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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第四号

令和三年三月十七日(水曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長菅原 直志君
副委員長けいの信一君
副委員長菅野 弘一君
理事奥澤 高広君
理事滝田やすひこ君
理事尾崎あや子君
平慶翔君
福島りえこ君
後藤 なみ君
長橋 桂一君
あぜ上三和子君
高倉 良生君
山崎 一輝君
三宅しげき君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長村松 明典君
次長総務部長事務取扱坂本 雅彦君
産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務築田真由美君
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務勝見 恭子君
商工部長土村 武史君
商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務荒井 芳則君
金融部長篠原 敏幸君
金融支援担当部長井上  卓君
観光部長松本 明子君
観光振興担当部長小林あかね君
農林水産部長上林山 隆君
安全安心・地産地消推進担当部長龍野  功君
雇用就業部長村西 紀章君
事業推進担当部長鈴木のり子君

本日の会議に付した事件
産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為
産業労働局所管分
・第八号議案 令和三年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第九号議案 令和三年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 令和三年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第百一号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 産業労働局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十八号議案 東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
・第六十九号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十五号)の報告及び承認について
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十六号)の報告及び承認について
報告事項(質疑)
・食育推進計画(案)について

○菅原委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第八号議案から第十号議案まで、第六十八号議案、第六十九号議案、第百一号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、産業労働局所管分及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十五号)の報告及び承認について外専決一件並びに報告事項、食育推進計画(案)についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○坂本次長 去る二月十二日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次でございます。資料は全部で十三項目ございます。
 次のページをごらんください。過去十年間の予算額、決算額の推移につきまして、一ページに中小企業対策、また、次のページをお開きいただきまして、二ページに農林水産対策、三ページに雇用就業対策をそれぞれお示ししてございます。
 なお、雇用就業対策につきましては、内訳として国基金事業関係費を記載してございます。
 四ページをお開きください。平成十五年以降の従業者規模別都内製造業の推移をお示ししてございます。
 五ページをごらんください。商店街チャレンジ戦略支援事業につきまして、過去八年間の実績の推移をお示ししてございます。
 六ページをお開きください。過去十年間の都内労働者の賃金の推移をお示ししてございます。
 七ページをごらんください。過去五年間の派遣労働者数の推移につきまして、全国と東京都、それぞれについてお示ししてございます。
 八ページをお開きください。過去五年間の派遣元事業所数、派遣労働者数、派遣労働者の賃金の推移につきまして、全国と東京都、それぞれについてお示ししてございます。
 九ページをごらんください。過去三年間の都立職業能力開発センターにおける能力開発訓練、普通課程の授業料収入の推移をお示ししてございます。
 一〇ページをお開きください。過去五年間の都立職業能力開発センター校別の就職支援推進員の配置状況の推移をお示ししてございます。
 一一ページをごらんください。過去十年間の東京の農地面積の推移をお示ししてございます。
 一二ページをお開きください。平成二十三年以降の区市町村別農地面積、市街化区域内農地面積、生産緑地面積の推移をお示ししてございます。
 一二ページが区市町村別農地面積の推移、一三ページが市街化区域内農地面積の推移、また、次のページをお開きいただきまして、一四ページが生産緑地面積の推移でございます。
 一五ページをごらんください。島しょ地域の旅行者数につきまして、過去五年間の推移をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○菅原委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言をお願いいたします。

○後藤委員 都民ファーストの会東京都議団の後藤なみでございます。
 私からは、令和三年度東京都一般会計予算のうち、主に雇用政策を中心に質疑をしてまいりたいと思います。
 というのも、私はこれまで、民間企業、前職におきまして、人材の雇用支援をなりわいにしておりまして、日本の人事部というような矜持を持って仕事をしてまいりました。
 その中で感じたのは、多くの方々の就労支援というのも実際に行ってきたんですけれども、性別や年齢に関係なく生き生きと働く人たちがふえれば、この東京はもっと元気になると、そう確信をしております。そして、そのために立ちはだかる障壁は何としても取り払っていきたいと考えておりまして、そうした観点から質問をさせていただきます。
 まず初めに、介護離職対策について伺いたいと思います。
 家族や大事な人の介護が始まったら、仕事をやめるしかない。このように、介護のためにこれまで勤めていた会社をやめる、いわゆる介護離職というのがとまりません。
 働きながら介護をする人は全国で二百四十万人を超し、そのうちのおおよそ十万人が介護離職をしているというふうにいわれております。
 未来の東京戦略ビジョンでは、二〇四〇年の社会を介護離職という言葉が死語になっている社会というふうに定義をしておりまして、私も共感をしているところであります。
 そこで、まず足元の状況から伺いたいと思いますが、都内における介護を理由とした離職者の推移について伺いたいと思います。

○鈴木事業推進担当部長 都内の介護離職者数は、国が五年に一度実施している就業構造基本調査によりますと、平成二十四年は九千二百人、平成二十九年は七千八百人でございます。

○後藤委員 平成二十四年が九千二百人で、二十九年度には七千八百人ということで、年々減少していくということがわかったんですけれども、これは国や都が行っているさまざまな施策の成果かなというふうにも思っております。
 一方で、厚生労働省が実施をした調査等におきますと、男女の割合は、男性が介護離職者が二八・九%であるという割合に対して、女性が七割の離職者を占めるということで、この男女差というのが一つ課題になるのかなというふうに思います。
 これは介護と仕事だけにとどまらず、仕事と育児の両立にも同じようなことがいえるかというふうに思いますけれども、やはりここのギャップをどう取り払っていくかというところも大事な視点かと思います。
 また、ある調査では、仕事と介護を両立することに対して不安を感じると答えた人が、男性で七四%、女性で七九%というふうになっておりまして、男女ともに将来の介護や手助けをする状況に直面した場合への不安がとても大きいということが見てとれます。
 介護に対する具体的な不安として、制度の仕組みがわからないとか、将来の見通しが立ちにくいなどなど、こういった声が上がっているわけですけれども、こういった声があるということからも、仕事と介護の両立ということに当たっては、わからないことであったり、その先の将来の不安に対して周囲がフォローを行って見通しを立てていくという支援を行っていくということが、介護離職を防止するという観点では非常に重要であるというふうに考えております。
 現在、こうしたものの相談体制に関しては、地域包括支援センター等が、介護制度そのものに関してはいろいろと相談に乗ってくださると思うんですけれども、仕事と介護の両立という意味では、なかなか地域包括で、十二分な情報が受けられる体制ではないのかなというふうに思っております。
 例えば、福岡県福岡市では、働く人が介護に直面した場合でも、離職せずに介護と仕事を両立して続けられるように、情報提供やアドバイスを行うような相談窓口を設置しておりまして、家族介護が必要なときや離れて住む家族の介護、これは、地元の地域包括なんかでは、やっぱり遠方になると、毎回そのたびに遠方の地域包括まで行かないといけないとかっていうようなご苦労があるということで、住んでいる、働いている、その場所に相談支援センターがあることで、介護保険サービスや在宅サービスなどを組み合わせて、上手に仕事が続けられるような体制の支援というのを、ケアマネの資格を持つ相談員の方がサポートしているということでありました。
 私も実際に、相談窓口の福岡市の働く人の介護サポートセンターの方にお話を伺ってみたんですけれども、介護休暇の取得についてなど、なかなか地域包括では聞けないような労務面の話を聞けるというのが非常に強みであるというふうにおっしゃっておりましたし、平日は夜八時まで、日曜日も開所しているということで、仕事帰りの方も相談に来られるというようなお話を聞いております。
 そこで、東京都における仕事と介護の両立に向けての相談支援体制を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○鈴木事業推進担当部長 都は、労働相談情報センターにおきまして、介護休業、休暇制度に関する労働者の疑問や、介護と仕事の両立支援事業に関する事業者からの問い合わせなど、さまざまな相談に対応しております。
 また、介護と仕事の両立推進に向けた就業規則の整備など、職場環境の改善に取り組む企業を支援するため、社会保険労務士などの専門家を最大五回まで無料で派遣しております。
 今後も、こうした取り組みにより、介護と仕事の両立に向けた職場環境づくりを後押ししてまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。労働相談情報センターというところで働く人からの相談を受け付けていますというようなご答弁でありましたけれども、私も存じ上げなくて、この東京都労働相談情報センターというもののホームページを見てみたんですけれども、ホームページを見ても、仕事と介護の両立みたいな言葉は全然書いていなくて、事例としては、解雇されそうなとき、残業手当を支払ってくれないときとか、労働組合活動について知りたいときとか、労働問題その他全般についてみたいな事例が書いてあったんですけれども、介護と仕事の両立で困っていらっしゃる方が例えばこのホームページにたどり着いたとしても、ここが相談窓口だって多分なかなか気づけないんじゃないかなというふうに率直に思いました。
 こうしたサイト設計であることからも、なかなかSEO対策も図られておりませんで、介護離職、東京とかいろんな検索ワードでひっかけてみようと思ったんですけれども、なかなか東京都労働相談情報センターにたどり着けないみたいな状況がありまして、せっかく相談するということなのであれば、しっかりと都民に周知をお願いしたいなと思っておりますし、また、さきに取り上げました福岡県福岡市などの事例も参考に、働く人たちにとってもっと身近に相談しやすい体制、ぜひとも検討をしていただきたいなというふうに思います。
 また、介護離職を余儀なくされた方々からお話を伺うのは、もっと早いタイミングから親や家族の介護に向けて備えておけばよかったという声であります。介護保険制度自体は非常にわかりにくいということもありまして、介護をすることになってみて初めて考えたという方が多いのが現状だというふうに思います。
 ただし、お金の面についても、誰が介護を行っていくのかという点についても、もっと早く考えておけば、仕事をやめなくて済んだのにという方も多くいらっしゃると思っておりますし、特に、企業の中で中核的な役割を担っている四十代から五十代の働き盛りの方々が介護離職をするということは、企業にとっても大きな経営上のリスクになるというふうに考えております。親や家族の介護が本格化する前のタイミングから、介護と仕事の両立について知識を深めておくことで、介護離職は未然に防げるものがあるというふうに思っております。
 他の自治体では、プレ介護世代向けに介護離職防止セミナーなどを行って、企業に出前講師みたいな形で派遣をすることで施策を展開しているところもあるというふうに伺っております。
 そこで、東京都も、介護が本格化する前の世代層に向けて、仕事をしながら介護に備える、介護離職を防ぐための情報発信や啓発をさらに強化すべきだと考えますが、見解を伺います。

○鈴木事業推進担当部長 都は、企業の経営者、人事労務担当者等を対象にシンポジウムや研修会を開催いたしまして、将来的な介護離職防止に向けて、社員向け勉強会や情報提供の必要性について理解を深めていただきますとともに、積極的な取り組みを行う企業の事例などを紹介しております。
 また、相談窓口の設置や社内研修を通じた職員の意識啓発などを実施する企業に対し、奨励金を支給してその取り組みをサポートしております。
 来年度は、こうした支援に加えまして、若い世代が介護と仕事の両立について考えるきっかけとなるよう、家庭と仕事の両立支援ポータルサイトにおける介護経験者による体験談等を充実いたしまして、介護離職防止に向けた情報発信を強化してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。来年度は新たな支援として、体験談等をポータルサイトに掲載をしていただけるというご答弁があったんですけれども、これも非常にありがたいんですが、こうした都のサイトって結構たくさんあって、体験談等も載せていただいているものがあるんですけれども、なかなか都民に最終的に情報が届くかという課題もあるかなというふうに思っております。例えば、プレ介護世代向けのセミナーを他の自治体の事例のように出前出張するなど、ぜひ攻めの姿勢で対応していただきたいなというふうに思います。
 東京都では、さきのご答弁にもあったように、介護離職対策として、企業に向けての相談窓口の設置や、介護休業制度を整備する企業に対して東京都働きやすい職場環境づくり推進奨励金事業というものを行って奨励金を支給しております。
 また、介護休業取得応援奨励金事業というもので、介護休業の取得を支援する中小企業へ奨励金を支給するなど、さまざまなご対応をいただいているというふうに認識をしております。
 こうした事業におけるこれまでの実績について伺いたいと思います。

○鈴木事業推進担当部長 働きやすい職場環境づくり推進奨励金の介護と仕事の両立推進コースの実績は、令和元年度が百三十三件、令和二年度は、交付決定件数で二百十六件でございます。
 支援対象となった企業は、社内勉強会の実施や個別相談会の開催など、社内のニーズを踏まえた取り組みを進めておりまして、社員の介護休業取得につながる例も出ております。
 介護休業取得応援奨励金につきましては、令和元年度が一件、令和二年度は二月末時点の交付決定件数で九件でございます。

○後藤委員 ありがとうございました。二つの制度の実績をご紹介いただきました。
 働きやすい職場環境づくり推進奨励金と介護と仕事の両立推進コースと、こちらについては交付決定、徐々に伸びておりますし、件数も非常に多いということで、順調に推移をしているのかなと思うんですけれども、こちらの介護休業取得応援奨励金というもの(資料を示す)こちらについては、五十万円の奨励金があるという、割と中小企業に対してもインセンティブになるだろうなという施策なのにもかかわらず、十件足らずということで、なかなかちょっと、申請件数が伸び悩んでいるなというふうに思っております。
 取得の要件を見ると、まあ、そうだよねと思っておりまして、これ何でかというと、従業員が三十一日連続で介護休業を取得することというのが要件になっているわけなんですけれども、介護で仕事を休む方って、三十一日連続で休む方って少ないんですよね。細切れで、親が病気で入院したとか、そういうタイミングで突発的に介護休暇をとられる方が多い。
 そういった意味においては、なかなか実態に即していないのかなというふうに考えておりまして、制度の見直しの必要があるのかなというふうに考えております。
 そこで、介護休業取得応援奨励金に関しては、取得要件を介護休暇の連続取得ではなく通算とするなどして、実態に即した形で見直すべきだと考えますが、見解を伺います。

○鈴木事業推進担当部長 介護休業取得応援奨励金は、就業規則等で法律の定めを上回る介護休業期間等の規定を新たに整備するとともに、従業員に一定期間以上の介護休業を取得させた企業に対して支給しております。
 今年度は、三十一日以上の連続した介護休業取得を要件としておりましたが、短期間の介護休業や有給の介護休暇取得に対する従業員のニーズを踏まえまして、来年度は、これらの取得日数を合算し、十五日以上の介護休業、休暇を取得させた企業を支援の対象としてまいります。
 こうした取り組みによりまして、介護と仕事を両立できる職場環境の整備を一層推進してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。来年度から、短期間の介護休業や有給を使った介護休暇の取得に対しても対象になるということで、対象が非常に広くなったということと、日数に関しても、三十一日の連続というところから十五日の合算でいいということで、非常に実態に即した形に変えていただけたということで、重要な答弁であるというふうに思います。
 この制度が変わることによって、特に新型コロナでクラスター発生等がしますと、介護施設が使えなくなって、今、在宅介護を余儀なくされている働いている方々も非常に多いというふうに聞いています。こうした方々にも使っていただける制度に拡充されていると思いますので、ぜひ関係団体を初めとして多くの皆様に周知をいただき、制度を使っていただけるように後押しをお願いしたいというふうに思います。
 また、近年、少子高齢化と女性の晩婚化に伴い、子育てと親の介護に同時に直面するダブルケアの問題というのが表面化をしてきております。
 私は、これまでこのダブルケアの問題に取り組んできておりまして、ダブルケアというのは二つの負担が同時に襲いかかるということです。育児と介護、そして、仕事の三つということですね。こういうことで精神的、体力的、そして時間的な負担がとても大きいということで、複合的な問題を抱えているケースが多いというのが特徴といわれております。
 初婚の年齢が夫婦ともに三十歳を超えておりまして、日本で一番晩婚化が進んでいる東京都においては、特に顕著な課題だというふうに考えております。
 ダブルケアに直面する方は増加する傾向にある一方で、子育てと介護の両立、そして、子育てと介護と仕事の両立を支える仕組みや制度というのは、社会的にはまだまだ十分とはいえない状況にあります。
 ダブルケア当事者が離職した割合は、男性の四人に一人、そして女性の三人に一人というふうにもいわれておりまして、今後、男女ともにダブルケア離職というのが大きな課題になっていくと思います。そうしたことからも、都としても、仕事と介護、そして仕事と子育て、この両立にかかわるダブルケア支援、そこが非常に重要だというふうに考えております。
 そこで、都において、ダブルケアと仕事の両立支援に向けて、どのような取り組みを行っているのか伺いたいと思います。

○鈴木事業推進担当部長 都は、専門家の派遣や奨励金の支給により、育児や介護と仕事との両立に向けて職場環境の整備に取り組む企業をサポートしており、こうした取り組みはダブルケアと仕事の両立を支援する上でも効果的でございます。
 また、家庭と仕事の両立支援ポータルサイトに、ダブルケアの実態や必要な準備に関するコラムを掲載いたしますとともに、ライフワークバランスの推進に向けたイベントにおいて事例紹介を行っております。
 今後は、育児、介護休業制度のポイントをまとめたガイドブックにダブルケアの説明を加えますとともに、研修の機会等も活用して、ダブルケアに関する情報発信を行ってまいります。

○後藤委員 来年度はガイドブックにダブルケアについての記載も入れていただけるということで、また一歩前進かなというふうに思っております。ありがとうございます。
 ダブルケアに関しては、企業や本人も含めて、その課題に気づいていない、でも、すごくしんどいと。そういった課題を社会的に周知していただくというところのステップから取り組んでいくものなのかなというふうに考えておりまして、企業や働く人たちへの幅広い周知というものに関しては、ぜひ福祉保健局とも連携していただきながら行っていただくことを要望いたします。
 次に、年齢に関係なく生き生きと働くことができる社会の実現に向けて質問をいたします。
 人生百年時代の今、シニアの皆さんの雇用環境というのは大きな転換点を迎えつつあります。
 昨年には、国で改正高年齢者雇用安定法が成立をしておりまして、これまで議論をされてきた定年延長の議論については、七十歳までの引き上げと同時に、定年廃止や副業などを含めた柔軟な雇用契約の措置などについても努力義務が課されることになりました。
 こうしたことを背景に、企業に対しても、高齢者が働ける環境をもっと取り組んでいくべきという社会の要請は年々強まっているように感じます。生涯現役社会の実現が刻一刻と迫っている中で、東京都としても、高齢者の就業支援に向けて力強い支援を行っていく必要があると考えます。
 私も高齢者施策が専門でありまして、ほかの自治体さんとの比較等々いろいろ見てきたんですけれども、高齢者の雇用施策に関しては東京都さんはすごく先進的で、チャレンジングなものをたくさんやっていらっしゃるというふうに思っております。非常にいいなと思っているんですけれども、さらによくしていくという意味で、制度を少し深掘りをしていきながら提案をしてまいりたいというふうに思います。
 まず、高齢者の就業支援を後押ししていくためには、企業、高齢者、それぞれへ効果的な施策を展開する必要があるのはいうまでもありません。企業側に向けては、高齢者雇用の啓発を行うことや、高齢者への適切なキャリアコーチングや就業訓練、こういったことを行うことも重要であります。
 そこで、高齢者雇用の推進に向けて、まず、企業への支援について都はどのように取り組んでいるのか伺います。

○村西雇用就業部長 高齢者雇用の推進を図るためには、受け入れる企業の理解の促進を図り、就業の場を拡大していく取り組みとともに、企業が求める人材確保への支援が必要でございます。
 このため、都は、高齢者を活用するメリットや高齢者が活躍している企業の事例等を紹介するセミナーの開催などを通じまして、企業に対する普及啓発を行っております。
 また、高齢者の人材ニーズの高いマンション管理や介護の業界団体等と連携し、各業界で求められる業務スキルを身につける講習会と団体参加企業との面接会を組み合わせた就業プログラムを実施しまして、中小企業における人材確保を支援しております。

○後藤委員 ありがとうございました。最後に、企業へのセミナーや就職イベントを通じて推進を図っているというご答弁がありました。
 マンション管理や介護など、高齢者雇用の採用ニーズの高い業界とのマッチングというものに関しては、間口を広げていくという意味では大変意味深いものがあるなと思うんですけれども、一方で、高齢者雇用をさらに充実していくという意味では、高齢者の皆さんが働きがいを持って取り組める仕事の創出というのが非常に重要な観点だというふうに思っています。
 高齢者が引退する理由を見てみますと、既に十分働いたからとか、金銭的に余裕があるからと、そういった意見がある一方で、働きたい仕事、自分に合う仕事がなかったなど、働く意欲があるにもかかわらず、労働市場のミスマッチによって引退している人たちがかなりの規模で存在をしているというのが現状であります。
 現在、多くの自治体において、定年後の雇用の受け皿として大きな機能を果たしているのがシルバー人材センターであります。これに関しては、地元の方々からも多くご意見をいただくんですけれども、自転車の整理とか、警備とか、割とシンプルな単純作業というのが多い求人があるということで、大企業でお勤めの方であったり、中小企業でマネジメントをされていた、そういった高齢者の方々からは、もっと働きがいのある仕事を欲しいんだという声が上がっているところであります。
 東京都は、こうした課題に対して東京キャリア・トライアル六十五というものを創設しておりまして、求人ニーズの高い事務職や営業職など、トライアル的に派遣する仕組みを創設し、そして、これは結構大きいんですけれども、派遣費用を都が負担しているということ。これはなかなかほかの自治体ができない取り組みだと思うんですけれども、こうしたものをやっているというふうに伺っております。
 そこで、東京キャリア・トライアル六十五のこれまでの実績について伺います。

○村西雇用就業部長 都は、高齢者就業におけるミスマッチを解消するため、高齢者の希望が多い事務職や営業職でトライアルでの派遣就労を行い、実践的な業務スキルをOJTで身につけ、再就職につなげるキャリア・トライアル六十五を実施しております。
 令和元年度は、企業百四十五社に対して、延べ三百二人の高齢者が派遣されております。このうち、トライアル派遣終了後に九十三名が直接雇用に切りかえられ、受け入れ先企業におきまして活躍しております。
 来年度は、マッチングの効果を一層高めるため、中小企業団体等との連携を強化し、より幅広い業種でトライアル就労が可能となるよう、受け入れ企業の開拓をしてまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。九十三名の方が直接雇用に切りかわっているということで、すごく大きな成果だなというふうに思っております。
 私も前職でシニアの転職サービスというものの立ち上げに一時期かかわっていたことがあるんですけれども、いろんな企業に行くと、企業の社長から、高齢者って活躍できないんじゃないみたいなこととか、何にもないなら若い人が欲しいんだけどみたいな、完全にアウトなことをよくいわれておりまして、非常に悔しい思いをしていたんですけれども、私自身は、やはり日本の労働市場において、長年のキャリアで培われた高齢者の経験や価値というものを適切に発揮できる場というのが、官民含めてまだなかなか少ないというのが本当に非常に大きな課題だというふうに思っております。
 ですので、彼らが持つ経験や価値というものを生かせるような仕組みづくり、これが必要だというふうに考えております。そういった意味においては、ぜひ高齢者のスキルセットやキャリアの見える化というものにも、都として今後は取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 現に、このキャリア・トライアル事業において九十三人の方が入職に至っているということは、九十三通りの民間企業が高齢者の方を受け入れた、評価をした理由や、その先どう活躍しているのかというものが見えているということだと思いますので、ぜひこうした方々がどんなふうに活躍しているかということを科学していただくことで、高齢者雇用における適切な物差しというものができるのではないかなというふうに思います。
 また、こちらもぜひご検討、今後いただけたらなと思うんですけれども、ぜひ高齢者が持っている培ってきたスキルや経験を、ベンチャー企業など新しい産業とマッチングするという視点も非常に大事かなというふうに思っております。
 ベンチャー企業は、すぐれたアイデアやサービスを持っているという反面、なかなかこう、販路の開拓や組織が拡大してきたときのマネジメントの課題など、いろいろな課題があるというふうに伺っておりまして、こうした課題とシニアが持つこれまでのスキルというのをマッチングさせるというのは、一つ大きな価値になるのかなと思っております。
 身近な例で恐縮なんですけれども、実は私の父も二年前に役職定年を迎えまして、現在、ベンチャー企業の顧問という形で数社の会社の経営支援みたいな感じに入っているんです。やはり話を伺ってみると、IT企業で四十年ぐらい働いていたんですけれども、そこで培ってきた人脈だったりとかマネジメントというものが、若い組織にとっても非常に好循環を生み出しているというふうに伺っております。
 こうした顧問であったりとか柔軟な雇用の形態で、割とハイスキルの方々をマッチングさせるという取り組みも、民間企業においてはまだ市場があるものの、なかなか広がっていないというふうに認識をしておりまして、ぜひこうしたこともご検討いただくことで、高齢者雇用におけるムーブメントをぜひ東京都において牽引をしていただきたいなというふうに思います。
 また、高齢者雇用をより一層推進していくためには、企業における働き方改革の推進も不可欠であります。高齢者が働き続ける上での障害や課題と感じることというアンケート調査をとると、男女ともに肉体的な衰えや気力などの身体的事情という回答が非常に多くて、四割弱を占めているということでありまして、さらに五十代後半より六十代前半の方が気力、体力に不安を感じている方が多いという調査結果もあります。
 高齢者は、体力の低下に対して雇用する上で不安を抱いている方が多いということでありますので、企業においても、高齢者がフレックスタイムや短時間勤務、そしてテレワークなど、多様で柔軟な働き方ができるように、都としても一層支援を充実していただく必要があると考えますが、見解について伺いたいと思います。

○村西雇用就業部長 高齢者の就業を一層推進していくためには、高齢者の体力や健康面に配慮した柔軟な働き方が可能となるよう、処遇も含めた社内の勤務制度の整備など職場環境を整えていく必要がございます。
 このため、都は来年度、高齢者を対象とした職場体験事業などを活用して、積極的に高齢者を採用し、多様で柔軟な働き方を導入している企業の取り組みを好事例として普及啓発を図ることとしております。
 具体的には、短時間や短日数の勤務制度といった高齢の社員の体力やライフスタイルに応じた多様な勤務形態の活用など、高齢者の雇用ノウハウを啓発冊子や動画にまとめ、ウエブ広告等によりまして広く発信してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。来年度は、好事例を積極的に発信していただくという答弁がありまして、冊子もつくっていただけるということで、ありがとうございます。
 ぜひ、都が行っている奨励金などの制度、現行制度とも掛け合わせていただいて、企業における高齢者の働き方改革、一層取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、高齢者が次のキャリアに向かって生き生きと歩みを進めるためには、事前の備えが重要であります。早いタイミングから次のキャリア、次の定年に向けて準備を進めていくことで、定年後のキャリアを明確化させることができると考えます。
 現在、都では、東京セカンドキャリア塾で、高齢者に向けて人生百年時代におけるキャリア講座というのを開いておりまして、就職の支援までをワンストップで行っていると伺っております。
 こうした取り組みに加えて、プレシニアに向けてのキャリア支援の取り組みも重要かと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○村西雇用就業部長 人生百年時代におきまして、定年前の早い段階から職場等で培ってきた能力や経験を振り返る機会を持つことは重要でございます。
 都は今年度、六十五歳以上の方向けのセカンドキャリア塾に、五十五歳以上のシニア予備軍であるプレシニア向けの新たなコースを設置し、現役時代から定年後の働き方を考える講座を開催しております。
 プレシニアコースには百四十一名の方が参加し、キャリアの棚卸しやみずからの市場価値診断などを行っており、より充実したセカンドキャリアのためには、五十代から学び直しが必要であることがよく理解できたといった声を受講生からいただいております。
 来年度は、セカンドキャリアの描き方のほか、フリーランスや創業等を含めた高齢期の多様な働き方などに関するオンラインセミナーを新たに開始するなど、現役世代のプレシニア向けのセカンドキャリア支援を強化してまいります。

