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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第四号

令和二年三月十七日(火曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長両角みのる君
副委員長栗林のり子君
副委員長山崎 一輝君
理事森澤 恭子君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
白戸 太朗君
栗下 善行君
高橋 信博君
まつば多美子君
藤井  一君
おじま紘平君
三宅しげき君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長村松 明典君
次長十河 慎一君
総務部長坂本 雅彦君
産業企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務
武田 康弘君
商工部長土村 武史君
金融部長加藤  仁君
金融支援担当部長井上  卓君
観光部長松本 明子君
観光振興担当部長鈴木 誠司君
農林水産部長上林山 隆君
安全安心・地産地消推進担当部長龍野  功君
雇用就業部長篠原 敏幸君
事業推進担当部長村西 紀章君
港湾局局長古谷ひろみ君
技監原   浩君
総務部長梅村 拓洋君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務深井  稔君
港湾経営部長相田 佳子君
港湾振興担当部長戸谷 泰之君
臨海開発部長中村 昌明君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務鈴木  理君
臨海副都心まちづくり推進担当部長矢部 信栄君
臨海副都心開発調整担当部長高角 和道君
港湾整備部長山岡 達也君
計画調整担当部長和田 匡央君
離島港湾部長片寄 光彦君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 達也君

本日の会議に付した事件
港湾局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 港湾局所管分
・第二十一号議案 令和二年度東京都臨海地域開発事業会計予算
・第二十二議案 令和二年度東京都港湾事業会計予算
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 港湾局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十二号議案 東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
・第六十三号議案 東京都海上公園条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 東京国際クルーズふ頭桟橋外一施設の指定管理者の指定について
産業労働局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 産業労働局所管分
・第八号議案 令和二年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
・第九号議案 令和二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
・第十号議案 令和二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 産業労働局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十号議案 東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十一号議案 東京都家畜保健衛生所条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・食品産業振興に向けた支援方針 中間のまとめ
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第六号 東京都雇用・就業対策審議会条例の一部を改正する条例

○両角委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局、産業労働局関係の予算の調査及び付託議案の審査並びに産業労働局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより港湾局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、港湾局所管分、第二十一号議案、第二十二号議案、第六十二号議案、第六十三号議案、第九十六号議案及び第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、港湾局所管分を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梅村総務部長 二月十七日開催の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の経済・港湾委員会要求資料をごらん願います。
 要求のございました資料は、表紙をおめくりいただきまして、目次に記載のとおり九項目でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。臨海副都心地域の土地処分実績でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載しております。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 二ページをお開き願います。臨海副都心地域を除く埋立地の土地処分実績でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、各年度の面積、金額及び実績の内訳を記載しております。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 三ページをお開き願います。臨海副都心における公共用途での土地処分実績でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載しております。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 四ページをお開き願います。臨海副都心地域を除く埋立地における公共用途での土地処分実績でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間における土地処分の実績につきまして、それぞれ用途、面積及び金額を記載しております。
 単位につきましては、面積は平方メートル、金額は百万円でございます。
 五ページをお開き願います。臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した事業費の推移と内訳でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの五年間における臨海副都心のまちづくりの都市基盤整備に要した各年度の事業費と、その財源を一般会計、臨海地域開発事業会計、国費等の三つに区分して記載をしております。
 単位は、億円でございます。
 六ページをお開き願います。港湾整備費におけるふ頭等の新規整備の事業費でございます。
 平成二十八年度から令和二年度までの五年間の港湾整備費につきまして、ふ頭の新規整備分と道路等の新規整備分、その他の三つに区分して記載をしております。
 単位は、百万円でございます。
 七ページをお開き願います。輸出、輸入別のコンテナ個数の推移でございます。
 平成二十一年から三十年までの十年間のコンテナ個数につきまして、全国、京浜港、東京港、それぞれの輸出、輸入、合計を記載しております。
 単位は、千TEUでございます。
 八ページをお開き願います。伊豆諸島各島への就航率の推移でございます。
 平成二十七年から令和元年までの五年間の就航率につきまして、大島から青ヶ島まで各島の貨客船と高速ジェット船、それぞれの就航率を記載しております。
 単位は、パーセントでございます。
 九ページをお開き願います。晴海ふ頭を除くクルーズ客船寄港回数の推移でございます。
 平成二十五年から令和元年までの七年間のクルーズ客船の晴海ふ頭以外への寄港数につきまして、実績を記載しております。
 以上をもちまして、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○両角委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○おじま委員 クルーズ客船に係る新型コロナウイルスへの対応について伺いたいと思います。
 新型コロナウイルスに係る対応については、都は、いち早く新型コロナウイルスに関連した感染症対策連絡会というのを立ち上げまして、船会社や港湾関係事業者に対して注意喚起あるいは情報提供を行うなど、感染拡大の防止に努めているところであります。
 こうした中、報道にもあったように、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で船内における集団感染が発生をして、横浜港に入港したものの、乗員、乗客が長期間にわたって下船をできないという状況になりました。
 東京港においても、本年七月の東京国際クルーズターミナルの開業後には、数千人が乗船する大型客船が入港するということが予定をされております。
 感染症への対応は、基本的にはこれは国の役割でありますけれども、客船ターミナルを管理する都においても万全の感染対策を行っていく必要があります。
 今回、クルーズ客船入港時における衛生管理体制の充実に関する経費というものが来年度補正予算案に計上されておりますが、その具体的な内容について伺いたいと思います。

○戸谷港湾振興担当部長 今回の補正予算案では、客船ターミナルにおける感染症への備えを強化するために、四千万円を計上してございます。
 具体的には、寄港したクルーズ客船内において深刻な感染症が発生した際に、検疫所等と連携して適切に対応できるよう、消毒液やマスク、防護服等の備蓄や、客船ターミナル内で実施する特別清掃に要する経費を計上してございます。
 また、サーモグラフィーや空気清浄機の配置に必要な経費も計上してございます。
 今後起こり得る感染症の発生に備えまして、客船ターミナルを訪れる方が安心して施設を利用できるように、万全の対策を講じてまいります。

○おじま委員 今回、新型コロナウイルスというのが短期間のうちに急速に拡大をしたということで、都民の間でも不安が広がっていると思います。強い危機感を持って事前に十分な対策を講じるということが必要でありますので、しっかりと引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって経済活動にもさまざまな影響が出てきております。特に観光産業は大きな打撃を受けているところであります。
 クルーズも例外ではなくて、先日、日本のクルーズ客船である「にっぽん丸」であったり、「飛鳥Ⅱ」というクルーズ船がありますけれど、これも当面のクルーズの中止を決定したというニュースがありました。
 新型コロナウイルスの感染拡大によって、現在のクルーズ客船の予約にどのような影響が生じているのか、これを伺いたいと思います。

○戸谷港湾振興担当部長 本年七月の東京国際クルーズターミナルの開業後から十二月までの間における客船の入港予定回数につきましては、昨年末時点で四十四回となっておりました。しかし、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、海外の一部の船会社は、二〇二〇年のアジアへの配船を全て中止することを発表しております。
 これによりまして、東京港についても十一回分のキャンセルが発生いたしまして、現時点での入港予定回数は三十三回となってございます。

○おじま委員 十一回分のキャンセルがあったというご答弁だったので、今、四分の一がもうキャンセルになっているということですけれども、これまだふえる可能性があるということで、多大な影響が出ているということであります。
 先日、アメリカでも「ダイヤモンド・プリンセス号」と同様の事例が発生をしておりまして、数千人の乗船客の隔離措置がとられることとなったということも、これも日本でも大きく報道されました。
 この事態を受けまして、アメリカ政府は国民に向けて、特に健康上の問題がある場合は、クルーズ船での旅行はすべきではないという声明を発表しておりまして、今後、さらにこのクルーズの運航が減少していくのではないかと思っております。これがいつ終息するかという見通しもないので、クルーズ業界へのダメージは今、相当なものだと思われます。
 このクルーズ船、クルーズ業界を取り巻く厳しい現状は、都はどう認識しているのか、また今後どのように対応していくということなのか伺いたいと思います。

○戸谷港湾振興担当部長 コロナウイルス感染拡大の影響によりまして、現在、世界的にクルーズの運航が縮小して、クルーズ業界は大きな打撃を受けております。
 また、クルーズへのイメージダウンは著しく、コロナウイルス感染症が終息したとしても、短期間で多くの乗船客が戻ってくることは望みにくいと考えられます。
 今回の事態を受けまして、現在、各船会社は今後の運航計画について検討しているところであると聞いております。
 都は今後、クルーズ船社や船舶代理店等に対するヒアリングや意見交換などを通じまして、正確な情報収集と船会社のニーズ把握に努めるなど、クルーズの復興に向けて、関係機関と連携して取り組んでまいります。

○おじま委員 今ご答弁にあったように、クルーズ業界自体が苦境に立たされているわけでありまして、非常に厳しい状況でありますが、この感染拡大というのがいつまでも続いていくというわけではなくて、必ず終わりが訪れるわけでもあります。終息後に少しずつでも復興していけるように、継続な誘致に地道に取り組んでいくべきであります。
 今回の感染拡大の影響が非常に大きくて、日本各地の港でも寄港数が減少して、先が見通せない状況になっているということであります。
 特に地方においては、クルーズ客船の寄港による観光産業への影響が大きいことから、かなり苦しい状況になっているのではないかと思うところであります。この状況を乗り越え、クルーズ市場を再び盛り上げていくためには、クルーズ業界、クルーズ船が厳しい状況に置かれている今こそ、日本の港が協力した取り組みを行っていくべきではないかと思っております。
 国内のほかの港とも協力をして寄港数の回復につながる取り組みを行っていくべきと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○戸谷港湾振興担当部長 今後、クルーズを再び盛り上げ、寄港数の回復につなげていくためには、これまで以上に工夫を凝らした取り組みを行っていくことが必要でございまして、その方策の一つとして、東京港とほかの港が連携して客船誘致やPRを行うことが有効だと考えております。
 東京港は、多くの人口を抱える首都東京にございまして、首都圏各地からもアクセスしやすいことから、船会社からは、国内を周遊するクルーズの起点としてのポテンシャルを高く評価されております。この東京港の特性を生かしまして、都は来年度、東京を中心として、国内の他の港と連携した取り組みを実施してまいります。
 具体的には、船会社のクルーズ商品の企画に役立つように、静岡、和歌山、高知などの港と連携いたしまして、個別の港の紹介にとどまらず、東京を発着港とするクルーズプランや、日本の文化や自然を満喫できる魅力的な観光ルートをパッケージで提案してまいります。
 また、一般の方にクルーズの魅力を再認識していただけるよう、船会社とも連携し、イメージ回復に資するPR事業を行ってまいります。
 こうした取り組みにより、クルーズ市場を盛り上げ、ひいては東京港の客船寄港回数の回復を図ってまいります。

○おじま委員 今、イメージ回復という言葉もありましたが、非常に重要な取り組みだと思います。日本各地の港と連携した取り組みは、東京だけでなく、日本全体の発展に寄与するものでありまして、クルーズの盛り上げと真の共存共栄に向け、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 東京国際クルーズターミナルは、今後長きにわたり活用されていくものであります。
 都は、現状からの復興に向けて、誘致の手を緩めることなく、発着港としてのプレゼンス向上を目指して、しっかりと取り組んでいただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○藤井委員 私も島しょ地域におきます島民の生活と産業活動に不可欠な港や空港の整備についてお伺いをいたします。
 まず、伊豆諸島、利島の港湾整備について確認したいと思います。
 大島航路の定期船は、大島を通り、利島、新島、そして神津島というこういったルートで運航しておりますが、特に海が荒れたときは、大きい島には着くんですが、利島とか御蔵島とか小さい島には着かないで船が通過してしまうことがあります。
 私もかつて、利島に行こうと思って船に乗ったら、接岸できないので、そのまま次の三宅に行きますというようなことがありました。
 利島は、大島などに比べると定期船の欠航が多いというふうに思いますが、この欠航率の状況についてお伺いいたします。

○片寄離島港湾部長 利島の就航率の状況でございますが、過去五年間の平均で、大型貨客船が約八三%、高速ジェット船が約六八%でございます。
 利島は地形等の条件により複数の港を整備することが困難であり、冬場の季節風など、天候の影響を受けやすい状況でございます。このため、天候に応じて利用する港を選択できる大島等と比べると、就航率が低くなっております。

○藤井委員 先ほどのご説明があった要求資料の八ページにも出ておりますが、ほかの島は九〇%以上の就航率ですけれども、やはり利島あるいは御蔵島等は六〇%台、あるいは大変少ない就航率だと思います。
 この就航率を上げるためには、唯一の港であります利島港の整備が重要と考えます。
 来年度予算案には、この利島港の防波堤基礎工事の予算、六億七千万円が盛り込まれておりますが、この事業の概要についてお伺いいたします。

○片寄離島港湾部長 利島では、就航率向上を目指し、一つの港の中に二つの突堤を整備することで、港内の静穏度を確保することとしており、利島港において、東側と西側に配置した二つの突堤に、それぞれ岸壁を整備しております。
 現在、港内の静穏度をさらに高めるため、東側の突堤の先端部分において防波堤の整備を進めております。
 来年度は、この防波堤の本体となるケーソンの基礎について工事を実施する予定でございます。

○藤井委員 防波堤の整備を引き続き進めてほしいと思います。
 東側のこの岸壁は、波をかぶりまして、船が着いても、陸上でもやいロープをとるのが困難になって、接岸できなくなるということが原因だというふうに地元からお聞きをいたしましたが、その対策はどういうふうにするのかお伺いいたします。

○片寄離島港湾部長 東側の岸壁におきましては、北東の風が強いときに、岸壁上まで波をかぶることがあるため、その北東側に消波ブロックを設置していくことで、このような越波の抑制を図っているところでございます。
 今後とも、越波を抑制し、岸壁上の接岸作業の安全性を高めることで、就航率が向上するよう努めてまいります。

○藤井委員 次に、平成三十年の台風二十四号があったんですけれども、このときに被災をいたしました西側突堤の岸壁の災害復旧、これは今どうなっていますか。
 この災害復旧事業について、先ほどの風と波によって被災した利島港の復旧に要する経費として、令和二年度は三億円、令和三年度では四億五千万円が盛り込まれておりますが、まず、現在の利島港の復旧状況についてお伺いをいたします。

○片寄離島港湾部長 平成三十年の台風二十四号により、利島港の西側突堤の岸壁が甚大な被害を受け、複数のケーソンが大きく移動し、さらに、護岸上部のコンクリートの壁等が破損いたしました。
 このため、これまで主に冬季において使用していた西側突堤にある岸壁に大型定期船が接岸できなくなりました。
 発災直後から、国による災害復旧事業として、緊急工事に着手し、昨年十一月に、大型定期船が暫定的に接岸するための西側突堤にある岸壁の一部が完成したところでございます。

○藤井委員 私はこのとき現地視察に行きまして、現場を見ましたけれども、もう本当にケーソンとか大きいコンクリートが波で動いちゃうんですね。また三角形のそういう波消しブロックなんかも移動しちゃう、本当に波の力ってすごいなと実感をしたわけです。皆様方の努力によって、昨年十一月に、大型定期船が接岸するための岸壁の一部が完成をしたということなんですけれども、完成したのはいいんですけど、この東側突堤の岸壁同様に、この岸壁を使用するときに、西側から波をかぶるんだそうですよ。そして、陸上の作業員が大型定期船のもやいロープをとるのが難しいと。さらに、乗降客の通行にも支障を来すということで今、使っていないそうです。
 そこで、こうした課題についてどのように対応していくのか、お伺いいたします。

○片寄離島港湾部長 利島港の西側突堤の岸壁につきましては、現在、本格復旧に向け、船舶をより安全に接岸させるための岸壁長等の確保や防波対策が必要であることから、西側突堤の陸上部分にあるマイナス六メーター岸壁や護岸の復旧工事を行っております。
 岸壁での綱取り作業や通行者への安全確保につきましては、現在実施している護岸の復旧工事の中で、越波等の箇所を先行して整備することとしております。

○藤井委員 越波等の箇所を先行して整備ということで、ぜひ、せっかく岸壁を直したわけですから、接岸ができるように今後とも取り組んでいただきたいと思います。
 次に、来年度の復旧事業の予算についてお聞きしたいと思います。
 令和二年度、三年度におきます利島港の災害復旧の具体的な内容について伺います。

○片寄離島港湾部長 今後の利島港の西側突堤の岸壁復旧につきましては、引き続き、令和二年度及び三年度において、債務負担を活用いたしまして、西側岸壁先端部分のマイナス七・五メーター岸壁を整備し、これにより平成三十年に被災した岸壁の本格復旧が完了する予定でございます。

○藤井委員 西側の岸壁は今までも台風などの災害によってケーソンが動いてしまって、そのたびに復旧作業をしてきたという経緯があります。皆様のご努力に心から敬意を表したいと思います。
 台風が大型化している現状を踏まえまして、西側岸壁が破損しない構造物となるように改良するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○片寄離島港湾部長 利島港の被災は、近年の大型化した台風により、設計時の想定を超える波の力が岸壁に作用したことで生じたものと考えます。
 西側岸壁につきましては、現在の復旧工事により、被災前より岸壁の重量が大きくなることで、波に対する安全性が向上いたします。さらに、今後、最新の気象データ等に基づき波の大きさ等を想定し、これに耐えられる強度を確保するよう検討してまいります。

○藤井委員 利島の島民にとりましては大変重要な施設でございますので、早期に復旧をし、そして、より強い施設になるよう取り組んでいただきたいと思います。
 次に、三宅島についてですけれども、三宅島も定期船が重要な交通手段であります。また、雄山の噴火などの防災の観点から、港の整備が地元から要望されております。
 島しょの港湾整備事業の中で、三宅島の三池港防波堤基礎工事の予算、あるいは漁港整備事業として、三宅島の阿古漁港の岸壁ケーソン製作等で九億六千万、伊ヶ谷漁港の駐車場本体工事で五億六千万円が予算に盛り込まれておりますが、これらの事業の概要をお伺いしたいと思います。

○片寄離島港湾部長 三宅島には大型定期船が接岸できる港が三つあり、島民生活の安定や防災対策等のために、各港の機能を高めることが求められております。
 三池港では、大型定期船の就航率向上を目指しまして、港内静穏度を高めるため、岸壁の沖側に防波堤の整備を進めております。
 阿古漁港では、大規模災害後の応急復旧活動に必要な人員や物資の輸送機能を確保するため、岸壁の拡幅を行っているところでございます。
 また、伊ヶ谷漁港では、火山噴火時の大規模な島外避難に備え、バスの停車に対応した駐車場や、岸壁の越波を抑える消波工の整備を行っております。
 これらの港につきまして、来年度も引き続き整備を進めてまいります。

○藤井委員 ぜひ、引き続きの整備、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、伊豆諸島におけます空港について、何点かお伺いしたいと思います。
 空港整備事業といたしまして、三宅島空港の土木工事、調査設計費、一億六千四百万円が盛り込まれております。この三宅島空港の整備について、今後どのように取り組むのかお伺いをいたします。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 令和二年度の三宅島の空港整備事業といたしましては、場周柵の補修工事や火山ガス等の観測調査などのほか、新しいターミナルビル建設のための計画調査を実施いたします。
 新しいターミナルビルの検討に当たりましては、空港利用者の利便性を高める観点から、地元等も緊密に連携を行い、理解を得ながら推進してまいります。

○藤井委員 昨年のこの委員会の事務事業質疑でも私は発言をさせていただきましたが、その際、この三宅島空港に新たなターミナルビルをつくる場合に、ぜひ、今はない売店だとか喫茶店だとかレストランとか、こういった空港利用者の利便性を高めるべきだということを訴えさせていただきました。
 島内における事業者の確保など、課題もあると思いますが、地元関係者の意見を踏まえ、丁寧に検討進めるよう要望したいと思います。
 次に、航空路全般について確認をします。
 現在、調布飛行場から伊豆諸島の各島、大島、新島、神津島、三宅島に十九人乗りの小型飛行機が定期航空便として往復しています。
 私もよく利用させていただきますが、大変貴重なこの航空便でございます。大型船だと十時間近くかかりますので、こういった航空便の昨年度の実績について、まず伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場と大島、新島、神津島、三宅島の各空港間に就航しております定期航空便の平成三十年度の実績は、約七千二百便で、約九万八千人の方が利用しております。

○藤井委員 よく小池知事は、伊豆諸島のことを宝島ということで大変関心を向けていただいておりまして、やはり大事なこの東京都の資源として、今後こういった伊豆諸島の活性化は大変重要な課題だと思います。
 そういう意味では、交通の便でありますこの航空便であるとか、あるいは今、竹芝から出ている大型の客船、そしてまたさらに、特に高速ジェット船というのが非常に人気があるんですね。
 大島等に出ておりますこのジェット船、大変短時間で快適な船の旅ができるということで人気があるわけですけれども、こういった交通アクセスを充実させることが伊豆諸島を活性化させる大きな要素だと私は思っております。
 次に、本土から八丈島空港への航空便についてですけれども、実は羽田空港から大島に定期航空便が八丈島に行っておりますが、さらに名古屋空港などからチャーター便として八丈島にジェット便が運航しているというふうに聞いておりますが、これらの現状、実績はどうなっていますか。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 羽田空港と八丈島空港間に就航しております定期航空便の平成三十年度の実績は、約一千便で、約十九万七千人の方が利用しております。
 また、平成三十年度の観光チャーター便の実績は、三十便が運航され、約千八百人の方が利用されております。

○藤井委員 ただいまご説明ありましたように、八丈島と本土を移動する多くの旅行客が航空路を利用しているということでございます。
 伊豆諸島の中でも八丈島は、航空路の利用者が多く、島民だけではなくて観光目的で島を訪れる方々にも大変重要な交通手段であります。
 特に、運航されております観光チャーター便は、今後ニーズの拡大が期待できるというふうに、また、島の経済に大きな効果をもたらすというふうに考えています。
 そこで、この八丈島と地方空港を結ぶ観光チャーター便の拡大に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 地方空港と八丈島空港とを結ぶ観光チャーター便につきましては、各地域の観光ツアー客が羽田空港を経由せず、直接八丈島に乗り入れることができるため、ポテンシャルの高い魅力的なアクセス手段となっております。
 今年度は、名古屋、岡山、広島の各地方空港と八丈島空港とを結ぶことで、参加した観光客等からは高い評価を得たと聞いておりまして、今後も地方のシニア層やファミリー層を中心にさらなる需要増が期待できると考えております。
 そこで、さらなる増便や新たに就航する地方空港の拡大に向けまして、地元町役場や観光協会と連携して、運航航空会社や地方公共団体等への働きかけを実施してまいります。

○藤井委員 私は、調布空港は本当はもっともっと滑走路を拡張して、今、八百メーターですけれども、これを拡張してもっともっと大型飛行機が各島に行けば、もっともっと旅行客はふえるというふうに思っております。
 ただ残念ながら、今の調布飛行場は拡張はしないという国との約束があるということもお聞きいたしましたし、また、各島も、三宅島にもこういった航空路を拡張すれば大型便が来るというふうに思っていますが、これもなかなか難しい。
 今のチャーター便も、今の大島にも立派な飛行場がありますから、これを活用してチャーター便を飛ばしたらどうかというふうにも考えますけれども、なかなか課題があるというふうに聞いております。
 ぜひ、こういったさまざまな政策、さまざまな取り組みを皆さん方の知恵を出していただいて、それぞれの島が多くの方々から訪問される、活性化されるように、ぜひ取り組んでいただくよう要望したいと思います。
 最後に、防災対策について確認をしたいと思います。
 島しょの港湾整備事業の中で、神津島港の津波避難施設を整備することが盛り込まれております。
 前に新島の津波避難施設について確認をさせていただきましたが、もし南海トラフ地震が発生した場合、この神津島には最大で二十メーター以上の津波が押し寄せるということが予想されております。それまでに、港の利用者等が避難できる、こういった津波避難施設を整備する必要があると考えます。
 そこで、この津波避難施設の概要と避難対象者の考え方について伺います。

○片寄離島港湾部長 神津島港では、南海トラフ地震により深さ約十七メーターの浸水が想定されており、余裕高を加えた安全な高さに避難スペースを配置した高さ約二十七メートル、延べ面積約六百七十平方メートルのタワー型の建物を整備する予定としております。現在、設計が完了しており、来年度から建築工事に着手していく予定でございます。
 避難対象者といたしましては、高台までの避難に時間を要する岸壁等の利用者を想定しており、大型貨客船と高速ジェット船の年間最大乗降客と荷役作業従事者等の合計約六百人が避難できる施設としております。

○藤井委員 この神津島の津波避難施設については、なかなか工事業者が決まらずに工事計画がおくれているというふうにも聞いております。引き続き、早期に整備ができるよう取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、局長にお伺いしたいと思います。
 これまで島しょの港湾、空港の整備、防災対策などについて確認をしてまいりましたが、伊豆諸島の島民が安心して暮らしていくために重要な施設でありますし、今後もしっかりと取り組んでいくべきと考えますが、局長の決意を伺います。

○古谷港湾局長 島しょ地域には、約二万五千人の島民の方々が暮らし、島ならではの美しい自然などの魅力に引かれ、多くの観光客が訪れております。港湾や漁港、空港が交通アクセスの拠点等として、島民の生活と島の活性化を支える重要な役割を有しております。
 これまで、厳しい気象、海象条件など、各島の実情や特性も考慮しながら整備を着実に進め、航路及び航空路の就航率や利便性の向上を図ってまいりました。また、切迫する大規模地震やそれに伴う津波、火山噴火など、自然災害に備える防災力向上の観点も大切でございまして、津波避難施設や緊急輸送用岸壁等の整備も進めております。
 現在は、新型コロナウイルスの島内への感染拡大を防止するため、玄関口である港や空港での水際対策にも力を入れているところでございます。
 今後とも、庁内各局、国や地元等、関係機関と緊密に連携しながら、一層の機能強化や防災対策に、積極的に取り組んでまいります。

○山崎委員 私の方からは、東京港における、オリ・パラ大会時における円滑な港湾物流の確保に向けた取り組みについて、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 我々これまでも、都議会自民党として何度も指摘をしてきたとおり、大会期間中の東京港のふ頭周辺では、大会関係車両とコンテナ車両による交通混雑が発生することで、港湾物流に深刻な影響が出るのではないかという懸念をされております。
 このため、都は、これまで港湾関係事業者の協力を得ながら、コンテナターミナルにおいて貨物を搬出入できる時間、いわゆるゲートオープン時間の拡大に向けたトライアルを実施するなど、大会時の交通混雑対策について検討を進めてきたわけであります。
 我が党はさきの代表質問においても、この課題解決に向け、コンテナターミナルのゲートオープン時間を深夜にまで拡大するなど、港湾地域での物流を可能な限り夜間にシフトすることが有効である、そういうことをしっかりと指摘させていただいたところでもあります。
 先日の三月三日だったと思います。都は大会時における東京港の取り組みについて取りまとめを行いましたが、コンテナターミナルのゲートオープン時間については、港湾関係事業者の相当な努力によって、大幅に時間を拡大したものとなっております。
 大会時の円滑な港湾物流を確保するためには、今回取りまとめた対策について、東京港の物流にかかわる全ての関係者が正しく認識をし、その効果を最大限発揮できることが極めて重要であると考えます。
 そこで、今回はこの観点から質問を始めさせていただきたいと思います。
 まず最初に、対策の大きな柱であるコンテナターミナルのゲートオープン時間の拡大について、これまで三回のトライアルの結果から、どのような効果や課題が明らかになったのか、まずお伺いをいたします。

○相田港湾経営部長 都はこれまで、コンテナ貨物取扱量が増加すると予想されたゴールデンウイークの前後、夏のスムーズビズ集中取り組み期間に加え、年末年始において、ゲートオープン時間を拡大するトライアルを実施してまいりました。
 これまでの三度のトライアルを経て、荷主やトラック事業者等には、対策期間中に貨物量を減らす取り組みや、貨物の搬出入時間帯を変える取り組みについて、一定程度浸透してきたと考えております。
 特に、ゴールデンウイークや夏のトライアルを踏まえ改善を行いました年末年始のトライアルでは、取り組みを早期に周知したことにより、港が混雑するトライアル期間の利用が回避され、全体の物流車両の来場数が減少することとなりました。
 また、早朝につきましては、通常八時三十分のゲートオープン開始時刻を一時間早めて、七時三十分からといたしましたが、早朝に来場する物流車両が大幅に増加し、日中から早朝へシフトしたことが確認できました。
 一方、夜間につきましては、通常十六時三十分で終了のところ、十八時の受け付け終了といたしましたが、全体の物流車両自体が抑制されたこともありまして、利用が伸びなかったという結果に終わりました。
 このため、混雑緩和に向けては、午後の時間帯にコンテナターミナルへ来場する物流車両数をさらに抑制し、夜間の時間帯への一層の分散を図ることが課題となりました。

○山崎委員 これまで三度のトライアルを実施し、取り組みについて浸透してきた部分もあるということでありますが、大会本番時には、効果が余りなかったということは許されないわけであります。
 いまだに夜間の時間帯への物流車両の分散が課題であるとのことでありますが、慣行化された物流の全体の流れを日中から夜間にシフトをさせるためには、より大胆な取り組みが必要であります。
 先日、都が公表した対策において、深夜の時間帯にかけてゲートオープン時間を拡大するとのことでありますが、そこで、都が今回公表した大会時の対策は、これまでに判明した課題の検証を踏まえたものとしっかりなっているのか、答弁をお願いいたします。

○相田港湾経営部長 大会時のコンテナターミナルのゲートオープン時間の拡大につきましては、これまでのトライアルに関する関係者との検証を踏まえ、内容を大幅に拡充することといたしました。
 基本的な考え方として、物流車両の分散化の効果が高い早朝については、引き続き同様に実施し、課題のあった夜間については、より活用しやすくなるように大幅に時間を拡大することといたしました。
 さらに、大会前後の期間も時間拡大を行うことで、大会期間中の貨物総量の抑制を図ることといたしました。
 具体的には、特に混雑が見込まれるオリンピック大会期間とその直前の三日間を重点取り組み期間として全国初の深夜ゲートオープンを実施することとし、通常八時間のゲートオープン時間を、七時三十分から翌朝の四時までの二十・五時間といたしました。
 それに加えて、輸出入の前倒しや後ろ倒しに対応できるよう、大会前後の期間においても、七時三十分から十八時受け付け終了までゲートオープンするといった時間拡大を実施してまいります。
 このゲートオープンの取り組みと二十四時間利用可能な貨物の一時保管場所であるストックヤードの設置をあわせて実施していくことで、物流車両の時間的分散化を効果的に進めてまいります。

○山崎委員 今、答弁の中にもありましたこの試みというのは、深夜のゲートオープンというものは全国で初、また、全国でも例がない取り組みを実施するということであります。また、物流の流れを夜間にしっかりシフトさせること、こういったことも必要であると思います。
 また、これまでも我が党が繰り返し主張をしてきましたが、コンテナターミナルから引き出したコンテナ貨物を一時的に置いておける場所をふ頭の周辺に配置し、使い勝手をよくすることもまた重要であると考えます。
 都はこれまで、この貨物の一時保管場所であるストックヤードの運用についてもトライアルを実施してきたと聞いておりますが、先ほどはゲートオープン時間のトライアルの件をお聞きいたしましたが、ここでは、トライアルにおける、今度はストックヤードの方の、実際に物流車両の時間的分散化に効果があったのか、また、そのトライアルを踏まえて大会時にはどのように運用していくのか、お伺いをいたします。

○相田港湾経営部長 ストックヤードにつきましては、これまで二度のトライアルを実施することで認知度が向上し、一回目には五六%程度だった利用率が、二回目には七割を超えることとなりました。
 また、二回目のトライアルでは、早期の周知を行うとともに、運用ルールを、ターミナルからの貨物搬入は当日の十五時まで、ストックヤードからの貨物搬出は十八時から翌朝八時までとしたところ、貨物の多くが道路のすいている朝四時から八時の早朝の時間帯にストックヤードから搬出されていることが確認できました。
 これは、ターミナルが比較的混雑していない午前中から昼過ぎまでの時間帯にコンテナを搬出した上でストックヤードに仮置きし、道路がすいた早朝に荷主や倉庫等に配送されていることを示しており、物流車両の時間的分散化に非常に効果があったと認識しております。
 このため、大会時には実施規模を大井地区、城南島地区、青海地区、中防外側地区の四カ所六百台規模に増設し、七月から九月の三カ月間実施することとしました。
 今後、ゲートオープン時間の拡大とあわせて、これらの取り組みを効果的に活用していただけるよう丁寧に周知を図ってまいります。

○山崎委員 ストックヤードを大幅に増設するとのことであり、多くのトラック事業者の方々にうまく利用していただければ、交通混雑緩和に大きな効果が上がると考えられます。
 しかし、何よりも重要なのは、港湾物流にかかわる荷主を初めとした事業者たちが、この対策の趣旨を十分理解し、実際に物流の流れを変えていただくことであります。
 これは、これまでの慣行化された行動を変えてもらうわけでありますから、事業者の方々にとって大きな負担が生じるとも考えられます。それでも、混乱で荷物が届かないといったことを避けるためには、配送計画そのものを変える、つまり、時期や時間を変えてもらうということが必要であり、そのことを荷主や物流、トラック事業者などなど多くの方にきちんと理解をしてもらわなければならないわけであります。
 都は丁寧に周知をしていくとのことでありますが、さまざまな関係者に情報を確実に届けるために、しっかりとした伝え方を工夫するべきであると思います。
 荷主や物流事業者、トラック事業者など、港湾物流にかかわる全ての関係者に都の取り組みに関する徹底した周知を行い、協力を要請していくことが重要と考えますが、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

