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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第六号

平成十三年三月二十二日(木曜日)
午後一時五分開議
 出席委員 十二名
委員長村松みえ子君
副委員長羽曽部 力君
副委員長大河原雅子君
理事服部ゆくお君
理事石川 芳昭君
織田 拓郎君
田代ひろし君
田中 智子君
田中  良君
井口 秀男君
桜井  武君
小林 正則君

 欠席委員 一名

 出席説明員
教育庁教育長横山 洋吉君
次長鎌形 満征君
総務部長加島 俊雄君
学務部長若林 尚夫君
施設部長神山 隆吉君
人事部長小海 博指君
福利厚生部長小島 郁夫君
指導部長斎藤 尚也君
生涯学習部長嶋津 隆文君
体育部長桜井 武男君
同和教育担当部長幡本  裕君
人事企画担当部長臼井  勇君
都立高校改革推進担当部長山際 成一君
局務担当部長千葉 和廣君
参事佐藤  広君

本日の会議に付した事件
 教育庁関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第五十四号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
  ・第五十五号議案 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
  ・第五十六号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
  ・第五十七号議案 都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
  ・第五十八号議案 義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
  ・第五十九号議案 学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
  ・第六十号議案  東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
  ・第六十一号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
  ・第六十二号議案 東京都立高等学校の寄宿舎使用料徴収条例の一部を改正する条例
  請願陳情の審査
  (1) 一二第一二四号の二 すべての子どもたちにゆきとどいた教育の保障に関する請願
  (2) 一二第六七号 定時制高等学校の給食に関する陳情
  報告事項(質疑)
  ・「東京都大学改革基本方針」について

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の平成十三年度予算の調査、付託議案の審査、請願陳情の審査及び報告事項の質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、請願陳情の審査及び報告事項の質疑を行います。
 初めに、第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算のうち、歳出、債務負担行為、教育庁所管分、第五十四号議案から第六十二号議案まで及び請願一二第一二四号の二、陳情一二第六七号を一括して議題といたします。
 予算案及び付託議案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料につきまして理事者の説明を求めます。

○加島総務部長 過日の委員会でご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会資料(予算・付託議案)の目次をお開き願います。
 今回ご要求のございました資料は、1の三十人学級の実施に必要な経費等、学年進行方式から、15、財団法人東京都交響楽団への補助金の推移までの十五件でございます。
 一ページをお開き願います。1、三十人学級の実施に必要な経費等、学年進行方式でございます。
 平成十三年度から、学年進行により三十人学級を実施した場合の十三年度以降の必要経費等を、現行の四十人学級を維持した場合と比較して、小中高校別にお示ししてございます。
 二ページをごらん願います。2、学級維持制度の実施による必要教員数等、平成十三年度でございます。
 十三年度から開始を計画しております学級維持制度の対象となる学級及び必要な教員の見込み数を、小学校及び中学校別にお示ししてございます。
 三ページは、3、第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画における都の措置状況でございます。
 国の定数改善計画の状況及び十三年度において都として改善する予定の定数についてお示ししてございます。改善事項は、小中学校における少人数授業や学校運営の円滑化のための教頭の複数配置、また、特殊教育諸学校における重度重複化対応等でございます。
 四ページをごらん願います。4、全日制高等学校就学計画及び実績の推移、平成八年度から平成十三年度でございます。
 都内公立中学校の卒業者数及び高校への進学率、進学者数等について、平成八年度から十二年度にかけての計画と実績及び平成十三年度の計画をお示ししてございます。
 五ページは、5、平成十一年度都内公立中学校卒業者、平成十二年三月卒業の進路状況調査結果でございます。
 都内公立中学校の卒業者の進路について、高等学校及び盲・聾・養護学校高等部への進学者、専修学校等への入学者、就職者等の別に、平成十一年度の状況を中心にお示ししてございます。
 六ページをごらん願います。6、都立学校の施設整備費の推移でございます。
 都立学校の施設整備費について、平成九年度から十二年度にかけての予算額及び十三年度の予算案をお示ししてございます。
 なお、高校改革関連分は、(注)1にありますように、総額の内数でございます。
 七ページは、7、都立高等学校定時制生徒の私費負担額、電算徴収の推移でございます。
 都立高校定時制生徒の私費負担額について、PTA会費、積立金、生徒会費及び給食費の別に、平成九年度から十二年度の状況をお示ししてございます。
 八ページをごらん願います。8、都立盲・聾・養護学校の施設整備費の推移でございます。
 都立盲・聾・養護学校の施設整備費について、平成九年度から十二年度にかけての予算額及び十三年度の予算案をそれぞれお示ししてございます。
 なお、備考の欄には、平成十一年度までの決算額をお示ししてございます。
 九ページは、9、都立盲・聾・養護学校スクールバス予算及び配置台数の推移、平均運行時間、最長乗車時間の推移、過去五年間でございます。
 都立盲学校等のスクールバスに関し、(1)に台数及び予算額、(2)に平均運行時間、(3)に最長乗車時間について、それぞれ過去五年間の実績をお示ししてございます。
 なお、(1)の平成十三年度は予算案であり、また、(2)については、十一年度から平均運行時間を記録として整理してございますので、それをお示ししてございます。
 一〇ページをごらん願います。10、知的障害養護学校の教室不足数の状況でございます。
 平成十二年五月一日現在における知的障害養護学校の教室数の状況について、保有教室数と、学級数に基づいて必要とされる普通教室数とを比較し、不足の状態となっている学校をお示ししてございます。
 一一ページは、11、いじめ、不登校、中途退学の推移、過去十年間でございます。
 (1)は、いじめの発生件数について、文部省の調査に基づき、小中高校別に、平成二年度から十一年度にかけての状況をお示ししてございます。
 (2)は、不登校の児童生徒の数について、小中学校別にお示ししてございます。
 次の一二ページの(3)は、都立高校の中途退学者数について、全日制及び定時制における平成二年度から十一年度にかけての状況をお示ししてございます。
 一三ページは、12、東京都教育相談センターにおける多摩地区の相談体制でございます。
 (1)に、教育相談センター立川相談室の体制について、職員の主たる業務及び職員の体制を、現在の多摩教育研究所と比較してお示ししてございます。
 (2)は、多摩地区の都民の教育相談についてでございますが、相談を受ける機関と相談内容等を、平成十二年度の現況と十三年度の状況を比較してお示ししてございます。
 一四ページをごらん願います。13、東京都教職員研修センターの研修、研究体制でございます。
 (1)に、研修、研究体制の改編として、現在の教育研究所及び多摩教育研究所の体制及び平成十三年度に新たに開設する教職員研修センターの体制を比較してお示ししてございます。
 (2)は、現在の各機関における研究の状況及び平成十三年度の教職員研修センターにおける研究計画を比較し、お示ししてございます。
 一五ページは、14、財団法人東京都生涯学習文化財団の予算額推移でございます。
 東京都生涯学習文化財団の予算額について、収入の部及び支出の部に区分し、平成九年度から十二年度にかけての予算額及び十三年度の予算案をお示ししてございます。
 なお、(注)1にありますように、十一年度に財団法人都民カレッジを統合して、現在の財団法人東京都生涯学習文化財団になっております。
 一六ページをごらん願います。15、財団法人東京都交響楽団への補助金の推移でございます。
 東京都交響楽団への補助金について、人件費及び人件費以外に区分し、平成九年度から十一年度までの決算額及び十二年度の予算額並びに十三年度の予算案をそれぞれお示ししてございます。
 以上、簡単でございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○村松委員長 説明は終わりました。
 次に、請願一二第一二四号の二及び陳情一二第六七号について理事者の説明を求めます。

○若林学務部長 一二第一二四号の二、すべての子どもたちにゆきとどいた教育の保障に関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、ゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表丸木政臣さんほかから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、まず、第二項目からでございまして、2、小中高の三十人学級を二〇〇一年度から実現し、教職員の数をふやして、行き届いた教育が行われるようにすることでございます。
 文部科学省は、平成十二年八月に小中学校の第七次教職員定数改善計画を、また、平成十二年十二月には高等学校の第六次教職員定数改善計画を策定し、教科の特性に応じたきめ細かな指導等の充実を図るための教員定数の改善計画をお示ししたところでございます。
 都教育委員会といたしましては、国の平成十三年度予算案に反映されましたこれらの計画の趣旨等を踏まえまして、学級編制基準については変更せず、平成十三年度から、教科等の特性に応じた多様な学習集団を編成し、少人数授業を実施するなどの指導の充実に努めてまいります。
 次に、3、都立高校の一方的な統廃合、学級減を行わず、希望者全員が入学できるように計画進学率を引き上げ、入学者選抜制度について、公私立を含めて抜本的に見直すことでございます。
 東京都における高等学校の生徒の受け入れにつきましては、毎年度、総務局、都教育委員会、それから私立中学高等学校協会で構成いたします公私連絡協議会を設置し、都立、私立が協力して就学対策を講じてまいりました。
 全日制高校への就学対策は、学ぶ意欲と熱意のある生徒が一人でも多く入学できるよう、前年度の公立中学卒業生の進学希望率を上回る受け入れ枠を設定することといたしまして、計画進学率を平成九年度から九六%としております。
 また、入学者選抜制度につきましては、各界から広く意見を聞くため、学識経験者、PTA関係者等で構成いたします検討委員会を設置いたしまして、多角的に検討し、現行の単独選抜制度を実施したところでございます。
 さらに、毎年度、学校関係者を含めました入学者選抜検討委員会を設置して検討しておりますので、今後とも制度の定着に努めてまいります。
 次に、4、義務教育の完全無償化を進めるとともに、都立高校の授業料等の値上げを行わず、教育費の父母負担を軽減することでございます。
 都立高校の授業料等の値上げにつきましては、公私格差の是正や受益者負担の適正化、地方交付税算定基準の改定あるいは他の道府県との均衡等の理由により改定をしていく必要があると考えております。
 また、教育費における保護者負担の軽減を図るため、学校徴収金会計マニュアルの作成、学校徴収金取扱要綱を制定し、学校徴収金等に係る取り扱いについて、都立学校長に周知徹底するとともに、区市町村教育委員会にも参考として配布してございます。
 次に、5、障害児学校の重度重複学級を障害の実態に見合って設置、増設すること、高等部訪問教育の制度化に見合った条件整備を進めるとともに、病弱養護学校に高等部をつくること、また、障害児も地域で豊かに生活できるようにすることでございます。
 都教育委員会は、これまでも計画的に重度重複学級の増設を図ってきたところでございまして、今後も、実態を十分把握した上で対応してまいります。
 高等部訪問教育につきましては、平成十二年度より新学習指導要領への移行措置に基づきまして実施しているところでございます。
 また、病弱養護学校の高等部につきましては、特殊教育に関する国の動向なども踏まえまして、病弱教育全体のあり方を検討する中で、調査研究してまいります。
 なお、障害児が地域で豊かに生活できるように、平成四年度から、都立盲・聾・養護学校におきまして、心身に障害のある児童生徒の学校外活動事業を行ってございまして、平成六年度からは、区市町村を対象に、都単独の補助事業としまして、心身に障害のある児童生徒の地域活動促進事業を実施してございます。その実施に当たりましては、活動の担い手となるボランティアや指導者の確保が課題となってございまして、今後は、ボランティア講座実施校の拡大や指導者の養成に努めてまいります。
 次に、6、老朽校舎を改築し、地震対策を強化して、子どもたちに安全で快適な学習環境を保障することでございます。
 都立学校校舎の改築につきましては、学習環境を確保し、地震等災害時におけます生徒の安全を図るとともに、近隣住民への一時避難場所に供するため、計画的に進めてございます。
 また、校舎の安全性や居住性を考慮した耐震補強工事も計画的に行ってまいります。
 次に、7、長期不況下における子どもたちの就学保障のために、公立、私立の児童生徒に緊急の特別措置を講ずることでございます。
 区市町村教育委員会は、経済的理由によりまして小中学校への就学が困難な児童生徒の保護者に対しまして、就学の促進のため、必要な援助を行ってございます。この施策は、長期不況下におきましても、児童生徒の受けます義務教育の円滑な実施に資するものと考えております。
 次に、8、各学校で、子どもたちに合わせて、ゆとりある教育課程が編成できるよう、学習指導要領の押しつけはやめることでございます。
 都教育委員会は、各学校が学校長の責任のもとに編成しました教育課程につきましては、十分尊重されるべきものであるとの認識に立っております。教育課程は、学校教育の目標を達成するための基本的教育計画でございまして、関係法令や学習指導要領に照らし合わせまして適切なものになるよう、必要な指導助言に努めてまいります。
 なお、学習指導要領は、学校教育法施行規則に基づきまして、文部科学大臣が告示したものでございますので、教育課程編成の基準として今後とも尊重してまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いします。

○桜井体育部長 それでは、一二第六七号、定時制高等学校の給食に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、社団法人東京都栄養士会会長赤羽正之さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、定時制高等学校の給食は、これまでどおり自校方式を守り、一校一名の栄養士を配置することでございます。
 現在の状況でございますが、夜間定時制高等学校については、これまで、調理業務を民間委託し、各学校ごとに給食業務を実施してまいりました。また、栄養士については、一校一名を配置してございます。
 しかし、給食調理数が小規模化し、非効率となってきたため、隣接の複数の学校をグループ化し調理業務を行う、いわゆる親子方式を導入し、改善を図っていきたいと考えております。
 なお、実施に当たっては、栄養管理や衛生管理に十分配慮し、各学校の要望を取り入れまして、きめ細やかに運営してまいります。
 また、栄養士の配置につきましては、調理校に一名を基本といたしますが、今回の新たな方式の導入によりまして、当面二名を配置してまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○村松委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めた本案及び請願陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中(智)委員 私は、まず初めに障害児教育について伺います。
 障害を持つ子どもたちの数は、少子化の中でも年々増加し、障害の重度化、重複化が進んでおり、医療的なケアが必要な子どもたちも大変多くなっているといえます。そうした中でさまざまな問題が起こっております。
 その一つが、児童生徒の増加に施設が追いつかず、教室不足があちこちで発生しているということです。資料もいただきましたけれども、資料の中にも、四十九もの知的障害養護学校での不足があるというふうにいわれております。特に知的障害養護学校では教室不足が大変深刻なんですね。
 例えば、この中にありますけれども、矢口養護学校。私、矢口養護学校のお母さんからお話を伺いました。私の子どもは、高等部二年ですけれども、入学当初から高等部の校舎には入れず、小中学部の校舎の教室に入っています。体の大きさが全然違う小中学部の児童と高等部の生徒が同じ廊下を行き来することに、とても不安を感じます。不自由なことがいっぱいです。ぜひ教室不足を解消してくださいと訴えられました。多くの教室をカーテンで仕切る、また図工室や実習室を普通教室に転用するなど、これで学校といえるのかという声が上がるのは当然だと思います。
 一〇ページの資料にも、(注)のところにありますけれども、建設時に保有していた普通教室数、これに転用した管理諸室を足した数字が、保有教室数というふうになっています。それから必要な教室数を引いているわけです。本来ならば、建設時に保有していた普通教室数から必要な教室数を引けば、本来の不足の教室数というのが出てくるはずだと思うんですけれども、とすると、この四十九となっていますけれども、実際にはもっと不足しているというふうにいえると思うんですね。
 何年も前からこうした状況が続いて、そして、改善してほしいということを訴えておられるわけですけれども、こうした状況をどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○神山施設部長 知的障害養護学校では、児童生徒の重度重複化や入学者の増減によって、年度間で教室の必要数に変動があり、一部の学校において教室不足が生じております。
 このような状況に対応するため、従来から、管理諸室などの転用とともに、校舎の増築などを行って、柔軟に対応しているところであります。