○後藤委員 プレシニア向けの講座というのが非常に好評だということで、百四十一名の方々が参加されているというようなお話がありました。
 私もプログラムの内容を見させていただいたんですけれども、すごくいい内容だと思っておりまして、こうした情報を、本当に、定年を迎えるこれからの多くの方に知っていただきたいというふうに思っております。
 ぜひ内容がいいので、セミナーでお話しいただいた内容なんかを例えば冊子にまとめて企業の方にお配りいただいたりすることで、参加できなかった方も事前に見ていただくことなどもできるかと思います。ぜひ今後は、さらなる普及啓発に向けて取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
 そして、次に、話が変わりまして、都における新型コロナ関連の雇用政策について伺っていきたいというふうに思います。
 まず、早期再就職緊急支援事業について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の長引く影響は、雇用市場にも大きな影響を及ぼしております。雇用を維持することが困難となる企業もふえており、雇いどめや離職をされる方が非常に多く、先行きの見えない不安を抱えているのが現状です。
 新型コロナウイルスの影響で雇いどめに遭った労働者は、この一年で見込みを含めて八万人近くに上るといわれておりまして、本当に都民生活に大きな影響を及ぼしているというのが実態であります。
 一方で、二十四時間三百六十五日のサービス提供が必要となる介護施設は、感染拡大防止のための対策等も含めて平時より業務がふえておりまして、慢性的な人材不足が続いております。
 我が会派は昨年の代表質問におきまして、経済の停滞に伴い雇用状況の深刻さが増していることから、都としてもさらに踏み込んだ対策を打ち出すべきと提案し、都は、福祉や介護業界など採用意欲が高い、これ、ITも含まれますね、採用意欲が高い企業との緊急就職面接会を毎月開催する早期再就職緊急支援事業を開始したと聞いています。そして、その際に重要なのは、入社後の定着を見据えた採用支援であります。
 介護業界の現場からは、私もリーマンショックの後の雇用支援でいろんな企業を見てきたんですけれども、似たような支援がリーマンショックの後も国の方で打ち出されて、奨励金等を含めていろいろな雇用政策が打ち出される中で、とりあえず人は入ってきたんだけれども、その後、物すごくやめてしまったという声をすごく聞いていました。ミスマッチで多くの人がやめてしまうということが起こらないように、ぜひ未経験の育成に力を入れている施設を優先的にマッチングをして、なかなか余儀なく離職する人を減らしてほしいという声を聞いておりました。
 こうした課題認識から、昨年度の一般質問におきまして、私が、こうした新規入職者が働きやすい、人材育成に重点を置いている優良法人に対して積極的に求人紹介をお願いしたいというふうに提案をしたところ、今、都の福祉保健局で行っている、未経験を積極的に育成する福祉事業所を公表している働きやすい福祉の職場宣言事業というものがあるんですけれども、こちらに掲載している情報を活用して連携するという答弁が福祉保健局長からありました。
 そこで伺いたいのですが、早期再就職緊急支援事業におけるこれまでの取り組みの成果について伺いたいと思います。

○村西雇用就業部長 都は、今年度の補正予算によりまして、コロナ禍で離職を余儀なくされた方の早期の再就職を支援するため、キャリアカウンセリングから就職活動のノウハウに関するセミナー、就職面接会までを一日で集中的に行うプログラムを実施しております。このプログラムの就職面接会では、TOKYO働きやすい福祉の職場宣言事業所の求人を開拓し、先月までに六社が面接会に参加しております。

○後藤委員 既に六社の企業が働きやすい職場宣言事業所ということで、面接会にご参加いただいているという答弁がございました。ぜひ今後も、業界未経験の方が入職をして定着をするという育成する力のある法人に、ぜひ積極的にマッチングをいただくことを要望したいというふうに思っております。
 また、都は来年度、雇用創出・安定化支援事業において、労働者派遣のスキームを活用して、派遣社員として働きながら、ITや介護福祉など複数の業種や職種を経験し、適職を探しながら、正社員としての就職を目指す事業を開始したというふうにも伺っております。
 そこで、本事業における具体的なスキームについて伺いたいと思います。

○村西雇用就業部長 都が来年度から実施いたします雇用創出・安定化支援事業は、コロナ禍で離職を余儀なくされた求職者の方が派遣社員として二カ月間のトライアル就労を最大三社で行い、実際の職場やみずからの適性を確認することによりまして、派遣先での正社員就職を目指すスキームとなっております。
 派遣期間中は専任のキャリアカウンセラーが就労状況をフォローし、正規雇用に向けたアドバイスなどを行うとともに、生活面をサポートするため、期間中の賃金と交通費を都が支給いたします。
 採用を検討する企業にとっては、書類や面接による選考に加えまして、求職者の方が派遣社員として実際に職場で働く様子を確認した上で採用を判断できるというメリットがあるため、正社員の人材確保に向けた効果的な支援となっているものと考えております。

○後藤委員 この事業においては、トライアル就業で、いろいろな、三社を上限としてさまざまな企業を見ることによって適職を探せるという意味においては、ミスマッチも減らせる取り組みであるというふうに思いました。
 今後に向けましては、リーマンショック時の雇用政策における振り返りを踏まえて、さらに入社後の定着に向けた取り組みというものも重要かというふうに考えますが、見解について伺います。

○村西雇用就業部長 コロナ禍で解雇や雇いどめとなり離職された方々を正規雇用につなげ、さらにその定着を図るためには、求職者本人に対する就業に向けた支援に加えまして、スキル不足等の懸念から正規雇用で採用することに不安を感じる企業に対する支援も実施する必要がございます。
 このため、都は、トライアルによる派遣就労を終了した方を正規雇用として六カ月以上継続雇用し、定着に向けた取り組みを行う中小企業に対して助成金を支給し、正社員採用と定着に取り組む企業にインセンティブを付与しております。
 具体的には、トライアル就労を経て正規雇用として採用した労働者のキャリアアップを図るため、資格取得やOAスキルなど、職務に必要な技能を習得する研修等を行った企業に対し、一人当たり二十万円、最大三人分、六十万円まで助成を行います。

○後藤委員 企業側に対しても奨励金とインセンティブを付与されるということで、定着に関しても非常に取り組んでいただいていると。これはリーマンショック後の制度にプラスアルファで加えていただいているという認識ですので、都もこれまでの施策の経験を踏まえて、より定着にシフトした取り組みを支援いただいているものだというふうに確認をいたしました。
 こういった有事の際に人をたくさん採ろうという話になると、やはりとにかく入れるんだと、入職をするんだと、そういう話が割と先行しがちだなと思っているんですけれども、私自身は、入社後の定着、さらには活躍というところまで見据えた支援ができて初めて成功したというふうにいえると思いますので、ぜひこの定着の仕組み、追って、定着が進んでいるかの検証というものもしっかりと行っていただきたいなというふうに思います。
 こうした採用意欲の高い業界と業界未経験者の方々とのマッチングに当たっては、スキルの講習や業界理解などの支援というものも重要であると考えます。
 我が会派では、これまで、伊藤ゆう議員を中心に、実践的な支援体制、スキル講習などの構築を都に求めてまいりました。
 今回、こうした経緯を踏まえ、都が来年度、新型コロナウイルス感染症の影響で離職した人などを対象に、人材を確保したい業界団体と連携をして、業界知識と技能を付与する短期間の講習プログラムを展開するとしておりまして、我が会派が求めてきたことであり、評価をしたいというふうに思っております。
 そして、今回のプログラムに関しては、介護の業界団体とも連携をするというふうにありまして、介護の業界の方からいわれているのが、ぜひその際に、講習プログラムをつくっていただくに当たっては、初任者研修とか、介護の入り口で必要になるような介護現場の実務に活用できるような資格取得支援等を行っていきたいという声が上がっていますが、見解を求めたいと思います。

○村西雇用就業部長 都は来年度、ITや介護など、コロナ禍でも採用意欲の高い業界団体と連携し、人材確保に資する新たな就労支援プログラムも開始いたします。
 具体的には、業界特有の業務知識や技能を習得する短期間の講習と職場体験などを組み込んだ実践的なカリキュラムを開発し、人材を育成してまいります。
 カリキュラム終了後は、業界傘下の企業との就職面接会を実施し、再就職を促進してまいります。
 介護業界と連携したプログラムの実施に当たりましては、介護職員初任者研修課程の内容を取り入れた実践的なカリキュラムの開発を業界団体と検討してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。最後のご答弁の中で、初任者研修など、業界未経験の方が介護の業界に入職にするに当たって必要な資格取得について、しっかりとご支援していただけるというお話だったので、安心をいたしました。
 今後も、未曽有のコロナ危機でありますから、実効的な施策展開、ぜひ現場の意見も聞きながら行っていただきますよう要望をいたしまして、最後のテーマに移りたいと思います。
 最後に、感染拡大防止協力金について伺ってまいりたいと思います。
 営業時間の短縮要請というものは、昨年十一月二十八日に実施されて以来、たび重なる延長の結果、四カ月以上続いておりまして、飲食店の皆様には長期間のご協力というものをお願いしている状況にあります。
 そして、そのご協力に対して支給をしているのが、その都度都度、協力金が支給されているわけでありますけれども、これについて、現在どの時点の要請に対する協力金について、どのようなスケジュールで審査や支給を行うこととしているのか、具体的な日程について伺っていきたいと思います。

○築田産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 現在、令和二年十二月十八日から令和三年一月七日までの時短要請に係る協力金の支給事務に取り組んでおりまして、受け付け期間であります一月二十六日から二月二十六日までの間にいただいた申請について、順次審査を行った上で支給を進めております。
 また、緊急事態宣言下であります一月八日から二月七日までの時短要請に係る協力金につきましても並行して支給事務を進めており、先月二十二日に申請受け付けを開始して以降、今月四日から支給を開始しております。
 なお、申請については三月二十五日までを期限としており、現在も受け付けているところでございます。

○後藤委員 これまでわかっている具体的な日程について、ご答弁をいただきました。
 さらに、緊急事態宣言の延長になったものの中で支給が決定をしている協力金については、まだちょっと日程が未定というものもあるというふうに聞いておりますので、わかり次第、早急にご公表いただきまして、事業者の皆様に対して周知いただくことを求めたいと思います。
 そして、協力金の支給状況と迅速な支給に向けた対応についても伺っていきたいと思います。
 先ほどのご答弁のとおり、現在、並行して協力金の審査や支給事務を行っているということで、都としても件数が非常に、どんどんどんどん対象も拡大しているということもありまして、なかなか都の局の皆様にとっては大変なご苦労があるというふうには思うんですけれども、やはり支給のおくれというところ、遅いんだというようなお声は多分、議員の皆様も各地元でいただいているところなのかなというふうに思います。それは、地元、都民の方々の率直な意見なのかなというふうに思いますし、経営が本当に苦しい中で営業時間の短縮要請に応じていただいているということもあります。
 ぜひ協力金を一刻も早くお届けをしていただきたいと思いますし、迅速に支給をしていくということは極めて重要であるというふうに考えますが、そこで、現在取り組んでいる協力金の支給状況と支給の迅速化に向けた対応について伺いまして、私の質疑を終わります。

○築田産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 一月七日までの協力金は九割以上審査に着手しており、申請件数の約七割に当たる約三万九千事業者に支給を行っております。
 一方、現在申請を受け付けております二月七日までの協力金につきましては、約三万三千件の審査に着手しておりますが、今月四日に支給を開始して以降、実際の支給に至っているのは約六千店舗分となっているところでございます。
 これは、支給対象が店舗単位となりまして、営業許可書や光熱水費の検針票など、営業実態を示す書類の提出を店舗ごとにお願いしている中で、不備が多く、申請者への電話のご確認や再提出等により時間を要していることなどが主な要因となっております。
 このため、特に間違いやすい事例をポータルサイトに掲載して注意喚起するとともに、申請手順をわかりやすく紹介する動画を公表するなど、対応を図っているところでございます。
 今後とも、審査の円滑化を図り、迅速な支給に努めてまいります。

○後藤委員 済みません、先ほど質問を終わりますと申し上げたんですけれども、今のご答弁に対して一言申し上げたいというふうに思います。
 協力金の支給に関しては、今のご答弁の中では三万三千件の審査の着手のうち六千件ということで、まだまだ五分の一程度にとどまっているという状況であります。
 ご答弁の中では、申請不備が多いと、それが主な要因なんだというようなご答弁もありましたけれども、これまで協力金の支給に関しては、もう何度も何度も何度もやってきているわけでありまして、これまでの経験をやはりぜひ踏襲していただいて、その振り返りからスピーディーな支給にぜひつなげていただきたいというふうに思っております。
 間違いやすい事例などをポータルサイトに掲載して注意喚起をしていただいているというような、改善もしていただいているというご答弁はありましたけれども、やはり中小企業の飲食店やカラオケ店舗にとっては、本当に一日一日が営業する上での生命線になっているというようなことをぜひ皆様も踏まえていただきまして、一日も早い支給に向けた取り組みを要望して、質問を終わります。

○菅野委員 新型コロナウイルス感染症が国内で初めて確認されてから一年以上たっていますけれども、緊急事態宣言の再度の発令、そして延長など、依然として終息が見えない状況が続いています。この間、都内経済は極めて厳しい状況が続いていて、外出自粛や時短営業などの影響は多くの業種に及び、中小零細企業の経営環境は非常に悪化しています。
 改めて申し上げるまでもなく、東京の経済を支えているのは中小零細企業です。東京の経済をコロナ禍から早期に回復させていくためには、中小零細企業の経営の安定化とさらなる成長が必須条件であります。
 また、観光分野に目を向けますと、海外との往来は、この一年間、厳しい制限が課せられ、外国人観光客が激減したことにより、多くの観光関連事業者が苦境に立たされています。
 東京の経済再生を図る上で観光業の回復も必要不可欠であり、感染状況を慎重に見きわめつつ、しかるべき時期を選び、再び多くの観光客を呼び込めるように、今から手だてを講じておくことが重要と考えます。
 東京の産業がコロナの危機を乗り越えるとともに、コロナ後には再び成長軌道に戻していく、そのために必要な取り組みが来年度予算にどのように盛り込まれているか、本日の質疑を通じて確認していきたいと思います。
 そこで、まず多くの企業ではコロナ禍により売り上げが激減する一方で、人件費や家賃など固定費の負担は変わることなく生じており、少なからず倒産や廃業の危機に瀕しています。経営基盤が強固とはいえない中小零細企業は我慢に我慢を強いられており、既に我慢の限界を超えているともいうべき状況となっています。
 厳しい状況にある中小零細企業があと一歩踏みとどまり、倒産や廃業を回避していただくための手厚いサポートを行うよう、我が党は、第三回定例会の代表質問や本委員会の事務事業質疑などで求めてきました。
 都は、感染症により極めて厳しい経営環境にある中小零細企業に対し、専門の支援窓口を設けて対応していますが、具体的な支援に結びついているのか、その取り組み状況を伺いたいと思います。

○土村商工部長 都は、急激な経営悪化により早期の事業立て直しが必要となる中小企業に対しまして、昨年九月、中小企業振興公社に事業再生特別相談窓口を設置し、専門家の活用等による集中的な支援を開始いたしました。
 この事業は、信用金庫や信用組合などの地域金融機関と連携して取り組んでおりまして、本年二月末までに相談を受け付けた四十八件のうち、約九割が金融機関からの紹介案件となっております。
 具体的には、コロナ禍により売り上げが急激に減少した飲食店やアパレル企業などに専門家を派遣し、管理経費を精査し、経営改善計画を策定して融資や補助金につなげた事例などがございます。
 来年度も本窓口を引き続き設置し、個々の実情に寄り添ったきめ細かい支援を行うことで、コロナ禍における中小企業の倒産や廃業の防止を図ってまいります。

○菅野委員 本当に金融機関のかかわりというのは、中小零細企業にとってはまさに経営のパートナーというか、大事なものであります。中小零細企業の多くは、そういった中で資金繰りが本当に逼迫した状況が続いていて、経営改善にはそういった取引のある金融機関のアドバイスとか協力というのが欠かせません。
 今後も都の施策により金融機関の積極的な支援を引き出して、中小零細企業の経営をしっかりと支えていくように求めておきます。
 次に、中小企業の販路開拓支援について伺いたいと思います。
 コロナ禍で業績が悪化している中小零細企業にとって、新たな取引相手を探して、少しでも売り上げ増に結びつけていくことが喫緊の課題です。中小零細企業が自力で新たな販路を開拓することは難しいわけですが、コロナ禍を乗り越えるためには、むしろ積極的な取り組みが必要になります。
 しかしながら、コロナ禍にある中小零細企業にとって、展示会への出展や広報などの費用負担は重くて、こうした前向きな取り組みになかなか踏み出せないということも考えられます。資金面のネックから具体的な行動を起こせない中小零細企業に寄り添った対応が必要だと思います。
 コロナ禍で売り上げの減少に苦しむ中小零細企業に対して、都は販路開拓支援の強化を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 都は、専門家によります経営診断によりまして、売り上げ回復のために販路開拓が必要とされた中小企業に対しまして、展示会への出展経費やウエブサイト構築等の販売促進費について、百五十万円を上限に助成をしてございます。
 本事業では、現在、助成率を原則として二分の一とし、小規模企業に限り三分の二としておりますが、感染症の影響を受けている中小企業の経営安定化をより一層後押しする観点から、来年度は、全ての中小企業を対象に助成率を一律三分の二に引き上げることとしております。
 また、感染症の影響により、展示会の中止や延期がふえているため、今後は、オンラインによります展示会の出展経費についても助成対象に加えるなど、さらなる支援の充実を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じまして、中小企業の販路開拓を後押ししてまいります。

○菅野委員 中小零細企業を取り巻く厳しい現状を踏まえて、販路開拓支援の見直しを行っていただくということです。
 コロナ禍を乗り越えていくため、前向きに取り組む中小零細企業に対して、ぜひ手厚いサポートを提供することを求めておきます。
 そして、新たな取引先の獲得を目指す中小零細企業に対して、商談機会を提供することは重要です。展示会は貴重な商談の場ですが、感染症の影響により例年どおりの開催ができない状況が続いています。さきの事務事業質疑では、感染症により受注が減少している企業を支援するため、マッチング商談会を行うとの答弁がありました。感染症の終息が見えない中、新しいビジネスに結びつく機会を少しでも多くつくり出すことが大事です。
 都は、中小零細企業に新たな受注機会を提供するため、どのように取り組むのか、見解を伺います。

○土村商工部長 都は、感染症の影響により受注が減少しております中小企業に対しまして、大企業等への直接訪問やビジネスチャンス・ナビの活用などにより発注企業を発掘し、マッチングをサポートする緊急の商談会を開催いたしました。
 ことし一月には、発注企業十一社と受注企業二十四社が参加するオンライン商談会を開催しまして、三十二件の商談に結びつけました。また、ことし二月には、発注企業十七社と受注企業五十五社が参加する商談会を開催し、百三十五件の商談に結びつけました。
 来年度は、商工団体と連携し、他県で開催される展示会等の場を活用し、都内中小企業と他県企業とのマッチング機会を創出するとともに、感染症で影響を受けた業種を中心に、リアルとオンラインを組み合わせた展示会を開催いたします。
 こうした取り組みを通じまして、コロナ禍の厳しい状況にある中小企業に対し、受注機会の創出を図ってまいります。

○菅野委員 中小零細企業の商談機会を創出することは、コロナ禍からの脱却を後押しする重要な取り組みです。
 展示会を開催するには依然として厳しい環境が続いていますが、今後も工夫をしながら、ビジネスマッチングの場を都が率先して提供することを求めて、次の質問に移りたいと思います。
 感染症の影響は長期間にわたっていて、さまざまな業種や業界に及んでいます。多くの中小零細企業は自助努力で対応していますが、それにも限界があって、業界単位での一体となった取り組みが効果を発揮すると思います。
 業界団体の中には、何とか集客の回復に結びつけようと、感染防止対策のPRや販売促進のキャンペーンなど、創意工夫で進めているところもあります。しかしながら、十分な資金やノウハウがないため、こうした取り組みを実行できない業界団体もあります。感染症という共通の課題に立ち向かう業界団体に対して、その機能や役割が十分発揮されるように、今後もしっかりと支えていく必要があると思います。
 そこで、都は来年度、新たな課題への対応に取り組む業界団体に対しまして支援を強化すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○土村商工部長 都はこれまで、業界団体などが取り組みます広告宣伝用の映像制作や情報発信のためのパンフレットの作成等に対しまして、必要となる費用の助成や専門家の派遣等により支援してまいりました。
 来年度より、新たな支援として、コロナ禍における新しい日常に対応するために、業界団体などが取り組むデジタル技術を活用したオンラインでのショップ開設や展示会の実施など、業界活性化のための先進的な事業を後押ししてまいります。
 本事業では、一案件につき五千万円を上限として支援を行うこととしており、先進事例として広く発信できる事業プランを業界団体などから公募いたします。業界団体などがノウハウを有する民間事業者とコンソーシアムを組んで提案することも可能としており、実効性の高い仕組みとしてございます。
 こうした取り組みによりまして、業界団体における新たな取り組みを支援してまいります。

○菅野委員 感染症の影響で、多くの業種や業界で経営環境が劇的に変化している。こうした厳しい経営環境だからこそ、業界団体が果たすべき役割は大きく、都がその取り組みをしっかりと後押しする必要があります。コロナからの回復と産業の発展に向け、都と業界団体が今まで以上に連携を深めるように要望しておきます。
 また、営業時間の短縮の要請に応じた協力金の支給について、先ほどの答弁の中で、支給の迅速化に向けてさまざまな取り組みも進めているということでした。一方で、書類の不備が多いということでもあります。
 実際に、私のもとにも書類に不備があるとの連絡が結構来ています。ご相談をいただいた事例もあります。その方は、どのように修正の対応をしたらよいかわからないので問い合わせをしても、なかなか電話がつながらない、それで困っているというものもありました。
 申請件数が膨大になっていて、非常に大変な作業であるとは思いますけれども、一件一件、申請者にできる限り寄り添った対応をして、早期に協力金が手元に届くように、さらなる工夫と努力を図るよう、これは要望しておきます。
 次に、コロナ終息後も見据えた中小企業支援についてお伺いします。
 現在、中小企業に対して感染症への緊急支援策がさまざま実施されていますが、今後の終息後の社会経済状況を見据えたより長いスパンの支援策も検討しておく必要があるかと思います。
 コロナで人々の価値観が変わって、生活のさまざまな部分で新たなニーズが生み出されています。中小企業が時代の変化を捉えてチャンスを物にできるように、都がしっかりとサポートしなければならないと考えます。
 都は、今後のコロナ終息を見据え、中小企業が一歩先のニーズを獲得できるように後押しをして、その成長につなげていく必要があると考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 都は来年度、感染症による人々の生活様式やニーズの変化に対応した新技術や新製品の創出に向けた支援を実施いたします。この事業では、中小企業が大学等と連携して行う開発に要する経費の三分の二について、八千万円を上限に助成を行い、あわせて、技術面からのアドバイスや開発後の販路開拓に向けたハンズオン支援などを一貫して提供することとしております。
 こうした支援のほか、人と人との接触を不要とする非対面型の新たなサービスなどの開発に対する支援も開始いたします。この事業では、専門家の派遣により事業計画の策定をサポートするとともに、事業展開に必要な経費の二分の一について、七百五十万を上限に助成いたします。
 中小企業が感染症による経営環境の変化に対応し、成長を続けられるよう支援をしてまいります。

○菅野委員 感染症によって、都民の生活スタイルやニーズは大きく変化して、中小零細企業もこれに的確に対応しなければ生き残れない、そうした状況です。中小零細企業が新たなニーズを獲得できるよう、適切にサポートすることを求めておきます。
 中小企業が感染症の経験を乗り越えて成長を目指す上で、最先端技術の導入は欠かせません。とりわけ、この間の非接触技術は日進月歩であり、日本の社会にも広く浸透してきました。中小企業によるこうした最先端技術の導入を後押しして、生産性の飛躍的な向上や新たなビジネス展開につなげていくことが重要です。
 都はこれまでも、AIやロボット技術などの導入を支援してきましたが、常に時代のニーズに沿った支援が求められます。
 そこで、都は、最先端技術の導入など、中小企業がさらに飛躍を遂げるための支援の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 都は来年度、中小企業の成長に向けて、生産効率の飛躍的な向上や、製品、サービスの高付加価値化などにつながるデジタル技術の円滑な導入を促すため、多様な支援を実施いたします。
 具体的には、検討段階から導入段階まで、専任のアドバイザーが伴走型でサポートするとともに、機器やシステム等の内容に応じた導入経費の助成も行います。さらに、講座の実施によりまして、デジタル技術の活用を担う社内人材の育成を支援してまいります。
 これらに加え、販路拡大に向けたオンライン技術の活用を支援するため、商談会等の出展機会を創出するほか、知識やスキルを習得する実践的な講座を実施いたします。
 最先端技術の活用を強力に後押しすることにより、中小企業に新たな活力を生み出してまいります。

○菅野委員 中小零細企業にとって最先端技術の導入は、新製品の開発や業務の効率化などのメリットがあるものの、資金面のハードルに加えて、ノウハウ不足という問題もあります。今回の支援では、専門家によるサポートもあわせて提供するとのことであります。今後も中小零細企業に寄り添った対応を要望しておきます。
 次に、中小企業のイノベーションについて伺います。
 コロナ禍で顕在化した社会問題はもとより、少子高齢化や気候変動がもたらす危機、持続可能性や安全・安心など、東京が抱える都市課題は山積しています。こうした課題の解決には、東京の中小企業のすぐれた技術の力を活用することが有効です。
 都内には、高い技術力を持つ中小企業や地域の団体などさまざまな主体が活動していて、都民生活や地域経済を支えています。困難な状況を打開する鍵は、常に前に進むイノベーションの力であり、地域の企業などによる身近なアイデアを課題解決につなげることで、経済活性化との両立を図ることができると考えます。
 都は、地域の課題解決と経済活性化の双方を促すため、地域の企業などによるイノベーションを促進すべきと考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 都は来年度、中小企業を初め、非営利法人など多様な主体が地域課題の解決に向けて取り組む新製品や新サービスの開発支援を開始いたします。
 この事業では、アドバイザーによる開発計画のブラッシュアップや訪問指導に加えまして、開発途中で生じた課題解決のため専門家を派遣するなど、ハンズオンで計画の実行を後押ししてまいります。
 また、開発に要する費用のほか、展示会への出展など、販路の開拓に要する費用の二分の一について、一千五百万円を上限に支援することとしております。
 多様な主体によるイノベーションを後押しすることで、地域課題の解決につなげるとともに、都内経済を活性化してまいります。

○菅野委員 コロナ禍によって疲弊している地域経済を回復していくためには、新たな価値を持つ製品やサービスを数多く生み出すなど、企業活動を活性化させることが重要です。今後とも、地域経済の成長に向けた取り組みについて、さらなる充実を図るよう要望して、次の質問に移ります。
 次は、観光事業者への支援について伺いたいと思います。
 新型コロナ感染症が長期化する中で、宿泊業や旅行業を初めとした観光事業者は非常に大きな影響を受けてきました。そして、三月に入り、緊急事態宣言が再度延長され、事業者からは、卒業旅行などの書き入れどきにかかわらず旅行者が戻ってこないといった悲痛な声が寄せられています。
 こうした移動が制約される中においても、観光事業者が新たな需要を開拓して収益を上げられるように、都はどのように支援していくのかを伺っておきたいと思います。

