども、美術品等につきましては、先ほど来ご答弁申し上げていますように、昨年の八月の段階で、財団側と大田区側の会見の中で、残念であるが仕方がないということで、この内容につきましては、財団側からも大田区側からも私どもに同様の内容でご報告をいただいております。
 土地建物につきまして、この点について大田区が現状のまま残したい、こういうご意向がおありだというようなことも伺っておりましたので、大田区から連絡のあった本年三月以降、東京都教育委員会といたしましては、区に対して随時必要な連絡、説明を行ってくるとともに、土地について、区に対して当該の土地を買収する意思があるかどうかを確認したところ、土地について寄附ならば受けるけれども、買う意思はないと、これも先ほどご答弁させていただきましたけれども、こういうご回答をいただいた、こういう経緯でございます。

○曽根委員 ちょっと時間の経過で理解できにくいんだけれども、九月の時点で相談があって、早稲田にという話があって、それには、見れば当然、寄附行為の変更が必要だとわかりますよね、都教委の方で。では地元の区とは大丈夫なんですかというのは気にしてもいいと思うんだけど、その時点では、財団が大田区長と会って、大田区長が、残念だが仕方がないといったというのは知らないわけでしょう。ことし三月に知ったというんでしょう。そうすると、その時点ではわからないわけだから、大田区と話し合いましたかとか、もしくは大田区の方に、財団がこういう意向のようだけれども、大田区としてはどうなんですかという問い合わせをしてもおかしくないなと。つまり昨年の九月の時点ですね。思うんだけれども、それは東京都としてはしなかったと。しないまま経緯していて、ことしの三月時点でいよいよ手続、寄附行為の変更という段階で初めて大田区からその話が入ってきた。だから、そうか、それでは昨年の秋には既にもう話がついていたんだなというのを、ことし三月にわかったということですよね。
 私、その点では、これ以上いうのはあれにしますけれども、都の教育委員会としては、寄附行為を変更してまで早稲田にという、設置者の意向を尊重したというのもわかりますが、その後の先ほどお話のあったようなことで残念な結果を見ると、昨年九月に相談があった時点で、大田区の意向を確認して--そのときももうだめだったかもしれませんよ。しれませんけれども、大田区として本当のところどうなんですかという話があってもよかったんじゃないかなというのが、全く率直な感想なんですよ。そうすればもう少し事の解決は早かったんじゃないかというふうに思えてなりません。その点で非常にちょっと残念だなと思います。
 それから、これからのことなんですけれども、先ほどもう答弁がありましたから、あえていいませんけれども、大田区は現時点でいえば、土地建物も寄附を受け、そしてそれをもとに美術品なども地元に残して活用するならば、今の時点でいうならば、できるというふうに考えているようなので、その可能性がゼロでないのであれば、私は何らかの話し合いがあってもいいんじゃないかと。せっかく土地建物はあり、美術品が地元にあるわけですから、そこで活用する方法を最後まで関係者は探るべきだというふうに申し上げたいと思います。
 その点で、都議会が提言するかどうかというのは、直接私たちが提言できる立場にあるかどうかはわかりませんが、趣旨を酌んで、それに沿うような努力を関係者がするという方向でこの陳情は扱うべきじゃないかというふうに思いますので、趣旨採択をお願いしたいと思います。
 以上です。

○執印委員 それでは、今お二人の方からの質疑がいろいろありまして、重なる部分は大幅に私も省きます。
 都が関与していないにしても、法人と自治体との関係の中で、こういったすれ違いというのは時折起きるかなというふうに、自分が住んでいるところを見ても思いますので、今後のためにも、少し細かい部分も含めて質問したいというふうに思っております。
 まず、大田区には財団からこのことについて、寄附行為その他について話をしたけれども、区長が、残念だが仕方がないというふうにいったことがスタート時点になっているというようなお答えも先ほどあったわけです。それからまた、法人と区との接触についても把握しているというような回答もあったわけですが、まず最初の質問といたしまして、平成十五年の三月二十二日に財団の理事会、評議員会で寄附行為の変更の議決をしたというふうに聞いておりますが、その議事録というのは提出できますでしょうか。

○比留間総務部長 財団法人の理事会、評議員会の議事録につきましては、寄附行為変更の認可に当たりまして、財団法人が所定の内部手続を適正に行っているか、具体的には、理事及び評議員の三分の二以上の同意を得ているかを確認する必要があることから、提出を求めているものでございますけれども、その性格上、財団法人の経営に関する情報が含まれておりますので、一般的には公開をしてございません。具体的に公開の要望がございましたら、財団が自主的にそれを公開するか、あるいは情報公開条例に基づき処理をしなければならないか、こういった点の検討が必要だろうというふうに考えております。

○執印委員 情報公開条例と関連して可能であろうということなんですが、その議決の際に早稲田大学への寄附を決定したというふうに聞いておりますが、寄附行為の変更の許可のないうちに、そのような議決というのはできるのでしょうか。

○比留間総務部長 財団法人が残余財産の早稲田大学會津八一記念博物館への寄附を議決したのは、寄附行為変更認可後の七月十一日でございます。

○執印委員 わかりました。
 その後、大田区へは、今までやりとりしたような議決をしたというふうに法人は話をしているというふうに聞いておりますが、このようなことは許されることなのでしょうか。

○比留間総務部長 財団法人が寄附の議決をいたしましたのは七月十一日でございますけれども、それに先立って、三月二十二日に寄附行為変更の議決をしてございます。これは、解散後の残余財産を早稲田大学會津八一記念博物館に寄附できるようにすることを目的に行ったものでございまして、こういったことについて、その目的を大田区に説明するのは、むしろこれは必要なことなのではないかというふうに考えてございます。

○執印委員 次に、寄附行為の変更申請と同時に、解散を前提とした基本財産の一部処分申請がなされているわけですが、解散の許認可が出ないうちに、解散を前提とした申請というのは受けられるのでしょうか。

○比留間総務部長 寄附行為の変更も基本財産の一部処分も、今後財団法人が解散をいたしまして、残余財産を早稲田大学會津八一記念博物館に寄附するために必要な一連の事前のプロセスでございまして、これにつきましては可能でございます。
 なお、財団が解散するという意思につきましては、私どもへの申請書類により確認をしてございます。

○執印委員 教育庁はこの法人に対して、区と相談して周辺住民に説明し、理解を得る努力をするよう指導したというふうに聞いておりますが、区とは相談をしておりませんが、その事実というのはご存じでしょうか。

○比留間総務部長 地元への説明につきましては、私ども教育庁が財団法人に対して、区と相談するよう助言いたしましたのは、区の紹介がないとなかなか地元の住民の方に説明が難しいのではないかというふうに考えたからでございます。これに対しまして財団法人は、みずからの判断で町会長さん等のところに説明に出向いたということでございます。

○執印委員 周辺住民に説明に行くために区と相談するようにということで、区との協議を求めたものではないという意味だと思いますが、その法人が町会長のところには説明に行っているようですけれども、そのことをもって、教育庁は、周辺住民に説明して理解を得る努力をしたというふうに判断をされているのでしょうか。

○比留間総務部長 当該財団法人は二つの町会の町会長さんのところへ回って説明をいたしまして、大筋了解を得たという報告を、私どもは財団法人から受けてございます。したがって、基本的には財団法人は周辺住民に説明し理解を得るための努力はしたというふうに考えておりますけれども、今回陳情が提出されておりますように、現時点で納得していない方がおられるのは、これは事実だろうというふうに考えます。

○執印委員 先ほどもほかの方からありましたけれども、この場所が周辺の住民にとって非常に思いのある一角だったというか、エリアだったということで、その辺のすれ違いがこういった形で出てきているのかなというふうに思うわけですが、次に、大田区に、当該法人に対して土地の買収の働きかけを行う意思があるかどうか照会したそうですけれども、この時点で教育庁は、処分概要説明書によって、法人が複数の不動産会社を通じて売却を検討するという話を知る立場にあったということを、大田区には話をしなかったのでしょうか。

○比留間総務部長 大田区におきましては、美術品は早稲田大学に寄附をされるとしても、土地だけでも現況を維持したい、こういう希望を持っておりましたために、私どもが区に対して、土地を買収する意思があるかを五月八日に確認をいたしました、その結果でございますけれども、これは大田区の方にさまざまなご事情があっての結果だと思いますが、土地を買う意思はないというご回答をいただきました。
 財団法人が実際に不動産会社を通して売却先を検討する手続を行いましたのは、区の意思を確認した後の、六月中旬に処分の承認があった後の六月末から七月中旬のことでございます。

○執印委員 今、区の方に土地を買う意思がないというようなことであったわけですが、仄聞しますと、大田区の方は、法人と接触しても相手にしてもらえない状態というのがあったということで、それを教育庁には伝えてあったというふうに聞いておりますが、そういったことをもって大田区が交渉の意思はないというふうにお考えになったんでしょうか。

○比留間総務部長 先ほど来ご答弁申し上げておりますように、大田区の方から私どもの方にお話があったのは、本年の三月でございます。それに先立つ昨年の八月に、財団の常務理事と大田区長が面談して、その内容について先ほどご答弁申し上げましたけれども、残念だが仕方がない、こういう回答になったということを聞いております。
 また、私どもとしては、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、土地の問題がなお残っておりましたので、これについて私どもの方から大田区に確認をするというような行為を行ったところでございます。

○執印委員 教育庁からは大田区の方に直接確認をしたということのようですが、それでは、区の方に陳情が出ているわけですが、大田区民から陳情が出ると知ったのは東京都としてはいつなのか。
 また、この陳情が出ると知った後に寄附行為の一部変更の許可を出したようですけれども、そのことはどういったことであったのか質問いたします。

○比留間総務部長 都議会に住民の方が陳情を出す動きがあるということを大田区から聞きましたのは、五月上旬でございます。それと寄附行為の認可をしたことの関係でございますけれども、これも先ほどご答弁申し上げましたが、行政手続法及び東京都行政手続条例に基づきまして東京都教育委員会が定めた東京都教育委員会の窓口事務に係る標準処理期間に関する要綱では、標準処理期間を十日と定めているところでございますけれども、本件に関しては事実経過の確認を慎重に行ったため、認可の決定まで二カ月余りを要して認可を行ったということでございます。
 仮に、これ以上延ばして、あるいは認可をしない、こういったようなことについて考えますと、私ども東京都教育委員会が主務官庁に当たりますけれども、相当な期間を経過してもなお特段の理由なく当然行うべき権限の行使をしていないことになりますので、不作為の責任を問われることになるというふうに考えてございます。

○執印委員 それでは、次の質問は、少しいろんな誤解もある部分もあるようでございますので確認をさせていただきますが、財団の設立許可と解散許可というのはどこが行うことになっているのか。またあわせて、寄附行為の一部変更の認可の際の都教委の議事録というのは提出できるのでしょうか。これはどこが変更の権限を持っているかということにかかわるかと思いますが、お答えを願います。

○比留間総務部長 まず、こういった教育あるいは文化関係の財団法人の設立あるいは解散の許可は、私ども東京都教育委員会の所管でございまして、東京都教育委員会の事案決定規程上、この決定は教育長の権限でございます。設立許可と解散許可については教育長の権限でございます。それから、寄附行為の一部変更の認可につきましては、同じく事案決定規程に基づきまして、私、総務部長の権限というふうになっております。したがいまして、この案件は教育委員会には付議をいたしませんので、議事録はございません。

○執印委員 あらかじめ決められた規則にのっとってこのことが進められたというふうに理解はいたします。
 次に、こういったことも絡んで、少しいろいろな、どういったらいいんでしょうね、地元で残したい気持ちと、なぜこれが残っていかないんだろうというようなことが、いろいろなものがめぐりめぐっているというような感じがするわけです。ここまで進んできたわけですが、今回、解散の許認可にかかわって、基本財産の処分先については行政指導というのはできるのでしょうか。

○比留間総務部長 解散後の残余財産の寄附先は、これは財団法人自身の意思によって決定されるものでございまして、主務官庁が財団法人に対して残余財産の具体的な寄附先を指定するということは、これはできないと考えております。

○執印委員 それでは、先ほどもここはやりとりがあったわけですが、さっきの許認可及び承認については行政指導をしたようですけれども、今後、解散に関して指導する意思はあるのかどうか、これがきちんと今後、その文化というところに手渡されることはどのように確認されるのか、そこをお答えください。

○比留間総務部長 財団法人の解散及び残余財産の早稲田大学への寄附につきまして申請が出された場合、許可に当たって、早稲田大学が寄附財産を會津八一記念博物館事業にのみ確実に充てるように、これは具体的に指導してまいります。

○執印委員 具体的に指導していくということですので、これは一つの条件というふうに考えさせていただきます。
 それで、いろいろ質問させていただきましたが、途中でも少しずつ入れさせていただきましたように、地元、それから法人、東京都というこの三つの関係の中で、さまざま憶測が飛んだり、実際に東京都の仕事の進め方がよく理解されていないところなどがありまして、区議会の議事録なども見せていただいても、住民、区、都というふうに多少の混乱があるようですから、東京都の説明責任を果たすためにも、区議会が必要に応じて要請されたら、ぜひ東京都としては出かけていって、この間の説明をされることが必要ではないかと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。

○比留間総務部長 そのようなお話があった場合には、その段階で検討させていただきます。

○執印委員 先ほど服部副委員長も最後におっしゃったように、ここが本当に大田の皆さん、地元の皆さんにとって非常に大事なところであったがために、このようなことになっていると思いますので、その気持ちは十分に酌んでいただいて、今後できる限りの対策を立てていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。

○福士委員 大分ダブっていますので、ほとんど省きますが、一点だけちょっと確認をさせていただきたいんです。
 今までのお話の中でも、財団法人の申し出に従って寄附行為の変更を法令に従って認可することは、内容に問題がなければやむを得ないものと考えますけれども、一点だけ、今までのご説明の中で、都はさまざまに説明もしてきたけれども、陳情者が納得していないというお話がありましたけれども、この六月二十日に出されている意見書を拝見しますと、ここでも、寄附行為の変更も、財団が寄附行為の申請を行い解散しようとしているけれども、このことは、文化の薫るまち大森のまちづくりを進めている大田区にとっても大きな損失であると、そして、認可権者である東京都教育長は、富岡美術館から早稲田大学に寄附する意向の相談を受けた際、まず地元大田区の文化行政に配慮した指導がなされるべきであったが、到底されたとは思えないというふうに、この意見書は六月二十日ですからね、書かれていまして--今までのご説明の中で、私が伺いたいことにかなりご回答いただいているので、もう質問しないつもりでいたんですが、やはりその中でも議会そのものも納得していないんじゃないかということがありますので、その辺のところはどうだったのかということだけ一点伺っておきたいと思います。

○比留間総務部長 ご質問のとおり、地元あるいは大田区の方にそういった意向があるのは事実だろうというふうに考えております。ただ、この件につきましては、先ほど来ご答弁申し上げておりますように、現行の公益法人制度の中で、財産の寄贈先というのは複数設定をされておりまして、それをどれを選ぶかというのは当該財団法人の意思でございます。最終的には意思でございます。その意思を形成する以前の段階においてさまざまな相談なり調整がなされるのは、これは好ましいことだというふうに考えてございますし、当然そういうことは必要だろうというふうに考えてございますが、本件につきましては、昨年の八月来の経緯についてご説明してまいりましたように、一定の経過を経てここまで来ているものでございまして、私どもとして現時点でこの寄贈先についてさらに財団法人の側に指導する、あるいは具体的にここにということは、これは許認可の権限としてできないだろうというふうに考えてございます。

○福士委員 行政が余り変な介入をするというのは、私も感心した話ではないというふうに思ってはおりますけど、地元との関連でいえば、議会までが、まちづくりに対して、地元も、それから議会も、区長も含めて、つくりたいと思っていた意向に沿って指導をなされてないのではないかという懸念をお持ちだということは、やはり考えていかなければいけないんじゃないかというふうには思います。
 私は、地域ごとの緑とか文化とか文化的財産も含めて、東京都というまちが組み立っていっていると思うんですね。地域は地域で、その目指したまちづくりというのは地域がお考えになればよろしいことではありますけれども、そういう地域が望むまちづくりに対して、東京都の役割というのもこれから何かあるんじゃないのかなというふうには思っております。現在、まちづくりまでは教育庁が関与する問題ではなくて、法的な問題に従って淡々と進めていくという部分はあったにしても、それを抜きにしてしまいますと、東京都も観光客を呼び寄せるための、目指したまちづくりとかなんとかいっておりますけれども、そういうことを含めて、文化的財産の移転が、どんどんどんどん地方に散らばっていったら、東京の中は空っぽになってしまいます。そんなことになっては困るわけでして、そういう意味も含めて、地域との連携をしながら、東京都で親しまれ、そして地域でも親しまれ、そして地域が望む文化的まちづくりというのには、何か新たなやり方を考えていかなきゃいけないんじゃないのかなというふうに思いました。
 そういう意味で、要請があればまたおやりになるということ、地域から要請があれば説明をすることはやぶさかではないというご返答でしたから、そこの辺のところも含めてしっかり話し合いをしながら、まちづくりに対して、それはもうここまでしかできないから何もしませんという形じゃなくて、やはり関与できる部分というものを、東京都全体のまちづくりも含めて目指していくべきだというふうに私は思います。
 その意味で、今回の場合、大分行き違いもあったようには思いますけれども、この陳情者のおっしゃることについては、私、趣旨的には採択をしていきたいと思っています。

○渡辺委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○渡辺委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第三三号は不採択と決定をいたしました。

○渡辺委員長 次に、陳情一五第三五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山際学務部長 一五第三五号、すべての子どもの豊かな学習と発達の保障に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、東京の心障学級・通級指導学級の制度を守り発展させ、LD等の学びの場を充実させる会代表大渕淑子さん外十万九千四百七十二人から提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において次の四つのことを実現していただきたいと要望されているものでございます。
 1、「これからの東京都の心身障害教育の在り方について(中間まとめ)」に関して、保護者、関係者の意見を丁寧に聞いて、不安や疑問に答え、東京都教育委員会として説明責任を果たすことでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、東京都心身障害教育改善検討委員会の中間まとめの内容につきましては、ホームページや「広報東京都」への掲載、区部や多摩地区における二回のシンポジウムの実施などを通じて周知を図ってきたところでございます。また、七月に意見募集を行い、千三百件近い意見が寄せられて、意見の把握に努めてまいりました。さらに、区市町村教育長、関係校長会、PTA等へ説明するとともに、保護者、関係者に対しまして、これまで六十回に上る説明会を開催し、意見を聞くとともに、不安や疑問に答えるよう説明に努めてきたところでございます。
 2、一人一人の子どもに応じた豊かな学習と発達を保障することでございます。
 現在の状況でございますが、東京都心身障害教育改善検討委員会の中間まとめにおきましては、障害のある幼児、児童生徒の特別な教育ニーズにこたえ、一人一人の能力や可能性を最大限に伸長する多様な教育を展開することを基本理念として示しているところでございます。
 3、多様な教育の場を築いてきた東京の障害児教育システムを次のように継続させ、さらに発展させることといたしまして、(1)固定制の心身障害学級、通級指導学級を存続させること、(2)徒歩通学できる範囲に学級を新増設することでございます。
 現在の状況でございますが、今後の小中学校における特別支援教育のあり方については、本検討委員会において検討を進めているところでございまして、都教育委員会としては、最終答申を受け、今後の必要な方策について検討してまいります。
 また、学級の設置等につきましては、地方分権を踏まえ、設置者である区市町村がそれぞれの地域の実情に応じた教育計画に基づき対応しているところでございます。
 4、通常学級に在籍するLD等の特別な配慮を必要とする子どもたちに対する支援システムを早急につくることでございます。
 現在の状況でございますが、通常学級に在籍するLD等の特別な配慮を要する児童生徒に対する支援のあり方につきましては、東京都心身障害教育改善検討委員会の最終答申や国の動向を踏まえ、今後、LD等の児童生徒の教育的ニーズに応じた支援体制の整備について検討してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を求めます。

