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Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第七号

平成十二年三月二十二日(水曜日)
午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長植木こうじ君
副委員長大河原雅子君
副委員長島田  久君
理事中嶋 義雄君
理事くぼた 光君
理事井口 秀男君
田代ひろし君
和田 宗春君
石川 芳昭君
鈴木 一光君
桜井  武君
内藤  尚君
西田ミヨ子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
教育庁教育長中島 元彦君
次長中野 英則君
総務部長加島 俊雄君
学務部長小海 博指君
施設部長神山 隆吉君
人事部長上條 弘人君
福利厚生部長梶井  稔君
指導部長斎藤 尚也君
生涯学習部長小栗愼次郎君
体育部長土村 孝夫君
都立高校改革推進担当部長若林 尚夫君

本日の会議に付した事件
 決議について
 教育庁関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第六十九号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
  ・第七十号議案 東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
  ・第七十一号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
  ・第七十二号議案 教育職員免許法関係手数料条例
  ・第七十三号議案 銃砲刀剣類所持等取締法に基づき東京都教育委員会が行う事務に係る手数料に関する条例
  ・第百九十四号議案 公務災害認定に伴う給与不当利得者に対する不当利得返還請求訴訟事件に関する和解について
  請願の審査
  ・一一第一七一号 盲・ろう・養護学校児童・生徒への就学奨励費等の予算の大幅削減の撤回に関する請願

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴者の数についてお諮りいたします。
 当委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○植木委員長 次に、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議二件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○植木委員長 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、教育庁関係の平成十二年度予算の調査、付託議案の審査及び請願の審査を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び請願の審査を行います。
 第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、教育庁所管分、並びに第六十九号議案から第七十三号議案まで、及び第百九十四号議案並びに請願一一第一七一号を一括して議題といたします。
 予算案及び付託議案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○加島総務部長 過日の委員会でご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会資料の目次をお開き願います。今回ご要求のございました資料は、1、いじめ・不登校及び体罰の実態から、12、東京辰巳国際水泳場における水泳大会利用時のプール監視業務までの十二件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、いじめ・不登校及び体罰の実態でございます。(1)に、小中高校別のいじめの発生件数の推移、(2)に、小中学校別に不登校児童生徒数の推移、及び(3)に、小中高校、盲・聾・養護学校別に、体罰ではないかとして問題とされ調査した事件数の推移を、それぞれ過去五年間の実態としてお示ししてございます。
 二ページをごらん願います。2、経済的中途退学者及び授業料滞納者の実態でございます。(1)に、都立高校における経済的理由による中途退学者の年度別推移を、(2)に、都立高校授業料滞納者の年度別推移を、それぞれ過去五年間の実態としてお示ししてございます。
 三ページは、3、都立高等学校卒業(予定)者の就職(内定)率の推移でございます。平成八年度から十年度の都立高校卒業者及び平成十一年度の卒業予定者について、各年度の十月三十一日、十二月三十一日及び平成十一年度を除く三月三十一日の時点における、内定を含む就職率をお示ししてございます。
 四ページをごらん願います。4、都立盲・聾・養護学校高等部卒業生の進路の実態でございます。平成十一年三月の時点における各学校種別の卒業者について、進学、社会福祉施設入所、就業等の区分別に、進路の実態をお示ししてございます。
 五ページは、5、都立高等学校定時制、通信制課程修学旅行補助金制度の見直しに伴う対象者比較でございます。都立高校定時制、通信制課程修学旅行補助金対象者について、現行と見直し案による対象者数の比較をお示ししてございます。
 六ページをごらん願います。6、都立盲・聾・養護学校就学奨励事業の見直しに伴い、新たに負担増となる対象者数等でございます。(1)に、主な見直しの内容を、(2)に、(1)の(注)の基準に対応した支給段階別対象者数をお示ししてございます。
 七ページは、7、都立養護学校(肢体不自由)において医療的ケアが必要な児童生徒数の推移でございます。日常生活で医療的ケアが必要な児童生徒数、学校生活で医療的ケアが必要な児童生徒数、及び学校内で医療的ケアを実施した児童生徒数の区分により、過去五年間の実態をお示ししてございます。
 八ページをごらん願います。8、教員の採用状況及び採用推計でございます。(1)に、平成七年度から十一年度の、十一年度については十二年一月末日現在でございますが、教員の採用状況を、また、(2)に、平成十二年度から十六年度までの教員の採用推計をお示ししてございます。
 九ページは、9、小中高等学校別教員年齢構成の推移でございます。各校種の教員の年齢構成について、平成元年度、十一年度の実態、及び教育人口等推計報告書等を基礎にした平成二十一年度の推計をグラフにしてお示ししてございます。
 一〇ページをごらん願います。10、平成十一年度東京都教科用図書選定審議会委員名簿でございます。当該委員についての氏名、現職名、及び備考欄には推薦元をお示ししてございます。
 一一ページは、11、都立図書館の利用者数、貸出図書数でございます。中央、日比谷及び多摩の各都立図書館の利用者数、個人貸出数及び都内公立図書館へ貸し出ししている協力貸出数について、過去五年間の実績をお示ししてございます。
 一二ページをごらん願います。12、東京辰巳国際水泳場における水泳大会利用時のプール監視業務でございます。東京辰巳国際水泳場における水泳大会利用時の監視員の配置人数について、平成五年度から十一年度までの実績及び平成十二年度の予定をお示ししてございます。
 以上、簡単でございますが、ご要求のありました資料の説明でございます。よろしくお願いいたします。

○植木委員長 説明は終わりました。
 次に、請願一一第一七一号について理事者の説明を求めます。

○小海学務部長 請願一一第一七一号、盲・ろう・養護学校児童・生徒への就学奨励費等の予算の大幅削減の撤回に関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会会長若宮康宏さんほかから提出されたものでございます。
 要旨は、都立盲・聾・養護学校の平成十二年度予算について、次のことを実現していただきたい。
 1、制度の趣旨を踏まえ、就学奨励費を削減しないことでございます。
 就学奨励事業は、盲学校・聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律に基づき、盲・聾・養護学校へ就学する幼児、児童または生徒の保護者等が負担すべき経費につきまして、その負担能力の程度に応じた軽減を図り、もって心身障害教育を普及、奨励することを目的としております。
 都におきましては、昭和四十三年より、国庫補助事業に加えまして、都が独自に実施する事業、いわゆる都単独事業を実施しており、現行では、保護者の負担能力による区別なく支給しているところでございますが、平成十二年度より、就学奨励事業の趣旨を踏まえまして、国庫補助事業と同様、保護者の所得段階に応じた支給を行うなど、支給方法、支給内容の見直しを図るものでございます。
 次に、2、管理運営費を削減しないことでございます。
 平成十二年度都立盲・聾・養護学校の管理運営費予算につきましては、財政再建推進プランを踏まえまして、都全体の予算編成方針に基づき編成作業を行い、学校における教育活動への影響に配慮しながら、さまざまな内部努力等を検討した結果、学校の管理運営費につきましても節減を図ったものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、本案及び請願に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田代委員 次年度の予算をこれからしっかりとつくって、それを執行していくわけですけれども、お金というものは、入ってくることも大切なんですが、やはり出ていくところをしっかりチェックしなくちゃならないということで、ひとつお尋ねしたいんですが、実は、せんだって新聞に、公立教員のマイカー通勤、不正受給野放し状態という記事が載っていたんです。これによりますと、練馬区の小学校に最近まで勤務していたある教員は、こう打ち明けたと。自分のいた学校では、教員二十名のうち六、七人が、また別の小学校では、十六人中、校長を含む五、六人が、いずれも電車やバスの通勤手当を支給されていながら、日常的に自動車通勤をしていたと。マイカー通勤をしていた教員は、皆、区内周辺に住んでいて、手当の不正受給であることは明らかである、子どもたちに校則を守れという本人が違反行為をしている、駐車が公共用地の不法占拠にもなるということをいっているんですね。
 そして、都教委の方は、再三にわたって通達しているところではあるが、常に都民の厳しい目があることを念頭に置き、所属職員の通勤方法について厳密に点検し、安易に自動車通勤を行わせないように改めて指導を徹底することなど、毎年のように通達を出してきたということなんですが、にもかかわらず、なぜそれがなくならないかというと、この記事によりますと、区市町村立の小中学校の教員の身分が、県費負担職員といって、都と国が折半して給与を払う都の職員である一方で、職務監督責任はそれぞれの学校を設置する区市町村にあるという制度、この両方の制度のはざまみたいなところがあって、それが一因となっているというのですが、まず、公立小中学校に勤務する教員のマイカー通勤に対して、都教委はどのように考えているのかというご所見を教えていただきたいと思います。

○上條人事部長 教員の自家用自動車による通勤につきましては、遠距離の学校へ通勤する者で、他の交通機関によることが困難な場合、身体障害者で、自動車により通勤する必要がある場合、その他真にやむを得ない事由がある場合以外は原則として認めないという基本的な考え方を持っております。

○田代委員 今、三つの理由を教えていただいたわけですが、その他、真に、まことに、これはどう見てもやむを得ないなという事情がある場合、これは仕方がないと思いますが、原則として認めない。
 では、教員のマイカー通勤は、例外を除いて原則として認めていないというお答えですが、そのことについて、どの程度しっかりと徹底しているんでしょうか、その現状を教えていただきたいと思います。

○上條人事部長 東京都教育委員会は、自家用自動車による通勤について適切な指導を行うことを、服務通達によりまして、区市町村教育委員会を通じて学校長に指導を徹底してまいりました。また、区市町村教育委員会の指導室長会や校長会等におきましても、事あるごとに指導をし、校長研修等の研修項目に加えて周知徹底に努めてまいりました。
 通勤手当につきましては、都の学校職員の給与に関する条例等に基づき、区市町村教育委員会が支給事務を行い、学校長が、通勤経路、通勤方法を確認し、手当の額を決定することになっております。
 東京都教育委員会は、通勤手当の額の決定及び支給事務が適正に行われるよう、給与関係質疑応答集の作成、配布、それから給与実務研修会や事務説明会の開催などにより指導を行ってきているところでございます。

○田代委員 それでは、そうやって幾ら指導しても、これに従わないでマイカー通勤を行う教員、あるいは通勤手当を不正に受給する教員がいた場合には、これに対して都教委の方はどのように対処していくおつもりでしょうか。

○上條人事部長 無届けで、禁止されているマイカー通勤を行うような場合には、学校長が強く指導を行って、電車やバス等の利用に変更させております。
 また、通勤届と相違してマイカー通勤をしている事実が判明した場合には、手当の不正受給として、手当の返還を求めることになります。
 これらの指導を行ったにもかかわらず是正しない場合には、服務規律違反が問われることになります。

○田代委員 再三にわたって指導している、そして、このように罰則というか指導をするんだというお話を今いただいたわけですけれども、現実になくなっていないわけですね。ずうっと同じような問題が繰り返し出てきている。ということになりますと、現実になぜこういうものがなくならないのか、その問題点を確認して、それを改善していかなくてはならないと思うんですけれども、現実になくならない理由と、それに対する今後の対応について、何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。

○上條人事部長 東京都教育委員会は、自動車通勤の適正化について通達を出して、これまでも再三、指導をしてまいりました。しかし、県費負担教職員制度の中で、この指導は、区市町村教育委員会を通じて校長に届くものでございます。また、東京都教育委員会が直接個々に自動車通勤を許可するシステムになっておらず、校長が、学校または個々の教員の事情を考慮して、自動車通勤の是非を判断している現状がございます。
 今後、区市町村教育委員会に対する指導を一層強化するとともに、校長研修、校長任用前研修など、東京都教育委員会が直接行う管理職研修においてこの問題を取り上げ、自動車通勤の適正化についての共通した認識を、校長に対してさらに徹底するよう努めてまいります。

○田代委員 最近、いろいろ紙上をにぎわしております警察の問題、自衛隊の問題、何しろ目がどこに向いているかということで、内部に向いてしまうと、これは話にはならないので、やはり都民の目というものをしっかりと認識していただいて――制度上の、直接都教委が通達を出せない云々という話はわかりますけれども、それをやはり改善して、しかも、指導していくというと、目に見えるような指導がしっかり行われないと、やはり都民の方では、何だ、人を教える、先生といわれる立場の人が、そうやって不正をするのかとイメージとしても非常にマイナスになると思うんですね。ごく一握りの教員の不心得によって、全体の教員の名誉が損なわれるなどということがあっちゃならないわけで、はっきりとした対応策がとれるように、今から強く指導をしていっていただきたいと思います。
 次に、小学校と中学校の卒業式における国旗・国歌の実施状況についてお伺いいたします。
 昨年の八月九日に、日章旗と君が代が、長年の慣行によりまして、それぞれ国旗・国歌として広く国民の間に定着していることを踏まえて、二十一世紀を迎えることを一つの契機として、成文法にその根拠を明確に規定することが必要であるとの認識のもとに、法制化が行われたわけでございますけれども、まず、都教育委員会においては、国旗・国歌の法制化をどのようにとらえているのか、お答えいただきたいと思います。

○斎藤指導部長 東京都教育委員会は、これまで、学校教育における国旗・国歌に関する指導につきまして、児童及び生徒が、我が国の国旗・国歌の意義を理解し、諸外国の国旗・国歌も含め、これらを尊重する態度を身につけることができるようにするため、学習指導要領に基づいて実施してまいりました。
 法制化に伴い、学校教育においても、国旗・国歌に対する正しい理解がさらに進むものと考えておりまして、今後とも、公立学校における国旗・国歌に関する指導が、学習指導要領に基づき一層適切に行われるよう努めてまいります。

○田代委員 学習指導要領に基づきということが一番大切なわけですが、これが根幹となるわけですけれども、それが適正に行われるか行われないか、どのような形が適正であるかということは、もう明々白々なものになっていると思うんですが、どうも我々が聞くところによると、すべて一〇〇%しっかりと行われているという感覚がないんです。小学校、中学校の卒業式が先週から今週にかけてずっと実施されているわけですけれども、昨年度の小中学校の卒業式の国歌の実施状況というのはどうなっているのか、確認の意味で改めて教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○斎藤指導部長 昨年度の卒業式におきます国歌斉唱の実施状況でございますが、小学校が八七・六%、中学校が八八・四%の実施率でございます。

○田代委員 都立高校に比べては高いわけですけれども、全国に比べれば、決して高い数とはいえないわけです。細かく校数でいえば、小中学校合わせて二百四十九校で国歌が斉唱されなかったということなんですけれども、つまり、それだけの学校が、都内で学習指導要領のとおりに指導が実施されなかったということになるわけです。
 また、同時に国旗の掲揚についても、掲揚されたという報告が、昨年度は小中学校とも一〇〇%に近いという話は聞いたんですが、実態としては、前々から我が党の議員も指摘しておりますように、校長室にこっそり掲揚されたり、屋上の全く見えないような場所に掲揚した学校もあるということなんですが、それも、その掲揚したという中に、パーセントに入ってしまっているわけですね。でも、これが本当であれば、実施率の数値というものは全く信用性がないものになるわけですから、その調査というものは、現実にどこまで信用できるように調査されているのか。
 先週から、中学校の卒業式が実施されているわけです。また、小学校も今週実施されると思いますが、国旗・国歌の実施状況についての調査というのは今どういう形で行われているのか、お教えいただきたいと思います。

○斎藤指導部長 小学校及び中学校における卒業式及び入学式における調査につきましては、本年三月九日付で、文部省の照会文書とともに、区市町村教育委員会教育長あてに依頼したところでございまして、区市町村教育委員会は、四月十八日までに、教育長名で都教育委員会に報告することになっております。
 区市町村教育委員会におきましては、各校長から聞き取りをしたり、卒業式実施時に職員を派遣するなどして状況を確認した上で、公文書で東京都教育委員会に報告してきますので、数については信頼できるものと受けとめております。

○田代委員 公文書でということなので、それを信じるしかないわけですけれども、やはりその信じるに足るだけの裏づけをきちっと調査していくことは、非常に重要だと思います。
 そして、その調査した結果について、今後どのようにしっかりと指導していくのか、その取り組みに対してのお心構えを教えていただきたいと思います。

○斎藤指導部長 今後、文部省の指導も受けながら、学習指導要領に基づいて、入学式、卒業式の適正な実施に向けて改善が図られるよう、区市町村教育委員会の実情に応じて個別に指導してまいります。

○田代委員 しっかりと学習指導要領に沿ったことが行われるように、指導を進めていっていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、教科書の採択についてちょっと質問させていただきたいんですが、せんだっての本会議の一般質問において、私が教科書採択について質問させていただいて、採択の絞り込み問題と、もう一つ、学校票制度の温存としか思えないような各校研究会の設置の問題点について指摘したわけですけれども、これに対して都教委は、特別区教委に対する説明会や特別区指導室長会において、教科書の採択に当たっては、教科書検定基準の中で示されている学習指導要領の目標などに従うこと、及び各区教委の教科書採択権限を侵害しないことに特に留意するように指導助言していく、今後、特別区教委における採択委員会などの設置要綱などの制定状況をしっかりと把握して、仮に指導内容を逸脱していると判断される場合には、強く指導助言していくというお答えだったわけですが、そこで、改めて確認する意味で教えていただきたいんですが、特別区教育委員会における採択委員会などの設置状況の把握というのは現在どうなっているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。

○斎藤指導部長 区教育委員会によりまして、設置要綱等の制定時期が異なっておりますため、大多数の区教育委員会で制定されるであろう年度末に向けまして、三月十四日に調査依頼をしたところでございます。

○田代委員 実態を把握した結果、都の指導内容を逸脱していると考えられる場合には、都教委としては是正指導をどのように行うのか、教えていただきたいと思います。

○斎藤指導部長 都教育委員会としましては、基本的には、昨年十二月の特別区指導室長会における指導内容が徹底されていると考えておりますが、調査の結果、仮に指導内容を逸脱していると判断される場合には、個別に指導し、助言していくつもりでございます。
 主なものとして、採択手続に関する根拠規定がない場合には、その整備を求める。また、諮問内容に各教育委員会の意向が反映されていないような場合につきましては、その明確化や文書化等を求める。さらに、開かれた採択が行われていない場合につきましては、採択委員会等への保護者などの参加を求めるとともに、採択理由の公表等についても指導助言してまいります。

○田代委員 ところで、教科用図書選定審議会委員の選任に当たっては、これまでも、特定団体からの推薦を受けての選任などの問題点が強く指摘されてきたところではありますけれども、平成十二年度委員の選任に当たってどのような改善を行ったのか。また、基本としては、考え方として、都教委として、学習指導要領を理解している、しっかりと、学習指導要領というものはどういうものであって、いかにそれが重要であるかということを認識している人たちを選任していかなくてはならない。これは当たり前のことで、そうされていると理解はしているんですが、この東京都教科用図書選定審議会について幾つか。
 まず、委員の構成についてお尋ねしたいんですけれども、法的根拠はどういうものであるのか。定員、それから校長、教員の人数を三分の一以下に抑えているということですけれども、この意味合いですね。いつ発令したのか。それから、昨年九月の定例議会の一般質問で、学習指導要領に反対している団体から推薦を求めることへの批判が出たわけです。教育庁は推薦方式の見直しを約束していますけれども、それはどうなっているのか。また、今度発令した委員は、何回も申し上げますけれども、学習指導要領を理解した委員であると理解してよいのか、そう考えてよいのか。それから、名簿は、いつ、どういう方法で公開するのか、議事録などはいつ公開するか、その点についてお話をいただきたいと思います。

○斎藤指導部長 東京都教科用図書選定審議会の法的根拠でございますけれども、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律に定められております。
 定員につきましては、同法律の十一条に、二十人という定めがございます。二十人以内という定めでございます。
 それから、校長、教員の人数を三分の一に抑えることにつきましては、教員の専門的視点、それから他の委員の幅広い意見等の両立を反映する意味で考えております。
 それから発令につきましては、平成十二年四月一日発令の予定でございます。
 昨年九月の定例都議会での一般質問で、推薦団体等のご指摘がございましたので、それにつきまして、改善につきましてお答え申し上げます。
 これまで、関係団体の推薦に基づいて候補者の内定を行ってきましたけれども、今回から、事務局として独自に情報収集を行いまして候補者の選考を実施する、いわゆる事務局推薦として、都教育委員会において委員の選任をお願いしたところでございます。
 それから、学習指導要領を理解した委員であるかどうかということでございますけれども、ご指摘のとおり、基本的には、学習指導要領を理解している人たちを都教委として選任しているわけでございます。
 名簿は、いつ、どういう方法で公開するかというご質問ですが、これは八月十五日採択終了後を考えております。
 議事録につきましても、同じように八月十五日以降、採択終了後公開と考えてございます。

○田代委員 それでは、続いて調査員についてちょっとお尋ねいたしますが、同じように、法的根拠はどのようなことであるのか、定員はということと、いつ発令するのか。調査員全員が現場の教員だとしたら、そうしなければならない理由はどういうことであるのか。教員以外の有識者を調査員に加えることは違法となるのか、ならないのか。
 それから、都のいわゆる選定審議会委員の構成に関する規定が、現場の教員を三分の一以下に抑えるようになっていることを今お答えいただいたわけですけれども、調査員の段階でも、教員以外の調査員を任命すべきだと私は思うんですが、それに対してもコメントをいただけたらありがたいと思います。

○斎藤指導部長 調査員につきましてのご質問でございますが、法的根拠につきましては特別ございません。ただ、文部省からの指導がございまして、教科書の専門的な調査研究を行うという指導がございます。
 定員につきましても、同じように法的根拠は直接ございませんが、昨年度の実績では九十人でございます。
 発令につきましては、四月当初、第一回の調査員総会のときを考えております。
 全員が現場の教員だという理由ですけれども、これにつきましては、先ほど申し上げました、文部省からの、教科書の専門的な事項についての調査研究ということでございますので、教員を充てております。
 それから、教員以外に有識者等を調査に加えることはどうかということにつきましては、特別、法の定めはございませんので、違法ではないと思います。
 それから、調査員の段階でも、教員以外の調査員を任命すべきだというご指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、専門的な調査研究につきましては、学校の教員がふさわしいという判断がございます。
 選定審議会で、幅広い意見も一緒に、ほかの委員とあわせて視野に入れていくというようなこともございますから、従来は教員のみでございますが、このことにつきましては、今後、幅広い視野という部分につきまして検討してまいりたいと思っております。

○田代委員 それでは、その答申の内容を、前回の中学校の社会科教科書の例で構いませんので、説明していただきたいと思います。
 それから、その中で、特に時代ごとのページを数えるということは、どういう意味で選択の手がかりとなるのか、その意味合いですね。
 それから、他の府県ではすべて、検定済み教科書に対して特徴をコメントしているわけですけれども、なぜこのような自主的な内容のある選定資料をおつくりにならないのか、その理由。
 学習指導要領の目標と内容を基準にした評価資料をつくるべきだと思いますが、それに対してどのようにお考えであるのか。
 そして、答申の内容がいつ公開されるのかという点についてお答えいただきたいと思います。

○斎藤指導部長 教科書選定資料につきましてのご質問ですが、前回の中学校教科書の選定資料を例に、その内容についてご紹介申し上げますと、検定済み年、平成八年。判型、A5判。ページ数は三百五十ページ。で、A、B、C、Dという区分けがございまして、Aは内容の選択。その一部をご紹介しますと、原始、古代、中世、近世、近代、現代のそれぞれのページ数の比は、約二三対二七対四〇対一〇である。世界史的内容の割合は、本文の約三二%である。この教科書は日書の例でございます。それからBの構成分量につきましては、内容の構成は十二章三十三節で、本文の小見出しは百六ある、文献資料の数は三十三、読み物の資料はないなどでございます。それから、C、表記、表現でございますが、年表の数は三十あり、本文中に四、各章の扉、まとめにあり、折り込みに一つあるというようなことでございます。それからD、使用上の便宜。注記の数は百十四である、索引の項目数は千六十四であり、そのうち人物の数は二百五十九人、事項の数は八百項、その比は約二四対七六であるなどでございます。
 それから、時代ごとのページ数を数えることの意味でございますが、この資料そのものの構成は、客観的なデータの比較表になっておりまして、そうした意味からも、ページ数もあわせて数えているところでございます。
 ほかの県との比較で、自主的な内容の選定資料をつくる必要があるというご指摘ですが、私どもが今つくっておりますのは、客観的な資料として比較対照ができるように作成しておりますので、内容も含めて、その客観的な比較対照ができるかどうか、今後検討してまいりたいと思っております。
 それから、学習指導要領の目標と内容を基準にした評価資料をつくるべきだということでございますが、これもあわせて検討してまいりたいと思います。
 公開につきましては、採択終了後、八月十五日以降でございます。