○松本観光部長 都は、コロナ禍におきまして、観光事業者の新たなビジネス展開を促進するため、自宅で楽しめるオンラインツアーの造成や宿泊施設のテレワーク利用環境の整備を支援しておりまして、緊急事態宣言が発令された一月以降、いずれも申請が大きく増加してございます。
 オンラインツアーについては、東京の地酒を味わいながら、生産者が案内する酒蔵をライブ配信で見学するツアーなど、旅行業者から三十件を超える申請がありました。
 また、宿泊施設のテレワーク環境の整備については、一月から補助率を三分の二から五分の四へ、限度額を三十万円から五十万円に引き上げ、これまで合計約百五十施設が補助制度を活用し、Wi-Fiの増強などに取り組んでおります。
 来年度も引き続き、意欲のある観光事業者の積極的な取り組みを後押ししてまいります。

○菅野委員 観光事業者が今後も事業を続けていくためには、今ご答弁があったような新しいサービスなどを取り入れていくことが重要だと思います。
 しかし、観光事業者の多くは中小零細でありまして、なかなか単独で新たな投資を行うことは大きな負担となります。また、オンライン化などの技術に疎い場合もありまして、誰もが新しい事業に取り組めるものではありません。
 私の地元港区などでも、この間さまざまな、東京タワーだとかいろんなところを使った、リモートで、オンラインで何か観光ができるような、そういうイベントはいろいろと打ち上げられていて、それなりの好評を得ているとは聞いているんですが、大体かかわっているというか主催しているのは大手の旅行代理店だったりして、なかなかそこに、中小零細のそういう事業者が入り込めないのかなというようなことも考えておりました。
 そしてまた、こういったツアーというか、新しいことをやるにしても、コロナ禍において非常に重要となっている安全・安心の確保、これも事業者間で共通する課題に関してガイドラインのように業界として取り組んだ方が効果的な場合もあると思いますので、こうした観点から、都はより多くの観光事業者がコロナ禍を乗り越えていけるよう支援すべきと考えますが、所見を伺います。

○松本観光部長 都は来年度、観光事業者のグループや団体によるサービスのレベルアップ等に向けた取り組みを新たに支援いたします。
 具体的には、複数の旅行業者が協力し、観光客がさまざまな旅行商品を一つのサイトで検索、予約できる共通販売システムの開発や、業界団体が構成員向けに行うデジタル技術の活用に関する研修、バス車両の換気性能の紹介動画の作成による安全性のPRなどを想定しておりまして、こうした取り組みに対し、補助率三分の二、二千万円を上限に助成してまいります。
 これにより、中小零細の事業者も含めた観光業界全体のビジネス展開を支えてまいります。

○菅野委員 長引く感染症の影響で、観光関連の事業者は本当に非常に苦しんでいます。都は来年度、経営力を高めるさまざまな取り組みを進める予定であることはわかりましたが、事業者の収益の回復には、誘客を促進して、実需を生み出すことが何よりも必要となります。
 昨年秋に開始したもっとTokyoや、しまぽ通貨という誘客策は、コロナの第三波とともに、残念ながら中止となってしまいました。これらの事業の余った財源をうまく活用して、感染状況が落ちついた時期に速やかに再開するとともに、国のGO TOトラベルともしっかりと連携していただくこと、これを求めて、次の質問に移りたいと思います。
 コロナの感染拡大の経験から、今後は密を避け、家族などの少人数での旅行や自然の中でリフレッシュするなど、精神的な豊かさが味わえる旅行へのニーズが高まっていくと思います。
 とりわけ、豊かな自然に恵まれた多摩・島しょ地域は、そうした人々の滞在先としての期待が高まっていくと考えますが、旅行者の滞在期間が延びれば、それだけ地域での飲食などの消費がふえるので、長期滞在者の受け入れは地元にとってもメリットがあるかと思います。そのため、地域がこうした旅行者をしっかりと受け入れられるための体制づくりが重要だと思います。
 そこで、都は来年度、新たに滞在型旅行の推進に取り組むということですが、その狙いと具体的な内容を伺いたいと思います。

○松本観光部長 コロナ禍において、移動による感染リスクを低減しつつ、観光を楽しめる環境を整備するため、都は来年度から、多摩・島しょ地域において、一カ所に宿泊しながら、地元の食や周辺のアクティビティーを楽しむなどの滞在型旅行を推進いたします。
 この事業では、観光協会や事業者などが行う体験コンテンツの開発や、宿泊先等に関するPRに要する経費のほか、電動アシスト自転車などの必要な備品購入に要する費用を対象に、十件程度助成いたします。
 あわせて、集客や受け入れの工夫などに関して助言を行う専門家を一社当たり十回まで派遣いたします。
 こうした取り組みを通じて、旅の新たなスタイルを提供し、観光による交流をさらに促すことで、東京の観光の活性化につなげてまいります。

○菅野委員 コロナ禍が続いて、遠方や海外への旅行が困難となっている今、都内の観光産業を支えていくためには、自宅から一、二時間の距離で、密を避けながら、近場で過ごす旅行を推進することが必要であると考えます。山歩きや温泉を楽しんで、あすへの活力を取り戻す近場での旅行は、今まで気がつかなかった地元の魅力を発見するきっかけにもなりますので、都は滞在型旅行の支援に着実に取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、日本文化を活用した観光振興支援事業について伺いたいと思います。
 昨年からの感染拡大によって、地域に代々伝わる祭りを初め、アートや音楽イベントなど、多くの観客を集める文化のイベントが中止や延期となってしまいました。こうした祭りや文化を活用したイベントは、多くの人々が地域に足を運び、宿泊や飲食、買い物を行うため、幅広い経済効果をもたらすと思います。
 コロナ禍で深刻な影響を受けている地域経済の回復に向けては、観光関連の団体に加えて文化関連団体とも手を携えて、東京の文化の魅力を伝える観光イベントなどに取り組むことが大変効果的だと考えます。
 こうした観点から、都は来年度、日本文化を活用した観光振興をどのように支援するのか伺いたいと思います。

○松本観光部長 文化は、国内外からの旅行者を引きつける重要な観光コンテンツであることから、都はこれまでも、自治体や観光協会等が取り組む文化財等の情報発信や伝統芸能体験など、地域の特色ある文化資源を活用した取り組みに対し支援を行ってまいりました。
 来年度は、新たな観光コンテンツの開発や発信を進めるため、文化芸術団体が持つ専門性を生かし、伝統芸能や現代アートなどの文化芸術と、自然などの地域資源が効果的に結びついた取り組みを支援いたします。
 具体的には、都内で活動する文化芸術団体と観光協会等が連携し、新たに取り組む観光イベント等に係る経費の二分の一を助成いたします。
 感染状況を見きわめつつ、こうした取り組みを支援することで国内観光の需要を喚起し、地域のにぎわいの創出につなげてまいります。

○菅野委員 新型コロナウイルス感染がまだ終息しない中ではありますけれども、都にはさまざまな工夫を凝らしながら、こうした観光振興にもしっかりと取り組んでいただいて、都内各地の経済の活性化につなげていただくことを要望しておきます。
 さて、ここまで中小企業支援、そして観光産業の振興について、来年度予算における取り組みを伺ってまいりました。一年にもわたるコロナとの闘いで極めて厳しい状況に置かれている中小事業者に対して、セーフティーネットとしての経営の下支え、コロナ禍における環境変化への対応や、新しいニーズを捉えた新ビジネスへの後押しなど、さまざまな支援策を展開していくことは確認できました。
 産業労働局には、こうした施策を新年度速やかにスタートさせるとともに、支援を求める事業者の手元に情報がしっかりと届くように、経済団体や区市町村、地域の金融機関などと連携して周知を図るように求めておきます。
 さらに、先日の委員会質疑でも申し上げましたが、都議会自民党には多くの経営者から事業の継続がままならないという声が寄せられています。また、予算特別委員会における我が党の小宮議員の質問に対して、都内中小企業の約二割が売上高を半分以上減らしているとの答弁もありました。
 緊急事態宣言は今月二十一日以降どうなるかもわかりませんが、経済活動に対する制約は二十二日以降も続くことが予想され、東京の産業の屋台骨ともいえる中小企業の経営はさらに追い込まれ、瀬戸際に立たされているといっても過言ではありません。
 産業労働局は、こうした現状を直視し、コロナ禍の影響が及んでいる幅広い業種に対して支援を国任せにするのではなくて、都も国の支援に上乗せを行うなど、再三申し上げているとおり、何らかの手だてを講じるべきと考えますが、見解を伺います。

○坂本次長 今回の感染症の長期化によりまして、営業時間の短縮を要請された飲食店を初め、そうした飲食店と取引のある事業者など、多くの中小企業の経営に影響が及んでいる現状がございます。
 こうした事業者を対象といたしまして、国では、今月八日から一時支援金を支給する事業を開始しているところでございます。この支援金につきましては、支給額の増額や支援の対象となる売り上げの減収にかかわる要件、こちらの要件の緩和などに関して、一都三県で国に繰り返し要望を行い、その施策の充実に結びつけてきたところでございます。
 都では、中小企業を幅広く支援するため、資金繰りを支えるための実質無利子の制度融資や、事業の継続に向け、専門家を現場に派遣するきめ細かい相談対応などにより経営の下支えに取り組むとともに、感染症防止のための業界ガイドラインにのっとった取り組みにかかわる経費への助成などによるサポートも行ってまいりました。
 新年度、令和三年度では、厳しい経営状況にある中小企業の経営安定化に向けた支援に引き続き取り組むとともに、コロナ禍を踏まえたさまざまなニーズを捉えた事業展開、こうした展開を支援するなど、感染症による経営環境の変化に対応して、中小企業が直面する課題を乗り越え、事業を着実に展開していくことのできるよう下支えを行ってまいります。
 今後とも、経済の動向や感染状況を踏まえつつ、国や区市町村とも連携し、多面的な支援を講ずることで、東京の経済の再生につなげてまいります。

○菅野委員 ご答弁は今伺いました。このことは、これまで我が党も繰り返し、何度も何度も、私もですが、要望をさせていただいて、議会の質問等を通じて提案もさせていただきました。そして、都議会の各会派も同様の求めを行っている中で、なぜこの内容がなかなか実行に結びつかないのか、私には理解できない状況であります。
 きょうの質疑の中で、私の方からは、これはコロナが落ちついてきた後に、すぐに中小零細企業がまた再び活気を、力を発揮できるよう、回復できるように、いろんな支えをしていく必要がある、それはもう大事なことで、これはしっかりやっていただきたいんですが、まず、今、きょうをどうするか、あすをどう生きるか、そうした状況に、瀬戸際にあるというような中小零細事業者の方もたくさんいらっしゃると思います。
 先ほどの質問にもありました今の時短協力金の支払いがいつになるのか、いろいろお問い合わせが多い。これも、次から次と延長しているからということは確かなんですが、やはりそれぐらいに、皆さん、当時者の人にとっては死活問題で、その協力金がいつ入るかというのが大変重要な課題になっている。
 と同時に、その協力金がもらえない、つまり、飲食店以外でも飲食店とかかわってきた事業者を中心に、多くの方が同じように事業が疲弊していて、まず、当面、あすの生活費というか事業に使うお金が回らない、キャッシュフローがうまくいかないというような状況が現実に続いているという話もたくさん聞いています。
 まずは、今救わないと、本当に中小企業、零細企業がここでだめになってしまったら、その後、復活しようにもできないというふうに私は考えます。
 財政的な問題なのか、対象範囲の問題なのか、一都三県の問題かわかりませんけれども、まず、局長、済みません、ここで、どのような理由と課題があるのか、それで、なぜそういったことから政策に結びつかないのか伺いたいと思います。

○村松産業労働局長 お話の国の一時支援金について、東京都の方で上乗せをすべきというご質問を何度もいただいておりますし、私の方でも答弁をさせていただいている案件でございますが、この件につきましては、当局としても、私も予算特別委員会でご答弁をさせていただきましたが、やはり事業実施主体の国への要望をきちんと行っていくことが適切なんだろうと考えているところでございまして、一方、東京都は東京都の施策の充実にこれまでも取り組んできましたし、今後も取り組む必要があるんだと思っています。
 やはり大きな課題は、先生おっしゃるとおり、事業者をどうやって支えていくかと、感染症の抑制と社会経済活動の両立をどう図っていくのかということが非常に大きなテーマでございまして、当局といたしましても、コロナ禍においても事業活動が継続できますように、資金繰りの支援だとか、テレワークを初めとする働き方の改革への支援だとか、事業者や商店街が取り組む感染防止対策の支援だとか、こうしたことにも取り組んできたところでございます。
 そうした中で、この問題、一時支援金の関係につきましては、先ほども申し上げたとおり、きちんと国に要望を行うということで、政策企画局に一都三県の調整だとかも行っていただいて、ほかの三県からも支給金額が十分じゃないという声も届いているということも聞いていますし、当初、去年に比較して売り上げ要件が五〇%減と。今は、その前の年まで含めて五〇%減ということもありますが、そうした支給要件が厳しいんではないかというようなほかの三県からの意見もあり、じゃあそれを国にぶつけようということで、最終的には知事の了解も得て国に要望書を提出したところでございます。
 今後とも、国に要望すべきものはきちんと要望しつつ、東京都としてやるべき施策の充実を図ってまいりたいと考えております。

○菅野委員 村松局長が今の都内事業者のいろんな状況を非常によく承知をされている中で、さまざま努力をされてきて、局が一丸となっていろいろ取り組んでこられたということには本当に感謝を申し上げています。
 ただ、本当にそうした対策が、講じても講じても講じても、こういった状況が今重なることで、非常に現場というか現状はつらい事業者がたくさんいるということを、私はもう再三、まあ再度申し上げて、それで、国はもちろんやるべきことをやって、もっとさらにやってもらいたい、我々も一緒になってやっていきますが、まずは国が決まらないときに、何か都でも、さらにプラスアルファ、手だてができないのかということで、ここで今、何か結論をということではないんですが、若干まだ時間がある中で、いろんなことで、財政当局ともしっかりと、局長、お立場はあると思いますが、局長の後ろには都内の中小零細企業がくっついているわけですから、支えていただいているんで、そうした思いで、ぜひ財政当局ともしっかりとやりとりをしていただいて、何か新しい策を生み出していただくことを要望させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○けいの委員 よろしくお願いいたします。
 初めに、コロナ禍における中小企業の危機管理対策についてお伺いいたします。
 今の日本の危機管理対策の新しい起点となったのは、十年前に発生した東日本大震災であります。この震災は、都内中小企業の事業活動に影響を及ぼし、計画停電への対応やサプライチェーンの影響など、新たな課題が浮き彫りとなりました。いつ起こるか予測のつかない災害に備えることは困難なことでありますが、災害発生後も事業を続けていくことができれば、従業員の生命や雇用を確保するとともに、取引先からの信頼を維持することにもつながります。
 都議会公明党は、東日本大震災の発災以前から、中小企業の事業継続を支えるBCPの重要性を訴えてまいりました。私自身も昨年の予算特別委員会でBCPの取り組み強化を求めました。
 しかし、以前は、災害といえば、震災や台風、水害などの自然災害をイメージしてまいりましたが、今は新型コロナウイルス感染症という新たなリスクへの対応も必要となってまいりました。感染症のリスクは、自然災害と異なり、目に見えないものであるため、これまでの知見が応用できず、全く新しい取り組みが必要となる場合も出てくると思われます。
 このように、BCPの重要性がますます増しておりますが、初めに、都は現在、中小企業のBCP策定を後押しするためにどのような取り組みを行い、実績をどのように積んできたのかお伺いいたします。

○土村商工部長 都はこれまで、中小企業が災害発生時等においても事業を継続できるよう、BCPの取り組みへの支援を実施しております。
 今年度は、従来の自然災害への対応に加え、感染症対策などへの対応も含むオールハザード型の支援を行っているところでございます。
 普及啓発のためのセミナーには、これまでに百四十社のご参加をいただき、また、BCP策定支援講座につきましては、オンラインも含め十九回開催し、三百二十九社にご参加をいただきました。
 さらに、中小企業に専門家を派遣して、個々の実情を踏まえたコンサルティングや、社内での取り組み定着に向けた訓練へのサポートを提供するとともに、既に策定済みのBCPの実効性を高めるためのフォローアップを実施しておりまして、本年二月末までに合わせて九十八社の支援を行っております。

○けいの委員 感染症という新たなリスクに対応し、支援内容の見直しを図っているとのことでありました。今後も感染症に関する最新の知見を取り入れるなど、実効性のあるBCPの策定につなげることを要望いたします。
 BCPの策定は大変重要な取り組みですが、つくること自体が目的ではなく、計画を実践してこそ初めて効果を発揮するものであります。都はBCPの実践を費用面から支援しておりますが、こうした支援についても、感染症などの環境変化に対応した内容にブラッシュアップしていくことが必要です。
 BCPの実践のための支援事業について、今年度の実績と来年度の取り組み内容について伺います。

○土村商工部長 都は、中小企業がBCPの実行に必要な設備導入などを行う場合、その経費の一部を助成しており、今年度からは、新型コロナウイルス感染症に対応したBCPに基づく取り組みに要する経費につきましても支援対象としてございます。
 本年三月一日現在で百十八社の交付決定を行っており、取り組み事例としましては、従業員の健康管理のため体温を検知するとともに、マスクの有無をチェックするサーモグラフィーカメラの導入や、災害時の停電に備えた自家発電装置の設置などが挙げられます。
 来年度は、災害発生時などにおけるデータの保全に有効なシステムのクラウド化に係る経費を新たに助成対象に追加し、必要経費の二分の一について、四百五十万円を上限に助成を行うこととしております。
 こうした取り組みによりまして、BCPに基づく中小企業の具体的な行動を後押ししてまいります。

○けいの委員 ありがとうございました。さまざまな災害発生に対応した支援が行われていく、また、コロナ対策の備蓄品なども対応になっているという状況でございます。
 続いて、中小企業にとって、BCPの優先度、これは決して最優先、優先順位が高いものとはいえません。なかなか浸透しない状況が続いてまいりました。今回の感染症により、その重要性や注目度が高まっているため、より一層の取り組み強化を求めておきます。
 感染症は、中小企業の事業活動にさまざまな影響を及ぼしておりますが、その一方でオンラインの活用が飛躍的に進んでまいりました。対面販売からネット販売へ、会議室でのミーティングからウエブ会議へ、また働き方もテレワークといったように、中小企業の経営環境は大きく変化を遂げております。
 オンラインの活用は、環境変化への対応にとどまらず、業務の効率化や新たな価値の創造などのメリットが大きい反面、雇用情報の漏えいやサイバー攻撃などのリスクもはらんでおり、安全性の確保に向けた取り組みが必要です。しかしながら、コロナ禍でそのような検討が十分に行われないまま、オンラインの導入に踏み出している事例も散見されます。
 都は、コロナ禍における中小企業のサイバーセキュリティー対策への緊急支援を実施しておりますが、これまでと今後の取り組みについて伺います。

○土村商工部長 都は昨年十二月より、中小企業によるサイバーセキュリティー対策を支援するため、サイバー攻撃を検知する機器を試行的に設置し、インシデント発生時に駆けつけ、支援の提供を行うなどの支援を都内百社を対象に行っております。
 今回の支援を通じまして、サイバー攻撃の実態やセキュリティー対策への取り組み状況を把握し、レポートとして取りまとめ、今後の都の支援策の検討に活用してまいります。
 来年度は、こうした取り組みに加え、国家資格である情報処理安全確保支援士を有する専門家などを中小企業に派遣し、セキュリティー対策の状況診断や、セキュリティーポリシーの社内規定策定などの新たなサポートを行い、支援規模を二百五十社に拡大して実施いたします。
 これらの取り組みによりまして、中小企業のサイバーセキュリティー対策の向上を図り、オンラインを活用した新たな事業展開を後押ししてまいります。

○けいの委員 中小企業には、危機管理対応のノウハウや経験が少なく、時間的、経済的な余裕もありません。コロナ禍という厳しい状況の中でも、中小企業が安心して事業を続けられるよう、行政として手厚いサポートを提供することを求めます。
 ちなみに、中小企業にこうしたサイバーセキュリティー対策を施しつつ、テレワークを一層進めている東京都、行政自身が、万が一にもサイバー攻撃や情報漏えいが起きないように要望したいと思います。
 続いて、商店街の支援策についてお話しさせていただきたいと思います。
 商店街には、生活必需品の販売や飲食、生活関連サービスまで、さまざまな店舗が集まり、対面ならではのきめ細かなサービスも相まって、多くの人を引きつける魅力を形成しております。
 地域に長年愛されている店舗も商店街の魅力でありますが、新しい店舗も商店街を活性化させていく上で必要不可欠となります。商店街の魅力を維持し、さらに高めていくため、今後も新たな出店をしっかり後押ししていく必要があると考えます。
 とりわけ、商店街の集客力の強化を図るために、斬新な発想を持った若者や女性による出店をふやしていくことが効果的と思います。コロナ禍で果敢にチャレンジする出店者に対し、しっかりとサポートをしていく必要があります。
 都は、商店街の発展と活性化に向け、若者や女性の商店街への出店支援をさらに強化していくべきと考えますが、見解を求めます。

○土村商工部長 都では、新たな発想を持ち、将来、商店街のリーダーとしての活躍が期待できます若者や女性の開業を支援するため、商店街での販売や経験を積むためのチャレンジショップ創の実を自由が丘と吉祥寺に開設しております。
 また、繁盛している店舗を訪問して経営手法等を学ぶ機会を設けるなど、開業に必要なノウハウの提供を行っております。
 さらに、独創的なアイデアを持ち、商店街の活性化への貢献が期待される若者や女性に対しては、店舗の改修費や家賃などの開業経費の四分の三の助成も行っております。
 来年度は、この助成金の支援規模を十五件から二十件に拡大することとしておりまして、若手や女性による出店を一層促すことにより、商店街のさらなる発展につなげてまいります。

○けいの委員 すごいと思います。開店費用、店舗の改装、新装費、こうしたもので四百万、五百万、二年間の家賃、月額十五万でしたでしょうか。こうした補助、これを来年度は拡大していく。三十代の若者や女性が出店する場合には、総額で七百万以上の新規出店の補助をしていくというこの取り組み、さらに拡大していくべきだというふうに思います。
 商店街の活性化には魅力ある店舗が欠かせないのは当然でありますが、その土台となる街路灯の整備やイベントの実施など、会員の店舗が協力して行う商店街活動の役割も重要であります。
 コロナ禍においても会員の店舗が協力し合うことで、より一体的で効果的な感染症対策が講じられたケースや、コロナを契機にキャッシュレス化を推進するケースなど、懸命に取り組んでいる商店街もあります。
 そこで、こうしたコロナ禍における商店街活動の広がりを踏まえ、キャッシュレスの端末機器の購入など、都がしっかりと支えることで商店街の持続的発展を促すべき、そう考えますけれども、見解を求めます。

○土村商工部長 都では、イベントや街路灯の整備、空き店舗の活用など、魅力ある商店街づくりに向けた幅広い商店街の取り組みに対し、区市町村と連携した支援を行っております。
 来年度は、緊急対策として今年度実施しました商店街独自の感染症対応への取り組みの支援を引き続き実施してまいります。
 さらに、キャッシュレス化に必要となる端末機器の購入やシステム構築などに要する経費への助成について、都の助成率を三分の一から二分の一に引き上げ、区市町村負担の三分の一と合わせて、商店街の自己負担を六分の一まで軽減いたします。
 こうした取り組みを通じまして、コロナ禍を踏まえた商店街の多様な取り組みを後押ししてまいります。

○けいの委員 商店街は、かつてないほど厳しい環境に置かれております。人と人とのつながりを生む商店街、時代の変化とともに、その魅力をこれからますます高めていかなければなりません。
 私たちが要望してまいりました都議会公明党で推進してきたキャッシュレス対応の三〇%プレミアムつきの商品券、こうしたことも、四月以降、各区市で扱っていただく。その際に、キャッシュレス化がおくれていてほとんどのところが活用できなかったということがないように、こうした支援策をしっかり実行していっていただきたいと思います。
 次に、雇用対策についてです。
 感染症の終息が見通せない中、経済は冷え込んで、雇用情勢の悪化が続いております。特に、非正規で働く方々は、有期、臨時的な雇用であるため、雇いどめとなったり、休業に伴う業務量の減少でシフトが大きく減らされたりするなど、雇用の場が大きく減少しております。
 こうした雇用情勢において、求人が減少している業種から新たなスキルを習得して、人手不足が続く業種に正規雇用として転換できるよう支援する職業訓練の制度が、雇用のセーフティーネットとして改めて注目されております。
 都は、さきの都議会公明党の代表質問において、職業訓練の強化に向けて、都独自の新たな委託訓練を開始するなど拡充を図ると答弁しました。その具体的な規模や内容についてお伺いします。

○村西雇用就業部長 コロナ禍の就業環境は業種によって大きく異なっております。このため、正規雇用として他業種への再就職を促進する職業訓練は効果的な支援となることから、都は来年度、緊急の雇用対策として新たな委託訓練を開始いたします。
 具体的には、成長産業であるITや、人手不足が継続している医療、介護業界等への就職に必要な資格取得等を支援するため、民間教育機関のノウハウを活用した委託訓練を千人の規模で実施いたします。
 今後、多くの求職者が訓練を受講できるよう、ハローワーク等と連携しながらPRを強化してまいります。

○けいの委員 コロナ禍が長期化する中で、雇用情勢の回復のおくれが懸念されております。都の訓練にも多くの受講希望者がいると伺っております。職業訓練によって正規雇用への道が開かれ、安定した就労に結びつけることは極めて重要な支援であると考えます。
 ぜひ早期に募集をスタートできるようお願いいたします。
 女性の職業訓練について、今回のコロナ禍では、特に飲食業や観光、宿泊業での雇用情勢の悪化が目立っております。こうした業種では、非正規の多くの女性が就業されていたこともあり、感染症の影響の長期化に伴って、女性の雇用環境は深刻化しております。
 また、非正規雇用で働く女性は、育児など時間的な制約がある場合が多く、訓練場所まで通うこと自体が困難なことがあります。
 都は、こうした状況を踏まえ、女性の方々に対し、職業訓練の受講機会の拡大を図るべきと考えますが、見解を求めます。

○村西雇用就業部長 都は来年度、女性に対する職業訓練の充実を図るため、就労ニーズや求人の状況などを踏まえながら、女性向けの訓練やオンラインによる訓練を拡充してまいります。
 具体的には、女性求職者からの応募が多い経理や医療事務等の分野における女性向けの訓練の規模を二百十名から四百名に拡充いたします。また、育児中の女性等が在宅で訓練を受講できるよう、ウエブサイト制作や宅地建物取引士の資格取得を目指す科目などにおきまして、オンラインでの訓練を実施し、その規模を現在の三百名から七百名に拡充するなど、女性が訓練を受講しやすい環境を整えてまいります。

