ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

文教委員会速記録第五号

平成十二年三月十七日(金曜日)
午後一時六分開議
 出席委員 十二名
委員長植木こうじ君
副委員長大河原雅子君
副委員長島田  久君
理事中嶋 義雄君
理事くぼた 光君
理事井口 秀男君
和田 宗春君
石川 芳昭君
鈴木 一光君
桜井  武君
内藤  尚君
西田ミヨ子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
局長土肥 謙二君
次長矢島 紘一君

本日の会議に付した事件
 都立大学事務局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費 都立大学事務局所管分
  付託議案の審査(質疑)
  ・第七十四号議案 東京都立大学条例の一部を改正する条例

○植木委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都立大学事務局関係の平成十二年度予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成十二年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長より調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
平成十二年三月十六日
東京都議会議長 渋谷 守生
文教委員長 植木こうじ殿
予算特別委員会付託議案の調査について
(依頼)
 このことについて、予算特別委員長から別添のとおり調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1)
文教委員会
 第一号議案 平成十二年度東京都一般会計予算中
     歳出
     繰越明許費
     債務負担行為

(別紙2省略)

平成十二年三月十六日
予算特別委員長 清原錬太郎
東京都議会議長 渋谷 守生殿
予算特別委員会付託議案の調査について
(依頼)
 本委員会は、付託された議案の審査に当たって各常任委員会の意見を参考とすることに決定したので、左記のとおり調査の依頼をお願いします。
  記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(木)午後五時

(別紙1、2省略)

○植木委員長 これより都立大学事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、都立大学事務局所管分及び第七十四号議案、東京都立大学条例の一部を改正する条例を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○矢島次長 去る二月二十一日、当委員会におきましてご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会資料の目次をお開きいただきたいと存じます。ご要求のありました資料は、都市研究の概要外八点でございます。
 一ページをお開きください。本学における都市研究の概要でございます。平成十年度から十二年度までの、都市問題に関する共同研究及び東京都環境保全局からの受託研究の概要をお示ししてございます。
 二ページをごらんください。平成十一年度と十二年度の本学における研究奨励費による研究の例を、一般財源によるものと外部資金によるものに分けてお示ししてございます。基礎的な研究から応用開発を目指した研究まで、さまざまな研究を行っております。
 三ページをごらんください。平成六年度から十年度までの年度別の退学者及び除籍者数の推移でございます。退学者のうち括弧内の数は、経済的事情によるものでございます。除籍者のうち括弧内の数は、授業料未納によるものでございます。
 四ページをごらんください。平成七年度から十一年度までの授業料の減免許可者の推移をお示ししたものでございます。
 なお、この表の数字は、授業料免除及び減額の半期ごとの数字を合計した数でございます。
 五ページをごらんください。平成七年度から十一年度までの奨学金受給者数の推移をお示ししております。
 六ページをごらんください。平成元年度以降の都立大学入学料、授業料の推移と消費者物価指数でございます。消費者物価指数につきましては、総務局統計部発行の「東京の物価」をもとに作成し、平成元年を一〇〇とした各年の指数を示しております。
 七ページをごらんください。平成六年度から平成十年度、昨年の三月卒業になりますが、それまでの卒業生の就職率の推移でございます。
 八ページをごらんください。平成八年度から十二年度までの都立大学における研究費歳出予算の経年推移でございます。十二年度につきましては、一般財源十一億七千万余円、受託研究費などの特定財源五億七千五百万余円、合わせて十七億四千六百万余円を研究費歳出予算として計上しております。
 九ページをごらんください。都民カレッジの開講講座数、受講者数、補助金額の推移でございます。開講講座数につきましては、平成十一年度までは実績、十二年度は計画数でございます。また、補助金額につきましては、予算額でございます。
 以上、大変簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○植木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○桜井委員 資料要求をしておりますので、これに基づきまして質問させていただきます。
 平成七年、科学技術基本法の制定が行われて以来、我が国においては、科学技術の発展に向けましてさまざまな取り組みが行われております。この中で、欧米に比べて立ちおくれの目立つ基礎研究を初めとする研究開発の分野においては、とりわけ大学の果たす役割というものは非常に大きなものがあるわけであります。
 資料説明で、研究の一端を伺ったわけでありますけれども、五学部、五大学院研究科を擁する総合大学として、都立大学においてもさまざまな分野で研究が行われているということをお聞きしましたが、まず一点、質問しますけれども、都立大学の幅広い研究実績について、その研究のレベルは、それぞれの分野の中でどの程度の水準のものなのか、レベルの高さ、また、どのような評価を受けているのか、これを伺います。

○矢島次長 基礎的なものですとか長期的なものを含みます、大学における研究のレベルについて、具体的な指標を示すことは困難でございますけれども、都立大学の研究水準につきましては、受託研究あるいは提案公募型研究など、外部からの研究依頼の件数や金額が、本学の教員数などの大学規模から見て相当大きいということがございます。そういったことから、それぞれの学会ではもとより、社会や産業界からも高い評価を得ているものと考えております。
 とりわけ、科学技術基本法の制定によって始まりました、国などからの基礎・基盤的研究に対します大型の資金提供プロジェクトである提案公募型研究の受託実績につきましては、平成九年の本学での受け入れ制度発足以降、毎年急速な伸びを見ているところでございます。

○桜井委員 それでは、次に伺います。都立大学の研究水準の高さというものは、今、一応説明されたわけでございますが、一方、大学の持っているもう一つの柱であります教育ということについて考えてみます。
 石原知事は、さまざまな会合とか新聞紙上で、最近盛んに教育改革の必要性を唱えておりますが、その中でも特に、教育の一応の終点である大学、そういったものをドラスチックに変えていきたいということを発言しております。より高い教育水準の確保のためには、研究水準の確保ももちろん大切だとは考えますけれども、都立大学の教育と研究に関する考え方を伺いたいと思います。

○矢島次長 教育水準と研究水準は一体不可分でありまして、それぞれ最高水準を目指すことが大学の使命と考えておりまして、どちらか一方のみの実現はあり得ないということは、委員ご指摘のとおりでございます。
 都立大学におきましては、学部教育においてすぐれた人材を育成するため、少人数教育を実施してきております。また、最近では、学問の高度化や社会からの要請に対応した大学院教育の充実などを行ってきております。
 今後は、企業経営や法律実務など、高度で専門的な知識や能力を有する人材を養成する大学院も充実してまいりたい。
 なお、少子化や大学生の基礎的な学力低下など、我が国の大学を取り巻く教育環境の変化に対応した大学改革を検討しているところでございます。

○桜井委員 大学改革ということが、今、出ていました。大学改革というのは大変なことだと思うんですけれども、具体的に大学改革を、都立大学ではどのような内容で、また、どのようなスケジュールで進めようとしているのか、これをお願いします。

○矢島次長 都立大学におきましては、最先端、最高水準の研究、教育を担う総合大学、また、地域社会に深く根差した開かれた大学という理念を基調とした改革案を検討しておりまして、初等中等教育の改革につながるようなダイナミックな改革案を、ことしの秋までに策定していきたいと考えております。これに基づきまして、総長以下教職員が一丸となって大学改革を進める所存でございます。

