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Tokyo Metropolitan Assembly

経済・港湾委員会速記録第十八号

平成二十九年十一月二十一日(火曜日)
第八委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤 ゆう君
副委員長上野 和彦君
副委員長山崎 一輝君
理事尾崎あや子君
理事栗下 善行君
理事小山くにひこ君
鈴木 邦和君
細田いさむ君
柴崎 幹男君
森村 隆行君
ひぐちたかあき君
のがみ純子君
鈴木 章浩君
あぜ上三和子君

欠席委員 なし

出席説明員
産業労働局局長藤田 裕司君
次長十河 慎一君
総務部長寺崎 久明君
産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務清水 英彦君
商工部長坂本 雅彦君
金融部長加藤  仁君
金融支援担当部長川崎  卓君
観光部長小沼 博靖君
観光振興担当部長浦崎 秀行君
農林水産部長藤田  聡君
安全安心・地産地消推進担当部長武田 直克君
全国育樹祭担当部長村西 紀章君
雇用就業部長小金井 毅君
事業推進担当部長蓮沼 正史君

本日の会議に付した事件
産業労働局関係
事務事業について(質疑)

○伊藤委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、産業労働局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより産業労働局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○寺崎総務部長 去る九月十五日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の経済・港湾委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 目次でございます。資料は全部で十三項目ございます。
 一ページをお開きください。商店街助成事業につきまして、平成二十七年度以降の実績をお示ししてございます。
 二ページをごらんください。政策課題対応型商店街事業につきまして、平成二十九年度の申請状況を内容別にお示ししてございます。
 続きまして、三ページから四ページにかけまして、中小企業制度融資につきまして、過去十年間の目標と実績の推移をお示ししてございます。
 恐れ入りますが、五ページをお開きください。都内製造業の事業所数、従業者数、製造品出荷額及び付加価値額につきまして、直近の調査結果として公表されている平成二十三年までの推移をお示ししてございます。
 続きまして、六ページをごらんください。都立職業能力開発センターにつきまして、過去五年間のデータをお示ししてございます。
 六ページが応募状況、また、次のページをお開きいただきまして、七ページが職業紹介の実績及び就職率でございます。
 八ページをごらんください。委託訓練につきまして、過去三年間の科目委託先の定員、応募状況、就職率をお示ししてございます。
 九ページをお開きください。雇用形態別、男女別、年齢別都内就業者数につきまして、直近の調査結果として公表されている平成二十四年までの推移をお示ししてございます。
 一〇ページをごらんください。正規雇用等転換促進助成事業につきまして、平成二十七年度以降の実績をお示ししてございます。
 一一ページをお開きください。正規雇用等転換促進中退共利用助成事業につきまして、平成二十八年度以降の実績をお示ししてございます。
 一二ページをごらんください。女性の活躍推進人材育成事業につきまして、平成二十七年度以降の実績をお示ししてございます。
 一三ページをお開きください。女性・若者・シニア創業サポート事業につきまして、過去三年間の実績をお示ししてございます。
 一四ページをごらんください。内水面漁業の従業者数、主な魚種別漁獲量及び養殖量の推移をお示ししてございます。
 一五ページをお開きください。林業の就業者数及び多摩産材の活用実績の推移をお示ししてございます。
 以上で要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○森村委員 私からはまず、東京二〇二〇大会に向けた東京都版GAP制度の創設についてお伺いします。
 ことしの三月、東京二〇二〇大会に向け、大会組織委員会が持続可能性に配慮した農産物の調達基準を公表いたしました。
 それによりますと、調達基準を満たすためにはグローバルGAP、JGAPアドバンスの認証を受けて生産された農産物であるか、または農林水産省が策定したGAPの共通基盤に関するガイドライン、通称国ガイドラインに準拠して都道府県が策定したGAP認証を受けて生産された農産物であることが必要になります。
 グローバルGAPとJGAPアドバンスの基準は、東京の農業の実態に鑑みると大きな乖離がありまして、都内での認証取得件数はグローバルGAPがまだありませんで、JGAPアドバンスは二件となっているのが現状です。
 このままでは、東京二〇二〇大会において東京の農産物が使用されることができなくなってしまうということが懸念されておりまして、東京都としては、国ガイドラインに準拠した都道府県版GAPの創設を急ぎ構築中と聞いております。
 東京都版GAPの構築に向けまして、東京都の独自性のあり方はどのようなものなのか、グローバルGAPとJGAPアドバンスとの違いや構築においての考え方をお伺いいたします。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、東京二〇二〇大会やその後を見据え、持続可能な東京農業を実現するため、都市農業の特徴を加味した東京都GAP制度を構築中でございます。
 その管理基準は、グローバルGAPなどの管理基準のうち、食品安全、環境保全、労働安全の項目を柱とし、東京の農業に合わない海外の大規模な農業に関する項目を除外する一方で、都市農業が持つ多面的機能の発揮や周辺環境への配慮などの観点から、災害時の避難場所の提供や食育への貢献、農作業時の騒音や土ぼこりの抑制など、都独自の項目を追加することとしております。
 また、グローバルGAPなどでは審査費用が高額となるため、都のGAP制度は、農業者の負担軽減を考慮した制度となるよう検討しております。

○森村委員 東京都版GAPについては、ぜひとも都内の農家の実情を反映した形で、かつ国ガイドラインに合致した制度を早急に構築いただきたいと思いますが、スケジュール感として、制度構築については今年度中をめどに進め、周知期間を経て、来年度の運用開始を目指しているものと聞いております。
 二〇二〇大会において、東京の農産物が調達基準を満たすためには、東京都の農業改良普及センターによる巡回指導等を経て、一定の期限までに東京の農家が認証を取得している必要がありますが、まずは、現段階における制度構築に向けた進捗状況をお伺いいたします。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、東京都GAP制度の来年度からの運用開始に向け、現在、GAPの管理基準の作成とその審査の仕組みを検討しているところでございます。

○森村委員 ぜひとも東京二〇二〇大会において、農産物を提供したいと希望している農家の皆さんの声をしっかりと聞いていただきながら、都市農業の実態に合致する形での東京版GAPの構築をお願いいたしたいと思います。
 東京の農家は、都市農業の性質上、多品種少量を地域で消費するような小規模農家も多く、グローバルGAPやJGAPアドバンスに示された基準を見て、これではさすがについていくことができないというふうに、落胆している農家の方々も多いと聞いております。
 また、手続面や費用の面での負担も大きく、それに比して考えると認証取得の意義や必要性がわからないという声もあるわけです。
 こうした状況を踏まえまして、制度構築後にどのように認証取得を促していくのかについてもあわせてお伺いいたします。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 GAP認証の取得は、東京二〇二〇大会における都内産農産物の提供を可能とするとともに、生産工程を記録することが経営改善になり、加えて農産物の安全性や品質などの向上にもつながることから、販路拡大にも資するものでございます。
 このため、都は、さまざまな負担軽減の仕組みを検討するとともに、農業者などに対してGAPの維持や取得方法などを丁寧に説明し、より多くの農業者に認証取得を促してまいります。

○森村委員 東京二〇二〇大会を契機としたGAP認証の取得が、その後の農家の販路拡大につながり、そして農業の持続性を高めることになるよう期待いたします。
 あくまでも認証取得は第一歩であり、そこで行われた農家の努力が必ずや実るよう、努力を進める農家を支援する制度設計の枠組みについての検討を要望いたしまして、この質問を終えさせていただきます。
 次に、東京味わいフェスタについてお伺いいたします。
 都は、丸の内等の都心部や臨海部において、東京味わいフェスタを実施しています。
 いずれも都が主催し、実行委員会形式で開催しておりますが、今回は特に、「トウキョウを味わう。東京を知る。TOKYOを見つける。」のキャッチコピーで開催されております、東京都心部での東京味わいフェスタについてお伺いいたします。
 このイベントは、東京の旬な食材や伝統野菜を生かした東京の食をPRするための取り組みで、あわせて日本全国の美味を楽しんだり、東京の伝統工芸品などに触れることができるものです。
 ことしも丸の内、有楽町、日比谷エリアにおいて開催されまして、好評を博しておりますが、改めて、このイベントはどのような狙いがあり、どのような成果があったのかご説明願います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 東京味わいフェスタは、都内産の農林水産物や伝統工芸品など、東京の多彩な魅力を国内外に発信するとともに、まちづくり組織と連携して、地域のにぎわいを創出することを目的としております。
 本フェスタは、二〇一四年に丸の内の行幸通りと仲通りで初めて開催し、以降、有楽町、日比谷の各エリアを会場に加え、東京の食材をさまざまな料理で味わえるイベントとして定着してまいりました。
 四回目の開催となる本年は、江戸東京野菜などを用いた有名シェフの料理や、震災被災県を初めとする日本各地の特産品などを提供するなど、多くの方に楽しんでいただきました。
 その結果、国内外から約十万人の来場者があり、ニュース番組など約百の媒体で紹介されるなど、東京の多彩な魅力を広くPRすることができたものと考えております。

○森村委員 東京味わいフェスタは、二〇一四年から四年間継続開催されているということで、東京都としてイベント開催のノウハウがさまざまに蓄積されているものと思います。
 まちの空間の生かし方、工夫を凝らしたステージコンテンツの充実など、年々イベントは進化してきており、開催の効果も大きなものであると受けとめております。
 そこで、当イベントのますますの発展や向上を考える上で、今後の課題や展開はどのようなものになるのかお伺いいたします。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 東京味わいフェスタにつきましては、来場者の増加に向けたイベント企画の充実と地域のにぎわいの創出に向け、丸の内、有楽町、日比谷間の回遊性の向上が課題となっております。
 そのため、今年度は、丸の内のサラリーマンなど千人へのアンケートで選ばれた料理を提供するとともに、同時期に開催された東京国際映画祭などのイベントと連携するなど、新たな企画に取り組みました。
 また、回遊性向上のため、三エリアを周遊した方へのプレゼントキャンペーンを実施いたしました。
 今後は、それぞれのまちづくり組織と連携したさらなる回遊性の向上策を検討するなど、より多くの人々を引きつけるイベントとなるようさまざまな工夫を凝らしてまいります。

○森村委員 四年間の実績があるこのイベントを目当てにしてくるリピーターの方々もいらっしゃるかと思いますが、一方で、東京観光の際の立ち寄り先として、また、通りすがりに短時間で楽しんだりする方も多いものと思います。回遊性の向上は、そうした観光客の皆さんの滞在時間を延ばし、また、満足度を向上させることにつながるものと考えます。
 引き続き、それぞれのまちづくり組織と連携し、さらなる発展につなげていただくことを期待いたします。
 また、そうしてノウハウを蓄積し、イベントとしてのレベルが向上していく中で、今後は、ほかのさまざまなイベントや施設などとのコラボレーションも期待できるのではないかと思います。
 二〇一九年にはラグビーワールドカップ、そして二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、多くの観光客が国内外から訪れます。
 大会の会場内は、オフィシャルスポンサーによる食の提供が大原則であるものと理解しておりますが、観光の観点から、当該期間における食を活用したイベントの開催なども期待したいと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小沼観光部長 特色ある風土と長年の歴史により育まれた食を初め、祭りや伝統的な建築物からアニメなどの最新の文化、そして豊かな緑や水など、東京は多様な魅力を有しております。
 こうした東京の魅力を各地域で観光資源として活用し、旅行者の誘致に取り組むことは都内各地の観光の活性化につながります。
 このため、都は、観光協会等のすぐれたアイデアと民間のノウハウを活用して事業化を目指す取り組みを行っております。
 これまで、代々地域に伝わる伝統野菜やうどんなどの食を生かしたイベントなど、地域のさまざまな観光資源を活用したアイデアを毎年選定してまいりました。
 今後も、食を初めとした地域のさまざまな観光資源の開発が可能となるよう、こうした都内各地の取り組みを支援してまいります。

○森村委員 国内外から多くの観光客が訪れることになる東京二〇二〇大会では、東京の農産物や伝統工芸品などのPRを行う最高の機会となるだろうと多くの都民が期待をしております。
 また、地場の食や物産についての観光客の消費ニーズは高く、いらしていただいた方々の満足度を高めることにもつながるものと考えます。
 こうした期待に応えながら、二〇二〇年以降も国内外において東京の食を楽しむことに対するニーズが高まっていくよう、都として積極的な取り組みを行っていただけることを強く要望申し上げます。
 さて、次に、林業の振興と花粉の少ない森づくり運動について伺います。
 東京の林業振興は、長引く木材価格の低迷や、急峻な東京の山林から伐採搬出する際のコスト、働き手の高齢化などにより、従来の森林循環アプローチだけでは困難であるというふうにいわれています。
 一方で、同じ一次産業でも、農業分野においては六次産業化などを積極的に推進しての成功事例が全国的に生まれており、大きな期待が寄せられています。
 そこでまず、林業分野の六次産業化に向けた都の取り組みについて、どのようなことが行われているのかお伺いいたします。

○藤田農林水産部長 林業分野の六次産業化についてでございますが、委員お話しのように、農業分野では、農家が生産した果物をみずからジャムなどに加工し、販売する事例などがございます。
 一方、東京の林業においては、林業事業体の経営が小規模なため、伐採した木材をみずから製品などに加工して販売するといった農業の六次産業化のような取り組みは、ほとんど見受けられないところでございます。
 しかし、森林所有者、製材所、工務店などで組織した協同組合が、多摩産材の伐採、製材、住宅の建築、販売までを一貫して行い、良質な多摩産材住宅を提供している取り組み事例がございます。
 都は、こうした協同組合などによる多摩産材住宅のPRセミナーの開催につきまして支援するとともに、その取り組みを都のホームページで紹介しております。

○森村委員 林業の六次産業化のアプローチは、都内ではまだ事例として少ないのが現状であるということですけれども、これまでの延長線上での取り組みでは、林業の振興というにはおぼつかない成果しか手にできないのではないかという問題意識を改めて提起させていただきます。
 国内外の先進的な事例について調査研究するなどしながら、都の面積の約四割を占める森林の経済的な活用支援について、新規性のあるアプローチでの取り組みを意欲的に進めていただくことを期待いたします。
 さて、現在、都民の花粉症の割合ですが、およそ三人に一人という調査結果があります。
 花粉症の発生原因としては杉の人工林の影響が大きいというふうにいわれていますが、石原都政のもとで花粉の少ない森づくり運動が始まり、杉林を伐採して花粉の少ない杉等を植える事業を継続して実施してきました。
 杉は三十年生を超えると花粉の飛散量を増加させ、花粉症の大きな要因となるわけですが、戦後植えられた東京の杉林のほとんどは、現在、収穫期ともいえる五十から六十年生を迎え、花粉の飛散量は大なる状況です。
 加えて、杉は成長が盛んな時期に多くのCO2を吸収して大きくなりますが、収穫期を迎えた杉は、このCO2の吸収スピードも大きく低下し、森林が持つ温室効果ガスの削減効果も下がってしまいます。
 すなわち、こうした利用時期を迎えた杉の伐採を促進し、新たに花粉の少ない杉を植栽することは、花粉の飛散量を減らすとともに、CO2の削減に寄与する地球温暖化対策の一環となり、また、あわせて林業振興の一助ともなる、一石三鳥の施策となり得るものと思いますが、都の杉林の伐採事業は、今年度、どの程度進捗したのか、また、全体の計画の中での進捗状況と今後の展望をお伺いいたします。

○藤田農林水産部長 都は、森林循環の促進とスギ花粉飛散量の削減を目的として杉林などを伐採し、花粉の少ない杉などを植栽する主伐事業を実施しており、今年度の杉林などの伐採に関する契約実績は三十七ヘクタールでございます。
 本事業は、平成二十七年度から平成三十六年度末までの十年間で、杉林など六百九十ヘクタールの伐採を計画しており、事業開始からの累計は百五十四ヘクタールでございます。
 今後も、計画的かつ着実に杉林などの伐採を進めてまいります。

○森村委員 東京の杉の人工林は約二万ヘクタールあるといわれており、本取り組みは超長期的なものにならざるを得ない現状であるということがわかりました。
 東京の山林が急峻で、主伐事業の対象とするには、乗り越えなければならない構造的要因、また、さまざまな課題があるものと思います。
 とはいえ、PDCAを回しながら、国や周辺の自治体などとも協力しながら改善をしていく必要があるものと認識しておりますので、今後とも、このテーマについては引き続き要望や提案を行っていきたいと思います。
 さて、都内では、森林所有者一人当たりが保有する森林の面積が小さく、林業としての事業性を高めること、それ自体が難しいといわれています。
 林業の振興には、こうした構造的な課題の解決が必要であると思われますが、それはどのようなものでしょうか。国においてもさまざまな取り組みや検討が行われているものとお聞きしておりますが、都としての取り組みについてお伺いします。

○藤田農林水産部長 今後、林道や森林作業道などの路網整備を進め、林業の効率化を図るためには、林業事業体が森林所有者に働きかけて複数の林地を取りまとめ、請け負う一回当たりの作業面積を広くする集約化が必要でございます。
 しかし、多摩の森林所有者の約九割は所有面積が五ヘクタール未満の小規模所有者でございまして、他の市町村に居住する場合も多く、森林に立ち入る機会がほとんどないことから、境界が不明確な森林がふえ、集約化を進める上での課題となっております。
 そこで、都は、森林組合などの林業事業体が実施する境界の確認作業や、測量などの境界明確化の取り組みに対して支援を行っております。また、今年度から航空レーザー測量を実施し、地形と樹木などの正確な情報の収集を開始いたしました。
 今後は、それらの情報と土地の登記情報などを合わせて林地台帳として整備し、森林所有者や林業事業体に提供することにより、多摩の森林の集約化を進めてまいります。

○森村委員 林業の振興をめぐっては、解決しなければならない数多くの課題がありますが、森林の集約化を進め、事業性の向上を図るために、このような航空レーザー測量、新しい技術を導入し、また、簡便な手法を取り入れることについては、大変期待が持てるところです。森林の集約化に向けた境界明確化についての積極的な取り組みについて、引き続き継続していただきたいと思います。
 次に、中小企業振興策、とりわけ創業支援策についてお伺いいたします。
 中小企業の振興は、東京の産業競争力を支え、経済の活力を生む源泉になります。そんな中、東京都には幅広い中小企業振興メニューがあり、中でも創業支援については特徴的な助成制度があると聞いております。
 そこで、都として近年創設した創業活性化特別支援事業、これはどのような趣旨や特徴を持った制度なのか、利用状況とあわせてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都は、創業活性化特別支援事業によりまして、事業の発展が見込まれる起業家等を支援し、創業が順調に進むモデル事例をふやすとともに、その内容を幅広く発信して、新たに開業を目指す取り組みを広げるためのサポートを実施しております。
 具体的には、事業の計画が一定レベル以上の起業家等について、創業に伴い必要となる人件費や事務スペースの借り上げ料などを対象といたしまして、三百万円を上限に三分の二の助成を行っております。
 都が支援をする起業家等の計画のレベルを確保するため、既に都や中小企業振興公社のサポートなどを受けていることを申請の条件としている点が特徴となっております。
 今年度の第一回の募集では、四百五十五件の申請のうち五十八件を採択しているところでございます。

○森村委員 創業支援ということで、人件費や運転資金をしっかり助成してくれるということが、非常に創業者にとっては大切な助成のポイントになると思います。
 今年度は、二回行う募集のうち、第一回目で既に五十八案件の採択が決まっているということですが、募集の状況としては大変順調である一方で、かなりの件数が不採択となってしまっており、採択率が前年に比して大幅に低下しているものと思われます。
 都としては、創業率を一〇%まで高めていくことを目標と掲げており、この制度はそのための施策の一環であると理解しております。現状を鑑みますに、制度の拡充なども視野に入れた対応が必要なのではないかというふうに考えます。
 また、申請書類の煩雑さなどについて、多くの経営者から使い勝手の向上などを求める声が上がっているとも聞いており、都としては、こうした状況をどのように捉えているのか見解をお伺いいたします。

○坂本商工部長 都の創業活性化特別支援事業では、昨年度に応募のあった二百三十件のうち、四三・五%に当たる百件を採択しており、今年度の一回目の募集では、採択の割合は応募全体の一二・七%となっております。
 今年度の同事業への応募に対する採択の割合が昨年度に比べ低くなった背景といたしましては、募集に参加する起業家等の数が伸びていることがございます。これはひとえに事業の周知が広がったことのほか、創業にかかわる都や区市町村による支援の充実が進んで、応募のできる起業家がふえた可能性も考えられるところでございます。
 本事業で支援をする起業家の計画のレベルを確保しながら、その数をどこまでふやすことが適切であるかは、申請の内容を十分に精査して、慎重に対応することは必要だと考えているところでございます。
 また、応募書類の記入を円滑に行うことができるよう、事前に記入内容の趣旨などをわかりやすく説明した資料を渡すほか、事業説明会で記入方法について丁寧に解説をして、手続面での利用者への配慮に引き続き力を入れてまいります。

○森村委員 本事業の募集要項を見ますと、採択されなかった企業からの審査経過や結果に関する問い合わせには一切応じられない旨がうたわれております。
 これは、審査の公平、公正を担保するための措置と伺っており、また、予算の枠がありますため、採択されない事業者が出ることについては、もちろんやむを得ないものでありますが、採択されたかどうかにかかわらず、こうした意欲ある事業者の中から、一人でも多く起業、そして事業の成功へとつなげていくことが、創業支援の趣旨にもかなうのではないかというふうに考えております。
 採択されなかった企業に対して、親身になってのフォローをしていただければ、より効果的な起業の後押しになるものと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○坂本商工部長 都の創業活性化特別支援事業で採択されない案件については、利用を希望する起業家等の計画が支援にふさわしいレベルに達することができるようにサポートする視点は重要でございます。
 TOKYO創業ステーションでは、創業に関する専門家が担任制によりまして起業家の事業計画にアドバイスをする支援を行っておりますほか、創業の初期段階で習得することが必要な知識などを提供するTOKYO起業塾を開催しており、これに参加をすることで、計画の内容の質を高めることを可能としているところでございます。
 都の運営するインキュベーション施設でも事業展開にかかわる相談も行っており、こうした取り組みなどによりまして、起業家の取り組み内容のレベルの向上を着実に支援してまいります。

○森村委員 ただいまの議論は、創業助成金だけにとどまらず、都が実施するその他のさまざまな助成事業にも通じる問題であると考えます。
 助成事業については、原則的に不採択者へのフィードバックは行わないことが前提にあるものと理解しておりますが、例えば今回のように、創業を後押ししたり、あるいは生まれたばかりの事業を育成する観点での制度につきましては、応募プロセスにおけるフォローアップのみならず、事後の取り扱いについても検討することが、制度の目的に合致するのではないかというふうに考えます。
 ぜひ一度、助成金制度全体を見渡した上で、採択されなかった企業に対するフォローアップあるいはフィードバックのあり方につき、改めまして幅広い観点から検討していただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、東京二〇二〇大会に向けた観光の振興、とりわけ多摩地域の観光振興策についてお伺いいたします。
 多摩地域には、自然環境や歴史に根差した魅力ある観光スポットが数多くありますが、地域を訪れる観光客にとって交通手段の確保がネックになっており、その問題は、とりわけ西多摩地域で顕著です。
 駅で電車をおりてからの観光地への足の確保や、観光スポット間の横の移動が困難で、周遊性に乏しく、地元でのサービス提供も点と点とでの取り組みになってしまい、連携がしにくいといわれております。そして、これを解決する手段の開発が期待されているわけです。
 こうした多摩地域の現状に鑑み、都としてどのような支援を行っているかお伺いいたします。

○小沼観光部長 多摩地域は、高尾山や御岳山などの山々や、渓流などの豊かな緑や水、歴史ある神社仏閣、江戸東京たてもの園等の文化施設など、多様で魅力的な観光資源が数多く存在しております。
 こうした多摩地域に点在する観光スポットを国内外からの旅行者に訪れてもらうためには、鉄道やバスといった公共交通機関に加え、回遊性を高める交通手段を活用する取り組みが重要でございます。
 とりわけ西多摩地域は、観光スポット間の距離が離れており、車が入りにくい場所も多く、起伏に富んだ道も存在することから、移動手段の一つとして電動アシスト自転車の活用が効果的でございます。
 このため、都は、西多摩地域において、観光協会等の団体が観光客の移動の利便性を確保するため、電動アシスト自転車を購入する際の費用を支援しております。

○森村委員 交通手段の拡充の観点で、解決手段の一環として電動アシスト自転車を使った取り組みを積極的に行っていることを高く評価いたします。
 一般に、バスや自家用車による移動に比べて、自転車での移動は天候に左右されやすく、移動速度等に課題を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、一方で、景色や地域の特色などを味わうには最適で、また、季節感を感じやすいという楽しみもあります。
 起伏に富んだ西多摩地域においては、体力に自信のない客層も、電動アシストつきであることで利用のハードルが下がることが期待できますが、一方で、電動アシスト自転車の普及状況はまだまだ低く、課題もあるといわれています。
 電動アシスト自転車を使った観光の促進について、どのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○小沼観光部長 都は今年度、多摩地域の広域的な観光スポットを周遊する際に、電動アシスト自転車が二次交通手段としてどの程度有効であるかを検証するため、西多摩地域と多摩東部のエリアで、あらかじめ設定したコースを電動アシスト自転車で走行するモニターツアーを七月から実施しております。
 参加者からは、緑や風を感じられ爽快感があった、アクセスがよくなり今まで行けなかった場所に行けた、新しいスポットを知ることができてよかったなどの回答を得られるなど、観光客の移動手段として一定の効果が認められました。
 その一方で、危ないと感じる道路がある、トイレや無料休憩所などの情報が必要などの課題も挙げられております。

○森村委員 電動アシスト自転車の観光目的での普及促進に向けてはさまざまな課題があると考えられ、例えば自転車道等の整備や駐輪場の確保などのインフラ整備、また、車道を走行する上での安全性が鍵になります。
 車のドライバーに対する、走行中の自転車に対する注意喚起や、また、自転車の利用者側への安全教育の必要性があるというふうな見解も業界関係者からありまして、事故防止の観点からも総合的な対策が必要だと考えられます。
 そこで、これらの課題に対してどのように取り組んでいくのか、都の見解をお伺いします。

○小沼観光部長 先ほどご答弁した課題に加えまして、既にレンタサイクルを導入している地域の事例からは、導入に際しては資金の確保や乗り捨てが可能な環境の整備が必要であること、また、継続的に利用されるためには情報発信の充実などの課題があることを把握してございます。
 都においては、実証実験として、今月十一日から稲城市で電動アシスト自転車を旅行者の方々にご利用いただいているところであり、これらの成果や課題を検証しながら、多摩地域の周遊の足として電動アシスト自転車の活用を引き続き検討してまいります。

○森村委員 レンタサイクルの活用については、国内外でさまざまな取り組みが行われています。今後、都の実証実験の結果や他の好事例などを参考にしながら、多摩地域の観光促進に向けた継続的な都の施策に期待をいたします。
 次に、多摩地域の観光促進のための別の施策として、六月に立川駅の駅ビル、エキュート立川に開設された東京観光情報センター多摩についてお伺いいたします。
 同センターでは、英語、中国語、韓国語の三カ国語併記での案内を作成し、また、常時、外国語ができるスタッフを置き、窓口業務を行うなどの体制をとっています。
 都は、二〇二〇年に訪都外国人数を二千五百万人まで増加させる目標を掲げて、さまざまな施策を展開しており、そのうちの一部が多摩地域へと還流することに大きな期待が寄せられています。
 東京観光情報センター多摩は、これらの観光客に対して、それぞれのニーズや興味に合致した観光スポットやイベントの案内をする役割を担っておりますが、同センターへのこれまでの来場者数は五万四百五十六人でありまして、内訳は、日本人が四万九千九百十人、外国人が五百四十六人であると聞いております。
 外国人旅行者への案内を、目的の大きな一つの目的として置いておりますが、まずは同センターへのアクセスがなければ始まりません。
 そこで、外国人来場者を増加させ、成果を出すための施策について、どのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○浦崎観光振興担当部長 東京観光情報センター多摩は、立地する商業施設内の小売店や飲食店などの店舗と連携し、多摩地域の観光の魅力を重点的に発信することを特徴としております。
 本年六月の開設に合わせ、多摩にお出かけをテーマとして、商業施設内の協力店舗でハイキングの用品や関連書籍を販売すると同時に、多摩の自然の魅力を紹介するなどのPRを行いました。また、多摩の食材を使用したお菓子の新商品等を提供するとともに、この取り組みの内容を紹介した多言語の冊子を一万部作成し、配布いたしました。
 これに加え、センター多摩の情報などを新宿や羽田などほかの四つのセンターで発信することで、外国人を初めとした多くの利用者に多摩の観光情報を提供しております。
 さらに、十月より、センター多摩を多言語で案内したカードを作成し、地元の駅やホテルなどの近隣施設で配布するなどの取り組みを行っており、今後もより多くの外国人にご利用していただけるよう努めてまいります。

○森村委員 さまざまな拠点との連携をしながら、観光情報センター多摩の周知を図っていることがわかりました。
 来客数を増加させるためのシンプルかつ強力な施策として、同センター内はもちろん、集客力が抜群で人通りの非常に多い立川駅コンコースで、例えば、提携自治体や観光協会等との連携をしながら定期的に催事を行うなど、多摩随一の乗降客数を誇る立川駅の立地ポテンシャルを生かすための施策の検討を要望するとともに、現在行われている数々の施策が実を結ぶことを期待いたします。
 また、都としては、同センターの開設に先行して、都庁、羽田空港、京成上野、バスタ新宿など、既に四つの観光情報センターの運営を行っているとのことですが、それぞれ平均して約二十万人を超える来場者数があり、また、外国人旅行者の利用も顕著です。
 これら東京観光情報センターはそれぞれ、公益財団法人東京観光財団から大手旅行会社のグループ会社への業務委託により運営されており、センター間での情報連携が密にできる環境にあるものと思われます。
 そこで、先行する四つの観光情報センターでの実績やノウハウの横展開など、新しく開設したセンター多摩の育成に向けてどのような施策があるのかお伺いいたします。

○浦崎観光振興担当部長 都では、東京観光情報センター多摩を含む五つのセンターの運営の責任者などをメンバーとする会議を定期的に実施し、サービスの質を高めるための検討を行っております。
 昨年度は、既存の四つのセンター全体で約百十万人の方が利用されており、会議では、寄せられた問い合わせの内容や傾向などを分析、共有することで、問い合わせへの迅速な対応や、利用者のニーズに応じたプランの提案を行う際の参考としております。
 また、各センターのスタッフを指導する責任者が相互に他のセンターを訪問して、実際の取り組みや利用者への対応状況を確認し、改善が必要な点を助言するとともに、みずからのセンターに持ち帰り、接遇の向上に役立てております。
 これらに加え、他の自治体や民間事業者が運営する観光案内所とも定期的に情報交換を行い、さまざまな施設が有する好事例を取り入れて、現場の情報や豊富なノウハウを日々の運営に反映し、サービスの向上に努めているところでございます。

○森村委員 先行する四つのセンターのノウハウ提供によって、後発であるセンター多摩の立ち上げがスムーズに行われることを期待いたします。
 さて、一般的に来店型店舗運営については、店舗のサービスレベルの向上が大切だといわれております。同センターは、オープンしてまだそれほど時間もたっておらず、段階的に成長すべきステージにあるものと考えております。
 来店客に提供する多摩の観光コンテンツについても、自治体や地域の観光協会と連携しながら充実させ、かつ見せ方を工夫するなどが必要であり、また、評価、報酬体系がスタッフのモチベーションを喚起するような状況になっていることも重要であると考えられます。
 同センターにおいて、サービスレベルの向上のためにどのような取り組みを行っているのか、また、現段階で把握している課題についてお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○浦崎観光振興担当部長 東京観光情報センター多摩では、地域の観光協会等と協力をし、地酒や多摩産材の木工品等の特産品の紹介や、観光イベントを実施しております。
 また、市町村とも連携し、四季に応じた観光スポットやイベント情報を写真や映像などで紹介するなど、多摩地域の魅力を多様な手法で発信しております。
 加えて、現場スタッフのサービスレベルを高めるため、多摩の観光関連施設や観光スポット等でスタッフの実地研修を実施しているほか、すぐれた接遇等を行ったスタッフへの評価制度などを設けております。
 今後、さらにセンター多摩でのイベントや情報発信の充実を図るとともに、認知度を向上させることが必要でございまして、国内外のより多くの旅行者にご利用いただけるよう取り組んでまいります。

○のがみ委員 まず最初に、女性起業家への支援について質問させていただきます。
 創業、とりわけこれからの活躍が期待される女性起業家への支援について、まず最初にお伺いいたします。
 誰もが輝く社会の実現には、女性の一層の活躍が不可欠です。中でも、起業、ライフスタイルやキャリアプランに合わせて能力を発揮できるという点で、女性にとって魅力的な選択肢の一つであると考えております。
 近年では、趣味や特技を生かした身の丈の企業だけではなく、全国展開や海外進出なども視野に入れたアイデアとエネルギーにあふれる女性の活躍を耳にする機会もふえ、今後が非常に楽しみでもあります。
 都は、今年度から、こうした女性起業家のロールモデルとなるような成功事例を生み出す事業を開始したと聞いております。大変重要な取り組みでございますが、女性の起業には、社会人の経験が比較的浅いとかもあって商売に有用な人材が乏しいとか、一定の特徴があると思います。
 こうした点も踏まえた、きめ細かな支援が求められると考えられますが、取り組み状況についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都は、社会的な問題の解決や世界の市場への積極的な進出に向け、事業の拡大に意欲を持つ女性の起業家をサポートする取り組みを行っております。
 このため、具体的な事業展開の計画を持つ二十名の女性の起業家を選び、十月から十二月まで、さまざまな知識を学び、スキルの向上を図る講座を実施しているところでございます。
 参加者が事業の経営をしながら講義をインターネットで受けることのできる工夫を行うとともに、創業が活発なアメリカの市場に日本から進出し、成功した女性起業家の体験談や、米国でのビジネス交渉の方法などを伝える実践的な内容を盛り込んでいるところでございます。
 また、参加者同士がお互いの体験や課題を共有し、ネットワークづくりにも役立てるイベントを三回実施するほか、専門家が事業計画に関し個別に助言を行って、内容の充実を図る仕組みとしているところでございます。
 年明けの一月からは、参加者のうち十名をニューヨークに約二週間にわたって派遣をいたしまして、投資家や将来の取引を見込める企業等に事業計画を説明する機会も提供いたします。
 こうした一連の取り組みについて、帰国後に報告会を開き、ホームページも活用して幅広く発信を行って、女性の起業家の事業展開を着実に後押ししてまいります。

