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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第四号

平成十三年三月十九日(月曜日)
午後一時五分開議
 出席委員 十二名
委員長村松みえ子君
副委員長羽曽部 力君
副委員長大河原雅子君
理事服部ゆくお君
理事石川 芳昭君
織田 拓郎君
田代ひろし君
田中 智子君
田中  良君
井口 秀男君
桜井  武君
小林 正則君

 欠席委員 一名

 出席説明員
都立大学事務局局長川崎 裕康君
次長二村 保宏君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について
 都立大学事務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出 都立大学事務局所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第六十三号議案 東京都立大学条例の一部を改正する条例

○村松委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 意見書、決議について申し上げます。
 委員より、お手元配布のとおり、意見書二件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○村松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都立大学事務局関係の平成十三年度予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成十三年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十三年三月十六日
東京都議会議長 渋谷 守生
文教委員長 村松みえ子殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十六日付で予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(金)午後五時

(別紙1)
文教委員会
第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中
歳出
債務負担行為  文教委員会所管分

(別紙2省略)

○村松委員長 なお、予算案、付託議案につきましては、本日は質疑終了まで行っていただき、予算案に対する意見開陳及び付託議案の決定は三月二十三日の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより都立大学事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算のうち、歳出、都立大学事務局所管分及び第六十三号議案、東京都立大学条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○二村次長 去る二月十六日、当委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会資料の目次をお開き願います。ご要求のございました資料は、授業料の減免許可者の推移外七点でございます。
 一ページをごらんください。授業料の免除及び減額許可者の推移の過去五年分をお示ししてございます。
 二ページをごらんください。奨学金を受けている学生数の推移の過去五年分をお示ししてございます。
 三ページをごらんください。本学の卒業生のうち、就職を希望している学生の就職率の推移の過去五年分をお示ししてございます。
 四ページをごらんください。本学における就職支援対策の概要についてお示ししてございます。
 五ページをごらんください。平成九年度から十三年度までの教員の研究奨励費、都市研究費、外部資金研究費、施設整備費の予算推移をお示ししてございます。
 六ページをごらんください。平成九年度から十三年度までの図書館等運営費、校舎維持管理費の予算推移をお示ししてございます。
 七ページをごらんください。平成三年度の都民カレッジ開校以来の開講講座数、受講者数、補助金額の推移をお示ししてございます。
 八ページをごらんください。都立大学の改革について、これまでの検討経過をお示ししてございます。
 以上、大変簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村松委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○服部委員 大学は、これまで、象牙の塔ともいわれ、また、大学の自治の名のもとに、いってみれば外部から閉ざされた世界に長く安住してきた、こういうことは否めないと思います。
 大学の自治、自治というのはやはり、みずからを律すること、それから始まると私は思っております。
 今回初めて、都立の大学について包括外部監査が実施されて、その運営状況がかなりの部分で明らかになって、さまざまな問題点が指摘されました。これが報告書ですが、これの中に、幾つか申し上げますと、結合収支計算書について、あるいは予算編成について、財産管理についてなど、幾つかの指摘がされています。その結果、都立の四つの大学を合わせて、およそ百六十億円の赤字になると報告されました。
 もちろん、地方公共団体が行う事業、とりわけ教育に関する事業について、投入された一般財源を赤字ととらえる、これは必ずしも適切ではないことはわかります。ただ、世間の見る目はそれだけ厳しくなっている、こういうこともやはり考える必要があります。公立大学として都民の税金で運営されている以上、つぎ込まれた税金に見合った教育研究上の成果を上げているか、あるいは経営努力を十分にしているか、都民に対する説明責任、これを果たす必要がある、そのように思います。
 そこで、最初に、包括外部監査とは何か、まずご説明ください。

○二村次長 包括外部監査でございますが、平成九年六月に地方自治法が改正されまして、公認会計士等、自治体外部の者による監査を受けることが、都道府県等において義務づけられたものでございまして、東京都においても、平成十一年度から毎年度、対象とする事業を指定して実施しているものでございます。
 平成十二年度の監査対象事業は三つございまして、東京における交通事業の経営管理について、もう一つが都立の大学の経営管理について、三番目が財産の貸し付け等の管理運用についての三事業でございます。

○服部委員 先ほど申し上げたように、都立の四つの大学の赤字が百六十億円であるということですけれども、この点について大学はどうお考えなのか、伺います。

○二村次長 外部監査報告におきましては、授業料等の特定財源による収入総額から、人件費、物件費などの支出総額を差し引いた収支差額、つまり、一般財源の充当分に相当する金額でございますが、これを支出超過としておりまして、赤字事業であると表現しているところでございます。
 そういうところでありますが、全く一般財源の投入をなくして、公立大学として十分な教育を提供し、基盤的研究などを推進していくことは困難であると考えております。
 しかしながら、監査の指摘にもありますように、今後は、大学事業のあり方を、採算性や有益性などさまざまな観点から見直しを行いまして、経費の節減や十分な成果の発揮に努めていくべきであると考えております。
 今後、都民からの批判にこたえられるよう、時代の変化に適切に対応して、費用対効果を常に意識しながら、効率的な経営を目指していきたいと思っております。