○くぼた委員 来年度予算案に対して、恐らく他の会派の皆さんのところにも、学生自治会の皆さんや教職員組合、そういうところから要望が行かれたと思いますけれども、私どものところにもそういう要望が寄せられました。学生自治会などの要望のトップは、このような厳しい経済状況の中で、入学金や授業料の値上げ、スライド制の導入を行わないでほしいということであります。マスコミでも、新聞報道などで、保護者の失業やリストラが学生を直撃し、学費滞納者や除籍者もふえている、こういう実態が報道されています。
 学生が行ったアンケートもいただいたんですが、そのアンケートの結果を見ても、三五・五%が現在の学費を高いと思うと。適正だというふうに答えたのも五三%あるんですけれども、そのうち四九%が、奨学金など、そういった学費の負担を少なくするような充実を求めているわけです。その後に、いろいろ出された声が書いてあるんですが、その声を見ても、親に負担をかけていると思うとか、親の負担を少なくしたい、自分で稼ぐのは今の学費で目いっぱいだというような声がたくさん寄せられています。
 また、都の教育委員会が、保護者が負担する教育費調査報告書というのを出していますけれども、これを見ても、都立大生の親の教育費の負担感は、大変負担に感じているというのが六七%、少し負担に感じているというのが三三%、これを合わせてすべてなんです。負担ということでは、すべてが感じているという調査結果もあるわけです。こういう状況からして、値上げはやはり行うべきではないというふうに思います。
 そこで、まず最初にお伺いするんですが、今回の授業料、それから入学料の改定の内容について説明をしていただきたいと思います。

○矢島次長 改定の内容でございます。
 まず、授業料ですが、学部第一部と院生につきまして、現行額が年額四十六万九千二百円、これを平成十二年度、四十七万八千八百円、十三年度には四十九万六千八百円としようとするものでございます。
 また、学部第二部につきましては、現行額二十三万四千六百円を、平成十二年度、二十三万九千四百円、平成十三年度、二十四万八千四百円にしようとするものでございます。
 また、入学料につきましては、東京都にお住まいの方につきましては、現行額十三万五千円を、平成十三年度の入学にかかわる者から十三万八千五百円に、東京都にお住まいの方以外の方につきましては、現行額二十七万円を、平成十三年度の入学にかかわる者から二十七万七千円に改定しようとするものでございます。

○くぼた委員 同時にスライド制が導入されるということです。今のお答えの中にも含まれていると思うんですが、スライド制というのはどういう制度でしょうか。

○矢島次長 スライド制といいますのは、今後、授業料が改定されますと、改定された時点で在学生にも改定額が適用されるというものでございまして、今回ご提案しておりますのは、授業料が改定された場合、十二年度以降の入学生について改定額を適用しようとするものでございます。

○くぼた委員 そうすると、十二年度、十三年度連続の値上げということになるわけですね。スライド制を導入した結果、十二年度の入学生は二年連続値上げで、二万七千六百円という大幅な値上げとなるわけです。しかも、今回提案されている額は、国立大の授業料と横並びだということになります。これまでも、都立大学の授業料、入学金については、大体二年ごとに値上げを繰り返してきたわけです。そういう中で、相当高額になっているというふうに思うんですね。憲法で保障された教育の機会均等ということが、そういう意味では危うくなっているというのが実態じゃないかと思うんです。
 それを裏づけるように、例えば文部省が行っている学生調査というのがあるんですけれども、これも九四年、九六年、ちょっとデータが古いんですが、この二年間に、昼間に通っている大学生の家庭、四十五歳から五十四歳の方が世帯主の家庭の年間収入を五分位に分けて見ているんですね。年収五百五十三万八千円未満の世帯は、その二年間に二一%から一五%に減っているんです。一方、年収が一千百八十五万四千円以上の家庭が一%ふえている。つまり、大学にお子さんが通っている家庭の収入自体が高い方にシフトしている、こういう結果が出ています。
 都立大学の昼間の学生の家庭収入の平均も、大学が行った学生生活実態調査、これは九七年のものですけれども、収入の平均が九百六十二万だという実態を示しています。既にそういう状況があるわけですね。つまり、収入が一定以上なきゃ入れないというような、既にそういう実態になっていると思うんですね。
 その一方で、長引く不況の中で、家計の悪化などもあり、授業料の減免を申請し、許可される学生が大変ふえているということであります。きょういただいた資料の四ページに、減免を許可された学生の推移が載せられています。この表を見ても、平成七年度、八年度、九年度ということでは減少ぎみにあったわけですけれども、今度、十年度、十一年度ではこれがふえているという推移がわかります。
 ところで、この減免が許可される基準というのは、どういうものなんでしょうか。

○矢島次長 減免の基準についてのお尋ねですが、家計基準により行うとしておりまして、申請者が生活保護世帯に属するとき、あるいは本人または学費負担者の住居が災害により全壊、半壊の認定を受けたときなどに、減免の対象とされてございます。

○くぼた委員 ここに、都立大学の授業料減免取扱要綱実施細目というのをいただきました。今、お答えもあったように、それによりますと、学費の負担者が死亡したり、あるいは天災や災害で家計が急変して生計が著しく困難になった場合、それとか、生活保護世帯及びそれに準ずる世帯ということになっています。
 ここにいただいた資料は減免の許可者の推移ですけれども、申請者はどのぐらいあったのか、この表に沿って申請者の推移を教えていただきたいと思います。

○矢島次長 表が七年度からになっておりますが、十年度、十一年度について、表に沿ってお答え申し上げます。
 許可者の推移の表で、平成十年度について申し上げますと、申請者については千三十八名でございます。平成十一年度については、申請者が千二百一名でございます。許可者については、表に記載のとおりでございます。

○くぼた委員 今、お答えがあったように、十年度から十一年度の間で約百七十名ふえているということです。その前どうだったかということを事前に先ほどお伺いしましたら、七年度から九年度にかけては申請者も減っているんですね。九年度から百名ふえている。それから、十年度、十一年度の間で、今、お答えがあったように百七十名ふえているという状況です。
 この資料を見ますと、減額と免除と両方あるんですが、減額許可者のところを見ると、十年度から十一年度にかけて大幅にふえているわけです。百七十五名から三百三十九名というふうにふえているわけですけれども、これはどうしてでしょうか。

○矢島次長 許可者がふえております背景には――減免の対象者としまして、全額免除と半額免除というのがございますが、申請があった方の中で、家計基準によって対象となる者については、これは全員対象にしようということから、減免対象者のうち、全免対象者の中から半額免除対象者に一部を振りかえておりまして、その数が、平成十一年度は前期で九十七名、後期では八十五名となってございます。

○くぼた委員 ここにもやはり今の経済状況があらわれているというふうに思うんですね、非常に深刻だと。今、お答えいただいたように、減免の申請者が急増して、それが多過ぎたということで、多分予算の枠があると思うんですけれども、その枠におさまり切れないということで、本来だったら全額免除になる人が半額免除で我慢してもらう、こういう事態が生まれているということだと思うんですね。このようになったのは、この表を見てもわかるように、十年度からだということであります。予算枠で受けとめ切れないほど学費減免申請者がふえている、ここに今の経済状況の実態が本当によくあらわれているというふうに思うんですね。
 それだけじゃなくて、その次のページの奨学金受給者数の推移というのを見ても、減免の申請者だけじゃなくて、奨学金の受給者の推移も、これも昨年度から、十年度、十一年度、大幅にふえている、こういうのが実態なわけです。
 こういうふうな状況がある中で、今回こういった値上げの改定案を出すということですから、それによってどういう考え方をしたのか、そこのところを私ちょっと伺いたいと思います。

○矢島次長 授業料の改定の理由でございますけれども、基本的に、授業料については受益者負担の観点から、学生教育に要する経費をご負担いただくことになると考えておりまして、一方で、教育の機会均等ですとか社会的公平性など、さまざまな要因を勘案した上で決定をしているところでございます。そういった中で、どこまでご負担いただくかという観点で、国立大学あるいは他の公立大学の状況等を勘案し、一方でまた、大学に入らずに勤労している方たち、さまざまな状況がございますので、そういったものを勘案し、今回、授業料の改定をお願いすることとしたものでございます。