○けいの委員 ありがとうございます。オンラインの受講で宅建士なんかになって、社会で大きな取引ができるような、そういう社会進出、女性がしていけるということに期待をしたいと思います。
 シフトが半減したとか、パートの時間が減らされたと、隠れ失業とか実質的失業とかいう方も多くいらっしゃいます。一月の労働力調査のデータを見ますと、女性の非正規労働者は昨年の同時期、昨年一月に比べて、全国で六十八万人減少したという数字が報道でありました。この六十八万人減少、男性の三倍以上の減少幅だということです。
 今求められているのは、いかに女性を、希望する女性を社会に送り出していけるか、思う存分働いていくことができるか、その支援策を東京都には確実に行っていただきたいと思います。
 次に、雇用調整助成金と休業支援金・給付金の申請手続のサポートについて伺います。
 企業が支払う休業手当の一部を助成する国の雇用調整助成金や、休業手当を受けることができなかった労働者が個人で申請する休業支援金・給付金は、コロナ禍における企業の雇用維持とともに、従業員の生活を守るために極めて重要な支援制度となっております。
 先日、都議会公明党の代表質問において、都は、雇用調整助成金の申請手続のサポートや奨励金の支給などの支援を特例措置の延長に合わせて引き続き実施していくこと、また、あわせて、活用が進んでいない休業支援金・給付金については、労働相談情報センターにおいて申請手続を専門家に相談できる体制を新たに構築していくとの答弁がありました。
 こうした専門家に相談していく体制、また、協力をいただく体制については、我が党の中山信行議員が社会保険労務士に申請の手続の協力をいただくべきであると、これまでも継続的に訴えてまいりました。
 一月から始まった再度の緊急事態宣言が二カ月を超え、雇用環境が厳しさを増す中で、休業支援金・給付金の申請手続に関するサポートを一刻も早く開始するなど、利用者に寄り添った支援を行うべきと考えますが、見解を求めます。

○村西雇用就業部長 都は、労働相談情報センターにおきまして、国の休業支援金・給付金に関する制度の説明や、国のコールセンターへの案内を行うことに加えまして、申請手続を社会保険労務士に電話や来所で直接相談できる体制を新たに構築してまいります。
 雇用環境が厳しさを増していることを踏まえ、社会保険労務士会と連携し、年度内にセンターにおける相談をスタートさせ、休業支援金等の活用促進を図ってまいります。

○けいの委員 ありがとうございます。年度内にスタートをさせていただけるという答弁でございました。現状を踏まえた都の迅速な対応を高く評価するものであります。新たに始める相談事業について、しっかりPRも行うよう重ねて要望しておきます。
 最後に、中小企業における人材育成についてであります。
 長期化するコロナ禍で中小企業の経営は逼迫しており、今後、競争力や生産性を高めて業績を回復させるためには、そこで働く従業員の方のさらなるスキルアップが欠かせません。
 感染症の防止と経済活動との両立が求められる中では、休業やテレワークなどの在宅勤務で生まれた時間をチャンスと捉え、社員のスキルアップを図り、雇用の維持や生産性の向上につなげることが重要であります。
 都は、都議会公明党の要望も踏まえて、オンラインを活用した人材育成を支援する事業を今年度から実施しておりますが、ポストコロナ社会も見据えて、中小企業の人材育成に対する支援の充実を図るべきと考えます。見解を求めます。

○村西雇用就業部長 都は、休業期間や在宅勤務の機会を有効に生かし、従業員のスキルアップを図る中小企業を支援するため、eラーニング研修の受講経費等の補助を行っております。
 本事業では、新入社員向けのビジネスマナー研修やマーケティング等の専門スキル講座など、多様なeラーニング研修を受講することが可能となっておりまして、そのニーズも高まっていることから、来年度は支援規模を三百社から六百社に拡充いたします。
 また、補助率につきましては、原則二分の一としておりますが、小規模企業に対しては補助率を三分の二に引き上げるなど、中小企業の人材育成を後押ししてまいります。

○けいの委員 テレワークなどの働き方が急速に普及し、ワークスタイルが大きく変革する中で、企業のメジャーな方法となっていくと思います。支援を強化するように改めて求めさせていただきます。
 都議会公明党は、若者の味方、女性の味方、中小企業の味方、商店街の味方として、これからもこうした支援策を産労局の皆様にご協力いただきながら進めてまいる決意でございます。
 以上で質問を終わります。

○菅原委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時休憩

   午後三時十五分開議
○菅原委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いいたします。

○あぜ上委員 資料の作成、ありがとうございました。
 私からはまず、商店街と商店への支援についてです。
 約二百店舗が加入しております江東区にあります商店街、ここでも人通りが減って、長年愛されてきたお店が閉店しました。先日も商店街の裏にある美容室には、長い間お世話になりましたと閉店のお知らせが張ってありました。長引くコロナ禍のもとで、商店街も本当にかつてなく深刻な実態となっています。
 そこで、まず伺いますが、来年度の拡充メニューとして、キャッシュレス機器の導入経費の支援と新型コロナ対策が入っておりますけれども、その狙いについて伺います。

○土村商工部長 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、地域の経済活動を支える商店街では感染症対策に継続的に取り組む必要がございます。
 このため、来年度は区市町村と連携して、引き続き商店街による独自の感染防止対策を後押しするとともに、利便性が高く、人と人との接触を回避できるキャッシュレスの導入を促進するため、支援を拡充いたします。

○あぜ上委員 感染症対策の支援は引き続き重要だと思います。同時に、個々の商店が継続して営業できるためのさらなる支援が早急に求められていると思います。
 私は、地元の区内の幾つかの商店街、そして商店に要望や状況の聞き取りでこの間ずっと歩いて回りましたが、一軒一軒、業種によっても、また、同じ業種であっても取引先によってコロナの影響は非常に異なっているということがわかりました。
 例えばブティックなどでは、皆さん外出を控えているので新しい服は買わない、年末が勝負だったけれども、ほとんどお客は来なかった、別のお店も含めて、お客様はさまざまでキャッシュレスで買える人ばかりではない、こういった意見も結構ありました。
 また、美容室では、毎月来ていたお客さんが二カ月に一回になるなど来店の間隔が長くなったので、もう値上げしないと継続は厳しいと、こういう声でした。八百屋さんでも、小売が主流のお店は、おうちご飯がふえ、野菜が売れているということでしたが、飲食店などに卸している八百屋さんは減収だといっていました。新年会や卒業式など、行事や葬式、葬儀も大きな収入源だったという酒屋さんや花屋さんなどは大打撃となっています。
 そして、テークアウトも行っている、そういうすし屋さんは、おかずものをふやし、小売の売り上げを伸ばしているけれども、この一年、卒業式や新年会など大口が全てなくなったために、トータルをしたら本当に売り上げは激減だと。お客さんも来ない、深刻だということでした。
 この間、大型店の進出などのたびに、どう共存するのかと知恵を絞り、工夫をし、努力してきたのが商店街ですが、こうした商店街が本当に厳しい状況だということを実感いたしました。
 東京都は、三年ごとに商店街の実態調査を実施しておりますけれども、予定では再来年度になっています。しかしながら、この新型コロナ禍のもと、商店街の状況はかなり打撃を受けており、来年度の早い時期に、まずは新型コロナの影響についての実態を把握すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○土村商工部長 東京都商店街実態調査は、商店街振興施策の立案の基礎資料作成を目的としておりまして、商店街の会員数や店舗の業種構成等を三年に一度調査をしております。
 なお、昨年度から都の職員が区市町村に赴き、商店街関係者や区市町村担当者と意見交換を行う場を設けておりまして、こうした取り組みなどを通じて、商店街の状況を確認しているところでございます。

○あぜ上委員 意見交換の場を設けているということは大変大事なことだと思います。同時に、ぜひ現場に行っていただきたいなと思うわけです。
 私が昨年の秋と、それからことしに入ってから商店街をずっと歩いて聞き取りしてきたんですけれども、一番多くいわれたのは、実は、議員や行政の人が直接生の声を聞いてほしいと、これが一番多かったんですね。電子申請でどれだけ多くの商店が申請を諦めたり、時間を費やしたかも知ってほしいなどという声も多かったです。
 ぜひ東京都としては、誰ひとり取り残さない都政、この実践として、それぞれ困難な、さまざまな困難を抱えた商店街並びに商店の声を直接聞き取りしていただきたい、そして、早期に実態調査も実施していただいて、今後の施策に生かしていただきたいと要望したいと思います。
 先ほど自民党さんからも質疑がありました。三月八日から始まりました国の一時支援金給付、飲食店の関連事業者や自粛による影響を受けた店舗などが対象になっているわけですけれども、金額も少ない、そして対象も、売り上げが対前々年度比五〇%以上減少というものであります。
 先ほども要望が出されておりましたけれども、私ども日本共産党も繰り返しこのことを求めてまいりましたが、先ほど局長は、都は、都の施策の拡充を進めるんだというふうにおっしゃっていました。
 もちろん、都の施策の拡充、これは大変重要なことだというふうに思うんですけれども、それでは伺いますが、この問題について、都として上乗せや横出しの検討、これをしたことはないのでしょうか。検討したことはないのでしょうか伺います。

○築田産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 一時支援金につきましては、都は一都三県で連携し、実施主体であります国に対して、支給額の増加や申請要件の緩和など、制度拡充を図るよう繰り返し要望してまいりました。
 都といたしましては、中小企業の資金繰り支援や相談対応など経営の下支えに取り組むとともに、事業者が行う感染防止対策への支援など、適切に対応しているところでございます。

○あぜ上委員 直接のご答弁ではなかったんですが、今いろいろと取り組まれているということは大事なことだというふうに思うわけですが、やはり今、目の前で、本当に崖っ縁、そこに立っている商店や事業者を、私はぜひ東京都として支援していただきたいということを強く求めたいと思うんです。
 都の景況調査でも、小売業は、ほかの業種に比べても、最も悪化の見通しが六七・一%と高い。そして、厳しい見通しが続いているわけです。
 一時支援金は、法人等で六十万円、そして個人の事業者で三十万円の上限ですけれども、確かに助かるという声も聞いていますが、桁が違うんじゃないかと。利幅が小さい業種は売り上げが五割も減ったらとてもやっていけないんだと、こういう声が寄せられています。
 ある酒屋さんは、この間の規制緩和で酒屋は苦しい状況が続いてきたんだ、そこへコロナが追い打ちをかけてきている、実は酒屋の七十代、八十代の多くが、明け方のビルの清掃などのアルバイトでしのいできたんだ、そのアルバイトもこのコロナでできなくなり、さらに売り上げが二割から三割減っている、みんな代々続けてきた、この大好きな商売をやめざるを得ない、こういうふうに話していると語ってくれました。
 先ほど増額、また、対象を拡大することなどを国に求めているというふうにご答弁があったわけですが、それだけこの施策の重要性、また、施策の弱点、それを拡充しなければならないという必要性を認めていらっしゃるわけですから、やっぱり都として上乗せ、そして横出し、こうした支援の決断をぜひしていただきたいと再度求めたいと思います。
 中小企業・小規模企業振興条例では、商店街について、地域社会の発展と住民の生活向上に貢献する重要な存在としていますが、商店街の公共的役割を位置づけ、支援を強化すべきではないでしょうか伺います。

○土村商工部長 中小企業・小規模企業振興条例では、商店街の連合組織を中小企業等関係団体に位置づけ、その役割として、中小企業の経営改善等に主体的かつ積極的に取り組むとともに、都の中小企業振興施策に協力するよう努めることとしております。
 また、都はこれまでも、商店街の連合組織と連携し、商店街のさまざまな活動を支援しているところでございます。

○あぜ上委員 商店街は日々の暮らしに必要な商品やサービス、これを提供するだけじゃなくて、まちの中核を担っていると。地域コミュニティにも大きな役割を果たしているわけです。
 今、新型コロナの影響で、大型店自身が突然閉店したり、また、大型店内の衣料品売り場の撤退なども私の地元でも起こっております。今すぐその商店街や、それから商店に対する支援を行うことと、今後の支援、両方とも本当に重要だというふうに思っています。
 江東区では、空き店舗を活用した生鮮三品の店舗開業を支援するなど、区の単独事業で、これはコロナが広がる前からの事業なんですけれども、取り組みがなされています。
 東京都としても、個々の商店が本当に継続して商売が続けられるよう、商店リフォーム助成など、さらなる支援を求めたいと思います。
 次に、コロナ禍における雇用問題についてです。
 この間、私も相談活動に取り組んでまいりましたが、直近でのご相談を二件紹介します。
 一件は、八十代の方が、とても生活ができないから仕事を探してほしいと。しかしながら、八十代ということで、とても見つけることができませんでした。また、四十代の男性の方が解雇され、社宅を追い出され、ネットカフェで寝泊まりをしていらっしゃった方ですが、結局お金がなくなって、二日前から公園で寝泊まりをしているという方でした。
 十四日には、新宿の大久保公園で開催されました女性による女性のための相談会、ここにも参加をしてまいりましたが、多くが非正規労働で仕事を失った女性たちでした。この女性たちとお話をしてみると、本当に労働相談だけじゃなくて、住まいやメンタル、まさに生活全体の支援体制が必要だなということを実感いたしました。
 労働相談情報センターの相談活動でも精力的に取り組まれているのはよくわかっていますが、直近の労働相談の特徴、これはどういうものなのか伺います。

○村西雇用就業部長 労働相談情報センターにおける令和元年度の全労働相談件数に占める女性からの相談割合は約五三%でございました。
 これに対し、昨年二月末から本年一月末までの新型コロナウイルスに関する労働相談件数に占める女性からの相談割合は約六一%となっております。
 また、新型コロナウイルスに関する労働相談の内容につきましては、休業に関する相談の項目が約三一%と最も多く、感染症防止対策など職場の安全衛生に関する項目が約八%、解雇に関する項目が約五%となっております。

○あぜ上委員 やはり女性の相談が多い、そしてふえているということ、それから、休業に関する相談が多いということであります。
 私は、コロナ不況による雇用危機が女性を直撃しているという問題については、昨年の当委員会において質疑をさせていただきましたが、さらに深刻な事態が進んでいるということであります。
 野村総研の調査で、コロナの影響でシフトが減ったパート、アルバイトの女性たちに関する調査結果が一月の十九日付で発表されておりますけれども、シフト減のパート、アルバイトの女性の六割は、自分が休業手当や休業支援金を受け取れることを知らないという結果が出ておりました。そして、その同じ調査ですけれども、シフト減のパートやアルバイトの女性の五割以上が、暮らし向きが苦しいと感じることがふえたと、そう答えております。まさに行政の抜本的な支援が必要だということだと思います。
 産労局として来年度の補正も組んで、雇用調整助成金の支給決定を受けた中小企業が、特別休暇制度の取り組みなどを取り組んだ場合に奨励金を支給する、こういう取り組みをされることになったことは前進だというふうに思っているんですが、まだまだ働き続けたいと思っても、こうした施策につながっていない方が多い状況だということです。
 もちろんこれは産労局だけの問題ではなく、福祉保健局や全庁的な支援が求められているんだと思うんですが、取り組みが必要だと思うんですが、まずこうした支援を知る、そして行政につながる、そのことがやっぱり非常に大事になっている局面だというふうに、私自身、相談活動を通じても実感をしているところです。
 相談窓口があることをやはり周知徹底すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○村西雇用就業部長 都が実施しております新型コロナウイルスに関する緊急労働相談ダイヤルにつきましては、これまで都のホームページや東京都新型コロナウイルス感染症支援情報ナビのほか、都の緊急支援策をまとめたパンフレット、「広報東京都」などにおきまして幅広く周知しております。
 「広報東京都」につきましては、三月の特別号においても再度掲載し、周知を図っているところでございます。
 また、昨年十月には、感染症の影響による解雇、雇いどめ等に関する電話特別相談会を別途開催するなど、労働相談窓口の活用の促進を図っております。

○あぜ上委員 ご努力はわかるんですけれども、しかし、繰り返し取り上げてきました雇用調整助成金、それから休業支援金、これは運動も広がる中で支給対象が拡大され、改善されてきたわけですけれども、例えば休業支援金でいわせていただくと、二月末の時点で、実績は、五千四百四十二億円の予算に対して、執行は七百七十六億円と、実績は一四%しかないんです。
 私はやっぱり、例えば公共施設や駅、それから公衆トイレなど、役所とかもそうなんですけれども、そういった場に相談窓口の電話を記載したカード、名刺型のカードを本当に誰でもとって、それを持っていられるような、そういう工夫も必要なんじゃないかというふうに思うわけです。
 そうした工夫もぜひしていただいて、支援を求めていらっしゃる方がやっぱり施策につながることができるように、行政につながることができるように、ぜひ取り組みを強化していただきたいと求めておきたいと思います。
 また、雇用情勢の厳しさはこれからさらに高まります。国に対し、雇用調整助成金と休業支援金・給付金の延長を都として求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

○村西雇用就業部長 都は、国に対して、雇用調整助成金の特例措置や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の対象期間を延長するよう要望しております。

○あぜ上委員 三月八日の一都三県の申し入れで行ったということを伺いました。
 OECDの統計によりますと、物価動向を考慮した実質賃金の変動指数にしてみますと、日本の平均賃金は一九九七年をピークとして一〇ポイントも低下しているんです。二十年の長期間で見ますと、OECDの統計に出ているどの国も実質賃金は二〇%から六〇%ほど上昇していて、マイナスになっているのは日本だけといっても過言ではない状況となっています。
 そして、今や低賃金のもとで貯蓄ゼロの世帯、単身世帯では四割に迫り、二人以上の世帯でも二割強というふうになっています。ふだんからそういう意味では余裕がないところで、仕事があればぎりぎりで生活できていたものが、実は一カ月の収入の一部が減るだけで生活が成り立たなくなってしまう層が非常に多いということが、この新型コロナ禍のもとで明らかになったわけです。
 女性も男性も、一人一人の労働者が一人分の賃金で、やっぱり八時間働けば普通に暮らしていける構造をつくり出していかないとならないということを、根本問題を痛感しています。
 そのためにも、最低賃金の引き上げは欠かせないわけですが、最賃の引き上げについて、都として国に要請すべきと思いますが、いかがでしょうか。

○村西雇用就業部長 最低賃金の額につきましては、法に基づき、地域における労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮し、労働者、使用者、公益を代表する者で組織される審議会の意見を聞いて、国が決定することとなっております。
 都としては、この制度が国において適切に運用されるべきものと考えております。

○あぜ上委員 もちろん国が決めるものでありますけれども、私も毎年、東京労働局に要請に行っていますけれども、東京都が、やはり都民の生活実態から要望することは非常に大事だというふうに思うわけです。
 最賃の引き上げには中小企業支援が欠かせないわけですが、国がつくっている中小企業支援、賃金をしっかり支給するための中小企業支援があるわけですが、これは実は非常にハードルが高くて、ほとんど執行されていない、こういう現状がございます。その改善を国に求めるとともに、やはり最賃を引き上げること、これをぜひ東京都としても要望していただきたいと思います。
 今後、厳しい雇用状況が続く可能性があるわけですが、そうした場合、積極的に補正予算を組んで雇用創出対策を進めるよう求めますが、いかがでしょうか。

○村西雇用就業部長 都は、令和三年度予算案におきまして、二万人を超える大規模な雇用創出支援を打ち出しております。
 具体的には、トライアル就労による正社員就職支援や職業訓練の拡充など、コロナ禍で離職を余儀なくされた方に対する緊急対策を展開するために必要な予算を計上しております。
 雇用の確保に向けまして、これらの施策を着実に実施してまいります。

○あぜ上委員 現時点で雇用の確保に取り組んでいるということは非常に重要なことだというふうに認識しております。
 同時に、女性労働者が多くを占める非正規労働者を、家計の補助的で安価な労働力、そして雇用の調整弁としてきたことが、非正規労働者の賃金が低いものであって当然であるという、その考え方を支えてきているわけです。そのことが、コロナ危機のもとで矛盾と困難を一層広げているというふうに思うわけです。
 全労連の議長の小畑雅子さんという方がいらっしゃいますが、この方が衆議院の予算委員会の中央公聴会の意見陳述でこのようなことをおっしゃっていたことが印象的でした。
 女性労働者全体の二二・五%、女性パート労働者に至っては四一%が最低賃金近傍で働く低賃金労働者です。これが貧困の状況をつくり出しています。一方、男性労働者はどうか。ほぼ、どの年代でも二百五十万未満の層が一九九七年から二〇一七年にかけて倍増しています。しかも五百万円以上の割合が激減しています。つまり、女性非正規労働者の低賃金がそのまま男性非正規労働者にも適用されて、全体の低賃金構造をつくり出しています。しかも、家計を支える層で非正規労働者が大幅に増大しています。世帯単位で見れば、女性の働き方は、家計補助的なものだから低賃金に置かれたままでいいと、こういう考え方を放置してきたことが全体の低賃金構造をつくり出しているということですと、こう指摘をしていました。
 こうした根本問題を解決するためには、やはり国に対して東京都として、この都民の生活実態をもとに、最低賃金の引き上げや、また、働き方改革一括法に対する、均等待遇を明記させるとか、こういった法改正を積極的にやはり物申していただきたいし、目の前の困窮した都民の仕事確保と失業させないための施策、これを積極的に進めていっていただきたいと、そのことを強く求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○奥澤委員 まず、雇用就業対策について質問をしていきます。
 厚生労働省によると、コロナ解雇、三月十二日時点で全国で九万五千九百二十五人、都内でも二万人を超えて二万一千八百三十七人ということであって、特に三月に入ってからは急激にその数がふえているということはゆゆしき事態だと思っています。
 来年度は東京版ニューディールと銘打って、二万人を超える雇用を生み出すべく、合わせて百十四億円以上の予算が計上されています。しかし、この取り組みは新たな雇用を生み出していくというものではなくて、民間企業の雇用意欲の高いところと就労意欲のある方々をマッチングしていく、いわば需給調整のような役目を果たしていくものであると私は認識をしています。
 そこで、まず確認のため伺います。なぜ東京版ニューディール政策を展開することとしたのか、基本的な考え方を教えてください。

○村西雇用就業部長 感染症の影響が長期にわたり、雇用環境が厳しさを増している中で、都民生活の基盤となる雇用の確保に向けまして、雇用対策を質、量ともに大幅に拡充していく必要がございます。
 コロナ禍では雇用の維持が難しい業界がある一方で、成長が見込まれる産業や人手不足が続く分野など採用意欲の高い業界も存在しております。こうした状況を踏まえ、マッチングや職業訓練の強化によって人材のシフトを促していくことは、東京の持続的な発展にもつながるものと考えております。
 こうした考え方のもと、就職面接会の開催やトライアル就労による正社員就職支援とのマッチング、ITや介護分野等における職業訓練など求職者の支援ニーズ、企業の人材ニーズの双方に応える多様な施策を盛り込み、東京版ニューディールとして取りまとめ、事業の展開を図ることとしたものでございます。

○奥澤委員 人材のシフトを促していくことで全体としての雇用を守っていく取り組みであるというふうに理解をいたしました。
 念のため申し上げておきますと、雇用対策、これは非常に重要です。その意義というのは大事なものだということは認めています。しかし、それだけで全てが解決できるのだろうかという懸念を持っているからこそ質問を続けさせていただきます。
 雇用というのは、当たり前のことかもしれませんけれども、仕事があって人手を必要としている、そういう企業側へのアプローチ、そして仕事を欲している、仕事をしたいという人へのアプローチ、その両方が必要になるということはいうまでもありません。
 そのような意味で、どこにどのようにアプローチしていくのか、それを全体として一番いい方法というのを練り上げていかなければいけないというふうに考えています。
 そういった意味で、本年度はニューディール政策のはしりともいえる政策が幾つかあると思います。そのスタートしているものについて、実績をお伺いさせてください。

○村西雇用就業部長 今年度当初から就職氷河期世代向けにスタートしましたトライアル派遣を通じて正社員就職を支援する事業では、三百二十四名の派遣と六十五名の就職が今までに決定しております。
 また、補正予算による追加対策として実施している、コロナ禍で離職した方を対象とした同様のスキームの事業では、五百三十四名の派遣と百六十八名の就職がこれまでに決定しております。
 同じく、追加対策であるキャリアカウンセリングからセミナー、就職面接会までを一日で集中的に行う再就職支援事業につきましては、これまで五回開催し、二百三十八名の方が参加しております。

○奥澤委員 ありがとうございます。細かくご説明いただいて、大分状況がわかりました。
 たしか昨年の十月でしたかね、その時点ではまだなかなか進んでいなかったものの、その後、職員の皆さんもかなりご努力をされて、数をふやしてきたということは大変評価をするというか、すばらしい取り組みだということは考えています。
 一方で、やはりこれが、じゃあ効果的だったのか、効率的だったのか、そういったことも私たちは考えなきゃいけないというふうに思っています。
 就職氷河期世代向けのトライアル派遣、これは令和二年度の予算ベース、昨年ですね、予算ベースで見ると三億八千三百万円で三百名の派遣を予定していたということで、これは一人当たり約百三十万円の事業になります。
 また、コロナ禍で実施をされた雇用安定化就業支援事業、こちらは予算ベースで二億七千万円が計上されて五百名の派遣を予定していたということですので、これは一人当たり五十四万円という計算になります。
 今お話を聞いていくと、就職率もかなり上がってきている、五割近くになるんじゃないかという見通しもお伺いをしているところですので、それ自体はしっかりと進めていただきたいということは、お話、お伝えをした上で、本当に最も効果的な手法といえるのかというのは、引き続き注視をしていかなければいけないというふうに思っています。
 来年度はこの予算額を十倍の四十一億円にしていくということですので、この仕組みでどこまでマッチングをしていけるのか、雇用がやっていけるのかというところはしっかりと見ていきたいと思っています。
 これは、組み合わせて初めて効果的な事業だということはわかっておりますけれども、二〇一二年に国が実施をした雇用促進税制、こちらは、雇用者を一人ふやすごとに二十万円の減税を行うというものです。全国で年間十万人程度の雇用につながったというふうにされています。
 目標は十七万人だったということですので、その効果について疑問視される部分もありますけれども、東京都版の雇用促進税制、つまり減税による企業の負担軽減といった部分も、ぜひとも検討いただきたいというふうなことをお伝えしておきたいと思います。
 さて、コロナ解雇の約半数は非正規社員だという調査があります。再三お話には出ていますけれども、特に女性の非正規労働者、こちらは昨年一月と比べて、本年一月は六十八万人減少していて、これは男性の三倍であると。また、シフトの減少や休業手当も受け取れずにいる、実質的に失業状態であるパート、アルバイトの女性は、これはもちろん全国ですけれども百三万人に上っていると。やはりこういった方々に対してもしっかりとサポートをしていかないと、なかなか生活が成り立たない、そういった状況も出てくると思います。
 東京都のこれまでの取り組みというものは、非正規社員の方々が正規社員になることで安定した暮らしをしていっていただきたい、安定した仕事を持っていただきたいというような取り組みだったことは重々承知をしていますけれども、さまざまな事情があって非正規のままで働いていたいんだという方々もいらっしゃいます。また、そうした方々にとっても雇用対策は非常に重要です。
 都として、非正規のまま働きたいという方に対してどのような取り組みを行っているのかお伺いします。

○村西雇用就業部長 しごとセンターなどにおける都の就職支援におきましては、キャリアカウンセリング等により把握した求職者の希望や適性を踏まえて求人開拓を行うなど、効果的なマッチングにつなげているところでございます。