○相田港湾経営部長 大会時には多くの荷主や物流事業者等に配送計画を見直していただくことが必要となることから、取り組みの全体像をわかりやすく取りまとめたパンフレットを作成した上で、早期に公表させていただきました。
 大会に向けた取り組みについては、これまでも積極的な周知を行ってまいりましたが、今後も、パンフレットの配布はもとより、千名を超える会員登録者に向けたメールマガジンの配信や特設ホームページの活用により効果的に情報を発信するとともに、荷主や業界団体等への説明を繰り返し行うことで、さらなる理解の促進を図ってまいります。また、大企業から中小企業まで幅広く都の取り組みを周知するため、全国紙への広告の掲載を行っております。
 こうした取り組みを進めることで、貨物配送時間の変更に関する荷主等の一層の理解と協力を得られるよう努めてまいります。

○山崎委員 今、一層の理解や協力を得られるように努めていく、そういう答弁がございました。やはりポイントは、各業界団体への周知だと思います。もちろん周知をして、その業界団体がどう自分たちの団体に下におろしているか、どのように各それぞれに伝わっていっているのかということが重要だと思います。
 ここを都の港湾局として、しっかりそこまできめ細かく、どのくらい浸透しているのか、我々は代表の皆さんに説明をしたからもう終わりですよ、そういうことではなくて、どこまで浸透しているかというものをしっかりと皆さん方も最後まで見ていただきたい。これはしっかりと要望させていただきたいと思いますので、その点もよろしくお願いをさせていただきたいと思います。
 冒頭にも申し上げたように、今回の深夜ゲートオープンは、ほかの港では類を見ない、先ほどもいいました全国でも例のない、全国初の取り組みであり、港で働く港湾労働者の方々が、大会時に何としても円滑な物流を実現していこうという強い意思の上にでき上がった取り組みだと考えております。
 そのような中で、これらの取り組みが実際に利用されなければ、港湾労働者の皆さんのせっかくの努力も水の泡となってしまうわけであります。ぜひ、物流業界全体の意識を変えるという覚悟で取り組んでいただきたいと思います。
 また、一つ要望させていただきたいと思いますが、この取り組みによって、働き方改革との整合性というか関係性、こういったものも各それぞれの団体の皆様からも心配の声が上がっておりますので、やはり港湾局としてもこの働き方改革、こういったところとの関係性というものをしっかりと、そのことも含めて周知徹底をしていただければと思いますので、その点もつけ加えさせていただきたいと思います。
 また、大会後の東京港をどうしていくのかも大きな課題であると考えます。大会時の混雑対策は、多くの方々の協力のもとでこれまでにない対策を実施することとなっておりますが、これを今回限りの対策にせず、今後に生かしていくことが重要であると思います。
 もちろん、東京港の機能強化に向けては、再編整備などのハード整備がまず重要だと思いますが、今回の対策で得られた知見をできる限り活用することが重要であると思います。
 まさにこれがレガシーとなるような、そういった形になればありがたいと思っておりますので、大会時における交通混雑対策は、可能な限り大会終了後も実施をし、それで得られた知見を今後の東京港の整備や運用に生かしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○相田港湾経営部長 大会時に行うゲートオープン時間の拡大等については、東京港の交通混雑緩和の実現に極めて有効な取り組みであると考えておりまして、これらの取り組みを大会後にどのように生かしていくか、港湾関係事業者と引き続き協議を行っていくことが必要であると認識しております。
 加えて、都は現在、コンテナターミナルに来場する物流車両の予約制の検討にも取り組んでおりまして、物流車両の時間的分散化を進める上で、大会時に得られた知見を十分踏まえて制度を構築していくことも重要であると考えております。
 また、ハード面におきましても、東京港の機能強化を進めるため、中央防波堤外側地区の新コンテナターミナルの開業を契機に、既存ふ頭の再編整備にも取り組んでいく予定でございますが、コンテナヤードの再配置等を検討するに当たりましては、大会時の経験も踏まえ、車両の待機場所の確保などに留意しながら進めてまいります。
 今回の対策を一過性のものとせず、大会時に得られた知見も踏まえつつ、東京港の交通混雑緩和に全力で取り組んでまいります。

○山崎委員 ぜひ、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。この大会時、大会後、またそして将来につながる、また、将来を見据えた東京港の機能強化にしっかりとつなげていただきたいということを、要望を最後にしておきたいと思います。
 また、今回のさまざまな深夜ゲートオープン拡大に関しても、また、さまざまな今回の取り組みについても、港運の関係団体、関係者の方々が非常に積極的に、自分たちでもやっぱり東京大会をしっかりと円滑に結びつけていきたい、成功させていきたい、そういう思いの中でこういった取り組みが港湾局の皆さんとのしっかりとした連携の中でつくり上げたことだと思っております。
 ほかの、例えば今、オリンピックの輸送の問題がいろんな各会場等でありますけれど、港湾局の皆さんが三回もトライアルを実施していただいたこと、これには本当に私も皆様に感謝を申し上げたいと思います。こういう三回のトライアルがあったからこそ、今回のこのような取り組みが生かされるわけでありまして、先ほどもお話をさせていただきましたが、オリンピックはもちろん成功にしっかり結びつけて、そして大会後にしっかりレガシーが残る、そういう東京港の機能強化に向けても、これからもしっかり取り組んでいただきたいことを強く要望して、私の質問を終わります。

○あぜ上委員 それでは私から、第九十六号議案、東京国際クルーズふ頭桟橋外一施設の指定管理者の指定について、質疑をさせていただきたいと思います。
 私たち日本共産党都議団はこれまでも、レインボーブリッジをくぐれない大型客船がどのぐらい東京港に寄港するのか見通しが立っていない、こういう中で、晴海客船ふ頭があるにもかかわらず、新たに青海に大型客船ふ頭をつくるということは、都民の皆さんの理解や合意は得られないんじゃないかということを申し上げてまいりました。
 そして、巨費を投じて大型客船ふ頭をつくるべきではないというふうに反対をしてきたわけですが、この間、新型コロナの感染症では、クルーズ船の限られた空間の中でたくさんの患者が発生したということもあって、先ほどもお話がありましたキャンセルが相次いだと。都が誘致活動し、ようやく何隻かのクルーズ船が寄港するということになりましたが、先ほどご答弁があったように、ここに来てキャンセルが続いているという実情だと。キャンセルの中には、九回の大型クルーズ船も含まれていると伺っているところです。
 まず伺いたいのは、この指定管理者の事業計画どおりに寄港しなかった場合、利用がキャンセルになった場合は、指定管理料というのはどうなるのか伺います。

○戸谷港湾振興担当部長 指定管理料の考え方についてでございますが、客船寄港予定数の増減等によりまして、当初事業計画で見込んだ収支に大幅な変更が予想されるときは、指定管理者と協議の上、指定管理料の見直しを行うことがございます。
 なお、このことは指定管理者の公募時の要項にも記載してございます。

○あぜ上委員 今ご答弁がありましたが、協議の上、見直すということですが、参考指定管理料は五億一千四十一万ということで記載されておりましたが、寄港数が大幅に減ると指定管理料も減ると。それは大幅な変更があった場合だというご答弁なんですが、そうしますと、その大幅な変更というその目安はあるのかどうか、その点伺いたいと思います。

○戸谷港湾振興担当部長 大幅な変更の基準ということでございますが、特に基準というものがあるものではございません。先ほど申し上げたように、当初事業計画で見込んだ収支に大幅な変更が予想されるときは、指定管理者と協議の上、指定管理料の見直しを行うことがあるということでございます。

○あぜ上委員 そうしますと、指定管理料の上限というのは見込んでいるのでしょうか。

○戸谷港湾振興担当部長 寄港回数の増減等によりまして収支に大幅な変更が予想されるときは、指定管理料の見直しを行うことがあると申し上げましたが、特に上限を定めているものではございません。

○あぜ上委員 上限はないと、そして、大幅な変更の目安は特にないということなんですが、今後のことを考えますと、今回のようなコロナウイルス感染症問題の影響、また、大型クルーズ船の人気の変動によっても、かなり指定管理料は不安定になるんじゃないかと思うわけですが、先ほどご答弁で、ことし四十四回が三十三回に寄港が減ったというご答弁が他の委員の方からの質疑であったんですが、三十三回という寄港になったというのは、いつの時点でのカウントでそうなったのか、ちょっとそこだけ確認させてください。

○戸谷港湾振興担当部長 先ほどの三十三回というカウントでございますけれども、年末の時点で四十四回ということを申し上げました。そこから十一回のキャンセルということでございますが、これは、昨今話題になっております新型コロナウイルスが蔓延して、いろんな状況が出てきたものを受けまして、各クルーズ船社がさまざまな判断をしてということなので、直近の状況でございます。

○あぜ上委員 直近の情報だと。実は、おととい静岡県もクルーズ客船の寄港が大幅下方修正されました。七十三回ことしは予定していたけれども、二十五回になったということでありました。そういう点では、新客船ふ頭国際ターミナルもさらなる寄港減があり得るわけですね。
 ここに来て、フランスのカンヌ、ここでは、大型客船はSDGsの達成を阻害する要因だというふうにしまして、寄港を禁止する、こういう事態になりました。国際社会では、気候変動問題から大型客船に厳しい目が最近向けられてきております。
 私も以前、大型客船の大気汚染問題を指摘してきましたけれども、寄港についてますます見通しが立たなくなってきているのではないかというふうに思うわけです。
 この間、何度かこの議論を重ねてきたわけですけれども、大型客船を、誘致活動すれば、何とか東京港にも来てくれるんじゃないかと、そういった余りにも見通しの、根拠の薄い、そういう客船計画だったといわざるを得ないというふうに私は思うわけです。
 東京国際クルーズふ頭桟橋とこの東京国際クルーズターミナルで、整備にかかった総額というのは一体幾らになっているんでしょうか。

○山岡港湾整備部長 本年七月の開業に向けて工事を着実に進めており、整備に係る総額は約三百九十億円程度を見込んでおります。

○あぜ上委員 来年度の決算でまた正確な数字が出てくるんだと思いますが、総額は三百九十億ということでございます。それだけの巨費を投じてつくったけれども、今後の見通しも非常に厳しくなっているというのが現状ではないでしょうか。もうできてしまったのだから指定管理はしようがないということでは済まされない問題であるといわざるを得ないと思います。
 その上、都は、港湾計画で二バースにするという予定を立てておりますが、二バースにした場合は、さらに経費がかかると思うんですが、どのぐらい経費がかかるのか伺いたいと思います。

○山岡港湾整備部長 第二バースにつきましては、平成二十九年の港湾審議会の審議を経て、港湾計画に位置づけたところでございます。
 具体的な事業費等につきましては、今後、事業化後に調査設計に着手し、詳細設計の結果を踏まえて算出することになります。

○あぜ上委員 今後さらに、まだ見通しも立っていない中で二バースにするという港湾計画ができてしまったわけですが、やっぱりこれは都民の理解は得られないというふうに思います。この二バース計画は当然見直しをすべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。

○森澤委員 私からは、臨海部のまちづくりについて伺います。
 未来の東京戦略ビジョンでは、臨海部には、区部中心部との近接性、国内外の玄関口、東京二〇二〇大会のレガシーの集積等の強みを生かし、世界から人と投資を呼び込み、東京と日本の持続的成長を牽引する未来創造域が形成と、将来像が描かれています。
 先月公表されたスマート東京実施戦略においては、五つの先行実施エリアで、それぞれの地域の特性を生かしたモデルを構築し、都内各地へ取り組みを拡大するとしています。西新宿や南大沢のほか、ベイエリアもその先行実施エリアの一つとして示されています。
 ベイエリアには産技研などの研究施設もあり、さらに、これまでも広い土地や道路を生かし、自動運転の実証実験などが行われているなどしてきています。私もそのポテンシャルの最大化の取り組みに注目をしているところであります。
 来年度、ベイエリアデジタルイノベーションシティーに向けた検討を行うということですが、具体的にどういった方向性で検討を行っているのか、見解を伺います。

○中村臨海開発部長 都は、未来の東京戦略ビジョンにおいて、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送ることのできるスマート東京を実現することを目指しております。
 ベイエリアは、今後の東京の成長を牽引する重要なエリアでもあり、世界の先進都市と伍していくためにも、5Gを初めとする最先端の技術を展開していくのに最もふさわしいエリアの一つです。
 ベイエリアの中核となる臨海副都心において、これまで培ってきた観光、交流、そして研究開発、産業創成のまちという強みを生かして、デジタルテクノロジーがまちに実装され、スタートアップが集積するエリアの実現に向けた検討を行ってまいります。

○森澤委員 世界の先進都市と伍していくという力強いお言葉もありました。デジタルテクノロジーがまちに実装され、スタートアップが集積するエリアの実現に向けた検討を行っていくということで期待していきたいと思っております。
 次に、晴海地区について伺います。
 現在、選手村の整備が進められている晴海地区ですが、選手用の宿泊施設は、大会後にはリフォームされ、分譲住宅、賃貸住宅、サービスアパートメント、サービスつき高齢者向け住宅など、さまざまなニーズに対応した住宅として活用される予定です。
 商業施設や保育園、小学校など子育てに関する施設も整備され、敷地内で生活を完結できる都市型のコンパクトシティーとして、大会後のレガシーにつながるまちづくりが進められるということです。
 水素ステーションを設置し、パイプラインによる街区への水素供給を実現するなど、環境先進都市のモデルケースとしても期待されているところであります。
 そういった中、この新しいまちの特徴は、三方を海に囲まれているというところにあり、この地理的メリットを最大限生かしていくことが、まちの魅力をさらに高めることにつながると考えます。
 そこで、晴海地区における水辺の整備の考え方とその取り組み状況についてお伺いをいたします。

○中村臨海開発部長 東京二〇二〇大会の選手村が配置される晴海地区では、水辺の魅力が十分に発揮されるとともに、都民が身近に水辺と触れ合うことができるよう、水際において海上公園の整備を進めております。
 晴海地区の南側の水際沿いには、延長約一キロメートルに及ぶ晴海緑道公園を新たに計画し、西側に位置する晴海ふ頭公園においては、面積の拡張とともに全面的な再整備を実施してまいります。
 これらにより、豊洲地区の区立豊洲ぐるり公園から始まる水際沿いの公園が晴海地区にまで広がり、水と緑のネットワークの構築にもつながるものとなっております。

○森澤委員 かなり水際に大きな公園が整備され、そして、広域での連続性も生まれ、水辺の魅力を感じることができる海上公園の整備の取り組みを進めていくということがわかりました。
 こうしたハード面の取り組みも大切ですが、水辺の魅力を高めるには、多くの人々が集うようなにぎわいづくりに資する仕掛けも重要であると考えます。
 昨年の事務事業質疑において、海上公園におけるにぎわい創出について質疑をさせていただきましたが、その際、民間事業者の柔軟なアイデアを取り入れた魅力を高める施設の導入や対象となる公園を検討中との答弁がありました。その後の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○中村臨海開発部長 海上公園における民間の活力を生かしたにぎわいの創出に取り組むため、晴海ふ頭公園を対象として、公園の魅力を高める飲食施設を設置、運営する事業者の公募を本年二月に実施いたしました。
 本年度末までに応募事業者からの提案内容について審査を実施し、事業者の選定を行っていくとともに、東京二〇二〇大会後となる令和三年度の施設オープンを目指しております。
 引き続き、平成二十九年五月に策定した海上公園ビジョンに沿って、民間の活力を生かした取り組みを検討してまいります。

○森澤委員 晴海ふ頭公園において、民間事業者によって公園の魅力を高めるような取り組みがなされることを期待したいと思います。
 東京二〇二〇大会により、競技施設が集積する臨海地域が注目され、多くの方でにぎわうことになると思います。こうしたにぎわいが一時的なものとならないよう、先を見据え、水辺の魅力を生かしたにぎわいの創出に向けて、引き続き着実に取り組みを進めていただきたいと思います。
 そして、今ありました晴海ふ頭公園での事業者公募の成果を踏まえ、今後、ほかの海上公園においても、民間事業者の柔軟なアイデアを取り入れたにぎわい創出に向けた取り組みを検討していただくことを期待し、私の質問を終わります。ありがとうございます。

○白戸委員 本定例会で付議されました海上公園条例及び規則の改正に関連し、シェアサイクルを初めとする自転車活用の環境整備について質問させていただきます。
 自転車の利用は、昨年策定されました東京都自転車活用推進計画において、健康増進や観光推進のために有用な手段と位置づけられています。
 実際に、近年、スポーツ志向のロードバイクの愛好者のみならず、インバウンドの方々にも手軽な交通、観光手段として自転車の利用者がふえており、ことしの夏に行われます東京二〇二〇大会を機に、自転車の利用がますます増加するのではないかと期待されます。
 こうした状況の中、自転車の走行空間については、現在、建設局、港湾局とで連携し、また、国とも連携をして着実に整備を推進してきているところですが、今回、目的地における環境整備について着目していきたいと思います。
 今回の条例改正により、目的地となる海上公園にサイクルポートを設置しやすくなり、シェアサイクルの利用拡大につながるものと考えますが、そこでまず、今回の条例の目的について伺います。

○中村臨海開発部長 シェアサイクルは環境に優しい交通手段であることから、その普及に向け、これまで地元区と連携し、実証実験として海上公園等へのサイクルポートの設置に協力してまいりました。
 本実験において、海上公園を初めとする臨海部へのアクセス向上に寄与することが認められたことから、本年四月からの地元区によるシェアサイクルの本格実施の開始に合わせ、都としても、さらなる環境整備を後押しするため、サイクルポートの設置に関する規定整備を行うものでございます。

○白戸委員 今回の条例改正によりまして、シェアサイクル普及のための制度は整備されるということなのですが、現在のサイクルポートの設置場所を見ますと、この人気の高い臨海副都心内の海上公園にとどまっているという形になっております。
 シェアサイクルの活用をさらに促進させるためには、臨海部に広く設置されているこの海上公園へのアクセスを向上させ、水辺などの自然やスポーツ施設などのさまざまな特徴を持ちますこの海上公園の魅力をより多くの都民やインバウンド旅行者に知ってもらえることにつながるのではないかと考えます。
 そこで、今後、積極的に海上公園内にサイクルポートの設置を進めるべきと考えますが、所見を伺います。

○中村臨海開発部長 現在、四公園十カ所にサイクルポートが設置されておりますが、今後、海上公園へのサイクルポートの設置が進み、シェアサイクルが利用しやすくなることで、海上公園間及び臨海地域全体の回遊性が高まり、海上公園利用者の利便性が向上すると考えております。
 また、シェアサイクルを活用した公園へのアクセスが向上することで、観光振興や海上公園のにぎわいの創出が期待されます。
 そのため、地元区などと連携し、海上公園の魅力のPRとあわせてサイクルポートの設置を促し、シェアサイクルの普及拡大に努めてまいります。

○白戸委員 シェアサイクルにおきましては、この海上公園内におけるサイクルポートの設置により、利用環境が整備されていくことが理解できました。
 私は、さきの一般質問でも発言させていただきましたが、自転車の魅力は、何に乗るかではなく、どこで乗るかだと考えております。この臨海部は水辺に面した開放感のあるエリアでありまして、今後、サイクリストに愛される場所になっていく可能性があります。
 私自身も、トライアスリートとして自転車に乗っておりますが、東京でも海風を感じる開放的な場所ができ、走れるようになるのを非常に楽しみにしております。
 そんなサイクリストの自転車の利用環境をさらによくしていくためには、シェアサイクルだけではなく、ロードバイクの駐輪スペースの設置や休憩所などについても要望しておきます。
 今後とも、自転車の利用拡大に対応していくため、引き続き、自転車が安全で快適に通行できる自転車走行空間の整備を進めるとともに、目的地側の受け入れ環境の整備も着実に進めていただくことをお願いして、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からは、最初に、調布飛行場について幾つか伺っていきたいと思います。
 最初に、調布飛行場の自家用機についてです。
 調布飛行場事故から四年八カ月、自家用機の運航自粛解除から一年半がたちました。住民の皆さんが注目している一つに、自家用機の分散移転はどうなるのかということです。
 私は、自家用機の分散移転が進むために大事だと思っていること、鍵になるのが、都と調布飛行場の自家用機所有者で検討している東京都調布飛行場の自家用機分散移転推進検討会での話し合いと、大島空港に建設予定の自家用機の格納庫が何台分つくれるのかということだと思っています。
 最初に、東京都調布飛行場の自家用機分散移転推進検討会の開催状況について伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場におけます自家用機の分散移転をさらに推進するため、都と調布飛行場の自家用機所有者で東京都調布飛行場の自家用機分散移転推進検討会を設置し、検討を進めてまいりました。
 同検討会につきましては、これまで四回開催しており、現在、次回の開催に向けて関係者と実務的な調整を行っているところでございます。

○尾崎委員 私は昨年の事務事業でも質問をしましたが、その際には、これまで三回開催しており、次回の検討会の開催に向け実務的に調整中とのことでしたから、事務事業質疑以降に一回開催しているということがわかりました。
 それでは、調布飛行場の自家用機を大島空港に移転するため、大島空港に格納庫等を設置するため、二〇一九年度予算が約四億五千万円計上されています。事務事業質疑のときにも設計、工事に着手していくと答弁がありましたが、その後の進捗状況について伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場の自家用機分散移転に関します今年度予算につきましては、都営大島空港での自家用機の常駐に必要な格納庫等の整備費を計上しておりまして、設計、工事を進めております。

○尾崎委員 それでは、調布飛行場自家用機の分散移転のための二〇二〇年度予算案はどうなっているのか伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場の自家用機の分散移転に関します来年度の予算といたしましては、大島空港において設置する格納庫ほかの整備費として約六億四千万を計上しております。

○尾崎委員 二〇一九年度、二〇二〇年度の二年間で、大島空港に調布飛行場の自家用機を分散移転するための格納庫等をつくることは大変重要です。調布飛行場を少しでも安全な飛行場にするためには、待ったなしの問題だと思います。
 それでは、大島空港に設置される自家用機の格納庫は何台対応できるのか伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 大島空港に設置予定の格納庫に収容する自家用機の機数についてでございますが、機体の大きさや駐機方法等により異なりますので、一概にお示しすることは困難でございます。

○尾崎委員 収納できる自家用機の台数、機数は機体の大きさや駐機方法等で異なり、一概に示すことは困難ということですが、ぜひ工夫をしていただいて、一台でも多く対応できるよう要望するものです。
 住民の方たちからは、いまだに飛行場で飛行機が飛ぶ音で墜落事故を思い出してしまう、こういう声もあります。二度と事故が起きないようにすることが必要です。まずは、都営大島空港への格納庫等の整備を急いでいただくことを強く要望するものです。
 次に、IR、カジノについて伺います。
 今年度のIRに関する調査は、どこに幾らで契約したのか伺います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 今年度の特定複合観光施設等に関する調査委託の契約の相手方は、みずほ総合研究所株式会社で、契約額は五百万六百円となっております。

○尾崎委員 それでは、今年度の調査はいつまでにまとまるのか伺います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 調査委託の履行期限は令和二年三月三十日となっており、その後、公表する予定でございます。

○尾崎委員 IRに関する今年度の調査は、どのようなテーマで、具体的に海外はどこを調査し、日本のギャンブル依存症についてはどのような調査をしたのか伺います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 今年度の調査は、国内のギャンブル等依存症及び海外のIR施設等に関する調査を実施しております。
 具体的には、ギャンブル等依存症対策につきましては、自治体や民間団体、ギャンブル等の業界の取り組みについて調査をしております。
 また、海外につきましては、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、仁川のIR施設等の最新の状況について調査しております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁の中でも、今年度の調査で国内のギャンブル依存症対策について調査したとのことです。
 オーストラリアのゲーム機械協会による二〇一七年の調査によると、世界の中でも特に、日本のギャンブル用ゲーム機保有台数は四百五十二万台で、ほかの国とは比較にならない状況で日本が突出しているということが明らかになっています。二位はアメリカの八十八万台で、日本はアメリカの五倍です。ここでのギャンブル用ゲーム機とは、スロットマシーンやビデオゲーム機器、パチンコ、パチスロ、テーブル用ゲーム機などが含まれています。この数字からも、カジノ以前に、既に日本では長年、世界でも類を見ないほどのギャンブル用ゲーム機の大国になっているということがわかります。
 こうした事態の中で、もしカジノがプラスされればどうなるのでしょうか。想像するだけでも恐ろしくなってしまいます。
 ギャンブル依存症はなぜ起こるのですか。原因をどのように認識しているのか伺います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 ギャンブル等依存症対策基本法によりますと、ギャンブル等依存症とは、ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活または社会生活に支障が生じている状態をいうとされております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁ですと、ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活または社会生活に支障が生じる状態、これがギャンブル依存症だというご答弁でしたが、私が聞いたのは、ギャンブル依存症がなぜ起きるのかということです。ギャンブル等にのめり込むその原因は何だと思いますか。
 神奈川県の神経科のお医者さんは、ギャンブルにアクセスしやすいほどギャンブル依存症の患者がふえると話しています。そして、賭博場の利用しやすさがギャンブル依存症の危険因子となる、ギャンブル依存症を発生する危険性を高める可能性があると話しています。自宅から三キロ以内にパチンコ店ができると、ギャンブル依存症を疑われる状態になる確率が高まるんだとも話していました。
 アメリカでは、カジノからの距離とギャンブル依存症率を調べたものがあり、カジノに近ければ近いほど常連になっている、問題ギャンブラーが多いことが明らかになっています。ギャンブル依存症は、近くにパチンコ店などがあるからだということです。
 ギャンブル依存症で回復のために施設に入り、仲間の支援でギャンブル依存を断ち切った人たちの体験を聞きましたが、最初から負け続けるのではなく負ける中でも勝つ体験をする、負けた分はギャンブルで勝ってお金を取り戻す、それでも負けると借金をしてギャンブルを続け借金返済のためにギャンブルで勝つことを目指す、勝ったときの高揚感があるためやめられないんだ、家族にうそをついてお金を手に入れギャンブルを行う、これを繰り返すのだということが明らかになっています。
 家族は、本人のためと思い尻拭いをする、本人にかわってお金を返済してしまう。しかし、その行為がギャンブル依存症をより悪化させてしまうのです。本人は、ギャンブルはやめると約束しても、また繰り返してしまうのが特徴です。
 ギャンブルは病気です。病気だと認めることから治療が始まる、完治できない病気です。
 IR型カジノのビジネス手法、例えば、勝ち負けを繰り返す、負けても勝っているような錯覚をさせる技法がある、二十四時間、窓と時計のない空間に閉じ込め、アルコールなどを無料提供する、カジノの中に高利貸しがいて、かける資金などの規制がないなど、ギャンブル依存症への誘導になっていることを、都はどのように認識していますか。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 日本のIRにおけるカジノの運営につきましては、カジノ管理委員会が今後定める規則に基づき実施されるものと意識しております。

○尾崎委員 日本のIRにおけるカジノの運営は、カジノ管理委員会が今後定める規制に基づいて実施されるということですが、カジノの事業者は世界で六社が独占しています。アメリカのカジノ大手であるラスベガス・サンズが日本を狙っていること、構造そのものがお客からお金を搾り取る、カジノはお客を逃がさない仕掛けがあることをカジノ業者自身が明らかにしているんです。
 パネルをごらんいただきたいと思います。これは、港湾局のホームページに掲載されている特定複合観光施設に関する調査分析報告書です。
 しかし、この中には入っていないものもあります。二〇一四年度、平成二十六年度に株式会社三菱総研に委託した臨海副都心における公共空間の一体利用等調査と、二〇一七年度、平成二十九年度にみずほ総研に委託した臨海副都心青海地区北側開発に関する調査については、ホームページに公開されていません。なぜ公開しないのか伺います。

○中村臨海開発部長 ご指摘の二件の調査は、青海地区北側のまちづくりの方向性を検討するに当たっての情報収集の一環で実施したものでございます。公表を前提に作成されたものではございませんが、開示請求があった場合は全て開示しております。

○尾崎委員 まちづくりの方向性を検討するための情報収集の一環で実施し、公表する前提で作成されたものではないというご答弁でした。私は、都民に知らせたくないことだから公表しないのかなと思います。
 それでは、二〇一四年度、平成二十六年度に株式会社三菱総研に委託した臨海副都心における公共空間の一体利用等調査と、二〇一七年度、平成二十九年度にみずほ総研に委託した臨海副都心青海地区北側開発に関する調査については、費用は幾らだったのか、また、この二つの調査は港湾局の委託した調査なのか伺います。

○中村臨海開発部長 二件の調査は、いずれも港湾局が委託した調査でございます。
 二〇一四年度調査の契約額は九百九十七万五百六十円、二〇一七年度調査の契約額は九百八十二万八千円でございます。

○尾崎委員 費用については、二つの調査とも約一千万円使っていることがわかりました。都民の税金を使っての調査です。
 日本共産党都議団は情報開示請求をして、何を調査したのか確認しました。二〇一四年度の臨海副都心における公共空間の一体利用等調査では、青海地区の現状と海外のIR、シンガポール、マカオ、ラスベガス、スケール比較も行っているんです。また、経済波及効果と雇用創出効果も試算し、青海地区北側でのIR施設、これが国内のどこの候補地よりも魅力的であるとまとめているんです。
 また、二〇一七年度の臨海副都心青海地区北側開発に関する調査では、結論として、カジノ併設の統合型リゾートが最も経済波及効果、雇用創出数が大きいとしているんです。
 ご答弁で、情報収集の一環で実施した、公開する前提で作成されていないなどとありますが、いい方を変えれば、本当に都民に明らかにしたくないことではないかと思ってしまいます。まちづくりは都民にとって重大な問題です。重ねて公開すべきものだと厳しく指摘をするものです。
 次に、このパネルをごらんください。これは、二〇一八年十月二十四日、港湾局が作成したIR--ここが黒塗りになっているのでどういう意味かわかりませんが--の開発の可能性、〔1〕、施設整備水準とカジノオペレーターの動向というタイトルもありますが、この中に、複合型施設であり、先行事例としてはシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズがかなり近い形態と記載をされています。
 シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズがかなり近い形態とはどういうことなのか、詳しく説明をしていただきたいと思います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 マリーナ・ベイ・サンズは、展示場、国際会議場、ホテルなどの複合施設でありまして、日本のIRにおきまして国が求める施設整備水準に近い形態であるということでございます。

○尾崎委員 シンガポールは、国際観光等の競争力効果を大義名分としてIRを導入しましたが、競争力は低下しています。世界経済フォーラムの発表で、旅行・観光競争力ランキングでは、シンガポールは前回の二〇一七年度は十三位だったのに、今回は十七位と下がっています。
 一方、日本は前回と同様、今回も第四位です。カジノがない日本が上位なんです。日本は恵まれた自然、文化などの観光資源が豊富です。観光資源に乏しいシンガポールは、カジノのような観光資源をつくるしかなかったのではないでしょうか。しかも、カジノをつくってランキングが落ちているんです。日本でわざわざIR、カジノをつくる必要はないのではないでしょうか。
 そして、重大なのはこの文書のタイトルです。先ほどもごらんになっていただきましたが、タイトルそのものが黒塗りになっている部分があって、肝心なところがわからないんです。しかも、カジノオペレーターの関心と動向というところでは、全て黒塗りになっているんです。カジノについて、都民の税金を使い、毎年のように調査を行って、その報告書を都民には知らせないというのでは都民は納得しません。黒塗りを剥がして全て公開すべきです。
 日本共産党都議団の情報開示で明らかになったみずほ総研がまとめた二〇一七年度、臨海副都心青海地区北側開発に関する調査委託報告書の中に、四つの開発コンセプトの検討をしています。四つの開発コンセプトとはどのようなものなのか伺います。

○中村臨海開発部長 カジノ併設の統合型リゾート、カジノなしのMICE拠点、観光・エンターテインメント拠点、産業・人材育成拠点の四つの開発コンセプトを設定して、幅広く比較検討したものでございます。

○尾崎委員 カジノ併設の統合型リゾート、カジノなしのMICE拠点、観光・エンターテインメント、産業・人材育成拠点の四つの開発コンセプトで、集客力、交通量、必要駐車場台数について平日と休日で検証し、事業採算性、経済波及効果などを試算したということです。
 このパネルをごらんください。これは、日本共産党都議団の情報開示請求で明らかになったものです。打ち合わせ記録簿の中で、二〇一八年三月一日の中間報告書案について、みずほ総研から統合リゾート案カジノ併設について、建築構造上、高層化が困難な展示場、会議場を大規模に整備しているため、延べ床面積が四案で最も小さい、そのため、カジノを併設しても事業採算性は必ずとも高くないとの意見が出されました。これに対して、東京都は見直すように指示をしましたが、東京都は何を指示したのか伺います。

○中村臨海開発部長 限られた土地や容積を最も有効に活用する観点から行ったものであり、建築構造上、高層化が困難である展示場や会議場と、高層化が可能であるホテルの配置を見直すように指示したものでございます。

○尾崎委員 都が指示したのは、結果として、カジノ併設の統合リゾートがほかの案よりも事業採算性が高くなるように、高層化が可能なホテルの配置を変えて収入をふやすということではありませんか。都は初めから、カジノ併設ありきで調査報告書をまとめたといわざるを得ません。
 それでは都は、カジノをつくることで経済効果が大きくなると考えるのでしょうか。認識を伺います。

○中村臨海開発部長 委託調査において、カジノの収益については、諸外国のIR施設の例を採用しており、これを踏まえ、カジノ併設の統合型リゾートの収益や経済効果は、他の開発コンセプトの収益や経済効果に比べて大きく算出されたものでございます。

○尾崎委員 ラスベガス・コンベンションセンター、面積は十九万平方メートルの状況を見ると、ラスベガスの展示面積は四十三万平方メートルで、全米の最大の見本市都市です。ラスベガスの最大の収入源は見本市だと二〇〇六年に公式発表しています。この公式発表によると、ゲーミング、カジノでの収入は少なく、全体の収入のわずか〇・四%にすぎないことが明らかになっています。収益の八割がホテルなどから収入を得ているんです。カジノがあるから収益や経済効果が大きくなるとはならないということがこの数字からも明らかではないでしょうか。カジノ抜きのMICE開発は可能だと指摘をしておきたいと思います。
 二〇一八年度、平成三十年度の特定複合観光施設に関する影響調査の報告書をトーマツがまとめました。その中で、シンガポールにおけるギャンブル依存症有病者率の推移がまとめられ、IR開発をきっかけに適切な対策を講じることで成果を上げている事例として紹介し、有病者数は減少しているとしていますが、減少した理由は何ですか。伺います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 シンガポールでは、IRの導入を契機といたしまして、ギャンブル依存症対策について、行政、カジノ事業者、医療機関等の包括的な連携のもと、二十四時間の相談体制やカジノへの入場制限などの取り組みが行われてきたと認識しております。