○のがみ委員 二十名の参加者のうちの十名をニューヨークに二週間にわたり派遣するという、このプログラムを通じて、女性起業家の皆さんのロールモデルとなって、大きく飛躍していくことを期待したいと思います。
 次に、城東ものづくり、デザインスタジオについて何点かお伺いいたします。
 まず最初に、東京都立産業技術教育センターの取り組みについて何点かお伺いいたします。
 私の地元の葛飾区には、高度な技術を持った町工場がたくさんあります。その数は二十三区内で四番目に多くて、文房具やアクセサリー、おもちゃ、金型部品等を初め、生活に密着する多種多様な製品を生み出し、葛飾を代表する産業となっております。
 ものづくり中小企業の技術力を効果的に高めていくためには、こうした地域の産業の特性を踏まえた支援を行っていくことが重要だと考えます。
 先月、都立産業技術センターの城東支所がリニューアルをして、地域のニーズを踏まえた試験機器を新たに導入するなど、支援の充実を図ったと聞いております。
 そこで、このリニューアルの具体的な内容について、まず最初にお伺いいたします。

○坂本商工部長 産業技術研究センターの城東支所では、中小のものづくり企業から技術開発や製品のデザインに関する相談が多く、去る十月十一日に、新しくものづくりスタジオとデザインスタジオを開設いたしまして、体制の充実を図っております。
 具体的には、ものづくりスタジオでは、試作品の作製が頻繁に行われて、形状の正確さへのニーズも高まっているということを踏まえまして、最新鋭の3Dプリンターを導入するとともに、精密な加工技術にも対応できるよう、金属を複雑な形で切断のできるレーザー加工機を新しく設置するなどによりまして、製造業の技術支援の充実を図っております。
 また、デザインスタジオにおきましては、支所内のデザイン関連の機器を集約した上で、より広い作業スペースを確保して、実物大の試作品を製作できる体制を整えております。
 スタジオ内でデザインにかかわる企画から製品化までをワンストップで対応できる仕組みとしてございまして、利用者の利便性の向上を図っているところでございます。

○のがみ委員 今までの3Dプリンターよりも、さらに精密な加工技術のすぐれている3Dプリンターでつくられた製品も見させていただきましたけれども、普通では、金型とかそういうのではなかなかできないものが、本当に3Dプリンターでできるということは、すばらしいなというふうに私も感心をしております。
 中小零細の企業は、すぐれた技術は持っておりましても、資金力という点では、かなり脆弱です。
 今回導入されたような高額な試作機器を購入することは大変難しく、地元でセンターの機器を利用し、きめ細かい支援を受けることができるのは、地域のものづくり中小零細企業にとって大変にありがたいことであると思います。ただ、せっかくの設備やサポート体制も、使ってもらえなければその真価を発揮することはできません。
 そこで、利用推進を図ることが重要となってきますけれども、城東支所ではこのPRを具体的にどう行っているのかについてお聞きいたします。

○坂本商工部長 産業技術研究センター城東支所におきましては、ものづくりスタジオとデザインスタジオについて利用者に幅広く正確な紹介をするため、さまざまな方法でPR活動を行っております。
 開所の前になりますが、九月二十一日に支所の主催する技術セミナーにあわせて、新しい二つのスタジオの内容を説明するとともに、十月の開設式では、地元の製造関連の企業や業界団体、金融機関などを対象に見学会を開きまして、九十四名が参加をした記念講演会で、支所の新たな体制の内容について丁寧に解説を行っております。
 また、葛飾区が運営しておりまして、支所に隣接をしておりますテクノプラザかつしかで開催された産業フェアにあわせまして、十月二十日から二十二日まで、ものづくりスタジオなどの一般公開を実施したほか、同支所の産業交流展への出展や鉄道への車内広告などによりまして、幅広い宣伝や紹介に取り組んでまいりました。
 十一月三十日になりますが、ものづくりスタジオに設置した3Dプリンターの活用などをテーマとする技術セミナーや見学会を開催することとしております。
 こうした取り組みにあわせまして、宣伝用のパンフレットを六千部製作して地元の企業などへの配布を行うほか、ホームページも活用して効果的な発信を進めているところでございます。

○のがみ委員 ぜひ、私もちょっと参加をしてみたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ものづくり中小企業が持続的に成長していくためには、そこで働く人材の力を高めていくことも大変重要です。人づくりをおろそかにすれば、それはいずれ会社の技術力をそいでしまう結果になりかねません。
 技術や技能はますます高度化、複雑化しておりまして、各社の技術課題に対応して、実践的な指導、育成を行っていく必要がありますが、中小企業単独では対応できないのが実態だと思います。
 産業技術研究センターでは、中小企業の技術課題の解決に向け、セミナーや講習会を初めとする人材育成に取り組んでおります。
 企業のニーズに沿ったきめ細かな支援が必要と考えますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 東京の中小のものづくり企業で働く人材の能力を高めるために、産業技術研究センターでは、技術面の知識を提供するための講義や、測定機器などを操作しながら現場で実務のレベルの向上を図る講習会などを行っております。
 具体的には、若手の技術者に対して、製品開発に必要となる材料の選び方や設計図面の読み取り方に関する知識を提供するセミナーや海外での製品の規格を体系的に説明する講義などを、九月末までに三十七回にわたって実施して、九百六十名が参加をしております。
 また、新たに開発した製品の性能を検査する方法を初心者も習得できるよう、測定機器を実際に用いて、製品から発生する騒音を調査するための手順を学ぶ講習会などを、九月末までに三十五回実施しております。
 こうしたセミナーなどを数多くの技術者に提供するため、同センターの本部で実施している内容を、多摩テクノプラザで中継放映を行う工夫も行っております。
 また、個別の企業や団体からの要望に応じて研修内容をつくりまして、それを会社の現場に出向いて講義を行うと、こういうようなオーダーメードセミナーを、九月の末までに三十九回実施するなど、きめ細かい対応にも取り組んでいるところでございます。

○のがみ委員 都内経済を支えているのは、地域で懸命に働いている中小零細企業であります。引き続き、東京の宝であるものづくり中小企業の成長発展に向け、産業技術教育センターによる技術面からの後押しを期待いたします。
 東京の産業を一層活性化させるためには、女性を初め、さまざまな主体が持つ事業や商品などのアイデアを創業等に結びつけていく仕組みが重要であります。
 都は、先月、クラウドファンディングを活用した資金調達支援をスタートいたしました。
 クラウドファンディングは、インターネットを活用した資金調達の新しい手法として着目をされております。創業のみならず、新製品開発を考える中小企業にも有用であります。
 この都の支援事業のこれまでの実績と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○川崎金融支援担当部長 本事業は、クラウドファンディングの活用を支援することで、主婦、学生、高齢者などのさまざまな層による創業や新製品の開発、あるいはソーシャルビジネス等への挑戦を促進するものでございまして、都は、利用者がクラウドファンディング事業者に対し支払う手数料の半額、上限三十万円までを補助いたします。
 この十月の事業開始以来、一時預かり専門の託児所立ち上げを目指す女性の創業や障害のあるアーティストによるイラストをデザインしたバッグの企画販売といった案件で既に資金の募集が行われております。このうち、託児所の案件につきましては、既に当初の募集目標額を達成したと聞き及んでございます。
 また、本事業の利用に関心のある方を対象としたセミナーを毎月開催しており、十月と十一月は、合わせて百二十名の募集に対して、定員を超える申し込みをいただくなど、利用希望者の裾野の広がりを感じているところでございます。
 セミナーでは、クラウドファンディング事業者による個別相談を実施し、利用者の掘り起こしにも力を入れているところでございます。
 今後とも、多摩地域におけるセミナーの開催に加え、中小企業振興公社や金融機関を初めとした関係機関との連携などにより、効果的な周知を図り、さまざまな層による利用の促進に努めてまいります。

○のがみ委員 女性による育児関係の創業や障害者の方の能力を生かした事業を支援しているということでありまして、非常に重要な取り組みであると理解をしております。
 本事業については、このようにすばらしい実績が出始めたとのことなので、今後ともさらなるPRに努めて、利用を促進し、多くの方々を支援していくことを要望しておきます。
 次に、ライトアップを活用した観光振興についてでございます。
 東京を訪れる旅行者がふえるにつれまして、今まで私たちが注目してこなかった場所が観光スポットとして関心が寄せられることが多くなっております。
 今後さらに旅行者をふやしていくためには、これまでとは違った視点から観光資源をつくり出していくことが重要であります。こうした観点から、都の取り組みをお聞きしたいと思います。
 まず、新たな観光資源の開発についてお伺いいたします。
 東京には多くの歴史的建造物やデザイン性にすぐれた建造物があることに加え、大都会の中でも季節ごとの自然を楽しむことができるスポットも数多くございます。
 こうした建造物やスポットは、もちろん昼の間に楽しむことができるすぐれた観光資源でもありますが、夜間にライトアップをすればさらに魅力が高まるところも多いのではないかと思います。
 東京は、他国の都市と比較して、夜間でも安心して外出することができる国でございますので、こうした取り組みを都内各地で進めることで、外国人旅行者の誘致にもつながると考えます。
 都は、今年度、ライトアップを活用した夜間の観光資源の開発にどのように取り組んでいるのか、まず最初に伺います。

○小沼観光部長 都は、春の桜や秋の紅葉などの身近な自然や特徴的な建造物などをライトアップし、夜間にも楽しむことができる観光スポットを創出する取り組みを行う観光協会等への支援を行っております。
 身近な自然のライトアップについては、現在、紅葉について、公園や商店街などで十一月から十二月にかけて実施されます六件の取り組みへの支援を決定し、桜に関しましては、来年春の実施に向けて募集を開始したところでございます。
 実施に際しましては、演出効果を高めるため、照明デザイナーによるアドバイスを行う仕組みとしてございます。
 また、建造物につきましては、隅田川にかかる鉄道橋梁を通年でライトアップし、東京スカイツリーと連動した光の演出などを行うことで、水辺のにぎわい創出にもつながる取り組みなど二件を支援してございます。
 こうした取り組みを通じまして、ライトアップを活用した夜間の観光スポットを増加させ、さらなる旅行者誘致を進めてまいります。

○のがみ委員 夜間の観光資源の開発は、今後さらに旅行者をふやすために重要だと思いますので、しっかりと支援をしていただきたいと思います。
 私の住んでいる葛飾区では、十一月十八日に、東京理科大学の校舎を利用して、プロジェクションマッピングを開催いたしました。また、同時刻に金町駅のイルミネーションの点灯式典も開催をし、その前日には、亀有駅でライトアップの、これも点灯式典を開催したところでございます。また、十二月十七日には、これは金町駅で行う予定なんですけれども、ふるさとクリスマスマーケットという、さまざまなイルミネーションを利用した式典を開催する予定になっております。
 葛飾区で行ったこのプロジェクションマッピングの費用でございますが、これは区が用意をして、一千五百万円の予算で、この予算の中には、足場を組んだり舞台をつくったりと、そういった経費でございますけれども、製作に関しては、東京理科大学の学生さんたちが作製したということで、かなり経費が少なくて済んでいるようでございます。
 最近はこうしたライトアップやプロジェクションマッピングなどの新しい映像技術を活用したイベントなどもふえてきております。
 今後、こうした技術を活用した観光資源づくりも支援できるように要望してまいりたいと思います。また、その予算ができたときには、区とか市が使いやすいように要望しておきます。
 次に、映画等のロケ地を活用した観光振興について伺います。
 日本映画の代表作であります「男はつらいよ」の舞台となった葛飾柴又、柴又ですけど、寅さん記念館が設立されるなど、日本各地からファンの方々が多く訪れておりまして、映画の世界観を味わうとともに下町の風情を楽しんでおります。今週の土曜日には、寅さんが全国各地を旅したロケ地の方々が葛飾区を訪れるということで、そういったイベントが開催されるわけでございます。
 また最近では、映画「シン・ゴジラ」の撮影地を旅行者が訪れるなど、ロケ地に対する関心が高まっていると感じます。ロケ撮影により、その場所が映画の舞台になることで、新しい観光スポットになり、それらを広く情報提供することは、さらなる旅行者を呼び込むことになると思います。
 東京でのロケを促進することで、旅行者の誘致につなげていくべきと考えますけれども、都の取り組みについてお伺いいたします。

○小沼観光部長 都は、円滑なロケ撮影を支援するため、東京ロケーションボックスを運営し、都内での撮影に関する情報提供や施設管理者との撮影許可の調整を行ってございます。
 具体的には、映画制作者等に対しまして、撮影に適した場所を紹介するほか、施設管理者との撮影許可の交渉などの支援を行っております。
 こうした取り組みによりまして、平成二十九年度は、十月末現在で九十件の撮影許可につながってございます。また、今年度から、ロケ撮影の現場等を動画で紹介し、制作側と受け入れ側の双方における理解の促進を図っているところでございます。
 旅行者に向けましては、ロケ地めぐりが容易に行えるよう、作品名ごとのロケ地がスマートフォン等で手軽に検索できるアプリケーションを運営しまして、ロケ地の情報や周辺の観光情報を紹介しております。
 今後も、映画等のロケ支援の取り組みなどを通じまして、ロケ地をきっかけとした旅行者の誘致を図ってまいります。

○のがみ委員 今お伺いいたしましたロケ地の活用を初め、旅行者を引きつける魅力的な観光資源の開発を一層進めていただきたいと思います。
 次に、農業振興の取り組みについてお伺いいたします。
 葛飾区では、コマツナ、枝豆が主な農産物になっておりますけれども、金町小カブや亀戸大根、千住ネギといった江戸東京野菜も生産されております。
 例えば、金町小カブは、戦前には金町付近一帯で広く栽培され、高級料亭などに納められる人気の品種だったそうですけれども、昔ながらの品種で栽培が難しいことから、現在は生産量がごくごくわずかとなっております。
 最近、古くから都内で栽培されている江戸東京野菜が、テレビ番組などで頻繁に取り上げられるようになりました。都民の関心も高まりつつあります。
 京野菜や加賀野菜など日本各地の伝統野菜がブランド化されている中、古くから伝わる江戸東京野菜も、安定的な生産と流通を通じて知名度を向上させることが必要であると考えておりますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、伝統ある江戸東京野菜の栽培技術や食文化を継承するため、生産の確保と販路拡大の両面から取り組みを実施しております。
 生産の確保に向けましては、東京都農林総合研究センターにおいて、飲食店等の利用が期待できる寺島ナスなど五品目の栽培試験を実施し、栽培技術のポイントをまとめたマニュアルを作成し、生産者に普及するなど栽培を支援してございます。
 また、販路拡大については、飲食店の関係者向けに収穫体験や試食イベントを開催し、江戸東京野菜に対する理解を深めてもらうとともに、JAと連携して、江戸東京野菜の品目、歴史、特徴などを紹介するリーフレットなどを作成し、広く都民にPRしてまいります。
 こうした取り組みにより、江戸東京野菜の魅力を発信し、東京農業を振興してまいります。

○のがみ委員 江戸東京野菜の取り組みを通して、都内産野菜のイメージアップにつながることを期待しております。
 こうした都内農産物の魅力発信の取り組みとともに、学校給食への導入を促進することも、東京農業の振興や地産地消を進めるためには有効だと考えます。
 このような中、葛飾区では、地元産農産物の利用を促進し、農業振興と食育を推進するため、全小中学校において区内産のコマツナを使用した給食を提供するとともに、学校給食だよりを発行することで、児童生徒やその家族に魅力を発信しております。このような取り組みは東京都全体で進めるべきだと考えております。
 都は、今年度から、学校給食における地産地消導入支援事業を開始したと聞いておりますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 学校給食への都内産農産物の供給は、小中学生が都内農業を知り、食への理解を深めるとともに、地産地消を進める取り組みになります。
 このため、都は、農地のない区などの学校給食に多摩地域で生産された農産物を供給するモデル事業を開始いたしました。本事業は、モデル地区を選定し、地区ごとにJAや農業者、栄養士、学校給食の納品業者などで構成する地区協議会を設け、出荷品目や配送方法について情報交換を行い、それに基づき、JA東京中央会が中心となって、多摩地域の農産物を円滑に供給していくものでございます。
 今年度は、新宿と江東区をモデル地区に選定しており、新宿区では、原則週一回、都内産農産物を提供することとし、四月から九月までに、小中学校二十三校に対し、コマツナ、キャベツ、タマネギなど十五種類の農産物を計一・八トン供給いたしました。
 また、江東区では、今月から学校給食へ都内産農産物の供給を開始したところでございます。

○のがみ委員 学校給食における地産地消の取り組みは、児童生徒の食育、そして東京農業の理解促進にも有効であります。農業者にとってもメリットがあるため、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、都内産食材の利用促進という点では、いよいよ開催まで残り千日を切った東京二〇二〇大会においても、都内産の農産物や水産物を提供し、その魅力を国内外に広く発信していくべきだと考えております。
 東京二〇二〇大会において、こうした食材を提供するためには、組織委員会が定めた調達基準を満たす国際認証等を、農業者や漁業者等が取得することが必要であります。しかしながら、認証取得には専門的なノウハウが必要であり、また費用が高額で、相当の期間を要する等、困難が伴います。
 都では、都内産の農産物と水産物の認証取得に向けた支援を実施しておりますけれども、今年度の取り組み状況についてお伺いいたします。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、大会関連施設で都内産農林水産物を提供するため、調達基準に定められた農業生産の工程管理を認証するGAPや、水産資源の管理、生態系の配慮等を認証するMEL等の取得を生産者などに推奨しており、認証取得に必要なコンサルタントを派遣するとともに、審査料や更新費用などを支援しております。
 農産物のGAP認証につきましては、JAと連携した説明会を都内各地で開催し、意欲的な生産者二百四十一名に対し基礎研修などを実施するとともに、取得申請を行った生産者に対して、コンサルタントを十七回派遣いたしました。
 なお、ことし七月に都内初となる認証取得者が誕生したところでございます。
 水産物認証のMELにつきましては、生産段階認証と流通加工段階認証の二種類がございます。
 都においては、島しょ地域の各漁業協同組合が会員となっている団体が本認証の取得申請を行っており、現在、島しょの代表的な魚種であるキンメダイやトビウオ、メカジキなどを漁獲する七つの漁法の生産段階認証と、これらの魚を扱うための流通加工段階認証の申請をしております。
 この申請に対し、都は、小笠原などにおける現地審査に要する経費を支援しており、今年度は三月末までに四つの漁法の生産段階認証が取得できる見込みとなっております。
 今後も引き続き、認証取得を支援することにより、大会関連施設において、都内産農林水産物をより多く提供できるよう目指してまいります。

○のがみ委員 引き続き、事業者への積極的な認証取得支援を進めていっていただきたいと思います。
 これまで答弁いただいた農業振興の施策を今後も確実に進めていくためには、これからの東京農業を支えていく多様な担い手を育成していくことが必要であります。
 特に女性は、日々の仕事、生活、社会とのかかわりの中で培った知恵を活用し、さまざまな技術やアイデアなどと結びつけた新たな商品やサービスを生み出すなど、農業の分野で力を発揮できる可能性を秘めていることから、国においても農業女子プロジェクトなどで女性農業者を応援しております。
 都としても、東京農業の重要な担い手となる女性農業者がその力を発揮できるよう、積極的に支援していくことが必要であります。
 そこで、都における女性農業者の活躍推進に向けた取り組みについてお伺いいたします。

○藤田農林水産部長 東京農業の就業人口の約四割を占める女性は、その感性を生かして農産加工品の開発に取り組むとともに、販売方法に独自の工夫を凝らすなど、その活躍による東京農業の活性化が期待されております。
 都は、こうした女性農業者による六次産業化などに向けた新たなチャレンジに対する取り組みの支援を実施しております。
 具体的には、女性農業者に対する専門の相談窓口を設置するほか、事業計画から商品開発、流通販売などの多岐にわたるノウハウなどを助言するため派遣する経営コンサルタントなど、専門家の無償での派遣回数を、従来の五回から十回に引き上げ、支援を強化しております。
 これまでに、養鶏農家によるプリンや蒸しパンなどの新たな加工品の開発、製造販売や、果樹農家による焼き菓子の販売促進を図るためのロゴマークの制作などについて助言してきております。
 今後もこうした取り組みを進め、女性が一層活躍できる東京農業を構築してまいります。

○のがみ委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、働き方改革について質問をいたします。
 日本人の働き方が問われている時代、今は国の方でも働き方改革実現会議等を行いまして、いろいろ出された中の九項目の中で、法改正による時間外労働の上限規制の導入とか、副業、兼業、テレワークなど、いろいろと取り沙汰されたことがございます。
 私は、自分の感性なんですけれども、日本人の働き方の大きな転換になった事件を三つ思い出します。
 一つは、大手化粧品会社、あえて名前はいいませんけれども、女性の両立支援に、今まで一生懸命積極的に、社長を初め頑張ってきた会社でございます。
 子供を産み育てながら働ける非常に理想的な会社だったんですけれども、土曜、日曜の勤務や、あるいは遅番というんですかね、遅い時間帯に、今まではワーキングマザーは免除されてきたわけですけれども、やはりそれではなかなか立ち行かないということで、土曜、日曜あるいは遅番など、今までは個人の事情に合わせて出勤していたんです。
 子育てをしている女性には働きやすいけれども、そのしわ寄せが、子供のいない人や独身の女性の方にしわ寄せが来ていたと。それで、遅い時間の勤務シフトをしていただきたいということで、そういうワーキングマザーに対して、今まで当たり前のようにとれていた働き方が変わっていったということが一つであります。
 それからもう一つは、これも大手有名広告会社の事件でございますけれども、新入社員だった女性が過労自殺をしたと。
 百時間を超える長時間労働や、調べてみると、パワハラ、セクハラがあったということで、これは昨年、労災認定が下って、労働基準法違反の疑いで書類送検されたのが社長で、その社長は十二月に引責辞任をせざるを得なかったという。
 それからもう一つ、私の感性なんですけれども、有名宅配会社ですね。
 これは社員の働き方がもう苛酷な現実で、サービス残業に対して社会的な批判もありまして、未払い残業代二百億円を支払うということになりました。
 そういうように、今まで自分がボランティアみたいな形で働いていた社員も、やはり労働と報酬という対価をしっかりとやっていかなくちゃいけない。当たり前のことなんですけれども、余りにもサービス残業とかが多かったというようなこともございます。
 働き方も、フレックスタイム、テレワークなどさまざまな形態がございますけれども、きょう私が取り上げたいと思ったのは、最近特に注目されている働き方の一つでありますテレワークについて質疑をさせていただきます。
 ことしから始まったテレワーク・デイ、これは二〇二〇年の東京五輪の開会式の七月二十四日をテレワーク・デイと命名しております。
 二〇二〇年までに各企業にテレワークを実施するよう呼びかける運動を始めております。これは、東京五輪の開会式の当日、交通混雑を緩和する施策の一つの目的として、柔軟な働き方を目指すことを目的としているものと思います。
 自宅などで仕事ができるテレワークは、通勤時間の節約、育児や、あるいは介護との両立など、働く人のライフワークバランスの実現に向けた有効な手段になり得ると思っております。
 しかし、仕事と家庭生活の境界が曖昧になることから、勤務時間や仕事の成果の確認に関する取り決めなど、業務内容に応じた適切な勤務実態の把握が必要であります。
 先日、私の地元の葛飾にある玩具メーカーからお話を伺いました。この会社では、テレワークを実施する際、始業時間や就業時間、休憩時間のほか、業務の進捗状況をメールでその都度、上司に報告を行っているそうです。こうした運用に至るまでには、部門や職種を踏まえ、職場の理解も求めながら、実施と検証を繰り返すなどのご苦労があったと聞いております。
 労務管理が難しいという理由でテレワークの導入に二の足を踏む企業が多い中、労使双方が納得できる運用ルールを定められるよう、丁寧にフォローしていくことが重要であります。
 都は、今年度、テレワーク推進センターを設置し、企業等に対してさまざまなサービスをワンストップで提供しておりますけれども、テレワーク導入企業の労務管理に関しての支援の内容についてお伺いいたします。

○小金井雇用就業部長 時間や場所にとらわれないテレワークは、働く方のライフワークバランスに資する有効なツールの一つであると考えております。
 都は、七月に開設しましたテレワーク推進センターを拠点に、その普及に取り組んでいるところでございます。センターでは、業務改善やITに精通したコンシェルジュが、企業ニーズに応じて勤務制度に関する相談や情報提供を行うほか、実際に複数の勤怠管理ツールを比較体験できるなど、ソフト、ハード両面からテレワーク導入時の労務管理に関する課題の解決策を提案しているところでございます。
 また、具体的に導入を検討する企業には社会保険労務士を派遣し、労務管理に関する制度設計について助言するなど、一貫した支援を行っているところでございます。
 今後は、参考となる先行企業の制度導入による好事例を広く中小企業に発信することで、テレワークの普及促進を図ってまいります。

○のがみ委員 テレワークを取り入れたいろいろな企業でお聞きすると、テレワーク、もうやめられませんというような声も上がっております。
 アメリカでは四〇%以上の人が実践をしている働き方、ハイスペックなワーカーほどテレワークを実践しているということでございます。
 日本におけるテレワークは一五%以下で、社内制度があっても、これは育児中の女性のための制度だというふうに考えられていて、みんなが利用できる制度であるという認識がまだまだ薄い実態がございます。
 中小企業がテレワークを導入し、従業員が安心して働けるようにするためには、業種や職種によっても異なる職場事情への配慮が必要であることから、都が企業に寄り添って、きめ細かくサポートしていくことを要望しておきます。
 次に、女性の活躍に向けた雇用就業対策についてお伺いいたします。
 我が党公明党は、かねてより女性が輝く東京を目指して、政策を前に進めるべく積極的に取り組んでまいりました。女性の活躍を推進するには、働き続けられる環境を整備するとともに、出産や子育て等を理由に離職しても、再就職ができる支援をしていくことが重要であります。
 都は、平成二十六年に東京しごとセンター内に女性しごと応援テラスを開設し、多様なメニューにより女性の再就職を総合的にサポートしております。
 現状では、育児等で一旦仕事を離れる女性は少なくないですけれども、離れている期間が長い方の中には、仕事に対する不安等から就職活動に踏み出せない方や、踏み出したくても相談できる窓口があること自体を知らない方も、まだまだ多いのではないかと思います。
 都は、女性の就業拡大を目指したイベントを実施しておりますけれども、こうした機会を捉えて、より多くの方々に女性しごと応援テラスの存在を知ってもらうことが必要だと考えます。本年度の取り組みについてお伺いいたします。

○小金井雇用就業部長 都は、各地域で女性活躍のイベントを実施しておりますけれども、その際、テラスの存在を初めて知ったとの声も聞かれますことから、こうしたイベントを通じて、広く情報発信することが効果的であるというふうに考えております。
 そこで、都は、今年度から、女性の就業拡大イベントにおいて、著名人によるセミナーや、子連れで気軽に参加できるキャラクターショーなどをあわせて行い、より多くの方に参加いただけるよう工夫したところでございます。
 また、会場内に女性しごと応援テラスや国の支援機関のブースを設け、支援内容等に関する情報提供を行うとともに、新たにキャリアカウンセリングコーナーを設けまして、それぞれの状況に応じたアドバイスも行っているところでございます。
 今後も、女性しごと応援テラスをより多くの方に知ってもらえるよう、さまざまな取り組みを通じて周知を図っていきます。

○のがみ委員 さまざまな工夫を凝らしたイベントを行い情報発信するとともに、適切な支援につなげていく取り組みを行っているとの答弁をいただきました。
 現時点で、女性しごと応援テラスを知らない方に対しては、より身近な区市町村と一緒になって情報発信をしていくことも効果的と考えます。
 今後とも、より一層、地域と連携を図りながら、女性の就業促進に向けた支援策を展開していくことを要望しておきます。
 次に、女性の活躍に向けた職場環境整備について質問をいたします。
 女性が意欲と能力に応じて多様な働き方を選択できる社会を実現するには、さまざまな分野での職域拡大はもとより、出産、育児などのライフイベントにおいても就業継続できるよう、職場環境の整備を進めることが必要であります。
 とりわけ中小企業は、都内企業の九九%を占める一方で、経費面や人材面などの制約から、環境整備に独自に取り組むことが困難である場合も多く、女性が働きやすい職場づくりを都が後押しすることは有効であります。
 都は、昨年度から、女性の活躍推進に向けた環境整備を支援する事業を開始しておりますが、現在の取り組み状況についてお伺いいたします。

○小金井雇用就業部長 都は、女性の就業が進んでいない分野に活躍の機会を広げるとともに、出産などを理由に離職することがないようにするため、昨年度から、女性用トイレや更衣室等のハード整備を行う企業に対し、経費の一部を助成しております。この取り組みにより、これまで主に男性中心の職場とされてきた建設業や運送業等で女性の進出を後押ししてきたところでございます。
 今年度は、育児や介護と仕事の両立を可能とするテレワークを広く普及させるため、導入する企業を支援する助成金の上限を二百万円から二百五十万円に引き上げるなど、柔軟な働き方を促しております。
 今後も、企業における良好な職場づくりを支援することで、女性の活躍を推進していきます。

○のがみ委員 女性が活躍できる範囲が広がり、働き続けられる環境が整えば、一人一人の自己実現が図られるばかりではなく、社会全体の活性化につながるものと期待をしております。
 引き続き、こうした支援策が多くの企業で活用されるような積極的なPRもお願いいたします。
 女性の活躍推進に向けては、子育てと仕事の両立を支援することも重要であります。そのためには、行政だけでなく、企業も含めた社会全体で保育施設を確保していく取り組みが必要であります。
 中でも、企業主導型保育施設については、働き方に応じて、多様で柔軟な保育サービスが利用できるといった従業員側のメリットに加え、設置企業にとっても、企業イメージの向上等により優秀な人材の確保につながるというメリットがあり、国においても積極的に整備促進を図っているところでございます。
 我が党は、働く女性が子供を預けやすい環境をつくるため、企業主導型保育施設の設置を後押ししてきたところであります。現在の都の取り組み状況についてお伺いいたします。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、今年度より、企業内における保育施設の設置を支援するための相談窓口を開設し、国や都の助成制度の内容や設置基準等に関する相談に応じております。
 これまでの相談件数は、三百五十三件となっており、保育施設設置に関するセミナーを十回開催するほか、既に運営している施設の見学会を三回実施いたしました。また、企業主導型保育施設を設置する際の負担軽減を図るため、国の助成対象とならない備品の購入経費に対し、定員に応じて最大三百万円まで助成しております。
 引き続き、企業による自主的な開設を促すとともに、都内での設置状況を踏まえ、適切に対応してまいります。

○のがみ委員 子育てと仕事の両立を望む女性にとって、子供の預け先の確保は切実な問題です。
 育児中の女性も安心して活躍できるよう、都内における企業主導型保育施設の普及支援にしっかりと取り組んでいただきたいことを要望して、質疑を終わります。

○山崎委員 我が国の景気は、雇用や所得の面で改善が続くなど、緩やかな回復基調が続いております。先日の報道にもありましたが、景気の拡大は、高度成長期のイザナギ景気を超え、戦後二番目の長さを記録したとのことであります。まさに我が党が掲げるアベノミクスの効果が、着実な成果に結びついていることのあらわれだといえます。
 東京都は、都内GDP百二十兆円の実現を目指していますが、都内企業の大部分を占める中小企業の成長なくしては、その実現はかないません。
 今後、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの成功、さらには、その後も見据え、足腰の強い日本経済を復活させるためには、東京が、こうした国の姿勢と軌を一にして、そのポテンシャルを最大限に生かし、産業面や雇用面での施策を積極的に展開していくことが重要であります。民間活力を高め、アベノミクスを全力で支えていく、それこそが世界一の都市東京を実現する道であります。
 しかし、その目標は、一足飛びに実現できるものではもちろんありません。まさに、地道に一つ一つの施策を積み重ね、その事業の成果をつぶさに検証し、さらに新たな事業展開につなげていくことで、都政の歩みを着実に進めていくことが重要であります。
 こうした観点から、産業労働局が取り組むべき課題について、順を追ってお伺いをいたします。
 初めに、中小企業におけるIoTの導入について伺います。
 近年、企業の現場にIoTを導入する動きが進んでおります。工場内の設備の運転状況など、生産工程の全てをネット経由で管理をし、常に最適な稼働を実現するといった活用方法のほか、近い将来には、製品内のセンサーがメンテや修理の必要なふぐあい箇所を検知し、自動で知らせるといった機能の実装が見込まれております。企業の生産性の抜本的改善や、新しいサービスの誕生が実現しようとしております。
 ビジネスのあり方が一変しつつあるこの流れに中小企業が乗りおくれないよう支援が必要であります。
 都は、今年度より、中小企業へのIoT導入を後押しする事業を開始しておりますが、取り組み状況について伺います。

○坂本商工部長 都では、中小企業がIoTの技術を生産やサービスの現場に円滑に導入し、経営力の向上につなげることのできるよう、今年度より新たな支援を開始しております。
 具体的には、中小企業振興公社にIoTの導入に関する経営上の課題について相談を受ける窓口を設けまして、六名の体制で対応を行い、十月末までに三十八の案件を取り扱っているところでございます。また、これまで九つの会社の現場に技術の専門家を派遣し、IoTのシステムの導入について、きめ細かいアドバイスを実施しているところでございます。さらには、七月と九月にIoTの導入のメリットなどを説明するセミナーを開催しております。
 IoTにかかわる研究開発の面では、産業技術研究センターが、生産性の向上やIoTを活用した製品づくりなどをテーマに共同研究の公募を行いまして、五十の案件の中から六つを採択しているところでございます。さらに、同センターでは、中小企業がIoTを既に導入した会社や大学などの研究機関と情報の交換ができ、課題の共有もできる研究会を、年明け来年一月に実施することも予定をしているところでございます。