○くぼた委員 私ね、そういう考え方でいいのかどうかというふうに思うんですね。先ほども申しましたように、この間、都立大の授業料、入学金、二年ごとに値上げをされてきました。そのときの理由は、今、ご答弁があったように、簡単にいえば受益者負担の社会的な公平性だというようなことだったと思うんですね。もう一つは、今、他大学との負担のバランスだということもご答弁されました。しかし、受益者負担の公平性ということを考えれば、何で他大学が一つの目安として出てくるのか、これがよくわからないんですね。
 それで、負担する能力という点でどうなのかということで、これも六ページに資料をいただきました。消費者物価指数がどういうふうになっているのか、それの対比で、入学料、授業料がどうなっているのかという表をいただいたわけですけれども、この表は、平成元年度、つまり八九年度の消費者物価指数を一〇〇としているわけです。で、昨年度の指数が一一二・六ですね。これをよく見ると、十年度から十一年度、下がっているんですね。
 それでは、入学金、授業料の方は、平成元年度を一〇〇とすると、昨年度の指数はそれぞれ幾つになるんでしょうか。

○矢島次長 授業料は、元年度を一〇〇とした場合に、一三九・六でございます。

○くぼた委員 授業料が一三九・六、約四割増しということです。入学金は、今、お答えがありませんでしたけれども、私、計算したら、今年度は二二五です。表にもあるように、物価指数はここに来て下がっているんです。しかも、この十年間で見れば約一割増しであるのに対して、授業料は四割増し、入学料は二倍以上上がっている、こういうことです。ここにまたスライド制を導入するということになると、この表を延ばしていってみますと、再来年度は、授業料は五割増しという状況になります。
 もう一つ伺いますけれども、一九七〇年のときの都立大の学費と現在の学費、何倍になっているでしょうか。

○矢島次長 授業料について申し上げますと、学部第一部の学生の場合で、昭和四十五年は年額一万五千円、現在は年額四十六万九千二百円ですので、約三十一倍となります。
 また、入学金につきましては、都民外の場合で申しますと、昭和四十五年は一万円、現在は二十七万円ですので、二十七倍となっております。

○くぼた委員 私、総務庁統計局の出している消費者物価指数の調査を調べてみましたら、一九七〇年と比べて現在の消費者物価指数、例えば私立大学の授業料は八・七倍、水道の料金は四・五倍、品目がいろいろあって、平均で三・二倍ということですから、今、お答えがあったように都立大学の授業料は三十一倍ということで、いかにこの間異常な高騰だったかということが明らかだと思うんです。そういう意味で、学費というのは、これは都立大だけじゃないんですけれども、国立大ほとんどそうなんですが、物すごい勢いで上がってきたということなんですね。その上さらに値上げをする、またさらに、在校生も値上げをするスライド制まで導入するということで、そういう意味では、この間の経過をたどっても、全く異常な話だというふうに思います。物価と比べても非常に重い負担になっていると思うんですね。
 文部省の資料で、教育政策の国際比較というのがあります。それによれば、先進資本主義国の中の多くは、大学の学費も授業料も無料です。イギリスは無料、フランス、ドイツも無料です。アメリカだけはそれなりの学費を取っていますけれども、それでも、我が国に比べれば七万から八万安いんですね。入学金はありません。しかも、欧米は、奨学金制度の基本が返済不要の給与制です。だけど日本は、すべて奨学金を受けたら後で返済しなきゃいけない、場合によっては利子もつけて返さなきゃいけない、こういう貸与制になっています。こういう違いがあるんですね。この背景には、高等教育の無償化の導入をうたった国際人権規約第十三条、これは既に百三十四カ国が批准しているわけですけれども、その中で三つだけ、日本、ルワンダ、マダガスカル、ともにこれを保留しているんです。そういう背景もあると思います。ですから、受益者負担の適正化といっても、結局、国立大学と比べて安いというだけの話であって、まともな理由だとは到底いえないし、納得できません。
 毎年のセンター試験で、都の学生自治会連合が受験生にアンケートをとっているそうで、私、それも見せていただきました。ここに資料があるんですけれども、こういうグラフでアンケートが集計されているんです。センター試験のときに毎年やられるそうなんですが、この中で、大学生活に対して何が不安かという問いかけがあるんですね。それに対して、ことし初めて上位になったのが、学費や生活費の負担が一番不安だという項目でした。ちなみに、去年は、選んだ学部で希望どおり勉強ができるかということがトップだったということです。学費が払えるかどうか、学生生活が経済的な面で成り立つかどうか、それが今の学生にとって一番の不安になっているということが、あちこちで聞かれるわけです。不況の中、リストラや倒産、営業不振などで、本当に厳しい家計の状況にあるということがわかります。
 ここの中でも、受験生たちに直接書いてもらった声があるんです。これも本当はいろいろ読んでみたいんですが、幾つか拾ってみますと、学費を払うために借金をするとか、親がパートに出なきゃならない、金のかからない国立に行ってくれといわれているとか、母子家庭で大学に行かせてもらって申しわけない、父親がリストラされそうで心配だ、そういう本当に切実な声がいっぱい寄せられているわけです。そういう中で、授業料、入学料の値上げということでダブルパンチだと。スライド制導入で二年連続の値上げ。在校生の値上げもする、そういうスライド制の導入。私は全く理解に苦しみます。
 こうした授業料などを初め、都の使用料、手数料の値上げについては、これまでも都側から繰り返し提案をされてきたわけです。しかし、この間、長引く不況の中で苦しんでいる都民に、今、新たな負担を求めるべきじゃないという認識から、私たちははこれに反対してきました。一昨年、授業料の値上げなどが提案された議会では、第一回定例都議会において、各会派も、当時の社会情勢を理由として、これにこぞって反対をして、値上げ案を否決するという状況になりました。このときよりますます深刻になっている、こういう厳しい状況ですし、そういった事態は変わっていないと思うんです。そういう中で値上げをするということを、大学当局は認識されているんでしょうか。そのところをちょっとお伺いしたいと思います。

○矢島次長 授業料については、これまで定期的に見直しを行ってまいりました。先ほどお答えしましたように、学生の教育に要する経費ですとか、国立大学、他の公立大学の学費の状況あるいは教育の機会均等、社会的公平性の配慮、さまざまな面から検討を行って、改定をお願いし、実施をしてきたところでございます。
 今回も、こうした要素を総合的に勘案して、受益者負担の適正化の観点から、国立大学に準じて授業料の改定を行うこととしたわけです。景気の低迷が長引く中で、都民生活にも影響が及んでいることについては承知をしておりますが、一方で、都財政もまた大変厳しい状況にあるということがございますので、ぜひ改定についてご理解を賜りたいと思います。

○くぼた委員 結局、最終的には、都の財政が厳しいから、学費値上げで都民に負担してもらうということなわけですよね。しかし、都民も大変厳しい状況だという認識はお持ちになっている。じゃ、都民はだれに転嫁すればいいんだということなんですね。東京都は学生や家計に負担をさせればいいかもしれませんけれども、生活している人たちは、ほかに転嫁するところがない、自分の身を削るしかない、そういう状況なんです。そこのところをぜひ認識をしていただきたいというふうに思うんですね。ほかの大学との負担の水準とか、国立大学よりも低い状況にある、これは理由にならないと思うんです。だから、本当にこれ以上の負担増を都民に求めるということがあっていいんだろうかというふうに思います。
 私は、国立より安くてもいいと思うんですよ。かつては、都立大学が独自の見識で授業料を低く抑えられていた、そういう事実もあるわけです。(「高いときもあったんだよ」と呼ぶ者あり)そういう事実もあったわけですよね。むしろこういうときだからこそ、公立大学は自治体独自の判断で少しでも安くする、学費や生活費のことを心配している父母や受験生、高校生に門戸を少しでも広げておくということがあってもいいと思うんです。それが公立大学、自治体の役割じゃないでしょうか。そういったことが励みや希望になって、都立大学に入学しようと思って受験をする学生さんもたくさんいらっしゃるわけです。初めの自治会のアンケートでも、都立大は本当に学費が安いから来れたんだというようなアンケートも載っていました。それなのに値上げというのは本当にひどい、どうしたらいいんだというような声もあったわけです。
 だから、そういう点からすれば、授業料や入学金の値上げをやめることはもちろん、授業料の減免も、先ほどお答えがあったように、東京都の都合で、ある枠に押さえ込むんじゃなくて、実態に応じて、弾力的に、柔軟に対応すべきじゃないかと思うんですね。
 減免の取扱要綱には、定めた減免総額という記述があるんです。この減免総額というのはどういうことなんでしょうか。