○尾崎委員 ご答弁を聞いていると、シンガポールのギャンブル依存症対策が効果を発揮しているというふうに受け取れます。表面的にはギャンブル依存症率が減っているように見えますが、そもそも市民のカジノ参加率が減っているんです。要するに、市民はカジノに参加させないこと、こうなっているんです。外国のお客さんが中心になっているから、その成果が出ているんです。
 シンガポールでは、市民の立入禁止を、自己破産者や政府からの財政的補助を受けている低所得者層を対象に開始されたそうですが、カジノにおける低所得者層の依存症が増大したことに伴い、二〇一二年から、公的住宅入居者、家賃滞納者などへの適用が拡大したことが大きいということがいわれています。
 このことからも、市民のギャンブル依存症をなくすには、カジノ施設に市民が行かないことだということになります。ギャンブル依存症の対策で一番効果があるのは、カジノ施設をつくらないことだということです。
 それでは伺いますが、賭博とカジノの違いは何ですか。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 賭博とは、一般的には金銭、品物をかけて勝負を争う遊技とされております。
 IR整備法のカジノ行為といたしましては、カジノ事業者と顧客との間、または顧客相互間で、同一の施設におきまして、その場所に設置された機器または用具を用いて、偶然の事情により金銭の得喪を争う行為であって、カジノ管理委員会規則で定めるものとされております。

○尾崎委員 説明がわかったようなわからないような状況ではあるんですが、私はこう思っています。日本は、そもそも賭博は禁止されています。カジノも賭博ですが、IR整備法のもとで例外とするものだとなっているんだと思います。私は、この例外は認めるべきではないと思います。
 二〇二〇年度予算案には、IRの調査費用は幾ら計上されているのか伺います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 来年度予算案では、IRの検討調査の費用といたしまして約一千万円を計上してございます。

○尾崎委員 東京都は引き続き、来年度予算案にもIRの調査費用は約一千万円が計上されているということです。
 それでは、二〇二〇年度の調査は、具体的に何を調査するのか伺います。

○深井企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長調整担当部長兼務 来年度の調査につきましては、今年度の調査を含むこれまでの調査結果や国の動向なども踏まえまして、具体的な内容を検討してまいります。

○尾崎委員 私たち日本共産党都議団は、代表質問でも、これ以上の調査は必要ないと考えて質問なども行ってきました。来年度の予算案に調査費用として一千万円を計上することは反対です。
 カジノ、ギャンブルは、負けた人のお金を巻き上げてもうけの原資としており、人の不幸の上に成り立つ商売です。ギャンブル依存における本人や家族の苦しみ、マネーロンダリングのおそれ、治安悪化などの懸念は、対策をとればいいというものではありません。住民福祉の増進が使命である東京都がカジノに手を出すことは許されません。カジノ誘致を断念することを求めまして、質問を終わります。

○両角委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は、いずれも終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十二分休憩

   午後三時十分開議

○両角委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより産業労働局関係に入ります。
 予算の調査、知事提出の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、産業労働局所管分、第八号議案から第十号議案まで、第六十号議案、第六十一号議案及び第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、産業労働局所管分並びに報告事項、食品産業振興に向けた支援方針中間のまとめを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○坂本総務部長 去る二月十七日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次でございます。資料は全部で十三項目ございます。
 次のページをごらんください。過去十年間の予算額、決算額の推移につきまして、一ページに中小企業対策、また、次のページをお開きいただきまして、二ページに農林水産対策、三ページに雇用就業対策をそれぞれお示ししてございます。
 なお、雇用就業対策につきましては、内訳として国基金事業関係費を記載してございます。
 次に、四ページをお開きください。平成十五年以降の従業者規模別都内製造業の推移をお示ししてございます。
 五ページをごらんください。商店街チャレンジ戦略支援事業につきまして、過去八年間の実績の推移をお示ししてございます。
 六ページをお開きください。過去十年間の都内労働者の賃金の推移をお示ししてございます。
 七ページをごらんください。過去五年間の派遣労働者数の推移につきまして、全国と東京都、それぞれについてお示ししてございます。
 八ページをお開きください。過去五年間の派遣元事業所数、派遣労働者数、派遣労働者の賃金の推移につきまして、全国と東京都、それぞれについてお示ししてございます。
 九ページをごらんください。過去三年間の都立職業能力開発センターにおける能力開発訓練、普通課程の授業料収入の推移をお示ししてございます。
 一〇ページをお開きください。過去五年間の都立職業能力開発センター校別の就職支援推進員の配置状況の推移をお示ししてございます。
 一一ページをごらんください。過去十年間の東京の農地面積の推移をお示ししてございます。
 一二ページをお開きください。平成二十二年以降の区市町村別農地面積、市街化区域内農地、生産緑地面積の推移をお示ししてございます。
 一二ページが区市町村別農地面積の推移、一三ページが市街化区域内農地面積の推移、また、次のページをお開きいただきまして、一四ページが生産緑地面積の推移でございます。
 一五ページをお開きください。島しょ地域の旅行者数につきまして、過去五年間の推移をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○両角委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○栗下委員 私からは、まず、新型コロナウイルス対策関連について質問をいたします。
 この間も新型コロナウイルスは、このアジア地域だけではなくて、欧米にも広く波及をしてまいりまして、WHOがパンデミックを宣言するについに至ってまいりました。
 こういう中で、都は第三弾の緊急対策を打ち出しまして、中小企業の経営者の方々だけではなくて、そこで働く従業員の方々、また、フリーランス、個人事業主の方々に新たなサポートを示せたというのは大きな前進です。
 しかし、その一方で、三月の末までイベント開催の自粛等をお願いせざるを得ませんでした。こういった状況もありまして、今、都内もそうですけれども、全国の中小企業を初めとする企業が大変厳しい環境に置かれております。
 この事態が進行するに従って、株価への影響も出てまいりまして、本当に何よりも、我々どもがふだんお話を伺うのは、中小企業の方々の本当に切実な声でありますけれども、本当に今まだ事態の収束が見通せない、こういった中で、不安と心痛を抱えておられる中小企業の方々にしっかりと寄り添っていくと。私たちもお話を伺う中で、本当にこの事態がもうあと一カ月続くようであれば、本当に路頭に迷うかもしれないんだと、そういう深刻なお声もたくさんいただいております。
 都の中小企業を守っていく立場として、この事態をしっかりと受けとめていかなくてはいけないと思いますけれども、改めて、今の危機的状況を都産労局としてどのように受けとめているのか、局長にお尋ねをしたいと思います。

○村松産業労働局長 新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、都内経済にも大きな影響が出ており、中小企業を取り巻く環境も厳しさを増しております。
 一月三十日に設置いたしました資金繰りや経営に関する特別相談窓口では、開設当初は一日五件程度であった相談が、最近では一日百四十件程度に増加しております。相談開始当初は、中国人観光客の減少による売り上げ減少や中国での生産停滞による影響などが中心でございましたが、最近では、感染拡大に伴いまして、中国関連取引以外にも、イベント中止により売り上げが減少している、あるいは受注減少により給与の支払いに困っているなど、その相談内容も多様化しているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、まず、先月編成いたしました補正予算では、経済への影響が最小限となりますよう、中小企業の資金調達や新たな販路開拓などをサポートすることといたしました。
 加えまして、補正予算編成後の感染拡大の状況や国の緊急対応策を踏まえ、都といたしましても緊急対応策を取りまとめ、借りかえ融資制度の創設など中小企業の資金繰りを支えるさらなる支援や、従業員の雇用と生活の安定に向けた無利子貸付などの支援を行うことといたしました。
 今後、これらの事業を迅速に開始しまして、都内経済の活力の維持に局を挙げて全力を尽くしてまいります。

○栗下委員 局を挙げて全力を尽くすという力強いご答弁をいただきました。また、特別相談窓口には一日百四十件もの問い合わせが寄せられているとのことでありました。先日発表いたしました第三弾の緊急対策、これもありますので、今後さらにふえていくことも考えられますけれども、引き続きのご尽力をお願いしたいと思います。
 三月六日から始めた施策も含めて、我々の周りで困っている都民の方々にこれをご紹介すると、都はこんなことをやっていたのかと大変喜んでいただけます。しかしその一方で、そういった方々と接していて、短期間でのことでもありますので、この支援についての周知がなかなか思うように追いついていないという課題も同時に感じるわけです。
 二日の当委員会でも申し上げましたように、この施策をどれだけの都民、国民の方々に広く知っていただけるかというのは極めて重要なことだというふうに思いますけれども、都の支援策をさらに周知をしていくためにどのようにしていくのか、お伺いをしたいと思います。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務 補正予算や緊急対応策で取り組む事業を、都民や事業者の皆様に速やかに活用いただけるよう、さまざまな媒体を用いてわかりやすく発信してまいります。
 まず、各事業の内容を速やかにプレス発表いたします。さらに、当局のホームページに新型コロナウイルス感染症に関するさまざまな情報を一覧できるサイトを設けるとともに、この情報をSNSを通じて積極的に発信しております。
 また、事業全体を網羅したPRリーフレットを五万部作成し、本日、区市町村や経済団体、金融機関を通じて配布を開始いたしました。さらに、都営交通の車内モニターや新宿西口のデジタルサイネージを活用するなど、より多くの方々へ情報を提供してまいります。

○栗下委員 さまざまに新しい周知方法も考えていただけているんだということがわかりました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 今、何か人々が困ったときに、まず最初に調べるために何をするかといったら、やはり携帯電話とかパソコンで、まず最初にネット上で検索をするということだというふうに思います。都の施策の正式な名前は知らなくても、その事業の概要は知らなくても、困っている方が、先ほどご答弁をいただいた支援策にたどり着く、そのサイトに、都のサイトにしっかりと誘導できるようにしていかなくてはなりません。
 産業労働局の事業案内のホームページなどがグーグルなどの検索サイトで上位に表示されるようにするなど、支援を求める都民や事業者の方にしっかり知ってもらえるようどのような取り組みをしているのか、お伺いをいたします。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症対策の事業に関する案内が、支援を求めている人に効率的に届くよう、庁内の特別広報チームと連携いたしまして、さまざまな工夫を行っております。
 ビジネスに関心を持つ方が閲覧するウエブサイトなどに、今回の支援策の案内の入り口となります特別相談窓口の広告を掲載いたします。また、動画投稿サイトにも、中小企業の経営者向けに都の対策を案内する動画コンテンツを掲載し、こうした案内から産業労働局ホームページの事業案内へ誘導してまいります。
 こうした工夫により、事業案内ページの閲覧数をふやし、検索サイトにも検索結果の上位に表示されるよう努めてまいります。

○栗下委員 私も都民の方に緊急融資についてご案内するために、何度か資料等をネット上で調べてきたんですけれども、当初はなかなかすぐにたどり着くことができなかったんですけれども、ここ数日で随分上の方に上がってきましてアクセスもしやすいようになったなというふうな、一利用者としても感じております。それも、そういった、今ご答弁のあったような取り組みの成果かもしれませんけれども、引き続きこういったところで、その何倍も多くの都民の方々に知っていただけるということにもつながってまいりますので、ぜひこのSEO対策という側面からも対策を施していただくことによって、多くの施策が都民の、あるいは都内事業者の方々に届くようにご尽力をいただきたいと、このように思っております。
 次に、緊急性の高い資金繰りの融資について、問い合わせ件数と受け付け状況についてどうなっているのか、お伺いをいたします。

○加藤金融部長 資金繰りに関する特別相談窓口における相談実績でございますが、開設しました一月三十日から昨日までの三十一日間で千百四十九件、一日当たり平均約三十七件となっております。
 また、緊急融資の取り扱いを開始した三月六日から昨日までの七日間では九百三十五件、一日当たり平均約百三十四件と増加しておりますが、金融の実務経験が豊富な専門相談員が適切に対応しております。なお、年度末に向けて相談件数の増加に備えるため、本日から三月三十一日までの間、特別相談窓口の開設時間の夜間延長を行います。
 引き続き、中小企業の皆様からの資金繰りに関するさまざまな相談に対し、必要な情報を的確かつ丁寧に提供してまいります。

○栗下委員 ありがとうございます。もう既にたくさんの問い合わせにご対応いただいている、これについては本当に敬意を表するところでありますけれども、我々が中小企業の方々から一番頻繁にいわれるのは、今、国も新しい支援策を次々と打ち出し、都も打ち出し、そして、場所によっては区も打ち出しということで、どの施策が自分たちにとって一番ふさわしいのか、なかなかこれはわからない、どこに問い合わせたらいいのかわからないというご相談を一番多くいただくんですね。
 そういったときに、都の相談窓口が、国の支援策などについても十分に把握をした上で、最適なご案内というものができれば、都民の方々は安心して迅速に問題解決に向かうことができるというふうに思います。刻一刻と支援メニューが追加され、状況も変化する中で、そういうご案内をするということは、これは簡単なことではないというふうに思いますけれども、ぜひ、都の施策にとどまらず、総合的なご案内を行っていただけるよう努力を、お願いを改めていたしたいというふうに思います。
 先日発表された緊急対策の中で新たに示されました中小企業の従業員向けの融資について、一問伺いたいと思います。
 先般示された国の支援策では、非正規雇用の方の一部が雇用調整助成金の対象にならないなど、そういった問題も一部で指摘をされておりますが、そういった方々に対する支援も必要であると思います。
 このたび、緊急対策第三弾の中で示された中小企業の従業員向けの融資は、具体的にどのようなケースに利用することを想定して制度構築をされているのか、お尋ねをいたします。

○篠原雇用就業部長 この従業員向けの融資は、中小企業におきまして正規雇用、非正規雇用を問わず、現在の勤務先に六カ月以上勤務している従業員を対象としております。非正規雇用の方につきましては、雇用保険の対象とならない、労働時間が週二十時間未満の方も利用できることとしております。
 こうした方が、今般の感染症の影響に伴いまして休業を余儀なくされ、休業手当では賃金の全額が補償されないなどによりまして、収入減となったケースに利用されることを想定したものでございます。

○栗下委員 次に、緊急販路拡大助成事業について伺いたいと思います。
 いまだこのコロナウイルスの終息のめどが立たない中で、都内中小企業にとっては、大幅に減少した売り上げを一刻も早く回復をさせることが重要であります。
 都は、こうした中小企業に対する販路開拓支援策として、来年度の補正予算に一億七千万円を計上しておりますけれども、その具体的な支援の内容と考え方についてお伺いをいたします。

○土村商工部長 都は、新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが減少している中小企業が、新たな取引先を獲得し売り上げにつなげていくことができるよう、国内外の展示会に出展する際の経費助成を行うこととしております。
 具体的には、直近三カ月の売り上げが前年同期比で一〇%以上減少した都内中小企業百社を対象としまして、国内外の展示会に出展する際の小間料や輸送費など、必要な経費の五分の四につきまして、百五十万円を上限として助成するものでございます。

○栗下委員 海外から部品供給の停滞や突然の取引停止などによって、多くの中小企業が大幅な売り上げ減少に直面をしております。
 感染症の流行拡大に終息のめどが立たず、影響の長期化も懸念される中で、販路開拓に係る経費を助成する本事業に、もし当初の想定よりも多くの応募が来た場合どうするのかということについて、本助成事業の実績が予算額を上回ってしまった場合どのように対応していくのか、お伺いをいたします。

○土村商工部長 本助成事業の実績が助成規模の一億五千万円に達し、さらに展示会出展による販路開拓の需要が見込まれる場合には、中小企業の販路開拓を停滞させることがないよう適切に対応してまいります。

○栗下委員 ありがとうございます。こういう時世でもありますので、できれば、希望する全ての中小企業の方々に届く、ぜひ施策を展開していただきたいというふうに思います。
 このコロナ騒動がいつ終息するかはまだ見通すことができておりませんけれども、この支援の門戸というものはできるだけ早く開いていくことが重要であるかと思います。売り上げに直結をするこうした販路拡大への支援は速やかに受け付けを開始できるようにしていくべきと考えますが、本事業の募集をいつから開始するのか、お伺いをいたします。

○土村商工部長 予算成立後、直ちに準備を始めて、五月から募集を開始する予定でございます。
 販路開拓への支援を速やかに開始することで、売り上げの減少に直面する中小企業をしっかりと支えてまいります。

○栗下委員 次に、東京ビッグサイト、国際フォーラムの会費に関連をしてお尋ねします。
 今回のコロナ騒動で大規模イベントが自粛されるに当たりまして、都の貸し館施設では、利用者に会場費を返還するという方針を先般決めてまいりました。また、都からの要請を受けまして、東京ビッグサイト及び国際フォーラムにおいても同様の対応をすることを決めてまいりました。
 イベント開催ができなくなったことによって、そもそも大きな損害をこうむっている中小企業に寄り添っていくという、この会費の返金を決めたということは、私は、都民の中小企業に寄り添った対応であるというふうに高く評価をさせていただいております。
 そこで、付随してまずお尋ねいたしますけれども、昨年の十月に台風十九号が東京に上陸をした際に、公共交通機関では計画運休が行われ、都の方からも不要不急の外出自粛を求めるなどする中で、ビッグサイトや国際フォーラムでやむを得ずイベントの中止を決定した中小企業、これに対して、数千万円にわたる会場費の返金がなされなかったということがありました。
 これについては昨年の一般質問で取り上げてまいりましたけれども、この台風十九号のときにも都の貸し館施設においては全額返金をしてきたんですね。そして、この中止を決められた企業さんからは、都からの要請も鑑み、つまり都からお願いをされたということも含めて中止を決定したというコメントも出されているんですね。
 台風のときは利用できなかった期間が一日間でした。コロナのときには一カ月にわたって利用不能になって、もちろん被害を受けた企業の多さという意味では、コロナの方が全く大きいわけでありますけれども、さきの台風被害のときにも一社で二千万円以上の被害を受けてしまったという、その会場費を返金してもらえなかったという中小企業もありました。
 私は、本当に今回のコロナへの対応と同様に、都がもっと強いリーダーシップを発揮して、東京ビッグサイト、そして国際フォーラムに強力に働きかけを行っていたら、あるいはこういった中小企業を救済することができたんじゃないかと改めて思うわけです。
 さきの一般質問では、こういったことがもう次からは起こらないようにということで質問をいたしました。自然災害が頻発する近年の状況を踏まえて、主催者が安全を最優先した決定を迅速に行えるように、施設管理者へ対応を検討するよう都として促していくべきではないかという質問を行いました。
 そこでお尋ねをいたしますが、その後、各施設管理者において、施設の利用規定の見直し等の動きはあるのかどうか、検討状況についてお伺いをいたします。

○土村商工部長 台風直撃に伴い、計画運休が実施されるといった最近の状況を踏まえまして、都は、施設の利用承諾の取り消し事由や施設利用料の取り扱いについて検討を行うよう各施設管理者に依頼をしておりまして、現在、各施設管理者の方でさまざまな観点から検討を行っているところでございます。

○栗下委員 本当にありがとうございます。都からも働きかけを行っていただいているんだと、必要性を感じていただいて、働きかけを行っていただいているんだということで、これは大きな前進であるというふうに思います。
 自然災害や、もう本当に感染症、今のコロナの問題もそうでありますけれども、また緊急事態がすぐに発生しないとも限りません。ぜひとも迅速な対応を行っていただけるようお願いをしていただきたいと思います。
 今回のコロナへの対応にお話が戻りますけれども、国際フォーラム及びビッグサイトにおいては、二月二十二日から三月の三十一日、三月末までのイベントを中止した主催者に対して、施設利用料を返還する対応を決めております。
 しかしながら、既に四月以降のイベント、これを中止にした事例も出てきておりまして、両施設でいうと、既に中止になった四月以降の大規模なイベントの会場費でも何千万円にも上るわけです。二月の二十二日以前に中止を決定されたイベントも、また少なからずあるわけです。
 現在決められているその三月三十一日までという対象から外れる期間に中止、延期をしたイベントについても、ぜひ中小企業に寄り添う対応をするように都として施設管理者に働きかけていくべきというふうに考えますけれども、見解をお伺いいたします。

○土村商工部長 東京国際フォーラム及び東京ビッグサイトは、都から独立した経営主体であることから、みずからの経営責任に基づいて、利用料返還等の可否を判断しております。
 今般、両施設管理者は、他の都民利用施設等における施設利用料の取り扱いに係る都の方針も参考として、本年二月二十二日から三月三十一日までの期間に予定していた催事を対象に、開催を取りやめる判断をした主催者に対しまして、施設利用料を返還する対応を行うことといたしました。
 都としましては、施設管理者が時々の状況に応じた適切な対応がとれるよう都の対応方針を随時共有するなど、必要な対応を行ってまいります。

○栗下委員 都から独立をした経営主体であると、これはよくいただく答弁ではあるんですけれども、なぜ、東京ビッグサイト、国際フォーラム、こういった施設を、政策連携団体に管理運営をお願いしているんでしょうか。民間企業では果たせない公の使命をしっかりと果たしていくために、人的、物的にも極めてつながりの深い政策連携団体に管理運営をお願いしているんだというふうに私は思っておりますけれども、まさに今がその使命を果たすべきときだというふうに思っております。
 傷ついた中小企業に手を差し伸べていくために、ぜひとも引き続き、この期間外の会場費の返金についても、都から働きかけを行っていただきたいというふうに思います。
 本当にいろんな産業が今ダメージを、あまねく産業がダメージを受けておりますけれども、このイベントにかかわる産業、特に大きなイベントにかかわる産業というのは、この三月いっぱい、ほとんど経済活動がストップしてしまっているという企業さんもたくさんあります。
 先日、イベントの設営をなりわいにされている企業さんに私はお話を伺う機会がありましたけれども、その企業さんはこの三月の売り上げが本当に九割なくなってしまったと。このコロナの影響で一億円損害が出てしまったということでありました。そうして本当にどうしようかと途方に暮れていたところに、今回の会場費の返金が主催者に行われることが決まったことで、主催者から幾ばくかのかわりのお仕事をもらうことができて、何とかあしたに望みをつなぐことができたと、こういう非常に心のこもった感謝のお言葉もいただいてまいりました。こういう企業さんが今たくさんいらっしゃるんだというふうに思っております。
 また、こんなこともおっしゃっておりましたけれども、ことしは、そもそも、東京オリンピック・パラリンピックが行われる関係で、ビッグサイトが約半年間ほぼ利用不能になるということで、その期間はそういうイベントにかかわる企業さん、かなりお仕事が減ってしまうんだということもおっしゃっていました。
 つまり、何がいいたいかといいますと、例えば、春先に何とかこのコロナの問題が終息をしたとしても、その後もこの年が終わるまではお仕事が非常に少ない中でやっていかなくちゃいけない、こういうことなんですね。
 こういう中で、本当に非常に見通しの暗い状況の中で苦しんでおられる方々がいらっしゃると。その会場費の問題一つとりましても、その先にはそういった方々の暮らしがある、そういった方々の暮らしを守る、本当に一人でも多くそういう方々を救うという、そういう思いをぜひともご共有をいただきまして、引き続きご調整に当たっていただきたいと、このように思っております。
 また、そういう企業が本当に今待ちわびているのは、この状態がいつ収束をするのか、いつ平常時の状態に戻るのか、出口戦略をどういうふうに示してくれるのか、それを今、歯を食いしばって待ち望んでいるわけであります。
 大阪府の方では、イベントも一律中止ではなくて、会場の状態、人口密度や換気のぐあいなどによって、一部イベントの自粛を解除するという方向にかじを切っております。もちろん、どうしていくかということは、都の大方針については産労局だけでは決められることではありませんけれども、経済ダメージを軽減するためにも、あらゆる手段を検討の俎上にのせて、今後もご検討をいただけるようお願いして、次の質問に移りたいと思います。
 中小企業の働き方改革関連法への対応についてお尋ねをいたします。
 中小企業においては、働き方改革関連法に関し、本年四月には超過勤務の上限規制が、また、来年四月には同一労働同一賃金が適用されてまいります。
 現在、コロナウイルス感染症への対策など、中小企業を取り巻く環境は厳しいものの、働き方改革関連法への対応は、企業の雇用管理のみならず、人材確保にも関連する問題であり、おくれることなく対応していかなくてはなりません。
 こうした状況の中、都では、中小企業の働き方改革関連法への対応にどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 都はこれまで、国と連携した特別相談会や使用者向けのセミナーの開催等によりまして、時間外労働の上限規制など法改正のポイントや企業において必要となる対応について周知を図ってまいりました。
 今月には、時間外労働の上限規制が適用される直前の対応といたしまして、働き方改革関連法に関する特別電話相談も実施しております。
 来年度は、中小企業におきまして、同一労働同一賃金への対応の準備が進みますよう、シンポジウムの開催や専門家の派遣の充実などを行ってまいります。

○栗下委員 法の適用で長時間労働が是正をされて、働く方々のライフワークバランスの改善が進むことが期待をされますけれども、その際、大企業による残業削減などの影響によって、例えば、発注先の中小企業が同じ値段で超特急の納期を求められたり、休日出勤を余儀なくされるなど、下請企業へのいわゆるしわ寄せが行われないようにしていかなくてはなりません。
 しわ寄せの問題は、都が主催し、開催をいたしました中小企業振興を考える有識者会議でも議論されておりましたけれども、働き方改革に伴う中小企業へのしわ寄せの防止対策を進めていくことは重要であります。
 これについて、都は来年度、どのように取り組んでいくのかについてお伺いをいたします。

○土村商工部長 都は、東京都中小企業振興公社に設置している下請センター東京におきまして、中小企業の適正な下請取引を確保し、受発注をめぐるさまざまな問題の対応を図るために、相談や助言の業務を行っております。
 来年度は、大企業等の働き方改革に伴う下請等中小企業へのしわ寄せ防止対策として、新たに相談員二名を配置いたしまして、発注側の大企業への巡回を強化してまいります。
 また、下請法を踏まえた対応について学ぶ講習会の中で、しわ寄せ防止の講習会を年二回開催することとしまして、働き方改革に伴うしわ寄せ防止対策の推進を図ってまいります。

○栗下委員 この働き方改革関連法によって、社会全体で長時間労働が是正をされていく、そういったことは歓迎されるべきことでありますし、私もそうあるべきだというふうに思います。
 しかし、社会全体のムーブメントが経営体力の弱い中小零細企業に重い負担をかけることにならないよう、行政がしっかりとサポートしていくことも同時に必要ではないかというふうにも思っております。
 今後も、中小企業の経営実態に配慮した取り組みをぜひお願いいたします。
 次に、ソーシャルファームについて伺います。
 我が会派は、一昨年から二カ年にわたって、都議会の場でソーシャルファームを取り上げ、議論を深めてまいりました。会派内にはプロジェクトチームを立ち上げ、多様な観点から検討を重ねた上で、昨年十一月には知事に対し、新条例制定に関する要望書の提出も行ったところであります。こうした我が会派の活動が、昨年の第四回定例会での新条例の成立として結実をしたものと考えております。
 さらに、先日の第一回定例会での我が会派の本会議代表質問に対し、知事から、来年度中にはモデルとなるソーシャルファームを東京に誕生させたいとの力強い答弁をいただいており、今後は一刻も早い具体的な事業化が待たれるところであります。
 そこで、今後、東京にソーシャルファームを普及させていく上で、早期に条例にある認証基準や支援策を定め、都民や事業者に示していくことが極めて重要と考えますが、現在の取り組み状況と今後の見通しについて、改めてお伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 都におきましては、企業経営や就労支援の専門家などによる検討会をことし一月に設置いたしまして、現在、ソーシャルファームの認証基準や支援策について検討を進めております。
 今後、検討会での議論を踏まえまして、認証基準と支援策を盛り込んだ指針を策定し、六月ごろを目途に公表する予定でございます。
 この指針に基づき事業者を募集し、ソーシャルファームの創設に向けた支援を行ってまいります。

○栗下委員 ご答弁の中で、六月ごろに指針が公表される予定であるということが改めて確認をできました。タイトなスケジュールではありますけれども、今後、東京にソーシャルファームを誕生させ根づかせていくために、まず、この指針がつくられていることが前提となりますので、ソーシャルファームに期待を寄せる都民のためにも、着実に取り組みを進めていただきたいと思います。
 また、支援に盛り込まれる認証基準と支援策は、ソーシャルファームを創設しようとする事業者にとって特に重要なポイントになると思いますので、検討会で十分に議論をいただき、東京にふさわしいソーシャルファームの誕生につながるしっかりとした認証基準と支援策を策定いただくよう要望しておきます。
 次に、来年度のソーシャルファーム関係の予算について伺います。
 本定例会の本会議代表質問において、我が会派の現在の取り組み状況や認証までのロードマップを都民に示すべきとの主張に対し、知事から、事業を立ち上げる際の助成制度などの経営支援策を検討している、事業者からの相談に対応する支援拠点を設置すると答弁があったところであり、来年度のソーシャルファームの創設に向けた取り組みの方向性が明らかになりました。
 経営支援策については、先ほどご答弁がありましたとおり、現在、専門家による検討会の中で議論をいただいているということでありますが、予算への計上の考え方はどのようになっているのでしょうか。ソーシャルファームの支援に関して来年度はどの程度の予算が計上されているのか、その内訳も含めてお伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 来年度の予算案では、モデルとなるソーシャルファームの創設を財政面から支援するため、事業立ち上げ期における設備導入支援や事業を軌道に乗せるための一定期間の運営費の助成などを行うこととしておりまして、こうした助成事業に約八億一千三百万円を計上しております。
 また、ソーシャルファームに関する事業者からのさまざまな相談に対応するための支援拠点を設置する費用としまして、約八千三百万円を計上しております。
 さらに、調査費、事務費などの約二千五百万円を合わせて、支援事業全体としては約九億二千百万円となっております。

○栗下委員 来年度の取り組みとして、このソーシャルファーム設置への助成金、そして、事業者からの相談に対応する支援拠点の設置などで九億円余りの予算を措置して支援事業を行おうとしているということがわかりました。
 この予算を活用して、来年度中にモデルとなるソーシャルファームを誕生させることが当面の目標になるかというふうに思いますけれども、予算案ではどの程度の支援規模を見込んでいるのか、お伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 来年度の予算案では、モデルとなるソーシャルファームの設置に取り組む事業者十社を支援することとしております。

○栗下委員 さて、ソーシャルファームは、就労に困難を抱える方を雇用しながら、企業として経営をしていかなくてはいけないという難しさがありまして、ソーシャルファームの創設を目指す事業者の方々に対して、行政が的確に支援をしていくことが重要であるというふうに思います。
 このためには、先ほどご答弁をいただきました事業者からの相談に対応する支援拠点、これが大変心強い存在になると期待をしているところであります。
 そこで、この支援拠点では、事業者に向けてどのような支援を行おうとしているのか、お伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 この事業者向けの支援拠点では、専門のスタッフを配置いたしまして、ソーシャルファームの設立を目指す事業者からの相談に対応いたしますとともに、認証を行ったソーシャルファームに対し、経営面などから助言することを予定しております。
 加えまして、ソーシャルファームの実例や経営のノウハウを紹介するセミナーの開催などによりまして、ソーシャルファームの創設や運営が円滑に進むよう事業者を支援してまいります。

○栗下委員 ソーシャルファームの条例案を審議しました昨年の第四回定例会における本委員会でも、我が会派から指摘をしてまいりましたけれども、ソーシャルファームの創設を推進するためには、単に補助金を出すということだけではなくて、事業者の方に寄り添った伴走型での支援が重要だというふうに思います。
 ソーシャルファームが円滑に設置をされ、その後の運営が軌道に乗るように、経営面から、あるいは就労に困難を抱える方を適切にケアする観点から、きめ細かいアドバイスを行うなど的確な支援をぜひとも実施していただきたいというふうに思います。
 ここまでの質疑の中で、都が来年度、ソーシャルファームの誕生に向けて取り組む内容を確認することができました。
 就労に困難を抱える方の雇用を生み出す新たな仕組みとして、ソーシャルファームに期待を寄せるという方はたくさんいらっしゃるわけであります。早期にソーシャルファームが創設をされるように着実に事業を進めることを求め、次の質問に移りたいと思います。
 最後になりますが、ファッション業界への支援に関連して質問をいたします。
 昨年末の一般質問の中で、ファッション業界における衣料品廃棄が問題になっているということを取り上げてまいりました。
 膨大な量の衣料品が袖を通さずに廃棄されているという現状は、一般的にはまだ余り浸透しておりませんけれども、ファッション業界は特に安売りをするとブランドの価値が下がってしまうので、これは機密を守りながら大量廃棄する、そういう考えがいまだ根強く残っている業界であります。
 大量の資源を使い、また、それを捨てるときに焼却をすることで、たくさんのCO2を排出している。また、必要以上に、消費以上に衣料をつくらなくてはいけない。そのために、子供たちが、特に海外では苛酷な労働に従事をしなければならない。そういう気候変動対策やエシカル消費、そういった観点から、海外では既に社会的関心が高まっております。
 そこで、質疑の中で、知事にもこの問題について改めて把握をいただいたと同時に、今後できることをやっていくと、そういう力強い答弁をいただいたわけでありますけれども、その中で、まずできることは何かということの中で、この産業労働局で行っているファッション産業の支援事業、この事業の中で、SDGsの話も踏まえながら、持続可能性の視点を前面に押し出していく。各種表彰の中で、その点を積極的に打ち出していくなどの工夫をしていくべきだというふうに考えておりますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○土村商工部長 都では、海外での活躍が見込まれるファッションデザイナーを選抜して、海外の展示会への出展やショーの開催などを通じて作品を発表し、商談に結びつける取り組みを支援しているところでございます。
 デザイナーの選抜に当たりましては、デザインの優秀性に加えまして、価格面の妥当性や海外と取引を行うための社内体制などについても審査し、対象者を決定しております。
 近年、ファッション分野におきましても、環境に優しい素材の利用や、適切な労働環境のもとでの生産などを行う、持続可能性に配慮した製品への評価が高まっておりまして、海外での商談を成功させるための要素の一つとなってございます。
 このため、来年度は、リサイクル素材の活用等についても審査項目に加えた表彰を行うことで、持続可能性の視点にも立ったデザイナーの選抜を行ってまいります。