○服部委員 この報告書は昨年の九月二十九日に公表されたわけですが、翌日の新聞の朝刊には、各紙とも大きな見出しで、例えば、支出が収入の四倍、都立四大学大赤字、こういう見出しで取り上げられてもおります。
 例えば、都立の四つの大学の学生数、都立大学が約六千三百人、あと、短大ですとかほかの大学も含めて、およそ九千二百人を超えるわけですけれども、これは単純計算なんですが、支出の超過額、このレポートによれば百六十七億で、学生一人当たりで割り算をいたしますと、一人当たり百八十万円負担がかかっている、そういうことになります。
 さらに、このレポートに書いてありますけれども、教員数、これも、教員一人当たりの学生数は、四大学の場合は十・九人。また、これは私立大学との比較ですが、私立大学では学生数が教員一人当たり三十五人です。ということですと、都立は私立大学の三倍の教員数を抱えている。
 また、職員の数ですが、職員一人当たりの学生数が三十二・一人、私立の場合は学生数五十・八人ということですから、これもやはり、都立の方は私立大学の一・五倍の職員を抱えている、こういうことが指摘をされています。
 そういうことで、今後とも、今ご答弁がありましたように、効率的な経営も必要である、そのように思います。
 そこで、監査報告で指摘や提言を受けていますけれども、その主な内容についてご説明ください。

○二村次長 都立大学におきましては、平成十二年六月から七月にかけまして、外部監査人による実地監査が行われました。九月末に、大学の管理運営全般にわたる指摘、意見、提言がなされたところでございます。
 指摘といたしましては、収支構造の抜本的な改善による効率的な大学運営の必要性、もう一点は、大学を統一的に所管する部署の必要性等が挙げられたところでございます。
 意見といたしましては、大学全体の収支を改善する上で手がかりとなる給料等の集計を含めた部門別収支計算にかかわるシステムを早期に構築すること、もう一点は、外部資金導入の促進等により、産・学連携の一層の推進を図ること等が示されたところでございます。
 さらに、今後、都立四大学が目指すべき方向性の提示として、提言というものがなされまして、支出がどの程度の効果を生み出しているのかという、大学事業の有用性の評価方法の導入を検討すべきである、などが示されたところでございます。

○服部委員 次に、この包括外部監査報告を受けて、どのように具体的な改善の取り組みを行ってきたのか、また、今後どう行っていくのかについてもお願いいたします。

○二村次長 報告を受けまして、本学では直ちに改善計画の検討を行い、その結果を、知事それから外部監査人等に報告したところでございます。
 改善計画では、いつまでに改善を行うか、時期を可能な限り明示するよう努めることといたしました。また、可能な事項については直ちに改善を行うこととしたところでございます。
 具体的な取り組みといたしましては、産・学連携を円滑に進めるため、都立各大学教員について兼業兼職を許可する基準の見直しを検討されたいとの指摘について、人事主管部局と協議の上、大学の研究成果を活用して産業を活性化することを目的に設立された民間企業の役員に、昨年十二月に本学の教員が就任できることになったところでございます。
 他の事項に対しましても適切に進行管理を行いまして、体制を学内に整備して、改善計画を確実に実施していくつもりでございます。

○服部委員 今回、初めてこういった外部監査を受けたわけですけれども、大学自身による自己点検は行っているのか、また、教育研究や管理運営についての不断の自己点検は、大学が都民に対する説明責任を果たす、また、自律的に改革を進める上での基本であると私は思いますが、この点について現在どのような取り組みをしているのか、伺います。

○二村次長 本学では、これまで四回にわたりまして、自己点検、自己評価を行いました。その結果を報告書としてまとめ、公表してきているところでございます。
 現在は、第五回目の自己点検、自己評価に取り組んでおりまして、今回は授業の改善を重点課題として掲げ、全教員の授業について、教員と学生の双方向からの評価を実施したところでございます。
 また、社会貢献を新たな視点といたしまして、都政との連携や地域連携、学外活動、情報発信の状況などについても幅広く点検いたしまして、課題整理を行ったところでございます。これらの結果を年度内にまとめ、公表していく予定でございます。

○服部委員 大学による自己点検あるいは評価が大切なことはいうまでもありません。ただ、これはあくまでも内部評価なんですね。そこにはやはり、おのずと限界があります。適切な大学の評価を行うためには、外部からの目が私は必要だと思います。そうしたものを真摯に受けとめてこそ、都民の期待にこたえ得る大学運営ができるのではないか、そのように思っていますが、都立大学ではいわゆる外部評価を実施しているのかどうか、この点についていかがでしょうか。

○二村次長 本学では、今年度初めて、理学研究科におきまして試行的に外部評価を実施いたしました。これは主に研究面について、他大学の教員など外部の専門家によりまして、研究活動の状況や研究水準、研究成果などを総合的に点検、評価するものでございまして、来年度には工学研究科でも実施する予定でございます。
 いわゆる外部評価につきましては、これまで各大学がそれぞれ独自に取り組んでおりまして、現状では、一般的に確立した基準がないということにされております。評価の対象、基準、手法などを確立していくことが今後の課題になるというふうに考えております。

○服部委員 その外部評価については、確かに、だれが、何を、どのように評価するか、なかなか難しい面もあるようですよね。ただ、大学が、先ほどから申し上げているように説明責任を果たす、そういうためにも、私はこれを積極的に実施すべきと考えています。今後、具体的にどのように取り組もうとされるのか、お伺いします。

○二村次長 外部評価の内容についてでございますが、今回、理学研究科で実施した外部評価の実績、そういったものとか、それから、国立大学の評価機関として設立されました国の大学評価・学位授与機構が定めます評価基準などを参考にしながら、各学部等での試行的実施の実績を積み重ねまして、全学で実施できるよう取り組んでいきたいと思っております。
 そうした結果を踏まえまして、都立大学において総合的に適用できる評価基準、評価方法等を具体的に検討してまいります。

○服部委員 包括外部監査報告書、これは、今まで申し上げたように幾つかの指摘もされていますし、また、それについて、今、改善できるものはもう改善をしていく、そういうような答弁もありました。
 私は、この報告書で大事なことは、提言の部分だと思うのです。この提言の部分について、どのように受けとめられ、また、今後どう取り組んでいくのか、お伺いします。