○奥澤委員 ぜひ丁寧な就職支援、よろしくお願いいたします。
 ところで、コロナ禍の一つのトレンドに、BPO、ビジネスプロセスのアウトソーシングの加速化が挙げられるといわれています。業務変革や効率化を目指すといいますか余儀なくされている企業がふえている中で、それらの企業では、業務を効率化することで、直接の雇用というものはふえないけれども社会全体で業務量がふえていく、つまり仕事がアウトソースされていくというような状況が今起きているというのも事実だと思います。
 こうした企業の業務改善とアウトソーシングをされた業務の受注、これをセットで行っていくような企業も出てきていて、これまでアウトソーシングというと非正規の方々がやるというのがイメージとしては定着していたと思いますけれども、その企業では、正規雇用している方々にそのアウトソーシングで受注したものを渡していくというような事業に取り組んでいらっしゃる方々もいるような状況になっています。
 ぜひとも、都としてもこういったトレンドも注目をしていただいて、企業の業務改善、それによって新たな仕事が生まれてくる、そういったこともぜひ見ていっていただきたいということをお伝えしておきます。
 さて、コロナ禍にあっての雇用、こちらは障害者にとっても危機的な状況を迎えています。昨年の四月から九月の障害者の解雇数は全国で千二百十三名に上って、一昨年の同時期に比べ三百四十二人、率にしておよそ四〇%ふえているということです。なかなかリモートワークに対応できていない職場がある、これがその原因として挙げられているところです。
 リモートワークによって場所を選ばずに働くことができる環境というのは、障害者の可能性を広げるものである一方で、やはりなかなかその支援が難しいという状況が見てとれます。
 そういった意味で、来年度はテレワーク活用による障害者雇用促進モデル事業というものがありますので、ぜひとも進めてほしいと思っています。本事業の狙いと内容についてお伺いします。

○鈴木事業推進担当部長 テレワークの導入は、ライフワークバランスの実現に向けた働き方改革の推進とともに、通勤等に困難を伴う障害者の雇用を促進する上でも有効な取り組みでございます。
 このため、都は来年度、テレワーク勤務を希望する障害者を初めて採用する企業等を対象にモデル事業を開始いたします。
 本事業では、テレワーク環境の整備に詳しいアドバイザーと障害者雇用の支援員とが連携し、社内のテレワーク環境の整備から障害者の採用、定着までを継続的にサポートいたしますとともに、業務上必要な音声入力ソフトなど、機器の導入経費の一部を助成いたします。また、企業の取り組みを事例集にまとめ、広く発信してまいります。

○奥澤委員 環境の整備から採用、定着、また、特別に必要となる機器の導入までを一貫して支援していくということで、ぜひとも好事例が生み出されていくような状況を期待したいと思います。
 続いて、ソーシャルファームについて質問をしていきます。
 コロナ禍の障害者雇用が危機である旨は伝えましたけれども、法定雇用率に守られているという側面もある障害者でも厳しい状況なわけですから、刑余者やひきこもり、あるいはひとり親などのさまざまな状況があって就労困難になっている方々、これはさらに厳しい状況にあるのではないかというふうに推察をしています。
 そういった中でも、誰もが自分らしく、役割と誇りとを持って暮らしていく、まさに包摂された社会の実現を願って、これまでもソーシャルファームに関する質問を繰り返してきました。
 今般、ソーシャルファームの認証、予備認証が行われたこと、これには大変期待をしています。ここにはどのような就労困難者を想定した応募があったのかお伺いしたいと思います。

○村西雇用就業部長 新たに設立されるソーシャルファームにおきましては、障害者のほか、刑務所出所者、ひとり親、ひきこもりを経験された方など、さまざまな事情から就労に困難を抱えた方々が雇用される見込みとなっております。

○奥澤委員 さまざまな就労困難者の就労機会がふえていく、そのような応募があったということで、思っていたとおりといいますか、ソーシャルファームの実現は、日本の雇用環境、これを変えていく、その契機になるんだということを改めて実感をしているところです。
 ここで次に出てくる課題としては、それぞれの困難の性質、これは異なるわけですから、こういった方々をどのように支えていくのかということだと思います。
 それぞれの能力や特性、また、周辺で支える方々も違えば、支える方法も違います。一人一人に寄り添って業務をともにしていくためには、事業者の負担も大きいと思います。
 都としてはどのように伴走し、支援していくのかお伺いします。

○村西雇用就業部長 都は、認証ソーシャルファームに対して、就労に困難を抱える方の雇用や経営をサポートするため、就労困難者の人件費や就労支援に係る経費、事業所の賃借料など運営費の一部を助成してまいります。
 また、中小企業診断士や社会保険労務士などの専門家によるコンサルティングサービスを提供するなど、自律的な経営に向けた支援を実施してまいります。

○奥澤委員 あくまでも自律的な経営を目指していく、これが非常に重要なことだとこれまでも再三述べてまいりました。
 加えて今回、今のお話ですと、就労支援にかかわるさまざまな費用なども含めたサポートをしていくということで、都としてもその支援のあり方を学んでいっていただきたいというふうに思います。
 さて、こうした事業所やそこで働く方々に光が当たることで、今もなお就労に困難を抱える方々にとっては、新たな選択肢やロールモデルといいますか、夢や希望につながっていくこと、これを期待するところです。
 そういった意味で、ソーシャルファームの取り組みについて、わかりやすく広報していく、これも重要なことだと思います。見解をお伺いします。

○村西雇用就業部長 今回、二十八の事業所をソーシャルファームとして認証しており、その規模や事業内容も多岐にわたるなど、多様なモデルが誕生いたしました。
 今後、ソーシャルファームのさらなる普及に向けまして、こうした先駆的な事業モデルを事例として、専用のポータルサイトやソーシャルファームの設立準備セミナーなどで広く発信してまいります。

○奥澤委員 さまざまな場面で発信をしていくということで、ここで一つ提案といいますか、以前もお話をさせていただいたことがあったかと思いますけれども、受刑者専用の求人情報誌、チャンスというものを創刊して、年四回、全国の刑務所、少年院、更生保護施設など約二百四十カ所で無料配布をしている、ヒューマン・コメディという会社の代表の三宅晶子さんとお話をする機会がありました。
 刑務所等においては、インターネットへのアクセスが制限をされている中で、やはり紙媒体での広報が重要だというお話があります。また、文字が苦手な方も多いということから、漢字にはしっかりとルビを全て振ることであったりだとか、写真を多く用いることで働くことを前向きに感じていただけるよう、そういった工夫を重ねているということです。
 都としても、これまで支援をしてきた方々とはまた違う方々に届けなければいけないということも念頭に置いて、こうした民間の方々の取り組みも参考にしながら、あるいは連携をしながら情報発信に努めていただきたいと要望しておきたいと思います。
 働くことに前向きになるということは非常に重要なことだと思いますけれども、本年度は二十三歳以下の青年技能者の技術を競い合う技能五輪全国大会、そして障害のある方々の職業能力を競い合う全国アビリンピックが東京で開催をされます。
 昨年の愛知大会はコロナ禍で無観客となり、残念だった反面、ライブ配信を行うなどして、逆に多くの方に見ていただく機会にもなったと聞いております。私もダイジェスト動画などを見させていただきましたけれども、その技能の高さ、あるいは生き生きとした表情、これを感じることができて、改めてこうした映像を広く発信するというのは大事なことだというふうに気づいたところです。
 そこで、本年十二月に開催予定のTokyo技能五輪・アビリンピック二〇二一についても、観客の有無、これは今後のコロナの状況によると思いますけれども、観客の有無にかかわらず、動画配信を行って広く発信すべきと考えています。見解をお伺いしたいと思います。

○鈴木事業推進担当部長 都は本年十二月、全国の若い技能者がものづくり等の技能を競う技能五輪全国大会と、障害者の方が日ごろ磨いた技能を競う全国アビリンピックを、東京ビッグサイトをメーン会場として開催いたします。
 大会の実施に当たりましては、会場の様子や選手のすぐれた技能をより多くの方にごらんいただくため、オンラインを活用し、競技のライブ配信を予定しております。
 また、大会終了後は、開閉会式や競技の様子を編集したダイジェスト映像を作成いたしまして、ホームページに掲載することにより、ものづくりの魅力を広く発信してまいります。

○奥澤委員 競技のライブ配信を行っていくということで、ぜひ多くの方にごらんいただけるようにPRにも力を入れていただきたいと申し述べておきます。
 さて次に、コロナ禍の今だからこそ創業にも力を入れていただきたい、そして新たな雇用の創出、そして課題解決に向かっていく、こういったことを後押ししていただきたいというふうに思っています。
 以前から、起業家の皆さんが、失敗を恐れずにチャレンジする環境を整えることの重要性は伝えてきたところですけれども、都においては、リスタート・アントレプレナー支援事業というものがありますので、これについて質問します。
 過去に起業をしてうまく軌道に乗れなかったような、そういった経験のある方を対象に、再起を支援する事業だというふうに認識しています。
 日本の創業率が低い要因の一つには、起業をしてうまくいかなかったという経験が、社会的に、どちらかというと失敗した人と印象づけられてしまう、評価されないということもあるといわれています。
 アメリカのシリコンバレーなどでは、逆にそのチャレンジ精神が高く評価されて、再就職をしていくようなときにもまた評価されていくというようなお話を聞いています。
 そこで、リスタート・アントレプレナー支援事業について、本年度の取り組み状況と来年度の取り組みについてお伺いをします。

○土村商工部長 都は今年度から、過去に起業した経験を糧に再起を目指す有望な起業家を掘り起こし、再チャレンジによる起業につなげるモデル事業を開始いたしました。
 この事業では、再チャレンジを目指す起業家を選抜して、ビジネスプランの磨き上げを支援するほか、先輩起業家や投資家等とのマッチング等を行っております。
 また、起業の失敗経験や再起業への展望等に関する報告会をオンラインで発信し、再チャレンジを目指す新たな起業家の掘り起こしにつなげております。
 来年度も新たな起業家を選抜して支援を行い、再チャレンジによる起業の機運醸成を図ってまいります。

○奥澤委員 今、起業の失敗経験、これについても報告会で配信、お話をいただいていると、そういったお話がありました。やはり失敗は成功の母という言葉はよくいわれますけれども、どのような結果になるかは別として、チャレンジしていく、それが高く評価される社会になるように、ぜひともマインド、機運の醸成を行っていただきたいというふうに思います。
 今、失敗と成功、これが表裏一体であるというようなお話をしましたけれども、社会課題とビジネスチャンス、これも表裏一体の関係だというふうに私は考えています。
 都ではこれまでも、行政課題解決型スタートアップ支援をしてきたところでありますけれども、さらに考えを深めて、地域ごとに存在する課題の解決に取り組んでいく事業者を支援していただきたいというふうに思っているところです。
 そのような意味で、これまでの地域の魅力を生かした新ビジネス創業事業について、来年度はリニューアルするとのことでありますが、この取り組みにおいて、地域課題も一つの資源、これから掘り起こしていく中での魅力に変わっていくものだというふうな捉え方をして、新しいビジネスの創造を図っていただきたい、そういうふうに考えます。見解をお伺いします。

○土村商工部長 都は、中小企業によります伝統技術や農産物などの地域資源を活用した新たな製品やサービスの開発を支援しております。
 今般の感染症の拡大に伴う新たな課題を初め、東京のさまざまな都市課題の解決に向け、中小企業等の力を活用することが効果的であるため、来年度は、地域課題の解決に資する新たな製品やサービスの開発もあわせて支援を行ってまいります。
 この事業では、開発経費等の二分の一について、最大一千五百万円の支援を行うとともに、課題に応じて専門家のアドバイスも提供することとしておりまして、これにより、地域資源等を活用した中小企業の事業展開を後押ししてまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。来年度は地域課題の解決に資する取り組みも支援していくということでありました。
 課題解決と経済活動の両立を図っていく企業のこと、これはいわゆるゼブラ型企業といいますけれども、私はこのゼブラ型企業こそ、これからの東京を牽引していく、そういった存在になると思っております。ぜひ力を入れていただきたいということをここで申し述べておきたいと思います。
 さて次に、観光施策についてお伺いをしたいと思うんですけれども、東京都は、都心から島しょ部まで本当にさまざまな場所があって、そのいずれにも課題、今お話のあった課題もあれば資源もあります。それに気づいて解決をしていく、あるいは魅力を磨いていく、これが東京全体の発展につながると思っています。
 そのような意味で、東京のあらゆるところに存在するのが文化だと思っています。文化とは、そのまちの暮らしや人々の内面が表にあらわれてきたものであると私は考えておりまして、だからこそ、まちごとにさまざまな表情を見せてくれる、そういった宝物だというふうに思っています。
 先ほど質問がございましたので、質問自体は割愛をしたいと思いますけれども、日本文化を活用した観光振興支援、これには非常に注目をしています。文化が人を呼び、そこで生まれたお金が文化にも回っていく、その好循環、文化観光という好循環が生まれていくこと、これは、我が会派の森澤恭子議員が中心に繰り返し訴えてきたところです。
 先ほどの他会派の質疑への答弁にあったように、文化は重要な観光資源であるという大切な認識が示されたこと、これは私も大いに賛同するところです。
 ここで一点だけ確認をさせてください。それは文化の定義についてです。ひとえに日本文化といっても幅が広いと思いますけれども、今回どういった内容を想定しているのかお伺いします。

○松本観光部長 本事業におきましては、伝統芸能や伝統工芸、神社仏閣や歴史的な建造物といった伝統文化だけでなく、現代アートや音楽など最新の文化など、東京にある日本の文化芸術を活用して行う観光振興を想定してございます。

○奥澤委員 今のご答弁ですと、東京に存在するあらゆる文化活動がその対象に含まれるというふうに理解をいたしました。ぜひ文化観光を広げていただきたいと思います。
 観光の楽しみの一つは、もう一つ、食や、あるいは土産品の買い物といった、その場所にしかないものとの出会いだと思っています。そうした意味では、地域特産品開発支援事業、これは重要だと思っています。
 ただ、全国各地でご当地グルメなどをつくったり、お土産品をつくったりという競争がかなり激しいものになっていると思っているので、チャンスが広がっている一方で、なかなか販路開拓につながらないというケースも散見されていると思います。
 よい商品が必ずしも売れるという時代ではない中で、特産品の開発にとどまらずに、販売の軌道に乗るまでを一気通貫で支援していくべきと考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 都は現在、東京の高い技術や東京産の農林水産物を活用した質の高い東京ならではの特産品の開発を支援しております。
 この事業では、特産品の開発を後押しするため、試験研究機関による技術的サポートや開発経費の助成を実施しており、あわせて、バイヤー等とのマッチング商談会を開催し、販路開拓を支援しております。
 来年度は、これらに加え、小売店や物産展などのイベントを活用した特設販売を開始するなど、販路開拓の支援を強化してまいります。

○奥澤委員 まさに一気通貫での支援になっていくということで、ぜひとも期待をしたいと思います。
 続いて、農業に関連して二点質問をさせていただきます。
 東京の農業、これはその面積が限られた中でより効率的に、より安定的に、かつ高い品質を求められるという、なかなか厳しい環境の中で行われています。
 そういった観点では、ICTを活用して生産効率を高めたり、安定して生産する技術を高めていくスマート農業の取り組みが重要です。
 来年度は、このスマート農業の予算を増額して取り組んでいくとのことですが、これまでの成果と今後の取り組みについてお伺いします。

○上林山農林水産部長 都は昨年秋に、民間企業や大学、農業者などが参加する研究開発プラットフォームを立ち上げ、それぞれが持つ技術や知見を活用して、東京型スマート農業の研究開発を進めております。
 来年度は、収穫量の大幅な増加が期待できるデジタル技術を活用した環境制御型栽培システムの低コスト化などの研究を進め、農業者への普及に向けた課題の解決に努めてまいります。

○奥澤委員 収穫量の大幅な増加と、システムの低コスト化ということをあわせて行っていくこと、そして農業者への普及がいよいよ始まっていくということで期待をしたいと思います。
 これまで取り組んできた研究成果が実際に農家さんに届いていく、そこが非常に重要だと思いますけれども、一方、実際に取り入れていく中での課題、これもまた生じてくる可能性もあると思いますので、一つ一つ丁寧に解決に当たっていただきたいとお願いをしておきます。
 スマート農業を進めていくとはいえ、農業に大事なのは人の力、これは欠かせません。また、コロナ禍で自然との触れ合いを求める人がふえて、農業の新たな価値も再発見されているところであると思います。
 援農ボランティア、応援の援に農業の農と書いて援農ボランティアの方々も欠かせない戦力になっている、そういった農家さんもいるというふうに聞いているところです。
 都では、そのマッチングを行う事業を展開しておりますが、現在の登録者数とともに来年度の取り組みについてもお伺いします。

○上林山農林水産部長 都内農家の畑で農作業を体験するとともに、農家の支援にもつながる援農ボランティアの登録者数は、二月末現在、一千百十八人でございます。
 来年度は、専用サイトにマッチング機能を追加し、ボランティアの農家への派遣を円滑に行う取り組みを進めてまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。
 昨年の十月末時点、これは事務事業質疑のときに聞いたときですけれども、これは六百九十八名だったということですから、この数カ月間、登録者の大幅な増加が見られるということだと思います。
 専用サイトにマッチング機能を追加するということですので、これまで農業に触れることのなかなかなかったという方にとっても、農業を知る機会は、食の重要性を知るという意味でも大変いい機会になると思います。ぜひとも農業を通じたよい出会いが創出されること、これを期待するところです。
 さてここからは、東京都食育推進計画について質問をしていきます。
 まず、学校における食育は非常に重要であることは全体を通して見てとれますが、都心では、産地が身近にない状況での指導をしていくことに難しさもあるというふうに思います。
 特に、計画に記載されている指標を見てみると、学校給食に地場産物を利用している小中学校は九五%に及ぶものの、それを食育に活用して地場産物について指導している小中学校は五〇%を切るという状況であり、大変もったいないという印象です。
 そこで、学校における食育について、どのように取り組むのか、見解をお伺いします。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 小中学校の学校給食への地場産物の活用は、地産地消を通じて、地域の産業や生産者などの理解を深める食育活動の一環として進めております。
 都は、児童生徒の学習の充実を図るため、副教材やワークシートの提供に加えまして、生産者団体等が実施する出前授業の支援などを実施しており、引き続きこうした取り組みを進めてまいります。

○奥澤委員 せっかく目の前に最高の教材があるわけですから、ぜひ力を入れていただきたいと思います。
 また、計画を通して見ていて気になった点として、デジタルの活用に関する記載が多く見られたところがあります。もちろんデジタルを活用して興味深い教材をつくっていく、こういったことも大切だとは思うんですけれども、やはり職について学ぶということは、知識というよりも実学としての面が大きい。特に命をいただいているんだという認識は非常に重要だと思います。
 こういったことを認識する機会は減っているのも実情でありまして、これは指標にも掲載されている食への感謝の心といった部分にも通じているのではないかというふうに思います。
 この点、どのように取り組んでいくのかお伺いします。

○上林山農林水産部長 都内においては、日常生活の中で農業や漁業に触れる機会が少ないことから、都は、圃場における農作業体験や市場見学会など、体験型の食育活動を実施しております。
 こうした場における生産者や流通事業者の方との交流を通じて、食べ物の大切さなどを伝える取り組みを行っており、今回の計画においても体験型の食育活動の充実を図ってまいります。

○奥澤委員 もちろんデジタル化もあるけれども、体験型の食育活動も引き続き充実させていくんだということを確認ができました。
 こちらは、農家さんの話を聞いても、こうした子供たちとの交流というのは大変励みになるという話も聞くところです。ぜひ体験型の食育活動を充実していただきたいというふうに申し述べておきます。
 続いて、朝食を食べないということですけれども、朝食の欠食について質問をします。
 この計画の冒頭に出ている数値を見てみると、小学五年生の朝食欠食率は三・一%、中学二年生は六・四%という状況が書いてあります。
 私の率直な印象としては、思ったよりも朝食を食べている児童生徒は多いんだなと、もっと食べていない子供たちっているのかなというふうに思っていたので、思ったよりも多いなと思っています。
 ただ一方で、これだけ少ない数値なんだとすると、今、朝食をとれていない児童生徒というのは、果たしてみずからの意思で食べていないのか、あるいはネグレクトなどの状況にあるのかもしれないなということを心配するところです。
 以前視察をさせていただきましたけれども、大阪市立西淡路小学校というところでは朝食提供事業というものを行っていて、子供たちが学校に来ると、まず朝食をみんなでとります。それから教室に行くんですけれども、そのご飯を食べているときに、朝食をつくっている地域のおばちゃんといったらあれですかね、給食おばちゃんみたいな感じで呼ばれていたと思うんですけど、その方々が、家でどんなことがあったのということを優しい口調で聞いたりだとか、時間に遅刻しそうになって走ってくる子たちもいるんですけど、まずはゆっくりと、落ちついて食事をとってからでいいんだよということをお話をしてから接している姿が大変印象的でした。
 それに対して先生たちは、じゃ、遅刻をしている子供たちに対して怒るのかと思うと、いやいや逆で、そのまま教室に来ちゃった子がいると、ご飯を食べに行きなさいと。まずは落ちついてから、ご飯を食べてから勉強に入りましょうというようなことをいっているんですね。その方が授業がスムーズに入ってくるんだと。勉強の効率も上がるんだということをその学校ではお話をしていました。
 今回の計画には、小中学校の朝食、これも欠食率をできるだけゼロにしていくんだというような指標が示されています。目標ですね、目標が示されています。これを導入した意図や、改善を促すための取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○上林山農林水産部長 子供がバランスのとれた食生活などを身につける上で、朝食は重要な役割を担っていることから、指標の一つとして設定し、小中学校において食育便り等を保護者に配布するなど、健全な食生活の大切さや栄養に関する情報提供を行っております。
 今後は、動画やクイズで楽しみながら食育を学べるデジタルコンテンツを発信するなど、子供がみずから興味を持ち、理解を深める取り組みを進めてまいります。

○奥澤委員 その意義については大事なことだということは私も理解をしています。
 一方で、その背景ですね、子供たちが本当になぜ食べられていないんだろうかと。啓発をたくさん行っても、子供たちに伝わっても、まだ食べない子がいるんだとしたら、そこには何かの事情があるのかもしれないということに考えをめぐらせていただきたいというふうに思います。
 これは福祉保健局、あるいは教育庁の役割であるというふうには認識をしていますけれども、朝食を食べていない子供たちに怒ってしまったりだとか、何で食べてこないんだということではなくて、何が起きているのかなということを問いかけることができる、そういった取り組みになってほしいなというふうに思います。
 東京都の食育活動の認知度という観点では、その参加経験が一四・一%という結果も出ています。また、生活文化局の実施した都民の食生活のアンケートにおいては、アンケートを通じて、初めて野菜メニュー店というものの存在を知ったという方々もたくさんいらっしゃるそうです。
 野菜メニュー店というのは、その名のとおり、野菜を多く使ったメニューを取り扱う飲食店のことで、ステッカーやホームページへの掲載でお知らせをしているところですけれども、なかなか残念な結果なのかなというふうに思います。
 こうしたことを見ていくと、率直にこれまでの東京都の食育に関する取り組みは、都民に届いていないというのが実情かと思います。
 そこで、改めて食育活動への参加をふやしていくためにどのように取り組んでいくのかお伺いします。

○上林山農林水産部長 食育活動については、区市町村や民間団体などが収穫体験や料理教室、セミナーなどさまざまな取り組みを行っており、都はこうした取り組みの経費を支援し、都民の食育活動への参加を促進しております。
 今後は、ウエブサイトを開設し、こうした活動の情報を入手しやすくするなど、都民が食育活動に参加しやすい環境づくりに取り組んでまいります。

○奥澤委員 食育活動に参加しやすい環境づくりにぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 ただ、やはりそれが消費行動、何を買うのか、何を食べるのかというところまで、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 そういった視点で、またこの計画を見ていくと、東京産食材の購入意向及び実績を見ていくと、購入したい人が六〇%弱である一方で、実際に購入している方、これは三〇%にとどまっているということです。
 また、指標を見ていくと、東京産食材を知っている人、認知度を上げる指標、購入したい人をふやす指標はあるけれども、実際に購入する人をふやす指標は設けられていないです。
 このギャップを埋めていくためにも、ひとつ工夫をしなければいけないと思うところですけれども、実際に購入する人をふやしていくための取り組み、どのように進めていくのか、見解をお伺いします。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 都が実施いたしました食生活と食育に関する調査では、東京産食材を購入していない理由として、店頭に並ぶ東京産食材が少ない、あるいは購入できる場所がわからないなどの意見が多く見られました。
 都は、東京産食材の購入機会をふやすため、都心のスーパーなどで東京産食材の販売イベントを実施しており、来年度はこうした取り組みに加えまして、検索サイトのリスティング広告を活用し、東京産食材の魅力や購入できる場所などをホームページ等で紹介してまいります。

○奥澤委員 ありがとうございます。さまざまな場面でPRをしていくという姿勢は重要です。それがやはり購入につながることが、またそれは生産者さんの力にもなっていくということだと思いますので、よい循環が回っていくように期待をしたいと思います。
 一方で、東京産食材もそうだし、野菜メニュー店、このどちらにもいえることなのかなと思いますのが、やはり価格というのは大きなハードルになると思います。
 生活文化局のアンケートによると、外食や中食をする場合、八〇%弱の方が千円未満、五〇%強の方が八百円未満の商品を選ぶというふうにしています。特に中食、外食をする機会の多い二十代、三十代においては、安いもの、うまいもの、これが先に立って、次に栄養というのが本音のところだと思っています。
 そういった状況の中で、健康を意識したバランスのよい食生活の実践に向けた意欲的な指標が掲げられていますけれども、どのように取り組んでいくのかお伺いします。

○上林山農林水産部長 食を通じた健康づくりを進めるため、都は、ホームページやリーフレットなどにより、食事の摂取量や栄養バランス等に関する情報を発信するほか、正しい食生活について学べる消費者向けの講座を開催しております。
 これらの取り組みに加え、近年、社員食堂や学生食堂などで健康や栄養に配慮したメニューを提供する事例も見られることから、こうした企業、大学などと連携し、健全な食生活の実践に向けた食育を推進してまいります。

○奥澤委員 企業や大学等との連携、これは非常にいいアイデアだなと率直に思ったところです。ぜひ連携を深めていただきたいと思います。
 最後の質問ですけれども、東京都の食品ロスについても触れられています。計画に示された内訳を見ていくと、事業系が三十八万五千トン、家庭系が十二万五千トンとのことで、事業者のみならず一人一人にできる行動がまだまだありそうだなというふうに思います。
 また、食品ロスに関心があるという人は七五%を占めているという結果もあることから、何かしらの行動を起こしたいと思いつつも、何をしていいのかわからない、行動に移すことができないというような課題がここにはあるのかなと思います。
 そこで、食育推進計画において、食品ロス削減に向けて、都として取り組んでいることを教えてください。

○上林山農林水産部長 食育においては、食品ロスの削減やGAP農産物の普及など、食に関する社会的課題への対応も重要なことから、今回の食育推進計画では、SDGsの達成に貢献できる食育の推進として、都民の意識啓発などの取り組みを進めてまいります。
 食品ロスの削減につきましては、動画やオンラインイベントなどにより、家庭ですぐに実践できる行動を紹介しているほか、農作業体験での生産者との交流を通じ、食品ロスについて考える食育講習会を開催してまいります。