○栗下委員 ありがとうございます。ファッション業界を牽引するデザイナーさんたちが、この問題をもう当たり前のように気にしていただくことによって、社会全体にもその影響が大きく広がっていくのだろうというふうに期待をいたしております。
 最後に、これは一点要望になりますけれども、昨日、この経済・港湾委員会の中で、我が会派の白戸委員から、中央卸売市場に対して質疑を行ってまいりました。
 その中での提言でありましたけれども、今、市場を取り巻く劇的な環境の変化に加えて、新型コロナウイルスの影響もありまして、現在、市場業者も大変苛酷な環境に立たされております。そして、その後押しというのを、市場局ももちろん頑張ってはいるんですけれども、その中だけで完結をできるものではありません。
 そこを、ぜひ中央卸売市場を前任されておりました村松局長のリーダーシップのもと、市場業者が厳しい環境を勝ち抜いていけるように、ぜひ市場局との連携を密にして、積極的に支援策を講じていただけるよう最後にお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○まつば委員 私からは、就労支援、そして商店街振興の、大きく二つの分野について質問をさせていただきます。
 まず、就労支援について質問いたします。
 都は今年度より、ジョブリターン制度整備推進事業を開始しております。この事業は、結婚、配偶者の転勤、妊娠、出産、育児または介護を理由に退職した方が、退職前の会社に復帰できる制度を整備する中小企業を奨励金により支援する、こういう事業でございます。一旦退職をしても退職前の会社に復帰できる仕組みがあれば、出産や育児、介護等で仕事との両立が難しい、また、専念したいといったときに選択肢が広がるものと考えております。
 また、企業側にとっても、退職前に培った業務経験を生かして働いてもらえることから、大きなメリットがあるともいえます。
 この事業をさらに充実していくべきと考えますけれども、今年度の実績とあわせて都の見解を伺います。

○篠原雇用就業部長 ジョブリターン制度整備推進事業では、今年度、二百九十九社の企業等に奨励金の交付を決定しておりまして、現在、その多くで、社員が退職後に復帰できる制度の整備を終えております。
 来年度は、こうした実績を踏まえまして、奨励金による支援規模を五百社まで拡大することとしております。あわせて、来年度は、動画の配信やデジタルサイネージなどを活用し、企業等にこの事業の活用を積極的に働きかけてまいります。

○まつば委員 この事業は、子育てなどで離職した方が再就職への選択肢を広げられるといった意味で、培った経験を生かすことができる非常によい事業だと、このように思っております。今年度の事業実績をお聞きして、ニーズがあることもわかりました。
 来年度は、支援規模を拡充するとのことですので、ぜひしっかりとした取り組みをお願いいたします。
 次に、在宅ワークについてでございます。
 離職して子育てや介護を行っている女性の方々の中にも、柔軟な働き方の中で、少しでも収入を得たいと考えていらっしゃる方が多くおられます。しかしながら、勤務場所や時間などに制約があることから、自宅で都合のよい時間に仕事ができる、いわゆる在宅ワークは、こうした女性の働き方として有効であると考えております。
 また、昨年の事務事業質疑におきまして私が取り上げましたさまざまな制約の中で働くことを諦めているミッシングワーカーの方々も、在宅ワークが活用できれば就労を実現できるのではないかと、このようにも考えます。
 都は、東京しごとセンターの女性しごと応援テラスにおいて、女性の再就職をきめ細やかに支援しているところでございますが、このような在宅での働き方を希望される方に向けた支援を実施していくことも必要であると考えます。
 そこで、在宅ワークに関する支援について、都の所見を求めます。

○篠原雇用就業部長 在宅ワークにつきましては、パソコン等を用いて、場所や時間などの制約によらずに仕事ができるというメリットがある一方で、個人が企業等と契約することに伴いますトラブルなどのリスクも指摘されているところでございます。
 このため、都は来年度、しごとセンターにおきまして、在宅ワークに関心がある方などを対象として、女性向けの在宅ワークセミナーを実施いたします。このセミナーでは、在宅ワークで働く際に必要となる準備や注意すべきことなどをわかりやすく紹介してまいります。また、実際に働く場合の具体的な疑問などがある場合には、しごとセンターの多様な働き方の相談窓口において対応してまいります。
 さらに、来年度は、在宅ワークのさらなる活用を検討するため、在宅ワークの一つでございます自営型テレワーク等の調査を行うこととしておりまして、この調査で得られた好事例やノウハウにつきましてもセミナー等で提供してまいります。

○まつば委員 今、ご答弁の中でもありましたけれども、在宅ワークはメリットもありますが、リスクもあるということであります。
 来年度、都は、必要となる準備や注意すべき点なども含め、関心のある方などにセミナーを実施するということであります。また、自営型テレワークなどの調査も行い、好事例やノウハウも提供するということでありました。
 在宅ワークは、勤務場所や時間などに制約を抱えながら、働くことを希望する方の就労の可能性を広げることにつながる取り組みでもあります。ぜひ、来年度、東京しごとセンターでの取り組みに力を入れていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、障害者雇用の推進について質問をいたします。
 都内の企業における障害者雇用の状況を見ますと、昨年六月一日時点の実雇用率は、昨年度から〇・〇六ポイント上昇し、過去最高の二・〇%に達しました。
 しかし、千人以上の大企業では二・二八%である一方、中小企業では二・〇%を下回り、障害者雇用がまだまだ進んでいない状況があります。また、障害のある方を一人も雇用していない企業も約八千社に上り、その九割が中小企業という状況でもあります。
 中小企業におきましては、障害者雇用のノウハウが十分ではなく、特にこれまで障害者雇用の経験が全くない企業では、受け入れに対する不安を抱えており、障害者雇用に踏み切れていないという現状もあります。
 そこで、障害のある方を一人も雇用していない企業、いわゆる雇用ゼロ企業に対し、その実情に応じた手厚い支援を行っていくべきと考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○村西事業推進担当部長 都は来年度から、初めて障害者を雇用する中小企業に対して、障害者の採用前の環境整備から採用後の職場定着まで一貫してサポートを行う障害者雇用ナビゲート事業を開始いたします。
 具体的には、障害者が担う仕事の切り出しなどを行う採用の準備の段階、職場体験実習の受け入れを通じたマッチングの採用の段階、さらには採用後の職場定着の段階の各ステージにおきまして、障害者雇用に関して豊富なノウハウを有する担当アドバイザーが、中小企業に寄り添い、障害者雇用の実現に向けて、きめ細かく助言を行ってまいります。
 来年度は、新たに障害者雇用に取り組む中小企業六十社に対しまして、集中的な支援を実施してまいります。
 さらに、本事業を通じて障害者を雇用した企業の取り組みを好事例集として取りまとめ、広く都内の中小企業に発信することで、障害者雇用の機運を高めてまいります。

○まつば委員 障害のある方を初めて雇用する企業に対し、都が集中的なサポートを実施することは、中小企業にとって大変心強いものであると思います。障害者雇用がより多くの中小企業で進むよう取り組みをお願いいたします。
 次に、障害者の職場体験実習事業についてであります。
 現在二・二%である障害のある方の法定雇用率は、来年、令和三年四月までには二・三%にまで引き上げられることが決まっております。障害者雇用ゼロ企業が存在する一方で、最近では、障害者雇用に意欲のある企業が障害のある方をなかなか思うように採用できないという声も聞かれております。
 今後、障害者雇用を一層推進していくためには、障害のある方と意欲のある企業を結びつけるマッチングの強化が不可欠であります。
 都は、障害のある方の職場体験実習事業を実施し、障害者雇用に取り組む企業と障害のある方の双方から好評を得ていると聞いております。
 そこで、さらなる充実を図るべきと考えますが、これについて所見を求めます。

○村西事業推進担当部長 都が実施している障害者の職場体験実習事業は、障害者の方に五日間程度、実際の企業現場で働く経験をしていただくことで、障害者雇用を検討する企業と就労を目指す障害者のマッチングを行う事業でございます。
 今年度は、二月末までに一千百七十七件の実習を成立させておりまして、企業からは、障害者の受け入れノウハウを習得することができた、そういった声、また、障害者の方からは、自分が得意なことや苦手なことを把握できたといった声が寄せられております。
 来年度は、実習の成立件数を千五百件にまで拡充し、障害者雇用に意欲的に取り組む企業を後押ししてまいります。

○まつば委員 職場体験実習は、企業と障害のある方の双方に効果的な事業だと思います。来年度は、実習の成立件数を千五百件に拡充するということでありますので、一層取り組みを強化していただけるよう要望しておきます。
 就業支援について質問いたしましたが、現在、新型コロナウイルス感染症によりまして、雇用情勢が大変に心配な状況となってきております。内定取り消しという事態も起きていると聞いております。
 国も都もさまざまな制度を活用し、雇用の維持を図る努力をしていますが、速やかに困難に直面している方々に制度を活用していただけるように、そうしたご努力をお願いしたいと思います。
 次に、商店街チャレンジ戦略支援事業について質問をいたします。
 私は、昨年の事務事業質疑におきまして、杉並区内の商店街イベントでの補助金問題について質問をいたしました。返還請求に至った都の一連の対応について、事実経過を確認もさせていただきました。
 あわせて、商店街チャレンジ戦略支援事業が、商店街振興という目的が果たされるよりよい補助事業となるように、必要な支援を提案いたしまして、都に対策を講じるように強く要望いたしました。
 そこで、きょうの質疑では、私が提案をいたしました二点について、都の対応を確認させていただきます。
 まず一点目は、区市町村との意見交換の場の設置でございます。
 この事業は、区が商店街に対して補助した場合に、都が区市町村を通じて商店街への補助金を交付する事業です。そのため、制度の運用に関して、都と区の認識違いが起きないように、十分に意見交換をして進めていただきたいと申し上げました。
 その際、新たに都と区市町村との意見交換の場を設けるとの答弁がありました。都は、その後、区市町村との意見交換を始めたと聞いておりますが、これまでの進捗状況や、意見交換の場で出た意見を今後どのように生かしていくのか、答弁を求めます。

○土村商工部長 都では、本年一月下旬から区市町村の訪問を開始いたしまして、これまでで五区市と意見交換を行いました。
 意見交換の場では、区市町村担当者や商店街担当者の方から、補助事業の運用に関する疑問点や要望のほか、商店街を取り巻く状況や課題など、幅広くお話を伺ったところでございます。
 引き続き、区市町村の訪問を継続いたしますとともに、制度運用に当たりましては、いただいたご意見や要望も踏まえまして、より支援効果が高められるよう改善に努めてまいります。

○まつば委員 もう一点が、現在都が行っている商店街への専門家派遣について、会計に関する相談を追加することでございました。
 事務事業質疑の際に、こう申し上げました。商店街の皆様方は、ボランティアでこういったイベントを頑張って開催してくださっています、決して会計の専門家がいらっしゃるというわけではない、こういったケースが多いわけです。そうした意味では、補助金申請、これに係る会計について、専門家の方にチェックしていただいたりアドバイスをしていただく、そういった仕組みをつくるなど、地域のために、地域の繁栄のために貢献をしている商店街に寄り添う仕組みをつくるべきではないかと、このように訴えたわけであります。
 都は、これを踏まえて、来年度から、商店街からの会計に関する相談に応じられるよう見直しをしていくと聞いておりますが、どのように見直していくのか答弁を求めます。

○土村商工部長 都では、イベント等で新たな取り組みにチャレンジしようとする商店街に対しまして、集客力を高めるイベントの企画や空き店舗対策など、課題に応じて専門家を派遣する支援を行ってまいりました。
 今後は、これまで以上に会計に関するさまざまな相談に応じられるよう、中小企業診断士のほか、会計の専門家であります公認会計士や税理士を加えることで、商店街の事業活動に対する支援体制を充実してまいります。

○まつば委員 要望しておりました区市町村との意見交換の場の設置、また、商店街の会計に関する相談の専門家派遣、この二点の取り組みが進んでいることを確認させていただきました。着実に取り組みを進めていただきたいと思います。
 特に区市町村との連携というのは非常に重要であります。ご答弁でも、区市町村の訪問を継続していくとともに、制度運用に当たっては、いただいた意見や要望も踏まえながら、より支援効果が高められるよう改善に努めていくと、こういうふうにあったわけです。
 ぜひとも、商店街振興へ向けて、こういった努力を積み重ねていただいて、取り組みを進めていただきたい。このことを重ねて要望いたしまして、質問を終わります。

○山崎委員 私からは、今般の新型コロナウイルス感染症に関する追加対策、また中小企業の事業承継の支援、そして海外展開の支援のこの三つの項目について、質問をしていきたいと思います。
 初めに、新型コロナウイルス感染症に関する追加対策について伺っていきたいと思います。
 感染症による経済への影響は、まさに先が見通せない状況であり、都内中小企業の経営環境は極めて厳しい状況にあります。
 この深刻な状況に対し、国は先週、政府系金融機関による特別貸付制度を初め、総額一・六兆円規模にも上る徹底した資金繰り支援策を打ち出しました。こうした手厚い支援を多くの中小企業にしっかり届け、一刻も早い経営の安定化につなげる必要があると考えます。
 しかし、中小企業に対する資金の供給は、政府系の金融機関だけが担っているわけではもちろんありません。日ごろから中小企業と取引がある地域の銀行や信用金庫など、民間の金融機関が担う役割も大きく、その機能を十分に発揮することが求められております。
 国が打ち出した資金繰り支援策には、自治体が民間金融機関と連携をして運用している信用保証制度の強化も盛り込まれておりますが、まず初めに、その制度強化の中身について伺います。

○加藤金融部長 今回の国の緊急対策により、信用保証制度におきましては、一般の信用保証枠二億八千万円とは別枠となるセーフティーネット保証と危機関連保証の二つの保証枠が、それぞれ二億八千万円ずつ措置されております。
 セーフティーネット保証枠のうち、まず、自然災害等の発生時に適用されるセーフティーネット保証四号が、三月二日、全都道府県を対象に発動されました。また、全国的な業況悪化業種を対象に適用されるセーフティーネット保証五号については、三月六日に四十業種が、加えて三月十三日には三百十六業種が追加指定され、現在、全業種の約四五%に当たります五百八業種が利用対象に指定されております。
 さらに、震災や金融危機の際に地域や業種を問わずに適用される危機関連保証が、三月十三日に、制度の創設以来初めて発動されております。

○山崎委員 国は前例のないスケールの資金繰り支援策を打ち出しておりますが、今答弁があったように、自治体が運用する信用保証制度についても、一般保証枠のほかに二つの別枠保証が追加措置され、大幅に拡充されたとのことであります。全て合わせますと約八・四億円と募るわけですね。
 国の迅速な対応によって信用保証制度の拡充が図られる一方で、都も三月六日に、これは中途議決、三月五日を経てでございますが、三月六日に緊急融資制度を立ち上げました。都の緊急融資制度を活用して、手元の運転資金が調達できれば、資金繰りがスムーズに回ることも期待されるわけです。
 しかし、手元の運転資金の確保という経営課題に加えて、今経営者が直面する金融面での喫緊の課題がもう一つあります。それは、金融機関に対する既存の借入金の存在です。売上収入が激減した状況下でも、借入金の返済期限は待ってはくれません。
 都は、今回の追加対策の中で、返済のリスケジュールが可能となる融資メニューを新設することを明らかにしております。このメニューによって、中小企業の返済負担がどのように軽減をされるのか伺います。

○加藤金融部長 今回創設いたしました新型コロナウイルス感染症対応緊急借りかえは、既存の全ての保証づき融資を対象に、最長十年の新規融資への借りかえを可能とするものでございます。借りかえの際に元本返済の据置期間を最長二年まで設定することができ、こうしたことにより、実質的な返済の猶予が可能となります。
 また、この緊急借りかえでは、複数の保証づき融資の一本化や返済期間の延長も行うことができるため、中小企業の返済負担の大幅な軽減を図ることが可能となります。
 さらに、借りかえの際に中小企業の負担となる信用保証料については、都が原則として全額を補助するなど、手厚い支援を講じるものでございます。

○山崎委員 ただいま答弁がありました中で、緊急借りかえは、既存の借入金を新たな融資に借りかえて、負担の軽減を図ることができる仕組みであり、融資の一本化、そして返済期間の延長という、非常にメリットがある、そういったことにつながるわけです。
 経営者にとっては、現下の急場をしのぐ上で、借りかえによる負担の軽減は極めて有効な経営上の選択肢となると思いますが、実際に利用していただくためには、この緊急借りかえの具体的な活用事例をしっかりと示すなど、メリットを中小企業の経営者に対してわかりやすく伝える必要があります。制度をつくったら終わりではなく、利用者に届けるところまでしっかり取り組むことが重要であると思います。
 そこで、この緊急借りかえによって中小企業がどのようなメリットを享受できるのか、具体的な事例により説明をしてください。

○加藤金融部長 具体的な事例につきまして、一つのモデルを設定してご説明をさせていただきます。
 財務状況が標準的な中小企業が、二つの金融機関から一千万円ずつ、六年間の借り入れを受けており、その半分まで返済が進みまして、債務残高が五百万円ずつ残っているケースとさせていただきます。
 この企業が緊急借りかえを活用した場合、残高五百万円の二本の債務を一千万円の新規融資一本に借りかえることにより、据置期間を最長二年まで設定するとともに、返済スケジュールを最長十年まで延長することができます。これによりまして、借りかえ前は月々二十八万円の元本返済を続ける必要があったものが、借りかえ後の当初二年間は元本返済が不要となります。
 また、元本返済の開始は三年目以降となりますが、月々の返済額は十万円ということで、約三分の一に軽減されます。
 あわせて、借りかえの際に必要となる信用保証料約四十七万円の全額について、都の補助を受けることが可能となります。

○山崎委員 今、事例を説明していただきました。かつてない形での支援策だと思います。ぜひとも、こうした制度が十二分に活用されるよう、今の答弁のような具体的なモデルを使いながら、制度のメリットをしっかり中小企業の皆さんに周知するようお願いをしておきたいと思います。
 今回の感染症による経済への影響は甚大であり、背景は全く異なるものの中では、かつてのリーマンショックを思い起こせる部分もあります。国が打ち出した支援策の中身を見ても、それは明らかであります。
 リーマンショックの際には、貸し渋り、貸し剥がしへの対策として金融円滑化法が施行されましたが、ちょうど七年前の平成二十五年に円滑化法の期間が満了となり、中小企業の資金繰りの悪化が危惧されました。
 そのときに都が講じた、既存債務のリスケジュールを支援する特別借りかえ融資でした。感染症対策として打ち出された今回の緊急借りかえは、まさにこの平成二十五年に立ち上げた特別借りかえ融資の機能を備えたものと思います。
 そこで、既存の特別借りかえ融資とは異なる今回の緊急借りかえの特徴について、また、比較をしていただきたいと思います。

○加藤金融部長 平成二十五年に創設しました特別借りかえ融資と今回の緊急借りかえは、ともに既存の保証協会の保証づき融資の全てを借りかえの対象としておりますが、大きく二つの点で、今回の緊急借りかえの方が利便性の高い仕組みとなっております。
 具体的には、信用保証料補助については、特別借りかえ融資では小規模企業のみを対象に補助率を二分の一としているのに対し、今回の緊急借りかえでは全事業者を対象に原則として全額補助といたします。また、据置期間につきましては、特別借りかえ融資では最長六カ月としているのに対しまして、今回の緊急借りかえでは最長二年としております。
 このように、感染症による中小企業への影響を考慮し、一歩踏み込んだ支援内容としております。

○山崎委員 現行の平成二十五年に立ち上げた特別借りかえ融資よりも、今回の新型コロナ感染症対策として追加措置でされた緊急借りかえの方が大幅に優遇されているということが理解できたわけであります。
 しかし、こうした支援策が打ち出されても、中小企業の皆さんにとって大変厳しい状況が続くことは変わりがありません。都は、今後も国が打ち出す対策に目を配るとともに、緊密な連携を図りながら、中小企業の資金繰りに対する切れ目のない支援を継続するよう強く要望をしておきたいと思います。
 次に、東京の経済を支える中小企業の事業承継支援について、何点か伺っていきたいと思います。
 都内の中小企業経営者の方の多くが、世代交代という大きな課題に直面をしています。厳しい経営環境の中、みずからの事業に愛着を持ってきた経営者にとって、後継者にその座を譲るという決断を下すことは容易ではありません。
 しかし、みずからが築き上げた事業を次の世代に受け継いでいくためには、機を逸することなく、承継に向けた最初の一歩を踏み出していただくことが、また重要であります。
 私は、昨年の事務事業質疑において、事業承継は個人の財産や相続にかかわる、極めて機微にかかわる問題であり、そのためには、日ごろから経営者と緊密な関係を築いている地域金融機関の活用が有効であると指摘をし、また、要望をいたしました。
 都は、こうした視点に立った取り組みとして、今年度から、地域金融機関の営業職員が各企業を訪問する事業承継支援を開始いたしましたが、これまでの成果と今後の取り組みについて伺います。

○加藤金融部長 都は今年度から、地域の中小企業の経営状況などを理解している信用金庫や信用組合などの地域金融機関と連携し、事業承継の啓発から承継計画の策定、計画実行に必要な融資まで一貫して支援する地域金融機関による事業承継促進事業を実施しております。
 本事業では、まず地域金融機関の営業職員が、事業承継が課題となっている取引先企業を訪問して、承継の準備状況などのヒアリングを行っており、その訪問実績は、二月末現在で二千八百三十三社となっております。
 また、そのヒアリングの結果、経営者の求めに応じまして、承継計画の策定に向けた専門家の無料派遣を行っており、その派遣実績は、二月末現在で延べ三百四十五社となっております。
 来年度は、より多くの地域金融機関に対して本事業への参加を呼びかけるとともに、専門家派遣数の規模を今年度より三百社ふやし、延べ千八百社といたします。
 今後も、地域金融機関と連携しながら、中小企業の事業承継に向けた具体的な取り組みを後押ししてまいります。

○山崎委員 金融機関の職員が多くの顧客企業を訪問し、承継に向けた第一歩に導いたことは、私は大きな成果だと思います。来年度はさらに取り組みを強化し、より多くの中小企業の背中を押していただくよう要望しておきます。
 事業承継の促進に向けては、我が党はたびたび議会で取り上げ、その支援の強化を提言してまいりました。都も、これを受けとめ、事業承継の支援策を充実させてきましたが、こうした支援も使ってもらわなければ意味をなしません。これは全ての施策にいえることだと思います。
 中小企業の経営者に、できるだけ事業承継の必要性を理解してもらい、より広範な中小企業が事業承継に取り組めるよう、身近な地域で中小企業を支える経済団体とも協力するほか、インターネット活用など、あらゆる手段を動員し、啓発を行っていくべきと考えますが、これまでの成果と今後の取り組みについて伺います。

○土村商工部長 都では、経営者に向けた事業承継に関する普及啓発セミナーの実施や、金融機関や業界団体等が集まる場へ講師を派遣します出張セミナーを開催しておりまして、今年度は、普及啓発セミナーを二月末現在で計四回、出張セミナーを計十一回実施いたしました。
 また、できるだけ多くの中小企業の経営者に事業承継の必要性をアピールできるよう、著名な漫画家のイラストを入れたわかりやすい小冊子を十四万部作成しまして、東京都中小企業団体中央会などを通じまして、中小企業に広く配布してまいりました。
 来年度は、普及セミナーや出張セミナーといったこれまでの取り組みに加えまして、ポータルサイトに承継を実施した企業のインタビューを掲載するなど、新たなコンテンツを盛り込んでいくことで内容を充実してまいります。
 さらに、インターネットが身近な検索手段となっていることを踏まえまして、ネットでの検索に連動して出せる広告、いわゆるリスティング広告を展開いたしまして、事業承継に関心のある経営者に効果的に支援メニューを届けていけるよう、さらなるPRの強化を図ってまいります。

○山崎委員 事業承継を実際に進めていく上で重要な課題の一つは後継者の確保でありますが、後継者への承継を行う上で極めて重い課題といえるのは経営者の個人保証であります。
 国の調査によれば、後継者候補が事業承継を拒否する理由の約六割が個人保証によるものとのことであります。このように、経営者保証によって将来的に多額の債務が引き継がれる可能性があることが、後継者候補を確保する上でのネックの一つとなっております。
 こうした課題への対応策として、国は、事業承継時に経営者の個人保証を不要とする新たな保証制度を創設し、来年度から開始をするとのことであります。会社は引き継ぎたくても債務を引き継ぎたくないという後継者にとって、大きな障壁が一つ取り除かれることになります。
 そこで、この事業承継に係る国の新たな保証制度にどのようなメリットがあるのか、また、都の制度融資ではどのように連携をしていくのか伺います。

○加藤金融部長 国が来年度から開始します事業承継期の中小企業を対象とした新たな保証制度では、新規の事業資金の借り入れに伴う経営者保証を不要にするとともに、既存債務の借りかえに際しても、経営者保証を解除することが可能となります。
 また、国が設置する経営者保証コーディネーターが一定の財務要件などを満たすと認めた中小企業につきましては、信用保証料が最大で六割程度引き下げられ、最低の場合では〇・二%となります。都は、こうした国の取り組みを受け、制度融資の事業承継融資メニューにおいて、信用保証料補助を拡充し、中小企業のさらなる負担軽減を図ることとしております。
 具体的には、原則として信用保証料の二分の一を補助することとし、さらに、財務状況が良好な中小企業については補助率を引き上げ、最大で保証料負担をゼロといたします。
 このように、国の新たな保証制度とも連携し、都の制度融資の充実を図ることにより、事業承継期にある中小企業を強力に後押ししてまいります。

○山崎委員 国と連動して都が支援を拡充させることで、事業効果はより大きなものとなって中小企業に届きます。優秀な後継者候補がいても、将来への不安から断念してしまうことがないよう、経営者と後継者双方の負担軽減に引き続き取り組むよう要望をしておきます。
 ここからは、東京の中小企業がさらに成長していくための海外需要の取り込み、海外市場への進出について、何点かお伺いをいたします。
 少子高齢化の一層の進展などにより、国内市場が縮小する中、都内中小企業にとって、成長著しい東南アジアを初めとした海外の市場を取り込むことは重要であります。
 しかし、経営資源に限りがあり、中小企業がみずからの力のみで海外との取引を獲得することは困難であります。また、海外展開と一口にいっても、輸出入や海外企業との連携、さらには生産委託など、その手法や段階はさまざまであり、企業が目指す事業展開に応じた支援が必要となります。
 そこでまず、中小企業の海外展開をどのように支援しているのか伺います。

○土村商工部長 都内中小企業の海外展開を支援するため、中小企業振興公社におきまして、海外展開に必要な知識やノウハウを提供するセミナーや、貿易に関する相談などを実施するとともに、商社OBなどの専門家を活用し、新たな販路開拓をハンズオンで支援しております。
 また、東南アジア地域における事業拡大を目指す中小企業に対しまして、製造委託等の事業連携に向けた相手企業とのマッチング支援や、現地の拠点設置等に向けた計画の策定支援と、その実現可能性の検証のサポートを行っております。さらに、企業内で海外展開を推進する中核的な人材を育成する講座も実施しております。
 こうした幅広い取り組みによりまして、中小企業の対海外展開を支援しております。

○山崎委員 海外現地への拠点の設置を目指す中小企業に対しては、計画の策定と実現可能性の検証を支援しているとのことです。
 しかし、策定した計画の実行に際し、国ごとに異なる複雑な法令、日本とは異なる習慣などを理解した上で、拠点設置に必要なさまざまな手続を、中小企業が自社のみで対応することは、非常に困難な状態が多く見受けられます。
 海外マーケットの獲得に向けた拠点展開は、企業が大きく業績を伸ばしていくきっかけとなる一方で、さまざまな課題に直面することになります。
 海外進出を決断した中小企業が事業展開を確実に進めていけるよう、海外現地で必要となるさまざまな手続に関しては、海外の現地において、しっかりと企業に寄り添った支援を行うことも必要と考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 都は今年度、中小企業振興公社タイ事務所や、インドネシアとベトナムに設置しておりますサポートデスクなどを活用しまして、東南アジア地域への拠点設置等を目指す中小企業十社に対し、ナビゲーターが、戦略策定と現地における実現可能性の検証を支援しております。
 来年度は、こうした支援に加えまして、海外拠点の開設段階においても現地に同行いたしまして、法人設立に向けた各種契約、人材採用など、さまざまな手続を円滑に行えるようサポートすることとし、戦略策定から現地拠点の設置まで一貫して支援する体制へと充実してまいります。

○山崎委員 また、既に海外現地に拠点を設置した企業においては、現地での事業拡大が進む一方で、現地に派遣する社員の確保が困難であるという声も聞いており、海外での有能な人材の確保も大きな課題となっております。
 中小企業が、海外現地においてビジネスを成功させることができるよう、こうした人材面からの支援も必要と考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 海外に拠点を設置した中小企業が、現地での競争力を高めるためには、現地の商習慣や文化などに根差した経営を主体的に担うことができる現地人材を幹部に登用することが必要でございます。
 このため、来年度、タイに事業所を持つ日本人経営層に向けた現地人材を登用するメリットを学ぶためのセミナーや、現地幹部候補生に対して経営ノウハウを提供する講座等を開設いたします。
 こうした取り組みによりまして、幹部に登用できる有能な現地人材の確保と育成を支援してまいります。

○山崎委員 これらの支援は、主に東南アジア市場を対象としたものとのことですが、近年、経済のグローバル化の進展により成長分野などへの進出を目指す中小企業が欧米にも販路を求めるケースが出てきております。
 都が現地拠点を設置している東南アジアに比べて、欧米における都の支援ノウハウ蓄積は、まさに東南アジア市場に比べて十分ではない、そのように思います。
 こうした欧米に販路を求める中小企業の事業展開をどのように支援していくのか、見解を伺います。

○土村商工部長 都は来年度、高付加価値な技術や製品を持つ中小企業が、欧米市場へ進出するに当たりまして、現地の支援ネットワークを活用して、ビジネスを円滑に進めることができるよう、欧米都市との新たな取り組みを開始いたします。
 欧米都市との連携のもと、都内中小企業が連携先の都市への進出を検討する場合には、現地の支援機関等によるマーケット情報の提供やビジネスマッチング、登記や契約の手続などに関するサポートを受けられる仕組みを構築いたします。
 都が現地拠点を設置した場合と同様の支援が受けられる環境を整備することで、欧米市場への進出を後押ししてまいります。

○山崎委員 欧米にも、こういった現地事務所やサポートデスクの設置に向けて、ぜひ検討をしていただきたいと思います。
 またあわせて、こういうところで国の各海外の出先機関との連携、国はやはりいろんなそういった出先機関がございますから、しっかりと都としてこういった出先機関との連携を構築できるよう、この辺は強く要望をしておきたいと思います。
 世界にも通用する技術やアイデアを持つ東京の中小企業が、さらなる成長に向けて海外市場の取り込みを実現できるよう、さまざまな手法による支援を着実に展開してもらいたいと思います。
 さて、本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大への対応、そして中小企業の事業承継、先ほど、最後の質問になっておりましたが、中小企業の海外市場への展開を、都の対応を伺ってまいりました。
 現下の危機の対応に加え、新型コロナウイルス感染症終息後の局面を見据えた対応の両面からの産業振興が極めて重要であり、短期、中長期的な課題について、着実かつ迅速に対応を進め、施策を総動員して、総合的に展開していくことが今求められているわけでございます。
 まさに日本の経済を支えるのは東京であり、その東京の経済を支えるのはまさに中小企業だと思います。その中小企業の現場の実情に寄り添った、真に中小企業のためになる施策をしっかりとこれからも進めていただくよう要望して、私の質問を終わります。

○あぜ上委員 それでは私から、まず新型コロナ感染症対策補正予算について伺います。
 このコロナ感染症の影響というのは、先ほど局長から厳しさが増しているというご答弁もございましたが、本当に刻々と深刻な事態が進んで、私たちのところにも多くの悲痛な声が寄せられているところであります。
 ある屋形船の業者の方は、五月までの予約が全てキャンセルになった、また、飲食業の方々からは、キャンセルが相次いでいて客足は激減している、ランチは二人しか入ってこなかった、廃業という苦渋の選択をせざるを得ないなど非常に深刻です。
 都がこの間、先ほど来お話があったように、緊急の借りかえ融資とか、それから従業員の無利子融資、こういった第三弾の対策も講じられたこと、これは大変重要だというふうに思っておりますが、都内の中小小規模事業者にとっては、やはりこの春を越えられるのかどうか、本当に瀬戸際だなということをいろいろなお声を伺う中で実感しているところであります。
 そういう点では、やっぱり緊急の思い切った対策、これも必要なのではないか。例えば、小規模な事業者にとっては、金銭的な補助、助成が命綱になっていると思います。
 ある都内のライブハウスの経営者の方ですけれども、売り上げが八割減となった、家賃など固定費の支払いは遅延ができない、見通しがつかない、本当にこれから先どうしていいか、もう廃業するかどうかと大変悩んでいらっしゃいました。
 緊急支援補助、これがあったら、何とかこの春を越して、見通しができてくるんじゃないか、そういうお声もありました。
 都として、一斉休校やイベント自粛などに伴う影響に対する、中小小規模事業者に対して補助を実施すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○加藤金融部長 都は、新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受けている中小企業に対し、緊急融資制度などによる支援を行っており、信用保証料の全額補助などの措置も講じております。