○田中(智)委員 どう考えているのかと認識を伺ったわけなんですけれども、これでいいというふうに思っていらっしゃいますか。もう一度お答えください。

○神山施設部長 私ども、今後とも、知的障害校の一部の学校で生じている教室不足につきましては、施設の整備とか通学区域の調整など、改善に努めていく所存でございます。

○田中(智)委員 一部とおっしゃいましたけれども、ここにあるだけでも十六校なわけですね。本来ある教室、普通教室から考えれば、もっとふえる。本来だったら、もっとあったかもしれないですよね。ということは、もう半分以上のところが教室不足があるということなわけですね。ぜひ早急に改善していただきたい。
 こうした状況は、ここ一、二年で始まったわけではないわけなんです。長年解消されていない問題なんです。しかも、むしろふえている。今までのような規模やスピードでは到底追いつかないというふうに思います。
 抜本的に規模をふやし、一日も早く教室不足を解消するべきと考えますが、いかがでしょうか。

○神山施設部長 ただいま申し上げたとおり、一部の知的障害校で生じている教室不足につきましては、引き続き、施設の整備、通学区域の調整などで改善に努めてまいります。

○田中(智)委員 ぜひ早急に改善をしていただきたい。要望しておきます。
 しかし、こうした願いとは裏腹に、施設整備費、大変大幅に減少しております。まず、いただきました資料で、六ページ、都立学校全体の施設整備費の推移というふうにいただきましたけれども、この数字を見ても、平成九年度は四百八十二億です。しかし、平成十三年度は二百五十億にまで下がっているんですね。何と、この五年間で五一・九%にまで落ち込んでいるわけなんです。
 投資的経費の抑制というふうにおっしゃいますけれども、このような学校施設整備、投資的経費だといって削減するのはとんでもないというふうにいえますけれども、この施設整備費が大幅に減少している。
 そして、その次の八ページの盲・聾・養護学校施設整備費、これも大変落ち込みが大きいわけですけれども、この原因についてはいかがでしょうか。

○神山施設部長 都財政が厳しい状況の中で、投資的経費の抑制の方針が示されておりまして、都立学校施設整備費も減少しているところでございます。
 また、十三年度における盲・聾・養護学校の都立学校施設整備費予算が昨年度に比べて減少いたしましたのは、平成十二年度末で、小平養護学校及び文京盲学校の校舎本体の工事が終了したためでございます。

○田中(智)委員 先ほどもいいましたけれども、投資的経費の抑制、だから仕方がないんだということでは、私は、こうした父母の願いというものに本当にこたえられないというふうに思います。
 盲・聾・養護学校の施設整備費、小平養護学校だとか文京盲学校の本体の工事が終了したためだというふうにいわれましたけれども、毎年、始めるところと終わるところがあって、この表を見ていただければわかるんですが、大体六十億円から七十億円は、毎年トータルで確保されていたんですね、今までは。しかし、十三年度は二十五億ですよ。半分以下になってしまったわけですよね。三分の一ですよ。ということは、わずか、全体の予算の中で一割になってしまったんです。
 こんなことでは、いつまでも、改善はするといいますけれども、実際、教室不足を解消する気があるのかといわれても仕方ないのじゃないでしょうか。事は教育条件にかかわる重大な問題ですので、ぜひ抜本的に予算をふやすよう要求をすべきだと考えますが、いかがですか。

○神山施設部長 盲・聾・養護学校の施設整備につきましては、従前から計画的に実施してきております。
 平成十三年度予算は、ただいま申し上げたとおり、都財政の厳しい状況を受け、投資的経費であります都立学校施設整備費全体が抑制をされていること、また、十三年度は改築計画の建設の谷間にあること、阪神・淡路大震災後の盲・聾・養護学校の震災対策が平成十一年度で終了したことなどによりまして減少しております。
 今後、都財政全体の推移にもよりますが、平成十三年度予算の中で改築を計画中の学校の建設工事が本格化するなどにより、経費の増加が想定されております。

○田中(智)委員 先ほどもいいましたけれども、始まるところがあって終わるところがあると。そうしながら、やっぱり毎年六十億円、七十億円、予算を計上してきたわけですね。
 ちょっと見てみますと、都立学校の全体の予算と施設整備費の予算とを比べてみますと、二百五十億の今年度の施設整備費の予算の中で、高校改革関連分が百十四億ということで、ほぼ半分になっているんですね。こうした高校改革の方に予算がとられてしまって、必然的に盲・聾・養護の大規模改修、改築、増築がおくれてしまったんじゃないか、そういう危惧を抱かざるを得ないわけなんです。
 本当にこのような教室不足を一日も早く改善するためには、抜本的な予算の増額、ぜひ強く要求していただきたいと強く主張しておきたいと思います。
 同じことがスクールバスにもいえるわけです。九ページの資料にもありますけれども、平均運行時間でも、平成十二年度で六十九分ということで、大変長いわけです。一番長い方で百五分ということで、交通事情によっては、乗車をするところで長い間待たなければいけないということもあったりするということです。
 私たち大人でも、一時間三十分もバスに乗っていれば大変疲れるわけですけれども、障害の程度も多様な生徒が乗っているわけですから、さまざまなトラブルが発生するということで、本当に大変だと伺っております。
 しかし、これも残念ながら、十三年度の予算案では、スクールバスの運行のための予算が減っているんですね。どの程度減ったのでしょうか。そして、なぜ減ったのか、理由をお答えください。

○若林学務部長 都立盲・聾・養護学校におけます平成十三年度のスクールバスの予算額でございますけれども、対前年度比で約二億四千万、率で七・七%の減となってございます。
 予算額の減少は、各バス会社との契約金額が減少したためでございまして、スクールバスの削減によるものではございませんで、計画的な運行に影響を及ぼすものではございません。

○田中(智)委員 契約料が減ったということですけれども、そうであるならば、昨年と同じ予算を確保して、せめて台数をふやす、そういうことが可能だったのじゃないでしょうか。増車を要求したのでしょうか。いかがでしょうか。

○若林学務部長 長時間乗車の要因というものには、交通事情や運行コースの設定の仕方など複数の理由がございまして、必ずしも増車によって所要時間の短縮が図れるものではございませんが、毎年度の児童生徒の就学状況を踏まえまして、配車計画や運行コースの見直しを進める一方、複数校によりますバス共同利用の検討や、盲・聾・養護学校全体の通学区域の配車状況の見直しなどによりまして、より効果的な時間短縮を図っていくことができるというふうに考えてございます。

○田中(智)委員 私、とんでもないと思うんですよね。増車をやはり要求すべきだと思うんです。予算だって、去年と同じだけ確保すれば、増車できたはずでしょう。スクールバスにこれだけの長い時間乗っている子どもたちの痛みに寄り添うべきなんです。ぜひ増車を要求していただきたい、このように強く要求しておきます。
 この問題、長年の懸案だったわけですから、要求して当然というふうに思います。本当に子どもたちのことを考えているのか、疑問に思わざるを得ません。
 盲・聾・養護学校の教育条件の整備については、問題が山積みです。ぜひこうした子どもたちの負担を軽減するために、学校の増設、増築、スクールバスの台数をふやすために、障害児教育の予算を大幅に増額すべきだと要求をしまして、次の質問に移ります。
 次に、平成十三年度から五カ年計画で開始されます、国のいわゆる第七次定数改善計画に関連して伺います。
 都もこの計画を受けて、小中学校で、国語、算数等、主要教科での少人数授業の導入を進めると伺っておりますし、これに加えて、都として単独に、現学級維持のための教員配置を来年度から新たに開始すると伺っております。
 私たちは、こうした改善は、学力の危機が大きく問題となる中で、子どもたちに行き届いた教育を求める父母や学校関係者、都民の期待にこたえる改善であり、こうした願いにこたえる方向で活用されますよう、要望するものです。
 同時に私が思うのは、なぜ一部の主要な教科に限定するのか、なぜ生活集団と学習集団を分けたのか、学級編制そのものを縮小する三十人学級など、少人数学級になぜ進まないのかという根本的な疑問が残ります。
 まず伺いたいのですが、主要教科の少人数授業は、具体的にはどのように実施をしていくのか、具体的にお願いします。

○小海人事部長 少人数授業は、個に応じた多様な教育を推進するため、学級の枠を超えて学習集団を弾力的に編成し、きめ細かな指導を行うものでございます。
 その実施の方法は、学習集団としては、二学級三展開を基本としております。
 教科は、学習進度に差がつきやすい教科と考えておりまして、原則としまして、主要教科を中心に行います。
 具体的には、ただいま委員からもお話がありました、小学校につきましては国語、算数、理科、中学については数学、理科、英語を想定しております。
 また、実施学年は、小学校は原則として、教科と同様、学習進度に差のつきやすい五、六年生を対象としており、また、中学校は全学年を対象としております。

○田中(智)委員 二つのクラスを三つの学習集団に編成するわけですよね。その場合は、それぞれのクラスを三つに分けるということですね。子どもたちにとっては、自分のクラスとは別の集団、グループで、例えば算数を勉強するということでよろしいかと思います。
 今回の少人数授業は、主要三教科ということなので、いろいろな場合があるでしょうけれども、三教科それぞれの科目ごとに異なったグループで勉強するということもあり得ると思います。そういうことでいいでしょうか。

○小海人事部長 そのような考えでございます。

○田中(智)委員 そうなりますと、子どもたちは、基本のクラスとは別に、幾つもの学習集団に所属するということになるわけで、子どもたちが混乱するのではないかという思いを私は持つものです。
 実は、この少人数授業については、京都で既に実施されておりまして、さまざまな傾向が把握できるということを聞きまして、先日、現地に行って直接話を伺ってまいりました。先ほどから伺っている学習集団の分け方、授業の進度や成績の問題は、先行実施されております京都で実際に問題になっていることなんです。都も、基本的には同様の方式をこれから実施しようということでありますので、参考になると思います。
 私が印象的だったのは、先ほどから出ている、二クラスを一たんばらして三グループにするとか、三クラスをばらして四グループにするとかそういうやり方、つまり生活集団としての学級を壊すやり方、どこでも大変苦労しているんですね。学力の点でも成果が上がらず、中には、うまくいかずに途中でやめてしまった学校もあるんです。
 ある学校の六年生は、三クラスを四つに分けて、国語、算数、理科の授業を行っているが、三教科とも学習集団が違っており、他のクラスとの混合授業で、子どもたちが移動で混乱をし、学習中も落ちつかないなど、影響が出ております。
 子どもの名前がわからないということで、三角柱の名札を持って移動しており、手を挙げる子どもも減って、しいんとした授業になってしまった、こういうことがいわれております。
 子どもは、なぜ今になって名札を持って歩くのか、やめてほしい、屈辱的、学習がおもしろくなくなった、始業式でクラスがばらばらにされ、やる気がなくなった。先生方も、他のクラスの子どもたちの様子がわからなくなった、学年の進度を合わせるために、かえって、きめ細かい授業でなく画一的にならざるを得ない、こうした声が上がっているんですね。
 それで、人の机に座ることによって、物を壊したり、なくなったりというトラブルが多発した、こういうこともあったわけです。
 ところが、一クラスを二グループに分けるというやり方をとったところが、比較的スムーズに進んで、丁寧に見られて目が行き届きやすいと好評なんですね。
 先ほどの二クラスを三グループに分けるやり方と、どこが違うかというと、こちらの方は基本の学級を壊していないんです。同じクラスが二つに分かれているだけなんです。いわば二十人学級に近いやり方をしているわけです。
 同じ制度を適用しても、こうした違いで明暗を分けているということを伺いまして、私、大変印象的でした。
 私は、子どもたちにとって、特に小学生ぐらいの発達段階の子どもにとって、生活集団としての学級がやはりとても大切だ、そこでの安定的な人間関係を基本にして、そして初めて学力も向上していく、授業も、そういう血の通った人間関係を基礎にして初めて活発で楽しい授業ができるのではないかということを本当に強く感じたわけです。
 こうした問題は、東京でも起きる可能性があると考えられるわけですけれども、いかがでしょうか。

○若林学務部長 委員のおっしゃった意見と、私どもは若干やり方が違うわけでございますけれども、児童生徒の社会性を養う教育効果の観点からいたしまして、一定の生活集団としての学級は、やはり一定の規模が必要であるというふうに考えているところでございます。
 その反面、基礎学力の向上のためにきめ細かな指導を行うということが必要だろうと考えてございまして、教科の特性に応じた少人数の学習集団を弾力的に編成し、指導することがより効果的ではないのかというふうに考えているところでございます。
 今後は、国の教職員定数改善計画による改善定数の活用などによりまして、少人数指導の拡充が可能だというふうに考えているところでございます。

○田中(智)委員 実際に京都でやっているところでは、今お話ししましたように、やはり小学校の五、六年生という高学年ですよ。高学年でも、グループに分けることによって大変な混乱が生じているということが、具体的に起きているわけですよね。
 生活集団、一定の規模が必要だ、それを壊して学習集団だというふうにおっしゃいましたけれども、学習にとっても効果が上がっていないんです。生活集団を二つに分けたところは、学習の集団の効果も上がっている、こういうことなんですよね。
 ですから、一般的にはともかく、小学校に限ってみても、学習集団と生活集団を切り離す、特に基本の生活集団を崩すようなやり方、私は、子どもたちの発達段階を踏まえないやり方だというふうに思いますよ。それは京都の例を見ても明らかなわけで、今回、少人数授業はそういう問題点がある、根本的に問題点があるというふうに思うわけです。
 事実、そうしたことを考慮して、今回の七次改善を受けて、小学校の低学年で、学習集団としての生活集団としても少人数化する。例えば秋田県や鹿児島県では、三十五人とか三十二人を上限とする方向が打ち出されてきたわけです。こうしたやり方については、文部科学省も反対しないと国会で答弁しております。自治体独自にこうしたことができるわけなんです。
 そこで、改めて伺いますけれども、学級規模の縮小による少人数学級ではなくて、学級規模はそのままにしながら、一部の授業を少人数授業で実施するとしたことについての理由は何でしょうか。

○若林学務部長 先ほどもご答弁したように、生活集団と学習集団というふうな考え方に基づいているものでございます。
 生活集団については、やっぱり一定規模の学級の規模が必要だろうというふうに考えてございまして、学習集団としては、基礎学力の向上あるいはきめ細かな指導、こういう観点から、少人数指導でやるとより効果的ではないかということでございます。

○田中(智)委員 そうおっしゃいますが、実はこの問題については、最近、文部科学省も、今回の定数増について、財政当局との話の中で出てきた話というふうに答弁しております。そして、三十人学級についても、将来にわたってやらないというわけではない、こういう答弁も行っているわけですね。効果的だとか、いろいろとおっしゃいますけれども、結局、財政的な理由から、三十人学級に進まずに、一部の教科の少人数授業を実施するにとどまったと国も認めているわけなんです。
 私、東京都の場合はどうか調べてみましたけれども、今回の七次改善については、都教委も奮闘されまして、小学校で二百四十六人、中学校で百四十五人の定数増を行うというわけです。
 文教委員会の提出資料の一ページによれば、例えば、小学校で六年間の学年進行による三十人学級実現に必要な定数増、一年目で、ことし小学校で八百八十八人という数字が出ているわけですから、このうち三割ぐらいは国の七次改善を活用すれば、あと六百人で、東京都として配置をすれば、独自に三十人学級が一年生で実現されるわけなんですよ。
 さらに、当面、暫定的に三十五人学級ということであれば、ここにはありませんけれども、予算特別委員会の資料を見ますと、四十人学級に比べて三百六十七人ふやせばいいという数字が出ておりますから、東京都として独自に百二十人程度増員すれば、配置すればいいと。できるわけなんですね。これは決して、やってできないことではないというふうに思うんです。都教委のやる気一つで可能なのではないでしょうか。
 都教委として独自に少人数学級に踏み出すことを、ぜひ真剣に検討していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○若林学務部長 先ほどもご答弁をさせていただいていますけれども、都といたしましては、単に学級規模を縮小するよりも、教科の特性に応じた少人数の学習集団を弾力的に編成し、指導することが効果的であるというふうに考えてございます。
 学級編制基準につきましては、引き続き四十人といたしまして、小中学校におきます少人数指導の拡充に努めてまいります。