○田代委員 教科書問題についてほんのちょっとでも知識のある方、問題を認識している人たちが今の話を聞けば、すぐわかると思うんですけれども、外形標準課税という言葉がありますが、これこそ外形標準採択みたいなものですね。体裁だけが整えばすべていい、中は全く見ない。学習指導要領というものに対しての認識が、全くこの教科書問題、この戦後の教科書問題には非常に、特に最近欠けているわけです。これは、知事も随分その認識をお持ちのようなお話を伺いますけれども、全く学習指導要領というものを考えないで教科書を採択しようとするところで、今のような話がだらだらと出てきてしまうわけですから、これをしっかりもとに戻していかなくちゃならないわけです。時間の関係もありますので、それは次回にさせていただいて、きょうはこれで最後になりますけれども、平成十二年の東京都の教科用図書選定に当たって、見本本の展示というのがありますけれども、三点伺います。
 今年度の中学校の教科書の採択が行われる、この見本本の展示計画はどうなっているのか。それから、なぜ六月末また七月にならないと展示を始めないのか。
 そして最後に、四月から直ちに展示を始めるべきだと私は思うんですが、いろいろな手続上の問題はあると思いますけれども、始める必要がないのかあるのか。今すぐできるできないということではなくて、考え方として、四月から始めるのがよくないとすれば、よくない理由があれば、教えていただきたいと思います。
 以上です。

○斎藤指導部長 見本本の展示でございますけれども、十二年度の中学校の教科書の採択用の見本本の展示の計画につきましては、文部省の方からまだ告示がございませんので、昨年の例で申し上げますと、平成十一年度の場合には、六月二十五日から十四日間行っております。東京都においては、これに先立ちまして、特別展示としまして十日間展示をしております。
 それから、なぜ六月末または七月にならないと展示が始められないのかということでございますが、これは教科書の発行に関する臨時措置法施行規則に定められておりまして、この展示につきましては、六月一日から七月三十一日の間に行うことという規定がございます。
 それから、四月から直ちに展示を始めるべきではないかということでございますが、実際に教科用図書の見本本が、例年、五月末にならないと届かないものでございますので、物理的にできないというような事情がございます。早いことにこしたことはないというふうに受けとめております。

○田代委員 最後になりますけれども、物理的に間に合わなくはないので、やり方は幾らでもあるわけです。それに対して前向きに取り組んでいくかどうかということです。基本は、学習指導要領というものが、法治国家である我が国において遵守されていないということが一番問題なわけですから、東京都の立場においても、しっかりとそれを守っていただいて、正しい教科書が採択されるように強く要望して、終わります。ありがとうございました。

○くぼた委員 まず最初に、都立学校の授業料の値上げ、都立高校の入学金の新設について伺いたいと思います。
 今回出された条例の改定案では、都立高校の授業料を現行の十万四千四百円から十万八千円に、年間三千六百円も値上げした上に、今まで徴収してこなかった都立高校の入学金を新設して、五千五百五十円の負担を父母に強いるというものになっています。入学金の徴収については、授業料もそうですけれども、二年前の文教委員会でもさまざまに論議されてきました。
 改めて伺いたいと思うんですが、なぜ入学金の新設が必要なのでしょうか。

○小海学務部長 入学料及び授業料につきましては、国の地方交付税算定基準におきまして、受益者負担の見地から、地方公共団体が徴収するものとして算定しております。
 入学料につきましては、都内の私立高校が入学料を徴収し、他の道府県も、全日制高校では山梨県以外が徴収していること、また、他の都立学校が徴収している状況にあるということで、入学料を徴収するということに踏み切ったものでございます。

○くぼた委員 全く主体性がない答弁だと思うんですね。ほかがやっているから、うちもやるという内容の答弁をされたと思うんですね。二年前のことをちょっと思い出していただきたいんですが、二年前は、厳しい経済状況の中で都民の負担増は行うべきでないという都民や議会の意向があって、この問題については否決をされたわけです。そのときと比べて、現在の経済状況は少しも改善されたわけじゃないということは明らかだと思うんですね。むしろそのときより厳しくなっている。リストラや合理化のあらしが吹き荒れて、厳しくなっている状況だというのが実態だと思うんです。ですから、今のご答弁というのは、そういった経過も全く受けとめない、また、都民の暮らしの実態とか、教育そのものはどうあるべきかという視点が全くないものだというふうに思うんですね。
 そこで伺うんですが、教育庁で調査をされているそうですが、父母が公立学校を選ぶ理由というのは何なのでしょうか。

○小海学務部長 都立学校を選択した理由を特別に調査したものはございませんが、平成十一年三月の教育庁の、父母が負担する教育費調査によれば、公立の選択理由で、主な理由として、本人の希望というものは五〇%でございます、費用が安いというのが三七%となっております。

○くぼた委員 もう一つ、都立高校の授業料減免を受けている生徒数、率は、この間、どのように推移をしているでしょうか。

○小海学務部長 都立高校の授業料の減免でございますが、都立高校の全日制で、平成六年度から平成十年度までの五年間の変遷で申し上げますと、平成六年度決算で、授業料の免除者数が三千四百九名、減額者数が六百十名で、生徒数に対する免除率は二・〇三%で、減額率は〇・三六%です。また、平成十年度決算では、授業料の免除者数が五千二十名で、平成六年度と比較し千六百十一名の増加となり、減額者数が八百八十名で、同じく二百七十名の増加となります。また、生徒数に対する免除率は三・四八%で、平成六年度と比較して一・四五%上昇し、減額率につきましても〇・六一%で、〇・二五%上昇いたしております。

○くぼた委員 今お答えがあったように、父母が公立高校を選ぶ理由で断トツに多いのは、子ども本人の希望ということと、費用が安いからという経済的な理由になっています。また、その減免制度を受けて勉強されている生徒さんたちも、今のご答弁のように、大幅にふえている。私は、ここからも、家計をやりくりして子どもに教育を受けさせたいという、そういう保護者の方々の願いや、また、その一方で、その家計自体もますます大変になっているという都民の実態が見えてくると思うんですね。
 都の総務局の統計部が昨年四月に発表した、東京都生計分析調査の中のいろいろな統計資料を見たんですけれども、それもそのことを裏づけていると思うんです。例えば、世帯主の年齢階層別の一世帯当たりの年平均一カ月の用途別生計支出を見ますと、高校生の子どもを抱えている世帯が多い、四十五歳から五十四歳といった世帯主になっている家庭では、消費支出に占める教育費の割合が、それぞれ一一・五%、一二・七%と、他の品目に比べて、他の対象に比べて群を抜いて高くなっている。他の世代にない特徴になっています。
 また、こうした世帯の収入はどうなっているかと見ると、世帯主の平均年齢四十六・一歳の勤労者世帯の収入は、前年に比べて実質で〇・八%の減少になっている。しかも、世帯主だけ取り出してみると、一・七%も収入減になっているというような状況が、この中でもあらわれています。この同じ調査の中の暮らしに関するアンケートでも、暮らし向きの実感が苦しかったというふうに答えた世帯ほど、教育に対する支出が多いという傾向があります。
 東京都も、こうした背景が実態にあるからこそ、父母負担はできるだけ軽くしなきゃならないということで、これまで入学金を取らずに来たということだと思うんですね。実際、二年前の三月の文教委員会で、議事録を見てみますと、入学金新設について、我が党の質問に対して、これまで父母負担の軽減を考えて導入を見送ってきたというような答弁をされているわけです。
 今、このデータを使ってお示ししましたし、減免などのお答えもいただきましたが、示したように、そのときよりも、さらに保護者の方の教育費負担は重くなってきているというのが実態だと思うんですね。そういう中で今回の導入というのは、父母負担の軽減というのはもう考える必要がなくなったということなんでしょうか。

○小海学務部長 平成十年第一回定例会時の文教委員会におきまして、確かに父母負担の軽減を考えて導入を見送っていたというご説明をいたしております。
 私どもといたしましては、今回の提案の理由としまして、受益者負担の適正化の観点から、私立高校あるいは他の自治体の公立高校が入学料の徴収に踏み切る、そういう状況を見て入学料の徴収に踏み切ったものでございまして、やむを得ないと判断したものでございます。

○くぼた委員 だから、父母負担が重いということは認識しているんだけれども、受益者負担の適正化ということでやむなく導入したということなんですね。つまり、大変になっているのは百も承知で導入するということですから、私は、とんでもないことだと思うんですね。
 子どもたちだって、そうした親の苦労は敏感に感じ取っています。昨年の暮れと、ことしの二月に、都内の高校生約百二十人が、都立高校の統廃合あるいは授業料の値上げ、入学金の徴収はやめてほしいと、渋谷の繁華街をパレードして訴えたという話を伺いました。その後、都議会各会派にも高校生たちが要請に来られたので、皆さん方もご存じだと思うんです。
 私もこの方々の要請を受けましたが、親がリストラされて、苦しいバイトをしながら勉強しているというような訴えには、本当に胸が詰まる思いがしました。親に苦労させたくないから、お金のかからない都立にするよ、そういって都立高校への進学を希望するお子さんも決して少なくないということであります。そういう子どもたちに、都立高校に入学した後も心配させるようなことがあってはならない、そういう状況をつくり出すのは大人の責務だというふうに私は思うんですね。
 リストラや倒産が相次いで、不況はまだまだ深刻です。こういう中にあって、授業料が低く抑えられてきた都立高校があるということは、子どもたちにとっても、保護者にとっても、また、社会全体が教育を支えていくという意味からも、本当に重い意義があるというふうに思います。
 しつこいようですけれども、このような経済情勢の中で授業料の値上げをしたら、子どもたちには心苦しい思いをさせ、保護者、父母の負担が一層重くなるんだと思いませんか、いかがでしょうか。

○小海学務部長 お話のありましたように、経済状況が不況の中で、確かに高校生を抱える家庭は大変努力をしているというふうに思っております。しかし、家庭の状況、経済状況が悪くなった場合においても、経済的に困窮している家庭につきましては、授業料について従来から減免制度を広く周知徹底して、また今度、新しい入学料につきましても、その減免制度について規定を早急に整備していく考えでございます。

○くぼた委員 減免制度の整備というのは、教育の機会均等を守る上でも最低限必要です。それから、今度新しく入学料の減免制度も検討するということですけれども、これは当然のことだというふうに思うんですね。今の答弁の前半にもあったように、家庭の大変さはわかっているけれども、さらに追い打ちをかけるような負担増を強いるというのは、子どもの教育のためにと頑張っている保護者の皆さんたちにとっても、子どもたちにとっても、本当に冷たい答弁だと思うんですね。私は、本当に東京都は、教育庁は、子どもたちの教育のことを考えているのかというふうに思います。結局、何度伺っても、負担の大変な状況はわかるけれども、さらに負担をお願いするということなんですね。
 それでは、別の観点から伺いますけれども、今回の授業料の値上げや入学金の新設というのは、財政再建推進プランに基づくものなのでしょうか。

○小海学務部長 平成十一年七月に発表されました財政再建推進プランでは、歳入確保の観点より、受益者負担の適正化が、各使用料、手数料について求められているところでございます。また、歳入の見直しが検討される事項の例といたしまして、都立学校の授業料等について挙げられているところでございます。
 しかしながら、授業料の改定及び入学料の徴収は、都教育委員会の判断によりまして、受益者負担の適正化の観点から、公私格差の是正、他道府県の動向、他の都立学校との整合性などを総合的に勘案して、改正案を都議会に上程したものでございます。

○くぼた委員 財政再建推進プランもあるけれども、教育庁の独自の判断なんだというお答えでした。そうではないんじゃないですか。ここに、一月三十一日の学務部の都立高校の授業料値上げを説明する文書があるんですけれども、この一番上の改定の理由のところには、財政再建推進プランに基づきというふうにはっきり書いてあるんですよ。基づくものなんだということが、ここに掲げられている、一番上に。
 お答えのように、もし都教委の判断ということであれば、私は、判断は逆だと思うんですよ。家庭の努力は大変なものだという、そういうご答弁もありました。そういう認識があるわけですから、教育を受けようという子どもたちに、そういった経済的な困難を持ち込ませないという、そういう見識を発揮することこそ、教育庁が本来やるべき判断じゃないかと思うんですね。当然そういう姿勢をとるべきだと思うんです。この不況の中にわざわざ負担をふやすというのは、都民の納得を得られるものではないというふうに思います。
 負担増はこれだけじゃないんですね、よく話を伺ってみると。新学習指導要領への移行に伴って、必修クラブというカリキュラムがなくなるとのことですけれども、この必修クラブのカリキュラムがなくなることによる影響というのは、どういうものがあるでしょうか。

○小海学務部長 東京都教育委員会では、これまで、必修クラブ活動経費等の活動経費の予算措置をしてまいりました。新学習指導要領への移行に伴い、必修クラブ授業終了を勘案すれば、必修クラブ活動経費の予算についても廃止するところでございます。
 しかし、部活動と必修クラブ活動は表裏一体の関係で実施されており、また、これまでの必修クラブ活動での教育的成果等を考慮すれば、部活動に対する影響は少なからず及ぶものと想定されております。

○くぼた委員 少なからず影響が及ぶというご答弁でした。それでは、必修クラブに対する予算措置は、この間、どのように推移してきたのでしょうか。部活動の予算とあわせて、過去三年の推移、来年度の予算、これを教えていただきたいと思います。

○小海学務部長 必修クラブ予算でございますが、平成九年度予算は約七億八千四百万円でございます。十年度予算は約七億七千二百万円でございます。平成十一年度予算は七億六千四百万円でございます。必修クラブ予算は、十二年度はございません。
 部活動予算につきましては、九年度予算は約六億三千九百万、十年度予算が約五億六千六百万、十一年度予算は約五億一千百万、十二年度予算が約五億八千九百万でございます。

○くぼた委員 今のご答弁にもありましたように、今年度七億六千四百万円あった必修クラブの予算が、カリキュラムがなくなるということもあって、来年度はゼロということですね。それから、部活の活動とも相互に影響し合っているということ、先ほどご答弁がありましたけれども、その部活の活動の予算については今年度とほぼ横並びということですから、私は、これは大変な影響が及ぶというふうに思うんですね。だって、七億六千四百万あったものが一挙にゼロになってしまうわけです。で、部活の方はふえているわけじゃないんですから。
 この問題について、私は、都立高校に通う高校生たちの話を聞く機会がありました。身近な、そして関心のある問題なので、次々とその内容を教えていただきました。
 例えば、必修クラブの活動費がなくなることで、生徒会費を千五百円から三千円へと二倍に値上げするといわれたとか、今でも文化祭や合唱祭の費用が足りなくて、一クラス一万円とか二万円というお金を生徒たちが出し合っている、それがさらにふえることになりそうだと。部活動で使えるお金が半分にされるので、今後、購入できるのは備品に限る、消耗品は自己負担という通知が出された高校もあるそうです。
 その結果どうなったかというと、例えばバスケット部の例で教えていただいたんですが、ボールは買ってもいいけれども、けがを防ぐためのテーピングのテープは自分で買ってくださいと。これも機械的だと思うんですけれども、多分、美術部だと思うんですが、部活動に必要なシルクスクリーンは、消耗品ということで自己負担になってしまって、部活そのものをやっている意味がなくなってしまったというふうに生徒さんたちは訴えているんです。
 だから、結局、必修クラブの予算廃止と、それに伴う部活動の予算の不足分は、保護者が負担せざるを得ないということになるじゃないですか。この点どうなんでしょう。

○小海学務部長 部活動につきましては、教育課程とは別に、生徒の自主的活動とされておりまして、そのために、私費負担の軽減を図る目的として、これまでは、補助の性格として、最小限度の予算を従来より配付してまいりました。しかし、今後は、部活動をやっている学校とやっていない学校、活発にやっている学校とやっていない学校がございますので、重点的に予算を配分して行うということも考えております。
 また、今回の必修クラブ廃止の影響によりまして、各学校では、ある程度の負担を保護者がせざるを得ない状況にあることも、場合によってはあり得るといえます。

○くぼた委員 今の答弁、問題だと思いますね。部活動をやっている学校とやっていない学校を判断して重点的に配分するって、どうやって判断するんですか。
 もう一つ、ある程度の負担を保護者がせざるを得ない状況にあるということをいっておられる。これは、現にある高校の校長名で出されたお知らせです。自治会費変更についてのお知らせというものをいただきました。ここに書いてあるのは、簡単にかいつまんでいいますと、従来の必修クラブ費がなくなるので、自治会費を現行の四千円から七千円に値上げをしてほしい、ぜひご理解なりご協力賜りますようお願いを申し上げますというような内容のものなんです。授業料は三千六百円値上げでしょう。それに匹敵する三千円の値上げですよ、自治会費。当然そうなるんですよ。だって、一挙に七億六千万円もの予算が削られて、それに対して何の手だてもあなた方は打たなかったじゃないですか。だから、結局、保護者負担を強いることになっている。対策が本当に後手に回っているといわれても仕方がないと思うんですね。やり方としても、本当にひどいものだと思うんです。
 今、来年度は授業料だけではない、部活の費用まで負担がふえる、そういうことじゃないかということを明らかにしましたけれども、結局、総額で見ると、両方合わせて十二億円以上の負担を、来年度から一挙に、高校に通っている保護者の皆さんに押しつけるという内容じゃありませんか。一遍にそんな多額の負担を押しつけるというのは、かつてなかったことだというふうに思うんですね。そういう負担を保護者や都民は納得しないと思います。入学料の新設や授業料の値上げ、さらなる大幅な部活費の負担増は認められない、そのことを申し上げて、次の就学奨励費の問題について伺いたいと思います。
 東京都の就学奨励費は、一九六八年以来、すべての障害児に教育を保障し、盲・聾・養護学校に通う生徒の保護者負担軽減を図る目的で、国の補助事業に上乗せして実施されてきているものです。この施策は、一九七四年に東京都が全国に先駆けて、障害児の希望者全員入学実施という形で実って、重い障害を持つ子どもたちも教育を受ける権利を獲得する上で大きな意義を果たしてきたものです。そして、現在においても、経済的にも負担が多い障害児を持つ保護者にとって、我が子を就学させるに当たって負担軽減を図る役割は少しも変わっていないと思います。だからこそ、多くの保護者や関係者から、就学奨励費の見直しは撤回してほしいという要望が出されていますし、今回も、議題でもあります請願も出されているわけです。
 そこでお伺いするんですけれども、今回の見直しに伴う影響額、影響人数を教えていただきたいと思います。

○小海学務部長 今回の就学奨励事業の見直しに伴う予算上の影響額についてでございますが、今回の見直しに伴う減は約二千八百四十万円となっております。
 また、段階別支給により影響を受ける人数は、あくまでも平成十一年七月現在の段階別認定状況を参考にしますと、二段階、三段階の合計で三千二百二十五人でございます。

○くぼた委員 二千八百四十万円、三千二百二十五人の方が、これは推計ですけれども、影響を受けるということですね。
 いただいた資料の6を見てもわかるように、就学奨励費の中でも影響の大きいものは、負担の大きくなるものは、恐らく宿泊生活訓練費だと思うんです。この参加費については、現在、国の所得段階に応じた就学奨励費の不足分を都が補っているわけです。この宿泊訓練の位置づけというのはどのようなものでしょうか。

○小海学務部長 盲・聾・養護学校におきます宿泊生活訓練は、社会生活におけるさまざまな経験を体験する機会が不足しがちな障害児に、可能な限り種々の生活体験をさせることにより、障害を克服する意欲を育て、学校、家庭等における基本的生活態度を習得させるとともに、社会的適応性を高める役割を果たしているところでございます。

○くぼた委員 私も、保護者の方からお話を伺いました。毎年の宿泊生活訓練は、子どもの成長の節目になっている、先生も、学校で見ることのできない子どもの様子に触れることができ、その後の指導に生かすことができる、こういうような声が聞かれました。今ご答弁があったように、そういう重要な役割を果たしていると同時に、実行するについては、クラスで宿泊するに当たって、特に障害の重い子には、ストレッチャー、フードプロセッサー、寝るときに姿勢を整えるマットが必要であったり、医療的ケアの必要な子には酸素ボンベを持っていく、そういった備品を運ぶために、場合によっては、バスの後ろにトラックをつけていくこともあるというお話も伺いました。また、姿勢を保ったまま連れていくのに、サロンバスを使うということもあるそうです。
 今度の見直しで、そういった宿泊生活訓練にかかった費用を、所得によって、全額払う人、半額払う人、全く払わない人と分けるというわけですけれども、今の話でいくと、トラックを出した経費を、障害の程度にかかわりなく、所得の高い世帯が負担するということになるわけです。逆にいえば、障害が重くて所得の低い世帯にとって、周りに気兼ねをする状況が生み出されることになるのではないかと私は危惧するわけです。つまり、障害の程度と費用負担が関連づけられてしまう、まさに障害児教育の原点に触れるようなことが起きてしまう、そういう状況を障害児教育の場に持ち込むことになると思うんです。
 逆にいえば、現在都が補助する制度というのは、障害に応じた一人一人の子どもの教育を実践する上でも極めてすぐれた制度だというふうに思うんですね。補助教材費の問題についても同じですけれども、負担のことを考えて宿泊生活訓練には参加しないというような状況が出てきたら、まさにこれまで都が行ってきた、この制度による成果を台なしにしてしまう、これまでの理念を投げ捨ててしまうことにつながるではありませんか。
 私ね、国の就学奨励の考え方に引きずられる必要は全くないと思うんです。障害を持った子の発達の可能性を引き出して、社会参加に向けた取り組みをすることこそ、そして、その上でのハンディを行政が援助するのは当然のことだと思うんです。
 ましてや今回、障害児手当や医療費助成制度の所得制限を強化する、福祉切り捨て案も出ているわけですから、この深刻な不況の中で、負担だけが二重にも三重にもこういう家庭には襲いかかっていくことになるんです。そういった観点からしても、就学奨励事業の見直しは行うべきではないというふうに思います。
 定時制の修学旅行の補助金や給食の補助金の削減も、定時制教育の充実に逆行することになり、これも認めるわけにいきません。
 結局、これらの削減や値上げの背景には、先ほども明らかになったように、財政再建推進プランがあり、都単独事業の見直し、単独補助の見直し、公共料金の値上げなど、教育の分野でも、その方針に忠実に従う予算を組んだということです。財政再建推進プランというのは、ご存じのように、その目標でも、巨額の財源不足を解消するという財源対策です。結局どういうことかといえば、都がこれまで行ってきた不要不急の大型公共投資の借金の穴埋めをするものであり、今後もそういった投資を続けるための財源になるものじゃありませんか。それには何の責任もない子どもたちに、こういった形での負担を押しつけることになる予算は、やはり認めるわけにはいかないということを強調しておきたいと思います。
 次に、図書館の問題について伺いたいと思います。
 日比谷図書館の問題について伺います。
 日比谷図書館は、現在の建物ができて、ことしで四十三年になります。当然さまざまなところで老朽化してきて、本来であれば、新日比谷図書館基本構想に基づいて、二〇〇三年完成に向けて改築の予定だったわけですが、ご承知のように、今年度の予算で、建てかえ計画が財政難を理由に凍結させられ、一時は、見通しのないまま、昨年の末で休館という話も持ち上がった。その中で、驚いた利用者、関係者が、一万四千名もの存続を求める署名を集め、そういう声もあって、当面は改修でサービスを続けることになって、補修の実施設計費がついて、執行されたわけです。だから、実施設計はできたわけですね。
 そんな中で、私たちの会派にも、昨年から、新都立日比谷図書館を考える会などの皆さんから、改築計画をぜひ進めてほしい、安心して利用できるよう耐震改修工事予算を措置するように働きかけてほしいなどという要望が寄せられました。ところが、来年度予算では、その改修費すらばっさり削ってしまったわけです。この改修費の内容というのは一体どういうものなのでしょうか。

○小栗生涯学習部長 平成十二年度に予定しておりました改修工事に係る予算が、厳しい財政状況を反映して、見送られたわけでございます。この改修工事の内訳は、耐震補強工事を初め、屋上の柱、はりの撤去、便所の全面改修、照明器具の増設、閲覧室空調の改修等でありました。

○くぼた委員 私も、現地で、はりのコンクリートが落ちた跡とか、外壁の補強した様子を見せていただきました。それから、ボイラーなどの機械設備がもう耐用年数を過ぎているとか、トイレが臭い、照明を明るくしてほしいといった利用者からの要望が寄せられているという実態を聞いて、安全で快適な利用を提供する上でも、早急な改修はもとより、改築の必要性を非常に強く感じました。せめて、利用者の要望である照明やトイレの改善などはできないのでしょうか。

○小栗生涯学習部長 ご指摘の改修工事は、補強工事と一体的に行うことが、経費的にも工期的にも合理的であると考えまして、この一連の改修工事の中に含めたものでございます。また、軽易な維持補修のための維持経費につきましては、毎年措置されておりますが、このようなものでその改修を行うことは不可能でございます。