○二村次長 提言の部分は、今後、都立の四大学が全体として目指すべき方向として提示されたものでございます。その中で示されておりますのは、経済性、効率性の側面や、大学を有用性の観点から見直しをして、経営構造の抜本的改善を求める部分については、都立の大学にとって大変厳しい指摘であると受けとめております。
 また、授業の共同化や、経済性、効率性といった観点から提言されている四大学の統合につきましては、今後、都立の四大学全体の改革を担当している教育庁や他の都立の大学とも十分協議しながら検討をしてまいります。

○服部委員 今のご答弁にありました四大学の改革あるいは統合という点については、確かに教育庁の所管になると思いますが、例えば、一橋大学、東京工業大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、この国立四大学は大学連合を始める、このように既に発表しています。また、弘前大学、秋田大学、岩手大学は、北東北三大学協力協議会を既に結成をした。兵庫県は、神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の県立の三大学統合を打ち出しています。さらに、山梨大学と山梨医科大学、また、香川大学と香川医科大学の間でも統合の協議が行われている、そのようにこちらの方にも報告があります。そういうようなことも踏まえながら、今後とも、都立大学が中心になって、この方の検討もいただきたいと思います。
 そうした提言の内容に関連して、具体的にお聞きしますけれども、都立の大学間で教員の相互派遣、こういったものも提言されております。この辺を検討されたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

○二村次長 都立の大学間では、これまで、一部で教員の交流や共同的な研究などが行われてまいりましたが、全体としては連携は不十分でありました。今後、各大学の教員の教育や研究面での交流を活発化するとともに、大学改革の取り組みの中で、四大学の教員の相互派遣など、幅広い連携体制が実現できるよう検討してまいります。

○服部委員 提言については伺いましたが、次に、共同ですね、共同の具体的事例について今後どう取り組むのかもお伺いします。

○二村次長 四大学が、各大学の枠を超えまして学生や教育に関する協力の事例として、四大学共通の教養教育あるいは編入学、単位互換制度の実施が提言されております。これらについては、今回の大学改革基本方針においても具体的に盛り込まれておりまして、今後、四大学が協議しながら取り組んでいくことになります。大学間の単位互換などは、都立大学と科学技術大学の大学院におきまして現在実施しておりまして、さらに、これは私立でございますが、中央大学と大学院レベルの単位互換制度を立ち上げたところでもございます。これらをさらに拡大していくなど、都立の大学間に限らず、広く他の大学と連携を強化してまいります。

○服部委員 大学としても、外部監査結果への対応、あるいは外部評価への取り組みを始めている、そういうことですが、形だけに終わらないように、やはり厳しい内部改革を行うべきだと、私はそのように思います。この報告書を真摯に受けとめることだと私は思います。
 今般、この大学改革の基本方針も示されましたけれども、都民から見る都立大学は、それなりの今までの実績、それはあります。ただ、なかなか地味で、顔が見えてこない。どなたかがいわれていましたけれども、東京都が誇れるような、小さくても、きらりと光を放つような、そんな存在感のある大学になってほしい、また、そういう期待を持っているんです。そういうことで今回の質問もしているわけですが、今回の外部監査の結果を全体としてどう生かして、また、大学改革をどう進めていくのか、最後に局長の答弁をお願いします。

○川崎都立大学事務局長 今まで、大学は、外からの目にさらされることが余りなくてきております。しかも、行政も大学に対して余り関心を示さないできてしまった。こんな経緯の中から、結果として、一般社会、いわゆる一般常識から見れば、こんなことはどうかなと思うようなことが大学の中には多々あります。これが今回の外部監査で一部明らかになったというふうに私は理解をしております。しかし、これらのことを内部の力だけで改革していくということは、なかなか、大学の持つ組織、またガバナンスを考えると、難しい点がございます。
 どういうことかといいますと、大学というところは、変えるということになかなか慎重なところが多い組織でございまして、現状がベストであるという意識が強く出ているところだというふうに思っています。こんな大学に外部の意見が入ったということは、これから我々が行います大学改革に対して、非常に強く重い後押しをしてくれたというふうに理解をしております。
 これからの大学というのは、やはり社会経済状況の変化に柔軟に対応できる、そんな組織でなければ、大学というのは社会から取り残されてしまうというふうに私は思っております。そうならないためには、先ほどいったように、大学人一人一人の意識を変えていかなくてはならないという理解をしているところであります。既得権益にぶら下がったり、競争原理から逃避をしたり、はたまた学内の摩擦を回避することに躍起になっているというようなことで、よくも悪くも平等というのがいいのだという意識、こういう意識を持っている限りは、知事がいっているようなドラスチックな改革はできないのじゃないかなというふうに考えております。やはり、社会が今どんな課題を抱えているか、大学に何を求めているかということをよくとらえて、そして、そのためには大学は何をやらなくてはいけないかということを大学全体が議論して、話し合っていくということをしていかなければ、大学そのものの存在意義が問われる結果になってしまうというふうに思っております。
 そのような意味からも、大学運営に外部監査を初め外の意見が入るというシステムは、これからの大学にぜひとも不可欠なものだというふうに考えております。そして、我々はそれらの意見を踏まえながら、都民、それから企業、その他多くの方々の期待にこたえられ、そして評価される大学を目指して、今後、大学改革に取り組んでまいりますので、よろしくご支援のほどお願いいたします。