○あぜ上委員 信用保証料の補助とか、非常にそれ自身は重要だというふうに思っております。同時に、商売を続けられるかどうかの瀬戸際の事業者に見合う対策、これも必要なんじゃないかというふうに思うわけです。
 もう二、三具体例をお話しさせていただきますと、あるケータリング業者の方なんですが、二月、三月は、学校関係の仕事が主たる仕事、全てキャンセルになったと。また、ある映像を職業とされている方なんですが、保育園、学校の卒業式のキャンセルで、三月だけでも百万円損失になったと。
 こうした直撃を受けた方々から、当面の固定費を支えてもらえると営業存続の見通しも立つんだ、こういう声が寄せられているわけです。こうした声に応えて、各地方自治体でも、もうこうした支援が必要なんじゃないかという検討などがされているということも伺っています。
 ぜひ、こうした声に応えて人件費や家賃などの固定費の補助、これを強く求めたいと思います。
 また、こうした大打撃を受けている業者の方々からは、先ほどもちょっとお話があったんですが、都の支援策、国の支援策、さまざまな支援策、この間、一気にいろんな支援策が出てきて、何だかよくわからないと。金融もあれば、また、経営の窓口もあると。そういう意味では、事業者向けのワンストップの相談窓口を開設してほしいという声をいただきました。
 また、都の一般のコロナ相談窓口、これは産労ではないんですけれども、この電話相談はナビダイヤルになっています。電話相談はフリーダイヤルにしてほしいと、こういう声も寄せられております。
 先ほど、ネットでアクセスしやすいようにしたというお話がありました。それは大変大事だと思いますが、こうした新型コロナウイルス対応の事業者向けのワンストップの相談窓口の開設、それから電話相談はフリーダイヤルにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務 都は、中小企業の方々からのさまざまな相談に適切に対応できるよう、既に広く事業者の方に周知しております資金調達や経営に関する相談ダイヤル等を活用いたしまして、新型コロナウイルスに関する中小企業者等特別相談窓口を設け、対応しているところでございます。

○あぜ上委員 こうした事態が長引けば、今後ますます深刻な状況になっていくわけですから、フリーダイヤルにするぐらいはすぐにできると思うんですね。
 事業者の方も、そうした相談しやすい環境をいかにつくるか。それはやっぱりご努力していただきたいなと、これは要望しておきます。
 次に、食品の産業振興に向けた支援方針についてです。
 まず、中間のまとめが報告された食品産業振興に向けた支援方針なんですけれども、この方針を策定するに当たり、専門家会議が五回開かれておりましたが、この専門家会議を開いた経緯について伺いたいと思います。
 また、メンバーの選定、これはどのような判断に基づいて行われたのか伺います。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務 食品産業の振興に向けた支援方針の策定に当たりまして、外部有識者等による専門的な意見を取り入れるため、昨年十一月に、食品産業振興に向けた支援方針策定に係る専門家会議を設置いたしました。
 専門家会議の委員につきましては、食品産業全般を通じて幅広い知見を有する学識経験者や、現場の状況に詳しい業界団体の代表者の方を選定してございます。

○あぜ上委員 その専門家会議のメンバーに消費者代表が入っていませんでしたが、なぜなのでしょうか。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務 委員には、消費者のニーズ等にも精通した学識経験者を選定してございます。

○あぜ上委員 専門家会議で消費者ニーズについても議論されていたということは、議事要旨や資料などを見るとわかるのですが、やはり私は消費者団体の代表も加えていただきたかったなというふうに思うわけです。
 私が何より大事だと思うのは食の安全なんです。都の作成した中間のまとめでも、食の安全性について基礎的な知識を持ち、みずから判断する消費者の割合、これは七二・四%と高いというふうに書いてありました。
 東京都自身が行った食品の購買意識に関する世論調査というのがあるんですが、これによりましても、生鮮食料品の購入の際に、食の安全性への意識、これは意識しているという方が、都内では八八・四%と非常に高かった。また、産地や消費期間、価格を意識しているとなっています。
 より安全でおいしいものをできるだけ低廉な価格で安定して購入できることを、多くの都民、消費者が望んでいる。こういう消費者の代表も入れることで、より食品産業振興に向けた支援策の議論も深まったんじゃないかなというふうに思ったわけです。
 私がとても気になったことが一つありました。それは、消費者連盟などが反対しております新しいバイオテクノロジー応用食品の技術活用の推進ということです。
 新しいバイオ産業の活用が拡大されている現状から、そういう食品製造にも活用を進める立場だというふうに書かれていたんですけれども、新しいバイオ応用食品というのは、結局、ゲノム編集の応用食品などになるわけですね。
 いわゆる発酵食品とか、こういったバイオ応用食品なら理解できるんですけれども、ゲノム編集応用食品については、現在、予防原則の立場で、遺伝子組み換え食品と同等の規制を行うべきでありますし、表示も義務化すべきで、それが今できていない段階なわけです。
 そういう段階では、これを推進するという立場はいかがなものかなと、慎重な対応をとるべきではないかと。これは、中間のまとめを読んでいて気になった点として、意見として述べておきたいと思います。
 さて、提言の中でも、方針案の中でも指摘されておりましたが、食品加工、食品製造業者の九割以上は中小小規模事業者です。
 とりわけ小規模の事業者は、この間、減少していると書かれておりましたが、食品製造業者への支援で、来年度予算に具体的に増額、または新規事業があるのか伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 都は、食品製造業者に対しまして、東京産の原材料を使用した加工食品等の開発に必要な経費を補助しており、来年度からは、従来の開発経費に加え、商標出願費や開発製品のPRなど販路開拓費を補助対象経費といたします。

○あぜ上委員 東京産の原材料を使用した加工食品の開発補助、また、販路開拓費補助なども大事だというふうに思います。
 さて、この四月からは、栄養成分表示、これが義務化されます。従業員二十人以下の要件を満たす小規模事業者は免除されるというふうになっていますが、消費者の立場からいいますと、表示はやはりしていただきたいなというふうに思いますし、スーパーなど、表示のないものは納品を打ち切られる、そういった危険性もあるんじゃないかと思うわけです。
 そこで伺いますが、小規模の食品製造業者の栄養成分や原料、原産地の表示のための補助制度、これを早急に進めることを求めますが、いかがでしょうか。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 都立食品技術センターにおいて、食品製造業者に対しまして、食品表示に係る技術相談を実施するとともに、事業者からの依頼に応じて、栄養成分表示に必要な成分分析を行っております。

○あぜ上委員 都立食品技術センターが、その点での役割を果たしているということは理解しておりますが、ある食品製造業者の方は、栄養分析を民間調査機関に出したら一件二万円のお金がかかる、その表示のためのラベルプリンターの購入も必要となる、だから、とても大変で、多大な実務と実費の負担が強いられるというふうにおっしゃっていました。
 先ほど申し上げたように、やはり消費者はしっかりと原料、産地の表示を求めています。プリンター購入など、必要な経費が負担となる。そういった小規模な事業者にとっては、やはり支援が必要ではないかというふうに思うわけです。ぜひ、その点については、今後検討を進めていただきたいと要望したいと思います。
 食品技術センター、先日、視察をさせていただきました。都内の事業所は千二百軒ということですが、技術支援の相談は年間千件を超えるということでありました。
 試験機器を利用させてもらえたり、また、食品づくりの相談ができる、中小小規模事業者にとっては大変頼りになる大事なセンターであるということが、視察をしてもわかりました。
 そこで伺いますが、中小食品製造業者からの相談に応じられるよう都としてワンストップ対応と支援体制の強化充実を図る方向性が、この中間のまとめでは打ち出されておりますけれども、食品技術センターの体制強化は欠かせないと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務 食品製造業のさらなる振興に向けた支援に当たりまして、都立食品技術センターに求められる体制につきましては、検討を進めていくこととしてございます。

○あぜ上委員 オーダーメードの新製品をつくりたいという中小小規模の食品製造業者に、伴走型で支援できるように、さらに安全で安心な食品を提供していただくためにも、技術センターは大変重要だと思います。
 現在、十七人の体制でセンターを運営されているというふうに伺いましたが、拡充を求めます。
 また、商工部門が主体となるということですが、農林水産部門との連携も大変重要だと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長成長戦略担当部長兼務 中小食品製造業者の支援には、商品の開発から製造、販売に至る一気通貫の支援が必要でございます。
 こうした支援の実施に当たっては、商工部門が主体となる必要がございますが、農商工連携の取り組みなどにおきまして、農林水産部門と適切に連携していくこととしてございます。

○あぜ上委員 同時に、地産地消やスローフードの取り組みなども促進する、こういった食品製造業者への支援を拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 都は、食品製造業者に対しまして、東京産の原材料の使用や東京の伝統的な製法によりつくられた加工食品等の認証を行い、東京の特産品として、ガイドブックやウエブサイト、イベント等で広くPRを行っております。

○あぜ上委員 東京産の原材料の使用や伝統的製法などによってつくられた加工食品を認証し、PRしているということは、大事なことだと思います。
 今、農林漁業の分野でも、輸入自由化や大規模化の推進が、飢餓や貧困を拡大し、農村を荒廃させ、食の安全をも脅かしているとして、見直しを求める声が国際的に広がっております。
 個々の産地や農業者、また、食品の加工業者などによる輸出拡大の自主的な努力、こういうことは尊重されても、やはり食料輸入大国である日本が力を入れるべきことは、国内需要を満たすような農業生産の拡大であり、また、地産地消、スローフードを推進することだというふうに思います。
 都内でも、SDGsの立場で地道に頑張っていらっしゃる中小小規模の食品製造の業者の方々が、事業をしっかりと継続して営業できるように、営むことができるように、支援をぜひとも拡充していただきたいと、このことを求めて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、障害者雇用、就労対策及びソーシャルファームについてです。
 障害者雇用、就労対策の来年度新規事業の内容とその予算額を伺います。

○村西事業推進担当部長 都は来年度、さまざまな事業の拡充をしてまいりますが、新規事業としましては、障害者を雇用する中小企業に対する伴走型の支援を行うこととしておりまして、予算額は約四千四百万円となってございます。

○あぜ上委員 今まで精神障害者の方のみの心身障害者就労推進事業、この対象を知的や身体にも広げるということでありますが、四千四百万円だということなんですが、やはりもっと新規事業をふやしていただきたかったなということを率直に申し上げたいと思います。
 障害者雇用については、東京都の長期ビジョンでは、二〇二四年度までに障害者雇用を四万人ふやすという計画でしたが、達成はしていますよということでありました。これは、民間の法定雇用との関係で、二十万四千四百六十四人と。しかし、法定の雇用率を達成している民間は、調べてみますと、都内では三二%にすぎないわけです。
 戦略ビジョンでは、二〇二一年から二〇三〇年でさらに四万人をふやすんだということになっていましたが、私は、やっぱり都として、さまざまな障害者の雇用、就労対策を拡充する具体策、もっと積極的に講じていただきたいと強く要望したいと思います。
 例えば、以前私は、職業訓練校の車椅子利用者の方で、介助者が必要な方は対象外とされている、このことを改善していただきたいと求めましたが、今も、これは残念ながら、まだ改善されておりません。また、今、重度訪問介護が、経済活動中、また就労中の支援には使えないと。このことも、国レベルでも大きな問題として議論を呼んでいます。
 東京都として、介助が必要な重度障害者の職業訓練校の受け入れ、また、職場での介助、通勤支援などを国に求めると同時に、職場における重度障害者の受け入れのための施設整備費補助とか、ソフト面での支援の具体化を強く要望したいと思います。これは要望にとどめておきます。
 そして、ソーシャルファームについてなんですが、私たち都議団は、これまでソーシャルファームについては、都民の共通認識がつくられておらず、条例化は時期尚早だと指摘をさせていただきましたが、今回、予算案には約九億円ついております。
 先ほど、ソーシャルファーム予算九億円の内訳のご答弁も、他の委員のご質疑の中でございました。ソーシャルファームの事業者十社に対して、創設支援、約八億一千三百万、それから事業者からの相談等に対応する支援拠点の設置ということで、八千三百万という説明がございました。
 そこで、一点だけ伺いたいと思いますが、ソーシャルファームの相談窓口、これはどういう人が対応されるんでしょうか。

○篠原雇用就業部長 都は来年度、ソーシャルファームの創設を目指す事業者からの相談への対応や、認証を行ったソーシャルファームに対する経営支援などを実施するため、支援拠点を設置する予定でございます。
 こうした支援を実施する上で必要なスタッフを設置することとしておりまして、詳細については今後検討してまいります。

○あぜ上委員 もう四月になるというのに、具体化は今後検討ということであります。
 先ほどのご答弁の中で、一月に検討会は設置されたというお話がありましたが、一月に検討会を設置されたにもかかわらず、予算審議のこの時期においても、ソーシャルファームの定義も認証基準も現時点では決まっていないと。
 しかもソーシャルファームは、事業からの主たる財源として運営するという条例上の第十条の規定からいいましても、多額の補助を事業者に行うという点においても、疑問が残るわけです。
 やっぱり支援事業として--私たちは、このソーシャルファームということ自身を否定しているわけではありません、支援事業として、やっぱりもっと十分に議論して、認証基準や定義もしっかりと決めていくと。そうした中で事業を開始していくというのが、本来のあり方じゃないかと。そういう意味では、支援事業として時期尚早だといわざるを得ないことを指摘しておきたいと思います。
 それで、最後に東京都雇用・就業対策審議会について伺いたいと思います。
 二〇一三年には、この東京都雇用・就業対策審議会の答申が出されましたが、その検証、これはどのような仕組みで検証したのか、まず伺います。

○村西事業推進担当部長 平成二十五年二月の東京都雇用・就業対策審議会の答申を踏まえ、都は、若年者に対する就業支援や職業訓練、育児、介護と仕事の両立支援などの施策を展開してきております。
 これらの施策につきましては、毎年度、事業実績等の分析などによって検証しているところでございます。

○あぜ上委員 毎年度検証されているということなんですが、その後、二〇一三年一月二十四日以降、七年間、この東京都雇用・就業対策審議会は開催されておりません。委員の委嘱もされていません。
 審議会をなぜ開催しないのか伺います。

○村西事業推進担当部長 都は、雇用及び就業対策や職業能力の開発に関する事項などにつきまして、その時々の状況や施策の実施状況など、さまざまな状況を踏まえ、審議会の開催の必要性を判断しているところでございます。

○あぜ上委員 今ご答弁の中で、さまざまな状況に応じて必要性を判断しているということだったんですが、その必要性を判断するのはどなたなんでしょうか。

○村西事業推進担当部長 審議会条例では、知事が諮問をするという形になっております。
 したがいまして、事務局である都が全体的に判断して、知事の判断を仰ぐということになろうかと思います。

○あぜ上委員 今ご答弁があったように、条例では知事が招集するということになっております。
 そういう意味では、私は、知事の姿勢が問われる問題ではないかというふうに思うわけですが、審議会を開かないということは、審議会条例第一条に反するものではないんでしょうか、伺います。

○村西事業推進担当部長 雇用・就業対策審議会条例の第一条では、雇用及び就業の促進等を図るため、附属機関として審議会を設置することなどを規定しておりますが、審議会の開催については特に明示されておりません。

○あぜ上委員 条例は、置くことを規定しているけれども、開催は規定していないんだというご答弁なんですが、そういういいかえは通用しないと思うんですね。
 第一条では、知事の附属機関として、東京都雇用・就業対策審議会を置くと、確かに置くとなっております。ところが、この七年間、一度も審議会を開催していないだけでなく、委員の委嘱もしていないわけです。実態として審議会は設置されておらず、第一条違反、一条に反するといわなければならないと思うんですね。
 一方、都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例の制定については、審議会に諮ることなく、知事の私的諮問機関であります有識者会議で検討というか、意見交換がされたわけです。
 雇用就労の支援の基本にかかわる条例にもかかわらず、審議会では諮りませんでした。条例で設置されている審議会委員の委嘱に時間を要するから、緊急的にやったんだという理由でもないし、また、そういった説明も受けたことがございません。
 諮問し答申を受けるということを--私的諮問機関でこれを議論したということは、条例に基づいた審議会に諮問し、答申を受けるということを避けたとすれば、意見を聞いたという形はとるけれども、どのように使おうが自由にやりますよというようなものだと批判されても、私は仕方がないことではないかといわざるを得ないわけです。今も恒常的に議論が行われています。
 こうした私的諮問機関とそれから条例上の諮問機関については、高槻市の判決など司法の判決も出ております。
 審議会という条例で定めている会議を再開して、大事な雇用就労支援を促進、拡充するよう強く求めたいと思います。
 個別具体的な施策を議論したいということもあると思うんです。そういうときは、審議会に部会を設けて審議する、こういった方法もあるわけですね。ですから、ぜひそういったことも含めて進めていただきたい。そのことを求めまして、質問を終わります。

○両角委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時十八分休憩

   午後五時五十分開議

○両角委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○森澤委員 未来の東京戦略ビジョンでは、全国各地との連携を深め、真の共存共栄を実現した東京とあり、目指す二〇四〇年代の姿として、東京が、世界から日本に人、物、金を呼び込むゲートウエーとして、各地が持つさまざまな資源と結びつける役割を果たすことで経済が発展としています。そういった意味で、東京と地方の共存共栄を図るベンチャー育成事業は大切な取り組みだと考えます。
 来月四月には、既存の枠を超えた連携が生まれる場所として、NEXs Tokyoを丸の内に開設する予定ですが、まず、その狙いについてお伺いいたします。

○土村商工部長 東京を世界で最もビジネスしやすい都市へと進化させるためには、多様な主体の有機的な連携が必要でございます。
 ことし四月に丸の内にオープンいたしますNEXs Tokyoは、国や地域、業界、業種にとらわれない新しい連携関係を創出しまして、東京から新しいビジネスを次々と生み出し、東京の持続的な成長につなげることを目的としてございます。

○森澤委員 ここでは、企業に期限つきで施設を利用させるというふうにお伺いいたしました。利用期限を設けることで、早期に事業のスケールアップを図る強い意思を持ってもらうという意図があるというふうにお伺いいたしております。
 以前の委員会でも申し述べましたが、福岡市での官民協働型スタートアップ支援施設も、基本的に一年で卒業してもらえるよう期限を設定していました。期限があることで、入居者も運営側も真剣勝負で、面談などを通じ、困っていることはないか、資金調達できそうかなど、常にフォローしていくモチベーションが生まれていました。
 本施設の運営者である都も、入居企業に、スケールアップした上で期限内に卒業していっていただけるよう、積極的に入居者に働きかけていただくことを期待いたします。そういった意味でも、この施設に、意欲があるスタートアップ企業に選ばれる施設となってほしいというふうに考えますし、どのような企業が入居してくるのかというところが気になるところです。
 先日、プロジェクトの取り組みの一つである第一期支援プログラムの受講者が発表されましたが、この支援プログラムの狙いと、どのような連携を生み出そうとしているのか、お伺いいたします。

○土村商工部長 NEXs Tokyoで行うモデル事業創出プログラムは、東京と全国各地域との垣根を超えた連携によりまして、スタートアップのさらなる成長に向けて支援するものであります。
 本プログラムは、都内のスタートアップが、全国での販路拡大を行うことを目的とするコースと、すぐれた技術を有する都外のスタートアップが、東京の投資家や大企業との連携で新たな事業を展開することを目的とするコースの二種類を用意してございます。
 それぞれの目的に適したビジネスプランの磨き上げや、連携するパートナーとのマッチングを行いまして、多様なスタートアップのビジネス展開を支援してまいります。

○森澤委員 都内のスタートアップが、全国での販路拡大を行うことを目的とするということでしたが、販路拡大にもいろいろ意味があると思います。
 単に量的な販路拡大のみならず、地方の課題解決をするという意味で、その企業の持つ技術やサービスの価値を高く評価し、あるいは高めてくれる地方との連携ができれば、それはとても有意義な販路拡大であると考えますし、都内企業が地方の活性化に貢献することにもなり、共存共栄の一つのあり方として非常に有効だと考えます。
 また、投資家が少ない都外のスタートアップ企業が、東京の投資家や大企業との連携をもって新たな事業展開を目的とするという話もありましたが、このプログラムにおいて、さまざまな新たなつながりが生まれて、東京と地方双方で共存共栄に資する取り組みとなるよう期待したいと思います。
 次に、都は来年度から、将来有望な大企業発のスタートアップを創出するために、企業内に眠る有能な人材などのリソースを活用し、事業化に向けた支援により成長を後押しする、新事業発掘プロジェクトを行うということです。
 企業内起業も注目され、有望な事業であれば大企業自体が出資するような形もふえてきているように思いますが、今回、どういった課題認識でこの事業のスタートに至ったのか、お伺いいたします。

○土村商工部長 東京から新しい産業やビジネスが生まれ続ける好循環を確立し、東京の持続的な成長を実現するためには、大企業を含めたあらゆる主体との連携を通じまして、新たなイノベーションを創出することが必要でございます。
 大企業の中には、すぐれたアイデアやノウハウを有する人材が数多く存在するものの、その企業の中での優先度や収益性の判断など、いわゆる事業戦略の観点から、事業化できずにいるケースが存在しております。
 これらのすぐれたアイデアや人材をさまざまな分野の人材とコラボレーションさせることで、新たなビジネスの創出を促進していくことを目的としてございます。

○森澤委員 大企業の中では、優先度や収益性の判断などから事業化できずにいるケース、それをほかとコラボレーションさせることで、新しいビジネスにつなげていこうという目的だということは理解しました。
 一方で、大企業に勤めている方と話をすると、いざ起業をしようとする際に、失敗したときに、もともといた会社や同程度の会社に戻れないというリスクが、一歩踏み出すことを阻んでいるケースも多くあるというふうに伺います。その点では、うまくいかなかったときのセーフティーネットも、あわせて構築していく必要があると考えます。
 その点で、来年度から開始するリスタートアントレプレナー支援モデル普及事業について、この事業の狙い、事業に至った課題について伺います。

○土村商工部長 シリコンバレー等、海外では、起業での失敗はむしろ経験と評価されまして、投資家等からの資金調達が可能であることから、一度失敗した起業家が再チャレンジしやすい環境でございます。
 しかし、日本では、失敗は許容されにくく、大きな負債を抱えてしまうことも多いため、資金調達面で非常に厳しい足かせとなっており、再チャレンジしにくいのが現状であります。
 そのため、過去の経験を前向きに評価する先輩起業家や投資家などから、これらなどからの事業協力や資金調達につなげる支援を行いまして、成功事例を効果的に発信することで、起業の再チャレンジの機運醸成を図ることを目的としてございます。

○森澤委員 起業の再チャレンジの機運醸成を図るということでしたが、今、海外事例として、一度失敗した起業家が再チャレンジしやすい環境があるというお話がありましたけれども、先ほどお話しした起業がうまくいかなかったときというのは、シリコンバレーでは、事業が行き詰まった場合、もといた企業に戻るというケースも、再度起業するというだけではなく、もといた企業に戻るというケースも多くあるというふうに聞いています。
 先ほど、うまくいかなかったときのセーフティーネットの構築をという話をしましたけれども、都には、ちょっと趣旨は違いますけれども、育児・介護からのジョブリターン制度整備奨励金があります。同じように、一度起業した人材も企業に戻れるようなジョブリターン制度も、企業に整備してもらえるような取り組みも、今後、検討いただきたいと要望しておきます。
 私たちには、新しい技術や製品を都内の現場で試してみたい、しかし実証現場の場が見つからないなどというスタートアップから相談を受けることもあります。
 都内でのイノベーションの種を潰さず育てていくために、都が積極的にスタートアップの実証実験にかかわってほしいと感じていたところであり、スタートアップ実証実験促進事業について期待をしています。
 都が来年度から開始するスタートアップ実証実験促進事業について、この事業の狙いについてお伺いいたします。

○土村商工部長 スタートアップの新たなアイデアや技術を確実に社会実装につなげていくためには、実証実験は重要でございます。
 しかし、知名度が低く、人材や資金等の経営資源が不足しているスタートアップは、実証実験の場の確保や、必要となる機材等の調達が困難であるなどの課題がございます。
 本事業は、都がスタートアップの実証実験に必要な手続や費用、場の確保をサポートすることで、新たなビジネスの実現を支援し、成長性の高いスタートアップの創出につなげていくものでございます。

○森澤委員 今ご答弁で、スタートアップの実証実験に必要な手続や費用、場の確保をサポートするというご答弁がありました。しっかり進めていただきたいと思います。
 そもそも、その実証実験をするときに、どこに相談したらいいのかわからない。相談しても、うちではないなどと断られてしまうということもよく聞くところです。
 また、今の制度の中で、明確に位置づけられていない、想定されていなかった分野において、イノベーションは生まれてくるというふうに考えます。
 今後、都内スタートアップ企業からそういった声が出てきたときも、今の制度を答えたり、これしかできませんというふうにして終わりにしてしまうのではなく、どうしたらできるのかということをぜひ一緒に考えていただき、都におけるイノベーションの種を潰さないで育てていただきたいと思います。
 今後、都が、スタートアップ企業が求めていることを酌み取り、国やほかの自治体とのコーディネーター役になることも期待したいと思います。
 そういった意味で、来年度から始まる行政課題解決型スタートアップ支援事業は、都庁舎近くの西新宿エリアにスタートアップの集積拠点を新たに整備し、都職員や投資家等との交流を促進するということですが、スタートアップ企業と都がフラットな関係で事業を行っていく、一つの大きなきっかけになると期待しています。
 その前哨戦として、スタートアップピッチイベント、UPGRADE with TOKYOが開催されましたが、これは、さまざまな都政課題を解決するために、民間から新たに生まれた、これまでにない画期的な製品、サービスを活用することを目的としています。
 その一回目のテーマは観光でありましたが、そこに参加したスタートアップ企業と都の話し合いが始まっていると聞いています。
 具体的にどのような連携や事業が生まれる見込みなのか、見解を伺います。

○土村商工部長 都は昨年十二月より、行政課題の解決につながる革新的な製品やサービスを創出するため、まず、観光振興をテーマに、最先端の技術や独創的なアイデアを持つスタートアップによるピッチコンテストを実施いたしました。
 このコンテストに出場したスタートアップと協議を行っている例としまして、都庁展望台の混雑状況を踏まえまして、スタートアップがIoTを活用して、スマートフォン上で展望台の空き状況を提供するアプリの開発を行うというものがございます。

○森澤委員 具体的な取り組みに向けて協議が始まっているということで、すばらしいことだと思います。
 都庁展望台の列というお話がありましたが、待ち時間が見えにくいという課題は、都のほかの施設や窓口にもあるかと思います。また、都立病院の待ち時間というのは前々から問題視されているところでもあり、この一歩が横展開されていく可能性もあります。そういったことを念頭に、今後の展開に期待したいと思います。
 私たちが、民間の方々と行政のかけ橋となる中で、行政側と民間の方々が同じようなことをいっていても、その言葉の定義の認識にそごがあるということも、それで理解がし合えないということも、ちょっと多いというふうに感じています。そもそも、ふだんの仕事の目的や環境が大きく異なるため、いたし方ないところではあるのですが、だからこそ、その橋渡しをする役割が非常に重要だと考えます。
 今回の施設において、職員とスタートアップ、投資家などをつなぐ潤滑油になる、インキュベーションマネジャーのような存在を置くべきだと考えますが、見解を伺います。

○土村商工部長 スタートアップのすぐれた技術やサービスを活用して、行政課題を解決していくためには、スタートアップと行政職員、投資家等が日常的に交流し、事業化に向けてつながりやすくなる仕掛けが必要でございます。
 そのため、来年度、都庁近くの西新宿エリアに整備する交流拠点には、行政機関の紹介や資金調達等の経営相談、製品開発の技術支援などに精通した専門家等のチームを配置することとしております。
 これによりまして、インキュベーションマネジャーが持つ、プレーヤー間のつなぎや橋渡しの機能を持たせることで、行政課題の解決とスタートアップの成長につなげてまいります。

○森澤委員 専門家等のチームを配置するというお話がありました。この人たちにインキュベーションマネジャーの役割を持たせるということ、機能を持たせるということでしたが、専門性だけでなく、交流を促したりマッチングするという役割が求められますので、専門性だけでなく、コミュニケーション能力も非常に重要となってくると思いますので、人選の方を頑張っていただきたいと思います。
 そして、官民連携のスタート地点、そして官と民の新しい協働スタイルを確立していくべくご尽力いただくことを期待いたします。
 未来の東京戦略ビジョンでは、世界中から人、物、金、情報が集まる、世界一オープンな東京、目指す二〇四〇年代の東京の姿について、世界中の高度人材が東京に集まり、日本人と切磋琢磨し、さまざまなコラボレーションから新しいイノベーションが生まれ続ける、日本、世界で特異な都市へ変貌するとあります。
 そういった中で、都は、戦略政策情報推進本部を中心に、東京の成長に資する取り組みの一つとして、外国企業の誘致を積極的に進めているほか、国家戦略特区制度を活用し、都内における外国人の創業活動を促進するため、入国管理法上の在留(経営、管理)資格に関する基準を緩和しています。
 平成三十一年三月末時点の申請実績は、三年で七十九件ということです。
 このたび産業労働局では、外国人起業家の資金調達支援をスタートするということですが、この事業は、どのような課題認識で開始をするのか、狙いを伺います。

○加藤金融部長 東京での創業を目指す外国人を支援するため、戦略政策情報推進本部では、在留資格の取得要件の緩和や資金調達の相談対応等を実施しております。
 しかし、外国人起業家は、日本での事業実績がなく、信用力が十分ではないことに加え、融資手続に係るコミュニケーションの問題等により、資金調達が困難な場合があります。
 こうしたことから、外国人起業家向けの新たな支援策を創設することとし、融資やさまざまな手続のサポートも行うことにより、外国人起業家が東京で創業しやすい環境を整備することとしたものです。

○森澤委員 外国人だと、融資を受けたくても門前払いの金融機関も多く、不利であり、東京都の後ろ盾があると助かる面も多いという声も聞きました。大事な取り組みであるというふうに考えます。
 では、具体的に戦略政策情報推進本部の取り組みとはどう連携をとっていくのか、見解を伺います。

○加藤金融部長 この新たな取り組みでは、戦略政策情報推進本部において、外国人起業家に対する事業計画の策定支援を行うとともに、東京でのビジネス展開の確実性が見込まれる事業計画を認定いたします。
 私ども産業労働局では、この事業計画の認定を受けた外国人起業家に対する資金面からの支援として、取扱金融機関による積極的な融資を促すため、その原資を預託いたします。
 あわせて、専門家が、融資に必要な書類等を日本語化するためのサポートや、融資後の経営アドバイスなどを実施いたします。

○森澤委員 戦略政策情報推進本部において認定した、その事業計画を受けた外国人起業家に対し、産業労働局が金融機関に対して支援を行っていくことで融資を促していくというようなお話だと理解いたしました。
 こういった支援をしているということが、より多くの外国人に知られるよう、周知が大事だと思いますけれども、どのように周知に取り組んでいくのか、見解を伺います。

○加藤金融部長 本制度の周知を図るため、外国人向けの多言語によるホームページを作成するほか、ビジネスコンシェルジュ東京や東京開業ワンストップセンターといった外国人起業家が訪れる窓口において、パンフレットの配布などを行います。
 また、取扱金融機関の海外拠点等のネットワークを活用することも含め、国内外のさまざまなチャネルにより、広く周知を図ってまいります。

○森澤委員 海外からのアクセスが多く想定されますので、インターネットでわかりやすく発信していただきますようお願いいたします。
 日本で起業したいと考える外国人に、しっかりとこういった情報が届き、東京がビジネスしやすい環境であるというふうに認知してもらい、世界から選ばれる都市となるよう、戦略政策情報推進本部と連携し、取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、ファッション産業の振興をエシカルの観点から伺います。
 エシカルファッションは、いまだに産業的な基盤が脆弱であり、価格的にも物理的にも、商品が消費者の手に届きやすいとはいえないのが現状です。
 社会的に意義のある取り組みをより一層普及させていくために、デザイナーの経営や販売の強化につながる施策が必要だと、昨年の予算特別委員会で斉藤れいな都議から質疑をいたしました。
 そこで、ファッション産業におけるエシカルの推進について、都の来年度の取り組みについて伺います。

○土村商工部長 都では、実力あるファッションデザイナーに対し、業界に精通したコンサルタントが、商品のブランド化やマーケティング等の戦略に対して助言することで、経営力を高めるための支援を行っております。
 また、海外での活躍が見込まれるデザイナーを選抜し、海外でのショーの開催などを通じて商談に結びつける取り組みを支援しております。
 近年、ファッション産業においては、エシカルファッションへの関心が高まっております。このため、来年度は、エシカルファッションの視点に立ったデザイナーの選抜を行うため、リサイクル素材の活用等についても審査項目に加えた表彰を実施していくこととしてございます。

○森澤委員 エシカルファッションの視点に立ったデザイナーの選抜を行うという、大事な一歩だと思います。
 エシカルという意味では、リサイクル素材活用等を審査項目というのがありましたけれども、そもそも、その綿や素材が、どんな国でどんな工場で、劣悪な環境ではないかとか、どんな人たちによってつくられたのか織られたのか、児童労働などがないだろうかといったような視点も必要になってきますので、今後、そういった観点も大事にしていただきたいと考えます。
 先日の予算特別委員会で、エシカル消費の普及啓発については、生活文化局でも、対象ターゲットを変えながら、引き続き力を入れていく旨の答弁がありました。
 先ほどご答弁にもありましたが、女性誌などでも、SDGsの観点からエシカルファッションは注目されているところであり、今後、ファッション部門でのエシカル消費につながる、さらなる取り組みを進めていただきたいと要望します。
 先日の一般質問で、観光での文化資源の活用についてお伺いをいたしました。
 海外の映画作品等のロケーション誘致は、映像産業の振興や雇用創出のみならず、文化振興やインバウンドの促進に有効であることはいうまでもありません。
 昨年の予算特別委員会でご答弁いただきましたけれども、都は平成三十年度から、海外作品の誘致に向けて、カンヌなどの世界的な映画見本市に出展し、東京都内のロケ地の紹介や、業界関係者に対する直接の営業活動を行い、また、国内外の実績が豊富な映画プロデューサーなどをアンバサダーとして任命し、その発信力を活用し、映画制作者に対して、ロケ地としての東京の魅力を広くPRしているということです。
 ここ二年間、取り組んできた成果についてお伺いをいたします。

