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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第十七号

平成三十年十一月三十日(金曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長中山ひろゆき君
副委員長小林 健二君
副委員長山崎 一輝君
理事ひぐちたかあき君
理事尾崎あや子君
理事小山くにひこ君
うすい浩一君
柴崎 幹男君
あかねがくぼかよ子君
白戸 太朗君
高倉 良生君
森澤 恭子君
三宅 茂樹君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長藤田 裕司君
次長十河 慎一君
総務部長寺崎 久明君
産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務武田 康弘君
商工部長坂本 雅彦君
金融部長加藤  仁君
金融支援担当部長川崎  卓君
観光部長小沼 博靖君
観光振興担当部長鈴木 誠司君
農林水産部長上林山 隆君
安全安心・地産地消推進担当部長龍野  功君
全国育樹祭担当部長村西 紀章君
雇用就業部長篠原 敏幸君
事業推進担当部長蓮沼 正史君
港湾局局長斎藤 真人君
技監小野 恭一君
総務部長梅村 拓洋君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務相田 佳子君
調整担当部長米今 俊信君
港湾経営部長藏居  淳君
港湾振興担当部長戸谷 泰之君
臨海開発部長中村 昌明君
開発調整担当部長オリンピック・パラリンピック施設整備担当部長兼務山岡 達也君
臨海副都心まちづくり推進担当部長矢部 信栄君
港湾整備部長原   浩君
計画調整担当部長竹村 淳一君
離島港湾部長小林 英樹君
島しょ・小笠原空港整備担当部長松本 達也君

本日の会議に付した事件
港湾局関係
陳情の審査
(1)三〇第五六号 調布飛行場における自家用機の取扱いに関する陳情
産業労働局関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都中小企業・小規模企業振興条例
・東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例
・産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築電気設備工事請負契約
・産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築空調設備工事請負契約
・産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築給水衛生設備工事その二請負契約

○中山委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局関係の陳情の審査、産業労働局関係の事務事業に対する質疑並びに産業労働局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取を行います。
 なお、本日は、事務事業については、資料の説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより港湾局関係に入ります。
 陳情の審査を行います。
 陳情三〇第五六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 本日ご審査いただきます陳情につきまして、お手元に配布してございます資料1、請願・陳情審査説明表に基づきご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。本日ご審査いただきますのは、陳情一件でございます。
 それでは、陳情三〇第五六号、調布飛行場における自家用機の取扱いに関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。本陳情は、東京都調布市飛行場問題を考える市民の会代表、鵜沢希伊子さんから提出されたものでございます。その要旨は、都において、調布飛行場における自家用機の運航自粛要請の解除を撤回していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。調布飛行場は、島しょと本土とを結ぶ離島航空路の重要な拠点であり、また、災害時は防災拠点として重要な役割を担っております。
 調布飛行場における自家用機につきましては、平成二十七年七月の墜落事故以降、事故原因が究明され、それに伴う再発防止策が図られるまでの間、運航の自粛を要請してまいりました。
 事故原因につきましては、平成二十九年七月に国の運輸安全委員会の航空事故調査報告書で特定され、都は、当報告書を踏まえて、事故の再発防止等に必要な体制や安全対策の強化を図りました。
 また、これらの安全対策等の有用性を確認するため、本年七月に、航空機の運航の安全性について見識を有する外部の監査員による監査を実施し、適正であるとの評価を受けております。
 調布市、三鷹市、府中市の地元住民に対しましては、都は、本年八月九日から十三日にかけて、それぞれ住民説明会を開催し、今後、万が一墜落事故が起きた際の被害者支援制度や、事故再発防止となる安全対策、自家用機の分散移転の推進に向けた取り組みについて説明し、また、これらを踏まえ、自家用機運航自粛要請解除の時期を都が判断することについて説明いたしました。
 本年九月に、都は、自家用機の運航自粛要請を継続しないこととしまして、その旨、プレス発表及びホームページへの掲載を行ったほか、調布飛行場周辺住民に対して、新聞折り込みや戸別のポストへの直接投函により案内を行いました。
 現在都は、強化した安全対策を実施しており、また、地域住民の不安解消と理解促進のため、自家用機の運航を含む調布飛行場の運営等に関する情報提供を地元市等に行っております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○中山委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 陳情三〇第五六号、調布飛行場における自家用機の取扱いに関する陳情について、今回の陳情は、調布飛行場の地元、飛行場問題を考える市民の会の皆さんからの、調布飛行場の自家用機の自粛の解除を撤回していただきたいという内容です。
 陳情に賛成の立場で幾つか質問を行います。
 最初に、警視庁は、十一月二十一日、二〇一五年七月に起きた小型機墜落事故で、重量超過の状態で離陸したことが事故の原因になったと断定し、機体の管理会社と事故で死亡した機長を業務上過失致死容疑で書類送検されました。
 都の受けとめを伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 本件につきましては、書類送検の段階でございますので、今後の推移を注視してまいります。
 都は、国の運輸安全委員会の航空事故調査報告書で公表された事故原因を踏まえまして、離陸前の安全確認の徹底や、新たに航空機専門員を配置するなど、安全対策を強化しております。
 引き続き、調布飛行場における管理運営の徹底と安全対策に万全を期してまいります。

○尾崎委員 まだ書類送検されたとの報道ですので、今後どうなるのか、事故の賠償問題で裁判も行われていますが、まだ終わっていません。住民の方からすれば、まだ事故の後始末は済んでいないと厳しく指摘をされています。
 住民の皆さんは、調布飛行場で飛行機が飛ぶ音を聞くだけで事故が起こるのではないかと、事故のあった当時を思い出してしまう、不安になるという声が、私たちのところにも寄せられています。
 私は、十一月八日の事務事業質疑でも質問しましたが、都は、自家用機についての自粛解除については、住民説明会をきちんと開催していないということが明らかです。八月に行われた住民説明会では、自家用機についての自粛解除について明確な説明はされていません。チラシを配布しただけでは、自家用機再開、自粛解除にかかわる住民説明会が必要です。
 どのように考えているのか伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、三鷹、府中、調布の地元三市の住民に対しまして、本年八月九日から十三日にかけまして、それぞれ住民説明会を開催いたしました。
 説明会では、新たな被害者支援制度や、事故の再発防止のための安全対策、自家用機の分散移転の推進に向けた取り組み等について説明するとともに、こうした体制が整備されたことを踏まえ、自家用機の運航自粛要請解除の時期を都が判断することについて説明し、それに対する質疑も行いました。
 また、自家用機の運航自粛要請の解除日につきましては、プレス発表及びホームページへの掲載を行ったほか、地元三市長からの要請も踏まえ、調布飛行場の周辺住民に対しましては、新聞折り込みや戸別のポストへの直接投函により案内を行ったところでございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁は、先日の事務事業質疑のご答弁と変わりません。
 私は、自家用機の自粛解除、運航再開について、チラシやホームページではなく、住民説明会が必要ですが、どう考えているのかと聞いたのです。
 都は、住民説明会はやる必要はないと考えているわけですよね。住民への説明は不足していると厳しく指摘をし、今からでも住民説明会を行うべきだと要望しておきます。
 また、三鷹市長、府中市長、調布市長の連名の要請文書でも、最後の要請項目に、周辺住民の不安解消と理解促進に努めることとあります。先ほど、地元三市長の要請も踏まえ、新聞折り込みや戸別のポストへの直接投函により案内したということですが、都は、チラシなどを一方的にポストに入れて、丁寧な対応だと思っているのですか。住民の方々に直接説明を行い、疑問に答えることがなければ、住民の人たちは納得できません。
 次に、小池都知事に対し、三鷹市長、府中市長、調布市長の連名で調布飛行場の諸課題解決に向けた対応についての要請文書が八月三十一日に出されています。
 都はどのように受けとめているのか伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 地元三市長からは、事故被害者の迅速な生活再建支援や、万全な安全対策、自家用機の分散移転の推進等についての要請を受けておりまして、都としてもこれを真摯に受けとめ、継続して要請項目への対応を行ってきたところでございます。
 引き続き、地元市との連携を図り、調布飛行場の管理運営の徹底に努めてまいります。

○尾崎委員 都としても真摯に受けとめ、引き続き地元市との連携を図り、調布飛行場の管理運営の徹底に努めるとのことですが、地元三市長連名の要請文では、被害に遭われた方や地域住民からの意見に対し慎重かつ丁寧に対応していただくよう要請しますとあります。
 日本共産党都議団は、この間、三鷹市、府中市、調布市の市長さんや副市長さんらとの意見交換を行ってきました。懇談の中では、調布飛行場の課題は、自家用機の責任の所在が明らかでないこと、二〇一五年の事故は南風が吹いていたため左へ旋回し、調布市に墜落した、もし、北風が吹いていたら府中市、もしくは小金井市に墜落した可能性があった、そして、何よりも二度と同じような事故を起こしてはならないんだと意見が出されました。
 三鷹市議会は、九月二十七日に、調布飛行場における安全対策の徹底と、自家用機の着実な分散移転を求める決議を出しました。大変重要な内容ですので、紹介したいと思います。
 決議文の中で、八月九日、十日、十三日に行われた調布飛行場の新たな被害者支援制度等に係る住民説明会において、明確な説明がなされないまま、同月十四日の調布飛行場諸課題検討協議会において、自家用機運航再開の判断時期について報告があったことは、事故被害者や地元住民に対し、丁寧さを欠いた不誠実な対応であったといわざるを得ないと記載されています。
 今の状況では、自家用機の運航の再開には到底納得できないということではありませんか。都は、真摯に受けとめるというのであれば、少なくとも、住民への説明、地元三市への説明をきちんと行うべきだと要望します。
 地元三市長の連名要請や、三鷹市議会の決議でも、自家用機については分散移転の推進を求めています。都は、関東圏における自家用小型機の飛行場の整備に向けて、必要な調査検討を進めるよう、国に働きかけていくこととしていると、十一月八日の事務事業質疑でもご答弁されました。このときは、国にはまだいっていないということでしたが、その後、国には働きかけをしたのかどうか伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 都は、自家用機の分散移転に向けた取り組みを一層推進するため、調布飛行場周辺の住民団体や、地元市等との協議も踏まえ、移転先として都営大島空港の施設整備を進めるとともに、自家用機所有者等の団体と連携して、関東圏における自家用小型機専用飛行場の整備を国に働きかけることといたしまして、本年十一月二十二日に国への要望活動を行ったところでございます。

○尾崎委員 先日も事務事業質疑で紹介しましたが、大事なことなので改めてまた紹介したいと思います。
 日本共産党都議団が国土交通省に申し入れを行ったとき、自家用機の移転については国土交通省もあっせんしていく、ほかの県への移転について、東京都から要望があれば、国土交通省としても対応していきたいといっていたんです。都は、引き続き自家用機の移転について、国に強く要望していただくようお願いしたいと思います。
 最後に、三十七年前の調布中学校の校庭に墜落した事故が起こり、当時、一九八一年、衆議院の予算委員会で塩川正十郎運輸大臣が代替飛行場を探すと答弁しています。
 二〇一五年の事故を受けて、都はどのように考えているのか伺います。

○松本島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場は、その設立の経緯から地元市等と連携を図りつつ管理運営を行っております。
 引き続き、平成二十七年の事故の再発防止を含めた安全対策等に万全を期してまいります。

○尾崎委員 私は先日の事務事業質疑で、安全対策の強化について、一つ一つ疑問点を明らかにしていきました。しかし、まだまだ疑問点が残っています。パイロットの健康状態の申告が本人の申告だけになっていること、同乗者の名前は登録しても、本人なのかの確認はどうするのか、また、一人一人の体重は登録しないで、全体の重量の記録、記載だけになっていることなどです。
 全国で小型機の事故がふえています。二〇一五年の調布飛行場の事故は住民を巻き込み三人が死亡するという、これまでにない大きな事故となりました。そして、小型機の事故の六割が自家用機だということも軽視できません。
 事故の再発防止を含めて安全対策等に万全を期していくとのご答弁ですが、そうであるならば、自家用機の運航再開については、まず、住民への説明を行うことを優先すべきです。
 そして、住民の声を真摯に受けとめ、自家用機の分散移転に全力で取り組み、自家用機の運航再開は撤回すべきだと述べて、質問を終わります。

○中山委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○中山委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第五六号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で港湾局関係を終わります。

○中山委員長 これより産業労働局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、藤田局長から紹介があります。

○藤田産業労働局長 去る十月二十三日の当委員会を欠席させていただいておりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 全国育樹祭担当部長の村西紀章でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○中山委員長 紹介は終わりました。

○中山委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○寺崎総務部長 去る十月二十三日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。目次でございます。資料は全部で十一項目ございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きください。商店街助成事業につきまして、平成二十八年度以降の実績をお示ししてございます。
 二ページをお開きください。政策課題対応型商店街事業につきまして、平成三十年度の申請状況を内容別にお示ししてございます。
 続きまして、三ページをごらんください。都内製造業の事業所数、従業者数、製造品出荷額及び付加価値額につきまして、直近の調査結果として公表されている平成二十七年までの推移をお示ししてございます。
 四ページをお開きください。四ページから五ページにかけまして、中小企業制度融資の過去十年間の目標と実績の推移をお示ししてございます。
 六ページをお開きください。林業の就業者数及び多摩産材の活用実績の推移をお示ししてございます。
 七ページをごらんください。内水面漁業の従業者数、主な魚種別漁獲量及び養殖量の推移をお示ししてございます。
 八ページをお開きください。都立職業能力開発センターにつきまして、過去五年間のデータをお示ししてございます。八ページが応募状況、九ページが職業紹介の実績及び就職率でございます。
 一〇ページをお開きください。委託訓練につきまして、過去三年間の科目委託先の定員、応募状況、就職率をお示ししてございます。
 一一ページをごらんください。雇用形態別、男女別、年齢別都内就業者数につきまして、直近の調査結果として公表されている平成二十九年までの推移をお示ししてございます。
 一二ページをお開きください。女性の活躍推進人材育成事業につきまして、過去三年間の実績をお示ししてございます。また、女性の活躍推進加速化事業につきまして、平成三十年十月末現在の実績をお示ししてございます。
 一三ページをごらんください。女性、若者、シニア創業サポート事業につきまして、過去四年間の実績をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○中山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言願います。

○ひぐち委員 農業と水産業について伺います。
 海外に目を向けますと、オランダは国外の市場を狙い、食品産業と連携を強め、付加価値だけでなく生産性を高めている、いわば成熟先進国型農業といえるようです。
 また、水産先進国ノルウェーでは、漁業人口の大幅な減少にもかかわらず、先端技術の導入で決定した省力化、コスト削減で生産性の大幅な向上を達成、漁船に水揚げされた時点からオンラインで国内外の顧客と取引が始まるシステムを持ち、海外市場の開拓に力を入れる漁業であります。
 さて、本邦の農業についていえば、平成二十九年十二月八日、国の農林水産業・地域の活力創造本部において、農林水産業・地域の活力創造プランが改訂されています。この改訂プランにおいては、私も質疑してきました卸売市場を含めた食品流通構造の改革について追加され、先日の市場局の質疑でも取り上げましたが、後押しすると答弁のあった農林水産物、食品の輸出促進、そして、農地制度の見直しなどが追加されています。
 この大きな改革の流れの中で、東京都においても同じく都市農業の振興のために必要なことの一つが農地の維持であります。生産緑地制度の延長や、市町村による農地買い取りにより農地を残していくことが重要となるわけでありますが、まずは、懸念されている二〇二〇年問題と生産緑地の買い取り申し出制度の概要について伺います。

○上林山農林水産部長 生産緑地法により生産緑地として指定された農地は、指定後三十年を過ぎると営農義務がなくなり売却が可能となります。多くの農地は一九九二年に生産緑地として指定されていることから、三十年後である二〇二二年に多くの生産緑地が売却され、農地の減少が懸念されております。
 生産緑地の買い取り申し出制度とは、生産緑地地区指定後三十年を経過したとき、または農業の主たる従事者が死亡、もしくは農業に従事することが不可能な状態になったときに、自治体に対して生産緑地を時価で買い取るよう申し出ることができる制度でございます。

○ひぐち委員 自治体が買い取りを行うことができるわけですが、実際の買い取り事例は少なく、財源が莫大になることと、取得した後の用途や維持管理が課題であります。
 そこで、買い取った後の利用方法など、都としてさらに事例を示していくべきと考えますが、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 都は、二〇二二年問題を見据え、都市農地の保全や元気な高齢者の活躍促進などを踏まえ、生産緑地の活用モデルを確立することを目的に、シニア向けセミナー農園整備事業を実施しております。
 具体的には、農家から買い取り申し出等のあった生産緑地を都が買い取り、シニア層が技術指導を受けながら農作業を行うセミナー農園を開設するとともに、収穫祭や防災訓練など、地域住民の交流の場として活用する予定でございます。
 こうした事業を通じて、買い取った生産緑地の活用モデルを都が示すことにより、都市農地の保全に向けた区市の取り組みを促してまいります。

○ひぐち委員 今、シニア向け農園としての整備などお話がありましたが、そういったものを示されていますが、それ以外にも、例えば既存の農家が経営効率化に向けて大規模化、集約化を進めるためのマッチングなど、さまざまな方策を検討いただくよう要望いたします。
 農地の確保とともに、意欲ある次世代の生産者の育成も重要です。農業者の現状とともに、次世代を担う女性や若者など多様な担い手の確保、育成について、具体的な取り組みを伺います。

○上林山農林水産部長 二〇一五年の農林業センサスによりますと、東京都の基幹的農業従事者のうち、六十五歳以上が全体の五四・一%を占めており、また、農業後継者がいない世帯は四四・四%となっております。
 こうした中、持続可能な東京農業を実現するためには、農家の後継者とともに、農家以外からの新規参入者や女性など、多様な担い手の確保、育成が重要でございます。
 新規就農希望者に対しましては、東京都農林水産振興財団及び東京都農業会議におきまして、研修制度の紹介や農地のあっせんなどを行う就農相談事業を実施しており、昨年度一年間の相談件数は百四件、また、就農相談から研修受講などを経て、平成二十九年度に農地のあっせんを受けた新規就農者は十二名でございます。
 特に、その感性を生かした活躍が期待される女性につきましては、同財団の窓口に女性の就農コンシェルジュを配置してきめ細かに対応いたしております。
 また、就農希望者の掘り起こしを目的として、農業高校や大学の学生等を対象に、東京農業を学ぶ農業PRツアーを八月に実施し、二十四名が参加したほか、都が認定した指導農業士による研修を五名が受講いたしております。

○ひぐち委員 六十五歳以上が五四・一%、後継者がいない世帯は四四・四%ということでありますが、一方で、例えば昨年度の新規就農者は十二名であると。せっかく、この都ではさまざまな就農相談事業など施策を行っているわけでありますから、ぜひとも現状を分析して、目標値を立てて、事業の効果を測定、適宜見直すことを検討いただきたいと思います。
 さて、意欲ある新規就農者を呼び込むためには、生産現場や流通過程において生産性を高めることは大切であります。
 生産現場の話でいえば、ほかの道府県に比べて耕作面積の小さい東京の都市農業においては、単位面積当たりの収穫量をふやすなど、しっかりと図るべきであります。
 先日、私も視察に行きましたが、東京都農林水産振興財団では、ICTを駆使した水耕栽培システムの実証実験を行い、事業性の観点から設備導入費用などに工夫を凝らし、廉価に抑えた開発をしているとよくわかりました。
 そこで、改めて本取り組みの概要と期待される効果について伺います。

○上林山農林水産部長 先日、ご視察いただきました東京型統合環境制御生産システムにつきましては、狭小な農地の多い東京農業の実情に即して、都が独自に開始した新たな栽培システムでございまして、国が普及を進める園芸施設に比べ小規模かつ低コストで、高収量、高収益な農業を実現するものでございます。
 具体的には、ICTなどの先端技術を駆使して、汎用性のある安価な部材を使用しまして、ハウス内の温度、湿度、光、CO2濃度等を作物にとって最適な環境に自動で制御するものであります。また、スマートフォン等による遠隔監視制御も可能となってございます。
 このシステムの活用によりまして、栽培試験におきましては、トマトの年間収穫量が通常のハウス栽培に比べ約三倍と大幅に増加し、品質面におきましても、形がよくきれいで糖度も高まっているとの結果も出ております。

○ひぐち委員 ありがとうございます。遠隔からスマートフォンで操作でき、トマトでいえば収量が三倍と見込め、さらには糖度もコントロールできるなど、次世代の農業者を支える先端技術として大変期待ができるものでした。
 聞きますと、先進的なオランダの農業でも、加工用トマトなどで既にこういったシステムが取り組まれているということで、東京の農業のあり方を大きく変える可能性を感じています。
 さらに進めるならば、既にオランダで取り組まれているように蓄積されたデータを収集、分析し、よりうまくいくシステム設定、条件を農業者に解放すべきでありますし、また、システムの構造も積極的に公開すべきと考えますが、実証実験後の取り組みの方向性について見解を伺います。

○上林山農林水産部長 現在、東京都農林総合研究センターにおきまして、システムの研究開発に使用した施設を実証展示し、農業者の視察を受け入れてございます。
 また、農業者の農場で栽培システムの実証試験を行っており、研究開発の場では得られない、実際の経営で使用した際の栽培、経営データを収集して分析、検証し、収量優先や味優先など、農業者の目指す経営スタイルに合わせてシステムの設定条件をブラッシュアップしております。
 加えて、新技術導入に積極的な若手農業者の研究会と連携した説明会を開催し、システムの普及を図ってまいります。
 さらに、システムの基本構造などを公開し、農業施設の販売事業者などに広く活用していただくことで、コストダウンと普及を促進してまいります。

○ひぐち委員 ありがとうございます。大変いい取り組みだと思います。
 新規参入を促すためには、当然ながら高い事業性が重要であり、着実に採算がとれることが必要です。
 そもそも農業は、熟練の農家でないと安定した品質や収量が見込めず、また天候や風水害などにより予期せぬ打撃を受けることもあり、大変不安定なものであります。本取り組みは、こうしたリスクを乗り越えられる可能性を秘めているわけです。
 さて、東京の農業は、その規模や立地特性などから、ほとんどが直売所など足元商圏における流通で完結しています。
 生産者の顔が見えること、朝どり野菜の供給、また、六次化の取り組みなど、付加価値をつけるための取り組みについても伺います。

○上林山農林水産部長 直売所等における直接販売は、独自の価格設定や流通コストの低減により、高収益が期待できるとともに、消費者にとっても新鮮な野菜を入手できる効果的な取り組みであり、都内農家の販売方法の七割以上を占めております。
 都は、都市農業活性化支援事業で共同直売所の陳列棚の整備費用を支援するなど、都内農業者の直接販売の取り組みを後押ししております。
 また、六次産業化に向けた支援として、果樹農家によるジャム等の加工施設や、酪農家によるアイスクリーム加工販売施設の整備に係る費用を補助しております。
 さらに、チャレンジ農業支援事業におきまして、オリジナルパッケージやロゴマークの制作費用を補助するなど、農家の農産物の付加価値向上に係る取り組みを支援しております。

○ひぐち委員 都市農業の振興のためには、都内野菜のブランディングも重要です。
 都は、江戸東京野菜の復活と販売促進に力を入れてきました。ちなみに、当時、在籍していた職員の方で、絵師の方が詳細な図を残しています。美術的にもすばらしく、当時の野菜に関する貴重な資料でありますので、ぜひ、活用いただくことを要望いたします。
 しかし、また他方で、品種改良を重ねてきた現代の野菜に比べると、味や収量などに課題が多くあるというのも実態であります。
 そうした課題の解決と普及に向けた取り組み、見解について伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 都は現在、江戸東京野菜の安定生産に向け、飲食店等での利用が期待できる馬込三寸ニンジンなど、五品目の栽培試験を実施し、栽培マニュアルの作成を進めております。
 また、普及に向けては、飲食店の関係者を対象に、収穫体験や試食イベントを開催するなど、江戸東京野菜に対する理解を深めてもらう取り組みを実施しております。
 さらに、現在、江戸東京野菜のそれぞれが持つ物語や、個性豊かな味や形を魅力とした独自のブランド戦略を策定しております。
 こうした取り組みにより、江戸東京野菜を一つのシンボルと位置づけ、都内産農産物全体のPRを図っております。

○ひぐち委員 ブランド化とともに、都内産野菜の認知度を高める取り組みについても伺います。
 東京農業の情報発信拠点として、JA東京中央会が南新宿に開設したJA東京アグリパークの運営を都は支援しているわけですが、催事が中心で、当初はリピーターがつかないなどの課題もあった、また、常設展などについても要望が上がっていると聞いています。
 そこで、東京アグリパークの取り組み状況について伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 JA東京中央会が開設したJA東京アグリパークにおいて、都は、都内産農林水産物の認知度向上や消費拡大を図るため、イベントの開催やサポートデスクの運営などに係る経費を支援しております。
 今年度は、上半期までに野菜を中心としたマルシェの開催など、週がわりのイベントが二十五回開催され、約十一万三千人の来場者がございました。
 また、都内産農林水産物に関する相談や情報発信を行うサポートデスクでは、旬の食材情報や料理法、東京食材の購入先など、上半期までに八百二十一件の相談に対応しております。
 開設二年目を迎え認知度も向上しており、今後も人気の高い商品を常時販売するなどして、リピーターの増加を図ってまいります。

○ひぐち委員 さて、東京二〇二〇大会は、国内外に東京の安全で安心、高品質な野菜、果物、花きをアピールする絶好の機会であります。
 大会では調達コードがあり、都はこのたび、東京都版GAP制度を整備しました。
 現在、説明会の開催や農業普及員による個別指導が行われ、東京都の農業者にはおおむね周知できているものと思われます。また、GAPは取得すれば終わりというものではなく、大会を契機としたレガシーにしなければなりません。
 そのためにも、将来にわたる東京都の農業のあり方の中で、GAP認証がどのような役割を果たしていくべきか明確にしていく必要があります。
 都版GAPの普及にかかわる現在までの取り組み状況や、今後の予定、また、どのようなレガシーにしていくべきか、都の見解を伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 東京都GAPは、東京二〇二〇大会において都内産農産物の提供を可能にするとともに、農産物の安全性や品質の向上、経営改善にもつながる認証制度でございます。
 今年度は、東京都GAPについて多くの農業者に理解してもらうため、四月から八月にかけて、都内各地で制度の内容や認証取得の意義についての説明会を百十六回開催するなど、制度の周知を図ってまいりました。
 また、農業者のGAP取得の申請に向け、JGAP指導員の資格を持つ都の普及指導員が、栽培管理の記録方法や作業場の改善について助言を行うなど、きめ細かい支援を実施しております。
 認証取得につきましては、第一回の審査会で七件の認証をしたところでございますが、これに加え、現在約三十件、認証取得に向けた支援を実施しており、順次認証していく予定でございます。
 東京二〇二〇大会への食材供給だけでなく、持続可能な東京の農業の実現に向け、東京都GAPを広く農業者に普及してまいります。

○ひぐち委員 都市農業の振興のためにさまざま伺ってまいりました。東京における農業は、厳しい制約がある中で、大都市ならではの利点を見きわめ、その個性を磨き上げるための官民連携のたゆまぬ努力が不可欠と考えています。
 我が党も、常に現場に即した問題意識を持って、関係各方面の皆さんとともに取り組んでまいる所存です。
 次に、島しょの水産業についてです。
 島しょ部においては、水産業は地域の基幹産業であり、人々の生活の基盤ともなっています。農業においても申し上げた、農林水産業・地域の活力創造プランの改訂がありましたが、水産業においても、国の政策が大きく変わろうとする中で、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の両立、漁業者の所得向上と年齢バランスのとれた漁業就労構造の確立を目指すことが追加され、今、各種法令などが詰められている最中であり、東京の水産業を振り返っても課題はまさに同じであります。
 中でも、島しょの漁獲高の多くを占めるキンメダイの資源管理は極めて重要な課題であります。実際に漁業者の方々のお話を聞くと、近年サイズが小さくなってきていると、また一方、水産庁は、現在、日本の対象業種はクロマグロなど八業種ですが、漁獲可能量、TAC設定を拡大し、早い時期に漁獲量で八割をTAC対象に取り込むといっています。
 資源管理の強化がこれから進んでいきます。そのためには、産出量規制であるTACは科学的な調査に基づかなければならず、欧米のように、資源状態、漁獲圧力を乱獲であるか、過剰であるかなど、それぞれしっかり評価していくとなると、資源調査のための体制も充実させなければなりません。まさに、東京都の島しょ農林水産総合センターの役割も増してくるわけであります。
 都はこれまで、キンメダイの資源調査をたびたび行ってきました。その状況について伺います。
 また、適切な資源管理こそが漁獲高、魚価を向上させる、経営安定にもつながるわけでありますから、科学的な結果をもとに、他県の漁業者にも理解、納得を求め、一致協力して取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 都は、伊豆諸島海域のキンメダイの資源管理に向けて、国等と連携して生態や資源状況の調査を実施しており、その結果をもとに、東京、静岡、神奈川、千葉の漁業者が、禁漁期間の設定などの操業制限に取り組んでおります。
 さらに、平成二十八年度からはキンメダイに発信器を取りつけ、一日の移動を把握するとともに、水深別に漁獲を行うことで、資源管理上重要な小型のキンメダイほど夜間に浅い水深に多く集まるといった傾向を明らかにいたしました。
 こうした科学的なデータをもとに、夜間の操業禁止など、資源の減少を最小限に抑えながらキンメダイを漁獲する方法を検討し、その実現に向け、国や他県と協議を進めるとともに、漁業者に対して資源管理の取り組みを進めることが将来の経営安定につながることの理解を促し実践につなげてまいります。

○ひぐち委員 昨年の漁業調査船に関する質疑でも述べましたが、国の推計では、沖縄から房総半島に至る太平洋のキンメダイの資源量は、二〇〇〇年代前半の四・二万トンから二〇一六年には二・七万トンまで減少しているわけであります。
 そうした中で、今回、キンメダイの行動特性が明らかになったことは、島しょ農林水産総合センターによる大変大きな実績です。率直に評価したいと思います。こうした成果を生かして、よりよい資源管理対策の提案と効果予測を今後も行っていただきたい。
 とはいえ、昔からの慣習、つまり、沖合の海域は漁魚者が入会ながら操業していることがあるわけで、大きな歴史性がある中でなかなか大変なことでありますが、実際に水産庁が事務局の漁業者代表会議など、さまざまな協議体があるわけですから、産出量規制を行う前に、他県の漁業者の漁獲量、海域を把握するなど情報の共有を行い、新たにルールをつくっていく必要があると考えます。
 まさに、冒頭申し上げた資源管理の先駆けであるノルウェーは、一九九〇年代から厳格な資源管理を導入し資源を回復させています。
 また、佐渡の赤泊のホッコクアカエビ漁では、日本初の画期的な資源管理方式を導入し、資源管理する以前は、大中小の大のサイズは漁獲量の二割でしたが、今や五、六割を占め、経営的にも安定したということがあるわけです。
 この無駄の多い早どり競争のかわりに、魚のサイズといった漁獲内容の質を上げることで、結果的に経営面が改善され、乱獲も防ぎ、資源保護も進むわけであります。
 さて、東京都の水産資源のブランディングについても伺います。
 今年度から取り組む東京産の水産物のPR、大変いい取り組みだと思います。先ほど来述べているキンメダイに加えて、タカベ、メダイ、クロムツ、ハマダイなど、品質のいいものがたくさんあります。
 また、漁種に加えてそれぞれの特徴、よりおいしい調理法の紹介、あるいは魚に限らず高級寒天になるテングサ、島の特色ある加工品も紹介し、水産物における島ブランドを鋭意確立していくべきと考えます。
 また、当然、PR期間後は振り返り、効果を適切に把握すべきでありますが、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 東京産の水産物を幅広くPRし、その需要を拡大していくことは、キンメダイに偏っている漁獲を抑え、その資源を守ることに加え、漁業者の収益力向上にも資する効果的な取り組みでございます。
 このため、都は、今年度、島しょの魚の認知度向上に向け、小売店に特設コーナーを設け、比較的漁獲量が多いメダイやハマダイなどの試食や、QRコードを使ったレシピの紹介等によるPRを試行的に実施しております。
 また、来年には飲食店で島しょの魚を使用したメニューの提供に合わせたPRの実施も予定しており、終了後は、これらの取り組みを総括し、効果を分析する予定でございます。
 こうした取り組みに加え、島しょの魅力を発信するイベント等におきまして、加工品を販売するなど、東京の水産物を幅広くPRしてまいります。

○ひぐち委員 さまざまな魚種、水産物加工品も含め、幅広くPRをぜひ行っていただきたい。それは、キンメダイへの集中を避け、分散を行っていく上でも大切でありますし、また、折しも小池知事は、島しょ地域のブランド化に向けて、東京宝島プロジェクトが動き出しております。そうしたイベントも積極的に活用しながら、水産における島ブランドを、腰を据えて、ぜひ確立いただくよう強く要望いたします。
 また、PRの前に、いまだ眠る地域の資源をさらに生かさなければなりません。同じ離島でありますが、島根県海士町では、さまざまな手法で海産物のブランド化に成功しています。島の食文化を商品化しているわけです。
 離島の流通ハンデを乗り越えた品質保持技術、HACCPによる食品衛生管理手法も強化し、海外への販路開拓までもが可能になったといいます。
 離島は時間とコストがかかるのですが、地域資源に付加価値をつけて販売し獲得した、いわば外貨を地元に還元することで、一次産業は活性化していかなければなりません。
 大島のウツボ、三宅のカツオ、サメなどの未利用魚の活用、実際につくってみたらジャーキーがとてもおいしかったというような話も聞こえてきます。
 加工品づくりへの支援は大変重要でありますが、島の方々にただ任せるのではなく、専門的なコンサルタントを入れ、さらにマーケットに合ったものを開発すべきと考えています。見解を伺います。

○上林山農林水産部長 島しょ地域では、輸送コストが価格を上回る魚や、長い輸送時間で鮮度が落ちてしまう魚などは出荷できないため、加工によって付加価値と保存性を向上させ利用する取り組みは重要でございます。
 このため、都は、漁協女性部等の加工の取り組みを推進するため、生産性や収益力を向上させるための専門家指導による経費や、量産化に向けた新商品の開発、販路拡大に要する経費等を支援してございます。
 平成三十年度は、神津島漁協女性部の集客力の高い店舗づくりや、八丈島漁協女性部のムロアジ等を原料とした粉末だしの商品化等、四団体の取り組みに対して補助を行っております。
 粉末だしにつきましては、商品開発や販売価格、内容量、商品パッケージ等の検討に役立てるため、専門家の指導により、島内外で開催されるイベントで試食や試供品の配布を実施するとともに、アンケート調査も実施しております。
 今後も地域の資源を生かした特産品づくりを支援してまいります。

○ひぐち委員 ブランド化には、プロセスが重要であります。まず、資源の量や値づけを行う、マーケットの調査を行う、そして商品開発をする、あるいはその後の流通販路の開拓も行う、そしてPRを行う、この一連のプロセスに部分的にかかわるのではなく、今後はぜひ一気通貫で支援することができるコンサルタントがブランディングのサポートをしていくことを、ぜひ検討いただきたい。要望いたします。
 漁村の女性たちの活躍、加工技術を駆使し、加工品開発、製造を手がけるなど、離島の各地で事例が出ているわけでありますから、マーケットインの発想で、ブランド化に向けてよろしくお願いいたします。
 さて、今度はテングサ不漁になっているいそ焼けについて伺います。
 また、近年はサザエ、アワビなども不調であり、餌になる海藻が生えていないのが問題と聞いています。
 いそ焼けや海藻の生育に関して、どのような調査を行い取り組んでいるのか伺います。

○上林山農林水産部長 海藻類が消失してしまういそ焼けは八丈島で顕著であり、ほかの島々でも海藻類は長期的に減少傾向でございます。
 このため、都では、八丈島周辺海域のテングサの不漁要因を把握するため、テングサの成長、繁殖状況と海洋環境の関係について調査をいたしました。
 その結果、八丈島は近年、黒潮の流れの影響で成長に必要な栄養分が十分供給されないことが不漁の主な要因であることを把握いたしました。
 また、伊豆大島では餌となるアントクメの群生する、いわゆる藻場が減少し、貝類の漁業生産が減少しております。
 このため、海藻を網に入れて海中に設置する藻場造成試験を行い、半径五メートル程度の範囲に海藻が生育するなどの効果を確認いたしました。
 都は、大島町、利島村、神津島村におきまして、こうした手法を用いた藻場造成を支援してございます。

○ひぐち委員 私もこれ、島しょ農林水産総合センターの主要成果集、この冊子を拝見しましたが、採貝、採藻については、調査結果、取り組みの効果を踏まえて、海洋環境の変化も大きいのでしょうが、島の方々が大変お困りになっていると、そのため、原因を見据えた上での抜本的な対策を検討すべきと思います。継続して調査研究並びに対策を要望いたします。
 さて、農業と同じく漁業においても高齢化、後継者不足は深刻です。潜在的な就業希望者を後継者不足に悩む地域とつなぎ、意欲のある漁業者を確保し、担い手として育成していくことは、島しょ地域の活性化の観点からも大変重要であります。実際に、都における新規就労支援事業については大変好評と伺っています。
 そこで、島しょ地域の漁業者の現状と支援実績についても伺います。

○上林山農林水産部長 二〇一三年の漁業センサスによりますと、島しょ地区における漁業就業者のうち六十五歳以上が全体の三一%を占めており、後継者のいる個人経営体は八・一%となっております。
 こうした中、漁業の担い手を確保し、確実に育成していくためには、就業希望者が技術を身につけ、漁業者として独立するまでの一貫した支援が必要でございます。
 このため、都は、漁業団体が就業希望者に対して実施する短期間の漁業体験や、ベテラン漁業者による新規就業者の育成、漁業に必要な船舶免許などの資格取得に係る費用などに対して支援を行っており、平成二十九年度の新規就業者数は十一名で、独立者数は六名でございました。
 今年度からは、新たに新規就業から五年目までの漁業者に対する民間住宅の賃貸料の補助を開始するとともに、短期間の漁業体験について、島への交通費を新たに支援対象に加えるなど、施策の充実を図っております。
 十月末現在の実績は、短期漁業体験が四島で五回、新規就業者の育成が三名、資格取得補助が二名でございます。

○ひぐち委員 この島しょ地区の漁業就業者数の推移から見ますと、平成五年は千百四十六名おられたのが、平成二十五年には七百十一名と、やはり大変厳しい状況であるには変わりませんし、伊豆諸島では新規就業者のほとんどが、先ほどから申し上げているキンメダイ漁になっていると、こうしたところも懸念されるところであります。
 とはいえ、地域の漁業にポジティブな影響があり、新規で来て、島で家族、所帯を持つことは地域社会への活力にもなります。つまり、産業政策だけでなく、幅広い観点が必要ではないかと思います。
 そもそも、この就業並びに定着する支援は継続的に地道にやっていくしかないところです。乗り子から独立まで五年から約十年弱かかると、こういうわけでありますから、定着に向けて長期的に支援する仕組みを検討いただき、適宜、支援の効果、反応をフィードバックして制度の改善を続けることを要望します。
 最後に、魚食の普及について伺います。
 近年、若年層の魚介類摂取量が減少しており、実際、家庭で丸魚から調理することも大変少なくなりました。若いうちから魚食習慣を身につけるためには、学校給食などを通じ、子供のうちから東京の水産物に親しむ機会をつくることが重要であります。
 おいしい都内の水産物を給食で提供する取り組みと、その実績について伺います。
 また、都庁食堂などでも、既に率先してPRに取り組んできたと聞いています。そちらについても伺います。