○田中(智)委員 国も、三十人学級をやらないわけではないといっているわけなんですね。じゃあ、将来にわたってやらないということなんですか。

○若林学務部長 第七次改善計画におきましては計画をされているところでございますので、その後の状況につきましては、国の動向を十分踏まえまして検討していきたいと思います。

○田中(智)委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
 もう一つ、来年度から実施される現学級維持の制度について伺いたいと思います。
 これは、まず初めに、どういうものでしょうか、お答えいただきたいと思います。

○若林学務部長 学級維持でございますけれども、この制度の趣旨でございます。
 十三年度から実施いたします学級維持制度でございますけれども、卒業や進学を控えた小中学校の最終学年への進級時と、それから、集団生活への適応に問題の生じやすい小学校二年生への進級時に、区市町村教育委員会が特に必要と判断した場合に、前年度の学級を維持できるというものでございます。
 この制度は、継続的な指導あるいは学級運営をねらいとしたものでございまして、クラスがえをする場合には対象としてございません。

○田中(智)委員 これも一つの改善として、基本的には歓迎されているわけですけれども、クラスがえをしないことが条件ということで、通常クラスがえを毎年する中学校では活用しづらいという声が、既に多くのところから聞かれているところです。
 ある市の中学校では、クラスがえをしなければ現学級維持の制度を活用できるけれども、生徒たちの今の状況からすると、クラスをかえる必要があるということで、そうすると現学級維持が適用されずに、クラスが減らされてしまう、そういうジレンマに陥っているということなんですね。
 また、これからは、統合される小学校、中学校も多いというふうに思いますけれども、統合でも同じような問題が起こるんですね。実際に、ある小学校では、それまで、一年生三クラス、そして別の学校一クラスだったものが、統合で、人数の関係で三クラスに、そして一クラスも三十九人から四十人になってしまう、こういう例があるわけなんですね。
 こうした例は、決して珍しい例ではないと思うんですよ。統合すれば、必ずこうした問題も起こってくるというふうに思うわけです。そして、なぜ統合の場合にこの制度が使えないのかという声も、既に上がっております。
 私は、こうしたケースが現学級維持の制度に当てはまるかどうか、それはともかくとして、こうした個別的なケースについても柔軟に対応できないものかというふうに思います。
 このほかにも、例えば四十人以下学級といいながら、四十一人、四十二人の学級がいまだに解消されていない問題など、学級編制がもっと弾力的に行われれば解決する問題はたくさんあるんです。
 学級編制における留意事項についてという通知がありますが、その中で、先ほどの現学級維持制度についても、クラスがえをするなとか、統廃合は対象外だとか、八項目もの大変厳しい留意事項が事細かに決められている。
 さまざまな個別的なケースについて柔軟に対応できるような、例えば、特別枠というような枠を設けて、それで学級編制の弾力化を図っていく、こういうことも考えられると思うんですけれども、いかがでしょうか。

○若林学務部長 学級維持についての統廃合の場合ということでございますけれども、統合された両校の融和を図るため、両校の児童生徒を組み合わせた形で学級編制を行うことが一般的でございますので、前年度の編制がそのまま維持されるということには、趣旨に適合しないのかなというふうに考えてございます。
 できるだけ弾力的な運用を図るという考えではございますけれども、やはり学級本来の機能もございますので、その辺は十分検討させていただきたいと思います。

○田中(智)委員 おっしゃることは、今の現学級維持の制度に適用しようとすれば、そうなるのは、お答えとしてはわかりますよ。しかし、特別枠を設けてということですので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 アメリカでは、ブッシュ新大統領が、一人の子どもも落後させないと題した包括的教育改革法案というものを提出したそうです。学力問題に取り組む大統領の姿勢として、アメリカの民主党も、これを肯定的に受けとめているということです。
 クリントン前大統領も、十八人学級実現に向けた施策を実行され、その成果についても報告がなされていることは、この十一月の委員会で、くぼた委員が紹介したところです。ある新聞は、改革に足踏みする我が国との違いを印象づけたというふうに報じております。
 我が党は、民主党、社民党とともに、今国会に、国の責任で三十人学級を実現する法案を提出いたしましたけれども、都としても、国の定数改善や地方の裁量権の拡大を多いに活用しながら、できることからどんどんやっていくことが重要だというふうに思います。
 都教委として、教育基本法に定められた教育諸条件の整備という教育行政の仕事に真正面から取り組んでいただきたい。とりわけ国民多数が望む少人数学級の実現に、東京都としても真剣に検討していただくことを強く要望いたします。
 関連して、再任用制度について伺います。
 まず、再任用短時間勤務職員の勤務について、都教育委員会の提案の内容と、その理由について教えてください。

○臼井人事企画担当部長 再任用短時間勤務教員の勤務についてのお尋ねでございますけれども、再任用短時間勤務教員につきましては、一日八時間、一年を通しまして平均週四日勤務となるよう、また、児童生徒の通学している期間により多くの勤務日を設ける勤務形態を、現在、職員団体に提案してございます。
 これは、教員の主要な職務が、授業など児童生徒と直接接し、指導することであるため、夏休みなどの長期休業期間にも機械的に週四日の勤務日を割り振るのではなく、児童生徒の通学している期間により多くの勤務日を設けることが学校運営に資すると考えたからでございます。

○田中(智)委員 一日八時間、一年で平均週四日勤務ということで、週に三十二時間の勤務ということだと思います。説明にもあったとおりに、児童生徒の通学している期間により多くの勤務日を設ける勤務体制ということですけれども、実際に授業を受け持つということであれば、研修の機会についても、教育の質を維持発展させる上で欠かせないというふうに考えますが、この時間の保障についてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○臼井人事企画担当部長 研修の承認研修のお尋ねでございますけれども、今回の再任用職員につきましては、教育公務員特例法が適用されます。したがいまして、夏休み等の長期研修期間中に、校務に支障のない限り、校長の承認を得て、研修は承認されると思います。

○田中(智)委員 それでは、再任用の方は基本的にどういう仕事をなさるんですか。例えば、学級担任の欠員時などに学級担任に充てる場合があるかどうか、教えてください。

○臼井人事企画担当部長 再任用教員につきましては、定年前の教員と同じ職務を行うということでございますが、短時間勤務の場合は勤務日に一定の制約がございますので、原則として学級担任は受け持たないことといたします。
 ただし、この場合でありましても、学級担任が緊急の病欠等で代替の教員の当てがないようなときには、学級担任に入ってもらうこともあり得ると考えております。

○田中(智)委員 学級担任については、ごく例外的な場合ということですね。私は、やはり学級担任については正規の職員で当たるべきだと思います。学級担任については、これはどういう基準があるんでしょうか。

○臼井人事企画担当部長 学級担任につきましては、法的な基準はございません。基本的には、常勤の教員が受け持つことが望ましいと考えてございます。
 なお、学級担任の任命権は、学校教育法二十八条によりまして、校長の職務として、教諭の中から決定をしております。

○田中(智)委員 確認しておきたいんですけれども、再任用職員は職員定数に算入されるんでしょうか。再任用の希望があれば、すべて採用するということになるんでしょうか。また、どのくらいの希望と見込んでいるのか、お尋ねいたします。

○臼井人事企画担当部長 再任用職員は職員定数に算入されます。したがいまして、再任用職員を採用すれば、その分、新規採用の職員を抑制せざるを得ないというふうに考えております。したがいまして、再任用の希望者すべてを採用することは困難であると考えております。また、定年前職員と同質の職務を遂行していただくことになると思いますので、現在の再雇用職員と比べまして、その選考はより厳正なものとなる必要があるというふうに考えております。
 なお、希望者数につきましては、東京都全体で、今、意向調査を実施しておりまして、現在、その集計を行っているところでございます。

○田中(智)委員 私は再任用を否定するつもりはないわけなんですけれども、先ほどお答えがあったように、新規採用を抑制せざるを得ないということでは、大変大きく危惧せざるを得ないというふうに思うんです。これについてはどういうふうにお考えになるんでしょうか。

○臼井人事企画担当部長 先ほど申し上げましたとおり、再任用職員は職員定数に算入されるため、新規採用者数には当然影響を及ぼすというふうに考えております。

○田中(智)委員 新規採用数に当然影響するということですが、私ども、十二月の文教委員会でも明らかにしましたように、退職者がこれからふえていく問題や、現在でも学校現場の高齢化が進んでいるという中で、計画的に新卒者を採用していくことがどうしても欠かせないというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

○臼井人事企画担当部長 今後の退職者の増加あるいは教職員の高齢化は、学校現場における大きな課題でございます。そのような課題に対処しながら、一方で学校組織の活力を維持していくためには、職員全体の年齢構成などを考慮しながら、計画的に新卒者を採用し、学校に配置していかなければならないというふうに考えております。

○田中(智)委員 これからの学校経営の核となる新卒者を計画的に採用するということは当然のことだと思います。その上で、経験のある再任用の方の力をかりる、生かすということは重要だと考えます。短時間勤務の教員を配置するということで、教育現場に、経済的な側面、効率面だけが強調されるならば、間違いといわざるを得ません。
 先ほど、再任用職員は定数に算入されるため、新規採用者に当然影響するということをいわれましたけれども、今のままの考え方の枠の中で考えるから、そういう発想になるのであって、三十人学級を実現して定数を抜本的に見直せば、ある程度は改善できるわけなんですね。
 再任用制度が、国の年金制度の見直しの中で制定されたことを考えるならば、学校現場に計画的に新卒者を採用するためにも、三十人学級を実現することは、私は、この点からもどうしても必要だというふうに思います。
 まして、学級規模の縮小、学力の問題に大変大きな効果があるということは、教育長自身がお認めになっているわけですから、既に広く知られているわけなんです。
 ぜひ、東京都が、こうした意味からも三十人学級に足を踏み出すべきだと、私は強く主張いたしまして、質問を終わります。

○織田委員 私は、教員の資質向上といいますか、そういった観点から何点かお伺いしたいと思います。
 児童生徒にとって、やはり教員の、端的にいえば、よしあしといいますか、そういったものが非常に大きな影響を及ぼすというふうに思います。
 私の気の置けない仲間たち、学校の校長先生や教頭先生、まあ学校の先生をやっているものですから、ざっくばらんにいろんなことをお話しいたしますと、あるいはまた保護者の方からも--私の同年代といいますと、大体教頭さんとか、早い人で校長さんとかという形になるんですけれども、そういう中で、どんなことに苦労しているのかなというようなことを聞きますと、学校の中に一人、問題のある教員さんがいらっしゃると、このフォローでもう大変だということ、この間お会いしたときに、お話を聞いていましたら、もう三時間半、その話ばっかりでありまして、いささか辟易したわけですけれども、確かに、お話を伺っていると、一、二年生だけしか担任を任せられない、高学年になるとクラスがぐちゃぐちゃになっちゃうと。
 その方がいっておりましたのは、もう最近は何より子どもさんが変わっている、従来と変わってきている、親御さんももう変わってきている、社会も変わってきているということで、教員にとっては本当に二十年、三十年前とはえらい違いで、それだけ学級運営をしていくというようなこと、あるいはまた授業をきちんと理解していただくというようなことに対して、ハードルが随分高くなってきているんですねという話になってきた。
 本当にそうなりますと、一、二年しか担任できないということになると、五、六年の大変なところを、能力のある、やる気のある先生がずうっと担当している。で、一、二年しか担当できないような教員は、それでよしとしている、逆に。全然成長する意欲も見られない。
 そういうような愚痴っぽい話をずうっと聞かされました。こういう人たち、その中にはまた大変まじめな、一、二年しか持てないんだけれども、実は一生懸命やっておられて、一生懸命やっているんだけれども、どうも水に合わないといいますか、コミュニケーション能力がないといいますか、それで大変なんです、悪い人間じゃないんですけどといっておられる。ご病気の方は別ですけれども、そういうようなお話をずっと聞いておりまして、確かに教員、教師の皆さん、大変であるわけですけれども、自分に向かなかったり、あるいはまた能力が著しく自分として劣っているなあと自覚する、しないにかかわらず、そういう方々が学校現場の中におられて迷惑をするのは子どもさん自体、児童生徒自体なものですから、これは何とかしなければならないというのが、私の率直な感想でございます。
 そこで、新聞なんかを眺めておりますと、大阪なんかでは、教師失格、四百二十人が再教育へなんて新聞が出まして、大体割合どのくらいなのかなと思っていましたら、約四%。この中にはご病気の方も入っているんでしょう。入っていないかもしれませんけれども、そんなに学校現場で、言葉は悪いですけれども、厄介者になっている方がいらっしゃる。
 東京都教育庁の職員を考えてみますと、教員五万数千人いらっしゃるでしょうけれども、そのうち四%、五万人として二千人ですかね。そんなにたくさん、もし東京にいたということになったら、それは何とかせにゃいかぬという、そういう思いであります。
 そこで、東京都において、こうした問題のある教員と一言でいっていいのでしょうか、指導力不足の教員というふうに用語ではいうのでしょうか、あるいはご病気の教員という方があるかもしれません。それも、短期的なけがとかそういったことではなくて、そういうような教員について、どの程度量的なものがあるのか、今現在どのように把握をしているのか、まずお伺いしたいと思います。

○小海人事部長 いわゆる問題教員といわれる者には、精神神経系に疾患のある者、指導力不足の者、また指導意欲に欠ける者などが含まれるというふうに認識しております。
 まず、精神神経系の疾患が原因で児童生徒を適切に指導できない者は、平成十三年一月五日現在で三百二十二名と把握しております。
 また、指導力不足教員につきましては、平成九年度からこの十二年度までの累計で三十一名の教員を認定しておりまして、本年度は十三名が対象となっているところでございます。
 そのほかに、指導意欲に欠ける教員につきましては、問題点がなかなか顕在化してこないということで、そういう事例が多いために、十分把握できておりません。
 しかし、本年度から実施しています人事考課制度を活用しながら、今後さらに実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○織田委員 では、今までにはっきりしているのは、平成九年度から以降で三十一名、指導力不足教員として把握している。あるいは、精神神経系の疾患、こういったことが三百二十二名いらっしゃるということでございますけれども、東京都で、一%としても五百人以上になるわけですから、これはまだまだたくさんいそうだなという気がいたします。
 私の仲間なんかに聞いてみますと、二校に一校はそういう人がいるよみたいなことをおっしゃられるんで、それを話半分に聞いたといたしましても、そういう人たちがいる。
 それじゃ、これまで、こういう指導力不足の教員について東京都としてどういう手だてを講じてきたのか、どういう対応をしてきたのか、お聞かせいただきたいと思います。

○小海人事部長 指導力不足の教員につきましては、平成九年度から、指導力不足教員に関する要綱を制定して対応してきたところでございます。
 認定に当たりましては、校長の申請に基づき、指導主事や管理主事の授業観察等を行った上で、教育庁内の部課長で構成する判定会の審議を経て決定しております。
 指導力不足教員と決定した者につきましては、これまで、各学校におきまして研修計画を立て、校長等の指導のもとに研修を行ってきたところでございます。