○小美濃委員 それでは、何点か質問をさせていただきたいと存じます。
 特別支援教育におきましては、中間まとめの発表とともに、多くの方々が不安に思うところがありまして、前回の文教委員会の質疑なども通しまして、そういった方々に対する不安解消に向けて、我々議会としても、委員会としても議論をしてきたところであります。
 先ほどの説明の中にもございましたけれども、前回の文教委員会の質疑の後、保護者の方々の不安解消のために都教委として改めてどのような取り組みを行ってきたか、まず冒頭にお伺いしたいと思います。

○山際学務部長 関係者、保護者等への説明につきましては六十回を超えまして、約二千名の参加がございました。また、都教育委員会によるシンポジウムにつきましては、区部及び多摩で二回開催いたしまして、約千二百名の参加がございました。

○小美濃委員 ただいまのご答弁で、延べ約三千二百名の方々に説明を行ってきたということでありますけれども、こういった都教委の説明会のほかにも、審議会の委員さんなどを個別に招いて講演会なども行われていたということを聞いております。また、内容も私のところに情報としていただいて、いろいろな方々からいただいたわけでありますが、聞くところによりますと、まだ中間報告の段階ですよね、中間報告の段階にもかかわらず、各施策に対してさも決定したような発言がそこで行われていたり、表現によっては聞いている方に誤解を招いてしまうこともあるようであります。まさしく今我々はこれに対して都民代表として専門委員会で審議をしているわけでありまして、最終的には、審議会の答申が出て、また都教委の中でそれをもんで、政策展開をして、そしてそれをまたこの専門委員会である文教委員会にかけられ、我々が審議をして決定する、そういうプロセスがあると思うわけでありますが、今後、都教委の中でもよくよくそういったところを精査していただきまして、各種説明会や講演会におきましては、ぜひとも発言がひとり歩きをしないように望むものであります。
 それで、前回は総論的な質問もかなり行わせていただきまして、しかし、あれから一定の時間が経過しているわけであります。きょうは、そういったことも含めまして、細部にわたる指摘、質問をしたいなと思っております。
 といいますのは、さまざまな保護者の方々からご意見を伺っておりますけれども、特に高機能自閉症のお子さんやLDのお子さんやADHDのお子さんに対して、特別支援教育、さらに手厚いフォローをしていくということが述べられているんですけれども、その中でも高機能自閉症のお子さんに関しては、本当にもう少しのフォローをそこで行えば十分対応ができる、例えば時間外補習などが大変有効であるということがいわれているわけであります。しかし、こういった時間外補習もすべて公務員で賄うということは、例えば超過勤務のこと一つとっても難しいのかな、教員がすべてを賄うというのは難しいのかなということが懸念をされております。例えば、教員でなくても、介助経験のある方、民間の方などをお願いすることができないんだろうか。今後はそういったことを含めて、民間活力の導入も考えたマンパワーを活用できないだろうか、お伺いしたいと思います。

○山際学務部長 改善検討委員会の中間まとめにおきまして示されておるところでございますが、今後の特別支援教育の推進に当たりましては、外部の専門家あるいはNPO、ボランティアなどの民間の人材を有効活用することは必要であるというふうに考えているところでございます。このため、小中学校における民間の人材の活用について、改善検討委員会の最終答申を踏まえながら今後検討してまいります。

○小美濃委員 私、個人的にも想像いたしますと、今後かなりのマンパワーが必要になってくるのかなということが容易に想像できるわけでありまして、民間の知恵や技術力などなど大いに利用することも、今回の改革の推進に向けて重要なことだと考えているわけであります。ぜひとも民間活力の導入を積極的に進めていただきたいと要望いたしておきます。
 さて、今回の改革で、保護者の方の不安の大変大きな理由の一つが、今まであった心身障害学級、学級ですよね。学級と特別支援教室--教室。いわゆる学級と教室、これがどのように違いがあるのかということなんですよね。
 例えば、今までの心身障害学級、学級には担任の先生がいて、特に知的な障害をお持ちのお子さんは、一日学校で起きたことなどを家に帰ってからなかなかすべて報告し切れない。なかなかそうですよね、そういうこともあり得ると思います。そういったときには、主に固定学級ですけれども、固定学級の担任の先生がしっかりと生活態度、もしくは教育の成果を連絡帳に書いて家庭と学校をしっかりと結んでいた。そういった役割を果たしていたわけであります。
 こういったことを考えますと、今後特別支援教室に移行したとしても、家庭とこの特別支援教室との連絡は、連絡帳などを通して大変重要な役割を担ってくると思うんですけれども、じゃあ一体この連絡帳はだれが書くんだということなんですよね。果たして担任のような責任ある指導する方が、この特別支援教室の中に配置されるのかということが、実は保護者の方がとても不安に思っている一つなわけであります。
 そこでお伺いするわけですけれども、現在の通常学級の担任ですね、これから特別支援教室になれば、通常学級に籍を置くということになるわけですから。通常学級の担任と、もし置かれるならば、支援教室の担任というんでしょうか担当というんでしょうか、こういった方々がどのようにして、この特別支援教育を学ぶお子さんたちに責任を持っていくのか、この辺をお伺いしたいと思います。

○山際学務部長 二点ほどご質問があったかと思います。
 心障学級と特別支援教室の違いについてでございますが、現在の心身障害学級につきましては、心身に障害のある児童生徒が固定した学級に在籍いたしまして、毎時間指導を受けている、このような形態でございます。一方、特別支援教室につきましては、新たにLD等の児童生徒を対象に加えまして、小中学校の通常の学級に在籍しながら、通常学級とは別の障害の状況や教育的ニーズに基づいて専門的な指導を、必要な時間あるいは特別の場で指導を行うというような形態になっておるところでございます。
 それから、教員の分担、役割というふうなことについてのご質問でございますが、今後の小中学校の障害のある児童生徒の指導に当たりましては、通常の学級の担任と特別支援教室の担当教員が緊密な連携体制を構築した上で、それぞれの指導上の責任を分担しながら指導していく必要がある、かように考えております。

○小美濃委員 整理をいたしますと、特別支援教室には担当の教員を設置すると今ご答弁がありました。それでは、現在の固定学級の対象者、対象の児童で、ほとんど特別支援教室の体制で時間を、教育を受ける、そういった児童生徒の場合、その支援教室の、先ほど申されました担当の教員は、現在の固定学級の担任に限りなく近い役割と責任を果たしていく、こういった認識でよろしいんでしょうか。

○山際学務部長 ご指摘の、ほとんどの時間を特別支援教室において指導を受ける児童生徒の場合につきましては、特別支援教室の担当教員が指導上の主たる責任を担うことが必要である、このように考えております。

○小美濃委員 ただいまのご答弁で、前回の質疑にあわせて、今までの固定学級における特別支援学級、限りなく固定学級に近い特別支援教室がそこに設置され、そこには、現在の固定学級の担任に限りなく近い責任と役割を果たしていく教員が配置される、こういったことが明確になったわけであります。
 私ども、また多くの文教委員さんのところに、本当に持ってこれないほどの大きなたくさんの声、またファクス、メールが送られてきているわけでありますが、その多くが、固定学級をなくさないでほしい。この陳情にも書いてあります。固定学級をなくさないでほしい、こういう要望なわけですね。しかし、文の内容をよく読んで、自分なりに精査をして理解をしてみますと、決して箱としての学級をなくさないでほしいといっているわけではなくて、例えば一人一人の生徒の性格や、またさまざまな障害の程度などがありますけれども、そういったものをしっかりと把握した担任のような方がいて、細やかな指導が行われる、そういったシステムをぜひ壊さないでほしいという、そういう理解を私はしているわけであります。
 ですから、国の方針がまだ明らかになっておりませんので、何とも都教委といたしましても歯切れの悪い答弁しかできない気持ちはわかるわけでありますが、今後、国の方針がしっかりと決定して、国の法律ができましたら、それを遵守しながらも、都の特殊学級などの条例も恐らく改定されると思いますので、ぜひともその際には、特別支援教室の担当教員には従来の学級担任の役割、また責任をしっかりと持っていただくような、今までどおりきめ細やかな教育環境が展開されるよう要望をしておきたいと思います。
 さて、今までの議論、また都教委主催の説明会等々で、心身障害学級の保護者の方々には一定の説明をしてきたのは理解をいたしております。しかし、通常学級に通わせている保護者の方々は一体今回の計画をどれだけご存じなのか、こういったことが実は問題であります。東京都教育委員会は通常学級の保護者の方々に対する理解をどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

○山際学務部長 特別支援教育を推進していく上で通常学級の保護者の理解は極めて重要である、このように認識をいたしております。このため、改善検討委員会の中間まとめにつきましては、都内全小中学校に配布するとともに、これまで区市町村教育委員会や小学校、中学校の校長会、小中学校のPTA団体に対しても説明を行ってきたところでございます。今後とも、通常の学級を含め保護者の理解が深まるように、組織的、全都的に取り組んでまいります。

○小美濃委員 今回の改革は、その根底にノーマライゼーションの理念があると考えております。そう考えますと、障害をお持ちのお子さんの保護者だけではなくて、当然、これから地域の学校に特別支援教育を導入していくわけですから、今通常学級に通わせている保護者の方々に対する理解も大変大きな課題となってまいります。現に、皆さんそうお考えでしょうけれども、各地元に帰って、心身障害学級を設置している学校と設置していない学校、また設置している地域、またそうでない地域によって、この理解の格差というのは本当に大きなものを自分でも感じているわけでありまして、十分な説明が今後必要になってくると思いますし、また、説明だけではなくて、特に心身障害学級が現在設置されていない学校や地域におきましては、積極的に、ある程度段階を踏んで交流の場を設けるような、そういったことも都教委として各市区町村の教育委員会に助言や指導を行っていただきたいな、そんなふうに思っている次第であります。
 さて、特別支援教育の推進を図る上では、当然、教員の配置や施設の整備などなど、人的や物的な条件整備を進めていく必要がありますよね。その点については前回もいろいろな議論もありましたけれども、あれから時間もたっておりますので、どういうふうにお考えになっているのか、お伺いいたします。

○山際学務部長 特別支援教育の推進を図る上では、教員配置あるいは特殊教育教諭免許状保有者の増加、さらには施設整備などの教育条件の整備が必要と考えておりまして、今後の最終答申あるいは国の動向などを踏まえながら、適切に対応してまいります。

○小美濃委員 大事なことですので、しっかりとこの辺が担保されないと、絵にかいたもちになってしまいますので、しっかりとお願いをしたいと思います。
 それと同時に、教員の数だけ増加しても、本来のノーマライゼーションの実現には、なかなか達成ができないわけでありまして、数はもちろんふやしていかなくちゃならないんですけれども、今ご答弁にあったように、質を上げる、すなわち特殊教育教諭免状、こういったものを持っている教員をふやしていく、こういったことが大事なのかな、専門知識を持った方々をどんどん養成していくことが大事なのかなと思っておりますので、積極的にお願いをしたいと思っております。
 また、こういうご意見もありました。
 今回、LDやADHDや高機能自閉症のお子さん、また知的障害をお持ちのお子さんなどなど、比較的地域に数としてある程度の集団が維持できそうな方々にとっては、今回の特別支援教室のあり方というのは一定の理解を示されているんですけれども、例えば肢体不自由のお子さんや、また視覚障害のお子さんのように、本当に地域の中でも数の少ない、私どもの地元でも一校しかないんですけれども、そういったもともと人数の少ない児童や生徒に対しては、この制度をどのように考えていらっしゃるのかというのがいまいちはっきりしていないんですね。その点についてご答弁をお願いしたいと思います。

○山際学務部長 改善検討委員会におきましては、対象児童生徒の障害に応じまして、特別支援教室の柔軟な設置形態などが検討されておりまして、障害のある子ども一人一人のニーズに応じた適切な教育が行える柔軟な制度のあり方について示しているところでございます。特別支援教室の設置につきましては、設置者である区市町村が地域の実情に基づいて柔軟な設置形態が可能となるようなあり方が望ましいというふうに考えております。

○小美濃委員 そうですよね。前回の文教委員会の質疑でも申し上げましたけれども、各市区町村では、それぞれさまざまな実情や環境の違いがあるわけでありまして、それらを最大限重視をすることが、そこの地域に住むお子さん、児童たちにとって一番いいことだと思っております。ぜひとも各自治体の独自性が出せるよう、柔軟な設置形態がその中で可能になるよう、都教委としても体制をつくっていただきたいと要望をいたしておきます。
 そこで、中間報告を読ませていただいても明らかなんですけれども、今回の改定で重要な役割を担っていくのが特別支援教育コーディネーターであると思っております。考え方としては大変すばらしい制度だなと思っておりますけれども、これも少し具体的にお伺いしたいんですが、では一体この特別支援教育コーディネーターというのは、だれがその役をするのか、任を担うのかということなんですよね。さまざまなお話を伺っていると、中には、教頭先生がやるんだというお話も聞くわけでありますけれども、果たして教頭でいいんだろうかという疑問が残るわけであります。都教委といたしましては、この特別支援教育コーディネーターは一体だれが、どういう人を想定されているのか、お伺いいたします。

○山際学務部長 特別支援教育コーディネーターにつきましては、障害についての理解あるいは指導方法についての専門性、あるいは経験を持つとともに、学校内の担任間の調整、学校外の保護者、関係機関あるいは専門家等との連絡調整の役割が求められているところでございます。また、校内委員会のキーパーソンとしてリーダーシップも求められるところでございまして、校務分掌に位置づけられることから、例えば主幹あるいは指導力ある心身障害学級経験者などがふさわしいというふうに考えております。

○小美濃委員 本来、教頭先生の職務というのは、校長を補佐し、組織的に学校経営の一翼を担うべき立場にあるわけでありまして、今後さらに経営的職務が専門化されると私は思っております。また、そうならなければいけないと思っております。こういったことを考えますと、今教頭先生がそういうことをやるんだという話も聞くわけでありますが、今、安易に教頭先生にこういったコーディネーターを任せるということはすべきではないのかな。むしろ、本当に大事な役割でありますコーディネーターは、先ほどの答弁でも明らかにしていただきましたけれども、特別支援教育のかなめの存在でございますので、ぜひとも指導力や専門性を兼ね備えた人材を配置するよう望むものであります。
 さて、それと同時に、コーディネーターも大事なんですけれども、今回の特別支援教育の大きな大きな特色の一つが、乳幼児期からの個別支援計画、これが重要であります。この個別支援計画にのっとって一人一人のお子さんの教育的ニーズに合った教育を行う、こうされているわけであります。これも実は非常に抽象的に書いてあるんですけれども、ではこの個別支援計画はだれがつくるのかということなんですね。この個別支援計画をだれがつくるのか、お伺いしたいと思います。

○山際学務部長 中間まとめにおきましては、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した個別の支援計画を作成するために、教育、医療、福祉、労働等の関係者で構成されますプロジェクトチームが計画策定の主体となるというようなことで提言をしているところでございます。
〔「余り具体化してないんだね」と呼ぶ者あり〕

○小美濃委員 今、具体化してないねというご意見がありましたけれども、趣旨はわかるんです。趣旨はわかるんですけれども、それだけでは保護者の方にもなかなか理解できないし、私も、わかるんだけれども理解できない。現行の学校保健法に基づくいわゆる就学時健診、健康診断がありますよね。そもそも就学時健康診断でも、この子はLDのお子さんなんだ、ADHDのお子さんなんだ、高機能自閉症のお子さんなんだということがなかなか判断しにくいというのが現状ですよね。本当に困難なことだと思うわけでございますけれども、こういったこと、例えばLDのお子さんたちの適切な就学について都教委としてもう少し具体的にどういうふうにしていくのかということをお伺いしたいと思います。

○山際学務部長 今後の特別支援教育体制のもとでは、就学時健康診断の適正な実施とともに、LD等を含む障害のある子どもたちに対して、乳幼児期からの一貫した相談支援体制を構築し、適切な支援を行うことが求められているというふうに考えております。そのために、都教育委員会といたしまして、教育、医療、福祉等の関係機関や専門家が連携した相談支援体制整備のためのモデル事業を実施いたしまして、その成果を各区市町村に提供するなど、LD等の子どもたちの適正な就学に向け、区市町村教育委員会を支援してまいります。

○小美濃委員 先ほども申し上げましたけれども、就学前の段階で、本当にこの子がLDなのかADHDなのかということは、実は保護者でさえ認識できない、こういうお話も伺っているわけであります。ですから、本当に慎重に行っていただきたいなと思いますし、また、都教委としてそれらを正確に、都教委としてというか、これは市区町村の教育委員会ですわな、正確に判断できたとしても、それに基づく個別の支援計画が、そのお子さんの今後の一定期間、延々とその計画に基づいて教育がされていくわけでありまして、そういった意味では慎重に慎重を重ねてもおかしくないと思われます。ですから、本当に全神経を傾注して計画策定をしていっていただきたいと思っております。そのためにも、一人一人のニーズに合った支援計画の策定に向けて、どうぞ都教委、また都教委が率先して区市町村の委員会を支援していただくよう要望したいと思います。
 今まで細かく質疑をしてまいりましたけれども、どうも私の思うところ、今までの予定では十月に答申を出すというお話でございましたけれども、まだまだ保護者の意見を十分に聞かなくてはいけないと思いますし、また、今回の特別支援教育は戦後最大の抜本的な障害児教育の改革でありますので、私は十月にこだわらなくてもいいのかなという気がいたしております。これからも文教委員会は続くわけでありますし、十分な審議を行う必要があると考えるわけでありますが、どうでしょう、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。

○山際学務部長 改善検討委員会といたしまして、都議会あるいは都民からの要望にこたえまして、これまで、小中学校の校長やあるいは保護者などを新たに委員として加えるなど、審議の充実に努めてきたところでございます。また、さらに審議を充実するために、審議日程の追加につきましても、委員長、副委員長に諮っていきたい、かように考えております。

○小美濃委員 ただいまの山際部長さんからの、さらに審議を充実するというご答弁、高く評価をいたします。しかし、あくまでも審議会の決定ですので、委員長や副委員長の皆さん、また委員の皆さんにも十分なご理解を求めていただくよう、都教委の皆さんにもお願いを申しておきます。
 さて、私は、これで、審議もしっかりとやっていただくということを伺いましたので、今回の改定によって、ノーマライゼーションの理念に基づく今後の特別支援教育の展開に向けたすばらしい制度が今回提案をされ、またそれが実現に向けて進んでいると認識をしているわけであります。しかし、初めにまず制度ありきになってはいけないのではないかと思っております。これまでの固定学級などなどで培われてきたしっかりとした成果も生かしながら行っていく必要があるのかなと思っております。また、このような理念を実現していくためには、さらなる教員の意識改革や資質の向上が不可欠であるとも考えているわけであります。
 そこで、最後に教育長にお伺いしたいと思いますが、特別支援教育の推進に向けてぜひとも力強いご決意をお聞かせいただきたいと思います。

○横山教育長 ご案内のとおり、東京都はこれまでも、障害のある児童生徒の希望者全員就学など、全国に先駆けて心身障害教育の充実に取り組んできたところでございます。
 今回、中間まとめで提案されております特別支援教育は、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒がともに学ぶなど、ノーマライゼーションの実現を目指した極めて大きな改革であると考えております。こうした改革を進めていくためには、お話のように、児童生徒の教育に直接携わる教員の意識改革と資質の向上を図ることが何よりも大切でございます。このため、教員採用方法の改善によりまして、専門性が高く、意欲ある教員を確保することや、校内外の連絡調整能力を有する特別支援教育コーディネーターを養成するなど、障害のある子ども一人一人のニーズに対応した教育を実現していくために、私ども組織を挙げて全力で取り組んでまいります。