○矢島次長 減免の対象者について、どれだけ減免を認めるかということについては、先ほどお答えしましたように、予算の範囲内でこれを定めるということでやってきております。
 どこまで減免の枠を設けるかということについては、いろいろなお考えがあると思うんですが、一方で、都立大学におきましては、先ほど申し上げましたように、授業料としてこれまでいただいているものと、実際に、例えば学生教育に要する経費、その他一般財源が相当額入っておりますので、そうした中で、一定の範囲で認めてきているということでございます。

○くぼた委員 減免総額が事務局長が定めた減免総額を超えたときの調整方法は別途に定める、そういうことで総額が定められているわけですよね。今のお答えですと、授業料収入とかそういうものの割合で決めるということだと思うんですが、どのぐらいの割合なんでしょうか。

○矢島次長 過去数年の減免対象の枠でございますが、授業料収入に対する割合で、七%台で推移してきてございます。

○くぼた委員 授業料収入に対して七%台というお答えでした。ここに国立大学の授業料の減免及び徴収猶予の取扱要綱というのがあるんですが、今の枠のことが書いてあるんですね。国立大学の場合は、授業料収入予定額の八・五%に相当する額ということが書かれています。ですから、私、先ほどるる話した状況からしても、せめて国立大学と同程度の枠まで、都立大学でも減免の枠を認めたらどうかと思うんです。今やるべきことは、こういった入学料や授業料を国立大学と横並びにさせるということではなくて、横並びにさせるというんだったら、今の厳しい家計の状況、こういったことを考えて、むしろ、父母や学生の負担を軽減する措置を国立大学と横並びさせることじゃないかというふうに思うんですね。
 私は、今回の入学料、授業料の値上げは、やはりこういう観点から道理がない、どうしても認められないというふうに思います。結局、先ほどもご答弁ありましたけれども、大型開発至上主義の中で破綻した東京都の財政のツケを、こういう都民の負担を重くするという形で、学生や父母、都民に押しつけるものだというふうに思うんです。こういう値上げはきっぱり撤回してほしいということを強く求めて、次の質問に移りたいと思います。
 冒頭に申し上げましたように、この予算に当たって幾つかの要望をいただきました。その中の問題について幾つかお伺いしたいと思います。
 私、要望をいただいて、事務局の皆さんには急なお願いで、大変ご迷惑をおかけしましたが、先日、直接、大学を案内していただきました。そういう中で何点か気がついたことを伺わせていただきたいと思うんです。
 まず、大学の図書館の問題です。大学の付属図書館の開館時間について教えてください。

○矢島次長 大学付属図書館の開館時間は、通常、午前九時から午後九時まででございます。

○くぼた委員 これは夜間の学生の皆さんからの要望もあったんですが、夜間の授業が終わるのは九時十分だそうです。つまり、今のお答えのように、授業が終わったときにはもう図書館が閉まっているということです。特に、昼間、定職を持っていて、仕事が終わってから学校に通ってくる夜間の学生は、授業の前に図書館を利用することがなかなかできないので、ぜひ終わった後利用できるようにしてほしい、閉館時間を少し延ばしてくれないかということであります。そういう学生のことを考えても、開館時間を延長する必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。

○矢島次長 夜間部の講義終了時間が午後九時十分ですので、現状では遺憾ながら利用できないわけでございます。この点につきましては、どのような利用形態が望まれるのか、閲覧なのか図書の貸し出しなのかといったところについて、改善について検討しているところでございます。

○くぼた委員 今、改善について検討されるということで、ぜひ夜間の学生が実態に合って利用できるように検討していただきたいと思います。
 もう一つ、図書館について、休日や春休み、夏休みといった期間に図書館をぜひ開館してほしいという要望も出されました。私も学生時代、私、港区ですから、近くの都立中央図書館をよく利用しましたけれども、やはり実験のレポートを書いたり、いろいろな論文をまとめたりするのに、どうしても専門書とか専門雑誌、関連文献を探さなきゃならないということになります。そうすると、あの中央図書館でも決して十分とはいえない、そういう状況でした。やっぱり専門文献のそろっている大学の図書館を利用したいということになるわけです。そういった経験からしても、この願いというのはよくわかるんです。休日とか春休み、夏休みなどに図書館を開館するようにしたらどうかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○矢島次長 休日ですとか春休み、夏休みなどの開館につきましては、人手の確保などに課題がございますけれども、基本的には、できるだけ開館日数をふやす方向で検討してまいります。

○くぼた委員 人手の確保に課題があるということをいわれましたけれども、その後に、ふやす方向でということで、急に夏休み、春休み、全部開館しろということはなかなか難しいと思うんですけれども、ぜひそういう方向で検討していただいて、実現していただきたいと思います。
 人手ということであれば、仕事の内容にもよるわけですけれども、アルバイトとかボランティアなど広く募って、そういうことでも開館延長できれば、ぜひそういうことを積極的にやっていただきたいと思います。
 もう一つ、図書館を拝見させていただいたときにご説明があったのは、約五十万冊の本があそこの図書館に収蔵されているそうなんですが、その収蔵能力がもう限界に近づいているというお話でした。このまま推移すると、あとどれぐらいで収蔵能力を超えてしまうんでしょうか。

○矢島次長 付属図書館本館の書棚の総延長が約二万メートル余りありまして、現在、その八割程度が埋まっている状況でございます。残りについては、現状から見ますと、三年程度でいっぱいになるのかなということでございます。

○くぼた委員 それでは、それに対してどのように対応策を考えておられるのでしょうか。

○矢島次長 今、現状を申し上げましたけれども、図書館の中に、設計段階で書架の増設の余地がある部分がございます。こういったところにつきましては、財政状況がございますけれども、今後、検討していきたいと思っております。

○くぼた委員 設計段階で書架の増設の余地があるというご答弁でした。しかし、財政状況があるから、なかなか難しいんじゃないかと。私、そういう先見性は非常にすばらしいことだと思うんです。でも、ご答弁があったように、やはり実現というのは、財政状況ということをいわれて、非常に難しくなるのではないかと思うんですね。
 ご存じだと思いますけれども、都立の図書館も今、同様な問題を抱えているわけです。その解決方法として、今、都立図書館がやっているのは、集密書架の導入とか空きスペースの活用というようなことで、非常に苦労されているわけなんですけれども、これでも問題は解決しないんです。根本的には、日比谷図書館を改築する計画の中で、この問題を解決しようということになっていたわけです。そういった内容の基本構想もつくられていたわけですが、これもまた財政難を理由に、改築どころか、ことしの予算では、基本設計ができているにもかかわらず、当面の改修予算さえ削られてしまっているという状況なんですね。だから、そういう現実も踏まえて、あと三年ということですから、手おくれにならないように、ぜひ財務当局に働きかけていくことが必要だと思うんですね。
 それと同時に、やはり職員の確保も含めて、学生や教員にとって一層役立つ、使いやすい図書館にしてほしいというふうに要望しておきたいと思います。
 次の問題に移ります。これもやはり学生さんからの要望で、学生が自由に使えるパソコン端末を充実してほしいというものがあります。この件について伺いたいと思うんです。
 ご承知のように、昨今、パソコンの利用とかインターネットの接続が当たり前のようになってきました。特に、これから社会へ出る学生さんは、そういった技術やノウハウを身につけるのが必須になってきているといってもいいと思います。そういった状況を思い浮かべれば、この要求は当然のことだと思うんですね。
 そこで、学生が実際に使えるパソコンルームを見せていただいたわけです。約七十台の端末があって、そこでは、休みに入っているにもかかわらず、十数人の学生が端末に向かっていました。ちゃんとこちらで指導する、アルバイトの方か、先生か、ちょっとわからなかったんですが、いらっしゃって、使い方がわからないと、そこで教えてもらえるというシステム。そういう点、ある意味では監視の中でインターネット接続やパソコンの使い方を勉強するというふうになっていたわけなんですね。
 私もパソコンやりますけれども、最近は扱いが簡単になって、やろうと思えば自分でも結構自由にできるんですね。しかし、それではやっぱり我流になってしまう。できるだけに我流になってしまって、ああ、もっとこういう機能があったのかと。そういう意味では、教えてもらうということは非常に重要なことだと思うんですね。そういうパソコンルームを使うには、学生登録をする必要があるということでした。在籍学生のうち、どのぐらいの方が登録をしているんでしょうか。