○上林山農林水産部長 次世代を担う子供たちの学校給食に、島しょでとれた水産物を供給するとともに、その理解を深めることは、東京の水産業や島しょ地域のPRにつながる有効な取り組みでございます。
 都がこれまで、八丈島漁協女性部と学校給食を扱う学校給食会とのマッチングに取り組んだ結果、近年では毎年、約七百校の小中学校等に島しょの水産物が供給されております。
 また、現在都は、学校給食のメニューに島しょの水産物を供給する際に、あわせて実施する出前授業を行う経費や、給食を担当する栄養教諭等を対象に行う島での研修会等に係る経費を補助しております。
 また、都庁食堂におきましては、食堂事業者に働きかけた結果、魚のすり身を使った新島産のさつま揚げや、八丈島のムロ節コロッケなど、東京産水産物が活用されたメニューが提供されております。

○ひぐち委員 やはり、給食に水産物を使うにしても、安価で安定供給が期待できる、企画が定まりやすい、まさにノルウェーのような輸入水産物が使われやすく、給食にしても都庁食堂にしても大量の材料を利用するため、水揚げが不安定な東京都の魚介類を確実に提供できるかという課題があったかと思います。
 今、七百校ということがありましたけれども、さまざまな苦労を重ねて、食育や普及のために島しょの水産物が供給されてきたということがわかりました。
 水産業について伺ってまいりました。やはり、ここでも困難な課題が少なくない中で、東京ならではの利点を見定め、その個性を磨き上げ、魅力をアピールするための取り組みが重要だと思います。
 都には、ぜひ業界とも連携し、生産性を高め、資源保護、内外の市場開拓などに鋭意取り組み、生産者の所得拡大につなげていただきたいと思います。
 私どももしっかり支援、応援してまいることをお誓いしまして、質問を終えさせていただきます。

○高倉委員 まず、観光振興についてお伺いをしたいと思います。
 来年はラグビーワールドカップもあり、そして、再来年の二〇二〇年には東京でのオリンピック・パラリンピック大会が開催をされると、こうしたことと相まって、東京を訪れる海外からの観光客も、いわば急増しているという状況にあるわけでありまして、都政において、観光振興への取り組みというのは、今後ますます重要になってくるというふうに考えます。
 観光客、例えば外国人の観光客が東京に来て、いろいろ困ったこと等々はあると思うんですけれども、そういう意味では、観光客にとってのバリアといったものがあって、バリアフリーへの取り組みというのが必要になってくると思います。
 観光客の方々は移動をするわけでありますので、この移動に伴って、具体的な、いろいろな段差でありますとか乗り物が車椅子の対応になっていないとか、そういった意味でのバリアがある、こういった対策も必要だというふうに思いますし、一方では、情報のバリアとして、外国語の問題、言葉の問題があると思います。こういう点でのバリアフリー対策というのが、やはり重要になってくるというふうに思います。
 特に言葉の面では、やはり通訳、ガイドを兼ねた通訳、この存在が大変重要であるというふうに思っております。我が国には非常に専門性の高い全国通訳案内士という方がいらっしゃいまして、これは、とても難しい試験をパスしないと、この資格は得られないというような状況であります。
 そうした中で、この制度そのものは、ことしの一月から少し変わってきているわけですが、その一方で、東京都としては独自に、特に移動手段としての利便性の高いタクシーを活用した外国語での観光案内としまして、地域限定特例通訳案内士というのを創設して、今、取り組みが行われているわけであります。タクシーの運転手さんが、まさに通訳ガイドを兼ねるということであると思います。
 そこで、まず、都が取り組んできましたこの地域限定特例通訳案内士の、制度の創設の経緯と目的についてお伺いしたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 地域限定特例通訳案内士制度の創設以前においては、外国人旅行者がタクシーを利用し、外国語で案内を受けながら観光スポットをめぐりたいといったニーズに対して、ドライバーが有料で案内を行うには、通訳案内士という高度な語学力や、多岐にわたる観光知識が求められる難易度の高い国家資格が必要であり、資格取得が進まない状況でございました。
 そこで、都では、構造改革特区法改正による規制緩和を受け、平成二十八年六月に、ドライバーが都独自の研修を受講し、面接試験により資格を認定することで、通訳案内士の資格なしでも、外国語で有料の観光案内ができる制度を創設いたしました。
 本制度は、外国人旅行者に良質な観光案内ができるドライバーを自治体が独自に育成することで、観光サービスの一層の向上を目的にしております。
 なお、平成三十年一月には通訳案内士法が改正され、これまでの地域限定特例通訳案内士も、新たに設けられた地域通訳案内士に位置づけられたところでございます。

○高倉委員 今、説明をいただきました、平成二十八年度から、これが創設をされて今日まで来ているということです。二年間がこの間経過をしているわけでありますけれども、この地域通訳案内士の養成に向けた研修の具体的な内容と、これまでの成果といったことについて説明をいただきたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 地域通訳案内士の研修では、最大で八つの研修項目を八日間にわたり、合計五十六時間のカリキュラムを組成しております。
 具体的には、観光英語という受講科目により、外国人旅行者への円滑な案内ができるよう、英語でのプレゼンテーションや異文化コミュニケーションの技法などを二十時間かけて学ぶものとなっております。
 また、バリアフリーに関する知識や救急救命に関する技術のほか、旅程管理や東京の観光に関する内容も学習いたします。
 さらに、都内の観光スポットを実際に回り、実践的な案内技術を習得できるものとなっております。
 こうした研修により、語学力に加え、円滑に外国人旅行者を案内できる知識やノウハウを習得したドライバーを、本年十月末時点で六十九名登録しております。

○高倉委員 タクシードライバーの方が、まさに語学力も駆使して案内をしていく、そういう中での実践的な技術を習得しているということで、答弁にあった六十九名の方が、今、登録をされていると。
 先ほど冒頭でお話ししました従来の通訳案内士、これはとても幅広い語学力をつけてなければ通らないような大変難しい試験だったというわけでありますけれども、タクシーのドライバーの方々が、いわばそのお仕事の中で、ある意味で、これは限定した状況の中で言葉を駆使する、またはその取得した技術を駆使する、こういったことで、しっかりとした研修は当然受けるんだと思いますけれども、比較的、従来の通訳案内士に比べれば、非常に、何というんですか、習得しやすい、こういうような資格であるというふうに思います。
 そこで、今、カリキュラムの説明をいただいたわけであります。この研修についての、いわゆる受講者、受講している方々の反響あるいは課題について、どういったことになっているのか、ご説明いただきたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 この研修の受講者へのアンケートでは、毎回、満足度が九〇%を超えております。
 具体的には、観光の知識並びに英語力が以前と比べ飛躍的に向上した実感があるといったものや、今後も勉強を続けて、日本を訪れてくださる外国人のお客様にしっかりと日本のよさを伝えられるようになりたいと思うなどの声を頂戴しております。
 一方、案内技術や英会話は活用しないことで技能が低下するため、一定のスキルを持続していくことが課題となっております。
 したがって、地域通訳案内士として活躍しているドライバーを対象に、英語による実技演習や現場実習などを行うフォローアップ研修を実施することにより、継続して学習していく場を提供しております。

○高倉委員 この地域通訳案内士については、英語を主に身につけていただくと、こういうような内容であるというふうに思います。
 海外からの観光客が急増している中で、東京のまちの中を歩いてみたときに、いろいろな案内サインが、外国語の案内サインがあって、大きなところというか、主要な案内サインは英語に加えて、これは当然ながら観光客の占める割合が多いということを踏まえてであると思いますが、中国語、あるいは韓国語といったものが、大体この三つぐらい、併記されているというようなことがとても多いんじゃないかなと思います。
 そういう意味では、英語だけではなくて、中国語や韓国語といったような英語以外の外国語を使う方々がかなりたくさん東京を訪れているんではないかなというふうに思っておりまして、私は、ぜひ英語だけではなくて、中国語、韓国語等も含めて、さらにもう少し多言語に対応ができる地域通訳案内士の方がふえていければいいんではないかなというふうには思っております。
 一方、仕組みとして、最近はコールセンターといったような仕組みがあって、そういったところを使えば、必ずしもそういう言葉をマスターできなくても、通訳が可能であるというような仕組みもあるわけでありますけれども、そういったことも含めての今年度の取り組み状況について、ご答弁いただきたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 訪日旅行者数の四分の三は、中国、韓国、台湾などの東アジアからの旅行者が占めております。
 そのため、平成二十七年度から、英語のほか中国語や韓国語にも対応できるよう、タクシー事業者向けに外国人旅行者とドライバーとのコミュニケーションを手助けする二十四時間対応のコールセンターを運用しております。
 今年度は、十月までで五百件を超える通訳の利用があり、七割が英語、三割が中国語と韓国語となっております。
 具体的には、タクシードライバーがコールセンターに電話をし、オペレーターが外国人旅行者と、例えば複雑なルート確認や支払い方法に関する通訳を行いドライバーに伝えることで、外国人旅行者とタクシードライバーとの意思疎通を支援しております。
 引き続き、こうした支援により、外国人旅行者の受け入れ環境の整備に取り組んでまいります。

○高倉委員 今、コールセンターの活用についてご答弁をいただきまして、かなり利用されているということもわかりました。
 コールセンターのほかにも、最近はICTの機器もかなり向上してきていまして、例えばタブレットを使えば、そのタブレットがあるだけで、コールセンターのようなところを介さないでも通訳の目的を達することができるというような状況も、かなり出てきているようには思います。
 ただ、タクシーのドライバーの方々は、専らの仕事は運転をするということでありまして、これには安全も伴うわけでありまして、いろんなことをやるということも、できるということはいいんですけれども、やっぱり運転に専念しつつ案内をしていくということを考えると、できれば言葉を身につけておいていただいた方が、より安全・安心ではないかなというふうには思いますが、ぜひ、こういうさまざまな環境も、これからも十分に駆使して、こういう言葉の壁を取り除いていくような取り組みをしっかりと行っていただきたいと思います。
 一方で、先ほど冒頭お話をしましたこれまでの非常に高い専門性を持つ全国通訳案内士の資格を持った方々、この方々も観光の案内、東京における役割といったことは、思う存分活躍していただくべき方々ではないかなというふうに思いますけれども、この方々に対する、都としての取り組みについてご説明いただきたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 海外から訪れる旅行者に東京を快適に観光していただくためには、旅行者のニーズにきめ細かく対応できる質の高い通訳ガイドが必要でございます。
 東京都に登録している全国通訳案内士は本年三月末現在で七千八百十一人と、全国の約三割を占めていることから、こうした通訳ガイドの方々が旅行者の要望に臨機応変に応えられるような企画力や、旅行者からの要望が高い日本の伝統文化や歴史、建築物、食等の知識、教養を高めていくことは、通訳ガイドの質の確保に向けて重要でございます。
 そのため、今年度、新たに全国通訳案内士を対象に四十名規模でスキルアップ研修を開始したところでございます。
 研修終了後には、受講者以外の通訳案内士も交え、旅行会社などとの情報交換の場を設けて、活躍の機会を広げるなど、全国通訳案内士の活動を支援してまいります。

○高倉委員 今後とも、ぜひとも取り組みを拡充していっていただきたいと思います。
 こうした全国の通訳案内士の方々、そしてまた、タクシードライバーの方々が担っておられますけれども、地域通訳案内士の方々、こういう方々の力を十分に生かせるような環境、そしてまた、そういう方々の人材育成につながるような取り組みを、より一層拡大していただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 それから、情報のことに関しまして、もう一点お話をさせていただきたいというふうに思います。
 最近、外国人の方々、もちろん私たちもですけれども、まちの中を歩いていると、あるいは乗り物に乗ったりしますと、もうほとんどの方が、いまやスマホをじっと見ているという、昔から考えると想像もできなかったような状況になっているわけでありますが、そういう情報機器を使って必要な情報を非常に気軽に得ることができるということなんですね。
 海外の主要な都市に行きますと、いわゆる無料で使えるフリーWi-Fiといったものが普通にあるわけであります。
 かねてから東京を訪れている外国人の方々、何が東京で不便ですかというようなお話をしますと、必ず上位の方に、東京にフリーWi-Fiが使える環境が少ないと、こういうことがあったわけでありますが、この点については、かなり局の皆さんのお力でしっかりと拡充に努めてきていらっしゃると思います。
 また、乗り物についても、都営地下鉄にもフリーWi-Fiが整備されていますし、都営バスも、これも全てのバスにフリーWi-Fiが設置をされているということで、私たちは始まったときにすぐに見にいかせていただきましたけれども、こういうような環境がどんどん、今、進んできている中で、例えば観光を考えたときに、観光バスでもって都内の観光地を回る方々も多いんですね。民間のバスがほとんどだと思いますけれども、この観光バスの中にこういったフリーWi-Fiが整備されているかどうか、この辺のところは少し課題があるんではないかなというふうにも思っております。
 今後、こういうような取り組みも含めて、ICT技術を生かした新たなサービス開発等の取り組みをしっかりと支援していく必要があるんではないかと思いますけれども、都の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 都はかねてより、宿泊施設や飲食店等の観光関連事業者が行う外国人旅行者の受け入れ環境整備の取り組みに対して支援を行っており、そのうち、Wi-Fi機器の導入に関して、今年度については、十月末の時点で十五件の支援を決定しております。
 また、昨年度より、観光関連事業者が行うICT機器等の導入による生産性向上や観光分野での新サービスの開発等の経営力を高める取り組みに対する助成を開始し、貸切バス業界の業務効率化のため、事業者間でバス運行のマッチングが可能となるシステムの開発等を行う事業者など、八件の支援を決定しております。
 今年度は、第一回目の募集を六月下旬から開始し、無人での貸し出しや返却の対応が可能な自転車レンタルサービスを提供する事業者など、三件の支援を決定し、現在、第二回目の募集を行っております。
 こうした観光分野における新たなサービスの開発など、観光関連事業者の積極的な取り組みを支援することで、東京の観光の魅力を高めてまいります。

○高倉委員 観光に関連する取り組みとして、あと二点ほどお聞きしておきたいと思います。
 一つは、被災地支援に関係することでございます。
 東日本大震災の被災地においては、七年以上が経過をしていて、今なお復興の途上にあるというふうに私どもは認識をしております。
 そういう中で、震災の記憶の風化、こういったことも心配をされるわけでありますが、東日本大震災が発生をしたその直後に、私は福島に同僚議員とともに行かせていただいて、さまざまに被災地の生の声を聞いてきたわけであります。
 特に福島県というところは、もちろん農業や水産業といったものが盛んだったわけですけれども、観光業というのも非常に基幹的な産業であったというふうに思っております。
 ところが、原発事故が発生をしてしまったために、ほかの被災地とは違って、一切人がもう来なくなってしまったと。特に、それまでは、非常に自然が豊かなところであったので、教育旅行なんかも大変盛んであったわけですが、人が全然来なくなってしまったと。
 何とか、東京からもし支援をしていただけるのであれば、東京からたくさんの観光客に福島に来ていただけないだろうかと。こういうことで、当時の福島の商工会議所の副会頭の方だったと思いますけれども、その方から具体的ないろいろなアイデアをいただいたのが、いわゆる被災地応援ツアーだったんですね。
 当時、石原慎太郎知事でありましたので、早速、この被災地の生の声を知事に訴えたところ、すぐに対応していただいて実施が決まったのが被災地応援ツアー。そして、今日まで、それはずっと行われているわけでありまして、この間の産業労働局の取り組みについては、心から本当に敬意を表したいというふうに思っております。
 この被災地応援ツアーのこれまでの実績と効果について、ご答弁いただきたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 都では、東日本大震災による被災地復興支援のための緊急対策の一環として、平成二十三年九月から被災地応援ツアーを実施しております。
 平成二十九年度末までに、宿泊で約十七万九千泊、日帰りでは約六万一千人分の助成を行っております。
 また、平成二十八年度からは、都内の学校が福島に教育旅行を行う場合に、福島県が実施する教育旅行復興事業と連携して、経費の一部に補助を行う仕組みを導入し、平成二十九年度末までの二年間でスキー合宿など六十五件を支援してきております。
 これらの取り組みにより、被災地への旅行を後押しし、現地での消費を喚起するなど、観光振興による復興支援に一定の貢献をしてきたものと考えております。

○高倉委員 平成二十八年度から、都内の学校が福島に教育旅行を行う際にも支援を行っていると、こういうお話でありました。
 先ほどお話しましたように、特に教育旅行の支援にも力を入れてほしいということが福島からの要望の大きなものの一つだったわけでありまして、この間、私たちもいろいろな提案をさせていただいて、都内の教育関係者の方々に実際に現地に行っていただいたりして、そういうようなことも行いながら、この教育旅行が震災前の状況まで何とか少しでも近づくようにしたいと、こういうことで提案もし、また、東京都としてもいろいろな形で対応していただいたわけであります。本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今後、被災地の復興を、こうした観光の面からもしっかりと後押しをしていく、そのためには、こうした被災地応援ツアーによる国内旅行者の誘致に加えて、海外からの旅行者の誘致といったことにも力を入れていくべきというふうに思います。
 こうした観光面における被災地の支援についての本年度の取り組み状況について、ご答弁をいただきたいと思います。

○小沼観光部長 都は、外国人旅行者の誘致に向け、東京と東北を結ぶ観光ルートの情報をウエブサイトで紹介するなど、双方の観光の魅力を発信してございます。
 また、今年度からは、新たに、欧米豪地域からの観戦客が多いラグビーワールドカップ二〇一九を契機とした旅行者誘致に取り組んでおります。
 具体的には、主に欧米豪地域での認知度を高めるため、七月に海外メディア等を招聘し、試合会場がある岩手県に加えまして、宮城県、福島県の観光スポットも取材してもらい、この十月にイギリスのラグビー専門誌に記事広告を掲載いたしました。
 また、新たにウエブサイトを開設し、東京での観戦後に楽しめる施設や飲食店などの情報に加え、全国の開催都市の観光スポットなどを海外に発信しております。
 今後も、こうした取り組みにより、東京と東北地域が連携した外国人旅行者の誘致に取り組んでまいります。

○高倉委員 観光振興の最後に、各地域のさまざまな取り組みへの支援ということをお願いしたいというふうに思います。
 都内には、たくさんの観光地があるわけであります。当然ながら、海外の方々がたくさん来るような都心の観光地もある一方で、東京は、自然も実は豊かであって、山間地もあれば島の方もあるわけであって、いろいろな観光資源が豊富にあるのが東京であるというふうに思います。
 本当に口コミでどんどん海外の方々が来てしまうような観光地ということについていえば、ここはもうさらにどんどん、皆さんも、交通対策でありますとか、さまざまな形で支援を続けて、しっかりと取り組んでいただければいいわけでありますが、地理的な条件もあって、しっかりとした観光資源があるにもかかわらず、なかなか人が多く行かないというようなところもあるわけであります。
 例えば、東京には青梅市というところがあって、この青梅市といいますと、例えば、私、かつて行ったことがありますが、梅の時期になると、非常に立派な梅園があって、すばらしい景色が広がる、そういうところであって、これを見にたくさんの方々が訪れていたわけですが、残念ながら、梅の木の感染症というんでしょうか、病気が広がってしまいまして、実はこの梅の木が伐採されてしまっていて、今、その景色を楽しむことはできなくなっているという状況であります。
 こういったことにもいろいろな形での支援をお願いしたいというふうに思いますが、この青梅市には、実はぜひいろいろな方々に訪れていただきたい美術館や博物館というのがずらっと並んであるんですね。御岳美術館、それから玉堂美術館、さらに櫛かんざし美術館、それから吉川英治記念館、それと青梅きもの博物館というのがずっと、いってみれば、並んで軒を連ねているのではないんですが、同じような地域にあるわけであります。この美術館や博物館の方々が、青梅ミュージアム協議会というのをつくって、できるだけ多くの方々に来ていただこうということで取り組んでおるわけです。
 吉川英治記念館なんかは、皆さんもよくご存じかもしれません。
 先ほど紹介した中に青梅きもの博物館というのがあって、例えば外国では、自分の国の、自国の民族衣装等の史料館というのは普通にあるんですけど、なかなか日本では余り見られない。そういう中での、このきもの博物館。そして、ここには皇室の衣装も実はかなりいろいろあって、展示がなされている。
 こういう貴重な博物館でありまして、ぜひこういったことを発信して、そして、多くの方々が訪れて、東京にはもう本当にたくさんのそういう魅力ある観光地があるというようなことをお知らせいただければというふうに思っています。
 そういう取り組みを進めていくに当たっては、なかなか地元でのノウハウの不足、あるいは関係機関との連携といったような課題もあるわけであります。
 都内各地で地域の文化などが楽しめる、こうした文化施設の活用や、新たな誘客に向けた取り組みに対する都の支援状況と今後の展開について、ご答弁をいただきたいと思います。

○小沼観光部長 都は、都内各地への回遊性を高めるため、自然や文化など地域独自の資源を生かした旅行者誘致の取り組みを支援してございます。
 これまで、青梅市におきましては、吉川英治記念館や吉野梅郷などをめぐる散策ガイドツアーや記念館の紅葉のライトアップなど、地域のアイデアを民間のノウハウを活用して事業化する取り組みを行ってございます。
 また、ことしの八月には、観光協会と地域の関係団体等が連携して企画しました雪女など、地元で語り継がれてきた伝説を活用した寺社をめぐるツアーの開発を支援いたしました。
 このほか、都内の観光協会等が企画したまち歩きツアーの認知度を高めるため、十月から十一月まで実施する二十八のツアーを一括して、ウエブサイトやパンフレット等を活用して情報発信を行ってございます。
 今後は、地域の多様な主体が連携した取り組みへの支援の強化を検討するなど、都内各地への誘客を一層進めてまいります。

○高倉委員 次に、林業の振興について質問をいたします。
 私は、同僚議員とともに、先月、東京の林業の現場の状況を見るために、伐採の現場、あるいは原木の市場、また製材工場といったものも視察をしてまいりました。この途中で、企業の森という職員団体が取り組んでいる、民間の企業等が協力してという取り組みをしているところも見せていただきながら、現場の生の声を聞いてきたわけであります。
 この中で、原木市場で木材の販売価格についてお聞きをしてきたわけでありますけれども、木材の価格は低下の一途をたどっておりまして、木材を販売しても、伐採の経費や伐採後の植栽経費を引きますと、森林所有者の手元にほとんどお金が残らないというような状況もあって、なかなか民間での伐採が進んでいないという現状でありました。
 森林を健全な姿に保ち、また、花粉の飛散量の削減や多摩産材の安定供給を図るためには、伐採が着実に行われていくという必要があると思います。
 そこで、林業の採算性を確保し、伐採を推進していくことが必要と思いますけれども、都の取り組みについて答弁をいただきたいと思います。

○上林山農林水産部長 丸太の取引を行う原木市場である多摩木材センターでの原木価格は、平成二十八年度の杉材の一立方メートルの平均販売価格が一万百三十円であり、昭和五十五年と比較して四分の一となっております。
 そのため、森林所有者は原木販売による収益で植栽やその後の保育経費を賄うことが困難となっており、伐採が進まない状況にございます。
 そこで、都は、採算性の向上に向け、林業コストの削減のための林道整備や高性能林業機械の導入に向けた支援等を実施しております。

○高倉委員 今、原木市場での平均の販売価格が、昭和五十五年に比べると、もう四分の一ぐらい減っていると。大変な下落であるというふうに思います。
 また、今、コストの削減についてのお話もあったわけであります。
 コスト削減とあわせて、木材需要の確保といったことが必要であるというふうに思いますが、これまでも都は、多摩産材の利用拡大に取り組んできております。都民の身近な場所において木材が活用されているという例が実はまだまだ少ないということで、この多摩産材の魅力が伝わり切っていないということがあるんだろうというふうに思います。
 今後、木材の持つ魅力を一層PRし、多摩産材の需要を喚起していくことが必要と考えますけれども、都の見解をお伺いしたいと思います。

○上林山農林水産部長 都は、公共利用、民間利用の両面から多摩産材の利用拡大に取り組んでございます。
 まず、公共利用におきましては、都営住宅等で多摩産材を活用するとともに、美術館などの多くの都民の目に触れる施設への多摩産材什器の導入を進めており、今年度は、都庁舎の食堂に新たにテーブルを設置いたしました。
 また、区市町村が設置する保育園や小中学校などにおいて、子供たちが日常的に多摩産材と触れ合うための施設整備を支援しております。
 次に、民間利用におきましては、商業施設等のにぎわい施設での多摩産材の活用や、木と暮しのふれあい展などのイベント、農林水産ウエブサイトなどを通じて多摩産材のPRを行っております。
 今年度は、多くの都民が訪れる民間住宅展示場に多摩産材を活用したモデルハウスをオープンするなど、多摩産材の新たな需要開拓を図っております。

○高倉委員 木材の利用を進めていくためには、木の持つぬくもりや湿度を調整する作業などの木の予算に加えまして、木を使うことが森の循環を促し、豊かな森づくりにつながっていくことをもっとPRしていく必要があるんだというふうに思います。
 また、子供のころから木に触れ、木を知る機会を提供していくことは、発育にも大変よい影響を与えるとともに、将来にわたって木や森林の、いわば応援団をつくっていくというような重要な取り組みになるものではないかと思います。
 そこで、保育園などにおける木のおもちゃ等を活用した幼児教育、いわゆる木育といったことも効果的であるというふうに思いますけれども、この点についての取り組みについて答弁をいただきたいと思います。

○上林山農林水産部長 木育活動は、次世代を担う子供たちに木の魅力を実感してもらい、将来にわたる木材活用を促進するための効果的な取り組みでございます。
 このため、都は、親子を対象に林業の現場をバスでめぐる木育体験ツアーや、小学生を対象とした多摩産材木工・工作コンクールなどを開催しております。
 また、都内の幼稚園、保育園等が実施する木育活動や、木育を指導する人材の育成、施設の木質化、木製什器や遊具の導入等に対し、支援を行っております。

○高倉委員 多摩産材の利用の拡大には、もう一つ、木材の製品加工部門であります製材所等における品質や生産性の向上も重要であります。
 私が訪れた製材所のお話によりますと、建築会社等からのニーズは時代に応じて変化をしていて、品質確保のための木材乾燥が求められるなど、需要が多様化をしているとともに、納期の短縮化等に対応するために、生産性を高める必要があるといったお話でありました。
 しかしながら、私が訪れた製材所は従業員が非常に少ない事業所でありました。また、ほかの多摩の製材所も、いずれも小規模で零細なところが多いと思います。したがって、新たな製材機械等の導入がなかなか進まないという状況であろうかと思います。
 そこで、製材所の設備投資への支援が必要と考えますけれども、この点についての取り組みについて見解をお伺いしたいと思います。

○上林山農林水産部長 都では、今年度から、製材品の品質や生産性の向上に向け、製材所等の機械設備導入の支援を開始いたしました。
 具体的には、高品質な乾燥材の安定生産が可能となる木材乾燥機や、製材時に発生する端材をチップ化し有効活用するためのチッパー等の導入に対する支援を実施しております。
 こうした取り組みにより、引き続き製材所を支援することで、多摩産材の利用拡大につなげてまいります。

○高倉委員 そして、私は伐採のまさにその現場にも行ってきたわけでありますけれども、急斜面で木の伐採をする、あるいは空中ケーブルを使って木材を搬出すると。大変高度な技術と、それから体力を必要とするというような作業でありまして、非常に苦労の多い現場であるというふうに感じました。
 今後、伐採を拡大していくためには、新たな担い手が必要であるというふうに思いますけれども、人材の育成はなかなか大変でありまして、計画的に取り組んでいく必要があると思います。
 林業に携わる人材の確保やその育成に向けた取り組みについて、ご所見をお伺いしたいと思います。

○上林山農林水産部長 都では、林業労働力確保支援センターと連携し、就業希望者に対して、森林作業の内容や雇用条件等の情報提供を行うとともに、就労支援として、林業事業体の宿舎借り上げに対する助成等を行っております。
 また、就業後の人材育成として、就業三年目までの新規就業者及び就業四年、五年目の中堅技術者に対して、それぞれの段階に応じた集合研修を実施するとともに、作業道の整備など、高度な技術習得のため、専門講師を事業体へ派遣し、OJT研修を実施しております。
 加えて、今年度からは、新たに林業事業体に対し、従業員の基本的な施業に必要な林業機械等の資格習得や、急傾斜地での木材搬出など、より高度な技術の習得のための先進事業体への出向などを支援することといたします。

○高倉委員 都心の地域に住んでいる若者にとっては、実際の林業の作業をイメージすることはとても難しいんだというふうに思います。したがって、自然の中で汗を流すといった林業の職業について、そのよさを十分知ってもらうということもなかなか難しいんであろうと思います。
 東京都は、とうきょう林業サポート隊というのを設置しておりまして、林業に触れ合う機会を提供しているわけでありまして、とても大事な取り組みであるというふうに私は思っておりまして、これからしっかりやっていただきたいと思いますが、この登録の人数と活動の状況について答弁をいただきたいと思います。

○上林山農林水産部長 とうきょう林業サポート隊では、都民のボランティアを募り、森林組合等の専門家の指導を受けながら、多摩地域の森林で植栽や下草刈り等の森林作業に携わり、森づくりをサポートする活動を行っております。
 また、活動を通じて、森林作業の一翼を担える人材の育成も目指しております。
 登録人数につきましては、平成三十年十月末現在で八百二十二名となっており、今年度は、十月末現在、延べ六百四十二名の方に参加していただき、苗木の植栽や下草刈り等の作業を行っております。

○高倉委員 最後に、雇用就業施策、特に公共職業訓練について三問伺って、質問を終わりたいというふうに思います。
 最近の雇用情勢を見ますと、ハローワークでは、求職者一人に対して求人が二件以上ありまして、売り手市場ともよくいわれておりますが、高齢者や女性、あるいは高校を中退した人などにとっては、決して就職しやすい状況とはなっていないというふうに思います。
 こうした人たちの就労支援策として都が実施をしている公共職業訓練は、今なお重要な取り組みであるというふうに思います。就職の前に必要な知識を学び、実習により経験を積んでおけば、就職に有利なだけではなく、会社へ入ってからも着実に仕事がこなせ、安定した生活にもつながることと思います。
 改めて、公共職業訓練の意義と、都の雇用就業施策における位置づけについて、そのご認識をお伺いしたいと思います。

○篠原雇用就業部長 公共職業訓練の根拠となっております職業能力開発促進法によりますと、法が目的とするものとしまして、職業に必要な労働者の能力を開発し、及び向上させることを促進し、もって、職業の安定と労働者の地位の向上を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することとされております。
 お話の求職者に対する公共職業訓練は、この目的に沿って、求職者が就職後、安定した職業生活を送れるように、職業に必要とされる能力を身につけ、即戦力として働けるように支援するものでございます。
 現在都は、都内十三カ所にございます職業能力開発センター等におきまして、こうした求職者に向けた訓練、そして在職者などの技能向上を図る訓練などを実施しておりまして、公共職業訓練は、就業支援策としての重要性に加えまして、都内企業の人材育成という面でも大きな役割を果たしているものと考えております。

○高倉委員 若年者への職業訓練でありますが、高校や大学に進学をして、卒業に合わせて企業に就職することが当たり前になっている現代において、残念ながら多くの中途退学者がいることも事実であります。
 また、無事に卒業して就職した人でも、三年ほどでその三、四割は離職をしていると、こういうふうにも聞いております。
 こうした方々が、自分自身の関心のある分野においてスキルや技能を身につけ、安定した職業への道筋をつくっていくことは、本人にとってのみならず、東京の産業や経済にとっても重要と考えますけれども、都の若年者向け訓練について、現在の取り組み状況をお伺いしたいと思います。

○篠原雇用就業部長 若年者を対象とした職業訓練には、主に学卒者を中心に、一年から二年をかけまして、ものづくりなどの基礎技術を身につけてもらうコース、それと、離職者などに向けまして、六カ月以下の期間で就職に直結する訓練を行うコースがございます。
 一年から二年かけているコースにつきましては、機械加工や自動車整備などの科目を設置しております。
 六カ月以下のコースとしましては、エンジニア基礎養成や電気制御基礎養成などのコースを設置しております。
 全体としましては、今年度、三十二科目、年間定員千二百四十五名で訓練を実施しております。

○高倉委員 若い人の中には、学校卒業後、やりたい仕事を見つけられずに就職をちゅうちょする人や、高校を中退してしまい、その後の進路を探せないでいるという方、さらには、いじめなどによって家庭に引きこもってしまっている人、さまざまな事情によって、こうした職につけていない人がいると思います。
 こうした若者を支援する最近の取り組みとしまして、都はジョブセレクト科という科目を設置しているというふうに聞いております。
 私も、これを見たことがあります。本当になかなかこういうところに出てくることが難しい方々でありますけれども、例えば、必要な数学の知識を本当に一から教えていくような形で、次にもまた来てもらうような、非常に大変な努力をされていたように思います。
 このジョブセレクト科の取り組み内容についてお伺いしたいと思います。

○篠原雇用就業部長 ジョブセレクト科は、高校中退などによりまして職業経験が少なく、やりたい仕事を見つけられないような方々を対象に設置した二カ月間の訓練科目でございます。
 最初の一カ月のうちに機械、建築、電気、福祉などのさまざまな職業を体験する中で、みずからの適性に合った仕事を見つけていただき、二カ月目においては、就職に必要なパソコンや接客などに関する基礎的な知識を学んでいただいております。
 修了後にさらに技能を深めたいという希望を持つ受講生につきましては、同じ校の他の科目を続けて訓練することができる仕組みになっております。
 平成二十七年度から城東職業能力開発センターでこのジョブセレクト科を実施しておりまして、三年間で九十五名が入校し、修了者は九十名。修了者のうち七名が就職し、五十名が校内の他の科目で引き続き訓練を受講しております。
 また、今年度からは、多摩職業能力開発センターにおきましてもジョブセレクト科を設置いたしましたほか、対象者の年齢要件を二十五歳未満から三十歳未満に拡大したところでございます。

○高倉委員 今、ジョブセレクト科の内容について説明をいただきました。
 この職業能力開発センターは、実際行って見てみますと、本当にすばらしい取り組みをしておりまして、やはりこれを広く都民にPR、発信をしていくということは大変重要であるというふうに思います。実際に行って見てみますと、自分も行ってみたいなということを思うほど、大変すばらしい取り組みをされているわけであります。
 このジョブセレクト科につきまして、今後、高校やハローワークなど関連機関とも連携をして積極的にPRしていくべきというふうに考えますけれども、都の所見をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。

○篠原雇用就業部長 東京都は、公共職業訓練の生徒の募集に当たりまして、入校案内のリーフレットやホームページなどを活用して情報を発信しておりまして、特にジョブセレクト科を含む若者向けの科目につきましては、ハローワークや高校等に職員が直接出向きまして、具体的な訓練の内容や就職状況の紹介などを行っております。
 さらに、ジョブセレクト科に関しましては、学校を離れてしまった若者にも情報が伝わるように、地域若者サポートステーションなどの支援機関などにも情報提供して、働きかけを行っております。
 今後とも、各関係機関と連携を図りながら、高校中退者なども含め、幅広い層の若者が職業訓練を選択肢として選べるように、効果的なPRに努めてまいります。

○山崎委員 私からは、初めに、まず中小企業支援についてお伺いをしたいと思います。
 活力ある都市東京を実現する上で、産業の活性化は極めて重要であります。とりわけ、都内企業の九九%を占める中小零細企業の経営の安定や持続的発展は、避けて通ることのできない行政課題であることはいうまでもありません。
 だからこそ、都議会自民党は、中小企業への支援のあり方について絶えず問い続け、また具体的な提案も重ねてまいりました。
 先日、都は、中小企業振興に関する中長期ビジョンの中間のまとめを公表されましたが、ここに盛り込まれた数々の施策も、その多くは、まさに議会での議論が結実したものであります。
 しかし、重要なのは、このようにして都政が築き上げてきた政策を具体的に実行することであります。理念を語り格調高い言葉を連ねることを否定はいたしませんが、それだけでは経済の実態は何一つ変わらないわけであります。中小企業の現場の実態を十分に踏まえ、地に足のついた支援の取り組みを、一つ一つ、着実に進めていく必要があります。
 本日は、こうした視点から、事業承継と生産性の向上など、中小企業支援をめぐる重要な課題について、都の具体的な対応をお尋ねしていきたいと思います。
 最初に、中小企業の事業承継についてであります。
 高齢の経営者の方々の多くが、現実に直面している問題があります。例えば、自分が引退した後の会社はどうするのかというものであります。業績はそこそこ堅調でありますが、後継者がいないので、いずれは会社を畳むしかない、こういったお話を聞きます。このような事柄は、非常にまた残念でもあります。
 そのような中小企業の皆さんに対して、後継者を見つけたり、また、別の会社に事業や従業員を引き取ってもらうなど、手だては幾つかありますが、これを中小零細の企業が自分たちの力で進めることは非常に難しく、たとえ行政のサポートがあっても、簡単なことではありません。なかなか前に進めない、そのようなことが現実であると思います。
 経営者の心を動かし、背中を押すのは、生半可な宣伝文句などではなく、やはり企業一社一社と向き合った丁寧なサポートの存在であります。
 都は、企業の現場に足を運んで啓発や相談対応などを実施しておりますが、こうした踏み込んだ対応が、さらに今、求められていると考えております。
 そこで、まず、この具体的な取り組み状況についてお伺いをいたします。

○坂本商工部長 都では、中小企業の円滑な事業承継をサポートするために、会社の現場に出向いて実情を正確に把握しながら、対応の必要性を説明し専門的な知識の提供を行っているところでございます。
 具体的には、中小企業振興公社で、企業を訪問する巡回相談員を昨年度の三名から今年度は十名にふやし、十月末までに前年度の年間実績二百六十七社を大幅に上回る六百七十五社に対して、承継に向けたさまざまなノウハウなどを提供しているところでございます。
 また、今年度より、巡回に当たりましては、ビッグデータを活用いたしまして、承継の必要な会社を把握して訪れる効果的な方式を取り入れているところでもございます。
 さらに、都は、商工会議所等と協力いたしまして、小規模企業の事業承継をサポートする七つの拠点を設けまして、相談対応を行っております。
 今年度の上半期で、これら拠点から会社を巡回して、延べ一千三百四十五件の相談により、事業承継の必要な会社を掘り起こして基本的な知識や情報の提供を行ったほか、専門家を延べ一千五百九回派遣をいたしまして、よりレベルの高いノウハウを必要とする相談などに対応したところでございます。

○山崎委員 また、企業各社の実情を把握しているという点でいえば、信用金庫など、金融機関の存在も重要であります。
 さきの定例会において、我が党の代表質問に対し、地域の金融機関と連携した仕組みづくりを検討するとの答弁が、都からありました。ぜひとも一社一社と真摯に向き合っていただきたいと思います。
 さて、経営者が事業承継に向けて準備を始めたとしても、これは一朝一夕にしてなし得るわけではありません。後継者の確保、育成はもちろんのこと、経営の見直しなども含め、課題は多岐にわたります。背中を押して歩き出した後のサポートも欠かせないわけであります。
 そこで、次に、企業が円滑な承継を実現するまで、都ではどのような支援を実施しているのか、お伺いいたします。