○小美濃委員 教育長からただいま力強いご決意を伺い、心強く思っている次第であります。
 今回の質疑をするに当たって、数回、保護者の方々や、またさまざまな方からご意見やファクスやメールなどをいただきました。先ほども申しましたけれども、その多くは固定学級の存続を求めているわけでありますが、なぜ固定学級の存続を求めているのかというその意味を、その視点をぜひ今後も審議会の中で、またこの文教委員会、また都教委の中でも議論を深くしていっていただきたいと思っております。今まで長い期間固定学級で培われてきたノウハウなどがなくなってしまう不安を保護者の方々は大変持っているわけでありますし、また実際、固定学級が存続をしてきた中で、意識ある先生が本当に見えないところで、水面下で大きな役割を果たしてきたというのも、さまざまな保護者の方から伺いました。こういったこともぜひ考慮していただいて、いいものはいいということを、しっかりと次の新しい制度にも生かしていただきたいと思っております。
 しかし、まだまだ多くの方が不安に思っているところもありますし、都教委といたしましても今後とも積極的に保護者の方々のご意見や、また情報交換を行っていただいて、真のノーマライゼーションの実現に向けて努力をしていただくことを強く強く求めまして、質問を終わります。

○渡辺委員長 この際、議事の都合によりまして、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時二十二分休憩

午後三時三十三分開議

○渡辺委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 発言を願います。

○石川委員 それでは、議題になっております陳情について、先ほど小美濃委員の方から包括的にお話がございましたので、ダブらないように質問したいと思います。
 中間のまとめが五月二十九日に発表されて以来、おおよそ三カ月余が経過してまいりました。その間、私のところにも連日、関係者の皆さんからさまざまなご意見やご要望をいただいております。要約すれば、これまで区市町村教育委員会がそれぞれの独自性、主体性を発揮しながら、心身障害を持っておられる児童に対して固定学級を設置し、長年の経験を経て大きな成果を上げてきている。また、通学している児童も大きな喜びを持ちながら学んでいる。そうした固定学級、これが、今回の中間のまとめで、新たな社会的要請であります、現在普通学級に通っていながら新たな教育的支援を必要とする子どもたち、そうした子どもたちにも新たに手を差し伸べようという視点で、いわゆる特別支援教室というものを設置いたしますよと。そこで多くの今固定学級に通っている保護者、関係者の皆さんは、もともと心身に障害があって、普通学級、通常学級に通えない状況。しかし、今度は、普通学級にいらっしゃる、新たな特別な教育支援を要する子どもたちと一緒に学ばなければならないんですかという素朴な疑問なんですよね。当然、今まで、固定学級、心身通級学級でさまざまな手当てを受けながら教育を受けてきた。それが今度は、広範な障害を持ったお子さんたちと一緒に学ばなければならなくなるので、これまでの固定学級で受けてきた教育内容、あるいは先生とのかかわり等々が薄れてしまうのではないだろうか。これが一言で特別支援教室、こういわれておるものですから、そこに大きな不安を持っているのではなかろうかというふうに私は見ております。
 しかし、中間まとめの発表後、今ご答弁がありましたように、さまざまな関係者に対する説明、あるいは保護者がみずから勉強会等を開いて、今その中で、都教育委員会の職員の皆さんあるいは検討会に入っておられる方々が出ていって、最近ようやく、特別支援教室であっても、これまでと同じような、ということは、固定学級で受けた教育内容が継続できるような教室もあり得るんですよというような発言も出てきて、今、保護者の皆さんの間にも、中間のまとめよりも一歩、検討会の中で新たな、この固定学級に対することが検討し始められたのかなという思いも持っていらっしゃることもよくわかります。
 そこで、いずれにいたしましても、これから新たに特別支援教室をつくるにしても、これまでの心身障害教育で学んできた児童数よりも大幅に特別支援教育を必要とする児童がふえるんだろうと思います、私は。そこで、我が党はさきの代表質問で、いわゆる東京でそうした教育を受けなければならない方の実態を把握しないでこの理論を展開していっても、いいものができ上がらないんじゃないですかということで、実はLD等の実態調査を提言いたしましたけれども、これまでの取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

○近藤指導部長 LD等の調査につきましては、今回、国と同じ調査項目によって行っているわけでございますが、現在、区市町村教育委員会を通しまして、各小中学校から、今月の九月十九日を期限にして調査が上がってくる予定でございます。

○石川委員 一部、調査に当たりましては人権的に問題があるのではないかというような新聞報道もされておりましたけれども、これからの新しい心身障害教育を展開する上で、実態を把握しないで適切なシステムづくりはできないと思いますので、ぜひ実態に近い状況がわかるような調査をしていただきたい、このようにお願いをしておきます。
 そして、今、検討委員会におきまして鋭意このテーマについて検討されているということでございますけれども、先ほど学務部長さんから、中間のまとめの発表以後、さまざまな形で説明をし、また意見も伺ってきた、こういうご答弁がございました。それらのことが現在の検討委員会でどのような形で反映され、また検討されているのか、その辺の状況について教えていただきたいと思います。

○山際学務部長 意見募集で出された意見は多々ございますが、共通の意見も相当数ございました。そこで、中間まとめの大きな事項ごとに整理をいたしまして、八月に開催されました第十回の検討委員会に検討資料として提出をしたところでございます。改善検討委員会におきましては、それらの事項ごとに例示した論点を中心に、対応の方向性について検討を行ったところでございます。今後、最終答申の取りまとめに向けて、これらの意見を参考としながら、引き続き審議を深めてまいります。

○石川委員 前回の代表質問で、ぜひ拙速な実施は避けるべきですと。そういう意味で、特に固定学級についてはモデル事業等も実施をして、保護者の不安の払拭にも努めてもらいたい、こういうふうに提言をいたしました。当然、今回のこの検討委員会の心身障害教育の新たな展開は、国の動向とも連動していることでございます。しかし、国は国、東京都の心身障害者教育は、先ほど述べましたように、それぞれ区市町村の主体的な運営によって大きな成果を上げてきたわけでありますから、今後は、国は国の方向、東京都は東京都の独自性を持ったいわゆる心身障害教育、中でも固定学級については考えていくべきではないか、こう提言をしておきます。
 それからもう一つ、先ほど来、いわゆる新たなシステムの展開によって必要な教員、それから教員の意識、能力アップ、あわせて新たな学級等々、あるいは新たなスタッフが必要になってくるわけですから、当然人的配置については--今都教委に伺いましても、国の動向が定まっておりませんので、東京都から国に対して要望する段階でもありません、こういうご返事が返ってまいります。しかし、都教委としてはそうしたことへの準備、と申しますのは、先ほど申し上げましたように、実態調査をすれば、どれだけの対象者があって、どれだけの教室をつくり、どれだけのスタッフをそろえなければならないかというシミュレーションは当然出てくるわけでありますから、そうした準備を行い、人的課題についてその条件がそろったときには、いち早く国に対して必要な人員の増員等についても要望が出せるように準備をしておいていただきたい、この二点を要望いたしまして、質疑を終えます。

○曽根委員 何人かの質問がありましたので、できるだけ簡潔にやりたいと思います。
 私のところにも既に二百通近いファクスや手紙、またメールも多数いただきました。署名の総数は十万を超えて、何でも十三万集まったということで先日発表があって、不備があって幾つか落ちたのかもしれませんが、正式に受理されたもので十万九千集まったということです。前回七月三日に質疑したときには、たしか二万を超えたというようなお話だったので、この二カ月余りの間に、本当に多くの方々にこの声が広がったんだと思います。
 いただいた手紙を一つ一つ拝見すると、特徴としては、必ずご自分のお子さんのことが書いてあるんですね。
 代表的な一例で、この方は息子さんで、広汎性発達障害の自閉的傾向にあるといわれ、ことしの六月から普通学級から心身障害学級の方に移った方です。それまでの普通学級は、クラスメイトから全く相手にされず無視、まるで空気のような存在でした。先生も障害児に対する意識も低く、息子は毎日針のむしろにいるようで、萎縮し切って、やがて全く学校に行かなくなった。ところが、思い切って心障学級にかえてみると、これまでと全く人が変わったように、生き生きと自信を持って何事にも積極的に取り組むようになったのです。障害児にとって、固定した先生、固定した友達、固定した空間、行事はまさに不可欠です。障害児たちの居場所を、生きる力を取り上げないでください、固定学級を残してくださいと書かれております。
 ほかのお手紙もほとんどご自分のお子さんのことを綿々と書かれて、この子にとってやはりどうしても固定学級は必要だという思いにあふれるものばかりで、それぞれが全くご自分自身のことからこの署名に協力し、運動に参加しているんだなということがわかりました。
 そういう多数の署名を付しての陳情ということで、私は、この委員会としても正面から受けとめるならば、今回の一回の審議で事足りるのかなという思いはしながらも、きょう審議できることはやっておきたいと思うんですが、一番大きな問題は、先ほどもお話のあったように、固定学級と今度の特別支援教室の関係です。
 そのことをお聞きする前に、この間、七月三日以降、例えば八月六日の検討委員会や、この間の父母、保護者の方への説明会などの中で、特別支援教室にもさまざまなタイプを設けるというような説明があったようですが、現在の段階でどのようなタイプを考えて、どこまで具体的に検討されているのかをまずお聞きしたいと思います。

○山際学務部長 特別支援教室のタイプについてでございますが、検討委員会でのたたき台といたしまして、児童生徒一人一人の特別な教育ニーズに適切に対応するために、例えば巡回指導担当教員が週数時間の指導を行う特別支援教室のほかに、固定的に配置した教員が週の相当時数の指導を行う拠点的な特別支援教室、さらには専門的な施設設備を備えた拠点的な特別教室、この三つの形態を例示しているところでございます。

○曽根委員 設備、施設を備えたというのは、例えば難聴や言語障害の今の通級学級に対応するものかなというふうに思うんですが、そのことはまた後でお聞きしますけれども、その固定的な学級、固定的に先生も配置するというものが、限りなく今の心障学級に近いんだというお話が先ほどありました。しかし、最大の問題は、担任の先生は通常学級にいて、そこに籍を置きながらも、ほとんどの時間を特別支援教室で過ごす、そこには専門の先生がいる、しかし、その先生は担任ではないという問題です。つまり、実態に制度を合わせるのじゃなくて、制度の方に実態を何とか近づける、そこでうまくやろうということになっているわけです。しかし、やはり子どもの担任というのは制度上の責任や権限を持っているはずで、子どもに何かがあったときにはだれが責任を持つのかといえば、基本的には担任だと思います。教育指導でほとんどの時間を専門の先生がやるとしても、担任の責任というのはあるはずで、なければ担任じゃないわけです。この矛盾についてはどのように解決するというふうにお考えですか。

○山際学務部長 特別支援教育の推進に当たりましては、児童生徒の障害の状態の把握、あるいは特別支援教室及び通常の学級における指導の内容や配慮事項等についての共通理解を図るために、通常の学級担任と特別支援教室の担当教員が緊密な連携体制を構築していく必要がある、このように考えているものでございます。
 例えば、ほとんどの時間を特別支援教室におきまして指導を受ける児童生徒の場合につきましては、特別支援教室の担当教員が指導上の主な責任を担う、このようになろうかというふうに考えております。

○曽根委員 そこまで限りなく近いのであれば、なぜ担任にしないのか。担任にして、東京都で何とかやれないのか。何でやれないのかというのは、これは素朴な疑問としてあるわけですね。そこのところについて率直に、何で担任にできないんだ、毎日その先生に教わるのにね。そこのところを率直に答えてほしい。

○山際学務部長 率直にお答えしますと、これは学級ということではない、特別支援教室というものでございまして、学級担任というのはあり得ないというふうに考えています。

○曽根委員 結局、学級という制度を壊すために、なくすために、そこの担任にはつけられないということなんですよね。それならば、では学級という制度は、今の法律上の特殊学級ですね、もうなくして、特別支援教室一本でいくとした国の方針といいますが、これはまだ東京でいえば検討委員会の段階ですよね。政府の基本方針はまだ出ていない、法律改正もまだ先という段階ですから、はっきりいえば、東京都の教育委員会がもし今までの固定学級の心障学級、一定の人数がいるわけですね、拠点校方式で、このよさを十分に踏まえるならば、東京方式を国の制度の中に、例外規定でも何でもいいから位置づけさせて、国の法律の中に学級制度を書き込ませることはできないんですか。絶対できないんですか。

○山際学務部長 今後の法改正によるところでございますので、そうしたことは不可能であろうというふうに考えております。

○曽根委員 文部科学省の役人と何か約束でもしているんですか。だって、国の方針はまだ出てないんですよ。

○山際学務部長 私が先ほど申し上げたのは、特別支援教室の中において極めて固定学級に近いような教育の形態はある、このように申し上げた次第でございます。

○曽根委員 国の法律の問題で絶対不可能だとおっしゃる根拠は何ですか。

○山際学務部長 先ほど申し上げたとおり、今後の法改正の動向によるわけですけれども、法改正でそういう規定がされれば、それを守るというのが基本でございます。

○曽根委員 法改正でされればそれは守ると。それで、教育庁じゃないんですけど、都立大学の改革を進めている。私たちいろいろ批判をいっていますが、その中で、国立大学の法人化に当たっては学長と理事長は一体という法律になったんですが、地方大学ですね、公立大学については、東京都が強く働きかけたために、独立行政法人法の中で、学長と理事長を分離する東京方式もあり得るという二重の規定になったわけですよね。どちらもとれる。一体でもいいし、別々でもいい。
 つまり、東京都というのは全国の一割の心障学級生徒を持っているわけですよ。全国八万人ぐらいで、東京は八千人いるわけですよ。その子どもたちが現状、学級で非常に成果もあったと東京都は認めているようですから、ならば、全国の一割を占める学級の生徒のあり方として、学級という形もあっていいと。国だって別に学級を全部なくせというわけじゃない、今の養護学校の形は残るわけですから。そういうことは当然考えてしかるべきだというふうに思います。これはぜひ、これだけの、関係の方々を超えて、十三万人といえば、もう心障学級の生徒の親をはるかに超える方々がこの問題を求めているんですから、それぐらいの働きかけはやって当然だと思います。
 しかも、学級制度となれば、今の先生の配置は子どもたち何人に一人というふうに定数配置がありますし、それから東京の場合には、複数学級になった場合の加配もつけているわけですね、独自基準で。こういうものをベースにこれから検討できるわけですが、支援教室の先生ということになれば、これは全く違う基準で配置になるわけで、まだ見えないわけですね、その辺は。同じ人数、例えば今十人ぐらいで一人ですか、その基準が守られるのかどうかということさえまだ見えないわけで、私は、今の学級をベースに考えた方が、はるかにお母さんたち、お父さんたちにとって安心できる方向が見えてくるというふうに思います。このことは強く要望しておきたいと思います。
 それから、区市町村との関係でもちょっと気になるのでお聞きしたいんですが、区や市町村のところで私どもの会派の共産党の議員がいろいろ質問したり問い合わせると、区や市町村の教育委員会は、まだ先のことなのでわからないというお答えなんですよ。ところが、心障学級を設置するのは区や市町村ですから、どれぐらいのきちんとした説明が東京都から行われているのかなということがちょっと疑問になったんです。その点でのすり合わせといいますか、今の検討状況ですね、これをどの程度ちゃんと説明しているのか、お聞かせいただきたい。

○山際学務部長 区市町村教育委員会、区市町村に対しましては、さまざまな機会を通じて、中間まとめの内容等につきまして説明をしてきたところでございます。
 すり合わせというようなお話がございましたが、特別支援教室の設置そのものについては、国の法令改正等に基づいて対応することになるわけでございまして、その設置に当たりましては、特別支援教育への移行の趣旨を踏まえて、設置者である区市町村が当該地域の実情を踏まえて検討することが望ましいというように考えておりますし、また、今後とも区市町村とは連携を密にしてまいりたい、かように考えております。

○曽根委員 この点でも、区や市町村の職員の方にお聞きすると、今の固定学級がどうなるのか、それをすごく心配しているわけです。今の形であれば、もう少し心障学級をふやす必要がありますよね、通学時間が非常に長くなっている。私も中野の去年見に行ったんですが、四学級になっちゃって、今度五学級にしなきゃならないと。そうすると、通常学級よりも学級数が多くなりかねないという学校まで出てきている。これは当然、学校を、設置をふやしていく必要がありますよ。現状、そういう固定学級がある学校を基盤にして、その上にプラス何をやっていくかと考えるのは考えやすいんだけど、基本的に支援教室に一本化されてしまったら、どれだけの教員をどういう基準で配置するのか見えないというお話がありました。それで、財政的に、国や東京都が方針を決めても、実際にはかなりの教員数を確保しなきゃならないとか、そういうことでなかなか難しい、今の制度の方がいいというようなことになった場合は、だれがそういうふうな方針を守るという意味での責任をとるんでしょうか。

○山際学務部長 特別支援教育の区市町村における特別支援教室のあり方については、区市町村が教育基本計画に基づいてその設置について対応するということでございまして、そのありようについては各区市町村の責任において対応するということになろうかと思います。

○曽根委員 この点も、一応区や市の教育長さんが検討委員会には入っていますけれども、私は、現在の心障学級制度、それから通級学級制度、その上にさらに、六%程度いるといわれている、この問題もちょっと後でやりますけど、さらに教育の必要なLDやADHDの子どもたちに対する教育を加えていくということ、こういう考え方に立って、固定学級をベースにしながら、その上に各学校で何が必要かというふうに考えることが、区や市町村にとっても見通しを立てやすい方法だというふうに強調したいと思います。
 それから、先ほど、通級学級のタイプを変えるというお話がありましたが、例えば、言語や難聴など、いわゆる拠点の施設や設備を持ったそういう教室に通う場合、子どもたちは基本的には、その教室のある学校に在籍する。つまり、例えば北区にはそういう通級学級は小学校でいえば一つしかないんですけれども、数はふえるかもしれませんが、区内から子どもたちがその学校に在籍の点でも集まってきて、その学校の中で、通常学級からその教室に週に何回かとか通うという形を基本に考えているようなんですね。これが本当にその子どもたちや父母の方々から見て安心できる方向かというのには大きな疑問があるんです。というのは、例えば江東区の場合、今、江東区は通学区域は自由化されているんですけれども、しかし、難聴児の聞こえの教室がある学校に子どもたちがどんどん入学してくるという状況にはなっていないらしいんです。それは、子どもも差別に敏感なことや、同じ学校の中で教室を行ったり来たりすることに対する心理的な抵抗など、いろんな問題があるらしいんですよ。したがって、通級学級の今の形も、基本的には必要な子どもには確保していくということも考えなきゃいけないと思いますが、そういう点での柔軟なやり方というのは考えられるでしょうか。

○山際学務部長 先ほどご答弁申し上げましたが、特別支援教室のあり方については、多様な形態があり得るだろうということで、三つの例示をさせていただいたわけでございますが、例えば、教員、生徒を固定的に教育をしていくような形態もあり得るだろうし、あるいは、今お話がございましたような巡回による指導、教員が巡回的に指導し、生徒がそこに通うというような形態も十分にあり得るだろうというふうに考えております。

○曽根委員 つまり、私が一番心配しているのは、前回の審議のときにも申し上げましたが、ある通級学級の先生がおっしゃっていたんですけれども、固定学級などを外して特別支援教室にすると、結局、その教室の時間だけしか来ないか、もしくは、また不登校になるか、そういう子どもをふやすだけじゃないかという心配があったんです。そうなっては元も子もないわけで、そういうことは絶対に避けるように、さまざまな工夫がいずれにしても必要だと思います。このことを申し上げておきたいと思います。
 それから、今、通常学級にいると考えられているLDやADHDの実態を知らなければ、要するに新しい対策も立てられないじゃないかというお話で、先ほどもお話がありましたように、当然だと思います。
 その調査が行われているようですが、どういう方法で、それから期間についてもどういう期間でやっているのか、方法と、それから期間というかスパンを教えていただきたい。

○近藤指導部長 ただいま行っております調査は、東京都の公立小中学校における通常の学級に在籍する児童生徒の、LD、ADHD、高機能自閉症等の特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態を把握する目的で実施しているものでございます。なお、この調査項目は、国の調査結果と比較分析するため、同様のもので行っております。
 また、期間等でございますが、調査は七月十一日付で各教育委員会等に通知をいたしました。そして、九月十九日までに都教委へ回答するよう、区市町村教育委員会へ依頼をしているところでございます。
 各学校におきましては、一学期の児童生徒の実態を把握し、かつ二学期当初の状況も踏まえまして回答することができるようにしてございます。