○山崎委員 IoTに加え、そしてロボットも、今後欠かせない省力化、効率化技術の一つであります。製造現場はもちろん、介護現場やホテルなど、人手不足に悩むサービスの現場での活用も見込めます。センサーや精密な金属パーツなど、部品も多岐にわたり、中小ものづくり企業のロボットビジネスへの参入も大いに期待をしております。
 我が党は、さきの委員会において、ロボットの製品開発を目指す昨年度までの取り組み状況をお伺いいたしましたが、今後はこれを一歩進めて、こうした製品を実際に利用してもらえるようPRする取り組みも重要と考えます。
 そこで、今年度の取り組み状況について伺います。

○坂本商工部長 都では、ロボットにかかわる技術の開発や製品化を後押しするため、平成二十七年度から産業技術研究センターにおきまして、研究開発や実用段階で必要となる安全性の評価などを行っているところでございます。
 具体的には、ものづくりの中小企業が大学などの研究機関やロボットの導入を図る会社と協力をして製品開発を進める研究の公募を行いまして、今年度、新たに六つを採択し、同センターが一千万円を上限に経費をサポートし、技術面からも支援をいたします。
 これに加えまして、研究開発のテーマとして、警備ロボットと運搬ロボットを示しまして、大学や大企業を含めて中小企業が共同で取り組みを進める案件について十一月上旬に募集を開始いたしまして、同センターが研究の一部を担い、さらには三千万円を上限として資金面のサポートも行うこととしております。
 また、同センターがこれまでに支援をしたロボットの研究に関しましては、安全性や機能の評価を行った上で、今月の産業交流展や国際ロボット展で紹介を行うほか、十月からは専用のホームページも開設するなど、PR活動にも力を入れているところでございます。

○山崎委員 ただいま取り上げたIoTやロボットに加え、AIの本格的な活用も、はや現実のものとなりつつあります。中小企業によるこうした高度な技術の活用に向けて、支援のさらなる充実をお願いしておきます。
 次に、成長市場の一つである医療機器産業への参入支援について伺います。
 この産業は、高齢化の進展や医療需要の世界的拡大に伴い、市場の成長が見込まれております。すぐれた技術を持つ中小企業が新規参入を果たすことは、都内経済の発展にとっても非常に重要であります。
 こうした企業は、臨床現場のニーズや複雑な法規制をしっかり把握するとともに、医療機器の販売ネットワークを持つ企業との協力関係を築くなど、さまざまな課題をクリアする必要があります。また、参入後も見据えて、社内体制の整備や中核的な人材の育成にも取り組まなければなりません。
 こうした点を踏まえ、都は、医療機器産業への参入を目指す中小企業をどう支援しているのか、今年度の取り組みを伺います。

○坂本商工部長 都では、ものづくり企業がすぐれた技術力を生かし、新しい医療機器を開発するため、医療の現場のニーズを理解し、販路を確保している会社と協力をして製品をつくり上げる取り組みを支援しているところでございます。
 具体的には、大学の附属病院や研究所から、医療で必要となる機器の性能や改善点に関する情報の提供を行う研究会を開いております。これに医療機器の販売を国から許可された会社と中小の製造業とが参加をして、それぞれの会社が連携して、製品を共同で開発できるよう後押しをする仕組みとしているところでございます。
 こうした共同開発の取り組みに対しましては、産業技術研究センターが技術面からサポートをするほか、資金面の負担を軽くするため、五年間で最大五千万円の助成を三分の二の補助率で実施してございまして、今年度は十一の案件を新たに採択いたしました。
 また、中小企業が医療機器の製造に参入して、将来的には、海外市場への進出なども視野に入れて開発を進めるための人材の育成、こちらの方をサポートする講座を今年度より開始をしたところでございます。
 基礎的なカリキュラムのほかに、海外の医療現場で勤務経験のある医師と直接交流するプログラムや高度な専門知識を学ぶ課程を用意いたしまして、十月までに延べ五百八十八名が参加をしたところでございます。

○山崎委員 医工連携による医療機器の開発を促すためには、さまざまな課題に対応したきめ細かな支援が必要と考えます。
 引き続き、こうした丁寧なサポートを継続するとともに、成功事例を生み出すための施策の一層の充実を求めておきます。
 次に、中小企業の人材確保について伺います。
 都内の有効求人倍率は二倍を超えて高どまりが続くなど、人手不足は深刻さを増しております。
 都内産業を支える中小企業が人材不足によって活力を損なわれることがあれば、東京の経済にとって大きな損失です。まさに、中小企業の持続的な成長に向けて、経営の基盤となる人材の確保は喫緊の課題であります。
 企業においては、人材の囲い込み等を目的として非正規労働者を社内で正規雇用に転換する動きも活発になっております。
 一方で、正社員に転換しても賃金アップなど処遇の改善が伴わず、また、長期的な視点に立った人材育成がなされないことに不安を覚え、退職してしまうケースもあると聞いております。
 都は、平成二十七年度から、三年間で一万五千人の正規雇用化を目標に掲げ、社内での正規転換促進等に取り組んでいます。しかしながら、転換するまでの一過性の支援にとどまらず、企業の成長を担う人材として継続して働くことができるよう、職場定着に向けた取り組みを行っていくことも重要であります。
 こうした観点から、都の非正規雇用対策のこれまでの成果と、そして、今後の方向性について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、非正規で働く方々の正規雇用化に向けて、平成二十七年度から、社内での正社員転換の促進や正社員としての就職の推進等、総合的な対策を実施してまいりました。
 そのうち、国の助成金に都が独自に上乗せして社内での正規転換を後押しする助成事業により、二十七年度は四千二百人、二十八年度は一万二百七十八人が、非正規労働者から正社員に転換いたしました。
 人手不足が深刻な情報通信産業や医療、福祉分野では、労働者の雇用環境の安定化はもとより、企業の人材確保にもつながっております。
 こうした取り組みも含め、二十八年度までの二年間で目標を上回る一万六千四百二人の正規雇用化を実現しており、企業における自律的な正社員化の流れは定着してきております。
 今後は、非正規労働者が正規転換後も安心して働き続けられるよう、計画的なキャリア形成機会の付与等、良好な労働環境の整備に取り組む企業への支援についても検討してまいります。

○山崎委員 今、答弁があったように、二十七年度、二十八年度、非正規労働者から正社員に転換をした人数というもの、非常に大きくなっているのは、今の答弁でよくわかりました。
 私が先ほどいっているのは、働き続けられるように計画的なキャリア形成機会を付与していく、そういう答弁もありましたけれど、しっかりとそれを東京都がそこまで見据えて、非正規から正規に変わったその人数がこれだけいます、それだけではなくて、その後の、やはり、東京都がしっかりと見据えてその事業に対してどう支援をしていくのか、やっぱりそこまでやっていかないと、このことというのは、ただ変わったから、人数がこれだけいるからいいんだという問題ではなくて、そこまでしっかり支援をきめ細かくしていただきたいことを要望させていただきたいと思います。
 企業において最大の経営資源である人材を安定的に確保し競争力を高めていく上で、従業員の定着は不可欠であります。
 都は、正社員に転換した従業員が引き続き意欲を持って働き続けられる環境の整備に向けて、企業の取り組みをしっかりと後押しをしていくことを強く要望しておきたいと思います。
 次に、人材確保は経営にもかかわる重要な課題でありますが、学生の大企業志向は依然として高く、中小企業においては採用がより困難となっていると聞きます。
 労働市場の逼迫感が強く空前の売り手市場といわれる昨今において、中小企業が成長を続けていくためには、柔軟な働き方を積極的に取り入れることで多様な人材の活用を図っていくことが必要であります。
 例えば、子育てのため一旦仕事を離れた女性や、元気で意欲のある高齢者などにも視野を広げた採用活動を展開していくべきと考えます。
 我が党はかねてより、中小企業が多様な人材を確保できるよう積極的に支援していくべきと提案をしてまいりましたが、今年度の都の取り組み状況について、また、成果についてもお伺いします。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、今年度設置した人材確保に関する相談窓口において、多様な人材の活用など企業からさまざまな相談を受けるとともに専門家派遣を開始しており、これまでの相談対応件数は四百九十件、コンサルティング派遣は二百十四件となっております。
 専門家によるコンサルティングでは、多様な人材の採用に向けて仕事の切り出しや勤務時間の柔軟な設定等、女性や高齢者が働きやすい求人条件となるようアドバイスを行っております。
 また、中小企業の経営者等を対象に、人材確保や多様な人材活用をテーマとするセミナーを計十一回開催し、五百三十八人が参加いたしました。
 アンケート結果では、働く人の年齢や事情に応じた環境づくりの大切さを感じたなど、参加企業の八割以上が満足したと回答しております。
 今後とも、こうした取り組みにより中小企業の人材確保と多様な人材活用を支援してまいります。

○山崎委員 中小企業の人材確保に関するきめ細かなアドバイスや多様な人材活用のノウハウ提供など、採用力向上に向けた支援は引き続き必要と考えます。
 東京の持続的成長を支える中小企業が人材不足により活力を損なわれることのないよう、さらなる支援に取り組んでいただきたいことをお願いしておきます。
 人材確保に向けては、個々の企業による取り組みも重要でありますが、中小企業は業種や業態ごとにそれぞれの特有の課題を抱えております。いわゆる三Kといわれる業界では、厳しい労働環境といったイメージが先行しており、働きがいなどの魅力を伝えるには、企業単独では限界があります。
 例えば、物流業界では若者の車離れもあり、ドライバーの確保が課題となっております。慢性的な人手不足も続いているとお聞きをしております。
 また、建設業界では資格が必要となる工事も多く、有資格者の確保や資格取得に要する経費への負担感が強いと、こういった話も聞いております。
 都は、こうした状況を踏まえ業界団体向けの人材確保支援を行っておりますが、その取り組み状況について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 中小企業では、業種や業態によって人材確保に関する課題が異なることから、都は、昨年度より、業界特有の課題に精通した当該事業者団体に対し、一団体一億円を上限に、各団体二年間をかけて採用から育成、定着を一貫して支援する事業を実施しております。
 例えば、物流業界では本事業を通じて、これまでに三十六名が業務に必要な運転免許の取得に取り組んでおります。また、業界のイメージアップを図るため、PR用ウエブサイトの立ち上げや、教習所と連携してトラック乗車体験つきの合同企業説明会を開催し、仕事の魅力を伝える工夫をした結果、二十八名の採用につながっております。
 さらに、建設業界では若手社員の能力向上を目的に、土木や管工事に関する施工管理等の資格を取得できるよう、これまでに四百九十六名の支援を行いました。
 今年度においても、保育や警備等、事業効果の見込まれる十団体を選定し、新たに二年間の取り組みを開始しております。

○山崎委員 採用から定着まで二年間にわたる一貫した支援に対する業界団体からのニーズは高いと聞きます。
 今後も団体と連携をして、中小企業の人材確保に向けて効果的な支援を行うようお願いをしておきたいと思います。
 次に、伝統工芸品産業への支援について伺います。
 先日、伝統的工芸品の全国大会を視察いたしました。会場の国際フォーラムでは、都の支援により江戸切り子や東京無地染など伝統工芸全四十品目が出展をし、外国の方々も訪れていました。
 これらは、江戸、明治の庶民文化に育まれ、今に受け継がれてきたものであります。東京の文化、歴史の魅力を伝えるものとして未来に引き継がなければならないと強く感じたわけであります。
 しかし、その将来を担う職人は十分確保できておりません。
 伝統工芸品の生産は、この十年で約三割も減少をしました。売れなければつくることはできず、つくり手の確保も、また育成もままなりません。この悪循環を断ち切るには、消費者ニーズに応える商品づくりなど市場を広げる努力が不可欠であります。
 手づくりの技法や天然の素材といった伝統を守りつつ、市場にとって魅力ある商品を生み出していく、発信していくことは、伝統工芸の職人という仕事の魅力を若者に伝えることにもつながると考えます。都の取り組み状況についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都では、二十七年度から伝統工芸品の事業者とデザイナーのチームを選び、半年間にわたり商品の開発に取り組んだ結果、市場での売り上げが見込まれる場合には、その販路の確保に向け、PR活動やマーケティングのほか、国内外への展示会へ出展できるようサポートを行っております。
 今年度は、商品開発について二十の案件を選定するほか、二十七年度と二十八年度に採択をした四十三の商品のうち、二十四を対象としてPRのプロモーション活動を行うほか、都内の百貨店で消費者の意見を集めることのできるマーケティング販売も行ったところでございます。
 また、九月にパリで開かれる展示会や国内の大規模な見本市にも出展をいたしまして、新たに著名なホテルや演劇場を販売先として開拓することができております。
 さらに、十一月に東京国際フォーラムなどで開催をいたしました伝統的工芸品月間国民会議の全国大会の企画の中で、国内外のデザイナーが職人と協力をして、新しい発想で生み出した商品の展示と販売を行う工夫を行ったところでございます。
 こうした取り組みによりまして、伝統工芸品の産業振興を着実に進めているところでございます。

○山崎委員 将来を担う人材を確保するためには、イベントなどを通じて、その魅力を若者にどう伝えていくのかが重要であります。イベント内容を工夫することはもちろん必要でありますが、高校生や大学生などの若者がみずから企画をするなど、むしろ若い感性を生かしてイベントの運営そのものにかかわってもらうということも有効な手段ではないでしょうか。
 企画に若者の感性を生かし、また運営に直接参画してもらうことで、伝統工芸のイベントはもちろん、産業労働局が実施をする多くのイベントが、活況を呈することになれば、事業としてのPR効果をさらに高めることにもつながり、将来を担う人材の裾野を着実に広げることもできるわけであります。
 ぜひこうした観点から、イベントなどへの若者の参画に取り組んでいただくよう要望をしておきます。
 次に、魅力ある商店街づくりについて伺います。
 まちのにぎわい創出や、安全・安心への貢献など、地域でさまざまな役割を担う商店街の活性化は、重要な政策の課題の一つであります。
 近年、商店街が抱える課題も多様化し、その解決を図るには、それぞれの商店街がみずから知恵を絞り創意工夫を凝らすことが重要であります。
 先日、私の地元の江東区の商店街が、都が行う商店街グランプリの優秀賞を受賞いたしました。豊洲みつばちプロジェクトというものであります。ビルの屋上でとれた蜂蜜を販売するとともに、商店街の各店舗での製品開発、さらにはまちの清掃活動にも発展させるなど大変意欲的な取り組みであります。
 こうした活動をさらに後押しするためにも、我が党はこれまで、空き店舗の解消や、まちの活性化など、課題解決に取り組む商店街への支援強化、そして、知識やノウハウを持つ専門家による商店街へのきめ細かいサポートの実施などを主張してまいりました。
 都は、これらの観点を踏まえて、今年度、商店街事業をどう展開しているのか、また、取り組み状況について伺います。

○坂本商工部長 都は、商店街が直面をしている課題の解決や集客に役立つ新たな企画の実現を後押しするため、専門家を派遣して、さまざまな知識やノウハウを提供する事業を今年度から開始しております。
 九月末まででございますが、二十五の商店街に中小企業診断士などが延べ九十一回の訪問を行いまして、商店街の意欲的な取り組みが着実に成果を上げるよう、きめの細かい助言などを実施しているところでございます。
 また、都の抱える行政課題の解決に役立つ商店街の取り組み、こちらの方を支援するため事業の見直しを行いまして、ハード整備を対象に一億二千万円を上限に五分の四の助成を実施する制度も開始をしたところでございます。
 今年度は、LED街路灯の設置や老朽化をしたアーケードの撤去など、百七十一の案件を支援することとしているところでございます。
 この制度では、買い物弱者対策に取り組む場合も支援の対象としてございまして、事業実施に必要な設備の導入費用に加えて、運営費についても助成をする仕組みとしております。
 今年度は、地域の高齢者や子育て世代などへの宅配サービスを行う商店街に対しまして、約三百万円の助成を行う案件を採択しているところでございます。

○山崎委員 地域や住民が商店街に求める役割は時代とともに変化をしております。商店街の発展をしっかり後押しするためにも、こうした動きを機敏に捉え、引き続き必要な施策展開を図られるよう要望しておきます。
 次に、地域経済を活性化させていく上では、既存の事業者への支援に加え、女性を初めとした多様な担い手による創業へのチャレンジを支援していくことが重要です。
 都は、米国、英国並みの開業率一〇%台を目標としておりますが、現在の開業率は約六・〇%にとどまっております。都は、この目標に向けてさまざまな施策を展開しておりますが、創業者が直面する課題の一つが開業や事業展開のための資金調達であり、金融面での支援は重要であります。
 そこでまず、女性・若者・シニア創業サポート事業について伺います。
 開業率を上げるには、幅広い層が創業することが必要であり、女性の感性、若者のアイデア、シニアの経験といった多様な特性を生かした創業の促進が求められております。
 都が実施をしている女性・若者・シニア創業サポート事業は、女性、若者、シニアをターゲットとした低金利や無担保の融資と経営面の支援をセットで提供する事業として、平成二十六年度から創設をされました。
 開業率向上に向けて、今後も創業者をふやしていくためには、この事業のさらなる周知が必要であると考えます。
 そこで、この事業のこれまでの実績と、周知に向けた取り組み状況について伺います。

○加藤金融部長 女性・若者・シニア創業サポート事業の融資実績でございますが、平成二十六年度は五十件、約二億三千万円、二十七年度、二百九件、約十二億九千万円、二十八年度、五百五十四件、約三十五億円と順調に伸びております。
 二十八年度からは支援対象を創業後一年未満から五年未満へと拡大し、創業者の持続的な成長を支援しております。
 また、事業の周知に向けた取り組みとしましては、これまでセミナー、雑誌広告、インターネット広告、事例集の制作など幅広い取り組みを実施しております。
 今年度は、新たに創業者や支援団体との交流会を行うなど、地域の実情に合わせたPR活動を展開するとともに、女性、若者、シニアの属性別の成功事例を発表するイベントを来年二月に開催する予定でございます。
 これらの取り組みにより事業を広く周知し、女性、若者、シニアによる地域に根差した創業を促進することで開業率の向上に努めてまいります。

○山崎委員 創業は販路開拓、人材確保など乗り越えるべき課題が多く簡単なものではないことから、地域金融機関とアドバイザーの連携による創業支援を行い、資金調達につなげていくことは大変意義があることであり、今後とも制度の充実を図るとともに、また、広く周知を行っていくことをお願いしておきたいと思います。
 日本におけるベンチャーファンドからの資金調達額は増加傾向にありますが、国際的に見ればまだまだ低い水準であります。とりわけリスクの高い起業初期段階のベンチャーへの資金供給は十分とはいえない状況であります。
 ファンドは、多様な資金調達手法の一つとして融資とは異なる資本に対する支援であり、将来に成長が期待できるベンチャー企業等の資金調達に効果的であります。
 都は、今年度、ファンドを活用した創業初期段階のベンチャー企業への支援を開始するとのことでありますが、現在の取り組み状況について伺います。

○加藤金融部長 都はこれまでも、手厚いハンズオン支援や多様なネットワークの活用による都内中小企業の成長を促進するため、ファンドを活用した支援を実施してまいりました。
 今年度は、IoTやAIなど先端技術産業分野におけるイノベーションの創出に向け、リスクが高く資金が集まりにくい起業初期段階のベンチャー企業に対する支援を行うこととし、本年九月にファンドの運営事業者を選定し、現在、出資に向けた準備を進めているところでございます。
 運営事業者として選定しましたインキュベイトファンドは、事業コンセプトの段階から起業家と一体となって事業を立ち上げていく独自の支援スタイルを特徴としており、都が出資します十億円を含め、総額百億円規模のファンドとなる予定でございます。
 都は、今回のファンドを活用し、ベンチャー企業による新たな挑戦を力強く後押ししてまいります。

○山崎委員 今の答弁によれば、選定した運営事業者は起業の本当の初期段階からの支援に強みを持っているということであり、将来の東京の産業を支えるような先進的な企業を数多く生み出してもらいたい、そのように思います。
 女性・若者・シニア創業サポート事業、ベンチャーファンドと創業に関する金融面からの支援に着目した質疑を行ってまいりましたが、創業間もないベンチャー企業の成長を促進していくためには、金融機関による融資だけではなく、資金調達に向けたサポートや資本に対する支援を含めた多面的な支援を行うことが重要であり、引き続き強力に推進していただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、観光振興について伺います。
 観光産業は最も成長が期待される産業の一つだと考えます。東京二〇二〇大会を三年後に控え、海外からの旅行者が東京を訪れる機会は、今以上にふえることが見込まれます。
 都は、本年一月に観光産業の振興に関するプランを策定し、二〇二〇年に訪都外国人旅行者数二千五百万人を目指すことを明示しております。
 これを実現するためには、外国人リピーターを獲得していくことが不可欠であると考えます。リピーターをふやしていくには、いかに東京を訪れた旅行者に満足していただけるかが大切なことになってくると思います。
 これまで都では、外国人旅行者が滞在中に快適に観光を楽しめるよう、多摩を初めとする各地域での観光案内機能の強化や、Wi-Fiといった情報通信技術を活用した情報提供などについて整備目標を掲げて取り組みを進めてまいりました。
 特にWi-Fiについては、我が党が昨年、第四回定例会の一般質問において、外国人旅行者の急増を踏まえ利用できる箇所を広げていくことが重要であるという提案をさせていただいたところであります。
 そこでまず、これまでの取り組み状況と今後の方向性について伺います。

○浦崎観光振興担当部長 都は、東京を訪れる数多くの旅行者が観光に必要な情報を速やかに入手できるよう、都内各地域での受け入れ環境の整備に取り組んでおります。
 本年六月には、多摩地域で初めてとなります観光情報センターを立川に開設し、先月末までに約五万人にご利用をいただいております。
 また、新宿、上野、銀座、浅草の四地域に、近県も含めた案内を行う広域的な拠点を設けておりまして、今年度は十月末時点で約百一万人にご利用をいただいているところでございまして、平成三十一年度までには、外国人が多く訪れる十地域でのこうした拠点の整備を目指しております。
 これに加え、情報通信技術を活用した観光情報の入手が進む中、屋外における環境の整備も必要であることから、これまでに設置した十九基のデジタルサイネージを含む観光案内標識周辺の百九カ所におきまして、無料でWi-Fiサービスの提供を行っております。
 今年度からは、電話ボックスの周辺でもWi-Fiが利用できるよう新たな取り組みを開始し、平成三十一年度までに七百カ所の整備を目指しているところでございます。

○山崎委員 まち中における受け入れ環境の整備を進めることは、二〇二〇年の先を見据えたレガシーになるものと考えます。整備目標実現に向けた取り組みはさらに加速をしていただきたいと思います。
 リピーターをふやしていくためには、何度も訪れたくなるような魅力的な観光資源の存在も重要であります。
 都内には、江戸からの伝統的な雰囲気が味わえる浅草、そして、充実したショッピングが楽しめる新宿や銀座、みこしの担ぎ手に豪快に水をかける深川八幡祭りなど、多くの観光客が訪れる地域や祭りが数多くあります。
 一方で、新たな旅行者がふえれば、旅の楽しみ方は多様化するため、地域の特色を生かした観光資源を開発し、旅行者の選択肢をふやしていくことが必要であります。
 これに加えて、地域の担い手である観光協会などの関連する団体の力を高めていくことが不可欠であります。自治体の区域を超えて広がる森林や河川などを生かした観光ルートの選定などを考えれば、関係団体が自治体の区域を超えて連携した取り組みを進める視点も求められます。
 新たな観光資源の開発とともに、その取り組みを担う観光関連団体への支援についての取り組み状況をお伺いいたします。

○小沼観光部長 多様な観光資源の創出に向けて、都が新たな視点から観光資源をつくり出すとともに、地域の主体的な取り組みを後押しするため、観光関連団体への支援を実施してございます。
 具体的には、公共インフラを活用しました観光振興を図るため、環状七号線の地下調節池や若洲風力発電施設などをめぐるモニターツアーを実施してございます。
 今年度からは、多摩地域の自然公園内の渓谷や動植物の観察、島しょの火山をテーマにしたジオパークなど、ガイドとめぐる新たな旅行商品の造成に向けた取り組みを開始いたしました。
 また、地域の観光の担い手である観光協会等の機能強化を図るため、観光まちづくりの専門家や都内の観光系大学の学生インターンを派遣し、専門的知見や新たな視点からの事業展開を促しております。
 さらに、観光人材の育成に向けマーケティング等をテーマにした研修を実施いたしました。
 加えて、今年度から多摩地域への誘客を進めるため、この九月に設立されました協議体、これは多摩地域の行政や観光、商工、農業といった幅広い関連団体からなる協議体でございますが、この協議体が行う広域的な観光ルートの開発や情報発信などの取り組みを支援しております。

○山崎委員 都心部の観光スポットのみならず、多摩・島しょ地域への観光客の流れをつくり出すためにも、例えばサイクリングなどのスポーツをテーマとしたツーリズムや農業体験など、このほかにもさまざまな観光が考えられると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 地域の観光協会の機能強化とともに、観光協会等が新たな観光資源を活用して独自に実施する取り組みへのサポートやネットワークづくりへの強化、こういったものもぜひ充実をしていただきたいことを望みます。
 次に、来年、平成三十年の秋に東京で初めて開催される全国育樹祭について伺います。
 先日、私の地元江東区の新木場、木材会館で開催をされました全国育樹祭の一年前キックオフイベント、国民参加の森林づくりシンポジウム、こういったシンポジウムに私も出席をさせていただきました。
 現場の第一線で活躍する方々によるパネルディスカッションなどが行われ、東京の森林の現状、林業の課題、木材利用の新たな可能性などについて理解を深めるとともに、改めて考える機会となりました。
 また、会場の一部では、木のおもちゃが展示をされ、多くの参加者が手に取り、木のぬくもりを実感することができました。
 全国育樹祭の開催は、日本が世界に誇る木の文化に対する意識をさらに高め、東京の森林整備や林業振興につなげる絶好の機会であります。
 来年に迫った全国育樹祭の開催に向け、広く都民に機運醸成を図るべきと考えますが、都の取り組み状況について伺います。

○村西全国育樹祭担当部長 全国育樹祭は、健全で活力ある森林を育て、次世代に引き継いでいくことの大切さを伝える国民的な森林、緑の祭典でございます。
 主な行事としましては、平成八年に東京都で開催された全国植樹祭の際に、天皇皇后両陛下がお手植えされた樹木に対して、皇族殿下が枝打ちや施肥などのお手入れをされる育樹活動のシンボル的行事と、全国から林業関係者など約五千人の参加者が出席し、緑化功労者等の表彰が行われる式典行事がございます。
 都は、全国育樹祭の開催に向けた機運を醸成し、都民の森づくりに対する理解と関心を高めるため、先日行われた一年前のキックオフイベントを皮切りに、今後、都民が森林や木に親しむことのできるプレイベントの実施を計画しております。
 具体的には、親子で木工体験に参加する東京の木、多摩産材工作ワークショップや、都立公園など身近な場所で育樹活動を体験できる都民育樹行事などのイベントを都内各地で開催いたします。
 さらに、来年一月には三十三の都道府県が参加する日本全国の地域材を活用した木材製品の展示、商談会、WOODコレクション二〇一八を全国育樹祭の記念行事として開催するなど、木材利用を促進する取り組みもあわせて推進いたします。
 こうしたプレイベントを都内全域で展開し、全国育樹祭の開催機運の醸成してまいります。

○山崎委員 今後、都内全域でさまざまなプレイベントを開催し、多くの都民が木に親しむ機会を提供することで育樹祭の開催機運も醸成され、多摩産材を初め木材利用も促進をされていくと思います。
 育樹祭は、都民に加え、全国から多くの林業、木材産業の関係者が参加する国民的な祭典であり、東京での開催はその発信力の観点からも大変注目をされております。
 林業、木材産業の関係者とともに連携をし、東京での育樹祭を成功に導いていくため、都民はもとより全国に対して明確なメッセージを発信する、東京ならではの祭典となるようにすべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○村西全国育樹祭担当部長 全国育樹祭は、育樹から木のある暮らしつないでくを大会テーマに開催されますが、東京らしい特色ある全国育樹祭とするためには、具体的で明確なメッセージを参加者にアピールしていく必要がございます。
 都は、現在、実施計画を策定しているところでありますが、テーマに基づく東京ならではの三つのメッセージを大会で発信していくことを検討しております。
 一点目は、来年は江戸が東京に改められて百五十年の節目に当たることから、江戸のまちを繁栄に導いた木材利用の文化を将来にわたり継承していくこと。
 二点目は、木材の供給を初め水源の涵養、CO2の吸収など、森林は大都市東京の活動と暮らしを支える不可欠な存在であること。
 三点目は、東京は木材の大消費地であり、多摩産材を初め日本全国の豊富な森林資源を有効に活用し、森林循環の促進につなげていくことでございます。
 今後、この三つの具体的なメッセージを東京から全国に発信できる東京ならではの大会となるよう計画の策定を進めてまいります。

○山崎委員 将来の東京の森づくりと木材利用につながる東京ならではの祭典とするために、具体的で明確なメッセージを発信できる全国育樹祭の開催を期待しております。今後も、全力を挙げて取り組んでほしいと思います。
 大会テーマにある木のある暮らしを実現するためには、育樹祭と並行して日常生活の中で実際に使える製品をもっとふやす取り組みも重要であります。
 特に、おもちゃや食器は、子供が毎日手にするものであり、それらが多摩産材でできていれば、多摩産材の利用拡大にもつながる、また、木育を推進する観点からも大変有意義だと考えます。
 こうした子供向けの製品を含め、多摩産材を使った製品開発に対して、都は、どのような支援を行っているのか、伺います。

○村西全国育樹祭担当部長 都は、利用者に選択されるデザインの採用など、魅力ある多摩産材の製品をふやすため、今年度から、多摩産材を使用した内装材や家具、什器等で商品化が確実な魅力的な新製品の開発に対しまして、事業費の二分の一を補助する事業を開始いたしました。
 本年度は、子供向けの食器や家具を含め、六件の製品開発に対して補助を予定しております。補助に当たりましては、都民の多摩産材の認知度の向上を図るため、事業者に対し、開発した製品とともに多摩産材の利用意義等もあわせてPRを行うことを条件としております。
 今後も、こうした製品開発等への支援を通じまして、木のある暮らしの実現に向け全力で取り組んでまいります。

○山崎委員 育樹祭のキックオフイベントで、パネリストの方が、一昔前は木のおもちゃといえばヨーロッパ産であったが、日本産も頑張ってきているという話があったことは、非常に私は印象に残っております。
 子供向けの製品開発に向け、取り組みの強化をお願いしておきたいと思います。
 最後に、冒頭申し上げたとおり、育樹祭を成功に導くとともに、この全国的な祭典を契機とする、そのレガシーともいうべき東京の林業振興と多摩産材のさらなる利用拡大につながるような取り組みの検討を都に要望しておきたいと思います。
 これまで、産業労働局、多岐にわたる施策について伺ってまいりました。
 冒頭でも申し上げましたが、二〇二〇年、このオリンピック・パラリンピックの成功はもちろん、その先の足腰の強い日本経済の復活に向け、東京への期待はますます高まっております。
 我が国の首都である東京都は、大局的な視点を持ちながら、また一方で地域の事業者、都民のさまざまな声に耳を傾け、そのニーズをきめ細かく酌み取っていくことが極めて重要であります。そして、自治体のリーダーとしての気概を持ち、日本各地ともしっかりと連携をし、日本経済を牽引していかなければなりません。
 産業労働局には、その中核として期待される役割を着実に果たしていただくために、実施している事業の目標と成果をきちんと検証し、それぞれの事業にフィードバックしていくことで産業政策や雇用対策を一層充実させて、着実に都政を前に進めていただくことを要望し、私の質問を終わります。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時二十九分休憩

   午後三時四十一分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○尾崎委員 最初に、都市農業について幾つか伺います。
 二〇一五年四月に都市農業振興基本法が制定され、翌年二〇一六年五月に基本法に基づいた都市農業振興基本計画が閣議決定されました。
 東京都では、ことし五月に東京農業振興プランが策定されました。都市農業は新鮮な農産物の提供だけではなく、防災、景観の形成、環境の保全、最近では保育園や医療との連携など、多様な役割、多面的機能を発揮していることが都民の皆さんからも認められるようになり、都市農業への期待も大きくなってきています。また、定年後には農業に携わりたいと市民農園や体験農園への希望もふえています。
 しかし、肝心な農地は、この十年間で千二百十ヘクタールも減少しています。東京農業振興プランの中でも大きな課題は農地保全だと思いますが、農地保全のための取り組みについて伺います。

○藤田農林水産部長 都は、都市農地の保全を図るため、農地が有する多面的機能のさらなる発揮に向けた施設整備などに対し支援を行っております。
 具体的には、区市町が行う農地の防災機能を高めるための防災兼用農業用井戸や、地域環境に配慮した農薬飛散防止施設の整備などに対し支援を行っております。

○尾崎委員 都市農業は、生産機能はもとより、非生産機能や暮らしを支える機能を多く占めています。都市農業の振興は、豊かで安全な暮らしを保障することにつながると思います。
 農地保全の取り組みを伺いましたが、東京農業振興プランで新たな取り組みの方向を示していますが、公有化した生産緑地の農的利用を推進するモデル農園の運営や、多様な農作業の体験機会の充実などについて期待するものです。
 私は、農地の保全で一番大事なことは農業者が生産をし続けることだと思っています。農地を公有化することで保全することもできると考えます。
 ことし二月に、生産緑地法の一部改正を盛り込んだ都市緑地法等の一部改正案が閣議決定され、四月には参議院で可決成立しました。特定生産緑地制度は二〇一八年四月一日施行となりました。改正に伴う税制については、二〇一八年の税制改正でその方向性が示される見込みです。
 そこで、税制度改正に向けて、都は、国にどのような内容で要望しているのか、伺います。

○藤田農林水産部長 都は、都市農地が保全されるよう相続税に関する制度改善の要望を国に対して行っております。
 具体的には、生産緑地の貸し付けを行った場合でも相続税納税猶予制度を適用すること、また、農機具倉庫、農産物販売施設、畜舎などの農業用施設用地などについても、相続税納税猶予制度の対象とすることを国に対して要望しております。