○奥澤委員 啓発にはとどまらない、各局が連携した取り組みを期待したいと思っています。
 例えばの話ですけれども、埼玉県の加須市で、ひとり親世帯の支援に向けて、市の職員らが自宅の食品などを持ち寄るフードドライブを実施して、集まったおよそ六百五十点を市内の子供食堂などに寄附をしたそうです。
 また、東京都環境局では、区市町村の備蓄品をフードバンク事業者に提供していくモデル事業を実施しているということです。福祉保健局では、フードパントリーを実施する団体を区市町村を通じて支援する事業を実施しているところです。
 現在、コロナ禍で、食に関して大変な困り事を抱えている方々がたくさんいらっしゃいます。私も大学生向けのフードパントリー事業に実際に足を運んだことがありますけれども、一番そこで喜ばれるのはお米です。日持ちするし、おなかにもたまるということで、お米、そしてレトルト商品や缶詰といった、そういったものが次から次へと持っていかれるというか、そういった状況を目の当たりにしました。
 やはりコロナ禍が長引く中で、先ほど冒頭にお話をしましたけれども、今お話をした大学生もそう、あるいはひとり親なんかもそう、非正規の方々ほど生活が苦しい状況が今、危機が増していると思います。
 せっかく東京都では、先ほども話した環境局でフードバンクの事業者と連携したり、福祉保健局でフードパントリーを支援したり、あるいはここの、今、産業労働局で、今回、食育推進計画をつくってフードロスをなくしていこうというようなことをやっている中で、こうした取り組みを組み合わせていくことで、食品ロスの削減という課題の解決と、食になかなか、苦しい、厳しいという状況になっている方々を助けるという部分は両方とも解決していける、そういった取り組みを考えていけること、それが非常に重要なんじゃないかと思います。
 そうした柔軟な発想を持って、ぜひとも今の難局を乗り越えていただきたい、そういったことを求めて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○滝田委員 私からもまず、食育推進計画について伺いたいというふうに思います。
 最初、そもそもの部分になりますけれども、今般、食育推進計画を五年ぶりに改定するということでありますけれども、そもそも食育推進計画を東京都として作成をしている意義や目的についてお伺いをしたいというふうに思います。

○上林山農林水産部長 国は、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、平成十七年に食育基本法を制定いたしました。
 この法律では、都道府県による食育推進計画の策定を努力義務として定めており、都では平成十八年に東京都食育推進計画を策定して以降、五年ごとに改定を重ねてまいりました。
 都は、この計画に基づき、ライフスタイルや世代に応じた健全な食生活の充実や、生産者等との交流促進、食の安全・安心の確保に向けた取り組みなど、関係局が連携しながら食育を推進しております。

○滝田委員 農林水産省の法令に基づいて作成を行っているということでありますので、必ずしも国内農業振興とはされていないものの、成り立ちとしてはその側面がかなり強いものであろうというふうに認識をしております。
 ただ、しかしながら、近年の食にまつわる観点ということでいいますと、さまざまな論点があるというふうに考えております。
 例えば健康面でいうと、フレイルであったりとか、あるいは、何ていうんでしょう、生産から消費までというところで、フェアトレードであったりとか、エシカル消費であったりとか、あるいは先ほどの、別の会派の委員からも質疑がありましたけれども、食品ロスの問題であったり、少し間接的な影響という形ではありますけれども、ごみの問題であったりということで、単純に食といっても、農業生産だけではなくて、さまざまな観点が、特に近年は議論があるというふうに考えます。
 その中でまず、フレイル予防の観点というところが食育の重要なテーマであるというふうに思いますので、最初に伺いたいと思いますが、ライフステージに応じて、とるべき栄養素であったりとか、あるいは食生活というものが変わってくるというふうに思います。
 高齢になると筋力が衰える段階になってきて、病気にならないような食事ということももちろん基本的には重要であるんですけれども、それにも増して、筋力を落とさない、あるいは骨を強くするといったような、体の虚弱を回避するフレイルの食事ということがより重要となってくるというふうに聞いております。近年の新しい常識ということでもありますので、過去に食べ物について学んだことと、また考え方が変わってきているということが多分にあるというふうに思います。
 こうした基本的な食事に対しての認識を、食育を通じて改めていくということが非常に重要な観点かというふうに思います。
 ついては、フレイル予防の観点から、ライフステージに応じた食生活のあり方について、食育推進計画の中でどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 今回の食育推進計画では、健康長寿の実現に向け、高齢者を対象にフレイル予防などの食育を推進することとしております。
 都は、フレイルの予防に向け、ホームページ等により、フレイルリスク度が簡単にわかるチェックリストを用いて、栄養バランスに配慮した食事に関する情報を発信するほか、都民向けのフレイル予防のための講座を開催し、正しい食生活について普及啓発を図っております。

○滝田委員 実際の実施していく段階ということに関していうと、福祉保健局とも連携をしながら取り組んでいくというふうに理解をしておりまして、フレイル対策、我が会派はかなり、福祉保健局の方にもさまざま質問をしてまいりましたし、対応が、より強化が必要だというふうに思いますので、普及啓発ということももちろんあるんですけれども、具体的な取り組み、まあさらに強化していただけるように要望したいというふうに思います。
 次に、少し視点を変えまして、グローバルな視点ということにちょっと移りたいというふうに思うんですけれども、私たちが食べている食事の過半数、六割程度ですけれども、海外からの輸入食品でございます。私自身も前職で商社に勤務しておりまして、まさに海外の食品原料を日本に輸入する仕事をしておりました。
 海外の商品をいかに品質のよい、安心できるものをできるだけ安価に、そして安定的に輸入するのかということを取り組んでおりまして、もちろん食料安全保障の観点もありますので、国内農業の振興って、これは非常に重要でありますけれども、私自身もこれまで何度もこの場でも、国内農業、都内の農業ということを重要視して取り上げておりますが、実際、現実問題としては、海外からの適切な調達ということなくして、食の安全・安心であったりとか、あるいは食料安全保障ということも実現できないというふうに考えております。
 こうした面も非常に重要であるというふうに思っておりまして、少し脱線しましたけれども、相当程度海外から食料輸入をしている中で、こうした食育においてもグローバルの視点というものが必要だというふうに考えております。
 例えばフェアトレードのような、食品の原料生産から消費までサステーナブルな形になっているのかどうかということを消費者が認識することは非常に重要でありまして、正直なところ、世界の中ではまだ日本の認識とか取り組みといったことはおくれているというふうにいわざるを得ません。
 こうしたことについても、食育から変えていくことは非常に重要だというふうに考えております。
 さらにちょっと事例として、私の前職の経験をちょっとお伝えしたいと思うんですけれども、私自身、カカオ豆の取引、輸入をしておりました。アフリカから日本とかにチョコレートの原料として輸入するわけなんですけれども、二〇一〇年代前半ぐらいから、世界中でフェアトレードをさらに超えたサステーナブルな生産から流通といったものを実現して、アフリカとかそういった生産している国々で、環境面に配慮しているのかとか、あるいは児童労働が行われていないのかとか、そういったようなことをちゃんと見ていって、プラスアルファのお金も少し払って、生産の環境を上げていくというような取り組みが世界中で行われています。
 世界の大手のチョコレートメーカーというのは、もう目標を定めて、二〇二〇年代半ばにはもう全てのチョコレート原料のカカオ豆を、そうしたサステーナブルな生産に基づいたものを使っていくというようなことを目標に掲げて、十年ぐらい前から取り組みを進めて、生産地にも入って取り組んでいるというようなことをやっています。
 翻って、じゃあ日本のチョコレートはどうなっているかといいますと、ほぼそういったことは取り組まれておりませんでして、いまだにほとんど日本のチョコレートについては、サステーナブルなトレードとか、フェアトレードとかということとは関係ないカカオ豆が使われているということであります。
 これってなぜそうなっているのかということに関していうと、やはり消費者の、何ていうんでしょう、見る目とか理解度とかというところに、非常に世界と日本の間で差があるというところに要因があって、メーカーさんももちろんそういったことを普及啓発しなければいけませんし、あるいは食育という観点においても、やはり、日本のことだけ考えていればいいとか、目の前のものだけ考えていればいいということではなくて、世界でそういった課題があるんだということをちゃんと認識をしてもらうということが非常に重要だというふうに考えておりますので、少しちょっと事例をご紹介をさせていただきます。
 食育推進計画の推進に当たって、こうした海外の食料も含めたサステーナブルな生産から流通、消費まで見据えた内容や、海外の農業生産、輸入物についての基礎的な理解についても学んでいくことが重要と考えますけれども、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 食育は、環境保全などに配慮した持続可能な社会の実現にもつながる取り組みであり、今回の食育推進計画では、食に関する多様な社会的課題に対応し、食育を通じてSDGsの達成に貢献するため、都民の理解をより一層深める取り組みを進めていくこととしております。
 具体的には、都は、食の観点から、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費について、地産地消の推進や認証ラベルマークのついた商品を購入することなど、消費者向け講座やホームページなどにより普及啓発に取り組んでおります。
 理事ご指摘のフェアトレードや海外の農林水産業の事情を理解することは、エシカル消費にもつながることから、都は、今後開設する食育情報を発信するウエブサイトの中で、こうした情報についても紹介してまいります。

○滝田委員 ありがとうございます。発信するウエブサイトの中で、こうしたことについても取り組んでいくということでご答弁がありましたので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 かなり多様な分野にわたって取り組まなければいけないということで、食育といっても幅広いんだということもあるんですけれども、もう一つ、食品ロスについて取り上げようかなというふうに思っていたんですが、先ほど別の会派の奥澤委員の方からありましたので、質問としては省略をしたいなというふうに思うんですが、未来の東京戦略の中でも、二〇三〇年に二〇〇〇年比半減させるということで食品ロスの目標を掲げております。これはかなり高いハードルですので、もちろん行政側がただ単に何かやりましょうといっているだけでは実現できなくて、消費者を巻き込んだり、あるいは事業者を巻き込んだりということで、さまざま取り組みが必要でありますので、食育推進計画の推進に当たっても、こうしたことについてぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、直接、食の範疇ではないということもあるのかもしれませんが、プラスチックの廃棄といったような問題も非常に重要でありまして、同じく未来の東京戦略では、廃プラスチックの焼却量を二〇一七年比で四〇%削減するというふうにしています。
 昨年よりスーパーとかコンビニにおいて、プラスチック袋は使わないようにというか、有料化することで使用量を削減しましょうといったような話もありますし、また今後、プラスチックスプーンであったりとか、そういったものも有料化をしていくというような話もございます。
 コロナ禍以前からも中食等がふえているなど、食と加工であったりとか包材みたいなものというのは切っても切れない分野でありますので、食品ロスの削減の取り組みとも親和性が高いということもありますので、一緒に取り組んでいけるように求めておきたいというふうに思います。
 先ほどの問いで指摘をいたしましたけれども、グローバルな視点で、サステーナブルな食や農業を考えていく必要がありますし、その点では、日本は世界の中でおくれているということを改めていわざるを得ないということを指摘します。
 こちらについては、これから実行していく内容はもちろんでありますけれども、本来の計画にも、もう少し柱として大きく扱っていただきたいなというのもありまして、また今後、都として、ゼロエミッションの観点でさまざま高い目標を掲げておりますので、そういった意味でも、食育の観点も、後押しをしていくための非常に重要な側面を持っているというふうに思いますので、取り組み内容にも、より一層のブラッシュアップ強化を求めておきたいというふうに思います。
 それでは次の質問に移りたいと思いますが、令和三年度予算について順に伺っていきたいというふうに思います。
 まず、観光について伺っていきます。
 来年度予算として、観光予算としては約百六十九億円が計上されております。コロナの状況がどんどん変わっていっている中で、先行きが見通せないということもありまして、その中で予算編成しなければいけないということは非常に困難も伴っていたかというふうに思います。
 特に観光分野は予算編成が難しい分野であったのではないかなということは察するんですけれども、こうしたコロナの長期化等を踏まえた来年度の観光予算の考え方と、その内容についてまずはお伺いをいたします。

○松本観光部長 観光産業の回復に向けては、大きな打撃を受けた観光関連事業者の経営基盤の強化を図るとともに、コロナ禍を契機に生じた非接触型の生活様式や、安全健康志向といった社会やニーズの変化をチャンスと捉え、新たな成長につなげていくことが重要でございます。
 都はこうした考えのもと、今年度は、事業者に対しまして感染防止対策の徹底を支援するほか、オンラインツアーの造成や宿泊施設のテレワーク利用環境の整備など、コロナ禍における新たなビジネス展開を後押ししてまいりました。
 来年度は、近隣県と連携した国内旅行の需要喚起や滞在型旅行など、旅の新たなスタイルの提供を図るほか、スタートアップ等の先端技術の面的な導入を支援いたします。
 また、将来のインバウンド回復に備え、外国人旅行者の東京への関心をつなぎとめるプロモーションを展開いたします。
 今後とも、こうした施策を着実に推進するとともに、感染状況、その他社会経済情勢を踏まえつつ、適切かつ柔軟に対応し、観光産業の活性化につなげてまいります。

○滝田委員 ありがとうございます。非常に何というんでしょうね、今やらなければいけないことということを整理していただいた上で、今後の状況を踏まえて、柔軟かつ適切に対応していくというような答弁でございました。
 今年度の減額補正等においても我が会派から指摘をしておりますけれども、現在もコロナの長期化、あるいはワクチンのおくれ、海外も含めて変異種が拡大しているという状況でありまして、来年度、できればもちろん感染が終息してほしいというふうに思いますけれども、このまま感染が終息せずに、見込みどおり今後の観光の取り組みが思うようにいかなかったといった場合には、感染状況とちぐはぐな支出ということにならないように適切な管理をしていくべきであるということを改めて要望しておきます。
 逆に、状況が変わって、観光業界の支援であったりとか需要の創出ということが必要な局面においては、補正予算を組むなどしっかりと対応するべきでありまして、引き続き担当の皆様方に、あの神経を使っていただく局面が続くというふうに思うんですけれども、機動的でめり張りのある、そして透明性の高い対応ということを求めておきます。
 さて、コロナ禍だからこそ取り組んでおくべきと考えられるテーマについて質問していきたいというふうに思います。
 例えば一つ目ですけれども、域内観光、地域資源を磨き上げるという取り組みであったり、あるいはワーケーションといった新しい働き方であり、かつ、観光資源の育成ということにもなりますが、そういった取り組み、あるいは、三つ目ですけれども、リモートでの観光消費といったこと、こうした、この際、新たな観光の武器を備えておくということも非常に重要であるというふうに考えております。
 今後の観光対策としては、やはりマイクロツーリズム、地域内観光を中心にまずは行うべきというふうに考えますけれども、例えば昨年、私の地元八王子市の高尾山が、日本遺産に東京都内で唯一指定をされました。こうした地域資源を磨いて、都内、首都圏内のマイクロツーリズムを進めていくべきですけれども、今年度の取り組みと、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをします。

○松本観光部長 都は、コロナ禍においても、東京の魅力が再認識され、感染終息後の都内の観光需要の創出につながるよう、今年度は都内各地の観光情報の発信等を支援しております。
 具体的には、工芸品など地域の魅力を紹介するイベントや、高尾山の魅力のPR動画の制作と発信など、自治体等の取り組みを支援いたしました。
 また、観光協会と協力しまして、ウエブ上で地元のグルメや名所旧跡などを紹介するオンラインツアーを新たに実施しまして、SNSを通じてツアー情報等の発信を行っております。
 今後は、文化体験や地域との交流など、東京ならではの観光の魅力を発信いたします。
 さらに、東京と東京近郊の周遊促進も視野に、近隣県と連携し、歴史など共通のテーマのもとで、それぞれの観光資源をめぐるルートを開発し、国内からの誘客につなげてまいります。

○滝田委員 今、近隣県との連携ということでありましたので、一都三県など会話をしていただいているというふうに思います。
 国のGO TOトラベル事業の反省点といったことも多々あるというふうに思います。感染拡大につなげないということは重要でありますけれども、今後、感染状況が落ちついて、少しずつ観光を促せる時期に来た際には、近隣県と連携をした域内観光の需要創出の取り組みということも検討しておくべきであるということを要望しておきます。
 今年度、就労支援、テレワークの文脈から、ワーケーションのモデル事業に取り組んできたことを、私自身非常に高く評価をしておりまして、今後、サテライトオフィス設置等補助事業も活用して、ワーケーションの取り組みを支援していくということも聞いております。
 一方で、観光の文脈でも、ワーケーションはポテンシャルのあるテーマであるというふうに認識をしています。
 ワーケーションは、コロナ禍における観光とも親和性のある取り組みであるとともに、普及定着をすれば将来的な都内観光需要の創出にもつながって、観光の一つの柱となるというふうに考えますけれど、今後どのように取り組むのかお伺いします。

○松本観光部長 都は、多摩・島しょ地域の自然を生かした新たな観光資源の開発を進めるため、例えばトレーラーハウスに滞在し、農業体験を行うなどの観光事業の開発に取り組む事業者に対し、設備経費や広報面での支援を行っております。
 来年度は、こうした支援に加えまして、一カ所に長目に滞在して、ゆっくりと周辺の自然を楽しんだり、仕事をすることもできる滞在型旅行を推進いたします。
 本事業の実施に当たりましては、観光協会や事業者等が行うテレビ会議システムなど、ワーケーションに必要な機器の導入等の経費を支援の対象としまして、費用の二分の一、一千万円を上限に助成するなど、仕事をし、観光も楽しめる環境の整備を支援いたします。こうした取り組みを通じて、旅の新たなスタイルを提供し、旅行者をふやすことで東京の観光の活性化につなげてまいります。

○滝田委員 ありがとうございます。ぜひ取り組みを強化していただきたいというふうに思います。
 私の都内の友人ですけれども、三十代が多いんです。私自身も三十代なんですけれども、三十代が多いんですが、実際に九州でロングステイをしてワーケーションをしている人がおりますし、あと金沢に行っている人もおります。あるいは、ワーケーションではないんですけれども、今月末、三月末ですので、軽井沢に移住をするとか、徳島県に移住をするとかというような知り合いもおりまして、働くとか暮らすというスタイルが確実に変わってきていて、人の移動等にも明確にあらわれてきているというふうに感じております。
 もちろん、思い切り遠くに行きたいという人もいるんですけれども、一方で、いざとなれば都心に来られる範囲内でワーケーションをしたいとか、あるいは移り住みたいというようなニーズも確実にありますので、ぜひともそれは、非常に地域間での競争になるというふうに思いますけれども、都としても、例えば多摩の西側であったりとか、あるいは島しょ部等で受け入れられるように取り組んでいただくということを求めておきます。
 次に、リモートでの観光ということをお聞きしたいと思いますが、VRであったりとかAR、こういった映像系で新たなコンテンツ、楽しみ方をつくっていくということは重要でございますが、さらに私聞いておりますのが、音響面でもポテンシャルがあるということを指摘しておきたいというふうに思います。
 海外では、例えば音楽のライブであったりとか、あるいはスポーツなどにおいて、離れた場所、会場であったりとか、あるいは自宅においても立体的な音響で楽しむことができる、こうした技術であったりとかサービスの導入が、もう既にかなり普及をしてきているというふうに聞いています。
 日本はこの分野でおくれをとっていて、世界での競争の中で日本の魅力発信が、そういったものも使えないのかということで、こちらもおくれをとるという可能性があるということなんですけれども、危機感を実は持っております。
 映像系はもちろん重要でありますけれども、音響面とかにも取り組みを強化していただきたいなというふうに思っております。
 そのような中で、二〇二〇大会において海外観客を入れない可能性も今出てきておりますけれども、VR、AR等や、あるいは立体音響などを活用したリモートでの観光消費について取り組みを強化し、新たな観光ビジネスの創出や、コロナ後にいち早くインバウンドを回復できるように、国内外からの旅行への需要の期待を高めていくということは重要と考えますけれども、見解を伺います。

○松本観光部長 世界的に移動が制約される中、リモートでの東京観光を国内外に提供することは、新たな観光ビジネスの創出に加え、訪都意欲の喚起にもつながる重要な取り組みでございます。
 そのため都は、観光事業者が東京を旅行先とするオンラインツアーを造成する取り組みを支援しております。
 これまでに東京二〇二〇大会関連施設や渋谷のスクランブル交差点等を、通訳ガイドがライブで案内するツアーのほか、三百六十度動画やドローンを活用した小笠原の景観の紹介、3Dグラフィックスのキャラクターの案内による人力車や屋形船の体験など、新たな技術も活用した多様なツアー造成の支援を決定してございます。
 来年度もこうした取り組みを支援するとともに、バリアフリー観光ルートを疑似体験できるVR動画を新たにウエブサイトに掲載しまして、障害者の方や高齢者の方の安心感の醸成につなげ、誰もが楽しめる観光都市東京をつくってまいります。

○滝田委員 これはリモートでも楽しめるというだけではなくて、コロナ後にもリアルとハイブリッドで体感度合いを上げたりとか、あるいは観光のみならず、イベント全般であったりとか、ウエブ上のコンテンツビジネスの創出など、新たな価値創造、あるいは経済の成長につながっていくものというふうにも考えますので、ぜひさまざま民間のアイデアを生かしながら取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、テレワークです。
 今回、緊急事態宣言下において、多摩地域のホテルを活用したテレワーク、これを実施いたしましたけれども、大変高評価でニーズが高かったというふうに聞いています。稼働率も約八割にも上ったというふうに聞いていますが、ホテルにとっても観光需要がない中で収入となる取り組みでありました。
 一方、かねてより、多摩地域でまだ拠点がないところなど、テレワークの地域ニーズをより詳細に掘り下げて把握すべきであるということを指摘してきましたけれども、今後、コロナの長期化の中で、サテライトオフィス、テレワークの拠点がないエリアで、どのように拠点をふやしていくのか、見解を伺います。

○村西雇用就業部長 都は来年度、テレワークのさらなる普及と定着を図るため、民間事業者や市町村が多摩地域で行うサテライトオフィスの設置運営に対する助成事業の規模を拡充いたします。
 また、民間事業者が周辺にサテライトオフィスのない地域に設置する場合には、整備費の助成におきまして、上限千五百万、補助率二分の一を、上限二千万、補助率三分の二に引き上げて支援を行ってまいります。
 加えて、多摩地域の宿泊施設をサテライトオフィスとして低額の利用料で提供するなど、テレワークの実施環境の充実を図ってまいります。
 これらの取り組みとあわせて利用者ニーズ等の調査を行い、多摩地域の実情に応じた多様なサテライトオフィス整備の促進に活用してまいります。

○滝田委員 ありがとうございます。周辺にサテライトオフィスがない地域に設置する場合には補助率を引き上げて、民間事業者による設置拠点を強く後押ししていくというような答弁でございました。ぜひ取り組みを強化していただきたいと思います。
 事務事業質疑の際にも申し上げましたけれども、私の地元八王子市内でも、住宅が多く利用者数の多い駅周辺であっても、まだテレワークのできる環境の拠点のない、例えば南大沢駅であったりとか西八王子駅などの主要駅がありまして、しっかりと設置拡大をこういった駅でも促していけるように求めておきたいと思います。
 ちなみに、八王子、そこまで詳しくないという方もいらっしゃるかもしれないんですけど、相当数、乗降客が多い駅でありまして、しっかりとそうした場所でも実現できていけるようにということを求めたいと思います。
 また先般、我が会派の代表質問におきましても、かねてより要望してきた非正規社員の環境等も対象としたテレワーク導入課題の調査を実施するといった答弁がございましたけれども、具体的な計画内容について伺いたいと思います。

○村西雇用就業部長 都は来年度、非正規雇用労働者へのテレワーク導入状況や課題について把握するため、実態調査を実施いたします。
 調査の詳細な内容につきましては今後検討してまいりますが、テレワーク勤務の対象労働者の設定方法や設定理由のほか、非正規雇用労働者の業務内容による実施状況、対象労働者の拡大に向けた課題などにつきまして調査を予定しております。

○滝田委員 本来、被雇用者を守るためではあるんですけれども、派遣契約では業務内容についてかなり強い縛りがあるということで、その結果、テレワークが導入できないといった声も聞いております。そうした雇用契約上の課題も明らかにした上で、非正規雇用労働者を対象としたテレワークが導入できる環境づくりに取り組んでいただくように求めます。
 さて、私の地元八王子市も含めまして、都内のさまざまなエリアで空き店舗の増加、あるいは事務所の閉鎖等、明らかに目立ってきているというような状況にございます。
 そうした状況の中で、新たな活用として、こうした空き店舗や空き事務所をテレワーク用に転換を促すことは有効と考えますが、見解を伺います。

○村西雇用就業部長 多摩地域において、商店街の空き店舗などを活用し、サテライトオフィスの整備の促進を図ることは、テレワークの普及に加え、職住近接のワークスタイルを実現し、地域振興にも効果的な取り組みであると考えております。
 このため、都は来年度、地域の経済団体が空き店舗や空き事務所等を活用し、小規模なサテライトオフィスへ転換するモデル事業を実施し、小規模なサテライトオフィスに対する利用者ニーズの把握や民間事業者による運営の可能性とともに、商店街等における消費喚起など、地域の活性化への効果を検証してまいります。
 また、市町村が公共施設の空きスペース等を活用し、小規模なサテライトオフィスを整備する際の支援につきましても実施してまいります。

○滝田委員 来年度、モデル事業等を行うということの答弁でありまして、期待をしたいというふうに思います。
 その一方で、現在の経済状況下で、実際にお店であったりとか事務所を持たれている方が、そこをリノベーションをして、テレワークができる環境をつくろうかと検討しているといった、民間事業者といってもテレワークの事業者ではなくて、お店だったり事務所をやっている民間の方々もいらっしゃいます。
 サテライトオフィス設置等補助事業におきましては、延べ床面積五十平米未満は対象外ということでありますが、そうした小規模な店舗や事務所をリノベーションする場合においても、サテライトオフィス設置を促進できるようにすべきというふうに考えておりますので、ここについては検討を強く求めておきます。
 新聞等によりますと、テレワークによって生産性が下がっているといった調査もあるんですけれども、都としてはどのように把握をしているのか、生産性が下がっている要因を分析し、官民で要因を解消していく取り組みをすべきでありますけれども、見解を伺います。

○村西雇用就業部長 都が企業に対して実施しているテレワークの実態調査では、定型的業務の生産性の向上や創造的業務の生産性向上について、非常に効果があった、効果があったとの回答が、それぞれ三九・七%、二八・三%となっております。
 一方、余り効果がなかった、全く効果がなかったとの回答は、それぞれ一三・七%、一八・二%となっておりまして、テレワークの導入で生産性が向上したとの回答が上回っております。
 また、テレワークを導入しない理由としては、顧客等、外部対応に支障がある、情報漏えいが心配、文書の電子化が進んでいない、社内のコミュニケーションに支障があるなどの回答が挙がり、各企業がさまざまな課題を抱えていることがうかがえます。テレワークによって生産性を向上させるためには、各企業が抱えるこうした個別具体的な課題を解決する支援が必要でございます。
 都は来年度、テレワークの導入や運用に関するさまざまな課題にワンストップで対応するオンライン相談窓口を新たに設置いたします。
 また、職場の実態に応じて課題を着実に解決できるよう、IT等の専門家を企業に派遣し、継続的に助言を行ってまいります。
 さらに、テレワーク推進センターにおきまして、テレワークにより生産性を向上させた企業の取り組み事例を紹介するなど、セミナーを開催するなど、生産性の向上に寄与するテレワークの活用に向けた支援を強化してまいります。

○滝田委員 都の調査によりますと、生産性の向上にポジティブな評価の企業ということも多かったということで、普及に伴って理解が進んできたり、あるいはやり方に改善がなされてきたりということで、生産性も下がらないよ、もしくは上がってきたよというような企業もふえてきたのかなということで、少しこれは安心をいたしました。
 単にテレワークを導入するというだけじゃなくて、生産性につながっていくということは非常に重要だというふうに思います。
 しかしながら、やはりまだ、旧来型の仕事の進め方、社内外問わずですけれども、会議であったり、営業の形態、慣習といったこと、あるいは押印であったり文書などがテレワークの導入を妨げていたり、あるいは導入時の効率を下げてしまうという要因が残っているのも事実でございます。
 こうした課題については、個別の会社ごとの社内の取り組みでは限界があることもございまして、業界として取り組むなどの対応が必要なものも多くあるということですので、先ほどご答弁をいただいた各企業の課題解決支援ということに加えて、業界としての対応にも取り組んでいただけるように、例えば協議体の形成など、対応策を求めておきたいと思います。
 次に、テラス営業支援について伺います。
 先週の予算特別委員会で私から建設局に対しまして、道路占用許可の緩和措置の延長について質問をいたしました。その後、国において道路占用許可の特例の延長をするということを決定したことでありますので、都においても、都道の特例の延長に合わせて、産業労働局のテラス営業支援についても延長と拡大をしていくべきだというふうに考えております。
 また、建設局答弁では、東京都内で七十以上の事例が既に生まれているということでございましたが、実現できていない自治体においても取り組みが生まれていくように促していくべきというふうに考えます。
 テラス営業を行う飲食事業者に対する助成制度について、これまでの採択や問い合わせ件数のほか、利用者からどのような声が寄せられているのかお伺いをいたします。