○曽根委員 この調査なんですけれども、私は調査は必要だと思います。しかし、先ほど、人権問題という報道があったというような話もあったように、これは非常に慎重でなければならないと思うんですね。調査期間が、七月の中旬に始まって九月の中旬で終わると。七月中旬ということは、もう数日で夏休みに入っちゃう状態で、実際には、私、いろいろ問い合わせて聞いたんですけれども、学校の担任の先生のところに調査用紙が届いたのは、夏休みに入ってからがほとんどでした。つまり、その間に時間がかかりますからね、書類がおりてくるまでに。したがって、夏休み中にほとんどの先生が書かざるを得ないという事態になっているんです。そうすると、子どもが目の前にいないわけですよね。それで、思い出しながら書くんだと思うんです。それで、二学期に入ってちょっと確認をして出すのかもしれません。しかし、そういう調査の内容で、本当に、この子はやはりLDで特別支援の教育が必要なんだという判定ができるのかなと。
 で、調査項目は国と同じだというので、国の資料を取り寄せて見たんですけれども、ちょっと私は疑問があるんですよね。例えば、高機能自閉症の判断基準などは、こういう項目が並んでいるんですね。友達と仲よくしたいという気持ちはあるけれど友達関係をうまく築けない。友達のそばにいるが一人で遊んでいる。球技やゲームをするとき、仲間と協力してプレーすることが考えられない。いろいろなことを話すが、そのときの状況や相手の感情、立場を理解しない。共感を得ることが難しい。言葉の発達のおくれでは、含みのある言葉の本当の意味がわからず、表面的に言葉どおりに受けとめてしまうことがある。会話の仕方が形式的で抑揚がない。それから、興味や関心が狭いというところでは、みんなから○○博士、○○教授と呼ばれている。例としてはカレンダー博士。こういうように興味が一点に集中しているというんですかね。他の子どもが興味がないようなことに興味があり、自分だけの知識世界を持っている。空想の世界に遊ぶことがあり、現実との切りかえが難しい場合がある。特定の分野の知識を蓄えているが、丸暗記であり意味をきちんと理解していない。とても得意なことがある一方で極端に苦手なものがある、などなど。
 それからもう一つ、ADHDの判定の項目も、なかなかこれはどうなのかというふうに思われるのがありました。例えば、本人の興味のある教科に熱心に参加するが、そうでない教科は退屈そうに見える。特定の分野の知識は大人顔負けのものがある。自分の考えや気持ちを発表や作文で表現することが苦手である。こだわると、本人が納得するまで時間をかけて作業等をすることがある、などなどですね。
 別にそれほど学習がおくれていなくても起きる事態を、いろいろ項目を挙げて、で、この項目が何項目該当したらそれに該当するんだとはいっていないんです。こういう項目をずっと挙げて、全体として総合的に判断するということなんです。
 私の子ども時代や、自分の子どもの参観日に行ったときの様子を思い出してみると、このうちのかなりの項目が思い当たる節があるんですね。空想好きだったり、物事にこだわって、ある教科は得意だが、ほかはほとんど聞いてなかったり、そういうことというのは結構あるわけです。
 これを夏休み中に、ほとんど自分で先生が考えて判定をして出してくる。しかも、国の調査を参考にするということで、これはあるところで聞いたんですが、この国の六・三%に大きく外れているものについては、もう一度再調査に回しているという話もありました。ということは、国のデータに合わないとならないという暗黙の力も働いているのかなと。
 これでもって東京の子どもたちのADHDやLDの実態を本当に把握できるのかどうか。人権問題ももちろんなんですけれども、もっと慎重を期さなければならないと思います。この調査期間については、もっと時間をかけ、それから、できればですよ、父母の皆さんの協力も得て、もう少し工夫された方法を考えるべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

○近藤指導部長 まず、この調査の期間でございますが、七月から九月上旬までということになってございます。ただ、この期間で調査をするということではなくて、一学期間、児童生徒を十分に観察した上で判断をするということでございます。
 また、担任が一人で判断するのではなくて、学年主任、それから主幹等とも十分に連携をとりながら判断をしていくということでございます。
 なお、この調査は、LDであるかADHDであるかを判断するための調査ではございません。これはあくまでも、学習面、行動面等においてどのような課題があるかということに対する調査でございます。

○曽根委員 ちょっと、今、最後におっしゃったことがよくわからなかったんですが、そうすると、この調査をもとに、東京都内の小中学校で、どれぐらいの割合で特別支援教育が必要な子どもがいるかという割合は直接は出てこないということですか。

○近藤指導部長 これは、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査というふうに押さえていただければと考えております。

○曽根委員 それがまさに、どういう分類になるかは別にしても、LDやADHDの子どもたちがそういう支援が必要だということで調査をするわけですよね。したがって、その子どもたちは、週に何時間か何日か、それぞれの子どもたちの状況に応じて特別支援教室に通うという方向で取り組んでいこうということですね。
 そのもとになる割合、これはやはり非常に大事な問題なんですよ。それが六%であったとしても、今の養護学校や心障学級に通う子どもたちの四倍になるわけですよね、人数的にも。それぐらいの子どもたちまで含めて障害児教育の枠を広げていくわけですよ。ですから、ここのところは本当に慎重にやっていただきたいと思うんです。
 例えば、割合でいうと、六%から七%というと、四十人近い学級の場合には、二人ないし三人、四人ぐらいいることもありますよね、そういう子どもたちが。例えば、この制度が乱暴に適用されちゃうと、そのクラスの中で、算数とか国語とか差のつきやすい教科のときには、その子どもたちがほかの教室に行って別のカリキュラムで勉強する、ほかの子どもたちは、その子たちがいないことによって学習が若干やりやすくなるというような実態ができたとすれば、これは明らかに差別教育になるんですよ、角度を変えて見れば。そうでしょう。その子たちは特別支援を受けるからということで、そっちへ行っているかもしれない。
 だから、私、今の四十人制度の学級のもとで、本当にその子が--四十人が例えば三十人になり二十人になっても、やはりその子は学習障害があるのか、多動性や高機能障害があるのか、そのことを判定するのは極めて困難な問題だと思うんです。でも、やらなきゃならないとは思いますけどね。
 この文部省のもとになっているのはスウェーデンの研究なんですよ。スウェーデンは、ご承知のとおり、もう二十人以下の学級なんですね。そこの学級でもなおかつそういう問題が出ている子というのと、東京で四十人近くいて、いつもいうように私のかみさんの教室なんかを想像すると、もうとにかく大変な目の届かない状態の中で、あの子は問題がある、こっちの子も問題があるというのと、現場の先生にとっては、本当に同じ基準で考えられるのかという問題だってあると思うんです、率直にいえば。
 そういうことも含み合わせて、絶対にこれが差別の教育にならないように、本当にその子にとって必要で、かつ通常学級にいるほかの子どもたちとの関係でも新たな差別をつくり出さない方法を考えていただきたい。そこは本当に大事なところだと思うんですよ。そうでしょう、障害児教育というのは差別になっちゃいけないんですから。
 そういう点で、もう一つ、先ほどもちょっと話が出ましたが、通常学級に子どもを通わせている父母や保護者の方々にとっても、そういう意味で、これは新しい学級のあり方をつくろうというものですから、重大な関心事でなければならないと思います。関心が薄いこと自体も問題だと思うんです。それは、知らされてないからですよね。ですから、せめて検討委員会に、心障学級の設置校の父母、校長先生は入りましたが、新たに、通常学級に通わせている、要するにPTAとかそういう方、代表でもいいですから、代表を加えて、通常学級はどういうふうに変わっていくのか。例えば、毎日のように子どもたちが入れかわり立ちかわりほかの教室に行くような、そういう雰囲気になる学級のあり方が大丈夫なのか、そういう角度からも大いに検討に加わってもらうということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○山際学務部長 特別支援教育につきましては、さまざまな特徴を持っているところでございまして、例えば、保護者のニーズの十分な反映が可能になる仕組み、あるいは、校内委員会を設置したり、特別支援教育のコーディネーターを設置するなど、小学校や中学校全体が障害のある子どもたちに対して組織的な対応をしていこうというような意味を持ったものでございます。それだけに、通常の学級との関連は非常に重要なものでございます。
 改善検討委員会の委員につきましては、従来の三名の区市町村の教育長のほかに、小中学校の校長なども委員に加えまして、通常の学級の立場からもご意見を伺えるものというふうに考えております。

○曽根委員 校長先生は、心障学級設置校は通常学級もありますから、それを兼ねて入ることは、この間八月六日から入っているんですが、父母、保護者、もちろん代表参加にはなると思いますが、検討いただけないでしょうか。検討委員会は、これぐらいは加えても、そんなに人数が多過ぎて困るということはないと思うんですけど、いかがでしょう。

○山際学務部長 改善検討委員会については、先ほどお話をしたとおりでございまして、今後、必要な場合には、さまざまな意見を聞くような機会もあるいはできると。また、この報告が出ましたら、PTAの関係の方々、学校関係者の方々にもまた説明をしていきたい、かように考えております。

○曽根委員 改めて、これは通常学級全体にもかかわる大問題なので、ぜひ代表を加えるようにお願いしたいと思います。
 今回の陳情は、項目としては、どの子にもちゃんとした教育をという項目があります。これは私、一致できると思うんです。しかし、陳情を出している方々の圧倒的多数の関心は、第三項目の二つの項目にあるわけです。つまり、固定学級が残るのかどうかということです。
 この問題は、率直にいえば、特別支援教室でも近いものはできるんだというご意見もあった。私は、それじゃやはり問題が残る。結局、現場に問題が残れば、後で、制度上の矛盾から現場の先生方に犠牲がいったり、子どもたちに犠牲がいったりすることが起こりかねないわけですよ。ですから、禍根を残さないように、国に対して働きかけるべきは働きかけるべきだと思って、そういう意見も私は持っています。
 したがって、これは最終報告がまだ少し先に延びそうですから、そういう意味では検討の余地があるので、審議をまだ続行していくということも、この委員会としてあっていいんじゃないかなというふうに私は思います。それこそ、陳情者の提起した問題を正面から受けとめることになると思いますし、先ほど申し上げましたように、私は、固定学級存続の方向で都教委には再検討していただきたい。
 それから、東京で独自に築かれた障害児学級の実績、成果をしっかり守るためにも、通学の問題などがありますから、これを解決しながら、学級の増設を進めていただきたい。通級学級も設置校を抜本的にふやすことが必要だと思います。
 それと、さっき指摘したLD、ADHDの子どもたちへの教育のあり方は、はっきりいってまだ研究段階で、早急にモデル実施など、学校現場での具体化と人材の育成に力を入れる必要があると思います。
 これらを進めながら、全体の教育体制は、どの子にも先生の目が行き届く、ゆとりのある学校を実現する立場から、都や区市町村--心障学級の子どもたちは、そういう条件を整えながら、すべて通常学級で一緒に授業を受けられるようにしたいという考えも、ノーマライゼーションということはありますけれども、そこに近づけていく上での道筋にはいろいろなやり方があり得ると思うんです。現状で、いきなりすべての障害児が通常学級に入ることは当然できないわけで、その上でのあり方というのは、やはり東京の実績、成果を踏まえて考えなければならない、このことをぜひ考えていただきたいと思います。
 まだ国の方針や、まして法の改正まで時間があります。実施は早くても四、五年先だという話もあります。広く父母や学校、地域の声を聞いて、十分納得のいく方向を出す努力を重ねるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

○執印委員 それでは質問させていただきます。
 私のところにも、たくさんファクスや、けさは、来ましたら、机の上にもこういった厚い要望が乗っておりました。本当にさまざまな思いで保護者の皆さんがこのことを考えていらっしゃるんだなということを実感しております。
 質問ですが、これまでの東京都の教育委員会の取り組みや出された意見について、ほかの委員の方からも質問が出ましたので、この質問は省かせていただきます。
 その中で、今までのやりとりの中で、十月に出される予定だった最終報告が少し延びるというようなお話もあったわけですが、そういった中で、今後、議論を受けた中で、モデル事業が展開されていく必要があるというふうに思いますが、最終報告が出ないうちにモデル事業の質問というのも、少し先の質問過ぎるかとは思いますが、そろそろ秋ですし、今後の並行した進め方というのが必要だというふうに思いますので、質問をしたいというふうに思います。
 今回、本当にさまざまな意見やさまざまな保護者の方の取り組みがある中で、私も個人的にメールをいただくなどということもございまして、その中で、十分に保護者の方に理解してもらうことがまずは必要だというふうに考えました。
 今、二つの自治体、墨田と狛江だと思いますが、モデル事業がされているわけですが、そういったものをさらに展開しながら、東京都としてもモデル事業を進める必要があるかというふうに思いますが、そのことについてはどのように検討されているのか、伺います。

○山際学務部長 特別支援教育の推進に向けたモデル事業につきましては、特別支援教室への教育ニーズに応じた設置形態やその指導方法、専門家との連携による指導のあり方、校内全体の推進体制の整備などについて、実践的研究になるように検討を進めているところでございます。

○執印委員 モデル事業について検討しているということだと思いますが、その中で、これまでもいろいろ質疑の中でも出てきておりますが、自治体での工夫や試みが尊重されるように、中間まとめのこの形はもちろん踏まえなければ--中間まとめの後、最終答申が出るわけですけれども、踏まえなきゃいけないということはもちろんあると思いますが、例えば、先ほど、スウェーデンでは二十人学級だというお話が出ましたが、先日、イタリアの協同組合の話を、この都議会の六階の会議室で聞いたわけですが、イタリアでは、協同組合で必ず三〇%は障害者を雇用するというふうに法律をつくって、障害者の雇用を進めているということだったんです。
 そういう形で、国全体を挙げて障害者の雇用を進めるということについては、教育の中での取り組みがやはり相当大きいのではないかというふうに思いまして、協同組合について説明をされた方は四十八歳の男性の方でしたが、たまたま、お連れ合いと娘さんが同行されていましたので、夜の交流会の時間に、十四歳のお嬢さんに、教育の現場がどういうふうになっているかということでお話を伺いました。
 そうしますと、やはりイタリアも一クラス二十人で、自分の隣には自閉症の子どもがいるんだけれども、その子どもにはケアの先生がついているので、勉強の面でも、自分とのかかわりやクラスの子どもとのかかわりの部分でも、その子自身も自分自身も困ることはないという、そういう話があったのと同時に、同じクラスで自閉症の子どもが学んでいるということを驚くということに驚くという、イタリアの子どもからすると、自閉症の子が一緒に学んでいることに驚く日本人に驚いたという、そういうような話がされたわけなんです。
 そういう様子を見ておりますと、今、さまざまな法律の中で、壁はたくさんあるというふうに思いますし、現実的には東京も三十人学級となっているというような説明はこれまでもあったわけですが、そこをさらにもう少し進めるような形、それから、一番最初に申し上げましたように、自治体が、この検討委員会のあり方や実施計画を踏まえながらも、独自に工夫をしてみたいということを尊重するためには、制度の見直しや手直しを東京都が支援することが必要だというふうに思いますが、そういった形を踏まえながら、多様な形のモデル事業を進めていく必要があるというふうに思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。

○山際学務部長 今後、モデル事業のあり方について検討するわけでございますが、検討に当たりましては、区市町村の実情も配慮されるように、区市町村教育関係者の意見を十分聞きながら進めてまいりたい、かように考えております。

○執印委員 少し先の問題でもありますので、お答えになりにくい部分もあるかと思いますけれども、私がお願いしましたのは、意見を十分に聞きながらというよりも、自治体の工夫や試みを尊重しつつ進めてもらいたいということと、その工夫や試みができるような手当てを東京都として進めていただきたいということですので(「そっちが大事だ」と呼ぶ者あり)十分ご理解をいただきたいと思います。
 今、多様なモデル事業については、それは大事なことだというふうに遠藤理事からもご発言がございましたので、紹介をさせていただきます。そういったことについては、そんなにお互い意見が違うところはないと思います。いろいろな試みの中から、子どもにとって何が一番いいかというのを、ここで探り出してつくり上げていくのがみんなの責任だというふうに思いますので、重ねてお願いをしておきます。
 それから、今、LD児等の実態調査について質問も出ておりましたが、私も前回もプライバシーへの配慮等もお願いしたんですが、まず一番最初に、東京都がこの調査を行う権限というのは、何によって行われているのか、権限の保証というと変ですけれども、何に基づいてこの調査が行われたのかということをまずお聞きしたいと思います。

○近藤指導部長 通常は学校教育の充実を図るということが大前提でございますが、法的な根拠を申し上げますと、地方教育行政の組織及び運営に関する法律五十三条に基づきまして、東京都教育委員会の職務権限として行うものでございます。

○執印委員 わかりました。
 次に、先ほども申し上げましたように、プライバシー保護への対応というのを前回もお願いしたわけですが、今回の調査の中で、プライバシー保護への対応というのは具体的にどのように行われていたのでしょうか。

○近藤指導部長 今回の調査は、東京都の公立小中学校に在籍するLD等の特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態を把握するものでございまして、各学校からの報告は、学年別、男女別の該当者数のみでございまして、児童生徒の個人情報等は求めてございません。

○執印委員 数の把握であって個人の情報としてはとらないという意味かと思いますけれども、一部新聞報道等で、人権上の問題から異議が起きているというような話も載っておりましたが、調査を拒否した学校とか自治体というのは、今の段階では把握できているんでしょうか。

○近藤指導部長 九月十九日に調査結果の提出期限となってございますが、現段階におきまして、調査等を実施しないといっている学校や区市町村教育委員会はございません。

○執印委員 今のお話ですと、多少の問題を感じたり、それから期間的にも、私も何で夏休みにぶつけて調査したかなというふうに思ってしまうような、そういうことじゃないと思いますけど、そう感ずるところもあるわけですが、これは、今後の調査の結果というものを議会にも示していただきながら対応を考えていくということが必要かというふうに思っております。
 それから、東京都の意図するところとは別に、各学校で、担任の先生や複数の先生で判断するということですが、それがずっと残ってしまうのではないかということ、それから、指導要録に記載されたり、学年が変わるときの担任の引き継ぎに使われることはないのかどうか。実は調査したときにこういうような結果が出ているんですよというような、そういうようなことであってもやはり問題かと思いますが、このことについてはどのようにお考えでしょうか。

○近藤指導部長 まず、各学校で行った調査の管理でございますが、これにつきましては、各学校等また区市町村教育委員会において適切に管理するよう指導しているところでございます。
 また、指導要録等の記載等についてでございますが、この調査は、先ほどから申し上げておりますように、学年別、男女別の該当者数を把握する目的で行っているものでございます。したがって、個人を特定するものではございませんので、調査結果を指導要録に記載したり、担任の引き継ぎ等に用いたりするためのものではございません。

○執印委員 次に、これは保護者にも知らされないうちに調査がされたんだというふうに思うんです。いろいろなところでこの中間まとめの話をしますと、また調査の話をしますと、自分の子どもが対象になってこういう調査がされていることを全く知らなかったという親がいるわけなんですね。
 そのことについては、調査があって、それが自分の子どもにプラスであればいいんだという保護者の方もいらっしゃるようですし、いろんな意見はあると思いますが、保護者にきちんと説明をされないうちに、つまり、する期間的な余裕もないままにこういう調査がされたことで、その子どもにレッテルが張られてしまうというようなことにはならないのかどうか、確認をさせていただきます。

○近藤指導部長 学校教育は、人間尊重や基本的人権の尊重を基盤として行われるものでございます。今回の調査についてもそうした理念に基づいて行われているものでございまして、ましてや子どもの人権等を損なうような、レッテルをつけたりすることは、当然あり得ません。