○くぼた委員 わずかな措置された予算ではそれもできないと、限度があるということであれば、本当にこのまま放置するのかということなんですね。まさにその姿勢が問われている問題だと思うんです。
 今お答えにあったように、耐震補強工事と一緒に改修することが合理的というのであれば、なおさら強力に改修費をつけるよう要求するべきです。今後、この耐震改修についてどういうふうに取り組んでいくおつもりなのでしょうか。

○小栗生涯学習部長 日比谷図書館は、立地条件もよいことから、利用数が多く、幅広く都民に親しまれている図書館であります。このため、現行のサービスを継続していく上で本改修工事は必要であり、このための経費の措置につきましては、関係部署の理解が得られるよう、引き続き努力してまいりたいと思います。

○くぼた委員 今ご答弁がありましたように、私、この改修費というのは待ったなしだというふうに思います。少なくとも今回の改修は、改築に向けての、当面の利用者の安全やサービスを保障する最低限のものだと思うんですね。そういった意味で、ぜひ相当の覚悟で取り組んでいただきたいと思います。
 もう一つ、この間、私は決算でもこれを取り上げさせていただきましたが、都立図書館に関してもう一点気になることがあります。それは、図書館の血であり肉である図書や雑誌を買う図書費の問題です。
 そこで伺うのですが、図書費のこの間の推移はどうなっているでしょうか。

○小栗生涯学習部長 図書の収集経費のことでございますけれども、平成十年度には対前年度比で四・四%の減、平成十一年度は同じく一・一%の減、平成十二年度は一四・一%の減という形の経過をたどっております。

○くぼた委員 昨年の決算のときに伺ったご答弁は、厳しいシーリングの中でも、本当に図書館の命だということで努力をされて、六年前の水準を保ってきた、辛うじて保ってきたということでした。それでも少しずつ減っているわけですよ。ところが、今のご答弁では、前年度対比四・四%減から、今度、一挙に一四・一%の減だと。来年度から大幅に減らされるということであります。雑誌や年鑑など継続的に収集することが必要なものなどがあるわけで、都立図書館の役割を果たしていく上で、どうしてもこういう経費は削れないと思うんですね。そういう経費にまで手をつけるということは、まさに図書館の命にもかかわる問題だというふうに思います。子どもから高齢者まで、生涯学習の時代になって、図書館の果たす役割はますます高まっているわけです。ましてや、国内で有数の歴史を持って、しかも一日三千人近い、日本でも屈指の利用者を誇る日比谷図書館を一層充実発展させていくことは、当然のことだというふうに思います。東京都には、都民が良好な環境の中で充実した内容の図書館を利用できるように整備していく責務があると思うんです。
 そういった点から考えても、今回の予算というのは、日比谷図書館の建物の改修は進まず、資料費は削って内容も後退させていく、日比谷図書館をこのまま朽ち果てさせてしまうのかということでは、本当に憤りを覚える予算であり、これもやはり認めるわけにはいかないと思います。
 最後に、辰巳の国際水泳場に関して伺いたいと思います。
 来年度の予算で都の体育施設の委託管理費が削減されることによって、辰巳の水泳場では、各種競技会のための貸し出しについて、今まで配置されていた六名のライフガードをなくしてしまうという説明がされていると伺いました。私たちも、利用者団体から、この間、何度か要請を受けましたし、今回審議事項にはなっていませんけれども、この件に関して請願も出ているようであります。
 ライフガードというのは一体どういう役割を果たしているのか、これがまず一点目です。そして、競技会へ貸し出す場合、なぜ今回それを削減するということになったのか、教えていただきたいと思います。

○土村体育部長 まず、ライフガートでございますけれども、プールの監視を主として、あと、大会の準備等に協力をするという役目を持っております。東京辰巳国際水泳場は、大会利用時にこのライフガードを配置いたしまして、大会主催者のために、大会準備等のサービスをこれまで行ってきたところでございます。
 しかしながら、専用使用の場合の大会の準備、後片づけ、及び大会当日の運営に必要な人員の配置等は、都の他の体育施設におきましても大会主催者が負担しているところでございますし、他府県の同規模施設のプールにおいても同様の取り扱いとなっているところでございます。
 厳しい都財政の状況から、東京辰巳国際水泳場の事業の見直しを行いました結果、平成十二年度から、専用使用による大会準備については大会主催者にお願いすることにしたものでございます。

○くぼた委員 この辰巳の国際水泳場は、非常に団体の皆さんに喜ばれているというふうに伺いました。まさに都における水泳のメッカだということで、非常に利用者も喜んで使っているということだそうですが、今もお答えにありましたように、他の施設では行われていないサービスを辰巳でやっていたからこそ、そうやって多くの団体の皆さんに喜ばれていたということだと思うんですね。結局、施設を単に貸すだけじゃなくて、設営、監視、撤収、そういった基本部分を開催団体と一緒に進めるライフガード、それと電気時計設備といった本格的な設備、そういうソフトとハードが一体で提供されることによって、規模の大きな団体はもとより、中小の団体にとっても大会の開催ができる、広範な都民への水泳普及に大きな役割を果たしてきたというふうに思うんですね。
 今回の削減によって、こういった大会利用の団体にどのような影響が出るのでしょうか。

○土村体育部長 大会の規模によって異なりますけれども、例えば電気計測用のタッチ盤、養生マットの設置、それの撤去、コースロープのつけかえ等の作業が必要になってまいります。

○くぼた委員 そういった作業を自前でやるか、あるいは業者に委託をするということになるわけですけれども、自前でやろうとすれば、伺ったところによりますと、例えばスタート台というのは非常に重量がある、電気計測用タッチ盤は非常に高価だと、高いものだそうですから、そういった特別な設備を扱うことが、なれない者に果たしてできるのか、けがや破損の場合はどうするのかという問題が当然考えられます。こういう場合一体どうするんでしょうか。それを伺いたいのと、かといって業者に委託をすれば、経費がかかります。一体その経費はどれぐらいかかることになるのでしょうか。

○土村体育部長 確かに、器具の取り扱いにつきましては、慎重を要するものもございますし、重量の重いものもございまして、そういったものにつきましては、取り扱いにつきまして、館の係員から十分に説明をしてまいりたいと思います。
 それから費用でございますけれども、大会規模等にもよるものでございまして、一概にはなかなか申し上げにくいんですが、仮にすべての作業を委託し、しかもライフガードを六人雇い上げて、準備や後片づけに仮に四時間程度をかけるとしまして、約六万円程度と推計しております。

○くぼた委員 だから、器具を壊しちゃった場合はどうするのか。多分、本人負担になっちゃうのじゃないかと危惧しますけれども、いずれにしろ、実際には十万を超えるというような試算をされた団体もありますし、そういう負担増は、大会をやるときに参加人数が多ければ、一人当たりの負担は少なくなると考えられますけれども、いわゆる中小の団体、規模が小さかったり、あるいは青少年対象の競技会などの場合は、子どもたちですから、そんなに負担を重くすることはできません。結局そういう場合は、こういう負担の重さとか扱いの難しさということがネックになって、団体の競技会開催がより一層足かせをはめられるということになっていくと思うんですね。
 だから、都の財政が厳しいから負担をお願いするというふうにいわれましたけれども、不況の中で厳しい運営を迫られている団体や個人ほど大きな影響を受けるということになると思うんです。こういう団体や個人から、励みになる競技会参加という貴重な機会を、ライフガード削減によって奪うことになると思うんですけれども、そういうことではないんでしょうか。

○土村体育部長 確かに、利用者の方に若干の負担をお願いせざるを得ない面も出てくるかと思います。しかしながら、先ほど申し上げましたように、主催者の方で準備等を行うというのが一般的な取り扱いでございますし、そういった面でぜひともご協力をいただきたいと思っております。

○くぼた委員 だから、まさにそういうことをやってくれるからこそ、規模の小さい団体でも、中くらいの団体でも、励みになる大会開催ができたわけですよね。そういう機会を奪うことになるわけですね。そういう配慮はされないんでしょうか。

○土村体育部長 先ほど申し上げましたように、取り扱いについては、係員が十分に指導と申しますか、助言をするというような体制をとりたいと思いますし、利用団体によりましては、なかなか全体としてそれに対応することができない団体もあろうかと思いますが、そういうものにつきましては、事故防止の観点から、機器等の設置につきまして館の職員が立ち会うなど、個別に対応してまいりたいと思っております。

○くぼた委員 若干のそういう配慮がされるというご答弁でしたけれども、それは別に担保があるわけじゃありません。せっかく都が他の施設よりすぐれて、多くの都民や団体に喜ばれてきたライフガードの配置ですから、しかも団体にとっては、小さな団体でも大会が開催できるかどうかという大きな問題にもかかわってくるわけですから、そういった意味でも、予算をきちんと確保すべきです。スポーツ振興の立場から、こういった削減もやはり考え直すべきではないかというふうに思います。
 これまで述べたほかに、予算全体を見ても、文化やスポーツの分野で、例えば演奏活動そのものに影響を及ぼす東京都交響楽団への補助金の削減や、定着してきた東京ハーフマラソンの休止など、都民の願いに背く予算になっているというふうにいわざるを得ません。先ほども教育のところで少し述べたんですけれども、都民には何の責任もない不要不急の公共投資のむだ遣いのツケを、こういった教育や文化やスポーツにしわ寄せをするべきではないというふうに思うんです。こうした予算のあり方を改めるべきだということを述べて、質問を終わります。

○石川委員 それでは、私からも、都立高校の授業料と入学料の改正、新設に関連して、数点伺います。
 まず、今日のような経済状況の中で、先ほどもありましたけれども、全日制、定時制における授業料の減免数は、過去五年間、どのように推移しているのでしょうか、その実態と理由を示していただきたいと思います。

○小海学務部長 平成六年度の決算数字で見ますと、全日制で授業料の免除が三千四百九名、減額が六百十名で、生徒数に対する減免率は二・〇三%と〇・三六%です。また、定時制の場合、授業料の免除が七百十五名、減額が十八名で、生徒数に対する減免率は四・九一%と〇・一二%です。
 これを平成十年度と比較しますと、全日制の場合、授業料免除者が三・四八%で、一・四五%上昇し、減額者が〇・二五%上昇いたしております。定時制の場合も、同じように免除で二・五%、減額で〇・一二%上昇し、授業料の減免者数がふえつつあります。
 減免者の増加の事由は、全日制及び定時制のいずれも、生活保護世帯や母子世帯の増加が主たる原因でございます。

○石川委員 授業料の減免数が増大しているのは、今ご答弁がありましたように事実であり、今日の経済状況が、都立高校に通う家庭にも影を落としていることがわかります。
 我が党は、平成十年第四回定例会で値上げが議論された折、料金改定によって都民に負担を求めるならば、それ以上に、都みずからが血のにじむような行政改革、内部努力への取り組みを都民の前に具体的に示すべきであると主張してきたところであります。
 私どもは、都民への公平な税の還元という立場から、個別に行政サービスを受ける都民が応分の負担をすることは、受益者負担の原則からして否定するものではありません。しかし、今日のような経済状況が厳しい中で都民に新たな負担を求めるならば、都教育委員会みずからが、効率的な行財政運営と厳しい事務事業の見直しが必要であります。
 そこで、前回我が党が否決した理由に対する対応策をどのように構築したのか、明らかにしてください。

○小海学務部長 東京都は、全庁的に事務事業の見直し、職員定数削減、職員給与削減等々、行政改革や事務の効率化を全局を挙げて進めてまいりました。また、教育庁といたしましても、都立高校改革を初めといたしまして、教員の資質能力の向上と意識改革を進めるため、新しい人事考課制度の導入や、教員の新たな研修システムの再構築を実施するとともに、都立高校に機械警備を導入するなどの内部努力の実施に努めてまいりました。

○石川委員 一定の努力に対して私たちは評価をいたしますが、ところで、学校によって教員の配置が過大だという意見、声を聞いていますけれども、都の一般教員の配置基準について示してください。

○上條人事部長 都立高等学校の一般教員の配置につきましては、都立高等学校教職員定数配当基準に基づきまして、原則として、学級数により配置数が決まる仕組みになっております。平成十一年度の全日制普通科における一般教員の配置数は、都基準では五千九百九十三人、国基準では六千二百五十四人でございまして、都基準は国基準に比べ二百六十一人下回っております。
 この主な理由は、国基準に対して、一校当たり教員二名分を非常勤講師に振りかえ、複数教科にわたって活用し、弾力的な教育課程を編成しやすくしているためでございます。

○石川委員 国基準を下回っているということでありますけれども、ところで、いわゆる週一研修について、これまでの都教育委員会の対応はどうであったのか、明らかにしてください。

○上條人事部長 都立学校において実施されておりましたいわゆる週一研修は、一週間に一日、あらかじめ授業を持たない日を定め、勤務場所を離れて自主研修を実施するものでございました。この研修は、自宅で実施することも認められておりました。教員があらかじめ授業を持たない曜日を設けるこの制度は、教育を実施する上で大きな制約要因となっており、また、勤務場所を離れ自宅等にいることは、実質的な休暇との誤解を受けかねず、都民の納得を得られない状況にございました。そのため、いわゆる週一研修は廃止し、平成八年度から継続研修を実施したところでございます。

○石川委員 週一研修は平成八年度から廃止をしたと、新たに継続研修を実施しているということでありますが、継続研修の概要について説明してください。

○上條人事部長 継続研修は、教員が、図書館、大学の研究室等で継続的な研修を希望する場合、校長の推薦に基づき、都教育委員会が必要と認め研修者名簿に登録された者についてのみ、一週間に一回、四校時終了以降、つまり、午前中の授業を終えた午後の半日でございますけれども、それに限り研修を承認できることといたしました。なお、自宅での研修は認めておりません。
 本研修につきましては、学期ごとに申請するとともに、終了後、報告させることとしておりまして、次学期以降の研修の必要性について精査することにしております。

○石川委員 いわゆる週一研修が大幅に改善をされたということでございます。
 この継続研修の平成十年度、十一年度の実施率はどのようになっていますか。あわせて、週一研修の実施率についても明らかにしてください。

○上條人事部長 都立学校において継続研修を申請、承認された教員の割合は、平成十年度の一学期でございますけれども、四八%、平成十一年度の一学期は四三%となっております。
 なお、週一研修につきましては、報告を求めていなかったため、詳細な数字については把握しておりませんが、大半の教員が実施していたものと受けとめております。

○石川委員 週一研修のときは大半の先生が実施していた、こういうことですね。そうすると、平成八年以降とそれ以前の職員室に先生のいる数というのは大きく変わってきていますよね。例えば五十人規模の学校であれば、週一研修の平成八年までは、週一回ですから、六で割れば、一日八人程度の先生が登校していなかった、これが事実だろうと思うんですよね。ところが、今回の新しい継続研修においては、まず午前中は全員の先生が学校へ来られる。そして午後から、今、実施状況を聞きましたら半分ですから、今まで八人前後の先生がいなかったのが、四人程度の先生がいなくなっているというのが職員室の状況になるんだろうと私は思います。
 そこで、この状況が、先ほど私が申しました、先生の配置が過剰ではないんですかという、生徒さんや関係者の声になってきているのだろうと思います。研修に行かない先生は学校にいらっしゃる。私は、何もしないとはいいませんけれども、この継続研修を実施していない先生は、では、学校でどのような活動、対応をされているのでしょうか。その辺の実態を明らかにしてください。

○上條人事部長 都立学校教員は、継続研修を行う行わないにかかわらず、教科の授業を同じ時間数担当しております。したがいまして、継続研修を行っていない教員は、その間、授業以外のいわゆる校務分掌や校内研修、授業教材の準備、資料の作成、部活動の指導などを行いまして、生徒との交流を多くするなど、よりきめ細かい指導を行っているところでございます。
 このような仕事は、学校教育において重要な意味を持つものでございまして、今後ともより一層積極的に取り組むよう、教員に対して十分指導に努めてまいります。

○石川委員 週一研修の廃止に伴って、先生が学校にいる時間がふえたということは事実でありますから、そうした先生が、今ご答弁のように、生徒のために、また生徒の活動のために、また校務のためにという形で積極的に対応しているという姿勢を示していくことが大事だろうと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、第一次、第二次都立高校改革に伴う職員定数はどのように変動していくのか、示してください。あわせまして、人件費はどのくらい削減されていくのでしょうか。

○上條人事部長 教職員定数の変動についてでございますけれども、あくまで現時点での推計でございます。平成十一年度の就学計画による推計学級数及び計画学校数を用いて、可能な範囲で試算いたしますと、都立高校の教職員定数の減は、平成十三年度から平成十九年度までに、自然減及び統廃合の減を合わせまして、一千六百四十一人の減が見込まれます。また、一千六百四十一人の減に対応する人件費の減でございますけれども、平成十二年度ベースで試算いたしますと、約百五十六億円の削減となる見込みでございます。

○石川委員 たゆまず内部努力を徹底していただきたい、こういうふうに要望いたします。
 ところで、今回提案をしています授業料改正、入学料新設の提案理由について、もう一度ご説明してください。

○小海学務部長 授業料改正、入学料新設についての提案理由でございますが、他府県との整合性の確保、公私の格差是正、他の都立学校との整合性を図り、また、受益者負担の適正化を図っていくためのものでございます。
 なお、授業料及び入学料は、都内私立高校との公私格差の是正や教育サービス対価の確認料として受益者が負担すべき経費と考えており、地方交付税算定基準を限度として改定するものでございます。

○石川委員 地方交付税算定基準を限度として授業料は改定をすると。この基準は、ある一定期間行われていくんだろうと思いますけれども、もしわかっておりましたら、次の算定基準の見直し時期はいつごろになるのか、その新しい算定基準を限度として授業料を改定すると、現在の授業料と比較してどの程度の引き上げになると推測されるのか、示してください。

○小海学務部長 地方交付税算定基準につきまして、次の改定時期及び改定の額、それから現行の額との差についてのお尋ねでございますけれども、この基準につきまして、改定の時期あるいは額につきましては、あくまでも自治省により決定されるもので、見通しは全く立ちませんが、推測しますと、改定時期につきましては、例えば過去の改定時期の周期を見ますと、一年ないし三年の間隔で改定を行ってきているところから、十三年度以降の改定と思われます。また、改定額につきましても、例えば過去三回ほどの改定率の平均をとり、現行の地方交付税算定基準額十万八千円に乗じますと、約十一万五千円ほどに算出されます。現行の十万四千四百円と比較しまして、その引き上げ幅は約一万六百円と推計されます。

○石川委員 それでは、授業料及び入学料での公私格差はどの程度でしょうか。

○小海学務部長 平成十二年度の私立高校の授業料平均額は三十八万三千三百八十二円で、都立高校の現行授業料と比較すると、約三・七倍の格差があります。また、入学料平均額は二十四万三百九十八円、施設費等は十八万五千九百六十三円となっております。これらを合計した全体では、約七・八倍の格差がございます。

○石川委員 ところで、都立高校に通う保護者は、授業料の負担だけでは実はおさまっておりません。いわゆる学校徴収金といわれる各種積立金、生徒会費等もかなりの経済的負担となっている実態があり、大変負担が大きいんですよという声があります。授業料、入学料とこれら学校徴収金を合わせて、保護者の負担の軽減を図れるような方策を検討することがぜひとも必要ではないかと考えています。
 そこで、都立高校が学校徴収金として保護者より徴収している種別と目的、及び十一年度の一人当たりの平均についてお伺いいたします。

○小海学務部長 都教育委員会の授業料電算システムを利用して徴収している種別は、積立金、生徒会費、PTA会費です。これらは、受益者負担の原則のもとに、負担経費が直接本人に還元するもので、修学旅行、卒業アルバム、生徒会費等に使用しております。十一年度の一人当たり平均徴収額は六万二千七百二十円でございます。

○石川委員 では、学校徴収金のうち最も額が大きいといわれる積立金の平均年額についてお示しください。

○小海学務部長 十一年度の事例で申しますと、年額平均は五万四千二百四十円でございます。

○石川委員 さらに、そのほか保護者が入学前に負担する経費があると思いますが、その種別についてお尋ねいたします。

○小海学務部長 入学する前に保護者が負担する経費についてでございますが、これは、生徒が学校生活において必要な物品を、それぞれの学校が学校指定としているものを保護者が購入するものです。例えば生徒制服、体操着等、靴、かばん、実習服などでございます。

○石川委員 では、この入学する前に保護者が負担する経費金額はどれぐらいになっていますか。

○小海学務部長 学校種別及び学校指定品目等により負担する金額が異なりますが、ある工業高校の十年度事例で申し上げますれば、十六万一千円が学校指定品購入費用として必要でした。

○石川委員 今、学校指定品目は、ある工業高校の場合十六万一千円、こういうような金額が出てきたわけでありますけれども、それでは、その学校徴収金や学校指定品目を定める際に、学校側が、例えば一つの品物を決める際に、いわゆる納品価格が他に比べて安いのか高いのかとか、あるいは修学旅行に行く際に、最も費用を安く上げるためにいわゆる研究をしている、むだをなくすチェック、あるいは低コスト意識というものを持ちながら、こうしたお金の負担をお願いしてきたのかどうかということは、甚だ私は疑問なんですね。これについては、どちらかというと、学校によっては業者任せという部分もあるし、また都教委の方としても、これに対して、そうした意識で取り組みなさいよという指導も希薄ではなかったかと思いますが、その点いかがですか。

○小海学務部長 保護者負担の経費軽減につきましては、一部で指導はしておりましたが、これまで確かに希薄なところがありました。
 都教委としましては、平成十年十二月に、庁内に私費問題検討委員会を設置し、一年間調査検討し、昨年末、報告書を作成いたしました。この報告書をもとに、事務処理マニュアル、生徒会会計マニュアル及びPTA会計マニュアルを作成し、三月末には各学校に提示する予定でございます。これらの活用により会計処理の適正化に努め、保護者負担経費削減に努力したいと考えております。

○石川委員 今、不十分であったと、したがって、今後新たなマニュアルを作成して、学校に示して、それにのっとってやってもらうと、こういうお話であります。
 こういう経済状況が厳しい中で、新たに入学料を新設して、さらに保護者の負担をふやすわけでありますから、ただいま答弁いただいた指導によって、学校徴収金や学校指定品目等の支出はどの程度軽減されると試算しておりますか。

○小海学務部長 学校徴収金の徴収や学校指定に当たり、学校責任、説明責任、情報公開義務等を盛り込んだ学校徴収金取扱要綱を策定しまして、保護者が納得できるように学校内の体制整備を図ってまいります。
 具体的に金額とか割合はわかりませんが、具体策としましては、修学旅行においては、青少年割引あるいは団体割引の活用、卒業アルバムや修学旅行について上限額を設定することを検討する、あるいは生徒制服等の決定での入札制度の導入などを推進してまいりたいと考えております。

○石川委員 大変厳しい経済状況ですから、具体的な削減の数字は出てこないというお話でありましたけれども、それぞれの学校も、むだを省く、低コストでやっていくという意識に立って、例えば入学料の額、あるいは、ことし授業料として値上げした分ぐらいは、こうした努力で父母の負担を少しでも軽くしていこうと、強い意思で取り組んでいただきたい、このように要望いたしておきます。
 今日の経済状況のもとで、冒頭に述べましたように、授業料減免者が増加しており、経済的にも苦しい状況にある家庭がふえているのが実態であります。したがって、入学料についても減免制度を整備し、手を差し伸べていくべきと考えますが、所見を伺います。

○小海学務部長 現在、授業料につきましては、納付困難な生徒の就学を援助するために、生活保護世帯及び同程度の世帯に該当する者を免除し、生活保護認定額の一・二倍までの所得世帯に該当する者を、半額に減額しているところでございます。
 入学料につきましても、授業料と同様、減額に関する規定の整備を速やかに図ってまいりたいと考えております。

○石川委員 ぜひお願いをしたいと思います。
 入学料の新設による増収見込み額は幾らになるのか。また、新たに都民に負担を求めるならば、この増収分は、生徒に還元できる有効な使い道を考えるべきであると思います。この増収を活用し、高度情報社会に対応できる人材育成を図るため、都立高校全校にインターネットの導入を進めていくべきと強く要望しますが、いかがでしょうか。

○小海学務部長 入学料の徴収により、約二億六千万円の歳入が見込まれます。ただいま石川委員のご提言にもございましたように、この徴収額については、直接、生徒に還元するための具体策として、インターネット導入の一層の推進に向けて、関係部局の理解が得られるよう努力したいというふうに思っております。

○石川委員 お伺いしますと、十二年度は二十校程度施行するというふうに伺っています。十三年度以降、全高校でインターネットが導入されるように、最大限の努力をしてください。
 最後に、クラブ活動の廃止に伴い、これまで一体的な運用をしてきた部活動予算は、生徒の自主的な課外活動を保障する面でもますます必要不可欠な予算となっています。そのため、限りある財政を効率的、効果的に活用する必要があるという立場から、私は、昨年のこの委員会において、真に必要な学校に対し一層の積極的な支援をするために、部活動予算の重点的な配付について提案してきたところでありますが、その後どのように取り組んでまいりましたか。