○土村商工部長 飲食事業所向けのテラス営業支援では、中小企業振興公社の申請窓口に、二月末時点で約六百件の問い合わせがあり、採択件数は三十九件となっております。
 この事業を利用した飲食事業者からは、テラス営業の効果でお客様に安心感を持っていただけた、あるいは来店客の増加につながったなどの声が寄せられてございます。

○滝田委員 建設局の方では、道路占用許可の特例を活用した事例、これは国道の場合、都道の場合、区市町村道の場合含めての合計数でありますけれども、七十件以上ということでありましたので、今のご答弁ですと三十九件、テラス営業支援を採択したということで、この支援策を活用しなかったケースというのもかなりあったのかなというふうに思います。
 申請手続等の面倒を嫌ったというケースであったり、あるいはもともとあるテーブルとかの設備で対応できたよといったことで、支援策を申請しなかったというケースもあると思いますけれども、一方で、支援策を知らなかったということが果たしてなかったのかということについては少し疑問もございまして、周知や連携に課題があったかもしれないので、その点は確認の上で、必要に応じて対応を求めたいと思います。
 また、約六百件の問い合わせがあったということでございましたが、これはかなりの数だと思います。暫定措置の期間がかなり短かったりとか、暫時延長としてきたということで、あるいはもう季節的に冬場に向かっていくということもございました。なので、企画をしようとしたけれども実現まで至らなかったということもかなり多数あるのかなというふうに想定をいたします。
 コロナの影響が長期化している中で、今後、屋外空間で感染症対策に寄与し、気持ち的にもリフレッシュができるテラス営業はニーズがあるというふうに考えます。
 テラス営業支援の期限を延長し、今後、いまだ事例が生まれていない自治体においても取り組みを促していくべきと考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 都はこれまで、国による道路占用許可基準等の緩和措置の期間延長を受け、テラス営業支援の申請期間についても延長してまいりました。
 今月十二日に、国が緩和措置の期間を再延長したことを受けまして、都道等においても同様に緩和措置が延長されると聞いており、テラス営業支援の延長についても検討をしてまいります。
 また、利用促進に向けては、都内の全ての区市町村や商店街に対し、複数回にわたってリーフレットの配布を行ったほか、都中小企業振興公社のホームページに利用企業の一覧や優良事例を掲載してPRをしております。
 今後改めて、都内の全ての区市町村や商店街に対し、本事業を活用した具体的な事例についても新たに周知するなど、より多くの飲食事業者に活用いただけるよう取り組んでまいります。

○滝田委員 私の地元でも道路占用許可の特例を使わずに、逆に民地内のスペースを活用してテラス営業を行っているというような事例もございまして、このテラス営業支援は使えないのかというような問い合わせもあったんですけれども、現状は、民地での取り組みは、支援策は使えないということであります。
 今後、コロナ禍の中で厳しい経営環境にある飲食店が、屋外で感染症の心配の少ない形で営業ができるということが重要でありますので、こうした政策意義も鑑みますと、民地を利用したテラス営業に対しての支援を拡充すべきじゃないかなというふうに思いますので、対応を検討いただきたいというふうに要望しておきます。
 最後の質問ですが、協力金に関して、三月二日時点で延べ約四十四万件の事業者からこれまで申請を受けているというふうに聞いています。これはかつてない規模数での給付であるというふうに理解していまして、コロナ禍における、今後も、協力金以外にもさまざまな支援策等がございまして、コロナ後も都の取り組みにより、飲食店等を支援していくことがあると思いますが、協力金等の申請において、登録されたメールアドレスなどを活用して、支援情報や参考となるモデル的な取り組み事例の情報を直接情報発信するということは、支援策のリーチを高めて、産業労働局としても事務効率が上がるなどのメリットがあるというふうに考えます。
 今後の協力金等の申請においては、こうした目的で連絡先を使用できるかどうか、あらかじめ申請者の許可、不許可を申請書内で得ておくべきではないかということを指摘しますので、検討を求めます。
 都の支援策を飲食事業者等に直接情報発信し、より多くの方に効果的に知っていただいて、活用いただける仕組みを検討していくべきと考えますが、見解を伺います。

○築田産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都はこれまで、休業や営業時間の短縮要請に応じていただいたことに対しまして協力金を支給してきましたが、このほか、資金繰りを支えるための実質無利子融資や家賃支援など多面的な支援を行うことで中小企業を総合的にサポートしているところでございます。
 そのため、協力金の申請者に対して、支援制度の情報を提供することは重要と考えておりまして、協力金のポータルサイトに、都及び国の支援メニューを取りまとめた情報サイトへのリンクを掲載するなど、情報発信に努めているところでございます。
 今後とも、支援を必要とする方々に情報が行き渡るよう、多くの方に支給を行う協力金の特性も踏まえまして、活用可能な情報発信方法について検討してまいります。

○滝田委員 これまでも工夫をいただきまして、私もポータルサイトをよく利用させていただいて、事業所等の皆様方にお知らせをしておりますが、感謝の声をいただいております。
 そもそも協力金の支給等で、非常に大変な苦労をされながら現場の対応をいただいておりまして、この件についても感謝を申し上げたいというふうに思います。
 一方、先ほど後藤委員の方からも、これまでの経験を生かしていろいろ改善をしていくべきだということを申し上げましたが、日々の改善ということもありますし、一方で、より抜本的に、デジタル化であったりとかIT等の利用も含めて、支援策の周知、申請、審査、支給のデジタルトランスフォーメーションのようなものについても、しっかり取り組まなければいけないということを改めて強調、要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○菅原委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時九分休憩

   午後五時二十五分開議
○菅原委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○尾崎委員 私の方からも、最初に東京都食育推進計画(案)について幾つか伺っていきます。
 平成二十八年度から三十二年度の東京都食育推進計画で、平成三十二年度までに達成すべき主な指標目標を設定しています。
 食育の意義を理解するは、平成二十八年度は七一・九%ですが、現状では六八・七%と減少してしまっています。また、毎日きちんとした朝食をとるは、食べないことが多い、全く、ほとんど食べないという人の割合も現状の方が増加してしまっていますが、その原因などはどう分析していますか。

○上林山農林水産部長 食育の意義を理解するという指標につきましては、若い世代の食育への理解が十分でないことが要因であると認識しております。
 また、朝食を食べていない児童生徒の割合につきましては、小学生で〇・八%、中学生で〇・五%増加しており、引き続きの取り組みが必要と考えております。

○尾崎委員 若い世代の食育への理解が十分でないことが要因であると認識しているとのことですが、私は、もっとさまざまな要因があるのではないかなと考えています。
 厚生労働省が発表した二〇一二年度、少し前の調査ではありますけれども、子供の相対的貧困率は過去最悪の一六・三%で、六人に一人の子供が貧困状況であると。当時、大分話題になり、大問題であるという認識が広がりました。
 先ほども奥澤理事の方からお話がありましたけれども、大阪府内の公立小学校では、二〇〇八年から保健所で朝食を出すようになったと当時マスコミなどでも紹介もされ、私も驚き、こういう取り組みが必要なんだなということを痛感した思いがありました。
 給食のない夏休み、体重の減る子がいるといわれ、一日の主な栄養源が学校の給食だけという子供たちが少しずつふえているということも報道されています。私は、食べることは生きる源だと思っています。その食べることができないでいる今の状況をきちんと踏まえるべきだと指摘をしておきます。
 コロナ禍で、食事に関する現状も大きく変化しました。ひとり親家庭では、コロナの影響で働く時間が減ったことなどから、子供たちに三度の食事を食べさせることができないというアンケートの結果も出ています。また、各地で子供食堂だけではなく大人食堂ができたり、大学前での食べ物を支援する取り組みが広まっています。
 コロナ禍で明らかになった食にかかわる変化について、状況をつかみ、食育推進計画に盛り込むべきですが、いかがですか。

○上林山農林水産部長 今回の食育推進計画では、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、家族が一緒に食事をする機会がふえることを受け、家庭での食育の充実を図るとともに、お弁当や総菜などの利用が増加していることから、栄養バランスに配慮することの重要性について、情報発信に取り組んでいくこととしております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、家族が一緒に食事する機会がふえているということですが、我が党は、昨年十二月の第四回定例会の代表質問で、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが発表したアンケート結果について紹介し、母子世帯の三割から四割が、米などの主食や肉、野菜を買うことができなかったことがあると答えていること、しんぐるまざあず・ふぉーらむとシングルマザー調査プロジェクトが行った千八百人の実態調査には、仕事が減り、子供たちには一日二食で我慢してもらい、私は二日に一食が当たり前など、深刻な声が寄せられていることを紹介しました。
 コロナ禍で貧困と格差が拡大し、非正規雇用やパート、アルバイトなど不安定な雇用になっている人たちの暮らしは、想像をはるかに超えて深刻な事態となっています。栄養バランスに配慮する以前の問題、食事ができない状況が広がっていることをきちんと受けとめること。都民の暮らしの実態を踏まえた食育推進計画にすべきだと思います。
 東京都生活文化局がまとめた都民生活に関する世論調査の中に、今後切り詰めていくものトップに外食費、次に食費となっており、外食費は前年度よりも九ポイントもふえています。また、生活満足度のところで、不満の理由の一つに、食生活が不十分だからが一四・七%で、この十年間の中で一番多くなっています。
 都民の声についても食育推進計画に盛り込むべきですが、いかがですか。

○上林山農林水産部長 今回の食育推進計画の策定に当たっては、食生活と食育をめぐる都民の意識や、行政への意見や要望を把握するため、食生活と食育に関する世論調査を令和元年度に実施し、食の安全に関する情報提供や、生産者との交流体験の充実といった都民の要望を計画に反映させております。

○尾崎委員 それだけでは不十分なんじゃないかなというふうに思っているところです。
 食育推進計画(案)の一〇ページに、食育活動の拡大と参加をめぐる問題のところに、食育活動への参加に意欲があるものの実践に結びついていない状況もうかがえると書かれていますが、この原因についてどのように分析していますか。

○上林山農林水産部長 都内では、民間団体などが収穫体験や料理教室などさまざまな食育活動を行っており、参加に意欲のある都民がこうした情報を入手しやすくすることが必要であると考えております。

○尾崎委員 都内の食品ロスは、約五十一万トン。約八割の都民が、食品ロスに関心があると回答しています。日本ではごみになってしまうものをいかに生かしていくのか、あらゆる関係者で深め合い、連携する取り組みが本格的に求められていると思います。
 食品ロスをなくすため、企業や都民に必要なことは何だと考えていますか。

○上林山農林水産部長 今回の食育推進計画では、SDGsの達成に貢献できる食育を進めることとしており、食品ロスの削減に関しましては、動画配信やオンラインイベント、食育講習会などを通じた都民等への意識啓発などに取り組むこととしております。

○尾崎委員 私は、十年ぐらい前になりますけれども、アメリカのグリーンフェスティバルに行ったことがあります。日本は大量生産、大量消費で、使えるものも捨ててしまうような状況で、このままで果たしていいのかという問題意識、そして持続可能な社会とはどういう方向なのかという問題意識があって、エコやリサイクルなどの製品、商品開発などを本などで知り、実際に見てみたいと思ったから参加してみました。
 お気に入りのお皿が割れても、残った部分でペンダントにする。木製の高いひつぎはやめて、段ボールを加工して、軽くて安いひつぎを提供するという事業者。そしてヤシの実を使ったハンドクリーム。日本の小規模企業も出展しており、コンニャクでつくった洗顔スポンジなどもありました。見ているだけでわくわくしました。
 レストランでは、無農薬野菜やお肉などを仕入れ、野菜の皮や残ったものは農家が回収し、堆肥として活用する、この繰り返しによって食品ロスやごみをなくし、体にいい食事を提供している様子を、食事をしながら話を伺い、農場も見学したことがあります。
 SDGsの達成に貢献できる食育を進めるということであれば、関係する全ての人たちと一体になって取り組む必要があると思います。食品ロスをなくすということは、環境の問題でもありますが、食べ物にかかわっている産業、企業も大きな役割を持つと思います。
 食べることにも困っている人たちも、今、大勢生まれています。今まで以上に、都庁全庁、全てで深め、実践することを求めるものです。
 次に、農業支援について幾つか伺います。
 資料要求でまとめていただきました東京の農地面積の推移についてですが、二〇一八年から二〇一九年は減少幅を縮めていましたが、二〇二〇年には、二〇一九年と比較して百九十ヘクタール減少してしまいました。
 過去十年の推移の中でも前年比での減少幅が一番多くなっていますが、どう分析していますか。

○上林山農林水産部長 農地面積の減少は年度ごとに変動があり、相続の発生による農地の売却や農地転用など、さまざまな要因があると考えられます。

○尾崎委員 農家の方たちは、相続税を払うために農地を売ってしまう。農地が売れないと相続税が払えなくなるんだとおっしゃっています。この間、相続税の緩和も一部実現しましたが、まだ不十分だと思います。都は引き続き、国に相続税の減税を要望していただくようお願いするものです。
 生産緑地を減らさない取り組みとして重要だと思っているのは、生産緑地買取・活用支援事業です。これは大変重要な事業だと思います。
 事務事業質疑でもお聞きしましたが、そのときは、十二の区市から相談や問い合わせ、そして、そのうち要望のあった七つの区市に対しては、個別に訪問して説明を実施しているということでした。
 そこで、生産緑地買取・活用支援事業の実績について伺います。

○上林山農林水産部長 今年度は、区市や農業団体への事業説明会を開催いたしまして、十五の区市から相談や問い合わせがございました。
 このうち、要望のありました十一区市に対しましては、個別に訪問をし、事業要件の具体的な説明などを行っております。
 現時点では、区市からの生産緑地の買い取り活用についての申請はございません。

○尾崎委員 相談や問い合わせは、昨年の秋からさらにふえているということがわかりましたけれども、しかし、残念ながら申請はないということです。
 農家の皆さんからは、ますます二〇二二年問題で不安だという声も上がっています。農地を減らさないためには、生産緑地地区の買い取りなどを進めることが必要であり、都の支援が鍵になると思います。
 生産緑地の保全についての本格的事業は、今後さらに拡充することを要望するものです。
 次に、学校給食における地産地消導入支援の実績と、新年度予算案で廃止になりますが、その理由などについて伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 学校給食における地産地消導入支援事業は、JA東京中央会が、農地のない都心部の小中学校に対して出前授業などを実施する際の支援を行うものであり、令和元年度は、四区五校の学校で生産者等による出前授業を実施いたしました。
 令和二年度で事業終期を迎え、令和三年度からは、より効果的な支援を行うために、他の民間団体が実施している出前授業などの食育推進活動支援と事業統合することといたしました。

○尾崎委員 引き続き、事業としては行われるということです。学校での生産者等による出前授業は、子供たちに大きな影響を与える重要なものだと思います。ぜひ、出前授業を実施する学校もふやしていただけるようお願いするものです。
 次に、雇用支援についてです。
 私はこの間、就職氷河期世代への支援についてこだわってきました。本人の責任ではなく、社会情勢の変化の中で、正規雇用を希望しても、幾ら本人が努力しても採用されなかった方たちです。四十歳になっても収入が少ないため、普通に結婚し子供を産み育てたいという誰もが求める普通の暮らしもできない、希望がないという深刻な声も今出ています。
 国も都も、就職氷河期世代への支援を拡充したことは重要です。そこで、就職氷河期世代雇用安定化支援事業の実績について伺います。

○鈴木事業推進担当部長 本事業は、就職氷河期世代の方を正社員として採用し、定着の促進を図る中小企業に対して助成を行うものであり、事業期間は三年でございます。
 この助成事業の申請におきましては、国の特定求職者雇用開発助成金、就職氷河期世代安定雇用実現コース等の支給決定を受けていること、または、令和二年度以降に都が実施する就職支援事業を利用して採用し、その後、六カ月以上在籍していることを要件としております。
 今年度は、主に国の助成金の支給決定を受けた企業からの申請を見込んでおりましたが、対象となる企業が極めて少なかったことから、実績は出ておりません。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、六カ月以上在籍していることを要件としているために実績は出ていないということでしたが、今後に期待するものです。
 それでは、コロナ禍で、非正規雇用の方々が職を失うのではないかと不安が広がっていますけれども、非正規雇用の中で、就職氷河期世代の割合も多いと思います。
 新年度予算案では、就職氷河期世代雇用安定化支援事業の規模がふえていますが、考え方について伺います。

○鈴木事業推進担当部長 都は来年度、就職氷河期世代の方などの正規雇用化を促進するため、労働者派遣のスキームを活用して、トライアル就労を行う事業の規模を拡充いたしますとともに、東京しごとセンターにおきまして、さまざまな就職支援プログラムを実施いたします。
 これらの事業によりまして正社員としての就職が見込まれる人数を勘案いたしまして、本助成事業の規模を設定しているところでございます。

○尾崎委員 コロナの終息が見えない中で、企業への影響が大きく、経営は深刻になっており、専門家からは、今後も雇いどめや首切りが行われるのではないかと指摘もされています。
 コロナの影響で、これ以上雇いどめや首切りが行われないよう、都としてしっかりと支援していただくことを強く要望するものです。
 次に、中小企業支援についてです。
 緊急事態宣言が三月八日から二週間、さらに延長されました。従業員数や事業の規模などに応じた協力金とすることを求めた我が党の質問に、以前は、国において行うべきものと考えているとの答弁でしたが、三月八日の本会議質疑で、事業規模に応じた協力金制度の構築について、一都三県とも連携し、引き続き国に要望を実施していくと答弁されました。
 この間、国にはどのような働きかけを行い、どのような要望をしたのか伺います。

○築田産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 事業規模に応じました協力金の制度構築につきましては、一都三県で、一月二十九日、二月五日及び三月八日に、国に対して要望を行ったところでございます。
 その中で、自治体間で異なる制度とならないよう、国の責任において制度を構築することや、それに係る財源の確保について要望しております。

○尾崎委員 一都三県で、国に対し、この間三回要望を行ったこと、国の責任において制度を構築することや、財源の確保について要望したことは重要だと思います。
 さきの本会議でも、我が党が、協力金が一律であるために、事業者間での不満と分断が生じていることを明らかにしました。商売は、店舗の場所や面積、従業員の人数や家賃によって、必要な固定費は大きく変わってくるんです。事業の規模に応じた補償がなければ、事業継続ができません。
 国が応じなければ、都として事業規模に応じた補償にすべきですが、いかがですか。

○築田産業企画担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 協力金は、減少した売り上げを補填する損失補償とは異なりまして、営業時間短縮要請の実効性を確保するために支給するものでございます。
 協力金における事業規模に応じた制度構築は、国において行うべきものと考えているところでございます。

○尾崎委員 今のご答弁で、協力金は、営業時間短縮要請の実効性を確保するために支援するものということですが、営業時間短縮要請の実効性を確保するためには、日本共産党都議団が繰り返し要望してきたように、自粛と補償は一体で行われることの方が実効性を確保できるのではないでしょうか。
 私は、一律の協力金では公平な支援とはいえないと思っています。事業規模に応じた補償でこそ、感染拡大防止にも安心して協力できるということにつながるのだと考えます。
 コロナの終息が見えない中、今後の対策を講じる上でも、都は、この間実施した協力金の効果について、きちんと検証することを求めるものです。
 次に、国の家賃支援給付金についても、三月八日の本会議質疑で、都は国に対し、一都三県で連携して、家賃支援給付金の再度給付を初めとする各種支援策の拡充を要望しているとの答弁でした。
 国には、いつ、どのような要望を行ったのか伺います。

○荒井商工施策担当部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 国の家賃支援給付金については、一都三県で、国に対し、一月十日に事業の延長や再構築を要望しております。
 また、二月五日と三月八日には、同じく一都三県で、国の家賃支援給付金の再度支給を要望しております。

○尾崎委員 国の家賃支援給付金についても、この間、一都三県で国に再度支給を要望してきたということですが、引き続き、実現まで要望するようお願いします。
 また、国が家賃支援給付金の再度給付を行わない場合には、都として家賃支援給付金を行うよう要望するものです。
 次に、観光振興について幾つか伺います。
 コロナ禍で、観光業にかかわる事業者は大変深刻な事態になっていますが、都として都内の観光関連業者の実態調査を行うべきですが、いかがでしょうか。

○小林観光振興担当部長 都では、日ごろから窓口や現場での事業者とのやりとりのほか、観光分野の有識者との意見交換など、業務のあらゆる場面におきまして、観光関連事業者の実態把握に努めております。
 また、訪都旅行者数、観光消費額、訪都外国人旅行者の行動特性等の調査によりまして、観光関連事業者を取り巻く状況も把握しております。
 さらに、宿泊業や旅行業などを含む都内中小事業者の景況等に関する調査を行っておりますほか、国におきましても、都道府県別の宿泊者数や客室稼働率などを調査しております。
 こうした取り組みを通じまして、都内の観光関連事業者の状況を把握しているところでございます。

○尾崎委員 都は、二〇二〇大会との関係で、この数年間、観光支援の予算を大幅に増額してきました。
 しかし、コロナ禍の中で訪日外国人旅行者はほとんど来なくなってしまい、今後の観光振興のあり方が問われていると思いますが、都の認識を伺います。

○小林観光振興担当部長 コロナ禍でインバウンド需要が見込めない中にあっては、感染防止対策を徹底した上で、国内観光の活性化に向け、着実に取り組みを進めてまいります。
 また、今後のインバウンド需要の回復を見据え、外国人旅行者の東京への関心のつなぎとめを図りますとともに、新たな観光資源の開発等に取り組んでまいります。

○尾崎委員 コロナの終息が見えない中で、インバウンド頼みではなく、国内観光の活性化により力を入れるべきだと考えます。
 コロナ感染拡大を通じて、私は、旅行や観光について認識を変えるきっかけになりました。これまでは余り深く考えたことがなかったのですが、自粛要請が長く続く中で、温泉旅行に行きたい、どこかに旅したいという要求が強くなりました。観光や旅行は、日々のストレスを発散したり気分転換に必要なものだと痛感したんです。特に、都内の観光は、都内でお金も回る重要な経済活動です。
 改めて、観光の意義についてお聞きします。

○小林観光振興担当部長 観光は、人々の心を豊かにするとともに、交流人口の増加や人々の消費を通じまして、経済や地域の活性化に貢献するものと認識しております。

○尾崎委員 観光は、人々の心を豊かにする、経済や地域の活性化に貢献するとのご答弁でした。観光は、暮らしの中に必要なものであり、とても重要だと思います。
 東京の伝統工芸の現場を見学することや体験することを通じて、新たな発見をしていく。農業のある風景に触れながら、ブドウ狩りなどを体験する。とれたて野菜を使って料理を楽しむ。川遊びや釣りを楽しむ。東京にも温泉はたくさんあります。気軽に登れる山もあります。考えるだけで楽しくなります。
 日本の東京のまちを見直し、まちの魅力を明らかにし、PRすることで、新たなまちづくりにつながっていくものではないでしょうか。
 観光を楽しくできるためにも、今、一番力を入れなければならないのは、都庁が一丸となってコロナの封じ込めに力を入れることだと厳しく指摘をしておきたいと思います。
 今年度の補正予算は、観光産業の振興について、コロナ感染拡大の中で中止になったものなど、約十五億九千八百万円の減額になりました。
 具体的には、東京ブランドの推進、東京二〇二〇大会後を見据えた観光PR、東京二〇二〇大会を活用した観光PR、東京二〇二〇大会に向けたプロジェクションマッピング、東京二〇二〇大会後のにぎわい創出支援、東京ひとり歩きサイン計画、全国特産品等の展示紹介事業です。
 現時点でコロナの終息が見えない中で、引き続き、インバウンド頼みの観光支援は見直すべきです。
 新年度予算を計上する上で、どのような議論を行ったのか伺います。

○松本観光部長 来年度予算につきましては、東京の観光振興を考える有識者会議の意見やコロナ禍を契機に生じた社会の変化等を踏まえまして、観光関連事業者の経営基盤の強化や国内観光の活性化に向けた取り組み、将来のインバウンド回復も見据えた方策などについて検討を行いました。

○尾崎委員 ご答弁にありましたが、コロナ禍を契機に生じた社会の変化等を踏まえ、観光関連事業者の経営基盤の強化や国内観光の活性化に向けて取り組む。このことを強めることは大変重要であり、観光関連事業者も望んでいることだと思います。
 しかし、繰り返しになりますが、コロナの終息が見えない中で、将来のインバウンド回復を見据えた方策は、今やるべきことではないと思います。
 例えば、富裕層向けプロモーションやインバウンド需要回復に向けた観光PRなど盛り込まれていますが、これらの事業よりも、国内の観光関連事業者への支援こそ必要だと考えます。コロナ禍で、特に宿泊業の方たちは大変な事態になっており、廃業した事業者も出ています。
 都として、観光関連業者に対し直接支援を行うべきですが、いかがですか。

○松本観光部長 都はこれまで、実質無利子融資のほか、家賃等支援給付金や感染防止対策のための助成金を実施するなど、観光事業者を初めとしました都内中小企業の事業継続の下支えに取り組んでまいりました。
 また、コロナ禍で移動が制約される中においても観光事業者が新たな顧客を獲得できるよう、宿泊施設のテレワーク利用などを支援しております。
 今後とも、観光事業者等の経営基盤の強化に取り組んでまいります。

○尾崎委員 私は先日、観光地である浅草の仲見世の商店街の皆さんのところを訪問し、お話を伺いました。
 お土産屋さんからは、海外のお客さんが来ない状況に加え、外出自粛によってほとんど人がいない、お客さんが一人も来ない日もある、一月の売り上げが通常の売り上げのわずか五%程度しかない、何とかしてほしいなどの声も寄せられました。
 海外から観光客が来日できない状況の中で、宿泊業の皆さんは大変深刻な事態です。特に、相部屋で安く泊まれるドミトリー形式の宿泊所は、対象が海外からのお客様だけです。しかも、三密を避けて、感染拡大防止策は難しいといわれています。東京都はこの間、訪日観光者数をふやすことを進めてきました。私が昨年秋にお話を聞いた宿泊所の方は、見通しがないと判断し、廃業してしまいました。
 都は、観光施策に力を入れてきました。新型コロナウイルス感染症が世界に広がる中で、インバウンド中心の観光施策ではなく、国内の観光に力を入れ、観光関連事業者の声をよく聞いて、直接支援することを強く求めて、質問を終わります。