○松本観光部長 都は平成三十年度より、世界有数の映画見本市に出展しまして、累計五百件を超える商談等を実施するとともに、東京のロケ地としての魅力を国内外に発信していくために、アンバサダーを設置し、映像制作者等とのネットワークの構築に取り組んでおります。
 こうした取り組みにより、海外の映像制作者からの要望に対応しまして、都内のロケ候補地の案内を行うとともに、例えば、海外の人気テレビドラマのロケ誘致を実現しております。

○森澤委員 来年度は、東京二〇二〇大会も行われるということもあり、より一層世界の注目が東京に集まります。
 こういった機会を捉えて、海外へのアピールを強化していくべきと考えますが、来年度の取り組みについてお伺いいたします。

○松本観光部長 世界中から東京に注目が集まる東京二〇二〇大会の開催を機会と捉えまして、東京ロケーションボックスのホームページにおいて、支援した作品を英語で紹介するページを拡充するとともに、ロケ撮影の現場の様子などを伝える動画を作成し、効果的に情報発信してまいります。
 また、引き続きカンヌ国際映画祭などの海外の見本市等において、ロケ地や支援内容を映像制作者等に積極的にPRしまして、都内におけるロケ撮影を促進してまいります。

○森澤委員 私も、ロケーションボックスの作品紹介が日本語のみだったのが気になっていましたので、英語で紹介するページを拡充していくということは必須の取り組みだと考えます。
 一方で、国内向けと国外向けではアピールポイントが違うのではないかと思うところがあります。
 国内の方は土地カンがありますが、海外の方にはそれが通じません。日本語のホームページと英語のホームページ、同じスタイルで、日本語をただ翻訳しているだけというようなふうに見受けられましたので、他国、他都市にはない、東京だからこそ撮影できるポイントを、ファーストコンタクトであるホームページなどをより一層活用し、積極的にアピールしていくべきだと申し述べておきます。
 また、公道使用などに当たって、警察との連携や自治体との調整を行うというのは、民間にできない特筆すべき点で、これも余り知られていないというふうに危惧していますので、このポイントも、さらにアピールしていただきたいと思います。
 東京の新たな稼ぐ力として、大きなポテンシャルを秘めているナイトライフ観光についてお伺いをいたします。
 都は今年度、ナイトライフ観光振興助成金により、通年計画で実施するイベント等の支援で五件、地域の新たなナイトライフの取り組みへの支援について三件採択し、二〇二〇年九月までに順次実施していくということです。
 今年度の支援実績を踏まえ、来年度、オリンピック・パラリンピック後も、より一層東京でのナイトライフ観光を推進し、夜間帯の観光消費増大につなげていくべきだと考えますが、来年度の取り組みについて伺います。

○松本観光部長 本事業は、区市町村や民間事業者等が夜間の集客イベント等を開催し、地域の新たなにぎわいや観光資源を創出する取り組みを支援するものでございます。
 来年度は、通年計画で実施する取り組みと、あと地域による取り組みのそれぞれの件数を倍増しまして全体で十二件の支援を実施することで、都内各地にナイトライフイベントの取り組みを広げてまいります。

○森澤委員 来年度は件数を倍増するということで、さらなるナイトライフ観光の広がりを期待したいと思います。
 そのナイトライフ観光において、観光推進において、新たな取り組みとして、来年度、都は、富裕層向けのナイトライフ観光コンテンツの開発支援を行うこととしていますが、この狙いと、どういったレベルの富裕層をターゲットにすることを考えているのかについてお伺いをいたします。

○松本観光部長 今後、東京の観光消費額を拡大するためには、富裕な旅行者層からニーズの高い、夜間の観光資源の充実を図ることが必要でございまして、こうした市場に知見のある事業者を対象に、観光コンテンツの開発に対する助成を行います。
 本事業のターゲットとしましては、より質の高い、特別感のある体験等を求め、滞在中も多くの消費が期待できるほか、自国で強い発信力を持つ旅行者層を想定しております。

○森澤委員 さらに多くの消費が期待できる取り組みということと、自国で強い発信力を持つ旅行者を想定するということで、海外での発信力にも期待できるということがわかりました。
 富裕層向けのコンテンツに当たっては、ある程度お金がかかったとしても、カスタマイズや、ここでしかできない体験等がポイントになってくると考えます。
 また、コンテンツを開発した先に、そういったことを富裕層に知ってもらう、リーチする手段も確保していく必要があると考えますが、その取り組みについてお伺いいたします。

○松本観光部長 開発するコンテンツは、ユニークベニューや食、文化、芸能などの分野におきまして特別感のある体験型の夜間の観光コンテンツを想定しております。
 これらをわかりやすく情報提供するため、助成事業者が販売先の海外代理店等に対して行う情報発信等に必要な経費も対象としておりまして、例えば、開発したコンテンツを掲載した冊子や動画等の制作費なども支援してまいります。

○森澤委員 コンテンツを開発した先には、しっかりターゲットの人たちに届き、利用されるよう取り組んでいただきたいと思います。
 先日、私たちは独自で、生活と幸福度に関する調査を行いました。その中で、都道府県に期待するサポートや支えを聞いたのですけれども、男女ともに、時間や場所にとらわれない働き方の推進が圧倒的に一位でした。
 都が時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を推進する取り組みは、都民の生活満足度につながる、とても大事な取り組みだと改めて認識した次第です。
 そこで、サテライトオフィス利用促進事業について伺います。
 都の調査では、テレワークの導入状況について、導入しているは一九・二%、現時点で導入していないが将来的に導入を検討しているまで含めても、導入予定、検討まで考えているのは全体の約四割と、まだまだ低い状況だとわかりました。
 そして、導入、検討しているテレワークの形態では、モバイルワークが六四・九%と最も多く、次いで在宅勤務が六一・九%で、サテライトオフィスについては、専用型で一九・五%、共用型では一〇・八%と、まだまだ低いのが現状です。
 未来の東京戦略ビジョンでは、目指す二〇四〇年代の東京の姿に、集約型の地域づくりへの転換が進む地域では、駅周辺で働き暮らせるまちになっているという記載があります。働き暮らすまちを実現するに当たっては、サテライトオフィスの果たす役割も大きいと考えます。
 都は来年度、サテライトオフィス利用促進事業で、三カ所、多摩地域にサテライトオフィスを設置し、無料で体験機会を提供するということですが、設置場所を決定するに当たっては、都心への通勤にかかわる地域事情や、自宅近くのサテライトオフィスの利用なのか、営業先や顧客先からの立ち寄りでの利用なのかといった、どういった利用が見込まれるかなどの具体的な企業ニーズも把握し、場所を選定していく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○篠原雇用就業部長 本事業は、サテライトオフィスを利用したことがない方に、サテライトオフィスの体験機会を提供することで、利用ニーズを掘り起こすことを狙いとしたものでございます。
 このため、この事業では、区部に比べてサテライトオフィスが少ない多摩地域を対象としておりまして、今後、利便性が高く利用者を集めやすい、駅周辺の場所を選定して、サテライトオフィスを設置してまいります。

○森澤委員 今のご答弁にありました、その駅を選定するに当たっては、繰り返しになって恐縮ですが、自宅近くのサテライトオフィスの利用なのか、営業先、顧客先からの立ち寄りでの利用なのかなど、ニーズをしっかり把握しつつ、より多くの利用が見込める場所に設置いただきたいと要望します。
 昨年の事務事業質疑でも申し上げましたが、テレワークを活用し、サテライトオフィスで働くという働き方が、まだまだ浸透していないという現状があり、企業のサテライトオフィスを利用しての働き方の認知の促進、推進並びにサテライトオフィスがある地元に住まう人たちへの周知なども同時に行っていく必要があると考えますが、都の見解について伺います。

○篠原雇用就業部長 先ほどお答えしました体験機会の提供を目的として多摩地域に設置するサテライトオフィスにつきましては、設置する地域や駅周辺でPRを行うほか、SNSやメールマガジン等の活用によりまして、利用者を広く募集してまいります。
 また、区部を含めまして、サテライトオフィスの一層の利用を促進していくため、設置事業者などとも連携したキャンペーンを展開することとしておりまして、ウエブ広告の発信やノベルティーの配布、イベントでの普及啓発などを行ってまいります。

○森澤委員 もちろん今回設置するサテライトオフィスをできるだけ多くの方に利用してもらうことは一義的に大事ですが、その先を見据え、多くの企業で、テレワークを活用しサテライトオフィスで働くということもこれからの働き方の選択肢の一つとして定着していくように、企業への働きかけに力を置いていただきたいと要望いたします。
 都は来年度、ワーケーション等普及促進モデル実証事業を行うということです。
 ワーケーションは、主に地方創生の文脈から、関係人口をふやして地域活性化につなげる狙いから取り組んでいる地方自治体が多いと認識しています。ミレニアル世代を中心に注目され、環境を変えることで、クリエーティブな発想が生まれやすくなるなどの効果が期待できます。専門家によれば、ワーケーションにおいては、場の魅力に加え、その地域の人やコミュニティとの交流なども重要だと指摘されています。
 そういった意味で、このワーケーション等普及促進モデル実証事業を進めるに当たっては、ワーケーションに求められているニーズを踏まえ、基礎自治体等と連携していくことが重要だと考えますが、見解を伺います。

○篠原雇用就業部長 ワーケーションを普及させていくためには、テレワークが可能なIT基盤を整備するだけではなくて、周辺環境の整備、交通アクセスの向上、地元のサポートなどによりまして、観光やレジャーの質を高めていくことも重要でございます。
 このためには、地元自治体に加え、観光協会、事業者団体、交通機関などと連携協力した取り組みが不可欠と考えておりまして、このモデル実証事業におきましても、こうした自治体等と連携して取り組んでまいります。

○森澤委員 観光やレジャーの質を高めていくということが重要で、自治体と連携をしていくというご答弁がありましたが、その地域の人やコミュニティとの新たな交流が生まれ、その地域にも新たな価値を生み出すような魅力的なワーケーションのモデルができることを期待したいと思います。
 次に、ボランティア休暇制度整備事業について伺います。
 今年度、支給予定者数七百社に対する実績は、ほぼ一〇〇%というふうに伺っております。
 オリンピックやパラリンピックが来年度に迫り、いよいよレガシーとしてボランティアを根づかせていく本番の年となります。オリンピック・パラリンピックのボランティア応募とその実施には二年程度のタイムラグがあり、その間に、新たに就職したり転職をしたりと、企業が変わっているということも起きているかと思います。
 そういった意味で、オリンピック・パラリンピックにかかわるボランティアが休暇を取得しボランティアに参加できるよう、より一層企業に働きかけていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○篠原雇用就業部長 本事業は、東京二〇二〇大会を見据え、企業で働く方がボランティア活動に参加しやすくなるよう、企業におけるボランティア休暇制度の整備を支援するものでございまして、平成二十九年度から実施しております。
 来年度のこの事業の実施に当たりましては、経済団体のほか、オリンピック・パラリンピックやボランティアの担当部局などと引き続き連携を図りながら、企業等に周知を図ってまいります。

○森澤委員 オリ・パラ時、TDMやスムーズビズなどの取り組みも企業へ周知していくと思いますので、そういった取り組みとともに企業への周知徹底をお願いしたいと思います。
 次に、働くパパママ育休取得応援事業について伺います。
 男性の育休取得については、少しずつ機運が高まってきたところがあります。しかし、民間調査によると、育休を取得した男性の半数以上が、一週間あるいはそれ未満という短期間でしか取得していないということです。この期間というのはとても重要です。一週間であれば、通常の休暇と余り変わりがありません。
 働くパパコースでは、十五日以降、十五日ごとに二十五万円の奨励金が出るわけですが、三十日以上での申請は何割ぐらいあるのか、お伺いいたします。

○村西事業推進担当部長 都は、男性の育児休業の取得を促進するため、男性従業員が連続して十五日以上の育児休業を取得した場合に、育休取得期間に応じて企業に奨励金を支給する育休取得応援事業を実施しております。
 本事業では、今年度一月末時点で六十九件の申請があり、このうち約八割に当たる五十六件におきまして、三十日以上の育休が取得されております。

○森澤委員 申請のうち約八割に当たる企業において三十日以上の育休が取得されているということで、心強い傾向だと感じました。
 政府は、子供が生まれた男性の国家公務員に一カ月以上の育児休業、休暇の取得を促す制度を来年度に始めるということです。引き続き育休取得による効果をしっかり発揮してもらえるよう、取得するということだけではなく、取得期間にも着目して企業に促していただきたいと思います。
 より企業に取得促進を促していくために、来年度はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○村西事業推進担当部長 男性の育児休業の取得を促進するためには、企業に対する働きかけとともに、社会全体の機運を醸成していく必要がございます。
 このため、都は、来年度、男性の育休取得応援事業の奨励金の実施規模を五十社から百社に拡充するとともに、男性の育児と仕事の両立に向けて意欲的に取り組む企業を新たに表彰し、モデル事例として発信していくなど、機運の醸成に向けた取り組みを強化してまいります。

○森澤委員 着実に取り組んでいただきたいと思うんですけれども、せんだって一般質問でも申し上げたんですが、民間調査では、育休を取得した男性のおよそ三人に一人が一日当たりの家事、育児時間が二時間以下である、とるだけ育休という課題があります。男性が育休をとったはいいが、何をやったらいいかわからない、全然役に立たないという実態もあるわけです。
 意欲的に取り組む企業を表彰し、モデル事例として発信していくに当たっては、企業による父親の出産や育児へのかかわり、つまり父親になるための具体的な準備などのサポートを行っているかなどについても着目していただきたいと要望しておきます。お願いいたします。
 次に、女性の再就職支援について伺います。
 都は、出産等により離職した女性で、働き方や再就職の時期等に悩みを持たれている方を対象に、再就職に向けて必要なノウハウを取得し、働くイメージを高めていただけるセミナーを行うレディGOワクワク塾を今年度からスタートしました。
 事務事業質疑でも申し上げましたが、今年度の応募の状況については、私の周辺にも参加したけれども参加できなかったという声もあり、再就職の準備に向けてのニーズが高いということがかいま見られ、ぜひできるだけ多くの人が参加できるようにしていただきたいと考えるところです。
 こういったニーズの高さを受けて、来年度はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○篠原雇用就業部長 出産や育児などで離職した女性に向けた支援として今年度から開始したレディGOワクワク塾につきましては、今年度、予定を超える応募がありましたので、来年度は受講生の数をふやし、百四十名規模で実施する予定でございます。

○森澤委員 受講者をふやして実施するということで、歓迎したいと思います。
 この事業の目的は、再就職への自信と意欲を深め、具体的に就職に向けた活動に踏み出していただくということでした。受講した方々が具体的な再就職につながるよう、フォローをお願いしたいと思います。
 そういった人材は柔軟な働き方を望む場合も多いのが現状です。都におかれましては、企業に対して、仕事の切り分けによる短時間勤務の導入など、多様な人材が働きやすい環境の整備が進むよう、経営者の意識改革なども引き続き力強く進めていただきたいと要望します。
 次に、障害者雇用促進支援事業についてお伺いいたします。
 昨年の事務事業質疑でもお伺いいたしましたが、障害者雇用促進支援事業は、ビジネスとの両立を図るという法定雇用率を満たすために雇うという観点ではなく、会社の規模にかかわらず、障害のある人もない人も一緒に働いていくという、まさにソーシャルインクルージョンを進めていく上で非常に重要な取り組みです。
 昨年度は二社からの応募があり、一定の成果があったことは昨年の事務事業で確認していますが、今年度の状況についてお伺いいたします。

○村西事業推進担当部長 都は、障害者雇用の拡大に取り組む中小企業に対して、障害者の雇用環境整備と経営の両面からの支援をパッケージで提供するモデル事業、障害者雇用促進支援事業を実施しております。
 今年度は、二社から応募があり、現在、雇用環境や経営の面から、それぞれの専門家の派遣による助言を通じまして支援を行っているところでございます。
 支援の終了後には、本事業に参加した企業や障害者の方にヒアリングを行い、具体的な成果について事例集として取りまとめていくこととなってございます。

○森澤委員 取り組み事例については事例集としてまとめていくということですが、一社でもこういった事業に参画する企業がふえるよう、より一層働きかけをしていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○村西事業推進担当部長 昨年度に本事業に参加した企業における取り組みは、事例集として取りまとめ、障害者雇用をテーマとした企業向けのセミナー等の機会を捉えて配布するなど、今年度の参加企業を募る際に活用しております。
 今年度は、今回の参加企業の取り組み事例を取りまとめることに加えまして、昨年度に参加した企業における取り組みにつきましてもフォローアップを行い、あわせて事例集に盛り込むなど、内容の一層の充実を図ってまいります。
 さらに、障害者雇用を推進するためのイベントの機会を捉え、広く事業のPRを行ってまいります。

○森澤委員 内容の一層の充実を図る事例集、ぜひ、抜粋した形でも構いませんので、より多くの人の目に触れるよう、ホームページ等への掲載もご検討いただきたいと思います。
 多くの中小企業にとっては、まだまだ障害のある方と一緒に働いていくということがイメージできないのが現状です。経営者の方々が具体的に何をすればいいのかをイメージができるよう、一つ一つ事例を積み重ねることで、一社でも多くの企業が障害者雇用に取り組んでいただくことを期待し、来年度も着実な事業実施をお願いいたします。
 次に、商店街についてお伺いいたします。
 都は、意欲ある商店街の主体的な取り組みを推進するために、商店街チャレンジ戦略支援事業を行ってきています。
 この中で一番利用されているのは、令和元年度では千五百五十六件の利用実績があるイベント活性化事業でありますが、商店街の方からは、実際にイベントで商店街に人が集まっても、なかなか店舗での購入につながらないといった声もお伺いするところであります。
 インターネットを介し、対面でなくても商品の購入ができてしまう中にあって、店舗に来てもらって買い物や飲食をしていただくというこれまでの商店街の機能を、時代に合わせて転換していく必要もあると考えます。商店街の強みをもう一度見直さなくてはいけないのだと考えるところです。
 そういった中で、私たちは、商店街ステップアップ応援事業や政策課題対応型商店街事業に注目しています。
 まず、商店街ステップアップ応援事業については、令和元年度は十団体からの申請があったということですが、どのような課題解決につながった事例があるのか、見解を伺います。

○土村商工部長 都では、新たな取り組みにチャレンジしようとする商店街に対しまして、課題に応じた専門知識やノウハウを有する専門家を派遣し、商店街の魅力向上やさらなる発展を支援しております。
 令和元年度は、来街者数等の客観的データに基づきます現状分析によりまして、今後の商店街活動の方向性をアドバイスした事例や、産直野菜などを販売する朝市の立ち上げを支援しまして、新規顧客の獲得につながった事例などが挙げられます。

○森澤委員 政策課題対応型商店街事業については、特に買い物弱者支援事業に期待をするものでありますが、令和元年度は実際にどのような支援を行ったのか、お伺いいたします。

○土村商工部長 都では、行政課題の解決に役立つ商店街の取り組みを支援しており、買い物弱者対策に取り組む商店街に対しまして、事業実施に必要な設備の導入や運営に要する費用を助成しております。
 令和元年度は、近隣の団地からの買い物客を小型電動カートで送迎する取り組みや、注文があった商品を自宅へ配達する際に高齢者の見守りも兼ねたサービスを行う商店街を支援いたしました。

○森澤委員 新規顧客の獲得につながった事例があったりですとか、今、ご答弁ありました、近隣の団地から買い物客を小型電動カートで送迎する取り組みや、自宅へ配達する際に高齢者の見守りも兼ねたサービスなど、有意義な取り組みを支援しているということがわかりました。
 こういった地域での新たなつながりであったり、商店街が多面的で新たな役割を果たせるよう、力強く今後も後押しをしていただきたいと考えます。
 最後に、農業についてお伺いをいたします。
 来年度予算では、IoTやAI等の先端技術を活用した東京型スマート農業の確立に向けた東京型スマート農業プロジェクトに一億四千六百万円の予算がついています。
 昨年の事務事業質疑で、都の農林総合研究センターが開発した東京フューチャーアグリシステムについては、システムの基本的な仕様を公開し、本システムを取り扱う事業者をふやそうと考えているというご答弁がありました。
 今後、東京型スマート農業プロジェクトの中で、東京フューチャーアグリシステムについてはどのように展開していくのか、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 東京都が開発した東京フューチャーアグリシステムにつきましては、現在、栽培しているトマトやキュウリ、パプリカ以外の新たな品目に対応したシステムの開発を検討していくとともに、システムの低コスト化などに向けた研究を進めてまいります。
 さらに、複数のハウスで栽培している農家向けに、ハウスを一括して遠隔操作できるシステムの開発などを検討してまいります。

○森澤委員 新たな品目への対応やシステムの低コスト化など普及に向けた研究、そしてハウスを一括して遠隔操作できるようなシステムの開発を検討するということで、東京ならではの農家さんのスタイルに合わせた、より便利なシステムが開発されることを期待したいと思います。
 研究開発には、さまざまな知見を持つ民間事業者等の知見を活用していくことが必要だと考えます。
 このプロジェクトにおいては、プラットホームを組んでいくということですが、どのような体制で取り組んでいこうとしているのか、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 先端技術を活用し、小規模な農地でも高収益を確保できる東京型スマート農業の実現に向け、東京都農林総合研究センターを核として、産業技術研究センターや大学、民間企業、農業者などで構成する情報共有の場としてのプラットホームを設置いたします。
 このプラットホームにおきましては、農業のみならず、AIやロボット工学など、さまざまな分野の専門家等の知見を活用し、議論を深めながら、新たな技術や機器の開発に取り組んでまいります。

○森澤委員 プロジェクトを推進するに当たっては、まず、都内の農業従事者にどんな課題や困り事、ニーズがあるのかということを把握することが先決だと思いますが、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 本プロジェクトにおきましては、農業者もプラットホームに参加していただき、その声を直接伺いながら研究開発を進めてまいります。
 また、農業改良普及センターの普及指導員が日常行っている巡回指導や、新たに実施する先端技術に意欲的に取り組む農業者へのヒアリング等により得られたニーズについても、プラットホームでの議論にフィードバックしてまいります。

○森澤委員 プラットホームにも農業従事者の方が参加されるということでした。
 また、そのヒアリングを行い、農家さんのニーズをしっかり把握した上で、意欲ある農業者の皆さんが東京で農業をしやすい環境整備を促進していただくことを期待し、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○藤井委員 私からは、最初に、MICEに関する都の取り組みについてお伺いをいたします。
 国際会議など、いわゆるMICEが開催されますと、海外から多くの参加者が来訪します。多様な消費活動が生じるだけではなく、学術会議の開催などを通じて、東京のビジネスの発展につながるわけであります。
 そのため、近年、世界中のさまざまな都市がMICEの誘致に取り組んでおります。
 東京都においても、観光客に加えて、ビジネス客の需要の取り込みが今後の観光振興の大きな柱の一つとして成長していくことが期待されており、そのため、都は、東京のMICE誘致にかかわる国際競争力を一層強化することを明らかにしています。
 そこで、現在、この国際会議といったMICEを東京で開催できる会場に対して、都はどのような支援を行っているのか伺います。

○鈴木観光振興担当部長 国際会議等のMICE主催者が会場を選ぶ際には、情報通信やセキュリティー等の設備がどれだけ充実しているかを重視する傾向にございます。
 そのため、都では、MICEの誘致を目指す都内の会議場やホテル等に対し、こうした設備等の導入に必要な経費の二分の一について、三千万円を上限に助成を行っております。
 具体的には、無線LANの整備のほか、高解像度プロジェクターや高性能防犯カメラの設置などを支援しており、都内MICE施設の競争力の強化を図っております。

○藤井委員 MICEの誘致を目指す会場に対しては、都が経費の二分の一を補助している等の支援をしているということでございますが、それでは、都内で開催された国際会議の現状、実績、これについてお伺いいたします。

○鈴木観光振興担当部長 東京では、医学系、理学系、工業系、スポーツ系など、さまざまな国際会議が開催されており、近年、増加傾向にございます。
 国際会議に関連する統計を扱う団体であるUIA、国際団体連合によれば、二〇一八年に東京で開催された国際会議の件数は、前年の二百六十九件から三百二十五件に増加しております。
 アジアの都市では、シンガポール、ソウルに次ぎ三位となっております。

○藤井委員 国際会議の件数は足元で伸びているということでありますが、今後さらに増加が見込まれる国際会議の需要に対して、今後どう対応していくのか伺います。

○鈴木観光振興担当部長 東京には、大手町、丸の内、有楽町エリアや六本木、赤坂、麻布エリアなど、会議施設や宿泊施設、文化施設などのMICE関連施設が集積するエリアが多く存在しております。
 そのため、都は、平成二十六年度から、こうした都内の集積エリアをMICE拠点として指定し、地域の特性を生かした誘致の取り組みに対して、財政支援やノウハウの提供などを行っております。
 現在、七エリアを指定しておりますが、今後、さらに指定するエリアをふやしながら、多様なMICEの需要に応えてまいります。

○藤井委員 私の地元大田区の羽田の跡地にも、ことし三千名規模の大きな会場ができる、国際会議もできるということで期待が大きいわけでございますが、このMICE誘致にかかわる国際競争力を一層強化するために、受け入れ側に対する支援のみならず、国際会議の主催者に対して、東京での開催を求めていくことも重要であると考えます。
 今後の支援策について伺います。

○鈴木観光振興担当部長 都はこれまで、国際会議の主催者に対し、誘致活動に係る経費や開催時の会場借り上げや機材費等への助成を行い、東京での国際会議の開催を促進してまいりました。
 今年度は、国際競争力の一層の強化を図るため、誘致、開催助成の上限額や助成率を大幅に引き上げたことにより、申請件数が伸びてございます。来年度は、こうした動きを加速させるため、さらに助成金の予算を三倍に増額いたします。
 また、従来から開催助成の対象としてきた無線LANやプロジェクター等に加え、近年のSDGsに対するMICE主催者の意識の高まりを受け、例えばペットボトルの利用をなくすためのウオーターサーバー等の機材についても、新たに助成の対象といたします。あわせて、都としても、こうしたSDGsの実現に資する機材などを、主催者に対する開催支援プログラムとして提供もしてまいります。
 これらの取り組みにより、東京での国際会議の開催を一層増加させてまいります。

○藤井委員 こういった国際会議というMICEを今後の観光産業の重要な柱の一つとしてさらに成長させていくことは、宿泊業あるいは飲食業など、都内の観光関連産業にとっても極めて有効であります。都における今後のさらなる取り組みを期待したいと思います。
 次に、先ほども出ましたが、事業承継の促進について伺います。
 都内には、人手不足や、あるいは後継者不足などに悩む中小企業者がたくさんいます。厳しい経営環境にある中小企業の経営基盤の強化に万全を期す必要があります。そのため、都は、令和二年度当初予算案、あるいは後継者不在など中小企業が抱えるさまざまな課題に対応するための支援を充実し、発展的な事業承継を促進するとしております。
 そこでまず、都は今までの中小企業の後継者不足にどう対応してきたのか、また、その実績について伺います。

○土村商工部長 都では、中小企業の円滑な事業承継を促すため、中小企業振興公社に専門の支援体制を設けまして、さまざまな企業にきめ細かいアドバイスや資金助成などの支援を行ってまいりました。
 具体的には、企業の巡回を行う専門相談員に加えまして、今年度は窓口での相談体制を強化し、二月末時点で、八百四十六社に対し助言や情報の提供を行ったところでございます。
 また、自社の株価算定経費など、事業承継に当たって必要な経費に対しまして、二百万円を上限に、今年度は五社、助成をいたしました。加えて、経営者や後継者に対しまして、事業承継に必要となるスキルの習得を集中的に行う講座を計十五回開催いたしました。
 小規模事業者に対しましては、商工会議所等と連携しまして都内七カ所に支援拠点を設けておりまして、今年度は、昨年十二月末現在で延べ七百八十二件の相談に対応しまして、延べ三千百八回の専門家派遣などを行ったところでございます。
 さらに、今年度は、公社におきまして相談専用フリーダイヤルを導入したほか、承継の意義をわかりやすく伝える動画を作成し鉄道車内で放映するなど、施策のPRに積極的に取り組んできたところでございます。

○藤井委員 さまざまな政策をとっているということでございますが、国は、中小企業の事業承継が円滑に進むように、税制面において改正をいたしました。
 都としても、発展的な事業承継を促進するための具体的な対策をとるべきと思いますが、この点、いかがでしょうか。

○土村商工部長 事業承継を円滑に進めていくためには、承継後の発展的な事業展開も見据えた支援が重要でございます。
 国の中小企業白書によりますと、承継を機に事業拡大を志向する後継者が半数以上存在しまして、若い方であるほど高い意欲を持っているとされております。
 そのため、都では、これまで行ってきた事業承継塾の内容を充実させ、発展的承継に取り組む後継者を対象に、事業承継を契機としました経営革新やイノベーション創出につなげる支援コースを新たに開設することといたしました。

○藤井委員 事業承継後の発展的な事業展開にしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 最近では、子供が親の会社を引き継ぐことも少なくなっております。経営者にとっては、意欲ある第三者への承継も有力な選択肢の一つとなっているわけであります。親族以外に会社を譲ってでも自分が築いた事業を何とか残したいと、引き継いでもらいたいという経営者の思いはとうといものであります。
 しかし、承継に取り組みたくても、まず何に着手すればいいのかわからないという方も多いのが実情であります。
 東京都の来年度予算案では、新規事業として、事業承継M&Aファンド市場の創成という事業が盛り込まれております。
 ファンドは、資金調達のほかにも、経営のプロからサポートを受けられるメリットがあり、事業承継の分野でも活用が広がっていくことが期待されているわけでありますが、そこで、この事業の具体的な内容について伺います。

○井上金融支援担当部長 第三者への事業承継を選択する中小企業の経営者がふえる中、資金面に加え、手厚いハンズオン支援を提供するファンドの活用に対する需要が、今後、増加していくことが見込まれます。
 一方で、民間事業者の既存のファンドでは、MアンドAに係る費用対効果を主眼に置いた投資を行うため、比較的規模の小さい中小企業が投資対象となりにくいという側面がございます。
 そこで、MアンドAによる中小企業の事業承継を手がけるファンドが次々と生み出されるよう、来年度、まず、都が六十億円を出資して親ファンドを立ち上げることとしております。
 その後、この親ファンドが複数の民間ファンドに投資を行い、その設立を後押しすることにより、成長可能性のある幅広い中小企業がファンドによる支援を受けて事業承継を実現できる環境を整備してまいります。

○藤井委員 ぜひこれが中小企業にとってすばらしい事業になるよう期待をしたいと思います。
 次に、都内の中小企業における外国人材の確保について伺います。
 少子高齢化に伴う労働力人口の減少、企業の人材確保が年々難しくなっておりまして、特に中小企業では深刻な人手不足に陥っております。
 私の地元大田区においても状況は同じですが、こうした状況の中で、期待が高まっているのが外国人人材の活用であります。既に相当数の企業が外国人を採用し、その活用が進みつつありますが、中小製造業などでは、外国人材を採用するノウハウを持たない企業も多いというふうに聞いております。
 また、仮に採用したとしても、言葉や習慣の異なる外国人を職場にどう受け入れるか、日本人社員との間で、あるいは取引先とのトラブルが発生するリスクを抱えることもあり、このような問題に備えておくことが必要となるわけであります。中小企業が安心して外国人材を活用できるよう、きめ細かに支援していくことが必要と考えます。
 都は、来年度予算において、人材不足に悩む中小企業に向けて外国人材確保への支援を強化するとしておりますが、支援の具体的な内容について伺います。

○篠原雇用就業部長 都は、中小企業に向けて、外国人材の採用ノウハウを提供するセミナーを実施しますほか、合同企業説明会の開催などによりまして、日本での就職を希望する外国人留学生と中小企業をマッチングする機会を提供しております。
 来年度は、こうした支援をさらに強化し、中小企業のさまざまなニーズにきめ細かく対応するため、相談窓口を備えた支援拠点を開設する予定でございます。
 この拠点では、外国人材の採用や受け入れ環境の整備、職場への定着などに関して、企業からの相談に対応しますほか、各種のセミナーの実施、コンサルタントの派遣、外国人材の受け入れマニュアルの作成、提供などを行ってまいります。

○藤井委員 中小企業の多様なニーズに対応するために支援拠点を設置するという答弁でしたが、できるだけ早期に拠点を設置いたしまして、効果的な支援を開始するよう要望したいと思います。
 さて、今後、中小企業によりよい外国人材を確保していくためには、外国人に都内企業のすばらしさを伝え、日本で働くことの魅力をアピールしていくことが重要と考えます。
 今や、先進国だけではなく、アジア諸国の中でも人材の獲得競争が激化しております。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、日本企業の人材確保にさらに困難をもたらすということになりかねません。外国人材の獲得に向けた積極的な施策展開が必要と考えます。
 今後、都は、中小企業の外国人材の確保について具体的にどう取り組むのか伺います。

○篠原雇用就業部長 都はこれまでも、国内外でのセミナーの開催やホームページなどでの情報発信を通じまして、日本で学ぶ留学生や海外の大学生などに、都内中小企業の魅力を伝えてまいりました。
 来年度は、海外に在住する多様な外国人材を積極的に都内に呼び込めるように、取り組みを強化することとしております。
 具体的には、アジア諸国において、現地の行政機関や大学等と連携したプロモーションイベントを開催いたしまして、都内中小企業の紹介や就職面接会等を実施してまいります。
 また、海外の人材に東京の企業で働くことを体験いただくインターンシップを実施することによりまして、企業側の不安解消や外国人の就業意欲の向上を図り、将来の採用につなげてまいります。