○坂本商工部長 都では、事業の承継に取り組む経営者や後継者を対象として、専門的な知識やさまざまなノウハウを学ぶためのプログラムを提供する事業承継塾を実施しております。
 今年度は、第一回目のプログラムを七月から十月にかけて八日間にわたり開催いたしまして、十六の企業経営者等が参加をして、今後に向けた経営戦略のつくり方や事業の展開にふさわしい組織再編の方法などについて、講義や演習を通じ実践的な知識の習得を行ったところでございます。
 第二回目は、十一月から開講してございまして、二十五名の経営者などが申し込んで、来年の三月までの八回のプログラムに鋭意取り組んでおります。
 また、事業を後継者に引き継ぐため、その改善などを目指す二十五社に対して、中小企業診断士や税理士などが経営計画の作成のサポート等を実施しております。
 さらに、こうした計画にのっとりまして人材の採用や事業承継の手続に取り組む場合には、その費用の三分の二を対象といたしまして、三年間にわたって毎年度、上限二百万円で助成を行うこととしてございます。
 こうした事業のほか、今年度より、商工会の連合組織と協力をいたしまして、多摩地域において早期の承継に向けた取り組みを始める小規模企業をモデル的にサポートをいたします。
 この支援には、現在六社の応募がございまして、採択を受けた企業は、後継者の育成などの費用に関し、二百万円を上限に三分の二の補助率の助成を四年間のうちで二回、活用できる仕組みとしているところでございます。

○山崎委員 今の答弁にもわかるように、とにかく地道で手間のかかるといっていいのか、とにかく地道な時間のかかる、そういう取り組みだと思いますけれど、大変重要なことでありますので、しっかりと、こういったことは進めていただきたいと思います。
 また、ほかの企業の後押しになるよう、このような取り組みの支援の成果、そういった成果を、ぜひ積極的にPRに活用していただくことも要望しておきたいと思います。
 続いて、金融面からの支援についてもお伺いいたしたいと思います。
 事業承継のボトルネックとなっているものの一つとして、過大な借り入れの存在があります。今の経営者が、債務返済の責任や重荷を次の代に負わせることをためらう、一方の後継者側も不安を覚えるといったケースであります。
 都は、このような財務上の課題を抱える中小企業に対し、平成二十八年度から三年間のモデル事業として、金融機関と連携した事業承継支援を実施しております。
 本事業のこれまでの成果と今後の対応についてお伺いいたします。

○加藤金融部長 金融機関と連携した事業承継支援事業は、お話のとおり、財務上の課題を抱える中小企業に対し、金融機関や専門家と連携して融資と経営サポートを組み合わせて提供する都独自の取り組みでございます。
 本事業ではこれまで、金融機関や専門家が事業承継の必要性を認めた中小企業百十社に対し、詳細な経営状況調査を実施しております。
 現在、そのうち七社に対して約十五億円の融資を実行するとともに、三社に対し、事業承継計画の策定支援を行っております。
 この事業を通じまして、事業承継を一層促進するためには、個別企業の経営状況を把握した金融機関が主導しまして経営者に働きかけを行うことや、中小企業の事業承継計画の策定を支援することが重要であるということが明らかとなりました。
 都は、こうしたことを踏まえ、現在、より多くの中小企業の事業承継を支援していくため、地域金融機関が取引関係のある顧客企業に対し、働きかけていく仕組みについて検討しております。

○山崎委員 中小企業の置かれている状況を考えれば、事業承継に対する支援は切れ目なく続けていかなくてはなりません。このモデル事業によって得られた成果を十分に検証し、今後の施策の充実に生かしていただきたいと思います。
 また、金融支援策としては、ファンドという手法もあります。
 ファンドというと、企業に資本を注入するイメージがありますが、実際は、それだけではなく、経営面の支援をあわせて行うことで会社の成長を促すことができます。さまざまな課題を解決しなければ進まない事業承継の支援には効果的ともいえるわけであります。
 都は、今年度、事業承継に特化したファンドに出資すると聞いておりますが、現在の取り組み状況について伺います。

○加藤金融部長 都は、今年度、成長可能性を有する中小企業の事業承継を円滑に進めるとともに、これを契機とした次なるステージへの成長を促進するため、ファンドに二十五億円を出資いたします。
 これまで、ファンド運営事業者の公募を行った上、外部専門家を活用した審査を経て、九月に日本プライベートエクイティ株式会社を選定したところです。
 同社は、比較的規模の小さい中小企業を主な投資対象としており、支援に当たっては、その企業文化や自主性を重視するなど、中小企業に寄り添ったハンズオン支援を特色とし、事業承継の豊富な支援実績を持っております。
 都は現在、出資に向けた契約締結の準備などを進めており、来年一月ごろの出資を予定しております。
 今後とも、融資による支援に加え、本ファンドも活用することで、多様な手法を用いて金融面から中小企業の事業承継の促進に努めてまいります。

○山崎委員 事業承継の問題に直面している企業の多くは、これまで我が国の経済の発展を支えてきた存在であります。今日もなお、失うには惜しいすぐれた技術やノウハウを持っております。
 しかし、黒字を上げている立派な会社が、ある日突然途絶えてしまう。こういうことが現に起きております。一社でも多く残していくことが、未来の世代に対する我々の責任でもあります。
 都には、啓発の段階から承継後の経営のかじ取りに至るまで、切れ目のない支援の充実を強く求めておきます。
 続いて、中小企業が今まさに直面するもう一つの大きな問題が、生産性の向上であります。
 深刻な人手不足の中で、仕事の引き合いがあっても現場が回らないという切実な声をよくお聞きします。限られた人員で、これまで以上の成果を上げなければならない時代となり、IoTなど、先端技術の活用が注目をされております。
 大手企業では、工場内の全ての機器を通信回線でつなぎ、稼働状況を一元管理することで効率を極限近くまで高めたスマート工場などの事例もありますが、こうした流れに、中小企業が追いついていかなくてはなりません。
 IoTなどの技術についての理解を深め、個々の現場の実情に即した導入を推し進めるために、都はどのような支援を行っているのか、お伺いします。

○坂本商工部長 都は、今年度、中小企業の生産性向上のため、IoTのシステムを初めロボットやAIを対象に含め、これらの活用が広がるようサポートを実施しているところでございます。
 具体的には、IoT等に詳しい専門家が十月末までに六十一の中小企業を訪れまして、その活用のメリットをわかりやすく伝え、導入を後押ししているところでございます。
 また、七月と十月にはセミナーを開催いたしまして、合計して百六十六名の参加者に対しまして、IoTを製造業で導入し生産性を高めた事例などの紹介を行ったところでございます。
 こうした取り組みに加えまして、産業技術研究センターの本部におきまして、IoTの導入のメリットなどを実際に体験でき、技術面からの相談も受けることのできるIoT支援サイトを、十月十五日にオープンしたところでございます。
 また、中小企業振興公社でIoT等の導入や活用に向けた相談窓口を週四回設けまして、先月末までに延べ三十社に助言などを行うほか、専門家が九つの会社に出向いて現場の状況に適したIoTシステムをつくり上げるためのサポートも実施いたしました。
 これによりまして、工場内で調査と検討を行いまして、製造ラインにセンサーを設けて工程の進みぐあいをきめ細かくチェックして生産性の向上を目指すと、このような事例も出てきているところでございます。
 さらに、IoTの導入によりまして生産効率を高めた事例など幅広く紹介するウエブサイトを六月下旬に開設して、これまでに約五千件の閲覧実績が出ております。
 こうした取り組みによりまして、中小企業のIoT導入を後押しして、生産性の向上に結びつけているところでございます。

○山崎委員 こうした技術を、業界や地域などのまとまりで取り入れていこうとする動きもあります。
 例えば、衣服業界の一部では、国内各地の縫製工場と発注元を全てオンラインでつないで、無駄を排除することで、在庫の削減や、また納期の短縮や小口の注文への対応などを目指す試みが進んでいると聞いております。
 都では、今年度から、区市町村がIoTなどの先端技術を活用して地域の中小企業をサポートする取り組みを支援する事業を開始したと伺っております。
 こうした面的な広がりのある支援は、技術の普及や浸透にも弾みがつくものと思いますが、事業の実施状況を伺いたいと思います。

○坂本商工部長 都では、今年度より、区市町村が中小企業などの直面するさまざまな課題について、最新のIT技術などを用いて解決を図る場合の製品開発や、その実証実験を行う取り組みに対して支援を開始いたしました。
 具体的には、製品の開発と実証実験に必要となる経費を対象といたしまして、区市町村に対し、単年度五千万円を上限として二分の一の補助率で二カ年にわたり助成を行う仕組みとしてございまして、今回、大田区より申請のございました事業計画を十月に採択をいたしました。
 この計画では、複数の加工の工程が必要となるものづくりの注文について、加工の作業を分担する区内の町工場をAIの先端技術を用いて取り決め、受注先に指定するマッチングのシステムを二年間でつくり上げ、実証実験を行うことを目指しております。
 システムの構築に当たりまして、個々の中小企業の技術水準や得意とする加工の分野に関して、区の産業振興協会が持つデータを活用することとしております。
 こうした取り組みによりまして、区市町村を通じた地域の中小企業の支援を着実に進めてまいります。

○山崎委員 都によるきめ細かいサポートは、生産性向上に取り組もうとする中小企業にとっても心強いものでありますが、一方で、設備投資に必要となる資金の規模は、日々の資金繰りで出入りをさせている額とは桁が違うわけであります。簡単には用立てできないというのが、経営者の、ある意味、本音の部分だと思います。
 こうした企業に対して、制度融資によって資金調達をしやすくすることが重要であると考えますが、生産性の向上を支援する主な取り組み内容とその利用実績について伺います。

○加藤金融部長 中小企業が、新たな設備の導入や事務改善の促進など生産性を高めていくことは重要であり、そのためには、都が、必要となる資金が調達しやすいよう支援していく必要がございます。
 制度融資においては、都独自にIoT投資など設備の新増設や改良等に利用できる設備更新融資メニューを設けており、さらに、信用保証料の三分の二を補助するなど、手厚い支援を講じております。
 また、中小企業が抱える多様な経営課題の解決を図るための政策特別融資メニューにおいては、幅広い資金需要に対応した融資と融資契約書の電子化による中小企業の事務負担の軽減などを、あわせて実施しております。
 今年度上半期の実績でございますが、設備更新融資メニューが前年同期比約三〇%増の約二十七億円、政策特別融資メニューが前年同期比約三八%増の約五十四億円となるなど、多くの中小企業に利用していただいております。
 都は今後とも、中小企業が生産性向上に果敢にチャレンジできるよう、金融面から後押ししてまいります。

○山崎委員 設備更新などの手厚い融資メニューや政策特別融資といった都独自の取り組みにより、中小企業の生産性の向上を金融面からしっかりと支援していくことが今の答弁でもわかりました。引き続き、中小企業が抱えるその時々の諸課題を解決していけるよう、制度融資の充実に取り組んでいただきたいと思います。
 一方で、IoTなどの進んだ技術に直ちに対応ができる中小企業は限られているというのも、また現実であります。むしろ、専門知識、社内体制、資金力など全てがそろっているということが、本当にまれであるといえます。
 しかし、いうまでもなく、こうした大多数の企業が東京の産業を支えているのであります。この実態を直視せずに、中小企業支援を語ることはできないわけであります。
 とりわけ、大手企業などからの受注をなりわいとする下請企業は、コストや納期をめぐる競争、新たな技術への対応などを常に求められ、経営環境は常に厳しい状況にあります。
 資金力の乏しい下請中小企業が技術開発や効率のよい設備の導入などに積極的に取り組めるよう、しっかりと支えていくことが重要と考えますが、都による支援の状況についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都では、大手の会社などからの受注により基盤的な技術を用いてものづくりに取り組む中小企業について、生産性の向上や新しい販路の確保を図ることができるようサポートを行っているところでございます。
 具体的には、中小企業が生産効率を高める設備を導入する場合や、展示会などに出展する際の経費を対象として、二千万円を上限に三分の二の補助率で助成を行っております。
 今年度は、四月と七月に募集を行いまして、合計して昨年度よりも申請数の多い二百四十六件を受け付け、そのうちの六十四件を採択いたしました。
 採択をした案件として、電子回路を製造する工程で不良品を検査員の目視ではなく画像によって特定して取り除く装置を導入して生産性を高める事例のほか、シール印刷の会社でデジタル技術を用いて新しいデザインの提案を効率的に行い、新しい販売先の開拓を目指す取り組みなどが出ているところでございます。

○山崎委員 生産性の向上を図るために、IoTなどの活用が有効であることは間違いはありません。しかし、中小企業の現場実態をつぶさに見れば、それだけで事が片づくわけではないことも見えてまいります。
 これこそが、我が党が主張する地に足のついた政策展開であります。都に対しては、引き続き、抽象論、観念論ではない、現場目線からの取り組みを求めておきたいと思います。
 次に、関連して貸金業対策についても伺いたいと思います。
 先ほど制度融資についてお聞きをいたしましたが、中小企業の資金需要はこうしたものばかりではなく、特に中小零細企業の中には、少額で、数日から一週間程度の短期の資金繰りに困る場合もあり、そうした際には貸金業者を利用するケースもあると承知しております。
 貸し付けの上限金利が大幅に引き下げられるなど、貸金業法が厳しく改正されたことにより、業者数が大幅に減少するとともに、近年、IT化や経済のグローバル化などにより、貸金業を取り巻く状況も変わってきていると聞いております。
 そこで、東京都における貸金業者の現状と、借り手保護のための取り組みについて伺います。

○加藤金融部長 東京都の登録貸金業者は、副委員長ご指摘のとおり、貸金業法改正の影響などにより、ピークである平成十四年度の約七千者から大幅に減少しておりますが、近年は五百六十者程度と横ばいで推移しております。
 これは、従来からある消費者や事業者向けの貸金業者が減少している一方で、新たにファンドや外資系の証券会社、さらにはインターネットにより集めた資金を貸し付けるソーシャルレンディング事業者などが増加しているためでございます。
 また、無登録の闇金融を初めとする悪質な貸金業者に関する苦情や相談は、昨年度、約二千六百件と依然として多く、中には、こうした苦情、相談及び内部通報により初めて不正が判明するなど、従前と比べまして、違反内容が複雑かつ巧妙化しております。
 都は、こうした状況を踏まえ、登録更新時の講習内容を充実するとともに、日常的な立入検査の重点項目を見直すなど、貸金業者の指導監督を的確かつ厳格に行っております。
 さらに、闇金融の被害防止に向けて、テレビ、ラジオなどさまざまな媒体を活用するとともに、街頭キャンペーンを展開するなど広報活動にも努めております。
 今後とも、警視庁や国など関係機関と緊密に連携し、資金需要者保護のため、こうした取り組みを強力に推進してまいります。

○山崎委員 これまでとは異なる業者が参入してきているなど、貸金業をめぐる状況が大きく変わってきていることが今の答弁でもわかりました。
 中小零細企業が資金繰りのため貸金業者を利用している実態を踏まえ、借り手保護の観点から、体制面も含めてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、中小企業支援の締めくくりとして、伝統工芸品について伺っていきたいと思います。
 私の地元では江戸切り子が有名でありますが、東京には百年を超える歴史を持つ数多くの伝統工芸品があります。しかし近年は、消費者の需要も、また、つくり手となる職人さんの数も落ち込む一方とお聞きします。
 都の支援により、デザイナーと共同で新商品を開発する取り組みも進んでおりますが、やはり新たな顧客層の開拓なくして商いは広がりません。切り子の器を実際に手にとり、繊細な模様を間近に見ますと、手わざのすごさを実感できます。値段以上の価値が十分にあると私は感じておりますが、問題は、それがなかなかお客さんには届かないということであります。
 そういう意味で、昨年の秋に丸の内で開催された全国大会は、伝統工芸品になじみのない人々が手づくりの質感に触れ、職人のわざを体感し、歴史を知ることのできる絶好の機会でありました。
 このような情報発信やPRの取り組みは不断に続けていく必要がありますが、都の今年度の取り組みについて伺います。

○坂本商工部長 都では、今年度、東京の伝統工芸の魅力を幅広く、より効果的に伝えるため、国内外からの旅行者が数多く訪れる羽田空港にPR用のショールームを設け、一週間にわたり宣伝活動を行いました。
 具体的には、空港の旅客ターミナルで、来訪者の多い夏の七月三十日から八月五日までの間に、東京の伝統工芸品四十一品目を展示して、それらの制作方法やこれまでの歴史などをわかりやすく、パネルを用いて紹介いたしました。
 職人が工芸品の制作を実演し、江戸木版画や江戸木目込み人形など、毎日一品目ずつをテーマに、その完成までの様子を間近に見学できる機会を提供いたしました。
 さらに、東京手描き友禅の技術によりましてハンカチに色を染めるなど、工芸品づくりの過程を体験し、伝統的な制作方法への関心を高める場を設けたところでございます。
 こうした取り組みにつきまして、アンケートを行ったところ、来場者の九割以上が満足したと評価をいたしまして、さらには、伝統工芸品の購入や、制作を行う工房の見学などを希望するとの回答も出るなど、PR事業として一定の成果を上げることができたところでございます。
 同様のイベントがあれば再度参加したいとの回答が九割近くに上ったことを踏まえまして、今回の取り組みの充実を検討してまいります。

○山崎委員 引き続き、東京の伝統工芸の魅力を内外に発信するとともに、これが実際の販路に結びついていくよう取り組みの強化をお願いして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、観光振興についてお伺いをいたします。
 東京を訪れる外国人旅行者は五年連続で過去最多を更新し、東京大会に向け、さらに増加することが期待されております。
 個人旅行者やリピーターの増加により、日本の生活や伝統文化の体験などのニーズが高まる一方で、買い物による消費の割合も依然として高いなど、消費動向を踏まえた対応を的確に行うことが、インバウンド需要の取り込みのためには不可欠であります。
 都内の観光関連事業者が、観光をめぐる市場動向の変化や外国人旅行者の消費行動の変化などへの対応が求められる中、外国人旅行者を受け入れる基礎となる多言語対応の充実や経営人材の育成など、事業者の体制づくりに向けた支援について、都の今年度の取り組み状況をお伺いしたいと思います。

○鈴木観光振興担当部長 観光関連事業者がインバウンド対応力を高めるためには、多言語対応の強化やサービス向上に役立つ情報の収集、人材の育成などに幅広く取り組むことが必要でございます。
 そのため、都は、宿泊施設や飲食店などに対して、案内表示の多言語化や決済端末の導入等への補助を行うとともに、サービス向上に役立つ情報やノウハウを提供するセミナーの開催や、専門家の派遣等を実施しております。
 また、今年度は新たに、都内の小売店が外国人旅行者の集客に有効な免税店になることを支援するため、許可申請の方法、免税販売の手続等の情報を掲載したウエブサイトを十二月に開設し、インバウンド対応に取り組む動機づけとなる情報提供を充実いたします。
 さらに、観光産業で経営等を担う人材を育成するため、昨年度から開始した首都大学東京に加え、新たに都内の三つの大学と連携し、経営力やマネジメント力の強化に向けた講座を実施いたします。
 具体的には、インバウンド観光に関する法制度や観光資源の活用方法、観光産業の管理会計等の講座を実施いたします。

○山崎委員 観光産業の発展に向けては、インバウンド需要を確実に取り込むことが不可欠であります。そのため、外国人旅行者の満足度の低い多言語対応の強化や、外国人旅行者の消費ニーズの変化に合わせ、体験型サービスの提供に取り組む事業者への支援などの充実を求めておきます。
 観光消費の拡大に向けて、事業者への支援も重要でありますが、近年、富裕旅行者の誘致について、国でも取り組みが始まるなど注目を集めております。海外からの富裕層は、単に滞在中に多くの消費をしてくれることが期待できるだけでなく、帰国後、自国での強い発信力により、東京のイメージの向上に一役買っていただいております。
 都では、欧米地域の富裕な旅行者の誘致に積極的に取り組んでおりますが、今年度の取り組み状況を教えてください。

○小沼観光部長 都は、昨年度より、富裕層向け旅行雑誌に特集記事を掲載したほか、パリで文化人や財界人を招待したイベントを開催し、旅行地としての東京の魅力を発信するなど、欧米地域の富裕な旅行者の誘致に取り組んでおります。
 今年度は、こうした旅行者に対する取り組みの規模を拡大するほか、四月には、旅行関連事業者等から成る国際的組織に加盟いたしまして、会員向け雑誌に広告を掲載するなど、富裕層のオーダーメードの旅行をアレンジする事業者等へのPRを開始いたしました。
 また、十二月には、富裕層旅行業界において世界最大規模の商談イベントでありますILTMカンヌに民間事業者と共同で初めて出展をし、商談を行うほか、レセプションにおいて東京を印象づけるためのプロモーションを行います。
 これらの取り組みによりまして、着実に富裕な旅行者を取り込み、インバウンド消費の拡大につなげてまいります。

○山崎委員 二〇二〇年大会に向けて、インバウンド消費のさらなる拡大のため、また、東京の旅行地としてのプレゼンス向上のため、さらに力を入れた誘致活動が必要でありますが、あわせて、オール日本の視点を取り入れて取り組むこともまた重要であります。
 東京には、年間一千三百万人を超える外国人観光客が訪れ、一兆円を超える観光消費を生み出していますが、日本経済の牽引役として、その恩恵を日本各地に行き渡らせることが求められております。
 一方で、全国の一割を超える約六十二万の事業所が集積するなど、日本の経済の中心的な存在ゆえに、東京の富が集中しているといった東京富裕論や、東京対地方といった見方がなされ、来年度の国の税制改正においても地方法人課税の新たな偏在是正措置が議論され、都は、新たな拠出を強いられようとしております。
 こうした動きに対して、我々都議会自民党は、景気変動の影響を受けやすい都財政の特徴や、東京の膨大な財政需要とともに、東京は日本各地との共存共栄を目指す立場にあると主張しております。
 共存共栄を目指す具体策として、我が党の再三にわたる主張を踏まえ、都ではこれまで、全国と連携したオールジャパンの産業振興に取り組んできました。
 東京には、日本の経済の原動力として、また、自治体のリーダーとして、日本全体の発展をリードしていく責務があります。
 引き続き、日本各地と連携した産業振興の取り組みを強化していく必要があると考えますが、見解を伺います。

○武田産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都では、日本各地と東京がそれぞれの魅力を高め、互いに協力し合うことで、ともに栄え、成長することを目指し、平成二十七年に日本各地との連携による産業振興施策を取りまとめ、その後、道府県の意見も踏まえまして、観光振興や中小企業の受注拡大等に取り組んでまいりました。
 その一例といたしまして、外国人観光客の誘致では、東京と各地を結ぶ観光ルートの設定に今年度は、北陸エリアを追加いたしまして、双方の多様な魅力を海外へ発信するなどの取り組みを進めております。
 また、ラグビーワールドカップを契機といたしまして、外国人旅行者が東京と日本各地を楽しめるよう、国内開催都市と連携したウエブサイトも、先月、打ち上げたところでございます。
 中小企業への支援につきましては、全国の中小企業の受発注取引拡大を目指すビジネスチャンス・ナビ二〇二〇を運営するとともに、産業交流展の特別企画といたしまして、日本各地の加工食品等を集めた全国食品産業フェアを開催し、販路開拓の後押しを行っております。
 さらに農林水産分野でも、来年一月に、木材産業の発展と国産材の利活用に向けまして、日本全国の製品、技術の展示を行うウッドコレクションを三十九道府県と連携して開催する予定としてございます。
 今後とも、日本各地との緊密な連携のもと、取り組みの充実を図り、東京と全国の産業の活性化につなげてまいります。

○山崎委員 今の答弁にあるような取り組みを一つ一つ着実に積み重ねていくことが、東京と日本各地との真の共存共栄につながるものであり、都議会自民党としても、さらに後押しをしていきたいと思います。
 産業労働局には、今後とも全国との連携に率先して取り組んでいただいて、その姿をしっかりと示していただくよう要望しておきたいと思います。
 最後に、ものづくりの振興と技能五輪について伺っていきたいと思います。
 資源に貧しい我が国が発展してきた原動力は、世界に誇るものづくりの技術であり、それを支えてきたのは職人の技能にほかなりません。しかし、近年、若者のものづくり離れや熟練技能者の高齢化の進展を背景に、東京のものづくり産業は、後継者不足や技能継承などの課題に直面しております。
 経済のグローバル化による激しい競争を勝ち抜き、今後も持続的に発展していくためには、すぐれた技能を有する人材を確保し続けていくことが求められております。そのためには、ものづくりの魅力に光を当てるとともに、若者が技能に触れる機会を設け、ものづくりへの関心を高めることが重要であります。
 こうした中、三年後の二〇二一年、東京大会の次の年に当たりますが、技能五輪全国大会が五十五年ぶりに東京で開催されることが決まったと聞きました。ものづくりの魅力を発信していく上で大いに期待されるイベントだと思います。
 そこで、大会の概要と開催の意義、今後の都の取り組みについて伺っていきます。

○篠原雇用就業部長 技能五輪全国大会は、旋盤、電気溶接など約四十の種目につきまして、二十三歳以下の青年技能者が技能レベルを競う大会でございます。
 ことしの沖縄大会を見ますと、全国から千二百九十二名の選手が参加しておりまして、四日間にわたって開催されております。東京大会も同程度の規模になるものと考えております。
 この大会は、若年層の技能向上を図りますとともに、広く国民に技能の重要性、必要性をアピールし、技能を尊重する機運の醸成に役立てることを目的としたものでございますが、都としましては、これに加えて、多様な業種が集積する東京のものづくり産業の将来を担う人材確保、育成にもつなげていきたいと考えております。
 現在、東京での大会開催に向けまして調査検討を開始しておりますが、来年度には推進組織を立ち上げ、開催計画を策定する予定となっております。

○山崎委員 技能五輪全国大会は、技能の国体といっても過言ではない重要なイベントであります。東京で開催するこの機会を最大限生かしていただいて、ものづくりの魅力を効果的に発信し、若者の関心を引きつけてもらいたいと思います。
 そうした意味において、大会を成功に導くだけでなく、大会に出場できるようなすぐれた技能者を育成し、東京から参加する選手をふやすことや、さまざまな工夫によって大会をより魅力的なものにしていくことが必要と考えますが、都の所見を伺います。

○篠原雇用就業部長 お話のように、技能五輪全国大会を成功させ、ものづくりの魅力を広く発信していくためには、選手の育成や大会の盛り上げが欠かせないものと考えております。
 選手の育成強化につきましては、若手技能者の日ごろの鍛錬や大会参加の機会をふやしていくことが効果的と考えておりまして、都は、技能競技大会の事前トレーニング経費の一部を補助しております。今年度は、その対象を拡充して実施しているところでございます。
 二〇二一年の技能五輪全国大会の東京開催に向けまして、選手の強化をより一層進めていきますために、来年度は、さらなる支援の充実を検討してまいります。
 また、大会の盛り上げにつきましても、開催計画の策定とあわせまして、サイドイベントの実施や効果的なPRについて検討していくこととしてございます。

○山崎委員 ものづくりの魅力を発信するということでは、都は、我が党の要望を受け、ものづくり技能の一大イベントであります、ものづくり・匠の技の祭典、三年前からスタートして三回目が行われたと思いますが、左官や建築大工、裁縫や調理など、我々の生活を支える職人の魅力を国内外に発信しています。技能五輪の開催に加え、こうした魅力の発信を通じて、多くの人々、とりわけ若い世代に技能のすばらしさをアピールしてもらいたいと思います。
 そして、社会全体にものづくりの関心が今まで以上に高まるよう、都は、今後も技能振興に向けた取り組みを強化し、東京のものづくり産業のさらなる発展につなげていくことも要望をしておきたいと思います。
 これまで、産業労働局の多岐にわたる事業を伺ってまいりました。
 冒頭にも申し上げましたが、東京の産業の活性化には、現場の実情をしっかりと把握をし、ニーズに即した支援の取り組みを着実に進めていくことが何よりも重要であります。また、東京の成長を日本全体に広く波及させるためには、日本各地との手を携えた取り組みも欠かせません。
 都議会自民党は、今後とも、都内の中小零細企業者を初め、都民の皆様の声にしっかりと耳を傾けるとともに、全国にも目を配り、実効性のある産業振興策の提言を行ってまいります。
 産業労働局においても、地方自治体のリーダーとして日本経済全体を牽引する使命を果たすため、大局的な視点を持つとともに、都内のそれぞれの地域にみずから足を運んで、都民のニーズをしっかりと受けとめて、産業政策や雇用対策のさらなる充実に取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わります。

○中山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十分休憩

   午後三時五十五分開議

○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あぜ上委員 それでは最初に、多摩産材の活用についてです。
 多摩地域、そして島しょ地域に、二十三区の面積を超える森林が広がっています。そのうち、多摩地域には約五万三千ヘクタールの森林があって、その約六割、三万ヘクタールが針葉樹の人工林だということであります。
 この森林資源の循環利用を進めていく上で、多摩産材の活用は欠かせません。多摩産材の公共利用を促進する、このことについては先ほどご答弁がございました。今年度からは、新たに区市町村が設置する保育園、小中学校などにおいて、内装の木質化など、子供たちが日常的に多摩産材と触れ合うための施設整備を支援するなど図ったというご答弁がありました。
 実は私の近所にも認可保育園が、三年前でしたか、開所したんですけれども、その保育園でも内装を全て木質化して、そして、遊具も椅子もテーブルも木材が利用されていて、大変温かい、そして、やさしいつくりになって、私は感動したんですけれども、最近はこうした木材を利用した建物や内装にする認可保育園や幼稚園、学校などを目にするようになってまいりました。
 東京都としては、木育活動ということで、先ほどご答弁がありました保育園、幼稚園に多摩産材を利用した場合、補助をすると。遊具の場合は五十万、内装や壁などの場合は四百万、いずれも上限なわけですけれども、補助制度を実施しております。
 今年度の多摩産材を利用したこうした幼稚園、保育園の補助実績について、まず伺いたいと思います。

○上林山農林水産部長 今年度、都では、木工工作や森林体験等の木育活動を実施する都内の保育園や幼稚園等に対し、内装木質化七件、木製遊具の導入十一件、木製什器の導入十七件、木製外構施設の導入七件、総額で約六千万円の支援を予定しております。

○あぜ上委員 活用が始まって、また、利用しやすい遊具や什器の方が多いということもわかりました。
 例えば、認可保育園の場合ですと、新規の建物の工事、それから、既存の建物を借り上げて施設整備をする場合など、国や都と補助があるわけですけれども、今ある保育園、幼稚園の施設を改修する場合には、いわゆる整備費補助というのがありません。改修で木材を利用したくても、四百万の上限ということになりますと、なかなか利用しづらいのではないでしょうか。
 木育活動の補助額の引き上げを求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○上林山農林水産部長 木育活動の補助額につきましては、過去の事業実績等を勘案し、木工工作や木製玩具購入等の木育活動につきましては上限を五十万円、内装木質化等につきましては上限を四百万円と設定いたしております。

○あぜ上委員 上限額四百万、また、什器などは五十万ということでありましたけれども、やはり幼いころから、暮らしの中で木材に親しむ、木に親しむということは大変大事なことだというふうに思うわけです。私は補助額の上限額の拡大を求めたわけですけれど、直接的なご答弁がなかったんですけれども、ぜひこれは要望しておきたいと思います。
 最近は、CLTなどの新たな木質建築部材を使用した建築物が出てきておりますが、多摩産材の活用を図るためにも大変重要だというふうに思います。木材の利用促進を図るために、多摩の林業振興、また、森林再生を進める上で、このCLTの重要性について、東京都の認識について伺います。

○上林山農林水産部長 CLTは、海外では中高層建築物の構造材にも活用されており、国内においても、CLT工場の稼働により、生産が拡大しつつございます。
 CLTは木材の新たな活用方法の一つであり、木材の利用促進に効果的であると認識しております。

○あぜ上委員 大変効果的であるということであります。
 以前、尾崎理事が当委員会でも紹介したんですが、我が党は高知県に視察に行って、全国初のCLT工法による建築、高知おおとよ製材株式会社の三階建ての社員寮を視察してきたということを報告しました。国のCLT先導的モデル事業を創設して、普及のためのモデル建設への支援、また、CLTパネル工場への支援など、高知でやっているという紹介もいたしました。
 現在、このCLT工法について大変関心が高まっているわけですが、東京都としても、この中高層建築物にも木材利用を拡大するために、産学公連携で木材の耐火認定工法の研究や、また、技術開発などを進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。

○上林山農林水産部長 中高層建築物への木材利用につきましては、国土交通省において建築基準法の防火関連規制の見直しなどが進められており、今後の利用拡大が見込まれております。
 また、林野庁や民間企業等において、耐火性の高い木質部材の開発等が進められており、都はこうした動向を注視してまいります。

○あぜ上委員 国の動向を見守るだけではなく、都としてもやはり、積極的に産学との連携で、耐火性の高い木質部材の開発など、その研究を進め、多摩産材の活用を促進していただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
 林業の現場で働く方々、本当に危険と隣り合わせで、天候にも左右される大変ご苦労の多いお仕事なわけですが、重要な役割を果たしています。
 しかし、作成していただきました資料でも、林業の就業者は都内で、二〇一五年度の数字なんですが、三百二十四人と、わずかな人です。しかも、そのうち二十代の方は約一割強、一四%と、大変深刻であります。林業の就労者をふやす取り組みは、まさに待ったなしの課題であると考えております。
 先ほど高倉委員のご答弁で、この林業労働力確保対策についての拡充のご答弁がございましたが、ご努力されていることはわかりました。
 しかし、例えば、先ほどご答弁にもあった、宿舎の借り上げ助成、これは住宅手当を支給している事業体に、社員が正社員になってから五年目までの期間のみの助成とする制度でございますし、私も林業労働力確保支援センターにもお話を伺いましたが、やはり定着が非常に課題だということでありました。
 林業に就業した個人に対する支援として、無利子の貸し付け、これもありますけれども、実績はなしということであります。安全対策の装備などは、事業体によって個人持ちだったり、会社持ちだったり、それぞれあるそうですが、所得がほかの仕事に比べても低いと。特に日給月給のところも多いそうです。そういったこともあって定着しにくいといったことがその要因の一つにもなっているようであります。
 林業を都として本格的に推進する、そういう上で、私はやはり、休業補償とか一時金支給など個人に対する支援策、もうそれを実施するそういう局面に来ているんじゃないかというふうに思うんですが、個人に対する支援、これをもう検討すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○上林山農林水産部長 林業労働力確保対策につきましては、先ほどもご答弁差し上げましたとおり、林業技術者に対する研修や宿舎の借り上げに対する補助など支援を実施してまいり、また、今年度から新たに、従業員の林業機械等を扱うための資格習得や先進事業体への出向による技術習得などを支援することといたしております。
 引き続き、事業内容について充実を図ってまいりたいと存じます。

○あぜ上委員 結局、事業体に対する支援なんですね。それも私は非常に重要だというふうに思うんですが、やはり林業の就業者、特に若い人たちが本当に定着できるように支援することを強く求めたいと思います。
 島しょの沿岸漁業の振興についてです。
 先ほど、ひぐち理事からもキンメダイのお話がありましたけれども、この時期、ちょうど大島などは脂の乗ったキンメダイなどの一本釣りが大変有名でありますけれども、また、八丈などの伊勢エビもとれる。本当にそういう意味では、島しょ地域というのは、沿岸漁業という産業が発展する可能性を豊富に持っているというふうに思っています。
 しかしながら、沿岸水域では、先ほどもあった、いそ焼けですね。これがあって海藻が減って稚魚などが育ちにくくなって、結局、その稚魚を狙ってやってくる魚がとれにくくなっていると。そういう悪循環による水産資源の減少などもあって、大変厳しい状況であるということを現地の方からも伺っております。
 そういう点では、私も改めて、島しょの漁業発展に都として、さらなる支援が今強く求められているんだというふうに実感した次第です。そうした観点から何点か伺いたいと思います。
 漁場や、それから漁業関連施設の整備など、島しょ漁業振興施設整備事業などの整備費、この拡充を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○上林山農林水産部長 島しょ地区の漁業施設につきましては、製氷施設や燃油供給施設、あるいは、築いそ等の整備に対しまして、事業費の四分の三を補助する島しょ漁業振興施設整備事業により支援をしております。
 事業の実施に当たりましては、漁協、町村の要望を踏まえ計画的に実施しており、今年度は、三宅島における漁獲物の選別やこん包など行う荷さばき施設を初め、十七件の施設整備に対して補助を予定してございます。

○あぜ上委員 島のニーズに応えているということは大変重要だと思いますが、同時に、先ほど来申し上げているように、大変厳しい経営環境の中で、漁業者は燃料代なども考えながら、漁に出るかどうかの判断をして漁をされているというふうに伺いました。今後も島の現場の声をよく聞いていただいて、やはり漁場の開発整備など迅速に進めていただきたいと要望しておきたいと思います。
 また、先ほどご答弁の中で、六十五歳以上の方が三〇%を超えるというお話がございましたが、大島でいいますと、七十代、八十代の方が非常に多いと。そういう中で、あと四、五年たったら一体、大島の漁業はどうなっちゃうんだろうかという、心配だという声も伺ったところです。
 水産資源の減少に対する漁業経営者の安定のための支援と後継者育成支援、これも大変重要だというふうに思っております。後継者についていえば、移住対策も含めて抜本的な支援が求められているというふうに私は思います。
 漁業でなりわいを続けることができるようにする、そのための所得保障や後継者のための家賃補助、こういったことも進めることが今、求められていると私は思うんですが、その点お答えいただけますか。

○上林山農林水産部長 水産資源の減少及び後継者育成のご質問でございますが、都は、安定した水産資源を確保するため、大島の栽培漁業センターで生産したアワビ、トコブシ、サザエの稚貝を有償配布するとともに、水産資源の増大に役立つ漁場造成に対する補助を実施してございます。
 一方、漁業後継者の育成につきましては、ベテラン漁業者による新規就業者の育成、漁業に必要な船舶免許などの資格取得に係る費用など、就業希望者が漁業者として独立するまでの一貫した支援を実施してございます。

○あぜ上委員 家賃補助とか、それからあと、本当に漁業でなりわいを続けることができるような所得保障、これはもう、私は待ったなしの課題であるというふうに思っております。ぜひこの点、前向きな検討を求めたいと思います。
 また、漁業用の燃油に対する支援の継続とともに、さらなる支援が求められていると思いますが、いかがでしょうか。

○上林山農林水産部長 都は、島しょ地区の漁業者からの要望を踏まえまして、平成二十年度から東京都漁業協同組合連合会に対し、島しょ地域に漁船用燃油を輸送する際の経費を補助してございます。
 また、平成二十五年度からは、急激な燃油価格の高騰時に、漁業者と国で積み立てた基金により価格差を補?する際、漁業者負担分の二分の一を補助してございます。

○あぜ上委員 現行の補助ではやはり足りないんだというのが漁業関係者の声でありました。各島の漁業関係者の燃油代も負担になっている現状とか声をしっかりと聞いていただいて、やはりこの東京の沿岸漁業の重要な役割を果たされている皆さんがなりわいを続けられるように積極的な支援を求めておきたいと思います。
 現在、臨時国会で、漁業法の改正案が提出されているところです。きのうは、残念ながらというか、衆議院は通過してしまったんですけれども、養殖するための区画漁業権の優先のルール、これが廃止になったり、それから、海の会議と呼ばれております海区漁業調整委員会、この公選制の廃止、沖合の大型漁船のトン数の制限の撤廃が盛り込まれております。
 企業参入を促進すると政府は説明しているんですが、現行法でも、企業が漁協の組合員となっていて、養殖の規模や数量などは、漁協が決めたルールに基づいて養殖業が行われているわけです。
 結局、地元の漁業者よりも企業参入を優先させるための改定であるといわざるを得ないわけです。そういう点では、都内の漁業者のなりわいを守るそういう立場で、都としてこの漁業法の改正に反対すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。