○矢島次長 在籍学生については、十一年の五月一日現在で四千九百十九人おりますが、そのうち、これは本年二月の数字になりますが、登録者が三千九百八十七人で、約八一%の学生が登録をしております。

○くぼた委員 八一%の学生さんが登録しているということでした。研究室に入れば、その研究室の端末を使えるということもあるそうですから、ほとんどの学生が登録していると思うんです。
 それでは、この部屋が年間使える日数と、その利用状況を教えてください。

○矢島次長 パソコンルームにつきまして、年間百六十日分の予算を確保しております。
 実際の利用状況を申し上げますと、平成十一年度二月末現在の利用者記録によりますと、延べで二万九千八百四十四人が利用しております。

○くぼた委員 年間百六十日で、二月末までということですけれども、約三万人の方が利用されていると。単純に計算すると、一日当たり百八十六人の方が利用しているということです。つまり、一日二回転から三回転という数字になるわけですね。しかも、学生さんですから、授業の時間が決まっているということを考えると、利用時間帯が集中して、本当に順番待ちの列ができる、あれを何とかしてほしいということが要望なんですけれども、そういう実態になるのは当然だと思うんです。
 また、今、百六十日ということですから、基本的には夏休みなどは部屋を閉めるということだと思うんですが、そういう意味では、学生の方から、台数をふやすと同時に、やはりできるだけ休みの日もパソコンを自由に使える部屋を開いてほしいという要望が出ています。
 先ほども述べたように、これからは、端末を利用する、自由自在に使えるというのが、いわば社会へ出ての必須みたいな状況になると思いますから、台数をふやすとか、部屋を利用できる日数をふやすべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○矢島次長 パソコン教室の利用につきましては、需要がありますので、大変厳しい財政状況の中で、平成十二年度については、前年度と同額の予算を確保しようとしております。
 今後、大変厳しい財政状況の中ではありますけれども、パソコン教室の需要等を勘案しながら、できるだけサービスが維持できるように、努力はしてまいりたいと思います。

○くぼた委員 維持するだけじゃなくて、ぜひ伸ばしていただきたいと。何しろ順番待ちの行列ができるそうですから、少なくともそういうのを解消するような台数を入れてほしいと思うんですね。大学や会社で、インターネットで情報を仕入れるとか、メールで連絡をとり合う、それから、レポートを提出するというのは、もう普通になりつつあるわけですから、ぜひそういった意味でも充実させていただきたいと思います。
 最後に、学生の就職に関して伺いたいと思います。
 いただいた資料の七ページにもありますように、都立大学の卒業生の就職率、これはちょっと波がありますけれども、やっぱりだんだん下がっている状況にあると思います。いよいよ昨年度は八割台に突入しているという状況が読み取れます。ご承知のように、マスコミでも、学生の就職難は超々氷河期だといわれるように深刻で、昨年度、四年制大学の卒業生のその後の進路を調べた政府の調査でも、就職率は六〇・一%、過去最低、今年度も、昨年の末の時点で就職内定率は七四・五%、これも過去最悪ということで、四人に一人はまだ就職が決まっていないという状況だそうです。学生さんからもお話を伺いましたけれども、四年生になったら就職活動でもう講義に出られないとか、四年になったらもう就職活動に専念しなきゃいけないから、単位を先取りしちゃって、四年ではもう卒論しかやらないようにしているとか、そういった声が出ています。就職によって学ぶことを妨げられるという、おかしな事態にもなっていると思うんですね。
 そんな中で、昨年、学生の有志が就職活動促進委員会をつくって、大学のOBを呼んで話を聞いたり、メークアップ講座だとか論文の添削、要するに就職試験対策ですね、などの企画をやったという話を聞きました。これも非常に盛況だったということです。学生も、もう就職を個人の問題として片づけるのじゃなくて、力を合わせながら共通の問題として取り組んでいこうという積極的な姿勢だなということを、これを聞いて感じたんです。ですから、大学当局としても、ぜひそういう立場で取り組んでいただきたいと思うんですね。
 それで、大学事務局としても、今年度から就職支援を強化するということで、担当係長を配置して体制を強化したということですけれども、この間、具体的にどういった取り組みをされてきたんでしょうか。

○矢島次長 就職支援について大学がどんなことをやってきたかというお尋ねでございますけれども、今、お話のありました就職担当係長を設置いたしまして、後、就職相談を始める、あるいは、今年度から新たに就職用のパソコン五台を設置して、就職活動の利用に供してきておりますし、就職ガイダンス等についても、同窓会のご協力をいただきながら進めてきているところでございます。

○くぼた委員 今、お答えがあったように、OBの方に来ていただいて、月曜から木曜まで、午後の時間、就職相談活動をやったり、あるいはパソコンを五台入れて、インターネットで就職情報を集められるようにするというようなことをされていると。しかし、担当者は一人ですから、お話を伺ったら、やっぱりそれは、受け入れるだけで、みずから開拓に行くとか、そういう暇も全然ないということだし、先日も就職資料室というのを見せていただきましたが、求人会社のファイルがあって、今お話しのインターネットで情報をとれるパソコン端末が五台置かれていた。だけど、そこで気軽に相談できるような人が近くにいらっしゃらなくて、部屋だけがあったということでした。そういう意味では、率直にいって、まだ立ち上がったばかりだと。それは、ことしから予算がついたばかりですからね、人を一人つけて。そういう状況だった。ですから、ぜひ来年度は、せっかくそこまで来ているんですから、そういったものをさらに充実させていただきたいと思うんですね。それはどのような方向で充実させようと考えておられるのか、それをぜひ伺いたいと思います。
 とりわけ、ちょっと細かいことになりますけれども、これも学生から要望があったんですが、就職資料室の中にパソコンの端末は確かにあるんです。ところが、プリンターがないんですよ。だから、印刷できないんです。私、考えただけでも、最低でも切りかえ機があってプリンターが一台あれば、五台のパソコンでも印刷することができるわけです。それで出したものを持って相談に行くとか、実際に行くとか、そういうことができると思うので、決して高額なものではないと思いますので、ぜひこれを配置していただきたいと思います。
 来年度どういうふうに取り組まれるのか、そして、プリンターをぜひ配置していただきたい、その辺についてお答えいただきたいと思います。

○矢島次長 来年度の就職支援のお話でございますけれども、今年度、先ほど申し上げましたように、就職資料室を設けてパソコン五台を導入しましたのが、実は昨年の十一月でございます。来年度につきましては年度当初から使えるということで、その効果もさらに高まるのではないかと思っておりますし、就職相談につきましても、これまで相談員二名の方に具体的に相談に乗っていただく中で、例えば企業の面接時に必要なスキルですとか、具体的にはディベートですとかいった内容の工夫等もしてきてございます。新年度、厳しい財政状況のもとではありますけれども、さまざまな工夫をいたしまして、相談内容の充実等を含めて、支援活動の充実を図っていきたいと思ってございます。
 今、お話のありました、就職資料室のパソコンのプリンターの問題でございますけれども、今、利用実態を調べておりまして、今後検討していきたいと考えております。