○田中(智)委員 まず、大学の改革の問題について伺います。
 大学の改革に当たっては、都立大学でこれまでもそうしてきましたように、基本的には、大学がさまざまな意見を反映させながら、みずから行っていくのが本来の姿だというふうに思います。
 それと同時に、広く都民的な論議を尽くすべきですし、私どもとしましては、その立場から情報の公開を要求してまいりました。そうした立場で改革を進めるべきと考えます。
 この間、提起されてきている大学改革は、設置者側からの要請が強く働いていることからしても、それだけに私は、都立大学として、大学の自治や研究の自由が保障されるようにしていかなければいけないと考えますし、そうしなければ改革自体もうまくいかないのではないかと考えるものです。
 この二月に、教育庁の大学改革担当から東京都大学改革基本方針が出されましたけれども、その上に立って、まず今後の進め方について伺います。
 この基本方針に対する学内での論議はどのように行っていくのか、そこで出された疑問や意見はどのように反映させていくのか、また、方針が大学に押しつけられることにならないのかどうか、これについてお答えください。

○二村次長 改革基本方針につきましては、公表直後に、学内の教職員や学生を対象に説明会を行いますとともに、教職員全員に基本方針の冊子を配布するなど周知を図ったところでございます。
 今後、教育庁との協議状況の情報などは、基本的に、各学部教授会などを通じまして学内構成員に周知し、各学部での議論の結果や意見を部局長会議にフィードバックするという方法で全学的な検討を進めていく予定でございます。
 さらに、改革についての自由な意見を寄せられる学内メールの活用や、随時、全学意見交換会を開くなど、学内意見の集約や反映に努めてまいります。

○田中(智)委員 教職員、学生等、全学的にまず周知をして、議論していくことは当然のことだというふうに思います。そして、まとめ上げた総意を、夏に策定するとされています大学改革大綱に反映させていくことに努めるということですね。
 一方で、論議の内容も多岐にわたり、さまざまな意見があると思いますので、具体的なあり方を夏までに出せない部分もあり得るというふうに思います。これまでの都立大での改革論議でも、そういった経験はしているはずですし、拙速にならないように検討していくべきと思います。
 今の質問の後半の部分ですけれども、方針を押しつけられることになるのではという点で、お答えがありませんでした。それにも関係するわけですけれども、そういった場合、大学としては、その意思を決定するプロセスを尊重するよう主張するのが当然のことだというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。

○二村次長 先般出されました改革基本方針を受けまして、この夏には改革大綱ができるわけでございます。この改革大綱は、本学だけではなくて、四つの都立の大学の行く末を決めるものでございまして、私どもしては、先ほど申し上げましたように、学内での意見を十分尽くしまして、それを所管します教育庁に、私どもの意見として上げてまいります。すべてそれが通るというわけではないと思いますが、精いっぱい努力してまいりたいと思います。

○田中(智)委員 努力をするのは当然だと思いますし、一方で、大学の自治に基づく意思決定過程を尊重すべきと大学側が主張するのも当然のことだと思いますので、ぜひ、そういう立場でお願いしたいというふうに思います。
 次に、基本方針の中では、改革及び大学の運営にかかわって、外部の有識者などから成る運営監理委員会を、これは仮称ということですが、来年度より設置したいとされております。この機関が、改革の点検、助言、さらに勧告まで行うというふうにされておりますけれども、この外部の運営監理委員会と大学の教授会、そして評議会との関係はどのようになるのでしょうか。

○二村次長 先ほど先生がおっしゃいましたように、基本方針では、運営監理委員会は外部有識者により構成されまして、諮問に対する助言、勧告に加え、改革状況等の点検などを行うということにしております。したがいまして、学内の審議機関であります教授会や評議会とは別のものと私どもは理解しております。
 現在、教育庁におきまして、運営監理委員会の設置形態や内容について検討しているところでございまして、その中で、教授会や評議会との関係もより明確になるものと考えております。

○田中(智)委員 その内容はまだ具体的には明らかになっていないということだと思いますけれども、大学の根幹をなす教育研究のあり方については、大学の主体性を確保しながら外部意見をどのように反映していくのかということを十分検討していただきたいというふうに思っております。
 やはり、大学の主体性を確保するということが肝要かと思います。答弁がありましたように、まさに、大学の自治や大学の自主的な改革の努力が尊重されなければならない分野にかかわってくる問題であります。とりわけ都立大学は、五十年の歴史の中で、社会的に高い評価をされるような実績を上げてきているわけです。それを生み出した研究教育体制の積み上げは十分に尊重されるべきであって、その自主的な改革の努力も尊重していくことが保障される関係になるよう、形態や方法などを十分論議し、調整していただきたいというふうに思っております。
 次に、この基本方針に書かれてある内容に関連して、何点かに絞って伺います。
 基本方針が出されましたが、都立大学が独自に検討してきた改革の内容との共通点、相違点は何があるでしょうか。また、これまで学内で検討してきた内容がどのようにこの基本方針に反映されているのか、お伺いします。

○二村次長 本学では、都の設置した唯一の総合大学としまして、高度な水準の教育研究を担い、新たな社会的要請に積極的にこたえていきたいとの考えから、学部教育や入試改革、社会との連携強化などを重要な課題として、改革の検討を進めてまいりました。
 このような方向性は、今回の基本方針の基本理念にも盛り込まれておりまして、特に、都市に関する教育研究や産・学・公連携の強化、学部、大学院の教育研究の充実などについては、本学における検討内容が多く反映されていると認識しております。しかし、再編統合のあり方や教育研究改革の細部等については、なお十分な議論を行っていく必要があるものと考えております。

○田中(智)委員 再編統合などについては、なお十分な議論を行っていく必要があるということです。
 では、都立の四つの大学の再編統合について都立大ではどのような論議がなされたのか、また、再編統合というのはどういう意味ととらえて、そのよしあしの判断というのはどういうふうになされたのでしょうか。