○上林山農林水産部長 国は、水産資源管理の強化、生産性向上に資する漁業許可制度の構築、漁業権免許の優先順位等の見直しなどを柱とした漁業法の改正に向け取り組んでございます。
 都は、漁業者への影響を見きわめつつ、こうした状況を注視してまいります。

○あぜ上委員 国会の中で、もう既に衆議院は通過してしまったわけですけれども、本当にこのルールから外れた企業の活動を許してしまえば、今でさえ厳しい沿岸漁業者のなりわいは本当に脅かされて、漁場環境の監視や資源管理もできなくなってしまうんじゃないでしょうか。漁業調整委員の方などからも反対の声が寄せられています。
 今、全国の海区漁業調整委員会連合会が地方議会に対して、改定反対の意見書を提出するよう働きかけてほしいという呼びかけがあったということも報道されておりました。本当にそういう点では、都議会も問われているわけですけれども、私は早急に、都としても漁業法の改定をやめるように要請すべきだということを意見として申し述べておきたいと思います。
 次に、職業能力開発センターについてです。
 先日、都立の城東職業能力開発センターの中にあります職業訓練校を視察させていただきました。設備も新しく、かなり充実して、利用者の方々も、これからの就労に向けて、生き生きと技術や技能を磨き育んでいらっしゃる、そういう姿を拝見しまして大変感銘をいたしました。職員の皆さんも、長年の現場経験を持つ方もいらっしゃいましたし、また、各科目の専門家がそろっていて、公共職業訓練校が大きな役割を果たしているなということを私自身改めて実感してきたところでございます。
 先ほど、公共職業訓練校の意義、果たしている役割についてはご答弁がございました。求職者に向けた訓練と在職者などの技術向上を図る訓練を行っていて、こうした公共職業訓練は、就業支援策としての重要性に加えて、都内企業の人材育成の面でも大きな役割を果たしていますよというご答弁があったわけですが、視察の際に、ある講師の方は、この職業訓練の大事な一つに、コミュニケーション力をつけることですというふうにお話をしてくださいましたが、やはり職業訓練というのは、ご答弁のように、本当に技術や技能を身につけることができるようにすると、労働の権利の一環であるということはそのとおりだというふうに思いますが、同時に、やはり社会生活を生きるための大事な教育の一環でもあるということを思った次第です。
 そこで伺いたいんですが、この科目の選定について、どのようにしていらっしゃるのか伺います。

○篠原雇用就業部長 職業能力開発センター等で行っております訓練科目は、現在の科目に対する応募状況や、ハローワークにおける求職者の希望、求人の動向、また、各センターがございます地域の産業特性などを踏まえて総合的に検討した上で、外部の有識者の意見も聞いて、新設、廃止、改善などを行っております。

○あぜ上委員 城東職業訓練校の場合は、住宅内外装仕上科という科があったんですけれども、ここには女性の生徒も多くいらっしゃいました。また、建築設備施工科には女性の講師の方もいらっしゃって、女性が技術や技能を身につけるためにも大きな役割を果たしているということも改めてわかりましたし、また、入校生の内訳を見ますと、地域的なものもあるかと思うんですが、千葉や埼玉県からも入校していて、人気があることもわかったわけです。
 現在、都内に十三校あるわけですが、ご答弁のように、それぞれの地域特性も踏まえた科目を設定していることは理解しているんですが、また、スペースの問題や人員の配置もあって簡単ではないというふうに思いますけれども、私はぜひ、科目の設定については、それぞれの学校でさらに拡充するようにしていただきたいということを要望したいと思います。
 この間、都は、公共職業訓練校を統廃合して、公共職業訓練予算を年々減らしてきました。施設整備費を除きますと、二〇一〇年度は六十七億だったのに、一昨年は九十七億、今年度は二十七億というふうになっております。年間の定員も見てみたんですが、経年的に見てみますと減っています。
 職業訓練というのはやはり重要な意義があるということを、先ほどもお話がありましたけれども、労働の権利、そして教育を受ける権利の保障です。同時に、中小企業では人材確保に本当に大変なご苦労をされていて、都内の産業振興、中でも価値を生み出す源となっていますものづくり産業を担う方々の人材育成で公共職業訓練校の役割というのは非常に重要だというふうに思います。
 施設配置数も拡充することを強く求めたいと思います。
 また、ある不登校だった青年が、職業訓練校に通うことによって、資格もとり、就職もし、今では生き生きと仕事をされているということを伺いました。私自身も生活相談で、二十代、三十代の何らかの事情でひきこもりで外に出られなくなった方々の相談を受けることが多いんですが、こうした困難を抱えた方々が本当に自分らしく生きていける道を見つけるには、さまざまなサポートが必要だと痛感しています。
 その一つとして、ジョブセレクト科、これは大変大きな役割を果たしていると、視察をさせていただいて一層強く思った次第です。このジョブセレクト科の内容や重要性についてのご説明も先ほどご答弁でありました。そして、効果的なPRにも努めるということで、これはぜひ拡充していただきたいと、意見として述べておきたいと思います。
 さらに、やはり最近は、先ほど年齢が三十歳までというお話があったんですが、三十歳を超えて、三十代、四十代でもひきこもりから、なかなか抜け出すことができないといった、こういった方々もいらっしゃいます。そういう点では、年齢の対象も拡大するように要望として、意見として申し上げておきたいと思います。
 そこで伺いたいんですが、このジョブセレクト科をほかの学校への拡充もすべきだというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。

○篠原雇用就業部長 城東の職業能力開発センターにおいて実施しておりましたジョブセレクト科でございますが、今年度から、多摩職業能力開発センターにおいても、二校目のジョブセレクト科を開設したところでございます。

○あぜ上委員 二校になったというのは一歩前進だと思いますけれども、私はさらに拡充していただきたいと思うんです。やはり誰もが働く権利があり、技能や技術を磨く、そして、人とのつながりを持つことで、自分が仕事を通じて社会的役割を発揮できるんだということを見出すことができる、そういう場として職業訓練校、とりわけジョブセレクト科は重要な役割を果たしているわけです。そういった方々は通うこともハードルが高いという場合もあるわけですから、やはり私は、二校といわず、ほかの校でもぜひ実施をしていただきたいと、拡大するように求めたいと思います。
 また、都は、施設内訓練の民間委託も行っておりますが、公共職業訓練校と施設内訓練の民間委託との仕分けの基準、これはどのようになっているのか伺いたいと思います。

○篠原雇用就業部長 都が実施すべき公共職業訓練と、このうち民間委託を活用する考え方につきましては、平成十九年一月に策定しました第八次東京都職業能力開発計画において示されております。
 公共が実施すべき訓練の基本としまして、早期再就職を目指す離転職者や政策的に配慮を必要とする者を対象とする職業訓練及び東京の活力を育む人材ニーズに応えるもので、民間の教育訓練資源が不足している場合や政策的に必要な分野における職業訓練としております。
 そうした上で、民間委託を効果的に活用する考え方としまして、民間での実施が可能で、事業効果が見込まれる訓練科目については、民間委託を効果的に活用することとしております。

○あぜ上委員 民間の教育機関で実施可能で、事業効果が見込まれる訓練科目等については民間委託を活用するという今ご答弁ですが、その法的根拠というのは、職業能力開発促進法十五条の七の第三項です。そこには、国や地方自治体が公共職業能力開発施設を設置して職業訓練を行う場合には、その施設内において行うほか、職業を転換しようとする労働者等に対する迅速かつ効果的な職業訓練を実施する必要があるときには、職業能力の開発及び向上について適切と認められるほかの施設により行われる教育訓練を当該施設の行う職業訓練とみなすことができるとされています。
 つまり、無秩序に民間委託を許しているわけではなく、一定の条件をつけているということがわかったわけです。
 施設内の訓練の民間委託での効果検証というのは、どのように行っていらっしゃるんでしょうか。

○篠原雇用就業部長 民間に委託して行う職業訓練につきましても、都立の施設で行う職業訓練と同様に、法に基づきまして、東京都が定めた訓練基準に基づいて実施することとなっておりまして、これによって訓練の質の確保を図っているところでございます。
 都は、巡回指導等を行うことで、民間施設での訓練の状況について確認を行っております。

○あぜ上委員 私が視察した城東職業訓練校の就職率を伺ったら、おおむね八割ということでした。しかし、民間委託した場合、例えばCAD科は二〇一五年度から委託をいたしましたが、定員も半減させ、就職率も公共訓練校のときには約八割、七八・六%だったものが、民間委託で五四・九%になってしまったわけです。応募者も定員割れになってしまっています。
 私は、その委託先の民間教育機関にも伺わせていただいて、視察もさせていただきましたが、講師の皆さんは本当に懸命に指導されていたんですが、その教育機関には、CAD製図はものづくりと一体のものにもかかわらず、工業系の講座も機械系の講座もありませんでした。ものづくりの中でCAD製図だけが切り離されてしまった委託のやり方に無理があったといわざるを得ません。
 私は、都が本気でものづくり産業を担う方々の人材育成を進める姿勢に立つならば、やはりCAD製図などは公共職業訓練校で拡充をすべきだということを強く求めたいと思います。
 次に、東京障害者職業能力開発校についてです。
 この訓練校は、開所時に伺わせていただいて、施設見学もさせていただきました。東京障害者職業能力開発校の募集条件ではどのような合理的配慮が行われているのか伺います。

○篠原雇用就業部長 求職者や離職者に対する公共職業訓練につきましては、法の設置目的に沿って、就労後の職業の安定と自立につながるということを目標に訓練を実施しております。
 東京障害者職業能力開発校におきましては、そうした考え方に立って訓練を実施するため、訓練生の募集の書類におきまして、応募対象者に関する共通事項として、障害もしくは症状が安定している方、一日六時間から八時間の訓練を継続して受講できる方、通校が可能な方などという内容を記載しております。

○あぜ上委員 お話を伺いましたら、通校の解除は認めているということなんですが、答弁を伺っていますと、一定の枠を決めて、それをクリアしないと対象にならないというやり方のように感じてなりません。
 しかし、厚生労働省の職業訓練の今後のあり方についてという二〇一三年に発表された報告書なんですが、これを読みますと、障害特性に配慮したきめ細やかな対応が求められているとしています。例えば、もう少し短時間なら訓練が続けられそうだとか、施設内でも介助者の同行を認めるとか、合理的配慮を行うことで障害者が職業訓練を受けられるようにすることが重要なんだというふうに思います。
 障害者差別解消法もできました。そういう中で、介助者との通勤も今、認められるとか、それから、ご本人の障害特性に配慮するそういった仕事の仕方の工夫など、雇用の合理的配慮も今、進められるように変わってきています。
 障害者職業訓練校に対して、肢体不自由児特別支援学校のPTAからも、介助者の同行を認めるようにしてほしい、また、肢体不自由者向け独自のカリキュラムを組んで能力を発揮できるようにしてほしい、こういった要望も出されております。
 今年度の募集では、受験したにもかかわらず、九十六人の方が入校できませんでした。その理由を伺ったんですが、そのほとんどの方が、精神障害者の方で症状が安定している人という先ほどもご答弁の中にありましたが、その条件がクリアできなかったということなんです。
 たった一回の医師の面接で、六カ月間通所ができるかどうかという判断を適切にできるんでしょうか。しかも、定員二百二十名に対しまして、受験は二百四十二人、そして入校は百二十一人なんですね。つまり、定員の六割を切っています。
 私は、募集条件や選考の基準、カリキュラムの内容が障害を持つ方々のニーズとちょっとずれてしまっているということはないのかなというふうに心配をしているところです。ぜひ、その点を検証し、改善を求めたいと思います。
 次に、入校後のサポートについて伺います。
 東京障害者職業能力開発校では、精神保健福祉士など専門家の常勤職員はどのような配置になっていらっしゃるでしょうか。

○篠原雇用就業部長 東京障害者職業能力開発校では、障害を持つ方の訓練が円滑に行えるように、職業訓練指導員のほか、非常勤職員を配置して生活相談などを行っております。
 生徒の訓練生活に関する相談、助言、指導を行う者としまして、生活指導相談員を十四名配置しておりまして、精神保健福祉士、臨床心理士、社会福祉士の資格を持つ者などを充てております。
 また、生徒の日々の健康管理を担当する者としまして、健康管理専門員を一名配置しておりまして、看護師または准看護師の免許を有する者を充てております。

○あぜ上委員 生活相談員を十四人配置しているということは大事だと思うんですが、皆、非常勤だと伺っています。常時いるのが十人、精神保健福祉士を初め、生活相談員の体制をもう少し強化すれば、精神障害者の方々の新しい環境になれるための配慮と支援が拡充されて、受け入れ枠も拡大できるんじゃないでしょうか。そして、通い続けることもできるんじゃないでしょうか。
 精神障害者の方々が希望する職業訓練の場を得ることができるように、東京都として、精神保健福祉士など生活相談員を正規化し、職業訓練を希望する精神障害者の方々にも大きく門戸を広げていただきたいと思います。
 東京障害者職業能力開発校では、食事の提供というのはどうなっているか伺います。

○篠原雇用就業部長 東京障害者職業能力開発校では、昨年度まで旧校舎におきまして、食堂において希望者に対し食事を提供しておりましたが、利用者が少なかったことから、今年度から利用を開始いたしました新校舎におきましては、給食の提供は行っておりません。
 なお、訓練生の昼食につきましては、事業者が校内で弁当の販売をしておりますほか、校の周辺の飲食店やコンビニエンスストア、スーパーマーケット等が利用されている状況でございます。

○あぜ上委員 障害者訓練校には立派な寮もあります。車椅子で毎日のラッシュの中、通学してくることが大変な方などが利用されているわけです。ところが、食事の提供がないと。
 朝から夕方まで訓練があって、三食自分でつくる余裕はないと思いますし、外食だと経済的にも、また肉体的にも大きな負担になると思います。昼はお弁当を販売しているということなんですが、朝晩の食事をスーパーに買いに行くにしても、毎日となったら大変だと思います。寮があるのですから、やはり食事は提供するのが当然ではないでしょうか。
 結局、私は当然の問題ではないかというふうに感じました。食事の提供も検討するように要望しておきたいと思います。
 障害があっても、その人に適した仕事の内容や働き方の工夫があって、サポート体制をつくれば、働き続けることは可能です。そして、障害のある人もない人もともに働くことは、誰もが働きやすい職場の実現にも結びついていくものです。障害者がみずから選んで、望んで応募してきた人たちを排除するのではなく、そうした人たちもどうやったら働くことができるのかを探求することが求められているのではないでしょうか。
 障害者職業訓練校は、障害があっても労働の権利、教育を受ける権利があることを、行政は、実践する大変貴重な場としてぜひとも拡充していただきたい、そのことを強く要望しまして、質問を終わりたいと思います。

○白戸委員 私からは、まず、MICE誘致の促進について質問をさせていただきます。
 近年、観光施策の一端として、企業の研修や会議、国際会議などのMICEが非常に注目を浴びております。個人客とは違い、その経済母体が企業や団体となるために、その規模が大きくなるのも特徴であります。
 昨年三月、観光庁が、日本で行われた国際会議による経済波及効果の推計は五千九百五億円、雇用創出効果は五万四千人分、そして税収効果は四百五十五億円にも上るという推計を発表しています。
 MICEとは、M、ミーティング、I、インセンティブ、C、コンベンション、E、エキシビション、イベントの頭文字をとったものですが、シンガポールの政府観光局が初めて使用したといわれる、どちらかというと観光業界の業界用語であります。
 ミーティングは、ご存じのように企業などの会議、そしてインセンティブとは、企業が社員、関連会社などに対して行われる報酬それから研修旅行、コンベンションは、国際機関、団体、学会などが行われる国際会議、エキシビションは、展示会や見本市を指しています。
 MICEはこれらの総称ということで、主に海外の企業、業界団体などが日本で行うビジネスイベントなどを指しているわけです。これを促進させることで、より東京の知名度、そして、周辺産業の活性化が図られることは議論の余地はありません。
 そして、東京都として、推進していくに当たり、具体的な現状把握と目標設定が必要であると考えます。しかし、企業の会議、研修旅行などはオープンにされていないものが多く、データ収集が難しいと聞いておりますが、一方で、はっきりと数量の把握ができる国際会議は、開催目標を決めて、施策を展開していくことが重要だと考えております。
 そこで、都として、国際会議の開催の目標設定と獲得するための施策をどのように考えているのか、また、最近のそれらの実績を伺います。

○鈴木観光振興担当部長 国際会議の誘致には、立候補してから開催地が決定するまで、一般的に三年から八年を要するといわれており、中長期的な視点を持って取り組む必要がございます。
 そうした観点から、都は、平成二十七年七月に、東京都MICE誘致戦略を策定し、平成三十六年までに年間三百三十件の国際会議の開催の目標を設定し、この目標達成に向け施策を展開しております。
 具体的には、MICEに関係するさまざまな機関等が協力し、総合的な力を発揮しながら誘致や開催に向けた働きかけを行うため、国や政府観光局、民間事業者、地域の団体等が参画する東京都MICE連携推進協議会を平成二十九年度に東京観光財団と連携し設置いたしております。
 また、会議、宿泊施設等の関連施設が集積しているエリアをMICE開催拠点として選定し、国際会議等の誘致や受け入れに向けた計画的な取り組みを支援しております。
 さらに、国際会議の誘致や開催資金の助成に加え、MICEにかかわる人材の育成など、誘致、開催のための施策に取り組んでいるところでございます。
 こうした取り組みなどにより、平成二十九年の都内での国際会議の開催件数は二百六十九件に達しております。

○白戸委員 これからますます活性化すると思われますので、ぜひ積極的にこの国際会議誘致を進めていただきたいと思います。
 それと同時に、このMとIの部分、つまり企業の会議、そしてインセンティブ旅行など、民間企業にかかわるところにおいても、これ、数値化をはかるというのは非常に難しいんですが、ぜひ誘致推進についても検討を深めていただけるよう要望しておきます。
 さて、このMICE誘致、開催において、観光財団が中心になって動くと聞いております。そこで、この観光財団の実際に担う役割について伺います。

○鈴木観光振興担当部長 東京観光財団は、東京のMICE誘致、開催を支援するコンベンションビューローとして、専門性の高い業務を機動的に展開しております。
 まず、国際会議の誘致におきましては、国際的なMICE先進都市の連携組織に加盟し、海外の競合他都市の活動など誘致に役立つ情報収集を行うとともに、誘致競争を優位に進めるため、国内の誘致組織が行う立候補ファイルの作成への支援や国際本部役員が視察に訪れる際の東京開催の魅力の紹介、また、会議の規模や予算に応じた会議会場の紹介などを行っております。会議開催期間中には、参加者に対し、都内観光ツアーや日本文化の体験プログラムを提供するなど、会議運営に向けた支援も行っております。
 また、外国企業が行う会議や報奨旅行等の誘致におきましては、都内の宿泊施設や旅行会社等と連携して海外都市での訪問営業を実施するほか、開催時には、和太鼓レッスンやチームクッキングなど参加者の一体感を醸成するプログラムの提供なども行っております。
 こうしたさまざまな施策に取り組む中において、東京観光財団はMICE誘致、開催の中心的な役割を担ってございます。

○白戸委員 国際会議には国際会議のしきたり、ルールがありまして、それを知り尽くした専門家が必要なことはいうまでもありません。ぜひとも積極的に活用し、会議誘致を進めていただきたいと思います。
 さて、東京都では、ことしの九月にIWA世界会議・展示会を開催いたしました。このような大きな業界の国際会議を行うに当たって、たくさんのご苦労をされたと思います。そして、そのご苦労こそが今後に向けて大きな財産になっていくのではないかなと考えます。
 そこで、今回のこのIWA世界会議・展示会を初めとした国際会議の誘致、開催支援の中で、今回どのような課題が見出されたのかを伺います。

○鈴木観光振興担当部長 これまで、都内で国際会議の開催実績のある国際団体等の本部や国際会議運営の専門会社であるコアPCOなどからのヒアリングを通して、国際団体等は、国際会議の開催により活動資金の確保を期待しており、開催コストの負担軽減が必要といったり、また、英語力に加え、国際的な商慣習、会議開催に当たってのグローバルスタンダードへの対応による参加者の満足度の向上が必要といった課題があると認識しております。

○白戸委員 今、出していただいた課題に対する改善策、そういったものはどのようなものが考えられるのか伺います。

○鈴木観光振興担当部長 開催コストの負担軽減といった面では、これまで都は、国際本部役員や基調講演者の外国人参加者の招聘経費や会場借り上げ費等の一部を助成する開催資金助成を、平成二十一年度より拡充を図りながら実施しております。今後は、海外競合他都市と比較しても引き続き競争力を維持できるよう、開催資金助成のさらなる拡充が必要でございます。
 また、参加者の満足度向上といった面では、これまで都は、MICE人材育成講座を平成二十七年度より実施し、誘致、開催に係る専門スキルを持つ人材の育成の強化を図っております。今後は、受講者のニーズ等を踏まえたよりきめ細かな対応ができるよう、講座内容のさらなる充実が必要でございます。
 引き続き、こうした施策の強化により、東京でのMICE誘致、開催の促進に向け取り組んでまいります。

○白戸委員 今回、この貴重な実践で得たフィードバックですから、しっかりと生かしていただきたいと思います。
 ただ、人材育成というのは多少時間のかかるものですから、現場の要望とタイムラグが出てしまうことも考えられます。このタイムラグを埋めるべく施策についても検討を要望しておきます。
 続きまして、ことしの五月に開設されましたユニークベニューワンストップ窓口について伺います。
 ユニークベニューとは、歴史的建造物、文化施設や公的空間など、本来は会議、レセプションを目的につくっていないような場所で開催することにより、特別感、そして地域特性を演出できる会場のことです。
 そこで、まず、都として、このユニークベニューの考え方、意義について伺います。

○鈴木観光振興担当部長 東京の魅力的な観光資源をMICE開催に活用することは、他都市との差別化を図り、誘致を優位に進める有効な手段でございます。
 海外では、本来、MICE施設ではない歴史的建造物や文化施設などをレセプション等の会場として使用する、いわゆるユニークベニューの手法を取り入れ、開催都市としての魅力を高め、MICE誘致の競争力強化につなげております。
 また、ユニークベニューに参加し、開催都市に魅力を感じた人々が、再び観光客として訪れるなどの継続的な誘客効果も期待できます。
 こうしたことから、ユニークベニューの利用促進は、東京の観光産業を振興する上で重要な意義を有するものと認識しております。

○白戸委員 歴史的な建造物、そして文化施設などが集積しますこの東京では、大変有効で、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、そんな中で、今回開設されましたこのユニークベニューワンストップ窓口の概要及びその後の反応を伺います。

○鈴木観光振興担当部長 ユニークベニューの利用を希望するMICE主催者等に対し、専任の職員を配置し、総合的な支援を行うユニークベニューワンストップ総合支援窓口を、本年五月、東京観光財団内に設置いたしました。
 窓口では、利用者のニーズに応じ、利用可能な施設を紹介するとともに、施設において実施可能なイベントプランの企画、提案、施設の利用に必要な関係行政庁との調整のサポート、また、イベントの内容に応じて会場設営事業者やケータリング事業者等の紹介などのサービスを行っております。
 問い合わせの状況でございますが、本年五月の開設から十月末までで百十四件の国際会議のレセプションや企業の商品発表会などの問い合わせを受けております。

○白戸委員 日本国内におきますこのユニークベニューに対する理解、海外に比べますとまだ理解が十分に進んでいるとはいえないと思います。そして、利用できる施設がまだ大きくふえていない状況にもあります。そのような状況で、こういう活動をしていくこと、これは非常に意義のあることではないかなと思います。
 ちなみに、世界には、ユニークベニューの利用促進をするために、このワンストップ窓口となります公的団体が組織されている例は珍しくありません。
 オーストラリアのシドニーでは、四十七以上のユニークベニューを紹介する協会、シドニー・ユニークベニュー・アソシエーションは、カンファレンスやミーティング、セミナーだけではなくて、ワークショップやウエディング、カクテルパーティーなど細かな用途に合わせた検索が可能なウエブサイトを持っていまして、会員制をしいての最新の情報などを優先的にインフォメーションしています。
 イギリスのロンドンのユニークベニュー検索サイト、ユニークベニュー・オブ・ロンドンも、ロンドンの八十九のユニークベニューを一堂に集めたもので、そのコレクションをビジュアルも本当にきれいにまとめて訴えています。
 ちなみに、このUVLですけれども、一九九三年に設立されまして、二〇一二年のロンドン・オリンピックでは非常に大きな成果を上げました。オリンピック開催中の各スポンサー企業をホストするために、セントポール大聖堂、ケンジントン宮殿、サマセットハウス、そしてEDFエナジーロンドンアイなど、多くの登録ベニューが利用された実績があります。そうした意味では、二〇二〇を控えたこのタイミングで東京都がワンストップ窓口を立ち上げたことは非常に意味があると考えます。
 それでは、日本におけるこの対象施設はどの程度まで広がっているのでしょうか。

○鈴木観光振興担当部長 都は、庭園や美術館など、歴史や文化的観点から東京らしさを感じられることや、最新技術を取り入れたランドマークや世界的に有名なキャラクターのショーが楽しめるテーマパークなど、東京が世界に誇れる長所を紹介できることなどの視点から、ユニークベニューとして利用可能な施設を選定し、ユニークベニューのPRパンフレットに掲載しております。
 平成二十九年度末に作成したパンフレットでは、浜離宮恩賜庭園や東京都庭園美術館など都立八施設、また、東京スカイツリータウンやサンリオピューロランドなど民間三十施設が掲載されております。
 今年度におきましても、候補施設を洗い出し、利用されていない民間施設等の施設管理者などに対して、ユニークベニューとしての活用を積極的に働きかけ、施設数の拡大に取り組んでいるところでございます。

○白戸委員 この対象となる施設が少なければやっぱり利用は促進されませんので、ぜひ、少しでも多くの施設を巻き込んでいただきたいと思います。
 海外の競合の他都市におきましては、ユニークベニューを活用したレセプションや会議などの開催に必要な設備等が整備されており、ユニークベニューを活用する際の利用者の負担軽減が図られております。
 そんな中で、ユニークベニューの実施に伴う会場設営にかかわる支援や機能強化につながる設備充実の支援を行っていると聞いておりますが、補助金の状況を伺います。

○鈴木観光振興担当部長 都は、ユニークベニューの利用を促進するため、平成二十六年度より、会議やイベント、レセプションなどの主催者が都内施設等をユニークベニューとして利用する場合、会場備品リース料や機材費等の会場設営費に対して、補助率二分の一、上限五百万円の助成を行っており、平成二十九年度末までに十二件の支援を行っております。
 また、本年度より、都内に所在するユニークベニューの会場となる歴史文化施設や庭園などの施設を対象に、イベントやレセプション等の開催に必要な指向性スピーカーや電源、照明などの設備導入に対して、補助率二分の一、上限五百万円の助成を開始しております。
 こうした取り組みにより、イベント主催者側、施設側双方の負担を軽減し、ユニークベニューとしての利用を促進してまいります。

○白戸委員 現状では、文化財保護法や消防法、さらに、マーキーテントなどの仮設に対する建築基準法、公園法、ケータリングに際する食品衛生法などの制限が障害となって、利用開放につながっていないという側面もございます。ぜひ、この規制緩和、開催支援などを通じて、魅力ある都内のユニークベニューの品ぞろえを進めていただくことを要望しておきます。
 続いて、観光プロモーションについて質問させていただきます。
 少子高齢化が進む日本では、経済を支えるために、外国人観光客による収入は大変重要な役割を担っております。訪日客が日本国内を旅行中に宿泊、飲食、買い物等でお金を使うことにより、国内消費が支えられる効果はもちろんですが、多くの方に本当の日本の姿を見ていただき、感じていただき、日本への正しい理解を深めていただくことも重要だと思います。
 平成二十九年三月に、観光立国推進基本計画が閣議決定。これによって二〇二〇大会開催の平成三十二年度には、訪日外国人旅行者数四千万人、訪問外国人旅行消費額が八兆円を達成するという目標が定められております。
 訪日外国人消費動向調査、平成二十九年度値によりますと、訪日外国人旅行客は年々ふえておりまして、平成二十九年度の速報値では二千八百六十九万人、旅行消費額は四兆四千百六十一億円と推計されております。東京都においても、PRIME観光都市・東京、東京都観光産業振興実行プラン二〇一八において、二〇二〇年の訪都外国人旅行者数の目標を、一六年の一・九倍に当たります二千五百万人と定めております。
 さて、このようなインバウンド需要促進のために、マーケティングというのが非常に大切かと思います。事業概要によりますと、都は、成果指標、KPIを用いて、外国人旅行者誘致の施策効果を測定しているということなんですが、観光促進のKPIとはどのようなものなのか伺います。

○小沼観光部長 都では、観光プロモーションを実施しております海外の二十二都市におきまして、施策効果を測定するための成果指標として、いわゆるKPIを用いた効果測定を平成二十五年度より経年的に行ってございます。
 具体的には、各都市で一般市民約五百名と現地旅行事業者約十社に対して調査を行い、観光地として東京を認知しているか、東京への旅行に関心を持っているか、情報収集や計画をしたか、東京を訪れたことがあるのかという四つの段階で指標を設定しまして、現状の把握と分析を行ってございます。
 また、あわせて、団体旅行か個人旅行かなどの旅行形態ですとか、情報収集手段などを調査してございます。

○白戸委員 なるほど、現地でしっかりと定点で継続的に観測されているということがよくわかりました。
 それでは今度は、今の話は現地なんですが、実際に東京に来た人がどのように日本を感じたのか、ここも調査が必要かと考えますが、こちらはどのように行っているか伺います。

○小沼観光部長 都では、東京を訪れた外国人旅行者の行動特性を国や地域ごとに把握する調査を行ってございます。
 具体的には、平成二十四年度から毎年、羽田空港及び成田空港の国際線ターミナルにおきまして、日本から出国しようとする外国人一万五千人ほどにアンケート調査を実施し、主要な二十カ国、地域別に集計を行ってございます。
 調査項目は、旅行者の性別、年代等の属性から、訪都回数、宿泊数、訪問先、訪都目的や滞在中の行動などの基礎データに始まりまして、一番期待していた場所、満足した場所、再訪問意向などとなってございます。

○白戸委員 一万五千人にアンケートをとるというのはなかなか大変なことだと思いますが、それだけ丁寧に調査されているということがよくわかりました。
 ただ、調査はデータをとるだけでは余り意味がなく、これを市場にどうフィードバックするのかが重要で、これが実は一番難しいというのも現実でございます。
 東京都では、これらのマーケティング調査の結果をどのようにフィードバックされ、どのように活用されているのかを伺います。

○小沼観光部長 都で実施したマーケティング調査の分析結果につきましては、海外十二都市で東京の観光PRを行っております東京観光レップに対して提供するほか、都内の自治体及び民間の企業や団体等を対象にしました海外市場セミナーや相談会などの場を通じて、その内容を提供してございます。
 また、海外での旅行博への出展や旅行事業者向けのセミナーなどのプロモーションの実施に当たりまして、ターゲットとする顧客層や媒体などを決定する際に活用するなどし、施策立案に役立てております。
 今後も、きめ細かなマーケティングを行いまして、官民一体となって市場の特性に応じた効果的なプロモーションを展開してまいります。

○白戸委員 しっかり定点で細かく調査されていること、フィードバックされていることはよくわかりました。
 いずれにしても、このインバウンドというのは急激な変化を遂げておりまして、その傾向を正確に読み取ることは本当に簡単ではありません。
 一例ですが、例えば二〇一七年に来日したインバウンドの人数を国別に見ると、中国七百三十六万人、韓国人が七百十四万人、台湾四百五十六万人、香港二百二十三万人、アメリカ百三十七万人。人数ではこういうことになっていますが、人口当たりで見ると、香港は人口が約七百万人ですから、何と三人に一人がもう日本に来ているという、そんな計算になります。当然リピーターも多いので、この後、香港の伸びというのはどうしても鈍化してしまう、これは当然の話でございます。台湾は人口の二〇%、そして韓国は同一四%が訪日していることになります。
 ところが、中国は、七百三十六万人でしたが、人口から見ると〇・六%しか日本に来ていないということがわかります。訪日外国人の全体の四分の一を占めて、買い物消費額では四〇%という圧倒的な購買力を持つこの中国なんですが、実は人口の九九%がまだ日本に来たことがないということなんですね。こういうのを、国別の来日数だけを見ているとなかなか見えない数字ということがいえるかもしれません。
 全体的に見ると、団体客から個人客へ重心がシフトしていく中で、旅行会社と免税店がタイアップして、よくありますけれども、団体ツアーに免税店訪問を組み込んで、そのマージンを旅行会社にキックバックするようなインバウンド施策はもう既に、中国であっても下り坂に来ている。多様な価値観を持つ旅行者にいかに訴えて、いかに呼び込んでいくか。
 また、リピート客に再来訪を促すことができるかといった個人マーケティングがこれからますます重要で、こうしたデータを今のように定期的にしっかりとっていくこと、そして、データを分析してフィードバックしていくことが非常に大切なのではないかなと考えます。ぜひ、今後も、収集はもちろんなんですが、細かな分析とフィードバックをお願いしておきたいと要望しておきます。
 と同時に、何といっても東京は、来年二〇一九年はラグビーのワールドカップ、そして二〇二〇年はオリンピック・パラリンピックがあります。この機会に、東京が世界に報道されることがさらにふえ、最高のPRの期間ではないかと考えます。しっかりと我々の地域のよさ、そして我々の商品のすばらしさを伝える準備を整えることがその後につながっていくのではないでしょうか。こういった点もあわせて要望し、質問を終えさせていただきます。

○うすい委員 私の方からは、まず初めに、島しょの観光振興についてお伺いをしたいと思います。
 島しょ地域への旅行者数は、都の調査によりますと、昭和四十八年の約百三十八万人をピークに、近年は四十万人台で横ばいが続いております。島しょ地域は首都圏からも近く、美しい海でのスポーツや新鮮な海産物などを堪能できるなど多くの魅力があります。しかしながら、そうした島の魅力がまだ十分に知られてないため、さらなる観光客の誘致に向けては、各島の魅力的な観光がイメージできるよう、観光資源のブランド化が重要だと考えております。
 都は、島しょ地域におけるブランド戦略支援事業において、現在どのように取り組んでいるのか、見解を伺います。

○小沼観光部長 島しょ地域は、ダイビングやトレッキングなどのスポーツのほか、海沿いの温泉や島寿司など独自の料理や焼酎等の特産品など、個性豊かな観光資源が数多くございます。
 こうした島しょ地域の観光資源を各島が磨き上げ、その魅力を効果的に発信し、より多くの旅行者の誘致につなげられるよう、都は新たに地域ブランディングなどの専門家を派遣するなど、各町村や観光協会等の取り組みへの支援を開始いたしました。
 今年度は、この秋から、式根島と八丈島の二島で、地元の町村や観光協会のほか、現地の観光関連事業者による検討会議を開催し、議論を重ねております。
 今後、各島のPR戦略の策定に向け支援を続けてまいります。

○うすい委員 今、ご答弁いただきましたけれども、例えば青ヶ島では、青酎特区の認定により、アルコール度数が六十度の原酒、初垂れの製造、販売が可能となりましたが、新しい観光資源として青酎のブランド化に取り組んでおります。
 東京の島には、ほかにもこうした特産品や観光客の皆さんが楽しめるスポットがまだ多く存在をしております。本事業を着実に進めて、島の魅力を旅行者に向けてしっかりと発信をしていただきたいと思っております。
 これまで、東京の島の中で、私も行かせていただきましたが、八丈島、大島、三宅島などを訪問させていただきました。島外生徒受け入れ事業など、東京都の教育委員会がやっておりますけれども、そうした視察もさせていただきまして、現地では高校生との交流などもさせていただきまして、さまざまな声を聞くことも経験をさせていただくことができました。
 その際、島に行って感じたことは、観光客としては意外と年配の方々の姿が比較的多く見受けられました。島しょ地域への観光客を将来にわたってふやしていくためには、リピーターとして再び島に何度も来ていただけるようなそういうリピーターが大切だと思っております。そのためには、より若い世代の観光客をふやして、島の魅力を多くの人に知ってもらうことが大切だと思うわけでございます。
 都は、昨年度から島しょ地域への誘客のため、プレミアムつき宿泊旅行商品券、しまぽ通貨を販売しておりますけれども、SNSやトレインチャンネルなど新しいメディアを使って、二十代など若い世代の人たちに向けたPRが必要と考えますが、しまぽ通貨のPRの状況と今後どう取り組んでいくのか、見解を伺います。

○小沼観光部長 都は、島しょ地域への誘客と現地での観光消費の促進を目的として、昨年度から、プレミアムつき宿泊旅行商品券、しまぽ通貨を販売してございます。
 昨年度のしまぽ通貨の利用者は、半数以上が四十代以上や男性が多かったということから、より幅広い層の利用者を確保するため、女性向けの雑誌やフリーペーパーへの広告掲載を行いました。また、若い女性が、東京の島で温泉や食事を楽しむPR動画などを作成しまして専用サイトに掲載したほか、インターネットやSNSを活用した広告、美容室のモニターや渋谷の街頭ビジョンなどのデジタルサイネージで放映し、認知度の向上を図っております。
 こうした取り組みの結果、ことし十月末現在で、三十代以下の利用者が過半数となり、女性の割合も四割を超えたところでございます。
 今後も、多様な媒体を活用して、しまぽ通貨のPRに取り組み、販売の促進につなげ、さらなる誘客を図ってまいります。

○うすい委員 ありがとうございます。答弁いただきました。
 私は、国の発展や豊かさというのは、大都市がどれほど栄えているか、これも大切なことだと思いますけれども、離島に暮らす方々がどれだけ恵まれた幸せな日々を送っているかではかることも大切だと思っております。
 島の人たちの意見を伺いますと、観光への支援の要望が多くあります。こうしたしまぽ通貨のような施策は大変大切だと思いますので、しまぽ通貨をぜひ続けていただいて、島しょの観光振興にしっかりと取り組んでいただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
 次に、生産性向上のためのIoT、AI等の導入支援について伺います。
 少子化等によりまして人材不足が深刻化する中、中小、小規模企業の生産性向上は待ったなしでございまして、大変に重要であります。
 今年度より始まったIoTやAI等の導入支援は、生産性向上を進めていく上で重要な手法でありまして、事業として巡回員の企業巡回やIoTなどの専門的なセミナー、実際の導入に向けた導入前適正化診断や導入機器診断などのきめ細かい支援は効果的な取り組みであると考えております。ただし、こうした取り組みも、中小、小規模企業にきちんと届かなければ、絵に描いた餅になってしまいます。
 我が党が、全議員が地域を回りまして、本年四月から六月まで実施をした百万人訪問・調査運動を行いまして、中小企業支援策を利用したことがないとの回答の半数以上が、そもそも制度自体を知らなかったというふうに回答しております。知らないということは、使えないということであります。情報が届きにくい中小、小規模向けに、きちんと政策を届けていけるような周知、広報の工夫が必要であります。
 また、IoT等の先端技術は新しい部分も多く、中小、小規模企業の経営者にもなじみが薄い部分もありまして、活用の具体的なイメージがわかりにくい部分もあるわけでございます。
 この事業は、都として、今年度は事業開始初年度ということでありまして、まずは、生産性向上のためのIoT等の活用の必要性や重要性をわかりやすく、また、幅広く企業に周知することが、事業の成功のためには大切なことであるわけでございます。
 そこで、都として、中小、小規模企業に幅広く周知と、また、わかりやすくという視点をあわせてその取り組みについて見解を伺います。