○小海学務部長 部活動予算の重点配付につきましては、その後、都の公立高等学校校長会、高等学校体育連盟、高等学校文化連盟より要望並びにご意見を伺いました。それらのことを踏まえまして、ボランティア活動や日常的な活動状況を勘案して、また、校長の部活動振興計画書の提出等により、真に必要な学校に重点的に予算配付をいたし、部活動振興を図ってまいります。

○植木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時休憩

午後三時十三分開議

○植木委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○和田委員 今定例会に上程されております、本委員会にかかわりのあります体育振興費に関連をして、まず初めに教育長にお伺いいたしたいと思います。
 私は、さきの予算委員会で石原知事に、スポーツとしてのゴルフはどうお考えですかと、スポーツ観のことをお尋ねいたしました。知事は、確かにスポーツですよというふうにお話しになりました。私は、ゴルフそのものは、とらまえ方によっていろいろあると思うんですが、やはり昨年、ご承知のとおり熊本国体の正式種目になりましたし、東京都におきましても、もちろん東京都の体育協会の正式メンバーに入っていらっしゃるし、さらに大学のゴルフ部や、あるいはジュニア、高校生、中学生の公式の大会もある、また高齢者の大会もあるというふうに、かつてのどちらかというと狭いイメージから、開かれた庶民的な、そういうゴルフに体質を変えてきただろうと私は思っているんです。
 体育振興費にかかわりがあり、また、社会体育に直接かかわりがあります中島教育長は、このゴルフの現況についてどのようなご認識をお持ちか、まず、石原知事とのゴルフ観の比較も含めて勉強したいと思いますので、よろしくお願いします。

○中島教育長 ゴルフは、現在、もう既に競技スポーツとしてだけではなく、子どもから高齢者まで楽しむことができるスポーツとして国民に親しまれてきている存在である、このように思っております。今ご発言ございましたように、三十年も四十年も前でございますが、かつては、ゴルフはいわばお金持ちのスポーツといいますか、そういう形で、ある意味では、競技する方々が肩身の狭い思いをされた時期もあるわけでございますが、昨年の熊本国民体育大会から正式の競技種目ということで、ある意味では、国民にスポーツとして認知されたという感じがしております。
 そういうことで、今後ますます生涯スポーツとしてゴルフは普及していくと、このように思っております。

○和田委員 熊本国体に東京都の選手を派遣しました。四、五名と記憶しています。その折の予選会を立川国際カントリークラブで行いました。ここの利用税は一千百円でありましたが、おおむね二、三百人、予選に出られた各クラブチームのチャンピオンの皆さんの利用税は無償で取り扱っております。金額にするとたかだか三十数万そこそこでありますけれども、きちっとスポーツとして認知した以上は、利用税を受け取らない、徴収しないということを、昨年、事実、主税局は行っているわけでありますから、主税も含め、教育庁も含め、ゴルフはきちっとスポーツ化を位置づけていくという体制を、私どもは確認させていただきたいと思うわけであります。
 次に、運動部活動における専門的な外部指導員の導入についてお伺いしたいと思います。
 これは予算書の中にも既に、部活動振興という費目で、高等学校費の中に五億八千九百二十一万一千円という金額で載っております。これとの関連でお伺いするわけであります。
 昨年の暮れになりますけれども、石原知事は、心の東京革命という大変大きな旗印を掲げられました。その方向づけの中で、心の東京革命は何を目指すのか、どこを目指して革命を起こすのかということを具体的におっしゃっていますので、ここで引用したいと思うんですが、次代を担う子どもたちに対し、親と大人が責任を持って正義感や倫理観や思いやりの心をはぐくみ、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく、このように石原知事は、心の東京革命の主たる方向を打ち出されたわけであります。
 私は、この石原知事の声明の中に出されている正義感、倫理観、思いやり、こういう言葉が、今私どもの現実社会の中では死語、死んだ言葉になっているのかなというくらいに、寒々しい思いをしている一員であります。これらの石原知事の心の東京革命を行っていく上で、今申し上げた正義感、倫理観、思いやりを、もう一回私どもの手元に取り戻すために、いろいろな手法があると思います。学校教育の現場もそうでしょう。あるいは社会教育もあるかもしれません。ただ、私は、きょうは、部活動の中で取り上げられないかという点に絞ってお伺いいたしたいと思うんです。
 特に私は、剣道、居合い道、杖道など武道をやっている人間でありますけれども、私自身の体験からいっても、上司あるいは師匠に対する礼、あるいは戦う相手でありますけれども、競技前、後に、礼をもって相手に敬意を表する。この休みに、高校の柔道の全国大会がありました。世田谷と国士館が堂々と戦いましたけれども、あのように力あるいは技を駆使しながらも、初めとおしまいにはきちっと礼を尽くしていくという見事な姿を、ブラウン管の中でありますけれども、拝見することができて、感動した次第であります。
 そういうことなどを含めますと、人の心を育てていく、その意味で、柔道初め私どものやる武道、剣道でありますが、それは大変有効である。なぜ今まで高校教育は武道を軽視してきたのかなと。西洋の野球やサッカーやラグビーなどの方に比重が傾き過ぎていなかったか。もっと日本古来の、そういう正義感、倫理観、思いやりというようなものをその中に内包している武道というものに評価を与えつつ、それを高校教育の現場の中で生かしていく工夫が、これからも必要だろうし、具体的にいえば、教育効果も十分あるものだというふうに考えるわけであります。
 そこで質問させていただくわけでありますが、さきに申し上げた石原知事の心の東京革命の中でいわれた、特に子どもの心を育てる上で、運動部活動の果たす役割や意義、これについて当局はどのように見解をお持ちなのか、お伺いいたします。

○土村体育部長 運動部活動は、集団の中での活動を通じまして、互いに協力し合って友情を深めるなど、好ましい人間関係を育てるよい機会となっていると思っております。また、共通の目標のもとに、成就感や挫折感を味わいながら、互いに努力や忍耐、思いやりの大切さを学び、人間として成長していく場となっていると考えております。
 そのようなことから、運動部活動は、子どもの心を育てる上で大変重要な役割と意義があるというふうに考えております。

○和田委員 すべての行政の熱度というものが予算ではかれるとは決していいません。しかしながら、今、部活活動に計上されている五億八千九百万何がしかが、有能な先生、教師陣、あるいは、その先生方が満足いく形で部活に励めるような、そういう配慮がなされているのかなという点については、私は、これから執行される範囲の中で、各校の部活動の運営の仕方に着目しながら、これからもしっかり見据えてまいりたいと思いますので、この予算、もしも議会を通過の際には、実行される各学校の方に有効に配当され、それが、子どもたちの、さきに申し上げた心の東京革命の一角を担うその立場に有効に生かされるように、ぜひその執行に留意をお願いしたいと思います。
 次に行きますが、運動部活動の中で今一番の課題の一つは、私も現職の先生方にお聞きすると、実技指導のできる指導者が大変少ないんだと。確かに体育の先生は学校にそれぞれいるわけでありますけれども、一つ剣道や柔道に限ってみても、教科書では読んだよ、だけど柔道着を着たこともない、帯の結び方もわからない、さらに剣道の防具の名称さえもわからない、しかし、いざ教えるとなると、高校生の前に行って先生だということになる。こういうような事例が多いように聞いているんです。
 その対策としては何ができるかというと、やはり在野の、例えば柔道をかつて、名前を出して恐縮ですが、明大でやってきて、六段、七段でいる、まだお若い、一方で電気屋さんをやっている、時間に余裕があるからいいよという人もいるかもしれません。剣道をかつて警察官でやってきて、定年退職したけれども、実力は五段、六段、七段だと、本格的な剣道を知っている、いつでも自分の時間を奉仕してもいいよという人がいれば、その先生を外部指導員として導入するというようなことは必ず必要だろうと思うんです。
 私のこの言をまつまでもなく、既に外部指導員は導入されていると思います。その実態がどうなっているのか。教育委員会としてはその実態をもちろん把握されていると思うのでありますけれども、その実態状況と、さきに申し上げた予算措置はどう行われているのかという点について、細かくご報告をお願い申し上げたい。

○土村体育部長 平成九年度に調査をしておりまして、都立高校の全日制課程におきましては、百八十七校、八九%の学校が運動部に外部指導員を導入しております。外部指導員の総数でございますが、千二百七十六人となっておりまして、一校当たり六・一人となっております。
 予算措置でございますが、各学校の要求に応じまして、予算の範囲内で外部指導員の報償費を措置しているところでございます。さらに、平成十年度より都立高校改革推進計画に位置づけまして、特色ある学校づくりの一環としまして、運動部活動推進重点校の事業を実施しておりまして、現在、五校に対して重点的に外部指導員に対する予算措置を行っているところでございます。

○和田委員 都立高校改革推進計画の中に位置づけて、今私が申し上げている部活動を正式な改革作業の一環に組み入れていらっしゃるということで、大変それは敬意を表する次第であります。現在、五校に対して重点的に、実験的といっていいかもしれませんが、外部指導員制度を導入しているということでありますが、現在というのは、十一年度ですよね。では、十二年度はどういう計画になっていますか。

○土村体育部長 先ほど申し上げましたように、計画的に重点校をふやしているわけでございまして、平成十二年度については、さらに五校を重点校として予算配付、予算措置をしていきたいというふうな計画を持っております。

○和田委員 都立高校改革推進プランを読みますと、将来的には二十五校が到達目標になっていますよね。ですから、その到達目標からすると、十一年度が五校で十二年度が五校、順調に拡張発展している姿勢かなと思うんです。予算不如意というようなことがしばしばいわれますけれども、それほど予算を必要とする事業でもありませんので、このテンポを変えずに、既定の方針、計画どおりぜひ進めていただきたいということを強く要望いたしておきたいと思います。
 武道に返って恐縮なのでありますが、私は、剣道五段、居合い道五段、杖道三段ということで、日々けいこをやっているわけでありますが、やってみて一番苦労するのは、まず構えの問題から、杖の握り方、あるいは刀、これは真剣を使いますけれども、その押さえ方から含めて、初心者ほど一番大事なんですね。これは習い事すべてだと思うのでありますが、まさに我流にはまってしまうと、それを直すのに三年も五年もかかるといわれているんです。したがって、五年待っても師匠を選べというのが武道界の格言にもなっています。やりたいからといって、すぐにその場で師匠を選ぶのじゃなくて、この師匠はどうかな、この師匠はどうかなと思ったら、五年待ってもいい師匠についた方が、その武道の道をきわめんとする者の正道だよということを、我々はよく師匠から教わるわけであります。
 したがって、初心者にとって、その武道、あるいは競技といってもいいんですが、導入段階の初めての接触の仕方が、いうならばその方の武道観なり競技観というもののすべてを支配するといってもおかしくない大事な場面であります。この外部指導員の場合でも、技術を持っていればいいというだけではありません。速く打つ、速く切るだけではなくて、いかに理合にかなった、いかに理屈にかなった打ち方、切り方をするかということまで、しっかり鍛錬を積んできた、その道の方々が見きわめないと、強さだけでもって心のこもらない指導者を我々が学校に招致してしまうということにもなるわけであります。
 我々は、すべてにベストを求めるわけでありませんけれども、少なくとも地域においては、有能な能力や人格を持った方々が多数いるわけでありますから、そういう方々を高校の部活動の中にぜひ招致をして、そして、部活動の中に本格的な武道のよさを、堂々と、正統なものを教えられるような指導員の発掘、養成というものが必要だと思うのでありますが、その体制づくりですね。個々の学校に任せるのじゃなくて、総体としての教育庁が、どのように、二百校ある都立高校の武道を愛好する先生方や生徒にそういう構えを示していくのか、体制づくりの方策についてお伺いいたしたいと思います。

○土村体育部長 生徒の心を育てる上で、武道を初め運動部活動は大きな役割を果たしているものと考えております。都教育委員会といたしましては、高段者等のすぐれた人材を運動部活動の専門的な外部指導員として活用すべく、これは和田委員にもお骨折りいただきまして、剣道モデルケースとして、東京都剣道連盟及び東京都高等学校体育連盟の剣道専門部と連携をいたしまして、導入を促進するための懇談会を設け、検討を進めているところでございます。既に、東京都剣道連盟は派遣可能な指導者バンクを整備しておりまして、各学校への情報提供を行っていただいているところでございます。
 今後は、他の武道を含む運動種目につきましても、専門的な外部指導員を導入するための体制づくりに努めてまいりたいと思います。

○和田委員 今最後に、他の運動種目――私は、たまたま剣道を例に挙げましたし、今、剣道の例について、バンク整備をされているというお答えがありましたけれども、柔道や合気道やサッカー、ラグビー、野球も含め、部活動にふさわしいと思われるものすべてに網の目を広げていくべきだと私は思うんです。
 たまたま、私が剣道をやる都議会議員だからということもあり、在野の方々を広く高校教育の中に吸収してお願いすべきだということで、声が大きかったせいもあって、今ご答弁のとおりのことになっているのかもしれませんが、東京都には、それこそ柔道連盟もありますし、合気道連盟もありますし、サッカー協会だとかラグビー協会、野球連盟もあるわけです。そういう方々のところには、かつて高校時代、大学時代に鳴らした人、あるいは、そういう名選手ではなかったけれども、地域では子どもの指導にしっかり卓越した人、自分は選手じゃなかったけれども、心理をつかむこと、優しくて、慕われて、高校野球の監督を立派に務めていらっしゃる人、いろいろいるわけでありますから、正式な組織であります柔道連盟ですとか合気道連盟とかそういうところにお声かけをして、東京都は将来、こういうふうに外部指導員の充実を図りたいので、柔道連盟さん、もしもよければ、そういう適任の方をこの地域でお願いできませんかというふうに、連盟ときちっとネットワークを張ることによって、在野の有為な指導者を学校教育の現場にお願いすることにもなろうかなと思うわけであります。
 この点については、もう一回、そういう諸連盟なり団体ときちっと連携をとる積極的なご意向があるかどうかだけ、確認をさせていただきたいと思います。

○土村体育部長 現在、高等学校で部活動として、スポーツ部門でございますが、私どもがざっと調べましたところ、三十三種目ぐらいの非常に多岐にわたる運動種目が部活動として行われております。
 今ご指摘のとおり、今後とも、剣道部を一つのモデルケースといたしまして、他の運動部活動の種目につきましても、外部指導員の導入を視野に置いた連携ということについて努力してまいりたいと思います。

○和田委員 平成十二年度緊急雇用対策特別基金事業というのがあります。二億一千六百万の計上になっていると思うのでありますが、これについてお伺いいたします。
 これは、今の部活動とはちょっと違う時点の話なのですが、類似なのでここで触れておきますけれども、都立高校の部活動アドバイザー事業として二億一千六百万予算化されております。この事業は、初めて見る新規事業であり、いわゆる国の緊急雇用対策事業の一環というふうに私は思っているわけでありますが、国の資金の出どころは一カ年しかありませんから、十二年でぷつっと切られてしまいます。しかしながら、積み上げてきた部活動の普及とか啓蒙とかということから見ると、それらの特別基金事業も十分活用、利用すべきだという点で、私は歓迎するわけでありますが、十二年度では、この二億一千六百万という基金事業を、どのように具体的な部活動の中に生かしていこうとされているのか、具体的な中身についてお願いいたしたいと思います。

○土村体育部長 高等学校の中には、先ほどからお話に出ておりますとおり、実技指導のできる適切な指導者がいないということのために、十分な活動ができていない学校も見受けられます。当該部活動に関する深い知識と技能を有する方を部活動アドバイザーとしてお願いいたしまして、部活動の充実を図るというのが事業の目的でございます。
 具体的な内容といたしましては、顧問の教員の技能、知識の向上、あるいは適切な活動計画の策定、練習方法等の活動内容の改善、さらには指導方法の改善等に関して指導助言をお願いするものでございます。
 先ほどお話しのように、本事業の十二年度に予定しております予算は二億一千六百万円でございまして、その内訳は、都立高校の運動部に一億四千七百万円、文化部に四千七百四十万円、盲・聾・養護学校に二千百六十万円としているわけでございます。このうち運動部と文化部につきましては、昨年の十二月に、全校に対しまして、こういった事業の導入の意向調査を行いました、その結果に基づいて配分を決定したものでございます。
 ちなみに、運動部につきましては、百二十四校、三百九十二人の応募がございまして、現在、実施に向けて調整を行っているところでございます。

○和田委員 応募状況は百二十四校。二百六校だと記憶していますから、ですから、都立高校の半分以上に応募があって、三百九十二人の方々が、自分が何らかの貢献をしたいよという形になっているんだろうと思っているわけです。
 こういうことで、当初から申し上げてきた部活動が、少し変則な形でありますけれども、十二年度に限ってはこのような形で盛り上がってくるわけですから、その次に、この十二年度が終わったら、すうっともとに冷え込むのではなくて、この盛り上がりをどのように維持していくのか。予算的な問題は、この時期ですから、この二億一千六百万をそのままキープすることはもちろん不可能だと思いますが、予算とは別に、部活動そのものの重要性なり必要性というものを、この平成十二年度の緊急雇用対策事業が終わった後でも、どれだけ維持できるのか。また、その将来展望とか、あるいは、この事業が切れた後にどういうふうに対応していくのか、今のうちからもう計画があるかとも思うのでありますけれども、それらについて具体的にお聞きいたしたいと思います。

○土村体育部長 部活動アドバイザー事業は、ご指摘のとおり、国の特別基金による平成十二年度限りの単年度事業として計画をしております。本事業終了後は、その実績等の検証を行いまして、成果を今後に生かせるように工夫をしてまいります。
 そのこととあわせまして、先ほども申し上げましたけれども、運動部活動推進重点校の数を計画的にふやしたり、熱意と専門的な指導力を備えた教員の育成を図るなど、各学校における外部指導員を含めました指導体制の工夫などに対して、指導助言をしてまいります。
 運動部活動の将来的な展望と申しますか、こういったものにつきましては、第十七期のスポーツ振興審議会からの答申にもありましたが、運動部活動を取り巻く各学校の実態に応じまして、地域の力を取り入れ、青少年のスポーツ活動の核の一つとして育成していく必要があると考えておりまして、将来的には、こうした取り組みを拡充しつつ、地域と一体となったスポーツクラブを立ち上げるなど、青少年のスポーツ活動の選択の幅を広げていく必要があるものと考えております。

○和田委員 平成十四年から、高校も週休二日になります。そうなってくると、子どもたちの余暇利用というのが、これまた一つの教育課題になってくるだろうと思っているわけです。今ですら、子どもたちのありようというのは、大人の私たちに大変大きな問題提起をしているわけでありますが、高校生の余暇利用、余暇善用という点からも、今のうちから、武道に限りません、あらゆるスポーツ、文化、あるいは体育も含めてですけれども、余暇を善用できるような方向に基礎づくりをしていく必要があるだろうと思っているわけです。
 その意味で、都立高校改革推進計画の中にもありましたが、開かれた都立高校をつくっていくためには、閉鎖的に学校の中で自己完結するのではなくて、常に風通しよくして、在野の武道なりスポーツの指導者に学校に来ていただく。来れば、当然そこで生徒と目が合う、おじぎをする、言葉を交わす。閉鎖的な学校の中の子どもたちの姿勢、外の人が来訪する数が多くなればなるほど、影響を受けて、教師も変わってきます。校長も変わる。あるいは生徒も変わってくる。ということは、在野の方々も、都立高校に対する誤解を解いていく。
 世では、私立高校万歳、都立はもう要らぬなどというような、そういうことをおっしゃる方も中にはいるわけでありますが、それも、多分に誤解がそのようなことをいわせているわけでありまして、知らしめないがゆえに、都立の塀の中は何をやっているんだというふうな誤解がびまんしているように私は思うわけであります。より門を開き、できるだけ多くの関係者が出入りをされることによって、都立高校の今ある誤解というものは氷解していくだろう。
 中島教育長初め皆さん方の日ごろの努力は、私ども高く認めるところでありますだけに、いかに都民に周知をしていくかという点からも、この外部指導員の活用は、ぜひとも外部の血を入れて、内部の血プラス外部の血によってより活性化をしていく、いつの日にか私立を凌駕していく、そういう意気込みで、この部活動の外部指導員の活用を通じて、ぜひ都立高校の隆盛をこの方向でも模索してほしいということを、最後に希望を込めて申し上げて、私の質問を終わります。

○大河原委員 私からは、予算に絡みまして、授業料の問題から質問させていただきます。
 前に委員が何人かご質問になっておりますけれども、まず授業料の考え方、性格といいますか、この点についてもう一度お尋ねしておきます。

○小海学務部長 授業料の性格についてでございますが、学校という施設設備を使う使用料であると同時に、授業という役務を受ける対価としての受益者負担の性格を有するものでございます。

○大河原委員 ご説明を受けて、そうか、受益者負担という形からも、施設を使う使用料だという考え方があるんだということに改めて気づかされるわけですけれども、それでは、この授業料の算定方法はどのようになっているのでしょうか。また、これまでの値上げの経緯についてもお尋ねいたします。

○小海学務部長 教育費負担の考え方につきましては、教育により個人が得る成果及び利益に応じて経費を負担するという個人的利益、これが受益者負担の考え方でございます。それと、教育の成果を、個人のみならず国家社会全体の共有資産として国家社会が負担すべきであるという社会的側面、これは政策として行うことということでございます。その二点からの教育費という考え方があります。
 授業料の額につきましては、これらの原則を総合的に判断して決定されるわけですが、実際には、他の道府県との均衡、公私格差の是正、他の都立学校との整合性を図りつつ、受益者負担の適正化の見地から、自治省が示すナショナルミニマムとしての地方交付税算定基準を限度に額の決定を行ったところでございます。
 また、これまでの授業料の値上げの経緯についてのお尋ねでございますが、これまで、都立高校の授業料の改定につきましては、先ほど申し上げました地方交付税算定基準を限度として徴収してきているところから、基準の改定に基づいた改定を行っております。その改定時期につきましては、ほぼ地方交付税算定基準改定と同じ年、または一年おくれで実施をしております。具体的には、平成元年度の交付税改定時には、都立高校の改定は平成二年度に一年おくれで行い、また平成四年度の地方交付税改定時は、同年度での改定でございました。そして平成七年度の地方交付税改定時は、平成八年度の一年おくれで実施をしてきたところでございます。

○大河原委員 公立学校の授業料というのは、本当に私立の授業料とは違って――私立でしたら、その学校それぞれに財政計画があり、長期的な中から授業料の値上げの必要性が出てきて、値上げを、学生、保護者に提示するという形なんですが、逆にいったら、都立の授業料の値上げは、教育委員会から、みずから大幅な値上げという提案はできないということだと思うんですが、これは通告もしておりませんけれども、その点確認させていただきます。地方交付税算定ということで、これまでの経緯、値上げをしてきておりますけれども、逆にいったら、地方との均衡を図るという意味では、独自の大幅な値上げはできないということですよね。どうでしょうか。

○小海学務部長 これまでの考え方では、地方交付税の算定基準を限度として行っておりました。ただ、昨年、大阪府では、この限度額を超えた授業料の改定を出して、否決をされております。

○大河原委員 そういった議論になったときに議会の役割が大きくなってくると思いますけれども、それでは、授業料に対する都民の受けとめ方というのはどうだったのでしょうか。これまで、都立高校に対するアンケート、先ほども直接のものはないようなことを伺いましたが、どういうふうに出てきているでしょうか。

○小海学務部長 直接、都立高校に対するアンケートではないんですけれども、平成十一年三月の都教委の、父母が負担する教育費調査によりますと、公立高校を父母が選択する理由で挙げられているのは、本人の希望が五〇%でございまして、次に、費用が安いということが三七%で、多い理由というふうになっております。

○大河原委員 私のところも、実は都立に二人行っておりまして、ことしからは一人なんですけれども、これが私立で二人行っていたら、本当に家庭の財政は破綻するなというふうに思いますけれども、実際には、リストラに遭われて収入が本当に少なくなる、あるいは大変厳しい家庭環境にあるという方がおられると思います。減免制度についての内容と、その実態についてお尋ねいたします。

○小海学務部長 授業料の減免制度につきましては、従来の授業料の納付困難な生徒の就学を援助するため実施してきた制度でございまして、生活保護受給世帯及び同程度の世帯に該当する者を対象とする免除制度と、生活保護認定額の一・〇倍を超え一・二倍までの世帯に該当する者を対象として授業料の二分の一の減額を行う減額制度の二種類を設けているところでございます。
 また、その実態についてでございますが、平成十年度決算で申し上げますと、全日制高等学校の授業料の免除者数は五千二十人でございまして、全生徒の三・四八%に当たり、同じく減額者数は八百八十人で、全生徒の〇・六一%となります。