○執印委員 レッテルがつけられるとかつけないとかいう話そのものが--こういう調査をしたことによって、本当にその子のすべてを包んだ形で対応がされるのか、それとも、本人や保護者の意図しないように対応がされるのかということによって、今までの教育のあり方が、レッテルを張られてしまうのではないかというような不安につながっていくと思いますので、十分に対応していただきたいんですが、ちょっとあと一つだけお聞きしたいんですけれども、本来は、これは、普通クラスの保護者にも伝えた上で調査をするべきだったのではないかというふうに思うわけです。
 というのは、そうすることによって、今回、中間まとめがもう出されている、そして、いろいろな障害に対して対応していくということがこれからされていくんだということが、多くの保護者に伝わったということも考えられるわけです。プライバシーの問題とか、親の知らないうちに調査がされているのかということも、当然問題ではありますけれども、ここが教育委員会としての姿勢が問われる部分ではあると思いますので、今後、保護者へのお知らせとか、それからプライバシーの保護や、今後の学校の中でこの情報がどういうふうに扱われるかということについても、ご答弁はいただいたんですけれども、今後、特に自治体の教育委員会に対して対応されるとか、保護者の対応も含めて、対応されるというようなことは、今の段階でどのようにお考えでしょうか。

○近藤指導部長 先ほども申し上げましたが、今回の調査は、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の数を把握する、そして今後の特別支援教育のあり方を探る、そういう調査を行ったわけでございます。
 また、この調査を行うに当たりましては、通常ですと、通知を出して調査をするわけでございますが、今回の場合は、区市町村教育委員会の担当者を招集いたしまして、そこで調査の趣旨や、また調査の配慮事項等を詳細に説明して、調査を依頼したところでございます。また、必要に応じましては、私どもが区市町村の校長会等にも出かけまして説明をしてきたところでございます。
 しかしながら、委員がご指摘の懸念されるような声があるということにつきましては、十分に押さえたいと考えておるところでございます。

○執印委員 このことにつきましては、教育の地教行法ですか、それの五十三条に基づいて東京都が行ったことですから、責任を持ってきちんと対応していただきたいということをお願いしておきます。
 最後に、この陳情への取り組みを含めて意見を述べさせていただきますが、たくさんの方の署名があって、読ませていただいた上で、本当に保護者の方の心情というのは十分に理解できるところです。
 その上で、今回の中間まとめというのは、児童生徒が成長して、雇用や労働までを視野に入れたということを考えますと、陳情にある固定学級という形は、十分にそれぞれの立場で議論をした中で進める必要があるかなというふうに思っております。
 先日、職員の皆さんに大変ご苦労をかけましたけれども、生活者ネットワークでは、盲・ろう・養護学校を視察させていただきました。その中で、病名は申し上げませんけれども、病気によっては、回復するというよりも日々症状が進むという病気があって、子どもにとっても、きょうできたことがあしたできなくなる、そういうことが積み重なっていくようなこともあると思いますけれども、どのようなケアがされているんですかというふうに伺ったところ、教頭先生から、友達がいることがその子の支えですというお話がありまして、大変感銘を受けたわけです。やはりそれくらい友達は大切なんだなということを改めて思ったわけなんですけれども、先ほど述べましたように、これから雇用や労働ということを考えていったときに、当然の権利として障害のある子どもたちが社会で暮らす、そのときに、日常の様子を把握してくれる友達や理解してくれる人がどれだけまちの中にいるかということが、その子の力を支えることになるというふうに思っております。
 そういう面から、先ほどモデル地域の質問もいたしましたけれども、自治体の意向を尊重しながら、さまざまな形のモデル事業をつくっていっていただきたいということをお願いしておきます。
 それから、陳情にある保護者の思いを尊重することは当然のことだというふうに思いますが、それを十分に受けた形での、さらにそれを発展させた将来像を示す責任が東京都の教育委員会にはあるというふうに認識をしております。今回の改正がさらなる障害児の細分化にならないことを願っておりますし、この際、しんどくても、多少歩みが遅くなるように見えても、その間は、制度に子どもを合わせるのではなくて、子どもの最善の利益を追求するところに立ちながら、真のインクルージョンを進めていただくことを要望しておきまして、一項目めと二項目め、それから四項目めには趣旨採択を主張しているということを最後にお伝えいたしまして、質問を終わります。

○福士委員 今までもたくさん出ておりますので、淡々とやらせていただきます。
 今まで質問とご答弁いただいた中でも、固定学級に限りなく近いものができそうだというお話がありました。ならば、単純に、現在の固定制の心身障害学級や通級指導学級に、大きな問題点として残されているLDとADHDなどの支援制度を加えていくだけでいいんじゃないかと私は考えるんですけど、こういう考え方に対してどういう問題が残るのか、まずお伺いしておきます。

○山際学務部長 特別支援教育体制のもとでは、小中学校のLD等を含む障害のある児童生徒は、通常の学級に籍を置きながら特別支援教室で必要な指導を受けるということになります。このため、国の法改正の動向にもよりますが、お話しのように、現行の心身障害学級あるいは通級指導学級を残したまま、LD等の児童生徒だけを特別支援教室で指導することはできなくなるというふうに考えているところでございます。
 なお、改善検討委員会の中間まとめにおきましては、特別支援教室のあり方としまして、週の相当時間数を固定的に配置した担当教員のもとで指導を受けるなど、現行の固定学級に近い形態なども例示をしているところでございます。

○福士委員 それですと、今の制度の方がいいから、固定学級に近い形を残さざるを得ないということじゃないんですかね。法に従うかどうか以外の実際の教育、あるいはそれを受ける子どもたちに問題はないということじゃないんでしょうか。要するに、今のままで、子どもや、それから教育制度としての問題というのは余り見えない、だから、当然、今の制度と同じような形を残さざるを得ないということのように聞こえてくるんですよね。
 今、もう一つの問題としてあるのは、むしろ普通学級に通いたいという障害児に対する門戸は十分開放されているとはいいがたい面があると思います。しかし、就学相談などで、現実には少しずつでもそれらの要望は受けとめられてきておりますし、現時点で必要なのは、さらなる門戸開放と受け皿の増加だと思われるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○山際学務部長 小中学校におけるLD等を含む障害のある児童生徒の就学につきましては、関係法令等に基づきまして、各区市町村教育委員会が判断し決定をしているところでございます。
 今後とも、本人あるいは保護者の希望も聞きながら、十分な理解と納得が得られるような相談を行うことが非常に大切である、このように受けとめております。

○福士委員 今までの中で、もう一つの問題点として、人手の問題がかなり大きいんじゃないかというふうに思いますし、先ほどのどなたかのご答弁でも、今後の特別支援教育を推進していく上では、NPOや教育ボランティアなどの民間の人材を活用することが必要だというようなご答弁がございました。
 しかし、財政的に余裕がない中で、心理学などを研究している学生などをティーチングアシスタントなどとして活用している例も、今でもあるようですけれども、身分保障は各自治体でばらばらみたいですね。
 例えば中野区では、緊急雇用対策費で行っている学習指導補助員の中で、一部の方を障害児対策に向けているというような場合もあるようですし、武蔵野なんかの例では、ボランティアの形でやっているのでアルバイト料も出ないという形の中で、これは試行みたいですけれども、行われている。そういう待遇の面でも違いというのは出てきているわけですね。
 そうすると、今度、今後に向けてさまざまな人材サポートシステムが必要ということは、それはそれで結構ですけれども、問題点を把握した上で、恒久的なシステムをきちんとつくっていく必要があるんじゃないかというふうに思いますけど、その辺はいかがお考えでしょうか。

○山際学務部長 改善検討委員会の中間まとめにおきましても報告しているとおり、今後の特別支援教育を推進していく上では、NPOや教育ボランティアなどの民間の人材を有効活用することが重要であるというふうに考えているところでございます。
 私どもといたしましても、小中学校における特別支援教育が円滑に推進できるよう、区市町村に対する民間の人材情報の提供などの支援策について、改善検討委員会の最終報告も踏まえながら検討してまいります。

○福士委員 先ほど来の、国の方針が決まってないからというようなお言葉もありましたけれども、私なんかが考えれば、国の方針が決まってない今だからこそ、現場を持って問題点を知っている市区町村及びそれを束ねる東京都が、国に対しても、今回の改正を軽々に進めるのではなくて、保護者の理解ができるような制度づくりを考えていくべきであって、単に言葉や制度をいじり回さないようにきちんと申し入れるぐらいのことをしていただきたいというふうに思うんですね。
 東京都としては、今までさんざん努力をされてきたわけですし、その自負はきちんと持っていただいて、さらなる前進をするように、ぜひぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 国の制度を唯々諾々と待つのではなくて、地方自治体としては、知事もよく、東京都は現場を持っているから、そして、東京から国を変えるとおっしゃっているわけですから、国の指示待ちではなくて、地方自治体の務めとして、やはり国に申し入れるということも含めて、きちんと考えていただければというふうに思います。
 そういう意味では、今回の陳情については、私は、すべてを趣旨採択していきたいというふうに考えております。
 以上です。

○野島委員 六番目になりますと特に聞くこともありませんけれども、何点かお尋ねをしていきたいと思います。
 陳情の趣旨に従ってという部分もございますし、いささか自分の見解に過ぎちゃうところもあって、要望になるところがありますが、委員長さん、あらかじめご了承を。ただ、二十五分の通告時間はきっちりと守りまして、その前手で終わるようにいたします。
 実は、この件が出まして、私もいろいろな方あるいは市の教育行政の関係者とか、意見交換をいたしました。もちろん保護者の皆さんとも。なるほど理念はわかった、だが、しかしというのが実情なんですね。
 とりわけ私は--それは都立の養護学校はありますですよ。ただ、市区町村の学校でこういう心身障害教育をやっているということは、さっき学務部長お話しのように、そこが主体になっていくわけです。したがって、今後、そういう部分がどういうふうにとらえて、どう動いてくれるのかというのが一番大事なことだと思うんですよ。
 私は実は教育委員会に電話しまして、この件どういうふうに考えているんですかといったら、いや、まだ何もわかりませんという話でした、ある市の教育委員会は。それは、これが中間報告であり、これから最終報告を得て行政計画に上がっていけば、こういうことでやっていきますと、これが東京都の教育委員会の方針であり、我が市の教育委員会もこうとらえますといえると思うんですね。ただ、その前手なものですから、よくわかりませんとなると、保護者は不安になるし、どうなっているの、先生も全部いなくなっちゃうらしいわよとか、私たちは十杷一からげで普通の学級に入れられちゃって、ときどき先生が来て指導する程度のことなんですよ、こういう不安が増幅しちゃうわけですよ。
 したがって、私は今日まで--1の説明責任ということがありました。先ほど、概括的に教育委員会の考え方もお話を伺ったところでありますが、市区町村教育長、関係校長会、PTA等へ説明なすったと。そういうものをこれからもぜひぜひたくさんやってほしいと思うんです。
 今までの説明会の中で、どんな意向が示されているのか。いや、そういうことはやめた方がいいんじゃないかとか、そういう意見があったかどうかわかりませんが、その辺、まず一点聞かせてください。

○山際学務部長 ご指摘のように、私どもも、いろいろな機会を通じまして説明をしてきたところでございます。区市町村の関係でございますが、教育長などからの主な意見としましては、基本理念、方向性あるいは教育条件整備などについてご意見が出されておりまして、基本理念、方向性は正しいと、そして条件整備というようなものが課題になろう、そういうようなご意見もいただいております。

○野島委員 大体私もそんなことを考えていますけれども、要は、条件整備といった場合に、これが、今回の報告書にあるように、教育委員会の領域にとどまらないわけですよね、当然のことながら。生まれたときからの部分での児童福祉という部分もあるし、教育という領域もあって、卒業されて就労ということ、地域社会でどう生きていくという、そういうことになっていますから、理念はすばらしい、だがしかし、どう条件整備するのか。学校があって、東京都教育委員会から職員の配当を受ければ、これで事足りるということがこの改善計画ではないと思うんですね。それだけに、願わくは余計なことはやってほしくないというふうな、私も公務員に身を置いておりましたから、そういうふうなことよりも、今、保護者の皆さんがいっているような形のものを拡大していった方がいいんじゃないかななんという気持ちになることもなきにしもあらずですけれども、私たちが生きていく社会は、ノーマライゼーションという時代になってきたわけですから、ぜひいろんな機会をとらえて意思疎通をよくしていただいてというふうに思っております。一点目はそれで終わります。
 二点目の、固定制の心身障害教育、通級指導学級を存続させること、こういうことであります。いろいろファクスいただいたり、お手紙もちょうだいいたしました。東京都によれば、限りなく固定学級に近い教室をつくっていくということもある。それは報告書の中にもあると思うんですね。
 固定なのか、あるいは特別支援なのかという、こういう部分というのはごく根幹のところだと思うんです。というのは、逆にいうと、こちらのお子さんは障害があるからこちらですよ、それじゃなくてこちらですよというふうな二つの分け方というのは、僕は、理念のところでおかしくなっちゃうと思うんです。だって、みんな生きとし生けるものとして、障害持っている持っていないというのはあるわけですよ。したがって、それをどうやって全体として、教育の分野もさることながら、社会全体で支えていく、よりよくしていくかということだから、その辺のところをしっかりとらえないと。形態としてこうということよりも、やはりその辺のところで、本来あるべき姿を求めていく。結果として、例えば、今の普通学級では二割しかやれないから、八割はこちらに、特別支援でやりましょうと。そうすると、それが九割の方もいるでしょう。限りなくそういう形になる。そこをやることによって、その人の成長が図れるわけでしょう。それを最初からこう分けちゃって、こっちだと。それは、僕は、誤解を恐れずにいえば、一つの教育集団ですから、そうやっておいた方が楽だと思うんです。しかし、そうじゃない。本当の意味でのノーマライゼーションを実現するためにはそうしていく。
 ただ、そうはいったって、理想論ですから、現実に子どもたちを見て、どうしていったらいいかということで、限りなく固定制に近いような教育もあり得るということだというふうに僕は理解をしているんですが、見解をお伺いいたします。
〔委員長退席、服部副委員長着席〕

○山際学務部長 特別支援教育転換への背景といたしましては、ご指摘のように、社会のノーマライゼーションの進展、あるいは医療、科学技術の進展により、心障教育をめぐる環境が変化をしている。さらに、約六%いるというLD等への新たな対応、このようなことが転換の背景となるわけでございます。
 その意義といいますか、お話がありましたけれども、ノーマライゼーションの社会の実現に向けて、健常児と障害児がともに生きていくための基礎づくりを学校教育の中で展開していくというのが、特別支援教育あるいは特別支援教室の核心的なものでございます。

○野島委員 この話はざっくりこの辺で終わりにいたします。要は、そういうことでやっていくということで、制度設計のときに、さっきいった教員の資質を向上させていこうとか、あるいは民間の専門家の力をいただいていこうとか、あるいは、ほかの福祉資源との連携とか、こういうことだろうと思うんですね。ですから、ぜひその部分ははっきりとしておいてほしいなというふうに私は思っております。
 これで最後にいたします。先ほど、執印理事の方からモデル校の話が出ました。まだいささか早いのかなという話もしていましたけれども、答弁もあったところですが、もう一度改めて、モデル校、モデル地区というのか、そういうのを設定していく際、何を基準にやっていくのかというようなところをひとつお聞かせください。

○山際学務部長 お尋ねの特別支援教育の推進に向けたモデル事業につきましては、保護者の不安を解消し、都民の理解を得ながら、円滑に特別支援教育を進めることを目的としたものでございます。
 このモデル事業につきましては、特別支援教室での教育的ニーズに応じた設置形態や指導方法、専門家との連携による指導のあり方、校内全体の推進体制の整備などの検証を行う予定でございます。
 なお、実施地区の選定に当たりましては、地域的なバランスや対象となる地区の学校規模等を勘案しながら検討してまいりたい、かように考えております。

○野島委員 わかりました。もっともっと先の話で、そんな理想を申して直ちに実現するとは思いません。しかし、行政はそれに向かって、現実を加味しながら、いろいろな制度の設計もしていかなきゃいけないだろうというふうに思っているんですね。
 今、実は教育というジャンルの中でのお話でした。必ずしもそこにこだわっての答弁というふうには思っておりませんけれども、例えば、今回のこの改善委員会の報告が、なぜ教育改善なのかという部分でとらえる必要があると思うんですね。それは、あの報告書にもあるように、生まれてから学齢期という部分が一番心身ともに成長していくわけですよね。その段階をどういうふうに教育していくかでその先も決まってくる、こういうことだろうと思うんですね。
 実は、障害をお持ちの方、例えば小児の方でお持ちの方というのは、周産期の医療の問題もありますよね。それから、小児科で高度な治療を必要とする方というのは、二十になってもずっと小児科なんですよ。そうすると、そういう医療資源がどこにあるのかという部分が一つ出てくると思うんですよ。それから、就学時前にそういう、例えば障害保育をやっている区市町村もあるでしょう。あるいは、そういう特定の施設を持っているところもあると思うんですよ。そういう資源があるなしもあるわけですよね。それから、さっき学務部長もおっしゃるように、NPOだとかそういうものが、こういう課題に関して現に根づいているところ。それから卒業後、福祉就労も含めて、就労。福祉就労の部分があるところ、作業所とかなんとかないところとか、いろいろあると思うんですよ。
 教育の分野だけで、学校がある、対象児童があるから、こういう教員を張りつけて、こういう運営体制にしてということだと、私はなかなか都民の理解が得られないと思う。と同時に、そこを突破していかないと、冒頭申し上げた教育委員会も、そんな大きな課題を、私どもの教育領域から発して全体の福祉行政に展開をさせて、障害福祉のより一層の充実のために教育から入っていくんだという気持ちはなかなか出てこないですよ。一生懸命区市町村についてもやってもらわなきゃいけないし、東京都についても、この改革そのものは、例えば、それで育ってきた人たちが就労の場がなかったら困るわけですよ、それなりに就労できるようになったって。そうしたら福祉作業所も必要でしょう。
 そうすると、これは教育委員会のジャンルじゃないですよね。福祉局のジャンルですから、そういう部分のところも必要だし、いわばトータル的な物の見方がないと--私、お母さんたちと話していて、一番そこなんですよ。今、自分の子どもが学校に行って、そういう固定学級に行っているから安心して育ってますよ、こっちにいたときよりも、こっちに行った方がリーダーシップも発揮するようになったと。確かにそのとおりという部分もあると思う。だけれども、トータルとしてその先を考えたときにどうなんですかといったときに、可能な限りいろんな場面をお子さんたちに経験してもらうということ、それを教育のみならず福祉も含めてサポートしていくところがなければ、なかなか理解が得られないと思います。先ほど執印理事さんは、いささか話が早いという話ですが、これはもっと先の話でも結構です、そんな一朝一夕にいきませんから。ぜひそんな気持ちを持って取り組んでいただきたいと思いますが、どうでしょうか、学務部長さん。

○山際学務部長 障害児を乳幼児期から、そして学齢児、そして卒後ということも視野に入れながら施策を展開するということは非常に重要なことでございます。ご提案の件についても今後十分に検討して対応をしてまいります。
〔服部副委員長退席、委員長着席〕

○野島委員 これでやめます。僕はそういうふうに思っているんです。要するに、私たちが生きていく中で、時間という縦軸がありますね、生まれてから死ぬまで。そのときにいろいろなジャンルがある。そういう中、クロスポイントを見つけながら、いろんなことをやっていかなきゃいけないだろうし、医療、教育、福祉、就労、こんなことも書いてありますけど、そういう理想があると思うんですよ。
 私は、障害者福祉の究極の理想というか目的、究極の障害者福祉は何かといったら、障害を持つ方が社会に出て働いて税金を納めてもらう、社会の一員として。納めてない方はとんでもないということじゃないですよ。大変なことなんですよ、そこまで行くには。それが究極の障害者福祉だと私は思うんです。そのために、公が持てる資源を民間の資源と一緒にしながらやっていく必要があるだろうというふうに思っています。
 究極の障害者福祉は、いわば社会に出て就労していただいて、かつ税を払っていただくことですよというのは、私がいったんじゃない。かつてケネディ大統領がいった言葉なんですね。ぜひ横山教育長さん、東京の教育のケネディとしてご奮闘をお願いいたしたいと思います。
 極めてざっくりした話で恐縮でございますが、あとは皆さん細かいお話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 終わります。