○織田委員 各学校において研修計画を立てて、校長等の指導のもとに研修を行ってきたところだ、こういうふうにおっしゃるわけですけれども、実際問題、小中、大変学校の規模が小さくなってきておりまして、そういう面からいうと、教員が決して多いわけではない。そういう中で、具体的に各学校の中で研修をしていくというふうにいっても、実態はどんなものなのかなという気がいたします。管理職、校長さん、教頭さんが指導しましょうというふうになったとしても、教頭さんなんか、雑務に追われて、とてもじゃないけどそんなことはできませんよというふうに、陰ではいっている。
 ですから、そういうような負担を考えますと、こういう各学校において研修計画、確かに学校現場でおやりになるのが一番いいんだろうとは思いますけれども、それだけではなかなか実際問題として進んでいかないでありましょう。そういった面から、四月から新たに教職員研修センターがスタートをするわけでありますけれども、こうした指導力不足教員に対してステップアップ研修を行うというふうにされております。そのステップアップ研修の概要、どういうような研修コース等があってと、その辺のところをちょっと細かく教えていただければと思います。

○小海人事部長 指導力ステップアップ研修でございますけれども、指導力不足等教員に対しまして、教育公務員としての自覚を高め、教員としての基礎的、基本的な資質、能力の向上を図るための再教育として実施するものでございます。
 年間を通して主に教職員研修センターにおいて研修をする長期コース、週一日程度、教職員研修センターに通う通所コース、そして、夏期休業中等において十日間程度研修する短期コースの三種類のコースを設けているものでございます。
 長期コースにつきましては、指導力不足等により子どもたちに対する日常の指導に著しく困難を来している教員に対して、学習指導や生活指導、教育公務員としての責任などについて、個々の課題に即した研修を行います。
 また、通所コース、短期コースにつきましては、日常の指導に支障を来している程度や内容に応じて、学習指導等に、指導技術や児童生徒理解等についての研修を重点的に行います。
 いずれのコースにつきましても、学校や区市町村教育委員会と連携を図りながら、研修の充実に努めてまいります。

○織田委員 今、年間を通してやる長期コース、週一回程度通う通所コース、夏期休業中に集中的に十日間程度行う短期コースと、三つありますよ、そんなことをやっていきますというお答えだったわけでありますが、私、この効果がいかほど出るんだろうか、期待が半分、それから何となく否定的な雰囲気が半分、申しわけないけれども、そんなようなあれで見ております。そういう中で、もしそういう問題のある教員であるならば、本当に立ち直っていただきたいというふうに、それは切に思います。
 後から申し上げますけれども、そういう日々成長していかなきゃならない、あるいは、そういう自分自身というものをよく見詰めて教員が対応していかなければならない、そういう機動力になるのは一体何なんだろうか。やっぱりこれは、一遍就職してしまったら、最後の最後まで、どんなことがあっても勤められますよというような、そういうぬるま湯的なものがある限り、こういうような形での研修がより効果的に出てくるのがちょっと難しいのかなという気がいたします、それは別の話ですが。
 では、その間、このステップアップ研修等をやっている間、例えば長期コースの場合であれば、一年間か何年間か知りませんけれども、かなり長期にわたって研修センターにおいて研修をするわけですが、その間の学校現場の人的な配置、そのバックアップ体制、こういったもの、あるいはまた週一回程度通うといっても、これまた結構大変なことだろうと思います。そういった面での配慮、この辺のところはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。

○小海人事部長 学校現場での人的な対応でございますけれども、長期コース受講者につきましては、所属校の定数から外しまして、正規の教員を補充いたします。
 通所コース受講者につきましては、毎週一日、教職員研修センターに通所することになっており、その間、必要があれば非常勤講師を措置するということで考えております。

○織田委員 そうすると、長期の受講者については正規の教員を補充するということですから、そうすると、このステップアップ研修の受講者は、一体どのくらいの教員を受け入れるキャパシティーがあるんでしょうか。
 実際にこういうのを、掌握はしていないけれども、おいおい人事考課等で掌握ができていくだろう、今そういうお答えだったわけですけれども、どさっとたくさん来たらどうなるのか。そのステップアップ研修はどのぐらいのキャパシティーがあるんですか、お伺いします。

○小海人事部長 平成十三年度は初年度でもあるということから、長期コースの対象者は二十人程度を考えているところでございます。また、通所コースや短期コースにつきましては、そのときの実情に応じて対応してまいりたいというふうに考えております。

○織田委員 今、二十人程度というふうにおっしゃられておりますけれども、私は、そんなに少ないものかなという気がするんです。私がいいたいのは、それほど学校現場では実は困っているということです。
 それはいいとして、そのような研修を実施して、なお指導力が回復、向上しない、よくならない、自分自身を見詰められない、そういう教員についてはどういうような措置をなさるおつもりですか。

○小海人事部長 これまでは、教壇への復帰が困難であると判断された場合には、本人の自覚を促して、みずから退職する道を選択させるなどの対応をしてまいりました。
 今後、国におけます指導力不足教員にかかわる関連法案が、今、国会に出されておりまして、審議をしているわけですけれども、その状況を見守りながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

○織田委員 本当に指導力不足教員の場合は、これは大変いろいろな、何といいますか、措置をするにしても身動きのとれないようなさまざまな制約があるんだろうというふうに思いますが、こういう学校現場の指導力を学校全体として回復していく、これはどうしてもある程度きちっとした枠組みとルール、そういうものをつくり上げていかなければ、私は、学校現場で学ぶ子どもさんたちがかわいそうだなという気がいたします。
 とにかく、お母さん方の話を聞いていますと、クラスの編制がえがあるたびに、先生が当たりだとか外れだとかという話をしているんですよ、現実に。全部わかっているんです。どこかから転任してくる人だって、前の学校から情報を仕入れて、今度の先生大変そうですねという話になっている。私は、そういった人たちが必ずしも悪い人だとは思いませんし、向き不向きもあるだろうと思います。そういうものが、きちんと学校現場で、ある一定の水準をきちんと保っていけるような装置というもの、これは、どんなことであれ、やはりきちんとした形でつくり上げる必要があろうというふうに思うわけであります。
 そういうふうな問題を考えていきますと、先生なんかに聞きますと、それはセンスの問題でもあると。私はあながち間違ってはいないだろうと思いますけれども、それだけではないだろうと思います。成長していく方もいらっしゃるだろうと思います。そのセンスの問題、人に物を教えるということについてのセンス、忍耐力、そういったもの、これは一体どこで判断をするのか、どの時点で判断をしていくのかということをやはりきちんと考えていかなきゃなりませんが、私の個人的な意見としては、むしろ教員の採用だとか選考、その時点でやはりきちんとわかっていかなければならないんだろうと思いますし、そういうシステムを考えていかなきゃならないだろうと思います。一たん採用してしまったら、これはやはりなかなか大変です。それはそれで頑張っていただかなきゃならない。そのプレッシャーで、精神的に、ストレスをずっとため込んでしまっているということも、これ事実でありますから、そういうふうになって、先生になった人にとっても不幸でありますし、授業を受ける子どもたちも不幸。そういうものはできる限り入り口のところできちんとしてあげた方がいいというふうに、私は個人的に思っているわけですけれども、こういった教員の採用、選考、こういうところでの東京都の工夫といいますか、取り組みというふうにいいますか、そういったものはどのようにお考えになっているんですか。

○横山教育長 今、先生るるお話しになったように、私どもとしても、現在の指導力不足教員にどう対応するかというのは、教育行政を進める中で最大の課題と考えております。
 昨年十二月の教育改革国民会議の中におきましても、指導力不足教員に対する対応というのが最大の課題になっておりますし、今回文部省が打ち出しました、レインボー計画と呼びますが、その中でも、指導力不足教員をどうするのか。極端にいうと、今先生がおっしゃったように、最大の問題は何かというと、犠牲者は子どもだということですね。この点を原点に物を考えなきゃいけない。
 そういうことで、私ども、四月から職員研修センターを立ち上げるわけですが、この中で--はっきり申し上げて、教員試験を受かった人ですから、能力はあるわけですね。ただ問題は、教授法といいますか、教える能力がどうか。例えば、先ほど来議論がありましたが、基礎学力の定着の問題あるいは新しい学習指導要領がねらっております、主体的にみずから物を考えて行動するような生きる力の育成、これとても、教員があって初めてそれは定着するわけであって、そこの教員の資質の向上というのは、私どもは最大の課題だと思っておりますし、今後、四月以降、相当、指導力不足教員に対する研修については力を入れていかなきゃいけない。
 それでもなおかつ指導力の回復しない教員については、まず教壇から離すしかないと考えております。そういった意味で、現在国会で上程されております法律、これは地教行法の改正ですが、その中では、基本的には、法的には、今審議中ですが、免職にすると。ただ、そうはいっても、個人的な生活の面から、行政職で任用し得る者については任用の道を一応設ける、こんなふうになっております。
 私どもとしては、今おっしゃったような採用の段階も含めまして、指導力不足教員の被害者が子どもであるという基本的な認識は持っておりますので、今後とも十分な対応をしてまいりたいと考えております。

○織田委員 そういうことで、今、教育長がおっしゃられたわけでありますけれども、これは東京都として取り組めることだろうと思うんです。
 これは東京都でやるべきかどうかわかりませんけれども、教員養成自体のあり方、あるいは任用についても、例えばインターン制みたいなことも考えられているようでありますし、現場の方々にお伺いいたしましたら、要するに、授業を一月も一緒になってやってずっと見るだけで、この人は適性があるのかないのかというのは大体わかりますよというふうにおっしゃる。
 そういうふうなことになれば、教職課程をとっているような人たちが、例えば都内の任用を希望するようなところで、教育実習といった形ではなくて、もう少し長期でお手伝いをしながら、ボランティアでやりながら、そういうところでの現場の方々の信任といいますか、この人は適格ですよというような形での推薦をもらえるような制度だとか、そういったものがやはり構想されていかなければならないのではないかなという気がいたします。
 そういった教員の養成とか採用、そして、なってしまったということであるならば、今度は研修、そしてさらには定期的な評価、そして、そういったものについて当てはまらないということについては、免職というか、学校現場を去るというところまで、一連の教師の水準といいますか、そういったものをきちんとした形で維持できるようなものを、やはりこれは、東京都だとか、あるいは市区町村であるとか国とかという問題ではなくて、やはり教育ということに携わる人たちの間で、きちんとした合意をつくっていかなければならないんだろうと思います。
 もちろん、そういった中で、政治的に恣意的なものが入り込む余地というものがないようにしなければならないことは当然ではありますけれども、一つの社会のルールとして、そういったものがきちっとできないようであるならば、教育の改善というふうにいっても絵そらごとになってしまうのではないか、そういう思いを強くするわけであります。意見として述べさせていただきたいというふうに思います。
 次に、平成十四年度から完全実施される学校週五日制、これに関連してお伺いしたいと思うんですけれども、平成七年の四月から、月二回土曜日が休みになりました。十四年の四月からは、今度は完全に学校週五日制という形に移行してまいります。来年度はその準備期間といいますか、あと一年でそういう事態を迎えますよ、こういう時期になるわけであります。これまで、完全実施への移行過程であったというふうに思うわけですけれども、概括的で結構ですけれども、こうした中で、子どもたちの生活の変化、それからその中で浮かび上がってきた課題、そういったものについてどう考えているのか、簡単で結構ですからお答えいただけますか。

○斎藤指導部長 現在、月二回の学校週五日制が実施されておりますが、学校週五日制の実施に関する研究推進校の報告あるいは休業日の児童生徒の過ごし方に関する調査結果によりますと、家庭での親子の触れ合いがふえていることや、地域行事を通して子どもの人間関係が広がっていること、また、ボランティア活動に生徒が積極的に取り組むようになったことなどが成果として挙げられております。
 学校週五日制の趣旨につきましては、こういう成果を踏まえまして、おおむね定着しているというふうに受けとめております。
 課題につきましては、児童生徒の休業日の過ごし方につきまして、これまでも、行政や学校、家庭、地域社会などが一体となってさまざまな取り組みを進めてまいりましたが、平成十四年度の完全実施に向けて、その整備充実を一層図る必要があると考えております。

○織田委員 ぜひ、その整備充実をおやりになっていただきたいというふうに思うんです。
 次に、週五日制になって、今度は--子どもたちは、土曜日、大変有効に使っているようでありますし、結構定着をして、自由になれてきたりという状況だと思いますが、これがまた新たに完全に週五日制ということになりますと、やはり子どもたちにさまざまな活動の場、機会の場というものを提供する、整備をしていくということが必要になってくるんだろうと思うんですね。そして、子どもたちの受け皿、そういうものを用意していく必要があると思うわけでありますけれども、都教委として、今後どういうような形でこれに取り組んでいこうというふうに考えておられるのか、教えていただければと思います。

○嶋津生涯学習部長 学校週五日制の取り組みにつきましては、まず、区市町村が中心となって、子どもたちのさまざまな活動の機会と場を整えていく必要があると考えてございます。
 そこで、都教育委員会は、区市町村などと連携いたしまして、とうきょう親子ふれあいキャンペーン事業などの充実に取り組むほか、区市町村に対しましては、子どもたちのスポーツ活動の場を確保するために、地域住民が主体的に運営する地域スポーツクラブの設置について支援するとともに、小中学校の学校開放につきましても、一層の開放を要請してまいりたいと考えてございます。

○織田委員 地元のそういうスポーツクラブ等の悩みを聞きますと、とにかく会場探しが大変だということがありますので、私も実は期待をしているんです。完全に学校週五日制になった場合に、小中学校等の校庭がより有効に活用されて、そういう受け皿になっていくということが好ましいと私は思いますし、そういった形で東京都としても、都立学校の場合はみずから主体的に、そして市区町村が設置者であるところの小中学校については、よく区教委等にお願いをして、一層の開放をお願いをしたいと思います。
 さらに、学校週五日制になって完全実施されると、教職員等の夏期休業期間中の勤務が、平成十三年度までというか、現在と比べて具体的にどのように変化をするのか。それから、現行の夏期休業期間中の勤務実態というのは一体どういうふうになっているのかというのは、実は素朴な疑問であります、率直にいって。
 私にも娘がおりますけれども、娘の担任の方から、毎年夏過ぎましてお手紙が参ります。ことしはアジアのシルクロードのところをずっとめぐってきました、ことしはヨーロッパです、星がきれいですよというようなお手紙をちょうだいいたします。本当にいい先生でありまして、そういう点では非常に感性にすぐれたものでありますけれども、一方、そういった勤務形態というものが果たして一般の方々のご理解が得られているのかなというのは、またちょっと違ってくるのかなという気がいたします。
 私もわかりませんので、率直にお伺いいたしますけれども、そういった現行の勤務体制というのはどのようになっているんでしょうか。

○小海人事部長 学校週五日制が完全実施になりますと、これまで行っておりました長期休業期間中の週休日のまとめどり、それがなくなることになります。このため、夏期休業期間で見ますと、平成十三年度には八・五日あるまとめどりの週休日が、平成十四年度にはなくなり、その分勤務日がふえることになります。
 現行の夏期休業期間中の勤務実態でございますが、部活動の指導やプール指導、夏期講習、日直などのための出勤をするほか、図書館や自宅等での教材研究などの研修を行っているところでございます。

○織田委員 説明されればそうかなというふうに思うわけでありますけれども、この辺のところも、一般の都民の方々から見ると、どうかなという気がするわけですけれども、それが本当にきちっとした教材の研究や、そういうことに費やされていればいいわけであります。
 週五日制になって、十四年度からそういうまとめどりがなくなりますよということになります。今、平均で八・五日というふうにおっしゃっておりました。一年で大体五十二週ですから、土曜日だけで五十二日間。半分が休みで、二十六日間。二十六日間は半日ずつ出勤していますから、十三日間。これのまとめどりが、いろいろなところでとられているんだろうというふうに思います。
 夏休みの中においては八・五日というふうにいわれているわけでありますから--それはいいんです。法律にのっとってきちっとお休みをとっていただく、そういうような形では結構でありますけれども、学校週五日制になりまして、そういう形になったときに、その夏休みで勤務日がふえるというんですね。夏休みの勤務日がふえる。学校のお子さん、プールの研修とか、夏のことでいろいろ学校においでになったり、あるいはまたクラブ活動、部活といったようなものもあろうかと思います。そういうところで元気いっぱいに面倒を見てくださっている先生もいっぱいいますし、まさにボランティアでやっていただいている先生もいっぱいいることは私はよく知っておりますが、そうではない先生もまた一方ではいるということであります。
 ですから、そういった面で、この現行の夏休みの教員の勤務のあり方、これについて、都教委としてどういうような形でこれまで指導をしてこられたのか、それから、今後はどのように、学校週五日制の実施というものをにらみながら、そこに対応していこうというふうにお考えになっているのか、ちょっとお考えをお聞かせいただきたい。