○くぼた委員 ぜひきちんと予算をつけて、体制も強化して、気軽に相談できる人の常時配置とか、就職先の開拓など、就職支援を充実させていただきたいと思います。そういった意味では、今、お答えがあったように、就職支援は始まったばかりですので、学生が最後まで安心して四年間あるいは五年間学べるように、そして、誇りを持って社会への第一歩を踏み出せるように、学生みずからも、今、道を開こうとしているわけですから、大学としても全学的に就職支援をきちんと位置づけて取り組まれるよう、最後に要望して、質問を終わります。

○中嶋委員 何点か質問させてもらいます。
 値上げの問題、今、議論されていましたけれども、確かに難しい問題だとは思います。外形標準課税の参考人のお一方が、都議会に向かって、今、苦渋の選択をなされようとしていると、そういう発言もございました。大変難しい判断だと思います。ただ、一般に、使用料、手数料の考え方ですけれども、これは皆さんには釈迦に説法かもしれませんが、公の施設というのは広く都民の税でつくられている、そういう意味では都民全体で支えている、そうした中で、特にその施設を利用する人には、その利用料をいただく、これが平等の原則になるわけですね。つくるときは広く税金でつくった、しかし、利用する人は、決して一千二百万都民全員ではない、一部に限定される、したがって、特にその施設を利用する人からは料金をいただく、これが使用料、手数料、大学の場合には入学金あるいは授業料に相当する、こうなるわけであります。
 したがって、使用料、手数料を決める場合には、社会経済状況から適正に判断していく必要がある。その中には、もしも公立であるならば、自治体の財政状況も、その判断材料の一つには当然入ってくると思います。また、不況のもと大変厳しい、相対的に負担がきつくなっている、これは、特定施設の利用者だけの問題ではなくて、広く都民全体の問題だと思います。都立大でいうならば、都立大学を支えるための税負担を都民全体が背負っている、そういう状況の中で、なおかつ施設利用者からは一体幾らの料金をいただけばいいのか。これは、その時々に見直していく必要が必ずある。かつて、政治的な配慮で、料金の見直しを何度も何度も先延ばししていった結果、ある日突然一〇〇%や一五〇%も料金を値上げせねばならなかったという事実が、都政の歴史の中には存在するわけでありますから、やはりそうしたことも考えながら判断していくべき問題だろうと思います。
 そして、そうはいっても、確かに現役の学生には大変厳しい状況があるわけですから、国と合わせた奨学金制度の抜本的な見直し、あるいは利用料の減免制度、全額免除制度、こうしたもので機動的に、あるいは柔軟に対応することによって、現在の不況下における学生の負担を少しでも軽減する方策もあわせて考えていく。事の問題はそのようなものであるだろうと思います。これは前置きです。本当は、もしも今回、値上げを見送った場合に、都立大の運営に今後どんな影響が出るのかということを質問したいところですが、それは後日に譲りたいと思います。
 そこで、私の方は――このところ都立大学に非常に風当たりがきつかった。特に石原慎太郎知事が誕生してから、あんな大学は売り払ってしまえなどという、政府税調の加藤寛さんですか、との対談での発言がテレビで飛び出したりして、大変に風当たりがきつかった。しかし、ここに来て、若干、知事の発言も趣が変わってまいりました。
 注目したいのは、ここに新聞記事等もございますし、それから、九段高校で行われた知事と議論する会での発言の記録もございますが、都立の四つの大学を統合したらどうか、こういう発言があります。これについて、大学当局に知事から何か特別な指示があったのかどうか、お教えいただきたいと思います。

○矢島次長 大学では、昨年四月から新総長のもとで大学改革に取り組んできたところですが、この間の検討状況など、二月十日に総長から知事に報告をいたしました。その際、知事から、既製のものとは異なるドラスチックな大学改革案を九月までに作成するようにとの指示がございました。その後、今回の本会議で、教育全体の改革をしていくために、その一つのよすがとして都立の四つの大学を束ねる形ででも、思い切ったドラスチックな大学の造形を東京から始めていきたいという発言がなされたところでございます。

○中嶋委員 都立大学の将来を考えた場合、大変重要な発言だと思うんですね。特に、四つの大学を束ねる形でドラスチックな変革を知事が求めている、そういうことですね。それを秋口までに出せという話だと思うんですが、大学としては、具体的にはどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。

○矢島次長 この間の一連の知事発言は、都立大学に対する大きな期待を込めてなされたものと受けとめております。これまでも、新たな時代に向けて積極的に都立の大学としての役割を果たすべく、大学改革の検討を進めてきたところですが、今回の知事からの要請を、大学発展のビッグチャンスと、むしろ前向きにとらえまして、よりよい改革案の作成のために、改めて全学を挙げて取り組んでいるところでございます。

○中嶋委員 先ほど、桜井委員の質問で、これまでの改革への取り組みについては答弁がございました。今も、改革案をつくるという方針あるいは方向は明らかになったわけですけれども、その具体的な内容ですね。知事の発言、議会での発言とかあちこちで、よくスタンフォードあるいはUCLAの例が出されています。特にUCLAを引かれて、これは新聞でしたかね、こんなパターンの大学ができてもいいのじゃないかと、こういっておりました。確かにUCLAのバークレー校でしたっけ、大変高名なキャンパスですね。都内に四つの大学がある。それが一つの大学のもとに包括されて、全体的にうまく機能的に連携がとれて、有機的な体系がつくれたら、確かに面白い大学になると思います。僕なんぞは、ビジネススクールとかロースクールみたいな機能もそこに付与できれば、かなりの程度、都民のニーズにこたえられる大学になるのじゃないか、学生だけではなくて、社会人や高齢者にも門戸を開いたニュータイプの都市型大学として、新しい展開、展望が望める可能性は十分に高い、そう思います。そういう意味では、石原知事がドラスチックな改革を求めるのは大変よくわかる気がいたします。
 それから、もう一つ、これも以前、大学の関係者からお聞きしたんですけれども、B類の学生、目黒区にあったころは、昼間、都心で働いても、すぐ大学へ行けた。今、南大沢へ行っちゃった。都心で働いていると、とても通えない、かといって、あっちにはそんなに仕事がたくさんあるわけじゃない、それで悩んでいるという話も聞きました。こうした、例えばB類生に対する問題も、四大学が統合できて包括的に運営できれば、かなり機能的にB類学生への教育機会の提供ということで、選択の幅が広がる。
 知事発言を受けて、そんなことまで考えてみたんですけれども、世界最大級の都市が持っている公立大学として、授業料値上げを提案するんでしたら、むしろ都民に期待を持たせるそういう展望を、知事だけに報告するのではなくて、都民全体に提供できるようなビジョンをつくってもらいたい、こう思っておるんですけれども、いかがでしょうか。

○矢島次長 四大学を束ねた形での大学として大きなビジョンがあってもいいのじゃないかというお話でございました。
 現時点で、都立の大学の統合について、具体的な検討はまだしていないわけでございます。何よりもまず、都立大学をどのような大学にしていくのかを明らかにし、そのために最もふさわしい形態を考える中で、他の都立の大学との統合なども視野に入れて検討すべきものと考えております。
 いずれにしましても、都立の大学が連携協力していくことは必要であり、この問題につきましては、今後、科学技術大学など他の都立の大学とも協議していきたいと考えております。