○藤井委員 いろんな具体策、ありがとうございました。しっかり、これらが着実に進むよう頑張っていただきたいと思います。
 次に、野生動物による農作物被害対策について伺います。
 昨年十一月の事務事業でも、私、取り上げました。獣害対策、とりわけ農作物の被害の大きい奥多摩町の対策について質問したところであります。
 地元の方によりますと、関東地方に大きな被害をもたらした昨年秋の一連の台風の影響で、野生動物が山から大変おりてきているそうでございまして、山で餌をとれなくなったイノシシ、猿、鹿、あるいはこれからは熊、こういったものが里におりてきて、農作物の被害を一層拡大させているとのことであります。
 先日も奥多摩に行きましたら、もう奥多摩は動物園化しているというふうに地元の人がいっていました。あちこちで動物が動き回っている。
 そこで、奥多摩町の台風後のイノシシなどによる被害の状況について、前年と比べてどうなっているのか伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 奥多摩町によりますと、昨年十月から本年二月までの期間におけるイノシシ、鹿、猿による獣害被害の通報件数は二十九件であり、前年同期間の通報件数十四件と比較して倍増しております。

○藤井委員 何か件数を聞くと少ないですけど、実際はもっともっといっぱいあるんだけど、もう地元の人はあきれて通報しなくなっているんですよね。
 都では、区市町村と連携して、野生動物が畑に入ってくることを防止したり、捕獲をする対策に当たってきておりますけれども、依然として農作物被害が続いている。まさにイタチごっこの状況であります。
 先般の事務事業質疑において私が質問した、新たな技術を活用した獣害対策、従来の網だとか柵だとかじゃなくて、新たな技術を活用した、こういった対策を行うべきだというふうに質問しました。
 そのときに都は、今後、検討していくというふうに答弁されましたが、来年度の予算、どのように取り組むのか伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 近年は新たな技術を用いた獣害対策が実施されており、農作物の被害を軽減するためには、こうした技術を効果的に活用することが重要となっております。
 新たな技術の活用に当たりましては、効果の持続性などに関する実証が必要であることから、来年度、こうした技術の現地実証試験に取り組んでまいります。
 具体的には、例えば、オオカミに似せた姿で音や光を発する装置や、野生動物の習性を利用した防除システム等を、区市町村や生産者など地域の協力を得ながら実際に農地に設置し、効果などの検証を図ってまいります。

○藤井委員 ありがとうございます。このオオカミに似せた姿、まさに私がいったスーパーウルフですね、新技術、こういったものを、まずは実験でやってみてください。そして、効果があれば広げてください。
 やっぱり、一生懸命つくった農作物をむざむざ食われてしまう、そういった人たちの思いを早く解決するよう要望して、私の質問を終わります。

○高橋委員 奥多摩の話が出ましたが、私の方も奥多摩シリーズでいきたいと思います。実は、台風被害からの復旧についてであります。
 昨年は、台風十五号、十九号と、立て続けに大きな台風が東京を直撃し、甚大な被害が発生いたしました。特に、都内に記録的な大雨をもたらしました台風十九号は、奥多摩町のワサビ田の流失や、八王子市、あきる野市などにおいて農地への土砂流入や堰の損壊などの災害をもたらしました。
 こうした中、我が東京都議会自由民主党では、十二月には奥多摩町のワサビ田を視察して、その被害の全容や復旧方法などについて、聞き取りや現地調査を行ってまいりました。台風十九号で、奥多摩町の特産品でありますワサビは、沢沿いのワサビ田が増水で流失するなど、大打撃を受けました。
 林野庁によりますと、沢沿いなどで栽培される水ワサビ、二〇一八年の生産量では、東京都が二十三トン、そして長野県七百八十九トン、静岡県三百三十三トンで、その次に東京都が来るわけです。そうすると、長野、静岡、東京ということでございます。
 奥多摩町のワサビは、歴史ある特産品で、将軍家に献上されたこともあるという特産品であります。奥多摩ワサビのこのような歴史と伝統は奥多摩町の誇りでもあり、自慢でもあるため、一刻も早い復旧が望まれるところでございます。
 そこで、台風十九号における奥多摩町のワサビ被害の状況とその復旧対策について伺います。

○上林山農林水産部長 台風十九号の大雨により、奥多摩町にある約百五十カ所のワサビ田のほぼ全てが流失し、約二十三億六千万円の被害が発生いたしました。
 今年度は、復旧のため、ワサビ田の石垣の積み直しや、損壊したモノレールの修繕に向けた設計を行っております。
 来年度は、設計内容をもとに本格的な災害復旧工事を実施していくとともに、都の普及指導員がワサビの植えつけ方法などの技術指導を引き続き実施するなど、ハード、ソフト両面から復旧を支援してまいります。

○高橋委員 今回の災害で営農の継続を断念する人が生じないよう、復旧をしっかり後押しをしていただきたいと思います。
 奥多摩のワサビ田と並んで大きな被害を受けたのが、島しょ地域の農業や林業であり、伊豆諸島においては、台風十五号による強風が吹き荒れ、パイプハウスなどの損傷などに加え、樹木が広範囲で倒れるなど、大きな森林被害をもたらしました。
 中でも、利島村のツバキ林被害については、ツバキ油生産が利島村の基幹産業であることから、村や村民への影響は非常に大きいわけでございます。
 そこで、台風十五号における島しょ地域の森林被害について、被害の状況とその対策について伺います。

○上林山農林水産部長 台風十五号の強風により、大島町と新島村の約四ヘクタールの杉林が幹折れなどの被害を受けるとともに、利島村では約千五百本のツバキが根本から倒れるなどの大きな被害を受けております。
 都では、杉林復旧への支援を行うとともに、ツバキ林の早期復旧を図るため、利島村が実施する被害木の撤去や、撤去後のツバキの再植栽に対する費用の全額補助を実施しており、来年度も引き続き支援してまいります。
 今後も、こうした取り組みを通じ、島しょ地域の農林業の振興を図ってまいります。

○高橋委員 台風十五号の激しい風雨により多くの店舗や事業所が損壊するなど、大島や新島などを中心に、中小零細企業の事業活動にも大きな影響を及ぼしました。
 こうした影響を受け、都は、島しょ地域の中小零細企業が早期に事業の立て直しができるよう、災害復旧のための金融支援を昨年九月から開始いたしました。
 しかし、中小零細企業の事業復旧は道半ばであり、特にツバキ油の生産や販売などの関連事業者は、ことしの生産に必要なツバキの実の確保も困難な状況であります。最近では、新型コロナウイルス感染症による影響も相まって、二重の災害という大変厳しい状況に見舞われております。このように、島しょ地域の中小零細企業を取り巻く状況にはとりわけ厳しいものがあります。
 都は、金融支援を打ち切ることなく、引き続き復旧を後押しすることが重要と考えますが、これまでの支援実績と今後の取り組みについて伺います。

○加藤金融部長 台風十五号に係る災害復旧資金融資では、事業者からの個別の相談に対応するため、特に甚大な被害を受けました大島町と新島村に職員を派遣し、地元の商工会や地域金融機関等と連携して融資相談会を開催したところでございます。
 また、その融資実績でございますが、昨年九月の取り扱い開始からこれまでの間、島しょ地域の十五の中小企業者等に対し、合計二億一千七百五十万円となっております。
 来年度も、地元の各町村等と連携し、個々の事業者の実態把握に努めつつ、引き続き、災害復旧資金融資によりまして、島しょ地域における中小企業者等の事業再建を金融面から着実に支援してまいります。

○高橋委員 ただいまの答弁で、台風十五号で被害を受けた中小企業者向けの金融支援、災害復旧資金融資、それから経営支援融資ということ、ぜひ二年度も続けてやっていただきたいと思います。要望しておきます。
 それから、本日、農業新聞、毎日とっているんですけれども、その中で、二〇二〇年度の各都県の注目予算ということで、東京都はそういうふうにやっているんですけれども、お隣の千葉県安房地域、当然、名産品であるビワの特産果樹産地を支援するための特産果樹産地再生事業ということで新たに四百二十万円ほど盛り込んだ、この辺の安房地域におきましても、産地が土砂流出で被災したことから、災害に強い産地づくりのために、圃場を産地再生に向けた支援をして行うということで、東京都もぜひそれをお願いしたいと。
 特産品といえば、先ほどの奥多摩のワサビとか、その辺のところがまだ、二年も三年も、復旧するのにはすごく時間がかかるということでございますので、よろしくお願いしたいなと思っております。
 それから、自然災害というのは、台風、雨災害、風災害、まあ一般に自然災害というのは地震のことをいうんですけれども、そうじゃなくて、最近、異常気象ということもありまして、昨年の--普通だったら何とかなっちゃうんですけれども、送電線が倒れたとか、あるいは水が非常に物すごく、全国的な被害が出たということで、電源対策とか、そういうものもしっかりやって--東京都の方もそれは考えているからいいんですけれども、災害が起きるときに、私は、やはり先端技術というか、AIやICTとか、あとはスマートフォンのアプリだとか、どんどん進化して、4Gから今度5Gになるわけで、5Gをやはり視野にした、そういうことに対して、例えば、災害が起きたときに、その前段階があるわけでございます。
 事前予測というか、事前予防というか、その辺のところが、今、天気予報でも何でもアプリでこの地域、自分のところにどれだけの雨がいつ来るかということがわかるような時代になっている。それには、やっぱり中継局、基地局とか、いろんなそういう整備がされますけれども、そういうことを視野に置きながら、だんだんそういうことができるようになったわけでございますので、それが被害を最小限に食いとめる、復旧を早くする、減災対策ですね。そういうことをしっかりやっていく時代に入ってきたなと思いますので、そういうところでそういうことをやるためには、やはり農業者とか、いろんなところでこうやるわけですけれども、初期投資というのはなかなかお金を出せないわけで、そういう点、産業労働局として、積極的な支援をお願いしたいなと思っております。
 そういうことで、ぜひともよろしくお願いしたい。もうこれは、どんな局でも、当然そういう時代ですので、産業労働局としてぜひお願いしたいなと思います。
 最後に、繰り返しになりますが、店舗や設備などの物的被害を受けていなくても、ツバキ油の製造事業者のように、原料が調達できないなど、同等の被害を受けている方もいるわけでございます。感染症の影響も含め、ほかの地域よりも厳しい環境下にある島しょ地域の実態に寄り添ったきめ細かい支援を行うよう強く要望いたしまして、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からは、最初に、農業支援について伺います。
 東京都は、二〇一七年に農業振興プラン、次代に向けた新たなステップを策定しました。
 そして、未来の東京戦略ビジョンの中の戦略13、水と緑あふれる東京戦略では、生産緑地の問題が掲載され、生産緑地の保全等を推進するとしています。
 私は、この間、農業支援の問題では二つの問題について継続して取り上げてきました。一つは、農業の担い手の確保、育成の問題です。そして、もう一つは、農地の保全についてです。
 私は、昨年の第一回定例会の経済・港湾委員会でも取り上げましたが、東京都が東京農業アカデミーの開設に踏み出したことは大変重要だと思っています。
 都はこれまでも、担い手の育成のために、農業後継者向けや新規就農者向けのセミナーなどに取り組み、支援してきました。しかし、セミナーなどを受講して、東京で農業をやりたいと思っても、なかなか働く場所や就農できる農地がないため、千葉県や茨城県などに移っている実態もあり、私は、研修を受けて、東京で就農できるような支援の拡充も求めてきたので、ことし四月から東京農業アカデミーがスタートすることをうれしく思っています。
 先日、八王子の東京農業アカデミー八王子研修農場を見学させていただきました。
 そこで、東京農業アカデミーについて質問します。
 農業の担い手を確保、育成することが、東京の農業を継続していく上では大変重要だと思います。東京農業アカデミーの中でも、入り口である総合相談窓口が重要だと考えますが、体制や役割について伺います。

○上林山農林水産部長 総合相談窓口では、就農コンシェルジュを配置し、相談者の農業経験に応じて研修制度の紹介や農地の確保など、きめ細かなアドバイスを行い、都内での就農を後押ししてまいります。
 また、就農後におきましても、基礎的な技術や経営の知識を習得する就農初期の研修や、経営発展期での高収益化に向けた新技術導入の助言など、さまざまなステージでハンズオンの支援を行ってまいります。

○尾崎委員 総合相談窓口できめ細かなアドバイスを行い、都内での就農を後押しするとのことでした。また、就農した後も、研修や助言など、さまざまな支援をしていくということは大変重要だと思います。
 東京農業アカデミー八王子研修農場について、四月からスタートしますが、応募数は何人だったのか伺います。

○上林山農林水産部長 昨年十一月一日から研修生の募集を開始し、都立の農業高校や都内の大学に加え、東京しごとセンターを訪問するなどPR活動を行い、計二十名の応募がございました。

○尾崎委員 定員は五人程度のところに二十人の応募があったとのことですので、やはり就農に関心があるということはうれしい反応だったと思います。すぐには難しいとは思いますが、都有地などを活用し、定員をふやすことをぜひ検討していただきたいと要望しておきます。
 八王子研修農場の職員体制について伺います。

○上林山農林水産部長 研修農場には、農場長外二名の職員が常駐し、研修生の指導に当たる予定でございます。
 このほか、専門的な講義につきましては、外部の講師を招聘し、研修を実施してまいります。

○尾崎委員 座学や、仲間とともに励ましながら農業体験を積み上げ、一人一人が自立できるように技術や専門的なことを身につけることは、就農への自信につながると期待をしています。
 先日、現場を見学させていただきましたが、現在は研修棟の建設中でしたが、二〇二〇年度に整備する施設について伺います。

○上林山農林水産部長 来年度は、研修二年目に学ぶ施設栽培研修用のビニールハウスや、販売実習用の集出荷施設などを整備してまいります。

○尾崎委員 先ほども述べましたが、私は、都内で就農できるように支援することが重要だと痛感しています。
 そこで、二年間の研修後、都内で新規農業者として農地を確保できるかが最大の課題だと思いますが、都はどのような支援を考えているのか伺います。

○上林山農林水産部長 研修生が、修了後速やかに農地を確保できるよう、研修二年目の後半からは、農地あっせんのコーディネート役である東京都農業会議の協力を得て、就農希望地の貸借可能な農地の掘り起こしや貸し手とのマッチングを行うなど、円滑な就農に向けたサポート体制を組んで支援してまいります。

○尾崎委員 円滑な就農に向けてサポート体制を組んで支援するということですので、東京農業アカデミー八王子研修農場の卒業生が東京で農家として定着し、東京の農業のさらなる活性化につながるよう支援の拡充を求めるものです。
 次に、農地の保全についてです。
 要求しました資料を見ますと、残念ながら、二〇一〇年には七千六百七十ヘクタールあった農地面積は、二〇一九年には六千七百二十ヘクタールになっており、この間、九百五十ヘクタールも減少していることになります。
 農家の皆さんからは、二〇二二年には、現在、指定されている生産緑地地区の多くは都市計画後三十年経過し、法改正により経過後十年ごとに延長が可能となったものの、地権者は、市に対して買い取り申し出が可能となる生産緑地地区の買い取り申し出があった場合に、市民農園として市が積極的に買い取ることができるように都独自の支援を検討してほしい、このような要望が寄せられています。これは市長会要望の中にも盛り込まれているものです。
 都は、今年度予算に二億四千万円、都市農地活用推進モデル事業を盛り込んでいます。私は期待し、注目している事業の一つです。
 そこで、生産緑地の賃貸、買い取りによる農園を整備し、都市農地の保全に向けた活用モデルを示す都市農地活用推進モデル事業の進捗状況について伺います。

○上林山農林水産部長 都市農地活用推進モデル事業のうち、農業者に新たな栽培技術の試行の場を提供するインキュベーション農園整備事業につきましては、買い取り申し出があった多摩市内の生産緑地を事業用地として確保いたしました。
 また、生産緑地の貸借制度を活用して整備する高齢者活躍に向けたセミナー農園整備事業につきましては、候補地となっております生産緑地の貸借に向け手続を進めております。

○尾崎委員 インキュベーション農園整備事業について、買い取り申し出があった多摩市内の生産緑地を事業用地として確保できたこと、高齢者向けセミナー農園整備事業についても手続を進めているとのことでした。
 二〇一八年度予算にも農業支援の目玉であり、私も期待していたシニア向けセミナー農園整備事業は、生産緑地の買い取りには至らず実現しなかっただけに、今回、実現できる見通しができたことは、今後にとっても大きな成果になると思います。
 二〇二〇年度予算案に計上されている生産緑地買取・活用支援事業の目的について伺います。

○上林山農林水産部長 生産緑地買取・活用支援事業は、買い取り申し出された生産緑地について、区市が生産緑地を買い取って、先進的な栽培技術を学ぶ研修農場などとして活用するに当たり、その取得や整備に係る費用を都が補助することで、都市農地の保全を図っていくことを目的といたしております。

○尾崎委員 都市農地の保全を図っていくことを目的とするとのご答弁でした。今後の区市町村のモデルとなるよう期待しています。
 次に、雇用問題です。
 最低賃金の引き上げについてですが、労働組合の皆さんが、東京の最低生計費を調査しました。初めての調査です。
 生活実態を調べるアンケート調査と、生活に必要な持ち物に関する調査を行った結果から、東京で若者が暮らすためには、少なくとも、時給千六百円を超えて千七百円以上必要だということが、この調査から明らかになりました。
 家賃はワンルーム、一カ月の食費は男性で約四万四千円、お昼はコンビニなどのお弁当で一食五百円です。衣服については、男性は主にスーツ二着、約二万四千円、女性はジャケット二着、約四千円をそれぞれ四年間、着回しており、このような実態は、普通の暮らしにはほど遠い、ぎりぎりの生活実態だといわなければなりません。
 都として、都内の最低生計費調査を行うべきですが、いかがでしょうか。

○篠原雇用就業部長 最低賃金の額は、法に基づきまして、労働者、使用者、公益の三者の代表が審議し、地域の労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮して、国が決めるものでございます。
 東京の最低賃金の決定に当たりましては、東京労働局長が毎年、賃金実態を把握することを目的とした調査を実施しております。

○尾崎委員 今回初めて都内の労働組合の皆さんが取り組んだ重要な調査です。しかも、これは生活実態を調べるアンケートだけでなく、生活に必要な持ち物に関する調査を行った結果から、東京で若者が暮らすためには、少なくとも、時給千六百円を超えて千七百円以上必要だということが明らかになったんです。
 東京の最低賃金は現在、一時間千十三円です。ぎりぎりの生活を維持するには千七百円が必要だというこのアンケートの結果からすると、現在の最低賃金との差は六百八十七円にもなってしまいます。
 東京都は、最低賃金の額は、法に基づき、労働者、使用者、公益の三者の代表が審議するものと答弁しました。しかも、東京労働局が毎年、賃金実態を把握するとご答弁されましたが、それは賃金の調査であって、東京で暮らすためにどのくらいの生計費が必要かというものではありません。
 東京都として、都内の最低生計費調査を行うよう強く求めておきます。あわせて、最低賃金を引き上げていくには、社会保険の企業負担分の軽減などを含めて、中小企業への支援の拡充が求められます。
 次に、労働相談についてです。
 労働相談情報センターに寄せられた労働相談件数は、前年よりも二・三%減少はしましたが、引き続き年間五万件を超えて、五万百三十七件でした。その中でも、職場の嫌がらせが初めて最多項目になったと報告書でまとめられています。また、セクシュアルハラスメントに関する相談が、前年より二九・八%増加したことは深刻です。
 このような実態を都はどう受けとめているか伺います。

○篠原雇用就業部長 都の労働相談情報センターで対応いたしました過去五年間の労働相談の実績を見ますと、職場の嫌がらせの件数は、年九千件前後でほぼ横ばいとなっております。また、セクシュアルハラスメントの件数は増加傾向を示しているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、都では、ハラスメントに関するセミナーの実施や啓発資料の作成、配布などによりまして、普及啓発に取り組んでおります。

○尾崎委員 労働相談情報センターに相談しているのはほんの一部だと思います。まだまだ、どこに相談したらいいのかわからず悩んでいるという人はたくさんいると思います。中には、深く心を傷つけられ心身を患ってしまった人、職場に行けなくなり、退職し、引きこもっている人もいると思うと、私は心が傷んでしまいます。相談しようと一歩踏み出した人に向き合う相談員の役割は、大変重要だと思っています。
 そこで、現在、相談員は何人いますか。ふやす必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○篠原雇用就業部長 都内六カ所にございます労働相談情報センターの相談担当の職員は四十五名でございまして、来年度も同様の体制で労働相談に対応してまいります。

○尾崎委員 それでは、相談員の研修はどうなっているのか伺います。

○篠原雇用就業部長 労働相談情報センターにおきましては、法改正や社会情勢の変化に伴い、多様化、複雑化する労働相談に的確に対応するため、担当職員に対しまして、労働法制に関する基礎研修やハラスメントなどの具体的なテーマを扱う専門研修を行いますほか、相談の実務を通じたOJTによりまして実践的な能力を養成しております。

○尾崎委員 都は、セクハラをなくすためにガイドブックを作成していますが、どのように活用していますか。作成部数、配布している場所などについて伺います。

○篠原雇用就業部長 都では、職場におけるハラスメント防止ハンドブックを一万部作成しておりまして、労働相談情報センターの来所者などに配布しますほか、区市町村や都内ハローワーク等に送付しているところでございます。

○尾崎委員 一人一人を大事にする尊重する社会をつくること、誰もが安心して働ける環境をつくることが大事だと思います。
 そのためにも、セクハラ、パワハラをなくすため、都としてセクハラ、パワハラ根絶宣言などを行い、セクハラ、パワハラの実態調査や企業への啓発などに力を入れるべきですが、いかがですか。

○篠原雇用就業部長 都では、今年度の男女雇用平等参画状況調査におきまして、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなど、職場のハラスメントを調査テーマの一つとしております。また、平成二十六年度の本調査におきましても、同様に職場のハラスメントをテーマとしております。
 この調査の結果は、労働相談の担当者に周知し業務に生かしますとともに、使用者向けのセミナーや啓発資料など、普及啓発にも活用してまいります。

○尾崎委員 職場におけるハラスメント防止ハンドブックを都が作成して、職場のハラスメントをテーマにした調査を実施していることは重要です。セクハラ、パワハラをなくすために、都として、先ほども要望しましたが、セクハラ、パワハラ根絶宣言など、積極的に取り組むことを重ねて強く要望するものです。
 次に、就職氷河期世代への支援について伺います。
 私は、自分の責任ではなくそのときの経済状況などから、大学を卒業しても正規社員として雇用されず、内定が取り消され、非正規雇用を余儀なくされてきた就職氷河期世代への支援の拡充をこの間求めてきました。
 国が就職氷河期世代への支援について取り組むことを明らかにしたのは重要であり、都も、来年度予算案に就職氷河期世代の支援事業として新規事業を盛り込んだことは評価するものです。
 国は昨年末に、就職氷河期世代支援に関する行動計画二〇一九を発表しました。その中で、地域の経済団体、就労、福祉等の関係機関、当事者団体や支援団体等と連携した支援の取り組みを加速させるため、地域就職氷河期世代支援加速化交付金を創設し、先進的、積極的に就職氷河期世代への支援に取り組む自治体等を支援し、優良事例を発展させるとしています。
 この交付金について、国からの説明はあったのか伺います。

○村西事業推進担当部長 国は先月、地域就職氷河期世代支援加速化交付金に関する都道府県、指定都市への説明会を実施しております。

○尾崎委員 二月十二日に説明を受けたということです。まだ国の予算が決まっていないため、詳細についてはこれからだと思います。東京都がこの交付金を受けられるようになれば、この交付金を使って新たな支援が可能になると思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 就職氷河期世代への支援については、今後つくられるプラットホームが鍵になると思います。
 東京労働局は、第一・四半期中に第一回の会議を開き、第二・四半期までに計画をつくっていきたいと話していますが、都は具体的にはどう対応していくのか伺います。

○村西事業推進担当部長 都は今後、東京労働局等で組織される就職氷河期世代活躍支援プラットホームに参画し、国などと連携しまして、就職氷河期世代の方への就労支援を行ってまいります。

○尾崎委員 プラットホームの第一回目の会議は第一・四半期ということですから、おおむね六月ごろになると思いますので、会議にはぜひ当事者の方たちやNPO法人などの支援団体の方たちも参加できるよう要望するものです。
 就職氷河期世代への支援では、一人一人の状況によって支援の内容も大きく違ってきます。本格的な支援を行おうとすれば、アウトリーチが重要だと思いますが、都はどのように具体化していますか。

○村西事業推進担当部長 都はこれまでも、しごとセンターにおきまして、セミナーや職務実習等により実践的な職務スキルを身につけ、正規雇用を目指すプログラムを、就職氷河期世代の方の職務経験やスキルの状況に応じて実施しております。
 今後も引き続き、国や区市町村など関係機関と緊密に連携して支援を行ってまいります。

○尾崎委員 国は、四月一日から、六カ所のハローワークに就職氷河期世代支援窓口をつくります。昨年十一月十八日からは、前倒しで、立川市、渋谷区に就職氷河期世代の新しい窓口、ミドル世代チャレンジコーナーを設置しました。私は、ハローワーク立川にお邪魔して、取り組み状況などを伺いました。
 開設当初は、テレビなどで報道されたこともあり、山梨県や埼玉県からも多くの保護者の方から電話があったそうです。そして、その多くが、ひきこもりや仕事をしていない子供のことを何とかしたいということだったということです。このような親族の方たちからのプレ相談が、立川と渋谷を合わせて二百三十四件もあったということでした。深刻さが浮き彫りになったと思いますが、ハローワークでは、本人が社会に参画、就労に向けての準備がないと難しく、具体的な相談にはつながりませんということでした。
 ひきこもり、無業者になってしまっている方たちが社会に参加できるようにするには、まずは自分に自信を取り戻すための学習、研修とあわせて、信頼できる仲間をつくることが必要だと思いました。一人一人の置かれている状況、一人一人の思いは違うので、その人に合った支援が必要です。そのためには、実態や要望を聞き取ることが、区市町村や支援団体の皆さんと一体となっての支援が必要だと思います。
 アウトリーチについては、都が積極的に位置づけていただくよう要望するものです。また、就職できた後の研修や支援も必要ですので、都としての支援拡充を求めるものです。
 次に、中小企業支援について伺います。
 東京都は、二〇一八年十二月、東京都中小企業・小規模企業振興条例を策定し、二〇一九年一月には、東京都中小企業振興ビジョンをつくりました。
 中小企業・小規模企業振興条例の策定に向けた経済・港湾委員会で私は、パブリックコメントに寄せられた意見で一番多かったのは、条例の目的達成に向け都や中小企業等の取り組みが進められているか、確認、検証していく会議体が必要だという意見、PDCAのための会議体の設置を求めていると紹介し、長野県の取り組みも示して、都の取り組みの状況や課題の検証を行う会議体をつくり、公表、議会に報告することをそのとき求めました。
 昨年は七月、十月、そしてことし一月には、東京の中小企業振興を考える有識者会議が開かれました。有識者会議では、中小企業振興ビジョンの進捗状況や課題を明らかにし、今後の方向についても意見交換をしています。有識者会議での意見は、課題が明確になり、今後の方向についても貴重な意見があり、私の問題意識と重なるところについて、幾つか質問していきたいと思っています。
 最初に、事業承継についてです。
 私は先日、東京都中小企業振興公社の事業承継などの総合相談を担当している方々からお話を伺いました。振興公社では、支援スタッフによる現地支援のスタッフもふやして、掘り起こしなどに力を入れていることがわかりました。
 中小企業振興公社では、都の予算を使って、事業承継のすゝめというパンフレット、いただいてきましたが、これを十四万部、昨年十一月に作成し普及していました。漫画で島耕作が事業承継のポイントをアドバイスするという、わかりやすい内容です。
 そこで、事業承継に関する相談はふえていますが、この間の相談件数と、具体的に、事業承継に向けて専門家による支援の実績の推移について伺います。

○土村商工部長 東京都中小企業振興公社において受けた事業承継に関する相談件数についてでございますけれども、新規の相談件数は、二十九年度は二百六十七社、三十年度は九百三十三社、今年度は二月末現在で八百四十六社となってございます。
 また、新規に企業継続に向けた専門家による支援を行った件数は、二十九年度は七社、三十年度は十社、今年度は二月末現在で十五社でございます。

○尾崎委員 事業承継を考えている人の相談に寄り添いながら経営の再生をまずは行う、必要な支援をする伴走型の支援は大変重要だと感じました。
 事業承継が実現するには相当の時間と対策が求められます。特に小規模企業の経営者は、子供たちに苦労はさせたくないという思いが先行し、中小企業、小規模企業が地域に貢献し、大きな役割を持っていることや、やりがいのある仕事だということを伝えるまでになっていないのが現状です。有識者会議の中でも、後継者がいない割合が増加しており、親族以外の事業承継が三割を超えていることを明らかにしています。
 事業承継について、相談の中で、親族以外の人に承継を予定している経営者の実績の推移を伺います。

○土村商工部長 中小企業振興公社における事業承継の相談開始時の聞き取り調査による聞き取りによりますと、親族以外の人に承継を予定している企業は、平成三十年度では百八社、今年度は二月末現在で百十六社でございます。

○尾崎委員 小規模企業の経営者、特に小規模企業の方からは、自分が借りた借金は返してから譲りたい、こういう話をよく聞きます。事業承継は負の部分の承継が課題だと思います。
 都の制度融資は、事業承継にかかわる制度融資は、経営者保証を不要としたことは重要ですが、全ての制度融資で経営者保証をなくすべきだと思います。国に先駆けて都が実施すべきですが、いかがですか。

○加藤金融部長 国は、平成三十年度に信用補完制度の見直しを行い、過度に個人保証に依存しない融資を推進するため、担保による保全が見込まれる場合など、一定の要件に該当する場合は経営者保証を不要とする運用を行っております。
 都は、こうした動きを踏まえ、中小企業制度融資全般において、一定の要件に該当する場合は経営者保証を不要としております。

○尾崎委員 有識者会議でも、経営者保証の問題というのは、事業承継だけに限らず、あらゆる事業に挑戦しようという中小企業の事業者にとっても障害となっていることが明らかになっています。
 東京都におかれましては、ぜひ国の基準にこだわることなく、新たに原則として経営者保証を不要とするという資金調達を支援する融資制度が必要であると考えておりますという発言もありました。
 私は、この間、都の制度融資全てで経営者保証をなくすように求めてきました。繰り返しになりますが、これは重要な問題であり、四月からの都の制度融資でぜひ実現していただきたいと思います。
 次に、起業家支援について伺います。
 私は、東京の経済の活性化のためには、事業承継を進め廃業を減らす、そして商売が継続していくこと、もう一方で、新規に商売を始める人をふやすことだと考えています。
 都内の開業率は少しずつ増加していますが、目標の一二%にはほど遠く、二〇一七年度は五・九%です。私は、無理をせず、自分の得手を生かして自分らしく商売を始める、社会の役に立ちたいと女性の目線から商売を始めようとする女性起業家の役割に注目しています。
 TOKYO創業ステーション開設以降の利用者数、登録者の推移について伺います。

○土村商工部長 平成二十九年一月に開設したTOKYO創業ステーションの年度別の延べ来場数は、平成二十八年度は九千五十九人、平成二十九年度は四万七千七百五人、三十年度は四万七千二百四人、令和元年度は二月末時点で四万二千六百三十六人で、これまでの累計は約十四万六千六百人となっております。
 また、年度別の新規登録会員数は、平成二十八年度は三千二百十一人、二十九年度は一万一千三百七十人、三十年度は一万一千七百六十六人、令和元年度二月末現在では一万一千百二十七人で、これまでの累計は約三万七千五百人でございます。

○尾崎委員 TOKYO創業ステーションの役割が大きいということが、今のご答弁でも明らかになったと思っています。
 それでは、TOKYO創業ステーションの利用者で、開業につながった人は何人いるのか伺います。

○土村商工部長 TOKYO創業ステーションでは、起業を希望する方が起業の計画をつくる場合には、専門家が担任制で助言などを行っております。
 本年二月末現在までに三百九十九人がこのプランを完成し、起業もしくは起業に向けて準備をしているところでございます。

○尾崎委員 開業率には地域間格差があります。この間、ほとんど開業率がゼロとなっている奥多摩地域を初め、檜原村、あきる野市や狛江市、西東京、足立区など開業率が低い地域になっていますが、その原因などについてはどう考えていますか。
 また、この地域で開業率を上げていこうとするなら、何が必要と考えているのか伺います。

○土村商工部長 中小企業白書によりますと、開業率に影響する要因としましては、人口や所得の増加率、人口の年齢構成比や大卒比率、専門職比率等の人的資本、地域の産業構成など、さまざまな要素が挙げられるとされております。
 都は、都内全域の開業率向上のために、丸の内のTOKYO創業ステーションにおいて、起業に向けて幅広い支援を行っておりますが、区部に比べ開業率の低い多摩地域におきましても、起業に向けた支援をさらに充実させていく必要があることから、令和二年六月、立川に創業支援拠点を開設いたします。
 多摩地域は、理系の大学が多く集積していることから、さまざまなアイデアを持つ大学生が多いという特徴がございます。また、身近な地域でスモールビジネスなどの自分に適した創業を考えている子育て世代の主婦や、シニア層も多い傾向がございます。
 こうした特性を生かしまして、大学生、主婦、シニアにも焦点を当てることで、多摩地域の創業を支援してまいります。

○尾崎委員 私は、TOKYO創業ステーションができたときにすぐに見学に行って、多摩地域にも必要だと、委員会の中でも要望してきました。ようやく多摩地域、立川に創業支援拠点が開設することは重要だと思っています。
 私の活動地域である東村山市、東大和市、武蔵村山市には、残念ながら大学がありません。多摩地域の大学で学んでいる人が、多摩地域に引き続き就労したり、起業に挑戦することができれば、未来に展望が持てると思っています。多摩地域で開業し定着できる、さらなる支援を要望するものです。
 次に、商店街支援について伺います。
 昨年十月から消費税増税になり、今は新型コロナウイルスの感染症の広がりで、ますます深刻になっているのが商店街だと思います。地域経済や地域の見守りに大きな役割を持っている商店街は、経営者の高齢化や、後継者が決まっていないなど深刻な事態です。
 まちの住民の高齢化が進む中で、歩いて買い物に行ける商店街はなくてはならないものですが、都は今後の課題についてどう認識していますか。