○尾崎委員 ただいまご答弁ありましたように、都としても、相続税の軽減を求めているということでした。早急に実現できるよう、引き続き強く国に要望するよう求めるものです。
 ことし三月に都がまとめた東京農業のすがたの中にも、東京の農地の保全についてどのような対策が必要であると思いますかという質問に、一位は、相続税支払いのために売却され宅地になる農地を都や区市町村が買い取るなど、農地のまま保全できる仕組みをつくる、二位が、市街化区域の農地を保全できるように、現行の法制度を改善すると回答しております。農地保全のために、都市農業、農地に係る制度の改善が必要だと考えていることがこのアンケートなどからもわかります。
 また、農家の皆さんからは、二〇二二年には現在指定されている生産緑地地区の多くは都市計画後三十年経過し、法改正によって経過後十年ごとに延長が可能となったものの、地権者は市に対して買い取り申し出が可能となる生産緑地地区の買い取り申し出があった場合に、市民農園として市が積極的に買い取ることができるように、独自の支援を検討してほしいとの要望が寄せられています。これは、市長会要望の中にも盛り込まれています。
 また、相続税が高くて払えず農地を処分して払っている。農業用施設や屋敷林などに関する相続税の軽減、固定資産税の軽減もしてほしいとの要望も強まっています。
 日本共産党都議団、我が党は、この間継続して要求していますが、固定資産税については都の決断でできることですので、早急に検討するよう要望するものです。
 都市農業を継続できるようにするには、経営力の強化が必要です。農家の皆さんは品質向上と同時に販路拡大にも頑張っています。
 ことしの六月に、私の地元である東村山市の農業委員会は、農家の仲間のところを訪問、見学し、お互いに学び合う研究会が開催され、私も参加しました。この行事は毎年のように恒例で行われていて、私も毎年楽しみにして参加しています。そのとき、農家の方々から学校給食への出荷への期待が寄せられました。
 野菜農家の出荷販売先の中で、給食の推移はどうなっているのか、伺います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都が平成二十三年度に実施した野菜生産農家の出荷・販売に関する実態調査によりますと、主な出荷販売先は個人直売、共同直売所などであり、学校給食への出荷割合は六%で、十年前と比較して増加しております。

○尾崎委員 先ほども紹介しました東京農業のすがたの中で、野菜農家の出荷販売先の変化についても掲載されています。
 先ほどご答弁ありましたが、現在の学校給食への出荷割合は六%ですが、十年前にはわずか一%でした。また、あなたは東京の農業の振興のために東京都がどのような施策に力を入れるべきだと考えますかという質問に対して、学校給食での地元産の農産物の使用と答えた方が一位でした。
 二位が、子供を対象にした農業体験や食育の推進で、子供の教育と関連させて東京の農業を振興してほしいと考えている人が多いことがわかりました。食育の観点からも、都が、ことしの新規事業で始めた学校給食における地産地消導入支援は大変重要なものだと考えます。
 先ほども他の委員から質問がありましたが、質問の観点もちょっと違いますので、学校給食における地産地消導入支援、この取り組みの状況について伺います。

○武田安全安心・地産地消推進担当部長 都は、農地のない区などの学校給食に多摩地域で生産された農産物を供給するためのモデル事業を実施しております。
 今年度は、新宿区と江東区をモデル地区に選定し、JAや農業者、栄養士、学校給食の納品業者等による地区協議会を設置し、都内産農産物の円滑な供給に向け、出荷品目や配送方法に関する情報交換等を行っております。
 新宿区では、小中学校二十三校に対し、四月から九月までにコマツナ、キャベツ、タマネギなど十五種類の農産物を計一・八トン供給してまいりました。また、江東区では、今月から学校給食へ都内産農産物の供給を開始したところでございます。

○尾崎委員 まだ始まったばかりですので今後に期待するものです。
 私は、農家の皆さんの要望を聞きながら、学校と農家を結ぶ、先ほどご答弁にもありましたけれども、地区協議会の役割が大変重要だと思います。そして、農家の皆さんに参加してもらえるように、出荷可能な品目と数量などの登録活動が大事だと思っています。
 十一月二日に開催された東京都農業祭がありましたけれども、ここで江戸東京野菜が展示され、参加者の注目も集めていました。
 江戸東京野菜を使ったまちおこしも各地で行われています。新宿区では、内藤トウガラシなどの江戸東京野菜を学校でも栽培して子供たちにも知ってもらい、広げる取り組みが進んでいます。
 食は文化であり、江戸東京野菜は江戸の歴史を再現するものでもあると思います。
 私は、子供たちに江戸東京野菜を食べてほしいと思っていますが、江戸東京野菜は栽培が大変だということも聞きました。寺島ナスなど五品目の栽培試験もしているということを聞いています。ぜひ生産農家もふやし、年に一度でもいいので、江戸東京野菜を使った学校給食にしていただきたいと強く要望するものです。
 江戸東京野菜を広げ、東京の農家の経営力を高めるのにも役立つと思っています。江戸東京野菜を使い、食文化を海外に発信することも農業者を励ますことにもなると思います。
 先日、私は、立川駅のエキュートの三階にできた観光情報センター多摩を見てきました。担当の責任者の方からもお話を伺いましたが、多摩地域の風景などが動画やサイネージで紹介され、通路には写真も掲示されていました。多摩地域の自然や暮らしの状況、農業、林業、漁業などがそのまま観光資源になることがよくわかりました。多摩地域で生産されている野菜、果物、魚、お肉やチーズ、卵、お酒やビールなども使ったレストランや特産品を販売するお店がそばにあれば、もっと多くの人にPRできると思いました。
 東京都のホームページでは、東京観光公式サイト、GO TOKYOがありますが、例えばレストランや宿泊のホテルなどは二十三区内、とりわけ都心が中心になっています。
 ぜひ島しょや多摩地域の特集情報も掲載していただきたいと思います。島しょや多摩地域のよさの発信に力を入れていただくよう要望したいと思います。
 次に、労働相談について伺います。
 二〇一六年、労働相談及びあっせんの概要が取りまとめされていますが、特徴について伺います。

○小金井雇用就業部長 平成二十八年度の労働相談件数は五万三千十九件でございまして、ここ数年、約五万件を超える規模で推移してございます。
 相談内容は、退職に関するものが最も多く全体の一〇・四%を占めており、続いて職場の嫌がらせ、労働契約の順となっております。
 また、あっせん件数は四百四十六件であり、内容は、賃金不払いを理由とするものが最多で一二・三%を占めており、続いて職場の嫌がらせ、退職の順となっております。

○尾崎委員 二〇一六年度の労働相談件数は、ただいまご答弁がありました五万三千十九件です。前年よりも千五十九件の相談がふえています。
 労使別に見ると、労働者からの相談がふえています。
 男女別に見ると、女性の相談が前年より九百三十五件ふえており、二万六千四百四十七件になっています。
 先ほどご答弁にあったように、職場の嫌がらせについてふえているように思います。同僚からの嫌がらせが前年よりもふえているのも、一つの特徴になっているんじゃないかと私は思っています。
 街頭労働相談の件数も、二〇一六年度には千九百五十二件でしたけれども、前年よりも二百三件ふえています。
 女性の相談は、二〇一四年は二万四千九百五十一件でしたが、二〇一五年には五百六十一件の相談がふえ、年間で二万五千五百十二件になっています。二〇一六年には、前年よりも九百三十五件の相談がふえて、年間で二万六千四百四十七件にもなっています。
 日本は、いまだに第一子の妊娠を機に約六割の女性が、東京都内では、約五割近い女性が、仕事をやめているといわれています。二〇一四年には、日本でも被害者の方が声を上げ、マタニティーハラスメントに光が当たり、マスコミでも話題になりました。
 神奈川県などでは、以前から女性の独自の相談窓口をつくっています。私は、昨年のこの委員会での事務事業でも紹介をしました。
 安倍首相は女性の活躍といい、小池都知事も女性の活躍を支援すると提案してきました。しかし、女性にとってはまだまだ働く環境の改善はおくれています。女性は家庭で子育てするのは当然だ、子供のことで休んだりして仕事が進まないなど、会社の中での意識のおくれがあるということも感じています。
 労働相談のまとめで、ようやく二〇一六年度からマタニティーハラスメントについて取りまとめを行っていますが、特徴について伺います。

○小金井雇用就業部長 マタニティーハラスメントに関する労働相談の件数は三百八十二件でございまして、全体の労働相談件数の〇・七%でございます。
 このうち、不利益な取り扱いに関する相談が四三・三%と大半を占めている状況でございます。

○尾崎委員 マタニティーハラスメントに関する労働相談は、ご答弁にありましたように三百八十二件ということです。労働相談の傾向は男女別でも示されていましたが、女性が二百八十四件、男性は九十八件です。
 小池知事は、ライフワークバランスを強調し、子育て、介護と仕事の両立のための支援を始めています。しかし、いかに企業内での意識が低いのかがあらわれている数字だと思います。
 マタニティーハラスメント関連のあっせん事例、事例が書かれていたわけですが、驚くことに、妊娠したことを職場に伝えると、産前産後休業や育児休業の取得を認めず退職を勧められた事例や、採用から二カ月が経過した時点で妊娠が判明し社長に伝えると、業務能力不足を理由に給料を約六〇%減額、当分の間の休業を命じられた事例が紹介をされていました。
 いつの時代の出来事なのかと思うような事例ですが、誰にも相談できずに泣き寝入りをし、退職している人もいるのではないかと思います。
 無料で気軽に相談できるということを、もっと多くの都民に知らせることが必要だと思います。
 二〇一六年度の相談件数、とりわけ電話での相談もふえていますが、相談の人員の推移について伺います。

○小金井雇用就業部長 労働相談の件数でございますけれども、先ほど理事のお話のとおり、二十七年度から二十八年度にかけては確かに二%ばかりふえているんですけれども、例えば二十六年度から二十七年度を比較しますと、二十七年度はマイナス二・二%と減少しておりまして、先ほど申し上げているとおり、大体五万件前後で推移しているというのが現状でございまして、同じく、今ご質問の電話での相談につきましても、過去五年間ほぼ横ばいということになっております。
 また、電話、来所などの受理形態の割合も大きな変化はございません。
 また、相談担当の職員の数も、過去五年間変更はございません。

○尾崎委員 ただいま電話、来所などの受理形態の割合も大きな変化はないということでしたけれども、電話による相談は、前年よりも二千六百三十一件ふえています。しかも、夜間相談や土曜日労働相談件数では、電話での相談が七〇%を超えています。
 相談の人員は過去五年間変更ないということですが、相談の人員をふやして、相談への対応は経験を重ねることで的確なアドバイス、判断ができるものですから、経験交流や研修にも力を入れるように要望しておきたいと思います。
 次に、雇用問題について伺います。
 正規雇用等転換の三年間のそれぞれの目標と実績について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、企業における非正規社員の正社員化を促進するため、平成二十七年度から三年間トータルで、一万五千人の正社員化を目標として定めております。
 各年度における実績につきましては、平成二十七年度は五千百六十一人、平成二十八年度は一万一千二百四十一人、平成二十九年度十月末現在は三千二百七十二人、合計一万九千六百七十四人となっております。

○尾崎委員 非正規雇用の正社員化は、今年度までの三年間で一万五千人の目標でした。実績は、ただいまご答弁あったように、二〇一五年度から二〇一七年度の十月末現在で、合計で一万九千六百七十四人ということですから、目標をはるかに大きく上回っているということです。
 しかし、一万五千人の正規雇用化の目標は実現できていますけれども、若者と女性の非正規雇用は、まだまだ深刻な状態であります。そして、就職氷河期世代への支援が乏しいために、なかなか改善がされないというのが今の実態です。
 都独自に、非正規雇用を正社員化する施策を思い切って拡充することを求めるものです。
 次に、東京の最低賃金は、ことし九百五十八円になりました。国の業務改善助成金など生産性向上への支援がありますが、東京都内での実績を伺います。

○小金井雇用就業部長 業務改善助成金やキャリアアップ助成金は国の制度でございまして、実績は公表されてございません。

○尾崎委員 ただいまのご答弁では、国の制度であり、実績は公表されていないということでしたが、私、調べてみました、厚労省に話を聞いてみました。
 業務改善助成金の全国の実績は、二〇一四年度は全国で千七百六十七件、二〇一五年度は、これも全国で三百四十三件ということでした。東京都内の事業者が補助の対象になったのは二〇一六年度からで、東京の実績は十四件だということでした。大変少ないと思いました。
 厚労省でも、周知については業界団体などを通じて行っているが、末端まで届いているかは定かではない、手が届くようにするという話でした。
 助成金の条件も生産向上への支援ということですから、使える企業は多くはないと思います。厚労省の方も話していましたが、この制度を周知する取り組みが不十分だと思いますと、使いやすくするための検討が私は必要だと思っています。
 東京都としても、国の制度ではありますが、検証を行って、積極的に国に改善を要望することを求めるものです。
 次に、正規雇用等転換促進中退共利用助成事業の今年度の目標について伺います。

○蓮沼事業推進担当部長 正規雇用等転換促進中退共利用助成事業は、正規雇用等転換促進助成金の支給決定を受け、その対象となる労働者について、中小企業退職金共済制度、いわゆる中退共ですけれども、こちらの掛金を支払った中小企業の事業主に助成金を加算する制度です。そういった意味で、本事業単独での目標設定は行っておりません。

○尾崎委員 目標を設定していないということでした。
 私は、二〇一六年の第一回定例会、委員会での予算質疑のときにも紹介しましたけれども、中小企業退職金共済制度に加入して助かっている、こういう中小企業はたくさんあります。東京でも、荒川区、葛飾区、青梅市、府中市、西東京市、八王子市、武蔵野市、小金井市、日野市、国分寺市、多摩市など、二区九市で掛金の助成を独自に行っています。
 また、県段階では、条件があるわけですけれども、宮城県が掛金の助成を行って、福島県や群馬県なども助成を行っています。
 都として、正規雇用を採用した中小企業に助成をするよう、ぜひ検討を始めていただきたいと思います。
 雇用の問題では、非正規雇用をなくし正規社員が当たり前という状況をつくって、長時間労働をなくし最低賃金を引き上げ、安心して働き、安心して暮らせるようにすることだと私は思っています。
 ことし、東京の最低賃金は昨年より二十六円上がって、一時間九百五十八円になりました。
 しかし、東京の家賃が地方と比べても高いために、フルに働いても月の給料は、十五万円前後、家賃を払えば食べるのがやっとという状況です。
 一週間、食パンだけを食べている、安売りのときにスーパーで冷凍うどんを買ってきて、うどんだけを食べているという若者もいます。
 家賃や食費など、最低の生活に必要なお金を計算すると、時給は千五百円以上にならなければ成り立たない状況です。
 都内で暮らすために必要な最低生計費について、東京都として、実態を調査して、最低生計費をどう見るのか、調査することを求めるものです。
 また、中小零細企業の方々からは、最低賃金が上がっても、売り上げが減っている中で、経営者が身銭を切って賃金を払っている、こういう声も寄せられます。
 最低賃金を払えるようにするには、税金と社会保険料の軽減が求められます。とりわけ社会保険料については、応能負担の導入が必要だと思います。
 都として、国に要望することを求めるものです。そして、都内の中小企業が最低賃金を保障できるための支援策については、都が独自にできることなどについて検討することを求めるものです。
 次に、創業支援について幾つか伺います。
 開業率の推移について、どうなっているのか、伺います。

○坂本商工部長 厚生労働省が公表をしている雇用保険事業年報を用いて、雇用保険関係が成立している事業所の数をもとに算出すると、東京の開業率は、二〇一四年度は五・一%、二〇一五年度は五・六%、直近の二〇一六年度は六・〇%となっております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁で、厚労省が公表している雇用保険事業年報を用いてということですので、従業員を抱えていない小さな経営の企業であれば、この数字、反映されていないということですけれども、それでも開業率は年々上がっています。
 東京都は、二〇二四年までに開業率を一〇%台にするという目標を掲げているわけですけれども、本当に従業員を含まない小零細の企業の開業も含めれば、もう少し開業率が上がっているんだというふうに思います。
 都は、二〇一四年度から、女性・若者・シニア創業支援を始めていますが、この実績について伺います。

○加藤金融部長 平成二十八年度の融資実績でございますが、五百五十四件、約三十五億円でございます。

○尾崎委員 資料要求で出していただいたこの間の実績を見ますと、スタートした二〇一四年度は、融資件数は五十件、二億二千六百万円でしたが、二〇一六年度の実績は、件数で十一倍に、金額では十五倍以上にもなっています。
 私は、自分の得手を生かして商売を始めたいという人たちを応援することは大変重要だと思っています。地域や社会に貢献するために頑張りたいという女性が、自分の生活スタイルに合わせ、もうけることだけではなく生活ができれば、規模は小さくても商店街の裏路地で小さなお店を構え、成功している例もこの間ふえているのを見てきました。
 女性は、自分の身の丈に合った規模だからこそ、継続して商売ができるということにもなると思います。
 開業後の交流などにも支援を強めていただくようお願いしたいと思います。
 次に、TOKYO創業ステーションの会員登録数、イベント、セミナーの開催数、参加者数、相談件数などの実績について伺います。

○坂本商工部長 TOKYO創業ステーションの本年十月末時点の会員数は、一万三十八人でございます。
 また、本年度は、すなわち四月以降ということですが、四月以降、十月までにイベントとセミナーを二百八十八回実施いたしまして、参加者は合計一万二百九十二人となっております。
 同期間における各種の相談対応でございますが、合計四千百五十七件となっているところでございます。

○尾崎委員 私も見学をさせていただいて、多くの女性に利用していただきたいなというふうに思っていました。仕事帰りの夜間や土曜日でも気軽に立ち寄れるということも魅力になっているのだと思います。子供を見てもらって相談できるスペースもありました。
 私は、TOKYO創業ステーションを多摩地域にもつくってほしいと要望するものです。
 多摩地域で働いているが、自分で起業してみたいと思ったときに、近くに相談できる場所があれば、大きな後押しにつながると思っています。
 次に、中小企業対策について幾つか伺います。
 二〇一〇年六月に中小企業憲章が閣議決定され、中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役であると位置づけを明確にしました。
 二〇一四年六月には、おおむね従業員五人以下の企業を対象とする小規模企業振興基本法が制定されました。
 国は、成長だけではなく、事業の持続的発展を重視しています。自治体として、施策の策定、実施の責務も明確にされています。
 私は、ことしの第一回定例会のときの経済・港湾委員会でも紹介をしましたけれども、繰り返しになりますが大事なことなので、もう一度紹介したいと思います。
 小規模企業振興基本法が制定された二〇一四年と、翌年の二〇一五年の二年間だけでも、兵庫県、福岡県、長崎県など十一県三十二の区市町で、小規模企業を持続させるための施策を含め、中小企業、小規模企業振興条例が策定されました。
 その後も調べてみました。二〇一六年には、山梨県、北海道、岐阜県、群馬県、静岡県の五県で策定しており、ことし、二〇一七年は、奈良県と広島県で策定されています。
 そこで伺いますが、東京都以外の道府県で、中小企業振興条例、小規模企業振興条例が制定されていないところはどこか、伺います。

○坂本商工部長 道府県における中小企業や小規模企業の振興に関する条例は、各地域の実情に応じて制定をされているところでございまして、条例の名称やその内容はさまざまになっていると、このように承知をしております。

○尾崎委員 ただいまのご答弁では、条例については各地域の実情に応じて制定されており、条例の名称やその内容はさまざまだということでした。
 東京の経済を支えているのは中小企業です。東京でも、その中小企業の中に占める小規模企業が八割です。
 今、一番経営が厳しいのは、その小規模企業です。そこへの支援が求められているのではないでしょうか。だからこそ、国は小規模企業振興基本法をつくり、自治体の責務も明確にしました。中小企業振興条例、小規模企業振興条例を都道府県で制定していないのは、東京都、佐賀県、高知県の三つだけです。
 それでは、都内区市町村で、中小企業、小規模企業振興条例を制定している自治体はどのくらいあるのか、伺います。

○坂本商工部長 都内区市町村における中小企業や小規模企業の振興に関する基本条例は、これも各地域の実情に応じて制定をされているところでございまして、条例の名称やその内容はさまざまになっていると、このように承知をしているところでございます。

○尾崎委員 一九七九年に、全国に先駆けて中小企業の役割を明確にし、区として中小企業への支援を高く掲げたのは、墨田区中小企業振興基本条例です。
 このとき、区の職員がまちの中小企業を一軒一軒訪問して実態をつかみ、中小企業振興条例をつくったことが、全都、全国の中小企業を大きく励ましました。その後、都内では港区や葛飾区、台東区でも中小企業振興条例をつくり、全国の大きな流れをつくり出してきました。
 都内では、十七の区と七つの市町村、合計で二十四の自治体で条例ができています。
 東京の経済を活性化するためには、地域の状況をよくつかみ、何が課題であるのかを明らかにし、都としての支援を強めることです。そのためにも、中小企業振興条例、小規模企業振興条例を都として、有識者や中小企業や小規模企業の経営者も含めて、研究や議論、都内の実態調査を行う審議会など、開く必要があると思います。このことを強く求めるものです。
 条例は、プラン、ビジョンなどとどこが違うのか、伺います。

○坂本商工部長 都は、東京都産業振興基本戦略や、二〇二〇年に向けた実行プランなどに基づいて、中小企業や小規模企業に対し、経営、技術、資金繰りなどの面から幅広い支援策を実施しているところでございます。
 こうした取り組みにつきましては、東京の中小企業を取り巻く状況に適切に対応して進めることこそが重要であると考えております。

○尾崎委員 私の質問に明確にお答えしていただけないように思います。
 条例は、地方自治体が法律の範囲で議会の議決で定めるものです。
 プランやビジョンは、地方自治体が行政を進めるために定める計画、ビジョンであり、議会での議決を必要としません。これが大きな違いで、条例はその内容を実現するための自治体としての責務が生じるものです。
 中小企業振興条例、小規模企業振興条例は、東京都が中小企業、小規模企業ないし、地域の産業を振興する立場を何よりも都議会議員、都の職員に対して明確にすることです。
 中小企業、小規模企業に関する都の施策は、直接的な地域産業政策だけでなく、都市計画や教育、住宅など、さまざまな政策とも関係を持っており、こうした関連部門の施策にも、振興条例は存在感を持つことになります。
 そして地域の中小企業、小規模企業に対して、都のスタンスを明示することを通じて、都の考えと方向性への理解を広げることになります。
 振興条例を地域の中小業者に提示することで、都の考えや姿勢を中小企業者に広げ、都と中小企業者が協力して地域の中小企業、小規模企業の振興、地域経済振興に取り組んでいく条件となります。都の考えや姿勢の連続性を保証するものとして位置づけるものです。
 都知事や地域産業政策を担当する職員の方がかわったり異動しても、都としての地域産業に対する姿勢を一貫させていくためにも、振興条例は、存在意義を持っていると思います。
 東京都でも、早急に、中小企業振興条例、小規模企業振興条例の制定に向けて取り組みを開始することを強く求めるものです。
 経済産業省の二〇一七年版中小企業白書によると、経営者年齢は高齢化しており、倒産件数は減少していますけれども、休廃業、解散企業数は過去最多になっているとしています。
 そこで、都内の廃業率の推移について伺います。

○坂本商工部長 厚生労働省が公表している雇用保険事業年報を用いて、雇用保険関係が成立している事業所の数をもとに算出をすると、東京の廃業率は、二〇一四年度は三・九%、二〇一五年度は三・七%、直近の二〇一六年度は三・六%となってございます。

○尾崎委員 ただいまのご答弁でも、廃業率の数値は、雇用保険事業年報を用いたものということです。
 東京の廃業率は横ばいということです。しかし、この数字に反映されない中小零細企業、従業員のいないような企業の廃業は、年々ふえているように思われます。
 廃業をなくす上でも、都も、取り組んでいますが、事業継承への支援の拡充が求められます。事業承継で抱えている問題、実態をよくつかむことを求めるものです。
 都内の中小企業の状況や課題を明確にするためには、中小企業振興対策審議会の開催が必要だと思いますが、中小企業振興対策審議会の開催状況について伺います。

○坂本商工部長 都は、有識者や企業関係者などから成る懇談会を設け、平成二十四年に都の産業振興政策の方向を示すため策定した東京都産業振興基本戦略のほか、二〇二〇年に向けた実行プランなどに基づいて、中小企業への支援を実施しているところでございまして、中小企業振興対策審議会は開催しておりません。

○尾崎委員 ただいまのご答弁の中で、中小企業振興対策審議会は未開催、開いていないということですが、最後に開催されたのはいつでしょうか。そして、どうしてこの間、開催されていないのか、理由を伺います。

○坂本商工部長 都は、有識者や企業関係者などから成る懇談会を設け、平成二十四年に都の産業振興政策の方向を示すため策定した東京都産業振興基本戦略のほか、二〇二〇年に向けた実行プランなどに基づいて、中小企業や小規模企業に対し、経営、技術、資金繰りなどの面から幅広い支援策を実施しているところでございます。
 こうした取り組みにつきましては、東京の中小企業を取り巻く状況に適切に対応して進めることが重要でございます。
 こうした中、中小企業対策審議会は、平成十六年五月より後は開催しておりません。

○尾崎委員 私が伺ったのは、どうして平成十六年、二〇〇四年五月以降、中小企業振興対策審議会が開催されていないのか、理由を伺ったんですが、ただいまの答弁では、その理由が明確には答えられていないように私は受けとめられます。
 ただ、今のご答弁の中でも、東京の中小企業を取り巻く状況に適切に対応して進めることが重要ということですから、そのためにも、私は、中小企業振興対策審議会を開いて、議論することこそ、必要なのではないかと思っています。
 資料要求で出していただいた資料を見ると、都内製造業の事業所の推移は、二〇〇〇年は六万二千百二十七事業所ですが、二〇一一年は三万四千八百七十九事業所となり、二万七千二百四十八事業所の減少となっています。
 二〇〇〇年と比べると、五六・一%しかありません。四三%も都内製造業の事業所は減っているんです。
 中小企業白書によると、東京都の中小規模企業数は、二〇〇六年は四十一万七千六十二社ですが、二〇一四年には三十六万四千二百六十五社、八年間で五万二千八百三事業所が減っているんです。一二・七%も減っているんです。
 減少に歯どめがかかっていません。全国の中でも、中小企業、小規模企業が集中している東京都でこそ、これ以上、中小企業、小規模企業の減少に歯どめをかける支援策が必要だと思います。
 地域経済の活性化のため、早急に中小企業振興対策審議会を開催し、中小企業振興、小規模企業振興条例制定に向けて議論することを求めて、質問を終わります。

○ひぐち委員 働き方改革、テレワーク、商店街、フィンテック、MICEについて伺います。
 まず、働き方改革についてです。
 働かれる方の多くは、人生で一番いい時期を、また、一日で一番いい時間を職場などで仕事をして過ごします。その仕事やその職場は、やりがいや生きがいに満ちたものでなければなりません。だからこそ、そうした一人一人の力を最大限活用する企業は、働く人一人一人に生きがいを持たせる義務があるのではないでしょうか。
 また、行政もこれらを実現するために、社会や制度を不断に見直していかねばなりません。
 私は、働き方改革の推進は、こうした大前提のもと、進めるべきと考えます。
 さて、これまで日本を支えてきたのは、日本型正社員雇用システムでありました。特徴は、職務範囲が限定されず、労働は長時間、年功序列型の昇給制度です。
 欧米と違い、チームが基本の日本の働き方は、業務区分が明確でなく、職場のみんなで力を合わせて、助け合いながら仕事を進めることが多いわけです。
 日本人の多くは、これになれているため、例えばチームの中で若手が退社するときは、済みません、お先に失礼しますといい、それは部下にとって過敏ともいえる後ろめたさもあるようで、また、上司にとっては、部下がそういうのが当然だと、そんな雰囲気があるのかもしれません。
 こうしたチームワーク意識は、仕事にいい面をもたらす一方で、一人一人のワークライフバランスを阻害し、企業の生産性に悪影響を及ぼしていることも否定はできません。
 私は、こうした今までの企業の、働く人の、そして行政の常識を変えなければならないと考えています。
 さて、こと公務の職場では、日本らしい働き方が定着しているとも承知しておりますが、都においては、小池知事のもと、二十時完全退庁や時差出勤、フレックスタイム制度の導入など、さまざまな取り組みを実施し、また本年九月からは、六局にて毎月第三月曜は百人規模でテレワークを行う等、ライフワークバランスを推進しています。
 では、民間企業に対しては、どのように進めていこうとしているのか、その取り組み状況について伺います。

○小金井雇用就業部長 企業における働き方改革を推進していくためには、経営者に対する普及啓発はもとより、企業の具体的な取り組みへの後押しが必要でございます。
 そのため、都は、昨年度から開始した働き方改革宣言企業制度により、長時間労働の削減や有給休暇の取得促進など、働き方、休み方の見直しにみずから取り組む企業を奨励金や専門家による巡回、助言等により支援しているところでございます。
 昨年度は、千三社が働き方改革宣言を行っており、今後も毎年度、千社を目標に二〇二〇年度までに合計五千社の達成を目指してまいります。

○ひぐち委員 例えば、佐賀県では、二〇一四年十月から、全職員四千人を対象にテレワークを行い、実に四七・五%の職員が実施し、また、業務効率改善、非常時の業務継続など、目に見える効果があらわれていると承知しています。
 都庁としても、働き方改革宣言は本年十一月七日にみずから行われているわけですから、まず都庁が、そしてモデル職場でもある産業労働局が働き方改革を率先して行い定着させ、民間企業への普及へ努めていただきたいと思います。
 実際に伺っていますと、育児中の職員が自宅や自宅から近いサテライトオフィスでテレワークを行い、子供と過ごす時間がふえたなどのケースがあると聞きます。
 やはり、ここで立ち返るべきは、あくまで働き方改革は、企業の生産性向上や働く人一人一人の幸せ、生きがいを実現するための手段であり、目的ではない点であります。
 都は、単に、民間企業への普及啓発に取り組むだけではなく、個々の企業及びそこで働く人が目指す目的に合った形の取り組みをなすべきと考えます。
 では、そうした宣言企業に対して、巡回、助言を行っているとのことですが、具体的にどのような助言を行ったのか、伺います。

○小金井雇用就業部長 宣言企業に対しましては、宣言後六カ月を目途に、社会保険労務士や中小企業診断士が企業を直接訪問し、取り組みに対する助言を行うこととしており、これまでに大企業から小規模零細企業まで、四百十七社が助言を受けております。
 例えば、会社全体でノー残業デーを導入したものの、徹底されていないという企業に対しては、超過勤務の部署別の実態を検証した上で、部署ごとにノー残業デーを設定することを助言したところでございます。
 また、企業のCSR活動の一環としてボランティア休暇制度を整備したものの、利用がないという企業に対しては、気軽に参加できる半日程度のボランティアを従業員に勧めるなど、企業の実情を踏まえた助言を行っているところでございます。

○ひぐち委員 この状況を伺いまして、都として、企業それぞれに真摯に寄り添っていると認識いたしました。
 二〇二〇年度までに宣言企業五千社の達成を目指すわけですから、ぜひこれからも、企業やそこで働く人に寄り添う取り組みを続けていただくよう期待いたします。
 さて、働き方改革でよくいわれるのが生産性でありますが、参加率ということも大切な観点と考えます。
 育児や介護など制約のある方が安心して働けるようになる、つまり、参加率を上げるために具体的に効果が出るのがテレワークであります。
 移動、通勤時間の短縮など、負担軽減、職場条件の改善が明確であり、テレワークはまさに働き方改革の起爆剤といえますが、大企業が前向きである一方で、中小企業の中には導入に不安を抱えている経営者、関心を持たない企業も少なくありません。
 それは労務管理の難しさ、プライバシー侵害、知財や顧客情報など情報漏えいなどの課題、また、中小企業においては、導入コストも懸念されています。
 そうした中で、都は、中小企業の経営者に対して、どのようにテレワーク導入を推進していこうとしているのか、伺います。

○小金井雇用就業部長 テレワークは、オフィスコストの削減や人材確保といった経営課題の解決にも資するものであり、経営者にその導入メリットや効果的な活用方法について理解を深めていただくことが重要であります。
 都は、今年度、規模や業種の異なる二十の企業に対して、在宅勤務やサテライトオフィスといった形態別にテレワーク導入を支援するとともに、先行的な取り組みを好事例として取りまとめ、広く発信することとしております。
 また、社会保険労務士などの専門家派遣やシステム構築等に要する経費助成も行い、導入にちゅうちょする経営者の後押しを行っております。
 引き続き、テレワーク推進センターや都内二十カ所でのセミナーにおいて、テレワーク機器や勤怠管理ソフト等を実感していただくことで、セキュリティーや労務管理など、経営者が抱くさまざまな不安を払拭してまいります。

○ひぐち委員 米国では約八割の企業でテレワークが導入されている一方で、日本のテレワーク導入企業率は、平成二十八年度、一三・三%です。
 今年度取り組むテレワークモデル事業二十社にて、どういった職種が恒常的なテレワークになじむのか、また、どういったタスク、作業がスポット的なテレワークに適応するのか、ぜひモデルケースとしてまとめ、広く発信し、また、経営者の抱えるさまざまな課題、不安に寄り添った解決をしていく支援をいただくよう強く要望いたします。
 さて、二〇一二年ロンドン大会では、ロンドン交通局及び市がテレワークを呼びかけ、導入率が上がり、また、市中心部の交通混雑が緩和したとの報告が上がっています。
 東京二〇二〇大会においてもテレワークは有効であり、また、働き方改革の好機だと考えられます。
 そこで、東京大会に向けて、働き方改革の推進に向けた機運を高めていくには、都庁がみずから率先して取り組むことで民間企業の働き方改革を推進し、社会全体に波及させていくことが必要と考えますが、所見を伺います。