○中嶋委員 七番目になりまして、今、全部いわれてしまったんですが、三点だけ要望を。
 一つは、さっきから出ていたモデル事業、これは、いつ、どこで、どのようにやるか、必ず我々にも報告をお願いしたいと思います。いつ、どこで、どのようにやるのか。その場合は、さっきから出ていました固定学級の機能も包含して、特別支援教室を弾力的に運営するという国の方針があるわけですから、それを具体的に、どこで、どのようにやってみるのかということを、ぜひ検討して、報告をお願いしたいと思います。
 二点目は、先ほども野島委員と話をしたんですが、区市町村教育委員会の腰が引けていると。私もそう思います。それは無理もないんですが、早急に制度の全体像を工夫して提示した上で、さっき、区市町村の工夫の足を引っ張らないなんていっていましたが、逆に区市町村の腰を押してあげるぐらいにしないと話が進んでいかない。これが二点目のお願いです。
 三つ目は、けさも、あきる野、中野、世田谷の五人の保護者の方と実は都庁内でお会いして、お話をいたしました。さっき野島委員からもありました。固定学級なら固定学級、あるいは養護学校なら養護学校に入ってもらった方が、実は、世の中全体、健常者の側の世の中全体は楽なんですね、語弊を恐れずにあえていっちゃいますと。ですから、ノーマライゼーションというのは、実は一般の社会に突きつけられた課題なわけです。けさもお母さん方からも聞きましたけれども、通常学級に入ったと、だけど悲惨ないじめに遭って、しかも担任がなかなかその実態を親に教えてくれなかった。我が子がすさまじいいじめに遭っている姿を見て、やむなく障害児学級に入って、そこの担任に助けられて、何とか今立ち直って、学校にも通うようになったという例がたくさん聞こえてまいります。
 ですから、むしろ通常の学級の中で障害者を対象にしたいじめがあるということをまず重視して、その辺もあわせてきちんと手をつけていかないと、ノーマライゼーションなんていうのは単なる言葉だけで、実態は何も伴いません。
 したがって、今回の特別支援教室への移行、制度の変更というのは、むしろ一般の保護者、一般の子ども、一般の学校、一般の教員、校長に突きつけられた挑戦だ、そういう意識を持って、さっきも出ましたけれども、一般の父兄、一般の学校、教員に対して、どのように意識改革を促していくか、これも都教委の大きな仕事だと思っております。ぜひこの三点をお願いして、もう出ておりますけれども、質問じゃなくて要望を終わります。

○渡辺委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件のうち、第一項及び第二項を趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○渡辺委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第三五号中、第一項及び第二項は趣旨採択と決定をいたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
午後五時八分休憩

午後五時二十分開議

○渡辺委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、陳情一五第三六号及び陳情一五第三七号は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○臼井人事部長 まず、一五第三六号、東京都立高等学校教員の定期異動実施要綱(案)の慎重な審議に関する陳情について、ご説明申し上げます。
 陳情一五第三六号は、田中恭子さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、東京都教育委員会が平成十五年六月二十六日に提示した東京都立高等学校教員の定期異動実施要綱(案)について、その決定に当たり、次のことをさらに慎重に審議していただきたい。1、異動の対象となる年限が短過ぎること、2、異動についての校長にゆだねられる権限が大き過ぎること、3、施行日及び経過措置が拙速であることでございます。
 本陳情についての現在の状況でございますが、東京都立高等学校教員の定期異動実施要綱につきましては、学校経営計画を踏まえた校長の人事構想に基づくきめ細かな人事異動を推進するとともに、全都的な視野に立った人事交流を促進することなどにより、人材の育成、活用を図り、学校教育の一層の向上を目指し、本年七月十日に改正したところでございます。
 陳情要旨1につきましては、都立高校が、生徒や保護者、地域社会のニーズに応じ、自主的に特色ある教育活動を展開するためには、各学校が目指す学校像等を明らかにした学校経営計画を策定するとともに、学校の予算や人事において校長の考え方が反映できる柔軟な制度に改める必要がございます。
 そのため、新たな実施要綱では、異動対象年限を三年に短縮し、現任校三年目から異動申告書を提出させることにより、学校経営計画を踏まえた校長の人事構想を反映しやすくいたしました。
 また、長期在職に伴う弊害を除去するため、勤務年数六年で異動することを定めるとともに、校長の具申に基づき、学校経営上引き続き勤務させることが必要であると都教育委員会が判断した者につきましては、勤務年数六年以降も在職可能とできるようにするなど、人的な面において校長の学校経営を支援する柔軟な仕組みといたしました。
 次に、2についてでございますが、都立高校が、生徒や保護者、地域社会のニーズに応じ、自主的に特色ある教育活動を展開するためには、校長のもと、教頭や、新たに指導監督職として設置されました主幹、教員が協力し、組織として結集し、生徒の実態に応じた教育活動を展開していく必要がございます。そのために、校長は、中長期的な展望を持って学校経営計画を策定するとともに、それを実現するに見合う学校の予算や人事上の権限を持つ必要がございます。
 最後に、3についてでございますが、異動要綱は、東京都教育委員会の権限と責任に基づき実施するものであります。しかし、案の段階で、各区市町村教育委員会教育長会、各校種の校長会等の意見を聞き、必要な修正を行うとともに、各職員団体に情報提供した上で決定をいたしております。
 施行日につきましては、要綱改正に伴う今後の異動作業上の事務等を考慮して決定したものであり、経過措置につきましては、旧要綱の異動年限等を考慮いたしまして、二年間としたものでございます。
 続きまして、陳情一五第三七号、東京都立高等学校教員の定期異動実施要綱(案)の規定の追加に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情一五第三七号は、田中克司さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、東京都教育委員会が平成十五年六月二十六日に提示した東京都立高等学校教員の定期異動実施要綱(案)の中に、校長が、教育の受益者である生徒の保護者に対し、学校経営計画を踏まえた校長の人事構想及び異動実施要綱の校長としての運営方針について開示し、説明する場を毎年設けることの義務規定を盛り込んでいただきたいでございます。
 本陳情についての現在の状況でございますが、新たな要綱では、教員の異動に関する透明性を確保するため、異動の方針において、学校経営計画を踏まえた校長の人事構想に基づき人事異動を行うことを明確に示すとともに、異動の決定に至るまでの手続を都教育委員会として組織的に行っているという仕組みを明らかにし、むしろ恣意的な異動が行われるなどの疑念が持たれることがないようにしております。
 また、都教育委員会として校長に対し、恣意的人事の疑念が持たれることがないよう、異動説明会を通じて、新たな要綱の趣旨を徹底していくこととしております。
 校長の人事構想については、異動要綱に基づき、教員一人一人の能力や経験、居住地など、教員個々の人事に関する情報を総合的に判断して策定するものであり、個人情報が多く含まれることから、公開することは困難でございます。
 また、教員の人事異動は、最終的には、全都的視野に立って都教育委員会の権限と責任において行うものであり、校長が事前に人事に関する事項等を保護者に説明することは、むしろ学校現場に混乱を招くおそれがあることから、異動に関する運営方針を説明する旨の義務規定を盛り込むことは困難でございます。
 なお、校長が保護者に対し、人事構想の基礎となった学校経営計画の公開や異動要綱の趣旨を説明することは必要であると考えております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○渡辺委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小美濃委員 それでは、何点か質問をさせていただきます。
 先ほどの説明でもありましたように、先般、都教委は、教員の定期異動実施要綱を改定したということであります。今回の陳情は、都立高校の定期異動に関する陳情でございますけれども、今回の定期異動の要綱は公立の小中学校に関しても触れておりますので、それらもあわせて質疑をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭に、教員の人事に関して法令上どのような定めがあるのか、お伺いをしておきたいと思います。

○臼井人事部長 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十四条及び三十六条から三十九条に基づき、都立学校の教員の人事は、校長の意見具申に基づき、任命権者である都教育委員会が行う。また、区市町村立学校の教員の人事につきましては、校長の意見具申及び区市町村教育委員会の内申に基づきまして、任命権者である東京都教育委員会が行うと規定されております。

○小美濃委員 校長の意見具申というのは当然のことでありますけれども、それ以外にもさまざまな規定をされているということでありますが、しかし、およそ民間では、トップの考えによって人事が行われているというのが、一般的には常識であります。
 校長は学校組織の最高責任者でありますし、所属する教職員の資質や能力などは一番把握をしている立場にあると思われます。そういったことから、職員の定期異動の実施に関しては、校長の意見具申が最大限尊重されるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○臼井人事部長 校長の意見具申は、必ずしも東京都教育委員会の任命権の行使を拘束するものではございませんが、先ほどご説明しましたとおり、校長の意見具申が法で定められている趣旨から十分に尊重されなければならない、このように認識しております。

○小美濃委員 が、しかし、現状では、校長には確かに教員人事に関して意見具申という権限があるということにもかかわらず、学校現場では、教員の希望と承諾などなどが優先されるといった、ある意味で誤った考えがありまして、校長が異動させたいとしても実現は困難であるということを、実は現場の声として聞いているわけであります。そんなような実態があるのかどうか、ぜひお伺いをしたいと思います。

○臼井人事部長 旧異動要綱では、異動対象年限が八年以上とされておりまして、現任校八年未満の教員が異動を希望しない場合、校長が学校経営上の必要性から異動させたいと考えても、教員を説得して異動申告書を提出させるか、あるいは職権で異動させるしかなく、実際上異動が困難な状況がございました。
 また、必異動年数は、最長で小中学校においては十年、都立学校においては十二年であることから、一部の地域や学校では、人事の停滞による弊害を生む原因となっております。

○小美濃委員 なるほど。都教委としては、旧異動要綱にこういった課題があるといった認識から異動要綱の改正に踏み切ったということを理解したわけであります。
 それでは、改めてお伺いするわけですけれども、今回の新要綱、どのような内容としたのか、お伺いしたいと思います。

○臼井人事部長 改正異動要綱では、校長、区市町村教育委員会及び東京都教育委員会の権限を明確にいたしまして、異動の決定までの手続を明確にするとともに、異動の方針において、教員の異動は校長の人事構想に基づいて実施することを明確にいたしました。
 また、異動対象年限は全校種三年に短縮し、現任校三年目からは、本人の意向にかかわらず、校長の具申により異動の対象とすることといたしました。また、勤務年数六年で異動することとし、長期在職に伴う弊害を除去するとともに、校長の具申に基づき、学校経営上、引き続き勤務をさせる必要があると都教育委員会が判断した者につきましては六年目以降も在職可能とし、校長の学校経営を支援する仕組みといたしました。

○小美濃委員 異動対象年限を三年、必異動年限を六年とした理由は何でしょうか。

○臼井人事部長 旧要綱におきましては、小中学校の教員は、三年勤務すれば、本人の申し出により異動の対象としておりましたが、改正の異動要綱におきましては、本人の申し出がなくても異動の対象とすることによりまして、人事異動を柔軟に行える環境を整え、校長の人事構想を反映しやすくいたしました。
 また、長期在職に伴う弊害を除去し、校長の学校経営を人事面で支援していくために、現行の必異動年限を八年から六年に引き下げたところでございます。

○小美濃委員 異動の対象年限を三年としたということでありますけれども、三年で全員異動になってしまうのか。また、異動の対象年限を、この陳情にもあるわけですけれども、大幅に引き下げたわけでありますが、学校が保護者や地域から信頼されるためには、一定の期間、教員を学校に定着させるという考え方もないことはないわけであります。教員の人材育成、能力開発の面からも、教員の回転が早過ぎるということが弊害になるのかならないのか、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。

○臼井人事部長 改正異動要綱では、勤務年数三年で異動の対象となりますが、三年で全員が異動するものではございません。学校は、校長の学校経営方針に基づきまして、組織的かつ計画的に教育活動に取り組むことが基本でございまして、個々の教員の異動により影響されるものではないと考えております。
 今回の改正の異動要綱では、ご指摘のような点も考慮しまして、学校経営上必要な人材は引き続き勤務することができるような柔軟な異動が可能となる仕組みとしてございます。
 また、教員個々の能力開発は、勤務年数の長さで決まるものではなく、勤務校の実態に応じた研修体制や、みずからの研修意欲に負うところが多いと考えておるところでございます。

○小美濃委員 ただいまのご答弁によりますと、校長が学校経営上引き続き勤務させることが必要であるという場合には、六年を超えて在籍させることができるということでありました。
 校長の学校経営を支援していくという趣旨からすれば、校長が教員を在職させたい年限や、また人数を余り限ってしまうことをせずに、柔軟に対応すべきと考えますけれども、都教委の見解をお伺いしたいと思います。

○臼井人事部長 六年を超えて勤務させたいとする教員に対する校長の意見具申については、その年限や人数を限定するものではないと考えております。具体的には、校長の具申に基づきまして、学校の状況に応じて柔軟に対応していくと考えております。

○小美濃委員 そうですよね。実は、今回も現場を取材させていただきまして、今までは小中十年までいられたということでありますので、例えば、これは中学校で聞いたんですけれども、新学期に八年目の先生を学年主任に充てた。十年で異動だから、八、九、十と、十年で異動してもらうということで、したわけですけれども、既にこの新要綱が九月一日からですか、実施をされているということなんで、新学期に八年目の先生を学年主任にして、来年、二年に上がるときに異動させられちゃ困るわけですよね。校長先生としては困るわけでありまして、こういったことに対しては比較的柔軟に考えていただくよう、最大限の考慮をお願いしたい、そんなふうに思っております。
 そこで、校長の学校経営を人事面で支援するために、改正異動要綱の方針において、教員の異動は校長の人事構想に基づいて実施するということを明確に示したとしておりますけれども、この校長の人事構想というのは一体どういうものなのか、これをお伺いしておきたいと思います。

○臼井人事部長 校長の人事構想は、学校の経営方針を実現するため、当該校に勤務する教員の人材活用、育成の観点を踏まえまして、校長の権限と責任において作成する具体的な人事計画として、今回、作成を義務づけたものでございます。

○小美濃委員 今回の異動要綱の改正では、教員の異動は校長の人事構想により実施するということであるならば、校長の権限が大幅に拡大をされるということであります。陳情の趣旨もその辺を心配しているわけでありますけれども、しかし、一部の学校関係者からは、幾ら六年まで残留できるといっても、校長に気に入られなくては、毎年、年を迎えるたびに、異動させられてしまうのではなかろうか、腰を据えてこの学校で頑張ろうという気持ちにならない、そういう教員もいるでしょうし、また、そういった教員は校長の顔色をうかがいながら教育活動を行わざるを得ない、そういった先生もふえていくのではないか、こんな声も聞こえてくるわけであります。
 このように、校長が恣意的な人事を行うような立場に立った場合、結局、最終的には生徒にツケが回ってくるわけでありまして、こういったことはやはり避けていかなくてはならないと考えるわけであります。都教委の見解をお伺いいたします。

○臼井人事部長 改正の異動要綱におきましては、教員の人事異動に関する透明性を確保するため、異動の決定に至るまでの一連の手続を明確にいたしました。したがいまして、むしろ校長による恣意的な異動が行われることのないような仕組みとしております。

○小美濃委員 今のご答弁によりますと、校長の恣意的な人事には歯どめをかけているということでございますけれども、ところで、校長の人事構想と考えが違った教員が配置されてきたという場合、校長が幾らその教員を指導しても、なかなか能力が発揮されず、教育活動の成果が見られないような教員については、三年未満でも異動させることができるんでしょうか、お伺いします。

○臼井人事部長 ご指摘のように、勤務校ではその教員の資質、能力が活用されずにいる状況がございまして、当該教員にふさわしい学校がほかにあるとすれば、そうした能力を十分発揮できる場を与えるのが当然かと考えております。
 また、そういう教育活動の成果を得ることが十分期待できる教員につきましては、人材活用の観点から、三年未満でも他の学校に異動の対象と考えております。

○小美濃委員 三年未満の異動についても校長の具申によってできるといった答弁をいただきました。
 しかし、現実には、こうした趣旨を実効性のあるものとするためには、今までは莫大な資料を必要としていたという話を聞いております。やはりこれは、先ほどからもご答弁がありますとおり、校長の具申を最大限尊重して、こういった三年未満の異動についても柔軟な対応をしっかりとするべきだと思いますけれども、都教委の見解をお伺いいたします。

○臼井人事部長 三年未満の異動につきましても、校長の人事構想により行われるものと考えております。校長からのヒアリングにおきまして、合理的理由が確認できれば、柔軟に対応していきたいと考えております。なお、その際の提出資料につきましては、校長の負担にならないよう簡素化に努めてまいります。

○小美濃委員 ぜひお願いをしたいと思います。
 一例を申し上げたいと思うんですけれども、取材をした中で、ある学校で、校長の人事構想の考え方から外れたというか、相入れない教員を異動の対象としたといったことがあったんですけれども、莫大な資料をそのときに提出しなくてはならず、校長先生、全体的な、組織的な運営をしていくためにはかなりの仕事量があるわけで、その一人の教員の莫大な資料をつくるというのはなかなか難しいという話でありました。ただ、その異動対象になった先生に対して刀のさやを抜いちゃっているわけですから、例えば異動がそこでされなかった場合、お互いが気まずい雰囲気になります。また、そういった背景には、必ずといっていいほど裏に組合との対立関係があるわけで、これで異動ができないなんていう場合がありますと、組合にとっては勝った勝ったと大騒ぎになるわけで、これは、ある意味では組合の組織率を上げてしまうという結果にもなる。本来は校長の権限を拡大し、そしてしっかりとした学校運営を行うという制度改正であるにもかかわらず、本末転倒の結果を生んでしまう場合もあるわけでありまして、そういったことのないように、校長の具申を最大限に尊重して柔軟な対応をよろしくお願いをしたい、こんなふうに思っております。
 さて、小中学校の改正異動要綱では、通勤時間を大幅に拡大したことによって、教員と地域の関係がますます希薄となるばかりか、生活指導や部活動に影響があるのではないかという声も聞かれているわけでありますけれども、そういったことに関してはどういうご見解をお持ちなのか、お伺いいたします。

○臼井人事部長 通勤時間の拡大は、広域人事を促進し、教員に多様な経験を積ませる機会を確保することによりまして、資質、能力の向上と人材育成を図ろうとするものでございまして、一律に教員の通勤時間を延長させることを意図したものではございません。
 したがいまして、人事異動に当たりましては、校長の具申に基づきまして、部活動、生活指導等に影響のないよう配慮してまいります。

○小美濃委員 なるほど。都教育委員会では、かつての人事考課制度や主幹制度の導入などによって、校長のリーダーシップが発揮しやすいように、これまでさまざまな改革を行ってまいりましたし、私どもも真摯に議論を重ね、制度については賛成をしてきたわけでありますが、今回の異動要綱改正によりまして、人事面における校長の権限が強化されたということは、先ほど来の審議の中で明らかになったわけであります。
 これで名実ともに校長の権限が強化された反面、校長の学校経営の手腕が問われることになってきております。校長の資質、能力に課題があるために適切なリーダーシップを発揮できず、学校経営に支障を来しているような校長について、都教委としてはどのように対応していくのか。
 特に、最近マスコミでも取り上げられました七生養護学校で見られましたように、法令の遵守等、明らかに校長としての職責を果たせず、組織ぐるみで不適正な学校運営が行われていたという校長については、今後とも厳しく対処をするべきだと思っておりますけれども、ご見解をお伺いいたします。

○臼井人事部長 学校経営を行っていく上で課題のある教育管理職につきましては、これまでも、人事考課制度等を活用しまして個別に指導してきたところでございますが、今後、指導を行ってもなお、学校経営を行っていく上で課題があると認められる教育管理職に対しましては、新しい指導、処分ルールの確立を検討してまいります。
 なお、法令の遵守等、明らかに校長の職責を果たせず、不適正な学校運営が行われているような場合につきましては、今後とも厳正に対処してまいります。