○斎藤指導部長 都教育委員会は、これまで、教職員の服務の厳正につきましての指導は当然でございますけれども、夏期休業期間の指定研修や専門研修への参加及び校長の承認のもとで行われます自主研修の適正な実施について、区市町村教育委員会や学校を指導してまいりました。
 学校週五日制の完全実施に伴いまして、夏期休業期間の勤務日数が増加することから、教員の資質向上のための研修の充実や、例えば、いじめ、不登校などの課題への取り組みなど、教員の勤務のあり方について現在検討を行っているところでございます。

○織田委員 私は、その検討は早急に、組織的に立ち上げてきちっとやっていただきたいというふうに思います。
 学校週五日制導入をされるときに、本当にさまざまな論議がありました。たった一日土曜日を休みにするという段階から、子どもをどうするんだ、学校はどうなるんだ、授業はどうなるんだというようなことまで、物すごい勢いで論議をされました。しかし、学校週五日制が本格的になるというこの時期に当たって、私の印象では、そういった論議が本当にされているのかなというふうに思わざるを得ないような、静かな--結構ご検討されているんだろうとは思いますけれども、私は、その辺をところをきちっと、都民の目に見える形でやっていただきたいというふうに思います。
 というのも、問題状況は学校現場でも本当にたくさんあります。教員の方々のアンケートなんかを見ますと、一番多いのが、授業の準備がなかなかできない、それだけの時間がない、こういうふうにおっしゃるんです。それは確かに、毎日毎日の授業の中でいろいろなことが出てくるでしょうから、時間は幾らあっても足らないという状況も一方にあると思いますけれども、他方、こういった長期休業というようなところでそういった配慮がされているということであるならば、それを本当の意味で活用できるようなものをつくっていかなければなりませんし、いじめ、不登校等があるということであるならば、学校の先生が一生懸命にやってくださるというのが都民の中に浸透していって初めてそういうものが出てくるのであろうと思います。
 例えば相談事業、前にもこの委員会で論議になりましたけれども、そういった教育相談の当事者として、勤務日になっている夏休みなんかを活用して、地元の中学校では難しい、地元の小学校では難しいかもわかりませんけれども、どこか別のところでそういうものの基本的なご相談を受ける、そういうことも考えられるでしょう。つまりは、教員の方々が都民の目に見える形の中で本当にしっかりやっていただいているんだな、そういうことをきちっと示していけるようなものを検討していただきたいということを意見として申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○田中(良)委員 私が質問した後休憩になりますので、いましばらくおつき合いいただきたいと思います。
 先ほどからいろいろと議論がされておりますけれども、学校における教員の資質の問題、それに関連をしてご質問させていただきます。
 まず基本的なことでありますけれども、確認の意味を込めてお尋ねいたしますけれども、公立の小学校、中学校、高校の教員の人事権というのが今どういうふうに定められているのか、そして、校長先生の意見とか評価、あるいは権限、あるいはそれぞれの自治体の教育委員会の意見なり権限なりというのがどういう関係になっているのか、まず最初にお尋ねいたします。

○小海人事部長 公立学校の教職員の任命権、人事権等につきましては、東京都教育委員会にございます。
 それと、校長の人事権ですか、校長を任命する人事権につきましては、これも東京都教育委員会でございます。

○田中(良)委員 ちょっと質問がよくなかったかもしれませんけれども、一般の教員の人事異動ですね、人事に関して、校長先生だとか地域の自治体の教育委員会がどのような役割なり権限が与えられているのか、そこら辺について簡単にお聞かせください。

○小海人事部長 まず小中学校につきましては、人事異動に際しまして、任免等に際しましては、小学校、中学校の校長が区市町村の教育委員会に意見具申をします。そして区市町村教育委員会は、その意見をまとめまして、内申としまして、東京都教育委員会に出します。それから、都立の高等学校あるいは盲・聾・養護学校につきましては、学校長が直接東京都教育委員会に意見を申すということでございます。

○田中(良)委員 では、その校長先生の意見というものが、実際にその人事異動の具体的な内容にどの程度反映されているものなのか、その辺はいかがでしょうか。

○小海人事部長 私ども、人事異動をやっているときに、校長の意見具申はできる限り尊重していこうと。特に、特色化を図っている学校の校長先生の意向を十分酌み取って、一〇〇%ということはございませんが、できる限り意見を聞いていこうという姿勢で臨んでおります。

○田中(良)委員 そうすると、ある一つの学校で、何人か先生がいらっしゃって、この先生はどこかに異動になってもらいたいという希望を、小中学校の場合であれば区の教育委員会に希望する、都立高校であれば直接都の教育委員会に校長先生が希望する、こういうことになりますよね。その場合は、十分そういう意見を酌み取って、次の人事異動に反映させると。数字で何%というふうには、今すぐに出ないだろうとは思いますけれども、大体そういうことでなされている、こういうことでよろしいんでしょうか。

○小海人事部長 教員の異動につきましては、異動要綱というものを作成しまして、小中高それぞれの年数がございます。その年数に達しますれば異動になるわけですけれども、その年数に達しない場合でも、校長の意見で、できる限り動かしてほしいということであれば、異動の対象とすることもあります。

○田中(良)委員 そうすると、例えば校長先生がある先生を異動させたい、こういうケース、学校もたくさんありますから、ある程度一定の傾向というか、かえたい理由というのは、幾つかにわかりやすく説明できるくらいに大別することができるんでしょうかね。そういう理由については、どういう傾向になっているのか。

○小海人事部長 定期異動のもともと基本的な考え方は、教員を適材適所に配置していくということが一つあります。もう一つ、新たな経験を積み重ねていく、経験をふやすことによって教員の資質の向上を図るという、二つの目的がございます。
 校長が年数に達しないで異動させたいという理由が、どういう理由なのかということを十分お聞きしないといけないと思いますが、その教員がいることによって学校が成り立たないとか、そういう理由ですと、なかなか難しいと思いますが、どちらかというと、校長の意見を聞くというのは、こういう特色ある学校をやるんでこういう教員が欲しいんだという、むしろそちらの方の意見が多いというふうに私たちは考えております。

○田中(良)委員 私、学校の教員というのはもちろん経験がありませんし、あくまで推測とか想像と、それから、そういう関係者の皆さんも含めていろいろなお話を聞く中でしか何もいえないんですけれども、そういうことをご理解いただいて、お許しをいただいた上で、ちょっと疑問というか、思うのは--校長先生のところに、理想をいえば、いろいろな職務の状態、先生の資質、あるいは父母の評判とか生徒の評判とか同僚の評判とか、そういうのが集約されて、それをうまく吟味して、そういうものを勘案して、校長先生としての人事についての考え方を教育委員会なりに提出していくということですが、その際に、先ほど他の委員からもお話がありましたけれども、例えば、人間性とかそういうことじゃなくて、指導力というんですか、教員としての向き不向きも含めて、さて、どうかなと、もう少し別の新しい人がということを素直に上げていった場合に、人事というのは、出すとか入れるとかというと語弊がありますけれども、受け手がないと、どこかで休んでいてくれというわけにもいかないわけでしょう。そうすると、現実問題としては、うまくいくのかなというふうに想像してしまうわけなんですよね。
 よく選挙で、出たい人より出したい人をとかといって、昔いろいろいっていた。今でもいっているのかな。そういう団体がありましたけれども、人事というのも、そういうところ……(「全然違うと思う」と呼ぶ者あり)違う。まあ、ある程度関連すると思うんですよね。だからどうしろこうしろというのも、簡単に結論が出せないことなんですが、私もある自治体の、といっても私の地元、選挙区ではありません、ある東京都内の区の教育委員会の委員を経験している方々何人かお話しした中の一人が、こういうことをいっていたんですよね。校長先生がこの先生をどこかに異動させたいなと思ったときに使う手というのは、めちゃくちゃいいこと書くんだっていうんですよね。めちゃくちゃいいことを書いて、何度も上申する。そうするとどこかで受け手が、そんなにいい先生なら、じゃあ私のところでみたいな話になって回ってくるケースが時たまあるというわけですよね。運悪くそういう先生に当たると、大体四月、五月、六月で必ず何か問題が起きるんだというんで、困ったものなんですよ、実態はそういうこともあるんですよということを、そんなのを議会で答弁していいのかどうかわかりませんけれども、そういうことを伺ったわけです。
 確かに、もしその立場に立って、この人はどこかへ異動してくれないかなと思ったときに、これは別に学校に限らず、めちゃくちゃ褒めて、すごい有能であって、即戦力ですよみたいにがんがんがんがんいいこと書いて、人事課長に出して、早く異動させないかなという手もあるかなというふうに思うわけですよね。そういうことがいわれていたのを、私、聞いたんですけれども、この点についてはどうなんでしょうか、教育委員会として。ちょっとご意見を伺いたいんですがね。

○小海人事部長 これまでそういうことがあったのかもしれませんが、私どもといたしましては、ことしから人事考課制度を導入しまして、そういうことがないように、客観的に評価をしてもらおうということでこの制度を導入しましたので、今後はそういうことはないというふうに思っております。

○田中(良)委員 さまざまな試みを通じて、本当に適材適所、それから新たな経験をいろいろ積んでいただいて、教員としての資質が向上されるというような形で人事というものが行われることを大変期待しておりますし、また、そういう意味では、校長先生のある意味での資質というものが非常に重要なポイントになってくるのかなという気がいたします。
 これは、分権化の時代の流れの中で、これからいろいろ変わってくるかもしれませんけれども、それなりの権限というか、そういうものがないと、現場をまとめていくということは、どんな組織でもやはり難しいと思うんです。役所でもどこでも民間会社でも、予算と人事権を持っているところが一番強い、そういう傾向はあると思うんですね。組織というのはそういうものだと思います。そういう意味で、いろいろな問題もありましょうけれども、教育委員会のこれからのご健闘を心からお祈り申し上げたいと思います。
 まだほかにも--この文教委員会は、きのう生活文化局の質疑がありましたけれども、どうも特定の方々にいつも質問が偏ってしまって、私なんか、ぜひ体育部長さんに、子どもの体力向上のために体育の時間をもっとふやした方がいいんじゃないかなと私は思っていて、もっと深く突っ込んで質問もしたいんですけれども、休憩時間も控えておりますので、これで終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○村松委員長 この際、議事の都合により十分間休憩をいたします。
午後三時三分休憩

午後三時十六分開議

○村松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大河原委員 教育の分権について伺いたいと思います。
 昨年の四月から地方分権一括法が施行され、十二月には、都としても第二次分権推進計画を策定しております。都から市区町村への分権に向けた具体的な取り組みも行われているわけですが、全体を見ると、ほかの分野に比べて、教育分野の分権化の方向性というのがなかなか見えてこないというのが実感でございます。
 私は、子どもを取り巻くさまざまな課題を解決するためには、教育の分権化ということが、地域の力も呼び起こし、近道であるというふうに考えております。
 そこで伺いますが、まず、昨年の地方分権一括法と東京都の分権推進計画で実際に分権となった具体的な学校関連の事務について、どのようになっておりますでしょうか。

○加島総務部長 地方分権の推進を図るために、地教行法の改正など、文部省関係の法律が二十一本改正されたところでございます。これに伴いまして、教育委員会関連の七条例、二十四規則を平成十一年度に改正して、十二年四月一日から施行されたところでございます。
 学校関係の主な区市町村に対する移譲事務といたしましては、区市町村立の学校の学期の決定、また、都道府県による区市町村立の学校に対する基準設定権の規定の削除などがございます。この規定の削除に伴いまして、東京都が定めておりました東京都区市町村立学校の管理運営の基準に関する規則が廃止になったところでございます。

○大河原委員 区市町村立の学校の学期の決定などというものは、住民の関心を呼びそうなものですけれども、細かいものが多くて、具体的に夢が持てそうというふうな感想がなかなか見えてこないかなというふうにも思います。
 しかし、平成八年の四月に、東京都は、国に移譲を求めるべき権限と財源に関する調査として、地方分権の必要性を示す事例をまとめております。このまとめでは、現状と問題点、改善の方向、メリットということで項目を挙げて、事例が挙げられております。
 国の関与など、問題点が非常にわかりやすく書かれているわけですけれども、そこには、教育関係では三つほど項目が挙がっております。特色ある学校づくり、国庫補助を受けた学校施設の転用、小中学校の学級編制の認可、この三点について挙げているわけですが、まず、特色ある学校づくりとして挙げられている項目には、学習指導要領など基準に従って編成されなければならない教育課程が各学校の創意工夫を制約している、このように問題点を指摘しております。新学習指導要領でどのように変わったのか、そしてまた今後どのように対応していくのか、その点についていかがでしょうか。

○斎藤指導部長 新学習指導要領では、みずから学び、みずから考える力を育てる総合的な学習の時間を初めとしまして、異なる教科の内容を組み合わせた指導の実施とか、日々の習熟を必要とする、例えば英語の二十五分ずつの毎日授業を行うことができるなどの柔軟な授業時間の設定など、学習内容や子どもの実態に応じまして、校長の裁量で教育課程の編成を弾力的に取り扱うことがより一層可能になっております。
 都教育委員会としまして、各学校が新学習指導要領に基づき創意工夫を行い、特色ある教育活動を展開できるよう、今後とも、指導資料を配布したり、説明会を実施するなどして支援してまいります。

○大河原委員 二点目の余裕教室の転用、これには、迅速な転用と、廃校となった学校を自治体の判断で活用できるようにするという、そういう課題があるわけですが、この点については、東京都の対応、現状というものはどうなっているでしょうか。

○神山施設部長 廃校となった学校及び余裕教室の転用につきましては、文部科学省は、平成九年十一月、国庫補助を受けて整備した学校施設を、社会福祉や地域防災などの学校教育以外の施設へ転用する場合、従前、文部科学大臣の承認事項であったものを、大幅に報告事項に変更した結果、転用手続の簡素化、迅速化が図られております。

○大河原委員 平成十年、十一年、十二年と、余裕教室の転用などについても少し資料を出していただいたんですが、大分、転用の地域の要望を受けての活用が図られてきているというふうに感じました。
 ますます分権を進めなければならないというふうに思うわけですけれども、小中学校の学級編制の認可についても三点目に挙げられておりました。学級編制の弾力化は、特に保護者から要望の強いものであり、さきには国が、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律を改正して、都道府県教育委員会の判断によってではありますけれども、特例的に認めるようになりました。
 しかし、平成八年のまとめで挙げられた問題点、事務処理上かなりの労力と時間を要することが、必要性の根拠であると明記しております。また、これを改善するためには、届け出制で十分というふうに踏み込んだ提言をしているわけです。この点については、その後の対応、そして現状についてはどうなっているでしょうか。

○若林学務部長 公立小中学校の学級編制に関します都道府県教育委員会の関与につきましてでございますけれども、地方分権一括法におきましては、義務標準法第五条が改正されまして、平成十二年四月から、認可が同意に改められたところでございます。
 現在、都道府県教育委員会が国の標準を下回る学級編制基準を定めることができることなどを内容といたします、義務標準法の改正法案が通常国会に提出されているところでございます。
 現状では、同法第四条につきましては改正の動きはなく、区市町村教育委員会が都教育委員会の定めた学級編制基準に従い学級編制を行うということに変更はございません。