○小金井雇用就業部長 都はこれまで、二十時完全退庁やテレワークを初めとする柔軟な働き方の推進に加え、ことし十一月には、みずから都庁働き方改革宣言を行うなど、ライフワークバランスに取り組んでいるところでございます。
 また、交通混雑緩和と働き方改革を目的とした時差ビズの普及に向けて、庁内連携のもと、経済団体や鉄道会社を初めとする民間企業とも連携して取り組んでいるところでございます。
 さらに、テレワークなど働き方改革の推進に向けては、知事から、経営者団体、労働団体のトップに直接呼びかけを行うなど、官民連携による取り組みを具体的に進めているところでございます。
 引き続き、都庁みずからが牽引役となってムーブメントを起こしていくことで、二〇二〇年度には宣言企業五千社を達成させ、これを核に働き方改革の輪を社会全体に広げてまいります。

○ひぐち委員 企業が置かれた状況は千差万別であり、働く人の年齢や健康状態、家庭環境もさまざまであります。企業が一人一人の状況に適した形で柔軟な制度を構築し、その能力を最大限発揮させることは、離職率を引き下げ、限られた時間や細切れの時間を効率的に活用する習慣を一人一人が身につけるいい機会となると考えます。
 労使のニーズを的確に捉えた働き方改革は、企業の持続性や生産性の向上に大きく寄与するものと考えています。
 また、冒頭、常識を変えると述べましたが、日本においては何かと長く働くこと、職場にいることが推奨されがちで、チームメンバーがいないところ、つまり、目の前にいない、会社の外で働くのはなかなか評価されにくいものです。
 柔軟で多様な働き方を受け入れるこうした寛容さをもって、都庁においても、引き続き、民間企業のお手本となるような改革に取り組み、生産性の高い都行政の推進に努めていただくよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 商店街についてです。
 少子高齢化や大型店の進出、ネット通販による消費生活の変化により、小売業の商店数は減少しています。加えて、都心部では再開発が進み、地域においてコミュニティの力が弱まっています。
 そのような中で、地域コミュニティの担い手として商店街に求められている期待は、大変大きいと考えております。
 実際、小池都知事は、二〇一六年十二月に行われた平成二十九年度予算編成に向けたヒアリングの結果、商店街振興事業の予算を増額するなど、新規に予算措置がなされました。まさに知事ご自身が商店街の役割を重視されていることの証左だと思われます。
 私も、商店街には公共的な役割があり、地域やコミュニティにとって大切な場所であるし、また、今後もそうあるべきと考えていますが、都は、商店街の意義をどう捉え、それに対してどのような取り組みを行っているのか、改めて伺います。

○坂本商工部長 商店街は、買い物の場としての商業活動の拠点であるだけではなく、地域コミュニティの中心となって、人々の暮らしをさまざまな面から幅広く支える役割を果たしております。
 このため、都は、商店街振興のための各種の事業によって商店街ににぎわいを生み出し、消費の喚起を図るとともに、それと一体となった周辺エリアの経済にもすぐれた効果が及び、地域全体が活性化することも目指しているところでございます。
 今年度は、都内の商店街の実施するイベントに助成を行うことで集客を図り、地域に活気を生み出すようサポートを行ったほか、商店街が買い物客の憩いの場となるスペースを整備するハード面の取り組みなどへの助成を行い、周囲の住民が安心して快適に来訪のできる環境づくりを後押しいたしました。
 こうした支援事業によりまして、地域の伝統的な行事が商店街を中心に続いている事例や、商店街を含めた周辺の住民で高齢者を見守る仕組みができ上がるなど、人々の豊かな暮らしを支える上での効果的なサポートを展開しているところでございます。

○ひぐち委員 都としても、地域全体へ活気を生み出す商店街への大きな期待、社会的な貢献をされていることへの理解が認識できました。
 実際に、私の地元の商店街の方々は、地域に誇りと愛着を持たれ、季節に応じたイベントを通じて、周辺住民や企業とのつながり、きずなを守っていこうと努力されています。
 しかし一方で、厳しい状況があります。
 一つには、人材不足、後継者の問題です。商店街の担い手が不足しているわけです。
 ある商店街では、加盟し、会費は払うものの、維持や管理には参加しない商店も多くあるそうです。
 近年、チェーン店が多くなり、また、外国人が経営する飲食店等がふえてくる中で、世田谷区では商店街への加入促進条例がつくられました。
 都としても、公的な役割を持つ商店街の機能を高めるために支援を行うべきだと考えますが、所見を伺います。

○坂本商工部長 商店街が商業活動の拠点として力を伸ばし、地域社会の中心になり、多様な役割を担うためには、そこで営業する店舗を確保し、さらにふやすことが重要でございます。
 このため、都では、各自治体にある商店街の連合組織が地元の商店街と連携して、加入する店舗をふやすための取り組みへの支援を行っているところでございます。
 具体的には、商店街への加入促進のための普及啓発事業などに対しまして、必要となる経費のうち、十二分の七を都が負担いたしまして、区市町村が三分の一を助成すると、こうした仕組みとしております。
 今年度は、加入を呼びかけるためのパンフレットや広報用のチラシの作成ほか、セミナーやPRイベントの実施など、六つの団体の取り組みに対して助成をすることで、商店街での店舗数の確保等をサポートしているところでございます。
 今後も引き続き、商店街への加入促進を着実に支援してまいります。

○ひぐち委員 ぜひ都には、商店街の社会的な意義と、その商店街におられる企業の倫理や責任を、広報やセミナーを通じて、加盟前の店舗へ、商店へ明確に発信していただくよう要望いたします。
 さて、神田駅西口商店街では、夜間パトロールを十五年ほど行っておられるそうです。ガムやたばこのポイ捨ての清掃、違法な客引きや歩行を邪魔するほどの看板、そうしたものは店舗に注意をしたり、安全・安心なまちづくりをテーマに、商店街の組合員の皆さんが主体的に取り組み、警察や区役所をも巻き込んで、治安の向上、来街者数の増加により、商店街全体、まち全体の価値が向上されています。
 確かに商店街は人が集まる場所ですが、それは線ではなく、面として捉え、また広がっていくものだと考えております。
 先ほど来述べてきたとおり、商店街の役割は変わりつつあり、また、地域を支える公的な空間、防犯や防災、高齢者、子供の見守りなど、期待される役割は大きく、一方で、地域には町会や自治会、企業など多様な主体があり、そうした状況の中で、商店街はこれからどうあるべきか、それに対して、都として行政はどう支援していくか、伺います。

○坂本商工部長 都では、商店街がみずからを取り巻く環境の変化に応じ、周辺のエリアで活動するさまざまな団体と協力をして、地域ににぎわいをもたらし、その活性化を図るための取り組みを支援するため、今年度から地域連携型商店街事業を開始しております。
 具体的には、商店街がその周辺の町会やマンションの住民から構成される自治会などの地域団体やNPO等と協力して、来訪者などをふやすための取り組みに対して、必要となる経費の五分の二を都の方が負担をいたしまして、区市町村が同じく五分の二をさらに助成すると、このような仕組みとなっているところでございます。
 今年度は、商店街が地域のエリアマネジメント団体と連携いたしまして、物産展やスポーツイベントなどを実施する取り組み等、九つの案件に対する支援を予定しているところでございます。
 また、商店街が直面する課題に柔軟に対応できる新しい発想を取り入れられるよう、今後の商店街活動の担い手となる若者や女性による出店を後押しする若手・女性リーダー応援プログラムも、今年度新たに開始をしております。
 商店街で開業を希望する若手や女性に対し、店舗を整備する場合に必要となる経費の四分の三を、四百万円を上限といたしまして助成をするものでございまして、今年度は三つの案件に対して支援を予定しているところでございます。

○ひぐち委員 今年度、新規事業として地域連携型商店街事業を開始し、こうした課題に沿う事業を行っていくとのことです。
 私の住む千代田区には大学などが数多くあり、地域のために活動する学生団体も多く存在します。地域住民だけでなく、こうした団体との連携が進むことも願っております。
 そして、都は、商店街に寄り添い、地域社会を守るという姿勢で、支援をこれからも継続いただくよう期待しております。
 さて、観光地に近い商店街では、外国人観光客への対応が課題となっています。
 浅草の仲見世通りでは、インバウンド対応として、多言語対応、トイレの整備、多様な決済方法などに取り組まれてきました。
 昨今、海外からの観光客がふえる中で、商店街のインバウンド対応に向けた都の取り組みについて伺います。

○坂本商工部長 都では、商店街が外国人旅行者への対応の力を高めることを目的に、多言語マップの作成などに取り組む場合、それに必要となる経費の二分の一を負担して、区市町村が三分の一を補助すると、こういう事業を行ってまいりました。今年度はこれによりまして、三十七の案件を支援いたします。
 また、海外から都内を訪れて商店街で買い物をする観光客が支払いを円滑に行うことができるよう、今年度から政策課題対応型商店街事業の中で、外国人の接客に役立つさまざまな決済方法に対応可能な端末の設置などをサポートすることとしているところでございます。
 具体的には、免税手続カウンターの設置や電子マネーによる支払いシステムの導入などに必要となる経費について、一億二千万円を上限として、その五分の四を助成いたします。
 今年度はこれによりまして、三つの案件に対して補助を予定しているところでございます。

○ひぐち委員 今、さまざまな決済方法に対応可能な端末の設置とありましたが、今後はキャッシュレス決済がさらに進むと見込まれています。
 国際金融都市構想においては、海外フィンテック企業の誘致、集積を積極的に行われ、国内でフィンテック産業が活性化し、スマホなどモバイル決済が浸透してくれば、都民や外国人の暮らし、観光における利便性向上が見込まれます。
 また、商売、商いにおける売掛金回収という面でも、信用力を判定の上での請求書割引買い取りという、フィンテックによる新しいサービスで資金サイクルを早めることもできます。暮らしや商い、中小企業や商店街、観光などにおいて非常に利便性が高まります。
 さて、視点を少し変えてみます。
 都としては、これまで中小企業へさまざまな形で資金調達を支援し、都度、新しい取り組みにチャレンジしてきたと認識しています。
 また、都が、率先してフィンテックを活用することで、結果として、フィンテック企業の事業の側面サポートになることから、今後とも積極的に取り組んでいくべきと考えています。
 そこで、国際金融都市構想におけるフィンテック企業の重要性、また、時代の潮流を鑑み、都としてもこうした新たな金融サービスを活用し、創業や中小企業に対する資金調達の支援を行っていくべきと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○川崎金融支援担当部長 都は、創業希望者や中小企業の新たな資金調達手段といたしまして、フィンテックの一種でございますクラウドファンディングを活用した支援を、この十月からスタートいたしました。
 クラウドファンディングと申しますのは、創業希望者などがみずからの企画をインターネット上に掲載いたしまして、その内容に共感した人々から資金を集める仕組みでございます。事業開始前のPR、あるいはテストマーケティングなどにも有用な手法として、近年、その活用が注目されているところと認識してございます。
 本事業は、創業希望者などがクラウドファンディングを利用し資金を調達する際に、ウエブサイトを運営する事業者に対し支払う手数料の一部を補助することで、主婦、学生、高齢者など、さまざまな層による創業や新製品の開発、あるいはソーシャルビジネス等への挑戦を後押しするものでございます。
 また、クラウドファンディングに関する電話相談窓口の設置やセミナーの開催なども行っております。
 都は今後とも、創業希望者や中小企業の資金ニーズに応えるよう、資金調達手段の多様化に取り組んでまいります。

○ひぐち委員 フィンテックを活用して新たな資金調達手段を提供することは、中小企業の経営、そして創業に資することであるし、また、都がフィンテック企業を使うことで、側面的にフィンテック産業の普及をサポートすることとなります。
 今年度から開始とのことで、新たな資金調達の流れを定着、普及させるための新しい取り組みに期待しております。
 では、最後の質問、MICEに移ります。
 MICEは、経済、消費活動の裾野が広く、また、滞在期間が比較的長いため、一般的な観光客以上に周辺地域へ経済波及効果があります。
 国は、二〇一〇年を日本におけるMICE元年としており、MICE誘致がいわれて久しく、都においても、臨海地域、八王子を拠点とする多摩へのMICE誘致も取り組まれています。
 私は、まちや地域の活性化に極めて重要だと考えているため、中小規模のMICEというものに着目しております。
 特に、M、ミーティングである企業経営会議とI、インセンティブである報奨旅行についてです。
 アジアについては、シンガポールやソウルが都市戦略、経済成長戦略として大規模な施設を整備し、MICE誘致に取り組んでいます。しかし、東京には、これほどの大規模施設はありません。
 東京の特色を生かして、どのように中小のMICE誘致に取り組んでいくのか、見解を伺います。

○小沼観光部長 MICEを誘致することは、高い経済波及効果が期待されることに加え、多くの外国人に対し、開催都市の魅力を集中的にPRできる機会であり、都市としての存在感を高め、国際的な地位向上につながるものでございます。
 このため、海外では、MICEを一体的に開催できるシンガポールのマリーナベイサンズやソウルのCOEXのような会場やホテル、飲食施設などの機能をあわせ持つ大型複合施設の整備を進めております。
 一方、東京にはこうした複合施設はないものの、会議場や宿泊施設、文化施設などが集積する大手町、丸の内、有楽町、いわゆる大・丸・有地区や六本木地区などのエリアが存在することから、都は、MICE誘致に向け、支援を重点的に行う地域として指定し、地域が一体となって開催地としての魅力を高めることで、大規模なものから中小規模まで幅広くMICE誘致の取り組みを推進しております。
 加えまして、東京の文化資源となっております江戸時代から続く歴史と文化を有する伝統的なまち並みや建物等をユニークベニューとして活用する取り組みを進めるなど、東京ならではの中小規模のMICE誘致の取り組みを進めてまいります。

○ひぐち委員 まさに東京の文化資源の一つに神田明神があります。先日いろいろとお話を伺ってまいりました。
 ここ数年、率先して誘致に取り組んでこられ、既に欧州企業による数百人の報奨旅行など、二件の誘致実績があるとのことでした。
 東京観光財団とともに、また、そうした専門会社と協力することで、境内やご社殿を生かしたレセプションは、特別感、非日常感のあるもので高く評価をいただき、また、参加者は、日本の伝統、精神文化に大いに感銘を受けていたと伺っております。
 こうしたユニークベニューは、東京へのMICE誘致に有効な手段と考えますが、近年の東京におけるユニークベニューの支援実績を伺います。あわせて、取り組みを進める中で、どのような課題が明らかになったのかも伺います。

○小沼観光部長 都では、平成二十六年度からユニークベニューの実施に伴う会場設営に係る費用を支援するなど、活用促進に向けた取り組みを積極的に展開しております。
 支援実績につきましては、国際会議のレセプション会場として、日本科学未来館のシンボルゾーンを活用した事例や、委員お話しの都内の神社の境内をエネルギー関連の外資系企業が活用をした事例など、平成二十六年度から現在まで十二件の支援を行い、件数も増加してきております。
 ユニークベニューの実施は、歴史と伝統のある建物や文化に触れていただくことで、東京の魅力を感じ、再訪につながる効果があるなど利点がございます。
 一方で、時間外の管理要員確保などの負担、施設や展示物などへの損害のおそれなどから、消極的な施設も多うございます。
 このため、今年度から、浜離宮恩賜庭園など都立八施設をユニークベニューとして開放し、上野の森美術館など民間等十四施設もあわせて活用しているところでございます。
 引き続き、他都市や他施設での優良事例を施設側に伝えるなど、ユニークベニューに対する理解を深めてもらう取り組みを進めてまいります。

○ひぐち委員 ユニークベニュー実施件数が近年増加していることは、都がしっかり取り組まれてきた結果だと受けとめました。
 他方で、視点を変えると、ユニークベニューの数はどうでしょうか。先ほどあった浜離宮恩賜庭園など都立八カ所、また民間などの十四カ所、計二十二カ所、これは東京の持つポテンシャルから考えてもまだまだ少なく、誘致だけにとらわれるのではなく、ユニークベニューの開発、開放も積極的に進めていくべきと考えます。
 例えば、私の地元においては、日枝神社、千鳥ヶ淵、皇居東御苑の百人番所前広場、神田神保町の古書街、秋葉原のポップカルチャーなど。また、隣には湯島聖堂、湯島天神、上野、谷根千など、近隣に文化資源が集積しています。
 私は、これからもユニークベニューの開発に取り組んでいくべき、各所へ働きかけを強めていくべきと考えますが、区立など公的施設、民間施設などの開放促進に向けた都の取り組みについて伺います。

○小沼観光部長 都は、今年度から、MICE開催時のレセプション等の会場確保に向けまして、八つの都立施設についてモデル的な活用を図っており、既に浜離宮恩賜庭園を民間事業者が主催するイベントのレセプション会場として活用した実績が出ております。
 また、引き続きユニークベニューとして利用する際の課題などを洗い出し、局横断的に検討を行うなど、都有施設のさらなる活用を図ってまいります。
 民間施設におきましても、上野の森美術館など民間等十四施設を掲載しましたPRパンフレットをMICE主催者等に配布し、具体的な情報を提供することで、都立、民間の施設でのユニークベニューの活用が促進されるよう取り組んでおります。
 さらに、ユニークベニューの利用が可能な施設数の拡大に向けまして、都内での関連施設の状況を調査して、候補施設を洗い出し、開放されていない民間施設や区立施設の施設管理者などに対し、ユニークベニューとしての利用を積極的に働きかけてまいります。

○ひぐち委員 これまで、現場の方々からご意見を伺ったところ、ユニークベニュー実施に当たってどうしたらいいかわからない、担当者がいないといった意見が多く、今後、開発、開放していく上では、参考となる情報提供や人材、体制強化の支援などが課題であると感じました。
 ぜひ都において、MICE、ユニークベニューという切り口だけではなく、つまり観光部が一体となって、そして地域の観光協会などを通じて、こうした課題に対応していただくよう強く要望いたします。
 ユニークベニューの活用によって、地域の歴史や文化を多くの外国人に知ってもらおう、訪れてもらおう、また、飲食を行い滞在してもらう、まさに地域の活力になると考えております。
 地域振興の観点からも、地域で受け入れ可能な中小のMIの誘致を進めるとともに、こうした旅行者を迎え入れる機運を醸成していくべきと考えますが、都の所見を伺います。

○小沼観光部長 都は、企業系会議、報奨旅行の誘致を推進するため、開催地決定に影響力を持つ海外のMICE関連事業者に対して、海外に出向き、東京の魅力を直接PRするとともに、報奨旅行等の開催時に、外国人参加者に提供するアトラクションの内容の充実を図ってまいりました。
 また、今年度からは、報奨旅行等を幅広く誘致するため、より規模の小さい報奨旅行等を獲得できるよう支援対象を拡大しております。
 MICEの誘致や開催に当たっては、地域の住民の理解、そして協力を得ることが重要であることから、都民の方々や関連事業者に対しまして、シンポジウム等を通じて、MICEの開催がもたらす地域活性化の効果などを周知しまして、機運醸成を図ってまいります。

○ひぐち委員 MICE、ユニークベニューという単語を使わずとも、働き方改革と同様ですが、私たちは手段に踊らされず、その目的、何のためにこれを行うのか、その大前提をしっかり認識しておくべきと考えます。
 つまり、東京には、最先端の現代的な地域とともに、近世から続く奥行きのある重層的な営みもあります。
 再開発を免れて営々として紡がれてきたまちの歴史、土地の風土、文化や伝統などがあります。開発ではなく、リノベーション的な再生が求められているように考えており、そのためには、海外の活力をも取り込むことが大切と考えています。
 本日は、今を生きる働く人、またその企業、そして地域やコミュニティの中心にあるべき商店街、そこでの歴史、文化という観点から幾つか伺いました。
 以上をもって、質疑を終えさせていただきます。

○細田委員 私からは、まず初めに、中小企業に対する支援について、伺います。
 国内の景況は改善が続いているとされておりますけれども、都内の中小企業、特に零細企業の経営者の方々からお話を伺いますと、売り上げはなかなか伸びないのに原材料費、また人件費のコストは高くなる一方である、このような話や、納品の単価、これを値上げできないために、依然として利益が余り出ていない、このような声を多く聞きます。
 とりわけ小規模の零細事業者の方々は、営業力や財政基盤が弱いですから、日々の、毎日の経営で手いっぱいなのが現状であります。自分たちの独力で新しい取引先、これを開拓していく、見つけていくというのは、簡単なことではありません。
 東京の産業を支えているのは、今申し上げたような、このような中小企業、零細企業でありますから、まさにしっかりと収益を着実に確保していく、この仕組みをつくり上げていく、行政が不断にバックアップしていく、この取り組みが肝要であり、経済の活力を高めていく上で極めて重要なことであります。
 そこで、販路の開拓ということについてお尋ねいたします。
 当たり前のことですが、企業が収益を上げていくためには、売り上げをアップさせていくか、あるいはコストを削減していく、この必要があります。
 売り上げについて申し上げれば、企業が確保していくためには、新たな販路を見つけていくことが必要となりますけれども、十分な営業力を持っていない中小企業にとって効果的なのは、多くのバイヤーが訪れるB to Bの展示会、こういうものに自社のものを出展して、製品をPRして、そして機会をふやしていく、こういうこと、こうやってPRしていくというのも大事な選択肢の一つになっています。
 都は、こうした新たな販路の開拓が必要な中小零細企業に対して、展示会に出展するための経費の助成をしておりますが、ニーズが多くなっていることから、今年度は事業規模、これを拡充して実施しています。
 現在までの実績、そして取り組みの状況、課題等についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都は、中小企業が経営診断を受けて販路の開拓が必要であるとされた場合に、展示会に出展し取引先をふやすサポートを行っているところでございます。
 具体的には、経営の専門家から販路拡大が課題であるとの判断を受け、直近の売り上げが前期を下回る中小企業などを対象といたしまして、展示会の参加に必要となる経費の三分の二につきまして、百五十万円を上限として助成を行っているところでございます。
 中小企業が新たに販路を広げるための取り組みは数多く行われておりまして、都のサポートに対するニーズも多いという状況を踏まえまして、今年度は支援の規模を昨年度の五百十件から六百八十件にふやしているところでございます。四月からの半年間で本制度の採択の件数は三百四十一件となってございまして、予定の半分の水準に達しているという状況でございます。
 こうした取り組みによりまして、中小企業が取引先を確保して経営力の向上を図ることのできるよう、着実に後押しを進めてまいります。

○細田委員 三分の二で百五十万が上限ということで、二百二十五万まで出るということでしょうから、多くの企業が展示をできる、その金額が本当に満たされていると思いますし、また、半年間でもう半分、水準に到達しているという、こういうような状況であると思うので、ぜひ着実に実施していっていただきたい、また来年度はさらに広げていただきたい、このように思います。
 売り上げの確保に加えて、コストの削減について、この重要な問題について伺います。
 下請企業を初めとして、多くの中小企業における利益率、利ざやは決して大きくはありません。こうした中では、少しのコストの削減でありましても、利益を大きく改善していくことができます。よく一円単位から無駄を削る、こうお聞きしますけれども、まさにそのとおりであります。
 特に、電気の使用が多いものづくりの現場におきましては、例えば照明器具、照明等のLED化などを初めとするハード面の対策をとることによって、初期の費用、設備投資のお金はかかるものの永続的な電気代が節約していける、節減が可能になっていくことになります。
 東京都では、このような節電対策を進めていく中小企業に対して、やはり経費の助成などによって必要な設備の導入の促進を支援しておりますけれども、こちらの方の今年度の実績についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。

○坂本商工部長 都では、中小のものづくり企業の経営力を高めるため、生産活動で必要となる電力の消費を抑えてコストを削減し、収益の向上を実現する取り組みをサポートしているところでございます。
 具体的には、中小企業の工場の現場に電力使用の節減ノウハウを持つ専門のアドバイザーを派遣いたしまして、電力の消費の状況などを分析して節電に役立つアドバイスを行っているところでございます。
 こうした会社が、専門家の助言に基づいて節電の具体的な計画をつくり、消費電力を抑える効果の高いLED照明や使用する電力量が上限を超えることがないよう監視をするデマンドコントローラーなどを導入する場合、その必要経費の二分の一を一千五百万円を上限といたしまして助成を行うこととしております。
 今年度は、八十四の会社に専門家を派遣し、計画を策定した二十三の企業につきまして助成の採択を行っているところでございます。

○細田委員 ご答弁から、いずれの支援策についても着実に利用が促進されている、中小企業の経営の下支えに役立っている、このことがわかりました。
 今後とも、中小、そして零細企業の経営の基盤の強化に向けて、後押しを、またさらに案も出していっていただいて、着実に押し上げていただくことをお願いいたします。
 さて、私の方からも、TOKYO創業ステーション、このことについてお尋ねいたします。
 創業支援のことなんですが、東京の経済を今より、一層生き生きとさせていくためには、若者を中心に、次の世代の事業者の方々を産み、育てていくことが極めて重要なことであります。
 都内の開業率は約六%に上昇しておりますけれども、欧米並みの一〇%にはいまだ届いていないということですから、創業を志していらっしゃる人をふやしていくこと、そして、こうした方々を実際の起業へとつなげていく、このバックアップを、さらに力を入れて進めていく必要があります。
 創業希望者を着実に起業につなげていくためには、準備の段階から実際に会社を起こしてビジネスを始めるに至るまで切れ目なくサポートしていく、この切れ目がないということが肝心でありますけれども、東京都は、ことしの一月から、創業に関する各種の支援をワンストップで提供できるよう、丸の内にTOKYO創業ステーションを開設されました。
 そこで、改めて概要と運営状況についてお尋ねいたします。

○坂本商工部長 都が設置をいたしましたTOKYO創業ステーションでは、創業のアイデアを具体化した上で、経営のノウハウを学び、起業の計画をつくり、事業を開始できるよう、継続して段階に応じたサポートを行う仕組みとしております。
 具体的には、創業に関心を持つ来訪者に休日や夜間も含めて相談対応を行う十五名の相談員を配置するほか、事業の立ち上げに成功した経営者と交流できるイベントを開いて、起業に身近に触れる機会を提供しているところでございます。
 起業の準備に取り組む場合には、経営の基本知識やノウハウをセミナーで学ぶコースを用意しており、事業の計画をまとめ上げる段階では、担任の専門家がサポートするプランコンサルティング、こちらの方を実施してございます。
 同ステーションの会員登録でございますが、十月までに一万三十八名となってございまして、三百八十七回のイベントやセミナーを開催いたしまして、これに約一万四千名が参加をして、一連の仕組みを利用して事業計画を五十五名が完成するという実績を上げているところでございます。
 また、事業を開始する際に必要な資金を確保できるよう融資相談の窓口を設けてございまして、四月から十月までに延べ三百四十二件の相談を受け付けてございまして、これ以外に、司法書士による登記手続のサポートや税理士による税務相談などきめの細かい支援も行っているところでございます。

○細田委員 創業希望者にとりまして、このワンストップは極めて重要で、こういう場合にどこに相談したらよいのか、そういったことに迷うことがなく、とにかくここに行けば大丈夫であるという場所があることは、大変に心強いことだと思います。
 東京都は、さまざまな創業支援策を実施していますが、こうした情報が創業を考えている人たちにきちんと届いていくこと、これが重要であります。また近年は、東京都以外の支援機関もさまざまな創業支援のメニューを提供しておりますので、組織の垣根にはとらわれず、その人に必要な支援を利用してもらうという、この視点が欠かせないと思います。
 そのためにも、創業希望者に対して幅広い支援情報を提供するとともに、そして、その中核を担っていく、まさにその中心となるTOKYO創業ステーション自身の周知、普及、浸透、これを図っていくことが重要と考えますけれども、それについての取り組みの状況をお伺いいたします。

○坂本商工部長 都の創業支援の事業内容を体系立ててわかりやすく提供のできるTOKYO創業ステーションのPRのために、交通機関の広告などを活用して発信を行う工夫をし、鉄道の車内広告やトレインチャンネルなどの動画の放映を二月に実施いたしまして、幅広い利用につながる取り組みを進めたところでございます。
 また、同ステーションへの来訪者に、都の創業支援の事業について、利用のできるインキュベーションの内容や補助金の受付の時期のほか、区市町村による支援事業などもきめ細かく情報提供をしております。
 さらに、フリーペーパーを四半期ごとに三十五万部配布をいたしまして、事業内容の周知に努めているところでございます。
 これらに加えまして、都では、事業内容をわかりやすく取りまとめた創業支援ガイド、こちらを五千部作成いたしまして、区市町村の産業関連の窓口や金融機関などを通じて配布を行うとともに、ことし一月に開設したポータルサイト、東京都創業NET、こちらによりまして、創業関連の事業内容を迅速に提供してございまして、アクセス数は、十月末の時点でございますが、二十万件を超えると、こういう状況になってございます。
 これらに加えまして、SNSを用いまして、創業にかかわるイベント事業の情報が、短い期間で幅広く、多くの方に行き渡る取り組みも進めているところでございます。

○細田委員 幅広く浸透を図ることを講じているんだ、そういうご答弁でありました。ぜひ引き続いて積極的なPRを利用促進に向けて行っていただいて、そして、先ほども申し上げましたけれども、ぜひ組織の垣根にとらわれずワンストップで、また、区市町村が行っているような創業支援の窓口のメニューとかも、あ、ここはいいよね、ここも紹介してあげた方がいいかもしれない、こんなようなところの情報も適宜、発信していっていただいて、創業の成功に向けてバックアップをお願いしたいと思います。
 それから、今後、創業ステーションを利用して起業に成功した際、いわゆる卒業生の方々がふえてくると思うんですが、先ほどのご答弁の中に、事業の立ち上げに成功された経営者と交流ができるイベントを開いているという、こういうご答弁もありました。
 まさにこうした先輩起業家が、後に続く人たちに創業ステーションをリコメンドしていくことで、口コミの輪を広げていくことも期待いたしますし、また、創業ステーションで、後輩たちにアドバイスを行う、あるいは自分がセミナーの講師を務める、こんな形をつくっていただいて恩返しをしていってもらう、こうした日本人としての文化を持った、創業での循環の流れをぜひつくり出していただきたい、このことを強く要望して、次の質問に移ります。
 伝統的工芸品月間国民会議全国大会のことに関連して、伝統工芸品の普及について伺います。
 今月の三日から六日まで、東京都並びに国や産地の団体などとの共催で伝統的工芸品月間国民会議全国大会が開催され、私も行ってまいりました。
 全国と東京の伝統工芸品の展示販売のほか、さまざまなプログラムが用意されており、私自身もたくみのすばらしいわざとしてつくられる工芸品、これを実感したところであります。
 東京大会については、本年の第一回定例会の経済・港湾委員会で、我が党の伊藤委員が、東京の伝統工芸の魅力を全国のみならず世界へ発信する絶好の機会であり、東京都としても、この機会を積極的に活用すべきと指摘をさせていただきました。
 丸の内というエリア、このよい、好立地を生かして、幅広い層に向けて伝統工芸の魅力を発信していくためどのように取り組まれたのか、まずその実施状況についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 東京で初めて開催されました伝統的工芸品月間国民会議の全国大会は、伝統工芸品の普及促進を図るとともに、都独自の企画を盛り込むことで集客に努め、来場者数は十一月三日から六日の間で延べ二十五万七千人となりました。
 今回の東京大会では、会場をメーンの東京国際フォーラムと、お話にございました丸の内など周辺の三つの建物に設けまして、伝統工芸に触れる機会の少ない若い世代や外国人が関心を持ち、歴史的な背景に理解を深める展示や企画を行ったところでございます。
 具体的には、伝統工芸品が江戸の暮らしの中で使われている様子を再現しながら、現代の生活での新しい利用方法を提案する企画を行ったところでございます。
 また、例でございますけれども、組みひもの技術を使いまして、首に巻いて脈拍をはかるひも状の医療機器、こうしたものなどの応用例の展示なども行ったところでございます。
 さらに、伝統工芸の職人が有名デザイナーと協力をして新たに開発した五つの商品の展示販売のほか、海外で受け入れやすいデザインの工芸品を外国の有名店が期間限定で販売する企画を行いまして、こちらも外国人が多く集まる丸の内という好立地を活用した取り組みとなっていると考えてございます。
 これに加えまして、工芸品の会社などが外国の企業と商談を行う機会をつくりまして、合計して九つの取引が実際に成立するなど、販路拡大の支援も行ったところでございます。

○細田委員 わかりました。私も場内で感じましたが、大変に多くの来場者が訪れていて、大盛況でありました。さまざまな工夫も凝らされておりました。
 しかし、その一方、ちょっと地元とか、いろんなところで話を聞いてみますと、伝統的工芸品全国大会が東京で開かれていることを知らなかったという、こんな声も寄せられました。
 一生懸命発信していたんだから、知らなかったといわれても困るかもしれませんけれども、もしPR不足が原因で情報が行き渡らなかったとすれば、これは残念なことでありまして、大変に立派な東京大会を開催するに当たって、どのようなPRを行ったのか、この点についても確認しておきたいと思います。

○坂本商工部長 今回の全国大会では、伝統工芸品の魅力を若者や外国人などに対し幅広く紹介するためのPRに取り組んだところでございます。
 具体的には、「広報東京都」で都民に大会の周知を図ったほか、新聞広告を全国紙に三回にわたり掲出をするとともに、十月の中旬には有名雑誌で東京大会をテーマとする特集号を十五万部発行いたしまして、関心を集める工夫を行ったところでございます。
 また、東京大会を専用に宣伝するウエブサイトを開設し情報提供を行って、延べ十二万六千人の閲覧者に内容の紹介をするほか、SNSを活用して情報が速やかに広がるPRにも取り組んだところでございます。
 さらに、業界団体や会場周辺の店舗などの集客施設、さらに都の観光情報センター、交通事業者、地元自治体などの協力も頂戴いたしまして、十万部のチラシを配布いたしまして、東京大会への来訪にも結びつけたところでございます。

○細田委員 さまざまな手段を活用されてPRをされて、その成果といいますか、多くの方、二十五万人という来場動員数にもつながったものだと、このように理解をしたいと思っています。
 もちろん、それでも広報が完璧に行き渡るわけではございませんので、ぜひ今回の成果と、また今後どういうふうにしていったらいいのかという課題を今後のイベント等に生かしていただいて、周知の方法などの参考にしていただいて、引き続き、東京の伝統工芸の奥深い魅力、これを内外に強く発信をしていっていただけるよう要望をさせていただきます。
 さて、成長開拓市場における観光プロモーションとして、近年、我が国を訪れるインバウンドの旅行者は、増加の一途をたどっております。
 昨年、日本を訪れた外国人の旅行者数は、過去最高の二千四百三万人、そしてことしはそれを上回る約二千八百万人となる見通しである、このような報道もございました。
 一方、現在、海外からの旅行者は地理的に距離が近い中国、韓国、台湾の方々で約三分の二を占めております。
 今後もさらに東京を訪れる外国人旅行者の方々の増加を図っていくためには、こうした地域のみならず、オリンピック・パラリンピックの開催都市としての東京の知名度も大いに生かしながら、将来的に旅行者の大きな伸びが期待できる国や地域にも積極的に誘致活動を展開していくことが重要であると考えますが、今からしっかり種をまいておくという、さらに育てていく、こういうことが重要だと思うんですけれども、都は、どのように取り組んでいらっしゃいますでしょうか。
 都の取り組みの内容についてお尋ねいたします。