○大河原委員 減免ということで免除、減額というふうにあるわけなんですが、もう一つ、奨学金というものも利用できると思いますが、奨学金の拡充の経緯、そして現在の利用の実態についてはどうなっているでしょうか。

○小海学務部長 奨学制度につきましては、教育の機会均等などの趣旨に基づきまして、経済的な理由のため就学困難な人に学費を貸与して、国や社会の健全な発展に尽くす人材を育成することを目的としまして、都費によります東京都育英資金と、国費による日本育英会奨学金がございます。また、日本育英会では、昨年度より実施した緊急採用制度がございます。これは、保護者の死亡等、リストラによる職を失った者、また、昨年より収入が少なくなった者などが含まれております。現在、出願した方はほぼ採用されております。
 奨学金を利用している公立生徒の数は、東京都育英資金では約三百七十名でございまして、日本育英会では約千七百名在籍している状況でございます。

○大河原委員 公的な立場から教育が行われるときには、やはり受益者負担というのは最低限の安いもので抑えていきたいというのは、だれしも思うことだと思います。そして、同時に、自分で賄っていけるような額であってほしいと。大学などは、日本は私立が多くて、とても高額で、親が払うのが当たり前みたいな風潮がありますけれども、奨学金という制度がやはり外国では発達をしていて、高等教育についても、自分が働きながら、あるいは少しおくらせて、働いてからまた学校に戻るというようなことも可能にしていけるような、そういう学費の設定が望まれると思います。
 それで、これはちょっと違った角度からになるんですが、都立学校の学費の納入の実態の中で、滞納という場面も出てきていると思うんですけれども、滞納者の実態と、滞納分をどのように徴収をしていくのか、その点についてはどのようになっているでしょうか。

○小海学務部長 滞納者の実態につきましては、全日制高等学校の平成十年度決算で申し上げますと、五千五百三十四件で、額で申し上げますと約五千五百六十万円となります。
 また、徴収努力についてのお尋ねですが、平成九年度決算は六千六百九十八件で、約七千百二十万円となっております。平成十年度決算と比較しますと、件数は千百六十四件、額で約千五百六十万円減少してきております。
 これにつきましては、各学校におきます徴収努力とともに、都教育委員会との綿密な連携を行ってきたところでございまして、今後も引き続き徴収に努めてまいりますとともに、真に経済的に困窮する世帯については、減免制度や奨学金制度等の紹介を図ってまいりたいと考えております。

○大河原委員 滞納者がいて、それが追い切れないということもあると思うんです。滞納整理というんでしょうか、徴収をしていくのは各学校に任されて、それぞれがおやりになるということなので、大変難しく、移動もあったりして、追っていけない部分が多いと思うんですね。しかし、年額十万をちょっと超えるような額、少し働けるようになったときに本人が返したいというふうに思う、そういう子どもたちが育ってほしいと私は思っています。
 今回、値上げの提案がされていて、三千六百円という値上げ幅がありますけれども、これを月割りにしてみたときに、今、子どもを幼稚園へやっている方たちと、それには補助がついていますけれども、保護者の負担を考えれば、ほぼ一万円という額は、同じような負担なんだなということがよくわかりました。ぜひこの滞納のことも視野に入れながら、この学費の問題、授業料の問題は、もう少し丁寧な説明を都民にしていただきたいというふうに思います。
 次に、人事考課について少しお尋ねいたします。
 現行の教育職員に対する勤務評価の問題、なかなか学校の情報というのは都民の知るところとなりません。学校は、専門家である教育委員会と、そこで働いている先生方に任されている。市民にとってみれば、学校の塀はとても高いというのが現実なんですね。まして、お給料に関する労使関係のことといいますと、とても手の届く、見聞きができるような立場になかなかないと思うんですけれども、今回新しく提案されていることもあり、現行での教育職員の勤務評価については、だれが行い、その結果はお給料に反映しているのかどうか、人事考課制度が導入されると、それがどのように変わっていくのか、お答えいただけますでしょうか。

○上條人事部長 現行の勤務評定は、給与等に反映させない取り扱いとなっておりますけれども、特別昇給、これは、特に勤務成績が良好な者に対しまして昇給期間を短縮する制度でございますけれども、特別昇給に当たりましては、勤務評定とは別に、教育職員の過去一年間の勤務実績を校長が評価し、そのうち勤務実績が特に良好である者を教育委員会に推薦しております。
 人事考課制度が導入されますと、まず教頭が第一次評価を行い、その上で校長が第二次評価を行います。つまり複数の目で評価することになります。また、人事考課制度を導入いたしますと、自己申告を行い、本人の意見を踏まえて評価を行う、授業観察等を行う、多面的な評価基準をつくり公表するなどによりまして、現行よりも、評価の公平性、客観性を高めることができるというふうに考えております。したがいまして、人事考課制度導入後は、特別昇給の決定は、より公平で納得性の高いものになるというふうに考えております。

○大河原委員 そうしますと、処遇に関する苦情といいますか、そういった不満について、どういう現状の処理が行われているんでしょうか。

○上條人事部長 先ほどご説明申し上げましたように、特別昇給というのは、勤務実績が特に良好である場合に措置されるものでございまして、措置されなかったからといって不利益な処分を受けているわけではございませんので、東京都教育委員会では、現行では苦情処理の制度は設けておりません。
 なお、職員は、懲戒その他、その意に反して不利益な処分を受けた場合には、人事委員会に対して行政不服審査法による不服申し立てをすることができることになっております。

○大河原委員 特別昇給制度というのはプラス評価ですよね。ですから、先生方のそういう意欲を評価するということでは、大変に意味があるのだというふうにはお見受けいたしますけれども、世の中では本当にその人の勤務評価というのは日常的に企業の中で行われていますから、学校にもそういうものが導入されるというふうに聞いたときに、そんなに危機感というか、えっ、どうなってしまうの、子どもにすごく影響があるんじゃないのって、すぐに想像をする方と、そうじゃない方、むしろ、あっ、先生もやっといろんな評価がされる時代になったのねという受け取り方もあると思うんです。
 それで、教職員が抱えている課題というのに目を向けたときに、それぞれ小学校、中学校、高校、養護学校、そういったところで課題がそれぞれ違うんだ、それに対して先生方がいろいろ努力なさっているわけなんですけれども、今回の人事考課の仕組みをまだまだ十分に理解しておりませんので、そういう校種によって先生が抱える、あるいは学校が抱えている課題が違う中で、この人事考課制度の導入が行われる――教師一人一人のレベルアップでしょうか、それには役立つかもしれないけれども、実際に今課題になっている学校の子どもたちの満足度を上げること、学校の教育状況をよくすること、そのことにこれが役に立つのかどうか、そのことをすごく疑問に思っている人が多いと思いますし、私も同時に思いました。
 その点については、校種ごとの問題解決についてはどのようなお考えをお持ちなんでしょうか。

○上條人事部長 ご指摘のように、校種によって直面している課題はさまざまでございます。このため、人事考課制度では、評価を行うに当たっての着眼点を校種ごとに別々に示しまして、校種ごとの課題解決に向けての努力が正当に評価されるような仕組みにしてございます。

○大河原委員 この報告書を見ても、確かに校種ごとの視点というのは別々に書いてありますけれども、いかにも先生仕事というか、教育分野でのやり方だなと、きめ細かいのはいいんだけれども、肝心なところは抜けやしないかという危惧をまだ持ちます。
 本来のこの人事考課制度の導入の目的を、もう一度伺わせてください。

○上條人事部長 現在、学校では、いじめや不登校、それからいわゆる学級崩壊、中途退学などの増加など、さまざまな課題に直面しております。また、開かれた学校づくりなど、二十一世紀に向けて教育改革を推進していかなければならないというふうに考えておりまして、人事考課制度は、こうした課題に対応するため、児童生徒の教育に直接携わる教育職員の資質能力の向上と学校組織の活性化を図ることを目的に導入することとしたものでございます。

○大河原委員 教育職員の資質能力の向上と学校組織の活性化ということなんですけれども、それでは、これまでの教育職員の能力開発プログラムといいますか、そういうものもあったと思うんですけれども、それはどんなものだったんでしょうか。

○斎藤指導部長 都教育委員会では、これまで、指定研修、一般研修、校内研修、自主研修など、教員のライフステージに応じた研修体系を定め、教員研修の充実を図ってまいりました。しかし、必ずしも個々の教員の育成課題を明確にした研修システムにはなっていなかったところがございます。これからは、教員のライフステージに応じた教員研修体系を整備充実させるとともに、自己申告や教員の業績評価に基づく研修等を通じて、教員の資質能力の向上を図ってまいります。

○大河原委員 この人事考課制度を導入すると、先生方が校長先生から評価を受ける。教頭先生の目もある。そうすると、自分のクラスの運営に大変気を使うというふうに想像されるわけなんですね。ただでさえも、保護者会でクラスの状況のお話を伺うときに、ほかのクラスとの比較になったりします。それで、やはり自分の受け持ちのクラスの管理というのに拍車がかかるといいますか、競争になってしまうのじゃないか。その点については、子どもに影響が出るというふうに保護者が大変危惧をしている、まさにその点だというふうに思うんです。そういうふうにならないという、そういう保障がこの制度にあるんでしょうか。

○上條人事部長 業績評価は、一人一人の教育職員が、担当する職務にどのように取り組み、他の職員と連携協力しながら、学校全体として目指している課題の解決に向けてどれだけ貢献したかというものを評価するものでございます。単に成果を見るのではなく、結果に至る過程において、児童生徒の実態を理解し、どのように努力したかも十分に評価することとしております。児童生徒に目を向けないような教員が評価される仕組みにはなっておりませんし、もちろん教育職員間の協力体制も崩すものではないというふうに考えております。

○大河原委員 特に小学校の学級崩壊問題などは、先生のチームワークが一番要求されて解決に向けて動かなければならない、そういう問題だというふうに認識しております。その点でも、この人事考課制度がそういうところの足を引っ張らないように、本当に先生方お一人お一人のエンパワーメントになる、そういう制度であってほしいわけなんで、より大勢の方に丁寧に説明をし、理解をしていただかないといけないというふうに思います。
 それで、十二月の検討委員会報告で今後の検討課題とされていました、評価結果の本人開示、そして苦情処理の仕組み、二点目には、子どもや保護者の意見の評価における位置づけ、これがペンディングになっていたわけです。現在の検討状況はどのようになっているんでしょうか。

○上條人事部長 ご指摘のように検討委員会では、残された実施上の課題につきまして、本年一月以降、検討を進めてまいりまして、本年三月までに検討結果をまとめることにしております。
 ただいまご指摘の、まず評価結果の本人開示についてでございますけれども、検討委員会の中では、制度導入と同時に開示する考え方と、制度の成熟を待って開示するという考え方の両方の意見がございます。最終的な結論は今のところ出てございませんけれども、制度の周知など、本人開示のための条件整備を今後二、三年のうちに精力的に行って、理解度を高め、その後できるだけ早い時期に開示してはどうかという意見が有力な意見になっております。
 また、苦情処理の仕組みにつきましては、本人開示に合わせて、教育委員会の内部に相談機関を設ける方向で検討がなされております。
 また、児童生徒、保護者の意見につきましては、評価の客観性、公平性を確保するために、評価に直接連動させることはしないが、校長は、さまざまな機会をとらえて、児童生徒、保護者の意見を把握し、授業や学校経営等の改善に向けて活用するよう、教育職員に対し指導助言を行うという考え方でございます。

○大河原委員 この人事考課制度の中では、それぞれの先生が、学校の経営方針、教育目標とか、そういったものに合わせて自分の目標をお立てになるわけなんですけれども、学校経営方針、また学校教育目標というのは、名前としては、単語としては聞くわけなんですけれども、うちの学校はこういうふうになっておりますというのは、なかなか新学期でも余り伺う機会はないかなというふうに思います。
 学校経営方針、学校教育目標というのは、どなたがおつくりになるんでしょうか。

○上條人事部長 学校経営方針は、学校の教育目標を達成するため、校長が学校を経営するに当たっての具体的方針を示したものでございまして、所属職員の建設的な考え方や意見をよく聞いた上で、校長の権限と責任のもとで策定するものでございます。
 また、学校の教育目標は、学校として目指す児童生徒の理想とする姿を示したものでございまして、毎年変更するものではございません。仮に、教育目標を新たに定めたり、見直したりする場合、校長は学校の教育課題を正しくとらえ、それに応じた具体的な強調点や留意点を明らかにし、児童生徒や地域の実態を踏まえるとともに、教職員の考え方や保護者の願い等を聞き取るなどして決定してまいります。

○大河原委員 確かに学校目標というのは、学校に行けば、ある学校では紙に書いて壁に張ってあったりですね、学校の名前にそろえて、標語のように、子どもたちにもわかりやすく書いてあったりします。それが長年――毎年変えるようなものじゃないというのは理解できるところなんですが、子どもたちの環境というのは本当に変化が激しいわけですね。それを、より広い大きな目標を達成するために、経営方針という形で具体性を持たせた計画をお立てになる、現場の職員の方々から意見をお聞きになったり、PTAの方との懇談の中からもそれをおとりになるんだと思うんですけれども、東京都が試行を始めた学校運営連絡協議会、これは、そういう経営方針をつくる面でも、また教育目標を確認する、そういう面でも大変大きな役割を果たすのじゃないかと私は期待をしているところなんです。
 この試行の報告がまだ出ていないというふうに伺っておりますが、これまでの状況と課題についてお尋ねいたします。

○斎藤指導部長 学校運営連絡協議会の試行につきましては、今年度、都立高校二十八校、都立盲・聾・養護学校十二校、合計四十校において行っております。この試行では、保護者、地域の有識者、関係機関の方々から、外部の人たちと生徒との触れ合いの機会を積極的に設けて学校開放を進めてほしいなどの有益な助言をいただいております。
 また、学校運営連絡協議会は、保護者、地域住民、生徒を対象にアンケートを実施し、その結果に基づく学校評価を校長に提言しております。
 今後、全校実施に向けて、学校の教育活動に関する情報を学校外に積極的に提供することや、学校運営連絡協議会の提言を各学校の学校運営に生かしていくことなどが重要な課題であると考えております。

○大河原委員 いじめ、不登校、それから中途退学とか、さまざまな教育の課題解決を図るために、教職員の資質能力の向上と、その学校組織の活性化というのが課題だというふうになっているわけですけれども、片方で、先生の能力を高めるための人事考課というふうになっています。今ご報告のあった学校運営連絡協議会、そういったところでは、外部との接触、外部からの学校の評価を受けとめる、校長先生、そして一般の教員の方たち、学校が一体となって地域へ学校を開いていくというチームワークが要請されたり、あるいは、この学校運営連絡協議会の実施に当たっても、学校評価をどういうふうな形でするか。
 ちょっとお尋ねしましたら、大阪府の教育委員会が始めた学校自己評価アンケートというんでしょうか、そんなものも少し事例としてご紹介になったようなことを伺っておりますけれども、保護者、子ども、教師、校長先生、それぞれの立場から学校への評価が違っているというふうに思うんですね。先生が一生懸命やられたことを、実は子どもたちはそんなに受けとめられない。で、先生が大して力を入れてなかったけれども、それが子どもにとってはとてもうれしいことだったりします。それから、これは親にとってもそうなんですけれども、学校の状況と自分の子どもの状況を合わせて、三者、四者の評価のずれは出てくる。それを出し合って学校を見直していく。その中で、子どもも、それから、学校のことにはなかなか意見がいえないのよねというふうにあきらめていた地域の大人も、少しずつ学校は自分たちのものだという信頼と確信を持って、状況を改善する方向で動き出すんじゃないかというふうに思うんです。
 この学校運営連絡協議会は、校長先生が委員を選任なさって、そして開催をなさるわけなんですけれども、地域の特別な事情とか、地域の特色といいますか、その事情を含めながら、実際にその学校は、教育目標を毎年変えないけれども、本当は毎年課題が少しずつ変化している、そういったこともあわせて、学校を評価する正しい目、総体的な目、そういうものをしっかりと持つことが大事じゃないかというふうに思います。
 人事考課と同時に、この学校組織の活性化というのも目指されるわけなんですけれども、私はむしろこちらを少し早く優先してやった方が、先生方のエンパワーメントにもなるんじゃないか、少しずつ自信をつけられるんじゃないかなと。ペンディングになっております本人開示の問題も、本人開示があると、しかし、それがいつになるのかわからない、中途半端な状況の中でスタートする。それを教育委員会が決断なさることについては、私はやはり大きな疑問を感じております。
 学校関連の情報公開ということで、ぜひご検討いただき、それから、この学校運営連絡協議会の中身についても、せっかく男女平等参画基本条例ができますけれども、人権の問題の視点から、この円滑な運営を図っていただきたいというふうに思います。
 引き続いて、子どもの人権教育の方に移らせていただきますけれども、今ちょっと申し上げました男女共同参画社会基本法が昨年国で通りまして、いよいよ私たちのこの東京でも、この議会で男女平等参画基本条例を制定しようとしております。東京都のこの条例のタイトルに組み込まれました平等という中身には――まだまだそれが実現されていない、だから、その意味を込めて、この平等参画という文字になっています。
 男女平等というのは、学校の教育現場で本当に早くから子どもたちに対しても進められてきました。そして、職場としての教育という場も、男女、男の先生も女の先生もお給料は一緒という意味では、まさにパイオニアだというふうに思います。
 学校は教育活動を通して、それから、子どもたちが家に帰った中でも、お父さんやお母さんとの生活の中でも、そうした男女が対等な社会の構成員として活動する、そういうことを学ぶ場だというふうに私は思っているわけなんですが、これまで東京都が進めてきた男女平等教育、この実践、具体例について少しお話をいただきたいと思います。

○斎藤指導部長 都教育委員会は、男女平等観に立った人間形成のために、男女平等教育を推進してまいりました。具体的実践としましては、都及び区市教育委員会の指導主事から成る男女平等教育推進委員会を設置しまして、都の実態に即した男女平等教育を推進するため、各区市における取り組みの情報交換、あるいは実践的な研究を行いまして、資料としてまとめるなど、男女平等教育の充実を図ってまいりました。
 さらに、男女平等教育推進校を平成元年より毎年六校設置することにより、全都の学校における男女平等教育の推進に役立て、教育課程の位置づけや授業における実践等を進めてまいりました。

○大河原委員 今回の議会で条例が制定された場合、この東京都教育委員会が進めてきた男女平等教育は、やはり一歩進んだ取り組みを積極的にするチャンスというふうに思うわけなんですけれども、都教委として施策の具体的な検討に当然入るべきだというふうに思います。行動計画を立てていくのは少し先になっていきますけれども、どのような視点で施策が改善され、推進されていくんでしょうか。その点についてお答えください。

○斎藤指導部長 今後は、男女平等教育推進委員会の成果、あるいは男女平等教育推進校の推進上の課題及び研究実践の成果などを新たな視点からまとめ、都立学校や区市町村教育委員会に対する普及啓発を充実してまいります。

○大河原委員 これまでも行われてきた男女平等教育ですけれども、この推進のために学校が果たす役割というのは大変大きいと思います。教員の意識を啓発することが大切だとも思いますけれども、これはもう既に教員研修で具体的に取り組まれてきたことと思います。今後この取り組みを一歩進めてといいますか、この条例の趣旨に沿う一歩進んだやり方があるというふうに思うんですが、その点についてはどうでしょうか。

○斎藤指導部長 これまで、研修関係におきましては、現職研修Ⅰ部あるいは管理職研修等におきまして、いじめ、体罰、セクシュアルハラスメントなどに関する研修として扱いまして、この中で、テキストに男女平等教育の推進を取り上げることなどをしてまいりました。今後とも、さまざまな研修の中で、新たな視点から男女平等教育の推進に関する内容を取り上げて、教員等の意識の向上を図ってまいりたいと思います。

○大河原委員 これまで学校の中で、そしてまた先生方の研修の中でもさまざまな取り組みを行っていらしたというふうに理解いたしました。しかし、この条例が今回東京で制定される意味は、やはり依然として、一方の性に偏った影響を及ぼす慣習やら制度やらが存在しているということです。この男女平等社会を実現するに当たって、学校教育ばかりではなくて、その地域の人たち、大人に出会いながら子どもたちは成長していくわけですから、そういう地域の大人の方たち、価値観も、それぞれの育ちのバックグラウンドから固まってきている大人の方たちがおられますけれども、そういう方たちと出会う場も、やはり学校というところになってくるんじゃないでしょうか。
 先ほどから出てきました学校運営連絡協議会の運営をしながらでも、そういう価値観のぶつかり合いだの、意識の交流なんかがあるんじゃないかというふうに思います。条例制定の趣旨を踏まえて、地域や保護者に対しても、それぞれの関係部署から、男女平等参画社会の実現に向けた啓発活動をお願いしたいと思います。そして、それが本当に大きな今後の課題であるということを述べさせていただいて、質問を終わらせていただきます。

○桜井委員 初めにお断りしておきますけれども、もう既に大勢の委員の方から質問が出ております、答弁も出ておりますので、重複を避けますので、質問することは結論的には同じなんでございますけれども、違う見方から質問させていただきます。
 まず、今回廃止をしようとしている勤務評定規則、これはいつごろでき上がったものなんですか。

○上條人事部長 現行の勤務評定制度は、昭和三十四年から実施されております。しかし、評価結果につきましては、人事異動や給与等に反映させない取り扱いとなっておりまして、実施はしておりますけれども、実質的には処遇等に反映させないという取り扱いをしております。

○桜井委員 そういうことも確かにあったんだと思うんですよね。しかし、そればかりじゃないんじゃないですかね。つまり、機能しておらなかったというか、機能させることができなかったということでずっと今日まで来た、そういう部分があったんじゃないですかね。いかがですか。

○上條人事部長 現行の勤務評定制度は、職員団体等との取り決めもございまして、先ほど申し上げましたような人事異動や給与等に反映させない取り扱いという具合になっておりますし、また、評価につきましても、自己申告や自己評価の制度がない、あるいは評価者が校長一人であり、客観性を保つことが難しいというふうな問題点を有しております。

○桜井委員 結局、勤務評定規則では、学校の先生方の資質の改善というと失礼かもしれませんが、ここに書いてありますから、意識の改革とか、そういった資質能力の向上ですか、そういったことをするには勤務評定規則では無理だ、新しい制度をつくらなきゃならない、こういう観点に立って人事考課制度というものを考え出してきた、このように思うわけであります。この点はいかがですかね。

○上條人事部長 ただいま委員ご指摘のとおり、学校教育をめぐるさまざまな課題を解決し、教育改革に取り組んでいくためには、学校組織の活性化を図るとともに、教育職員のより一層の意識改革や資質能力の向上が不可欠であるというふうに考えております。このため、これまでの勤務評定制度を廃止し、新しい人事考課制度を制定して、能力と業績に応じた人事管理を通して、教員一人一人の特性や経験に即した人材育成を進めていくこととしたものでございます。

○桜井委員 これは、きょう出た文教委員会の資料ですけれども、私が要求したものではございませんが、同じようなものを前回か前々回か私も要求したことがありますが、現在の小中高の学校の先生の年齢構成、この表に出ておりますけれども、これで見ていきますと、もうしばらくの間は若い先生を――総定員数の枠というか、限りあるものですから、どうしたって若い先生をたくさん採りたくたって採ることができないというところもあるわけですよね。したがいまして、現状のままで、恐らくあと十年間ぐらいは推移していかざるを得ない。現状のままというと極端かもしれませんが、ほとんど現状に近い状態のまま、あと十年間近くは推移していかざるを得ない、そういったことをこの表が物語っていると思うんであります。
 そういうことを申し上げるのはなぜかといいますと、現在の学校の中もそうでありますけれども、これから先の学校の将来ということを考えた場合において、学校を出て先生になりたいと教育に情熱を燃やしている若い者たち、学校へ行って子どもたちを一生懸命勉強させたい、教えたいと、そういう情熱を燃やしている者たちに魅力ある職場か、こういうことになりますと、そうではない、そういったようなところがあるんじゃないかなと、このように思いまして、こういう制度を改革することによって、学校という、これも一つの職場ですよね、これが魅力ある職場になるために一つの効果があるんじゃないか、このように思います。
 次に、もう既に質問が終わっておりますけれども、今、再質問というか、重複になるかもしれませんが、教職員の評価結果、本人に対して開示するかしないかという点について、確かにペンディングになっていることは事実でありますけれども、何でこの部分だけ先送りになっているのか。それからまた、この部分は残しておいても人事考課制度を四月から導入しなければならないというのか、そこのところはどうなんですかね。