○大河原委員 きょうの委員会の中では、少人数で行う教育というものがもっと目指されるべきだということが再三質疑されているわけですけれども、法改正によって、国の基準を下回る学級編制基準の設定というものが可能になる、つまり、東京都が基準を変えることも可能だということなんですけれども、その中では、東京都は引き続き四十人にするという検討をしたということなんですね。なかなか中身が見えてこないというふうに思いますが、その点どのような検討をしたんでしょうか。

○若林学務部長 平成十二年五月現在の一学級当たりの平均人数を申し上げますと、小学校が約三十・四人、中学校が三十四・三人でございまして、児童生徒の社会性を養う教育効果の観点からは、生活集団としての学級は一定の規模が必要であるというふうに基本的に考えているところでございます。
 一方、基礎学力の向上のためには、学級そのものを小規模化するよりも、教科の特性に応じて少人数の学習集団を弾力的に編成し、指導することがより効果的であるというふうに考えまして、区市町村教育委員会等からの意見聴取の状況、あるいは国の定数改善の動向も踏まえた上で、むしろ、都教育委員会といたしましては少人数指導の拡充に重点を置くべきであるというふうに判断したところでございます。

○大河原委員 先ほどから、学習集団と生活集団という言葉が出てきているんですね。生活集団の方には一定の規模が必要だというふうに判断したということが述べられていますけれども、この生活集団という考え方、どのような考え方なんでしょうか。

○若林学務部長 生活集団と学習集団という機能分けをしてございます。学級は、生徒指導あるいは学校生活の場ということでのホームルーム活動、それから特別活動、文化祭とか体育祭とか、そういう生活の場、これを生活集団というふうに考えてございます。それから学習集団としては、教科指導をする場というふうに分けているところでございます。

○大河原委員 私も子どもが三人いますので、学校のことはいろいろ考えるわけなんですけれども、どうしても今おっしゃった生活集団、ホームルームの大きさというのは、例えばこれが二十人であっても、それがホームルームならば、さらに、一人一人が意見をいうというところでは、プラスになるんじゃないかというふうに私は思うんですね。
 それから運動会ですが、クラス対抗をするといった場合に、例えば色分けして、二クラスを一つの色にして四十人ということも考えられるでしょうし、そういったところの、その時点での人数が基準になって生活集団だというのは、もう今の実態に合わないんじゃないかというふうに私は思います。
 例えば修学旅行ですが、四十人のクラスが三クラス一緒にどこかへ出かけなきゃならない。これはもう、旅館の手配から何から、非常に行動が制約される。そういったところからも親の不満の強いところ、もちろん、それ以上に子どもたちの不満の強いところでもあるというふうに思うんです。
 こうやって東京都がそれぞれ独自の基準を認定できるとなれば、やはりこうした点にも、もっと現場の子どもたちや親の声も届いていいはずだというふうに私は思います。
 もちろん、国からお金が、そういった意味で、独自にやるならつけないということがあるわけなので、予算の問題だと思いますけれども、生活集団、その概念、その考え方自体も検討されていいんじゃないでしょうか。これは意見として述べさせていただきます。
 そして、平成八年から、もう五年もたっているわけなんですけれども、さらに分権の必要性を示す具体的な事例が出てきているんじゃないかと思います。教育庁として、今後さらに教育の分権を推進するに当たって、具体的な取り組みへの見解を伺いたいと思います。

○加島総務部長 地方分権の推進に当たりましては、区市町村の教育委員会は、基礎的な地方公共団体の執行機関といたしまして、自主性、自立性を発揮して、地域に密着した教育行政を行い、また東京都の教育委員会は、広域的な立場から教育行政を行うことが重要であると考えております。
 現在、都におきましては、学校経営の改革や都民の教育への参加などの教育課題が多くございます。このため、都教育委員会と区市町村教育委員会は、それぞれの役割分担のもとに、連携協力して教育改革を推進していく必要があると考えております。
 都教委としては、地域に根差した主体的かつ積極的な地方教育行政が展開されるように、県費負担教職員の研修等を初めとした事務について、国の動向を踏まえつつ、区市町村との協議を行い、分権化に今後も取り組んでまいりたいと考えております。

○大河原委員 今回取り上げました地方分権の必要性を示す事例、このコンセプトは、住民のメリット中心の分権の必要性を示す事例ということで、大変期待のかかるところであります。さまざまな分野で、市民参加や市民参画の仕組みをつくっていく必要性が認識されてきたというふうに思うわけですが、学校運営連絡協議会などで、都教委も大変この点について努力を始めているというふうに認識しております。
 私は、教育こそもっと都民に開かれた、そして、都民の意思を教育行政に適切に反映させる市民参加の仕組みが欠かせないというふうに考えております。市民参加を進める上で最も重要な点は、情報公開です。最低でも、委員会や審議会の傍聴の確保、そして議事録の公開は欠かせないと思います。一番都民の関心が高い議題が討議される教育委員会を傍聴しようとしても、傍聴席など数の関係で傍聴できなかった場合があったというふうに聞いておりますけれども、この都議会でも、傍聴者が多数になった場合は、席を追加する、あるいは部屋をかえる、傍聴券のリサイクル、使い回しによって、可能な限り傍聴者を受け入れているというのが現状だと思います。都教委の方もこのような工夫をすべきだというふうに私は思っております。
 そしてまた、インターネットなどで、教育庁もさまざまな施策の提供というものを行っているわけですが、教育委員会の議事録が見当たりません。この理由と、情報公開の中でも最低ともいえる議事録の公開は必要と考えますが、この点どのようにお考えでしょうか。

○加島総務部長 現在、国においては、教育委員会の会議を原則公開とする、そうした法改正案を国会に提案しております。都教育委員会はこれまでも、都教育委員会の規則によりまして、会議を原則公開としているところでございます。また、傍聴を認め、情報の公開を行ってまいりました。
 傍聴希望にかかわる問題のご指摘がございましたが、傍聴希望者が多数であるために抽せんを行った事例は、平成十一年に三回ございました。平成十二年はございませんでした。傍聴人の人数は二十名としておりますが、通常は、傍聴希望者は一けたということでございます。
 当日の会議資料につきましては、傍聴を希望した方全員、中に入れなかった方にも配布しているところでございます。
 傍聴希望者が多数ある場合のご提案につきましては、実務上検討する課題も多々あるというふうに考えております。
 議事録の公開についてでございますが、現在、情報公開制度に基づき公開しているところでございますが、昨年十二月にまとめられました電子都庁推進計画中間のまとめがございまして、この趣旨を受けまして、インターネットを活用した公開につきまして、委員の方々がどういうふうに考えるかということがございますので、教育委員会でご議論いただくべく検討をしてまいります。

○大河原委員 傍聴に入れなかったときには、大変都民の関心の高い議題がかかっていたということですよね。ですから、普段の傍聴は一けただということですけれども、情報を開くことによって、さらにいつも傍聴に来る人数がふえてくる、そういうことも考えられると思うんですね。
 ですから、この点はぜひ検討していただいて、確かにインターネットの活用ということもありますし、動画が、既にもう石原知事の定例の会見などは、いつでもインターネットを使って見られるということもありますし、こういったような形で活用されることが望ましいのではないかと思います。
 いらっしゃった方、傍聴に入れなかった方にも資料をお配りしているということを伺いまして、それは実は大変びっくりしました。この委員会でも、傍聴にいらした方に十分な資料が渡っているかというと、なかなかそうはいっていません。冊子状になった資料まで傍聴者に提供しているということなので、それは議会側としても受けとめて、そういった情報公開を進めていきたいと改めて思いました。
 次に、こうしてすべての情報を公開すること、そして施策を、事業計画、実施計画、また事後評価、こういったことをきちんと客観的にすることによって、都民への説明責任を果たしていくことが、税金で行われているすべての事業を執行する部署に今求められているというふうに思います。今後、教育分野における市民参加のあり方と、そしてまた説明責任のあり方、見解を伺いたいと思います。

○加島総務部長 教育に関する施策を決定するに当たっての市民参加ということが一つございますが、教育委員会は、施策を決定するに当たって特徴的なことは、教育、学術及び文化に関し識見を有する教育委員により構成されている教育委員会で、幅広い立場から議論し決定をいただいているというところが、ほかの行政部門と異なっているところではないかというふうに思います。教育委員は、膨大な情報、幅広い経験、高い識見をお持ちでございますので、そうした方々のご議論をいただいて決定しているところが特徴であるということで、その点でも、市民参加といいますか、都民の考え方がよりよく入っているものではないかというふうに思っております。
 また、施策を教育委員会に上げるに当たりましては、重要施策につきましては、ほかの部門でもやっているというふうには思いますが、世論調査の実施、外部の識者、区市町村教育委員会や学校関係者を入れた委員会の設置、教育モニターからの意見聴取、さらに教育委員会独自の勉強会、そうした各段階を経て施策を策定していくわけでございますが、そうした各段階において、さまざまな人々の意見を取り入れているということでございます。
 また、今後は、教育施策の策定をするに当たって、インターネットを通じた情報の積極的な提供を行い、また情報をいただくというようなことも工夫してまいりたいと考えております。
 説明責任の方でございますが、特に外部からの意見を取り入れた施策の評価でございますが、来年度からは、学校運営連絡協議会における学校評価、あるいは都庁全体で行政評価制度が本格的に実施に移されるということでございます。

○大河原委員 委員会の傍聴なども、月二回、教育委員会があるわけですけれども、どんな内容をやるのかという告示ですか、二日前ということで、予定が立てられない、そういったこともあるかと思うんですね。
 手続とか事務のことなどについても伺いましたら、大変忙しい中で、委員の方々にお送りする資料も、前の週の金曜日ということでした。そういった意味では、大変難しいこともあるかとも思うんですが、やはり説明責任を果たしていく。情報を公開すればするほど、たくさん意見は出てきますけれども、意見を出し合うことによって、例えば、今進めようとしている高校改革などについても、幅広い議論ができ、また理解も得られるものというふうに私は思います。
 次に、平成十四年度から本格的な総合学習がスタートするわけですが、この目的と現状、これを推進するに当たっての東京都教育委員会の役割を伺います。

○斎藤指導部長 総合的な学習の時間でございますが、各学校が、みずから学び、みずから考えるなど児童生徒の生きる力の育成を目指して、創意工夫を生かして行う教育活動でございます。
 現在、平成十四年度の全面実施に向けまして、小学校では、例えば環境、福祉、ボランティア、国際理解にかかわる内容などについて、中学校では、社会体験、環境、文化、福祉等にかかわる内容などについて、さまざまな視点から取り組んでいるところでございます。
 都教育委員会は、各学校が総合的な学習の時間の趣旨を踏まえて、地域や児童生徒の実態に応じて、独自に、また特色ある教育活動ができますよう、指導資料を配布することや学校訪問等を通じまして支援してまいります。

○大河原委員 けさの日経新聞などにも、駅前留学というキャッチフレーズで売り出している英会話の学校が子ども向けのプログラムをつくるというようなことで、大変業界も動き出しているというふうに思いますが、その総合的な学習に求められている視点というのは、一つには、専門家や地域の人などを通して見たり聞いたり、実際に体験したりして、幅広い目を養うことであるというふうに思います。そして、そのとき留意すべき点は、都会に生まれた子どもたちが、都市化された東京だけではない東京、その東京のまちを十分に活用して、将来の職業選択の幅をどこまで広げられるのか、そういうことにあるというふうに思います。
 東京の農地は約一万ヘクタール、都の総面積の約四・五%あるわけですけれども、水田などはごくわずかで、畑の面積などは、山口県や島根県の面積とほぼ同じぐらいあるということですね。島しょや多摩の地域を除けば、一万ヘクタールある農地の約七割が市街化区域の中にあるということで、都市農業の中心地というのが東京の一つの姿でもあります。
 農業基本法が改正されて、この都市農業が位置づいたというのは、東京の大きなお手柄だというふうにも思うわけですけれども、この都市農業、安全で新鮮な農産物を供給するということだけでなく、防災や地下水の涵養、緑地の保全など、非常に多面的な機能を持つ環境保全型の産業として、生きた教材になるというふうに考えています。
 また、学校給食などを通じても、子どもたちに大変大きな教育効果を与えておりますけれども、この点について、都教委はどのような見解をお持ちでしょうか。

○斎藤指導部長 都市農業にかかわる学習についてでございますが、現在、各学校におきましては、校庭や近くの田や畑で、米づくりや野菜づくりなどの体験学習を通して、土や水について考えたり、生産者の苦労や工夫を学んだりしております。
 また、田や畑は、雨水をためることにより洪水を防ぐ働きをすることや、災害時の避難場所になり得ることなども学んでおります。
 さらに、学校給食の食材を提供している近隣の農家の人との交流を行っております。
 都教育委員会は、都市農業が、地域の実態に応じた特色ある教育活動を進めていくための貴重な教材であり、多面的な環境保全等の学習を進める上で効果があると考えております。
 今後とも、区市町村教育委員会と連携して推進してまいります。

○大河原委員 また、東京都の総面積の四割を占めているのが森林です。
 林業も、都市農業と同じような視点で大変重要だと思いますが、森は、水資源の涵養、大気の浄化はいうに及ばず、生物多様性の維持、地球温暖化の原因である二酸化炭素の吸収や固定機能、また、木材などは、再生可能な循環資源として新たな光を浴びております。多面にわたる森の機能が評価されているわけです。
 このように、トータルにとらえた農業や林業教育を、都としてしっかりととらえてほしいというふうに思うんですが、この点についてはどのような認識をお持ちでしょうか。

○斎藤指導部長 田畑や森林の持つ多面的な役割を総合的に学習することは、これらが人間の生活と深くかかわっていることを理解させる上で大変重要でございます。
 学校教育では、社会、理科、道徳あるいは総合的な学習の時間などにおきまして、田畑や森林の有効利用、治水、都市の緑化などの観点から、それらが果たすさまざまな役割について学習しております。
 今後とも、児童生徒の発達段階に応じまして、国土や環境の保全などにおける農業や林業の果たす役割あるいは重要性などについての教育を推進してまいります。

○大河原委員 農業や林業関係の都立高校は、農業や林業の重要性や、また楽しさ、それを実際に体験できる、例えば、農林高校は演習林というものを独自に所有しているわけです。本当に豊かで、そして貴重な施設や場を持っているというふうに思います。
 林業でいえば、大人の森林ボランティアの活動は次第に広がりつつありますけれども、さきの予算特別委員会で、知事も、将来的に子どもたちが森林ボランティアをすることは、さまざまな面からいいと思う、しかし、すぐに森に、森林に入ることは危険であるから、都立水元公園などで、とりあえず始めてもいいかなと考えているというふうに発言しておられました。
 現在、農林高校が持っている演習林を小中学校の子どもたちにも開放する、そして、そのときリーダーになるのが農林高の学生だといいなというふうにも思うわけなんですが、こういうことについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 小中学生への教育施設の開放についてでございますけれども、農林高校では、林業の大切さや自然のすばらしさを地域の小中学生に理解させるために、今年度から、青梅市内の小中学生を対象にいたしまして、演習林を活用した樹木観察などの体験学習を開始したところでございます。
 また、木工など一部の実習において、高校生が小学生を指導したような事例もございます。
 今後とも、小中学校との連携を推進していく予定でございます。