○小沼観光部長 都はこれまで、経済成長が著しく今後の訪都旅行者数の増加が期待できる市場において観光プロモーションを実施し、外国人旅行者の誘致に成果を上げてまいりました。
 今年度は、フィリピン、インドを対象にしまして、過去に実施をしましたプロモーションのフォローアップとして、旅行博への出展、それから観光セミナーの開催、現地旅行事業者の招聘を行います。
 また、新たな市場としまして、本年一月にビザ発給要件の緩和が行われ、将来的な旅行者数の増加が特に期待できるロシアを選定いたしました。
 事前にマーケティング調査を行った結果、ロシアでは、日本食や自然、伝統文化への関心が高いという市場特性が明らかになりました。そのため、現地では、東京の持つそれらの魅力を、観光セミナーですとか現地旅行事業者と都内事業者との商談会等で紹介いたしまして、効果的にPRを行ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、訪都外国人旅行者のさらなる増加につなげてまいります。

○細田委員 ロシアがふえたという、そういうことですか、わかりました。今後も、旅行者数の増加が期待できる都市をしっかりとさらに選んでいただいて、効果的なプロモーションを展開して、外国人の旅行客のさらなる誘致に結びつけていただきたいと思います。
 新たな国や地域からの旅行者誘致に向けた都の取り組みは伺いましたけれども、都内各地域に旅行者を呼び込んでいくためには、いろんなさまざまな課題がありますけれども、何よりも魅力的な観光スポット、これを創出していくこと、整備していくこと、これが不可欠であります。
 東京二〇二〇大会を見据えまして、新たな観光名所をつくる取り組みが都内各地でも活発になってきております。
 例えば、隅田川の清州橋の下流の河川敷地、ここで飲食店の営業を行っているかわてらすだとか、こういうのも出てきていますし、また、小名木川って、江東内部河川の三十キロにわたる中の東西の塩の道というところなんですが、そこの水面の高さが違う川を通航できるようにした東京のパナマ運河といわれる扇橋閘門、今、工事しておりますが、こういうところを公開するなど、東京の特色の一つである水辺を活用した取り組みに大変に注目が集まっております。
 都内には、まだ埋もれていて、十分に活用されていない観光資源がたくさんあります。東京の魅力的な観光資源のさらなる充実を図るために、こうした水辺を初めとする各地域の特色を生かしたすぐれた観光スポットを生み出していくことはとても重要であります。
 しかし、地域力だけでは、実証実験とか社会実験をやっていますけど、資金や人材面での制約から、実現や継続的な実施、これはハードルが高くて、対応がなかなか困難な状況であるというのもあります。
 そこで、お尋ねしますけれども、東京都は、都内各地の新たな観光資源の開発を支援していく取り組み、これについてどのように考えているのか、そしてどのように進めているのかお尋ねいたします。

○小沼観光部長 都は、新たな観光資源の開発に向けて、地域のすぐれたアイデアを選定し、民間のノウハウを活用して具体化し、その結果を検証しながら、事業化を目指す取り組みを行っております。
 これまで都は、舟運と自転車を組み合わせたモニターツアーや、代々地域に伝わる伝統芸能や食を生かしたイベントなど、地域のさまざまな観光資源を活用したアイデアを毎年選定してまいりました。
 こうして開発した事業が継続的に実施され、着実に地域に定着するよう、今年度からは、最大で三カ年にわたり支援を行うことを可能といたしました。
 その結果、浅草で江戸歌舞伎にゆかりのある場所を案内するまち歩きガイドを育成する三カ年の取り組みなど、二十件を選定し、具体的な事業化を後押ししております。
 今後もこうした取り組みによりまして、地域の新たな観光資源の開発を支援してまいります。

○細田委員 よろしくお願いします。私の地元でも、まち歩きによる観光や、またバイクシェア、シェアサイクル、これが大変盛り上がりを見せています。私もヘビーユーザーなんですが、今、四区から、文京、新宿も含めてさらに広がりも見せておりますし、課題もいっぱいありますから、さまざま事業者とも、またそれぞれの基礎自治体とも連携をとりながら、確実に進めていっていただきたいと、このように願います。旅行者の誘致にぜひつなげていただきたいと思います。
 さて、私からも林業の振興の取り組みについて簡潔に伺います。
 先ほど山崎副委員長が、また森村委員が詳細な質疑をされておりましたので、簡潔にお尋ねしたいなと思っております。
 戦後植えられた日本の人工林の多くは、成長し木材として利用可能であり、日本の林業は、木を育てていくという段階から、木を伐採して使っていく、こういう段階に移行しております。
 木材を使うということは、森林の循環を促して、森林整備に貢献いたしますけれども、日本の木材の需要量は長期的に減少傾向にあることは皆様もご存じのとおりであります。
 農業においては、地域で育てた作物をその地域で食べる地産地消の推進がございますけれども、木材でもぜひ地産地消を進めて、地域の森林整備と資源の有効活用を図るべきと考えます。
 そのために、東京都が率先して多摩産材を使うことが重要であり、東京都では、東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針を策定しています。
 きょう配布されました資料にも、平成二十六年、二十七年、二十八年と三年間で、二十七年度は七・三%アップして、二十八年度は一八%アップ、三百十立米アップしていますよね。こんなふうにアップはしておりますけれども、東京都自身の多摩産材の利用に向けた取り組み、どのような状況になっているんでしょうか、お伺いいたします。

○藤田農林水産部長 都は、東京都公共建築物等における多摩産材利用推進方針に基づき、都が整備する学校や都営住宅の内装などに多摩産材を積極的に活用しております。
 平成二十八年度の都による多摩産材の利用実績は、二千二十五立方メートルとなっており、これは平均的な木造住宅に換算しますと約八十棟分に相当いたします。
 また、多摩産材の認知度向上を図るため、美術館や博物館など多くの都民の目に触れる都の関連施設のロビーや窓口カウンターにおいて多摩産材利用を進めており、今年度は、東京しごとセンターや東京都庭園美術館などにおいて、多摩産材を利用した什器やベンチなどを導入しております。
 今後も、都は、率先して多摩産材の利用を進めてまいります。

○細田委員 東京都は、これからもみずからが多摩産材を使う取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。
 木材の大きな需要先は、建築物や家具等におけるまさに民間の利用でありまして、多摩産材の利用拡大、これを進めていくためには、一千四百万の東京都民の方々にもっと多摩産材を使ってもらうことが必要だと考えます。
 公は、これは呼び水であり、さらに民間の拡大に向けたこういう都の取り組み、どうなんでしょうか。これについて、決意とともにお伺いいたします。

○藤田農林水産部長 民間における多摩産材の利用を進め、認知度向上を図るとともに、暮らしに身近なところでの活用を推進していくため、都は、多くの都民が訪れるPR効果の高い商業施設等における内装や什器などの整備に要する経費の二分の一を、五千万円を上限として補助しております。
 また、民間の住宅展示場に、多摩産材を使ったモデルハウスを整備し、多くの木材を使用する住宅での利用を進める取り組みを開始しております。このモデルハウスでは、家具などの木製品の展示や、地域材である多摩産材への理解を深めるための情報発信もあわせて行ってまいります。
 これらの取り組みを通じて、民間における多摩産材の利用拡大を図ってまいります。

○細田委員 多摩産材の利用拡大に向けた方針、取り組みはわかりました。
 木材は、再生可能な循環型の資源でありますとともに、空気中の二酸化炭素を蓄えて、そして、木を使うことは地球温暖化に対する貢献に資する取り組みでもあります。
 東京は、日本有数の木材の消費地であります。多摩産材に加えて、国産材全体の利用拡大への取り組みも、首都東京の課せられた役割、使命であると思いますが、東京における国産材の利用拡大に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

○藤田農林水産部長 都は、木材の大消費地東京における国産材の利用拡大を図るため、日本各地と連携した木材製品展示会を開催しております。
 来年一月、東京ビッグサイトで開催する本展示会では、三十三都道府県の木材産業の関係者が出展し、来場する建築士や工務店などの木材を取り扱う事業者や自治体と商談を行うほか、出展者同士のマッチングを行います。
 今後も、東京における多摩産材を含めた国産材の利用拡大に努めてまいります。

○細田委員 森林は、水源の涵養や災害の防止など、都民や国民の生活に必要な多くの役割を果たしております。この森林を次世代に健全な姿で引き継ぐことは今を生きる我々の世代の責務でありまして、今後も木材の利用拡大を積極的に進めていくべきであります。
 東京都は今後とも、公共の利用、そして民間の利用とあわせて木材の利用拡大に取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○柴崎委員 アベノミクスによる景気回復が進んでいる昨今、この足取りを確かなものにしていく必要があります。そして、東京を世界で一番の都市に、このことを実現するために、東京を支えるさまざまな産業、そしてそれを担う事業者の実態を踏まえた支援が必要不可欠であります。
 都内の事業者の大部分は、中小零細企業が占めております。地域の産業を元気なものとしていくためには、その根本となる事業者が抱える課題に対応し、経営の足腰をしっかりしたものにしていく必要があります。
 そうした観点から、中小企業の資金繰りや、事業承継等についての都の支援、また、東京の重要な産業である農業の振興に関しまして、質問をしていきたいと思います。
 初めに、中小企業の金融支援について伺います。
 依然として資金繰りに苦しむ中小企業は数多く存在をしており、資金調達への支援はそうした企業の経営を支える上で、極めて重要であります。
 中小企業の円滑な資金繰りを支える上で中心的な役割を果たしている都の融資制度は、中小企業が事業資金を借り入れる際に、信用保証協会、ここが公的な保証人になることで、資金調達を容易にする全国統一の信用補完制度を基盤としているわけであります。
 本年六月には、その信用補完制度の見直しを内容とする、中小企業信用保険法等の一部を改正する法律が成立いたしました。来年四月より施行される予定と仄聞いたしておりますが、都としても、この信用補完制度の見直しに的確に対応し、中小企業の円滑な資金調達に万全を期すことが必要であります。
 そこで、今回の国における信用補完制度の見直し内容と、都の対応の方向性について伺います。

○加藤金融部長 今回の信用補完制度の見直しでございますが、中小企業のライフステージに応じたきめ細かな資金繰り支援や、危機への迅速な対応など、中小企業の経営改善等に一層つながる仕組みを構築する内容となっております。
 具体的には、創業者や小規模事業者向け保証制度の限度額の拡充や、大規模な経済危機、災害等に際して迅速に発動できる新たな保証制度の創設などが盛り込まれております。
 都は、こうした信用補完制度の見直しを踏まえまして、中小企業の新たな事業展開と経営基盤強化の両面から、多様な資金需要に適切に対応できるよう融資メニューの拡充を検討してまいります。

○柴崎委員 中小企業がさまざまな局面で必要とする資金を調達できずに、円滑な資金繰りに支障を来すことがあってはならないし、そして、経営を安定化させる上では経営改善を促進することも求められております。
 そのため、都においては、信用補完制度の見直しを踏まえた効果的な支援の充実を図っていただくことを要望いたします。
 次に、中小企業制度融資の中でも、都独自のメニューである、特別借換融資について伺います。
 この特別借換融資は、リーマンショック後の中小企業の資金繰りを支援するために施行された中小企業金融円滑化法が、平成二十五年三月に終了いたしました。これに伴いまして、我が党の求めに応じ、制度融資のメニューとして創設されたものであり、中小零細企業から非常に評判がよいという話も聞いております。
 多くの中小零細企業は、依然として厳しい経営状況に置かれており、このメニューを活用して、危機的、そして緊急的な対応にとどまらず、円滑な資金繰りや経営改善を継続的に支援する必要があると考えます。
 そこで、特別借換融資における利用実績とその効果について伺います。

○加藤金融部長 特別借換融資の平成二十八年度の利用実績は、約三千三百二十二億円と、制度創設当初と比較しますと約四倍に増加し、制度融資による融資額全体の約三割を占めております。
 また、本メニューの利用者のうち、経営改善や財務状況の悪化を防止できた企業は約七割となっており、利用した中小企業からは、月々の返済負担が楽になり、経営の立て直しにつながったなど、評価の声も多数寄せられております。
 都は今後とも、特別借換融資により、中小企業の経営の安定化を支援してまいります。

○柴崎委員 今答弁いただきましたけれども、特別借換融資は、中小零細企業の資金繰りへの支援というだけでなくて、企業の経営安定化の点からも大きな役割を果たしているということがよくわかりました。
 景気が回復基調にある状況においても、引き続き本メニューを活用して、中小零細企業の資金繰り支援を進めていただくことを要望しておきます。
 次に、中小企業におけるサイバーセキュリティー対策について伺います。
 インターネットが爆発的に普及し、私たちの生活はもちろん、ビジネスの世界におきましても大きな変革がもたらされたわけであります。その一方、サイバー攻撃のリスクが大きな問題になっているわけであります。
 企業が攻撃をされ、業務システムがダウンしたり重要な情報が盗みとられるなどの被害が起これば、事業の中断、あるいは最悪の場合は、企業の存続を脅かしかねないわけであります。しかし、資金や人材等の経営資源に乏しい多くの中小企業では対策は進んでいないわけであります。
 都は、今年度から、サイバーセキュリティー対策の促進に向け、普及啓発を強化しておりますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。

○坂本商工部長 都は、中小企業のサイバーセキュリティーの強化に向けて、警視庁や商工業のさまざまな団体等と連携いたしまして、東京中小企業サイバーセキュリティ支援ネットワーク、こちらを設けまして、都庁内に専門の相談窓口をつくるなどさまざまな対応を行っているところでございます。
 今年度は十月末までに窓口で四十八件の相談を受け付けたほか、普及啓発の取り組みとして、小規模なセミナーの開催や業界の研修等の場での説明など、四月から四千三百八十八名にサイバーセキュリティーに関する知識の提供をきめ細かく行ったところでございます。
 また、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐための方法や、セキュリティーにかかわる事故が生じた場合の迅速な対応をわかりやすくまとめたガイドブックを二十万部作成いたしまして、中小企業に無償で配布をしております。
 さらに、百社の中小企業を募集いたしまして事業運営に支障を及ぼす標的型メールへの対応の訓練も行いまして、社内での態勢の強化をサポートいたしました。
 今年度からは業界団体に対しましても、協同組合が傘下の所属企業に配布するサイバーセキュリティー強化のチラシやマニュアルの作成などで必要となる経費につきまして、三十万円を上限といたしまして三分の二の補助率により助成を行いまして、現在までに二団体の利用実績が出ている状況でございます。

○柴崎委員 啓発活動によりまして、経営者や従業員の意識を高めること、これはまず第一歩にすぎないわけであります。
 的確な防護措置を抜きにして、現実のサイバー攻撃から中小企業を守ることはできないのであります。
 電子情報は一度流出するとコピーが無限にできて回収不能になるわけでありますが、企業秘密あるいは顧客データなど情報資産の窃取を防ぐということは、こうした対策が急務と考えるわけであります。
 都は、今年度から、こうした対策に必要となる設備などの導入を支援する事業を開始しておりますが、その実績について伺います。

○坂本商工部長 都では、今年度から、インターネットを通じた不正な方法により、取引先の顧客のデータや営業上の秘密などが流出しないよう対応を図ることのできるサポートを開始しております。
 具体的には、中小企業がサイバーセキュリティーのレベルを高めるため、顧客に関する重要なデータを暗号化して情報の保護を行う場合や、外部から社内のITシステムに不正に侵入できないよう防御を施すシステムづくりなどを対象に、一定の基準を上回る安全性の確保を条件といたしまして、一千五百万円を上限に二分の一の経費助成を行うこととしてございます。
 今回は九月より一カ月の間、募集を行ったところ、予定としている十社を大幅に上回る百五十三の企業から申請が出てきておりまして、サイバーセキュリティーへの中小企業の関心が極めて高い、強い状況があるものと理解をしているところでございます。

○柴崎委員 東京二〇二〇大会を控えまして、サイバー攻撃の脅威はますます高まっていくことが予想されます。こうした動向も十分に踏まえて、支援の充実に努めていただきたいと思います。
 企業活動を取り巻くリスクは、サイバー攻撃にとどまりません。
 地震などの自然災害、あるいは感染症などによって、たった一社の活動がストップするだけでも、その影響はサプライチェーンを伝わり、多数の取引先、そして地域の雇用や経済、ひいては国民生活にさえ及ぶことがあります。
 しかし、都内中小企業の多くは、こうした災害等の発生時における復旧手順などを定めた計画、いわゆるBCPを策定はしておりません。また、計画は完成しても、これを実践に移せない、つまりつくりっ放しで終わってしまうことも少なくないとお聞きしております。
 都は、中小企業のBCPの策定などを支援していますが、申し上げたような課題も踏まえ、今年度、どのように取り組んでいるのか、伺います。

○坂本商工部長 都では、中小企業が震災などによる被害を受けた場合でも事業を継続できるよう、事前に計画をつくるBCP策定のサポートを行っているところでございます。
 具体的には、ことしの五月から首都直下型の地震による被害想定や帰宅困難者の発生への対応、こちらをテーマとするセミナーを三回開催いたしまして、百六十九の中小企業がBCPの内容に触れる機会を提供いたしました。
 また、BCPの必要性を理解し会社としての方針や社内体制のつくり方などを一日の間で学ぶことのできる講座を九回開催いたしまして、百三十七社が参加をしております。
 こうした中小企業のうち、実際にBCPの策定を希望する場合には、専門家が三カ月間にわたり助言を行う取り組みを行ったところでございます。これによりまして、事業継続のコンセプトをつくり計画に取りまとめて、その内容に沿って社内で演習を行う支援も実施をいたしまして、五十七社が応募して七社がBCPを完成させているところでございます。
 さらに、都のサポートによりましてBCPを策定した企業が、計画の実現のために必要となる設備の導入の経費について、一千五百万円を上限といたしまして二分の一を助成する支援も行ってございまして、例でございますが、非常用の電源や防寒対策用の毛布、こちらを社内に整備する取り組み、こういったものをサポートしたところでございます。

○柴崎委員 引き続き、BCPの策定支援から実践、フォローに至るまで、それぞれの企業の実情に応じたきめ細かな支援をお願いしておきます。
 都では、働き方改革の一環として、広く社会全体に、テレワークの導入を推進しております。
 経済のグローバル化やAIなど情報通信技術の進歩が進んでおります。大企業のみならず、中小企業が必要な人材を確保するとともに、経営の効率を高め、さらなる成長を目指す上でも、テレワークは有効な手段の一つになり得るわけであります。
 しかしながら、テレワークの導入に際しましては、情報セキュリティーの確保や従業員の労務管理に対する不安を持つ企業は多いと仄聞をいたしております。特に、経営資源が十分でない中小企業においては、こうした運用上の課題に加え、経費面でも導入のハードルは高いと考えております。
 テレワークの普及に向けては、例えば、建設業界とサービス業では、おのずと仕事のやり方や働き方が異なります。したがって、中小企業の実態を踏まえ、その効果や課題をしっかりと見定めた上で、適切な支援を行っていくことが重要だと考えます。
 こうした観点を踏まえ、都は、中小企業におけるテレワークの導入をどのように進めていくのか、今年度の取り組みを伺います。

○小金井雇用就業部長 中小企業におけるテレワークを推進するためには、業種や企業規模によって導入時の課題が異なるため、企業の実情を踏まえ、効果的に支援していくことが重要でございます。
 このため、都は、今年度、製造業や医療、福祉など七業種二十社を対象としたモデル実証事業を実施し、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスといったテレワークの形態について、労働環境の整備から機器の導入、運用までの支援を通じて、効果や活用策を検証することとしております。
 また、具体的にテレワークを導入しようとしている企業に対しまして、専門家を無料で派遣し、業務改善に資するIT機器の整備や勤怠管理に関する社内のルールづくりなど、実践的な助言を行っております。
 さらに、モバイル端末等の機器購入やシステム構築などに係る費用の一部について、最大二百五十万円を助成することで導入を後押ししております。
 今後、モデル実証の検証結果を踏まえ、好事例や留意点をまとめ、広く発信するなど、テレワーク導入企業の裾野を広げてまいります。

○柴崎委員 中小企業が、従業員の働き方を見直すとともに、生産性を向上させていくことは、人材確保の面からも重要な手法の一つかと思われます。
 しかしながら、このテレワーク導入が困難な事業者、または業態があることも事実であります。テレワークの導入につきましては、企業のニーズに資するよう、都として、きめ細かな支援を行っていくことを要望いたします。
 次に、事業承継支援について伺います。
 我が国における高齢化の波は、企業経営の世界にも押し寄せております。
 とりわけ国内企業の八割以上を占める小規模企業の経営者は、平均的な引退年齢が約七十歳とされております。そうしますと、二〇二〇年ころには、団塊の世代の社長さんが大量に引退するともいわれているわけであります。
 その多くは後継者がいないなどの問題を抱えているわけであります。地域経済の担い手が失われることで、産業の活力が低下してしまうことのないよう、円滑な事業承継を図ることは、待ったなしの課題であります。
 都は、商工会や商工会議所等と連携をし、小規模事業者の事業承継等を支援する拠点を設置、運営しておりますが、活動内容と実績についてお聞きいたします。

○坂本商工部長 都では、小規模事業者の円滑な事業承継を支援するため、商工会議所などの経済団体と協力をいたしまして六カ所の拠点を設けて対応を進めているところでございます。
 具体的には、商工会議所等に所属をする経営指導員が地域を巡回訪問しながら事業承継を必要とする企業を特定し、中小企業診断士や税理士などの専門家の派遣により、課題の解決を図るなどの支援を実施しているところでございます。
 今年度は、九月末までに専門家を一千五百八十四回派遣するほか、窓口でも相談を五百九回受け付けまして、事業承継に向けたきめの細かい助言などを実施しているところでございます。
 これによりまして、事業承継に必要となる納税資金を計画的に確保する準備を始めた事例や、不動産や金融資産をめぐる承継の方法を早期に取り決めることのできた案件など、こういったものが出てきているところでございます。
 こうした個別の対応のほかに、金融機関等と協力をして、セミナーや講習会を九回にわたり開催いたしまして、事業承継の知識やノウハウを中小企業が学ぶことのできる機会の提供も行ってきたところでございます。

○柴崎委員 小さな企業の中にも、すぐれた技術やノウハウを持った、きらりと光る会社は数多くあります。拠点を通じた支援を質、量ともに一層充実されるよう求めます。
 次に、事業承継を進めるための金融面からの支援について伺います。
 中小企業においては、円滑な事業承継が進まない理由の一つとしては、経営者の交代により金融機関からの借り入れが難しくなるケース、あるいは過大な負債の存在によりまして後継者への事業承継を逡巡するケース、こうした金融面での課題が挙げられております。したがって、円滑な事業承継を推進をしていくためには金融面からの支援を行うことも重要となるわけであります。
 そこで、事業承継における金融支援について、都の取り組みを伺います。

○加藤金融部長 まず、中小企業制度融資における事業承継融資というメニューでは、後継者への引き継ぎを予定している企業や承継後の経営の安定化等に取り組む企業に対し、最優遇金利で融資を行うとともに、信用保証料の二分の一を都が補助しており、平成二十七年度の事業開始からこれまでに、二十九件、約十六億円の融資を実行いたしております。
 また、金融機関と連携した事業承継支援事業では、財務上の課題を解決することにより事業承継が進む企業に対し、金融機関と専門家が連携し、事業承継計画の策定やその実行を継続的にサポートしつつ、必要な資金を融資しております。
 この事業は、平成二十八年十月から三年間のモデル事業としてスタートし、これまでに八十二社の経営状況を調査しております。現在、そのうち四社に対しまして事業計画作成を支援中であり、そのほか、一社に対しては既に融資を実行しております。
 今後とも増加が予想される事業承継に対しては、引き続きこれらの取り組みにより支援するとともに、金融支援策の一層の充実を検討してまいります。

○柴崎委員 事業承継は企業によって課題の所在が異なるとともに、複合的に課題が絡み合っているケースも数多く存在いたしております。したがって、関係機関が連携しながら総力を挙げて取り組むべき課題であると認識をしております。
 喫緊の課題である都内中小企業の事業承継を一層促進していくためにも、金融面のサポートについてもさらに充実をしていくことが必要であります。
 今後ともしっかりと取り組まれることを強く要請いたしまして、次の質問に入ります。
 都市農業に関して伺います。農業における担い手の確保、育成についてであります。
 平成二十七年四月に都市農業振興基本法が制定をされました。そして、ことし五月の生産緑地法の改正による指定下限面積の緩和に続き、現在、国では、都市農地の有効活用を図るため、生産緑地の貸し借りを円滑にする制度改正について検討を進めており、都市農業を取り巻く環境は大きく変化をしております。
 こうした中、東京農業は、大消費地に隣接したメリットを生かし、日々、新鮮で安全・安心な農産物を都民に提供しておりますが、一方では、担い手不足が深刻な問題であります。
 今後、東京農業が、農産物の生産だけでなく、その多面的機能を十分に発揮し、持続的に発展していくためには、担い手の確保がますます重要になると考えます。
 そこでまず、担い手の確保に向けた都の取り組みについて伺います。

○藤田農林水産部長 東京農業を持続的に発展させていくためには、農家の後継者はもとより、新たな視点を持つ農家以外からの新規参入者や女性など多様な担い手を確保することが重要であることから、都では、東京都農林水産振興財団に青年農業者等育成センターを設置し、相談窓口において就農希望者のステージに合わせた研修制度の紹介や、東京都農業会議と連携した農地のあっせんなどを実施しております。
 特に、今後活躍が期待される女性につきましては、窓口に女性の就農コンシェルジュを配置してきめ細かな対応を行うとともに、就農希望者の掘り起こしとして、農業に興味を持つ女性向けに、都内で活躍している女性農業者の取り組みを視察するツアーなどを年度末に実施予定でございます。

○柴崎委員 こうした就農希望者を担い手として一人でも多く確保していくことは重要であり、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 その一方では、新規に農業に参入した人の中には、技術や経営ノウハウの習得が十分に進まず、道半ばで農業を諦める人もいると仄聞いたしております。また、農家の後継者であっても、技術の習得や、経営の安定化に苦労しているのが実情であります。
 こうした新規就農者を、将来の東京農業の担い手としてしっかりと育てることが重要でありますが、新規就農者の育成に向けた都の取り組みについて伺います。

○藤田農林水産部長 都は、新規就農者が就農後も安定して営農を継続できるよう、それぞれの適性に応じた育成支援を実施しており、農家の子弟等の後継者につきましては、都とJAが連携してフレッシュ&Uターン農業後継者セミナーを実施し、二年間で農業経営全般の技術と知識の習得を支援しております。
 また、実践的な経験が少ない農外からの新規就農者につきましては、高度な農業技術や経営管理能力を持つ熟練農業者を、都が認定した指導農業士のもとで農場で一緒に作業しながら実践的な研修を実施するとともに、国の農業次世代人材投資事業を活用し、農業経営を軌道に乗せるまでの資金として年間最大百五十万円、最長で五年間交付する事業を実施しております。
 さらに、就農後間もない女性農業者につきましては、まだ人数が少なく情報交換の場も余りないことから、マルシェの開催などを通じて、悩みの相談や事業の連携ができる仲間づくりを支援しております。
 こうした取り組みにより、東京農業を支える多様な担い手の育成を積極的に支援してまいります。

○柴崎委員 都市農業に対して幾ら追い風が吹いても、実際に現場で働く担い手が不足してしまっては、その追い風を十分に生かすことはできないわけであります。
 これからの東京農業を支える新たな担い手の確保と育成は重要な課題であり、都として全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、農業振興について伺います。
 都内農業者の多くは、小規模な農地で収益性を確保するため、一年を通じて品質のよい農作物を生産するパイプハウスなどの生産施設を導入するなど、効果的な農地活用をしております。
 そうした中で、ことし五月に生産緑地法が改正され、生産緑地の指定下限面積が五百平方メートルから三百平方メートルに緩和されたことから、今後、小規模な農地において、収益性の高い農業経営を展開することが必要になると考えます。
 都では、小規模な農地でも高い収益が得られる独自の栽培システムの開発を進めておりますが、どのようなシステムなのか、伺います。

○藤田農林水産部長 現在、都が開発に取り組んでおります新たな栽培システムは、国が普及を進めている大規模園芸施設に比べ、東京の農地の実情に即した小規模な施設で、高収量、高収益な農業の実現を目指す独自のシステムでございます。
 具体的には、ICTなどの先端技術を活用し、ハウス内の温度、湿度、光、CO2濃度などを作物にとって最適な状態に全自動で制御するものでございます。
 このシステムの活用により、トマトやキュウリの周年栽培が可能となり、栽培試験においては、トマトの年間収穫量が通常のハウス栽培に比べ約三倍程度と大幅に増加し、品質においても、形がよく、きれいな、いわゆる秀品の割合や、糖度も高まっているとの結果も出ております。

○柴崎委員 ICT技術の活用により、高収量と高品質化が可能となり生産性が向上するようでありますが、農業者が高い収益を得るためには、システムの設置、運用コストを削減する観点が必要であると思います。
 このシステムの開発に当たり、どのような工夫をしたのかお伺いいたします。

○藤田農林水産部長 本システムは、各種先端技術の活用による生産性の向上に加え、設備の創意工夫により、設置、運用コストの削減を図っております。
 具体的には、ビニールハウスの骨材を通常の規格より太くすることにより、骨材の本数を極力減らして採光性の向上を図るとともに、ハウスを覆うビニールを二重にして間に空気を入れることにより保温性を向上させ、省エネルギー化を図っております。
 また、ハウス内の環境制御等には、一般に流通している汎用性のある機器類を使用し、低コスト化を目指しております。
 こうした工夫により、本システムは、生産性の向上と設置、運用コストの削減を両立したシステムとして構築しております。

○柴崎委員 設置、運用コストの面でも、農業者の負担を最小限に抑えるよう工夫されているシステムであり、ぜひ積極的に農業者への普及を進めていくべきと考えます。
 今後、このシステムをどのように農業者に普及していくのか、この点についてお伺いいたします。

○藤田農林水産部長 本システムにつきましては、今年度から、研究開発に使用した施設を東京都農林総合研究センターにおいて実証展示し、農業者の視察を受け入れております。
 また、農業者から希望がある場合には、取り扱い方法や研究成果などの説明会を行い、システムの周知を図っております。
 今後は、現場で農業者の指導に当たっております普及指導員が、経営改善に意欲のある農業者に対し、収穫量の増加による収益性の向上など導入メリットなどをPRし、システムの普及を図ってまいります。

○柴崎委員 今後、このシステムを広く都内農業者に普及させていくためには、その仕組みやメリットを、農業者にわかりやすく、目に見える形で示していくことが重要であると思います。農業者にとって使い勝手がよく、より導入しやすいシステムとなるよう、これからも技術面での改良を重ねるとともに、普及に向けた農業者への積極的なPRを期待いたします。
 また、こうしたすばらしい農産物を生産した農業者が、その販路を確保できるよう都の方でもしっかりと後押しをしていただきたいと思います。
 さて、ここまで、産業労働局の事務事業につきまして、今年度の取り組みを中心に伺ってまいりました。都内中小零細事業者を支える産業労働局には、事業者の実態を的確に捉え、刻々と変換する経済情勢や、新たな社会的ニーズにも柔軟に対応しながら適切な施策を展開していくことが求められております。
 地域産業の活力を担う中小企業や都民の方の懸命な頑張りに応え、明るい未来を描くことができるよう、ぜひとも産業労働局には、より一層、きめ細やかな支援体制をとることを要望いたします。
 そして、東京の産業を一層元気なものとするよう、将来を見通した支援を展開されることを期待いたしまして、私の質問を終わります。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後六時十九分休憩

   午後六時五十分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○あぜ上委員 それでは、私から、大綱二点、伺いたいと思います。
 まず初めに、高齢者の就労事業についてです。
 現在、東京都は、高齢者の就労事業を行っておりますが、まず、その課題に対する認識について伺いたいと思います。

○小金井雇用就業部長 高齢者の就業に対する希望はさまざまでございまして、それぞれのニーズに応じた就業支援が必要でございます。
 都は、こうした高齢者の就業を後押しするため、東京しごとセンターのシニアコーナーにおいて、就職に関する相談やカウンセリングを行い、併設するハローワークで職業紹介を実施するなど、きめ細やかに支援を行っているところでございます。

○あぜ上委員 そうですね、高齢者といっても希望や生活実態はさまざまでございます。
 同時に、今、格差と貧困が広がる中で、六十五歳あるいは七十歳を超えても非正規で働くこうした高齢者がふえてきています。また、働かなければ生活できない、こういった実態が広がっている。
 こうした実態にしっかりと向き合って、それこそ丁寧にきめ細やかに対策を具体化する必要があると思います。
 無年金の場合はもちろんなんですが、家計の補助を得たい、また正規の仕事がないという理由によって、非正規で働く七十歳以上の高齢者は、労働力調査で二五%を占めております。
 収入の確保を主たる目的として働く高齢者は、現役時代の賃金水準に連動して年金額も少ない人、また、夫や、または妻が介護施設に入っているために、年金だけではその費用が賄えないなど、さまざまなわけです。
 私が最近よく相談を受けるケースでは、介護施設と家庭と二世帯分の生活費を賄わなければならない、そういった方や、ひきこもりになってしまった三十代、四十代の子供が同居しているために、高齢の親も働かなければ生活が維持できない、こういった方々です。
 年金制度が貧弱な上に、非正規の賃金水準が低いために、高齢者であるにもかかわらず、フルタイムで働かざるを得ない、またダブルワークで働かざるを得ない、こういった方もいらっしゃいます。
 都としては、こうした高齢者の就業の受け皿に、シルバー人材センターがなり得ると考えていらっしゃるでしょうか、伺います。