○二村次長 都立の四大学が持ちます人的、物的な社会資源の有効活用という観点からも、再編統合に向けた検討をする必要がありますが、これまで、その対応や方法などについて学内で十分な議論を行ってきたとはいいがたい状況でございます。
 今後、夏の大学改革大綱の策定に向けまして、都立の他の大学や教育庁とさまざまな角度から議論を深めていくことになります。その際、都立大学の持つ総合大学としてのよさを最大限生かす方向で、学内においても十分検討していきたいと思っております。

○田中(智)委員 次に、基本方針では、学部の夜間課程のあり方の見直しを検討するというふうにされておりますけれども、都立大学では、通常いわれています二部と都立大学のB類というものの違い、特色は何か、まずお願いします。

○二村次長 制度上では、本学は夜間課程を設置する二部制の大学でございまして、本学のB類は、通常いわれる夜間課程の二部に相当することとなります。第一部と第二部では修業年限が異なりますが、本学においては、教授陣や授業内容において区別はございません。また、全学生が一定条件のもとで第一部及び第二部の枠を超えて授業を受けることができる柔軟な履修システム、卒業時に一部、二部の区分けをしないなど、昼夜同等の教育を特徴としております。

○田中(智)委員 昼夜の枠を越えて同等の教育が受けられることが特色だというふうにいわれました。
 この、いわゆる昼夜開講制度、伺うところによりますと、都立大が他大学に先駆けて導入をして、さまざまな条件の中で変遷を続けながらも現在の形になったものというふうにいわております。今では、多くの私立の大学もこの制度を取り入れているということだそうです。学部の夜間課程の見直しとは、具体的には一体どういう形になるのでしょうか。

○二村次長 社会構造や勤労者の就労形態の変化等から、いわゆる勤労学生は減少しております。本学においては、B類の学生のうち定職についている者の割合が、昭和六十一年度には約三〇%であったものが、平成十一年度には約一二%と低下してきております。その一方で、社会人の高度な学習ニーズが増大いたしまして、社会人のためのリフレッシュ教育を行う大学院の充実が求められているところでございます。
 本学では、こうした情勢を踏まえ、大学改革の中で、夜間教育の重点を学部から大学院に移しまして、都心部にキャンパスを開設することなどを検討しているところでございます。
 こうしたことから、学部第二部、いわゆるB類につきましては、特定の授業科目について正規の授業を履修できる科目等履修生制度の活用など、就業実態やニーズに対応した多様な履修形態を検討する中で、今後のあり方を見直していきたいと思っております。

○田中(智)委員 委員の皆さんのところにも、都立大学の大学生の皆さんから要請があったことと思いますけれども、学生の間では、昼夜開講制度の存続を求める署名活動も行われているということです。既に、千以上の署名を添えて大学に提出されたと伺っております。また、知事や議会への署名も引き続き取り組まれておりまして、既に三千名を超える署名が集まっていると伺っております。今おっしゃいましたように、確かに、制度発足当時の勤労学生と今のスタイルは違っているというのは、そのとおりだというふうに思いますけれども、自治会のアンケート調査によりますと、B類学生の四分の一が今も学費を自己負担しているという結果からもうかがわれますように、勤労学生が全くいなくなったというわけではありませんし、私立の大学が制度を取り入れているという実態もあるわけですから、現在の多様な勤務形態の中で、みずから学ぶ学生がこの制度を求めているということもいえるというふうに思うんですね。
 また、今日、多様な雇用状態というのがあるわけですけれども、学生の経済状況、正規の就業でなくても、アルバイトをしているという学生は本当に多く見られるわけなんです。学業を続けていくためにも、アルバイトをしなければやっていけないという学生は多くいるわけです。今のそういった実態から見ても、しかも、授業料がA類の半額だと、こういう低廉な授業料だということもあって、この昼夜開講制度B類というのは今まさに求められているというふうに思うんです。
 したがって、必ずしもフルタイムで働いていなくても、親に負担をかけずに経済的に自立しながら勉強することが可能だというこの制度は、本当に今こそ求められているというふうに思うんです。これまでどおり、低廉な授業料で、働きながらも夜間に学べる高等教育の修業機会を、やはり、公立の大学、都立大学として保障していくのは当然のことだというふうに思うのです。こうして意思表示をされている学生の皆さんを初め、これから就学しようと思っている青年の学習をしたいというこの要望を実現されるよう、関係者の意見も反映させながら検討していくよう要望しておきたいと思います。
 最後に、卒業生の就職率について、資料の三ページにもいただいておりますので、これについて質問させていただきたいと思います。
 平成八年三月の卒業生は就職率が九五・一%なのにもかかわらず、四年後の平成十二年三月の卒業生は八八・一%と、五年の間に七%も下がっているわけですね。昨年、事務事業質疑の中で、この就職活動に対する支援の人員配置を要求しているというご答弁があったわけですけれども、就職の支援体制がこれで少しは強化されるかというふうに思っておりましたところ、査定で切られてしまったというふうに伺っております。就職担当課長の配置が認められなかったということですが、復活を要求したんでしょうか、そして、どういう理由で措置されなかったのか、また、その分も含めて今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

○二村次長 近年の不況下にありまして、新規卒業予定者の就職環境は極めて厳しいものになっております。平成十一年度に就職担当係長を設置しまして、学生に対する就職支援活動の充実を図ったところでございます。この就職支援体制をより一層強化するため、平成十三年度におきまして就職担当課長の設置を要望したところでございますが、大学の教育機能の強化とあわせまして、大学改革の中でさらに検討する必要があるということなどから、平成十三年度の設置は実現しなかったところでございまして、復活要求もしなかったところでございます。
 今後の取り組みについてでございますが、現在、就職問題委員会というのが学内にございます。これは、大学団体と企業側団体との就職に関する取り決めなどの情報提供の場でございましたが、この就職問題委員会を新年度から就職支援委員会と名前を変えまして、教員を中心に就職支援の立案及び実施を行い、就職ガイダンスや就職相談など、学生の就職支援のための各種事業の強化充実を図っていくこととしております。