○福島委員 コロナ禍の産業支援、雇用対策、さまざま議論されてまいりましたので、私は一般論を取り上げたいと思います。
 まず、人材流動化について取り上げます。
 雇用維持を目的に、本来退場するべき企業まで支援してしまうと、国際競争力低下につながります。経済成長と両立する雇用維持策が求められています。
 デンマークでは、事務や営業といった職種ごとに労働組合が形成され、労働者は、離職しても労働組合などで教育を受け、同じ職種で成長産業に転職するために、雇用を守りつつも企業の新陳代謝を進めることができます。ちなみに、労働者の労働組合への加入率は約七割、そして平均四年に一度、転職していくということです。このような形で、雇用を守りながらも国際競争力を維持することができます。
 このように、人材流動化は、雇用の維持と経済成長を両立する大変重要な施策です。
 先日、東京の中小企業振興を考える有識者会議、この第三回が行われましたけれども、これをオンラインで視聴いたしました。中小企業経営者であるダイヤ精機株式会社の代表取締役の諏訪貴子氏、そして株式会社浜野製作所代表取締役の浜野慶一氏、両者が大企業との人材交流の有効性について述べられていました。
 都は、就職氷河期世代の人材の再就労に向けた取り組みや、また、リカレント教育の充実、そしてコロナ禍で離職した人材等に向けた再就労支援策、さまざま取り組んでいますが、同時に、この人材流動化そのものにも取り組むべきと考えます。
 そこで、令和三年度予算において、企業間の人材交流、人材確保を支援する取り組みについてお伺いいたします。

○鈴木事業推進担当部長 都は現在、東京しごと財団の人材確保相談窓口におきまして、企業の人材確保に関するさまざまな相談に対応しております。
 来年度は、企業間の人材交流にもつながる副業、兼業につきまして、その導入等を検討する企業に対する専門の相談窓口を設置いたしますとともに、労働時間管理などを定めた国のガイドラインの内容を周知するセミナーを開催いたします。
 また、副業、兼業人材を受け入れるための就業規則の整備など、各企業のニーズに応じて、専門家によるコンサルティングを実施してまいります。

○福島委員 副業、そして兼業、これは離職せずとも他の職場を経験できることから、人材の流動化につながる取り組みとして大変有効だと考えます。
 先行する大阪市や横浜市では、イノベーション創出を牽引する次世代人材を育成したい企業と事業の加速のために専門人材を求める中小ベンチャー企業をマッチングしたり、また、大企業から中小ベンチャー企業に半年間人材を派遣する枠組みを設けたりしています。
 さらには、福岡市では、国家公務員からスタートアップ企業に転職する場合、三年以内に復職すれば退職手当算定で不利益をこうむらない、こういった制度を設けて、官民間の人材流動化も促しています。
 副業、兼業の促進を皮切りに、より多様な人材交流の促進策、これに取り組むことで、経済成長と雇用の維持、両面を目的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、働き方改革について取り上げます。
 多様な人が働ける環境の整備、これはやっぱり雇用の維持、そして労働人口増加のために大切だと思うんですけれども、働き方改革関連法の施行により、企業には、計画的な休暇の取得、長時間労働の是正、そして同一労働同一賃金への対応が順次求められております。
 中でも、今年度から大企業で施行された同一労働同一賃金は、来年度は中小企業にも適用されます。非正規雇用者の七割を占める女性の待遇改善という意味でも、そして正社員との待遇格差が人材の流動化を阻害していること、これを踏まえますと、この人材流動化という意味でも大変重要な取り組みです。
 令和元年の国の調査によれば、これまで、正社員、そして正社員とそれ以外の労働者の間の不合理な待遇格差をなくすための取り組みを行ったと回答した企業の割合は、三割程度にとどまります。そして、特段行っていないという回答割合は、規模が小さい中小企業ほど高まっていきます。
 一方、取り組みができた企業、または今後取り組むとしている企業の約半数は、専門家のアドバイスを受けながら自社で対策するというふうに述べています。
 このような状況を踏まえて、中小企業がさらに働き方改革を進められるよう、きめ細かな支援が必要だと考えますが、具体的にどのような取り組みを実施していくのかお伺いいたします。

○村西雇用就業部長 働き方改革は、生産性の向上や人材確保など、企業の経営課題の解決に資するものでございます。
 このため、都は来年度、中小企業における働き方改革を促進するため、同一労働同一賃金への対応など、中小企業が直面するさまざまな課題に応えるワンストップ相談窓口を新たに設置いたします。
 また、企業が主体的に働き方改革に取り組めるよう、人事労務担当者向けの法令、ノウハウ等に関する集中講座を一千社を対象に実施してまいります。
 さらに、職場において具体的な改革を実践する企業に対しては、社会保険労務士など専門家を派遣し助言を行うなど、中小企業の取り組みを後押ししてまいります。

○福島委員 ありがとうございます。働き方改革を推進する枠組みの中で、この同一労働同一賃金への対応についても取り上げるとともに、中小企業が取り組むに当たって有効とされている専門家の派遣も盛り込まれていることを確認させていただきました。
 中小企業が取り組みを進めるに当たり、経営者の姿勢、意識の果たす役割は大変大きいです。そもそも、この都の働き方改革関連事業に手を挙げる事業者というのは、課題意識があるからこそ情報を入手し、手も挙げてきています。問題は課題意識のない経営者であり、ここへの働きかけも重要です。
 やや遠回りにはなりますけれども、課題意識のない経営者に働きかける方策として見える化がございます。
 例えば、国の男女共同参画局は、女性の活躍見える化サイトを作成して、各企業の現状を投資家、消費者、そして就活中の学生などの皆様から見えるようにして、自主的な取り組みをほかの企業にも波及させる、こういった取り組みをしています。
 東京都も、東京ライフ・ワーク・バランス認定企業や、また、家庭と仕事の両立支援推進企業については、それぞれ、独自のホームページで認定、または登録を希望した企業に関する情報を公開しています。
 そこで、これらのホームページは、それぞれ誰に情報を見てもらう目的で作成しているのかお伺いいたします。

○鈴木事業推進担当部長 東京ライフ・ワーク・バランス認定企業は、従業員が生活と仕事を両立しながら生き生きと働き続けられる職場の実現に向け、すぐれた取り組みをしている中小企業等を都が認定する制度でございます。都は、認定企業の取り組みが他の企業のモデルとなるよう、広く都民、企業に向けて公表をしております。
 家庭と仕事の両立支援推進企業は、育児、介護など家庭と仕事の両立に積極的に取り組む企業が、企業名や取り組み内容などを都の専用ウエブサイトに掲載することによりまして、学生等の求職者や取引先などに対して、自社の取り組みをアピールし、イメージアップを図る制度でございます。

○福島委員 東京ライフ・ワーク・バランス認定企業の紹介動画や、また、PDFが大変きれいにまとめられていました。
 また、家庭と仕事の両立支援推進企業、こちらについても、育児や介護と仕事の両立にかかわる制度の整備状況を両立支援推進員が現地に行って確認して、企業名や地域、業種、従業員規模、支援制度から企業を検索できるような形になっています。
 ホームページで情報公開したのであれば気にするべきアクセス数についてお伺いしたところ、前者については、昨年度は約三十四万件、今年度は、期中ではございますけれども、十七万件弱、後者については、これも期中ではございますけれども、八万件弱というアクセスがあったということでした。
 引き続きこの流入経路や滞在率、特に十分の動画が本当に最後まで見られているのかとか、そういった点で改善に努めていただきたいと思います。
 加えて、私はオープンデータ化についても検討を求めたいと思います。
 本定例会の我が会派の代表質問で、都の助成金を受けて感染防止対策を講じた店舗リストをオープンデータとして公開するべきというふうに質疑をいたしまして、宮坂副知事からは、事前に了解が得られた事業者を対象に、名称や所在地、取り組んでいる感染防止対策の内容などを取りまとめたリストをオープンデータとして広く公表するとの答弁がありました。
 大変重要な答弁なので、改めて、このオープンデータ化の意義を説明したいと思います。
 例えば、就職情報を提供している民間サイトが、求職者が企業を選ぶための視点としてライフワークバランスに取り組む企業かどうかを提供したいと考え、都のホームページにまとまった情報があると知ったとします。しかしながら、今の状態では、人間が一つ一つ転載していく必要があります。
 東京ライフ・ワーク・バランス認定企業や家庭と仕事の両立支援推進企業の情報がオープンデータとして提供されていれば、自社の管理するリストに機械的に情報を流し込むことができます。すなわち、引用する際の障壁が格段に低くなります。
 その結果、都が両立支援推進員の現地調査など費用をかけて入手した精度の高い情報が、民間の就職情報提供サイトを通じて、ライフワークバランスに取り組む企業を探して就職しようと考える求職者に、間接的に届けられる可能性が高まります。
 また、世界的な潮流として、長期的な投資リターンの向上のために、非財務情報であるESG、すなわち環境、社会、ガバナンス情報を投資判断に組み込む、いわゆるESG投資の拡大がございます。ここでは、働き方改革や女性活躍に取り組む企業が、その先見性、そして持続性の面から評価されます。すなわち、魅力ある投資対象として判断されます。
 では、どうやって投資家は、企業が働き方改革や女性改革に取り組んでいるかどうかを判断しているのでしょうか。
 内閣府が行ったヒアリングによれば、機関投資家は、企業から機関投資家に向けて開示している情報が不十分な場合には、新卒の求職者に向けて発信している採用関連情報や従業員向けの情報などから読み取る場合もあるということです。
 一つ一つ会社を調べるのであれば、それもありかもしれませんけれども、しかしながら多数の企業を比較して投資先を選びたいというときには、証券会社等が出しているESG指数が参考になります。
 オープンデータになっていれば、このESG指数の算出に使われる可能性も出てきます。企業の前向きな取り組みがESG指数の向上に働けば、資金が集まることになります。
 令和三年度予算案で、働き方改革の推進事業には五億円以上の予算を計上しています。直接支援に加えて、今後は、見える化、さらにはデータ駆動型社会を見据えたオープンデータ化により、事業の効果を拡大することも念頭に、情報収集や発信を検討することを要望いたします。
 次、女性活躍について触れます。
 令和三年度予算では、都は、令和三年度も引き続き、この女性活躍推進加速化事業とか、企業で働く女性管理職等のキャリア支援事業、中小企業SDGs経営推進事業、家庭と仕事の両立支援推進事業、さまざま、女性活躍に関連する事業を継続するとしております。
 この事業の実施に加えて、先ほど述べたように、中小企業のこれらの事業への参加状況についても、見える化、そしてオープンデータ化により、直接支援以上の波及効果を期待いたします。
 この中でも、企業で働く女性管理職等のキャリア支援事業は、女性管理職割合向上のために大変重要だと考えています。
 昨年の事務事業質疑で、私は、女性リーダーといわれる人に共通する事柄として、性別によらず登用してくれる、多くは男性の上司がいたこと、それによって、責任ある立場で経験を積むことができたということをご紹介いたしました。
 そして、これを踏まえて、決定権のある男性役職者の参加に向けた働きかけを強化するべきと訴えまして、より多くの男性経営者、男性管理職などが講演会に参加していただけるよう、男性経営者にとっても関心の高い講演テーマを設定するとともに、幅広い周知を行うとの答弁を得ております。
 企業で働く女性管理職等のキャリア支援事業の令和三年度の取り組みについてお伺いいたします。

○鈴木事業推進担当部長 本事業は、企業において女性管理職を生み出し、支援する機運を醸成いたしますとともに、女性管理職のマネジメント能力の向上を図ることを目的としております。
 具体的には、管理職を目指す女性やそれを支える男性管理職など百名を対象に、働く女性のキャリアアップや周囲のサポートについて考える講演会を年一回開催いたします。また、女性管理職等がマネジメントに必要なコミュニケーションなどを学ぶ講座を実施いたしますとともに、共通の不安や課題を共有する機会を設けまして、相互のネットワーク形成を促してまいります。
 さらに、来年度は、講座を修了した女性管理職の中から任命するキャリアサポーターを積極的に活用し、管理職としての日常などをSNS等で発信していただくことによりまして、働く女性が管理職を身近に感じ、モチベーションを高めることができるよう取り組んでまいります。

○福島委員 今回、講演会の対象に、管理職を目指す女性に加えて、それを支える男性管理職を加えたことを高く評価いたします。
 そしてまた、このキャリアサポーターの日常を身近に感じられるように、SNSなどを利用するとのご答弁もありました。女性役職者が少ない企業はまだまだ多くて、ご提案の身近なロールモデルの獲得に向けた取り組みは確かに重要だと考えます。
 実は、国内にはJ−Win、ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワークやJWEF、日本女性技術者フォーラムなど、女性のキャリアアップを目的とした、そして、役職者比率三〇年目標が十年後ろ倒しされるなど男女共同参画が進まないために、皮肉なことに歴史ある民間団体が多数ございます。
 ちなみに私は、この講演に呼ばれたことをきっかけに、このJWEFの運営委員を四年間務めましたけれども、そのときに女性役職者比率を高める取り組みというのを、やっぱりこの団体がそもそもやっているし、また、働く女性がこういった組織に所属しているんですね。
 ということで、こういうネットワークを持ったりイベント開催のノウハウを持つこういった団体を後方支援すること。そういうものを、この事業の費用対効果を高める策として検討する価値があると思います。検討を要望いたします。
 次に、実はテレワークについて質疑をしようと思っていたんですけれども、大変多くの、自会派も含めて質問がございまして、ちょっとこれは省かせていただきますけれども、何で取り上げたかったかということだけ述べさせていただきます。
 やっぱり場所や時間、そしてさらにいえば、障害者の方にとっては身体的制約があっても社会参画できるという意味で、これは大変重要な取り組みだと思っております。特に障害者の方は、法定雇用率を定めても、特例子会社をつくって別の場所で働き、接点がない、そういったことが認められます。
 実はというか、私は、多様性の価値は違いそのものにあるというふうに考えています。似たような境遇、似たような考えの人が、あうんの呼吸で仕事をしていては、そもそも相手の立場に立って物を考えたり歩み寄ったり、そういった経験が圧倒的に不足します。そのような組織が、他者のための製品、そして他者のためのサービスを考えることができるとは思えません。多様性の欠如が成長の機会を奪い、そして日本の競争力低下につながったと私は考えています。
 そういった意味で、女性を初めとする多様な人の社会参画に、これからも産業労働局には取り組んでいっていただきたいと思います。
 次に、起業家精神の醸成についてお伺いをいたします。
 先ほど申し上げたように、人をきちんと雇用しながらも経済成長するというときには人材流動化が必要なわけですけれども、そもそも企業の新陳代謝が進まなければ、その意味はございません。そういった意味で、この創業支援、そして起業家精神の醸成が大変重要だと思っております。
 起業家からは、起業に大切なのは何をおいてもまず志であるというふうに伺っています。志がある人がいて初めて、この手続支援などが役に立ちます。
 神奈川県政策研究・大学連携センターによれば、日本の若者の起業が進んでいない主な要因の一つ目に起業家精神の弱さを挙げておりまして、これを醸成する方策として、小学校から大学にかけて起業家に出会い、起業に触れ、そして体験することを推奨しています。
 EUでは、日本の学習指導要領に当たるガイドラインに起業家精神の醸成を明記し、学校教育の中で積極的に推進する国も多くあります。
 文科省は二〇一六年から、経済産業省は二〇一八年から、起業家教育事業を実施、必要に応じて連携するとしています。
 東京都においては、教育庁が二〇一九年から、都立高校生を対象に起業創業ラボを実施。ここでは、起業家による講演やファシリテートによるワークショップを経て、起業のおもしろさや、課題解決がビジネスにつながること、これを学んで、事業プランを作成、発表するという内容になっています。
 一方、産業労働局でも、二〇一九年から小中学校向け起業家教育推進事業や、二〇二〇年からは高校生起業家養成プログラムを実施し、例えば東京都立川市の市立松中小学校の取り組みは、社会参画の土壌になるというふうにニュースでも取り上げられていました。
 創業支援の中でも、この起業家精神に着目したことは大変大切です。だからこそ、限られた資源で質を高めていただきたいと考えています。
 それにはまず、少なくとも同じ都が取り組む事業同士で情報交換し、例えば小中学校と高等学校の内容に関連性を持たせたり、高校を対象とした事業では教育庁と産業労働局で互いに参考にしたり、また、重複を避ける、そういった質を高める取り組みをするべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○土村商工部長 都が令和元年度から実施しています小中学校向けの起業家教育推進事業では、都内の小中学校における起業家教育の推進を図るため、起業家教育プログラムの策定やその実施を支援するとともに、教職員向けの相談窓口を設置しております。
 教育庁の協力を得て、参加する小中学校を募集しており、昨年度は十校選定いたしましたが、その後、感染症の影響により辞退があり、現在七校に対して支援を実施しているところでございます。
 また、今年度の新規事業であります高校生起業家養成プログラムでは、学生起業家の輩出などに向け、起業に向けた実践的なプログラムを提供することとしておりますが、感染症の影響を踏まえ、今年度は事業を休止しているところでございます。
 両事業の今後の実施に当たりましては、教育庁との間で取り組み状況等につきまして情報共有をしながら、効果的な事業運営を図ってまいります。

○福島委員 私は、昨年の一般質問で、EBPMの推進に加えて、同じ政策に結びついた複数の事業評価同士で比較できること、これを求めまして、令和三年度東京都予算案の概要には政策評価と事業評価の統合が明記されています。
 東京都中小企業振興ビジョンでは、二〇三〇年ごろの都内開業率一二%という数値が目標として掲げられています。創業支援に関する各種事業の中で、効果が高いものにしっかり傾斜配分をしていく、これからはそのような取り組みが求められます。
 執行率にとどまらない事業評価、具体的には、開業率を高めるためにはどの事業にどのように費用配分すればよいかという命題にも取り組んでいただきたいと思います。
 次に、生産性の側面での評価について質問させていただきます。
 企業の成長を的確に支援するためには、生産性の評価は非常に大切です。
 昨年の事務事業質疑で、産業労働局の所管する事業を、賃金の上昇や生産性の向上などで評価できるよう制度設計することで、東京都が事業を紹介する各種窓口や、そこにかかわる士業の皆様も、生産性の側面のアドバイスをすることにより、報告を義務づけることが、かかわる全ての人のマインド改善につながるということを述べさせていただきました。
 令和三年度事業に生産性向上のためのデジタル技術活用推進事業、そして躍進的な事業推進のための設備投資支援事業などがございますけれども、これらへの生産性側面の評価の導入状況についてお伺いいたします。

○土村商工部長 生産性向上のためのデジタル技術活用推進事業では、デジタル技術の導入に取り組む中小企業に対しまして、専門家を派遣してアドバイスを行うとともに、機器等の導入経費への助成を行うこととしております。
 この事業では、中小企業の取り組みが生産性の向上に着実に結びつくよう、導入する機器やシステムの検討から導入後の具体的な活用に至るまで、専門家が一貫してサポートする仕組みとしてございます。
 また、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、先端技術の活用により持続的発展を目指す中小企業に対し、新規設備の導入や既存設備の更新に必要な経費への助成を行うこととしております。
 この事業により、DXの活用等に取り組む中小企業につきましては、助成金の申請時に生産性向上の数値目標などを設定し、助成後五年間にわたり状況の報告を求めることとしており、進捗に応じて適切にアドバイスを行うことで、目標達成につなげることとしてございます。

○福島委員 ありがとうございます。前者については、期待される生産性向上を見込んだ上で申請していただいて、それが達成されるよう専門家がサポート、後者については、申請の前後、特に申請後については五年間の生産性の数値、これの報告を義務づけたということでした。
 前者は上限三百万円、後者は上限が一億円という助成額も踏まえた、生産性について正面から取り組む工夫を盛り込んでいただけたこと、これを評価いたします。
 申請時や事業後の報告義務などにこの条件を追加すると、どうしても執行率が下がる不安もあると思います。ここに介在する士業の皆様や専門家の皆様に事業内容を丁寧に伝える作業自体が、この業界全体の意識啓発にもなります。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、知的財産活用についてお伺いいたします。
 事務事業質疑において、知的財産総合センターによる支援の質を高めるためには、知的財産総合センターが支援をして登録された知的財産そのものが、その後、毎年特許料が支払われ続けているかなど、中小企業の競争力向上に向けて、指標を設けた継続的な改善を求めました。
 令和三年度の具体的取り組みについてお伺いいたします。

○土村商工部長 東京都知的財産総合センターは、知的財産の相談を初め、知財取得費用への助成事業や各種セミナーを実施し、中小企業による知的財産の創造、保護、活用に努めております。
 同センターでは、海外展開を目指す中小企業による知財取得費用への支援を実施しておりまして、利用企業に対しては、知的財産により生み出された製品の販売実績など、知的財産の活用状況について、支援終了から五年間にわたり報告を求めております。
 また、同センターによる支援を受け、知的財産を実際に経営に生かしている中小企業の具体的な取り組み事例をホームページで紹介しており、知的財産の積極的な活用を広く発信しております。
 来年度は、ウエブによる予約相談システムを導入して、中小企業のニーズに迅速に対応するとともに、知財活用による成果や具体的な取り組み事例などをより多く発信し、中小企業の知的財産の取得とその活用を促進してまいります。

○福島委員 ありがとうございます。知的財産等によって生み出された販売実績など、この活用状況を五年間にわたって報告を義務づけている、求めているということで、きちんと質の向上に向けた取り組みがなされていることをお伺いすることができました。
 また、このコロナ禍において、やっぱりウエブによる予約相談システムを導入するということで、しっかりと中小企業の方々に活用いただきまして、競争力向上に結びつける取り組みとして継続していただきたいと思います。
 では、最後に、データ駆動型社会における事業評価に関連して伺います。
 都の中小企業施策を所管する中小企業振興公社では、助成事業の利用促進に向けてどのようなPRをしているのか、これについてお伺いいたします。

○土村商工部長 東京都中小企業振興公社では、中小企業に助成金等の支援策を周知するため、支援事業を紹介するガイドブックを四万七千部作成し、商工会議所、商工会等の支援機関や区市町村などを通じて、中小企業に配布しております。
 また、事業の募集に当たっては、公社ホームページやビジネスチャンス・ナビで情報提供を行うほか、約二万社の会員企業にメールマガジンを送付するとともに、中小企業向けの広報情報誌を毎月二万二千部発行するなど、さまざまな媒体を通じて幅広くPRしております。
 さらに、中小企業に専門家を派遣して助言や相談を行う際にも、助成金等の支援策を紹介しております。

○福島委員 ありがとうございます。今回、さまざまなPRについて、数字を含めてご答弁いただくようにお願いいたしました。これでわかったことは、いずれも、広報啓発といっても数万のオーダーの取り組みになっているということがわかりました。
 そして、さらには、この中小企業振興公社が実施する助成金の申請企業数、これは年間で三千件程度というふうにお伺いいたしております。都内中小企業四十五万社に対しては、この周知する範囲も、ましてや支援対象もどうしても限られてしまいます。これは仕方のないことだと思います。
 先ほども述べましたけれども、この都の事業に手を挙げる企業というのは、問題意識をそもそも持っているか、または都の事業に詳しい士業の皆様とつき合いがある、そういった企業に限られてしまうというふうに思われます。産業労働局の中小企業振興策に手を挙げてもらいたい中小企業に、どうやって情報を提供するのか、そして、どう効果測定をするのか。これに関して提案がございます。
 中小企業では、国がIT導入補助金で導入を財政的に支援していることもありまして、現在、会計業務の効率化のために、クラウド会計システム、これの導入が進んでいます。
 そこで、このクラウド会計システムに登録した情報を利用して、都の各種事業への申請用紙や納税の手続、こういったものを効率的に作成できるソフトウエア、これをクラウド会計システムを開発する事業者と共同開発する。
 これはAPIというものを介したデータのやりとりが必要なので、協力が必要なんですけれども、そういうことをすると−−加えて、中小企業に対して、データの利用範囲、事業者それぞれを追う目的ではないんだと、政策評価に使いたいんだとか、こういうことをきちんと許可を得ることができれば、中小企業の状況に応じた、利用してほしい都の事業、これぐらいの規模感で、こういう状況にある人に、まさにこの事業を使ってほしいということをこちらから伝えることができるんですよね。
 さらには、事業者の売り上げ、経費、利益などに加えて、都の事業に対する採択状況も入手してもらうことにより、事業者の手を煩わせることなく、事業採択後の業績を追跡したり、この採択の有無と業績の相関を分析したり、こういうことが考えられます。すなわち、この事業の効果検証をより定量的に行える可能性があります。
 既に銀行は、融資先の月次の業績評価を得るために、融資先に毎回毎回足を運ぶ必要がなくなるので、こういったクラウド会計サービスを融資先の企業に積極的に売り込んでいるというふうに聞いています。また、クラウド会計システムの開発会社からは、国税庁から問い合わせもあるというふうに伺っております。
 AIやIoT、ビッグデータが社会インフラとみなされるデータ駆動型社会の到来を見据えた、この政策のEBPM、そして、この事業の投資対効果を高めるために、こういったクラウド会計システム、そしてそれを取り巻く情勢、こういった情報収集に着手すること。これを提案しまして、質疑を終えます。

○平委員 平慶翔と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の委員会、発言者最後でございます。簡潔に二点の質問を行わせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 都では、都内タクシー事業者における多言語対応や支払い方法等について、事業者及び外国人旅行者の対応状況やニーズを踏まえ、平成三十年十二月から、多言語対応などを行えるタブレット端末をタクシー車両に導入する事業者向け支援を行っています。
 外国人旅行者の利用ニーズが高いタクシーの受け入れ環境整備が重要なことから、都としても、多言語対応やキャッシュレス決済機能の充実に対する有意義な支援を行われていると思います。今年度末までの三年間で一万台の導入を目標にしていると伺いました。
 しかし、二月末時点の累計申請数は三千五百台弱にとどまっています。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うタクシー需要の減少の影響もあり、タクシー事業者の経営環境は大変厳しく、設備投資もままならない状況にあると業界団体からも伺っております。
 この点も踏まえ、コロナ後を見据えると、今年度末を最終年度としている支援について、期間を弾力的に見直すことも必要と考えます。見解を伺います。

○松本観光部長 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、外国人旅行者が激減するとともに、人の移動も大きく減少する中、タクシー事業者の経営は厳しい環境に置かれております。
 一方、経営環境が改善すればタブレット端末等の設置に取り組みたいと考えている事業者もいることから、都としましても、そうした事業者の取り組みをしっかりと支援していくため、事業期間を令和三年度まで一年間延長することとしております。

○平委員 ありがとうございます。事業を一年延長し、事業者に寄り添った柔軟な対応に向けた取り組みを進めてくださるとご答弁をいただきました。
 また、新型コロナウイルス感染症の拡大に関連して、都は昨年四月、補正予算において、タクシー事業者が取り組む飛沫感染防止対策に関する緊急支援策を講じております。
 私も、日ごろタクシーを利用する機会が多いんですけれども、八割くらいの車両で、前方と後方座席の間にシートやパネルが設置されていることがわかります。感染症の拡大を防止するとともに、多くの方々に安心して東京を訪れていただくための環境整備としても大変重要な取り組みであると考えます。
 本事業は、これまで支援の申請受け付け期間を延長して対応してこられましたが、ことし四月末で受け付けが終了すると伺っております。これまでの取り組み状況と実績を伺うとともに、今後の状況を踏まえた対応について、見解を伺います。

○松本観光部長 都では、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するとともに、感染終息後の旅行者の受け入れ体制の向上につなげていくため、タクシー車内において運転席と客席の間に間仕切りを設置するなどの取り組みを支援しております。
 都内タクシー事業者を対象に、昨年五月から十一月末までを受け付け期間として事業を開始いたしました。感染症の状況等を踏まえながら、複数回にわたり受け付け期間の延長を行ってまいりまして、現在の受け付け期間は、お話のとおり、来年度四月末までとなっております。また、本事業における本年二月末までの申請実績は約二万台となっております。
 今後とも、感染症の状況等を踏まえながら、適切に対応してまいります。

○平委員 ありがとうございます。コロナと闘い、打ちかつためにご努力されている事業者に寄り添い連携しながら、柔軟に事業を見直していただくことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○菅原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅原委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時三十六分散会

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