○小金井雇用就業部長 シルバー人材センターにおける就業は、主として高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ることを目的としております。
 なお、本格就業を希望する高齢者に対しては、東京しごとセンターや区市が運営するアクティブシニア就業支援センターで、就業機会を提供しているところでございます。

○あぜ上委員 ご答弁のように、シルバー人材センターは生きがいということで、臨時、短時間、軽易、こういった仕事で、しかも月三万から四万円ほどの収入です。
 アクティブシニア就業支援センター、ここにも行ってお話を伺ってきましたが、七十歳を過ぎても就業可能だという事業所も最近出てきてはいることが、私もわかりましたけれども、しかしニーズとの関係でいうと、就業機会はより拡充することが求められていると思います。
 東京都の、これは福祉保健局ですけれども、高齢者の生活実態調査、これによりますと、高齢者が仕事をしたい理由の一番が収入を得たいからとなっています。
 そして、高齢者の総収入、これは年金も含めてなんですが、五十万円から百五十万円が三二%と一番多くなっています。
 こうした事態から年金の引き上げや社会保障の充実などの総合的な施策につなげること、これはもちろん大前提になるわけですけれども、同時に、産業労働局として何をなすべきか、これを考えると、やはり切実なニーズに合った就労機会の提供に努めることが求められているのではないでしょうか。
 シルバー人材センター以外の高齢者就労促進のために事業を行っている団体がありますが、都内には何団体あるのか、伺いたいと思います。

○小金井雇用就業部長 高齢者の就業支援を行う団体について、全てを把握しているわけではございませんけれども、例えばNPO法人東京高齢者就労福祉事業団や労働者協同組合センター事業団、高齢者の派遣を行う民間企業等があることは承知しているところでございます。

○あぜ上委員 私は、NPO法人、高齢者就労福祉事業団にもお話を伺ってきましたが、事業団では、月額七万円から八万円の収入が得られるように、仕事確保に本当にご努力されながら、高齢者の就労保障に努められていることがわかりました。
 そうした高齢者事業団をシルバー人材センターに準ずる団体として認めて、支援、育成すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○小金井雇用就業部長 シルバー人材センターは、全国で初めて東京都で設立され、現在では島しょ部の一部を除き、都内の全区市町村に設置されております。
 また、長きにわたり、地域社会に密着した活動を行い、高齢者の就業機会の確保に実績を有しております。
 こうしたことから、都としては、シルバー人材センターを高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第三十六条の団体として支援しているところでございます。

○あぜ上委員 シルバー人材センターを三十六条の団体として考えているということなんですが、この高年齢者等の雇用の安定等に関する法律、この三十六条、改めて見たんですが、ここには、国及び地方公共団体は、定年退職者その他の高年齢退職者の職業生活の充実その他福祉の増進に資するため、臨時的かつ短期的な就業または次条第一項の軽易な業務に係る就業を希望するこれらの者について、就業に関する相談を実施し、その希望に応じた就業の機会を提供する団体を育成し、その他その就業の機会の確保のために必要な措置を講ずるように努めるものとするというふうに条文には書いてありました。
 つまり団体の育成や支援をここで規定しているわけですけれども、その育成、支援する団体は、シルバー人材センターのみという解釈は間違っていますよということを、厚生労働省は、わざわざ各労働局に連絡文書を出して徹底をしていることもわかりました。
 そして、昨年五月二十日に高齢者雇用安定法が改正されていますが、現在もシルバー以外の高齢者への育成団体も対象である。つまり、シルバー人材センターのみを対象団体と考えることは間違いですよということが、厚生労働省の見解なわけです。
 私は、法改正によって厚労省の見解がもしかしたら変わっているんじゃないか、そう、ちょっと心配になりまして、先週、改めて厚生労働省に確認をいたしましたが、解釈はもちろん今も同じですということでありました。
 ということは、高齢者雇用安定法三十六条の解釈について、都は、国と違うということになるんじゃないでしょうか、先ほどのご答弁だとそうなるんじゃないでしょうか。いかがですか。

○小金井雇用就業部長 先ほどもご答弁いたしましたとおり、都としては、シルバー人材センターを高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第三十六条の団体として支援しているところでございます。

○あぜ上委員 いやいや、そういう解釈は間違っていますよと。国も、厚労省はわざわざ文書まで出して徹底してるわけですよ。
 しかも、先ほどのご答弁で、都内にはシルバー人材センター以外の高齢者の就労機会を保障する、しかも営利を目的としない、そういう団体があることは認めていらっしゃるわけですから、育成支援を進めるべきではないんじゃないでしょうか。
 もう一度、そうすると東京都は、国の法律の解釈と違うという理解でよろしいんですか。どういうことなんでしょうか、もう一度お答えください。

○小金井雇用就業部長 先ほども答弁いたしましたとおり、高齢者の就業支援を行う団体については、いろいろあることは承知しております。
 ですけれども、都としてはシルバー人材センターを、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第三十六条の団体として支援しているところでございます。

○あぜ上委員 全くかみ合っていないんですけれども、つまり厚労省は、そういうシルバーだけを対象とするものではありませんよ、そういう間違った認識は是正しなければいけませんよということを、わざわざ文書で通達を出しているわけですよ。
 東京都が、そうした厚労省の認識と違うというのは、やはりこれは改善しなければいけないと、そういうかたくなな姿勢は、私は問題であるというふうにいわざるを得ません。
 東京労働局と高齢者の多様な働き方への支援に関する定期協議というのも、産労局は行っていると思いますけれども、そうした東京都の考え方を東京労働局は認めているということなんですか。ちょっとそこだけ確認させてください。

○小金井雇用就業部長 特段、東京労働局とこの問題についてお話をしているところではございませんが、改めて申し上げますけれども、都としては、シルバー人材センターが全国で初めて東京都で設立され、また、島しょ部の一部を除き、都内全区市町村に設置されているということもありますので、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第三十六条の団体として支援しているところでございます。

○あぜ上委員 私は、シルバー人材センターの役割を否定しているわけじゃないんです。シルバー人材センターだけじゃなくて、それに準ずる団体があるんだから、それをきちんと育成すべきだということを申し上げているわけです。そのことは、強く求めていきたいと思います。
 高齢者の就労問題というのは、ますますこれから大きな社会問題となっていくわけですね。
 高齢者が本当に安心して働き続けられる雇用就労の場の確保は、先ほどおっしゃったようなシルバー人材センターやアクティブシニア就業支援センター、ここ任せなどにはならないように、やはり就労の実態もしっかりと把握していただきたい。そして育成団体もきちんと、その準ずる団体にも広げるように強く求めておきたいと思います。
 二つ目のテーマは国際展示場についてです。
 先ほど来、中小企業の本当に懸命に働いていらっしゃる企業をどう支えるかという問題が議論になりましたが、こうした中小企業や中小企業の団体、こうした団体の販路開拓にまさに欠かせないのが国際展示場だというふうに思います。
 五輪のメディアセンターに使用されることによって、この国際展示場、ビッグサイトが一時使用できなくなることについて、我が党は以前の委員会でも問題として改善を求めてまいりました。
 東京都は、展示場の拡張を行う、また二万三千二百平米の仮設展示場を東京テレポート駅の東側につくるということにして、利用制限を抑える努力をされました。こうしたご努力は大変重要だというふうに思っております。
 しかし、先ほど申し上げたように、この国際展示場、ビッグサイトは中小企業の展示会場としてかけがえのない存在でございます。
 日本展示会協会や業者の方々からは、仮設展示場はビッグサイトから一・五キロ離れていて、分断開催は来場者が集まりにくい、五輪の成功は願っていますけれども、同時に、全見本市が例年と同規模で開催できるようにしてほしい、こういった切実な声が上がっています。
 先日、私はビッグサイト、国際展示場で行われました産業交流展にも行ってきましたけれども、この中小企業の皆さんの大切な販路開拓を支える場である貴重な商談の場であると。そして、展示会などの運営を支えているのは、非常に多くの関連業者の皆さんがいらっしゃるんだなということを再認識しました。
 そうした中、今回、さらなるビッグサイトの利用制限期間の縮小を図るというご努力がされたわけです。
 しかし、それは西展示場と南展示場の六日間と、仮設展示場の三十六日間という、ごく限られたものです。
 このたびのビッグサイトの利用制限の縮小に際しては、日本展示会協会など、また、関連業界などと話し合いの結果なのでしょうか。今回の利用制限の縮小、これについては、こうした話し合いの結果なのか、伺います。

○坂本商工部長 都は、二〇二〇年大会の開催により東京ビッグサイトの利用に制約が生じる状況を踏まえ、中小企業の販路開拓の効果的なツールである展示会の場をできる限り確保するため、大会組織委員会と調整を行い、利用制約期間の短縮を図ったところでございます。

○あぜ上委員 組織委員会と調整して決めたということですが、この大会によって、ビッグサイトの展示会場の一部が使用できないことによる影響、これをどのように認識されていますか。

○坂本商工部長 二〇二〇年大会により、ビッグサイトで展示会を開催できる期間に制約が生じる中、そうした利用制約に伴う中小企業等への影響を最小限に抑えることは必要でございます。

○あぜ上委員 そもそも利用制約で中小企業等への影響を及ぼすこと自体、オリンピック・パラリンピックの都民生活との調和という精神からいっても、本当は問題だというふうに思います。
 また、五輪のメディアセンターを中小企業の販路開拓の重要な拠点につくるということは、これまでの五輪にはなかったというふうに伺っています。仮設展示場をつくって補うとしていますけれども、結局、仮設展示場も五輪大会期間中は使用できないわけです。
 しかも、仮設展示場の予定地にも、私、歩いてみたんですけれども、ビッグサイトとはかなり離れておりまして、最短距離を選んで、ちょっと早足で歩いてみたんですけれども、私の足でも二十一分かかりました。
 見本市の必要要件である一つ屋根の下に何千社が集まることは難しいということもわかりました。つまり、展示会の規模、見本市の規模によっては開催できないものも発生するということであります。
 東京テレポート駅前の仮設展示場の使用期間は、一体どのぐらいになるんでしょうか。

○坂本商工部長 中小企業の販路開拓のツールである展示会の場を確保するため、東京テレポート駅の至近にある未利用地を活用して、仮設展示場を平成三十一年四月から翌年十一月まで設置することを予定しております。

○あぜ上委員 つまりビッグサイトの一番広い東展示棟と、東の新しい展示棟が使えない二十カ月の期間限定の仮設だということですね。そこに約四十億のお金でつくるわけです。
 この間の産労局のご努力、これは理解しておりますが、このビッグサイトは、やはり中小企業や中小企業団体の利用が八割を占め、厳しい経営環境の中で、本当に頑張っておられる中小企業にとってかけがえのない場所です。
 これまで日本展示会協会を初め、関係者の皆さんの意見をよく聞いて取り組んできたのか、これは産労局だけではありません。知事含めて、ちゃんと聞いてきたのか、五輪でのビッグサイト活用が中小企業の関連業者にどのような影響を及ぼすのかということを、本当に現実的な問題として、全庁的な議論が行われてきたのかという問題があると、私は思います。
 時間は限られていますから、今、都としてこの問題をどう受けとめるのかが問われているんじゃないでしょうか。
 五輪大会の体操競技場として、二百五十三億円のうち、後利用分として百九十三億円かけて仮設施設がつくられることが予定されていて、大会後は、十年間の中小規模の展示会を中心とした利用を図るなどとしています。
 これは産労局が、ご努力してそういうふうにされたのかなと思っておりますけれども、やはり今問題なのは、あくまでも五輪大会による利用制限のことなのだと思います。
 九月二十六日付けの日本経済新聞には、日本展示会協会の皆さんの意見広告が大きく掲載されていますが、ビッグサイトの利用縮小により大きな損害をもたらすと切実な声を上げられております。私も直接、切実な声を伺ってきました。
 冒頭、利用制限短縮について、利用者の皆さんとの合意なのかと伺いましたが、利用者の皆さんと話し合いもされていなかったことがわかりました。
 日本展示会協会及び国際展示場関係者との話し合いの場を早急に設けるべきではないでしょうか。

○坂本商工部長 都が組織委員会と調整を図り、二〇二〇年大会の開催に伴うビッグサイトの利用制約の期間が確定する中、展示会の主催者と十分な調整を行い、中小企業の販路開拓の機会をできる限り確保してまいります。

○あぜ上委員 そうですね。やはりきちんと合意と納得を得られるような協議をしていただいて打開策を見出すこと、特に主催団体などとともに、関連企業など中小企業にとっては死活問題ですから、関係者の皆さんの合意と納得を得られる話し合いを行って、最善の打開策をとるよう求めたいと思います。
 このことを求めて、私の質疑を終わります。

○鈴木(邦)委員 先ほどより、他の委員の方々からも質疑がございましたが、私からは、少し異なる起業家の視点で創業支援について伺いたいと思います。
 一国の経済成長率は開業率と強い相関関係にあり、先進国にとって創業支援政策の重要性はますます高まっております。
 東京都でも、二〇二四年度までに都内における開業率を米国、英国並みの一〇%台とすることを政策目標に掲げております。しかし、二〇一六年度の都内開業率は六・一%であり、融資や助成金中心の創業支援策では目標達成は困難です。
 こうした現状認識のもと、本日の質疑は、二つの目的に沿って行います。
 第一に、日本の起業率が低い根本的な原因の明確化と、その解決に向けた政策の推進です。
 二〇一四年に実施された企業家活動の国際比較調査、グローバル・アントレプレナーシップ・モニターによれば、日本の起業活動指数は最下位です。
 特に、起業はキャリアにおけるいい選択だと答えた日本人は三一%であり、アメリカ六五%、中国六六%、オランダ七九%などと比べると極端に低い数字となっています。
 調査によれば、日本の起業率が低いのは、そもそも多くの方々に、起業が選択肢として認識されていないことに主たる原因があります。
 そこで、特に女性、シニア、若者といった起業ポテンシャルの高い層に対して、起業を選択肢として認識してもらうために、都は、どのような取り組みを行っているか、また、都の取り組みによる効果がどの程度出ているのか、伺います。

○坂本商工部長 都では、創業助成により事業の拡大に成功した企業家の事例を取りまとめた冊子を五千部作成して、地域に身近な区市町村などを通じて配布し、女性や高齢者のほか、若者の起業の体験談などをわかりやすく紹介しているところでございます。
 また、都の創業支援の事業を発信するウエブサイト、東京都創業NETの中で、さまざまな起業の実例を紹介して、創業を身近に感じる工夫も行っているところでございます。
 さらに、都の設置したTOKYO創業ステーションの事業をPRする鉄道の車内広告の中に、保育士つきの託児サービスの提供について掲載をいたしまして、育児中の女性などが起業に取り組むきっかけづくりに役立てているところでございます。
 また、同ステーションの宣伝用のフリーペーパーで、女性の起業家が活躍する様子を掲載し、女性の起業への関心を高める工夫を行っております。
 これらに加えまして、若者の多く集まる渋谷では、来年の一月にビジネスプランコンテストに関する大型ポスターを駅構内に掲出するほか、スクランブル交差点を囲む建物の巨大ビジョンで、実際に起業した若者たちの事例を放映し、創業に興味を持つ工夫を進めてまいります。
 こうした中、TOKYO創業ステーションでは、本年十月末現在でございますが、三千六百四十一名の女性が登録をしております。
 また、若手起業家の輩出を目指すビジネスプランコンテストでは、二十九年度の応募数は、事業開始のときに比べまして、三倍以上の一千三百六十件となっているところでございます。

○鈴木(邦)委員 起業をキャリアの選択肢として広く認識してもらうためには、ただいまご答弁いただきましたような広報活動を出発点として、最終的には女性、シニア、若者たちが起業家と実際に触れ合う機会を多くつくることが重要です。
 私自身、二十三歳のときに起業しましたが、大学在学中から多くの起業家たちと話す機会に恵まれて、必要なスキルや起業時のリスクを明確化できたことが決断の大きな後押しとなりました。
 そこで、起業ポテンシャルの高い層が実際に起業に至るまで、都は、どのような支援を実施しているのか、伺います。

○坂本商工部長 TOKYO創業ステーションでは、女性に対し、独自のビジネスの方法をつくり上げるための女性プチ起業スクエアを修了した後、TOKYO起業塾で経営の知識を学ぶとともに、女性同士が少人数で交流しながら起業プランを作成する女性起業ゼミに参加もできる工夫を行っております。
 さらに、ビジネスプランを担任の専門家とともにつくり上げるプランコンサルティングでは、本年度は十月末までに延べ一千九十九名の女性が利用をしております。
 また、起業を希望する若者への支援を行うビジネスプランコンテストにおきましては、事業計画について、投資家や先輩の起業家等がアドバイスを行い、参加者同士で交流を図る取り組みを行っております。このコンテスト最終選考に残った十名に対しましては、短期間で事業運営を習得する育成プログラムを提供しているところでございます。
 さらに、翌年度に東京で法人を設立した場合には、百万円の助成を行ってございまして、十月末までに三社に補助を実施いたしました。

○鈴木(邦)委員 東京都が起業家との交流をよく意識されて、事業を展開されていることがわかりました。
 七年後に都内開業率一〇%台を達成するためには、年間の開業数を一万四千社近く増加させる必要があります。そのためには、目標とする開業数の何倍もの起業家予備軍に、こうした創業支援の取り組みに参加していただく必要があります。
 ぜひ広報活動においては、毎年の適切な目標設定と効果の検証をしていただくとともに、創業に至った事例の追跡調査を行い、支援事業の改善を続けていただきたく思います。
 次に、利用者の立場から現行の創業支援策について質疑を進めます。
 かつて私自身が苦労したのは、起業時の法的手続の煩雑さです。日本は諸外国と比較して、会社設立に必要な期間や申請プロセスが膨大であり、起業家にとって大きな負担となっております。
 そこで、起業時の手続簡略化に向けて、東京都は、現状どのような取り組みを実施しているのか、伺います。

○坂本商工部長 TOKYO創業ステーションでは、創業のアイデアを具体化し、開業が実現するまでを継続して、段階に応じサポートを行っております。
 特に開業の予定が立ち、法人の設立手続を行う場合、ステーションで相談対応を行う司法書士が登記に向けたサポートを行うほか、社員の雇用や社会保険などについて社会保険労務士が担当いたしまして、決算や税務は税理士が受け持つなど、専門家による効率的な支援を行う体制としているところでございます。
 また、登記に必要な書類の作成や社会保険の届け出など、会社設立に必要な手続の負担を減らすため、都と国とが協力して設置をいたしました東京開業ワンストップセンターについて、その窓口をTOKYO創業ステーションの中に設けてございます。
 こちらによりまして、インターネットの画面やテレビ電話を通じて、さまざまな手続を専門家と相談でき、申請書類を預かるサービスの提供も行っているところでございます。

○鈴木(邦)委員 東京開業ワンストップセンターの開設は、先進的な事例として高く評価されるべき政策です。特に、法的手続の簡略化は、民間のベンチャー支援事業者がフォローできていない領域でもあります。
 先ほどの広報戦略においても、ぜひこのセンターを目玉に据えていただきたいと考えております。
 多くの若い起業家は、ビジネスモデルや商品の洗練に情熱を傾けます。
 しかし、起業に際して、法的手続とともに決して見誤ってはいけないのが、創業期のランニングコストです。
 特に、都内の開業においては、事務所の経費が大きなネックとなっています。
 そこで、都独自の事務所の提供や民間のコワーキングスペースとの連携について、どのような取り組みを実施しているのか、伺います。

○坂本商工部長 都では、創業して間もない企業などに対し、低廉な家賃でオフィスを提供しながら、経営面からのサポートも行う七つのインキュベーション施設を運営しており、今年度の十月末時点では六十七の事業者が入居をしているところでございます。
 最近では民間の運営するインキュベーション施設もふえてございまして、保育士つきの託児コーナーのあるコワーキングスペースを提供する工夫をした施設なども整備をされている状況がございます。
 こうした例を含めた取り組みをサポートするため、都では、民間による施設整備には五千万円、その運営経費には年間で二千万円をそれぞれ上限といたしまして、三分の二の補助率で経費助成を行ってございまして、今年度は新たに十一の案件を採択したところでございます。
 また、創業を支援するさまざまな主体がそれぞれの強みを生かしながら、連携して起業家をサポートする取り組みについて、都は、三カ年にわたり継続して助成をしております。
 こちらの事業の中で、女性の起業家の取り組みを後押しするため、経営のスキルアップをサポートする会社が民間のコワーキングスペースと連携するプロジェクトに対しまして、今年度は一千五百万円の助成を予定しているところでございます。

○鈴木(邦)委員 ただいまご答弁をいただきましたとおり、都独自の取り組みに加えて、今後は、民間のコワーキングスペースの支援にもさらに力を入れていただきたいと思います。
 本日の質疑の第二の目的は、起業失敗時のフォローに政策の光を当てることです。
 残念なことに、多くの会社は、創業後に数年間で廃業となってしまいます。私自身も、最初に設立した会社は、創業から四年で廃業しました。
 起業は、高い確率で失敗するにもかかわらず、ときに起業家個人の全てを失わせるようなリスクを伴うものになります。
 だからこそ、創業支援策を考える上では、成功事例だけに目を向けるのではなく、失敗した場合のフォローを決して欠かしてはいけません。
 加えて、内閣府の平成二十三年度年次経済財政報告によると、失業者が就職先を見つけやすい国ほど起業が盛んであるというデータもあり、起業によるリスクを低減させることは起業数の増加にもつながります。
 そこでまず、創業後の短期的な失敗を回避するために、都は、どのような取り組みを行っているのか、伺います。

○坂本商工部長 都では、青山創業促進センターにおきまして、会社を設立して間もない企業家に対しまして、弁護士や公認会計士のほか、投資家などを含む約八十名の専門家がアドバイスや指導を行う、五カ月間の短期の育成プログラムを実施しております。
 今年度は十月までに九社が参加をしているところでございます。
 また、中小企業振興公社におきましては、起業家を含めた中小企業に対し、相談窓口で法律や金融などさまざまな分野の専門家が助言を行うほか、会社に出向いてアドバイスを実施する専門家派遣制度によりまして、効果的なサポートを展開しているところでございます。

○鈴木(邦)委員 まだ実績は少ないものの、創業後の支援体制についても整備を進めていることがわかりました。
 最後に、事業に失敗した際のフォローについて、今後、どのような取り組みを実施していくのか、伺います。

○坂本商工部長 都が丸の内に整備をいたしましたTOKYO創業ステーションでございますが、こちらでは起業家が直面するさまざまな課題につきまして、事業運営上で失敗したことで生じた問題点も含めて、専門家が相談対応を行っているところでございます。
 事業の見直しなどに関して、担当制で同じ専門家が継続して助言を行うプランコンサルティングによりまして、対応のできる仕組みとしているところでございます。
 また、事業の資金繰りを確保するために、同ステーションには金融機関のコーナーを設けまして、融資相談を行う体制も整えているところでございます。

○鈴木(邦)委員 ただいまのご答弁では、専門家の相談対応など継続的に支援していく体制を整備していくとのことでした。
 今後はぜひ、起業家が失敗した場合に再チャレンジできる環境づくりを一層進めていただきたいと思います。
 今も世界で最も先進的なイノベーションを生み出すシリコンバレーでは、融資ではなく投資による起業が中心であり、起業家個人が大きなリスクを背負わない環境になっております。
 また、シリコンバレーの起業家は、起業に失敗した回数が多いほど投資家たちから評価を受けることもあります。一度は失敗した起業家でも失敗の原因と向き合って、再び起業に挑戦し、成功をおさめるケースも数多くあるのです。
 日本で起業が当たり前の選択肢として定着するために、私たちは事業の失敗についても考えを変えていかなければなりません。
 本日の質疑で明らかになったように、東京都の創業支援政策は、ここ数年間で充実してきており、東京開業ワンストップセンターに象徴されるような画期的な取り組みも進んでおります。
 今後、さらに力を入れていくべきは、創業支援の入り口と出口です。
 これまでよりもさらに多くの人材が、起業をキャリアの選択肢として認識するようになること、そして、仮に起業に失敗しても再チャレンジができる環境を整えること。
 今後の創業支援政策においては、この二点を充実していただくことを求めまして、私の質疑を終わります。

○上野委員 我が国の景気はご承知のとおり、緩やかな回復基調が続いております。足元の経済指標も堅調に推移するなど、日本経済に明るい兆しも見られます。
 しかしながら、都内企業の九九%を占める中小企業における景気回復の実感は、いまだ途上にあります。
 そして、中小企業が扱っている仕事の多くは、大手企業などから発注を受ける下請取引であるため、その契約の条件がよくならない限り、会社の収益力アップにはつながらないわけでございます。
 すなわち、こうした小規模零細の企業の皆さんが景気回復を真に実感できるようになるためには、下請取引が公正な契約と適正な対価のもとに行われる、このことをしっかりと担保していかなければなりません。
 本日は、こうした観点から、都の対応について何点か質問したいと思います。
 初めに、下請取引をめぐる現状についてであります。
 中小零細の下請企業は、取引上不利な立場に立たされやすく、依然として発注先とのトラブルも少なくないと聞いています。
 都は、下請取引の適正化に向けまして、中小企業振興公社に、下請取引紛争解決センターの設置や取引適正化相談員による企業巡回を行っていますが、下請中小企業からは現在どのような相談を受けているのか、お尋ねいたします。

○坂本商工部長 都では、中小企業の適正な下請取引を確保して、受発注をめぐるさまざまな問題への対応を図るため、今ご発言の中にもございましたが、中小企業振興公社に下請取引紛争解決センターを設置いたしまして、相談対応などを進めているところでございます。
 具体的には、企業の現場を巡回しながら下請取引にかかわる問題について相談を受ける七名の取引適正化相談員、こちらも今お話があったところでございますが、こうした相談員が苦情やトラブルの内容の正確な把握を行って、解決につながるアドバイスを実施しているところでございます。
 今年度は、相談の件数は四月から十月までの間で百九十三件となってございまして、昨年度の同じ時期に比べて二割の増加を示しているところでございます。
 相談の業種別の内訳は、サービス業が七十件となってございまして、約二割ふえてございます。建設業や製造業が三十件をそれぞれ上回る水準ともなっているところでございます。
 内容の内訳につきましては、契約をめぐる相談が九十五件で最も多く、予告のない取引の中止や不良品の処理方法をめぐるトラブルなどが問題となっているほか、売掛金の回収ができないなど、代金回収について八十一件の案件が出ているところでございます。

○上野委員 今のご答弁にありましたように、依然として下請中小企業と発注企業との間のトラブルはなくなっておらず、むしろ増加傾向にあるということであります。
 最近は、景気回復に伴い、一部の業種で受注が好調という声を聞くこともありますが、その分取引をめぐる問題事案も絶えないのだと思います。
 こうしたトラブルがひとたび発生した場合、仮にその解決ができたとしても、当事者の間にはしこりが残り、今までどおりに取引関係を続けることは非常に難しいと思います。
 このため、下請中小企業にとっては、発注企業との取引上のトラブルを未然に防止することが重要となりますが、都ではどのような対応を行っているのか、お尋ねいたします。

○坂本商工部長 都が、下請取引紛争解決センターに配置をしている取引適正化相談員は、商取引で必要となる法律上の知識などについて、巡回する先の中小企業できめ細かく情報提供を行うこととしてございます。
 特に昨年十二月に、下請取引に係る法律の運用の基準が十三年ぶりに改正をされてございまして、法律に違反する行為のパターンが、従来の六十六パターンから百四十一パターンにまでふえております。
 これによりまして契約金額を発注者が不当に引き下げる、いわゆる買いたたきというのがございますが、この買いたたきなどについて、違反事例が数多く追加されたところでございます。
 こうした内容の説明を含めて、今年度は取引適正化相談員が十月末までに、延べ九百四十一回にわたり、中小企業を巡回しながら情報提供を行っているところでございます。
 また、取引の契約書の作成方法などに関する基礎知識を習得するための講習会について、二回開催して、四十九の会社に幅広く情報提供を行ったところでございます。
 この十一月は下請取引適正化推進月間となってございまして、受注者となる中小企業の業界団体の協議会と相談員が情報提供や意見交換を十一月十三日に行ったところでございます。

○上野委員 下請中小企業には、従業員が数名という小零細の会社も多いと、こうした法的な知識を習得する時間も、また、そうした人材を確保することもままならないのが現状であります。
 都には、引き続き、こうしたきめ細かな対応を続けていただくよう要望しておきます。
 さらに、下請取引の適正化は、下請中小企業だけの努力では決して実現することができません。大手企業を初めとする発注サイドが、下請取引に関する法令などのルールを遵守し、公明正大に取引を実践していくことが必要であります。
 下請と発注双方が、適正な取引を通じて互恵的に発展していくことは、都内産業の持続的な発展にとっても重要であります。
 そこで、都における発注企業への取り組みについてお尋ねいたします。

○坂本商工部長 都では、下請取引の適正化の確保を図るため、普及啓発のためのパンフレットを作成して、主要な業界団体を通じて発注企業に六百六十部の配布を行っております。
 また、都内の中小企業に発注をすることの多い業界団体を集めた主要業種団体協議会、こちらを十一月二十七日に開催する予定でございまして、この協議会の場におきまして、都が下請取引に係る啓発活動のほか、受発注の動向などの情報収集や意見交換を行うことを予定しているところでございます。
 本協議会におきましては、中小企業庁も出席をして、発注事業者に対して下請取引の適正化に向けた要請なども実施をすることとしているところでございます。

○上野委員 都内の経済活動を支えている中小企業の多くが、依然として、その収入を下請けの仕事に頼っているというのが、現実であると思います。
 都は今後とも、下請企業の経営の安定を図るために、取引の適正化に向けまして不断に取り組まれるよう期待いたします。
 次に、中小企業を下支えする融資の一つであります、動産・債権担保融資制度、いわゆるABL制度について質問します。
 この制度は、中小企業支援に向け、資金調達手段の多様化が必要であるとの我が党の主張を踏まえ、都が平成二十六年度に制度を創設したものでありますが、中小企業が金融機関から融資を受ける際には、不動産担保が必要となることが多い状況であります。
 不動産担保を持たない中小企業にとって、売掛債権、在庫及び機械、設備といった保有する動産を担保することによりまして、運転資金などの必要な資金を調達できる本制度は、資金調達手段の多様化の側面からも非常に意義あるものであります。
 そこで、平成二十六年度の制度創設以降の本制度の利用実績についてお尋ねいたします。

○加藤金融部長 動産・債権担保融資制度、いわゆるABL制度の融資実績でございますが、平成二十六年度が六十一件、約二十八億円、二十七年度九十一件、約四十一億円、二十八年度二百十二件、約百七十二億円であり、過去三年間で大きく実績が伸びております。
 今年度は、九月末日時点で百三十八件、約九十八億円と、昨年度同時期を大幅に上回っており、かつ過去の傾向では、下半期に実績が伸びていることから、年間では二百億円を超えることが見込まれます。
 なお、昨年度の担保種類別では、在庫が約九十九億円で全体の約五八%、売掛債権が約七十億円で約四〇%を占めております。

○上野委員 ABL制度の融資実績金額は、初年度と比較いたしまして約六倍に増加しております。
 これは多くの中小企業のニーズに応える制度であるということでありますが、それでは、このように融資実績が伸張した要因についてお尋ねします。

○加藤金融部長 ABL制度の取扱金融機関数でございますが、制度開始当初の十九機関から、現在では三十機関に拡大しており、都は、担保物件の評価や保証を行う専門機関とABL制度の利用企業の特徴や利用実態などの情報共有を図った上で、金融機関に活用事例などの情報提供を行ってまいりました。
 こうした取り組みにより、本制度に対する理解が進んだ結果、金融機関の取り組み姿勢も積極化し、実績が伸びるに伴って、さらにノウハウも蓄積され、より多くの融資につながるという好循環が生まれております。
 また、中小企業にとって、当初は在庫や売掛債権等を担保とすることには抵抗感がありましたが、本制度が都の制度であることに加え、商工団体等を通じた制度の紹介により、信頼感が向上したものと認識しております。
 さらに、都による担保評価費用等の補助もあることで、運転資金などの調達手段として利用しやすいという中小企業からの声も多く寄せられており、こうしたことも大幅に利用実績が増加した要因であると考えております。

○上野委員 ABL制度の利用実績が大幅に増加した背景には、都の制度であることによる安心感に加え、金融機関を初めとした関係者による継続した取り組みが実を結んできたということであります。
 本制度は、不動産担保を持たない中小企業の資金繰りに大変有用なものであるため、中小企業の発展を支えていくためにも、一層の普及に取り組んでいただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 商店街における人材育成について質問します。
 商店街は地域コミュニティの中心的な役割を担っており、活力ある地域づくりに欠かせない存在であることはいうまでもありません。
 近年、商店街を取り巻く環境が厳しさを増す中、商店街を活性化し、まちのにぎわいを創出していくためには、特色ある商品やサービスを提供することで、買い物客を引きつける魅力ある個店の存在と、日々の商店街活動を支え、これからの商店街を牽引していく人材が必要不可欠であります。
 都は、商店街の次代を担う若手商人やリーダーの育成に向けて、進め若手商人育成事業でさまざまなメニューを実施していますが、今年度の主な取り組みの状況についてお尋ねいたします。

○坂本商工部長 都は、進め若手商人育成事業におきまして、若手の店舗経営者が集客に向け、販売の方法などの改善を進めることのできるよう専門家を派遣し、アドバイスなどを行う、商店街パワーアップ作戦を実施しております。
 今年度は十月末までに、専門家が延べ二百七十五回商店街を訪れて、さまざまな助言や相談などの対応を行っているところでございます。
 また、商店主の経営の力を高めるための講座である商人大学校、こちらを開催いたしまして、講義のほかに参加者同士が議論を行って、事例研究にも取り組むなど、実践的なノウハウを身につける機会を提供したところでございます。
 これまで店舗運営の基本的なスキルを学ぶ講座に六十一名が参加をするとともに、収益力の向上に結びつく具体的な方法を習得する課程に七十六名が出席をいたしました。
 さらに、商店街の将来のリーダーとなることが期待される若手商店主の育成に向け、商店街の活性化計画をつくる理論や手法を学ぶ商店街リーダー実践力向上塾を開きまして、二十六人の参加者が受講をしているところでございます。