○田中(智)委員 とんでもない話だと思うんですよ。査定で消されて、復活も要求しなかったということですね。
 この不況下で、本当に就職のために学生がどういった状況にあるのかというところを見ていないことになるというふうに思うんです。大学改革といいますけれども、もう既に十三年度から改革を行うという、そういうところもあるわけなんですよ。ですから、就職支援の強化はこの間の緊急の課題であったわけですから、やはり、きちっと復活も要望する必要があると思いますし、再度強く要求する必要があると思うんです。
 実態としては、学生が、三年生の後半から就職活動のために講義を休んだり、課外活動ができなかったりということで、就職支援の体制の弱さが、結局、学生の負担になっているというのが実態なわけですよね。本来の学生生活をきちんと保障する上でも、可能な限り、人も予算も知恵もかけて就職支援を行うよう繰り返し要望して、大学改革についての質問を終わります。
 次に、都民カレッジの廃止について伺います。
 初めに、都民カレッジは、どういう経過で事業が始まって、ほかにはない、どういった特徴があるのか、また、財団で事業を行うとしたのはどうしてか、お答えください。

○二村次長 都民カレッジは、都民に新しい学習の場を提供して、都民の主体的な生涯学習に貢献するため、平成二年十月に設置されたものでございます。
 その運営形態は、都民の多様な学習ニーズに的確にこたえるため、弾力的で効率的な対応が可能な財団法人で運営される必要があるとされまして、都が全額出資した都立大学所管の財団法人であります。で、都からの補助金が大学を通して支出されてきたものでございます。その後、平成十一年四月に、行政改革の一環として、財団法人都民カレッジと教育文化財団が統合されまして、生涯学習文化財団と名称変更し、現在、都からの補助金が大学を通して支出される教育庁所管の財団の事業として実施されているところでございます。

○田中(智)委員 この都民カレッジなんですけれども、もともとは都立大学の中での公開講座、オープンカレッジとして始まったというふうに聞いております。その講座内容の特徴について具体的に教えてください。

○二村次長 最近は、各大学や民間団体などでも、多様で専門的な講座を展開しておりますので、都民カレッジならではの特徴というのは定かではございませんけれども、私どもが特色ある講座として考えておりますのは、大学三年、四年生の専門課程のレベルを目標といたしまして、専門性、社会性、実務性の濃い内容を扱います専門講座、それから、大学院の修士課程のレベルを目標として高度の内容を扱います大学院講座、あるいは、他と比較して専門性が高いと考えられます理工系科目講座などがあるものと考えております。

○田中(智)委員 大学の一般教養課程のレベルでの一般講座というのも一般的な講座としてあるわけですから、一般講座、専門講座、大学院課程レベルの大学院講座ということで、レベルでは三つの分野に分かれているわけですね。
 それと同時に、専門講座とか大学院講座では一講座が二十人から三十人、少ない人数で講座形式とか、あるいはゼミ形式で進められるということで、非常にきめ細かい講座の内容になっているというのが特徴だというふうに思うのです。
 また、講師についても、都民カレッジの案内ですか、このような案内があるわけですけれども、これを見せていただきましたが、非常に教授陣が多彩なんですね。都立大学の教授だけではなくて、いろんな大学の教授の方もいらっしゃいます。東大もいらっしゃいますし、東北大の方もいらっしゃいますし、あと、いろんな専門の関係の方も当然いらっしゃるわけです。
 民間のカルチャースクールなどは、どちらかといえば趣味的な講座が多いわけですけれども、その中で、都民カレッジならではの講座が大変多いということを聞いておりますし、高く評価をされているというふうに聞いております。実際に講座を受講している方からは、東京の都市問題や自然科学など、学術的で専門的な、非常に有意義な講座が多いと喜ばれてきているんですね。まさに都民に新しい学習の場を提供し、生涯学習のニーズにこたえてきたものというふうに思います。
 今まで都民カレッジが果たしてきた役割については、どのように評価をしていらっしゃいますか。

○二村次長 都民カレッジにつきましては、これまで、都立大学の人的、物的な社会資源を有効活用しまして、数々の講座を提供することによりまして、都民の多様な学習ニーズにこたえ、生涯学習の先導的な役割を果たしてきたものと考えております。これまで、都立大学キャンパスそれから丸の内キャンパス合わせまして、開校の平成三年から十一年度まで、九年間で延べ約十万人もの方が受講されたところでございます。

○田中(智)委員 やはり大変大きな役割を果たしてきたということですね。
 近ごろは、民間のカルチャーセンターや各大学のオープンカレッジが多く開設されているところなんですが、近隣の大学のほとんどが最近開設ということなんですね。また、受講料の面でも、一番受講の多い一般講座で、都民カレッジの場合は千五百円、他の民間カルチャーセンターや私立大学のオープンカレッジが大体一回二千円から三千円ということ、また、都民カレッジについては入会金が要らないのに、ほかでは入会金が大体五千円程度かかるということから考えても、比較的低廉な料金で、だれでも気軽に学ぶことができるということがいえた都民カレッジだというふうに思うんです。
 特に今、都民の生涯学習に対するニーズというのが大変増大しています。そして、そのニーズも多様化しているという中で、都民全体に、広く、しかも比較的安い金額で受けられるという都民カレッジの役割、ますます重要だと考えます。
 このように、都民が主体的に学ぶ上で大きな役割を担ってきた都民カレッジが、今回、監理団体の総点検の中で廃止が打ち出されました。その廃止の理由は何でしょうか。