○土村商工部長 商店街が、身近な買い物の場として住民の生活を支えるとともに、地域コミュニティの核として重要な役割を果たすためには、各商店街が創意工夫を凝らしまして、多くの方に利用していただける魅力的な商店街づくりに取り組んでいくことが重要であると認識してございます。

○尾崎委員 有識者会議の中では、商店街が地域の核としての魅力を高める例として、高齢者のよろず相談、お年寄りが店に足を運んであれこれ愚痴を聞いてもらえることが大事、高齢者、地域の子供たちの見守りが商店街の役割としてこれからますます必要ではないか、こういう意見もあり、私はそのとおりだと思いました。
 商店街は、こうしたら必ず活性化できるという策はありません。それぞれの地域の状況、そこに住んでいる消費者の要求によっても変わってくるからです。個店の皆さんが集まって成り立つ商店街ですから、難しさもありますが、商店街に魅力ある商店、個店が来ることで、商店街全体に活気が生まれることは大変重要なことです。
 空き店舗を活用して新規に商売を始めようとする人たちに、都として商店街支援の一環として家賃補助が必要だと考えますが、いかがですか。

○土村商工部長 都は、商店街の活性化を図るため、商店街の空き店舗を活用して新たに店舗を開設する開業予定者を対象に、店舗の賃借料や改装工事費等への支援を行っているところでございます。

○尾崎委員 ぜひ支援の拡充をお願いしたいと思います。
 路地裏に、これまでなかったようなこだわりのある、そこでしか買えないようなパンを売っている小さなパン屋さんが一軒できただけで、まちの話題になり、商店街にもお客さんがふえたという事例はよく聞きます。
 東京都は、自由が丘と吉祥寺に二つの創の実をつくり、若者と女性の起業家を支援していますが、チャレンジショップ創の実をもっとふやす必要があると思いますが、いかがですか。

○土村商工部長 都は、女性や若者が企画力を生かし、商店街で販売や経営の経験を積むことができるよう、チャレンジショップを区部の自由が丘と多摩の吉祥寺に開設しておりまして、着実に支援を進めているところでございます。

○尾崎委員 私もこの間、お店に行ってみました。個性的なお店がほとんどで、魅力あるお店でした。ただ、心配したのは、このチャレンジショップを卒業してから、どこの地域で商売を続けていかれるのかなという不安もありました。
 商売を始めようとする人たちにとって、店舗の家賃が大きな負担になります。ぜひ開業を支援するチャレンジショップ創の実をふやすよう、重ねて要望するものです。
 次に、人材不足、公正な取引について幾つか質問したいと思います。
 ものづくりや中小企業での人材不足は深刻です。都が取り組んできた、業界団体を通じて都内中小企業の人材確保を支援する、団体別採用力スパイラルアップ事業の実績、新規採用までつながった人はどのくらいいるのか伺います。

○篠原雇用就業部長 団体別採用力スパイラルアップ事業は、各業界団体の二カ年にわたる取り組みを支援するものでございますが、平成三十年度から支援している十団体の実績につきましては、現在、各業界団体におきまして最終の取りまとめが行われておりまして、集計には至っていない状況でございます。

○尾崎委員 人材不足は業界によっても違いがありますが、介護関係や建設関係、運送業など深刻な事態が続いており、都が人材確保を支援することは重要だと考えています。この事業は二年間にわたる取り組みで、新規採用までつながった人はまだわからないとのことですが、一人でも多く採用されることを期待しています。
 この事業を受託している民間人材派遣会社が開催したセミナーに、お金などを払い学生を参加させたサクラ、不正行為があり問題になりました。これはあってはならないことで、今後は都の監視も強める必要がありますが、この事業そのものは重要な事業だと思いますので、さらなる拡充を求めるものです。
 新規採用になった人について、定着できるのか、この支援も必要だと考えますが、いかがですか。

○篠原雇用就業部長 中小企業の人材不足への対応としましては、新たな採用により人材を確保することとあわせまして、在職している従業員の職場定着を図るということも重要と考えております。
 本事業におきましては、各業界団体が従業員のキャリア形成に役立つ資格取得を支援するなど、職場定着につながる取り組みを支援しているところでございます。

○尾崎委員 定着につながる取り組みへの支援を行っているとのことでしたので、定着支援を強めていただくよう要望しておきます。
 中小企業、とりわけ小規模企業は、発注先から納期までの期間が短い、納期しても代金が現金になるまでの期間が長いなど、公正公平な取引になっていないことが多く、深刻です。
 国は、厚生労働省、公正取引委員会、中小企業庁が一層の連携を図り、働き方改革の推進と取引適正化を一体的に推進するために、大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請等中小事業者への「しわ寄せ」防止のための総合対策を策定しました。
 都独自にもしわ寄せ防止対策のようなものが必要ですが、どのように考えているか伺います。

○土村商工部長 都では、下請センター東京に専門の相談員を配置しまして、発注側の大企業や下請側の中小企業を巡回して、適正な取引を推進しているところでございます。
 働き方改革に伴う下請等中小企業へのしわ寄せ防止につきましても、来年度、二名の相談員を配置しまして啓発を進めてまいります。
 また、大企業等の発注側を対象とした講習会におきましても、しわ寄せ防止についての情報提供を行ってまいります。

○尾崎委員 中小企業、小規模企業は、声を上げたくても、取引先を訴えたら仕事が来なくなるのではないか、取引停止になっては困るという不安があり、声を上げられないというのが実情です。
 中小企業、小規模企業に被害が出ないような工夫を行っていただき、おかしいことはおかしいと声が上げられる環境をつくり、公平な取引が当たり前になるよう対策を強化していただきたいと思います。
 中小企業振興ビジョンの検証について伺います。
 東京の中小企業振興を考える有識者会議は、この間、三回開催しています。中小企業振興ビジョンの取り組みの状況、課題、今後の取り組みについて意見交換されたことは大変重要だと思います。
 中小企業・小規模企業振興条例を策定する際も、検証し、課題を明らかにし、次の年度での取り組みを具体化することが大事であると、各会派からの意見もありました。
 経済・港湾委員会に有識者会議の報告を行った上で、来年度予算案の質疑をすべきではないかと思いますが、いかがですか。

○土村商工部長 都では、経営者や関係団体、学識有識者等で構成いたします東京の中小企業振興を考える有識者会議を開催しまして、事業の進捗状況や成果の確認、これを踏まえた今後の施策の方向性を議論しており、その内容は、インターネット中継やホームページで公開しております。この会議での意見も踏まえまして、中小企業施策の見直しを行い、来年度予算に盛り込んでいるものでございます。
 今後とも、こうした検証プロセスを経て、さまざまな施策を適切に進めてまいります。

○尾崎委員 中小企業・小規模企業振興条例、中小企業振興ビジョンに基づく施策の検証は大変重要なことです。
 ご答弁で、施策の検証過程をインターネット中継やホームページで公開し、有識者会議での意見を踏まえながら、必要となる事業を来年度予算案に盛り込みということですが、来年度予算案の質疑の前に、有識者会議で出された意見なども含めて経済・港湾委員会に報告していただいた方が、より活発な質疑になるのではないでしょうか。
 私は、そもそも有識者会議で終わりにするのではなく、審議会で検証すべきだと思います。審議会の開催を強く求めるものです。
 昨年十月から消費税増税によって日本の経済、東京の経済が低迷し、家計消費が減ってしまっている上に新型コロナウイルス感染症の拡大の影響は、世界の経済にも大きな影響が出始めています。中小企業、小規模企業の皆さんの中に深刻な事態が広がっています。
 消費税率を引き下げることや、税金の減税、社会保険や国民健康保険料、税などの分納など思い切った支援が必要だと思いますので、産労局だけでなく都が一丸となり国にも積極的に働きかけていただき、中小企業、小規模企業の経営が持続できるよう取り組んでいただきたいと強く要望いたしまして、質問を終わります。

○栗林委員 長時間になりましたが最後ですので、よろしくお願いいたします。
 初めに、中小企業支援について伺います。
 都は、新型コロナウイルス感染症に対応した中小企業を金融、経営面から支援する対策を実施していただいております。
 刻一刻と変化をする中、この年度末に向けて特に中小企業経営者の皆さん、年度末の支払いなど毎日奔走しておりまして、そういう経営者の声を受けとめ一昨日も追加対策として条件を拡充したことは、我が党が都知事への直接要望、また先週の予算特別委員会質疑で強く求めたことでもあり、評価をさせていただくところでございます。今後も、東京の経済を支える中小企業にリアルタイムで求められる必要な支援策を実施するよう要望するものでございます。
 そうした中、中小企業の中では、先ほどから質疑も出ておりましたけれども、やはり事業継承という喫緊の課題を抱えております。
 私の地元でも、やはり後継者不足ということで、廃業を余儀なくされる経営者も増加傾向でございます。長きにわたり地域に根づいてきた中小企業が廃業することにより、従業員が職を失うばかりではなく、まちの活力が損なわれることになり、対策が求められているところでございます。
 都は、来年度の新規事業として、先ほど藤井委員の方も取り上げられましたけれども、事業継承、ファンドの育成に取り組むとございました。
 しかしながら、ファンドというと、やはり投資家に買収されちゃうとか、乗っ取られるんじゃないかとかそういう印象が強くありまして、中小企業にとり、余りよいイメージを持たない場合もございます。
 こうしたイメージを払拭して事業を進めることが重要と考えますが、初めに、都の認識を伺います。

○井上金融支援担当部長 多くの中小企業の経営課題となっております事業承継の解決策の一つとして、ファンドの活用がされつつある一方で、ご指摘のとおりファンドに対する先入観から選択肢として捉えていない経営者の方もいらっしゃるというふうに認識しております。
 来年度開始いたします事業承継M&Aファンド市場の創成事業では、都の出資を通じて設立される複数の民間ファンドが、中小企業の実情に寄り添い、資金供給にあわせてさまざまなハンズオン支援を行うこととしております。
 都といたしましては、中小企業の事業承継を後押しするという本事業の目的やファンドの果たす役割について、さまざまな機会を捉えて発信していくことが重要であるというふうに考えております。

○栗林委員 先ほどからお話に出ております、やはりたくさんのメニューをその方に合った選択できるメニューを用意するということが大変大事だと思いますし、こうした新しい視点の取り組みも重要と考えます。
 今お話にありましたように、経営者に対してファンドに対する先入観、これを払拭することに合わせまして何よりも効果的なのは、ファンドを活用して実際に承継を成功させた事例紹介、これ大変、理解していただく一番いい方法ではないかと思いますので、今回の事業を通じて成功事例が次々と生み出されると、多くの経営者が前向きに受けとめることができると思います。
 そこで、ファンドを活用した新たな事業承継支援を進めるに当たり、普及啓発に向けた都の取り組みについて伺います。

○井上金融支援担当部長 事業承継が課題となっている経営者の方にファンド活用の有効性を認識していただくためには、ファンドによる支援事例を積み重ね、広く発信していくことが重要でございます。
 そこで、本事業におきましては、特設ホームページを立ち上げ、複数の民間ファンドが手がける個々の中小企業に応じたさまざまな事業承継支援の実例を、順次紹介していくこととしております。
 具体的には、本事業を通じて事業承継に取り組む経営者の生の声、ファンド事業者による経営改善や販路開拓などのアドバイス、さらには、事業承継を契機に発展を遂げた企業の状況などを掲載していく予定でございます。
 こうした取り組みにより、多くの中小企業経営者の方に事業承継におけるファンドの活用事例の普及を図ってまいります。

○栗林委員 課題が解決される方法の一つとして、ぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、クラウドファンディングを活用した資金調達支援について伺います。
 新会社立ち上げや、新しい商品やサービスの開発に挑戦する際の資金調達に、クラウドファンディングの活用が注目をされています。みずからのビジネスプランをインターネット上などで発信し、共感するスポンサーを募り資金提供を受けられる仕組みで広がりを見せています。
 都は、クラウドファンディングの活用を支援する事業を実施し、既に三年目になりますけれども、これまでの取り組み状況について伺います。

○井上金融支援担当部長 都は、創業や新製品、新サービスの開発、ソーシャルビジネスなどに取り組む創業希望者等の資金調達を支援するため、平成二十九年度よりクラウドファンディングを活用した資金調達支援事業を実施しております。
 この事業では、創業希望者等が資金調達の際に取扱クラウドファンディング事業者に支払う手数料の半額を都が補助するとともに、入門者向けの相談窓口の設置やセミナーの開催により普及啓発を図ってきております。
 最近の実績でございますが、手数料補助につきましては、平成三十年度に四十五件、令和元年度は十二月末時点で五十六件の支援を実施いたしました。
 具体的な事例といたしましては、機能性に富んだスーツの製作や、子供の急病時に利用できる病児保育の予約システムの開発などのプロジェクトに対する支援を行ってまいりました。
 また、普及啓発の取り組みといたしましては、入門者向けの相談窓口で、平成三十年度に百五十件、令和元年度は二月末時点で百六十一件の相談に対応するとともに、セミナーを平成三十年度に十二回、令和元年度は二月末時点で九回開催しております。
 さらに、本事業によりプロジェクトを達成した創業希望者等を紹介する事例集のほか、PR動画についても作成し、PR動画はSNSなどの媒体を通じた発信にも取り組んでおります。

○栗林委員 今ご紹介いただきましたように、ジャージ素材でできているようなビジネススーツを開発されたり--ビジネスマンは、スーツって肩も凝りますし、見た目はスーツだけれどもジャージ素材で疲れないとか、そういうユニークな、斬新な発想で商品開発をされたりとか、また、病児保育の予約システム開発なんて、これも本当にお子さんを抱えているママたちにはうれしいシステムだと思います。こういった社会貢献に通じるような事業も多く、可能性を後押しする大変有効な事業ではないかと思います。
 このクラウドファンディング事業の活用事例を見ると、性別、年齢問わず、さまざまな方が新しい事業にチャレンジをしていらっしゃいます。特に、これからは人生百年時代でございます。退職後もさらなる活躍の場を求める元気な高齢者にも活用されることも期待できるのではないかと思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そうです。活用できます。高齢社会の唯一の大変力強い味方になると思いますので。
 そこで、クラウドファンディングの利用を広げていくためには、さらなる取り組みの強化が必要と考えますが、今後の取り組みについて伺います。

○井上金融支援担当部長 都は、クラウドファンディングの利用を促進し、創業や新商品、新サービスの開発、ソーシャルビジネスへの挑戦などをより一層後押しするため、来年度、取扱クラウドファンディング事業者を公募により追加することとしております。
 また、クラウドファンディングのさらなる普及のためセミナーにおきましては、複数の取扱クラウドファンディング事業者による説明やプロジェクト達成者による事例紹介などを含め、セミナー内容の充実を図ってまいります。
 さらに、多様な年齢層の創業希望者等を支援していくため、例えばSNSを活用したみずからのプロジェクトの情報発信等に不安を覚えるシニア層に対して、きめ細かな相談対応に努めてまいります。
 このような取り組みによりまして、クラウドファンディングの利用促進を図ってまいります。

○栗林委員 続きまして、観光について質問をさせていただきます。
 新型コロナウイルスの感染の影響が広がりを見せる中、東京の成長にとり観光産業の振興は非常に重要であり、何点か伺わせていただきます。
 初めに、訪日外国人の観光客についてです。
 日本で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日本への渡航について注意喚起する国や地域が増加してきております。また、中国と韓国からの入国者に十四日間の待機を要請するとの政府の方針、そういう影響も広がり始めており、深刻な状況でございます。
 そこで、昨年一年間の訪日外国人旅行者数と、ことしに入って新型コロナウイルス等の影響が出始めた一月下旬以降、旅行者数はどの程度減少しているのか伺います。

○松本観光部長 日本政府観光局、JNTOの発表によりますと、二〇一九年の訪日外国人旅行者数は三千百八十八万人となってございます。
 新型コロナウイルスの影響が出始めた一月の訪日外国人旅行者数は、前年同月比一・一%減の二百六十六万一千人となってございます。また、観光庁からは、ことしの春節期間中の中国人旅行者は、前年比約二割減少していると報告されております。
 一月の減少については、昨年から続いております韓国市場の減速が主な要因となっているといわれておりますが、二月以降は、新型コロナウイルス感染症の影響で、さらに旅行者数が落ち込むことが懸念されております。

○栗林委員 新型コロナウイルスの影響で旅行者数の落ち込みが懸念されることから、観光業に関係する事業者を支援する緊急融資支援など、そのときの状況に応じ、さらに拡充することも求めるものでございます。
 令和二年度予算案では、魅力を高める観光資源の開発予算として約四十一億円が計上されています。特に多摩・島しょ地域は、昨年の台風により大きな被害を受けており、早期に観光施設等を復旧することが重要な課題であります。
 そこで、観光施設等災害復旧事業の内容について伺います。

○松本観光部長 台風十五号、十九号などにより被害を受けた観光施設の復旧に向けまして、都は、市町村が実施する施設の整備に対する支援を行っております。
 来年度も引き続きこうした施設の整備に取り組む市町村があることから、遊歩道や温泉施設など観光施設の修繕に要する経費の二分の一につきまして、二千万円を上限に助成し、被害を受けた地域の速やかな復旧を支援してまいります。

○栗林委員 今、観光業が打撃を受けているところでございますが、やはり感染症、これが終息した後には、回復させ、この観光業から盛り上げていかなければいけないと思いますので、しっかり今から対策を講じていただきたいと思います。
 次に、自然と調和した観光事業ということで、令和二年度予算案の中で、自然と調和した観光事業として、多摩・島しょ地域で行われるさまざまな事業が盛り込まれています。
 多摩・島しょ地域は豊かな自然に恵まれ、キャンプやスポーツなどさまざまなレジャーが楽しめるところでございまして、人気が集中するのは夏場が多いかなと思いますが、オールシーズンにおいて、さらに多くの旅行者を呼び込むためには、これまでにない新たな観光資源の開発が必要と考えます。
 そこで、令和二年度予算案には新たなツーリズム開発支援事業が盛り込まれていますけれども、これまでの取り組み状況と来年度の内容について伺います。

○松本観光部長 都は、平成三十年度から多摩・島しょ地域へのさらなる誘客に向けた民間事業者による体験型、交流型の観光事業としまして、トレーラーハウスや地元の木材を利用したツリーハウス型の宿泊施設など、これまで五つのモデル事業を選定し、開発を支援してまいりました。
 来年度は、これらの事業を引き続き支援するとともに、新たに富裕な旅行者向けのより質の高い観光事業を含め、三事業を選定しまして、多様な観光資源が地域に定着していくよう支援を行ってまいります。

○栗林委員 ありがとうございます。どちらかというと若者のアクティブなレジャースポットという印象があったんですけれども、やはりシニア、高齢者も長期リゾート型でゆっくり楽しめるような、そういう事業もこれから展開していただき……(「温泉つきのね」と呼ぶ者あり)温泉つきの、楽しみにさせていただきたいと思います。
 次に、観光型MaaS導入支援事業について伺います。
 先日、臨海副都心地域でのMaaSの実証実験を、都議会公明党で視察をさせていただきました。
 多摩地域でも旅行者の誘致に向けて同様の取り組みを始めるとのことでありますが、具体的な内容について伺います。

○松本観光部長 多摩地域は、観光スポット間が離れておりまして、起伏に富んだ道も多く、観光客が効率的に観光地を巡るための移動手段の確保、これが課題となっております。
 このため、都は、これまで、シェアサイクルの導入支援のほか、電動アシスト自転車と公共交通を組み合わせたモニターツアーなどを実施してまいりました。
 来年度は新たに、スマートフォンのアプリなどにより、複数の交通機関等に関する情報検索から予約、決済までが一括して可能となる観光客向けサービス、観光型MaaSの実証実験を実施いたします。

○栗林委員 よろしくお願いいたします。
 次に、島しょ地域の観光振興について伺います。
 我が党は、藤井委員を初め、長期にわたりまして、島しょ地域の観光、これを後押しといいますか、政策提案をさせていただいておりました。
 三宅島では、来年度からエコツーリズムが開始されると聞いております。三宅島の観光客数は、雄山の噴火前と比べると半減をしてきております。そのため、我が党は、エコツーリズムの実施に伴い、ほかの島では見られない火山体験遊歩道や三七山展望台などの溶岩を初め、大路池やアカコッコ館など、観光資源を活用して観光振興を進めるよう求めてきたところでございます。
 来年度の具体的な取り組みを伺います。

○松本観光部長 都はこれまで、三宅島へのさらなる誘客を図るため、お話の火山体験遊歩道や大路池など、自然や文化、歴史を活用した、観光協会等による観光ルートの開発を支援してまいりました。
 来年度は、旅行事業者と連携しまして、こうした島ならではのルートを生かしたツアーを造成するとともに島の自然を体感できる釣りやスポーツなど、新たな旅行商品をふやすほか、これらの販売も支援いたします。
 さらに、エコツーリズムの開始に伴い村が行う観光施設等の整備に対し、その経費の二分の一を助成することで三宅島の観光地としての魅力を高め、さらなる旅行者の誘致につなげてまいります。

○栗林委員 平成十二年の噴火で被害を受けた三宅島でありますけれども、今、見事に復興し島民にも活気が戻り、観光にも力が入ってきているのではないかと思います。
 藤井委員は、当時から、島民の皆様に寄り添いながら、本当に何度も三宅島に通いながら後押しをしてきたところでございますので特に力が入っておりまして、私が今かわりに質問させていただいているところでございますけれども、そうした三宅島をさらにPRして、多くの方に訪れていただきたいと思います。
 三宅島を初め島しょ地域は、山も海も楽しめるマリンスポーツなどアクティビティーを初め新鮮な海の幸など、まさに宝物にあふれています。そうした島の魅力をわかりやすく伝えていくためには、それぞれの島ごとの観光のイメージをブランドとして発信していくことは重要でございます。
 都は、島しょ地域におけるブランド戦略支援事業を実施していますけれども、これまでの取り組み状況と来年度の事業の内容について伺います。

○松本観光部長 島しょ地域の観光の魅力を効果的に発信し、より多くの旅行者の誘致につながるよう、都は昨年度から、町村や観光協会等が観光資源をブランド化する取り組みを支援しております。
 その結果、これまで、式根島ではサーフィンをテーマに地元で立ち上げた推進組織が有名専門誌を活用しまして、サーフィンのある島暮らしの魅力を発信いたしました。
 また、八丈島では、観光協会が中心となってロングサマーをテーマにウエブサイトの活用やポスター等の作成に取り組み、人と地球を癒やす島をイメージとして発信しております。
 さらに今年度は、新たに大島でコンセプトの策定に向けて議論を行いました。
 来年度は、式根島、八丈島の発展的な取り組みへの支援とともに、大島ではコンセプトに基づく具体的な取り組みを支援してまいります。

○栗林委員 私、個人的には、婚活島めぐりを応援しておりますので、ぜひ引き続いて盛り上げていただきたいと思います。
 続きまして、まち歩きツアー事業について伺います。
 観光客が東京の多様な魅力を楽しむため、地域の神社、仏閣や史跡などをめぐるまち歩きツアーが大変好評でございます。
 私の地元世田谷区でも、下北沢周辺で外国人観光客が急増しております。古着とかアンティークの雑貨、こういったものを求めて商店街を歩く姿がふえてきています。こうしたまち歩きツアーは、観光客だけでなく都民も参加できると。身近な地域の歴史などに触れ、改めて東京の魅力を再認識するよい機会ではないかと思います。
 そこで、都が支援するまち歩きツアー事業のこれまでの取り組みと来年度の展開について伺います。

○松本観光部長 都は昨年度から、観光協会等が企画した地域の史跡など観光スポットをめぐるまち歩きツアーを支援しております。
 今年度はツアーを九月から十二月まで実施しまして、国内旅行者向けに、文化財や庭園、工芸品の老舗などをめぐる三十五のツアーと、外国人向けに、寺社や居酒屋などをめぐる十二のツアーを集約しまして専用サイトで発信いたしました。
 また、PRの強化として、ツアーの内容を紹介するイベントを開催したところ、約百四十の媒体で報道され、昨年を上回る約千三百人のツアー参加者を得ることができました。
 来年度も引き続き、各地の観光協会等と連携し、都内各地にまち歩きツアーを広げるとともに、効果的に発信することで、より多くの方々にツアーへの参加を促してまいります。

○栗林委員 東京に住んでいても、余りほかの地域のことは知らないという方が多くいらっしゃいますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 世田谷区は、商店街でまちバルという企画、これは三宅委員が中心で、私も一緒に応援させていただいている事業なんですけど、すごく盛り上がります。
 まちバル、商店街、七枚、六枚つづりぐらいのチケットを三千円ぐらいで、一件で五百円ぐらいのチケットを使って一品、ワンドリンク、ワンフードで、知らないお店もそこで発見したり、まちの中の交流もできたり、最近そういったところにも外国人観光客の方もいらっしゃる姿をお見受けしたりしますので、こういうまちバル、商店街がやっている企画でもございますので、ぜひ連携をしていただきながら、そういうまち歩きの中に入れていただいても、三宅委員が中心で盛り上げさせていただいていますので、世田谷区では。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 では、観光の最後に、ビーガンの情報提供について伺います。
 外国人旅行者への食の情報提供に関する都の取り組みについて伺います。
 我が党は昨年の三月の本委員会、さらには九月の第三回定例会において、公明党の斉藤やすひろ議員が質問で取り上げさせていただきました。食の配慮が必要な旅行者、特にビーガンを含むベジタリアンへの対応につき質疑をし、その際、新たな飲食店紹介冊子の作成などについて答弁があったところでございます。
 そこで改めて、都がベジタリアン等への取り組みを進める意義と、新たに作成する冊子の特徴や取り組み状況について伺います。

○鈴木観光振興担当部長 今後、多様な文化、習慣などを持つ多くの外国人旅行者の来訪がさらに見込まれる中、ビーガンを初めとするベジタリアンの方々も安心して東京の食を楽しめるよう、きめ細かな情報提供を行っていくことが必要でございます。
 文化や習慣、ライフスタイルなどの違いにより、さまざまなタイプのベジタリアンが存在するため、新たに作成する冊子では、飲食店で提供される料理について、使用していない食材や調味料をアイコンによりわかりやすく明示することで旅行者がみずからの判断で食べることができる店舗を選択できるよう工夫を行っております。
 冊子には百を超える飲食店を掲載する予定であり、今月末の完成後、東京観光情報センターを初め都が指定する東京観光案内窓口等において、幅広く旅行者の方々に配布してまいります。

○栗林委員 最後に、都市農地の保全について三問質問させていただきます。
 都内の農地面積や農家の戸数は年々減少しています。私の地元世田谷区は、二十三区で練馬区に次ぐ二番目の規模であり、この練馬区と世田谷区の二区で二十三区の生産緑地のおよそ三分の二を占めているというところでございます。農家は継続できるよう大変な努力をしていただいております。
 しかし世田谷では、昭和四十年は、農地面積は約五百八十七ヘクタール、農家戸数は千二百六十七戸ありました。それが、平成三十年は、農地面積は約八十六ヘクタール、農家戸数は三百十八戸という状況でございます。
 相続などを契機に、都内では毎年五十ヘクタールの生産緑地が宅地化されています。さらに、二〇二二年には生産緑地の多くが買い取り申請可能となる指定後三十年を迎え、さらなる減少が懸念されます。
 しかし現在、都市農地は農業生産だけでなく、多面的機能という面で大きな役割を果たしています。ヒートアイランド現象の緩和や貯水機能などの環境保全、災害時の延焼防止や避難場所、仮設住宅の建設用地など防災空間としての役割、食育の学習やレクリエーションの場など農産物の提供以外にも地域への貢献は大きいといわれています。こうして多面的機能を持つ農地を保全することは重要であります。
 こうした中、平成三十年九月に施行された都市農地貸借円滑法によると、生産緑地の期限を決めて安心して貸借することが可能になりました。
 今後は、調整役を担う区市や農業委員会と一層の連携を図り、後継者がいない農家などが生産緑地を新規就農者等に円滑に貸し出すことができるよう都が取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 これまで都は、農業者の営農継続を支援し、生産緑地指定を十年延長できる特定生産緑地への移行を促すとともに、みずから耕作できない場合には、新たな制度を活用した新規就農者等への貸借を推進してまいりました。
 今年度は、生産緑地の貸借促進に向け区市ごとに説明会を開催するとともに、昨年七月には、都内での生産緑地の優良な貸借事例などを広く紹介する都市農地の保全活用セミナーを開催いたしました。また、生産緑地を所有する農業者に対して貸借の意向調査を実施いたしました。
 来年度は、この調査結果を活用し、農地の貸し手のニーズの把握や掘り起こしを行うとともに、各区市の農業委員会とコーディネート役である東京都農業会議との情報共有を強化し、借り手とのマッチングを支援してまいります。

○栗林委員 こうした制度が広く周知され活用されることを期待いたします。
 一方で、将来的に後継者が見込めない農家では貸借することは選択せず、相続を契機に、やむなく生産緑地を手放さざるを得ない状況も想定されます。
 しかしながら、買い取り申し出を受けた区市は、財政面の負担が大きいことや買い取り後の使途が未定のため、農地保全の意識はあるものの実際に買い取っている事例は少ないと思います。
 平成三十年五月に実施した、これも世田谷区の区民意識調査なんですけれども、区内の農地を残した方がよいと答えた区民が何と八割もいらっしゃいました。非常に関心が高いし、公的な支援も必要だというあらわれではないかなと思います。
 そこで、生産緑地二〇二二年問題を控え、都は来年度、新たに生産緑地買取・活用支援事業を開始いたしますが、具体的な内容について伺います。

○上林山農林水産部長 都は来年度、減少が懸念される生産緑地を保全するため、区市による生産緑地の買い取りやその後の活用に必要な農園等の整備を支援する事業を新たに開始いたします。
 具体的には、区市が地域の意向を踏まえ、農地を残すエリアを計画として定め、この計画に基づいて、生産緑地を買い取る際に経費の二分の一を補助いたします。
 また、当該生産緑地に農福連携を進めるための福祉農園や、農業の高収益化を図るための研修農場などを整備する際には、その施設整備費の五分の四を補助いたします。
 こうした取り組みにより、買い取り申し出された生産緑地についても、農的活用を進め、都市農地の保全を図ってまいります。

○栗林委員 ただいまご答弁にありました、買い取っていただいたその農地を農福連携等の取り組みに活用するという話がございましたが、ぜひ期待をするところでございます。
 農福連携は、障害者の就労の場になるだけではなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保にもつながる取り組みでございます。
 都内でも農地の貸借制度を利用して福祉事業所が農業へ参入を果たしている事例がありますけど、農業に関する知識やノウハウが十分でないため、経営を軌道に乗せることが難しい場合があると聞いております。
 こうした福祉事務所などの取り組みを後押しすることが、都内において農福連携のさらなる推進につながると考えますが、今後の取り組みについて伺います。

○上林山農林水産部長 今年度、都は、農福連携の推進のため、都内の福祉事業所を対象に農業参入の実態調査を実施いたしました。調査の中では、栽培技術を指導する指導者がいない、販売先が見つからない、障害者向けの作業の切り出しが難しいなどが課題として挙がっております。
 このため、来年度から、農福連携に取り組む福祉事業所などに専門家を派遣して、農業全般に関する技術指導や販路の開拓、障害の種類に応じた作業内容の設定方法など、きめ細かな助言を行ってまいります。さらに、栽培施設や農業機械など、福祉農園の開設運営に必要な施設の整備に係る経費を支援いたします。
 これらの取り組みを進めることで、福祉農園の立ち上げから定着を後押しし、都内における農福連携の取り組みを推進してまいります。

○栗林委員 ぜひ期待される農福連携でございますので、取り組みを一層強化していただきますようお願いいたします。
 農業の分野でも、障害者がしっかり技術を身につけ少しでも多くの収入を得ることができて、長く働ける環境をつくることにつながってまいります。農地を保全することから多面的活用、多様な働き方など新しい価値が生まれることに期待をし、質問を終わります。

○両角委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認め、予算案、知事提出の付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○両角委員長 次に、議員提出議案の審査を行います。
 議員提出議案第六号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○尾崎委員 東京都雇用・就業対策審議会は、条例第一条で、雇用及び就業の促進、職業能力の開発並びに労使関係の安定を図るため、知事の附属機関として設置することを規定しています。
 しかし審議会は、二〇一三年一月二十四日以降、七年以上開催されていません。この間、審議会に諮る事項がなかったわけではありません。直近では、就労についてさまざまな要因から困難を抱える方に対する対策について議論されましたが、知事の私的諮問機関である有識者会議でなされました。本来、審議会で諮る事項も知事の私的諮問機関である有識者会議で議論され、条例設置である審議会が軽んぜられる実態が続いています。
 現在、新型コロナウイルス感染症に起因するさまざまな影響への対策や就職氷河期世代への支援、障害者雇用の促進、就活セクハラ根絶への施策など、雇用と就業に関する課題は山積みであり、審議会の役割は大きくなっています。にもかかわらず都は、就労困難者への支援とソーシャルファーム推進条例について、審議会に諮ることなく、知事の諮問機関である有識者会議で検討されました。
 しかし、地方自治法第百三十八条の四の三項は、諮問などを行う行政の附属機関は条例で設置することとしており、多くの判例で、条例に基づかない有識者会議を附属機関のように扱うことは違法とされています。
 よって、日本共産党都議団は、東京都雇用・就業対策審議会条例改正案を提案しました。
 審議会は、会長が招集権を有し、一年に一回以上開催する義務規定を設けます。行政機関への建議を、職業能力に関する事項に限っていたものを第二条一項の各項に拡大し、建議の対象に知事を加えます。審議会は、委員以外の出席や必要な資料を求めることができるよう改正します。また、委員のほかに部会に特別委員を置くことができる規定を追加します。
 以上で説明は終わりますが、よろしくご審議をお願いいたします。

○両角委員長 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○両角委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時四十三分散会

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