○上野委員 いわゆる高齢化に伴いまして、商店主の皆様方も当然この高齢化に伴って、商店街における後継者不足、これも年々深刻になっているわけであります。
 後継者がいないため、店舗を廃業せざるを得なくなり、結果として、空き店舗がふえるという悪循環も生じているのが今の現状でございます。
 それに対する解決策として、店舗の新陳代謝を促し、商店街に新たな担い手を取り込んでいく、このことは極めて重要であると思います。
 商店街での起業を希望する若者は、新たな発想や柔軟な考え方を持つ一方で、資金の調達方法がわからなかったり、店舗経営のノウハウなどを持ち合わせていなかったりするために、開業に二の足を踏んでしまうケースが多いのではないかと、このように思います。
 都は、進め若手商人育成事業の中で、将来的に開業を考えている人たちにサポートを行う取り組みを実施しておりますけれども、今年度のその実施状況についてお尋ねいたします。

○坂本商工部長 都は、進め若手商人育成事業におきまして、商店街での起業を希望する若手の経営者を対象として、少人数制で出店計画のつくり方などのノウハウを提供する講座を行っているところでございます。
 今年度は、十月から年度末までの間、十一回の講義を行いまして、経営コンサルタント等の専門家や実際に開業した商店主などから、資金の調達方法や入居するテナントの選び方などを実例に即して学ぶほか、受講にあわせて作成する開業計画に対してアドバイスを受けることで、その内容の向上を図ることとしているところでございます。
 この講座には、今年度は十五名の受講者がございまして、昨年度は十五名が受講し、そのうち五名が、この十月までに実際に開業をしております。
 また、これまでの受講者の中からは特色のある飲食店を開きまして、売り上げを順調に伸ばしている事例や全国各地の箸を取りそろえて販売をする専門店を開きまして、成功した案件などが実際に出てきております。
 この事業によりまして、開業に必要となる知識などを効果的に提供するとともに、若手・女性リーダー応援プログラムや商店街起業・承継支援事業によりまして、出店に必要となる経費への助成を行うことを通じて、商店街の新しい担い手をふやす支援を進めているところでございます。

○上野委員 大事なお話がるるございました。本当に商店街を活性化させるというのは、若手の方のエネルギーというか--私の地元江戸川区でも昭和通り商店街がございますけれども、空き店舗がふえている中で、若手の商店街の店主が一人立ち上がりまして、そして、若手の連携をとっていって、見事に今、商店街が活性化してきていると。
 そういうのが今、広がっている状況でございまして、これからもぜひとも、また、若手の育成を、皆様のお力でどんどん進めていただきたいと思います。
 次に、観光政策でございますけれども、観光振興の観点から国内外の多様な旅行者を迎えるための環境整備について、質問をいたします。
 世界全体の海外旅行者数の動向は、二〇一六年において、七年連続でプラス成長となり、年間十二億人を突破しています。
 例えば、経済成長著しいインドネシアやマレーシアからの訪日旅行者数は、前年に比べ約三〇%増加しています。
 これらの地域はムスリム人口が多く、都議会公明党はこれまでも、ムスリム旅行者の文化や習慣について対応を進めるべきであるとの提案をしてきたところでありますが、こうした状況を見ると、ますますムスリム対応が重要になっていると思います。
 一方で、今後、東京二〇二〇大会に向けて、世界中から東京を訪れる旅行者がふえる中で、ムスリム以外にも食事の制限や日本とは異なる文化や習慣を持った方々がふえていくことが考えられます。
 そこで、そうした多様な文化、習慣を持った旅行者の方々を現場で受け入れる事業者に対して、都は、どのような取り組みを進めているのか、お尋ねいたします。

○浦崎観光振興担当部長 都は、飲食店や宿泊施設等の事業者に向けて、外国人旅行者のさまざまな文化や習慣に対する理解と対応を進めるための取り組みを実施しております。
 ムスリムに関する取り組みといたしましては、飲食店や宿泊施設等の事業者を対象に、昨日、今年度第一回目となります、ムスリム旅行者の受け入れのためのセミナーを開催したほか、ムスリムの接客方法等についてのアドバイザー派遣を開始いたしました。
 また、食や習慣の実情を把握するため、アジアや欧米豪など十四の国と地域の外国人旅行者へのアンケート調査と関係団体等へのヒアリングを昨年度実施しております。
 その結果をもとに、今年度から新たに、ベジタリアンの食生活や小麦などをとらない食事方法であるグルテンフリーのほか、トイレや浴室の使用方法などの生活習慣等に関して、事業者に向けてセミナーを開催いたします。
 あわせまして、パンフレットを作成し、広く配布するとともに、食材や生活習慣等に関するアドバイザーの派遣を実施してまいります。

○上野委員 さまざまな事業者が、多様な文化や習慣を持った外国人旅行者を理解することで、旅行者が安心して旅行ができる環境が整うと思います。
 こうした取り組みを今後とも推進し、受け入れ環境の向上に努めていただくよう期待しております。
 これからオリンピック・パラリンピックが近づきます。国内外から多くの旅行者が訪れる都市として、高齢者や障害者の方々も安心して旅行ができるよう、配慮していくことが重要であります。
 こうしたアクセシブル・ツーリズムの充実については、昨年、我が党が経済・港湾委員会での質疑で取り上げまして、PRの重要性などを指摘したところであります。
 高齢者や障害者の方が旅行を楽しむためには、事業者の受け入れノウハウの向上や、都民一人一人が高齢者や障害者の観光に配慮や思いやりの心を持って行動していただけるよう、サポートの輪を広げていくことがとても大切になってくると思います。
 そこで、受け入れ事業者や都民に対する普及啓発、機運の醸成に向けた都の取り組みについてお尋ねいたします。

○浦崎観光振興担当部長 都では、アクセシブル・ツーリズムの普及啓発と機運の醸成を図るため、観光関連事業者や都民を対象としたシンポジウムを十月に開催いたしました。
 シンポジウムでは、まず、みずからも病気の後遺症のために下半身麻痺の障害を持つことになった講師の方から、沖縄旅行を楽しみにリハビリに励んだご経験や、ハワイなどへの旅行での体験を交えて、旅行の楽しさや声かけ、気遣いの大切さについて基調講演をしていただきました。
 また、アクセシブル・ツーリズムの推進に当たっての課題や事業者の取り組み姿勢などについてのパネルディスカッションのほか、視覚障害者や盲導犬を伴った方々への接遇など、四つのテーマのミニセミナーを実施いたしました。
 さらに、宿泊施設のバリアフリー化の取り組み事例や車椅子による移動をサポートする機器などを紹介した展示、これらを実施いたしまして、合計二百六十六名の参加があったところでございます。

○上野委員 アクセシブル・ツーリズムの取り組みは、社会全体で見れば、まだまだ十分に認知されていない状況であります。全ての旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できるようにするためにも、都民全体のおもてなしの心を醸成する必要があります。
 都民一人一人が具体的な行動を起こしていけるよう、アクセシブル・ツーリズムの取り組みのさらなる普及啓発、機運の醸成に向けた取り組みを進めていただくよう要望しておきます。
 高齢者や障害者などを受け入れる事業者側から見れば、こうした旅行者の受け入れに関心があったとしても、現場で日ごろ障害者と接する機会が少なく、現在実施している介助サービスや接遇が十分な対応なのか、不安に感じることもあるという話も聞きます。
 また、何をどのように改善したらよいのかわからないと、対応のノウハウに関する情報の不足などが、具体的な取り組みに踏み切れない原因になっているとも考えられるわけでございます。
 そのため、シンポジウムによる普及啓発や機運の醸成に加えて、受け入れる観光関連事業者に対して、都としてノウハウの提供など、サポートしていくことが重要であると思います。
 そこで、受け入れ事業者に対する都のサポートについてお尋ねいたします。

○浦崎観光振興担当部長 都は、高齢者や障害者などの受け入れ環境の整備に取り組む宿泊施設や飲食店等の観光関連事業者向けに、現地へ相談員を派遣する支援事業を今年度より開始しました。
 本事業では、高齢者や障害者の旅行の企画や実施について豊富な経験を有する相談員や介護福祉士などの福祉関連の資格の有資格者、建築士などの相談員が、最大三回まで現地に赴きまして、事業者の課題に応じたきめ細かな助言を行うことになっております。
 これまでに、視覚や聴覚に障害を持つ方々への接遇の方法や施設の改善すべき点などのアドバイスを求める六者への相談員の派遣を決定しております。
 今後、これらの事業者に対し、現場でのきめ細かいサポートを行うとともに、引き続きまして、派遣を希望する事業者の募集を行ってまいります。
 こうしたサポートにより、事業者の受け入れ環境の向上を支援してまいります。

○上野委員 受け入れ事業者の現場の意識改革や接遇のレベルアップ、よりよい施設への改修を進めるためにも、実践的なアドバイスをすることはとても重要であります。
 また、意識の高い経営者のもとで取り組みがかなり進んでいる事業者がいる一方で、必要性を認識しながらも、なかなか第一歩を踏み出せない経営者も多いことと思います。
 より多くの経営者が積極的に取り組むことができるような環境整備を、今、再びまた進めていただくよう期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 これまで、アクセシブル・ツーリズムに関して、機運の醸成、ノウハウの提供に関する質問をしてまいりました。
 専門家の助言を受け、事業者が実際に取り組みを進めていく際には、バリアフリー化の改修工事や現場での受け入れ対応に当たる従業員の教育なども必要となりますが、その実施のための資金の手当ても大きな課題となってまいります。
 経営の厳しい中小規模の事業者が多い宿泊や飲食などの業界で、バリアフリー化などの取り組みを進めていくためには、資金支援も欠かすことができないと、このように考えます。
 そこで、事業者に対する資金面での都の支援についてお尋ねします。

○浦崎観光振興担当部長 バリアフリー化や受け入れサービスの向上に取り組む事業者にとって、費用の捻出が課題の一つとなってございます。
 都はこれまで、高齢者や障害者が宿泊施設を安心して利用できるようにするため、宿泊施設が実施する段差の解消や手すりの設置などのバリアフリー化の改修工事等に要する経費に対して助成を行ってまいりました。
 また、こうしたハード面での整備への助成に加えまして、今年度からは、宿泊施設、飲食店、小売店などの観光関連事業者のソフト面での取り組みに支援を行ってまいります。
 具体的には、高齢者や障害者等の利用客を受け入れるために実施する介助などの接遇スキルの向上のための従業員研修や接遇マニュアルの作成に要する経費に対しまして、一事業者当たり百五十万円まで助成を行ってまいります。
 これらの取り組みを通じまして、東京を訪れる旅行者に、より快適に東京を旅行していただける環境を整えてまいります。

○上野委員 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を一つの契機といたしまして、東京を魅力ある観光都市にしていくためにも、障害者や高齢者が旅行を楽しむための受け入れ環境整備をさらに推進していく必要があります。
 そのためには、民間事業者の積極的な取り組みを引き出していかなければなりません。受け入れ事業者に対するより一層、手厚い支援をしていただきたいと思います。
 次に、都内には、海外からも評価される高い技術力や、社員の幸せを第一に考え働き方改革に意欲的に取り組むなど、魅力ある中小企業が数多くございます。また、入社早期から責任ある仕事を任せたり、若手社員の意見を商品開発に取り入れるなど、若者のやる気を引き出すことに取り組んでいる企業の話も耳にします。
 しかし、こうした中小企業を学生などが知る機会は少なく、学生や若者に中小企業の魅力を理解してもらうためには、仕事の現場を直接見たり、経営者や社員から話を聞くなど、みずから体感できる機会をふやすことが重要であると思います。
 我が党は、本年第一回定例会の経済・港湾委員会でも、この点を取り上げ、学生が中小企業を訪問し、そこで働く魅力を体感する仕事体験ツアーについて、規模を拡充して開催するとの答弁でありましたが、では、今年度の本事業の取り組み状況についてお尋ねいたします。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、依然として学生の大企業志向が続く中、例えば、経営者との距離が近いなど、大手では経験できない中小企業の魅力を伝えるため、仕事体験ツアーを実施しております。
 具体的には、十五人程度の学生がバスで一日かけて二社程度を訪問し、経営者との意見交換や若手社員から仕事のやりがいなどを聞き、就職の選択肢を広げてもらうものでございます。
 今年度は、三十回に規模を拡充したことにより、ライフワークバランスに取り組んでいる企業や女性が働きやすい企業等、より多くの企業を訪問することができております。
 また、大学等からの学生に対して中小企業を訪問する機会を持たせたいというニーズを受け、個人の申し込みとは別に、本年度より、学校単位での参加枠を設け、既に十校から申し込みを受けております。
 参加した学生からは、中小企業に対する考えが変わったという声が寄せられる一方、大学の就職担当者からは、自分ではなかなか動けない学生の背中を押し、視野を広げる機会になったなどの評価を得ております。
 今後も、学生等が参加しやすいツアーの実施に取り組み、中小企業の魅力を伝えることで就業促進を図ってまいります。

○上野委員 そうした若い人たちを、今の中小企業の皆様方は、本当に後継者として、そしてまた人材不足の中で本当に宝のように待ち望んでいらっしゃると。そうしたことの関係として、もう一つ、このインターンシップ受け入れ支援、これが非常にやっぱり私は大事だと思います。
 ことしの予算特別委員会でも話をしてまいりましたけれども、このものづくり中小企業が若手人材を確保するためには、実際に企業の現場で仕事を体験したり、会社の雰囲気を体感してもらうインターンシップ、これが有効であると思います。
 中でも、学校の授業と企業での長期就業訓練を組み合わせたデュアルシステム、腰を据えて企業で実習を行うことで、若者がものづくりの魅力を実感できるだけでなく、ミスマッチによる早期離職防止にもつながり、中小企業の若手人材の確保に向けた非常に重要な事業であると、このように確信しております。
 産業労働局では、工業高校などからのインターンシップ受け入れを支援するため、受け入れ企業に奨励金を支給しておりますけれども、支給上限が十日間となっております。
 教育庁の方でも質問したときに答えておりましたけれども、来年度から、それを二十日間とか一カ月とか長期でやっていく、そうしたクラスを新たにつくるというデュアルシステムクラスができるんです。この長期での訓練を行うデュアルシステムは、全てをカバーし切れていないのが今の状況であります。
 私は、その点について、平成三十年度のデュアルシステム科拡大も見据えた、長期間のインターンシップ受け入れ企業に対する支援制度の充実について要望いたしましたけれども、今年度の取り組みと今後の方向性についてお尋ねします。

○蓮沼事業推進担当部長 都は、工業高校等からのインターンシップ受け入れを円滑に実施するため、四名の専門相談員を配置して、企業と学校との橋渡し役として、双方からの相談や調整などについてきめ細かく対応しております。
 また、本事業の概要や受け入れ実績のある企業の声を掲載したリーフレットを五千部作成し、ものづくり企業に配布するなど、受け入れ企業の拡大にも積極的に取り組んでおります。
 受け入れに際しては、材料費や人件費など、企業の負担に配慮し、生徒一人につき一日当たり八千円を、十日を上限に奨励金を支給しております。
 今後のデュアルシステム科の拡大を踏まえ、受け入れ奨励金の拡充についても検討してまいります。

○上野委員 今の前向きな検討するというお言葉、期待しておりますので、実際に現場で回って、中小企業の社長にも会ったりすると--葛西工業高校の学生さんがその現場で、このシステムを使って一緒にやっていたんです。そうすると、そこの職人の人たちと仲よくなっていく。その後、その学生さんは、そこで就職して仕事をされているんです。
 こういったことで、これは非常に現場でも喜ばれて、ぜひとも拡大してください。よろしくお願いいたします。
 少子高齢化の進展によりまして、六十五歳以上の都民は三百万人を超え、東京都の人口の約五人に一人が高齢者となっています。
 こうした中で、意欲旺盛な高齢者の方が仕事という生きがいを持って輝き続けることのできる社会を実現していくことは、今後も、東京が持続的に発展していく上で重要であると思います。
 内閣府の調査によりますと、働けるうちはいつまでも働きたいとしている六十歳以上の方は二八・九%に上ります。
 しかし、さまざまなところで話を聞くと、高齢者が希望する働き方など、企業が求める人材とのミスマッチがあるとのことであります。これを上手にマッチングさせていくことは、私は、それが行政の役割ではないかと、このように考えるところでございます。
 我が党はこれまでも、高齢社会の進展を見据え、企業での六十六歳以上の雇用を推進する国の助成金を実現するなど、対策に全力を挙げてまいりました。
 都においても、今述べたような認識のもと、高齢者の雇用対策に力を入れていくべきであると考えますけれども、今年度の取り組み状況についてお尋ねし、私の質問を終わります。

○小金井雇用就業部長 都は、高齢者の就業を後押しするため、東京しごとセンターのシニアコーナーにおいて、就職に関する相談やカウンセリングを行い、併設するハローワークで職業紹介を実施するなど、きめ細やかに支援を行っております。
 今年度からは新たに、高齢者の方が就業に関する選択肢を広げることで、企業とのミスマッチを解消することを目的として、生涯現役社会推進事業を開始したところでございます。
 具体的には、国と連携しながら、高齢者を対象とした三十名から五十名規模のセミナーを、都内各地のハローワークに近接する会場で年六十回程度開催し、シニア世代が新たなライフプランを考える契機とするとともに、再就職に向けたマインドチェンジやキャリアチェンジを促しているところでございます。
 さらに、セミナー終了後、希望する方については、ハローワークに直接誘導し、具体的な職業紹介につなげています。
 今後も、こうした取り組みを通じて高齢者の就業を支援してまいります。

○栗下委員 私からは、まず、伝統工芸品産業の振興について伺いたいと思います。
 きょうの質疑の中でも既に何度か出てきておりますが、今年度は、伝統工芸品の全国大会が初めて東京都で開催されました。また、昨年に引き続き、ものづくり・匠の技の祭典を開催するなど、伝統工芸品を初めとする、都が長い歴史の中で育んできた文化の価値を再確認する、また、それを新たに発展させていくということについて、とりわけ力を入れてきたというふうに思います。
 二〇二〇年東京大会に向けた都の新たなキャッチフレーズでありますTokyo Tokyo Old meets Newが示すとおり、最先端の文化に加えて、江戸時代から続いている伝統が息づいているということが、この東京の大きな魅力でありまして、オリンピック・パラリンピックに向けて、今、その価値を高めていくことには大きな意義があるというふうに思っております。
 そういった中で、知事の肝いりで、今年度新たに始められました江戸東京きらりプロジェクトでありますが、まず、その事業目的、そして内容について改めて伺いたいと思います。

○清水産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京は、江戸開府から四百年以上の歴史があり、伝統的なわざや老舗による産品など、大きく成長する可能性を秘めた数多くの魅力ある宝物がございます。
 一方、個々の事業者には、その魅力を国内外に発信していくノウハウが不足し、広く世界に知られるケースはまだ少ない状況でございます。また、後継者の確保に悩みを抱えている事業者も多く、培われた伝統や技術が衰退していく懸念もございます。
 そこで、都は、江戸東京の伝統に根差した技術や産品を対象に、その価値と魅力を世界に発信することを通して、東京を代表するブランドの確立やインバウンドの増加、さらにはわざの継承につなげていく事業として、江戸東京きらりプロジェクトを開始いたしました。
 本プロジェクトは、有識者から成る推進委員会を立ち上げ、そこでの検討を踏まえ、意欲あるすぐれた事業者の取り組みをモデル事業として選定し、ブランディングやマーケティングなど、新たな視点から磨きをかけていくことといたしました。
 今年度、モデル事業の公募を実施いたしましたところ、衣食住各分野から二十四件のご応募をいただきまして、有識者による審査を経て、五つのモデル事業を選定して支援をスタートさせたところでございます。

○栗下委員 ありがとうございます。今ご答弁の中にも、世界に向けて発信をしていく、東京のブランドを確立する、またインバウンドをふやすというキーワードもありました。
 これまでも、局で、伝統工芸品の産業の振興というのは取り組んできていただいたと思いますが、これまで以上に、オリンピック・パラリンピックに向けて、世界に対する発信、また、世界から日本を訪れる方々へ、いかにこの伝統工芸品の魅力を伝えていくかというところに、この事業の大きな価値があるんじゃないかなというふうに思っております。
 そこで伺いたいと思いますが、オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、この都内の伝統工芸品の輸出をふやすという点でも非常に大きなチャンスであるというふうに思っておりますが、海外の顧客開拓という視点について、このプロジェクトの中でどのように反映をさせているのか、お伺いをいたします。

○清水産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本プロジェクトでは、モデル事業の海外に向けた認知度や発信力の向上に力を入れて取り組みを進めることとしておりまして、モデル事業の選定に当たりましては、顧客ターゲットを上質、本物志向の海外富裕層と定め、海外からの来訪者への訴求力、市場可能性を重視いたしました。
 また、選定後の支援におきましては、海外での活動や実績のある経営者、専門家等がモデル事業者に助言を行ってまいります。

○栗下委員 ありがとうございます。ご答弁の中にもあったとおり、海外に向けた視点というのは具体的にかなり考えていただいているんだと思いますが、ちょっとよくありがちな多言語対応のPRなどにとどまらず、海外で実際に商機を、ビジネスチャンスをつくり出していくというところまで踏み込んでチャレンジをいただければ、なおありがたいというふうに思っております。
 実際に私もさきの全国大会に行きまして、伝統工芸品を買ってきたんですけれども、少し残念というか、もったいないなというふうに思ったのは、私がそのコーナーの前にいても、職人の方があんまり話しかけてこないんですね。こっちから聞けば、その工芸品について、すごくたくさん答えてくれるんですけれども、ああいった方々は、やっぱりアーティストですので、それをいかにビジネスにつなげていくのか、商機に具体的に変えていくのかという点については不得手な方も、もしかしたら多いのかもしれないというふうに、そのときに感じてまいりました。
 ですので、その工芸品のPR、そのよさを広報していくということについては、既にたくさんやっていただいているんだと思いますけれども、それを具体的な商売に結びつけていくというところについては、やはり、またちょっと違った難しさもあると思いますので、そういったところにまで踏み込んだサポートを行っていくことが、詳細にいえば、この伝統工芸品産業の振興において、最も伸びしろがある部分ではないのかというふうに思っております。
 当事業においては、具体的なビジネスチャンス創出のサポートを、ぜひもっと手厚く行っていただきたいというふうに思っておりますが、今後、支援をどのように進めていくべきと都は認識されておられるのか、伺いたいと思います。

○清水産業企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今年度、選定いたしました五つのモデル事業の価値や魅力を高め、東京ブランドを先導する事例としていくためには、それぞれの事業者の課題やニーズに応じた支援をきめ細かく行い、最終的には販売につなげていくことが重要でございます。
 そこで、デザインやブランディング、マーケティングの専門家による支援チームをモデル事業ごとに組成しまして、事業コンセプトの整理や製品のブラッシュアップ、連携先や販売先の紹介など、事業展開を三カ年にわたり支援してまいります。

○栗下委員 実際に、そのビジネスチャンスをつくるところまで強力に進めていっていただけるというご答弁でありました。
 実際に行政が引っ張っていって、そういったものを、具体的な商機をつくるということは、決して容易なことではないというふうに思っておりますが、今回は、やはりその五つの事業、モデル事業に選ばれたのは、ご答弁にもありましたとおり、江戸小紋、江戸切り子を初めとする、また多くの都民も知っている、東京を代表する文化的な価値のある事業でありますので、ぜひともこの三カ年計画の中で、オーダーメードの対応で、これから、その具体的な取引実績、とりわけ海外との取引実績というところまで結びつけていっていただけるよう、大いに期待をいたしております。
 また、ほかにも、都内産品の販売を促進するBuy TOKYOプロジェクト、この取り組みについても幾つか伺いたいと思います。
 こちらも、二〇二〇年東京大会の開催に向けて、これから重要性をさらに増してくる取り組みであろうというふうに思っておりますが、この事業については、都内産品の販売を行う企業に対しての販路開拓を支援をする助成事業であるというふうに伺っておりますが、今年度は具体的にどういった支援のニーズが多かったのか、伺いたいと思います。

○坂本商工部長 都は、Buy TOKYO推進プロジェクト事業におきまして、東京の歴史や文化に裏打ちされた生産品や都内中小企業の持つ独自の技術の力やデザインを取り入れた製品などの販路開拓を支援をしているところでございます。
 具体的には、都内産の農林水産物を初め、それを原材料とする食品や工業製品のほか、東京のものづくりの独自の技術力を用いた商品等の販路拡大に結びつく新たな取り組みを対象とした助成を行っているところでございます。
 初年度は、一千万円を上限に補助率は三分の二としてございまして、二年目は、六百万円を上限とし、補助率を二分の一で支援をしてございます。
 今年度は八つの案件を採択いたしまして、具体例といたしましては、江戸時代の家紋などをデザインした工芸品や、多摩産材を活用した高齢者向けの軽量な食器の販路開拓などを支援するとともに、二十八年度から助成を始めた十四件につきましても、東京産のワインの展示会出展の後押しなどを進めているところでございます。

○栗下委員 ご答弁の中で、食品や伝統工芸品の事例も出てきていましたけれども、先ほどの江戸東京きらりプロジェクトと若干重なるところもあるのかというふうに思います。
 こちらについては、基本的に、その企業等々が行う取り組みに対して補助を行っていく助成事業であるというふうにありましたけれども、それらの支援によってどういった成果があったのかということについても伺っておきたいと思います。

○坂本商工部長 Buy TOKYO推進プロジェクト事業での支援により、販路の拡大を目指す四件の商談が進んでございまして、海外向けに商品をPRする取り組みも行われているところでございます。
 これらを実施するに当たりまして、販売の進め方や輸出の方法に計画性を持たせるほか、店舗のイメージ向上やホームページの閲覧の回数をふやす仕組みの導入などを提案いたしまして、販路拡大に向けた取り組みの効果を高めているところでございます。

○栗下委員 実際に具体的な商談の種も出てきているということでありますけれども、そういったものが最終的にクロージングまで行って、実績につながるということを大いに期待いたしております。
 また、その海外に向けてという視点を、ここでも取り入れていただいているというのは大切なことだと思います。
 こういった助成事業については、別にこの取り組みだけに限ったことではないんですけれども、なかなかその効果測定が難しいと。PRを単純にやっただけでは、なかなか都民の理解を得られない、得ていくことが難しい時代に、望むと望まざるにかかわらず、今、突入してきているのかと思いますので、実際に、こういった商談ができたという、こういったものを生み出したという具体的な事例をつくっていくという視点についても、ぜひ今まで以上に大切にしていただきたいというふうに思っております。
 また、お伺いしますが、実際にこの事業を行ってきて、都内産品の販売促進をさらに強力に推進していくために、局としてどのような点について、さらに工夫をしていくべきと考えているのか見解をお伺いいたしたいと思います。

○坂本商工部長 二〇二〇年大会の開催に向けて、東京で生産されるすぐれた農林水産物や工業製品を国内外に幅広く発信できるよう、本事業の活用を促進することが必要でございます。
 そのため、事業内容を幅広く発信するための広報やPRの充実を図る工夫がより一層、重要な課題となってございます。

○栗下委員 この事業をもっと活用していただけるように、このBuy TOKYOプロジェクトの存在について知らしめていくということでありましたが、それもぜひやっていただきたい、このように思うんですが、これからオリンピック・パラリンピック開催をするに当たって、もろもろのイベントでありますとか、多くの方々が、都民、国民問わず、集まる機会がたくさんあります。
 また、世界中からアスリートの方々がこの東京にやってくると、そういうふうな機会をしっかりと捉えて、このBuy TOKYOプロジェクトや江戸東京きらりプロジェクトでサポートしているような、その企業の販売活動につなげるようなことができれば、これはまさにダイレクトに、また非常に大きな規模で、その販路拡大につながっていくと思いますので、局の垣根も当然あるんだろうというふうに思いますけれども、そういった契機をしっかりと捉えて、都内産品の販売のチャンスにつなげていっていただけるよう強く要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 さきの一般質問で、二〇二〇年東京大会への対応で、ビッグサイトが一部、展示場として活用できなくなるという問題について取り上げさせていただきましたが、そもそも、都内における展示会場は、この問題が起こる前からも慢性的に足りていないんじゃないかという声が非常に数多く聞かれております。
 局では、ビッグサイトと、そして東京国際フォーラムの運営についても携わっていただいておりますが、その稼働率についてお伺いしたいと思います。

○坂本商工部長 平成二十八年度における東京ビッグサイトの展示ホールの稼働率は七三・三%でございまして、東京国際フォーラムの主要の六ホールの稼働率は八二・〇%となってございます。

○栗下委員 ありがとうございます。いずれも七割を超えると。
 日本展示会協会さんというのはご存じだと思いますが、協会さんによれば、海外では、大きな展示会場が稼働率三〇%から四〇%になると、これは新たに展示会場をつくっていくんだと。
 彼らのホームページにも書いてありますが、なかなか東京においては、土地自体が非常に限られていますので、そういったことを海外と同じくやっていくということは簡単じゃないということは、これはわかってはいるんですけれども、ただやっぱり、実際にそういったところを使われる業者さんたちからのお話を聞くにしても、なかなか新しくやろうとしているイベントに使うことが難しいと。慢性的にリソースが逼迫をしているということについては、あるいはそうなんだろうというふうに思っております。
 都としても、既にそういった現状については、多分把握をいただいておりまして、東京ビッグサイトの拡張を初め、近年、展示会場の増設を複数予定いただいていると思います。
 現在決まっているものとしては、新たにどれだけの面積の確保が予定されているのか、お伺いをしたいと思います。

○坂本商工部長 東京ビッグサイトに新設をいたします南展示棟は、展示面積が二万平方メートルでございまして、竣工時期は平成三十一年六月を予定しているところでございます。
 臨海地域の東京テレポート駅の至近にある未利用地では、約二万三千平方メートルの仮設展示場を平成三十一年四月から翌年十一月まで設置をいたします。
 有明体操競技場については、大会終了後に改修を行うことを予定している展示場の展示面積は約一万平方メートルでございます。

○栗下委員 新たにこの三つのスペースの確保を現在予定いただいているということでありました。
 仮設も含めまして、足し上げると五万平方メートル、ビッグサイトの面積が、展示会場としての面積が九万六千平方メートルですので、これによって得られる面積というのは少なくはない、大きなものだというふうに思うんですが、それでもその展示会場全体のニーズに完全に応えられるかというと、絶対に安心ということではないのだろうというふうに思います。
 先ほど細田委員の質問の中でもございました、展示会場は産業振興の中で非常に大きな役割を担っていると。私も企業経営者の集まりに顔を出した際に、ビジネスチャンスをつくる上で、一体、最も重要な機会というのは何ですかというふうにお聞きをしたら、やっぱり展示会というお答えが多かったんですね。
 ですので、ぜひ、都内中小企業の振興を行っていく上で非常に重要な展示会、スペースの確保ということについても、そのニーズについて、今後もしっかりと精査をした上で、なお供給が足らないということであれば、そういったときには新設を、施設を新設していくことも検討をいとわないでいただきたいと。まだ、今、つくっている段階でありますので、まずはそこをしっかりと整備してということだと思いますけれども、そのように思っております。
 実際に展示会場で展示会に参加をされる方々にお話を聞くと、展示会場というのは、極端な話、屋根があって、最低限のインフラがあって、人が集まってくれば、立派なものじゃなくてもそれでいいんだと。むしろ、できるだけたくさんの機会、そういったところを開いてくれる方がありがたいんだといった声も聞かれました。
 工夫次第でコストを余りかけずに、こういった会場の整備ができるという工夫があるのだとすれば、選択肢も広がってくるのではないでしょうか。
 現在進行形で予定をされている、先ほどご答弁の中にもありました有明の体操競技場のオリンピックの後の展示場について改築をしていくということですが、これについても、その改築コストについては高いコスト意識を持っていただきたいと、このように思っております。
 有明体操競技場については、展示会場として、その後十年間使うという名目で、約二百億円を東京都から出す、都で捻出をすると、そういうふうになった経緯がありますので、今、建設をこれからするんですけれども、そういった中で、後々その改築の際に、できるだけコストがかからないような、そういった工夫についても、しっかりと提言を行っていくことが重要だというふうに思っておりますので、要望させていただきたいと思います。
 最後に、中小企業の海外進出支援について、簡潔に伺いたいと思います。
 さきの一般質問において、中小企業の海外進出支援をさらに手厚く行っていくべきという趣旨の質問をしましたが、既に、現在事業所のあるタイとインドネシア以外でも支援力の強化を行っていくべきということも述べてまいりました。その立場から、今年度新たに設けた現地の窓口の状況を確認しておくということは、重要だというふうに思います。
 インドネシアのサポートデスクの利用状況と今後の運用についてお伺いをいたします。

○坂本商工部長 ことしの六月十九日に中小企業振興公社では、インドネシアのジャカルタ市内に、都内中小企業の海外展開を支援するサポートデスクを設置いたしました。
 このサポートデスクでは、現地での取引に関する法律や商習慣のほか、生産や販売の拠点を設ける場合の雇用の方法に係る労務などの相談業務を行っているところでございます。
 開設当初からこれまでに、サポートデスクそのもののPRを行うとともに、三十一件の相談を受け付けてございます。
 具体的には、インドネシア市場向けの食品加工に関するビジネスを希望する都内の中小企業に対して、市場動向に関する情報提供や取引の可能性のある現地の企業の紹介を行うなど、利用者のニーズを適切に捉えた対応を行ってまいりました。
 今後とも、インドネシアのサポートデスクがタイ事務所や東京の本社と連携をしながら、都内中小企業の海外展開を着実にサポートしてまいります。

○栗下委員 ありがとうございます。まだスタートして間もないと思うんですが、既に幾つかの実績を上げていただいているんだというふうに思います。
 今後、ほかの国にも拠点ができると、それぞれの事業所と、そして東京の本社が相互に連携をする、それによって、さらにシナジー効果も期待できるというふうに思っております。
 今後も、さらなる拠点をふやすことも視野に入れて、都内中小企業の海外進出支援を強力に推進していただけるようお願いを申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時四十一分散会

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