○二村次長 監理団体総点検におきまして、都民カレッジ事業については、監理団体の見直しの中で、経営の効率性の観点から、廃止の方向で根本的に見直すべきであるとの方針が示されたところでございます。
 当該団体であります生涯学習文化財団におきまして、都立大学と協議を重ねながら経営改善計画を作成し、存続に向けて努力を続けてまいりましたが、最終的には、独立採算による事業継続は困難であるとの判断によりまして、財団事業として廃止することを決定したものでございます。

○田中(智)委員 到底納得するわけにはいかないんですよね。私は、いわばこうした都民の社会教育、生涯学習分野、もともと、独立採算というよりは、都立大学の知的財産を都民に還元する、オープンカレッジから始まったということから考えても、都民サービスの一環だというふうに思うんです。独立して採算がとれないからといって、安易に廃止をしていいのかという疑問が本当にいつまでも残るんですよね。しかも、全体の事業費が四億二千五百万円です。そのうち都の補助金が、資料にもありますとおり二億五千七百万円でしょう。監理団体の見直し全体の中で七百二十億の見直しのお金が出ていますけれども、わずか〇・四%ですよ。削減すべきところはほかに幾らでもあるというふうに思うんです。今、東京都の大学改革基本方針の中でも、公開講座の再構築を行うというふうにされておりますけれども、私は、大学改革待ちにならずに、直ちに都立大学として、このオープンカレッジ、都民カレッジが継続できるように再検討すべきだというふうに考えますが、いかがですか。

○二村次長 改革基本方針でも示されておりますように、都立の四大学が行います公開講座の共同事業化や拡充等を、教育庁を中心に具体的に検討しております。また、学内におきましても、教員が中心となって、これからの公開講座等のあり方を具体的に検討を進めているところであります。
 今後は、多摩地域の他の大学との連携による公開講座の共同実施であるとか、あるいは、区市町村が実施します生涯学習事業との連携などもあわせて検討してまいります。また、地域で学習意欲のある高齢の方を初めといたしまして、市民の参加を得て行う手づくりの方式の講座など、多様な事業展開も検討しまして、これからの時代にふさわしい公開講座の再構築に取り組んでいきたいと、こう思っております。

○田中(智)委員 私、生涯学習文化財団の評議員なんですけれども、先日、評議員会が開かれました。この評議員会の中でも、都民カレッジの廃止の問題についてはさまざまに意見が出ていたようです。むしろ税金を使って事業を行う以上は、採算性のみを求めていいのか、採算性と文化性をどう両立させるか、削って合理化するだけならだれでもできるというような、都の姿勢について厳しい意見が相次いだんです。
 また、講座を利用しているという人からも、生涯教育行政の一環として都民の評価を得てきた事業を廃止するということはどうしても納得できないと、継続を求める陳情も、今回の議会ではありませんけれども、議会に出されているわけです。
 単に独立採算ができないからといって廃止すべきではないと私は考えます。十分な検討がなされたんでしょうか、そして、社会的な役割についてはどういうふうに考えているんでしょうか、お答えください。

○二村次長 都立大学といたしましては、財団とともに、独立採算での事業継続の実現可能性につきまして、家賃負担の削減であるとか講座内容等の見直しなど、あらゆる角度から収支バランスの検討をした結果、最終的には、独立採算で、安定的、継続的に講座を提供していくことは不可能であると判断したものでございまして、学習文化財団の事業として行う都民カレッジは、十三年度に廃止することとなったものでございます。
 そういう状況にありまして、先ほども述べましたように、大学として生涯教育の重要性及び都民カレッジの実績を評価いたしまして、都民カレッジの精神を継承する新たな生涯学習支援事業を展開していくことで、大学としての社会的役割を果たしていきたいと思っております。そのために、大学のオープンカレッジのあり方を、教員のかかわりを含め原点に返って見直し、大学として主体的に取り組んでまいります。

○田中(智)委員 ぜひお願いしたいと思います。大学改革待ちにならずに一日も早く継続できるように、具体的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、お話にもありましたけれども、都立大学の中でのオープンカレッジという形での継続である場合、当然、都立大学の教員の負担に頼らざるを得ません。実際に有効に活用できるだけの人員や体制の保障も欠かせないというふうに思いますので、あわせて要求をして、質問を終わります。