○坂本商工部長 都は、中小企業が生産性の向上に役立つIoTやAIの技術を正確に理解し、その導入に向けた知識を学ぶことのできるよう、専門のウエブサイトを開設いたしました。これによりまして、生産効率を高める上ですぐれた機能を持つIoT関連の製品や、そうした機器の導入を円滑に行って成果を上げた事例などをわかりやすく紹介しているところでございます。
 また、中小企業がIoTやAIを現場などに効果的に導入し活用を図ることのできるよう、中小企業振興公社に相談窓口を設けて専門家によるサポートを実施する新しい事業に関して、PRを展開しているところでございます。
 具体的には、事業内容を掲載したパンフレットを一万三千枚作成いたしまして、区市町村や地域の経済団体を通じて多くの企業に情報を提供してございます。
 これに加え、同公社のホームページや約一万二千社の利用企業向けのメールによりまして幅広い発信を行うほか、会社への巡回時やさまざまな展示会でも宣伝をするなど、きめ細かく周知活動を実施しているところでございます。

○うすい委員 今、答弁いただきました。IoT、AI等の支援は、中小、小規模企業にとって人手不足の手助けになると思いますし、重要な支援であります。これから注目される支援だと思いますので、ただ、今年度始めた新規の事業でありますので、まずはこの事業を成功させていただき、来年度以降も継続して取り組まれることを要望して、次の質問に移ります。
 次に、高齢者の就業の促進について質問をいたします。
 少子高齢化の進展により、六十五歳以上の都民は三百万人を超え、東京都の人口の約四人に一人が高齢者となっております。
 こうした中で、意欲旺盛な高齢者の方が、仕事という生きがいを持って輝き続けることのできる社会を実現していくことが、今後の東京の持続的な発展のためには大変に重要であると思います。
 あわせて、最近ではリカレント教育の重要性もいわれておりまして、こうした観点からも、都では、本年度より、東京セカンドキャリア塾という再就職に向けた学びの場を設定したわけでございます。この事業の狙いについて答弁をいただきたいと思います。

○篠原雇用就業部長 国の調査によりますと、六十五歳を超えても働きたいと考える方が、六十歳以上の方で約七割いらっしゃいますが、その一方で、実際に六十五歳以上で職についている方というのは、三割に満たない状況でございます。
 高齢者の方は、これまでのご自身の経験を生かして従前と同じ業界で働きたいという希望を持つ方が多いため、これが就業におけるミスマッチの一因になっていると考えております。
 そこで、東京都では、本年度より、東京セカンドキャリア塾といたしまして、六十五歳以上の方を対象に連続するセミナーを実施しておりまして、この中で、再就職に向けて高齢の方のマインドチェンジを促すとともに、新たな知識を身につけていただき、就職につなげていくための支援を実施しているところでございます。

○うすい委員 今、ご答弁いただきまして、ミスマッチを解消することが狙いであるということでございます。
 この事業では、具体的にどのような取り組みを行っているのか。また、あわせて本年度の実績について伺いたいと思います。

○篠原雇用就業部長 セカンドキャリア塾では、現在、文京区と立川市の二カ所にキャンパスを設置しておりまして、参加者には、週一回から二回、六カ月にわたり学んでいただく予定としております。
 事業の開始に先立ちまして、塾生を公募いたしましたところ、百名の定員に対し、三百名を超える応募がございまして、選考を経て、現在百十二名の方に参加をいただいております。
 塾のカリキュラムといたしましては、実務に役立つ新たな知識を獲得していただくためのICT活用、コミュニケーション術といった講座を用意いたしておりますほか、企業見学や、さまざまな職業経験を持つ受講生同士の交流の機会を設定しておりまして、新たな分野に目を向けていただくことで、参加者の選択の幅が広がるように支援を実施しているところでございます。
 さらに、就職活動への支援といたしまして、今後、シニア人材リストを作成いたしまして、企業への人材紹介を行っていく予定でございます。

○うすい委員 今、ご答弁がありまして、定員が百名に対して、応募が三倍の三百名を超えるということでございました。この数字の面から見ましても、これは非常に高いニーズがあるということだと思います。
 これからますますシニアの方々の活躍というのは重要でありますし、働いていただけることによって高齢者の方たちが元気になる、そういうふうに思うわけでございます。
 ぜひとも、これは私の地元でも、区内、足立区には大学が六つございまして、高齢者の方も多く住んでおられます。そういった意味では、この事業は大変いい取り組みだと思いますので、大学との連携等も含めまして、ぜひとも拡充をして、都内各地で開催ができるような、そうしたことも、来年度以降もしっかりと取り組んでいただくことを要望しまして、次の質問に移ります。
 次に、先ほど質疑もありましたけれども、事業承継における金融支援について、私の方からもお伺いしたいと思います。
 東京商工会議所のアンケート調査によりますと、経営者の年齢として六十代で約七割、七十代で約半数が後継者の決定ができていないという現状がありまして、中小企業にとって、事業承継は喫緊の課題であります。
 こうした中、我が党は、第三回定例会の代表質問におきまして、MアンドAによるマッチングの必要性などについて質疑を行いましたが、都からは、合併までに必要となる資金調達支援を検討していくなどの前向きな答弁がございました。
 中小企業が事業承継を進めていく際には、経営者の交代時に、信用の低下から金融機関からの借り入れが難しくなる場合や、株式の取得資金など一時的にまとまった資金が必要となる場合があり、中小企業の円滑な資金調達を支えている制度融資の役割がとても重要であると考えております。
 そこで、制度融資における事業承継の取り組みと、これまでの実績についてお伺いいたします。

○加藤金融部長 中小企業の円滑な事業承継を後押ししていくためには、経営の安定化や株式の取得資金、承継を契機とした多角化のための資金など、さまざまな資金ニーズに対して適切に支援していくことが重要でございます。
 制度融資における事業承継融資メニューは、十年以内に後継者への引き継ぎを予定している企業や事業の承継後五年未満の企業が幅広い資金需要に活用できるものであり、都は、最優遇金利を設定するとともに、信用保証料の二分の一を補助しております。
 また、今年度は、融資対象に株式取得資金等を必要とする経営者個人を加えるとともに、さらに経営者の個人保証を不要とする特例を創設し、制度の拡充を図ったところです。
 平成二十七年度の本メニュー創設から今年度上半期までの実績でございますが、四十四件、約二十一億円であり、その中には、会社合併に必要となる株式取得資金の融資事例も複数ございます。
 今後とも、中小企業の事業承継時の多様な資金ニーズを踏まえ、承継を後押しできるよう支援の充実を図ってまいります。

○うすい委員 制度融資において、中小企業の円滑な事業承継を資金面から後押しをしているということを今の答弁で理解させていただきました。
 MアンドAは、オンリーワンの技術や小さくても価値あるノウハウを培ってきた企業が事業承継を行う上で有効な手法と考えます。そうした資金需要も出てきているということですから、後継者が見つからない多くの中小企業の円滑な事業承継が一層進むよう、金融支援の充実をぜひとも要望させていただきたいと思います。
 次に、動産・債権担保融資制度、いわゆるABL制度についてお伺いいたします。
 リーマンショックからことしでちょうど十年がたちますが、当時、多くの都内中小企業が厳しい経営状況に追い込まれたことは記憶に新しいところであります。
 その際、我が党はいち早く中小企業に対する支援策の拡充について要請し、国の緊急保証制度などを含めて、都は補正予算を編成し、多くの中小企業の事業継続を支援してまいりました。
 その際、我が党の具体的な提案により平成二十一年度に生まれたのが、現在のABL制度の前身である機械・設備担保融資制度でありまして、その後、平成二十六年度には、売掛債権や在庫を対象に加えた新たな仕組みとしてABL制度が創設されました。
 このABL制度は、担保提供できる不動産を持たず、信用力の乏しい中小企業が、在庫等を担保に資金調達を行うことができるという画期的な仕組みであります。
 そして、昨年の経済・港湾委員会における我が党の質疑においては、制度創設以降、大幅に実績が増加をし、平成二十九年度は二百億円を超える見込みとの答弁がありました。
 そこで、現時点までの実績と利用動向について答弁をいただきたいと思います。

○加藤金融部長 動産・債権担保融資制度、いわゆるABL制度でございますが、この平成二十九年度の融資実績は、三百二件、約二百二十四億円であり、前年度比、件数で約四二%、また、融資額で約三〇%増と、それぞれ大幅に増加しております。
 今年度は、九月末時点で百八十九件、約百四十四億円と、前年同時期に比べ、件数で約三七%、また、融資額で約四八%の増加と、大きく上回っております。
 利用動向といたしましては、平成二十九年度の担保種類別では、在庫が約百四十八億円で融資額全体の約六六%、売掛債権が約七十二億円で約三二%となっております。
 今年度九月末時点では、在庫が約百六億円で約七四%、売掛債権が約三十八億円で約二六%を占めており、在庫の割合が増加傾向にございます。
 また、創業期から再生期までの幅広い企業が、経営基盤強化のための運転資金だけでなく、成長に向けた設備資金や事業多角化の資金とするなど、利用目的も広範にわたっております。

○うすい委員 改めまして、本制度の利用が大きく増加をしており、かつ、創業期から再生期までの幅広い中小企業の多様な資金調達に有効であることを理解させていただきました。
 それでは、次に、利用先企業の具体的な事例について答弁をいただきたいと思います。

○加藤金融部長 先ほど委員からお話もございましたが、不動産などの資産の少ない中小企業が、在庫や売掛債権などのさまざまな事業用資産を担保として融資を受けることができますこのABL制度は、企業の資金調達の幅を広げるとともに、経営状況により、新たな融資を受けることが難しい企業も活用できる都独自の融資制度でございます。
 具体的な事例としましては、創業五十年以上の製造事業者の例がございます。この企業は、受注が減少し、かつ、新たに担保として提供できる不動産がなく、必要な資金調達が難しい状況にございました。しかし、その製品が高品質であり、売掛債権が高く評価され、増産に必要な事業資金を調達できました結果、新規の大口取引に成功しております。
 そのほかにも、採算の悪化に悩んでいた創業四年目の運送事業者が、車両を担保に新たな資金調達ができ、資金繰りの改善や新規顧客の開拓が可能となった事例などがございます。

○うすい委員 本制度が、資金調達の多様化といった観点に加えて、経営状況の厳しい都内中小企業を支える役割を十分に果たしているということでございます。
 今後とも、金融機関や専門機関と連携をし、本制度を中小企業に広く行き渡らせる取り組みをさらに進めていただきたいと思います。
 また、本制度は、創設から五年目を迎えており、実績が順調に伸びてきていますが、さらなる促進のためには、この制度を担う金融機関や専門機関をふやしていくことも必要であります。
 現在は景気のよい状況が続いているとはいえ、世界経済の先行きは不透明でございます。そのため、こうした平時にこそ景気後退局面に十分に備える施策を検討することは重要なことであります。
 とりわけ、フィンテックなどの新たな技術の進展を踏まえ、将来を見据えた多様な金融支援策の充実に向けた検討を進めていただくことを強く要望しまして、私の質問を終わります。

○柴崎委員 我が国の経済情勢は、雇用や所得の面で引き続き改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続いているわけであります。このままいけば、来年一月にはリーマンショック前の景気拡大期を超え、そして戦後最長に達することとなるわけであります。
 先月初めには第四次安倍内閣が発足いたしました。これもやはりアベノミクスの着実な継続が奏功したゆえのことであると思っております。
 しかし、東京の産業を支える中小零細の企業一社一社に目を向けますと、人手不足、そして売り上げの減少、また、厳しい資金繰りなど、さまざまな形でご苦労されているようであります。経済の活性化に向け、引き続き事業者に対するきめ細かな支援が不可欠だと実感をいたしました。
 ご承知のとおり、東京には多様な産業が集積をいたしておりまして、さまざまな商売が営まれ、事業者の皆様がいるわけであります。したがって、産業の持続的な発展を図るためには、中小企業対策、そして観光振興、農林水産業の後押しなど、多面的な政策転換が求められているものと考えます。
 本日は、産業労働局のこうしたさまざまな所管事業について質疑をさせていただきたいと思います。
 初めに、中小企業支援についてであります。
 今後、需要の伸びが見込まれる、いわゆる成長産業分野における中小企業の支援は、都内経済の発展にとりましては極めて重要であると思います。
 中でも、私は、向こう二十年間で世界での市場規模が倍以上に伸びると予測されている航空機産業に注目をしております。
 以前も質疑で取り上げさせていただきましたが、都は平成十九年度から、航空機産業への参入を目指す中小企業に対する重点的な支援に取り組まれております。
 まず、この事業を展開する意義について改めてお伺いいたします。

○坂本商工部長 航空機産業は、将来の市場拡大が見込まれ、受注を実現すると長期間にわたり取引を続けることも期待できるため、中小のものづくり企業にとって、参入を図るメリットは大きいものと考えてございます。
 また、航空機の部品は一機当たり三百万点と非常に数が多く、その加工の種類も幅が広く、高度な技術を用いることが必要であるため、すぐれた技術を持つ中小企業が力を発揮する余地も大きいものがございます。
 一方で、航空機の安全性を確保する上で、個々の部品には高いレベルの品質が不可欠でございまして、そうした水準を実現するための国際規格をクリアするほか、航空機メーカーなどが独自に定めた基準を満たして初めて取引を実現することが可能となる状況もございます。
 また、一つの部品に関連する多様な加工作業を、複数の会社の協力によって分担して進めることも必要となります。
 こうした課題を克服して、ものづくり企業が航空機産業に参入できるよう、都では、中小企業に対して、その技術力のレベルアップを後押しするとともに、国際的な規格やメーカーの基準に対応し、販路を開拓できるようサポートを実施しているところでございます。

○柴崎委員 私自身も、航空機産業への参入を目指している加工会社さんから、取引先が当たり前のように海外企業であったり、あるいは、通常の部品には求められない独自の規格が定められていたり、そして、こうした初めての企業にとりましては、わからないこと尽くしだというような話を伺ったことがあります。こうしたことを解決するためには、行政によるきめ細かなサポートがなくてはならないものであると強く感じたところであります。
 そこで、本事業における都の支援の具体的内容とこの間の成果についてお伺いしたいと思います。

○坂本商工部長 都では、航空機産業への参入を目指す中小企業が、すぐれた技術の力を生かして協力して高品質の部品の製造を行うためのネットワーク、TMANをつくり、支援をしております。
 このグループには現在六十四社が参加をしてございまして、今年度は、四回の交流会を開いて協力体制の強化を図るほか、技術力の向上に役立つ専門家派遣を延べ三十八回行うこととしてございます。
 さらに、国際認証の取得に必要な費用に対して、五百万円を上限に二分の一の補助率で助成も行っております。これらにより、国際認証であるJISQ九一〇〇を取得した企業はこれまで三十八社となり、メーカーの定めた基準を二十六社がクリアをしてございます。
 また、航空機の国際的な見本市などに出展をするサポートなども行いまして、航空機の内装品メーカーからの受注に成功した事例や、エンジンメーカーなどへの納品を実現し、売り上げを三年前の三倍にまで伸ばした企業も出ているところでございます。
 今年度は、ベルリン・エアショーに六社が出向いたほか、今月の二十八日から本日まで東京ビッグサイトで開催をしている国際航空宇宙展に十三社が出展するためのサポートも行っております。
 これらに加えまして、産業技術研究センターでは、航空機産業支援室によりまして、アメリカの航空機規格に対応した設備による評価試験を三十四件実施するほか、新技術の開発をテーマとする共同研究を十二件行っております。

○柴崎委員 ただいま答弁のありました取り組みは、三年間の時限が設定されているとのことであります。したがいまして、本年度が最終年度に当たるわけであります。
 航空機産業への新規参入については、最低でも十年はかかるといわれているほど根気の要る取り組みだそうであります。一社でも多くの中小企業が参入を果たすことができるよう、引き続き支援を継続していただくことを強く求めまして、次の質問に移ります。
 次に、中小企業に対する金融支援について伺ってまいります。
 いうまでもなく、中小企業が事業を営んでいく上では、経営の血液ともいうべき資金調達の円滑化、これは必要不可欠であります。都は、企業のニーズに応じた多様な金融支援策を展開しているわけであります。
 初めに、中小企業制度融資について伺います。
 中小企業制度融資につきましては、都内に支店を有する多くの金融機関が取り扱いを行っているわけでありまして、半数近くの都内中小企業が利用しているなど、中小企業の経営基盤を支える基幹的な制度であります。
 本制度は、全国統一の信用補完制度を基盤としていますが、都は、企業のライフステージに応じたさまざまな融資メニューを用意し、さらには独自に信用保証料の補助を行うなど、都内中小零細企業を支える手厚い支援を行っているわけであります。
 本年四月には、昨年改正されました中小企業信用保険法等が施行されまして、新しい信用補完制度の運用がスタートしたところであります。こうした制度改正によりまして、さまざまな影響があったのではないかと思われます。
 そこで、平成三十年度、今年度の制度融資におきまして、都が拡充した主な取り組み内容とその利用実績について伺います。

○加藤金融部長 制度融資におきましては、今年度、国の信用補完制度の見直しを踏まえ、創業融資メニュー及び小口融資メニューの融資限度額をそれぞれ引き上げるとともに、さらに、利用者の負担軽減を図るため、都独自の取り組みとして、創業融資メニューの融資利率を最大で〇・三%引き下げております。
 また、事業承継融資メニューにおいては、後継者個人の株式取得資金などを融資の対象とするとともに、都独自で、純資産額や自己資本比率などの財務要件を満たした場合に、経営者の個人保証を不要とする特例メニューを創設いたしました。
 こうした制度充実の効果もあり、今年度上半期の実績は、創業融資メニューが前年同期比約三〇%増の約八十五億円、小口融資メニューが前年同期比約七三%増の約三百九十三億円、また、事業承継融資メニューが前年同期比約六%増の約四億円となるなど、多くの中小企業に利用していただいております。
 都は今後とも、制度融資の充実を図り、経営基盤の強化と前向きな事業展開に取り組む中小企業の円滑な資金調達を支援してまいります。

○柴崎委員 今の答弁で、国における信用補完制度の見直しに対応するだけではなくて、都独自の手厚い取り組みの効果があること、また、そして創業や事業承継、小規模企業向けの資金供給が円滑に行われることがよくわかったところであります。
 今後とも、ぜひ国の制度改正も踏まえつつ、中小企業の実情を的確に捉えていただくことが重要だと考えております。そして、ライフステージに応じた金融支援にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、新保証つき融資制度について伺います。
 先ほど質疑を行ったように、制度融資を拡充していくことは大変重要であります。しかしながら、一方では、中小企業の資金調達を多様化する観点からは、制度融資とは別の選択肢を用意することも極めて意義あるものだと思います。
 新保証つき融資制度は、リーマンショック直後という中小企業にとりましては大変厳しい経営環境にあった平成二十一年度に、都独自の制度として創設されたものであります。制度融資の枠を使い切るなど困窮した状況にある事業者にとりましては、まさにセーフティーネットとしての役割を果たしてまいりました。
 事業開始から十年が経過いたしたわけでありますが、新保証つき融資制度のこれまでの実績について伺いたいと思います。

○加藤金融部長 地域の金融機関と連携した新たな金融支援策、いわゆる新保証つき融資制度でございますが、事業開始の平成二十一年度から昨年度までの累計の保証承諾実績は、件数で一万二千六百七件、金額で約千二百八十六億円となっており、年度平均では、約千四百件、約百四十三億円となっております。
 平成二十八年度には融資限度額を引き上げるとともに取り扱い金融機関を増加したこともあり、今年度は、九月末時点で既に千二百二十四件、約百七十七億円となっております。
 本制度を利用している中小企業からは、通常の運転資金については制度融資を活用しているが、急な仕入れ資金についてはこの制度で柔軟に対応してもらい助かった、また、売り上げの拡大により運転資金が必要となった際に、制度融資とは別に十分な資金を確保できたというようなお声をいただいております。
 都は今後とも、本制度の特性を生かしつつ取り扱い金融機関の拡大などを進め、中小企業の資金調達の円滑化に努めてまいります。

○柴崎委員 今、答弁にありましたように、具体的な声を含めて、新保証つき融資制度がこれまで、制度融資だけでは十分に資金調達ができない中小企業の資金繰りを支援してきたことがよくわかりました。
 現場の中小企業にとりましては、さまざまなリスクと向き合いながら、事業の継続、発展に向けて日々懸命な努力を続けているわけであります。私の地元練馬区にもそうした中小企業がたくさんございます。
 都は、制度融資や新保証つき融資制度の充実を図っていくことによりまして、中小企業が安定して経営ができるよう下支え等を行うことは重要なことだと考えております。したがって、さらに積極的な事業展開に取り組めるよう努力をしていただきたいと思います。
 続いて、創業に対する金融支援について伺います。
 東京の創業を活性化するためには、数多くの創業者の挑戦を後押しすることが必要であります。さらに重要なことは、創業者を真に支援するためには、単に必要資金の融資を行うだけではなくて、創業前から創業後まで継続した経営面からのサポートについても、きめ細かく行うことが重要であります。
 信用金庫、信用組合による融資と地域の創業アドバイザーによる経営サポートを組み合わせた仕組みが、まさにこの女性・若者・シニア創業サポート事業であります。平成二十六年度に我が党の提案を受けて創設されたわけであります。
 その後も、創業を力強く後押しできるよう、都議会自民党は、創業者の実情やニーズをしっかりと踏まえて、融資条件など制度の充実や制度原資の積み増しを要請してきたところであります。
 そこで、この間のさまざまな見直しにより、どのような成果が上がっているのか。最近の実績と今年度の新たな取り組みについて伺います。

○加藤金融部長 女性・若者・シニア創業サポート事業における昨年度の融資実績は、六百二十九件、約三十六億九千万円であり、今年度は、九月末時点で二百八十四件、約十六億五千万円の融資を実行しております。
 二十九年度の内訳としましては、女性が二百二十三件、約十一億八千万円、若者が三百四十二件、約二十一億円、シニアが六十四件、約四億一千万円でございます。
 また、これまでの累計で、女性、若者、シニア別に業種を見ますと、女性と若者は、飲食店などの宿泊、飲食サービス業が最も多く、件数で、女性、若者ともに二三%となっております。また、シニアにおきましては、経営コンサルティングなど、サービス業のうち他に分類されないものが最も多く、二六%でございます。
 今年度は、新たな取り組みとしまして、ソーシャルビジネスをテーマに制度の充実を図ったところです。
 具体的には、九月にセミナーを開催し、十九名の参加を得ました。
 また、明日、十二月一日でございますが、開催予定の事例発表イベントでは、SNSを活用した広告を行ったところ、定員百名の募集に対し百四十三名の応募がございました。このことから、急遽、来場者全員が参加できるように対応いたしたところです。
 さらに、拡充策としまして、創業アドバイザーによる無料相談の回数を今年度より三回から五回にするとともに、セミナーなどと連携して利用の促進を図っております。
 今後とも、創業希望者のニーズを踏まえ、さらなる制度の拡充を図るなど、女性、若者、シニアによる地域に根差した創業を促進してまいります。

○柴崎委員 今年度は、ソーシャルビジネスをテーマとした新たな取り組みを行うなど、創業の促進に努めていることがわかりました。
 引き続いて利用者ニーズの把握などに努め、制度の拡充を図るとともに、融資の裏づけとなる融資原資についても充実に努めていただきたいと思います。
 ここからは、観光振興について伺ってまいりたいと思います。
 東京二〇二〇大会開催時に訪れる多くの方々に、都内各地に足を運んでもらうこと、そして観光の魅力を知っていただくこと、これは大会の効果を東京全体に波及させるとともに、大会後のさらなる旅行者誘致につながっていく重要な取り組みと考えております。
 こうした取り組みの牽引役となる地域の観光協会は、その多くが専門人材の確保や運営面での課題を抱えているわけであります。こうした中、人々を引きつける魅力的な地域の観光資源をつくり上げるには、観光協会の力をより一層高めることが不可欠であります。
 都内各地の観光振興を担う地域の観光協会への支援について、今年度の取り組みについて伺います。

○小沼観光部長 都は、都内各地の観光振興を図るため、地域の観光の担い手であります観光協会等の専門性の向上や団体の組織体制の強化等に向けた支援を実施してございます。
 具体的には、企画力の向上等の観点から、地域の観光振興を総合的に支援する窓口を四月に東京観光財団に設置するとともに、よりきめ細かな対応ができるよう、課題に応じまして複数の専門家をチームで派遣する仕組みを導入し、これまでに七つの観光協会等に十人の専門家を派遣いたしました。
 今後は、こうした専門家の人材情報を地域で容易に入手できるよう、事業計画の策定やプロモーションなど専門家の専門領域ごとに集約したデータベースを構築しまして、ウエブサイトで公開してまいります。
 このほか、観光協会の発信力の強化に向けまして、今年度から新たにSNSや映像等の活用や、地元の商店街等と連携して企画するまち歩きツアーの実施に係る経費を助成しており、今後もこうした観光協会のさまざまな取り組みを後押ししてまいります。

○柴崎委員 地域の観光振興を効果的に進めていくためには、個々の観光協会の機能強化だけではなくて、地域にさまざまな団体があるわけでありまして、その団体と連携して、観光の担い手の裾野を広げることで新たな事業を展開していくことも必要だと思います。
 とりわけ多摩地域は、自治体の区域がまたがり、広大な森林や美しい渓流など豊かな自然があるわけであります。さらに、代々受け継いできた祭り、あるいは郷土食など、多様な魅力にあふれているわけです。
 多摩地域への観光客の流れをつくり出すためには、例えば農業体験など地元の産業を生かした観光、あるいは複数の自治体をまたがる観光ルートなど、多摩地域全体を視野に入れた取り組みが考えられるわけであります。
 都では、商工会や観光関連団体が区域を越えて、広域的に連携して実施する取り組みへのサポートを行っているようですが、現在の取り組み状況、これについて伺います。

○小沼観光部長 都は、多摩地域への誘客を進めるため、観光、商工、農業など幅広い関連団体による協議会を支援し、広域的な観光ルートの開発や情報発信等に取り組んでおります。
 今年度は、協議会による多摩地域の鉄道沿線ごとの観光マップなどのPRツールの作成のほか、古民家での宿泊とあわせまして自然観察や農林業などを体験する新たな取り組みの事業化を支援しております。
 また、十月からは、多摩の各地域をめぐるスタンプラリーをそれぞれ実施しております。
 例えば、多摩市や八王子市などの十七市で取り組んだ事例では、参加者がスマホを活用しまして、SNSに投稿することで観光スポットの情報の拡散を図るとともに、訪れた人数などのデータをもとに地元の回遊を促進するルートづくりなどの検証に役立てます。
 また、ラグビーワールドカップ二〇一九の試合会場となる東京スタジアムやキャンプ地のある調布市等の五市では、大会組織委員会とも連携しまして、開催に向けた機運を高めるとともに地域への誘客を図ってまいります。

○柴崎委員 東京で豊かな自然を堪能できる地域として、多摩エリアのほかに島しょ地域があります。
 島しょ地域では、島同士が力を合わせた観光PRとして実施する東京島めぐりパスポートや、先ほども議論、質疑がありましたが、都が支援を行っているプレミアムつき宿泊旅行商品券であるしまぽ通貨、この利用者が拡大するなど、都と島同士が力を合わせた取り組みが実を結んできているようであります。
 島しょ地域への一層の誘客や電子決済の浸透による消費の拡大をさらに進めていくためには、島しょ間が連携した観光振興の取り組み状況と今後の展望、これについて伺いたいと思います。

○小沼観光部長 島しょ地域の観光振興を進めるため、都は、各島の自治体や観光関連団体とともに協議会を設立し、島同士が連携して誘客する取り組みを支援してございます。
 今年度は、大島と利島をめぐるツアーの開発を実施するとともに、十月には地方メディアへのPRを初めて実施しました。
 今後は、国内での観光イベントへの出展と、出展に合わせまして旅行事業者向けの観光セミナーを開催いたします。
 また、三千円のプレミアムつき宿泊旅行商品券、しまぽ通貨の加盟店数でございますが、昨年度の事業開始当初の百五十六カ所から、ことし十一月一日現在では三百二十六カ所に倍増いたしました。
 また、ことし四月から十月までの販売実績でございますが、約五万六千セットと、昨年の約半年間の実績、約一万四千セット、これを大きく上回りました。
 今後は、しまぽ通貨を活用した加盟店のキャッシュレス化に向けた検討を進めるなど、島しょ地域の観光の活性化を図ってまいります。

○柴崎委員 こうした中、政府は来年十月の消費税率の引き上げに備えた景気対策とともに、クレジットカードなどによるキャッシュレス決済を普及しようとしております。
 このキャッシュレス決済は、消費者の利便性の向上につながるために、島しょ地域の振興にとっても重要だと考えます。消費者のニーズに応じた地域のキャッシュレスの取り組みが実現するよう要望して、次の質問に移ります。
 東京の農林水産業への支援について、何点かお伺いしたいと思います。
 初めに、東京の農地についてであります。
 東京の農地は、安全・安心な農産物の生産に加えて、防災、そして環境保全など多面的な機能を有し、人々に潤いや安らぎをもたらすなど、都民が豊かな生活を送る上で欠かせないものとなっております。
 しかしながら、宅地開発の進展や相続の発生等によりまして、都内では毎年百ヘクタールもの農地が失われているのが現状であります。そして、その減少に歯どめがかからない状況であります。加えて、生産緑地の二〇二二年問題によって、農地の宅地化がより加速度的に進むことも懸念されております。
 一方、近年では、かつて農地を宅地に転用してアパート等を建設したものの、再び農地に戻す、つまり、いわゆるUターン農地も見受けられるようになってきているという話を農業者の方々からお伺いをしております。
 こうした状況を踏まえまして、遊休化している農地を再生するといったこれまでの農地保全策に加えまして、宅地等を再整備して都市農地を積極的に創出するなど、新たなアプローチによる支援が重要だと考えております。
 そこで、都の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○上林山農林水産部長 都は、今年度から、農地の創出・再生支援事業を開始し、宅地等を農地に転換することで新たに用地を創出する取り組みや、遊休農地を再生して活用する取り組みに対して支援を実施しております。
 具体的には、市街化区域において、農業者が経営規模を拡大するためアパートや駐車場を農地にする際のコンクリートなどの基礎や駐車場の舗装盤の撤去、栽培に適した土の搬入に要する経費に対して、練馬区など三区市へ補助を行い、約二千平方メートルの農地を新たに創出してまいります。
 また、市街化調整区域や島しょ地域において、遊休農地を再生するため、樹木の伐採、抜根といった障害物の除去や整地に要する経費に対して、町田市や八丈町など五市町村へ補助を行い、約二万九千平方メートルの遊休農地を再生してまいります。
 こうした取り組みにより、農地の確保並びに有効活用を図ってまいります。

○柴崎委員 実際にUターン農地等の事例も出始めているということでありますので、ぜひ、この機を捉えまして、新たな農地の創出につなげられるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 都市農地につきましては、特定生産緑地制度の創設や都市農地の貸借円滑化法の成立などによりまして、農地に関する法律等の改正により、農地の保全につながる制度面での充実が図られつつあります。
 こうした制度を生かしていくのは、やはりそれぞれの農業者であります。したがって、都市農業への注目がかつてないほど高まっている今こそ、担い手となる人材に焦点を当てた施策展開が求められているわけであります。
 貴重な農地を保全し、将来にわたりまして東京農業を発展させていくためには、新たな担い手の確保とともに、新規就農者が安定的に農業で稼げるということが重要であります。
 したがいまして、東京農業の発展に向けて、都としての取り組み状況について伺いたいと思います。

○上林山農林水産部長 都は、担い手の確保に向け、東京都農林水産振興財団や東京都農業会議において就農相談を実施するとともに、新規就農者が就農後に安定して営農を継続できるよう、それぞれの状況や適性に応じた育成支援を実施しております。
 農家の後継者に対しましては、都とJAが連携して、フレッシュ&Uターン農業後継者セミナーを実施し、二年間で農業経営全般の技術と知識の習得を支援しております。
 また、実践的な経験が少ない農外からの新規参入者に対しては、農業技術や経営管理能力にたけた熟練農業者を指導農業士として都が認定し、農場で一緒に作業しながら学ぶことのできる実践的な研修機会を提供しております。
 さらに、ICTなど先進技術を活用した農業経営を目指す農業者につきましては、先進地域の視察や試験研究機関での講習会を開催するなど、高度な専門技術の取得をサポートしております。
 こうした取り組みにより、担い手の確保、育成に努め、東京農業の持続的な発展につなげてまいります。

○柴崎委員 一口に担い手の育成といっても、農外からの新規参入者や農業後継者といったそれぞれの背景や技術水準、経営規模の違いなどにより、個々の農業者が求める支援内容はさまざまであります。
 農業者一人一人のニーズにきめ細かく対応できるしっかりとした育成体制を、今後構築していただきたいと考えます。そのためにも、地元JAとの連携をさらに強固にしていただくことを要望いたします。
 さて、開催までいよいよ残すところ二年を切りました東京二〇二〇大会でありますが、都内産の農林水産物を国内外に向け広く発信する絶好の機会であります。
 東京二〇二〇大会では、組織委員会で定めた調達コードの遵守が求められており、具体的には、農、林、水産物それぞれにおきまして、定められた認証を取得することが必要であります。
 都は、大会での食材等の供給を目指し、認証取得の拡大に取り組んでいるところでありますが、私の地元練馬区におきましても、GAPの認証取得に向けた農家の取り組みが広がり始めております。
 認証取得は、単に大会での調達基準というだけではなくて、安全性の向上や環境負荷の低減、経営の効率化など、東京の農林水産業がさらなる飛躍を遂げるための一つの契機になるものだと思います。
 都内の農林水産事業者の認証取得の取り組みを加速していくためには、東京の農林水産業の持続的発展につなげていくことが重要と考えますが、見解を伺います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 都は現在、東京二〇二〇大会の開催を見据え、農林水産事業者の認証取得を後押しするため、申請にかかる経費補助や、手続に関するきめ細かなアドバイスなどの支援を実施しております。
 農産物におきましては、生産工程管理の認証であるグローバルGAP等について、これまで五件の認証取得を支援してまいりました。
 また、今年度から都独自の認証である東京都GAP認証制度を開始し、昨日、七件の認証を行ったところでございますが、このほかにも、現在、認証取得に向けて取り組んでいる事業者が約三十件おり、順次認証していく予定でございます。
 木材におきましては、森林の所有者等が取得する森林管理認証について、千八百三十六ヘクタール、木材の製材、加工、流通にかかわる事業者が取得する加工流通認証について、二十六事業者が認証を取得しており、認証を受けた多摩産材を選手村ビレッジプラザ等に活用する予定でございます。
 水産物におきましては、小笠原縦縄漁業など漁法に関する生産段階認証については四件、魚を扱うための流通加工段階認証については一件の認証取得を支援してまいりました。
 こうした環境や資源に配慮した取り組みを通じて、将来にわたる東京の農林水産業の発展につなげてまいります。

○柴崎委員 東京二〇二〇大会が近づく中、それぞれの認証制度において実績が上がりつつある状況は理解いたしました。しかしながら、全体としてはまだまだ取得が進んでいないのが実情だと思います。
 農林水産業に携わる事業者の間で、認証制度の意義や必要性は理解されつつあるものの、認証取得のための費用面の負担が大きいこと、そして認証を取得したからといって必ずしも生産物が高く売れるわけではない、このようなことも耳にするわけであります。つまり、費用対効果の面で決断がなかなかできない方も多いようであります。
 したがいまして、より多くの事業者が認証取得に向けて取り組めるよう、認証制度に関するさらなる普及啓発や支援の一層の充実を図っていただくよう要望いたします。
 食材となる野菜や果物、水産物はもとより、花や植木も東京の誇れる農産物であります。生産者の皆さんも、東京二〇二〇大会を契機とした需要の拡大を大いに期待しているところであります。
 こうした東京の花や植木をPRするためには、大会期間中に花や植木でまちを彩り、その魅力を伝えていくことが効果的であります。しかしながら、花は夏の暑さに弱い品種が多いため、夏場における効果的な展示、活用方法を検討した上で、その利用促進を図ることが重要であります。
 都は、東京二〇二〇大会に向けて、東京産花きの利用促進を図るため、花と緑の夏プロジェクトを実施しておりますが、取り組み状況、これについて伺いたいと思います。

○上林山農林水産部長 これまで都は、東京都農林総合研究センターにおける試験研究により、暑さや乾燥に強い花苗の品種を選定するとともに、その展示技術の確立に取り組んでまいりました。
 今年度は、日比谷公園や代々木公園など都内の十五カ所の都立公園等に対し、試験研究により得られた夏に強い花苗を供給することで、利用促進を図っております。
 また、八月には、花き関連団体と連携し、東京国際フォーラムにおいて子供向けワークショップを開催するとともに、都心の商業施設でPR展示を行うなど、都内産花きの認知度向上に向けた取り組みを実施しております。
 さらに、夏の暑さを緩和するため、都内産の植木を用いた可搬式大型コンテナ緑化技術を開発し、現在、東京ビッグサイトなどでその実証実験を行っております。
 こうした取り組みにより、東京二〇二〇大会の機会を捉え、都内産の花や植木の利用促進を図ってまいります。

○柴崎委員 大会時には、観客を初め、国内外から多くの方が東京を訪れるわけであります。そうした方々を東京産の花や植木で迎え入れ、新鮮な農産物でもてなすことができれば、東京の農林水産業を国内外に広くアピールすることができるものと思います。
 引き続き、関連団体と連携をして、しっかりと取り組みを進めていただくよう要望して、次の質問に移ります。
 最後に、水産業振興について伺いたいと思います。
 周囲を海に囲まれた島しょ地域にとりましては、漁業は、島民の生活や地域経済を支える極めて重要な産業であります。
 我が都議会自民党は、伊豆諸島、小笠原諸島の重要性をかねてから訴え、そして島の産業育成に尽力をしてまいりました。
 地理的にハンデのある島の漁業を成長させていくためには、都の支援が必要不可欠であります。したがいまして、これまで島しょ地域の施設整備に対する補助制度や、水産物の加工、流通対策に向けた支援など、さまざまな事業の充実強化を訴え、実現につなげてまいりました。
 中でも、燃油は漁船を使用して行う漁業活動には欠かせないものであります。その価格の変動は漁業経営に大きく影響することから、漁業者からの切実な思いを受けて、燃油価格対策について緊急要望を行い、都はこれを受け、運賃補助、そして急激な価格高騰時の価格差補填を開始いたしました。
 燃油価格は、国際情勢の変化や為替の変動などさまざまな要因で変化するものであります。そして、先般のアメリカによるイラン産原油の禁輸制裁に伴いまして、価格高騰への懸念は高まっているところであります。
 島の漁業の持続的な発展に向けては、こうした経営面を下支えする事業を継続していくことが極めて重要であると考えますが、見解を伺います。

○上林山農林水産部長 漁業で必要とする経費の中で、漁船用燃油の占める割合は他産業と比較して高く、燃油価格の上昇は、漁業経営に大きな影響を与えるものでございます。
 そのため、都は、燃油価格高騰による島の漁業への影響を抑えるため、平成二十年度から、東京都漁業協同組合連合会に対し、島しょ地域に漁船用燃油を輸送する際の経費を補助するとともに、平成二十五年度からは、急激な燃油価格高騰時に漁業者と国で積み立てた基金により価格差を補填する際、漁業者負担分の二分の一を補助しております。
 平成三十年度は、伊豆諸島、小笠原諸島の漁業者が使用する燃油を島へ運搬する際に要する経費として四千四百万円、価格差補填については一千万円を予算措置いたしております。
 今後とも、社会情勢の変化等による漁業活動への影響を緩和することで、漁業者の経営をしっかりと支えてまいります。