○中嶋委員 実は私も都立大のOBでして、自分の学校のことを語るのは、非常にしゃべりづらかったんですけれども、このところずっと議論を見ていて、たまりかねて発言をいたしました。
 僕のころは、都立大の授業料が一年間一万五千円、国立が一万二千円、都立大の方が高かったんですね。逆に、国立大学に比べたら施設が非常に貧弱だった。憤慨したものですけれども、今の施設は大変立派になりました。また、聞くところによりますと――偏差値がすべてじゃ決してありません。偏差値ですべてを判断しようとは思いませんけれども、しかし、都立大の人文学部の偏差値は東大の文Ⅲとほぼ匹敵するという話も聞いております。大変優秀な学生もいるわけですから、ぜひ努力をしていただいて、間違っても東京都に大学なんか必要ないなんという議論は出てこないような大学をぜひつくっていただきたい。それは一にかかって皆様方の腕にかかっている、そう思っておりますので、ご奮闘をお願いいたしまして、質問を終わります。

○和田委員 都立大学を含む国公立大学の委託研究に関連してお伺いいたします。
 本日の議案でいいますと、議案書の九ページの、事項名、教育研究奨励事業二億八千八百万円というのに関係しますし、席上配布の資料でありますと、二ページの研究奨励費による研究の例というところで、外部資金による研究、小型モーターの制御に関する研究、受託研究、十一年度、それから、携帯電話による電磁波の暴露実験装置の研究、受託研究、十一年度というようなことに関連しながら、数点お伺いいたしたいと思います。
 まず、すぐ比較して恐縮ですが、日本とアメリカで、企業が委託研究などを通じて大学に提供した資金というのは、九五年時点で、日本の場合は七百億円、大学の研究費全体の二・四%であります。ところが、アメリカでは二千八百二十億円、率にして五・八%、これは九六年度時点であります。完全にこれは米国の方が日本を上回っていることになります。よくいわれますとおり、アメリカにおいては、日本に比べて、さきにも出ましたけれども、UCLAとかそういうような学校と企業の連携が大変スムーズにいっておりますから、その大学の生徒なり大学の研究機能というものを財界や経済界に結びつけて、いわゆるベンチャー産業など、先端分野で世界をリードする、そういう技術力、科学力を米国は有しているという理由にもなっているわけであります。
 日本においても、当然この受託研究は、今申し上げたとおり、都立大学でもやっているわけであります。しかし、現行の制度の中では大変制約が多くて、日本の企業から日本の大学に委託研究を出すよりも、かえってアメリカでやってもらった方が成果もいいし、制約が少ないからやりやすいというような実業界の声も出ているわけであります。
 ところが、今、国会で、産業技術力の強化法案というのが審議をされています。これは、委託研究が今は単年度でぶつぶつと切られて、複数年度に行くときには、また翌年度に同じような手続をするというような、大変煩瑣な手続のために、それだったら、そういう委託研究なんかしないよというようなことも含めて、今の制度そのものが企業と大学の連携に水を差している、そういうことを反省して、今、法案が審議中だといわれております。
 都立大学も、この法案が通過すれば当然影響を受けるわけでありますが、具体的にはどういう影響が予想されるのでありましょうか。

○矢島次長 法の制定を受けまして、自治省では、研究奨励寄附金の歳入歳出外現金扱い、受託研究費等の交付金方式の制度化などが可能となるような省令改正や通達などを予定していると聞いております。これによりまして、本学の外部資金を利用した研究もより活性化することを期待しております。

○和田委員 仮定の話ですけれども、これが通常国会を通りますということは、六月ぐらいから日の目を見ることになるわけで、もう目の前に迫った制定だろうと思っているんです。都立大学にとって、外部資金による研究費に、この法案が通った後、どういう課題が考えられるでしょうか。

○矢島次長 課題として二つ考えられます。
 一つは、受託研究などについて、予算単年度主義の制約、ただいま和田委員の方からお話があった単年度主義の話ですが、そのまま残ってしまうということがございます。すなわち、年度途中の受け入れですとか、年度を越えてしまう研究におきまして、また、研究の進捗状況によりまして年度内に研究が終わらない場合には、次年度に予算を繰り越せないというネックがございます。
 次に、総計予算主義の原則がございますので、企業会計と異なって弾力条項を持たないために、予算想定外の大規模プロジェクト研究費等の受け入れに伴う歳出が組めないということで、事実上受け入れができなくなってしまうなどの課題が残っております。

○和田委員 少し私の理解と違うんですが、この法案は、例えば企業から大学に研究依頼をする場合ですが、寄附というような形で、企業から大学の方に委託費が出てくる。そうすれば、それは当然、財政法の特例措置で、寄附金の使途など、文部省に事前に届けなくても自由に使える。今もう既にそうですが、学長の裁量権の中にこれを移されるので、今おっしゃった単年度主義というのはそこで解消されるというふうに私は理解しているんですが、そうじゃないんですか。

○矢島次長 委員ご指摘の寄附金については、例えば、今、国立大学等についてもそういう経理がされております。今回の改正によって、寄附金等についてはそういう扱いになろうかと存じますが、一般的な受託研究につきましてはこういった課題が残ってしまいまして、取り扱いについては異なるというふうに理解をしているところでございます。

○和田委員 今回、産業技術力強化法案の一番の目玉の部分が、単年度じゃなくて複数年度にまたぐことができるよ、手続は要らないよというようなこと。それというのは、やはり寄附金扱いにすることによって財政法の特例に合致させて、それで学長が自由にその委託金を動かすことができるというのが目玉だと私は承知していますが、今の矢島さんのお説だと、この強化法案が通っても、それほどの現状改革にならないのかなと思うので、再度ご答弁をお願いします。

○矢島次長 今、委員ご指摘の件は、国立大学についてはそういうことですが、先ほどお答え申しましたように、公立大学については、自治省が、寄附金については歳入歳出外現金扱いにするわけですが、受託研究費等については交付金方式にするということで、実は、東京都においては既に交付金方式がとられてございます。したがいまして、公立大学につきましては、今、委員ご指摘の件については、課題として引き続き残るということになります。

○和田委員 わかりました。また私どもの方も研究してみます。
 次に、さきの九ページの教育研究奨励事業の中の、これは繰越明許の扱いです。
 今回、十二年度初めて、この繰越明許手法を都立大学は導入したと思うんです。今、私が申し上げたように、複数年度にまたがる委託研究というようなものを、繰越明許という財政的な手法を用いることによって見事にクリアできるというふうに理解しているんですが、そのような理解でよろしいですか。

○矢島次長 繰越明許費を、今回、予算案におきまして、外部資金の約半分、二億八千八百万円について、委員ご指摘のとおり、初めて計上したところでございます。これによりまして、外部資金の研究費の随時受け入れですとか、あるいは次年度繰り越しを可能にしたいと考えておるところでございまして、先ほど申し上げました単年度主義の弊害といいますか、その課題については、これである程度対応できるというふうに考えてございます。

○和田委員 財務手法としては、当然、繰越明許というのはあるんですが、学校会計の中にこれを取り入れられて、今まで隘路となっていたところを打開されるということで、こういう点は、私どもとしても大変歓迎をしたいと思っております。
 次ですが、一橋大学の中谷巌さんという教授がソニーの社外重役になろうというようなことで、国家公務員の教授でありながら私企業の重役さんはどうだという議論があって、どっちを選ぶかという問題が一時にぎわいになりました。中谷さんは、多分両方大丈夫なんだと思っていらしたようでありますが、これは小渕総理も出張ったと思うんでありますけれども、結局は、一橋をやめてソニーを選ばれたなというふうにと思うんです。そのとき議論になったのは、もうそろそろ日本の国公立大学でも、民間の企業の重役さんになったりして、相互交流してもいいのじゃないかというような議論がありました。今回のこの強化法案も、そこのところをしっかり受けとめて、今、審議されているというふうに思っているんです。
 また、国が大学あるいは企業なんかに委託した研究が、もしも特許のようなものに該当した場合でも、今までは、その特許権は国にあったものを、去年の法制定によって、それは国じゃなくて、その特許権を取ったところに与えられるというふうに、国の方も、特許権の自由化というか、そういうものを取り入れ始めています。そんな中で、都立大学も同じように特許とか何かの関係が十分あるわけでありますけれども、どういう取り組みを現状しているのか、お答えいただきたいと思います。