○上條人事部長 先ほど来申し上げておりますように、人事考課制度につきましては、昨年の七月以来、検討会を設けて検討を進めてまいりました。その結果を踏まえまして、昨年の十二月に教育委員会で規則を制定したところでございます。しかし、本人開示の問題、あるいは苦情処理の問題、それから評価結果の活用の問題等、実施上の課題につきましては引き続き検討するということにしております。現在検討を進めておりまして、本年三月までに検討結果をまとめるということにしております。
 実施上の課題につきましては、例えば本人開示の問題で見ますと、仮に開示するとしても、実際に開示の問題が生ずるのは、業績評価が終わった来年の三月以降ということになりますので、本年三月までに結論を出しても十分間に合うというふうに認識しております。

○桜井委員 評価の中身というか、評価結果ですかね、それと評価されている相手、この場合は学校の先生ということになるわけでありますけれども、その差が恐らく余りにもあり過ぎるんじゃないかなと。制度が成熟するのを待つということは、相当の年数がたっていかなければならない、恐らくそういう感じがしているんじゃないかと思うんですよ。
 例えば、教育観とか、あるいは長年にわたる慣行とか、あるいは惰性とか、あるいは、学校というのはどちらかといえば、どうしてもやむを得ず閉鎖社会になっておりますから、その閉鎖社会と一般社会との乖離ですな、そういったものが今度の人事考課制度による評価によって出てきた場合、差が余りにもあり過ぎちゃってどうにもならぬ、だからしばらく待つんだと、そういう面はないんですかね。

○上條人事部長 評価につきましては、全校長、教頭を対象にいたしまして、既に自己申告についての評価者訓練を実施しておりますし、これからも、業績評価を中心にした評価者訓練を徹底して行ってまいります。また、客観的な評価基準を策定いたしまして、それも示してございます。したがいまして、実際に評価を行うに当たって、それは個人差がありますので、多少の評価のぶれというのはあるかもしれませんけれども、基本的に大きな差はないと、明らかにおかしいというような評価はないというふうに考えております。

○桜井委員 次に伺いますけれども、先ほど石川先生とか和田先生も発言しておったことに若干絡むんですけれども、入学金を取る、あるいはまた学校経営をもっとよくするんだ、そういったことであります。
 入学金を取ることについて、とやかくこの場でいうつもりはないんですけれども、片方においては、現在の学校の状態は、人事考課制度を導入しなければならないような状態なんですよと、皆さん方はそういうことをいっているわけでしょう。にもかかわらず片方において、入学料を今までは取らなかったのを取るようにしますよと。学校の価値が上がったからいただきますというならわかりますけれども、そこのところはどうなんですかね。余りにも市場原理を導入じゃないんですけれども、そこらあたりのところはちょっとおかしいんじゃないですかね。
 私は、これに対しては答弁は求めません。それは答弁できないでしょうから、求めませんけれども、(笑声)そういうところがあるんですよ。ですから、もうちょっときちっとした説明というものを、きょうじゃなくていいですよ、別にこの委員会じゃなくてもいいです、もっと違うところでもいいですから、きっちりとね。いや、私に出さなくたっていいですよ。全都民に向けて、そこらあたりも、うんとうなずけるような、そういう説明をする必要が絶対あると思うんですね。
 それからもう一つ、先ほどいったとおり、確かに学校の経営方針、学校の経営目標というものは、これは大河原先生が質問しておりましたけれども、校長にあるんだと、校長が決めるんだということですよね。それは確かにそうなんですけれども、それのもっと前というかな、根源的なものとして、何で東京都は都立の高等学校というものをずっと今まで経営してきたのか、またこれからも経営していこうとしているのか、そこらあたりのところのきちんとしたレジュメというか、そういったものがなければ、校長だって自分の経営方針というのを立てようがないんじゃないですかね。そこらあたりのところがちゃんとあるんだと――あると思うんですよね。そこらあたりのところは答弁できますかね。いかがですか。ひとつお願いします。

○小海学務部長 都立高校設置の目的でございます。都民の子弟に高等学校、後期中等教育を受けさせるために、東京の場合には私学と都立が半分半分ございますが、できる限り低料金で高等学校教育を受けさせたいということで、いわゆる都民の子弟を受け入れるという目的で設置をしてございます。

○桜井委員 これは後ほどまたいいご答弁をいただけるようにお願いを申し上げておきます。いや、これは私がいっているんじゃなくて、現場の校長先生が――現場の校長先生と僕らは、現場といっても地元ですけれどもね、何人か当然ながらしょっちゅう行き来していますから、話すわけですよ。すると、どうしたって出てくるわけですね。といって、てんでんばらばらに勝手なことをやっちゃうわけにもいかないわけでしょうから、ある程度の、マニュアルという言葉は、こういう場合はふさわしくないと思うんでありますけれども、ある程度の基本原則というか、基本原理というものがきちっとあって、それにのっとって校長先生はつくるべきなんでしょう。そこらあたりのところをきちっと決める必要があると思うんですよね。
 ところが、そこらあたりのところについては、ただ単に私立よりも授業料を安くするとかなんとかということじゃないと思うんですね。国家有為の人材をつくるとか、あるいはまた社会のために役に立つ志を持った人間をつくるとか、そういったようなことがあるんじゃないですか。私はそう思うんですよね。その点については、また答弁はいいですけれども、(笑声)一応要望はしておきますよ。だって、これからこれを実施していこうとするわけですから。
 それから、最後といいますか、あと二つありますけれども、一つは、これは知事もご自分の出身高等学校を例にとってお話をしておりましたね。自分の何とかという学校は、かつてはよかったけれども、今はだめになっちゃったということをいっておりましたね、どこでいったか忘れちゃいましたけど。これは、私もかつてこの委員会で申し上げたんですけれども、都立高校の復権ですよね。都立高校を再生しなければならない、復権しなければならないということのために、皆様方は今、一生懸命に汗水たらして、本当に血の出るような努力をされているんじゃないんですか。そういったことが根底にあると思うんですよ。
 ですから、どうして都立高校がこのように、全部とはいいませんけれども、一般的に見た場合において、私立と比べてレベルダウンしちゃっているというふうに評価されちゃっていますよね。これについて、どうしたのかということでもって、その一環として人事考課制度というものが出てきたと思うのでありますけれども、この点についてはいかがですかね。どうですか、この問題は。

○上條人事部長 ただいま桜井委員がご指摘のように、都立高校はさまざまな課題を抱えております。世間でいわれるように、かつての都立高校ではないというような意見もございますし、入ってくる生徒もいろいろ課題を有しております。こうした課題を踏まえまして、いろいろその再生の方策というのはあろうかと思いますけれども、非常に重要な柱の一つとして、教職員の資質能力の向上があるというふうに私ども考えております。
 今回導入する人事考課制度は、先ほども申し上げましたように、教職員が一丸となってその学校経営に当たれるよう、教職員の資質能力を向上し、それから、学校組織の活性化を図るという目的で導入するものでございまして、これがきちっと導入された暁には、都立高校の再生の一歩につながっていくのではないかというふうに考えております。

○桜井委員 人事考課制度を導入しただけじゃないと思いますけどね。でも、これも非常に大切な、再生のための最も重要な柱の一つと、このように位置づけるべきだと私は思うわけでございます。したがって、これを定着させるというか、確実に定着させる、そういうふうにするためには、東京都の教育委員会は今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、その点について質問します。

○上條人事部長 先ほど申し上げましたような目的を達成するために、今回導入する人事考課制度というのは、着実に定着させていく必要があるというふうに考えております。そのための取り組みといたしまして、昨年十二月に規則制定がされましたけれども、規則制定からこれまでの間、一月から二月にかけましては、全校長、教頭を対象にいたしまして、自己申告を中心とした評価者訓練を行い、また三月に入りましては、人事考課制度の目的や内容についてわかりやすく説明をしたパンフレットを作成し、全教職員、それからPTA役員等に配布するなど、制度の周知に努めてきたところでございます。
 これからも、自己申告実施要領を全教職員に配布し、校長から教職員に自己申告の具体的内容を説明するなど、制度の周知徹底を図っていくとともに、全校長、教頭を対象に、業績評価を中心にした評価者訓練を行いまして、評価能力の向上を図っていくつもりでございます。

○桜井委員 終わります。

○西田委員 私は、まず、日の丸・君が代の問題について行いたいと思います。
 卒業式、入学式におきましての日の丸・君が代の扱いに関連して質問させていただくわけですが、三月に入りまして、今、もう高等学校、都立学校は終わったわけですけれども、卒業式のシーズンになっているわけであります。ことしの卒業式は、例年にも増して大きな注目が集まっていることはご承知のとおりであります。
 国民には押しつけない、尊重義務規定は持たないという国旗・国歌法ですが、その後、国会での政府の言明に反して押しつけが強まってきているというのが現状ではないでしょうか。子どもたちの門出となる卒業式が異常な緊張感のもとで開かれている、こうしたことは、明るく楽しい自由な場であるはずの学校教育の現場に本当にふさわしくない、このように私は思うわけであります。
 この問題はマスコミでも取り上げられまして、例えば三月一日付の朝日新聞では「国旗国歌 だれのための卒業式か」という表題の社説を出しました。卒業式は一体だれのものなのかという児童の質問を聞いて、昨年の国旗・国歌法成立以降の文部省や一部教育委員会による国旗掲揚、国歌斉唱の指導の徹底について危惧を表明しているわけであります。
 東京都教育委員会も、昨年来、卒業式、入学式での日の丸・君が代の扱いにつきまして、生徒を含む参列者に一斉起立、礼、あるいは斉唱をするよう繰り返し指導をしてきたことは周知のとおりであります。このように、卒業式の国旗・国歌の扱いについて、一斉起立や斉唱を求めれば、日の丸・君が代についての個々の考え方、思想、価値観を強制的に表明させることになるのではないでしょうか。それは、内心をあぶり出す踏み絵となるのではありませんか。お答えください。
〔発言する者あり〕

○斎藤指導部長 我が国の国民として、学校教育においては、国旗・国歌の意義を理解させ、それらを尊重する態度を育てることは極めて重要でございます。学習指導要領に基づいて、校長は、あるいは教員は、児童生徒に対して国旗・国歌の指導をするものでございます。このことは、児童生徒の内心にまで立ち入って強制する趣旨のものではございませんし、あくまでも教育指導上の態度育成の課題として指導を進めているところでございます。
〔発言する者あり〕

○西田委員 お静かにお聞きください。
 ただいまの答弁で、生徒の内心にまで立ち至って強制するものではないと、そのようにいわれましたけれども、それは極めて当然の話であります。しかしながら、起立といわれたら、立つか座るしかないわけですよね、その場にいたら。あえて、起立といわれて座るということになれば、これは大変な圧力の中でのことであり、すごい勇気が要ることだと思うんですが、結果的には、それぞれの思想信条が暴かれる、内心を強制的に表明させられるということは明らかだと思います。
〔発言する者あり〕

○植木委員長 お静かにしてください。

○西田委員 思想、良心の自由を保障した憲法第十九条は、絶対的な保障を受けるというのが憲法学の通説であります。私は、このことが、このような憲法に保障された内心の自由、ここに抵触する、そういうことになるのではないかと思うわけであります。
 そこで、こうしたいわば画一的なやり方を都立学校に求めている、そういう背景には、卒業式、入学式での国旗・国歌の扱い方について事細かに指示をした実施指針、そういうものがあると思うんですけれども、それはどういう文書で、いつ、どういう理由でつくられたのですか。

○斎藤指導部長 実施指針につきましては、平成十年十一月二十日に教育庁指導部長名で都立高等学校長あてに出した通知に添付したものでございます。
 実施指針は、多くの都立学校の入学式、卒業式等において、国旗掲揚及び国歌斉唱の適切な指導が行われていないという現状を踏まえまして、学習指導要領に基づき、儀式的行事を実施する際の国旗及び国歌を尊重する態度を育てるため、その適正な取扱方法と具体的な実施形態を示したものでございます。

○西田委員 儀式的な行事の実質的な取り扱いの内容だと、こういうふうに話がありましたが、それで、この文書で規定されているような実施上の細かい規定をして、それに沿った実施を求めている根拠はどこにあるのでしょうか。

○斎藤指導部長 学習指導要領に基づき国旗・国歌の指導を行っておりますが、その円滑な実施を行うための実施指針でございますので、根拠は学習指導要領にございます。

○西田委員 根拠は学習指導要領にあるというわけですけれども、学習指導要領にそういう事細かな指導があるわけではないわけですね。学習指導要領が法的拘束力を持つかどうかについてはいろいろ問題があって、私はこの点については大いに疑問があるわけですけれども、少なくとも学習指導要領は、卒業式、入学式での日の丸・君が代について指導するものとする、こういう一般的な方針を示しているにすぎないわけであります。具体的にどうやるかという点については、細かく規定していないわけであります。これは、事実の問題として、そういうことなわけですね。
 そこで、この指針ですけれども、これはどの程度の拘束力を持つのか、校長はこのとおり行わなければならないものなのか、その点についてお答えください。

○斎藤指導部長 実施指針につきましては、都立学校が入学式や卒業式等の行事を行う際の国旗及び国歌の取り扱いの基本を示したものでございます。また、平成十一年十月十九日に教育長名での実施指針により、通達の中に入れてございますので、一定の拘束力を持つと考えております。
 各学校は、この実施指針に基づいて、国旗の掲揚場所、掲揚時間、式次第への国歌斉唱の記載、司会者による国歌斉唱の発声等について具体的な計画を立てて、校長の責任で実施することが望ましいと考えております。

○西田委員 今のご答弁で、通達に基づくものだから、一定の拘束力を持つと、それから、このとおり実施することが望ましいのだというお答えでしたけれども、一定のとか、望ましいとか、あいまいにしかいえないというのが今の答弁だったと思います。全面的に拘束される、このとおり実施しなければならない、こういうことはいえるはずがないと思うんですね。
 ところで、卒業式、入学式のあり方を最終的に決定するのは、だれの権限でしょうか。

○斎藤指導部長 各学校におきましては、各校長の責任におきまして教育課程を編成し、実施するものでございまして、卒業式、入学式につきましても、学習指導要領に基づき適正に実施するよう、校長が判断し、行うものでございます。

○西田委員 学習指導要領に基づいて校長が判断し、行うということなんですね。ところが、その問題と、通達で、事細かに画一的な実施をせよと、こういうふうに一定の拘束力を持った、そういう押しつけをしていくというのは、明らかに矛盾しているんだというふうに私は思うんですね。だから、少なくとも建前上は、ねばならないというふうにはいえないということだと思います。そういう中で、それぞれの判断をされた学校もあると伺っております。
 もともと、この日の丸・君が代については、国民の中で大きく意見が分かれている状況があるわけです。それは、日の丸が日本軍国主義のシンボルだったということや、天皇をたたえる君が代が、主権在民を原理とする憲法をいただく現在の我が国にふさわしくないという問題など、根拠があるわけであります。卒業式や入学式となれば、生徒や教職員はもちろんですが、父母を初めとする参列者の中にも当然いろいろな考え方の方がいらっしゃるわけですから、憲法で保障された内心の自由を保障することが大変重要になってくるわけであります。
 ことしの卒業式でも一部であったと報道されていますが、事前に、または当日、内心の自由を保障する最小限の措置として、起立しない自由や歌わない自由があるんだということ、そして、そういうことをしたからといって何ら不利益をこうむるものではないんだということを、生徒や父母、参列者に周知するということがあるわけですけれども、こうしたことは、内心の自由を尊重する以上、行われて当然だと思いますが、いかがでしょうか。

○斎藤指導部長 児童生徒に対しましては、学習指導要領に基づき、その発達段階に即して、国旗・国歌の持つ意義を適切に指導していく必要があると考えております。
 また、通達の中で、保護者等に対しまして、学校が児童生徒に国旗及び国歌を尊重する態度を育成する必要があることについて、時宜をとらえて説明するよう示したところでございます。
 ご指摘の点については、各学校の状況に応じて、校長の判断で、また責任で実施していくことが望ましいと考えております。

○西田委員 その点で、やっぱりこの内心の自由というのは一体どういうものなのかという点については、本当に今こそ改めて国民的にも確認をしていく必要があるんじゃないかというふうに私は思っています。
 ある右崎正博さんという独協大学の教授が書いておりまして、私も、なるほどそういうものなんだというふうに思い、非常に大切なものなんだということを改めて感じた一文がありますので、紹介したいわけなんです。内心における思考は、人間を人間たらしめ、個人を個人たらしめるものであって、人間のすべての営みはそこから出発する。だからこそ、内心の自由は、精神的な自由の中でも最も根源的な位置を占めるのであると。その中には、自己の思想や信念の告白を強制されない、そして、自己の好まない思想を強制されない自由、それから、特定の思想を持っていることで迫害されたり差別を受けない保障などを含みますと。国旗・国歌についても、個人の価値観、内心にかかわる重要な問題ですから、絶対に強制されることがあってはならない、このようにお書きになっているわけなんですね。
 私は、そういう点で、子どもたちに国旗や国歌のことを教える、尊重するように態度を育てるといわれるわけですけれども、憲法十九条で保障された内心の自由というのは何なのか、こういうことについてもしっかりと教えていく必要があると思うんです。そういう点で、憲法で保障された内心の自由について学校教育の現場で教えることを、今後、学校教育の場で一層重視していくべきではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○斎藤指導部長 従来から、学習指導要領に基づき、社会科等の時間におきまして、個人の尊厳と人権の尊重の意義、特に自由権利と責任、義務の関係などにつきまして、発達段階に応じて指導してきたところでございます。
 今後とも、学習指導要領に基づいて、広い視野から正しく認識させ、国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培うよう指導してまいります。

○西田委員 この国旗とか国歌とかというのは、本来、国民の心の中から自発的に敬愛される、支持される、そういうものだと思うんですね。そのためには、子どもたちに国旗や国歌について丸ごと教えていく。特に、もう高校生ぐらいになったら判断力もあるわけですから、先ほども紹介した戦争中のことも含めまして、すべて教える。その上で、どう考えるかは個々人が考える。内心の自由というものがあるわけですから、人から強制されない、そういうことだと思うんですね。
 都教委がやっているような、指針に基づいた画一的な実施を執拗に求めることは、国旗や国歌に不可欠の国民自身の内発的な敬愛や支持をかえって損なうようなやり方を学校の先生たちに強制する、こういうことになるのではないかというふうに思います。
 子どもたちが十分な判断材料を持てるように、戦争中の扱いや役割なども含めて、この日の丸・君が代のすべてについて教えることは、学習指導要領の規定からいっても問題はないと考えますが、どうでしょうか。もう一度お答えください。

○斎藤指導部長 学校における国旗・国歌の指導は、児童生徒に我が国の国旗・国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるために行っているものでございます。国旗・国歌の意義を正しく理解するため、学習指導要領に基づき、我が国の国旗・国歌の歴史や由来などについて発達段階に応じて指導していくことが必要かと思います。

○西田委員 国旗・国歌の由来や歴史について発達段階に従って指導していくことは大切だと、当然のことだと思います。ぜひそういう歴史的な事実も含めて、日の丸・君が代のすべてについてしっかり教えていく、こういうことが大切だと思います。
 一体、卒業式とは、入学式とは何でしょうか。その主役はだれでしょうか。私は生徒だと思います。生徒の門出を祝う思い出深い感動的な機会にしようと、みんなが力を出す、知恵を出す、それが卒業式であり、あるいは、新しい出発、子どもたちがスタートするに当たって迎え入れる、これが入学式ではないでしょうか。
 高校生ぐらいになれば、先ほどもいいましたけれども、高校生自身が卒業式の準備を積極的に担う、自主的に参加する、そういうことも多いわけです。それで本当に感動した、一生の思い出になった、そういう卒業式をやる、こういうことにできると思います。
 最後の授業として、この卒業式があり、また、初めての授業としての入学式があり、今、そういう大切な貴重な場が、大変な緊張の中で行われている現状は、教育の場として極めて異常だといわなければなりません。
 冒頭紹介いたしました朝日新聞の社説も、「主役は、子どもたちである。そのことを見失ってはならない。」と結んでいるわけです。私は、学校現場を暗く重苦しいものにしている、こういう卒業式や入学式での日の丸や君が代の押しつけという問題はきっぱりとやめて、明るく自由な、生徒が主役で、参加したすべての参加者が本当にいい卒業式だった、入学式だったと素直に喜べる、そういう卒業式、入学式をぜひ実現していただきたいと思います。
 この問題については、以上要望して、終わりたいと思います。〔「ご苦労さんでした」と呼ぶ者あり〕
 もう少しありますので、ください。
 人事考課の問題について伺います。
 教員の人事考課制度の問題につきましては、昨年来いろいろと質疑をさせていただきました。繰り返しになりますので、詳細は省きますけれども、結論的にいいますと、今回のこの教員の人事考課制度、またそれを四月に導入するということについて、我が党は反対であります。
 前回の質疑で人事部長さんは、今回のこの制度の導入について十分理解が得られていないこと、強い反対論があることをお認めになりました。その一方で、周知徹底をしていくという立場を表明されました。私も、全教職員の皆さんに直接都教委が説明し、疑問や意見をお聞きし、そして検討していく、そういうこともやったらどうだと、こんなこともいいましたけれども、その後どのような周知徹底策を講じてこられたのか、伺いたいと思います。

○上條人事部長 教職員への周知徹底の問題でございますけれども、前回の文教委員会以降、一つは、先ほども申し上げましたように、全教職員、それからPTA役員に対しまして、人事考課制度の趣旨や内容をわかりやすく説明したパンフレットを作成して、配布してございます。一部の教員ではございますけれども、非常にわかりやすいパンフレットで、内容の理解ができたという声も私どもに届いております。
 それから、現在、全教職員に対して自己申告要領を配布し、校長から、自己申告の実施について説明をしているところでございます。
 それから、本年一月、二月にかけまして実施しました評価者訓練におきまして、受講した校長、教頭から、人事考課制度の実施に関しまして、さまざまな質問が寄せられておりますけれども、これらに対しまして、資料を作成して回答をしております。
 このほか、教職員団体からも要請を受ける場を数多く持ち、質問や意見に対して十分説明しております。

○西田委員 今るる十分に説明している、ご努力の跡を語っていただきました。しかし、関係者、都民の方からも、四月実施はやめてほしい、そういう要請がたくさん来ているわけであります。
 先日、教育研究者や弁護士、文化人、教職員組合などでつくる人事考課制度反対東京の子どもと教育を守る都民の会というのが、都教育委員会あてに、四月強行反対を求める署名十五万余を提出していると聞いております。四月といえば、本当にもうすぐですが、むしろ今のご説明とは裏腹に、導入を危惧する声が広がっているというのが現状ではないでしょうか。
 さて、前回の質疑で、東京都教職員組合が行った全員投票で、非組合員も含め圧倒的多数が反対、また、二百人余りの管理職の方々から寄せられた意見も、この制度に対する確信のなさ、こういうことが表明されておりました。
 今、管理職の皆さんにいろいろ質問や疑問があるので、その回答書をつくったというお話がございましたけれども、現場の教職員の方々は、みずから自己申告をする、そして業績評価も受けるわけですが、当事者の理解というのはその後どうなっているでしょうか。先ほど、一部の人から、いいパンフレットをつくってくれたというふうにいわれたということですけれども、とにかく当事者の教職員の皆さんの、今、人事部長さんがつかんでおられる状態というのは、全体としてどうなのか、もう一回お聞かせください。

○上條人事部長 先ほども申し上げましたように、パンフレット等を配布いたしまして、人事考課制度の趣旨や内容について、教員一人一人に対する周知に現在努めているところでございます。
 また、職員団体等からの要請を数多く受けておりますけれども、新たな内容の反対意見というのは既になく、論点は尽きているというふうに私ども受けとめておりまして、こうしたことから、教職員に対する理解は着実に進んでいるものと認識しております。

○西田委員 論点は尽きていると、一方的に理解をされているということなのかもしれませんが、実は、東京都教職員組合に続きまして、障害児学校の教職員組合が、四月実施の是非などを問う全員投票を行ったそうであります。このほど、その結果がまとまったとのことでありまして、本日午前、記者会見もやったと先ほど聞きました。その結果によりますと、全教職員の八二・七%の方がこれに参加をされまして、四月導入反対というのは、その九四%を上回っている、こういう結果が出ているということであります。
 部長さんは先ほど、論点は尽きているとおっしゃいましたかね。そういうふうにおっしゃったわけですけれども、実際はこういう状態で、到底理解されているとはいえない状況があるわけであります。これでも四月実施をするということになりますと、これで本当に大丈夫なのかと、そういう気がいよいよしてくるわけなんです。
 今回の新しい人事考課制度の目玉の一つは自己申告制度だということは、これまでの教育庁のご説明でも明らかになっているわけですが、この自己申告をするというのは、さっきもいいましたが、教員の皆さんです。それが、小中学校も障害児学校も、圧倒的多数の教員の皆さんが反対している、こういう状況にあるわけですから、本当にお考えになっているように円滑な実施ができるのでしょうか。何が何でも四月実施だという、そういう姿勢だから、現場の先生方だけでなく、父母や都民からも、また子どもに影響が出るのではないか、それは困ると、心配の声が広がっているのではないでしょうか。それが十五万の署名という形であらわれているのではないかと思います。
 さて、十二月の教育委員会では、この制度の規則化を行ったわけでありますが、三月までに検討すべき課題として、本人開示の問題と苦情処理の仕組みの問題が宿題として残されていました。本人開示と苦情処理の仕組みについて、現在の検討状況とその検討内容について説明していただきたいと思います。先ほどの大河原さんの質問とちょっとダブるかもしれませんが、よろしくお願いします。