○柴崎委員 都が実施をしている燃油対策は、多くの漁業者が利用しておりまして、島しょ地域の漁業経営を成り立たせる上で欠かせない支援策となっております。
 資源の減少に伴う漁獲量の減少や、魚価の低迷など、島しょ漁業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、都として、この燃油対策を引き続き継続していくことを強く要望いたします。
 島しょ地域におきましては、漁業を行う際に必要となる氷や燃油の供給、漁場での操業調整、漁獲物の出荷、後継者育成など、漁業活動の全般について漁業協同組合の果たす役割は非常に大きいものとなっております。このため、個々の漁業者の経営安定には、漁協の体制や運営が大きく影響するわけであります。
 こうした中、島しょの漁協の多くは、これまで漁獲の減少に応じて年々職員を減らしてきたために、事務体制に余裕がなくなってしまっているわけであります。したがって、新たな事業や取り組みを始めることが非常に困難な状況にあるというのが実情であります。
 国は、漁業所得の向上を目指す浜の活力再生プラン、そして地域全体の競争力強化を目指す広域浜プランの策定を水産業振興施策の中心に据え、プラン策定地域には漁船導入費の補助など手厚い支援を実施しているところであります。しかしながら、現状では、漁協の置かれた厳しい環境から、実際にプランを策定しているのは一部の漁協にとどまってしまっております。
 こうした状況を踏まえ、都は、漁協の上部団体である東京都漁業協同組合連合会と連携し、各漁協の経営安定化を支援していますが、その取り組み状況について伺います。

○上林山農林水産部長 漁業活動の基礎的団体である漁業協同組合の安定した経営は、島しょ漁業の振興を図る上で極めて重要でございます。
 このため、都は、各漁協に対して、法に基づく検査、指導を実施するとともに、上部団体である東京都漁業協同組合連合会に対して、職員の派遣、事務経費の補助を行い、各漁協の経営改善指導等を支援しております。
 加えて、浜の活力再生プラン、広域浜プランは、水産業の持続的な発展と地域の活性化において重要であることから、都は、漁連と連携して、漁協等へプランの作成を指導、支援し、これまで父島、母島、三宅島が国の承認を受け、今年度は、御蔵島で取り組んでおります。
 今後も、漁連と都が緊密に連携しながら各漁協の取り組みを支援し、漁業者の経営力向上を図ることで島しょ漁業を振興してまいります。

○柴崎委員 漁協は、漁業生産活動に不可欠な組織であり、各地域における水産業振興のまさに中核を担っているわけであります。島しょ地域の漁業者が、今後も安心して漁業経営を継続していけるよう、引き続き都として、漁協の経営安定化を力強く支援していただくように要望いたします。
 これまで、産業労働局の多岐にわたる取り組みについて伺ってまいりました。
 東京の産業の一層の発展に向け、来年のラグビーワールドカップ、そして二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の開催は、またとない絶好の機会であります。都内の事業者が、この機を逸することなく、確実に事業を発展させることができるよう、スピード感を持って支援を進めることが必要であります。
 また、持続的な発展のためには、二〇二〇大会とその先を見据えた取り組みも必要であります。そのためには、中小零細事業者の実態を的確に捉えるとともに、変化の激しい経済情勢から新たに生まれるニーズに柔軟に対応した支援を展開することが求められております。
 東京が引き続き、我が国の発展を力強く牽引し、ひたむきに頑張る中小企業の経営者や都民の方々が将来に向けて明るい希望を見出せるよう、その重責を担う産業労働局には一層の邁進を期待いたしまして、質問を終わります。

○中山委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時十分休憩

   午後六時四十分開議

○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○尾崎委員 最初に、民泊について質問します。
 住宅宿泊事業法が六月十五日から施行されました。
 東京都が所管するのは、特別区、八王子市及び町田市を除く市町村区域ですが、住宅宿泊事業法に基づく事業者の届け出状況について伺います。

○小沼観光部長 住宅宿泊事業法は、宿泊料を受け、住宅を活用した宿泊サービスを提供する事業者に対しまして、一定のルールを定めたものであり、本年の六月十五日より施行されました。
 都におきましては、保健所設置市を除く市町村区域での届け出を法施行後より受け付けておりまして、昨日、十一月二十九日時点で百三十七件の届け出と、うち一件の廃業の届け出を受理してございます。

○尾崎委員 届け出をした事業者に、事業の定期報告、二カ月分の宿泊者の報告を求めていますけれども、報告から何か分析していることなどがあるのかどうか伺います。

○小沼観光部長 住宅宿泊事業法では、事業者に対しまして、二カ月に一回事業の実績報告を行うことが義務づけられてございます。
 都が所管する市町村区域における九月三十日までの定期報告では、全事業者で三千二百七泊が旅行者に提供されており、二千五百五十二人が利用してございます。
 宿泊者の国籍別割合を見ますと、日本人が最も多い三六%となる一方、中国、アメリカなどの外国人旅行者も多く利用してございます。

○尾崎委員 事業の定期報告では、宿泊した人がどの国から来ているのかという報告になっています。
 国の名前は、日本、台湾、中国、シンガポールなど二十一カ国が記載をされた用紙です。該当する国の名前がない場合には、その他の欄に記入するようになっています。せっかく報告していただくのですから、分析などをきちんと行い、今後に生かせるようにすべきではないでしょうか。
 そもそも、マンションの一室に海外旅行者を宿泊させるなどの民泊が、近所から、騒音やごみをきちんと処理しないなどで迷惑だ、火災になったらどうするかなど、大きな社会問題になりました。しかも、家主がいないために、近所の人たちが困っていても、誰に申し入れをしたらいいのかわからない。一室に何人も出入りするなど、問題がたくさんありました。
 本来であれば、ホームステイなどを受け入れている家主同居型は、民泊とは別のものだと思います。
 ところが、今回の住宅宿泊事業法では、家主同居型も含めて法律の中に書かれています。
 今回の法律では、住宅宿泊事業として家主同居型と家主非居住型の区別をしなかったのはなぜなのか伺います。

○小沼観光部長 住宅宿泊事業は、多様な旅行者のニーズに応えることが期待される一方で、施設の衛生面や防火対策、ごみ出しや騒音などによる住民生活への影響なども懸念されることから、適切な運営を確保していくことが必要でございます。
 このため、住宅宿泊事業法におきましては、施設を設けて宿泊料を受け、人を宿泊させる営業を行う場合、家主が住宅に居住する、しないにかかわらず、届け出が必要となってございます。
 これは、行政による指導を行き届かせ、周囲の生活環境や旅行者の安全・安心を守るために、法律上必要なルールを定めていると認識してございます。

○尾崎委員 私は先日、外国人のホームステイの受け入れを十五年以上行っている人から話を伺いました。自分はひとり暮らしで、マンションの一室を利用して、ホームステイを受け入れている、自分の知り合いも、同じようにマンションの一室を利用してホームステイを受け入れていたけれども、今回、マンションの管理組合に確認が必要で、確認できずに届け出ができなかったといっていました。
 ホームステイで日本に来る人は、日本のふだんの暮らしを学びたいと希望しています。だから、家の中での過ごし方は、騒ぐこともなければ、近所に迷惑をかけるようなことはないといいます。
 家主と一緒に、ノリ巻きやおすし、鍋料理をつくって食べながら、楽しかったと喜ばれた、日本に行ったら釣りがしたいという外国人もいて、日本のことをよく調べて、目的を明確にしてから来る人が多いといいます。ホームステイで来日した外国人は、リピートも多いということでした。
 外国人ホームステイを受け入れている人たちからは、家主同居型は、主に文化交流を目的にしているので、住宅宿泊事業法の対象から除くべきだとの意見を聞いていますが、いかがですか。

○小沼観光部長 住宅宿泊事業は、周辺の住民生活への影響なども懸念されることから、事業の実施形態なども踏まえつつ、適切な運営確保に向けた指導等を行っていくことが必要でございます。
 無償で宿泊サービスを提供する場合は、住宅宿泊事業とはみなされず、届け出は不要となりますが、宿泊料を受けて営業される場合、家主の居住の有無にかかわらず、届け出が必要となります。
 これは、全ての民泊事業者に対しまして、行政による指導を行き届かせるために、法律上必要なルールを定めているものと認識してございます。

○尾崎委員 家主同居型と家主非居住型では、その内容や目的はまるで違うものです。一くくりに民泊として扱うのはおかしいのではないでしょうか。
 日本に留学、ホームステイしたいという外国人が自分で探すケースも多く、今までのような機会を制限してしまうのではないでしょうか。
 住宅宿泊事業法の施行後、事業者の方々などから、意見、要望などは寄せられていますか。
 どのような意見、要望があるのか伺います。

○小沼観光部長 事業者に対しましては、円滑な届け出が行えるよう、事業開始前の事前相談を窓口にて行ってございます。
 事前相談におきましては、事業者の方から、家主としての対応方法ですとか、住宅に必要となる安全措置、地域の理解を得ることなど、事業開始に向けた相談やご意見をいただいてございます。
 こうした相談を経まして、各事業者の個別の状況をしっかりと伺いつつ、必要な措置などについて、わかりやすい丁寧なご案内に努めております。

○尾崎委員 私は、ホームステイを受け入れている方々、一般社団法人日本ホストファミリー養成協会の皆さんから、家主同居型と家主非居住型を分けて議論、制度化してほしかったと要望を受けました。
 法が施行されて明らかになったこともあると思います。東京都として、要望などをよくつかんでいただきたいと思います。
 例えば、先ほども紹介しましたが、マンションの一室でホームステイを受け入れたいと思っても、マンションの管理組合の確認をとれなければ諦めなければなりません。
 家主が必ず同居している場合には、家主が適切に対応できるわけですから、マンションの組合の確認を条件にしなくてもいいのではないでしょうか。改善が必要だと思います。
 私がお話を伺った方は、ホームステイを受け入れることで、定年後のひとり暮らしでも、やりがいを持って生き生きと生活できる、ひとり暮らしで将来が不安だけれども、海外の人との交流、日本の文化を伝える、自分にとっても多くのことを再発見し、学ぶ機会となっている、財政的にも安定した暮らしができると考えていると話していました。ぜひ、要望を整理し、国に改善を要望するよう求めるものです。
 次に、企業主導型保育施設への支援について、幾つか伺います。
 企業主導型保育施設の設置に要する経費のうち、開設に伴う備品購入に要する経費を補助するという事業ですが、これまでの実績について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、企業主導型保育施設の設置に取り組む企業の負担を軽減するため、国の助成対象となっていない備品等の購入経費に対して助成する独自の支援を平成二十九年度より実施しております。
 助成対象となる企業は、国が実施する企業主導型保育事業の助成決定を受けていることを要件としております。
 都の企業主導型保育施設設置促進助成金の交付決定件数は、事業開始である平成二十九年度は百五十六件、平成三十年度は十月末現在で十四件でございます。

○尾崎委員 産業労働局として補助を行った企業主導型保育施設を訪問し、どのように備品購入が行われたかなどの点検は行っているのかどうか伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 事業実施に当たっては、公益財団法人東京しごと財団に受付窓口を設け、助成事業を実施しております。
 備品購入経費の助成に当たっては、事前に購入予定備品の事業計画書の提出を受け、備品購入後に、領収書の写しや備品の写真などが添付された実績報告書の提出を受け、審査を行っております。

○尾崎委員 この間、企業主導型保育施設で、保育士が一斉に退職して、保育が継続できなくなったところや、保育士がいなくて休止したなど、問題が起こっています。国の助成を不正受給、施設整備はしたが運営されなかった施設もありました。
 運営については、福祉保健局の所管ですが、国の助成金決定を受けたことを要件に、都が備品などの補助を行う事業は、都独自のチェックを加えるなど改善し、改めて、この支援事業が必要なのかを再検討するよう求めるものです。
 次に、障害者雇用の問題について伺います。
 日本共産党都議団は、チョークの製造をしている日本理化学工業を見学しました。
 従業員の七割が知的障害のある人たちで、その半数近くが重度の知的障害のある方だということでした。
 工場を見学し、社長さんから話を聞き、一番印象的だったのは、人は仕事をして、褒められ、人の役に立ち、必要とされるから幸せを感じることができる。仲間に必要とされれば、周囲と愛し愛される関係も築くことができる。経営者として、人に幸せを提供できるのは、福祉施設ではなく企業なのだという信念を持つようになり、知的障害者の雇用を本格化してきた。働く幸せとは何かを、知的障害者の方たちから教えてもらったということを伺いました。
 日本理化学工業で、新商品の開発も、知的障害のある方たちが中心になっていました。
 知的障害のある方たちは、同じ作業を粘り強く継続してできることを、多くの人に知ってもらいたいという言葉が今でも頭から離れません。
 私自身、日本理化学工場の取り組みを知って、話を伺い、認識が大きく変わりました。
 そこで、今年度、新規事業として、障害者雇用促進支援事業がスタートしましたが、実績について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 障害者雇用促進支援事業は、中小企業の障害者雇用の拡大、充実を目的として、障害者の作業方法の改善など、職場環境整備の支援とあわせて、生産性向上や売り上げ拡大といった経営面の支援などを行うモデル事業であり、今年度は二社を支援しております。

○尾崎委員 職場の環境整備は、障害のある方たちの立場に立って考える必要があると思います。
 先ほども紹介した日本理化学工場では、重度の知的障害者の方たちの中には、数や時間を覚えられない、正確に認識できない人もおいでです。数や時間を色や砂時計などで工夫して認識できるようにしていました。きめ細かい対応があることで、障害があっても仕事がしやすくなっていました。
 当事者の方たちが動きやすい、仕事をやりやすくするという観点がとても大事なことだと思いますので、ぜひ、当事者の要望をきちんと踏まえた整備、環境改善を行うよう求めるものです。
 また、障害者の方たちの処遇改善、正規雇用での雇用を促進することが大事だと思います。
 そこで、障害者安定雇用奨励事業の取り組み状況について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 本事業は、障害者雇用における処遇改善を目的として、障害者を正規雇用で雇い入れた企業、または過去三年以内に有期雇用契約で雇い入れた障害者を正規雇用に転換した企業に奨励金を支給するものであり、平成三十年十月末時点の支給件数は六十三件でございます。

○尾崎委員 経営者側の意識改革がなければ、障害者雇用は推進できないと思います。
 そこで、企業に対する障害者雇用普及啓発事業として、福祉保健局、教育庁、産業労働局が連携した企業向け普及啓発セミナーの開催状況と取り上げたテーマ、参加企業数と参加者数などについて伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 本セミナーは、障害者雇用拡大のため、福祉保健局、教育庁、産業労働局が連携して、年三回程度開催しております。
 平成三十年度は、第一回については、地域と連携した都立特別支援学校生徒の雇用の拡大をテーマに、七月から九月にかけて都立の特別支援学校で開催し、参加企業数は七十三社、参加者数は九十一名でした。
 第二回は、障害者雇用、関係機関が支えますをテーマに、十一月二十一日に開催し、参加企業数は八社、参加者数は五十名でした。
 第三回については、発達障害者の雇用と職場定着をテーマに、来年三月に開催する予定でございます。

○尾崎委員 障害者雇用の拡大に対する都の支援事業への関心の高さがあらわれていると思います。
 今後も関係する福祉保健局、教育庁、産業労働局との連携が重要だと思います。
 次に、チャレンジ雇用の取り組み状況について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 チャレンジ雇用は、国や自治体において、障害者を一年以内の期間を単位として短期雇用し、その経験を踏まえて一般企業への就職の促進を図るものであり、東京都では、福祉保健局、教育庁と産業労働局において実施しております。
 産業労働局においては、今年度二名を採用しております。

○尾崎委員 チャレンジ雇用事業は、とても重要なものだと思います。
 障害者雇用を推進している東京都、産業労働局が一つの手本となるわけですから、知的障害のある方や重度の障害のある方でも採用すること、採用人数もふやすことを求めるものです。
 障害のある子供を持つ保護者の方からは、特別支援学校を卒業した後のことが心配、親が死んだらどうなるのかと不安の声も寄せられます。
 誰かの役に立ちたいという思いは、働くことで実現できます。それが人間として生きていると実感できることにつながるんです。
 障害のある人を雇用するというのは、そう簡単なことではないと思います。だからこそ、東京都が粘り強く継続して働きかける、支援することが重要だと思います。
 次に、若者の就労支援について伺います。
 私は、中小企業で若者が安心して働ける環境をつくることを、この間求めてきました。
 若者を応援する企業だとアピールする若者応援宣言企業の役割については、重要だと位置づけ、これまでも委員会で取り上げてきました。
 国は、平成二十九年度若者応援宣言企業への支援事業を終了しました。東京都は、今年度にずれ込んだ部分について、奨励金を支給するとなっていました。
 そこで、若者応援企業に対する採用奨励金の実績について伺います。

○篠原雇用就業部長 若者応援企業採用等奨励事業でございますが、非正規などで雇用されている若者の正規雇用を後押しすることを目的として、国が認定しました若者応援宣言企業及びユースエール認定企業を対象に、非正規の経験が長い若者等を正社員として採用した場合に、奨励金を支給している事業でございます。
 今年度の支援件数でございますが、現時点で若者応援宣言企業に対して九件、ユースエール認定企業に対して一件でございます。

○尾崎委員 若者応援宣言企業に対する支援は、国の支援が終了しても、東京都独自で今までのような支援を継続すべきです。ぜひ検討するよう求めておきます。
 ユースエール認定企業は、都内に何社あるのか伺います。

○篠原雇用就業部長 ユースエール認定企業につきましては、十月末時点で都内で認定されている企業は三十五社でございます。

○尾崎委員 ユースエール認定制度は、若者の採用、育成に積極的で、労働時間、離職率、有給休暇の三つの認定基準が定められているものです。
 二〇一七年四月一日から基準の変更も行われました。
 新しい認定基準は、一つは労働時間です。
 直近の事業年度の正社員の所定外労働時間の月平均が二十時間以下であること。かつ、月平均の法定時間外労働が六十時間以上の正社員ゼロであること。
 二つ目に、新規学卒等採用者の離職率です。
 直近、三事業年度の正社員の新規学卒等採用者の離職率が二〇%以下であること。ただし、採用者が三人または四人の場合は、離職者数が一人以下であること。
 三つ目に、有給休暇です。
 直近事業年度の正社員の有給休暇の年平均取得率が七〇%以上、または年平均取得日数が十日以上であることとなっています。
 優良企業であると認定し、奨励金を支給するわけですから、厳しい基準が求められるのは当然だと思います。
 若者の採用、育成を積極的に行う。しかも厳しい基準をクリアしている優良企業がふえることは大変重要です。
 安心して働ける企業をふやす上でも、引き続き、都として、都内の企業にユースエール認定企業になるよう勧めていただきたいと要望します。
 長時間労働や過労死をなくす上でも重要なことだと強調しておきます。
 次に、若者が都内の中小企業を知り、就職の選択肢として考える上で、都内中小企業におけるインターンシップは重要だと思います。
 都内中小企業におけるインターンシップに協力していただいている中小企業数は、何社になるか伺います。

○篠原雇用就業部長 東京都では、大学生等が中小企業への興味を高め、中小企業への就職活動をしていただくということを促進するために、五日間または三日間で、テーマを設定して、複数社の中小企業を組み合わせたインターンシップのプログラムを提供しております。
 本年十月末時点で、受入協力企業として登録いただいているのは、百四十六社でございまして、飲食、福祉、製造、運輸、通信など、さまざまな分野の企業に参加していただいております。

○尾崎委員 飲食、福祉、製造、運輸、通信など、都内のあらゆる業種でインターンシップができることを有意義だと思います。
 協力していただく中小企業の負担はあると思いますが、中小企業の仕事の内容や役割などを学び、中小企業への就職につながるよう、引き続き支援の強化を求めるものです。
 例えば、受け入れに協力してくださる中小企業は、インターンシップを受け入れると、仕事を教えたり、従業員同士のかかわり方に配慮するなど、それなりに負担があります。
 受け入れる中小企業に対して、何らかの支援を行うことを求めるものです。
 次に、非正規雇用率が高い三十歳から四十歳代への支援の強化が必要だと、この間、委員会などでも質問を繰り返して取り上げてきました。
 中高年の就業対策について伺います。
 非正規雇用から正規雇用への転換などでも、この年代の方たちは困難であるということも聞いてきました。
 そこで、今年度の新規事業について伺います。
 ミドルチャレンジ事業の取り組み状況、実績について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 本事業は、非正規での雇用期間が長い三十歳から四十四歳までの方を対象に、セミナー、企業内実習などにより、正社員就職を支援するプログラムでございます。
 今年度の実績は、十月末時点で参加者は四十四人、うち就職者は三十六人でございます。

○尾崎委員 いわゆる就職氷河期世代の人たちは、就職活動でも何度も面接で落とされ、自分を否定されていると感じた、頑張っても無理だと思うようになってしまい、意欲そのものがなくなってしまっているという人もいます。その人の責任ではなく、新卒で就職活動をしていた時期が就職しにくい環境だったことが、正社員として就職できなかった大きな原因です。改めて、セミナーなどで学ぶことが力になると痛感しています。
 しかも、この事業の企業内実習、二十日間程度ですけれども、企業が協力してくれたところには、受け入れ一人につき日額六千円を支給し、参加者には、日額五千円を支給するなど、手厚い支援となり、安心して受けることができる状況がつくられてきています。
 東京しごと塾事業の取り組み状況は、そして実績についてはどうなっているのか伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 本事業は、短期間の非正規就業を繰り返すなどの理由により、正社員就業が困難になっている三十歳から四十四歳までの方を対象に、グループワークを通じて、基本的なビジネススキルの習得を支援するプログラムで、就職後の職場定着までフォローしております。
 今年度の実績は、十月末時点で参加者は八十九人、うち就職者は四十三人でございます。

○尾崎委員 アルバイトや非正規として働いたことも自分のスキルを磨くものになっていることを、例えば履歴書や面接でアピールするだけでも採用試験に影響が出てくるということを聞いたことがあります。
 しかし、本人が努力しても、正社員になれない厳しい状況がまだまだあります。
 今、テレビやマスコミなどで、アラフォークライシスが話題になっています。いわゆる一九九八年を節目として非正規雇用がふえ、給与面でもほかの年代よりも賃金が大幅に減少していることが明らかになっています。
 これらの状況から、都として中高年の就業対策への強化が求められますが、どのように考えているのか伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 今年度、しごとセンターで実施している中高年を対象とした正社員化のプログラムをより充実させ、就職に向けて効果的な支援となるよう再構築しております。
 先ほど答弁しましたミドルチャレンジ事業、東京しごと塾事業などにより、勤務経験やスキル等に応じたきめ細かな支援を実施しているところでございます。

○尾崎委員 アラフォークライシスの報道などでは、四十代前半では、五年前に比べて、給与が月二万円以上下がっているということも明らかにされました。
 アラフォークライシスの背景には、一九九八年を節目とした日本経済の変貌があることが見えてきます。ちょうど、一九九八年に大学を卒業した年代に当たります。
 一九九八年は、消費税率が五%に引き上げられた翌年です。
 そして、可処分所得の低下が始まり、一九九八年を境に、家計の所得と支出は変化し、貯蓄がどんどん減少していきました。
 一九九八年には、自殺者数が三万人を超え、二〇一一年まで三万人を超えて継続していました。
 自殺の理由として、失業率の悪化など、急激な雇用環境の悪化が挙げられました。
 男女ともに、一九九八年ごろから正規雇用が減少し始め、一方で、非正規雇用が増加してきました。
 これらのことを考えると、就職氷河期世代への強力な支援こそ求められているといわなければなりません。
 企業にとっても、次の世代を担う部分がいないという深刻な問題です。
 東京の経済を考える側面からも、この年代への長期的な支援を強く要望するものです。
 次に、労働相談について幾つか質問します。
 産業労働局が毎年まとめている労働相談及びあっせんの概要は、とても重要だと思い、毎年、経済・港湾委員会でも取り上げてきました。
 二〇一七年度の取り組みをまとめた冊子を見ると、労働相談件数は五万一千二百九十四件、前年度よりも千七百二十五件減少しているということが書かれていますけれども、二〇〇六年度以降、五万件を超える状況であり、引き続き深刻な状況が見えてきます。
 まちの中でも外国人を多く見かけるようになってきました。日本で働く外国人労働者がふえているのだと感じています。
 冊子によると、二〇一三年以降、おおむね二千件台を推移していることがわかります。
 外国人労働者の労働問題の解決のために、行っていることは何か伺います。

○篠原雇用就業部長 東京都では、外国人労働者の労働問題の解決やトラブルの未然防止に向けまして、労働相談情報センターに、英語と中国語の通訳を配置いたしますほか、韓国語、タイ語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語の五言語につきましても、必要に応じて通訳を派遣してもらって、相談やあっせんなどを行っております。
 また、労働法や制度を説明いたします日本で働く外国人労働者ハンドブックを英語と中国語で発行して配布しておりますほか、昨年度末には、近年の労働者の増加状況を踏まえて、ネパール語とベトナム語の労働法の啓発リーフレットも作成したところでございます。

○尾崎委員 二〇一三年以降、おおむね、外国人労働者の相談が二千件台を推移しているわけですけれども、ただいまご答弁あったように、労働相談情報センターに英語と中国語の通訳を配置し、韓国語、タイ語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語については、通訳の人を派遣してもらっているということですが、大変重要だと思います。言葉が通じるかどうか、自分の思いを受けとめてもらえるのかどうか、一番大事になると思うからです。
 外国人労働相談のあっせん事例には、労使間の意思疎通不足によるトラブルが紹介されていました。
 日本の労働法や制度を外国人の方も理解できるように努力することが重要です。
 ただいまのご答弁ですと、英語と中国語による日本で働く外国人労働者ハンドブックを発行しているということでした。
 それでは、このハンドブックは何冊作成し、普及はどのように行っているのか伺います。

○篠原雇用就業部長 日本で働く外国人労働者ハンドブックでございますが、英語版については昨年三月、中国語版につきましてはことし三月に、それぞれ二千部を発行いたしまして、労働相談情報センターを初め、ハローワークや区役所など外国人が多く利用する機関などに送付しているところでございます。
 また、都の専用ホームページ、TOKYOはたらくネットにも掲載しておりまして、誰でも閲覧、活用できるようになっております。

○尾崎委員 日本で働いている外国人は国籍も多様です。
 先ほど労働情報センターには、英語と中国語の通訳を配置するほかに、韓国語、タイ語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語の五言語についても、必要に応じて通訳を派遣してもらい、相談、あっせんを行っているということでした。
 英語と中国語だけでは不十分だと思います。
 今後も外国人労働者の相談はふえると思いますので、英語、中国語以外でもハンドブックが求められると思います。検討を求めるものです。
 外国人労働者が気軽に相談できる場所、外国人の人権を守るためにも、労働相談情報センターの役割はますます重要になると思います。
 次に、二〇一七年度の労働相談は全体で相変わらず五万件を超えていますが、二〇一六年度よりも少し減少しています。
 ところが、セクシュアルハラスメントに関する労働相談は千五百六十九件で、前年度よりも十四件、〇・九%増加しています。
 また、相談内容は、さらに再分類すると、対価型の訴えは三百八十九件から四百八十八件にふえています。
 また、環境型も二百六十五件から三百五十七件と増加しています。
 セクシュアルハラスメントなくすため、都はどのような取り組みを行っているのか伺います。

○篠原雇用就業部長 東京都では、事業主等を対象としまして、セクシュアルハラスメントを含む職場の嫌がらせを未然に防止するためのセミナーを開催いたしますほか、ハラスメント防止ハンドブックを一万部作成して配布するなど、広く啓発を行っております。
 また、セクシュアルハラスメントに遭われた方に対しましては、都内六カ所にございます労働相談情報センターにおきまして適切な助言を行うほか、必要に応じまして、職場における安全配慮義務を有する事業主側との調整を行っております。

○尾崎委員 二〇一七年度の労働相談及びあっせんの概要の冊子の中にも、セクシュアルハラスメントは人間の尊厳を脅かす重大な問題であり、被害者は大きな心の傷を負って精神疾患に陥るケースも多い、労働情報センターでは、必要に応じてこころの健康相談も活用するなど、単なる法律相談にとどまらない幅広い対応を行っていると記載されており、重要な取り組みだと思います。
 改めて、気軽に相談できる、無料で相談できるということを多くの都民に知らせることを要望します。
 また、相談員を増員し、こころの健康相談も含めて相談の拡充を求めるものです。
 私はマタニティーハラスメントに関する労働相談の件数が減少していないことに驚き、今の時代にどうしてこんなことが起こるのかと怒りも込み上げてきました。
 昨年の事務事業でも、二〇一六年度から取りまとめるようになったマタニティーハラスメントに関する相談件数について質疑しましたが、二〇一七年度の相談件数はふえており、女性の活躍などと国や都も強調していますが、深刻な問題があることがはっきりしました。
 そこで、マタニティーハラスメントに関する労働相談は、二〇一七年度で四百七件ですが、二〇一六年度よりも二十五件、六・五%増加しています。
 二〇一六年三月の男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法の改正により、妊娠、出産、育児休業、介護休業などに関するハラスメントを防止する措置が事業主に義務づけられました。
 都は、マタニティーハラスメントに関する労働相談が増加していることについて、どのような認識があるのか伺います。

○篠原雇用就業部長 先ほども申し上げたとおり、労働相談情報センターにおきましては、マタニティーハラスメントを含むさまざまなハラスメントの案件についての相談に応じておりまして、今後とも的確な対応を図っていきたいと考えております。

○尾崎委員 それでは、マタニティーハラスメントをなくしていくため、都はどのような取り組みを行っているのか伺います。

○篠原雇用就業部長 東京都では、先ほども申し上げましたが、事業主等を対象にマタニティーハラスメントを含む職場の嫌がらせを未然に防止するためのセミナーを開催いたしますほか、ハラスメント防止ハンドブックを一万部作成し配布するなど、広く啓発を行っているところでございます。
 また、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメント防止措置の義務に関する事業主向けリーフレットを作成いたしまして、経済団体を通じて企業に配布しますとともに、妊婦の方に向けても、出産、育児の際の事業主の責務等をまとめたリーフレットを作成しておりまして、区市町村の母子保健窓口において配布しているところでございます。

○尾崎委員 相談できる窓口の充実も必要ですが、二〇一六年三月に行われた男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法の改正を都民にきちんと知らせ、とりわけ経営者や労働者の意識を変えることが同時に行わなければならないと思います。
 セミナーの開催やハラスメント防止ハンドブックの配布は大事だと思います。
 このような問題が起こる原因について明らかにし、防止するための対策を強化することが求められます。
 大もとには一人一人の人権を尊重できる職場づくり、働きやすい環境づくりに支援することではないでしょうか。
 都では、新規事業として働くパパママ育休取得応援事業をスタートしましたが、実績について伺います。

○篠原雇用就業部長 働くパパママ育休取得応援事業でございますが、この事業は、従業員に一年以上の育休を取得させた企業を対象とするママコースと、男性従業員に連続十五日以上の育休を取得させた企業を対象とするパパコースとがございます。
 十一月三十日現在の支給決定件数ですが、ママコースが六件、パパコースが六件でございます。

○尾崎委員 新規事業なので、現時点での支給決定件数は、ママコース、パパコースそれぞれ六件ということですが、今後、推進を図る上で何が障害になっているのかなど、実態や要望をつかむことを求めるものです。
 次に、農業の振興について幾つか質問します。
 学校給食における地産地消導入支援について、この間の実績について伺います。
 協力していただいている農業者の地域はどこになるのかも教えていただきたいと思います。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 都は、平成二十九年度から農地のない区などの学校給食に、都内で生産された農産物を供給するモデル事業を、都内十二の農業協同組合等と連携して実施しております。
 本年度は、新宿区や江東区、中野区、台東区の四区の小中学校を対象にしており、九月末までにキャベツやタマネギなど二十一種類の農産物を約七トン、八十二校に供給いたしました。
 また、学校給食での地産地消や都市農業への理解を深めてもらうため、区の栄養士や学校関係者を対象として、農産物を生産している農家との意見交換会や畑の見学会を二回実施しております。

○尾崎委員 都内産の農産物を農地のない区などの学校給食で活用するだけでなく、学校関係者を対象に農家との意見交換や畑の見学会を行っていることは大変重要だと思います。
 できれば、子供たちにも農家の方がどのように努力しているのか、農業への思いなどを知ってもらう機会をつくってほしいと要望します。
 ニンジンやピーマンなどが食べられなかった子供たちが、実際に畑での作業と収穫を体験することで食べられるようになったということも話を聞いたことがあります。
 食育の視点からも重要だと思いますので、ぜひ検討をお願いします。
 次に、私は昨年の事務事業質疑で、食の文化である江戸東京野菜は江戸の歴史を再現するものであると思いますと、子供たちに江戸東京野菜を食べてほしいと思いますが、江戸東京野菜は栽培が大変だということも聞きました、ぜひ生産農家もふやし、年に一度でも学校給食に出せるようにと要望しました。
 そこで伺いますが、江戸東京野菜を学校給食で提供したことはありますか。

○龍野安全安心・地産地消推進担当部長 学校給食における地産地消導入支援事業において、北多摩地域特産のウドと西多摩地域特産のノラボウ菜の二種類を供給するとともに、各学校に対して、それらの食材の歴史や特徴を紹介するなど、地産地消の推進に向けた取り組みを実施しております。
 このほか、学校独自の取り組みとして、練馬区では練馬大根、品川区では品川カブ、世田谷区では下山千歳白菜を給食に取り入れるなど、各地域においても活用が徐々に進んでおります。

○尾崎委員 江戸東京野菜を給食に活用するだけでなく、それらの食材の歴史や特徴を紹介するなど、地産地消の推進に向けた取り組みを実施しているというご答弁でした。
 ぜひ給食に都内産の農産物、江戸東京野菜を使い、東京でもすばらしい野菜が生産されることや農家の方たちの努力を子供たちに知らせていただきたいと思います。
 次に、今年度の新規事業の目玉でもあるシニア向けセミナー農園整備事業の進捗状況について伺います。

○上林山農林水産部長 シニア向けセミナー農園整備事業は、農業者が相続等で買い取り申し出を行った生産緑地を都が買い取り、高齢者の方々が技術指導を受けながら農作業に取り組めるセミナー農園を開設、運営するものでございます。
 現在、規模や立地など本事業の要件に合致した用地の買い取りに向け、区市からの生産緑地の買い取り申し出に係る情報を収集しているところでございます。

○尾崎委員 この事業は、農家の方たちからも、注目もあり期待もされている事業です。
 本事業の要件に合致した用地の買い取りに向けて情報収集しているということですが、ぜひ実現できるようお願いしたいと思います。
 今年度内に実現しないような場合があったとしても、来年度にも引き続き実現を目指していただきたいと強く要望するものです。
 国は生産緑地について、賃貸借を行った場合でも相続税納税猶予の継続が実現しました。
 都市農地の相続税の軽減を国に求めるべきですが、いかがですか。

○上林山農林水産部長 相続時の税負担等による都市農地の減少は、都市農業の課題の一つでございます。
 このため、都は、農業者の意向を踏まえ、農業用施設用地等を相続税納税猶予制度の対象とすることで、相続税の軽減措置を講ずるよう国へ要望してまいりました。
 今後も引き続き、国へ要望してまいります。

○尾崎委員 農業者の皆さん方からも、国が生産緑地について賃貸借を行った場合でも相続税猶予の継続が実現してよかった、こういう声が寄せられています。
 そして、屋敷内の中にある農機具などの倉庫や屋敷林についても、相続税の納税猶予制度の対象にしてほしいという強い要望があります。
 引き続き、国に要望をお願いしたいと思います。
 そして、東京都独自にできる固定資産税の減免などについても、ぜひ検討していただきたいと思います。
 最後に、中小企業・小規模企業振興条例制定に向けて幾つか質問します。
 この間、有識者会議は行われてきましたが、都内の中小企業団体との懇談や実態の調査など、条例に反映すべきものだと思いますが、中小企業・小規模企業振興条例制定に向けて、都は中小企業団体からの聞き取りや混乱などは、どのように行っているのか伺います。

○坂本商工部長 中小企業・小規模企業振興条例案については、中小企業の業界や働き手の実情に詳しい団体のほか、経営者や研究者を交えた有識者会議における議論などを踏まえて検討いたしました。
 また、ことしの九月から十月にかけて、パブリックコメントを実施することにより、さまざまな意見が寄せられたところでございます。

○尾崎委員 有識者会議だけでは、私は不十分だというふうに思っています。
 ただいまのご答弁の中で、九月から十月にかけてパブリックコメントを行いましたということでした。
 このパブリックコメントについて、都はどのように受けとめているのか伺います。

○坂本商工部長 中小企業・小規模企業振興条例案についてのパブリックコメントでは、重視すべき視点や取り組みに関する内容や条例文の追加を求めるものなど、四十二の意見が寄せられたところでございます。
 これらのうち、重要な意見として条例案に反映するべきものなどについて、適切に対応を図ることとしております。

○尾崎委員 ぜひ、中小企業・小規模企業振興条例に向けて、パブリックコメントで寄せられた小さな意見でも、いい振興条例にするために反映をさせていただきたいと思います。
 私は先日、日本共産党都議団として、千葉県に中小企業振興条例のことで聞き取り調査に行ってきました。
 千葉県は、二〇〇七年に中小企業振興条例を制定しました。
 条例制定に当たっても、中小企業団体と繰り返し繰り返し懇談を行ってきたそうです。そして、研究会をつくり、その中で議論をしながら振興条例をつくってきたということでした。
 千葉県では、振興条例に基づく三年から四年で見直しをしていく基本方針、ちば中小企業元気戦略をつくっていました。
 そして、昨年は第四次の元気戦略を策定することに当たり、各地域を訪問し、二十二回の勉強会を開催し、中小企業の皆さんの意見も聞いたということでした。
 そのほかにも、市や商工会とのラウンドテーブルを開催したり、十二人のメンバーでつくる研究会でまとめ上げる作業をするということでした。
 都内の中小企業の実態と要望をよくつかみながら、中小企業・小規模企業振興条例をつくるべきだと強く要望するものです。
 中小企業・小規模企業振興条例が、当事者の方々の思いが反映されるために、今からでも必要な調査や懇談を行うことを強く求めるものです。
 資料要求で出していただいた資料の中で、三ページにあります都内製造業の事業所数、従業者数、製造品出荷額及び付加価値額の推移、こういう資料もあります。
 これらの資料からさまざまなことが見えてきます。
 経営者の自己努力だけでは経営の継続が困難になっているのが小規模企業です。とりわけ都内製造業者の事業者数は、資料にもあるように、二〇〇三年には四万九千五百八十事業者でしたが、二〇一五年には二万七千百四十二事業者と半減し、この十二年間で二万二千四百三十八事業者がなくなり、減少に歯どめがかかっていません。
 都は、この実態をどのように認識し、どのように取り組んでいるのか伺います。

○坂本商工部長 産業別の事業所数の増減率は、製造業を初めとする多くの産業でマイナスとなっております。
 また従業員数の増減率は産業ごとにさまざまでございますが、特に製造業は他の産業と比較して大きく落ち込んでおります。
 そのため、都は、ものづくり企業が生産活動を継続できるよう、経営相談や技術支援などを行っております。