○羽曽部委員 予算全体に反対するつもりはありませんが、この都民カレッジについては、採算性の問題だけを議論されておるようでございますけれども、外部監査の視点をそういう頭で見ているのかなあというふうに、私は内心、怒りを感じております。
 大体、経済を追求していくと何もかもできなくなってくるんですよ、効率性の問題を考えたら。東京都の役割というのは、都民に対するところのサービスです。都民がどのような生活をして、これを喜んでいただけるか、ここが大きな価値を創造することになるわけです。ですから、経済はあくまでも人間の価値を創造する手段だと、私はいつでも皆さんに申し上げていますけれども、やはりここが、この視点が欠けていると、どうやらソフトの面は無視されてしまって、そして、何かこういうことがずっずっと起こってくる。高齢化社会の中で、殊にこれは、地方自治体の区市町村でもそれなりの生涯学習とかカルチャーセンターとか、そういうものは、鋭意努力しながら区市町村でもやってはいますけれども、都立の大学が主体となっていくというのはやはり大きな意味がある。時々刻々と移り変わる社会でございましょう。日進月歩なんて時代じゃないわけですから、その生涯学習の中で新しい知識を注入していく、こんな意欲は生きる喜びを感ずる。これは高齢者も同じです。高齢者こそ新しい、それこそ過去の経験ではその未来を見ることができないというか、過去の経験の線上には未来はないというぐらい大変な時代であるわけですから、そういう大学で研究されたもの、あるいは新しい知識を、どう講座の中で--都民カレッジをやっていくというこの視点は、ソフトの面ではあるけれども、それだけに、物は見えない、生産されないけれども、何度も繰り返して申し上げますが、経済は、あくまでもお金は、人間の価値を創造する手段なんだということを、これは忘れてはいけないと私は思っています。
 ですから、ここは、今期はそのような形で予算を削減して、その廃止をしておるようでございますが、もう少し振り返って考えてみて、何か方法というものをきちっと考えていく必要がある。私は、これは広域行政の中じゃなくて、東京都立大、大学としてのお仕事だと思っております。殊に高齢化の社会の中、そして、すばらしい時代が、時々刻々と変わってくる。本当に何というか、あの「ドラえもん」の話じゃありませんけれども、その漫画が現実化してくる時代でしょう。「どこでもドア」なんていうようなことで、携帯電話ができたり、iモードが入ったり、パソコンが入ったりする時代が来ているわけです。「どこでもドア」になっちゃうような時代で、本当に漫画が現実化する、バーチャルリアリティーな状況が出現してくる時代でありますから、それだけに、やはりこれからの、積み重ねた経験以外の、この線上の未来にないものを、どう知識として--それが生涯学習であり、人間の生きる喜び、一年一年成長していくわけですから人間は。それを忘れて--ソフトをやはり変えていかなきゃと私は思っていますので、これは意見だけ申し上げておきます。
 では、どういう形でその廃止したのをあなた方がやるか、生涯学習だという、抽象的な二村さんのお答えのようでございますけれども、もう少し具体的に、どういう展開をしながらそれをやっていくか。つまり視点は、くどくど申し上げますが、価値を創造するためにお金があるんだということを私は強調しておきたいので、いいお答えをくださいよ。

○二村次長 ただいまの先生のお話でございますが、私ども、ややもすれば、その採算性ということを先ほど来申し上げまして、確かにそれがきっかけではございましたけれども、都民カレッジを見直すいいきっかけであるということで、私どもがこれまでの過去を振り返ってみますと、開校から十年を経過しまして、設立当時に比べますと、民間カルチャーセンターの増加、あるいは区市町村が行います生涯学習事業、それから他の大学の公開講座の充実など、生涯学習に関しまして、都民カレッジを取り巻く環境が設立当時と大きく変わってきたということがございます。
 それから、もう一つは、本学の教員が都民カレッジの講師として活動しておりました割合が、設立当時の六〇%から、平成十一年度は三〇%以下になってしまったということがございまして、都立大学の都民カレッジとしての性格が薄れつつあるということから、先ほど来申し上げましたように、もう一度、都立大学の都民カレッジはどうあるべきかという原点に返った検討をすべきである、このように考えているところでございまして、現在、学内に公開講座委員会というのがありますが、その中で、教員の方が中心になりまして、都立大学における人的、物的社会資源を有効活用するとはどういうことなのかということを、今、もう一度原点に返って、なおかつ、これまでの都民カレッジの実績を継承しながら検討しているところでございます。よろしくお願いいたします。

○大河原委員 お二人の委員のお話で大分中身が煮詰まって、わかったわけなんですけれども、二点だけ確認をしたいんです。
 それは、これが教育庁所管の財団の事業であるということで、独立採算ということがいわれました。ということは、財団運営にするから、この経営的な評価ということが出てきて、今、次長がお答えになったとおり、都立の大学としての公開講座の再構築へは非常にいいチャンスだというふうにとらえれば、私立大学などでは直営でオープンカレッジをしているわけで、そういった形になっていくのかなあというふうに思うわけなんです。学内にも公開講座の検討委員会が設けられているということですが、やはりこの十年間の総括が要ると思うんですね。例えば、利用者の方々の希望に合ったものが提供されてきたのかどうか、さらに、都立の大学として、学部あるいは大学院レベルでの社会人教育、リフレッシュ、リカレント教育でしょうか、そういったものに重点を置きたいというところから発すると、中身は相当に検討されなきゃいけないと思います。
 世の中、バブルの時期にカルチャーセンターがはやりましたけれども、今、ここの都民カレッジで学んでいらっしゃる方たちの学習意欲というのは、いわゆるカルチャーでいく発想とは違うというふうに私は認識しているんです。そんな点からは、学びたい意欲をとどめない。
 これは、その再構築までに多少時間があるわけで、その間、空白ができてしまうわけですね。最長でどのぐらいの空白ができることになりますか。

○二村次長 平成十三年度に都民カレッジを廃止することになりますが、財団が持っております減価償却費特別積立金等の取り崩しなど、都民カレッジ分として財団に保留しております財源を充当いたしまして、最大限実施できますのが十三年の九月三十日までということになります。
 したがいまして、十月以降の半年間をどのようにしていくのかという問題になるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在、学内で、教員が中心となって公開講座委員会で鋭意検討されておりますので、来年度の後半につきましては、都立大学としての公開講座、それから、地元八王子市との連携によりますゼミナール等々が考えられております。
 私どもは、現在、十年間の総括もして、これからの都民カレッジのあり方というものを教員の方々と十分協議しながら考えていくわけでございますけれども、平成十四年度の予算には間に合うように努力してまいりたい、こう思っております。

○大河原委員 ぜひ、学ぶ意欲を冷え込ませないように、空白期間を最小にしていただく努力をお願いしたいと思うんです。そして、やはり私も、この機会に、新たな生涯学習の拠点として、都立の大学でのこうした都民への学習の場の提供というものをさらに充実させていただきたいというふうに思います。
 終わります。

○村松委員長 ほかに発言がございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 なければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村松委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都立大学事務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十七分散会

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