○矢島次長 都立大学における特許等の取り扱いについてですが、現状では、職務発明等について、発明の帰属の問題等がありますけれども、学内で審査をしまして、東京都としてその特許をキープしないという場合には、その特許の申請等について教員の方にゆだねているところでございます。
 現在、特許等を有効に活用する機関が学内にはございませんので、TAMA活性化協議会で設立予定の技術移転機関、いわゆるTLOに都立大学教員が出資し、将来的には、今回の法案が成立いたしますと、役員の兼職も可能となるというようなことが期待されるところでございます。
 また、TLOあるいは教員、大学が産・学・公連携により得た成果に関する特許に係る経費の軽減措置が盛り込まれるというふうに承知しておりますので、都立大学としてもこれを活用することができるのではないかと期待をしているところでございます。

○和田委員 TLOと横文字であれなんですが、テクノロジー・ライセンシング・オーガナイゼーションというんでしょうか、そんなことの設立で、今、中嶋委員からありましたように、都立大学の活性化というか、動きが外側に伝わってきて、都立高校と同じように都立大学も余り評判がよくないなんていうことになって云々ということの失地回復、こういうような実業界あるいは財界とのつながりなどを通じて、実力を発揮していただきたいと思うわけです。
 最後になりますけれども、産・学・公連携ということがよくいわれ始めましたけれども、都立大学は、二十一世紀に向けて、どんな形での産・学・公の連携を模索しながら前進をしようとしているのか、お伺いいたします。

○矢島次長 都立大学の産・学・公連携に向けた今後の考えでございますけれども、まず、平成十二年度から、産・学・公連携あるいは交流担当の職員を配置しまして、体制づくりをスタートすることとしてございます。
 また、これも十二年度からですが、受託研究制度を改正いたしまして、新たに民間企業との共同研究の取り組みを開始いたします。
 次に、これは十一年度から試行しておりました、学生を実際の企業業務に携わらせまして社会経験を積ませる、いわゆるインターンシップでございますが、これも卒業単位取得の一つとして認定する制度を充実してまいります。
 地域社会や産業界との連携が大学にとって重要であることを十分認識いたしまして、そのもとで、開かれた大学として、より一層産・学・公連携の推進を図ってまいる考えでございます。

○和田委員 産・学・公連携で専門の職員を配置するということなんですが、何名なのかということと、インターンシップ制度の単位化というのは、試行はもう今年度やっているわけですが、もう少し詳しく、その二点お願いできますか。

○矢島次長 まず最初に、お答えいたしました産・学・公連携、交流担当職員の配置ですが、一名ということで定数査定の結果認められましたので、一名ということで当面スタートいたしますが、いずれにしましても、これまで外部との関係できちんとした窓口がなかったということが、これによって改善されるというふうに思ってございます。
 次に、インターンシップを昨年試行いたしまして、五名の学生が実際に企業に行って、実際の業務等を経験してきてございます。

○和田委員 結構です。

○大河原委員 理事、委員の皆様がこれまで質問なさったこととダブりましたので、私からは、二、三の質問と、ちょっと意見をいわせていただきます。
 今回のこの議案で、私、本当に目からうろこでした。税金で賄われる大学というのが、大変身動きが難しいといいますか、例えば授業料といったときに、その授業料が、大学という特定施設の使用料だという、そういう性格なんだといわれて、改めて驚いたわけなんですね。入学考査料は入学手続の手数料の収入ですか、そして、授業料もそういう施設使用料というようなものの中で、大学が日常的な業績を積みながら、さらに将来を組み立てていく、展望していくという難しさが本当にあることがわかったんですけれども、例えば、国立大学に授業料を連動させている、その意味について、もう一度お答えいただきたいと思います。

○矢島次長 都立大学の授業料と国立大学の授業料の連動というお話でございましたが、授業料の改定については、先ほども少しお答えいたしましたが、基本的には受益者負担の適正化という見地から行っておりまして、改定に当たって、学生教育に要する経費ですとか、他の公立大学あるいは国立大学の授業料を勘案し、一方でまた、教育の機会均等ですとか社会的公平性といったことがございますので、そういったものを総合的に考慮いたします中で、国立大学が我が国の大学の中で占める比重の大きさから、その授業料を大きな参考要素と考えて、結果として国立大学と同額に決定をしているところでございまして、国立大学の授業料と直ちに連動するということではないと考えております。

○大河原委員 受益者負担ということからいいますと、本当にその施設を運営するときの維持費の問題から、非常に細かい計算をしなきゃならなくなって、それこそ大学ごとに、設置されている場所あるいは先生の人数によって本当に変わってくるんだというふうに思うんですけれども、社会的な公平性の面からいえば、国立、公立の公的な位置づけとしての高等教育を守る、その意味では大変納得のいくところだというふうに私は思っています。
 ところで、こういうふうに授業料が使用料という考え方ですと、都立大学の長期財政計画というのは一体あるんでしょうか。

○矢島次長 お尋ねの都立大学として独自の財政計画というのは、作成しておりません。財政再建推進プランが出されましたので、それに基づきまして、平成十五年度まで、主要な経費については計画を策定しているところですが、お尋ねの財政計画というところまでは至っていないのが現状でございます。

○大河原委員 私も私学を出たものですから、大学にはそういう財政計画が長期にあって、大学の財産を運用しながら、長期的にどういう方向で大学の研究システム、それから、教育のシステムというものを構築していくか、学生にもわかるような形で随分議論されていたと思うんです。そういうところでは、都立大学、国立大学もそうですけれども、独自の財政計画が存在しないというのは、すごく大きな矛盾を感じます。
 それで、先ほど、知事が都立関係四大学の統合を発言されたり、またそれを受けとめて、都立大学の方でも改革を練ってきた中に、さらに知事のドラスチックな改革をという意見表明を取り入れるということなんですけれども、実際にこれまで大学改革を議論なさってきたのは、新総長のもとでというふうに承っておりますけれども、実際のメンバーはどんな方々でしょうか。

○矢島次長 大学改革の議論をするに当たりまして、総長が、都立大学の教員の中から、改革を進めるための補佐といいますか、総長補佐というのを複数名任命いたしまして、その助けを得ながら、総長が大学改革の案の提示、検討を進めてきたわけでございます。具体的にいいますと、部局長クラスの総長補佐というのを複数名設けて、検討してきたというところでございます。

○大河原委員 そうすると、学内からの、これまでの歴史もよくわかっていらっしゃる方たちということでは理解できるんですけれども、さらに改革という意味で、外の大学あるいは外の社会状況ということを含めれば、もっと外部の方を入れた検討委員会が必要なんじゃないかなと私は思います。
 これは知事の方に申し上げなきゃいけないかなと思うんですが、先日、広島県が、三つの県立大学の独立行政法人化というのを、公立大学の中で初めて提案、表明しているということがありまして、そんなところからも、この九月までに結論を出すべく、今、検討中ということなんですけれども、例えば、先ほどから議論になっております外部からの資金を導入するというようなことも、こういう独立法人になれば、大分やりやすくなるわけですし、そういった意味での都立大学の将来性を本当に高めていく、その議論がしっかりとできていくんじゃないかと思うんですね。
 また、今、税金で賄われている大学という意味では、もっと都民にわかりやすい改革論をオープンにしていくべきだというふうに思うんです。その意味で、ぜひ都民意見の集約、それから、この改革委員会の公開性、これをぜひとも求めていきたいと思います。
 都民意見としては、ビジネススクールとかそういった要望も出ているようですけれども、ぜひこの点については総長にもお伝えいただき、そして、こちらも知事の方に要望を出していきたいと思っております。
 終わります。

○植木委員長 ほかに発言はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都立大学事務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十四分散会

ページ先頭に戻る