○尾崎委員 産業別、地域別によっても抱えている問題は違ってくると思います。
 しかし、小規模企業や商店、製造業などでは経営者の高齢化や仕事が減少していることなどが大きな問題だと思います。人手不足も深刻です。
 都として、どうして製造業者の事業者数がこれほどまでに減少しているのか、実態を調査し、どうしたら減少に歯どめをかけることができるのか、専門家も交えて分析すべきだと要望しておきます。
 私は先日、大田区の製造業の方に話を聞きました。単価が上がらない、消費税が八%に増税された二年前、親受けを通じて名目の単価を六割に引き下げられた、そのために売り上げは四割も落ち込んでいるといいます。
 下請単価の引き上げを実現すること、大手企業との不公平な取引をなくし、ものづくりを支える人材育成がなければ、安心して商売を継続することはできません。
 人づくりの問題や継続して商売ができる環境をつくる上でも、東京都が中小企業・小規模企業振興条例の中で、中小企業、小規模企業の役割を明確にすることは重要です。
 中小企業、小規模企業の振興のための条例制定とあわせて、条例に基づくさまざまな支援事業を全庁規模で行い、その保証となる予算の確保も必要だと要望して、質問を終わります。

○森澤委員 十月に発表された東京と日本の成長を考える検討会の報告書では、東京の国際競争力の向上なくしては世界の激しい都市間競争に打ち勝つことは不可能であり、首都である東京の相対的な後退は日本経済全体の停滞にもつながり、いずれ東京、そして日本が世界に埋没してしまうおそれがあると言及されています。
 都市間競争が激しくなる中、東京二〇二〇大会も見据え、東京の成長戦略を考えることは非常に重要です。
 東京の成長に資するという観点から、私からは創業支援、女性の活躍、ナイトライフ観光の三つの視点でお伺いをいたします。
 まずは、創業支援です。
 起業、創業に新たな雇用が生み出されたり、また新しいサービスや商品などにより、新しいライフスタイルの創出を含め、より生活の質も向上するなど、都市に活気がもたらされるという効果もあります。
 創業支援は東京が激化する都市間競争に勝ち抜いていくために必要な成長戦略の一つであると考えます。
 小池知事も国際都市としての東京の競争力強化を進めるため、ベンチャー企業育成のため、年間一千社を支援したいと表明しています。
 各都市の国際競争力をあらわす一つの指標となる世界の都市総合力ランキングで、東京はロンドン、ニューヨークに次ぎ三位です。
 三位に甘んじている要因の一つにはスタートアップ環境の遅れも指摘されています。
 都は、ベンチャーを含む企業の開業率を二〇二四年度までに一〇%台に引き上げる目標を掲げていますが、二〇一七年度の開業率は都内で六%にとどまっているということです。
 現状、六%程度にとどまっている開業率を、あと六年で一〇%台に引き上げていく上での都の課題認識と取り組み状況についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 東京での起業を活性化するため、創業希望者の裾野を広げるとともに、起業にかかわるさまざまな課題に対して、きめ細かく多面的に支援を行うことが必要でございます。
 そのため、都では、創業希望者の掘り起こしに向け、各種のイベントやセミナーによる普及啓発のほか、意欲ある若者のすぐれたアイデアを表彰し、起業に結びつける後押しなどにより、創業に向けた機運の醸成に取り組んでおります。
 また、起業に関する相談や助言などの支援に加え、低廉な家賃によるスペースの提供のほか、開業に必要となる経費への助成や融資など資金面からのサポートも実施をしているところでございます。
 こうした総合的な支援を展開し、開業率一〇%台の実現を目指してまいります。

○森澤委員 裾野の拡大と多面的な支援、潜在層の掘り起こし、また、事業継続のための場所の提供、資金面でのサポートなど、さまざまな角度から支援を進めていることがわかりました。
 その一環として、都は二〇一七年一月にTOKYO創業ステーションを設置しています。
 私も先日、伺わせていただきましたが、熱意を持ってかなりきめ細かい支援を実施していることが確認できました。東京で起業するのであれば、利用しないともったいないとさえ感じました。
 潜在層に存在を知ってもらうこと、接点を持ってもらうことが不可欠であると考えます。
 昨年の事務事業質疑でも、我が会派の鈴木邦和都議が、広報活動においては毎年の適切な目標設定と効果の検証をしていくとともに、創業に至った事例の追跡調査を行い、支援事業の改善を続けていきたいと要望しておりますが、TOKYO創業ステーションの取り組み状況と実績、さらに、利用者をふやすための取り組みについてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都が設置をいたしましたTOKYO創業ステーションでは、創業を希望する方を幅広くサポートするため、事業のアイデアを具体化する上で役立つ基本的な情報やノウハウを学び計画をつくり、その内容を実現できるよう、きめの細かいサービスを提供しております。
 具体的には、創業に関心のある来訪者のさまざまな相談につきまして、起業の経験のあるコンシェルジュを配置し、今年度九月末までに前年度の同期に比べ、三四%増の延べ一千五百六十七人に対応したところでございます。
 また、起業に成功した事例などを聞くことのできるイベントのほか、専任の専門家が事業計画の作成をサポートするプランコンサルティングなどを実施しております。
 これらによりまして同ステーションでは、十月末までに会員登録は三月末より三八%伸び、約二万人となるほか、八十一人が事業計画を完成する実績を上げております。
 利用者の一層の確保に向け、同ステーションのPRをトレインチャンネルなどの動画で行うほか、フリーペーパーを三十五万部発行して事業を紹介しているところでございます。
 また、ガイドブックを一万五千部作成し、金融機関等を通じ配布するとともに、SNSによりステーションの情報が短期間で幅広く行き渡る工夫も行っているところでございます。

○森澤委員 利用者をふやすため、トレインチャンネル、SNSなどを活用して広報、PRしているとのことでした。
 こういった広報活動も含め、一定数、創業ステーションの会員数等の増加につながっていると認識いたしました。
 引き続き、どのルートで認知されたのかなど、効果検証もしながら有効な広報活動を行い、認知拡大、そして利用者増につなげていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 経済産業省の平成二十七年度女性起業家実態調査では、女性起業家は従来の業界慣習や固定観念を打ち破り、多様化する市場のニーズをすくい上げることで需要を生み出す傾向にあり、より一層の起爆剤となり得る可能性を秘めているとしています。
 女性の場合、趣味や特技、経験を生かした身の丈の起業、小さく始めるプチ起業なども多いと認識をしております。
 この調査では、起業時に欲しかった支援として、同じような立場の人との交流というのが最も多く、起業する女性が少数派であるため、同じ志を持つ仲間、先輩とのつながりを求める声が、男性に比べ顕著に多くなっているとしています。
 女性起業家特有の特徴などを踏まえて支援することが必要ですが、女性に対する起業支援の取り組みについてお伺いいたします。

○坂本商工部長 TOKYO創業ステーションでは、女性に対し独自のビジネスの方法をつくり上げるための女性プチ起業スクエアを終了した後、TOKYO起業塾で経営の知識を学ぶとともに、女性同士が少人数で交流しながら、起業プランを作成する女性起業ゼミに参加もできる工夫を行っております。
 さらに、ビジネスプランを専任の専門家とともにつくり上げるプランコンサルティングでは、今年度九月までの半年間で、前年度の同期比で八十二人増の延べ九百七十一名の女性が利用してございます。
 また、女性会員登録数は、十月末で七千五百五十四名となり、三月末から二千百二十九名増加しているところでございます。
 具体的な事例といたしましては、歯をケアする商品を開発して販売する会社を立ち上げようとする女性の起業家がTOKYO起業塾によりまして経営知識を身につけ、プランコンサルティングにより計画をつくり、事業を開始しているところでございます。

○森澤委員 女性ならではの特徴を踏まえた支援を実施し、事業開始につながっていること、またプランコンサルティングを利用している女性がふえていたり、会員数も順調にふえていることがわかりました。
 今年度は、半年間でプランコンサルティングを延べ九百七十一名の女性が利用されているということでしたが、プランコンサルティングについては途中で方針を変えたり、基礎からやり直したりする方など、さまざまな事情の方がいるということは認識していますが、修了者については、ほぼ一〇〇%で起業しているということですので、引き続き、一人でも多くの女性がプランコンサルティングを修了し、起業に結びつくようにフォローアップに尽力していただき、より女性の起業がふえるよう、そして女性が起業しやすい都市ナンバーワンを目指していただきたいと思います。
 また、女性起業家のネットワークづくりの支援も進めていただくことを要望いたします。
 女性の場合、出産、子育てなどのライフイベントを経て、さまざまな課題に気づき、また子育てとの両立を考えたときに働き方の選択肢として、自分で時間をある程度マネジメントするために起業したいという層もあります。
 一方、そういった方々は会社勤めではないため、保育園には預けづらいのが現状です。
 女性向けのインキュベーションスペース等を積極的に整備していく等、子育て中の女性の起業環境ニーズに対する支援を行うべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○坂本商工部長 都は、子育て中の女性などが起業に取り組むことのできるよう、TOKYO創業ステーションで無料の保育士付き託児サービスを提供してございます。
 また昨年度より会社の経営が安定する前の創業間もない女性起業家が、低廉な家賃で入居でき、託児スペースもあるインキュベーション施設をふやすサポートも実施をしているところでございます。
 これによりまして、四施設に対して整備に係る経費を助成し、運営に係る経費への補助の採択も行ったところでございます。

○森澤委員 引き続き、運営を支援していく中での課題も把握しながら、効果的な支援を進め、そういった施設がさまざまな地域にできるよう、進めていただけますよう要望いたします。
 身の丈の起業の場合、銀行の融資などよりもクラウドファンディングの方が敷居が低い側面があります。
 クラウドファンディングは、思いやストーリーに共感してもらえるよう見せ方を工夫する必要があり、反応、反響などがわかりやすいのが特徴です。
 資金調達というそのものの目的でもなく、それ自体が有効な広報、マーケティングともなり得ます。
 起業した個人の顔が見えるというのも魅力の一つです。
 昨年十月から始まったクラウドファンディングを活用した資金調達支援、ちょうど一年がたったということですが、一年の実績と事例についてお伺いいたします。

○川崎金融支援担当部長 本事業は、創業希望者等がクラウドファンディングを利用し目標額を達成した場合に、利用手数料の半額、上限三十万円までを補助するものであり、あわせてセミナー等を通して、クラウドファンディングの普及も図っております。
 まず、お尋ねの実績についてでございますが、昨年十月の事業開始以降、これまでに五十一件の案件で資金の募集を実施し、現在募集中のものも含め、そのうち既に三十六件が目標額を達成しております。
 目標額を達成したプロジェクトのうち、創業案件は半数を超えておりまして、本事業は創業時における有力な資金調達手段の一つとなっているものと考えております。
 また、具体的な事例につきましては、都立職業能力開発センターで靴づくりを学んだ女性によるブライダルシューズブランドの立ち上げ、あるいは奥多摩のクラフトビール醸造所による観光客向けの持ち帰りビールの販売店舗の新規開設、またスペインのバスク地方に伝わるチーズケーキのおいしさを再現するため仲間と専門店を立ち上げたプロジェクトなどがございまして、創業希望者等おのおのの思いを実現する、多岐にわたる案件で本事業は利用されております。

○森澤委員 事例もユニークなものが複数出ていて、創業者の思いを実現する多岐にわたり案件を支援していることがわかりました。
 一方、まだまだ件数を伸ばせるポテンシャルがあると考えます。クラウドファンディング事業者からの積極的な案内も含め、もっと知ってもらう取り組みが必要であると考えます。
 また、補助金の申請方法がわかりづらいとの声も聞きました。より多くの起業を支援するために、課題はどこにあると認識し、今後どう取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。

○川崎金融支援担当部長 これまで約一年間の事業実施を通しまして、本制度の認知度、そして、利便性の向上に対する取り組みを強化していくことが必要であると考えております。
 まず、認知度の向上につきましては、制度をよりわかりやすく伝えていくために活用事例の発信に積極的に取り組んでまいります。
 具体的には、事例紹介動画のSNS広告への配信を充実させるとともに、新たに事例集を作成し、TOKYO創業ステーションなど創業希望者等が多く集まる場所に配布してまいります。
 また、今年度のセミナーにおきましても、実際に補助制度を利用した方から、本制度を活用するメリットや工夫した点等をお話ししてもらうなど、内容も充実させてまいります。
 次に、利便性の向上についてでございます。
 こちらにつきましては、九月中旬から利用手続に関する助言を行う民間アドバイザーを設置いたしまして、申請事務にふなれな利用者のサポートを行っております。
 こうした取り組みを継続的に実施し、都は今後とも、より多くの人々の創業への挑戦を後押ししてまいります。

○森澤委員 民間アドバイザーを設置して、申請事務にふなれな利用者のサポートも実施しているということでした。
 引き継き、サポートにより利用者がふえる取り組みをお願いいたします。
 さて、今年度、都では、起業家が民間の空き家を活用し、事業を展開する取り組みを支援する起業家による空き家活用モデル事業を開始しました。
 第一回定例会の私の一般質問から、多様な起業ニーズに応える創業支援策として本事業に注目しており、この十一月に事業者を初めて採択したと聞いています。
 この事業の進捗状況と、採択事例についてお伺いをいたします。

○坂本商工部長 都は、起業家が民間の空き家を活用し、事業を展開する取り組みを支援いたしまして、入居場所を探すための相談窓口の設置や家賃負担の軽減などのサポートを実施しているところでございます。
 七月に事業説明会を実施し、九月から事業プランを募集して、三件の申請を受け付けまして、今月に審査を行い、二件を採択したところでございます。
 採択案件は、子連れでも気軽に利用できるようキッズスペースの充実したカフェを運営する事業や地域住民に交流スペースを提供して地元に貢献する活動を後押しする取り組みとなっているところでございます。

○森澤委員 空き家は地域交流の拠点としての大きな可能性を持ち、そしてリノベーションすることでクリエーティブなスペースに生まれ変わり、人が集まるハブとなる場所にもなり得ます。
 ぜひこの初めての採択事例を皮切りに、空き家を活用した創業が次々に生まれるように、都には引き続き、本モデル事業の支援をお願いいたします。
 創業支援に関連して最後の質問です。
 事業の規模にもよりますが、一説には創業三年で七〇%が廃業するという話もあります。
 創業後、事業を軌道に乗せていくためには人材確保、マーケティング、顧客開拓などさまざまな課題を克服する必要があります。
 創業、起業を支援するだけでなく、事業が安定軌道に乗るまでの支援も行っていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○坂本商工部長 都では、創業して間もない企業などに対して低廉な家賃でオフィスを提供しながら、経営面のサポートも行うインキュベーション施設を運営してございます。
 例えば青山創業促進センターでは、会社を設立してから三年未満の起業家に対して、弁護士や公認会計士のほか、投資家などを含む約九十名の専門家がアドバイスや指導を行う五カ月間の短期の育成プログラム、こちらの方を実施してございます。
 最近では、民間のインキュベーション施設の提供も進んでおりまして、都では、こうした取り組みを促進するため民間による施設整備には五千万円、その運営経費には年間二千万円を上限として、それぞれ三分の二の補助率を基本に助成を行ってございます。
 また、中小企業振興公社では起業家を含めた中小企業に対し、相談窓口で法律や金融などさまざまな分野の専門家が助言を行うほか、会社に出向いてアドバイスを実施する専門家派遣制度、こちらによりまして、効果的なサポートを展開しているところでございます。

○森澤委員 起業を支援した会社が軌道に乗るよう、引き続きサポートをしていただき、企業が利益を出し社会に貢献する、東京に貢献する循環をつくっていただきたいと思います。
 総合的な支援を進めていく中で、東京の起業家の実態や起業環境などを調査、分析し、特にこういったところに課題があるといったボトルネックを認識した上で支援を強化すべきと考えます。
 都においても、国や団体等のデータを収集し、分析した上で事業化をしているとは認識しております。
 開業率一〇%台に向けて起業家をふやすためには、昨年の事務事業質疑で鈴木都議も指摘をしていますが、国際比較の調査でも起業はキャリアにおけるいい選択だと答えた日本人はアメリカ、中国、オランダなどに比べると極端に低い数字です。
 日本の起業率が低いのは、そもそも多くの方々に起業が選択肢として認識されないことに主たる原因があり、日本人のマインドの問題ともされています。
 やはり起業を職業選択の一つとして考えてもらうための取り組みが必要だと考えます。
 ぜひとも今後、アントレプレナーシップ、起業家マインドを育むよう早い段階から、例えば小学生や中学生に対する起業家教育について効果的な取り組みを実施していただけますよう強く要望いたします。
 続いては、結婚、出産などライフイベントを経ても働きたいと思う女性が生き生きと働ける東京、それが東京の成長に資するという視点から、それを阻む課題に関連して何点か質問をいたします。
 先ほど言及しました世界の都市総合力ランキングでも、日本は女性の社会進出がおくれている点も東京の弱点と指摘されています。
 まず、女性の再就職支援の促進について伺います。
 第一回定例会の一般質問でも質問しましたが、出産などで離職した女性は子育てとの両立を鑑み、短時間勤務など柔軟な働き方を望んでいる場合が多いのが現状です。
 フルタイムの求人だけではミスマッチが起こります。
 経営者側の意識を変え、例えば通常フルタイムで担当するような業務を二人分に切り分けていくジョブシェアといったような形で、柔軟な働き方を都として推進していくことが、結果として女性の再就職支援につながると考えています。
 これは子育てとの両立だけではなく、介護との両立についてもいえることですし、シニアの活用にも有効です。
 引き続き、多様な人材活用の促進に向け、積極的に中小企業に働きかけていくべきと考えます。
 都は、昨年度、採用ノウハウの不足する企業を対象に多様な人材の活用に向けたセミナーを開催し、人材確保に関する相談窓口を新たに開設、企業の要請に応じて専門家を派遣し、女性等が働きやすい勤務条件への見直しを提案するコンサルティングも開始しています。
 今年度は、専門家の派遣企業数を拡大、コンサルティングを受けた企業と求職者が一堂に会する就職面接会を東京労働局と連携して新たに開催したということですが、今年度の取り組み内容とその実績についてお伺いいたします。

○蓮沼事業推進担当部長 今年度、人材確保相談窓口における実績は十月末現在、採用等に関する中小企業からの相談対応五百四十九件、コンサルティング支援企業百七十社でございます。
 専門家によるコンサルティングでは、自社の魅力の伝え方や面接手法など、採用ノウハウの提供に加え、女性や高齢者が働きやすい求人条件となるよう、仕事の切り出しや勤務時間の柔軟な設定等、多様な人材の採用に向けた提案を行っております。
 また、今年度から、コンサルティングを受けた企業による合同の就職面接会を実施しており、十月末までの二回の開催で求職者計百六十六名が来場し、参加企業二十七社のうち、十社に内定が決まっております。
 その他、中小企業の経営者を対象に、人材確保や多様な人材が活躍できる職場づくり等をテーマとしたセミナーを計十一回開催し、四百三十四人が参加しております。

○森澤委員 実績についてはわかりました。
 その中で、事業における課題認識と、その課題認識を受けて、今後どのように支援を加速していくのかをお伺いいたします。

○蓮沼事業推進担当部長 本事業においては、平成二十九年五月の窓口開設から本年十月末までにコンサルティングを終了した企業のうち、七割を超える企業が内定者を獲得し、採用力強化の面では一定の成果が上がっており、今後は、女性や高齢者等が働きやすい職場づくりを進めることが課題であると認識しております。
 また、企業経営者からは、例えば、育児中の女性の活用について、どんな配慮が必要かわからない、急な休みをとる社員の代替が難しいなどの声があり、特に中小企業には多様な人材を活用するためのノウハウが不足しております。
 こうしたことから、都は、引き続き中小企業の多様な人材の活用を推進していくため、経営者を対象に活用ノウハウを伝えるセミナーを実施するとともに、企業の実情に応じたきめ細かなコンサルティングを行い、誰もが働きやすい職場環境整備を促進してまいります。

○森澤委員 支援の中で、採用力強化の面では一定の成果が上がっているものの、必ずしも女性など多様な人材が働きやすい職場づくりには至っていないという認識でした。
 また、中小企業にはまだまだ多様な人材を活用するためのノウハウが不足しているということでした。
 私も民間企業で女性の転職支援に携わっていたことがあるのでわかりますが、なかなか民間だけでこういった働き方を推進していくのは難しいと感じております。
 ぜひ引き続き、啓発や具体的なノウハウの伝授などきめ細かなコンサルティングにより、多様な人材が働きやすい職場環境の推進に努めていただきたく、よろしくお願いをいたします。
 平成二十九年度東京都男女雇用平等参画状況調査結果報告書によると、都内の育児休業取得率は男性一二・三%、女性九三・九%、男性の取得率は上昇はしているものの、まだ少ないのが現状です。
 総務省平成二十八年社会基本調査によると、六歳未満の子供を持つ男性の家事、育児関連時間は、女性の四百五十四分に対し、男性は八十三分と圧倒的に短い状況です。
 諸外国と比べても、アメリカの百九十分、ドイツの百八十分と比べても二倍以上の開きがあります。
 現状、女性に家事、育児の負担が大きい中で、女性が働き続けていくためには、男性の家事、育児への参画が必要です。
 内閣府の調査によると、育児休業取得者の方が取得をしていない男性に比べ、家事、育児への参画の増加が大きい傾向が見られたということで、男性の育児休業取得を進めていくべきと考えます。
 都は、本年度から、働くパパママ育休取得応援奨励金、働くパパコースとして男性従業員に育児休業等を連続して取得させ、育児参加を促進した都内企業等を支援しています。
 先ほどの答弁にもありましたが、現状、予算枠の五十件に対し、支給決定件数が六件とまだまだ申請が少ない状況といえます。
 私も人事担当者と何人か話をしましたが、まだ知られていないという現状があると認識しておりまして、人事の集まるHRフェアなどを含め、積極的に広報していくべきと考えます。
 都の現時点での課題認識と申請拡大に向けた広報の取り組みについてお伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 働くパパママ育休取得応援事業の奨励金についてでございますが、これは、対象となる方が育児休業から復帰して三カ月以上の継続雇用の実績があってから申請できる仕組みとなっておりまして、実質的には九月に始まったばかりの制度でございます。
 これが現時点での申請件数に影響しているものと考えてはおりますが、本事業は継続的に周知、広報を行っていくことが重要でございます。
 これまで東京都は、育休を希望する男性従業員の多くが利用できるように、企業に向けては経済団体の情報誌掲載、メルマガ発信、労働セミナーでの紹介のほか、九月には人事担当者が多く集まるHRフェアにおきましても、来場者に配布する資料内にチラシを同封いたしました。
 また、従業員に向けましても、区市町村の母子保健窓口や都内の医療機関等でチラシ配布、ポスター掲示などを行うほか、男性の育休取得を呼びかける動画を作成し、JRや都営地下鉄の車内で放映いたしました。
 今後もこうした取り組みのほか、二月のライフワークバランスのイベントにおきまして、男性の育児参加をテーマとした講演とあわせて事業PRを行うなど、引き続き、効果的な広報に努めてまいります。

○森澤委員 実質的には九月に始まった制度であり、企業と従業員双方に周知を行っているということでしたので、これからの伸びも期待したいところです。
 一方、制度を案内した中小企業などからは、人手不足で代替要員の確保が難しく、なかなか男性に育休取得をさせるのが難しいという声もあります。
 人材の紹介等も含め、何か支援することができないのか、見解を伺います。

○篠原雇用就業部長 本事業の奨励金につきましては、連続十五日の育児休業取得につき二十五万円、最大で三百万円の奨励金を支給することとなっておりまして、必要に応じて人材確保のために活用いただければと考えております。

○森澤委員 今後、事例が出てきたときにはどのように人材をやりくりしたのかといった紹介などもしていただければと思います。
 一時的な企業としてデメリットと捉えてしまう点を上回る人材の定着や企業のイメージアップなどのメリットも周知いただくことで、男性の育児休業取得の風土づくりもあわせてお願いしたいと思います。
 八月末にスタートをした家庭と仕事の両立支援推進企業登録制度、この中でも男性従業員が十五日以上の育児休業を取得しているというのが評価項目の一つとして入っていて、男性の育児休業取得を促す一つのツールになると考えています。
 この制度の目的、企業が登録するインセンティブ、並びに企業の反応、さらに環境整備についてどのように支援をしていくのか伺います。

○篠原雇用就業部長 家庭と仕事の両立支援推進企業登録制度についてでございますが、企業における両立支援の取り組みを見える化することによりまして、取り組む企業の裾野拡大と、さらなる取り組みの深化を目指すものでございます。
 両立支援に取り組む企業に対しましては、労働相談情報センターに配置いたしました両立支援推進員が電話や訪問を通じまして、登録への働きかけを行うとともに、両立支援が可能な職場づくりに向けた助言も行っております。
 登録企業におきましては、両立支援推進企業マークを自社の企業PRに活用いただけるほか、その企業の取り組みを都の専用ウエブサイト、それからライフワークバランス推進のイベントや求職者向けの企業説明会等でも紹介してまいります。
 登録申請した企業からは、新規採用に苦労しているため企業のイメージアップを図れることを期待している、あるいは、公的媒体で会社を広報できることは採用面で大きな力になるといった声をいただいております。

○森澤委員 今回の制度は子育てだけでなく、介護との両立も含めた制度になっているのもポイントであると考えます。
 ダブルケアという課題もあります。引き続き、育児や介護と仕事の両立が進むよう、登録者数がふえるよう取り組んでいただけるよう、期待いたします。
 続いて、不妊治療と仕事の両立についてお伺いをいたします。
 NPO法人の調査によりますと、不妊治療中の女性の二割が退職に追い込まれています。九五・二%が仕事と治療の両立は困難と回答し、実際に全体の四〇・八%が働き方を変えたということです。
 不妊治療は、治療のために急であったり、頻繁に仕事を休むということが必要になるという状況があり、そういった中では、職場や上司の治療への無理解で両立が困難と感じ、最終的に退職につながってしまう場合があるということです。
 この解決のためには職場、特に管理職の不妊治療についての理解促進が必要であると考えます。
 都は、今年度から、従業員の不妊治療と仕事との両立支援のための雇用環境整備の取り組みを推進する企業等を応援する働く人のチャイルドプランサポート事業を開始していますが、その狙いと取り組み状況についてお伺いいたします。

○篠原雇用就業部長 調査によりますと、不妊治療をしている方の多くは通院回数が多い、精神面での負担が大きいなど、仕事との両立が困難と感じておりまして、休暇制度の整備を望んでいるという状況がうかがえるわけですけれども、一方で、休暇などの制度を実際に設けて支援を行っている企業は少ないのが現状でございます。
 そのため、東京都は、経営者や人事担当者向けに治療に関する基礎的な知識や人事労務上のポイントなどノウハウを提供する研修を都内各地で実施しております。
 また、当該研修を受講の上で相談体制を社内に整備すること、それから、休業、休暇制度の整備を行うことなどを要件としまして、最大四十万円の奨励金を支給しておりまして、これにより企業の環境整備を後押ししております。
 こうした取り組みにより、不妊治療と仕事が両立できる環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。

○森澤委員 不妊治療と仕事の両立支援奨励金の実績で、どのような効果が出ているのか、お伺いいたします。

○篠原雇用就業部長 この奨励金につきましては、これまでに百十七社から交付申請を受け付けておりまして、これまでに百十一社に交付決定を行っております。
 現在、交付決定を行った企業は相談体制ですとか休業、休暇制度の整備などの奨励事業に取り組んでいるところでございまして、今後、その実績を確認した上で奨励金を支給することとなっております。

○森澤委員 もともと想定者数が百社であったというところで、百十七社という想定を超える企業が交付申請を行ってきたということは、企業側の課題認識の強さも感じるところです。
 答弁にも今後、企業が休業、休暇制度の整備などに取り組むのを支援していく、確認していくということがありましたが、不妊治療と仕事の両立には時間単位の休暇やフレックスといった働き方があることが有効であるという当事者の声を聞いています。
 こういった環境の整備や不妊治療だけでなく、育児や介護など、何らかの時間的制約があっても就業を継続できることにつながります。
 ぜひそういった観点からも、引き続き環境整備を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。
 東京の成長戦略の一つとしての観光振興について伺います。
 先ほどMICEやユニークベニューについての質疑もなされましたが、さらなる伸びしろが期待されているものの一つに夜間帯の観光、ナイトライフ観光があります。
 ニューヨーク市では、昨年、ナイトライフ局を設置、アムステルダムやロンドンでは、ナイトメイヤーを置き、世界各都市で行政と民間をつなぎながら夜間帯の文化、経済を活性化していこうとする動きがあります。
 世界の都市間競争の中で、各都市がインバウンド観光の盛り上げと観光客を引きつけるべく策を練っています。
 日本において、海外からの旅行者は四年間で三倍、二千八百七十万人で世界十二位、一方で旅行者一人当たりの消費額は世界四十四位に低迷しています。
 訪日旅行消費額の政府目標値は、二〇二〇年までに八兆円、二〇一七年時点で訪日旅行消費額は四兆四千百六十一億円で、消費拡大において、一つ大きなポテンシャルがあるのが夜間と捉えられています。
 国も目標値達成に向け、さまざまな調査と取り組みを進めていますが、東京都の役割も大きいと考えます。
 都としての観光消費拡大のための数値目標や課題をどう捉えているか、夜間帯の観光の活性化についての見解を伺います。

○小沼観光部長 都は、東京都観光産業振興実行プラン二〇一七におきまして、訪都外国人消費額を二〇二〇年までに二兆七千億円とする目標を掲げてございます。
 特に夜の時間帯の観光振興は、観光消費拡大の観点からも高い効果が期待され、今後、重点的に取り組むべき分野でございます。
 このため、都は、旅行者の夜間の滞在時間延長に向けまして、区市町村等がライトアップなどを活用して、夜間の新たな観光スポットを創出する取り組みを支援してございます。
 また、外国人旅行者が電車やタクシーを利用しまして、安心して夜間の観光を楽しむことができるよう、観光モデルルートに外国人ブロガー等を招聘しまして、旅行記を発信するとともに、この情報を東京の観光公式サイト、GO TOKYOにも掲載するなど、夜間の周遊を促す情報を海外に向けて発信する取り組みなどを展開してございます。

○森澤委員 ナイトライフ観光の推進には産業労働局を初め、交通局、都市整備局、政策企画局など、分野が多岐にわたります。
 また、民間事業者も観光、ホテル、飲食、コンテンツ、ディベロッパー、セキュリティーなど多岐にわたります。
 また、ナイトライフ観光に積極的な区市町村も巻き込んでいく必要があると考えます。
 観光庁も夜間の観光資源活性化について、民間アドバイザーによる協議会を編成しています。
 ナイトライフ観光推進のためには、都も民間からの多岐にわたる意見を聞くなど、総合的に推進していく会議体を設置して進めていくべきではないかと考えますが、都の見解を伺います。

○小沼観光部長 観光は関連する産業が多岐にわたるため、各局が実施する施策との連携が必要でございます。
 このため、都は、知事が出席します東京の観光振興を考える有識者会議を設置しまして、観光施策全般について全庁的な議論を展開してございます。
 この会議では、民間企業の代表や学識経験者などから意見を聴取しまして、今後の観光振興施策の参考としてございますけれども、ナイトライフ観光につきましても、八月に開催されました本会議におきましてテーマとして取り上げ、議論をしていただきました。
 この会議でいただいた意見なども踏まえまして、今後のナイトライフ観光の取り組みを検討し、今後新たに作成します東京都観光産業振興実行プランに反映することとしております。
 また、観光庁が設置しました夜間の観光資源活性化に関する協議会におきましては、都もオブザーバーとして参加し、意見交換を行うなど情報を共有しながら取り組みを進めているところでございます。

○森澤委員 都は、今年度、東京のナイトライフ観光に関するインターネット調査を行いました。
 それによると、ナイトライフで体験した内容は夜景、ライトアップが最も多いということです。
 都は、夜間における地域の魅力創出として、ライトアップやプロジェクションマッピングへの支援を行っています。
 プロジェクションマッピングについては、平成三十年三月、国が投影広告物条例ガイドラインを策定しました。
 国は、このガイドラインは屋外広告物条例の改正等を行う場合の参考であり、具体的には、地方公共団体が景観の影響等も考慮の上、地域の実情に応じて定めるべきとしています。
 先日の都市整備委員会での滝田議員への答弁で、今後、広告物審議会の意見も聞きながら、道路等をまたぐ場合を含め、屋外広告物条例における投影広告物の取り扱いについて、都として検討していくとしています。
 こういった検討状況も踏まえながら、それぞれの地域で、よりプロジェクションマッピングでの夜間における地域の魅力創出がなされるよう支援を推進していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○小沼観光部長 都は、今年度から、新たにプロジェクションマッピングを活用して、新たな観光スポットをつくり出す地域の取り組みへの助成事業を開始してございます。
 プロジェクションマッピングは、すぐれた光の演出効果による高い集客効果がある一方で、映像の内容や投影方法などについて、さまざまな規制があるのが現状でございます。
 このため、お話のように、国はことしの三月、プロジェクションマッピングの活用を促進するために地方公共団体が必要な事項を条例で定める際の参考となります投影広告物条例ガイドラインを策定しておりまして、現在、所管局において屋外広告物条例における投影広告物の取り扱いについて検討を進めているというというふうに聞いてございます。
 今後、こうした検討状況も踏まえながら、事業の実施主体となります観光協会等へ情報提供するなど、地域における取り組みが着実に広がるよう取り組んでまいります。

○森澤委員 先ほどのアンケート調査では、次に体験した内容で、日本料理店、居酒屋が人気ということで、外国人にとっては日本的なものを体験したいというニーズも多いと認識します。
 例えば、芸者さんやお座敷遊び、あるいはみこし、盆踊りなども魅力的なコンテンツになると考えます。
 そういったことは地域の活性化にもつながります。
 こういった情報を多言語で発信したり、日本的な体験ができるような支援を進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○小沼観光部長 都では、国内外からの旅行者を都内各地に誘致するため、その土地ならではの歴史や文化、食などを活用した地域の誘客のアイデアと民間のノウハウを結びつけ、その事業化を図ってございます。
 外国人旅行者を対象とした事業といたしましては、これまで料亭でのお座敷遊び体験などに取り組んだほか、来年一月から二月まで夜間に渋谷と新宿の飲食店をめぐるイベントを実施する予定でございます。
 また、外国人観光客向けのまち歩きツアーといたしまして、新たに渋谷の日本酒や寿司などの和食を楽しめるナイトツアーなど、観光協会と地元の団体が連携して企画した取り組みを支援し、専用のウエブサイトで英語による情報発信をしたところでございます。
 今後も、東京への外国人旅行者のさらなる誘致に向けまして、夜の時間帯を活用するなど、地域の多様な誘客の取り組みを支援してまいります。

○森澤委員 例えば、シンガポールの夜の観光の定番としてナイトサファリが挙げられます。
 東京でも上野動物園が真夏の夜の動物園として八時までオープンした事例もあります。
 また、東京都も主宰者の一つであります六本木アートナイト、現代アートをデザイン、音楽、映像、パフォーマンス等がまちじゅうで一晩繰り広げられるものですが、延べ七十万人が体験するイベントとなっています。
 文化が多くの人を引きつける事例であると考えます。
 そこで、夜に楽しめるコンテンツの充実として、文化性の高いコンテンツを充実させていくべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○小沼観光部長 都は、東京の観光公式サイトにおきまして、都立庭園でのライトアップイベントや美術館の夜間の開館時間延長など、夜間に楽しむことができる観光情報の発信を行っております。
 また、区市町村や民間企業等がライトアップを活用して、地域のにぎわいを創出する取り組みへの支援事業におきまして、丸の内仲通りで複数の彫刻作品を展示しているストリートギャラリーや文京区の区立庭園等の紅葉をライトアップする取り組みなどを支援してございます。
 今後、夜間の集客につながる取り組みがさらに広がるよう、例えば、地域に伝わる祭りなどの伝統文化を活用したイベントの開催を後押しするなど、支援の充実について検討してまいります。

○森澤委員 地域に伝わるお祭りなど伝統文化を活用したイベントの開催の後押しなど、支援の充実について検討するとの答弁をいただきましたが、現代的な文化、サブカルチャーだけではなく、やはりおみこしや盆踊りといった地域のお祭りは外国人にとって非常に魅力的なコンテンツであり、地域の活性化にもつながります。
 ぜひ支援の充実の検討を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 さて、今回、私もナイトタイムエコノミーについて、さまざまな有識者から話を聞く中で、来年東京でナイトライフサミットを行おうとする動きもあると耳にしました。
 ぜひ夜間帯の観光の側面で東京が世界をリードすべく、世界の動きを注視しつつ、必要に応じてそういったことにも協力していただけるよう要望し、質問を終わります。

○小林委員 私からは端的に二つのテーマについてお伺いをいたします。
 初めに、障害者雇用についてです。
 障害者の法定雇用率は本年四月より二・二%に引き上げられ、二〇二〇年度末までには二・三%にする計画となっております。
 これに伴って、新たに雇用義務の生じる中小企業が多くあり、こうした企業からは情報がなく、どのように雇用すればよいのかわからないといった不安の声も聞かれる現状があります。
 こうしたことを背景に、都として、中小企業に対して、より一層理解促進やノウハウの提供などの支援に努めるべきと考えますが、取り組み状況についてお伺いをいたします。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、これから障害者雇用に取り組もうとする中小企業の経営者等を対象に、障害者雇用支援フェアを開催して、支援制度や支援機関の取り組みを紹介するほか、障害者雇用のキーポイントを学ぶセミナーの開催などを行ってまいりました。
 また、今年度から、中小企業の経営者などが障害者雇用に積極的に取り組む企業を随時見学できるよう、受け入れ可能な企業の登録制度を開始しております。
 さらに、障害者雇用に必要な知識やノウハウを習得していただくとともに、自社での取り組み計画の策定を行っていただく実務講座を実施しており、今年度から規模を拡充しております。

○小林委員 障害者雇用については、今、さまざまご答弁もございましたけれども、経営者が理解を深めることとともに、実際に一緒に働く健常者の同僚の受け入れ体制や理解を進めていくことが極めて重要であると思います。
 私のもとにも相談がありましたが、同僚の健常者の無理解によって、人格否定ともいえるような現状にさらされている状況をお聞きしました。
 どのような心ない言葉を浴びせられ、冷たい対応されているのか、一つ一つここでお伝えしたいところですが、私も話を伺っていて余りにも腹立たしい思いもあり、また、口にするのもはばかられるような言動でもありましたので、ここでは差し控えますが、経営者のみならず、ともに働く健常者に対して理解を深め、温かな職場環境へと改善するような取り組みをしっかりと進めていく必要があると思いますが、見解をお伺いします。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、企業内での障害者への理解促進を図り、各企業の実情に応じた取り組み体制の整備が進むよう、障害者を受け入れる職場の同僚や人事担当者などで支援の中心となっていただける方を職場内サポーターとして養成しております。
 具体的には、職場内サポーターは障害者である社員に対し、業務の切り出し、目標設定シートの作成、面談の実施によるフォロー等の支援を行うほか、周囲の社員に対する啓発を行っております。
 養成に当たっては、障害特性や支援方法などについての講習を実施しており、講座終了後もフォローアップ研修や専門の支援員によるアドバイスが受けられる仕組みとなっており、平成二十八年度の開始から平成三十年十月末までで三百九名を養成しております。
 今後もこうした取り組みにより、中小企業の障害者雇用を支援してまいります。