○上條人事部長 本人開示と苦情処理の仕組みについてでございますが、現在、検討委員会におきまして検討を進めているところでございます。本年三月までに検討結果をまとめる予定にしております。したがいまして、検討委員会の意見といたしましては、最終的な結論には至っておりませんけれども、まず本人開示につきましては、人事考課制度実施と同時に開示を行うのではなく、今後二、三年のうちに制度の周知に努めるとともに、評価者訓練を徹底して評価制度の向上を進め、制度に対する理解度を高めた後、できるだけ早い時期に開示していくことが望ましいという意見が優勢でございます。
 また、苦情処理の仕組みについての基本的な考え方でございますけれども、苦情相談の受け付け、対応のプロセスを通じて、人事考課制度がより適切に実施されることを目的として、教育委員会内に相談機関を設けたらどうかという意見が出てございます。

○西田委員 今、検討中だということでありますが、皆さんが導入するといっているのは四月、もう目前であります。今、本人開示と苦情処理の仕組みについて、現在の検討状況についてもご説明をいただきました。本人開示は、人事考課の実施と同時ではなく、二、三年のうちに行う、苦情処理の仕組みは、評価結果の苦情は、教育委員会の内部に設ける相談機関で受け付ける、こういうものでどうかという検討結果だということなんですけれども、今ご答弁で、そういう考え方が優勢だというふうにおっしゃいましたので、これと異なる意見もあるんだろうと思うんですね。異なる意見があるのかないのかで結構ですが、いかがでしょうか。

○上條人事部長 開示の時期の問題につきましては、制度導入と同時に開示をすべきではないかという意見もございました。

○西田委員 現在検討中で、異なる意見があるということになりますと、これらの問題はこれからどのように処理されていくのでしょうか。三月中にという建前はわかっているんですが、これはどのような見通しになりますか。

○上條人事部長 先ほど申し上げましたように、本年三月までに検討委員会の検討をまとめまして、その後、教育委員会にかけて、制度導入と同時に開示ということになれば、実際に開示の時期は、先ほども質問にお答えしたとおり、来年の三月の業績評価以降ということになります。現在からですと約一年余りの猶予があるということでございますので、本年四月から制度を導入しても十分間に合うというふうに考えております。

○西田委員 今回の新しい人事考課制度の目的から見ましても、本人開示だとか苦情処理の仕組みの有無というのは、私は制度の根幹にかかわる問題ではないかと理解しております。
 念のため伺いますけれども、新しい人事考課制度におきます本人開示や苦情処理の仕組みの意義、重要性、これについてはどのようにお考えですか。

○上條人事部長 旧制度におきましては、評価結果は秘密事項ということにされておりまして、評価結果を処遇に反映させないこととされておりますために、苦情処理の仕組みも特に設けておりません。しかし、今回導入した人事考課制度では、検討委員会における検討結果も踏まえまして、能力開発の観点から、評価結果を本人に開示することが望ましいという考え方でございまして、規則においても、本人開示できる旨、規定したところでございます。
 ただ、附則を設けてございまして、この規定につきましては、別に規則で定める日から実施するというふうにしております。

○西田委員 いつから実施するかはいいんですけれども、今回の人事考課制度が、今お話がありましたように、教員の資質の向上を図るとか、能力開発型だから、本人開示をするものであり、それが望ましいと。そこが、今までの旧制度と比べると違って、すぐれているところだというご答弁だったんだろうと思うんですね、今のは。本人に結果を知らせて自己研さんに役立てていただく、そこに今度の人事考課制度の究極的な目標というかな、そういうことがあるということなんじゃないかと思うんですね。
 それが、なぜ本人開示や苦情処理の仕組みなど、制度の根幹にかかわる重要な問題を十二月の規則化に当たって先送りしたのでしょうか。その経過と理由を説明していただきたいと思います。

○上條人事部長 先ほども申し上げましたように、本人開示、苦情処理の制度は、この人事考課制度の非常に重要な柱の一つでございまして、規則におきましても、本人開示できる旨、既に規定してございます。ただ、別に規則で定める日まで実施を延ばすという規定を定めているところでございまして、非常に重要な制度であるというふうに考えております。
 しかし、この制度につきましては、先ほどいいましたように、制度そのものではなくて、制度実施上の課題ということでございまして、本年三月までに検討を行えば、仮に人事考課制度導入と同時に本人開示を実施したとしても十分間に合うということから、三月までの検討をきっちり行うということにしたものでございます。

○西田委員 今のご答弁をお聞きいたしますと、本人開示や苦情処理の仕組みというのは、制度実施上の課題だと、本体ではないから、これと切り離して決めていいんだということで、その実施時期もちゃんと間に合うんだからいいんだということで決めたというふうにおっしゃいますが、これはおかしいんじゃないかと思うんですね。
 繰り返しになりますけれども、先ほどのご答弁でも、能力開発の観点から評価結果の本人開示が望ましいとされたわけです。今度の制度のそこがすぐれた点だというふうにおっしゃったわけですよね。まさに今度の制度の根幹の一つではないかと、単なる実施上の問題ではないと、本体とくっついた、これがあるかないかで、この制度そのものが本当に生きるかどうかのそういう問題ではないかというふうに思います。
 評価結果の本人開示があれば、それに対する苦情の処理も当然必要になってくるわけであります。それが先送りされたということ自体に、今度の人事考課制度が関係者の皆さんに受け入れられていない、本質的な問題を含んでいるのではないか、このように思うわけであります。
 先ほど伺いましたけれども、検討委員会でも重要な意見の相違があると。人事考課制度導入に関する検討委員会、第十回の配布資料というものをいただいておりますけれども、ここにある二つの案、制度導入と同時に、開示を実施するか、それとも、制度の成熟を待って開示するか、制度の根幹にかかわる重要な問題で、こういうふうに意見がまとまっていないと。検討委員会内部でさえ、こういう状況になっているわけですね。
 そこで、制度導入と同時という立場というのが、ここにありますね。そのメリットとして、一つは、教員の資質の向上という制度目的に合致すると。二つ目には、「一般教員は、評価がブラックボックスになることについて危惧し、不安感を抱いていることから、開示することで制度の透明性が高まり、人事考課制度の信頼性が増すと考えられる。」こういう点が、同時に開示すべきだという考え方のメリットとして挙げられているわけですよね。この点については、十二月十六日の規則化を決めた教育委員会の中でも、委員さんから幾つも指摘をされていたのではないかと思うんです。
 それに対して、幹事会の立場として提案されている、制度の成熟を待ってという立場は、どういうメリットがあるとしていますか。

○上條人事部長 検討委員会の意見といたしまして、開示しない理由でございますけれども、教員が人事考課制度の目的や趣旨を十分理解していない中で評価結果を開示しても、それを本人が正しく能力開発に生かすことができず、かえって評価結果だけにこだわって、校長、教頭に対する不信感が生じるなど、制度の円滑な実施が阻害されるおそれがあると。したがいまして、教員に対する理解度を高めるためのさまざまな努力を行い、その後できるだけ早い時期に開示した方が、人事考課制度の円滑な導入を図るためには望ましいという意見の方が優勢でございました。
 ただし、開示しない場合におきましても、校長、教頭は、最終面接の際に、教員の一年間の職務目標に対して改善する必要がある課題や努力した成果などについて、具体的にみずからの見解を説明し、また、教員の質問や不満にもきちっと答えることにより、教員を指導する、育成することができるというふうに考えております。

○西田委員 今、後段でいわれた、校長が先生たちにちゃんといろいろ指導していく、そして、その先生たちが改善を図っていくことができるというのは、本来、日常的に、学校というのはそういうものでなければいけないはずでしょう。で、皆さんは、今度の評価制度のすぐれた点として、自己申告制度があって、評価がされて、そしてそれが本人開示されて、つまり能力開発型の人事考課だからすぐれているんだ、こういうふうにおっしゃっているわけじゃないですか。だから、本人開示が二年も三年も延ばされていいということにならないと私は思うんですね。
 今のお答えで、結局、何が先送りをするとメリットがあるかという点でいえば、まさに制度全体が混乱するということ、一言でいえばそういうことじゃないですか。関係者の合意もないというこの制度をやみくもに導入することには、もともと無理があるんだと思うんですよ。少なくとも今度の人事考課制度をめぐっては、父母や教職員、管理職を含めてみんなが心配しているわけですから、この四月実施ということで本当に大丈夫なのか、そういうことが検討委員会自身の内部にも反映している、そういうことじゃないかと思います。
 結局、今度の制度の趣旨からいえば、本人開示は、制度導入と同時に開示を実施するのが筋であることは明らかであります。本人にその評価の内容を秘匿して、そして資質の向上に役立てるということはあり得ないわけであります。ところが、現実には、教育庁内部の検討委員会で、この制度の成熟を待ってという方向で、これが幹事会の案として検討が進んでいると。あるいは、検討委員会でまとまらず、両論併記になるかもしれないとも伺っているわけであります。現場の教職員の圧倒的多数の方々が反対していることは、先ほどもご紹介したとおりですが、評定者となる管理職の方々もさまざまな意見をお持ちである、そういう中で、都教委だけが四月実施に向けて突っ走っているというのが、今の姿ではないかというふうに思います。
 このようなやり方では決してうまくいかないし、そう思うのは私だけではないと思うんですけれども、これだけ議論を呼んでいる問題なんですから、当事者も、四月導入はやめてほしい、こういう声が圧倒的になっているのですから、この問題については本当に検討をし直すべきではないかというふうに思います。
 そのほか、本人開示の範囲についても、先ほど、人事管理上支障のない場合について開示するという答弁もあったように思いますけれども、すべて開示されるわけではないという問題ですね。さっきいわれたように、すべて開示するわけではないと。そうした制限を設けていて、果たして開示といえるのかという問題もあります。根本的な疑問があるわけですけれども、苦情処理の問題に至っては、教育委員会内部に設けるということですから、これも客観性や公平性という点では著しく欠けるものではないかと思います。
 児童や保護者の意見ということも、先ほどありましたけれども、ああいう方向では保護者の方々は納得されないんじゃないかというふうに思いますが、こうした問題も含めまして、制度の根幹にかかわる問題で、この検討委員会という内部の会議でさえ重要な意見の食い違いがあるわけですから、四月導入などということは到底認めるわけにはいかないと思います。本当に教職員の皆さんが理解をし、納得をし、そして実施をするというのであれば、少なくともすべての仕組みを明らかにした上で進めていく必要があるのではないかというふうに思います。
 いじめや不登校や学級崩壊等、本当に今の教育の問題が山積していることはもういうまでもありません。現場の先生たちは今、本当に必死で必死で頑張っておられるわけですね。精神疾患の先生が、この間、九年、十年、十一年と急増しているというデータもいただいているわけであります。三十人学級を計画的に進める問題や、あるいは不登校対応だとか、あるいは、いろいろな対応する先生たちをふやしてほしいというのは、現場の切実な要求であります。にもかかわらず、来年度の予算案で、教育庁が少なくとも改善したいと考えた東京都独自の教員配置はみんな切られてしまう、こういう現状であります。こういうことの改善こそ今急ぐ必要があるということが、都教委の仕事の第一の任務ではないかと、私はこのように思います。
 以上申し上げて、この質問を終わりたいと思います。

○鈴木委員 西田委員から国旗・国歌についてのお話がありましたので、順序を変えて、忘れないうちに、国旗・国歌についてまずご質問させていただきたいと考えております。
 昨年の三回の定例会で、私ども自民党は、教育委員会の考え方を確認したわけでありますが、その中で教育長の答弁として、すべての都立高校において、卒業式、入学式における国旗・国歌が適正に実施されるよう全力を挙げて取り組んでいくという決意が答弁されたわけであります。その後、大変なご努力によって――数字や何かはわかっていますから、答弁は要りませんけれども、実施率が飛躍的に高まったということは、皆さんのご努力に対して私は心から敬意を表する次第でございます。
 西田委員からいろいろなお話があって、今メモったんですけれども、国歌を斉唱するときに起立させることが、あれが強制ということならば、じゃ、日常、学校の授業で、先生が入ってくれば、起立、礼というのは、あれは強制ですか。あれは強制でも圧力でもなくて、学校の教育の現場というものはそういうものだというふうに私は考えるんですよ。子どもは指導される側、教員は指導する側、学校の先生のいうとおり授業が行われなかったならば、これでは学校が収拾つかなくなってしまいますよ。指導要領に基づいて、法に制定されている国旗・国歌に向かって、それを尊重して接する態度を養うということは、日本国民にとって大変大切なことでありますので、これは強制でも何でもありません。ぜひそういった指導をきっちりとやっていただきたいというふうに思います。
 あるいは、卒業式のあり方、主役は子どもたちだというふうなお話がありましたが、これはだれが考えても主役は子どもたちでありますけれども、ただ、入学式の意味合いというのは、あるいは卒業式の意味合いというのは、入学おめでとう、卒業おめでとう、これから学校でしっかり頑張ってください、あるいは、これから卒業して巣立っていってもぜひ頑張ってくださいというような、大人が、指導者が子どもに対して指導する、お祝いをする場であって、自分たちで何かをやりたいのならば、学校が終わった後、みんなで集まって、よかったね、お祝いをするというふうなことが、本来のあるべき姿でありますよ。自主的に入学式、卒業式をやったら、入学式、卒業式にもならないですよ、これは。
 ですから、私は、日の丸・君が代に関しても、先ほど申し上げましたように、ぜひそれなりに指導をしていただきたいというふうに思います。
 自由というならば、私が思うのは、日の丸・君が代に対して問題意識を持つ自由とか、それに対して先生たちで意見をいう自由とか、批判をする自由とかいうのはあるけれども、ただ、学校内においてはやっぱり学校の先生の指導に黙って従って一生懸命努力をし、勉強するというのが、学校のあり方だというふうに私は考えております。まるっきり西田委員とは逆の意見を持っておりますので、教育委員会としてはぜひ私たちの意見を尊重していただいて、指導に努めていただきたいというふうに思います。
 一問だけお伺いさせていただきますが、この中でまだ国旗・国歌が実施されなかった学校が何校かありますけれども、これについて、教育庁の方で今後これをどのように指導していくのか、そのご決意をお伺いしたいというふうに思います。

○斎藤指導部長 卒業式におきまして国旗・国歌が実施できなかった学校につきましては、入学式に向けて、今後、学習指導要領に基づき、国旗・国歌が適正に実施されるよう個別に強く指導してまいりたいと思っております。

○鈴木委員 ぜひ頑張ってください。よろしくお願いします。
 引き続いて、既にもうさんざん議論もされてきたわけでありますけれども、都立高校改革についてお伺いしたいと思います。
 少子化が依然として進んでいる中で、ということは、少ない人数で高齢者を支えるというだけでなくて、少ない人数でやっぱり国も東京都もこれから支えていかなきゃならない時代になっていくわけでありますが、そういう点では、東京都や国の将来を担い活躍する人材を養成することは、都立高校にとって大変重要な意味合いがあります。先ほど桜井委員からもお話がありましたが、都立高校が非常に地盤沈下してしまって、高い金を払ってでも私立に行きたいという生徒たちが多いということは、これは美濃部さんの責任のみならず、やはり教育委員会としてこの辺は反省をしていただいて、これは実際恥ずかしいことだというふうな形で肝に銘じていただいて、教育改革に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そこで、何問かお伺いしますが、四月に開校する桐ヶ丘高校や墨田川高校など新しいタイプの高校に対する生徒の応募状況はどうなっているのか、まずお伺いします。

○若林都立高校改革推進担当部長 四月にチャレンジスクールとして開校いたします桐ヶ丘高校は、多様な生徒を幅広く受け入れ、学力より、高校教育を学ぶ意欲と熱意を重視するといった趣旨から、全国に先駆けまして、学力検査も調査書も必要としない入学選抜を実施したところでございます。選考は、自己推薦方式を取り入れた面接と作文により実施いたしまして、これまでよりこれからを重視して実施したところでございます。この結果、前期募集で七・六倍、後期募集では十倍を超す応募状況で、大変高い人気となってございます。
 一方、進学重視の単位制高校といたしまして開校いたします墨田川高校、全都から募集する学校として、定員の半数を推薦により選抜いたしまして、応募倍率は一・四六倍でございました。また、一般選抜は、前期と後期に分けて行う分割募集を行いまして、前期募集では一・二二倍、後期募集では五・三八倍でございました。
 今後とも、都民の期待に十分こたえられる学校づくりに努めてまいります。

○鈴木委員 今お話しになった、こうした新しいタイプの高校に対する学校関係者や都民のさまざまなご意見等を伺っておると思いますが、どのようなご意見、反応があるのでしょうか。

○若林都立高校改革推進担当部長 平成八年に都教育委員会が実施いたしました都立高校に関する都民意識調査では、単位制高校や総合学科高校の設置について都民から高い支持をいただいてございます。
 今回の入学者選抜状況、あるいは当該校におきます学校説明会への参加状況等を見ますと、新しいタイプの高校は生徒や都民の支持をいただいているものと受けとめてございます。
 また、平成十年度から十一年度に実施されました文部省関係の調査におきましても、中学生及びその保護者の約六割が総合学科への進学を希望してございまして、一般の高校へ進学した生徒の四割以上が、単位制高校へ入学したいと思うという結果が報告されているところでございます。

○鈴木委員 大変な都民の支持をいただいているということで、何よりでございます。
 都立高校改革を推進するに当たって、都教委の基本的な考えを改めてお伺いしたいと思います。

○若林都立高校改革推進担当部長 都教育委員会といたしましては、教育環境の確保を図る観点、あるいは教育の機会均等を図る観点から、生徒の減少に合わせまして各学校の規模の確保を図るとともに、学区や地域のバランスを考慮して、規模と配置の適正化を着実に推進してまいります。また、適正化を進める中で、既設校の発展的統合や改編によりまして、新しいタイプの学校を設置する考えでございます。

○鈴木委員 今ご答弁にありましたように、新しいタイプの高校に対する中学校及び自治体など地域関係者、あるいは都民の期待は大変大きなものがあろうかと存じます。こうしたタイプの高校の母体となる高校、いわゆる発展的統合や改編の対象となった高校に関連してお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、新しいタイプの高校の当面の設置計画はどうなっているのでありましょうか。

○若林都立高校改革推進担当部長 新しいタイプの高校といたしまして、ただいまご意見いただきました平成十二年度には、チャレンジスクールの桐ヶ丘高校と進学重視型単位制高校の墨田川高校の二校が開校いたします。また、平成十三年度には世田谷地区チャレンジスクールと江東地区工業高校の二校が、平成十四年度には羽田地区総合学科高校と進学重視型の国分寺地区単位制高校の二校が開校する予定でございます。その後、平成二十年度までに二十二校が順次開校いたしまして、第一次と第二次実施計画を合わせまして二十八校の開校を予定しているところでございます。

○鈴木委員 新しく設置するに当たって、当該校の現況と、設置に向けた基本計画検討委員会における学校関係者の参加の状況と検討の内容を教えていただきたいと思います。

○若林都立高校改革推進担当部長 平成十三年度開校予定の二校、世田谷地区チャレンジスクールと江東地区工業高校でございますけれども、これにつきましては既に開設準備室を設置いたしまして、開校に向けた具体的な準備を進めているところでございます。
 それから、平成十四年度に開校予定の羽田地区総合学科高校につきましては、この四月に開設準備室を設置する予定でございます。
 また、第二次実施計画において設置を計画してございます新しいタイプの高校等十六校につきましては、昨年十二月にそれぞれ基本計画検討委員会を設置したところでございます。現在、新しい学校の学校像、生徒像、教育課程等の基本的な事項につきまして検討を進めているところでございまして、対象校の教職員もこの検討委員会に参加して、魅力ある学校づくりに向けまして積極的に取り組んでいる段階でございます。

○鈴木委員 基本計画検討委員会の今後の検討スケジュールと、学校関係者等の意見聴取の方法についてどのようにされるのか、お伺いしたいと思います。

○若林都立高校改革推進担当部長 今後の検討スケジュールでございますけれども、本年の夏ごろまでには、基本計画検討委員会としての中間まとめを行いまして、年内には最終報告をまとめる予定でございます。この最終報告をまとめるまでには、中間のまとめをもとにいたしまして、学校関係者、それから地域関係者等に説明をいたしまして、ご意見を伺い、最終報告に反映させていきたいと考えてございます。

○鈴木委員 都立高校を改革していくことについては、先ほどの私立と都立の比較ではありませんけれども、都民も大変な理解を示しているはずですし、期待もしております。あるいは、若林部長は口には出しませんけれども、結果的にはこれは行政改革、財政再建にも――先ほど、百五十六億円ぐらいの経費の削減につながるというふうなご答弁もありましたが、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 しかしながら、統廃合の対象となった学校関係者の立場になった場合、先般もいろいろ請願の方々、あるいは傍聴の方々がおいでになりましたけれども、その人たちの気持ちを、直接の学校の関係者の方々の気持ちを考えると、やっぱりこれはどなたでも、自分の母校がなくなることについて喜ぶ人はまずいないだろうと思います。
 そういったことを踏まえた上でお伺いしたいと思いますが、こうした発展的統合や改編の対象となった高校及び学校関係者の心情にこたえるために、都教委の方ではどのように対応しているんでしょうか。

○若林都立高校改革推進担当部長 都立高校改革を進めるに当たりましては、生徒や保護者、PTA及び同窓会関係者の心情に配慮いたしまして、歴史や伝統を引き継ぐ学校づくりを目指しまして、高校改革への理解と協力を訴えてきたところでございます。
 今後とも、学校長と連携協力いたしまして、話し合いや要請等にきめ細かく対応いたしまして、意見、要望等の聴取に努めてまいります。

○鈴木委員 対象となった高校の伝統や教育実績を継承する具体的な方策として、学校等からの要望も含め、どのような検討をされているのでしょうか。

○若林都立高校改革推進担当部長 現在、新しいタイプの高校等の設置に向けまして、基本計画検討委員会を設置いたしまして、具体的な検討を進めているところでございます。各学校の伝統や教育実績を生かすため、校長、教職員にも検討委員会の委員として参加していただいて、教育庁職員と一緒に、学校像、生徒像、教育課程等について主体的に検討していただいているところでございます。
 また、学校要覧等の沿革の中に、新しいタイプの学校として設置するなどを明記するとともに、長年にわたりまして受け継がれてきました記録、記念品等につきましても、記念室や記念碑などを設置いたしまして、学校関係者の要望等に適切に対応していきたいと考えてございます。
 さらに、卒業証明書等につきましても、発展的統合や改編によりまして新しいタイプの学校に引き継がれたことがわかるよう、工夫してまいりたいと考えてございます。

○鈴木委員 きめ細かないろいろな配慮が考えられているようでありますが、先ほど申し上げましたように、学校関係者の気持ちを存分に配慮していただいて、きめ細かな対応をしていただきたいというふうに思います。
 対象となった高校は、新しい学校が開校するまでは生徒の募集が行われるわけであります。そして、教育が継続される。在校生の教育条件を低下させることのないよう、万全の措置を講じる必要があると思いますが、どのように考えているでしょうか。

○中島教育長 今日都立高校が抱えておりますさまざまな課題の解決を図って、高校教育に対する都民の期待にこたえて、新しいタイプの高校の設置や魅力ある都立高校を実現していくためには、都立高校改革を着実に進めていく必要がございます。そして、その際に、都立高校の規模と配置の適正化は避けて通れない改革の一つでございます。その際、今ご指摘がございましたように、発展的統合や改編の対象となった学校、特に募集停止となります学校につきましては、在校生の教育条件が低下することのないように取り組んでいく必要があると考えております。したがいまして、教職員の配置等の人事面、あるいは学校の管理運営等の予算面などなどで弾力的に対応するなど、学校長と相談して教育環境の確保に万全を期してまいりたいと思っております。