○小美濃委員 校長におきましては、一定のルールの中でしっかりとした権限の拡大を図り、そして学校運営を組織的に行っていくということが明らかにされたわけでありますけれども、管理職として、もう一人、教頭という職もあるわけでありまして、この教頭の職務を、また認識を新たにするべきであると考えております。
 前に予算委員会でも質疑をさせていただきましたけれども、私自身が中学時代、実は教頭先生は理科の専科を持っておりまして、やはり教頭先生は専科を持たせるのではなくて、管理職業務に専念をさせて、教頭の経営的立場を明確にするべきであると考えております。
 このため、すべての教頭の名称を、予算委員会でもご提案させていただきましたけれども、副校長として処遇することが必要であると考えているわけでありますが、教育長のご見解をお伺いいたします。

○横山教育長 ご指摘のように、校長を助けまして、校長とともに学校経営を行っていく管理職として教頭の立場を明確にしますことは、教頭自身のモラールアップを図り、学校の教育力を向上させていく上で重要であると認識をいたしております。
 お話しの教頭を副校長とすることに当たりましては、お話しのように予算特別委員会でも議論がございましたけれども、現在、分校あるいは夜間中学校等に設置しております副校長との関係をどうするのか、あるいは、計画されております中高一貫教育校における学校運営組織のあり方、さらに、その処遇や権限のあり方、こういった課題がございます。
 こうした課題がございますが、こうした課題を整理した上で、お話しのような副校長の実現に向けて、私自身取り組んでまいります。

○小美濃委員 校長が真に組織的な学校運営をしていくためにも、やはり学校の努力ももちろん必要でございますけれども、地域の理解や、通う生徒の保護者の家庭のご理解も大変重要になってまいります。今回の異動要綱などによりまして、これからますます校長の経営能力が地域や家庭にどんどん顕在化されていくわけですね。また、それに伴って、教頭の経営能力もおのずと明らかになってくるわけでありまして、そうなると、教頭本人だけではなくて、地域や家庭にも、教頭職は管理職であるということを、また校長を補佐する経営的立場であるということを認識してもらわなければならないと考えております。
 そういった意味からも、呼称というのは大変重要な要素を持っていると思いますし、校長、副校長という名称をぜひお願いしたいと思います。
 ただいま教育長からは、実現に向けて取り組むという大変力強いご答弁をいただきましたので、大いなる期待をいたしまして、また、今回のこの異動要綱によりまして、学校が組織的に運営されて、東京都内の全員の子どもたちが未来永劫健全な教育が受けられることを心から期待をいたしまして、質問を終わります。

○中嶋委員 基本的に、校長の裁量権を拡大して、自主的な学校運営ができるように変えていくということには賛成です。大いにやっていただきたい。
 かつて国立の小学校でさまざまな問題が起きました。行ってみましたら、そこの校長は半年前に、僕は世田谷ですけれども、世田谷から赴任したばっかりだった。ところが、まだ赴任して歴史が浅い。したがって、職員会議をやっても、まるで団交のように、つるし上げのような職員会議しかできない。あるいは、長年その学校にずっといて、校長、教頭をないがしろにしているような学校もあると現に聞いておりますから、校長の裁量権を拡大して、活力ある学校運営を目指す方向は正しいと思っております。賛成です。
 ただ、夏目漱石の「坊ちゃん」ですか、読んだのははるか昔、中学校のころだから、詳しくは覚えていませんが、あれでも、校長、教頭は余りよく描かれていない。テレビの学園ドラマでも、えてして校長、教頭というのはかたき役になっているわけです。
 今、小美濃委員からも質問がございました。一つは、校長の恣意的な人事にならないようにしてほしいという声がございまして、これは全く至極当然なことでございます。で、今、人事部長から答弁がございまして、チェック機能をきちんとつくったから、客観性が担保できる、こういう答弁でございました。ぜひそのように進めていただきたい。これが第一点です。
 学校経営計画に基づいた人事構想、こうなっているわけですね。人事構想は個人のプライバシーが入りますから、むやみやたらには公表できないでしょうが、学校経営計画は公表されるわけでございます。ぜひ多くの保護者の方の目に入るような形で、各学校の経営計画を公表して、それに基づいた人事構想を校長が具申できるように、都教委としての指導体制を明確にしていただきたい。これは先ほどの質問とダブりますから、要望しておきます。
 そうではあっても、やはり大事なのは、校長の資質の向上です。夏目漱石に出てくる校長、教頭とか、学園ドラマに出てくるような校長、教頭ばっかりじゃ困るわけでございまして、一つは、現場の教員の研修と同様、校長には校長にふさわしい研修のあり方があるはずでございます。管理能力、あるいは管理能力の資質の向上を目指した研修をどうするのか。
 もっとさかのぼりますと、校長の任用そのものをやはりそろそろ考えるべきだと。狭い世界の中で育ってきた人だけで果たして適当か。かつて民間人校長の登用を本会議場で提案させてもらいまして、都立の高校で何人か登用が実現した。小中学校でそれがすぐに実現できるかどうかは疑問がございますが、そのことも含めた校長の任用。
 まず一番目の質問は、校長の研修をどうするのか。これだけ人事裁量権が拡大するんですから、それにふさわしい校長の研修の仕方があるはずだ。二番目は、そもそも任用のあり方からしてさまざまな工夫をすべきだと。この二点、まず最初に答弁願います。

○臼井人事部長 まず第一点の校長の研修ということでございますけれども、校長の学校経営手腕を強化するため、企画立案や人事、労務管理など経営能力を高めることを主眼とした、任用前あるいは昇任後の研修を今後とも充実してまいります。
 また、校長の任用でございますけれども、すぐれた校長を任用するために、業績、能力をより重視した校長選考の方法や、昇任、任用時における審査の厳格化などにつきまして、改善策を検討してまいります。

○中嶋委員 ぜひお願いしたいと思いますし、それと連動して、教員研修の中にも、一般の企業社会、一般の組織の中でどのような人事が行われているか、そういうことに、校長、教頭になる前に接するような一般教員の研修があってしかるべきでありまして、そのこともあわせて検討していただきたいと思います。
 問題は、私、きょうじゃなくて、かつて、特別支援教室の審議の際に、学校の担任が、固定学級がなくなるという事実に反したチラシをつくって、子どもに持たせて保護者に配った、こういう服務規程違反の問題を取り上げました。同時に、都教組の新聞、現場を一回も調べもせずに勝手に乱暴な案を都教育委員会がつくっているなんていう新聞をつくった、これもおかしいと私は質問しまして、注意が都教組に行っているはずです。
 今回も一緒。まただ。「新聞都教組」。「先生がコロコロ変わったら」と。それから、こっちも同じ。「先生がくるくる入れかわって子どもと父母のみなさんの願いにこたえられる学校がつくれるでしょうか」と。でっかく、くるくる変わった、コロコロ変わったと、根も葉もないでたらめ書いて、裁判で敗訴を繰り返している週刊誌じゃあるまいし、こんな新聞、責任ある都教組が出すべきじゃありませんよ。おかしい。
 一つは、こんな事実に反したこと、あるいは一部だけを誇張して、父母、保護者の不安をあおるような都教組のやり方、きっちり指導あるいは申し入れをしていただきたいと思います。こんなのを配るから、おかしな情報がひとり歩きして混乱を生むんですよ。あるいは、教育の現場に過度の党派性や政治性を持ち込んじゃいけないと僕は思いますので、ぜひ対処方をお願いいたします。
 一方的で不正確な情報に保護者の方が惑わされないためにも、こういう大きな制度の改正のときには、校長、教頭が一歩踏み出して、保護者の皆さんにきちんと直接説明する機会を設けるべきです。これはやるべきですよ。そのぐらい校長、教頭はできなきゃだめだ。学校と地域との協議会もあるはずですし、父母と接するチャンスもあるわけですから、積極的にそういう機会を使って、校長、教頭みずからが、大きな制度の改正のたびごとに、保護者に直接きちんと説明する。しかも、一方的に説明するんじゃなくて、やりとりしながら理解を求める。特別支援教室も一緒です。本来ならば、一般の保護者に向かって、または生徒に向かって、校長、教頭が一生懸命制度の説明をすべきです。今回も一緒です。ぜひこれをやらせていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

○臼井人事部長 今回の異動要綱の改正は、大幅な改正でございますので、そういった趣旨を周知徹底するために、都教育委員会としては、校長全員に直接説明会を設けまして、現在、説明をしております。また、全教員に対しましては、この改正異動要綱の内容を記載したパンフレットを配布いたしまして、その内容を周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、今回の異動要綱につきましては、学校関係者の関心も非常に高いことから、各校長に対しまして、保護者に対して、改正の異動要綱の趣旨等につきまして、学校運営連絡協議会や保護者会等を通しまして十分説明し、理解を得るように周知徹底を図ってまいります。

○中嶋委員 ぜひご努力をお願いします。
 それから、都教組のこの新聞、部長ね、これについても何らかの対処をしてくださいよ。こんなのを黙ってほっといちゃだめですよ。つけ上がっちゃう、こんないいかげんなことをやらせちゃ。活字なんだから。任意の新聞だといったって、これは新聞なわけですから、きちんと正確に書けと、そのぐらいいってあげてください。
 それから、もう一点、これは要望ですけれども、ある都立高校の父母の方が心配しておりました。本当に情熱傾けて、その学校に命をかけるような教員もいると。その教員というのは上昇指向がないんでしょうね。私は管理職なんかなりたくない、この学校のスクールカラーとこの学校の生徒が大好きだ、この学校に自分の半生をかけたい、そういう教員も確かにいると思います。そういう教員もちゃんと包含できるような校長を生み出すようなご努力を、教育長以下お願いいたしまして、質問を終わります。

○曽根委員 この異動要綱の問題で、お二人の方からの陳情ですけれども、陳情者にお会いしてお話を伺ってきたら、ご夫妻なんですよね。それで今回は、ご自分のご子息が通っている都立戸山高校がどうなるかということを心配されて、都立高校の問題に絞って陳情を出されたということで、個人としての善意というか、不安から出されたようです。で、同じ学校に通う父母の方だとか、それから知人、友人などにお願いをして、大変多くの方の署名も集めて、苦労されて出されてきたということをお聞きしました。そういう心配にきちんと答える責務が、都の教育委員会はもちろん、私たち文教委員会にもあると思います。
 それで、この異動要綱の問題は、小中学校も養護学校も全部かかっておりますので、それぞれについて非常に重大な深刻な影響が出ると思います。しかし、それを議論していると大変時間もかかりますので、きょうは、この陳情の扱っている都立高校の問題に絞って話をさせていただきます。
 都立戸山高校は、たしか高校改革の先駆けといいますか、進学重点校にも真っ先に名前を連ね、それから学区の自由化の際にも、学区の拡大も真っ先にやってきたところですよね。伝統校であり、進学率も非常に高い、優秀な生徒が通っているといわれている学校です。
 こういう学校で、今度の異動要綱をそのまま適用していくと、本当にその学校の伝統や、今の教職員集団がつくり上げてきた学力や、スポーツその他のクラブ活動も含めた、学校全体の生徒の活動を支えている教職員集団のこのレベルを維持できるだろうかという素朴な疑問があると思うんですね。
 それでお聞きしたいんですけれども、戸山高校で仮にこれを適用して、そのまま六年以上の先生--今回は経過措置があるんでしょうかね、三年ぐらいで本則適用になるそうですけど、そのまま期限が来た先生から異動してもらうというふうに適用した場合、三年後の本則適用の段階では、何人ぐらいまでの先生が異動することになるんでしょうか。

○臼井人事部長 現在、都立戸山高等学校の全日制過程におきましては、教職員が五十二名勤務しております。このうち、必異動となる教員、これは平成十六年の四月に勤務年数が八年以上に達する--今回、八年以上というのは経過措置でございますが、八年以上に達する者が十一名でございます。また平成十七年度におきましては、勤務年数が、これも経過措置で七年にしておりますが、七年以上に達する者が十一名。さらに、三年後の平成十八年度に勤務年数が本則の六年以上に達する者が四名でございまして、合わせて三年間で二十六名が異動対象となります。

○曽根委員 異動対象じゃなくて必異動ですよね、基本的に。要するに、例外規定である、もう少し長くてもいられるという校長の具申の制度を使わなければ、基本的には--その前にも異動することはあり得るわけでしょう、三年以上でね。しかし、ぎりぎりでも、経過措置で八年、七年、六年で、三年後には五十二名中二十六名が必ず異動しなければならないというふうになるわけですよね。
 三年間、今いる一年生が三年生になり卒業していくという期間の間に、半分の先生が異動する。クラブの顧問やクラスの担任、各専科の教員。私の高校時代を思い出しても、いろいろ教科ごとに、先生方がカリキュラムの進行をお互いに調整し合うあれがありますよね。いろいろそういうふうにつくってきている学校の秩序、これが、半分の先生が三年間で一気に入れかわっていく。本則適用になれば、基本的には三年間で半分というのは、このペースでどんどんどんどん進むわけですよね、六年間で全部入れかわるなら。
 そういうことで、戸山高校のよき伝統というふうにされているものが守っていけるんだろうかと。特に、クラス担任その他の、学校の基本的な運営に継続性の上で支障が出るおそれはやはりあるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○臼井人事部長 ご指摘の伝統や学校行事、部活動などの影響はないのかというご質問ですけれども、学校の教育活動につきましては、校長の学校経営計画に基づきまして、組織的かつ継続的に取り組むことが基本と考えております。個々の教員の異動によって継続性が失われるものではないと考えております。
 また、人事構想につきましては、校長が人事構想を策定するに当たりましては、学校の経営計画に基づきまして、中長期的な視点に立って策定していただくことを考えております。
 なお、今回の改正異動要綱におきましては、校長が学校経営上、引き続き勤務をさせる必要があると具申し、都教育委員会が認めた者につきましては、必異動年限を超えて勤務させることも可能とするなど、校長の学校経営を支援する柔軟な仕組みとしてございます。

○曽根委員 校長の学校経営計画がしっかりしていれば、個々の先生がかなり大幅に入れかわっても、学校の伝統その他大丈夫なんだという考え方、これは今お話しになったわけですが、私は、高校に通わせている父母や生徒の実感とは違うと思うんです。
 なぜかというと、生徒や父母にとって一番身近なのは担任の先生で、もしくは、その学校に長くいると、名物先生というのも出てくるわけで、それからクラブの顧問など、個々にそういう生徒の活動でつながっている先生がまず思い浮かぶわけですね。我々だって大体そうです。校長先生だれだったかというよりは、そういう先生の方が身近な存在なわけで、学校の雰囲気というのは、そういう先生を通じて私たちは知って、つかんでいるわけです。
 そういう点で、校長が代表しているから、学校の伝統全体、または教育活動全体が大丈夫だという考え方だけで、都立高校のこういう伝統校のよさを守っていくということは単純にはいかないということを、私いっておきたいと思うんです。
 それから、もう一つ、先ほど来強調されているように、校長先生の経営計画が何といってもきちんとつくれる、リーダーシップが強化されるということが、この間、あらゆる制度改革の中心に据えられているわけですよね。そのために、校長先生は、三年ぐらいで異動するものを、逆に五年まで延ばしたわけです、一般の先生は縮めたけれども。したがって、校長は、経営計画に基づいて自分の考えた計画、それは都教委とも相談するんでしょうけれども、それに従って、五年ぐらいかけて、時間をかけて学校をつくり変えていくということができるし、またそれが求められているわけですよね。つまり、特色のある学校づくりということが強調されているわけです。
 そのときにやはり心配されるのは、その校長先生の方針が、その学校の実情や、生徒や父母の希望なんかとちゃんと合ってスムーズにいけばいいけれども、合わない場合にどういうことが起きるかということなんですよ。そうならないためにチェック機能というようなことを、先ほども話がありました。恣意的な人事はしないといっている。
 しかし、やはり制度というのは、その制度がもし個人の非常に偏った考え方に従って運用されたときにどういう事態が起きるのかという最悪の場合も考えておかないと、つまり制度の裏側を見ておかないと、大変な事態が起きると思うんです。
 そういう点で、チェック機能といいますけれども、例えば、かつて進学校だったけど、今は学力でランクが落ちてしまった、校長先生が赴任してきて、何とか自分のいる間に進学校にしたい、こういう目標を立てること自体は、私は、都の教育委員会としては大いに奨励すべきことだと思うんですよね。それに従って計画も人事も考えていきたいというふうに、校長先生から熱心に要請があった場合は、都教委は当然これはその方向でやってくださいということになるでしょう。どうですか。

○臼井人事部長 改正の異動要綱では、校長の学校経営計画を実現するために必要な人材につきまして、当該校に勤務する教員の人材育成と能力開発の視点を踏まえまして人事構想を作成することとしておりまして、むしろ校長の恣意的な人事を防止する仕組みとして考えております。
 また、校長から提出されました人事構想につきましては、都教委として詳細なヒアリングを行いまして、適切に作成されているかどうかチェックをしてまいります。

○曽根委員 私も、この先生が好きだとか嫌いだとかいう情実、好き嫌いで人事が行われる、そんなのは当然あってはならないと思うんです。しかし、校長がみずから決めた学校経営計画で、今はレベル低いんだけど進学校に持っていきたいといったときに、頑張らなきゃならないわけですね。相当無理もあるわけですよ、何年間かでそこへ持っていくには。したがって、ちゃんとそれに従ってやってくれる先生を残したい、それに多少なりとも反発したり反対する意見を持つ先生は異動してもらいたいと。すると、当然、学校経営計画に基づいての人事ですから、恣意的人事ではないわけですよね、都教委にいわせれば。しかし、それに対していろんなあつれきは起きますよね、これは。しかし、権限を強化して、それでやっていくんだということ、こういう方向に当然なるわけですよね、先ほどおっしゃったとおり。したがって、これがうまくいけば文句出ないかもしれない。しかし、五年間やったけど結果が出なかったといった場合、だれがどういうふうに責任持てるのかということは残りますよね。
 やはり学校というのは、校長一人だけでは運営できないわけで、周りの教員や、もちろん父母、生徒たちも一緒になってつくり上げていくものです。校長先生に権限がある程度強いということは、私だって当然あると思います。しかし、すべての権限を、予算獲得も含めて、今、校長に集めているわけでしょう。主幹制度もつくった。そうしたときに、先ほど力量の話があったけれども、大変な校長の見当違いがあったときには、大きな禍根を残すことになりかねません。
 そこで、そういうことを防止するために、校長先生のワンマンとか、暴走とか、ひとりよがりな運営とか、そういうものを防止するために、客観的にチェックできる機構というのが、この陳情者も考えていっておられるように、必要じゃないかというふうに思うんですが、そういう仕組みというのはどういうふうに考えていますか。

○臼井人事部長 改正異動要綱でこういうパンフレットをつくって、教員に全部周知いたしますけれども、この中にも書いてございますとおり、異動申告に基づきまして、校長と教員のヒアリング、自己申告に基づきますヒアリングを行うことになっておりまして、校長はそのときに、学校の経営計画を十分説明し、教員の希望、また将来の自分のやりたいこと、キャリアプラン、これは作成を義務づけましたけれども、そういうことも含めて、校長と十分な意見交換をした上で、校長としては人事構想を作成するということにしておりますので、そういう疑念がないように、私たちもそういう指導を今後ともしてまいりたいと考えております。

○曽根委員 そうすると、都の教育委員会がチェックをするということが最大のチェック機構であるということのようですが、学校にいるのは生徒であり先生であり、校長先生もその一人。父母もかかわっている。地域もかかわっている。そういう中で、校長先生の経営計画が、どうも生徒たちにも評判悪いし、父母も反対が多いといったような、もし仮にですよ、そういったことがあるけれども、校長はこれをやりたいんだというふうに申告があった場合、都の教育委員会としての判断基準の中に、学校にいる生徒や、またその父母や地域からのその計画に対する強い疑問や反対の声、それはやはり考慮して、場合によってはその計画は変更するということも当然入っているんでしょうね。