○大河原委員 総合的な学習を進めていく上でも、これを支える先生方は大変重要な役割を果たします。総合的なといったところで、それぞれの先生方のライフスタイル、そういったことも大きく関係してくると思うんですが、足りないところは、ぜひNPOとの連携を持って活動していただきたいと思いますし、先ほど織田委員から、先生の休暇やそういったものはどうなっているのかというお話もありましたけれども、大学などでは、例えばリーブとかサバティカルとかいう形で、先生が何年かその大学におられると、例えば十年だったら十年後には、一定の期間、自分の研究のために、大学から離れて自分の研究に没頭できる、あるいはリフレッシュできるというような制度もあります。先生方を支えていくということも、一つは重要な問題に、課題になってくるんじゃないでしょうか。
 そして、これまで、いい大学に行って、いい会社に就職する、そういう考え方が根強くありまして、受験戦争が過熱したりということもありました。しかし、今の状況の中では、こうした目標、大前提が崩れております。そして、もう、このようなことを目標に掲げることはまやかしであるというふうに、子どもたち自身はっきり思っている、感じている、そのように思います。
 今、東京都は、時代に合った都立高校をつくるということで、都立高校改革を進めているわけですけれども、実は、その内容、このような子どもたちの認識や実感からは離れたところで進められているのではないでしょうか。
 今年度から実施された日比谷高校の独自入試や、それに続こうとしている学校が多々あること、こういうことを考えても、私立に負けない進学校をつくること、そういうことを重点として考えて、それを中心に持ってこようとしているのじゃないかというふうに危惧いたします。
 大学に行くことは、最終目的ではなくて手段でありまして、自分自身で生活していく、どう生きていくか、どう食べていくことができるか、そういった職業に出会う、自分に合った職業を選択する、その選択肢の幅を、大人になるまでに、どのようにどのぐらい広げられるのか、そういったことが重要になってくると思うんです。
 今の教育に必要な、重点とすべきこと、先ほどから申し上げておりますように、幸い都立高校には、その部分を豊かにできる財産があるというふうに思っています。農業、林業など、職業高校などもさまざまありますけれども、それぞれの学校が、これまでの経過の中で、学校が持っているそうした財産を豊かに活用することが望まれるというふうに思います。
 そして、この都民財産、これからもぜひ活用してもらいたいと思うわけですけれども、今回の二次計画の中では、農林高校が総合高校になるということが出されております。
 先日、前の委員会でも伺っておりますけれども、このような視点がどのように生かされていくのか、改めて伺いたいと思います。

○山際都立高校改革推進担当部長 総合学科につきましては、普通科目や専門科目の中から、生徒の興味、関心や高校卒業後の進路希望等に応じ、生徒がみずから履修科目を選択できる柔軟な教育システムでございます。
 また、産業社会と人間などの科目やガイダンスなどを通じまして、自己のあり方や生き方についての認識を深め、将来の進路選択や職業生活に必要な能力、態度を育成することが可能でございます。
 新しくできます青梅地区の総合学科高校を設置することによりまして、生徒の進路の選択幅を広げ、多様な進路の実現を図ることが可能であるというふうに考えております。

○大河原委員 農林高校の保護者の方たちからは、トータルな視点でとらえて、安易に統廃合すべきでないという声が強くあります。関係者とは、どのような協議をこれまで進めてこられたのか、その点についてはいかがでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 昨年十月に、青梅地区総合学科高校基本計画検討委員会の中間のまとめについて説明会を開催いたしまして、関係者のご意見、ご要望を伺ったところでございます。
 その後につきましても、農林高校の同窓会やPTA関係者との話し合いの機会を設けまして、引き続き理解を求めてきたところでございます。

○大河原委員 ぜひ丁寧に話し合いを続けていただきたいというふうに思います。
 これは、子どもたちに配られる専門高校、高等専門学校の紹介パンフレットですけれども、都立高校においては、多様な個性化、特性化を推進しようとする中にあって、こういう専門高校、職業高校をどのように位置づけていくのか、そういうことがもっと議論されなければならないというふうに思うんですが、この点について、専門高校をどのように位置づけ、進めていこうとお考えなのでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 専門高校に対しましては、近年の産業経済の変化や技術革新の進展に伴いまして、専門的知識、技術を持った技術者の育成が求められているところでございます。
 他方、生徒の進路希望の多様化が進む中で、必ずしも自己の進路希望に沿って入学してくる生徒ばかりでないというような実態もございます。
 都教育委員会といたしましては、これらの状況を踏まえつつ、学科の改善やインターンシップの推進など、専門教育の充実を図るとともに、生徒数の長期的な減少を踏まえ、既設校の発展的統合や改編によりまして、総合学科などの新しいタイプの高校の設置を進めていきます。

○大河原委員 このパンフレットのデザインも、実は生徒のつくったものですよね。
 私も、世田谷区内の都立高校、何校からか、卒業式の時期で、卒業式に呼んでいただきました。そして、列席して子どもたちの様子を見ておりましても、答辞の中に、実はこの学校には来たくなかった、第一志望じゃなかったというところから始まる答辞もありました。それから、入学二日目から、私はこの学校には来られないと思ったという、本当だったら不登校になってしまったんじゃないかなと思われるような生徒さんの声もありました。
 しかし、その学校で三年間しっかり過ごしてみて、自分がこの学校を選択したこと、この学校に来たことが間違いじゃなかった、その三年間を充実した時間として過ごせた、そういう声を聞いて、私は本当にほっとしたわけですけれども、子どもたちが、今、高校を選ぶときには、なかなかそういう満足のいく状況になっていないということも、同時に、ある卒業式で知りました。それは、もうクラスの人数が二十九人や三十人になっているところでしたが、入学した当初の人数よりも、その四分の一が中途でやめていった。その結果が、卒業時には四分の三に減っているという、そういう現実でした。
 そして一方では、私はこれは本当にびっくりしたんですが、自分は全日制の高校に行きたかったけれども、この学校を見に来て、この学校に決めたと。それは都立の園芸高校でしたけれども、その方は、片道二時間の通学時間、皆勤で卒業なさいました。自分の行く先を自分自身で決めて邁進するその三年間、本当に充実したものであっただろうと思います。
 今、進められている高校改革も、ぜひ地域との話し合いを密にしていただいて、子どもたち自身が生きる力を本当に育てていけるような改革にしていただきたいと改めて要望いたしまして、終わります。

○村松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び請願陳情に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、本案及び請願陳情に対する質疑は終了いたしました。

○村松委員長 次に、報告事項、東京都大学改革基本方針についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○加島総務部長 委員会でご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元にございます文教委員会資料、報告事項の一ページをお開き願います。
 今回ご要求のございました資料は二件でございまして、まず、1、大学改革の担当組織の業務内容についてでございます。
 昨年八月に設置されました、都立の大学の改革を担当する組織の主な業務内容について、三点お示ししてございます。
 次は、2、大学等改革関係局長学長合同会議の開催経過でございます。
 大学等改革関係局長学長合同会議について、(1)に会議の設置理由を、(2)に、会議の構成を関係局長及び各大学学長の別に、(3)に、会議の開催経過を開催月日及び主な内容としてお示ししてございます。
 以上、簡単でございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中(智)委員 二月に、都立の大学改革方針が策定されました。都立の大学改革に当たっては、これまでの都立の大学が、学問的にも人材輩出の点でも一定の成果を上げ、社会的にも高い評価を得られているわけで、こうした積み上げをしっかり継承しながら、新たな発展をかち取っていくことが必要です。
 また、論議のあり方として、大学内部での十分な討論はもちろん、広く都民的な討論を広げていくことが重要でありまして、そのために、これまでも要求してまいりましたように、積極的に情報を公開していくことが不可欠だと考えます。
 そこで、まず、この方針の策定作業はどこでどのように進められたのか、具体的にお答えいただきたいと思います。

○佐藤参事 基本方針の策定作業についてでございますが、昨年八月に、教育庁に大学改革の担当組織を設けまして、都立の四大学の改革について検討を始めたところでございますが、大学改革の基本的な方針を策定する上で、教育研究の責任者としての立場にある大学の学長から十分に意見を聴取する必要があることから、各大学の学長と、大学を所管いたします各局長及び教育長によります大学等改革関係局長学長合同会議を設けまして、改革の基本的な方向性について議論を行うとともに、大学改革基本方針についての意見交換を行ってきたところでございます。

○田中(智)委員 今おっしゃいました合同会議で論議になりましたのは、主にどういう問題なのか。また、特に大学側と設置者側との間で意見が異なったところもあったと思いますけれども、これはどういう問題か、そしてそれがどう処理されたのか、お答えをいただきたい。

○佐藤参事 局長学長合同会議では、改革基本方針全般についての意見を交換し合ったわけですが、特にその中で、大学の再編・統合についての議論が多かったところでございます。
 今回、策定いたしました東京都大学改革基本方針は、大学改革の基本的な方向性を示したものでございまして、改革の方向性については、基本的には大学側と設置者側との意見の相違はございませんが、改革を進める上で、再編・統合に向けた取り組みなど、早急には実施できないものもございまして、その辺につきましては段階を追って進めることというふうな形にしたところでございます。

○田中(智)委員 大学の研究というものは、やはり数十年かかって研究成果があらわれるということもあると思います。都民の豊かな精神生活に寄与する文化的な成果もあるわけですね。その時々の時流に流されないことが大事ではないかと思います。学問とはそういうものだと思います。そういう学問研究や高等教育の特質を十分考慮することが必要で、大学側と意見が違った場合にも、拙速な処理は戒めるべきだと思います。
 先日、都立大学の事務局の質疑が行われましたけれども、例えば、大学の統合・再編については、都立大学内部でも十分な論議をしたとはいえないというような答弁でした。大学改革を担当する部局としても、こうしたことには十分に配慮していくべきだと考えます。
 そして、大学側に十分な検討時間、機会を保障し、その結論、意向に設置者側は十分耳を傾けるべきだというふうに考えますが、これについてはいかがでしょうか。

○佐藤参事 昨年来の基本方針検討の過程におきましても、局長学長合同会議などで、学長と意見交換する機会を設けまして、基本方針の内容に反映をさせているところでございます。
 各学長の意見は、各大学の学内での検討状況を踏まえたものというふうに、私どもは理解しております。
 今後、改革大綱の検討に当たりましては、各大学の学長を構成員といたします改革推進会議を中心として進めていくこととしておりまして、この改革推進会議では十分に意見交換を行ってまいりたいというふうに考えております。

○田中(智)委員 ぜひ十分意見交換をしていただきたいと要望させていただきます。
 次に、この夏に予定されております改革大綱、この策定に向けた取り組みについて伺います。
 大学改革の基本方針に、この大綱の検討に当たって共同検討組織を設置するというふうにあります。これはどういうものであるのか、いつどのようなメンバーで発足するのか、また、そのもとに置かれる課題ごとの専門的な検討組織ということがありますけれども、これはどのようなものなのか、お答えください。

○佐藤参事 東京都大学改革大綱、仮称でございますけれども、これを策定するために、行政と大学の共同検討組織といたしまして、大学改革推進会議を本年三月一日付で発足させたところでございます。
 構成は、教育長を会長といたしまして、総務局長、衛生局長、都立大学事務局長、さらに都立大学総長、科学技術大学学長、保健科学大学学長、短期大学学長の八名で構成しております。
 また、推進会議のもとに、推進会議に付議する事案等を協議する機関といたしまして、行政側、大学双方から成る幹事会を設置してございます。
 さらに、この幹事会に必要に応じて専門的な検討組織を設けることとして、課題ごとに小委員会を設置するというふうな形にしております。

○田中(智)委員 今後、改革大綱を策定していく中で、推進会議による検討状況を都民等に公表していく予定があるのかどうか、また、公表する場合、どういうふうに公表するのか、伺います。

○佐藤参事 検討状況についての公表についてでございますけれども、改革大綱につきまして、先ほど申し上げました推進会議による検討が一定段階まで進んだ時点におきまして、都民等に検討内容を公表していきたいというふうに考えておりますが、具体的な時期、方法等については今後検討してまいります。

○田中(智)委員 広く都民に知られるような、例えばインターネットの活用ですとか、そういった形で広く公表されるよう検討されますよう、ぜひお願いをしたいと思います。
 さらに、方針によれば、運営監理委員会というものが立ち上げられるということですけれども、この機関はどのようなメンバーで構成され、そしてどのような権限を持つのか、いつ発足するのか、任期の問題、また、改革だけではない恒常的な運営機関になるのかどうか、具体的にお答えいただきたいと思います。

○佐藤参事 運営監理委員会についてのお尋ねでございますけれども、運営監理委員会につきましては、その設置根拠や権限、委員構成などの具体的な内容に関しまして、今後、大学改革推進会議などにおきまして検討していくことになります。
 現時点では、委員会の委員といたしまして、経済界や弁護士、法曹界の代表ですとか、教育関係者、また他大学の関係者等々、学識経験者を想定しておりまして、なるべく早期に設置したいというふうに考えております。
 この運営監理委員会の機能といたしましては、都立の大学の運営に関することを審議していただいたり、改革の進行状況につきまして報告を受け、改革が着実に実行、推進されるよう点検を行うとともに、教育研究に係る方針や計画について助言、勧告を行うことなどを考えているところでございます。
 また、委員には一定の任期を設けた上で、常設の機関とする予定でございます。
 なお、運営監理委員会が、改革を含めました大学運営全般について、外部有識者の意見を反映させるために設置をする機関であるのに対しまして、改革推進会議、先ほど申し上げました会議は、大綱策定のために設置される、行政と大学から成る内部的な検討機関でございます。

○田中(智)委員 運営監理委員会とは、大学運営等に関し審議する機関ということですけれども、同じく大学の運営等に関する機関としては、評議会とか教授会という組織があるわけですけれども、この会との関係というのはどういうふうになるんでしょうか。

○佐藤参事 評議会なり教授会という機関でございますが、これは法律、条例に基づき設置されておりまして、大学運営につきまして定められた事項についての審議をする機関でございます。
 一方、今回掲げました運営監理委員会は、任意に設置され、外部有識者の意見を大学運営に反映させるというふうにしていくものでございまして、助言、勧告をする機関ということでございます。

○田中(智)委員 任意に設置されて、あくまで助言、勧告をする機関であるということで、認識よろしいですね。
 また、大学改革、当面の具体的な作業でいえば、大綱の策定は、一貫して大学側と行政側の共同作業として進められると考えていいんでしょうか。そして、その具体的な保障が何かあるのかどうか、これをお答えください。

○佐藤参事 さきに述べましたように、改革大綱の検討は、行政と大学の双方から構成されます大学改革推進会議において行われるものでございます。今後、この推進会議を中心といたしまして、行政、大学が活発に討議をしていく予定でございまして、改革大綱の検討は、大学側と行政側の共同作業として進められるというふうに考えております。

○田中(智)委員 今回の大学改革に関して、この間の外部監査の結果から、大学改革を採算性の角度からとらえる議論が横行しております。だれが見ても明らかなむだはなくすのは当然だとしても、そもそも学問研究、高等教育の分野は、採算性中心の発想ではもともと立ち行かない分野であることは明らかなんですね。
 先日、都立大学事務局の際も、この委員会の中で、都民カレッジの廃止について採算性ばかりを考えているのはおかしいのではないかとの厳しい意見が相次いだわけなんです。
 これまで、都立大学が、研究成果の面でも、人材輩出の面でも、社会的に一定の成果、高い評価を得てきたのも、やはり都が予算を確保して、必要な条件整備、人材を確保してきたことがあることは明らかではないでしょうか。都立大学の特色である少人数教育などはその最たるもので、学内外で歓迎されております。最近、予算が年々減らされ、いわゆる頭脳流出も起こり始めているということも聞いております。今度の大学改革が、採算性先にありき、採算最優先ということがないようにすべきというふうに考えますがどうか、所見を伺います。

○佐藤参事 ご案内のとおり、都財政は依然として厳しい状況にございます。都立の大学につきましても、財政再建推進プランに基づいた内部努力などの見直しは当然に求められるというふうに考えております。
 さまざまな観点から見直しを行いながら、東京を支える人材育成や学術研究を担う公立大学という事業の性格から、必要な予算、人員等については確保していきたいというふうに考えております。