○小林委員 障害者の雇用を進めるためには、企業に対する啓発や支援とともに障害者本人に対する就業支援の取り組みも重要であります。
 障害者が就職に向けて必要なスキルを身につけていく上で、職業訓練が果たす役割は大きいと思いますが、都における障害者向け職業訓練の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 東京都では、東京障害者職業能力開発校におきまして、さまざまな障害を持つ方々への職業訓練を本年度は十二科目、二百六十人の定員で実施しております。
 今年度、新校舎が落成しておりまして、その供用に合わせて、これまでは身体障害者を対象としていた訓練科目を精神障害や発達障害を持つ方にも広げますとともに、新たな科目として調理・清掃サービス科を設置するなど訓練の充実を図っております。
 さらに、この校では、精神保健福祉士などの専門人材を配置いたしまして、訓練生の生活指導や健康管理を実施しております。
 このほか、東京障害者職業能力開発校以外の都立職業能力開発センター三校におきまして、実務作業科という科目を設置して、軽度の知的障害を持つ方を対象とした訓練を実施しております。
 今後とも訓練内容等の充実を図りながら、障害者の就労を支援してまいります。

○小林委員 今、障害者雇用を社会全体で取り組んでいく中におきまして、もちろん一部かもしれませんが、雇用しなければならないという消極的な義務感によってなされているケースもあります。
 義務感によってなされた職場においては、障害者の方への偏見も少なからずあり、辛い環境で必死に耐えながら仕事に励む障害者の方のお話も伺いました。
 障害者雇用の推進に当たっては、雇用が進むよう障害者ご本人の支援や企業への支援を充実させながら、先ほど申し上げたような心ない言動が飛び交う環境の現状があることを認識し、障害者の方が職を得て、社会の中で生き生きと活躍できるよう、職場環境の整備にも取り組んでいただくよう強く要望したいと思います。
 次に、労働相談情報センターについてお伺いします。
 私も地域の方より労働環境に関するご相談をいただく機会も多く、専門性を伴うこともあり、労働相談情報センターにつなげさせていただく機会も多々ございます。
 都は、都内六カ所における労働相談情報センターにおいて、労働者、企業双方から労働問題についての相談に取り組んでいますが、昨今では、働き方改革関連法など労働法制の改正を初め、外国人労働者の増加、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントといったさまざまなハラスメントに対する関心の高まりなど、労使を取り巻く環境は大きく変化をしております。
 そうした環境の変化に伴って、労働相談の内容や対応の手法も大きく変わっているのではないかと思われますが、労働相談の最近の傾向についてお伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 昨年度の労働相談件数は五万一千二百九十四件と従来と大きく変わった状況ではございませんが、労働相談の内容について見ますと、職場の嫌がらせが退職に次いで二番目に多く、十年前の二〇〇八年度と比較しますと、件数が一・五倍に増加しております。
 また、この職場の嫌がらせやハラスメントを含めました人間関係というカテゴリーで見ますと、全体の一六%を占めておりまして、十年前の二〇〇八年度と比べて、件数が一・六倍に増加しております。
 こうした内容の相談につきましては、当事者間の認識や受けとめ方にずれがあるというようなケースが多いため、労働相談担当の職員は、相談者の置かれている状況や背景、解決に向けた意向などを丁寧に伺いながら、相談対応することが必要になっております。

○小林委員 今、ご答弁ございましたような形で、ハラスメントの相談も増加をしているなど、労働相談の内容が変わってきたとのことですが、新たな課題についても的確に対応していく必要があります。
 そこで、労働相談情報センターにおける相談体制についてお伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 労働相談情報センターでは、平日及び土曜日に電話や来所での相談を受けておりますほか、曜日を定めて夜間相談にも対応しますなど、相談者の利便性にも配慮して相談事業を行っております。
 このための相談体制といたしまして、労働相談情報センターに相談担当の職員を置いておりますほか、専門的な相談に対応するために、弁護士ですとか、メンタルヘルスにも対応できる臨床心理士などの専門家を随時配置しております。
 また、外国人の労働者の増加も踏まえて、外国人労働相談に対応するため、通訳を配置して中国語や英語等による労働相談にも対応しております。

○小林委員 ありがとうございます。繰り返しになりますが、昨今の労働法制の改正や雇用環境の変化などによって、相談者が置かれる状況や抱える課題は多様化しておりまして、そうした事情を適切に把握し、相談者の意向も十分に踏まえながら解決を図っていくには、相談員の方ご自身の高いスキルやノウハウが求められてくると思います。
 相談者の悩みに的確に対応できるよう、相談員のスキルアップを図っていくことが重要であると考えますが、そうしたスキルアップの向上について見解をお伺いいたします。

○篠原雇用就業部長 労働相談情報センターでは、複雑化、多様化する労働相談に的確かつ迅速に対応するため、毎年、研修計画を策定して相談担当職員向けの研修を実施しております。
 具体的には、初めて労働相談業務に従事する職員に対し、労働法学者の方や弁護士の方を講師とした集合研修を行いますとともに、先輩職員の相談事例に同席させるなどの方法により、実践的な能力の養成にも進めているところでございます。
 また、外部講師を招いた専門研修を実施しますほか、労働関係の研究機関が主催する研究会などへの職員派遣を行うことによりまして、法改正などに的確に対応するための専門的な知識、能力の習得に努めております。
 今後とも、こうした研修を着実に実施することによりまして、担当職員の相談能力のレベルアップを図ってまいります。

○小林委員 私も多くの相談をいただく中で、特に専門性の伴う労働相談等については、門外漢の私では適切に解決できない案件もあり、労働相談情報センターの役割に大きく期待している一人でもあります。ご相談者にセンターを紹介し、解決できましたという声をいただくことは大きな喜びでもあります。
 働く人や企業を取り巻く環境は、非常に速いスピードで変化しております。社会の変化に適切に対応しながら、今後も、労働相談情報センターが都民の身近な労働相談の窓口として、しっかりと機能するよう、相談体制と質の確保を図っていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。

○あかねがくぼ委員 私の方からは、中小企業対策のうち金融支援を除きます中で、予算額の比較的大きな事業を中心にお伺いをしてまいります。
 まず、経営安定支援につきまして、そのうち小規模企業対策として三十二億円の予算を計上しているものですが、その内容についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都は、商工会議所等と協力して小規模企業をサポートするため、平成三十年度に三十二億五千万円の予算により施策を展開してございまして、そのうちの約二十五億円は、経営の安定に向けた相談や情報提供などに活用し、その他約七億円は、地域の活性化に結びつく取り組みなどの支援に用いているところでございます。
 具体的には、小規模企業の経営の安定を図るため、商工会議所等の経営指導員が巡回訪問や窓口で相談対応を行うほか、経営や技術に関する講習会の開催や、国の融資制度の紹介やその利用の後押しなどを実施しているところでございます。
 これによりまして、今年度の相談実績は、九月末までに延べ七万三千二百二十一件となりまして、講習会は七百十四回、融資のあっせんが三千五百八件となってございます。
 また、小規模企業の事業展開に向け、地元の農産品を加工してブランド化を図るプロジェクトなど、地域の活性化に結びつく商工会議所等の取り組み四十件について支援を行っているところでございます。

○あかねがくぼ委員 小規模事業者の身近な相談先として商工会議所などがお役に立っているということを理解いたしました。
 支援内容については、小規模事業者の発展を促していくものにしていただくために、また時代の変化に合わせて、不断の見直しの努力をしていただきたいと思います。
 さて、中小企業やベンチャー企業にとりまして、縮小傾向にある国内市場から、伸びしろの大きな海外市場へ販路を開拓していくことは、経営上極めて重要なことであるのは、いうまでもございません。
 そのため、都としては、販路開拓支援として、三百二十一億円の予算を投じて支援をしているわけであります。その内訳を見ていきますと、多くが国際展示場や東京国際フォーラムの運営の部分に充てられているという現状がございます。
 まず、国際展示場の運営に係る二百十三億円の予算につきまして、費用の内訳をお伺いいたします。

○坂本商工部長 東京ビッグサイトの運営等に係る三十年度予算の主な内訳でございますが、大規模改修工事費、こちらの方が約二十八億円、土地を所有する港湾局に対する支払いの使用料、こちらの方が約五十二億円、将来の大規模改修の財源となる社会資本等整備基金への積み立てが約二十六億円、さらに新たな展示棟などの施設整備費、こちらが約百八億円となっているところでございます。

○あかねがくぼ委員 また、国際展示場は、株式会社東京ビッグサイトに貸し付けをして運営を行わせているということになっていると聞きましたが、その契約内容についてお伺いします。

○坂本商工部長 都では、東京ビッグサイトにおいて、数多くの展示会の開催による中小企業の販路開拓支援などを実施しているところでございます。同施設の効率的な管理と運営を図るため、株式会社東京ビッグサイトがそれらの業務を担う仕組みとしているところでございます。
 同社は、施設について事務スペースを除いて、都から無償で借り受けて展示会の開催などの事業運営等を行っております。これによる売り上げである会場運営事業収入、こちらの一部は、都に納付することを義務づけているところでございます。

○あかねがくぼ委員 売り上げに当たる会場運営事業の事業収入、一部を都に納付ということですが、この売り上げの二割を納付するということになっていると聞きました。
 この二割の根拠について教えてください。

○坂本商工部長 都は、株式会社東京ビッグサイトの中長期的な安定運営を保つとともに、今後の施設の大規模改修に備えるため、売り上げの一部を適切な水準で同社より納付させているところでございます。

○あかねがくぼ委員 業者の選定という意味では、競争入札にはなっていないと思いますが、その理由についても教えてください。

○坂本商工部長 東京ビッグサイトでは、都内の中小企業の販路開拓に結びつく展示会を国内外から数多く確保するとともに、国際的な会議やイベントを含めたMICEを世界の各都市と競争して誘致することが必要な状況にございます。
 同施設で事業運営を担う株式会社東京ビッグサイトでございますが、この会社は、国際的な展示会等の開催を長年にわたり行って世界に営業のネットワークを持つ社団法人東京国際見本市協会と、晴海にかつてございました見本市会場の管理運営で実績を持つ株式会社東京国際貿易センター、この両者を統合して設立したものでございまして、今、申し上げた二つの法人のすぐれた力を合わせた会社、これが株式会社東京ビッグサイトでございます。
 この東京ビッグサイトの持つ重要な役割を的確に果たすことのできる法人としてふさわしい同社の能力を踏まえ、契約を結んでいるところでございます。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。
 本来のちょっと目的に立ち戻りますと、国際展示場の出展で中小企業の販路開拓、これがどのような成果を上げているのかもお伺いしたいと思います。

○坂本商工部長 東京ビッグサイトでは、平成二十九年度に三百十二件の展示会が開催され、国内外から一千四百四十二万人の来場実績がございました。三十年度は十月末まででございますが、百八十八件の展示会の実施と八百十九万人の来場者がございまして、会場設営や消費活動などを通じて大きな経済波及効果を生み出しております。
 そうした効果は、年間で、都内において約四千六百億円、全国では約七千五百億円に上ると推計されているところでございます。

○あかねがくぼ委員 続けて、東京国際フォーラムの運営の方もお伺いします。
 この運営に係る七十六億円につきまして、費用の内訳についてお伺いします。また、国際展示場と同様に、運営については、株式会社東京国際フォーラムに貸し付けをしているということでありますので、こちらについても契約内容についてお伺いします。

○坂本商工部長 東京国際フォーラムの運営に係る三十年度予算の主な内訳でございますが、大規模改修工事費が約六十四億円、将来の大規模改修の財源となる社会資本等整備基金への積み立て、こちらの方が約十三億円となってございます。
 また、都では、東京国際フォーラムにおきまして、国際的な学術会議や各種の音楽コンサートなどのほか、販路開拓に役立つ見本市を開催してございまして、MICEや中小企業支援による産業振興を効果的に進めているところでございます。
 そうした中、同施設の効率的な管理と運営を図るため、株式会社東京国際フォーラムが、それらの業務を担う仕組みとしてございます。
 同社は、施設について事務スペースを除きまして、都から無償で借り受けてMICEや見本市の開催などの事業運営等を行っております。これらによる売り上げである事業収入の一部は、都に納付することを義務づけているところでございます。

○あかねがくぼ委員 中小企業の販路開拓支援として予算化をされております三百二十一億円のうち、オリンピックなどに関連した施設整備分が百八億円含まれているとはいえ、実に九〇%以上が国際展示場と国際フォーラムの運営に関するものであるということは、注目をすべき点かと思います。
 展示会の開催等による経済波及効果として、都内、年間で約四千六百億円と推計される旨をご紹介いただきましたが、このようなマクロな視点のみならず、実態として中小企業の販路開拓、ひいては業績アップにどれだけ役に立っているかというところを、都としてしっかりと検証することを取り組んでいただきたいと思います。
 東京ビッグサイトと国際フォーラムは、実質的にそれぞれ一社が独占的に都と取引をできるような契約関係になっているわけでございます。
 国際フォーラムは都の監理団体ということですが、東京ビッグサイトは報告団体ということで、民間の営利企業の一つであります。過去の歴史的な経緯もありまして、現在の契約内容には落ちついているかと思われますが、民間企業に対して、国際展示場の土地と建物をほぼ無償で貸すという仕組み、これは都民の感覚では理解しがたい部分も多いかと思います。
 東京ビッグサイトは企業業績は大変よいということでありまして、それは非常に結構なことなのですが、本事業の本来の目的とするところの中小企業の業績につながるような事業構造になっているのか、しっかりと検討をいただきたいと思います。
 大規模修繕費用相当分として、売り上げの二割を都に支払う、そういった契約になっているわけですが、費用の負担の割合、これが適切なのか、営利企業として独占的に都の事業を受けている、そういう立場であることを踏まえ、都民が納得できるような契約条件であるのか、検証を行っていただくということを要望しておきたいと思います。
 続きまして、技術支援について、革新的事業展開設備投資支援事業というのがございます。
 こちらは予算七十億円ということで、中小企業等が、さらなる発展に向けた競争力強化、成長産業分野への参入、IoT、ロボット活用を目指す際に必要となる最新機械設備の購入経費の一部を助成するものでありまして、四回目の募集を終えたところと聞いております。
 初めに、本事業、過去三回の採択の実績についてお伺いします。

○坂本商工部長 今、お話をいただきました革新的事業展開設備投資支援事業でございますが、こちらは、都では、中小企業の競争力の向上や成長産業への参入に結びつく設備の導入を支援するための事業でございまして、中小企業振興公社に、平成二十九年度には基金を設けて助成を行いました。年間二回の募集により、六百十八件の申請のうち百六十五件を採択いたしました。
 また、今年度、三十年度でございますが、生産効率を高める設備も対象に含めまして、七十億円の基金を公社に設け助成を行っております。四月から五月までに行った募集には二百三十件の申請がございまして、そのうちの八十一件を採択したところでございます。

○あかねがくぼ委員 次に、過去、本事業で助成した設備投資を申請した企業において、どのような成果につながったのか、事例をお伺いします。

○坂本商工部長 中小企業の競争力の強化等に向けた設備導入への助成制度によりまして、昨年度に採択した案件といたしまして、コンピューターを活用し製図を行うCADシステムと加工用の器具を自動で組みかえる工作機械を、この二つを工場の現場に一体的に導入して、設計から製品の完成までの時間を大幅に短縮した事例がございます。
 また、成長の見込まれる航空機産業の部品の製造に関しまして、精度の高い切削のできる加工機などを導入して、受注に向けた工程を整備した会社も出ております。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。
 次に、中小企業技術活性化支援事業として、新製品の試作、開発や製品改良など、中小企業のチャレンジを支援しているものがあるということですが、その内容もお伺いしたいと思います。

○坂本商工部長 今、お話のありました中小企業技術活性化支援事業でございますが、こちらは、中小企業による製品開発の着手や新技術の開発のほか、製品の改良などを幅広くサポートしてございます。
 具体的には、中小企業が製品の開発を始めた初期の段階で、試作品の製作に用いる原材料の確保や大学への研究委託に必要となる経費などを対象として、上限百万円で二分の一の補助率で助成を行っております。
 また、新製品や新技術の開発で必要となる機械装置の導入や専門的な技術に詳しい人材の確保などに必要となる経費につきまして、その二分の一を対象として、一千五百万円を上限に助成を行っております。
 さらに、国内外で新たに販路を開拓するため、市場のニーズや海外での規格に合わせる製品改良や国際的な認証の取得などに必要となるコストにつきましては、五百万円を上限といたしまして、二分の一の補助率で助成を行っているところでございます。

○あかねがくぼ委員 また別の事業なんですけれども、次世代イノベーション創出プロジェクト二〇二〇、これは東京都が抱える課題を解決するために、成長産業分野における開発支援テーマに沿った大型のプロジェクトを支援するという事業でありまして、平成二十七年から始まったということです。
 本年度予算は約十億円、最長三年間の開発に要した幅広い経費を三分の二まで、八千万円を限度に助成をするというものであります。
 また、単体の企業だけで利用するものではなく、大学や他の企業など、社外連携を条件としているところが特徴だということです。
 この次世代イノベーション創出プロジェクト二〇二〇のこれまでの取り組みについてお伺いします。

○坂本商工部長 都では、次世代イノベーション創出プロジェクト二〇二〇事業におきまして、市場や技術開発の動向を踏まえて、四つの分野といたしまして、健康・スポーツ、医療・福祉、環境・エネルギー、危機管理を示しまして、中小企業が他の企業や大学のほか研究機関と連携し、製品の開発プロジェクトを進める取り組みを、中小企業振興公社を通じ、サポートしてございます。
 平成二十七年度からの三年間で、三百三十四件の申請がございまして、四十四件の事業を採択してございます。今年度は、百十件の申請が出ているところでございます。
 これまで採択をした案件は、医療福祉の分野の十八件、こちらが最も多く、その次は危機管理の分野でございまして、十三件となってございます。
 また、開発プロジェクトで連携する主体の組み合わせについてでございますが、複数の企業と大学の連携によるもの、こちらが十八件と最も数が多くなってございまして、次は企業同士の取り組みに研究機関が加わった例、こちらが九件、さらには複数の企業と研究機関のほかに大学も加わった場合、こちらが九件となっているところでございます。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。
 開発支援の対象が四つの分野で、健康・スポーツ、医療・福祉、環境・エネルギー、危機管理ということで設定されておりまして、プロジェクトを支援しているということなのですが、これまで本事業で具体的にどのようなプロジェクトが実施をされたのか、また、その成果に伴う収益の取り扱いについてお伺いします。

○坂本商工部長 次世代イノベーション創出プロジェクト二〇二〇の事業で支援をした医療・福祉分野の案件といたしましては、医療の現場で原因の特定が難しい目まいやふらつきの症状につきまして、平衡感覚を保つための体の器官の状況を検査して、効果的な治療のできる装置を、中小企業と大学が連携して開発する成果が出ているところでございます。
 また、危機管理の分野では、精度の高い顔認証のシステムを企業同士が協力して開発した事例が出ております。
 さらに、環境・エネルギー分野では、金型の表面に摩擦の少ない膜をつくり、潤滑油の利用を減らして環境への負荷を抑える方法を、中小企業と研究機関が共同で開発することに成功してございます。
 なお、助成を受けてプロジェクトを完了した中小企業につきましては、開発した製品の販売により収益が生じた場合、交付を受けた助成金額を上限として、収益の一部を中小企業振興公社の方に納付する仕組みとしてございます。

○あかねがくぼ委員 技術支援として、今まで三つの事業についてご答弁いただきましたが、それぞれ都の経済成長に寄与する大変よい施策であると思います。
 特に、最後の次世代イノベーション創出プロジェクト二〇二〇に関しては、大学や他企業など、社外連携を促すという点、また、資金を助成するだけではなく、収益として成果が上がれば、それを還元されるような仕組みになっているという点は非常に評価ができます。
 将来性のあるベンチャーに積極的に投資をして、産学官で好循環を生み出す、そして発展する仕組みになるように、今後も取り組んでいただきたいと思います。
 次に、知的財産活用の支援事業としまして、年間六千件の相談を受けているということであります。
 近年増加傾向にある海外における知財戦略への相談も対応しておりまして、特許取得の助成やハンズオン支援も含めて幅広く支援を行っているところということであります。
 そこで、使われないままになっている大企業等の保有する知的財産を中小企業が活用することで、中小企業の産業競争力強化のための支援を行っているということでありました。
 その支援の仕組みと実績についてお伺いします。

○坂本商工部長 ただいまお話がございましたように、都では、大企業や研究機関の保有する活用の進んでいない特許や技術、ノウハウ、こちらの方を中小企業の新製品の開発の中で生かすためのサポートを行っております。
 具体的には、中小企業振興公社に大企業の特許等を中小企業での活用に結びつけるコーディネーター、こちらを二名配置してございまして、マッチング業務を行うとともに、特許等にかかわる秘密の保持や、共同開発などに必要となる契約の締結についてもサポートを実施しているところでございます。
 今年度は、十一月にマッチング会を開催し、特許を提供する大企業など七社と中小企業等四十社が参加をして、二十二件の個別相談が行われたところでございます。
 平成二十七年度の事業開始から、これまでに共同開発の契約等の成立は十四件となってございまして、このうち六件は製品化を実現しているところでございます。

○あかねがくぼ委員 大企業で使われていない特許を中小企業の競争力強化につなげるためにマッチングをしていくということで、潜在的需要はもっとあろうかと思います。より多くの企業にご利用いただけるように、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 次に、試験研究機関につきましてお伺いします。
 東京都立産業技術研究センター、産技研は、中小企業の研究開発や技術支援を目的とし、運営をされています。三十年度の運営費交付金の予算は約七十億円ということです。毎年業務実績評価を受けて、業務執行については、すぐれた進捗であるという評価を受けていると聞いています。
 一方で、業務目標に対する進捗評価だけでなく、投資対効果という視点が都民への説明責任上は必要でないかなと思います。特に、年間七十億という膨大な運営費交付金に対して、その必要性の納得を得られるように示していかなければなりません。
 このために、利用者の目的や支援の効果、認知度などを把握して、事業運営に反映することが重要だと考えます。
 そこで、産業技術研究センターでは、企業の利用目的、支援の効果、認知度を把握するためにどのような取り組みをされているのかをお伺いします。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、利用者のニーズや満足度などを把握するため、毎年度アンケート調査を実施しております。昨年度は約四千五百名の利用者に調査を行いまして、約二千二百名からの回答をもとに、その結果を本年四月に取りまとめているところでございます。
 この調査によると、同センターで利用件数の多い技術相談、依頼試験、機器利用、この三つのいずれの事業におきましても、開発した製品の性能の評価が利用目的として最も多くなってございまして、そのほかに製品のトラブルの原因の特定や技術の改良などのニーズも多い状況が明らかとなっているところでございます。
 また、こうした利用者が同センターの利用によって得たメリットを金額に換算した値をもとにして推計した経済効果は、年間で約三百八十二億円となってございます。
 さらに、同センターが、都内の中小企業約一万社を対象として独自に行った調査によりますと、その認知度は、回答のあった約二千社のうちで、製造業種では四五%、サービス業を含めた全体では三六%となっているところでございます。

○あかねがくぼ委員 認知度という点では、まだまだ、ちょっと低いかなと思いますので、改善のためのアクションを図っていただきたいと思います。
 また、アンケートの調査というのも有効ではございますが、それ以前に、どのような企業が利用されているのか、改善点を見つけていくため、現状分析も定期的に行っていただければと思っています。
 また、このセンターの利用による経済効果、推計で年間約三百八十二億円とのことですが、これをさらに高めていただきまして、都税の収入に還元される、そういった仕組みにしていただければと思っています。
 年間七十億を都がセンターに投じているということで、投資対効果という視点で見れば、ここでの開発された技術が製品に生かされ、その結果として、世界の市場でも通用する、すなわち、中小企業の売り上げに大きく貢献するということを目指していくことが重要であります。
 市場からの評価という意味では、中小企業だからということでハンデがあるわけではなく、技術の進歩はますますスピードを増していきますし、企業の置かれた経営環境、競争環境は厳しくなっているわけであります。中小企業の支援といえども、世界市場で通用するようなレベルで技術を研究していくということが求められるわけであります。
 そこで、世界の市場でも売れるような製品開発を行う企業を支援していくために、産業技術研究センターの研究レベルを向上することは重要だと考えますが、今年度を含めまして、最近の研究開発事業の取り組みについてお伺いをします。

○坂本商工部長 産業技術研究センターでは、今後の成長が期待される環境・エネルギーなどの四つの分野のほかに、東京のものづくりに不可欠な機械加工などの基盤技術を対象といたしまして、さまざまな研究を行っているところでございます。
 平成二十九年度では、同センターの基盤となる研究を九十四テーマ、中小企業などとの共同研究を四十六テーマ、国の科学技術研究費の利用や企業からの受託による外部資金を導入した研究を五十五テーマ実施いたしました。これによりまして、同センターでは、研究員が業務全体の中で研究に活用している時間の割合は約三二%となっているところでございます。
 三十年度は、四月から十月の末まででございますが、基盤研究で九十四テーマ、中小企業等との共同研究を六十九テーマ、外部資金を導入した研究を四十四テーマ実施してございます。
 また、同センターでは、三十年度には、研究成果の発信とそのレベルを高めるため、十月末までに国内外で専門的な研究誌への論文発表を二十件、学会等での発表を百六十八件行うほか、炭素の薄い膜を金属表面に施して摩擦を大幅に引き下げる研究、こういった研究など八件が学会や業界などから表彰を受けているところでございます。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。今後とも、研究水準のさらなる向上に向けまして、センター一丸となって切磋琢磨して取り組んでいただきたいと要望いたします。
 続きまして、高齢者雇用についてお伺いします。
 高齢者の就業対策としては、シルバー人材センターを過去から行っているわけですが、今年度から、シニア就業応援プロジェクトとしまして、しごとEXPO、セカンドキャリア、東京キャリア・トライアルという三つの新しい取り組みが始まっております。
 その中で、先ほど、セカンドキャリアについてはご答弁いただいておりましたので、それ以外のしごとEXPO、東京キャリア・トライアルにつきまして、具体的にどのような施策の内容なのか、それぞれの実施状況についてお伺いをいたします。

○篠原雇用就業部長 東京キャリア・トライアル65でございますが、高齢者を短期の労働者として企業に派遣することによりまして、高齢者にとっては、新たな分野の仕事の体験を通じて、自分の可能性を再発見し活躍の場を広げていただく、そして、企業におきましては、高齢者雇用のノウハウを獲得していただくということを目的とした事業でございます。
 年間三百名以上の派遣を目指しておりまして、十月末現在で二百七十九名の方が登録し、うち六十二名の派遣が決定しているところでございます。
 次に、シニアしごとEXPOでございますが、これは高齢者の就業拡大の機運を醸成しますとともに、合同就職面接会等によりまして、実際の就業を支援するためのイベントでございます。
 今年度は、新宿と立川の二カ所で開催いたしまして、新宿会場には六百五名、立川会場には二百九十一名の来場者がございました。

○あかねがくぼ委員 十月に始まったばかりの事業ということで、今後、認知拡大、また普及させていくという段階かと思いますが、どのような方法で対象となるシニアや企業側にアプローチをされていくか、お伺いします。

○篠原雇用就業部長 お話のシニア就業応援プロジェクトの三つの事業の周知につきましてですが、今年度は、テレビ、ラジオ、インターネット、新聞といったメディアを活用してPRいたしましたほか、都内ハローワーク、東京しごとセンター、区市町村にも協力をいただいて、ポスターの掲示やリーフレットの配布を行っております。
 また、東京キャリア・トライアル65につきましては、企業向けにも、ダイレクトメールや新宿駅、品川駅等におけるデジタルサイネージ、新聞広告等によりPRを行っております。
 今後は、こうした取り組みに加えまして、今年度の参加者の意見なども聞き、より高齢者の目にとまるような場所でPRを行うなど、効果的なアプローチについても検討してまいります。

○あかねがくぼ委員 大変よい取り組みだと思いますので、しっかりと認知されるように、PRを実行していただきたいと思います。
 次、シニアの就労につきましては、シルバー人材センター事業と、今回、東京キャリア・トライアル、このすみ分けはどのようになっていますでしょうか。

○篠原雇用就業部長 高齢者の就業に対する考え方やニーズというのはさまざまでございまして、そうしたニーズ等に適切に応えて就業支援を行うということが重要でございます。
 シルバー人材センターにおきましては、主として短期的で軽度な作業を通じて、高齢者が社会に参画し、生きがいを得ていただくということを目的としております。
 一方で、より本格的な就業を希望する高齢者もおりますので、こうした方に対しましては、先ほど述べました東京キャリア・トライアル65のほか、東京しごとセンター等の支援事業におきまして、就業を促進しているところでございます。

○あかねがくぼ委員 シルバー人材センター事業は長く行っている取り組みだと思いますけれども、実際の就労にはどの程度貢献をできているのか。また、まだちょっと十分に認知されているとはいえない状態かと思うんですが、そのあたりの課題認識はお持ちでしょうか。

○篠原雇用就業部長 シルバー人材センターは、昭和五十年にその前身が全国で初めて東京で設立された後、昭和六十一年に法律に位置づけられまして、全国に展開してきたものでございます。高齢者が働くことを通じて生きがいを得るための場として、また、地域における就労の場としても評価を得てきていると考えております。
 近年、会員を労働者として派遣できる制度が導入されまして、これを活用して、積極的な業務の分野の拡大に取り組むセンターも少なくありませんが、今後は、こうした取り組みをさらに広めていく、それとあわせて、会員数の拡大を図っていくことが重要と考えております。
 このため、東京都では、シルバー人材センター連合や地域のシルバー人材センターとも連携して、好事例の展開等により各センターの事業拡大を推進しますとともに、会員獲得に向け、広く都民への周知を図っていきたいと考えております。
 具体的な周知につきましても、ハローワーク等におけるリーフレット配布や事業説明、シニアしごとEXPOへの出展の機会の提供などを引き続き行っていきたいと考えておりまして、また、地域のシルバー人材センターにおいても、地元のお祭りへの出展、PRイベントの開催などを行っておりますので、都としては、引き続きこうした取り組みを後押ししていきたいと考えております。

○あかねがくぼ委員 生き生きと働かれるシニアをふやしていただきたいと思います。
 続きまして、障害者雇用、都内の中小企業での障害者雇用の実態についてお伺いします。

○蓮沼事業推進担当部長 平成二十九年六月一日現在における都内の民間企業における障害者雇用数は約十八万人であり、障害者雇用率は一・八八%でございます。
 このうち、従業員千人以上の企業については二・一三%であるのに対し、三百人未満の企業については一・〇七%となっております。
 都においては、平成二十八年十二月に策定した二〇二〇年に向けた実行プランで、二〇一四年から二〇二四年度末までの十年間で障害者雇用を四万人増加という目標を掲げており、二〇一七年度末現在で、二万三千八十一人増加となっております。

○あかねがくぼ委員 二〇一四年からの約三年間で、およそ二万人以上の雇用の増加があったということですが、ということは、残り八年間で一万七千人が増加する目標ということになるわけですが、二年間で二万人ふえたのであれば、八年間で一万七千人という目標になりますと、ちょっと低過ぎるんではないかなというふうに思いますが、見解をお伺いします。

○蓮沼事業推進担当部長 近年の障害者雇用数の増加につきましては、法定雇用率の引き上げによる影響も考えられ、今後もこうした障害者雇用を取り巻く状況を注視しながら、必要に応じて適切に対応してまいります。

○あかねがくぼ委員 法定雇用率引き上げによって増加をしたであろうということですが、先ほど紹介のありました従業員三百人未満の中小企業の障害者雇用率は、大企業の半分以下の一%程度でありますので、恐らく余りふえていないのかなというふうに推測をいたします。
 中小企業での増加数というところは、現在、計測ができないということなのですが、施策の効果測定を実施していくためにも、今後は、障害者の雇用数、企業規模別の内訳など、分析に必要な基本的なデータを取得されるように要望いたします。
 今年度から始まりました障害者雇用促進支援事業について伺います。
 これはソーシャルファームの概念、すなわち、ビジネスとして採算をとるということと障害者雇用を拡大する、両立を目指す企業を対象として、雇用環境の整備や経営への専門家によるアドバイスの支援を行うものであります。
 現在までの実施状況をお伺いいたします。

○蓮沼事業推進担当部長 本事業は、中小企業における障害者の雇用環境整備に関する支援と経営支援をあわせて行うモデル事業であり、今年度は、従業員百五十人未満の企業については障害者二名以上、三百人未満の企業については三名以上を雇用していることを要件の一つとして公募を行い、支援対象の二社を選定いたしました。
 このうち一社については、障害者の雇用環境整備に関する支援として、精神障害者が働きやすい業務の切り出しなどについてコンサルティングを行うほか、経営支援として、自社製品の販路拡大に向けたアドバイスを行っております。
 もう一社については、障害者の能力評価制度の構築に向けた助言等を行っており、今後、経営支援として、就業規則の改定等へのアドバイスを行うこととなっております。
 今後も引き続き、障害者の雇用環境整備などが進むよう支援してまいります。

○あかねがくぼ委員 ソーシャルファームの推進ということで大変可能性のある事業かと思うので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 障害者雇用につきましては、従来から、エクセレントカンパニーとしてすぐれた取り組みをしている企業を表彰したり、セミナーやフェアなどにより企業に向けた普及啓発を行ってまいりました。
 また、障害者雇用ができていない企業に対しては個別に訪問をし、情報提供や支援メニューの提案なども行ってきております。都独自の助成金や奨励金の制度、さらにジョブコーチとして企業への派遣制度も充実させてきているところであります。
 これらの施策が一定の効果を生んできていると認識はしておりますが、さらなる障害者雇用の促進に向けまして、今後どのような取り組みが必要であるのかをお伺いして、私の最後の質問といたします。

○蓮沼事業推進担当部長 障害者雇用における現状の課題としては、雇用の進んでいない中小企業に対する支援を強化することと、本年四月より、障害者雇用率の算定基礎に加わった精神障害者の雇用促進についての取り組みを進めることと認識しております。
 このため、障害者雇用における処遇改善を目的として、障害者を正規雇用で雇い入れた企業などに支給する奨励金について、今年度より、中小企業に支給する場合や精神障害者を雇い入れた場合には、支給金額に加算を行うことといたしました。
 今後も、障害者雇用に関する情報やノウハウの提供を行うほか、東京ジョブコーチの派遣などによる定着支援の取り組みを引き続き強化してまいります。

○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたします。

○中山委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○藤田産業労働局長 平成三十年第四回都議会定例会に提出を予定しております当局所管の案件の概要につきましてご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、条例案二件及び契約案三件でございます。
 初めに、条例案につきましてご説明を申し上げます。
 まず、東京都中小企業・小規模企業振興条例でございます。
 この条例は、中小企業を取り巻く経営環境が急速に変化しております中で、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進いたしますため、中小企業振興に対する都の基本的な考え方を明らかにすることによりまして、中小企業の一層の発展を図るものでございます。
 続きまして、東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例の改正は、産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行に伴うものでございます。
 次に、契約案につきましてご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しております案件は、平成三十年度工事請負契約議案三件でございます。
 提出を予定しておりますのは、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)における新築電気設備工事、新築空調設備工事及び新築給水衛生設備工事でございます。
 本件は、産業交流の中核機能を担う拠点を整備し、隣接する東京都八王子合同庁舎及び八王子市保健所を一体的に建設して、拠点との複合施設とするために新築工事を行うものの設備関係工事でございます。
 以上で第四回定例会提出予定案件の概要説明を終わらせていただきます。
 なお、これらの詳細につきましては、総務部長からご説明を申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○寺崎総務部長 今回提出を予定しております産業労働局所管の案件につきまして、お手元の配布資料に基づきご説明申し上げます。
 初めに、条例案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、条例案の概要をごらんください。
 表紙をおめくりください。今定例会には、二件の条例案をご提案させていただく予定でございます。
 一ページをごらんください。東京都中小企業・小規模企業振興条例案でございます。
 本条例は、中小企業及び小規模企業の振興を都政の重要課題として位置づけ、施策を総合的に推進するため、以下のとおり定めるものでございます。
 第一条では、本条例が、中小企業振興の基本理念や施策の基本方針、関係者の役割等を定めることによりまして、施策を総合的に推進し、もって、都の経済の持続的な発展及び都民生活の向上に寄与することを目的とすることを規定してございます。
 第二条では、中小企業者や中小企業関係団体等の用語の意義について規定してございます。
 第三条では、中小企業の振興は、中小企業者の自主的な努力の促進を旨として推進すること、中小企業は地域社会等において重要な存在であるという認識のもとに推進すること等、四つの基本理念について規定してございます。
 第四条では、都が、中小企業の振興に関する施策を総合的に実施する責務を有することを規定するとともに、取り組む施策分野を施策の基本方針として規定してございます。
 第五条では、中小企業者が、経済的社会的環境の変化に即応してその事業の成長発展を図るため、自主的に経営の改善及び向上を図るよう努めるものとすること等を規定してございます。
 第六条から第十一条では、中小企業関係団体、金融機関等、大企業者、大学等、区市町村、都民等のそれぞれの役割について規定してございます。
 第十二条では、都が、中小企業の振興に関する施策を効果的に推進するため、中小企業の振興に関する施策の実施状況等の検証に当たりましては、中小企業者等の意見を聞き、施策に反映するよう努めることを規定してございます。
 第十三条では、都が、中小企業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めることを規定してございます。
 なお、条例の施行期日は、公布の日から施行することといたしております。
 二ページをお開きください。東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 この条例は、中小企業者等の事業の再生の促進を図るため、中小企業制度融資に係る回収納付金を受け取る権利を放棄できる場合を定めるものですが、産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行による産業競争力強化法の改正に伴いまして、本条例において引用する条番号にずれが生じたため、改正後の法律の条番号に改めるものでございます。
 なお、条例の施行期日は、公布の日から施行することといたしております。
 資料2は、議案文でございます。後ほどごらんいただければと思います。
 引き続きまして、本定例会に提出を予定しております工事請負契約議案の詳細についてご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料3、工事請負契約議案の概要をごらんください。表紙をおめくりいただき、件名表をごらんください。
 今回提出を予定しておりますのは、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築電気設備工事、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築空調設備工事及び産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築給水衛生設備工事その二の三件でございます。
 このたび、多摩地域における産業集積、産業交流を促進するため、広域的な産業交流の中核機能を担う拠点として、産業交流拠点(仮称)を整備いたします。
 さらに、隣接する東京都八王子合同庁舎及び八王子市保健所を一体的に建設し、拠点との複合施設といたします。そのため、今年度から平成三十四年二月にかけて新築工事を行うものの設備関係工事でございます。
 なお、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築工事については、平成三十年第三回東京都議会定例会において、既に承認をいただいております。
 一ページをごらんください。番号1、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築電気設備工事でございます。
 契約の相手方は北陸電気工事株式会社、契約金額は二十三億五千三百三十二万円、工期は平成三十四年二月二十八日まででございます。契約の方法、入札回数、入札者数、工事概要はごらんのとおりでございます。
 続きまして、二ページをお開きください。番号2、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築空調設備工事でございます。
 契約の相手方は東洋熱工業株式会社、契約金額は十七億九千九百二十八万円、工期は平成三十四年二月二十八日まででございます。契約の方法、入札回数、入札者数、工事概要はごらんのとおりでございます。
 最後になりますが、三ページをごらんください。番号3、産業交流拠点(仮称)及び八王子合同庁舎(三十)新築給水衛生設備工事その二でございます。
 契約の相手方は菱和設備株式会社、契約金額は十億五千八百四十万円、工期は平成三十四年二月二十八日まででございます。契約の方法、入札回数、入札者数、工事概要はごらんのとおりでございます。
 以上の工事につきまして、四ページに案内図及び配置図をお示ししてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上で平成三十年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○中山委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後九時二十八分散会

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