○臼井人事部長 先ほど来ご答弁申し上げておりますとおり、改正の異動要綱では、校長の学校経営計画を実現するために必要な人材について、当該校に勤務する教員の人材育成、能力開発の観点を踏まえまして、人事構想を作成することとしております。
 また、経営計画について、保護者あるいは生徒等の反対あるいは、そういう意見がどうなんだということですけれども、それにつきましては、学校経営計画を提出していただくときに、私たちとしてはチェックをしてまいりたいと考えております。

○曽根委員 結局、人事の問題にしろ、経営計画をつくるときにしろ、都の教育委員会から見て、だれも文句いえないですよね、校長先生の進学校になりたいという目標はね。そういう当然の計画を立てたときには、多少いろいろ意見はあっても、校長先生に権限を持たせて、頑張ってくださいということになるわけでしょう。チェックはするかもしれないが、都の教育委員会だけで、本当に学校での生徒たちや父母との関係、地域がどう思っているか、これを最終的に判断して、場合によっては修正するということは、私は難しいと思うんです。
 で、そういうものができる方法というのは、今、全国でもいろいろと試みがありますけれども、やはり学校において、校長先生はもちろんですけれども、先生方や子どもたちや父母や地域の方も入っての協議会をつくり、大事な方向、基本的な方向については、そういうところで大いに話し合って、みんなが納得する方向でつくっていく。それが受験校になる場合もあるでしょうし、スポーツ校になる場合もある。しかし、そういうところでつくり上げていくんだという考え方、これは先進的なのは高知県ですけれども、そういう協議会をつくって、四者協議、三者協議という形で話し合って決めているところが今どんどんふえているわけです。それが開かれた学校づくりといわれているわけです。
 東京都の今の人事構想にしても、それから、校長の権限を強めるためのさまざまな手当てを今打ってますよね。その方向と、今、全国でそういうふうに広がってきている、学校でかかわる人たちが皆参加して決めていこうという方向と、私は大きな違いがあると思うんですが、開かれた学校づくりというのは東京都もいっているわけで、その点はどういうふうにお考えですか。

○山際学務部長 開かれた学校づくりに関連するご質問でございますが、都立学校におきましては、ご案内のとおり、開かれた学校づくりの一環としまして、国に先駆けて平成十三年度から、全都立学校で学校運営連絡協議会を設置いたしまして、学校運営及び教育内容に関して、地域住民あるいは保護者の意見を取り入れる仕組みを設けたところでございます。
 都立の各校長は、各学校経営計画を策定するに当たりましては、学校運営連絡協議会のご意見なども参考にするなどして、魅力ある都立学校づくりに努力をしているところでございます。
 都教育委員会におきましても、今後とも、より開かれた学校経営の推進に努めてまいります。

○曽根委員 確かに住民の方が参加したり父母が参加している協議会があるんですね。しかし、校長の権限がこれだけ強化されたときに、それははっきりいって何の権限もあれもない、ただ意見をいって、校長先生は最後にそれを参考にさせていただきますで終わりだと思うんです。そういう仕組みになっていないからです。その意見が反映される仕組み、保障される仕組みになっていないからです。
 私は、これは何も夢物語、架空のことをいっているのじゃなくて、今、都立高校の多くの学校で、例えば私の母校である小石川高校では、二年前にある先生を、十二年の必異動の前に校長先生が異動させようとして、PTAも巻き込んで大きな問題になって、最後に校長先生もPTAに対して、何でもいえる自由な雰囲気を守りたいということを表明されて、その先生は納得して異動されたんですが、そういうこともありましたし、それから、進学校を目指すというために、先生方と物すごく対立をしながら、校長先生が、二期制を組み込んだり七時間制を組み込んだりして、どんどんどんどんカリキュラムを自分から変えてしまう、先生たちがいろいろ話し合ったカリキュラムが全部ご破算になっていくという学校の苦情も、個人の方から私に寄せられています。
 そういう形で学校がよくなっていくとは私は到底思えないんですよ。小石川高校も、先日生徒の方から、半分以上の方の署名で、中高一貫校をやめてくれ、見直してくれという陳情も来ました。
 こういう声がきちんと尊重される仕組みを今こそ考えないと、校長先生の権限だけを強化するというやり方では、東京の都立高校について、私は、大きな財産を失うことになると思います。伝統校もあれば、新進気鋭の学校もあれば、学力は低いけれども高校に行きたいと願う多くの底辺の子どもたちを受け入れている学校だってあり、それぞれの貴重な役割があるわけで、それぞれがそういう実情に応じた改革、改善ができるような、そういう制度を今こそ考えるべきだということを申し上げておきます。
 以上です。

○執印委員 それでは、私、簡潔にやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 この何年かの急激な都教育委員会の学校管理体制の変更に対して、保護者から不安の声が上がり、都教育委員会の真意がはかりかねるという思いが募っている中でのこの二つの陳情、そういった保護者の思いが噴出したものであると思っております。
 矢継ぎ早に校長のリーダーシップを保障し支える仕組みが固められつつあるように思います。すべての校長が自分の権限を適切に行使するのであれば問題はないわけですが、校長が異動すれば、必ずその学校で何らかの問題が起きてしまうなどの能力を持った校長も現に存在するわけです。例えば、余りに管理色が強いためか、それが学校全体の息苦しさにつながるためか、学級崩壊などを引き起こしてしまうというようなことですが、校長が異動した先を追いかけるように、その異動先の保護者からクレームが来るということも、実際に市議を経験しながら見てきたところです。
 これまでもそうだったわけですから、校長の権限を強めれば強めるほど、学校の経営者としての校長の資質、能力がますます問われることになります。現状、校長の評価はどのように行われているのでしょうか。

○臼井人事部長 東京都の公立学校の教育管理職につきましては、業績評定に関する規則に基づきまして、毎年四月一日から翌年の三月三十一日までの一年間を業績評定の対象期間と定めまして、学校経営の改善や所属職員の指導、育成など学校経営全般に関する事項につきまして、校長の自己申告により設定された目標ごとに、その水準と達成度を勘案し、評定を行っているところでございます。

○執印委員 今のお答えの中で、校長の業績評定を行っているということですが、いろいろ質疑もされてきましたが、校長の中には、業績を上げるために、または管理のしやすさだけを求めるために、校長が認めた教員以外は異動させるといった恣意的人事が行われるということが考えられ、教職員や保護者の不信感が募るケースも出てくるかと思われます。
 今回改正したものを伺っても、校長の裁量が非常に強くて、ルールがあるようでないような感じもいたしますけれども、東京都の教育委員会は、恣意的な人事が行われないようにするために、どのように対応していくのかを伺います。

○臼井人事部長 改正異動要綱では、校長の人事構想は、学校経営計画を実現するための必要な人材につきまして、当該校に勤務する教員の人材活用、育成の観点から、そういうことを踏まえて作成することとしておりまして、むしろ恣意的な人事がしにくい、そういう仕組みとなっております。
 また、校長から提出されました人事構想につきましては、全校長から個々の教員の人事方針等詳細なヒアリングを行いまして、校長の作成した人事構想が適切に作成されていることを都教委として確認してまいりたいと考えております。
 なお、都教育委員会としては、改正異動要綱の趣旨を徹底するために、全校種の校長を対象とした説明会を実施するとともに、公正な人事を行うよう周知を図ってまいります。

○執印委員 恣意的な人事が行われないようにしていくということで、むしろ恣意的な人事を防止する仕組みというふうにご答弁もあったわけですが、ちょっとそのことがそのまま素直に受けとめられないという感触を持っております。
 そういったときには、これまでも、また違った角度で質疑もありましたが、校長の学校経営に関して、保護者や地域住民がみずからの目で学校をチェックするということが必要だと思います。児童生徒等の個人名の出る場合を除いて、職員会議なども広く公開し、開かれた学校づくりを進めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。

○山際学務部長 都立学校におきましては、開かれた学校づくりといたしまして、先ほどご答弁申し上げましたが、学校運営連絡協議会の設置などの取り組みをこれまでしてきたところでございます。
 お尋ねの職員会議につきましては、校長の補助機関といたしまして、校長が学校の管理運営等に関する方針等を周知する場でございます。学校長が個々の事案を判断する場合、学校運営連絡協議会や職員会議における意見を取り入れながら、その権限と責任において最終的に意思決定を行うものでございます。
 東京都教育委員会といたしましては、今後とも、開かれた学校づくりを推進する観点から、学校運営の透明性の確保について努力してまいります。

○執印委員 学校運営の透明性確保については努力するということですが、具体的な質問に対して具体的なお答えではなかったので、そのように受けとめさせていただきますが、自信を持ってそれぞれの制度を改変していくのであれば、おおらかに開放していくという心構えがまずは必要ではないかというふうに思います。そういった意味では、まだちょっとすべてを開く自信はおありではないのかなと思いましたが、次に移ります。
 今、学校運営連絡協議会のお話もありましたが、これは、保護者や地域住民の意向を的確に反映するために意見交換を行う場としてつくられたというふうに伺っておりますが、これまでも、校長が作成した学校経営計画を、校長が選考した学校運営連絡協議会のメンバーがチェックする仕組みには無理があるということは、常々指摘をしてきたとおりです。
 しかし、校長の資質によっては、日の丸・君が代の強制を議会が求めるのは教育への介入だというふうに発言する方もいらっしゃいますので、子どもの立場に立てるメンバーが入っていることもあるんだという認識をしているところです。
 そこで、開かれた学校を標榜する都の教育委員会ですから、この際一歩進めて、この学校運営連絡協議会を広く公開することによって、この間の急激な改変に対する保護者の不安解消に努めるべきだというふうに思います。学校運営連絡協議会の公開をし、見えやすい学校運営を行い、開かれた学校づくりを進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○近藤指導部長 都教育委員会では、今後とも、開かれた学校づくりを一層推進していくため、学校運営連絡協議会の会議要旨等を各学校のホームページ等で公開するなどの工夫を検討してまいりたいと考えております。

○福士委員 時間もたっていますので、淡々と伺います。
 まず、今度の要綱改正で、何か管理教育がまた一段と進むのかなというふうに思いますが、異動対象を三年以上の勤務とした理由は何なのか、また、なぜ三年なのか、まず伺います。

○臼井人事部長 今回の異動要綱の改正は、校長の人事構想に基づきまして異動を行うことを明確にし、校長の学校経営を人事面で支援するものでございます。旧要綱では、小中学校の教員は、三年勤務すれば、本人の申し出により異動の対象としていましたが、改正の異動要綱では、本人の申し出がなくても、三年で異動の対象とすることによりまして、人事異動を柔軟に行える環境を整え、校長の人事構想を反映しやすくしたものでございます。

○福士委員 三年未満の勤務者でも、校長の具申により教育委員会が認めれば、異動の対象とすることができるとありますけれども、具体的にはどんな場合が考えられますか。

○臼井人事部長 勤務年数が三年未満の異動についてのお尋ねでございますが、例えば、当該勤務校では教員の資質、能力が生かされずにいるような状況があった場合に、当該教員にふさわしいほかの学校があったとした場合、その教員の資質、能力を十分発揮し、教育活動の成果を得ることができる学校に異動してもらうことが非常に大事だと考えております。そういう場合、あるいは急な転居で勤務校までの通勤時間が著しく延長した場合などが考えられますが、三年未満の異動につきましては、具体的には、校長の具申に基づきまして、個々の事例によって判断をしてまいります。

○福士委員 今のお答えね、教員の資質、能力が生かされずにいる場合というのが非常に問題なんだろうと思うんですけど、ふさわしい学校というのと校長との関係もまたあって、うまくいいあらわせない部分があるんですが、例えば、どこに行っても、どんな能力でも生かされるようにするためには、あるいは、そこの学校でコミュニケーションを図りながら教育をしていこうと思った場合には、この三年未満というのは物すごい短い時間だと思うんですね。ちょっとなれてきて、三年たってやっとコミュニケーションがうまくいって、その学校になじんだころには、もう動かされてしまうとかということになった場合には、また問題だと思いますし、動かされてきた次の学校の受け入れ体制もどうなのかということは、どうやってチェックするんですか。

○臼井人事部長 今回の異動要綱で校長先生方に一つお願いしているのは、校長の人事権を強化いたしましたけれども、その責任も重くなったということを伝えております。
 そういう意味では、校長が学校において、教員の人材育成、また将来をにらんだキャリアプランをつくるわけですけれども、その教員にふさわしい指導計画、研修計画などを、人事考課制度とともに活用しながら、指導育成していくということが大事かというふうに考えております。

○福士委員 確かにそういうところもあるだろうというふうには思いますし、ちょっと順が不同になりますけど、先ほど来、人事構想、学校経営を実現するための必要な人材については、教員の人材活用とか育成の観点を踏まえて作成するというご答弁がたびたび出てきました。それからまた、ヒアリングをきちんと行うので、異動についても大丈夫だよというお話もありましたけれども、ただ、校長の考え方が反映できる制度を目指しているというふうにいいつつも、現実には、保護者が認めている教師を、近代史を教えただけで校長が問題視して、研修所送りを行って、裁判で争うなんていうことも起きています。
 校長の資質にも問題がある場合、そうした校長が職権を乱用して人事を行うということも考えられるわけですけど、先ほど来、歯どめはあるのかという質問もあったにもかかわらず、私、ちょっとそこのところがよく理解できないんですね。教育委員会がきちんとしているんでしたら、今でもそういう問題は起きないわけで、教育委員会の中で、どこまで、どういう歯どめの仕方をしているのかというのが、今までのお答えの中ではよくわからないので、もう一度ちょっと確認をさせていただきたいと思います。

○臼井人事部長 校長の資質に問題があるという指摘、それをどうするのかということでございます。
 先ほど、校長の研修の方法の改善あるいは任用方法の改善等、ご答弁いたしましたけれども、これから、管理職につきましては、そういった誤解を招かないような、管理職としての資質を備えた人材を登用するべく、制度を見直していきたいというふうに考えております。

○福士委員 なかなかかみ合わないので、次の質問に移りますが、あとは時間の問題なんですけど、こちらも九十分から百二十分というふうになりました。皆さんが百二十分になるわけじゃないというのはわかっておりますけれども、そうすると、往復で最大四時間とられる方もあるわけで、体が疲れ果てて、今でもさまざまな問題を抱えた子どもへの授業が満足に成立するんだろうかという心配も出てきます。
 それから、この中では、全都的視野の人事交流ということがうたわれていますけど、毎日疲れ果てて帰宅して、土日も、学校の地域あるいは自宅のある地域で、地域の事業に参加しながら視野を広めるということもあるんだろうと思うんですが、そういう時間もなくなってしまって、さまざまな地域の実態も知らずに、全都的視野の人事交流というのは本当に有効に機能するのかなという疑問もわくんですね。
 何をもってして全都的視野とするのか、また、端っこから端っこへ二時間もかけて移動するような人事交流で何を得ようとするのか、その辺のところはちょっと理解できませんので、教えていただきたいと思います。

○臼井人事部長 今回の異動要綱の全都的視野に立った人事交流とは、教員に異なる地域で多様な経験を積ませることによりまして、資質、能力の向上と人材育成を図るものと考えております。
 小中学校の異動要綱におきまして、通勤時間を今回百二十分にいたしましたけれども、この百二十分は通勤可能な時間でございまして、例えば交通不便なところに居住地がある場合など、個々の事情でやむを得ない場合において百二十分が最大であることを示したものでございまして、一律に通勤時間の延長を意図したものではございません。
 また、教員の地域活動への参加につきましては、教員個々の通勤時間と必ずしも深くかかわるものではないと考えております。

○福士委員 もう終わりにいたしますけれども、今の中でも、教員と校長とかみ合わないとき、それもただ単に教員の資質が悪いということよりも、校長のいうことを聞かない教員の場合というのが先ほども出ておりましたけれども、そういうときに恣意的に遠いところに追いやるという話がないわけじゃない。聞こえてきておりますし、そういうことに使わないという保証はないわけですよね。
 それと同時に、めったにないことであってほしいというふうに願いますけれども、これは教員に限らず、子どもを育てているとき--私も痴呆の母がいたときは、もう本当に自分の体が疲れ果ててしまって、子どもに当たってしまうとか、ゆとりを持って子どもを見られないとか、今になって非常に悔やむ事態がいっぱいあるわけですが、同じことを教員が行うようになっては困るなという思いがつくづくあるんですね。
 本当にゆとりを持って、子どものささいなことでも穏やかに受けとめられるためには、本当に通勤時間というのも大きな要素を含むのではないかというふうに思いますので、そこのところは、質問してもあれでしょうから、しっかり考えていただきたいというふうに申し上げて、質問を終わります。

○渡辺委員長 ちょっとお諮りしますが、理事会では、質問者はここで終わりなんです。ところが、山本委員が五分以内でということで特別発言を求められているので、これを許可したいと思います。

○山本委員 委員長、ありがとうございました。
 大変いろいろご心配された意見も出て、やはり危惧することもあるだろうし、その辺のことをいっておかなきゃいけないかなということで発言されているなと。しかし、私は、校長さんが余りの権限の弱さのために泣かされてきたことをいっぱい見ているものですから、今のこれでやっと正常になったのかなという思いがするんです。
 実は、古い経験でありますけど、私のところは墨田区でありますが、そこで、一つの学校で、三十年勤務している先生が四人、二十年が五人、十年が三人、私の記憶が間違いでなければ、そういう学校があった。自分の教え子の子どもが来ているわけですね。ですから、そこへ校長さん、教頭さんが行ったって、何だよ、あんた、何いっているんだ、この学校はこういうふうにやってきたんだ、あんた、校長だって今ごろ出てきて、そんなこといってもそれはだめよ。こんなことで、大変この校長が泣いて、私に、私が文教委員長のときだったんですが、悔しい思いをしてきたという経験があります。当時は、その人事異動は、内申権と具申権というもので、校長さんは、小中学校は内申権だけだったんですね。ですから、それを取り入れてもらうことはなかなか難しかった。
 そんなところで、そのことでよく議論を議会でした覚えがありますが、そのときから見ると隔世の感があって、しかも、ついこの間、石井さんという国立の教育長さんが、「学校が泣いている」という本を出した。先生方ごらんになったと思うんですが、それなんかでよく、校長さんがどんなに苦労してやってきているかということを書いてありますので、それ見ると、ようやっと教育庁も頑張ってやってきたなと、こう思うわけであります。
 さて、そこで、質問するといったんですから、一つだけ質問します。
 この間、私、二、三人の校長さんに会ったんですが、ある校長さん、新任の先生を教育してやっと覚え込ませて、そして、ひとり立ちができるようになっちゃうと、もう新任の期間が切れて、四年ですか、三年ですか、どうせよそへ出さなきゃならない、これは困ったものだというんですね。何とかやっと仕込んだんだから、あと一、二年、少なくとも五年や六年ぐらいは私の学校に置きたいんだ、手塩にかけて育てた先生ですから、というようなことがあったんですが、それらの点はどうなっていますか。それで質問を終わります。

○臼井人事部長 新採の教員につきましては、旧要綱では四年で異動というふうになってございましたけれども、今回の要綱におきましては、新採教員も含めて、すべて三年で異動対象、六年で異動ということになってございますので、例えば、今先生がおっしゃるとおり、四年かけて、手塩にかけて、そろそろ学校にそれを返してもらおう、恩返しをしてもらおうという状況のときに異動ということがこれまであったわけでございますけれども、今後は、五年、六年、もしかすれば六年を超えても、校長が人事構想に基づきまして、この教員はぜひうちの学校に欲しいということであれば、延長も可能ということになってございますので、そういう新規採用の教員につきましては、同じような取り扱いをさせていただきたいと思っております。

○山本委員 どうもありがとうございました。

○渡辺委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件はいずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕

○渡辺委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第三六号及び陳情一五第三七号は、いずれも不採択と決定をいたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上をもって教育庁関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時四十六分散会

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