○鈴木委員 いずれにしろ、東京都が長年検討されて、勇断をもってこの都立高校改革を進めていくわけであります。また、閉校、廃校になる学校関係者の気持ちを考えると、失敗は許されない。反対はしたけれども、でも新たな学校ができて、すばらしい我々の伝統を引き継いでくれて、すばらしい有為な人材を送り出してくれているというふうな評価を得られるように、ぜひこれからもご努力をいただきたいと思います。
 次に、私、常々気になるんですけれども、また都立高校と私立高校の話になってしまいますが、都立高校の生徒に、我々の感覚からしたら、常識からしたら、甚だ高校生としてふさわしくないような服装とか行動とか、いろいろなことが見られます。私立高校では、校則などできっちり、それこそ強制ではなくて、一定のルールを守るように私立高校の生徒に指導していて、都立と私立を比較すると、その点でも都立高校は若干残念なことになっているかなというふうに私は思うのであります。
 それで、私立は、全部調べたわけじゃありませんが、ほとんどの学校において、入学するときに、校則を守りますよといったような誓約書をとっているわけであります。学校によっては非常に事細かに校則で規則をつくって、それを守りますというふうな誓約書を、子どもからとるのか、親からとるのか、ちょっと私、よくわかりませんけれども、多分生徒からとるんだと思いますけれども、そういうことを行っています。
 都立高校においては、誓約書などをとるというのはどのように扱われているんでしょうか。

○斎藤指導部長 誓約書のことでございますけれども、私どもは正確に把握していないんですが、例えば保護者が学校長に提出する形式の誓約書は、ある学校もございますし、それから、生徒が出すものもございます。ただ、昔というんですか、少し前に比べて、誓約書の形をとるというのが少なくなってきている傾向はございます。規則とか校則とか、あるいは誓約書とかという形式から入るのではなくて、実質的な指導の中で子どもたちに生き方を学ばせていこうと、そういう実質的な部分もございまして、恐らく少なくなってきているのかなということでございます。
 ご指摘の茶髪とかピアス等の生活指導につきましては、各学校においてかなり熱心に指導しておりますけれども、先ほどの都立学校の役割につきまして触れて申し上げれば、やはりそういうしつけ等がしっかり身についていない部分の子どもが都立高校に入ってきて、そこでいろんな生活指導を受けて人格形成をして成長していく、そういう過程はあろうかと思います。ただ、茶髪、ピアスが、しつけがないかどうかは、ちょっとまた議論がございますので、そこは誤解のないように申し上げておきたいと思います。
〔発言する者あり〕

○鈴木委員 大河原委員、私がいっている意味は、私立が全部すばらしくて、都立が全部だめといっているんじゃないですよ。私立でも柄の悪い学校ありますよね、見ててね。ただ、都立にはやっぱり、これは私の方の地域に固まっているという意味ではないんですよ、そうじゃなくて、そういう学校が多く見られる、残念な結果だというふうに私は思います。
 そういった問題は、心の東京革命でも示されていますように、社会全体で解決していかなければならない課題です。生徒に対する生活指導を適切に行い、高校生らしい学校生活を送れるようにつくることも、この二〇〇〇年、新たなスタートを切る都立高校にとっては改革の一つであると思います。
 都立高校においても、校長先生の強いリーダーシップと長期的な展望のもとで、学校の実情を踏まえ、教育課程を工夫するなど、教職員を指導し、一緒になって改革をし、推進し、成果を上げている学校もあるわけでございます。しかし、今まで申し上げてきましたように、生活指導の成果が十分にあらわれていないことが見られるということは、残念なことでございます。
 私は、都立高校においても、当然学校生活を送る上で守るべきルールや規則があり、自由とはいっても、一定の制約のもとでの自由でありまして、一部でも生徒が事実上放置されているかのような状況があったとしたならば、これは問題でございます。都立高校において、生徒が高校生にふさわしい充実した学校生活を送り、高校生としての責任ある行動をとれるよう指導していくことが、さらに強く今日求められていることだというふうに考えます。
 これから改革を推進するに当たっては、こうした生徒への生活指導も含めて、昨年十月に策定した都立高校改革推進計画の第二次実施計画に基づき、高校改革の具体化とその着実な推進を図ることが必要であります。本委員会でやりとりされたさまざまな議論を踏まえ、とりわけ、きめ細かな生徒への生活、学習指導、適正配置の対象となった高校に対する積極的な支援、保護者や同窓会を初めとする学校関係者等への継続的な説明と誠実な対応が必要であります。
 今後とも、都立高校改革に全力で取り組んでいただいて、過去の栄光の都立高校を取り戻していただきますよう心から要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。

○井口委員 もうたくさんの議論がされていますから、私の方は、心の東京革命は、考え方を申し上げて、答弁の方は後でまとめてお願いをしたい、このように申し上げておきます。
 昨年の十一月に石原都知事が発表した心の東京革命、大変時宜を得たものであろう、こう思っています。この六月には、心の東京革命の基本方針及び行動案をまとめるということでありますが、その具体的なスケジュールをまずお願いをしたい。これは後で結構ですから、お願いをしたいと思います。
 心の東京革命のような取り組みは、都民に長期に働きかけていくことによって初めて理解され、またそのことが尊重されていくものだと、こんなふうに思っています。このような取り組みが実現され、効果があらわれて初めて、世界に信頼される日本人となっていくのではないかなと、私はこんなふうに思えてなりません。
 明治以来培われてきた日本のよき伝統が、戦後五十年の間に失われてきています。いろいろ日本をつくり上げてきた五十年でありますが、逆に今度は、文化が進むにつれて失われつつある。子どもたちの起こす事件を見るにつけても、物に恵まれ、食に恵まれ、住居にやや恵まれ、自由の文化が進むにつれて、社会に緩みがだんだん出てきているということは、まことに残念であります。日本人は、すぐれた歴史的な文化や精神的な文化を持っている国民であります。それで現状に歯どめをかけていることでありますが、世界的な立場で指導できる人間をつくることがこれからの日本である、私はこんなふうに思います。
 子どもたちは、家庭や地域でさまざまな体験や触れ合いの経験を積んで、正義感や倫理観、思いやりの心をはぐくみ、人が生きていく上での当然の心得を身につけていくものである、このように考えています。そのためには、例えば家庭では、他人に責任を押しつけないで我が子をしかれる親。なかなか親が子どもをしかれない時代、我が子を指導できる親になるなど、親を初めとした大人たちの意識改革が必要であると考えます。あわせて、地域社会が地域の子どもたちを育てていくような社会をつくることが大切であろうと。いうなれば、他の人が他の人の子どもをしかれるような、そういう社会環境をつくっていくということが大事だろうと。
 都教育委員会として、心の東京革命を、学校や地域や、それぞれ至るところで取り組んでもらうということが必要と私は思っておりますが、以上申し上げました中で、担当部長の答弁をお願いしたいと思います。

○斎藤指導部長 まず、心の東京革命の具体的なスケジュールでございますけれども、昨年十一月に発表されました心の東京革命取組方向素案のリーフレットを全公立学校等に七千五百枚配布しまして、周知に努めてきました。三月には、また、区市町村教育委員会の委員を初め全公立学校の校長等教育関係者を対象にしたアンケート調査を実施し、現在集計をしているところでございます。
 今後は、この調査結果も参考に、都教育委員会としての意見を取りまとめ、本年六月に策定予定の基本方針及び行動計画に反映させていきたいと考えているところでございます。
 それから、もう一つの、心の教育をどのように推進していくかということでございますが、昨年から、心の東京革命の一環としまして、トライ&チャレンジふれあい月間を実施しておりまして、都教育委員会は、児童生徒に、社会や人とのかかわりを通して、思いやりや社会に貢献する心を体得させるため、学校、家庭、地域の連携のもとに、体験活動の推進月間を毎年十一月に設定し、取り組んでまいりたいと思います。また、都内全公立小中学校で、保護者や地域の人々が授業を参観し、心の教育についてともに話し合う、道徳授業地区公開講座を実施してまいります。さらに、全都立学校に、保護者や地域住民の意向を学校運営や教育内容に反映していくことを目的としました学校運営連絡協議会を設置してまいります。

○小栗生涯学習部長 今、指導部長が申し上げましたトライ&チャレンジふれあい月間の一環といたしまして、家庭と地域社会を基盤としました東京親子ふれあいキャンペーン事業を実施しているところであります。これは、自然体験や文化活動などに親子が一緒に取り組み、感激や感動を共有することによって、子どもが自然に豊かな人間性や社会の基本的ルールを身につけることができることをねらいとしておるものです。今年度は、社会教育施設や文化施設等で事業を実施し、多くの親子の参加を得たところです。来年度は、事業の一層の進展を図るために、六月と十月、十一月にキャンペーンを実施いたしまして、区市町村に広く参加を呼びかけるとともに、民間団体等の参加協力を得て、事業の拡大や地域展開の充実に努めてまいるつもりでございます。

○井口委員 それでは、もう一つは、国旗・国歌について意見を述べておくということにさせてもらいます。
 地域社会における国旗・国歌の取り組みということになりますが、今日は法制化されました。それで、地域社会では祝日などに国旗を掲揚していくということが、まだまだそういう勢いにはなっておりませんけれども、私は、当然そのことは浸透していくし、また、お互いにそのことをしっかりと認識していく、そういう時代に入っていく、こんなふうに思います。
 法制化以前のことであるならばまだしも、民主的な手続がとられて、国会を通って、このことが決められたわけでありますから、国として、国家的な取り組みとして、これからは至るところでこのことに関心が向けられるのではないかなと、私はこんなふうに思います。
 自分の国の国旗に誇りを持ち敬うことは、国民のこととして当然であります。私の町では、まず一つが、消防団でも国旗の掲揚もありますし、団旗の敬礼もあります。これは当たり前かもしれませんけれども、普通の世の中ではそんなにあるものではありません。これからは、そういうことにあわせて、学校では校長先生の努力によって――私はむちゃにやれとはいいません。このことは静かにしっかり理解してもらっていく、そして、当然の国民の意識として、このことを育ててもらいたい、こんなふうに思います。
 今、私は、柔道、剣道の幹部をしておりますが、柔道界、剣道界、大会にはそれぞれ国旗を掲揚する、そういう状況に進んでまいりました。ただ、私もいろんなところの私学へ行きますが、学校によってはまだなかなか国旗掲揚までいかない。祝日に国旗を上げるところまでいかない学校もあります。しかし、それはまあ建学の精神もあることでありますから、余りむちゃにはいえませんが、しかし、社会がしっかりとそのことを踏まえていくようになれば、私は当然そういうことに進んでいくものと思っています。したがって、都教委の学校に対する国旗掲揚に関する努力も非常に大切なことだと、私はそんなふうに思っています。
 これから、機会あるごとに、国旗・国歌が掲揚され、歌われ、そしてまた緊張した気持ちで取り組みされることも大事。人間は、ただいたずらに緩んでいればいいものではありませんので、時にはしっかり取り組むことが一つ。それからまた、自由の今日の社会でありますから、それなりの自由社会でエンジョイすることも大切であります。そういうことがしっかりと認識されませんと、私は、よい国民、国家とはいえないんじゃないか、こんなふうに思います。
 今、振り返りますと、五十年の間、国旗・国歌の問題があいまいなまま来ましたけれども、よくぞ日本はこういうことで乱れなかったなあということの方が、私は感慨無量であります。今日、国がそのようにして方向を決め、このことが決定されましたが、このことが自然の中で粛々としっかり進むこと、同時に、そのことはやっぱり教育の一環としても大切だろう、このように申し上げておきます。今後のよいご指導をお願いしたいと思います。
 最後になりますが、これは授業料関係ですので、これも初めにちょっと経緯を申し上げさせていただいて、説明させていただきます。
 入学料、授業料の改正についてでありますが、この問題については平成十年の第四定例会の文教委員会の場におきましても、さまざまな角度から各会派が真剣な議論を重ねてきたということでありましょう。その意味では、この問題については既に議論はかなり出し尽くしている、こういう感がいたします。
 さきの十年第四定例会の時点では、都政全体の内部努力がいまだ不十分であったこと、及び長引く不況のもとで料金値上げが都民の暮らしに影響を与えるおそれがあることなどを総合的に判断して、我が党を初めとする四会派が一千億円の行政改革を求める申し入れを行い、値上げについて一時見送ったものであります。
 もとより、私どもは、都民への公平な税の還元という立場からも、個別に行政サービスを受ける都民に相応の負担を求めるという、いわゆる受益者負担の原則そのものを否定するものではありません。しかし、料額を設定するに当たっては、他府県との均衡、公私格差の是正、他の都立学校との整合性を図りつつ、受益者負担の適正化に向け、総合的判断のもとで決定する必要があると思います。
 そこで、お伺いをいたしますが、今回の授業料改定及び入学料徴収の理由は何か。また、平成十年四定において見送られた経過があるが、何ゆえ再度提案したのか、あわせてこのことをお聞かせいただきます。

○小海学務部長 授業料改定及び入学料徴収の理由でございますが、他の道府県の動向を勘案し、公私格差の是正及び受益者負担の適正化、他の都立学校との整合性を図るために、地方交付税算定基準額を限度としまして、改定及び徴収するものでございます。
 また、さきの四党派による一千億円の行政改革の申し入れ並びに共同声明を踏まえまして、職員給与の見直し、徹底した事務事業の見直し等を図り、都民の理解を得られるよう内部努力をしているところでございます。

○井口委員 次に、都の高校教育は、都立と私立が相互に分担、協力して実施してきたといわれています。かなりバランスが似ているようなことで担っているわけですから、そういえると思います。都内の生徒数をとってみても、十一年度学校基本調査によれば、五七%が私立高校生である。前回、平成十年第四定例会でも議論になりましたが、授業料及び入学金において都立高校と私立高校との公私格差は今どのようになっているんでしょうか。

○小海学務部長 平成十一年十二月、総務局学事部の調査によりますと、都内私立高校全日制の授業料平均額は三十八万三千三百八十二円で、都立高校の現行額十万四千四百円と比較しまして、約三・七倍の格差がございます。また、私立高校入学料の平均額は二十四万三百九十八円でございます。このほか、施設費等十八万五千九百六十三円を加えまして、初年度計八十万九千七百四十三円と比較すると、七・八倍の公私格差が生じております。

○井口委員 他の道府県の授業料はどのような金額でしょうか。また、すべての道府県が地方交付税算定基準と連動させているのかどうかをお聞きいたします。

○小海学務部長 全日制を例にとって申し上げますと、二月末現在の調査によれば、地方交付税の算定基準の改正を受けて、もう既に改正されている県もございますが、十二年四月一日には、すべての道府県が年十万八千円に改正する予定であると聞いております。

○井口委員 次いで、入学料の定義とその徴収根拠は何かということであります。今回の改正案で、全日制の入学料五千五百五十円としておりますが、実際の所要経費は幾らということになるんでありましょうか。

○小海学務部長 入学料は、生徒として学校という施設を使用し得る地位を取得することについて、入学に際して一括して支払われる金銭でございます。入学に伴いまして必要な手続、準備のための経費、すなわち、入学のしおりや入学式等に係る諸費用は、新入生に要する経費でございまして、その経費を新入生が負担することは、受益者負担適正の観点から必要であると判断したものでございます。
 これら入学に伴う費用は、全日制の場合、約一万二千三百円となっておりますが、他の道府県の動向を勘案し、地方交付税算定基準限度額と同額としたものでございます。

○井口委員 現在、入学料を徴収していないところは東京都と山梨県だけだと聞いておりますが、山梨県の状況はどのようになっておりますか。

○小海学務部長 本年一月下旬、山梨県議会におきまして、入学料の徴収について検討に着手すると知事説明がなされたと聞いております。また、この方針を受けまして、山梨県教育委員会では、早急に必要な委員会を立ち上げ、PTA会費など他の保護者負担の整理を図りつつ、徴収に向けての検討を進める予定とのことでございます。

○井口委員 今回の入学料は、自治省が示すナショナルミニマムとしての地方交付税算定基準と同額にしたもののようであります。公私格差及び他府県の例から見ても、徴収はやむを得ない面があると思います。しかし、入学料収入は、人材育成のために、都立高校の教育条件の整備財源の一部に入るべきであると考えますが、どのようになっているでしょうか。

○小海学務部長 厳しい財政状況のもと、効率、効果的な行財政運営に努めておりますが、生徒の資質向上のための教育条件整備としまして、インターネットを教科指導に導入するために、関係部局の理解が得られるように努力していきたいと考えております。

○井口委員 最後に申し上げておきます。
 これまで伺ったところでは、同じ都民の子弟でも、都立高校と私立高校では、初年度の学校納付金が七・八倍の開きがある。また、他の道府県でも、入学金、授業料は自治省の地方交付税算定基準の改正と連動して改正をしているということであります。
 これらのことを総合的に勘案するなら、今回の条例改正はやむを得ないかなという感がいたします。しかし、現下の経済環境はいまだに厳しいものがあり、額はどうであれ、このことが都民の負担を増すことは否めないことであります。都民の納得を得るには、都教委、学校におけるより一層の内部努力が不可欠であります。改正に伴う増収分や、限られた予算を機動的に効率的に運用して、教育条件の整備、向上を図るとともに、公費以外の学校徴収金等の軽減を図り、総合的に保護者の負担を軽減していく努力を継続することを強く要望して、このことについて終わります。
 一点だけ、教育長に私から、これはお話しもしていなくて突然やります。
 先ほど、桜井委員からだと思いますが、学校の運営が校長中心に行われ、そして、そのことが思うようにいく場合と、いかない場合もあると。こういうようなことで、学校がこれから、いうなれば人事考課のもとに進められていくときに、しっかりこの道が開けないといけないと、私はこう思っています。
 そこで、校長も大事、校長が、そのことができる人材が大事、それから、そのことを進めていくという指導も大事。そこで、東京都の教育委員会と学校の校長とのつながりはどのようにしっかり組まれているのか、お聞きしておきたいと思います。

○中島教育長 四月から新たな人事考課制度を導入しますということで、既に評価者訓練を、ことしに入ってから全校長に行ったわけでございます。こういう中で各校長さんから、この人事考課制度についての理解が相当深まっておりまして、きちっとやっていただけるという確証は得ております。
 どちらにしましても、学校運営の中でいろいろやっていく場合に、校長のリーダーシップというのは非常に重要でございまして、この人事考課制度につきましても、校長が制度の趣旨をよく理解した上で、きちっとした対応を図るという強い意欲を持っているということが前提条件でございますので、私どもとしましては、評価者訓練のほかに、いろいろな校長会等がございますので、そういう場面等でもこの意義を伝えますとともに、今後も引き続きまして、具体的な対応策等はもちろんお示ししますけれども、やはり人事考課制度の持つ意義、とりわけ教員の資質向上、能力開発の役に立つということで今まで進めてきておりますので、そういう意味での校長とのつながりといいますか、支援をますます深めていきたいと思っております。
 四月以降も、校長さんのみならず、今回、教頭もこの評価者になるわけでございますので、あわせまして、きちっとした制度の実施に向けての支援を進めていきたいと、このように思っております。

○井口委員 教育委員会が東京都の教育についてしっかりとした方針を決める。そしてまた、今度、人事考課も伴いながら、教育委員会の教育長は、そのことでしっかりと学校行政を進めていく。そのことを受けて、校長がしっかり取り組んでいく。また、そのことを経て、生徒にしっかりとそのことが伝わっていく。そういう一貫性のある大事な場面がこれからつくられていく、私はこんなふうに思います。何も、至るところでむちゃなことをやる必要はありませんけれども、しっかりと信念を持っていきませんと、この重大な教育を進めていくということは、日本的に注目されていることでありますから、失敗は許されません。しっかりとどうぞ取り組んでいただいて、このことが、全国の人たちによって――日本の教育が大きく前進する、その土台になってもらいたい、このことを申し上げて、終わります。

○和田委員 済みません、すぐ終わります。
 人事考課について、三月中に本人開示と不服申し立て制度をつくってほしいというようなことを、私が要望した本人でありますので、それについて関連で質問させていただきたいと思うのです。
 昭和三十四年に勤務評定規則ができて、それが事実上機能せずに今日まで来て、それのリニューアル版だというふうな理解がされています。確かにそうだと思うんです。そこでなんですが、今回の人事考課のこの制度は、労使問題、いわゆる当局と教職員も含めた、組合も含めた労使関係の規定なのか、それとも、さきに出てきている資質向上、能力開発のための制度なのか、どちらなんでしょうか。

○上條人事部長 まさに今回の人事考課制度は、再三申し上げておりますように、教職員の資質能力の向上を目指したものでございます。これも再三申し上げておりますけれども、管理運営事項でございまして、教職員団体との交渉事項ではないというふうに判断しております。

○和田委員 そういう上條人事部長の理解のようであります。しかし、私どもは、この問題は、さきに申し上げたとおり、民間の純然たる企業の労使の問題とも違い、また、民間の資質向上、能力開発のポイントとも違うと思っておりますから、少なくとも利害関係者ときちっと話をした上で、導入に踏み切るべきだと思います。
 私どもは、態度表明をこの前からさせていただいておりますけれども、導入には絶対賛成であります。しかし、本人に対する開示の問題、さらに不服申し立ての制度をつくっていくということをきちっと踏まえて、初年度からスタートしていくべきだと思います。とりわけ、中島教育長は新年度から教育委員にもなるわけでありますし、そういう地位のきちっとした強化を前提にして、発言なり指導できる立場になるわけでありますから、私は最後に、強くこの二つ、本人開示と不服申し立て制度の導入も前提に、この制度の実施を強く求めておきたいと思います。
 以上でございます。

○大河原委員 井口さんの訓示で終わると大変美しい形なんですが、一点だけ確認させていただきたいんです。
 それは、私立学校と都立学校の話が出てきました。そして、今、教育委員会の立てた二次プランまでつくっている教育改革で、東京都の教育を本当によくしていこうという努力を、職員の皆さんも本当に日夜やっていらっしゃると思うんです。で、さっき、学費の問題、授業料の問題も出ましたけれども、やはり私立学校と公立の学校の違いというのははっきりあります。それは、財政計画を持って、一つの建学精神に共鳴した子どもたち、親、そして、そこで行われる教育についてある目的を持った子どもたちが集まる、同じような社会環境、経済環境、バックグラウンドの子どもたちが集まっている私学と、都立の、いろんな環境から来る子どもたちが出会う場としての学校、そういうところで行われている教育の役割というものは違うというふうに私は認識しています。(発言する者あり)
 私自身は私立で育ちましたので、本当に私立のよさを十分にわかっています。しかし、今この場で行われた議論の中では、やはり都立学校のよさを、公的な税金で賄われている学校の教育、その役割をきちんと認識しなければ、今後の学校改革についても理解は得られないと思いますし、それは、実際の学校教育の中身と、それから、それを支えている、学校に子どもを通わせている都民だけの財産じゃありませんから、その点での都立学校の役割、認識をもう一度確認させていただきたいと思います。
 その意味で、多様な都民のニーズを受けて立つんだと。先ほども、都立の栄光を再びと、復権というような言葉も出てきましたけれども、今は違う地平に立っています。新しい公的な教育の仕組みをつくっていくとき、そういう視点がこの改革にはあると、そういうふうに思ってきました。(発言する者あり)

○植木委員長 お静かに願います。

○大河原委員 その点では、やはりいろんなタイプの学校をつくっているところで――例えば進学重視をしようというタイプもありました。それからチャレンジスクールということで、今までの教育のシステムに乗っからない、あるいは挫折をしてしまう、やり直しをもう一度したい、そういう子どもの希望をかなえていくタイプの学校もつくる。私学は、一つ一つのタイプをつくって、それに合わせます。でも、都立は、そういったバリエーションをつくっていくのが公的な役割だと認識された上だというふうに私は思うんですけれども、その点、最後にお答えください。

○中島教育長 ご指摘のように、都立高校、今、二百八校、全日制がございますが、やはり端的にいいまして、魅力がないという指摘を私ども非常に受けているわけでございます。それはいろいろなご意見があると思いますが、今回の都立高校の改革推進計画の眼点は、いろいろなタイプの、新しいタイプの高校を含めて魅力ある都立学校にしていこうと。これは、かつての栄光ということとは関係なく、都民から信頼される魅力ある学校をつくっていこうというのが最大の目的でございます。
 そのためには幾つか条件整備をしていく必要があるだろうということで、例えば新しいタイプの学校を幾つか用意していく。その中には、今ご指摘ございましたように、進学を重視する学校もあれば、総合学科という形でいろいろな希望をかなえていく学校もあれば、あるいは商業系の学校、工業系の学校であっても、それこそ大学進学を目的とするようなコースを選べるような学校もある。あるいは場合によってはチャレンジスクールという形で、筆記試験はなしで入学者を選べるような学校もある。そういうさまざまなタイプの学校とともに、既設の学校についても、それぞれの学校を特色を持って改革していこうという取り組みでございます。その中で、先ほどもいいました適正配置であるとか、あるいは開かれた学校づくりであるとか、あるいは今の人事考課制度もその一環というふうに私どもは考えているわけでございまして、そういう意味で、この改革につきましては、やはりこれから長期的な視点に立った上でこういう改革をしなければ、都立高校、ある意味では生き残りができないというふうに私どもは考えているところでございます。

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び請願に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、本案及び請願に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時三十分散会

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