○田中(智)委員 ぜひ必要な予算、人員は確保するために最大限努力していただきたい。要望しておきます。
 本当に二十一世紀の日本と東京に必要な学問、文化、そして教育にとって、東京都の大学が果たす役割は確かに大きいものがありますね。そして、それをいかに安上がりに行うかということを最優先にするならば、決して成功しないどころか、これまでの都立の大学の高い評価や成果をも台なしにすることになるというふうに思います。
 私は、こうしたことが起こらないよう、大学側とも意見交換を十分行って、都民に対しても十分な情報公開を行って、時間をかけて討論を保障することが、大学改革が成功する保障だというふうに考えます。
 こうした点を十分考慮するよう要望いたしまして、質問を終わります。

○田中(良)委員 都立の大学改革について伺います。
 現在、都立の大学の改革についていろいろと検討されており、先日も東京都大学改革基本方針という報告書が作成されました。都立の大学の教育や研究の機能について、ある程度重点化を図っていくことは、資源を最大限有効に活用し、都市問題への取り組みなどを通じて都民のニーズにこたえていくためにも、大変重要なことだと思います。
 ただし、この基本方針の中にも書かれていますが、国立、私立を合わせて二百近くの大学、短大が都内にある中、都立の大学としての存在感は、設立当初に比べ相対的に低下してきています。都立の大学の特色や役割というものが、現在、極めて希薄になっているといわざるを得ないのであります。
 これは、都立の大学がこれまで、教育研究の成果や経営状況などについて十分な説明をしてこなかったことにも責任があると思うのであります。大学運営に多額の一般財源を投入しているにもかかわらず、都立の大学は、大学の自治の名のもとに、都民に対して十分な説明責任を果たしてこなかったのではないかと思うわけであります。
 そうなった主な原因としては、これまでの大学運営が、教授会を中心とし、外に対して開かれていない形で行われてきたことにあると考えます。まず、この点を踏まえ、今回の大学改革の中で、運営のあり方の改善についてどのように取り組もうとしているのか伺います。

○佐藤参事 大学の運営の改善に当たりましては、より機動的で責任のある意思決定の仕組みと執行体制の確立をする必要があることから、当面、十三年度におきまして、教育研究部門における運営の見直しといたしまして、各大学の学長のリーダーシップを強化するための学内の補佐体制を整備すること、また、あわせまして、これまで各大学について分散をしておりました設置者機能、つまりは総務局であり、衛生局であり、都立大学事務局であり、こういうふうにばらばらになっておりました設置者機能を一元化することによりまして、都立の大学改革を強力に推進いたしまして、一体的な経営を進めていく体制をつくっていきたいというふうに考えております。

○田中(良)委員 次に、運営監理委員会について伺います。
 大学が広く都民ニーズにこたえていくための運営の見直しには、行政や大学の内部の運営システムを改めるだけでは不十分です。広く各界各層の意見を反映するとともに、運営を第三者の目でチェックできる仕組みが重要であると思います。運営監理委員会については、大学の運営について、教育関係者という狭い範囲での意見ではなく、実社会からの幅広い意見を反映させることが重要です。
 その点から、委員会の委員構成は、大学関係者はできる限り少数にとどめ、企業の経営者など経済界の代表や、公認会計士などの経営に関する専門家、大学以外で活躍する研究者、医療福祉分野におけるオピニオンリーダーなど、それぞれが高い見識と専門領域を持つ人を人選することが、この委員会が機能するかどうかのかぎとなると考えますが、いろいろと先ほども議論がありましたけれども、改めてご見解をお伺いいたします。

○佐藤参事 運営監理委員会は、都立の大学がその特性を十分に発揮いたしまして、また、社会経済状況等の変化に迅速に対応するとともに、都民生活や都政に積極的に貢献する、そういう役割を果たしていくために、外部から適時適切なご意見をいただくために設置するものでございます。
 委員の人選につきましては、ご指摘の幅広い意見の反映が実現できますよう、経済界、法曹界、社会福祉や医療とか、教育関係者など、特定の分野に偏らないような配慮をしながら、各界各層において高い見識を持ち合わせ、また高等教育についてのご定見を有している方々によって構成されるべきものというふうに考えております。

○田中(良)委員 次に、大学の運営の仕組みについて伺います。
 外部の意見を反映して、社会からも信頼される大学としていくためには、大学の運営を機動的なものとすることが先決であると思います。そのためには、教育研究以外の事項までもが教授会などの合議体にゆだねられている現状を改め、意思決定のスピードを速めるとともに、学長のリーダーシップが発揮されるような体制を築かなければなりません。
 これらの改善のためには、いわゆる私学型の、教育研究に係る責任と組織経営の責任とを分離することによって、教員が、最大の使命である教育や研究にその力の大部分を注ぐことができるような体制づくりを行うことが最も有効であると考えます。
 そういった観点から、大学の運営の仕組みについて、責任と機能の分離を思い切って行うべきであると考えますが、見解を伺います。

○佐藤参事 大学の運営を機動的、また戦略的に進めていく、そのためには、ご指摘のとおり、教員が本来の職務に専念できる体制づくりが必要と考えております。
 今後、大学の経営責任、教育研究責任につきまして、その区分と所在を明確にいたしまして、重点化された教育研究組織がそれぞれ創意工夫によりまして特色を発揮するなど、機動的な大学運営を行うために、先ほど申し上げました改革のほかに、なお教授会の審議事項や権限の明確化など、学内組織の運営改善にも取り組んでまいりたいと考えております。

○田中(良)委員 最後に、大学の法人化について伺います。
 経営機能と教育研究機能のそれぞれの責任体制を明確にすることで、大学の運営のあり方を根本的に変えていくには、現状の一般行政と同じ会計制度や人事制度を持つ、行政の内部機関としての位置づけのままでは限界があると思います。国立大学でも独立行政法人への移行の準備が進む中で、東京都として、大学をより機能的なものとする観点から、外部の意見を十分に反映するための理事会機能を持たせるなど、自治体として独自の考え方による大学法人のあり方を示すべきだと思いますが、見解を伺います。
 学校の法人化ということも視野に入れて、いろいろお尋ねをしているつもりでありますので、手続上すぐにできないいろんな制約があるということも聞いておりますが、そういうことをわかりやすく答弁の中に含めていただければありがたいと思います。

○佐藤参事 都立の大学につきましては、現行法体制のもとで、その運営が行政組織と同様の会計、人事制度を適用されているというような問題がございます。
 国立大学が独立行政法人化する方向で検討を進めていることを受けまして、都立につきましても、大学がみずから経営責任を明確にして、自主的、自律的に大学を運営できるような体制をつくる、これが今回の改革の一つのかなめともいうべきものというふうに考えております。
 その意味で、ご指摘の点も踏まえまして、今後、都立の大学にふさわしい形態での法人化はいかがなるものかというようなことについて、早急に具体的な姿を示せるように検討を進めていきたいというふうに考えているところであります。
 さはさりながら、法人化に至るまでは、現行法体制の改正等の条件が必要になってまいります。国で導入されました独立行政法人制度を、仮に地方に導入するに当たりましては、例えば総務省が所管いたします自治法の改正なり、また個別の特別法なりの制定によりまして、地方公共団体版の独立行政法人制度が法で定められる必要があるというふうに考えております。
 また、公立大学につきましては、独立行政法人などの法人が運営を行うことができるようにするためには、文部科学省が所管いたします学校教育法の改正もまた前提となるというふうに考えております。
 これらの法的な整備を待った後、都といたしましても、必要な条例改正を都議会におきましてご審議、議決いただいた上で、都立の大学を法人に運営させることができるというような形になろうかと思います。

○田中(良)委員 いろいろとご答弁ありがとうございました。
 一つは、いろいろ議論の的になっているのは、大学という組織というか、大学というものが持つ、一般社会に対するどちらかというと閉鎖的なこもった世界、そういうことに対する問題というものがあるだろうと思いますし、時代の大きな変化の中で、公立、国でいえば国立、私たちの立場でいえば都立ということですけれども、私立の学校がたくさんある中で、本当に都立の大学が必要なのか、それから、もし必要だとしたら、そこに求められる役割というものはどういうものなのかということが、時代の流れの中で、あいまいなまま今日まで来ているということが、こういう大学改革の議論の背景にあるように思います。
 そういう問題意識に対して明確なビジョンというものをぜひ示していただくようにお願いしたいと思いますし、期待をして見守りたいと思っておりますので、どうぞご健闘をお祈り申し上げます。
 以上でございます。

○大河原委員 私からも伺わせていただきます。
 複雑化する都市問題は、まさに東京という特殊性において、都立の大学での研究の役割が、また重要性が増しておりまして、都政の一翼を担うという役割をより一層、学内の教授陣また学生ともに認識されてよいのではないか、むしろされるべきだというふうに私は思っております。
 さて、昨年、都は、男女を問わず一人一人が個性と能力を発揮する機会を確保し、男女が対等な立場で社会のあらゆる活動に参画する男女平等参画社会の実現に向けた、東京都男女平等参画基本条例を制定しております。この男女平等社会実現に向けて、これを実現するための質問にしたいと考えております。
 それで、これまで都立の大学が、東京を男女平等社会にする、そのために果たしてきた役割というものがあると思うのですが、どのようなものでしょうか。

○佐藤参事 東京の男女平等社会の実現のために果たしてきた大学の役割でございますが、都立の大学では、都立大学の人文学部や法学部の教員を中心といたしまして、男女平等に関する教育研究成果を社会に還元して、男女平等参画社会の実現のために一定の役割を果たしてきたというふうに考えております。
 また、学生の教育におきましても、都立大学の社会学や社会法の講義なり演習におきまして男女平等等に関する問題を取り上げたり、また、都立短期大学では、女性労働論なり女性学といったような科目を開講するなど、男女平等に関する教育を実施してきております。

○大河原委員 男女平等の視点から大学改革について質問する、担当の方も、初め、目が点という形になっていましたけれども、ありとあらゆる場面で、このことはやはり意識されなければならない。男女平等が空気のように、もう当たり前のようになるということが目的ですので、質問を続けさせていただきます。
 四つの大学で、それぞれ学生や教授陣の男女の構成比、まだまだ男性が多いのかなあというふうに思っておりますけれども、現状、どのようになっているでしょうか。
 そして、教授会など大学の意思決定にかかわる部分で、男女平等参画というのは実現されているんでしょうか。

○佐藤参事 男女構成比でございますが、四大学の合計で申し上げますと、学生につきましては、男性が六四・〇%、女性が三六・〇%、また教員につきましては、男性が八四・一%、女性が一五・九%、教授会は、男性八七・八%、女性一二・二%となっております。
 ただ、教授会の構成員は、都立大学の場合は講師以上、また短期大学の場合は全員であるなど、男女比は教員の構成により自然に決定されるというような形になっております。
 学部の特性によりまして男女構成比も異なってくるために、男女平等参画の状況について一律に判断することはちょっとできないかと思いますが、保健科学大学なり短期大学の教員数や教授会での構成比は、女性教員の比率が三〇%を超えているという状況にあります。
 また、都立大学にあります評議会につきましては、選挙によってメンバーが選ばれるというようなことから、男女平等参画という観点からは判断が非常に困難であるというふうに考えております。

○大河原委員 事務事業のときに評議会のことを伺って、選挙で選ばれるので、とても現状で難しいということがありましたけれども、今お答えの中でありましたように、短期大学などは、教授会の構成比、女性教員の比率が三〇%を超えているという現状もあるわけですね。大学の意思決定の場面で、もっとこうした声も届くような仕組みが必要だというふうに思っています。
 この都立の四大学の改革に当たっても、男女双方の意見をバランスよく反映させるためには、男女平等を目指す視点が欠かせません。今後の改革方針を検討する委員会でも、東京都の各種審議会同様、女性委員の割合を三〇%以上にするよう努力すべきだというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。

○佐藤参事 審議会等への女性委員の任用促進につきましては、男女平等参画推進のための東京都行動計画におきまして、平成十二年度三〇%以上という目標が掲げられております。運営監理委員会の委員の人選につきましても、それを目標としていきたいと思います。

○大河原委員 改革推進委員会の方は、職に当たる方々がそれぞれ指定になっているので、これは実現されないわけですけれども、運営監理委員会の方ではそれを目指すということで、期待をしております。
 そして、新たな大学における男女平等社会の風土づくりのための試みといいますか、そのために、人文系から理工系まで全学共通の科目、いわば教養科目とでもいうのでしょうか、その中にぜひ都市問題を扱っていただいて、講座を設置し、その中のテーマの一つに、男女平等社会実現のテーマ、そうしたものを設置することなど考えられないかというふうに思うわけなんですが、こうしたことについてはどうでしょうか。

○佐藤参事 今回の基本方針では、都市の抱える問題に対する取り組みというものを教育研究の重点として置くという形にしております。この都市の抱える問題、ではこれはどういうふうに考えるのかという、その具体的な教育研究の重点内容につきましては、今後大学改革を進めていく中で、その形態ですとか内容等について、大学側とも十分検討していきたいというふうに考えております。

○大河原委員 都政に貢献する大学ということでも、やはり都市問題全体について、ぜひ一般教養科目としても、共通の認識を持つための講座を設置していただくように要望しておきます。
 そして、今回のこの改革方針の中では、産・学の連携というものが大変大きく扱われておりまして、理工系の産・学協働については、これまで実績も積み上げられてきておりますので、さらなる拡大をしつつ充実を図るということは、比較的容易に想像されます。しかし、一方では、人文系の対応はどうなるのかなというふうに思うんです。人文系の産・学協働というのはちょっと難しいのじゃないかというふうにも思うわけですが、この点いかがでしょうか。

○佐藤参事 産・学・公の連携への取り組みということにつきましては、社会への貢献をどうするかという考えの中で出した基本的なスタンスでございます。
 ご指摘のとおり、都立の大学の産・学・公連携の取り組みにおきましては、理工系の実績が大部分を占めているというのが現状でございますけれども、人文社会学系におきましても、都市の産業振興でありますとか、都民の保健、医療、福祉の向上とか、さらには都市問題に関する教育研究というようなことに取り組むことによりまして、大きな目標である社会への貢献の使命を果たすことができるであろう、そういうふうに考えておりまして、その流れの中で改革を進めていきたいというふうに考えております。

○大河原委員 人文系については、産・学協働というのは、これを読むと、そんなに期待されてはいないということもわかるんですけれども、今お答えいただいたように、例えば男女平等社会実現のためといっても、例えば企業の中でそうした意識を醸成するための研修プログラムをつくる、そういったことなども、東京都という公が入ることによってできるのじゃないかというふうに思いますので、ぜひこうした観点を持って大学改革を進めていただきたいというふうに思います。
 そして、最後の質問になりますけれども、先日、都立大学の事務局のときにも伺いましたが、都立の大学には、生涯学習の場としての役割も期待されております。今回の改革では、都民カレッジの廃止を踏まえた、公開講座の再構築が目指されております。都民への説明不足から、利用者を中心として、生涯学習の場が狭められてしまうかのような不安が広がっているわけですけれども、この点どのようにお考えでしょうか。学ぶ意欲を冷え込ませないためにも、改革全体が始動する四年後では、空白ができてしまい、遅過ぎるというふうに思います。ですから、この再構築、優先的に検討すべきというふうに思うわけです。どのようにお考えでしょうか。

○佐藤参事 大学改革基本方針でもお示ししましたが、都民カレッジの廃止を踏まえまして、都立の四大学によります公開講座が現在行われておりますけれども、これを共同事業化して、なるべく利用しやすいようにしていきたいと、これを十三年度から着手していきたいというふうに考えております。
 そのほか、都立大学におきましては、多摩地域の他の大学ですとか区市町村との公開講座の共同実施についても検討をしていく予定となっております。
 こうした対応によりまして、都民カレッジの廃止後、都として生涯学習の場の提供に空白期間が生じないような形で努力をしていきたいというふうに考えております。

○村松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十五分散会

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